2 :
登場人物紹介:2007/05/11(金) 19:02:37 ID:DuqRsJ5x
【ミカヤ】
見た目は一家最年少だが実は最年長で実年齢(ダキュンダキュン)歳な女の子w
占いで稼いでおり、一家の大黒柱。彼女を元ネタにしたアニメ「魔女っ娘? ミカリン」が好評放映中である。
【シグルド】
グランベル商社に働くサラリーマン。一家の大黒柱その2
普段は優しいがアルムとセリカがイチャつくの見た途端、ティルフィングを振り回す狂暴な男になる。
【エリンシア】
料理に洗濯に裁縫、剣術に乗馬等と一家で最も家庭的な女性。
だが一度怒らせると「ぶっ飛ばして差し上げますわ」と言う声とともにぶっ飛ばされる。
【アイク】
グレイル工務店で働く男。一家最強だが恋には鈍感朴念仁でフラグクラッシャー。
とにかく型破りで仕事なのか修行なのか、よく危険な地に行く。
【エリウッド】
一家で最も常識的で家計簿等は彼が付けている。
病弱なせいか、他の兄弟の傍迷惑な行為を見る度に胃を痛める毎日が続いている。
3 :
登場人物紹介:2007/05/11(金) 19:03:27 ID:DuqRsJ5x
【エフラム】
質実剛健、自他共に厳しいはずなのだが妹にはとことん弱い、甘い。
ご近所さんのミルラちゃんからはお兄ちゃんと呼ばれロリコン疑惑もかけられている。
【エイリーク】
ルネス女学院の華。高貴、気品さにおいて兄弟と一線違った世界にいる事も。
色々な男性にアタックされて戸惑うお年頃のようである。
【マルス】
女性の交友関係は広いが意外とシーダ一筋な一面も、権謀術数に長ける。
何か面倒事があると裏で関わっていることが多く、兄弟の中では黒さも持ち合わせている。
【セリス】
笑顔が良く似合い少々天然ながらそれを補い余る程の器の大きさを持っている。
女装をするとディアドラそっくりになるのは仕様である。
5 :
登場人物紹介:2007/05/12(土) 00:16:45 ID:QaMiM8la
>>1乙
残りの兄弟の紹介文も前スレに出てたんで貼っとくよ。
【ロイ】
末っ子的ポジションの少年。
個性が強すぎる兄弟の中では、数少ない常識人。
姉達を手伝ったり、エリウッドに胃薬を買ってきたりするなど、優しくていい子である。
【リーフ】
兄弟間において貴重なネガティブな性格、しかし女性の交友関係は多種である(幼馴染、ツンデレ、不思議ちゃん)
地味で尚且つ貧乏くじ(とばっちり)をひくのが彼専用の神器かもしれない。
【アルム】
至って自分に正直な青少年だがセリカラブ。
それ故にセリカと一緒にいる事が多く、兄弟が認める近親相姦(相思相愛)な状態。
いちゃいちゃオーラをシグルドに見つかるとティルフィングが飛んでくるのもお約束である。
【セリカ】
既にアルムとカップリング成立な赤毛の女の子。
兄弟の中では普通の子…なのだが怒らせると毒舌家になり、その破壊力は抜群である。
【ヘクトル】
性格は豪胆、口が悪い所もあるが友情を大切にし不器用ながらも優しさも兼ね備えている。
エフラムと日々精進をして器を大きくしているようである。
【リン】
性格は大らかで一言で言えば肝っ玉母さん、でも女性人では末っ子というアンバランスな立ち居地でマルスからからかわれる事もしばしば。
本人気にしているフシがある様で鉄拳が飛んで来ることも……
【ミカヤ】に足してほしい
ちなみに体の中には長女アスタルテューヌ、次女アスタルテ、三女ユンヌの三姉妹が住んでいて
とりおり大家であるミカヤの体を借りて出現する
×アスタルテューヌ
○アスタテューヌ
でいいよね?
彼女等も立派な家族の一員だと思う
「既存の設定はこんな感じですが、絶対に従う必要はありません。
歴代FE主人公が兄弟でさえあれば、他の設定はどんなんでもOK!
他人の設定に乗っかるもよし、自分独自の設定を作るもよし!
自分に都合のいい設定だけ一緒にするのもありだよ!」
一番大事なのを忘れてた
9 :
助けて!名無しさん!:2007/05/12(土) 20:38:35 ID:dfsMrtLQ
>>8せめて年齢の序列ははっきりしといたほうがいいかも。ミカヤ>シグルド>エリンシア.アイク>
……末っ子ロイぐらいは
前スレにあった大体の基となった年齢考察
ミカヤ 占い師
シグルド 会社員(係長ぐらいの地位)
エリンシア 大学生(3、4年?)
アイク 武者修行中(プー)
エリウッド 高三
ヘクトル 高三
エフラム 高三
エイリーク 高三
リン 高ニ
マルス 高一
リーフ 高一
アルム 中三
セリカ 中三
セリス 中二
ロイ 中一
アイクはグレイル工務店の設定がまだなかったからプーになってる。
まぁ大まかにこんな感じでいいかと
>>10これ見るとこの家庭は多妻せいd…なんでもない
Vol.1 『おねいちゃんのおひざ』
エリンシア 「あ、ロイちゃん」
ロイ 「なに、エリンシア姉さん? お使いかなにか?」
エリンシア 「ううん、そうじゃなくて……ちょっと、こっちへいらっしゃい」
ロイ 「? いいけど、一体なに……うわっ、ちょ、何するの姉さん!」
エリンシアはソファーに座りながら、ロイを無理矢理自分の膝の上に抱きかかえた。
男とは言えまだまだ子供と言っていい年頃、その上平均的な体格よりも多少背が低く華奢なロイは、
少々窮屈ながらも姉の両手の中に収まってしまう。
エリンシア 「ふふ……やっぱり、昔よりずっと重くなったわね、ロイちゃん」
ロイ 「あ、当たり前だよ……僕もう中学生だよ? は、離してよ」
エリンシア 「どうしてそんなに嫌がるの? 昔はセリスちゃんと一緒に私のお膝を取り合いっこしてたのに」
ロイ 「それは、今よりずっと子供の頃の話だよ」
エリンシア 「じゃあ、もう姉さんのお膝の上は嫌い?」
ロイ 「べ、別に嫌いって訳じゃ……」
エリンシア 「それじゃ、もう少しこのままで、ね?」
ロイ 「うー……わ、分かったよ……」
エリンシア 「……」
ロイ (……は、恥ずかしいなあ。エリンシア姉さんはまだ僕のことちっちゃい子供だとでも思ってるのかな?
あああ、こんなところマルス兄さんやヘクトル兄さんに見つかりでもしたら、後々までからかわれて……)
エリンシア 「……ロイちゃんは、やっぱり男の子ね。昔と同じで、お日様の匂いがするもの」
ロイ 「……それは、僕がまだ子供っぽいってこと?」
エリンシア 「ううん。そういうことじゃないのよ。ただ、ね……」
ロイ 「わっ、ど、どうしたのエリンシア姉さん、急に泣きだりして」
エリンシア 「……ふふ、ごめんなさいね、嬉しかったものだから、ついね」
ロイ 「嬉しいって……何が?」
エリンシア 「あんなに小さかったロイちゃんが、こんなに大きく、元気に……それに、優しい男の子に育ってくれて」
ロイ 「……」
エリンシア 「でも、そうね。ロイちゃんももう小さな子供じゃないんだもの。
もうすぐ、本当に私のお膝の上から離れていってしまうのね」
ロイ 「……やっぱり、そういうのって寂しい?」
エリンシア 「……とても嬉しいのだけど、ほんの少しだけ寂しい……そんな、我が侭な気分。
でも、それでいいの。ロイちゃんは男の子だもの。
いつまでも姉さんのお膝の上では、物足りなくて我慢できなくなるのが自然なのよ。
私にはロイちゃんをずっと縛りつけておく権利なんてないし、そうするつもりもないわ」
ロイ 「……でも、多分、忘れないと思うな」
エリンシア 「……? 何を?」
ロイ 「だって、ここはこんなに暖かくて、居心地がいい場所なんだもの。
僕はもうすぐ姉さんの膝の上にはいられないぐらいに、大きくなってしまうかもしれないけど……
この暖かさをくれたエリンシア姉さんのことは、絶対に忘れないよ。
どんなに遠くに行っても、きっとこの暖かさを覚えていて、いつかは帰ってくると思う」
エリンシア 「ロイちゃん……」
ロイ 「……ははは、何言ってるんだろ、僕。我ながら恥ずかしいな……」
エリンシア 「……」
ロイ 「わぁっ、な、泣かないでよ姉さん。大袈裟すぎてこっちが恥ずかしくなるよ」
エリンシア 「うふふ……やっぱりロイちゃんはロイちゃんね。いくつ歳を取っても変わりない、とっても優しい男の子」
ロイ 「……あ、あの、姉さん。この姿勢でそんなに頭を撫で回されるのはさすがに……」
エリンシア 「だって、ロイちゃんをお膝の上に乗せられるのは後少しだもの。
今の内にたくさん可愛がって、もっと私のこと覚えていてもらわなくてはね」
ロイ 「だ、だからって……ちょ、止めてってば姉さん!」
ミカヤ 「……くぅ、エリンシアったら、なかなか素敵なおねいちゃんぶりだわ。
これは長女としてわたしも負けていられないわね……」
??? 「ただいま」
ミカヤ 「あ、いいところに……ちょっと、こっちへいらっしゃい」
〜三十分後〜
ミカヤ 「……ぐぅっ……!」
アイク 「……」
ロイ 「うわぁ、アイク兄さんを膝の上に乗せたミカヤ姉さんがヤバ気な顔色になっているーっ!?」
リーフ 「この人でなしーっ! っていうか、何やってんのアイク兄さん!?」
アイク 「いや……膝の上に乗れと言われたから、そうしているんだが……」
ミカヤ 「……ふ、ふふふ……こ、これでわたしも素敵なおねいちゃん……!」
ロイ 「何言ってんのーっ!?」
リーフ 「ミカヤ姉さんの顔色がレッドゾーンを突破して危険すぎる土気色に!」
ロイ 「アイク兄さんも少しは疑問に思ってよこの体勢!」
アイク 「いや……てっきり、そういう訓練なのかと思ったんだが。違うのか?」
リーフ 「んな訳あるかーっ!」
ミカヤ 「……あ、アイクは、もうわたしのお膝の上には収まらない男なのね……」
ロイ 「見れば分かるでしょうがそんなこと!」
リーフ 「あああ、ミカヤ姉さんの目玉がじょじょにひっくり返っていく……!」
ロイ 「あ、アイク兄さん、降りて降りて!」
アイク 「……しかし、『わたしがいいと言うまで降りちゃ駄目よ』と言われていてな」
ミカヤ 「……」
リーフ 「いや、もう既に何か言える状態じゃないってば!」
アイク 「だが、自らの意思で自分の限界に挑んでいる人間を止めることは、俺には出来ん。礼儀に反するからな」
ロイ 「礼儀とかそういう問題じゃないから! うわぁ、潰れる、潰れるぅーっ!」
<おしまい>
アイク・・・おまいってヤツは(;_;)
便乗するの、ネタが浮かんだので
エフラム 「ん?どうした」
ミルラ 「あれ・・・気持ちよさそうです」
エフラム 「・・・・・・・ミルラがそう見れるのならそうなんだろうな」
あれ・・・即ち
仏彫面なアイクと白眼になって魂が口から飛び出してそうなミカヤである。
一筋の汗を流しながらも平静を保つエフラム。
ミルラの言いたい事は上目遣いの視線で理解できて・・・
エフラム 「ん、膝枕だろ。俺の膝では寝心地がそう良いとは思わんが」
ミルラ 「ありがとうです・・・お兄ちゃん」
エフラム 「寝ても構わないが仮眠程度にだぞ、家に帰らないといかないしな」
マルス 「そのうち一緒にお風呂とか一緒のベットでお休みとかなりそうだ」
セリス 「流石のエフラム兄さんもそこまで行かないと思う」
ヘクトル 「ま、そういう恋仲じゃないだろ、あの二人は・・・・ぁー、こっちは確定だが」
ヘクトル曰くのこっち・・・即ち
アルム 「セリカ、今日も一緒にお風呂入ろう」
セリカ 「えぇ、そうしましょう」
シグルド 「ははは、二人とも残念だったな。お風呂場が何故か半壊で今日は銭湯だ!」
リン 「ちょっ・・・浴槽に穴が空いてるわよ!」
エリウッド 「あぁ・・・修繕費が、胃・・・・・胃薬を」
エイリーク 「アイク兄さんなら直せると思いますけど。あんな状態ですしね、はい・・・胃薬とお水」
毎日賑やかそうだな、この一家。
エリウッドの胃に穴が空く日もそう遠くなさそうだ
ボーレ 「らっしゃいらっしゃい!今日の晩御飯にお豆腐一品追加で如何すか〜」
エイリーク 「ボーレさん、お豆腐三丁頂けますか?」
ボーレ 「ぉ、アイクの妹だったな、エイリークちゃんだな。そっちの子は初見だ、兄弟増えたのかい?」
ミルラ 「・・・・・・・」
エイリーク 「ぁ、いえ。近所に住んでるミルラちゃんっていうんですよ。おつかいを見てみたいと言うので連れてきたのですけど」
ミルラ 「お豆腐が沢山沈んでます・・・凄いです」
エイリーク 「ふふっ、確かに普通の豆腐しか知らない人には新鮮でしょうね」
ボーレ 「ウチはパックに詰めてなんてしてないからなぁ、昔ながらの切ってボールに入れる豆腐屋よ!はい、お待ち!ミルラちゃんは豆腐好きかい?」
ミルラ 「はい・・・・・お味噌汁の中で・・・一番美味しいです。ふるふるしてて可愛いです」
ボーレ 「ぉ!一番とは嬉しい事言ってくれるじゃないの。よっしゃ、更に美味しい豆腐を食べさせてやる。持っていきな!」
ミルラ 「あの・・・お金・・・・・」
ボーレ 「いいのいいの。子供はそういうの気にしなくて、食べた後の感想を聞かせてくれれば充分だ」
エイリーク 「良かったですね♪どうもありがとうございます、ボーレさん」
ミルラ 「はい・・・嬉しいです・・・・・ありがとうです」
豆腐屋ボーレ、なんつーか気さくな商売人という想像が浮かんだ
世話人のサレフの職業が放浪する画家とか似合いそうだな〜と勝手にイメージ・・・そのせいで兄弟家に遊びにくる事も自然に見える
嬉しい事言ってくれるじゃないのに吹いたwwwww
ケンプフ「くそっキャリア組の俺がどうしてこんなつまらん巡回など……。同期のラインハルトは栄進してるというのに……んっ?おいそこの白バイク、止まれ」
ミカヤ「なんてったってアイドル♪私はミカリン♪YOU ARE AN OTOME!」
ケンプフ「うわわわわっ!!……とっ止まれと言っただろうが!挽き殺す気か!」
ミカヤ「あらお巡りさん。すみません、聞こえませんでした」
ケンプフ「お前の目ん玉は飾りか!危険な奴だな……ほらっ免許証出せ」
ミカヤ「どっきーん」
ケンプフ「うん?どうした」
ミカヤ「…………」
ケンプフ「ははーん。お前さては無免だな?最近多いんだよなあ、盗んだバイクで走り出す15歳」
ミカヤ「いやだ、15歳だなんて(///)」
ケンプフ「何照れてんだよ」
ミカヤ「ねぇお巡りさん、私本当に15歳に見えます?」
ケンプフ「はあ?よく知らんがどう見たってティーンエイジャーだろ」
ミカヤ「もう、お上手ね!お巡りさん渋カッコイイ!」
ケンプフ「ふっふっふっ本当の事言われても嬉しくないな」
ミカヤ「お巡りさん世界一!じゃあさよなら」
ケンプフ「こら待て」
ミカヤ「やだ!何するんですか!」
ケンプフ「補導してやる」
ミカヤ「私18歳です。免許も持ってます」
ケンプフ「じゃあ早く見せろ」
ミカヤ「拒否権を行使します」
ケンプフ「ねーよ馬鹿!おいおい天下の国家公務員に逆らう気か?逮捕しちゃうぞ〜」
ミカヤ「チッ……下っ端が偉そうに。ってあぁ……!」
ケンプフ「生免許証ゲ〜ット。なんだ、ちゃんと持ってるじゃないですか」
ミカヤ「こんな奴に……くやしいっ……!」
ケンプフ「ふふん、ごまめの歯軋りが心地良いな。どれどれ…………!!?おっお前…(ピー!)歳だったのか!?何が18だよサバ読みすぎだろ!」
ミカヤ「やめてえええええ!!」
ケンプフ「げふっ……!お前…俺に腹パンチを……ただですむと……公務執行妨が…………」
ミカヤ「気を失った……?やべーよやべー今のうち逃げよ」
リーフ「見てよ兄さん警官が倒れてるよ」
マルス「チャンスだ!警察手帳を頂戴しよう!」
リーフ「どうせなら身ぐるみ剥ごうよ。モノホンの制服やグッズはマニアに高額で売れるよ」
マルス「さすが追剥のエキスパートですなあwwwwww」
リーフ「道端で昼寝するのが悪いんだよ。ここトラキア地区はFEのヨハネスなんだから」
クリムゾンwwwwwwwwwwwwwwww
Vol.2 ミカヤ、がんばる
ロイ 「うーん、困ったなあ」
ミカヤ 「あらロイ、どうしたの」
ロイ 「あ、ミカヤ姉さん」
ミカヤ 「何か困っているのなら、相談に乗るわよ」
ロイ 「え、でも……今電話したらリリーナがいなかったから、エリンシア姉さんかエイリーク姉さんに聞こうかと……」
ミカヤ 「まあ。わたしがエリンシアやエイリークより頼りにならないって言うの?」
ロイ 「いや、そういう訳じゃないけど」
ミカヤ 「大丈夫よ。わたしこれでも一家最年長、長女なんですからね。弟の悩みも聞けないで、お姉ちゃんは務まらないのよ」
ロイ 「うーん……」
ミカヤ 「そういう訳で、安心してミカヤお姉ちゃんに相談しなさい。そう、大船に乗ったつもりでね!」
ロイ 「……じゃ、聞くけど」
ミカヤ 「うんうん」
ロイ 「(ぴらっと問題集を出して)実は、数学のこの問題が分からな」
ミカヤ 「ロイ」
ロイ 「え?」
ミカヤ 「タイタニック号って知ってる?」
ロイ 「あの映画の?」
ミカヤ 「そう……1912年当時、『不沈船』とまで言われた、極限まで安全設計を施した豪華客船……
でも、その末路は知っているわね?」
ロイ 「確か、氷山にぶつかって沈んだんだよね」
ミカヤ 「そう。つまり、どんな大船に乗っていても、常に沈没の危険性を考えていなければならないということね」
ロイ 「はあ」
ミカヤ 「ロイ。ミカヤお姉ちゃんという大船は沈んでしまったわ。これからはあなた自らの手足で大海を泳いでいくのよ」
ロイ 「……つまり、分からないってこ」
ミカヤ 「イヤァァァァァァァァァッ!」
ロイ 「うわ、ちょ、ミカヤ姉さん、逃げないで!」
ミカヤ 「ごめんねロイ、xとか見るとジンマシンが出るような、馬鹿なお姉ちゃんでごめんね!
お姉ちゃん低学歴だから! 格差社会の犠牲者だから!」
ロイ 「いや、別にそこまで……あー、部屋に閉じこもっちゃった……」
ミカヤ 「しくしく……」
ロイ 「(ドンドン!)ねえさーん、出てきてよーっ!」
ミカヤ 「駄目よ! 姉さん情けなくてロイに会わせる顔がないわ! わたしの数学は分数の計算で終わっているのよ!」
ロイ 「いや、それ算数だよミカヤ姉さん」
ミカヤ 「うわーん!」
ロイ 「ああ、困ったなあ……」
エイリーク「どうしたのですか、ロイ。姉上が何か……」
ロイ 「ああ、エイリーク姉さん。実は……」
エイリーク「……そういうことですか。(コンコン)姉上、ミカヤ姉上?」
ミカヤ 「……なあにエイリーク。ああ、姉上なんて立派な呼ばれ方は私に相応しくないわ。
『このクズ!』『負け犬!』『底辺!』とでも罵ってくれればいいのよ……」
エイリーク「そんなことはありません。姉上が満足に学校に通えなかったのは、
幼い私たちの生活のために働かなくてはならなかったからではないですか」
ミカヤ 「そんなの言い訳よ。偉い人たちの中には働きながら勉強した人だって何人もいるのよ?」
エイリーク「ですが、その人たちが皆幼い兄弟を抱えていたという訳ではないと思います。
いえ、そもそもそんなことは問題ではありません。他人よりも高いとか低いとか、
そんなことには関係なく、姉上はとても立派な人だと、私は思います」
ロイ 「そうだよ。ミカヤ姉さん、今だって僕たちのために毎日路上で占いしてるし」
ミカヤ 「でもシグルドに比べると大した稼ぎでもないし……」
エイリーク「それは、『困っている人たちからたくさんのお金は取れない』という姉上の信条故ではありませんか」
ロイ 「そうそう。それに、『お金は必要以上に持ちすぎると、心が貧しくなる』っていうのも、僕、立派な考え方だと思うな。
そういうのって凄く大切なことだと思うけど、学校じゃ教えてくれないもの」
エイリーク「そうです。私も……いえ、他の皆も、ミカヤ姉上やシグルド兄上のおかげで学校にも通わせていただいておりますが、
かと言って自分が姉上や兄上以上に立派な人間だと思ったことはありません」
ロイ 「うん。僕も。自分がこれからどんなに勉強したって、二人みたいに立派にはなれないと思うな」
そこまで言って、二人は反応を待つ。少しの間を置いて扉がガチャリと開き、目を潤ませたミカヤが顔を覗かせた。
ミカヤ 「……本当にそう思う?」
ロイ 「思う思う」
エイリーク「もちろんです」
ミカヤ 「……そうかしら。わたし、ちゃんとしたお姉ちゃんかしら」
ロイ 「いちいち確認するまでもなく、ミカヤ姉さんは立派な姉さんだよ」
ミカヤ 「ううぅー……ありがとう、二人とも」
エイリーク「お礼を言うのは私達の方です」
ロイ 「そうだね。いつもありがとう、ミカヤ姉さん」
ミカヤ 「ずずーっ……なんていい子たちなのかしら二人とも! お姉ちゃん感動で涙がちょちょ切れそう!」
ロイ 「あー、とりあえず鼻かんだ方がいいと思うな、姉さん」
ミカヤ 「そうよね、わたしだって一家の財政の一端を担っているんだもの、学校の勉強なんて出来なくても、立派なお姉ちゃんよね!」
ロイ 「ははは……立ち直るの早いねミカヤ姉さん」
エイリーク「ふふ、いいじゃないですか。姉上が立派な人なのは本当ですもの」
ロイ 「まあ、ね。正直言うといつも微妙に空回りしてて心配になるんだけど……」
ミカヤ 「という訳で、何か困ったことがあったらいつでもお姉ちゃんに相談しなさい、二人とも!
何でも引き受けるわよ、勉強以外なら!」
ロイ 「ハハハ……それはまあ、次の機会に……」
ミカヤ 「そう? 残念ね……でも、確かに心配ないわよね皆は。わたしと違ってちゃんと学校に通ってるんだし」
ロイ 「んー、まあ、多分ね」
ミカヤ 「皆少なくとも歳相応の学力は備えているはずよね、うん」
そんなことを話しながら居間に行くと、難しい顔を突き合わせている男が三人。
アイク 「……」
エフラム 「……悩むな」
ヘクトル 「……どーすんだったかなあ……」
ミカヤ 「どうしたの、そんなに難しい顔しちゃって」
アイク 「実は、エフラムが竜王家から帰ってきたんだが……」
エフラム 「ミルラに学校の宿題のことを聞かれて、答えられなくてな」
ヘクトル 「手ごわいぜ全く!」
ミカヤ 「……え、ちょっと待って? ミルラちゃんって小学生よね?」
エフラム 「ああ。だから宿題っていうのもこの分数の計算なんだが……」
ミカヤ 「……分数?」
ロイ 「……なんか、凄く嫌な予感が……」
アイク 「4/6+4/5……さて」
エフラム 「確か、両方足すんじゃなかったか? 答えは8/11だな」
ヘクトル 「いや。なんかそれ違う気がするぜ。上だけ足すんじゃなかったか?」
エフラム 「なら下はどうするんだ」
アイク 「……そうか。上は足して、下は大きい数が残るんだな」
エフラム 「なるほど、強い方が勝つという訳か」
ヘクトル 「じゃあ下は6が勝って、答えは8/6か。さすが兄貴、頭いいな!」
アイク 「任せておけ」
ミカヤ 「……」
ロイ 「(どんどん!)ねえさーん、出てきてよーっ!」
ミカヤ 「ゴメンね、役立たずなお姉ちゃんでゴメンね!」
ロイ 「違うから! 兄さん達がちょっとアレなのはミカヤ姉さんのせいじゃないから!」
アイク 「違ったみたいだな……」
エフラム 「下だけじゃなくて上も戦わせるんじゃないのか?」
ヘクトル 「じゃあこの場合は4と4で……おい、引き分けのときはどうするんだ?」
アイク 「相討ちになって0だろう」
エフラム 「なるほど」
ヘクトル 「さすが兄貴、頭いいな!」
アイク 「任せておけ」
ミカヤ 「うわーん!」
エイリーク「……皆さん、お願いですから少しは真面目に授業を受けてください……」
ロイ 「もうそういう次元の話じゃないと思うよ、エイリーク姉さん……アイク兄さんもう学生じゃないし」
<おしまい>
ちょw幾ら何でも馬鹿すぎるだろこいつらwww
まぁゲーム本編でも
ヘクトル→居眠り
エフラム→抜け出し
だけどな。
アイクは勉強苦手っていう描写は一切無いからさっぱりだが。
とはいえ、頭良いかって言われると微妙だけど。
本人は勉強よか剣の腕を磨いていたいお年頃なんじゃね?>アイク
アイクはグレイルが生きていた頃には、それなりにやらされてそうだが
蒼炎以後の頭脳労働はセネリオやティアマトさんあたりに丸投げしてそうな印象w
ミカヤってリーフの次にネガティブなキャラが合うなw
ってわけでネタ投下
朝、ミカヤの部屋
サザ「ミカヤ起きてるか?そろそろ朝食ができるそうだ。」
ミカヤ「!…大変。」
サザ「どうしたミカヤ?」
ミカヤ「兄弟の今日の運勢を占ってたんだけどリーフに災難が降りかかるみたいなの。」
サザ「(それはいつものことじゃ……)どんな災難だ?」
ミカヤ「さあ、そこまでは……」
サザ「くわしくは分からないか……」
ミカヤ「面目ない。」
サザ「いや、ミカヤに分からないんじゃ誰にも分からないだろう。
とりあえず本人に注意を促した方が良いんじゃないか?」
ミカヤ「ええ、そうするわ。ありがとうサザ。」
朝食時
エリンシア「さあ皆さん、ご飯ができましたよ。」
リーフ「僕もうお腹ぺこぺこだよ。」シグルドの隣に座ろうとするリーフ。
ミカヤ「ああ、リーフそういえb ヘクトル「リーフこっち座れ。」
リーフ「え?別にいいけどなんで?」
ヘクトル「いいから。」
ミカヤ「……」
シグルド「それでは皆一緒に、いただきます。」
皆「いたただきます。」
セリカ「はい、アルム。あ〜んして。」
アルム「あ〜ん。」
シグルド「お前達…いきなりとは…いい度胸だ!!」ティルフィング振り回す
ロイ「あ、リーフ兄さん危ない!」
リーフ「!!」ぎりぎり回避
シグルド「なんと…」
ロイ「すごい!リーフ兄さんが避けた!」
マルス「今日は雨が降りそうだね。」
リーフ「もしさっき座ろうとした席にいたら間違いなく切られてたよ…ヘクトル兄さんありがとう。
でも、まるでこうなることがわかってたみたいだね。なんで?」
ヘクトル「いや、今朝兄貴がティルフィング振り回して隣に座ってたリーフが切られるって
夢見てな……本当になるわけねえと思ったが一応な。」
エリウッド「ヘクトルの夢は結構正夢になるんだよ。」
リン「予知夢ってやつ?」
セリス「そこまで正確にあたるなんて…ヘクトル兄さん占い師になれちゃうんじゃない?」
ヘクトル「やめてくれ。柄じゃねえよ。」
ミカヤ「………ごちそうさま。」
エリンシア「あら?お姉さまどこかお体の具合でも?」
ミカヤ「うわーん!」
エリンシア「お姉さま!?」
サザ「ミカヤ…(´・ω・`)」
26 :
晩御飯の人:2007/05/13(日) 23:17:58 ID:rToW8mMH
GJ! そういやヘクトルも予知夢見てたなあ。
……というか、むしろこの場合責められるべきは
ティルフィングなんか振り回すシグルドの方じゃないんだろうか。
個人的には
リーフ=自虐癖 ミカヤ=被害妄想な感じ。
>>16 普通に和んでたのにお前のせいでギャグにしか見えなくなったじゃないかwww
28 :
第二日曜綺想曲:2007/05/13(日) 23:32:08 ID:PUubFWPK
ミカヤ「ローイ、最近学校どう?」
ロイ「…………(プイッ)」
ミカヤ「……何アレ。もしかして無視された?……あっセリス、聞いてねロイったら私を無視し……」
セリス「…………(スタスタ)」
ミカヤ「……なっ何なの、二人揃って反抗期?それとも中2病かしら」
エイリーク「姉上?どうなさったのです」
ミカヤ「男の子ってよくわからないわ。良い子の筈のセリスとロイが……」
エイリーク「そうですか。いつから口をきかないのですか?」
ミカヤ「昨日は何とも無かったけど……。ハッもしかしてセリスのプリンこっそり食べたのがバレた?ロイのゲームのセーブデータ消してしまったのが、いやそれとも……」
エイリーク「ずっ随分とやらかしてるようですね」
ミカヤ「だからってね、年長者である私を華麗にスルーするとはいい度胸じゃない。ふーんだ、孝悌の心を忘れた二人とはもう口きかない」
エイリーク「(^_^;)」
その日の夜
ミカヤ「……どうしたの今日の御飯はやたら豪勢じゃない」
エリンシア「本当に……」
ヘクトル「へっへっーん俺達頑張ったんだぜ」
リーフ「うん大変だったよ。なんせ量が量の上に料理に不馴れな人のが多かったし」
エフラム「包丁で動脈までざっくりやってしまった時はどうしようかと思った」
リン「それであんた料理できたの?」
エフラム「いや、その後ずっと座ってた」
リン「何その役立たず」
マルス「そうなんだよね。エフラムは台所を血まみれにしただけ。困ったよ」
リーフ「マルス兄さんの暴走にも困ったけどね」
エイリーク「それでこのディナーは一体……」
シグルド「お前達……私を労る為にこんなご馳走を……!くぅ〜兄さん感激!!」
アイク「うむ、うまそうだ」
エリウッド「いやあのですね、今日は母の日って事でメインはミカヤ姉さんとエリンシア姉さんなんだ」
シグルド「ええ〜!?」
アイク「おっ…俺達は食えないのか?」
リーフ(アイク兄さんが動揺してる!)
エリウッド「いや皆で食べるけど、あくまで母の日って事で」
アイク「じゃあ食えるんだな」
リーフ「兄さん爽やかな顔に」
ヘクトル「母親いねーけど家事全般こなしてる姉貴らが代わりみたいなもんだ」
エリウッド「姉さん達がメインだけど同じく家事する女性陣も労りを込めて」
リン「やっるー男衆!」
マルス「リン……女性…?」
リン「てめええええっ!!」
29 :
第二日曜綺想曲:2007/05/13(日) 23:34:44 ID:PUubFWPK
エリンシア「あらいやだ、何だか涙が出て……」
ミカヤ「すっ凄いけど、別にそこまで感激してないからねっ!ななな何よマルスニヤニヤして!」
リーフ「わかりやすいなあ」
セリス「姉さんいつもありがとう。これ僕とロイで作ったんだ」
エリンシア「まあ美味しそうなケーキ」
ミカヤ「………!」
ロイ「昼間は無視してごめんなさい。バレないように必死だったんだ」
ミカヤ「ううん、お姉ちゃんこそ誤解して勝手にすねたりしてごめんね」
セリス「姉さん気にしないで」
ミカヤ「セリスがラナオウ等から貰ったラブレターこっそり見たり、ロイの邪気眼丸出しのノート見てごめんね」
セリス「えええ!?そんな事したの!?」
ロイ「僕の自作小説見たのかよぉっ!!」
ミカヤ「近所のショタっ子にうつつを抜かしたり、サザきゅんカワユイ〜ペ様素敵〜なんて事少し控えて姉として母として振る舞うわ!」
ヘクトル「やめねーのかよ」
エイリーク「そういえば近頃少年が謎の女に狙われてるという注意が回覧板に」
エリウッド「ねっ姉さん……うっ持病のアレが……」
マルス「はっちゃけたなあ」
アイク「まだ食えないのか?」
シグルド「そ、そうだなアイクの言う通り食べよう。冷めてしまう。いただきます」
アイク「まずは肉からだ」
シグルド「おいおい、まずはオードブルから食べるべきだろう」
アイク「関係無い」
シグルド「兄として言うぞ、お前はマナーがなってない」
アイク「味わったもんがちだ」
シグルド「お前は……」
セリス「まあまあこんな日にいさかいはよそうよ。ところで味の方はどう?」
リン「……なにこれ」
エフラム「このスープ、野菜が固い、しょっぱい、美味しくないの三重苦だ。駄目だな、やはりエイリークのやつが一番だ」
ヘクトル「お前が言うな」
リーフ「僕が作ったスープ……まずい。おかしいなフィンのメモ通りに調理したのに」
エリンシア「一生懸命作ったのでしょう?それが大切ですよ。ありがとうリーフ」
マルス「でもまずいね」
リーフ「…………」
シグルド「前菜はなかなかだぞ」
エリウッド「僕が担当でヘルシーにしたんだ」
エフラム「しかし葉っぱ即ちリーフばかりだな」
リーフ「食べ物の葉っぱをリーフって言うな!」
エイリーク「お肉料理は誰が?」
ヘクトル「俺だ」
シグルド「なんというか……豪快だな」
30 :
第二日曜綺想曲:2007/05/13(日) 23:37:27 ID:PUubFWPK
エフラム「ミディアム焼きか」
ヘクトル「ああこれが一番だろ」
アイク「肉は生がいいな」
ヘクトル「それ危ねーよ!」
エリウッド「肉汁出すぎ……胸焼けする……」
アイク「無理をするな、食ってやろうか?」
リーフ「兄さん躍動しすぎ」
リン「ヘクトルが担当だからどうかと思ったけどなかなかイケるわね」
ミカヤ「本当ね」
マルス「まあ程々に焼いてペッパーまぶすだけだしぃ」
ヘクトル「ほー、じゃあマルスのチーズ料理頂こうか」
ロイ(マルス兄さんの料理…嫌な予感するんだよなあ)
マルス「大家族だからチーズフォンデュにしたよ」
アイク「むっ鍋料理か?」
マルス「はいっと、フランスパンつっこんで絡めとって召し上がれ」
アイク「では早速。うむいける」
ミカヤ「おいしい……!やだ、唾液が止まらない……」
マルス「ちょwwwwそれTAWARAwwwwww」
リーフ「くそぉ……マズイの僕のだけかorz」
ヘクトル「……確かにうまいけどよ、何かアルコール強すぎね?」
マルス「そりゃあそうさ、白ワイン半分使ったし」
ヘクトル「常識的に考えてそれはねーよ!」
ミカヤ「あるある」
シグルド「ちょっと待て、それ私がバイロン専務から特別に貰った年代物のワインでは」
マルス「いやあ知りませんでした」
シグルド「ああああああ!!お前っ!空っぽ!残り半分どうした!?」
エフラム「すまない、俺とマルスで平らげた」
シグルド「このっ…無為徒食共っ…!酷い酷すぎる……!一瞬にして奪ってしまった……!サラリーマンの、ささやかな楽しみをっ……!」
マルス「ところがどっこい……。僕達は学生……。ニートではない……」
アイク「何やってるんだ。早くしないと無くなるぞ」
エイリーク「アイク兄上は本当によく食べますね……」
セリス「駄目だ酒が強すぎて僕には無理だ」
エリンシア「未成年は食べない方がいいわ」
ロイ「ああーなんかグラグラする」
リン「やだあロイったら顔真っ赤!」
リーフ「リン姉さんもだよー」
マルス「家の兄弟酒入ると異常にハイテンションになるなー」
エリウッド「胃腸悪くて食べられない僕は運がいいのか悪いのか」
アイク「お前らがモタモタしてたから全て食ってしまった」
ヘクトル「くっ食い過ぎだろ……」
エフラム「デザート係のセリスとロイがダウンしてしまったな」
31 :
第二日曜綺想曲:2007/05/13(日) 23:40:47 ID:PUubFWPK
エリンシア「とりあえず切るわね。13人だから16等分に……」
エリウッド「余った3つは姉さん達で」
エフラム「ケーキ小さいな……」
アイク「一口サイズだぞ」
エリンシア「あの子達が頑張って作ったんだから……ね、食べましょう」
エイリーク「ふふっおいしいですね」
ミカヤ「いつもより賑やかな食卓で楽しいわね。兄弟っていいわあ」
ヘクトル「騒がしい、だろ?」
リーフ「グズッグズッ……いつも僕だけ駄目なんだ。祝いの日にクソマズイ料理しか作れない……グズッ」
エフラム「泣き上戸とは軟弱な。料理が下手でくやしいっ…!なら練習しろ!」
エリウッド「今日の逆MVPの君が言うかあ?」
マルス「シグルド兄さんいつまでもorzしてないで、デザート食べようよ」
シグルド「放っておいてくれ……」
今日中にって事で最後らへん駆け足になってしまった
外伝二人居なくてごめん
エリンシア「アイク、ちょっとお買い物に行って来てくれない?」
アイク「なぜ俺が」
エリンシア「今は誰もいなくて・・・私はお米を研がなくてはいけないし・・・」
アイク「分かった。行って来よう」
エリンシア「ありがとう。気をつけて行ってきてね」
アイク「さて、とっとと済ませるか」
ヨシュア「お、いいカモ発見」
ヨシュア「なぁ兄さん、ちょっと俺と勝負しないか?」
アイク「ん・・・?」
エリンシア「遅いわね・・・」
リーフ「どうせ闘技場にでも寄り道してるんじゃない?」
エリンシア「渡した食費を掛け金に使われると困るのだけれど・・・」
リーフ「いや、兄さんはそうそう負けないでしょ・・・」
アイク「ただいま」
リーフ「あ、帰ってきたよ」
エリンシア「おかえりなさい・・・・やけに手荷物が少ないようですけど・・・」
アイク「ああ・・・ちょっと・・・勝負に負けてしまって・・・・・すまない」
リーフ「アイク兄さんが負けたの!?すごい使い手がいたようだね」
アイク「いや闘技場で負けたわけじゃなくて・・・コイントスに負けてな・・・」
エリンシア「ギャンブルに?」
アイク「ああ。長髪赤髪のヤツに勝負を挑まれてな。自分の運に自信があったわけじゃないが、一回でやめようと思ってたんだ」
リーフ「だけど負け続けでむきになってたら全額無くなったと」
アイク「いや、少しだけだが金は残った。だからこれを買ってきた」
エリンシア「ま、マヨネーズ!?」
リーフ「なけなしのお金で何故マヨネーズ!?」
アイク「腰の頭痛が激しくて治療費が必要だって露天商がいてな。マヨネーズが安かったから買ってきた」
エリンシア・リーフ「・・・・・・・」
リーフ「し、しかもこれ消費期限が・・・・・」
アイク「本当にすまない・・・」
ネサラ「さて、今日は生ゴミ回収日だ」
ビーゼ「何か目ぼしいものありますかね・・・」
ニアルチ「ぼ、ぼっちゃま!!あちらにマヨネーズが!!」
ビーゼ「マヨネーズ・・・・・!」
ネサラ「何ぃ!ホントかニアルチ!でかしたぞ。今日はごちそうだぜ!!」
夜だったから勢いで書いた。
ただカラスを登場させたかった。後悔も反省もしていない。
って本物のカラスと化してるじゃねーかっ!
残飯漁りする姿が似合いすぎてて嫌だw
ネサラ…王族なのに…
ワロタww
Vol.3 リーフ、つかまる
ナンナ 「それで、兄上の髪型はどうにかならないのですかって言ったんだけど……」
ミランダ 「ああ……まあ、確かに問題よね、あれは」
サラ 「……? (ビビビッ!)……受信したわ」
ナンナ 「はい?」
ミランダ 「なんですって?」
サラ 「……この辺に、リーフがいるみたい」
ナンナ 「え、リーフ様が?」
ミランダ 「……でも、彼の家からは大分離れてるわよ、ここ」
サラ 「そうね、だけど……(ビビビッ!)……受信したわ。やっぱり、リーフはこの辺りにいる」
ナンナ 「……と、言われても……」
ミランダ 「……この辺りって、確かラグズの人たちが多い地区じゃない?
ベオクのリーフがいたら普通に目立つと思うんだけど……」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ。多分ね、あっちに行けばリーフに会えると思う」
ナンナ 「あ、サラ……行っちゃった。どうしましょう」
ミランダ 「どうしましょうって言ったって、行くしかないわよねこの場合……
あの子一人にだけリーフと会わせるのも、何となく不安だし」
ナンナ 「そうですね。抜け駆けはしないっていう約束ですものね」
ミランダ 「あ。ち、違うのよ、あんな小さな子にリーフが何か悪戯しないか心配っていう意味であってね」
ナンナ 「ふふ、分かってますよ。さ、行きましょうミランダ」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ。やっぱり、この辺りに……」
ヘクトル 「おい、見つけたか!?」
エフラム 「いや、駄目だ。リン、どうだ?」
リン 「駄目ね、この辺りはラグズの人たちばかりだから、いろんな臭いが入り混じってて……」
ロイ (本当に臭いで人を追跡できるんだなあ、リン姉さんは……)
ミカヤ 「困ったわね、ユンヌも分からないって言ってるし、よっぽどうまく隠れてるんだわ」
アイク 「クソッ、リーフの奴め、見つけたらラグネルで百叩きだ」
ヘクトル 「アルマーズでぶん殴ってやる」
エフラム 「ジークムントを投げ槍として扱うための訓練がしたかったところだ」
ロイ 「止めてあげようよ、死んじゃうよそれ」
ヘクトル 「いや、ここは徹底的に体に覚えさせて……お?」
サラ 「……こんにちは」
リン 「えーっと、リーフの友達の……サラちゃん、だっけ?」
ナンナ 「あ……リーフ様のご兄弟の皆様……」
ミランダ 「……ってことは、やっぱりリーフ、この辺にいるんだ……」
サラ 「……リーフを探してるの?」
リン 「え、ええ」
サラ 「……どうしても、見つけたい?」
アイク 「もちろんだ。奴は絶対にしてはならないことをした。その罪は償ってもらう……体でな!」
マルス 「……どうでもいいけど、兄さんが言うといろいろヤバイですよその台詞は」
ナンナ (……どうしましょう?)
ミランダ (ここは、先にリーフを見つけて逃がしてあげて、恩を売っておくべきじゃない?)
サラ (……そんなの、つまんない)
ナンナ 「あ、サラ!」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ」
ヘクトル 「なに?」
サラ 「リーフは、あっち」
アイク 「……この家か?」
ミカヤ 「何か見覚えが……あ、ニケさんのお宅だわ、ここ」
ロイ 「知ってるの?」
ミカヤ 「うん、狼族の人で……でも、どうしてこんなところにリーフが?」
アイク 「入ってみれば分かるだろう。おい、リーフ、お前は完全に包囲されている! 大人しく出て来い」
ニケ 「(ガチャ)騒がしいな……何事だ」
ミカヤ 「あ、ニケ様、お久しぶりです。こちらにわたしの弟が来ていませんか?」
ニケ 「……知らんな。今日は来客などないぞ」
アイク 「本当か? 隠すとために」
ロイ 「失礼だよ兄さん、抑えて、抑えて!」
ニケ 「……そうは言ってもな、本当に心当たりはないぞ」
リン 「あー、そうですよね、失礼しまし」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ」
リン 「え?」
サラ 「リーフは、そこの、犬小屋の中」
ヘクトル 「犬小屋っつーと……」
エフラム 「この、無駄にでかい……」
ロイ 「『オルグ』って書いてある……」
ミカヤ (……オルグさん、最近本物の犬化してきてる気が……)
ニケ 「……GAAAAAAAAAWOOOOOOOOO!!」
ヘクトル 「うわっ、なんだこりゃ……!?」
アイク 「凄まじい咆哮だな……!」
リン 「あ、犬小屋が吹っ飛ばされて……!」
オルグ (『なんだ、何が起きた!?』と言いたげに、慌てふためいてキョロキョロ)
ニケ 「……オルグ、どけ(蹴り飛ばす)」
オルグ 「キャイン!」
ミカヤ (あ、扱いが酷すぎる!?)
オルグ 「きゅーん、きゅーん」
ミカヤ (しかも腹を見せて絶対服従のポーズ……! 駄目だわ、駄目すぎるわオルグさん!)
リーフ 「な、なんだ、一体何が」
ヘクトル 「あーっ、いやがった、リーフだ!」
エフラム 「こいつめ、あのでかい犬の影に隠れていたな……!」
リーフ 「そ、そんな! 策敵MAP初搭載FEの主人公であるこの僕が!
厄介な隠れ場所なら身を持って熟知しているこの僕が、こうもアッサリ見つかるなんて……!」
アイク 「何を訳の分からないことを言っている……! リーフ、覚悟は出来ているんだろうな!?」
リーフ 「ヒッ……ゆ、許して、アイク兄さん!」
アイク 「黙れ! お前は肉を食べた。それも、俺が楽しみにしていた、火竜のステーキを……
お前はこともあろうに一人で全部食べてしまったんだ!」
リーフ 「し、仕方なかったんだ! あまりにお腹がすいていたものだから……
ほら僕ってリスみたいなもんでさ、食べられる内に可能な限り食べるっていう本能があるっていうか。
か、可愛いよね? 可愛いでしょ? 可愛くない!?」
アイク 「GAAAAAAAAWOOOOOOOOO!!」
リーフ 「ひいっ!?」
ニケ 「むっ……あの小僧、なかなかいい咆哮だな……見所がある」
ミカヤ (なんか認められてる!?)
ロイ 「どんどん人間離れしていくなアイク兄さんは……」
ヘクトル 「さて……それじゃ、この糞葉っぱ野郎をたっぷり折檻してやるとするか……!」
エフラム 「ああ。食い物の恨みは恐ろしいということを、こいつの体にたっぷり教え込んでやる……!」
アイク 「楽にしねると思うなよ、リーフ……!」
リーフ 「い、いやだ! 誰か、助けて!」
サラ (じーっ)
リーフ 「さ、サラ!? そうか、見つかったのは君の……! ぼ、僕を売ったな、サラ!」
サラ 「(ゾクゾクッ!)……リーフ……生きてたらまた会おうね……」
リーフ 「こ、このクルクル電波のクソアマァっ! ああ、ナンナ、ミランダ、助けて!
このままだと極めて物理的に殺されてしまう!」
ナンナ 「え、ええと……」
ミランダ 「無茶言わないでよね……こんな非力な女の子に」
ヘクトル 「安心しろ、殺しはしねえよ」
エフラム 「その方がマシだったと、後悔することにはなるだろうがな」
アイク 「よし、行くぞ皆」
リーフ 「うわぁ、止めてくれーっ! この人でなしーっ……!」
リン 「……協力ありがとうサラちゃん、いつかお礼させてね」
サラ 「それなら(ごにょごにょ)……がいい」
リン 「あはは、そんなことならお安い御用よ。それじゃ、またね」
ナンナ 「あ、あの、リン様……」
ミランダ 「リーフのことなんですけど」
リン 「ああ、大丈夫よ、心配しなくても本気で死んじゃう直前ぐらいには止めるから」
ナンナ (つまり、死ぬ直前ぐらいまでには痛めつけられる、と……)
ミランダ (自業自得とは言え、可哀想になってくるわ……リーフ、お見舞いぐらいには行ってあげるからね)
サラ 「……」
ナンナ 「サラ、どうしてあんなにアッサリ引き渡したの?」
ミランダ 「そうよ。見なさいよあのリーフの怯え方。ドナドナよりひどいわよあれ。可哀想じゃないの?」
サラ 「……約束、取り付けたの。リーフのちっちゃいころのアルバム、見せてくれるって」
ナンナ (ピクッ)
ミランダ (ピクッ)
ナンナ 「……そ、そうですね。リーフ様のがっつきようは確かにひどいですし、
多少痛い目に遭っても、仕方がないですよね」
ミランダ 「……そ、そうね。その通りだわ。あー、ところで、サラ?」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ。大丈夫、ナンナとミランダも一緒に見に行きましょう……」
ナンナ 「あ、ありがとう、サラ!」
ミランダ 「持つべき者は友達ね……あ、ち、違うわよ、わたしは今よりももっと情けなかったであろうリーフの姿を見たいだけで」
サラ 「……いい取引だったわ……それに」
ナンナ 「それに?」
リーフ 「誰かぁーっ! 助けてーっ! それが無理ならいっそここで殺してーっ! 痛いのいやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
サラ 「(ゾクゾクッ!)……リーフが泣き喚いてるところ見るの、大好き……」
ナンナ (あ、危ない……!)
ミランダ (本物だわ、この子は……!)
<おしまい>
サラがニュータイプwwwwwww
ミルラ 「ボーレのおじさん・・・・・こんにちはです」
ボーレ 「まだまだお兄さんだと思うけどなぁ、また来たのかい?と・・・アンタはアイクの弟さんだったな」
エフラム 「どうも。何やら食べた感想が言いたいからと連れて来たのですが、迷子にでもなるといけないので同伴と」
ボーレ 「はは、ご苦労さん。ミルラちゃんは律儀だねぇ、良い子の鏡になれそうだ。で・・・どうだったかい、ウチの豆腐?」
ミルラ 「凄く・・・美味しいです。初めてお豆腐だけで食べても・・・美味しく感じれました。お味噌汁に入れてもも美味しかったです」
ボーレ 「そうかそうか!職人冥利に尽きるねぇ。いっその事豆腐屋さんに将来なるかい?」
ミルラ 「ぁ・・・それは・・・・将来は、他に目標があります」
エフラム 「凄いな、もうそんな事を考えているのか」
ボーレ 「全く同感だな、こんなに小さいのにしっかりしてる。将来何になりたいんだい?」
その言葉に傍らのエフラムを見上げて一言
ミルラ 「エフラムお兄ちゃんの・・・お嫁さんです」
エフラム 「っ!!」
ボーレ 「わはははははははは!こりゃ一本取られたな。小さくても立派なレディじゃないか、応援するよ。仲人なら俺に任せな!」
エフラム 「いや・・・あの・・・・・」
ボーレ 「男ならレディの告白にキチンと答えないと良い男にはなれないぜ?」
マルス 「これだけ離れててもバッチリ声が通る、流石豆腐屋さん」
ロイ 「商店街で注目の的になりそうだね、これは」
マルス 「というか既に買い物してる主婦達が好奇の視線向けてるんだけどね」
ロイ 「マルス兄さん、すっごく爽やかな顔してるよ・・・清々しいくらいに」
マルス 「いやぁ、こんなネタ放って置くわけないじゃない・・・イダダダダ!関節はやめてぇぇぇ〜!」
リン 「なんかコソコソしてると思ったら・・・馬に蹴られるわよ、そのうち」
マルス 「ギブギブギブ〜〜タップ!」
ロイ 「バランスとれてるね、ウチの兄弟」
ううむ、微妙に誤字ありと・・・いかんいかん
そして「嬉しい事いってくれるじゃないの」で見事に良い男なイメージが付いて離れん、流石豆腐w
ミルラの凄く・・・美味しいですも大きい方に脳内変換されてしまって困る(普通に和む話のはずなのに
流石すぎるな豆腐
・・・・・はっ!41さんに指摘されるまで気付かなかったorz
自然と書いたはずなのに・・・悔しいっ!でもキャラ立ってる!
なんか変態と素で言えるようなのは少な目か?この兄弟スレでは。さて、ネタをコネコネ考えるか
学生の兄弟たちはエフラム、エイリーク、セリス、リーフがブレザーでその他は学ラン&セーラーってイメージなんだけどみんなはどう?
俺はリーフはなぜか学ランイメージがある
マルス「相変わらずリン姉さんのセーラー服は見るに耐えいでででで」
リン「殺すわよ」
>>43を見て浮かんだ
>>44 あっ、なるほど。リーフはむしろ白ランかも。
エイリークは自分の中では、ワンピのセーラーのイメージもあった
ブレザーも似合いそうだけど
リンは正統派のセーラー服
エフラム、ヘクトルは学ランかなあ
なんかエフラムは、上着を着ずに背負ってるイメージがある
ヘクトルもそこそこに着崩してる感じがする
アイクの学生時代を想像すると、
金剛に脳内変換されてしまう俺。スロッター
俺なんてエイリークの学生姿想像すると某エルダーシスターが浮かぶんだぜ?
カトリック系風味に司祭の先生が多数いそうだな、ルネス女学院。
ルセアやモルダやヨーデルとか、うん
そして乙○風味にセリスを突っ込ませるなんてネタもちらほら構築してたぜ、なかーま♪
でもエイリークたてたいからお蔵入りにしてるが・・・
セリスは女装してても嫌がるどころかニコニコしてそうだ。
ラナオウの闘気すらニコニコ流しそうな感じがするセリス
なんか位置的に北斗の次兄ポジじゃないかと思った。俺もスロッター
よく分からないからゲーム中の服で脳内再生してる
Vol.4 ひみつきち
エフラム 「ただいま……ああ、ちょうどいいところにいたな、三人とも」
ヘクトル 「あん?」
リン 「なに?」
エリウッド「どうしたの?」
エフラム 「いや、今日、ミルラとチキとファを連れてちょっと遠出したんだが」
リン 「相変わらずベビーシッターやってんのね、エフラム兄さん」
エリウッド「お疲れ様、エフラム」
ヘクトル 「ケッ、顔に似合わねえことしやがって」
リン 「あら、エフラム兄さんは結構顔はいいし、少なくともヘクトルよりはそういうのが似合ってると思うけど?」
ヘクトル 「チッ、言ってやがれ」
エフラム 「……話を続けるぞ。で、帰り道、ラウスの辺りを通ってな」
ヘクトル 「ラウス……っていうと」
リン 「あー、懐かしいわねえ」
エリウッド「そう言えば、昔はよくあの辺りに遊びにいったね」
ヘクトル 「おう。あの辺の陣地をエリックから奪い取ったのが俺らの初戦果だよな」
リン 「あんたってあのころから今と似たようなことやってたのね」
ヘクトル 「何言ってんだ、あのころはお前も一緒になってエリックの奴を叩きのめしてたじゃねえか」
リン 「え、そうだっけ?」
エリウッド「そうだよ……エフラムも一緒にね。僕はいつも止める側だったけど、もちろん三人を止められるはずもなく」
エフラム 「それでな……皆、秘密基地のこと、覚えてるか?」
ヘクトル 「あー……おーおー、あれな!」
リン 「これまた懐かしい単語だわね」
エリウッド「いろいろ持ち込んで遊んだっけ」
エフラム 「ああ。留守中にエリックたちの襲撃を受けて壊されても、何度も建て直したものだ」
リン 「うんうん……で、それがどうしたの?」
エフラム 「久々に行ってみないか、あの場所に」
ヘクトル 「お、いいねえ。まだガキが使ってんだろうな、あそこ」
リン 「でも、大丈夫かしら。結構遠くなかった? 夕飯までには帰ってこないと……」
エフラム 「いや、それが……まあ大丈夫だろう。それは保証できる」
エリウッド「じゃ、早速行ってみようか」
エリンシア「あら、四人揃ってお出かけ?」
ミカヤ 「最近じゃ珍しい組み合わせね……どこへ行くの?」
エリウッド「うーん……」
リン 「姉さんたちには秘密、よね?」
ヘクトル 「ははっ、ま、当然だな」
エフラム 「俺達だけの秘密だからな。じゃ、行ってくる」
ミカヤ 「……何あれ」
エリンシア「ふふっ……なんだか懐かしいですわ。
皆、昔はあんな風に揃って悪戯ッ子の顔で、外に飛び出していったものです」
ミカヤ 「あー……そう言えば、そうだったわね。あの子達、出かけるたびに泥だらけになって帰ってきて」
エリンシア「服はもちろん、体を洗ってあげるのも大変でしたね……『風呂なんか面倒くさい』なんて言っちゃって」
ミカヤ 「素直に入ってくれるのはいつもエリウッドだけだったわね……
そう言えば、リンもあのころはほとんど男の子みたいだったっけ」
エリンシア「そうそう! 何故だか無闇にヘクトルちゃんやエフラムちゃんの真似をしたがって、
『あたし、一生お風呂になんか入らないもんね! べーっだ!』なんて舌出して」
ミカヤ 「ふふ……今のリンが聞いたら顔しかめそうな台詞……あれ?」
エリンシア「どうしました?」
ミカヤ 「……なんか、ヘクトルとエフラムとリンが三人並んで、わたしに向かって
『やーい、ババア、年増、若作りーっ!』って言ってる記憶が……」
エリンシア「あ、それ、私もよく言われましたよ」
ミカヤ 「……で、言ったあとに、三人揃って『お尻ペーンペーン!』なんて?」
エリンシア「そうでしたわね。あのころはそれで本気で怒ったりもしましたっけ」
ミカヤ 「ふふふ……あの子たちも、手を焼かせる悪ガキ揃いだったわね」
エリンシア「本当に……ロイちゃんやセリスちゃんは、そういうところなんて全然なかったんですけどねえ」
ミカヤ 「そんなあの子たちも、今や立派な高校生か……時間が過ぎるのって早いわね……」
エリンシア「……さ、我が家の腕白さんたちのために、おいしい夕食を作ってあげないと、ね」
ロイ 「それでさ……あれ、リン姉さんたちだ」
エイリーク「兄上方……こんな時間にどこかへお出かけですか?」
ヘクトル 「おう。そっちはお使いと」
エフラム 「ヴァイオリンの稽古の帰り、ってところか」
ロイ 「うん、まあね」
エイリーク「それで、皆様は、どちらへ?」
エリウッド「えーと、こういうときは……」
リン 「だーめ、教えてあげない!」
ロイ 「え?」
エイリーク「どうしてですか?」
ヘクトル 「そりゃ、ロイはガキだし」
エフラム 「エイリークはいい子ぶりっ子だからな。ま、大人しく家で遊んでるんだな」
エリウッド「ははは……ごめんね二人とも」
リン 「じゃあねー」
ロイ 「……何の遊びかな、あれ」
エイリーク「……ふふ、何だか、昔に戻ったみたいですね」
ロイ 「え? ……あー、確かにそうかも。あの四人、昔はいつもあのメンバーで出かけてたっけ」
エイリーク「何故だか私だけは仲間に入れてもらえなくて、ちょっと寂しかったりもしましたね」
ロイ 「僕も、いつも『ぼくも連れてって』なんて言って、
そのたびに『駄目だ』って返されて、いじけてた気がするよ」
エイリーク「……でも、いつの間にかそういうこともなくなってましたね」
ロイ 「そうだね。リン姉さんはいつの間にか女の子のグループに入っちゃったし、
ヘクトル兄さんとエフラム兄さんもちょっとずつ進む道が違ってきて……
エリウッド兄さんは昔から大人しかったから、あんまり変わった感じしないけど」
エイリーク「……」
ロイ 「わわ、どうしたのエイリーク姉さん、急に手繋いだりして」
エイリーク「ちょっとね、思い出したんです」
ロイ 「何を?」
エイリーク「あのころ、兄上たちから仲間はずれにされるのが寂しくて……同じように、リーフやマルス、セリスが遊んでるところに
加われずにいるロイと、二人きりで遊んでいたなあって」
ロイ 「そ、そうだっけ……ごめん、よく覚えてないや」
エイリーク「いいんですよ。ふふ、ロイも、あのころとあまり変わらず、素直ないい子ですね」
ロイ 「はは……なんかむずがゆいよ、その言い方」
エイリーク「……さ、家に帰って、兄上たちが泥だらけになって帰ってくるのを、二人で待っていましょうか」
ロイ 「うん、エイリーク姉さん」
ヘクトル 「おー、この辺も結構変わったなあ」
リン 「用事もなかったから全然来る機会がなかったもんね、最近は」
エリウッド「それでも、見覚えのある建物もたくさんあるね」
エフラム 「ああ……はは、見ろ、まだあったんだなあの柿の木」
リン 「柿の木……って言うと、よく柿盗もうとして登ったあれ?」
エリウッド「あそこのお爺さんに追い掛け回されるの、いつも僕の役目だったっけ」
ヘクトル 「うおっ、懐かしいな……ん? あの木、あんなに低かったか?」
リン 「……それに、この辺りも。昔は自転車使っても遠く感じたのにね。実際は歩いて十分そこら、か」
エリウッド「こんなに近いだなんて、思わなかったなあ」
エフラム 「……ちょっと、あそこの家の爺さんに挨拶してくるか。久しぶりだしな」
ヘクトル 「お、いいねえ」
リン 「またあそこの柿、食べたいわね」
エリウッド「大抵渋いけど、何故だか食べたくなるんだよね、あれ」
エフラム 「……」
ヘクトル 「……ちぇっ、殺してもくたばらなさそうな、元気すぎる爺さんだったのによ」
エリウッド「五年前、か。そんな昔に亡くなっていたなんて……」
リン 「……柿、前と違って熟れてておいしいわね」
エフラム 「そうだな……ああ、確かあそこの角を曲がったところじゃなかったか」
ヘクトル 「秘密基地の原っぱか……! おおそうだそうだ、覚えてるぜ」
リン 「早く、行ってみましょ!」
ヘクトル 「……」
エリウッド「……マンションになっちゃってる、ね」
リン 「……何となく、こういう予感はしてたけど」
エフラム 「跡形もないな、これは……」
ヘクトル 「おうおう見ろよ、あのガキども、マンションの遊具なんかで遊んじまってよ」
リン 「いいじゃない、別に」
ヘクトル 「ばっか、ガキが自分の手で基地も作らねえでどうすんだよ。
あーあ、やだね最近のガキは。誰かに何か用意してもらわねえと遊ぶことも……」
エフラム 「……いや、待て」
エリウッド「二人とも、見てみなよ。あの駐車場の隅の、木立の影」
ヘクトル 「あぁ……? おっ」
リン 「……あっ、ひみつきち!」
エフラム 「……ダンボールで組み立ててあるな」
エリウッド「なるほど。あの場所なら、マンション側からは見つからないね」
ヘクトル 「へへっ……なかなかやるな、最近のガキも」
リン 「はは……基地っていうかボロ小屋って感じだけど」
エリウッド「僕らのだって似たようなものだったじゃないか」
エフラム 「……それでも、あの子供らからは、あれが立派な基地に見えてるんだろうな」
エリウッド「……ははっ」
ヘクトル 「……へっ」
リン 「……ま、そうよねきっと」
エフラム 「……さて、そろそろ帰るとするか」
エリウッド「そうだね。ああ、もう空があんなに赤いよ」
リン 「カラスが鳴くからかーえろっ、てね」
ヘクトル 「うわ、懐かしいな。それ聞いたら急に腹が減ってきやがったぜ」
エリウッド「今日の夕飯何かなあ」
リン 「早く帰らないと夕飯抜きになっちゃうわね」
エフラム 「……よし、久々に家まで競争するか」
ヘクトル 「はあ? オイオイお前、俺ら何歳だと思ってんだ、いくらなんでも」
エフラム 「別に、お前はやらなくてもいいぞ? デブのヘクトルじゃ、俺の足には追いつけないだろうからな」
ヘクトル 「あ、言いやがったなテメエ! よっしゃ、んじゃ家まで競争だぜ!」
エフラム 「望むところだ」
エリウッド「やれやれ、こういうところはちっとも変わって……」
リン 「ちょっと待って。その勝負、わたしも混ざるわ」
エリウッド「……そういや、あのころは君もそうだったっけね」
ヘクトル 「おら、合図出せよエリウッド」
エフラム 「いつでもいいぞ」
リン 「どんときなさい!」
エリウッド「はいはい。それじゃ、よーい、どん!」
エリウッド「はははは……皆全力出してるよ。ひ弱な僕のことも少しは考えてほしいなあ」
ヘクトル 「おいエリウッド、何やってんだ!」
リン 「早くしないと置いてくわよーっ!」
エフラム 「皆揃って戻らないと叱られるじゃないか」
エリウッド「はいはい、今行くよ。
……皆の背中を追うこの位置は、昔も今も変わらない、か。
いや、ずっとそうなんだろうな。昔も今も、これから先も、ずっと」
<おしまい>
和む・・・日常的なのはほのぼのGJです!
そしてネタ投下
ルーテ 「豆腐さん」
ボーレ 「いや、流石に豆腐そのものじゃないから・・・で、どうしたんだい。画板なんか持って」
ルーテ 「先程応援すると聞きました、この二人の」
画板に挟まれている画用紙にはエフラムとミルラの姿が描かれていた。
ボーレ 「ぉ、上手だな。確かにいったぞ、良い男に二言はないぜ」
ルーテ 「それならこういうのはどうでしょう」
ごにょごにょごにょ
ボーレ 「ほう、腕試しがてらに良いかもしれないな。任せておけ!」
ルーテ 「はい。では宜しくお願いします」
〜数日後〜
リン 「どうしたの?放課後付き合ってほしいだなんて」
ルーテ 「目的地に到着すれば理解できるはずです」
リン 「目的地って・・・ここ?ウチが豆腐買ってる店じゃないの・・・・・って、何・・・あれ」
ルーテ 「はい、作って貰いました」
リン 「あっさりと言えるレベルじゃないでしょ・・・これ」
唖然とするのも無理はない、店先にエフラムとミルラの結婚式な衣装の等身大フィギュアが立っているのだ。
それだけでも充分インパクトがあるのだが更に無茶な事に・・・
全ての材質が と う ふ である。
リン 「エフラム兄さんが見たら卒倒しそう・・・なんだか頭痛がしてきたわ、胃痛持ちのエリウッドじゃないけど」
ルーテ 「良い出来ですよ」
ボーレ 「いやぁ〜、中々宣伝になるじゃないの。何時もと違う良い仕事をできたしな」
ルーテ 「流石豆腐さん、プロの技です」
ボーレ 「自重ギリギリの設計を見積もった嬢ちゃんもな」
ルーテ 「優秀ですから」
リン 「住む水は違えど才人は理解しあうって本当みたいね・・・」
突発的電波降臨
inルネス女学院 エイリーク「お早うございます皆さん」
一般生徒A「エイリークお姉様おはようございます」
B「お早うございますお姉さま」
ターナ「おはよーエイリーク」
エイリーク「おはようターナ、今日は何時もより早いですね」
ターナ「あ・・・うん、ちょっとね」
ラーチェル「あら、お二人とも奇遇ですわね」
エイリーク「おはようございますラーチェル、貴女も今日は早いですね」
ラーチェル「わたくしは生徒会の仕事をやらなければなりませんので・・・・ところでエイリーク、少々手伝ってもらえませんこと?」
エイリーク「何をですか?」
ラーチェル「実は生徒会の仕事を・・・・」
ターナ「ちょっと待ちなさいよ、エイリークは生徒会の人間じゃないのよ?あまりこういった事は・・・」
ラーチェル「あら、貴女に聞いてはいなくてよ?で、悪いですけれど今すぐ・・・」
ターナ「ストップ!私は今からエイリークに宿題見て貰うんだから!」
ラーチェル「それこそエイリークに関係ありませんじゃないこと?」
ターナ「う゛っ・・・ともかく!エイリークは私に付き合ってもらうんだから!」
ラーチェル「いいえ、私ですわ!」
エイリーク「まぁまぁ、二人とも落ち着いて・・・」
一般生徒C「あら、ルネス女学院が誇るお姉さま方がお揃いですわ」
D「エイリーク様、ターナ様、ラーチェル様、どなたも綺麗ですわよね」
E「本当、私達の憧れですわ・・・」
電波+眠気故に暴走で取り返しのつかないことになった上に、
女学院のイメージを絶対ネジ曲げて考えてるが反省はしない
マルス 「へぇ、良く出来てるじゃないか。針金まで通して型を崩さない仕組みになってるのか」
セリス 「使ってない生地が押し入れから出てきたからね。僕が今見てるアニメを参考にしたんだけど、そういう格好似合うね」
マルス 「タイトル何だったっけ?台詞の所々は知ってるけど」
マルスの格好は「社長」又は「ふぅん」若しくは「3000+3000+3000=4500の使い手」の服装である。
ロイ 「うわ!マルス兄さんが社長のコスプレしてる。いいなぁ〜」
リーフ 「ほんとセリスは器用だな。マルス兄さん、ちょっと貸してよ」
マルス 「ふぅん・・・凡骨風情が」
リーフ 「凡骨って、仕方ない。殺してでも奪い取る!」
マルス 「ほぅ、私とデュエルするというのか。ならば神(剣)を拝ませてやる!」
つ ファルシオン
ロイ 「リーフ兄さん逃げて〜〜!」
リーフ 「光の速さで一足お先〜」
マルス 「逃がすかぁぁぁ!」
ミカヤ 「今日も平和ね」
エリウッド 「胃は全然平和じゃないんだけど・・・あぁ、また窓ガラスが割れた・・・・・胃が・・・」
元ネタがわからん
>>57 ボーレ自分でも「良い男」とか言ってるしw
もうすっかり豆腐職人だな。
>>58 そもそも「ルネス女学院」って時点で、こういうスレ見てる人は
大抵マリ見て辺りを想像するもんだと思うので、間違いではない……多分。
エイリークは年下の女と年上の男から特にモテそうな感じ。
>>59 ずっと俺のターン! って、原作でもマルスなら可能なんだよね……アゲインの杖があるから。
味方全体再行動。あの効果はイカレてた。
しかしこうネタがたくさん続くと、全部にレスしたくても、実際するのはちょっと躊躇っちまうな……
ウザかったらゴメンね? マナー違反ではない……よな?
>>58 GJです
むしろイメージ通り
いっそおはようじゃなくて、
ごきげんようといってほしいくらいでした。
前どなたかのネタではごきげんようだったし
Vol.5 なめてましたァーッ!
エイリーク「ただいま」
ロイ 「あ、お帰りエイリーク姉さん。大変だねこんな暑い日も部活なんて」
リーフ 「ホントホント。お疲れ様エイリーク姉さん」
エイリーク「……二人とも、アイスを食べているのですね」
ロイ 「あ、これ? そう、このラクトアイス、最近発売したやつでね」
リーフ 「なかなかおいしいんだよ。でもごめん、僕ら自分の小遣いで買ってきたから、他の皆の分はないんだ」
エイリーク「ああいえ、それはいいのですが」
リーフ 「あ、なんだったら一口食べる? エイリーク姉さんならいいよ、ホントに一口で済むし。
これがヘクトル兄さんだったら『そうか一口か』って言って大口開けて一気に全部食べるし、
エフラム兄さんなら『そうか一口か』って言って木のスプーンで物理的な限界までガバッと持ち上げちゃうし、
アイク兄さんに至っては『そうか一口か』って言って容器ごと飲み込んで後で容器だけ吐き出すからね」
ロイ 「ホント無茶苦茶だよねアイク兄さんは……」
エイリーク「あの……私、そのアイス自体が食べたい訳ではないのです」
リーフ 「? でも今、なんか食べたそうにしてたよね?」
エイリーク「はい。実は……あの、笑わないでくださいね?」
ロイ 「うん」
エイリーク「私、一度でいいから、その」
リーフ 「一度でいいから?」
エイリーク「アイスのふたの裏を、舐めてみたいのです」
ロイ 「……はい?」
リーフ 「あ、あの常時高貴なオーラを完全装備、まるでお姫様みたいで我が家の貧乏な空気にあんまり馴染んでない
エイリーク姉さんが、アイスのふたの裏を舐めるという貧乏人共通の下品な行為を!?
うひゃあ、聞いたかいロイ。こりゃ珍しいよ。例えて言うなら烈火の剣の天候システム作動場面ぐらい珍しいよ」
ロイ 「よく分からないよそのたとえは……でも、本当にどうしちゃったのエイリーク姉さん?」
エイリーク「いえ、以前から一度してみたいとは思っていたのです。
ヘクトル兄上やエフラム兄上がよくしていますよね、袋を傾けてポテトチップスのクズを口に流し込んだり、
から揚げを食べ終わったあとのクズを一生懸命突きまわしたり」
ロイ 「あー、うん。でもリーフ兄さんの方がそういうことに関する執念は凄いと思うな」
リーフ 「任せておいてよ。僕の目の黒い内は、空になったマヨネーズの容器に肌色の部分は残させないよ」
ロイ 「何でそんなに得意げなのさ……」
エイリーク「それで、そうしているときの皆さんの顔があまりにも満足げなもので……
私も、ほんの少しだけ興味を惹かれていたのです。でも、そういう行為ははしたないですから、なかなかする機会がなくて」
リーフ 「……どうせ僕は貧乏臭いですよ」
ロイ 「駄目だよリーフ兄さん、そうやって悪い方向に取っちゃ。うん、でもエイリーク姉さんの気持ちはよく分かったよ」
リーフ 「そうだね、どうぞエイリーク姉さん、遠慮なく舐めてください」
エイリーク「ありがとうございます……あの、これは他の皆さんには」
ロイ 「あはは、もちろん秘密にしておくよ」
リーフ 「エイリーク姉さんも、こういうことしたがるんだねえ。やっぱり僕たちの兄弟だよ」
エイリーク「では……んっ」
ペロッ。
リーフ (ブバッ!)
ロイ 「うわぁ、リーフ兄さんの鼻から温泉のように鼻血が噴き出したァーッ!」
リーフ 「こ、この人でなしーっ!」
エイリーク「まあ、リーフ、待ってくださいね、今ティッシュを取ってきますから」
ロイ 「……で、急にどうしたのリーフ兄さん」
リーフ 「ろ、ロイ……君はさっきのを見て何も感じなかったのかい?」
ロイ 「さっきのって……エイリーク姉さんがアイスのふたの裏をペロッと舐め」
リーフ (ブバァッ!)
ロイ 「うわっ、また!」
リーフ 「は、発言には気をつけてくれロイ! おかげでさっきの光景を思い出しちゃったじゃないか」
ロイ 「えー、じゃ、エイリーク姉さんがアイスのふた舐めてるところに興奮したんだリーフ兄さん」
リーフ 「うん……ああ、僕は知らなかった。普段はそんなはしたないことはしない清楚なエイリーク姉さんが、
ちょっと頬を染めながら恐る恐るアイスのふたに顔を近づけるときの、あの恥じらいの表情!
舌を出すときのあのためらい、アイスがつかないようにそっと髪をのけるさり気ない手つき、
そして何より、ああ、あのちょろっと覗いた細かく震える舌先の、なんといやらしいことか……!」
ロイ 「はあ……」
リーフ 「自分侮ってました、全く分かってませんでした!
ああ、アイスのふたを舐めるという行為があんなにいやらしいなんて……!
僕は舐めていた、舐めきっていました! アイスのふただけに!」
ロイ 「いや、うまいこと言う前にまず鼻血止めようよリーフ兄さん……」
リーフ 「クソッ、ぬかった! 写真撮っておけばよかった……!
ルネス女学院で売りさばけばどれほどの儲けになったことか……!」
ロイ 「その辺はいろいろと自重しようよリーフ兄さん」
リーフ 「……ふーっ、ごめんごめん、ちょっと興奮しちゃったかな」
ロイ 「ちょっとどころじゃなかったけどね」
リーフ 「しかし、あの清楚なエイリーク姉さんのあんな下品な行為……
それを見られただけでも、今日という日には宝石のような価値が」
セリス 「ただいまー」
ロイ 「あ、セリス兄さん、お帰り」
セリス 「うん。あ、アイス食べてるんだね二人とも」
ロイ 「んー、まあ、一応そうしてたよ、五分前ぐらいまでは」
セリス 「? ああ、それ、新発売のやつだね。おいしそうだなあ……ね、ロイ」
ロイ 「なに?」
セリス 「あとでさ、ちょっと食べさせてくれないかなあ?
ああ、ううん、食べるまでいかなくてもいいや、せめて、ふたを舐めるだけでも」
リーフ (ブバァァァァァァァァァァッ!)
ロイ 「うわぁ、リーフ兄さんの鼻から間欠泉のように鼻血が噴き出したーッ!」
リーフ 「こ、この人でなしーっ……」
セリス 「大変だ!」
エイリーク「リーフ、ティッシュを持ってきましたよ」
セリス 「ああ、駄目だよエイリーク姉さん、そんなんじゃ全然足りないよ」
エイリーク「そ、そうですね、これは大変です」
セリス 「ああ、どうしよう……と、とにかくもっとたくさんティッシュを持ってこよう!」
エイリーク「はい!」
ロイ 「……ねえ、リーフ兄さん?」
リーフ 「……なんだい、ロイ」
ロイ 「ひょっとして、今の鼻血はセリス兄さんがアイスのふた舐めるところを想像して……」
リーフ 「……ロイ、僕はね、ときどき自分の想像力のたくましさが嫌になるんだよ」
ロイ 「まー、リーフ兄さんの自虐嗜好はほとんど思い込みのせいだからね……
想像力というか妄想がたくましいのも頷けるよ」
リーフ 「それとさ……さっきアイスのふた舐めるセリスを想像したとき、
何故かスカートはいてたんだよね、セリスが……何でだろう」
ロイ 「兄さん……一回病院行った方がいいんじゃない、いろんな意味で」
<おしまい>
ちょwリーフ色んな意味で\(^o^)/オワタ
各職人のリーフいじりっぷりは異常、勿論良い意味で…www
そして投下するz
エフラム 「ここか……なんというか俺には場違いな所だな」
片手に弁当の包みを抱えて訪れたのはルネス女学院の正門前
ちなみに朝の授業中な時間なのだが自分は一時間目をぶっちぎって違う高校に通う妹へ弁当を届けにきたという顛末である
なんてシスコn
エフラム 「しっかりはしている妹だが…ま、忘れ物ぐらいは許容範囲内か」
さてどうするかと足を止めていると
「そこの貴方!」
エフラム 「ん?俺か?」
ラーチェル 「貴方以外に誰がいるというのです。部外者は立ち入り禁止でしてよ!保健室から見えて来てみましたけど」
エフラム 「あぁ……そうか。妹に弁当を………って、保健室?体調でも悪いのか」
ラーチェル 「仕方がないですし、女の子のh…って何を言わせるんですか!生徒会長のラーチェルといいます」
エフラム 「良く判らんが怒らせたか、すまん。なんだか顔色が芳しくないようだが……大丈夫か?」
ラーチェル 「半分貴方のせいですから、まったくもうっ……っ!いたたた…!」
顔色悪く腹部を押さえて蹲るラーチェルに膝まづくエフラム、そして
エフラム 「おい!しっかり…保健室は何処だ!運んでやる!」
ラーチェル 「ぇ…ちょっ!ななななな!何をなさるんですか、御放しなさい!お弁当を届けにきたんじゃないんですか、貴方は」
弁当を傍らに置いてお姫様抱っこを決行するエフラムに驚くラーチェル、といっても体調の悪さ故に声の張りはない
しかし顔は頭から湯気がでてもおかしくないほど真っ赤で
エフラム 「放っておけるか!エイリークならキチンと理解してくれる。校舎まで走るぞ、しっかり掴まってろ!」
ラーチェル 「ぇ…貴方、エイリークのお兄さん?」
エフラム 「後からちゃんと話は妹からさせる、今は喋るな。舌噛むぞ」
ラーチェル 「は……はい…わかりました…殿方の腕というのは落ち着くもの…ですね」(ぼそぼそ)
颯爽と校舎までの並木道を走るエフラム。
そして校舎から甲高く黄色い声が二人に降りかかる、ゴシップ好きな女子高の生徒から見れば
『生徒会長!他校の男子生徒にお姫様抱っこされる』なんて新鮮で堪らない構図だろう。
その後妹に問い詰められたりするのはまた別のお話……
ぇ?エフミルの人ですがエフ関連全部好きです。サーセンwwwww
ぼちぼち書いていきたいデース…次はターナっすかね、ぉぅぃぇ。
葉っぱ自重しろww
アイス食べたくなってきたのでちょっと買ってくるわ、パピコだけど
強敵現る
???「キャーーー!」
ロイ「うわっ!?」
エフラム「なんだ!?」
セリス「ミカヤ姉さんの悲鳴だ!」
エフラム「どうしたんだ姉上?!」
ミカヤ「いやぁぁぁぁ」
セリスに抱きつくミカヤ
セリス「うわ!?ちょっとどうしたの姉さん?!」
ミカヤ「ご、ごごご・・・」
ヘクトル「あ?なんだよ」
ミカヤ「ゴキブリが・・・」
セリス「ええ!?どこどこどこ!?・・・!キャアァァ」
後退りするミカヤとセリス
エフラム「姉上はともかくセリス、お前・・・軟弱な奴だ」
セリス「だ、だってぇ」
ヘクトル「セリス、お前がやっつけろよ。ほら新聞」
セリス「ええええ!?」
ロイ「セリスには無理だよ」
ヘクトル「男がゴキブリぐらいで悲鳴上げてんじゃねぇよ」
エフラム「冷蔵庫の裏に逃げないうちに早くしろセリス」
セリス「ごくっ」
ミカヤ「・・・・・」
マルス「おっーと足が滑ったぁ!」
セリス「うわっ!」
素足でゴキブリを踏み殺すセリス
エフラム「ほう。素足で踏み潰すとはやるな」
ヘクトル「漢だな」
セリス「うわぁぁぁぁ!!きも゛ぢわるぃぃ」
マルス「いやぁゴメンゴメン」
ロイ「早く足洗ってきなよ」
ミカヤ「と、とにかくこれで安心。ありがとうセリス」
マルス「まだ分かんないよ。ゴキブリは一匹見たら三十匹はいるっていうし」
ミカヤ「気持ち悪いこと言わないでよぉ・・・」
エフラム「そんな事言ってたら出てきたぞ」
居間を飛び回るゴキブリ
ミカヤ「キャアアァァァ」
居間から逃げ出すミカヤ
ヘクトル「あ、あっちの部屋にいったぞ」
次の瞬間衝撃波が発生
ロイ「うわぁ!衝撃波で割れたガラスや食器の破片がリーフ兄さんに刺さった!」
リーフ「こっこの人でなしーっ!!」
エフラム「しかし一体何が・・・」
衝撃波が飛び出した部屋からアイクが出てくる
ロイ「アイク兄さん!?そのラグネルは一体・・・?」
アイク「誰だ?!今俺の後ろにいた奴は!!」
ヘクトル「へ?」
71 :
助けて!名無しさん!:2007/05/16(水) 20:32:51 ID:f2YUIuaq
アイク「あの殺気はただ者じゃない・・・誰だ!?出てこい!!」
エリウッド「ああ・・・窓ガラスが・・・食器が」
ヘクトル「ほら胃薬」
アイク「ん?何やってるんだリーフ。駄目じゃないかこんなに食器を破壊して」
リーフ「・・・」
ロイ「我が家の最強はやはりアイク兄さんか・・・・・」
マルス「いろんな意味でね」
アイクはすっかり最強アホキャラだな…
いいぞもっとやれ
ゴキブリ相手にも手加減できない男、それがアイク
いいぞその調子だ
74 :
晩御飯の人:2007/05/17(木) 01:40:43 ID:bKLJYYin
ちくしょうゴキブリネタ考えてたのに先に書かれたァーッ!
まあいいやこっちでも勝手に書こう。二番煎じと言われてもキニシナイ!
……というか、この場合凄いのは、アイク自身よりも
彼にただ者じゃない殺気を感じさせるゴキブリの方なんじゃなかろうか……
凄まじいGが住んでいるんだな、カオスな家だwww
じゃあ三番手突貫します(ぇ)
ミカヤ 「という訳で!!緊急に各自の部屋を大掃除させて貰います!皆さん、待ち伏せスプレーと通気孔塞ぐネットを持ちましたね!」
ロイ 「うん、それはいいんだけど・・・」
アイク 「このフルボッコで動かないマルスは一体なんなんだ?」
ミカヤの傍らで蹲りピクリとも動かないマルス、文字通り全身殴打基・・・強打されて半死半生な状態である。
リーフ 「あぁ、それ自業自得だから」
エフラム 「今回ばかりはマルスが悪いな・・・・・」
〜回想〜
ミカヤ 「もう嫌ぁ〜、実家に帰らせて貰いますぅ〜」
セリス 「ミカヤ姉さんがここまで錯乱するなんて・・・僕も二度と思い出したくない話題だけどさ」
マルス 「うん。これは良い弱点だね。魔女っ子ミカリン☆で敵役に使えるんじゃない?等身大にしてインパクトアップだ、早速制作スタッフとかけあって・・・」
エリウッド 「マルス・・・・・取り敢えず生きろ」
ヘクトル 「うわ・・・おっとろしい闘気、羊髪にも負けずとも劣らない迫力だな」
ミカヤ 「マ ル ス♪」(肩ポン)
マルス 「その握り拳、背景がゴゴゴゴゴって文字がはっきり見えるんですけど・・・・・・え〜と、右ですか?」
ヘクトル 「No、No、No」
マルス 「じゃあ・・・左?」
エリウッド 「それもノーだな」
ミカヤ 「君がっ!泣くまで!ぶっとばしてさしあげますわ!」
マルス 「ちょ!両手はラメェ!イヤアアアアァァァァァ〜〜〜」
〜回想終わり〜
リーフ 「ミカヤ姉さんの禁句ワード確定だね・・・いや、ほんと」
因みにミカヤが言ってた待ち伏せスプレーなるものは生活板一人暮らしに
Gと一年中闘ってる様なスレで紹介されてます、これから暑くなると漆黒ハウス並のサプライズになるから見ておくといいかもね
つーか・・・水回りとかはエリンシア辺りが綺麗にしてそうだから、やっぱり各員の個室(今までのイメージで某ラグネルさんの部屋辺り)に住んでそうだな
Vol6. みんなのマミー君
セリス 「ただいまー」
エリンシア「お帰りなさいセリスちゃん。お使いありがとう」
セリス 「うん。はい、どうぞ」
エリンシア「ありがとう……あら、それは?」
セリス 「ビグルのぬいぐるみだよ。ゲームセンターの近くを通ったとき、
友達のユリウスに会ってね、くれるっていうから」
エリンシア(もらったと言うよりは……)
ミカヤ (どう見ても、クレーンゲームか何かの外れを押し付けられた感じね……)
セリス 「? どうしたの、二人とも」
ミカヤ 「ううん……それにしても、凄いデザインね」
セリス 「うん、凄く可愛いよね」
ミカヤ (いや、どっちかと言うと作った人の頭を疑いたくなるグロテスクな造形なんだけど……)
セリス 「はい、エリンシア姉さん。ぼくはこの子を部屋に置いてくるから」
エリンシア「ええ、お使いありがとうね、セリスちゃん」
ミカヤ 「……相変わらずあの子の少女趣味……と激しくズレた美的センスは治らないわね」
エリンシア「いいではありませんかお姉様……それに、少女趣味なのは私どもにも原因の一端がありますし……」
ミカヤ 「まあ、ちっちゃいセリスを女装させて遊んでたりしたもんね……」
エリンシア「大丈夫ですわ、学校では成績優秀スポーツ万能で通っているそうですし」
ミカヤ 「あの天然ぶりからすると、成績優秀ってのは微妙に信じられないんだけど……」
エリンシア「お友達も多くて、女の子からも男の子からも人気だそうですよ」
ミカヤ 「……男の子からもっていうのが引っかかるけど、友達が多いのはいいことね」
エリンシア「ええ。……確かに、お部屋にはちょっとぬいぐるみが多すぎますけど」
ミカヤ 「やっぱり心配だわ……あ、ぬいぐるみと言えば、マミー君覚えてる?」
エリンシア「マミー君……ええ、もちろん覚えておりますわ。ミカヤお姉様お手製のぬいぐるみですわね」
ミカヤ 「セリスがぬいぐるみ欲しがったんだけど、買ってあげるお金もなくて」
エリンシア「仕方がないから、ありあわせの布を継ぎはぎして作ったんでしたね」
ミカヤ 「……おかげで物凄く不気味なデザインになっちゃったけどね。ゾンビみたいな感じの」
エリンシア「あれ、本当は何をイメージなさってたんですか?」
ミカヤ 「妖精さんのはずだったんだけどね、一応……不器用なお姉ちゃんでごめんね」
エリンシア「ふふ……お姉様、お裁縫は不得意でしたのに、どうしても『わたしがやる』って」
ミカヤ 「だって、あのころはまだ巫女の修行が終わって家に戻ってきたばかりだったんだもの。
どうにかして皆にお姉ちゃんらしいことしてあげようって、必死だったのよ」
エリンシア「気持ちは十分に伝わっていますわ……それに、マミー君もらって大喜びだったじゃないですか、セリスちゃん」
ミカヤ 「それが一番意外だったわね。すごく気に入っちゃって、どこに行くにも連れ回して」
エリンシア「でも、何故かいつもボロボロにして、『マミー君怪我しちゃったーっ!』って、
泣き叫びながら帰ってくるんですよね」
ミカヤ 「そうそう。で、そのたびに余った布で直してあげてたもんだから、どんどん継ぎはぎが増えちゃって」
エリンシア「……今はどうなってるんでしょうね、マミー君」
ミカヤ 「うーん、他にちゃんとしたぬいぐるみ持ってるんだし……捨てちゃったんじゃない?」
エリンシア「そんな……セリスちゃんは物を大切にする子ですし」
ミカヤ 「じゃ、見にいってみましょうよ」
〜セリスの部屋〜
エリンシア「(コンコン)セリスちゃん、ちょっと入ってもいい?」
セリス 「うん、どうぞ、入って」
ミカヤ 「お邪魔しま……うわ」
エリンシア(これは……前見たより、ぬいぐるみの数が増えていますわね……)
ミカヤ (ついでに、何かバールとかスケルトンとか、恐ろしげなデザインのぬいぐるみが多いんだけど)
エリンシア(確かに……あ、お姉様、あれ)
ミカヤ (……マミー君だわ!)
セリス 「? どうしたの、二人とも」
エリンシア「ああ、いえ……セリスちゃん、まだ持ってたのね、マミー君」
ミカヤ 「それに、他のぬいぐるみの真ん中に置いてあげてるし……」
セリス 「もちろんだよ。だって、マミー君は僕の一番最初の友達だもの」
ミカヤ 「いい子だわ……とってもいい子だわセリス! お姉ちゃん感動で涙が出そう!」
セリス 「そんな……大袈裟だよ姉さん」
エリンシア「……あ、でもマミー君、ちょっと端の糸がほつれているみたい」
セリス 「えっ……あ、本当だ! 気がつかなかったなあ、いつも隣にいるのに」
エリンシア「隣って……ひょっとして、毎晩抱いて寝てるの、セリスちゃん?」
セリス 「そうだよ?」
エリンシア(……やっぱり……)
ミカヤ (……ちょっと心配ね)
〜一階、居間〜
セリス 「……よし、直った」
エリンシア「セリスちゃん、お裁縫上手になったわね」
セリス 「うん、学校で習ってるし、いつもマミー君を直してあげてるし」
ミカヤ 「そんなに大事にしてくれてたんだ……」
エリンシア「よかったですわね、お姉様」
ミカヤ 「うん……あれ、でも、ちょっとおかしくない?」
エリンシア「何がですか?」
ミカヤ 「いや、そんなに大事にしてるのに、どうして子供の頃、いつもマミー君をボロボロにして帰ってきたのかしら」
エリンシア「……そう言えば、おかしいですわね……」
ヘクトル 「ただいまーっ」
エフラム 「ただいま」
リン 「ただいまっ」
エリンシア「ああ、お帰りなさい。三人揃ってなんて、珍しいのね」
ヘクトル 「おう。そこでバッタリ会ってよ……うおーっ!」
エフラム 「おお!」
リン 「ああっ!」
三人 「マミー君だっ!」
エリンシア「……え?」
ミカヤ 「……皆、覚えてるの、マミー君?」
ヘクトル 「そりゃそうだ、よくマミー君相手に魔物退治ごっこしたからな」
エリンシア「……魔物退治、ごっこ?」
エフラム 「ああ、こいつをこうやって(マミー君をつかむ)」
セリス 「あ、ちょっと!」
エフラム 「投げ飛ばしたり!(ブゥン!)」
ヘクトル 「叩き落したり!(バシッ!)」
リン 「そんでもって踏んづけたり!(ゲシッ!)」
ミカヤ 「ちょ、何やってんのみんなーっ!?」
セリス 「ひどいよ!」
リン 「ハッ……しまった、つい昔を思い出して……! ご、ごめんねセリス」
セリス 「もう……! ひどいよ、どうしてみんな、いつもマミー君をいじめるのさ!」
ヘクトル 「いや、だってよ……マミー君見てるとなんつーかこう、疼いてくるんだよな、体が」
エフラム 「そう。何というか、そいつがセリスに引き摺られているのを見るだけで、こう」
リン 「経験値稼ぎの好機! っていう気分になって……ああ、駄目!
じっと見てたらまたタコ殴りにしたくなってきちゃった!」
ヘクトル 「クソッ、マミー君をこっちによこせ、セリス!」
セリス 「や、やめてよーっ! マミー君をいじめないでーっ!」
エリンシア「……マミー君がいつもボロボロなのは、そういう理由があったんですね……」
ミカヤ 「……あなたたち、人がセリスのために作ってあげたぬいぐるみでそんなことを……」
エフラム 「ほら、いいから貸せ、セリス!」
リン 「ちょっとだけだから、ね!?」
セリス 「駄目だってばーっ! ああ、そんなに引っ張らないで」
スポーン!
セリス 「ああ、マミー君が飛んでっちゃう……!」
アルム 「それでねセリカ」
セリカ 「まあそうなのアルム」
ポトッ(二人の目の前にマミー君が落ちた音)
アルム 「……」
セリカ 「……」
アルム 「ラブラブファルシオン!」
セリカ 「ラブラブライナロック!」
セリス 「ああ、二人の必殺の一撃でマミー君がまた吹っ飛ばされて……!」
ミカヤ 「それでも原型留めてるところが凄いわね、マミー君……」
リーフ 「痛っ……!」
ロイ 「うわぁ、どこからか飛んできたぬいぐるみが通りすがりのリーフ兄さんを直撃したぁっ!」
リーフ 「この人でなしーっ……って言うほど痛くはないけど」
ロイ 「ああ、これマミー君だよリーフ兄さん!」
リーフ 「ほ、本当だ! 逃がすなよロイ、軟弱な僕らが経験を積むためには、なんとしてでもマミー君を……!」
ロイ 「分かってるよリーフ兄さん!」
マルス 「そうはいかない、マミー君は僕が頂く!」
リーフ 「クソッ、マルス兄さんはいつもそうやっていいとこ取りで……!」
エイリーク「皆さん、何をそんなに騒いで……これは……こ、このぬいぐるみは……!」
ミカヤ 「うわ、あの大人しいエイリークが力いっぱいマミー君の首を絞めてる!」
セリス 「や、止めてよエイリーク姉さん!」
エイリーク「ハッ……ご、ごめんなさいセリス! で、でも、このぬいぐるみは……ああ……っ!」
エリンシア「あのエイリークちゃんに抑えがたい暴力衝動を感じさせるなんて……!」
ミカヤ 「凄すぎるわ、マミー君……!」
シグルド 「やあただいま皆、今日は珍しく早く……ムッ、こ、これは……!」
ミカヤ 「ちょ、シグルド、なにティルフィング抜いてるの!?」
シグルド 「し、失礼姉上……しかし、このぬいぐるみをこのままにしておく訳には……!」
ミカヤ 「何でそうなるの!?」
ヘクトル 「クソッ、シグルド兄貴、マミー君を渡せ!」
エフラム 「引っ込んでろヘクトル、あれは俺の経験値だ」
ヘクトル 「なんだとテメエ」
リン 「今の内に私が……!」
ロイ 「そうはさせないよリン姉さん!」
リーフ 「たまには僕にも経験値分けてよ!」
マルス 「いやいや、リーフなんかにマミー君はもったいないよ」
エイリーク「ああ、わたしの胸に汚れた衝動が……!」
シグルド 「このぬいぐるみを倒せば、スピード昇進も夢ではない気がしてきた……!」
E ・ X ・ P ! ! E ・ X ・ P ! !
エリンシア「どこからかEXPコールが……!」
ミカヤ 「侮り難し、マミー君……!」
セリス 「うわーん、マミーくーんっ!! 死んじゃやだーっ!」
エリウッド「……という騒ぎがあって、皆ぐったりしてるんだね……」
ミカヤ 「ええ……」
セリス 「ぐすん……またマミー君がボロボロになっちゃった……」
エリウッド「ははは、災難だったねセリス(ボコッボコッ!)」
セリス 「爽やかに笑いながらマミー君殴らないでよエリウッド兄さん!」
エリウッド「はっ……ご、ごめん、つい……」
セリス 「……やっぱり、マミー君を部屋の外に出すのはもう止める……」
エリンシア「その方が……」
ミカヤ 「いいでしょうね……」
セリス 「ごめんねマミー君、部屋で直してあげるからね……」
ミカヤ 「……行っちゃった……」
エリンシア「かわいそうなセリスちゃん……」
エリウッド「……しかし、凄いぬいぐるみだ……ミカヤ姉さん、あれ、何か呪術でも施してあるの?」
ミカヤ 「いや……そんなはずは……」
アイク 「ただいま……なんだ、何で全員ぐったりしてるんだ?」
ミカヤ 「ああ、お帰りアイク。実は……もごっ!?」
エリンシア「いえ、何でもありませんわ!」
エリウッド「そうそう、何でもないよアイク兄さん!」
アイク 「……? そうか、ならいいんだが……風呂、入らせてもらうぞ」
エリウッド「……行ったか」
ミカヤ 「ぶはっ……ちょっと、何するの!」
エリンシア「駄目ですよお姉様、アイクにマミー君のことを話しては」
ミカヤ 「? どうして?」
エリウッド「考えてもみなよ、あの自分を鍛えるのが大好きなアイク兄さんが、マミー君を見つけたら……」
ミカヤ 「……ああ、なんかラグネルの衝撃波で我が家が倒壊してる絵が浮かぶわ……」
エリンシア「そういうことです……マミー君の存在は、アイクには絶対に秘密ですからね!」
セリス 「(チクチク)うう……皆ひどいよ、どうしてこんなにマミー君をいじめるのかな……」
マミー君 「……」
セリス (……あ、でも確かに、なんだかちょっといじめたくなるかも……)
マミー君 「……」
セリス 「(キョロキョロ)……えいっ(ポコッ)」
ポロッ
セリス 「うわぁ、マミー君の首が取れちゃった! ご、ごめんねマミー君、つい……!」
<おしまい>
昼食をファミレスでとる学生エリウッドとエフラム
エリウッド「何食べようか」
エフラム「俺は同じやつでいい」
エリウッド「すいません、カレーライス2つください」
エフラム「じゃあ俺もカレー2つで」
カァン キィン
リーフ 「…何やってるのこんな朝っぱらから?」
リン 「あら、おはようリーフ。今、アイク兄さんとヘクトルが手合わせ中よ」
リーフ 「そうなんだ。ヘクトル兄さんはエフラム兄さんやエリウッド兄さんとは戦績は良い感じに互角だけど
アイク兄さんには現在連戦連敗中だよね。それでも挑むヘクトル兄さんも懲りないね」
リン 「でも、今日はいつもと違うのよね」
キィン カァン
リーフ 「…互角、いやヘクトル兄さんがアイク兄さんを押してるよ」
リン 「アイク兄さんも戦い辛そうにしているわね。バイオリズム絶不調なのかしら?」
ヘクトル「貰ったぜ!」
アイク 「むっ…」
リーフ 「…ヘクトル兄さんが勝っちゃった」
リン 「ちょっとヘクトル!一体どんな手品使ったのよ?」
ヘクトル「手品とは人聞き悪ぃな。実力だぜ実力」
リーフ 「珍しいねアイク兄さん。ヘクトル兄さんに負けるなんて。調子悪かったの?」
アイク 「それもあるかもしれん。だがそれ以上に、今日のヘクトルはまるで槍を相手にしているようだった」
リン 「槍ですって?まさか、ヘクトルあんた…!」
ヘクトル「バレちまったらしょうがねぇ!兄貴にゃ悪いが、こいつを使わせてもらったぜ!」
つ【ソードバスター】
リーフ 「あれって確か、3すくみを逆転させる武器だっけ?」
リン 「ちょっと!それ卑怯じゃない!!」
ヘクトル「なーに言ってやがる!相手によって武器変えるのは戦場での基本だろうがよ」
アイク 「ヘクトルの言う通りだ。そもそもヘクトルが使っている武器を見抜けなかった俺がまだまだなだけだ。
それに、調子が悪かっただの相性が悪かっただの、負けた言い訳を俺はしたくはない」
リン 「兄さん……」
ヘクトル「それでこそ兄貴だぜ!で、もう一戦やるか?」
アイク 「ああ、だがその前に…相手によって武器を変えるのが戦術の基本ならば、俺もその戦術の基本に則るとしよう」
つ【ハンマー】
ヘクトル「ちょ、ちょっと待て兄貴!それ思いっきり俺への特効武器じゃねぇか!!」
アイク 「何を言っているヘクトル。弱点を克服してこそ、本当に強き者となるのではないのか?」
ヘクトル「克服する前に俺が粉砕されちまうだろーが!!」
アイク 「時間が惜しい。そろそろ行くぞヘクトル」
ヘクトル「兄貴、実はさっき負けたことに対して怒ってるんじゃくぁwsでrftgyふじこlp;@」
リン 「…オチもついたことだし、朝食の準備でもしようかしらね。けどアイク兄さん、やっぱ負けて悔しかったのね」
リーフ「人離れしているアイク兄さんだけど、なんだかんだ言ってやっぱ兄さんも人で安心したよ」
ミカヤ「そういえば、ロイって好きな子居るの?」
ロイ「え?急に何?ミカヤ姉さん」
ミカヤ「この前見ちゃったの。商店街を女の子と一緒に歩いてたでしょ?」
その後兄弟一同から次々寄せられる目撃情報・・・だが
リーフ「ロイも隅に置けないなぁ・・・でも、相手のイメージが一向にまとまらないのは何故?」
セリス「断片情報を纏めると、青い長髪で天馬科で踊りが上手くてサカっぽくて内気そうな・・・お姉さん?」
エリンシア「・・・何かがおかしい気がするのは気のせいかしら?」
マルス「・・・ロイ、八方美人も程ほどにね。あと、『家に遊びに来ない?』と『ずっと居てもいいよ』の連続攻撃は使いまくらない方がいいと思う」
リン「・・・今日はまともに忠告してるわね、何時もの黒さはどうしたの?」
マルス「酷いな、僕は恋愛面はノーマルなつもりだよ」
リン「それもそうね・・・ロイはいい子だけど、あの点だけは将来に不安を覚えるわ・・・無自覚なだけに尚更ね
ロイ「???」(自覚なし)
リーフ「(ナンナミランダサラに引きられながら)ロイ……お前は…僕のようにはなるなよ………」
>>85 むしろ、セリスタイプに近いかと
ロイは恋愛感情を持たず、皆と仲良くしているだけだが・・・
裏ではそれぞれのヒロイン候補が、それぞれ親族の力を最大限に使って暗闘してる感じ
リリーナはリキアグループのオスティア社の社長令嬢
スーなら酪農で有名なサカ食品の跡取り娘
シャニーは姉が人材派遣のイリアコーポレーションの社長婦人
ソフィーヤは古来から続くナバタ家の血族
ララムとセシリアなんて総合企業エトルリアの重役の養女と重役そのもの
セシリアが教師してるのも、裏から手を回して無理やり担任に納まったからに違いないww
87 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 03:51:32 ID:0uouWbu8
エリンシア「皆さん、晩御飯ですよ。早く席についてくださいね」
全員 「はーい」
シグルド 「……うむ、今日も我が家の晩御飯は実においしそうだな」
アイク 「シグルド兄さん、お決まりの文句はいいから早くしてくれ」
ヘクトル 「そうだぜ、こっちは腹減って死にそうなんだからよ」
エフラム 「この時間ばかりはヘクトルに同意だ。早めに頼む、シグルド兄さん」
セリカ 「……(むにゃむにゃ)」
シグルド 「分かった分かった。では皆、箸を持って……いただきます」
全員 「いただきます!」
アイク (がつがつ)
ヘクトル (ばりばり)
エフラム (むしゃむしゃ)
ロイ 「……相変わらず凄いね、あっちは」
リーフ 「あの凄まじい食いっぷりのせいで席分けられてるぐらいだからね……」
セリス 「凄いなあ兄さん達は。僕もあのぐらい食べられるようになりたいよ」
リン 「いや、あそこまでは無理でしょさすがに……」
セリカ 「……(むにゃむにゃ)」
ミカヤ 「……相変わらずセリカはきちっとしてるわね」
ロイ 「いつも欠かさないもんね、お祈り」
リーフ 「大地母神ミラ、だっけ? セリカ姉さんが信仰してるのって」
セリス 「ユンヌさんとは違う神様なのかな?」
ミカヤ 「どうかしら。今はユンヌもいないみたいだから、今度聞いてみるわ」
セリカ 「……(むにゃむにゃ)」
ロイ 「……それにしても長いね」
リーフ 「うん。僕だったら食卓の前でこんな長い時間不明瞭なことを呟いていられないよ」
アルム 「……」
ロイ 「そしてそれを微笑ましそうに見守っているアルム兄さん……」
リーフ 「これまたいつも通りの光景だね」
シグルド 「……」
エリンシア「……お兄様、お口に合いませんでした?」
シグルド 「ん、いや、エリンシアの料理はいつだっておいしいさ」
エリンシア「でも、今何やら苦虫を噛み潰したようなお顔を……」
シグルド 「いやいやそんなことはないぞはははは、このエビフライはおいしいなあ」
セリカ 「……(むにゃむにゃ)」
アルム 「……」
シグルド 「……」
エリンシア「ほら、また」
ロイ 「……いつも通りの光景、だね」
リーフ 「……いつも通りだからこそ、たまに嫌になるんだよね……」
エリンシア「ロイちゃん、洗い物手伝ってもらえないかしら?」
ロイ 「はーい」
セリカ 「あ、わたしも手伝うわ」
アルム 「じゃあ僕も」
アイク 「よし、食後の腹ごなしといくか」
ヘクトル 「へへ、腕が鳴るぜ」
エフラム 「今日こそ兄さんに勝ってみせる」
シグルド 「さて、部屋に戻って読書でもするかな」
マルス 「僕ちょっとシーダの家まで出かけてきます」
セリス 「宿題やらなくちゃ」
エイリーク「部屋でピアノの練習を……」
エリウッド「今日は何事もなくていい日だったなあ。明日に備えて早めに休んでおこうかな」
88 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 03:53:04 ID:0uouWbu8
ミカヤ 「……と、三々五々皆が散って」
リン 「居間に残ってるのはミカヤ姉さんとわたしと……」
リーフ 「ふーっ……食った食った」
リン 「……リーフ、ご飯の後すぐに横になるのは止めなさいよ」
リーフ 「えー、いいじゃないそんな、ケチケチしなくても」
リン 「別に牛になるって言う訳じゃないけどね、消化に悪いから……」
リーフ 「つまり食べたものが長くお腹に残るんでしょ? いいね、お得な感じ」
リン 「そういう問題じゃないってば……」
ミカヤ 「……あ」
リン 「え?」
ミカヤ? 「……やっほー皆! 元気してた?」
リーフ 「……この微妙にうざったいハイテンション……」
リン 「ユンヌさん?」
ユンヌ 「当たりっ! きゃーっ、なんかこの家の微妙に澱んだ空気、久しぶりかもっ!」
リン 「澱んだって……」
リーフ 「しかしまあ、相変わらずテンション高いねユンヌさん」
ユンヌ 「もっちろん。このわたしを誰だと思ってるの? 自由と混沌の女神ユンヌちゃんよっ。
リーフちゃんももっと元気よく生きないと、女の子にモテないぞっ♪」
リーフ 「いいよそんなの。モテたってどうせ面倒事が増えるだけだし……」
ユンヌ 「まっ、枯れてるわねリーフちゃんったら。若者がそんなんじゃいけないわ。
若い頃の苦労は買ってでもしろっていうことわざ、知らないの?」
リン (モテるってのが面倒事だっていうのは否定しないのね……)
ユンヌ 「そう、人間たるもの、平坦な人生なんてつまらないわ! もっと自由に、混沌とした道を歩んでいかなきゃね!」
セリカ 「……皆、さっきからどうしたの? 何か騒いでるけど……」
ユンヌ 「あら、ひょっとしてこの子が噂のセリカちゃん? お兄さんのアルム君とラブラブっていう」
アルム 「ラブ……!? ど、どうしたのミカヤ姉さん、なんだか変だよ?」
セリカ 「何か悪いものでも食べたんじゃ……」
リーフ 「あー、そっか。アルム兄さんとセリカ姉さんは、ユンヌさんと顔合わせるの初めてだっけ」
リン 「偶然にも、ね」
アルム 「え、ユンヌさんって?」
セリカ 「ミカヤ姉さんじゃないの?」
ユンヌ 「オッホン。お初にお目にかかるわね二人とも! わたしの名前はユンヌ!
今はミカヤの体を借りて喋ってるけど、その実態は、なんと!
自由と混沌を司るとっても可愛い女神ちゃんなのです!」
アルム 「……女神、ユンヌ?」
セリカ 「……本当なの?」
リン 「(あれ、なんかセリカの雰囲気が怖い……?) え、ええ、そうよ」
リーフ 「限りなくインチキ臭いけど、いろいろ変なこと出来るし、紛れもなく自由と混沌の女神、らしいよ」
ユンヌ 「やだもうリーフちゃんったら、そんなに褒められたらユンヌ困っちゃう」
リーフ 「……って言うか、今日はいつにも増してテンション高いね」
ユンヌ 「そりゃそうよ、いつもは何故かすれ違いになっちゃって会えなかったセリカちゃんとアルムちゃんに、
ようやく会えたんですもの! しかも二人は兄妹なのに愛し合っちゃってるんでしょ、このこの!」
アルム 「え、いや、べ、別に僕らはそういうんじゃ……ねえ、セリカ?」
セリカ 「……」
アルム 「セリカ?」
ユンヌ 「いやあねセリカちゃんったら、照れてるのかしら? いやーんもう、とっても可愛いわ!
でも安心してね、自由と混沌の女神たるもの、兄妹ぐらいじゃつべこべ言わないから!
むしろ応援しちゃう! シグリンのティルフィングなんか気にせず、どんどん突っ走っちゃえ!」
アルム 「こ、困ったなあ……セリカ? さっきから黙り込んじゃって、どうしたの?」
セリカ 「……ごめんなさいアルム、わたしちょっと部屋に戻るわ……」
アルム 「え、ちょっと、セリカ!?」
89 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 03:55:42 ID:0uouWbu8
ユンヌ 「……嫌われちゃったかしら?」
リーフ 「珍しいね、セリカ姉さんがシグルド兄さん以外にきつく当たるなんて」
リン 「そうね。何か、気に入らないところでもあったのかしら?」
ユンヌ 「ショック! ここに来て初めて嫁姑問題勃発!? ああ、鬼嫁がいじめるんだよお前さん」
リーフ 「……このテンションがうざかったんじゃないかな、ひょっとしたら」
リン 「まあ、あり得なくはないけど……」
アルム 「あ、セリカが戻って……きた……」
リーフ 「……セリカ姉さん、その格好、なに?」
リン 「僧衣、みたいな……」
セリカ 「……ええ、これは大地母神ミラ様に仕える者だけが着用を許された、特別な戦闘衣……」
リーフ (そんなのあったんだ……っていうか、戦闘衣?)
リン (何だってそんなものを今持ち出してくるのかしら……?)
アルム 「あ、あの……セリカ、それを着るってことは、ひょっとして……」
セリカ 「ええ、そうよ」
アルム 「だ、駄目だよセリカ、ここはウチだよ!? いや、外でも駄目だけど!」
リーフ (あれ、なんかヤバ気な雰囲気……?)
ユンヌ 「キャーッ、やだもう、セリカちゃんったらとっても可愛いわ! ね、写真撮っていい、写真」
リン (そして、全く雰囲気読めてない人がここに一人……)
セリカ 「……」
ユンヌ 「……あれ? どしたのセリカちゃん。もしもーし?」
セリカ 「黙りなさいっ!」
シーン……
ロイ 「(台所から顔覗かせつつ)え、なに、どうしたの?」
リン 「せ、セリカ……?」
リーフ 「は、般若の形相だ……! いつものセリカ姉さんじゃない……!」
ユンヌ 「……え、黙れって、わたしに言ったの?」
セリカ 「あなた以外に誰がいるっていうの、この邪神!」
ユンヌ 「じゃ、邪神!? ひどい、そんな悪口、アイクぐらいにしか言われたことないのに!」
セリカ 「黙れと言ったのが聞こえなかったの!?(ゴオオオォォォォォォッ!)」
ユンヌ 「きゃあっ!(回避)」
リーフ 「え(直撃) ウギョアァァァァアッァッ! あっちぃぃぃぃぃ! アヅイヨォォォォォォッ!」
ロイ 「なんてこった、ライナロックの直撃を喰らったリーフ兄さんが火達磨になっちゃった!」
リーフ 「この人でなしーっ! っていうか、だ、誰か、誰か水、水ゥゥゥゥゥ!」
リン 「大変……! あんまり動かないでリーフ、家に燃え移ったら大変でしょ!?」
リーフ 「ぼ、僕よりも家の心配するのリン姉さん!?」
リン 「傷はライブで治せても家は治せないでしょうが!」
リーフ 「た、確かに!」
ロイ 「そこで納得しちゃ駄目だよリーフ兄さん!」
リン 「とにかく、今水もってくるからちょっと待ってなさい!」
アルム 「せ、セリカ、落ち着いてよ!」
セリカ 「安心してアルム。わたしは今この上なく落ち着いているわ。
落ち着いているからこそ、目の前にいるのが限りなく邪悪な存在だということが分かる……!」
ユンヌ 「ひどいわセリカちゃん! 何を根拠にわたしを邪神扱いするの!?」
セリカ 「人の姉の体を乗っ取っておいて何を言うの!?」
ユンヌ 「いや、別に乗っ取ってる訳じゃ……な、何なら今すぐミカヤと話させるから、ね?」
ミカヤ 「……ふう。落ち着いてちょうだいセリカ、わたしは何も無理矢理体を乗っ取られてる訳じゃ」
セリカ 「そうやってミカヤ姉さんの振りをして私を騙すのね!?」
ミカヤ 「いやっ、違っ……」
セリカ 「そうでなかったらミカヤ姉さんは操られているんだわ! そうよ、きっとそうに違いない……!」
ユンヌ 「わ、わたし、誰も騙してなんか……」
セリカ 「自ら混沌の女神を名乗り、人の姉の体を乗っ取り、あまつさえ近親相姦を無邪気に勧める……
許し難いわ邪神ユンヌ! 大地母神ミラの名の下に、このアンテーゼが神罰を下します!」
90 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 03:58:12 ID:0uouWbu8
ロイ 「アンテーゼってなに?」
アルム 「ミラ教の洗礼名みたいなもので……あああ、どうしよう、またこんなことになるなんて……」
ロイ 「……ひょっとして、セリカ姉さんがこんな風に暴走するのってこれが初めてじゃないの?」
アルム 「うん。この間も通りすがりのナーガ教徒に『大地に還れ腐れ異教徒め!』って叫びながらライナロックを連発して」
ロイ 「危なすぎないそれ!?」
アルム 「いや、セリカにとってはむしろそれが正義なんだ。ほらミラ教って基本的に一神教だから」
ロイ 「うわぁ、まさか宗教戦争の縮図を我が家で見ることになろうとは……」
ユンヌ 「くぅっ……! セリカちゃんったら、人のこと遠慮なく邪神呼ばわりしてくれちゃって!
あんまり調子に乗ってると、ユンヌちゃん怒っちゃうぞ、プンプン!」
セリカ 「何て品のない……! しかも凄く頭悪そう! あなたみたいなのが神を名乗ろうだなんて、不敬だわ!」
ユンヌ 「むかーっ! ちょっと、今の言い草はひどいと思わないロイちゃん!?」
ロイ 「……いや、正直セリカ姉さんに賛成できなくもないって言うか」
ユンヌ 「ふんだ! 何よ何よ、大地母神ミラの名の下に、だなんて気取っちゃって!
わたしなんかミラちゃんとはこの星が生まれる前からのマブダチなんだもんね!」
ロイ 「え、それ本当?」
ユンヌ 「そーよ。ミラちゃんなんてわたしと同じぐらいのお馬鹿さんで、お兄さんのドーマ君も手を焼いてるんだから」
ロイ (なにそのほのぼの創造神話……そして、自分がお馬鹿だって自覚があったんだ……)
セリカ 「ふ、不敬よ! 不敬にも程があるわ! 人の神様をちゃん付けで、しかもお馬鹿さん呼ばわり!
その上ドーマ神との関係を世俗的に捏造するだなんて、ミラ経典を何だと思って」
ユンヌ 「ふーんだっ、そんなもの知らないもんね! 人たちが勝手に書いた本のことなんて、わたしちーっとも知らないもんね!
やーいばーかばーか、あっかんべーっ! お尻ぺーんぺーん!」
ロイ (……この人、本当にこれで神様なんだろうか……)
セリカ 「もう許せない……っ! 私の全存在を持って、あなたを打ち滅ぼす!」
ユンヌ 「ふふん、やれるもんならやってみなさいよ。この体どうせミカヤのだしね!」
ロイ 「ちょっ、なに人の姉さん人質に取ってんですか!?」
ユンヌ 「だいじょーぶよ。こんな小娘に女神であるわたしが負けるなんて、絶対ありえないもーんだ」
ロイ 「いや、そういう意味じゃなくて」
セリカ 「大丈夫よ、ロイ。邪神を打ち滅ぼすための聖戦だと知れば、死んだミカヤ姉さんも分かってくださるわ」
ロイ 「もう死んだことにされてる!?」
セリカ 「という訳で、滅せよ邪神!」
ユンヌ 「きやがれこのクソ異教徒がぁっ!」
ロイ 「ちょ、ユンヌさん本音出てるって」
アルム 「ふ、二人とも落ち着い……」
二人 『死ねェェェェェェェェェッッ!』
セリカ 「ライナロック!」
ユンヌ 「レクスオーラ!」
セリカ 「くぅっ……!」
ユンヌ 「おほほほ、その程度かしらセリカちゃんったら! ちゃんちゃらおかしいとはまさにこのことよ!
どう、這い蹲ってわたしの靴を舐めるなら、改宗することだけは許してあげてもいいわよ?」
セリカ 「黙りなさい、邪神!」
アルヴィス「なんだ、一体何の騒ぎだ」
アトス 「騒がしいのお」
レヴィン 「勘弁してくれよ、今夜は遊び倒すつもりだったのに」
イシュタル「ユリウス様に夜這いをかける途中だったのに……」
セリカ 「そこの通りすがりの四人! 今すぐこの聖戦に協力することを命令します!」
アルヴィス「は?」
アトス 「なんじゃと?」
レヴィン 「おいおい、急に何を」
イシュタル「私を誰だと」
セリカ 「黙って協力する!」
四人 「はい!」
セリカ 「よーしっ、これで……!」
ユンヌ 「あははは、その四人に協力してもらったところで、わたしを倒すことなんて不可能」
セリカ 「ファラフレイム、フォルブレイズ、フォルセティ、トールハンマー!」
ユンヌ 「えっ、ちょ……! あ、あぶなっ……っていうか、なんで使えるの!?」
セリカ 「信仰心の賜物よ!」
ユンヌ 「クッ、狂信者め……っ!」
セリカ 「くたばれ邪神めぇぇぇぇぇっ!」
ユンヌ 「神を舐めるなよ、小娘ぇぇぇぇぇっ!」
91 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 04:00:23 ID:0uouWbu8
〜数日後〜
ロイ 「……で、結局あれからどうなったの?」
リーフ 「家族全員騒ぎのせいで気絶しちゃって、後のこと全然覚えてないんだよね……」
ロイ 「アイク兄さんなんか『あの程度で気絶するとは、不覚だ』とか言ってどっかに旅立っちゃうし」
リーフ 「エリウッド兄さんは我が家の倒壊に心を痛めて倒れちゃうし」
ロイ 「実際のとこどうなのさ?」
リーフ 「教えてよアルム兄さん」
アルム 「……そう言われてもね、僕にもよく分からないんだよ。ロイたちと一緒で気絶してたし」
ロイ 「気がついたら朝だったもんね……」
リーフ 「残っていたのは、我が家の瓦礫の上で呆然と座り込むセリカ姉さんだけだったもんなあ……」
セリカ 「……」
ロイ 「そしてそのセリカ姉さんはあれから終始不機嫌で何も話さないし……」
リーフ 「謎は深まるばかり、だね……」
ミカヤ? 「やっほー皆! 超お久しぶり!」
セリカ (ビクッ)
ロイ 「あれ、ユンヌさん」
リーフ 「あの騒ぎ以来だね」
ユンヌ 「まーね。わたし、あの騒ぎ起こした原因問われて、押入れ……じゃなくてメダリオンに閉じ込められてたし」
ロイ 「相変わらず全然威厳ないねユンヌさん……」
アルム 「あの、ユンヌさん」
ユンヌ 「んー? なあに、アルムちゃん」
アルム 「あのあと、どういう形で決着がついたんですか? セリカ、何も話してくれなくて……」
ユンヌ 「んっふっふっふっふー。聞きたい?」
アルム 「え、ええ」
ユンヌ 「……だって。教えてあげたらー? ねー、セリカちゃーん?」
セリカ 「ぐぅ……!」
ロイ (うわ、セリカ姉さんこめかみに青筋立ってるよ!)
リーフ (怖ぇー、あれは相当怒りを押し殺してるな……)
ユンヌ 「(ぺちぺちとセリカの頭を叩きつつ)ほらほらどうしたのセリカちゃん、説明してあげなさいよ、
ねー、大地母神ミラの従順な僕たる神官戦士、アンテーゼちゃーん?」
セリカ 「ぐむむむむむ……!」
アルム 「せ、セリカ……?」
セリカ 「……あの後、いつ果てるとも知れぬ激戦を繰り広げていた私達の前に、三人の神様が降臨なさったのよ……」
アルム 「か、神様!?」
ロイ 「そりゃまた……」
リーフ 「ぶっ飛んだ話だね……」
92 :
かみちゅ?:2007/05/18(金) 04:04:19 ID:0uouWbu8
ユンヌ 「一人はアスタルテ姉さん、もう一人はアスタテューヌ姉さん。で、もう一人が……」
セリカ 「……大地母神、ミラさまだったの……」
アルム 「えぇ!?」
ユンヌ 「ふふん、だから言ったじゃない、わたしとミラちゃんはマブダチなんだって」
ロイ 「本当だったんだ……」
セリカ 「……あのときのことを思い出すと、わたしは今でもっ……!」
リーフ 「……ま、まあ良かったじゃない姉さん、崇め奉ってる神様と直に会えた訳だし」
セリカ 「ちっとも良くない!」
リーフ 「ひぃっ!?」
セリカ 「……ミラ様はね、わたしにこう仰ったのよ……」
〜回想〜
ミラ 『セリカ、あなたがわたしを敬ってくれるその気持ちはとても有難いですが、
だからと言って他の神を否定するなどあってはならないことですよ。
特にユンヌは、わたしの姉とも言えるようなかけがえのない存在なのですから』
セリカ 『で、ですがミラ様……!』
ミラ 『言い訳はなしです。そんな聞き分けの悪い子はミラちゃん嫌いです。ちょめっ!』
〜回想終了〜
リーフ 「ミラちゃん……それにちょめっ! って……」
ロイ 「……神様って軽いのばっかりだね、なんか……」
ユンヌ 「ま、とにもかくにもそういう訳で、わたしには手出しできなくなっちゃったのよね、セリカちゃーん?」
セリカ 「ぐぅぅぅぅぅぅぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
アルム 「い、いつものセリカじゃない……!」
ロイ 「……ま、まあいいじゃない、ミラ様の意思も確認できたことだし、これからは仲良くすれば」
リーフ 「そ、そうだよね。これで何の問題もない訳だし……」
ユンヌ 「そうそう。いいこと言うわねー二人とも。そういうわけで、仲良くしましょうねーセリカちゃーん?」
セリカ 「ぐぐぐぐぐぐぐ……!」
ユンヌ 「あっらー? どうしたのかしらセリカちゃん。ほらほら、あなたの信仰する神様の姉貴分であるユンヌさまが、
これから仲良くしましょうって言ってあげてるのよー? ちゃんと返事しなきゃ駄目よー?
ほらほらその可愛いお口を開けて言ってごらんなさいな、『分かりました、偉大なる混沌の女神ユンヌさま』
ほーら、ぷりーずりぴーとあふたーみー?」
セリカ 「……っ! アルム! 今すぐあの邪神殺して!
わたしを愛しているなら、あなたのファルシオンで真っ二つにしてやって!」
アルム 「ちょ、落ち着いてよセリカ!」
ユンヌ 「おほほほほほ、なーんて気分がいいのかしら! ああ、負け犬の遠吠えって最高……!」
ロイ 「……リーフ兄さん」
リーフ 「……なんだいロイ?」
ロイ 「……つまり、また揉め事の種が一つ出来たっていう解釈でいいのかな、これは……」
リーフ 「……なんかもう、勝手にしてくれって感じだよ、はあ……」
93 :
晩御飯の人:2007/05/18(金) 04:05:56 ID:0uouWbu8
単体では個性が薄いセリカに新たな一面を見出してみるテスト。
神官戦士=宗教関係=狂信者
そんな訳でかなり原作とキャラが違ってるけど、これで個性もバッチリさ!
……いや、さすがに冗談スけどね。
まあ、気に入らなくてもサラッと流してくださいよアハハハハハ……
>>93 いや、面白いですGJです!
(#  ̄ー ̄)〇"グッ
欲を言えばアルムの見せ場を・・・
スレの最初の方から比べたら、最近キャラ壊れすぎな気もするが…
あと個人的にミカヤがダメージ受ける展開ほしいなあ。長姉・女神つきって点で無敵キャラ化して面白くない。ゴキブリの話でも最後は強気だしなあ。
まぁキャラぶっ壊れてるけど、面白いからいーんじゃない?と俺は思うけどな
最初の方ではほぼ空気だったらアルムとセリカが、ここにきてようやく個性が出てきた感じだし
正直言って、ミカヤは暁本編のよりここのミカヤの方が好きだw
ギャグなんだしこのくらいの壊れ度なら、全然いいと思うけどな。
何しろFEは本編が基本的にシリアスだから、
主人公たちは、ここまで思いきり弄られる機会ってのががあまりなかった。
そのせいで本編で面白みに欠けるな〜と思ってたキャラが、
ここではこんなに愉快な奴だったのか(笑)と思えて、
好きになっちゃったりしてるよ。
自分も、ミカヤは本編よりここ長女の方が圧倒的に好きだw
というか、ここに来て初めてミカヤを愛が湧いてきたw
職人さんたち、応援してるよ〜ノシ
俺はミカヤが逆に嫌いになってしまったよ…。
99 :
晩御飯の人:2007/05/18(金) 16:26:24 ID:JjLxC9Yu
>>95 んー、まあ、この手のスレだとその辺りのパワーバランスは結構論争の種になりますしね。
個人的にはミカヤは
>>21で描いたみたいに、
「弟、妹達のためと言って大いに張り切るんだけど、張り切りすぎて空回りして
失敗して、周囲に慰められたり生温かい目で見られる人」な感じ。
ほら、原作でも割と自己陶酔してありえない方向に突っ走ってるようなキャラでしたし。
私個人としても問答無用の最強キャラ的な立ち位置のキャラは気に入らんので、
その辺もこれから描いてみたいところではあります……お気に召すかは分かりませんが。
……でも確かに、その辺考えると前回のネタのオチは失敗だったかも……すんません。
たった今修正手段を思いついたので、その内描きたいと思いますですはい。
で、今日も今日とてその辺の事情とは全く関係ないネタを投下。
Vol.7 こだわる人、どうでもいい人
とある休日の昼下がり、紋章町郊外の原っぱにて、壮年の男を間に置いて睨み合う男が二人。
クーガー 「……」
エフラム 「……」
デュッセル「……始めい!」
デュッセルの掛け声と共に、二人は気合の乗った声を張り上げながら、互いの体に向けて槍を突き出し合う。
無論、カバーをつけて殺傷能力を抑えた槍ではあるが、その点以外は実戦とまるで変わりない。
クーガーは竜に乗り、エフラムは地に足をつけている。
常識的に考えれば、自在に距離をとり攻撃を仕掛けられるクーガーの方が圧倒的に有利な状況である。しかし、
クーガー 「はぁっ!」
エフラム 「……! もらった!」
竜と共に突進してきたクーガーの槍を紙一重で避けながら、エフラムは勢いよく槍を突き出す。
エフラムの槍は見事クーガーの腹部を捉え、彼を竜の背から吹っ飛ばした。
地面に倒れ、苦しげに咳き込むクーガーを見ながら、デュッセルは一つ頷く。
デュッセル「この勝負、エフラムの勝利だ!」
周囲で見物していた野次馬たちから、歓声が上がった。その中から司祭が一人飛んできて、クーガーの手当てに当たる。
クーガー 「クッ……負けたか」
デュッセル「うむ。ますます腕を上げたな、エフラム」
エフラム 「ああ。だが、途中何度か危なかった。俺もまだまだだ」
デュッセル「そうだな。その謙虚な気持ちを忘れず、これからも精進を続けるがいい。さて、クーガーよ」
クーガー 「分かっています……受け取れエフラム、これが『陽光』だ」
エフラム 「これがあの名槍、『陽光』か……!」
クーガー 「そうだ。まあ、武器の薀蓄などお前はさして興味がないだろうが……いい槍だろう」
エフラム 「ああ。初めて持ったというのに、こうも手に馴染むとは……やはり、名の知れた槍ともなると違うものだな」
クーガー 「大事に使ってくれ……と言っても、俺は扱える自信がなかったから、飾っていただけなんだがな」
エフラム 「こんないい槍を飾っておくなどもったいない話だ。是非とも実戦で使わせてもらおう」
クーガー 「……出来るか? その長さを考えろ、ほとんど馬上槍だぞ」
エフラム 「使い方次第だろう。降りて使うのが無理なら馬に乗って振り回す手もある」
クーガー 「確かにな……しかし、残念だ。この勝負に勝ったら、俺のコレクションにジークムントが加わるはずだったんだが」
エフラム 「……だからこそ負けられなかったというのも、理由ではあるな」
エフラム 「ただいま。……なんだ、誰もいないのか? まあいいか……
しかし、何度見ても惚れ惚れするほど美しい長槍だ。クーガーが名槍を集めているというのも分からんでもない。
……早速庭で振り回してみたいが、その前にもっと手に馴染ませないとな……
よし、今日は徹底的にこの槍を磨き上げることにするか。
そうと決まれば、部屋から布を取ってこないとな……」
ヘクトル 「ただいまー。……って何だ、誰もいねえのかよ。まあいいや、あー、腹減った、なんか駄菓子あったっけかな……」
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル……(電話の呼び鈴)
ヘクトル 「なんだようるせえな……はいよ、もしもし……なんだエリンシアの姉貴かよ。
そう、俺……ああ、俺以外は誰もいねえみてえだけど……は、洗濯物干せ? やだよ面倒くせえ……
あー、分かった、干すよ、干すから晩飯抜きは勘弁してくださいお姉様……(ガチャン)
チッ、姉貴の奴、何かと言うとすぐ飯抜きとか言いやがって……で、洗濯物は……これか。
……って、何か物干し竿がねえぞ? クソッ、またマルスの野郎か誰かが持ち出してやがるな……
参ったな、何か代わりに……お、ちょうどいいところにちょうどいいものが」
エフラム 「……布一枚探すのにこれだけかかるとは……エイリークの言うとおり、
もう少し部屋を整理した方がいいかもしれんな。まあいい、これから夜まで時間をかけてたっぷり磨いて……?
あれ、『陽光』はどこにいった? ……おい、ヘクトル」
ヘクトル 「あんだようっせえな」
エフラム 「俺がここに置いておいた長槍を知らないか」
ヘクトル 「長槍……あー、あれならほら、あそこだぜ」
エフラム 「庭先……?」
エフラムが庭を見ると、そこには物干し台にかけられてたくさんの洗濯物をぶら下げている名槍の姿が!
エフラム 「アァァァァアァァァァァァァアアァァア!?」
ヘクトル 「いやー、世の中にはあんな長い槍もあるんだな。物干し竿の代わりにちょうどよかったぜ!」
エフラム 「ヘクトル、貴様ァァァァァァァ!」
ヘクトル 「うおっ、いきなり何すんだ危ねえ奴だな、家の中で槍振り回すんじゃねえよ」
エフラム 「黙れ! 貴様、あの槍がどれだけ価値のあるものか分かっているのか!?」
ヘクトル 「知るかよ、んなこと」
エフラム 「ああそうだな、知っていたらあんなことはしないはずだ……」
ヘクトル 「うるせえ奴だな、別にいいだろちょうどいい長さだったんだから」
エフラム 「だからって物干し竿の代わりに洗濯物をぶら下げるんじゃない! あれでは槍と製作者が泣くぞ!」
ヘクトル 「だーっ、うざってえな! 槍の一つや二つにうだうだ言ってんじゃねえよ。
大体お前、他にもたくさん槍持ってんじゃねえか、レギンレイヴにジークムント始め、
古今東西の槍をこれでもかってぐらい部屋に集めやがって。もう十分だろうが」
エフラム 「いや、まだだ。真に俺の手に馴染む槍には、未だ出会っていない。
真に槍の道を究めんとする者が、自分に合った武器を手に入れようとするのは当然のことだ。
お前だってヴォルフバイルやアルマーズを愛用しているじゃないか」
ヘクトル 「……いや、俺は物置にあった斧を何となく使い続けてるだけだぜ。いちいち選ぶのも面倒くせえし」
エフラム 「お前という男は……! 己の手となり足となる武器に、少しは愛着がないのか!?」
ヘクトル 「ねえよそんなもん」
>>93 あくまでパロディだから、それくらい壊れててもOKかとw
無個性に比べたらよっぽど良いと思いますよ
頑張って下さい!!
自分は、本編よりこっちのスレのミカヤの方が好きw
なんか輝いてるwww
エフラム 「……そうだったな。お前はヴォルフバイルもアルマーズも、平気で座布団ごと尻の下に敷くような男だったな」
ヘクトル 「おう。多分あいつらには俺の屁の臭いがこれでもかってほど染み込んでるはずだぜ」
エフラム 「最低だなお前は! 製作者に申し訳ないとは思わないのか」
ヘクトル 「別に。大体な、武器なんてものは適当にぶん回せりゃなんだっていいんだよ」
エフラム 「馬鹿なことを。さらに強くなろうとすれば、己に合った武器を吟味するのは当然のこと」
ヘクトル 「アホか。鉄だろうが鋼だろうが銀だろうが、得物の種類に関係なく強いのが、真の戦士ってもんじゃねえか、ああ?」
エフラム 「(ぴくっ)……フン、そんなだから本来有利なはずの槍相手にも勝ち越せないんだな、お前は」
ヘクトル 「(ぴくっ)……へっ、それを言うならてめえだって、結局武器頼りってことじゃねえのか?
何が槍の道を究めるだ、笑っちまうぜへなちょこ野郎が」
エフラム 「こだわりを持たないお前など、所詮は町のチンピラどまりだろうが」
ヘクトル 「てめえこそ『道を究める』とか格好つけてるだけで、結局は武器マニアが関の山なんじゃねえの?」
エフラム 「なんだと!?」
ヘクトル 「やるか!?」
ロイ 「……」
マルス 「やあロイ、どうしたんだい廊下から居間を覗き込んで」
ロイ 「……マルス兄さんこそ、物干し竿なんか持って何やってるの?」
マルス 「ははは、ちょっと爺追いに行ってきたのさ」
ロイ 「……爺追い?」
マルス 「そう。この物干し竿にファルシオンをくくりつけて、アウトレンジからメディウス爺さんを突きまわす遊びさ。
逃げ惑う爺さんの悲鳴に、チキとファもキャッキャと大はしゃぎだったよ」
ロイ 「止めてあげなよ……相変わらず外道だね兄さんは」
マルス 「ははは、そんなに褒めないでくれ、照れるじゃないか。で、居間では何やってんだい?」
ロイ 「うん……またエフラム兄さんとヘクトル兄さんが喧嘩してるんだ」
マルス 「あの二人も飽きないねえ」
ロイ 「気が荒いのは両方同じなんだけどね」
マルス 「根っこは同じでも、方向性が違うからねあの二人は」
ロイ 「あくまでも槍一本にこだわって道を究めんとするエフラム兄さんと、
とりあえず強けりゃ後は割とどうでもいいヘクトル兄さん……」
マルス 「まあ、どちらが正しいかなんてのは宗教論争ぐらい空しいものだけどね」
ロイ 「武人と喧嘩屋って感じだよね。どっちも僕らじゃ太刀打ちできないぐらいに強いのは確かだけど」
マルス 「正面からじゃ無理だろうね、確かに……でもまあ」
エフラム 「もう我慢できん! 今日こそお前のその下品な自信を叩き潰してやる!」
ヘクトル 「おうやってみやがれ、こっちこそテメエの上品ぶった澄まし顔にはうんざりしてたところだぜ!」
二人 『表へ出ろ! ケリをつけてやる!』
マルス 「……根本的には、やっぱり同じなんだけどね」
ロイ 「……とりあえず、誰かにライブの手配をしておくよ、僕は……」
<おしまい>
104 :
92に便乗。:2007/05/18(金) 16:37:02 ID:ooBF9NMM
〜数日後
ミカヤ?「セーリーカーちゃーん」
セリカ「なに、ミカヤ姉さ……」
ミカヤ?「ちーがーうーわーよー? 私はぁ、混沌の女神ユンヌ様でーすっ!」
セリカ「……っ! また姉さんの身体を乗っ取って……! この悪魔!」
ユンヌ「だから乗っ取ってなんか無いってば。もう、そんな……」
マルス「あ、もしかしてユンヌさん? ちょっといいかな」
ユンヌ「え? なにマルスちゃん」
マルス「クラスメイトにユンヌさんのファンだっていう人がいるんだ。だからサイン書いて欲しいんだけど……いいかな?」
ユンヌ「ええー、わたしのファン? やだもうっ、困っちゃうなー(さらさら)」
マルス「素早く流れるような筆跡のサイン、ありがとう。……ところで、今日は何しに?」
ユンヌ「わたしね、ちょっと前にセリカちゃんと喧嘩したの」
マルス「ああ、丁度僕が出かけてるときの話ですよね」
ユンヌ「そうそう。もう、邪神邪神って連呼されて、すごい傷ついたんだから」
マルス「けど事実じゃないですか(さらり)。正に対する負の神って、つまりは日向に対する日陰の神ってことでしょう? なら、暗黒神呼ばわりされても仕方ないんじゃないですか?(にこにこ)」
ユンヌ「…………。さり気にひっどいこと言われてる気がするけど、とにかく、そういうことがあったから、今日は仲直りに来たの」
マルス「へえ」
セリカ「…………!(ぎりぎり)」
アルム「セ、セリカ。新聞紙をそんな雑巾のように絞ったりしないでくれ……!」
ユンヌ「そういうわけで、セリカちゃーん? ちょっといいかなー?」
セリカ「…………」アルム(あわわわ)
ユンヌ「わたしはもう気にしてないからー。セリカちゃんが一言、『申し訳ございませんでした混沌の女神ユンヌ様』って言ってくれたら、仲直りしてあげてもいいんだけどー?」
セリカ「…………っっ!!(びきいっ)」
アルム「セリカ! 湯飲みを握り潰すな! 危ないから!」
ユンヌ「ほらほらー、仲直りしましょうよー? ミラちゃんの姉貴分である、このわ・た・し・とー」
セリカ「…………ぅっ」
ユンヌ「あらあら、涙目で拳握っちゃって。かっわいー」
マルス「……ところでユンヌさん。これ、何か分かりますか?」
ユンヌ「へ? ……なにって、えと、ファイアーエムブレムでしょ?」
マルス「そうです。で、これにこれを嵌め込むと……」(五つのオーブを設置する)
キラーン☆
ユンヌ「!?っきゃあああああ!! なんか不可視の力がわたしを引き摺り込もうとおおぉ!?」
マルス「封印の盾となって、邪悪なものを封じる神器になるわけですね。……さっき言った通り、ユンヌさんは日陰の神ですから、立派に封印対象なんですよねー」
ユンヌ「くううっ! 神様ナメんなああっ!! 竜如きを抑えただけのモノで……」
マルス「ふっ。残念ながら、あなたに勝ち目はないんですよ。コレのおかげでね」
ユンヌ「それは……私が署名したサイン色紙?」
マルス「くっくっく。……世間知らずの神様は、これがただのサイン色紙だとすっかり信じていらっしゃったようだが」
ユンヌ「……え?」
マルス「このサイン色紙の真の姿は……“血の誓約書”。不正献金で捕まったルカン市議の家から盗ってきた呪いの誓約書!」
ユンヌ「えええっ!!」
マルス「ちなみに内容は『兄弟を泣かせたり怒らせたり困らせたり…中略…した場合、許されるまで押入れで反省しろ』ってことで」
ユンヌ「く、なぜか力が出せないと思ったら……アスタルテの力のせいだったのね。けど、まだまだ……!」
マルス「あ、そうそう。ユンヌさんのここ最近のいたずら、アスタテューヌさんに密告っといたから」
ユンヌ「……………………。はい?」
マルス「大層怒ってたらしいよー。それで、コレ借りてきちゃった」(メダリオンを取り出す)
ユンヌ「……っ! イヤーーーーッ! 押入れはイヤーーーーーーーーッッ!!」
マルス「はーっはっはっはっ! たかが神様の分際で、僕の兄弟を泣かせるからだ! さあ、キリキリ閉じ込められろ!」
ユンヌ「イーーーーヤーーーーーーーーッッ!!!!」(しゅるしゅるしゅるぽん)
105 :
92に便乗。:2007/05/18(金) 16:38:28 ID:ooBF9NMM
アルム「…………」
セリカ「…………」
ミカヤ「…………」
ユンヌ(暗いよ! 怖いよ! うわーーん!)
マルス「(無視して)はいセリカ。これあげるね。あ、素手で触らないようにね」
セリカ「マルス兄さん……。ありがとう!」
マルス「いやぁ。可愛い妹のためだし、たまにはね」
セリカ「さすが、汚い手とか腹黒さとかでは一番ね!」
マルス「はっはっは。そんなに誉めるなよ、照れるじゃないか」
アルム(……ナチュラルに誉め言葉と思ってるし)
ミカヤ「(我に返って)……ってマルス! だめよ、そんな……」
マルス「エリス先生ー、お願ーい」
エリス「はいはい。(スリープの杖を構えて)ドクターストップです、お休みください」
ミカヤ「え? ……あ……」(ばたん)
マルス「任せていい?」
エリス「ええ。しばらく私が看ていますから。安心なさい、マルス」(ミカヤを担いで退場)
アルム「……魔防の高いミカヤ姉さんが、あんなにあっさり……」
マルス「ここんところユンヌさんの出現率が高かったからねー。疲れが溜まってるんだよ」
アルム「……そうなの?」
マルス「そうだよ。いつも胃が痛いって嘆いてるエリウッド兄さんのせいで目立たないけど、ミカヤ姉さんはうちで一番体力ないんだから」
アルム「そっか……。言われてみれば、セイニーでボス殴りたいけど手槍の反撃で一撃死なもんだからまごまごするのがミカヤ姉さんだったもんな」
マルス「そうそう。そんな身体なのに神様が出たり入ったり勝手に動かしたりしてるんだ。本人が気付かないだけで、相当身体に無理させてるはずなんだよ」
アルム「……気付かなかった、俺……」
マルス「気付いてたのは多分エリンシア姉さんだけだろうね。兄さんたちも、ミカヤ姉さんには甘えてばかりだから」
アルム「マルス兄さんは、よく気が付いたね?」
マルス「…………。まあ、兄弟のど真ん中だからね。上も下も程々によく見えるんだよ」
ユンヌ(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! もう許してお願い出してー!)
セリカ「ほーっほっほっほっ! 邪神めが、そこで永遠を過ごすがいいわ!!」
アルム「……で、あれ、どうしよう?」
マルス「? あのままでいいんじゃない?」
アルム「…………」
106 :
おまけ。:2007/05/18(金) 16:45:07 ID:ooBF9NMM
サザ「……上手くいったみたいだ」
セフェラン「そうですか……。全く、ユンヌ様の悪戯も困ったものです」
サザ「まあ、とにかくこれで、しばらくはミカヤも楽に過ごせるはずだ。……その、手を貸してくれてありがとう」
セフェラン「いえ、私は何もしていません。ただ彼と貴女の言葉をアスタテューヌ様に伝えただけ。……ですから、お気になさらず」
サザ「…………」
セフェラン「……ですが、そうですね。どうしても気になるというのでしたら、一つ」
サザ「なんだ?」
セフェラン「お見舞い。行くのでしょう? 私の分もしっかりお願いします」
サザ「……分かった」
というわけで。
「ミカヤの欠点といえばあの低体力だろう」ということで書いてみました。
兄弟で一番体力が低いのに長女としての責任を負っているのだから、
無理をする>いきなりぶっ倒れるのコンボで弟妹にハラハラさせてるんではないかと。
ついでにユンヌに因果応報痛い目を。
アルムとセリカは外伝未プレイなので適当です。どうかご容赦を。
108 :
晩御飯の人:2007/05/18(金) 16:49:49 ID:JjLxC9Yu
ぐあっ……!
「メダリオンを誰かに持たせてお仕置きの手段にする」
ってネタさっき考えついたのに、先に書かれちまったぜ!
>>107氏GJ!
うん、でもやっぱりパワーバランスに関してはこれで問題なさそうスね。
そしてユンヌはいい馬鹿キャラだ。
109 :
助けて!名無しさん!:2007/05/18(金) 18:16:21 ID:JneNLAih
なぜかセフェランがマッガーレに見える
>109
おもったけどそれいったら、らめぇぇだと思ってた・・・
〜ある日の夕暮れ、主人公家にて〜
ロイ 「ただいまー……あれ、シグルド兄さん。どこかに出かけるの?」
シグルド 「ん。ああ、ロイか。いやなに、ちょっと、夕飯のための買出しにね」
ロイ 「えっ、そんな、悪いよ、折角久しぶりの有給休暇でのんびりしてるっていうのに」
シグルド 「ははは、気にしなくていい。いつもはエリンシアに家事を任せきりなんだ。
私は料理など出来ないが、せめて買出しぐらいは手伝わないとな」
ロイ 「うーん……分かったよ。それじゃ、僕も一緒に行く。荷物持ちぐらいなら手伝えるし」
シグルド 「そうか? じゃあ、着替えてきなさい。待ってるから」
ロイ 「うん、分かった」
ヘクトル 「あん、どうしたロイ、そんなに急いで」
ロイ 「シグルド兄さんが夕飯の買出しに行くっていうから、僕も手伝おうと思って」
ヘクトル 「……シグルド兄貴と?」
ロイ 「そうだけど……え、何かまずい?」
ヘクトル 「いや、まずいってことはないんだがな……なんつーか」
ロイ 「?」
ヘクトル 「大変だな」
ロイ 「え、何が……」
エフラム 「何話してるんだ、二人とも」
ヘクトル 「シグルド兄貴と出かけるんだとよ、こいつ」
エフラム 「……本当か?」
ロイ 「……あの、何かあるの?」
エフラム 「いや……俺から言えることはただ一つだけだ。死ぬなよ?」
ロイ 「え……」
ミカヤ 「ロイ、シグルドと出かけるって、本当?」
ロイ 「そ、そうだけど……」
ミカヤ 「頑張ってね。どんなことがあっても、くじけちゃ駄目よ」
ヘクトル 「気合入れてけよ」
エフラム 「無事に生還できることを祈ってるぞ」
ロイ 「な、なんなのさもう……三人で、僕をからかってるの?」
シグルド 「おーい、ロイー? どうした、何かあったのかー?」
ロイ 「あー、ううん、今行くよシグルド兄さん! ……じゃ、行ってきます」
シグルド 「うむ、この辺りに買い物に来るのも久しぶりだな」
ロイ (何なんだろう、一体……気になるなあ)
シグルド 「思い返せば紋章町もずいぶん変わったものだ」
ロイ 「……ねえ、シグルド兄さん。兄さんって、誰かに恨みを買ってるとか、そういうことはないよね?」
シグルド 「? どうした急に」
ロイ 「いや……何となく、なんだけど」
シグルド 「ははあ、なるほど……いいかロイ、確かにウチは貧乏だが、私はお前達を養っていくためとは言っても、
不正をしたことは一度としてないぞ。そんなことをして稼いだお金でご飯を食べてもおいしくないだろう」
ロイ 「あー、うん、そうだね。いや、でも別にそういう意味じゃ……」
シグルド 「おおロイ、スーパーが見えてきたぞ。いや懐かしいな、最近ではすっかり来る機会もなくなっていたし」
ロイ (まあ、シグルド兄さんに限って、誰かの恨みを買って……ってことはないよね。でも、だとすると……)
シグルド 「うむ……ロイ、この『ネギ』というのは普通に『ネギ』でいいんだな? 『タマネギ』の略とかでは……」
ロイ 「いや、大丈夫だよ、エリンシア姉さんそんな変な癖ないから」
シグルド 「そうか。ではこの長ネギを買っていけばいいのだな」
ロイ (まあ確かに買い物慣れしてない感じはするけど、別にヘクトル兄さんたちみたく騒ぎを起こす訳でもないし……)
レベッカ 「三千六百二十五Gになりまーす」
シグルド 「……おおロイ、うまいことぴったりの金額で払えそうだぞ」
ロイ 「良かったねシグルド兄さん」
シグルド 「うむ。いちいちお釣りをもらっていてはなかなかレジが回転しないからな」
レベッカ 「あのー」
シグルド 「ああ、これは失礼した。では、三千六百……」
ロイ (別に、スーパーのレジで値切りを始める訳でもないし……)
シグルド 「大丈夫かロイ、重くないか」
ロイ 「大丈夫だよ兄さん」
シグルド 「うむ。ロイもすっかりたくましくなったな。兄さんは嬉しいぞ」
ロイ (うーん、一体何が問題なんだろう……まあ、何事もないに越したことはないけど)
と、曲がり角を一つ曲がった先で
ノール 「ヘルプミーッ!」
リオン 「助けてーっ!」
ロイ 「うわぁ、見知らぬお兄さん二人が亡霊戦死の群に押し潰されているーっ!?」
シグルド 「おお、これは大変だ。ロイ、ちょっと買い物袋を持っていてくれ。わたしはあの二人を助ける!」
幸いにも亡霊戦士はシグルドが一発殴れば消滅したため、大した怪我もなく全滅させられた。
シグルド 「いやあ、召喚実験の失敗とは、やはり学者というのは大変な職業だな」
ロイ 「……まあ、研究の種類にもよると思うけど。でも、凄いねシグルド兄さん」
シグルド 「ん、何がだ?」
ロイ 「いや……よく、あんな迅速に助けに入れたね? 僕、一瞬何がなんだか分からなくなっちゃって」
シグルド 「そんな大したことじゃない。何というか、慣れてるからな」
ロイ 「……慣れてるって」
と、また曲がり角を一つ曲がった先で、
エーディン「いやーっ! けだものーっ!」
ゲラルド 「ゲレゲレ(笑い声)」
ロイ 「うわぁ、どこかで見たことのある女の人が蛮族の国に連れ去られようとしているーっ!?」
シグルド 「おお、これは大変だ。ロイ、ちょっと買い物袋を持っていてくれ。わたしは彼女を助ける!」
幸いにも、近くを歩行中だったマチスから馬を徴発できたため、シグルドは十分もかからずにエーディンを奪還できた。
シグルド 「いやあ、またもやさらわれるとは、エーディンも大変だな」
ロイ 「……知り合いなんだね、あの人」
シグルド 「ああ、わたしの古い知り合いでな。よくさらわれては友人達と一緒に取り返したものだ」
ロイ 「変な人……それにしても、今日はよく厄介事に遭遇する日だね」
シグルド 「そうか? これぐらいは日常風景だと思うが」
ロイ 「え? いや、そんな馬鹿な」
と、またまた曲がり角を一つ曲がった先で、
レテ 「だ、誰かーっ! 妹が深い川に落ちてしまったーっ!」
リィレ 「助けてーっ! 猫は泳ぎが苦手なのよーっ!」
ロイ 「うわぁ、ちょっと抜けてそうなお姉さんがどんどん下流に流されていくーっ!?」
シグルド 「おお、これは大変だ。ロイ、ちょっと買い物袋を持っていてくれ。わたしは彼女を救い上げる!」
幸いにも、シグルドは泳ぎが得意だったので難なくリィレを助けることができた。
シグルド 「いやあ、この川はよく人が落ちるなあ」
ロイ 「え……そうなの?」
シグルド 「ああ。わたしはかれこれ……そうだな、五十七回ほどこの川に落ちた人を助けたことがあるぞ」
ロイ 「そ、そんなに!?」
シグルド 「うむ。妙な話だ、ちゃんと柵もついてるのにな。まあ、たまたま私がその現場に通りかかるので、
今まで死者は出ていないし、大きな事故として取りざたされることもないようだが」
ロイ (……読めてきた! そうか、これがヘクトル兄さんたちが僕を止めた理由か……!)
シグルド 「どうしたロイ、急に立ち止まって……む?」
ロイ 「……なんか、曲がり角の先が赤く光ってるね……それに、この臭い……ひょっとして」
と、三度目の曲がり角を曲がった先で、
パルマーク「火事だぁーっ!」
ロイ 「うわぁ、予想通りどこかの孤児院が天を焦がさんばかりに燃え盛っているぅーっ!?」
パルマーク「ああ、まだ子供達が五人も中に取り残されているというのに……!」
シグルド 「おお、これは大変だ。ロイ、ちょっと買い物袋を」
ロイ 「って、シグルド兄さん、まさか助けに入るつもりなの!?
消防士さんだっているんだし……第一、危険だよ、見なよこの凄まじい炎!」
シグルド 「ああ、よく見えているとも。だからこそ、わたしは行くのだ」
ロイ 「ど、どうして!?」
シグルド 「無論、この中にいるのであろう子供達を助け出したいという気持ちもある、が」
ロイ 「が?」
シグルド 「ロイ……兄さんはな、生まれてこの方、火事を見るとこう、腹の底から怒りが湧いてくる人間なんだ。
燃え盛る炎を見ていると、『わたしは絶対に炎などに身を焼かれはしない!』と証明したくなるんだよ。分かるな?」
ロイ 「いや、正直全然分からないんだけど」
シグルド 「とにかく、わたしは行く! 大丈夫だ、先程川に飛び込んだおかげで全身水浸しだしな!」
ロイ 「そ、そういう問題じゃ……ああ、行っちゃった……!」
パルマーク「おお……! なんと勇気のあるお方だ……!」
カイン 「この場合はどちらかと言えば蛮勇なのではないのか、アベル」
アベル 「いや……そうだとしても、こんな炎の中に突っ込むなど、生半可な覚悟で出来ることではない……!」
ロイ 「兄さん……!」
十数分後
消防士 「だ、駄目だ! 家が倒壊する……! 一般市民の皆さんは離れてください! ここは危険です!」
パルマーク「ああ、孤児院が……! わたしの子供達が……!」
ロイ 「に、兄さーっん!」
カイン 「クッ……ひどい有様だな。あの人は死んでしまったのか……」
アベル 「……! いや、あれを見ろ!」
アベルの指差した先には、燃え盛る炎の中から、何かを抱えてゆっくりと歩いてくる人影が。
ロイ 「兄さん!」
シグルド 「すまないロイ、心配をかけたな」
パルマーク「お、おお、よくぞご無事で……! 子供達は……」
男の子 「うわーん!」
女の子 「院長せんせーっ!」
シグルド 「五人とも、全員無事です。ほんの少しだけ火傷を負わせてしまいました、申し訳ありません」
パルマーク「そ、そんな! あなたこそ、全身煤けてしまわれて……」
シグルド 「ご安心ください、傷は一つも負っておりません」
ロイ 「ほ、本当なの!?」
シグルド 「ああ……言っただろうロイ、わたしは炎などには絶対に負けはしない!」
ロイ 「あくまでもそこにこだわるんだ……」
シグルド 「さて、帰ろうか。すっかり遅くなってしまったからな」
パルマーク「お、お待ちください、せめてお名前を……!」
シグルド 「名乗るほどの者ではありません」
パルマーク「し、しかし……!」
シグルド 「なに、ただの通りすがりのサラリーマンですよ。さあ行こう、ロイ」
ロイ 「う、うん……」
ロイ 「……とまあ、こういう訳で……」
ヘクトル 「ははは、災難だったな、ロイ」
エフラム 「運がなかったな」
ミカヤ 「ううん、むしろ、その程度で済んで良かったと考えるべきかも」
ロイ 「やっぱり皆は知ってたんだね、シグルド兄さんがやたらと騒動に巻き込まれやすい体質だってこと」
ミカヤ 「んー……というより、劇的な場面に出くわしやすいって言ったほうがいいと思うわ。
以前占った結果では、シグルドはそういう二転三転する運命に翻弄される人生を送ることになってるんだって。
だから、日常生活でもあれこれと変な出来事に遭遇しやすいのね」
ロイ 「はあ……でも、エリンシア姉さんは知らないんだねそのこと。買い物に行かせるぐらいだし」
ヘクトル 「知ってるのは俺らとアイク兄貴ぐらいのもんだぜ。他の連中がそんなこと知ったら、
絶対シグルド兄貴を外に出さねえだろうからな」
ロイ 「なるほど……」
シグルド 「ああ、いい湯だった。おお、どうした皆、何の話をしてるんだ? 良かったらわたしも混ぜてくれ」
ミカヤ 「……まあ、本人はその辺無自覚なんだけどね」
ロイ 「それは見てれば分かるよ……」
シグルド 「? 一体何の話……」
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル……
エリンシア「はいもしもし……ああ、アルヴィスさん。いつも兄がお世話に……
兄ですか? ええ、おりますが……はい、少々お待ちください。お兄様、アルヴィスさんからお電話ですわ」
シグルド 「なに、アルヴィス課長から? ……はいもしもし……なんですって、ディアドラが!?」
ロイ 「……? どうしたんだろ……」
シグルド 「……分かりました、わたしもすぐに参ります……では(ガチャン)
すまない皆、わたしはちょっと出かけなければならなくなった」
ロイ 「ええ!? ど、どうしたの急に!?」
シグルド 「ディアドラがさらわれたらしい……いや、詳しく説明している暇はない。すぐにでも出かけなければ……!」
ロイ 「で、でもそれは警察の仕事じゃ……」
シグルド 「そんなものを待ってはいられん。自分達で探しに行った方が早い! では、行ってくる!」
ロイ 「ちょ、シグルド兄さ……ああ、行っちゃった」
ミカヤ 「……本当、トラブルには事欠かない体質よね……」
<おしまい>
115 :
助けて!名無しさん!:2007/05/19(土) 09:19:56 ID:3DRwNAGD
うむいかにもシグルドっぽくて面白い
最近アルムとセリカのネタでしかからんでなかったから久々に目立った活躍して
よかったです
そういえばロイもシグルドなみに災難にまきこまれるタイプなんだよね
たまたま家に帰ってきたら山賊におそわれていて
なぜかリキア同盟の主となりたまたまシスターを人助けをしたら敵国の王女を
保護することになり
などを繰り返していくうちに何時の間にか対ベルンのリーダー邪竜の退治と
で最終的に地位を望まずリキアに戻る道を選ぶからなぁ
ロイも出世しそうにないなぁ
>>115 ロイ自身は地位は望まないけど、代わりに強烈にコネを作るから侮れない。
最終的には大陸中の国々のトップと強烈な結びつきを得るからなぁ・・・
下手に地位を得るよりその方がメリット多いのも確か。
一生厚遇してくれますよ。
上のSSの例で言うなら
ロイ誰かを助ける→実は大企業や名家の令嬢and御曹司→ロイ「たまたま通りかかっただけですよ。それじゃ、僕行きます」
ロイが名乗らなくても相手が手を尽くして調べる→後日主人公家に感謝の品が山ほど送られてくる
こんなイメージ
Vol.8 料理はあいじょー?
ターナ 「それでね、新しく駅前に出来た喫茶店のパフェがすっごくおいしいの」
エイリーク「そうなの」
ターナ 「でね、今週の金曜、ラーチェルも誘って一緒にどうかなーって」
エイリーク「ごめんなさい、その日はヴァイオリンが……? ヒーニアス様?」
ヒーニアス「うむ。久しぶりだなエイリーク」
ターナ 「ってなに平然と女学院の中に入ってきてるのよヒーニアス兄様!?」
ヒーニアス「平然と、とは心外だな。ファード学院長の許可は取りつけてあるぞ」
ターナ (相変わらず大らかっていうか緩い人ねウチの学院長も……)
エイリーク「お邪魔でしたら、私は席を外しますが……」
ヒーニアス「いや、用があるのはターナではなく君だ、エイリーク」
エイリーク「え、私ですか?」
ターナ (うわっ、なんか嫌な予感がする……)
ヒーニアス「うむ……今週の土曜日は空いているだろうか?」
エイリーク「土曜日……ええ、近くに演劇部の公演もないですし、その日は特に予定はありませんが」
ヒーニアス「おお、それは僥倖だ」
ターナ (白々しい……どうせ事前にチェックしてたくせに)
エイリーク「それで、その日に、何か?」
ヒーニアス「うむ……実は、土曜日の昼食に君の手料理を馳走になりたいと思ってな」
エイリーク「え……私の料理、ですか?」
ターナ 「ちょっと、お兄様……!」
ヒーニアス「いやなに、無理強いするつもりはないのだ。『この間の調理実習でエイリークが作った料理が凄くおいしかった』
などとターナがうるさく主張するものだから、少々興味を惹かれてな」
ターナ (嘘ばっかり! 本人としては『さり気ない口調』のつもりでしつこく聞き出したくせに、よく言うわ)
ヒーニアス「で、どうかな?」
エイリーク「いえ……私は構わないのですが、とても人様に振舞えるほどの腕では……あ、ヒーニアス様、その首筋の傷跡は……?」
ヒーニアス「ん? ああこれか。いやなに、昨日街中を歩いているときに、少々品のない者たちに因縁をつけられてね」
エイリーク「因縁……と言うと」
ヒーニアス「わたしには身に覚えがないのだが、『お前この間のヒーニアスとか言う野郎だな』などと胸倉をつかみ上げられてね。
冤罪を主張し平和裏に事を収めようとしたのだが、相手は興奮して殴りかかってきてな……
仕方がないので全員軽くあしらって黙らせたが、不覚にも手傷を負ってしまったのだ」
ターナ (軽くあしらったなんて、また嘘……必死で逃げ回って距離取りながら、一人一人矢で黙らせたんでしょうに)
ヒーニアス「しかし、不可解なことだ。わたしはあのような連中と関わりを持ったことなど、一度もないのだが」
エイリーク「それは……申し訳ありませんヒーニアス様。おそらく、エフラム兄上がヒーニアス様の名を騙ったのだと思います」
ヒーニアス「エフラム……ああそうか、彼は町の平和のために日夜戦っているのだったな」
エイリーク「平和のためにだなんて。兄上はただ腕試しと称して暴れたいだけなのです。
私も日々諌めているのですが、少しも聞いてくれなくて……ですが、こうして人様にご迷惑をおかけした以上、
もう野放しにはしておけません。今夜にでも家族を交えてじっくり話し合おうと……」
ヒーニアス「いや、それには及ばない。エフラムのしていることは立派だよ。
事実、彼やヘクトルのおかげで町の治安が多少良くなっているようだからな」
ターナ (まーたまた心にもないことを。治療受けながら『エフラムめ、いつかこの借りは返すぞ』とか喚いてたくせに)
エイリーク「ですが」
ヒーニアス「確かにやり方は少々荒っぽいかもしれないがな。わたしのような者には出来ない方法だ、あれは」
エイリーク「ヒーニアス様は兄上と違って分別のあるお方ですから」
ヒーニアス「そんなことはない。それに、エフラムがわたしの名を騙ったというのも、自分への報復で
君たち家族が害を受けるのを恐れたからだろう。見上げた心意気ではないか。
そのような友人に名を使ってもらえるのだ、わたしとしても誇らしく思う。
ああ、だが、エフラムにはこのことを話してもらいたくないな。彼の行動に水を差したくはない」
エイリーク「……」
ヒーニアス「おっと、これはつまらぬ話をしてしまったな。忘れてくれ。……ところで、土曜日の昼食の件なのだが」
ターナ (うわっ、最っ低……! この会話の流れで断れる訳ないわ。さすがヒーニアスお兄様、策謀家の名に恥じぬ姑息っぷりね)
ヒーニアス「君も何やら気が進まぬ様子だし、わたしとしても無理強いは」
エイリーク「……いえ。是非とも作らせてください」
ヒーニアス「いや、しかしな」
エイリーク「ヒーニアス様がどう思われていようと、家族の者がご迷惑をおかけしたのは事実……
私などの料理で償いになるとは思っておりませんが、せめてものお詫びとさせていただきます」
ヒーニアス「(ニヤッ)そうか。では、楽しみにしているとしよう」
エイリーク「はい。及ばずながら、努力させていただきます。ではごきげんよう、ヒーニアス様、ターナ」
ターナ 「……どういうつもりなの、兄様?」
ヒーニアス「どういうつもり、とは? 先程の会話はお前とて聞いていただろうに」
ターナ 「全く……自分勝手な理屈でエイリークの休日を潰しちゃって……」
ヒーニアス「自分勝手な理屈、とはひどい言い草だな。わたしは未来の妻の料理の腕を見ておこうと思っただけだ」
ターナ 「なーにが未来の妻よ……エイリークとお兄様じゃどう考えたって釣り合わないわよ」
ヒーニアス「まあそうだな。しかし彼女は市井の出ながら、並の貴族など及びもつかん気品を備えているぞ」
ターナ (逆よ逆! ヒーニアス兄様なんかじゃエイリークの相手は務まらないって言いたいの!
……まあ言うだけ無駄だろうから口には出さないでおくけど)
ヒーニアス「ふふ……それに何より、彼女とてこのわたしの相手が出来るのならば嬉しかろうよ。
見ていただろう先程の彼女の表情を。わたしとの昼食への期待と不安が入り混じった、あの表情」
ここは貴族の男として立派にリードしてやらねばな」
ターナ (あれだけ必死に『断られないための準備』をしておいて、何でこんなに自信満々になれるのかしら、この人は……)
ヒーニアス「ははは、何にしても、土曜日が楽しみだな」
ゼト 「それは結構なことですな、ヒーニアス殿」
ヒーニアス「む……貴様は……!」
ターナ (うわ、ゼト先生……まーた面倒くさい人が……)
ゼト 「相も変わらず我がルネス女学院の華の周囲を飛び回っておられるようで……
貴族ながら働き蜂のように勤勉な方ですな、ヒーニアス殿は」
ヒーニアス「フン……貴族ならば未来の妻の実力を今の内から測っておくのは当然のことだ。
まあ、市井の出で平の教師に過ぎん、貴殿のような男には分からぬ苦労だろうがな」
ゼト 「お言葉ですが、努力の甲斐あって来年教頭に出世することが決定いたしましてね」
ヒーニアス「ほう……それはめでたいことだ。そう言えば、近年その地位を利用して
女生徒に淫らな行為を強要する教職員が後を絶たないそうだな。全く嘆かわしい。この学院もどうなることか」
ゼト 「ご心配せずとも、このルネス女学院にはそのような発想をするような下品な輩は一人もおりません。
ついでに言えば、女性に対して姑息な手段で約束を取り付けようとする者も、ね」
ヒーニアス「立ち聞きとは趣味が悪いな……この女学院の品性を疑ってしまいそうになる」
ゼト 「おや……わたしは誰がそのような手段を用いた、とは言っていないのですがね……
どうやらヒーニアス殿は、ご自分の卑劣な手練手管をお認めになるらしい」
ヒーニアス「ふふふ……」
ゼト 「ははは……」
ターナ (あーもう、やだなあこの人たち……なんだって男のくせにこう嫌味と言うか回りくどいというか……
これならエフラムみたいにちょっと馬鹿でも分かりやすい方が断然いいわ)
ゼト 「土曜日、か……その日はちょうどわたしも空いておりましてね」
ヒーニアス「……彼女は貴殿のことなど想定に入れていないぞ」
ゼト 「そうですか……まあいいでしょう。わたしとしては後日彼女と話をするとき、
『わたしも同席したかったのだがヒーニアス殿に止められた』という旨をさり気なく伝えるだけです」
ヒーニアス「ほう。脅迫とは、教育者にあるまじき行為なのではないかな?」
ゼト 「これは人聞きの悪い……わたしは女生徒との会話の種を作ってくださるヒーニアス殿に感謝しているのですよ。
いや、この歳になると、生徒との会話を上手く取り持つのも大変でしてね」
ヒーニアス「フン……まあいい、貴殿が新たに同席することになった件は、このターナから伝えてもらうことにしよう」
ターナ 「えー……ああはいはい、分かりました、伝えておきます」
サレフ 「それでは、ついでにもう一人の追加も伝えていただきたい」
ターナ 「きゃあっ! サ、サレフ先生……!」
ヒーニアス「ほう。これはこれは」
ゼト 「我が学院お抱えの根無し草……いや、民俗学者のサレフ殿ではありませんか。お久しぶりですな」
ターナ 「……サレフ先生、休職して辺境を巡る旅に出ていたんじゃ……」
サレフ 「……本日のパレガにて、何か不穏な気配を感じたものでな……来てみれば、案の定だ」
ターナ (確か『パレガ』って、『空と大地と気の調和を知り、己を見つめ、世界を見つめ、森羅万象を想う……』
とか、そういうのじゃなかったっけ? 何でそれでエイリークのことが分かるのかな……)
ヒーニアス「……ターナ、エイリークにもう一人の追加も伝えるがいい」
サレフ 「ほう……意外だな、あっさり承諾されるとは」
ゼト 「ここに来て余裕を見せつけたいという訳ではないでしょうに。どういう風の吹き回しかな、ヒーニアス殿」
ヒーニアス「なに、我々三人も一輪の華を巡って長い戦いを繰り広げてきた間柄。そろそろ雌雄を決するときかと思ってな」
サレフ 「と、言うと?」
ヒーニアス「エイリークは、あの清楚な人柄にも関わらず、野蛮な兄達を尊敬しているようだ……
即ち、彼女らの兄を見ていれば、彼女の理想も自ずと理解できるというもの」
サレフ 「……つまり、我々の中で食べっぷりがいい者に心惹かれると。そういうことか」
ゼト 「望むところですとも。長い下積み貧乏生活を経て培われた、食を求める生存本能を見せつけて差し上げましょう」
ターナ 「……あのー、盛り上がってるところ恐縮なんですけど」
ヒーニアス「なんだ、ターナ」
ターナ 「皆さん、エイリークの料理についてはどの程度ご存知なんですか?」
ゼト 「……少々庶民派ながら、店に出しても遜色のない実力、と聞いていますが……」
サレフ 「まさか、あの可憐な外見に反してまずい料理を作るとでも」
ターナ 「いや、おいしいことはおいしいんですけど、ねえ」
ヒーニアス「案ずるな。味など大した問題ではない。要はどれだけ美味そうに食せるかが問題なのだ。
空腹は最大の調味料と言うし、朝から何も食べずにおけば多少舌に合わない程度は気にならんだろう」
ターナ (そういう意味じゃないんだけど……まあいいか、いい薬にもなるでしょうし)
ゼト 「さて。では、不確定要素はなるべく取り除いておくとしましょうか」
サレフ 「不確定要素、と言うと?」
ゼト 「エイリーク嬢の周囲に、少々騒がしいご令嬢がおりましてな……」
ターナ (ラーチェルのことね、きっと)
ゼト 「彼女が今回のことを聞きつけたら、その性格からあれこれと口を挟んでくるのは必至。
下手をすればエイリーク嬢ではなく彼女の手料理をご馳走になることになりかねません」
ヒーニアス「案ずるな。手は考えてある。それよりも、取り巻き連中が問題だな」
ゼト 「『純情なエイリークお姉様を、狼どもの魔手から守り隊』……ですな」
ターナ (あー、あのいつもエイリークの周囲でキャアキャア騒いでる下級生の子たちね)
サレフ 「……課題がたまっていたということにして、遠く離れた教室にでも閉じ込めておくことにしよう。
なに、光の結界さえ使えば一時間二時間程度は軽い」
ターナ (それって思いっきり職権乱用なんじゃ……いや、もう突っ込んでも無駄ねこれは)
ヒーニアス「これで準備は万端整った……土曜日が楽しみだな」
ゼト 「そうですな……」
サレフ 「……」
ターナ (こういうときだけ意気投合するんだからこの人たちは……まあいいか、結果は見えてるしね)
ターナ 「という訳で、お兄様だけじゃなくてゼト先生とサレフ先生も同席することになったから」
エイリーク『そう……どうしましょう。皆様の舌を満足させられるかどうか……』
ターナ 「大丈夫よ、あの三人ならエイリークが出しさえすれば生ごみだって食べるから……
ねえエイリーク、いっそのこと山盛りのご飯だけ出して『どうぞお召し上がりください』とか、そういうのはどう?」
エイリーク『失礼よターナ。そもそも、これはヒーニアス様へのお詫びも兼ねているんだし』
ターナ 「ああ、そう言えばそういう話だったわね……別に気にしなくてもいいのよ?
ウチのお兄様、あんなヒョロいけどいっつも酷い目に遭ってるせいで割と打たれ強いし」
エイリーク『でも、その『酷い目に遭う』原因もほとんどは私の兄上のせいだし……』
ターナ (いや、あれはヒーニアス兄様がうまく誘導してそう思わせてるだけで、
九割方はヒーニアス兄様の方から喧嘩ふっかけてるんだけど……
そもそもエフラム、割とヒーニアス兄様なんか眼中にない感じだし。エイリークが絡まなければの話だけど)
エイリーク『ターナ?』
ターナ 「ん、ああ、ごめんなさい。ちょっと考え事してた」
エイリーク『本当に大丈夫かしら……私の料理の腕なんてエリンシア姉様には到底及ばないし、とても心配なのよ』
ターナ 「大丈夫よ、味の方はわたしから見ても全然問題ないレベルだから。むしろおいしいと思うし」
エイリーク『ありがとう、ターナ』
ターナ 「あー、でも、そうね。一つだけわたしからアドバイスすると」
エイリーク『なんですか?』
ターナ 「いつもどおりに作るのがいいと思うな。そう、いつも、ヘクトルさんやエフラムに作ってるときみたいに、ね」
エイリーク『ええ、わたしもそのつもりだったけど……どうしてそんなことを言うの?』
ターナ 「んーん、別に。腕によりをかけて作ってあげてね。そうするのがせめてもの情けだろうし」
エイリーク『なんだかおかしな言い方をするのね、ターナ』
ターナ 「そんなことないわよ。まあ、馬鹿馬鹿しいとは思うけど一応付き合ってあげてね、エイリーク。それじゃごきげんよう」
エイリーク『ええ、ごきげんよう、ターナ』
ターナ 「……という訳で、一応電話はしておいたわよ、お兄様」
ヒーニアス「うむ。ご苦労」
ターナ 「……ついでに、はい、これ」
ヒーニアス「……胃薬か? 何のつもりだ、ターナ」
ターナ 「わたしからのせめてもの情けよ」
ヒーニアス「解せんな……エイリークの料理は美味いのだろう? 何故お前がこのような言動を取るのか」
ターナ 「土曜日になれば嫌でも分かるわよ。あ、今の内にいっておくわね。ご愁傷様(バタン)」
ヒーニアス「フン……なるほど、親友を兄に取られるのが悔しいという訳か。あれもまだまだ子供だな。
だが安心するがいいターナ。来年には彼女をお前の姉上にしてみせよう。ふははははは……」
ターナ 「(部屋の外でため息を吐きつつ)本当に、分かってないのね……」
〜土曜日。ルネス女学院家庭科室付近の教室にて〜
ヒーニアス「ふふふ、ついにこの日が来たという訳だ」
ゼト 「朝から何も口にせず、準備は既に万端……」
サレフ 「来るなら来いという心境ですな……」
エイリーク「お待たせいたしました」
ヒーニアス(……!)
ゼト (エイリーク嬢のエプロン姿……)
サレフ (これは、なかなか……)
エイリーク「……あの、皆様?」
ヒーニアス「はっ……ああいや、うん。忙しいところすまんな、エイリーク」
ゼト 「急な申し出をして申し訳ありません」
サレフ 「手を煩わせてすまないが、よろしく頼む」
エイリーク「いえ。こちらこそ、皆様の舌に適うよう、精一杯頑張らせていただきますね」
ヒーニアス(うむ……相変わらず)
ゼト (素晴らしい笑顔)
サレフ (心が癒されるな……)
エイリーク「……あの、ところで皆様。一つだけお伺いしたいのですが」
ヒーニアス「? 何か?」
エイリーク「皆様、お食事は普通の男性程度に食べられますか? ええと、つまり、食事の量の話なのですが」
ゼト (……? どういう意味だ?)
ヒーニアス「ああ。普通程度には食べられるつもりだぞ、わたしは」
ゼト 「!! わたしもそうです。遠慮はいりません」
サレフ 「同じく。放浪生活は体力を使うのでな」
エイリーク「そうですか。分かりました。ではいつも通り作らせていただきますね。少々お待ちください」
ゼト 「……で、先程の答えにはどういう意図があったのかな、ヒーニアス殿?」
ヒーニアス「……考えてもみろ、彼女の兄はあのヘクトルとエフラムだ。そして、その兄達が彼女の理想だとすると……」
サレフ 「なるほど。食の細い男は彼女の好みには合わないと。そういう訳か」
ヒーニアス「まあ、我々が奴等ほどの大食漢ではないのは、エイリークとて分かっているのだろう。
だから、『普通の男性程度には食べられるか?』と聞いたわけだ。
本当ならばエフラムやヘクトルほど食べるのが理想なのだろうが、我々は実際そこまでは食べられんしな。
せめて、普通の男として理想的な程度の食べっぷりは見せねばなるまい」
ゼト 「なるほど。さすが策謀家と呼ばれたヒーニアス殿。噂に違わぬ策士ぶりですな」
サレフ 「さて、後は待つだけか」
ヒーニアス(この勝負……)
ゼト (絶対に……)
サレフ (負けられない……!)
〜その隣の教室〜
ターナ 「ん……家庭科室から音が……始めたみたいね、エイリーク。さて、どうなることやら」
デーッ、デーデーデーデー、デー、デデデデー、デー♪(FEのテーマ)
ターナ 「着信……あらラーチェルからだわ。もしもし?」
ラーチェル『ターナ! エイリークのお料理、始まってしまいました!?』
ターナ 「うん、今……あれ、ラーチェル、『是非ともお手伝いしませんと!』とか言ってなかった? 今どこ?」
ラーチェル『……ですわ』
ターナ 「なんでそんな遠くにいるの?」
ラーチェル『実は今朝、私の私書箱に匿名の嘆願書が届きまして。その辺りに凶暴な怪物が出没するから退治してほしいと』
ターナ 「はあ」
ラーチェル『それで、私勇んで出かけましたのよ。ところがそこにいたのは、エフラムと三人の少女だけでして』
ターナ (あー、エフラムと竜王さん家のミルラ、チキ、ファ、ね。そんなところにタイミングよく……
きっとヒーニアス兄様が根回しして、ちょうど出くわすように仕向けたんだわ)
ラーチェル『それで、「魔女っ子? ミカリン」とやらの映画を見にいった帰りだなどと申すものですから、
私ついカッとなってしまいまして。そんな作り物よりもこの麗しの絶世美王女ラーチェル様の方が
数段も数十段も優雅で華麗だと力説いたしましたが、あの生意気な三人娘がなかなか納得しないものですから、
ついつい路上で一時間ほど魔法少女に関する談義を』
ターナ (うわー、エフラムも災難ね、そんなことに付き合わされて……)
ラーチェル『仕方がないから私の方でも麗しの絶世美王女ラーチェルのアニメを作って、
ミカリンとやらと同じ時間に放映することに決めましたのよ。
でも改めて考えてみればいい手段ですわね。これでこの町の少女たちにこのラーチェルの名が知れ渡ることになりますわ』
ターナ (……ついでに変な男の人たちにも知れ渡ることになりそうだけど……まあいいか)
ラーチェル『ああ、でもこれでエイリークのお料理を手伝うことは出来ませんわね。いえ、飛竜をチャーターすればあるいは』
ターナ 「止めなさいって、お金が勿体ないわ」
ラーチェル『それは庶民の発想というものですわ。では今から竜騎士を雇ってそちらに向かいますので』
ターナ 「ちょっと、ラーチェル! ……あーあ、切れちゃった。相変わらずやることが無茶苦茶なんだから」
〜一時間後〜
ターナ 「……なのに、なんでこんなに時間がかかったの?」
ラーチェル「信じられませんわ、はぐれ飛竜が出没して危険だから、今日は飛竜便が全面的に欠航だと申しますのよ」
ターナ (……ひょっとして、これもヒーニアスお兄様……ううん、サレフ先生辺りの策かしら)
ラーチェル「そんなもの、この私が撃ち落して差し上げますわと力説いたしましたのに……全く、道理が分からない庶民はこれだから」
ターナ 「はいはい……それはそれとして、エイリークの料理、そろそろ作り終わるみたいよ」
ラーチェル「あら……残念ですわね、折角、この私の超絶的な料理の腕を披露して差し上げようと思いましたのに」
ターナ 「うん。まあ、ラーチェルの料理が独特なのは認めるわ……」
ラーチェル「おほほほほ、そんなに褒められては照れてしまいますわ。でも仕方がありませんわね、
万事に才能を発揮してしまうのも、この私が神に愛されし麗しの絶世美王女ラーチェルだから……」
ターナ 「ま、深くは突っ込まないでおくわ……さ、エイリークが食事を運ぶの、手伝ってあげましょうよ。
多分一人じゃ相当苦労するはずだからね……」
エイリーク「皆様、お待たせしてしまって大変申し訳ありません。今、全ての準備が整いました」
ヒーニアス「ああ、すまないな」
ゼト 「これは……配膳は我々が自分でしようと思っていたのですが」
エイリーク「いえ、皆様はお客様ですから。準備も私自身の手でしなければ……」
サレフ 「うむ、心遣いに感謝……?」
エイリーク「ああターナ、それとそれはあちらに、ラーチェル、それはこちらにお願いします」
ターナ 「はいはーい」
ラーチェル「……」
ドン! ドン! ドン! ドドン!
ヒーニアス「……」
ゼト 「……」
サレフ 「……」
ヒーニアス(……なんだ、この悪い冗談みたいな量の中華料理は)
ゼト (……まるで大食い番組か何かのような……)
サレフ (……この巨大すぎる器……私の遠近感が狂っているのか……? いや、違う。これは紛れもなく大盛りの……!)
エイリーク「あの……皆様、どうなさいました?」
ヒーニアス「い、いや、別に……」
エイリーク「ひょっとして、分量に問題が……」
ゼト 「ああ、いや、特に、問題はない、です」
エイリーク「そうですよね。皆様大人の男性ですし、このぐらいは食べますよね」
サレフ 「うむ……ああ……そ、そうだな。普通の男なら、このぐらいはな」
ターナ 「あー、運ぶの疲れた。さすがにあの量は大変よね」
ラーチェル「……ターナ。ヒーニアスは見かけによらず大食漢なんですの?」
ターナ 「ん? ううん、むしろ食は細い方よ」
ラーチェル「それにしてはあの量……」
ターナ 「ああ。実は、以前……」
〜回想〜
アイク (がつがつ)
エフラム (むしゃむしゃ)
ヘクトル (ばりばり)
リン (……相変わらず兄さん達の食事は激しいわね……あれだけ用意した食事が凄いスピードで減っていく……)
エリウッド(そして同時に飛んでいく食費……ああ、今月も我が家の家計はシムベリン……)
エイリーク「……あの、エフラム兄上」
エフラム 「なんだ?」
ロイ 「うわぁ、エフラム兄さんの食いカスがリーフ兄さんの顔面を直撃したぁ!」
リーフ 「この人でなしーっ! っていうか、行儀悪すぎるよエフラム兄さん」
エフラム 「エイリーク、何か聞きたいなら早くしてくれ。ヘクトルとアイク兄さんに全部食われてしまう」
エイリーク「はい……ずっと以前から気になっていたのですが、ひょっとしてアイク兄上とヘクトル兄上とエフラム兄上は、
普通の男性よりもかなり食事の量が多いのでは……」
エフラム 「!!」
ヘクトル 「!!」
この瞬間、エフラムとヘクトルは目と目で通じ合った。
「今まで現実を分かっていなかったエイリークが、兄達が大食漢である事実を知る→我が家の家計を鑑みる
→『もう少し食事の量を抑えられては』と苦言を呈する→食事の量が減らされる→俺達空腹」
そして、双方一瞬で「ここは嘘を吐くべし」という合意に達したのである。
エフラム 「何を言っているんだエイリーク。この歳の普通の男なら、このぐらいは食べるものなんだぞ」
ヘクトル 「そうだぜエイリーク。俺らは普通だよ、普通」
エイリーク「しかし、年下のマルスたちはともかくとして、エリウッド兄上やシグルド兄上はそんなに食べませんし」
エフラム 「二人は食が細い方なんだ。なあ?」
エリウッド「……まあ、そうだね」
シグルド 「そうだな、わたしはあまり食べなくても平気だぞ」
ロイ (シグルド兄さん質問の意図が読めてないな……我慢してるだけじゃないか、それは)
ヘクトル 「なあ、アイク兄貴もそう思うだろ? 俺らは普通だよな、普通」
アイク 「ん? ああ、そうなんじゃないか」
リン (相変わらず受け答えが適当すぎよアイク兄さん!)
エリウッド(駄目だよリン、食事中のアイク兄さんに何を言ったって無駄さ)
エイリーク「ですが、この量では家計を圧迫しているのでは」
エリンシア「まあまあエイリークちゃん。そんなこと気にしなくたっていいのよ。
皆が元気にご飯を食べてくれるのが一番なんですからね」
エフラム 「そうだな。そういう訳で、俺達は元気に食事を取ろう」
ヘクトル 「普通の量をな」
アイク 「そうだな、普通だな」
エイリーク「……そうですか。やはり大人の男性はこの程度は食すものなのですね。勉強になります……」
〜回想終了〜
ターナ 「……という訳で、エイリークはあれが普通の男性の食事量だと思っている訳ね」
ラーチェル「壮絶なお話ですわね……」
ターナ 「ラーチェルに言われるようじゃ、エイリークもいよいよね……
ところで、何であんな辛そうな中華料理ばっかりなのかしら。
レパートリーの広さには感心するけど、エイリークの得意分野って中華ではなかったような……」
ラーチェル「ああ、私のアドバイスですわ」
ターナ 「どういうアドバイス?」
ラーチェル「エイリークに今日のメニューについて相談されましたので、こう言ってあげましたの。
『私たち女性は甘い物が好き。ということは、逆の性である男性が辛い物好きなのはこの世の断りですわ』と」
ターナ 「凄い理屈……ということは、あの料理にはスパイスがたっぷり……?」
ラーチェル「ええ。地獄の辛さですわ、きっと」
ターナ 「……という訳で、エイリークはあれが普通の男性の食事量だと思っている訳ね」
ラーチェル「壮絶なお話ですわね……」
ターナ 「ラーチェルに言われるようじゃ、エイリークもいよいよね……
ところで、何であんな辛そうな中華料理ばっかりなのかしら。
レパートリーの広さには感心するけど、エイリークの得意分野って中華ではなかったような……」
ラーチェル「ああ、私のアドバイスですわ」
ターナ 「どういうアドバイス?」
ラーチェル「エイリークに今日のメニューについて相談されましたので、こう言ってあげましたの。
『私たち女性は甘い物が好き。ということは、逆の性である男性が辛い物好きなのはこの世の断りですわ』と」
ターナ 「凄い理屈……ということは、あの料理にはスパイスがたっぷり……?」
ラーチェル「ええ。地獄の辛さですわ、きっと」
ゼト (そういうことか……!)
ヒーニアス(しまった、行動を誘導するだけでなく、情報封鎖もしておくべきだった……!)
サレフ (どうする……こんな量の激辛料理を食べようものなら、我々の舌と胃腸と肛門が……!)
エイリーク「あの……皆様、私、何か間違ってしまったでしょうか?
それならば今すぐお下げして、何か代わりのものを……」
ヒーニアス「!! ……いや、それには及ばない。」
ゼト 「そうです。そもそも、問題など何もありませんから」
サレフ 「うむ。むしろ、どれも美味そうで驚いているとこなのだ、我々は」
エイリーク「そうなのですか? 良かった、遠慮なく召し上がってくださいね」
サレフ 「……うむ」
ヒーニアス「だがエイリーク、その前に、妹たちと共に少々席を外してもらえないだろうか?」
エイリーク「え、何故ですか?」
ヒーニアス「いやなに、こちらのサレフ氏が、食前の儀式を行うということでな。
折角だから、我々も付き合おうと思ったのだ」
エイリーク「そうですか。それでは私達は少し外に出ていることにしますね。
ターナ、ラーチェル、行きましょう」
ゼト 「……さて、一体この量をどうするべきなのか……」
サレフ 「うむ……さすがにこのまま食べるのは自殺行為……」
話しこむ二人をよそに、ヒーニアスは一人席を立って窓際に立つ。
そしておもむろに携帯電話を取り出して、どこかに電話をかけ始めた。
ゼト (……? 何をしている?)
サレフ (今更何か根回しをしようなど、無駄な努力だと思うが……?)
ヒーニアス「……もしもし。全自動蘇生組合(オーム・バルキリー・コミュニケーションズ)か?」
二人 「!!」
ヒーニアス「そう……大至急、ルネス女学院に蘇生員を手配したいのだが……そうだな、一人分……」
ゼト 「いえ」
サレフ 「三人分だ」
ヒーニアス「……! いや、すまない。三人分で頼む。うむ、9万G……確実に払ってみせよう」
携帯を切ったヒーニアスは、残りの二人の顔を見つめる。
三者三様、それぞれに清清しい笑みが浮かんでいる。
ヒーニアス「ふ……愚かな」
ゼト 「それはみな同じこと……」
サレフ 「……こうなれば、地獄の果てまででも付き合ってみせよう」
ヒーニアス「状況を確認しておこう。エイリークは、これこそが『普通の男性の食事量』だと思っている」
ゼト 「そして、彼女の理想は兄君であるアイク殿やエフラム殿やヘクトル殿……」
サレフ 「つまり、これは通過儀礼ともいえる。この程度の量も食せないようでは、彼女の相手は務まらないということ」
ヒーニアス「よかろう。では地獄に付き合ってもらう。……エイリーク、もういい、入ってくれ」
エイリーク「はい。お祈りはもう済みましたか?」
ヒーニアス「お祈り、か。ふ、そうだな、ある意味お祈りのようなものだな」
エイリーク「? ヒーニアス様、仰る意味がよく……」
ヒーニアス「いや、つまらぬことを言った。忘れてくれ。では……」
ゼト 「……」
サレフ 「……」
三人 「いただきます……!」
〜一時間後〜
ヒーニアス「……!」
ゼト 「……ぐ、ぐふぅ……」
サレフ 「……うぷっ……」
三人 「ご……ちそう、さま、でした……」
エイリーク「はい。皆様さすが大人の男性ですね。こんなにきれいに食べてくださって、嬉しいです。お味の方は、いかがでしたでしょう?」
ヒーニアス「ああ……とても、美味かった」
ゼト 「ええ……舌が燃えるような絶妙な辛さで」
サレフ 「うむ……正直言って、もはや他のものは食べられないほどだ」
エイリーク「そうですか……もしもまたこのような機会がありましたら、そのときも召し上がってくださいね」
サレフ (エイリーク殿……まさに天使のような笑顔だ)
ゼト (これがあったからこそ辛い下積み生活にも耐えてこれたのだ)
ヒーニアス(今回のことは……この純粋な女性を騙そうとした罰だとでも思っておこう)
ターナ 「さー、帰ろ帰ろ。全く、馬鹿馬鹿しいったらないわもう」
エイリーク「あの、ターナ。ヒーニアス様たちは大丈夫なの? なんだか苦しそうでしたけど……」
ターナ 「いいのいいの。おいしい料理が食べられて幸せに浸ってるんでしょうよ」
エイリーク「そうかしら……皆様、どことなく無理をされていたような」
ラーチェル「無理して平気なように振舞ってみせたくなるぐらい、エイリークが魅力的だったということですわ」
エイリーク「……はい?」
ターナ 「見てよラーチェル、この無自覚ぶり」
ラーチェル「この無垢……というか、正直言って鈍感なところがエイリークの魅力の一つですわ。
もちろん、この麗しの絶世美王女ラーチェルには劣りますけれど、そうですわね、お二人とも
私の傍に控えられる程度の魅力は十分に備えておりますわ」
ターナ 「はいはい。それは光栄でございますこと」
エイリーク「ターナ、ラーチェル、一体何の話を」
ターナ 「いいのよ、エイリークは分からなくても。ところで、まだ午後一杯あることだし、三人でどこかにお出かけしない?」
ラーチェル「そうですわね。それでは……」
ぐ〜っ……
ターナ 「……」
ラーチェル「……」
エイリーク「ご、ごめんなさい……朝から何も食べていなかったものですから」
ターナ 「え、朝から!? どうして!?」
エイリーク「今日の料理のための下ごしらえをしていたら、食べる暇がなくなってしまって」
ターナ 「……見てよラーチェル、この献身振り」
ラーチェル「……我が家のメイドにも見習わせたいぐらいですわ」
ターナ 「というか、雇いたいわね」
ラーチェル「そうですわね。一家に一台……いえ一人」
エイリーク「あ、あの……二人とも?」
ターナ 「なんでもない、なんでもない。ね、エイリーク。どう、これからラーチェルのお宅で遅めの昼食って言うのは」
ラーチェル「ま、何を勝手に話を進めておりますの、ターナったら」
ターナ 「あ、ごめんなさい、やっぱり、こんな急な話じゃ無理よね」
ラーチェル「む……いえ、無理なはずはありませんわ。この麗しの絶世美王女ラーチェルを輩出した我がロストン家に、
不可能なことなど何一つ存在いたしませんもの!」
ターナ 「わあ、さすがラーチェル! それじゃ、昼食の手配お願いね」
ラーチェル「お任せになって。(ピッポッパッ)あ、レナック? 大至急私と友人二人の昼食の準備を……
何を仰いますの、予定変更という単語を知りませんの、あなたは。全く。一時間? いいえ、三十分で用意なさい」
エイリーク「……クスッ」
ターナ 「どうしたの、エイリーク?」
エイリーク「いえ……どうしてかしら。今、やはりターナとヒーニアス様は兄妹なんだなあって、不意に思ったの」
ターナ 「うえっ……わたし、そんな意地の悪い話し方してた?」
エイリーク「いえ、意地の悪いだなんて……」
ターナ 「……あ、でもそれ言ったらエイリークもやっぱりアイクさんやヘクトルさんやエフラムの妹よね?」
エイリーク「え?」
ターナ 「さっきのお腹の虫の声、凄かったもんねー。わたし、びっくりしちゃった」
エイリーク「そ、それは……あんまりお腹が空いていたものだから、つい……ごめんなさい、はしたなかったわね」
ターナ 「あの、本気にされてもちょっと困るかなーって……」
ラーチェル「お二人とも、食事の手配が出来ましたわ。さ、私の屋敷に向かいましょう」
エイリーク「すみませんラーチェル、こんなに急な話で」
ラーチェル「おほほほほ、お気になさらずともよろしくてよ」
ターナ 「それじゃ、行きましょうか……あ、そうだわ、エイリーク」
エイリーク「はい?」
ターナ 「あのね、一つ聞かせてほしいんだけど……エイリークの理想の男性って、どんな人?」
エイリーク「え? どうしたの、急に」
ターナ 「……いや、話の流れからいくと、多分急にって訳でもないと思うなあ……」
エイリーク「よく分からないけど……そうね。特に、理想というのは……」
ターナ 「え、全然ないの?」
エイリーク「そういう訳ではないけど、今はまだ想像もつかないし……」
ターナ 「……それって、誰でもいいってこと?」
エイリーク「そうね。どのような方と結ばれることになっても、我が家のような楽しい家庭を作るために、
微力ながら努力を重ねていきたいと思っているわ」
ターナ (……こういう態度だから)
ラーチェル(今回のような事態に巻き込まれるんですのね、この子は……)
エイリーク「……あの、二人とも、なにか?」
ターナ 「ううん、なんでもない」
ラーチェル「さ、早く参りましょう。折角の料理が冷めてしまいますわ」
ターナ 「……ところでラーチェル。何で『絶世美王女』なの?」
ラーチェル「ま。ターナは私の美貌にケチをつけるんですの?」
ターナ 「あー、いや、そこじゃなくて。『王女』の部分なんだけど」
ラーチェル「いいところに気がつきましたわね。実は私のロストン家のルーツを辿ると、古のマギ・ヴァル大陸に行き着いて」
ターナ 「ごめん、やっぱりいいわ説明してくれなくても。長くなりそうだし。
しっかしまあ、『誰でもいい』か……要するにほとんど無駄な努力してる訳ね、あの三人……」
ラーチェル「ご愁傷様ですわ」
<おしまい>
このスレのまとめサイトなんかある?なければ作りたいんだが、要らないかな
>>127 是非とも!
フィーナから始まり、リュシオンで終わってる俺のFE脳では
全員集合とは行かないが、知ってる限りの応援団を率いて応援させてもらうよ!
とか気持ち悪いことは抜きにしても、作ってくれと思う。
俺にはそんなスキルがないからな・・・。
>>128 需要がありそうなら、作ってみるよ。素人だけどなー(゚д゚)
>>128 チアガールの格好したフィーナと応援団の格好して「押忍!」とか言ってるリュシオンが思い浮かんでしまった。
>>129 神降臨
っ フィーナ シルウ゛ィア リーン レイリア ラーラ ララム エルウィン ニニアン ニルス テティス全員総出で応援
蒼炎以降は分からん・・・・
>晩飯の人 GJ エイリークの為に無理した3人ご愁傷様 そしてエイリーク作りすぎw
・・・・エイリークこんなに男相手の支援あったのか
聖魔4週してんのに支援Aがターナ→ラーチェル→ターナ→ラーチェル だった俺百合好き
いや女同士でペアEDあるって珍しいしね?(理由になってません
そんなこんなで俺内のイメージだと ターナとラーチェルはエイリークを巡って水面下で争ってるイメージ。
132 :
127:2007/05/20(日) 03:05:45 ID:U2tEc7RQ
ああそうだ、まとめサイト作るなら職人さん方の許可いるよな。
というわけで作品投下してくださってる職人さん方、不都合あるなら言ってくださいまし。なければ作りたいと思います。
133 :
晩御飯の人:2007/05/20(日) 03:06:25 ID:EIukoIqA
>>129氏
あなたが神か。
過去ログの保管庫だけでも作った方がいいんだろうなあと思っていた矢先に!
いや、自分もそういう方面はからきしなんですけど。
ともかく、ありがたいです。
>>131 レスども。そうッスね、なんかエイリークは周囲に(それこそ老若男女問わず)凄く大事にされてるイメージ。
同じ『お姫様』ながら、貴族やらセネリオやらにネチネチ責められる「政治家」的一面も持つエリンシアに比べて、
身内から責められたり酷評されるシーンがほぼ皆無だからでしょうね、きっと。
政治の場ではジョフレやルキノに頼れないエリンシアに比べて、
エイリークの場合ゼトやらエフラムやら、「守ってくれる人」にも事欠きませんし。
もちろん彼女自身はそういう扱いを望まないでしょうけども。
ところで、今までいろいろ投下した後の反応から考えるに、
皆様ほのぼのやらシリアスやらそういった系統はあんまお好みじゃないのかしら?
134 :
晩御飯の人:2007/05/20(日) 03:07:58 ID:EIukoIqA
うお、書いてる内にレスが!
>>127氏
自分は全然構いませんです。
保管も便乗も大歓迎ですよはい。
>>133 下手にマンセーばかり書き込んで目を付けられるのを危惧してるんでは?
おいらは気恥ずかしくてマンセーも言えんヘタレですがね・・・
毎回楽しく読ませてもらってますんで、心配せんでください
・・・完結編、マダー?( ・∀・)
136 :
127:2007/05/20(日) 03:21:14 ID:U2tEc7RQ
>>134 晩御飯の中の人レスd。思い立ったはいいが、正直職人でもない私がまとめ作ってよいものか悩みつつ…w
ところで個人的にエイリーク好きなので今回のはまた一層面白かったとですよ(*゚∀゚)
>>127 名無しで何回か書いたけど自分も保管庫は構わないです
保管庫の話なんだけど、見ている人の感想なんかも入れて欲しいな
一応教師なのに堂々と年下他校生徒と張り合うゼトサレフに吹いた
他の先生に見つかったら職員会議ものじゃね?やばいってww
リオンにはエリウッドサイズのお弁当を作ってあげてると信じたい
140 :
晩飯:2007/05/20(日) 20:26:55 ID:sopqNnZc
うむ……良かった、割とウケてたのか……。
いや、別段レスがつかなくてもネタは書き続けるつもりだったのですが、
あまりに反応がないから、ひょっとして『早くどっか行かねえかなあのウザい奴』とか
思われてるんじゃないかと、少々不安だったのです。
でもこれで一安心。ちょっとでも楽しんでくれる人がいるならこれ幸い。
で、完結編投下です。
途中で連投規制に引っかかる恐れがありますので、そうなったら支援をよろしく。
エフラム 「久しぶりだな、皆」
リン 「……いや、今朝会ったばっかりなんだけど」
セリス 「ああ良かった皆、無事だったんだね」
ヘクトル 「セリス! お前、今まで一体どこに……」
セリス 「二階にエフラム兄さんを呼びに行ったら、『ここは危ないから避難していよう。
皆も逃げたみたいだしな』って言われたから……あれ、皆も逃げてたんじゃないの?」
アイク 「いや、戦闘竜の群と戦っていたぞ」
ロイ 「そう。それで今ようやく片がついたところで」
イドゥン 「エフラム……! ミルラを泣かせた男……!」
ユリア 「いけませんわイドゥン姉様。さ、ミルラ、エフラムさんとお話なさい」
ミルラ 「……エフラム」
エフラム 「……ミルラか」
ミルラ 「……エフラム……あの、わたし……」
エフラム 「すまなかったな、ひどいことを言って」
ミルラ 「え……」
エフラム 「だが許してほしい。あれもお前のためと思ってやったことだったんだ」
ロイ 「……どういうこと?」
エフラム 「ミルラは子供だ。そして、子供というのは力を持たない無防備な存在だ」
エイリーク 「……それは、そうですね」
ロイ (竜に変身できる子供を無防備とは言わないんじゃないかなあ……)
エフラム 「にも関わらず、近年子供を狙った卑劣な犯罪が後を絶たない。
その数は増える一方だ。つまり、この国の男は総じてロリコン化しつつある!」
リン 「ちょ、それはいくらなんでも結論が性急すぎるわよ!」
マルス 「そうだよ、世の中にはリン姉さんみたいなのが好きな熟女マニアも多数
いたいいたいリン姉さん肘で頭をグリグリするのは勘弁!」
リン 「やかましい! 空気読みなさい!」
エフラム 「そこで俺は考えた。子供をロリコンの魔の手から守るためにはどうすればいいか。
残念ながら、正常な大人が常に子供を守ってやることは物理的に不可能だ」
ロイ 「そりゃまあそうだろうね」
ヘクトル 「っつーか、常時子供に付きまとってる大人がいたらそっちの方がやべえだろ」
エフラム 「よって、子供達は自分で自分を守る意識を持たなければならない。その意識を育てるためには、
まず『大人は怖い』という認識を植えつけることが必要不可欠!」
エイリーク 「……それで、ミルラにあんなひどいことを?」
エフラム 「その通りだ!」
ロイ 「理屈が無茶苦茶すぎるよ!」
シグルド 「そうだな、確かに妙な嗜好を持つ大人が増えているのは事実だが」
エリンシア 「いくらなんでも、やり方がおかしいと思うわ、エフラムちゃん」
セリス 「うん、僕もそう言ったんだけど、兄さん聞いてくれなくて」
ヘクトル 「おいエフラム、お前なんか変なものでも食ったんじゃねえのか?」
アルム 「そうでなければ誰かに操られているとか」
セリカ 「正気に戻ってエフラム兄さん!」
エフラム 「黙れ! 大体お前らは子供を甘やかしすぎる。そんなだからあまりに素直すぎて悪い大人に騙さ
れる子供が増えるんだ。もっと子供の将来を真剣に考えろ、このロリコンどもめ!」
マルス 「……ん?」
セリス 「……あれ?」
ロイ 「……なんか、さっきの台詞どっかで聞いたような……」
ユンヌ 「ついに正体を現したわね!」
ロイ 「うわ、ユンヌさん。どうしたの急に。っていうか、今までどこに……」
ユンヌ 「ごめんねロイちゃん、真の敵の姿を明らかにするために、準備していたのよ」
ロイ 「真の敵……ってことは」
リン 「この人、エフラム兄さんじゃないの?」
ユンヌ 「いいえ、間違いなくエフラム本人よ。ただ、正気ではないけどね」
ロイ 「うん、それは見れば分かるよ」
ユンヌ 「エフラムは操られているのよ」
エフラム 「何を言っている。俺は正気だ。子供の未来を守るために行動している」
ユンヌ 「ええ、あなた自身はそう思っているでしょうね。でも本当は違うわ。
あなたは、その弱者を守りたいという純粋な思いにつけ込まれて、
知らず知らずの内に思考の道筋を狂わされているの」
エフラム 「一体何を……」
ユンヌ 「さあ、正体を現しなさい!」
ユンヌが持っていた杖をかざした瞬間、エフラムの体を眩い光が包み込んだ。
エフラム 「ぐうううぅぅぅぅ!?」
マルス 「効いてる。凄い苦しみ様だね」
ロイ 「ユンヌさん、その杖は一体……!?」
ユンヌ 「レストの杖よ」
リン 「状態異常の範疇に入るんだあれ」
ロイ 「いくら何でも地味すぎない!?」
ユンヌ 「仕方ないじゃない、FEにはラーの鏡みたいなアイテムが存在しないんだから」
ロイ 「いや、せめて光のオーブとかその辺……」
エフラム 「ぐ……(バタッ)」
リン 「見て皆、倒れたエフラムの体から、何か黒いものが……!」
一つ目怪物 「ぐぅ……おのれ、このロリコンどもめ……」
ファ 「あーっ!」
チキ 「あれは!」
ミルラ 「まさか……!」
セリス 「間違いない!」
四人 「ベアードモンスターッ!」
リン 「……なに、そのベアードモンスターって」
ファ 「えーっ、リンのお姉ちゃん知らないのーっ!?」
チキ 「おっくれってるーっ!」
ミルラ 「……ベアードモンスターはミカリンの敵で、凄く悪い怪物なんです……」
セリス 「ロリコンを撲滅しようとしてるんだよ!」
リン 「……いいことなんじゃないの、それって」
セリス 「違うよ、人種差別は悪いことなんだから!」
リン 「え、でも」
マルス 「止めなよセリス、リン姉さんの年でヤングの話題についていくのはキツイテテテテテテ!」
リン 「……あんた、いっぺん死んでみる?」
マルス 「ちょ、おれ、このまんまじゃ折れちゃいますってリン姉さん!」
ユンヌ 「ふふん、とうとう姿を現したわねバックベア……じゃなくってベアードモンスターッ!」
一つ目怪物 「ユンヌ神よ、何故分かってくださらないのだ、私はアスタテューヌ神をお守りするために……」
ユンヌ 「お黙んなさい!」
ロイ 「え、ユンヌさん、あの怪物と知り合いなの?」
ユンヌ 「バッ……じゃなくて、ベアードモンスターは元々アスタテューヌ教の守護神。
女神アスタテューヌを守護する存在なのよ」
シグルド 「なんと! では、あれも神だというのか!」
マルス 「うーん、それにしては、あの黒いアークオープスみたいな外見は禍々しすぎるような」
エイリーク 「ひょっとして、醜い姿に作ったアスタテューヌを恨んで、神々への復讐を誓ったとか……」
ユンヌ 「いいえ、確かに彼は私たちの列からは離反したけど、別に自分の姿が嫌だった訳ではないわ」
ロイ 「じゃ、どうして……」
ユンヌ 「何ていうか、経営方針の違いというか……まあいいわ、その辺は後で説明してあげる。
とにかく、今はあいつを倒さないと。という訳で、出番よミカリン!」
ミカヤ 「……え、どうしたのユンヌ、急に鳥の形態に戻って」
ユンヌ 「何言ってるの。ベアードモンスターが現れたんだから、魔女っ子ミカリンが撃退しなくちゃ」
ミカヤ 「えぇ!?」
セリス 「そうだよミカヤ姉さん、今こそミカリンに変身して敵を倒すときだよ!」
ミカヤ 「いやあのねセリス、あれはアニメで」
セリス 「大丈夫だよ、僕、皆にミカリンの正体は秘密にしておくから!」
ファ 「お願いミカリン!」
チキ 「わたし達の町を守ってミカリン!」
ミルラ 「……エフラムを助けてあげてください、ミカリン……!」
四人 (キラキラキラキラ……!)
ミカヤ 「ああ、止めて、そんな目で見ないで子供達! 純粋な期待の視線が私の体に突き刺さる!」
ユンヌ 「さあミカリン、変身するのよ!」
ミカヤ 「いや、だからユンヌ、わたしは本当に……」
ユンヌ 「大丈夫よ、変身の呪文はさっきミカヤの頭の中に植えつけといたから!」
ミカヤ 「人の体に何してるのあなた!?」
セリカ (……やっぱり邪神だわ……!)
アルム 「駄目だよセリカ、落ち着いて!」
ユンヌ 「ともかく、早く変身して戦うのよミカリン!」
ミカヤ 「ううう……でもほらわたし虚弱だし、あんな化け物と戦うのは体力的に……」
ユンヌ 「大丈夫、変身後のコスチュームに神の加護かけといたから! 体力UPもバッチリよ!」
ミカヤ 「そんなお気軽に使っていいの女神の加護!?」
ロイ 「相変わらずやりたい放題だねユンヌさん……」
一つ目怪物 「ぐははは、どうしたロリコンどもめ、来ないのならこちらからいくぞ!」
ミカヤ 「ううう……で、でも……あ、この呪文相当長いし、唱えてる間に攻撃されちゃうかも」
サザ 「ミカヤは俺が守る!」
ミカヤ 「サザ!?」
一つ目怪物 「ぬぅ、なんだこの緑色の奴は! ええい、ちょこまかと鬱陶しい……!」
カイン 「おお見ろアベル、先程のシビリアンが一つ目の怪物相手に大立ち回りだぞ!」
アベル 「むぅ、あれはもしや……!」
カイン 「知っているのかアベル!?」
アベル 「……いや、やはり知らん。要するに凄く動きが速いシビリアンなのだろう」
サザ 「どうした化け物、一発も当たってないぞ! 今度はこっちから(カキーン!)」
一つ目怪物 「馬鹿め、NO DAMAGEだぞこのロリコンめ!」
サザ 「クッ……だが、せめて避け続けて時間稼ぎだけでも……!」
ロイ 「凄いよサザさん、いつもの三倍以上のスピードだ!」
ミカヤ (サザ……なんでこんなときだけ普通に役に立つのあなたは……!)
ユンヌ 「さあ、グリーン・ウインドが時間稼ぎをしている間に変身よミカリン!」
四人 「ミカリン!」
ミカヤ 「うううううう……ええい、もうどうにでもなれ!
『キュートキューティキューティクル! とってもプリティな魔法の呪文で、
ちょっぴり大人の魔法少女にな〜あれ!』これでいいの!?」
ボワン! と煙が弾けた先には、見覚えのあるコスチュームに着替えたミカヤの姿が!
ファ 「うわぁ!」
チキ 「すごぉーい!」
マルス 「うわぁ……」
ロイ 「すごぉーい……」
ミカリン 「うううぅぅぅ……背中に突き刺さる視線が痛い……!」
ユンヌ 「やったわミカリン、ピンク色を基調としたフリフリのドレスがとっても似合ってるわ!
凄く似合ってるわよピンク色を基調としたフリフリのドレス!」
ミカリン 「なんで二回も言うのよ!」
ミルラ 「……でも仲間がいないです……」
セリス 「あ、本当だ!」
ファ 「ねーねーミカリンミカリン」
チキ 「魔法の人妻マジカルエスリーナと、魔法のロリッ子サナサナはー?」
ユンヌ 「サナサナは油をぶっかけられて不参加、マジカルエスリーナは育児休暇を取ってるの」
ロイ 「相変わらず嫌な設定……」
一つ目怪物 「ええい、鬱陶しいわこの緑が!」
サザ 「ぐはぁ!」
ロイ 「ああ、健闘空しくサザさんが吹っ飛ばされて宙を舞ったぁ!」
サザ 「み、ミカヤは俺が……ぐふっ」
ロイ (……あれ、そう言えばリーフ兄さんはどうしたんだろ。やっぱ死んだのかな)
一つ目怪物 「む……貴様、何者だ!?」
ユンヌ 「ふふん、あなたの悪行もここまでよバック……じゃなくてベアードモンスター!」
ミカリン 「どうでもいいからさっさと終わらせましょうよ……」
ファ 「ぶーっ! 違うよーっ!」
チキ 「ミカリンいつものアレやってーっ!」
ミカリン 「え、アレって……?」
ミルラ 「……『魔女っ子ミカリンがいる限り、この世に悪は栄えないわ!』です……」
セリス 「決め台詞だよミカリン!」
ミカリン 「……フッ……魔女っ子ミカリンがいる限り、この世に悪は栄えないわ!」
ロイ 「ああ、姉さんが涙を流している……もうヤケクソだね」
マルス 「そりゃそうだ、死ぬほど恥ずかしいもんあれ。よし、今の内に写真を撮っておこう」
リン 「止めなさいっての」
一つ目怪物 「ぬぅ……そうか、あなたの入れ知恵かユンヌ神!」
ユンヌ 「もっちろん。さ、逃げるなら今のうちよバッ……じゃなくてベアードモンスター!」
ファ 「そうだそうだーっ!」
チキ 「やっつけちゃえミカリン!」
一つ目怪物 「おのれーっ! 純粋な子供達に間違った教育を施しおって、絶対に許さんぞこのロリコンどもめ!」
アイク 「……! 大気が震えている……!」
ヘクトル 「あんなナリでも本当に神様らしいな……! すげえ気迫だぜ!」
リン 「確かに、見かけはすごく馬鹿らしいけど……!」
エイリーク 「凄まじい戦いになりそうです……!」
ミカリン 「クッ……!」
ユンヌ 「大丈夫よミカリン、混沌の女神の力を信じれば必ず勝てるわ!」
ミカリン 「ええ勝ちますとも、こんな格好のまま死んでたまるもんですか!」
一つ目怪物 「……」
ミカリン 「……」
一つ目怪物 「……!」
ミカリン 「……!」
アイク 「……動く……!」
どちらが勝ってもおかしくないこの勝負。その場の全員が固唾を呑んで事の推移を見守っていた、そのとき。
一つ目怪物 「……!? ぐ、ぐおぉぉぉぉぉぉぉお!?」
ミカリン 「えっ……ど、どうしたの!?」
リン 「ああ、見て! あの怪物の体から剣の切っ先が突き出てるわ!」
アイク 「誰かが後ろから刺したということか」
リン 「でも、一体誰が……」
エイリーク 「待ってください、あの剣身の形には見覚えがあります」
ロイ 「……あれは、ひょっとしてブラギの剣!? ということは、まさか」
リーフ 「その通り、僕さ!」
ロイ 「リーフ兄さん! 一体どうして!?」
リーフ 「遠くから見てたらなんか決戦が始まりそうな気配だったから、
急いで家の跡に戻ってブラギの剣を取ってきたんだ!」
ロイ 「いや、そうじゃなくて……戦闘竜の群に踏み潰されて、死んじゃったのかと」
リーフ 「そう簡単に死ぬもんか、こんなネタスレでさ!」
リン (……なんか……)
ロイ (凄い説得力ーっ!?)
一つ目怪物 「ぐぅおおおおお……お、おのれ、ロリコンどもめ……!」
ユンヌ 「ふふん、あなたの負けねバック……じゃなくてベアードモンスター!」
ミカリン 「え、もう勝負ついちゃったの」
ユンヌ 「さあ、大人しく退散しなさい!」
一つ目怪物 「おのれーっ! 見ておれよ、必ずやこの世界から性犯罪者どもを撲滅してくれるわ、このロリコンどもめ!」
ロイ 「……行っちゃったね、ベアードモンスター」
リン 「……そうね。行っちゃったわね」
アイク 「……なんだかよく分からんが……」
ヘクトル 「これで、今回の騒ぎも終わり……か?」
リーフ 「イヤッホーッウ! ねえ皆、見た、見てくれた!? 僕が敵のボスをやっつけたよ!
アイク兄さんでもヘクトル兄さんでもエフラム兄さんでもなく、この僕が!」
ファ 「……」
チキ 「……」
ミルラ 「……」
セリス 「……」
リーフ 「あ、あれ、なんか皆の視線が冷たい……?」
ファ 「つまんなーい!」
チキ 「ミカリンの活躍が見たかったのにぃーっ!」
ミルラ 「……台無しです……」
セリス 「……こういうの、よくないと思うな……」
リーフ 「そ、そんな、普段は優しいセリスまで!? 悪者を退治したんだから誰か褒めてくれても……」
ミカリン 「そうね、あなたはよくやったわリーフ」
リーフ 「ああ、ミカヤ姉さんだけは褒めて……」
ミカリン 「でも、せめてもう少しだけ早くしてほしかったなあ……わたしがこんなになる前に」
リーフ 「何言ってんの姉さん……ってうわぁ、その変な格好なにミカヤ姉さん?
正直見てて痛々しいんだけど。駄目だよ、いくら外見が若いからって、少しは自分の年考えなくちゃ」
ミカリン 「……うわぁぁぁぁぁぁぁん!」
リーフ 「あ、行っちゃった……変なミカヤ姉さん」
ユンヌ 「……リーフちゃんってときどき凄く残酷よね」
カイン 「何となく白けてしまったなアベル」
アベル 「うむ、そうだな。町の復興作業に戻るとしようか」
ラナ 「あ、セリス様、私と一緒に材木運びを」
グレイル 「よし、それではグレイル工務店員は総出で町の復興作業に当たるように」
ボーレ 「腹減ってる奴がいたら豆腐やるぜー!」
ヨファ 「ボーレ、それさっき投げつけてたやつじゃ……」
エリウッド 「ああ、ニニアンが心配だ。探しにいこうニルス」
ニルス 「別に心配じゃないけど、そうだね、行こうよエリウッドさま」
イドゥン 「……それでは、わたしは戦闘竜を指揮して町を復興させましょう」
ファ 「ファも手伝うーっ!」
チキ 「わたしもーっ!」
ミルラ 「……エフラム……」
エイリーク 「……大丈夫です、気を失っているだけのようですから」
ミルラ 「……良かったです」
エイリーク 「兄上は、心の底からあなたのことを想っていたのですね」
ミルラ 「え」
エイリーク 「そうでなければ、あのような怪物に心を乗っ取られることなどなかったはずですから」
ミルラ 「……そうでしょうか」
エイリーク 「そうですよ、きっと」
シグルド 「まあ、何にしてもめでたいことだな」
セリカ 「あ……(ふらっ)」
アルム 「大丈夫、セリカ?」
セリカ 「ご、ごめんなさいアルム、急に力が抜けて」
アルム 「それだけ緊張してたんだよ。さ、あっちでしばらく休もう」
セリカ 「アルム……」
アルム 「セリカ……」
シグルド 「……さて、めでたいついでにちょっと運動しようかな」
エリンシア 「自重なさってくださいシグルドお兄様。さ、お家を立て直しませんと」
シグルド 「うううぅぅぅ……兄さん絶対認めないからなぁーっ!」
リーフ 「……な、なんだよ皆して! 僕が活躍するのがそんなにいけないの!?」
リン 「そんなことないわよリーフ」
アイク 「ああ。お前はよくやった」
リーフ 「ほ、本当?」
ヘクトル 「ああ。すげー卑怯くさかったけどな」
アイク 「今回のことで、人間としてのレベルが少し上がったようだな」
リーフ 「そ、そうかな?」
アイク 「ああ。見ろ」
ニア そうび
ニア ラグネル −−
ブラザーアーチV 50
ブラザーアーチ 0
シスターアーチ 0
リーフ 「UからVになって耐久値上がってるぅーっ!?」
アイク 「威力と射程も延びたぞ。よかったなリーフ」
リーフ 「ちっともよくないよ! って言うか、これ人間としてのレベルじゃないよね明らかに!?」
ナンナ 「リーフ様!」
ミランダ 「リーフ!」
サラ 「……リーフ」
リーフ 「あれ、どうしたの皆」
ナンナ 「リーフ様、どこか、お怪我は」
ミランダ 「リーフのことだからまた酷い目に遭ってるんじゃないかとしんぱ……じゃなくて!
ち、違うわよ、わたしはただそんなあなたを笑いに来ただけなんだから!」
サラ 「(ビビビッ!)……受信したわ。リーフ、戦闘竜の群にもみくちゃにされたのね」
ナンナ 「まあリーフ様、相変わらずなんて運のない」
ミランダ 「情けないわね。ドラゴンキラー持てば竜の一匹や二匹何とかなるでしょ」
サラ 「……それでも何とかならないのがはっぱクオリティ……」
リーフ 「……ああそうさ、どうせ僕は何の活躍もできないはっぱ君さ!
竜に踏み潰されて『この人でなしーっ!』って言ってるのが似合ってるんだ!」
ナンナ 「まあリーフ様……そんな風に仰らないでください。リーフ様にだっていいところはたくさんありますよ」
ミランダ 「そうね、たとえば……たとえば……あー、とにかく、いいところはたくさんあるわよ」
サラ (……いじけてるリーフ、とっても可愛い……)
リーフ 「ちくしょおおおおぉぉぉぉぉっ!」
サラ (……うっとり……)
エリウッド 「ああ、ニニアンは一体どこに……」
ニルス 「……あ、エリウッドさま、あれ」
エリウッド 「どうしたんだいニルス……あ、あんなところに見慣れない氷竜が!?」
ニルス 「……あー、とりあえず、行ってみない?」
エリウッド 「そうだね、ニニアンがあの竜に襲われていたら大変だ!」
ニルス (……そういう意味じゃないんだけど)
ニニアン(竜)(……! エリウッドさま……!)
エリウッド 「クッ、なんて巨大な……! しかし、この竜が何だろうとニニアンに手を出させる訳には……!」
ニニアン(竜)「……待ってください、エリウッドさま……」
エリウッド 「そ、その声はニニアン!? まさか、この竜はニニアンなのか……!?」
ニニアン(竜)「……はい……申し訳ありません、わたしも竜王家の一員、氷竜なのです……」
エリウッド 「な、なんだってーっ!? ニルス、そうなのかい?」
ニルス 「うん。まあ、別に隠してた訳じゃないんだけど……」
ニニアン(竜)「ところが……先程の戦闘中に悪い魔法使いに呪いをかけられてしまい、
人の姿に戻れなくなってしまいました」
エリウッド 「そ、そんな! 一体どうすれば……」
ニニアン(竜)「この呪いを解く方法は一つだけ……それは」
エリウッド 「それは!?」
ニニアン(竜)「……お、王子様の……あ、熱い、キッスを……」
ニルス (うわ、ベタだ! ベタすぎるよニニアン! いい考えってこれのことだったのか!)
エリウッド 「王子様……困ったな、こんなところに王子様なんている訳が」
ニニアン(竜)「あ、いえ、そうではなくてエリウッドさまのことで……!」
エリウッド 「え、僕? でも僕は単なる一般市民で」
ニニアン(竜)「いえ、その、わたしにとっての王子様ということで……」
ニルス (テンパりすぎて自爆してるよニニアン……それじゃ告白してるのと同じじゃないか)
エリウッド 「……良く分からないけど、つまり僕がニニアンにキスをすればいいんだね?」
ニルス (そして気付かないエリウッドさま……鈍い、鈍すぎる!)
ニニアン(竜)「は、はい! ……あの、こんな化け物とではお嫌ですか……?」
エリウッド 「化け物だなんて……どんな姿になったってニニアンはニニアンだよ。
さ、首をこっちに伸ばして。君のためになるのなら、キスぐらいは……」
ニニアン(竜)「ああ、エリウッドさま……」
フィオーラ 「危ないエリウッド様ぁぁぁぁぁぁっ!」
ニニアン(竜)「ぐえっ!?」
エリウッド 「ああ、ニニアンがファルコンナイトの突進で吹っ飛ばされた!?」
フィオーラ 「ご無事ですかエリウッド様!エリウッド様が氷竜に捕食されようとしているのが見えたもので……」
エリウッド 「いや、あれは氷竜だけどニニアンで……」
フィオーラ 「まあそうなのですか、私ちっとも気がつきませんでしたわおほほほほほ」
ニルス 「……大丈夫、ニニアン」
ニニアン 「……うう……ひどい……」
ニルス 「あー、ショックで人の姿に戻ってるし……まあ、回りくどい方法は使わない方がいいってことだね」
ミカヤ 「ひぐっ、ひぐっ……」
ユンヌ 「もー、泣かないでよミカヤ」
ミカヤ 「ほっといて! わたしはもう汚れちまつたのよ! 恥ずかしくて人様の前に顔を出せないわ!」
ロイ 「ミカヤ姉さーっん!」
ミカヤ 「う……うわぁぁぁぁぁぁん!」
ロイ 「ああ、逃げちゃった……もう、悪ノリしすぎだよユンヌさん」
ユンヌ 「んー、ごめんね。布教活動のいい機会だと思ったから、つい」
ロイ 「布教活動って……ああ、そう言えば『魔女っ子? ミカリン』自体が布教活動の一環とか何とか。
結局さ、あれってどういう意味だったの?」
ユンヌ 「単純な話よ。まずね、アスタテューヌ教ではバッ……
じゃなくて、ベアードモンスターが神の敵であると教えてる訳ね」
ロイ 「うん」
ユンヌ 「だから、アニメでも似たようなのを敵にしておけば、自然と彼への反感を育てることになる訳ね。
現にミルラちゃんたちは話も聞かずに彼をやっつけろとか言ってたじゃない。
あの子たちはいいアスタテューヌ教徒になるわね……」
ロイ 「ってそれ一種の洗脳じゃない!?」
ユンヌ 「んー、一種っていうか、モロに洗脳なんだけど」
ロイ 「認めないでよそんなアッサリ! ……と言うか、そもそも何であの人、アスタテューヌさんに反抗してるの?」
ユンヌ 「えっとね、最初は彼も普通にアスタテューヌ姉さんを守護してたのよ。
でも、教団の教徒が増えるに従って、あることに気がついたのね」
ロイ 「あることって?」
ユンヌ 「ほら、アスタテューヌ姉さんもわたしも、基本形態は幼女じゃない?
だから入信してくる男の人って大概ロリコンで、そうでない人もじょじょに……」
ロイ 「うわぁ……」
ユンヌ 「で、バッ……じゃなくてベアードモンスターは、
自分が守護するアスタテューヌ神がそういう目で見られるのに耐えられなくなって、
ロリコンどもに天罰を下し始めたのね。だから追放したの」
ロイ 「ちょ、ちょっと待って! それじゃ、あの人普通にいい人なんじゃないの!?」
ユンヌ 「何言ってるのロイちゃん。話聞いてなかったの?
要するに、アスタテューヌ教徒の大半は姉さんかわたしハァハァなロリコン男なのよ?」
ロイ 「……だから?」
ユンヌ 「それなのにロリコンに天罰なんて下しちゃったら、教徒と貢物が減っちゃうじゃない!」
ロイ 「生々しすぎるよ!」
〜一週間後の休日、早朝〜
エフラム 「……この辺りもすっかり建て直されたな……さすがよく壊滅する紋章町、直るのも早い……
しかし、今回は俺のせいで皆に迷惑をかけてしまった。精進しなければ……」
ミルラ 「……エフラム」
エフラム 「おおミルラ、久しぶりだな。よし、今日も一緒に走るか」
ミルラ 「……あの、エフラム」
エフラム 「なんだ?」
ミルラ 「……わたし、邪魔じゃ、ないですか……?」
エフラム 「……どうしてそんなことを聞く?」
ミルラ 「……わたし、体力もないですし、運動も苦手です……それなのに
エフラムと一緒にトレーニングしたいって我が侭言って……
わたし、エフラムの邪魔になっていませんか? もしそうなら、はっきり言ってほしいです。
わたし、エフラムに迷惑かけたくないです……」
エフラム 「……そうか」
ミルラ 「……」
エフラム 「なあ、ミルラ」
ミルラ 「……は、はい」
エフラム 「お前、ちょっと背が伸びたんじゃないか?」
ミルラ 「え……? そんなはずは……」
エフラム 「そうか、俺の気のせいかな……それとも、お前が大きく見えるようになったのか」
ミルラ 「……わたしが?」
エフラム 「そうだ。お前は成長しているよ。初めて会ったときはムルヴァ殿やユリア姉さんの背中に隠れて、
ろくに話も出来なかったが……今は見知らぬ人間相手に、口ごもりながらでも喋れるようになったじゃないか」
ミルラ 「……それは……エフラムのおかげです」
エフラム 「いや、違うな。確かに、俺と出会ったことがきっかけの一つにはなったかもしれない。
だが、ここまで成長できたのは、間違いなくミルラ自身が頑張ったからだ。
本当に……お前の頑張りにはいつも驚かされるし、俺自身励まされもする。
そんなお前のこと、邪魔だなんて思うはずがないだろう。お前だって俺の助けになっているよ、ミルラ」
ミルラ 「エフラム……っ!」
エフラム 「おい、泣く奴があるか……困ったな……」
ミルラ 「……ありがとう、ありがとうございます、エフラム……」
エフラム 「分かったから、泣き止めミルラ」
ミルラ 「……うう……でも、涙、止まらないです……」
エフラム 「そうか……じゃ、乾かしてやろう」
ミルラ 「え……きゃっ……」
エフラムは、いつかのようにミルラを抱え上げ、肩車してやった。
ミルラ 「え、エフラム、下ろしてください……!」
エフラム 「駄目だ、お前が泣き止むまでこうしていてやる」
ミルラ 「もう止まりました、止まりましたから……!」
ミカヤ 「……ふふ」
シグルド 「うむ、一件落着だな」
エリンシア 「本当に……」
アイク 「全くだ」
エリウッド 「ああ、良かった。やっぱりエフラムはエフラムだね」
ヘクトル 「ケッ、似合わねえ真似しやがって」
エイリーク 「いえ、エフラム兄上は優しい人です……あの顔を見ていれば分かります」
マルス 「うーん、ますますロリコン疑惑がいてててて!」
リン 「あんたって子はなんでそう邪な目でしか物事を見れないの!」
セリス 「いいなあ、僕も将来、子供にあんな風に肩車してあげたいよ」
リーフ (『それは自分で産むって意味?』なんて聞けないよな……)
セリカ 「見てアルム、ミルラちゃん、とっても楽しそう」
アルム 「エフラム兄さんも、凄く優しい顔だね」
ロイ 「……それはそれとして、僕たちはどうしてこう隠れてエフラム兄さんの様子を窺ってるんだろうね」
マルス 「そりゃ気になるからさ。それに、そうしてるのは僕たちだけじゃないみたいだよ」
ロイ 「え?」
マルス 「ほら、向こうの角を見てみなよ」
バヌトゥ 「ほっほーっ」
ムルヴァ 「……うむ」
ヤアン 「ククッ……あの内気な娘が、成長したものだな」
クルトナーガ「良かった……丸く収まったみたいだね」
ユリア 「ほらお姉様、エフラムさんは立派なお方ですよ」
イドゥン 「……そのようね……良かった、ミルラも楽しそう……」
ユリウス 「どうでもいいよもう……ふあー……ねむ……」
ニニアン 「……わたしも、あんな風にエリウッドさまに……」
ニルス 「いや、さすがに肩車はないでしょ体型的に……」
チキ 「うー……いいなあミルラお姉ちゃま……」
ファ 「ファもかたぐるましてもらうーっ!」
ユリア 「あ、駄目よファ、今出て行っては……」
ファ 「エフラムのお兄ちゃーっん!」
チキ 「わたしも肩車ーっ!」
ミルラ 「チキ、ファも……!」
エフラム 「何だお前達急に……竜王家の皆!? こっちには兄さんたちまで……!」
マルス 「うわっ、ばれた」
リン 「ごめんエフラム兄さん、ちょっと心配で……」
エフラム 「全く……」
シグルド 「はははっ、まあいいじゃないか、こうなれば皆揃って健康的にジョギングだ」
リーフ 「うえ、僕一抜けで……」
アイク 「駄目だ」
ヘクトル 「だな。お前はもっと体力つけた方がいいぜ」
ヤアン 「どれ、何なら我が竜王家に伝わる秘術を……」
リーフ 「いや、いらないですからそんなの!」
シグルド 「よし皆、あの朝日に向かってダッシュだ!」
ユリウス 「……なんか爽やかに締めようとしてるところであれなんだけどさ」
ユリア 「? どうなさいました、ユリウスお兄様」
ユリウス 「いや……一週間前の騒ぎの日から、メディウス爺さんを見かけないんだけど……」
ユリア 「……あ」
〜竜の祭壇〜
メディウス(竜)「バアサンヤ、メシハマダカイ」
地竜 「ZZZZZ……」
メディウス(竜)「……コレモチガウ……ドコイッチマッタンジャ、バアサンヤ……」
<おしまい>
いやぁ面白かった晩御飯の人
伏線を本当にうまく話を収めていて本当に感心した
個人的にはせっかく集まった竜王家以外のサブキャラたちにも一言くらい出番があったらよかったのだけど
それをやると冗長になってしまうからやらなかったのだろうな
ミカヤ (サザ……なんでこんなときだけ普通に役に立つのあなたは……!)
これがすごく笑わせてもらった
リーフにしろサザにしろ本当にギャグが上手いなぁ
とにかくおつかれさまでした
あ、完結編来てら。
何はともあれお疲れ様でした>晩飯の人
そしてリーフ空気読めw
サザの奴には盛大に吹かしてもらった・・・・確かに要らんときに役に立つ・・・・
後何気にフィオーラ酷w 素で知らなかったのか知っててやってたか両方取れるから想像しがいがあるなぁw
晩御飯の人乙!!
サザが出てきた瞬間、素でお茶吹いた(爆)
いやぁ〜、楽しかったです!!
何気にニニアンがウケたw
ニルスのツッコミ厳しいなぁwww
次回作も期待してますっ
153 :
男の料理:2007/05/21(月) 00:35:01 ID:XUKw3WcI
おもしろい話のあとで投稿し辛いが投下
ヘクトル「ただいまー・・・って誰もいねーのか?まったく・・・ん?エリンシアの姉貴の置手紙・・・」
エフラム「ただいま」
ヘクトル「おうっ。おかえり」
エフラム「お前だけか?」
ヘクトル「ああ。なんでも今日はシグルドの兄貴は遅くなるらしいし、ミカヤの姉貴は占い。エリンシアの姉貴やリンもエイリークも
弟どもも皆揃いもそろって今日は友達の家に泊まるだとか遊びに行くやらでいないらしい。今日はアイクの兄貴と三人だけだ」
エフラム「むさいな・・・・・」
アイク「帰ったぞ。ん?お前たち二人だけか?」
ヘクトル「実はかくかくしかじか・・・」
アイク「なるほど・・・しかし腹が減ったな・・・」
エフラム「そういや夕飯はどうすんだ」
ヘクトル「夕食代は置いてないのか?」
エフラム「それらしき金はないぞ」
一同「・・・・・・」
エフラム「兄さんは金持ってないのか?」
アイク「いや、ない。給料日は明後日だ。このあいだ剣も買ったし今手持ちは1Gとてない」
一同「・・・・・・」
ヘクトル「ど、どうする?」
エフラム「家にあるものでなんとかするしか・・・」
アイク「この家の冷蔵庫にあるものなんてたかが知れてるぞ」
エフラム「でもしょうがないじゃないか。残り物で料理・・・」
ヘクトル「この三人の誰が料理ができるってんだよ」
アイク「セリスの部屋とかエイリークの部屋に料理本があったぞ確か。それを使ってなんとかするしかない」
ヘクトル「しゃあねぇ。こうなったら男の料理ってもんをやってみるっきゃねーな」
エフラム「で?何を作る?」
ヘクトル「この材料からすると・・・親子丼とかか?」
アイク「ちょうど本にも載ってる。それでいいだろう」
ヘクトル「えっと・・・鶏肉を一口サイズに切って・・・」
エフラム「雑だな」
ヘクトル「うるせぇな!口に入りゃあどうだっていいだろ。てめぇこそ卵の殻が入ってるじゃねぇか」
エフラム「卵を割ったことなど生まれて初めてだ。仕方ないだろう」
ヘクトル「んで、なんで兄貴はラグネルで玉葱切ってんだよ!!」
アイク「包丁だとチマチマしてていらつくしな。こっちのほうが手に馴染む」
ヘクトル「だからってラグネルはねーだろ・・・」
アイク「ふんっ」
エフラム「うおっ!?」
ヘクトル「衝撃波飛ばすんじゃねっー!」
エフラム「コレを見たらまたエリウッドが胃を痛めるな」
ヘクトル「兄貴前も衝撃波で居間をめちゃめちゃにしただろ。少しは自重しろ」
エフラム「ゴキブリのときか・・・」
ヘクトル「コンロの火がつかねぇ・・・おかしいな」
アイク「ロイの部屋に封印の剣があるぞ。あれは炎が出るだろう。あれを使え」
ドーン!!ガシャーーーーーン!!うわぁっ!!兄貴ぃぃぃぃぃぃぃぃ!この人でなしーっ!!バーーーーン(※音声のみでお楽しみください)
アイク「・・・・」
エフラム「・・・・・」
ヘクトル「・・・・・・・・逃げるか」
アイク・エフラム「ああ」
シグルド「ふーっ疲れた疲れた。さっさと帰って風呂に入ろう」
シグルド「今朝までここは我が家があったはずだが・・・・なんだ?この・・・・・瓦礫の山は・・・・・?」
リーフは出掛けてなかったのかよwwww
Vol.9 ルネスの仮面騎士
〜ルネス女学院の放課後、校舎裏〜
エイリーク 「ターナ」
ターナ 「はい? どちら様……って、あー、ひょっとして、エイリーク?」
エイリーク 「そうよ……どうしてそんなことを聞くの?」
ターナ 「んー……や、何か雰囲気変わってて一瞬誰だか分からなくて。それ、演劇の衣装?」
エイリーク 「ええ」
ターナ 「男の人の格好なのね……髪も三つ編みにしてるし」
エイリーク 「遍歴の旅の途上にある騎士、という設定だから」
ターナ 「ふーん……ひょっとして、結構気障っぽい感じの騎士?」
エイリーク 「ええ、そうだけど……よく分かったわね?」
ターナ 「三つ編みだからね……無骨な騎士だったら適当に縛るか流しっぱなしにするかだと思うし」
エイリーク 「そう。だから、髪も三つ編みにしようと……本当は切った方がいいと思うんだけど」
ターナ 「駄目よそんなの、折角綺麗な髪なのに、もったいない」
エイリーク 「ふふ、ありがとう」
ターナ 「……それで、その格好のまま、何をしにこんなところまで?」
エイリーク 「ちょっと、演劇部の物置に、小道具を取りに来たの。わたしでなければ分からないものだから」
ターナ 「そうなんだ。小道具って、その仮面?」
エイリーク 「ええ。仮面はいくつもあって、似たようなデザインのものも多いから」
ターナ 「なるほどね……ん?」
エイリーク 「どうしたの……? あちらの方から声が聞こえるわね」
アメリア 「は、離して、離してったら!」
ゲブ 「ぐふふぅ……お前ルネスの新入生だなぁ」
ブラムセル 「おうおう、少々色気には欠けるがなかなか可憐な出で立ちではないか」
レイドリック「ふふふ、だが少し肉付きが足りんな……どれ、我々が連れ帰ってじきじきに調べて」
アメリア 「いやーっ! けだものーっ!」
ターナ 「……この学校の警備は一体どうなってるのかしら」
ラーチェル 「仕方ありませんわ。リワープやワープで侵入されたら防ぎようがございませんもの」
ターナ 「ラーチェル!? あなた、いつの間に!?」
ラーチェル 「ふふん、滅ぼすべき悪あるところなら、麗しの絶世美王女ラーチェル様はいつでもどこでも現れるのですわ」
ターナ 「……相変わらずよく分からない理屈……まあいいわ、とにかく、早く助けに入らないと」
エイリーク 「そうね、見過ごす訳にはいかないわ」
ラーチェル 「んー、でも、それもまた難しいお話ですわね」
ターナ 「どういうこと?」
ラーチェル 「ここは由緒正しきルネス女学院。いくら変質者相手でも、暴力事件を起こしたらいろいろと面倒なことになりますのよ」
ターナ 「そんな……それじゃ、見過ごせって言うの!? 今から警察呼んだって間に合わないし、先生呼ぶ暇だって」
エイリーク 「……考えがあります。ラーチェル、わたしをあそこにワープさせていただけますか?」
ラーチェル 「彼らのすぐ近くの……校舎の屋上ですの? 一体どうなさるおつもり?」
エイリーク 「説明している時間はありません。すぐにお願いします」
アメリア 「触るなーっ! 離せーっ! 変態ーっ!」
ゲブ 「ぐぶぅ……ええい、抵抗するなというのにぃ」
ブラムセル 「ぐふふ、なに、暴れる女を組み伏せるのもまた一興……」
レイドリック「いかにも。さて、それではさっさとリワープで逃げると」
??? 「お待ちなさい!」
ゲブ 「だ、誰だぁ?」
ブラムセル 「というか、どこだ?」
レイドリック「む、あそこの屋上に……!?」
仮面の騎士 「そのレディから手を離したまえ、悪党ども!」
ゲブ 「時代錯誤な格好をぉ」
ブラムセル 「だ、誰だ、何者だ!?」
仮面の騎士 「貴様らに名乗る名はない! はっ!」
レイドリック「ば、馬鹿な、あの高さから飛び降りただと!?」
仮面の騎士 「(スタッ)さあ、その汚らわしい手を離すがいい。
それとも、そちらのレディに私の剣の冴えを披露させてくれるのかな?」
ブラムセル 「おのれ、気障ったらしい台詞を……」
ゲブ 「やっちまうぞぉ」
レイドリック「ふん、三対一で勝てるものか、馬鹿め!」
レイドリックの言葉どおり、三対一の戦いでは結果は見えているかに思われた。
しかし仮面の騎士は洗練された素早い動きで三人を圧倒し、危なげなく自分への攻撃を避けながら、
着実に敵だけに手傷を負わせていく。終いにはボロボロの三人と無傷の仮面の騎士が向き合う結果となった。
ゲブ 「ぐ、ぐぶぅ……」
ブラムセル 「つ、強い……」
レイドリック「ええい、今日のところは退散だ! 覚えておれよ!」
仮面の騎士 「ふっ、品性に欠ける連中だ……」
アメリア 「あ、あの……」
仮面の騎士 「ああ、これは失礼。お怪我はありませんか」
アメリア 「は、はい、おかげさまで」
仮面の騎士 「そうですか、それは何よりです。万一、あなたの可憐なお顔に傷でもつこうものなら、
私は彼らを絶対に許さなかったでしょう」
アメリア 「か、可憐だなんて……あの、ありがとうございました、危ないところを助けていただいて」
仮面の騎士 「お気になさらず。騎士として当然のことをしたまで」
アメリア 「じゃ、じゃあ、せめてお名前だけでも……!」
仮面の騎士 「(アメリアの耳元で)申し訳ありません、故あって名を明かすことは出来ないのです、レディ」
アメリア 「はう……」
仮面の騎士 「ですが、そうですね……リゲル、とでも名乗っておきましょうか」
アメリア 「リゲルさま……」
仮面の騎士 「ええ。お困りであればいつでもお呼びください。では失礼、レディ(消える)」
エイリーク 「……ふう、何とかなりましたね。ラーチェル、お手数おかけしました、レスキューまで使って頂いて」
ラーチェル 「……いえ、それは別に構いませんけれど……」
ターナ 「……エイリーク、ちょっとニ、三聞きたいんだけど。まず、何であんな派手な登場を?」
エイリーク 「あの子が人質に取られては困ると思って……あれだけ目立つ登場をすれば、自然とこちらにだけ意識が向くでしょう?」
ターナ 「なるほど。リゲルって言うのは?」
エイリーク 「仮面の騎士は星の名前を名乗るのが決まりなのだと、以前マルスから力説されて……」
ターナ 「何それ……まあいいわ。じゃ、最後。あの気取った台詞回しはなに?」
エイリーク 「あ……衣装を着ているせいかしら、つい役柄が出てしまったようで……
以前セリスと一緒にアニメを視聴したときに、同じような性格の騎士が登場していたので、それを参考に」
ラーチェル (……役にのめりこみすぎじゃございませんこと?)
ターナ (まあね……って言うか、さっきのはいくらなんでも気障すぎ……わたしだったら笑ってたかも)
ラーチェル (でもほら、さっきの子をご覧なさいな)
アメリア 「……」
ターナ (……わっ、まだあそこに立ち尽くしたままぽわーんとしてる)
ラーチェル (あれは完璧にハートを撃ち抜かれてますわね……)
ターナ (古風な少女漫画みたいなシチュエーションに弱い子なのかもね……)
エイリーク 「あの……二人とも?」
ラーチェル 「ん……ま、まあ、ともかくよかったですわね、学院の平和が守られて」
エイリーク 「はい……と言っても、正体がばれては困りますから、この衣装と髪型はもう使えませんが」
ターナ 「そうねー……確かに、演劇部では使えないかもね」
エイリーク 「? 他に使う機会などないでしょう?」
ラーチェル 「……いえ、多分、また使う機会が巡ってくると思いますわ。それも何度も」
エイリーク 「??」
ターナ (……しっかし、声とか変えてないのにばれないとはね)
ラーチェル (仕方ありませんわ。エイリークは少々その、起伏に欠ける体つきですもの……)
エイリーク 「……? 二人とも、何の話を……」
ターナ 「なんでもない、なんでもない。さ、帰りましょ」
〜翌日、ルネス女学院生徒会室にて〜
ラーチェル 「……やっぱり載ってますわね、学院新聞に……いつもながら仕事が早いものですわ」
やたらと豪華な執務机の上に広げられた新聞部発行の新聞には、
「仮面の騎士現る!?」という見出しが躍っていたりする。
ラーチェル 「……この麗しの絶世美王女を差し置いて……と言いたいところですけれど、今回ばかりはエイリークに同情ですわね。
『困ったことがあればいつでもお呼びください』ですもの、この妙に事件が多い学院、きっと大忙しですわ」
言葉の割にラーチェルの口調は楽しげであり、その顔には上機嫌な笑みが浮かんでいる。
ラーチェル 「ふふ、これでまた一層学院生活が楽しくなりそうですわね。
そうと決まれば、またワープとレスキューの杖をたくさん用意しておきませんと。
あ、事件が起きたのをすぐに察知するために、精霊で学院中を常時監視させるのもいいかもしれませんわ」
こうしてこの日以来、「仮面騎士リゲル」は、学院七不思議の一つとして数えられることになったのである。
懲りずに侵入してくる変質者と戦いを繰り広げたり、エイリーク目当てで学院を訪れたヒーニアスと決闘する羽目になったりと
大忙しだったが、エイリークが卒業するまで、その正体がばれることはなかったそうな。
<おしまい>
そういやカミユは今まで出てきたっけ、やっぱりマチルダと一緒になってるのか?
主人公一家は魔法少女から謎の仮面騎士まで豊富に取りそろえてるのかww
つーか学校のセキュリティを軽く上回る杖すげー!
>>158 ティータじゃなくてマチルダ?
個人的にニーナとハーディンとの三角関係が気になるw
ハーディン → ニーナ → カミュ → ティータ
うわ………修羅場。
劇場版「魔女っ娘?ミカリン」〜ミカリンVS謎の仮面騎士リゲル〜
キボンヌ
もちろん最後は二人は共闘するんだ
共同と言えば巨大化だな。
スカートの中が見えて葉っぱが(ry
163 :
ユアン:2007/05/22(火) 13:05:51 ID:aspih7z3
やったね!
その前に踏み潰されるw
Vol.10 おかいもの?
エリンシア 「ああロイちゃん、またお使い頼めるかしら?」
ロイ 「うん、いいよエリンシア姉さん」
エリンシア 「いつもいつも、本当にありがとうね。他の子たちに頼んでもなかなか引き受けてくれなくて」
ロイ 「気にしなくてもいいよ、料理の方は手伝えないし、このぐらいはしなくちゃね」
エリンシア 「ありがとう、ロイちゃん。そうだわ、お釣りが出たらロイちゃんのお小遣いにしていいから」
ロイ 「え、でも、余計な出費は控えないと」
エリンシア 「そんなことは気にしなくてもいいのよ。ロイちゃんにはいつもお使いや洗い物手伝ってもらっているから」
ロイ 「うーん……でも、なんだかお駄賃目当てに手伝ってるみたいで……」
リーフ 「じゃあ代わりに僕が行ってあげるよ!」
ロイ 「リーフ兄さん!?」
エリンシア 「リーフちゃん……どうしたの、急に」
リーフ 「別に、理由なんてないよ。単に気が向いただけ。
ところで全然関係ない話なんだけど、本当にお釣りはお小遣いにしてもいいんだよね?」
ロイ 「……リーフ兄さん、いろいろとあからさますぎるよ。いつもは『面倒くさい』って言って行かないのに」
リーフ 「やだなあ、何を言うんだいロイ。僕は純粋にエリンシア姉さんの手伝いがしたいと言ってるだけさ!」
エリンシア 「それじゃあ、お駄賃なしでも行ってくれるのね、リーフちゃん?」
リーフ 「あ、僕ちょっと急用思い出しちゃった」
ロイ 「……リーフ兄さん……」
エリンシア 「ふふふ、リーフちゃんったら、いつからこんなにちゃっかりするようになったのかしらね。
いいわ、それじゃ、二人にお買い物頼みましょう。お釣りは二人で仲良く分けてね」
リーフ 「やった! さあ、そうと決まれば善は急げだ、買い物なんてさっさと済ませようじゃないか、ロイ!」
ロイ 「……はあ。それじゃ、行ってきますエリンシア姉さん」
エリンシア 「行ってらっしゃい。気をつけてね」
リーフ 「ふーん、ふーんふーふーふー♪(FEのテーマ)」
ロイ 「……ねえリーフ兄さん、いくら何でもがめつすぎるんじゃないかな?」
リーフ 「何がだいロイ?」
ロイ 「何がって、決まってるじゃない。あんな風にあからさまにお駄賃目当てで……
相手がエリンシア姉さんだったからいいものの、リン姉さんとかだったら今頃拳骨の一発は喰らってるよ」
リーフ 「だから相手を見てやってるんじゃないか」
ロイ 「いや、僕が言いたいのはそういうことじゃなくて」
リーフ 「甘いなあロイは。いいかい、僕らの家は貧乏だし、今は不景気な世の中なんだ。
貯められる内にたくさんお金を貯めておくのは、庶民が身を守るための知恵だよ。
こういう機会を逃さず、コツコツお金を貯めていかないとね!
そう、たとえ相手が鉄装備しか持っていなかったとしても奪えるものは奪っておかないと……」
ロイ 「何言ってるの?」
リーフ 「いや、こっちの話。とにかくね、僕はもう貧乏は嫌なんだよ」
ロイ 「……だったらバイトでもしなよ。兄さんの年ならコンビニの店員ぐらいはできるでしょ」
リーフ 「えー、やだよバイトなんて。汗水垂らして働くなんてのは性に合わないんだ」
ロイ (……兄さんっていつもどことなく卑屈なのに、
こと労働という分野に関してはとことんお坊ちゃまなんだよな……
それでいてお駄賃が出ると言われれば真っ先に飛びつくし。一体何なんだろうこの金への執着は)
リーフ 「お……(がちゃがちゃ、がちゃがちゃ)……チッ、収穫なしか」
ロイ 「……」
リーフ 「おっと、ここにも(がちゃがちゃ、がちゃがちゃ)……チッ、シケてやがる」
ロイ 「……あのさ」
リーフ 「あ、また……よし、今度こそ(がちゃがちゃ、がちゃがちゃ)おおロイ、見なよ、50Gゲット!」
ロイ 「……自動販売機があるたびに釣り銭漁るのやめなよ、リーフ兄さん」
〜スーパー店内にて〜
ロイ 「これと、これと……よし、これで全部だな」
リーフ 「……」
ロイ 「……今度はどうしたのリーフ兄さん、やたらと不満気だけど」
リーフ 「どうしたもこうしたも……高すぎるよ何もかもが!」
ロイ 「いや、今日はむしろ安い方なんだけど」
リーフ 「いーや、駄目だ! これじゃせいぜい500Gそこらしかお釣りもらえないじゃないか!」
ロイ 「そりゃそうでしょ、必要な分しかもらってないんだから」
リーフ 「(ぶつぶつ)くそ、こんなんじゃ駄目だ、せめて3000Gぐらいはふんだくらないと……」
ロイ 「……リーフ兄さん?」
リーフ 「移動しようロイ! もっと安いスーパーを探すんだ!」
ロイ 「えー? いいよ別に、遅くなっちゃうし……」
リーフ 「いいから行く!」
〜で、一時間後〜
ロイ 「ねえもうここでいいじゃないリーフ兄さん。きっとエリンシア姉さんが心配してるよ」
リーフ 「駄目だ駄目だ、これじゃせいぜい1500Gじゃないか!」
ロイ 「もはやお金のことしか頭にないね兄さん……」
リーフ 「くそ……どうする、この近辺にはもうスーパーなんて……むっ!? 空を行くあの竜は……」
ラジャイオン(竜)(はぁ、全く、今日も今日とてアシュナードにこき使われ……早く帰ってイナとイチャイチャしたい……)
リーフ 「(キラーン)あれだ!」
ロイ 「何が?」
アイク 「二人とも、こんなところで何やってるんだ」
ロイ 「あ、アイク兄さん。仕事終わったんだ」
アイク 「ああ、これから帰るところで」
リーフ 「いいところに来たねアイク兄さん! 僕をあの竜に向かって投げ飛ばしてよ!」
ロイ 「何言ってんのリーフ兄さん!?」
アイク 「……よく分からんが、別にいいぞ」
リーフ 「ありがとう兄さん!」
アイク 「では」
ニア そうび
ラグネル −−
ニア ブラザーアーチV 50
アイク 「ふんっ!(ブゥン!)」
ロイ 「うわ、綺麗に真っ直ぐな弾道だなあ」
リーフ 「イヤッホォォォォォォウッ! とりゃっ!(スタッ!)」
ロイ 「ああ、リーフ兄さんらしくない華麗な着地……!」
アイク 「……いつの間にか腕を上げたな、あいつ」
ロイ 「……いや、多分そういうんじゃないと思うな、あれは」
ラジャイオン(竜)「な、なんだお前は!? 勝手に人の背に」
リーフ 「うるさいんだよ空飛ぶトカゲの分際で! つべこべ言わずに僕の言うとおりに飛べ!」
ラジャイオン(竜)「な、何を勝手な」
リーフ 「んー? いいのかなー? どこにいるんだか分からない輸送隊から、ドラゴンキラー引き出しちゃうよー?」
ラジャイオン(竜)「な……そんなことをすれば貴様も一緒に落ちるぞ!?」
リーフ 「うるせぇ、こちとら金がかかってんだよ! 死なばもろともって言葉を知らんのかこの腐れトカゲ!」
ラジャイオン(竜)「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ……!」
リーフ 「ははは、そうそう、そうやって大人しく飛べばいいんだ。
安心しなよ、僕の言うとおりに飛べば葉っぱぐらいは食べさせてあげるさ」
ラジャイオン(竜)「この人でなしーっ!」
ロイ 「……」
アイク 「うむ……つまり武者修行の旅に出かけるということか。男になったな、リーフの奴」
ロイ 「違うって……って言うか、リーフ兄さんお金持たずに行っちゃったんだけど」
アイク 「なんだ、買い物の途中だったのか? よし、俺も付き合おう。荷物は持ってやる」
ロイ 「……そうだね、エリンシア姉さんも心配してるだろうし、早く買い物済ませて帰ろうか……」
〜一週間後〜
リーフ 「ただいまーっ!」
エリンシア 「まあリーフちゃん、今まで一体どこに」
ロイ 「皆心配してたんだよリーフ兄さん」
リーフ 「そんなことより見てよこれ!」
エリンシア 「……これは? どこかで見たことのある草だけど……」
リーフ 「オリウイ草だよオリウイ草! 遠い山奥で群生地見つけたんだ!」
ロイ 「どんな大冒険してきたのリーフ兄さん!? って言うか、もっと安いスーパーを探すに行ったんじゃ」
リーフ 「ん? そうだっけ? まあ細かいことは気にしない」
ロイ 「完全に金だけが目当てになってたんだね……」
エリンシア 「リーフちゃん……いつの間にかたくましくなって。ううっ……」
ロイ 「いや姉さん、ここ感動するところじゃないから」
リーフ 「細かいことは抜きさ。どうだい、凄い量だろう。これをうまく売りさばけば大金持ちになれる!」
ロイ 「うーん……でも、そんな群生地が今まで発見されていなかったって、話が出来すぎなような」
リーフ 「それを言ったら『葉っぱが葉っぱを見つけました』って言うのも出来すぎじゃないかい?
ハハハ、今日の僕はギャグも冴えてるなあ!」
ロイ 「……何でだろう。『調子に乗るリーフ兄さん』というシチュエーションから
ハッピーエンドに繋がる絵がどうしても見えない……」
リーフ 「ともかく、これで僕も勝ち組だね! 文句がある奴は言ってみろっていうか」
ファンファンファンファンファンファン……
ロイ 「あれ、なんかパトカーが家の前に……」
マードック 「(ガチャ)……失礼。警察の者ですが、こちらにリーフという名前の少年は?」
リーフ 「え? リーフは僕ですけど……」
マードック 「そうか……おい、ゲイル」
ゲイル 「はっ。リーフ少年。君を不法侵入と窃盗の罪で補導する。ベルン署まで同行してもらおうか」
リーフ 「えぇ!? な、何がどうなって」
ゲイル 「ガリア農場のオリウイ草畑から、君が大量のオリウイ草を盗み出したのはもう調べがついているんだ」
リーフ 「……はい!? え、だって、あそこは野生の群生地……」
ゲイル 「? 何を言っている? 確かに途方もなく広大ではあるが、あの山は全てガリア農場の敷地だぞ」
リーフ 「そ、そんな!?」
ロイ (……つまり、飛ぶ竜の背から見下ろしてたもんだから、
そこが群生地じゃなくて農場だってことに気がつかなかったのか)
マードック 「大人しく来てもらおう。抵抗すれば罪が重くなるぞ」
リーフ 「え、ちょ、な、なんで!? ああ、一攫千金の夢がぁぁぁぁぁぁ……!」
ファンファンファンファンファンファン……
ロイ 「……」
エリンシア 「……」
ロイ 「……人間、欲をかくとロクなことにならないって本当だね……」
なお、ユンヌやらマルスやらが裏から手を回したおかげで、リーフに前科がつくことはなかったという。
<おしまい>
葉っぱ頑張って葉っぱwww
マードックの警察官スタイルを想像したらハマりすぎて吹いた
幸せな姿が想像できない葉っぱ吹いたw
葉っぱイ`
相変わらずおもしろいなwww
どうしてそんなに次々ネタが浮かぶのだろうか・・・
どうでもいいけど、アイクはいつもラグネル持ち歩いてんのなw
172 :
助けて!名無しさん!:2007/05/23(水) 10:09:22 ID:xXYewYzn
エフラム 「ふぅ・・・・・」
フォルデ 「ありゃ?エフラムの大将が考え事と溜め息なんて珍しい、明日は空から槍でも降ってくるかな」
エフラム 「フォルデ・・・俺だって人間だぞ。悩みの一つぐらいあるさ」
フォルデ 「深刻そうっすね、聞きますよ。何か解決するかもしれないですしね」
エフラム 「すまん・・・実はエリウッドに怒られたというか」
フォルデ 「あの赤い髪の胃薬片手に持ってたおとなしそうな弟でしたかね、で・・・内容は?」
エフラム 「うちの近所にミルラって女の子がいるんだが・・・少し距離をとって貰いたいとな」
カイル 「昼の授業にいないから探しに来てみれば・・・まぁ、商店街では話題になってますね。主婦層からの支持が厚いと・・・商店街の一部の店からは結婚説まで流れていますしね」
エフラム 「わざわざ呼びに来たのか、すまん。カイルの耳にも入ってるのか。流石におばさん達の質問攻めにあって改善しろと思ったようでな・・・」
そこで一息入れるように静かになり・・・
フォルデ 「でも・・・別に根も葉もないデマなんですし、回りを気にするなんて豪胆な大将らしくないっすよ」
カイル 「自分も同感だが、世間帯というものもある。山に篭って暮らしてる訳ではないしな」
エフラム 「あぁ、家族やミルラに迷惑がかかっては意味がない。だから悩んでいる・・・」
フォルデ 「それなら見間違える原因を取り除きましょう、多分二人きりでいる時に見られるからそういう誤解を招くのだと思います」
カイル 「フォルデの指摘は当たりだな、いっその事兄弟沢山いるんですし順番で御守りしたらどうです。それくらいの協力なら惜しまないかと」
エフラム 「そうだな、ミルラには俺からキチンと説明すればなんとかなるだろう・・・・・すまなかったな、二人とも」
フォルデ 「いいって事ですよ、昼からの授業を受けるよりはずっと楽ですし」
カイル 「こら!今からでも間に合うぞ。ほらダッシュだ、ダッシュ!」
エフラム 「カイルの面子をたてないとな、教室まで走るぞ!」
フォルデ 「へ〜い、ま・・・元気になったようだし一件落着かな」
Vol.11 そんな目で見ないで
マルス 「ただいまーっ」
リーフ 「あ、お帰りマルス兄さん。何やってたの?」
マルス 「いやあ、今日も今日とてチキやファたちと一緒に、メディウス爺さんで遊んであげていたのさ」
リーフ 「要するに老人虐待に精を出してた訳ね……」
マルス 「ハハハ、人聞きが悪いよリーフ君。僕は遊んでいただけだよ、遊んでいただけ」
リーフ 「……そんなこと言いつつ、三日前は踊り子と天馬騎士を誘導してフォルセティ使いの人を修羅場に追い込み、
一昨日は善意の寄付を装って教会の僧侶に傷薬を送りつけて泣かせ、
昨日はヨハヨハ兄弟を同時にラクチェの前に送り込み……」
マルス 「そう言えばそんな遊びもしたっけ」
リーフ 「よくもまあ、こうもたくさん人の弱味というか弱点を握れるもんだね」
マルス 「ふふふ、人間観察の賜物だよリーフ君。指揮官たるもの、部下の人間関係ぐらいは把握しておかなくてはね」
リーフ 「指揮官って何のことさ?」
マルス 「実は僕クラス委員長をやっててね」
リーフ 「……嫌な話。ってか、クラスメイト部下扱いなんだ……」
マルス 「ま、将来のことを考えてね」
リーフ 「偉くなる気満々だね……まあマルス兄さんならきっとそうなるだろうけど。
でも、最近ちょっとはしゃぎすぎなんじゃない? またリン姉さんにお仕置きされるよ?」
マルス 「ふふん、姉の拳骨が怖くて悪戯なんかやってられないんだよ、リーフ君」
リーフ 「僕にはよく分からない感覚だよ……でもマルス兄さん」
マルス 「なんだい?」
リーフ 「リン姉さんすら恐れないとすれば、マルス兄さんって向かうところ敵なしって感じだよね?」
マルス 「んー……いや、僕にも苦手とする人種はいるよ」
リーフ 「え、たとえばどんな?」
マルス 「アイク兄さんかな。もちろん腕力で勝てないってのもあるけど、何より浮世離れした感性の持ち主だからね。
これといった弱味もなく金や名誉にすら興味がない、となると、動かすのは容易じゃない。
いわゆる『普通の人たち』とは価値観がかなり違うから、行動が読みにくいしね。
何より、どれだけ小細工弄しても力ずくで粉砕されそうな印象があるし……」
リーフ 「なるほどね」
マルス 「まあ、敵には回したくない人だよ」
リーフ 「でもさ、それ以外には怖いものなんてないんじゃない?」
マルス 「うーん……そうだね、これと言って思いつくものは」
セリス 「ただいまー。あ、マルス兄さん!」
マルス 「ん? なんだいセリス?」
セリス 「ファやチキたちと遊んであげてたんだってね! 今日会ったら、二人とも大喜びしてたよ。
自分の時間を割いて子供達の相手をしてあげるなんて、マルス兄さんは偉いなあ。僕も見習わなくっちゃ」
リーフ (うわあ、思いっきりいい方向に解釈してるよ。その裏にある悪意には気付く気配すら……)
マルス 「……!」
リーフ (……あれ? なんかマルス兄さんの顔色が……)
エイリーク「ただいま帰りました……何かあったのですか? 三人で玄関先に集まって」
セリス 「あ、エイリーク姉さん。マルス兄さん、竜王家の子達と遊んであげてたんだって」
エイリーク「まあ、そうなのですか。優しいですね、マルスは」
セリス 「うん。僕の自慢の兄さんだよ」
エイリーク「そうですね。私にとっても誇れる弟です、マルスは」
セリス (きらきらきらきら)
エイリーク(きらきらきらきら)
リーフ (うわぁ……人を疑うことを知らぬかのような純粋な瞳! たまにこの二人が凄く心配に……)
マルス 「う……う……」
リーフ 「……って、さっきからどうしたのマルス兄さん、なんか顔が土気色で全身がガタガタ震えて……」
マルス 「うわぁぁぁぁぁぁっ!」
リーフ 「って、逃げた!?」
セリス 「急にどうしたのマルス兄さん!?」
エイリーク「マルス、どこか痛いのなら病院に」
マルス 「痛いのは心ですよエイリーク姉さん! うわぁぁぁぁ、やめて、そんな目で見ないでぇぇぇぇぇぇ!」
リーフ 「……何だかんだ言っても根は善人なんだよね、マルス兄さんって……」
<おしまい>
マルスのメディウス爺さんイジメも、実は偽悪の類で何か裏がありそうに思えてしまった。
・・・ある程度弱らせておかないと、悪メディウスモードになるとか、
実はヤクザ地竜組の大親分で、元気になったとたんに全国制覇を目指そうとするとか・・・
>>174 実は、それについてちょっと考えてる話が。
気が向いたら書きます。
いや自分、紋章贔屓なもんで、好き勝手書くとマルスがテラ良い子になっちまうので
やや自重気味。
個人的な印象だと
マルス「無防備なシスターやグラ兵、撤退するオルレアン兵を攻撃なんてしません!」
シーダ「さすがマルス様!(感涙)」
マルス「攻撃するのにも武器の回数は減るんだから!武器は節約!
それよりも闘技場!闘技場!武器は向こうで用意してくれるし、
対戦相手の見切りは得意だから死なせないしこんなイイ稼ぎはないよね」
マリク「・・・流石マルス様」
になる私。腹黒よりも超節約家になるから、アイディアは湧いてもマルス主役は自重してしまいます。
とりあえず
>>175様のマルス話には蝶期待してます。
マルスの話が出てるがここであえて豆腐ネタ。
ボーレ「お、珍しいなアイクが買い物なんて」
アイク「エリンシアに頼まれてな。十丁頼む」
ボーレ「あいよ。ん?後ろのぼうずは?また兄弟増えたか?」
アイク「いや、違う」
ロス 「あんたがボーレさんか。俺を弟子にしてくれ!」
ボーレ「はあ?」
ロス 「俺は戦士ガルシアの息子ロス、俺に戦いを教えてくれ!」
ボーレ「センシガルシアノムスコロス?ずいぶん長い名前だな」
ロス 「名前はロスだけだ!」
アイク「戦士ガルシアだと?」
ボーレ「知ってるのかアイク?」
アイク「親父から聞いたことがある。ルネス女学院に勤めていた伝説の警備員…
彼が務めていた間、校内に不審人物が入ることは無かったという」
ボーレ「で、その偉大な戦士の息子がどうして俺に弟子入りしたいんだ?」
ロス 「父ちゃんが言ってたんだ。『もっと強くなりたいなら豆腐屋のボーレという男を頼れ。非常に優れた戦士だ。トウフダケド』って」
ボーレ「最後の一言はよけいだがそんな風に褒められると悪い気はしないな…よし、わかった。稽古つけてやるよ」
ロス 「やった!お願いします」
アイク「ボーレ、また客が来てるぞ」
ワード「あんたがボーレか?」
ボーレ「そうだけどあんたらは?」
ロット「そこのぼうずと同じ弟子入り志願者だ。グレイル工務店のグレイル殿に師事を乞うたが
『俺はもう弟子は取らん。だがどうしても強くなりたいというなら豆腐屋のボーレを訪ねてみろ。
俺の知り合いの中でもかなりの実力者だ。トウフダケド』と言われてな。こうして来たわけだ」
ボーレ「グレイル店長まで豆腐呼ばわりかよ!まあいいや、あんたらにも稽古つけてやるよ」
ワード「おお!ありがてえ。よろしく頼む」
ボーレ「やれやれ…おっと待たせちまったなアイク、ほれ豆腐十丁」
アイク「ああ、すまん。ところで稽古ってなにするつもりだ?」
ボーレ「気になるか?見ていってもいいぜ」
アイク「いや、もうだいぶ遅くなった。帰る」
ボーレ「そうか。またな」
一週間後
アイク「ボーレいるか?豆腐買いn
ロス、ワード、ロット、サジ、マジ、バーツ「「「「「「へい、らっしゃい!!」」」」」」
アイク「…………」
ワード「師匠ご友人ですぜ!」
ボーレ「お、アイクよく来たな」
アイク「ボーレ……増えてないか?」
ボーレ「おう、あれからまた3人弟子入りしたいって来てな。稽古つけてやってんだ」
アイク「稽古というか豆腐作りやらせてるようにしか見えんが…」
ボーレ「いやいやこれも立派な修行だぜ?腹が減っては戦はできぬって言うしな」
アイク「そういう問題か?」
ロス 「師匠、俺の作った豆腐だ!食べてくれ!」
ボーレ「おう!む、なかなか美味いじゃないか。一週間でここまで上達するとはお前は立派な豆腐職nゲフンゲフン…戦士になれるぜ!」
アイク「……俺にはとてもついていけんな……」
ボーレwwwwwww
Vol.12 おばちゃん
ロイ 「ただいまー」
ミカヤ 「あ、お帰りロイ」
チキ 「こんにちはーっ!」
ファ 「ちはーっ!」
ミカヤ 「あら、竜王家の……どうしたの?」
ロイ 「うん、この辺で迷子になってたみたいだから、とりあえず連れてきたんだ」
チキ 「ぶーっ! 迷子じゃないもん!」
ファ 「ないもん!」
ミカヤ 「あら、それじゃ、どうしてこんなところまで?」
チキ 「わたしたちは、前人未到の荒野を開く探検隊なの!」
ロイ 「ほら、昨日テレビで探検隊ドキュメンタリーやってたから。
『幻の秘境ハタリに伝説の狼族を見た!』ってやつ」
ミカヤ 「ああ、それで影響されてるのね……ふふ、なんだか昔のエフラムたちを思い出すわね」
チキ 「そんでねー、わたし隊長なの!」
ファ 「ファも隊長!」
チキ 「ぶーっ! 何言ってるのファ、隊長は一人だけなんだよ」
ファ 「やだやだーっ! チキお姉ちゃんばっかりずるいーっ! ファも隊長やるのーっ!」
チキ 「むきーっ!」
ファ 「ふーっ!」
ロイ 「こら、二人ともこんなところで喧嘩しちゃ駄目だよ」
チキ 「だってファが!」
ファ 「チキお姉ちゃんが!」
チキ 「むきーっ!」
ファ 「ふーっ!」
ミカヤ 「ふふ……じゃ、わたしは探検隊さんたちに、おやつをご馳走しようかしら?」
チキ 「え、本当!」
ファ 「ジュースもあるーっ?」
ミカヤ 「ええもちろん。さ、お上がんなさい。まず洗面所で手を洗ってきてね」
チキ 「わーいっ!」
ファ 「ジュース、ジュース!」
二人 「ありがとう、ミカヤおばちゃん!」
ミカヤ 「……」
ロイ 「ちょ、だ、駄目だよ二人とも、ミカヤ『おばちゃん』だなんて!」
チキ 「えー、どうしてー?」
ファ 「だって、マルスのお兄ちゃんが言ってたよ!」
チキ 「『ミカヤ姉さんはあれでも(ダキュンダキュン!)才なんだよ』って」
ファ 「大人の女の人はねー、20歳過ぎたら皆おばちゃんなんだよ! ユリウスお兄ちゃんが言ってた!」
ロイ 「な、なんてことを……!」
チキ 「ねー、違うのー?」
ファ 「ミカヤおばちゃん、(ダキュンダキュン!)才じゃないのー?」
ミカヤ 「……」
ロイ (あわわわわ、どうしよう、姉さんきっと怒ってるぞ……! 何とかしてこの場を収めないと……!)
ミカヤ 「(にっこり)ええそうね、わたしは(ダキュンダキュン!)才だから、もうおばちゃんね」
ロイ 「……え?」
チキ 「あー、やっぱりそうなんだ!」
ファ 「ミカヤおばちゃんなんだ!」
ミカヤ 「そう。さ、まずは手を洗ってきなさいね」
チキ 「はーい!」
ファ 「チキお姉ちゃん早く早くーっ!」
ロイ 「……」
ミカヤ 「ふふ、ホントに元気な子達ね」
ロイ 「そ、そうだね……ははは、あんなのの相手が出来るんだから、
エフラム兄さんやマルス兄さんはやっぱり凄いや、はははは……」
ミカヤ 「? ロイ、どうしたの? なんだかずいぶん顔が引きつってるけど……」
ロイ 「いや、えーと、その……」
ミカヤ 「なあに?」
ロイ (……あれ? お、おかしいな、姉さん、全然怒ってないみたいだ……)
チキ 「ミカヤおばちゃーん!」
ファ 「お手手洗ったよーっ!」
ミカヤ 「はいはーいっ! もうすぐ行くから、ちょっと待っててねーっ!」
ロイ 「……」
ミカヤ 「……もう、どうしたのロイ、なんだか変よ?」
ロイ 「あ、えーと、あのさ。ミカヤ姉さん、怒ってないの?」
ミカヤ 「怒るって……何か、怒らなきゃいけないことなんてあった?」
ロイ 「いや、だってさ。チキやファが『ミカヤおばちゃん』って連発してるのに」
ミカヤ 「そんなの、怒るようなことじゃないでしょ?」
ロイ 「え、でも……」
ミカヤ 「ああ、そっか。わたしがそういうの気にするんじゃないかって、心配だったのね。
でも大丈夫よ。むしろ嬉しいぐらいだもの、わたし」
ロイ 「う、嬉しい!? おばちゃんって呼ばれて?」
ミカヤ 「ええ。わたしの年を知っている人でも、『おばちゃん』なんて、なかなか呼んでくれないものね」
ロイ 「……『おばちゃん』って呼ばれて嬉しいっていう感覚、ちょっと分からないな……」
ミカヤ 「そうね。年相応って言うのかしら。そういうのに、ちょっと憧れがあるのね……」
ロイ 「……どういう意味?」
ミカヤ 「昔から見かけが変わらないでしょう、わたし?」
ロイ 「……うん。何故かは知らないけど」
ミカヤ 「だからかしらね。ときどき、どうしてわたしは普通の人みたいに
年を取れないんだろうって思うことがあるの」
ロイ 「そうだったの?」
ミカヤ 「ええ。他の皆には内緒よ? 変に気を遣うような子たちばかりだから」
ロイ 「う、うん」
ミカヤ 「わたしも本当なら(ダキュンダキュン!)才だし、とっくに小皺を気にするような年になってるはずなのよ。
でも、実際はずーっと昔の姿のまま。今じゃシグルドどころか、エフラムやヘクトルの妹だって言っても
誰も嘘だと思わないぐらい。羨ましがる人もいるけど、わたしはあまりいいことじゃないと思ってる」
ロイ 「どうして?」
ミカヤ 「自然じゃないもの。人間はね、子供から大人へ、大人から老人へ……
そんな風に生きて、死んでいくのが一番いいのよ。
共に戦い、共に生きる。そして共に死んでいく……それが、一番自然なの」
ロイ 「……」
ミカヤ 「だからね、ときどき凄く寂しくなるわ。なんだか、自分だけ、皆に置いていかれるような気がしてね。
ロイが立派な大人になって、素敵なお嫁さんをもらって……そのときも自分がこんな外見だったらって考えるとね。
もしかしたら、皆が死んだ後も、わたしは今の姿のままで生きているかもしれない。それは、とても寂しいことよ」
ロイ 「……でも、姉さんは違うでしょ?」
ミカヤ 「ん?」
ロイ 「僕らは兄弟なんだし……たまたま凄く若い外見なだけで体の作りは一緒なんだから、
生きるのも死ぬのも一緒だよ。きっとこれからすぐに年相応の外見になるよ」
ミカヤ 「……そうね。そうかもしれないわね」
ロイ 「そうだよ! ミカヤ姉さんだって、今にしわくちゃのお婆さんに……」
ミカヤ 「……ロイ? わたしにだったらいいけど、それ他の姉さんたちに言っちゃ駄目よ?」
ロイ 「わ、分かってるよ。そんなこと言ったらどんな恐ろしいことになるか」
ミカヤ 「ふふ、よく分かってるじゃない」
チキ 「ミカヤおばちゃーん!」
ファ 「おやつまだーっ?」
ミカヤ 「ああごめんね、今すぐに用意するから」
ロイ 「……でもやっぱり分かんないな。ミカヤ姉さん、『年考えろ』みたいに言われると怒るのに」
ミカヤ 「そういう風に言われるのは、大抵年考えない恥ずかしい格好してるときとかだから……
自分が恥ずかしい格好してるって自覚はあるのに、それをからかわれちゃ……ほら、一種の照れ隠しよ」
ロイ (……照れ隠しでレクスオーラぶっ放されちゃたまんないけど)
チキ 「もぐもぐ」
ファ 「ごくごく」
ミカヤ 「ふふ、そんなに急いで食べなくても、誰も取らないわよ」
チキ 「んー、だって家にいるときは、いっつもユリウスお兄ちゃまが横取りするもん!」
ファ 「そうだよーっ。だから、ファ、おやつは早く食べることにしてるんだよ」
ミカヤ 「あらそうなの。ウチもヘクトルとエフラムが取り合いを……」
ロイ (うーん、そっか、だからミカヤ姉さんは(ダキュンダキュン!)才だってこと、
人に隠そうとしなかったんだなあ。いやあ、今日はいろいろと勉強になった。
紋切り型に考えちゃいけないな、価値観なんて人それぞれだし。
ミカヤ姉さんの誕生日、今よりももっと落ち着いた感じの服でもプレゼントしてあげようかな)
リン 「ただいまーっ」
チキ 「あ、リンおばちゃんだ!」
ファ 「お帰りリンおばちゃん!」
リン 「……」
チキ 「うわぁーん!」
ファ 「怖いよーっ!」
リン 「はっ……ご、ごめんね、お姉ちゃん、つい怖い顔しちゃったわ。
許してね、短気なリンお姉ちゃんを」
ミカヤ (リン……気持ちは分かるけど、ちょっと大人気ないわよ……)
ロイ (……ま、おばちゃん呼びされて喜ぶ人なんて滅多にいないよな、普通は……
これからも、リン姉さんに対して年の話題は禁句だね)
<おしまい>
>>177 戦士が集まる豆腐屋
トレボーの試練所ならぬマーボーの試練所かw
新興勢力のエディとの豆腐屋対決も見たい
判定の通りすがりの陶芸家はカイネギスで通りすがりの新聞屋はスクリミルで
>>179 おお、もう12話なのか、毎回楽しませてもらってるよ
仕事帰りにここに立ち寄るのが日課になってきてるのでほぼ毎日更新はうれしいな
『幻の秘境ハタリに伝説の狼族を見た!』で笑わせておいてこういう不意打ちはずるいなぁ
ちょっとホロリときた
そういえば晩御飯の人のミカヤって本当はまともな人なんだな
いつもどこかの神が馬鹿やってるから忘れていたよ
リーフ「やー、学校が半ドンで終わるなんてラッキーだったね」
ロイ「……ラッキーかな? 校舎半壊してたけど。あれじゃ後々大変だよ」
リーフ「大丈夫だろ。ユリウスとユリアの兄妹喧嘩なんて日常茶飯事だし、先生達も事後処理には慣れたでしょ」
ロイ「喧嘩っていうか、ユリアさんの一方的な粛清だったけどね……」
学校の帰り道、兄弟並んで家路に就く二人。
自宅近くの広場の前に差し掛かったところで……
シーダ「あ、ロイ君にリーフ君。ごめんなさい、ここは今立ち入り禁止なの」
マリク「遠回りになるけど、ちょっとここで曲がってくれないかな?」
リーフ「へ? マリク先輩にシーダ先輩?」
ロイ「いいですけど……何でですか?」
シーダ「それは……」
ドゴオォォォォンッッ!!
ロイ「うわあ! 広場から天高く吹っ飛ばされる人影が……ってマルス兄さん!?」
リーフ「しかも受身も取れずにヤバい角度で落下したよ!?」
マリク「……あれなら大丈夫です。命のオーブを持ってますから」
ロイ「い、いや、ていうか、何してるのマルス兄さ……」
マルス「ふはーっはっはっはっ! その程度か小娘ェ!!」
リーフ「…………」
ロイ「…………」
リーフ「とうとう闇のオーブに呑み込まれた……?」
ロイ「それともユンヌさんの報復……?(
>>104)」
マリク「いいえ。アレはただの“ごっこ遊び”です」
リーフ・ロイ「はい?」
チキ「シャギャーッ!(まだまだー! カクゴしろこうてーいっ!)」
マルス「ぬうううううん! 効かぬ、効かぬわーーーーッ!!」
チキ「シャギャーッ!(おのれー! これならどーだー!)」
マルス「ぐっがあああああ!!」
ロイ「ああ、マルス兄さんが尻尾にはたかれてオリバに叩かれたバキのように豪快に吹っ飛んでく!」
リーフ「うわけどノータイムで起き上がった! 命のオーブ凄ぇ!」
エリス「(ぱたぱた)ごめんなさい、遅くなって」
マリク「大丈夫、間に合いました! 皆さん準備してください!」
マリーシア「はーい!」ユミナ「うん!」レナ「はい!」チェイニー「OK!」
リーフ「……な、なんかすごい物々しい準備だけど、これほんとにごっこ遊び?」
マリク「説明は後で。今はそんな余裕は……」
ゴオオオオオオオ! どぎゃん!(盛大に上がる土煙)
シーダ「……っ! 必殺霧のブレス、来ました! 心拍停止!」
マリク「くっ……! ユミナちゃん、レスキュー起動! レナさん、同時にワープを! チェイニー、これ持って代行!(光のオーブを渡す)」
チェイニー「おっし、了解!」
レナ「行きますよ、気を付けて!」
ユミナ「……、レスキュー完了! エリス様!」
エリス「ありがとう、では、オーム起動!」
チキ「シャギャー?(マルスおにーちゃん、だいじょうぶ?)」
マルス?「ふっふっふっ。はーっはっはっはっ! まだだ、まだまだだ!」
チキ「シャギャーッ!(わぁ、すごーい! よーし、負けないよー!)」
マルス「……ふう。死ぬかと思った」
リーフ「いや死んでたし」
マルス「あれ、リーフにロイ? 何してんの、こんなとこで」
リーフ「何って、ここ帰り道だし」
ロイ「むしろ兄さんこそ何してるの?」
マルス「見れば分かるだろ? チキと、悪の皇帝退治ごっこしてるんだよ」
リーフ「……いや、命がけのごっこ遊びなんて、見て分かりたくない」
マルス「まあ正直僕もごめんなんだけどね。けど仕方ないよ。メディウス爺さん、ぎっくり腰で入院中だから」
リーフ・ロイ「…………?」
チキ「シャギャーッ!(どらごん・きーっく!)」
マルス?「うおおおおおお!?」
シーダ「マルス様! チェイニーもそろそろ限界です!」
マルス「よっし。じゃあ、マリーシアはチェイニーにリブローを。レナさんとユミナちゃんはワープとレスキューを用意して待機。次の霧のブレスと同時に、土煙に紛れて入れ替わるよ」
シスターズ「「「はい!」」」
ゴオオオオオオ! ぎゃん! シュイーン!
チェイニー「……うう。くっ、我が妹ながら、なんて恐ろしい力だ」
リーフ「そーいえば、この人も竜王さん家の人だったっけ」
ロイ「そうだったね。竜にならないし竜を呼んだりもしないし、ついでに出番もないから忘れてたけど」
チェイニー「おろ? わりとトラウマな事実を悪気なく言ってるそこの二人、マルスの弟どもじゃないか」
ロイ「あ。こんにちは」
チェイニー「おっす」
リーフ「こんちわ。……で、この惨状は一体何なわけ?」
チェイニー「? 惨状って、チキがマルスと遊ぶときは、大体こんな感じだぞ?」
リーフ「え? けど、こんな騒ぎ、今まで知らなかったけど……」
チェイニー「あー、まあ、最近はメディウス爺いじめに切り替えてたもんなー」
ロイ「……そういえば」
チェイニー「上手い解決方法だったよ、うん」
リーフ「……老人虐待が?」
チェイニー「しょうがないだろ? 竜の怪力でじゃれつかれて、人間が耐えれるはずがないんだから」
リーフ「そうだけど」
チェイニー「竜の相手ができるのは竜しかいない。……けど、チキやファは『竜殺し』の神竜だ。そこらの竜族じゃ遊び相手にゃならないんだよ」
ロイ「あ」
チェイニー「だから、相手が務まるのは、攻撃力を半減できる地竜のメディウス爺くらいのもんだ」
リーフ「けど、例えばアイク兄さん辺りなら充分相手できそうだけど……」
チェイニー「アホか。『マルスと一緒に』遊びたいのに他の奴に押し付けてどうする。泣くぞそんなことしたら」
リーフ「……う」
チェイニー「大体、マルスがなんで重さ20の壊れた剣で頑張ってると思ってんだ。万が一にも怪我させないように、すげぇ気を遣ってんだぞ、あれでも。アイクなんて馬鹿力に任せたら、例え竹刀でもチキ泣かせそうで不安だろうが」
ロイ「……ひ、否定できない……」
ドシャアアアアアア!
マリーシア「……! リブローの杖、折れました!」
シーダ「チェイニー! お願い、止めて!」
チェイニー「おう! ……ま、無駄話はまたの機会にな」
リーフ・ロイ「…………」
チェイニー「おーい、チキー。そろそろ昼飯だから帰るぞー」
チキ「シャギャーッ?(えー? もっと遊びたいなー)」
チェイニー「こらこら。ンなこと言ってっとイドゥン姉に怒られるぞ」
チキ「キュー……。(しゅるしゅる)はぁい……。じゃあねマルスお兄ちゃん」
マルス「ああ、もう帰るの? 昼ならうちで食べていけばいいのに」
チキ「ほんとう?」
チェイニー「こら。せっかくイドゥン姉が作ってくれた昼飯を無駄にする気か」
チキ「ぶー……。ばいばい、マルスお兄ちゃん」
マルス「うん、またね。いつでも遊びにおいで」
チキ「うん!」
マルス「はあ……、今日も乗り切ったぞー……。レナさん、マリーシア。破損したものの修理は任せるよ」
レナ・マリーシア「「はい」」
マルス「マリク、シーダ。悪いけど、周りの迷惑かけた家の人に、代わりに謝っておいて。僕はちょっと限界……」
シーダ「分かりました」マリク「お任せください」
マルス「それじゃ、今日はこれで解散。お礼はまた今度。ありがとうございましたー!」
マルス「(地べたにばったりと寝そべって)……はー……」
ロイ「……お疲れ様」
マルス「うん、ほんと疲れた。……けどまあ、子供が元気なのは良いことだよ」
リーフ「ちょっと元気過ぎる気もするけど……」
マルス「いや、まだまだ。もっと元気に遊んでもらわないと」
リーフ「……マジ?」
マルス「大マジ。……ロイは覚えてるだろ? チキたちと初めて会ったころ、すごく寂しそうだったの」
ロイ「あ……うん。同じ歳の子たちと合わなくて、チキとファとミルラ、三人だけ孤立しててすごく可哀相だったね」
マルス「そうそう。あの頃すごく寂しい思いをしてきたんだから、その分今元気に遊ばないとね」
リーフ・ロイ「…………」
マルス「ま、男の僕やエフラム兄さんと付き合ってきたせいで、女の子にしてはやんちゃになっちゃったけどね」
リーフ(あ、あれを「やんちゃ」の一言で済ませるんだ……!)
ロイ(なんて図太い神経なんだ、マルス兄さん……!)
マルス「……さ、帰ろうか。うちでもお昼が待って……」
ファ「ローイにいーちゃ! あーそーぼっ!」(ぼふっ)
ロイ「わわ、ファ?」
ファ「うん! えへへ、ファだよ! あそぼ?」
ロイ「(嫌な予感……)い、いいけど、何して?」
ファ「あんこくりゅうたいじごっこ!」
マルス「…………。さ、リーフ、僕たちは邪魔だろうから先に帰ろうか」
リーフ「…………そ、そうだね。じゃあ先に行ってるよロイ。……頑張れ(ぼそっ)」
ロイ「…………うん、頑張る…………」
メディウスいじめの(自分的)真相。
「チキたちが竜化して気持ちよく遊ぼうと思うと、相手になる奴いないよねー」
というのが話の発端。
竜のブレスは人間じゃ防ぐ手立てがないし、かといって霧のブレスを竜が受ければ
即死のレベルの破壊力。
耐え切れそうなのはダメージ半減できるメディウスとユリウスぐらいで、
ユリウスが子供三人のお守をするとはとても考えられない。
というわけで、多分マルスは
「孫の健全な成長のため、遊び相手になってやれ」
とメディウスと話をつけたんじゃないかと思ってたり。
メディウスだって、いくらボケてても本気で嫌だったら逃げるだろうし。
でも本当ならチキやファのがミカヤより年上だよな
ナーガ有りなら素で能力が高いユリアなら耐えられそうだな>ブレス
ユリアなら子供達の世話しそうだし。
ナーシルやイナとかクルトナーガとかは?
クルトは面倒見もよさそうだしイナはナーシルと一緒に
面倒見そうだが・・・多分ナーシルはイナの面倒見てたこともあるだろうし
家が違うなら仕方ないけど
クルトはちょっと考えたけど、
喧嘩とか苦手だし、マルスやメディウスと比べると悪役っぽさが無いし、
意外とやんちゃな子供の相手は苦手そうな気がしたから。
イナは……あんな性格じゃ幼子の遊びには付き合えないと思う。
ナーシルは結構ノリ良さそうだけど……チェイニー以上にそこらほっつき歩いてそうなイメージがあって、家にいなさそうだよなあ、と。
ユリア? 泣くよ子供たち。怖くて。
〜竜王さん家の遊戯事情〜
−光竜姉さん編−
チキ 「ユリアお姉ちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
ユリア 「では、一緒にクッキーを作りましょう」
チキ 「わーいっ!」
ファ 「クッキークッキーッ!」
ミルラ 「……おいしく出来たらエフラムにも食べてもらいます」
ユリア 「そうね。今度セリス様と一緒に作る予定だから、その練習も兼ねて……」
〜二時間後〜
チキ 「かんせ〜い!」
ファ 「わーいっ!」
ミルラ 「……できました」
ユリア 「……ひどいことになりました……」
ユリウス 「ん、何やってるんだ皆して」
ユリア 「……ユリウス兄様、クッキーを作りました。食べてください」
ユリウス 「おお、ユリアが僕のためにクッキーを!? くーっ、感激だなあ。それではいただきます……ぐふっ」
チキ 「わーっ、ユリウスお兄ちゃまが泡吹いて倒れちゃった!」
ファ 「おもしろーっい」
ミルラ 「(つんつん)……返事がない。ただの屍のようだ……」
ユリア (……とりあえず、わたしのせいではないと信じましょう……)
−暗黒竜兄さん編−
チキ 「ユリウスお兄ちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
ユリウス 「やだよ面倒くさい……いてっ! こ、こらお前ら、僕の髪を引っ張るな……あだだだだっ!」
チキ 「やだやだーっ!」
ファ 「遊んでくれなきゃやだーっ!」
ミルラ 「……いやです」
ユリウス 「わ、分かった、分かったから髪引っ張るのもブレス浴びせるのも止めろっ!
チッ、仕方ないな……で、何して遊ぶんだ?」
チキ 「わーい!」
ファ 「んとね、んとね」
ミルラ 「……暗黒竜退治ごっこです」
ユリウス 「ちょ、それ僕死ぬ……ギャーッ!」
−赤竜姉さん編−
チキ 「イナお姉ちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
イナ 「……分かりました。それでは、お話をしてあげましょう」
チキ 「わーいっ!」
ファ 「どんな話、どんな話っ!?」
ミルラ 「……楽しみです」
イナ 「……では、竜王家数千年の歴史をその起源から……」
〜四時間後〜
イナ 「……という訳で、人竜戦役以降、竜族の生き残りは紋章町で暮らすことに……」
チキ 「ぐー」
ミルラ 「すー」
ファ 「ぴー」
イナ 「(三人に毛布をかけてやりながら)……わたしとラジャイオンの子も、この子たちぐらい元気だといいのですが……」
−火竜おっさん編−
チキ 「ヤアンおじちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
ヤアン 「クククッ、よかろう。では我が竜王家に伝わる秘伝を伝授してやることにしよう」
チキ 「わーいっ!」
ファ 「どんなの、どんなのっ!」
ミルラ 「……楽しみです」
ヤアン 「うむ。いいか、まずはバサークにかかった盗賊を用意して竜石を盗ませ……」
ユリア 「(ガラッ)……妹達に妙な遊びを教えないでください、ヤアンおじさま」
ヤアン 「む……そうか。ではフレイボムを用いた人心掌握術を……」
ユリア 「……ヤアンおじさま」
ヤアン 「ふむ……ならば一度死んでもDゾンビとして生き返る秘術を……」
ユリア 「……そろそろ怒りますよ?」
−氷竜姉さん編−
チキ 「ニニアンお姉ちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
ニニアン 「……遊び……ですか。困りました、わたしはそういうのは……
ああ、そうです、それではおままごとをしましょう」
チキ 「わーいっ!」
ファ 「おままごとっ、おままごとっ!」
ミルラ 「……誰がお父さんですか」
ニニアン 「……いえ、そうではなく……設定はこうです。捕われたお姫様と王子様……
お姫様はわたし……王子様はエリウッドさま……うっとり」
ニルス 「……あー、またニニアンが自分の世界に入っちゃってる……
三人とも、ニニアンはほっといて僕と一緒にかくれんぼしようよ」
チキ 「わーいっ」
ファ 「かくれんぼっ、かくれんぼっ」
ミルラ (……捕われのお姫様と王子様……わたしとエフラムでは似合わないでしょうか……)
−神竜姉さん編−
チキ 「イドゥンお姉ちゃま!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
イドゥン 「……子供の遊び……確かここに……(箪笥をかき回して)」
チキ 「あーっ、お手玉だ!」
ファ 「ファもやる、ファもやるっ!」
ミルラ 「……懐かしいです……」
イドゥン 「(放り投げつつ)……ずいずいずっころばし……」
チキ 「うわぁ、すごいイドゥンお姉ちゃま!」
ファ 「五つも同時に投げてるーっ!」
ミルラ 「……大道芸人みたいです……」
イドゥン (……子供達が喜ぶ……いいことだわ……)
−黒竜爺さん編−
チキ 「デギンおじいちゃまっ!」
ファ 「遊んで遊んでーっ!」
ミルラ 「……遊んでください」
デギンハンザー「……うむ。では……」
チキ 「ドキドキ」
ファ 「わくわく」
ミルラ 「……? おじいさ」
デギンハンザー「カーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
チキ 「う……う……」
ファ 「うわぁーん!」
ミルラ 「ひぐっ……怖いです……」
クルトナーガ「ち、父上、何をなさっているのですか……!」
デギンハンザー「む……いや、昔懐かし雷親父ごっこを……
おかしいな、ラジャイオンやユリウス相手にやったときは大喜びだったものだが……」
クルトナーガ「……そういうのは、せめて事前に確認しあってから行うものですよ……」
194 :
晩飯:2007/05/25(金) 03:44:52 ID:2ipt/Beh
>>175氏にGJしつつ。
折角だから便乗したら見事に主人公兄弟と無関係な話に。なので番外編ってことで。
イドゥンはなんか古風な遊びが得意そうなイメージがあります。何故だろう。
ミルラ 「エフラム・・・これ作って貰いました」
エフラム 「ん?けん玉というやつだな、ミルラは出来るのか?」
ミルラ 「・・・入れるのが・・・・・凄く難しいです」
エフラム 「この先端を球にある小さな穴に入れるのか・・・確かに至難の技だが、やってみるか」
カン、コン、カン
エフラム 「コツさえ判れば入るのだろうが、中々難しいな。リオン辺りに聞けば数字でコツを教えてくれそうだが、物体の動的な数値云々だろうな」
リーフ 「なんか珍しい玩具持ってるね、ちょっと貸してみて」
エフラム 「うん?器用じゃないと難しい代物だと思うが・・・・・ん」
リーフ 「よ・・・っと、ほら。成功」
エフラム、ミルラ 「「!!」」
マルス 「二人ともそう驚く事はないよ、リーフには出来て当たり前なんだからさ」
エフラム 「どうしてだ?」
マルス 「ほら、神器持てない庶民の味方だから。庶民的な遊びなら右にでないってね」
リーフ 「庶民庶民言うなー!」
エフラム 「一応誉められているんだがなぁ」
マルス 「そのうちボーレ豆腐店辺りに修行行くんじゃない?男らしくなりたいとかね」
ミルラ 「ぁ・・・けん玉・・・・・」
エフラム 「後から返して貰っておくから、違う遊びをするか」
右にでる者はない・・・ですな ミスっタorz
リーフがハッピーな話作りたいけどネタキャラになってしまうのは仕様だろうか
まぁ、女の子達に囲まれてる時点で幸せ・・・か?
リーフ好きなんだけどなあ。このスレではひたすらひどい扱いで悲しいよ…
>>197 気持ちは分かる
だが聖戦とかトラキアでコンプレックス持ってるのを匂わせた
と言うか匂わされた時点でこんな扱いになるのは目に見えてたし
そうでなくても誰かを立てようとするとどうにも誰かを貶めかねないから
なかなか難しいんだと思うぜ、スポットライトを当てるならそうでもないんだろうが
・・・手っ取り早いのは、お前さんが少しはマシに扱われてるリーフを書く事なんだけどな
職人さんたちはリーフが嫌いでやってるわけじゃない。
むしろものすごく愛されてると思うが。
あれだけ濃いメンバーの中で、ちゃんとキャラが生きてるじゃないか。
ネタスレなんだから弄られてナンボ。おいしいと思わなきゃ。
リーフ=愛すべきネタキャラ
という位置が既に確立されてると思う
まあ、兄弟の中にリーフみたいなキャラがいないとネタ作りも厳しいと思う
201 :
助けて!名無しさん!:2007/05/25(金) 14:12:13 ID:J1cogmtz
確かにリーフは物凄いおいしいポジションにいる。このスレでリーフの事が大好きになった人はたくさん居るだろうし
確かにおいしいというイミではいいのかもしれないが、「誰かをたてるため」にひどい扱いを受けているだけなのはいやだな。面白い話にするために、ならまだいいんだが。
リーフ「あぁどうせ僕は本スレでいえばシーブックの地味さとコウのヘタレさとバーニィのミンチ度を持ったネタキャラさ!
君たちにその辛さがわかるか!」
遠くのシャア版にて
シーブック「なんか何処かですんごく失礼な事言われたような気が……」
コウ 「俺もそんな気が…」
バーニィ (ミンチとなる事でしか話に出れない俺よりはマシじゃないか…)
>>197 >>「誰かをたてるため」にひどい扱いを受けているだけなのはいや
今までのこのスレで言うと、具体的にどの辺スか?
今後の参考にしたいんで教えていただけるとありがたいです。
>>203 旧シャア板の兄弟スレの元祖的な所のネタだね
リーフはコウ同様あえて忘れ去られてるキャラな気がする
シーブックは割と素で忘れ去られるから
シーブックのめただたなさはどちらかっていうとアルムな気もする
>>203 マルス「むしろこっちの人のほうが似てるんじゃない?」
Sさん(仮名)「あんたって人はーーーーーーー!!」
リーフ「あ、ごめん。本気で忘れてたよ。
えっと、セネルさんだっけ?」
思うにjz2j1/oI氏は、とても一途で純粋にリーフファンなんだね。
いいことだと思うが、愛をもって弄られているのすら、「ひどい扱い」に見えて
スルーできないのであれば、気の毒だがこのスレはおすすめできない。
誰のファンであれ、すべてをネタとして楽しめないと、つらいんじゃないかと思う。
ネタを投稿してくれる人たちだって、そこまで各キャラファンに気を使っては
いられないだろうし、せっかくの面白いネタを投稿しづらい雰囲気になってしまう。
それとも、あまりに誰かの扱いがアレなネタの場合は、
冒頭に一言、注意書きをつけて投稿してもらうとか、
そういう策が必要なのだろうか?
このスレはネタが面白いというより、作中キャラおよび読み手が欠点を持った(付加した)キャラを貶して
ゲラゲラと「面白がる」ネタの反応が特に良いようだから、書いてる人がウケを狙って愛という便利な言葉を盾に
キャラ貶しに夢中になるのも仕方あるまい。リーフあたりは最右翼か。
嫌なら互いの健康の為にも見るなというか放っておけということだろう。
そうだね。
ここのネタをネタとして楽しめないなら来ないほうがいいかもね。
キャラの造詣に対する拘りも、ギャグネタの嗜好も人それぞれ。
いちいちネタ投下する者がそんなことまで気にしてたらキリがないし
ネタスレにどこまで要求する気なのかとw
もし書き手で、現状が不満なら自分がこうと思うタイプのものを書けばいいし。
でも
あ、いらんものも付けて送っちまった。「でも」は無視で↑
212 :
助けて!名無しさん!:2007/05/25(金) 21:51:51 ID:J1cogmtz
ネタ以前にこのスレでのキャラ設定はリーフに限らず確立されてきてるし、セリスなんかはゲームだとあの可愛い顔について触れられてない分ここではここぞとばかり乙女キャラになってるしね。
Vol.14 視点の問題?
エリンシア「あ、リーフちゃん、ちょっとお料理を手伝ってもらえる?」
リーフ 「はーい」
ヘクトル 「お、リーフ、テレビが映んねえんだけどよ」
リーフ 「分かった、ちょっと見てみるよ」
ロイ 「うーん。あ、リーフ兄さん、絵の課題が出てるんだけど、ここの辺どうしたらいいと思う?」
リーフ 「こんな風でいいんじゃないの?」
シグルド 「ああリーフ。すまないが、屋根の修理を手伝ってくれないか」
リーフ 「はいはい」
リン 「リーフ、ちょっと弓が壊れちゃって。見てくれない?」
リーフ 「修理しとくよ」
エイリーク「リーフ。ダンスの練習に付き合っていただけますか?」
リーフ 「うん、いいよ」
ロイ 「うーん」
マルス 「やあ、どうしたんだいロイ」
ロイ 「あ、マルス兄さん。リーフ兄さんってさ、結構何でも器用にこなすよね」
マルス 「そうだねえ。まあ、大抵のことはそこそこ出来るんじゃないかな?」
ロイ 「普段は何故か目立たないけどさ、これって結構凄いことなんじゃ……」
マルス 「そうだねえ」
ロイ 「……」
マルス 「ん、どうしたんだい、そんなに驚いて」
ロイ 「いや。なんか、ずいぶんあっさり認めるなあって。いつもは馬鹿にしてるのに」
マルス 「やれやれ。分かってないねロイ」
ロイ 「え、なにが?」
マルス 「リーフが器用でいろんなことがこなせるのは事実だ。これは確かに凄いことだよ」
ロイ 「そうだね」
マルス 「だけど、彼には何かにおいて突出しているということがないだろう?
どの分野においても、必ず勝てない相手がいるんだ」
ロイ 「んー……まあ、確かにそう、かな」
マルス 「そうなると、どうしても『器用貧乏』というレッテルを貼られることになる。
こういう言葉で置き換えると、何となくヘボい印象になるだろう?」
ロイ 「ああそっか。結局は物の見方の問題なんだね」
マルス 「そういうこと。それに、リーフの場合は自分に自信がないから、
自分が器用だってことを積極的に主張しないだろう。
だから、なおさらパッとしない印象が際立つことになる訳だよ。
そういう自信のない人間には、あまり運気も巡ってこないしね」
ロイ 「そういうものかな」
マルス 「そうだよ。結局は視点の問題さ。努力家は凡才と言われがちだし
倹約家はケチだしお嬢様は世間知らずだ。優しい人間は詰めが甘いし
マッチョな戦士は脳筋愚鈍、冷静沈着は冷酷非情で、献身的なのは利用されやすいってことになる。
視点と表現を変えれば、どんなものだって良くも悪くもなるさ」
ロイ 「……なんか、嫌な見方だねそういうのって」
マルス 「そういうものだよ。人間である以上、僕らはどうしてもいずれかの方向に突出してしまうし、
どんな場所に行ったって同じ扱いを受けるとは限らない。
リーフにしたって同じことさ。器用貧乏と見るかオールマイティと見るか、
単に運がない奴と見るか、予期できる不幸も避けられない間抜けな奴と見るか。
ロイ、君だって普通のいい子と見られるか、それとも面白みのない奴と見られるかでかなり評価は違うはずだよ」
ロイ 「うーん……そう言われると、自分がすごくつまらない人間に思えてくるよ」
マルス 「ははは、まあそんなに深刻に考えることはないよ。
要するに、『皆いいところも悪いところもあるよ、ただ、状況によっていいところが出やすかったり、
悪いところが出やすかったりするんだよ』っていう陳腐な訓戒を、面倒くさく言ってみただけなんだから」
ロイ 「そういうこと……でいいのかなあ」
マルス 「いいんだって、それに、見なよあれ」
ロイ 「ん?」
リーフ 「あ、エリンシア姉さん、お駄賃に5Gくれない? ヘクトル兄さん、2G。修理させといてタダってことはないよね?
小遣いの日は過ぎてるけど、臨時収入って言葉もあるよねシグルド兄さん。10Gでどう?
リン姉さん、修理代20Gもらえる? 修理屋よりはずっと安いでしょ。いい品だな大事にしろよ。
エイリーク姉さん、世の中には授業料というものがあってだね。まあ3Gでいいよ」
ヘクトル 「追いはぎかテメエは!」
リーフ 「うん、そうだけど何か?」
ロイ 「……」
マルス 「見なよ、あの老若男女関係ない厳しい取立てぶり! たとえ安い鉄の武器だろうが、逃さず奪うその根性!
しかも、『ま、このぐらいなら払ってもいいかな』と思わせる絶妙の値段設定ゆえに、
ちゃっかりしてると思われても、強欲だと思われて嫌がられることは絶対にない!
だから皆も金せびられるだろうと知りつつ、便利屋なリーフに頼るし、むしろ感謝するぐらいなのさ。
いやあ追いはぎの鏡だねリーフは。全国の盗賊団や山賊団に経営顧問として派遣したいぐらいだよ」
ロイ 「……」
マルス 「という訳で、器用貧乏で不運なボーヤと思われがちのリーフにも、誰にも負けない才能というのは確かにあるのさ」
リーフ 「あ、ロイ、アドバイス料1Gを……」
ロイ 「(1G渡しつつ)……マルス兄さん、それはいくらなんでも視点が優しすぎると思うな……」
<おしまい>
215 :
晩御飯の人:2007/05/25(金) 22:16:58 ID:siLK7Xqk
という訳で、時事ネタ(?)に乗っかって書いてみました。
「この人でなしーっ!」とかリーフに言わせる流れを作っておいて何ですが、結局は視点の問題だと思います。
セティだって「わたしの宝物」発言でプレイヤーの失笑誘ったりするじゃないですか。
でも多分、言われたティニーは結構ぽわんとしちゃうんじゃないかと思うんですよね、性格的に。
見方や状況によって格好よくも格好悪くもなるってのは、現実の人間と同じでしょう。
わたしとしては、自分が書く分にはリーフの立ち位置(というか性格)を今のまま変えるつもりはありませんが、
たまには視点を変えて、リーフが今のキャラのままかっこ良く決める話も書きたいと思っております。
と言うか、書いてる途中でこの議論が起きちゃったんで、正直モニターの前で青くなってました。
まー、FEがゲームである以上、キャラのイメージは他のメディア以上に人それぞれでしょうから、
こういう議論は割とありがちなものとなるでしょうね。
FE主人公兄弟スレの風物詩だとでも思って、適当に笑っとくのが一番いい対処法じゃないスかね。
前スレからマルスの話ばかり書いてる紋章贔屓の自分だが、
書き始めたそもそもの動機は、マルスの扱いが不満だったからなんだよね。
初期のマルスってただの腹黒キャラで、いいとこナシだったから。
で、「実は身内想い」という設定を付加していろいろと書いてきたわけで。
というわけで、リーフの扱いが不満なら取りあえず自分で考えるのが吉かと。
自分も一つ二つ考えてはいるけど、まだまとまってないし。
つか、トラキア未プレイな上、聖戦でもろくにリーフを使わなかった身としては、
いまいちリーフ主軸の話は考え辛い。
キャラが分からない場合は無理しないほうがいいかも。
大抵墓穴を掘るから、出来ない部分はよそ様に丸投げでも
いいと思うっすよ、この場合はね。
この流れ、どこかで見たと思えば
こち亀の両津勘吉の扱いを酷いと見るか愛されていると見るかという議論に似ているな
まあ、ギャグネタにはよくある事だな
…本来ネタスレでする議論じゃないと思う…
一応このスレもまだ若いし、キャラもまだまだ掘り起こす余地はあると思うしなぁ
不満いう前にネタを落とす、そっちのほうが正しい姿勢だよね
俺もずっと考えてるネタはあるんだけど、職人経験皆無だし、上手くネタがまとまらないんだけどね・・・
素の能力だけ見れば聖戦リーフは見方中最強なんだけどねぇ……
しかし
・神器無いからイシュタルやアルヴィスにはあてにくい
・雑魚減らしならスカラク兄妹の方が確実
・魔防意外と低いからスリープ地帯には突っ込ませにくい
その上トラキアじゃ
・主人公なのに専用武器が初期装備の光の剣のみ
・つーか、オルエンの方が色々優遇されてる気が
・セティに対してコンプレックス
・正直あんまり強くない…というかマリータやらガルザスやらサラやらが強すぎ
・馬乗れない
・プレイヤーからみると軍隊と言うよりもはや追いはぎ
・自力では指揮レベルなし
ネタにしかなりにくいなぁ……三角蹴りとかスタミナ無限とか、使えそうな要素はあるんだが。
逆にマルスって実際このメンバーでは最弱キャラなのにここでは最強キャラだよな
・パラメーター上限が20(これは紋章では全キャラだけど)
・CCがないから上限パラまでいけない
・そのため終盤はドーピング漬け
・結局は町訪問、制圧のためのユニットでしかない
初代主人公なのでみんな採点があまくなってるのと
丁寧な言動の裏にある腹黒さのイメージでキャラが立ちまくってるからなぁ
力の弱さはオーブなどのアイテムと知略でおぎなってるのが
ここの人たちはよく考えてるなぁと思う
好きなようにやればいい
能力値云々は書くときは大して考えてないスけどね。
そもそもシステムが違うのに能力値で比べてどーすんだ、みたいな。
ネタ書くときのキャラはあくまで使ったときの印象とかに作中の役割に左右される訳で。
たとえば暁風味のシステムで紋章がリメイクされて
マルスが数値的にアイク以上の強キャラになっちゃったりしても、
やっぱり自分の中じゃ肉弾戦はあんまり強くないイメージになると思います。
能力値考えてないなら、神器云々だけを持ち出すのもなあ…神器使う使えないも能力のひとつだし。
そこらへんはネタでしょ?
逆に言えばそこがこのスレでのリーフの個性にもなってるわけだし
各ゲーム内でのポジションとかから考えてネタを作られてるみたいだしさ
ネタはネタって割り切れないなら、ネタスレってか2次創作向いてないんじゃないかな…
能力に関しては、限界値よりも成長率を参考にしてたり。
それも、実際の数値よりもゲームプレイ時の伸び方を見て。
まあ要するに個人的な印象ってことなんだけど。
だから、マルスは意外と強い(力50%だし)んだけど努力しない(CCしないから)。
……みたいな感じで書いてたり。
227 :
晩飯:2007/05/26(土) 22:30:10 ID:FHFogWt0
前回のやつはVol13でしたね。
っつー訳で、今回のがVol14になります。
Vol.14 レッツ・クッキング
〜とある土曜日〜
チキ 「ただいまーっ!」
ファ 「ただいまーっ!」
ミルラ 「ただいまです」
ユリア 「お帰りなさい、三人とも」
セリス 「こんにちは、皆」
ファ 「あ、セリスのお姉ちゃんだっ!」
セリス 「あはは、お兄ちゃんだよ」
チキ 「(くんくん)あれ、なんだかいい臭いがする……」
ミルラ 「甘くておいしそうな匂いです……」
セリス 「うん、今、ユリア姉さんと一緒にクッキーを焼いてたところなんだよ。ね、ユリア」
ユリア 「はい。もうすぐ焼きあがりますから、皆も食べますか?」
チキ 「うんっ」
ファ 「食べる、食べるっ」
ミルラ 「食べたいです」
ユリア 「それじゃ、まずは手を洗ってきてください。ちゃんとうがいもするんですよ」
チキ 「むぐむぐ」
ファ 「んぐんぐ」
ユリア 「二人とも、お口の周りに食いカスがついているわ。もっと、ゆっくり食べなくては」
セリス 「そうだよ。そんなに急がなくても、まだまだたくさんあるからね」
チキ 「むぐっ……だって、ユリウスお兄ちゃまが帰ってきたら全部食べられちゃうもん!」
ファ 「んぐっ……そうだよ! だから今の内にたっくさん食べておくの」
ユリウス 「ただいまー」
ミルラ 「……噂をすれば影です」
ユリウス 「あん? 何言って……うわっ、セリス、何故お前がここに……!?」
セリス 「お帰りユリウス。今ユリアと一緒にクッキー焼いてたところでね」
ユリア 「ユリウス兄様もいかがですか?」
ユリウス 「ユリアの焼いたクッキー!? 食べる、絶対食べる!
……あ、でもお前の焼いたやつはいらないからなセリス。どっかに避けとけよ」
ユリア 「……チキ、ファ。ユリウス兄様が遊んでくださるそうよ」
ユリウス 「ちょっ」
チキ 「ホント!?」
ファ 「わーいっ! 遊ぼっ、遊ぼっ!」
ユリウス 「や、やめろお前ら、その竜石を持って僕に近づくなぁぁぁぁぁぁっ!」
セリス 「あはは、あんなに楽しそうに妹達と遊んであげるなんて、ユリウスはいいお兄さんだなあ」
ユリア (……セリス様は相変わらず人を見る目がありません……)
ミルラ 「……」
セリス 「あれ、どうしたのミルラちゃん。おいしくなかった?」
ミルラ 「いえ……とても甘くて、おいしいです」
セリス 「そう? よかった、どんどん食べてね。こっちはチョコクッキーで、こっちには砕いたアーモンドが入ってて……」
ミルラ 「あの、セリスさん、ユリアお姉ちゃん」
セリス 「ん?」
ユリア 「なんですか?」
ミルラ 「お願いしても、いいですか」
〜その日の夜、主人公家にて〜
セリス 「あ、エフラム兄さん」
エフラム 「なんだ、セリス」
セリス 「あのね、明日、何か予定とかある?」
エフラム 「明日か? ヘクトルと一緒に黒い牙の連中相手に模擬戦をやる予定だったが」
セリス 「あー……そうなんだ。あの、それって、今からキャンセルできないよね?」
エフラム 「……何かあるのか?」
セリス 「うん……実は、明日の昼頃、ミルラちゃんがウチに来る予定なんだ」
エフラム 「ミルラが? 何でだ?」
セリス 「今日、竜王さん家に行ったときにそういう流れになって。
ユリアと一緒にクッキーを焼いたんだけどね、ミルラちゃんが
『ご馳走になったお返しに自分も作る』って言い出して、明日持ってくるんだよ」
エフラム 「そうか。だが、それなら俺がいる必要はないんじゃないか?」
セリス 「うーん……ミルラちゃんはさ、多分僕じゃなくて、エフラム兄さんにクッキーを食べてもらいたいんじゃないかな」
エフラム 「俺に?」
セリス 「うん。えーと、何ていうか、日頃の恩返し、みたいな」
エフラム 「ミルラがそう言ったのか?」
セリス 「言ってはないけど……多分、そうだと思うよ。
きっと、クッキー届けたときにエフラム兄さんがいなかったらがっかりすると思うな」
エフラム 「……分かった。そういうことなら、模擬戦は取りやめにしよう」
セリス 「いいの?」
エフラム 「ああ。ミルラがクッキーを焼くなんて、初めてのことだ。
初めてのことに勇気を出して挑戦しようと言うんだから、見届けてやりたい」
セリス 「……エフラム兄さんが子供達に好かれる理由、よく分かるよ……」
エフラム 「? なんだって?」
セリス 「ううん、なんでもないよ。それじゃ、お休みエフラム兄さん」
〜翌日、昼過ぎ〜
ピンポーン
セリス 「あ、来たみたいだよ、エフラム兄さん」
エフラム 「ああ。出迎えるとするか」
ミルラ 「こんにち……あ、エフラム」
ユリア 「こんにちは、エフラムさん。いつも妹がお世話になっています」
エフラム 「ああ。急にどうしたんだ、ミルラ」
セリス (あ、エフラム兄さん、微妙に台詞が棒読みだ……)
ミルラ 「あの、これ」
エフラム 「この包みは?」
ミルラ 「昨日、セリスさんにクッキーをご馳走になったので……お返しにと思って、作ってきたんです」
エフラム 「お前がか?」
ミルラ 「……はい」
エフラム 「そうか、それはありがたいな。まあ、とりあえず上がって、ジュースでも飲んでいけ」
ミルラ 「……お邪魔します」
ユリア 「お邪魔します……あの、セリス様」
セリス 「やあユリア。どうやら無事に作れたみたいだね、クッキー」
ユリア 「……いえ、それが……」
〜居間〜
エフラム 「……」
ミルラ 「……」
エフラム (……この、俺の目の前でテーブルの上に載せられている物体は一体なんだ。
炭の塊のように黒く、何か変なものがはみ出しているように見える、この物体は)
戦慄するエフラムを、廊下からこっそり覗き込む影が二つ。
セリス 「……ユリア、手伝ったんじゃないの?」
ユリア 「わたしも、手伝うと言ったのですが……『是非とも一人で作りたい』と言って聞かなくて。
加えてユリウス兄様の治療もしなければいけなかったので、ずっとついている訳にもいかず……」
セリス 「……ちなみに、味は?」
ユリア 「見た目どおりです」
セリス 「……つまり、まずいんだね」
ユリア 「ええ、とても。本人も味見をしましたが、ミルラも竜族である以上、
味覚が皆さんよりも広いですので、あれが一般的においしくないということには気付いていないらしく……。
チキやファにも好評でしたので、本人も安心したようで。
わたしはその辺りの機微を学んでいますので、あの味が人間には受け入れがたいと知っていましたが、
ミルラのやり遂げた表情を見ていると、どうしても真実を告げられなくて……」
セリス 「大変だ……!」
ミルラ 「……」
エフラム (……覚悟を決めろエフラム。こんな、泣きそうな目で俺を見つめるミルラの気持ちを、裏切る訳にはいかん……!)
ぱくっ。ゴリゴリ、ガリガリ……
セリス 「……クッキーを食べてる音じゃないね、これ……」
ユリア 「……そうですね……まるで石か何かを無理矢理噛み砕いているような……」
セリス 「……ねえユリア、あれ、本当に普通のクッキーを作ろうとしたんだよね?」
ユリア 「……エフラムさんへの愛からか、いろいろと『おいしくなりそうなもの』を入れたようですから……」
セリス 「……愛情の空回りだね……悲しいな、なんだか泣きそうになってくるよ……」
バキッ、ボキボキッ、メキッ……ごくん。
エフラム 「……」
ミルラ 「……ど、どうですか、エフラム」
エフラム 「……ああ、おいしいぞ」
ミルラ 「ほ、本当ですか」
エフラム 「ああ。俺は嘘は言わん。見た目は少し悪いが、味はなかなかこう、なんというか……独特だ。
うまい、と思えなくも、ない。つまりは、うまい」
ミルラ 「よかった。どんどん食べてくださいね」
エフラム 「……ああ、分かっている……!」
ユリア 「ああ、セリス様、エフラムさんがまるで殉教者のようなお顔に……!」
セリス 「いや、どちらかと言うとあれは死地に赴く戦士……!
優しい、優しすぎるよエフラム兄さんっ!」
〜一時間後、玄関先〜
エフラム 「……」
ユリア 「……そ、それでは、お邪魔しました」
ミルラ 「エフラム、クッキー食べてくれて、ありがとうございます」
エフラム 「……いや、逆だ。礼を言うのは俺だぞ。ごちそうさまだ。腹が一杯になったから少し残してしまったが、
残りの分も後で食べさせてもらう。また作ったら持ってきてくれ」
セリス (に、兄さん、自らそんな地雷を……! 凄いや、尊敬するよ兄さん!)
ミルラ 「はい、もちろんです。今度は、今日よりもっとおいしいの作ってきます!」
エフラム 「……ああ、心の底からそう願う……その意気で頑張れよ」
ミルラ 「はい!」
ユリア 「……では、わたしたちはこれで」
ミルラ 「さよならです、エフラム」
エフラム 「ああ、またな……」
セリス 「……」
エフラム 「……」
バタッ。
セリス 「う、うわぁ、エフラム兄さんが倒れた! 誰か、レスト、レストーッ!」
リン 「あははは、そんなことがあったから、ソファーで寝てるのね」
エフラム 「うぷっ……笑い事じゃないぞ、リン」
リン 「ごめんごめん」
ヘクトル 「へっ、似合わねえことするからだぜ。大体な、そういう場合は『まずい』って言ってやるのが本人のためだろうが」
エフラム 「……俺達のような往生際の悪い性格なら、それもいいかもしれんがな。
ミルラの性格だと激しく落ち込んだり、『自分は駄目だ』と思い込んで、諦めてしまうかもしれない。
引っ込み思案なミルラが、せっかく勇気を出して新しいことに挑戦したんだ、その芽は大事に育ててやりたい」
ヘクトル 「……ケッ、カッコつけやがって。そんなんじゃ、次もそうやってぶっ倒れることになるぜ、お前」
エフラム 「望むところだ。幸い、あちらにはユリアたちもいてくれるしな。
少しずつ味もマシになるだろうから、それまではとことん付き合うさ」
セリス 「エフラム兄さん、僕感動したよ! 僕も、エフラム兄さんみたいに人の心が分かる優しい人になりたい!」
エフラム 「……それはいいが、とりあえずエリウッドの薬箱から胃薬を取ってくれ……胃袋が限界だ」
リン 「ふふっ、子供の相手も楽じゃないわね」
エフラム 「まあな。だが、誰かが努力して成長していくのを見るのは、悪い気分じゃない。
こちらも負けずに頑張ろうという気になれるからな」
ヘクトル 「……そりゃいいんだけどよ、テーブルの上に乗っかってる、このクッキーとは呼びたくない物体はどうするんだ?」
セリス 「うーん……」
リン 「……剣が『壊れた剣』になると、元が何だったか判別出来なくなるじゃない?
これはさしずめ『壊れたお菓子』って感じよね……」
エフラム 「うまいことを言っている場合か……とりあえず、少し休んでから俺が食べる」
セリス 「大丈夫なの?」
エフラム 「もちろんだ。俺のために作ってくれたものだ、俺が食べるのが当然の」
アイク 「ただいま」
セリス 「あ、お帰りアイク兄さん」
アイク 「……なんだこれは?」
リン 「……クッキーよ」
アイク 「……珍しい形だな」
ヘクトル 「それで済ませられるのかよ!」
アイク 「ほう……どれ」
リン 「ちょ、兄さ」
ぱくっ。ゴリゴリ、バリバリ、ボキボキ、メキッ、ごくん。
セリス 「……」
ヘクトル 「……」
リン 「……」
エフラム 「……」
アイク 「……なかなかうまいな」
四人 (マジッスかーっ!?)
リン 「あ、アイク兄さん、本当に大丈夫なの!?」
セリス 「レストとか、必要ない!?」
アイク 「……? 何をそんなに騒いでるんだ、お前ら」
ヘクトル 「マジかよ……ここまで底抜けか、アイクの兄貴は」
エフラム 「俺達とは味覚の作りからして違うとでも言うのか……!」
アイク 「よく分からんが、このクッキーがまずくないかと聞きたいのか?」
四人 「そう!」
アイク 「……まあ、確かに普通の食べ物とは味の方向性が違うがな。
それでも、今まで俺が食べてきたものの中ではかなり上等な部類だ」
リン 「……今まで食べてきたものって、たとえば?」
アイク 「そうだな……冬のマケドニア高地に一人取り残されたとき、洞窟の中でネズミを焼いて食ったことがある。
他にも止むを得ず蛆虫やゴキブリを食ったこともあるが、最初は腹痛で三日三晩苦しんだな。
アドバイスを聞きつつその辺の雑草を食べたときもあるし、泥水をすすって死にかけたこともある。
魔物も食ったぞ。ガーゴイルは不味かったな。バールは量だけはあるが舌が痺れそうになるし、
ウォームの魔道書で呼び寄せられた虫をお椀一杯食べたときは舌が腐り落ちるか思った」
リン 「……聞くだけで具合が悪くなってくるわね」
アイク 「人間、食わなければ生きていけないからな……どれもこれもギリギリの選択だった。
とにかくそういう訳だから、それは食い物の範疇に入る分ずいぶんマシだと思うぞ」
四人 「……」
リン 「……ま、まあ、アイク兄さんはいつもいろいろと桁外れだし」
セリス 「そ、そうだよね。凄いなアイク兄さんは。僕には真似できないよ」
ヘクトル 「クソッ、こんなところでも兄貴の背中の大きさを実感させられるとはよ……!」
エフラム 「やはり俺は修行が足りんのか……!」
リン 「……いや、そういう問題じゃ……大体、こんなの出来るのは我が家でもアイク兄さんぐらいしか」
リーフ 「ただいまーっ! あ、クッキーだ。へへっ、もーらいっ」
リン 「ちょ、リーフ」
ぱくっ。ゴリゴリ、バリバリ、ボキボキ、メキッ、ごくん。
リーフ 「……うーん、いいね、ビターよりもさらに深い苦味。なかなか味わい深いよ」
四人 「そんな馬鹿な!」
リーフ 「……? どうしたの、皆」
リン 「り、リーフ……一体どうしちゃったの、あんた」
リーフ 「どうしたのって?」
ヘクトル 「そのクッキーだよ! なんで平気で食えるんだ、お前は」
リーフ 「なんでって……ああ、僕、ここ一年ほど味覚を鍛えてるんだよ」
エフラム 「味覚を鍛える、だと?」
リーフ 「そうそう。今の世の中、いつまでまともなご飯が食べられるか分からないからね。
雑草とか木の根っことか、あと虫とか。そういう比較的得やすい栄養源を摂取して、
舌と胃袋を慣れさせてるんだよ。今の僕なら衣・食・住の内、食の分野に関しては
お金がなくてもいくらかは確保できる自信があるね」
四人 「……」
リーフ 「ま、とは言っても、出来ることなら人間的な食事をするのが一番だけどね」
アイク 「そうだな。やはりエリンシアの飯が一番だ」
リーフ 「だよねえ。願わくばいつまでも姉さんのご飯が食べられますようにって感じだよ」
アイク 「全くだ」
リーフ 「あ、アイク兄さん。今度カエルの卵試してみようと思ってるんだけど」
アイク 「カエルの卵か。あれはなかなかいい食感で……」
リン 「……思わぬ伏兵って感じね、これは……」
セリス 「凄いなあ、二人ともたくましいや」
リン 「うん。まあ、リーフの場合はどっちかと言うとしぶといって感じだけどね……」
セリス 「これは僕も」
リン 「見習わなくていいから」
ヘクトル 「……エフラムよ。俺らもやってみるか?」
エフラム 「……遠慮する。今日の体たらくを見る限り、あの道は俺には向いていないようだからな……」
<おしまい>
Vol15 マルスの姉
〜ある日の帰り道〜
リン 「はぁ……」
フロリーナ「どうしたの、リン……ため息吐いて。悩み事なら、わたしにも聞かせて」
リン 「ああ、ちょっとね。今月も、いろいろと厳しくて……」
フロリーナ「お金のこと?」
リン 「そう」
フロリーナ「……わたしの家も貧乏だけど、リンのお家は人数が多いものね……」
リン 「うん。わたしもこうやって高校生なんかやってるけど、本当は働いて家計を助けた方が……」
と、愚痴っぽくなったとき、不意に二人のそばに妙に豪華なリムジンが停車した。
フロリーナ「ふえ?」
リン 「……なにかしら?」
訝る二人の前で、運転席側のドアが開いて一人の男が姿を現した。
ケント 「失礼致します、お嬢様方」
フロリーナ「お、男の人……」
リン 「(フロリーナを背後に庇いつつ)何か、御用ですか」
ケント 「はい。私の主が、あなたと是非お話したいと……」
その言葉と共にケントは後部座席のドアを開けた。中から、身なりのいい老人が姿を現す。
ハウゼン 「お、おお……」
リン 「……あの、何か……」
ハウゼン 「何という……他人の空似とは思えん。マデリンに生き写しじゃ……」
リン 「マデリン……?」
〜その夜〜
マルス 「ただいまー……? 何だろう、妙に優雅な音楽が……?」
廊下の先から聞こえてくるクラシックなミュージックに首を傾げつつ、
マルスが居間に入ると、そこでは手と手を組んで踊るエイリークとリンの姿が。
エイリーク「リン、またステップを間違えていますよ」
リン 「え、そう? ええと……こうだっけ?」
エイリーク「少し違いますね……ここは、こう……」
ふと思ったけど
ミカヤがこのスレッドで
癒しの手使った所見たことないね
使いすぎで倒れて使用禁止令がでたのかな。。。
マルス 「……ただいま」
エイリーク「あ、お帰りなさい、マルス」
リン 「……お帰り」
マルス 「何でそんな似合わないことやってるんですか、リン姉さん」
リン 「……絶対そう言うだろうと思ってたけどね、はぁ……」
マルス (……拳骨が飛んでこない。これは相当参ってるな……)
エイリーク「実は、今日の学校帰り、貴族の方から声をかけられたそうで」
マルス 「貴族から?」
リン 「うん。ハウゼンっていうお爺さん。なんかね、わたしにパーティに出席してほしいとか言うのよ」
マルス 「……なんでそんな話に?」
リン 「……ええと、遠目に見たわたしの姿が、庶民とは思えないほど優雅だったとかなんとか。
市井に埋もれさせておくのは勿体無い、今からでも貴族としての教育を、とか」
マルス 「なんだか凄く嘘くさいんですが」
リン 「……君がよければ養子に来ないか、とも言ってたわね」
マルス 「……! まさか、その話、受けたんじゃ……」
リン 「……ううん。さすがに、急に養子とか言われてもね」
マルス 「……」
リン 「まあ、そういう訳で、あんまり熱心に勧めるものだから断りづらくて。
とりあえずパーティには出席してみようかなあってね」
マルス 「暴力的なくせに押しに弱いですからねリン姉さんは……あたっ」
リン 「一言多いのよ、あんたは。で、エイリーク姉さんからいろいろ教わってるところなの」
マルス 「……なるほど」
エイリーク「……リン、とりあえず今日はこの辺りにしておきましょう。まだ時間はありますから、ゆっくり……」
マルス 「……」
〜数日後〜
リン 「……と、これでいい、エイリーク姉さん?」
エイリーク「ええ。ようやく、ダンスも形になってきましたね」
リン 「んー……まあ、ね」
エイリーク「努力の成果ですね。きっと、パーティでは立派なレディとして振舞えると思います」
リン 「……ありがと」
エイリーク「……さあ、そろそろ夕食の時間ですから、今日はこの辺りにしておきましょう」
リン 「そうね……」
リン 「……ふう」
ヘクトル 「よお、リン」
リン 「……なに、ヘクトル?」
ヘクトル 「無理してるだろ、お前」
リン 「……それはまあ、こんなことなんて今までやったことなかったし……」
エリウッド「そういうことじゃないよ」
リン 「エリウッド?」
エリウッド「リン、君がこの話を断らない理由。熱心に誘われたからってだけじゃ、ないんだろう?」
リン 「……他に、何か理由があるって言うの?」
ヘクトル 「とぼけんじゃねえよ。お前、その爺さんの養子になって家から出て行こう、とか考えてんだろ」
エリウッド「そうすれば、苦しい我が家の家計が助かるからってね」
リン 「……なんだ、全部お見通しなんだ」
エリウッド「兄弟だからね。リンの考えること、少しは分かってるつもりだよ」
ヘクトル 「ガサツなくせに妙に周りに気ぃ使うからな、お前。
今回だって、大して楽しくもなさそうなのに必死で頑張ってよ。おかしいだろ、普通に考えてよ」
リン 「ガサツって……あなたにだけは言われたくない言葉よ、それ」
ヘクトル 「お前だっていい勝負だろうが」
リン 「あなたには負けるわよ」
エリウッド「……ほら、元気が出てきた。リンはそうしてるのが一番似合ってるんだ」
ヘクトル 「そうだぜ。大体な、お前みたいなのが、貴族の令嬢に混じっておほほほうふふふやってられる訳ねえだろ」
リン 「なによその言い方……でも、そうね。本当は、エイリーク姉さんからいろいろ教わってる途中で、気付いてたわ。
どんなに努力したって、今更貴族のお嬢さんみたいにはなれないし、そういうのが似合う訳もないんだって」
エリウッド「じゃあ、やっぱり家計のために?」
リン 「うん、それもあるけど……ハウゼンさん、ずっと昔に娘さんを亡くされてから、ご家族と一緒に暮らしてないんだって。
もちろん使用人の人とか、執事のケントさんには凄く慕われてるけど……屋敷に、肉親は一人もいないとかで。
弟さんはいるらしいけど、仲が悪い上にその人は別のところで暮らしてるらしくて。
周りに人がいなくて、寂しいのね。肉親を失くす辛さは、わたしにも分かるもの。
だからね、話を聞いてる内に、この人の寂しさを少しでも和らげてあげられたら、なんて考えたの」
エリウッド「そうだったのか……」
ヘクトル 「……へッ、辛気くせえ顔でそばにいられたって、かえって迷惑だろうよ」
リン 「そうね、ヘクトルの言うとおり。なんで気付かなかったのかしら……
こんなんじゃ、かえってハウゼンさんを苦しめることになるわね。
ありがとう二人とも、迷いが消えたわ」
エリウッド「じゃあ」
リン 「うん、パーティも、今出席したってかえって迷惑かけるかもしれないし、断りの電話をいれるわ」
リンがそう言ったとき、不意に玄関の方で電話のベルが鳴り響いた。
エリンシア「はい、もしもし……リンディスですか? はい、おりますが……
リンちゃん、キアラン家のケントさんて方からお電話よ」
リン 「ケントさん? ……はい、もしもし」
ケント 『ああ、リンディスさま。実は、大変なことが……』
〜縁側〜
マルス 「……やあ、なんだか騒がしいけど、どうかしたんですか、ヘクトル兄さん」
ヘクトル 「……キアラングループの子会社の一つで、ちょっとした不正が発覚したんだとよ」
マルス 「へえ」
ヘクトル 「もちろんハウゼンって爺さん本人とはそんなに関係ないが、
その会社の社長が、弟のラングレンとかいう奴だったらしいな。
で、いろいろと外聞も悪いから、パーティは取りやめになったってよ」
マルス 「それは残念ですね。折角いろいろと恥かくリン姉さんを見物しに行こうと思ってたのに」
ヘクトル 「とぼけんなよな。お前、いろいろと手ぇ回しただろ。
マシューの奴が言ってたぜ、『弟さん、今回はやり方がずさんですね』とかなんとか」
マルス 「……やれやれ、バレバレでしたか」
ヘクトル 「お前が人使うのうまいのは分かるけどよ……危ねえだろ」
マルス 「んー、そうでもなかったですよ。不正してるのバレバレでしたし、ラングレンさん。
本当は、リン姉さんが関わってるのが悪どい貴族なんじゃないか、調べるだけのつもりだったんですけど」
ヘクトル 「ったく、お前は……ま、発覚した不正の規模もさほどでかくねえみたいだし、
そんなに問題にはならねえってよ。多分、キアラン家の内部で処理されるんだろうよ」
マルス 「そりゃそうでしょ。本家の方には打撃がいかないように、あれこれと調整しましたし」
ヘクトル 「よくやるぜ、ったく」
マルス 「……ええと、それで」
ヘクトル 「リンなら心配いらねえよ。ハウゼンの爺さん本人とも話したみてえだし。
これからちょくちょく遊びに行く約束はしたけど、養子になるってのは断ったってさ。
ま、お互いにそんぐらいの距離を保つのが一番だろうな」
マルス 「……そうですか」
ヘクトル 「へへ。良かったな、マルス?」
マルス 「いや、むしろ残念だなあ。リン姉さんがキアラングループの養子になれば、
いろんなところにパイプを作る足がかりになったのに」
ヘクトル 「心にもないこと言いやがって……ああそうそう、リンが電話口でこんなこと言ってたぜ」
リン 『申し出はすごくありがたいんですけど、わたし、まだこの家から出るつもりはないんです。
家族のことは愛してますし、それに……とても放っておけない弟が一人いるもので。
今回も、ずっとぶすっとした顔でわたしのこと見てて……やっぱり、まだ離れられないなって』
ヘクトル 「……ってな」
マルス 「……ははあ、それはそれは。全く、リーフも仕方のない子ですね、姉さんにそんな心配かけて」
ヘクトル 「……」
マルス 「……」
ヘクトル 「マルスよ。顔赤いぜ、お前」
マルス 「ほっといてください」
ヘクトル 「ま、そういうこった。リンはこれからもお前の姉貴をやってくれるってよ」
マルス 「やれやれ。すると、僕はこれからも殴られ続ける訳か。
野蛮な姉を持つと大変ですよ、ホント」
リン 「……聞こえたわよ」
マルス 「げえっ、リン姉さん!?」
リン 「だれが野蛮ですってぇ!?」
マルス 「ちょ、ストップ、リン姉さん、ギブ、ギブ!」
リン 「やかましい! エイリーク姉さんとのダンスの特訓が無駄になった代わりに、
あんたには死のステップを踏ませてあげるわ……!」
マルス 「お、お助けぇぇぇぇっ!」
ヘクトル 「……ったく。兄妹揃って、面倒くせえ奴らだぜ」
<おしまい>
相変わらず晩御飯の人話上手いなぁ
笑いと泣かせを上手くしってるって感じで
おれもこんな話書いて見たい
エイリーク「・・・・・(タタタタタ)」
???「(タタタタタ)」
エイリーク「・・・・・(ダッ)」
???「!!(ダッ)」
エイリーク「ハァッハァッ・・・(バタンっ)」
エリンシア「あら、おかえりなさい。どうしたのです?そんなに息をきらせて?」
エイリーク「いえ、その・・・」
セリス「何があったの?」
エイリーク「学校の正門を出てから・・・誰かがついて来ているのです・・・」
セリス「え?」
アイク「ストーカーか?」
エリンシア「演劇部の練習があるといっても夜道を一人で帰るのは危険ですわ」
アイク「まだこの周辺にいるかもな。ちょっと近くを見てくる」
セリス「それっていつごろからなの?」
エイリーク「一週間ほど前から・・・」
セリス「ちょっとタチが悪いね・・・心当たりはないの?」
エイリーク「いえ、何も・・・」
アイク「誰もいなかった。どうやら家を見張ってることはなさそうだ」
エイリーク「それでも気味が悪いです・・・」
マルス「とっ捕まえに行こうよ」
エリンシア「そんな。危険ですわ。相手が武器を持ってたら・・・」
マルス「アイク兄さんに同行してもらえば問題ないでしょ」
アイク「俺は別にいいが・・・」
セリス「どうしたの急に」
マルス「だって楽しそうじゃないか」
セリス「・・・でもどうやって捕まえるのさ?」
マルス「囮作戦だよ」
エイリーク「私が囮ですか・・・?」
セリス「でもそう簡単に捕まるかな?」
マルス「エイリーク姉さんだけが囮じゃないよ」
アイク「どういうことだ?」
マルス「エリンシア姉さ〜ん(ゴニョゴニョ)」
エリンシア「ほ、本当に!?本当にセリスちゃんを女装させてもいいの!?」
セリス「えええええ!?」
アイク「(テンション上がってるな・・・)」
エリンシア「さ、そうと決まればセリスちゃん!!可愛く仕上げますからおとなしくしてなさい!」
セリス「うわあああぁぁぁ!」
〜ルネス女学院前通り〜
マルス「準備はいい?姉さん、セリス」
エイリーク「ええ」
セリス(女装中)「うん・・・」
エリンシア「やっぱり可愛いですわ・・・」
アイク「・・・本当にうまくいくのか?」
マルス「大丈夫だよ。作戦を確認しておくと、エイリーク姉さんとセリスが並んで歩く。相手が姿を現してできるだけ近づいてきたら
セリスが飛び掛る。続いてアイク兄さんがとっ捕まえて決め。名づけて『三頭の竜?』作戦!」
セリス「どこかで聞いたことあるような作戦名・・・」
マルス「これはセリスが鍵だよ。頑張ってね」
セリス「・・・・・」
エイリーク「(セリス、大丈夫ですか?)」
セリス「(ちょっと歩きにくいけど・・・大丈夫だよ)」
物陰から二人を見張る三人
マルス「遠くからみると完璧に美少女二人組ってかんじだね・・・セリスのやつメイド喫茶でバイトでもできるんじゃない?」
エリンシア「やっぱりセリスちゃんは可愛いですわ・・・」
アイク「なかなか姿を現さないな・・・」
数分後二人の後ろに怪しげな影が・・・
エイリーク「(来た・・・)」
セリス「(ドキドキ・・・)」
マルス「(来た、あれだ)」
アイク「(よし・・・)」
マルス「(まだだよ兄さん。もっとひきつけてから)」
???「タタタタタタタタ」
マルス「今だっ!行け〜セリス!」
セリス「うりゃっ!!」
???「うわぁ!」
セリス「・・・・ん?」
マルス「よし、兄さんゴー」
アイク「まかせろ(ダダッ)」
アイク「よくやったセリス。後は俺が・・・・って・・・こ、子供?」
ユアン「いって〜・・・あ〜あ、捕まっちゃった・・・」
マルス「(タタタ)どう?捕まえた?」
エリンシア「・・・この子がストーカーの正体ですか?」
セリス「うん。どうやらそのようだけど・・・」
アイク「おいガキ、何だってこんな時間にウロウロしてる」
ユアン「ガキっていうな!・・・ルネス女学院に通ってる綺麗なお姉さんがいたからさ、ちょっとここ最近あとつけてたんだ〜」
エイリーク「・・・・・」
マルス「(このガキ・・・!)まぁ、コレに懲りたらもう女性の後ろをつけてくとこはやめておきな。最悪逮捕されるよ」
ユアン「は〜い。新しい恋は積極的に行こうかな〜」
エリンシア「新しい恋?」
ユアン「そう。ねぇ君!」
セリス「え?ぼ、僕!?」
マルス「(ああ、そういや女装してたんだ)」
エイリーク「(男だと分かっていないようですね・・・)」
エリンシア「(さ、さすがだわセリスちゃん・・・!)」
ユアン「ねぇねぇ名前なんていうの?学校は?あ、僕ユアンっていうんだ!よろしく!!」
マルス「・・・さて、一件落着っぽいし僕らは帰ろうか」
アイク「そうだな。正直呆れた・・・」
エイリーク「・・・そうですね」
エリンシア「じゃあセリスちゃん、先に帰っておきますわ」
セリス「えええええええ!?みんな酷いよ!!」
四人「じゃあね〜」
ユアン「ねぇねぇ僕魔法が使えるんだよ!すごいでしょ!?お師匠様にも最近すごく良くなってきたって褒められるんだよ」
セリス「え・・・えっと・・・その・・・・・・・もう逃げちゃえ!!(ダダッ)」
ユアン「ああっ・・・・・つれないな〜」
以後自分の女顔にコンプレックスを持ちはじめるセリスであった───
余談だがユアンは師匠に半端なく咎められたらしい・・・
vol.16 ゴルゴムの(ry
エリンシア 「さあ皆さん、晩御飯が出来ましたよ」
セリス 「わーい」
ロイ 「今日のご飯は何かなあ」
リーフ 「楽しみだよ……ん?」
ガシャーン! ゴゴゴゴゴゴゴ……!
ロイ 「うわぁ、突然窓を割って飛び込んできたメティオにリーフ兄さんが押し潰され」
リーフ 「てないよ」
ロイ 「……あれ?」
リーフ 「そういつもいつも当たるもんか。……しかし、何だって急にメティオが……」
シグルド 「メティオ……!? 間違いない、アルヴィス課長の」
エリウッド 「いや、これは謎の秘密結社モルフ団の」
ヘクトル 「任侠ヤクザ黒い牙の連中の」
リン 「きっと逆恨みしたラングレン社長の」
リーフ 「テロ集団ベルクローゼンの」
マルス 「いや、多分マッドサイエンティスト・ガーネフのジジイの」
アイク 「ベグニオン元老院(盆栽サークル)の連中の」
エイリーク 「また実験に失敗したリオンの」
エフラム 「いや、魔王フォデスの」
ミカヤ 「きっと怒ったアスタルテの」
エリンシア 「いえ、これは陰謀を巡らしたルドベックの」
アルム 「おそれざんのタタラ婆さんの」
セリカ 「いえ、これは呪わしきドーマ教の」
セリス 「ひょっとして巷で噂の暗黒教団の」
ロイ 「世界を解放せんと企むベルン署警察署長ゼフィールさんの」
「「「「「「「「「「「「「「「仕業だ!」」」」」」」」」」」」」」」
通りすがりのサザ(……この家仇敵多すぎだろ……常識的に考えて)
ちなみに今回はエイリークさんの予想が当たってました。
さりげなくこれで聖魔見習いトリオは出揃ったか、豆腐屋弟子入りの「せんしがるしあのむすこ」がツボですがw
シグルド 「ふっふっふっ・・・ただいまだ」
ヘクトル 「なんだよ、不気味な笑い声なんてだして。らしくないぜ?シグルドあに・・・・ぇ!」
エリウッド 「どうしたんだヘクトル?鳩が豆鉄砲喰らった様な顔で・・・・・ぁ、おかえ・・・・・ぇ!」
リン 「?何二人とも固まってん・・・・・のょ!」
ディアドラ 「ほんと兄弟が沢山居られますね、お邪魔します」
リーフ 「シグルド兄さんが・・・強行に拉致ったのか!」
三人 「なんだって〜!!」
マルス 「はいはい、嘘、大袈裟、M○R。ちゃんと理由あるからさ」
アルム 「なんだ、違うのか。残念」
セリカ 「そうだったらもうティルフィング飛んでこなくなるだろうし、ほんと残念ね」
ミカヤ 「はい、こっちは準備OKよ」
エリンシア 「セリスちゃん入場〜」
ディアドラ 「あらあらあら♪写真で拝啓した通りソックリですね」
セリス 「その様ですね・・・恐縮です」
ディアドラ 「もう少しチークをしっかりして、マニキュアもさせますか♪」
エリンシア 「いいですね〜、では早速連行ですね」
セリス 「ぇ?ぁ・・・・・ぅ」
バタン(ドアの閉まる男)
エフラム 「なんか両手を持たれた某宇宙人の様に見えたんだが」
エイリーク 「それ不謹慎ですよ、せめて両手に花ぐらい言えませんと」
シグルド 「あぁ・・・ディアドラ・・・・・」
ヘクトル 「この世の春は数分だったな、シグルド兄貴」
リン 「まだ帰りに送れるから救いがあるんじゃない?」
マルス 「送り狼・・・無理だね、そんな甲斐性ないしね」(爽やか)
シグルド 「ふ・・・・・ふふふふふふふ」
アイク 「なんだ?送り狼とは強いのか?」
マルス 「うん、凄く強いよ!ほら来た!アイク兄さん、修行になるよ」
アイク 「よし!手合わせ願おう、シグルド兄」
シグルド 「まぁぁぁるぅぅぅすぅぅぅ・・・・・せやっ!」
アイク 「うぉっ!その名の通り強いな、送り狼!シグルド兄の新たな一面だ」
リーフ 「ぶっ!騙されてるよ!って皆避難してるし・・・うはwwwちょ!こっち来ないでぇぇぇぇ〜〜!」
エリウッド 「ディアドラさん戻るまで居間が持つか・・・胃が痛い・・・」
しまった、胃薬渡すロイを忘れてた orz
全員喋らせるとぎゅうぎゅうになるなぁ
良ネタラッシュおつです!!
どれもクソワロタwwwww仇敵多杉wwwww
シグルドって何気に強いんだよなあ。
そういやシグルド=ティルフィングになってるがそうなるとセリスの武器は何になるんだろうか
>>245 最強主人公の一人と言われてるしなシグルド。
アイク登場で影薄くなった感じだが。
>>246 銀の剣☆100じゃね?
ミルラ 「お兄ちゃん・・・一つ聞いてみたい事があります」
エフラム 「どうした?」
ミルラの視線の先には女装されてリカちゃん人形の如く遊ばれてるセリスがいて
ミルラ 「エフラムも・・・ああいう格好をしたら似合いますか?」
エフラム 「いや・・・・・流石に無理だろう、体格も女子供じゃないしな」
ヘクトル 「ま・・・性格だけみて性転換してみたらというのなら想像できそうじゃないか?」
リン 「あら?ヘクトルにしてはまともな意見じゃない。ヘクトルが女の子になったら勝ち気になりそうね、ツンデレとか言うのになりそうかも」
ヘクトル 「うるせー、女になったらなんて考えるとゾッとする」
リーフ 「エフラム兄さんの性格ならどんな時にも乱さないクールビューティーになりそうだね」
ロイ 「エリウッド兄さんは深窓の令嬢とか似合いそうだね、身体弱いし」
エリウッド 「凄いイメージだな、それ・・・」
アルム 「女の子になってもセリカ一筋だし・・・百合は流石に不味いかな?」
セリカ 「その時は私が男になればいいだけよ」
シグルド 「はいはい。ティルフィング、ティルフィング」
アイク 「非現実的だな、俺は・・・もしなっても変わらんだろうが」
リーフ 「アイク兄さんもクールが前面に出そう・・・そして告白する輩をきったはったのフラグクラッシャーに」
エフラム 「しかし、いきなりどうしたんだ?俺がお姉ちゃんの方がいいのか?」
ミルラ 「お兄ちゃんの方がいいけど・・・お姉ちゃんだと・・・・・」
エフラム 「うん?」
ミルラ 「お風呂一緒に入れます」(キッパリ)
エフラム 「いや・・・そこまでして・・・一緒に入りたいのかと・・・困ったな・・・」
リーフ 「エフラム兄さん答えに窮してる、珍しい」
マルス 「突っ込ませて貰うと女装は所詮女装な訳で・・・・・」
エリウッド 「確かに、女装して女湯に入れる道理なんてないしな」
マルス 「奥の手はタックで象さんを隠すと」
リーフ 「ちょ!なんでそんな変な知識があるのさ、マルス兄さん」
マルス 「俺様の無駄知識に酔いな」
リーフ 「誤魔化すな、テラ跡部www」
249 :
助けて!名無しさん!:2007/05/29(火) 23:09:15 ID:tAk8V9y7
跡部wwwww
Vol.17 メイドなキミ
ほとんど形骸化しつつあるが、紋章町には貴族制度というものが残っている。
公爵やら伯爵やら男爵やら。無論、彼らはもう権力は持っていないが、
やはり脈々と続いてきた由緒正しき名家だけあって、大抵は資産家である。
呆れるほど巨大な紋章町の一角、マギ・ヴァル地区には、そんな貴族たちの家の一つ、フレリア家が存在する。
その邸宅は、一般市民ならば見ただけで圧倒されるか笑ってしまうかのどちらかであろう、大豪邸である。
邸内の各所は随時重騎士が巡回しており、なおかつ上空では無数の天馬騎士が警戒態勢を取っている。
泥棒など入る隙間もないほどの、鉄壁の守りである。
そして、今回の話において一番重要な点だが、この屋敷にはその豪華さに見合った人種が存在する。
使用人、すなわち、バトラーやら庭師やらメイドやら、である。
ある朝、この豪邸の一角で、一人の青年が目を覚ました。フレリア家の嫡男であり、次期当主でもあるヒーニアスだ。
今日も今日とてベッドの上で静かに身を起こしたヒーニアスは、壁の大時計を見て満足気に微笑んだ。
ヒーニアス (うむ、今日もいい目覚めだ。正しく規則的な生活を送るのは貴族としての……ん?)
いつもの如く心の中で自分を賞賛し始めたヒーニアスは、部屋の中に見慣れぬものを見つけて目を細めた。
青く長い髪の、メイドの後姿である。無論、ヒーニアスとて貴族だから、メイド自体は見慣れている。
だが、彼の部屋を掃除するメイドは、この時間帯はまだ邸宅に来ていないはずである。
それに、こんな青い髪のメイドは今まで屋敷内で見かけたことがない。
ヒーニアス (誰だ? 最近勤め始めたばかりで勝手を知らぬメイドが、ここがどこかも知らずに入り込んだのか?)
どうも奇妙な話だと思いつつも、ヒーニアスはとりあえず声をかけてみることにした。
自分の部屋に誰かがいる、という状況自体は慣れているが、その誰かが誰だか分からぬというのは少し不快だ。
ヒーニアス 「君」
??? 「はい?」
ヒーニアス 「ここは君の担当で……は……」
ヒーニアスは硬直した。振り向いたメイドの顔に、見覚えがあったのである。
いや、見覚えがあるというレベルではない。よく夢に見たり頭に思い描いたりする。
彼女を巡って、他の男と目も当てられないような争いを繰り広げたことがある。割と何度も。
ヒーニアス (そんな、馬鹿な。何故彼女がこんなところにこんな格好で……!)
目を見開いたまま固まっているヒーニアスの前で、彼女はにっこりと微笑んだ。
エイリーク 「おはようございます、ヒーニアス様」
ヒーニアス 「……エイリーク! 何故君がこんなところに!? いや、そんなことよりその格好は一体……!」
エイリーク 「はい、実は……」
ターナ 「わたしが雇ったのよ」
ヒーニアス 「ターナ。雇った、とはどういう……」
ターナ 「あ、エイリーク。次はわたしの部屋のお掃除をお願いできる?」
エイリーク 「はい、分かりました」
ターナ 「ごめんね、友達にこんなこと……」
エイリーク 「いいえ、今のわたしはあなたに雇われた身ですもの」
ターナ 「それはそうだけど……ま、いっか。じゃ、お願いね」
エイリーク 「ふふっ……かしこまりました、ご主人様」
ヒーニアス ( ご 主 人 様 だ と ! ? )
耳慣れぬ言葉に衝撃を受けて立ち尽くすヒーニアスの前で、エイリークは形のいい礼を一つ残してしずしずと部屋を出て行った。
ターナ 「……お兄様? ヒーニアスお兄様ったら!」
ヒーニアス 「はっ……いかん、あまりの衝撃に我を忘れてしまった。私としたことが」
ターナ 「何ていうか、すごく予想通りの反応だわ……」
ヒーニアス 「ターナ、これは一体どういうことだ? 彼女を雇った、などと……」
ターナ 「冗談でも比喩表現でもないわ。別に演劇の練習をしてるって訳でもないし。
読んで字の如く、エイリークはこの屋敷でメイドさんとして働くことになったの」
ヒーニアス 「何故そのような素晴らしい、いや常軌を逸した事態に……!」
ターナ 「実は、エイリークが家計を助けるために自分もバイトしたいって言い出して」
ヒーニアス 「家計……ふっ、そうだったな、彼女の家は貧困に喘いでいるのだったな。
全く、私と婚約しさえすれば、そのような苦労など一瞬で」
ターナ 「あー、はいはい、そういうのはどうでもいいから。
それで、バイトって言ってもエイリークって結構世間知らずなところあるでしょ?
いつの間にか変なところで働かされてました、なんてことになったら大変じゃない。
それで、エフラムとか、ご兄弟の皆さんに頼まれて、家でアルバイトのメイドさんとして
働いてもらうことになったの。エイリーク、他にも部活とか習い事とかいろいろあるから、
あんまり気疲れするようなところで働くっていうのも可哀想だし」
ヒーニアス 「……ターナよ」
ターナ 「なに?」
ヒーニアス 「兄は恥ずかしいぞ、友人を金で縛り付けるような真似を……」
ターナ 「……と言いつつ、この私の手を握ってぶんぶん上下に振ってるお兄様の手はなに?」
ヒーニアス 「でかしたぞターナ!」
ターナ 「いや、正直になられても困るけど」
ヒーニアス 「そうか、ということは、彼女は正真正銘我がフレリア家のメイドという訳か!
ご主人様、ご主人様か。悪くない、ヒーニアス様という呼び方も
非常に耳障りが良かったが、こちらはそれを遥かに超える心地よい響きだ!」
ターナ 「それはようございましたね」
ヒーニアス 「さて、そうと決まれば早速彼女に役目を与えねばなるまい。
ふむ、まずは何をしてもらおうか。そうだな、わたしの弓の訓練に付き合ってもらい、
『まあご主人様、素晴らしい腕前です』と賞賛させた後冷たい飲み物を運ばせ
『君もこちらへ座るといい』『いけませんそんな、身分違いです』と
映画のようなやり取りを存分に楽しんだ後部屋で……」
ターナ 「……盛り上がってるところ悪いんだけど」
ヒーニアス 「どうした妹よ」
ターナ 「それ、無理だから」
ヒーニアス 「……何が?」
ターナ 「その妄想、全部。ほら、エイリークを雇ったの、わたしだし。
もちろんお金は家から出るけど、エイリークの『ご主人様』って、わたしだけだから。
要するに、メイドのエイリークさんに頼みごとが出来るのは、わたしだけってこと」
ヒーニアス 「な、なに!? 馬鹿な、そんなことが許されるはずが……!」
ターナ 「許すも何も、雇ったのわたしだし」
ヒーニアス 「……ならば何故彼女をわたしの部屋の掃除になど寄越したのだ!?」
ターナ 「だって、後でエイリークのこと見つけたら絶対大騒ぎするでしょお兄様。
下手したら勝手にどっか連れて行っちゃうかもしれないし」
ヒーニアス 「ぐ……」
ターナ 「大体ね、さっきエイリークも言ってたけど、これはアルバイトなの。
ヒーニアスお兄様の個人的な欲望に付き合った挙句にお金もらいました、じゃ、
真面目なエイリークが納得しないでしょ。彼女には普通のメイドとして働いてもらいますからね」
ヒーニアス 「ま、待てターナ、わたしの話を……」
エイリーク 「ター……いえ、ご主人様、お部屋の掃除が終わりました」
ターナ 「わあ、さっすがエイリーク、仕事が早い!」
エイリーク 「それで、次は何を……」
ターナ 「んー、それについては、わたしの部屋でゆっくり話しましょ」
エイリーク 「かしこまりました、ご主人様。ではヒーニアス様、ごきげんよう」
ヒーニアス 「ちょ、待っ……!」
手を伸ばすヒーニアスの前で、扉はゆっくりと閉ざされる。
ヒーニアス 「エイリークゥゥゥゥゥゥッ! わたしのこともご主人様と呼んでくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
ヒーニアスの切なる叫びは、皮肉にも彼の部屋が完全防音だったために、廊下を歩くエイリークに届くことはなかったという。
<おしまい?>
Vol.17蛇足 メイドなお前
一方その頃、同町内中央部、竜王家。
ユリウス 「ふあぁぁぁぁぁ……やっぱ、休みの日はこの時間まで寝ているに限る……ん?」
??? 「ふーん、ふーんふんふーんふーん♪(FEのテーマ)」
ユリウス (おっ、あの楽しげにはたきをかけてるメイド……僕の好みのタイプだ!
長く艶やかな青い髪、優しそうな瞳に明るい笑顔……いいね、実にいい!
知らない子だなあ、新しく入ったのかなあ。よし、ここはさり気なく声をかけて)
??? 「あ」
ユリウス (こっち向いた! やべー、正面から見るとますます可愛いよ。
でも何だろう。って言うか、この子、どっかで見たことあるような……)
??? 「おはようございます、ご主人様」
ユリウス (おお、言いなれてない感じの『ご主人様』、いいねえ、初々しくて実にいい感じだよ)
??? 「あの……?」
ユリウス 「ああ、ごめんごめん、初めて見る顔だね、最近入った子?」
??? 「クスクス……何を仰るんですかご主人様ったら、毎日のように顔を合わせているじゃありませんか」
ユリウス 「え……そ、そうだっけ?」
??? 「はい。わたしも、ご主人様のこと、よく知っていますよ。
格好よくて優しくて、とても頼りになる男の子……」
ユリウス 「ははは、そんなに褒められると照れちゃうなあ……ところで、君の名前は?」
??? 「はい、わたし、セリスと申します」
ユリウス 「ふーん、セリスねセリス、いい名前だなあ、セリス、セリス、セリ……ス……?」
??? (にこにこ)
ユリウス 「なんじゃそりゃーっ!?」
セリス 「わあ、びっくりした」
ユリウス 「びっくりした、じゃない! お前はこんなとこで何やってんだ!?」
セリス 「あはは、驚いた、ユリウス? 今まで気付かなかったんだ。
やっぱり、服が変わってるせいかな。あ、それに、髪も下ろしてるし」
ユリウス 「気づく訳ないだろ! お前、その服は何なんだよ!」
セリス 「ああ、メイドさんの服のこと? 貸してもらったんだよ。ね、似合う?」
言いつつ、セリスはその場で軽やかに一回転する。ふわりと踊るスカートに、ユリウスは歯噛みした。
ユリウス 「ああ似合うとも、嫌になるぐらいにな」
セリス 「本当? 良かったぁ」
ユリウス 「良くないよ! と言うか、お前、自分の格好に何の疑問も持ってないのか!?」
セリス 「疑問って?」
ユリウス 「なんで男のお前が平気な顔してメイド服着てるのかってことだよ!」
セリス 「あれ、やっぱり似合ってない?」
ユリウス 「似合ってるからこそ問題なんだろ!」
セリス 「うーん……ユリウスの言ってること、よく分からないよ。
僕、昔はずっと女の子の服だったし。その頃は変だって言わなかったよね、ユリウス」
ユリウス (そりゃそうだ、会ったばっかの頃はお前のこと女の子だと思ってたからな……)
セリス 「どうしたの?」
ユリウス 「何でもないよ……って言うか、少しは恥ずかしがってくれ、頼むから」
セリス 「? どうして?」
ユリウス 「……なあセリス。お前、男なんだろ?」
セリス 「もちろんだよ。どうしたの、急に」
ユリウス 「男のお前が女の服を着るって、おかしいと思わないか?」
セリス 「でも、似合ってるって……」
ユリウス 「いやだからな、そういう問題じゃ……」
ユリア 「まあ、何をなさってるんですか、ユリウス兄様」
ユリウス 「あ、ユリア、聞いてくれよ、この馬鹿が……
ああ、この馬鹿ってのは、ここで平然とメイド服着こなしてる野朗のことなんだけど」
セリス 「あ、ご主人様、この辺の掃除終わりました」
ユリア 「はい、ありがとうございます。では、次は炊事場に行ってイドゥン姉様のお手伝いをお願いします」
セリス 「かしこまりました、ご主人様。それじゃ、またねユリウス」
ユリウス 「……どういうこと?」
ユリア 「わたしがお雇いしたのです」
ユリウス 「セリスを?」
ユリア 「はい。セリス様が、自分も何とか家計を助けたいと仰っていましたので。
でも、セリス様はユリウス兄様なんかを尊敬してることからも分かるように、人を見る目がありません」
ユリウス 「ちょ、『なんか』ってひどくない? ひどすぎない?」
ユリア 「いえ、極めて正当な評価です。それで、そんなセリス様が悪い人に騙されたら大変だと思ったのです。
悪い人に捕まっていかがわしいビデオに出演させられた挙句、
太った変態貴族に『美しい』とか『わたしの小鳥ちゃん』だとか連呼されるセリス様……そんなの耐えられません」
ユリウス 「……僕としてはそうなった方がむしろこうつご」
ユリア 「お兄様?」
ユリウス 「あ、いえ、なんでもないです……」
ユリア 「ですから、我が家で雇って差し上げたのです。
もちろん、あの服を着せてさしあげたのもわたし……」
ユリウス 「……なんで?」
ユリア 「もちろん、凄く似合うからです。ああメイドのセリス様、とっても可愛らしい(うっとり)」
ユリウス 「……僕としては、ユリアが着てくれた方が百倍嬉しいんだけどなあ……」
ユリア 「まあ、妹にそんなことをしようだなんて、お兄様はやはり変態だったのですか」
ユリウス 「違うよ! やはりとか言うなよ! っつーか、変態って言うならあいつだろ、セリス!
せめてメイド服なんか着せられて無茶苦茶嫌がる、とかだったらこっちもやりようがあったのに……!」
ユリア 「何をするにも笑顔笑顔のセリス様……ああ、なんてお心の広い……」
ユリウス 「そういう問題じゃないってば」
ユリア 「……口説こうとしてたくせに」
ユリウス 「ぐっ」
ユリア 「ユリウス兄様だって、あのお姿のセリス様のことを可愛らしいと思ったのでしょう?」
ユリウス 「……百歩譲ってそれは認めるとしても……」
ユリア 「とにかく、セリス様はこの家でメイドとして働くことになったのです。
当然ながら雇い主はわたしですので、いぢめたりしたらどうなるか……」
ユリウス 「わ、分かった、分かってるからナーガの魔導書ちらつかせないでよ!」
ユリア 「さすがお兄様、物分りがよろしくて助かりますわ」
ユリウス 「ぐぐぐ……!? な、なんだ、この殺気……!?」
ラナ 「ユリアァァァァァァァッ!」
ユリア 「……ッ! 出ましたね、ラナオウ!」
ユリウス 「ま、またこいつか……! セリスが絡むとどこからともなくリワープしてきやがって!」
ラナ 「メイドなセリス様を独り占めしようだなんて、言語道断!」
ユリア 「それはこちらの台詞! あなたなんかに、メイドなセリス様は渡しません!」
ユリウス 「いや、ちょ、二人とも落ち着い……」
二人 「くたばれやコラァァァァァッ!」
ユリウス 「ギャァァァァァァァァッ!」
とまあこのように、竜虎ならぬ竜羊の戦いで竜王家の屋敷が半壊してしまったので、
セリスのアルバイトは初日で中断されることとなったそうな。
<おしまい>
オリヴァー様も町の住人なのかwwww
いまいちだな
上の方の、盆栽サークルベグニオン元老院が、なんかツボったw
ガキのころの青髪やんちゃ共の所行による敵対関係だったら、
むしろ彼らは被害者なのか?w
Vol.18 ティーパーティ
〜とある休日、午後三時〜
リーフ 「ただいまー……な、なんだ、この居間から漂ってくるかぐわしき芳香は……!?
クッ、僕の体が拒絶反応を起こす……! この香りは、僕とは縁遠い上流階級の香り!」
エリンシア「あら、お帰りなさいリーフちゃん」
エリウッド「今日は珍しく走り回ってたんだな、リーフ」
リーフ 「うわ、何故か我が家の台所でティーパーティの真っ最中……!」
エイリーク「ラーチェルが旅行の土産ということで紅茶の葉をくださったので、淹れてみました」
リーフ 「こ、紅茶ですか……」
セリカ 「リーフ兄さんもいかが?」
セリス 「お菓子もあるんだよ、ほら」
リーフ 「……お菓子といえば真っ先にうまい棒とベビースターラーメンが浮かぶ庶民派なこの僕に、
そんなスコーンやらマドレーヌやらを見せられても」
ミカヤ 「……いい香り……日々の疲れが癒されるわ……」
リーフ 「ああ、ミカヤ姉さんが深窓の令嬢のような気配を発している……!
そうか、普段はネタキャラだけど外見は神秘的な美少女だから、
こういう雰囲気が物凄く似合うんだな……!」
エリウッド「……うん、さすがに名門貴族のご息女が選んだだけあって、いい葉だな。
とても穏やかな気持ちになってくる、深く素晴らしい味わいだ」
リーフ 「普段は病弱なエリウッド兄さんまで、ここぞとばかりに王子様オーラを発している……!
恐ろしい、恐ろしすぎるよ、お茶会の魔力!」
エリンシア「そう言えば、お聞きになりました、皆さん?
リキア地区のハーケンさんとイサドラさん、とうとうご結婚なさるそうよ」
ミカヤ 「あ、そうなんだ。良かった、一度イサドラさんが不安がって占いに来てたのよ。
そのときの結果が、主婦を選ぶか尼を選ぶかの二択っていうよく分からない結果だったから」
エイリーク「では、勇気を持って伴侶と共に歩む道を選ばれたということですね」
セリス 「愛の力だね……きっと、いい結婚式になるだろうなあ」
セリカ 「結婚式、か……わたしはやっぱりミラの教会で……」
エリンシア「あらセリカちゃん。それ、相手はどなたになるのかしら?」
セリカ 「それはもちろん……」
ミカヤ 「ふふ、そんな風に頬を染めてると、またシグルドが怒り狂うわよ」
うふふふ、あははは、おほほほ……
リーフ (だ……駄目だ! この溢れ出さんばかりの王侯貴族オーラ、とても耐えられない!
どうしてウチの女衆はこうも高貴なお嬢様オーラを発する人たちばかりなんだ……!
そして、王子様なエリウッド兄さんはともかく、このヲトメチックな空気に違和感なく
溶け込んでいるセリスが恐ろしすぎる……!)
エイリーク「さあ、リーフもどうぞこちらへ掛けて下さい」
エリンシア「皆でお茶会を楽しみましょう」
リーフ 「い、いや……僕は、遠慮しておきますっ!」
リーフは華やかなキッチンからダッシュで逃げ出した。
リーフ 「全く……あんなところにいたら何か自分が悲しくなっちゃうよ、僕は……
ん、なんだろう、縁側の方から賑やかな声が……」
ヘクトル 「ようリーフ、お前もこっちに来たのか」
リーフ 「あ、ヘクトル兄さん。お前も、ってことは……」
エフラム 「当然俺もこちら側だ。とりあえず適当に座れ」
ヘクトル 「でよ、荷物運びにしちゃずいぶん割がいいんだぜ、そのバイト」
エフラム 「いや、それよりも魔物退治だろう。少々危険だが、金も稼げて腕も磨けて、一石二鳥だぞ」
リーフ 「ああ、いいなあ、この雑多な雰囲気……! やっと家に帰ってきた気分になれた」
ロイ 「(パリパリ)やっぱりポテチは薄塩だよねマルス兄さん」
マルス 「(パリパリ)そうだね、まさに駄菓子の王道、ポテチのスターロードだよこれは」
シグルド 「(ズズーッ)うむ、やはり会社員たるもの質素倹約を尊ぶべきだな」
アイク 「(ズズーッ)そうだな、甘ったるいものなど飲んでられん」
アルム 「(ズズーッ)まあ、このお茶はちょっと薄すぎる気がするけどね」
リーフ 「あ、なんだか和む香り……僕にも一杯ちょうだい」
アイク 「うむ(こぽこぽ)ほれ」
リーフ 「ああ、いいなあ、このいかにも量産品って感じのする、安っぽい湯のみ!
そしてこの(ズズーッ)安い茶っ葉が極限まで薄まりきった、出涸らしと呼ぶのも恥ずかしい、
ほとんどお湯同然のお茶! いやあ、これでこそ貧しいながらも楽しい我が家だよ。
この貧乏臭さ、もうたまんないね!」
ヘクトル 「ははは、聞いてて悲しくなること言ってんじゃねえよこいつ」
エフラム 「だが、事実ではあるな。エイリークには悪いが、ああいう趣向はどうも馴染めん」
ロイ 「そうだよねえ。どうも、僕はああいう雰囲気って苦手だよ、緊張するから」
マルス 「ま、溶け込もうと思えば出来なくもないけど、疲れるからね」
シグルド 「まだ年若いとは言え、レディが中心の集まりだ。
わたしたちのような武骨な男が混じって、雰囲気を壊す訳にはいかん」
アイク 「同感だな。どうも、ああいう場所は場違いだ。
こうして寂しい庭の風景でも眺めながら、薄い茶を飲む方がよほどいい」
アルム 「……できればセリカと一緒にいたかったけど、なんか馴染めないんだよねあそこ……」
シグルド 「はははは、アルムは村人のように素朴で実直な気質だからな!
高い紅茶など飲むよりは、こうして茶をすすっているのが似合うぞ、うん。
セリカとはまさに正反対だな、うん」
リーフ 「セリカとアルムが離れてるからってテンション高すぎだよシグルド兄さん……
あー、でもやっぱ落ち着くなあ、この空気。
自分が貧乏臭いと自覚せざるを得ないよ、あのヲトメ空間を見たあとだと。
それにしても、我が家のお姉様方はどうしてああ揃いも揃って上品なオーラを身につけて……ん?」
リン 「……(ボリボリ)」
リーフ 「……」
リン 「……(ズズーッ)」
リーフ 「……煎餅とお茶がすごくよく似合うね、リン姉さんは……」
マルス 「はははは、自分がお上品なお茶会に溶け込めなかったからって、いじけないでくださいよリン姉さん」
リン 「うるさいわね! (ボリボリ)なにが紅茶よ全く、日本人ならお茶に煎餅、これ基本でしょうが。
ふんだ、いいもん、どうせあたしなんか姉さんたちの爪ほどの気品もない粗忽者だもんね……」
リーフ 「うわぁ、本格的にいじけ始めたよリン姉さん」
マルス 「ははは、リン姉さんはこの家族の女性方の中で一番貧乏臭いからね!
全く、そろそろセリスと性別を交換するべきもがぁっ!?」
リン 「やかましいのよあんたは! 喋ってる暇があったら煎餅でも喰らえ、この、このっ!」
マルス 「もがっもがっ、もががっ(ちょ、姉さん、そんなに入りませんって!)」
リーフ 「(ズズーッ)……はーっ、落ち着く……エリンシア姉さんたちには悪いけど、
やっぱりこのノリが我が家のスタンダードだよねえ……」
リン 「おら、入らないんなら薄まりきったお茶で流し込むのよこの野朗!」
マルス 「もがーっ!(和んでないで助けてよリーフ!)」
<おしまい>
259 :
晩飯:2007/05/30(水) 21:34:07 ID:pb7prjCO
リーフの貧乏臭さは異常。
ヘタレリーフには納得できない人も、彼が全体的に泥臭いとか土臭いとか
貧乏臭いとかには同意してくれるはずだ!
個人的には、彼の泥臭さはアイク以上ではないかと思う。
トラキアでの追いはぎぶりもさることながら、聖戦での顔グラの色合いが渋すぎる。
平民プレイでも違和感ないッスよあんた。
260 :
助けて!名無しさん!:2007/05/30(水) 22:21:20 ID:wAQ6enpO
良スレAGE
ミルラ 「お兄ちゃん・・・・・お風呂に入る良いアイデアを・・・お姉ちゃんから教えて貰いました」
エフラム 「ん?どういう事だ、ミルラ」
ミルラ 「水着・・・着たら解決だそうです」
エフラム 「確かに温いプールと思えばそれで解決するだろうが・・・普通にプール行く方がいいんじゃないか?これから暑くなるしな」
ミルラ 「・・・・・はい、その方が良さそうです」
リン 「あそこまで慕われてるなら十分フラグよね、ミルラちゃんが大きくなるかがネックでしょうけど」
ルーテ 「お風呂の方が更にフラグ立ちそうですけどね。こんな感じに」(カキカキ)
リン 「ちょっ!そんなお子様向けじゃない展開は却下!せめて歳相応にしなさいよ!」
ヘクトル 「そういう問題か?エフラムの兄貴に邪が1mm足りともないから安心だけどな」
リーフ 「これが某鬼畜王子なら何をする事やら・・・幼女にすら容赦無しだろうし」
マルス 「これが某平民王子ならハーレムプレイにロリコンな追加シナリオが入るんだろうな」
リーフ マルス 「・・・・・・・・・」(ビキビキ)(・ω・#)(#・ω・)(ビキビキ)
ルーテ 「残虐ファイトが始まりましたね、二人共良い動きしてますね」
エリウッド 「あぁ、フローリングに傷が。胃が・・・アイク兄さんに修理お願いしないと」
エリンシア 「今日も元気でいい事ですわ。はい、紅茶ですよ。ルーテちゃん」
ルーテ 「なんだか擽ったい呼ばれ方ですけど・・・いただきます」
混浴編なんて書いたら凄くフランツになりそうなので自粛、悪気無しで身体洗っt(ターン!)
ロイは兄弟の仲では一番良心的なんだろうな。
専用武器も不殺が可能な封印の剣だし、ラスボスを殺さずに終わらせられるし
ただし、女性関係は恋人候補が兄弟一多そうで大変そうだ
ただ、今の所ここでは出番が少なめなのが残念だ。
兄弟でも一番人の良いのを心配した襟樹が知人のマーカス辺りに面倒を頼んでたりとか、ネタはあるのにな〜
・・・自分でかけないのが辛いぜ
神竜族は童顔or子供ばかりか?大人のお姉さんがホシス
複数キャラに言い寄られないのはシグルドだけか、ディアドラ様々だな
と言うか神竜以外の竜族系でも大人の女性ってイナとイドゥンしかいない気も……ニニアンは大人って言うには若干見た目の年齢が低いし。
いっそチェイニーが化けたチキでw
〜とある平日〜
シグルド 「あ、そうだ皆、来週の週末、ちょっと友人達が遊びに来るから」
ミカヤ 「え、本当? わたしもサザとニケさんたち呼んでるんだけど」
エリンシア 「あら、私もジョフレとルキノを招待していて……」
アイク 「……工務店の皆が来ると言っていたんだが……」
ヘクトル 「マジか? セーラやマシューたちが来るとか言ってたぜ」
エフラム 「……実はフォルデにカイルにデュッセルに……他にも何人か……」
エイリーク 「あの、私もターナとラーチェルとリオンを誘っていまして……」
エリウッド 「困ったな、ニニアンにニルス、フィオーラやロウエン……皆に日頃のお礼をしようと思って誘ってたのに」
リン 「あー、実はキアラン家のハウゼンさんにケントとかセインとか、あとフロリーナも来るって……」
マルス 「おや、実は僕もシーダとマリク相手に王様ゲームでもしようと思っていたところで……」
リーフ 「……誘ってもいないのにナンナとミランダとサラが僕を笑いに来るんだよ……」
セリカ 「困ったわアルム、実は教会の友達が遊びに来たいって言ってて」
アルム 「うん、僕も農家の友達が皆で騒ぎたいって言うから、家なら大丈夫って言っちゃったんだけど」
セリス 「わあ、大変だ。僕もね、友達の女の子達と一緒に料理作って、友達の男の子達に食べてもらおうかなって」
ロイ 「うーん、リリーナやシャニーたちが僕の家を見たいって言うから、皆まとめて誘ってたんだけど……」
全員 「……」
ミカヤ 「……まずいわね、これは」
リン 「まさか、こうも予定が重なるだなんて……」
エリンシア 「我が家の交友関係の広さが窺い知れますわ……」
エフラム 「仇敵も多いが友人も多いからな」
マルス 「おそらく、呼んでいない人たちも面白半分についてくるだろうし」
エリウッド 「……あんな濃い面子が一同に介したら、一体どんな騒ぎになるか……ああ、胃が痛い」
リーフ 「……あのさ、皆で一緒に逃げない?」
シグルド 「いや、それはいかん。せっかくきてくれた友人をもてなさないなど、道義に反する」
セリス 「そうだよね。それに、僕も皆が来てくれるの楽しみだったし」
エイリーク 「でも、このままでは明らかに家に入りきらないのも事実です」
ロイ 「困ったなあ、どうしたらいいんだろう」
全員 「うーむ」
ミカヤ? 「そんなときは、このわたしにお任せよっ!」
ロイ 「うわ、ビックリした!」
リーフ 「どうしたのミカヤ姉さん……じゃないか、この雰囲気は」
セリカ 「……出たわね、邪神!」
アルム 「セ、セリカ、落ち着いて」
ユンヌ 「ぶーっ! セリカちゃん、その反応ひどーい!
せっかく、わたしが皆のお友達を招待できるようにしてあげようと思ってたのに!」
アイク 「……つまり、全員は入れるようにするということか?」
ヘクトル 「おいおい、そりゃ無理だろ。いくらなんでも、こんな狭い土地に百人も二百人も入る訳が」
ユンヌ 「ふふん、それなら広くすればいいだけじゃない?」
リーフ 「……って、まさかご近所さんを消し飛ばして広い土地確保! とか言わないよね?」
ユンヌ 「……いや、それはさすがに……っていうか、皆わたしを何だと思ってるの?」
セリカ 「邪神でしょ」
アルム 「いや、だからセリカ……」
ユンヌ 「あー、もう! だったら見てなさいよ、わたしがどうするか!」
叫びながら庭に駆け下りたユンヌが、長い魔法を詠唱して解き放つ。
するとまあ、なんということでしょう。今まで狭苦しかった兄弟一家の庭が、ちょっとした公園ほどの広さになったではありませんか!
リーフ 「劇的すぎるよ!」
エリウッド 「ああ、我が家の塀があんなに遠く……!」
ロイ 「い、一体どうなってるの!?」
ユンヌ 「簡単なことよ。世界中のあちこちの空間をちょっとずつ切り取って集めて、この家に集めたの」
アイク 「……どういうことだ?」
ユンヌ 「んー、まあ要するに、この家の庭はやたらと広くなったけど、
他の場所には何の影響も出てないから心配しないでねってこと」
リン 「相変わらず無茶するわね……」
ユンヌ 「これでお友達皆呼べるでしょ?」
セリス 「凄いよユンヌさん、これならもっと人数増やしても大丈夫だね」
ロイ 「もういっそのこと、パーティにでもしちゃった方がいいのかもね」
ヘクトル 「お、そりゃいいな。いっちょ馬鹿騒ぎといくか」
マルス 「ふむ。それじゃ、友人に頼んで大々的に宣伝してもらうとしましょうか」
セリス 「あ、じゃあ僕ポスターとか書くよ! 名前は『紋章大宴会』とかでどうかな」
エリンシア 「そんなに人が集まるのなら、今の内に料理の支度をしておかないと」
リン 「家の中も片付けておかなくちゃね……」
ロイ 「トイレとかどうしよう? ベンチとか椅子とかテーブルとかも必要だよね」
アイク 「任せろ、必要な分だけ増設してみせる」
マルス 「いろいろと連絡もしておかないと」
シグルド 「よし、では各自役割分担を決めて迅速に動くとしようか」
エリウッド 「皆、適応能力高すぎだよ……」
ユンヌ 「まあまあ、エリウッドちゃんも、心配ばっかりしてないで状況を楽しみましょうよ。
アスタルテ姉さんに頼んでこの家の周りに結界張っておいてもらうから、魔法乱れ飛ぶ騒ぎになっても近所には被害が出ないわよ」
エリウッド 「いや、どっちかと言うと結界が必要になる時点でもう胃が痛くなってくるんですが……」
ユンヌ 「細かいことは気にしない。うふふ、ああ、どれほど混沌としたパーティになるか。もう楽しみで楽しみでしょうがないわ……!」
エリウッド 「……」
ロイ 「エリウッド兄さん、胃薬はいつもより多目に用意しておくからね」
エリウッド 「……すまないね、ロイ」
ユンヌ (ふふっ、このユンヌにかかれば、天候も季節感も思いのまま!
晴天荒天春夏秋冬、ありとあらゆる環境を取り揃え、最高に盛り上がるパーティにしてみせるわ!)
ミカヤ (なかなか大変な騒ぎになりそうね、これは。
特にユンヌが暴走しないように、目を光らせておかないと……)
シグルド (ふむ……これだけ広いところを準備するのも大変だな。
どれ、知り合いに声をかけて、手伝ってもらえないか頼んでみようか)
エリンシア (せっかくのパーティだから、飾りつけも華やかにしておかないといけないわね)
エイリーク (たくさんの人が来るのなら、料理の品目も多くしておかないと。
ラーチェルやターナに相談すれば、食材の手配を手伝ってもらえるかしら)
アイク (庭が広くなったのなら、ステージでも増設しておいた方が面白いかもしれんな。
週末までまだ何日かある。セネリオや工務店のみんなに、いろいろと相談してみるか)
エリウッド (とりあえず、安全対策だけはしっかりしておかないと……
いっそ、友達に頼んでガードマンでもやってもらった方がいいかもしれないな)
リン (馬や竜で来る人たちもいるだろうから、厩も作っておいた方がいいかも……)
ロイ (他にもいろいろ必要なものはありそうだなあ。
今の内に、シャニーやスーに頼んで買出し手伝ってもらおうかな)
セリカ (気分が悪くなる人も出るかもしれないから、その辺りの対策もしっかりしておかないと)
アルム (あんまり関係ない人たちも集まってくるかもしれないけど、
その辺りはこっちで気をつけるしかないかな。あんまり堅苦しいのも嫌だし)
リーフ (これだけ人が集まるパーティだ、うまくやれば大儲けの道が開けなくもないな……
そうだ、いっそ会場の隅っこでバザーでもやってみるのはどうだろう?
これだけ広いんだから、そういうことしてもきっと大丈夫だよね)
マルス (各界にパイプを作るのには好都合な状況かもね)
エフラム (新たな強者をめぐり合えるかもしれんな)
ヘクトル (いっそのこと格闘大会とか、イベントも企画してみるか。
なにせこれだけの規模の祭りだ、パーッとやらねえとな)
セリス (楽しみだなあ、新しい友達もできるかもしれないし)
とまあ、このように様々な思いが渦巻く中、兄弟一家の家からはしばらくの間、絶えることなく騒がしい声が響いていたのでありました。
そして日々は過ぎ、次の週の土曜日。空は晴れ上がり、遠くの方から続々と人々の声が聞こえ始めます。
楽しく賑やかでありながら混沌とした狂乱の祭典、「紋章大宴会」の幕が上がったのでありました――。
267 :
晩飯:2007/05/31(木) 22:44:49 ID:pbCf6E5v
>>262氏みたいに、
「ネタはあるけど……」って人も多いのかなあ、と思ったので、
試しにどんなキャラが登場してもおかしくない状況を考えてみました。
「無茶苦茶広くなった兄弟の家で混沌としたパーティを開きます」ってことで。
これなら、FEに出てくるどんなキャラがどんな理由で主人公家を訪れてもおかしくはない、はず。
準備風景だろうがフィナーレだろうが、状況はどんなでもいいから自由に書いてみるってのはどうでしょ?
便乗大歓迎。むしろ誰も便乗してくれなかったら泣く。
>>264 考えてみればユリアの血縁なんだし、
ディアドラも竜王さん家に入れてもいいかも、と思った。
だんだんセリカが「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」に見えてくる
270 :
助けて!名無しさん!:2007/05/31(木) 23:31:10 ID:U2KlAQaZ
ディアドラはナーガに目覚めてないから微妙な線だな…ロプトの血も入ってるし
おお、これは面白そうだ。ネタおもいついたら便乗させてもらうよ
272 :
助けて!名無しさん!:2007/05/31(木) 23:37:15 ID:Z25T7DLI
>>262 ロイは良心的なのと運の強さは兄弟一だろうな
歴代主役でこの子だけは国がほろびるのも親の死に目にあわないという経歴の持ち主
加えてスマブラとFE漫画にすべりこみセーフ
ちょっと前に話題があったけど本当に人助けしたら実は金持ちの令嬢でしたってオチがつくんだろうなぁ
リーフやマルスはそこに目をつけそう
273 :
晩飯:2007/06/01(金) 00:06:28 ID:FGkYlciV
>>271 おお、どうも。ネタを思いついたら是非ともお気軽にどうぞ。
全然関係ない話ですが、最近のスレの流れを見る限り、
どうも自分、一人で張り切りすぎて空回りしてしまっていたようで……
よくよく考えたら、一人がこうも連続でネタ投下してたら、雰囲気的に他の人が雑談しにくいですよね。
ちょうど弾も無くなってきた感じですので、これからは投下ペースを落とそうかと思います。
三日に一ネタぐらいなら、他の人の邪魔にはなりませんかね?
ヘタレリーフや乙女セリス辺りは好き嫌いが分かれるようですので、
連続で読まされて不快だった方もいらっしゃるかと思います。大変申し訳ありませんでした。
これからもネタの方向性を変えるつもりはありませんが、頻度は落としますのでどうかご容赦をば。
……なんか今まさに思い込みで空回りしているような気がしないでもないですが、そんなこんなでこれからもよろしく。
乙女セリスは苦手だな。初期段階で女性案があったところからきてるのかな?
女装やらはともかく、本人があんまりいやがってないのがなんかな…。
つうかむしろもう自分のサイトでやったらどうだw
個人的にセリス一番のネタは、
実妹相手に「愛してしまったようじゃ」なんだけどなー。
このスレ的設定だと他人だから、ネタにもならん。
一応、「学年一番のアイドル」として男どもの支持を一身に集めてる
&女子からも(男としてでなく)物凄く親しまれてる、
という感じから、なんか間違った生徒会長になってそうなキャラだけど……。
自分のセリスイメージも似たような物だな。 ネタ分かる人には
>>49 の奴の共学verといった方が早そう。
エイリークにも言えそうだけどああいうタイプは両性に親しまれたり慕われてるイメージがどうしても先行する
あと余談だけど個人的に強運度合いは
ロイ>アイク=セリス=エイリーク=マルス>エリンシア=ミカヤ=エフラム=アルム=セリカ>リン=ヘクトル=エリウッド>シグルド>リーフ
かな。
リーフは貧乏くじ引きまくり、シグルドはほぼ本編イメージ。
襟は家族の尻拭いさせられまくりでリーフとは別の貧乏くじ引いてそう
ロイは本編とかの境遇もそうだけど純粋さのある奴ほど運強そうとか言う個人的主観から
エイリークとセリスも同様かな。アイクはなんつーか・・・豪快だから悪い事も気にしないで結果的に良い方に転びそうな。
逆にヘクトルは悪い方に転がりやすそう。エフラムは中間。
マルスは生まれつきの強運を自らの策略癖で微妙に遮ってそう
他はイメージが浮かばなかったからとりあえず真ん中だけど、リンだけちょいと下。
リンはなんか本編だと微妙に不遇な扱いだったからかな?
長文スマン
277 :
助けて!名無しさん!:2007/06/01(金) 07:43:32 ID:z+TACFFg
悲劇の主人公シグルドよりも運のないリーフってWWW
確かにロイは不幸な境遇にはいないなー
そもそも聖戦と封印では話の重さが違うが
そうだな。嫁さん寝とられるみたいな重い話は封印にはないな!
そのせいか封印から入った俺は烈火のベルン王宮とか
デブ剣で嫁ぶった切る襟とかの重い話に違和感感じたな。
280 :
助けて!名無しさん!:2007/06/01(金) 19:09:43 ID:/V1mvrPL
>>273 一日一回このスレに来るのは晩飯の人がSSが読みたいからだったのだから
そんなこと気にせずどんどん投下してほしいな
まぁ最近は晩飯の人ばかりでほかの人があまり投下しなくなったからねぇ
キャラがきまってきてみんな書きづらくなったのかな?
単純にネタが浮かばないと言っておく
晩飯の人のような、頑張っている職人さんがいることはありがたいことだから
読み手としては、これからも頑張ってほしいところ
自分はネタとしては、書いてみたいヤツがあるんだけど、面白く書けなさそうだし
そもそも、まともにネタ書いたことがないので躊躇しているとこって感じだ…
簡単に言うと、クラリーネとラーチェル、セーラあたりに振り回されるドロシーって感じなんだけど
そこにエイリークあたりを絡ませれないかなと…
283 :
助けて!名無しさん!:2007/06/02(土) 01:03:07 ID:xSBghgus
>>282そうやってネタを書き残すのもいいかと思う。
話はまたセリスに戻るが自分的には乙女キャラと言うより顔が可愛いから不本意ながらもエリンシア達に着せ替えられる…みたいな感じかなと
ミカヤ「追い込んだわ。もう逃げられないわよ」
エリンシア「うふふ今日はこのドレスにしようかしら、それともワンピース?」
セリス「ちょっ…姉さん達!…ってうわあああああ!!!」
こういうスレで晩飯の人のような恒常的?に書いてくれる職人さんは貴重です
自分も書きたいが最大のネックが 紋章・外伝・蒼炎・暁をやった事が無いという点。
これで実質主人公6人に制約が微妙にかかる
取り巻き情報も最低限しか無いからあまりネタに出来ん。マルスとエリンシアだけは取り巻き情報分かるから何とかなるが他はなぁ・・・・
まぁ自分の知ってる範囲でやれば良いんだけどね。
今考えてるのが烈火勢特にヘクトル周辺。フロリーナとフィオーラが来るならファリナも来るだろうからそれに絡めて書いて見たいんだよね
リーフと三人娘、エイリークと取り巻き男共+タナラチェ 辺りも書けそうだなぁ・・・・
最終手段は、かわk(ryみたいなサイトで会話集を読む、というもの。
自分で動かして得るイメージは無いからキャラの把握は不十分だろうけど、
脇役の台詞回しならそれでもいけると思う。
自分の場合、ロイ以下封印勢がそれ。
というか、烈火・聖魔のキャラも忘れてるから読み直して復習してたり。
トラキアや外伝も読んどかないと……。
リーフでネタが無いこともないし。(まあマルス視点だけど)
>>283 自分的セリスのイメージは、
女顔に若干コンプレックスがあるから女性と間違われるのは嫌がるけど、
「綺麗」「可愛い」など、誉められる(好意を寄せられる)のは嬉しいという、
微妙な葛藤のあるキャラみたいに思ってる。
外伝好きとしてはアルムを掘り起こしたいが、形になってくれない。
周りの人が部下だったり家臣だったりしがちな主人公たちのなかで
ごく普通な友人が複数いるというのは個性だとおもうんだけど……
封印しかやったことないが、
>>265に便乗して準備風景書いてみる。
ロイ 「さて、僕は何から手をつけたらいいのかな・・・」
リリーナ 「あ、ロイ、パーティを開くって聞いて来たんだけど」
ロイ 「本当? 助かるよ、じゃ、エリンシア姉さんの料理を手伝ってくれないかな」
シャニー 「ロイくーんっ!」
ロイ 「あ、シャニー。どうしたの、そんなに急いで」
シャニー 「えへへ、パーティやるって聞いてね。あたし、空からビラ撒いてあげようか?」
ロイ 「ああ、助かるよ、ありがとう」
スー 「・・・」
ロイ 「あれ、スー、どうしたの?」
スー 「・・・当日は、馬で来る人も多いと思うから・・・なだめるのは任せてほしい」
ソフィーヤ「あ・・・わたしも、ワープやレスキュー、レストでお役に立てると思います・・・」
ララム 「ララムが踊ってあげる〜! これで疲れても騒ぎとおせるわ!」
セシリア 「ロイ、こういうときは人の出入りが多くなるし、あれこれと書類も必要になるわ。
その辺りはわたしに任せてもらえれば、万事手配してみせるのだけど」
リーフ 「・・・なんか、凄いねロイ。真っ当にモテてる感じだよ」
マルス 「そうだねえ。ま、彼女らがどんなに一生懸命になっても」
ロイ 「うーん、皆手伝ってくれてありがたいなあ。いい友達ばっかりで、僕は凄く恵まれてるんだな」
マルス 「・・・本人が全然気づいてない辺り、ちょっと空回りだよね」
リーフ 「鈍いよねえ、ロイも」
あんま面白くないけど。
ぶっちゃけマルスもリーフも皆(ry
リーフ 「ボーレさん。僕を一人前の男に鍛えてください!」
ボーレ 「唐突にどうしたんだ?アイクの所の弟さんよ」
リーフ 「アイク兄さんから鍛練が足りないからいざという時に貧乏クジをひくんだと指摘されて・・・」
ボーレ 「ふむふむ、確かに自分の身に降りかかる火の粉を自力で払えたら回避できるわな」
リーフ 「で・・・指導してくれる最適な人にボーレさんを紹介してくれて、トウフダケドって語尾についてたけど」
ボーレ 「アイク・・・・・お前までそう言うか」
リーフ 「お願いします!」
ボーレ 「・・・よし!アイクの弟だからといって遠慮はしないからな!それと自分の事を僕なんていうんじゃない」
リーフ 「いけないんですか?」
ボーレ 「一人称は俺でいくんだ!良い男の第一歩だぜ」
マルス 「心配で様子見に来てみたけど・・・大丈夫なのかな?」
ロイ 「いつもいじめてるのに・・・・・マルス兄さん、それってツンデレ?」
マルス 「な!強くなったら色々困るからだし・・・勘違いしないでくれ」
まぁ、リーフが男らしくなんていうのが想像できない罠
そしてトウフな所だけ学んでしまったリーフ
パーティに忍び込んだイズカが実験のために食事に薬盛って,
それ食べたアイクが若返って蒼炎アイクになって,
兄弟全員「ア イ ク 兄 さ ん が あ ん な 細 い ? !」
暁でプレイヤーが受けた衝撃の逆みたいなのを考えたんだが
うまくネタが書けん・・・orz
よかったら誰か使って
……いや、兄弟として暮らしてんだから、
昔は細かったことは皆知ってるんでは。
だよなあ。
294 :
助けて!名無しさん!:2007/06/03(日) 16:19:05 ID:c6HBNBpE
アイクはいつからゴリラになったんだろう
アルバム見てる設定すりゃいいんだよ。
ミカヤ 「三年ぐらい前のアルバムが見つかったわ」
マルス 「あ、アイク兄さんが写ってる…って、細っ!!」
リン 「一緒にいたから気付かなかったけど、昔のアイク兄さんって結構美青年だったのよね」
セリス 「ショタだったオイフェがいきなりヒゲ生やした並に別人って感じだね」
ヘクトル「俺は今の兄貴の方が漢ってな感じがして好きだけどな」
エフラム「と言うより、今の兄上に見慣れてしまったせいか昔の兄上に違和感を感じる」
アイク 「何か色々言われてるな。ま、どうでもいいか」
ってな感じでやればいいんじゃね?
ちょっと便乗
リーフ「それに比べてエリウッド兄さん太ッッ!!」
へクトル「いや、普通の一般男子の体型だろ、しかし今は減量時の力石体型だな」
リン「あんたたちが苦労ばかりかけるから」
ロイ「そうだよ、今では主食が胃薬になってきてるし」
エリウッド「ただいまー、みんなどうしたの?」
へクトル「なにか食いたいものないかマリナス堂の焼き菓子買ってきてやろうか」
エフラム「ターナにもらった弁当があるんだが食うか」
マルス「命のオーブ貸してあげるよ、精巧な贋物をおいてあるからまずばれっこないし」
アイク「肉、食え」
エリウッド「ど、どうしたんだいみんな、またなにかやらかしたのか・・・
うううう胃、胃が・・・」
リン「とりあえずあんたらはなにもしないほうがいいわね」
Vol.19 幸福の形
ロイ 「はあ……」
エイリーク「? どうしたのですか、ロイ。何か、困ったことでも?」
ロイ 「あ、エイリーク姉さん……実は、この週末にオペラを見にいくことになっちゃって」
エイリーク「歌劇ですか。ロイがそういったものに興味を示すのは珍しいですね」
ロイ 「うーん……僕じゃないんだ。リリーナが、是非一緒に見に行こうって」
エイリーク「それで、断りきれなかったのですね」
ロイ 「うん。いつもいろいろと助けてもらってもいるから、申し訳なくて」
エイリーク「そうですか……でも、何故オペラに行くというだけで、そのように思い悩んでいるのですか?」
ロイ 「んー、なんか、眠っちゃいそうで……」
エイリーク「前日にしっかりと休養を取れば大丈夫ですよ」
ロイ 「いや、寝不足でっていう意味じゃなくて」
エイリーク「では、どういう……?」
ロイ 「その……何ていうか、退屈じゃないかなって」
エイリーク「? オペラというのは、大抵ある程度評価を得て今の時代にも残っている作品を上演していますから、
物語がつまらないということはまずないと思いますが……」
ロイ 「あー……いや、そういうことじゃなくて。なんか、凄く難しそうなイメージがあって。
ほら、理解できないものとか興味を惹かれないものとかだと、集中できないじゃない?」
エイリーク「……そういうものですか?」
ロイ 「うーん……まあ、エイリーク姉さんは理解力も高いし、
何にでも興味を持って接するから、分からないかもしれないけど。
リリーナも名家の娘さんだし、そういうの見慣れてるだろうから大丈夫なんだろうなあ。
自分を基準にして見ちゃって、僕がそういうのに疎いって分からなかったんだろうね」
エイリーク「……ロイ」
ロイ 「ん?」
エイリーク「つまり、内容が把握できれば、退屈に思わずに済むかもしれないのですね?」
ロイ 「うん、多分。そうすれば、隣でグーグー寝息立ててリリーナに恥をかかせることもないだろうし」
エイリーク「何という名前のオペラを見にいくのですか?」
ロイ 「え? えーと、なんだったかな。マカロフ……じゃなくて、えーと……」
エイリーク「マケロフとスティラ、ですか?」
ロイ 「あ、そうそう、それそれ……やっぱり知ってるんだね、姉さん」
エイリーク「ええ。テリウス時代、マーチャという女性の手記を基に書き起こされた喜劇です」
ロイ 「喜劇って……え、じゃあ真面目な話じゃなくて、笑える話なの?」
エイリーク「はい。ロイ、これから、時間はありますか?」
ロイ 「うん、大丈夫だけど」
エイリーク「それでは、予習しましょう」
ロイ 「予習?」
エイリーク「はい。ビデオを見て、あらかじめ内容を知っておけば、幾分か頭に入りやすくなると思いますよ」
ロイ 「ビデオって……ひょっとして、姉さん『マケロフとスティラ』のビデオ、持ってるの?」
エイリーク「はい。最も、歌劇の形式に則って古代語で上演された際の映像ですから、
訳はわたしが個人的につけたものとなりますが、予習には十分でしょう」
ロイ (って、姉さん古代語も分かるのか……凄いなあ、僕らと血が繋がってるとは思えない優秀ぶりだよ)
エイリーク「ロイ? どうかしましたか?」
ロイ 「あ、ううん、なんでもないよ。それじゃ、ご指導よろしくお願いします、姉さん」
エイリーク「はい。わたしもまだ未熟な身ではありますが、精一杯お手伝いしますね」
エフラム 「ふう……さて、そろそろ寝るか……? まだ居間に誰かいるな……」
エイリーク「という訳で、ここは……ああ、エフラム兄上」
エフラム 「……何を見てるんだ、二人とも?」
ロイ 「ちょっと、いろいろあってオペラのビデオを見てるんだ」
エフラム 「……そうなのか」
エイリーク「……兄上も、ご一緒にどうですか?」
エフラム 「隣でいびきをかいてもいいならな……おやすみだ、二人とも」
エイリーク「兄上! ……もう」
ロイ 「あはは……でも姉さん、普通はあんなものだと思うよ。
オペラだけじゃなくて、姉さんが好きなクラシック音楽とかもさ、
僕らみたいな普通人にとってはなんだか難しいものなんだよ」
エイリーク「まあロイ、それではわたしが普通ではないようですよ」
ロイ (……いや、十分普通じゃないと思うよ。普通よりずっと上だと思うよ)
エイリーク「ロイ?」
ロイ 「あ、ごめん。ええと、それで、どこまで話してたんだっけ」
エイリーク「この部分ですね」
と、エイリークが少し巻き戻してビデオを再生する。
ボロ屋の中で、赤毛の男が赤毛の女に何やら罵倒されている場面である。
その傍らでは、黒髪の美女がオロオロした顔でなんとか赤毛の女をなだめようとしていた。
が、台詞は全て古代語なので、当然ロイには中身が分からない。
ロイ 「……何を言っているのか全然分からないよ」
エイリーク「確かに、ロイの学年ではまだこのレベルの古代語を理解するのは難しいかもしれませんね」
ロイ (エイリーク姉さんの年なら誰も理解できるって訳でもないと思うけど)
エイリーク「ちなみにここは、マケロフが賭博の資金を作るべく、スティラの祖母の形見を持ち出そうとしたところに
妹のマーチャが現れて、兄のマケロフを責めている場面です。対訳は
『おおなんと酷い有様でしょう、この不実な男は、自らの欲望のために妻から何もかも奪い去ろうというのだわ』
『それは誤解だ妹よ、大丈夫、後で三倍にして返すから』
『その言葉どおりになったことがありますか、今この家には毛布の一枚すらないではありませんか。
兄さんのような男を、世間ではごく潰しというのです』
『まあマーチャさま、そのように仰ってはいけませんわ。
私の旦那様、マケロフさまはとても素晴らしいお方なのですよ』と、このように……」
ロイ 「……なんか、普通に現代でもありそうな話なんだね」
エイリーク「ふふ。社会の仕組みや技術がどれだけ改善されようとも、
人の心まではそう簡単には変わりませんからね。さ、続きを見ましょう……」
エイリークは一つ一つの場面ごとに映像を止め、そのシーンの意味ややり取りをロイに解説する。
『マケロフとスティラ』というのは、駄目男であるマケロフが、
妻であるスティラが寛容なのをいいことに、彼女が作るわずかなお金を放蕩で使い果たし、
そのたびに妹であるマーチャら、周囲の人間を怒らせたり、呆れさせたりするという物語である。
被害者であるスティラはマケロフが何をしてもニコニコ笑いながら幸せそうにしているので、
結局は周囲の人間達の取り越し苦労で騒動が終わるという結果になっている。
ロイ 「うーん、オペラって、なんかもっと難しい話なのかと思ってたよ。
これじゃ、まるっきり出来た女房と駄目な亭主って感じだよね。
なんか、昔の人たちが書く話って、もっと高尚なものなと思ってた」
エイリーク「ふふ。今も昔も、人間が面白がるものはあまり変わらないということなのかもしれませんね」
ロイ 「そうなのかな。とにかく、ありがとう姉さん。一応内容は把握できたよ。
意外に難しい話でもなさそうだし、眠るどころか楽しめると思う」
エイリーク「そうですか。それはよかったです」
ロイ 「……姉さん、このビデオは全部古代語で話してたけど、
対訳なんか作れるってことは、やっぱり聞いてて全部意味分かるんだよね?」
エイリーク「ええ。ロイが退屈するかと思ったので、難しい言い回しなのは極力簡略化しましたが」
ロイ (そうだったのか……それでも所々難しかったんだけど。
やっぱり、エイリーク姉さんは頭がいいんだな……)
エイリーク「でも、このオペラも、今の時代に残っているだけあって、ただ笑いを誘うだけの内容ではないのですよ。
いつまで経っても放蕩癖の直らないマケロフと、それを笑って許すスティラの姿から、
現代の私たちの幸せにも通ずる深い人間洞察が……」
ロイ 「ねえ、エイリーク姉さん?」
エイリーク「? なんですか、ロイ」
ロイ 「姉さんはさ、やっぱり、将来は偉い人になるの?」
エイリーク「……すみません、ロイの言っていることの意味が、よく……」
ロイ 「あー、えっと、つまりさ。エイリーク姉さんは、凄く優秀で、いろんなことを知ってるし……
いや、知ってるだけじゃなくて、それに対して自分の意見もいろいろ持ってるし。
学業優秀スポーツ万能、教養も高いし楽器なんかもたくさん扱える……
そういうの考えると、やっぱり、将来は政治家とか学者とかになって、高い立場で働くのかなって」
エイリーク「そのように賞賛されるほど、自分が優秀だとは思いませんが……
そうですね、ベオクとラグズ間のわだかまりや、近年問題になっている暗黒教団のテロなど、
この世界には解決しなければならない問題がまだまだ残っていますし。
自分一人の力など微々たるものなのは重々承知していますが、
もしも出来ることがあるのなら、努力したいと思っています」
ロイ 「うーん、やっぱり立派だなあ。僕と血が繋がってるとは思えないよ」
エイリーク「そんな……ロイだって、十分立派だと思いますよ」
ロイ 「え? そんなことないよ、これと言った取り得もないし、
学校の成績だって、頑張ってなんとか中の上ぐらいの位置だし」
エイリーク「ふふ。その、着飾らない謙虚なところが、ロイの魅力なのでしょうね。
だからロイの周りには、たくさんの友達がいてくれるのです。
それは、頭がいいとか運動が出来るとか、そういったものよりもずっと素晴らしいことですよ」
ロイ 「そ、そうかなあ?」
エイリーク「ええ……そうだ、将来といえば、ロイは将来何になりたいのですか?」
ロイ 「え、僕?」
エイリーク「はい。まだ、そんなことは考えられませんか?」
ロイ 「いや、考えてないってこともないけど」
エイリーク「聞いてみたいです」
ロイ 「うーん……あの、笑わないでね?」
エイリーク「もちろんです」
ロイ 「僕は……何ていうか、普通に生きたいと思ってるんだ」
エイリーク「普通、ですか?」
ロイ 「うん。僕はエイリーク姉さんみたいに頭がいい訳でもないし、
アイク兄さんみたいに強い訳でも、エフラム兄さんみたいに一つの物事を極めようっていう
凄い集中力や野望を持っている訳でもない。ヘクトル兄さんみたいな覇気がある訳でもないし、
ミカヤ姉さんみたいな特別な力だってないし、リーフ兄さんみたいに器用でもない。
何ていうか、自分は至って普通の人間なんだなあって思うんだ、皆を見ていると」
エイリーク「……」
ロイ 「だから、自分が大きなことを成し遂げられるとも思ってないし、そういうことをしたいとも思わない。
もちろん僕に出来ることで誰かが喜んでくれるのなら、力を出すのは惜しまないつもりだけどね。
必死で頑張って普通に生きて、もしも一緒に生きてくれるっていう人がいるのなら、
一生懸命その人を幸せにしてあげたい。多分、そのぐらいのことなら僕にも出来ると思うし」
エイリーク「……」
ロイ 「でも、やっぱり駄目なのかなあ。エイリーク姉さんみたいに、もっと大きな問題に目を向けるべきなのかも……」
エイリーク「そんなことはありませんよ。とても、立派な目標だと思います」
ロイ 「そうかな?」
エイリーク「ええ。たとえばロイ、先程見た『マケロフとスティラ』ですが、
スティラはマケロフがどんなにひどいことをして帰ってきても、ニコニコ笑って彼を迎え入れますよね。
それは、どうしてだと思いますか?」
ロイ 「……うーん、よく分からないな。ただ人がいいっていうだけじゃないんだろうし」
エイリーク「作中で、スティラが元は貴族の娘で、年上の大貴族と結婚させられる運命にあった、と言っていますね」
ロイ 「うん。確か、それでいいのかって悩んでいるところでマケロフに会って、
一目ぼれして家を飛び出したんだよね。『そこのところがどうしても理解できない』ってマーチャが言ってたけど」
エイリーク「そう……他人には、スティラの気持ちがどうしても理解できなかったのです。
マケロフはどう考えてもどうしようもない男ですし、事実、彼らの家は壁の修理も出来ずに
年中隙間風が吹いているような状況だったのですからね。
周りから見れば、どう解釈しても不幸としか言いようのない状況。
それでも、スティラは幸せそうに笑います。演技しているのではなく、それが本当に幸せだったからです」
ロイ 「……やっぱり、よく理解できないよ」
エイリーク「スティラは多分、今まで自分を抑えて、偽りに塗れた生涯を送ってきたのでしょう。
周囲の期待に上手く応えられず、かと言って自分の気持ちに従うこともできないと、自分を責めてばかりいた。
だからこそ、たとえ人より劣っていたとしても、自分を飾らずに生きているマケロフに惹かれたのです。
みっともないところを少しも隠さないマケロフを見つめているのは、スティラにとって本当に楽しく、幸せだった」
ロイ 「……そうなのかな」
エイリーク「ええ。少なくとも、わたしはそう思います。
それに、マケロフも最後の最後、家から持ち出したお金を、結局使わずに帰ってきますよね」
ロイ 「うん。それで、必死になって止めようとしてた周囲の人たちが、
事態がアッサリ解決したせいで盛大にずっこけるってオチだったっけ」
エイリーク「そう。これだって、彼なりに自分の欲望に抗った結果なのです。
他人にしてみれば、妻のことを考えてお金を使わないことなど当たり前のこと。
でも、マケロフにとってはとても難しいことだった。
だからこそ、彼が自分の欲望と戦い、勝って帰ってきたのを誰よりもよく悟ったスティラは、
最後の最後に今まで以上に幸福な笑みを浮かべて、こう言うのです」
ロイ 「……『やっぱり、マケロフ様は素晴らしいお方ですわ』って?」
エイリーク「ええ……これと同じことです。一人一人それぞれに価値観が違う以上、幸せの形が違うのも当たり前のこと。
スティラの生き方は、他人から見れば不幸でしかないのかもしれない。
それでも彼女は彼女なりに幸せを感じているし、それを他人が否定することは出来ないのです。
だからロイも、自分の考え方に自信を持っていい。私は、そう思います」
ロイ 「……うん」
エイリーク「……さあ、そろそろ休みましょうか。『マケロフとスティラ』、少しは把握できましたか?」
ロイ 「もちろんだよ。姉さんの話を聞いて、いろんな見方があるんだなっていうのも分かったし。
僕も、この週末はしっかり観劇して、自分なりの見方を探してみたい」
エイリーク「ええ、楽しんできてくださいね。それでは、お休みなさい」
ロイ 「うん、お休み」
〜週末、夜〜
ロイ 「ただいまー」
エイリーク「あ、ロイ、どうでしたか?」
ロイ 「うん、面白かったよ。古代語じゃなくて現代語だったから、内容もちゃんと分かったし」
エイリーク「そうですか、それはよかった」
ロイ 「でも」
エイリーク「? 何か、問題が?」
ロイ 「うん……僕は大丈夫だったんだけど、隣に座ってたリリーナの方がすやすや寝入っちゃって」
エイリーク「まあ」
ロイ 「起こすのも可哀想だと思ったから、黙ってたんだけど……まずかったかな?」
エイリーク「どうでしょう……でも、おかしな話ですね」
ロイ 「そうだよね。リリーナも名家の娘さんだから、てっきりこういうのに慣れてて僕を誘ったと思ったんだけど」
エイリーク「不思議ですね」
エリンシア「あら二人とも、どうしたの?」
ロイ 「あ、姉さん。実は……」
エリンシア「……なるほど。ねえロイちゃん。リリーナちゃん、今日は素敵なドレスを着てきたんでしょうね?」
ロイ 「うん、そうだよ」
エリンシア「似合ってた?」
ロイ 「……うーん。正直、ちょっと似合ってなかったかなあ。
大人っぽすぎて、まだリリーナには似合わないっていうか……」
エリンシア「ひょっとして、セシリア先生みたいな、大人の女性が着れば似合いそうなドレスだったんじゃないかしら?」
ロイ 「……あ、ホントだ。想像してみればぴったりだよ。でも、どうして?」
エリンシア「ふふ……きっと、背伸びしたかったのね、リリーナちゃん」
エイリーク「? どういうことですか?」
エリンシア「誰かに、自分も大人の女だって証明したかったんだわ、きっと」
ロイ 「……?」
エイリーク「……?」
エリンシア(あらあら。二人とも、まだまだこういうことには疎いのね……そんなところはそっくりだわ)
リリーナ 「しくしく……」
ボールス 「リリーナさま、お気を落とさず……」
リリーナ 「もう駄目だわ、終わりだわ。きっとロイ、あきれ返っちゃってるわ……」
マシュー 「だから背伸びをするのは止めといた方がって言ったのになあ……」
リリーナ 「だって……ロイ、最近セシリア先生の方ばっかり見てるんだもの……。
わたしのこと子供っぽいって思って、女として見てくれてないんだわ」
ボールス (……そうなのですか、マシュー殿)
マシュー (んー、んなこたないと思いますけど? 意識しすぎなんじゃないスかね、きっと)
ボールス (まあ、そうでしょうな。正直、ロイ殿もリリーナ様同様まだまだ子供ですし)
マシュー (本人は言っても納得しないでしょうけどね)
リリーナ 「もう恥ずかしくて学校行けない……」
ボールス 「いけませんぞリリーナ様」
マシュー (ロイ君の方は大して気にしてないと思うけどねえ……
これにしたってリリーナ様ご本人は納得しないだろうし、黙ってた方がいいか。
ま、人間、自分の身の丈に合ったものが一番だってことだよな、結局……)
<おしまい>
やっぱり、名前と性格の元ネタはアフロ兄貴とエリートお嬢様?
いいなあ。このオペラ実際に見てみたい。
ミカヤ「そういえば・・・」
エリンシア「どうしたのですかお姉様」
ミカヤ「今日ってオスティア通りのお祭りの日だったわね」
エリンシア「そういえばそうですわね・・・うふふっ懐かしいですわ。ロイちゃんやセリスちゃんがまだ小さかった時は兄弟全員で行ってましたね」
セリス「ただいま〜」
ミカヤ「おかえりセリス」
エリンシア「おかえりなさい」
ミカヤ「ねぇ、今からちょっとお祭りに行ってみない?」
セリス「え?お祭り?」
ミカヤ「そう。覚えてない?毎年水無月の一日にオスティア通りでやってるの」
セリス「あぁそういえば・・・小さいころ行った記憶が・・・」
エリンシア「ロイちゃんが迷子になったり、ヘクトルちゃんがリーフちゃんのカキ氷落としちゃってリーフちゃんが泣いちゃったり、大変でしたけど」
セリス(リーフって小さいころからそんななんだ・・・・)
ミカヤ「ね?いいでしょ二人とも。行きましょうよ」
エリンシア「けど、そろそろ皆が帰ってきますわ。お夕飯の支度しないと・・・」
ミカヤ「夕飯の前に帰ればいいわよ。出店の食べ物でも買って」
セリス「そうだね。久々に行ってみたくなったよ」
ミカヤ「そうと決まればさっそく行きましょ」
シグルド「ふ〜っ。今日は早く終わったな・・・さて、帰るとするか」
アレク「お疲れ様です。係長、ちょいと飲みに行きませんか?」
シグルド「ん?」
アレク「今日はオスティア通りのお祭りの日ですよ。一杯行きましょうよ」
ノイッシュ「奢ってもらいたいのか?」
アレク「いちいち人聞きの悪い・・・別にそんなんで言ったんじゃねぇよ」
シグルド「ははっ構わないさ。普段お前たちには世話になっているからな。よしっ!飲みに行こうか!あの祭りも久々だな」
アレク「アーダンも行くだろ?一緒に行こうぜ。お前がいなくちゃつまんねぇよ」
アーダン「本心は?」
アレク「お前といれば悪げな奴に絡まれることはないからな」
アーダン「・・・まぁいいけど」
ヘクトル「なあ、祭りに行かねぇか」
エリウッド「祭り?」
ヘクトル「ほれ、毎年オスティア通りでやってるじゃねぇか」
エフラム「そういえばそうだな」
リン「そういうことだけはよく覚えてるのね」
ヘクトル「うるせぇな。明日は休日だし、去年だって行ったじゃねぇか。今年も行こうぜ」
エフラム「そうだな。他の皆には悪いが今年も4人で遊びに行くか」
リン「何が遊びによ。去年酔っ払いの乱闘騒ぎに嬉しそうな顔して乱入して、警察に厄介になったでしょ」
エリウッド「ああ、思い出すだけでも胃が痛い・・・」
リン「きっと今年はあんたたちがまた何かやらかさないように学校の先生が見張ってるわよ」
ヘクトル「教師が怖くて学生やってられっかって。大丈夫だよ」
エフラム「今年はもう喧嘩はせん。約束する」
リン「本当に?」
ヘクトル・エフラム「ああ」
リン「信用なんないわ・・・」
エリウッド「まぁまぁリンディス。いいじゃないか行こうよ」
ヘクトル「お、めずらしく積極的だな。よっしゃ決まり!早速行こうぜ」
エフラム「いや、まて」
ヘクトル「あんだよ?」
エフラム「チキとファとミルラも連れて行こう」
ヘクトル「なんでだよ?」
エフラム「去年祭りに行ったとミルラに話したら、自分も来年は一緒に行きたいといってたからな。約束していたのを思い出した」
リン「じゃあ今から竜王家まで行きましょ。人数は多いほうがいいわ」
ヘクトル「ガキと一緒はあんまりノリ気じゃねぇが・・・祭りだしたまにはいいか」
エリウッド「ヘクトルって意外と面倒見いいよね」
ヘクトル「うるせぇ」
ターナ「ねぇエイリーク!お祭りに行かない!?」
エイリーク「お祭り?」
ターナ「そう。毎年やってるでしょ。去年行けなかったから今年こそ行きましょうよ!」
ラーチェル「あまり身動きがとれないのは好きじゃありませんが・・・興味はありますわね。私もご同行させても構いませんこと?」
ターナ「もっちろん!エイリークも行きましょうよ!」
エイリーク「そうですね。たまには」
ターナ「じゃあ早速行きましょ!」
セリカ「ねぇアルム、今日お祭りがあるの知ってる?」
アルム「お祭り?」
セリカ「そう。オスティア通りでやってるじゃない。一緒に行きましょ」
アルム「ああ、そういえばあったね。じゃあ急いで家に帰って支度して・・・」
セリカ「ダメよ」
アルム「え?」
セリカ「一旦家に帰ったら私たちが二人でお祭りに行ったってシグルド兄さんにバレちゃうじゃない。そしたらどうなると思う?」
アルム「・・・鬼の形相でティルフィングを持ちながら歩行者を掻き分けている兄さんが見える・・・・・」
セリカ「でしょ?制服だけどこのまま行きましょうよ」
アルム「そうだね」
マルス「リーフ、そっちはどう?」
リーフ「ばっちり。箱詰め完了」
マルス「よし、後はシーダ達に連絡して運んでもらえばOKっと」
リーフ「勝負は今夜一晩。頑張ろう」
マルス「もちろん。この日のためにいろいろアイディア出してこんなに材料用意したんだから」
リーフ「やっぱりこういう話はマルスにするに限るなぁwwwww」
マルス「御主も策士よのうwwwwwww」
リーフ「別にすごくもなんともないでしょ。祭りの日に出店をやれば儲かるなんてあたりまえの発想さ」
リリーナ「ロイ、お祭り行きましょうよ」
ロイ「え?お祭り?」
リリーナ「そう。毎年水無月の一日にオスティア通りでやってるの。知らないの?」
ロイ「そういえば兄弟皆と行ったことがあるような・・・」
リリーナ「行きましょうよ。ロイと一緒に行きたいわ」
ロイ「・・・じゃあ、行こうか」
〜オスティア通り〜
セリス「うわぁすごい人・・・」
エリンシア「やっぱり賑わってますわね・・・」
ミカヤ?「すごーいすごーい!」
セリス「あれ?ユンヌさん?」
ユンヌ「どうも〜負の女神ユンヌちゃんで〜す。すごーい人いっぱーい」
エリンシア「ふふっ神様もお祭りは好きなんですね」
ユンヌ「あー林檎飴だ!!ねぇねぇあれ買って!!食べたい食べたい!!」
セリス(出現するたびに思うけど本当に神様なのかな・・・)
エリンシア「なんだかミカヤ姉様が妹になったようで可愛いですわ」
セリス「姉さんってユンヌさん好きだよね・・・」
マルス「いや〜やっぱり大盛況!みるみる内に焼きそばやら綿飴がなくなっていくね!」
リーフ「他の店とはくらべものにならない破格の安さが売りだからね!」
マルス「ま、僕の情報網と人を動かす力にかかればこんなもんさ」
リーフ「そうこう言ってたらお客到来。いらっしゃい!!」
ユンヌ「林檎飴1つ!」
マルス・リーフ「ミカヤ姉さん!?」
ユンヌ「ぶっぶーユンヌちゃんでした〜」
セリス「待ってよユンヌさん!勝手に行ったらダメだって・・・あれ?リーフにマルス兄さん?」
マルス「奇遇だね」
エリンシア「二人ともここで何を・・・」
リーフ「エリンシア姉さんも一緒か。みれば分かるでしょ。出店だよ出店」
ユンヌ「ねぇねぇ早く林檎飴」
マルス「はいはい。50Gね」
ユンヌ「女神様からお金取ろうっての?タダにしてよ」
マルス「いくら女神でも商売ですから」
ユンヌ「この身体は貴方のお姉さんの身体よ?身内からお金とるの?」
マルス「あんまりしつこいと貴方には特別商品を差し上げますよ」
メダリオンをチラつかせるマルス
ユンヌ「!!すすっすいません!!私が悪うございました!」
マルス「分かればよろしい」
ミカヤ「ふうっ」
セリス「あ、戻った」
ミカヤ「林檎飴食べる気なくしちゃったみたい」
リーフ「ちっ、折角の50Gが」
セリス「でもなんで出店なんかやってんのさ?」
リーフ「お祭りだよ?稼がなくてどうするのさ!どうせ歩いたっていいことないしね!
ああそうさ、僕は人ごみを歩けば足を踏まれ、財布をスラれ、怖いお兄さんと肩があたって怒鳴られるのさ!」
セリス(相変わらずネガティブだなぁ・・・)
エリンシア「しかしよくこんなにいっぱい・・・しかもこの低価格」
マルス「まぁ材料費がほとんどかかってないし」
セリス(これで材料費かかってないとか怪しすぎる・・・)
マルス「姉さんたちはどうしてお祭りに?」
ミカヤ「懐かしいからちょっと見に来たのよ。この辺りは普段占いによく来るけど、こんな雰囲気久しぶり」
〜同時刻オスティア通り東〜
ヘクトル「お、見ろよ。カーニバルやってるぜ」
ヘクトル達の目の前にはまるで妖精の群れのような美しい光景があった
リン「踊り子かぁ・・・綺麗ね」
エリウッド「美しいな・・・癒されるよ」
チキ「見えないよー」
エリウッド「よし、肩車してあげよう。・・・ほら、見えるかい?」
チキ「すごーいきれーい」
ファ「あーっ!ファも!!ファもみたいー!!」
ヘクトル「しゃあねぇな。・・・ほれ」
ミルラ「・・・エフラム・・・・私も見たいです・・・・・・・」
エフラム「よし、しっかりつかまってろよ。見えるか?」
ミルラ「はい・・・すごく綺麗です・・・・・」
リリーナ「ロイ!あれ見て!!すごい綺麗!!」
ロイ「踊り子だね・・・すごいなぁ・・・」
リリーナ「ふふっあの子供たちも嬉しそう」
ロイ「あの子供たち?」
リリーナ「そう。あの肩車されてる女の子たち」
ロイ「ん?・・・あれって・・・・しかも肩車してるのは・・・・・」
リリーナ「ロイ?」
ロイ「兄さんたち!」
リン「あらロイ。あ、こんばんはリリーナちゃん」
リリーナ「こんばんは」
エフラム「なんだお前も来てたのか」
ヘクトル「いっちょ前に女連れか。ガキのくせによくやるぜ」
エリウッド「デートかい?」
ロイ「べっ別にそんなんじゃ・・・!」
リン「あら、そんなこと言うとリリーナちゃんがショック受けちゃうわよ」
リリーナ「わっ私は・・・」
リン「ふふっ、二人とも顔が赤いわよ」
〜同時刻オスティア通り南〜
セリカ「アルム!搾りたてのジュースだって!買おうっ!」
アルム「美味しそうだね。でもちょっと高いよ」
セリカ「1つ買って二人で半分こしましょ。そうすればいいわ」
アルム「そうだね。そうしよっか」
シグルド「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
手に持ったビール瓶を握り潰すシグルド
アーダン「ど、どうしたんですか係長!?」
シグルド「分からん!!何故だかわからんが今この近くでとても許しがたい行為が始まろうとしている!!」
アレク「なんじゃそりゃ・・・」
シグルド「感じる!感じるぞぉ!!さっき見たあのジュース売りの車の近くだ!」
ノイッシュ「ちょ、どこ行くんですか係長ーーーーーーーーーー!!」
カリル「・・・どうでもいいけどグラス弁償してくんないかねぇ」
シグルド「うおぉぉぉぉぉぉぉ」
アルム「ねぇセリカ、聞き覚えのある声が僕たちの後方で聞こえているよ・・・」
セリカ「・・・・・」
シグルド「怒りの通勤カバン攻撃ぃぃぃぃぃ」
アルム「うわっ!」
シグルド「お前たちぃぃぃなんだその紙コップに一つだけ入ったストローは!?」
セリカ「何よ」
アルム(若干声が怖いよセリカ・・・!)
シグルド「許さんぞ!いくら間接キッスであろうと兄妹でそんなことは断じていかん!!兄さんは許さんぞ!!」
セリカ「いちいち小さいことでうるさいのよ兄さんは!間接キスが何よ!兄妹なんだしそれぐらいするでしょ!やましい気持ちでしてるんじゃないんだし!!」
シグルド「男友達のジュースの飲みまわしじゃないんだぞ!!お前たちはもうりっぱな男女なんだぞ!」
セリカ「小さいころから仲の良い兄妹なんだから別に問題ないでしょ!!」
アルム「ちょっ、ちょっと二人とも・・・通行人が足を止めて見物しだしたよ・・・!そろそろやめときなよ」
セリカ「こうなったら実力行使よ・・・!」
アルム(聞こえてない・・・・)
シグルド「来るか・・・ならば仕方ないな・・・」
〜数分後〜
???「(ピピピピー)お前たち何やってる!!」
アルム「ああ・・・ついに警備員登場か・・・」
〜オスティア通り北〜
マルス「なんだか騒がしいね」
リーフ「南通りの方で喧嘩が起こったらしいよ」
セリス「いるんだよねぇそういうのが・・・」
ミカヤ「去年は家も少し関係したけどね」
エリンシア「まさか今の喧嘩もヘクトルちゃんたちだったりしませんかしら・・・」
マルス「ないとは言い切れないのがなんとも」
ミカヤ「ちょっと見に行ってみようかしら」
〜オスティア通り東〜
ロイ「なんだか警備員が忙しそうだよ」
エリウッド「また喧嘩騒ぎか・・・」
リリーナ「喧嘩・・・やぁね」
ヘクトル「見に行こうぜ!!」
リン「言うと思った。喧嘩しないんじゃなかったの?」
ヘクトル「見るだけだって!行こうぜエフラム」
エフラム「ああ。すまないミルラ、少し行ってくる」
〜オスティア通り西〜
ターナ「警備員が南のほうに応援にいってるわよ。何かあったのかしら」
エイリーク「おそらく喧嘩でしょう・・・」
ラーチェル「まあ!野蛮ですわね!周りの迷惑にもなるのに信じられませんわ!!」
エイリーク「といいつつなぜ南に進行方向をとられるのです?」
ラーチェル「喧嘩騒ぎを見るのは悪くありませんわ」
エイリーク「あっ、ラーチェル・・・」
ターナ「結構熱い性格よねあの人・・・」
〜オスティア通り南〜
ヘクトル「お、やってるやってる。なんだぁ?女の子とおっさんだぜ?何やってんだ?」
エフラム「不可解だな・・・」
ヘクトル「くっそ、野次馬が邪魔でよくみえねぇな・・・」
???「やめろお前たち!!やめないか!!」
セリカ「ライナロック!!」
???「仕方ないな・・・」
アルム「あれ?その刀身って・・・まさか・・・」
アイク「ん?この剣か?ってアルムじゃないか」
アルム「アイク兄さん!?どうして警備員の格好・・・」
アイク「バイト中だ。しかもよく見ればセリカと兄貴じゃないか。なんで喧嘩してんだ」
アルム「まあ、シグルド兄さんとセリカが対決するとしたら理由は一つなわけで・・」
アイク「おい!兄貴!セリカ!やめろっ!!」
シグルド「アッアイク!?」
セリカ「兄さん・・・どうしてここに?」
アイク「警備員のバイト中でな。喧嘩があったから鎮圧に来てみれば・・・二人こそどうしてここにいるんだ」
シグルド「私は部下と飲みに・・・」
セリカ「アルムと遊びに来たのに、この邪魔者が・・・」
ヘクトル「あれ!?何やってんだお前ら!?」
アイク「ヘクトル・・・エフラム・・・お前らも祭りに来たのか」
エフラム「まさか喧嘩騒ぎはシグルド兄上とセリカの仕業か・・・?」
ミカヤ「何やってんの皆!?」
シグルド「姉上まで・・・」
アルム「姉さんも祭りに来てたの?」
ミカヤ「エリンシアもセリスもマルスもリーフもいるわよ」
ヘクトル「俺らはリンとエリウッドとロイも一緒なんだが・・・」
ラーチェル「まあ!!」
エフラム「ん?」
ラーチェル「エイリーク!この方々は貴方の兄弟達ではございませんの!?」
エイリーク「皆さん・・・来てたんですか・・・」
一同「・・・・・・・・」
シグルド「ハハハハハッ!」
ヘクトル「どうしたんだ兄貴」
シグルド「かっ、考えることは皆一緒だな!みっ皆ここにいるんじゃないか!ハハッ!」
アイク「本当に・・・俺たちやはり兄弟というか・・・」
エイリーク「他の皆もここに来ているのですか?」
アルム「そうみたい」
セリカ「なんかもうどうでもよくなってきた・・・」
シグルド「よし、皆ここに呼ぼう。今夜は家族全員で飲み明かそうっ」
ヘクトル「おっ、それ賛成!!」
エフラム「もちろんシグルド兄上の奢りで」
シグルド「ああ、構わないよ。さあっそうと決まれば全員ここに呼んで来いっ!!」
主人公一家の夜は更けていくのでした─────
長すぎ・・・スマン。大して面白くもないし・・・・
お祭りってのはもっと面白おかしく書けるもんなんだろうが俺には無理だ・・・
いやいや、GJ!
こういうドタバタしたノリは大好きだ。
セリカの常套句「やましい気持ちじゃない」ってのはどこまで本気なんだろうかね。
GJ!
どうでもいいけどマルスが口癖の「ばかな!」って言うのを見たことないと思うんだけど
必然的に頭いいキャラになってるから言わせにくいのかな
一度見てみたい気もする
>>312 紋章2部1章で、ラングに向かって「バカな」は言ってるよ。
本当の馬鹿に対しては言うみたいだ。
ところで、少し前の話からこんな話を思いついた。
騒がしくも平和な主人公家。今日はセリスの友達たちが遊びに来ています。
ラナオウ「わぁ、セリス様ってこんな小さな頃から素敵だったんですね」
スカサハ「・・・同感だけど、どこから見ても女の子にしか見えないのは・・・色々問題あるだろう」
ユリア「そんな事無いわ。セリス様はいつ、どんな時も素敵です。問題なんてありませんわ」
ちなみに竜と羊の間には、セリスだけが気付かない歪んだ空間となっていたりします。
レスター(くっ、このままではこっちが参ってしまう・・・何とか話の方向性を変えないと・・・)
スカサハ(同感だ、だがどうする?・・・おや?)「セリス様、この一緒に写真に写っている方はどなたですか?」
スカサハが指差したのは、可憐な青髪の美少女の隣に立つ精悍な少年の姿。
雰囲気的に主人公家の一員だとは思うのですが、セリスの友人達が知る中で該当する兄弟は居ません。
ラクチェ「青い髪はセリス様と同じですね。顔立ちは・・・マルス様を精悍にした感じですね」
ラナオウ(見ただけで判る・・・この少年、只者じゃないわ。私に勝ちを確信させないなんて)
ユリア「あら?でもこの剣には見覚えが・・・いえ、まさかそんなはずはありません。あの方とは違いすぎます」
セリス「あ、ユリアは判る?それ、アイク兄さんだよ」
一瞬の空白の時間。直後に響いた驚きの叫びは、遠くマケドニアの飛竜の谷まで響いたと言います。
レスター「あ、あのアイクさんが!?いや、確かに顔立ちはそうだけど、別人過ぎる!」
スカサハ「なにより、この体つきは在り得ません!確かに筋肉はついていますけど、この細身の身体がどうやってあんな身体に!?」
無理もありません。
誰しもそう思うでしょう。
口々に今と過去の違い過ぎる体格を考察し始める友人達。
ラクチェ「昔はまだ精悍な美少年と言えたのに、今ではあんな・・・はっ!」
突如、ラクチェが顔色を蒼白にしてセリスを見やります。考えてはいけない想像をしてしまったのでしょう。
ラクチェ(・・・アイク様と同じ兄弟と言う事は、もしかしてセリス様も同じように?)
奇しくも、友人達はほぼ同じタイミングでその考えに至ってしまったようです。
一瞬で重すぎる空気に・・・こんな空気、お通夜でも中々お目にかかれません。
ラナオウ「セリス様ぁ・・・あ、アイク様みたいになるのは・・・なるのは・・・」
そのあまりな未来像に、なんとあのラナオウまで涙目です。
ですがセリス自身は気にした様子も在りません。
セリス「僕がアイク兄さんみたいな?・・・多分無理だと思うよ。体質が違うみたいだから。僕はどちらかと言うと、ジグルト兄さんみたいな体質なんだ。
その言葉に、一同胸をなでおろします。
ジグルトの体格・・・背は高いけど、手足のすらりと伸びた均整の取れたそれならば、セリスの未来の姿として許容できるレベルです。
ユリア(セリス様をもう少し精悍な印象にして、あの身体にすると・・・まぁ、なんて素敵な・・・)
ラナオウ(今の可愛らしいセリス様もいいけど・・・ジグルト様くらいの逞しさで私を包んでくれるのも・・・イイ!凄くイイわ、それ!)
ラクチェ(・・・ヨハヨハとは比べ物にならないくらい素敵よね、それ・・・あいつらそろそろ振ろうかな)
むしろ素晴らしく好印象のようです。
セリス「あ、でもジグルト兄さんは、親戚のパイロン叔父さんの体質に似てるって言われてるらしいから、僕もそうかもね」
もっとも、指差された当の人物・・・立派な髭のパイロン叔父さんを目の当たりにして、一同は更なるカオスに陥るのでした。
おわり
ジグルドとパイロンに吹いた
書き忘れたけど、みんなで古いアルバム見てると思って欲しい。
そして・・・髭付きセリスを想像したら、存外可愛い印象で吹いてしまいましたw
アイク顔はかっこいいのにな。なんかガチムチボディのせいで扱い悪いな。
あれはあれでいいと思うのに。
318 :
助けて!名無しさん!:2007/06/05(火) 03:05:45 ID:9CacZPoM
変なこと聞くが、覇者の剣のアルは一応主人公じゃあないのか?
実は少しアルのネタも考えてる。多分いつか書く
アルは私の妄想だと従兄弟
だと前スレで実はボソッと呟いてみたこともある。。。
アルはゲームじゃなく漫画だから、入れない方がいいと思う。
アルムのちょっといいとこ見てみたい〜
*「ああ もうだいじょうぶさ
こんなやつら ぼくが
ひねりつぶしてやる」
もしも兄弟入りさせるとしたら、
アルは末っ子ポジションで入れてみたいなあ、なんて思ったりした。
あの猿みたいな騒がしさと、いい意味でのガキっぽさが末っ子という立場にピッタリだ。
>>322 いつ見ても、そこだけ抜き出すと妙に悪役っぽいなアルムw
ロイ「ただいまー」
エリンシア「(小さな声で)あら、お帰りなさい」
ロイ「? どうしたの姉さん。廊下に座り込んで」
エリンシア「しー。静かに」
ロイ「…………?」
疑問に思い、何気なく居間を覗くと……
マルス「……ました。そして……」
チキ「ひっく……ひっく……」
ファ「……ふぇ、うぇぇぇぇん……っ」
ミルラ「ぐすっ、ぐすっ」
何かを語って聞かせるマルスと、泣き崩れる竜王さん家の子供たちが。
ロイ「ええっ!? ちょ、もがが!」(口を塞がれる)
エリンシア(静かに! もうすぐ終わるから)
ロイ(……えと、マルス兄さん、何を聞かせてるの? 怪談?)
エリンシア(いいえ、ただのお伽噺よ)
ロイ(お伽噺……?)
マルス「……こうして桃太郎は、結局一度も抜かなかった刀を仕舞い、その旅を終えました。めでたしめでたし」
ミルラ「ぐすっ。よかった、ですっ。青鬼さん、ぐす、誤解が解けて……」
チキ「赤鬼さんも、ひっく、友達に会えたんだね。よか、たね。……っ」
ファ「ももたろさん、やさしいね……」
ロイ「…………。ええと、どんな話?」
エリンシア「桃太郎と泣いた赤鬼を足したアレンジ、と言えばいいのかしら? 桃太郎が鬼ヶ島の鬼の噂を聞いて退治に向かうのだけれど、そこにいたのは、泣いた赤鬼の最後に旅に出た青鬼だったっていう……」
ロイ「……はあ。なんか、マルス兄さんが語るには、らしくなさそうな話だね……」
エリンシア「そうかしら?」
ロイ「だって、いつだったか兄さん、好きなお伽噺を聞かれて『猿蟹合戦だね。小賢しい復讐方法が僕好みだよ』とか答えてたし」
マルス「……よく覚えてるねそんなこと」
ロイ「そりゃあね。ああマルス兄さんだなあって妙に納得しちゃったし」
マルス「まあ、自分でもそう思うけど。……それよりエリンシア姉さん」
エリンシア「なに?」
マルス「チキたち、泣きつかれて眠っちゃったんだ。そろそろ帰る時間なんだけど……」
エリンシア「まあ。……そうね。起こすのも可哀相だし、今日はうちで夕食を召し上がっていって貰いましょうか」
マルス「そうだね。じゃあ、ちょっと竜王さん家まで話に行ってくるよ」
エリンシア「ええ、お願いね」
ロイ「泣き疲れるほど感動的な話だったのかな……。ちょっと聞いてみたかったかも」
エリンシア「マルスちゃんの話し方がとても上手かったんですもの。即興だった私とは大違い」
ロイ「? 大違いって、なにが?」
エリンシア「あの話はね、昔、私がマルスちゃんに聞かせたお伽噺なの」
ロイ「そうなの?」
エリンシア「ええ。……ねえロイちゃん。初めて泣いた赤鬼の話を聞いたとき、どう思った?」
ロイ「え? ……ええと、ちょっと感動して、その、少し泣いた……かな」
エリンシア「……ふふ。良い子ねロイちゃん」
ロイ「いや頭を撫でるのはやめてよ姉さん。……それが、何なの?」
エリンシア「あのね。マルスちゃんに泣いた赤鬼を聞かせたとき、……物凄く怒ったのよ」
ロイ「怒ったって……なんで?」
エリンシア「『友達のために頑張った青鬼が、友達に会えなくなるなんておかしい』って。善いことをした青鬼が報われないのはおかしいって、泣きそうな顔で文句を言ってたの」
ロイ「…………」
エリンシア「それで、その後、幼稚園で桃太郎の話を聞いたらしくて……そのときも凄く腹を立てたのよ」
ロイ「……なんて?」
エリンシア「『悪さをしてるっていう“噂”だけで退治するなんて間違ってる。もしかしたら、青鬼みたいに悪いふりをしてるだけかもしれないのに』って」
ロイ「……ああ。それで」
エリンシア「そう。あの子のために、即興で二つを足したお話を聞かせてあげたのよ。……とっても厳しく文句を言われたけど」
ロイ「そ、そうなの?」
エリンシア「それはもう。子供騙しにしても酷すぎるって」
ロイ「……あはは」
エリンシア「……けどね。その後寝る前に、『もしそんな桃太郎がいるなら、安心して青鬼になれるね』って。そう言ったのよ、あの子は」
ロイ「……、それって……」
エリンシア「あの子は昔からそう。いつもずっと、青鬼役を買って出るような子なのよ」
ロイ「…………。そういえば、さ。エリンシア姉さんは、あまり叱らないよね、マルス兄さんのこと」
エリンシア「ええ。私はあの子が、本当はとても優しい子だと知っているもの。皆を騒がせるような悪戯も、きっと誰かのためになってると、そう信じてるから」
ロイ「うん……。最近、少しだけ分かった気がする」
エリンシア「そう。……けど、もし悪戯の現場を見かけたら、ちゃんと止めてあげてね? あの子は、私たち兄弟に桃太郎役を期待しているのだから」
ロイ「……うん。……ああ、そっか。いつもリン姉さんの前で悪戯するのは、そういうことなんだ」
エリンシア「ええ。きっと、そういうことなのよ」
エリンシア「さあ、夕食の準備をしましょうか。ロイちゃんは、チキちゃんたちに毛布を掛けてあげて?」
ロイ「うん」
>>320 自分もアルは従兄弟がいいなと思う
あの一家はゲーム主人公ズだから、漫画主人公のアルは従兄弟くらいの方が
一応、あの作品の舞台はゲームだと主人公ロイだし
こんなネタはどうだろうか?
主人公兄弟の家に従兄弟(アル)が泊まりにやってきた!!
って感じのドタバタ劇
自分じゃ書けないけどorz
というわけで。
前々から考えていたけど、オペラとちょっと対称的な話ということで書いてみた。
読んでの通り一から十まで真面目な話で笑える要素なぞありゃしません。
自分の考える話って、こういう変に真剣な話ばっかなんだよねー……。
ネタスレでそれはどうよ、と。
ラーチェルが魔女っ娘ミカリンに対抗するために考案した、
秘密戦隊マジョレンジャーとか考えたりもしたけど、
そういうはっちゃけた話は自分には無理そうと分かっただけだったし。
>>327 何か勘違いしてる?
面白い事=ネタじゃないよ
真面目な話もドタバタコメディもちょっぴりオトナのお時間的SSも
全てひっくるめてネタ、ゲーム主人公のイメージを損なわないレベルに収まってるなら、
他の人は分からないけど少なくとも俺は大抵は許容できるよ
現状に満足しない姿勢は大事だけど、行き過ぎてへりくだりすぎるのは良くない
そんな考えに囚われるとネタも浮かばない、気力もなくなると百害あって一利なし
なんで、結局言いたい事は『空気を読みつつ自分にできる事をしましょ』と
ネタが浮かんでも表現できない人種からすれば、書き手が羨ましいんですよ?
書き手の人にしてみれば、読み手の反応を気にするなってのは無理もしれないけど、
不特定多数の人が出入りする掲示板だから、好きに文句ばかり書き込む輩もいる一方で、
その話がすごく気に入ってる人だってちゃんといるはず。
どうか必要以上に気にしないで、思いついたらどんどん書いていいと思う。
私は以前書き込まれてた、マルスがわざとリンの前でばかやって怒られてる理由を、
アイク相手に告白する話が大好きなので、
封印以降のFEしかやってないにもかかわらずマルスがすごく好きになった。
今回の話もいいですね。しみじみいい。
330 :
327:2007/06/06(水) 01:28:04 ID:NG6Q9mox
書く必要の無いことを書いてしまったようで正直すまんかった。
自分の話を客観的に評価なんてできるわけがないもんだから、つい卑屈になってしまった。
以後、自分を貶めるような発言は慎みます。
あ、けど、ネタがあるならとにかく書いて欲しい
>>328。物語としてまとまってなくてもいいから。
リーフシールドとかアイクが細いとか、一言程度のネタ出しでも
何かしら思いついて書いてくれる人がいるかも知れないし。
今特に欲しいのはエリウッドネタ。
胃痛以外の出番がほっとんど無いから、何か書きたい。
後はセリスの生徒会ネタ。
生徒会長:セリス、会計:リーフ、書記:小オイフェとして、
副会長は誰が良いと思う?
(アレスは風紀委員で何かと敵対するとか)
>>327 > 秘密戦隊マジョレンジャーとか考えたりもしたけど
自分も魔法戦隊ダイケンジャーは考えたな。
トパック「アカケンジャー!
セネリオ「・・・ミドケンジャー・・・
イレース「キケンジャー・・・
ぺ「クロケンジャー
カリル「アカケンジャー!
ユリ「ミドケンジャー!
「五人揃って、ゴケンジャー!
6人いるのにゴケンジャーっすかwwww
>>331 テーーテーテーテーーテー テーーテテテテテーーテー
アイク「…何だこれは?」
ロイ 「今日から新しく始まる特撮モノらしいよ。魔法戦隊ダイケンジャーだって」
マルス「好評放送中の『魔女っ娘?ミカリン』に対抗して作られたって噂だけどね」
アイク「明らかにジャンルが違わないか?」
ロイ 「僕に言われても…あ、始まるよ」
トパック 「アカケンジャー!」
セネリオ 「…ミドケンジャー…」
イレース 「キケンジャー…」
ぺレアス 「クロケンジャー」
カリル 「アカケンジャー!」
ユリシーズ 「ミドケンジャー!」
「五人揃って、ゴケンジャー!」
ロイ 「………」
マルス「………」
アイク「…とりあえず、突っ込んでいいか?」
マルス「どうぞ、アイク兄さん」
アイク「何故アカとミドリが二人ずついるんだ?」
マルス「使う魔法の色で統一したんじゃない?」
アイク「そもそも、あいつらは何をやっているんだ?セネリオまでいるぞ」
ロイ 「そういえば最近、ここら辺でテレビ関係者っぽい人が大賢者を探し回ってたらしいよ」
アイク「…最後に、5人揃ってとか言ってるが明らかに6人もいるぞ」
ロイ 「あ、本当だ。5人って言ってる」
マルス「気付かなかったね。まぁ台本ミスじゃない?もしくは影持ちのイレースさんに気付かなかったとか」
アイク「……仕事行ってくる。突っ込むだけ時間の無駄だ」
マルス「行ってらっしゃーい」
ムシャクシャして書いた。ネタなら何でもよかった。反省はしているが私は謝らない。
トパック「アカケンジャー!!」
ぺレアス「アオケンジャー」
カリル 「キケンジャー!」
セネリオ「…クロケンジャー…」
イレース「シロケンジャー…」
ユリシーズ 「ミドケンジャー!」
ルーテ「ムラサキケンジャー」
パント「グレイケンジャー!」
サレフ「ブラウンケンジャー!」
アトス「ダイケンじゃー!」
『魔法戦隊! ジッケンジャーー!!』
リーフ「ええと、それなんてスターオーシ○ン2?」
セリス「それだと敵役だよね?」
ヘクトル「っつうか自重しろ爺さん!」
思いついたからやった。賢者なら誰でもよかった。反省してないが上辺だけ謝る。
336 :
助けて!名無しさん!:2007/06/06(水) 18:28:08 ID:uUSQ7qje
元祖大賢者ガトー様を忘れるとは何事だ
蒼炎と暁でまとめたんでしょ
>>336 ほら、あれだ。ガトー様は途中で入るお助けキャラだ。きっと
ヒント;司令官、博士、岩を落とす修行をしてくれる親父
Vol.20 FETV!
ぽっ、ぽっ、ぽっ、ぽーん♪
セーラ 「ぱんぱかぱーん☆ こんばんはお茶の間の皆さん、今週もやってまいりました、セーラ!」
ドロシー 「……ドロシーの」
セーラ 「FETV番組あんなーいっ!」
ドロシー 「……はぁ」
セーラ 「……ちょっとドロシー、何でそんなテンション低いのよ。
カメラ回ってんだから、ちょっとは愛想振りまきなさいよ。そんなんじゃクビになるわよ?」
ドロシー 「いっそクビになりたいですよ……」
セーラ 「……なんかあったの?」
ドロシー 「なんかあったかって? そりゃいろいろありましたよ、竜の背から突き落とされたり、
暗黒教団の儀式中にアポなし突撃レポート敢行させられたり……何度も死ぬかと思いましたよ正直」
セーラ 「あはは、いいじゃない、それで視聴率取れてるんだから」
ドロシー 「冗談じゃないですよ! 大体なんなんですかこの放送局。
セーラさん、最初は全国ネットの大企業だって言ったくせに……」
セーラ 「あら、嘘は言ってないわよ。全紋章町に放映されてるもの、これ」
ドロシー 「無茶苦茶ローカルじゃないですか!」
セーラ 「なによ、チャンネル一つ増えるだけマシでしょ!?
わたしなんか年中5チャンネルしか映らないような場所で育ったのよ!?」
ドロシー 「いや、そんなこと誰も聞いてないんですけど」
セーラ 「いいともが本来夕方じゃなくてお昼に放映されてる番組だと知ったときは衝撃を受けたわ……」
ドロシー 「どこの東北最北端の生まれですかあなたは」
セーラ 「まあそんな話は置いといて、今日も元気に我がFETVの番組紹介をするわよ!」
ドロシー 「正直全然テンション上がらないんですけど……」
セーラ 「もう、ちょっとは頑張んなさいよドロシー。ほら、あんた宛のファンレターも来てるんだから」
ドロシー 「……一応読んでもらえますか、参考までに」
セーラ 「えーと、『頑張ってくださいドロシーさん。出来れば過労で倒れて頂けるとありがたいです 聖職者・S』
『ドロシーさんには忙しさを感じるぐらい仕事をあげてほしいですね。そうすれば邪魔されないから 聖職者・S』
『ドロシーさんは人気者になれますよ。こっちのことなんか少しも気にならなくなるぐらい 聖職者・S』
『セーラさん、スリーサイズ教えてください 聖職者・S』……あ、ごめん、最後のはわたし宛だわ」
ドロシー 「もう帰っていいですよねわたし」
セーラ 「駄目だってば! さすがのわたしも一人で喋り続けるのはきついしね」
ドロシー 「嘘だ……一人で二十四時間テレビできますよセーラさんなら」
セーラ 「まあ駄目よドロシーったら、そんなことしたらわたしがモニターに映りっぱなしで、
あまりの嬉しさにカメラマンもお茶の間の皆様も倒れてしまうわ
ドロシー 「ええ倒れるでしょうね、気疲れのせいで」
セーラ 「さーて、そんなこんなで今週も参りましょう、FETV番組案内!」
ドロシー 「はぁ……それじゃ、まず最初の番組から……」
・宇宙船サジマジバツ
イラナイツ!
どこから見てもロードじゃない
FEシリーズの主役になれない
危機一髪も救えない ご期待通りに攻撃当たらない
ため息吐くほど強くない 拍手をするほど働けない
子供の話題に出てこない プレイヤーが懐かしがる事もない
だからと言って駄目じゃない 駄目じゃない
イラナイツ、駄目じゃない
成長クズの俺たち ちょっとはいいとこあるんだぜ
イラナイツ!
セーラ 「……のっけからテンション下がる歌ね」
ドロシー 「そうですか? わたしはなんか、身の丈にあってる感じで結構好きですけど」
セーラ 「……で、何だっけ、これ?」
ドロシー 「ええと、宇宙船サジマジバツっていうアニメですね。
イラナイツって呼ばれてる使えない大人たちが、地竜王をメリクルソードで叩き切るまでを描いたアニメらしいです」
セーラ 「うわ、つまんなそう」
ドロシー 「んー……これ、再放送ですね。前放送したときもあんまり視聴率よくなかったみたいですけど」
セーラ 「でしょうねえ。OPでもなんかいかにも使えない感じの人たちが刺されたり斬られたりしてジタバタしてるだけだし」
ドロシー 「あー、でも、お便り来てますね。ええと、紋章町にお住まいのMさんから。
『最高です宇宙船サジマジバツ。使えない連中がジタバタもがいてるのを高笑いしながら見てます』
……ええと、微妙にコメントに困るというか……」
セーラ 「まあ、こんなマニアックなアニメだしねえ……じゃ、次行ってみましょ」
・デインのソナタ
セーラ 「……あー、なんか聞き覚えあるテーマ曲だわこれ」
ドロシー 「デインのソナタ……ああ、一時期ブームになったあれですよ」
セーラ 「思い出した。あの不幸な主人公の奴ね」
ドロシー 「そうそう。いかにも気弱げな青年が突然王にされちゃったり契約書関連で騙されたり、
実は女王の息子ではなかったとか衝撃の事実に打ちのめられながらも、
最後はまあそこそこ強く成長していくっていうようなドラマでしたね」
セーラ 「何がいいんだか知らないけど、やけにおばさん層に人気高かったわよね」
ドロシー 「主人公のペ・レアスが守ってあげたくなるオーラを発してる、とかなんとかで」
セーラ 「ふーん……あたしはよく分かんないわね。やっぱ男はもっと頼りになる美形の」
ドロシー 「えーと、お便り読み上げますね。
『ぺ様最高。大人の女としていろいろ教育して差し上げたいわ 中学教師 S』
『ぺ様最高。主人がいない寂しさをぺ様の気弱な笑顔で癒しています 竜王家守り手 I』
『ぺ様最高。ウチの亭主も頼りないところは似てるけど、可愛くはないからねえ 虐め大好き H』
『ぺ様最高。気弱な修道士なら近くにいるけど、残念ながら少年ではないから…… 副店長』
『ぺ様最高。わたしももう一人、ぺ様みたいな子供が欲しいですわ 人妻 R』
『ぺ様最高。やっぱり男の子は年下でなくちゃ 占い師 M 年齢(ダキュンダキュン!)』」
セーラ 「え、なんか今修正入んなかった?」
ドロシー 「気のせいじゃないですか? うん、やっぱりちょっと大人な方に人気みたいですねぺ様」
セーラ 「あんたまでぺ様とか言わないでよねおばさんくさい。
ふん、こんなのに夢中になるなんて、自分がババアだって証明してるようなもんじゃない」
ドロシー 「駄目ですよセーラさん、そんなこと言ったら夜道で後ろから刺されますよ」
セーラ 「やれるもんならやってみろって……あら、でも確かにちょっといいかも、ぺ様」
ドロシー 「いきなり前言撤回ですか」
セーラ 「うーん、なんていうの、このネクラそうなところがちょっと……ち、違うわよ、別にネクラな男がタイプって訳じゃ」
ドロシー 「セーラさんならそのぐらいの人の方がバランス取れそうですけどね」
セーラ 「やだもう、そんなこと暴露したら覗き雑誌『アンロック&シーフ』にすっぱ抜かれちゃう」
ドロシー 「大丈夫ですよセーラさんの恋愛事情なんて誰も興味ありませんから……じゃ、次行ってみましょう」
・人造人間エフィ
魔の島に隠れて生きる
俺たちゃ人造人間なのさ
人に姿を似せられた
モルフという名のこの体
(早く人間になりたーい!)
暗いさだめを吹き飛ばせ
(エフィ ソニャ リム)
人造人間!
セーラ 「……なんだってこう変なアニメばっかり続くわけ?」
ドロシー 「さあ。局長の趣味じゃないですか?」
セーラ 「ああ、局長……嘘がうまいのが高じてテレビ番組制作を極めたとか言う、あのうさんくさいシャナム社長」
ドロシー 「あの人がケチるおかげで局の中がエラいことになってますからね」
セーラ 「そもそもほぼ一人で全番組作ってるってのが凄いんだけどね……まあ、趣味は悪いけど」
ドロシー 「一時期『ソードマスターシャナム』とか作ったらしいけど、即効打ち切りになったらしいですからね」
セーラ 「そりゃそうでしょうよ……ま、いいわ。で、このアニメはなに?」
ドロシー 「ええと、魔術師に作られた人造人間エフィ ソニャ リムの三人組が、
各地を回って悪事を繰り返しながら、それぞれ違う目的で人間になることを夢見るアニメだそうです」
セーラ 「あんま感情移入できなさそうだけど……」
ドロシー 「お便りは結構来てますよ。
『エフィのへたれさと間抜けさには共感する。早く人間になってほしい モルフ E』
『ちくしょう、どうせあたしゃ自分が人形だってことにも気づかなかった大間抜けだよ! モルフ S』
『わたしは人間ではない。この身も心も偽りのもの。そう、この感情も…… モルフ R』
『かあさんが荒れているので、このアニメを見て希望を取り戻してくれたらいいなと思います 魔導師 N』
『ネルガルさまからの伝言を伝えますネルガルさまからの伝言を伝えますネルガル様からの モルフ D』
『…… …… …… 魔封じの者』
『あなた あなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなたあなた 主婦 M』」
セーラ 「変なのばっかりじゃない!? っつーか、最後のはなんかいろいろ違う上に絶対主婦じゃないでしょ!?」
ドロシー 「いや、わたしに文句言われても……と、とにかく、次の番組行ってみましょう!」
・めぞんしっこく
セーラ 「あー、これは知ってるわ。名作アニメよね」
ドロシー 「そうですね。馬鹿売れした漫画がさらに馬鹿売れするアニメに……」
セーラ 「めぞんしっこくに住む駄目盗賊ザザが、突然やって来た新管理人ミカラさんに一目ぼれして頑張るストーリーね」
ドロシー 「どれだけ努力しても『貴様では乙女は守れん』とか言われるんですよね、ライバルのセルギウスに」
セーラ 「管理人さんの飼い犬、オルグもなかなかいい味出してたわよね」
ドロシー 「そうですねー……でもこれ、途中で急展開で主役変わっちゃうんですよね」
セーラ 「あー、そうそう。途中で出てきたムキムキマッチョのレイクっていう奴にね」
ドロシー 「今までカキーン!(NO DAMAGE)でも頑張ってきたのに、
途中から本当に役立たずになっちゃいましたから、まさにザザ涙目って感じに」
セーラ 「そうそう。で、ラストは『俺より強い奴に会いに行く』とか行ってるレイクの背中の一枚絵……」
ドロシー 「……」
セーラ 「……」
ドロシー 「……今思い返してみると、何で売れてたんだかさっぱり分かりませんね、これ」
セーラ 「世の中、不思議なことってまだまだたくさんあるのね……」
ドロシー 「うまくまとめたところで次行ってみましょう」
・大草原の小さなゲル
セーラ 「……なにこれ? 本気で分かんないんだけど」
ドロシー 「ええと……ああ、すごいマイナーな番組らしいですね。
毎週、エレブ地区にあるサカ大草原を一時間ほど映しっ放しにしてるとか」
セーラ 「何が楽しいのよそんなの」
ドロシー 「さあ……好きな人は好きなんじゃないですか。でも視聴率は最悪ですね」
セーラ 「当たり前よ。なんで打ち切られてないのこれ?」
ドロシー 「ええと……あ、お便りが凄く多いみたいですよ。
『大草原の小さなゲル、毎週見てます。馬鹿な弟と無茶な兄相手に疲れ果てる日々で、これだけが唯一の癒し 女子高生 R』
『僕自身はあまり興味もないのですが、横暴な姉がこれを見てる間は大人しいので続けてください 高校生 M』
『いやあ、やっぱり大草原って最高ですよね。見てると心が解放されますよ 高校生 M』
『うん、たまにはこういうのもいいんじゃないですかね。是非これからも放映し続けてください 高校生 M』
『打ち切らないで欲しいなあ。打ち切らないでくださいよ、お願いですから 高校生 M』
……ってこれ、最初の葉書以外は全部同じ人みたいですね」
セーラ 「へえ、暇な奴もいるのね」
ドロシー 「視聴者様に向かって失礼ですよそれは……やっぱり、好きな人は好きなんでしょうね、こういうのも。
これからも放映は続けさせていただきますので、安心してくださいね、Mさん。
さて、それでは次の番組です」
・邪道戦士ウィンダム
燃え上がれ燃え上がれ燃え上がれ ウィンダム
君よ 落とせ
今野望に燃える 欲望があるなら
神の雷を 落とせよ 落とせよ 落とせよ
自己中な怒りをぶつけろ ウィンダム
邪道戦士 ウィンダム ウィンダム
蘇る 蘇る 蘇る ウィンダム
君よ 落とせ
天上へ向かって飛べよ ウィンダム
邪道戦士 ウィンダム ウィンダム
ドロシー 「……」
セーラ 「あ、これ知ってる」
ドロシー 「……ええ、もちろん知ってますとも。我がエリミーヌ教団の恥ですものね」
セーラ 「えーっ、何よその言い方、これ作ったのわたしなのに」
ドロシー 「セーラさんだったんですか!? 何考えてるんですか一体!
エリミーヌ教上層部の陰謀と汚職を暴くアニメって、こんなの放映されたおかげで信者激減なんですよ!?」
セーラ 「えー、出来はいいと思うんだけどねー。ほら、追い詰められたウィンダムが、
狂ったように神の雷を落としまくるシーンなんか鳥肌物じゃない?」
ドロシー 「罰当たりすぎますよ!」
セーラ 「そっかなあ。割と評判いいから、続編作ろうと思ってたんだけど」
ドロシー 「評判いいって……本当ですか?」
セーラ 「本当だって。ほら葉書がこんなに……
『ウィンダムを見てるとストレス解消になります。僕を馬鹿にする奴にも神の雷落ちないかな 高校生L』
『ウィンダムを見ていろいろと参考にさせていただきました 神父 O」」
ドロシー 「最悪じゃないですか!」
セーラ 「いいじゃないの。ほら、無印ウィンダムでライバルだったウィンダムとオロが味方として再会する
『邪道戦士Zウィンダム』とか、そのさらに続編の『邪道戦士ZZウィンダム』とか、
OVAの『邪道戦士ウィンダム 第08布教小隊』とか『邪道戦士ウィンダム ポケットの中の賄賂』とか……」
ドロシー 「なんでそんなウィンダム司祭にこだわるんですか……もういいです。次……」
・魔女っ子? ミカリン☆2
(前奏中、古代語でスパムメールの文面読み上げる)
子供だなんて 思ったら
大間違いよ 女の子
童顔のくせに 厚化粧
ちょっと年増な 証拠なの
媚びたりなんかはしなくても
あなたは私にもう夢中
ちょっと年さえ黙ってりゃ
騎士も盗賊もいちころよ
魔女っ子ミカリンは 魔女っ子ミカリンは
あなたの心に 忍び込む
忍び込む
セーラ 「出たわね我が局のキラータイトル!」
ドロシー 「これもまた何でウケてるんだかイマイチ分からないですね……」
セーラ 「大きいお友達っていうのもいるからねえ」
ドロシー 「セーラさんはそういう人にウケるんですよね」
セーラ 「ちょ、やめてよね気持ち悪い」
ドロシー 「セーラさん、カメラ回ってますよ」
セーラ 「なーんてウソウソ、全国のお友達の皆、これからもセーラちゃんを応援してね、みゃは☆」
ドロシー 「……えー、お便りです。
キャラクターが増えたりして、お便りもまた一気に増えた感じですね。
『ミカリン面白いです。おにいちゃんと一緒に毎週見てます。映画も見ました。 竜王家 M』
『ミカリン面白いけど、どうしてときどき(ダキュンダキュン!)って音がするの? 竜王家 F』
『いつかその内潰しに行くから覚悟しておいてくださいね 占い師 M』
『これが始まってから我が邸宅の周囲でもえもえうるさいのじゃが……もえとはなんじゃ? 神使 S』」
セーラ 「……なんか、偏った感じねえ」
ドロシー 「……ふう。さて、番組紹介も残すところあとわずか……ところでセーラさん?」
セーラ 「なに?」
ドロシー 「主題歌とかいろいろヤバ気なものを平気で流してますけど、当然許可は取ってあるんですよね?」
セーラ 「取ってる訳ないじゃない、そんなの」
ドロシー 「うえっ!? それは不味いですよ!」
セーラ 「なにびびってんの? 大丈夫でしょ、こんなローカル番組……」
ドロシー 「甘いですよセーラさん、著作権とかにちょっとは配慮しないと、日本一うざったいあの団体が」
ぴんぽーん♪
ドロシー 「どこからチャイムが!?」
イリオス 「(ガラッ)こんばんは、カスラックです」
セーラ 「うわ、なにこいつ!?」
イリオス 「カスラックですよカスラック。著作権を守る正義の役人です」
ドロシー 「ああ、かぎつけられてしまった……」
イリオス 「FETVさん? あんたんとこずいぶん勝手に音楽とか流してくれてるみたいだけど……
駄目だよそういうのは、ちゃんと許可とってやってくれないと」
セーラ 「くあぁ、なにこの平民、すごくむかつくんだけど!」
イリオス 「な、何で平民とか言うんだよ!? 俺は役人だぞ、貴族にだってなれる男のはずだ!」
ドロシー 「でも、顔が貴族って感じじゃないんですよね……」
イリオス 「いや、お前に言われるのだけは心外だぞ……って、そんな怖い顔するなよ!」
ドロシー 「わたしの顔が怖いのは生まれつきです!」
セーラ 「ともかく出てってよね、えーと、名前なんだっけ……」
イリオス 「いや、まだ名乗ってないし……」
セーラ 「面倒くさいからオルソンでいいや。早く出てってよオルソン」
イリオス 「オルソンってなんだ! 俺はイリオスだ、イリオス! カスラック所属の役人、イリオス!」
ドロシー 「……名前だけは凄く貴族っぽいですね」
セーラ 「いやよねえ外面だけの男って。これじゃ貴族になれないはずだわ」
イリオス 「ぐぐぐぐ……お、お前らぁ!」
ドロシー 「ひゃぁ!」
セーラ 「ちょ、暴れないでよオルソン!」
イリオス 「だからオルソンじゃねえって言ってるだろうがぁ!」
セーラ 「うわ、太陽剣出したわこいつ!」
ドロシー 「あの、流星月光に比べるといまいち威力に欠けるけど、平民でも使えるから普及率は高い太陽剣ですね!」
セーラ 「そう、いかにもわたしは平民ですって言わんばかりの必殺剣、太陽剣!」
イリオス 「だから俺を平民と呼ぶんじゃねぇぇぇぇぇっ!」
セーラ 「だーもう、手がつけらんない! と、とにかく、今週はここまで! ありがとうございましたーっ!」
ドロシー 「来週もまた見てくださいねー……って、もうイヤーっ! エリミーヌ教団本部に帰るーっ!」
イリオス 「ちくしょう、俺だっていつかは貴族にぃぃぃぃぃぃっ!」
エンディングテーマと共にテロップが流れる。
(株)ロプト
エリミーヌ教団
(株)ボルトアクス製作所
アスタテューヌ教団
この放送は、ご覧のスポンサーの提供でお送りし(ブツッ)
ザー……(砂嵐)
<おしまい>
346 :
晩飯:2007/06/06(水) 23:12:44 ID:WjPtwwV0
単に「めぞんしっこく」って書きたかっただけです。それだけなのです。
おお、ここでセーラ、ドロシー復活か!晩御飯の人
「めぞんしっこく」は遠回しに暁を馬鹿にしてるんだろうか
とか思ってしまった自分は絶対心が狭い。
いや、ワロタけどさ。ちょっと引っ掛かっただけだ。
提供に宗教関係が多いなあw
>>348 出版社が○学館じゃなく集○社だったと考えるんだ。
それも少年ジ○ンプ。
レイクとセルギウスの対決が腐女子(ティルテュ、ルーテ、リンダ等)にバカ受け、
アンケート効果でヤムty……ザザ涙目のインフレバトルに突入したと。
>>350 なるほど、その発想は無かったw
そもそも自分は何カリカリしてんだろうな。正直すまんかった。
サジマジはともかく、バーツは成長率良いよな
ウィンダムっていったら雑魚MSだな
種死的に考えて
354 :
助けて!名無しさん!:2007/06/07(木) 14:32:49 ID:wsiyyTTN
車の名前と思うおいらは異端かね
某魔神だろ・・・と思う俺は廃人
あれ、晩御飯の人封印プレイしてたっけ
なんか見たような気がしたけど別の人だっけ?
「外伝・トラキア・封印は未プレイ」の話なら、
紋章贔屓の俺の発言で、晩御飯の人のではないな。
358 :
晩飯:2007/06/07(木) 18:47:15 ID:yW/2DcnC
自分は一応、アカネイア戦記(でしたっけ?)以外は全作プレイしてます。
っつっても、大抵1周か2周しかしてないんで、ネタ書くときは台詞サイトに頼りまくりですが。
ラーチェルネタを勝手に考えてみる
ラーチェル「エイリーク、わたくしの活躍がついにアニメ化ですわ」
エイリーク「あら、おめでとうございます。是非家族全員で視聴させていただきます」
で、放送当日
セリス「そろそろラーチェルさんのアニメが始まる時間だよ。」
エリウッド「どれどれ。懐かしいな、あの有名なアニメシリーズの続編ものなのか」
コーマ「ちっ、こいつもファイアーエムブレムじゃなかったか、ずらかるぞ一号」
ネイミー「・・・ぐすっ、置いてかないで、二号ーーーー」
ラーチェル「お待ちなさい、怪盗すりぬけマン。今日こそ逮捕ですわ。」
ドズラ「ガハハ!盗人ども、大人しくラーチェル様にお縄になれい」
レナック「・・・この人の部下になってから、貧乏クジ引きっぱなしだよ。とほほ・・・」
エイリーク「あら?ラーチェルが主人公ではないのですか?」
セリス「どうやら盗賊コンビのほうが主役みたいだね」
リーフ「正直イマイチ。今までのシリーズと善悪キャラが逆転してるし」
マルス「まあ、仕方ないよ。プロデューサーがこの人だし」
プロデューサー サムトー
わかりづらい
361 :
356:2007/06/07(木) 20:17:26 ID:NEl+4Rkt
>357-358
勘違いスマソ
Vol.21 紋章町へようこそ!〜前編〜
とある休日の朝。珍しく家族全員が勢ぞろいしている主人公家の居間に、チャイムの音が鳴り響いた。
「はーい」と返事をしてぱたぱた玄関へ走っていくエリンシアの背を見ながら、兄弟達は首を傾げあう。
ロイ 「こんな朝早くから、誰だろうね」
シグルド 「誰かの友人が遊びにきたのではないか」
マルス 「んー……今日は誰も来る予定はなかったはずですけど」
エリンシア「まあまあ皆さんおそろいで。さ、どうぞ上がって下さいな」
ユリア 「お邪魔します」
ミルラ 「……おはようございます」
チキ 「おはよーっ!」
ファ 「はよーっ!」
セリス 「やあ、ユリアじゃないか」
エフラム 「それに、ミルラたちも。どうした、何か用か?」
ミルラ 「……」
エフラムに尋ねられたミルラは、ユリアの後ろに隠れたまま出てこない。
ユリア 「……ミルラ、恥ずかしがっていては伝わらないわ」
チキ 「じゃ、チキが説明してあげる!」
ファ 「ファもするのーっ!」
チキ 「駄目だよ、ファの宿題じゃないもん!」
ファ 「チキお姉ちゃんだって違うでしょ!」
チキ 「ムキーッ!」
ファ 「フギャーッ!」
ユリア 「ほらほら二人とも、こんなところで喧嘩してはご迷惑でしょう……」
エフラム 「……で、どうしたんだ、ミルラ」
ミルラ 「……実は、学校で社会科の宿題が出たのです」
エリウッド「社会科の宿題?」
リン 「って言うと、歴史とか地理とか公民とか……」
マルス 「それは中学校の内容ですよ姉さん。ミルラたちの年なら……ちょうど、各地方の特徴とか、そういうのをやってる頃じゃないですか?」
ミルラ 「はい。それで、自分たちが住んでいる町について調べて来いと言われたのです」
ヘクトル 「……で、何で俺らの家に来る流れになるんだ?」
アイク 「あれだけでかい家だ、この町について書かれた本ぐらい、いくらでもあるんじゃないか?」
ミルラ 「それは……」
ユリア 「確かに、紋章町の歴史について書かれた本はたくさんあります。一般に出回っていないようなものまで……」
マルス (……それは、凄く興味があるけど……)
ユリア 「ですが、この宿題のことをデギンハンザーおじ様にお話したら、
『そういうものは書物に頼るよりも、己の目で見て確かめるべきだ』と諭されまして」
ミカヤ 「……相変わらず堅い人ね」
ミルラ 「でも、おじ様の言うことは正しいと思うんです」
チキ 「だから皆で紋章町を探検することにしたの!」
ファ 「たんけん、たんけんっ!」
リーフ 「うーん、まあ、百聞は一見にしかずとは言うけど」
ロイ 「でも、隅々まで見て回るには広すぎるよこの町」
マルス 「馬鹿みたいに広いからねえ」
アルム 「そうだね。それに、バレンシア地区は僕やセリカでもないと滅多に行かないし」
セリカ 「いいところなのにね」
エイリーク「案内してくれる人がいないと、そこがどういう場所なのか分かりづらいところもあるかもしれません」
ユリア 「はい。わたしもそう考えました。それで、皆さんのお力をお借りできないかと」
セリス 「つまり、僕たちに紋章町を案内してほしいんだね?」
ユリア 「そういうことになります。図々しいお願いではありますが……」
セリス 「そんな、気にしなくてもいいよ……あれ、でも、竜王家って人がたくさんいるのに、町に詳しい人はいないの?」
ユリア 「……方々を旅して回っている、フォルセティおじ様という方が、いることはいるのですが……」
セリス 「その人は駄目なの?」
ユリア 「はい……最近はそっくりさんで親友でもあるレヴィンさんと遊び呆けてばかりで、家にいなくて……」
セリス 「うーん……あ、そうだ、ユリウスは? ユリウスだったら、十ニ魔将の皆を引き連れていろんなところを遊びまわってるみたいだし、町にも詳しいんじゃない?」
ユリア 「ユリウス兄様は面倒くさがって手伝ってくれません……全く、あの怠け者……」
セリス 「え? ユリア、今なんて……」
ユリア 「あ、いえ、なんでも……それで、いかがでしょうか? お忙しいようでしたら……」
セリス 「ううん、大丈夫だよ。ねえ皆、案内してあげられるよね?」
セリスが全員の顔を見回す。ヘクトル辺りは渋い顔をしていたが、
基本的に今日は全員外出する予定がなかったので、竜王家の姉妹の願いは承諾されることとなった。
エリンシア「まあ、ピクニックみたいで楽しそうだわ。お弁当作るから、ちょっと待ってくださる?」
ユリア 「何から何まで、ありがとうございます。わたしも手伝いますから……」
セリス 「あ、僕も手伝うよ、姉さん」
そんなこんなで一時間ほど後に、主人公家と竜王家の姉妹は紋章町の散歩に出かけることとなった。
ヘクトル 「……って言ってもよ、移動はどうするんだ?」
リーフ 「だよね。徒歩じゃそう遠くへは行けないし」
ユリア 「大丈夫です」
と、ユリアはナーガの魔導書を取り出した。
ユリア 「わたしが竜に化身しますから、皆さんは背に乗ってください」
セリス 「え、大丈夫なのユリア」
マルス 「うーん、我が家は少々重量級の方々が多いですからね。
仕方がない、アイク兄さんとヘクトル兄さんとリン姉さんには降りてててててててっ!」
リン 「わたしとアイク兄さんとヘクトルの体重が同じだとでも?」
マルス 「ちょ、ちょっとした冗談じゃないですか! いたいいたいいたいいたい!」
チキ 「リンのお姉ちゃんとマルスのお兄ちゃんはいつでも仲良しさんだね!」
ファ 「わーいっ、ファもやる、ファもやるーっ!」
マルス 「ちょ、今乗っかるのはよして! 痛い痛い、痛い上に重い!」
リン 「まだ言うか!」
マルス 「いや、リン姉さんのことじゃなくて!」
ユリア 「……大丈夫です、この家ごと持ち上げても平気なぐらいですから……」
セリス 「たくましいんだねえ、竜って」
ユリア 「……! いえ、誤解しないで頂きたいのですが、竜体が丈夫なのであって、決してわたしがラナ並の隠れマッチョということでは……」
セリス 「? 何を言ってるの、ユリア?」
ユリア 「ああいえ、何でもありません。と、とにかく、わたしが化身したら背に乗ってくださいね」
〜紋章町上空〜
ヘクトル 「おー、こりゃ爽快だな」
ロイ 「町が一望できる……こんな高さまで来たのは初めてだなあ……」
エイリーク「……改めて見ると、やはりこの町の地形は変化に富んでいますね」
マルス 「そもそも、『町』って表現するには大きすぎる気がするんだけどね」
リン 「山あり谷あり草原あり……その上、竜やら魔物やらベオクやらラグズやら、生き物もたくさんいるものね」
シグルド 「さて、では、町を見て回ろうか」
ユリア(竜)「そうですね……どこからがいいでしょうか」
ミカヤ 「とりあえず、町全体を見渡せる場所で説明しましょう」
ユリア(竜)「はい。では……この辺りでどうでしょう」
ミカヤ 「うん、ありがとう。ええと、それじゃ……全体の案内はマルスに譲りましょうか」
マルス 「何故僕なんです?」
ミカヤ 「友達というか知り合い多いし、いろんな場所行ってそうだから」
リーフ (なにより元祖主人公だしね)
ロイ (メタ的発言は駄目だよリーフ兄さん)
マルス 「まあ、間違いではないですけどね。さて、じゃあ皆、紋章町全体のことを簡単に説明するね」
チキ 「はーいっ」
マルス 「まず、紋章町は見ての通り凄く広い。任天都炎区紋章町、なんて言ってるけど、
炎区はほとんど紋章町で全部埋まるぐらいだからね。
だから、いっそ他の市町村を合併して『紋章区』に改名したらどうかなんて言われてるぐらいなのさ」
リーフ (こういう設定にしておけば、後で新作が出たときも『合併しました』って言って、スムーズに紋章町入りさせられるもんね)
ロイ (メタ的発言は駄目だってばリーフ兄さん)
マルス 「ちなみに、任天都には他にも輪区やら茸区やら星カビ区やらもあるけど……まあ、今は関係ないから省くね。
で、紋章町は大別して八つの地区に分かれてるんだ。それぞれの名前は、分かるかな?」
ファ 「んとね、んとね」
ミルラ 「……アカネイア地区、バレンシア地区、ユグドラル地区、エレブ地区、マギ・ヴァル地区、
テリウス地区、竜王地区、紋章地区……です。社会の時間に習いました」
ファ 「ぶーっ、ファが言おうと思ったのにぃ」
マルス 「うん、正解。いやあ、ミルラはお利巧さんだね。くれぐれも、その辺りはエフラム兄さんを見習っちゃ駄目だよ」
エフラム 「……」
マルス 「……あの、兄さん。ちょっとは怒ってもらわないとこっちも張り合いがないんですが……」
エフラム 「……いや、紋章町って八つも地区があったんだなあと驚いてるところで」
ヘクトル 「知らなかったぜ」
アイク 「ああ。局地的には知っているんだが」
マルス 「……えー、で、地区の配置は、中心に竜王地区、その隣に紋章地区を置いて、それらを囲むように他の六つの地区が配置されているね」
チキ 「チキたちのお家は紋章町の真ん中だったのね」
マルス 「そうだね。どうしてかは後で説明があると思うけど。
それと、もう一つ知っておいてほしいのは、どこの地区にも『竜』に関する遺跡があることなんだ」
ファ 「竜って、ファたちみたいな?」
マルス 「そう。君たちの家が紋章町の中心に位置しているのも、その辺りと関係しているんだよ。
さて、それじゃ、実際にそれぞれの地区を見て回ろうか。
僕ら兄弟も、一人一人よく行く地区は違うから、それぞれの地区に詳しい人に案内してもらおうね」
チキ 「はーいっ」
〜アカネイア地区、上空〜
マルス 「おっと、まずは僕からか。さて、ただ今真下に見えておりますのが、
紋章町でも一番古くから存在しているエリア、アカネイア地区です」
ロイ 「うん、確かにマルス兄さんに縁が深いね、ここは」
マルス 「アカネイア地区は、旧市街と呼ばれることもある。要するに、昔は栄えてたけど今は落ち目って訳だね。
でも、その分重要な文化遺産なんかも多いし、人がいなくて静かな分、金持ちの別荘なんかも多いんだよ」
リーフ 「いいよねえ、僕もここに別荘建てるぐらいのお金を稼いでみたいよ」
マルス 「ははは、夢を見るのは実にいいことだと思うよリーフ。
まあ、アカネイア地区に関しては、子供が遊ぶような場所はあんまりないって言ってもいいかもね。
考古学の見地から見れば、古い分かなり興味深い場所らしいけど」
エイリーク「そうですね。サレフ先生も、時折ここに調べ物に来ることがあるそうです」
マルス 「今はともかく、大人になったらなかなか楽しめる場所だと思うよ。
後は……そうだねえ、参考までに観光できるような場所を上げておくと、
リゾート目的ならタリス島、掘り出し物を漁るならぺラティ、舶来品ならワーレンの港町、
ハイキングならマケドニア山地、宝探しならマーモトード砂漠、命がけで運試しがしたいならデビルマウンテンってとこかな。
カダインの学院は本の貯蔵量が凄いし学者もかなり多いから、調べ物をするときは最適だと思うよ。
この地区の『竜』に関する遺跡は、ドルーア、フレイムバレル、飛竜の谷、氷竜神殿、竜の祭壇。
それと、ナーガ教の総本山でもあるラーマン神殿があるから、ナーガ教の人たちの数も多いよ。
ああそうだ、後一つ、忘れてたことがあった」
ミルラ 「なんですか?」
マルス 「アカネイア地区は、傷薬の名産地なんだ。
紋章町で使用されてる傷薬のほぼ八割ほどがこの地区で大量生産されているんだ。
安価で、特効薬には劣るけどちょっとした傷ならたちどころに癒す傷薬は、
遥か昔から紋章町の人々に愛され続けているんだ。もっとも、製造法は秘伝とされていて、未だに公表されていないんだけどね」
リーフ 「人の生き血で作っている、なんて噂もあるよね」
チキ 「えーっ!? それ、本当なの?」
マルス 「ははは、まさかね。本当だったら今頃大騒ぎになっているよ。さて、次に行こうか……」
〜その頃、地上〜
リフ 「……よくぞこの『傷薬庵』に来られましたな、ロジャー殿」
ロジャー 「……職を失って途方に暮れていた俺をスカウトしてくれたことには感謝するけどさ……聞いてもいいか、リフ司祭」
リフ 「なんですかな」
ロジャー 「ここは一体何をするところなんだ? 傷薬を作る、というのは聞いてるけど、それらしい設備はどこにも……」
リフ 「……ロジャー殿。あなたは昔から、傷の治りが早いと言われていませんでしたかな?」
ロジャー 「……ああ。けど、何でそれを……?」
リフ 「わたしもそうなのです……いや、この庵には、そういった体質の者達ばかりが集められています。はるか昔から」
ロジャー 「ど、どういうことだ、それは?」
リフ 「……その答えは、この先にあります」
言いつつ、ガラリと戸を開けるリフ。その先には、たくさんの男達がぐつぐつ煮立つ風呂に入っているという衝撃の光景が!
ロジャー 「……なんだこりゃ。いや、まさか……」
リフ 「……もうお分かりでしょう。アカネイア印の傷薬とは、あなたやわたしのような体質の者の『出し汁』から作られるものなのです!」
ロジャー 「あんた、だいじょうぶかい?」
リフ 「常識から外れることであるのは百も承知。ですがこれも人を救うための道なのです。
わたしは司祭リフ。たたかうことはできませんが、きずぐすりをつくることができます」
ロジャー 「今更そんな自己紹介されても……」
リフ 「とにかく、あなたにも今日からこの『傷薬風呂』に入っていただきますので」
ロジャー 「一日中風呂に入る仕事なんだな……まあいいけど。(服を脱いで)よっ、と……うお、結構熱いな……」
ジェイク 「よーう兄さん、あんたもこの仕事にスカウトされたのかい」
ロジャー 「おう。あんたもかい?」
ジェイク 「そうなんだ。俺彼女がいるからさ、この仕事で稼いで暮らしていかないと」
ロジャー 「そうなのか。俺のほうは親も死んじまったし恋人もいないけど、生きていかなけりゃならないからなあ」
ジェイク 「うんうん。ま、頑張ろうぜ。っつっても、風呂に入ってるだけだけどな」
ダロス 「なに、いい仕事さ。海賊なんかに比べりゃよっぽどマシだ」
ベック 「そうだよな。戦車も廃業になって、サンダーボルトも役立たずになっちまったし」
ロジャー 「いい奴等みたいだな……良かった、ここなら友達もできそうだ」
リフ 「そうですな。我らは言うなれば傷薬仲間といったところでしょう」
ロジャー 「……しかし、あれだな。俺、今まで何の疑問もなく傷薬使ってきたけど……これからは止めておこうかな」
ジェイク 「そうしなよ。俺もここに入ってからは一度も使ってないし、彼女にも使わせてないからな」
〜バレンシア地区、上空〜
アルム 「やあ、今度は僕らの番だねセリカ」
セリカ 「そうねアルム、頑張ってバレンシアの魅力を皆に伝えなくちゃ」
シグルド 「(ピーッ!)はいそこ近すぎです、もっと離れて! あといちいち見つめあわない、視線を合わせるのは三秒まで!」
セリカ 「シグルド兄さんはいつもそうやって!」
アルム 「あははは……ところで皆は、バレンシア地区には来たことがあるのかな?」
チキ 「んーん、ないよ」
ファ 「んとね、危ないから近づいちゃ駄目だってイグレーヌが言ってた」
ミルラ 「……怖いところが一杯だと聞いています……」
アルム 「……落ち込むなあ」
セリカ 「でも仕方ないわ、確かに、そういうところが多いのも事実だし……
さ、落ち込んでいないで、バレンシアのことを話してあげましょうよ」
アルム 「それもそうだね。さて、まず、バレンシアは大きく二つの地方に分けられる。
北のリゲル、南のソフィアだ。で、この地区の一番の自慢は、その地味の豊かさにあるんだ」
チキ 「地味ってなあに?」
アルム 「大地が持つ力……ってところかな。バレンシアでも、特に南のソフィアは農業が盛んでね。
その理由は、土地が凄く肥えてて、作物が育ちやすいことにある」
セリカ 「ソフィアは、大地母神ミラさまの加護を受けているの。
だから、とても自然が豊かだし、生産されている作物の種類もとても多いのよ。
種類が多いだけでなく、質も紋章町一と言われているし」
エリンシア「そうね。ソフィア産といったら、お野菜も果物も高いものばかりですし」
エイリーク「漁獲高も素晴らしいですね。ヒーニアス様も、ソフィアの魚はフレリアのと同じぐらい美味だと仰っていました」
リーフ 「不思議なことに、日照りのせいで生産量が落ちる、ってことも滅多にないんだよね」
セリカ 「それがミラ様の加護なのよ」
ファ 「ねーねー、ミラさまってなあに?」
セリカ 「いいことを聞いたわねファ。ミラ様って言うのは、この大地に豊穣をもたらしてくださる偉大な神様で」
アルム 「そうそう、豊穣神ミラって言ってね。お米や野菜を育ててくれるとってもいい神様なんだ」
ファ 「ふーん」
アルム (危ない危ない……ミラ教のことセリカに語らせると長くなるからなあ……)
セリカ 「……アルム?」
アルム 「あ、いや、なんでもないよ。で、ソフィアの凄いところは、作物だけじゃないんだ。
ここの名産品はもう一つあるんだよ。それが、各地の洞穴の奥で湧き出ている『聖なる泉』なんだ」
ミルラ 「……死者を復活させる、というあの泉のことですか?」
アルム 「やあ、よく知ってるね。でもちょっと違うかな。
聖なる泉は、湧き出ている場所によっていろいろと効果が違うんだよ。
死者を復活させるというのもそうだけど、他にも力を上げたり素早さを上げたり……。
時々テレビなんかでも問題になる『ドーピングアイテム』は、ここの泉の水を使って作ることも多いんだ。
もっとも、湧き出る量には限りがあるから、昔はともかく今は政府の管轄下におかれているところが多いけど」
セリカ 「死者を復活させる聖なる泉の水は、薄められて特効薬の原料にもなっているのよ」
チキ 「へーっ! 凄いのね、バレンシアって」
アルム 「そう。とてもいいところだよ。何よりのどかだし、田園風景が延々と続いてて心も休まるしね。
僕の友達も皆この辺りに住んでるんだけど、皆純朴で親切で、いい人たちばっかりなんだ」
セリカ 「お役人さんも温厚な方たちばかりで、旅行者の人は皆来て良かったって言うの」
ファ 「そうなんだーっ」
チキ 「でも、バレンシアって怖いところだって言ってるよ、皆」
アルム 「あー……」
セリカ 「それは、その……」
アイク 「……魔物が大量に跋扈する土地だからな、ここは」
アルム 「ちょ、アイク兄さん、そんなストレートな」
アイク 「隠していては紋章町の案内にはならんだろう」
アルム 「それはそうだけど……ああもう、仕方ないなあ。
確かに、アイク兄さんの言うとおり、バレンシアは紋章町でも一番魔物が多い土地なんだ」
セリカ 「それもこれもドーマ教の……」
アルム 「セリカ、宗教がらみの説明は後にしようよ……と、とにかく、南のソフィアとは打って変わって、
北のリゲルは人間が生きていくには少し厳しい土地なんだ」
チキ 「どういうこと?」
アルム 「さっき言ったとおり、魔物が多いんだね。ゾンビやらスケルトンやらガーゴイルやらドラゴンゾンビやら……
沼にはオープスが飛び交ってるし、おそれざんって場所には恐ろしい妖術師たちが勢ぞろいしているんだ」
ミカヤ 「懐かしいわねおそれざん。巫女修行って行ったことがあるわ」
アルム 「ジュダ司教やらヌイババ爺さんやらタタラ婆さんやら……妖術師にはおっかないのばっかりでね。
正直、あそこには近づきたくないなあ。いつも不気味な空気が漂ってるし」
セリカ (……おぞましい儀式を繰り返すドーマ教の連中には、その内痛い目を見てもらわないと……)
アルム 「他にも迷いの森やらドーマの塔やらドーマの沼やら……ちょっと、普通の人は近づかない場所がたくさんだしね。
そうそう、この地区の『竜』に関する遺跡は、竜の山だよ。竜って言っても、ドラゴンゾンビだけどね……」
アイク 「その分修行の場にはもってこいだな。竜の山でドラゴンゾンビ百体斬りに挑戦したときは……」
アルム 「アイク兄さんの武勇伝はまた後でいいよ……まあ、バレンシア地区に関してはこんなところかな。
一応念を押しておきたいけど、北は凄く危ないけど、南は素晴らしい土地だからね」
セリカ 「そうそう。なんたって、食べ物がおいしいし、水遊びできるぐらい川がきれいだし、可愛い動物や綺麗なお花もたくさん……」
ファ 「うー……」
チキ 「うー……」
マルス 「どうしたんだい二人とも、泣きそうな顔して」
ファ 「だって、ドラゴンゾンビって悪い竜なんでしょ?」
チキ 「チキたちもいつかはそうなっちゃうのかなあ……」
マルス 「(悪い竜って言うか、思いっきりはぐれ飛竜の死体なんだけどね……)
大丈夫だよ、竜王家の人たちは大人になっても皆いい竜ばっかりじゃないか」
ユリア(竜)「そうよ二人とも。それに、悪い竜なんかになったら、デギンハンザーおじ様の雷が落ちるし……」
ミルラ 「……お仕置きはイヤです……」
エフラム 「安心しろ、お前達は悪い竜などにはならんし、そうもさせん。俺が約束しよう」
ミルラ 「エフラム……」
マルス 「ははは、相変わらず実にナチュラルなロリコンぶりですねエフラム兄てててて!」
リン 「いちいち茶化さないの!」
アルム 「さて、ちょっと怖い思いをさせたお詫びに、バレンシア地区最大の名所を見て行こうか」
セリカ 「ユリアさん、ちょっとあっちの方に飛んでいただけますか?」
ユリア(竜)「分かりました」
と、飛んだ先には、轟々と音を立てて流れ落ちる巨大な瀑布が。
ファ 「わぁーっ!」
チキ 「すごぉーいっ!」
ミルラ 「きれいです……」
アルム 「驚いた? これがバレンシア地区最大の名所、リゲルの滝だよ」
セリカ 「紋章地区でも一番大きな滝ね。ここが紋章町の川のほとんどの水源にもなっているって話よ」
セリス 「凄いなあ……バレンシア地区は紋章町でも一番自然が豊かな場所だって言うけど、本当だね」
リン 「あら、エレブ地区だって負けてないと思うけど?」
エリウッド「まあまあ、いいじゃないか。僕らの出番はもう少しあとだよ、リン」
マルス 「じゃ、次の地区へ行きましょうか」
〜ユグドラル地区〜
セリス 「あ、ここは僕らの出番だね、シグルド兄さん、リーフ」
リーフ 「だねえ」
シグルド 「そうだな。とは言え、何から説明したものか……」
チキ 「どうして悩むの?」
シグルド 「うむ……何というか、広いところだからね」
セリス 「そうだよね。紋章町で一番大きな地区だし」
リーフ 「ユグドラル地区だけでも、グランベル、ヴェルダン、アグストリア、シレジア、イザーク、
イード、アルスター、トラキア、ミレトス……と、九つの地区に分かれているからね」
シグルド 「とりあえず、わたしの職場近くから説明しようか……」
リーフ 「グランベルだね」
シグルド 「うむ。グランベルというのは、簡単に説明すると総合的なオフィス街だ。
所属する分野はそれぞれ違うが、いずれも大企業のビルが軒を並べている」
セリス 「でも、通りが一つ違うだけで、昔ながらの町工場が立ち並んでいたりもするんだよね」
シグルド 「うむ。とは言え、町工場はほとんどドズルの下請けばかりだがな……」
セリス 「そうそう、僕の友達もこの辺に住んでる子たちが多くてね。皆、ほとんど貴族で大企業の息子さんや娘さんばかりなんだ。
ラナのところは弓の弦にルーツがあると言われる弦楽器製作のトップメーカーユングヴィ、
ヨハンさんやヨハルヴァはさっきシグルド兄さんが言ってたドズル、
アーサーやティニーは紋章町の電力事情を一手に担うフリージ電力、
コープルやリーンは全自動蘇生組合(オーム・バルキリーコミュニケーションズ)で有名なエッダ製薬、
サイアス先生やアゼルさんは炎を扱うところには必ず影響があるというファラグループの一員だし……」
リーフ 「そんなにいっぺんに捲くし立てたって分かんないと思うよ、セリス」
セリス 「あ、そうだね、ごめんごめん」
リーフ 「ともかく、紋章町に展開してる大きな会社はほとんどここに本拠を構えてるって言ってもいいんじゃないかな」
シグルド 「そうだな。反面、多少自然とは縁が遠い土地になっているとも言えるが、
それでもヴェルダン辺りの湖や森は森林浴にはもってこいだ」
リーフ 「逆に言えば、自然が残ってるところってあそこぐらいのもんだよね……
そうそう、それと、シレジアの天馬便とトラキアの飛竜便は、紋章町内の流通には欠かせない存在だね。
手紙や贈り物なら荷の扱いが丁寧な天馬便、大きな荷物や急ぎの荷物は飛竜便って感じで」
セリス 「他には……そうそう、ミレトスがあったね。紋章町でも一番大きな商業地区だよ」
シグルド 「歴史もなかなか古いしな。デパートやらレストランやらゲームセンターやら大きな本屋やら……
何か物を探したり、カラオケなどの人工的な遊びがしたいのなら、ここに来るのが一番だろう」
リーフ 「夜はちょっと危ないけどね。大きい分いかがわしい店も多いし、露店でも変なものばっかり売ってるし。
それに、オフィス街でもロプト系列のところはなんか危険な雰囲気だし。
そう言えば、テロ集団ベルクローゼンの本拠地がここにあるって言うのは本当なのかな」
シグルド 「まあまあ。そんな話を子供達にしても仕方がないだろう。
とにかく、皆も、夜中は子供だけでうろつきまわってはいけないぞ」
三人 「はーい」
リーフ (……って言っても、この子たちなら竜に化身すれば多少の危機は乗り切れそうだけどね……)
セリス 「……んー、こんなところかなあ。あ、そうだ。ここの『竜』に関する遺跡は、ダーナ砦だよ」
チキ 「あ、そこ知ってる!」
ファ 「家のおじいちゃんとかおばあちゃんとかが、集会所に使ってるところだよね!」
ミルラ 「……町の人たちもここで交流していると聞いています……」
シグルド 「……由緒正しい場所のはずなんだがな……」
リーフ 「んー、ま、その辺は置いておいて……ユグドラル地区に関してはこんなところなんじゃない?
そうそう、名家や金持ちの家の数が多い分、変な風習とか決まりごととかも多いかな。
許婚やら政略結婚やら跡目争いやら、僕らにはかなり縁の遠い話も、この地区じゃ日常風景みたいなもんだって」
マルス 「そうだね。スキャンダルのネタも大抵この地区から発生することが多いし」
セリス 「うん……僕らが通う学校でも、そういう家の間での問題が生徒の間にまで及んでギスギスしたり、
そのせいで一時的に学校を休んだりとか、そういう子がいるぐらいだしね。
ご先祖様や親同士の問題が子供にも及ぶなんて、おかしい話だと思うんだけど」
シグルド 「うむ。我々から見れば実に滑稽な話だがな。彼らにとってはそれが当たり前なのだろう」
リーフ 「ナンナやミランダやサラも、そういうゴタゴタに巻き込まれてて大変だったっけ」
セリス 「あ、そうだ、それそれ。リーフ、一時期家出して、アルスターで過ごしてたんだよね。
あの三人ともそこで知り合ったとか。ねえ、その話は聞かせてくれないの?」
リーフ 「長くなるからまた今度ね……さ、次行こうよ、次」
マルス (……うまく逃げたね、リーフ……)
<つづく>
371 :
晩飯:2007/06/08(金) 23:49:56 ID:HDDc6MD3
連投規制に引っかかる前に一旦切ります。続きはまた明日にでも。
設定垂れ流し的なものはアレかなあとも思ったのですが、
こういうのを読んでて何かしらネタを思いつくこともあるかもしれないと思ったので、
とりあえず投下してみました。もちろんこれに従えとかそういうのではないですが、
使いたいネタがあったら遠慮なく便乗してくだされ。
ところでそろそろ容量がヤバ気ですな。
乙でした。すげーや紋章町w
傷薬がだし汁ワラタw
続き楽しみにしてます。
…もう、傷薬使いたくない…。
輪区、茸区、星カビ区。
見事な三段オチですな。任天都広すぎ。
他にも零区、メトロ区、ドンキーコン区とかあったりするんでしょうか。
374 :
助けて!名無しさん!:2007/06/09(土) 10:57:28 ID:2zo1HBjS
星狐区とかマザー区も有りそうだ
歩化区とか、物森区も有るのか
区…ゲーム
県…メーカー
国…ハード
って感じ?
俺含めて都民は市の存在をたまに忘れるから困る。
おのれー都民 おのれー!
思い知れー!県民の恐ろしさ
府民はまあ…あれだけど…
ふ、おれはおまいらのような都民や県民や府民とは違うぜ
道ってのも自治体区分なんですよ
>>379 そっちの方が上手かったかもw>目欄
ところで、瀬賀県とか書くとなんかありそうな気がしね?
区対抗格闘大会=スマッシュブラザーズって所か
382 :
晩飯:2007/06/09(土) 22:54:20 ID:k7aBdqit
>>任天道
その発想はなかったw
というか、半ば冗談でつけた輪区とかの方で話題が膨らんでるのが微妙にショックw
で、後半の三地区を書いて中編とさせていただきます。
383 :
助けて!名無しさん!:2007/06/09(土) 22:55:23 ID:MErXSSOt
この兄弟たちでスマブラに出れるのは何人いるんだろうか
Vol.21 紋章町へようこそ! −中編−
〜エレブ地区、上空〜
エリウッド「やあ、今度は僕らの番だね」
ヘクトル 「面倒くせえな……お前らに任せるぜ、俺は」
リン 「ぐうたらしないでよねヘクトル」
ロイ 「まあまあ……さて、ここエレブ地区は……
さっきリン姉さんの言ってたとおり、自然が豊かな土地、かな」
リン 「緑の多さや作物の生産量ではバレンシアに劣るかもしれないけどね。
だけど、このエレブ地区は、紋章町で一番変化に富んだ土地なのよ」
エリウッド「山岳地帯に草原平野、雪山から砂漠まで何でも揃ってるからね。
魔の島っていう離島は、いろいろあって外界と隔絶されてるせいで独自の生態系を築いているし」
ロイ 「西方三島では未だに鉱脈が発見されることがあって、開拓も盛んに行われているしね」
リン 「あとは……そうね、それぞれの地区に、昔からの伝統が根強く残っているわね」
ファ 「伝統?」
エリウッド「そう……リキアの民芸品やサカの遊牧民、イリアの傭兵稼業にベルンの警察組織と……
昔から伝わるものを大事にしている土地なんだ、ここは」
ロイ 「そんなに広くはないけど、少し歩けばガラっと変わるんだよね、土地も、人も」
エリウッド「それに、ナバタの砂漠奥のオアシスでは、ベオクもラグズも竜族も、皆仲良く暮らしているんだよ」
リン 「これも、昔から厳しい環境で生き残るために、それぞれの種族が力を合わせて暮らしてきたおかげだって言われてるわね」
ロイ 「あそこだけじゃなくて、皆で協力していきましょうっていう気風が強いよね、エレブ地区は」
エリウッド「そうだね。他の地区に比べると特産品なんかも少ないけど、いい土地だよ、なかなか」
リン 「サカの草原には紋章町一速くて体力もある馬っていう、立派な特産品があるけどね」
ロイ 「リン姉さんは本当にサカが大好きだよね」
リン 「もちろんよ。サカの地平線に沈む夕陽の壮大さ、皆にも一度は見てほしいわ。
それに、遊牧民はお客さんを大歓迎する風習があるから、草原を旅するのにも困らないし」
エリウッド「産業と言えば、遊牧民だけじゃなくて海運業も盛んだね。
この地に本拠を構えるベルガー商会は、紋章町の海の交通網を一手に担ってるんだよ」
ヘクトル 「……ところでお前ら、重要なことを忘れてるぜ」
リン 「……? 何かあった?」
ヘクトル 「博打だよ、博打」
エリウッド「あー……」
ファ 「ばくちってなあに?」
ミルラ 「……賭け事ですか?」
ヘクトル 「そうだ。ここはな、闘技場やら賭博場やらが一番多い地区なんだぜ」
リン 「……正直、汚点だと思うんだけどね」
ヘクトル 「サカじゃ昔から競馬やってるし、バドンって港町にはデケエ闘技場と賭博場があるしな。
それに、紋章町全域のそういう施設を取り仕切ってる連中の総本山もあるんだぜ、ここには」
エリウッド「任侠集団、黒い牙だね……」
ヘクトル 「そうそう、あいつらだ。この辺は、紋章町で一番ヤクザの勢力が強いって評判だな。
カタギには手を出さねえっていう昔ながらの掟を守ってるから、黒い牙の連中自体の評判も悪くねえ。
最近何かと話題のテロ集団ベルクローゼンも、ここじゃおいそれと悪さをできねえって噂だぜ」
チキ 「かっこいいねえ」
リン 「駄目よそんな風に言っちゃ。どんなに取り繕ったって、悪い人たちなのには違いないんだから」
ヘクトル 「付き合ってみりゃ案外悪くない連中だぜ」
エリウッド「でも本当、ここはあんまり行政府の力が強くないな。
バドンの港にはファーガス海賊団がいるし、イリアも傭兵たちの組織が強い。
ベルンの警察組織も、黒い牙を押さえつけるよりはむしろお互いに干渉しないように上手くやってる感じだし、
西方三島も開拓者のリーダーが取り仕切ってる感じだから一種の無法地帯だし、
リキアにしたってちょっと地区が違えば決まりごとも人の性格もガラッと変わるしね」
ロイ 「その辺りが時代遅れとか言われる理由なんだろうね。自由な気風があって僕は好きなんだけど」
リン 「自由すぎるのも問題でしょ。犯罪者のグループとか怪しげな集団とか、ほとんどここに本拠を置いてるって噂よ」
エリウッド「悪の魔術師ネルガル率いるモルフ団の本拠もここにあるって噂だしね」
リン 「全くもう、どうしてこう悪い連中ばっかりなのかしらね」
ロイ 「まあ、そんな風に言うほど危ない土地でもないんだけどね、実際は……
ええと、ここの『竜』に関する遺跡は、竜の門と竜殿かな」
ファ 「知ってる! 竜殿って、ファたちのお家の別荘だよ!」
チキ 「あそこに行くと竜族はみんな元気になれるって、ヤアンおじちゃまが言ってた!」
ユリア(竜)「私たち竜族にとっては聖域とも言える場所です。
竜の門も、その力を解放すれば別の世界へも移動できる巨大なワープゲートなのだとか」
ロイ 「竜の門に関しては、エトルリア大学の高名な大賢者、アトス教授が機能を研究してるらしいね。
その全容が明らかになれば、誰でも自由に世界中に移動できるようになるとかならないとか」
ミルラ 「凄いです……わたしもエフラムと一緒に世界旅行してみたいです」
リーフ 「……だってさ、エフラム兄さん」
エフラム 「……世界中を放浪する武者修行の旅……悪くはないな」
エイリーク「兄上、それはミルラの言っていることとは少し違うと思いますが……」
エリウッド「総括すると、昔ながらの風習が色濃く残るって感じなのかな、エレブ地区は。
いい意味でも、悪い意味でも。さ、次の地区へ行こうか」
〜マギ・ヴァル地区〜
エフラム 「む……ここは俺達のようだな」
エイリーク「そうですね。さてミルラ、チキ、ファ。あなたたちは、マギ・ヴァルに対してどのような印象を持っていますか?」
ファ 「んとね、お金持ちの人たちがいっぱいいるとこ!」
チキ 「魔物とかお化けとかがたくさんいるところ!」
ミルラ 「……闇の樹海があるところです……」
エイリーク「そうですね。三人の印象は、全て正しいといえるのではないかと思います。
マギ・ヴァルは、中央の闇の樹海を挟んでさらに三つの地区に分かれているといっても過言ではありません」
エフラム 「金持ちの家が立ち並ぶ東部、闇の樹海が広がる中央部、古代の遺跡の中に魔物が跋扈する西部、だな。
この辺りは実際に立ち寄ることも多いから、俺もよく知っている」
エイリーク「兄上の仰るとおりですね。まずは高級住宅街という印象が強い、東部から見ていきましょうか。
ここはユグドラル地区に次いで、昔から続く貴族の家が多い土地です」
エフラム 「まあ、貴族じゃなくて単なる成金連中も多いがな。その辺りがユグドラルとは大きく違う」
エイリーク「そうですね。ここに居を構えている人たちはほとんどが財産家です。
そうでない人たちはほとんど隣のエレブ地区に流れていってしまうので、
幾分か排他的な気風が強いとも言えます。少々、嘆かわしいことですが」
エフラム 「ここのお上品な雰囲気は、貧乏人には耐えがたいからな……
貴族のお屋敷に勤めてる使用人やら騎士団の連中やらにしても、
給金はかなりいいからそこそこ贅沢な暮らしをしているし」
エイリーク「基本的には余暇を持て余している人々が暮らしているので、
彼らがスポンサーについている芸術家たちも、多くがこの地区に集まっています。
美術館に博物館、コンサートホールや劇場なども、大きなものはほとんどがこの地区に存在していますね。
そういった施設は、最近急成長してきたカルチノという商業区に集中していますが」
シグルド 「うむ、カルチノのことはよく耳にするな。あくまでも商人達が商品を売買するために集まるミレトスに対して、
カルチノの方は芸術的なものを売り物にしていると聞いている。それがマギ・ヴァルの富裕層に受けて、
近年急速な成長を遂げてきたのだという」
ヘクトル 「エレブのでけえヤクザの中でも、洒落者の連中はよくカルチノを利用するって噂だな」
エイリーク「そうですね。そういった方々も増えてきていると聞いています。
それでも、優雅さを失うのが最も恥ずべきこととされているため、
この地区から貴族の醜聞が漏れるというのは滅多にないことですが」
エフラム 「カルチノ以外は……そうだな、ここにある学校はほとんど貴族の子弟が通う学校ばかりだな。
エイリークの通うルネス女学院や、ヒーニアスの通うフレリア高等学校やら……
一般科目にダンスやら音楽やらが取り入れられているような高級な学校だそうだ。
俺なら死んでも入りたくないな。そんなところに言ったら息を吸うのも無理そうだ」
エイリーク「……兄上はもう少しでいいから、勉学にも興味を示してください」
エフラム 「そういうのは双子の妹であるお前に任せてある。
お前には出来ん武術の道を究めるのが、双子の兄である俺の役目だ」
エイリーク「もう……マギ・ヴァル東部に関しては、こんなところでしょうか。
カルチノは古典的な演劇から少々難解な前衛芸術まで、
芸術に関係するものは何でも見ることが出来ますから、興味があるなら訪れてみるといいと思います」
ロイ 「その代わり、映画とかポピュラーなアーティストのライブやコンサートなんかは皆無なんだよね……」
セリス 「そういうのを見るならミレトスの方がいいんじゃないかな、多分」
エフラム 「そうだな。その点に関してはマギ・ヴァルは圧倒的に劣る。
骨の髄まで金持ちの街という感じなんだ、ここは。お上品なものばかり追いかけているんだな、要するに」
エイリーク「その表現も少し印象が悪いですが……事実かもしれませんね。
マギ・ヴァル東部はこのように富裕層の方々が多く住んでいますが、まだ開発の手が及んでいない外縁部には、
素朴な竜信仰を守って細々と暮らしている、ポカラの里の人々もいます。
さて、それでは次に、中央部の闇の樹海を見てみましょうか」
ファ 「うわぁ、すごい森だねえ」
チキ 「見て見て、ずっと向こうの方まで緑が広がってるよ!」
エイリーク「そう……ここは闇の樹海。遥か昔に、魔王フォデスが封印されたという伝承が残っている土地です」
エフラム 「魔王というのが本当にいたのかどうかは眉唾物だが……
まあ、この街にならそういうのがいたとしてもおかしくはないな」
エイリーク「そうですね。それに、この樹海自体も常に瘴気が噴出していて、
繁殖している動植物も他では見られないものばかりですし……魔物も多いですから、
どのぐらいの動植物がここに存在しているのかは未だにはっきりしていませんが」
リーフ 「そうそう、ときどき新しい種類の植物とか、動物が発見されたりするんだよね。
いいよねえ、僕もここでなんか発見して大金持ちになってみたいよ」
マルス 「まあ、金持ちになったって、リーフの貧乏臭さじゃマギ・ヴァルに住むのは無理だろうけどね」
リーフ 「ちょ、それひどくない?」
ヘクトル 「いいじゃねえか、お前、あんな辺にスカしてる金持ち連中みてえになりてえのかよ?」
リーフ 「……いや、それも確かに嫌ではあるけどさ」
ファ 「ん〜……」
ロイ 「どうしたの、ファ」
ファ 「んとね、この森って魔物がたくさん住んでるんでしょ?」
エイリーク「ええ、そうですね」
ファ 「そんなとこの近くで暮らしてて、お金持ちの人たちは怖くないの?」
エイリーク「いいところに気がつきましたね。実は、闇の樹海の周辺には結界が張り巡らされているのです」
チキ 「結界?」
エイリーク「そう……太古の時代、魔王を封じるために作られたと言われている、五つの聖石の結界です。
ファイアーエムブレムとも呼ばれるこの聖なる石の力によって、魔物たちは闇の樹海より東へは
立ち入れないようになっているのです。
もっとも、結界には小さなほころびがあるらしく、時折街の方へ魔物が侵入しそうになることもありますが、
ロストン家所属の聖騎士団が常に闇の樹海と貴族の居住区を監視しているため、
居住区まで魔物が侵入したことは今までに一度もないそうですが」
エフラム 「そもそも、ここに貴族が多いのも、元々は闇の樹海の魔物が紋章町に入り込まないように押さえ込むためだったという話だろう。
聖石が配置される前は、あくまでも人の手によって魔物の侵入を押さなければならなかったらしいからな」
エイリーク「よくご存知ですね、兄上」
エフラム 「ラーチェルに耳が痛くなるほど聞かされたからな、彼女のご先祖様の武勇伝とやらを」
ミルラ 「……」
ミカヤ (あ、ミルラちゃん面白くなさそうな顔してるわ)
エリンシア(嫉妬しているんですね。やはり、あんなに小さくても女性なのですわ)
ミルラ 「……闇の樹海、わたしとおとうさんはよく来ます」
エフラム 「そうなのか?」
ミルラ 「……はい。竜族の中でも、わたしたちの種は魔物と戦うことに特化した竜族なのだそうです。
古の魔王との戦いでも人に味方して戦ったとか。
ですから、今でも時折闇の樹海を見回って、結界が壊れていないか調べているって言ってました」
エフラム 「そうか……じゃあ、この樹海はミルラたちにとっては庭みたいなものなんだな」
ミルラ 「そのとおりです」
ミカヤ (得意そうな顔……)
エリンシア(微笑ましいですわ……)
リーフ (……今はまだ微笑ましいで済むけど、嫉妬が高じて両者正面衝突なんてことになったら、とんでもない事態になりそうだね)
マルス (竜VSロストン家所属の聖騎士団……うーん、ちょっと見てみたいね、これは)
エイリーク「闇の樹海は未開の地であると同時に古戦場でもありますから、
この場所を舞台にした戯曲や物語なども数多いですね。
さて、それでは最後に、西部方面を見てみることにしましょう」
アイク 「む……ここは俺もよく来るな」
エイリーク「さすがアイク兄上です……三人とも、下にたくさん石造りの建物があるのが分かりますか?」
ファ 「うん、見えるよ!」
チキ 「いろんなところにたくさんある……あれ、なんなの?」
エイリーク「これが、マギ・ヴァル西部方面の有名な遺跡群。
大小合わせて二百以上存在していると言われているこれらの遺跡は、総称としてラグドゥ遺跡という名前で呼ばれています」
ロイ 「有名なところだよね。教科書にも載ってるし」
リーフ 「でも、ここも闇の樹海と同じで魔物が凄く多いから、やっぱり全容は解明されてないんだよね」
ファ 「そうなのー?」
リーフ 「うん。古代の財宝も大量に眠ってるって言うから、そういうのが目的で探検に来る人が多いらしいんだけど……」
エフラム 「……その多くは、魔物との戦いや、凶悪な遺跡の罠にかかって命を落としているらしいな」
アイク 「己の実力を過信してはいかんということだな。俺も、遺跡の一番深いところまでは潜ったことがない」
マルス 「かなり凶悪な魔物がいるって話ですからね」
エイリーク「そうですね……歴史的な建築物としても価値が高いとサレフ先生が仰っていましたが、
やはり魔物の数の多さゆえに、研究は遅々として進んでいないそうです」
シグルド 「うむ……アカネイアのラーマン神殿やユグドラルのダーナ砦と共に、
この遺跡群も古くから存在しているらしいが……
いつか研究が進めば、紋章町の歴史教科書も全面的に書き直されるかもしれないな」
エイリーク「……マギ・ヴァル地区についてはこんなところでしょうか」
エフラム 「東部と西部でまるで正反対の顔を持つ土地、と言ったところだな。
さて、それじゃ、早々に立ち去ることにしようか」
ファ 「? どうして?」
エフラム 「それはな……」
ピーッ!
ヴァネッサ「そこの竜族の方、この空域は危険空域に指定されて……」
エイリーク「ああ、ヴァネッサさん。お勤めご苦労様です」
ヴァネッサ「あなたは……ターナ様のご学友の、エイリーク様ですか。
失礼致しました。ですが、闇の樹海と遺跡群上空は危険空域ですので、許可なしに立ち入られては困ります」
エフラム 「すまない。今日は瘴気濃度も安全レベルだというから、大丈夫かと思ったんだが」
ヴァネッサ「……確かに、今日はガーゴイル警報もビグル警報も出ておりませんが……かと言って、規則を破られては……」
マルス 「許可なら取ってありますよ、ほら(ぴらっ)」
ヴァネッサ「……これは、通行許可証……確かに、このサインはヒーニアス様の筆跡ですね……」
マルス 「まあそういうことなんで。さ、用も終わったことだし、さっさと立ち去りましょうよ」
エイリーク「……マルス。いつの間に、ヒーニアス様の通行許可など頂いていたのですか?」
マルス 「ははは、何かの役に立つかと思いまして、事前にね。
(本当は、チェイニーに変身させて偽造させたんだけど……ま、黙っててもいいよね、役に立ったんだし)」
チキ 「ねーねー、さっき言ってた、瘴気濃度とかガーゴイル警報とかってなあに?」
エイリーク「そうですね、では最後にそれを説明することにしましょうか。
瘴気濃度というのは、その名の通り闇の樹海の奥からあふれ出る瘴気の濃度のことです。
瘴気は魔物の活動に影響を及ぼします。瘴気の濃度が濃ければ濃いほど、
魔物の数も、その質も強大になるのです」
エフラム 「特にガーゴイルとビグルは空を飛ぶからな。瘴気濃度が濃い日だと、
強力な個体が結界を突き破って上空に飛び出してくることすらある」
エイリーク「ですから、ああやってフレリア家の天馬騎士団の方々や、グラド家の竜騎士団の方々が闇の樹海上空を見回っているのです。
最近はエトルリア大学のカナス教授やグラド帝国大学院のノール教授が瘴気濃度を計測するアイテムを作り出したとかで、
魔物の出現がある程度予測できるようになっているらしいですが」
エフラム 「闇の樹海の奥からは瘴気が無限に吹き出てくるらしいからな。
魔物は瘴気を取り込んで生きているという。ここに魔王の伝承なんかが残っているのも、それが原因なんだろうな」
エイリーク「三人も、竜に化身して空を飛べるからと言って、うかつにこの空域に近づいてはいけませんよ」
三人 「はーい」
エフラム 「……じゃ、次のところへ行くとするか」
〜テリウス地区〜
アイク 「……ああ、俺達の出番か」
エリンシア「懐かしいですわ……この辺りも、最近ではあまり来ることがなかったから」
ミカヤ 「最近はすっかり主婦業に専念してたものね、エリンシア……
さて、テリウス地区だけど……ここの一番の特徴は、紋章町一ラグズの人たちが多いっていう点ね」
ファ 「ラグズって、あのねこさんとかとらさんとかになる人たちのこと?」
ミカヤ 「そうね。でも、皆のお家の竜燐族の人たちだって、竜よりはラグズに近いのよ」
チキ 「そうなの?」
ユリア(竜)「デギンハンザーおじさまやクルトナーガお兄様は、化身するときに竜石や魔導書を使わないでしょう?」
ミルラ 「……だから、ラグズに近いということなのですか?」
ユリア(竜)「そう……とは言え、竜には変わりないから、わたしたちの一族だということには違いないけど」
ミカヤ 「……それで、このテリウス地区は、ラグズの居住率がベオクよりも高い唯一の地区なのよ」
エリンシア「他の地区にもラグズの方々は住んでいますが、ここに比べると圧倒的に数が少ないですね」
アイク 「それに、古来の王族とやらの血を引いている連中も皆ここに住んでいるな」
ミカヤ 「そうね。ニケさんやラフィエルさん、ティバーンさんにネサラさん……
そうそう、住んでいる種族によって、テリウス地区はさらにいくつかの区画に分けられるわ。
ベオクが住んでいるクリミア、デイン、ベグニオン……獣牙族はガリアの山林に。
鳥翼族はキルヴァスとフェニキス、セリノスの森に。狼族の人たちは、以前は前人未到と言われていたハタリに住んでる。
竜燐族の人たちも、一部は竜王地区に住んでるけど、大部分はゴルドアに住んでいるみたいね」
ファ 「ファたち、そのゴルドアってところ行ったことないよ?」
ミカヤ 「皆は、竜族であって竜燐族じゃないから……じゃないかしら。
ゴルドアの人たちはかなり排他的だっていう話だから。
でも、皆なら人よりもラグズに近いから、この地区ではどこでも歓迎してくれるんじゃない?」
エリンシア「逆に言えば、この地区を訪れるとき、わたしたちのようなベオクは注意が必要かもしれません」
チキ 「どうして?」
ミカヤ 「ラグズの中には、ベオクを毛嫌いしている人たちもいるから。
もっとも、それはベオクの方も同じで、ラグズを『半獣』なんて呼ぶ人たちもいるみたい」
アイク 「馬鹿げた話だと思うんだがな」
ミカヤ 「……昔から根強く残っている偏見だから、すぐには解決されないでしょうね……」
エリンシア「でも、きっといつかは、皆が手を取り合える日もやってきますわ」
マルス 「だといいですけどね……ところでこの地区にはもう一つ重要な要素がありましたよね?
我が家でも馴染み深い……」
ミカヤ? 「その通り! ここはアスタテューヌ教の総本山なのよ!」
リーフ 「うわっ、びっくりしたっ!」
セリカ 「出たわね邪神!」
ユンヌ 「ぶーっ! その呼び方嫌いだってば!」
アルム 「ふ、二人とも、こんな空の上で喧嘩はやめようよ」
セリカ 「ふん!」
ユンヌ 「ふーんだ!」
アルム 「参ったなあ……」
リーフ (……なんだかんだ言って結構仲いいんじゃないの、この二人?)
ロイ (どうかなあ……)
アイク 「……ユンヌ、わざわざミカヤ姉さんの体使って出てきてるんだから、説明ぐらいはやってくれ」
ファ 「おばちゃんおばちゃん、アスタテューヌ教ってなあに?」
チキ 「教えてミカヤおばちゃん!」
ユンヌ 「お、おばっ……オホン、わたしはまだおばちゃんなんて呼ばれる年じゃないのよ。
それにね、わたしはミカヤじゃなくて、混沌の女神ユンヌ……」
ミルラ 「……学校で習いました。数千年前から存在している、混沌の女神ユンヌ……」
チキ 「じゃ、おばあちゃんなんだ!」
ファ 「ねーねー、アスタテューヌ教ってなあに? 教えてユンヌおばあちゃん!」
ユンヌ 「あ、扱いがひどくなってる!? くぅ、これだから子供は……!」
セリカ (自分だって精神年齢は子供と大差ないくせに……)
アルム (抑えてよセリカ……)
ユンヌ 「ぐぅ……なんか納得いかないけど、まあいいわ。
アスタテューヌ教っていうのはね、正の女神アスタルテと、負の女神ユンヌ、
そしてその間に位置するアスタテューヌ神を信仰する宗教なの。
このテリウス地区のベグニオンに総本山がある、由緒正しき宗教なのよ!」
マルス (由緒正しき宗教ってのも、なんかうさんくさい感じがするけどね……)
アイク 「アスタテューヌ教と言えば、神使というのがいたな……。
一応、この辺りのベオクの頂点といえば神使ということになるらしいが」
エリンシア「そうですね……とにかく、このテリウス地区を説明するとき、
ベオクとラグズという二つの種族の存在を欠かすことは出来ないのです」
チキ 「でも、どうしてこの辺りだけ、そういうのがあるの?」
アイク 「さあな。昔からラグズはこの辺りに住み着いていたというし……
あまり外の環境で暮らしたがる連中でもないから、他のところには広がっていないんだろう」
ユンヌ 「皆無って訳じゃないけど、数は圧倒的に少ないわね。
あ、それと、この辺りは他の地区と違って山に行っても森に行っても海に行ってもラグズが住んでるから、
ある意味紋章町で一番開けてる地域って言えるかもしれないわ」
アイク 「そうだな。ラグズはベオクではとても暮らしていけない土地にも平気で住み着くからな」
エリンシア「最近は、神使様の融和政策のおかげもあって、ラグズとベオクの距離も縮まりつつあると聞きますが……
やはり、偏見は根強いようですね」
チキ 「皆で仲良くできればいいのに……」
ユンヌ 「そうね。人たちは、外見はともかく心の方はそれほど大きな違いはないんだけど……なかなか難しいみたい」
三人 「……」
エリンシア「ふふ、難しい話ばかりでは退屈でしょうから、この地区のいいところもお話しましょうか」
アイク 「そうだな。まずは……食い物がうまい」
ユンヌ 「あと、お祭りも多いわね。他の地区よりも、宗教の浸透率が断然高いから。
それに、最近ではベオクのお祭りにラグズが参加したり、その逆もまたあったり……
昔に比べてもかなり賑やかになってきているのよ」
ファ 「そうなんだぁ……」
チキ 「すごいねぇ……」
ミルラ 「……エフラム、今度一緒にお祭りに行きたいです……」
エフラム 「時期がきたら、な」
ミカヤ 「……さて、これで竜王地区と紋章地区を囲む、六つの地区の案内は終了ね」
マルス 「じゃ、次は竜王地区に行ってみましょうか」
<つづく>
391 :
晩飯:2007/06/09(土) 23:08:33 ID:k7aBdqit
マギ・ヴァル以外はかなり薄めになってしまったのが少々アレですが。
以上、自分なりに主要6作品の世界観を「地区」としてアレンジしてみますた。
簡単にまとめると、
アカネイア 古都。歴史的な建築物多数、竜に関する遺跡も多し。あと傷薬と掘り出し物。
バレンシア 農業地区。自然豊か。純朴な人々。宗教色強し。魔物もいるよ!
ユグドラル 紋章町最大。貴族の街。ドロドロ政治劇展開中。ミレトスは人工的な遊び場所。
エレブ 素朴な町並みが広がる。変化に富んだ地区。賭博と任侠の世界。
マギ・ヴァル お上品な金持ちの町と、隣り合わせの闇の樹海、そして遺跡。冒険するなら西部へどうぞ。
テリウス 神使が頂点に君臨する地区。最も宗教色が色濃い。祭り多し。ベオクとラグズ間の人種問題多発。
なんかこんな感じ。
('A`)
クレームをつけたいわけではないんだが…ちょっと設定的すぎる気がする。
ここまできっちりと設定的を作りたいなら、個人サイトでやったほうがいいかもしれんと思う。
他の職人さんが少ない中で、あんまり1人の設定設定となっちゃうのはどうかと思う。
コテハン使ってる分だけ、目立っちゃうし
基本的には楽しく読ませてもらっているので、頑張ってはもらいたいんですけどね…
今回のはどうかなと…。
394 :
晩飯:2007/06/10(日) 01:40:15 ID:Y1fczkzu
いやまあ、前にも書きましたけど、別段「お前らこれに従え」とか、
「きっちりとした設定を作ろうぜ」とかそういう意図で書いたのではないです。
私自身は、
>>8の通り、「FE主人公が兄弟だったら」って以外に統一された設定が必要だとは思っていませんし。
こういうのからでも、新たなネタが生まれるんではないかなあとか思っただけで。
気に入らん部分はスルーしてもらって、気に入った部分があれば拾ってもらえたらなあ、なんて。
……とは言え、確かに今回のは設定垂れ流し過ぎでしたね。押し付けに見えても仕方がないかも。
なんかこのスレで書くたびに謝罪してばっかりのような気がするんですが、
またもや不快な思いをされた方がいらっしゃったようで、申し訳ありません。
以後この手のは自重いたします。重ね重ね申し訳ございません。
>>391 相変わらず上手いなぁネタが
輪区には参ったw
前編、中編とまとめて読んで疲れたけど
自身でいってるけどエレブやテリオスももうちょっと掘り下げてほしかったかな
>>393 ネタなんだから別に後追いしなくていいんじゃないの?
自分的には晩飯の人のネタはきっちりしていてよく考えているから
使わせてもらうネタもいっぱいあるけど使わないネタもあるし
このスレはいろんな意見が出るから面白いだし、それを個人サイトで書けってのはちょっと
リーフ 「ん?何してるんだ、ロイ」
ロイ 「押し入れからゲームソフト発掘したからしてるんだけど」
エリウッド 「ライブアライブ・・・SF編がトラウマだな」
ロイ 「怖いのは最初に終わらせたよ、前評判は聞いてるからさ」
ヘクトル 「結構進んでるじゃねーか、で・・・次はどのシナリオいくんだ?」
ロイ 「んー・・・近未来編にしてみようかな、お勧めされたけど勿体ないから最後にってね」
ヘクトル 「そんな事だから飯の時にオカズ争奪戦に負けるんだよ・・・美味しい物は早めにだぜ、ロイ」
ロイ 「兄さん達の箸捌きが尋常じゃないのが原因だよ・・・さって始めようっと」
セリス 「ハンカチとティッシュの用意しておくかな」
〜〜一時間後〜〜
ヘクトル 「ざけんなよ・・・・・」
リーフ 「そんなカッコにならなくてもな」
エリウッド 「一つにはなれんだよ!」
「「「なあ・・・・・そうだろ、松っ!!」」」
ロイ 「そこまで泣きながら叫ばなくっても・・・兄さん達」
マルス 「無法松の良さが判らないとは・・・まだまだだね。そこだ、ハベルノンキック!」
リン 「マルスまで涙目になってるし、破壊力抜群な名シーンね」
シグルド 「いや・・・サブキャラで只の通りすがりのたい焼き屋さんにしては熱いシナリオだからな」
オルステッド編になったら皆欝になりそうだな。いや、ホント
>>393 同意。あくまで主人公たちが兄弟だったら、ってネタスレなのに、ここまでされても…。強制する気ないったってこうして連続で一人でネタ投下してる時点で、他が入りにくいわけで。
個人サイトでやりなよ…マンセーしてる人たちが見に行くだろうし。
398 :
晩飯:2007/06/10(日) 12:19:20 ID:nztriL5a
スレ容量が残り10KB以下を切りましたな。
この辺の問題を次スレまで引き継ぐってのもアレなんで、
試しに議論・避難用の掲示板借りてみました。
自分としては何とかこのスレに留まらせていただきたいと考えておりますので、
皆さんの意見をいろいろと聞かせてくださると嬉しいです。
FE主人公兄弟スレ 雑談・議論
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9373/ それと、どなたか次スレ立てをお願いします。
わざわざ別板までいって議論なんかしないよ…。どこまでも自分中心だな
>>399 少しは言葉を選べよ。それじゃただのアンチじゃん。汚い言葉でスレを汚すな。
他の人いないようだし次スレ建てるよ。ちょいと待っててね。
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
またの機会にどうぞ。。。
ウボァーorz誰か次スレ頼む。
スレを私物化してるじゃないか。それを自分中心って言ったまでだ
別にそこまで言うほど自分中心じゃないと思うんだけどな
てか、書き手さんが意見を言うのは分かるんだが、ただ傍観しているだけの人が意見を言っても、ちょっとなぁ〜
とりあえず、書く方の人口が増えれば問題無いのだが
書き手が少ない中過疎化防止という意味でも晩飯の人は一役買ってると思う
口だけで何もしない奴なんか比にならないくらい
406 :
晩飯:2007/06/10(日) 17:08:48 ID:nztriL5a
いや、
>>403氏も前にネタ書いた人かもしれませんし、
決め付けで「何もしていない奴」扱いするのはあんまりよくないかなあ、と。
>>403 とりあえず、以降はコテハン外して名無しで書き込み、
ネタもNoつけたりするのは止めるってことでいかがですか?
内容も設定的になりすぎないように気をつけますので。
>406
いつもはROMなのですが、楽しく読ませていただいてます。
ネガティブ系なカキコは雑音だと割り切った方が良いと思います。
>407
スレ立て乙です。
409 :
助けて!名無しさん!:2007/06/11(月) 01:20:02 ID:cHvKx9m4
最近つまんないな
ならお前がネタ書いて面白くしてくれよ。
前にスレに書き込みして、まとめサイト作ってたのに、忙しくてスレこれなかったらもう出来てる━━━('A`)━━━!
すいません、忘れてくれ…闇に葬ります。
って晩飯の人が作ってくれたんですね。暫定といわず、もうそれ使って下さい。間が空いた私が悪いですorz
>>396 シグルドがバハムートラグーンをやって
ビュウをシグルド、ヨヨをディアドラに変えてプレイし、後日凹むシグルドが何故か思い浮かんだ。
>>412 了解しました。とりあえず「暫定」外しますね。
でも、「俺の方がもっといい保管庫が作れるよ」と思ったらいつでも言ってください。
……しかし、正式に保管庫にするなら、もっといろいろ便利にしたいところですな。
っつー訳で、誰かなんかいいアイディアとかありましたら雑談掲示板に書くとか
自分で弄るとかしてください。Wikiなんで誰でも編集できますので。
>>414 一応ね、作ってあるんだ。ただ公開してないだけで(まだ色々微調整中だったので)
まあ、でもわざわざ作ってもらってるし、そっち使って下さい。こっちは削除しときます。
あと他人管理のwikiとかって触るの恐いのでROM専に戻ります。ではノシ
>>415 うわ、マジッスか?
3スレ目だから、ちゃんとした保管庫が出来るまでの間、
せめて過去ログだけでも閲覧可能にしておこうかなーと思ったのが裏目に出たか。
もうちょっと待つなり、相談するなりすればよかったですね……。また先走っちまったorz
えーと、とりあえず、勝手に作っちまった責任取って、
ちょっとでも便利になるように頑張ります……いや、ホントすんません。
あとごめん、叩くつもりとかではなくて…なんだが、晩飯の人、そこまでやるなら個人サイト作った方がいいんじゃないかな…?と思いました。現在スレの九割晩飯さんだし、保管庫も管理するなら尚更。
…と思った。すまない、思っただけだから、気に障ったら申し訳ないorz
晩飯の人、そこまでやるなら個人サイト〜ってのは
今現在あげてくれるのが晩飯の人ぐらいしかいないからじゃね?
他の人も話上げてくれるなら個人サイトじゃなくても良くなるのか?変じゃね?
うん、だからもう言わない。正直スマンカッタ。
なんかさ、あーだこーだ文句言う奴が湧くのも2chだから仕方ないのかも知れんが、
折角の投稿に対し、そういうレスする連中こそ、
他の人が投稿しづらい雰囲気作ってる最大の原因だってことに、
いいかげん気づけよ。
だいたい何で、単にネタの投稿してるだけで、
他の人の投稿の邪魔をしているわけでもない晩飯さんが
スレの独り占めしてることになるわけ?
意味わからん。
個人サイトでやれとかいうレスの方が、よほど何様だと思うが。
そんな事でスレ汚さないで、もうちょっと実のあることしようよ。
長文ネタの書けない者でも、ちょっと思いついた小ネタ振る事くらいならできる。
スレ1章の頃は、そうやって振られた小ネタを、
すぐに誰かが文に起こしてくれたり、またそこから話題が広がったりして
賑わっていたじゃないか。
自分も何回かそうやって小ネタ振ってみたことあるけど、
ネタ振りのすぐ後に、それが生きた文が投稿されたりして嬉しかったよ。
とか、結局自分も長文で文句言ってごめん。
このスレ好きなんで、最近の流れはあまりにしのびなくてさ。
>>420 禿げ上がるほど同意。
晩ご飯の人がいなかったら過疎スレになってたかもしれない。
設定について議論が出るのはネタスレの宿命とはいえ、盛り上げる方向でやれば
職人さんが拾ってくれるラッキーもある。
というわけでこれからも職人方のお話をwktkしながら待ってます。
もういらねえよこんな糞スレ
どっちの理屈にも正しい部分はあると感じる俺ガイル。
まあ、まだ始まったばっかりだしな。
内心うんざりすることがあったとしても、
皆で知恵を出し合いながら何とかやっていきたいもんだ。