テイルズシリーズのキャラクターでバトルロワイアルが開催されたら、 というテーマの参加型リレー小説スレッドの2周目です。
参加資格は全員にあります。
全てのレスは、スレ冒頭にあるルールとここまでのストーリー上 、破綻の無い展開である限りは、原則として受け入れられます。
これはあくまで二次創作企画であり、バンダイナムコゲームス等とは一切関係ありません。
それを踏まえて、みんなで盛り上げていきましょう。
詳しい説明は
>>2以降。
----基本ルール----
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができ、加えて願いを一つ何でも叶えてもらえる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
開催場所は異次元世界であり、海上に逃れようと一定以上先は禁止エリアになっている。
----放送について----
放送は12時間ごとに行われる。放送は各エリアに設置された拡声器により島中に伝達される。
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。
----「首輪」と禁止エリアについて----
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている。
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない)
主催者側はいつでも自由に首輪を爆発させることができる。
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい。
下手に無理やり取り去ろうとすると首輪が自動的に爆発し死ぬことになる。
プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。
なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止能力が使えるようにもならない。
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
禁止エリアは3時間ごとに1エリアづつ増えていく。
----スタート時の持ち物----
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を配給され、「ザック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「着火器具、携帯ランタン」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「支給品」
「ザック」→他の荷物を運ぶための小さいザック。
四次元構造になっており、参加者以外ならどんな大きさ、量でも入れることができる。
「地図」 → 舞台となるフィールドの地図。禁止エリアは自分で書き込む必要がある。
「コンパス」 → 普通のコンパス。東西南北がわかる。
「着火器具、携帯ランタン」 →灯り。油は切れない。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「食料」 → 複数個のパン(丸二日分程度)
「飲料水」 → 1リットルのペットボトル×2(真水)
「写真付き名簿」→全ての参加キャラの写真と名前がのっている。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「支給品」 → 何かのアイテムが1〜3つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「作品中のアイテム」と
「現実の日常品もしくは武器、火器」、「マスコットキャラ」の中から自由に選んでください。
銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
エクスフィアを出す場合は要の紋つきで支給するようお願いします。
ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。
----マスコットキャラの扱い----
マスコットは「支給品」一つ分相当とカウント。
なお、ロワでの戦いにおいて全く役に立たないマスコットキャラは、この限りではなく、「支給品」一つ分とは見なさない。
ミュウを支給する場合はソーサラーリングを剥奪した状態で支給すること。コーダ、ノイシュ、タルロウXの支給は不可。
マスコットキャラはプレイヤーではありません。あくまでも主役はプレイヤーという事を念頭に置いて支給しましょう。
----制限について----
身体能力、攻撃能力については基本的にありません。
(ただし敵ボスクラスについては例外的措置がある場合があります)
治癒魔法については通常の1/10以下の効果になっています。蘇生魔法、即死術は発動すらしません。
キャラが再生能力を持っている場合でもその能力は1/10程度に制限されます。
しかしステータス異常回復は普通に行えます。
その他、時空間移動能力なども使用不可となっています。 (短距離のテレポート程度なら可)
MPを消費するということは精神的に消耗するということです。
全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内(半径100mほど)ということでお願いします。
----ボスキャラの能力制限について----
ラスボスキャラや、ラスボスキャラ相当の実力を持つキャラは、他の悪役キャラと一線を画す、
いわゆる「ラスボス特権」の強大な特殊能力は使用禁止。
これに該当するのは
*ダオスの時間転移能力、
*ミトスのエターナルソード&オリジンとの契約、
*シャーリィのメルネス化、
など。もちろんいわゆる「第二形態」以降への変身も禁止される。
ただしこれに該当しない技や魔法は、TPが尽きるまで自由に使える。
ダオスはダオスレーザーやダオスコレダーなどを自在に操れるし、ミトスは短距離なら瞬間移動も可能。
----武器による特技、奥義について----
格闘系キャラはほぼ制限なし。通常通り使用可能。ティトレイの樹砲閃などは、武器が必要なので使用不能。
その他の武器を用いて戦う前衛キャラには制限がかかる。
虎牙破斬や秋沙雨など、闘気を放射しないタイプの技は使用不能。
魔神剣や獅子戦吼など、闘気を放射するタイプの技は不慣れなため十分な威力は出ないが使用可能。
(ただし格闘系キャラの使う魔神拳、獅子戦吼などはこの枠から外れ、通常通り使用可能)
チェルシーの死天滅殺弓のような、純粋な闘気を射出している(ように見える)技は、威力不十分ながら使用可能。
P仕様の閃空裂破など、両者の複合型の技の場合、闘気の部分によるダメージのみ有効。
またチェルシーの弓術のような、闘気をまとわせた物体で射撃を行うタイプの技も使用不能。
武器は、ロワ会場にあるありあわせの物での代用は可能。
木の枝を剣として扱えば技は通常通り発動でき、尖った石ころをダーツ(投げ矢)に見立て、投げて弓術を使うことも出来る。
しかし、ありあわせの代用品の耐久性は低く、本来の技の威力は当然出せない。
----魔法の使用に関して----
ロワ会場ではマナが特殊な位相をとっており、魔法使用者の記憶によって指向性を持ち、様々な形態となる。
すなわち魔法の内容が術者の記憶にあるのならば、
周囲のマナが晶術・フォルス・爪術など各々に最適な位相を勝手にとってくれる、ということである。
それゆえ術者は元の世界のものと寸分違わぬ魔法を再現できる。
召喚術や爪術など、厳密に言えばマナをパワーソースとしないタイプの魔法でも、
会場のマナが変異して精霊や滄我の代役を務めてくれるため、発動に支障はない。
ただしこの位相をとったマナは回復魔法とは極めて相性が悪く、回復魔法はもとの一割ほどしか効果がない。
気功術などによる回復さえマナに妨害されるため、会場内では傷の回復は至難。
----晶術、爪術、フォルスなど魔法について----
使用する前提条件として、「精神集中が可能」「正しい発声が可能」の条件を満たしていること。
舌を切り取られているなどして、これらの条件を満たせていない場合、使用は不可能。
仮に使えても、詠唱時間の延長や威力の低下などのペナルティを負う。
「サイレンス」などで魔法を封じられた場合、無条件で魔法は使えなくなる。
攻撃系魔法は普通に使える、威力も作中程度。ただし当然、TPを消費。
回復系魔法は作中の1/10程度の効力しかないが、使えるし効果も有る。
魔法は丸腰でも発動は可能だが威力はかなり落ちる。
(魔力を持つ)武器があった方が威力は上がる。
当然、上質な武器、得意武器ならば効果、威力もアップ。
術者が目標の位置をきちんと確認できない場合、当てずっぽうでも魔法を撃つことはできるが、命中精度は低い。
また広範囲攻撃魔法は、範囲内の目標を選別出来ないため、敵味方を無差別に巻き込む。
----時間停止魔法について----
ミトスのタイムストップ、アワーグラスなどによる時間停止は、通常通り有効。
効果範囲は普通の全体攻撃魔法と同じく、魔法を用いたキャラの視界内とする。
本来時間停止魔法に抵抗力を持つボスキャラにも、このロワ中では効果がある。
ただし、広範囲攻撃魔法と同じく目標の選別は不可であり、発動者自身以外は動くことが出来ない。
TOLキャラのクライマックスモードも、この裁定に準拠するものとする。
----秘奥義について----
秘奥義は一度だけ使用可能。その際、発動したキャラが持つ未使用の秘奥義も使用不可となる。
使用後はTP大幅消費、加えて疲労が伴う。
また基本的に作中の条件も満たす必要がある(ロイドはマテリアルブレードを装備していないと使用出来ない等)。
秘奥義に類する強力な術技は秘奥義扱いとする。
該当するのはシゼルのE・ファイナリティ、レイスの極光、TOLキャラのクライマックスモードなど。
Iの覚醒はSB・OLと同じ扱い(何度でも使用可)だが、前世の姿に戻ることは秘奥義扱いとする。
SRの追加秘奥義は2つ合わせて一つの秘奥義とする。TP消費は普通の秘奥義より増える。
またリヒターのカウンターは秘奥義扱いとする。その前に普通の秘奥義を使っていたならば、当然カウンターは発動不可能である。
----TPの自然回復----
会場内では、TPは戦闘ではなく時間経過で回復する。
回復スピードは、1時間の休息につき最大TPの10%程度を目安として描写すること。
なおここでいう休息とは、一カ所でじっと座っていたり横になっていたりする事を指す。
睡眠を取れば、回復スピードはさらに2倍になる。
なお、休息せずに活動している状態でも、TPは微量ながら徐々に回復する。
回復したTPをすぐさま回復魔法にあてれば、ある程度ダメージの回復は見込める。
しかし、かなりの集中力を割くためこの作業中は不意打ちに弱くなる。事前に鳴子を張っておくなどの対策は可能。
----状態異常、変化の設定について----
状態異常並びに変化追加系は発生確率を無視すると有利すぎる効果なので禁止とする。
Rの潜在能力やフォルスキューブ(マオ)、Dのソーディアンデバイス、D2のスロット、一部のエンチャントが該当する。
D2のFOEも禁止。ただし術技にデフォルトで付加されている能力は有効とする。例として、
●ヴェイグの絶・霧氷装
●ミトスのイノセント・ゼロ
●ダオスのテトラアサルト
●ジルバのシェイドムーン・リベリオン
等が挙げられる。
----合体技の再現(SのU・アタック、R仕様秘奥義など)----
ロワを通して仲良くなったキャラや、同作品から来た仲間同士であれば、協力して合体技を使うことも出来る。
合体技を編み出せる仲間、ならびに魔法・特技の組み合わせは各原作に準拠するが、
このロワ中では次の条件を満たしている場合でも合体技の発動が可能。
例1:異なるキャラ同士で、同名の魔法・特技を組み合わせた場合。
例えばSの複合特技である「プリズミックスターズ」は、リフィルの「レイ」とジーニアスの「グランドダッシャー」などで発動するが、
同名の魔法を習得しているので、フィリアの「レイ」とシャーリィの「グランドダッシャー」でも、「プリズミックスターズ」は発動する。
例2:「それっぽい」魔法・特技を組み合わせた場合。
例えばSの複合特技である「襲爪雷斬」は、本来ロイドの「虎牙破斬」とジーニアスの「サンダーブレード」などで発動するが、
ジーニアスの「サンダーブレード」をジェイドの「天雷槍」などで代用することも可能。
また常識の範囲内で考えて、それなら合体技が成立しそうだと考えられるなら、まったく新規の組み合わせも可能。
例えばシャーリィの「タイダルウェーブ」で発生させた水を、ルビアの「イラプション」で加熱し、高温の蒸気を発生させて、
もともとはジーニアスの魔法である、高温の蒸気で敵をあぶる魔法「レイジングミスト」を合体技として編み出すことも出来る。
補則1:なおクレスなどは単体で「襲爪雷斬」を放つことは出来るが、同名の技でも合体技の方が威力は上である。
補則2:新規のキャラ同士の新規の魔法・特技の組み合わせは自由に考えて構わないが、
それにより成立する合体技は必ずシリーズのどこかから「本歌取り」すること。
世界観の維持の観点から、まったく新規の合体技を編み出すことは禁止する。
補則3:もちろん合体技を繰り出す当事者達は、ある程度以上気心が知れあっている必要がある。
小説中で「仲良くする」ような描写を予め挟んでおくこと。
補則4:合体技は当然大技であるため、発動させるためには上手く隙を作らねばならない。
同じく小説中で「隙を作る」ような描写を予め挟んでおくこと。
補則5:AのゲームシステムであるFOFを用いた、術技のFOF変化も上記のルールに準拠するものとする。
FOFの属性と変化する術技の組み合わせは原作に準拠するが、上記のルールに違反しない限り、
書き手は全く新規の組み合わせを考案してもよい。下記も参照のこと。
ケースバイケース、流れに合った面白い展開でお願いします。
----ゲームシステムのクロスオーバー----
ロワ参加者は、デフォルトの状態では原作世界の知識しか持たないものの、
ロワで他世界のキャラと交流を持ったり、何らかの方法で他の世界の知識や技術を得た場合、
その世界特有のシステムを使いこなすことが出来るようになる。
例えばリオンが事前にジェイドから説明を受けていれば、ジェイドの「タービュランス」で発生した風属性FOFで、
自身の「双牙斬」をFOF変化させ、「襲爪雷斬」を放つことも可能。上項も参照のこと。
ただしRのフォルスやTの獣人化など、その世界の住人の特異体質によるシステムのクロスオーバーは、
原則として不可とする。
ただしSのハイエクスフィアを用いた輝石による憑依などで、
R世界やT世界の出身者の肉体を奪うなどした場合は、この限りではない。
----シリーズ特有の強化スキルやシステムについて----
シリーズのシステムに関わらず、特技・奥義は単独で発動可能とする。ただし連携の順番は原作に倣うこと。
P・・・なし。
D・・・ソーディアンデバイス、リライズは全面禁止とする。
E・・・潜在晶霊術は禁止とする。
D2・・・スロットは全面禁止とする。エンチャントは追加晶術、連携発動、リカバー(D2にはリカバーを使えるキャラがいないため)、
特技連携、晶術追撃、秘奥義、追加特技、通常技連携、空中発動のみ有効とする。
S・・・EXスキルの「一定確率で」系、ガードステータス、ゲットウェル、スーパーガード、ライフスティル、メンタルスティル、
グレイス、ステータスキープ、エンジェルコール、レジストマジック、 メンタルサプライ、コンセントレート、オートメディスン、
スペルコンデンス、サプレスダッシュ、サプレスロウアー、MCディフェンド、ラッシングラン、パフォーマー、グローリー、
HPリバース、レストアピール、アーマードブロウ、ガードアウェイは禁止とする。
R・・・フォルスキューブのドレインは禁止。潜在能力も禁止とする。
L・・・我流奥義は使用可。ただし副極意による追加効果の付与は禁止とする。
A・・・ペインリフレクト、アクシデンタル、ライフリバース、エンジェルコール、ピコハンリベンジ、オートメディスン、グローリー、グレイス、
ADスキルの「一定確率で」系は禁止とする。
T・・・なし。
I・・・武器カスタマイズ、アビリティは全面禁止とする。
(リジェネ、リラックス、悟り、グミの達人、踏ん張り1〜4、封印防御等を除けば能力アップなどしか残らないため)
SR・・・スキルはアビリティのみ有効。例外としてエミルが支給品のコアを入手した場合、アトリビュートの特技変化系を使える
----TOAの設定について----
会場の音素量が少ないため、ルークの音素乖離は参戦時期に関わらず行われない。
ただしルークが無茶をして第七音素を大量に使ったときはその範疇に属さないものとする。
コンタミネーション現象は禁止とする。これはビッグバンの議論を防ぐためである。
超振動は秘奥義扱いとするが、会場の音素が少ないため威力は半減される。
それでも一撃必殺級の上、他の物を巻き込んでしまうのでよく考えてリレーしましょう。
ティアの譜歌ナイトメアは、声に魔力が宿っている訳ではないため拡声器を使っても効果範囲は変わらない。
また敵がある程度弱ってないと無効とする。
カースロットは原則有りとする。ただし同じエリアに居ないと使えない、一人しか操れないといった制限を課す。
勿論操られた者が憎しみを抱いている対象がいなければ効果は現れない。
また導師の力のためレプリカのイオン、シンクには相応の疲労が襲うものとする。
第七音素注入で怪物化はロワのバランスを崩してしまう為禁止とする。譜術式レプリカ製造も同様である。
アンチフォンスロットは有り。ただし効果は一日。
----その他----
*作中の進め方によって使える魔法、技が異なるキャラ(E、Sキャラ)は、 初登場時(最初に術技を使うとき)に断定させておくこと。
断定させた後は、それ以外の魔法、技は使えない。
*クラースは精霊(の力)を呼び出せるが、精霊自体は召喚できない仕様とする。
理由はSのオリジンとロイド等との設定の兼ね合いが複雑なため。
*Pのディストーションやカメレオン、Dエクステンションはあまりにも強力なため使用不可能な設定とする。
*スタンの空中魔法変化技は下級は特技、中級と上級は奥義の扱いとする。
*キールにはフリンジ済みのインフェリア晶霊が入ったCケイジを最初から与える。勿論これは支給品枠の一つとして考える。
*Rの聖獣の力は参戦時期に関わらず有効とする。
*アニー、ジルバの陣術は厳密に言うと魔術ではない為詠唱を必要としない。地面に方陣を描くことで発動させる事。その方法は問わない。
*ジルバの月のフォルスは、対象が限りなく弱っていないと使用できない仕様とする。
また乗り移っている間は一切のダメージを受けないため確かに無敵だが、
逆に言うと本体は実に隙だらけ(同時に二人操るのは無理があり、こっちは操られている方が入っている)なため制限対象には入らない。
*エミルはコア化をもって死亡扱いとする。このコアには莫大な量のマナが含まれている(センチュリオンコアも同様)。破壊も可能。
*リバイブは危険になったら自動でHP回復大の扱いとする。
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活はどんな形でも認めません。
※新参加キャラクターの追加は一切認めません。
※書き込みされる方はスレ内を検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。(CTRL+F、Macならコマンド+F)
※参加者の死亡があればレス末に必ず【○○死亡】【残り○○人】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※具体的な時間表記は書く必要はありません。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
※投下宣言は「○○分後に投下します」など時間を指定するのではなく、宣言後すぐに投下するよう心がけて下さい。
※基本的なロワスレ用語集
マーダー:ゲームに乗って『積極的』に殺人を犯す人物。
ステルスマーダー:ゲームに乗ってない振りをして仲間になり、隙を突く謀略系マーダー。
扇動マーダー:自らは手を下さず他者の間に不協和音を振りまく。ステルスマーダーの派生系。
ジョーカー:ゲームの円滑的進行のために主催者側が用意、もしくは参加者の中からスカウトしたマーダー。
リピーター:前回のロワに参加していたという設定の人。
配給品:ゲーム開始時に主催者側から参加者に配られる基本的な配給品。地図や食料など。
支給品:強力な武器から使えない物までその差は大きい。
またデフォルトで武器を持っているキャラはまず没収される。
放送:主催者側から毎日定時に行われるアナウンス。
その間に死んだ参加者や禁止エリアの発表など、ゲーム中に参加者が得られる唯一の情報源。
禁止エリア:立ち入ると首輪が爆発する主催者側が定めた区域。
生存者の減少、時間の経過と共に拡大していくケースが多い。
主催者:文字通りゲームの主催者。二次ロワの場合、強力な力を持つ場合が多い。
首輪:首輪ではない場合もある。これがあるから皆逆らえない
恋愛:死亡フラグ。
見せしめ:お約束。最初のルール説明の時に主催者に反抗して殺される人。
拡声器:お約束。主に脱出の為に仲間を募るのに使われるが、大抵はマーダーを呼び寄せて失敗する。
【書き手の心得】
1、コテは厳禁。
(自作自演で複数人が参加しているように見せるのも、リレーを続ける上では有効なテク)
2、話が破綻しそうになったら即座に修正。
(無茶な展開でバトンを渡されても、焦らず早め早めの辻褄合わせで収拾を図ろう)
3、自分を通しすぎない。
(考えていた伏線、展開がオジャンにされても、それにあまり拘りすぎないこと)
4、リレー小説は度量と寛容。
(例え文章がアレで、内容がアレだとしても簡単にスルーや批判的な発言をしない。注文が多いスレは間違いなく寂れます)
5、流れを無視しない。
(過去レスに一通り目を通すのは、最低限のマナーです)
〔基本〕バトロワSSリレーのガイドライン
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)
【地図】
通常:
ttp://www.symphonic-net.com/tobr2/img/map0.JPG 禁止エリア(既:赤 予定:水色):
ttp://www.symphonic-net.com/tobr2/img/map.JPG 【補足】
同一パートの投下は本文(状態表)投下終了後、24時間置きましょう。
修正がある場合には
誤字脱字レベル、ストーリーに変更が無い場合、最初の投下より24時間。
ストーリーに何か変更がある場合一旦取り下げ、修正作投下から24時間空けるのが望ましい。
また修正の場合、書き手が来ない際の猶予期間ですが、修正依頼から五日間以内に何らかのアクションを願います。アクションが無い場合強制破棄になる可能性もあります。
なお、作品を取り下げる場合は書き手の方で一度宣言する事。
宣言から再投下の間に同一パートの被り作品が投下されたら涙を堪えて避難所へ。
荒れる事が予想される場合には捨てトリップ推奨。
【参加者一覧】
TOP(ファンタジア) :1/4名→●クレス・アルベイン/○クラース・F・レスター/●藤林すず/●ダオス
TOD(デスティニー) :5/7名→○スタン・エルロン/●ルーティ・カトレット/○フィリア・フィリス/●ウッドロウ・ケルヴィン/○チェルシー・トーン/○イレーヌ・レンブラント/○ミクトラン
TOE(エターニア) :5/6名→●リッド・ハーシェル/○キール・ツァイベル/○チャット/○フォッグ/○レイス(レイシス・フォーマルハウト)/○シゼル
TOD2(デスティニー2) :5/8名→○カイル・デュナミス/○リアラ/○ロニ・デュナミス/●ジューダス/○ハロルド・ベルセリオス/●ナナリー・フレッチ/●バルバトス・ゲーティア/●エルレイン
TOS(シンフォニア) :3/7名→○ロイド・アーヴィング/●クラトス・アウリオン/○リフィル・セイジ/●リーガル・ブライアン/●プレセア・コンバティール/●マグニス/○ミトス・ユグドラシル
TOR(リバース) :4/8名→○ヴェイグ・リュングベル/●クレア・ベネット/○マオ/●ユージーン・ガラルド/●アニー・バース/●サレ/○ジルバ・マディガン/○アガーテ・リンドブロム
TOL(レジェンディア) :3/6名→○セネル・クーリッジ/○シャーリィ・フェンネス/○クロエ・ヴァレンス/●ノーマ・ビアッティ/●ワルター・デルクェス/●ステラ・テルメス
TOA(アビス) :4/8名→○ルーク・フォン・ファブレ/○ティア・グランツ/●ジェイド・カーティス/●アッシュ/●イオン/○シンク/●ディスト/●アリエッタ
TOT(テンペスト) :1/2名→○カイウス・クオールズ/●ルビア・ナトウィック
TOI(イノセンス) :1/5名→○ルカ・ミルダ/●イリア・アニーミ/●スパーダ・ベルフォルマ/●リカルド・ソルダート/●ハスタ・エクステルミ
TOSR(ラタトスクの騎士):4/5名→○エミル・キャスタニエ/○マルタ・ルアルディ/○リヒター・アーベント/●アリス/○デクス
●=死亡 ○=生存 合計36/66
禁止エリア
03:00:A1
06:00:F3
09:00:A6
12:00:D6
現在までのもの
B1,F5,G7,C3
スレ立て乙!
乙です
乙!!!
1stから2nd通して読み返してて漸く気付いたんだが、
2nd・259話のカイルの「お化けぇぇぇええええ!!!」ってやつ、1st・371話のオマージュだったんだな。
…フラグバーストどうなるだろうな…壮絶な修羅場と化すことを思うと今から気になって眠れない
フラグバーストな…多分次かその次あたりにガツンとくるんだろうけど…………しかしここまで全く予想できないってのも新しいと思うw
てんで見当がつかねえや。
おれもいま見返してるけど見返すと新しい発見があっておもしれーわ
中でも特に好き!オススメ!みたいななSSってある?
>>17 2ndを一気読みしたのは3年前だったかな
だから全てを鮮明には覚えてないんだけど、アニーの日記がすごい切なかったのは印象に残ってる…
あの書き手になら掘られてもいいと思った
あれは名作だな…。
自分はジューダスの最期辺りだな
アニーも泣いたが
アニーの話は言うまでもなく好きだが、ルーティの最期の話とクラトスvsシゼルの話もすごく好きだな。
誰も死なない話ではアニーのSSを除けば断トツでハロルドとロニが対峙した話が好きだ。
あとスパーダ独白?とルーク独白?のSSもいい。偶然だろうけど両方ともゾロ目の話数だったのも印象に残ってる
ハロルドvsロニは描写も比喩もタイトルもよかったね。
最近ので言えば「トワイライトに珈琲を」が好きだ。フォッグかっけえよ。
最近のバトルはロニ関連がぶっとんでて色んな意味で面白いが、熱さで言えばカイル&アッシュvsヴェイグかなあ
投下します。
「殺す?」
そうして、彼は自嘲しながら言った。酷くくたびれた声だった。
「うん」僕は応える。「ダメかな」
夏の始めの様な強い日差しがじりじりと僕達を照らしていた。
ここ数日で一番暑く、そしてとても長い一日になりそうだった。
空には綿を千切った様な雲が疎らに広がっていて、その隙間から見える青は嘘みたく澄んでいた。
地面には見渡す限りに青々しい葦が広がっている。ぴんと針の様に伸びた葉が、太陽を目指して真直ぐに背を伸ばしていた。
遠くには山が見えていたが、標高はすこぶる高く、てっぺんは薄いグレーで霞んでいる。麓には杉が数本生えていた。
時刻は午前10時。湿気のないからっとした、ラジオ体操がしたくなる様な朝だった。
「構わないヨ」
彼は悟った様にそう言った。あっさりし過ぎていて薄っぺらく、現実感などありはしない会話だった。
「怖くないの?」僕は試しに尋ねる。「これから殺されるのに、君は随分と冷静なんだね」
「“怖い”?」彼は口角を上げておどけてみせた。「“怖い”だって?」
馬鹿にするような口調に僕は少しだけむっとした。
まるで怖いという感情がまだこの世にあったのかと疑うかの様な声色だった。
だが僕の知る限り、恐怖は人間が感じるであろう当然の感情だ。僕は彼の言葉を怪訝に思い眉間に皺を寄せた。
「僕、何かおかしな事でも言ったかな。死ぬのは怖くて当然じゃないか。
死は平等だとか遅いか早いかそれだけだとか言うけど、そんなの言ってしまえば屁理屈みたいなものだろう?
結局みんな、いつ来るか分からない死に怯えながら生きてる。なんだかんだで死ぬのは怖いんだ。
だからこの世には医者だって居るし、処方箋だって出されれば薬だってあるし、安楽死だってあるんじゃないか」
彼は黙っていた。僕は捲し立てる。
「それとも君は、殺されるのが怖くないとでも言うのかい?」
ふん、と彼は僕の言葉を鼻で笑った。
「誤解してるみたいだけどさー、ボクはマオを殺したいから生きてきたんだヨ。
殺されるのが怖かったら、自分を殺すだなんてそんなのやってられないんですけど。
それに正直死ぬとか生きるとかどうでもいいんだよネ。お母さんに会えれば、それでいいやって思ってるんだ」
それもそうか、と僕は思った。そうだった。根本的に僕達は相容れない存在だったのだ。
黒と白。交わる事は決してない対極の存在だ。
彼は皆を喪うのが嫌だったから、もう何も喪いたくないから自殺した。死が救いだった。黒い道だ。
僕はそうじゃない。死にたくない。もう何も喪いたくないから、生きて生きて生き抜いていく。生が救い、白い道だ。
再び会った彼は、マオでなくオルセルグと名乗った。中途半端に自殺しきれなくて、勝手に人格を作り上げていた。
オルセルグは自殺できそうになかったから、自分の中に居るマオを殺す為に皆を殺すのだという。
僕も本名のルカ=ミルダじゃなくアスラを名乗った。けれどそれは覚悟を形にしたかったからだ。
それにルカという名前には最早意味がなかった。ルカを知る人が居なくなった今、僕はルカである必要がなくなった。
昔の自分はこの世界を幾らくまなく探してみたところで、何処にも居ない。
落とし物とは違って、そこらの石の裏や箪笥の奥、小説の頁の間に挟まっていたりはしないのだ。
だから僕はルカを殺す事にした。過去との決別。僕はルカ=ミルダである事を諦めた。
皆を殺す鬼となる覚悟を決めた。だから僕は魔王であるアスラを名乗る事となる。
僕が皆を殺すのは、別にルカを殺す為でもなんでもなくて、ただ僕が生きていたいからだ。
全ては、おかえりルカ、と言ってくれる人を生き返らせる為に。
白い道も黒い道も、巡り巡って結局辿り着いた場所は誰かを殺す修羅の道。
理由は違えど、彼と僕は道を違えてなどいなかった。それなのに。
「……どうして、僕達は争わなくちゃいけないの?」
僕がかぶりを振って言うと、彼は小首を傾げた。
「知ったこっちゃないんですけど」彼はさして興味なさげに言った。「出会っちゃったから、仕方がないんじゃないのー?」
出会ったものは仕方がない。成程それは真理かもしれないと思った。
だけど、そうだとするなら神様はなんて残酷な事をするのだろう。
殺し合うしかない二人を此所で出会わせて、一体何をさせたかったのだろうか。
僕は少しだけ考えて、やがて答えを出すのをやめた。どうにもうまく言葉に出来そうにはなかった。
「今の僕は……僕を見たところで、皆はルカ=ミルダだと分かってくれると思う?」
僕は彼に尋ねた。その問いは彼が生きているうちに聞いておかなければならない事の一つだった。
「その姿で元がルカだって事を分かってやれって?」彼は嘲笑する。「とんでもないネ!」
僕は笑った。自分でも驚くぐらい力の無い苦笑だった。
「誰もルカだって分かってくれないなら、いよいよルカは生きているかどうかも分からないな。
孤独なのは嫌なんだ。アスラを名乗ったのは事実だけど、僕はもっとルカだった証を残して生きていたかったのに。
なのにどんどんルカは死んでいく。もう僕の体はこんなにもアスラだ。
最早別物で、人間でさえない。声だって違えば、肌の色も違う。
神様とは言うけれど……結局他人から見ればただの化け物さ。左手は無いのに、痛みさえ感じない。
イリア達とまた会っても、僕はもう狂ってしまっていてルカには戻れないのかもしれないと思うんだ」
「それって嫌味?」すかさず彼は言った。「ボクは羨ましくて堪らないけどネ。自分の名残を殺せるんだからさ」
ボクとキミが逆だったら、どんなに良かっただろうね。
彼はそう締め括ると何か考えに更けるかの様に黙り込んだ。
僕は中指と親指で掴む刀を彼の喉元に突き付ける。彼は平然としたままぴくりとも反応しない。
彼は地に大の字に寝転びどうぞ好きにしてくれといった風で、僕は彼を見下す様な構図で立っていた。
僕は全く覚えていないのだけれど、彼が言うには僕達の勝負は一瞬だったのだと言う。
先ず彼が炎を僕にぶつけたけど、僕は全く怯まず彼の頭を鷲掴みにしてぶん投げたらしい。
彼は受け身を取ったが、落下地点には僕が居て、彼を串刺しにしたようだ。
そしてそのまま地面に十三回叩き付けて、二回スタンピングをした挙句唾を吐きかけた。
『まるでゴリラ対アリだね。リンチみたいなものじゃないか』
僕は言った。まったく我ながら酷い話だ。
そうした後に僕は剣を漸く抜いたらしい。彼は傷口を無理矢理焼いて治療したが、僕はすぐさま彼の喉元に剣を突き付けた。
攻防開始から僅か十八秒。勝負ありだった。僕はそこで漸く意識が戻る。但しアスラの姿のままで、だ。
意識が戻ると、まず僕は集気法を使って口内の怪我を直した。怪我があまりに酷くて喋れなかったのだ。
一通りの話を聞いて、馬鹿げている、と思った。そうだ。馬鹿げている。
僕が言うのもどうかと思うけれど、相手は身の丈五メートルほどの化け物だ。対峙する方がどうかしてる。
『勝てるとでも思ったの?』僕が冗談混じりに訊くと、彼は『まさか!』と肩を竦めていた。
『それなのにどうしてわざわざ真正面から挑んだんだい?』と僕は訊いた。
『プライドだネ』彼は少しも迷わずにそう応えた。『キミとの戦いだけは、逃げちゃいけない気がしたんだヨ』
酷く曖昧な答えだったが、僕は納得出来た。僕にも少し分かるような気がしたからだ。
同族嫌悪―――少なくとも彼もまた、僕と自分がどこかしら似ていると思ったんだろう。
「キミって意外に正気?」
ふと彼が何かを思い出したかの様に言った。
「かもしれない」僕は応えた。「僕が殺したらしいそこに転がってる人を見て、何も思わないくらいには正気かな」
僕は直ぐ側を無様に横たわる死体を顎で指した。
彼が言うには僕が殺したそうだけど、僕にはその記憶がどうにもなかった。
死体は俯せになっていて、辺りには血と肉片が飛び散っている。
僕が心臓を引き抜いてご丁寧に潰したそうだから、どうもこの肉片は心臓だったらしい。
まぁそんな事、あまり興味はないんだけど。そもそもからして、僕はこの女の人がどうも苦手だったのだ。
聖女だか神だかレンズだか奇跡だか知らないけれど、まったくもってうさん臭い。
綺麗事ばかり並べて相手を騙す。詐欺の常套手段じゃないか。
「あちゃあ」
彼は参ったな、という表情をして僕をまじまじと見た。
「手遅れだネ。キミ立派に狂ってるヨ」
「狂ってる? 僕が? こんなに冷静なのに?」
心外だった。こんなに冷静に物事を考えられてるこの僕が、狂ってなんかいるもんか。
そもそも自殺出来ないからって、自分を知っている奴等を片っ端から殺そうとしている様な人間に言われたくはない科白だ。
「冷静だからさ」彼は肩を竦める。「普通自分が無意識に人を殺したって知ったら、冷静でなんか居られないヨ」
そんなものなのだろうか。僕は考えてみたが、全く問題点は見つからなかった。
自分が無意識に人を殺した→意識が戻って、死体を見つける→記憶がないなぁ、まあいいか。
これの何がおかしいのだろう。異常なんて見当たらないじゃないか。変な事を言う奴だ。
「分からないな。僕には君の方がよっぽど狂ってる様に見えるけど」
「え? いやいやボクはまともだけどなぁ。うーん。まぁいいや。
許してくれそうにないとか許してもらう気もないとか思ってたけど、なーんかどうでもよくなってきたなぁ」
僕が悩んでいると、彼は力無く呟いて溜息を吐く。
「許すって、何を?」
僕が訝しげに訊くと、彼は目を白黒させた。
「……何でもないヨ。ボクが馬鹿だっただけみたい」
ふぅん、と僕は言った。どうも馬鹿だという自覚だけはあるらしい。
しかしよくよく考えると、僕達がこうして話しているのはそれはそれで奇妙な光景だった。
火達磨のまま突っ伏した子供と、その喉元に刀を突き立てた化け物が世間話をしているのだ。
とっとと殺せばいいものを、と僕は思った。そうだ、自分でもそう思うのだ。
それなのに僕は刀を一ミリたりとも動かす事はなかった。というより動かす気がそもそもなかった。
何度か彼を殺そうと思ったし、殺していいかとも訊いた。それでも喉元を掻き斬る事だけは出来なかったししたくなかった。
何故だろうと僕は幾度となく自問した。
答えのような漠然としたものは僕の中をふわふわと宛もなく煙か何かの様に彷徨っていたが、
僕にはそれをうまく形にする事が出来なかった。
何となくこうなんじゃないか、と言う事は今直ぐにでも出来るのだろうけれど、僕はそうはしなかった。
決定的な理由が上手く言葉に出来る様になるまで、その彷徨う煙を無理矢理掴む事はしたくなかったのだ。
何となくその気持ちは強く触れてしまうと壊れてしまいそうな、そんな気がしていた。
沈黙が暫く続いた。心地良い沈黙ではなく、不自然で居心地が悪くなる類のそれだった。
僕は上手く今の気持ちを説明出来る様な言葉を探していたが、それはやはりそう簡単には見付かりそうになかった。
彼はその間、ゆっくりと燃えながら虚空を見つめていた。紅玉色の綺麗な瞳だった。
焔越しに見る世界は、きっと常に黄昏色をしているのだろう。
夕暮れ時と青空の違いが分からないのかと思うと、僕はいたく彼に同情したくなった。
彼はもう、二度と青い空を仰ぐ事は叶わないのだ。それは僕にとって自殺する理由になるには充分だった。
「殺さないの?」
重い沈黙は彼が破った。僕はこうべを垂れ、暫く口を閉じる。
何と言っていいのか少しだけ悩んだが、やがて僕はこう切り出した。
「僕には無理だ」
その言葉をチョイスした事を僅かに後悔したが、僕は続けた。
「何となく君には生きていてほしいんだ」
「……馬鹿にしてる?」
「してないよ」
彼は怒っていた。当然だ。自分を殺そうとしている人間に、生きてほしいと言う馬鹿がいるものか。
「じゃあ何さ。情けでもかけてるつもりなの?」
「そんなつもりでもないさ」
「ナニソレ……じゃあ何でさ?」
その言葉には明らかな棘があった。彼がはっきりしない僕に腹を立てているのは明白だ。
参ったな、と思った。これ以上空気を険悪にしない為には意地でも気持ちを言葉にしなければならなくなったからだ。
僕は臆病だしあがり症だったから、そういった作業がとても苦手だった。
「僕個人としては君に恨みはない」
「“恨みはない”?」彼が割り込む。「あんなに怯えてたキミの腕や指をボクが落としたのに?」
「あれは終わった事。仕方がない事だよ。それに見てみなよ、結局君もそのザマだ。痛み分けだよ。
ただ話は戻るけど、だからその、僕と君が少し似ているから何か意地になっていた部分はあると思う。
ただ、今君を殺せば僕の中のこのもやもやした気持ちに一生触れられない。
君を殺すのは簡単だけど、そうするときっと胸にぽっかりと穴が空いた様な気分になると思う。
僕等は神で、炎を使って、お互いに名前を捨てて殺す為に歩いてる。思考は真逆だけど……。
僕は君に興味があって、だからわざわざここで目的が同じ僕らが殺し合うのは勿体ないというか……。
まだこの島には殺さなくちゃならない人が沢山いるのに……僕と君のどちらかが消えてしまうのは効率が悪いというか……。
こういうのって難しいんだよなぁ。うーん、なんて言ったらいいのかなあ……。
僕は君ともっと話していたくて、違うとことか……説得がしたいわけじゃあないけど、つまり……」
しどろもどろになりながら僕は一生懸命に説明したが、それを纏める適切な言葉は皆目見当がつかなかった。
僕は溜息を吐いて目を伏せた。
「ごめんね、うまく説明出来ない」
彼は眉間に皺を寄せた。僕は慌てて続ける。
「た、ただ僕達のダメージがでかいのは確かだ。この消耗じゃあまずこの先、生き残れないと思う。
目的は達成出来ない。ほぼ確実に」
「……つまり?」
彼が先を促した。
僕は生唾を飲み込むと一番言いたくない言葉をゆっくりと舌の上で転がして、そして。
「共闘しない?」
言ってしまった。僕はまた酷く後悔した。
今のところ一番言いたい事に近い言葉がそれだったものの、僕は彼と一緒に戦いたいわけではなかった。
僕は彼の複雑な自殺思想を理解出来ないだろうし、どちらかと言えば殺してやりたいという感情が大きいからだ。
「嫌だネ」
彼は即答した。当然だと思った。
「じゃあ……また僕と戦ってみる? どう考えても君が負けてまた今と同じ状況になるけど」
「……」
彼はむっとして黙った。少し意地が悪い質問だったように思う。
「ごめんね。でも見逃してほしいわけじゃないでしょ?
というか見逃すつもりはないし、多分君のプライドもそれは許さない」
「まぁそれは一番嫌かも」彼は苦笑した。「キミがボクを殺すつもりがない以上は、最善は確かに共闘かもしれないネ」
見逃すか、嫌々戦うか、一緒に行くか、二人で仲良く自殺するか。
その四択だ。一つとしてまともな解などありはしない。けれどその中から選択しなければならないのだ。
“選択”。またそれかと思った。此所に来てからというものの選択のバーゲンセール状態だ。
「でも共闘って言葉は嫌なんですけど」
彼が唇を尖らせて言う。僕もそれには同意だった。仲間になるつもりはさらさらなかったし、何かが気持ち悪かった。
「じゃあ、こうしよう。これはハンティングゲームだ。
僕ら二人で、この島に居る全員を狩る。殺した数で勝者を決めるんだ。横取りもアリで」
我ながら名案だ。屁理屈だけどこれなら共闘とは言わない。
「悪いけどボクは、マオを知ってるヒトだけを殺すつもりだヨ。
それに最後二人になったらどうするのさ?」
ところが彼はそう言ってこちらに質した。僕は少しだけ悩んで、
「いいじゃないか、どうせ名簿には“マオ”って載ってるんだ。なら皆殺した方が手っ取り早い。
二人だけになったら……負けた方が大人しく殺されればいいんじゃないかな」
そう言った。思い付きのこじつけ論にしてはいい線を行っていると思う。
「……PK、アリだよネ? 暇になったら後ろから一撃くれてやるつもりだけど」
彼は暫く瞳を伏せて何かを考えていたようだったが、やがてそう切り出した。
悪くない提案だ、という意味だろう。僕は彼の説得に成功したのだ。
「別に良いよ」僕は快く応えた。「返り討ちにしてあげるから」
彼は渇いた笑いを漏らすと、静かに上半身を上げ胡座をかいた。
むすっとした表情をこちらに向けている。
「アスラ、キミって本当にムカつく奴だなぁ。仲良くなれるかと一瞬思ったけど、多分無理だヨ」
「オルセルグ、君もね。君の考えは一生理解出来そうにないや」
憎まれ口に二人して笑った。仲間意識なんてそこにはちっともありはしない。
あくまでも敵同士で、この同盟はただの利害の一致。僕達の関係はとびきり奇妙だった。
ただ、悪い気だけはしなかった。それは僕達が、互いに足りない何かを持っていたからかも知れない。
僕にはルカを殺しきる勇気はない。皆の中に居ないから今は死んでいるだけで、僕はとことんルカにしがみついている。
彼にはマオを認める勇気がない。自殺出来なかった弱い自分から、もう一人の人格を作る事で逃げている。
僕達は表裏一体で、白と黒だ。決して混ざり合わない色で、だけど二色とも彩度を喪ってしまっていた。
どうも僕達は致命的な、人間らしい何かを何処かに落としてしまったらしいのだ。
今更お互いにそれを求め合って埋めようとしたところで……きっと、埋められはしないのだろう。
そんな事はわかりきっていた。
「歌ってもいい?」
精神力を回復させる為に休んでいると、彼が突然恥ずかしそうに呟いた。
いいよ、と僕は言う。
「歌が好きなんだね。……何を歌うの?」
心地良い風が吹いていた。風は彼の真っ赤な髪をふわりと掠い、燃え上がる炎をごうと乱した。
僕はずっと、心の中を漂い続ける気持ちを掬おうと躍起になっていた。
それは水に映る光の様に、手で掬うとさらさらと指の隙間から逃げてゆき、簡単には掴まえさせてはくれなかった。
だけれど何十何百とそれを繰り返しているうちに、漸く僕は“これじゃないか”というものが掴めた気がした。
それはもしかすると、僕に足りない何かを彼が持っているんじゃなくて、
ただ僕が捨てたゴミか何かに、彼が無様にしがみついているだけだったんじゃないかと思ったからだ。
「皆殺しの歌かなぁ」
「ひ、酷いセンスだね」
「五月蠅いなぁ、焼き殺すヨ」
「……ごめんなさい」
恐らく僕は――――――――――――――――彼をとてつもなく、哀れに思っていた。
【ルカ・ミルダ@アスラ 生存確認】
状態:HP30% TP20% 左肘から先消失 全身痣 肋骨骨折 右手人差し指、中指、小指切断
アスラ化(秘奥義使用で解除) 全ステータス+
所持品:子供じゃないモン 旋風 黒髭ダガー 少し囓られたルグニカ紅テングダケ
バクショウダケ クレアの首輪 ピクルスストーン
基本行動方針:優勝してルカの絆を取り戻す
第一行動方針:取り敢えずマオはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。暫くの行動方針はマオに任せるが、ロイドは自らの手で殺したい
第三行動方針:まずは一休み
現在位置:E6
【マオ 生存確認】
状態:HP15% TP35% 精神疲労大 火傷・炭化+ 右肩骨折 服がボロボロ 全身打撲
リアラが超嫌い アニー以降の放送を聴いてない オルセルグ 封魔の石発動中
所持品:忍刀・東風 ワルターのサック 封魔の石 ワルターの首輪の欠片 聖杖ユニコーンホーン
基本行動方針:お母さんや聖獣達に愛されるため、『マオ』を完全に殺す
第一行動方針:取り敢えずルカはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。モリスン邸方面へ向かいつつ、マオを知る者全員を殺す。
第三行動方針:マオを殺してもリバウンドが治まらなかったら、聖獣に代わりヒトを滅ぼす。
第四行動方針:まずは一休み
第五行動方針:隠された神殿の扉を開く鍵を入手する? (意味があるのか?)
現在位置:E6
※アスラ化に伴いルカのステータスが強化されています
エルレインの燃えた支給品はルグニカオオ紅テングダケと基本支給品一式です
投下終了です。支援有り難うございました。
投下乙です
これは怖い二人
どちらも微妙に改善の兆しがあるようにも見えるけれど
どうなるのか興味深いなあ
投下乙。そしてGJ
なんつー濃い短文ss。これまたイカれたマーダーペアが誕生したな・・・
…アスラの声と姿でルカがこの会話してるかと思うとww
保守
ほ、保守
この母子トリオがこんなになっちゃったのは、結局何が悪かったんだろうなあ
>>46 元のメンタルの弱さとしかいえねえ…
どっちも仲間大勢失ってるからな
ん、よく見たらトリオか
ルカとマオのことかと思った
保守
まとめで読んでてちょっと疑問だったんだけど
ep277でクロエとシンクってスタイレと会ってたよな?
でもep279でスタイレの存在が抹消されてるんだけど
これってどうなってるの?
投下された時の流れ知らないから教えてほしい
抹消というか、ただ単に279は時間的には数十秒かそこらの繋ぎだからでは?
スルーされてるわけではないかと思う。
クロエも我を失ってたっぽいし、シンクはスタイレの事言おうとしたけど「…………いや、なんでもないよ」 ってやめたみたいだし。
それについてはこっちも何度も突っ込んだ。あの短い時間の間にあの話は可笑しいと思った。だけど正式にアップされたってことは問題ないとまとめさんが認識したのだからこれ以上言うのは無駄だと思ってそれ以上突っ込むのはやめた。
我を失っていたとはいえ、クロエがスタイレ見つけて憎悪丸出しにしてるのに、そのスタイレに対する意識が次の話で消えてるってのはどう考えても可笑しいと思う。
今からでも訂正させた方がいいか?
>>50 >>51 ん?って思ってまとめ読んで違和感に気づいた
前スレの
>>535の状態表にある
※この話はep277 Hors d'oeuvre on the snow 〜崩壊の輪舞〜の直前の出来事です。
って一文が収録されてないんだ
ほ
ほ
保守
最近見はじめて思ったんだけど、このロワのSSっていいタイトル多いよな。
非科学的ねぇ……。でもそういうの、悪くないかも。
結局、人の想いを形にするのが、科学の力なのかもしれないし……。
あ! これはこれで新しい研究テーマになりそうな予感!
ベルクラントの出力エネルギーはこれの26倍くらいだったかしら、と思いながら隣の鬼畜祭司を見る。
気持ちの入れ替えは無理矢理された様だった。一睡もしていない状況でバルバトスが来る様な最悪のタイミングではあったが、一安心。
罅が入ったレンズの奥では涙に濡れた瞳孔が開いている。視線の先には現在進行形で崩れる塔。
崩れるスピードはクレイジーコメットの詠唱かと思うほどやけに遅い。
開き過ぎた距離は実像を狂わせる。天才と凡人の関係と同じように。
現実感は皆無。フラッシュバックする未来で見た崩れ落ちる外郭。大切な人の死。
未来でミクトランと共闘していた自分。神の眼を“壊さなかった”過去の英雄ベルセリオス。
どれもこれもがクレメンテのエクステンションでも消えてくれない現。
「なんて醜悪な……」
祭司のつまらない感想を無視して壊れた壁を見る。
雪に化粧されないハイデルベルグ城は酷く滑稽だが、吹雪かれないのはそれはそれで良い。
雪は毎日見てたから、好きじゃない。雪は積もるばかりで、雨みたいに汚れを流してはくれない。
天井にぽっかりと空いた穴は綺麗に崩れる塔を景色から切り取る。
少し遅れて地響き。轟く音はラディスロウの起動音よりも若干低く、ベルクラントの一撃が大地を砕く音よりも若干高い。
「ありゃりゃ」
私は肩を竦めてみせた。普通の人間ならここは驚いておくところだと思った。
「前言撤回。着弾角度から見て多分大丈夫だとは思うけれど、」
「破片が落ちてきても対処出来る様に城の外に出た方が、ですね」
「……てっきり冷静じゃないんじゃないかと思ったんだけど、物分かりが良くて助かるわ〜。
馬鹿やホモやレプリカじゃこうはいかないもん」
天才の言葉を遮ったのは断罪のエクスキューションものだけれど。
しかし、慣れというものは怖い。フィリア=フィリスはここまで精神がぶれない人間だっただろうか、と荷物をまとめながら思う。
適応、というと語弊がある。外的要因により“進化”した……そう言った方が幾分自然かもしれない。
ルーク=フォン=ファブレ。白でも黒でもない三番目の選択は、存外彼女にとって大きな影響力を持っていたらしい。
そう考えると、やはり私はそうはなれない。見えるのは白か黒。面白いかそうじゃないか。
だから神だって殺すし、世界だって守るし……逆に言えば滅ぼせる。
“私は外的要因にはなれない”。ソーディアンに人格投射した時点でそんな事は知っていた。
そう。知っていながらわざと人格をコアクリスタルに投射した。
心の底で口を歪めるベルセリオス。“面白い”から仕方ない。目尻に浮かんだ涙を拭く祭司を見ながらそう思う。
「フィリア、荷物は私が持つから代わりにその子背負える?」
「はい」
こくりと頷く祭司。ちらりと視線は懐中時計。長針はやはり丁度12。
「……偶然にしちゃ出来過ぎてるわね」
「時間、ですか?」
フィリアが荷物をこちらに差し出す。
「もちよ。多分計画があった一撃ね。
制限から考えて出力元は人じゃなく機械。破片の散り方と音から見て砲台はG1方向。規模から考えて持ち運べない初期設置兵器。
ただ―――」
“塔破壊計画と考えるにはあまりにも妄誕無稽ね”。
そう言おうとした瞬間に南側の空が光る。思わず閉じる口。まさか……いや。
「まさか会場のループ確認の為に」
隣から聞こえる声。鋭さは褒めるけど残念、その解は不正解よフィリア=フィリス。少なくとも理由はそれじゃない。
計画したついでに塔を壊してまでそんな事をする必要が無いし、スマートじゃない。あと何より女の勘。
「詮索は後。まずはとっとととんずらしましょ。
おしゃべりしてる間にペチャンコにされちゃ、お話にならないわよ?」
「ええ、そうですわね」
荷物を背負い、立ち上がる。祭司も青白い顔の少女を背負い立ち上がっていた。
地面を蹴り二歩目を踏み出すと同時に、脳内にソーサラーリングの熱線。
脈打つ心臓。ずきり、と小さな違和感。がんがんと破片の雨が城の屋根を叩く中、冷や汗がどっと背筋を濡らす。
“おかしい”。
こんな時真っ先に情けない悲鳴を上げて『助けてハロえも〜ん』とか言ってきそうな奴の声がしない。気配もない。
考えられる理由はざっと二つ。城の導師か壊れた塔のオリジナル。うっわ、どっちも最悪。
「ったく世話の焼ける……ッ!」
舌を打ち、弾かれる様に足を止め辺りを見渡す。気配がないのに居るわけない。
隣りの祭司も慌てて足を止め、背からずり落ちそうな少女を背負い直した。
何事か、といった間抜けな表情。英雄英雄五月蠅い馬鹿を思い出す。
「あの間抜け阿呆赤毛大馬鹿七歳児、どこ行った?」
がらがらと礫の驟雨に打たれる城の中、私の疑問に答えた奴は一人も居なかった。
天才が分からない質問への答えだなんて、相手がソーサラースコープだろうが最初から期待してなかったけれど。
*************
靴の踵が無機質な床を叩いてゆく。乳白色の廊下には、所々に大小の礫が散らばっていた。
普段から丁寧に磨き上げられている廊下だったのだろうが、嵐のお陰で埃に汚れ、むしろ白い部分を探す方が難しい。
廊下を守る様に左右に立つ高い壁には、瑠璃色の小さなタイルが隙間なく敷き詰められていたが、それも罅割れ最早廃墟の貫禄すらある。
埃が被った瑠璃色のタイルは酷く冷たそうで、それに囲まれた廊下の雰囲気はコーラル城の様にどことなくホラーテイストだ。
10メートルスパンで建つ柱には抉られた様に楕円の穴が空き、精巧な金細工が施された燭台が埋め込まれている。
燭台はトライデントの様な三つ又になっていてそれぞれ青白く長い蝋燭が刺されていたが、灯は点いていない。
天井は罅だらけだが奇跡的に生きていて、外からの光は入っておらずいやに薄暗かった。
くたびれた様に上から首をもたげるシャンデリア。幾つか砕けた硝子細工。
城一つが壊滅状態。何処がいつ崩れてもおかしくなかった。それだけ件の“風”が化け物じみていたという事だ。
何かに誘われる様に、俺はそこを奥へ奥へと進んでいた。
こつこつ、と冷たい廊下に音が響いてゆく。ミュウは俺の肩に乗っていた。俺もミュウも喋らない。
喋ってはいけないような、喋れば何か大切なものが崩れてしまいそうな、そんな緊張感が廊下を満たしていた。
やがて、隙間風に気付いた。崩れた廊下の壁から、月光の様に温度が死んでしまった光が差していた。
唾を飲む。喉がやけに生々しく音を上げた。身震いする様な冷気。空気が変わった。
冷めきった色のタイル。積もった塵。沈黙する瓦礫。傾いた蝋燭。くすんだシャンデリア。
息を吸い、ゆっくりとその隙間を覗き込んだ―――嗚呼。喉の奥から、力無く言葉が漏れる。
嫌な予感はしていた。覚悟も、出来ていた。それでも、それでもあんまりじゃないか。
「……なんだってんだよ……二回も逝っちまう必要なんて、無かっただろ……ッ」
けれどもそれは、奇跡だった。
床に横たわるそいつはさながらスポットライトに当たる主人公。瓦礫達は華奢な身体を丁寧に避けている。
しかし主人公の様に感情を出して動きはしなかった。人形の様だった白い肌は、土気色にくすんでぴくりともしない。
「ありがとうも、ごめんも、言ってなかったんだぞ……何とか言えよ……なぁ……なぁ……!! 頼むよ……!」
木の枝みたく細い手足は、錆びた機械の様に冷たく沈黙している。
切り裂かれた首筋からは黒く固まった柘榴が見えていた。
微笑んでいるのが唯一の救いだった。だけど、それだけ悔しかった。
まるで寝ているみたいだったから。肩を叩けば今にも起きそうだったから。びっくりさせれば、喋り出しそうだったから。
試しに肩を叩く。動かない。叩く。動かない。揺さぶる。動かない。動かないのだ。
動けるはずが、ないのだ。
「俺を置いて、いかないでくれ……………一人に、しないでくれ……」
生死を分かつ様に、天から差す光は沈黙した身体を抱かない。太陽は嘲る様に生身の俺を照らしていた。
膝から瓦礫に崩れ落ちて、薄暗い部屋に嗚咽を撒き散らす。どれだけ不格好でも構わなかった。
守りたかった。守れなかった。運命を呪う理不尽な後悔が、瓦礫を濡らす。
「う……っぁ……ッあぁぁああぁ………ッ!! う"あぁあぁぁァあッ………!」
――――――――――――――――イオンは、死んでいた。
*************
奇跡は癒し。癒しは第七音素。第七音素で出来たレプリカ。惑星の記憶は第七音素。奇跡はレンズの力。奇跡は聖女の力。
それぞれに等式が成立つならば、ルーク=フォン=ファブレはきっとこの世界の未来にとっての“要”だ。
記憶と回復、制限と奇跡、そしてレプリカ。今はまだ材料が足りないけれど、いつかきっとパズルのピースは当て嵌まる。
でも、幾つか疑問もあった。それはルークの情報に矛盾があったから。
オールドラントの“設定”では、体内音素が消滅すればレプリカの肉体も同様に消滅しなければならない。
第七音素は第七音譜帯に還らなければならない。音素で構成されるレプリカにとって、乖離はレンズと聖女くらい切り離せない問題のはず。
洞窟にアブソーブゲートが存在した以上、プラネットストームが機能しているのは明らか。
ただ、ルークは言った。『イオンの死体を探す』と。
もう最初は馬鹿かと。乖離した死体を探せたらアンタの世界の科学者も寝不足になってないわよ、と言いそうにすらなった。
最初は動揺してレプリカの性質を忘れてるのかと思った。でも直ぐにいくらなんでもそんな間違い有り得ないと気付いた。
そもそもルークの親友だったイオンは一度死んでいる。
私やミクトランならまだしも普通の神経の人間なら、親友の死に様を忘れるはずがない。
だから試しに尋ねた。『イオンはどうやって死んだの?』
ルークは少し悩んで、怪訝そうな顔で『思い出したくない』と答えた。
適当に聞き流したけど、表情と間から考えて嘘。本当は違うと確信した。
思い出したくなかったんじゃなくて―――“思い出せなかった”。
記憶が無くなっている。というより、それがあった事実は覚えているのだから“記録”が無くなっている。
……“記憶”じゃないところに悪意を感じる。
出来損ないのメモリー。天使の“脳内操作”という言葉が真っ先に浮かんだ。
でも、それも違うと女の勘が囁く。
ルークはレプリカの設定は覚えていて、音素乖離も知っていた。ただ、それを過去の乖離と繋げられない。映像もない。
根本的な回路の消失。結果の欠落。だいいち、故意にしては意味が分からない。
レプリカの死体が消えないのも、死体が消える事実がレプリカの記憶から無くなっている事も……恐らく必然。
無理にエネルギー統合をしたひずみ。世界を壊すにはここを狙うしかない。
“奇跡の様に大量の特別なエネルギーを使う何かが起きれば、何かが無くなる”。
仮説の域は出ないけど、簡単に言えばこの世界の仕組みは恐らくこれ。
人は何かの代償なしに何かを得る事は出来ない。等価交換ね……どっかの国家錬金術師かっての。
世界の真理にしては随分甘いと思うのは私だけかしらん。
私が創るならこんな世界にしない。だって詰めが甘いし、壊す事自体は簡単そうだし。
でも何処か引っ掛かる。そう思わせているのがわざとだとしたら? 故意に甘く創ったとしたら?
……ベルセリオス。もしかしてアンタ、絡んでないでしょうね?
そこまで考えて、溜息。勿論理由は目の前に赤毛が見えたから。途中でメロメロコウを拾った事は関係ない。
ここでざっと状況確認。目の前に広がる嫌な景色。耳から入る瓦礫に打たれる城の気配。緑毛の死体。うなだれる赤毛。
最悪だ、と肩を竦める。これだから餓鬼は面倒臭い。子供は絶対に産まない、と固く決意。
「立ちなさい」
杖で頭を小突く。あらあら、随分冷徹に言える様になったもんねハロルド=ベルセリオス。拍手喝采感心感心。
「ちょっと聞いてんの? 立ちなさいって言ってんのよ」
再び小突くが返事は無い。こめかみがひくつく。この度胸だけは1ガルド以上では買えない。
憤慨と同時に疑問も沸く。純粋にイオンの死体を見つけてこうなったならまだ分かる。
ただ、ルークはイオンの死自体も此所に死体がある事も既に知っていた。ある程度の覚悟は出来ていたはずだった。
それなのにこの間抜けな姿はどうなのよ……いや、待て。もしかして。
「―――――――――――――――――アンタ、まさか」
一つの解が浮かび上がると同時に、その厚い唇は言葉を紡いでいた。
寸でのところで続きの句を飲み込む。空気の読めない口に感動。
無言が続いた。外ではがらがらと瓦礫の雨霰が五月蠅い。下手したらそのうち城が崩れて死ぬかしら、と何となく思った。
圧死は出来れば避けたい死に方。綺麗な死に顔になりそうにないから。
天井の罅から白い粉塵がもくもくと舞い降りる。地響きにパラパラと壁が塵を落としていた。
死んだら取り敢えずコイツを恨もう。そんな風に考える自分はどうやら自分の死すら客観視しているらしい。
増殖するコアクリスタル。試作品に使った自分の人格。狂う感覚、縺れる思考。生身の身体は最早形骸サヨウナラ。
私の本名なんだっけ?
「……アッシュが」
そんな事を悶々と考えていたら、ぽつり、と氷柱から垂れる水滴の様にもの悲しい呟きが耳に入った。
やっぱりか、と溜息。考えられる2パターンを両方クリアしてくるだなんて。
神殺しの女が言えた科白じゃないけれど、神様って本当に残酷よね。皮肉抜きで。
「アッシュが―――――――――――死んだ」
その残酷さを面白いと思う感性は、多分ハロルド=ベルセリオスには無い。
エスト=ベルセリオスやカミーユ=ベルセリオスにはあったかもしれないけれど。
*************
状況は少しだけ理解してた。今安全な場所に、二人だけで居るって事ぐらいは。
「……ゴメン……横に……なりたいん……だけど」
自分でも驚くほど呂律が回らなかった。
たかが十数文字。でもそれを相手が聞き取れる様に発音するのは酷く疲れる。
ただこんなに華奢な女の子に背負われている負い目の方が、何だか余計に疲れる気がした。
迷惑を掛けていると思ったら中々寝付けもしない。
「起こしてしまいましたか。すみませんマルタさん。ハロルドさん達が来るまでもう少しだけ待ってましょう」
小さな背から私を下ろし、毛布ごと地面に寝かせる女の人。指がすらりと細くて肌が雪みたいに白くて、手付きは今まで見た事ないくらい丁寧。
大切にされている。それが指先から伝わってくる様で、なんだか目の奥が無性に熱くなった。
「……“さん”は……抜きで、いいよ……」
「分かりました、マルタ。でも、出来るならもう喋らない方が……」
心配そうでいて、どこまでも優しい声。フィリアはまるでお母さんみたい。
その顔も確りと見たかった。でも視界は何だかソダ間欠泉みたいに靄が掛かっていて、何が何だか分からない。ごめんね。
「……いいの……喋れる、うちに……喋って、おかない……と……」
何となく。本当に何となくだけれど。私、わかった事があった。
それは溜め込むには余りにも重くて、でも皆に吐露するには勇気がなかった。
だから周りに誰も居ない今しか、それも貴女だから……このタイミングなら言える。
「――――――――――もう、私……って、助からない……ぽいよね……えへへ……」
ねぇ、私、ちゃんと冗談っぽく言えたかな。
「……。そんな事ありません。絶対に助けますわ」
「…………あり、がと……フィリア……」
「だから今は、出来るだけ休んで下さい」
気休めって事は、知ってるんだよ。
ただの風邪とかじゃない事も知ってた。自分の身体の事はやっぱり自分が一番よくわかるし。
寝てばかりだったから曖昧だけれど、時間はもう発症してから随分経ってると思う。
自慢じゃないけど、私は病気になった試しが殆どない。小さい頃元気なだけが取り柄な女の子だったんだから。
それがこうなった。重い病気なんだなって事ぐらい、私にだって分かるんだよ? フィリア。
ある程度の普通の病気なら、レストアやアンチマジック、パナシーアボトルで治るもの。
それなのに、ホウなんとかっていうすっごい薬でも無理だった。そんなのもう治るわけない。
診察だってしてくれてるけど、本当は何もわからないんだよね?
感染症だったらどうするの? 足手纏いになるだけでしょ?
人質になった事も知ってるよ。皆を困らせてる事も知ってるよ。
フィリアに力がない事も知ってるよ。腕を震わせながら、私を無理して背負ってくれてたのも知ってたよ。
この島でホウテイなんとかっていうのがどれだけ貴重なアイテムかぐらいは私にだってわかるんだよ。
もう施しようがない病人なんて放って行けばいいのに。どうせ助からないのに。それなのに。
なんで、なんで……なんで。
「……なんで、皆……こんなに……優しいのよぉ……?」
自分でもびっくりするぐらいに震えて消え入りそうな声だった。
それに応える様に静かに頭を撫でるフィリアの軟らかい手。小さいのに優しくて、強くて、温かい。
だから、少しだけ嫌だった。
「……やめてよ」
決壊しそうになる何かを必死に押さえ付ける様に呟く。フィリアは何も言わず私を撫で続けた。
優しさは薬で、毒だった。私の弱い傷に染み込んで、中から殺してしまう毒。
「やめてったら……」
唇がわなわなと震える。感情が喉元まで出かかっていた。フィリアは何も言わずそんな強がる私を優しく抱き締める。胸の奥が苦しかった。
不意に頬に跳ねる滴。涙だと気付くまで時間はさしてかからなかった。なんでよ、と思う。
なんでフィリアが泣いてくれるの。私なんかの為に。こんな死に損ないの奴の為に。
どうして貴女みたいに優しくて強い人が、震える必要があるの。ねぇ。
「……フィリア」
強く強く、胸に顔を埋めてゆく。少しでも歪んだ顔を見られたくなかったから。
碌に出ない声を、情けない感情を振り絞って、ゆっくりと口を開く。
「……死ぬのは、怖いよ……」
言葉にすると同時に、感情がどっと心の堰を抜く。汚い嗚咽と一緒に大粒の涙が溢れた。
ぼろぼろと夕立みたいに、今まで出た事のないような量の涙が頬を無様に濡らす。
情けない。情けないんだ、本当に。私ってば守られてばっか。昨日から何も変わってない。
“もう、足手まといとか、誰かに守られるのなんて、嫌、だから”。そう考えてたのは何処の誰だっけマルタ=ルアルディ?
ユージーンを見殺しにして、キールに迷惑かけて、皆を困らせて。守られて。
挙句の果てに私自身がもう、半分生きる事を諦めちゃってる。それでまたフィリアを困らせて。
申し訳なくて、情けなくて、悔しくて。涙が出て。そんな何も進歩してない自分にどうしようもなく腹が立った。
私の腕と足は何の為にあるんだろう。目は何処を見てるんだろう。
こんなに細い腕の人に身体を背負わせて。皆は私を守る為に沢山傷付いて、戦い抜いてくれた。
私って、ダメな子だなぁ……。最低の女。こんなにも自分が弱い生き物だったなんて、知らなかった。
また誰か私の為に無理して死んじゃうんじゃないかって、今だって怖くて震えが止まらない。
ハロルドとルークって人も、私に薬を飲ませる時間がなければ今頃一緒に外に避難していたかもしれない。
私のせいだ。全部私が情けないから。いっそ、私をあの崩れそうな城に置いてきてくれていた方がどれだけ楽だったか。
でも、それでも、死にたくない。死ぬのはやっぱり怖いんだ。
守られる事にどこかで安心して、頼っちゃってる。
「一つ……だけ、いいかな……?」
死ぬのはとても怖い。でも、もしもの時の為に覚悟は絶対に必要だ。
「何でしょうか」
だからこれだけは言っておきたい。そう思った。
「……私が……死……んで、もし、エミルが……暴走、しちゃっ……たら……」
これは女の子同士がするには酷な話だけれど。だけど、女の子にしか言えない話。
私自身が一番言いたくなかった言葉。信頼とか愛とか、そんな類のものを全部ぶち壊してしまう様な話。
最悪な事を言おうとしている自覚はある。迷惑を更にかけてしまう自覚も。
世界が壊れちゃう可能性なんてこれっぽっちも考えてないし。頼りたくないのに、一番頼ろうとしてる。
でも、何も言わないよりは覚悟が出来るから。
だから言います。
「――――――――――――――――エミルを、殺して」
私って、ほんとバカ。
*************
「あっそ。取り敢えず立ちなさい」
襟元を掴み、ぐいと引っ張る。辛いのはわかってる。だけど同情なんか絶対にしてやんない。
ルークは人形みたくだらりと項を垂れている。少し引き摺るが、意外に重くて断念。カイルの方が少し軽い気がする。
温室育ちのボンボンは流石にいい餌与えられて生きてるわ。
「……あのさぁ。自殺するつもりなら止めないけど、私まで殺すつもり?」
ルークはぴくりとも動かない。次々に思い浮かぶ残酷な言葉。
サディストになったつもりはないが、感情を抑制出来そうにもない。
だから私は杖を思い切り振りかぶって……そのままルークを殴った。手加減は全くしない。
飛距離に少しだけ驚く。思いのほか人って吹き飛ぶものなのね。遠心力のお陰かしら。
不意に見えた不抜けたルークの顔に腹が立つ。
もう数発入れてやればまだ見れる顔になるかねとも思ったが、餓鬼にこれ以上付き合ってやる時間が惜しい。
「あっそ。無視ね。いいわ、じゃあ勝手に言うから。
で、いつまでそうやって餓鬼みたいに駄々こねてんのよ。精神年齢まで七歳児のつもりなの?
それとも人を苛々させるのが趣味? なんなの? 馬鹿なの? 死ぬの? 不幸自慢もいい加減にしなさいよ」
癪に触ったのか、地面に倒れる身体がぴくりと動く。だけど私は続けた。口が続けたがっていた。
「あぁそれともアレ? レプリカって性格まで欠陥品なの? 流石は劣化模造品(笑)」
最悪だ、と思った。人が嫌がる事をして、挑発して、暴力振るって皮肉って。こちとら面白くもなんともなかった。
だけどこんな方法でしか私は人を動かせない。何かの為になんかなれやしない。
憎まれ口叩いて悪者になって、結局いつも通りのハロルド=ベルセリオス。損な性格だわ。
どうですか凡人の皆さん。天才なんて所詮この程度なのよ。
アンタらの気持ちは確かに分からないけど、アンタらだって私の気持ちは分からない。そうでしょどっかのベルセリオス。
「そこの死体も欠陥品(笑)だから死んだんじゃない?
アンタのオリジナルも劣化してたから死んだのかしら? 下 ら な い 命 だ こ と !」
瞼の裏側にトゥインクルスター。ばちばちと星達が散って、銀河の向こうへ落ちてゆく。
身体が綺麗な放物線を描いて、あっというまに瓦礫へダイブ。手加減らしきものは一切無かった。
あのねえ、天才だって痛いのよ。
「今の言葉、取り消せよ」
じんじんと左頬が痛む。だけど目の前の赤毛が随分とマシな顔になって少し安心。うん、やっぱ性格最悪だわ私。
「……少しは目ぇ覚めた?」
私の言葉がスイッチだった。ルークの荒振る息遣いが徐々に収まっていく。
自分のした事と状況が漸く理解出来たようだった。
何人か殺してそうな目が徐々に円くなっていき、握り過ぎて血が滲んだ拳ががたがたと震えだす。壊れかけの機械みたい。
「お、俺、おれっ……なんてこと……ッ……こ、こんな、時、にっ」
ルークは目を潤ませ、目も当てられないくらい腫れているだろう私の顔と、自分の拳を交互に見る。
動揺している様子は意外に本当に七歳児と遜色無くて、私は少しだけ肩を揺らした。おっかしい。
「こんな時だからよ、ルーク」
私は笑いを堪えながら言う。ルークは青白い顔をぶるぶると左右に振った。
「ごめん……ごめんな……ハロルド……ごめんっ」
私は立上がり、震えるルークの額を杖で小突く。しつこい男は嫌われるのよ。
「はいはい、もういいから。お互い様だし。……アンタのやるべき事は何だった?」
ルークははっとした表情の後、息を大きく吸って目を開いた。私は感心する。
「――――――――――――“今、出来ることをする”」
切っ掛けさえ上手く与えてあげれば切替えはこんなにも早い。馬鹿だけど良い子ね。
「おっけ〜。んじゃ耳の穴ドリルでかっぽじってよく聴きなさい」
「ドリルって……」
「いいこと? 私はまだやる事があるから、今すぐアンタだけ避難しなさい。外でフィリアとマルタが待ってるから。
私も直ぐに後を追うから心配しないで」
やる事がある、と聞いて僅かにルークは怪訝そうな表情をしたが、直ぐにいやいやとかぶりを振った。
「でも、そしたらイオンが」
ま、当然の疑問か。勿論想定済みだけど。
「大丈夫、この分だと城は多分崩れない。また後から来れるわ。早く!」
少しだけ、急かす様に演技。ルークは慌てて頷いた。私ってば女優向き? 今度科学者辞めてみようかしらん。
「ッ分かった! 外で待ってるからな!」
「わかったわかった。んじゃ、また後でね。
それと、どーせアッシュとの通信あったんでしょ? またその時にでも話してね〜」
「あ、あぁ!」
ひらひらと手を振る。だるそーに適当に、心底どーでもよさそうに。
稀代の天才科学者ハロルド=ベルセリオスは、こんな時でも余裕のよっちゃんなのだ。
「……さて、と」
ふう、と深ぁい溜息を一つ。これで厄介者三人と一匹は消えた。漸く本来の目的の為に動ける。
ここからはマッドサイエンティストの退屈な考察時間。暇な人以外は飛ばしていいわよ。
ところで“崩れない”というのは実際嘘じゃない。この城はそんなにヤワな構造じゃない。避難は本当の本当に念の為。
破片も銃撃が南西のG1からだから、被害は実際北東が主になる。塔よりやや北西の此所に深刻なダメージが来るとは到底思えない。
ただ“崩せないか”と問われれば話は別だけど。まあとどのつまり、最初っからこれに乗じて崩すつもりだったんだけどね。
それにしても、と目的だった華奢な男の子の死体を覗き込む。
本当にレプリカの死体があったとは、流石の天才も半信半疑だった。
触れるし、ホログラムじゃないのは明らか。触れた感じ普通の死体と変わらない。
レプリカ技術フォミクリー、ね。大したものよ本当に。
だけど開発者のジェイド=カーティスとディスト、貴方達は憂い後悔してることでしょう。
この技術は確実に禁忌……私が関わっていなくて本当に良かった。
それはそれとして、レプリカの死体があるのはやはりおかしい。理論と結果のパラドックス。
第七音素が乖離しないなら、回復術で具現した魔方陣も消えない道理。でもそれはきちんと消える。
じゃあ死体は何故消えない? 意味が全く分からない。存在自体が世界の矛盾。やっぱり人払いして良かった。
貴重なサンプル、土葬や火葬されちゃかなわないもん。
―――――――――――――解剖するなら、今しかない。
その前にと、サックから氷漬けの頭部を一つ取り出す。サレの元に乱入する前にたまたま見付けたので刈っておいたものだった。
名簿は一度目を通して暗記したけど、念の為もう一度広げてみる。
……うん、間違いなくリカルド=ソルダートのものね。
この名簿、どうやら単純に同じ世界の人間を纏めたものらしい。
配列は世界毎に人物アルファベット順。私の世界やミトスの世界、ルークの世界とフィリアの世界が同じ法則で並んでいた。間違いはほぼない。
世界自体の並びは現時点では謎だけど、ここまで規則的にやっておいてランダムではないだろう。
最初は世界自体の順番もアルファベット順だと思ったが、どうも違うらしい。
というのも、名簿ではクレス=アルベインの世界から始まり、アリスの世界の計十一種で終わる。
しかし、ミトスの話だと十一番目のアリスの<リヒター=アーベントの>世界は、五番目記載のミトスの世界と同じらしいからだ。
故にアルファベット順は有り得なくなった。
そもそも二番目と四番目にそれぞれ私の世界とカイルの親の世界がある時点で疑問だったけど。
まぁそれは三番目の世界に知り合いが居なかったから保留してただけなわけで。
……結局、マルタの情報入り名簿でキール=ツァイベル達の三番目の世界が私達の世界とは完璧に違う事が分かって、保留も崩れたんだけどね。
そして、リカルド=ソルダート。コイツの世界の参加者はルカ=ミルダ、スパーダ=ベルフォルマ、イリア=アニーミ、ハスタ=エクステルミの計五人。
ここからこの城であった事件がある程度予想出来る。フィリアの話によれば、スパーダ=ベルフォルマは昨日の昼に此所に居たらしい。
そこにはウッドロウと……死体の硬直を見る限りイオンとリカルド、そして敵であるアリスが居た。
けれど、リカルドとイオンの死体は離れ過ぎている。アリス一人と好戦していたとするならおかしな距離。
そしてスパーダの話。彼はイオンは自分が殺したと言っていたらしい。
守れなかったのかイオンが庇ったか。イオンの死体の拷問痕――素人がやったとは思えない――から考えて、多分人質になってたんだろうけど。
アリス一人にイオンとスパーダが対峙していたなら、それは理解出来る展開。でもそしたら、ウッドロウとリカルドは?
恐らく、敵は拷問が得意な軍人か何かのアリスと、もう数人居た。
スパーダは拷問中のイオンを助ける為にアリスと、そしてウッドロウは別の敵と戦っていた。
もしかしたらその敵がリカルドだったのかもしれないが、ミトスの話によるとスパーダはリカルドが仲間の様に言っていたとのこと。
何にせよ結果的にリカルドとイオンは死に、アリスは逃亡という筋書きね。
「……ってか、あのチーグルに訊いてれば早かったしもっと正確だったわね。後で尋ねなきゃ」
この殺し合いは実のところ情報戦だ。如何に多くの有益な情報を集めて優位に立つかに鍵がある。
情報は相手が敵だろうが仲間だろうが交渉の道具になる。
今回掴んだ情報は大した事ないけれど、いつか必ず役立つ時は来るはず。
リカルド=ソルダートの首もそう考えれば貴重だ。
この世界の人間は、剣になったスパーダは特例として最早ルカ=ミルダしか生存していない。
ルカの事はスパーダが心配していたらしいから、多分メンタルはそう強くないだろう。
なら仲間に入れられる可能性は考慮しない方がいい。
腐敗していない状態で貴重な世界の人間を保存出来たのは予定外の利。
何よりこの世界の人間は“変身”出来るらしい。
スパーダはデュランダルという大剣へ、そしてミトス曰くルカはアスラとやらへ。中々面白い能力だ。
まぁ、そんな人間よりもよっぽど貴重なのが……。
「アンタなんだけどね。導師イオン」
苦無をポケットから取り出す。死体を辱めるのは気が引けるけど、レプリカの死体ともなると悪いけど垂涎モノだ。
それに導師という能力も稀有で気になる。
「ゴメンなさいね、これも科学者の性なの。世の為、皆の為よ。
大丈夫、ちゃんとルークには見つからない様に城は壊してから脱出するから。隠蔽工作隠蔽工作♪」
我ながらいい笑顔が出来た。流れる様な動きで首元に苦無をあてがう。
ゆっくりと白い肉に黒い刃が沈んでいって、そして―――
「……なに、やってんだよ。ハロルド」
―――なぁんでアンタが戻ってきてんのよ七歳児ぃ。
私は本日何度目かの溜息を吐いて、舌打ちを我慢しながら静かに振り返る。
聞き間違いかと思って少し期待した自分が馬鹿だった。きちんと両足を地に着けて、目の前に忌々しい赤毛が立っている。
手には支給品袋。忘れたから取りに帰ってきたんだろう。どんだけタイミング悪いのよアンタ。
自分の不運っぷりと周囲の確認不足に心底うんざり。誰でもいいから時間を巻き戻して頂戴。
「参ったわね、まったく」
弁解不可能。逃走意味無し。苦無は右手。導師は左手。凍った首は足元に。状況証拠ばっちり。現行犯ね、あら素敵。
あーあ、皆死ねばいいのに(笑)
【ルーク・フォン・ファブレ 生存確認】
状態:HP65% TP90% 強い決意 第2放送の遅れが気になる 全身に傷・打撲・痣
所持品:ソウルブラスト ミュウ ミスティブルーム ルークの日記 ペイルドラグ ガーネット
ダイヤモンド 基本支給品一式三人分
基本行動方針:今自分に出来る事をする
第一行動方針:なんで……
第二行動方針:まず塔へ。その後チャットを探しに南へ
第三行動方針:マルタに協力する
第四行動方針:アリスを探してイオンの仇を取る? 当時の詳しい状況をミュウから聴きたい
第五行動方針:スパーダ・ジューダスが気になるのでハロルドに尋ねる
現在位置:B2・ハイデルベルグ城内部
【フィリア・フィリス 生存確認】
状態:HP60% TP55% 巨大な魔力が少し気になる 打撲や裂傷 髪が梳けている 眼鏡に罅
所持品:レンズ×10
基本行動方針:仲間を探しながら情報収集に徹する。ルークに着いて行く。
第一行動方針:どう返答するべきか?
第二行動方針:状況が変わってしまったので取り敢えず皆を待つ
第三行動方針:スタンを信じるが容赦する気はない
現在位置:B2・ハイデルベルグ城正門前
【マルタ・ルアルディ 生存確認】
状態:HPTP100% 右肩に傷跡 右の片袖無し 空腹 死への恐怖 フィリアを信頼
センチュリオン・コアの存在への不安 デスガロ熱一時沈静化
所持品:エミルのマフラー 鬼包丁 レンズ×5 情報入り名簿 石 蟻地獄人の人形 毛布×2
基本行動方針:死ぬまでにエミルに会いたい。生きていたい。
第一行動方針:エミルにマフラーの件を謝る
第二行動方針:状況を整理したい
現在位置:B2・ハイデルベルグ城正門前
【ハロルド・ベルセリオス 生存確認】
状態:HP75% TP60% 仲間達が心配 巨大な魔力が気になる エミルを僅かに警戒 ルークの日記インプット
所持品:天才ハロルドの杖 スペクタクルズ×82 ローレライの宝珠 紫電 苦無×18 メロメロコウ(残量二割)
とうもろこし ミスティシンボル マジックミスト レンズ×14 メンタルバングル
リカルドの頭部・首輪
基本行動方針:面白くないのでゲームには乗らないが殺しは認める
第一行動方針:さて、どうしますかね
第二行動方針:状況が変わったので皆と状況整理。今のところ行き先はまず塔が妥当か
第三行動方針:城での事件についてミュウから詳しい話を聴く
第四行動方針:G2へ向かう。ついでに塔を破壊した兵器も調査し、チャットとクレメンテもGETする
第五行動方針:フォルスの特異性について調査、R世界の住民に接触する
第六行動方針:スペクタクルズで未知の種族のデータ採取!
第七行動方針:次にロニに会ったら殺す
現在位置:B2・ハイデルベルグ城内部
退屈だ。
男は思った。会話は無いし、目線も合わなければ欠伸すら聞こえる。気まずい時間だけがだらだらと流れてゆく。
薄暗い部屋の中、対面の気怠そうに座る女は仏頂面で一言も発そうとしない。
男の手、縁が掛けたやや小さなグラスには赤ワイン。いつぞやの総指令のものには劣るが中々な代物だった。
女の方には目盛が付いた三角フラスコ。女は机に突っ伏しながら、自分のフラスコへワインを注ぎ机の縁を指でなぞる。
目線は窓の外。しんしんと積もる雪を23分間飽きもせずぼうっと眺めていた。
男はそれでも口を開かない。ここで開けなくとも、女に真意は筒抜けだろうと思ったからだ。
部屋は薄暗い。軍施設なこともあり元々明るくはない事を考慮しても暗かった。
やや切れかけた白熱灯の明かりが女の横顔を照らす。青白く儚げな光は女の肌を死人の様に冷たく見せた。
「で?」
やがて長い沈黙に負けたのは、意外にも女の方だった。
伸びをしつつ机から上半身を怠そうに上げ、三角フラスコを顔の前でゆらゆらと回転させる。
「ハッキリ言いなさいよ。口説こうとしてるの? ベッドに行きたいの?」
ここで終わり…?
投下しますも無かったから投下終了もないのかな
ハロルドのやっちまった感がやばいな
次どうなるか期待
あとマルタの発言…こっちも今後彼氏側の反応に期待
酷いジョークだ。男は腕を組み、女を睨んだ。滅多な事は口にするもんじゃない。
「冗談よ」女はげらげらと下品に笑う。「立派な奥さんいるもんね」
ワインを一気に飲み干し、溜息を一つ。男は頬杖を付いて天井を見上げた。
錆びたパンチングメタル。少し曲がったランプシェード。部屋の隅には蜘蛛の巣。とても人が住んでいるとは思えない部屋<ラボ>だった。
「……ねえ」
女がつまらなそうに呟く。男は埃が被った少女趣味のぬいぐるみから目線を女へ移動した。
「あんまり焦れったいと解剖するわよ。
分かってる? アンタが二人で話したいってんだからわざわざこうしてやってんのよ」
女はワインボトルを掴み、自分と男のグラス<三角フラスコ>にそれぞれ注ぐ。男は再び溜息を一つ吐いた。
「意地が悪い真似はよしたらどうです」女の長い睫毛がぴくりと動く。「もう分かっているでしょう?」
女はぐふふ、と笑う。
「何の事かしらん」
男は眉間に皺を寄せると、腰に下げた剣を抜き机に置いた。コアクリスタルはくすみ、沈黙している。
女は視線をわざとらしく逸らした。男の顔に深い影が落ちる。
「はぐらかさないで下さい、大佐」
男はやや強い口調で言った。女は肩を揺らしてぐふふ、と笑う。
酔いが回っているのか頬は髪の色と同じローズピンクに染まっていた。
「知らなぁい」
ガダン、と音。男が机を叩き立ち上がる。
その拍子に机の上のソーディアンの耐久力資料――尤も資料が机と床を埋め尽くしていたので大した問題ではなさそうだが――がばさりと落ちた。
怖い怖ぁい、と女は全く動じずワインを飲む。
「工兵隊隊長らしからぬミスですよ、これは」
「……しつこいわね」
男の苛立ちに女も悪態をつく。徐々に悪くなってゆく空気に、らしくないなと男は思った。お互いに、だ。
「何をしたかったんです?」
男は深呼吸をした後、椅子に座りながら言った。
「別に、何も。ただのミスよ」
挑発的な態度と発言。男は冷静になれ、と自分に言い聞かせる。
「そのうち他のソーディアンマスターも気付き始めますよ。
むしろもう違和感を感じているメンバーは居るかもしれません。
シャルティエに到っては最近毎日の様に喧嘩をしているみたいですしね。
貴女が平静を装っていられるのもあと数週間ですよ」
捲し立てる様に口が次々に言葉を掃き捨ててゆく。
シャルティエの件は敢えて言う必要もなかったかとも男は思ったが、時既に遅し。
女は、ふぅん、と面白そうに口角を上げていた。しまった、とばつが悪そうに顔をしかめる男。
「アイツらどんな喧嘩してんの?」
「話を逸らさないで下さい」
眉間を揉みあからさまに嫌がる男。女は下品に笑う。
「そう言わないでさぁ。教えて頂戴、イケメン情報将校さぁん」
「……それよりソーディアンです」
男はキッパリと話を断ち切る。
「相変わらず無駄にクールなのね。アンタが居なくなりゃ地上軍拠点の永久凍土も溶けるんじゃない?」
女はつまらなさそうに皮肉ると首の骨を慣らした。男はそれに構わず続ける。
「何故、こんな問題が起きたんですか?
私ですら予想出来た事を貴女が理解していなかったわけがない」
女の指先がぴくりと動く。張り詰めた空気が部屋を満たした。
問題とは勿論、精神多干渉による人格崩壊問題の事だ。
「ましてや完璧主義の貴女が何故納品期日を無理矢理伸ばさず欠陥を黙認していたのか」
人格照射の提案があった時点で、本当は女には全て分かっていたのではないか。そんな疑問が男にはあった。
分かっていてわざと作戦を強行したのでは。場合によってはイクティノスが壊れる事も、カーレルが死ぬ事も計算だった、と。
「それに、この部屋にはベルセリオスが見当たりませんが今何処に―――」
「興味ないわね」
男は口を閉じざるを得なかった。キッパリと告げられたその言葉が有無を言わさぬ何かを持っていたからだ。
女は祈りを捧げる様に指を絡ませ、口元を隠していた。表情は見えない。
見えないからこそ、男は僅かに恐怖を覚えた。……一体この女は何を考えているんだ、と。
「凍結、されますよ」
「兵器にはよくある話よ」
「経歴に傷も付きます」
「天才に傷が付いても天才っしょ」
「きっと予算も減らされます」
「貯金なら兄貴のがあるし」
「技術も封印でしょうね」
「永遠に私だけのものね。光栄だわ」
「責任追及もあるでしょう」
「言い訳は千通り用意してあるわよ」
「誤魔化し切れるレベルの問題じゃないはずですが」
「そちらの言い分には根拠が無い」
「根拠?」
「そ。私が悪いと言うならその根拠を述べなさい」
言葉に詰まる。完封だった。的確過ぎる意見だ。
“天才だから分かって当然だった”。
そんな理由は通用しないし、何より女は証拠を残すほど温くない事を男は知っていた。
「……無いでしょう?」
女はにたりと笑った。悪魔の様に凶悪で薄っぺらい笑みだった。
「これは私の凡ミスなのよ、イクティノス」
「凡ミス?」
男は質した。
「凡ミスよ。“そうじゃなかったとしても、そうなるの”」
女の声のトーンが低くなる。男は漸く言葉の意味を理解した。
「事実と歴史は私の凡ミスを認めざるを得ない。“悪者なんて居なかった”という記録が残らざるを得ない」
故意だって証拠、何処にもないから。女はそう続けると岩の様に黙り込んだ。
白熱灯が不規則に点滅しだす。女の表情は未だに見えない。
男の喉がごくりと鳴った。底知れない恐怖が不安となり心を鷲掴む。
「……そういう様に、仕向けたんですか……?」
女は間髪入れずこくりと頷いた。鉄の様に無機質な双眸が男を見ている。
自分達は、とんでもない化け物を飼っていたのかもしれない。男は思った。
戦争が終わった今、ミクトランもカーレルもこの世に居ない。
天才を止められる人間は最早何処にも居ないのだ。その気になれば、何時でも世界は……。
「な〜んてね。全部ウソよ、ウ・ソ」
「あぁ、嘘ですか。まったくいつもいつも――――――――――――――は? 嘘?」
は? 男は困惑のあまり繰り返した。どこからどこまでが嘘だと?
「本当は、本当に凡ミス。というか分かっててやったのよ。あの短期間で地上軍が勝つにはそれしかなかったから。
完璧にはしたかったけど、あれ以上開発が遅れると十中八九地上軍は負けてたわ」
舌をペロリと出してウインク。男が呆気に取られている様子を尻目に、女は肩を竦めて話を続ける。
「他に手段がないなら無理に完成させてでもそれに掛けるしかない。でしょ?
それに照射した人格が崩れ始める日数もだいたい計算して造ったの。
実際、問題起きたのは戦争終わってからでしょ? 目論み通りよ。
アンタの場合知識と勘と疑念があった分、それが早かったみたいだけど。これはちと予想外。
シャルティエのは性格的に予想内。アイツらが喧嘩しないわけないし。でも馬鹿だから気付かない。
クレメンテは性格が落ち着き過ぎてるから気付かないだろうし、ディムロスは馬鹿だから最後まで気付かないでしょうね〜。
アトワイトはあれでたまにヒステリーだからそろそろ気付く頃かしら。ぐふふ」
男は間抜け面で馬鹿みたく頷く事しか出来なかった。
ケロリとした女の表情はいつも通りだが、ここまで徹底しているといっそ清々しい。
「じゃ、じゃあ今まで黙っていたのはっ」
「それはまぁ単純に士気の問題よね。一つ質問しよっか?
イクティノス、アンタ戦争する前に地上軍最終兵器が使用者に精神崩壊させる欠陥品だって知ったらどう思う?」
女は人指し指を立て、小首を傾げた。考えるまでもない質問だ。
「うぐ……確かに使いませんが……」
誰が最終決戦にそんな危険な代物を担いで行くものか。
「でしょ? んで、私からはその欠陥は言わずに軍報会議まで、責任追及まで待つ。
後天的なただの予期せぬエラーなら責任も最少で済むから、証拠は勿論文字通り消し炭にしてあらゆる数値も改竄したわ。
あくまでも私は“えぇ〜っ!? ソーディアンにそんな問題があっただなんて知らなかったわ〜リトラー総指令さま〜っ”ってなわけ」
「卑怯な……」
半ば呆れた様に男は苦笑する。白々しい演技も相俟って余計に酷い。
「ぐふふふふ。最上級の褒め言葉ね。
ま、私以上の天才は居ないから、私が分からなかった事を攻められる人間もこの世には居ないし。
それに何より戦争は終わってるから。これが戦争の途中なら大問題だけど、勝ったからいいのよ、勝ったから」
確かにその通りだと男は釈然としないながらもごちる。
機械を扱う身からすればその芽を潰さず放置したのは大問題だが、一般大衆から見れば終わり良ければ全て良しだ。
地上軍は天上軍に勝ったのだ。そしてその一番の功労者ハロルド=ベルセリオス大佐。挙句、大切な兄も戦争で喪っている。
罪や疑惑を洗い流すにはそれらの称号は充分だった。
「……どう? これが真実よ」
目前には目を輝かせたしたり顔。男は参ったと言わんばかりに諸手を上げた。
あまりに単純な真実。事実は小説より奇なりとは言うが、どっこいこれは逆に陳腐だ。
「忠告してあげる」
ふと思い出した様に女が呟く。
「忠告ですか?」
「そ。アンタは深読みしすぎなの。そんなだから熱血核弾頭に頭が固いインテリって言われんのよ。
わかった? イ ン テ リ 少 将」
大きなお世話だ、と男は腹の底で唇を尖らせた。確かに深読みするきらいはあるけれど。
「……覚えておきます」
インテリ結構、と男はグラスのワインを自棄酒とばかりに飲もうと手を伸ばすが、こめかみに当たる女の細い指。
額にスイッチは付いていなかったはずだが、と怪訝そうな表情。
「……何ですか?」
「一つ約束して」
「はい?」
珍しい事もあるものだと男は目を円くした。女から取引以外で口約束を持ち出してくる事なんて滅多に無いからだ。
「あんまりしっつこいからアンタだけには喋ったけど。口、堅いわよね?」
男は少し返答に迷った。折角の弱みだ、たまには少し反撃しても良いかと思ったからだった。
「……勿論。解剖されたくはないのでね」
だが、堅くなかった場合を想定して素直に頷く。
脳裏に思い浮かんだのはざっと10パターン。その全てが解剖ENDでフィニッシュだったからだ。
「ぐふふ。わかればよろしい。これでホルマリンを追加注文しなくてよくなったわ」
一瞬、円柱状の硝子張りの標本に自分の死体が入れられている様子を想像して男は身震いした。
洒落にならないし、相手が相手だから本気でやりかねない。
「ささ、納得したならとっとと帰った帰った!」
女は、しっしっ、と汚物でも払うかの様に手を払う。
「言われなくとも、そうさせてもらいますよ」
「ふむふむ、しかし同僚の女の部屋に二人きりで午前三時まで、これ奥さんにバレたらかなりヤバげ?」
女は上目遣いでこちらを見る。男は肩を竦めた。
小悪魔スマイルのつもりだろうが、通り越して悪魔の微笑みにしか見えない。
「生憎と大佐を女と思っていない妻でね」
「失礼ね〜。じゃあ何なのよ?」
「化け物か、悪魔か」男は一つずつ指を折る。思い付いた三つ目が一番しっくりきた。「或いは、良くて神でしょう」
少なくとも人間じゃないのね、と女は力無く笑う。
男は今度こそワインを飲み干すと、静かに立ち上がった。
小さな声で、女は“かみ”、と何度か歌う様に呟く。男は拙かったかと思う。脳裏に過ぎる嫌な予感。
「神、ね。……ふぅん。悪くないわね」
女の声のトーンは本気だ。男は無言で女を睨み付ける。実現しかねないところが笑えない。
「冗談よ」
ぐふふ、と趣味の悪い笑いを漏らしながら、女はワインボトルの口にコルクを押し込む。
男は手荷物をまとめると、ドアノブに手をかける。開けようとはしたが、何かを思い出した様に口を開いた。
「……結局、何も企んでいなかった。それで良いんですよね? ハロルド大佐」
男はドアノブに手をかけたまま振り向く。女はこちらに背を向けていた。
「もう遅いのよ」
女は人指し指をくるくると動かしながら言った。男は眉間に皺を寄せる。
「……? 遅い?」
「そう。もう遅いの。ホラ時計見てみなさいよ。三時よ。早く自分の嫁のベッドに戻りなさい、イクティノス」
男は鼻から息を吐くと、ドアノブを回して部屋を出る。
「ハロルド、君を……信じていいんですか?」
ドアを閉める時、男は女の背にもう一度だけ声を掛ける。
信じていいのか、とは酷く残酷な言葉だ。男はらしくないミスに苦い顔をした。
「もう遅いのよ」
女は壊れたテープの様にそう繰り返した。男は目を僅かに細め、やがて間を置いてからドアを静かに閉める。
「オヤスミ」
女は振り向きながら言った。口から白い息が漏れる。目線の先には誰も居ない。冷たい鉄の扉があるだけだ。
女は無表情のまま自嘲すると、ぬいぐるみだらけのベッドに仰向けにダイブした。
時刻はもう遅い。丑三つ時は疾うに過ぎてしまっている。誰も彼も何もかもが遅かった。
遅過ぎたのだ。
代理投下終了
感想はまた後ほど
投下おつ〜
ハロルドは本当に底が見えないよな…
そして遂に奇跡の代償にも気付いたか
是非ともディムロスを何とかしてやって欲しいところだが難しいだろな…
このあとどうなるんだろ、ナイスバッドタイミングだったが
投下乙
城ではまた波乱が起きそうで
マルタもまたエミルから遠ざかりそうな臭いがプンプン
ハロルドが何を考えているのかまるで読めない
早まった…すまん
改めて投下乙
ハロルドはどこまで読めてるんだか…
ルークのタイミングがぴったりすぎてもう…
最近投下無かったからスレ上がってテンション半端なかったわw
投下乙です!
タイミング悪いルークは下手すりゃハロルドを敵と見なしちゃうのかな
どこも続きが楽しみすぎる
投下乙乙。この展開はまったく予想できなかった…ハロルドやっちまったな…あいかわらず引きがよくて続き気になる
地味に天地戦争の話が平行して進んでるのも気になる。ベルセリオス黒幕説は消えないな
投下おつおつ。
うーん、前にも書かれていた通りハロルドの底が本当に見えない。
どこからが想定外なのか。それとも、全ては想定内なのか。
というか、せっかく安定しているチームなのに崩壊する可能性があるじゃないですか、やだー!
保守
ほ
投下します。
あつい。
じりじりと照り付ける太陽のせいもあったが、それ以上に暑い……いや、熱い。
気温だとかどうとか、そんなレベルじゃなく熱かった。
汗は絶え間なく肌をじっとり濡らして服に張り付いていたし、肌が露出してる部分に到っては汗の水分が蒸発して白く結晶化していた。
辺りは原っぱだっていうのに、まるで砂漠みたいだ。
人由来の塩の結晶だなんてコックでもそうそう見れるものじゃない。
灼熱地獄の原因は判りきっている。僕はやれやれ、と横目で“それ”を見ながら溜息を吐いた。
判りきってはいるが、あんまりにも堂々としているから少し言い辛いのだ。
でも、いい加減こっちも我慢の限界だった。悪いけど限界を超えてまでサウナに入りたがるほど僕は変態じゃないんだ。
「あのさぁ」
僕は意を決して呟いた。彼は返事をするのが億劫だったのか、目線だけでそれに応える。
「その炎、どうにかならないの?」
僕は顎で彼の周りの鬱陶しい炎を指した。ならない、と蛋白に彼は言う。
「どうにかなるなら、とっくにどうにかしてるヨ」
「そりゃあそうだろうけど、」
続けようとして、口がまごつく。そうだろうけれど、なにか酷く平等性を欠いている気がした。
「けど、なにさ?」
彼が悪びれる様子もなく肩を竦める。僕はかぶりを振った。まったくデリカシーの欠片もありゃしない。
「……君は耐性あるから良いだろうね。けど、僕はそれをずっと我慢してろって言うのかい。
結構酷い温度だよ、それ」
「そんなに?」
彼が驚いた事に僕は驚いた。常識というものを知ってくれ。
「そんなに。少なくとも100℃はいってるね。オーブンじゃないんだからさぁ」
僕はあんまり暑かったものだから、自棄になって彼に纏わりつく忌々しい炎を指差す。
このままだとこっちが綺麗な小麦色に焼けてしまうし、何より喉が渇いて仕方がない。
「……ていうか、そう思うならもう少し離れればいいと思うんだけど」
「自分勝手な……」
「五月蠅いなぁ。じゃ首でも落とせば楽になるんじゃないの?
そもそも僕達仲間でもなんでもないんだし、嫌なら離れればいいじゃないか」
彼はむっとした表情で吐き捨てる。刺がある言い方だったけれど、確かにその通りだった。
一々喧嘩するのも面倒だ。僕は大人しく腰を上げて、少し離れた位置に座り直す。……。……………………。
「……………って、体感温度変わらないじゃないかぁ!」
思わず背中から原っぱに倒れ込む。上手く突っ込んだところで誰も褒めてはくれない。
「本当に五月蠅いなぁ。神様のくせにつべこべ言わないでほしいんですけど。
……あっ! ほらアスラのせいで魚逃げたし! もーっ!!」
マオが声を荒げて僕を睨む。そんな理不尽な。
でも、そう。魚。今は人を殺す事なんかより魚なんだ。
僕達は今、丁度昨日と同じ様にエリアE-7にある湖で―――――――――――――釣 り を し て い た 。
……いや、断っておくけれど別に僕達はふざけているわけじゃあない。
丁度今から20分前、時刻は10時12分。僕達はハンティングゲームという建前上の条件で手を結んだ。
最初の行き場所は決まっていた。エリアA-4にある館、モリスン邸という場所だ。
そこに彼の標的が居るらしい。僕には特に目的地はないから、素直にそこへ向かう事になった。
「アスラ、餌」
「……。僕は餌じゃない」
「つれないなぁ」
「釣りだけに?」
「……」
でも、僕達は体も精神も酷いものだった。疲労困憊もいいところだ。
それに二人共回復アイテムもなければ、治癒術も使えない。……僕は一応集気法があるけれど、他人にはかけられない。
だから単純に、休息が必要だった。彼が回復する為には、ヒーラーを捕まえて無理矢理頷かせるか、グミを奪うかをしなければならなかった。
けどそんな風に上手く事が運ぶ可能性、高いわけない。
彼が回復出来ない以上、精神力のストックとコンディション管理は生き残る上では重要だった。
彼は今直ぐ出発したそうだったけど、僕は無理矢理説得した。
尤も、別に彼に死んでほしくないと思っているわけじゃない。
むしろ彼が死ぬのは構わないし、ピンチに助太刀する気も更々なかった。
ただそれで僕の命が危なくなるのなら話は別だ。僕はそれが気に入らなかった。
二人で行動するのは、死亡率を下げる為でもあったから。
彼には、ある意味で僕の肉壁になってもらうつもりだ。馬鹿でも一応は神。戦闘力もあるし、威嚇と弾避けくらいにはなる。
……そうして休息している時、少し遠くに湖が見えた。丁度昨日僕が釣りをしてた湖だ。
落ちていた釣竿も丁度二本。時間もいい具合に昼前。
そこで僕達は精神力の回復と同時に空いた小腹の回復も計る事にした、というわけだった。
「どっちが多く釣れるか勝負しない?」
僕は暫くして言った。ただひたすら釣りをするというのが存外退屈だったからだ。
「いいけど」彼は小首を傾げる。「制限時間とかあった方がよくない?」
「11時」
僕は迷わず応えた。正午の放送後には行動開始したかったから、調理時間も考えてそのくらいに切り上げておくのがベストだ。
「景品がないと盛り上がりに欠けるヨ?」
彼が肩を竦めて微笑する。確かに。勝負事に賭けるモノが無いというのは実際どうなんだろう。
景品、景品か。とはいえ“品”はないから、何か別のものじゃないと。さてどうしたものか。
「……うーん……勝った方が次に会った敵に最初に襲いかかれるとか、どう?」
彼がいいね、と頷く。咄嗟のものにしては我ながらナイスアイデアだ。
僕達は時計の秒針が0になったのを合図に、再び釣竿を振った。
おかしな空気だな、と僕は少しだけ不思議に思った。なんだか相手が敵でも、やっぱり一人より二人の方がいいみたいだ。
根本的に、僕は淋しがり屋なのかもしれない。或いは、アスラがそうだったのか―――……
……―――11時。彼の聞き逃した放送の話や情報交換やらをしていると、時間が経つのはあっという間だ。
採った魚は彼の方が二匹だけ多かった。(大きさでは僕の方が勝っていた)
彼がムキになって湖を干上がらせてしまいそうだったので、故意にそうした。(くどいようだけど大きさでは僕の方が勝っていた)
僕は魚を捌いて、彼は火を熾す。彼は魚を捌くのが信じられないくらい下手だった。
「魚は僕が焼くから、寝てていいよ」
僕は集気法をかけながら言った。彼はどうも加減を知らないみたいだったからだ。折角の栄養源を炭にされちゃ敵わない。
眠る彼の隣で、暇を紛らわす様に空を見上げた。ぱちぱちと燃える炎から、黒い煙が高く高く続いている。
気付けばもう直ぐ放送だ。誰が呼ばれるだろうとふと考えたけれど、直ぐにやめた。
僕を昔から知っている人は、もう誰も残っていない。放送なんて何の意味もなかった。
不思議と実感は沸かない。ただ、笑いが止まらなくなった。涙まで目尻に浮かぶ。どうしてだろう。どうしてなんだよ。
「ルカ=ミルダは、何処にいった?」
曖昧な疑問は黒く昇る煙に混ざって、広い天に少しずつ溶けてゆく。
辺りは気持ち悪いくらいに静かで、高い空はくどいくらいに青かった。
【ルカ・ミルダ@アスラ 生存確認】
状態:HP35% TP25% 左肘から先消失 全身痣 肋骨骨折 右手人差し指、中指、小指切断
アスラ化(秘奥義使用で解除) 全ステータス+
所持品:子供じゃないモン 旋風 黒髭ダガー 少し囓られたルグニカ紅テングダケ
バクショウダケ クレアの首輪 ピクルスストーン
基本行動方針:優勝してルカの絆を取り戻す
第一行動方針:取り敢えずマオはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。暫くの行動方針はマオに任せるが、ロイドは自らの手で殺したい
第三行動方針:まずは一休み
現在位置:E7湖
【マオ 生存確認】
状態:HP15% TP45% 火傷・炭化+ 右肩骨折 服がボロボロ 全身打撲 リアラが超嫌い
オルセルグ 封魔の石発動中 睡眠中
所持品:忍刀・東風 ワルターのサック 封魔の石 ワルターの首輪の欠片 聖杖ユニコーンホーン
基本行動方針:お母さんや聖獣達に愛されるため、『マオ』を完全に殺す
第一行動方針:取り敢えずルカはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。モリスン邸方面へ向かいつつ、マオを知る者全員を殺す
第三行動方針:マオを殺してもリバウンドが治まらなかったら、聖獣に代わりヒトを滅ぼす
第四行動方針:まずは一休み
第五行動方針:隠された神殿の扉を開く鍵を入手する? (意味があるのか?)
現在位置:E7湖
*ルカとマオが情報を交換しました
投下終了です。
投下おつー シュールな二人組だなw
そしてもう放送か…早いな
投下乙
一つ気になったんだが、二人の今の状態で実際釣りやら料理やら出来るの?
特にルカなんか、左腕は肘から先が無くて、右手も人差し指と中指と小指切断されてるんでしょ?
しかも昔からじゃなく、この殺し合いに参加してからなんだから、圧倒的に不慣れであることは確か
オルセルグvsアスラの時から気になってたけど、なんだか五体満足の状態で戦ってるように思えるし、ルカに関してはまともに手を使えない状態なんだから、このままごり押すならごり押すで、手つきがおぼつかないと感じられるような描写を入れてほしい
ルカって今アスラの姿だろ
怪我はないんじゃないか?
元の姿に戻ったら怪我は引き継ぐんだろうけど
確かに。マオも右肩骨折してるし、自分でやってみれば分かるけど親指と小指だけだと持てなくはないけど竿はかなり持ちにくい。
まあこれは調整効くからいいけど、12時になったらD6が禁止エリアになるからアラミス湧水洞に行けなくなるから、この2人移動し辛くなるよな。誤って禁止エリアに踏み込まなきゃ良いけど。
「焼け落ちた左腕、そして斬り取られた右手指が、この魔神が“ルカ”だったと言う事を物語っている」
こういう描写があるからアスラ化しても治って無い。ていうか今更だが、前話でエルレインの死体が
残っているのも変な話だと思った。エルレインの身体が削り取られる程の威力がマオの術にあるのに、その術の中でも最強の威力のディザスターロアの直撃を受けたら普通は死体すら残さず消滅する筈なんだが。
死体の状態もわからないのにそんな細かいところ突く必要ないって
というか今のルカはアスラの姿なんだし手の大きさすら圧倒的に違うから
難しいかどうかもわからないでしょ
>>103 自分がきちんと話読まないで書き込んだのが元々の原因でしょ?アリス話やスタイレ話のようにまた懲りずにゴリ押ししてきたけど、人の注意には耳を貸したら?それが出来ない厨房なら二度と来ない方が良いよ。
まあそう言ったらすぐキレて暴言ぶちまけるんだろうなw幼稚なガキがやることなんてみえみえ(笑)
どうして俺の意見への反論飛び越えて人格攻撃になってるんさ?
俺の意見が間違いだったのは認めるから次レスする時にはほんのちょっとでいいから深呼吸しよう
>>99だが、結構話が大きくなったのは驚きだ
俺が言いたいのは、ルカ(マオはとりあえず置いといて)の現状では日常的行動を取ることは厳しいのではないかってこと
「アスラだからアスラだから」って言ってる人もいるが、他の人が言う通り状態は変わらないし、アスラ化した恩恵はここでは単純な力のみということになる
繰り返して言うとルカは殺し合いに参加させられてから腕と指を失ってるわけで、短期間で右手の薬指と親指のみで何かをすることに慣れることはあり得ないと思う
かといって破棄するのはもったいない、俺はこの書き手さんの表現は好きだしね
相手を融解させたり近くにいるだけで100度以上の熱を感じるような表現はちょっとチートというか、元のキャラを考えたら飛び抜けてる気がするけど、それは他のキャラにも言えることだしね(スタンみたいな)
ちょっと話がそれたけど、個人的には「右手の薬指と親指のみで釣りや料理をする動作が不慣れでおぼつかない描写」を入れてもらえたらそれ以上は望まない、かな
他の話(エルレインの死体云々)はみんなに任せる
あと、喧嘩は見てるの好きだけど煽りやら挑発やらは見てて子供っぽいから、するならもっと相手を論理で説き伏せる勢いで喧嘩してくれ
最近(?)スレの勢い超ゆっくりだから、質の高い喧嘩なら良い意味で盛り上がって良いんじゃないかな
作者です。全面的に
>>106さんの言う通りです、申し訳ない。怪我具合について埒外でした。
一通り修正しましたが全体的な表現修正になってしまったので、もう一度避難所に全て投下します。
大まかな修正ポイントを上げておきます。
・マオが平然としてる理由付け→ルカへの対抗心と強がり
・温度→具体的な温度数値カット
・ルカの釣り→1stロイドみたく蔓で釣竿を右手に固定する描写追加
・調理→「捌く」ではなく「枝に刺す」に修正、苦労している描写追加
あとの修正は細部です。
>>107 おお、お忙しい中の迅速な対応感謝感謝です
暇を見つけていそいそと書かれていらっしゃるようですし、そうなると見落とす部分があっても仕方ないと思います
そうなったらそうなったでみんなで指摘しあって直していけば良いんですから、これからも自分のペースを守ってゆっくり頑張ってください
一日文句もなかったしGOサイン出していいんじゃ…
ここまでの流れと一切関係ないただのチラ裏ではあるんだが、
さっきぼんやりと死亡者リスト見てて、アッシュの項を読んだとき不謹慎にも
「死因:圧死……アッシュなだけに……」
なんてことを考えてしまった…
※クレスがこのスレを監視しています
いやぁ、面白いね!
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想刻のペンデュラム(真咲健太)先頭民族の暴力ゴリラ。暴力だけが取り柄で知能は低いw
光と水のダフネ(高橋健太)振られて家出したガキ。コイツのせいで無関係の一般人が殺されるが本人は気にも止めてない。その後もう一度振られてまた家出した
東京皇帝北条恋歌(八田健太)主人公の自称親友のチンピラDQN だがその正体は醜悪な蛆虫の怪物。
オイラは番頭〜平作&健太の夢物語〜(島根健太)裏企業をする変態親父。一般人にすら暴力をふるうキチガイ
無敵超人ザンボット3(健太)宇宙人に捕虜にされた可哀想なモブガキ。拷問され泣き叫んで最後は自殺した。
チョコレートプリンセス(健太)童貞の癖に女をナンパしまくる異常性欲者。飽きた女はポイ捨て
セイラー服黙示録(健太)ギャーギャー喚いでたらゾンビに喰い殺された幼稚園児w
JOKER ジョーカー許されざる捜査官(根律健太)犯人を脅していて犯人に仕方なく始末れた自業自得のクズ
クローズ(東健太)普通の少年だったが極悪ヤクザにリンチされ監禁され麻薬付けにされ死亡
あばさんBOON(伊藤健太)ヤンキーにリンチされて母親に救われるデブw ママ〜怖かったよ〜というセリフを吐くがこれでも20歳ですw
カイチュー(杉村健太)常にチームの足を引っ張る足手まといアフロ。こいつのせいで敗北した戦いも多い
傷だらけの天使 (木暮健太)3歳のクソガキ お風呂でウンチを漏らしたりする汚い知恵遅れ 拾ったものは何でも食べようとする
母さんへ(健太)ボウズ頭のガキ。 女の子の大事にしてるぬいぐるみを川に捨て、サイフを盗んだ最低のクズ以下のクズ。 最後はバレて少年院行き
金八先生(高橋健太)母親を殴ったアホ。 母親をクソババア早く死ねボケェ、と言って罵った
キラ☆キラ(殿谷健太)喋り方がおかしいメガネ野郎。生意気でキモイ性格で常に人を見下している。
アニマル横町(ケンタ)生意気な性格のクマ 人ですらないw いつもパシられてるw
ヒメアノ〜ル(高橋健太)売れない漫画家。殺人鬼森田を興味本位で付狙うが逆に殺されてしまう。
私の恋愛できない理由(高橋健太)剣道とサッカーを見下すクズ。キメゼリフは剣道やサッカーみたいなガキのオママゴトで熱くなれる人は羨ましいッスね
ナナシノゲエム目 (ケンザキケンタ)元はといえばコイツが元因で呪いのゲームが広がった最悪の男
14才の母(一ノ瀬健太)姉が妊娠したせいでイジメを受ける。 トイレに顔を入れられて狂ったように奇声をあげて泣き叫んだw
ヒーロー戦記〜プロジェクトオリュンポス〜(健太)森に迷って死亡した幽霊のガキ これといって出てきた意味はない
ゲーム 3年B組金八先生(山田健太)顔がキモイという理由でイジメを受けるかわいそうなキモオタ
キミの声がきこえる(酒井健太)なんと名前を書けばだれでも受かる大学を受験して堕ちたある意味の天才w
パステルユーミ(鈴木健太)小学生なのにエロイ妄想ばかりしてる変態。パンツを盗むなどやりたい放題。
ギャンブルッ!(健太)殺人鬼3人組の末席。 老人と幼児に手をかけるクズ以下のクズ 最後はボスも見限られ射殺された
土竜の歌(黒河剣太)豹の刺青を入れたヤクザ。ヤクザの親分を暗殺しに行くが返り討ちにあい半殺の制裁を受けて目を抉り取られた
マンカイデンシ*サクラ (ケンタ)孤児院にいるガキでイジメの常習犯。机に死ねと落書きをするなどかなり悪質。
ウィニングパス(小林健太)調子にのってバイクのってたら事故って障害者になったかわいそうな人。 自暴自棄になって発狂
デザエモン3D(ケンタ) 幼稚園児なのにハゲているデブガキ。 変人に唆されてチンコと名前を全国を晒した笑い者
女王の教室 (山下健太)ラブホを覗いたりする悪ガキ。 最終話で変なチンピラに殴られて泣き叫びながら失禁した汚いガキ 泣き声が非常に大きくて迷惑
パワプロ10(広尾健太)サギ集団に騙されて怪しい薬品を買いまくる可哀そうなオヤジ 薬品のせいで病に侵されている
2ちゃんねるの呪い(健太)本名を書くと死ぬと噂される掲示板に興味本位で本名を書いて死亡した
うたかたのそら(東健太)6年前翔を殴ってリンチしたあげく溺死させたにも関わらず何食わぬ顔をして生活している殺人鬼。
ぶっとびスピナーキメル!!(ケン太)作者が同じの学級王ヤマザキのケン太そっくりの奇形 ピンチになると失禁したり泣きながら土下座したりする。
ちゃぶだいケンタ(スズキケンタ)キチガイ池沼の設定。 女の胸を揉んだりやりたい放題の池沼である 怖い人を見ると脱糞w
ばらかもん(健太郎)本名は健太郎だが作中でケンタと呼ばれているからここに示す カエルを惨殺する残忍なハゲ
スタミナ健太(スタミナ健太)餃子の化物 餃子から手と足が生えた醜悪な怪物。かなり不気味
ウィニングボール(沢口健太)母を自殺させ恋人を殺めてしまった狂気の人 最後は山にとりのこされ泣きながら今までの悪行を悔いた
特殊報道部(太田健太)自らを霊能力者と名乗り人の弱みにつけこみ何百万もだまし取ったクズ 最後は隼人によってぶん殴られて死亡
同窓生 人は、三度、恋をする(柳健太)40歳のおばさんに恋をする変人。キモイ
チアーズ(健太)仕事もせず毎日セックス三昧の変態クソ親父。気持ち悪いんだよ!!!
叔母の寝室(健太)叔母とセックスをする異常者。キャラの名前が全てウィングマンのパクリ
タフ(尾崎健太)守銭奴で別名ゲスの尾崎。スナイパーに狙われて怯えるw
真夏の夜の淫夢(健太)アナルに腕を入れてうっめえうっめえ発言をする頭のおかしい人物!エイズで有名
僕の彼女はあいつの奴隷(健太)借金を作って借金返済のために彼女をヤクザに売ってしまった最低の男
Play in Pray(健太)親に隠れてパソコンで殺人ゲームをして性的快感を味わうサイコパス。 最後は親に手をかけた
デジタルワールド・リ・デジタライズ(ケンタ)ユウヤにフルボッコにされて泣きながら助けを求めてきたザコモブ
必殺白木矢高校剣道部(轟健太)一言で言えば筋肉質なホモ 将来の夢はお嫁さんになること(彼は男です) 剣道は弱い
ライブオン(ケンタ)普通のクソガキモブ。 レンに負けて泣きなながら逃げだしたw
ファミコンロッキー(北野健太)ゲームのやり過ぎで目が見えなくなったバカガキ 一日12時間ゲームしてるガキ
流行り神(芹沢健太)夜の学校に忍びこみプールから水着を盗んだ気持ち悪い顔の変態クソガキ。 両親が死んで泣きながら助けを求める。
ダイヤのA(前園健太)チンピラのような見た目のDQN。あまりにも暴力的なためすべての部員から嫌われてる
わ〜おケンちゃん(志村健太)コロコロコミックのクソ漫画 脱糞ネタや失禁ネタが多くとても不快 健太は授業中に脱糞 正直言って気持ち悪いです。
がめつい奴(健太)父の首を絞めて殺害した狂気の男。幼少のころから動物を虐待していたサイコパス 最後は勿論逮捕 懲役28年
あいつの一言 教科書(健太)小学校の教科書に出てくる知的障害者。池沼の代表的名前であることが判明した。日本で一番池沼が多い名前らしい。あうあうあ〜
極道めし(健太)題名どおり極道。 暴力事件で逮捕・ その後破門
ミコト(健太)イジメの主犯格。口にするのもおぞましいイジメをおこなう。 最後はクラス全員にリンチされて泣き叫ぶw
相棒(戸田健太)親に寄生する28歳の引きこもり。 事件に巻き込まれてまっさきに殺害された。
ナデプロ!!(南雲健太)いい年してヒーローやロボットが好きな精神年齢低い奴
僕達急行 A列車で行こう (小玉健太)肥満な鉄道オタク。太っていて豚鼻のため豚男と呼ばれている
レイプ(神田健太)醜悪な顔をした殺人犯。女を家につれこみレイプ! 最後は油をかけられ火をつけられて焼死
青空(健太)5歳のクソガキ 5歳なのに死ねよカ〜スという言葉を使う 将来はヤクザか?
シオンの疾風(健太)犬に噛まれて脱糞してしまったクソガキw その後犬を見ると漏らしてしまう体質になる
はつ恋(健太)ダウン症の池沼。ウンチを撒き散らして親をこまらせる。 最後は耐えきれなくなった親に心中させられた
がんばれキッカーズ(石井健太)他チームの選手に暴力を振るったためにチーム全体が対外試合禁止処分を受けた
ライアーゲーム(堀健太)教授に騙されて即敗北したデブw 2億の借金を得たw おめでとうデブ太君w
卒業旅行の脅迫状(六角健太)異常者だらけの登場人物の中では1番まとも。 裏を返せば特徴のない男
金田一少年の事件簿(鳴嶋研太)トイレの花子さんを名乗る殺人犯。 あっけなく逮捕されたザコw
黄昏流星群〜C−46星雲〜(飛島健太)50代でリストラされたダメ親父。 追い打ちを駆けるように妻が離婚 人生オワタw
走れ!T校バスケット部(健太)身長2メートルの巨人 練習をさぼるカス 決めゼリフは、お前ら勝手に練習してろよバ〜カ。
危険日狙って!? 孕ませ学園(斎藤健太)学園では人当たりの良い印象で通って いるが、考えることは「とにかく女の子とHがしたい」と言う性欲の塊状態
模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG (サカザキケンタ)喰うことだけは人一倍真剣のデブ それ以外は全く興味なし
ひみつのアッコちゃん(中村健太)デブで猿顔のためにイジメを受ける 恐ろしいほど肥満 猿顔と言われてイジメられた 口癖はウキキ
AVな奴ら(新井健太)「ナツメ銀行」に勤めるが、失敗の連続で駄目社員に認定されリストラ。その後騙されAV男優化 後に鬼畜の帝王と呼ばれる。
DLメイト(川村健太)鬼太郎みたいな髪でメガネを付けたブサイクキモオタ。 怪しい呪術で女性を襲う鬼畜 笑い声はギヒヒヒ
すっとびケン太(健太)みんなが知ってる池沼の王!キングオブ池沼! 作者曰く伝説の障害児!池沼とはまさに彼のこと
夕焼けの向こう(健太)陰湿なイジメを繰り返すクソガキ。 最後はクラス全員から逆にイジメられて泣き叫びながら逃走
さくらんぼ(魚谷健太)自分は18歳なのに10歳の少女に恋をした変態ロリコン変態DQN
先生のお時間(末武健太)スポーツ万能だが頭は小学生並。ホモキャラに付きまとわれている。
毒笑小説(健太)3度にわたり誘拐されたバカガキ。途中で脱糞して誘拐犯に迷惑をかけるw
民法なエブリディ(健太)盗撮写真を売りさばく犯罪者。その写真で人を脅して金を奪う。もちろん逮捕w
MISS(桐島健太)父親に虐待されて余り者恐怖でウンコを漏らす。女に暴力をふるったり最低な奴
月光 仮面くん(小関健太)オパパーイと言いながら女子の胸を触る変態。パンツを盗むところを見られて補導
タイムボカン(健太)超肥満なため馬鹿にされる小学生 最後は太りすぎて家に入ることが出来なくなってしまった
花の鎖(山本健太)女を狙い家におしこみレイプする犯罪者。さらに和哉という罪無き男を殺害した極悪殺人鬼
2025年高島さん一家の暮らし(高島健太)娘に来夢と戸夢というDQNネームを付けた最低の親。 ダメオヤジ
いじめられっ子のチャンピオンベルト(中村健太)あまりに太り過ぎているためにデブといわれていじめを受けていたデブガキ。いじめられて失禁w
夜想曲(遠藤健太)12歳のキモイ少年 飼っているハムスターをミキサーで殺すなど性格の歪んだサイコパス 常にパソコンをしているキモオタハッカー
今日から俺は(健太)クズ太と呼ばれ不良たちのおもちゃにされているかわいそうなデブ 首輪をつけられ犬のような扱いをされる。
しゃにむにGO(北王子健太)スポーツ漫画によくある反則を使うチームの一員 フルボッコにされて戦意喪失した
みるく(堀健太)デブのゲイで異常性欲者。キモイ 臭い 汚い 3拍子揃った人間のゴミ 堀堀堀〜といいながら掘るデブゲイ
黄昏の空(大滝健太)女性を9人監禁してレイプした殺人鬼 逮捕され死刑が言い渡された。最期のセリフは、嫌だ死にたくないイイィィ助けてエエェェ
アイシールド21(山岡健太)毎朝アイドルのポスターにキスをする変態。ヒル魔に弱みを握られて従わされている奴隷。
坂井さん家の卓袱台ハッピートーク (坂井健太)赤ちゃんなのでばぶうしか喋れない。たまにウンコを漏らすwブブブブ〜
きゃんきゃんバニーエクストラ(落合健太)レイプマンのあだ名をもつ犯罪者。寝ていた幼女をレイプしてしまった。
クレヨンしんちゃん(武蔵野 剣太)剣道教室の館長。修行の旅に出て勝手に去って行った変なおじさん
ばもら!(坂本健太)サッカー部の部員。フットサル部を潰すために様々な嫌がらせをする鬼畜
ライフ(山田健太)イジメられている人を見ると性的興奮するサイコ。自身はイジメはしないが、影でイジメを見て楽しんでいる異常者
遺作(小暮健太)高校生なのに酒を飲んだりタバコを吸ったりするDQN。盗聴器などを使う変態
スプライト(健太)双子のヤクザにリンチされて障害者になってしまったかわいそうな子共。最後はバケモノに食われて死亡。
太陽勇者ファイバード(天野ケンタ)存在価値の分からないクソガキ。いつも足手まといになる。
勇者指令ダグオン(ケンタ)不毛なる大地の異名を持つ化け物。最後は主人公達によって殺される。
はじめの一歩(小橋健太)セコイ手を使う卑怯者。自分が才能がないことを言い訳にする卑怯な奴。
ぽちゃぽちゃ水泳部(健太)太っている人が好きという変わった奴。普通の人は線に見えるらしい。
家族計画(中里健太)12歳のゴミガキ。あまりにも陰湿な嫌がらせを繰り返し追い出される。それに逆ギレして放火した犯罪者
陰からマモル!(健太)暴力を受けて失禁してしまった小学生。泣き叫びながら助けを求めた。
ゼウスの種(ケンタウロス)不気味な馬の怪物。クソ漫画にふさわしいクソキャラ。
鳳凰戦姫舞夢(川田健太)勉強もスポーツもできない負け組。女をとっかえひっかえするクズ
DEAR BOYS (島袋健太)ザコチームのデブ 熊のプーさんに似てるためプーと呼ばれる 体重は150キロを超える超肥満
超人学園(健太)最悪の犯罪者。年老いた母親に殴る蹴るの暴力を加える最強のクズ! もちろん最後は裁きを受けて逮捕された。
喧嘩商売(斉藤健太)麻薬をキメているジャンキー。麻薬の運び店をやっていたが途中でヤクザに捕まりリンチされて殺害された。
クッキングパパ(けんた)太った幼稚園児。女の子に泥をなげたりするクソガキ。決めゼリフは、死ねバァカ。あだ名はデブ太w
双子どんぶり!(田中健太)親の再婚で、同級生の双子姉妹と義理の兄妹になってしまい淫らことを繰り返す変態。
たった二人で世界を裏切る。犬のような彼(健太)題名通り犬w首輪をつけられて奴隷にされるw
裁判長!(健太)強盗殺人犯。金欲しさに善人に手をかけたゴミクズ。裁判にかけられ懲役20年を言い渡された。
GJ中等部(健太)人の言うことを聞かないクソガキ。頭も悪く不人気キャラナンバー1に選ばれた。
GJ中等部(健太)↑の飼っている太ったカエル。特に語ることはない。
HEY! BAD BOY (健太)ホモの変態にレイプされたガキ。
きみにキスしたい!!(健太)ホモ漫画のホモキャラw兄とSEXしますw
ラブ・ホテルウーマン(仁郷健太)ラブホを営業する鬼畜ヤクザ!レイプ事件を起して逮捕w
犬も歩けばフォーリンラブ(ケンタ)犬を擬人化してしまった珍漫画w雌犬とセックスw
ためらいの電マ(健太)変態小説の変態キャラ。電マを使って同僚をレイプする鬼畜系犯罪者。最後は母にも手をかけた史上最悪の変質者。
ちびまるこちゃん(長谷川健太)サッカーしか取り柄のない餓鬼。実在する人物をモデルにしたらしい。
それでも運命にイエスという。(白坂健太)エイズの女とSEXしてエイズになったチンピラ。そのことを恨み女の母親を殺害してしまう。最後は屋上から飛んで死亡。
常夏バンク (千葉健太)イジメを受けて現実逃避癖を持ってしまった負け組。全てを諦めて引きこもりに・・・
「神様」にすがった女が生き地獄で見た(大久保健太)レイプして孕ませたあげく女をポイ捨てする最悪のクズ!最後は女に刺されて死亡。
夜を往く者たち (神谷健太)本作の犯人。インターネットと現実を区別できなくなり殺人を犯す。人は死んでもリセットすれば蘇ると思ってるキチガイ。
おジャ魔女ドレミ(飯塚けんた)まつ毛が異常に長いことしかとりえのないモブガキ。主人公たちをよく馬鹿にしている。顔が気持ち悪い。
ブラックジャックによろしく(健太)精神異常者に殺害されてしまった可哀そうな幼稚園児。眼球を抉られて殺害された。
華麗なるスパイ(健太)6歳のクソガキで犯人に誘拐されて恐怖のあまり狂ったように泣き叫んだ。セリフはママ〜しか言わない
女性秘匿捜査官・原麻希シリーズ(健太)親に寄生するクソニート。ウィキペディアにもニートとしか書かれていない。
ドラマストーリー ドラマ(健太)毎度おなじみ池沼の幼稚園児。ウンコ漏らしてさあ大変w
ビューティフルレイン(立花健太)ヤクザと手を組むクズ警察。最後はバレてヤクザの後藤さんと一緒に逮捕w
アイシテル?海容?(福田健太)小学4年生の癖にイジメを行ない、財布を盗んだりするクズ。親曰く盗み癖があるらしい。
ハンマーセッション!(野島健太)理由もなく不良たちにイジメられてパシリにされる哀れすぎる人・・・その後間違えられて不良にリンチされた・・・
同窓会(緒方健太)モブキャラだがこいつのせいで大迷惑がかかる。暴力大好きのクソガキ
Odds GP!(心斎橋 健太)マザコンの親父。骨が折れて試合を棄権した。
時空警察ハイペリオン(咲山 健太)弱気な性格のおっさん。ヤクザにリンチされてあぼ〜ん
海の底(野々村健太)密室にとりのこされて騒ぎまくったクソガキ。恐怖のあまり失禁しながら泡を吹いて気絶w
ふたば☆ちゃんねる(田中健太)存在価値0のクズガキ
4姉妹探偵団(金井健太)人の弱みにつけこみ金を揺する極悪ヤクザ。犯人により殺害された。
べしゃり暮らし(梵健太)ことあるごとに人を馬鹿にしてくる最低のクズ。ヤングジャンプ作者たちに最も嫌われている名前。
ランナウェイ?愛する君のために(田口健太)おかっぱの幼稚園児。殺人現場を目撃してしまい殺人鬼龍之介に殺害されてしまった。
素直になれなくて(松島健太)史上最悪のクズ。東大に行けるほどの秀才だが麻薬を売りつけたりヤクザを雇いリンチを行なう悪党。
人が破滅するのを見るのが快楽でそのために麻薬を売り付け金を奪い何十人もの人を破滅させてきた。自分も麻薬をやっている。
最後はハル達を殺害しようとナイフで襲うが返り討ちにあい、その後逮捕され、退学処分となる。
びびったわ
投下される度にフラグバーストかとヒヤヒヤする…
保守〜
そろそろ投下がくることを祈って
保守!
ほっ
投下します。
その部屋は、酷く曖昧だった。
決して明るくはないが、かといって暗くもない。
白昼と黄昏の狭間の様に半端な光が、ゆらゆらと陽炎の様に部屋を寂しく照らしていた。
空気は乾燥していて、気温は少しだけ暑かった。
ただ……色だけが現実からいやにかけ離れてしまっていた。
紅。そこは目が眩むくらいの真紅だった。天も地も壁も、空気さえもが紅一色だった。
紅と一概に言えど、血の色とはまた違う。焼けた空ともアカトゲサボテンとも、レッドセージの葉ともガーネットとも違った。
それを敢えて例えるなら―――“炎”。そう言う他なかった。
その部屋は“炎”だったのだ。
蝋燭の灯火の様に何処か儚く朧気。それでいて、紺碧に凜と座す太陽の様にはっきりとした主張。
そのくせ明るさは曖昧で、時には距離感さえも掴めなくなる。そんな紅はいたく危ういものとして目に映った。
足は……確かに地に立っている。しかしそれを地と呼んでいいのだろうか、と思う。
壁があるのかは分からない。地平線すらなく、床と空気の境目すらありはしない。
“立っている”という自覚を持つ事が出来なかったのだ。
屈んで床があるだろう足元に手を伸ばすが、それを馬鹿めと嘲笑うかの様に指は空を切る。
一切の物理法則や常識を無視したそこはことごとく不快で、いやに落ち着かなかった。
上下左右東西南北その全てが狂っているようで、凡そ五感と呼ばれるものは機能の意味を殆どなしていない。
夢の中の様な現実感の無さ、嘘みたいな浮遊感。自分の身体が自分のものでないような、合わせ鏡の中の無数の自分達を客観視しているような。
しかしそれにしては、やけに色だけがリアルで目に痛かった。
赤い。
ひたすらに、底無しにそこは赤かった。
燃える様な色は自分にとって何よりも身近なはずなのに、ここまで並べられるとむしろ吐き気がする。
だがこれによく似ている感覚は知っていた。
黒い部屋。
聖獣と喋る時の、あの真っ黒な部屋のそれだ。
世界には自分と聖獣達以外は何も無くて、真っ暗なくせに、自分の身体と核化した聖獣達だけは昼間の時みたくはっきりと見えていた。
ただ、あれは落ち着く世界だった。この目眩のする様な世界とは根本的に違う。
“逆だ”。そんな気がした。
「やぁ」
不意に耳元で薄気味悪い声。自分の他に誰も居ないと思っていた少年は、驚いた表情を浮かべる。
後ろを静かに振り向いて、想像していた通りの景色に溜息を一つ。
「久し振りだネ」
どうしてこんな趣味の悪い部屋に、と少年は続けた。
「おかしな事を言うねぇ。どうしたもこうしたも、君が呼んだんだろう?」
人を小馬鹿にしたような薄ら寒い笑みを浮かべながら、男は諸手を上げて肩を竦める。
「呼んだ?」少年は眉を顰めて訝しげに言った。「呼んだの? ボクが? キミを?」
呼ぶ理由が思い付かないんですケド。
「此所は“君の”だからねぇ」
紫の髪をさらりと手で流しながら、男は言った。少年は首を傾げる。男は不服げに唇をへの字に歪めた。
「……それにしても、落ち着かない部屋だなぁ」
少年は頷く。落ち着かないというより、気味が悪い。
「おやぁ? 気に入らないのかい?」
男は意外だと目を円くして肩を震わせた。
「マオ坊やは好きだと思ってたんだけどねぇ、炎の色は。だってほら、君の能力だろう?」
「……その名前で呼ばないでヨ」
少年は牙を剥いて目を細める。男は腹を抱えて哄笑した。
「どうした“汚れ無き瞳”。炎が怖いのかい? 嫌なのかい?
あぁ、それとも嫌いなのはこの明るさかなぁ? 中途半端でさ、まるで―――」
―――君みたいだもんねぇ。
くるくると、ワルツを踊る様に男はその場で回る。天を仰ぎながら、両手を掲げながら、愉快愉快と笑いながら。
「違うッ……怖くなんかない……!」
ごう、と揺れる視界。赤い床が、吐く息が、塵がうねって、瞬く間に炎へと変わってゆく。
炎は鈍く光りながら少年の身体を包んで、熱風は狂ったように部屋を駆け抜けた。
空気も床も、壁も天井も自分さえも、なにもかもが蕩けて、炎へかえって、帰って、孵って、還って―――。
……炎は、死ぬのは怖くない。怖くないと決めた。
だってこれはマオを殺すための旅なんだから。自分が死ぬのが怖いくせに自分を殺せるもんか。
中途半端なわけもない。わけがない。迷っていたら、今頃此所に居ない。
迷ってないから、怖くないから。その証明にマオを完全に殺す。
“怖がってたマオは何処にも居ないことにする”。そう選択したんだ。
「そうだヨ……怖くなんか…………中途半端なんかじゃ……ない」
腹の底から絞り出す様に少年は呟いた。こうべは垂れ、目線は死に掛けの魚の様にふらふらと宛も無く何処かを泳ぐ。
男は全てを見透かした様に薄ら笑いを漏らした。酷く渇いた笑みだった。
「彼は」
少年の頭をまさぐる細く青白い指。身体に纏う炎が男の指先を貪ったが、意を返さない。
「彼はねぇ、君を黒だと思っているみたいだよ?
仲間を切り捨てる勇気があって偉いって、自分を捨てられてすごいって思ってるんだろうねえ。
いやぁ、おめでたい!」
血の様に真っ赤な髪の毛が、蛇の様に動く指先に絡み付く。
やがてぐいと手に力が入り、少年の頭は炎ごと男に持ち上げられた。
ばちばちと皮膚が収縮して、男の腕はみるみるうちに爛れてゆく。人肉の焼ける嫌な臭いが少年の鼻孔をつんと刺した。
「五月蠅い……」
虚ろな翡翠色の瞳が二度死んだ男の顔を映し出す。炎越しの満面の笑みに吐き気がした。
「だけど、君はどうだい? 無様に自殺出来ずに逃げた君が、黒だって?
忘れたとは言わせないよオルセルグ。“マオが死ぬのを拒んだ”んじゃない。“君が生かした”んだ。
君があの時首にあてがった刃を拒んだ。全部全部、全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部……君のせいなんだよ。
さぁて、迷っているのはどっちかな? こんな曖昧な明るさにいる君は――――――本当に黒なのかい?」
男は口を少年の耳に近付け、囁いた。生温い吐息が少年の細く水々しい首筋を這う。
生理的な嫌悪感に鳥肌がぶわりと立つ。固く閉ざした掌にはじわりと汗が滲んでいた。
「“死ぬのは怖くない”だったっけ? マオに自殺をさせないでおいて、どの口が言うのかな?」
「うるさいなっ……」
自殺出来なかったのはボクじゃなくてマオだった。マオが勝手にボクに弱さを押し付けていただけだ。
自殺出来ない原因をボクに被せていただけだ。迷っていたのは、オルセルグじゃない。
ボクは悪くない。悪いのはマオだ。黙れよ嵐。
「挙句マオを殺す旅? オルセルグ? 気付いてないはずはないだろう? 一度失敗してるしねぇ?
簡単な手があるだろ? 自分を殺す一番の手段は―――」
「黙れよッ! ボクはオルセルグだ! マオは関係ない! 自殺の事なんか、覚えてないッ! 知らないッ!!
キミの事だってボクが殺した! そうだろ!? もうヒトを殺してるんだ! 中途半端なわけがないッ!!」
ぼろぼろと、朽ちる木の様に肉が焼け崩れてゆく。男の肘から先は既に黒くくすんだ骨だけだ。
「嫉妬しているんだろう? 潔く白だと、死にたくないと言える彼に。
じゃなきゃここまで炎は大きくなってないもんねぇ。だから魚釣り勝負だってムキになる」
熱い。少年は喘いだ。炎が大きく、どんどん大きく、なにもかも飲み込んでしまいそうなほど……。
「ま、僕“達”が居るうちはまだいいさ。でも早くしなきゃ此所もキミしか居れなくなっちゃうよ?
取り返しがつかなくなって全部焼けてしまう前にさぁ、いい加減゛みどべばぼッぶュ」
息苦しさから逃れる様に、男の顔へと炎を放つ。至近距離で放たれた爆炎は、目の前の頭部を木っ端微塵に吹き飛ばした。
びたびたと降り注ぐ脳漿の雨。蒸発した血の生臭さ。焼け焦げた首の断面と、水膨れした肌。
司令塔を無くした体躯はびくびくとのたうち、そうしてやがて糸が切れたように紅い世界に沈み呑まれてゆく。
あまりにも呆気ない終わりだった。
「黒に逃げてるのは、誰だろうねぇ?」
世界を呪う様に何処かから響いたその断末魔は、ぐつぐつと揺らぐ炎に霞んでいった。
沈黙した死体は景色に蕩けて紅く燃え上がる。黒い煤が集まって、ぐるぐると中空で渦を巻いた。
何かを嘲笑うかの様にひとしきりワルツを踊ると、そいつらはいつか見た聖女の輪郭を作り出す。
「愛してほしいのでしょう?」
甘ったるい声が耳に障った。苦虫を噛み潰した様な表情のまま、少年は目の前に立つ聖女を睨んだ。
分かったような口を利くなと噛み付くような視線だった。
「……おばさんにじゃ、ないケド」
聖女はにっこりと笑う。完璧というものはこの世に存在しないが、しかし怖いくらいに“完璧”な笑みだった。
新雪の様な澄んだ肌、白鳥の羽の様な白いローブ。死人と思えないほど、聖女はあまりに綺麗だった。
「では、誰にですか?」
だけれど悪くない。不思議と心地良いのだ。
汚れてしまった瞳にも、きちんと優しさは優しさとして映っていた。
今日の朝にも少年は思った。母の温もりというものがあるなら、きっとこの感覚がそうなのだろうと。
でも。
「……お母、さん」
だからこそ、憎かった。だって自分にとっての母親はフェニア一人だったから。帰る場所は一つだったから。
母親意外に母を感じていたマオ自身が、どうしても赦せなかった。同時に感じさせる聖女が疎ましかった。
優しさは麻薬だ。頼り切る前に……排除しなくてはならない。
こんなに憎たらしい気持ちは、嫉妬は――――――――――――“嫉妬”?
「貴方は母に愛してほしいから皆を殺すと、そう言うのですね?」
左から右に通り抜ける言葉。少年の脳内に疑問符の雪崩が起きる。
……憎たらしいと感じてるのは、誰? 疎ましいと思っているのは、誰?
マオを捨てたはずの自分が、何故マオの気持ちを代弁してる?
「ボクは……」
「しかし、それで貴方の母フェニアは、本当に貴方を愛すと思いますか? 全てを殺して仲間も家族も失った貴方を?」
……いや、考えるな。考えちゃダメだ。ボクは、オルセルグ。マオじゃない。
オルセルグなんだ。
「……。当たり前じゃん。ヒトを滅ぼしてるんだから、喜んでくれるヨ。
だって元々お母さん達が望んでいたことじゃないか。ボクは正しいんだ。間違ってるのはキミ達でしょ?」
絞り出した声は、少年が自分でも驚くほど震えていた。
「なるほど。だから貴方は業火に蝕まれたのですね」
聖女は悲しそうに眉を下げ、かぶりを振る。
「マオ。貴方は人に愛される方法を、知っていますか?」
あいされるほうほう、と少年は反芻する。下らない質問だと思った。
「あのさぁ、分からないからヒトを殺すんですケド。分かってたら、とっくに愛されてるヨ!」
諸手を上げて、少年は叫んだ。何も出来なかった聖女が、偉そうな事を。
「無償の愛などありはしないのです。……マオ。ヒトは、好きですか?」
少年はその口に三日月を作って笑った。馬鹿にするような冷笑だった。
「ヒトは好き“だった”ヨ。そうじゃなきゃ、嫌いになんかなれるもんか。今はヒトなんて大嫌いだ」
聖女は口を閉ざす。少年は腕を頭の後ろで組み、溜息を吐いた。
「愛される方法、知ってるヨ。迷ってる自分を消せばいい。
それで駄目なら、愛されたいヒト以外を消してしまえばいいんだ。
そうすればきっと、お母さんはボクを認めてくれる。愛してくれる!」
埃でも払うかの様に、炎で目の前をなぎ払う。聖女の白く目に痛いローブが、真紅に包まれた。
ごうごうと揺らぐ炎。その向こうで、聖女は少しだけ皮肉げに笑った。
「愛してもらおうと思ったら、愛すしかないのです」
白い体躯が黒く焦げていく。生が死へと変わってゆく。
華奢な身体も、笑顔も、優しさも……そのまま母を模倣していた何もかもが、炎に消えて死んでいった。
「なぁんだ、簡単だね」少年は張り付いた笑みを浮かべる。「お母さんなら、もう愛してるヨ」
炎は最早少年の意思とは乖離していた。止めようとしても止まらない事に気付き、少年は瞳を閉じて自嘲する。
自分の能力すらもが制御出来ない。なるほどお手上げ、これは暴走だ。
文字通り烈火の如く怒り狂う炎は皮膚をじりじりと焦がしたが、少年はもう焦る事はなかった。
……何故って、マオを殺しさえすればこの暴走も止まるから。
「ヒトを愛して、愛して、愛して……それでもヒトは聖獣を裏切り続けた。
だから聖獣王は一度ヒトを滅ぼそうとしたんだ。愛したからって愛されなかったら、そんなの空しいだけじゃないか。
だからボクが愛すのは、信じるのは、愛してほしいのはお母さんだけなんだ。お母さんから愛されればそれでいい。
……ねぇ、キミもそれでいいって思うでしょ?」
目を開けた先、紅蓮の大地に立っていたのは、かつて旅を続けてきた唯一無二の友だった。
黒豹のガジュマは少年の呼び掛けには決して応えず、神妙な面持ちで腕を組んでいる。
「やっぱり最後はキミなんだネ」
少年はそう言って力無く微笑む。なんとなくそんな気はしていたし、だからだと思った。
きっと、そう思ったから現れたのだと。多分この世界はそういう風に出来ているのだ。
「マオ」
男は低い声で唸る様に言った。少年は首を傾げる。
「今から幾つか、お前に問おう」
少年は僅かに目を見開いたが、やがて観念したように頷いた。
男は立てた三本の指のうち、一本を折る。
「一つ目だ。“マオ、お前は生きたいか?”」
少年は目線を泳がせ、人指し指を顎に添えた。当たり前の事を改めて問われる事ほど、難しい質問はない。
生きたいか、と訊かれて即答出来る人間がこの世に一体どれほど居るのだろう。
「生きたい、ってわけじゃない……のかなぁ」少年は呟いた。「別に生きる事に執着してるわけでもないしネ」
うん、と納得するように少年は頷く。漠然としているなりに、何とか答えは纏まりそうだった。
「でも、“お母さんに会いたい”。それだけは本当だヨ」
少年は後ろ手に組みながら微笑んだ。男は表情一つ変えず、腕を組んで黙り込む。
「……これじゃ答えにならないかな? ゴメンネ、まだよく分からないんだヨ」
充分だ、と男は言った。立っている指が二本に減る。どうやら質問は全部で三つらしい。
「二つ目の質問にしよう。“死ぬのが怖いか?”」
嫌な質問だった。少年は表情を曇らせる。一つ目の質問も大概だったが、二つ目はもっと質が悪い。
「生きたいわけじゃないのに生きてるのは、死ねないからだ、って?」
馬鹿にするように、肩を竦めてみせる。目の前の男ははぐらかすように尻尾をぱたぱたと動かした。
「質問に質問で返すのは感心せんな」
聞こえてきたのは最早お決まりの言葉だ。少年はけらけらと笑い、ゴメンゴメンと目尻に涙を浮かべた。
「答えは“死ぬのは怖くない”。怖かったらマオを殺すだなんて、できないでしょ」
男は頷き、中指を折り畳む。いやに聞き分けがいいな、と少年は訝しげに思った。
残ったのは人指し指。質問は一つ。ちくりと何かが胸の奥を刺す。
ろくでもない質問が二連続。なら最後もきっと嫌らしい質問だろう。
だが、生死に関する質問は終わってしまった。それだけに心配だった。
「ではマオ……いや、オルセルグ。心して答えろ。最後の質問だ」
炎が視界の端で膨らむ。嫌な予感しかしなかった。
「―――――――“今ここで俺を殺せるか?”」
思わず、息を飲む。
は、と中途半端な声が口から漏れた。咄嗟に体裁だけでも平静を装うが、開いた口から言葉は何も続かない。
男は少年に近付く。身長193cm体重108kgの巨体はまるで聳え立つ獣王山の様だった。
「どうした? 出来るのか? 出来ないのか?」
金色の双眸が少年を見下す。少年は震える足で後退り、うなだれた。
声に出すまでもなかった。答えは最初から出ているのだ。
“ボクはユージーンを殺せない”。
「あくまでも黙るか。……ならば」
ちゃきりと金属音が鳴る。その意味が分からないほど少年も馬鹿ではない。
恐る恐る顔を上げる。立ち上ぼる火柱の中で、紅い世界の中で……一匹の黒い獣が立っていた。
その手には炎を反射して金色に光る槍、ヴァルムブル。白銀に光る眼光はこれがジョークではない事を語っていた。
「足を動かせ、オルセルグ。さもなくば―――」
炎が何かに怯える様に震えた。3m前方にあったはずのぎらぎらと光る槍が、少年の耳元を掠めて中空を刺す。
半秒遅れて、旋風がばさばさと髪を靡かせた。
「―――簡単に、死ぬ」
そして、氷の様に冷たく言い放つのだ。
かつての思い出など無かったかの様に、まるで少年が親の敵であるかの様に。
「冗談でしょ……ねぇ」
「生憎と冗談で槍を向けられるほど悪趣味じゃない」
男は無表情のまま応えると、槍をそのまま横へ、獲物の首を刎ねる様になぎ払った。
間一髪だった。少年はそれを避け、いつの間にか腰に下がっていたトンファーを取り出す。
心臓は大太鼓の様に五月蠅かった。がくがくと震える足、涙で滲む目、裏返る声。
惨めな姿で取る臨戦態勢は、酷く滑稽だ。
「嘘だっ! 嘘だと言ってよ、ユージーンッ!」
勢い良く振り下ろされる槍を二本のトンファーで受け止める。
……重い。少年の口から苦悶の息が漏れた。
「ずるい、ずるいヨ! こんなのずるいッ!」
「何故だ。何故避ける?」
「そんなの……戦えないからに決まってるじゃないかっ……。
キミと戦うだなんて、理由も無いのにそんなのってないでしょッ!」
少年が叫んだ。男は下らない言い訳だと鼻で嗤う。
「分からないな。今のお前はオルセルグなのだろう? マオでないお前が何故躊躇する?
マオを殺すには俺も殺さなければならないはずだ。何故なら俺はマオを知っているからだ」
槍に力が入る。押し潰す様に、雑魚を射抜き蹴散らす様に。
「“マオを知る者を殺す”とお前は言ったな。ならばこれは殺す理由に足るはずだが? どうなんだ?」
存在も矛盾も力も炎も、何もかもを殺す為に。
「そもそもだ、何故お前は黙って殺されない?」
「な……に?」
みしみしとトンファーが悲鳴を上げた。男は苦しそうな表情など微塵も見せない。
「お前は死ぬのが怖くなかったはずだ。抵抗は野暮ではないのか? それともあれは嘘だったのか?」
「ち、違う……それは、違うっ……」
砕いて砕いて、刺して潰して、抉って剥して。それでもなお手を休めない。
崖上に追い詰めるだけだなんてとんでもない。そのまま海に落としてやらないと。
展開お決まり120分の刑事ドラマだなんて、今日日流行らないもんなァ。
「死ぬのを避けた挙句、俺を殺すのも躊躇する。
そのくせお前はマオを知る者を殺すだの、死ぬのは怖くないだのとのたまう!」
「やめて……やめてよ、もう、やめて……こんなの、嫌だ……」
か細い声が上がった。それは悪人でも同情したくなるほど悲痛な声での懇願だったが、男は容赦無く少年の心を踏みにじる。
「――――――これを矛盾と言わずに、なんと言う!!」
傷を抉る様に、肉の下の心を刺す様に、言葉の槍がばきばきと外壁を崩してゆく。矛盾だらけの中身が晒されてゆく。
「おかしいとは思わなかったのか? お前はマオか? それともオルセルグか?」
ぎりぎりと槍の刃がトンファーに沈んでいった。
華奢なヒューマの身体で百戦錬磨のガジュマの一撃をいつまでも防げるわけがない。
「う、るさいっ……」
「本当の答えはどっちだ? 今のお前の思考は、その言葉は、身体は炎は心は、誰のものだ?」
少年の肌を炭が浸食してゆく。白を黒く染め上げる様に、何かから守る殻を作る様に。
「そのリバウンドは迷いの権化だ。母から教わっただろうに。
お前の肌を焦がすその炎は迷い以外の何物だ? 言ってみろ、オルセルグ!!」
「だ……まれよっ……!」
息が出来ない。喉を炎が焼いて、爛れた肌はばちばちと電流が走る様に痛む。
苦しい。苦しい。くるしい。だれか、ぼくをたすけて。だれか、ぼくをあいして。
「“マオが迷っているから”。結構な答えだがお前はオルセルグだろう? ならばその身体は何故燃えている?」
何も分からない。何も見えない。何も聞こえない。何も考えられない。
おまえはだれだ。ぼくはだれだ。なにもわからない、わからない、わからない……。
「答えを教えよう。お前は、」
少年の虚ろな瞳に真っ赤な炎が揺らいだ。黒く澱んだ網膜に、暗い影が焼き付く。目の前の男は悪魔に見えた。
武器が悲鳴を上げる。危機感が警笛を鳴らす。このままだと、殺される。殺される前に―――
「黙れえ゛ぇあぁあ゛あ゛ぁああぁぁああぁァあァァあああッ!!!!」
―――ころされるまえに、ころさないと。
「僕はっ!」
金切声が上がるのと同時に、男の胸に鈍い衝撃が走る。みぢみぢと肉の繊維が千切れてゆく。
口の端から伝う鮮血。刺突に特化したトンファー、ブランカージが深々と右胸に突きたてられていた。
「僕の名前は! オルセルグ! マオじゃない!!」
ばず、ぐしゃ、どずん。言葉に合わせて三連撃。噴出す血、炎に焦げる飛沫、びくびくと痙攣する男の四肢。
腹を破り胸を貫き、背骨を砕いてもまだ少年は止まらない。その程度で満足なんてするわけがない。
「オルセルグだッ!! 死ぬ事も! 殺す事も! 怖くなんか!! ないッ!!!」
刺して抜いて刺して抜いて、刺して抜いて刺して抜いて刺して抜いて刺して抜いて刺して抜いて刺して抜いて。
あっという間に胴は穴だらけ。心臓は疾うに破れ、肺があった場所からはぷちぷちと赤い気泡が弾けた。
「嘘だなァ。お前は怖いのだ、殺す事と死ぬ事が」
それでも男は倒れずに、にたりと笑う。血反吐を吐きながら、その白い歯を紅に染めながら。
だから、今度はその顔をブランカージで打ち抜いた。下顎はだらりと崩れ、ぐるりと目玉は上を向く。
「死ね! 死ね! 死ね死ね死ね! お前なんか死んじゃえッ!
ボクを惑わそうったってそうはいかないヨ! ユージーンはそんな事言わないんだッ!!」
何度も何度も何度も。その顔が誰のものなのか分からなくなっても、まだ刺す。
びくびくと跳ねる頭を、左の獲物で砕く。頭蓋骨が砕け、ピンク色の肉が零れ落ちた。目玉がずるりと溢れ、手足が痙攣を止める。
いつしか男の身体は動かなくなっていた。顔面と胴に空いた数十の穴からはどくどくと体液が溢れている。
だらりと崩れ落ちた肉に馬乗りになり、最早肉片と化した頭を、腕を、股を、足を刺す。
臓器をぶちまけ、骨を吹き飛ばし、返り血を浴びながら。
我を失った殺戮劇が続いたが、やがて少年ははっとして手を止め立ち上がる。血肉の海に溺れた様な壮絶な姿だった。
ぜえぜえと荒い息を繰り返しながら、少年は返り血だらけになった武器を放り投げる。
獲物は音も立てず、炎へ溶けていった。半秒もせず、跡形もない。
奇妙な心境だった。辺りは静かで、呼吸こそ荒れていたが、心は驚くほど空虚だった。
何かをやり遂げたという実感はあったが、反面虚しくてたまらなかった。
誰かが居なくなったのに得たものは何もなくて、両の手には得体の知れない罪悪感だけが残っていた。
幾ら服に拭おうが、生温い血の滑りが取れない。
“ボクが殺したのは、誰だったんだ?”
ふと浮かんだ疑問には、誰も答えない。
「は。ははっ。あははは。あははははッ!! ざまぁみろ! ボクの勝ちだ!!!!!!!!」
その感覚を吹き飛ばす様にありったけの大声で笑ってみる。喉が嗄れてしまいそうだった。
笑い続けるうちに、視界がぼやけて仕方なくなった。頬が濡れていた。理由も何もわからなかった。
少年を深紅の瀑炎が包み込んだ。笑い声も肉片も灰も、世界さえも。何もかもを灼熱の業火が焼き尽くし、一つに帰す。
「嘘つきめ」
意識が消える瞬間、何処かから声が聞こえた。呪う様に呟かれたそれは、歪んだ炎の彼方へ消えてゆく。
炎は燃えて、世界は無になる。何もかもが無くなって、空っぽの白だけが残った。赤く塗ろうが、黒を被ろうが関係なかったのだ。
まるで子供が喜ぶカラフルな風船の様に―――――――――――中身なんて、ありはしない。
太陽が、眩しい。
じりじりと照り付ける日差しか、それとも身体に纏わりつく炎か。
どちらのせいかは分からなかったが、肌がじりじりと痛んだ。
目玉をぐるりと動かす。呑気に流れる雲を背景に、化け物がこちらを覗いていた。喉がごくりと音を上げる。
その化け物がアスラだと気付くまでに半秒。強張った全身からは一瞬にして汗が噴き出していた。
「……あスラ」
ボクの声は震えていた。本能的な恐怖だった。
「やあ、おはよう」彼は無表情のまま呟く。「大丈夫? ずっとうなされてたみたいだけど」
ボクは舌を巻いた。うなされていたという事は、何かしら呟いてしまっていたとしてもおかしくない。
夢を見ていた気がするけど、よく覚えてない。滅多な事を口走ってなければいいんだけれど。
「ボク、何か言ってた?」
腰を上げながら恐る恐る尋ねる。彼は何も応えず焚き火の方へと身体を動かし、ボクに背を向けて座った。
「……。ねぇ、マオはこれからどうしたい?」
はぁ、と口から零れる音。
“これからどうしたい”。彼の口が紡いだ言葉はあまりに予想外な質問だった。
「オルセルグ。僕はね、昔自分がなんだか分からなくなった事があったんだ」
彼はそんなボクに構わず、言葉をつらつらと並べ始めた。隣で火にくべられた薪がぱちりと乾いた音を上げる。
「その時の僕は馬鹿だったんだよ。そのせいで世界を壊そうとして、皆に迷惑をかけてしまった。
前世の罪が、僕の弱さに勝ってしまったんだ。酷い話だよね。
自棄になって“全部壊れちゃえ”とか言っといて、城を壊して皆を無視して……どの面を下げて皆に会えばいいかわからないだろ?
でもねオルセルグ。そんな時、ある人が言ったんだ。うじうじしてた僕に向かって、はっきりと」
彼はそこで言葉を飲み込んだ。そうしてボクの方へと振り向き、ゆっくりと続ける。
「“あんたはルカでしょ”って。
どれだけ変わってしまっても、前世がどうであろうと――――――僕はどうしようもなくルカ=ミルダだったんだ」
風が、音が、水が炎が光が。雲が、影が、呼吸が時間が鼓動さえもが。
およそこの世に干渉しているであろう全ての要素が止まった気がした。
何か核心めいた音が彼の言葉にあったからだ。胸を震わせる確かな力があったからだ。
だけれど、それが果たして何なのかがボクには分からなかった。見当すらつかない。
考えると頭が割れてしまいそうで、それ以上詮索してはいけない気すらした。
「いくら騙ろうと、僕達はその呪縛からは逃げられない。いつかどこかで染みだしてくるんだって思う。
君も、ね」
いやに喉が渇いていた。からからの口の中で、舌が口蓋に張り付く。
「それでも、ボクは、オルセルグだ」
ぱくぱくと動く口は、まるで自分のものじゃないみたいだ。
「そ、それにキミだって、アスラ、じゃないか」
そこに明確な意思は無くて、ただ何かを取り繕う様にボクの口は音を吐き続ける。
影の落ちた彼の表情の向こう側で、焚き火の炎が呼吸をするかのようにぶわりと膨らんだ。
「確かに今の僕はアスラだ。でも、その一方で“確かにルカ=ミルダでもあった“。それは嘘じゃない。
ただ此所にはもうルカを知ってる人が居ないから、だったらアスラを名乗った方が心が楽だ。だからアスラとして此所に生きてる。
僕はルカに孤独も痛みも背負わせてるんだ。アスラに逃げて……身勝手なんだよ、本当に」
彼は右頬の筋肉を吊り上げて少しだけ自嘲した。ボクは思わず後退る。
怖い。今すぐ此所から逃げ出してしまいたかった。
何処でもいい。どこか遠くへ。じゃないと何かが崩れてしまいそうだった。
なんでなのかは分からない。分かりたくもない。分からなくたっていいんだ、このままずっと……。
「そろそろキミの最初の質問に応えようかな。
“ボクは誰?”って言ってたよ。何度も、何度も」
彼は焼けた魚を手に取って、こちらに差し出す。ボクのお腹はちっとも減っていない。
鼻孔を何かの匂いが刺激したけれど、それが香ばしさなのか、生臭さなのかは分からなかった。
魚の口からは枝が飛び出している。黒焦げになった顔の真中で、空っぽになった瞳がボクを見上げていた。
ボクは魚を受け取って、彼を見上げる。彼の顔には随分と濃い影が落ちていた。
辺りに風はまるで吹いていない。炎がぱちぱちと薪を燃やす音だけがやけに五月蠅くて、耳障りだった。
「……ねぇオルセルグ。君は一体どうなんだい? 君は、マオに何を背負わせてるの?
今そこに居るきみは、僕が話しているきみは」
少しだけノイズが入って、直後におどけた声が島を震わせた。
いつだってタイミングは最悪。道化師は嬉しそうにボクらを嗤う。
「―――――――――いったい、誰なの?」
正午。その質問は、白昼の演説に掻き消されて中空を彷徨った。
【ルカ・ミルダ@アスラ 生存確認】
状態:HP35% TP35% 左肘から先消失 全身痣 肋骨骨折 右手人差し指、中指、小指切断
アスラ化(秘奥義使用で解除) 全ステータス+ 痛覚−
所持品:子供じゃないモン 旋風 黒髭ダガー 少し囓られたルグニカ紅テングダケ
バクショウダケ クレアの首輪 ピクルスストーン 釣竿
基本行動方針:優勝してルカの絆を取り戻す
第一行動方針:取り敢えずマオはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。暫くの行動方針はマオに任せるが、ロイドは自らの手で殺したい
現在位置:E7湖
【マオ 生存確認】
状態:HP15% TP60% 火傷・炭化+ 右肩骨折 服がボロボロ 全身打撲 リアラが超嫌い
オルセルグ? 封魔の石発動中
所持品:忍刀・東風 ワルターのサック 封魔の石 ワルターの首輪の欠片 聖杖ユニコーンホーン 釣竿
基本行動方針:お母さんや聖獣達に愛されるため、『マオ』を完全に殺す
第一行動方針:取り敢えずルカはまだ生かしておき、自らの目的に利用する
第二行動方針:ゲーム開始。モリスン邸方面へ向かいつつ、マオを知る者全員を殺す
第三行動方針:マオを殺してもリバウンドが治まらなかったら、聖獣に代わりヒトを滅ぼす
第四行動方針:……ボクは……
第五行動方針:隠された神殿の扉を開く鍵を入手する? (意味があるのか?)
現在位置:E7湖
投下終了ですー。
投下おつかれさまでした!
三者三様の問、故に試練か
マオの敵、マオの母の代替、マオの友とどいつもこいつもマオが相対してきたものから投げかけられる問い
それをあくまでオルセルグとして答えようとするから揺れる揺れる
特に、ユージーンとのやりとりは読んでるこちらも揺さぶられました。
人間を好きだった、好きじゃないと嫌いになんかなれないの辺りとか
その上で、最後の問いに答えられず、結局はユージーンじゃ“ない”として殺したけれど
起きて尚、まさかの“第四の”問いが。うわあ、この問いは夢じゃないから逃げられない!
続き気になる、GJです!
ついさっき投下あったのかー乙。
話の構成がうまい。そして最後はTORでのマオの問い「僕は誰?」に繋がると。これは続きが気になる…が、もう放送かよこのパートはww
これより投下します
【8:19'41"00】
中級術ですら人一人の生命を簡単に奪える程の威力を備えられる者が唱えた上級術。その直撃を受けて尚、王の身体は頽(くずお)れなかった。
焼け焦げた装いを気にも留めず、ゆらりと顔を上げ、刹那。
ギィン、と濁った音が辺りに響く。
「やれやれ、お前のような奴をホネのある奴リストに入れる羽目になるとはな」
「ほざけ、そのような巫山戯た代物はこちらから願い下げだ。そして三秒で音をあげるつもりも毛頭無い」
王による歌姫目掛けての斬撃を捌き、天使は王を睨め付ける。
「おい、女。死にたくなければ、そこから一歩も動くなよ」
視線を外さぬままの天使の一声に、歌姫はただ頷く事しか出来ず。
「「……さあ、第二幕の幕開けだ」」
さあて皆さん、お立ち会い。
ここに再び始まるは、歪(いびつ)にしてなお血みどろの、しかし余りにも麗美で滑稽な戯曲にござい。
寄ってらっしゃい見てらっしゃい、お代はいらぬのロハと来た。
…………ただし、尾籠(びろう)ながら別のモノを頂戴するやもしれませんが。
【8:25'19"00】
袈裟切り、逆胴、左切り上げ、切り上げ、右切り上げ、胴、逆袈裟、唐竹、そして刺突。
地上で、空中で。
時にはロングレンジで、時にはショートレンジで。
狂怪(きょうかい)、狂気、狂喜、狂狂(きょうきょう)、狂狡(きょうこう)、狂生(きょうせい)、狂躁(きょうそう)、狂妄(きょうもう)。
天使と王が歪な二刀流で奏でるは、術など邪道と言わんばかりの勢いを持つ剣戟の狂想曲<カプリッチオ>。
唯一の聴衆である歌姫はその圧倒的なメロディに身がすくみ、かろうじて呼吸を繰り返すのみ。
いつまで続くのか。あるいは、これが終わった先に何が待ち受けているのか。
賽を振ることの無い神は答えない。
【8:55'41"00】
そして、神の雷が王に降り注いでからおよそ四半時。
黎明の名を冠する塔の最上部は異様な静寂に包まれていた。
<そ。昔から出過ぎた杭と馬鹿は打たれるって相場は決まってる。
じゃ、また>
亡霊からの通信を一方的に切断し、天使は改めて意識を己の視覚・聴覚・触覚に集中させる。
眼前にはあらゆる表情を削ぎ落とした無相の王。
天地空悉くを制する聖剣<デュランダル>を持つ天使の右手は、その長大な刀身を使い、王が左手に持つ意志持つ風剣<イクティノス>のそれを押さえ込んでいる。
左手に持つ時空操る欠片の炎<フランヴェルジュ>、その切っ先は王の首筋に宛われ。
己が首筋には、王が右手より突き付けたる光線剣<レーザーブレード>。
そして己の後方右側には、先程より動きあぐね、半ば硬直している歌姫。
これ以上手を進めれば二つの首が同時に宙を舞う事になるであろう千日手に陥ってから、三名が微動だにせず十数分が経過しようとしている。
「……成る程、そう云う事か」
静寂を切り裂いたは王。
天使への警戒を怠る事なく、併せてほんの些細な隙も逃がさぬと窺いつつ開いた口から出るのは挑発。
「『神だ』等とほざきながら、その実は人間の使役物とはな。……無礼(なめ)た真似をしてくれる」
激しい剣戟を繰り広げていた中、王は同時に天使の正体を見極めんとしていた。
肉体年齢の変化。雷属性──電撃への耐性。羽の構成物質。機動力、ひいては外見から想定される以上の身体機能。
極めつけは、少なからず存在するはずの身体的疲労を微塵にも表出させない事。
およそ全ての生物は、厳密な意味で完全に静止する事が不可能である。勿論、人間も例外ではない。
嘘だと思うのなら水の入ったグラスを中空へ持ち上げた状態で、水面を完全に静止させられるか挑戦してほしい。どう足掻いても不可能の筈である。
水が揺れるという事はグラスが、即ちそれを持つ人体が動いているという事。
上腕三頭筋、上腕二頭筋、腕橈骨(わんとうこつ)筋、総指伸筋、尺側手根(しゃくそくしゅこん)伸筋、橈側(とうそく)手根屈筋に、伸筋支帯。
『腕を動かす』と一言で表せる行動ひとつとっても、主なものだけでこんなにも多くの筋肉が人体の腕部には存在し、また伸縮しあう。
それだけではない。心臓の拍動は血液を通して全身にくまなく広がり、呼吸のために横隔膜とそれを動かす各種腹筋が動き、肺が膨らみ縮む。
つまり、人間は生きている限り『動いて』いるのだ。
閑話休題。
王が上記の結論に至ったきっかけ。それは皮肉にも互いに手の進めようがなくなってからの観察によってもたらされた。
首もとに宛われている炎剣が十数分間、言葉通り『微動だにしない』のだ。そして同時に、天使が呼吸を『全くしていない』という事に気付いた。
その瞬間、王は天使の正体について以下の仮説を組み立て、それの検証に移る。
奇しくもこの時、天使もまた亡霊とコンタクトを取っている最中であった。
<問の番外4:天使の正体の考察とその検証>
一、ゾンビなどに属するアンデッドの上位種
二、生体部品を使用した機械生命・アンドロイド類
三、遺伝子調整された人造生命体
四、ヒトの肉体を依代とする寄生型生命体
一つ目と四つ目は肉体年齢操作の説明がつかず、二つ目は羽についての説明根拠に乏しく、三つ目は呼吸の不要性と矛盾する。
この事から少なくとも三つ目の仮説は除外でき、また一つ目も除外していいだろう。
どれほど高位のものであろうと、アンデッドは皆その身に同じ香り……死臭を纏わせている。
血の臭いに麻痺した鼻でさえ嗅ぎ取れるそれを感じないのだから、つまりはそういう事なのだろう。
残るは二つ目と四つ目。前者は現時点で最も可能性が濃厚で、後者は前者の弱点を補う形にもなり得る。
本考察において最も扱いが面倒な肉体年齢の変化について、両者とも手段の差はあれどクリア可能だという点が大きい。
前者はベルセリウム鉱に代表される生体金属を利用すれば、流動的な形状変化及び記憶は容易く、
後者においては寄生型生命体の特質次第で、あの晶力の塊のような羽を出現させる事も可能となるだろう。
すなわち。天使の正体とはおそらく、機械生命の肉体<ボディ>と寄生生命の精神<デバイス>を持つ共生体。
現時点ではあくまでも推測、故に確実性が欲しい。
あわよくば天使自らに正体を言わせ、その精神を揺さぶる種にしたい所である。
改めて意識のほぼ全てを天使に、残りの僅かを歌姫に向け、王は静寂を切り裂いた。
「……ほう」
それに動じる事なく、天使は右の眉を数ミリ動かすのみであった。
この程度の挑発には流石に乗らないか、と考えながら王は更なる言葉を焚き付ける。
「生体金属製アンドロイド如きの分際で愚かにも創造主たる人間に楯突くか」
「事実は小説よりも奇なり、とだけ言っておこう。……そもそも、その愚かモノに遅れを取ったのはいったい何処のどなた様だったかな?」
一秒に満たぬ間を置いて天使の口から出たのは王への挑発。
「……その点に関しては非常に不愉快ながら素直に認めよう。だが、そちらも自らの出自を素直に認めてはどうだね?」
ペンは剣よりも強し。第三幕『そして鴉は鳴いた』、ただ今緞帳上がりマス……
【8:59'53"00】
────oooooooooooooooooo
この場に静寂が訪れるのは、これで幾度目だろうか。
無機生命体として極限にまで高められている天使の聴覚が歪な轟音を不意に捉えたのはそんな時であった。
【8:59'53"10】
──ooooaaaaaaaaaaaaaaaaaa
(……風切り<ソニックウェーブ>?)
音速もかくや、という速さでこちらへと差し迫ってくる"それ"をこの場にいる誰よりも早く察知した天使は
4千年分に渡る自己の記憶<データベース>を元に音の正体と"それ"の予測進路を演算(はじ)きだす。
【8:59'53"13】
──aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
未だ解くこと許されぬ膠着状態。その中で、天使は「"それ"の正体を見極めんと視線を動かす」という暴挙にでた。勿論、考えあっての行動である。
己に不利な形でそれを終わらせる事と、迫り来る"それ"がもたらすであろう脅威。
その二つを秤に掛けた時、後者がより重大であると経験という名の勘が叫んだのだ。そして、天使は己のそれを信じた。
『王は自分を斬るより早く"それ"に気付く』。それは勘を通り越し、最早預言の域に達していたと言っても過言ではない。
【8:59'53"23】
──aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
(……まったく、とんだイレギュラーがあったもんだ)
聴覚同様に研ぎ澄まされた視覚はこちらへと向かってくる豆粒のような"それ"を認識し、天使は胸の内で一人ごちる。
(あの表情…『何かから必死に逃げている』といった所か)
血の赤にまみれた紫色の物体。五体中三体が不満足の"それ"は、ヒトのなれの果てであった。
そう認識するまでに生じた天使の僅かな隙を王が見逃す筈もなく。
【8:59'53"46】
──aaaaaaaaAAAAAAAAAAAAAA
ここぞとばかりに王は天使の頸(くび)を刎ねんと刃を構えていた右腕に力を入れる……否、入れようとした。
それを止めたのは天使ではなく、まして動きあぐねている歌姫でもない。
(…何だ、)
手にしたるは風操る剣故か。幸か不幸か、今の王には剣を通して風の動き一つ一つが手に取るように分かっていた。
そんな己の遥か後方、全てを切り裂かんばかりの豪風が突如として現れたのだ。
(何なのだ、"あれ"は……!!?)
こうして、王は己の背後目掛けて迫ってくる"それ"の存在を察知する。天使の勘の名を借りた預言はここに成就した。
【8:59'54"39】
──AAAAAAAAAAAAAAAAAGGGGG
王の背に伝うは冷ややかな汗。直後に湧くは地獄の業火の如き怒り。
(おのれ、)
未だ解かれぬ緊張状態、迫り来る風の弾丸。
弾丸から逃れるには膠着しているこの状況を変えねばならず、かといって相手よりも先に動けば付け入られる隙を与える事となる。
しかし、先述した通り『弾丸は王の背に向かって飛んできている』のだ。なればこそ、王と向かい合う天使は視線の移動だけで弾丸を視認し得た。
故に。
(認めんぞ)
天使よりも先に動かぬ限り、王が弾丸の魔手より逃れる術は無い。
[さあ、神気取りの王よ。お前は次にどう動く?]
王に剣を突きつけ、また突きつけられたたままの天使の眼は雄弁を振るい。
(『運も実力の内』など、そう何度もあってなるものかああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!)
弾丸<第三者>の乱入によって、王の策略は再び破られた。
【8:59'55"08】
──GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGHH
(…何、あれ)
これまで全く身動きが取れなかった歌姫は、ここで漸く弾丸の存在に気付く。
しかし時既に遅く。柱と柱の合間を縫うように、"それ"が塔最上部の空間へと割り込んだところであった。
【8:59'55"21】
──HHHHHHHHHHHHHHH!!!!
「チイィッッ!!」
憤怒の形相で舌打ちしつつ剣を退かせながら、王は右側へ大きく跳躍する。それとほぼ同時に、天使もまた間合いを離しつつ同方向へと転移。
その直後、風纏いし紫色の弾丸は二人がそれまで立っていた場所を貫くかの如く宙を駆け抜け、他に何をするでもなくそのまま塔の外へ飛び出す。
『塔の内部を通り抜けた』。
弾丸…カレギア王国特殊部隊"王の盾"四星・サレが行ったのはただそれだけ。
しかし、その『ただそれだけ』の行為は結果として王に幾ばくかの幸運を、天使に当惑を、そして歌姫に不幸を与える事となる。
──ソシテ、舞台ハマダマダ続クノデスヨ──
【ミクトラン 生存確認】
状態:HP65% TP85% 血塗れ 鼻骨骨折 激昂 不安定要素(=ヴェイグ、カイル)へ不安
食料や生活難、寒さへの苛立ち 「無知の知」を自覚
所持品:レーザーブレード イリア、ハスタ、ヴェイグのサック ??? ???
デザートイーグル 銃弾×14 双眼鏡 サードニクス 金のフォーク
ハスタの首輪 ソーディアン・イクティノス
基本行動方針:ピエロ含め皆殺し
第一行動方針:天使(何者だ?)と女をブチ殺す
第ニ行動方針:天使について戦闘中に考察。(ミクトラン予想:機械生命体と寄生生命体の共生体)
第三行動方針:考察の確度をあげるため、更なる首輪を得て首輪について考察する。
第四行動方針:籠城しウッドロウ達を誘う
第五行動方針:サイグローグとの腹の探り合いを楽しむ
第六行動方針:魔力に拠る首輪爆発の事実を証明したい
現在位置:D3黎明の塔最上階
【ソーディアン・イクティノス】
状態:ウッドロウが心配 第一回放送しか聞いていない ベルセリオスの関与を疑っている
基本行動方針:D、D2世界の仲間を探しつつ、舞台を把握する
第一行動方針:考察に専念する。どうにかしてミクトランからベルセリオスの話やゲームの情報を聞く
【ティア・グランツ 生存確認】
状態:HP85% TP75% 心の内をミクトランに読まれた動揺 強い焦燥感 混乱 カイルへの小さな反発心と大きな罪悪感 右胸銃痕
所持品:アビスピンクのコスチューム(仮面は外してます) ティアの服(アビスピンクの上から重ね着) ロリポップ
基本行動方針:ルーク達と殺し合いに乗っていない人を探す
第一行動方針:ミトスと共にミクトランを倒す。しかし全く動けない…
第二行動方針:ルークに会いたい
第三行動方針:レムの塔へ出来るだけ早く向かいたい
第四行動方針:「それぞれの世界の理」と「会場の理」に対する疑問、違和感の原因に答えを出したい
現在位置:D3黎明の塔最上階
【ミトス・ユグドラシル@ユグドラシル 生存確認】
状態:HP85% TP80% やる気+ 小さな罪悪感 大樹が気になる 天使化 全身火傷
支給品:フランヴェルジュ ジェットブーツ エリクシール スペクタクルズ×9 ロイドの仮面セット(残り3枚)
大量のハロルドの考察メモ イオン・クラトス・プレセアの首輪
デュランダル プレセアの頭部 エクスフィア@プレセア サック×2(ジューダス・スパーダ)
基本行動方針:死ぬ気は無い。舞台裏を解明する為に少し生きるが、生きる気もあまり無い
第一行動方針:情報を引き出したらミクトランの首を回収し、ティアを確保する
第二行動方針(A):ルカにデュランダルを渡す
第二行動方針(B):カイル、もしくはディムロスを確保する(スタンを止める?)
第三行動方針:ティア探しにかこつけて、あの巨大なマナの正体を確かめる為、現場に行く。ティアは見かけたら回収
第四行動方針:ミクトランとバルバトス、役立ちそうな奴の頭部収集。スタンも最悪対象
第五行動方針:24時間だけプレセアに協力する。仲間に会えたらどうするかはプレセアに委ねる。
但し24時間以内に誰にも会えずプレセアがエクスフィアと同化したら破壊する
第六行動方針:ハロルドにいつか「ぎゃふん」と言わせる
現在地:D3黎明の塔最上階
これにて投下終了です
投下乙!最近多くて嬉しい。
晶霊砲きたか…!と思ったのにサレお前かよ…思わぬ来訪者が三人の状況をどう動かすのか気になるな。
遅ればせながら投下乙です!
最初は意味わからんかったけどなるほど。
マオに殺される直前のサレかwww
保守
ほしゅ
158 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/21(水) 02:17:02.12 ID:yAxCyxow0
おいおい、ここに来ていらんでえモンが入ってきたな。
ミトス、ティア、死ぬなよ絶対に。
でも、ミクトランはいい加減くたばれ
>>158 お前の気持ちは分からんでもない、俺も対主催に勝ってほしいさ
しかも、原作では敵役のミトスだから尚更ね
でも、実際ミトスはセリフ中に死亡フラグ立ててる上に、熱血展開よりも鬱展開の多いことに定評のあるテイルズロワのことを考えると、最悪の結果もなきにしもあらずなんだよね
書き手次第っちゃ書き手次第なんだけど、とどのつまり俺達は柔らかく構えてなきゃいかんのよ
でも1stではまさかの主催者勝利、そして2ndも結局フラグのせいで1stで最後まで生き残った者たちばかりが残っている。
結果が前作と変わりないのは余りにも酷いだろ。待つだけでなくやっぱり書くべきだと思うべきだ。でないとカイルとヴェイグとキールとミクトランは生き残って新規キャラは全滅、結局バッドエンドになっても可笑しくないぞ。
じゃあ君がそうなるように書きなよ
どれだけ疑心暗鬼なんだw1stと一緒とかどう考えてもないよ。
書き手さんもフラグバースト書いてるっていってたし、気長にまとうぜ
保守
楽しみに待ってます
最近ラジオもねぇな…
ロワ語りなら1月10日に予定されてるよ
まじか知らなかったな
どこであるんだい?
ほしゅ
今年はクリスマスや年越しに投下あるかな?
Xmas投下期待
年越しに期待だ
新年あけましておめでとうございます。投下……とまではいかないですが、少しSS予告を投下します。
……時は来たりて午前九時……これより幕は上がります……拍手喝采の御用意を……。
わたくし名をサイグローグと申します……。
紳士淑女の皆様は……胸元のハンケチを忘れずに……醜く足掻く駒達も……必死に生きているのです……。
さぁ……寄ってらっしゃい見てらっしゃい……頂きますは時間だけ……お代は少しも取りません……。
……それではどうか……フフ……御覧あれ……。
「見ろ、そして絶望するがいい―――――――――――――――これが、戦争だ」
「戦いを、やめてくれ!」
「くたばりやがれ、創造神」
「動く理由は一つ。笑っちまうくらいシンプルな答えだ―――――――アンタは俺を怒らせた」
「騙されないで!」
「その必要はないよ。お前の頭ごと切り落とすからね」
「ボクは……誰?」
「やったか……?」
「馬鹿かお前は! どけ! もうそいつはお前の知ってるあいつじゃない!」
「君は僕と違って賢く生きられる。その優しさでこの狂った世界を救ってくれ」
「人の分際で質問なぞ烏滸がましい事甚しい」
「記憶喪失……!?」
「鼻っ垂れの夢見がちな小娘相手にニコニコへりくだって、心ならずもご機嫌取ってきたわけだ」
「行け。お前にしか出来ない仕事が、まだ残ってる」
「それはいったいいつまでだい? 皆が仲良く全滅するまでか!?」
「だ、誰か……誰か助けて! 動けないの! 誰か!!」
「――――そのはずが、これは一体どういった冗談だ?」
「なんでだよ! なんで助けた! 他に助けるべき人がいたんだ!」
「これさえ……この剣さえあれば……」
「しィずゥゥめェえええぇぇェェェェェェェェェェェェェェェッッ!!!」
「私こそが王。私こそが法。跪け、愚民共めが」
「さよならだ」
「もう出し惜しみは無しだ。ここからは、本気でやらせて貰うよ」
「お゛……おォッ……ごばっ……! ……よくも、おの゛れ゛ェえ゛ッ!!」
「アッシュ……さん……?」
「私の世界にお前らなど要らぬわ!!」
「何かを守る為に、貴方の優しさまで失なってしまわないで」
「そいつはもう死んでる」
「エターナルソードだ」
「覚悟が足りないからだ。力が足りないわけじゃないんだよ。それがお前だ。お前は凡人なんかじゃない」
「死ぬ……? この、私が……!? 馬鹿な、馬鹿なあああああ!!!!」
「撃てない……ボクはまた……指を咥えて見てるだけ……ッ」
「殺れよ。どの道死ぬ運命だった命だ、くれてやる」
「戦場ではッ! 勝利以外に価値はない! 結果こそが全てだ! 生きる事が全てだッ!!」
「……ボクのせいだ……」
「どうして、私なんかを助けたの?」
「お……お前は……誰だ?」
「もう、誰も信用なんかしない。俺は一人でやってやる」
「凡人は、僕だけでいい」
「なんであの餓鬼がこんなところまで! くそっ計算が狂った!」
「変わらないな、お前は」
「お前は、変わったみたいだな」
「プレセア……なのか?」
「お前は俺と一緒に! 此所で!! 死ぬんだ!!!」
「もう私に関わるな」
「オぉオおおォォぉおォオぉおあァあァあぁぁぁァあぁぁぁァァぁァあぁッッッ!!」
「スタンさん。僕、貴方と少し話したいんです」
「―――――――――――――――――は?」
「無礼を許すぞ地上人。やってみるがいい。お前はその先に絶望を知るだろう」
「なるほど、これは戦争だ」
「晶霊砲だと!? 馬鹿な、一体誰が!」
「勝つ事を望まない餓鬼に!! 生きる資格なぞ!!! ありはしない!!!!」
「おい待てチャット!」
「だって、うふふ。あの人に子供なんていないもの」
「“切札は先に見せるな”。“見せるなら……更に奥の手を持て”」
「最後の問いだ。今此所で死ぬか、私の同士となるか。どちらか答えよ」
「もう! 皆勝手に!」
「やあ、おはよう。いい天気だね。君を殺しに来たよ」
「餓鬼の囀り程度では鉛玉すら止められない! 理想ごと土に帰るがいい! 恥を知れ小僧!!」
「 粋 護 陣 ッ ! ! 」
「どうしてこうなった?」
「イクティノス、シャルティエ……久し振りじゃのう。こっちにはアトワイトとディムロスもおるよ」
「ダメよ! カイル!!」
「あ、この首いる? お土産だけど」
「ミッション・スタートだ!」
「お前、本当は哀れんでただけだろ」
「殺されたくない。殺したくない。死にたくない。生きていたい」
「……大きくなりすぎるとなぁ……足元が……見えないんだ……こうやって、掬われるまでな」
「俺は、ただ、アリスちゃんを、」
「ロ……イド……さん……?」
「つまんねー事聞くなよ!」
「冥土の土産だ。真実を教えてやろうじゃないか」
「今僕がやらなきゃ誰がやるんですか!!」
「すまない」
「アトワイト! 返事をしろ! アトワイト!!」
「お姫様はもう起きないよ」
「もう分からない。何が正しいのかも、何が間違っているのかも」
「何かを探求すると言う事は、常に未知へと向かうと言う事だ。誰かの後を追うのでなければ、自分が道を作っていくしかない」
「クロエは僕の味方だ」
「私は弱い人間なんだ。逃げ道なくしてこの罪には堪えられないんだよ」
「だから私は私の道を信じる。お前達は、“敵”だ」
「今だけお前に協力してやる、ロイド=アーヴィング」
「いいからもう死ねよ」
「任せた」
「任されてやった」
「堅固たる守り手の調べ……」
「私達は最初から騙されていたのよ」
「それでも止まらない。分かっていても、どうにもならないんだよ」
「それを置いていけ、化け物」
「それはただの同情だよ」
「跪け地上人。私を誰だと思っている」
「じゃあな、シャーリィ」
「シンクに手は出させない」
「此所が俺だけの―――――――――――――――――――――加速世界だッ!!!」
「お前あの時、ウッドロウになんて言われたんだ?」
「ウレル―――――――――――――――――ネルフェス」
「許さん……許さんぞアガーテッ……貴様には八つ裂きすら生温いッ!」
「君だけは守るって、クラトスさんと約束したから」
「だってほら、魔術を使う奴は殺す。そう決めたからだぜ♪」
「少し黙ってろ。後で幾らでも殴ってやるよ、人間」
「私、酷い事を言いました」
「私が……この私が……天上王であるミクトランがああぁぁ!」
「手を! 手を取れ!!」
「クラトスさんの代わりに、貴方が死ねば良かったのに」
「……父さん……」
「やあ、俺はスタン=エルロン。気分はどうだい?」
「闇の魔装が、私を呼んでるの」
「……最悪の……ケースだ」
「あれは……カースロット……」
「お願いです、引いて下さい! 貴女とは戦いたくない!!」
「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ」
「邪魔をするなら、例え君でも……」
「フレイムトラップ。悪いな、僕の勝ちだ」
「なんでだ! なんでお前がそいつの肩を持つ!!」
「ユニゾン・アタック――――」
「仲間割れか……!?」
「引いて下さいリヒターさん。ここからは僕の問題です」
「漸くわかったよ、お前の正体が」
「お前の愛は薄いよ」
「貴様が余計な横槍さえ入れてこなければ、全部上手くいっていた! 全部、全部がだ!」
「……いひゃいでふ」
「負い目があったからって、オレはお前を見捨てたりしないし、赦さないなんて言わない」
「ああ……じゃあおれは、おれのしてきたことは、いったい……」
「私にだって、出来る事はあります」
「お前をまだ信用したわけじゃないんだからな!」
「AAAAAAAAAAAAAAAAAALLLLLLLLIIIIIIIIIIIIIIIIIICCCCCCCEEEEEEEECHAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNNNNNNNN!!!」
「これでも……これでも駄目だと言うのか……!」
「へっ、そうかい……アンタから……見りゃ……俺は、虫……って、事、か……」
「はは。いやだなぁ、化け物だなんて。俺は人間だよ?」
「………そうか。だったら俺は化物でいいよ」
「ククク………クハハハハ……………ハハハハハ…………………!!」
「……言い残す事はあるか」
「俺は優勝するよ。あいつを生き返らせる為に」
「勝手よ! 一緒に罪を償いましょう! 貴方が居なくなったら私はどうすればいいの?」
「う、うう、嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!! やめろ、やめろよ! そんなの違う! 俺は、俺はぁ……!!」
「嘘じゃない。やめない。違わない」
「なにもない。くらくて、さむくて、つめたくて。りそうなんて、なんのいみもない」
「「この戦争」」
「「勝つのは―――――――――――――――私だ」」
The Next episode ----------------------------『エンドロールは流れない』----------------------------Coming Soon!
投下終了です。それでは、いい年を。
明けましておめでとうございます
投下おつ!!
登場するであろう人物の台詞だけだというのに、いろんなネタがちらほらと…w
本編投下が待ち遠しくなる予告、ありがとうございます!
自分も、ちょっぴり早いお年玉代わりと言えるか分かりませんが、これより投下します
〔話すべきか迷ったけど、話す事にしたよ〕
〔ウッドロウの事か〕
〔……うん〕
改めて言う。朱に染まった紫の弾丸がもたらしたのは、『王に幾ばくかの幸運、天使に当惑、歌姫に不幸』である。
【8:59'56"49】
弾丸が通り過ぎてからおよそ1秒後。塔最上部に吹き荒れるは暴嵐<ソニックブーム>と言う名の置き土産。
この場にいる中で最も非力な歌姫が吹き飛ばされまいと必死で床に這い蹲る中、王と天使はその暴風さえも足場として己に有利な間合いを奪い合う。
そして床に置かれていたサックが宙を舞い、風に揉まれるがままにその中身を吐き出した。
【8:59'58"59】
(………なんでさ)
サックより飛び出し己目掛けて飛んできた装飾品を見た天使は、その動揺を表情や動作に出さないよう務めた。
(いくらなんでも、話が出来過ぎてはいやしないか?)
(……うそ)
棒状の物体がこちらに向かって転がってくるのを視界の端に捉えた歌姫は伏せていた顔を上げ、その正体に息を呑んだ。
(見間違えるはずがない…あれは惑星譜術の媒体の一つ、)
(私の荷が散乱したか…今は捨て置く)
天使の意識が霧散している事に気付いた王は、その機を逃がすまいと一気に間合いを詰めた。
(なんとしても『運も実力の内』と言たいのならば……その言葉、そっくりそのまま返してやろう!)
(まさか、あのエターナルリングまでここにあるなんてね……Deus-Ex-Machina<ご都合主義>もここまで来ると悪意しか感じないよ)
(魔杖ケイオスハート…!!)
(私を更なる高みへと押し上げる礎となる為に! 今ッ!! 貴様等はッッ!!! ここで死ぬがいいッッッ!!!!!!!)
【8:59'59"09】
王にもたらされた幾ばくかの幸運。それはコンマ以下の時間とはいえ、天使の意識が完全に王から……歌姫からも外れた、という事。
この時、天使は思考していた。否、せざるを得なかった。
時空を操る魔剣の片割れのみならず、かつての師の息子がそれを操る際に要する指輪までもが今この場にある、という意味を。
(そう。……あまりにも話が出来過ぎている)
精霊王との契約が切れている己に魔剣を振るう資格は既に無い。自身目掛けて飛んできた指輪を手にしつつ、その事実も合わせて思考は加速する。
──ティ、ティアはっ…軍人で、最初ちょっと冷たかったり、警戒もするだろうけど、俺の名前出せばきっと理解して一緒に来てくれる筈だから!──
──……聖剣デュランダル……、確かに、わ、たし……た、……む……──
──……その刃で、断ち切ってくれ……スタンの、夢は、イレーヌの世界は……ここで淀んでいいものじゃ、ない……──
──私にはロイドさん達やアガーテさん、エミルさん達に伝えたい事が、あります。同行をお願いしても良いでしょうか──
(…まったく。何がなんでも探し出せ、ってわけ?
ここまで来たら、いっその事『ユグドラシル・デリバリーサービス』とかなんとか銘打って、報酬をふんだくってやろうか)
天使にもたらされた当惑。それはデウス=エクス=マキナという名の迷宮へと足を踏み入れてしまった、という事。
そして、歌姫にもたらされた不幸とは。コンマ以下の時間とはいえ天使の庇護が消えていた、という事。
天使の見せた大きな隙を好機と、王が間合いを詰めた標的は当の天使ではなく歌姫。
王としては天使と歌姫の二人を生きて帰らせるつもりなど無く、勿論己が倒れるつもりも無い。
隙を見せているとはいえ空中にも移動可能な天使と、現在進行形で動けないでいる歌姫どちらが狙いやすいか、と問えば、答えはまず間違いなく後者だろう。
「………え」
歌姫が己の眼前に迫る白刃の影に気付いたのと、荒れ狂う暴風がひときわ強く吹き荒れたのはほぼ同時。
「ッ……!」
これまでの戦いで生み出された数々の瓦礫が暴風に巻き上げられ、その中の一つ、拳大のそれが歌姫の右側頭部に直撃した。
瞬間、歌姫は声も無く意識を失い、その身体は暴風に操られるがまま塔の外へと放り出される。それからコンマ002秒遅れて、それまで歌姫がいた場所に白刃が舞った。
【9:00'00"00】
〔アッシュが言ってた。ヴェイグと──────イクティノスを頼む、と言っていたらしい〕
〔────────────そうか〕
(くそっ、世話の焼ける……!!)
これに焦ったのは歌姫をここで失うわけにはいかない天使、大きく舌打ちをすると返す刀でこちらに迫る王の斬撃をかわしつつ塔の外へと転移する。
重力に従い絶賛落下中であろう歌姫を回収するために視覚と聴覚を研ぎ澄ませ、墜ち行く黒い人影を容易く発見。
両手に持っている剣を右手に纏めて持ち、遥か上空より地上の獲物を捕らえる猛禽の如く自由落下する事で歌姫に追いつくと、空いた左手で意識のない歌姫を掴んで脇に抱える。
すかさずマナの羽根を広げ揚力を得ながら減速、体制を立て直した時だった。
天使から見て1時の方向、距離にしておよそ3エリア分。
海と陸地の境界線の位置に、極度に収束しているマナに酷似したエネルギーが放射された事を天使は感知する。
その威力は裏切りを画策していた部下が密かに──実際は把握していたが──準備していた魔導砲ほどではなくとも、上級術のそれを軽く上回るであろう。
(……やれやれ、次から次へと厄介事が起こるもんだ)
問題は、その収束エネルギーが放たれた方向。
魔力エネルギー収束光の視界への入り方から考えるに、D3に位置するこの塔が射線に入っている事はまず間違いない。
(塔と一緒に心中だなんてまっぴら御免だね)
今滞空している場からより安全な場所へと移動しようとした直前、塔最上階を飾るアーチ状の窓からこちらを見る王と視線が交差したような気がした。
【9:00'00"13】
(ハッ、この私が逃がすとでも………ッ!?)
塔の外へ"逃げた"天使に追撃を入れんと、王は風剣を介して詠唱を開始する……否、しようとした。
(…………………馬鹿な)
遥か下に望む地上、その彼方から。まばゆい光が炸裂し、一条の線となって放たれる様を王は目の当たりにする。
【9:00'03"00】
(そんな馬鹿な、)
光より遅れてやってくる轟音と共に、刻一刻とこちら<黎明の塔>へと向かってくる魔力エネルギー。
その時、歌姫を抱え中空に浮かぶ天使の姿が王の視界に現れた。
【9:00'04"00】
(まさか、貴様は……ッ)
迫り来る光の入射角より考えて、直撃するのは塔の中腹部。天使が現在いる位置には、よほどの事がない限り被害を被る事は無いだろう。
そんな天使と、一瞬。ほんの僅かな時間、視線が絡み合い。そして、『貴様の事などどうでもいい』と言わんばかりに外された。
【9:00'05"00】
「ハナからこれが目的だったのかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁaaaaaaaaaaaaAAAAAAAAAAAAAGGGGGGGGGGGGHHHHHHHHHHHHH!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
午前9時5秒ジャスト。
スーパーチャージャーによって最大臨界トルク28000エストもの出力を誇る、エターニア界の遺産バンエルティア。
それによる神の雷、クレーメルキャノンが黎明の塔中腹部を貫いた。
支援
【9:00'06"34】
「ん……
…………ッ?!」
「死にたくなければ暴れてくれるなよ? こっちとしても都合が悪いんでな」
「これって……貴方、一体…っ!?」
崩れゆく塔の悲鳴に目を覚ました歌姫は自身の体勢に驚くも、それ以上の驚愕に飲み込まれ、身体を強ばらせた。
「言っておくが私じゃあない。こちらからしても全くの………」
──……イグロオォオォォグゥゥッ!!──
事情を知らぬ歌姫にあらぬ疑いを掛けられ、その申し開きをしようとした天使は、崩れ去る瓦礫が奏でる騒音の中に王のものとは異なる声を聞く。
「全くの…何?」
「……後で説明する。今は黙れ」
──あぁぁぁあああぁぁぁああぁぁッ!!──
(まったく、面倒な事になったな……)
天使の聴力を持ってしても微かにしか聞こえぬ慟哭。その声の主を捜している時だった。
血に染まった小さな金髪が、降りしきる瓦礫の雨の中を力無く墜落していくさまを天使の視覚が捉えたのだ。
朱に染まった黄を救おうにも、天使の両腕は二振りの剣と歌姫で既に埋まっている。
天使よ、選ぶ時が来た。
願わくば、そなたの選択が賢者のそれであらん事を。
【ミクトラン 生存確認】
状態:HP??% TP85% 血塗れ 鼻骨骨折 不安定要素(=ヴェイグ、カイル)へ不安
食料や生活難、寒さへの苛立ち 「無知の知」を自覚 激昂
所持品:レーザーブレード ソーディアン・イクティノス
基本行動方針:ピエロ含め皆殺し
第一行動方針:???
第ニ行動方針:???
第三行動方針:???
第四行動方針:???
第五行動方針:???
第六行動方針:???
現在位置:D3黎明の塔最上階
【9:00'06"34】
「ん……
…………ッ?!」
「死にたくなければ暴れてくれるなよ? こっちとしても都合が悪いんでな」
「これって……貴方、一体…っ!?」
崩れゆく塔の悲鳴に目を覚ました歌姫は自身の体勢に驚くも、それ以上の驚愕に飲み込まれ、身体を強ばらせた。
「言っておくが私じゃあない。こちらからしても全くの………」
──……イグロオォオォォグゥゥッ!!──
事情を知らぬ歌姫にあらぬ疑いを掛けられ、その申し開きをしようとした天使は、崩れ去る瓦礫が奏でる騒音の中に王のものとは異なる声を聞く。
「全くの…何?」
「……後で説明する。今は黙れ」
──あぁぁぁあああぁぁぁああぁぁッ!!──
(まったく、面倒な事になったな……)
天使の聴力を持ってしても微かにしか聞こえぬ慟哭。その声の主を捜している時だった。
血に染まった小さな金髪が、降りしきる瓦礫の雨の中を力無く墜落していくさまを天使の視覚が捉えたのだ。
朱に染まった黄を救おうにも、天使の両腕は二振りの剣と歌姫で既に埋まっている。
天使よ、選ぶ時が来た。
願わくば、そなたの選択が賢者のそれであらん事を。
【ミクトラン 生存確認】
状態:HP??% TP85% 血塗れ 鼻骨骨折 不安定要素(=ヴェイグ、カイル)へ不安
食料や生活難、寒さへの苛立ち 「無知の知」を自覚 激昂
所持品:レーザーブレード ソーディアン・イクティノス
基本行動方針:ピエロ含め皆殺し
第一行動方針:???
第ニ行動方針:???
第三行動方針:???
第四行動方針:???
第五行動方針:???
第六行動方針:???
現在位置:D3黎明の塔最上階
見に来たらリアルタイムとかすげぇや支援
【ソーディアン・イクティノス】
状態:ウッドロウが心配 第一回放送しか聞いていない ベルセリオスの関与を疑っている
基本行動方針:D、D2世界の仲間を探しつつ、舞台を把握する
第一行動方針:???
【ティア・グランツ 生存確認】
状態:HP75% TP75% 心の内をミクトランに読まれた動揺 強い焦燥感 カイルへの小さな反発心と大きな罪悪感 右胸銃痕 右側頭部強打
所持品:アビスピンクのコスチューム(仮面は外してます) ティアの服(アビスピンクの上から重ね着) ロリポップ
基本行動方針:ルーク達と殺し合いに乗っていない人を探す
第一行動方針:何が起こったのかを知りたい
第二行動方針:ルークに会いたい
第三行動方針:レムの塔へ出来るだけ早く向かいたい
第四行動方針:「それぞれの世界の理」と「会場の理」に対する疑問、違和感の原因に答えを出したい
現在位置:D3黎明の塔最上階上空
【ミトス・ユグドラシル@ユグドラシル 生存確認】
状態:HP85% TP80% やる気+ 小さな罪悪感 大樹が気になる 天使化 全身火傷
支給品:フランヴェルジュ ジェットブーツ エリクシール スペクタクルズ×9 ロイドの仮面セット(残り3枚)
大量のハロルドの考察メモ イオン・クラトス・プレセアの首輪 エターナルリング
デュランダル プレセアの頭部 エクスフィア@プレセア サック×2(ジューダス・スパーダ)
基本行動方針:死ぬ気は無い。舞台裏を解明する為に少し生きるが、生きる気もあまり無い
第一行動方針:さて、どうしたものか……
第二行動方針(A):ルカにデュランダルを渡す
第二行動方針(B):カイル、もしくはディムロスを確保する(スタンを止める?)
第三行動方針:ティア探しにかこつけて、あの巨大なマナの正体を確かめる為、現場に行く。ティアは回収しておく
第四行動方針:ミクトランとバルバトス、役立ちそうな奴の頭部収集。スタンも最悪対象
第五行動方針:24時間だけプレセアに協力する。仲間に会えたらどうするかはプレセアに委ねる。
但し24時間以内に誰にも会えずプレセアがエクスフィアと同化したら破壊する
第六行動方針:ハロルドにいつか「ぎゃふん」と言わせる
現在地:D3黎明の塔最上階上空
放置アイテム:イリア、ハスタ、ヴェイグのサック デザートイーグル 銃弾×14 双眼鏡 サードニクス 金のフォーク
ハスタの首輪 魔杖ケイオスハート
※黎明の塔、崩壊
第一楽章はこれにて終了!! 誠に勝手ながら、これよりしばしの間を休憩時間とさせて頂きマス!
人形<役者>たちには休息を、皆々様方には物語への期待を。
休憩時間が終わりますと、第二楽章『賢者の選択』より第一幕、「エンドロールは流れない」の開演とあいなりまス。
どうぞ、それまでの間ご歓談くださいまセ……………
これにて投下終了です
内容は短いクセに長々とお付き合いいただきありがとうございました
※まとめさんへ
改行ミスをしてしまった為、
収録の際2レス目及び3レス目の冒頭に3行の空白を追加してください
激しくお疲れ様です!
続きをwktkして待ってます!
とうとうここまできたか…フラグバーストに期待!
代理投下します。
取り返しのつかないことをした。
取り返しのつかないことが起きた。
取り返しのつかないことを見過ごした。
僕は、『彼』よりもずっと後になって、自分の行動の結果を知った。
あの時ほど、後悔してもし足りない状態に陥ったことはないかもしれない。
これまでずっと、後悔してきた。これからも、僕達はきっと後悔し続ける。
でも、せめて、あの人の前で決めたことだけは、貫き通したいと思っているんだ。
◆◆
これは少年が館を発ち、青年と共に戦禍へ身を投じるまでにあった、ほんの小さな話。
舞台はB4。背景は特徴もない木が複数。地面には真紅の線が描かれていた。登場人物は金髪の少年と、黙する赤毛の青年。
そして大きすぎず小さくもない、丸い石。
少年エミルは、具体的に言うと墓参りをしていた。
青年リヒターは少年よりも先に済ませ、今は少年の背後で腕を組みながら見守っている。
エミルがこの場を訪れたのは、どうしても一人の女性の死と真に向き合わなければと思ったからだった。
リヒターともう一人の自分たるラタトスクに、少し寄り道をしてしまうけど大丈夫か? と頼み込んだ。
二人とも何か思うことはあったかもしれなかったが、渋るでもなく「大丈夫だ、問題ない」と了承してくれた。
センチュリオン・イグニスの捜索。そして少年(ラタトスクも同様)にとって最愛の少女マルタとの再会は最優先すべきだということはわかってはいる。
けれど、館から南下する上で通りかかった以上、素通りするのは躊躇われた。というよりも、したくなかったが正しいか。
承諾してもらってすぐに、エミルが最後に女性と別れた場所へ足を運んだのだが、その場に彼女の亡骸はなかった。
一時だけどうしたものかと悩んだが、リヒターが血が線となってどこかへ伸びているのに気づいてくれたため、女性を見つけるのに手間はかからなかった。
今少年が向かい合っているのは、『ルーティ・カトレット ここに眠る』と刻まれた石――即ち墓石にして、女性ルーティの墓標だ。
二心同体たる少年は考える。手を合わせて祈りを捧げている間でも、考えずにはいられない。
思考に浮かんだ項目は二つ。一つは、誰がルーティを埋めたのかに関してだ。
墓石の文字がエルフの血が流れる者しか読めない言語(遥か後にプライマル・エルヴン・ロアーと呼ばれるもの)であることは、墓を発見した際にリヒターが教えてくれた。
この殺し合いの参加者限定で言語を解読できるのは、エミルが知る限り、ハーフエルフのリフィルだけだ。
だからエミルはこの場を通りかかったロイド達がやってくれたのかなと考えたのだが、不意にラタトスクは別の可能性に辿り着いた。
『ミトスが、ルーティを埋めた……のか?』
ラタトスクが戸惑いを隠せずに呟く。
かの古代大戦の英雄ミトスは自分達の世界からの参加者だ。そして、ラタトスクの記憶からしてミトスはハーフエルフ。
あの時は自分達とルーティを見逃したとはいえそう遠く離れていなかっただろう。故に埋葬するなら時間はかからないし、一つの可能性としては考慮できる。
けれどラタトスクは素直には頷けない。個人的にミトスに対して良い感情を抱けない身からすれば簡単に納得できるものではない。
ラタトスクは、結果として命を奪った相手を埋葬するなんて、今のミトスがそんなな真似をするのかと疑問に思わざるを得なかった。
ミトスが世界を裏切ったという部分だけを記憶に刻んでいるエミルは、ミトスの人となりを完全に把握できない。
状況的に考えられるとはいえ、仮説は仮説。確信には至れない。これ以上は堂々巡りに陥ってしまうだろうと、二人はミトスが埋葬したのかについては保留とすることにした。
『……いざ見てみると、人が、それも知ってる奴が死ぬってのは、こんなにも辛いことなんだな』
(……うん。僕も、同じ気持ちだよ)
ラタトスクが零した言葉に、エミルは同意した。
項目のもう一つ。それはルーティの死自体のことだ。
ルーティが寄りかかっていた木から墓まで伸びている血は、既に凝固して乾いていたとはいえ、深い紅で彩られており、おびただしい量を命と共に流し失ったのだと推測できる。線に伴う引きずったような跡も、彼女の悲惨な最期を想像せずにはいられなかった。
本当に今更であったが、考えてみればあの時ルーティが心なしか疲れ切った表情でエミルと会話していた理由にも見当がつく。
意識を必死に保っていたのだ。いつ途切れるかわからない意識を、自分の死に様を見せないために繋ぎとめていたのだ。
彼女が自分のサックを投げ渡したのも、死ぬ、助からないと自覚していたからなのだろう(コントロールが激悪だったのも得心がいった)。
あくまでもいつも通りを装って、嘘をついてまで彼女は少年を送り出したのだ。
その事実を痛感して、エミルをまたも後悔が包む。何故もっとルーティの状態を見ておかなかったのかと自問する。
乗り越える、というのは簡単にできそうもない。あの時もう少し彼女を気にかけるべきだったと、これからも自分を責めるだろう。
だったら、今までの後悔を無駄にしたくないと思うなら、せめてこれからは後悔をしない選択を取っていきたい。
長い間、手を合わせていたように思う。
死者を悼むというということはとても短時間で済ませていいものではないのだから当然か。
それでも、何かを送るような祈りを捧げていたのは、決して忘れられない記憶として頭と心に刻み付けたからなのだとエミルは思った。
固く閉じていた瞼を開き、眼前の墓石を見つめる。
選んだ道を最後まで諦めずに進む。そうすれば道をきっと開かれる。そう信じてくれる人がいる。だから自分も信じていこう。
ルーティ・カトレットと行動した時間を、自分が見た彼女の最後の姿を、そして目の前に存在する彼女の果てた姿を、絶対に忘れない。
『そろそろ、行くか?』
(うん。……行こう)
それは、短い祈りの間で、少年が固めた決意の証。
「終わったのか?」リヒターはそう確認をとってきた。
「はい」
迷わず返答する。リヒターの問いには「終わりにしていいのか」という意図が感じ取れた。
できる限り前に進むなら、長い時間留まるのは得策ではない。だから、次へと移ろう。
自分の返事に込められた意思を汲み取ってくれたのか、リヒターは「そうか」の後で「行くぞ」とだけ呟き、背を向けた。
すぐに支度を整えてリヒターの後を追う。一歩を勢いよく踏みしめて、
「……」
少しだけ墓標の方へ振り返る。
ふと、最後にルーティと別れた時を思い出した。だからだろうか、その時と同様に彼女の視線を感じたような気がした。
どうしてだかわからないけれど、だけど心強いと感じられた。
前を向き、小走りでリヒターに追いつく。
後ろはもう、振り返らなかった。
◆◆
時間は流れに流れ、現在へと至る。
次なる楽章が奏でられるまでのほんな僅かな時間。その小さな間であっても、物語は紡がれる。
舞台はD3。背景は粉々に砕けた黎明を冠する塔。地面は白雪に覆われた砂漠。登場人物は赤毛の青年と、重傷を負った金髪の少年の二人きり。
「エミル……!」
思わず焦燥のまま少年に呼びかけながら、リヒターは回復術を唱え続ける。
今この時になって、回復術の効果が薄いことがなんとももどかしい。
少年の容態と、視界の端で展開する黎明の崩壊を含め、事態は一刻を争う。
イグニスを取り込んだままのデクスを完全に逃がしてしまえば、エミルにとっても自分にとっても取り返しのつかないことが起こる。
胸中を過ぎる嫌な予感を懸命に振り払い、リヒターは少年の意識を呼び戻そうとする。
けれども、事態はそんな彼らを尻目に、一秒を刻むごとに加速する。
力なく体を投げ出したまま微動だにしないエミルの姿にどうしようもなく焦りを募らせる中で、リヒターは感じ取る。
(――誰かが向かって来ている……!?)
感知したのはせいぜいが一人や二人だが、確かに参加者が向かって来ているのがわかる。
崩壊した塔の影響にさらされないように安全な距離を取ってエミルの治療にかかっているものの、今の自分たちは全くの無防備。
この殺し合いに乗る者に発見されれば、周囲への対処に気を回せない現状では格好の餌食も同然だ。
「だが、ここで止めるわけには……!」
エミルの負傷具合からして、少年は死の瀬戸際に立たされている。
治療を中断して離脱を選択すれば少なくとも一分後に訪れるであろう危地は脱せるかもしれない。
しかし、それと引き換えにエミルを助けられる確率は限りなく低くなるだろう。
“今”を乗り越えなければ、少年は“これから”を生きることができなくなる。
「っ――しっかりしろ、エミル!」
“これまで”の後悔を無駄にさせないために。
“これから”の後悔をさせないために。
少年に今は亡き親友の姿をダブらせつつも、リヒターは“今”を精一杯にあがき続ける。
二人が”今”を乗り切れるかは、まだ誰にもわからない。
時刻は午前九時。数秒という差はあれど、雪、瓦礫、鮮血、死で整えられた舞台に、遂に人形<役者>が揃う。
誰もが混乱と混沌の渦中から抜け出せないまま、これまでで最大規模の闘争<バトル・ロワイアル>は幕を開ける。
【リヒター・アーベント 生存確認】
状態:HP40% TP70% 放送に対しての違和感と困惑 強い焦燥 右頬、右腕、左脇腹に掠り傷(処置済み)
左肩に刺し傷(処置済み)全身打撲 火傷多数
支給品:ストライクアクス 拡声器 ネコ耳 サポートハンド プレセアのザック デクスの要の紋
基本行動方針:ゲームに乗る気はない。ギンヌンガ・ガップの封印に戻りたい
第一行動方針:この場へ向かって来る気配が気がかりだが、今はエミル(ラタトスク)の治療を優先する
第二行動方針:デクスを殺し、イグニスを確保。ただしエミルの負傷の程度に応じて一時退却も辞さない
第三行動方針:イレーヌやスタンから詳しく話を聞く
第三行動方針:イグニス確保後館に帰還。マルタの捜索は状況次第で判断
第四行動方針:転移術について更に調べ、元の世界に帰る方法を探す
現在位置:D3
【エミル@エミル・キャスタニエ 生存確認】
状態:HP??% TP80% マフラー無し やる気 西のマナが気になる クラースを尊敬
全身打撲 火傷多数 意識不明(全て微回復中)
所持品:セレスティア晶霊石詰め合わせ(青・黄・紫・黒:各×2)
強力グミセット BCロッド 鎮魂錠 破魔の弓 ルーティのサック
基本行動方針:マルタ、リヒター、イグニスとともに一刻も早くギンヌンガ・ガップへ帰還
第一行動方針:――――――――――――
第二行動方針:エミルの意思を尊重。だが危険な目に遭いそうなら力付くで止める(ラタトスク)
可能な限り前に進みたい(エミル)
第三行動方針:イグニスの確保 。マルタの捜索もなるべく並行して行う
第四行動方針:イグニス確保後一旦館に帰還する。でも出来れば帰還前にマルタを見つけたい
第五行動方針:スタンにルーティの事を話し、謝罪する(エミル)
第六行動方針:ルーティの仲間を探し、謝罪する(エミル)
万が一ルーティの仲間に命を狙われれば応戦し、場合によっては殺害も辞さない(ラタトスク)
第七行動方針:ミトスが何故世界を裏切ったか気になる(エミル)
ミトスの真実をエミルに伝えるべきか考える(ラタトスク)
現在位置:D3
……いつから、休憩時間になったと錯覚していましたカ?
貴方は冒頭をご覧になった時、思わず驚愕、呆然、憤激、苦笑などいずれかの表情を浮かべられたのだと思います。
あるいは、単に「騙したな」と感じたのでしょう。
それこそが、わたくしの喜び……
これより、本当の休憩時間となります。どうか、ご堪能あれ……
そして来る第二楽章を存分にお楽しみくださいませ。
それでは、再びのご歓談を……
投下終了&投下乙です! 一体何なんだ、この投下ラッシュは…テイルズロワらしくないぜ!?
完全に忘れてた墓参り。ルーティが報われたようで嬉しかった。
久々に見たらこんなに投下がー…乙であります。くっそー次回フラグバーストか…楽しみすぎる!
201 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/08(火) 15:15:17.97 ID:nqm0cavI0
投下乙!!
嬉しい限りですわー
保守φ(.. )
ほ!
保守ですよ
保守ってみせる!
保守
保守
保守るよ
保守
ほしゅ
ほ
ホしゅ
結末を予想する
前回同様主催者が勝つ
ありえるなw少なくともありきたりなパロロワの結末にはならんだろ。時間切れエンドとかやりかねん、ここの書き手はw
>>214 時間切れエンドは見てみたいな
そういや終盤の構想まで出来上がっていたのに打ち切られた某パロロワも相当欝だな
時間切れ以外に後もうひとつ考えられるのは全員士気失って殺し合いが長時間続かなくなって全員爆死
で主催者も罪悪感に苛まされてミクトランの如く別次元へ逃走ですね
>>215 もちろんただの時間切れではありません。
いきなり最終日となって全部が禁止エリアになります。
鬼畜なサイグローグならやりかねんな
1より救いが無くなりそうだ
俺はそれでいいけどな
鬱なのが魅力なんだから
222 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/08(月) NY:AN:NY.AN ID:zMRmWlFU0
サイグローグが勝ってくれればそれでいいや
全てが主催者の思う壷なのがTOBRの魅力なんだし
それを怠ったアナザーは失敗して打ち切られたのはいうまでこない
>>222のいうまでこないは、いうまでもないを打ち間違えただけだ
224 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/18(木) NY:AN:NY.AN ID:UM+8WA3g0
やられる前にやるのか
ほしゅ
まだ終わってないと思ってる馬鹿っているのね
>>227 お前アナザー荒らしてた自演厨だろ
こっちにまで来るなよボケナス
ほしゅる
まだいつか誰かが書いてくれるかもとか思ってるの
ゆったりと投下していきます。
よろしくお願いします。
投下きたあああああ!!!
……お待たせ致しました……休憩時間はこれにて終わり……ご閑談はおしまい……
これより再び幕は上がります……拍手喝采の御用意を……。
では改めて……わたくし……名をサイグローグと申します……。おや……かつて聞きましたか……?
いや……しかし……半年も前では流石に忘れている方もいるかと思いまして……フフ……。
……なので……もう一度だけ……。
紳士淑女の皆様は……胸元のハンケチを忘れずに……醜く足掻く駒達も……必死に生きているのです……。
さぁ……寄ってらっしゃい見てらっしゃい……頂きますは時間だけ……お代は少しも取りません……。
話数は二百八十七、エンドロールは流れない……それではどうか……フフ……御覧あれ……。
【08:59'40】
今しかない。そう思った。
俺はこいつに勝てない。どう足掻こうが、どうやらそれは覆りそうにはなかった。
圧倒的な力量の差。明らかな格の違い。お前じゃ役が不足してるぜと、長年の直感が言っていた。
シュヴァルツに一人で立ち向かう様な、そんな無謀さに近い感覚だった。
始める前から詰みは分かっていた様に思う。この世がゲームなら、隠しボスはきっとこの化け物だ。
どうにかなるとか、そういったレベルは超えている。身体の震えは一向に止まる気配を見せないし、奥歯はがちがちと音を上げていた。
恐怖が手足を雁字搦めに搦め取り、動かぬ胴は暗い沼に深く深く沈んでゆく。
いっそ無抵抗のままばっさりと殺られた方が潔いんじゃないかとも思ったが、現実はそう簡単にはいかないものだ。
なまじ半端に鍛え上げた身体は致命傷を無意識に避け、脳内麻薬は痛覚を遮断してゆく。
死なないと思っていたわけじゃない。これだけどうしようもない力の差だ。死は覚悟していた。
それがどうだ?
奴は御丁寧にこっちに背を向けてるじゃないか。俺を、この俺を舐めてるんだ。
いや確かに舐められても文句は言えない。現に俺はこの化け物よりかは遥かに弱いし、今は碌すっぽ動けない。
ダメージを受けたばかりで本調子じゃない事も勿論あるけれど、
奴の人間離れしたポテンシャルを考えれば俺なんかは警戒にすら値しないのだろう。そんな事は判ってる。
それでも。それでもだ。だからこそ“今しかない”。そう思っちまう。
俺の中で必死に何かが叫ぶんだ。魂を揺さぶるんだ。おい、セネル=クーリッジ。お前本当にこのままでいいのか、と。
このまま舐められたままでアンタは満足なのか、と。
答えはノーだ、勿論満足なわけがない。死ぬほどムカつくさ。
その調子こいた態度を二度と出来ない様に後悔させてやりたい。
正面に戦って敵わない相手だって事くらいは判ってるよ。でもな、ここで懸けなきゃ男が廃るだろ。
そのガラ空きの背中見せられちゃあ、黙って寝転がってなんか居られねぇよなあ……ッ?
動く理由は一つ。笑っちまうくらいシンプルな答えだ―――――――アンタは俺を怒らせた。
おお、セネルパートか
支援〜
sien
この文体どこかで...
wktk支援
【08:59'41】
痺れていた。
恐怖にではなく、文字通り物理的に。肉は痙攣して、筋は縮みきっていた。
喰らったのは刃と言えど魔雷の刃<サンダーブレード>。それも上級ではなくたかが中級の。
流石に肉を断ちまではしない。だがこの威力で中級だと言うのか、馬鹿を言え。
セネルは嗤った。想像よりも遥かに堪える威力に、体からは脂汗が滲んでいる。
ステラ=テルメス。ふと今は亡き彼女を想った。とっくに孔は開いているのに、胸は奥深く抉られるようだった。
間一文に胸に焦げ付いた黒いリボンは愛しい人へ捧げた喪章の様だ。
セネルは自嘲し、そして全身を蠢き回る痺れとは対称的に、痛みは引いている事に気付く。
ふと太股を見ると笑えないほど酷い有様だったが、幸い外側の傷で内側の大動脈は無事のようだった。
無論他の傷も浅くはないが、こちらも幸い致命傷には達していない。気付けば痺れも治ってきていた。
あの化物が御丁寧にわざと生かす様に攻撃したのかとも思ったが、それはないかと苦笑する。
どちらにせよ“まだ動ける”。セネルにとって、今はそれだけ分かれば充分だった。
的を殴り飛ばす腕さえ動けば、あとは砕けようが潰されようが、なんだっていいのだから。
「……騒ぐな羽虫。事が終わればあの極光術師もろとも直ぐ楽にしてやろう」
指先や足の痺れ具合を確かめるセネルの動きを目敏く発見したのだろう。ネレイドが嘲笑しながら言った。
あの極光術師と言うのは、恐らく遠く見える砲台を向けた戦艦の主だろうか、とセネルは思う。
極光術というものが一体何なのかはさっぱり分からないが、言い方から聖爪術の様な特殊なものだろう。
秘奥義か、或いはそれと同等の……。
セネルは悍ましい想像にぶるりと背筋を震わせた。相手はウインドカッターにここまでの威力を出せるブレス系を極めた化物。
秘奥義となれば肉片どころか塵一つこの世に残らないだろう。
だが、とセネルは声を殺して笑う。“そんな真似誰がさせるもんかよ”。
「へっ、そうかい……アンタから……見りゃ……俺は、虫……って、事、か……」
“今にも死にそうな”嗄れた声でセネルは呟いた。石ころに化物は視線は愚か指先一つ動かさない。
そうだ……それでいい。
セネルは泥まみれの口元をぐにゃりと歪めた。路傍の石ころと等価値、そう見て貰わないと寧ろ困るのだから。
「……でもな、アンタ……知ってるか……?」
.... ..
指先を震わせる。呼吸を乱す。出来る限りの手を尽くして、セネルは己の死期を偽装した。
自分がもうすぐ死ぬのだと。お前が手を下すまでもないのだと。だから阿呆面で油断してやがれ、と。
「人は、蟻を踏んでる、事……なんか……気付きゃ、しない」
起死回生の一手。懐のワイルドカード。化物が知らないであろう究極の切札を、セネルは一枚だけ隠し持っていた。
どれだけ力の差があろうが、どれだけ万全な状況だろうが、神でもない限り世界の理には抗えない。
ならば……理を作ってしまえ。単純で馬鹿げた考えだが、それ故に強固で打ち破る事は難しい。
セネルが忍ばせるそのワイルドカードは正に無敵と言ってよかった。攻撃や防御は愚か、鋼体すらをも受け付けない。
敵の思考も許さず一方的に攻撃可能な絶対世界の具現。その領域内では敵など紙屑にも等しい。
滄我の力を限界まで高め、精神と空間をリンクさせる事で現界する限定奇跡。肉体限界の突破。
陸と海の民は、それをクライマックスモードと云って神々の力と同等に扱った。
「……大きくなりすぎるとなぁ……足元が……見えないんだ――――――」
天が、吠えた。
閃光が空を抜け、伸びた影が細く彷徨し、雲は割れ大地は震撼する。
時刻は九時。明けない塔を貪り喰らう悪魔の一撃が、晶霊砲が、何もかもを砕かんと世界を劈いた。
しかしセネルは驚かない。ぴくりとも反応しない。それがどれだけ強かろうが、自分には関係ないからだ。
今だけは絶対に自分には当たらないという自信が、セネルの胸の覚悟を強くしていた。
支援
クライマックスきたか
「――――――こうやって、掬われるまでな」
泥だらけのくたばり損ないが化物の背を嘲る。
ぼそぼそと続いたその言葉は、世界の悲鳴を前には誰の耳にも届かない。
閃光に白く染まる天。そこを指すぼろぼろの中指は誰の目にも映らない。
世界はセネルに興味を無くしていた。悪魔の殺意を前にして鼠の牙など一体何処の誰が気にとめようか。
その中をただ一匹。小汚ない鼠ただ一匹だけが、吠え面かきやがれとばかりに唇を大きく歪めていた。
宇宙が、星が、海が、空が、大地が、草木が、生物が。
「くたばりやがれバケモノッ!
此所が俺だけの――――――――――――――――――――――――――――――加速世界だッ!!」
理を前に全てが等しく溶け、地平線が混ざり合い、世界が凍て付き海に溺れる。
【09:00'00】
“白い”。
一秒が数分にも思える程に圧縮された時間の中で、真っ先に思い浮かんだ言葉がそれだった。
何もかも滅んでしまった後の空っぽの世界みたく、そこには万象一切の色が抜け落ちていた。
世界に色が無かったのだ。だが人が色を認識出来ないなど有り得ない話。
故にそれに敢えて色を当て嵌めるならば―――やはり白、と言う他無いのだろう。
同じ白でも少女の故郷に積もるそれらとは違う、明らかに異質な、淡泊で死に尽くした白だった。
洗濯し太陽に干されたシャツの白とも、夏の空に浮かぶ雲の白とも、塗り立てのペンキの白とも、リノリウムの床の白とも違う“白”。
敢えて例えるならそれは火葬後の人骨の様な、風化したプラスチックのような、そんな白だった。
無に色があるならば、或いはきっとこんな色なのだろうかと、ふと思う。
雪景色とは違い、やれ綺麗だの和むだのだなんて単語は少女の頭にはこれっぽっちも浮かばない。
白い。それ以上も以下もそこにはありはしなかった。
次にチェルシーが思った単語は、“怖い”だった。
全身を経験したことのない圧倒的な恐怖が支配する。
負の感情が心臓を鷲掴みにし、ぞわりと産毛は総毛立ち、ぶるりと背筋が震え上がった。
以前対峙したミクトランに対するものとも、腹を空かせた野生の熊に対するそれとも違う、純粋過ぎる恐怖。
それは細胞レベルで全身に警告を鳴らしてくる本能的な感覚だった。
何故そう思ったのか、とチェルシーは考えた。
明確な答えはその刹那には出なかったが、きっと余りにも死を間近に感じたからだろうかと直感的に思った。
白い閃光は、言うなれば死そのものだ。
世界がその色に染まる事は即ち、自分が今まさに死のうとしているにも等しい事に感じられた。
自分も数秒経てば同じように白く、無に塗り潰されてしまうのだろう。
その確信にも近い予感がチェルシーにはあった。
一体、何処の誰が何をしたかはさっぱり分からない。これが攻撃なのかさえ分からない。
しかしチェルシーは、景色を白く染め上げたこの“何か”が自分をも飲み込もうとしている事だけは瞬時に理解出来た。
そして一つだけ。チェルシーは一つだけ、この“何か”に対して確かな心当たりがあった。
対街兵器―――ベルクラント。
天上人の叡智の結晶であるそれの一撃にこれはあまりに似ていた。
凡そ砲撃からコンマ5秒。故にこれが兵器によるものでは、との仮説が脳裏を過ぎる。
“逃げないと、死ぬ”。
チェルシーの脳がそう答えを出すまでさして時間は要らなかった。
……だけれどいっそこのまま死んでしまえばどれだけ楽なのだろう。
光と影が狂った様に踊る中、けれどもチェルシーはそう思った。
このまま黙って突っ立っていれば死ぬ事は息をするより遙かに容易い。
三秒後にはほぼ確実に痛みを感じるまでもなく消し飛んでいるからだ。
そもそも逃げたところで本当に五体満足で助かるのかも判らないのでは、幾ら足掻いたところで意味はないのかもしれない。
けれど、とチェルシーは瞳を閉じる。
実は自分がどうなろうがチェルシーにはさして興味はなかった。
なかったが―――不思議と左手が暖いのだ。
繋いだ手は、天使が遺してくれたこれだけは、守ろうとしてくれるその意思だけは、失いたくない。チェルシーはそう思った。
カイウス=クオールズ。幾ら罵ろうが隣りに居てくれたこの人間だけは助けてやりたかった。
チェルシーは小さく息を吸う。それを合図にするかの様に、右の小弓は虚空を穿った。
小さな少女の大きな決意に集うが如く、世界に根を張る細長い影がうねり渦巻く。
密度と濃度を増した漆黒が少女の青白く華奢な腕にべたりと搦み付いた。
白き世界を黒き闇が貪る。その速度は瞬きをするよりも遥かに速く、その強さは大地を飲む荒波よりも遥かに強い。
それは攻撃と言うには目を塞ぎたくなるほど醜悪で、あまりにも惨く異様な光景だった。
「月華」
しかし一度空に咲けば息を飲むほど美しかった。魔力を喰い具現した黄金の満月を後ろに、少女達は浮かぶ。
跳ねる指先、渦巻く影、軋む空、震える息に揺れる髪。弓がしなり弦が弾け、矢が白亜を劈いた。
少女と少年は中空を翔ぶ。夜空に浮かぶ月の様に麗しく、荒野に咲く一輪の花の様に儚げに―――小さく汚い体躯が二つ、夜明けの大空に凛と輝く。
【09:00<Climax--------------------------Mode>'01】
晴れない煙。消えない閃光。天が、地が、世界が時間を失いそのままの光景で凍て付いている。
舞う葉が、石が、花が、瓦礫が、水が、影が、風が、命が。
ありとあらゆる森羅万象その全てが一切の動きを止めていた。何もかもが等しく海色に凍っていた。
その中で、ただ一人。
セネル=クーリッジだけが肩で息をしながら立っている。
空に舞い上がる塵は晶霊砲の輝きに白く染まり、満天の星の如く大地を照らしていた。
音はない。気配すら死に尽くした中で、セネルの心音だけが辺りの空気を揺らしていた。
海底の様に青い世界は居心地こそ良かったが、悲しいかな居られる時間は限られている。
鈍痛に震える太股を奮い立たせる様に平手で叩くと、セネルは大地を蹴り上げた。
目線は揺れない。足は迷わない。向かう先もやることも、何もかもが決まっていたからだ。
あとは駆けて駆けて駆けて駆けて、それでも駆け通すだけだ。
一本道を走りきって右ストレート。なんだ、楽勝じゃないか。
「う、お、お、ォ、ぉ、」
思えばいつも二者択一だった。鬼の道を行く時も、知らぬ少女を殺めた時も。
今回だってそうだとセネルは思う。
運命の二択―――白い道と黒い道。成程サイグローグの言葉は中々どうして真理を突いている。
どちらに進もうがどうせ血塗れた道。ならやはり真直ぐ突進むしかないのだとセネルは考える。
迷いや後悔なぞ要るものか。サイグローグを楽しませてなんかやるものかよ。
どちらにせよ絶望の一本道しか残っていないのだから、無駄な感情は遮断すべきだ。
「オぉオおおォォぉおォオぉおあァあァあぁぁぁァあぁぁぁァァぁァあぁッッッ!!」
走って走って、走り切る。化け物まで残り五メートル。右ストレートでぶっとばす。まっすぐ行ってぶっとばす。
難しい事は何もない。簡単な答えだ。
セネルは薄々、この世界が詰んでいる事を判っていた。
バトルロワイヤル。この悪趣味なゲームはきっと誰もが助からない様に出来ているに違いない。
“化け物を殺すか、化け物から逃げるか”。この二者択一にしてもそうだとセネルは踏む。
化け物を殺せば恐らくこの閃光に殺られるが、逃げれば十中八九化け物に殺られる。
どちらにせよ自分は助からない可能性が高いのだ。ならばとセネルは拳を握る。
どうせくたばるなら、化け物に一矢報いてくたばった方がどれだけマシだろう。
黙って殺られるくらいなら、醜く足掻いて神を嗤って死んでやる、と。
「しィずゥゥめェえええぇぇェェェェェェェェェェェェェェェッッ!!!」
助走をつけながら右拳を振りかぶる。髪がばさばさと揺れて、爪は白銀に光り輝いた。
セネル=クーリッジ渾身の右ストレートが、凍て付いた化け物の隙だらけな背に放たれる。
クライマックスモードは戻らない。攻撃は必中。防御は無効。誰もが疑いもしない、確実な勝利だった。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――は?」
どすどす、ざくざくざく。ずるり、ばきばきめきめきずぷどしゅん。
……。……なんだ?
なにがおきてる?
おい、どうなってるんだ、これは。なんだよ。なんだよ、これ。
刺さる音と砕けた音。何かから飛び出た針があって、氷みたいに冷たくて。絶対の勝利が崩れ落ちて、世界は青い海の底。
反転する景色、走る激痛。滲む汗。化け物の背はそのままそこにあるはずなのに、不意にびたびたと土を打つ赤時雨。
加速世界は絶対世界。不可侵領域は世界のルール。
この世が物質世界である以上、クライマックスモードへの物理的な干渉は不可能。
鎖で雁字搦めにされた門は開かない。施錠された箱は開かない。合鍵なんてあるわけない。開くはずがない。
干渉出来る存在なんてあるはずがない。はずが、ないのに。
『セネル=クーリッジ。この程度で我を殺せるとでも踏んだか、愚か者めが。
神を舐めるなよ小僧』
氷杭<アイスニードル>が四肢を穿つ。怪しく揺らぐ影の奥底で、人の子を嘲る黒い悪魔――――――名をネレイドという。
何者も動けぬはずの海の底で、ネレイドは馬鹿めと陸の民を哄笑した。
『しかし空間凍結とは恐れ入ったわ。
人の子よ、これは貴様等が持つにはあまりに過ぎた力ぞ』
セネルは力無く笑った。重力に従う様に膝を折る。がくんと視界が揺れて、胴が地に落ちた。
嗚呼、と唸る。もう駄目だ。唯一の切札さえ破られた。
驕っていたわけじゃない。だけど儚い夢だった。希望なんて何処にもなくて……あぁそうか。俺はどのみち此所で死ぬんだっけ。
セネルは自嘲した。結局こうやってあっけなく弱者から死んでゆくのだ。
「……なんでだ。なんで、お前は動けた?」
目の前が真っ暗になり死を悟ると同時に、口から零れ落ちる言葉。
それは純粋な疑問だった。答えてくれるのか否かを考える前に、セネルの口はネレイドに何故なのかと質す。
「此所は俺の世界だ……滄我の加護がある奴だけが限界を超えて動ける世界……独壇場だ。
そこに干渉だなんて有り得ない……教えてくれ、それなのになんでお前は……ッ!」
支援!
.........
人は全力を出せない。
筋力や思考力を100%まで引き出すと脳や身体が保たないからだ。
一説によれば脳に掛かるリミッターは凡そ70%なのだという。
即ち人はどう全力で事に当たろうが潜在能力の30%しか引き出せないという事になる。
30%。たったの30%だ。人の3割……物理的には腿から下だ。なるほどそれは別物としか言えなさそうだった。原型を止めてさえいない。
剰え人は常に万全を期して全力を出しているわけではなく、平常時に発揮出来る筋力・思考力は凡そ15〜25%程度。
そしてその残り約80%を限定的に引き出し、尚且つ滄我の力による肉体限界超越がクライマックスモードだった。
故にクライマックスモードの本質は時間停止に非ず。
詠唱無し精神力消費無し体力消費無しのノーリスクで時間停止効果をくれてやるほど、神は温くない。
つまるところがこの能力の正体は―――超加速なのだ。
時間が停止しているのではない。本人が物理法則を無視し“極限まで加速している”だけだった。
『人の分際で質問なぞ烏滸がましい事甚しいが……なに、冥土の土産だ。答えてやろう』
故にネレイドには効かない。効くわけがない。
『我はネレイド。反物質世界<バテンカイトス>の創造神よ。
故に物質世界にその肉は在りはしない。貴様が見ている物は単なる思念体の幻に過ぎぬ。
……さて人の子よ質問だ。“反物質世界の神に物質世界のルールが有効だと思うか”?』
思わない。
セネルは反射的にそう思った。
物理と精神は別物だ。物理的加速が反物質的存在に有効であるわけがない。
シュヴァルツも神だったが、確かに現世に具現していた。だから通用したのだ。猿でも分かる答えだった。
セネルの口から渇いた笑いが零れる。これは笑い種だ。
ネレイドが怪訝そうな表情を見せるが、むしろこの状況を笑わずにどうしろというのかとセネルは腹を抱えて転げ回る。
いざこちらが切札を出せば、相手は自分が創造神だから効かないのだと言った。
一体全体、何処の誰がそんな馬鹿げたスケールの話を予測するものか。規格違いにも程がある。
何が神だ、何が人の子だ。そりゃあ敵うわけなんかありゃしないじゃないかよ。くそったれ。
「くふ、ふは、ははは! 成程神か、そりゃ勝てないよな。参ったよ、畜生」
浮かんだ涙を拭いながら、セネルは仰向けになって空を仰ぐ。
頑なに海色に染まり続ける世界は今となっては酷く滑稽だった。
絶対世界には、けれども絶対なんてものは無かったのだ。
「俺の負けだネレイド。殺れよ。どの道死ぬ運命だった命だ、くれてやる」
大の字になり、セネルは凍ったシゼルの背に浮かぶネレイドを見る。
逆さまに映った創造神は些か落胆している様に見えた。
『……言い残す事はあるか』
詠唱するネレイドを尻目にセネルは視線を泳がせ、やがて何かを思い付いたかの様に小さく笑った。
「一つだけ、いいか」
ネレイドは頷く。セネルは唇の端を辛そうに歪めた。
「ウィルって奴がさ、いつも口を酸っぱくして言ってたんだ。“切札は先に見せるな”ってな」
ネレイドの詠唱が終わる。セネルは一度だけ唾を飲み込み、続けた。視界の向こう側で海面にぴしりと罅が入る。
「それとこうも言ってたな。“見せるなら……」
接続切断。凍結解除。海よ砕けろ。法よ捩じれろ。全てを平等に。世界を在るべき姿に。
閃光よ総てを壊せ――――――――――時よ、加速しろ。
「……“更に奥の手を持て”。さて神サマ、時間稼ぎはここまでだ」
それは今際の際に吐くには余りにも不可解な言葉だった。
ネレイドの思考が僅かに停止する。
“見せるなら更に奥の手を持て”。その言葉がもし現状を喩えるものだったなら。もし餓鬼にまだ切札があるなら。
ネレイドがセネルの発した言葉の真意を理解しようとするのとほぼ同時に、世界が軋んだ。
瞬く間に大地は震撼し、吹き荒ぶ風が劈く。海色の硝子は砕け散り、鮮やかな色彩が世界を満たす。
ネレイドは血走った目でセネルを睨んだ。中指を立てる餓鬼が、閃光の中でにまりと笑っている。
『セネルッ……セネル=クーリッジ……ッ!!』
詠唱中に加速解除。死角からの突然の攻撃。さしもの神も対応しきれるはずがない。
なにせネレイドとシゼルは同時に思考していないのだから。シゼルを瞬時に動かせるわけがない。
クライマックスモードが解除されるその刹那こそが、セネルの隠し持っていた最後の懐刀だった。
晶霊砲が孤島に啼く。悪魔を飲み込み、それでも勢いは止まらない。
何もかもが白く掻き消されてゆく景色の中、怨嗟の怒号と小気味好い笑いだけが辺りに響いていた。
「――――――――――――くたばりやがれ、創造神」
セネル=クーリッジは、神と共に死ぬ道を選んだのだ。
【09:00'02】
カイウス=クォールズにとって、それは恐怖でしかなかった。
わけが分からぬ内に気付けば身体は大空の上。
右手こそ少女と繋がってはいたが、轟音と閃光に声も視界も掻き消され何が何やら分からない。
だがどうにかこの“何か”の直撃を回避出来たらしいという事だけはカイウスにも理解出来た。
それは恐らくチェルシーのお陰で、だ。確信は無かったが、カイウスは握る手から焦躁らしきものを何も感じなかった。
手に汗握る展開とは正にこの事。カイウスは荒ぶ風の中強くチェルシーの手を握っていたが、チェルシーから焦る様子はまるで伝わって来なかった。
常識的に考えてこんな状況冷静で居られるわけがない。ならばこの上空への移動は、恐らくチェルシーが原因だ。
そこまで考えたところで、カイウスは危うく右手を離してしまいそうになった。今まで吹いていた風が急に逆流したからだ。
栓を抜いた風呂の水の様に、風が流れる方向に成す術なく身体が吸い込まれてゆく。
言ってしまえばたかが暴風だが、人の肉体など大自然の猛威を前にしては塵屑にも等しい。
カイウスの顔から血の気が引く。これは、拙い。逆流したということは……第二波が来るということだ。
「チェルシー! しっかり握っててくれよ!!」
カイウスは咄嗟に叫んだ。
チェルシーの耳に届いているかは分からなかった。荒ぶ砂塵を前にしては目を開く事すら叶わない。
確認一つできはしながったが、それでもカイウスは必死に叫んだ。
右手はまだそこにある。それだけが救いだった。
やがてその時は来る。空気が爆発した様な、光が質量を持った様な、そんな出鱈目な一撃が虚空に啼く。
食らえば一瞬で肉片、ひとたまりもない威力、回避は不可能。
なんとか衝撃派を耐えなければならない。だが直撃は二人の死を意味していた。
“避けられない。だが避けなければ死ぬ”。
二択を迫られる以前の問題。二人の未来はどうしようもなく詰んでいた。
しかしカイウスはそれでも諦めなかった。空前絶後のピンチを前に、カイウスの極限まで高まった集中力は刹那の判断力を生み出した。
目茶苦茶な重量と圧力を持ったその衝撃派が背に届くよりもコンマ一秒速く、風よりも、光よりも、何よりも速く。
究極の状況を前にカイウスは選択しなければならなかった。
数ある術技やアイテムの中で何を使うのかを。何が一番適切なのかを。
威力を殺し、チェルシーを守る。避けられず、避けなければ死ぬ。命運を分かつ選択以前の問。
衝撃派が目前に迫る中、遂にカイウスは数ある選択肢の中から一つを選んだ。
だがそれは派手な秘奥義でもなんでもない―――
「 粋 護 陣 ッ ! ! 」
―――ただの特技だったのだ。
しえん!
しかし成程それは確かにこの状況に対して最も適切だった。
数ある守護術技の中でも、カイウスのそれは特殊だったからだ。
カイウスの粋護陣。効果は高威力全方位攻撃、そして威力軽減、ではなく――――――――“効果発動中ダメージ無効”。
「チェルシー、ゴメン!」
言うと同時に、カイウスはチェルシーの小さな体をぐいと抱き寄せる。
カイウスはロイドの様に器用でなければ、ルビアの様に魔力操作が得意ではなかった。
一人分の防御壁を広げ二人分にする様な器用な真似はカイウスには出来ない。
大剣を使い魔神剣を撃てた事も奇跡に近かった。
出来る事といえば、チェルシーを抱き寄せ無理矢理自分の防御壁内に入れる事がせいぜいだった。
「ぅ、っは」
カイウスの腕の中でチェルシーが喘いだ。首筋に当たる吐息はいやに熱く湿っぽい。
一日にこう何度も同じ年頃の女の子を抱き寄せるのは少しだけ色々思わない事もなかったが、
カイウスはいやいやとかぶりを振って桃色のそれをなんとか脳内から払拭した。
このままだと何だかルビアに殺されそうな気がしたし、なにせ今は緊急自体なのだ。
防御壁が展開されたのとほぼ同時に、衝撃派が足元の空も雲も遥か下に広がる街並みも、何もかもを飲み込む。
カイウスはチェルシーの頭を自分の胸に強く埋め、瞳をぎゅうと閉じた。
粋護陣の効果は折り紙付きだ。安全は保証されている。衝撃派をやりすごせる事は最初から分かっていた。
分かっていたが、全身を震わせる恐怖は大きくなるばかり。
一刻も早くこの場から逃げ出したい。カイウスは思った。正直言って、何がなんだか分からないというのが本音だ。
ルビアと翌日旅に出るつもりが、起きてみれば趣味の悪い首輪を嵌められ殺し合いをしろと道化師が言う。
拒否出来ない空気だったので言われるがまま島へ飛んだ。最初はいつもみたいに上手くいくと思っていた。
ティルキスもフォレストも、アーリアも居ない。けれど周りには頼もしそうな人は沢山居た。大丈夫だと思った。
島では直ぐに頼もしい人達と会った。ゲームに乗る様な人は一人もいなかった。協力すれば脱出なんか簡単だと思っていた。
サイグローグをみんなで倒して一件落着、そんな未来を想像していた。
迎えた第一放送。現実は甘くなかった。自分達はただ運が良かっただけなのだと気付いてしまった。
気付けば皆、死んでゆく。ルビアと会える気配はまるでない。一歩モリスン邸から出てみれば、周りは味方どころか敵しかいない。
出会う奴等はロミーやルキウス、国王よりも遥か化け物ばかりで、挙句が規格外のこの攻撃。
油断すればすぐそこに死がある世界。生き残れる気は到底しない。
恐怖。その二文字が閉じた瞼の裏側に嫌でもちらついていた。怖い。怖い。怖い。怖い。
殺されたくない。殺したくない。死にたくない。生きていたい。今すぐに逃げ出してしまいたい。嫌だ、いやだ、いやだ!
「畜生ッ……畜生、畜生!」
駄目なんだよクラトスさん、とカイウスは懺悔する様に中空で祈った。
本当はこんな奴なんだ。正体はこれなんだ。口だけ立派で体はついてこれやしない。
嘘をウソにすら出来やしない。怖くて全身が震える。目が開けられない。
こんなのもう嫌だって、弱いオレなんかに何が出来るんだって。
本当はオレ、何もかも投げ出して今すぐ…………本当は……。ルビアだって…………。
『クラトスさんの代わりに、貴方が死ねば良かったのに』
反芻する科白。本当にその通りだとカイウスは思った。
ただ、一つだけ。たった一つだけ守りたい約束が胸にあった。ウソにしたくない事があった。
このくらいの我儘なら、クラトスさんは許してくれるだろうか。カイウスは恐怖に引きつった皮の裏側で自嘲した。
許してくれる人は、もう此所には居ないのに。
【09:00'12】
ここで死ぬわけにはいかなかった。藁に縋って土に噛み付いてでも、絶対に生きなければならなかった。
今度こそ勝つのは私だ。生きるのは私だ。ガジュマこそが優れている種族。それを証明するのだ。
他を蹴落とし登り詰め、権力を持ち国を操る。いつだってそうだった。今回だってそうなるに決まってる。
気持ち悪い笑顔を振り撒いて、糞生意気な小娘やナイト気取りの餓鬼、憎たらしいヒューマを相手にして。
思えばまだあの王女が父親を亡くす前から、随分長く同じ時を過ごしたものだ。……随分と。
瞼を閉じれば思い出す。共に苦しみ共に喜び共に泣いた、あの忌々しい年月を。
町までお忍びで出かけた事もあった。熱を出せばつきっきりで看病をした。
世間知らずの王女は私の作り話を嬉しそうに聞いてくれた。騎士の元へ文を届けもした。
数年の間、文句一つ言わず王女にひたすら尽くしてきた。
ずっと、ずっと……堪えてきた。全ては私が王になる日の為に。
鼻っ垂れの夢見がちな小娘相手にニコニコへりくだって、心ならずもご機嫌取ってきたわけだ。
嗚呼なんという屈辱の日々。歯を軋ませ拳に血を滲ませ、何だって我慢してきた。
苦労も散々した。ラドラス=リンドブロムを毒殺して、ケビン=バースを操って、ユージーン=ガラルドに罪を着せた。
四星にヒューマが居るのも、騎士将軍やカレギア軍兵士がヒューマなのも、全部我慢した。
糞生意気な姫君の恋愛相談も喜んで乗るふりをした。遊び相手にもなってやった。
恋に恋する生娘を煽てて、我儘に“はいはい只今、畏まりました。姫様の御心のままに”と跪き、全てを培ってきた。
それがどうだ。崩れたのは一瞬だった。汚らわしいヒューマ共に散々邪魔をされて、私は無様にくたばった。
……十数年に渡って積み上げてきた綿密な計画が全て水泡に帰したわけだ。
だが私は、こうして再び生を受けた。これはチャンスだ。そう思った。
意地でも生き残り、今度こそ私の野望を叶えてやる。そう決意した。
ヒューマ共を根絶やしにし、ガジュマだけの理想郷を現実にするまでは……私は絶対に死ねない。死ねないのだ。
―――――――――――――――――――そのはずが、これは一体どういった冗談だ?
なんなんだこれは。今私は何処に居る? 方向は? 場所は? どのくらい時間は経った?
此所は空中なのか? それとも瓦礫の下なのか? ―――次々に沸き上がる疑問に応えるものは何もない。
爆発音だらけで聴覚は役に立つ気配すらなかった。触覚は殆ど無く、目に入る色は怖いくらいに白一色だ。
網膜がちりちりと痛んで、虹彩は眩しさに喘いでいる。痛い。全身に力が入らない。
三半規管は出鱈目に吹き飛ばされたせいか機能していない。
あの小娘の差し金か? 何がどうなっている? 砲撃に吹き飛ばされて、私は……?
直撃? それとも衝撃波に殺られたか? そもそも私は死んだのか?
いや……心臓の音は確かに感じる。私はまだ生きているのだ。微かにする磯の匂い。確かに此所はサニイタウンだ。
だが、動けない。腕と足の感覚が殆どない。上半身が起き上がらない。
骨が折れたか、無くなったかだ。ガジュマの身体が如何に頑丈だと言っても、五体満足とは到底思えない。
こんなザマでは無事な骨を探す方が難しそうだ……畜生、小娘が。
どうしてこうなった? 何処で間違えたのだジルバ=マディガン?
私の計画は完璧だったはずだ。一寸の狂いもありはしなかった。
それがどうしてこんな事に? ……決まっている。アガーテ……アガーテ=リンドブロム。
お前だ、小娘……漸く解放されたはずが、またお前だアガーテッ!
貴様が余計な横槍さえ入れてこなければ、全部上手くいっていた! 全部、全部がだ!
許さん……許さんぞアガーテッ……貴様には八つ裂きすら生温いッ!
生きたまま五臓六腑を引き摺り出して海に沈めてくれようぞ……覚悟しておけアガーテ=リンドブロムッ!!!
【09:00'39】
辺りは酷い有様だった。
石畳は軒並み風と衝撃波に剥がされ赤茶色の土が露になっていたし、建物は九割方崩れ去り、大黒柱さえ満足に残っていない。
殆どの街路樹や草花は綺麗さっぱり街から姿を消していた。
どうやら文字通り根刮ぎ海か何処かに吹き飛ばされたらしい。
木材や家具は折り重なり、瓦礫と書物は辛うじてあった道を埋め、辺り一面には粉々になった硝子や金属片が散らばっている。
挙句、広場の壊れた噴水やむき出しになった水道管からは間欠泉みたく狂った様に水が上がっていた。
その向こう側では体に悪そうな黒い煙が空にもくもくと伸びている。何処かでガスか何かに引火でもしたのだろう。
やれやれとカイウスは溜息を吐いた。
ついさっきまで確かにあった街が廃墟同然。巨大津波か巨大嵐にでも襲われたかの様な惨状だ。
その中に降り立った二人は掠り傷一つ負っていない。奇跡としか言い様がなかった。
お互いの連携がなければひとたまりもなかっただろう。
チェルシーの月華だけでは衝撃波は防げなかったし、カイウスの粋護陣だけでは初撃は防げなかった。
ラスボス級から何度も逃げ切り晶霊砲すら無傷で切り抜ける。どうやら二人とも運だけは良いらしい。
「もう大丈夫みたいだぞ、チェルシー」
カイウスは声を潜めて言った。黄塵は晴れ瓦礫の雨は止み、辺りは漸く静まってきている。
チェルシーはカイウスの薄い胸に顔を埋めていた。その小さく頼りない体躯は小動物の様に小刻みに震えている。
シチュエーション的には男らしくて良いのかもしれないとカイウスは思ったが、直ぐに自分も震えている事に気付き苦笑が零れた。
震える手で震える少女を抱く姿は酷く頼りなく、それでいていたく滑稽だ。
「……チェルシー?」
カイウスが両手を離し怪訝そうに尋ねる。チェルシーは口を開かない。
「? どうしたんだよ。もう大丈夫だって」
無言のまま俯き肩を震わせるチェルシーに、カイウスは眉を顰めた。
「どうして」
やがてチェルシーは重い口を開き、何かを探す様にぽつぽつと言葉を零し始めた。
「どうして、私なんかを」
―――助けたの?
消え入りそうな二の句は、カイウスとチェルシーとの間の空間を宛もなく彷徨い、壊れ果てた街へ乱雑に染み込んでいった。
限りなく拒絶に近いその音に、カイウスは下唇を噛む。胸の奥がずきずきと痛んた。
「……何が言いたいのか分からないな」
やがてカイウスはかぶりを降ってそう応えた。声は酷く震えている。
チェルシーは黙ったままぴくりとも動かない。
カイウスは言葉を続けた。続けなければならなかった。
「だいいち、見捨てる必要がどこにあるんだよ。オレ達はもう“なかま”だろ」
カイウスの額には汗が滲んでいる。チェルシーは口を開く素振りさえ見せない。
“なかま”。この状況でよくそんな中身の無い台詞が言えたものだ。
「それにチェルシーだって、コレの直撃から逃げる為にオレと一緒に空まで跳んでくれたんじゃないのか?」
カイウスが尋ねた。二人の間には埃臭い空気が満ちている。
細かい塵がちらちらと二人の視界の隅でおどける様に踊っていた。
「でも」
少し遅れてチェルシーが応える。“でも?”とカイウスは先を促した。
「でも……私は、カイウスさんに酷い事を言いました」
“ひどいこと”、とカイウスは意味もなく繰り返した。数拍置いて自嘲が浮かぶ。
―――――――貴方が死ねば良かったのに。
きっとその言葉の事なのだろうと気付いたからだ。
カイウスは鼻から息を吸うと、静かに口を開く。
「……いいんだ、本当の事だから。クラトスさんが逝っちゃったのはオレのせいだ。
でもあの時の選択が間違ってたとは今も思ってない。うん。多分そうなんだ。
チェルシーにあの言葉を言われてから色々考えたんだけどさ。オレ、思うんだよ。
あのまま逃げてたら、きっともっと後悔してたんじゃないかって。
だから良かったんだ。あれで良かったんだよ。オレの行動も、チェルシーの言葉も」
“そう思うしかないじゃないか”。喉元にあるその台詞を言えるはずもない。
「でもでも、私が酷い言葉でカイウスさんを傷付けたのは嘘じゃないですし、」
チェルシーは指を絡ませると、地に目を滑らせ頬を膨らませた。
カイウスは肩を竦め溜息を吐くと、いじけてむくれた頬をぐいと抓る。
紅潮した張りの良い頬は熟れた林檎のようだ。
「……いひゃいでふ」
「あのなぁ……言っただろ。オレはチェルシーに生きていてほしいんだよ。オレだって生きていたいしな」
はひ、とチェルシーは頷く。
「チェルシーに負い目があったからって、オレはお前を見捨てたりしないし、赦さないなんて言わない。
それにまた下らない事言ったら頬抓るって言ったろ?」
カイウスは笑ってみせた。ちくちくと痛んでいた罪悪感が無くなってゆく。
「オレを傷付けたとか、そんなの関係ない。キミを守る事だけは、絶対にウソにしない。
――――――クラトスさんと、約束したんだ」
一つ薄い言葉を重ねていくごとに、心の傷がハリボテで埋まってゆく。
「だから大丈夫。どんなに醜くたって構うもんか。一緒に……生きよう」
疲れた表情のまま、目の前の少女はこくりと力無く頷いた。
生きることすら、この世界では難しい。
支援
【09:02'00】
どおん、と暗がりの中に無機質な音が鳴り響いた。
ぎょっとした表情で王女は騎士の様子を伺う。
「レイス……?」
恐る恐る訊ねる王女へ、騎士は一瞥すら寄越さない。
怒り心頭とはまさにそれか。窓に打ち付けられた拳は赤く色を変え、小刻みに震えていた。
「馬鹿な!」騎士は吐き捨てるように言う。「これでも……これでも駄目だと言うのかッ……!」
苦い表情から零れ落ちた声は悲痛に歪み、掠れてしまっていた。
晴れた煙の向こう側には、五体満足の化物。最狂の魔神はクレーメルキャノンをもってしても倒れない。
「これでは、最早っ」
ーーーネレイドを倒す事などできはしないのではないか?
喉まででかかった言葉を、寸でのところで飲み込む。それは決して口にしてはならない呪いの言葉だった。
真の極光使いであるリッド亡き今、自分に出来る事はネレイドを討つ事だけだ。レイスはそう思っていた。
同時に、自分が出来損ないのーーー不完全な極光術師である事も自覚していた。
自分は一度ネレイドに殺されている。しかしそれでもなお受けたこの命は、その意味はやはりネレイドを討つ事にあるのだ。
友を失って黙祷を捧げる悲しみの裏側で、これはチャンスだとレイスはあの日の小高い丘で思った。
本当に大切な人を、世界を守れなかった自分に、セイファートがくれた慈悲なのだと。ならば、やる事など最初から一つしかなかった。
無論、前提としてリッドの意思を継ぐ事はあるのだが、その想いにしてもネレイドの打破は必要条件だ。サイグローグを倒すのはその後なのだ。
世界と民を守る為、何に変えても何を賭しても、ネレイドを屠る。自分にはそれしかなかった。それだけしか残されていなかった。
持っているものなど何も無い。何一つ残ってはいない。守るべき姫も、ウルタス=ブイの役目もロエンに押し付け放棄した。
仲間も居ない。国も、友も。自分も。何もかもを裏切った。
この場所でも最初から何もなかったのだ。唯一のインフェリアンのキール=ツァイベルとは碌に言葉を交わした事すらないし、セレスティアンに至っては面識すらない。
挙句極光は未完成。リッドを救う事も出来ずに、私は二度目の生を始めてしまった。
だが、大切な仲間を守れずして何の為の極光術だというのか。
私は、この世界でどうしようもなく生き永らえてしまっただけで……ただただ孤独だった。
目の前の王女を守る事も、体良いついでに過ぎない。真っ直ぐで純粋な理想を持つ王女の向こう側に、ファラ=エルステッドとアレンデの陽炎を見ただけだ。
一度は放棄したウルタス=ブイの役を全うしようと思っただけだったのだ。
もう一度言う。自分には何も無い。だからこそネレイドを討つ事を諦める事は、リッドの……セイファートの意志を放棄するのは死ぬにも等しい事だった。
だが、これは。この結果はあんまりじゃないか。私には誰かを守る事すら、たった一人を倒す事すら出来はしないのか?
なぁ、教えてくれないか。リッド。だとすれば私はこれから、何を理由に生きていけば良いんだ……。
「レイス」
王女は目を伏せ騎士の名をもう一度呼んだが、騎士は肩を震わせるばかりで応じはしない。
尋常でない様子に王女は恐る恐る彼の顔を覗き込んだ。
そうして窓硝子に映った騎士の顔を一瞥し―――思わず息を飲む。
深淵。
真夜中に見る海の様にどこまでも淀んで何も無い、闇。そこにあったのは虚無だった。
背筋が凍るような暗く濁った瞳が、硝子を突き刺す。
僅かの理性すらありはしない。自分の姿などどこにも映っていない。周りの空気も、船も土もなにもかも一切が無く、そこには暗い影しかなかった。
王女は身震いしながら後ずさる。レイスは、レイシス=フォーマルハウトは仲間だ。信頼すべき同胞だ。そんなことはわかっているし、現にそう思っている。
けれども王女は彼を理解出来なかった。出来るわけがなかった。
彼の憎悪と絶望に四肢が拒絶する。彼の想いを心が嫌悪する。決定的で絶対的な違いが、そこにはあったのだ。
それはどうしようもないほどの本能的な恐怖だった。精神が幾ら許そうが、肉が目前の人間を拒むのだ。
そこに居るのは、騎士などではない。ただの狂気に満ちた一匹の“なにか”だった。
「追わなければ」
ガジュマの耳でさえ聞き逃してしまいそうな声で、騎士が呟く。
王女は危うく卒倒するところだった。とてもじゃないが正気の沙汰とは言えないと思ったからだ。
ただでさえ自分達は塔を破壊しているのだ。その上化け物の相手などキャパシティオーバーもいいところだった。
王女だっていつ正気を失ってもおかしくない。希望は崩れた。知らず知らずに大量殺人に加担してしまったかもしれない。
今も誰かが、あの塔の中で苦しんでいるのかもしれない。その容疑は形容出来ないほど心に重くのしかった。
その上、先程の騎士の言葉もあった。国や自分がやってきた事も独善以外の何物でもなかったのだと言う論はまったくの図星。
別段隠していたわけでもないが、それでも自分の瑕疵を言い当てられるのは想像以上に堪える。
それらを踏まえ、この晶霊砲ですら倒れない化け物の相手だなんて出来るわけがなかった。
「無茶だわ!」だからこそ王女は声をはり上げる。「今はやらなければいけない事が他にあるはずでしょう!?」
騎士の肩を掴み、諭すように硝子の向こう側に体を向けさせる。
崩壊した市街地に立ち尽くす化け物でなく、崩れた塔と巻き込まれた子供達の方へ。
「逃げては駄目です。これが現実よ、レイス。私達がーーーこの景色を作ってしまったの」
わななく口を無理矢理開き、呟く。この目に余る惨状は自分達の責任であり、罪だった。
罪は償わなければならない。罰を受けなければならない。今出来る事は崩れた塔と、町で巻き込まれた子供達を助ける事だ。
殺すことよりも、救うこと。それが王女の選んだ道だった。
「……馬鹿馬鹿しい」
だが騎士はその光景をやれやれと鼻で笑い、肩に掛かった手を乱暴に振りほどく。
そしてぎろりと睨みつけるのだ。怒りに燃えた瞳は、けれども氷の様に冷たく王女を見下した。
「“やらなければならない事”? “今は”?」
呆れた声と渇いた嘲笑が鉄塊の腹の中に響き渡った。釣り上がる口角は王女をどこまでも突き放す。
「それはいったいいつまでだい? 皆が仲良く全滅するまでか!?
この場で殺人鬼をみすみす逃して、犠牲者が居るかも判らない崩れた塔を心配する事がそんなに大切なのか!?
下らないな! 綺麗事では何も解決しないッ!!」
騎士の声は震えていた。圧倒された王女が開きかけた口を止めると、目の前の怒りと呆れが混ざった表情から失笑が漏れる。
「私は違う。皆を守る為に、今はネレイドを討つ。それが優先だ。それしかないんだ!」
挙げられた諸手は震えている。胸の奥からはマグマの様に熱く、ヌガーの様に粘性のある何かが迫っていた。
黒い渦が頭の中を渦巻いて、肺の中には灰色の空気が満ちてゆく。ブレーキはとうに壊れてしまっていた。
言う事なんて聞きゃしない。なにもかもが、ぐるぐるとかき混ぜられて、ぐるぐりぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
ホイッパーが脳味噌を泡立てて、趣味の悪いメレンゲの出来上がり。
「犠牲だなんて知った事か! ただでさえネレイドを倒せなかったんだぞ!?
だが今なら! 今ならやれる! 奴が深手を負っているかもしれないじゃないか! 絶対の好機! 今追い打ちをかけねばいつやると!?」
取り憑かれてしまっていた。ネレイドを倒すという叶うかも分からぬ悪夢に、覚めない憎悪に。
ネレイド、ネレイド、ネレイド。口を開けばそればかり。
いつからこうなってしまった? いつからだ、私が私を見失ってしまったのは……。
「倒すんだ、ネレイドを! 皆の為にも! そうすれば分かってくれるさ、犠牲になった人も! 必要な事だったのだと!」
レイスは荒ぶる口調の向こう側で冷静に自分を見る。なにが皆の為にだ。ネレイドを逃げ道にしたいだけじゃないか。
極光術は大切な人を守るものだって? どの口が言う。最早守る為ではなく、殺す為にしか見てないだろうに。
「私にはそれしか残ってないんだ……分かるだろう、アガーテ……」
言いたくないことも、本心も、汚い想いも。何もかもが漏れ出して、止まらない。
分かっている、何かが狂ってしまった事くらい。だがこうするしかなかった。こうするしか、なかったんだよ、リッド。
お前なら……生きていたら、どうした?
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー頼むよ。私から、生きる理由を奪わないでくれ……」
力無く震える声にはっとして、王女は騎士を見上げた。
“違う”。
王女は少しでも失望していた自分を恥じた。
違ったのだ。怒りで震えているんじゃない。犠牲を無視しているんじゃない。
この人はどうしようもなく……悔いているのだ。一番苦しいのは彼だ。
討てると思った一撃は徒労だった。それどころか他人を巻き込み、殺しているかもしれないときた。
どれほどの痛みか。どれほどの苦しみか。心が折れないはずがなかったのだ。
だがここで敵を逃がせばそれこそ本当の意味で無駄になってしまう。今の彼には、ネレイドを倒すことでしか償い方が考えられないのだ。
でもそれは、なんて悲しい矛盾なのだろう。
「……だからって、守る為に何かを奪っていいのですか? 守る為に守る事を放棄していいのですか? 」
王女は言った。騎士は何かをどこかで間違ってしまったのだ。ワイシャツの釦を掛け違えるみたくーーーほんの少しの、何かを。
「ねえお願いよレイス。何かを守る為に、貴方の優しさまで失なってしまわないで」
支援
祈る様に王女は呼び掛けた。罪に震える騎士の両手を、痛みから守る様に小さな掌で包み込む。
「……。すまない。だが私は行かねばならないのだよ」
それでも声は彼の心に届かない。騎士と王女。対等でない立場は、距離は近くとも遠過ぎた。
「世の中全ての人間が貴女の様に真っ直ぐで優しいわけではないんだ、アガーテ。
私は弱い人間なんだ。逃げ道なくしてこの罪には堪えられないんだよ」
こつん、と騎士は頭を硝子に凭れる。端整な顔は、硝子の向こう側のもくもくと上がる土煙とは酷く不相応だった。
「待って!」王女が叫んだ。「私達は丸腰なのよ!?」
そうだ、武器すら自分達には無い。王女はかぶりを振る。
そんな状況下でネレイドに特攻するなど、命を投げ打つにも等しい。それくらい自分にだって理解出来る。
生きる意味の為に、自殺の真似事をするだなんて……おかしいじゃないか。
彼をこんな戯けた場面で死なせるわけにはいかない。少しの間違いなら、正せばいいのだ。
人生は長い。生き急ぐ必要もない。取り返しがつかなくなる前なら、ヒトは幾らでもやり直せる。
「お願い、もう少し冷静になって。いつもの貴方らしくないわ」
「いつもの私?」騎士はくつくつと肩を揺らした。「いつもの私だと?」
騎士はかぶりを振るとずかずかと荒々しく足を進め、王女の目の前で続けた。
「何も知らないくせに、たかだか一日一緒に居た仲で何もかも知ったような口を聞くな。何がいつもの私だ。
……君はいい身分だな。関係無いのだから。私にやらされたといえば、罪はなくなる、そうだろう?
実際塔を壊す事を私は黙っていたんだ、君は悪くない。それに君はセイファートとネレイドの宿命すら碌に知らないじゃないか。
……そんな君に何が分かる? 出来損ないの極光術師の惨めな気持ちの何が!? 言ってみろ!
守るべき戦友すら目の前で殺されて、犠牲を出すような方法でしか奴を倒せないのだと悟ってしまった無様な人間の何が分かると言うんだ!?
だから君とは無関係なのだと言っているんだ! 本当に悪いのは君のような優しい人なんかじゃなくッ」
そこまで吐き捨てて、はっとした。ばくばくと高鳴る心臓の裏側で、しかし氷の様に冷ややかな血液が頭へ昇る。
涙が、流れていた。
流れていたのだ。目の前の王女の双眸から、音もなくーーー大粒の、涙が。
「……失言だった。忘れてくれ」
騎士は堪らず王女に背を向ける。らしくないミスだった。いつもならこんなに感情を剥き出して理不尽に怒る事はしないはずだ。
おかしいのは私か……或いはこの世界か。何れにせよ、分かる事は一つだった。
私は、彼女を傷付けてしまったのだ。
「もう私に関わるな。分かっただろう? この通り私は最低な人間だ。
さよならだ、アガーテ。君は僕と違って賢く生きられる。その優しさでこの狂った世界を救ってくれ」
言い終わると同時に、扉の取っ手に手をかける。鉄の扉は氷の様に冷ややかで、いつもよりも幾らか重い。
開けば戻れぬ修羅の道。だが犠牲になる様な何もかもが既に無い。構うもの か。これでいい。これでよかったんだ。
「勝手よ!一緒に罪を償いましょう!貴方が居なくなったら私はどうすればいいの?」
「……すまない」
声を荒げる王女から逃げる様に、騎士は背を向けたまま扉の向こう側に飛び出した。
王女は追わない。伸ばしかけの右手が、誰もいない中空を彷徨っただけだった。
少しせわしない足音が遠退き、やがて静寂がコックピットを満たす。鉄の扉がばたんと重い音を上げて、あちらとこちらとを分け隔てた。
それは境界だった。見えない線が二人の間に引かれていたのだ。
幾らもがいても越えられない明確な壁が、ただただ茫漠と王女と騎士の狭間に横たわっていた。
「レイス……貴方は、他でもない“貴方”はどうしたいの?」
唇を噛みながら、ぽつりと呟く。“どうしたいのよ?”繰り返す様に零れた言葉には、静寂以外の何も返ってこない。
酷く疲れた騎士の背中が、王女の網膜にいつまでも焼き付いて離れなかった。
彼女が船外に宿敵を見付けてしまうのは、それから三秒後の事だ。
支援
【09:03'02】
青く澄んだ空。崩れた石畳、流れない水路、沈んだ水車。壊れた酒樽、砕けた船、折れた大木、白銀の太陽。
世界が啼いた様な先程までの猛りはどこへやら、そこはどんな景色よりも静かに死に尽くしていた。
しかしそれら全てが人の目に触れる事はなかった。一寸先さえ見えぬ土煙が辺り一面を覆っていたからだ。
稀に風の気紛れでその隙間から見える抉れた大地は、晶霊砲の凄まじい威力を語っている。
元来、そこはサニイタウンという街だった。漁業が盛んな明るい港街だった。
気候は穏やかで、年中暖かい。月に一回の水着コンテストは遠路はるばるギャラリーが来るほど人気だった。
祭りの際には、各家庭に常備されている酒樽に入ったシャボン玉の原液を使って、街一杯に幻想的な風景が広がる。
青鬼の暴走を考慮しても、一体そんな町を誰がここまでの廃墟になるなどと予想しようか。
まるで天変地異が起きた後のようだった。“惨状”という言葉がぴったりだ。
その中心で、むくりと影が起き上がった。黄土のスクリーンに写し出されたくすんだ影は、ふらふらと宛も無く戦場を彷徨う。
二、三歩進んだところで、影は瓦礫の海に沈んだ。漂う藻屑達は無様なそいつをがらがらと嘲笑う。
やがて、少し湿った海風が吹いて煙が晴れた。影も風に流されて、死に損ないの正体が冷たい空気に晒される。
ーーーーーージルバ=マディガンだった。
かつてユリスに利用され、負の思念を取り込み国と英雄一行を陥れた悪魔は、その風貌を感じないほど哀れな姿で大地に横たわる。
左手は明後日の方向へぐきりと曲がってしまっていたし、右太股と脇腹の肉はごっそりと落ちてしまっていた。
「お゛……おォッ……ごばっ……! ……あ、ガーテッ……よくも、おの゛れ゛ェえ゛ッ!!」
それでもジルバは吠えた。血反吐を出し、折れた左手を引きずり、身体に刺さる木片もそのままに世界へ怨嗟を吠えた。
ヒューマであれば瀕死の重傷だっただろう。だが幸運にも彼女はガジュマだった。天は彼女に味方したのだ。
この程度と言うには損傷が些か過ぎたが、それでもまだ世界に呪詛を吐くには充分だった。
「許さんッ……許さんぞ……」
ジルバは怒りに震える声を上げ、ボロ雑巾の様な身体を引き摺る。
塞き止められた水路の泥水に映る自分を一瞥し、なんて惨めなんだと舌を打った。これでは死体とそう遜色ないじゃないか。
最早長くは持つまい。幾ら身体が丈夫と言えど、体型は同じ。相対的に血の絶対量はヒューマと遜色ないのだ。
たがこのままでは死んでも死に切れぬ。せめて、私をここまで追い込んだあの憎たらしい王女だけでも堕とさねば割に合わない。
……どうしてこうなった?
じりじりと照り付ける太陽を恨むように、ジルバは空を仰ぐ。薄く広がっていた雲は衝撃波で消え、空は海原の様に真っ青で目に染みた。
溜息を吐き、頭をだらりと後ろへ倒した。怒りが冷静さに抑えられ、消えてゆく。
そうだ。無闇に感情を剥き出しにしたところで、徒らに体力を浪費するだけ。今は氷よりも冷たい心が何よりも必要だ。
それはジルバが死んで得た教訓だった。引き際さえ見誤らなければ、生きる事は出来る。感情に囚われれば策は瓦解し、その先には死が待っている。
命がありさえすれば、幾らでもやり直せる。その為なら怒りなど幾らでも呑み込もう。
私はこのままでは死ぬ。だが死んでは何の意味もない。結論を出すにはまだ早い。今は生きる事を考えろ。
どうせこのままでは失血で死ぬのだ。死すら覆す策を考えろ。糞尿の上を無様に這いずってでも生きろ。
復讐や自己満足は血肉にはならない。いかにしてこの現状から回復するかを考えるのだ。策ならばごまんと練ってきた……大丈夫だ。
そこまで考えたところで、視界の隅に戯けたデザインの戦艦が見えた。砲台はこちらに向いている。
無人のコックピット。餓鬼王女ともう一人のヒューマは消えていた。無意識に舌を打つ。
策は水泡と帰した。最早この有様では優勝も絶望的だ。それどころか今日の夜すら迎えられるか。回復術など火に油。だがそれを覆すのは私だ。
ここまでしてくれた王女を探すか否か、勝算はあるのかどうか。回復はどうするか。そこまで考えた瞬間、ジルバははっと我に返り辺りを見渡す。
―――――――“シャーリィ=フェンネスは何処だ?”
思考が縺れ、駒は霧散し、策は崩れて瓦礫の彼方。街は消し飛び体は壊れて、未来は深い海の底。
幕は上がり、終ぞ歯車は動き出した。
進め進め、回れ廻れ。
加速しながら歪み行く物語は、クレジットが流れ拍手が終わるまで誰にも止められない。
今回はこれにて投下終了。状態表がないのは仕様です。支援、代理、諸々含めてありがとうございました。
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投下乙です
遂にフラグバーストが始まった…!
これからどのように物語が展開していくのか楽しみです
おおお久しぶりの投下乙です!!!
最後に残ったシャーリィの存在が今後の展開の鍵を握るか
・シャーリィ、キャノンの波動に気づくと同時に、モード発動を感知、キャノンの射線上に身内がいることを確認。
・全霊のテルクェスを発動し、その現場に飛ばす。
・直後シャーリィの肉体は消失し、残留思念を持ったテルクェスのみがセネルを捉え運び出す
・モード中に反応を示したもう一人の人物の元へ運ぶ
・巨大テルクェスは最後の思念に従い、キャノンを相殺すると共に癒しの波動を広範囲に放射し、目映い輝きと共に消えていった
波動を浴びた負傷者、疲労者は完治。
その癒しの光を見たスタン、カイルはそれぞれルーティ、リアラを思う。
スタンイレーヌの間にちょっとした修羅場
まで予想
投下&代理投下お疲れ様です
いよいよフラグバーストか...続きが楽しみです
執筆、投下乙です
状態表がないということは近々続きが投下されるのだろうか
投下乙です!
これで全体の1、2割程度って本当なのだろうか
続きが楽しみです
予告のセリフもちゃんと回収されてたなあ。次の話だと予告から察するにシャーリィが秘奥義かな?
そしてまさかのジルバほぼ死亡確定。でも予告だとジルバも秘奥義時の台詞があるんだよなあ…セネルのセリフらしきものもシャーリィに別れを告げてるし、う〜む妄想が膨らむぜ。次が楽しみです。
なんか今回も参加者全員死んでもおかしくないな
書き手のTwitterって本当にあるのか?
あるなら分かりやすく教えてくれ
最近急に全滅全滅行ってる人が一人だけいるね…
相手すんなよ
何か自演と決め付けたい人がいるみたいだね
テイルズロワがどんなものか分からない甘ちゃんか?
>>281 パロロワ屈指の鬱グロロワだろ
だから前回を超える全滅を期待している人が多い
主催者、参加者を徹底的に馬鹿にしてるからすでに決着はついている可能性は十分ある
全滅に成功すれば報復される恐れがないからここまで馬鹿にできると思う
>>282 なるほど理解した
俺も全滅期待したくなってきた
既に参加者精神崩壊しつつあるからきっと全滅してくれるだろう
どのように進むか楽しみだわ
俺はジルバ死に際の秘奥義発動&塔崩壊で阿鼻叫喚になるとみた
お前らも、キャラが好きだからこそ死んでほしくないっていう言い分も理解してやれよ。誰しも最初は甘ちゃんだったわけだしな
しかし現実的な話、大分前にキャラ(ほぼ全員?)の断片的なセリフを集めた予告が投下されてたよな。あれが投下された時点で路線は決まってるし、新しい書き手が入る余地も無いわけで。
そして
>>281>>282が言うような鬱ロワ1stの書き手が2ndの進行も担ってるであろうことを考えるなら、2ndもまた1stの特徴を大きく継承していることになる。
つまり早い話、全滅とまではいかないかもしれないが、自分の好きなキャラが長く生きられる可能性は限りなく低いってこと
だから、全滅が嫌な人も、少し冷めた考えを持ってしまっている人を「自演」と決め付けずに、その前に一度立ち止まってよく考えようぜ?
こいつは1stスレを荒らしてた自演厨だから相手すんなって言ってるんだよ
全滅が嫌とかそんな軟弱な奴はとっくにロワから離れてるっしょ
残ってる連中は言われるまでもなく凄惨な結末を覚悟してるよ、多分
いや、どう考えても全滅言ってる奴は自演だろ…
アナザー荒らしてた時から文体も言ってることもほとんど一緒、これで自演だと思うなって方が無理ある
本当のことは誰にも分からんのでは?むしろ客観的に見れば1stの件で「全滅」というワードに敏感になってる節も見られる。疑いだしたらキリがないし、水掛け論も大概にしてそこはもう大人としてスルーするのが得策なのかもしれんね。
ちなみに俺は、出来るなら全滅してほしくはないかなって軟弱な考えは持ってる。ただしどう転ぼうが受け入れるつもりだから関係ないけどね
ロワから離れてないつもりなら続きを自分で書こうとか誰も思わないの?
リレーなんでしょ、これ?
>>289 じゃあまずは君が書いてお手本をみせてくれよ
まさか自分が出来ないことを他人に強要してる訳じゃないよね?
コイツの事は自演だってわかりきってるから誰も相手にしてないんだと思ってた
1stのスレを設定議論するために立てるべきとか言ってた連中も避難所にスレが立ったら綺麗にいなくなったし
>>290 住人でもないのに何故書かなきゃならんのだ、アホなの?
>>292 住人じゃないのにどうしてこのスレにいる?頭おかしいのか
で、結局他人任せで自分は書く気は一切ないんですね
君こそ何故このスレにいるの?
>>294 生憎いまさら割り込んでss書けるほどの文章力がないからね
糞ss投下して混乱させるぐらいなら黙って見てた方がスレのためじゃない?
なんでスレにいるかって読者全員に言うつもりなの?ロワ潰れちゃうねw
そんな言い訳ばっかしてるから投下が一年一回なんて悲惨なことになるんだね
完結何十年後ですか?
書き手の間で展開決まってるみたいだし
いまから参加しても文句しか出ないだろ、リレーなんて名ばかりのスレだよここ
298 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/21(土) 00:26:15.10 ID:/nRaEBAw0
書き手間で決まっているって、書いたのここしばらくで1人だけだよね
書く書く言うだけの詐欺師は書き手じゃないよね
そいつらに文句言う資格なんてあるの?
書き手さんは割と新規の参加もウェルカムっぽいけどやっぱり問題は文章力だよ
ロワ発足当初は何人も書き手がいたけど読者様が無駄にハードル上げたせいでご覧の有り様
キャラ贔屓だのキャラが崩壊してるだので何度荒れたことか
言い訳でもなんでもなく書けないなら書かない方がマシなんだよ
前半で人気キャラがバンバン死んだから原作のファンはもうとっくにいないでしょ
代わりに入ってきたのは鬱小説が好きなやつら
俺も一人も残らない最後を希望
302 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/09/28(土) 06:47:53.04 ID:1BU+kg3u0
>プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
これだな
バンバン死んでいく(それも複数人同時に)だろうから可能性は高いな
書き手さん本人が否定してたけどね、全滅。
チャットで言ってるよ、毎回。
というか当たり前だが書き手は自分が書きたいものを書くんだからな?
結末を操作しようとするようなことを言うのは論外だし、それが叶わなくても文句は言うなよ
結局は希望があるなら自分で書かないと
は?書き手は読み手の希望にこたえるべきだろ?
要望はいいが、どうしてもそうしたいなら自分で書けとしか言いようがない
書き手は読み手の希望に応えてくれてる、ってのに過ぎないんだし
でもなんて言うか、見てくれてる、見せてくれてる。な気持ちであるべきだと思う
見る側見せる側両方あって成り立ってるわけだし
一応言っておくが、見てやってんだぞ、見せてやってんだぞと主張しろって事じゃないよ
書き手が積極的に書いてかつ読み手のニーズを受け入れないと過疎化して落ちる
>>307みたいな傲慢な奴の希望なんか書き手さんは聞きたくないだろうがな
>>310 なかなか投下しなくなった書き手こそ傲慢だろ
これが読み手様か
害悪そのものだな
作品のラインナップが古くなったのがきついよね
イノセンスでさえリメイク済、ラタトスクは移植するし
当時からマザーシップだけで5作品増えてるんだぜ…
どんな結末でも構わない
とにかく結末までいけばいいよ
それまでは何があろうと待つよ
でもやっぱり一人残らず全滅EDが一番いい
その方が平等だし
どこの何が平等なのかさっぱり分からない
ゴールが同じなだけでそこまでの過程に差がありまくるだろ
1stがほぼ全滅ED状態なんだから今度は違う結末が見てみたい
前回と同じなんてつまらないし
ほぼ全滅EDと全滅EDは違うだろ
1stを全滅ととるかとらないか個人で解釈が違うと思うから「ほぼ」って使ったんだけど
「誰も主催者のもとまで辿り着けず会場内で全員死亡」←これは全滅
「優勝者は出たが主催者に挑み結局負けて全員死亡」←これは全滅?
後者でも全滅って言ってる人もいるし、個人的には少し違うかなという感じもするし
大乱戦の末に、とか24時間ルール発動、とか前回とだいぶ違った形でなら全滅でもいいんだけどね
ただ全滅のどこが平等なのかやっぱり分からない
まあ1stは厳密には全滅してないよね
ヴェイグ死なずに永遠に夢の中状態じゃなかったっけ
1stはまさに
「千葉県」ことミクトラン 33-4 優勝者 ヴェイグ・リュングベル
ち〜ん(笑)
だったな
>>319 >大乱戦の末に、とか24時間ルール発動、とか前回とだいぶ違った形でなら全滅でもいい
そういうのを俺は望んでるんだよ
>>321 私も激戦の末に一人残らず全滅するのが見たいです
まずは激戦で塔が崩壊して全員生き埋めになる事に期待します
>>321 なんでや!阪神関係ないやろ!
…は置いといてセンスあるなお前
千葉ロッテマーリンズ→千葉県→ミクトラン
阪神タイガース→首位→優勝者→ヴェイグ・リュングベル
俺も結末は
>>321>>322と同意見だな
主催者の完封を見てみたい
私と同じ意見の人がいて安心しました
だから全滅はないから諦めろって
嫌なら自分で書けよ無能
必死な奴が約一名いますね
書き手が読者の要望無視とか狂ってる
押しつけてるだけなんだから無視されて当然だろ
しつこい上に自演をまじえた荒らし紛いの行為だもの
>>328 荒らし紛いじゃなくてそいつ正真正銘の荒らしだから
スルー推奨
一人で大変ですね
書き手にも自演バレてるけど頑張ってね
>書き手にも自演バレてる
ソースないのによく言えるな、荒らし
書き手が把握してるなら尚更こいつに触れる必要ねえだろ
いい加減スルーを覚えろよ
容量の無駄遣いも荒らしと一緒だからな
334Get
参加者が必死の抵抗もむなしく死んでいくのが楽しみ
それを理解できない荒らしはち〜ん(笑)
>>321 そういや初代の334話はヴェイグがメインだったな
パチスロTODにあるミクトラン様の紹介が神懸ってるな
降臨だ!天上王たる私が、再び現世に降臨したぞ!
ミクトラン CV:堀川りょう
千年前、兵器を用いて大地を破壊し、ミクトラン率いる天上軍と、
虐げられた地上人の間で「天地戦争」が勃発する。
ミクトランは地上軍に敗れ、命を落としたはずなのだが・・・
>>334 そしてティトレイが亡きデミテル様に従順すぎたのとヴェイグがティトレイを殺せなかったのが原因でカイルが死んだんだよね
まさに二兎追うものは一兎も得ず
ち〜ん(笑)
2ndでもこういう抗っているにもかかわらず救いのない展開が続いて最後は相打ちで完全全滅に終わるのがみたいな
完全全滅を望んでいないのは荒らしだけなのは明白だから書き手は騙されるなよ
まずは塔が崩壊するかどうかだな
俺としては崩壊してほしいところ
すでに前のSSで崩壊が確定してるよ
ちゃんと読んでから全滅全滅騒ぎなさいよ
気持ち悪い奴等だなぁ。それぞれが信じてる終わり方を信じときゃいい話を、なんで対立項を貶すようなことまで言うんだ
全滅しようがしまいがどっちでもいいけど、どっちの立場であれそういうこと言う奴は俺のケツ舐めろ
>>338 そうか、安心したよ
よし塔のみんなはほぼ全員生き埋めで死亡だな
>>339 気持ち悪いのは下ネタ使ってるお前の方だ
あほかミトスは空飛べるし屋上にいるから死なんだろ
塔より周辺のほうが死人出るんじゃないの
塔の崩落に巻き込まれ死亡、生還できても大乱闘に巻きこまれる可能性高め
結果がどうあれ過程はかなりドロドロだろうね
塔にいる連中で一番死にそうなのはみっくんだな
予告でもフラグ立ってるからかなり危うい気がする
>>340 オブラートに包んでることも分からないとはいよいよ末期か...御愁傷様!
>>344 空気の読めない荒らしは来ないでください
荒らしにかまう荒らしも来ないでください
>>345 どこが荒らしなのか言ってごらん?
ただ主張することだけで済ませればいいものを、そうじゃない人を否定する余計な一言を加えてる方がよっぽど刺々しく荒れる原因になるよね?
思考停止して物を言ってもつまらないから、ちゃんと考えて意見を返してね
荒れてんなぁ
あんまり空気が悪いと書き手さん嫌になって他所いっちゃうんじゃないかと要らん心配しちゃうね
>>347みたいな粘着する荒らしに目をつけられているからな
毎度おなじみオウム返しである
/j
/__/ ‘,
// ヽ ', 、
// ‘
/イ ', l ’ …わかった この話はやめよう
iヘヘ, l | ’
| nヘヘ _ | | l ハイ!! やめやめ
| l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
ゝソノノ `ー‐' l ! ¨/
n/7./7 ∧ j/ / iヽiヽn
|! |///7/:::ゝ r===オ | ! | |/~7
i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ.. nl l .||/
| | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr ' ||ー---{
| '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧ | ゝ ',
, 一 r‐‐l γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___ ヘ ヽ }
/ o |!:::::} / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ ノ
/ o ノ:::::∧ /ヽ o ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 / /
/ ノ::::::/ /::::::::ヽ o ヽ:::| o {::::::::::::::Υ /
まともな返答を期待する方が馬鹿だったね
やれ下ネタがどうの、やれ荒らしがどうの、本筋から逸れた指摘しか出来ない思考停止タイプはお話が出来ないからつまんない
そうやってひねくれてるから自分と違う意見を持つ人に対して排他的になるんじゃない?
>>352 そりゃあお前が空気読めないからだ
俺もまともな返答を期待してたけど無駄だったわ
>>353 出、出〜困時鸚鵡返奴〜
俺以外の9割9分9厘がお前と同じ考えってんなら俺も空気読めてないってこと認めるけどよ、同じ争い繰り返してる今までの状況でなんでお前達が作り出した空気が全体の総意みたいになってんの?
そもそも空気って何なんでしょうね?争いの種を撒いた人の吐く台詞としてはちょっと頭が足りないんじゃないですかね
お前の言うまともな返答って自分に同意してくれる返答のことを指してるわけ?甘いよそんなんじゃ
ただのオウム返しじゃお話にならないって言ってるじゃん、店長呼んできてよ
なんだか空気が悪いね。同じ読み手だってのに、不毛な争いはよくねーよ…どちらも落ち着こうぜ!
好きなSSの話でもしないか?
>>355 正直すまないと思ってる
ああいうタイプの人間を見たら突っ込みたくなってな
好き嫌いはハッキリ主張することは構わんのだけどね、じゃあそうじゃない人達を非難していいかのかっていったら別の話
ネット上だからだろうけど、非難することに慣れてしまった子供は優越感を得たくて簡単に人を貶すよね
こういう奴に限って指摘すれば脆いよ、レス見てお察し
多分また揚げ足を取るなりどうでもいい部分をつつくなりして噛み付いてくるんだろうけど、このままその調子なら俺も放置するわ、流石に子供のおもりをするのも疲れてきた
ま、人それぞれだからあんま気にすんなって。俺は平和が好きなだけだからさ。嫌な奴だろうがなんだろうが、同じ読み手だ。仲良くしよーぜ。
>>355 たしかにそうだな
初代の第196話がお気に入りだわ
デミテル様(とその手下)が本格的に活動を始めた話だからな
|>みどりのえきたい×1→|>つかう
どのキャラにつかいますか
デミテル つかえません
ティトレイ・クロウ つかえまん
|>クレス・アルベイン ひんし
デッデッデ デッデッデ デーデー
おや!?クレス・アルベインのようすが・・・!
テーテーテーテテテテーテー
おめでとう!クレス・アルベインはクスリ・アルヘロインにしんかした!
読み手のいざこざに口出すつもりはねーけど、スレチだということは注意しておく。
ただでさえ荒れてんだから、慎重にな。1stもいいけど、ここは2ndスレだぜ?
こいつと仲良くするとか正気か?
ただの荒らしなんだからスルーしろって言ってるじゃん
なんで打ち解けようとしてるのかさっぱりわからん
なんで最近になって人増えたんだ?
荒らしにすぐ噛みつく直情くんがいるからそう見えるだけ
構うから面白がられて煽られるのに気付いてない分荒らしより性質わるいかもね
自分の性格の悪さを正当化してる奴ほどキモい奴はいねーけどなwww
ここの住民は全滅を期待してる人が多いからな
これまでの経緯を考えれば当然だが
長いものに巻かれろってことか?
それにしたって排他的思想が強すぎるように見えるが
気持ち悪い同レベル同士の喧嘩でも
べつに書き手やssをdisってる方には行かないから
賑わうだけいいのかもね
それでもこんな賑わい方はいやだけどなぁ。
ま、気長に投下をまとうや。
全滅期待してる荒らし君は書き手さんに対して詐欺師だの口だけだの言いまくってるけどね
次はチャットにも乗り込む予定らしいし粘着されすぎで嫌になって執筆やめても仕方ないレベル
>>369 必死に住民に荒らしのレッテルを貼ろうとしている荒らしご苦労さん
確かに良くも悪くも荒らしのお陰で死にかけてたスレに活気が戻ったな
次の投下までこれぐらいの活気を保てれば支援も楽になりそうだ
>>370を見てると、随分年齢の低い層が見てるんだなーと驚く
どう足掻いても絶望という救いのない展開が特徴のロワなのに
それを否定したい荒らしや低年齢層が騒いで嫌にになる
全滅を望む人の中にも害悪となる存在がいるのもまた事実だな
>>374 それは断じてない
このスレには救いが全くない展開を望んでいる奴が自然と集まっているんだから
理解できない低能と荒らしが横槍を入れてるだけ
>>375 それはないな。俺はそうじゃないし。
読者なんていろいろ、まさしく十人十色。
俺みたいに、救いがほとんどない中どうやって切り抜けるのか、それを気になって読んでるやつもいりゃ、
お前みたいに救いのない展開を望むやつもいる。そんなの、人それぞれだろ。
俺みたいなのを受け入れられず荒らしや低年齢層と見下すから、荒らしや異常者扱いされるんじゃね。
異常者ってのは総じて他人の意見を受け入れられず自分の意見ばかり主張するやつが多いからな。
他人の意見も受け入れるくらいの大人な対応ができないようじゃ、また荒らしや異常者扱いされるだけだぞ。
スルーを出来ないガキばかり
最近やたらと声がでかい多数派を装う鬱展開厨は多分自演くんだからいちいち相手すんなよ
住民を自演認定しようと必死だな荒らし
それだけ書き込む気力があるならSS書けよ、2レスくらいの短文でいいからさ
望み通りの展開にするならそれが一番手っ取り早いし
特に感想と併せて展開予想書いてた人、それSSに昇華したらいいと思うんだ!!
>>375 俺の意見は
>>376がほとんど言ってくれてる
たとえ少数派であっても、絶望の中に希望を見出だしたい人がいるっていうのもまた事実なんだろう
俺はどっちでもないから別に多数いよいが少数いようが関係ないんだが、
>>370>>379(同一人物)みたいに多数派であることを良いことに排他的な発言をしてしまうオツムの悪い奴がいるからこういうことになるわけで
人を見下して大人ぶるつもりなら、せめて他人の価値観くらいは許容してやろうぜ?
スルーも出来ないガキばかり
両方の展開がバランスよくあるから面白いんじゃなくって?絶望があるから希望が生えて、希望があるから絶望のカタルシスがヤバイ。このロワの魅力はその振れ幅やバランスが極端なジェットコースターっぷりにあると思う。展開が予測出来ないしな。
だから、どちらを望んでるとかじゃないだろ。
絶望ばかりじゃつまんないし、希望ばかりでもつまんないもん。そんなどちらかだけに偏った簡単に予想出来る話じゃ、ここまで賑わってないんじゃない?と俺は思う。
つかこんなに住民いたことが一番の驚きだわw
>>383 同感
ただやっぱり最後は参加者全員が絶望のどん底に突き落されて
参加者が(一人残らず)いなくなり(ロワ会場に)太平の世が訪れました
がいい
要望だすだけじゃなく書いてみれば?
それが一番手っ取り早いとおもうよ
>>383-384 そこがこのロワの魅力なんだよね
出てきた希望を容赦なく潰す絶望
それがたまらん
その逆もまた然り
絶望からの熱血そして希望
魅せる文章を書ける書き手氏はすごい
そして最後は最悪の展開になると
お前らオセロやってるんじゃないんだからコロコロ展開変えんと少しは譲歩しろwww
まぁ、俺らがあーだこーだいってもその裏をかかれるのがオチだ。全滅がそんなに好きならあんまり言わない方がいいんじゃねぇの?裏かかれて誰も死なないとか笑顔でやりかねんぞここの書き手はw
予想通りにはまずならないってのは、これまでで散々わかってるだろ?まぁだからおもろいんだけど。
裏かかれるのは希望的な予想だけだよ
例えばマーダーのミクトランがもうすぐ死ぬとか誰か一人でも主催者の元へたどり着けるとか
ワロタ
例えになってないぞ、全部まだ書かれてないことじゃないかww
まあ、初代では死ぬだろうと予想しても大丈夫だろうと予想しても死にまくったな
チャットが楽しみだな。アプリコットの再来だな、こりゃ
397 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/23(水) 18:23:32.28 ID:KGW6KZ2b0
アプリコットって何です?
このロワ読んでて知らないっておかしくね?
399 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2013/10/23(水) 22:46:57.45 ID:KGW6KZ2b0
思い出した、贔屓が酷い上にルール無視まで行って読み手の怒りを買った上にチャットにまで乗り込んだが逃走した基地外書き手か
>>399 その通り。
あの時と同じく読み手の方が不満抱えてるから書き手は屈服するかもね。
400ならサイグローグ様に合うことすら叶わずに参加者全滅。
わざわざ脈絡もないところで全滅とか言っちゃうって、相当ねちっこい奴なんだなぁ
最早なんか色々超えてかわいいやつだよな。構えば構うほど無茶言ってくれるから。今日はどんな理由で全滅っていうのかな?w
それはお前の脳内だけだよ
あとアプリコットは書き手からも突っ込まれてただろ
むしろ作品挙げただけあっちのがマシ
こいつにとっては自分以外は全員荒らしなのか
気が狂ってるか脳みそが足りてないかのどちらかだな
住民の総意に文句あるなら出て行けばいいだけなのになんでそれをしないんだろうね?荒らしさん
おいどうした!はやくお得意の全滅論言えよ!
あちこちから異論が噴出してるのに総意とは笑わせる
全滅はないと明言されてる以上、お前の思い通りの展開にはならんよ
それが嫌ならお前が出て行くか流れを変える
>>409 途中で送信してしまったけど、とにかく全滅がいいなら書き手になって流れを変えろ
それができないならごちゃごちゃわめかず黙ってろよ
>>408 荒らし必死だね
そんなこと言っている時点で劣勢なのが丸わかりだ
>>409 異論はとっくに論破されていますが
あと「全滅はない」もソース挙げてから言ってくれ
>>411 どのレスを指して論破と言っている?
むしろ書けと言われると黙り決め込むお前のほうが論破されてる印象だが
今度のチャットに参加するつもりなら嫌でも全滅はないと知ることになるよ
>>412 自分で考えろよ荒らし
あと、頑なにソース出さないのな
>>413 論破したレスを明示できないのは何故?妄想だからか
ソースなんて散々このスレでもチャットだと言われてるだろ
つか初期からこのロワを読んでるなら情報の出元ぐらい想像できるはずなのに何故わからない?
>>414 わざわざ示す必要はあるのか?
チャット、俺は夜が仕事だから忙しくて見れない
>>415 お前が論破したというならそれを示さねば反論もできないだろ
議論を避けるつもりなら不毛な争いは望むところではないから構わないが
忙しくて見れないが、こちらの言うことは信用できないと?勝手すぎる
>>416 スレの流れすら読めない無能荒らしとは思わなかったよ
>>417 またレッテル貼りに逃げるのか
そんなだから荒らし扱いされるんだよ
少しは自分と違う価値観も受け入れる余裕を持てよ
だいたいなぜ最近になってやたら全滅連呼しだしたんだ?
おっ全滅厨元気だな!今日も皆を笑わせながらスレ保守がんばってね!
チャットのUBU?だっけ?が夜が忙しい人らしいからキミなんだろうけど、その前に書いてたATと七誌とかいう他の二人はチャットにくるんだろ?
じゃあそこで証明される話じゃないん?
ま、どうみてもあのチャットの三人は自演だけどなwチャットに誰もこないなら自演って事で決定になるけどw
チャットww楽しみでwwございますwww
条件反射で「荒らし」って言ってる奴が一周回って可愛く見えてきたなwww
ほとんど同じことしか言えないし、いつもの思考停止野郎かな?
荒らしに構うやつも荒らしだ
お知らせ:全滅くんおつでーすw(iPhone/Safari)さんが退室しました。(10:31)
お知らせ:全滅くんおつでーすw(iPhone/Safari)さんが入室しました。(10:31)
チャットでも煽りまくる荒らし
やっぱ荒らしはスルーが一番だな
書き手には読み手の希望(途中は希望があってもいいけど最後は全滅)に答えてほしいよ
保守ご苦労様!今日も無駄な努力がんばってね!^o^
>>425 俺もそう思うよ
やっぱりこれが最大の魅力なんだからさ
どこに魅力を感じるかなんて人それぞれなのに決め付けてかかってるあたり視野が狭い
パロロワwikiの受け売りばっかりで発言がワンパターンなんだよね
自分と違う考えの人はみんな荒らしなんだってさ
仕方ないよ
そういう頭のおかしい人はどこにだっている
別に誰がどこをどう魅力に感じようが構わねーが、それを俺に押し付けんな。書き手にはもっと押し付けんな。
お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな。
まさにコレ。
チャットおもしろすぎワロタ。荒らしフルボッコじゃねえかw
俺もROMってたけど入るタイミングを見失ってしまっていた
参加されたみなさんお疲れ様でした
偶然ですね私もROMってました
書き手だけあってチャットなのにロワ読んでる気分になったよ…
それぞれスタンスも違うし
新作楽しみにしてます
チャットに参加する人はあれだけいるのに何故誰も書かないのだろう
社会人に早く書けってほうが酷だろ。100kでラノベ一冊分だぞ?それが本業のラノベ小説家の発売ペースと比較しても仕事しながらって考えると投下ペースは妥当すぎるくらいだよ。
……というか論点はそこじゃないだろ。
テイルズロワ専属じゃない人もいるだろうしね
他ロワと掛け持ちしてたり個人で別の創作もしてたり
今フラグバースト真っ直中だから難しいっていうのもあるんじゃない?
ここ一年で書いたの二人だけなのに
別に完結を急ぐ必要もないし二人も書いてくれてるなら充分だから
そんなに心配なら君が書いてみては?言い出しっぺの法則
自演がバレたら今度は筆が遅い事を論点にすり替えたかw
筆が遅いから何だって言うんだよw過疎ロワじゃなくて盛況ロワにでも行けば?あんたの発言、ほとんどの過疎ロワを敵に回してるぜ。
むしろ300話まで続いてなおここまで住民がいて書き手が1人じゃないロワとかここ以外にほぼねーぞ、マジで。
というか何が言いたいのか全くわからんのは俺だけか?見事にフルボッコにされた腹いせに書き手を叩きたいだけに見えるけど?w
一人でも残ってくれ
もちろん参加者のほうね
つーかフラグバーストはもう書く人が決まってるから、他の書き手さん達はそれが投下されるまで待つしかないんじゃない?
バーストと関係ないパートを書くにしてもそこが進みすぎたりしたらそれはそれで問題だし
マオルカパートは放送直前まで行ってるんだっけ
あとは館組以外はみんな9時過ぎ
参加者最低でも一人は残ってほしいな
あくまで現実的な話、1人残ってサイグローグと対面して何が出来るのかっていったら俺は思い付かんなぁ…それこそ1stのアナザーみたく主催陣営側で何か起きないと絶望的状況は覆らなそう
っていうか他のロワではそういう主催陣営の内部崩壊ってよくあることなんだけど、2ndでは全然ないんだな
テイルズロワは主宰がほぼ一人だな、確かに。
まぁサイグロと誰がが絡むとこ想像できないしなぁ……
一応2ndもベルセリオスが疑わしいかもって描写はあるけどね。
ほぼ一人じゃなくて完全に一人
荒らし晒されてたな
常時監視可能のリアルタイムのチャットで自演するのが愚かだけどw
これ以上叩くと可哀想になるから言ってやるなよw
まぁチャットがあった日から全滅のぜの字も出てこなくなったんだ。平和になっていいじゃないか。
……しかしチャット後半で自演がバレてからの一気に形成逆転な流れはこのロワのSSみたいで痛快だったなw
いやー分からんよ
あれだけ陰湿なんだから、誰か一人がポロッと「全滅してほしい」って言い出せばここぞとばかりに便乗してくるに決まってるからなぁ
まぁ平和な今を楽しもうぜ
半年近く粘着してるんだからあの程度でへこたれるような可愛げのある奴とは思えないよね
ジューダス様の人みたいに面白ければネタにもなるんだけどなあ
誰が最後に残るのだろうか?
案外誰も残らなかったりして…
フラグバーストが発動してからどうなるのかが全く想像できん…
フラグバースト自体は予告からある程度想像できるんだけどなあ。明らかに死亡フラグたってるミクは逆に生き残る気がするけど。
ロニ、シンク、デクス、セネルあたりがヤバそう。
……あれ?死にそうなの全員マーダーじゃね?
ジルバとミクトランは即死亡確定
ジルバとミクトラン…
安らかにお眠りください…
最後は対主催が生き残るから心配するなw
生き残っても辿り着けなけりゃダメじゃね
最後は対主催が生き残る(辿り着けるとは言ってない)から心配するな
というかそもそも死亡確定ではないだろw
それにあんな見え見えなあからさまに「今から死ぬよ!」な死亡フラグ、ここの書き手が回収しますかねぇ…
マーダー減らしすぎても1stの二の舞になりそうだ
一気に佳境に持ち込むなら別だけどそこまで死なんでしょ
どうだろうね。話数的には終盤だし参加者ほぼ集まるワケだから、佳境に持って行けなくもなさそうだけどなぁ。
少なくとも2ndは4クールでおわると勝手に思ってる俺は甘いかな。
ま、プレイヤー全員が死亡はさすがにないやろ
結果的に理由と流れがあってそうなってしまったんならアリだと思うけどね。
ただ、まだ参加者が半分も残ってる今から全滅だのそうじゃないだのって言うのはナンセンスだと思うぜ。
でもこのロワに今までのパロロワがやってない何かを期待してしまうのも確かだけど。
>>464 逆に言えば半分も死んでいるってことだな
しかも主要キャラはことごとく死んでる
残りのキャラでサイグローグに対抗できるかが鍵かな?
俺は対抗できると信じたい
確かにテイルズロワは本家ロワや他のパロロワでは考えられない展開のオンパレードだから何かを期待してしまうな
テイルズロワは信長の野望 戦国群雄伝のデモプレイを見てるようだ
ネレイドなら普通にサイグローグ潰せそう。
サイグローグが物質として干渉してるならそれを感知して対消滅させられる
一人で無理ならシャーリィかクロエがクライマックスモードを温存してネレイドと組めば確実だろう
自身をネレイドが使う器として提供するとかその辺を取引材料にすればいけそう
シャーリィは元々のスペックからして有力だし、クロエもダイ大のミストとヒュンケル(かマァム)的な流れでいけるかな
しかしシャーリィは予告で秘奥義発動確定してんだよなぁ。セネルも使ったし、あとはクロエか。
でもクライマックスボトルを使えばまたクライマックスモードつかえるのか?
シャーリィは秘奥義を使うのがどのタイミングかだよな
ウレルネルフェスって事は誰かを治癒するために使う可能性が高いし
秘奥義クラスの治癒効果なら今現在のジルバやセネルのような瀕死状態でも治せそう
よくわからないんだけど
クライマックスモードと各自の秘奥義はどちらか一回しか使えないルール?
そういうルール。ただクライマックスボトルが出た意味を考えるとその場合は違うのかもしれない。
ルールはルールだからクライマックスも一回こっきりでしょ
単純に未使用キャラのクライマックス発動の手助け的な使われ方になるんじゃね
一回だけノーカウントでクライマックス発動出来るってことでもいい気がするけど
半物質アタックという物質に対する一撃必殺があるネレイドと物質世界で絶対的にアドバンテージを取れるクライマックスモードは相性いいな
憑依すれば物質感知と同時に単体で両立出来るし、対主催専用のとっておきに残しておく価値はありそうだ
そういう意味では切り札の用途が限定的で温存しやすい分、クロエの方が憑依先として有用かも知れない
クロエがネレイドに人格を明け渡すという形ならシャーリィに別れを告げる台詞も不自然じゃないし
主催戦の切り札をネレイドに任せられれば、
シャーリィは大回復の方を温存して広域感知やら広域伝達の独自戦略で人渡しするパイプ役に徹する手もある
水中探索能力を対主催で活かす機会はさすがになさそうか
あとは時空探知や時空移動なんかの運搬能力に優れたリアラも対主催の有力候補になりそう
やっぱり基本的に神様やそれに近い立場にあるキャラの能力は幅が広いな
なにげにロイドの細工技術や飛翔能力も使いどころは多いかも知れない
てなわけで対主催の主力メンバー予想
ネレイド=主催キラー
シャーリィ=メッセンジャー+偵察
ミクトラン=首輪解読
ロイド=首輪解除+視察
リアラ=運搬
首輪つったら、現時点で内部構造に一番詳しいのはキール(とチャット)なんだな…
バンエルティアフラグも気になるところ
首輪の件は全員の生死に関わるから、情報を集めて対主催のために手を組む理由にはしやすいな
秀でた特殊能力のある主人公ヒロインラスボスは結構生き残ってたりするんだな
クライマックスモードと両立出来ないぶん命中精度は落ちるだろうけど一応ルークの第2超振動でも極光の代役は務まりそう
ミクが仲間ってのは無理くさいけど見てみたい展開ではあるw
ネレイドはディストーションオーブでさえ無効化しそうだもんな。
なんだかんだでフラグ持ちは死んでないんだよなぁうちのロワは。
まぁそれだけにそのうち惨殺がくるんじゃないかと怖いけど…
賑わってるし久しぶりに投票とかやってみたいね。フラグバーストのおさらいに第3クール見直してるけど密度やばい。
続きが楽しみだね
次は年越し投下かクリスマス投下かな
変な奴もいなくなって雑談増えたから、書き手さんのモチベも上がってくれると嬉しいな
2nd立ち上げてまで1stと同じ流れを繰り返すかな
俺なら絶対に違う展開に持って行こうとするな
どちらにせよ嫌な予感しかしないけどね
みんなの気に入ってる話教えてくれ。
「その空に紙飛行機は飛ばない」が好きだな
いいね。館組関係は派手じゃないけど、深くていい話が多い。
俺はさよならくなばれまた明日かな。あれはいい。ネタですきなのは迷子ミクだけどw
どのSSか忘れたけどさつまいも議論が巻き起こった話が好き
スレのシュールな雰囲気がやばかった
トワイライトは派手じゃあないけれど名作だと思うのは俺だけか?
アニーの日記は泣いたよ
アニーは鉄板だな。ネットのSSで泣いたの久しぶりだった。
>>472 松永&三好三人衆ならぬミク&馬田三人衆「くくくっ…」
>>466 なおミクトラン主催の初代ではミクトランの一人勝ちになった模様
>>465 高確率で弱小大名に混じって信玄信長家康が即効で首切られて滅亡するよねあのゲーム
うわっ帰ってきやがったか
ほとぼりさめたと思ってるのかな
サニイパートは次の投下で終わるだろうか。レイスとアガーテはどうなるかな
>>489 2ndではミクトランは次で死ぬでしょう
>>492 レイスとアガーテはきっと大丈夫でしょう
なおリーガル
日本語で喋ってくんね?つか文体で自演バレバレだぞ
>>490 >>494 こいつら(同一人物?)が何言ってるか分かる奴いるか?
何かにとりつかれてるんですかね…
やっぱなんカスはキチばっかりだな
クソの巣窟から出てくるなよ
>>493の続きが気になる
リーガルがどうしたんだ!!?
あの偉大なるお方に殺されたよ
ま、リーガルたちの仇は誰かがとってくれるやろ
サブキャラ以外でテイルズお祭りゲーにほとんど出てない参加者は他に誰がいるんや?
ヒルダとか
フォッグとかクラースとか
システム上の関係だろうな。
クラースやフォッグはユニーク技ばかりで再現むずい。ヒルダも通常攻撃むずいし、術もユニークモノ多いしな。
1stにはマリーやモーゼスがいたんやで
なお
なんJ語やめろ
デミテル「お薬の時間だね(ニッコリ」
しょうもない
つまらんことで変な争い起こさんようにな!
スルーも大切だし場によって言葉を使い分けることも大切よ
>>510 まさに人気キャラを体現した素晴らしい散り際でしたね
ジェイドは青鬼倒したじゃないですか…
しかしキルされたのがアリエッタにってのは、結果だけ見ると意外だな。SS見ると納得なんだけど。
アリエッタ関連、というか初期サニイ組はみんな救いなさすぎる。もう残ってるのチャットだけなんだぜ。
>>513 王溢正「それならWBCでは1アウトすら取れずに炎上しまくって降板した俺も今年故郷のリーグで3勝2敗と活躍したぜ」
(*^◯^*)「横浜にも死んでしまった雑魚よりはるかに役に立つ選手がいたんだ!」
王溢正・(*^◯^*)「帰る前に参加者が一人でも生き残れるように応援しますね!」
日刊テイルズより緊急発行!
「2nd激闘対主催勝利目前号 主催者死亡やねん!」
強すぎてたまりません。耐えた、耐えた!打倒マーダー サイグローグ死亡待ったなし!
主催者サイグローグの死亡を目前に2ndの戦いぶりを振り返る1冊です。
>>514 ポジハメくん横浜大好きだからって今の発言黒すぎやで
ま事実やししゃーない
主催者死亡やねん!のような展開になるいいな
できれば参加者は多く生き残ってもらいたい
日本語でお願いします
これで自演じゃないとか抜かすつもりなんだろうな
なんカス丸出しの低脳なんてこいつ一人なのに
>>510-515の流れにワロタwww
ま優勝者が全員復活願えば実質の二人の勝ちやし(震え声)
ついでに
お薬の時間だね(ニッコリ
,'´/;;;/ヽ
( // ヽヽ
//d ^ -^ノ (´・ω・`) (´・ω・`) 注射するの?
/デミo├==l-- (
>>515) (
>>516) ボクどこも悪くないよ?
しー-J . `u-u' `u-u' なんで笑ってるの?
ごめん一人間違いだった
改めてお薬の時間だね(ニッコリ
,'´/;;;/ヽ
( // ヽヽ
//d ^ -^ノ (´・ω・`) (´・ω・`) 注射するの?
/デミo├==l-- (
>>517) (
>>516) ボクどこも悪くないよ?
しー-J . `u-u' `u-u' なんで笑ってるの?
この面倒臭そうな子は、前の荒らし君が懲りずに手法を変えて書き込んでるってことかしら?
他所で受ける話し方もここでは嫌がられてるって感じ取れないんかね?
俺も淫夢ネタやなんJネタは好きだけどね、場所を選ぶことくらいはわきまえてるぜ
折角平和になったのになあ。空気読めない自演君は帰ってくれんかね。
ネタも場所わきまえて振ればいいのにな
ここでは場違いだ、なんJでやれ
全滅連呼しなくなったと思ったらこれだ
何がしたいのかさっぱりわからんね
前から思ってたが何故ここの住人はスルーってことができないのだ?
まあ、賑わってるしいいんじゃない?
こんな賑わい方は嫌だけどね
過疎のほうがマシ
書き手らしきTwitter垢みつけた
tobr2vegepear
tobr2nd
なんで人のアカウント勝手に晒してんの?デリカシーの欠片もないな
初代テイルズロワ・最後の○○キャラ
TOP:ミント・アドネード
TOD:ミクトラン(※最終的な勝者)(※参加者ではグリッド)
TOE:メルディ、キール・ツァイベル
TOD2:カイル・デュナミス
TOS:ミトス・ユグドラシル
TOR:ヴェイグ・リュングベル(※優勝者)
TOL:シャーリィ・フェンネス
TOF:プリムラ・ロッソ(※最初から一人のみ)
流石にスルーできなくなってきたのだが>スレに他人のツイッター持ち込む
マジで迷惑なことしかしねえなこいつ
ツイ垢晒すとかどんな脳みそしてんだ
どんな脳みそってバレバレの自演してツイ垢晒しちゃうような脳みそだよ
何か荒れてるな
それにしても悲劇のヒロインの宝庫だね
なんJでは住所晒しが日常茶飯事だからTwitter晒すぐらい何とも思ってないのだろう
初代ロワの秀逸な感想
696 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2007/11/15(木) 19:29:24 ID:+pT8n6zQO
ジョジョのロワ最近一気読みしたんだけどテイルズロワの現在の鬱展開ぶりに改めてびっくりした
ジョジョが鬱少なめだったのもあるけどすっごいことになったよなぁ
697 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2007/11/15(木) 19:45:28 ID:uYO7Qxpt0
確かにロワで欝展開なのはある意味当然ではあるが
ここのロワは正直突き抜けてる
現生存者の全員が救いようの無い畜生にまで堕ち(しかも未だ底が見えず)
一欠片の救いも無く無様に死んでいくのは壮絶ですらある
この世の全ての希望と呼べるものが全て薄っぺらくて寒いように見えてしまうぞ
OVAシンフォニアのロイド見てると
全否定されて死んだロイドの惨め極まりない最期を思い出してやたら哀れに見えて
正視に耐えませんぜ
698 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2007/11/15(木) 20:59:35 ID:sucupiWIO
逆に2chでテイルズを題材にしたからこそこうなった、とも言える気がするがな。
2ch名物の厨や儲が湧いてスレを荒らされるくらいなら、って感じでその手の連中が寄りつけなくなるくらい
徹底的に鬱展開で殺菌消毒を施したら、結果としてこの現状になりました、ってオチじゃないか?
何にせよこのまま行ったら、まずテイルズロワはパロロワ史上に残る鬱ロワ確定だろうな。
書き手さんツイッターに鍵かけたほうがいいんじゃね
誰が見てるかもわからないし色々とめんどくさいのでは
さっさと書き手は次ぎかけよ
結末は一人でも生き残るように書いてくれ
初代テイルズロワはある意味平等で素晴らしかった
>>541-542 その通りだね
まあ、参加者を殺したことがあるマーダーは次で死ぬでしょう
というか書き手、プレセアはもう死んだんだよ…
まーたきもいのが現れ始めたのか
全滅だろうが生還だろうがお前らの希望を偉そうに押し付けんな
こんな気持ち悪い奴に同意してる奴がいるのも驚きだわ
>>547 小学生じゃないんだから鸚鵡返しせずにちゃんと言い返せよ
こういうのを読み手様っていうんかね
どう思おうが勝手だが、それを書き手に押し付けるのは別の話ってことだろ
バトロワの、ましてやテイルズロワの風刺を理解もせずに「死んだ人が報われない」とかくさすぎだわ
嫌なら見んな、これが全て
要望を出したいなら相手にちゃんと受け取ってもらえるように下手に出るなりオブラートに包むなりすればいいのに、読み手の分際で土俵の外から卑怯かつ偉そうに言われる書き手も可哀想
思い通りにしたいならお前が書け、出来ないなら黙って見守るか出ていくか、考えを改めるかしろよ
一時期前まで全滅全滅言ってた奴らと何も変わってねえじゃねえか
結局どの立場に立とうが「これが当然だろ」って思ってる傲慢な奴が書き手の迷惑になってんだろうが
>>548 ただ希望を言ってるだけなのになんで煽られなきゃならんのだ
>>549 矛先を向ける相手を間違えたのは俺が悪かった
ただ突っ掛かられたらそいつを支持してるように思えてな
俺が言いたいのは
>>541みたいな奴のことな
こういう自分の思い通りにしようとする奴は、そうならなかった時に喚き出す厄介な奴だぞ
さすが厨向けゲームの二次創作スレ
過疎って荒れ果ててないで二次創作板いけよ
ぱっと見一番平和そうな館組がこれからどうなるのか楽しみ
館組には期待してるよ。フォッグはこれからシルエシカのメンバー集めるのかな?
安価とばしてるやつ自演ばればれで笑った
遡ると安価飛ばしてる奴の文体ほとんど一緒すぎ
殺 伐 と し た ス レ に ゾ ウ リ ム シ が ! !
_/\/\/\/|_
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< アメーバ!!! >
/ \
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_____/ ●`丶 、
==ニ───- 、 ,,lll,` 、
/ ,,,,,,,,llllllllll 丶
/ iiiilllllllllllllllll!! │
/ llllllllllllllllll´ │
│ llllllllllllllllllllli │
│ llllllllllllllllllllll │
│ llllllllllllllllll´ /
丶 ミカヅキモ´´`ll /
丶 iillll /
丶 !!!!iiill!´ /
`丶───__│
天にまします我らの父、テイルズ・キリストよ、
憐れな参加者は一部のキャラが善戦しましたが、大半の重要キャラが悉く死亡、主催者打倒は絶望的です。
主よ、サイグローグ相手なら勝てるだろうなどと楽観視していた憐れなテイルズヲタをお救い下さい。
そして、初代のように全滅する事がないようどうぞご加護を。
†アーメン†
ミクトランとサイグローグが倒されますように
いやマジで頼む
>>560 マジで同意
さっさとあの二人はくたばってほしい
あと書き手は書くペースもっとあげてくれ
全滅荒らしが路線変更してきたようです
文体でわかりやすすぎてなんもいえねぇ。
自分で自分にレスし続けてんだなぁと思ったらもはや憐れみしかわかん。
全滅がいいんじゃなかったのか
これといって信念もないようでやはり荒らしたいだけのクズだった
わからないはずはない
安価飛ばしてる奴はほぼ全ていつものキチガイ
文体と口調と論調その全てがワンパターンでまさにバカの一つ覚え
とりあえず落ち着け
ちなみに俺は全滅希望
何でもかんでも決め付けてかかってると同類扱いされても仕方ないんじゃないかね
まともな反論が一つもない時点で自演確定だから決め付けるもなにもないけどね
そうか?相手(この場合書き手)を苦しめるためなら第三者(俺ら)への反論なんて必要ないだろうよ
つまり反論しない・できないではなく、完全に無視してるんじゃないか?
極論、相手をするだけ無駄ということになるし、叩いても鳴らない鐘を叩き続ける奴の方が客観的に頭がおかしいということになる
だからそういうことじゃん?
反論がない=認定されようが関係ない荒らし、または池沼が一匹いるだけ
だから自演確定な訳で何を否定したいのかさっぱりわからん
あとこいつ全然こちらを無視できてないからな
アナザーと避難所含めて過去ログ読んでこいよ
こういうこと言うとニワカは半年ROMってろって返されそうだけど、逆に言えば過去に囚われすぎてるからそういう思考回路になるんじゃないの?
目に見えてる限りでは確かに書き手を攻撃してる人は見受けられるけど、ただ全滅を希望してる人達までまとめて全て一人がやった自演だと言い切るには暴論だと思うわ
結局可能性の話でしかないんだから変に勘繰らずに目に見えてるものだけ受け止めればいいじゃんよ
チャットで荒らし君が自爆してから全滅という言葉すら見なくなったのは事実じゃん
みたまんまを受け取った結果、全滅連呼君=自演荒らし君とするのが自然だろ
あえて違和感のある解釈をするとすれば
チャット以降、何故か遠慮がちになった全滅希望の読み手達が足並み揃えて全員ROM専になった
となる。ないわー
今日でグレイセス四周年らしいけどつまりこのロワはそれ以上続いてるってことだよな。
長いなー。
どうも少しひねくれた考え方になってしまってないか?
一部の人が荒らしに過剰に反応した結果全滅希望の人が一時的になりを潜めただけと考えるのが妥当だと思うぜ
何度も言うけど希望を言うことは悪くないんだぞ?
全滅でも生還でも好きなように構想すればいい、それは自由
テイルズロワの風刺を理解してドロドロの鬱展開を望む人だっているわけで、そいつらまで被害が及ぶのは可哀想だろうよ
自演自演と疑うばかりでバッシングすべき対象を間違えてはダメだ
見える物の多くが敵なんて悲しい奴だぞ
10月25日以前とそれ以降のスレをみた上で言ってるとしたらとんでもない節穴だぞ
全滅連呼君は違う価値観を受け入れる余裕がまるでないから顔真っ赤にしてこちらを否定してきた
当人曰く、マジョリティである全滅派住人に対して荒らしと低脳が必死に噛みついてるだけ、とのこと
仮に大多数の住人が全滅を希望していたとするならば、なりを潜める理由はない
チャットで醜態さらした馬鹿は極一部の過激な住人だと切り捨てて平常運転でいいはずだった
ところが現実はそれが一切なく、何故か変わりに見たことある文体の全滅否定派が現れた
この流れを臭いと感じないならあえて言うけど本当に半年分のログを見返すべき
そして俺はあらゆる展開を否定するつもりはないし全滅だろうがハッピーエンドだろうがぶっちゃけどうでもいい
無事完結さえすれば満足で他人の思想や希望に干渉する気もさらさらない
よって俺が叩いてるのは自演荒らし君ただ一人だけで鬱展開を希望してる住人ではない
それを見分けることができるほど彼との付き合いは長いし、確実に存在する人物だとチャットでも証明されている
長すぎわろた
もういいからやめてくれー荒れたっていいことないぞ
>>577 とりあえずお前が良い奴だってことは分かった
熱い奴には好感が持てるよ
だからこの話は終わりにして熱く語り合おうじゃないか
まぁ、気長に待とうよ。こんな空気じゃ書き手さんも投下したくなるなるぜ。
噂だと毎年恒例クリスマス投下あるらしいしな。
出先でID変わってるけど
>>577です
熱くなりすぎて周りが見えてなかった、申し訳ない
寒空の下でしっかりと頭冷やしておきます
荒らしと決めつけずに落ち着こう
ほっとくと自演でスレを私物化
構うとすぐにファビョる
糖質っぽくね?なんにせよ構わずスルーしかないっしょ
まあ、参加者は全員二度とサイグローグに会えずに死ぬでしょう
でなきゃサイグローグはここまで参加者をコケにしないだろうし
このスレにはあんまり関係ないけどテイルズ新作が発表されたな
3rdがあるとしたらどれくらいのキャラが参戦するのかな
VとかHとかGとかXとかZとかからもまあ参戦するだろうし
かなりの大所帯になりそう 百人越えたりするかもな
なんとなく二つにわかれるかもとか思う。いのまたテイルズロワと藤島テイルズロワ。もしくは2Dテイルズロワか3Dテイルズロワ。
おっとこれ以上は2ndのスレでやるべきじゃねぇな。失礼。
パスカルとハロルドの掛け合いがみたい
アナザー打ち切られた上に2ndもなかなか進まない現状じゃあ3rdは厳しそうだ
あともうここには鬱路線をひたすら望む連中しか残ってなさそう
クリスマス投下に期待
師走の忙しい時期だから厳しそうなら無理せず年明けてからゆっくりで
思えばクリスマスまで後一週間か
今年も支援できそうです(白目)
誰が死ぬのかな?マジで楽しみ
>>590 3rdが始まった所でどちらかが打ちきられるのが目に見えるな
>>595 もう誰も死なないから大丈夫だよ(ニッコリ
日付は過ぎましたが、メリー・クリスマス。
特別な日に投下するにはいささか短いですが、ゆったりと投下します。続きは年越しにでも。
ーーー最初は、あの子供達は見逃すつもりでした。
自分が進もうとしている道はきっと引き返せない。それを私は悟っていたけれど、進むのを止めようとはちっとも思いませんでした。
きっとそれは、お兄ちゃんの決意と痛みを受け入れていたからでしょう。
お兄ちゃんの痛みと想いも、分かりたかったんです。
でも、だから自分だけしか知らなかったあの子供だけは、見逃すつもりだったんです。
だって今のお兄ちゃんが知らないところでなら、私は昔の私でいられますから。
だから見逃すつもりでした。少なくともテルクェスに言霊を練って飛ばしたあの時までは。
(御免なさい)
謝ったのは、蝶に触れた人へでした。あんな事を書いて助けを求めたくせに、私はその人を利用しようとしていたから。
酷い女です。
(大丈夫)
けれど、心はきっと痛まなかった。全然平気だった。大丈夫だった。何ででしょうか。私は考えました。
(もう)
多分、そういうことなんだろうな。だって、私にはもうそうするしかなかったから。だから平気だったんです。きっと。
それしかないなら、選ぶとか罪悪感とか後悔とか、全部関係ないですし。
(諦めた)
私がお兄ちゃんを止めるのは、無理だ。それは何となくわかっていました。ええ、いましたとも。
お兄ちゃんにとって、お姉ちゃんは私よりも大きい存在だったから。
私はクロエさんには勝てても、お姉ちゃんには勝てない。最初から知っていました。私は一番叶えたい希望を諦めてしまっていたんです。
それに、一度フられてるもの。諦めますよ、そりゃあ。
(正しいとか)
誰が正しいとか何が正解かとか、そんなことは関係ない。
お兄ちゃんが選んだ道なら、お兄ちゃんが見る景色なら、なんだってよかった。
私はその道を喜んで歩くし、景色だってずっと見てられる。だってそうでしょ。大好きな大好きなお兄ちゃんが選んだんだもん。
うん。恋が叶わない方がむしろ都合がいいわ。
(違うとか)
間違っていようがなんだろうが、それも関係ない。
お兄ちゃんが選んだなら、それはもう正とか誤とか、そんなことを持ち出す事から間違っていると思うもの。
私の全てはお兄ちゃんのもの。お兄ちゃんの全ては私のもの。
お兄ちゃんがいないなら、私なんていらない。世界なんて、いらない。
それが私の全てだった。私はお兄ちゃんがいればそれでよかった。
(仕方無いんじゃないの)
だからお兄ちゃんが優勝したいって言うんなら、私はそれに従う。そうーーーーーーー“私は”。
だからやっぱり、テルクェスに触れてしまった人は殺すべきなんだとも思った。
(救いたい)
でも心のどこかで誰かがそう叫ぶんだ。
胸の奥で熱い何かがそう喚くんだ。
確かに私は、私の事を諦めてしまった。
けれどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー誰かの事を諦めてしまっているわけじゃなかったから。
(けど)
けど。
(駄目だから)
きっと駄目なんです。私がどれだけ頑張ってもいつか嘘はバレるし、助けようとしてくる人だっているでしょう?
それに私は、貴女を見たら殺しちゃう。だってお兄ちゃんがそうしたいって言うんだし。仕方がないわ。
(多分)
助かって欲しいけれど、死んで欲しい。よくわからないけれどそういう事なの。それってすごく大変なんですよ?
うまくいえないんだけれど、頭が、こう、ぎゅーって。痛くなる。
何かがめちゃくちゃになって、糸がほつれたみたいに最後は解く事も諦めて。
きっと、ゴミ箱に捨ててしまうの。
(妬ましくて)
だから思うんです。そうじゃない人達はなんて幸せなんだろう、って。
私が私じゃなかったら、きっとそういう生き方も出来たんだろうけど。でも仕方が無いですよね。
私は私なんだから。私の生き方以外、選べないですよね。だってお兄ちゃんが好きなんだもん。
……ね、貴女もきっとそうなんでしょ? 私のテルクェスを触った人。いいよね、貴女は。自由なんだから。自分の意思があるんだから。
私の蝶は翅を持っているけれど、私には翼がなかったんだ。
(まぁ)
でもそんな事で腹を立てても仕方ないですよね。前向きに生きなきゃ。
月並だけれど、結局人が死ぬか生きるかなんて、
(遅いか)
早いか、
(早いかでしょ)
遅いかでしょ?
(戻れる)
まだ私はやり直せる可能性だって、あったんですよ? 貴女を見逃せば、そういう生き方もあるんだって思えるわけですし。
(きっと)
お兄ちゃんが決意した以上は、ここからはお兄ちゃんの目が届く範囲で私も戦わざるを得なくなる。この手を血に染めないといけなくなる。
でも、まだ。まだテルクェスについて黙っておけば。
元々そうしたいから古刻語を入れたんだし。誰かに私とお兄ちゃんを助けてもらいたかったから。私じゃない、誰かに。
だから、ねえ。助けてよ。誰でもいいから。お願い。私達を哀れだと思うなら、助けてよ。
捨てる命があるなら、助けてよ。ヒーローがいるなら、助けてよ。殺せる力があるなら、助けてよ。
悲劇のヒロインはここにいるの。誰か……助けて。
(だけど)
……でも、それでも。迷ってはいけないわ。私はお兄ちゃんに従うんだから。
お兄ちゃんを助けてほしいとか、自分勝手にも程がある。お兄ちゃんにはお兄ちゃんのやりたい事があるのに。
(ううん)
だからっ。そこで首を振って何の意味があるのよ。もう迷わせないで。何なのよ。言いたい事があるならはっきり言って。
私は、どうすればいいの?
助けたいの?
従いたいの?
殺したいの?
助けて欲しいの?
……ねぇ。
ねぇってば。
どうなのよ?
教えてよ、ねえ!
(だから)
分からない、分からない、、、分からない、、、
誰か、誰か、、誰か、、、、、私を、お兄ちゃんをーーーー私達をーーーー、、、
(選択が)
……イヤ。もう嫌。選ぶのなんか嫌です。私はただ、波に身体を任せていたいんです。海の藻屑になってしまいたいんです。
(怖いから。だから、)
だから私は決心して言ったんです。私には何も決められないから、その人に決めて欲しかった。教えて欲しかった。
賭けたのは、命。生き方。望んだのは、答え。生きるか死ぬか。白か黒か。
貴女が死んだら私はもう諦めよう。でももしおにいちゃんをころしてくれたら、わたしはおにいちゃんをすくってくれたおれいに、みんなもすくいにいくから、ね。
【09:03'53】
「だ、誰か……誰か助けて! 動けないの! 誰か!」
瓦礫の下から上がる金切声。応える者など居ない。死んだ町に住民など居るはずがなかった。
悲痛な叫び声は虚しく空に響くだけだった。
うつ伏せの少女、シャーリィ=フェンネスは崩れた家屋の外壁にしがみつきながら、辺りを見渡す。
半壊した建物と舞う粉塵に阻まれ、視界はすこぶる悪い。
閃光、旋風、爆音。そして気付けばこの状況。
一体何がどうなってこうなったのか分かるわけがなかったし、見当もつかなかった。
一度息を吸えば、口の中は細かい砂だらけになった。砂埃は溝のような酷い味がした。
身体は胸から下が何かの下敷きになっている。右手も肩から礫に埋もれて動かない。
足の感覚は……ある。どうやら奇跡的に五体満足らしい。しかしそれでも、無事と言うには程遠かった。
身体のあちこちから血が滲んでいたし、頭からの流血は左目を潰してしまっていた。
磔にされたキリスト宜しく、生きていてもこのまま敵とエンカウントすれば、成す術無く死を迎えるのみ。
言わば片足が死の沼に浸かっている状態で、つまりそれは到底“生きている”とは言い難い状況だった。
どこの馬の骨かも分からない連中に、弄ばれながらくたばる。そんな未来を想像してシャーリィは歯を軋ませた。そんな惨めな最期だけは御免だ。
でも、とシャーリィは表情を曇らせる。ならばどうやって抜け出す? 力で無理矢理? いや、力技はアーツ系ではない人には元より無謀。
ブレスを使おうにも、瓦礫と身体が密着し過ぎている。迂闊に使えば我が身を傷付けてしまう。
背に腹は変えられないとも言うが、シャーリィとて女の子だ。肌を自傷する様な事は意地でもしたくなかった。
ならばとシャーリィはテルクェスを試したが、それも駄目だった。
慣れぬ左手で飛ばしてはみたものの、巨大な礫や材木に小さな魔蝶が幾ら突撃したところで焼け石に水だ。
先刻の子供二人にした様に出力を上げ勢いを出して礫を破壊する事も出来なくはなかったが、
自分の肉を守り瓦礫のみを破壊する器用さは自分にはない事をシャーリィは知っていた。
万策尽きたり。
シャーリィは嘲った。こればかりはどうにも自力で脱出出来そうにはない。
そう、“自力”では。ならば“他力”ではどうか? 無論そうなれば話は別だった。
それは誰に? 答えは決まっている。
ジルバ=マディガン。
彼女に助けを求めるしかなかった。
ジェミニシェルに懸けるという選択肢もあったが、一向に兄は来なかったし、こんな姿を見られたくもない。
なら何もしないよりはジルバに助けを求めるべきだとシャーリィは思った。
尤もこの様子ではジルバも身動きが取れない可能性があったが、それを言ってしまえば元も子もない。
簡単な話だ。かわいそうなヒロインが取る行動なんて決まっているじゃあないか。
最初から、ジルバに頼る以外の選択肢が無かったのだ。
頭のてっぺんから爪先まで他力本願。泣きべそをかきながら助けを呼ぶ自分の声に、心底吐き気がした。
「ジルバさん……! 居たら返事をして下さい! ジルバさんッ!」
惨めだ。シャーリィは叫びながら思った。誰かに縋って、泣きついて。助けを求めなければ生きる事すらままならない。
自力で抜け出すという選択肢すらありはしない。
籠の中のお姫様。不自由と嘆くだけ嘆いて、鎖を壊す努力すらしない。
ーーーあぁ、何も変わってないんだ。
シャーリィは自嘲した。皆と出会う前の、お兄ちゃんに守って貰っていた時から一つの進歩もない。
何が賭けだ、何がゲームだ。何も覆せやしなかったじゃないか。何も出来やしなかったじゃないか。結局勝負は負けたのだ。
兄も姉も取り返せず終わる。誰かに頼って、自分は何一つ出来やしない。
私には何もない。
何も。
此処でなす術無く、訳もわからず無力なまま息絶える運命なのだ。こうして無様に死ぬーーーーーーーーー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー死ぬ?
「…………や」
嗚呼、それは正に霹靂。
“死ぬ”。たかが、たかが二文字。
しかしこのたった二文字が、その瞬間にシャーリィの全身を電流となって駆け抜けた。
思えばそれを他人事として認識することはあれど、自分のものとして認識した事はなかったのだ。
いつだって守ってくれる人がいた。いつだって庇ってくれる人がいた。
いつだって大切にされてきた。殺される想像をした事など碌になかった。
だってシャーリィ=フェンネスはヒロインで、妹で、メルネスで、守られる存在なのだから。
本気で危機を感じたのは聖ガドリアの騎士に迫られた時くらいだった。
いやその時だってシャーリィは心の何処かで何かに期待していたのだ。
都合のいい奇跡。白馬に乗った王子様。運命じみた誰かの助け。
ーーーーーー馬鹿め。そんなものありはしないと、知っているくせに。
奇跡は起きない。
希望などありはしない。
夢は疾うに捨ててしまった。
未来は見えない。
もう、何も無い。
何も。
期待するものなど、
一つも。
「い、や……」
首の後ろがひやりとした。目の前が真っ暗になって、足元にぽっかりと空いた穴に体が吸い込まれてゆく。
ずるりと足首に黒いなにかが絡み付いて、身体は奈落に堕ちてゆく。
怖かった。背筋が凍る様だった。礫の下で誰にも気付かれず孤独に死んでゆく自分を俯瞰して、シャーリィは震え上がった。
ーーーーー死ぬ? 誰が? 私? 私が? 死ぬ?
こんなところで、兄にも会えずに孤独に死んでゆくとでも言うのか。
シャーリィはがちがちと奥歯を震わせながら、わななく口を開く。
「死ぬのは、嫌だっ……」
冗談じゃない。そう思った。姉にも負けて、勝ちを諦めて、賭けも無駄になって。
兄の行方も分からないまま、消えてゆく。嗚呼、なんて無様。シャーリィは呪詛の句を絞り出す様に腹の底から唸った。
人生とは何だったのか。何の為にここまで生きてきたのか。
結局、メルネスの呪いに縛られたまま、運命に翻弄されたまま、このまま哀れに死んでゆくだなんて。
嘘よ、そんなの。そんなのっ。
「……嫌だッ!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー私はまだ、死にたくない。
「そうかい。そんなに嫌なら今すぐ殺してやろうじゃないか」
土煙の緞帳。向う側、崩れた舞台。割れた桃色の貝殻。光らない爪。伸た影。
スポットライトは朝日の陽光。その空の下に、その大地の上に、ヒーローなんか居なかった。
ジルバ=マディガン。
求めていたはずの聖母の口から、けれども決して予想していなかった科白が乱暴に転がり落ちる。
早朝、青空、海の水面。髪を攫う風、砕けた石畳、割れた窓硝子、地に付す家、項垂れた花、泥の海。
地平線の向こう側で、蒼と碧が混ざり合って。
真っ赤な絶望の蕾だけが、ただ静かにそこにあった。
【09:04'00】
その人を信じていました。
いつも優しくしてくれて、私やお兄ちゃんを労わってくれていたから。
お姉ちゃんの事だって、その身を痛めながら守ってくれていた。守れなかった事に涙を流して、謝ってくれた。
本当に良い人だと思いました。怖くなるくらい。包容力も対応力も私よりも上。戦術だって直ぐに組み立ててしまう。人当たりだって良い。
優しいだけじゃなくて、賢くて強い人。きっと元の世界でもすごい人だったんだろうなって、そう思った。
兄に献身する純粋な姿勢こそ少し嫉妬したけど、心から信じていたんです。
人を信じるということは難しいです。でも、この人だけは信用できると思っていました。
それは本当でした。疑う理由なんて微塵もありはしませんでした。
この人のことは好きだし、尊敬できるし、かっこいいし、羨ましかったし。でも厭味ったらしくなくて、素敵でした。
そんな人が、ジルバさんがーーーーーー何かを嘲笑しながら目の前に立っていました。
「無事で良かった。探したんですよ、シャーリィさん」
さっきの言葉なんて無かったかの様な、甘ったるい猫撫で声。砕けた町と土煙の背景に、それはあんまりにも場違いでシャーリィはぶるりと震えた。
腹と足は抉れて、何かが飛び出していた。
理解できない方向に捻れた腕からも細くとがったそれが飛び出している。
体中には細かい木や硝子の破片が刺さっていた。どくどくと脈打つ様に血潮が瓦礫に滴る。
明らかに、異様。そう言うしかなかった。
人間なら死んでいる。耐久力と回復力が遥かにヒューマより高いとは言え、さしものガジュマも堪えるだろう。
……なのに、彼女は笑っていた。
シャーリィはその笑みが理解出来ず、半端に開いた口は終始塞がる事はなかった。
納得できるありとあらゆる常識の範疇を、その光景は超えていた。
悍ましい景色だった。その成りで、笑顔を見せていられるはずがない。有り得ない。分からない。一体この人は、何を喜んでる?
「本気で心配したんですよ? シャーリィさん。なにせ私でコレだったんですから。うふふ」
ジルバはにこりと笑った。まるで淑女がスカートの裾を摘まんで会釈をするかの様に、腹から飛び出た腸を摘まみながら、笑ってみせた。
ーーー狂っている。
シャーリィはそう思ったが、しかしその全身はピクリとも反応しなかった。指先も、声帯も。全てが時を止められた様に動かなかった。
現実を体躯が拒絶していた。理解を脳が拒んでいた。血も心も、彼女を信じ、頼りきっていたのだ。
だから次にシャーリィの脳裏に過ぎったのは、“敵にやられてこうなってしまったのか?”という純粋な疑問だった。
ジルバ=マディガンは、今のシャーリィにとって“いちばんしんようできるゆいいつのなかま”なのだから。
しかしその想像や理想を一つずつ丁寧に打ち砕く様に、ジルバは黒い笑みと言葉をシャーリィの傷に抉りこむ。
「たかが夢見がちな馬鹿な小娘の命ですが、こんなところで信頼を失うには惜しいしねぇ。
でもシャーリィさんも全く人が悪い。必死に瓦礫から這い出てまで探し回ったのが徒労でしたよ」
やれやれと肩を竦めながら、ジルバは淡々と言う。シャーリィは声一つ上げる事すら出来なかった。
その残酷な言葉の理由を探す事だけに全神経を集中させたが、幾ら探そうがそんなものはありはしなかった。有り得ないのだ。
それでも、シャーリィはふるふると首を降る。壊れた機械人形の様に、これは違う、何か理由があるのだ、と。
黒い予感に目の前が染まってゆく。頭の中で何かが潰れる音がした。
腐った果物が潰れる様に、信頼や希望とか、そういった類のものが汚い体液を吐きながら無残に潰れてゆく。
ぶちゃり、ぶちゃ、べちゃ。崩れて潰れて吐き捨てられて、後には腐った汁以外何も無い。
立派なものは名前と外見だけだった。
「それが真逆、動けなくなっていただなんて。本当に最期まで笑わせてくれますよね、貴女は。
てっきり私は、だぁい好きなお兄ちゃんのところに行ってしまったかと。
もしそうだとしたら自殺しに行くようなもんだからねぇ。多分あの復讐馬鹿はとっくにくたばっちまってる頃だろうしさあ。それは困りますからねえ」
ぺちぺちと蔓を掌に打ち付けながら、ジルバは言った。顔は笑っているのに、目はちっとも笑っていない。
シャーリィは目線一つ動かさず、乾いた声で笑うーーーええと、このひとはなにをいっているのだろう。
「あの脳筋肉壁は別にいつ死のうが構わないが、利用価値がある傀儡兵器〈メルネス〉の力を失うのは惜しい。
カイウス=クオールズとチェルシー=トーンを殺しに行くまでは、そう思ってましたよ。
でも真逆、テルクェスであんな事をしていただなんて……ショックでしたよ。
信頼を失ってしまったのかと、涙すら流しました」
ジルバはにこりと笑って言葉をつらつらと並べる。
乾いた海風が街を駆け抜けた。青い空には黄金の太陽が浮かんでいる。嘘みたいに良い天気で、海の爽やかな塩の匂いが満ちていた。
まるで世界は平和そのものだった。争いなんか、差別なんかそこには何もない。
誰もが手を取り合って笑っている世界。そんな気すらした。」
ただその中で目の前の景色だけが、信頼していた人の笑顔だけが、ひたすら人形のように機械的で、現実感も失っていて。
まるで私以外が偽物になっているみたいで、今までを全部否定された気がして。
それがどうしようもなく怖くて、気持ち悪かった。
「私は判断するしかありませんでした。ええ、私としても断腸の思いでしたよ。しかし仕方がないのですシャーリィさん。
だってこうまで私の気持ちを裏切られては……処分するのも致し方ありませんよね?」
しょぶん? シャーリィは掠れた声で繰り返す。崩れそうな表情は文字で表現出来るどの感情でもない、酷く曖昧なものだった。
……私? 私が悪かった? 私がテルクェスで余計な事をしたから? だからジルバさんはこんなに意地悪を言うの?
ああ、そっか。怒ってるんだ。うん。それはそうよね。私が嘘吐いたんだから。少しくらい機嫌が悪くなっても不思議じゃないわ。
でも、こんなに怒らなくたっていいじゃない。ふふ。
「ジル、バ、さん……」
やっとの思いで呟いた意味の無い言葉は、嫌に震えて自分の声ではないかの様で。
楽観的な考えと、口から出る感情は矛盾しか無かった。
いっそ目の前の恩人もこの物語も夢だったら良かったのにと、少女は生温い唾を呑み込んだ。
「でも、本当に」
だけれど許しを請う哀れな信者の如く、それを受け入れる生母の如く。目の前の人は天使でさえしないような微笑みを見せる。
だから私はほっと胸を撫で下ろした。やっぱり間違っていたんだ。この人があんな事を言うはずがない。
こんなに優しい笑顔を浮かべる人が、私達を騙していたはずがない。そんな事あるわけない。
あぁ良かった。ジルバさん冗談きついですよ。私は貴女を信じているのに、貴方が私を、
「貴女が無様に這いつくばっていた事さえ知っていれば、もっと早く殺しにきましたのに」
裏切ったかと、思ったじゃない。
「残念ですが貴女はもう用済みです。そろそろ舞台から降りて貰えませんか、道化のオヒメサマ」
瓦礫から一歩踏み出して、執事がする様なわざとらしい一礼。絶望に染まった目の前の哀れな少女の表情を見てもなお、ジルバの微笑みは揺るがない。
べったりと張り付いた天使の微笑みは、プラスチックのように固く無機質で、鉄のように冷たく、能面のようにどこまでも感情がなかった。
桃色の貝殻が、女の足元に落ちていた。それに気付いて、右足でゆっくりと踏み砕く。年端も行かぬ子供が虫の足を一本ずつ捥ぐ様に、残酷で、丁寧に、楽しみながら。
べきべきと悲鳴を上げながら、現実と絶望が愛しい兄との繋がりを殺してゆく。
少女はここで漸く理解する。味方など一人も居なかった。希望などまやかしだった。夢など産まれた時から存在しなかった。
ーーーーーーーーーあぁ……なんだ。そっかぁ。
はぁ。ははっ。私、最初っから騙されてたんだ。
支援
あ、投下終了か...お疲れ様です
支援できなくてごめんなさい
続き楽しみに待ってます
初代ロワは参加者全員がある意味公平で素晴らしかった
今回も同じような展開が理想的
投下乙。
ジルバはここで裏切るか…。ちょっと予想外。
これが吉と出るか凶と出るか。シャーリィの秘奥義がまだ発動してないのがキーポイントかな?
投下乙。
絶望一直線、まさかのジルバ裏切り。こっからシャーリィが逆転出来る可能性がほぼねぇよ…
しかし秘奥義使うんだよな、シャーリィ?うーん予想出来んな
デミテルの二の舞にしか思えん
嫌な予感しかしない…
やはり今回も主催者の勝ちなんだろうな…(絶望)
でもそれと底の見えない鬱展開こそがこのロワのウリ
134 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 00:39:30 ID:XxciBcqjO
結果としてはミクトランの一人勝ち。
そして、ミクトランにも救いがあったかどうかは分からない。
本当にミクトランなのか?っていうディムロスの言葉が心に残る。
本当に……鬱ロワだ。
最後に一つ。
精霊王とかセイファートとかにミクトランは目を向けているが、ゲオルギアスを忘れないでくれ……
139 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 00:45:17 ID:4j86RRie0
他ロワ書き手としてここの文章力の高さにはいつも感嘆していました。
優勝なのか全滅なのか、とにかく無常感が凄まじい、GJ&乙。
Sしか知らなかったけど最後まで面白く追っていられたぜ!
140 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 00:54:09 ID:a7zcxSRi0
ヴェイグのエンディングがリアルタイムで1レス毎に追ったら
あまりの鬱さにこっちも発狂しかけた…
いまはただ余韻に浸りたい……
141 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 00:54:32 ID:rFnxQrqGO
とりあえず、残された人達が不幸過ぎるぜ……………クラース以外
145 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 01:15:39 ID:QovenxZc0
最後の最後に鬱になったよ。
147 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 01:30:24 ID:yFiLlOoq0
バッドエンドか・・・
てっきち6人くらいでミクトランと戦うとばかり昔は思ってたんだがな
148 : 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] : 2008/01/01(火) 01:53:29 ID:RvdxqxC90
ヴェイグの最期が恐ろしすぎた。
他にも色々書きたいことがあったはずだけどまとまらない。
もうこれからSやRやD2やらをプレイしても、キャラたちのあんな最期やこんな最期しか思い出さないんだろうな(誉め言葉)
あとクレスは薬中、シャーリィは酢飯、ティトレイは人形、ロイドやヴェイグは志が折れた状態のイメージがデフォに。
あ、カイルはもちろん魔法元少年で。
初代ロワ完結時のコメント(容量の関係上一部削除)
なおゲオルギアスは既に弱ってる模様
参考
http://neoending.web.fc2.com/game/tagyou/talerev.htm
投下きてたー!
シャーリィもジルバもボロボロだけどここからどうなるか楽しみ
>>617 せやな
>>618 確かにゲオルギアスは初代優勝者たちと戦ったからミクトラン様が手を出すまでもなく弱ったんやったな
>>619 なんとかなるんじゃね?(すっとぼけ)
愛知の書き手さん、パチンコ店火災の影響に巻き込まれて可哀想
ようやく新幹線運転再開したけど今夜の投稿がどうなることやら
とりあえず救いが全くない路線で希望
あけましておめでとうございます、今年は執筆頑張ります!
あっ、挨拶ついでに投下します。支援もあると嬉しいです。
支援
煌髪人の髪は、水中で淡い蛍光色に光る性質がある。
一説によれば、水中の一定に保たれた高い濃度の滄我に晒される事で、彼女達の髪は発光するのではと言われている。
曖昧な言い方なのは、確りとしたメカニズムが未だに解明されていないからだ。
今となっては水の民は希少人種なうえ、陸の民を忌み嫌う彼女達が研究対象として扱われる事を潔しとするはずがなかった。
何より大陸の法で水の民への捕縛解剖が禁止された事が大きい。正攻法では水の民の身体を遊べなくなってしまった。
しかし、やはり水の民を拉致監禁、人体実験を繰り返す科学者は少なからずいた。
奴隷制度は遥か過去の錆びた産物。政治の場で大口を開けて人種差別など今日日流行らない。
それでも彼女達を理不尽な暴力で押さえ付け、その力を解明し手に入れようとする輩は後を絶たなかった。
滄我砲。
テルクェス。
爪術。
メルネス。
光跡翼。
大沈下。
あらゆる技術、あらゆる力。そして故郷。水の民は、陸の民に無い全てを持っていたからだ。
陸の民は、圧倒的少数で敗北者であった水の民が、自分達よりも技術的能力的に遥かに優れている事が気に入らなかった。
数で押さえ付ける事は出来ても、恐怖は無くならない。
法が世界を支配した今となっては、余程の大義名分がない限り水の民を殲滅しようとする事も出来ない。
戦争を起こせばと言えど、初戦は外交だ。
倫理的な問題で体裁上は下手に暴力は使えないし、水の民が仲間を絶対に売らない事は火を見るよりも明らかだった。
宗教的、或いは盲目的と言っていいほどの陸嫌いはあらゆる意味で厄介だ。
従って彼等から技術を取り上げる事は、限りなく不可能に近かった。だから陸の民は、陰で法を犯し日向でシラを切るほかなかったのだ。
ここ数年は陸の民にも漸く爪術を使える者が増え出し研究も進んだが、それでも爪術士の絶対数は少ないのが現状だった。
特に爪幻術。こればかりは生まれ持った才で陸の民には決して使えない。
そうでなくとも陸の民は、爪体術か爪晶術のどちらかしか使えなかった。
故にワルター=デルクェスの様な三系統を使いこなす爪術士は、陸の民の目からは驚異的に、そして同時に魅力的に映った。
全てのキーワードは、滄我。ひいては爪術だ。
爪術を使うと陸の民は爪が発光し、水の民は爪と髪が発光した。水の民には稀に全身をテルクェスの色に光らせる者も居たが、多くは髪のみを光らせた。
何故水の民は髪が光るのか。爪幻術に無関係と考える方が常識外れだった。
もし本当に髪が爪術に関係しているなら、それを解明すれば研究は大きく前進する。
陸の民がテルクェスを扱い、案山子を操り、人工メルネスを造り、水の民の伝統と兵器を奪う事も夢物語ではなくなるのだ。
仮にそれが実現すれば、名実共に陸の民がこの星の覇者となる。陸の民同士でも優劣が生じる。
一早く水の民の身体の謎を解明した国が、この星を制するのだ。これは言わば、水面下でのもう一つの戦争だった。
故に研究者達が血眼になって水の民の髪に注目するのは自然な流れだった。
髪が光るのは、二つの場面に限られる。一つは水中。水中以外で光る事はごく稀で、爪術を使う時のみに限られた。
これが二つ目だった。爪術は、滄我の力を一時的に借りる術。故に地上で常時発光する事はないが、特異な例外が一つだけあった。
【09:04'31】
支援します
支援
しえ!
「なん、で?」
消え入りそうな声で、呟く。金色の双眸は氷の様に冷たく少女を見下していた。
みしり。
何かが軋む音がした。ざわざわと、少女の胸の中で黒い何かが不規則に揺れている。
「……しん、じて、た、のに」
月並みな台詞が間抜けな口からぽろぽろと零れ落ちた。絶望も恐怖もそこには無くて、おかしなくらい無感情な声が鼓膜を揺らす。
ジルバは肩を竦めてその言葉を鼻で嗤った。天使のそれは余韻一つ残さずとっくに消え、悪魔の様に醜悪な笑みになっていた。
「ずっと、わたしのこと、だましてたん、です、か」
情けなく震える声はまるで漫画の世界の薄幸の町娘の様で、女は呆れた様に肩を竦めた。
「騙していた?」女が言う。「随分人聞きの悪い事を言うじゃないか」
「ひとぎきの、わるい?」少女の口から冷笑になりかけた何かが溢れた。「だましてないならなんなんですか、これはっ」
「……勘違いしているようだけどね」
女は溜息を吐き、言う。そんな事も解らないのかと呆れた様な声だった。
女の後ろには崩れた教会。片翼を砕かれた逆十字の向こう側に、白銀の太陽が輝いている。
神も仏も居ないこの世界で、それはとびきり奇妙な後光だった。
「私は騙してた事を否定するつもりはないんですよ。ですがだからって私だけが悪いみたいに言うのは気に入りませんねぇ。
えぇ、確かに騙す事は悪い事ですとも。ですが」
そこで女は言葉を切った。
みしみし。少女の胸の奥で何かが悲鳴をあげている。
皹割れたそこから、黒い感情が蠢動して、心臓を包み込む。赤い血潮が、暗く深く澱んでゆく。
喘ぐ少女の目の前で、女はさぞつまらなさそうに首をこきりと鳴らした。それから無表情のまま小さく息を吸って。
「ーーーーーー騙される方も、悪いんですよ」
……そして、冷徹にそう吐き捨てる。開き直った餓鬼の様に、陳腐な下町の小悪党の様に。
しかしそんな出鱈目で馬鹿みたいな言葉にさえ、有無を言わさぬ妙な説得力があった。
間違いを間違いとして認めながら、悪を悪と言いながら、間違いは間違いじゃなく、悪は悪じゃないと言っているような。
そんな矛盾が宙に浮かんでいた。
しかしその矛盾さえ、ただ世界を騙しているだけじゃないかと。
神を騙して嘘の理を吐いているんじゃないかと。
王を騙して嘘の法を作ったんじゃないかと。
宇宙の真理や唯一の真実さえ捻じ曲げてしまう様な、虚偽で固められたおかしな理屈が女の舌の上で成立してしまっていた。
それが屁理屈だと頭では分かっていても、故に少女は空いた口を塞ごうとする事が精々だった。
真偽など、女の前では意味がないのだ。嘘は真実で、真実は真実で、嘘が嘘で、真実が嘘だった。そこに正解は無かった。
「そ、そん、なの。そんなっ、そんなことっ」
何かがおかしくなってしまっている。少女はそう思った。
だけれどその何かを掴もうとすればするほど指の隙間から煙のように漏れ落ちて、判らせてくれはしなかった。
ただ一つだけが分かる。確実に、何かが狂い始めているという事。
「おにぃ、わたしがっ、わたしにっ、あやっ、あやまってっ。ひどいこと、したんだからっ」
がたがたと震える身体、不規則な呼吸。吐き出される嗚咽混じりの台詞は三歳児のそれの様に稚拙で単純だった。
「謝る? 何故です?」
支援
しかし女はわざとらしく小首を傾げながら、懐から柳刃包丁を取り出す。
恐らく崩れた民家から盗ったであろうそれは、埃に汚れ泥塗れだった。
少女の震えが思わず止まる。その切っ先は、この呪われた島で初めて向けられた明確な“殺意”だったから。
「理解しかねますねぇ。何処かの馬鹿が私の独り言を勝手に信じただけではないですか。
確かに結果的にセネルさんは堕ちて少女を殺した結果無様な木偶になったり、
シャーリィさんは酷く心を痛めた挙句、今から奇しくも何者かに殺される予定ですが」
女は包丁の泥を丁寧に落としながら白々しく笑い、続ける。
......
「私は悪くない」
少女は唖然とせざるを得なかった。言うに事欠いて、この女は自分は悪くないと言い切ったのだ。
目の前の暴言を否定する気すら起こらなかった。理解が追いつかなかったし、何より少女の中で大切なものが殆ど砕けてしまっていた。
女は包丁を空に翳し両面を太陽の光に反射させると、何かに納得した様に頷き、鼻唄混じりに足を進める。
少女は凡そ反抗するための気力と呼べるものが尽く削がれてしまっていた。
「……セネルさんは自分で決意して蛇の道を進みました。素晴らしい事じゃないですか。勇気の要る選択だったと思いますよ?
あくまでも私はそれを蛇役に徹して手伝っただけです。むしろ感謝されて然るべきだと思いますがねぇ。
そもそも虫がよすぎるとは思いませんか? 私の言葉を勝手に信じた癖に、それが嘘だったから今度は勝手に逆ギレとは」
女が少女の瞳を見る。憎悪も怒りも嫌悪も感動さえも、そこにはなかった。冬の湖のように酷く透明で、どこまでも深かった。
少女は目を逸らすことが出来なかった。純粋な殺意だけが、こちらを向いている。
まるで散歩の途中に出会った近所の住人に挨拶をするような、そんな義務感のようなものだけがあった。
この人は殺す。少女は思った。この人は、今から私を殺す。
それは予想でも運命でも何でも無く、そういう決定事項のように思えた。
「それが何だって? “謝って?” 反吐が出るね。
見捨てられる怖さから傀儡に徹して他人に責を押し付け、
我が身可愛さに他人に助けを縋った屑が言える台詞じゃあないじゃないか」
刺して砕いて踏みにじって、ボロボロの小動物をそれでもまだ叩く。
的確に心の臓を撃ち抜く罵詈雑言のマシンガンは、肉片一つ残さず硝煙と弾倉を吐き続けた。
「だいいち私を参謀に置いたのは貴女方ではないですか。それを糾弾される筋合いはないどころか、むしろ迷惑ですよ。
貴女だって散々嘘を吐いていたではありませんか。セネルさんと私に黙って情報を敵にリークしていましたよね?」
「そ、それはっ」
「これを裏切りと言わず、騙していたと言わず何と言うのですか? 私は騙されていたんですよ? ならば騙し返すのは当たり前でしょう?
これまで騙していたなりに、それを隠して皆さんに尽くしてきたのに。それも折角騙すのを止めて、本当に協力しようかと思っていたのに!
その矢先にこんなッ、こんな裏切りがありますかッ!?」
支援
リアルタイム投下久々!
そうか、そうだった。
肉迫する白刃を直視しながら、少女は胸の奥で半壊した何かを鼻で笑った。
虚偽の信頼でも、それは仲間として足る充分な信頼だった。バレなければ、皆が幸せだったのだ。
それを先に崩してしまったのは、他ならぬ自分だった。
例えそれがどんな理由であろうが、自分の口からでなくあの少年少女の口から語られたものであっても、裏切られた事を知ったジルバさんの気持ちはどうだったろう。
お兄ちゃんと私を利用していたとしても、ジルバさんはその事を隠して、私達に尽くしてくれていたじゃないか。
表面上の信頼だったとしても、先にそれを砕いたのはーーー私だったんだ。
折角、ジルバさんがそれを止めようとしていたのに。私が裏切ってしまったから。
あぁ。
そうか。
そうだったんだ。
悪いのはまた私だったんだ。
わたしがみんなをうらぎったんだ。
「打算抜きの付き合いなど有り得ない。金と命と名誉と地位に勝るものなど有りはしない。友情などゴミクズだ。
結局誰かを利用して生きるのがヒトなのです。他人の不幸を喜び、誰かを蹴落とし自分の手を汚さず誰かに罪を被せる。
卑しい卑しい下劣さこそが人間の本質だ。しかしそれをバラしてはいけない。暗黙の了解ですからね。
妬み、恨み、怒り、哀れみ。悪気はなくとも友や兄妹にさえその感情はある。たかが出会って一日やそこらの人間なら尚更でしょう。
それを理解した上で、表面を取り繕い黙っているのが賢い生き方というもの。
しかし貴女は愚かにも、間接的にではありますがバラしてしまった。そしてあろう事かそれを棚上げして私だけを責める始末。
何て幸せな頭なんでしょう。羨ましい限りです。それを言っては戦争でしょうに。
平和な解決など有り得ないんですよ。貴女は大方、自分だけが正しいつもりでいたのでしょう?
自分に力がない事に甘えて黙ったままの癖に、黒い道の兄を助けようと努力したつもりでいたのでしょう?」
ーーー自惚れるな雌餓鬼が。
女は無表情のままつらつらと言葉を並べながら、仰向けの少女の枕元に立つ。
手にはすらりと伸びた包丁。空を舞う蝶を狙うには些か頼りなかったが、逃げられぬ磔の蝶の翅を千切るには十分過ぎた。
「目には目を。歯には歯を。裏切りには裏切りを。復讐には復讐を。殺し合いには殺し合いを。
……故に私は“何も悪くない”。
悪いのは殺し合いをさせている道化師と、先に私を騙していた事をバラして関係を崩した貴女です。
そうでしょう? 違いますか? 反論はありますか?」
ゆっくりと膝を曲げながら、女は唇だけを歪めた。口の端からは黒い血が流れている。
少女は何も言わなかった。言えなかった。
「いい気になるなよ悲劇のヒロイン。全部お前のせいなんだよ。お前のせいで、兄も姉も死んだんだ。
私の世界にお前らなど要らぬわ!!」
ちゃきり。刃が風をひゅうと切りながら翻って、少女の首筋に当たった。小さく息を吸うと、少しだけ切っ先が喉元に沈むのが分かった。
少女の中を冷たい風が吹き抜ける。遮るものは無かった。悲しいくらいに空虚で、どうしようもなく陳腐だ。
その中で、縋っていた最後の欠片が床に落ちている。殆どが砕けて海の藻屑と化したが、それだけは何かを拒むようにそこにあった。
ざわり、と心の奥で黒い波が揺れた。
はっとした。
胸の中で、嫌な予感がどっと膨れ上がる。黒い波が暴れ出す。
壊れたレコーダーみたく、劣化した声が鼓膜の内側でがんがんと響いていた。
“お前のせいで、兄も姉も死んだんだ”。
その台詞は事実として飲み込むべきだった。感情は押しこむべきだった。きっとこれ以上は踏み込んではいけない。解っていた。
真実が何時も正義とは限らない。だけれど、少女は問わざるを得なかった。そんな言葉を聴いて黙ってなどいられなかった。
楽しみな支援
しえん
「……待って。じゃあ、」
だって、縋る最後の欠片を守りたかったから。
“家族”という何よりも大切な大切な欠片を、その絆を、守りたかったから。
どれだけ凡俗な言葉でも、それは少女が少女を保っていられる最期のひとつだった。
「お姉ちゃんを襲ったのは」
それを喪えば、今度こそ終わってしまう。
だけれどこの質問の回答で砕けてしまう事は、きっと分かっていた。
真実はずっと残酷で、騙されていた方が余程良かったなんて話はザラだ。
「お兄ちゃんを堕としたのは」
それでも訊いてしまうのは、いっそ死ぬならどこまでも堕ちたいと思ったからなのだろうか。
何も変わらず逃げて任せてズルく生きていた自分を、最後くらい変えたかったのだと思ったからだろうか。
或いは、そう。こうする事が贖罪なのだと。そう思ったからだろうか。
「こんな事になったのは」
首筋に当たる刃は氷のように冷たい。死の温度を間近に感じながら、少女は静かに瞼を下ろした。
罪には、罰を。簡単な話だった。死にたくないとか、生きたいとか。そんなことはどうでもよく思えた。
私は、此処で、死ぬべきだ。
そう思いながら震える唇を開く。胸の奥で黒い波が怨嗟を叫ぶように轟々と渦巻いている。
「お姉ちゃんをーーーーーー殺したのは」
ホント、なんで訊いてしまったんだろう。少女は思った。返ってくる言葉など、分かっていたはずなのに。
それに耐えられるほど自分が強くない事だって、知っていたのに。ここで大人しく死んでいれば、全部終わったのに。
少女は目を開く。恍惚に歪んだ表情は、とても数分前に見た女のものとは思えなかった。
人間なんかじゃない。悪魔さえ劣る。これは、鬼だ。
支援
支援
なんということでしょう…
その鬼は私の絶望の表情を半秒見つめ、そして耳元で囁く。
ぜぇんぶ、私だよ。
器から、黒い波がごぽりと溢れた。
それを合図にぐるりと世界が反転する。太陽が暗闇の彼方に消えて、雲が黒く塗り潰される。
木々が赤黒く朽ち果てて、大地に咲く小さな花は腐った溝色に変わった。
疎らな影は目が痛いくらいに白く染まり、空には深い海が満ちて、大地には黒い月が嗤う。
少女の中で、ばぎんと音を上げながら最後の欠片が砕け散った。
高く積み上げた積み木を土台から横薙ぐ様にーーー家族との信頼とか希望とか、何か大切なそういったものが全部砕けて、渦に呑まれてゆく。
姉を殺され、兄を落とされ、屁理屈で自分が悪いと揶揄され。挙句こうして殺されようとしている。こんな酷い話があるもんか。
無かった。
最初から、無かったのだ。
本物なんて、何処にも。
この島での彼女の物語は最初からーーーーーー嘘で塗り潰された、薄汚い紛い物だった。
鬼畜支援
「う、ぅう、ぅあ、ぁ、あ゛、あっ、あぁ、あぁ、、、、ああぁ、、あ、あ゛、、、あっ、うぅぅ、あぁァぅううう、うう、うぁあああ、、
ううう゛ううぅぅゥゥうう゛ぅ゛ううっ、ぅ゛、、、あ、ぅ、ウウ゛う、うゥう゛あ゛あ、、ぁ゛ぁ゛ぁッ、ああ゛あ、あ゛ああ゛あァァ」
喉が潰れた声を不細工に吐き出す。瞳が真っ赤な血の涙を流す。
ぱたぱたと、軽い音を上げながら理性が倒れてゆく。
シャーリィはただその小さな体をがたがたと震わせながら、目の前の鬼を見た。鬼は包丁を手に小さく嗤い、そして呟く。
「哀れな娘」
……あぁ。
シャーリィは腹の底で諦めたように唸った。
わたし、何してきたんだっけ。何を諦めたかったんだっけ。必死になって、どうして生きてきたんだっけ。一体何を賭けてたんだっけ。
なにをしんじても、うらぎられる。ここにはほんをものなんか、どこにもなかった。ぜんぶうそなんだ。
……あぁそっか。あは。なぁんだ。うそかぁ。
ふふ。だったらわたしも、あなたも、おにいちゃんも、なにもかも。
みんな、みんな、みんな、みんなみんなみんな、どうでもいいじゃない。
こんなせかい、もう、いらないや。
【09:05'15】
支援
初代を彷彿とさせる展開だな
支援
……その特異な例外を、太古から人々はこう呼び続けてきた。
メルネス。
曰く、大いなる滄我の力を受け覚醒したメルネスの髪のみが地上で光る事を許された、と。
滄我を宿したメルネスの状態は、水中のそれとほぼ同等だからではないかと専門家は言う。
通常なら水中でのみ保たれる高純度滄我を、滄我そのものと融合する事で擬似的に地上で再現出来る。
それが伝承上でのメルネスだった。
そしてシャーリィ=フェンネスの覚醒で、その伝承は事実となる。学者達は生唾を飲んだ。
手札が揃ってしまった。シャーリィ=フェンネスを手に入れれば、この戦争は勝ちだ。
萎縮された滄我さえ満ちていれば、髪は発光する。大気中の滄我であっても、水中であっても、火の中であっても。
そしてそれを可能とするのがメルネス。ならばメルネスを拉致して人工的に量産すれば良い。
子孫には遺伝しないと言うが、それも実験すれば良い。気の済むまで孕ませれば良い。
どうせ水の民だ。人権など知ったことか。壊れようが知ったことか。倫理など知ったことか。
滄我を意のままに操るメルネスの力を解明出来れば、水の民の牙城を崩せる。滄我砲すら凌駕する、圧倒的軍事力になる。
しかし、セネル率いる英雄一行はそれを人知れず阻止してしまった。
陸の民の暗部の動きは、そうして語られざる歴史として幕を閉じる。
……漠然と水の民の特徴や歴史を聞いただけだったが、この程度の予想をするくらいはジルバ=マディガンにも出来た。
地上で髪が光る条件は、滄我が水中の様に周囲に満ちている事なのだと。
メルネスにしか出来ない芸当だが、それだけに末恐ろしい。
フォルス能力者で言うならば、これは“制御出来る暴走”。クールバーストのままフルスロットルで回るフォルスキューブ。
言うまでもなく、危険だった。
“そしてその危険が目の前で起きてしまっている”。
今、少女シャーリィ=フェンネスの髪はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー明らかに光っていた。
詠唱ではない。ならば何故。このタイミングでメルネスとしての覚醒などあり得ない。
常軌を逸した現象に、思わずジルバの手が止まる。
瞬間、数十の青い蝶が包丁と腕に纏わり付いた。まるで誘蛾灯に群がる夏の虫のようだった。
それを払う前に蝶達は爆ぜて、包丁はジルバの腕ごと空を舞った。
細かい描写も、グロテスクな描写も間に合わない。電光より鋭く、疾風よりも速い。あっと言う間の出来事だった。
蝶達は脆い肉を嘲笑うように、網膜に青い鱗粉の軌跡を残して空に溶けてゆく。
血飛沫の放物線を眺めながら、咄嗟にジルバはバックステップで距離を取った。激痛が走ると同時に、しまった、と失態に気付く。
結果的にその判断が、メルネスにコンマ数秒の僅かな、しかし決定的な時間を与えてしまう。
倒れる少女の髪がふわりと揺れて強く光る。
氷の様に澄んだその色はどこまでも冷めて鋭く、しかしかと思えば、掴むと溶けてしまう粉雪のようにーーー繊細で、儚かった。
水色に光る爪先が歪な弧を描いて、空に煌めく軌跡を残した。
片腕で祈るようなポーズで、空を仰ぐ。まるで薄汚れた聖女が神に懺悔するようだった。
逆転くるか?
一瞬の、静寂。
世界が呼吸を止めてしまったみたいに、星が回るのを止めてしまったみたいに、何もかもが凍てついていた。
ただ、世界は決して青色に染まらない。海に溺れない。クライマックスモードではない。
けれど風は止み、波も止み、雲は泳ぎを止め、草は背筋を伸ばした。
まるで何かの理にそうしろと命じたみたく、怯えているように、世界は音を消してしまっていた。
ここまでバックステップから凡そ半秒。獣は息を飲む。飲まざるを得ない。およそ人が出せる力の域を、それは超えてしまっていた。
認めぬ。獣はそう思った。認めるわけにゆくものか。
雪が降る夜のように、そこにはただ真っ白な静寂だけが残っている。しかしその静寂は一秒と続かない。
空が、啼いたからだ。
星の唸り声が鼓膜をびりりと揺らし、針を刺す様な緊張感が空気を震わせる。
どう、と大きな音がした。否、音というよりはそれは衝撃に近かった。爆音を鳴らすウーファーの前にいるかのような感覚だった。
腹の芯まで音が揺らし、びりびりと妙な圧力が肺を押す。世界はメルネスの小さな祈りに応える様に、空と、空気と、海と、大地を震撼させた。
死。
揺れる世界に身体のバランスを崩されながらも、さしものジルバもそれを直感した。長年の勘が言っている。
風船を押し潰すみたく、得体の知れない何かがこの星を外側から殴っている。そんな音と振動が、町に満ちていた。
今にもその圧力に耐えられず割れてしまいそうな空を仰ぎながら、しかし獣は額に青筋を浮かべる。弾け飛んだ腕の痛みなどとうに消えていた。
認めたくない。だが認めざるを得なかった。
獣は言葉以前の何かを叫びながらがむしゃらに駆けた。
片腕は消し飛び、片腕は折れている。抵抗など出来ない。それでも駆けた。
どこか遠くへ逃げるでもなく、隠れるでもなく。少女に向かって、牙を剥き出しにして駆けた。
そう、奥歯が震えるこの感覚は、背筋が凍るようなこの気持ちは、膝が笑うこの理由は、その感情の正体は。
ーーーーーーーーー恐怖だった。
生まれて初めてのヒトに対する恐怖だった。晶霊砲なんかではなく、ヒトに対する畏怖だった。
今まで誰にも恐怖した事がないジルバの、初めての、恐怖。
たかがくたばりかけのヒューマの餓鬼一人に怯えている。その情けない事実に無性に腹が立って、どうにも許せなかった。
ズタズタに切り裂かれるプライドを虚栄で塗り固める様に、震える足で大地を蹴る。
首まで一直線。動脈を噛みちぎって、終いだ。
そうとも。
この私が。
この、私が!
「恐怖するなど、あり得てたまるかあああああぁぁァァァァァァッ!!!!!!!!」
「海に抗う者よ、覚悟を。蒼き海の裁きを此処に。仇なす者を雄大なる力にてッ!!」
支援
支援
癒す事は、壊す事に似ていた。
滄我は、静と猛りの相反する二種がある。
しかし元来彼女の星で滄我と言えば、それは猛りの、大いなる滄我の事であった。
猛りと対を成す静の滄我は、滄我でないとさえ言われる事さえあった。
それは或いは、静かの滄我が別の星からやってきたとされているからなのかもしれない。
言わば崇められる神に噛み付いた紛い物。蔑まれ村八分にされて当然だ。
成程それは確かに一般論での“正解”だが、しかし問題の本質としては最も核心から離れた解だった。
水の民は、かつてその歴史が始まった以前から存在し、共に生活を歩んできた猛りの滄我こそが本物の滄我としてきた。
水の民を苦しめ迫害した陸の民に憤怒した滄我を、水の民が同胞とし崇めるのは自然な流れだ。
剰え、爪術やメルネスという要素を抱えているのだ。なるべくしてそうなったと言えた。
そうして唯一の理解者を信仰の対象とし、敵を明確に定め固める事で、水の民はその繋がりを強固に、よりいっそう血を濃くしていった。
宇宙から来た外来種であろうがなかろうが、水の民にとってはどうでも良かったのだ。
ただ陸の民を憎む理由と、一族の思想を統一する術があれば、それで良かった。静の滄我は、偶像を維持する為のただの身代わり仔羊だった。
マウリッツを始めとする一族の上層部は、それを理解して利用している節さえあった。
そしていつしか水の民は、地下に広がる穏やかな、水も陸も関係なく日和る滄我を敵とし、その大地に軽蔑の念を込めてこう呼ぶようになる。
ーーー打ち捨てられた地、と。
互いが手を取る未来はない。協力などあり得ない。光と闇が相入れない様に、陸と水は決して理解し合えない。
ならば静と猛りも分かり合えるはずがなかった。
しかし彼等は、彼女は違った。
シャーリィ=フェンネス。
一度はメルネスとして覚醒した少女も、最終的に静と猛りの双方を認め、水と陸の仲を取り持ち、一族と世界に平和を齎してみせた。
ああそれはなんて……なんて素晴らしい、ハッピーエンド。
しかしそんな彼女も、理解していない筈がなかった。
一度は猛りの滄我を身に宿し、全てを壊そうと企んだのだ。その力と、二つの滄我を経た聖爪術の力。
どちらがより破壊に特化し、力を持っていたか?
言うまでもなかった。プラスとマイナス、水と油、光と闇。真反対の二つを一つの体に入れるより、同じ属性に尖った能力の方が強いに決まっていた。
シャーリィは恐れた。大いなる滄我と言い換えながらも、怒りを宥めながらも、猛りの滄我の力を恐れてしまった。
だから少女は、秘奥義に静の滄我を選んだ。
力に特化した秘奥義を封印して、癒しに特化したそれを行使したのだ。
本当は、使えたのに。
静の滄我を極めた術、海の癒し。それと対局に位置する猛りの滄我を極めた力を、使えたはずなのに。
使おうとした事すらありはしなかった。
だが、この土壇場で。
死の危機と深い絶望、極限の逆境を糧にして、シャーリィフェンネスの最大の奥義はーーーーーーーーーーーー進化を遂げる。
やっぱり絶望しかないという非情な現実こそこのロワだね!
支援
支援
それは、癒しを騙った怒りだった。
癒やすことが出来るなら、壊すことだって出来る。
どこを癒やせば助けられるかが分かれば、どこを壊せば殺せるかが分かる。
癒せないなら、全部を壊せ。殺し尽くせば、そこはきっと痛みも悲しみもない、癒しの世界になるんだろうよ。
癒す者を、癒す理由を失って、ただただ破壊に特化したーーーーーーーーーーーーーーーーーーー嗚呼それは正に、“怒り”。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーくたばれええエぇェェぇえェぇぇぇェェェェッッ!!!!」
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー飲み込めええエぇェェぇえェぇぇぇェェェェッッ!!!!」
猛る海、荒ぶる力、割れる空、淡翠色に輝く髪。海が持つ陸の民への憎しみが、かつて受けてきた屈辱が。雪辱が。
その刹那、波に具現し大地と命を掻っ攫う。
突如として現れた津波。獣は目を血走らせ、口をあんぐりと開けてただ間抜けに見上げる。
“聞いていない”。
こんな事が出来るだなんて。ここまでの力を持っていただなんて……聞いてない。
肩を震わせ、がちがちと歯を鳴らし、獣は笑った。膝がかくんと力を失い、体は地に沈んだ。
……何だ。
何なんだ。
何だ、これは。
何なんだ、これは!
「お前は何なんだ、シャーリィ! シャーリィ=フェンネスゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!」
しえん!
支援
恐怖が四肢を支配した。遥か遠く空の半分を覆うその魔波は、巨大な壁となり世界を押し潰す。
太陽が水の向こう側に消え、景色は青黒い影に沈んだ。獣は焦点の合わぬ目でそれを見上げ、絶句し……そして全てを理解した。
獣はこれと同系列の技を知っている。
禁術ーーーーーーーーーアクエリアススフィア。
「死ぬ……? この、私が……!? 馬鹿な、馬鹿なあああああ!!!!」
具現した大津波が弾け、激流となって全てを洗い流す、聖獣シャオルーンが操る禁忌の術。
強大な波は天をも覆い、万物魑魅魍魎その全てを洗い流すと言う。
それは人一人には御しきれないほどあまりに強く、固く、深く、大きい。
癒やしと言うには余りに禍々しく、強く、痛ましく、残酷。
街が揺れ、波が全てを満たし、大気はびりびりと震え、虚空が啼いた。
それはまるで、空の悲鳴。海の咆哮。世界の怒り。
だから彼女は、今こそ癒しを騙ってはいるが、のちにそれをこう名付けた。
「ウレル――――――――――――――――――ネルフェス」
怒りの滄我<ゼルネルフェス>、と。
支援
支援
【09:05'19】
溺れた街は、凍て付かない。
木々や瓦礫は軒並み青褪ていたが、その体躯はうねる様に暴れ、大気は悪魔から逃げ惑う様に震えていた。
世界を海の底に引き摺り落とす絶対の蒼が、兄が紡いだクライマックスモードが“静”とするなら、
世界を滅し海の藻屑とするその蒼は紛れもなく、妹の本質“猛り”だった。
虚空が唸り天が哭く。世界が海に怯える。
癒しの名を騙った怒り。猛る青が、荒れ狂う滄我が、崩れた街と月に嗤う獣に大牙を剥く。
哀れな獣が海中で断末魔を上げた。水面に浮かぶ丸い月が歪み砕けて、黄金の砂浜を濁流が遥か彼方へ流し去る。
理想も、夢も、戦略も、血も、肉も、現も、策も、力も、思考さえも。
何もかもが等しく儚い金の残滓と化して、深い深い海の底へと堕ちてゆく。
そこは果たして光さえもが届かぬ地よりも海よりも底の底の最底。誰もが震え慄く深淵。
母なる海を前にして、人はあまりにも小さ過ぎた。
獣の血走った眼球が暴れ、その海の中心に立つ一人の少女をぎょろりと睨む。少女の髪は翡翠色に輝き、爪は十の軌跡を海中に描いていた。
少女に伸びた砕けた両手は空を切って、濁流はその体を紅く染め上げた。
月が揺れ、蕩けてやがて泡沫の夢。希望も塵も、何一つありはしない。
ジルバ=マディガン。
年端もゆかぬ少女の姉をその手ずから殺め、自らを血に染めて海に飛び込んだ。
そんな彼女のこの島での復讐劇は、最初にその手で摘んだ一つの命と同じに、海の底で静かに幕を閉じる。
もう、朝なのだ。
月は、海の向こうに沈む。太陽の影に隠れてしまう。
それは誰もが知る在るべき自然な形で、星と世界が定めた一つの真理だった。
ーーーーーーー月夜は、もう二度と来ない。
しえん
大気に満ちる滄我が具現した魔海は、辺りをひとしきり腹の中に収めた後、嘘の様に姿を消した。
まるで津波の後に引く潮の様に、蒼い波は全てを洗い彼方へ連れ去る。
辺りは躯体を建てる前の更地以下の何もない大地で、此処が街であった事実など冗談のようだった。
青空、錆色の泥水。哀れな獣の砕けた頭蓋、一人のいたいけな少女。まるで芸術作品のような風景。
少女は虚ろな瞳で空を仰ぐ。魔海は空に泳ぐ雲すら、魚なのだと定義するかの様に流し去ってしまった。
うんざりするほど白く輝く太陽だけが孤独にそこにあって、泥だらけの少女をぎらぎらと照らしていた。
少女はふらふらと後退ると、やがて膝から崩れる様に液状化した大地に沈み、懺悔をする様に額を泥に押し付ける。
そうして一分程死んだ様に静まり返ってーーーーーーーーーーーーそれから少女は、シャーリィ=フェンネスは、箍が外れた様に叫んだ。
怒号。いや、絶叫。咆哮。悲鳴。或いは、叫泣。怨嗟。
喉の奥から、肺の奥から、肺胞の一つ一つから。肉を捻じ切る様に、血を細胞から絞り出す様に、シャーリィは声になりそこなった何かを叫んだ。
叫んで、叫んで、叫んで、そうして汚れた何かを吐ききってしまった後、しかしシャーリィはけたけたと肩を揺らして笑い始める。
そうして、呟くのだ。
「……私は、これからどうすればいいの……?」
涙を流しながら、笑いながら。誰かに問うように。
「教えてよ、誰か……」
弱音が宙を舞って、風に攫われる。
蹲る少女は瓦礫に埋まった身体をぎこちなく丸めて、惨めに笑った。
「お姉ちゃん……ノーマ……クロエ……」
誰も居ない。誰にも届かない。誰一人救われない。何一つ救いは無い。
あるのは疲れ果てた身体。物言わぬ獣の骸。そして行き場の無い深い憎しみと悲しみだけだった。
「…………お兄ちゃん…………」
少女は誰よりも兄を愛して、誰よりも兄に尽くしていた。
それでも、最後は誰にも助けて貰えない。彼女が兄を愛しても、兄は彼女を愛さない。
世界は小さな恋すら成就させない。運命は少女を祝福しない。神は彼女に見向きしない。
ひたすらに、延々と、徒らに、ただただ、孤独。
こんなにも、孤独。
「ーーーーーーーーーーーー誰か、助けて」
声を殺して、体をくの字に曲げて、涙で頬を濡らして。泥まみれの少女は嗄れた声で惨めに呟いた。
けれども青い空に輝く太陽も、大地を浮かべる大海原も、木々を生やす雄大な大地さえもが、少女一人助ける優しさを捨ててしまっていた。
世界は誰も彼もが思っているよりもずっと残酷で、現実は地獄よりも遥かに非情だ。
砕けて死んだ街に助けを乞う少女の姿はあまりにも滑稽で、そしてどうしようもないくらいに無意味だった。
支援
支援!
「惨めだな」
そんな彼女の側に、けれども二人の子供がいつの間にか立っている。死神ではなく、生きた人間がそこに立っている。
シャーリィは顔を上げ、渇いた声で嗤った。
少年は眉を動かして表情を陰らせる。これは救いではなく報いなのだ、と嗤い声が言っていたからだ。
振りかざされるのは、救いの手ではなく咎を裁く一振りの正義の剣。
許されざる数々の所業の、これが裁きだ、と。
「お前、騙されてたんだな」
シャーリィはこうべを上げて二人の表情を覗く。哀れむような二つの視線は、汚れきった体に突き刺さるようだった。
「……見てたの?」
ふふ、と少女は肩を揺らしながら嗤うと、震える体を瓦礫の海に委ねた。逃げる気力すらない、と。
詰みだ。
きっとこの場を見ている道化はそう思っただろう。シャーリィ=フェンネスはここで死ぬのだ、と。
「黙って見てて悪かったな……危うくこっちも殺されるとこだったけど」
しかし、少年カイウス=クォールズは腰に据えた身の丈に合わぬ大剣を抜く素振りすら見せず、淡々とそう言った。
揺れるスカーフに隠れる様に、その後ろでチェルシー=トーンは桃色の髪を弄っている。
「でも、恨まないでくれよ。だってお前は敵だったわけだからな」
「別に恨まないです。それで? 何の用? どうせ哀れな私を笑いに来たんでしょ。いいですよ、笑いなさいよ。ホラ」
口の端を釣り上げながら、シャーリィは肩を竦めた。憔悴しきった表情はまるで数分前とは別人で、カイウスは顔を曇らせる。
いっそ笑われて嬲られて何もかも喪ってしまえば、どれだけ清々しいか。そう言わんばかりの自棄笑いに胸が痛くなった。
ただ、どこか清々しさがあった。何かをやり遂げたような開放感と、生命力が教務感の裏側にあった。そんな気がした。
「恩人だと思って信じてきた人が仇だっただなんてね」
あはは、とシャーリィは仰向けのまま哄笑した。
薄汚れたピンク色のブラウス。ボタンは飛んで、胸の辺りが破れたベスト。血で滲んだ薄海色のスカート。解けてぼろぼろになったフリル。
ネックレスは千切れ、辺りに紺碧色を撒き散らし、薔薇のカチューシャは煤に塗れていた。
卑劣漢に陵辱された少女と言われても誰もが違和感一つ覚えない。なんて哀れ。なんて惨め。
こんな穢れた女じゃ、そりゃあ意中の男一人落とす事なんか夢のまた夢だ。
しかし、カイウスは馬鹿にしなかった。かぶりを降って、神妙な面持ちで汚れたシャーリィを見下ろす。
それでも、笑み一つ見せはしなかった。その後ろに立ち尽くすチェルシーも、表情筋肉一つ動かさなかった。
尤もチェルシーに関して言えば、その少女に抱く感情など持ち合わせていなかったかも知れないが。
「……そうだな。哀れだと思うよ。でも、笑わない」
はぁ? シャーリィは目くじらを立てながら呆れた様に嘲った。だったら、お前達は何をしに来たと?
「確かにお前はさっきまでは厄介な敵だったけど、今はもう違う。そうだろ?
だってずっとそこの……ジルバにさ、騙されててやってたワケだからな」
カイウスは顎で地面に転がる頭蓋を指して、続けた。
「なら、もうその時点であんたは加害者だけでなく、被害者にもなったんだ。
オレはそんな子が泣いてるのを見逃せるほど、薄情な人間にはなれない。それだけさ」
……こいつ、馬鹿じゃないの。
そう言わんばかりの表情を少年に向けながら、シャーリィは口をぽかんと空けて鼻から息を吐いた。
片腹痛いとはこの事だ。馬鹿馬鹿しい。どれだけ甘ければ気が済むのだ、この糞餓鬼は。
支援
支援
「……馬鹿な事、言わないで」
風が、吹いた。揺れる前髪の向こう側で、氷の様に冷たい瞳がカイウスを射抜く。
軋む歯の間から、震える声が運命を呪う様に溢れ出した。
「情けでもかけてるの? 私を惨めにしたいの? 見返りを求めてるの? なんなの?
良い事でもしてるつもり? ねぇ、正義ごっこは楽しい?」
堰を切ったように、少女の口から言の葉が溢れ出す。
捲し立てる様な連撃にはさしものカイウスもたじろぎ、言葉を詰まらせざるを得なかった。
その後ろでチェルシーが目を伏せながらカイウスの袖をぎゅうと握る。
怖い。
チェルシーは震える身体を抱きながら素直に思った。この人は何かが変だ。
ーーーアンバランス。
それは行動や言動や、感情が直結していないような、まるで人格が入れ替わった様な、そんな違和感だった。
テルクェスでのメッセージ、その後の奇襲。
先程の涙。今の罵倒。あんな事があったのに、意外にまともな精神。
下手をしなくても自分にそのまま返ってくる暴言。全てがまるでバラバラで、噛み合わぬピース。
ただただ目の前の少女は、奇妙だった。
自分が言えた義理ではないかもしれない。しかしその奇妙さは嫌悪するには充分過ぎた。
そんな考えを見透かす様に、目の前の泥塗れの少女はチェルシーを睨む。
「なによ、その顔。なによ、その手。生意気ね。震えながら袖握って、男の陰にかくれちゃって。足は内股だし。
はぁ……殴りたいくらい可愛いわね。無意識でやってそうなとこがムカツク。
ふふ。癪だわ。まったくーーーーーーーーーーーとっとと死んじゃえばいいのに」
シャーリィはそんな恐怖すら鼻で笑って口を歪めるが、その海色の双眸は少しも笑っていない。
カイウスは眉間に皺を寄せた。能面の様にべたりと張り付いたその笑顔は、好む好まざるに関わらず、本当に素直にーーー気持ちが悪かった。
シャーリィはそんな気持ちを知ってか知らずかゆっくりと立ち上がり、笑顔のまま背で手を組むと、カイウスの顔を下から覗き込み口を開く。
「貴方もよ。よかったわね、カノジョの前で格好付けられて。
でもそれってどうなのかなって思うの。だって貴方、捨て猫にミルクあげて殺すタイプだわ、きっと。
マンゾクなのはいつだって貴方だけ。助かるのは猫じゃなくて、貴方の見栄とキタナイ心だけ。
猫は本当は、死にたかったかもしれないのに。助けて欲しくなかったかもしれないのに。死に方を選びたかっただけかもしれないのに。
貴方のエゴで救われるヒトもいるかもしれないけれど、不幸になるヒトだっているの。
そういうの、なんて言うか知ってる?」
満面の笑みで、シャーリィ=フェンネスは小さく息を吸った。
そして冷や汗を額に浮かべるカイウスの耳元まで、とてとてと内股で駆け寄って、囁くのだ。
「ふふ。“有難迷惑”って言うのよ。勇者くん」
嘲笑混じりの容赦無い言葉を聞きながら、カイウスは自嘲した。正しい。素直にそう納得したからだ。
こいつの言う事は、何一つ間違っちゃいない。
だけれど、何かががらんどうだった。その言葉には感情はあるのに、中身がなかった。
「……知ってる。でも、そうしたいと思う事は悪い事なのかなって。オレ、そう思うんだ」
ついに大量殺戮来るか?
しえん
あ? シャーリィは言った。不完全な笑顔が嘘の様に顔から消えて、憤怒に引き攣った面が現れる。
「ふざけんじゃないわよ。あんたらみたいな餓鬼、殺ろうと思えばいつでも殺れるんですぅ。舐めないでくれますかぁ?」
シャーリィはカイウスの胸倉を掴みながら、瞬き一つせずにそう呟いた。
しかし。
「そいつはーーーーーーーーーーーーウソだな」
しかしカイウスはかぶりを振ってそう応え、そして続けるのだ。
「そのつもりならこうして呑気に話してるわけがない。会話してるからには何か理由がある筈だ。そうだろ」
シャーリィも、仲間であるチェルシーさえもが、その瞬間に目を円くしてカイウスを見た。
その言葉があまりにも正確に的を射抜いたからだ。成程確かにカイウスの言う通りだった。
獲物を前に舌舐めずりは三流がする事とはよく言うが、シャーリィの場合はそれは当てはまらない。
むしろピンチなのだ。しかし許しも乞わず、かと言ってされるがままというわけでもなく、挑発を繰り返す。
だが問答無用で手を出そうとしているというわけでもない。
不条理。非常識、或いは矛盾ーーーあぁそうかぁ。だから私はこの人がわからなかったのかもしれない。
チェルシーは心の中で納得し、そして思った。……だとすれば、目的は何なのでしょうか、と。
まるで巫山戯て何かを誤魔化しているみたいにーーーいや、むしろ私達を試しているみたくーーー……“試す”?
「……ナマイキなクソガキ」
そこまでチェルシーが考えたところで、シャーリィは思考を邪魔するようにそう吐き捨てた。
声が僅かに震えていて、仕草からは余裕と落ち着きが消え去っている。
「もう話しかけないで下さい。貴方のことが嫌いです」
「嫌だね。俺もあんたは好きじゃないけど、話すのはやめない」
ハン、と鼻で笑ってシャーリィはカイウスの胸倉を粗暴に突き放す。
「ほんと、ムカつくガキ……まあ殺すなら殺してもいいよ。今なら碌に抵抗出来ないし、するつもりもないので」
「悪いけどオレはお前を殺さない」
はぁ? 本日何度目かのそれが、シャーリィの口から零れ落ちた。目の前のカイウスはあくまでも真面目な表情を崩さない。
その馬鹿みたいな科白が紛れもなく、本気なのだと。冗談ではないのだと、その眼光が言っていた。
「なによ、それ」
シャーリィは眉間に皺を寄せ、半笑いのまま呟く。
「殺すにも値しないって事?
ならとっととどっかに行きなさいよ。敵だった私を助ける義理は、貴方達には無い。そうでしょう?」
諸手を差し出しての力説に、カイウスは頷いた。
否定するわけでもなく、それを素直に肯定するようにただ頷き、そして口を開く。
「そうだな。お前は敵だった。助ける義理も義務も無い。だから、こうする」
だからとカイウスは自らのスカーフをくるくると外し……端を咥えて、びりびりと破った。
そうして、ぽかんと馬鹿みたくそれを見ていたシャーリィの右手を手に取り、あろう事かそれを巻きつけるのだ。
怪我で血が滲んだ、華奢な二の腕を。優しく、丁寧な手付きで。
支援
支援
カイウスは左手の治療に移っている。問答無用で、誰の許可も無しに。
「やめなさいよ。なにやってるかって、訊いてるのよ」
シャーリィの眉間はひくひくと痙攣している。幾ら何でも限界だとその顔が言っていた。
「何って、助けてるんだよ。義理と義務がなくたって、権利はあるからな」
けんり? シャーリィは小馬鹿にするように繰り返した。けんり、だって?
「貴方、バカ?」
「あぁ馬鹿だよ、悪かったな。でも、誰にも頼らず未来を諦める奴は、もっと大馬鹿だ」
カイウスはそうするのがさも当然の事の様に言った。最早呆れる事すら忘れてしまいそうになるほど馬鹿馬鹿しい。
真っ直ぐ過ぎるその言葉は、瞳は、怖いくらいに澄んでいて、シャーリィは得体の知れない悪寒に思わず身震いした。
「……なによ、それ。馬ッ鹿みたい」
「だからそうだって何回も言ってるだろ。小難しい事は分からない。馬鹿なんだよ、オレ。
でも言うだろ? 敵の敵は味方、ってさ」
カイウスは笑った。決して自棄や嘘なんかではなく、それは紛れもなく“本当”だった。
けれどもそれが正気じゃないという事も、同時にカイウスは理解している。
敵の敵は味方。此処はそんな生温い寝言が通用する程、優しい世界ではない。
だけど。いや、だからこそとカイウスは思うのだ。
優しい世界じゃないからこそ、少しでも優しくあろうとする事は、果たして悪なのだろうか、と。
「アンタ、本当に莫迦ね。ここまで来ると呆れるわ」
「馬鹿でも構わない。でもどれだけ呆れても、ウソはもう要らないんだ。
誰かのウソで、誰かが悲しい思いをする。何かがまたウソになる。もうそんなのは嫌なんだ。
なぁシャーリィ。だからさ、教えてくれよ。あんたの本当にやりたい事ってーーーーー何なんだ?」
傷だらけの掌を、目の前の少女に差し出す。少女は何かを見極める様に少年の手を見た。
「私は……私は、嘘なんか」
カイウスは小さく息を吸って、額に冷や汗を浮かべるシャーリィを見る。
業に入っては業に従え。大人は口を揃えてそう言う。けれど、我儘を言う事はいつの時代だって子供の特権だ。
ウソは、二度と吐かない。吐かせない。ウソがあるなら、それを嘘にしてやる。
それはこの腐りきった世界で見つけた、カイウスのたった一つの意地だった。
「ウソだな」だから、そう言う。「だって、オレ達は蝶に触れたから」
ちょう、と。まるで初めて聞いた単語の様にぎこちなく、シャーリィが繰り返す。カイウスは頷いて、再び口を開いた。
「あの台詞はウソなんかじゃない。あれはきっとシャーリィ、お前の本心だったはずだ。違うか?
……とは言ってもオレとアンタは敵同士だ。やっぱりアンタの事は信用してないし、アンタも俺を信用しなくてもいい。そう思うのも確かだ。
だから、こんな事言っても無駄なのかもしれないけれど、」
「だったら!」
シャーリィはカイウスの口を遮る様に、かぶりを振って叫んだ。
それみた事かと。どれだけ綺麗事を並べ立てようと、所詮は体裁上の戯言でしかない。
この島における、信用という何よりも要となる絶対の真理は、カイウスとシャーリィの間に成立しない。
信用なき説得に、意味などありはしない。文字通り説得力がないからだ。
敵同士。マーダーと対主催。決して混ざらず、相入れない対極。水と油、光と闇。あまりに立場が違い過ぎる。
お互いに信用を得て歩み寄るには、彼等は道を違え過ぎてしまった。
あまつさえ相手の一角はルビアの仇だった。シャーリィがジルバに騙されていたとしても、その事実は曲げられない。
知らなかった事も、騙されていた事も、諦めざるを得なかった事も、決して免罪符にはならない。それはシャーリィ=フェンネスが背負わなければならない咎だった。
悪には正義の鉄槌を。咎には断罪を。罪人には裁きを。疑わしきは罰せよ。人はそうして平和と秩序と、歴史の礎を築いてきた。
シャーリィのした事は、カイウスに刃を向けられても何一つ文句は言えない所業だったのだ。
けれども。
「だけどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー信じるよ」
けれども、カイウス=クォールズはそんな咎人を信じた。罰を与えず、刃を向けず、信じてみせた。
「カイウス、さん?」
黙って見ていたチェルシーでさえ、怪訝そうな表情をカイウスへ向ける。当然だ。
先程、カイウスはシャーリィを信じていないと言った。なのに、言うに事欠いて“信じる”と。恥ずかしげもなくそう言いきったのだから。
どの口がそう言うのか。思考矛盾と言わず、これをなんと言おう。尋ねたくなる気持も必然だった。
論理が破綻していた。だって、それこそカイウスが嫌悪する“ウソ”そのものなのだから。
「は……はぁぁ!? ワケわかんないっ!」
故にシャーリィも叫ぶ。尤もな怒りだった。これほど正当な主張も珍しい。
わけがわからない。まさにその言葉の通りだった。
カイウスはその様子を見ると小さく息を吸って、やがて何かを決意した様に口を開く。
「オレは確かにお前を信じちゃいない。
でもあの蝶から受け取ったアンタのお兄ちゃんを想う気持ちと、誰かを殺したくないという気持ち。それはホンモノだと思うんだ」
嗚呼、その科白はなんて馬鹿馬鹿しくて、阿保らしくて、甘っちょろくて。
それでも何故、こんなにも強い響きなのだろう。
所詮は他人事。それなのに、チェルシーの胸に熱い何かがこみ上げた。
「だからその気持ちだけは、信じる。
一緒に助けに行こう。お兄ちゃんと、誰かに殺されようとしてる奴等を」
支援
信じることには、強さが要る。
同じ生き物なのに、人間もレイモーンの民も、道を違え血で互いを濡らし、理解を拒んだ。
信じられない事や人だって、世の中には沢山ある。
だけど、信じないと何も始まらない。
かつて覚悟を決めたアーリアにそうしたように、信じなければ関係はそこで終わってしまう。
カイウスはシャーリィとの関係を終わらせる為ではなく、これからを続ける為に彼女の気持ちを信じる事に賭けたのだ。
その時点でシャーリィの負けは決まった様なものだった。
かつてシャーリィが答えを得る為に賭けたのは、命という名の“未来の生き方”だった。
自分では何も決められないから、カイウス達に決めてもらう為に命を賭けた。
セネルが生きてカイウス達が死ねば諦めて身を任せ、カイウス達が生きてセネルが死ねばカイウス含む皆を殺そうと決めていた。
一人では生き方を選べないから、シャーリィは賭けに逃げたのだ。そしてそれは孰れにせよカイウス達との関係を絶つ事が前提だった。
しかし結果的にカイウス達が選んだのは、シャーリィを救うという馬鹿げた世迷言。
賭けという逃げに隠された、シャーリィの“逃げたくない、殺したくない。お兄ちゃんを救いたい”という本心そのものに賭けたのだ。
なればこそ、その世迷言は何よりもホンモノだ。
シャーリィの賭けは負けでも勝ちでもなく、失敗に終わった。
ただの逃げの道具だと思っていたカイウスの方が、何枚も上手だった。
今のシャーリィがそんな相手に言い返す術や道理を持ち合わせているはずがない。
「…….貴女は、どうなの?」
苦し紛れの一言か。シャーリィは苦い顔のまま、チェルシーにそう訊ねた。
いや、彼女にはそうする他が無かった。
「……わ、私は……っ」
チェルシーは目を丸くして、突然の問いに口篭る。自分は、そこまでの熱い想いはない。それを自覚していたからだ。
シャーリィの事も、どうでも良かった。それが正直なところだ。
極力、流れに身を任せる。だけどカイウスは死なせたくないし、まだ生きていたい。
それがクラトスが死んでからのチェルシーの生き方だった。クラトスが守ってくれた自分の命と、自分を見捨てず助けてくれたカイウスの命と、その想い。
その二つだけは守っていたかった。しかしそこには他人の入る隙間はない。他の事はどうでも良かったのだ。だって関係ないから。
だから、カイウスがそうしたいと言うなら、それに従うつもりでいた。
そこに自分の意見や意思などありはしなかった。考えた事すら、なかった。
「ゴメン、チェルシー。オレは自分の気持ちにウソは吐けない。オレ、シャーリィを助けたいって思った。
勝手だけど、それが本心なんだ」
「黙りなさい。私はこの子に訊いてるんです」
「口の減らない奴だなぁ。人が助けようとしてるのに……」
「口が減らないのはお互い様ですよねぇ。それに助けてって頼んだ覚えもないし……で、チェルシーさん。どうなんですか?」
チェルシーは二人の小競り合いを尻目に、クラトスの死後初めて“考えた”。自分の意思で、自分の頭で。クラトスも、カイウスも関係なく。
誰かに言われたからそうするのではない。自分がどうしたいのか。どうすべきなのか。
未来に絶望した小さな頭で、これからの生き方を精一杯考えた。まだ子供だからと言い訳もせず、考えた。
此処には、立派な意見を持っていたウッドロウもスタンも居ない。育ての親のアルバも居ない。導いてくれた大人、クラトスも死んでしまった。
自分の足で、自分の歩き方を決めるしかない。
それは今まで甘えてきた上、クラトスの死で考える事を止めたチェルシーにとって、果てしなく大きな恐怖だった。
支援
しえん!
「……私、思うんです」
チェルシーは空を見ながら呟いた。光が消えてしまった虚ろな目に、ぎらぎらと光る鬱陶しい太陽と、無限に広がる忌々しい青空が写り混む。
「カイウスさんは、クラトスさんが死んでウソを吐かない、吐かせないと決意しました。乗り越えて、生き方を変えました。すごいですよね。
シャーリィさんは、ジルバさんが死んで、カイウスさんに手を差しのべられて、今此処で生き方を選ぼうとしてますよね。
矛盾から、波に身を任せる生き方から、抜け出すかもしれません。それってすごいと思います。吃驚仰天です。だって今の私もきっとそうだから。
なら、自分は何を変えるべきでしょう? ……さっきから考えてますけど、よくわかりません。判らないんです、本当に」
カイウスとシャーリィは、黙ったままチェルシーの言葉を聞いていた。
チェルシーは触れれば壊れてしまいそうな儚い表情を浮かべ、シャーリィの方を向き、続けた。
「天真爛漫。生まれたままの素直さで、元気で、無邪気なのが此処に来るまでの私の唯一の取り柄でした。
私は子供でしたから、それで良かったんです。恋に恋する子供でも、良かった。誰かが敷いたレールの上を歩いて行けば、良かったから。
でも、クラトスさんが死んで、わからなくなりました。
子供ってなんなんでしょう。いつ大人になるんでしょう。私は、大人になれるんでしょうか。ならなくちゃ、いけないんでしょうか」
チェルシーはそこで言葉を切ると、少しだけ俯いて小石をこつんと蹴った。小石は泥水の中へ、小さな飛沫を上げて消えてゆく。
「うまく言えないんですけど、きっと私、ずっと甘えてました。
今だって、カイウスさんの強さに甘えて、クラトスさんの遺した影から出られないままです。だって、怖いじゃないですか。
……今思ってる事を、素直に言いましょうか?」
「ーーー私は、どうすれば良いかわかりません」
「やりたい事があって、生き方を選べる皆さんが羨ましいです。
でもきっと、ここでシャーリィさんを殺したら何かが戻れなくなっていた気もするんです。だからっ」
息を、小さく吸う。今まで黙っていた何かを吐き出す為に。止まっていた針を動かす為に。心臓を動かす為に。
今立っている影の中から一歩、前へ踏み出す為に。まだそこは影の中だけれど。だけれど、歩き出すために。
「見極めたいです。見つめ直したいんです。シャーリィさんの事、私自身の事、カイウスさんの事。
いますぐ自分で生き方を選べるほど、私はまだ賢くないし、大人にはなれないから。暫くゆっくり考えたいです。
だからごめんなさい。こんな事しか今は言えませんけど、いつか自分の意見を言いますっ」
そう言ってチェルシーは、申し訳なさそうにぺこりと頭を下げた。
カイウスはきょとんとしていたが、やがて桃色の頭をくしゃくしゃと撫で回して笑ってみせる。
「言えるじゃないか」
「え?」
くしゃくしゃになった頭をぺたぺたと触りながら、その言葉に首を傾げる。
カイウスはうんうんと頷き、そんなチェルシーに白い犬歯をにかりと見せた。
「自分の意見だよ。今の言葉は、チェルシー自身の立派な意見じゃないのか?」
ぁ、と口から零れ落ちる音。はっとした。凍っていた何かが体の芯で溶けてゆく。
そうか。そうだったんだ。これだけでも、良かったんだ。分からないと言う事だけでも、良かった。
それを伝えずにいる事に比べたら、どれだけマシなんだろう。
支援
支援
……私は、馬鹿だ。
チェルシーは思った。こんなにも簡単な事を、どうして今まで気付かなかったんだろうと。
本当に、馬鹿だった。
「オレは待ってるよ。いつか、チェルシーが話してくれるその時まで」
「……。私も、選べるでしょうか。乗り越えられるでしょうか」
「大丈夫さ。俺達はまだ生きてるんだから。きっと、選べる。変われる。だって、ほら」
にこりと笑って、カイウスは手を伸ばした。チェルシーの紅い頬に、指先が優しく触れる。
「今、笑ってるんだぜ」
そこに、ぎこちなく笑う桃毛の少女が立っていた。
ぺたぺたと、自分の顔を触る。強張った頬に、引きつった唇。えへへ、と口から零れる言葉。
なんだか嬉しくなって空を仰いだ。灰色だったはずの世界に、色が満ちている。
草は瑞々しい緑色で、太陽は眩しいくらいの白銀で、高く高く広がる空は、清々しいくらいに青かった。
瞳に、僅かに光が差す。まだまだ表情もぎこちないし、感情もうまく出ないけれど。
だけど、少しだけ何かが変わった気がした。
「ーーーーーバカね」
やれやれ、とかぶりを降りながら言ったのは端からそれを見ていたシャーリィだった。二人ははっとして面を向ける。
「全く、蚊帳の外もいいとこ。私を説得してたくせに。
もう、本当にバカばっか……これじゃあ、選ばなかったら私の方が間抜けって事になっちゃうわ」
シャーリィは溜息を吐いて、自嘲した。馬鹿を見ていたら全部ふっきれた。そんな表情だった。
「私、貴方達を裏切るよ。きっと。今だって、あなた達に悪態ついてなきゃきっと……。
………壊れて、しまうから。ずっとウソ吐いてるようなものですよ。偽物だったんだもの、今まで、全部」
シャーリィが口を尖らせながら言う。カイウスは頷いて、再び手を伸ばした。
「構わないよ。それでも最初から信じないよりいいと思うし、信じると決めたから、どうなっても良いんだ。選んだんだよ、もう。
それに、いいじゃないか偽物でも。多分だけどさ、ずっと偽物でいればそれって、もう本物だと思うんだよなあ」
シャーリィは改めて、その手をまじまじと見る。
傷だらけで、泥だらけで、血が滲んで。誰が見てもとても握りたくなるような右手じゃあなかった。
シャーリィは笑う。そんな右手で淑女を誘う少年は、とても滑稽に見えた。
その奥で、チェルシーはカイウスの煤けた背を見つめる。
これから裏切られるかもしれないのに、どうしてこんなに真っ直ぐでいられるんだろう、と。
少し前のカイウスなら、きっとこうはならなかった。
天真爛漫。子供は、或いは愚直のままで良いのかもしれない。大人になれなくたって、生き方はあるのかもしれない。
「……まったく、いい度胸ね」
シャーリィはカイウスの手を取って、呆れた様に言う。差し伸ばされた手を握る。それはきっと自分の意思だ。
しえん
支援
支援〜
「分かったわ。どの道一人じゃ無理だもの。だから貴方達を、利用〈信じて〉してあげます。
だから……お願い。頼める立場じゃないのは分かってる。でも」
そうして、シャーリィは息を吸った。
誰かに委ねるにしたって、任せるにしたって、声に出して伝えなければ、意味がなかった。
意思を、口に出す。
シャーリィ=フェンネスは少年の手を取って、深い深い海から、土の匂いで満ちた陸へと上がる。
荒れた波に流されるのは、もうやめだ。
ここからは、その波を止める為に全身で足掻くのだから。
「私と一緒にーーーーーーーーーーーーーお兄ちゃんを、助けて下さい」
少女は潤んだ目を隠す様に目を伏せて何かを飲み込んだあと、ゆっくりと顔を上げた。
白銀に輝く太陽の少し左で、消えかけた月が世界を嗤っている。
海は消えて、街も消えて、雲も消えた。空に浮かんだ白夜月もやがては消え失せて、そこにはもう今までを象徴していたものが何も無くなってしまう。
シャーリィ=フェンネスの過去は海の藻屑となった。彼女は今、ここから、初めて足で大地を踏み、歩いて、進んでゆく。生きてゆく。
「不思議。こんな時でも、やっぱり海は青いのね」
真っ青な世界の中、少女は産声を上げた。
三人それぞれの選択の果てに待っていたものは何一つ無いあまりにも虚無的な結果で。
けれどそれはーーー広がる雄大な海の様に、どこまでも自由だった。
「……貴女達、ジルバを知りませんか?」
そして駆け付けた王女は彼女達に声をかけ、出会う。新しい物語が生まれてゆく。
いつだっていのちは、何もない海から始まった。
【09:------------差し伸べられた、手を握る。果たしてそれは、誰の意志?------------!!error!! Administrator code:Distortion{repeat};】
支援
支援
三章目、投下終了です!
皆さん支援ほんっっとうに有難うございました。助かりました。
それではまた!
支援
投下乙です
綺麗なシャーリィかわいい
乙です
いやな予感したけど今の所大丈夫みたいだね
ふぁぁぁ投下乙乙!あけおめ!
ハラハラしたぜ!前半あっもうこれだめだわって思ったわ!まさかきれいなシャーリィが見えるとは思わなんだ。
なんか久しぶりにいい話だ!何気にチェルシーのシーンもいいし、GJでした!
…最後の時間表示が気になるけどね…
投下乙〜!
カイウス&チェルシーとの会話がじわじわと来るなぁ…
綺麗なシャーリイかわいいよシャーリイ
1stでのインパクトが強すぎて、シャーリイに違和感を感じてしまったのは自分だけではないと思いたい…w
誰かジルバにも触れてやれよw
これ前半のジルバ輝いてるよな。言葉責めのシーンと最後のぜぇんぶのシーンはなんか変な汁が出たよ。死んだけどいい仕事してた。キールにも劣らぬ下衆さだったぜ?
投下乙!
前半ジルバがえげつねええってなって、そっからの秘奥義の壮大な描写に自然と想像しちまった
でもそんな前半でも触れられていた騙されていればよかったものをというのがまさか後半でこうも反転するとは
嘘でもずっとつきつづければ本当
嘘も本当にしちゃう、させちゃうカイウスがかっこいい
そして遂にチェルシーの止まっていた時も動いたか!
自分の願いを自分の言葉で言って頭まで下げるシャーリィも見れたし子どもたちが始まった!
書き手さん
最近のペースだと月1、2回は書けるね
>>701 うん俺も期待してる
書き手さん、GWまで仕事ないのはさすがに釣りだろ?
2月までに続き投下してくれ
あとアナザーはとっくに打ち切られたよ
書き込みが減ってくるとここぞとばかりにキモい奴が出てくるなぁ
書き手さんはくれぐれも毒されないようにお気をつけください
…と荒らしが言ってる
このロワのアイデンティティ否定するのはやめてほしい
お前は笑いの天才か!私を笑い死にさせる作戦か!!
面白すぎたから釣られてやるよ。
アイデンティティとか片腹痛いわ。勝手にお前が決めるな。というか、別に思うだけならいいけどそれを俺に押し付けるな。続き催促はSS読者として最悪のマナーだし、ましてや一読み手がアイデンティティとかどれだけわがままなんだよ。
まあ、お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな。
チャットでボコボコにされて悔しいのはわかるけどそろそろパターンが一辺倒過ぎて見苦しいぜお前。
触れたら荒れる
触れなくても荒らされる
一体どうすればいいんでしょうね
書き手が読み手の要望聞けばだけの話なのに突っぱねるからこうなるんだよ
マナーも弁えないクズのわがままなんて読む必要すらないわ
これが…毒者か…ッ!
それはさておき、次を楽しみに待機してますよー書き手さん方
早く書いてね書き手さん
希望の中に潜む絶望的な展開楽しみにしてます
>>711 俺は逆にサイグローグという吐き気を催す胸糞悪いやつが死んではしいよ
>>712 同感
早くサイグローグくたばってほしい
サイグローグごときでみんな死ぬとは情けない
どれが自演でどれが自演じゃないか分からんくなってきた
サイグローグとミクトランはマジで死んでほしい
ミクとサイグローグくたばれ
サイグローグとミクトランとジルバはさっさと死ぬべき
新旧主催者マジで嫌いだから早く誰かにやられたらいいのに
全滅だけはやめろ
あれマジトラウマ
もう全滅でいいよ
初代見れば分かるけどどっちみち全滅するやろ
どうあがいても絶望だけどできるだけ抗ってほしいな
全滅厨さん保守ありがとね
まあ、主催者と殺しまくった連中は死ぬべきだけどな
己の意見もロクに言わないorほとんど鸚鵡返しで「同感」「同意見」って言ってるやつは自演だと考えてる
全滅側も同じ内容同じ文体ばかりだし、マーダーや主催に死んでほしい人も同じ内容同じ文体なのを見ると、
ロワどうこうじゃなくてスレ自体を荒らしたい魂胆なんだろうなぁと
違ったら謝るよ
そうは言っても有力な人の大半が死んでいるし
マーダーも一部は死んだとはいえまだまだ生きているのが多いから
マーダーを憎む人や全滅を悲観する人は結構多いよ
全滅の場合参加者の扱いもある意味平等になるしね
それも何度も聞いたんだよなあ
そもそも平等である必要なんてないのにわけわかめ
いや、テンプレに明記してある通りキャラの扱いは平等であるべきだよ
ただ全滅にすれば平等というのは暴論だとは思う
結果的に全滅という展開になるのと端から全滅する前提で書くのとでは訳が違う
最初から犯人が誰だかわかってて推理物の小説を読むようなもので非常にナンセンス
書く側も読む側も疲れるだけで最早続ける意味もない
というか全滅厨がいきなり最近現れだして意見押し付けてくるのがどうかと思うんだよなあ。明らかに自演臭いし、1st荒らしたのも明らかに同じ人だしね。打ち切られた―とか言ってるのあの時もひとりだけだったし。
読み手っていろいろ展開想像したりこうなればなあとか思ってると思うけど、それって口に出さないのがマナーだろ?
そう思ってない書き手さんからしたら目障り以外の何ものでもないし、読み手の俺もそうは思ってないから、嫌だよ。そういうのはツイッターかブログに書いてくれない?
ただ全滅全滅くたばれくたばれって言われてもw要望か強制にしかきこえんわ。
自演じゃないってんならチャットにでも出て多数決取ってみるか?wいつかみたいになることは明白だがw
>>729 > 結果的に全滅という展開になるのと端から全滅する前提で書くのとでは訳が違う
勝手に決め付けるなよ
俺は結果的に全滅すると思っているから
>>730 >明らかに自演臭いし、1st荒らしたのも明らかに同じ人だしね。打ち切られた―とか言ってるのあの時もひとりだけだったし。
お前がそう思ってるだけ
> ただ全滅全滅くたばれくたばれって言われてもw要望か強制にしかきこえんわ。
要望に決まってるだろ
> 自演じゃないってんならチャットにでも出て多数決取ってみるか?wいつかみたいになることは明白だがw
そこ書き手が管理してるんでしょ?そこで多数決取って何の意味がある?
まあ、突撃した馬鹿は消えるべきだと思うが
ここ最近のレスだけ見ても自演っぽいレスいくらでもあると思うけど
>>701-703、
>>712-713、
>>715-718、
>>720とか
ここに限らず色んなスレでも似たようなの見かけるけど、同じことしか言わない奴は一部のネトウヨやゲハ民並みに頭のおかしい人の部類だと思うわ
もしくは、ニコニコ動画みたいなところで「◯◯消えろ」「◯◯しね」みたいに憎まれ役でもないキャラクターをひたすら叩いてる腐女子とか教養のないキモオタみたいなのがこのスレには少なくないのかな?
>>732 腐女子とキモオタなら人気キャラが次々と死んでいく上にあまりにも暗い展開だから耐えきれずに既に出て行っちゃっているよ
>>733 それもそうか…例えが悪かったかもしれん
ただ、粘着するやつはどこにでも現れるよ、ここもそうだろうなぁって話
>>731 結果的に全滅になると思ってるなら何度も同じ要望出さず黙って読んでればいいんじゃないの?
あとは書き手次第でいつまでも喚いていたって答えが出るのは今すぐじゃなくて何年後かなんだから
もうこれをいうのも何回目かわからんが、全滅するって思うのは勝手だけどそれを押し付けんな。書き込むな。
そんなくだらん個人的要望を連レスしてんじゃねーよ。
つーか要望ってお前。それを当たり前のように言う神経がわからんわ。周りの人間がてめーとおなじよーに要望と妄想垂れ流してたらどうなるかくらい想像つかんもんかねぇ。もうなんつーか、なんもいえねえわ
こうしてまともな奴が書き込んでくれる内は良いんだよ
言い争いしてる奴等も俺から見ればまともだ
何がまともじゃないかって、静かになったところに沸いてくる短文の全滅野郎と主催ミクしね野郎と書き手さん早く書いてね野郎なんだよ
自演臭いから余計気持ち悪い
ほんとそれな―。ミクもサイグロもジルバも俺はすきだよ。ある程度人気あるからロワにも出てるわけで。それを胸糞悪いとか死ねとか言われると…。
好きなキャラけなされるのは嫌だし、自分の好きなキャラが嫌いとか言われたらどう思うか考えないもんかねえ。キャラアンチスレが隔離される意味を知らないのかどうなのか。
そういうのはほんとチラ裏なんだよなあ
これだけ指摘しても人が居なくなればまた出てくるんだろうな
自演してないと死ぬ病気なんだろうか
毎日書き込んでたくせにこうやって旗色悪くなると誰も書き込まなくなるんだもんな。多数派のはずなのにね。ふしぎだね。
これって案もないけど、定期的にロワ語りでもする?
好きな死亡時台詞とか
私はジェイドのが好きだな 「一足先に失礼」っていうの
最初から読み直してみるか〜
最初からか...
のっけからテキスト量が膨大だけど時間ある時に俺も読み直すかな
選ばれし 絶望の 虚無
元親・幸村「槍使いはことごとく先に死ぬのか…恐ろしい…」
ジェイドの死亡ゼリフはたしかにいい。つかあの話はアリエッタの最期もテイルズロワっぽくていい。
主催者の放送の声
諸行無常の響きあり
異世界での定め
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
生き残りし者もついには滅びぬ
偏に主催者の前の塵に同じ
この小説はたけのこの里とわさビーフが似合うな
ということで解説に軍師ミノルを呼ぼう(提案)
台詞か。さよなら、ロニ=デュナミスとかも好きだな。
>>750 FFTみたいな台詞だな
こちらもテイルズロワほどではないけど鬱グロシナリオだよ
>>749 ついでに死亡者一覧に散りゼリフ追加しようぜ!
やっぱり全滅がナンバーワン!
全滅ならあっけなく死んだ人気キャラも報われるしね!
>>754 その通りだと思うわ
そう言うと否定したがる奴わくけど
文章変えても自演と分かるこのド低能さ(笑)
やっぱり静かになると出てくるな
毎日書き込まないと気が済まないのか
全滅君は全滅どうのこうのではなく、スレが荒れる原因を作ってる事実を責められてる事に気付いてないな
過度な連投とそれに伴う自演を止めれば叩かれずに済むのにずっと同じ事を繰り返してる愚か者
気付いてないんじゃなく、もう荒らすことを目的にしてるんじゃないかなーと
もし気付いてない説なら、リアルが心配になる程頭おかしいぜ?
まあここまで一貫した荒らしだったとしても相当頭おかしいけどよ
荒らしと決め付けるのよくないぞ
まあ、俺はとことん救いがないのが好きだけどな
やっぱりデミテルがナンバーワン!
デミテル→知将→毛利元就→広島県→広島東洋カープか
デミテルは2ndに出てないだろ
関係ない話ならよそでやれよ
初代はアナザー打ち切られて落ちたたからしゃーないやろ
まあ残当やけど
なんだいつもの荒らしか
関係ない話ならお前のために建てた避難所の設定議論スレとやらを使えよ
あそこなら私物化しても誰も怒らないぞ
注意されてるのに相変わらず荒らし決め付けか
ここのスレ、モラル低すぎだろ
注意されてるのになんJの乗りを持ち込むお前はどうなの?ブーメラン乙
都合が悪くなると他人の振りか黙り決め込むかだね
実に卑怯な人間だけどちゃんと社会でやっていけてるの?
避難所の設定議論スレが盛り上がらないのは何故だろう
多数の住人が希望しているからと立てたのに閑古鳥が鳴いてる
自演野郎がモラルとか草不可避
人の振り見て我が振り直せ
>>773 だって自演じゃん∧∧
少しは文体変えるなり努力してみろや
ここまで個人攻撃のみとか草不可避
人格が腐ってるから叩かれても仕方ないな
嫌なら堵下手くそな自演をやめればいいのにね、バカだよね
777なら778以降スレ住民への人格攻撃禁止
ガキかお前w
何を言おうが叩きまくるからよろしく∧∧
まーた消えたしw間をおいて出てきても無駄だからな?俺も張り付くから∧∧
自演はよ
あーあ超えてはならない一線を超えちゃったな
スレ容量が残り少ないからこのまま潰しあって埋めてくれるとありがたい
おまけに書き手さん来ないしね
はやく自演しろよ
穏やかじゃないな
お薬の時間だね(ニッコリ
>>788 おっ、やっぱりいつもの自演野郎か
ほんとわかりやすいなお前w
お得意の全滅希望はまだか?∧∧
僕ちんのワガママきいてくれないなんてやだー!ってかw
脳みそがお子ちゃまのままオッサンになった気分はどうなん?
ふえぇ…みんななかよくしようよぉ…
池沼の自演おじさんとは仲良くできないですね;;
これはこれで賑やかで面白いかもなぁ
定型文みたいな荒らしじゃないだけ人間らしくて好感持てる
サイグローグ「けっけっけっ・・・この調子ではおそらく全滅するでしょうなぁ・・・」
なりきりとか気持ちわるーいw
自演おじさん→自演擁護のみのクッソ哀れな池沼
超素敵な俺様→住人から好感を持たれるモテ男。抱いてほしい
この差はなんなんでしょうね?wやっぱり人間性の違いかなーw
自演擁護のみのクッソ哀れな池沼
煽りのみのクッソ哀れな池沼
まさに目くそ鼻くその対決
>>797 その通りだな
そしてサイグローグの手のひらの上で踊らされているのに気づいていないクッソ哀れな参加者も忘れるなよ
自演擁護のみなのは認めるんだw
自分で自分にレスするの楽しいのん?
障害者年金ってどれくらい貰えるのかな
俺も池沼らしいから貰いたい
>>799 楽しいぞ
バカな奴は簡単に騙せるからな
自演全然楽しくないです;;
よくこんな惨めな真似を続けられるな・・・
あ、気が狂ってるから平気なのか^^
せっかく書き手志望の人が出てきてもスレがこの荒れ模様じゃあなあ...自演君と煽り君は仲良く余所で喧嘩してくれないだろうか
やっぱり最後は救いが全くないほど暗い方が好き
途中は救いはありそうに見えるのもいい
スレが荒れるロワってのも珍しい方かな
書き手さんも投げ出してしまえば希望も絶望もなくてキチガイ押し付け組は発狂するんじゃなかろうかwww
>>805 それいいね!
書き手さん今までありがとうございました!
他ロワでのご活躍に期待してます^^
>>804 自演で「その通り」ってレス付けるの忘れてるよ?^^
もっと自演してくれないと面白くないから早く惨めな所を見せてくれよん
ずっと同じ内容の希望を書き続けてるのに書き手に無視されてる自演おじさん可哀想;;
書き手もトドメ差してあげればいいのに放置プレイなんて鬼畜だわ、ファン辞めます
ずっと同じ内容の希望を書き続けてるのに書き手に無視されてる住民可哀想;;
書き手も住民の要望聞いてあげればいいのに放置プレイなんて鬼畜だわ、ファン辞めます
書き手様から見れば僕達は虫ケラ同然だからね・・・;;
いくら鳴こうが虫のさざめきなんて気にもとめないよ;;
住民=全て自演おじさんの自演
荒らし=自分以外の全てのスレ民
書き手=僕ちんの奴隷
これが自演おじさんにとっての2ndスレなんやね・・・
>>812 同感
荒らしは本当に煽りしかできないのな
>>812-813 自演乙^^やっとこれ言えて嬉しいw
文体わかりすきやで?わざとやってるん?ドMなん?質問に応えてね
現実でも普段から誰も相手にしてくれないから自分で自分に安価打って独りで会話してるのかな;;かわいそう;;
Q、なぜわざわざ自演をするのか
A、目立ちたいから
Q、なぜ目立ちたいか
A、構ってほしいから
Q、なぜネットで構ってほしいのか
A、現実では誰も構ってくれないから
Q、なぜ現実で構ってもらえないか
A、嫌われる性格だから
Q、なぜ嫌われる性格を治そうとしないのか
A、「自分を理解できない周りのほうこそバカ」と思い込んでいるから
自演じゃないとしたらもっと俺が叩かれててもいいはずなのに必死に言い返してくる奴は同じ文体の奴1人だけww
こんな有り様で工作が上手く出来てると思ってるならホント低脳ですわ・・・やばい・・・wwww
全く成長してないとは思わなかったよ
>>818 それこっちの台詞ね^^
何ヶ月も居座ってるくせにバカの一つ覚えで自演しかしてないやんw
やっぱキチってる奴をいじるのは楽しいな
ほんとおもしろい奴を見つけてラッキーだわ
自演じゃないとしたらもっと俺が叩かれててもいいはずなのに必死に言い返してくる奴は同じ文体の奴1人だけww
こんな有り様で工作が上手く出来てると思ってるならホント低脳ですわ・・・やばい・・・wwww
こんだけ叩かれてるのに自演以外の擁護が一つもないのが凄いよね^^
自演おじさんどんだけこのスレの人達に嫌われてるの;;
やっぱTwitter晒したりチャットに乗り込んで荒らしたりしたからか?wバカやっちゃったね;;
自演おじさんはきっと一生このスレの人達に許されないんだろうな・・・
やることなすこと全部が迷惑という腐りきった人格のニートやし・・・;;
そりゃこんな奴の希望なんて書き手もシカトぶっこきますわw
スルーできない馬鹿ばっかりでイライラする・・・
>>824 お前もスルーできてないぞ^^
バカ同士なかよくしようぜw
もはや誰が誰だかさっぱりだが、暴れてる奴は自分以外にレスしてる奴全員が敵に見えてるんじゃなかろうか
>>826 なんでそう思ったのん?
俺が煽ってるの自演おじさんだけよ?
煽りしかないからどれが自演おじさんかわからないんだけど
具体的には
>>812-813とサイグロキチと全滅希望君となんカスが自演おじさんだよ^^
で、俺はそれらしか煽ってないんだなこれがwよく読めばわかることだよん
文体がどれもこれも同じで低脳すぎるから同レベルのバカじゃなければ余裕で看破できるよね;;
脳の成長が幼稚園で止まってるような池沼に騙されてる人はいないよね;;
あ、聡明な人しかいないから自演おじさんを擁護するレスがないのかw
すなわちバカは自演おじさんだけってことやね;;
アホなりに頑張って自演しないともっと孤独になっちゃうよ・・・
よく考えたら書き手にも荒らしと思われてて希望やら願望やらを完スルーされてるのに自演続けてんだよな・・・
わざとやってんじゃなければ流石の俺もドン引きするレベルのキチガイだわ・・・面白すぎてやばい・・・
希望や願望書き続ける奴もキモい語尾つけてる奴もウザいだけだ
自分と相反する立場にあるレスも無差別に「自演おじさん」認定してそうだなぁ
こんなこと書くと俺も巻き込まれそうだが、まぁちょっとは落ち着け
この次元の争いじゃ、火に油を注いで相手を楽しませる効果しかないと思うぜ?
>>833 俺もそう思うwウザくてごめんねごめんねー^^
>>834 それならお互い楽しいから大丈夫だな!
これからもこの調子で火に油を注ぎ続けるわ!
希望やらを書き続けてる自演おじさんがいよいよスレ民からもキモいとか言われ始めたね・・・;;
まあ、前々からそう思ってたんだろうけどね、キモイからね
〜自演おじさんのこれまでの歩み〜
・書き手を装ってアナザーを強引に打ち切ろうとした
・必死に自演して常に自己正当化
・2ndスレで書き手に全滅ルートを強要
・書き手のTwitterを晒しスレ民激おこ
・チャットに乗り込み自演しながら荒らすも看破されてフルボッコ
・数日後懲りずに復活。再び自演しながら全滅強要
避難所とかdat置き場からログ拾って読むだけでもクソ面白かったw
存在がギャグみたいな人やけどリアルでもこんなんなん?友達になりたいわー
NGワード
全滅
^^
;;
チャットはおもしろかった
その後消えてくれたと思ってたんだけどなあ...どうしてこうなった
おかしな奴がまた一人増えたけど果たしていつまで荒れたままなのかね
>>840 あれは確かに面白かったなw
>>838 順序が違うよ
〜荒らしのこれまでの歩み〜
・アナザーを強引に打ち切った
・必死に自演して常に自己正当化
・2ndスレで書き手に全滅ルートを強要
・チャットに乗り込み自演しながら荒らすも看破されてフルボッコ
・書き手のTwitterを晒しスレ民激おこ
・数日後懲りずに復活。再び自演しながら全滅強要
・おまけに煽りレスも大量に登場
自演おじさん消えちゃった?
いつもみたいに自演してええんやで?多数派なんでしょ?
俺なんて気にしなくていいのに;;
責められると突然消えるから自演だと思われるんだよ・・・
もっと図々しく大胆にやらないとダメだぞ^^
>>841 アナザー打ち切り騒動も面白かったわw
唐突に投票が始まって即レスで三票集まっててクソ笑ったwあんだけ過疎ってるのにありえねーw
書き手を装ってでも打ち切りたかったんかな?私怨だとしたらキモすぎ・・・
今まで塞き止めていたものが無くなったかのような連続投稿だなぁ
そんなに我慢してたのか
>>845 自演おじさんの存在を知ったのが最近のことなのよ
何の気なしにパロロワwiki読んでたらテイルズロワが打ち切りになっててさ
で、何があったのか調べてみたらご覧の有り様じゃん?これは面白いなってw
とにかく折角リアルタイムで出会えたんだからもっと自演してくれないと面白くないの;;
俺がいると全滅希望もしてくれないから全然楽しめないお;;
今日こそ自演してくれるかな・・・
全滅希望でもいいから書き込んでよ;;つまんないよー
自演おじさんのイカレたレスを心待ちにしてるのは俺だけじゃないはず
住民の期待に応えてくれてもいいのにね・・・恥ずかしがらずに出ておいで!
マーダーでもいいから早く主催者倒してくれ
>>850 そういえばチャットでフルボッコにされた頃に全滅希望から主催打倒希望に変わってたよなw
別人を装っても文章から低脳っぽさが滲み出ててなんとも味わい深い・・・
つーかこのスレの人達は書き手様に対して要望や特定のキャラに対しての死亡希望なんてしてないんだよな・・・
ここまでスレを読んでそんなレスしてるバカは自演おじさんのみという状態ですな;;
押し付けようとしてる希望がいちいち極端だから分かりやすいんやね;;
そんなんじゃ書き手どころかスレ民からの賛同すら得られないよ;;
〜自演おじさんのこれまでの歩み〜
・書き手を装ってアナザーを強引に打ち切ろうとした
・必死に自演して常に自己正当化
・2ndスレで書き手に全滅ルートを強要
・書き手のTwitterを晒しスレ民激おこ
・チャットに乗り込み自演しながら荒らすも看破されてフルボッコ
・チャットから数日後、何全滅希望から主催打倒希望になるも極端すぎてまた看破される
・色々諦めたのかまた全滅希望(強要)に戻るw
こうしてみると実に波瀾万丈やね・・・
自演おじさんも苦労してんな;;
俺なら恥ずかしくて二度と書き込めないような失態をやらかしまくってるお;;
それなのにずっと居座ってられる面の皮の厚さが羨ましいぜ^^
なんつーか……
虚しくならないのか?
>>856 今の所たのしいよ!
最近自演おじさんが書き込んでくれないからほんの少し寂しい;;
自演おじさんのゴミみたいな人間性が滲みでたレスが見たい
全滅希望でも主催打倒希望でも自演でもいいから書き込んでよ;;
その自演おじさん以上に荒らしまくるお前も大概だけどな
>>859 恨むなら面白すぎる自演おじさんを恨むんやで
あの稀代のおバカさんが居なくならない限り俺もここに居座るよ^^
こんな状態じゃSSも投下されないかもな;;
でもしょうがないよね、全部自演おじさんせいだからね・・・
自演おじさんも悪いけど反応しまくるお前らも悪いんだぜ
>>862 そうだね・・・自演おじさんがスレ民に謝罪したら俺も消えるよ;;
それまでは永遠に居座るよ;;
それまでSS投下されなくても仕方ないな・・・
みんな恨むなら自演おじさんを恨んでくれよな;;
人格が破綻しておられる自演おじさんはいらっしゃいませんか?
俺以外のスレ民からも自演おじさん呼ばわりされてるからこのままだと居場所なくなっちゃうお;;
起死回生の申し開きはよ
タイピングする度に高品質なクソを捻り出す才能は素晴らしいよな・・・
俺も負けてないだろうと勝手に思っていたが同じ舞台に立つ事すら叶わないほどの実力差がある
比肩する者が存在しない高みにおられるのが”自演おじさん”
あれ?wほんとに消えちゃった?
他人のふりして出てくると思ってたのに・・・
俺が飽きて消えた頃に帰ってくるつもりかな・・・残念ながら永遠に居座るつもりだよw
話はかわるけどエンドロールの予告見てて思ったんだけどさ
最期の勝つのは私だってとこ二人?なんだよね。一人はミクだとしてあと一人だれだろう?
ジルバっしょ
見事にお亡くなりになったけど
俺も最初そう思ってたんだけど言わずに死んだから違うんじゃね?と思ってさ。
確かにそうだよな...フラグバーストに関わってる一人称が私のキャラっていうとミクトランとジルバの他に誰がいるかな?
自演おじさんに会いたい;;
あの気が抜けるようなレスにはハッピーターン的な中毒性があるわ
全身から力が抜けリラックスした状態になれて一日の疲れが吹き飛ぶ
そして晴れやかな清々しい気持ちでおじさんを煽る・・・これが楽しい
ミクトランの断末魔らしきものもあるけどな
ミクトランもさっさとくたばってほしい
>>875 みーつけた^^
特定キャラに死ねとか言ってるのおじさんだけだよ?
次は自演で「同意」とか他人の振りして書き込むんでしょ?楽しみに待ってます!
怨みをぶちまけるキャラもミクトランかサイグローグだけなんだよなw
普段はミクトランサイグローグになりきって痛いレスしてるよね^^
自分の好きなキャラを貶せばバレないとでも思ってるのかな?思ってんだろうな、低脳だからw
チャットで自演がバレてクソミソに叩かれた時とやる事がなにも変わってないな・・・
この学習能力の無さもおじさんの魅力だけど普段この人の周りにいる人は大変だろうな・・・
マオの人も洒落にならないぐらいキモかったみたいだけど自演おじさんはそれ以上やね・・・
テイルズヲタってリアルでは関わりたくないレベルのキチガイが多いのな;;さすがクソゲーである
>>876-879 残念ながら自演しているクズではない
そもそもキモい連レスしてる時点で荒らしと変わらないぞ
見えない何かと戦って何が楽しいん?
むなしくならんか?
>>880 いやいやwバレバレですがな^^
いい加減ミクトランサイグローグから卒業したほうがええで?
たたでさえ文体でバレるんだから少しは自分の特徴を消す努力をしたまえよw
連レスがキモいなら自演おじさんは輪をかけてキモいよな・・・
なにしろ自分と会話しながらだからな・・・絶対まともな人間じゃない
>>881 君は目が腐ってるから自演おじさんが見えないんだろうな・・・
しょうもない嘘によく騙されるでしょ?わかるよ、大変だね;;
しかし一年近くも居座ってるくせにやってることが何も進歩してないってすげえわ
延々思考停止で自演とミクサイグロ云々で通してるんだよな・・・
向上心もなければ学習能力もない、更にクソみたいな人格。素敵すぐる
自演しかできない奴も哀れだが連レスしかできない奴も哀れだ
他人のせいにして自分の行為を正当化するもんじゃない
>>886 正当化してないよ?荒らしてる自覚あるよ?
その上でやってるの^^解ってくれたかな?
消えて欲しければ自演おじさんが消滅するように祈っててくれ;;
自演野郎と連レス野郎のせいで自然消滅待ったなし
NGワード
全滅
くたばって
死ん
サイグローグ
ミクトラン
^^
;;
・・・
自演おじさん
>>888 そうやね・・・自演おじさんと俺は一緒に消えるべきやね;;
でも彼も永遠に居座ると思うから俺も居座ることになる・・・ごめんね;;
仮にこのロワが自然消滅したら多分大笑いするわ
テイルズヲタざまぁwwwwって感じで^^さっさと余所いけよ、そもそも板違いだぞ?このスレ
つーか気色悪い自演おじさんが現れる時点でテイルズヲタの民度が知れるわ
小便臭い三文芝居で喜ぶような精神年齢だからバレバレの自演も出来ちゃうんだろうな
>>872 一応レイシスが一人称私だしフラグバーストにも関わってるけどなあ…
レイスが闇堕ちしたら盛り上がると思うけどそれはどうだろw俺は大人ミトスと見るね。
しかし台詞から見てあと2、3人は死にそうな気がするけどどうなんだろうね。ジルバが普通に予告の死亡フラグ台詞通り死んだから、同じように死亡フラグ台詞吐いてるミクトランも死ぬのかどうか。あからさま過ぎて怪しいけどなあ
台詞見ると裏切りっぽいのもあるし気になる
レイス闇堕ちいいね!全てを逆の方向に吹っ切ってマーダー転向とか胸熱...シャーリィーといい対比になるし展開的にもものすごく美味しいな
自演おじさん今日はどんなクソレスをするの?ミクサイグロ云々?それとも自演?
どっちみちバレるけど頑張って工夫してレスするんやで^^
さあ、畜生以下の脳みそをフルに使って今日も張り切って他人の振りしようね^^
少しはまともなレスを期待しとくわ、どうせいつも通りのクソレスだろうけどw
全滅なんてないんだよ自演おじさん^^
で、肝心の自演おじさんはいつ出てるんの?w
ヘタレだから出てこないの?w
>>895-896 自演おじさんいないと思ったら彼が自演おじさんなのか・・・
構ってほしいからって他人の口調使って成りすますなよ自演おじさん;;
まあこれで自演おじさんも俺と同じレベルに落ちたね;;
今日は結局成りすましじゃない自演おじさん来ないね・・・
自演おじさん来なくてさみしいよ;;
他人のふりしかできないから当然だろうけど^^
900 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2014/02/18(火) 18:41:07.48 ID:GVj8hUhw0
前回完全に主催者の独走だったから主催者(前回のやつ含む)死ねは分かる気がする
実際俺もそう思っているから
荒らしはそう思っている住民すべてを自演おじさん呼ばわりしてるけど
>>900 自演おじさんみーつけた^^
死ねなんて直情的な表現しねーよ間抜けw
精神年齢がお子ちゃまだからそうなるんやで?おじさんだけやで?
上の人の言う通り叩かれたら他人ふりしかできなくなるんやね;;
全滅して欲しいなら俺なんて無視して延々自演していればいいのにね・・・
書き手に無視されて荒らし扱いされ、スレ民から疎まれても続けないと^^
住民=おじさんの自演
荒らし=僕ちん以外全員
書き手=僕ちんの奴隷
これがおじさんの脳内ね!きもちわるーいw
やっぱり今日もクソレスだったね;;
全滅か主催打倒かなんてどうでもいいのにいちいち極端なレスするからバレるんやで;;
>>893の人みたいに今の展開を理解した上で柔軟な予測とかできないのん?
おじさんは書き込む度に全滅希望か主催死ねだから疎まれるんやで;;
>>897-899 しっかし見事やなこれ・・・完全に俺だもんw
おじさんもこれぐらい完璧に成りすましてみてよ^^
〜自演おじさんのこれまでの歩み〜
・書き手を装ってアナザーを強引に打ち切ろうとした
・必死に自演して常に自己正当化
・2ndスレで書き手に全滅ルートを強要
・書き手のTwitterを晒しスレ民激おこ
・チャットに乗り込み自演しながら荒らすも看破されてフルボッコ
・チャットから数日後、全滅希望から主催打倒希望になるも極端すぎてまた看破される
・色々諦めたのかまた全滅希望(強要)に戻るw
またほっといたら全滅希望に戻るんかな?w
鯖復旧したぞ!自演おじさんのクソレスに期待!
全滅希望か主催打倒希望でしょ?それも極端なのw
全滅希望→全滅!これが平等で最高!全滅以外認めない!
主催打倒希望→サイグロ死ね!ついでにミク含むマーダーも死ね
おじさんの全てはたった二行に収まっちゃうね;;薄っぺらーいw
>>900の言うとおり
住民を馬鹿にする荒らしは消えろ
>>909 自演乙^^
おじさんが消えれば俺も消えるよ;;
低脳に自演は無理だから諦めよ?
なにしろレスが完全にパターン化してるからなw
全滅希望、主催打倒希望、クソみたいな自演のパターンしかない
もしかしてbotなんかな?人間だとしたら完全にイカレてるな・・・
面白いからずっと続けてくれていいんやけどスレ民はどう思うかな;;
自演でクソレスする荒らしと連投しまくる荒らしが住み着く・・・
企画がつまらないからこうなるんなな?こりゃ打ち切りやな;;
全滅希望の自演おじさんは自分で書く気はないのん?
今の書き手様は全滅希望=荒らしと完全に確信してるから絶対におじさんの希望は叶わないよ;;
どんなクソSSでもいいから自分で書いてみ?んで、それをここに投下しよう
荒らしから書き手に転身できればスレ民も見直してくれんじゃね^^
中卒レベルの語彙でどこまで書けるか知らんけど頑張ろうな!
キモい連レス荒らしは消えてくれ
全滅荒らしだけの方がまだマシだった
>>915 自演おじさんが消えれば俺も消えるよ?^^
他人のふりして書き込んでもバレちゃう低脳なのが悪いんやで;;
おじさんがもっと上手くやればスレ民にも迷惑かからないのにね・・・
このままじゃおじさんも俺もスレ民と書き手に嫌われるだけやね;;
リアルでも居場所がない自演おじさんにとっては死活問題かな・・・
誰もおじさんを受け入れてくれないのは誰のせいでもなく、人格が腐ってる自分が悪いんだぞ
ちゃんと治療してまともに社会で生活できるようになるといいね;;
自演連投が荒らしだという自覚もないんかな?
仮にバレなかったとしてもバレた時のリスクを考えると普通出来んわ
案の定チャットでやらかして自演の常習犯だとバレるし・・・
それで今でも書き手に全滅希望するとは恥知らず越えてもはや清々しいなw
おまけに何故かバレてないと思ってるらしいし流石に判断力も無さ過ぎやね
サクッと自演やめてスレ民と書き手に謝って自分の希望を真正面から伝えりゃいいのにね
それができないのはコミュ障だからか?
指と脳みそがまともに機能してるならもっと建設的なレスをしてみろよ^^
あんたのいう自演おじさんも嫌いだけどあんたも嫌いだ
ここんところ勘違いしないでほしい
>>920 それも自覚あるよ?好かれる要素ねーからw
つーか他人の振りしてもバレてるよ?いい加減に無意味な工作やめれば?
自覚あるから消えてほしい
ただでさえフェンフェンのせいでテイルズファンの印象悪くなってるから
>>922 いやですぅ;;消えないですぅ;;
消えるときは一緒に消えよーね^^
テイルズヲタの印象なんて元から最底辺だから今更心配すんなw
俺はただ続きを予想して語りたかっただけなのに…
まあ、本音言うと続きなんて期待できないから自然消滅でいいんだけど
>>924 それなのに態度がおかしくなーい?
語り合いたいなら自分の思想をスレ民のみならず書き手にまで押し付けるな
全滅コールで保守なさってるから自然消滅は無理やね;;
自然消滅させたいならまずは粘着をやめんと・・・w
フェンフェンってなんだと思って調べてみたら自演おじさんの同類かw
自演おじさんとならお友達になれそうだけどここには来てくれないのかな?
>>926 押し付けてないよ
俺はお前の言う自演おじさんじゃないんだから
>>927 キモいお前が去ったら粘着やめてやるよ
まあ、お前の言う自演おじさんも粘着やめるのかは俺にはわからないけど
>>928 そいつに初代ロワ読ませたんだけど発狂してたぜ
最後のLキャラが大好きな大好きな酢飯なのにね…
なんでだろう…w
>>929 じゃあ一緒に延々と粘着しようぜ^^
テイルズヲタのみなさん、また新たな粘着野郎が爆誕したけどガッカリしないで;;
企画が鬼つまらないのが悪いんだからどこか余所でひっそりとやればいいよ;;
ちなみに
>>930のソースね
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1377566694/ 31 :名無したんはエロカワイイ:2013/09/19(木) 14:53:19.94 ID:jdvHWYlD0
せっかくだから酢飯信者(フェンフェン)にこれをプレゼントしよう
酢飯信者(フェンフェン)用のサイトだから他の人は見るなよ!
http://www.geocities.jp/tobr_1/index.html 感想はこちらな
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5639/1371051752/ 32 :名無したんはエロカワイイ:2013/09/19(木) 20:45:41.00 ID:pxqqTcYPP
読んだ
原作でセネルの死にもステラの2度の死にも
フェニモールの死にも民の死にも屈せず
同行者との協力関係を崩さず理性を保って戦っていたシャーリィが
なぜセネルが死んだ程度で理性を失ったのか分からなかった
35 :名無したんはエロカワイイ:2013/09/20(金) 08:56:38.18 ID:Al2M/ubf0
>>32 いいから最後まで読めよ酢飯信者
酢飯がTOLキャラの中で一番活躍してるのがよく分かるから
36 :名無したんはエロカワイイ:2013/09/20(金) 09:41:11.95 ID:Wm5P24obP
だから全部読んだよ
何度も言うが隣人の死を経験して常に死者よりも生者と向き合ってるシャーリィの
ロワでの理性を失う過程が原作の人物像とかけ離れすぎてる
だいたいシャーリィは個人的恨みで他者に殺意を抱くような気質自体持ち合わせていない
ヴァーツラフやガドリア騎士のような大切な人を奪った本人が相手だろうと
冷静に聞いて見極める姿勢を崩した事がない
戦場で浮き足だたずチームを乱さないだけの理性と協調性を
初期の頃から充分に備えてるキャラだよシャーリィは
フェンフェン様は自演おじさんと同類なんかじゃなかったね・・・
キャラをきちんと把握して建設的な議論に持ってく時点でおじさんよりまとも
これが自演とテープレコーダー荒らしのおじさんとの格の違いか・・・
>>933 フェンフェンはキャラをきちんと把握してないよ
むしろいろんなサイトに突撃したり捏造したりしている時点で自演おじさんより悪質
>>934 なるほど
まあ、フェンフェンも自分の希望をごり押ししつつ自演する奴もキモい言葉で書く奴もクズなのには変わりないけどな
>>934 そうなん?スレ読んだだけじゃやっぱよくわからんね・・・
余所に迷惑かけてる点は自演おじさんも同じだけど規模が違うみたいね;;
パロロワwiki荒らして喜んでる自演おじさんとは本気度が違うな
フェンフェンといい自演おじさんといい、テイルズヲタは最底辺とよくわかるわ
キチガイの質が他の追随を許さないハイクオリティでマジ面白い
そもそもキャラアンチに本気になる時点でキモいし逆にキャラ信者になるのもキモい
自演おじさんどこ行っちゃったの;;
おじさんが立ち去ったかどうかもよくわからないから居座るしかないな・・・
このスレが1000行ったら次スレは立てなくていいからね^^
荒らしが次々と沸くようなクソスレなんて邪魔なだけやし;;
立てたら立てたでまた粘着するからな;;
おじさんが大好きだから彼がいなくならない限り俺も居座る
急に静かになったな・・・
自演おじさんメンタル脆すぎやで;;
自演するなら徹底しないと即バレして恥をかくだけなんやね;;
おじさんのお陰で勉強になったよ・・・ありがとう
自演おじさんいないから寂しいね;;
自演おじさんいなくなっても居座ることにするよ;;
自演おじさん来たらたっぷり言いまくってやるから早く来てよ^^
フェンフェンでもいいや^^
どうも自分がフェンフェンです。
なにかご質問はありますか?