【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができ、加えて願いを一つ何でも叶えてもらえる。
(主催者に不利益なものは不可)
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
開催場所は異次元世界であり、どんな能力、魔法、道具等を使用しても外に逃れることは不可能である。
海上に逃れようと一定以上先は禁止エリアになっており脱出は不可。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を配給され、「ザック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「着火器具、携帯ランタン」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「支給品」
「ザック」→他の荷物を運ぶための小さいザック。
四次元構造になっており、人以外ならどんな大きさ、量でも入れることができる。
「地図」 → 舞台となるフィールドの地図。禁止エリアは自分で書き込む必要がある。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「着火器具、携帯ランタン」 →唯一の灯り。油は切れない。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「食料」 → 複数個のパン(丸二日分程度)
「飲料水」 → 1リットルのペットボトル×2(真水)
「写真付き名簿」→全ての参加キャラの写真と名前がのっている。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「支給品」 → 何かのアイテムが1〜3つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「作品中のアイテム」と
「現実の日常品もしくは武器、火器」の中から自由に選んでください。
銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。
【放送について】
放送は12時間ごとに行われる。放送は各エリアに設置された拡声器により島中に伝達される。
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去12時間に死んだキャラ名」
「残りの人数」「主催者の気まぐれなお話」等となっています。
【「首輪」と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている。
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ。(例外はない)
主催者側はいつでも自由に首輪を爆発させることができる。
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ。
「首輪」を外すことは専門的な知識がないと難しい。
下手に無理やり取り去ろうとすると首輪が自動的に爆発し死ぬことになる。
プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである。
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
なお、どんな魔法や爆発に巻き込まれようと、誘爆は絶対にしない。
たとえ首輪を外しても会場からは脱出できないし、禁止能力が使えるようにもならない。
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると首輪が自動的に爆発する。
禁止エリアは3時間ごとに1エリアづつ増えていく。
3 :
マグナス:2005/10/18(火) 00:18:51 ID:5H3eXVd7
板違いだ、豚が
【制限について】
身体能力、攻撃能力については基本的にありません。
(ただし敵ボスクラスについては例外的措置がある場合があります)
治癒魔法については通常の1/10以下の効果になっています。蘇生魔法は発動すらしません。
キャラが再生能力を持っている場合でもその能力は1/10程度に制限されます。
しかしステータス異常回復は普通に行えます。
その他、時空間移動能力なども使用不可となっています。
MPを消費するということは精神的に消耗するということです。
全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内ということでお願いします。
【本文】
名前欄:タイトル(?/?)※トリップは必要ありません。
本文:内容
本文の最後に・・・
【名前 死亡】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
【残り○○人】※死亡したキャラが出た場合のみいれる。
【本文の後に】
【座標/場所】※時間表記は基本的に本文での描写のみ。状態表には必要ありません。
(本文でも具体的な時刻表記はなるべく避けましょう)
【キャラクター名】
[状態]:キャラクターの肉体的、精神的状態を記入。
[装備]:キャラクターが装備している武器など、すぐに使える(使っている)ものを記入。
[道具]:キャラクターがザックなどにしまっている武器・アイテムなどを記入。
[思考]:キャラクターの目的と、現在具体的に行っていることを記入。
以下、人数分。
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活はどんな形でも認めません。
※新参加キャラクターの追加は一切認めません。
※書き込みされる方はスレ内を検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に必ず【○○死亡】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。
基本的なロワスレ用語集
マーダー:ゲームに乗って『積極的』に殺人を犯す人物。
ステルスマーダー:ゲームに乗ってない振りをして仲間になり、隙を突く謀略系マーダー。
扇動マーダー:自らは手を下さず他者の間に不協和音を振りまく。ステルスマーダーの派生系。
ジョーカー:ゲームの円滑的進行のために主催者側が用意、もしくは参加者の中からスカウトしたマーダー。
リピーター:前回のロワに参加していたという設定の人。
配給品:ゲーム開始時に主催者側から参加者に配られる基本的な配給品。地図や食料など。
支給品:強力な武器から使えない物までその差は大きい。
またデフォルトで武器を持っているキャラはまず没収される。
放送:主催者側から毎日定時に行われるアナウンス。
その間に死んだ参加者や禁止エリアの発表など、ゲーム中に参加者が得られる唯一の情報源。
禁止エリア:立ち入ると首輪が爆発する主催者側が定めた区域。
生存者の減少、時間の経過と共に拡大していくケースが多い。
主催者:文字通りゲームの主催者。二次ロワの場合、強力な力を持つ場合が多い。
首輪:首輪ではない場合もある。これがあるから皆逆らえない
恋愛:死亡フラグ。
見せしめ:お約束。最初のルール説明の時に主催者に反抗して殺される人。
拡声器:お約束。主に脱出の為に仲間を募るのに使われるが、大抵はマーダーを呼び寄せて失敗する。
誤爆か?
さて参加キャラクター投票ですが、得票制ではなく早い者勝ちの投票を考えています。
一つのIDにつき二名投票することができ、重複投票した場合両方削除されます。
0時から24時までの24時間以内に投票し、100名を越えた時点で投票終了です。
101人目の投票キャラはオープニングでの見せしめとして活用されます。
24時間で投票キャラが100人に満たなかった場合、最後の投票キャラが見せしめになります。
例えば投票キャラが全70名だった場合、70人目のキャラが見せしめとなります。
まだ発売していないタイトルのキャラは禁止です。また、名前の無いモブキャラ等の投票も禁止です。
本シリーズに比べてプレイ人口が少ないであろう「なりきりダンジョン」と「ファンダム」は要議論。
ルールの細部と主催者、MAPを決めてから、投票に移ります。
上記のルールはあくまで暫定のものなので、皆で議論して調整していきましょう。
糞スレか?
またテイルズスレか
一応言っとく
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/18(火) 00:32:09 ID:lr35g8eg
全キャラ出せばいいじゃんかったるい
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/18(火) 00:37:59 ID:PGoVACjD
全員禁止エリアに行き死にましたとさ。
またテイルズスレか!
まぁこのスレが何なのかわからない人は
>>1のリンクスレ行ってみると良いかも
おまんこー
って一々書き込むのめんどくさいから糞スレ立てないでくれ
>>1 やるならやるでちゃんと仕切りなさいよぉ><
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/18(火) 20:15:47 ID:mca1DNI7
いや、こういうのってスレ立てたからって
>>1がでしゃばると反感買ったりするじゃない
参加する気のある住人が集まるまでしばらく様子見たかったんだけどな
やっぱり、こういうのって先に投票始めたほうが盛り上がるんだろうか
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/18(火) 20:19:54 ID:3rCaM7QC
キャラデザは冨樫しか居ない。
ストーリーはレジェンディアの奴とクレしんの原との合作
戦闘プランナーはD2の奴
音楽はLの奴か麻枝様
アニメはLの奴かクレしん映画スタッフ
スタッフは全員スクエニの第一かAAA
スポンサーは村上ファンド(後ろ盾はオリックス宮内)
主題歌はI've歌姫全員でKOTOKO作詞タカセ作曲Mixさんが編曲
EDはプラネテスの挿入歌、ラストエグザイルのEDの人
世界観は集団合議制がしかれた西洋近代のファンタジーワールド
官僚制の弊害から世間は停滞感漂う世紀末
主人公は天皇近衛部隊隊長(親が皇族だからコネ)
絵を書く事がただ一つの趣味
ヒロインはお姫様。外務省と防衛省(省に格上げ)の連絡ミスから世界大戦がはじまる。
2度に渡る世界大戦の中で主人公は普通の幸せとは何かを見つける。
しかし代償は小さくなかった
戦闘D2でコドモから大人まで楽しめる原の才能を合わせ
周りを一流スタッフで固めれば確実に売れる。
どうしろとwww
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 12:35:09 ID:AhKO9/1t
期待age
主催はフォルトナ辺りが妥当かな
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 13:24:22 ID:aueIV92x
ミクトランあたりも書き易そうだ。
一人の青年が重い瞼を開くと、見慣れない薄れた暗闇が突然視界に飛び込んだ。
「ここは……?」
うつ伏せの体を持ち上げ、疑問をそのまま口にする。
よく目を凝らし辺りを見回すと、自分と同じ様に人々がうつ伏せに倒れていた。
死んでいるのだろうか?いや、多分寝ているのだろう。うっすらとした寝息のみが部屋に響いた。
バァッ!
「…!!」
突如、部屋に異変が訪れた。
壁面に掛けられた蝋燭全てに、揺れ動く青白い炎が灯され数々の光景が浮び上がる。
狭苦しい部屋には、ご丁寧にも真紅の絨毯が敷かれており、天井には蜘蛛の巣が張っている。
そして、眠りに付いている者の首には――恐々しい首輪が装着されている。ふと自分に首に手を当てると…
冷たい感触がした。不思議と息苦しくはなかったが、ひたひたと恐怖を感じる。
引っ張ろうとして外そうとしたが、危機を感じてすぐに手を離した。
しかし、この首輪にしても、一体何なのだ?ここは?
…そもそも何故自分はこんな所に居るのだろうか?
目を覚ました他の者達も、青年と同じ様に混乱に陥っていた。しかし、それを深く考える事は出来なかった。
次の瞬間、再び部屋に異変が訪れた。
唐突に部屋が振動でも起こったかのように揺れ、部屋の奥から閃光が迸り、部屋が一瞬歪む。
蝋燭の炎が激しく揺れ、唖然と立ち竦んでた者達を脅かした。
そして奥から、何者かがせせら笑いながらゆらりと姿を現した。
背後に感じる悪寒。禍々しい妖気。そして…
「ようこそ、選ばれし愚かな生贄達よ……」
絶望が込められた、その一言。
「今日はお前達に殺し合いをしてもらおう。」
━━━━(゚∀゚)━━━━!
100人は多すぎねえ?一話一殺くらいでやらないと
人数減るまで話進めづらいんじゃないか?
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 19:06:02 ID:loKYQKUq
>>1のリンクから他のロワを見てもらえるとわかるけれど
100人前後っていうのがフォーマルスタイルになってるからね
多いところだと140人っていうのもある
でもまぁこの分だと投票時にそんなに集まらないから、その辺はあんまり心配しなくていいんじゃないかな
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 19:37:45 ID:qZwzv43X
漏れもやってみていい? キャラは見せしめ込みで二名。
「ふざけないでくれ!」
唐突な殺し合い宣言に、一人の男性が声を上げた。
「こっちはパルマコスタから、訳も分からない内にいきなりここに飛ばされたんだ! そんなふざけたことやるなら俺は乗らないぞ! 第一こっちにだって生活や拒否権が…」
「グダグダうるせぇんだよ」
ずい、と倒れていた者達の中から、ひときわ大柄な男が現れた。目元に刻まれた傷と、赤いドレッドヘアーが印象的な、ラフな格好をしている。
「殺し合いだぁ? 上等じゃねえか。てめえみたいな腰抜けは、引っ込んでてもいいんだぜぇ?」
がしっ。ドレッドヘアーの男は、首輪をよけて弱音を吐いた男の首根っこをつかみあげる。
「お…お前は…東の牧場のマグニス!?」
「俺の名前を知っているのか? 光栄だなぁ…だがな」
一気にドレッドヘアーの男の腕の筋肉が膨れ上がる。
「ひいっ!?」
「てめえは一つ過ちを犯した。俺の名の呼び方をなぁ」
つかみあげられた男性は、もはや白目をひんむいて、手足が痙攣を始めている。
「マグニスさま、だ。豚が」
コキャッ。
自身の首の骨がへし折られる音が、彼の聞いた最後の音となった。
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 19:46:58 ID:qZwzv43X
どしゃ。首をへし折られた男は、力なく地面に倒れ込む。息絶えたのだ、という事実を全員が理解するのに、そう時間はかからなかった。
ドレッドヘアーの男…マグニスは、野太い声で周囲の人間を威圧する。
「てめえらの中に、殺し合いに乗らない奴がいたなら前に出ろ。先に俺がぶち殺してやるぜ…このディザイアン五聖刃筆頭の、マグニスさまがなぁ」
びしり。マグニスはたった今男の首をへし折ったその手の中指を立て、この場の全員に対する宣戦布告の意思を表した。
パルマコスタの首コキャ男性:死亡
マグニスの状態:正常
装備:なし
精神:軽い高揚状態
スレ汚しスマソ。原作は読んでないんだが、こんな感じでおk?
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/19(水) 20:21:50 ID:WkAwJxVY
マグニス様と首コキャキター
33 :
ルール説明/1:2005/10/19(水) 22:10:56 ID:6NwdX7Vj
「静まれ。静まらぬのなら死んで貰う。」
部屋の奥に佇んでいた男が冷徹に言葉を投げ掛け、マグニスを静かに睨む。
余裕の表情を浮かべていたマグニスは、その表情を不満に変化させ、殺意の漲っていた両目で男を睨み返す。
しかし、男に殺意をぶつける事無く、すぐに数歩後退りすると、軽く舌打ちしながら渋々と腰を下ろした。
「…まだ名乗っていなかった。我が名は、ミクトラン。」
何事も無かったかのように口を開き、事を続ける。嘗ての“天上王”――ミクトラン。
僅かながら宙に浮遊しており、怪奇なマントを身に纏っている。口元には、余裕の笑みが浮かんでいた。
群衆からざわめきが少し生まれたが、直ぐにその声は消えた。
「先程も申した様に、お前達には、最後の一人となるまで殺し合いをしてもらう。
逆らう事は無論、許されない。逆らえばどうなるか…は、お前達でも分かっているだろう?」
口元に手を当て、トン、と地面に着地した。誰も口を開こうとはしなかった。
34 :
ルール説明/2:2005/10/19(水) 22:12:12 ID:6NwdX7Vj
「分かっている様だな。では、この殺し合いゲームのルールを説明する。
お前達には最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらう。勿論、最後の一人になるまで殺し合いは終らぬ。
だが、素手で殺しあう訳では無い。最低限の武器と食料、水。他、道具を手渡す。」
ふと、数人の参加者が手元を見た。所有していた筈の武器などは既に失われている。
「後は自由に殺し合え。
…ただし、脱出などと言う下らぬ飯事を考えたり、二十四時間以内に誰も死ななかったり、
日の明けに放送される“禁止エリア”に入れば、お前達の首に装着された首輪が爆発を起こす。」
爆発だと?
自分の命は、あいつに握られているのか!?数人の参加者は怒りの混じった表情を浮かべた。
だがミクトランは、それを軽く退け払うと、指を静かに鳴らした。
それと共に、ミクトランの後方の壁面が、音を当てて動き始める。そして、ミクトランが閉ざした口を強く開いた。
「では、説明を終えた所で、諸君らには殺し合いを始めてもらう。名を呼ばれた者は荷物を取り前に出ろ!」
こうして、殺戮ゲームの火蓋は切って落とされた――
とりあえずこのバトロワに参加しるメンツのテンプレを作ってみた。こんな感じか?
P:クレス、ミント、チェスター、クラース、アーチェ、すず、計6名
D:スタン、ルーティ、リオン、フィリア、ウッドロウ、マリー、チェルシー、コングマン、ジョニー、計9名
E:リッド、ファラ、キール、メルディ、フォッグ、チャット、レイス、計7名
D2:カイル、リアラ、ロニ、ジューダス、ナナリー、ハロルド、計6名
S:ロイド、コレット、ジーニアス、リフィル、クラトス、しいな、ゼロス、プレセア、リーガル、計9名
R:ヴェイグ、マオ、ユージーン、アニー、ティトレイ、ヒルダ、計6名
L:セネル、シャーリィ、ウィル、クロエ、ノーマ、モーゼス、ジェイ、グリューネ、計8名
それと2ちゃんで人気のネタキャラのこいつら。
ネタ:バルバトス、マグニス、パルマ男(あぼーん済み)、サレ、トーマ、ギート、ワルター、マウリッツ、ソロン、計8+1名
合計して60名ジャスト(リオン・ジューダスはカブってるかな?)。残る41名は書きながらその場のノリで追加でいいんじゃね?
それからこのスレはsage進行? そうなら以降ageは自粛するが。
開幕は素晴らしいが、さてどうなる事やら…
うーん、テイルズだけじゃやっぱり人数が少ない気が
これじゃあ、最初の12時間で半分以下になっちゃいそう
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/20(木) 10:07:09 ID:i6axRmtf
べつに人数少なくてもいいと思うが
その分完結の可能性上がるし
それより、上のテンプレ仲間側のキャラが多すぎだろ
やっぱり投票で決めるべきだと思う
原作でも1つのクラスで殺し合ってるし、最低でも40人までには減らさないと後から処理しきれなくなると思う
「つい先ほど、ゲームはスタートしたようだな」
金色の長髪をかき上げながら、白を基調としたタイトな服をまとう男は言った。
男の背に生えるは12枚の羽。まるで光をそのまま織り上げたかのような桃色がかった羽がかすかに震えている。
男の名はユグドラシル。世界を裏から統治する管理組織「クルシス」の首魁。
「ミクトラン殿は参加者101人全員を『時空(とき)の魔牢』内部に送り込んだそうだが…いや」
1人はもう死んだから、100人ちょうどになるな。ユグドラシルは呟いた。
「下らんな」
それを一蹴したのは、たった今ユグドラシルが話しかけていた男。
美しく波打つ金髪をバンダナでまとめ、同じくタイトな黒い服の上から、金色の刺繍が施された外套をまとう男。
その雰囲気は、どことなくユグドラシルにも似通ったところがある。まさしく、偉人といった風体だ。
「こんな下らん趣向を催すくらいなら、さっさと残る100人を何故まとめて始末しない? いまや奴らの生殺与奪は我々が握っているのだろう?」
「ふっ…ダオス殿はせっかちなようだな」
ダオスと呼ばれた波打つ金髪の男は、ユグドラシルのあしらいに、憮然と顔を歪める。ユグドラシルはそれをどこ吹く風、とばかりに受け流し、言葉を続ける。
「互いに強い想いで結ばれ合った、などとほざく愚かな劣悪種どもが、我が身可愛さゆえに親愛の情をかなぐり捨て、昨日の友と殺し合いを始めるのだ。最高の見世物ではないか?」
「劣悪種…人間のことか」
ユグドラシルの言葉の端々に浮かぶ、「劣悪種」への憎悪。それを聞き取ったダオスは、確認の意を込めてユグドラシルに問うた。
「いかにも。そして劣悪種に理解を示し、あまつさえ友誼を交し合うハーフエルフもまた、劣悪種だ」
「だから元同族であろうと、ハーフエルフも『時空(とき)の魔牢』に放り込んだと…そういうことか」
「いかにも」
ダオスはこのゲームが始まる前、多少はユグドラシルから身の上を聞かされている。それを踏まえた上で多少の皮肉を込めたのだが、ユグドラシルにはやはり受け流された。
「このゲームのために、私も部下達をこの『時空(とき)の魔牢』に放り込んだ。『マーダー』や『ジョーカー』としてな。あのマグニスという男も、その1人だ」
どうせ奴のことだから、積極的にゲームに乗って、『マーダー』を演じてくれるだろう。
そう踏んでユグドラシルはマグニスを『時空(とき)の魔牢』に事情も告げず放り込んだのだが、ユグドラシルの予想はまさしく大当たりであった。
「ダオス殿。向こうの部屋でゲームの行方を見守っていてはいかがかな? あちらの部屋にはシゼル殿やシュヴァルツ殿達もおられるからな」
それとも、ダオス殿は女性との会話は好かぬかな? ユグドラシルは、そう言葉を締めくくった。
「…これだけは言っておくぞ。ユグドラシル」
ダオスはきっ、とユグドラシルを睨み付ける。
「私はこんな下らん遊びを眺める趣味などこれっぽっちもない。『首輪』の起爆スイッチを誰が握っているのかは知らないが…」
ダオスは荒々しく手を振った。
「私は起爆スイッチを見つけたならば、さっさと起動させてもらう。私の目的は『あいつら』の首だけだ。いいな?」
不機嫌なダオスの物言いに、ユグドラシルはやれやれ、と肩をすくめる。
「『時空(とき)の魔牢』の術式を完成させるためにとは言え、時空転移の術に詳しいからとあなたに協力を求めたのは正解だったのだろうかな…」
ユグドラシルの言い方は、どこまでも淡々としていた。
「私もわざわざ、『救いの塔』から『あれ』を持ち寄ったというのに…」
こうして、ゲームの幕は開かれる。
>>35 ちょっと思った。
(D2の)ハロルドがいたら、一日と経たずに首輪外しちゃいそうだ。
43 :
=40=41:2005/10/20(木) 19:08:04 ID:VsALbPCX
>>42 だが下手な小細工をすると、その瞬間ドカンだろうな。
ちなみに言いだしっぺの責任てことで、『時空(とき)の魔牢』の地図を描いたのでうpします。
時空(とき)の魔牢MAP
A B C D E F G H
┼ ┼ |\┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
1 .|.  ̄ ̄ ̄ ̄\__ ○
| 口 \ ○・ ・
┼ ┼ ./ ┼ ┼ ┼ \ ┼ ┼ ・┼ ○ ┼
2 /  ̄ ̄ ̄\ ・・ ○ ・
./ ∧∧∧ \・ ・ ・ ・
┼ /┼ ┼ ┼∧∧┼ ┼∽ ┼ \ ・┼ ・ ┼
3 / ∧∧∧ ∧ ∧ ∽ 口 |・・・
\∴ ∧∧ ∧∧ ∧ ∽ ∽  ̄\__
┼ /∵┼ ┼∧ ┼ ∧ ┼∧ ┼ ┼ ∽ ┼. \ ┼
4 /∴ ∧∧/\ ∧ ヽ
| ∵ ∧\/ ∧ ※※ |
┼| ∴.┼ ┼ ┼∧∧┼ ∧ ┼ ※┼※ ┼ |┼
5 \ 口 口 ※※※※※ |
<∵∴ ∴ ※ ※ |
┼ / ┼ ┼ ∵ ┼ ∴ ┼ ※┼ ※ ┼ ※┼ |┼
6 / ∵ ∴ /\/\∴ ※ ※口※※ |
| ∵ ∴ ∴ / /∴ ※ ※ |
┼| .┼. /┼ ┼ | ┼ ┼ ※ ┼※※┼ |┼
7 .| ∴ ∵/ \ ※※ _ ※ /
|∴ / / Π Π _/ \※ /
┼| ∵/┼ ┼ ┼/Π ┼ ┼ /┼ | ┼\| ┼
8 \/ \__ Π ノ
\__/
┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼ ┼
マップ解説
□(座標さまざま):拠点になりそうな施設。洞窟、巨木の木のうろ、廃屋など。
大きな◇(座標D−4):盆地。周りを小高い山に囲まれている。視界は良好。闘技場を思わせる形。
∧(座標C〜E、2〜4あたり):山地。ごつごつとしている。一部谷や高温の間欠泉あり。視界はやや悪い。
∴∵(座標A〜B、3〜8あたり):砂丘。気温以外の条件は砂漠とほぼ同じ。ちなみにC−6、D−6の∴∵は大規模な砂浜。
※(座標E〜H、4〜7あたり):森。視界は悪いが奇襲に向く。さまざまな動植物も採れる。
○(座標G〜H、1〜2あたり):岩礁。大きなものは半径50m程度。干潮の時には「・」の部分の潮が引き、歩いて渡れる。
Π(座標D〜E、7〜8あたり):遺跡地帯。古代の遺跡を思わせる建造物がそこかしこにある。地下施設も多少あり、奇襲に使える。
∽(座標F−3、G−3):カルスト台地。穴ぼこだらけの草原。気をつけて歩かなければ、地下の洞窟に落ちることも。
これより外は禁止エリア。海が広がっている。
なおマークのない区域は原則草原だが、プレイヤーが新しい地形を発見することもまれにある。
物語を書いた香具師が新しい地形を追加する際は、改訂版の地図をうpすること。ただし発見イベントの乱用は禁止。
1エリア分の面積はストーリーの都合によってある程度融通が利く。
バトルロワイヤルの舞台は、これでいいかな?
それで、投票するの?
それともいきなり書くの?
投票したら100人なんて余裕でこえそうだぞ。どうせ微妙キャラ出すやつがいるだろうし。
>これでいいかな?
いいわけないでしょ
一人で勝手に先走り過ぎ
時空の魔牢とかマジ勘弁
書いてくれるのは有り難いけど、主催も参加者もまだ決まってないのに一人でどんどん決めていくなよ
一人で全部決めるつもりか?
47 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/20(木) 20:40:17 ID:DC/BMwcm
ストレートだな……まぁお試しSSのつもりだったんでしょ
実際に始めればこうなりますよ、という感じの
個人的に見せしめは主催者自身が力を見せ付けて、逆らえない威厳を出すべきだと思うし
ダオスあたりは参加者として出したいな
>>45 100人越えたらそれで投票終了だから問題ないのでは?
むしろ100人も集まるのみたいな。
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/20(木) 21:14:30 ID:DC/BMwcm
多分、そこまでは行かんのじゃないかな。
まぁ70人くらいは集まって欲しいが。
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/20(木) 21:17:02 ID:yE5iXRTO
>>46 色々投下させてもらった張本人だが…
先走りスマソ。
>>1のリンク先のスレを見ながら反省してきた。提供されたネタが余りにも面白そうだったから、この手のスレ予習もせず空気も読まずにやっちまった…。漏れの独断専行を許してくれるとありがたい。
とにかく100人なんて大人数は勘弁
「他も100人はいるから」
そんな慣例でやっちゃうから過疎る所が多いんじゃないか
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/21(金) 12:52:30 ID:AbGtDUrL
埒があかんな
とりあえず何か動こうぜ
妥当なところで主催者投票をやらないか
今夜0時から24時間、一人一つ主催者に相応しいと思うキャラを書き込む
同盟とかにすると複雑化するから主催者は一人にして組織は一本化したほうがいいだろう
何か問題があるなら言ってほしい
>53
いい意見だ、賛成。
キャラの強さで荒れそうだな
よっぽど極端じゃない限りは通るだろうがな。状況次第だし。
では漏れから一番手をきらせてもらおう。
>>34までの小説の流れを維持するという観点から、漏れはこいつに投票だ。
つ【ミクトラン】
それから同様の理由で、
>>1の書いたルールに従い参加キャラを募るなら
つ【マグニス】【パルマコスタの首コキャ男性(見せしめ専用)】
に投票と言ってみるテスト。
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/22(土) 00:17:08 ID:qx4wcF1F
首コキャは名前ないから駄目だろ
つ「フォルトゥナ」
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/22(土) 00:29:45 ID:XfFo65fw
ゲ ー ム は 「 ロ ー グ ギ ャ ラ ク シ ー 」 で 、 映 画 を 超 え る 。
世 界 最 高 ゲ ー ム 、「 ロ ー グ ギ ャ ラ ク シ ー 」
かつてゲームは、何度も映画というものを目指した。
しかし、それは実際には、映画を真似ただけの「映画以下」のものでしかなかった。
だが、ついにゲームが、映画をも超える時が来たと確信する。
このレベル5の最新作が、そのすべての答えを握っている。
あらゆるエンターテインメントの頂点に、1本ゲームが降り立つのである。
日野烈士筆頭に究極のスタッフによって完成されつつある。
プレイステーション2という現行機でありながら、次世代機のような輝きのあるリアルグラフィック。
フルオーケストラのすばらしい音楽に、心が振るえ、体が熱くなることだろう。
まちがいなくこのゲームは、史上最高のゲーム・・いや、至高のエンターテインメントになるだろう。
SFシネマティックRPGローグギャラクシー
――――――さ ぁ ふ る え る が い い
いや、首コキャくらいの知名度があるキャラなら大丈夫だと思う。
名前は作ればいいわけで。しかも見せしめ用だし。
つ【ミクトラン】
こいつならこんなこともやりそう。
部下がいないことがネックだが、まあ一人でできるでしょ。
参加キャラの投票はまだだよな?
とりあえずオレもフォルトゥナいっとくか。
エルレイン辺りが管理者として使えそうだ。
俺も主催者は
【ミクトラン】で
【ミクトラン】
こいつ以外に誰がこんなことする。
【ミクトラン】
だな、やっぱり。小物にはこういう役がぴったりだ
ミクトラン圧倒的だな
まぁ予想はできたが
【ミクトラン】
主催者なんて小悪はこいつがぴったり
じゃあ俺も
【ミクトラン】で。
小物っぷりがふさわしい。
主催者の癖にすぐにぬっ殺されそうだけど。
ミクトランの圧倒ぶりにワロス
流れを豚切るんだが
今のうちにキャラ投票へ向けて、参照用に
>>35のテンプレの改訂版を作ってみた。
P主人公サイド:クレス、ミント、チェスター、クラース、アーチェ、すず、計6名
P悪役+主要NPC:モリスン、デミテル、ジャミル、計3名
D主人公サイド:スタン、ルーティ、リオン、フィリア、ウッドロウ、マリー、チェルシー、コングマン、ジョニー、計9名
E主人公サイド:リッド、ファラ、キール、メルディ、フォッグ、チャット、レイス、計7名
D2主人公サイド:カイル、リアラ、ロニ、ジューダス、ナナリー、ハロルド、計6名
S主人公サイド:ロイド、コレット、ジーニアス、リフィル、クラトス、しいな、ゼロス、プレセア、リーガル、計9名
S悪役+主要NPC:ユアン、ボータ、フォシテス、クヴァル、ロディル、プロネーマ、計6名
R主人公サイド:ヴェイグ、マオ、ユージーン、アニー、ティトレイ、ヒルダ、計6名
R悪役+主要NPC:ミルハウスト、ジルバ、ワルトゥ、ミリッツァ、計4名
L主人公サイド:セネル、シャーリィ、ウィル、クロエ、ノーマ、モーゼス、ジェイ、グリューネ、計8名
L悪役+主要NPC:カーチス、イザベラ、ヴァーツラフ、スティングルorオルコット、メラニィ、カッシェル、計6名
ネタ:バルバトス、マグニス、パルマ男(見せしめ用?)、アビシオン、サレ、トーマ、ミミー、ギート、ワルター、マウリッツ、ソロン、計10+1名
合計81名
パルマ男以外は、ある程度の戦闘力を持つキャラという観点からチョイスしてみた。ダオス達ラスボスクラスのキャラはあえて除外。
ただ俺はD、E、D2については詳しくないんで、詳しい奴からの補完キボン。
以下、何事もなかったかのように投票再開
↓
【ミクトラン】
こんなにこいつが活躍できそうな役は他に無い
つーかageていったほうがいいんジャマイカ?
>>69 正直そういうのいらないと思う
投票者が先入観持つから
ところで今後の流れだが主催者投票が終わったら
一日くらい開けて参加者投票に移るという形でどうだろうか
それも決まったらMAPの選定に入ると
そして提案だが最初だし、お試し版ということで今回は参加人数は4、50人くらいにして
MAPも大き目の城の中とか狭くして短期決戦を想定してみるのはどうか
これが成功したら100人規模でやってみるということで
>>70 禿同。テイルズ板の住人にも招集をかけるべく、しばらくage進行で行こうぜ。他のロワスレ見てると、書き手が居過ぎな板はほとんどないみたいだしな。
>>71 むしろこの主催者投票の勢いのまま、今晩0時からでもキャラ投票がいいと思う。土曜日の夜は、一番アクセスが集中する時間帯だし、票が集まりやすいと思われ。
参加人数は…ひとまず
>>1のルールに従わないか? 101人集まった時点で以降のキャラは足斬りだし、そもそも何人集まるかは蓋を開けなきゃ分からないし…。
今晩0時からキャラ投票を始めるのが何か不都合なら、この意見はスルーしてくれ。
>71
賛成、最初だからというか
小説十数巻に及ぶ超長編ではなく、小説一巻に収まりそうな長さでやりたい
うーん、ならばその方針で行くか? 意見が少し変わりそうだ。
確かに100人はキツいよな…その点50人程度に絞れば、スレのみんなが好きだったり書きやすかったりするキャラをかなり選別できるし、その方がいいかな?
俺はしばらくROMって様子見に回ろう。
75 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/22(土) 19:54:34 ID:pX1JuFaG
30〜50人が一番良いんじゃね?
多すぎるとごちゃごちゃしてわかりにくい
ROMるなどと言っておきながらスマソ。色々意見が出ているみたいだが、俺は一つ提案したい。こういうプランはどうだ?
・今晩0時から24時まで、また投票をやる。バトロワに何人キャラを参加させるかについて、ID一つにつき1票投票可。10人刻みで投票すること。
ちなみに、今出ているのは30人〜100人が主流?
・投票結果を見て、一番票数の多かった人数案を正式採用。同率一位が複数発生した場合は、それらの平均をとって一の位を四捨五入して決定。
たとえば20人、40人、70人、の三つの人数案が同率一位だったら、平均を取って43.33…より、参加人数は40人を正式採用。
・結果が出たならば、その人数を元に月曜日の午前0時から24時間、具体的な参加キャラを投票。ID一つにつき2名を指名可。人数枠いっぱいまでキャラを採用する。
もし制限時間中に集まったキャラ数が規定人数に満たない場合は、規定人数に達するまで投票時間を延長。規定人数+1人に達したところで終了。
それからマップはどうする?
>>43を手直しするか他に職人を求めるか…。これに関してはまだ議論が十分じゃないから、俺は一応保留しとく。
こんなところでどうだろう? 他にいい代替案がある香具師はいる?
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/22(土) 23:52:30 ID:pX1JuFaG
>>77 いいなそれ。俺はそれ賛成するよ。
マップは、
>>43の結構出来良いと思うし折角作ってくれたのに潰すのもったいないし
そのまま使用して良いんじゃね?と思う。俺は。
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/23(日) 01:08:41 ID:AuxU+vOa
・集計結果
【主催者】
・ミクトラン…8
・フォルトゥナ…2
これはこんな感じでいいのかな?
>>43を書いた本人だが
別にみんなが気に入らないなら没にしてくれてもいいぞ。これよりおもすれーマップがあるなら、そっちを採用してくれて
採用してくれれば作者としては嬉しいのは事実だが
ちなみに人数案の投票って真面目にやんの?やるんなら漏れは
つ【50人】
に投票。
自分も
つ【50人】
【30人】
とりあえず小規模でやったほうが成功しやすいかと
成功したら大規模で
つ【30人】
いきなり大勢でやっても、多分グダグダになるだろうからこれで
・・・最初はもっと少なくてもいいかもと思っているのは内緒だ
85 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/23(日) 11:39:09 ID:IolJrmEl
30はさすがに少なくないかい
ここは【50】で
12:00現在の中間報告。
50人:3票
30人:2票
これじゃまだ結果は分からないな。
ん〜・・・・【50】
30は少ない・・・・
30じゃ俺の好きなキャラは絶対に出せんだろうな。
50で。
おれ書きたい!
あと、キャラ人数は40人で。50は書き手が大変&あっさり死ぬキャラがたくさん出そう…。
30は流石に少ヌェ
俺も【40人】で
ここであえて【60】を出す
あんまり少ないと味方側のキャラばかりになってロワが成立しなくなりそう
やっぱ敵側のキャラもある程度入る余裕が欲しい
その結果あっさり死ぬ奴がポンポン出てもまぁいいんじゃないかな
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/23(日) 15:33:35 ID:+ze8ajUJ
バトロワ小説どころか普通の小説すらまともに書いたことの無い俺が来ました
戦闘じゃないところとかトライしてみようかな。
取り敢えず投票【40人】
94 :
中間報告その2:2005/10/23(日) 18:35:40 ID:xGwblF1l
18:00現在の中間報告。
30人:2票
40人:3票
50人:5票
60人:1票
無効票:1票(
>>93…何に票を入れたいのかよく分からんorz)
50人か40人あたりで最終決定になりそうだが、どの案も逆転は可能か? まだ未使用IDを持ってるスレ住人は、ROM専メンバーでも書き手立候補者でもいいから投票よろ。
ちなみにこの投票を締め切ったら、即座に決定人数案をもとにいよいよキャラ投票に移るらしいから、スレ住人は心の準備をしといてくれ。
キャラ投票はID一つにつき二名投票可。もし投票したキャラが既出だったり
>>1の出した条件に反していた場合はそれは無効票になるが、同じIDでの再投票はおk。無効になった票数だけ再投票可。
ちなみに無効票は自己申告、って形になるかな。
なお無効票がなければ最後の一名は1票のみ投票可(人数案+1名まで募集だから)。明日中にキャラ枠が埋まらない場合、埋まりきるまで投票時間を延長。
あとはマップ案がこのスレ内でまとまったら、早速書き手立候補者はクランクインかな。
以上、以降の流れを(多少漏れの提案を交えて)まとめてみた。これでマズいって香具師はいるか?
つ【50人】
応援してるからガンガレみんな
【60人】
それなりに人数いた方がいいな。
サブキャラでもけっこう濃いキャラいると思うし、そういうの見逃さない為には
これくらいはいるんじゃないかな。
【40人】だな
60人で。
【50人】で。
ユアンやボータを敵側と決め付けるのはちとどうかとも思うかな、いずれぶつかるとしてもね
死ね、そらとくも
【50人】に一票
まず完結目指してまだ熱が続けば2作目で人数増やせばよし
主役側のキャラ全員入れんでもいいしな
60人
【40人】
散々既出だけど、多いと最初は大変だろうし。
【30人】
しかし、これで人数多くて処理しきれず未完になったら、凄い晒し者状態になっちゃうな
【45】
これでキャラ人数案の投票は締め切りだな。
結果から言うと、
30人:3票
40人:5票
50人:8票
60人:4票
よって、人数は50人で決定! 引き続き、参加キャラの投票を開始ってことで。
ちなみに漏れはこいつらに投票しとこう。
つ【マグニス】【バルバトス】
んじゃ俺はパーティ高年齢トップ2の
【クラトス】と【コングマン】に一票ずつ。
何か、案外どのキャラに投票しようか迷うな…
つ【マリー】【ジョニー】
てか、これシリーズの範囲どこまで?一応Lまで?
Aはまだキャラがわからないからなぁ
【クレス】と【キール】にするお(^ω^ )
いろんな意味で危ない【サレ】と【ユアン】に投票してみる。
じゃあ【ジェストーナ】と【エドワード・D・モリスン】
【グリッド】【カトリーヌ】
グリッドはいっぱいいるが、分かるだろ? 個人的にはDだが、どれでも変わらない気がするけど。
カトリーヌはEに出てるとんでもない方向音痴の学生。
こういうのでもいいんだよな?
【ヒアデス】【アーチェ】
つか50人出なかったりしてw
【吉積】
微エロを期待しつつ
【ミント】【マリアン】
【トーマ】【ポプラおばさん】
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/24(月) 02:57:30 ID:qqadcdq9
じゃあ漏れは つ【リオン】【ジューダス】
【ミトス】【マーテル】
4000年前の状態ってのは…反則?
ミトスは姉さま死んだ途端マーダーに変貌するとかw
【チェスター】【すず】
【デミテル】【ダオス】
【ハロルド】【シャーリィ】
【ティトレイ】【セネル】徒手格闘キャラが好きなんだ
もうマグニスさまには投票されちまったか…。迷うところだがこの2人で。
【パルマコスタの首コキャ男性(見せしめ専用)】【マウリッツ】
これで34人決定かな。さすがに【吉積】はネタだろw
126 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/24(月) 10:05:26 ID:erbsSCUW
みせしめは最後の+1人だよ
それに首コキャは名前ないから駄目でしょ
【しいな】【ゼロス】
ということは今35人か?
キールがいるなら【メルディ】も
あと【ルーティー】
殺し合いしなさそうな奴ばっかだな。
悪役増やさんと。
130 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/24(月) 12:16:39 ID:4hmGdmIQ
>>126 一応、参加者枠に数えてみました。名前は……
参考にFFDQスレ見たら「リヴァイアサンに瞬殺された奴(FF5)」とかいたけど……
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128065596/6 TOP(ファンタジア) :9名→【クレス】【ミント】【チェスター】【アーチェ】【すず】【デミテル】【ダオス】【エドワード・D・モリスン】【ジェストーナ】
TOD(デスティニー) :7or6名→【リオン】【マリー】【コングマン】【ジョニー】【マリアン】【グリッド(便宜上)】【※ルーティ(D2?)】
TOD2(デスティニー2):3or4名→【ジューダス】【ハロルド】【バルバトス】【※ルーティ(D?)】
TOE(エターニア) :4名→【キール】【メルディ】【ヒアデス】【カトリーヌ】
TOS(シンフォニア) :8名→【クラトス】【しいな】【ゼロス】【ユアン】【マグニス】【ミトス】【マーテル】【パルマコスタの首コキャ男性】
TOR(リバース) :4名→【ティトレイ】【サレ】【トーマ】【ポプラおばさん】
TOL(レジェンディア):3名→【セネル】【シャーリィ】【マウリッツ】
TOF(ファンダム) :0名
なりきりダンジョン :0名
【現在38/50名、残り12名】
>>129 そこで扇動マーダーの登場ですよ
扇動マーダーは仲間内に疑心暗鬼を起こして仲間割れさせたり相手をアヒャらせたりして同士討ちに持ち込ませるわけだから、活用すれば面白くなるぞ。
漏れはサレやデミテル達は扇動マーダーに回りそうな悪寒がしるな。最強の扇動マーダーは多分ソロンだろうがw ソロンは殺ってよし煽ってよしの万能マーダーになれるだろう。
もう1票あったら漏れは確実にソロンに入れるね
やっぱファンタジアが多いな。
オベロン社幹部とかあとせめて主人公は出揃って欲しいが当方既に投票済み。
シンフォニア信者としてはやはり
【ロイド】【ジーニアス】
ポプラおばさんとかあきらかに戦えないのやめねぇ…?
まぁ、ポプラおばさんも書きて次第なんだろうけど…難しそうだね
【ソロン】【カッシェル】
悪役ということで
【スタン】【リッド】
主人公は全員居た方がいいだろ
さあ盛 り 上 が っ て参りました。ラストの人数枠7人分を獲得するのは誰か!?
それからぼちぼちマップ案も決定しようぜ。今んとこ案は
>>43とRPG板のものを流用、と二つ提出されてるけどおまいらはどっち派だ? それとも職人を別に募るか?
ちなみに俺は
>>43派かな。2ちゃんらしくAAでマップを作ったとこがポイント高いと思われ。
【ロイド】【スタン】
主人公は必要なのよ
TOP(ファンタジア) :9名→【クレス】【ミント】【チェスター】【アーチェ】【すず】
【デミテル】【ダオス】【エドワード・D・モリスン】【ジェストーナ】
TOD(デスティニー) :8名→【スタン】【ルーティ】【リオン】【マリー】【コングマン】
【ジョニー】【マリアン】【グリッド(便宜上)】
TOD2(デスティニー2):3名→【ジューダス】【ハロルド】【バルバトス】
TOE(エターニア) :5名→【リッド】【キール】【メルディ】【ヒアデス】【カトリーヌ】
TOS(シンフォニア) :10名→【ロイド】【ジーニアス】【クラトス】【しいな】【ゼロス】
【ユアン】【マグニス】【ミトス】【マーテル】【パルマコスタの首コキャ男性】
TOR(リバース) :4名→【ティトレイ】【サレ】【トーマ】【ポプラおばさん】
TOL(レジェンディア):5名→【セネル】【シャーリィ】【マウリッツ】【ソロン】【カッシェル】
TOF(ファンダム) :0名
なりきりダンジョン :0名
【現在44/50名、残り6名】
とりえあずルーティはDでカウントした。
しかしジューダスとリオンはどうするんだろ?
投票してる人がバラバラに入れてるしなぁ。
それと
>>138はそれぞれ既出なので無効票ですな。
再投票キボンヌ。
ルーティーはDでよろしく。
自分はミクトランを書けないので他の人に頼むしかないのですけどね
OP書く人は、優勝した時の条件に元の世界に帰れるだけじゃなくて
願いを何でも叶えてくれるというのを強調して書いて欲しいんですよ
それも死者蘇生も可能だぞ、という奴を
そうでもしないとマーダーに転ぶ奴が少ないと思うんですね
逆にこれさえしっかりとアピールされてれば転ばせることができるキャラは結構いると思うんですよ
そんな訳でそこんとこよろしくお願いします
D、もう一度プレイしてみよっかな……
誰かマオとユージーンに入れてくれないかしら
あとヴェイグちゃん
ミクトランはゲーム中も台詞がほとんど無いから
設定押さえてれば結構誰でも書けるよ
投票終えた人多いみたいだな
自分もだが
つ【プリムラ】【アミィ】
さて、どうなる事やら
【ヴェイグ】【ミミー】
ヴェイグはいなかったので
残り枠は3名だが
テイルズヒロインのファラとコレットにまだ票が入ってないな(クロエもか?)
D2に至っちゃヒーローもヒロインも欠けちまってるしw
ラスト3名はこの5人の中から選出か、はたまた別のキャラが枠を埋めるのか…
残りもネタキャラで埋まる予感・・・ww
149 :
アホ毛:2005/10/24(月) 22:40:15 ID:rqnhdF4K
【ジェイ】でお願いします
よく見るとカイルが居ないw
つ【ティア】【ルーク】
で。
Aキャラも入れるべき。
Aキャラは性格が判らないから難しいな・・・
とりあえず保留で
多少、人数枠をはみ出ても主人公、ヒロインはいたほうがいい…のかな…?
なら入れちまってもいいと思う
>>151 確か
>>1の定めたルールに「未発売作品のキャラはダメ」ってあったはずだぞ。だからAのキャラは無効票ジャマイカ?
漏れもAキャラは気になるが、まだキャラも得意技もつかめないから様子見すべきと思われ。
>>153 漏れは個人的にはヒーロー・ヒロインは人数枠多少越えても全員出演、でもいい気はするがな。まあみんなで決めたことだから、惜しいけど残る3名に誰が入るか見守ろうぜ。
てゆーか漏れはバトロワ板から来た叩き上げメンバーでもねえのに、今日どんだけこのスレに入り浸ってんだよorz
>>154 俺もこのスレが気になってしょうがないw
あとの3名誰になるか楽しみだ
【モーゼス】惨めに死にそうだが入れて欲しい。
157 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/25(火) 00:10:20 ID:VPUcHwuY
【ロニ】【カイル】
D2戦闘信者の漏れとしてははずせナイ。
50名埋ったかな?
埋まったっぽいが・・・
ヒロイン枠でリアラとコレット入れる?どうする?
あとファラとクレアもだけどな
まぁ、自分はこれでもアリかと思う
クレアは戦えないから仕方ないけど
リアラ、コレット、ファラは入れて欲しいな。参加すると面白くなりそうだし
きっちり50人にする必要もないんでない?
10人刻みで参加人数投票したから
四捨五入で50人ぐらいならいいんじゃないかな
ちなみに
>>157の時点で人数オーバーくさい。ロニかカイル、どちらかが落ちるぞ。この時点で52名集まっちったからなあ…。
現状から提案できることは、この4つかな。
@、
>>157にまた来てもらって、片方だけを選ばせる
A、見せしめとして死ぬキャラを2名に増やす。誰が死ぬかは最初の書き手次第
B、2人とも通常の参加者として登録(見せしめにはならない)。カイルは主人公特権てことで定員オーバーは特別に見逃す。ただしこれを選んだ場合、機会平等の観点からファラ・リアラ・コレットにもヒロイン特権で枠外参加を認める。
C、Bのマイナーチェンジ。投票のあったカイルのみに枠外参加を認める。
みんなはどれがいい? これ以外の提案がある奴は?
これは即決投票にしようぜ。最初に賛成レスが3つついた意見を採用ってことでどうだ?
ちなみに俺はBに賛成
1か2。
Bかな
投票し終わった後の要望が多かったし
Aだな。
167 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/25(火) 00:51:21 ID:VPUcHwuY
>>157だが、カイルで。
スタン、ルーティいるし。
やべっまたageチマッタ、、、
普通に2
1なんて戻ってくるまで始まらんし、3はずるい
ジューダスとリオンのかぶりはいいのか?
>>163だが、@が採用されたらカイルのみを通すってことでいいかな?
ちなみに未使用IDがあるならおまいにも投票権はあるぞ。
三連レススマソが、ABCでもぉk。
Bで。
決定かな?
Aに3つついてるがどうするんだ?
…ってBなのか?
>>164の答えはビミョーだから省くが、それならAとBがリーチ!
ちなみに答える気のある奴は答えを一つに絞ってくれると嬉しい。無効票にされたくなきゃ答えははっきり頼む
複数選択があるのは無効っぽいが
決定したら次はリオン問題だな
そのリオンとジューダスのどちらかを消して、人数合わせたら?と思ったけど遅かったか…
179 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/25(火) 01:06:40 ID:YeFKf2YW
間違いない。Bに決定
あとはリオン・ジューダス問題か
さっさと決めよ。
A。
精神的にもかなり別人だから両方いてほしい
リオンだとカイル達を知らないことになる
ジューダスだとスタン達に微妙なリアクションをとりつつ、カイル達とも知り合いってことになる
ジューダスのが面白いんでない?
@リオンを消す
Aジューダスを消す
Bどちらも残す
@orA+α片方だけで登録しておいて二面性キャラにするとかその辺は書き手に委ねる
>>183で投票してくれ
意見が割れそうだが3票先取で
俺はA+αで
マジ、ゴメソ・・・Bで決定。
何故にsagaらないんだ?
リオン、ジューダスもそうだけどD2・D間の時間関係は?
年齢はD時代のままでいいのかな?
なんか俺がいるとこんがらがりそうなのでもうレスらないことにする。
スマソ
3
こうなったら俺もBで
>>175だが
複数回答は無効票とレスしたのでBで決定だ。俺がこのアイデアを出したとき、複数回答は無効と明記してなくてすまん。だがこれくらいなら事前説明なしでも納得してくれるよな?
リオンとジューダスの件だが、なりダン3では一度だけ2人が共闘するシーンがあったぞ。
それから同じくなりダン3でのリオンによると、「同じ次元に、長い時間同一人物が複数存在することは出来ない」とのことだ。バトロワをやるだけの時間が、「長い時間」ではないなら、2人の同次元での同時バトルはアリじゃないか?
もちろんなりダンを外典扱いする奴もいるだろうから、この意見は参考程度に聞いてくれ
Bはいろんな意味でダメだろ
漏れは@+αで
>>185の意見が投票なのか微妙だが・・・三で決定か?
>>185はヒロイン参加問題のじゃない?
両方消すなら年齢はD時代とか言い出さないだろうし
>>191 それもそうだな
つーことでまだ投票受付中
正直、意見を出してくれるのはありがたいんだが
即決投票をいきなり始めて、しかも意見出した人も投票してしまうのはどうかと
こういう事は早く言うべきだった…スマソ
なんか漏れ本当頭悪いなー。
>>191 そです。
ジューダスリオン問題についてはBで。
書かねぇっつってんのに結局書いてるし・・・
Bがいいな。
それから一つまたみんなに提案だ。このスレで何か問題があった際、1日かけて投票するほど重大ではないが議論に決着が付かない、ってことがあったら、この「3票先取」ルールで解決、をデフォにしないか?
グッハ
>>189ですが…Bが「どちらも消す」に見えてたorzorzorzorzorz
Bに決定やね
>>193そうか、スマンな。じゃあどうするかな・・・
とりあえずリオンジューダス問題は
このまま意見書いてったほうがすっきりすると思うから投票続けて、
>>195の意見に賛成する
有力な反論がないままいくと、勢いでBが採用かな。
最後にマップ案をまとめてようやくクランクイン…か。俺はもう落ちるが、マップ案は明日…じゃなくて「今日」中に決着を着けて、水曜からのクランクインを目指そうぜ。また一議論あるだろうが。
その前にこれまでの決定事項をまとめないとな〜。
いちおうまとめ。間違いあったら指摘ヨロ
TOP(ファンタジア) :10名→【クレス】【ミント】【チェスター】【アーチェ】【すず】
【デミテル】【ダオス】【エドワード・D・モリスン】【ジェストーナ】【アミィ】
TOD(デスティニー) :8名→【スタン】【ルーティ】【リオン】【マリー】【コングマン】
【ジョニー】【マリアン】【グリッド(便宜上)】
TOD2(デスティニー2):6名→【カイル】【リアラ】【ロニ】【ジューダス】【ハロルド】【バルバトス】
TOE(エターニア) :6名→【リッド】【ファラ】【キール】【メルディ】【ヒアデス】【カトリーヌ】
TOS(シンフォニア) :11名→【ロイド】【コレット】【ジーニアス】【クラトス】【しいな】【ゼロス】
【ユアン】【マグニス】【ミトス】【マーテル】【パルマコスタの首コキャ男性】
TOR(リバース) :5名→【ヴェイグ】【ティトレイ】【サレ】【トーマ】【ポプラおばさん】
TOL(レジェンディア):8名→【セネル】【シャーリィ】【モーゼス】【ジェイ】【ミミー】
【マウリッツ】【ソロン】【カッシェル】
TOF(ファンダム) :1名→ 【プリムラ】
計55名
ちなみに、いない奴
D:ウッドロウ、フィリア
E:チャット、フォッグ
D2:ナナリー
R:ユージーン、マオ、ヒルダ、アニー
S:リフィル、プレセア、リーガル
L:クロエ、ウィル、ノーマ、グリューネ
んじゃ漏れもおやすみノシ
主人公、ヒロインってそんなに無理して入れるほどのものか?
いや、特に。
リオン、ジューダス問題が出てくるとは思わなかったなぁ
FFDQじゃ普通にテリー競演してるし、これも面白いと思ってたから
あと主人公、ヒロインだからって無理に入れるのはどうかと思う
最初に決めたとおりに50人+1で最後の1人を見せしめとしてやっていきたい
あと1が決めた事に従って首コキャは今からでも無しにしないか
ハッキリいって見せしめにならないんなら書きにくい
キャラソースがほとんどないじゃない
もはよう、みんな。
さて今日はクランクイン直前ってことで、マップ決定ならびにルール細部の微調整が議題かな。
漏れはマップ案は保留するけど、各キャラの受ける能力の制限をもう少し具体化してみた。
・ボスキャラの能力制限
ラスボスキャラや、ラスボスキャラ相当の実力を持つキャラは、他の悪役キャラと一線を画す、いわゆる「ラスボス特権」の強大な特殊能力は使用禁止。
これに該当するのはダオスの時間転移能力、ミトスのエターナルソード&オリジンとの契約、シャーリィのメルネス化、マウリッツのソウガとの融合、など。もちろんいわゆる「第二形態」以降への変身も禁止される。
ただしこれに該当しない技や魔法は、TPが尽きるまで自由に使える。ダオスはダオスレーザーやダオスコレダーなどを自在に操れるし、ミトスは短距離なら瞬間移動も可能。シャーリィやマウリッツも爪術は全て使用OK。
・時間停止魔法について
ミントのタイムストップ、ミトスのイノセント・ゼロなどの時間停止魔法は通常通り有効。効果範囲は普通の全体攻撃魔法と同じく、魔法を用いたキャラの視界内とする。
本来時間停止魔法に抵抗力を持つボスキャラにも、このロワ中では効果がある。
MAPについてなんだけど、上の島の地図とかじゃなくてさ。
人数少ないし、どっかのダンジョンMAPとかのほうが良くないだろうか?
上のほうにあったどっかのお城とか。
正直、この人数だと島では遭遇させにくいと思うんだな。
複数階層からなるダンジョンMAPなら上手くいきそうに思うんだがどうだろうか?
・武器なし状態での戦闘
このロワ中では、各キャラは武器を奪われるので技の発動の勝手が若干異なってくる。
格闘系キャラは、ほとんどその技に制限は受けない。通常通り行使可能。ただしティトレイの樹砲閃などは、発動に武器が必要になるので使用不能。
その他の武器を用いて戦う前衛キャラには制限がかかる。
虎牙破斬や秋沙雨など、闘気を放射しないタイプの技は使用不能。
魔神剣や獅子戦吼など、闘気を放射するタイプの技は不慣れなため十分な威力は出ないが使用可能。
P仕様の閃空裂破など、両者の複合型の技の場合、闘気の部分によるダメージのみ有効。
またチェスターの弓術やモーゼスの爪術のような、闘気をまとわせた物体で射撃を行うタイプの技も使用不能。
ただしチェスターの屠龍のような、純粋な闘気を射出している(ように見える)技は、威力不十分ながらやはり発動可能。
ちなみに武器は、ロワ会場にあるありあわせの物での代用は可能。
木の枝を剣として扱えば技は通常通り発動でき、尖った石ころをダーツ(投げ矢)に見立て、投げて弓術を使うことも出来る。
むろんこれらありあわせの代用品の耐久性は低く、また本来の技の威力を出せないことは言うまでもない。
これだと前衛キャラは、支給品でどの武器を手に入れるか、別の誰かの支給品が欲しいときどうするか、みたいな運や駆け引きの要素も出てくるな。取り引きするか、殺してでも奪い取るか、みたいな。
魔法(晶術)の扱いはどうするの?
ミント、アーチェ、クラトス、ゼロスは普通に使えるからいいとして、
E2人のフリンジの兼ね合いとか
D&D2組の晶術とか……。
Dキャラはソーディアンがないと使用不可でD2キャラはなくても使用可てのは
ちとしょっぱい気がする。
あとクラースとしいなの召還術も。
あ、スマソ
>>203よく読んでなかった。
普通に使っていいのね。
…でもEの晶霊は兎も角、クラースとしいなは契約の重複になっちゃう気がするんだよなあ
気にしすぎか?
>>203 魔法に関しちゃ上手い説明をするアイディアがあるが、時間がないんで未解決のままならまた後で話す。しばらく待っててくれ…なくてもいいが。
待たせたな。これが漏れのアイディアだ。
・魔法の使用に関して
ロワ会場ではマナが特殊な位相をとっており、魔法使用者の記憶によって指向性を持ち、様々な形態をとることが出来る。
すなわち魔法の内容が術者の記憶にあるのならば、それに周囲のマナが反応して晶術・フォルス・爪術など、各々に最適な位相を勝手にとってくれるため、結果的に術者は元の世界のものと寸分違わぬ魔法を再現できる。
召喚術や爪術など、厳密に言えばマナをパワーソースとしないタイプの魔法でも、会場のマナが変異して精霊やソウガの代役を務めてくれるため、発動に支障はない。
ただしこの位相をとったマナは回復魔法とは極めて相性が悪く、回復魔法はもとの一割ほどしか効果がない。気功術などによる回復さえマナに妨害されるため、会場内では傷の回復は至難。
こんな設定でどうだ? より詳しい解説はハロルド先生にでも聞いてくれw
>>206-
>>207 召還(契約)に関してはクラースはいないからいいとして、
しいはなもともとオーバーリミッツ状態じゃないと使えないんだし、
極限のピンチのときのみ使えるって程度でいいんじゃない?
秘奥義もそんな感じで
作中の条件を満たせばOKって感じで
個人的に疑問なのは、魔法(晶術)の発動の際、
>>209の案でいいんだが
武器を持ってないと使えないのか、ただ弱くなるだけなのか どっち?
ってのだなぁ
実は俺もD厨じゃないから晶術の原理はよく知らないんだが、これでどうだ?
丸腰でも発動は可能だが、何か得物があった方が術の記憶を強くイメージしやすいため威力は上がる。100%近い威力が欲しいなら、ある程度以上の品質の武器が必要。
それから秘奥義はとっておきの技だから、描写的にもピンチの時に使った方がドラマが盛り上がるはずだ。
ほかに質問がある香具師は、今の内に質問しきった方がいいかもな。
魔法に関する設定は
>>209でいいけどさ
>>206もいってるけどE組のキール・メルディの晶術はどうすんだ?
ゲーム中ではフリンジ次第で変わるけど
本編始まる前にここで使える術をそれぞれ設定するのか
それとも2人とも初期に覚えてる術しか使用できないようにするのか
あと大晶霊召喚可能にするかどうかも決めたほうがいいような気がするんだが
>212
フリンジ内の組み合わせはキールorメルディのはじめの書き手
が決めてよい。
どの術が使えるようになったかは、参考のため本編のあとに書いておく。
(もちろん、うまく本編中で説明するのもあり)
大晶霊は秘奥義と同等の扱いっていうのはどう?
>>213 あらかじめここで決めておいたほうが書き手の混乱も少ないだろうし
本来使用不可能は術を使用するという
事態が避けられるとも思ったが(まあそこまでナーバスになる必要はないかもしれんが)
この場でつかる術設定するのは無駄に時間とレス消費するだけかもな。
初めの書き手に責任もって決めてもらうのがベターか
初期術しか使えんとなると他とのバランス悪いし
明日開始となってるがまだ時間あるし夜活発になる時間にでも
この問題議論していただけれと思います。
>>43のマップを作ったへたれ職人だが
このスレの住人の意見を聞いてると、マップはダンジョン形式がいいって椰子が多数派みたいだな
そこで俺は思いついたんだが、こんなダンジョンはどうだ?
・ダンジョンは巨大な正八面体で、ロワ選手らはその正八面体の内側の、八つの三角形型に区切られたエリア内でバトル
内側の八つのエリアは、それぞれ火・水・風・地・雷・氷・光・闇の八つの属性に対応した地形が広がっており、八つのエリアは原則として孤立している
各エリアを結んでいるのは、三角形の頂点にあるテレポーター。ここに入ると、隣接した別のエリアのいずれかにランダムで飛ばされる。
テレポーターで飛ばされた先は、必ずしも次のエリアのテレポーター前ではなく、具体的な転移先もまたランダム。ただし、即死するような地形には飛ばされない
…つまり、溶岩の池の上だとか、地上から100mの空中に出たりはしないし、禁止エリアに転移されることもない
テレポーターにも特殊な結界が施されており、テレポーターを封鎖、もしくは破壊することは参加者には不可能
テレポーターの行き先は一人ごとにランダムに飛ばされるが、テレポーターに入った際互いの体に触れ合っていれば一緒に別のエリアに転移できる
…要は手をつないだり肩に触れたりして一緒に入れば、一緒に同じ場所に行けるって事
こんなのはどうだろう? ロワのマップには袋小路がないほうがいい、ってアイディアと、多彩な地形って観点から思いついたんだが…
複雑過ぎるし禁止エリアの指定も難しいかorz
もしこのアイディアを気に入った椰子がいるなら、喜んで具体的マップを作らせてもらうが…
ちなみにこのダンジョンの展開図は、こんな感じね
↓
△△△△
▽▽▽▽
>>215 どう考えても狭すぎじゃない?
原作だって42人で島ひとつだったんだから、島でいいと漏れは思う
やっぱ森、民家、店、病院、川、海、崖、などが在ったほうが話にしやすい
ダンジョン形式だと、どうしてもできることが制限されちゃうじゃん?
民家もなければベッドも雑貨も薬も、支給された以外には水も食料も無い、となるとキビシイのでは
それからSキャラに関してはSタイプかTタイプかを
最初の書き手さんに決めておいて欲しいかな
さて、今現在提出されたマップ案で、すぐ使えそうなのは
>>43と
>>80だな。このままいくとどっちかの二択か?
それから、参加人数実質54人に対し、8×8マスの島はちょうどいいかもな。
1マスあたりの「人口密度」は約0.83だし、これならしょっちゅう参加者同士の遭遇がありそうだ。同じマスに入ったときに鉢合わせする確率を60%程度と見込んでも、島が広すぎるってことはないな
人数が減ってきたら禁止エリアを使って参加者を一点集中させればいいわけだし
で、漏れ達にある選択肢はこの内のどれかか
@、
>>43か
>>80のマップのどちらかをそのまま、もしくは訂正して使う。どちらを使うかは投票で決定
A、
>>43と
>>80をボツにし、別口に職人を求めてマップを作る。
B、議論の時間を設けるため、今日に予定されていたクランクインを明日以降に延長する
こん中で最も建設的かつ手っとり早いのは@かな
ちなみに島のマップは嫌だって言ってる奴は、出来るならすぐさま使えそうな代案マップをうpしてほしい
このマップは嫌だ嫌だって言って案を蹴るだけの奴は、いわゆるクレクレ厨の逆バージョンと思われ。建設的な態度じゃないと思うぞ
----武器による特技、奥義について----
格闘系キャラはほぼ制限なし。通常通り使用可能。ティトレイの樹砲閃などは、武器が必要になので使用不能。
その他の武器を用いて戦う前衛キャラには制限がかかる。
虎牙破斬や秋沙雨など、闘気を放射しないタイプの技は使用不能。
魔神剣や獅子戦吼など、闘気を放射するタイプの技は不慣れなため十分な威力は出ないが使用可能。
(ただし格闘系キャラの使う魔神拳、獅子戦吼などはこの枠から外れ、通常通り使用可能)
チェスターの屠龍のような、純粋な闘気を射出している(ように見える)技は、威力不十分ながら使用可能。
P仕様の閃空裂破など、両者の複合型の技の場合、闘気の部分によるダメージのみ有効。
またチェスターの弓術やモーゼスの爪術のような、闘気をまとわせた物体で射撃を行うタイプの技も使用不能。
武器は、ロワ会場にあるありあわせの物での代用は可能。
木の枝を剣として扱えば技は通常通り発動でき、尖った石ころをダーツ(投げ矢)に見立て、投げて弓術を使うことも出来る。
しかし、ありあわせの代用品の耐久性は低く、本来の技の威力は当然出せない。
----晶術、爪術、フォルスなど魔法について----
攻撃系魔法は普通に使える、威力も作中程度。ただし当然、TPを消費。
回復系魔法は作中の1/10程度の効力しかないが、使えるし効果も有る。治癒功なども同じ。
魔法は丸腰でも発動は可能だが威力はかなり落ちる。治癒功などに関しては制限を受けない格闘系なので問題なく使える。
(魔力を持つ)武器があった方が威力は上がる。
当然、上質な武器、得意武器ならば効果、威力もアップ。
----ボスキャラの能力制限について----
ラスボスキャラや、ラスボスキャラ相当の実力を持つキャラは、他の悪役キャラと一線を画す、いわゆる「ラスボス特権」の強大な特殊能力は使用禁止。
これに該当するのは
*ダオスの時間転移能力、
*ミトスのエターナルソード&オリジンとの契約、
*シャーリィのメルネス化、
*マウリッツのソウガとの融合、
など。もちろんいわゆる「第二形態」以降への変身も禁止される。
ただしこれに該当しない技や魔法は、TPが尽きるまで自由に使える。
ダオスはダオスレーザーやダオスコレダーなどを自在に操れるし、ミトスは短距離なら瞬間移動も可能。シャーリィやマウリッツも爪術は全て使用OK。
----時間停止魔法について----
ミントのタイムストップ、ミトスのイノセント・ゼロなどの時間停止魔法は通常通り有効。
効果範囲は普通の全体攻撃魔法と同じく、魔法を用いたキャラの視界内とする。
本来時間停止魔法に抵抗力を持つボスキャラにも、このロワ中では効果がある。
*秘奥義はよっぽどのピンチのときのみ一度だけ使用可能。使用後はTP大幅消費、加えて疲労が伴う。
ただし、基本的に作中の条件も満たす必要がある(ロイドはマテリアルブレードを装備していないと使用出来ない等)。
*作中の進め方によって使える魔法、技が異なるキャラ(E、Sキャラ)は、
初登場時(最初に魔法を使うとき)に断定させておくこと。
断定させた後は、それ以外の魔法、技は使えない。
おっと、一応重大議案だからageよう。
マップさえ決定すれば、いよいよクランクインだしな
おっとすまん、↑はいちおうまとめたやつ。間違い、意見あれば指摘ヨロリンコ
>>218 漏れは@だな。
>>43、>80どちらのマップでも問題は無いと思う。
223 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/26(水) 00:30:15 ID:KqDowZE/
困難というほどではないが80のほうが見やすいのは事実
俺はBがいいかな。
スレ全体の参加人数あんまりいなそうだから今決めても問題ないかもしれんけど
ダンジョン派もいるみたいだし。いま少し慎重に進めてもいいんじゃないか
>>216さん
おもしろいアイデアだと思うが人数が少ないだけに
8エリア全て使うとキャラの遭遇率が下がりそうだな
使用エリアの数を3〜4くらいに制限して
一定時間毎に朝=火地光→昼=雷氷闇→夜=水風地みたに動かすとかどうだろ
すぐにクランクインしたいのならA、Bは論外。
とすると、残った@になるな。それと
>>43か
>>80どっちかっていったら、
>>80の方が見易いかな
226 :
225:2005/10/26(水) 00:46:44 ID:IToySwtq
そもそも明日にクランクインしたいという奴はどれくらいいるんだ?
ネタはあるがまだ白紙。明日は個人的にちょっと性急。
でも他にもう書きあがって早く投下したいという人が何人もいるなら
問題ないのでは?
そんなに急がなくてもいいと思い・マスヨ
意外とみんなマターリ派なんだな。俺は是が非でもやりたいネタもあって、すぐさま書ける体勢なんだがw
じゃあ今日一日は、もう少し細かいルールを定めたり質疑応答にあてようか。マップ案は、今日中に他のアイディアが提出されない場合は
>>80で決定、でいいかな。
あと、いくつか提案したいルールはこんなもんか。
・TPの自然回復
ロワ会場内では、競技の円滑化のために、休息によってTPがかなりの速度で回復する。回復スピードは、1時間の休息につき最大TPの10%程度を目安として描写すること。
なおここでいう休息とは、一カ所でじっと座っていたり横になっていたりする事を指す。睡眠を取れば、回復スピードはさらに2倍になる。
回復したTPをすぐさま回復魔法にあてれば、ある程度ダメージの回復は見込めるが、かなりの集中力を割くためこの作業中は不意打ちに弱くなる。事前に鳴子を張っておくなどの対策は可能。
いいねいいね。
だんだん形が出来てきた。
書き手志望の名無しだが
舞台のマップは必要ないから、ストーリーの序章の部分だけ先に書いて投下してみていい?
ここで出た意見をもとに、
>>34までの流れをリファインしたやつを落としてみたい。
>>141とかの意見は一応参考にさせてもらうからさ
いっちゃえ、いっちゃえ
カモーン
トンクス。なら、今までに書いたぶんだけ投下するぞ。長くなってもロワ開始寸前までしか行かないから安心汁。
……闇。
ひたすらに闇が広がっている。
床に力なく横たわる者達。その身なりはさまざまだった。
男もいれば、女もいる。
年端も行かぬ子供もいれば、生きた年数を感じさせる壮年もいる。
体に密着する服をまとった者、ゆったりしたローブをまとった魔術師風の者も。
まさしく偉人といった雰囲気を漂わせる者もいれば、粗野な雰囲気を漂わせる者もいる。
筋肉の鎧に覆われた屈強な肉体をした者も、折れてしまいそうなほど華奢な体をした者も、みな等しく倒れている。
しかしながらみな、死者のような土気色の顔ではない。みな生きているようだ。
「くくくく…」
闇の中にあり、ただ1人身を起こし、倒れた者達を睥睨するものが1人。男の声だ。
「さて、今のうちに貴様らに『あれ』を贈る事としようか…。貴様らの命、このミクトランが預かり受けよう」
自らのことををミクトランと呼んだ男は、奇怪な文様のマントを翻し、自らの腕を掲げた。
いつの間にか赤い炎を宿した、部屋の中の松明。それがぱちぱちと弾ける音以外は無音のこの空間に、もう一つだけ乾いた音が
生まれた。
ミクトランなる男が、その指をぱちんと弾いたのだ。
松明から生まれ、床に横たわる者達の顔をわずかに照らす真紅の光。鼓動するように揺らめいていたその光は、この空間に生ま
れたどろりとした闇に、再びその身の一部を食われる。
闇もまた、生きているかのようにどろどろと蠢いている。その中から「それ」が飛び出したのは、まもなくのことだった。
コウモリ。よほど根気強いものでなければ、数えるのをあきらめたくなるほど多くのコウモリの群れが、鳴き声一つ立てずに、
生まれた闇の中から溶け出すようにして放たれたのだ。
生まれ出でたコウモリは、しかしミクトランにのみはその頭数を知られていた。
55匹。「ここ」に招かれた…ミクトランが招いた者達の人数、55人とぴったり一致している。
本来生物にあるべき柔らかな動きではなく、ある種の機械じみた正確さでもって、55匹のコウモリは倒れた者達に飛びかかる
。
まるで事前に示し合わせていたかのような、無駄のない動き。1匹が1人の人間に向かい、2匹が同時に1人の人間に向かうよ
うなことは、決して起こらなかった。
コウモリが飛びついた先は、首筋。ここに伏せった者の首筋を、過たずに狙っている。
55匹のコウモリは、けれども牙を繰り出しそれを獲物に突き立てるような雰囲気は微塵もない。彼らの狙いは、肉や血などで
はないのだ。
コウモリ達は、まるで飛びついたものの首筋を抱擁するようにして、その翼を広げ包み込む。しかしそれは恋人同士の愛情表現
には程遠い、危険な雰囲気を漂わせていた。
首の向こう側で、コウモリは両の翼を重ね合う。刹那、コウモリの体に異変が起こった。
それまではたどたどしいながらも、一応の生き物らしさを帯びていたコウモリは、たちまちのうちに皮膚が、体毛が、口腔が、
そしてその体内もが、金属のような光沢に覆われたのだ。
もう一瞬未来には、すでに倒れた者達の首筋にコウモリは存在していなかった。そこには、ただのコウモリの金属製の細工物が
…コウモリの首輪があっただけなのだ。
重ね合わさった両の翼は、もう離れることはない。無骨な金属の塊と化したそれらは、互いに一体となっていたからだ。
無論、このコウモリの首輪は、ただの悪趣味な首輪などではない。まさしく、彼らの生殺与奪を握る鍵なのだ。
「くくくく…ふははははは!!」
55人に例外なくはまった首輪。ミクトランは彼らの命を掌中に収めた優越感、そして嗜虐心に酔い、思わず口元から笑いを漏らす。地獄の悪鬼でさえ凍りつきそうな、邪悪な笑い声。
それに耳を叩かれたのがきっかけか、倒れた者達の幾名かが、無意識の海から呼び戻される。さまざまな色を宿す、さまざまな瞳が見開かれ、揺らめく松明の赤を反射する。
「…ここは…?」
「一体俺は、どうしてここに?」
「怪我はないか…そうだ、みんなは!?」
たちまちのうちに、この部屋は喧騒で満たされた。自らの仲間を求める者、周囲を一瞥し状況を確認しようと試みる者、ためしに隣の者に話しかけ一緒に混乱に陥る者…十人十色の反応が返ってくる。
その喧騒に促され、いまだ意識を失っていた者も目を覚まし、喧騒の輪に加わる。更に広がった喧騒はまた他の者を起こし…そして喧騒がここに集った者達全員に行き渡ったのと、ほとんど同時にミクトランは言葉を放つ。
「ようこそ諸君、我が『バトル・ロワイアル』の会場へ。全員お目覚めのようだな」
もう少し続くかも。
ミクトランの唐突かつ不可解な言動。この部屋全体に、一気に不穏な空気が走る。
「貴様…何者だ!?」
明らかに敵意を帯びた声で怒鳴りつけたのは、倒れていた者達の輪の後方に控えていた金髪の男だった。
周囲に放つ気迫は、まさに偉人のそれ。その怒声に、一同の輪が開き、また一同にその男の注目が集まる。
「ふん、人に名を聞くときには、自ら名乗りを上げるべきではないか?」
ミクトランはことに、金髪の男の怒りを面白がるように言い返す。瞬間、金髪の偉人の怒りが静謐な炸裂を起こした。
「私はダオス…貴様がこの世で最後に目にする者の名だ! 分かったならば息絶えろ!」
ダオスと名乗りを上げた金髪の偉人は、次の息継ぎから一気に四重の呪文を口にする。
とてつもない勢いでまとめて四つ紡がれる呪文に、誰もが驚愕を隠し切れない。
ダオスなる男は、桁外れの力量を持つ魔術の使い手だと、誰もが感覚的に理解したのだ。
「冥土の土産だ! テトラスペル!!」
ダオスが呪文を一気に紡ぎ上げると、間断なく練り上げた魔力をミクトランに叩き付けた。
火球が、氷柱が、稲妻が、土の槍が、一気に襲い掛かる!
「無駄だ」
だが、ミクトランの体は完成した呪文の前に小揺るぎもしなかった。
それもそのはず。ダオスが紡ぎ上げた呪文は、あろう事かダオス自身を直撃していたのだ!
「がはっ!!?」
火球がダオスの胸板を前に弾け、氷柱は金の刺繍のマントを貫く。
稲妻はダオスの全身に不快な衝撃をもたらし、土の槍はふくらはぎを切り裂いていた。
自らの放った四つの攻撃呪文をその身に受け、ダオスはたまらず体を折る。
呪文は過たずダオスの身に、火傷と裂傷を刻み込んでいた。
「貴様…何をした!?」
それはダオスのみならず、みなの疑問でもあった。ミクトランは呪文に対して防壁を張ったわけでもない。ただ、ミクトランに狙いを定めたはずの呪文が、ダオス自身に発動していたのだ。
ミクトランは、明らかにダオスをあざける様な光を目に、答える。「言ったはずだ、無駄だと」と言外に呟いたようだった。
「簡単なことだ。私は今や、ここの場のマナの位相を完全に支配している。
今のマナの位相では、呪文が命じた対象に魔法はかからん。逆に魔法は、全て術者自身に跳ね返ってくるぞ?」
その言葉に、この場にいた魔術師の多くは凍りついた。
魔法を無効化された魔術師は、羽をもがれた鳥も同然。後はただ、野の獣に食われるだけの、悲惨な末路が待っている。
「更に言うなら、闘気を用いた攻撃もまた無駄だ。
このマナの位相下では、魔法と同じで闘気もまた私を傷付ける事は出来ぬ。
魔法と違って、さすがに逆流はしないだろうが、マナが激しく抗うからな」
水の中の魚に、直接炎を浴びせようとするのと大差はない…ミクトランは言った。
「そもそも、貴様らの大事な腰の得物はどうした?」
今度青ざめたのは、魔術師ではなく戦士だった。
全ての武装を、奪われている。愛用の剣が、槍が、斧が、弓が、跡形もなく消え去っている!
ひとまずこんなところで。
スマソ…あれからレスがないのは、ひょっとして漏れの投下待ち?
漏ればかりが連投すると、スレのみんなから抗議が来そうで怖いんだが…。
一応、序章の部分は全部書き上げたんで、遠慮がちながら投下。もしまずいことをしちまったなら、言ってくれるとありがたい。
戦士達はおののいた。彼ら彼女らにとって、己の愛用の武具とは命の次に大事なもの。
そして、己の力を引き出し切るための大切な相棒なのだ。それを奪われることが彼らにとってどれほど衝撃的か、想像に難くない。
「さて、諸君らが鎮まってくれたところで、私の話を聞く体勢は出来たかね?」
ミクトランの神経を逆なでするような声に、ここにいたものは一斉に怒りを…さもなくば恐怖を覚えた。
ある者達は、この不愉快な事態を打開できない己の不甲斐なさに、この不愉快な事態を強要したミクトランなる目の前の存在に、怒りを煮やす。
またある者は、この不愉快な事態そのものに怯え、またミクトランに怯えている。
まさしく綱渡り。限界ギリギリのところで切れずに済んでいる緊張の糸で、場は静寂に満ちている。
ミクトランは、咳払いを一つしてからその話を切り出す。
「さて、本日諸君らにここに集まって頂いたのは他でもない。私の開催する『バトル・ロワイアル』に参加して頂くためだ」
慇懃なその言葉の響きをさえぎるのは、松明の爆ぜる音だけだった。
「単刀直入に言おう。諸君らには、これからお互いに殺し合いをして頂くのだ」
殺し合い。その言葉に、この場は蜂の巣でもつついたような喧騒に満たされた。
巨大な槌で脳天を殴られたように、その言葉が各人に重くのしかかってくる。殺し合い。その四文字の言葉が。
「最も、今すぐ諸君らにこの場で殺し合いを始めて頂こうというわけではない。
諸君らにはこれから『バトル・ロワイアル』の会場に移って頂くのだ。
武装解除を勝手に行った詫びといっては何だが、1人に一つだけ、これを持たせてやろう」
ミクトランは、一抱えほどある皮袋を持ち上げた。
「この中身は、これから諸君らに殺し合いをして頂くのに必要な最低限の品物が詰まっている。
この袋は中の空間に少し細工をしてあってな、見た目以上に多くの、また大きな荷物を入れることが出来る。
その具体的な中身は食料に水、会場の地図、それからこの『バトル・ロワイアル』の規則を記したルール・ブックなどだ。
それから中には、私からの餞別代わりとして、『支給品』を入れておいた。
『支給品』の具体的な中身、そしてその数は各人ごとに違う。一応は、殺し合いに役立つ物だとは言っておこう。
ただし、運のない者はろくな物をつかめないかも知れないが、それは私の責任ではない。
ひょっとすれば、その中には私が奪った諸君らの武器もあるかも知れんな」
ふと、ミクトランに呼ばれた55人は、自分の目の前の床を眺めた。
ミクトランの掲げた皮袋と同じものが、いつの間にか目の前に転がっている。袋の数も55人分ちょうど。過不足はない。
「さて、時間もないことだから、このゲーム…『バトル・ロワイアル』のルールの概要を説明させて頂こう。
この『バトル・ロワイアル』は、諸君らのために特設した会場に移って頂いて始める。
『禁止エリア』のルールの関係上、諸君らに与えられた時間は192時間…すなわち8日ちょうどだ。
そこに移って頂いたのちは、ひたすら自分以外の参加者を殺せ。
正々堂々と一騎打ちを申し込むもよし、卑劣な策で相手を陥れるもよし。
参加者同士好きに同盟を結んでもいいし、好きなときに相手を裏切ることも出来る。漁夫の利を狙うのもありだ。
積極的に他の参加者を狩りに出ても良いし、脱兎のごとく会場内を逃げ回るのもいいだろう。
最後の1人まで人数が減ったならば、ゲームは終了。生き残った者が勝者だ。
ただし、以下のような行為は禁止だ」
語勢が、途端に凄みを帯び始めた。
「一つ。参加者全員で馴れ合って、殺し合いを放棄すること。
ゲーム開始から、もしくは最後に死者が出てから24時間、誰も死ななかったなら、私は諸君らが馴れ合ったと判断する。
一つ、会場から何らかの手段での脱出を試みる。諸君らには、脱出という選択肢はないのだ。
一つ。先ほども話した『禁止エリア』に侵入すること。これは全員が身を守ることに徹して、ゲーム進行を阻害させないための措置だ。
『禁止エリア』は、ゲームの進行とともに拡大していく。会場全体が『禁止エリア』に覆われるまでにかかる時間が、ちょうど8日なのだ。
『禁止エリア』が拡大するにつれ、諸君は一箇所に集まって行く。すなわち、否が応でも殺し合いになるのだ。
もしこれらの禁止事項を破ったなら…」
ミクトランはおもむろに、首筋をとんとんと叩いた。
「諸君らのそこを見るがいい。首輪がはまっているはずだ…コウモリの形のな。これが爆発を起こす。
首筋という急所が、爆発の直撃にさらされたら…諸君らの首から上がどうなるか、想像に難くあるまい?
もちろん、首輪の爆発力は、きっちり諸君らの息の根を止められる威力に設定してある。
おっと、無理やりもぎ取ることはお勧めしない。その場合も、即座に首輪はドカン、だ。
それから、首輪は私が望んだ瞬間に爆発させられる。死にたくなければ、私の機嫌を損ねるような真似は止めておけ」
すなわち、この場にいる者はみな、ミクトランに命を握られている。その事実に、彼ら彼女らの間に衝撃が駆け巡った。
いつの間にかはめられた首を恨めしげにさする者、更なる恐怖にすくみ上がるもの、やはり反応はさまざまだ。
空気が最果ての地の永久凍土のように、冷たく乾く。「だが」、とミクトランはその空気を己の声で震わせる。
「景気のいい話もある。もちろん、このゲームの勝者はもといた世界に帰還出来る。それだけではない。その際に願い事を一つ、叶えてやろう。
願い事の数を増やしたりすることは出来ないし、無論私の命をくれてやることは出来ん。だが、それ以外の願いなら、どんなことでも叶えてやれる。
望むなら死者でさえ蘇らせてやろう。何なら、このゲームで死んだ者全てを蘇生させた後で、各人の故郷に送り返してやることも出来る。
もちろん、私利私欲を満たすための願い事も一向に構わん。勝者はその権利を、いかなることにも使えるのだ。
こればかりは、私も確約してやろう。繰り返すが、このゲームの勝者は、願い事を一つだけ叶えてやる」
三度、喧騒が巻き起こった。
先ほどの二度とは、喧騒の質も異なる。今回の喧騒には、若干の希望が見え隠れしている…この八方塞がりの現状にも、たった一つだけの突破口があるのだ。
問題は、誰がその「突破口」をくぐるか。その一点に収斂するのだ。
「簡単なルールの解説は以上だ。これ以外の細かいルールは、その皮袋の中のルール・ブックで確かめて頂きたい。何か質問は…」
「ふざけないでくれ!」
その時、悲鳴のような抗議の声が上がった。
この場の全員の視線が「彼」に集中する。
「彼」はこの場にいる多数派の者達とは違い、旅装束や鎧をまとっていない。ありていに言えば、どこにでもいそうな一市民、といったなりだった。
「どうして俺達がこんなふざけたゲームなんてやらなきゃならないんだ!? 何が『バトル・ロワイアル』だ!!?」
彼は叫びながら、ミクトランの目前まで勇み足で向かう。この理不尽な状況に対して、とうとう我慢が限界に来たらしい。
「故郷のパルマコスタからここに飛ばされて、わけもわからないうちに殺し合いに参加しろ、なんてどうかしてると思わないのか!?
お前には俺達に殺し合いを強制する権利なんてないはずだ!!」
彼の激しい抗議に、後ろの者達の一部からも「そうだそうだ」の声が上がる。改めて、ミクトランに対し忘れかけていた怒りが、鎌首をもたげたのだ。
しかし、彼の抗議は唐突に、終焉を告げることとなる。
「ガタガタ文句をぬかしてんじゃねぇぞ腰抜けが」
野太い声とともに、人の輪から抜け出てきたのは、赤いドレッドヘアーの男。全身の筋肉の発達も、たくましい。
声同様に粗野で剣呑な顔つきを、目元に刻まれた傷が更に危険な雰囲気を増幅している。
その声に振り向いた男は、驚愕に目を丸くした。彼は、ドレッドヘアーの男の正体を知っている。
「お…お前は…東の牧場のマグニス!?」
マグニス、と男に呼ばれたドレッドヘアーの男は、踏み込みながら岩のような手のひらをその男の首元に食い込ませる。
不思議と、首輪は首筋をつかみ上げる邪魔にはならなかった。男はひいっ、と声を漏らす。
「マグニスさま、だ。豚が…」
次の瞬間、マグニスの右手の筋肉が一気に膨れ上がった。5本の指が、男の首を万力のように締め上げる。
コキャッ。
男の首は、妙に乾いた音を立ててへし折られた。白目をひん剥いた首は、生きている人間には決してありえない方向に、だらんと力なく垂れている。
マグニスは、男の体をまるで、紙くずをゴミ箱に捨てるような無造作な動作でもって、軽々と投げ捨てる。
最後に、打ち捨てられた男の体に、ぺっと下品な動作で唾を吐きかけた。
誤解のしようなどない。男の命の灯は、ここに吹き消されたのだ。マグニスと呼ばれた、あの男の手によって。
マグニスは振り向きざま、今度は残る53人に向け一歩踏み込む。人の輪が、きっかり一歩分後退した。
「てめえらの中で、このゲームに参加する気のねえヘタレ豚どもがいやがったら前に出やがれ。
この俺さまが、全員まとめてブチ殺してやるぜ。そんな奴らは、このゲームには必要ねえ」
びっ、とマグニスは親指で首をかき切る動作を行う。希望の光に溶けかかっていた一同の心は、再び驚愕と恐怖で凍りついた。
「そこまでにして頂こうか、マグニスとやら」
マグニスはミクトランの声に、もう一度振り向く。
「そこの男を始末して頂いて、私の手間も省けた。お前が手を下さなければ、私が殺していたところだったがな」
「…ところで、そこの豚の持っていた荷物は、俺さまの物か?」
マグニスの気の早さに、ミクトランは肩をすくめた。まだゲームは、始まってすらいないのに、だ。
「一応殺された者の持っていた荷物は、殺した者に持っていく権利はある。
ただ、ゲームはまだ始まっていないから、他の参加者と公平を期するため、荷物の持ち出しは許可致しかねるな」
「…ちっ、つまらねえな」
マグニスは床に唾を吐き捨てながら、ふて腐れた物言いだった。
「だが安心しろ。その男の持っていた『支給品』は、諸君らに還元する。諸君らの内の数名に、『支給品』が追加されるはずだ」
「…まあ、そいつを引き当てるか奪い取るかすればいいわけか。どの道、その豚の持ち物は俺さまの物だな」
マグニスの顔に、ぞっとするような笑みが浮かんだ。純粋に殺戮の喜びを知った者でなければ浮かべられない、獣の笑みだ。
「では諸君。改めて質問は?」
声を放つ者は、今度こそ誰一人として存在しなかった。
「…分かった。それでは諸君は、今から会場に向かって頂こう」
ぱちん。ミクトランは指を弾き、それを出現させた。ミクトランと参加者の間に、六茫星の光が迸る。
中央の六茫星が輝くと同時に、その周囲にも金色に輝く方陣が展開される。それはさながら、不可視の筆が光を含み、床の上を乱舞するようにも見える。
全ての文様が輝きに満たされたとき、その方陣は一つ、鼓動するように光を放った。魔法陣が起動し、力を持ち始めたのだ。
「この魔法陣こそ、会場に通じるゲート。ここをくぐった諸君は、会場の各地に無作為に飛ばされるの。
どこに出るか、誰と鉢合わせするか、それはこの魔法陣だけの知ることだ。心の準備の出来たものから、その魔法陣に踏み入るがいい。
最後になるが、諸君らの健闘を祈らせてもらおうか」
その「健闘」の過程が、どれほど困難を極めるのか。その結果が、どれほど血塗られたものになるのか。運命のみが知っている。
魔法陣に入る者達は、これまた各者各様。仲間達にのちほどの再開を約束し合う者、胸を躍らせ心なしか微笑む者、怯えたような表情を浮かべる者。
大多数の者は、緊張に顔を強張らせていた。このゲームの…「バトル・ロワイアル」の性質を考えれば当然のことである。
自分以外の参加者は、全て敵。たとえ血よりも濃い絆を結んだもの同士であっても、最終的には情け容赦なく殺し合わねばならない。
愛する者との命を賭け合った戦いに、喜んで赴く者の方こそ、少数派なのだ。
首輪の爆破を恫喝の種としながらも、ミクトランが最後の1人を会場に送り込んだ瞬間、魔法陣は金色の光を失う。
ゲートは閉じられた。このゲートは、まさに地獄への片道通路。帰還を許されるのは、残された54人のうち、たった1人。
ほぼ九分九厘勝ち目のない、無謀な賭け。
けれども、知と力を駆使してその賭けに勝たねば、大切な己の命を守りきることは出来ないのだ。
最難関かつ最悪の戦い、「バトル・ロワイアル」。その火蓋は今や、切って落とされた。落とされてしまったのだ。
【パルマコスタの首コキャ男性 死亡】
【残り人数54人】
…これで、いつでもみんな本編が書けるな。
それからマップ案は
>>80ので決定って雰囲気だけど、それだけはっきり決めた方がいいんじゃね?
それだけが、漏れの気になるところなんだが…。ちなみに漏れは
>>80でいいぞ。
というわけで駄文の投下スマソ
乙
漏れも考えてみよう
マグニスのとこで笑ったのは漏れだけじゃないはずだw
ついに始動?序章書いた人乙。
マップに関してはテイルズ作品中のどこかを使いたい気もするが
自分では用意できないので俺も
>>80でおKです
書きたいけどPDD2EとLの2章までしかやってねーからなあ
RSのキャラ絡むと性格とかわかんねえorz
あといくつか質問があるんあだけど
@このすれで作品投下と適宜議論を行っていくのか
(別に雑談スレたてるつもりなのか)
Aあきらかに前のストリーと矛盾・整合性がとれない作品が投下されたとき
その作品のNG議論・指定をするのか
B作品投下する前(作者がネタ思いついたとき)に動かすキャラの予約
は認められるのか
ひとつ質問
最初に集められた場所はマップ上には無い場所?有る場所?
拙い文章ですまぬが投下
可能な限り参加者の顔を確認。乱暴に投げつけられた皮袋を受け取り、ゲートをくぐる。
こういう到底起こり得ない状況において冷静を保てたことは、ある種彼の才能だったのかもしれない。
「信じらんねぇ〜…。どうして俺さまがこんなクソゲームに…。」
呟いてみても状況は好転しない。そんなことは自分が一番わかっている。だが不満を漏らさずにはいられないのだ。
誰だってそうだろう。こんなわけのわからない、理不尽なゲームに参加させられてしまっては。
(あの時…ロイドやあのチビは居たな…コレットちゃんにしいなも、それからクラトスも居た。
プレセアちゃんとリーガルのおっさんとリフィル姉さんは確認した限りでは居なかった…。
それからあのユアンとかいういけ好かない野郎とミトス…も居たな。ミトス…ユグドラシルか…あんな奴が襲ってきたら流石の俺さまも厳しいかもな。
しかしミトスの野郎もあの場で抵抗はしなかったな…まあ魔法が効かない状況じゃ仕方ないか…。)
まだゼロスは今後の方針を決めかねていた。ゲームに乗るか、抗うか。
乗るなら乗るでどうやって最後まで勝ち抜くか。自分以外の全員を殺さなければならないという状況に居るのだ。
会ったこともない、見ず知らずの相手ならまだしも、一緒に戦ってきた仲間まで殺すのは流石に抵抗がある。
抗うなら抗うで作戦を立てなければならない。しかし当然あのミクトランとかいう奴も強大な力を持っているだろう。
それに魔法も使えない。おまけに相手の意思で首輪がドカンとあれば、みんなで脱出なんて普通に考えれば…いや、どう考えたって万に一つも勝算は無い。
流石に仲間なんて殺せない。それだけは出た結論だ。
だが自分を殺しにかかってくる奴は?殺せるなら殺してしまうのか?いたいけな子供でも?
正義の味方として死に行くか、血濡れの殺人鬼として勝ち残るか。
自問自答を繰り返すが、やはり答えは出ない。
飛ばされた場所は海に近い草原。風がさわやかで天気も良い。はっきり言って心地良い。
「ハァー…。帰りてぇ〜…。」
とりあえず彼に出来ることといえば、独りごちりながらフラフラ歩くことくらいだった。
ズルズルと皮袋を引き摺りながら。
【ゼロス 生存確認 所持品:不明
現在位置:E7の海沿い
第一行動方針:文句を言いつつとりあえず歩く 】
うおおおお、始まってんな。
執筆者の人達乙!
ところで、まとめサイトみたいなのって出来てる?
別端末からスマソ
昨日序章を投下した書き手だが
>>244の質問に答えると、漏れは書いてるときは会場外の場所を想定して書いていたぞ
それから何か議論があった際は、即座に解決するならこのスレで、長引きそうなら
>>1のスレを借りて、向こうの住人の意見を聞きながら決定、でいいんジャマイカ
雑談とかはこのスレのレス番や容量を圧迫しなけりゃOKと思われ
それから投下された作品は、よほどの矛盾がなきゃ受け入れるってのが
>>1の意向だったはず
…まああまり展開をハチャメチャにし過ぎると、引き継ぐ香具師が大変だから、その辺り気を付けるのはマナーの問題だと思うがなw
予約は…アリにしないか? 納期一週間程度を目安にして。実は漏れ、マグ×バルを書きたくてしょうがないんだw
それから一つ、ゼロス大事なことを思い出した! Sのキャラのエクスフィアは扱いどうする?
漏れは、Sキャラはエクスフィアがあって他の作品のキャラと互角ぐらいって設定みたいだから、エクスフィアは例外措置で奪われなかったとしたいんだが
またコレットやゼロスのエクスフィアはクルシスの輝石で、それぞれ天使化に使われる。ゼロスは秘奥義使用時のみ天使化するって聞いたんだが…
こんな感じでどうだろうか? …漏れってばここの
>>1でもないのに、何でこんなに仕切り厨になってんだYO…orz
メルディをあげたものなんだけど、クイッキーつれてても良い?
249 :
歪む歯車:2005/10/27(木) 08:55:41 ID:u8OY0jlE
投下。流れを読まぬ様だがすまない。
名も知れぬ植物の類、鬱蒼と茂る大木。そして、乱暴に皮袋を地面に叩き付け、息を漏らす一人の男。
「なぜ、この俺が選ばれる!?訳の分からぬこのゲームにっ?
優勝だとっ?どうせ俺みたいな奴は、どこの馬の骨だか分からん奴に殺される運命にあるんだ!」
まるで炎を纏った様に赤い容貌。針の如く尖った両目。絶え間なく揺すられる片足。
ダオス配下のドラゴケンタウロス、ジェストーナは、唐突なる出来事に疑問を隠せぬ自分の感情を言葉にして吐き出した。
その強靭な外見とは裏腹に、ジェストーナは“死”を恐れていたのだ。
容赦なく人々が狂気に捕われ、殺し合うこの世界。己の精神を正常に保つ事など、不可能に近いかもしれない。
それに、見た所では――自分より遥かに強大な力を持った者達も、参加者の中には紛れ込んでいる。そんな者と出会えば、間違いなく死を味わうだろう。
「くそっ!この俺様が!誰よりも強大な力を持っていれば!ここまで悩む事も無いのに!」
ジェストーナはそんな現実に、怒りを隠せなかった。
まてよ、
…まだ自分が「死ぬ」と決まった訳ではない。皮袋の中では、まだ手も着けられていない武器が潜めいている。
それにここは、魔法だって使う事の出来ない世界だ。それならば、ヒヨコ当然の奴らだってゴマンと居るだろうな。
さすがにダオス様や、他の強大な力を持った奴とまともに戦う事は出来ないから、避けるしかない。
しかし、馬の骨当然のヒヨッ子程度なら、軽く殺す事など可能であろう。
そうだ、俺は絶対に、勝てる。俺は勝って、願いを掴んでやる。
ジェストーナは心の奥底に溜まっていた澱を出すかのように、負の感情を全て吐き出す。
そして、地面に転がり落ちている皮袋を掴み、足元に持ってくる。そして、おもむろに中から武器を引き摺り出した。
皮袋の中からは、三つの道具と、皮肉にも説明書と思われる物が出て来た。
一つ目の道具は、手に取っただけでも冷たさを感じる指輪。名前は氷のお守り、と言うらしい。
二つ目の道具は、小柄だが、刃物の様に鋭い、先端の少し欠けた魔獣の牙。
二つ目の道具…いや、これは武器と言うべきだろう。柄に大型の手甲がついた、鞘に収めらた剣。ナイツサーベル。
ジェストーナは柄を掴み、鞘からナイツサーベルを引く。鞘から現れた銀色の刃は、木漏れ日を浴びて僅かに閃いた。
小さい。しかし、人を殺す為の武器である事には、間違いない。ジェストーナは黙って、ナイツサーベルを鞘にしまった。
――俺はやれる。きっと、いや、絶対に勝ってやる。もう俺はダオス様、いやダオスの配下などではない。
確かに、俺は弱い。だけれど、まだ心まで弱ってはいないはずだ。
ジェストーナは、決意を固めた。その目には、ダオスに対しての忠誠心では無く、己の意思が強く漲っていた。
【ジェストーナ 生存確認 所持品:氷のお守り 魔獣の牙 ナイツサーベル
現在位置:F7の森林地帯
第一行動方針:ゲームに乗る。ただし強い者との戦いは避ける。】
>>248 漏れは別に構わないとは思うが…ううん、ビミョーだ。他の意見も求む
>>245&
>>249 ちなみに会場内に入れば、また魔法や技は使い放題になるぞ。
ここで漏れ達が決めたルールは全て、各キャラの持ってるルールブックに記してあるから、念のためルールの誤解は劇中で晴らしてやってくれ
252 :
251:2005/10/27(木) 12:11:36 ID:spSD0rVU
途中で間違って書きこんじまった…orz
俺はクィッキーつれててもいいと思うよ
>>251 おまい自身がクィッキーなのかと思ってワロスw
漏れん中でモヤモヤがやっとこ晴れたんで、また書き込ませてくれ。マスコットキャラ達の扱いは、これでどうだ?
・マスコットキャラの扱い
いつもあるキャラにつき従ったマスコットは、通常通りついてくるし、主人を手助けしてくれる。
ただし他のキャラとの公平性を期すために、このマスコットは「支給品」一つ分相当とカウント。つまりメルディは最高でも、「支給品」は2つしか手に入らない。
しいなのコリンは、しいなの持つ召喚魔法の一つと見なされるため、「支給品」一つ分とはカウントしない。
なお、ロワでの戦いにおいて全く役に立たないマスコットキャラは、この限りではなく、「支給品」一つ分とは見なさない。
この辺の措置が妥当かと思われ
254 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/27(木) 12:45:00 ID:Yt4miQQX
クィッキーは武器だろ
没収が妥当
>クィッキー
確かに武器と言えば、武器なんだよなぁ…。
だからマスコットキャラの扱いについては、
>>253の意見でいいと思う
>253
しいなについては、ストーリーどおり、ヴォルト以降の召還術を使えるかどうかの
2択というのはどうだろう?
どっちを選ぶかは、最初の書き手にまかせる、と。
メルディについては、没収でもいいし、場の特別な力におびえて攻撃できない
っていうのでもいいよ。
たしかに、支給品とするのも一人ずつ設定しなくていいから、シンプルでいいね。
どうやって支給されたかは謎だが。
駄文投下します
お前の番だと、半ば引っ張り出されるかのような形でゲートをくぐる。
その先は森の中だった。
不可思議な力によって飛ばされる感覚――それは初めての経験ではないが、いつまで経っても慣れない。
(不思議な力…か)
カイルは心を寄せる少女の事を思い出した。
人々を救う使命を背負った聖女、自分を英雄と認めてくれた大好きな人。――リアラ。
彼女は確かにあの会場の中にいた。
(それからロニとジューダスと、ハロルドも……)
ナナリーの姿だけは見えなかったが、
人殺しをさせられるという状況下にあっては、姿が見えないというのは逆に安心すべきことなのかも知れない。
勿論そんなふざけた事に乗るつもりは更々無いが。
はやく仲間たちと合流しなくては。
きっとリアラもロニも心配しているだろう。
それにジューダスとハロルドだったらこの事態を打開する策を何か思いついているかもしれない。
皮袋を背負いながら、カイルは一人森の中足を進める。
荷物の重さだけが原因でなく、足取りは重い。
様々な感情が混ざり合うようにしてカイルに纏わり付いていた。
異様な状況に放り出された事に対する困惑と不安。
見ず知らずとはいえ、罪も無い人が殺された事に対する怒り。
――そして、期待。
カーレル=ベルセリオスの生命と引き換えに倒され、
長いときを経て復活した後も、四人の英雄によって野望は永遠に阻止された筈の天上王『ミクトラン』
その名前を聞いた瞬間、困惑を覚えたと共に、もしかしたらという期待もカイルの中に生まれていた。
そして仲間の姿を探している時、同時に探していたら案の定というべきか、やはりその姿はあったのだ。
18年前の父と母。
他の四英雄の姿は探した限りでは見えなかったが、カイルにはそれだけで十分であった。
(こんな状況なのに、また父さんと一緒に過ごせるかもしれない事に期待しているんだ、オレは……)
だが今は、仲間と合流するほうが先決だ。
カイルは他の四人より先にゲートを越えたが、通じる場所が無作為に選ばれているのならば
仲間が来るのを待つのではなく、自分から探さなければならないだろうと考える。
とりあえず"ゲーム"に乗るのは却下だ。人の命を奪う事、そんなゲームなど認められない。
しかしならば状況を打開するためにどうするべきか、それは今のカイルには思いつかなかった。
とにかく皆と合流しなければ、そう思いながら歩き続ける。
ふと、
木々の向こう側に人の気配を感じた。
薄暗い森の中でははっきりとした姿は見えないがそれが男のものだという事はわかる。
父だ。
何故かカイルはそう思った。その瞬間、発作的に駆け出す。
荷物の重さも気の重さも忘れて、カイルは木々を掻き分けて進んだ。
距離はあまりなく、気配の主の元にはすぐに辿り着くことが出来た。
「……父さんっ!!」
相手の顔も見ずに、思わずそう呼んでしまった事に対して、カイルははたと我に返りしまった、と思った。
過去の父親が自分の事を知るはずも無い。
否、もしかしたらダイクロフトで共闘した事を"覚えているスタン"かも知れないが、
いずれにしろ今の自分の発言は、相手に不審感を持たせてしまうだけだろう。
「すみませんっ!人違いだったみたいです!」
誤魔化そうと慌てて目の前の人物に頭を下げる。
そして再び頭を上げたとき、カイルが見たのは鳶色の髪をした長身の青年。
彼は忙しないカイルの様子に黙って首を傾げていた。
―――どうやら本当に人違いだったようだ。
【カイル 生存確認 所持品不明
現在地:F3 森林地帯
第一行動方針:リアラ、ロニ、ジューダス、ハロルドとの合流
第二行動方針:両親との再会】
【クラトス 生存確認 所持品不明
現在地:F3 森林地帯
第一行動方針:不明】
あ、すみません。
二人の現在地は北東の森の方です。
書き手のみなさん乙、そしてGJ!
いよいよ始まったんだなぁ…
携帯&駄文でゴメン。
「さてと…鬼が出るか蛇が出るか…」
深い森林の中で赤い髪の青年が手渡された皮袋の中身を物色し始めていた。
(支給品が明暗を分ける)
ミクトランの話を聞いた時、彼はそう思ったからだ。
皮袋の中に手を入れると彼の手が何かを掴んだ。取り出してみるとそれは反りを持った独特の剣だった。
鞘から抜いてみると、刀身の輝きが以前使ったことのあるモノと比べると随分と見劣りがする。
(鬼包丁……いや、違う。「ムメイ」ってヤツか?)
しかし贅沢は言ってられない。それに武器が手に入っただけでも彼の生存率は飛躍的に上がったのだ。
彼は刀を腰に差し、物色を再開した。
物色を再開した彼が次に取り出したのは若草色の外套だった。
(これは……エルヴンマント!!)
彼はそれがエルヴンマントだと分かるとすぐに身につけた。
普段は目立つ色だが森の中ではその色が保護色となる。
そのうえ、マントに付与された力によって身のこなしも軽くなる。
元々身のこなしが軽く、猟師として森に生きる彼とってはある意味最高の防具である。
物色を再開し、三つめの支給品を探してみたが、どうやら彼の皮袋に入っていたのは二つだけのようだった。
「ま、量より質ってヤツか。」
彼、リッド・ハーシェルは一言呟き、皮袋を手に持って木を登り、誰かに見つからないように姿を隠した。
リッドは木々の中でこれから何をどうするべきか考え始めた。
その結果、二つの結論に達した。
一つは願えば死者を生き返らせるというミクトランの話を信じ、
血塗られた勝利者となってこのゲームを終わらせること。
もう一つ、可能性は無いに等しいが、ゲームを終わらせる別の方法を探し出すこと。
どちらかといえば現実主義者である彼は、前者の結論が先に思い浮かんだが、その考えをすぐに却下した。
生き返ると分かっていても、女子供を手に掛けることなど自分には出来ない。
それに、参加者の中には自分にとって最愛の女(ひと)がいる。
リッドは後者の結論を選んだ。苦難の道ではあるが、可能性はゼロではないと確信しているからだ。
(キール・ツァイベル。アイツと合流することができれば何とかなるかもしれない。)
リッドは幼なじみの秀才が持つ可能性を信じた。
だが彼にはもう一つ、気かかることがあった。
それは、このゲームに乗って殺戮を繰り広げる存在であるマーダー、
あるいはマーダーになる可能性を持った人達のことである。
(あのマグニスってのはカンペキに俺らを殺る気だ。
それに青いワカメみたいな髪のゴツいヤツの眼…ありゃ「趣味は人殺しです」って眼だ。
しかもヒアデス…アイツまでいやがる。)
リッドはとりあえずこの三人を要注意人物とし、できれば身の安全の為に倒したい存在としてマークした。
仲間…ファラ、キール、メルディを探す。
別の方法でゲームを終わらせられるかもしれないキールの可能性に賭ける。
できることなら要注意人物の三人を倒す。
(ま、とりあえずこんなところか。)
リッドは考えをまとめると木々を飛び移り森の中を探索し始めた。
【リッド 生存確認 所持品:ムメイブレード エルヴンマント 現在位置:B2の森林地帯
第一行動方針:ファラ達との合流。 第二行動方針:要注意人物(ヒアデス、マグニス、バルバトス)の撃破。】
ああ、ワクワクしまくりんぐだな。こんなおもすれースレ、2ちゃん巡ってて初めてだ
ところで
>>256 しいなの件なんだが、原作の再現って意味合いも込めて、たとえばこういうドラマチックな展開はどうだ?
しいな、強敵と対戦
↓
しいな大ピンチ! そこにコリンが飛び込み身を挺してしいなを庇う
↓
コリンあぼーん
強敵「何だ今のクソチビは?」
しいな「コリンのことかぁぁぁぁぁッ!!!」
↓
しいなOL! コリンは呼べなくなるがヴォルト召喚で強敵相手に奇跡の逆転勝ち
↓
ウマー
更にロワ佳境で一度だけヴェリウスと化したコリンに手助けを受け、再びピンチを脱出…とか…
ベタベタ過ぎかorz まあしいなに死ぬほど勝ちフラグが立つ気もするから、しいなファンには好評かも知れんが
このロワ参加者リストって配られてる?
>>250 >>245だが、
「それに魔法も使えない。」
の部分のことだな。誤解を与えてしまったみたいだが、
「ミクトランが相手では魔法も役に立たない」っていう意味でとらえてくれればウレスィー
>>247 エクスフィアつけてないのに強いやつもいるが、まあそのへんは作中と同じでいいしょ
エクスフィアと輝石は武器扱いじゃないから没収されなかったってことで
しいなは作中でコリン失ってる&ヴォルトと契約してる んだし
深く考えなくていいんじゃないかな
あー楽しくなってきた
|| __ ,,-γヽ、
|| へ/ vWヽ 待たせたな豚ども! ノ川^^川i / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|| ミ(d|゚Дメ)/ 次は俺さまとバルバトスの夢の競演だぁ! ∩゜Д゜从< 英雄ども! おののけブルアアア!
||_ (o σ _____ □………(つ | \___________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | バルバトスの .|
||三三三三三三三 コメント |
廃墟の塔。
その塔ははるか昔、古代の人々が打ち捨てたまま、時の流れの内に朽ちるに任せていたのか、はたまた最初からこんな造りなのか。
今となっては、もはや憶測することしか出来ない。
唯一確たる事実は、この塔ははるか昔に時の大河の流れに取り残された、古き遺産にある懐古的かつ神秘的な雰囲気をたたえているという事。
ただ、それだけだ。
この地に送り込まれた54人の人間は、これから最後の1人になるまで血まみれの争いを繰り広げる。
けれども塔は、その争いにはただ無関心を決め込むかのように、地平線からようやく離れた太陽の光を、その覗き窓から切り取って自らの腹の内に取り込む。
何の取りとめもない光景。異変一つ見せない石造りの内装。
ただ、塔にとって残念なことは、今や怠惰な沈黙を決め込み、日向ぼっこを続行することは出来ない、という現実がそこにあったことだ。
何せ「異変」は、向こうからやって来たのだから。
「受けてみろよぉっ! 煉獄っ!! 崩爆破あぁぁぁぁぁっ!!!」
「支給品」の一つ…特大の刃を持つ巨斧、「オーガアクス」を構えたマグニスは、みなぎる闘気に赤熱する刀身を横一文字に振るう。
灼熱の爆炎が津波と化し、「彼」を飲み込まんと強襲をかける!
しかし対する「彼」もまた、爆炎の津波に抗する奥義を持ち合わせている。「彼」は腰だめに、オーガアクスを越える更に長大な得物を構えた。
「彼」もまた、マグニスと互角か、下手をしたら彼をも越えかねない剣呑な光をその双眸に宿している。
伸び放題の青い長髪は手入れを知らぬかのように独特の癖を持ち、「彼」自身の背中にかかっている。
その鼻梁は崩れることを知らぬ岩山のように屹立し、剣呑な雰囲気を高めこそすれ、弱めるようなことは微塵もない。
この「バトル・ロワイアル」に参加したものの名簿を眺めたのならば、「彼」の名はすぐさま目星が付いたであろう。
バルバトス・ゲーティア。「英雄狩り」の異名を持つ男。
彼が腰だめに構えた物は、何と大理石の柱。あろう事かこの男…バルバトスはその桁外れの膂力にものを言わせて、大理石の柱を棍棒として扱っているのだ!
「微塵に砕けろぉっ! ジェノサイドォォォ!! ブレイブルァァァァァッ!!!」
腰だめに構えた大理石の柱が振り上げられたとき、彼の目前に紫色の悪しきオーラが生まれた。
悪しきオーラはそのまま一気に伸び、極太の光線と化して爆炎の津波を迎撃する。闇と炎…両者に残された選択肢はただ一つ…
激突!!!
腹の底まで響く轟音と、目を焼くまばゆい光。互いを食い合う闇と炎の争いには、一瞬の拮抗ののち、闇に勝利が訪れた。
爆炎の津波のどてっ腹を穿ち、その向こうにまで突き抜ける悪しきオーラ。
たとえ煉獄崩爆破で威力を殺されているとは言え、マグニスもこのジェノサイドブレイバーの直撃を受ければ、無事では済まされない!
だが惜しくも、悪しきオーラが貫いたのは、マグニスの残影のみ。
バルバトスの奥義の威力を殺しきれないと判断したマグニスは、即座に空中に逃れたのだ。
「死ねやおらぁぁぁぁぁっ!!」
大上段にオーガアクスを振り上げ、落下の勢いに更に己の腕力を追加し必殺の斬り下ろしを見舞う。
バルバトスは即座に、上段に構えたままの大理石の柱を掲げた。戦士の機転と勘でもって、大理石の最も硬い部分で斧を受け止め、全身のバネで更に衝撃を奪う。
結果、マグニスの放ったオーガアクスの一撃は、バルバトスの構えた柱の中ほどまで埋まり、底で止まる。受け切った!
「ぶるぁぁぁぁぁっ!!」
バルバトスはその柱を半ば投げ捨てるようにして、宙に浮いたままのマグニスの体勢を無理やりに崩す。すかさず空いた右の手で、マグニスの顔面に痛烈な正拳を見舞う。
だがマグニスもさるもの。柱に埋まってすぐには抜けないオーガアクスをあっさり手放すと、こちらも握り締めた拳をバルバトスに打ち返す。真っ向一撃…正面衝突!
互いの放った拳が正面からぶつかり合い、もう一度轟音を立てた頃には、投げ捨てられた大理石の柱とオーガアクスは、乱暴な地面への不時着を果たしていた。マグニスは再び地面に立ち、バルバトスはその腰を捻り込んでいる。
「…………」
「…………」
ぶつかり合った拳が、どちらからともなく引かれる。沈黙。
マグニスはバルバトスを、バルバトスはマグニスを睨みつけ、互いに出方を伺っているようだ。
ぎりぎりと緊張の弦が引き締められる。塔に差す朝日さえ、その緊張に凍り付いてしまったかのようだった。
「てめえ…なかなか出来るじゃねえか」
「マグニスとやら…貴様もな」
バルバトスは、ゲーム開始直前に1人の男が、もう1人の男の首をへし折ったときの光景をもちろん覚えている。
へし折った側はマグニスと名乗っていた。すなわち、目の前の男。
「…この俺さまも、ゲーム開始直後にてめえみたいな相手に会っちまったのは、果たして幸運なのか不運なのか…」
「マグニス…貴様、何が言いたい?」
バルバトスは、軽く苛立ったようにマグニスに問いかける。マグニスはにっ、と八重歯を覗かせて笑いながら答えていわく、
「てめえには俺さまと組んで、このゲームを突破する気はあるか?」
「同盟か?」
「そう。そういう事だ」
「下らんな。馴れ合いに頼る雑魚が」
バルバトスは、マグニスの提案を一蹴。再びその目に、戦意の炎を宿らせる。
「はっ、安心しな。俺さまも、てめえと馴れ合う気なんざ更々ねえ」
俺さまが欲しいのは、てめえの実力だけだ。マグニスはバルバトスに宣言した。
「いいか、てめえ…」
「…バルバトスだ。バルバトス・ゲーティア。俺の名は『てめえ』じゃねえって事を、よく覚えておけ」
「なら、バルバトス。俺さまの話を聞け」
ここで相手をみだりに挑発するのは得策ではない。マグニスは素直に、目の前の巨漢を名で呼んだ。
「てめえは俺さまと軽くやり合ってみて、どう思った? 俺さまと本気で殺り合って、てめえは無傷で勝てる自信はあるか?」
素直に答えてみな、とマグニスは結ぶ。バルバトスは不愉快な気持ちを隠しきれずに、忌々しげに返した。
「…ないな。癪に障るが、貴様には無傷で勝つ事など出来ないだろう」
最初貴様は弱い者をいたぶるしか能のない雑魚かと思っていたがな。
バルバトスはゲーム開始前のマグニスの狼藉を思い出して、言葉に若干の皮肉を込めた。
「だったらどうする? てめえはここですぐさま俺さまと殺り合うのが得策と思うか?
俺さまをブチ殺して満身創痍になったところを、他の奴らに襲われて、ゲーム開始早々に脱落してえのか?」
てめえがその気なら、これでこの話はおしまいだ。そう吐き捨てるマグニス。
「ゲームから脱落などするつもりはない。だが、男に『後退』の二文字もねえ」
それはすなわち、バルバトスは決してここで互いを見逃しあって、ゲームをそれぞれ続行するなどという甘っちょろいな選択はしない。
その意志をマグニスに伝えようとしているのだ。出会った獲物は全て殺しにかかる。それがバルバトスのやり方なのだ。
それでもマグニスは、万一に備え全身の筋肉を臨戦態勢に保ちながら、バルバトスの説得にかかっていた。
「何も俺さまもてめえと永遠に仲良しこよししよう、って言ってるわけじゃねえんだ。
俺さまとてめえ、それ以外の全員をブチ殺すまで。それが俺さまとてめえの同盟の期限だ」
「…ほう?」
「悔しいが、俺さま1人じゃ歯が立ちそうもねえ相手も何人かこのゲームには参加してやがる。
最初ミクトランに立ち向かったダオスとかいう野郎は、俺の勘じゃ参加者の中でも最強級の力を持っているはずだ。
他にもヤバそうな相手は、緑髪の女ににくっついていた金髪のガキだろうか」
マグニスが言った2人はそれぞれ、マーテルとミトスを指していたが、参加者名簿をきちんとあらためる前に戦いにもつれ込んだ彼に、その名を知る術はなかった。
「それにこの会場に連れ込まれた奴らの中には、互いに仲良しの顔見知りグループもいくつかあったみたいだしな。
そいつらが合流したら、1人じゃ下手に手は出せねえぜ? 友情だの絆だのほざきながら、連中は徒党を組むんだろうな」
「ふ…友情に絆か」
突然バルバトスは、顔に嘲笑を浮かべた。
「俺さまに似合わねえ言葉だ、とでもほざくつもりか?」
「違う」
嘲笑に続けて、次は憤怒。しかし浮かび上がった憤怒の対象はマグニスの向こう側にある何かのようだった。
「世に言う英雄どもが、よく臆面もなく口にする世迷い言だな、と思っただけだ。虫唾が走る戯言だ…!」
バルバトスの目に燃えていた炎は、今や別種の輝きを帯びていた。英雄…英雄という存在そのものに対し抱く、怒りが燃えているのだ。
「だったら、バルバトスさんよ。
『友情』や『絆』でもって戦う英雄どもに対して、こっちは互いが互いを利用しあうだけの『同盟』でもって戦おうじゃねえか」
マグニスは、少しばかり気の利いた言い回しとしてその言葉を放ったつもりだった。
だがその言葉ははからずしも、バルバトスのかたくなな心を開く鍵だったのだ。
「…承知した。俺と貴様は実力も同等程度…互いに裏切り合うような心配は、よもやあるまい」
バルバトスは、その手のひらを差し出した。既にその体からは、相手の出方を警戒するような雰囲気はほとんど失せている。
マグニスもその手のひらを差し出し、音が出るほど強くバルバトスの手のひらに打ち合わせ、握り締める。
一瞬限りだが、2人は荒々しい握手を確かに交わしたのだ。
「改めて自己紹介だ。俺さまはディザイアン五聖刃筆頭マグニス」
「バルバトス・ゲーティア。『英雄狩り』のバルバトスだ」
その2人の目に燃える炎の色は、共に鮮血の色彩を帯びていた。
【マグニス 生存確認
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:オーガアクス ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する】
【バルバトス 生存確認
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:???? ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先】
マグさまバルさまキタ━━━━━(・∀・)━━━━━
こりゃ最強タッグというより最凶タッグだぜ!
マグバルキタ━━━━━(・∀・)━━━━━
携帯から失礼。マグ×バルを投下した者だが
>>275 確かその通りだ。漏れも「最凶」にしたかったんだが投下の時誤字ったorz
これをどっかに保存したい物好きな香具師なんかがいたら、ちゃんと「最凶」としていただけるとありがたい
ていうかまとめサイト作ろうぜ
ふたりはマグバルw
>>279 何書き込んでんだおまいは!? 生茶を吹きそうになったぞw
>>281 バルバトス→キュアブルァック
マグニス→キュア豚イト
トーマ→シャイニーマグネス
ところでもしこのロワの支給品に魔斧ディアボロスが混じってて、万一マグバルコンビの手に渡ったら、確実にこの2人にラスボスフラグが立ちそうな悪寒が…
2人に惨殺されるダオスやミトスの姿がありありと想像できるw
拠点に名前がないのは不便なので名前を付けてみた。
いちいち座標で説明するのは地の文でもキャラの台詞でも違和感が出るだろうから。
わかりやすくこんなんでどうだろうか。
B2の塔 =ビーツの塔
C3の村 =シースリの村
C6の城 =シシックス城
E2の城 =イーツ城
G3の洞窟=ジースリ洞窟
G5の街 =ジファイブの町
G7の教会=ジーセブン教会
七ヶ国会議みたいな教会の名前だな
てゆーか誰もツッコまねえのかYO…
命名方法まんまやんけ!!www まあ分かりやすいっちゃ分かりやすいが
なら漏れもその名前を使うか。他の書き手さんたちの小説が楽しみだお(^ω^)
>>283 でもなんか紛らわしくない?
ジースリとシースリ、とか
G3→じいさん…いや、何でもない
>>278 作るとしたら今回のルールきちんと頭に入ってる人だな。
ここはやっぱスレ主が作るべきだけど、今もちゃんと居るのか…?
一応、いるよ。でもサイト造る知識はない。
その能力を持つ有志を待つしかないんだけど、
もうちょっとスレが盛り上がってからのほうがいいかもしれない。
>>289 そうか、dクス。
じゃあ全キャラの出だしが一通り終わった辺りから考えた方が良いな。
あとさ、妹がマーテルの出だしの話書きたいって言ってるんだが、
「4000年前の状態」前提でミトスとマーテルがロワメンバーに投票されてたじゃん?
その二人は4000年前の状態だとしても、ユアンとクラトスはロイド達の居る時代の二人だよな?
そこ疑問みたいだから回答よろしく
個人的に4000年前の状態というのは無しだろうと思う。
能力や性格、立ち位置などに不明な点が多い。
もしその設定で書くのなら最初に書く人がかなり細かく設定描写する必要があるでしょ。
だから作品時間での状態を推したい。ユアンとクラトスが作品時間なら尚更に。
まぁここらへんは住人の意見統一が必要だと思うのでみんなの意見を聞きたいな。
>ユアンとクラトス
それは、最初にそのキャラを出す書き手が決めていいんじゃないか?
まぁ俺の場合、二人はロイド達の時代と勝手に思い込んでたから、ちょうどいいし
293 :
257:2005/10/30(日) 05:21:47 ID:3PKRYlDx
えっと、姿だけクラトス書いたけど
ロイドの時代(作品時間中)のつもりだった。
まあ設定とか全然出してないんで後の人が別時代の設定で書きたいとかだったら
それでも構わないかと思いますが……
みんなレスありがd。
ユアンとクラトスはロイド達と同じ時間軸で居るのが賢明みたいだな。
ミトスに関してだけど、他の人が書きにくいなら作中の時間軸で構わないそうだ。
要はマーテルで、彼女は作中の時間軸では死んでるから
4000年前から連れて来られて来たって事にしたいらしいけど良いのか?
死んでるって言うより肉体が無い、ってのが正しいよなスマソ。
意識自体はあるんだからロワに連れてこられた時点で仮初の身体を与えられた
…て解釈も出来ない事もないけど…、4000年前から連れてこられたというのも
これも、精霊マーテル連れてくるのも、どれもそれぞれどっかで無理がある気がするなぁ…。
ただ、マーテル一人4000年前ってのもそれはそれで動かしにくい気がします。
あと個人的にはDキャラの時間軸が気になる。
普通ならラスダン直前みたいなゲーム終盤が妥当なんだろうけど
リオンとジューダスが両方出ている時点でそれはどうかなって思った。
死人を復活させたって形でリオン出すならジューダスとの差別化が薄くなるし……。
つ タバサ
おっと、みんなアツく語ってるな(`・ω・´)
二つともそこまで難しく考える必要はないんジャマイカ?
ミトス・マーテル問題もリオン・ジューダス問題にしても、要は問題点は「キャラが原作のどの時点で連れて来られたのか」、だよな?
漏れはやったことあるなら、なりダンシリーズを参考にすべきと思われ
漏れはなりダン3をプレイした経験があるんだが、そこではえらく時間軸が曖昧になってたぞ。クラトスとゼロスが共闘しているのに、ロイドは(グラフィックを見る限りでは)武器がマテブレだし
原作じゃマテブレが手には入っている時点でクラトスかゼロス、片っぽは重傷で戦線離脱か死亡するかで、パーティーにいないよな?
ついでに言うならしいななんかも降霊召符・呼鈴と降霊召符・地&光を同時に覚えてたし、厳密に考えると原作と矛盾している点が多々あるw
つまり漏れは何が言いたいかっつーと、各キャラの扱いはこれでいいと思う
「このキャラならこういうシチュで絶対こう言う/こう動く」みたいな「性格」や「人格」、「お約束」なんかはビシッと押さえるけど、彼ら彼女らが旅で得た記憶は曖昧に扱う。原作との細かい矛盾は気にしない
まあ記憶と人格は厳密に言えば区別しにくいとこもあるが、今はそんな哲学的な話は横に置くぞw
だから漏れはミトス・マーテルは以下の扱いでいいと思うな。
ミトスはマーテル存命中はいわゆる「白」ミトスだが、他の参加者にマーテルをぬっ殺されると「黒」ミトスにシフト。マーテルは慈愛溢れる柔和な女性ってキャラ
で、クラトスやユアンは二人にとってはいわゆる「心の友」だから、かつて共闘した仲間だってことは知ってる、と。
まあ漏れはマグニスが「殺し合いなんてダメだ! みんなで力を合わせて、ミクトランを倒そうよ!」ってほざいたり、ソロンが心優しい聖人君子だったりしなきゃセーフだと思うがな。
とにかく、そのキャラのツボをきっちり押さえてりゃ、致命的矛盾以外は無問題、に漏れは一票
…曖昧すぎるかな(´・ω・`)
キリがいいので職人方用に参加者名簿を貼ってみた。余計だったらゴメン。
クレス ミント
チェスター アーチェ
すず デミテル
ダオス モリスン(エドワード)
ジェストーナ アミィ
スタン ルーティ
リオン マリー
コングマン ジョニー
マリアン グリッド(TOD)
カイル リアラ
ロニ ジューダス
ハロルド バルバトス
リッド ファラ
キール メルディ
ヒアデス カトリーヌ
ロイド コレット
ジーニアス クラトス
しいな ゼロス
ユアン マグニス
ミトス マーテル
ヴェイグ ティトレイ
サレ トーマ
ポプラおばさん セネル
シャーリィ モーゼス
ジェイ ミミー
マウリッツ ソロン
カッシェル プリムラ
パルマコスタの首コキャ男(見せしめキャラ)
……なんかスパロボのキャラ事典っぽくなったな。
参加者の現状は本編を参照にしていただきたい。
ここに書くより本編を読んだほうが書きやすいと思うので。
>>300 心遣いトンクス
てゆーか漏れはそもそもこのスレ、スーパーテイルズ大戦なノリで挑んでるんだがw
もし何ならおまいも職人陣の中にカモーン
∧∧ ぃょぅ、だけどカモーン
ヽ(=゚ω゚)ノ″
〜( ×)
U U
職人は居過ぎても別に困ることはないと思うしな。ちょっとやそっと失敗したってお互いカバーしてけばいいさ(´∀`)
まあルールはある程度通読してもらって、あと話に矛盾が出ないように気をつけて欲しいが…せっかくの作品にNGを出すのは心苦しいしな
一応作品の連投は避けさせてもらうんで、次の職人の投下を楽しみに待っていよう
そうだ、それからもう一個提案! せっかくのスーパーテイルズ大戦なんだから、こんなんでもやってみない?
・合体技の再現(SのU・アタック、R仕様秘奥義など)
ロワを通して仲良くなったキャラや、同作品から来た仲間同士であれば、協力して合体技を使うことも出来る。
合体技を編み出せる仲間、ならびに魔法・特技の組み合わせは各原作に準拠するが、このロワ中では次の条件を満たしている場合でも合体技の発動が可能。
例1:異なるキャラ同士で、同名の魔法・特技を組み合わせた場合。
例えばSの複合特技である「プリズミックスターズ」は、リフィルの「レイ」とジーニアスの「グランドダッシャー」などで発動するが、
同名の魔法を習得しているので、アーチェの「レイ」とシャーリィの「グランドダッシャー」でも、「プリズミックスターズ」は発動する。
例2:「それっぽい」魔法・特技を組み合わせた場合。
例えばSの複合特技である「襲爪雷斬」は、本来ロイドの「虎牙破斬」とジーニアスの「サンダーブレード」などで発動するが、
ジーニアスの「サンダーブレード」をジェイの「雷電」などで代用することも可能。
また常識の範囲内で考えて、それなら合体技が成立しそうだと考えられるなら、まったく新規の組み合わせも可能。
例えばシャーリィの「タイダルウェーブ」で発生させた水を、ゼロスの「イラプション」で加熱し、高温の蒸気を発生させて、
もともとはジーニアスの魔法である、高温の蒸気で敵をあぶる魔法「レイジングミスト」を合体技として編み出すことも出来る。
補則1:なおクレスなどは単体で「襲爪雷斬」を放つことは出来るが、同名の技でも合体技の方が威力は上である。
補則2:新規のキャラ同士の新規の魔法・特技の組み合わせは自由に考えて構わないが、それにより成立する合体技は必ずシリーズのどこかから「本歌取り」すること。
世界観の維持の観点から、まったく新規の合体技を編み出すことは禁止する。
補則3:もちろん合体技を繰り出す当事者達は、ある程度以上気心が知れあっている必要がある。小説中で「仲良くする」ような描写を予め挟んでおくこと。
補則4:合体技は当然大技であるため、発動させるためには上手く隙を作らねばならない。同じく小説中で「隙を作る」ような描写を予め挟んでおくこと。
…まあグダグダ書かせてもらったが、要は漏れは
マグニスの獅子戦吼+バルバトスのバーンストライク=獅吼爆炎陣とかやりたいだけなんだがw
質問。C・ケイジがあれば誰でも下級晶霊術って使えるのかね?
304 :
300:2005/10/30(日) 21:12:54 ID:eAkytbcT
マグバル職人さん。261〜265でマグさま達にケンカを売ったリッドを書いたの私です。
ついでに275でマグさまバルさま━━━━━(・∀・)━━━━━
って書いたのも私です。
連投ご勘弁を。
Q,C・ケイジがあれば誰でも下級晶霊術が使えるか?
A,ケイジと晶霊があれば一応誰でも使えますが訓練が必要です。
インフェリアンならミンツ大学に入学するかレグルス道場に入門しましょう。
306 :
294:2005/10/30(日) 21:33:24 ID:XX/qUk2d
いろんな意見が出てきたが、
マーテルの件については
>>298-299の意見を採用って事で良いんだろうか。
そろそろ下書きしたいみたいなんで決定しておk?
別にいいんじゃね? 反対意見はなさそうだし。妹さんにガンガレって言っといてくれ
ちなみに漏れは、マーテルはカッシェルに背後から刺されて氏ぬけど、ブチキレたミトスにカッシェルがぬっ殺されるってオチに200ガルド賭けようw
「英雄スタンに次ぐ勇者であるこのグリッド様が参加者に選ばれるのも当然か…。だが、果たしてどうしたものか」
彼の名はグリッド。レンズハンター『漆黒の翼』のリーダーであり、自称音速の貴公子であります。
しかし何とも悲しいかな、実際の実力はシースラッグとわたり合える、といったところでありましょうか。
このゲームにひしめいている猛者と対決しても、てんで話にならないのであります。
しかし、彼は生まれついての楽天家であるのでしょうね、今回も本気を出せばなんとかなると思っているようなのであります。
最近の戦歴。ふらりと立ち寄った某闘技場で無謀にもチャンピオンに挑み、瞬殺。
他人のレンズを横取りしようとして、返り討ち。
向こうには覚えられてもいないでしょう。
とにかく、純粋な実力で他の大半の参加者には勝てるはずがないのに、
彼の自信はとどまることを知らなかったのであります。
もし危なくなれば、逃げればいいとも思っているのです。
逃げ足の速さだけに関しては、参加者の中でも上位。あの覗き英雄にも、かけっこのチャンピオンにも負けません。
「なんだ? これは。…ミクトランとやら、俺にこんな格好悪い靴を履けというのか?!
これでは勇者の威厳もあったものではないではないか!」
さてさて、袋から出てきたのは、見慣れない袋。見慣れない指輪、見慣れない靴。
袋はC・ケイジ。指輪はフェアリィリング。靴はナイトメアブーツであります。
C・ケイジ以外は単に彼が知らないだけですね。一応彼の世界には存在するものであります。
説明書があったようです。これを見つけなければ、靴を捨ててしまうところでしたね。
「なになに、晶霊術を使うための晶霊を入れておくポーチです? 普段よりも余計に魔法や技が使えます? 足が速くなります?
晶霊術…? よく分からんが、つまりは魔法が使えるということか」
一応彼もレンズハンターということはあって、魔法、つまり、晶術の存在は知っているのです。
といっても、モンスターが使う術だという認識ですし、晶術を使うモンスターと戦うことなどほとんどありませんけれどね。
「試してみるか…。エクスプロード!!」
いきなり大技を繰り出しました。当然こんなもの、今の彼には使えません。不発であります。
「ミクトランめ、どうやら俺を恐れて術に制限をかけたようだな!!」
そんなことはありません。単に彼には使えないだけです。
「なら…ハイヤーボー! ブレイグ!」
彼は晶術に縁がなかったのです。そう聞こえたのだから仕方ないのです。不発であります。
さてさて、期待していたものが何も出ず、彼は少々寂しくなってきたようであります。
いつもなら、ジョンが慰め、ミリーが罵倒してくれるのでありますが、二人ともいない。
一人では、漆黒の翼も、黒いこうもり傘で空を飛ぶようなものなのであります。
「どうやら、まずは漆黒の翼を再結成することが第一のようだな…。
よし、きっとこのグリッド様に師事して欲しいものがいるはずだ。探しに行くとしようか。
できれば一人は俺を慕ってくれる子分格、もう一人は女の子がいいな…。
それはそうと、この靴は一体どれほどの速さなのだ?」
びゅん!
「……素晴らしい! まさに音速の貴公子に相応しい! いや、音速と言うには生ぬるいな。
光速の貴公子グリッドか。 ふふふ…」
実際は音速にも及んでいないのでありますが。せいぜい、高速の奇行士といったところでしょう。
カトリーヌはおびえていたのです。
ピエールと結婚して、もう一生離れないと決心した矢先にこのイベント。
超方向音痴の彼女は、てっきり王立劇場の舞台裏にでも迷い込んだのかと思ったのですが、そうではないのです。
王立劇場にはこんな広い部隊があるわけないですし、かといって夢ではない。
首輪の機械的な冷たさが、これが現実だということを如実に示しているのです。
彼女はすぐに支給品を確認しました。淡い希望を持って。
出てきたのは、靴に球のようなものに機械。ジェットブーツ、マジックミスト、エナジーブレットという名が付いています。
「え、と。これはなんなのかしら?」
もちろん彼女は見たことのないものばかり。
さらに探ってみると、やはり説明書が付いていました。
靴は足を速くしてくれるもの。球は相手の視界を遮るもの。機械は、相手にショックを与えるもの。
要するに、すべて逃げるために使えるアイテムだということです。
武器を使う訓練など受けたこともない彼女にとって、これはありがたいものでした。
早速ジェットブーツを身につけてみました。
ギュン!!
「これなら誰からでも逃げられるかも…」
本当にすごい速さです。ジェットのちからで、木々も、建物も、参加者も、あっという間に彼女の遙か後ろへと遠ざかっていきます。
まさにこの速さにかなうものなし、といった感じです。
ズ ガ ン !!
飛び出すな。ブーツは急に止まれない。
木のかげから飛び出してきたグリッドと衝突してしまいました。
彼女とピエールとの出会いはそうでしたが、
こっちは間違っても廊下でステキな男の人とぶつかる、といった類のものではありません。
そのまま盛大に腐葉土に突っ込んでしまいました。
(は、早く逃げないと…)
慌ててその場を離れようとするカトリーヌ。
しかし、木の根でこけてヘッドスライディング。慌てて逃げようとしていたグリッドの足を見事に払いました。
「あいたたたたた…」
なんとか起きようとしたカトリーヌでしたが、そこに寄るグリッドの足音。
(もしかして、殺される……!?)
こんな状況ですし、二回もぶつかったのですから、こう思うのも当然といえば当然でしょう。
でも、放たれたのは予想外の言葉でした。
「君の気持ちはよく分かった! 我が漆黒の翼のメンバーに加えてあげようじゃないか!」
「…はい?」
「その速さ、疾風を名乗るに相応しい」
「はぁ…」
「俺としても、ちょうど漆黒の翼の新メンバーが欲しかったところなのだよ。
本来なら入会金として30000ガルドが必要なのだが、おおまけにまけて、今回はタダにしてあげよう」
要するに、仲間になって下さい、ということなのでありますね。
最初に会ったのがどこぞのブルアアア!とかじゃなくて運がよかったと言うべきでしょう。
「あの、質問よろしいでしょうか」
「なんだ?」
「漆黒の翼って、なんでしょうか? なにぶん、私、ほとんど外に出たことがないもので…」
「き、キミ、漆黒の翼を知らないのか?」
「はい。…やっぱりマズかったでしょうか?」
「仕方がない、説明してあげよう。漆黒の翼とは世界最強のレンズハンターの三人のことであり、
モンスターを退治して、レンズを手に入れ、それで貧しい人々を救う、いわば正義の味方なのだ!
そして俺は通称音速の貴公子グリッド!……他の二人は諸々の都合で今はいない。
とまあ、こんなところだ。漆黒の翼に入れるのは、それだけで名誉なことなのだ」
「はぁ…」
ちなみに、漆黒の翼は別の意味でそれなりに有名な集団であります。
インフェリアでは同名の集団が、最近入ったお笑いユニット三人組として活動しています。
知っていなくて運がいいのか悪いのか。
グリッドはいつも通りの強引な勧誘をします。カトリーヌには断り切れません。断るヒマさえ与えてくれませんでした。
彼はレンズハンターよりセールスマンが向いているようです。
オベロン社に入社していたなら、きっと好成績だったでありましょう。
かくして、カトリーヌは漆黒の翼の一員となったのであります。
ちなみに、通称は疾風のカトリーヌ。ミリーの通称の使いまわしでありますね。
もう一人はおそらく大食らいの○○という通称を付けられるのでしょう。お気の毒に。
【グリッド 生存確認
状態:擦り傷
所持品:C・ケイジ フェアリィリング ナイトメアブーツ
行動方針:漆黒の翼を再結成、危なそうなやつに会ったら逃げる】
【カトリーヌ 生存確認
状態:擦り傷
所持品:マジックミスト ジェットブーツ エナジーブレット×5
行動方針:死にたくはない】
現在位置:F5の森
投下完了。
題名と比べて内容がショボいなと自分でも思う。まああの二人だし、いいか。
新作キタ━━━━━(。▽゜)━━━━━!
マグバルにくらべて、なんてのどかな雰囲気なんだw
ロワスレに書き込むの初めてだからすっごい当たり前な質問かもしれないんだけど、
他の人が書いた話の続きって書いてもいいんだよね?
そうだよ。それがリレー方式だからね。
で、誰の続きを書くの?
私も自分が書いたやつの続きを書こうと思っているので、ダブらないように聞いておきたい。
ダブったらそっちに譲るよ。
ならば漏れも予約しておくかな。
一応次回予告兼リクエストを聞こう。みんなは次の五択のうちどれがいい?
@.極光剣士危機一髪!? 最凶タッグの恐怖!(登場キャラ/マグバル、リッド、モーゼス、ミント)
A.滄我の長老ご乱心のこと(登場キャラ/マウリッツ)
B.賢者達はかく語りき(登場キャラ/キール、モリスン)
C.少女と暗殺者(登場キャラ/コレット、ソロン)
D.二人の忍のダイアログ(登場キャラ/しいな、ジェイ)
「今そのキャラの小説書いてるから待って」、ってのがあったら言ってくれ。レスが付かない場合の漏れの書きたい順は上からになる。
一応Bには脱出エンドへ向けた指針や伏線、Dにはこのゲーム自体の開催理由のキャラからの推理をオマケする予定。
…こんなに色々ネタを出してキャラを食っちまってスマソorz このスレに来てから漏れの妄想に歯止めがかからねぇ_| ̄|○
あといないとは思うが、もし漏れの出したネタで使いたいってのがあったら、遠慮なくドゾー
おお、マグバルさん。なんかあなたは他人とは思えないな。
私もリッドの続きを書こうと思ってたとこなのだが、まさかミントが出てくるところまで一緒とは…
よし、もしイヤじゃなかったらこのまま書いてくだせぇ。
あ、ミントと遭遇するところまで書かせてくれるなら書かせていただきます。
おお、
>>319さん。
>>301で間抜けなカキコをスマソ。
まず2ちゃんのお約束って事で一言言わせてくれ
お ま い は 漏 れ か
マグバルの小説についちゃ、おまいの方で書いた方がスレの空気的にいいと思われ
マグバルを漏れだけで独り占めするのはイクナイ(・A・)…というわけで頼めるかな?
そしたら漏れは遠慮なくマウリッツあたりを狂わさせてもらうかw 漏れのテンションにもよるが、OL状態が続けば明日にでも投下しよう。
…マウリッツって、キャラ的に一番死にフラグを立てにくそうだなぁ…原作でも大暴れだったし。
以下、何事もなかったかのように再開
↓
主人公達にもマーダーをやって欲しいと思うのは俺だけ?
個人的にはセネルかヴェイグにやってもらいたい
まず言っておきたい。
ネ タ バ レ す ん な
書こうと思っている内容を先にばらすのは何処のスレでも書き手の最大のタブー。
つーか、バラしてどうする。いざ本投下しても読み手の反応が薄くなるだけでしょうが。
ハッキリ言って予約制自体反対なんだが、それはもういいよ。
だったら予約制度くらいしっかりと決めておこうぜよ。
それからコテで来るな。アンチが生まれたら手に負えん。
すでに俺自身が幾人かのアンチ気味。
後、上のほうでスーパーテイルズ大戦とか言ってる人がいるけれど……
そういう考えなら後で痛い目を見るかもしれないと忠告だけしておきますよ。
あくまで殺し合いがテーマなんだから、好きなキャラはどんどん悲惨に死んでいくのがバトルロワイアル。
皆で協力して悪を倒そう何て序盤から考えてどうするの。
まずはみんな猜疑と誤解を生むことを考えましょう。初対面の人を簡単に信用しないように。
キツイこと書いてるのは自覚しているし、反感を生むのも承知しているけれど
このスレには期待しているので言わずにはいられなかった。
323 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/10/31(月) 22:04:33 ID:oxD3Gwtr
まぁなんだ、同意しとく
脱出エンドもいいけど、ロワ完遂エンドを目指す書き手もいることを知っておいてほしい
あと、やっぱり
>>318のような真似は感心しない
初読のサプライズが失くなっちゃうよ
俺も
>>322と同意見。
とりあえず
>>322以外にも、そういう風に思っている人がいると言う事を言っておきたかった
325 :
306:2005/10/31(月) 22:50:51 ID:tnnIzFVu
>>307 そうだな、他に反対意見も無いみたいだしマーテルの件は終了と言う事で。
今までレスくれた皆dクス。
これから書き始めると思うから、できたらすぐに代理投下させてもらう。
ここはテイルズキャラがロワの舞台と設定に放り込まれた所からリレーSSだと諦めてたが
まだロワをするリレーだと思っている人が結構残ってたようで良かった。
327 :
=318:2005/10/31(月) 23:44:59 ID:Phf+vdPO
諸事由あって携帯からだが…
>>322-324 正直言ってスンマセンでした。半ば脊椎反射で考えもなく書き込んでた…ついでに言うと「スーパーテイルズ大戦」発言の犯人も漏れですOTL
もし書き手同士ネタがかぶってるとマズいから、テレビの予告のネタ風に使用キャラをさらしてみようと思ったんだが、これからは
>>324の言うとおり、秘密は厳守でいきたいと思いやす
お詫びと言ってはなんだが、さらしたネタはもう使わないって方針で小説を書いてくかな…当然だけど
それから「スーパーテイルズ大戦」発言について自己弁護を
漏れは別に、このロワをナアナアな脱出エンドで終わらせることが唯一正しいとは思わんし、
好きキャラが他の書き手に殺されるかも知れないことも承知の上でやってる
ただテイルズのヒーローや格上悪役達が、北斗の拳の三下悪役よろしくゴミクズみたいに殺されるのは嫌だって願いを込めての発言なわけで…
もちろん中にはゴミクズみたいにみじめに死ぬキャラが何人か出るのは致し方ないと思うが。
要はフィクションとは言え、ヒーロー達の命をもてあそぶような残虐なだけの小説は書きたくないってことだ。
申し訳ないことに漏れはバトロワ原作は読んだことないんだが、ただ残虐なだけの作品なら、曲がりなりにも映画化されるまでの評価はもらえないだろ?
逆ギレ気味のレスで済まない。今日はもう落ちて反省してくる。
こんな香具師でもこのスレにいていいなら、許してくれるとありがたいけど…
328 :
317:2005/11/01(火) 00:10:37 ID:SaUIOPRx
そっか…
私も途中まで書いたけど破棄することにするよ。
ついでに書き込みもやめてロム兄さんに徹することにするよ。遅筆なうえに文章もガタガタだし。
皆さん、後は頼んだ。最高に面白いリレー小説になるよう健闘を祈っているよ。
リバースドールゲットしたやつは首輪で死んでも蘇れますね
まぁリオンとジューダス両方いるならどっちかはとっとと死ぬ予感
>327
あなたの目指すロワの形が何であれ、原作は読んどくと良いと思うよ。
文章で二次創作する以上、映像ではなく文章って形で原点に触れるのが
ロワ書く上での最上の経験になるだろうから。
原作は読んだが、正直俺はその上でハカロワの方が好きだったな。
好きな人には悪いがまあ個人的主観なんで。
…てか鼬外だな。
まあそれは置いておいて、このペースだったら予約無しの早い者勝ちでも問題ないんじゃないかなと思う。
まだ始まったばっかりだから、フラグが立ちはじめてきたらそうも言えなくなるかも知れんが
今のところは予約無しでも、どうしても書きたいキャラがいればそいつを最優先でやればいいんじゃないか。
予約制度で"誰"と"誰"を予約するかってだけで、今の段階では
けっこうネタバレになる気がするんだよな。
今後進行していって、その時予約制度が必要になればその時に導入すればいい…と俺は思う。
まあとりあえず書き手は頑張れ。超頑張れ。
ま、脱出エンドを思わせて最後に完遂エンドになるっつーのもいいんじゃね?
じゃんじゃん書いちゃってよ。
言ってしまえば
バ ト ロ ワ 自 体 完 遂 エ ン ド
だけどさ。
↑
×完 遂 エ ン ド
○脱 出 エ ン ド
俺頭わるす。
みんなわかってると思うけど
リバースドールは「死亡」から復活するんじゃなくて「戦闘不能」から復活するアイテムね
335 :
316:2005/11/01(火) 10:05:00 ID:GDT5vus1
連投須磨祖
>>317 お答えdクス
誰かの続きを書く点よりも、自分の書いた続きを誰かが書いてくれるのを期待しての発言だったワケ
336 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/01(火) 10:06:00 ID:+ZFpedSb
テイルズ全部やってない分際で書こうと思ってて悪いんだが、
銃火器(ピストルとかマシンガンとか)が出てくる作品ってある?
ヒント:
>>2の文章
このロワの支給品には、銃火器もあったはず。
それから漏れの知りうる限りじゃ、銃火器はPとSになりダンに出てた。敵の攻撃モーションにのみ、だが
それから今回未参加だけど、Eのフォッグなんかは武器がまんまバズーカだったぞ…となりダン厨が言ってみましたw
> ※「ランダムアイテム」は作者が「作品中のアイテム」と
> 「現実の日常品もしくは武器、火器」の中から自由に選んでください。
> 銃弾や矢玉の残弾は明記するようにしてください。
> 必ずしもザックに入るサイズである必要はありません。
> また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
> ハズレアイテムも多く出しすぎると顰蹙を買います。空気を読んで出しましょう。
この部分だな
ミサイルとかじゃなきゃ大抵OKだろ
…では昨日予告した通り、作品を投下。
セネル・クーリッジは島の中央…この島を東西に二分するように流れる川を泳ぎながらさかのぼっていた。
海岸近くに飛ばされたセネルは、とりあえず近くの河口から川をさかのぼりつつ、島の中央を目指していたのだ。
とりあえず島の中央部に移動すれば、それから島の各地への移動が簡単になる。それを見越しての選択だ。
それに、川は通常の参加者ならまず移動経路には選ばない。言わば他の参加者からは盲点となる、セネル専用の経路のようなものだ。
セネルは、祖国クルザンドでマリントルーパーを己の職業とした選択に間違いはなかったと、しみじみと思った。
この水中での自由な動きも、マリントルーパーとしての経験の賜物なのだ。
(とにかく…今はシャーリィ達を見つけ出さないと)
セネルは泳ぎながら、テレポーターをくぐる前に再会を誓い合った、金髪の少女を思い出していた。
シャーリィ・フェンネス。己の義理の妹でもあり、大切な旅の仲間でもある水の民の少女。
セネルはこの殺戮の島の中に、シャーリィがたった一人で放り込まれている、というその事実だけで背筋が凍りそうになる。
シャーリィにはブレス系爪術という戦うすべが一応あるが、ブレス系爪術はもともと、アーツ系爪術と組むことにより真価を発揮するものがほとんどである。
下手をすれば、もう誰かがシャーリィに襲いかかっているかも知れない。
このゲームの開催前に、早速1人の人間を殺したあのマグニスという男にでも鉢合わせしていたら…!
嫌な想像が頭をかすめるたび、セネルの周りの水が、一気に冷えたようにさえ感じられる。
けれどもセネルは、もう何度目かも分からないその嫌な想像を、また必死に封じ込める。
ただでさえ、この会場にはカッシェルや、あのソロンまで来ているのだ。いちいち心配におののいていたら、他の参加者より先に、心労に殺されかねない。
とにかく今は、シャーリィを探し出さねばならない。もちろん赤髪の山賊モーゼスや、「不可視」のジェイの居場所だって知らねば…。
セネルは息継ぎを兼ねて、顔だけを水上に出す。空を見上げるためだ。
もしシャーリィが近くにいるなら、空にシャーリィのテルクェスが飛んでいる可能性もある。
幸い筆記用具は皮袋の中に入っていた。シャーリィも自前のペンはなくしたようだが、皮袋の筆記用具でも、何とかテルクェスを飛ばすくらいならできるはずだ。
それにシャーリィが無事いい「支給品」を引き当て、何とかそれで逃げ回っている可能性だってある。
不運にもセネルはたった一つ、フィートシンボルを手に入れたのみであったが、それを補って余りあるほど幸運なことに、その拳という最大の武器を失っていない。
セネルははかない望みを胸に、空を見上げる。途切れ途切れに浮かぶ雲以外、空には何もない。
(やっぱり、そう簡単には見つからないよな…)
セネルは小さく嘆息しながら、再び水に潜ろうとしたその時だった。
「忍法・曼珠沙華!」
セネルは全身で、殺気を感じ取っていた。セネルはそれほど深くはない川底を蹴り、一気に体を横に弾きながら川底に立つ。
「それ」がセネルの顔をかすめる。熱風をまとって、セネルの銀髪を数本焼き払う。
セネルが横目で確認できた限りでは、「それ」は石。しかも、表面が赤くなるほどの高温を帯びた。
しかも、「それ」が3発立て続け。
1発目が川面を叩き、たちまち水を蒸発させる音が背後から聞こえたが、セネルはそんなことなど意にも介さずに残る2発を迎撃する。
2発目を右手で、3発目を左手で。瞬間的に爪術の力がみなぎり、青く輝き始めた拳を突き出し、空中で灼熱の石つぶてを破砕する。
木っ端微塵に砕けた石つぶてのかけらもまたばらばらと散り、川面をじゅうじゅう言わせる。
だがセネルの拳は一瞬触れたのみで、しかも爪術の力が守ってくれたおかげでその熱は皮にさえ届いていない。フィートシンボルが強化してくれたおかげで、物理的な傷害からも逃れていた。
「誰だっ!?」
セネルは大喝しながら川岸に上がる。銀髪や拳や、全身いたるところからしずくがこぼれている。
灼熱の石つぶてが飛んで来た方向に目をやるセネル。だがそこには、枝がかすかに揺れているだけの木が一本、所在なげに生えているのみ。
(くそっ! どこに消えた!?)
さっきまで「奴」はあの木の上にいたことは確かだ。セネルは目を見張り、木の周囲、それから視界全体、最後には己の背後さえ確かめた。
だがどこにも「奴」の影は見当たらない。セネルはちっ、と一つ舌打ち。
もっとも、セネルが「奴」の姿を見つけられないのは当然のこと。「奴」はセネルが木に目をやった時点で、セネルの真上にいたからだ。
「忍法・飯綱落とし!」
上空からくるくる回りつつ落下してくる「奴」の踵が、セネルを強襲! 直撃なら確実に脳天を叩き割られ、セネルは絶命する!
「!?」
だが次の瞬間、驚愕に目を剥いたのは「奴」の方だった。
何せセネルの脳天を叩き割っていたはずの踵は、今やしっかりセネルの両腕に受け止められていたからだ。交差した両腕の間に、踵が食い込んでいる。
「奴」は踵が跳ね返される反動を利用し、即座に跳んで間合いを離す。宙返りののち、「奴」は川の土手に着地していた。
「…どうして私の忍法を…!」
「奴」はうめく。だがそれに対するセネルの応対は、淡々としていたものだった。
「俺の仲間に、お前の今の技によく似た技の使い手がいるもんでな」
セネルは「奴」と向き合い、戦いの構えを作りながら答える。
セネルは内心、「不可視」のジェイに感謝していた。彼の技を見ていたからこそ、今の技をギリギリで防ぐことが出来たのだ。
もしそうでなければ、セネルは今頃死神に微笑まれていたことだろう。
「…お前は…」
セネルは目の前に立つ「奴」の姿は、セネルの予想を裏切っていた。
茶色の奇妙な装束を身にまとい、長く豊かな栗色の髪をまとめた女。いや…女ではなく年端も行かぬ少女。
セネルは相手を一瞬侮りかけたが、すぐさま思い直す。この少女は先ほど、セネルをもう一息で絶命させるところだったのだ。
それに少女の瞳に宿る光は、完全に戦士のもの…それをも通り越して、寒々しいほど透徹していた。セネルはこの目を、知っている。
(ソロンの目…いや、「忍者」の目か!)
セネルはかつて、「忍者」と呼ばれる最凶にして最悪の暗殺者と戦ったこともある。少女の目は、紛れもなく少女が「忍者」であることを物語っていた。
そしてその少女の名が、「藤林すず」であることを、セネルは出発の前に軽く眺めた名簿から思い出していた。
「…私の隙を突こうと、川面から忍び寄ってくるなんて笑止千万ですね。あれで隠れていたつもりですか?」
「隠れていたつもりはない。ただ俺は泳ぎが得意だから、川を泳いで移動していただけだ。俺はもともとマリントルーパーだからな」
それを聞いたすずは、その透徹した瞳を少しばかり揺らす。
「…誤解…?」
「そのようだな。だが…」
セネルはきっ、とすずを睨みつける。
「『誤解でしたから許して下さい』と言われて、『ああそうですか』と許してもらえるなんて甘い考え、間違えても持つなよ!」
たとえ誤解であれ、攻撃を仕掛けてきた相手なら許しはしない。セネルは一気に、全身を爪術の力で満たした。
どういうわけかは知らないが、爪術の源である滄我の加護はこの島にまで届いている。セネルは全力で戦うことが出来るのだ。
セネルから恐ろしいほどの殺気を浴びるすず。しかしすずの眼光もまた小揺るぎもしない。むしろ、この期に及んでもまだ、セネルを説得にかかる余裕すら見せている。
「私の目的はただ一つ。ダオスの命を奪うことです」
「いきなり何を…!」
「私の生まれた里の仲間の多くが、あの男に苦しめられています。私の両親も、直接ではなくともダオスに殺されたも同然です」
すずの言葉は、セネルの切り返しを圧して響いた。
「ダオスを倒すことさえ出来れば、私のこの五体はばらばらに砕かれても本望」
「…………」
すずの顔が、ふっと曇った。
「…私が死んだところで、誰も悲しみはしないでしょうから」
「…………」
「だからどうか、ダオスを倒すまでで構いません。私を見逃してはくれないでしょうか。ダオスの命さえ奪えれば、私はあなたの…確かセネルさん、でしたね」
「ああ」
「ダオスを討った後でなら、セネルさん。あなたが死ねと命じるならば、この私は自害して果てましょう。セネルさんが自らの手を下しても結構です」
「…………」
「さすがに力を貸してくれ、とは言いません。手を引いて下さるだけでいいんです。…先ほどは無礼な振る舞いをして、すいませんでした」
すずの謝罪の言葉を最後に、場には沈黙が訪れた。
重苦しい沈黙。それを今度破ったのは、セネルの方だった。
「…それで?」
「…え?」
「それでお前はどうするつもりなんだ? 他の参加者には手を下さない、と確約は出来るのか?」
「それは…」
すずは思わず語尾が濁る。ふん、とセネルは鼻を鳴らし続けた。
「どうせお前は、俺にいきなり燃える石つぶてを投げつけるような奴だ。
ダオスを…最初ミクトランに立ち向かったあいつを倒す、なんて言ってこの島を回っているうちに、ダオス以外の参加者を絶対に傷付けないと、断言できるのか?」
「…………」
今度は、すずが黙ってしまう番だった。
「『誤解でした』で俺の大切な仲間を、お前は傷付けるかも知れないんだ。そんな奴を野放しにするほど、俺はお人好しののうたりんじゃない」
「…………」
「疑わしきは罰する。お前だって譲れない物を背負っているかもしれないが、それを言うなら俺にだって、命に代えてでも守りたい、譲れない仲間がいるんだ!」
セネルの言葉は、秋霜烈日の過酷な響きを伴って、すずの耳に届いた。
「…分かりました。セネルさん」
すずもまた、いつの間にかセネルを睨み返していた。
その瞳からは、幼いあどけなさは蹴り出されている。人を殺める刃の輝きが、すずの目には溢れている。
「あなたを説得できないのであれば、この藤林すず、覚悟を決めましょう。イガグリ流の次期当主の名にかけて、あなたに負けるわけにはいきません」
すずから溢れる刃のような殺気に、セネルは答えていった。
「まさかとは思うが、一つだけ言っておくぞ」
「…何と?」
「いざ戦場に立ったとあれば、命を奪う刃は老若男女を問わず向かってくる。俺は軍にいた時期もあるから、それを身をもって知っている。
たとえ女…しかも子供であっても、俺は一切手加減しない。全力で殺らせてもらう…ぞ?」
セネルの語尾は、いま一つはっきりと響かなかった。その原因は、目の前にあった。
「忍法・葉隠」
胸の前で印を結んだすずの周りに、猛烈な木の葉の吹雪が巻き起こった。木の葉の吹雪は、たちまちのうちに密度を増す。
「ここは一旦引かせてもらいます。『負けるわけにはいきません』からこそ、逃げさせてもらいましょう」
実はすずは未だ、まともに武器として扱える「支給品」を手にしていない。
その状態で不意打ちも失敗したとあれば、拳術という絶大なアドバンテージを持つセネルとの戦いは、かなり分の悪いものとなる。
そう判断したがゆえの、戦術的撤退。しかしそれは、はからずしも同時にセネルへの最大の挑発になっていた。
「そう簡単に逃げ切れると思うなぁ!!」
セネルの激怒に答えるかのように、体内に巡る滄我の加護が…爪術の力が一気に燃え上がった。
比喩ではない。本当にセネルは、炎をまといながらその場で飛び上がったのだ。
「これでも食らえ! 鳳凰天駆っ!!」
一陣の火炎の竜巻と化したセネルは、舞う木の葉を次々焼き尽くしながら、すずのまとった木の葉のベールを切り裂いていった。
【セネル・クーリッジ 生存確認&戦闘中】
状態:ほぼ無傷
所持品:アタックシンボル
現在位置:G4の川岸
第一行動方針:藤林すずを倒す
第二行動方針:シャーリィ、モーゼス、ジェイとの合流もしくは救出。特にシャーリィとの合流を最優先
【藤林すず 生存確認&戦闘中】
状態:ほぼ無傷
所持品:???? ???? ????(ただしすずが武器として扱えるものはない)
現在位置:G4の川岸
第一行動方針:セネル・クーリッジから逃走する
第二行動方針:ダオスを倒す。可能ならば仲間とも合流する
別に
>>321のリクに答えたわけじゃないけど…
これじゃセネセネが悪役じゃんよorz セネセネファンとすずファンのみんな、スマン
1人ぐらい既に無事じゃない奴がいても良いんじゃね?
>>338 >>339 dクス。
うーん、銃火器のこと知ってるべきか、知らないべきか…
>>343 乙。
だけど所持品「アタックシンボル」じゃなくて「フィートシンボル」ですよ、と。
346 :
=343:2005/11/01(火) 22:03:13 ID:4JOfwLrm
>>345 ひでヴ! やってもーた! 指摘thx!
実はセネセネの持ち物、最初はアタックシンボルだったんだけど、あとからフィートシンボルに直して訂正しきれんかった(||.||.)
ちなみにこれまでの小説の描写を参考にすると、参加者に使い方の分からないアイテムには説明書が付いてるみたいだぞ。
>>344 それも手かも知れんが…でも漏れはたとえしょーもないキャラでも、見せ場を与えてから殺すべきだと思うぞ。
キャラに見せ場を与えず殺すような扱いはイクナイ!
…ま、「無事じゃない」って言っても、それが即死んでる、って解釈はさすがにしないけど…
>>346 スマン。言い方が悪かった。
1人くらい深手を負ってる奴がいても良いんじゃマイカーって言いたかった。
飯綱落としってテイルズじゃないやん
すずの技にいずなおとしってのあったハズ。
「全くやれやれだ。この様な茶番に巻き込まれてしまうとは」
彼は肩を掠める程の青灰の髪に赤のメッシュが靡く前髪をかき上げた。その男の名はデミテル。
ダオスの配下であり西の孤島で魔術の研究をしていたが、つまらないミクトランの戯れ事でここでバトルロワイヤルとやらをするはめになってしまった。
「是が非でも受け入れろ、か。まあ最近今の研究にも飽きてきたころだ、死のうが生きようが…丁度いい」
まず、デミテルは現在の状況を考えてみた。
ミクトランは同盟を組むのもよいとは言っていたが…
ふとダオスの事がよぎる。
「…まあ配下とはいえ所詮は彼にとって私は捨て駒と見ていたに違いない。同盟を組むのはダオス様は適当ではない、か。ただの配下という情で彼が私と組むのは考えられないな」
かといって、他に頼る者など皆無だ。
ジェストナーも頭の片隅には浮かんだが、どうしようもなく心許ない。
どの道にしろ、デミテルは一人で行動をするのを選ばざるを得なかった。しかしそもそも孤独を好む彼にはそれは大した問題ではなかった。
町ひとつを一晩で焼き払う魔力を持つ彼は、能力的には問題ない筈なのだがここには彼を圧倒的に越える力を有するものも多く存在する。
辺りを見回すと、右手に森、左手には川が流れている。足元を見ると草花が茂っていた。デミテルはそこにしゃがみ込む。
「成る程…調薬などに使えそうだ」
彼は魔術師として、草花の知識も豊富であった。毎日のように孤島の屋敷で研究に明け暮れていたからだ。
適当に目に付いた薬草を採取してゆく。
その時だった。
352 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/02(水) 03:31:10 ID:C9uO4R+e
バキバキバキッ!と枝が折れる音がする。
デミテルはとっさに岩陰に身を隠した。
「ふん、成る程、もう既に始まっているのか…」
デミテルが目にしたのは、白髪の少年と…
「あれは…、確かふじばやしすずか。」
しかし、様子を見るとすずは少年からの猛襲に逃げている様だった。
デミテルは固唾を飲んでその様子を静観する。
(こちらには全く気付いてはいないようだな…)
どちらが死のうが自分は構わない。しかし双方がいなくなれば更に自分の生存率を上げることができる。
すずはダオスの命を狙っているが…あの小娘にダオスが殺されるのはありえないことだ。
それにクレス達と連めばひょっとすれば可能かもしれないが、彼らは自分に怨恨を持っている。それでは自分の身が危ない。
それに自分にとっての脅威でもあるダオスを倒せる者は、あの時、捕らえられた者がいる部屋で多少目星がついた。
このまま自分にとっては不益以外なにものでもない二人を葬る方法はないものか。
その瞬間だった。
少年の唸る右拳がすずの腹を捕らえる。
「ぐっ…!!」
すずはよろめいて、木の枝にあった足場を崩した。
その時少年は一気にすずへの間合いを縮める。
(今だ…!!!!)
デミテルは高速で術の詠唱を始めた。
己の使える最も強大な呪文――
少年がすずを投げ飛ばそうと、その細い脚に手を掛けたその時だった。
353 :
孤高の魔術師3:2005/11/02(水) 03:35:12 ID:C9uO4R+e
「盛り上がっている所申し訳ないがそろそろお暇して頂こうか!」
岩陰から長身の身を翻す様に飛び出す。
「な…!!」
少年の眼が見開いた。
その目に魔力を最大限に高めた魔術師の姿が映る。
「もう遅い!!!」
宙に方陣が浮かび、磁場がねじ曲がるように黒い大気がこみ上げる。
その空間を押し広げる様に巨大なパフォメットを思わせる邪悪な悪魔が浮かび上がった。
「サモンデーモン!!!!!」
悪魔が手をかざすとと魔界の気を呼び込むと同時に大地が裂け、少年とすずをまるでほふるかの様に身を切り刻んだ。
「……!!」
少年とすずは防御はおろか声を上げる暇もなく、悪魔の贄となった。
「さて…」
既に屍となった二つのものから袋をとりあげる。
フィートシンボルと
「なんだ、この少女のものは…これは」
そこにはデモンズシールとなんだかよくわからないストロー、ミスティシンボルがあった。
「このストローはともかく…ミスティシンボルはかなり有利になるな」
そしてデミテルは忌々しい呪文が書き込まれた符を手に取った。
「成る程…悪魔を呼び寄せたわけか」
デミテルは符を無造作に破り掌に乗せるとそれは風にさらわれていった。
「どんな信念を持とうと理不尽が支配するこの場では無意味という事か…。さて、私も生き残る為の作戦を練るとしよう」
デミテルは遺骸を一瞥し、その場を立ち去った。
354 :
孤高の魔術師4:2005/11/02(水) 03:36:36 ID:C9uO4R+e
【デミテル 生存確認
状態:無傷 MP若干消費
所持品:フィートシンボル、ストロー、ミスティシンボル、?????
行動方針:基本単独行動・出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する・ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G4、川のあたり
】
【すず、セネル死亡】
【残り52人】
セネル、すず好きな人すみません…
自分も好きです本当です
最初2つタイトル入れ忘れた…
351-354乙!
そしてすずとセネル…( ´Д⊂
思ったんだけど、セネルの所持品ってフィートシンボルだけ?
出てきたのはフィートシンボルだけだけど、あと二つアイテム支給されてるよね?
しまった。
…セネルがいつの間にか使ってしまったということで
…だめか?
持ち物訂正
連投すまん
【デミテル 生存確認
所持品:フィートシンボル、ストロー、ミスティシンボル、????、????、????、???? 】
デミテルの持ち物3つも作中に必要なかったので書いていないので、セネルのあと2つは後出しということにしてくだされ。
>>354 乙
殺し合いの小説かいてんだからいちいち謝らなくてもいいじゃん。
作品投下したならだまってあっさり殺しとけ、殺しとけ
「どうしてこんな事に……」
見知らぬ土地である、バトルロワイアルの会場に降り立ったマーテルは嘆いた。
大いなる実りを守る為に己を犠牲にした彼女は、そこで死ぬ筈であった。
彼女もそれを自覚し、死を覚悟していたのだが。
目を覚ました彼女が目にしたのは見知らぬ場所。
横では弟であるミトスが「姉さま」と嬉しそうに泣きついていた。
奇跡的に助かり、弟と生きて再会出来た事を喜んでいたのも束の間…自分達はこのゲームに招かれた参加者だと知らされたのだ。
皮肉な事に、そのゲームでは再会したばかりの弟やかつて契りを交わした恋人、弟と同じ年代の少年少女、更にはそれよりも幼いと思われ
る子供など何の怨みも、面識の無い人までも殺さなければいけないと言う。
(ミトスやあの人が心配ね…早く合流しましょう)
まずはミトスやユアン、クラトスと言った仲間達と合流する。
慈愛に満ち、種族の差別の無い世界を作ろうと戦争を止めるために身を尽くした彼女には人を殺める事も、
ましてやこんな意味の無い殺戮ゲームを見過ごすわけにもいかない。
彼らなら、自分と同じくこのゲームに不満を感じているはず。
目的はただ一つ、大きな犠牲を出す前にこのゲームを止める。
ミクトランに命を握られていると言えど、きっと何かしら助かる方法はある筈だ。
今までも、幾度と無く苦難を乗り越えてきたのだ。
例え大きな壁でも、自分達が力をあわせれば乗り越えられると彼女は信じていた。
しかし、こんな状況に投げ込まれてしまったのだ。
気が狂ってしまった人も少なからず居るだろう。
ルール説明の最中に一人の男性を殺害した同族と思われる男も恐ろしい。
そういった者達に襲われてはいないか…仲間達も歴戦を生き残った戦士と言えど、彼女は不安でいっぱいだった。
また、仲間と合流する前に自分もそう言った危機に晒される可能性も十分有る。
仲間と合流する前はなるべく、無駄な戦闘や危険人物との接触は避けたい所。
支給品の中に、人目を避けれる道具などが有ればいいのだが。
鞄の中を漁ると、まず出てきたのは何の変哲のない双眼鏡。
試しに覗いてみると、遠くに森と更に奥に大きな建物が見えた。
コンパスや地図と照らし合わせてみるに、現在地が地図で言うAの7辺りの地点だと言う事がわかった。
もう一つ、鞄から出てきたのはまるで血塗りのように赤く、奇妙な形状をしている短刀。
(何かしら…とても嫌な感じがする…)
その短刀からはただならぬ邪気が放たれており、その気味の悪さからすぐに鞄の中に戻してしまった。
最後に取り出されたのは透明感の有る青色をしたマント。
アクアマントだ。
水や氷といった術を使ってくる者が居るかは定かではないが、
無いよりは良いと思いそのマントをまとうと、彼女はゆっくりと歩き出した。
海の近くと言う事もあり、潮風が翠色の髪をすり抜けていく。
10分ほど歩いた地点で、ふと彼女の足が止まった。
慌てて近くの岩陰に隠れると、恐る恐る向こうの様子を窺う。
少し奥に、誰かが倒れている。
(…ミトス!?)
かすかに見える金色の髪に、弟の面影を見る。
しかし、よく見ると別人のようだ。
服からするに女性であろう。
血も流れておらず、服も乱れて居ないため何者かと争った訳では無さそうだ。
(生きているのかしら…でも、あんな所で倒れていては危険だわ)
近くに行って確認したいところでは有るが、相手がどんな人物かはわからない。
しかし、そのまま放って置く訳にもいかない。
マーテルはどうすれば良いのか解らず、その場に暫し留まる事となった。
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:A7の海沿い
思考:海沿いに倒れているシャーリィが気にかかる
第一行動方針:ミトス、ユアン、クラトスとの合流(なるべく戦闘を避け、ミトスとの合流を最優先)
第二行動方針:このゲームをやめさせる
【シャーリィ 生存確認】
所持品:???? ???? ????
現在位置:A7の海沿い
状態:潮風に当てられ、気を失っている
行動方針:不明
って事で、妹のやつができたみたいなんで投下させてもらった。
俺も確認したけどなんか変な部分有ったら教えて。
ミトスについては、4000年前でも今でも良いらしいからミトスを初出しする人に任せる。
>>356-357 妹が書き込んだやつだったんだが、そっかわかった。伝えとく。
返事dクス。
>>355-357らへん
セネVSすず書いた香具師だが
たしか
>>2のルールによると、「支給品」は1個〜3個、ランダムに配られる、とあったはずだ。
セネセネは運悪く、「支給品」を1個しかもらえなかったって設定で始めたから、セネセネのアイテムはフィートシンボルのみでおk
…でも支給品がショボかった時点で、セネセネもすずも死亡フラグ持ちだったのね(ΩДΩ)
デミテル書いた書き手さんも、心苦しいのは同じみたいだし、これがこのスレのルールだから責めるような馬鹿はやらないけど…
クラトスパパンよろしく、どうか殺した者の命をただ背負って、がんがってくれデミテル
デミテルってすずと面識あったっけ?
ないけど、名簿で確認したんだろうな
しいなとすずが邂逅しないかな〜?とか
考えているうちにすずが殺された……
こ れ ぞ バ ト ロ ワ ク ォ リ テ ィ
しいなとすずはなりだん3でなにか感じ取ってる(ついでにゼロスも)
から会って死亡のパターンがおもしろそうだ
これって、闘技場で戦うやつとか、ミニゲームでの特別出演のやつは無視しといたほうがいいよな?
特にエターニアのキャラとその他とか。
「重っ…なんだいコレ…?」
説明書がついている。なになに?
『ここについている引き金を引くと、火薬が爆発して先端の穴からいたーい弾が飛び出しまーす☆
顔とかおなかとか心臓にあたっちゃったらきっと死んじゃうので、気をつけて使ってね♪
なんと!おまけに弾の予備もセットでーす!頑張っててきをたおして、優勝を目指そーっ★★』
ご丁寧に、やたら可愛いイラストまでついている。一体誰がこんなもの用意したのだろう。
「何だよこの説明書!この穴から弾が飛び出る……?説明文の通りだと随分強い武器みたいだけど…」
当然、火縄銃すら知らない彼女はこんな武器なんて見たことも触ったことも無い。
忍の飛び道具と言ったら手裏剣や苦無、矢くらいしかないからだ。
(ちょっと試してみるかねぇ)
試した結果、彼女がこの場から離れたのは言うまでもない。
人を一撃で殺せるほどの殺傷力…しいなが的に選んだのは、枝。
ビールジョッキくらいの太さまで成長した、近い未来バラバラになる一本の枝。
パァン!!
「うわっ!?なんだ今の音…!?ひ〜おっかねぇおっかねぇ…
三十六計、逃げるが勝ちってなー!」
同じエリアにいた彼は、音がした方向――ここからだと北側――から真逆に逃げた。
そう、デミテルのいる方向へ。
【藤林しいな 生存確認】
状態:軽い手の痺れ、銃の威力に驚き
所持品:コルトガバメント(口径:45ACP、作動方式:ショートリコイル、シングルアクション、7発入りマガジン4つ付き)
ほかは不明
現在位置:F4のほぼ中央
第一行動方針:とりあえずこの場から離れる(東へ)
第二行動方針:ロイドたちと合流する
【ティトレイ=クロウ 生存確認】
状態:軽い怯え
所持品:不明
現在位置:F4の中央、南側寄り
第一行動方針:銃声のした方向から真逆に逃げる(南へ)
第二行動方針:ヴェイグと合流する
第三行動方針:可能ならばポプラおばさんを守る
↑を投稿したものだが、所持品のコルトガバメントの右のカッコの中は
銃の説明と備品なだけだから、次からは消してくれてヨロシ
でも予備マガジンだけは書いといたほうがいいかな
あと、マップの広さがいまいちようわからんのだけど
ひとつのエリアって何キロ×2なのかね?
4キロ四方1マス500mが妥当ではないか
それにしてもすず書かれてしまったか……無念だ
マーダーにしようと準備していたのだが
さて、次は誰をマーダーにしようかね
漏れの適当な当てずっぽうだが、1マスは1km四方と計算。計算した過程を読むと眠くなる奴は、一番下まで読み飛ばしてくれ。
1マス=1qの仮定のもとなら、島の面積は単純計算で64平方q。目測で海の面積をさっ引くと、大体島の人口密度は1人/平方q弱と計算できる。
この状況で完全に均一にキャラが島の各地に配置されたなら、1キャラが1マス=1q四方の面積を占有できる。
この状態で各キャラが全員マス目の中心にいるとすると、ピタゴラスの定理より一番近いキャラ同士は、お互いに最長で約1.4q、最短で1q離れてる計算になる。
単純平均で1.2q離れてるなら、視力のいい奴ならギリギリ索敵出来るか出来ないか、の距離ジャマイカ?
森みたいに視界の悪い箇所でも、枝を踏み折る音で居場所を知ることが出来るし、上の小説みたいに銃をぶっ放したら、銃声は確実に1qくらい届くだろ。
以上、計算厨のチラシの裏。一瞬500mもアリかと思ったが、それだとキャラ同士の遭遇率が高杉ると思われ
あまり厳密に決めない方がいいんじゃないか?
ややこしくなるぞ。
>>371 連投スマソ。
確かに、主人公サイドのマーダー最有力(?)候補が2人一気にあぼーんしたのはビクーリだよな。
あとはソロンあたりが、主人公サイドのキャラを策略でアヒャらせることを期待しよう
原作が2キロ四方の島で40人だぞ?
4キロ四方でもかなり広いと思うが。
森やら山やらあるんだし、遭遇率が高すぎるということはないと思われ。
376 :
志高く1:2005/11/03(木) 00:12:10 ID:jUEVjLHb
しいなはティトレイが枝をかき分け逃げる音に気づいた。
「誰かいるのかい!?」
しいなは銃を構えながら走り出した。
「…!?何か追ってくる!?」
ティトレイは更に逃げ出した。
「待ちな!!」
更に追うしいな。
百メートルほど先の木陰が素早く揺れ動く。
「ちょ…追ってくるなって!!!」
ティトレイは己の前を遮る木々を必死で払いのけながら言う。
「動くと撃つよ!!!」
ティトレイはその声にぎょっとして立ち止まった。相手は飛び道具を所持しているのだろうか。
自身も弓などを扱ったりする経験があるので、その威力は十分に知っている。
「今のアタシは気が立っているんだ!!姿を見せな!!!」
「マジかよ…」
ティトレイは渋々木陰から姿を現した。
しいなはティトレイに銃口の標準を定めて言う。
「あんたは誰だい?戦う意志はあるのか?」
撃鉄に添えられた親指に力がこもる。
ティトレイはぎょっとしながら答えた。
両手を頭の上に上げて、慌てる。
「必死で逃げていたのにんなわきゃねーだろ!!オレはティトレイ!!お前は?」
「…そうかい。すまない。こんな状況だからちょっと怖かったんだ」
しいな大きく安堵の息を吐き出して銃を下げる。
「アタシはしいな。あんたと同じ、このイベントの参加者さ」
しいなは眉を下げて笑った。
377 :
志高く2:2005/11/03(木) 00:16:57 ID:jUEVjLHb
「あんた…ティトレイ、この今の状態についてどう思う?」
ティトレイは拳を握りしめて答えた。
「こんなのあっちゃいけねえよ!!仲間を殺すなんてオレにはできねえ!!何としてでも解決の糸口を見つけだす!!」
しいなは強張っていた体の力をようやく抜いた。
そしてその場にしゃがみ込んだ。
「…よかった…」
しいなはうなだれた。
「そうだよね、こんなの有り得ない。殺し合いなんてさ…」
「当たり前だ!しいな、怪我はしてないか?」
ティトレイはしいなに手を差し出す。
「…あんたいい奴だね。先ほどはごめん」
しいなはひとつ溜め息を付くと言った。
「すぐに東にでも行こうと思ったんだけどさ…人がいると思うと狙われるのが恐ろしかった」
しいなは顔を上げた。
「あんた、アタシと行動する気はないかい?何としても生き延びて、こんなこと終わらせてみんなで帰るんだ」
ティトレイは答えた。
「いいなそれ!けれどミクなんとかが言っていた同盟じゃなくて仲間ってことで!なんとしてもここから抜け出すぜ!」
ティトレイは人懐っこい笑みをにっと作った。
しいなはにこりと笑うとティトレイの手を堅く取った。
といっても行く場所もないので、とりあえず二人は南に向かって歩くこととなった。
その間、二人は色んな事を話し合った。
世界のこと
身の上のこと
仲間のこと…
話してゆく内に自分達は今はバラバラでも一人ではないのだと言うその思いを、お互いに強く胸に灯した。
378 :
志高く3:2005/11/03(木) 00:22:39 ID:jUEVjLHb
彼らが向かっている場所にはデミテルのいた場所であり
そして────
しいなは立ち止まる。
「どうしたんだしいな?」
ティトレイはしいなの顔をのぞき込み、その視線を追った。
次第にティトレイの肩が震え、その精悍な瞳には怒りに燃えた。
「許せねえ…!!!」
二人の眼前に飛び込んできたのは、少年と少女の事切れた体。
少年が少女に折り重なるように倒れている。
ティトレイは二人に駆け寄り、その場に崩れた。
「ッ…信じられねえ…っ、マジで、マジでこんな事する奴がいるのかよ…!!なんでだよ…!!!」
悲壮に満ちた声を吐き出す。
しいなは少女に駆け寄った。
「…この服は…。」
少女の着ている者は自分でも馴染みのある忍者の装束…
しかし自分の村でこの少女を見たことはなかった。自分達と同じ様に隠れ住む別の流派の者か、それとも───
「…許せないね…」
しいなは奥歯を噛みしめた。
死んだ二人とも、まだ命を落として間もない様子だった。
「ティトレイ…」
しいなは呟いた。しかし誰にでも分かるような憤りに満ちた震えた声だった。
「みんなで生きて帰ろう。だけどアタシはこんな風に人を殺す奴が許せない!!」
拳を地面に叩きつけた。
しかし落ち着かせるようにしばらく沈黙した。
そして、また声を絞り出すように静かに言う。
「まだ…私らと同じ位かそれ以下の歳の子じゃないか。
このバトルロワイヤルとかいうのは終わらせる。だけどどんな手を使ってもこんなことをする奴らは倒す」
その時のしいなの顔は、冷酷な忍の顔、そのものだった。
379 :
志高く4:2005/11/03(木) 00:24:32 ID:jUEVjLHb
その様子を陰から見ている者がいた。
セネルとすずを殺した張本人、デミテルだった。
「…厄介な敵を作ったみたいだな。まあいい。殺したのが私だとは知りはしない。この場はひとまず退散するか…」
デミテルはその場所から去りだした。西へと向かって。
【しいな 生存確認
状態:無傷
所持品:コルトガバメント7発マガジン4
行動方針:ティトレイと共に行く
すず、セネルの敵を討つ
現在地:G4、川周辺】
【ティトレイ 生存確認
状態:無傷
所持品:???
行動方針:しいなと行動、できればヴェイグ等と合流
現在地:G4川周辺】
【デミテル 生存確認
状態:無傷
所持品:フィートシンボル、ストロー、ミスティシンボル、?????
行動方針:この場から去る
ダオスを念頭におき最小限で敵を駆逐する策を練る
現在地:G4西】
質問。
アーチェのほうきも武器としてやっぱ没収されてるよな?
あとコレットとか、天使は羽で空飛ぶのって有りなのかね?
そこんとこ疑問だったんだけど、エクスフィアと輝石の扱い方まとまってないみたいだから…
自分はエクスフィアOKだと思う。
Sの世界ではそれがあってのキャラの力だし
アホのミクトランには外せなかったということで
それじゃあコレットやクラトスの超聴覚や視覚もOKでいい…よね?
それでネタ絡ませようとと思っていたので一応確認。
天使の羽は顕現するけど空は飛べない、でいいだろう
飛行能力はよっぽどの例外じゃない限り許可しないほうがいい
>>381 無理に外すって、下手したらエクスフィギュア化だもんなw
ちょっと気になったんだけど、ゼロスは普通のエクスフィアだよな?基本的に輝石は装備してないみたいだし。
クラトスは微妙な線かとも思ったが、裏切り前の初期しか輝石じゃない普通のエクスフィア装備してないもんな。
ミトスは四千年前の時点でも輝石装備だったっぽいが、ユグドラシルになったのクルシス設立後みたいだから、黒後のユグドラシル化は無し?
とりあえずキャラメンバーとその近況など。
できれば50〜100レス毎くらいに、こういったキャラ近況を載せてはどうだろうか。
スレの中で探したり、矛盾が出てこないようにするために。書き手さんも楽になるとおもう。
至らないところがあればたのむ。
※アンカー付いてないキャラは未登場
クレス ミント
チェスター アーチェ
>376-379デミテル
ダオス モリスン(エドワード)
>249ジェストーナ アミィ
スタン ルーティ
リオン マリー
コングマン ジョニー
マリアン >308-313グリッド
カイル リアラ
ロニ ジューダス
ハロルド >271-274バルバトス
>261-265リッド ファラ
キール メルディ
ヒアデス >308-313カトリーヌ
ロイド コレット
ジーニアス >257-258クラトス
>376-379しいな >245ゼロス
ユアン >271-274マグニス
ミトス >359-361マーテル
ヴェイグ >376-379ティトレイ
サレ トーマ
ポプラおばさん
>359-361シャーリィ モーゼス
ジェイ ミミー
マウリッツ ソロン
カッシェル プリムラ
【死亡】首コキャ セネル すず
【地図】
http://www.hasimoto999.aki.gs/img-box/img/858.jpg 【拠点名候補】>283
【序章】>234-240あたり
>>381-384 じゃあエクスフィアや輝石はそのままだけど
天使化で空を飛ぶ事はできないって事で了解。
>>385 一応、既出キャラの現在地も載せとく。
ゼロス:E7の海沿い
ジェストーナ:F7の森林地帯
カイル、クラトス:F3の森林地帯
リッド:B2の森林地帯
マグニス、バルバトス:B2の塔内
グリッド、カトリーヌ:F5の森
デミテル:G4西
マーテル、シャーリィ:A7の海沿い
しいな、ティトレイ(すず、セネル死体):G4の川周辺
ここは本編投下も議論感想も同じスレで行うのか?
まだ投下スレ立てるほどじゃないだろう
今後盛況になるようなら必要になるかもしれんが
389 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/03(木) 23:57:57 ID:BA1ellME
【アミィ】【チェスター】【スタン】【ロニ】【ジーニアス】の予約をしたいんだが期限はいつまで?
>>385と
>>386 dクス。
こう言うロワのダイジェストみたいなのを定期的に出してくれるとありがたい。
ならば漏れもがんがらねば。マグニススレやバルバトススレなんかに応援カキコをいっぱいしてくれた、名無し達のためにもw
ちなみに他のスレにも応援カキコはあんのかな?
おわ! 予約カキコ!
連投になるが…ならば俺漏れも
つ【アーチェ】【ジェイ】【マウリッツ】
こいつらを予約したいお
何だかなぁ…
ロムに徹するって言って消えた者ですが、マグさまとバルさまのスレにここの宣伝書き込んだの私です。
余計なことだったかな?
余計じゃなければ他のキャラスレにも宣伝文を書き込んでおくけど、まだ未登場キャラが多いし、
登場した主役サイドキャラはロワを放棄してるから、マグバルみたいにインパクトが無いんだよなぁ。
あと、議論用にある程度決まったルールやまだ決まっていないルール、
微妙なルールをまとめて貼ろうと思っているけどやっぱ余計かな?
>>389 期限は無い、と言うかまだ予約制度がハッキリ決定してない。
>>390 386を載せた奴だけど、どういたしまして。
自分用にメモしてたやつなんだが、必要と有らば今後も定期的に載せる。
>>393 向こうの住人が歓迎してくれそうなら宣伝して言いとオモ。
上手く行けば書き手が集まるかもしれないし。
それと、書き手やめてロムに徹するって言っていたが何もそうする必要は無いと思う。
宣言してしまったネタは駄目になっても、遅筆だとしてもやっぱり別の話でロワを書き続けてもらいたい。
って言うのが本音です。
「ふんぎぃぃぃぃっ!! …………ぜーはー、ぜーはー……」
うら若き乙女が出しているとは到底思えないような野太い声を出して、
プリムラ・ロッソは支給品の入った袋を懸命に引きずっていた。
「ぎぎぎぎぃぃ!! はぁーー、疲れたぁ……」
あの妙な魔法陣によって飛ばされた場所から50mばかり離れた、
いまだ視界の開けない森の中を無惨な引き摺り痕を残しながら移動する彼女は、
既に丸一日歩き通したように疲れきった表情で支給品袋を置くと近くの切り株に腰掛けた。
「……やっぱり、こんなの持って歩けないわ」
観念したようにうなだれると、彼女はゴソゴソと支給品袋をあさり始める。
「我ながら、何でこんなのを引いてしまったんだか……ハァ」
ドサリ、と鈍い音を立てて袋から出されたものは
「メガグランチャー、ねえ……」
殴ってもよし、晶霊術の心得があるならば超々威力の弾丸も飛ばせる至高の晶霊銃。
だが、ミンツ大学の学生に過ぎないプリムラの手には、それはあまりにも過ぎた代物であった。
「説明を読む限りじゃ結構強そうだけど、いったいぜんたい…どーいう物質で出来てるのよ?」
コンコンと叩いてみる。音から金属だとは思うけど、このサイズでこれだけの質量を持つ金属など、
大学の授業でも聞いたことのない、ミンツ大学在学の学生の常識を遥かに超えた物質である。
「運がいいのか悪いのか……仕方ない。ロクに行動できなくなるんじゃ、置いてくしかないわね」
そうして、彼女は生存への最大の武器となりえたかもしれない武器をあっさりと放置することになった。
「これでよし。うんっ、大分軽くなったわ」
メガグランチャーを捨てたおかげで、今の支給品袋ならプリムラでも用意に背負うことが出来る。
「それじゃあ……って、これからどうしよう?」
出発しようとしたそのとき、プリムラはようやく何の目的も持たずに行動していたことに気付いた。
「ううっ、セイファート様。私にどうか道をお示し下さい……って、こんなこと祈ってないで真剣に考えないと……」
切り株に再び腰を下ろして、ぶつぶつと作戦を練り始めるプリムラ。
彼女はこのとき、重いメガグランチャーに気を取られてまるで気付いていなかった。
いま脇に置いた袋の中に、セイファート神の導きを本当に得られる必殺のアイテムが入っていたことに……
【プリムラ 生存確認
状態:割と健康
所持品:セイファートキー ???? メガグランチャーをG6の森内で捨てた
行動方針:決まってないので現在考え中
現在地:G6の森】
予約制度自体、はっきりしていないから予約するなよ…
現に予約制度に反対している奴もいるし、自分もその一人だ。
予約されたら唐突さがなくなったり、他の書き手に制限が出るから個人的には予約制度自体なくしてほしいのだがどうだろう。
プリムラを誰かに殺される前に書いておくテスト。
……いや、こういうキャラは割りと試し切りにされたりするからね。
予約は俺も反対かな。
先に文章に纏めて書いた人が優先されるべきだと思う。
先にスレを知った人が優先されるべきではないかな。
>394
連投すまん
自分は>385を載せたものだが、キャラが50人越えをしているので、毎回拠点名などを載せると大変なことになる。
所持品や行動方針も小説を書く上での大事な要素になるが、それと共に書くのも大変だ。
だからあなたの親切に水をさす意見のようで申し訳ないが、キャラのダイジェストは自分の書いたようなアンカーだけでいいと思う。なぜなら、キャラ毎の最後のレス番からキャラの場所などが全て明記してあるから。
いかがなものか
このあと小説投下するかも
んで
予約に賛同する意見がない(どちらというと否定的なのか三票)ということでこれらの予約はスルーでいいのかな?
プリムラ書きさんGJ
しかしプリムラが誰か分からん自分…全シリーズやってるのに…
>>400 定期的な必要はないが、時には位置も載せた方がいいと思うよ。死体、放置アイテムも含めてね。
全体を見渡すっていうのは結構大事だ。
もちろん、無理に行うべきじゃないし、そんなに頻繁にやることでもないが。
>401
そういえばファンダムはしていなかったな…ありがとう
>402
なる程、そういう考えなら役に立つな。ならば賛成だ。
>>400>>402 わかった。
定期的ではなく、本当にたま〜に「そろそろ必要かな?」
と思った時と頼まれた時だけ載せるな。
男がこの殺意と殺戮の大地に変わるであろう、その場所で最初に見た人の力…
それは癒しの光であった。
男は草原をゆっくり歩いていった。
黒いタイトな服に、美しい金の刺繍が施された上質そうな外套。
しかしそのような服装であろうとも全く浮くことのない、整った容姿をした者だった。マントをしているからこそ細身に見えるが鍛え上げられた長身の肉体。金の刺繍よりも男自身の長く波打つ金髪が主張的に輝く。
そう、例えるなら覇王の風格───
その男はそういった雰囲気を宿していた。
(全く…我ながら愚かな事だ…このような事態に陥るとは)
しかし、ミクトランに捕らえられた時点で反抗する事は不可能であった。奴に仕向けた攻撃が自分に跳ね返ってきてしまったことがそれを証明している。
体中に無数に付けられた傷が痛む。
それでもプライドの高い彼にそれを認めることはできなかった。
(私にはやらねばならぬことがあるというのに…何ということだ)
緊張で緩む事のない眉間に更に皺が寄る。
(殺し合いか…私怨の無い者を手に掛けるのは気が進まないが仕方のない事か…)
ひとつ、溜め息を吐いた。
木々が揺れ、鳥が鳴く。
風は男の長髪をとぎ、花の香りが漂う。
「…いい場所だ…、この大地に元々住まう者達よ、私がこれから行う無礼を赦して欲しい」
男は北に向かって歩きだした。
しかし男はここで予想することもなかった事を目の当たりにすることになる。
しばらく足を進めると海岸に二人の女性がいた。
初めて手に掛ける者が若い女子供とは。不運というべきか、いや、早くこの場から死という形でも迎えさせるのが彼女達にとっての幸福なのか。
そんなことを思いながらも躊躇はなかった。
男はゆっくり近づき、術の詠唱を始める。
しかしその女性の様子がおかしい。
倒れている少女の身を優しく膝の上に抱き、何か祈っている様子だった。淡い木漏れ日の様な優しい光が二人を包み込み、やがては少女に注がれてゆく。
海岸の周りの草花もその女性の祈りに答えるように、静かに揺れる。
「…待って頂けませんか」
男の存在に女性は気づいた。振り向かないで男に声を掛ける。
「この女の子…ひどく弱っているみたいなの…お願い、そのあと私を殺そうとも構いません。いえ、出来れば見逃して頂きたいのです。貴方に慈悲深き御心があるのならばどうか…」
男は気付くと詠唱をやめ、その光を眺めていた。
ふと見ると自分の体の傷までもが癒えている。
この光はマナのもの───
いや、それよりももっと自分の根源たる生命を呼び起こすようでもあった。
「女、名は?」
男は女性に問いかけた。
「私の名はマーテルと申します」
女性が振り向いた。
生命をたたえた若葉の様に輝く緑の髪、聖母の如く優しさに溢れる顔。
「…───マーテル…そうか、あなたが。」
男はその場に跪いた。
そして深々と頭を下げる。
「どうか無礼を許して欲しい。私の名はダオス。」
ダオスのその意外な行動にマーテルは驚いた。
「どうかお顔を上げて下さい。そのような事をされる理由が私にはありません」
「いや、私には理由があるのだ」
ダオスは立ち上がり、マーテルの膝の上の少女を抱き上げた。
「…ここは見渡しが広くきくから危険だ。森にでも隠れよう」
ダオスはマーテルに視線を落とした。
「あなただけは何としても私が守ろう」
先程とは対極のダオスの行動にマーテルは驚きを隠せなかったが、マーテルも立ち上がる。
「なんとしても私はこのような人としての信に反することを止めさせたいのです。
人として激しく間違っています。ミクトランも…いつかこんな事を終わらせてくれると信じたいのです」
そのマーテルの眼は全ての者を愛する母神の眼であった。
しかしダオスは言う。
「…奴の名は出すな。いつ首が飛ぶか分からない。
あなたは優しすぎる。賛同をしてくれない事は承知だが、あなたを守る為なら私は手段を選ばない。覚悟しておいてほしい」
そう言うとダオスは南へと足を進めた。
「あなたは不思議な女性だ。先程攻撃をしようとしても、恐れている様子が無かった」
マーテルは少し黙ると答えた。
「貴方はきっと…恐しい男性なのでしょう。それでも私には分かるのです。
貴方は本当は…」
「よせ。今の私には似合わぬ言葉だ」
【ダオス 生存確認】
所持品:エメラルドリング
現在位置:A7の海沿い
第一行動方針:マーテルを守る、とりあえずは身を隠す
第二行動方針:このイベントを終わらせるならどんなことも厭わない
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:A7の海沿い
第一行動方針:ミトス、ユアン、クラトスとの合流(なるべく戦闘を避け、ミトスとの合流を最優先)
第二行動方針:このゲームをやめさせる
第三行動方針:ダオスと行動
【シャーリィ 生存確認】
所持品:???? ???? ????
現在位置:A7の海沿い
状態:潮風で気を失っているが回復中
行動方針:不明
作品投下しようと思ったが上で予約がはいってるキャラ出てる
早い者勝ちでいいのかなあ?
いいとおもう
せっかく書いたんだし投下キボン
ほんじゃお言葉に甘えて投下させていただきます
「なんの因果でこげなことになったんじゃ」
赤毛の青年は一人ぼやく。
上半身裸の風貌は野生味に溢れ、無駄のない筋肉に覆われた体をみせつける。
遺跡船内にその名を轟かす山賊団の首領、モーゼス=シャルドンは森の中を歩いていた。
そこには常に自分と一緒であった相棒の姿はない。
魔獣使いをなりわいとする一族の出身である彼は、ギートというガルフを従えているのだが
この殺戮劇の舞台には連れてこられなかったようである。
「あの金髪が言ったことは本当じゃろうか…」
集められた参加者が殺し合い、勝者にはどんな願い事もかなえてやる。
確かにあの金髪はそういった。
もし本当であるならこれ以上うまい話はない。だが、
「セの字にジェの字、じゃったよな」
頭の中にヴァーツラフ軍、そして猛りの滄我との戦いで、ともに戦った二人の顔がうかぶ。
さすがに苦楽をともにした仲間と殺しあうのは気がひける。
山賊団の首領で一見すると野蛮な印象を受けるモーゼスだが
意外に人情味あふれる一面も持ち合わせているのだ。
「だーーーーーーーー。あれこれ考えるのは性に合わんわい。
じゃがわいも見ず知らずの奴に殺されるのはごめんじゃあ」
セネルやジェイのことは再会したときに考えればいい。
とにかく自分が生き残ることを最優先にする。
そう結論付けたところで、まだ自分が支給品の中身を確認していないことを思い出す。
周囲を一通り見回し、人の気配がないことを確認した彼は、適当な木に手をかけするすると登っていく。
お宝を見るときは誰にも邪魔をされないところで、これは山賊を生業とする習性だろうか。
下からは自分の姿がみえないよう葉の陰に隠れると、さっそく皮袋の中に手をいれる。
「おお、これさえあれば鬼に金棒じゃ」
愛用する武器、スピアが支給品であった幸運に自然と笑みがこぼれる。
支給品の確認が終わった彼はしばらくこの場にとどまることにした。
なにも自分から動く必要ない。とにかく生き残ればいいのだ。
ここならよほどのことがない限り相手に見つかることはないし、
下を通る人間がいれば、奇襲をかけることもできる。そう考えたからである。
しばらく暇をもてあましていると、森の奥から人が歩いてくるのが見えた。
うっそうと茂った葉に日光がさえぎられ、はっきりとは確認できないが
間違いない、アレは人だ。スピアを握る手に思わず力がこもる。
その間にも人影はモーゼスに気づく様子もなく近づいてくる。
「なんじゃあ。ガキか」
モーゼスの目に映ったのは、ピンク色の髪の少女であった。
(なにも女、コドモにまで手をかけることもないじゃろ)
そう思いその場をやり過ごそうとしたモーゼスだったが、少女の歩みがぴたりと止まる。
「こらー、聞こえたよーーー。誰がガキだって」
(なっ、なんじゃあ、なんで聞こえとるんじゃ)
小声でつぶやいたつもりであったのだが、予想外の事態にとまどうモーゼス。
彼の眼下ではあいかわらず少女が怒気のまじった声を張り上げている。
「でてきなさいよ、誰かいるのは分かってんだから。
それともあたしが怖くて出て来れないの?」
静観するつもりのモーゼスであったが、さすがにこの一言にはプライドを刺激されるものがある。
相手は少女だ。自分が負ける要素など見当たらない。
ちーと脅してやって支給品でも頂いてやろう、そう考えながら少女の10メートル程前に飛び降りる。
「ガキをガキゆうてなにがわるいんじゃ。
しっかしあの声を聞き取るとは、われ、なんちゅう地獄耳しとんじゃ」
「ふーんだ。あたしはハーフエルフだから人よりも耳がいいんだよぉだ。
それよりも17歳の美少女つかまえてガキとはなによ」
怒る少女を無視し、モーゼスは目的を達成すべく行動にでる。
「おうガキ殺されたくなけりゃ、支給品置いてはようここからいねや。
わいもわれみとーなガキにまで手ぇかけたくないけんのう
おとなしゅういぬなら命まではとらんといちゃる」
モーゼスの言葉に少女はますます怒気の色を強める。
「またガキていった!それにあたしを脅そうっての?もー怒った。」
言い終わるや否や少女は小声で魔術の詠唱を開始する。
(ブレス系の爪術?)
少女の周りに、ただならぬ力の波動を感じたモーゼスはスピアを振り上げるが
「ライトニング」
モーゼスの振り上げた鉄の塊に稲妻が落ち、全身を電流がかけめぐる。
彼に幸運をもたらしたはずの武器は、一転不幸の元凶となってしまった。
「ぎゃーーーーーーーーー」
モーゼスは叫び声をあげその場につっぷす。全身をしびれが襲いうまく動けない。
どうにか顔をあげた彼の目に、勝ち誇った顔で見下ろす少女が映る。
「へへーんだ。どう?あたしをなめた罰だよ。
まあ殺さずに見逃そうとしてくれたとこみると
あんたも根っからの悪人ってわけじゃなさそうだから
命まではとらないであげる。その代わり…」
そう言うと地面に落ちているモーゼスの皮袋を手に取りながら
「支給品はいただいていくよお」
無邪気な笑顔を振りまきながら少女は中に手を伸ばす。
「なにするんじゃあ。それはわいの支給ひ」
モーゼスの抗議などどこ吹く風といわんばかりに中身をあさる少女は液体の入った小瓶を取り出した。
「なにこれ。ダークボトルじゃない」
「われ。この雷娘!!!次あったら容赦せんけーの。おぼえちょれえええええええええ」
モーゼスはあらん限りの声で怒りを表現するが、
体のほうは全くといっていいほど呼応してくれない。
「いいことおもいついちゃった」
満面の笑みを浮かべると少女は、モーゼスの下に歩み寄り、
おもむろに小瓶に入った液体をふりかける。
瞬間、彼の身体はまがまがしい漆黒のオーラに包まれた。
「まあ。このゲームにモンスターが参加してるかどうかわかんないけど、
せっかくの支給品、使わないでおくのはもったいないもんね。
あと、あたしのことガキとか雷娘なんてよばないでよね。アーチェ・クラインって名前があるんだから
じゃあ、あたしそろそろいくね。ばいば〜い」
そう言い残すとアーチェは、いまだしびれて動けないモーゼスに目もくれず歩き去ってしまった。
「なんの因果でこげなことになったんじゃ…」
モーゼスのぼやきが虚しく森の中に響いた。
【モーゼス:生存確認
状態:しびれて動けない(数十分程度で回復)HP7/8
所持品:スピア
行動方針:とにかく生き残る
現在地:C5の森入り口付近】
【アーチェ:生存確認
状態:健康
所持品:BCロッド・レジストリング・ダークボトル(残り2個)・スペクタクルズ(1個)
行動方針:????
現在地:C5の森入り口付近(シシックス城方面に移動中)】
すまん途中で連続投稿規制にひっかかっちまったい
以上駄文投下おわり
うむ、題名と比べてやってることはほのぼのでショボいな。さすがだ。
さらにすまん
【モーゼス:生存確認
状態:しびれて動けない(数十分程度で回復)HP7/8 :ダークボトル効果継続中
所持品:スピア
行動方針:とにかく生き残る
現在地:C5の森入り口付近】
に訂正お願いします。
「誰だ!」
(きゃ、うそ!)
そう思った次の瞬間、リアラの首元では朱色の剣が燃えるような光を見せる。
彼は物音を一切立てずに素早く近づき、武器を構えていた。
異常なまでの視力と聴力が彼女の存在を気づかせたのだ。
「…女か」
「ちょ…待って下さい!私に戦う気なんてありません!」
「ならば消えろ。私も自分から殺そうなどという気は無い」
「…あの…戦う気が無いのなら協力してくれませんか?私…仲間を探してるんです」
「断る。戦意の無い者など足手まとい以外の何者でもない。それに顔も知らない相手をいきなり信用しろなどと無理な話だと思わないか」
「……そうですか…そうですよね…。わかりました。それじゃあ…
…すみませんが、この金髪の少年だけは、どうか殺さないで下さい。
それから…もしこの少年に会うことがあれば、私が…リアラが探していた、とだけ言づてをお願いできますか」
リアラがそう言いながら名簿を見せた瞬間、彼の目が見開いた。
「!」
彼は少しだけ考え、口を開いた
「…この少年なら先ほど出くわした」
「!…本当ですか!?」
「ああ、つい20分ほど前か…間違いない。…この森の中でだ」
「どっちに行ったかわかりますか!?」
「ここから南のほうに走っていった」
「あ…ありがとうございます!」
それだけ言い残し、少女は走っていった。
「フ…父さん、か…」
クラトスは思っていた。
(少し喋りすぎたかもしれんな…)
慎重に行動しよう、そう思ったはずだったが、早速情報を漏らしてしまった。
少女に簡単に情報提供をしたことには理由があった。この少女になら情報を漏らしても大丈夫だと思ったからだ。
しかし、何より彼は嬉しかったのかもしれない。あの時、父さん、と呼ばれたことが。
(あの金髪の少年の父親もこの戦いに参加しているということか…
なんということだろうな…二組も親子がいるとは。
…尤も、私に父親であるなどと名乗る資格は無いがな)
あの瞬間、声が本人とは違うので今から考えれば当然違うのだが、彼はその声の主が息子ではないかと思ってしまった。
彼の支給品の一つは…マテリアルブレード。皮肉なことに彼のプレゼントは帰ってきてしまったのだ。しかもおまけつきで。
そのことは不幸中の幸いと言ったところか、彼が最も得意とする武器のひとつでもあった。
(あの少年といい、この剣といい…。本当に皮肉なことだ)
思わず苦笑してしまう。
この対の剣を再び持ち主の元へ返すため、守るため。
決意は固まっていた。それは、息子との再会。
絶対に死ぬわけにはいかない。アンナのためにも、今度こそ父親と胸を張って言えるように守り抜くのだ。
【クラトス 生存確認】
所持品:マテリアルブレード(二刀のため、片方だけを装備中)
現在位置:F3 森林地帯
第一行動方針:ロイドに会い、守り抜く。
第二行動方針:この戦いを終わらせる
【リアラ 生存確認】
所持品:不明
現在位置:F3 森林地帯
第一行動方針:カイルに会うため、南へ走る
第二行動方針:とりあえず殺し合いをする気は無い
423 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/04(金) 06:08:05 ID:Wg6Q3pV3
あ…タイトル入れ忘れた●rz
しかもsage忘れた●rz●rz●rz●rz○rz●rz
逝ってくる
頭ひとつ禿げてるぞ
モーゼス→ジェイの呼称はジェイ坊じゃない?
カツカツ…と薄暗い廊に一人の男の靴音が響く。
陰気な雰囲気を漂わせるその渡り廊下は今でこそ苔むしているものの、元は立派な建物だったのだろう。
壁には女性の顔や獅子を模したレリーフが施されており、天を仰げば小形のシャンデリアが幾つも並んでいる。
「殺し合い、ね」
誰しもが強制参加となった『バトルロワイアル』。
否応無しに見知らぬ土地に連れてこられ、生存者が一人になるまで殺し合いをしろと告げられた。
普通の人間なら怯え、戸惑い苦悩するものだが、彼は至って冷静。
今置かれた状況に何の不安も感じていないらしく、寧ろこの状況を楽しんでいる様であった。
「フフ…面白い、やってやろうじゃないか」
元々血も涙も無いような彼にとって、これはゲーム同然なのだ。
ゲームに招かれたからには存分に楽しんでやろうと、ふいに狂気に満ちた笑みが零れる。
「さて、まずどうするかな。参加者の中にトーマも居たな…あいつを利用するのも良いね」
廊下を歩きながら今後の策を練っていた、その時だった。
ドゴォッ!
「きゃああああ!」
「うわぁっ!」
何者かのか細い悲鳴と共に、壁が崩れ砂塵が舞い上がる。
避ける間もなく、彼は不運にも瓦礫と壁の向こうから来たと思われる人物の下敷きとなってしまった。
【サレ 生存確認】
状態:瓦礫とコレットの下敷きに(打ち身)
所持品:不明
現在地:E2の城内(渡り廊下)
行動方針:このゲームに乗る
【コレット 生存確認】
状態:擦り傷
所持品:不明
現在地:E2の城内(渡り廊下)
第一行動方針:不明
今まで出てきたルール案と話を書く際に気をつけておくべきルールをまとめてみた。
確認用、議論用に使ってもらえたら幸いだ。
1.アーチェのほうきとクイッキーの扱いについて
武器だから没収という意見が有力か?
2.エクスフィア、クルシスの輝石について
これがあってのシンフォニアなので許可という意見が強い。ただし、ゼロスの輝石装備については不明確。
3.ミトスのキャラについて
4000年前の「白」ミトスでスタートするが、マーテルが死ぬと「黒」ミトスに変貌で決定?
4.予約制度について
反対票が多いので反対か? 一応、人数が減ってフラグも多く立った終盤に導入という意見もあり。
5.1エリアの広さについて
500m四方か1km四方という意見が出ているが、ややこしくなるから特に決めなくてもいいという意見もあり。
6.同盟、仲間による複合特技やR版秘奥義の再現について
他意見が出ていないので否決扱いか?
7.秘奥義について
絶体絶命の危機に陥った時に一度だけ使用可能。代償としてTPの大量に消費し、極度の疲労状態になる。
なお、使用するには作中の条件を満たす必要がある。
8.TタイプとSタイプ、C・ケイジの大晶霊の組み合わせについて
職人が初めて書いた設定で固定。
こんなとこかな? 余計な事だと思ったらスルーしてくれて結構です。
今ちょっと書いてみようかと思うんだが、ミトスは輝石装備でおk?
やっぱりエクスフィア系のものがなきゃ弱いだろうし、4000年前の時点で天使化はしてたみたいだし。
あと、アーチェの話にも出てたがモンスターは居るのだろうか?
未登場のキャラがもうちょっと出揃ったら続き書こうと思ったが、出遅れた……。
でもそっちのが上手いしまあしゃーねえか。
>>426 だーほんまやあああ
おれのあふぉ。ごめんんなさい
>430
そんなかんじでいいんじゃないかな
予約については後半は必要になるかもね。
まあゆっくり考えていこう
輝石の装備については書き手の自由みたいな感じで
メンバーにはぶるぁ&豚コンビやダオスなどの反則的な強さをもつやつがいるので、輝石装備してるやつが一人二人いてもいい気がする。
>433
そういうカキコは互いに気を使いすぎることになるかもしれんのでやめなされ
>434
おまえかわいいな
輝石についてもう1個問有った。
装着者は輝石さえ残ってれば何度でも蘇るみたいだけど、
その設定もロワ中は当然無効って事でおk?
余計な設定を足すと、装着者死亡と同時にマナの流れか何かの力によって
装備していた輝石は自動的に砕けるとか。
>436
おお、いいなその案。
または死亡したらアホのミクトランがコソーリ奪い、
「ふふふ…これがエクスフィアか、これで私もさらなるパワーアッ(ry」
冗談です
それが一番妥当ではないかと思われ。このロワでは蘇生魔法やそれに準ずる能力はすべて禁止ってことで。
例外はリバースドールやレジュームリングか? ものすごく希少なアイテムになりそうだが。
ただこれらも戦闘不能を回復するだけだから、首をはねられたり、ダオスレーザーで跡形もなく肉体を消されるとかで持ち主が瞬殺されたら無効だろうな。
四角く切り取られた木造の部屋がある。
窓から差し込む日差しに照らされた部屋は広く、多くの人を収容することが可能だ。
外へと繋がるドアから部屋の奥へと、色あせた絨毯がまっすぐに伸びている。
それが部屋を二分しており、その左右両側に等間隔で長椅子が並べられている。
絨毯の道の先、一段高くなった場所。四角い机が設えられており、その机の上に聖書らしき本と一体の女神像が置かれている。
その机の正面に、長い髪を編んだ青年が立っていた。
彼は目を閉じると、右手を女神像へと向ける。精神を集中し、脳裏にイメージを構築する。
大気の変動を体で感じる。とりわけ、手をかざした向こうの気温が急激に低下していくのが分かる。
その変動の終了を感じ取ると、青年は力を抜いて再び目を開ける。
机の上に佇む女神像は、澄み渡った氷の檻に閉じ込められていた。
「フォルスは使えるようだな……」
青白い髪をした青年、ヴェイグは呟く。氷のフォルスの使い手である彼は自分の力が使えることに安堵する。
決していい思い出のある力ではないが、このような状況下では頼れるものだった。
そう、今は殺し合いという状況だ。どことも分からない場所で、誰とも分からない男に命じられるままに。
その男が言うには、生き残った者には褒賞として願いを叶えるらしい。そうすることで戦意を煽ろうと言うのだろう。
だが、そんなことはヴェイグにとってどうでもよかった。
ヴェイグはただ、帰りたいと思った。
自分の大切な人のところへ。自分を待っている人のもとへ。
そのためには生き残らなければならない。最後の1人にならなければならない。
だから、ヴェイグは決意する。戦おうと。
相手が誰であろうと、戦い抜こうと。
そして、帰ろう。クレアのもとへ。
考えながら、支給品を確認するため足元のザックに手を伸ばす。地図やコンパスなどの道具に、食料や水。
そして、短剣が二本入っていた。一本は細身でシンプルな短剣だ。残念ながら、攻撃力はあまり期待できそうにない。
そしてもう一本は、水晶で作られた、幅広い刃の青い短剣。その短剣に施された装飾は、水の力を刀身に与えている。
ヴェイグはそれらをすぐに使えるように腰に差す。使い慣れた武器ではないが、武器が入っていただけマシだと思う。
最後に名簿を見つける。ヴェイグはそれに目を通しかけて、止めた。
もし知った人物がいれば、自分の決意は揺らぐだろうから。
武器以外をザックに戻すと、ヴェイグはそれを肩にかける。
身を翻すと、絨毯の上を迷わずに歩いていく。ドアに手をかけ、ヴェイグは草原へと歩き出した。
たとえ、血塗られた道となろうとも。
生き抜くために。
数分後、誰もいなくなった教会で。女神像の氷は溶け出していく。
液体となって流れ落ちる水は、まるで女神像の涙のようだった。
【ヴェイグ 生存確認
所持品:スティレット チンクエデア
現在位置:H7の教会を出てすぐ
第一行動方針:ゲームに乗る。最後まで生き残る】
昨日このスレを見つけて、ヴェイグ書いてみました
ご意見感想や、マズイところ等あれば言ってください
441 :
439:2005/11/04(金) 14:20:16 ID:Kk5P7qoA
タイトル入れ忘れたorz
「氷の決意」でお願いします
連投スミマセン
>>439 歓迎するぜ、新入りさんw
それじゃ、漏れも負けじと投下
(シャー…リィ……モー…ゼス……ジェイ………ち…きしょ……ぉ…)
(父…上……母…上……すずは……今…そちらに…逝…き…ま…す……)
デミテルの巻き起こした魔界の瘴気が、二人の命を削り落とし、死神にその魂を引き渡すのと、それは同時くらいだった。
―――――
一陣の風が、本来身動きを嫌うはずの洞窟の空気を揺り動かした。
「…っ!」
ところどころに星をあしらった、青い胴着を身にまとった、白皙の少年は少しばかり身震いをする。
「嫌な風ですね…」
金色に縁取られた、白い法衣に身を包む、清楚な雰囲気の少女は言った。
「この辺りは洞窟でも地上に近い辺りですから、きっとこんな風が吹き込むんでしょう。少し寒いですか、ミントさん?」
ミントなる名の少女は、目の前の白皙の少年の顔を見ながら、軽くうなずいた。
「少しだけ…」
ジェイはミントの言葉を受けて、自身の脇に手を伸ばす。
「持たせてもらった明かりでは少し暗いし、暖も取れません。ミントさん、さっき交換してもらった忍刀・紫電を使わせてもらいますよ」
「はい、お願いします」
ジェイは腰に差してあった、丈の短い刀を抜き放つ。その名にたがわず、ちっぽけながらも立派な稲妻を表面でほとばしらせる小刀が、更に炎で包まれる。
「お見せしましょう。これがぼくの『焔』です」
紫色に輝くジェイの両の手。洞窟の地面に突き刺さった小刀の周りで、ちょっとした焚き火くらいの炎が巻き起こる。
不思議なことに、小刀にまとわれた炎はいつまでたっても小刀を焼き焦がすそぶりを見せない。ミントはその光景に、少なからず感嘆を覚えた。
「…これが…ジェイさんの爪術?」
「ええ。本来この技は瞬間的に炎を燃え上がらせる技なんですが、徐々に力を解放していけば、こんな風に焚き火の代用にもなるんです」
「ありがとうございます。ジェイさんに『支給品』を渡しておいて良かったです」
ミントは早くも、両手をかざしてジェイの即席の焚き火に当たり始めている。その傍らには焚き火に照らされる杖、ホーリィスタッフがある。
「こっちも自分の得意な武器を早く手に入れられて良かったですよ。ついでに強力なブレス系爪術使いも仲間に出来て…おっと、爪術ではなく法術でしたか」
ジェイは自ら、自分の発言を訂正した。
もうある程度打ち解けた雰囲気を持って言葉を交し合う彼ら。彼らは先ほど、「支給品」の物々交換の持ちかけから知り合ったのだ。
話を切り出したのはジェイ。ミントが「支給品」の小刀を持て余していたところを目ざとく見つけ、物々交換の取り引きを試みた。
結論から言えば、ジェイの持っていたホーリィスタッフが、ミントの待望の武器であった。
この取り引きは大成功し、そのまま2人は暫定的ながら仲間として行動するに至ったのだ。
仲間関係を結んだ2人は、とりあえず近くにあった洞窟に潜み、今後の戦略を練ることに。結果として、彼らは今ここにいる。
「ぼくらが今いるのは、ここですね」
地図を広げながら、ジェイはその一角を指し示した。Gの3とあるマス目の、北部に指は置かれている。
「おそらくこの洞窟は、島の中央部から南部の入り江に流れている川の伏流水がくりぬいて出来た洞窟なんでしょうね」
「ふく…りゅう…すい?」
「はい。流れる川の水の一部が地下に浸透して、地下を流れるようになったものです。要するに、地底の川ですね」
「なるほど…だから私達のいるすぐ脇に川が流れているわけなんですね」
ミントは体を焚き火に向けたまま、顔だけを横に向けた。
ミントの右側、およそ5m先では、すでに地底の川の川面が、ぴちゃぴちゃと波を歌わせながら流れている。
川幅はおよそ3m。水のよどみ具合からして、深さは最深部で1m程度。流れはそこまで急というわけでもない。
「ひょっとすれば、この川はFの2〜4くらいの森の蓄えた水も混じっているかも知れません。森の泉の底から、ここまで水が流れて来ているなんてことも…」
「あ…っ!」
そのとき、ミントの表情は凍り付いていた。
「な…敵襲ですか!?」
ジェイは焚き火の芯として使っていた忍刀・紫電を引き抜き、即座に構えを取る。
入り口に張っておいた即席の鳴子は鳴らなかった。まさか、ソロンが…!?
だが、ジェイはそもそも、警戒する方向を間違えていた。ミントが異常を発見したのは、洞窟の入り口の方向ではなく、傍らの地底の川だったのだ。
「ジェイさん! 見て! 人が流れて来ます!」
「人が…? まさかそんなことあるわけ…」
ジェイはミントの言葉に半信半疑。しかし念のため、もう一度忍刀・紫電に炎を宿らせ、光度を上げて確認する。
「なっ!!?」
そして、ミントの言葉は、真実であった。
上流から流れてきたのは、白と水色を基調とした、ゆったりとした衣を着る、金髪の男性。白いものも混じりだした金髪は、青白い輝きを放っている。
衣の特徴、輝く金髪。わざわざたった数時間のうちで詰め込んだ情報を駆使するまでもない。その容貌をした男性は、ジェイの知る限り2人。
そして男性とあれば、考えられる人物はたったの1人だけ。
「ま…マウリッツさん!?」
「あの方、ジェイさんの知り合いなんですか?」
「…ええ。ちょっと前、あの人の参謀として働かせてもらったことがあります」
マウリッツ・ウェルネス。大いなる海の意志、滄我に仕える民の長老。
ジェイはかつて、マウリッツを補佐して戦い抜いた、クルザンドとの戦役を一瞬だけ思い出していたが、またすぐに意識は目の前の老人へと向かう。
流れて来たマウリッツの体は、やがてジェイ達のいる側の、川の岸辺に引っかかる。
煌髪人…すなわち水の民の証たる金髪は、水にたゆたいながら、弱々しく輝いていた。
「ジェイさん、助けないと!」
「え…ええ」
茫然とするジェイは、ミントにせかされてようやく自分が何をすべきか、思い出したような風だった。
マウリッツの体は、衣服が水を吸っているとはいえ、幸いそこまで重くはない。ジェイとミント、2人の力で十分救助可能な程度であった。
「う…んん……」
マウリッツは、ここにあるかないかの意識の中、小さくうめいた。だがそれも当然のこと。
「!!」
「!?」
マウリッツの体には、いたるところに傷が刻み込まれている。
「これは…!?」
ジェイはすかさず、マウリッツの体の検分にかかる。傷を見てただ茫然としているわけにはいかないからだ。
ミントが気休めに毛が生えた程度とはいえ、回復法術を行うべく傷口に手をかざす。
さすがに完全回復は無理かもしれないが、少なくともこれでこれ以上傷が悪化することはないはず。
「全身各所に刀傷…これは深さからして、相当重い刃物で叩ききられたみたいだな…。
見たところ骨折はなさそうだけど、この傷で骨折がないっていうのは奇跡としか言いようがない…」
マウリッツを検分するジェイは、思わず呟く。さすがは「不死身」のマウリッツ、といったところか。
かつてジェイ達は、滄我の意志に呑み込まれ、正気を失ったマウリッツと戦ったことがある。
そのときマウリッツは老人とは思えないほどの体力を身につけ、たとえ叩き伏せられても二度も立ち上がってきた。
三度目など、無茶を承知で滄我の力を取り込んで、散々に暴れてくれたものである。
「…ジェイさん?」
「…あ、すいません」
考え事をしていました、とジェイはミントに言った。
正直なところ、ジェイは迷った。腰に差し直した忍刀・紫電を抜くべきか否か、逡巡していたのだ。
今のマウリッツには、抵抗する余力などない。
忍刀・紫電をマウリッツの胸に突き込み、「雷電」でも放てば、今やずぶぬれのマウリッツは、確実に黒焦げになって絶命する。
昔のジェイならば、迷わずそうしていただろう。競争相手は1人でも減らしておいた方が今後のためになる。
何より滄我の加護はここまで届いているのだ。また下手に滄我の力を取り込まれて暴走されたら、態勢の整っていない今、撃退は至難の業だ。
しかし、ジェイは同時に、マウリッツを殺めることにためらいを覚えていた。
モフモフ族やセネル達との出会いが、凍っていたジェイの心を溶かしつつあったからだ。自分を道具ではなく、人として見てくれる大切な家族のぬくもりが。
「…………」
だが、ジェイの逡巡は、結果として次なる惨劇への引き金を引いてしまうことと相成る。
「うう…う…」
マウリッツが、一つ身じろぎをした。
きん、ころころ。
何かが洞窟の地面に落ち、はねる音。
「?」
ミントはその音のした方向に、一応事前に照らしておいた照明器具をかざした。
青いビー玉のようなものが、そこに転がっていた。
「何なんでしょう? このビー玉みたいなもの…」
その時。
びくん、とマウリッツの体が跳ねた。
「!?」
思わずジェイは後方にステップを踏み、マウリッツから離れる。
「ジェイ…さん?」
「ミントさん、離れて下さい! 嫌な予感がします!!」
「え…? …!!」
ミントの吐息が、途中で凍り付いた。
マウリッツの体中が、節くれだってくる。肌はまるで、とげのないサボテンを思わせる、不気味な色に変色を始めている。
顔面がどろりと溶け、目を思わせる橙色の瘤を除けば、あとはのっぺりした青緑色の皮膚しか残らない。
両手はまるで、熱帯の密林の猿のように長く伸びる。胴体ももとの何倍も太くなり、今やマウリッツの着衣はボロボロの布くずと化していた。
手にも足にも魔物じみた爪が生え、びくんびくんと彼の体が波打つたびに震えている。
そして、臓物の蠕動にも似た体の震えが止まったとき、今や異形の存在と化したマウリッツは、爪の生えた二本の足で、のっそりと立ち上がる。
この洞窟の天井は高い。身長が4〜5m程に伸びた彼が立ち上がっても、まだ若干の余裕があるほどに。
だが、洞窟の天井の高さなど、ここにいる三者にとってはもはや些細な問題にしか過ぎなかったことは、言うまでもない。
「WWWWWWWRRRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYY!!!!!」
まともな人としての言葉を失ってしまったマウリッツの雄叫びが、この洞窟を打ち震わせた。
【「不可視」のジェイ 生存確認】
状態:TPをわずかに消費
所持品:忍刀・紫電 ???? ????(所持品数は不明)
現在位置:G3の洞窟
第一行動方針:マウリッツに対処する
第二行動方針:会場の現状を把握しつつ、仲間達と合流する
【ミント・アドネード 生存確認】
状態:TPをわずかに消費
所持品:ホーリィスタッフ ???? ????(所持品数は不明)
現在位置:G3の洞窟
第一行動方針:マウリッツに対処する
第二行動方針:ジェイに従いつつ、仲間達と合流する
【マウリッツ・ウェルネス 生存確認】
状態:エクスフィギュア化。若干の負傷あり
所持品:要の紋なしエクスフィア(取れかかっていたが身じろぎの拍子に脱落)。残る所持品は何者かに全て強奪された
現在位置:G3の洞窟
行動方針:WWWWWWWRRRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYY!!!!!
あ…いかん、誤字ったorz
>>443の下から3行目
×「その容貌をした男性は…」
○「その容貌をした参加者は…」
ね。
447 :
若さ 1:2005/11/04(金) 19:27:19 ID:0HJgPLfg
薄暗い回廊を歩く、ひとりの青年。頭に真紅のバンダナを鉢巻のように巻く彼は、
周囲に注意を払いつつ、既に打ち捨てられて久しい廃城を闊歩する。
彼――クレス・アルベインは、自分の行動を決めかねていた。
(僕の戦うべき相手は、他の参加者か、それともミクトランと名乗った大柄の男か……)
ミクトランという男を倒すことは、仲間の協力さえ得られればそれほど難しいこととは思えない。
少なくとも参加者に混じっていたあの男、魔王ダオスを倒すよりも難しいということはないだろう。
しかし、それでどうなる?
ミクトランを倒した後に、無事にもとの世界に戻れる保証は、一切ない。
それどころか、それまでにもしも自分のかけがえのない仲間が死んでしまったとしたら、
たとえ無事に帰れたとしても、あのとき――ダオスを倒した時に感じたような苦い後悔しか残らないだろう。
ならば、自分は何を為せば良いのか?
しばしの思惟の後、クレスはひとつの結論に至った。
『最後まで生き残り、全ての参加者の蘇生を願い、そして全員で生還する』
これ以外に、クレスには自分の納得のいく答えは見つからなかった。
目的は決まった。ならば次に行うべきは、その為に必要な力を得ること。
不運なことに、支給品の中には武器になりそうなものはなかった。
だが、最初に飛ばされたこの城ならば、もしかしたら武器の類もあるかもしれない。
クレスは数多い部屋の入り口からひとつを決め、慎重に扉を押し開いた。
そこは、兵士の仮眠所のようだった。並べられた埃まみれの灰色のベッドが年月を感じさせる。
だがしかし、壁に並べられた種々の『武器』は、時代に逆らうかのように真新しいものだった。
「すごい……まるで新品同様に手入れが行き届いている……」
クレスはその中から長剣を抜き、ダマスクス鋼の刃が映す見事な鏡像に思わず嘆息を洩らした。
これも「ゲーム」を円滑にするための措置だろうか?
そうも思ったが、クレスはもうそれ以上は考えないことにした。
ダマスクスソードを鞘に収め、腰に携える。そのとき
ドゴゥッ
妙な音とともに衝撃が、城に伝わった。
(これは!? 他にもこの城に人が?)
クレスは、地面がなくなるような錯覚と、そして剣士としての戦闘への期待感を同時に抱いた。
【クレス 生存確認
状態:無傷
所持品:ダマスクスソード ???(支給品数不明)
現在地:E2の城内
行動方針:生き残るためならば戦いも辞さない】
職人さんGJ!
やべ、首輪のこと完全に忘れてた。……まあいいか、ミクトランだしww
クレスたんキター!
どんどん役者達が出揃ってきたな
ジェイはミントの手を引いて一気に駆けだした。
「どこへ…!」
ミントは引っ張られるままにジェイの後ろを走る。
「…出口の方まで一気に走りましょう。僕に考えがあります」
オオオ、と人ならざる声を出してその怪物――マウリッツが迫ってくる。
異形の体を振り回し、洞窟の壁や天井を破壊しながら。
その轟音は心臓に圧迫感を与え、ミントも必死で走った。
この大地は水が豊富なのだろう、洞窟の上を無数に流れている小さな川が幾万年かけて滴り落ちて作った鍾乳石が道を阻み、ひどく路が悪い。
しかしそんなことも忘れてしまうくらい、夢中で足を前に出した。
「もうすぐ出口です、頑張って!!」
「ええ!!」
お互いは強く手を握り合い、もうそうは遠くない出口を目指した。
数百メートルほど走ると待ち望んでいた光が見える。
後ろにはどんどん差を縮めるマウリッツの姿。
恐怖感が背を強く押し、やがては出口に差し掛かった。
「これで…なんとか…」
ミントがそう言った時だった。
ジェイがはた、と立ち止まる。
「どうしました、ジェイさん。」
ミントも立ち止まる。
そして顔をのぞき込んだ。
ジェイが悲しそうな、しかし硬い決心をした様な顔で言う。
「…すみません、ミントさん」
え、とミントが眼を開いた。
次の瞬間
ミントには信じ難い事が起きた。
ミントの体が後方に投げ出される。
マウリッツのいるその場所へ
まるでゆっくり時が1コマ1コマ流れているかの如く、ミントの肢体は空を舞った。
ジェイはありったけの力でミントを突き飛ばしたのだ。
マウリッツにその身がどん、とぶつかる。
「ジェイさ…」
「――――ッ…雷電!!!!!!!!!」
ジェイの投げた雷を纏った忍刀がマウリッツに突き刺さった。
「GAAAAAAAAA!!!!!!」
「ああーーーー!!!!!」
水に濡れたマウリッツの体を鋭い雷が打ち、それはミントも同様だった。
裂けた音が洞内に激しく響く。
ジェイはその場から走り出し、洞窟を抜けた。
歯を強く食いしばり、己のした事の重大さを悔いるように強く地面を蹴りながら――――。
「フフフ、よくやりましたねぇ」
ジェイは体を丸めて岩陰に座っていると、一人の男が木から飛び降りてきた。
壮年ほどの、白蛇のような結わえた長い髪に、狡猾な狐を思わせる風貌。
「あなたは本当によい弟子です。師匠として大変嬉しく思いますよ!!」
ジェイの体ががくがくと震えている。
伏せているので顔は分からないが、肩をぎゅう、と抱きしめ、嗚咽を堪えているようだった。
「ジェイ、顔をあげなさい」
男のその言葉に反応し、ジェイはその顔を上げる。
「一瞬躊躇しましたね、この馬鹿者がああああ!!!!」
力の入った平手打ちがジェイの右頬を激しく打つ。
「ああ!!」
ジェイは地面に倒れた。
「全く…、あの女も老人も躊躇わずに殺れば良かったものを!!
あなたはこの私との約束を破るつもりだったのですか!!そうだったんですね!!」
「いえ、そんなこと」
といい掛けて頭を起こすとわき腹に強力な蹴りが入った。
「が…!」
ジェイは呻き、わき腹を押さえて苦痛に耐える。
やれやれ、と男は崩れた服を整える。
「ジェイ」
打って変わって次は優しくジェイに呼びかけた。
「分かっているのですよ、私は。あなたが私を、あなたを長く大切に育ててきた私を裏切るはずないじゃありませんか」
「…はい」
ジェイはか細い声で答える。
「大切な大切な愛弟子ですからね」
「…はい」
「私は本当にあなたを愛しく思っているのですよ。
二人でこの場を生き延びようではありませんか」
座り込み、ジェイに諭すように優しく話しかける。
「生まれた時親に捨てられたあなた。あなたと同じ世界からきたセネルやらとかもここにいるようですが…信用してはいけません。誰もが生きるのに必死です。
人間とは卑怯な生き物です。窮地になれば誰もあなたの事なんて助けてはくれません」
「…はい」
「しかし私は違いますよ。私だけがあなたの見方です。わかりますね?」
「…はい」
「あなたには動いてもらいますよ。あなたは子供だ。誰もがあなたが助けを求めれば、信用してくれます。
多くの参加者を攪乱しなさい。」
「…はい」
「さて」
ソロンは歩きだした。
「私もこれから少し動いてきます。あなたの活躍に期待していますよ」
そう言うと男は煙幕に包まれ、すでにその姿は無かった。
しかしその男―――ソロンの眼は子を思う親の眼ではなく、怪しい眼孔が眼をこうこうと照らしていた。
ジェイはミントと繋いでいた右手を握る。
「…ごめんなさい」
水気の混じった声で呟いた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
行き場のない四方闇で閉ざされた後悔の中、ジェイはただただ謝ることしかできなかった。
【ミント 生存???】
所持品:ホーリースタッフ サンダーマント
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
状態:不明
行動方針:不明
【マウリッツ 生存???】
所持品:不明
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
行動方針:不明
状態:不明
【ジェイ 生存確認】
所持品:忍刀・紫電 ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:傷心
行動方針:ソロンに従う
【ソロン 生存確認】
所持品: ???? ????
現在位置:G3の洞窟出口
状態:無傷
行動方針:単独行動、ジェイの監視、操れる人を探し中
お約束の展開すまん
ミント、マウリッツを生かすかどうかは次の書き手さんに委ねる。
地面に落ちているエクスフィアを考慮して下さると嬉しい
「フンフフンフフーン♪ さあて、何が出てきてくれるかしら?」
見知らぬ村に飛ばされたというのに、いや、これから殺し合いが始まるというのに、
ルーティ・カトレットはいかにも機嫌が良さそうに微笑みながらゴソゴソと袋を探った。
「ジャーンッ!! ……え?」
取り出され、頭上に掲げられた小袋には、【グミセット】と書かれていた。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
満面の笑みは一瞬で消えうせ、慌てて小袋を開くと、そこにはアップルグミ、オレンジグミにミックスグミが入っていた。
「こ、これだけ……ほ、他には!?」
顔を入れるんじゃないかというくらいに支給品袋を覗き込むルーティ。
「びっくりしたわぁ……やっぱりまだあるじゃない」
もうひとつの支給品を見て安心したのか、ルーティの顔に再び笑みがこぼれる。
気を取り直して、といったふうに、今度はもっと高々と、そのアイテムを引き抜き、掲げた!
『ルーティは 【強力グミセット】を てにいれた!』
レモングミ、パイングミとミラクルグミが入ったその小袋を天空に掲げたまま、彼女がしばし固まったことは言うまでもない。
【ルーティ 生存確認
状態:精神的ダメージ大
所持品:グミセット 強力グミセット
行動方針:仲間を探しつつ、漁夫の利を狙う
現在地:G5の村】
グミの回復力も制限されるのかな? まあ、四肢が吹っ飛んだらグミどころではないか。
kimoinakonosure
>>452-454の書き手さん
をい、ミントのアイテム欄におまいは何を書き足してんだよw
よりにもよって雷電の巻き添えを食ったミントのアイテム欄が実はサンダーマントかwww
少なくとも漏れはGJ!! と言っておこう
ミントの所持品にサンダーマントがあって正直安心しちまった・・・
460 :
452:2005/11/05(土) 00:15:16 ID:shpv0z1M
うはwwwwww
バレwwwたwwwwww
461 :
=457:2005/11/05(土) 00:26:46 ID:xm6SqVAA
バレねぇとでも思ってたのかおまいはwwwww
ただあんましこの手を乱用して死亡フラグを回避すると、「馴れ合いやってんじゃねぇ」ってスレ住人の一部から批判の声が上がりそうだから、自粛はしようぜ
正直なところ漏れはミントあぼーんの小説案を没に出来て安心したがw
あとは願わくばミントがマウリッツから逃げきれることを祈ろう
しかし死亡フラグ回避にこんな手段を思いついたおまいは実に着眼点がいいなwww
そうだな
生存不明は自分でも悩んだのだが、誰かが話を盛り上げてくれることを期待してみた
まあ余計な事だったらすまんかった。
ルーティのアイテムは当たりに見えるんだが…。
この強欲女め。
と思ったが、グミセットってグミ一個ずつ?
ルーティーは金がいいのですよたぶん。
…この場所じゃ意味ないけど
「ちぇ、こりゃハズレだな」
支給品の袋を開けると、中を覗き込みながらロイドは呟いた。
武器らしき小刀がひとつにあとはよくわからないカードが二枚。
カードはともかくとして、小刀はロイドの目から見てもなかなかの名品だという事はわかった。
しかしどんな立派な武器でも扱えなければ意味がない。
もっとも、二刀流用の武器なんてオーソドックスでないものが、運よくロイドの手に渡る可能性
を考えたところで現実的ではないのだが。
「細工に使うには悪くない大きさなんだけどなぁ……」
小刀の刃渡りを数えながらぼやく。
せめてもっと長さがあれば、そうひとりごちようとしてからロイドは気付いた。
そうだ、武器がないのなら作ればいい。
幸いにしてここは森の中、材料になりそうな木材なら山ほどある。そして彼にはドワーフ仕込みの技術が有った。
木刀程度ならすぐにでも作ることが出来るだろう。
真剣と比べれば貧弱な武器だろうが、それでも扱い慣れた得物が一番だ。
ロイドは手ごろな枝をいくつか見繕うと早速作業にかかった。
こんなところを人に見つかったら恰好の標的になるだろう、作業は手早く進めなければならない。
全ての人間がゲームに乗ったとは思えないし考えたくもないが、それを選んだ者も少なからずいるのだろう。
そう、あのマグニスのように。
死んだはずのあの男はパルマコスタの再現をするかのようにゲームに乗ることを宣言していた。
(そう言えばあの時少し前まで、俺の武器はウッドブレードだったな……)
資金不足もあって、いつまでも装備を変えないものだから、仲間内から『永遠の練習生』などという称号を貰ったことを思い出す。
今、ロイドの手の中にはあの時と同じ木刀。義父のようには上手く作れなかったが、
本来の用途を外した小刀を用いたにしては上々の出来だろう。
この剣で仲間を守ろう。そして皆で帰るのだ、元の場所に。
完成した木刀の木屑を吹き払うと、ロイドは小さなだが確かな声で呟いた。
「……ドワーフの誓い第七番」
この言葉は嫌いだけれど
「正義と愛は必ず勝つ……!」
ミクトランとやらの思惑に踊らないことと、仲間と合流して必ず皆で帰ることをここに誓おう。
敵なのか味方なのか、それを見極める以前の問題として、不審な行動をとる目の前の人物に、ジューダスは判断をしかねていた。
ミクトランに対抗するには相応の戦力と準備が必要だ。かつてその操り人形であった身であるからこそ、身に染みてわかる事だ。
だからジューダスはそう行動方針を定めた。
そして偶々同じように近くに飛ばされていたらしい人物を見かけたので、接触して話を持ちかけようかと考えているところであったのだが……
(あれは……剣を作っているのか?)
森の中をうろうろと徘徊して枝を幾つか拾った後に、座り込んで何かを作り始めていた。
その何かがわかり、ようやくジューダスはその人物の行動に納得する。
と同時にその人物の器用さに感心した。その技量は何か役に立つかも知れない。
見たところ悪意の有りそうな人物でもないし、協力を求めよう、そう思った瞬間
「――魔神剣!!」
見覚えのある技の名と共に、地を這う剣撃がジューダスに向かってくる。
(気付かれたか…)
その攻撃を避けると、続いてくるであろう追撃に備えようと受け流すために短剣を備えようとしたが
腰元に手をやり、支給されている武器は長剣一本であった事を思い出す。
仕方なく左手で剣を抜いて防御の姿勢を構えたが、二撃目は待っても来なかった。
訝しく思い相手の方を見ると、相手は二本の木刀を右手に纏めて持ち、逆の手で頭をかきながらジューダスに向かって謝罪した。
「悪い。人がいるなんて思わなくてさ」
(気付いていなかったのか……)
そんな相手の態度にジューダスは脱力する。
どうやら技の試し撃ちだったらしい。
消していたつもりの自分の気配を察知していたのならば、なかなかの手練れだと評価するつもりだったのだが
それは誤解であったのだろうか。
(だが、動きは悪くない。戦力としても足手まといにはならない、か……)
そう判断するとジューダスは今までストーキング…ではなく、観察していた人物に対して
協力を持ちかけることにした。
「ええと、つまり脱出方法を探してミクトランって奴を倒すって事か」
ロイドはジューダスの説明を聞くと腕を組みながら言った。
そしてあっさり承諾する。
「いいぜ」と。
それには話を持ちかけたジューダスの方も驚いて、仮面の下の瞳を丸くしながら訪ねてきた。
「…自分で言うのも何だが、僕は客観的に見て怪しい人物であろう事は自覚している。
そんな者の申し出をあっさり受けてしまって、本当にいいのか?」
「あんたが悪党だったら、さっきの隙だらけだった時に俺を狙っていた筈だろ?」
「……お前を利用して、それで裏切るつもりなのかも知れんぞ」
「裏切るつもりの人物が、自分からそんな事を言い出すか?
それに……」
自分から持ちかけたくせに卑屈で消極的なジューダスの態度にロイドは苦笑した。
「『困っている人を見かけたら必ず力を貸そう』『だますよりだまされろ』
それがドワーフの誓いだ」
苦くとも悪意のないロイドの笑みに、ジューダスはかつて裏切ってしまった人物とその血を引く現在の仲間を思い起こさせられた。
(フ……どうやら僕は、この手の人間に縁があるらしいな)
「申し出を受けてくれた事を感謝する。
……とまだ名を言ってなかったな。僕はジューダスと名乗っている」
「なの…?まあいいや、俺はロイド・アーヴィングだ。よろしくな、ジューダス」
そう言って握手を求めて差し出された手を、ジューダスは躊躇いがちに握り返した。
【ロイド:生存確認
状態:称号「永遠の練習生」 TP微量消費
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森】
【ジューダス:生存確認
状態:普通
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていません)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森】
>>463 うん、1個づつ。Dの貨幣換算ならちょうど2000ガルドになりますなwww
「そう、君はコレットちゃんって言うんだ」
「はい」
崩れた壁の瓦礫の横で、サレとコレットは座り込んだま話し込んでいた。
何故、壁が崩壊しコレットが出てきたのか。
本人の弁では城の出口を探していた際に誤って転倒してしまい、そのまま壁を貫いてしまったという。
その際に壁一枚を隔てて丁度正面に居たサレは運悪く瓦礫と転倒した彼女の下敷きになってしまった。
サレも最初は不意打ちをかけられたのかと思い彼女を警戒していたのだが、
殺しに来たにしては殺気が感じられず、更には自分を助けた。
そうやって信用させてから隙を突いて殺すと言う策なのではと疑いもしたが、
コレットの純粋無垢な様子に流石の彼も信用せざるを得なかった。
「それで、君はこれからどうするつもりだい?」
「私は、まずロイドを探します。それからジーニアスや、クラトスさんや…他の皆も」
彼女もまた、サレに一切の不信感も抱いていない様子で自分の事を話している。
自分の仲間が何人か参加している事や、これからの行動方針。
コレットは真っ向から殺し合いをするつもりは無いらしく、
まず仲間のロイド達を探しだした後にこの戦いを終わらせる方法を見つけたいと言う。
そして有ろう事か、きちんと話し合えばミクトランとも解りあえると信じているらしい。
そんな理想論はサレにとっては馬鹿馬鹿しくも有り、最も嫌いな物なのだが当の彼は嘲笑いもせず
コレットの懸命な話をうんうんと納得するように聞いていた。
「サレさんも、もし良かったら…私と一緒に来ませんか?」
「コレットちゃんと一緒に……?」
思わぬ申し出にサレは驚いた。
出会ったばかりの自分をこんなにも信用しきっている。
サレは少し悩んだ様子だったが、すぐに答えは出た。
「わかった、良いよ。僕もそのロイド…って子や他の仲間を一緒に探そう」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
サレの今の様子を、彼を知っている者たちが見たら大層驚くだろう。
彼らしくも無い行動。
だが、これもサレの計画のひとつにしか過ぎなかった。
自分が助けられたその瞬間や、話し込んでいる今にも彼女を殺そうと思えばすぐに殺す事はできた。
だが、それでは面白みが無いというもの。
彼女は自分に何の疑いも持っていない。
コレットの仲間も多い上に、いずれもこの戦いを快く受け入れるような者では無いらしい。
それならば、いっそ利用してやろうとサレは考えていた。
良い人を装い信頼させた上でそれを裏切る。
共に行動していれば自分に危機が迫った際にコレットを盾にもでき、まさに一石二鳥。
他人に絶望を味合わせるのが好きな彼にとってはこの上ない、最高のプランだった。
「それじゃあ、まずはここから出ようか。今度は壁に穴をあけないようにね」
「はい!」
二人は城の出口を探して歩き始めた。
コレットは嬉しそうに微笑むがその表情が絶望に変わるのまでのカウントダウンが刻一刻と動き始めた―
【サレ 生存確認】
状態:軽い打撲
所持品:所持数共に不明
現在地:E2の城内(渡り廊下)
行動方針:このゲームに乗る
第一行動方針:とりあえず城から出る
第二行動方針:コレットと共に行動
【コレット 生存確認】
状態:擦り傷
所持品:所持数共に不明
現在地:E2の城内(渡り廊下)
第一行動方針:とりあえず城から出る
第二行動方針:サレと共に行動しロイド達と合流する
>470
2のうpが5分程遅れましたが規制では有りません。
ステータスを書いていたら遅れてしまいました、すみませんorz
>>469 余計なお世話だったか…割り込み申し訳ない。
P:モリスン(エドワード) ・アミィ
D:スタン・リオン・マリー・ コングマン・ジョニー・ マリアン
E:ファラ・キール・メルディ・ヒアデス
D2:ロニ・ハロルド
S:ジーニアス・ユアン・ミトス
R:トーマ・ポプラおばさん
L:ミミー・カッシェル
未登場参加者残り21名。半分以上出た。
主人公の寝起きの悪さが伝染したのか?D
イケるイケるはイケテないの裏返し?E
この2作品登場率悪いな。
まだまだ重要度高そうなキャラ残ってるしネタ考えてみようかなあ
474 :
天才と英雄:2005/11/05(土) 10:59:08 ID:Nw7pRUVe
「うーん・・・どうやら此処はH2って所らしいわね・・・」
そう呟いてピンクの髪の少女・・・いや、女性はキョロキョロとあたりを見回した。
周りは平らな地面と海、遠くに森、洞窟と、見慣れた髪の男性が横たわっているのみだった。
「・・・カイル・・・?いや・・・違うわね・・・」
自分より大きい、男性の体を木の裏にまで引っ張り、どうにかして起こそうとしてみるが男性は起きる気配も無い。
規則の良い呼吸は少し前まで一緒に旅をしていたカイルとそっくりだ。
自分の周りにもしメスなどがあるのならば、実験実験〜と陽気に鼻歌を歌って解剖し始める物なのだが、隠し持っていたはずのメスなどはすべて無くなっていた。
メスなどの実験道具は諦め、目の前の男性を起こそうと試みる。
「いい加減・・・起きなさいよ!!」
思い切り自分の持っていたサックをぶつけても起きそうに無い。
このまま起こそうとばかりしていても時間の無駄になるだろう、と持っていたサックに目を落とす。
「何か武器か・・・機械を作れるようなものが入っていたらいいけど・・・。」
ガサ、と開いて見てみると、中に入っていたのは自分の髪とと同じ色をしたグミと、ホーリィボトル、それと小さな短剣だった。
「短剣・・・これは使えるわね・・・ホーリィボトルは・・・」
ちら、と今だ眠りこけている男性の顔にバシャっと中身をぶちまける。
「ぶわっ!!つめてぇええ!!」
がばっと起き上がって頭をぶんぶんふり、顔からホーリィボトルの液体を落とそうとする。
「やーっと起きたわねー!!さっきから全然起きなくて困ってたのよっ!!」
「んー・・・ごめんごめん・・・えっと・・・君は?」
475 :
天才と英雄2:2005/11/05(土) 11:00:22 ID:Nw7pRUVe
「私はハロルドッ!!天才発明家のハロルド・ベルセリオスよっ!!」
えっへん!と腰に手をあてスタンを見下ろす。
スタンは自分の持っていた剣ディムロスを思い浮かべる。
「・・・!!もしかして、ソーディアンを作った・・・!?」
「あら、知ってるの?そうよ、ソーディアンは私が作ったの・・・んー、あんたの名前は?」
「え?あ、そうだね。俺はスタン・エルロン!よろしくな!」
ハロルドは自分の返事を聞かずに仲間にされてしまった事が少し気に食わなかったが、それは口にしなかった。
かわりにふぅ、と一つ溜息をつき、近くに見える洞窟を指差した。
「とりあえず、あの洞窟に行くわよっ!!」
「えっ!?え・・・うん・・・。」
半ば引き摺られるようにしてハロルドについていくスタン。
目の前に居るハロルドを見つめながら、ちょっとルーティと似てるな・・・と思っていた。
【スタン 生存確認】
状態:普通
所持品:所持数共に不明
現在地:H2の木のあたり(G3の洞窟に向かって移動中)
第一行動方針:ハロルドと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
【ハロルド 生存確認】
状態:軽い疲労
所持品:ピーチグミ ホーリィボトル(空) 短剣
現在地:H2の木のあたり(G3の洞窟に向かって移動中)
第一行動方針:スタンと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
それは、見ようによっては『鬼ごっこ』のようにも見えた。
まだあどけなさも残る年若き少女と、それを追いかける壮年の男。
男にとってそれは、オモチャとじゃれあっているようなものなのかもしれない。
だが追いかけられる少女―アミィ・バークライトにとってはそれは決して遊びではなかった。
もしもあの男に捕まえられれば……
アミィは走りながら、後ろをチラリと見た。
追いかける男は、笑っていた。それは、まるで猫が鼠を追う時のような酷く醜悪な笑い。
アミィは気力を振り絞り、懸命に走り続けた。
心臓はすでに早鐘のように鳴り、足も痛みを通り越して徐々に感覚が無くなり始めている。
男は、死人だった。
ミクトランの手によって再び命は与えられたものの、過去に壊れた彼の精神までは与えられなかった。
肉体はある。しかし、それを制御するココロは、遥か以前にどこかに落としてきたのだ。
ならば何故に彼は少女を追いかけるのか?
彼は笑い、少女を追いかけながら呟きを洩らした。
「………めるでぃ」
少女の足が、とうとう主に逆らった。
地面を蹴り損ね、アミィの身体は前のめりに倒れる。
砂埃が舞い、アミィの顔は泥にまみれた。
すぐに起き上がろうとしたアミィが見たものは、視界を埋め尽くさんばかりに顔を寄せる追跡者の笑い。
むんづ、とその追跡者はアミィのツインテールの片方を掴み、まじまじとアミィの顔を見る。
「めるでぃ……めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ―――」
泥と、涙と、絶望で化粧をした少女は、ふるふると力なく首を振った。
それが、少女の最後の意思表示だった。
アミィ・バークライト 死亡
【????
状態:歓喜
所持品:不明
行動方針:めるでぃ
現在地:不明】
鬱蒼とした森。乱雑に立っている木々の上を飛び越しながら、男はあるモノを追い続けていた。
そのあるモノこそ、彼が追い求める獲物。
戸惑い、恐怖に怯えながら彼から逃げる姿を見て、男は一種の快感すら覚えた。
男・・・鼻までかかる覆面をし、派手に尖った頭髪を持ち、忍者の如き身のこなしを見せる男・・・
ここに来るまではトリプルカイツの一員として名を馳せていた男、
『幽幻』のカッシェルは、どこまでも続く森である男との追いかけっこをしていた。
彼はゲーム開始当初から、殺し合いに乗ることを決めていた。
今回集められた面子の中には、彼の知り合いは一人も居なかった。
同じトリプルカイツのメラニィ、スティングル、そして隊長のヴァーツラフ・・・・・・
そういった仲間(彼にとってはただの同僚でしか無いかもしれないが)も無く、
他の連中にも信用できそうな者は一人も居ない。
更に彼の性格を考慮すれば・・・残虐で冷酷な特殊工作員としての彼・・・
このゲームのルール、たった一人が生き残る、死の試合に乗ることはさほど不自然なことでは無いと思われる。
そうしてカッシェルは始動した。瞳に、冷たい闇を宿して。
彼の支給品は二つあった。
一つは両刀の剣・・・だが幾分刀身が短い、ショートソード。
本来彼が扱い慣れていた獲物とは勝手が違うが、握ってみれば案外使い心地は良い。
もう一つは変わった透器で、特殊なアイテムらしいが、使いどころを誤らなければいい働きをしてくれそうだ。
彼が動き出して十数分、森を移動していた彼はとうとう最初の獲物を発見した。
ローブを着込み、青い髪を後ろで束ねた、理知的な雰囲気を持つその男は、
カッシェルが襲い掛かった瞬間、脱兎の如く駆け出してしまった。
彼の負の雰囲気と鋭利な両刀を見て怯えたか、
それとも男にまともな武器が支給されていなかったか。
どちらにせよ不意打ちの機会を失った彼は、今こうして男を追いかけている。
体力が無いのだろう。大した時間もかからずに、男は疲弊し始めた。
勿論カッシェルの身体能力を考えれば、木々を自在に移動できる彼が男をすぐ簡単に捉えられるはずだった。
だが、そうしないのはただ男が疲れるのを待っていたから、
それだけではなく、彼の持つ異常なサディズムによるものなのかもしれない。
不意に男が立ち止まった。そして振り向きこちらを見上げた。
その表情は何かにとり憑かれたようにこわばっている。
諦めたか、それとも意を決したか。
だが、その奥に宿る光をカッシェルは確かに見た。
(気に入らないな・・・・・・・)
頭の中でつぶやくと、カッシェルは木の枝から一気に跳躍した。とても生身の人間とは思えない身のこなしである。
男は更に上空に跳んだ彼に眼をやると、激しく両腕を振り始めた。
詠唱に入っているのだ、と空中に居るカッシェルは判断した。
「アクアエッジ!」
男が術を唱えた。
小さな水流の塊が渦を巻き、カッシェルに襲い掛かっていった。
しかしそれは命中しなかった。空中に居る彼に当たる寸前に、彼の姿が消えてしまったのだ。
目標を見失った水流は頼りなく宙に消えていった。
「!?」
男は狼狽し周囲を見回した。居ない。どこにも。
「俺は幽幻と呼ばれていてね・・・」
背筋の凍る、ぞっとするような声を聞いて男は硬直した。まるで地の底から這い出てきたような声だ。
しかし何より男を驚かせたのはその声が男のすぐ左から聞こえてきたことだった。
次の瞬間男の視界に鋭利な刃物が飛びこんできた。
咄嗟に身を反らせ致命傷は免れたが、左眉の上、額のあたりに浅い切創を負ってしまった。
そしてほとんど本能的に男はバックステップし距離を取った。
今は彼の姿が見える。
血を滴らせる刃物を手に漆黒の眼差しを浴びせてくるその姿は、暗殺者、死神を容易に連想させる。
そしてその獲物は確実に男・・・自分に向けられているのだ。
「こんな所で僕は!」
男はそう言うと懐から杖を取り出した。
柄の先端に鉄製のトゲ付き輪が付いている・・・打撃戦を想定して作られた戦闘杖、バトルスタッフだ。
そんなものを隠し持っているとは、この男、術で戦うのにこの杖では得は少ないと判断したか。
あるいはやはり最初から戦う気は無かったのか。
気に入らないな。カッシェルはそう思った。
自分以外は全て敵というこの状況で、戦わないという選択肢などありえなかった。
戦わずに逃げてもいずれ戦う時は来る。それともこの男はその時まで耐え凌ぐつもりなのかもしれない。
そう考えている内に彼の周囲の空気が荒み始めた。次第にそれは緑色の真空を帯び、周辺の物を切り裂き始めた。
「エアスラスト!」
風の爪術か・・・彼はそう思った。実際には彼は風を利用した爪術をほとんど知らない。
もしかしたらこの男が使っているのは爪術とは別のものなのかもしれない。
カッシェルは慌てる素振りも見せず跳び上がり、再び空中から襲い掛かろうとした。
だが、彼の思惑通りには行かなかった。
緑色の真空は、凄まじい勢いで回転しながらこちら目掛けて浮き上がって来たのだ。
「ん・・・!?」
宙を舞っていたカッシェルは、その攻撃を避けることは不可能と思われた。
だが、森は彼の最も得意とする戦場である。空中ですばやく身を翻し身近な木に捕まるなど造作も無いことだった。
直も真空の刃は彼を追うが、すばやく木々を移動してかわす。
回避運動をしつつ、序々に男との距離を詰めていった。
そしていつの間にか彼は男の間近まで接近していた。
男が気付いた時にはもう遅かった。彼は一気に飛び掛り、両刀の刃を彼に向けた。
「くっ!!」
咄嗟に杖を構え応戦しようとするが、術士である彼にとって接近距離での格闘戦など不慣れなものであった。
「解体作業・・・その1」
不気味につぶやくと同時にカッシェルはショートソードを高速で振り回し、男の杖をバラバラに解体した。
「何っ!?」
「ハッ」
自身を守る唯一の装備を失い、男は激しく動揺したようだった。
しかしカッシェルは少しも気を緩めることなく更に間合いを詰めた。狙いは一つ。
詠唱する暇も与えない。彼は刃を男の首筋にあてがい、振りかぶった───
「・・・・・斬首」
「うわぁぁぁあぁ!!!」
男の悲鳴が森にこだました。
カッシェルは振りかぶった剣を中途半端に構えたまま、呆気に取られて眼下に消えていった男を見やった。
あの一瞬、男は微かに身を後退させたようだが、そのまま一気に茂みの中へ落ちていってしまった。
どうやらこの森の中で結構な段差ができていたようだ。
男が立ち止まった理由もこれか。カッシェルは独り納得した。
さて・・・これからどうする。
段差は結構あったが、男はそう遠くに行っているとは思えない。
探索は面倒そうだが、今すぐ追いかけて行くのが妥当な判断だ。
しかしそうはできなかった。彼は背後から、また別の誰かの気配を感じ取っていた。
まだ遠くに居る。こちらに気付いてはいないようだ。
あの男は恐らく重症を負ったのだろう。当分動けはしまい。
まずはこちらの様子を伺うのを優先すべきか・・・
そう結論付けたカッシェルは音も無く跳躍し、再び木々の中に消えていった。
幽幻の名の如く。
【カッシェル 生存確認】
所持品:ショートソード アワーグラス
現在位置:B2の森林地帯
状態:無傷
行動方針:ゲームに乗る、近くに居る者の追跡
【キール 生存確認】
所持品: バトルスタッフ(破壊) ???? ????
現在位置:B2の森林地帯
状態:額に切創、 全身打撲
行動方針:なるべく戦いを避ける?
SUGEEEEEEE!!! 何か午前中だけでこんなに色々投下されちゃってるYO!
個人的にはダオスとマーテルのとこにミトスが合流してくれないかと期待中。
是非ともダオスのダオスレーザーとミトスのユグドラシルレーザーで「ダブルカーラーンレーザー!!!」とかやってほしいなw
…とネタを振ったところで疑問が。
そもそも、ミトスは子供姿のままで、ユグドラシル形態の技(ユグドラシルレーザーとかディースネルとか)を使えるのか?
それ以前にミトスのユグドラ化もおkかどうか未決着だし…。
P:モリスン(エドワード)
D:リオン・マリー・ コングマン・ジョニー・ マリアン
E:ファラ・メルディ
D2:ロニ
S:ジーニアス・ユアン・ミトス
R:トーマ・ポプラおばさん
L:ミミー
残り15人。
>473,>482
投下されたSS確認してみましたが、チェスターもまだ出てないみたいです。
じゃあ
P:モリスン(エドワード)チェスター
D:リオン・マリー・ コングマン・ジョニー・ マリアン
E:ファラ・メルディ
D2:ロニ
S:ジーニアス・ユアン・ミトス
R:トーマ・ポプラおばさん
L:ミミー
で16人だね
※アンカー付いてないキャラは未登場
>447クレス >452-454ミント(生死不明)
チェスター >412-420アーチェ >376-379デミテル
>405-408ダオス モリスン(エドワード)
>249ジェストーナ
>474-475スタン >455ルーティ
リオン マリー
コングマン ジョニー
マリアン >308-313グリッド
>257-258カイル >421-422リアラ
ロニ >465-467ジューダス
>474-475ハロルド >271-274バルバトス
>261-265リッド ファラ
>478-キール メルディ
ヒアデス >308-313カトリーヌ
>465-467ロイド >469-471コレット
ジーニアス >257-258クラトス
>376-379しいな >245ゼロス
ユアン >271-274マグニス
ミトス >405-408マーテル
>439ヴェイグ >376-379ティトレイ
>469-471サレ トーマ
ポプラおばさん
>405-408シャーリィ >412-420モーゼス
>452-454ジェイ ミミー
>452-454マウリッツ(生死不明) >452-454ソロン
>478-カッシェル >396-397プリムラ
※正体不明>476-477
【死亡】首コキャ セネル すず アミイ
【地図】
http://www.hasimoto999.aki.gs/img-box/img/858.jpg
486 :
訂正:2005/11/05(土) 13:55:26 ID:shpv0z1M
>447-448クレス
ね
ほかにもミスあったらすまん
正体不明はヒアデスじゃないのか?
と思ったら名前は明確に出てなかったね。
森の中で少女は目覚めた
耳を澄ますと、近くに河が存在するのか水のせせらぎが聞こえる。
少女は今後の飲料水の確保のためにもソコへと向かった。
他の参加者達ならば、水場の近くは敵に見つかる可能性が高く
身を危険に晒す可能性があるために本来ならもっと警戒してしかるべき場所なのだが
彼女はそんな事は一切考えていなかった。
それは、他の参加者に見つかっても自分は生き延びられるという自信から成るものなのか、
先を見据えすぎて、直後に起こるかもしれない危機を想定できないだけの
無謀な行動なのかは分からない。
なぜなら、その事実を知るのは彼女しか居ないのだから…
水縁に着くと、少女は支給品に含まれていた「ウィングパック」を取り出し、
その中に大量の水を汲み始めた…
−本来、このアイテムはレアバードという有人飛行機械を持ち歩くものなのだが、
彼女にそんな事は知る由も無く、ただの便利な収納道具と捉えたようだ。−
水を汲み終えた彼女は、今度はやや上空に眼を移しながら辺りを見渡し始めた。
敵の気配でも察知したのだろうか……
…違う、なんと今度は食料を探し始めたようだ。
少女は鮮やかな手つきで、辺りの木の実や薬草など摘み始めた。
森の中ということも有り、すぐに彼女の手には持ちきれないほどの食材が集まった。
たしかに生き残るため、全ての英気を養うためにも食料は大事だが
とても一人で全てを食べられるほどの量ではない。
そんなに集めてどうするのだろうか…そう思った矢先、彼女は支給品袋から
また一つのアイテムを取り出した・・・・・・二つ目の「ウィングパック」だ…
彼女は、集めた食材を嬉々とした表情でその中に詰め込んでいるが
今回のゲーム生き残る上で各々にランダムで支給されるアイテムのうち、
二つがまったく同じもの、しかも非戦闘アイテムである事に何の不安を感じないのだろうか…
ここまで無謀な行動を幾つもとっていた彼女だが、ここでもっとも愚かな行動を起こす。
何と、その場で火を炊き始めたのだ。
火を起こす事はすなわち、自分の居場所を他の参加者たちに知らせる事と同じといっても過言ではない
なぜ、彼女はここまで態々自分の身を危険に晒すような真似をするのだろうか・・・
そしてその疑問の答えは、このゲームが始まって初めて彼女の口から発せられる
言葉によって明らかになった。
「さぁ!ブレッド・ブレッド 支店一号店。ここにオープンだパン!!」
…そう、彼女は本当に何も考えていなかったのだ。
【ミミー 生存確認】
所持品:ウィングパック×2 イクストリーム
現在位置:F4の森林地帯の河に最も近い辺り
状態:無傷。及びパン屋のオープンでハイテンション
第一行動方針:自分の作ったパンをみんなに食べてもらう
第ニ行動方針:パンを馬鹿にするものの排除
490 :
魔法のホウキ:2005/11/05(土) 19:45:30 ID:AnzeIgWg
「何と言う事だ!」
名簿に目を通し終えたその男は声を上げる。
その名簿には自分のよく見知った人物の名前が記されている。
しかも、3名もだ!
「クラトス、ミトス…それにマーテルまで。」
ミクトランと名乗る男は一人だけが生き残るのだ、と言っていた。
マーテルを手にかけるなんて間違っても絶対に出来ない…つまりこのゲームに乗るこ
とも出来ない。
きっとマーテルも同じ様にゲームに乗るつもりはないだろう。
一人で自分を探して回って危ない奴らに見付かっていたら…!
そう考えたら居ても立っても居られない。
「いかん!早くマーテルと合流だ、いくぞボータ!」
「………。」
いない。そうだった、ボータはいない。
自分の片腕と言える存在がいないのは男にとって大きな痛手だった。
その上、得意としているダブルセイバーは没収されている。
マーテルどころか、まず自分の身の安全が危うい。
何か役に立つものは…。
男は、ここで初めて自分が握り締めている支給袋に気が付いた。
「そうか、この中に何か役立つものは…何だこれは?」
袋から長い棒が飛び出ている。
もしかしたら、武器かも知れない。
男は乱暴に袋から棒を引っ張り出した。
「……何だこれは!」
それは一本の古びたホウキだった。
「これで戦えとでもいうのか!?」
男はその古びたホウキを眺めた。サドルが付いている。
「乗り物のつもりなのかこれは!?」
謎は深まるばかりだ。
他にマシなものはないかと袋の中を除く。
「占い」と書かれた本と美しく彩られた小ビン、説明書と書かれたメモが入ってい
た。
占いの本です。おまじないも載ってるよ!これで憧れのアノ人も貴方にふりむくか
も…!
チャームボトル。使えば貴方の魅力がアップ!良いことが起こるかも!
空飛ぶホウキ。空を飛べます。
…全て眉唾もののグッズばかりだ。
「ハァ…これでは戦う事は出来ないな。」
その時、背後に気配を感じた。
眉唾グッズに気を取られている隙に何物かが男との距離を縮めていたのだった。
「めるでぃ…」
何者かは、そう呟くとその土気色の顔を狂喜に歪めた。
「めるでぃめるでぃめるでぃめルでぃメるディィiiーー!!」
そう叫びながらその何者かは男めがけて走ってくる。
物凄い狂気に共鳴するかのような、彼を取り巻く強烈なマナ。素手で相手をするのは
自殺行為だった。男は慌てて支給袋に眉唾グッズを詰め込み、走り出す。
「めるでぃー!!」
何者かは逃がすまいと男めがけて腕を振り下ろす。腕は男の背中を強く打ち、男はバランスを崩し地面に転がる。
「何とかしなければ…」
男の頭に、先程の眉唾グッズが浮かぶ。何者かから留めの一撃が放たれると思われる直前、男はホウキを掴み、自らのマナを
注ぎ込んだ―――
男が気付くとそこは森の中だった。何者かはもういなかった。…そしてホウキを固く握り締めている。
「いやー、魅せてくれるじゃないか君!!」
頭上で声がした。
「まさかで空から突っ込んでくるなんて!まさに君は漆黒の翼に入団するにふさわし
い。」
「何を言っている?」
目の前の人物の理解不明な言葉に、男は顔をしかめる。
「まあ聞きたまえ。我々は漆黒の翼という素晴らしい組織なのだ。しかし諸事情でメ
ンバーが不足している!そこでだ、素晴らしい速度で、しかも空を飛べる君を名誉あるこの漆黒の翼に入れ
てあげようと言うことだ!俺は音速の貴公子、グリッド、こっちは疾風のカトリー
ヌ、で、君が三人目の…君、名前は?」
通称通り?高速で巻くしたてていたグリッドがようやく男に喋る暇を与えた。
「ちょっと待て、私は空など飛んだ覚えはない。」
「何を言うんだ、その手にあるホウキにぶら下がって森に突っ込んで来ただろう。」
男は手に握っているホウキを眺めた。そうか、もしかしたらコレはマナを消費する事
によって飛行できる魔法のホウキというやつか。
「それで君、名前は?その様子だと大分疲れてるだろう。入団を断るのは得策ではな
いぞ?」
男はぎくりとした。そうだ、これは殺し合いのゲームだったのだ。しかも自分は先程
の事件で疲労しきっている。この状態ではいくら弱そうに見えても、武器を持ってい
るかも知れない相手には逆らわない方が良いのかも知れない。
「…ユアンだ。」
男は渋々ながら名乗る。
「よし、君は今日から大食らいのユアンだな!よろしく!!」
晴れて?ユアンは訳の分からない組織、漆黒の翼の一員となったのだった。
【グリッド 生存確認
状態:擦り傷
所持品:C・ケイジ フェアリィリング ナイトメアブーツ
行動方針:漆黒の翼を再結成、危なそうなやつに会ったら逃げる】
【カトリーヌ 生存確認
状態:擦り傷
所持品:マジックミスト ジェットブーツ エナジーブレット×5
行動方針:死にたくはない】
【ユアン 生存確認】
所持品:ミスティブルーム、占いの本、チャームボトル
現在位置:F5の森
状態:極度の疲労状態
行動方針:漆黒の翼の一員として行動しつつ、マーテルと合流
492 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/05(土) 22:49:56 ID:Cb74jXdx
おお、しばらく見てないうちにいろいろと新作が投下されてるな
みなさん乙です
さて、俺も頑張らなくちゃ
リッド・ハーシェルは目の前の光景を、信じられない、という様子で眺めていた。
おそらく、想定可能であった事態の中では、最悪から二番目。まざまざとリッドの瞳に映っていた。
自分がなるべく倒したいと思っていた3人のうちの2人…すなわちマグニスと青い髪のゴツい男バルバトスが、並んで森の中を闊歩しているのだ。
しかも、2人とも持っている武装が半端ではない。
マグニスが携えているのは、下手をすればマグニス自身の体ほどもある巨大な斧。刀身の輝きだけで業物であるとうかがい知れる。
バルバトスが担いでいたのは、同じく彼自身の体ほどもありそうな長大な金属の筒。
しかも筒の先端部には、剣を二つに割って溶接して作ったと思われる、刃が取り付けられている。
リッドはすぐさまそれを見て、ミアキスを愛する剛健な壮年、フォッグの得物を思い出していた。
リッドのあずかり知らぬところではあるが、今バルバトスが持ち歩いているのは歩兵用対戦車榴弾砲。
最初これを持て余していたバルバトスは、あえてマグニスとの戦いの際には用いなかった。
しかしながらマグニスの機転でもって、榴弾砲は今やバルバトスのお気に入りの武器へと変貌を遂げていたのだ。
まずバルバトスが持っていたグラディウスの刀身を、マグニスはオーガアクスできれいに両断。
両断した断面をマグニスの魔術「イラプション」で呼び寄せたマグマに当て、溶かしたところを榴弾砲の砲口付近に押し付け、溶接して今の武器を作ったのだ。
言うなれば、ベイオネット(銃剣)付きの榴弾砲。「銃剣」の名こそあれ、使用感はバルバトスの得意とする斧と大差はない。
もし発砲した榴弾にジェノサイドブレイバーを重ね合わせて撃てば、おそらくその破壊力は炎の高位魔術「エクスプロード」をもはるかに越えるだろう。下手をすれば「ビッグバン」級の威力を叩き出すかも知れない。
リッドは残念ながらそこまでの分析は出来なかったが、とにかくこの光景は桁外れに危険な兆候だということは体が理解した。鳥肌さえ、立ってくる。
リッドは、自らの引き当てたエルヴンマントに、並々ならぬ感謝を捧げた事は言うまでもないだろう。
2人は草むらに隠れたリッドのことなど全く気付かずに、ハーフエルフの千年王国の建立だの、歴史をあるべき姿に改変するだの語り合っている。
やがて2人の足音が遠くに去ったとき、リッドは深々とため息をついた。
とにかく、これで当面の危機は乗り切れた。今のうちになるべく多くの仲間と合流し、あの2人を、そしてヒアデスを撃破する算段を立てねば…。
しかし、リッドの身に降りかかる危険は、それだけで終わりではなかった。
「!!!!」
リッドは、ムメイブレードを引き抜いた。「居合い」という名を冠してもいいほどの、神速の抜刀。
だがそれでも、リッドは自らの身に達する皮一枚ほど手前で、ギリギリ受け止めたに過ぎない。短いながらも、確実にリッドの急所を狙い込んでいた死の刃を。
「…ほう、今の一撃を受け止めるとはな」
リッドが振り返ってみれば、そこには男が立っていた。ぼさぼさの深緑色の髪、目元以外を覆うマスク。
そして何より、幽霊を思わせるような、かすかで不気味な存在感。
「あのガタイのいい男どもを追っかけて追跡をかけてみたら、新しい獲物とこんにちは、か。
あの2人を仕止めるのは厳しそうだと諦めかけていたが、今日の俺は運がいいみたいだな」
「ッ! 離れろ!!」
リッドは怒鳴りつけながら、ムメイブレードで強引にマスクの男と間合いを離す。マスクの男はそれに無理に逆らわず、間合いを離してやった。
「くくくく…悪いがそんな布きれを身にまとったぐらいで隠れたつもりなら、俺の目は誤魔化せないぜ」
「ただの布きれ」と言い切るマスクの男だが、リッドがまとうのはエルヴンマント。これによる隠れ身を見破るなど至難の業である。
それをマスクの男はやすやすと成し遂げた。少なくとも彼の隠密戦の実力は、侮ることなど出来ない。
「たっぷりと切り刻んでやるぜ…この俺様、クルザンド王統国の『トリプルカイツ』の一角を担う、『幽幻』のカッシェルがな」
カッシェルと名乗りを上げたマスクの男の身は、たちどころに霧のように消え去った。
「くッ…!!」
リッドは身構える。どこから攻撃が来るのか、これでは一手分の先読みでさえ困難な戦いとなる。
運命の悪戯か、奇しくもつい先ほど友を窮地に追いやった敵と、リッドは今や対峙する事になっていたのだ。
【リッド・ハーシェル 生存確認&戦闘開始】
状態:無傷。精神に若干の焦り
所持品:ムメイブレード エルヴンマント
現在位置:B2の森林地帯
行動方針:カッシェルを撃退する
【「幽幻」のカッシェル 生存確認&戦闘開始】
状態:無傷。若干の高揚
所持品:ショートソード アワーグラス
現在位置:B2の森林地帯
行動方針:リッドを抹殺する。形勢によっては撤退も視野に入れる
495 :
不運の男1:2005/11/06(日) 03:55:35 ID:tPYme5gh
よろよろと歩いている者がいる。
皮袋をずるずると引きづり、脱力気味で、どうみても警戒感は皆無だ。
あいつなら大丈夫だ
確実に―――――殺れる。
その者を狙う全身が燃え上がるように赤く、一本足の男、ジェストーナは思った。
背後よりゆっくり近づく。
そして力強く握りしめた獲物、ナイツサーベルを振りかざした。
「ヒャハハハハ!!!死ねー!!!!!」
ザシュッという何かが断ち斬れる音がする。
仕留めたか、と一瞬思ったが、それは皮袋であった。
「はあ〜本当に俺様ついてねえなあ…。ハニー、今日はデートの約束なんてしてないぜ?」
振り返ると、朱色の長髪のその男、ゼロスは言った。
「貴様…いつのまに!!」
「お前がトロいだけなんじゃねえ?」
右手をひらひらさせてゼロスは言う。
ゼロスは破れた皮袋を見た。
「全く…よりにもよって獲物はけん玉かよ…」
がくりと肩を落とす。
この男―――なめくさっている!
ゼロスのどこまでもやる気のない態度はジェストーナの神経を逆なでにした。
「剣もないし、見逃してくれねえ?といいたいが、ハニーはそうでもないみたいだな!!!!」
そういうとゼロスは足下の砂をジェストーナの顔面に投げつけた。
「甘く見てるんじゃねえ!!!!」
ジェストーナはその剛力で力任せサーベルを振り、剣風を起こして砂を払った。
「む!」
ジェストーナなそのまま突進し、ゼロスを右袈裟に斬りつける。
「どひゃ!!」
体を仰け反らせるものの、肩に衝撃が走る。
ジェストーナはそのままゼロスの腹に左拳を叩きつける。
「うぐ…!!」
ゼロスの体はそのまま地面に倒れた。
ジェストーナは胸元をぐい、と持ち上げゼロスの体を地面すれすれまで持ち上げる。
「卑怯じゃねえ?俺様武器もってねえのよ?」
口から血が伝いながらも、引きつった笑みを漏らす。
「ハハハ!!話にならねえな!」
ジェストーナは勝ち誇った笑いで答える。
「ははは。全くだって?
…俺様をなめるな、よっ!!!!」
その刹那、ゼロスは足元にあった皮袋の中のけん玉を蹴り上げた。けん玉はゼロスの右手に渡り、躊躇せずけん玉の尖った先をジェストーナの首に突いた。
「うがはあ!!!」
ジェストーナはゼロスの胸元を掴む手を思わず離す。
「うりゃ!!」
右蹴りをジェストーナの脇腹にお見舞いしジェストーナの体を後方へやるが、斬られた右肩の激痛で地面に手を着く。
「このクソガキがあ!!」
496 :
不運の男2:2005/11/06(日) 04:04:01 ID:tPYme5gh
後方へ倒れそうになりながらもなんとか地面を踏みしめゼロスの左胸をサーベルで突く。
「う…!!」
ゼロスはそのまま地面に倒れた。
心臓には到達していないようだが、突かれた傷が思いの外深い。
右肩の切創も相まって、痺れるような激痛が全身を支配する。
ゼロスは苦笑いしながら呟いた。
「あー…分が悪すぎるわ、コレ。」
流れる血が熱い。
体中がどくどくと鳴き、意識は今にも薄れそうだったがぐっと拳を握って気を奮い立たせる。
ジェストーナは高らかと王者の様に笑った。
「フヒャヒャヒャ!!!だがしかし良くやった方だ。なにせこのオレが相手だからな。いいだろう、とっておきの高位呪文で止めを刺してやる」
ジェストーナは呪文の詠唱を始めた。
大気がざわめき、凄まじい力がジェストーナに集まる。
しかし
ゼロスはにやりと笑った。
「…先程俺様をなめるなって
言ったよなっ!!!!」
「何!!!?」
ゼロスは持てる限りの気力で立ち上がり、地面を蹴ってジェストーナへと一気に間合いを詰めた。
「バカめ!!武器のないお前に何ができる!?もう間に合わん!!エクス――――――――ふぐっ!!!!?」
ゼロスのその手に握られていたもの―――けん玉からちぎれた玉。
ゼロスはそれをジェストーナの大口に突っ込んだのだ。
「はっ!!!」
もう片方の手に握られたけん玉の柄でジェストーナのサーベルを握る手首を強かに打つ。
「むが…!!」
手から放れたサーベルを玉を押し込んだ手で素早く受け取った。
「臭い口から吐いた魔法なぞ喰らうかっ!!!!!!」
497 :
不運な男3:2005/11/06(日) 04:06:40 ID:tPYme5gh
そう言うと同時にジェストーナの喉元を深くかき斬った。
「―――うごァ…!!!!!!」
ジェストーナは気管に血が溢れて思うように声にならぬような声を上げた。
ズウン…と巨体が倒れる。
「…明日からデートの予約でみっちりスケジュールが埋まってるから死ぬわけにはいかないのよ」
脂汗をかき荒い呼吸をしながらゼロスは顔に浴びた返り血を腕で拭った。
ジェストーナは息絶えた。
「…おっと……」
貧血と痛みによろめいてゼロスも倒れる。
「あ〜あ、俺様、超大変…
しばらく回復魔法でもかけて休むか…。全くこんなに痛いってのは夢じゃねえのか。とほほ。」
はあ、と大きく溜息し、安息を求めるかのように波の音を聞いた。
【ゼロス 生存確認】
所持品:壊れたけん玉 ナイツサーベル ???? ????
現在位置:D8海岸
状態:切創 (多少回復したものの重傷)
行動方針:回復するまで待つ
【ジェストーナ死亡】
ちょっとお願いが。
一応マグニス&バルバトスとヒアデスの状態書いてくれないだろうか。
まあヒアデスの方はわざとかもしれないが、マグニス達の方は所持品の欄も変わってるので。
…ヒアデスは今どこにいるんだろう?
初め見たときメルディがネレイドに憑かれたのかな、とか思ってしまった。
ヒアデスはあれはあれで上手いと思った。作者さんGJ
つかアミィ殺害の時点でツインテールだから反応したのかと思ったが、ユアンにも突っ込んで行った辺り完璧壊れてる感が。
……一瞬ツインテールのユアンを想像したなんて事はない。
どじっこだからうっかり間違って一つ結びのところをツインテールにしちゃったんだよ。
眉唾グッズワロス
グリッドに世間知らず方向音痴のカトリーヌにドジッ娘ユアンか…。
元の組織と大差無さそうだな。
あと、アミィの時から忘れられてるけど死亡者が出たら残り人数書こうな。
つ【残り50人】
おお、本当だ
すまん
ちょいと質問
どのキャラもそれぞれの作品のエンディング後の世界からここに集められたの?
それともそういうのは特に決まってない?
なりダン3とかの時のように特に決まってない。
確かその辺はぼかして扱おうとかいう結論になったハズだが
>498
ノーパソをしまっちまったんで携帯からだが…
すまん。チョイ役出演だけどバルバトスは装備がいくつか明らかになってるもんな
ついでだから、彼らの持ち物を全部確定させちまおう
>494に追記
【五聖刃マグニス 生存確認】
状態:TPも回復し無傷
所持品:オーガアクス ピヨチェック
現在位置:B2の森林地帯。リッド・キール・カッシェルらとニアミス
第一行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する
第二行動方針:F4のミミーの起こした煙が気になる
【バルバトス・ゲーティア 生存確認】
状態:TPも回復し無傷
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸4発付き。一射ごとに要再装填) クローナシンボル
現在位置:B2の森林地帯。リッド・キール・カッシェルらとニアミス
第一行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先
第二行動方針:F4のミミーの起こした煙が気になる
マグニスとバルバトスが、ミミーの殺害に興味を持ったようです。
途中誰かが襲いかかって2人を止めに来なきゃ、即VSミミー戦を書きたいんで、2人を止めたい方はSSの投下よろ。
VSミミー戦を書いてくれても嬉しいけど。
507 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/06(日) 11:12:24 ID:XfGKN0AP
普通は全員ED後のはずだろう。
死者は死亡時を基準に。
>マグニスとバルバトスが、ミミーの殺害に興味を持ったようです。
スマソ、水をさすようだがこう言う事は
マグバルに「あの煙が怪しいな」みたいな台詞言わせたりして作中でも表現して欲しかった。
似たような事で言えば、ミミーの第二行動方針も同じ。
作中で描かれてない部分がステータスとかに出てくるとなんか違和感が有るんだ。
(ミントのサンダーマントも当てはまるか)
これは俺の個人的意見だから職人に任せるけど、
これから書く時に職人の皆様には一応頭には入れておいて欲しい。
俺はそんなに気にしねぇけどなぁ・・・
発見があって面白いなぁって事もあるし。
まぁ、結局それは作者のお好みでいいんじゃねぇ?
レスサンクス
よく見れば書いてありましたねorz
行動方針がキャラの性格に合ったものしか出なかったら、あと装備品に違和感を感じていたらバトロワにならないのでは。
508にも書いたけど絶対そうしろとは言わないから判断は職人に任せる。
とりあえず、509のように面白いと思ってる人以外にも、
俺見たく「え?」っと思う奴も居るって事を伝えたかった。
なるほど、その意見は至極まっとうだな。
ただ書き手の一人として言い訳させてもらうと、無理矢理そういう文章を突っ込もうとすると、時には文が「流れ豚切り」になる危険性があるんだ
おまいもいきなり叙情的な風景描写に作者のウンチクモノローグが入るとかしたら、萎えないか?
少なくとも漏れに筆力が不足していることは認めるが、だから時には劇中での補足としてステータス表示をするのには片目ぐらいはつぶって欲しい。
ちなみに漏れが劇中での描写も抜きにマグバルの装備を確定させたのは、ミントのサンダーマントの件みたいな死亡フラグの強引な回避(?)を予防するため
…そんな姑息なことやった日にゃ、漏れがマグバルに煉獄崩爆破とイービルスフィアを食らっちまいそうだしw
まあ、おまいの忠告はしっかり聞かせてもらおう。後ほどの投稿でリカバリーはかけとくわ
さて、次回は予定通りに進めばマグバルは反則ギリギリの技をかますけど、悪役の反則技は物語のスパイスと割り切ってくれると嬉しいw
連投スマソ
上のレスは>508への返答ね
>513
わかった、アイテムの確定やらミミーの行動方針についてはいろいろキリが無くなるからもう何も言わない。
でも、あなたが投下した「一難さってまた一難」の中ではミミーのところへ行く(気になる)というフラグが見当たらなかった。
506でマグバルがミミー(の、煙)が気になる事が明かされたけど
その追記が無かったらもしかすると今頃、マグバルの話は別の方向に進んでたと思う。
次からはチラっと一瞬出てきたキャラでもステータスが書かれるだろうから心配は無さそうだが、俺が一番気になったのはこの事ね。
でももう過ぎた事だし、議論を起こしてしまってスマソ。
これからは暗黙の了解って事で理解するから、もうあれこれ言うのはやめておく。
何度か俺も小説投下させて貰ったし、これでも今後を期待してる一人だから。
職人の皆さん引き続き頑張ってくれ。
マイティ・コングマンといえば、かつてノイシュタット闘技場で無敗神話をうち立て、
鎧のように発達した全身の筋肉を武器に、徒手空拳で魔物をなぎ倒す無頼の拳闘士である。
「……つまり、ちょいと大掛かりなバトルロイヤルってわけか」
支給品袋の確認をしながら、コングマンはつぶやく。
バトルロイヤルという戦闘方式なら、彼も闘技場で幾度も経験したことがある。
闘技場に10人づつ程度の人間と魔物を放ち、最後の一体になるまで戦うという血なまぐさい勝負。
死の危険性が最も高いだけに、最後まで生き残った者には最上級の褒賞と名誉が与えられる。
「森に山、村に城までありやがるし……武器も与えられるわけか」
彼は、袋から出てきた地図を見ながら、袋から一対の籠手を探り当てた。
「ほう、コイツぁ、俺様にぴったりじゃねえか」
取り出した籠手――レアガントレットを岩のような両拳にはめる。
立ち上がり、数度彼のコブシが空を斬る。
拳闘具(ナックル)ほどの一体感はないが、彼の技を阻害するほどではなさそうだ。
次に彼は、手近な木を殴ってみた。
一回…二回…三回殴る。手に伝わるダメージも、素手よりは大分少ない。
「よし。……さて、戦うなら……強い奴だな」
参加者の中から、彼は天性の嗅覚ともいうべきもので、紛れ込んでいる強者の存在を感じ取っていた。
久しぶりに本気の戦いが出来るかもしれない。
そう思うと、武者震いがした。
彼は行動を始めていた。急がなければ、強者たちは既に戦いをおっぱじめてるかもしれない。
気の向くままに、歩み始めたその時。
ズゥゥゥン!!!
彼の背中で、大きな音がした。
振り向くと、先程試しで殴った木が根元から倒れていた。
少し力を入れすぎたか。彼は笑みを浮かべ、そして自信満々に言い放った。
「俺様がチャンピオンよ!!」
【コングマン
状態:健康
所持品:レアガントレット ???
行動方針:とにかく強い奴と戦う
現在地:F7の森西部】
「畜生、何故俺様がこんなくだらんゲームに参加しなきゃならねぇんだ…」
そう呟きながら隆々とした肢体を持つ巨漢の男は獣道を掻き分けて進んでいた。
どうやら森のど真ん中に飛ばされてしまったようだ。
彼は支給品袋に眼をやると大きな溜息をついた。
それは各人にランダムで与えられるアイテムのうち、彼が受け取った袋に入っていたものが
「金色に輝くフライパン」「巾着袋」「可愛らしい肉球のついた靴」だったからだ。
フライパンは武器としてつかえない事も無いが、生憎彼は己の拳を用いて戦う事を信念としていた
あと二つの支給品(特に肉球つきのくつ)に対しては…
「俺様がこんなもん着けることができるか!」……だった
「たく…銃を支給された女も居るってのに、何で俺様にはこんなショボイもんしか回ってこねぇんだ」
(彼の言う女とは、"しいな"の事である。どうやら彼女が発砲している所を影から見ていたようだが
幸か不幸か、彼女は他の不信な人物を追っていき自分には気付かずに去って行った。)
そうぼやくと、再び支給品に眼をやり大きな溜息をつくのだった。
「ええい!いつまでもぼやいててもしょうがねぇ。俺の武器はこの拳一つ、それでいいじゃねぇか
そして邪魔する奴はみんな力で捻じ伏せる。そう!それ俺様、四星のトーマよ!!」
どこか自分に言い聞かせるように言っているように聞こえないでも無いが、それはおいておく
「そうと決まったら、まずはこれからどうするかを決め…」
威勢良く決めようとしたが、それは彼自身の腹の虫の声によって阻まれる。
「…まずはメシだな。これからどうするかはそれから決めるか。」
食事の事を考え始めると、何処からともなく空の鼻をくすぐるいい匂いが漂ってくる事に気付いた。
空腹のため思考能力が低下していた、トーマは本能のままにその方向へ向かってみることにした。
…暫く歩くと、そこにはコック帽を被ったヒューマの少女が居た。
どうやら、このいい匂いは彼女の作った料理からしているようだった。
トーマは考えた、『力ずくで奪い取るか?』
しかし、無い頭で考えた彼の考えも虚しく、次の瞬間には少女に自分の存在を気付かれてしまった。
「そこにいるのは誰パン?」
トーマは驚いた、何故自分に気付いたのだろうか、と
しかし今は、現状を誤魔化すのが最善と考えた彼は…
「い、いや、いい匂いがしてたもんでな。よかったら、メシを食わせてもらえねぇか?」
とその場を繕おうとした。普段の彼の性格、及び風貌からは考えられ無い口調に
彼を知るものや他の参加者達なら如何にも怪しいと勘ぐるところだが、そこはミミーブレッド
さっき開いたばかりの支店一号店に最初のお客が訪れたのだと考えた彼女は
「いらっしゃいパン!アナタは最初のお客様パン。大サービスするパンよ!!」
さすがのトーマにも、彼女の突拍子も無い発言には「・・・」だったが、ここは素直に御馳走になる事にした。
「あぁ、ありがとよ。だが金持ってねえんだが…」
トーマが言いかけるとミミーは
「開店記念パン!本日限りすべてのパンを無料で提供するパン!」
その言葉にトーマは喜んだが、こんな小娘から"タダで"というのはどうも抵抗があった、そこで…
「ありがとうよ、だが、タダで御馳走になってのは四星としてのプライドが許さねぇ
お礼といっちゃ何だがこれを受け取ってくれ」
そういうとトーマは、自分に支給されたアイテムをすべて差し出した。
「…本当に貰っていいパンか?」
ミミーがそう尋ねるとトーマは
「あぁ、あんたは料理人のようだからな。フライパンなんてぴったりだろ。
それに…お前は俺がこんな靴をはいている所が想像できるか?」
ミミーはこの巨漢の男がこの可愛らしい靴を想像し……ようとして止めた。
「素直に貰っておくパン。その代わりといっては何だパンが、これからパンが必要になったら
いつでも言ってくれだパン。沢山サービスしてあげるパン♪」
屈託の無い顔にトーマは
「あぁ、ありがとよ…」
と素直に礼を言った。…彼が心底嫌っているヒューマなのにだ。
この時、彼の心の底に彼女に対する特別な感情が芽生えたのには誰も気付く由は無かった…
【ミミー 生存確認】
所持品:ウィングパック×2 イクストリーム
金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ(全てトーマから貰った)
現在位置:F4の森林地帯の河に最も近い辺り
状態:無傷。ハイテンション
第一行動方針:自分の作ったパンをみんなに食べてもらう
第ニ行動方針:パンを馬鹿にするものの排除
【四星トーマ 生存確認】
所持品:なし(全てミミーに譲った)
現在位置:F4の森林地帯の河に最も近い辺り
状態:無傷。
行動方針:パンを食う
>>499 髪の色に反応したのではないだろうか。
紫(メルディ)、青(アミィ)、水色(ユアン)
どんどん見境なくなってきてるから分からなくなってる可能性もあるかも。
状態は精神崩壊とかじゃないかな、ヒアデス。
>>520 髪色か。成る程。
読む人によって色々考え方あって面白いな。
まぁメルディ以外も危ない事には変わりないか。
>>501 おまいさん、それだとコレットになってしまうぞw
又は森川ボイスなのに女の子w
522 :
武器:2005/11/06(日) 15:38:36 ID:eVfxL5W8
「砂漠は、どうやらここだけのようだな」
褐色の肌をした女戦士マリー・エージェントは、手近な岩の上で地図を広げていた。
現在彼女がいる砂漠はそれほど広くなく、遠目には森も見える。
だが、無駄な体力の消耗を避けるためにも手早くここから離れるべきだろう。
「東に川、南西に城か……まずは水場の確保だな」
支給された水は、1日ぶんといったところか。だが戦闘を考えるともう少し早く尽きるかもしれない。
人間の身体は食料よりも、なによりも水が欠かせない。
水場の確保が戦いの大勢を決めることもある。彼女の歴戦の経験が、それを教えていた。
行き先が決まれば、後はそこを目指すだけ。驚くほど手早く荷物をまとめ、彼女は歩き始める。
「……ルーティのことも心配だが、彼女なら…どうにか生き延びそうだな」
水場を目指して進む彼女は歩きながら、彼女の相方であるルーティ・カトレットのことを考えた。
この戦いが人間同士のものならば、ルーティの話術はきっと彼女が生き延びるための最大の武器になっているだろう。
「私は、武器になりそうなものはこれしかないからな」
槍の持ち方で携える、木製の棒ハヌマンシャフトを眺め、苦笑する。
自分のような奴を見つけて、ルーティはきっと生き残っているに違いない。
身近なものには非常に現実的な反面、彼女は縁遠いものに対しては楽天的な考え方であった。
【マリー
状態:無傷
所持品:ハヌマンシャフト その他不明
行動方針:まずは生きるために動く
現在地:E4砂漠】
>513
絡むようで申し訳ないが、弁明するのは結構だが他の書き手さんのを「卑怯」とかいうのやめなされ。
お前の言い分に沿った言い方をすればあのアイテム欄の追加の仕方は十分にアリになるし、俺的にもありだと思う。
仮によくないとしてもその言い方は気分がよくない。
お前の文の書き方からなんとなくどの雑談を書いてきたやつか想像つくが(違っていたら悪いが)、もうちょっと言い方を考えた方がいい。
ここの住民は優しいので絡んだりはしないと思うが、あくまで親切心として言っておく。気をつけれ。
524 :
燃えるマナ1:2005/11/06(日) 19:03:44 ID:tPYme5gh
鬱蒼とした森の中、木のうろに身を隠す二人の女性とその近くに男が立っていた。
万華鏡の様に折り重なり浅葱に輝く木漏れ日が美しいが、男はそんなことに情緒的になるわけではなく、警戒した様子で周囲を伺っていた。
マーテルの膝の上で気を失っている、少女の容態が大分持ち直した頃だった。
「…私は周りの様子を見てこよう」
マントに身を包んだ長身の男ーーダオスは言った。
近くに敵の気配はないものの、油断は禁物だった。
この会場が広いとはいえ、五十人をも越えた参加者がいる。
中にはとてつもなく邪悪な者もいる。
(尤も彼もその中の一員かもしれないが)
「気を付けて下さいね」
「ああ」
事前にマーテルには英雄とまで言われた弟がいることを告げられている。
マーテルはなんとしても守りたい所だが、自分に怨恨を持つ者も存在する。
彼は強い。
だからこそ戦闘狂を引き寄せてしまう危惧もある。
よく考えれば彼といるのは危険とも言えた。
奇跡的にその弟と対峙できればマーテルを預けてはどうかということも薄々は考えていた。
英雄とも言われた少年だ。きっとマーテルを守り通せるかもしれない。
ダオスは歩き出した。
ダオスがその場を離れて暫くした所でようやく少女が眼を醒ました。
「…きゃ!!」
いきなり見ず知らずの女性の膝の上に寝ていたことに驚きの声を上げる。
「大丈夫?」
マーテルは優しくその少女に呼びかけた。
「…敵らしき気配はない、か」
二人にそう離れては居ない場所をダオスはぐるりと見渡す。
しかしその時だった。
背後に感じるいきなり殺気にも満ちた気配にダオスは振り返った。
それと同時に火の玉が彼めがけて突っ込む。
「ふん!!!」
しかしダオスは易々とその火の玉を片手で払いのけた。
「姉さんはどこだ!!!」
そこには金のロングヘアーの白い衣を纏った少年が怒気を露わにしながら立っていた。
「そう、あなたはシャーリィちゃんって言うの」
「ええ、助けて下さってありがとうございます」
シャーリーはぺこりと頭を下げた。
「本当に…バトルロワイヤル始まってしまったんですね…」
「ええ、悲しいことだけれど…」
二人は俯いた。
「お兄ちゃんが心配…」
「あなたにもご兄妹がいるのね」
「マーテルさんもですか?」
「ええ、弟がいるのよ」
マーテルは悲しそうに天を仰いだ。
変わらずに木々の合間から降り注ぐ光が皮肉的だった。
525 :
燃えるマナ2:2005/11/06(日) 19:09:01 ID:tPYme5gh
「弟さん…どんな人なんですか?」
「そうね…とても優しい子よ。だけど…」
「だけど?」
シャーリーが顔をのぞき込む。
「すごく繊細な所があるから…。私がここにいるとなると、ちゃんと気を確かにもってくれるのかどうか…心配だわ」
マーテルの予感は的中していた。
ダオスの腕がちりちりと痛む。
本来ならファイアーボールなど簡単に回避できるのだが、それができなかった。
少年は手にしたロングソードですかさず斬り掛かる。
早い。
バックステップで紙一重で回避するが鋭い剣閃がダオスの乱れた金糸を掠める。
しかし少年の猛撃は止まる事を知らず、裏拳を放つかのように足首を回転させ上半身を捻り、水平に凪ぎ払う。
ダオスは腕を垂直に振るって、剣を弾く。
すると次は剣を振りながらも詠唱をしていたのか、風の刃が渦になって襲いかかる。
「…はあ!!」
ダオスは一気に闘気を放出し、なんと大気を歪ませ風の刃をきりもみにし、威力を失速させた。
「うわあ!」
少年も吹き飛ばされ、地面に背中から倒れる。
ふう、と一呼吸おいてダオスは少年に近寄った。
その様子を木の頂から見ていた者が居る。
「フフ、なる程…少しかき乱してやりましょうかね」
邪悪な笑みを浮かべると、その者は煙幕と共に消えた。
「なかなかいい筋だが…貴様では私を倒すことはまだまだ出来ぬ」
くっ、と少年が歯を噛みしめ、まだ闘争心の消えぬしかし牢籠とした様子でダオスを睨み付ける。
この眼には見覚えがある。
あの剣士の―――
「まずは話を聞かせてもらおうか」
ダオスは少年に手をかざしたまま、問う。
「姉さんのマナを近くに感じるんだ。お前からも姉さんのマナの香りが微かにする。
まさかお前が姉さんを手に掛けたんじゃないだろうな」
男は嘆息した。
「…早とちりもいいところだな」
ダオスはかざした手を下げた。
しかしダオスは魔王として畏怖されてきた者だ。少年がそう思ってしまうのも無理はない。
「マーテルとは確かに共に行動している。ついてこい」
そう言うとマーテルのいた場所へダオスは歩み出した。
「本当!?」
今の今まで殺意に満ちていた少年の顔がぱっと明るくなる。
少年は、はっと眼を伏せて言った。
「あの…本当にごめんなさい」
素直に謝り、先程の様子からは想像がつかぬ程の無垢な少年の顔になる。
そしてダオスの後をついていった。
526 :
燃えるマナ3:2005/11/06(日) 19:17:37 ID:tPYme5gh
その場所に着くと二人は眼を見開いた。
「マーテルさんが…マーテルさんが…」
涙目で震え、取り乱す少女。
その側には…
血に塗れたマーテルの姿。
少年は一瞬硬直しひゅう、と喉をならすと夢中でその場に駆け寄った。
「姉さん!!!姉さん!!!!姉さん!!!!!」
不覚をとった。
油断の出来ぬ少年との戦いの中、マーテルは何者かに襲撃されたのだ。
しかしそれでも本来ならばダオスなら気づく筈だ。ここまで気配を消すとは―――相当の隠密能力に長けた手練だ。
ダオスは己の失態に拳を握りしめた。
マーテルの側で膝を着きながら、振り向かずに少年は言う。
沸々と怒りを煮えたぎらせて。
「…やっぱりお前がやったんだな」
「……」
「…そうなのか?」
「……」
ダオスは無言だった。
己の不徳による事態と考え、弁明はしなかった。
いや、仮にしたとしてもこの少年には分からないだろう。
何より、守ることの出来なかった矮小な自身を責めた。
「お願い、聞いて!!」
「黙れ!!!」
シャーリィの言葉も耳には届かなかった。
ダオスは袋からアイテムを取り出し、ぽん、と地面に投げた。
エリクシールだった。
「まだ息がある。これを飲ませるがいい。
だがその代わりに姉はお前が守れ。…必ずだ」
少年はわああ!!と嘆いてマーテルの側で涙をこぼした。
その様子を見て、ダオスは身を翻し、深い森の中に消えた。
その眼は何者にも比類しないほどに鋭く、熱く、そして冷たさに満ちていた。
527 :
燃えるマナ4:2005/11/06(日) 19:19:35 ID:tPYme5gh
ダオスから放たれる怒りに震えたマナが木々をざわめかせる。
「…後悔するがいい…愚か者よ」
目的はひとつ―――――
手を下した者をこの手で残酷に葬ることだった。
【ダオス 生存確認】
所持品:エメラルドリング
現在位置:B7の森林地帯深く
状態:多少MP消費 怒り
行動方針:マーテルを傷つけた者を何としても見つけだし殺害する
【ミトス 生存確認】
所持品:ロングソード ???
現在位置:B7の森林地帯
状態:多少MP消費 擦り傷 怒り
行動方針:マーテルを守る
ダオスを殺す
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:B7の森林地帯
状態:重傷
行動方針:???
【シャーリィ 生存確認】
所持品:????
現在位置:B7の森林地帯
状態:混乱
行動方針:なんとかミトスを正気にして誤解を解く
【ソロン 生存確認】
所持品:???
現在位置:???
状態:悦楽
行動方針:周りをかき乱し、傍観して楽しむ
ジェイの監視
殺せ」
そう言って、ミクトランは一振りの剣を少年へと差し出した。
「私からのほんのプレゼントだ。おまえがこの舞台で運命の邂逅を
果たした時に、それがないと楽しみが一つ減るのでな」
少年は、鋭い目つきでじっとミクトランを見つめている。
「おまえにとって大切な人間も、このゲームに参加しているぞ」
不適な笑みを浮かべながら放ったミクトランの一言に、少年の表情が一変する。
しばしの逡巡の後、その手には差し出された剣が握られていた。
「殺せ。このゲームに参加した全ての人間を」
念を押すように告げると、ミクトランの姿は闇へと消えた。
「坊ちゃん?」
その呼びかけに、整った顔立ちの少年は、閉じていた両の目をゆっくりと開ける。
最初に飛ばされた空間で行われた、ミクトランとのやり取り。
“運命の邂逅” “大切な人”
二つのキーワードが、頭の中を駆け巡る。
自らの命を、運命を、再度あの男に弄ばれるのか…
忌々しく思いながらも、自分には選択の余地などないことを少年は理解していた。
「マリアン…」
彼女はどう思うのだろう。この手を血に染める自分を許してくれるだろうか。
想い人の顔を浮かべながら、再び瞼をを閉じる。
彼女を守るためならば、この身にあといくつ罪を重ねようとかまわない。
2度目の魔法陣をくぐる際の決意を心の中で反芻し、少年は立ち上がった。
“運命の邂逅”と呼べるものがあるのならば、それはマリアンと生きて再び出会えることだ。
たとえ、ミクトランの手のひらで踊る傀儡でもかまうものか。
3度与えられた時間の流れの中で、3度傀儡として生きるだけのこと。
(殺せ。このゲームに参加した全ての人間を)
言われずともやってやるさ。
去来するミクトランの影を振り払いながら、少年は足早に歩を進める。
意思を持つ剣ソーディアン“シャルティエ”とともに。
しかし彼は知らない。このゲームにもう一人の自分が参加していることを…
【リオン=マグナス 生存確認】
状態:無傷
現在地C6山岳地帯
所持品シャルティエ(これ以外に所持品はありません)
第一行動方針 ゲーム参加者の殺害
第二行動方針 マリアンとの再会
ところでまとめサイトとか作るべきなのだろうか。
書き手さんが書いた小説まとめたり
自分は携帯なので他力本願になってしまうが…
まだ早いか?
大体出揃ってきたしそろそろ欲しいよな。
ただ漏れも無理なので神求む
デザイン駄目でもいいならできるけど・・・俺でいいなら・・・。
心のそこからたのんます
じゃー頑張ってみます。期待せずに待っててくださいませ。
あ、何かこうしてほしいっていうのあったらお願いします
自分ひとりで作っても可笑しくなるかもしれませんので
神よ、頑張れ。
>>535 とりあえず現行スレへのリンクと投下された小説のうp、
ルールやマップ等の紹介などで良いんじゃないか?
とりあえずそれらができたら皆で提案出せばいいと思う。
頑張ってくれ!
>>535 このスレの中で「まとめサイトができるならこうして欲しい」みたいなのがいくつかあったから
それには答えてくれると助かるな
>>346とか
>>420とか
>>429とか他いろいろ
がんがってくれ
539 :
失われた英雄:2005/11/06(日) 23:15:46 ID:eVfxL5W8
エドワード・D・モリスン。
かつてアセリアの地球で起きた戦い、ダオス戦役の最も重要な鍵を握る者。
アセリア暦4202年に彼はダオスを追い詰めるも、ダオスが持つ時空転移能力により未来世界へと取り逃がす。
それがアセリアの地球が刻む『正史』であるかどうかを知るものはいない……
エドワードにとって、今回の戦いは全てが驚きであった。
未来世界へと取り逃がしてしまった魔王ダオスが、自分と同じ時を歩んでいる。
しかも、この世界ではどうやら時間を跳躍することが出来ないようだ。
これは、エドワード自身未熟ながら時空転移の基本概念を完成させていたことが功を奏した。
短距離の空間移動。時間跳躍と同概念で為される移動術をこの世界のマナは阻害した。
そこからエドワードは、この世界のマナでは時間跳躍は行えないと結論付けた。
そしてそれは同時に、奴の時空転移を封じた、と言うことが出来るだろう。
まさに好機。いま奴を倒せば、もしかしたら子孫にこの責務を負わさずに済むかもしれない。
エドワードは、ひとつの目的と共に、歩き始める。
今こそ、魔王ダオスを倒す。
ただひとつの思いを静かに燃やして……
【エドワード・D・モリスン
状態:無傷
所持品:品数、その他不明
行動方針:ダオスを倒す
現在地:不明瞭】
空気読まない投下失礼。まとめサイト作成頑張ってください。
ところで、居場所不明瞭とか、そういうのはアリなんだろうか?
モリスンの決意を書いてたら場所を記入する流れにならなかった。
手間がかかるが、自分としては普通に小説を整理する以外に
キャラごとに関わった話を分けてほしい。
それぞれのキャラの物語を抜粋してまとめてみたらどうだろう
キャラの初めから通した動向が一目でわかるので、あれば大変便利だと思う。
あと、地図と、もう一つキャラ分布図の地図がほしいかな
一番いいのはホームページへのログインを解放して、書き手が投下ごとに自由に更新出来るというのが望ましいが(管理者だけだと負担が多いため)
それだと携帯でもアクセスできるようなものでなければいけないし、うっかり荒らしが現れてホムペ削除されたら大変だからなあ…
と
提案してみた。
サイト大変だろうが超ガンガレ
修正作品貼り付け掲示板みたいなのが欲しい。
細部修正したいってなった時に
いちいちこっちのスレに張ってたら煩雑になりそうだから
>542
お、それ良いな。
投下した奴に誤字が有ったからそれは助かるかも…。
今のところ出てないのは
チェスたん、ジョニすけ、
マリ姉さん、ファーちゃん、
メルメル、ロ兄ぃ、
ジニ坊、それとポプラっちか…
そういえば、時間の経過って作品内でどうやって表現するの?
今の状態だと制限時間192時間中、1時間も経過してないのに死者が四人、重体が五人ってことになるケド…
マリーは出たぞ。時間の経過はよくわからんけど・・・。
適当だろ
普通のキャラは3〜4話
人気あるキャラは5〜6話くらいで半日くらい経過するでしょ
投下ペースいいし。雑談専用スレホシス。
それは置いといて一つ質問させてください。
禁止エリアの設定は序章にあるから一定時間ごとに定時放送があるとして
作品中の時間をどう設定するの?
作品【燃えるマナ】のソロン(前回登場位置はG3→今回はB7最終的には??だけど)
かなり遠い距離移動してるよな。
これはソロンがとる事のできるもっとも早い移動手段を
とったと仮定して(G3→B7移動の描写がないから)
ソロンが登場する作品ではソロンが移動に費やした時間分流れてるから、仮に午後4時として
その他のエリアではまだ午後1〜2時てこともあるって解釈でいいんか?
定時放送入り作品が投下された時にあるエリアでは時間が進んでるけど
別のエリアでは戦闘に入った瞬間から作品投下なくて時間が止まってる
ってことが起こる可能性があるんだが
そこまで完璧なもん求めなくてもいいじゃんっていう考えが総意
ならスルーしてくださいまし。
てーかWikiで良くね?>まとめ
>547
おお
それを書いた者だが、ソロンは煙幕ドロンができるので、全キャラで唯一わりとテレポみたいに反則的に長距離移動できると思ったことの上なのだが、どうだろう。
神出鬼没な感じで。
だから次もどこに現れるかわからんから現在地も???にした
ヤバかったか?
ひとつ提案なのだが、凝り固まった時間の概念をいっそのことなくしてみたらどうだろう。
だけどキャラの移動距離は不自然ではない程度に進めて、そんなかんじで。
朝昼夕の表現も、作品内でその記述があれば、ああ今そんな時間なのね、程度の考えで。
定時放送は誰かが適当に様子(死亡数とか)見て、啖呵を切る。
かなり大ざっぱな考えスマソ
雑談スレ欲しいね。
煙幕ドロンでもさすがに長距離を一瞬で移動というのはさすがにやめてほしいかな。
現在地???は構わない。その前にいたところが書かれてあれば。
ただ、乱用は避けような。???ばっかりになって全員の位置が不明瞭になってしまうと困る。
具体的な時間経過は書かなくてもいいとは思うけれど、矛盾は起こさないようにしてほしい。
見上げれば、真っ青な空がどこまでも広がっている。
とても爽やかで、暖かくて、気持ちがいい。
だというのに、彼女の気分はそんな空模様とは似ても似つかぬものだった。
まだ少女といえる年齢の彼女は、草原を歩いていた。
肩を怒らせて歩く彼女の髪を風が揺らしていく。短く切られたダークグリーンの髪が頬をくすぐるが、気にも留めず彼女は歩く。
「殺し合いをさせるなんて、許せないよ。人の命をなんだと思ってるの」
ぶつぶつ呟きながら彼女は歩みを進める。
「やめさせなきゃ。こんなの、絶対」
長いスカートをなびかせ、彼女はひたすら歩き続ける。すると、小高い丘が見えてきた。
草原の柔らかい感触を靴越しに感じつつ、彼女は真っ直ぐそこへ向かっていく。
その途中で、彼女は初めて足を止める。
丘のほうから男の声が聞こえてきたからだ。彼女は警戒する。ゲームに乗った人間が少ないとはいえない。
現に、一人殺されていた。主催者ではなく、同じ参加者の手で。そのため、不用意に近づくのは危険だと判断した。
風に乗って聞こえてくる声に耳を傾ける。聞こえてくる声は一人分だ。
その声はリズムを刻み、空気を渡って彼女のもとへと届く。それは、会話や怒声ではない。まるで。
「歌……?」
そう。歌のように聞こえた。彼女はそれに惹かれるように、小走りで丘のほうへと向かった。
丘の端に腰を下ろし、一人の青年が歌声を響かせている。隣にザックを置き、朗々と歌を唄う。
巨大な羽飾りが特徴的な帽子に、赤を基調とした服を纏っている。歌といい、服装といい、ひたすら目立っている。
その姿は、ゲームに乗った者にとっては的にしかならない。だが、彼は気にせず歌い続ける。
島全てに声を響かせるように。殺戮ゲームの参加者に、主催者に届かせるように。
風に乗って、空気を泳いで、人々の心を動かそうとするように。
「あの……」
そして歌声は、一人の観客を呼ぶ。後ろからの声に青年が振り返る。そこにいたのはダークグリーンの髪をした少女だった。
少女と青年は、向かい合って座っていた。青年はにっこりと微笑むと、口を開く。
「俺はジョニー=シデン。人呼んで蒼天の稲妻たぁ、俺のことさ」
「私はファラです。ファラ=エルステッド」
ファラはつられて名乗り、ぺこりと会釈する。
互いに自己紹介を終えると、ジョニーは満足そうにうんうんと頷く。
「せっかくのお客さんだ。一曲歌うかぁ」
ジョニーはそう言うと立ち上がりかける。ファラは慌ててそれを制止する。
「あの、ジョニーさん」
「ん?」
「ジョニーさんもこのゲームに参加させられた人、ですよね?」
あまりにもこの状況に似つかわしくない彼に、ファラは思わず尋ねてしまう。
「おう、そうだぜ。大変なことになったよな」
腕を組み、そう言うジョニーの声はあくまで軽く、あまり大変そうには聞こえない。
ファラはそんなジョニーに疑問をぶつける。先ほどからずっと思っていた疑問を。
「それなのに、どうして歌を唄っていたんですか?」
「こんな状況、だからさ」
ジョニーの笑みが、少しだけ愁いを帯びて歪む。真面目な口調になり、
「俺は臆病者だからな。死ぬのは怖いし、誰かを殺すのも怖い。いや、誰だって死ぬのは怖いんだろうな」
風が優しく吹き、丘の上の草を揺らす。ジョニーは目を細めてそれを眺め、言葉を紡ぎ続ける。
「それだけじゃない。誰かが死ねば、悲しむ人は必ず出てくるもんだ。だから俺は歌うのさ。
殺し合いをやめさせるために。無駄な悲しみを生み出さないために、な」
そこまで言うと、ジョニーは愁いを消し、表情を純粋な微笑みに戻す。
「それにこうやって唄っていれば、俺に戦意がないってのを伝えられるだろ?」
ジョニーの言葉に、ファラは頷く。ジョニーの声は、言葉は、ウソにはとても思えなかった。
こうやって、殺し合いを望んでいない人がいることにファラは嬉しさと心強さを感じる。
「私も同じ考えです。殺し合いなんて絶対に止めさせたいと思ってます」
その言葉は力強い。ジョニーは嬉しそうに首を縦に振る。
「よっし。ここで会ったのも何かの縁だ。一緒に行動しないか?」
言い、彼は右手を差し出す。ジョニーの申し出を断る理由などファラにはない。だから、ファラは差し出された手を握り返した。
「よろしくお願いしますね」
「こっちこそな。それと、敬語じゃなくていいぜ。名前も呼び捨てでいいしな」
「あ、うん。分かったよ、ジョニー」
「さて、そうと決まればこれからどうするかだな」
ジョニーはザックの中から名簿と地図を取り出す。ファラも同じものを取り出し、名簿のいくつかをジョニーに見せる。
「私の仲間もゲームに参加させられてる。心配だし、探したいの」
するとジョニーも同じように、いくつかの名簿をファラに見せる。
「実は俺も仲間がいるんだ。それじゃ、とりあえずお互いの仲間との合流を目的にするかな」
お互いに目を合わせ、頷きあう。
ファラは思う。大丈夫だ、と。自分の仲間と、ジョニーの仲間が集まれば結構な人数となる。
きっと他にも、殺し合いを望んでいない人は多くいるはずだ。そんな人がみんなで集まって協力すれば、きっと何とかできる。
「うん、イケるイケるっ」
ファラは高く手を掲げる。希望を掴み取るように。
【ファラ 生存確認
所持品:数、内容不明
現在位置:D-2の丘の上
第一行動方針:仲間との合流
最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ジョニー 生存確認
所持品:数、内容不明
現在位置:D-2の丘の上
第一行動方針:仲間との合流
最終行動方針:ゲームからの脱出】
毎日進むのが楽しみで仕方ない。あぁ、ワクワク。
勢いのあるスレだな、テラスゴスw
ワクテカワクテカ
和やかな森。小鳥のさえずる美しい声も聞こえてくる。
キャンプやピクニックをやるとするなら正に絶好の日和だろう。
何の気なしに倒れこみ、空と森と鳥達の織り成す幻想的な雰囲気に酔いしれるのもいいだろう。
静かに目を閉じ、ゆったりとした時の流れに身をゆだねるのもいい。
だが、そうは出来ない。出来るはずが無い。
この殺戮の部隊と化した絶海の孤島では、そんなことをする者は
自殺志願者を除いて居るはずが無い。
・・・・はずなのだが。
「ぐっ・・・・・・あの・・・雷娘・・・」
一人の男がうつぶせに倒れこんでいる。森のど真ん中で。
ボサボサの赤髪に、片目を覆う眼帯。上半身裸のその男・・・モーゼス・シャンドルは倒れていた。
彼は自殺志願者だろうか。いや、そんなことは無いだろう。だったら試合前に首コキャしてもらった方が早い。
全身の筋肉をピクピクさせながら、両腕を支えにして腰を浮かせつつ
背中を反らせながら必死な形相で体を起こそうとしている。
彼の仲間の一人に言わせれば 「モーゼスさん、新手の筋トレですか?」 とでも言っただろう。
「ふんぎぃぎぎぎ・・・・ヒョオッ!」
勢いを付け一気に立ち上がった。
そして辺りを見渡し、がなるように言った。
「あの雷娘・・・どぉこ行きよった!」
しかし目的の人物の姿は見当たらない。当たり前だ。何分経ったと思ってるんだ。
そして彼はどれくらい痺れていただろうと思った。
数十分前にピンク色の髪をした少女に痺れさせられた上にダークボトルまでふっかけられてしまった。
動けない間に魔物が襲ってきたらどうしようかと内心不安だったが、結局魔物は襲いかかって来なかった。
「おらんのか・・・」
一人つぶやき、空を見上げた。
「どうするかの、これから」
まだ少し体に痺れは残っているが、グズグズしてもいられない。
しかしいざ動き出そうとすると、自分がどこに行くべきか分かっていない自分がいる。
とにかく生き残ると決めたとはいえ、流石に一人では心もたない。
まずは仲間達と─セネル、ジェイ、シャーリィといった─合流するのが先決だ。
しかしだからといってどこに行けば合流できるのか。
「・・・・・・・」
頭がこんがらがってきた。細かいことを考えるのは止めて、とりあえず歩こう。
558 :
2:2005/11/08(火) 00:52:47 ID:HB7ROkID
五分は歩いただろうか。ようやく森の出口が見えてきた時──
「うぉっ!!」
モーゼス目掛けて棒状の何かが飛んできた。
片足を上げて避け、すぐにそれが木製の矢だと分かった後、続けざまに四発来た。
体を大きく反らせ、バック転をしてかわす。地面に杭が四つ立った。
「誰じゃ!!」
彼は吼えると、今しがた自分を襲った矢を引っこ抜き、矢が飛んできた方向へ投げた。
すかさず動きがあった。茂みが揺れ、男が飛び出した。
モーゼスは男を見た。髪を後ろに撫で付け、一部の髪が特徴的に前に飛び出している。
一目で自家製と分かる(だが完成度は下手な武器屋の物より格段にいい)木製の弓と、
これも自分で削って作ったのだろう、木矢の束を背中にくくりつけている。
「何さらすんじゃい!」
距離、五、六メートルといったところか。モーゼスは男と対峙した。
「隠そうともしない邪悪な気配をたどって来てみれば・・・」
男が喋った。その瞬間モーゼスは思い出した。あの少女だ。アイツがやったダークボトルか・・・。
クソが。彼は内心そう思った。
「ええか、よう聞け。ワイは・・・」
彼の言葉は続かなかった。男が弓矢を構え、再び射ってきた。
咄嗟に横っ飛びをする。
男がまた撃つ。
転がる。
三たび撃つ。
両手を地面に打ちつけ跳ね飛ぶ。
男はいつの間にか距離を取っていた。
「ちょ、ちょっと待てぃ!話を聞けや!!」
「悪いが、俺はもうこれに乗ると決めた」
そう喋る男の声はひどく不安定で、冷たく感じられた。
「なんじゃと!?」
モーゼスは背中のランスに手をかけ、男の足元目掛けて投げた。
男はたじろぐことなく軽く跳躍してかわすと、手早く矢を三連射してきた。
それを木の後ろに隠れてやり過ごす。
しばらくの後、顔を出し反撃に出ようとする。
が、そこで彼は自分に支給されたランスが一本だったことに気付く。
動揺してる内に男を一瞬見失った。
猛烈に嫌な予感がした。彼はほとんど本能でその場から離れた。途端に彼が居た場所に矢が連続して突き刺さった。
そのまま彼は地面に乱雑して立っている矢を拾いにかかった。
刹那、右脚に激痛が走った。目をやると、右ふくらはぎに木矢が突き刺さっている。
痛みに顔をしかめながらも、男の位置を確認すると手当たり次第に矢を拾っては男に投げた。
男も油断無く攻撃を避け続けた。モーゼスの正確な投げに驚いているかもしれなかった。
男が矢を放つ。モーゼスが投げ返す。また放つ。返す。
群立している木々に邪魔されながら、二人の撃ちあいは熾烈になっていった。
そうしてしばらくの後、モーゼスは勝利を確信した。
男もそのことに気付いたようだ。
559 :
3:2005/11/08(火) 00:53:35 ID:HB7ROkID
「弾切れのようやな!」
モーゼスが叫んだ。男が背中に仕込んでいる木矢は、全て尽きていた。
そして彼は回収した矢を全て手に取ると、まとめて上空に投げた。
少し腕が痺れた。少女にやられたのがまだ残っているのか。
「震天!」
続けてそう叫んだ。最も、本来彼が使う、一本の槍が分裂して降るそれとは少し違うようだが。
同時に、矢がばらけて一気に男の頭上に降っていった。
男は一瞬驚愕した。しかしすぐに表情を戻すと、矢を持たずに弓を構えた。
「屠龍!!」
そして放った。紅い光線が幾重にも飛び出し、矢を全て撃ち落した。
「な・・・!?」
驚きのあまり、男がモーゼスと同じように矢を拾っていることに気付くのが一瞬遅れた。
「くっ!」
彼は急ぎ走った。右足が異常に痛む。感覚が麻痺してきている。
彼のすぐ足元に矢が刺さった。だが彼は見向きもしない。目指すものは一つだった。
「・・・!」
男が気付いた。モーゼスは先程投げた己の槍を拾いに行っていた。
あと少し。モーゼスは必死に走った。あと十メートル・・・五・・・一・・・
左手を伸ばして取ろうとする。だが次の瞬間左手が貫かれた。血が流れる。
彼は歯を食いしばり右手を出した。そして握った。彼の獲物を。
振り向くと、こちらを向き、弓矢を構え、正に男が最後の一撃を放とうとしている所だった。
モーゼスは右手を反らせ、男に狙いを付けた。槍に狼の闘気が纏わった。
これがワイの渾身の一撃じゃ。モーゼスはそう頭の中でつぶやいた。そして一気に投げた──
「ヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
560 :
4:2005/11/08(火) 00:54:23 ID:HB7ROkID
勝負を分けたのはスピードだった。
大きくふりかぶり全身を使って槍を投げるモーゼスと、
弓を構え腕を引く男とで動作速度が違っていた。
結果、先に男の矢が先にモーゼスの右肩に当たり、彼の渾身の一撃は力なく地面に墜落した。
「う、ぐ・・・・・・・」
両膝をつき、力なくうなだれるモーゼスに男は静かに近づいていった。
「なんでじゃ・・・」
頭を垂れたまま、モーゼスはそうつぶやいた。
「言っただろう。俺はこれに乗ると」
「なんでこんな殺し合いに乗るんじゃ!?キサマにだって、大切な仲間や家族がおるじゃろう!?」
途端、男の表情が凍りついた。瞳孔が大きく開かれ、身体が震えだした。
「・・・?」
モーゼスは立ち上がり男の表情を覗いた。
尋常ならざる男の顔に、逆にこちらの言葉が詰まった。
「俺は・・・」
男が喋りだした。精神の内側を削り取るような、悲痛な声だった。
「俺の妹は・・・殺された!このゲームで!!」
男の告白にモーゼスは止まってしまった。
「妹は・・・アミィは・・・殺されたんだ、無残に・・・ひどい有様だった・・・めちゃくちゃで・・・俺は・・・
あいつを守ることを最優先して動いていた・・・そして見つけた・・・けどあいつはもう死んでいた!殺された!!
このゲームに参加している、誰かにやられたんだ!!!」
モーゼスは黙って男の話を聞いていた。呼吸することすら忘れそうだった。
家族を失う・・・モーゼスは自分の大切な"家族”を思い出していた。自分を兄貴と慕う、彼らを。
そして仲間達・・・彼らも大事な家族だった。生意気な弟や憧れの姉さんもそこに居た。
「けど・・・あいつを守れなかったけど・・・希望はあった。
あの主催者が言っていた、勝者が叶えれることが出来る願い・・・それで・・・あいつを・・・
俺はそしてこのゲームに勝つ。その為なら誰が相手だろうと容赦しない。
その中でもアミィを殺したやつは必ず俺が殺す。だから・・・俺はこのゲームに乗る」
「アホォ!!!!」
突然モーゼスが叫んだ。両手、右足から血を流しながらも、一歩男に近寄った。まだ痺れていた。
「家族がそんなことを望むわけ無いじゃろ!!ええか、別れた家族が望むのは、
残ったモンの幸せじゃ!残されたモンが手を血に染めて自分を生き返らせても、
嬉しくもなんとも無い!悲しいだけじゃ!!自分が好きじゃった相手が変わってしまって悲しいんじゃ!!」
男は黙っていた。男の決心が揺らいでいるかもしれなかった。
「ええか・・・」
更に一歩踏み出そうとした。しかし足が痺れて動かない。あの雷娘、今度会ったらゲンコツ程度じゃすまさん。
「探すんじゃ。道を。他の奴等を殺さんで済む方法を。なんとかしてあの偉そうな奴をのして、
みんなが助かる道を。ひょっとしたらゲームの勝者にならんでも願いを叶えることができるかもしれん」
そんなことが出来るのか、モーゼスは分からなかった。だが、家族を失い、そして自らの手で
大切な仲間達を手にかけ堕ちようとしている男を目の前にして、黙っていることは出来なかった。
ふとモーゼスはこちらを見る男の視線が変わっていることに気付いた。
自分を哀れんでいるような、虚ろな瞳だった。
「な?ほれじゃあ、とりあえず、ワイと、いっそに、行かんか?ワイはモーゼスや」
うまく舌が回らない。なんでじゃ。
「・・・・・」
男は鉄のように押し黙っている。モーゼスは呼吸が苦しくなっていることに気付いた。
「悪いが・・・」
男が口を開いた。なぜか目線をそらしている。その口調は、死刑を宣告する裁判官のように冷酷だった。
561 :
5:2005/11/08(火) 00:55:12 ID:HB7ROkID
「モーゼス、お前とは一緒に行けない」
「なんでじゃ!」
男が再びモーゼスの顔を見た。また、あの瞳だった。
そして、言った。聞き取れるかどうかのか細い声だった。
「もう、毒が回る・・・・・・・・・」
男の声を理解するまでに時間がかかった。
理解した時にはモーゼスは大の字になって倒れていた。
全身が痺れて感覚が無くなっている。筋肉が痙攣を起こしている。意識が薄れていく。
いつからそうなっていたか、口から血があふれ出ていた。止まらない。
微かに男が見えた気がした。自分を見下ろして立っている。
「悪いな・・・・・・だが、もう決めたことなんだ」
男がそう言った。だがすでにそれはモーゼスに届いてはいなかった。
男は振り返り、周囲に散乱した彼の矢とモーゼスの槍を回収した。
男の支給品は小さなナイフ一つだけだった。
とりあえず手ごろな木を削り、弓と矢をこしらえた。
そして矢の一本一本に毒を塗った。毒はアミィの支給品だった。
どういうわけかアミィを襲った輩は彼女の支給品に手を付けていなかった。
単に使用価値が無いと判断したか、それともそんなことをする余裕がなかったか。
いずれにせよ、必ず殺す。俺が。
モーゼスとの出会いで男の決意は揺らぎかけたが、その彼を殺した今、男の決意は一層固まっていた。
殺す。全員。そしてアミィと・・・仲間達を蘇らせる。
他の者はどうするかまだ考えていなかった。ただ、アミィを殺した奴は何があっても生き返らせるようなことにはしない。
諸々の品々を回収し終えて、男はちらとモーゼスを見た。
「・・・・・・できればあんたとはもっと別の形で会いたかった・・・・・・・」
そうつぶやいた後、迷いを振り切るように頭を振り、歩き出した。
【チェスター 生存確認】
所持品:サバイバルナイフ 木の弓 木の矢 スピア 毒(液体)
現在位置:C5の森出口
状態:無傷 軽い疲労
行動方針:ゲームに乗る、特にアミィの仇の抹殺
アミィを生き返らせる、可能なら他の者も生き返らせる
【モーゼス死亡】
【残り49人】
モーゼス…(ノд`)。゚・
乙!!!!!!!!!!!
パルマコスタの首コキャ男性、セネル、すず、アミィ、ジェストーナ、モーゼスか…。
気のせいかもしれんが、PとLのキャラって死亡率高いなw
564 :
闇の現1:2005/11/08(火) 09:23:02 ID:BLTMoZWW
カツカツカツ
薄暗い城内に何者かの足音が響く。
範囲が制限された場所とはいえ、バトルロワイアルに用意された場所はそれなりの面積がある。
それなのによりによって同じ城内に人がいるとは―――
クレスは壁際に隠れてダマスクスソードを構え、足音に耳を澄ました。
一人…?いや、二人いる。
どんな奴らかはわからない。運によっては早々激しい戦いをすることになるだろう。
丁度、自分のいる場所は廊下の突き当たりにあたり、足音はこちらに近づいてくる。一対二…分が悪いが逃げることは叶わない。
視線の先の廊下の曲がり角から二つの長い影が見え始める。
クレスは固唾を呑み、足音のする方を睨み付けた。
するとその二人の会話が聞こえる。
「へえ、君は仲間に恵まれているんだね」
「うん。でも私がドジばかりするから迷惑掛けっぱなしですけど」
えへへ、と少女の笑い声が聞こえてくる。
安穏とした雰囲気にクレスは剣を構えていた手の力を抜いた。
「…誰なんだ、そこにいるのは」
先に声を掛けたのはクレスだった。
「きゃっ!!」
「…おや」
そこに居たのはサレとコレットだった。
「はじめまして、僕はクレス=アルベインと申します」
「初めまして…僕はサレ。この子が」
「コレットといいます」
三人は城の出口に向かいながら自己紹介をした。
「君はこのバトルロワイアルをどう思っているんだい?」
サレはクレスに問いかけた。
「僕は…」
クレスは少し考えた。
「僕は出来れば犠牲を払わずに主催者を倒す方法も見つけたい。だけど…」
「場合によっては戦いも辞さない、か」
サレはクレスがそれを口にする前に代弁した。
「そんなのダメです!!」
そう言ったのはコレットだった。
「なんとかして…みんな無事に助かる方法があるはずです!…私は…、私は大した力とかないけど…、どうにかしてこんなことやめさせたいんです」
「コレットさん…」
コレットは胸元でぎゅっと両手を握りしめる。
クレスはにこりと微笑んだ。
「君は僕の知り合いの女の子に似ているね。きっと彼女もそう言うと思う。
そうだね、みんなと無事に帰りたい。頑張ろう、コレットさん」
「はい!」
サレはその様子を冷静に見つめていた。
この青年はすぐに少女の言葉に耳を傾けた所を見ると、優しいお人好しといった所か。
しかし先程見た剣の構え方――
自分には全く分からない流派だが、剣の扱いにはかなり慣れていることが伺えた。
565 :
闇の現2:2005/11/08(火) 09:27:44 ID:BLTMoZWW
敵に回すと厄介かもしれない。
この少女とうまく同時に葬り去るか…利用する方法はないものか…。
「どうしたんです、サレさん」
クレスはサレの顔を覗きこんだ。
真っ直ぐな澄んだ眼。この少女といるおかげだろう。どうやら全く自分に懐疑心を抱いていないらしい。
そしてこの青年は恐らく自分が最も嫌う類の者だろう。
「いや、しかし広い城だね。いつ出れるのかなあと思ってね。」
「そういえば随分歩きましたね」
闇を伸ばしたように延々と廊下が走っている。
じめじめとした雰囲気で、決して居心地の良いものではなかった。使用されなくなってどれだけの歳月が経って居るのだろう。
廊下の絨毯には黴が生え、壁には苔が群生している。
本来ならばこんな場所は足を踏み入れないのに足音がやけに胸に反響して、現実の自覚を色濃くしてゆく。
「なんだか気が滅入っちゃいそうですね」
コレットはふう、と溜息を吐いた。
「そうだね。
よし!ここはひとつダジャレ大会でもしようか!」
サレは眼を丸くした。クレスの唐突かつ理解不能な発言に眉をしかめた。
いや、ひょっとしてクレスは自分が何を考えているのか感づいているのかもしれない。油断させて何かしようとしているのか。
「わあ!面白そうですね〜!」
コレットはクレスの提案に賛成した。
「えーと、じゃあいくよ。
…サレさんが蚊に刺サレる!!!」
「わあ!!おもしろーい!」
「…………」
コレットは両手をぱちぱちと叩き、クレスは、いやあ、と照れて後頭部を掻いている。
…どうやら何も考えていないようだ。
そもそもサレは苛々していた。
くだらないお喋りもそうだが、この二人の幼稚な考え。一体どんな純粋培養で育ったのだろう。しかもこの殺し合いの最中で、なんとおめでたいことか。
自分の胸に秘めた泥沼のように渦巻く、彼の鬱勃しそうな残虐な部分を奥歯を噛みしめて堪える。
精々今は笑っているがいいさ、残り少ない余生を楽しめばいい。その顔を絶望に塗り変えてあげるよ。
彼が邪な笑みを浮かべた事に二人は気が付かなかった。
「きゃあ!!」
「コレットさん!どうしたんですか!?」
尻餅を付いたコレットを起こしながらクレスは構えた。
チチチ…と何かが足下を走ってゆく。
「…なんだあ、ネズミじゃないか」
サレは素早くそれを踏みつぶした。
「可哀想ですよ、そんなことしたら」
コレットがサレに駆け寄る。
566 :
闇の現3:2005/11/08(火) 09:37:29 ID:BLTMoZWW
「何言っているんだい。害獣だよ、ネズミは。コレットちゃんも驚いたじゃないか。
これは罰だよ」
「そうじゃなくて…」
言い掛けたコレットにまあまあ、とクレスが割って入る。
「とりあえず、多分もうすぐ出口だし、今はここから早く脱出しよう」
「その通りだよ。
…いくよ、コレットちゃん」
「うん…」
罰か…。
人も罰を犯したら死なねばならないとすれば、僕らは何度このようなゲームをすれば赦されるのだろう。
正義の為とはいえ、剣を振るってきた。許しを乞うとすればそれは誰に対してなのだろう。
クレスはふとそんな事を考えた。
三人はやがて城を抜け出す。
その頃にはネズミはもう息絶えていた。
まるで三人の行く末を暗示するかのように…
【クレス 生存確認
状態:無傷
所持品:ダマスクスソード ???(支給品数不明)
現在地:E2の城内出入り口
行動方針:生き残る為なら戦いも辞さないが、出来ればゲームを終わらせる
サレ、コレットと行動】
【コレット 生存確認】
所持品:所持品数共に不明
現在位置:E2の城内出入り口
状態:軽い擦り傷
行動方針:クレス、サレと行動
【サレ 生存確認】
所持品:所持品数共に不明
現在位置:E2城内出入り口
状態:軽度の打撲
行動方針:クレス、コレットと行動、ないしは策略を練る
これまた珍妙なトリオで楽しいな続きがきになる
あれだな、まとめサイトにで良いから応援&感想板設置して欲しいな。
ワクテカなこの気持ちを抑え切れん。
569 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/08(火) 16:12:05 ID:qblJF7ta
みんな頑張れ!おれは見てるw
おとといこのスレを発見してから頻繁にレスがないか見てる俺ガイルw
>571
乙!
ってか、言葉足らずですまなかった。
板全てを感想用にするんじゃなくて、感想&応援スレと雑談スレとか
予約用のスレとかをそこに立てれば良いんじゃないか?
テイルズバトロワ関連専用で。
それに関しては・・・必要に応じて自分で立ててくれ。
バトルロワイヤルじゃなくて、バトルロワイアルじゃないか?
まぁどっちでもいいけどw
とりあえずざっと適当にスレ建ててみた。
いらんのがあったらすまん。
いや、ありがてぇ。
乙です。
桶!!
行動グループ毎に分けてみた。見にくいか?★=戦闘中
>564-566クレス、サレ、コレット
>452-454ミント、マウリッツ(共に生死不明)
>551-553ジョニー、ファラ
>490-491グリッド、ユアン、カトリーヌ
>465-467ジューダス、ロイド
>493-494>506バルバトス、マグニス
>474-475スタン、ハロルド
>376-379しいな、ティトレイ
>524-527ミトス、マーテル、シャーリィ
>517-519トーマ、ミミー
★>493-494カッシェル、リッド
>557-561チェスター >412-420アーチェ >376-379デミテル
>524-527ダオス >539モリスン(エドワード)
>455ルーティ>528-529リオン >522マリー >516-517コングマン
>257-258カイル >421-422リアラ
>478-キール >490-491ヒアデス
>257-258クラトス >495-497ゼロス
>439ヴェイグ
>452-454ジェイ >524-527ソロン
>396-397プリムラ
【未登場】
ロニ メルディー ジーニアス マリアン ポプラおばさん
【死亡】首コキャ セネル、すず(G4川岸) アミイ モーゼス(C5森出入り口) 残り49人
【地図】
http://www.hasimoto99 【拠点名】>283
【掲示板】
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/5639/〔PC〕
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/5639/〔携帯〕
GJ!です。見やすい見やすい。よーし頑張るぞ。
「めるでぃ――めるでぃめるでぃぃぃぃぃめるでぃぃぃぃ……」
男。…いや、“ヒアデス”は、死人へと変貌した己と、足元の下を不気味な笑顔で見詰る。
絶え間無くぶつぶつと呟き、アミィの死体をまじまじと目にする。その顔には、確かに歓喜があった。
――が、突如ヒアデスの顔が歪む。何かが違う。何かが違った。
ヒアデスは己の砕けた精神を抑えながら、恐る恐るその死体をもう一度目にした。…少女である事には間違いない、しかし
「違う。」これは求めているメルディ、では無い。
これはメルディではない。
ヒアデスが呟くと、歓喜の表情は崩れ、その代わりにおぞましき表情が浮かぶ。
「めるでぃぃ…めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ、
めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ…… めるでぃぃぃぃぃぃ――」
狂った様にヒアデスが叫び出す。そして、おもむろに奪い取ったアミィ皮袋を自分の皮袋に押し込め、何かを乱暴に取り出す。
取り出したのは、 黒金のボディの、巧妙な筒。いや、正しく言えば「UZI SMG(ウージーサブマシンガン)」
これは、引き金と呼ばれる物を引く事で、「弾丸」とやらを撃ち出す事が出来る、れっきとした殺傷兵器だ。
この筒の様な物がヒアデスの支給武器であった。
あまりなじみの無い物ではあったが、ヒアデスはそれを面白そうに手に取り、引き金に指を向ける。
グリップを握り締め、すらりと伸びた精鋭な銃口を空に掲げる。
そして、ヒアデスの指が引き金を絞った瞬間。
ぱらららららららッッッ…
銃口が閃き、それと同時に甲高い銃声音が、天に轟く。
それと同時に、無数にも思える鉛の弾丸と、ぱらぱらと霞んだ音を響かせる薬莢が溢れ出た。
「ヒヒ…ヒヒヒヒ…ヒャァァッッハハハハハァァアァ… めるでぃぃ、めるでぃぃぃぃ…」
ヒアデスはウージーを手に、おぞましきその表情を快楽に変化させ、まだ熱い薬莢を踏み躙る。
…どうやらヒアデスは、このサブマシンガンをメルディの様に見ているようだ。
彼の目には最早、まともな光景など移っていない。精神に異常が齎されたヒアデスには、奇怪な光景だけが浮かぶ。
辺り一面で、きらきらと多彩な色が踊る万華鏡の様な空間。そしてその奥には、顔を引き攣らせて逃げる少女。
ヒアデスは再び引き金を絞り、空に銃声音を発する。
「めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃぃぃぃぃ…」
ソウダ メルディダケヲイカセバイイ
ホカノヤツハミナゴロシ
メルディ
メルディメルディメルディメルディィィィィィ…!!
狂気を纏い、ヒアデスは「メルディ以外の人間」を皆殺しにする事を決意した。
それは、狂気の世界の中で見つけ出した、唯一の希望なのかもしれない。
―――生きる事だけが、この世界に残された唯一の希望なのだから。
【ヒアデス 生存確認】
状態:発狂(幻覚が見えている)
所持品:UZI SMG(30連マガジン5つ付き)他は不明】
行動方針:メルディ以外の人間(ミクトラン含む)を皆殺しにする。】
現在地:F1の草原地帯】
あれ?アミィの支給品は放置してあったんじゃなかったっけ?
588 :
585:2005/11/09(水) 09:45:52 ID:czcRR+Vn
ご指摘スマソ。
>狂った様にヒアデスが〜
の所を、
>すると、狂った様にヒアデスが、自分の皮袋から何かを引っ張り出した
に改変しておきます。
銃といえばセレスティアではC・ケイジをマガジンとして使った晶霊銃って武器が
子供の護身用武器から戦争用の武器まで幅広く普及しているが、これを支給品に入れるのはOK?
おKだと思うよ
性能は拳銃〜ラピュタのアレぐらいの低出力にして
>>585 アミィの死体の位置をF1からC5付近にしてくれないか?
そうしないとチェスターがモーゼスと戦った位置と折り合いつかなくなる。
チェスターはアミィの死体をモーゼス戦時に既に発見していたわけだから、
C5付近にアミィの死体を置いておいたほうが面倒がなくてよいかと。
……流石にF1からC5までチェスターを移動させたことにするのは辛い。
592 :
585:2005/11/09(水) 17:41:20 ID:czcRR+Vn
分かった。ご指摘スマソ。
>現在地:F1の草原地帯
を、
現在地:C4の草原地帯(橋が近い)
に変更します。
まだ出てきてないキャラいる?
>594
>580下部参照+ジェストーナ
ロニ、メルディー、ジーニアス、マリアン、ポプラ
597 :
595:2005/11/09(水) 19:58:49 ID:aqBbc0qe
あれ、なんでジェストーナ足してるんだ自分…アホか。
ジェストーナは死亡ではないか…
「殺し合いなんて……とんでもないわ!!」
スールズの村に住むごく普通の主婦、ポプラは憤慨していた。
風貌は山羊そのもの。子供が泣いてしまうのではないかと思うような顔をしているが、本来は心優しい女性である。
その彼女がいま、怒りを抱いている。矛先は、このゲームの主催者ミクトランに。
命を玩ぶかのようなかの巨悪の言動に、当然の怒りを彼女は抱いた。
では、ミクトランにどう対抗すればいいのか?
まずは、自分と同じ考えを抱いたものを集めるべきだ。
辺境の村の一員に過ぎないがゆえに彼女は、誰よりも早く団結の必要性を感じた。
数というものは、時にはどんな権力者にも勝る大きな武器になる。
それを知っているからこそ彼女は、皆が団結しなければならないと思うのだ。
単に知っている者同士が集まるということではない。それでは逆効果だ。
意味の無い馴れ合いと、知らない人間を排斥する流れしか生まれない。
出来れば全員が団結するのが理想だが、しかしそこまで纏まるのは難しい。
それにミクトランのこともあるから、そこまでおおっぴらに団結することは出来ない。
ポプラは、首に填められたコウモリの装飾に軽く触れた。
しかしそれでも、ミクトランを倒すために団結しなければならない。
冷たい首輪の感触が、一層彼女の決意を固めた。
動く前にまず、皮袋の中を点検した。
何が与えられているのかを確認せずに動くのは自殺行為に等しい。
食料は、普通に食べていけば2日ぶんくらいだろうか。
水が少し少ないのは、水場に人を集めやすくする主催者側の目論見が感じられる。
そして、主催者側の与える武器。
ポプラは捨てていったほうがいいかとも一瞬考えたが、そこまでは出来なかった。
取り出してみると、それは動いている!!!
「ククク……クイッキー!」
元気よく鳴き声が響き、ザックから小さな動物が出てきた。
ポプラは、何か毒でももっているのかと警戒したが、そんな感じはしない。
「クイッキ?」
首を傾げるその小動物の愛らしさに、彼女の顔は思わずほころんでしまった。
ちょいちょい、と手招きすると、その小動物はポプラの手の中にポンを収まる。
軽くナデながらポプラは(ハズレアイテム……かしら?)などと考えていた。
【ポプラおばさん
状態:無傷
所持品:クイッキー ???
行動方針:皆が団結するように動く
現在地:D5 草原地帯】
砂漠。熱砂の中を、一人の男が歩いていた。
この暑さのせいか、腹部の一部を露出させている。
いや、これは元からそのようなデザインであった。
褐色の肌に汗をにじませ、男はじっとあるものを凝視しながら歩いていた。
街中では街灯にでもぶつかる恐れもありそうだが、ここは砂漠だ。何も無い。
そして、誰も居ない。
「くそっ・・・壊れてんのか、コレ?」
男がつぶやいた。手にした機械を右に左に傾けながら、眉間にしわを寄せる。
男・・・ロニ・デュナミスはゲーム開始以来、砂漠をひたすら歩き続けた。
しかし一向に出口は見当たらない。せっかくの支給品も、これではうかばれないというものだ。
彼の手にしている支給品・・・小型の液晶モニタのようなそれには、レーダーが写っていた。
中心の白い点が彼、ロニを示している。そして付属の説明書によると、
生死に関わらず首輪を付けている者が
半径二十五メートル以内に存在すると、赤い点で表示される。
これをうまく使えばかなりの戦闘を避けることも出来るし、他者の争いに介入するのも楽だ。
だが、それもあくまで人が居ればの話だ。
誰もいなければただの光る玩具だ。画面を表示したまま動かないコンピューター。
彼はゲームに乗る気は無かった。
恐らく大多数の者はそう思うだろう。
だが、そうでは無い者も・・・あのマグニスとかいう輩や・・・勿論バルバトスもだ。
そういった残虐な殺戮者が、罪無き者達を殺していくのは我慢ならなかった。
元来の彼の正義感、兄貴分として子ども達の世話をしていた経験が、
彼を殺戮者達の駆除という行動に駆り立てた。
集められたもの達にはとても殺し合いには向いていなさそうな女子供も大勢居た。
当然彼の大切な仲間、カイル、リアラ、ジューダス、ハロルド・・・
ナナリーが居なかった。名簿にも居なかったので、内心彼はほっとした。
この殺戮の場に居るというだけで、すでに死刑台への順番待ちをしているようなものだ。
それともうひとつ、気になることがあった。
ジューダスが二人居た。いや、リオンが二人居たと言うべきか?
いずれにせよ、とにかく人を探す必要がある。
そいつがやる気なら全力で迎え撃つ。もしマグニスやバルバトスなら問答無用だ。
だが・・・・・・
いかんせん彼の支給品は戦闘に不向きだった。
レーダーの他に出てきたのは、妙に大きい袋が一つ、
みょうにけばけばしい字体で品名が書かれている、『なりきり剣士セット!!』
これにも説明書が付いていた。『これであなたもすごくステキな謎の覆面美青年剣士!!』
覆面なのに美青年と何故分かるのか、そもそも女がこれを受け取ったらどうするのか。
その中に入っていた物は三つあったが、
舞踏会にでも出かけに行くような仮面(ジューダスのがマシだ)、それとマント。
更に付属していた剣を取り出した。
日光にきらびやかに反射する、精巧な剣。
だが、刀身はしっかりしているものの、プラスチック製で、装飾されている宝石もガラスだった。
まあ、全力で殴られたら痛いだろうか・・・
彼はため息をつき、それらをしまいこんだ。寒くなったら着てもいいか。
不意にレーダーに反応があった。
赤い光点が、画面の端に確かに映っている。
彼はすばやく身をかがめ、辺りを見回した。
戦うべき相手か、合流すべき者か、回避すべき敵か、既に絶えた亡骸か。
ロニは人物の正体を見定めるために、
レーダーに従ってゆっくりとそれに近づいて行った。
【ロニ 生存確認】
状態:軽い脱水症状
所持品:簡易レーダー なりきり剣士セット
行動方針:レーダーに反応のあった者の識別
ゲームに乗った者の駆除
仲間との合流
武器の調達
現在地:E3の砂漠地帯
このゲーム開始早々に再結成された漆黒の翼。
しかし、団員には不満があった。
「グリッドよ。『大食らいのユアン』というのはやめてもらいたいのだが」
「私も『疾風のカトリーヌ』って少し恥ずかしいかと…。語呂もよくありませんし…」
「ハハハ、何を言っているんだ君たち!
ナンバー2となるべき男性の称号は代々『大食らいの〜〜』、女性の称号は代々『疾風の〜』と決まっているのだ」
妙な伝統を持ち出すグリッド。といっても、漆黒の翼の結成はグリッドの代である。
要するに、他の称号が思いつかなかった、ということだ。
「しかしだな…」
「仕方がない。そんなにイヤなら別の称号を付けよう。『黒バラのユアン』はどうだ?」
「もういい」
この組織に入団したのは果たして正解だったのか、疑問に思うユアンであった。
「ところで、これから何をするつもりだ?」
「そのことに関してだがな。
先ほどまで誰を新メンバーにスカウトしようかと話し合っていたんだが、君が入団してくれたことでその必要もなくなった」
答えになっているかなっていないかのきわどいところである。
「予定がないなら、まずは近くの町へ行かないか? 色々あって疲れているのでな。少し休みたい。
それから私の仲間が数人ほど参加していてる。彼らを捜したい。
地図を見たところ、南の町、…ジファイブというらしいが、ちょうど城と城を結ぶ街道の中間点にあたる。
多くの者がここに立ち寄ることだろう。
同志を見つけるのにしても、知り合いと合流するにしても適した場所だ」
「ですが、そういったところには危険な人も集まってくるのではないですか…?」
カトリーヌが不安げに疑問を投げかけるが、これは既に想定済みだ。
「無論、このゲームに乗った者も集まってくるだろうな。
だが、昼間なら高い場所に陣を取り、見張りを付ければ、外から近づく者を発見するのはそう難しいことではない。
我らの支給品なら、相手がよほどの手練れでない限り、逃げ切ることは可能だろう。
不安要素は、今、町の中にゲームに乗った者が潜んでいないかどうかだが…」
「それならきっと大丈夫だと思います。私は先ほど町の中を通ったのですが、危険そうな参加者は見かけませんでした。
あれから時間はそれほど経ってはいませんし…」
カトリーヌが町の中を走り抜けた際、支給品袋を持ったまま気の抜けたように固まっていた参加者(=ルーティ)は見かけた。
もしゲームに乗った参加者がいたなら、彼女の方を襲うことだろう。
そして今、町に戦闘の様子はない、つまり、まだ安全だということだ。
「よし、ではまず町で最も高い建物を確保する! それでいいな?」
グリッドは話に参加できなくても、まとめだけはやって、リーダーとして自分をアピールしたいようだ。
そういうことで、一番近いジファイブの町に向かうことにした一行であったが
靴の性能からか、どうしてもカトリーヌ、グリッド、ユアンの順になってしまうのであった。
「ま、待て! お前達、歩くのが少し速すぎないか?」
「何を言っているんだ。君もさっきの箒で空を飛べばいいではないか」
グリッドはこういうが、ユアンは乗り気ではない。
「この箒はマナを消費するようでな。…電気を使っても飛べるかもしれんが…多用は避けたい」
グリッドがカトリーヌに耳打ちする。
「…カトリーヌ。マナとは何だ?」
「え? ええと、魔法力ってことじゃないんですか?」
彼女の返答を聞くやいなや、グリッドはいかにも知った風に答える。
「なるほど、確かにマナの無駄な消費は得策ではないな。だが、これで消費を抑えられるのだろう?」
グリッドがフェアリィリングを手渡す。マナの消費は確かにこれで抑えられる。
「それはフェアリィリングか。少々サイズが大きいようだが、ありがたい。頂いておこう」
「ところで」
「何だ?」
「ユアンさんって本当にその箒で自由に飛べるんですか?」
森を抜けたところでカトリーヌがユアンに疑問をぶつける。
「さきほどは緊急事態だったからな。注ぎ込むマナの量を調節すれば上手く操れるだろう」
答えを上手くはぐらかすが、ユアン自身も不安になってきた。
敵を避けようとして、逆に敵に突っ込んでいくようでは困るのだ。
彼は休憩したあとこっそり練習しようと考えていたが、
「さっき電気で飛べるって言ってましたよね? これならマナとやらも消費せずに済むのではないでしょうか?」
カトリーヌが取りだしたのはエナジーブレット。電気を溜めたレンズ製品である。
彼女はこれをマナの代わりにして飛べるのではないかと考えたのだ。
「上手く帯電させることができれば長時間飛ぶことも可能かもしれんが…。いずれにしろ、今は休みたい」
他にも箒にまたがっているのを見られたくないという理由もあったが、それは言わなかった。
「ユアン、君が乗らないなら、俺に乗らせてくれないか」
またもしゃしゃり出てきたグリッド。
5つもあるので、護身用にとカトリーヌが二人共に一つずつエナジーブレットを配っていたのだが、
グリッドがそれを取りだし、箒に対してスイッチを入れる。
「ブーストサンダー!」
バリバリバリバリ!!
「…」
「…」
「ん? 少しやりすぎたかな?」
明らかに過剰な電気を流してしまっている。静電気が放出されているのが目に見える。
「どうなっても知らんぞ…」
「私もそれに乗るのはちょっと…」
ユアンもカトリーヌもビリビリいいながら静電気を放出する箒を見て、明らかにひいている。
「なんだなんだ、二人とも…。勇者たる俺が、この程度扱いきれないないはずがないだろう」
グリッドが箒にまたがる。彼は一回空を飛んでみたかったのだ。
「ほら、上手くいったようだぞ…」
本来なら魔力を持たない者が乗っても浮くことはほとんどないのだが、
電力を与えられたことと、グリッドの持っているC・ケイジに入った雷晶霊の存在が、それを可能にしていた。
だが、次の瞬間、グリッドが声をあげる間もなく、箒が暴走し、南の町の方へ突っ込んでいった。
「何をやっているんでしょうね…?」
「知らん。私に聞くな」
ユアンとカトリーヌが頭をかかえたのは言うまでもない。
【グリッド 生存確認
状態:擦り傷、ミスティブルームで暴走中。そのうち止まる。
所持品:C・ケイジ ナイトメアブーツ ミスティブルーム
現在位置:F5の平原→G5の町へ
基本行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動。危なそうなやつに会ったら逃げる】
【カトリーヌ 生存確認
状態:擦り傷
所持品:マジックミスト ジェットブーツ エナジーブレット×3
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動。死にたくはない】
現在位置:F5の平原
【ユアン 生存確認】
所持品:占いの本、チャームボトル、フェアリィリング エナジーブレット
現在位置:F5の平原
状態:極度の疲労状態
基本行動方針:漆黒の翼の一員として行動しつつ、マーテルと合流
ミント・アドネードは洞窟に差し込む僅かな光で目を覚ました。
ここが何処だか解らないという様子で辺りを見回すと、
老人が倒れている事に気付いた。
所持品のサンダーマントのおかげでダメージを軽減できたミントと違い、
元々怪我を負っていた上に、
ずぶ濡れの状態で雷電の直撃を受けたマウリッツが無事であろう筈がなかった。
しかし、流石はマウリッツというべきか、彼の命の鼓動は微かに存在していた。
もうすぐ止まるであろう事が明白な程弱々しいものであったが。
ミントが彼に近付きそれに気付くと、自分を襲ってきた人物だということも、
自分も怪我を負っているということも忘れマウリッツの治療を始めた。
「キュア!」
普段なら一発で完全回復できる法術たが、この場所ではほぼ効果がないといっていい。
だが、回数を重ねるうちに少しづつだがマウリッツの顔は生命の色を取り戻していく。
ミントのTPが尽きたときには、マウリッツは穏やかな呼吸で眠っている様だった。
「よかった・・・。」
ミントは安堵の表情を浮かべ、
これまでの疲れが一気に襲ってきたかのようにペタンと座り込んだ。
ここで初めてこれまでのことを振り返ってみた。
自分が此処に倒れていた理由を思い出し、その記憶を疑った。
「そんな・・・ジェイさんが・・・?」
思い返してみても、ジェイがこのゲームに乗るような人物だったとは想像できなかった。
僅かながら手にためらいがあった様にも思える。きっと、何か理由があるはずだと、
ホーリースタッフを抱いて思った。
そして、何も考えることができなくなる程の睡魔に襲われ、深い眠りに落ちた。
他人を信用する事のできる彼女の素晴しい素質は、このゲームにおいては不幸をもたらす時が来るだろう。
【ミント 生存確認】
所持品:ホーリースタッフ サンダーマント
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
状態:TP0 極度の疲労 軽度の怪我 睡眠中
行動方針:不明
【マウリッツ 生存確認】
所持品:不明
現在位置:G3の洞窟出入り口付近
行動方針:不明
状態:瀕死の状態から法術で回復 失神中
609 :
冷たき焔1:2005/11/11(金) 05:08:15 ID:NCsxBmA5
男は小高い丘の上を登っていった。
表情は堅い、が、その瞳は決心でこうこうと暗く照らされていた。
後悔はしない。自らに誓った事だ。俺はこのゲームで生き残る。
道を暫く歩いた所だった。黒髪短髪の女がいる。地面にぺたりと座っていて明らかに注意力が散漫していた。
ヴェイグは内心ほっとした。殺すであろう相手が自分の見知った者ではない事を。
しかしまだそんな事を思ってしまうのは心の片隅に良心が残っているからなのだろう。それを鬱陶しいと感じてヴェイグは眉をしかめた。
「さあって、行こうかな」
女が急に立ち上がっその時
女の背中を刃物が掠めた。
「…ちっ」
振るった短剣が外れ、ヴェイグが舌打ちをする。
「―――ちょっと!!なにすんのよ!!!」
斬り掛かられた女、ルーティーは顔面蒼白にして後ろに飛びずさって叫ぶ。
「悪いが、死んでもらう」
一言、そう宣告しヴェイグは容赦なくルーティーに短剣を構えて突進した。
「きゃあ!」
体を捻り、紙一重でその攻撃を回避する。素早い動きだ。
しかしヴェイグは腰に携えていたもう片方の短剣を引き抜き横に振るう。
彼女の腰を浅く裂き、顔を歪めた。
「ふざけないでよ!!」
いきなり降り懸かってきた戦闘にルーティーは驚愕した。
しかし
この男は本気だ。
剣筋には何の迷いもなかった。
武器の無い今は何とかして逃げなくては。
非常事態にルーティーはそれしか思い浮かばなかった。
そのまま北へと疾走する。ヴェイグにはとても追いつけないスピードだった。
だが
「させん!!」
ヴェイグが叫んだ。すると背後から鋭い冷気が迫っていたのが分かった。
「きゃあああ!!」
バリバリッと目の前の大気が固まり、鋭利な氷塊が道を阻む。
その切っ先はルーティーの左の二の腕に更に裂傷を作った。
「くっ…!!」
ルーティーは二の腕を押さえて、歯を噛みしめ、睨み付ける。
ニ十メートルほど離れた先に、冷ややかな目をした男が立っている。その体から放出されている冷気が、彼女の露出された肌をぴりぴりと刺激した。
本来は熱く感じる流れる血が、異様に冷たい。
しかし傷口は灼けるようで、ズキズキと痛む。
信じたくないがどうしようもない現実がそこにあった。
「あんた…本気なのね、こんなバカなゲームに乗るなんて…」
ヴェイグは口を開いた。
「俺は、このゲームでなんとしても勝ち残らねばならない。…待たせている人がいるんだ」
610 :
冷たき焔2:2005/11/11(金) 05:12:47 ID:NCsxBmA5
ヴェイグの脳裏に村の人々――そして共にいた女性の顔が浮かぶ。
「すまないな。俺は本気だ」
凍り付いたその眼は変わらない。
「まあったく、厄介だね」
顔を伏せ、ふふっとルーティーは笑った。
諦めだろうか。
いや、違う。
バッと顔を持ち上げ再び睨み返すその眼は熱く光っていた。
「バッカじゃないのっ!!!!!」
そう激昂すると目の前の氷塊を思い切り蹴飛ばした。
バンっとその先端が割れる。
空に散った欠片が、キラキラと輝いて降り注いだ。
「誰にだって大切なモノくらいあるわよ!!
あたしはあんたみたいなヤツがいっちばん嫌いなの!!!」
割れた長剣ほどの長さのある鋭利な氷をその手にした。
「自分ばっか不幸って思ってんじゃないわよ!!
あたしの覚悟、受け取りなさい!!」
氷を構え、握りしめる。
腕から伝う血が、氷を熱く濡らした。
「そうか…」
ヴェイグは一言呟くと、こちらも剣を構え、ルーティーに向けて走り出した。
ヴェイグを纏うフォルスが一層高まる。
アトワイトがなければルーティーは魔法を使うことすらも叶わない。状況は圧倒的に不利だった。
氷を宿した疾る剣激がルーティーに迫る。
軽い身のこなしでステップを踏んでかわし、構えた氷の刃を振るう。
「ふんっ!!」
ヴェイグは短剣でそれを受けるが、刀身の短いそれでは間に合わず、一瞬バランスを崩す。
「くっ…!!」
しかしもう片方の短剣で大きく空を斬り裂いた。
「絶氷刃!!!」
大地から刃の氷柱が出現し、ルーティーは瞬時に間合いを広げて避けた。地面を踏みしめ大きくジャンプし、次々に現る猛りがが地面を突き上げる度にその頂を足場にし、トントンとバックステップで上り詰める。
そして更にそこから大きく跳躍する。
「スナイプエア!!!」
宙を切り裂きながら、ヴェイグに向けて鋭鋒と共に突っ込む。
ヴェイグは素早く視線を上げるが、己の為した高い氷柱が日の光を反射し、眼を眩ませた。
手をかざした瞬間、ヴェイグの右肩――つまり利き手の方を深く斬りつけた。
「ぐあ…!!」
ヴェイグは膝を付いた。
血が溢れ、大地までもがその血に濡れた。
着地したルーティーも、絶氷刃により全身に浅くではあるが傷を負い、体がよろめく。
611 :
冷たき焔3:2005/11/11(金) 05:16:12 ID:NCsxBmA5
「さあて…」
ルーティーが荒い息を吐きながら言った。
「これでようやく状況はフェアって所かしらね」
顔を歪めながらもにこり、と笑みを浮かべる。
ヴェイグは暗い眼差しでルーティーを睨み付けた。
お互いが傷を負いながらも、しかし戦意は高まっていった。
元の世界に残してきた己が想う者達の為にも、生き残る為に――――――
【ヴェイグ 生存確認】
所持品:スティレット チンケエデア
現在位置:F6丘の上
状態:右肩に激しい裂傷 高い戦意
行動方針:ルーティーの撃退
【ルーティー 生存確認】
所持品:氷の剣 グミセット 強力グミセット
現在位置:F6丘の上
状態:全身に切創
行動方針:ヴェイグの撃退 高い戦意
交戦中
さしものミクトランも、よもや参加者全員が自分の元へ襲撃してくることなど予想して居なかった。
油断しきってトイレ掃除をしていたミクトランに、参加者全員が一斉に襲い掛かる。
『な なにをする きさまらー』 情けない断末魔をあげてミクトランは息絶えた。
歓喜に沸く彼ら。そして願いを叶える時が来た。彼らを勝利に導いた天才科学者が一歩前に出る。
さあ、願いを。皆の思いが一つになった。
『んーと、せっかくこれだけいろんな世界から人が来てんだから、
それぞれみんながどんな身体の構造してるか知りたいわ。てなわけで全員解剖ー☆』
彼らの顔色が絶望に変わる。本当の戦いはこれからだ!!
ご愛読ありがとうございました。
ハロルド博士の次の実験にご期待ください。
終
「・・・なんだこれ?」
「あ、読んだ?それ、私の作戦」
ピンク色の縮れた髪の女性、ハロルドは屈託無く笑った。
肩までかかる金色の長髪をした青年、スタンはあきれたように手中の紙をみやった。
参加者全員に配られた筆記用具と紙を使い、熱く書き綴られたそれは、つい数分前、彼女から渡されたものだった。
「いや、しかしこのさしものミクトランもってとこ──」
「あー、ダメダメ。音読しちゃ。返して返して」
ハロルドが小走りに寄ってきて、紙をひったくった。そして手の平から炎を出すと、そのまま燃やしてしまった。
「なんだよおい・・・」
「ま、いいわ。いずれちゃんと教えてあげるから」
訳が分からない、といった風にスタンは困惑した。
この女性と行動を共にするようにしてからずっとこうだ。
洞窟へ目指していたはずが、時々あらぬ方向へ走り、
何やらごそごそとやっていたかと思うと、明らかに荷物を増やして戻って来るのだ。
聞いても、「実験サンプルなのよ」の一点張りで詳しいことは話そうとしない。
おかげで無駄に時間を費やしてしまった。普通に進めば半分くらいの時間で行けたのではないか?
しかしようやく目当ての洞窟に辿り着いた。
洞窟の入り口が見えたところで、スタンは思わず安堵のため息をもらした。
「やっと着いたー!」
無邪気にはしゃぐスタンを見て、ハロルドは彼の息子を思い出した。
やっぱり親子、若スタンはカイルに似ている所がたくさんある。
いや、厳密には彼女の目の前に居る人物はまだ父親になってはいないのだが。
「お、おいハロルド!」
突然スタンが慌てた様子で叫んだ。
「あ〜い?」
足元の珍妙な植物を観察する為に屈んでいたハロルドは、ゆっくりと腰をあげた。
見るとスタンがこちらを向きながら洞窟の入り口を指差している。
「人が居る!二人だ!」
視線を洞窟に向けると、確かに居た。法衣をまとい、長く美しい髪をした少女と、年配の男性が。
着衣は共にボロボロで、特に男はほとんど半裸だった。
二人とも倒れこんでいて動かない。まさか、と思ったが、
「気を失ってるだけだ、死んじゃいない!」
スタンが近づいて二人の様子を見て言った。
興味無さげにハロルドもゆっくりと歩いて近づいていった。
「こっちのおっさんは少し元気そうだけど・・・こっちの女の子が危ない」
ハロルドが少女と老人を観察した。
「ふむふむ、二人とも雷系の攻撃を受けたようね・・・こっちのおっさんは多分回復晶術を受けたようね。
見た目からしてこの子が回復させたんだろうけど・・・・・・あら、もう力が残ってないのね。
襲ったのは別の誰かかしら?こっちの子はこのマントがダメージを軽減してくれたみたいね。
まー別に命に別状はないみたいね、疲れて眠っているだけ」
「解説はいいから回復を!」
スタンの言葉にハロルドは肩をすくめ、両手を少女にかざした。
神聖な光が少女を包み込んだ。
「ん〜、やっぱここ、だいぶ威力が落ちちゃうみたいね〜」
あまり代わり映えの無い少女の様子に、落胆したように彼女はつぶやいた。
仕方なしに再度術をかけてやる。少しは顔色がよくなってきた。
「こっちのおっさんも・・・」
「こっちのおっさんは・・・」
言いかけて、ふとハロルドは言葉を止めた。
何かに気付くと、途端に真剣な表情になり、じっくりと老人の様子を眺め始めた。
パッと見、分かり難いが、よく見ると身体の節々に、ヒトあらざる生体が組み込まれている。
スタンが不思議そうに彼女を見やる。
「どうしたんだ?」
「ねぇスタン」
老人を凝視したまま、彼女はいつになく真面目な口調でつぶやいた。
彼は相変わらず困惑した表情のまま、彼女の言葉を待った。
「この子、もう大丈夫だから、洞窟の中に連れてって休ませてあげて。
誰も居ないことを確認してから、絶対安全な場所に置くのよ。
そしたらすぐにこっち帰ってきて。いい?変な悪戯とかしちゃダメよ」
「え、なんで、ハロルドは?」
「私はこいつの観察・・・看病しとくわ。多分時間はそう長くないから、早く帰ってきてね」
「?」
彼女の言葉の意味が全く理解できないまま、彼は言われた通り少女を抱きかかえ、
洞窟内部へ入っていった。中は伏流水がくりぬいたもので、洞窟内部であるに関わらず水が流れている。
それなりの広さであったが、人は居ないようだった。
スタンは洞窟内に出来ていた適当な小部屋を見つけると、そこにあった台状の岩の上に少女を乗せた。
寝心地が悪そうだ、と思い少女をもっと良い場所へ動かそうと思ったが、ハロルドの言葉を思い出し、
急ぎ引き返すことにした。念の為、もう一度周囲を見回し再度誰も居ないことを確認した。
振り返ったとき何かを蹴飛ばしてしまった。
それは硬質な音を響かせて転がっていったが、彼はただの石ころだろうと思って無視した。
「さて・・・」
ハロルドはスタンが少女を抱え洞窟に消えたのを見ると、すぐに老人の上に屈みこんだ。
最初彼女等が様子を見た時より、明らかに容態が変わってきている。
恐らく激しい体力の消耗で一時的に収まっていたそれが、
少女の法術で回復したことにより蘇ろうとしているようだった。
すばやく老人の身体を撫で回し、右手の甲に小さな窪みを見つけた。
そこをじっくりと見る。微かに、そこに埋め込まれていたものが残っていた。
手早く掻き出そうとしたが、老人の身体が跳ねて阻止された。
老人の身体がビクンビクンと脈打ってきた。
「どうやら・・・」
ゆっくりと後ずさりしながら、彼女はつぶやいた。
「あそこにあったものが取れちゃったせいで、こうなっちゃったみたいね」
老人の身体は今やヒトで無くなっていた。全身が肥大化し、顔面が崩れ、
元より悪い肌の色が更に不気味な青緑色になり、両手両足の爪は既に怪物のそれになっていた。
そしてハロルドの二倍ほどになった巨躯を仰ぎ、咆哮をあげる。
「WRYYYYY!!!」
「せっかく貴重な実験サンプルと言いたいけど・・・状況が状況だし、覚悟してもらうわよ」
彼女はそう言うと落ちていた杖を拾い、構えて、
既に怪物になった──再度エクスフィギュア化してしまったマウリッツ──と対峙した。
【スタン 生存確認】
状態:軽い疲労
所持品:???? ???? ????
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:ハロルドの救援 ハロルドと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
【ハロルド 生存確認】
状態:TP微消費
所持品:ホーリースタッフ ピーチグミ 短剣 実験サンプル(内容不明)
現在地:G3の洞窟入り口
第一行動方針:マウリッツを倒す スタンと共に行動
第二行動方針:不明
【ミント 生存確認】
所持品:サンダーマント
現在位置:G3の洞窟内部
状態:TP極小 重度の疲労 洞窟内部で睡眠中
行動方針:不明
【マウリッツ 生存確認】
所持品:不明
現在位置:G3の洞窟入り口
行動方針:目の前に居る者の排除
状態:再度エクスフィギュア化
神に実体というものはない。ほとんどの神は精神体である。
そして、それは星に存在するものすべてに宿っている。
こっちにある木にも、あそこにある岩にも、すべてに宿っている。
とはいっても、やはり相性といったものはあるわけで。
鉱石や人形のようなものには宿りやすく、ときにはその力を封じてしまうこともある。
そして、善神が存在する限り、悪神もまた存在する。
彼女が飛ばされたのは古い塔。
飛ばされたのは彼女だけだった。いつもはそばにいるはずの小動物は見当たらないし、仲間達もいない。
とにかく仲間を探そうとして行動を開始しようとしたとき、近くで誰かが戦っているのに気付いた。
マグニスとバルバトス。彼らが戦い、そして手を組み、武器を作る一連の出来事を目撃してしまった。
幸いなことに彼女の支給品のスカウトオーブで、彼女の気配を最小にすることができ、
また彼女の存在感はマグニス、バルバトス両名が放つ圧倒的な存在感の前にかき消され、気付かれることはなかった。
だが、彼女はその二人のデタラメな強さに恐怖した。
彼女だって術が使えないことはないが、キールのように素早い詠唱は得意ではない。
相手は二人。術師が前衛無しで複数人の相手をするのは無謀というものだ。
そして、彼女は当然、開始前にマグニスが男性の首を折ったのを覚えている。
見つかってしまえば最後、その男のように、自分も首を折られてしまうことだろう。
「リッド…。ファラ…。キール…。お母さん…。助けて…」
彼女はただ隠れ、祈ることしかできなかった。
やがて、マグニスもバルバトスも塔を去り、二人の戦いの現場をあらためて見る。
多少古くはなっていたものの、神秘的な雰囲気をたたえていたはずのその回廊は見るも無惨な光景と化していた。
壁には大穴が空き、大理石の柱は折られ、あちこちが焼けこげ、床には瓦礫が散乱していた。
規模は小さいものの、ルイシカを思わせる崩壊ぶりだ。
もし生き残りたいなら、あの二人も殺さなければならない。
もし生き残りたいなら、かけがえのない仲間達をも殺さなければならない。
だが、そんなことができるはずがないし、したくもなかった。
「死にたくないよ…。帰りたいよ…。神様…」
《ならば我が生き残る手助けをしてやろうか》
突如、頭の中に声が響いた。まるで地の底からはい出してくるような、そんな声だ。
聞き覚えがある。そう、あれは確かレグルスの丘で…。
「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
彼女のもう一つの支給品は、鉱石だった。
リバヴィウス鉱といい、幻の鉱石とされているものだ。
技術の高い職人が加工すれば、最高の武器防具が作られることだろう。
だが、この鉱石にはもう一つの性格があった。破壊神の封印。
創造神の加護を得たものが存在するなら、破壊神の加護を得たものもまた、存在する。
彼女に配られた鉱石には、破壊神の残留思念が残っていた。
そして、その破壊神の精神は、自分に最も適した器を探し求める。
その器こそが、メルディ。
彼女にとって幸いだったのは、残留思念は彼女が耐えられる程度の弱いものであったこと。
多少錯乱したものの、今は声もなにも聞こえない
だが、もし彼女が精神に異常をきたせば、またはそれを望めば、彼女は破壊神に体を乗っ取られてしまうかもしれない。
【メルディ 生存確認
状態:パニック。ネレイドの干渉は押さえ込んでいる
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:仲間と合流、元の世界へ帰る
現在地:A2の草原地帯】
「はあっ!」
一瞬の隙を付いて現れたカッシェルの斬撃をかわし、リッドは素早く剣を振った。
だが既に男はその場から消え、彼の一撃は樹木の幹を刻むだけだった。
軽く舌打ちをし、顔を上げ視界を広げる。
今度はどこから来る?右か、左か、後ろか、上か、下か・・・
「正面!」
突如目の前に出現したカッシェルが顔面狙いの突きを繰り出してきた。首を回し、ギリギリでかわす。微かに頬を擦る。
そのまま上体を泳がせ、腕を前に出した体勢の覆面男の腹に膝蹴りをかました。
男の身体が震えたが、覆面のせいで顔を歪めたかどうかも分からない。
そしてお互いの身体が密着した状態のまま男は跳躍し、また森の中に消えた。
男が名乗った『幽幻』の名の通り、気配も感じられない。
くそっ。リッドは小声でそうつぶやいた。
こんなことをしていても埒が明かない。しかし何とかして奴を撃退しなければ、自身の安全すら危うい。
不意に背後から何かが飛来する気配がした。急ぎ振り向き、ムメイブレードを振り回す。
断ち切った手ごたえがしたが、だが、それは折れた木の枝だった。目を見開き、戸惑いの表情を浮かべる。
しまった──
それがフェイントと気付いた時には、彼は背中に一閃を喰らっていた。
敵のショートソードが破壊力の低い武器とはいえ、戦闘の優劣を付けるには充分な一撃だった。
それでも歯を食いしばり、身をよじりながら剣を振る。
男はテンポ良く後方に跳ね飛んだ。しかし彼は男を逃がさなかった。
「魔神剣──」
剣を地に這わせ、一気に振り上げる。地を這う衝撃波が男目掛け発射された。
男はやはり動じることなく跳躍し、辺りに群立してる木々を蹴り飛びながら接近してくる。
「隙だらけだな・・・?」
不気味な笑みを浮かべて(しかしリッドには確認できなかった)、男が言った。
剣を振り上げた体勢のままのリッドへ、急接近するカッシェル。
そして男が彼に再度肉迫したその時、彼は一気に剣を振り下ろした。
「──双牙!!」
一度目より格段に大きい衝撃波が、彼と男の間で爆発した。男は直撃を喰らった。覆面が破れ、身体の節々に裂傷が出来た。
男は左手で顔をかばいながら、とても優雅とは言いがたい飛翔をし、近くの木の茂みに隠れた。
リッドは男が逃げ込んだ木の上空を見やると、その木に思い切り剣を突き立てた。
「雷神剣!!」
迸る電流が剣を伝わり、樹木を駆け上がっていく。バチバチと音を立て木の皮を砕きながら進むそれは、そのまま木の先端まで届いた。
微かに男の悲鳴が聞こえた気がした。そのまま上を見ていると、やがて大きな何かが落ちてきた。
リッドはそれに近づき、見た。男の服を着た、切り株を。
「!?」
気付いた時には遅かった。男は彼の背後に接近し、血塗られた剣を今にも彼の首元に突きたてようとしていた。
その凶刃は確実に彼の頚動脈を断ち、即死に至らせるだろう。
間に合わない──
かろうじて視線だけ後ろに反らせながら、彼は己の死を悟った。
いや・・・・・・駄目だ。
死ねない。俺はまだ、死ぬわけにはいかない。この島にはまだ、俺の仲間が居る。
あいつらの無事を確かめるまでは・・・共に生きて帰れる時までは、諦めてはいけない。
放っておけば、何をしだすか分からない仲間達を──残していくわけにはいかなかった。
俺は・・・・・・死ねない。
目の前を、紅い球が飛び交った。
いつの間にか男は彼から遠ざかっていた。そして油断の無い視線をこちらに向けている。
否、正確には彼の背後に向けていた。彼が振り向くと、そこにはもう一人、男が立っていた。
「やれやれ、危ない所だったじゃないか、リッド」
後ろで束ねた青髪に、足元まであるローブ。その男こそ、リッドが最も信頼を置く仲間の一人。
キール・ツァイベルだった。
「貴様は・・・さっきの!」
覆面の(殆ど破れていたが)男が叫ぶ。
その言葉がどういう意味を持つか、リッドは微かながら理解した。
キールは全身の所々が土や泥で汚れていたが、顔の上部、額の辺りに丁度リッドが負ったのと同じような傷跡がある。
彼の友人もまた、この男と戦ったのだ。その代償があの姿である。
「何とかこいつから抜け出してから、近くで戦闘が起こったと思って見にきたら、まさかお前がこいつと戦ってるとはな」
皮肉めいた口調だが、友人は彼との再会を喜んでいるようだった。
「お前も、よくこいつとやりあって逃げ切れたな。支給品にジェットブーツでもあったか?」
「何だと!」
いつの間にかリッドは自分が安心感に包まれていることに気付いた。
この誰が敵とも分からない状況で、よく見知った人間と再会できることが
どれだけ心に平穏をもたらすか、彼は身をもって痛感していた。
だが、今は再会を喜んでいる時では無かった。
まずは目の前に居る敵を撃退することが最優先だった。
キールもまた、そのことを分かっているようだった。
「よし、いくぞ!」
「ああ!」
リッドは剣を構え直し、カッシェル目掛け突進した。キールも彼の後ろで両腕を激しく振り、詠唱に入った。
だが、予想外に男は後方高く跳躍した。
「流石に二体一はな・・・どうやらよく知った仲間同士のようだし、ここいらで撤退しておくか」
「逃がすか!」
キールが叫び、彼の周辺から真空の刃が生まれ、男に襲い掛かった。
しかし男はまたしても煙の様にその場から消えると、そのまま遠ざかっていった。
「覚えておけ・・・」
男の声だけが聞こえてくる。リッドとキールは油断せずに、周囲を見回し続けた。
「貴様等が誰と手を組もうと勝手だが、このバトル・ロワイアルのルールは絶対だ。
いつかお前達も殺しあう時が来る。それが出来なければ二人仲良く奈落行きだ。
いいか、このゲームに殺し合い以外の選択肢は無い・・・・・・」
男の声が消えた。既に遠くに飛んでいってしまったのだろう。
やがてリッドとキールは顔を見合わせ、疲れた、と言いたげにその場に座り込んだ。
「まさかこんな所でお前と会うとはな」
「僕も信じられなかった。この広い島で、同じ世界の者同士がこうも近くに飛ばされるなんて、全く信じられない」
「信じないも何も会っちまったじゃねぇかよ」
「まあ結果論から言えばそうなるな。
それよりまずはお互いの近況を知るべきだ。これまで何が起こったか、何をしていたか」
リッドはここに至るまでの経緯、マグニスとバルバトスが行動を共にしていたこと、
その直後にカッシェルに襲われたことを話した。
「なるほど・・・それは・・・かなり厄介だな・・・まあそれは今は置いとこう」
次にキールが語りだした。
この土地の環境を調べていたところをカッシェルに急襲されたこと、その最中転落してしまったこと。
「よくそれで無事だったな」
「まあ話せば長くなるが、とりあえず僕は──」
「──つまり支給品にあったホーリィリングのおかげで体力が回復して動けるようになったんだな?」
「う、ま、まあ要約すればそうなるな」
リッドはおもむろに腰を上げ、荷物をまとめ直した。
「それで?これからどうする?もう脱出の方法は思いついたか?」
「馬鹿言え。いきなりそんなこと、思いつくわけが無いだろう。
それと、いつまでもこんな所で会話しているのはまずい。いつまた誰かの襲撃を受けるとも限らない。
とりあえずあの塔に行こう。そこでこれからの行動方針について話し合おう」
リッドは了解すると、荷物を持って塔を見上げた。
ふと、カッシェルの言葉が頭をよぎった。
──いつかお前達も殺しあう時が来る──
彼は頭を振り、その言葉を打ち消した。そんなことはありえない。
自分が、キールやファラ、メルディといった仲間と殺しあうなど。
ファラ・・・それにメルディ。どこに居るんだ。
こうしている内にも彼女等に危険が及ぶ可能性は充分あったが、うかつに動けば危険である。
自分達の傷もあり、まずはあの塔に行き落ち着くのが先決だ。
「どうした?置いてくぞ」
いつのまにかキールも荷物をまとめ、歩き出していた。
「体力ねぇくせに無茶すんなよ・・・」
リッドもまた歩き出した。
──それは、このゲーム開始以来初の同じ世界の仲間同士のチームでもあった。
【リッド 生存確認】
状態:背中に刀傷 頬に擦り傷
所持品:ムメイブレード エルヴンマント
現在位置:B2の森林地帯から同エリアの塔へ移動中
行動方針:塔への移動
:ファラ、メルディとの合流
:襲ってくる敵は倒す
【キール 生存確認】
所持品: ホーリィリング ????
現在位置:B2の森林地帯から同エリアの塔へ移動中
状態:額に切創、 全身打撲(回復中)
行動方針:塔への移動
:ファラ、メルディとの合流
:脱出法を考える
【幽幻のカッシェル 生存確認】
状態:全身に軽い裂傷 軽い痺れ 覆面損傷
所持品:ショートソード アワーグラス
現在位置:B2の森林地帯から移動
行動方針:ゲームに乗る
:決して徒党を組まない
やっば最後タイトル入れ忘れた
ぱららららららっ… ぱらららららっっ…
男、チェスターは、疲労を抑えながら、森林にまで轟くその音を耳に抑え込んだ。
これは? …チェスターは聞いた事すら無い、この不自然で、甲高い音の正体を脳裏で探る。
だが、答は出ない。チェスターは重い瞼を開き、静かに弓を手に立ち上がる。
唯一つだけ、分かった事はある。敵が居る。――それも、この近くに。
チェスターは両目を隼の如く尖らせながら、気配を殺す。そして、音の在り処を探る為に、耳を済ませる。
そして、万全の体勢で、何れ訪れる“獲物”を待ち続けた。
まるで、獣が咆哮を繰り返すかの様に、ウージーがヒアデスの手で踊る。その度に、ぱらぱらと溢れんばかりの薬莢が零れる。
そしてヒアデスは、甲高い銃声音と同時に高笑いを繰り返し、そして時折「メルディ」の名をぶつぶつと呟いている。
「めるでぃぃ ぃぃ メルディィィィ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃぃぃ」
最早ヒアデスに、“正気”と呼ばれる物は、一片も無かった。が、当の本人はそれを気にする事無く、マシンガンの引き金を絞った。
ぱららららららッ……!!
「近いな…。そろそろ、様子見程度に打つか。」
チェスターは、大木の陰に隠れつつ、毒塗られた矢を取り出し、弓にセットする。そうしている間にも、音は轟く。
ヒアデスと、チェスターの距離は、縮まる一方だ。チェスターの頬を冷たい汗が走る。
(もう、時間は無い!)
息を呑み、チェスターは手に握り締めた弓を放とうとした。
―――瞬間!
「ヒィャッハハハハハ!」
ウージーサブマシンガンの銃声音が止まり、同時に「笑い声」が響いた。……アミィを殺した張本人、ヒアデスの。
チェスターは再び息を呑んだ。足音を立てながら、ゆっくりと男が姿を現す。
手には筒状の、黒金で加工された何かが握られている。
筒の先端からは、チャコールグレイの煙が放たれ、次第に空気と同化していく。
(正体が掴めないか… ならば、やられる前に、やるしかない!)
その煙が完全に見えなくなった瞬間、虎視淡々と佇んでいたチェスターの手が弓が絞り、標的を狙う。
「紅蓮!!」
そして弓を放つ。
と、同時に、矢に異変が起こる。何の変化もない矢に炎が纏われ、ゴォッ、と火の粉を散らした。
炎を纏った矢は空気を切り裂き、ヒアデスに迫る。だが、チェスターが弓を絞ると同時に、ヒアデスは既に行動に移っていた。
ヒアデスの指が、引き金を引いたと同時に、銃声音は発せられた。
マズルフラッシュが眩く放たれ、火薬の破裂音が鼓膜を叩く。銃口から放たれた無数の銃弾が、矢に迫り行く。
およそ三個の銃弾が、起動に乗って矢と衝突する。
…その刹那 炎を纏った矢は曲げられた様に火の粉をそこら中に散らしながら、地面に墜落した。
チェスターは目を疑った。 …矢が、撃ち落とされただと!?
銃弾は矢を落としただけでは飽き足らず、そのまま直進し着弾を待つ。その内の何発かは、チェスターに着弾しようとしていた。
「くそっ!」
舌打ちし、チェスターは弓を手放し地面に転げ出す。銃弾は大木を掠り、闇の中に吸い込まれ行く。
チェスターはそのまま脅える事無く、弓を拾い上げて再び弓をセットする。
しかし、その隙が命取りになった。
ヒアデスが、ヒャハハハハハ、と高笑いした瞬間、再びウージーは火を噴いた。
ぱらららら…
薬莢を吐き出しながら、ウージーが銃弾を高速で放つ。反動が銃身を包み、揺れる。
チェスターが弓を引く前に、一発の銃弾はチェスターの脇腹に着弾する。
同時に、二発の弾丸が右胸部と、右足を掠り、その精密な先端と凄まじいスピードで肉を削り落とす。
「ぐあぁぁっ!!」
鮮血の溢れる脇腹を押さえながら、チェスターが悲鳴を発する。そして、うつ伏せに倒れこんだ。
それを見て、再びヒアデスが引き金を引こうと指を曲げる。ウージーが禍々しく、きらり、と閃いた。
カチリッ カチリッッ
だが、銃弾が発せられる事は無かった。
マガジンの弾が切れたのだ。チェスターにもこの時、反撃のチャンスは与えられたのだが―――とても、そのチャンスを掴める状態ではなかった。
「メルディ――」
ヒアデスが寂しげに呟き、ウージーからマガジンを放出する。そして予め、支給されたマガジンを取り出し、装着した。
30個もの銃弾がウージー・サブマシンガンに込められ、ヒアデスはそれをチェスターに向けた。
「めるでぃ… めるでぃ めるでぃ めるでぃ めるでぃめるでぃめるでぃめるでぃめるでぃ……」
「…俺は…まだ、死ねない…。」
チェスターは、重くなった拳を握り締め視線をヒアデスに向ける。被弾した際にこぼれ落ちた鮮血は、地面に茂る雑草を変色させている。
眩暈が起こり、頭痛が重く圧し掛かり、視界がくらくらと揺れる。
弓をそのまま取ろうとしたが、激痛で足が動かない。しかし、まだ自分に「手」は残されている。
チェスターは弓の代わりに、一回り長めのスピアを取り出す。そして、その剣の如く精鋭な先端を、ヒアデスに向ける。
殺さなければならない、こいつを殺さなければ、アミィと、仲間達は助からない!
チェスターは頭の中で何度もそう呟きながら、スピアを手に体を無理に体を動かす。駆け巡る激痛が、体を侵食する。
だがその痛みも、次第に和らいで行く気がした。スピアを天に掲げ、それをヒアデスの心臓目掛けて一直線に投げつけた。
ヒアデスは驚き、咄嗟にウージーの引き金を絞ろうとする。しかし、ヒアデスの指が引き金に向かうよりも数秒早く、スピアはヒアデスの――
…左肩を掠めた。
スピアの先端は心臓ではなく、左肩掠っただけだった。スピアは空しく空気を切り、地に突き刺さる。
だが、ヒアデスはその突然のダメージに驚き、ウージーを手放してしまった。ウージーは薙ぎ払われた様に、森の中に転げ落ちる。
明らかに火力が落ちた。
(しめた、ここで止め――ッッ!)
そう思った次の瞬間、チェスターの体を衝撃が走った。ぐらん、と体が揺れ、強い衝動で体が弾き飛ばされる。
ヒアデスが瞬時に詠唱したサンダーブレードが、チェスターを直撃したのだ。
「違う チガウ コイツハ メルディ デハナイ デハナイ ダカラコロスダカラコロスダカラコロス」
…それと同時に、チェスターを「敵」と判断したヒアデスの目に、殺気が強く漲った。
【チェスター 生存確認】
所持品:サバイバルナイフ 木の弓 木の矢 毒(液体)
行動方針:ヒアデスとの戦いに勝つ/ゲームに優勝し、アミィ(+仲間達)を蘇らせる
現在地:C5の橋付近
状態:全身に少々の火傷。右胸、右足に軽傷。脇腹を強く負傷。めまい・頭痛】
【ヒアデス 生存確認】
所持品:UZI SMG(30連マガジン5つ付き 現在は森の中へ弾き飛ばされた)他は不明】
行動方針:チェスターとの戦いに勝つ/メルディ以外の人間(ミクトラン含む)を皆殺しにする。】
現在地:C5の橋付近
状態:発狂(幻覚が見える) 左肩負傷)
「コロス……コロスコロスころすころすころすころすころす―――――」
コワレた人形のように、ヒアデスは繰り返し繰り返しつぶやく。
二匹目の獲物の、思わぬ反抗によってウージーを取り落としはしたが、男の殺意は消える気配を微塵も見せない。
森に消えた武器のことは意に介さず、サンダーブレードによって吹き飛んだチェスターににじり寄る。
瞬時に放たれた、溜めのない電撃であったが、チェスターの全身にはひどい痺れが残る。
鞭打って動かぬ右手を懐に伸ばすが、男の接近のほうが幾分早い。
男は、笑っていた。アミィのときと同じ、蟻を踏み潰す下衆の浮かべる笑い。
ヒアデスの右手が、チェスターの顔を握りつぶさんばかりに被さると、ギリギリと骨が軋む音が響く。
チェスターは立った。いや、立たされた。ヒアデスの手によって。
後ろの大木に背中をゴリゴリと擦り付けられ、ヒアデスの右手には更に力が籠められる。
チェスターは抵抗を試みたが、両足の感覚は痺れによって無くなっており、両手も、ブラリと垂れ下がっているまま。
ヒアデスは、既にこの獲物を殺す算段をしていた。といっても、それは本能の世界での算段なのだが。
左手で、この獲物の腹を抉り千切る。血の滴る自分の内臓を見せつけ、その後右手で頭を握り潰す。
その夢想だけで、ヒアデスの笑いは止まらなかった。
ヒアデスの、カン高い笑い声が森に吸い込まれる。
ひとしきり笑った後、ヒアデスはチェスターの臓物に向かい、左腕を振るった。
左腕が、チェスターの内臓を抉り取る……はずであった。
だがヒアデスの左腕は、振り上げたまま静止していた。
この異常に、ヒアデスの顔からは笑いが失せ、驚愕の表情が代わりに貼られる。
チェスターは、アミィの遺した毒を矢だけでなく、モーゼスから奪い取ったヤリにも塗っていたのだった。
神経の伝達を混乱させるその毒が、ヒアデスの本能の出す命令を阻害する。
理性が歯止めをかけないがゆえの強大な力も、神経が逆らってしまってはその力を出せない。
ヒアデスは、必死に左腕を動かそうともがいた。
その隙を、チェスターは霞む視界の中にあって見逃さなかった。
最後の力を振り絞り、右手を懐に入れ、取り出す。
握られたサバイバルナイフが、ヒアデスの左胸に突き刺さった。
ヒアデスの表情は驚愕から怒りに変わり、チェスターを力任せに投げ飛ばした。
「ハァーーーーーッッッ!! フゥーーーーッッッッ!!!!」
ヒアデスは、力任せにナイフを引き抜いた。
彼の狂人の血が、地面を赤く染めた。
そのナイフを右手に握り締めると、受身もとれずに大地に叩きつけられたチェスターに向かい、ゆっくりと歩き寄った。
チェスターは遠のく意識の中で、あの男がいよいよ自分に止めをさすのだと悟った。
(アミィ……すまねぇ…………俺は………)
ヒアデスが血に臥す獲物へとサバイバルナイフを振り上げたその刹那。
ナイフが、するりとヒアデスの手から逃げた。
そして狂人が、血を吐いた。膝をつき、倒れこむ。
おかしい。みょうだ。ヒアデスはそう感じたかのような表情で取り落としたナイフを探す。
しかし、ヒアデスの目から視界が消えてゆく。
なぜ、なぜ? そう思いながらも、ヒアデスはナイフを再度つかんだ。
そして再び立ち上がる。
だが、すぐにその両足は崩れ落ちる。
また立ち上がる。
そして崩れ落ちて、地に臥す。
立ち上がり、倒れる。
幾度も繰り返された後、ヒアデスは笑い声をあげた。
それは森の中にひとしきり響き渡ると、やがて消えた。
森に響き渡る銃声、戦いによるものと思われる魔法素の収束、そして響き渡る狂ったような笑い声。
それらを聞いたアーチェは、ひどく嫌な気分になった。
なにか、嫌な予感がする。
近くの城を目指していたが、そうしてアーチェはそれらの音の主の元に向かい、戻ることにした。
彼女の予感は当たっていた。
辺りに飛び散った血、血、血……
その中から、眠るようにうつ伏せで倒れているチェスターと、仰向けで笑いの表情のまま死んでいる男を見つけた。
「チェスター!」
近づき、チェスターを抱きかかえるアーチェ。
「チェスター! チェスター! 返事しなさいよ!! ねぇ!!!」
全身くまなく灼かれて、更に腕、足、腹部にも傷があり、ジワジワと血が染み出ている。
アーチェは、もう泣きそうな表情で、懸命にチェスターに呼びかける。
「………………アー………チェ………か」
消え入るようなチェスターの声。
「チェスター!!!」
「………………どう…………し……た?」
「チェスター! 待ってて、今手当てするから」
アーチェはそういうが早いか、支給品袋をひっくり返した。
水くらいしか、手当てに使えそうなものはなかった。
だがそれでも、何もしないよりははるかに良い。
必死に、チェスターの傷を水で濯ぐ。それしか、アーチェには出来なかった。
パナシーアボトルのひとつでもあれば消毒液がわりになるが、それさえもない。
祈るような思いで、アーチェの手当ては続く。
傷自体は、致命傷というほどではない。
だが、傷を受けてから時間が経ちすぎていた。
彼が死の淵から蘇えるには、既に血を失いすぎていたのだ。
「……………ア……ミ…ィ………」
チェスターはそう呟いた。
静かに、本当に静かに……チェスターの瞼が閉じていった。
「待って! 起きて、ねぇ、起きてよ!!!! チェスターーーーーーッッッッ!!!!!!!!」
アーチェは涙を溢し、あらんかぎりに叫んだが、彼の切れ長の目が、再びアーチェを写すことはなかった。
【アーチェ
状態:身体は健康
所持品:BCロッド・レジストリング・ダークボトル(残り2個)・スペクタクルズ(1個)
状態:深い悲しみ
現在地:C5の橋付近】
【チェスター・バークライト 死亡】
【ヒアデス 死亡】
【残り47人】
633 :
砕ける氷 1:2005/11/13(日) 22:55:17 ID:s9R0Sgro
ルーティは手にした氷塊を強く握り締め、ヴェイグの喉元へ突きつけた。
軽く上体を反らせ、紙一重で避ける男。その一瞬、目が合った。
何の感情も感じられない、氷の様な視線。
男の使う獲物をそのまま写し取ったかのようなそれを、彼女は強く睨み付けた。
そのまま彼女は氷塊を持った腕を男の左手で掴まれ、グイと引っ張られた。
体勢を崩し前のめりになる。その隙に男が水晶の様な剣・・・チンクエディアを上段に構え、一気に振り下ろす。
「くっ!」
両足に力を込め、強く地面を蹴った。かろうじて致命傷は避けたものの、左の足首に深い傷が出来た。
顔を歪めながらも、追撃を恐れて脇目も振らずに前へ走る。一歩、二歩、三歩。
充分距離を取ったと判断してから振り向く。男はさっきと同じ位置に居た。
男は何も言わない。自身の心に固く決心したものが、男の全身をも支配し始めている様だった。
何度もすれ違い様の攻防を繰り返していては、やがて獲物で劣る自分が不利になる。
彼女は内心そう思い始めていた。せめて、アトワイトがあれば・・・術が使えれば・・・
いつの間にか男がこちらへ駆け出してきた。剣を右肩の上に構え、突進してくる。
「ええい!もうこうなったら!」
ルーティは思い切って術を唱えた。もし失敗してもまだ距離がある。駄目と分かっていれば反応も早いだろう。
634 :
砕ける氷 2:2005/11/13(日) 22:56:09 ID:s9R0Sgro
だが、結果は予想外だった。
走り寄る男の周囲に冷気が起こり、渦をなして男を切り刻んだのだ。
ヴェイグは驚いたが、ルーティは更に驚いた。
彼女が術を撃てた要因は複数あった。
この島全体のマナが特殊な流れを成しており、術の心得があるものは誰でも撃てる状況にあった。
さらに彼女はソーディアンが無ければ術は撃てないが、現在彼女は氷塊を握っている。
オリジナルに比べればかなり微弱だが、ヴェイグによって生み出された、氷の力が凝縮しているそれと、
会場の複雑なエネルギーが絡み合って、彼女が術を撃つに至ったのだ。
当然ながら放った術も威力はかなり落ちているが、男を足止めし、うずくまらせるには充分だった様だ。
「へぇ、こいつ、アトワイトの代わりをやるなんて、なかなかやるじゃん。気付かなかった」
手にした氷塊をしげしげと眺め、ルーティは感嘆した。全く、いつ何が役に立つか分からないものだ。
635 :
砕ける氷 3:2005/11/13(日) 22:56:55 ID:s9R0Sgro
だが、突然その氷塊が砕けた。
驚愕の表情を浮かべるルーティ。見ると、男がゆっくりと立ち上がり右手をこちらへ差し向けている。
「俺も気付いていなかった・・・」
彼女はぞっとした。その声の調子は、初めてこの男と会った時にかわしたそれと全く変わりなかった。
本当に、氷の様な精神の持ち主である。
男と砕けた氷を交互に見つつ、彼女の顔ははっきりと狼狽していた。
「それは元々俺が創り出したものだから、自由自在に操れて当然だな・・・」
そうつぶやくと、再度剣を構えて突進してきた。
術を撃つどころか、もはやまともな武器すら失くしてしまった。もう、どうしようも無い──
いや。そんなことは無い。例え術が撃てなくても、武器が無くとも、今、自分に出来ることはあるはずだ。
諦めたくなかった。スタンと、リオンと、マリーと再会するまでは。
636 :
砕ける氷 4:2005/11/13(日) 22:57:43 ID:s9R0Sgro
男との距離が一メートルも無かった。
ルーティは意を決し、男に向かって行った。
男が剣を振る──両手を伸ばす──左肩から腰までが斬られる──血が吹き出す──両手が男の腰に届く──
左足がもつれ、転ぶ。男は剣を振り下ろした体制のままだった。
「はぁっ!!」
自らを奮い立たせるように叫び、腕を振った。男の背中に鮮血が走る。
「ぐっ!」
男は動揺した様だった。何故だ、何が起こった──?
振り向く男の目に、膝を突きながらも闘志を失っていない女と、その手に握られている短剣を見た。
その瞬間、男は何が起こったか全て理解した。
その短剣こそ、自分が持っていたもう一つの武器──スティレットだった。
あの一瞬、ルーティは男の腰に差さっていた短剣を『盗んだ』のだ。
「何!?」
「やああああああ!!」
ルーティは左足首から血が噴き出るのも構わず、
勢いを付け立ち上がり、剣を両手で握り締め正面に向けてヴェイグへ突進した。
男が動揺している今しかチャンスは無い。これで、決めなければ、生き残ることは出来ない。
距離は殆ど無い。男の姿が視界内で拡大していく。
あらん限りの力を込めて、全身を伸ばし剣を突き出した。
それは、男が居た位置に、確実に届くはずだった。
男は一瞬の内にバックステップをし、距離を取った。
そしてそのまま、剣を左腰の辺りに下げ、抜刀術の様に一気に右へ薙ぎ払った。
衝撃波を伴った男の剣は、彼女の胸部を深く切り裂いた。
鮮血が飛び散り、男の青髪を紅く染める。そうして、彼女は後ろ向きに倒れこんだ。
男の姿が視界から消えると、既に陽が傾きかけた空が見えた。
だが、それもわずかのことで、彼女の見る世界は、やがて漆黒に染まっていった。
637 :
砕ける氷 5:2005/11/13(日) 22:58:34 ID:s9R0Sgro
男は女が力尽きたのを見届けると、スティレットを拾い、女の荷物を探り始めた。
支給品のグミセット二つを見つけた男は、しばらくそれの効果について書かれた付属の説明書を読むと、
『ミックスグミ』と書かれたグミを手に取り、口へ運んだ。
一気に体力、そしてフォルスが回復するのを感じた。これなら今すぐにでもまた戦うことが出来る。
そしてその他の女の荷物も取り上げると、ゆっくりと歩き出した。
その表情はやはり、女と出会う前と変わっていなかった。
【ヴェイグ 生存確認】
所持品:スティレット チンケエデア グミセット(アップル、オレンジ、レモン、パイン、ミラクル)
現在位置:F6丘の上
状態:右肩に裂傷 背中に刀傷 全身に軽い凍傷
行動方針:ゲームに乗る 最後まで生き残る
【ルーティ・カトレット 死亡】
【残り46人】
ジファイブの町。なんだかそのまんまの名前の町だ。
きっと誰でも覚えられるようにという配慮の上でこういう名前にしているのだろう。
町と村の中間といった方がいいのだろうか?
建物はミンツやバロールよりは田舎だけれどラシュアンよりはもうちょっと都会っぽいといった感じ。
町を四分するように通りが十字に走っていて、道に沿うように木が植えてある。
町の中心には教会があって、その前は噴水広場になっている。
教会自体は決して大きくはないけれど、塔は立派なものだ。
あそこなら町全体も町の周りも十分見渡せることだろう。
もともとあった町をモデルにしたのか、それともこのゲームのためにあの男が作ったものなのかは分からないけど、
それほど大きい町ではないみたいだ。むしろ大きかったら困る。私が迷ってしまう。
ユアンさんが言うには、武器防具、道具があるかどうかは怪しいとのこと。
雑貨や日用品程度はあるかもしれないらしい。
町の観察はそこそこにして、早くグリッドさんと合流しないといけない。
ユアンさんと二人っていうのは雰囲気的に少し気まずい。
こんな状況だからなのかもしれないけれど、彼からは少し冷たい印象を受けるわけで。
ここに飛ばされたとき、初めは怖かった。絶対殺されると思った。でも彼は仲間になって欲しいと言ってくれた。
彼の言動にはなんか和んだし、何故か離れたいとは思わない。
恋とかそういうものじゃない。ただ、彼には人を引きつける魅力でもあるのかもしれない。
だから、グリッドさんは、欠けては困る存在だと思う。
…ただ、支給品の無駄遣いはやめてほしいけれど。
エナジーブレットもそうだし、さっきもユアンさんの持ち物の香水かなにかが入っているビンを使っていたと思う。
グリッドさんは割とすぐ見つかった。
木に普通に引っかかっていた。箒もそばに落ちている。電気が切れたらしい。意外と早い。
ユアンさんが言うには、空を飛ぶというある意味万能な能力はかなり制限されているとのこと。
「やぁ、済まない。少しヘマをしてしまった」
あれはヘマのレベルだろうか? あんなのに乗るべきではないと思うのだけれど。
「それでだな、今すぐ降りたいのだが、この木の傾きが急で降りられない」
また頭が痛くなってきた。
「まったく、世話の焼ける…。ロープか何かがあるだろう。持ってきてやれ」
何で私、と思ったが、ユアンさんは危ないオジサンに襲われて、疲れてると言っていた。見た感じそうは見えないが。
ジェットブーツは偉大だと思う。あちこちを走り回っていると、ロープは意外と早く見つかった。
おそらく荷造り用なのだろう。町の入り口にあった。けれど、どうも誰か来ているらしい。
赤い髪の女の子。私はマジックミストを発動させ、急いで逃げた。
そういえば、着ているのがミンツ大学の制服だった気がする。
なんとか三人の待っているところまでたどり着いたけれど、ユアンさんはかなりイライラしているらしい。
「遅い! ロープ一本にいつまでかかっている!?」
数本持ってきたのは秘密だ。というより、絡まっていたから仕方がない。
「すみません、私方向音痴なもので。そ、そんなことより、誰かここに来てます!」
「それは、こいつのことか?」
そういえば、さっきから一人増えていた。確かに町の入り口で出会った女の子。この人って?
「あれ? 「姿なき晶霊術士」事件を解決した、探偵部のプリムラさん、ですよね?」
「あ、知ってる? 私もすっかり有名人ね。まあ、こんな状況だし、いきなり逃げたのは許してあげるわ」
ユアンさんはため息をついて座り込んでいるようだ。よほど疲れたのだろうか。
「あ〜、君たち、困るなぁ。漆黒の翼のリーダーは俺だぞ。メンバーを増やすのは俺を通してもらわないと」
グリッドさんは相変わらずだ。そういえば、彼を下ろすためにロープを取りに行っていたんだっけ…。
「ちょっと、天下のミンツ大一の名探偵の私が協力してあげようっていうのに、それを断るわけ?」
「君の働き次第だ。見事、この俺を木から下ろして見せたまえ!」
「このプリムラ様にかかればそんなことは朝飯前よ!」
…ロープあるのに何を言ってるんだろう?
プリムラさんが普通にロープを投げた。
グリッドさんが木の枝にそれを結んで、普通に下りてきた。
「やあ、君の働き、素晴らしい! 我らの組織に加えてあげよう!」
…いい加減、仲間になって下さいと言えばいいのに。
「ただ、君の称号は思いつかないので、しばらく無しで我慢してくれ」
むしろ私達も称号はいらないのだが。
「『大食らい』を譲ろうか?」
ユアンさんが提案するが、あっさりと断られた。
私達は教会の方へ入っていった。中は意外と広い。
一階中央に礼拝堂、その左右に二階へ上がるためのスロープ、二階の扉の向こうは宿直室だ。
部屋には屋上へ上がる階段があり、これは塔へつづいているのだろう。
ユアンさんは宿直室で休んでいる。
私達は見張り。あっちで煙が上がったり、向こうで何か光ったり。どちらもかなり距離があるようだ。
ここでプリムラさんが思いついたらしい。
「ねえ、仕掛けでも作ってみない?」
「仕掛けですか?」
「鳴子みたいなものだけどね。爆弾作って知り合いがかかっちゃっても困るし」
爆弾は例えで、彼女自身にそんなものを作る能力は無いようだ。
あのとき作り方を聞いておけばよかったとか愚痴をこぼしてはいるけれど。
「作れるんですか?」
「名探偵はプロの犯罪者にもなりうるっていうでしょ。私に任せておけば大丈夫だって」
「俺は賛同できないぞ。勇者ともあろうものが、そのようなセコイ手段に頼ろうとは…」
「それじゃあ、勇者さんは引き続き見張りをお願いね」
グリッドさんは後悔したらしい。確かに一人での見張りはつまらないものだろう。
「三人もいるんだし、二人くらい抜けたって大丈夫よ。あ、それ貸してね」
彼のアイテムを半ば強引に取った。まあここなら弓矢も届かないだろうし、術もかわせるだろう。
投げるための分厚い本(著:ミクトランとか書いてあった)とか皿とか食器を持ってきた。
小さな石像を持ってきたのは驚いたが、主催者をかたどっているから罰は当たらないだろう、というより真っ先に投げよう。
それから、教会の塔にロープを結びつけた。緊急用の脱出手段らしい。
プリムラさん曰く。名探偵入門212ページ。
『あらゆる状況をあらかじめ想定していれば、百のピンチからも必ず生還できるものなり』だそうだ。
「で、他にどんなことをするんです?」
「ん〜? どうしよう…?」
今一生懸命考えているらしい。大丈夫だろうか。
【グリッド 生存確認
所持品:無し
状態:擦り傷、チャームボトルを使っている
行動方針:漆黒の翼のリーダーとして行動、見張り中】
【カトリーヌ 生存確認
所持品:マジックミスト、ジェットブーツ、エナジーブレット×2、ロープ数本
状態:擦り傷
行動方針:漆黒の翼の一員として行動。プリムラと、トラップを作る。材料探し】
【ユアン 生存確認
所持品:占いの本、エナジーブレット、フェアリィリング、ミスティブルーム
状態:疲労回復中
行動方針:漆黒の翼の一員として行動。休んで、仲間捜し】
【プリムラ 生存確認
状態:健康
所持品:セイファートキー、?、チャームボトルの瓶、ナイトメアブーツ、エナジーブレット、C・ケイジ
行動方針:漆黒の翼の一員として行動。トラップを作る。材料探し】
現在位置:G5の町
城から出たものの、何処に行けばいいのかは検討がつかなかった。
とりあえず、クレスは仲間もしくはこのゲームを願わぬ参加者を見つける事を最優先とサレとコレットに提案し、南へ長いこと突き進んでいた。
周囲も暗く、敵も何処からやってくるかわからない。注意を払って進むがクレスは頭を傾げて眉をこらし、何か考える素振りをする。
「うーん、よし!ダジャレ大会第二幕でもしようか!」
「本当ですか〜賛成です!クレスさんの頭にはダジャレ育成成分が入ってるんですね。凄いなあ!」
「……」
この二人は相変わらずだった。
呆けた奴らだ。
サレは溜め息を吐いた。
しかしこの様な事をクレスがするのはコレットを気遣っての事だった(しかし彼の密かな楽しみでもある可能性は拭えない訳ではあるが)。
この二人を殺すのは簡単だろう。しかしそれではつまらない。折角の素敵なステージだ。どうせなら大勢の観客の為にも素晴らしいショーにしなくてはね。
サレはダジャレに興じる二人の背後で密案を練っていた。
サレはふと耳を澄ました。
―――どこからか人の声がする。
人物によっては面白いことになるのかもしれない。
「ちょっと待ってくれないかい?」
サレは二人を呼び止めた。
「どうしたんですか、サレさん」
「…敵の気配がする気がするんだ。僕は少し見回りをしてくるから、クレスはコレットちゃんを守っていてくれないかい?」
深刻そうなサレの顔を見て、クレスにも緊張が走る。
「…わかった。何かあったらすぐに呼んでくれ。駆けつける」
「気を付けてくださいね」
「ありがとう。じゃあ見てくるよ」
サレは踵を返すと
「待ってくれませんか」
コレットが呼び止めた。
「あの…、私も危なければ全力で戦います。仲間を失いたくないから」
そう言うと不安そうに俯く。
「うん、頼りにしているよ。それじゃあ」
サレは笑みをたたえ、東へと歩きだした。
仲間、ねえ。
サレは薄笑いを浮かべながらくくくっと咽を鳴らす。どこまで馬鹿で気に障るのだろう。
裏切ったら二人はどんな顔をするのか…そう考えると体を駆け巡る血がぞわっとサレを揺さぶり、それが心地よかった。
彼はそれが奇異な事とは思わない。
今まで生きている内に築かれた、どうしようもない性だった。
理不尽が支配する場ならば僕はそれに乗ってあげようじゃないか。
サレは欲求に忠実にそれを楽しんでいた。
やがて、森の入り口に差し掛かると何者かの気配が近づいてきた。
太い木の幹に身を隠し、半身を乗り出して様子を伺う。それは二人いた。
髪を一つに束ね、巻き布の様な服を着た若い女と…あれは―――
サレは思わず喜びに眼を細めた。
ティトレイだ。
どうやら二人は地面に座り込んで深刻な話をしているらしく、何か憤慨している女を彼が宥めているようだった。
張りつめた空気。
サレの脳裏にひとつ考えが浮かんだ。
「あたしはなんとしてもあの女の子を殺した奴を殺す」
「だから今は落ち着けって!!」
「うるさい!!」
しいなは立ち上がった。
「…きっとこんなこと終わらせてやるって思ったよ。だけどもうあんなの見ると…」
しいなは拳を握りしめた。
ティトレイは少し考えてしいなに言う。
「だけど殺した奴が誰かわからねえんだ。気持ちは分かるけど…今は我慢するしかねえ…」
ティトレイも悔しげに顔をしかめた。
すずとセネルの死亡は大きく二人の心理を揺り動かせた。
ティトレイも沸き上がる今は行き場のない気持ちに耐えていた。
ひどく不安定な空気が二人の間に流れていた。
そのときだった
「だけど……っ…
――――!!!」
一瞬、反応したが遅かった
しいなの胸を、ブロードソードが深々と差し貫いた。
その背後には…闇に紛れて接近したサレの姿。
「……あ…」
「しいな!!!!!」
サレは素早く剣を抜き取り、また宵闇に紛れてその姿を消した。
致命傷は外してしまったようだがまあいい。サレの目的は別の所にあった。
「しいな!!しいな!!!!」
ティトレイが慌てて駆け寄る。しいなは虫の息だった。
「誰だ…!!誰だ!!!出てこい!!!!」
既に手を下した者はその場になく、ティトレイの恫喝が森の中を虚しく木霊するだけだった。
しいなを脚の上に抱き寄せると、溢れる鮮血で己が体も濡れてゆく。生暖かく、そしてその血は怒りと共にティトレイの心臓に染み入ってゆく様だった。
体が震える。
「何で…なぜだ…」
ティトレイの髪がざわざわと揺れる。
眼には血にも焔にも似た赤い光が宿る。
草木が張りつめた大気の中震え、ティトレイの感情に呼応する様に擦れ合った。
「これが、このゲームの答えかよ…」
ドッ!!とティトレイから本来なら人に有らざる力――――フォルスが凄まじい勢いで放出される。
「うおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」
ティトレイは絶叫を上げた。
足下や周囲の植物が爆発的に異端な成長を遂げ、ティトレイの周囲に豪風と共に巻きあがる。
「うわあああああああ!!!!!!」
既にティトレイの理性は失われていた。
そう、サレの目的はティトレイのフォルスを暴走させる事、そして――――
「クレス!!コレットちゃん!!!」
サレは息を切らして二人の元に駆けつけた。
「何があったんですか!!?」
二人の間に並々ならない緊張が走る。
「早く来て欲しい。森の中にいる男が凄まじい勢いで暴走している」
「何だって!!」
三人は森に向かい、走り出した。
とてつもない力が森から放たれている。
クレスは頬がぴりぴりとするのを感じた。
森に着くとそこには怒りと憎しみで猛り狂った男がいた。そしてその数メートル先には誰かが倒れている…周囲が暗く、蔦が覆っているのもあり、誰かは確認できないが。
この男がやったのだろうか?
男の燃える眼とコレットの眼が合った。
「ああああああ!!!!!!」
すると叫びと共に男の周りで蠢いていた蔦がコレットを目掛け襲いかかる。
「きゃあ!!!」
しかし間一髪でクレスがその蔦を斬り落とす。
クレスは男を真っ直ぐに見据えた。
この男には既に正気がない。
「…すごい殺気だ!!やるしかないのか!!!」
クレスは剣を構え、男に向けて走り出した。
もうひとつの目的は――――この男と戦わせる事であった。
「おおおおおおお!!!!」
更に蔦が幾重にも重なり、クレスを包み込もうとする。
「クレスさん!!」
するとコレットが支給品の短剣を器用にチャクラムの様に投げ蔦を斬り刻んで道を拓く。
単純な男だ。暴走するティトレイを眺めて思う。そもそも殺し合いの場で馴れ合う方が愚かなんだよ。
君の様な腐った理想を抱いた大根役者には無様に死んでもらうよ。それがお似合いだ。
フォルスが暴走しているとはいえ三対一だ。
勝機は明らかにこちらに有るだろう。
フフ、と思わず笑いが込み上げる。
そしてこの二人は戦いの後真実を知るとなると、どんな顔をするのか――――
尤も、そんなお楽しみはまずこの男を殺してからずっとずっと後だけれどね。
クレスとコレットはゆっくりと…しかし確実にサレの用意したステージの上で踊りだした。
それが仕組まれた脚本とも知らずに。
【クレス 生存確認
状態:無傷
所持品:ダマスクスソード ????
行動方針:ティトレイを倒す】
現在位置:F4の森入り口
【コレット 生存確認
状態:無傷
所持品:忍刀血桜 ????
行動方針:ティトレイを倒す】
現在位置:F4の森入り口
【サレ 生存確認
状態:無傷
所持品:ブロードソード ???
行動方針:ティトレイを倒す、コレットとクレスを利用する】
現在位置:F4の森入り口
【ティトレイ 生存確認
状態:フォルス暴走
所持品:不明
行動方針:理性がない為眼に付いた者を倒す
【しいな 生存確認
状態:胸を深く刺され重傷
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ????
行動方針:瀕死の為不明】
現在位置:F4の森入り口
スマンが行動方針にただやってることだけ書くんじゃなくて
基本行動方針とかいくつかに分けて、もう少しキャラの思惑を明確にしてもらえないだろうか
エクスフィギュア化したマウリッツの攻撃を避けつつ、ハロルドは充分な距離を取った。
そして詠唱開始。異形の化け物と成り果てた男は、ただ己の本能に従い接近してくる。
「デルタレイ!」
唱え切ると同時に、彼女の正面に三つの光球が現れ、
勢いよく三角形を描きながら男に向かって飛び、その胸を穿つ。健康状態の悪そうな血が飛散した。
しかし相手はたじろぐこと無く、直もハロルドとの距離を詰めていった。
彼女と男の間隔が完全に狭まった。彼女はまだ術を放った構えのままだった。
男が怪物化した腕を振り上げる・・・と同時に、彼女の目が光った。
「更に!」
再度彼女の目の前に光が現れ、雷の如く発光しながら一気に男の左腕を貫いた。
血しぶきが上がり、男の左腕と胴体が分裂した。
「GUOOOOO!!」
苦しんでいるとも、猛っているともとれる雄叫びを上げながら、男は大きくのけぞった。
ハロルドは男のダメージを観察しているようだった。出来ればデータ採取したいものだが。
と、突然男の胸部が裂け、内部から茶褐色の触手が何本も飛び出してきた。
「お!」
咄嗟に後方に飛ぶ。触手はそのまま地面を強く砕いた。
更に続けて襲い掛かってくる。ハロルドは連続で飛び跳ねながらも、
何重にも折り重なって迫る触手に次第に追い詰められていった。
そして何度目かの回避の後、眼前に一本の触手が急接近していた。
「わわっ!」
一瞬の判断で短剣を使うことにした彼女は、
杖を持っているのとは反対の左手で短剣を握り、切り払ってそれをやり過ごした。
が、その隙に足元に迫っていた別の一本には気付かなかった。
それは一瞬にしてハロルドの足首に絡み付く。
「げっ」
まるで実験に失敗してしまったかのような調子でつぶやく・・・やっば〜、酢と酸を間違えちゃった〜・・・
次の瞬間、彼女の身体は宙高く舞い上がった。
空中に逆さ吊りになった彼女に、追い討ちをかける様に残りの触手が襲い掛かってきた。
「このエロオヤジ!」
逆さ吊りの体勢のまま、彼女は素早く杖を持った右手を頭上に(実際には地面に向けて)高く挙げた。
地面から突如黒色の刃が現れ、迫り来る触手を全て断ち切った。
ついでに彼女の足に絡み付いていたものも切れた。そのまま逆さに落ちる。
「あだっ・・・もー、こいつ一体・・・」
後頭部を右手で撫でつつ、男を見やる。そこに男の姿は無かった。
ちらと上を見る。予想通り、男は跳躍して彼女に襲い掛かって来ていた。
鮮やかに避けようとし・・・突然男の化け物並になっていた爪が、更に伸びた。
だがそれも予想通りだった。まあ、拳の筋肉の動きを見れば一目瞭然なので。
男の爪が大地をえぐる。彼女は余裕だった。
しかしたった一つ予想外のことがあった。いつの間にか、彼女の背中が岩に引っかかっていた。
洞窟の一部が決壊したのか、川から流れ込んだのか、いずれにせよこの状況下では果てしなく邪魔だ。
「WWWGAAAAAA!!」
男は咆哮を挙げると、いつの間にか元通りになった触手を(なんという回復力なのかしら!)再び発射した。
649 :
小さき天才:2005/11/14(月) 23:45:27 ID:86gAiUJo
「う、ううん、ここは?」
ジーニアスは森の中で目を覚ました。
「ッツ!」
どうやら、この鬱蒼と草花や大木が生い茂る森に飛ばされてすぐ、
木に頭をぶつけ気を失っていたようだ。
彼はとりあえず、皮袋の中を見てみた。
最初に出てきたのは、説明書のようなものだった。
この本に書かれている名前の中に姉がいないことがわかり、
次の支給品を見てみようとした時、
「うおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」
「うわっ!何だぁ!」
彼が怒号が聞こえてきた方向に向かってみると、
そこには倒れたしいなと、怒号を発している男と、コレット達がいた。
「しいな!?」
しかしそれらは全て、突然飛来した物体によって撃ち落された。
撃ち落された触手は、紅く燃えながら地面に落ち、焼けていった。
唐突な他者の介入に、男は怪訝な表情を浮かべ(たに違いない)、周囲を見回した。
すぐに男はその正体を発見した。流れるような金髪、スタン・エルロンである。
「おっそーい!もう少しで私がこいつにチョメチョメされるトコだったんだから!」
「え、いや、ごめん・・・てか何がどうなるって?」
マウリッツを挟んで会話する二人。やがて男は狙いをスタンに絞ったらしく、彼に向かって突進した。
「行ったわよ!」
「分かってる!」
スタンは何も持っていなかった。彼の武器と思われるものは、先程触手を薙ぎ払うのに使ってしまったのだろう。
「GUGOOOO!!!」
怪物と化したマウリッツが左脚を上げて蹴りかかる。だがスタンもまた右脚を振り上げた。
ぶつかり合う衝撃。そして、当然体格差で今圧倒的に勝るマウリッツが押し切ると思いきや、
なんとスタンの蹴りが男の左脚を吹き飛ばした。気付けば彼の足に紅蓮の炎が宿っている。
男は更に続けて右腕を振り下ろす。スタンも続けて左脚を回す。再度激突。
だがそれでもスタンの勢いは衰える事無く、反動を利用してマウリッツの顔面付近まで飛び上がっていた。
「空牙昇竜脚!!」
炎を纏った右足を思い切り男の首にぶつけ、男の身体ごと力づくで地面に叩き付けた。
砂塵が舞い起こり、男の血液が飛び散る。
それでも男は力尽きることを知らず、再び立ち上がろうとしていた。
「スタン!」
ハロルドが地面に落ちた彼の武器を放り投げた。うまくキャッチしようとして、
しかし丁度刃がこっちを向いている時に彼の元に届いたので、慌ててサイドステップしてから落ちたそれを拾った。
彼は手にした剣・・・攻防一体を考え作成された剣、ディフェンサーを構えると、
表情を引き締めて既に立ち上がっていたマウリッツと再び対峙した。
「WRYYYYYY!!!」
そう叫ぶと同時に、男の胸、腕が千切れた左肩、更に背中から一斉に触手が飛び出した。
それらは全てスタンの五体を狙っていた。とても避け切れない──
しかし彼は表情を変えないまま、剣に力を集中した。
剣から紅のオーラが立ち上り、やがて炎を成した。そして剣を左から右へ一気に振った。
「魔王炎撃破!!」
剣は男の心臓を、付加された炎は触手を焼き払い、今度こそ男は沈黙した。
651 :
小さき天才:2005/11/14(月) 23:46:26 ID:86gAiUJo
彼は急いで皮袋を取り出し、中身を漁った。
最初に出てきたのは、彼の使い慣れている剣玉だったが、放り投げ、
次に出てきたライフボトルを手に取り出した。
それをしいなに飲ませ、彼は逃げようとしたが、
「グァッッ!?」
怒号を発していた男に思いっきり殴り飛ばされ、
彼は再び気を失うことになった。
【ジーニアス 生存確認】
所持品:ライフボトル残り2本 ビジャスコア(地面に放り投げられている) ???
現在位置:F4の森入り口
状態:気絶、背中に鈍器で殴られたような痛み
行動方針:気絶しているため無い。
【しいな 生存確認】
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ????
現在位置:F4の森入り口
状態:完全ではないがある程度回復して動ける状態
行動方針:助けてくれたジーニアスを連れて逃げる
マウリッツが倒れこんだしばらく後、男の身体は次第に元通りになっていった。
しかしそれはあくまで怪物から人間へ戻ったというだけで、再び目にする男の姿は、
既に左腕が無く、胸部に深い裂傷を残すおびただしい鮮血に染まった老体だった。
「・・・」
スタンは男の姿を複雑な面持ちで見ていた。
いくらこの男が怪物となって自分達を襲ったとはいえ、元は見ての通り同じ人間なのだ。
それも、自分達と同じ、理不尽に連れて来られて殺し合いを強制された存在・・・
「どったのー?さっさと行くわよー」
ハロルドが声を上げる。スタンは我に帰って歩き出した。
「あ、ああ。」
「やっぱ私が睨んだとおりソーディアンが無くても戦えるようね」
「でも、どうしてこんな指輪をしたぐらいで前に使ってた技が使えるようになったんだ?」
そう言って彼は右手の薬指にはめた赤い指輪、ガーネットを見つめた。
「それはこの島全体のマナがありえないくらい凝縮して複雑に混ざり合っているからよ。
もっと詳しく説明してもいいけど、それは暇な時にでもして、
とにかくソーディアンの代わりになる器と魔力を持つ何かが揃えば従来の技や術が使えるの」
「それでもディムロスほどの出力は出ないようだけどな」
「当たり前よ。だってソーディアンは私が作ったんだから。
間に合わせの代品で同じパワーを出されちゃたまんないわよ」
ハロルドが口を尖らせる。スタンはとりあえず納得して、質問を変えた。
「それで、どうすんだよこれから?」
「そりゃーもちろん・・・・・・」
そこまで言いかけて、不意にハロルドは口をつぐんだ。
そしておもむろに手を首筋にやると、やがて明るい笑顔で言った。
「この島の生態系を徹底的に調べ尽くすに決まってるでしょうが!」
ちょっとまて、と言いかけたスタンは既に鼻歌交じりに洞窟内に消えたハロルドを追いかけるため走り出した。
全く、あの人は一体何を考えているんだ?
「はぁ、はぁ、ぐっ・・・!!」
既に空が暗くなりかけた頃、マウリッツは意識を取り戻した。
ゲーム開始以来、常人なら三度は死ねる程の怪我を負わせられながらも、彼は生きていたのだ。
一部では『不死身のマウリッツ』との呼び名もある彼の体力は、最早無尽蔵であるかに思われた。
おのれ、おのれ、おのれ・・・・・・
呪いの言葉をつぶやきながら、彼はじりじりとホフク前進していた。
ゲーム開始早々、結んだ髪を特徴的に体に巻きつけた蛇の様な面の男、
一目で忍者と分かる彼にズタズタに切り刻まれ、
元々マウリッツの支給品だったエクスフィアを手の甲に埋め込まれてあの川に投げ込まれたのだ。
それからの記憶は曖昧になっている。
よく見知った情報屋の少年、清楚な雰囲気の少女、変貌、競争、稲光、気絶、
回復、金髪の男、もじゃもじゃ髪の女、また変貌、光、触手、炎・・・
そうして気付けば左腕を失い、胸は裂けて血と内臓の諸々がはみ出していた。
死にたくない。死ねぬ。このゲームには、メルネス様がおられる。
我等水の民の希望たる人が、こんな理不尽な催し物で失われてはならぬ。
「おのれ、死ぬわけには・・・いかない」
「だがもう楽になった方がよいのでは無いか?」
不意に誰かの声がした。見上げようにも、首を動かすことすらままならない。
かろうじて上を見ると、肩を掠める程の青灰の髪に赤のメッシュの前髪をした男が立っていた。
「お前は・・・!?」
「死人が知る必要の無いことだ」
男・・・デミテルはそう一言告げると、両手から魔力の弾を発射し、マウリッツの頭を打ち砕いた。
そして今度こそ完全に息絶えたマウリッツを尻目に、
先程金髪の剣士とピンク髪の術士が入っていった洞窟を見つめた。
あの洞窟めがけ強力な術を叩き込むのも一興だろう。だが・・・
あの二人、特に女の方は只者ではない。先程の戦闘を垣間見るに、恐らく相当な実力の持ち主だ。
それは自身が術士である由縁の直感と言った所か、
いずれにせよあの時のガキ二人の様に不意打ち一発で仕留めれるとは思えない・・・
ならばより安全で確実に仕留められる獲物を探すべきだ。
そう結論づけるとデミテルは身を翻し薄暗い空の下歩き出した。
【スタン 生存確認】
状態:軽い疲労
所持品:ディフェンサー ガーネット ????
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:ハロルドと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
【ハロルド 生存確認】
状態:TP微消費
所持品:ホーリースタッフ ピーチグミ 短剣 実験サンプル(内容不明)
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:スタンと共に行動
【ミント 生存確認】
状態:TP小 中程度の疲労 洞窟内部で睡眠中
所持品:サンダーマント
現在位置:G3の洞窟内部
行動方針:不明
【デミテル 生存確認】
状態:無傷
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル ????
第一行動方針:出来る限り最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第二行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在地:G2から北へ移動中
【マウリッツ 死亡】
【残り45人】
うはwwwww被ったwwwwww
すいません。 orz
657 :
使用人と大佐:2005/11/15(火) 01:00:12 ID:5TXLtgoD
その場に人がいたらその目に異様な光景が映っただろう。
いや、その光景を作り出している張本人さえも
何が起こっているのか理解しきれていなかった。
彼女―マリアンは、気が付くと浜辺に居た。
何故こんな事になってしまったのだろうと考えながら、
生き残るすべを求めて支給品の袋を開いた。
食料等の他は、大量のスペクタクルズと剣が一振り。
女性でも扱えるような細身の曲刀だったが、
剣など触った事も無い彼女には、大層重く感じられた。
・・・何処からか人の声がした。
(・・・・た、私の声が聞こえる?聞こえるなら、返事をして頂戴・・・)
祈るような、誰かを探しているような声。
何処か遠くから、それでいてすぐ近くから聞こえるような気がして、
周りを見回してみたが誰もいない。
(やっぱりダメか・・・こうなったら誰か知ってる人に出会えるのを願うだけね・・・)
「き・・・聞こえてます・・・」
思わず返事をしてしまった。
( ! あなた、私の声が聞こえるのね?!)
「はい、聞こえます・・・何処に居るんですか?」
(信じられないでしょうけど、あなたの目の前にいるわよ」
周囲を見回しても誰もいない。
(ココよ、ココ)
ふと目の前の剣に目線が奪われ、声の主がこの剣であるかのように感じられた。
しかしそんな筈は・・・
(言ったでしょ?信じられないかも知れないって)
「まさか、本当に剣が・・・?」
(そのまさかよ。いい?これから言うことは信じられないでしょうけど全部本当なの)
女性が浜辺に座り込み剣に向かって話しかける光景は、どう見ても異様であった・・・
【マリアン 生存確認】
状態:無傷
所持品:ソーディアン・アトワイト
現在位置:7Dの海岸
行動方針:不明
えー、すでにルーティ死んでるしテラセツナス
>>658 携帯から見直したらスペクタクルズ忘れてる事に気付いた・・・orz
追加:スペクタクルズ×15個
間違いあればつっこめ
こうしたら見やすい等の案もあれば改善するので教えてくれ
いい感じに死亡者が増えてきたな
★=戦闘中
★>641-644クレス、サレ、コレット、ティトレイ
>646-648>650>652-653ハロルド、スタンミント
デミテル
>551-553ジョニー、ファラ
>638-640グリッド、ユアン、カトリーヌ、プリムラ
>465-467ジューダス、ロイド
>493-494>506バルバトス、マグニス
>649>641ジーニアス、しいな
>524-527ミトス、マーテル、シャーリィ
>517-519トーマ、ミミー
>619-624リッド、キール
カッシェル
>628-632アーチェ
>524-527ダオス >539モリスン(エドワード)
>528-529リオン >522マリー >516-517コングマン >657-658>660マリアン
>617-618メルディー
>257-258カイル >421-422リアラ >600-601ロニ
>257-258クラトス >495-497ゼロス
>633-637ヴェイグ >598-599ポプラおばさん
>452-454ジェイ >524-527ソロン
【死亡】首コキャ セネル、すず(G4川岸) アミイ モーゼス(C5森出入り口) ジェストーナ(E7海岸) チェスター、ヒアデス(C5橋付近)、ルーティー(F6丘の上)、
マウリッツ(G3洞窟入り口)
【地図】
http://www.hasimoto999.aki.gs/img-box/img/858.jpg〔PC〕
http://i.pic.to/2g2oa〔携帯〕
【拠点名】>283
【掲示板】
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/5639/〔PC〕
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/otaku/5639/〔携帯〕
静かな森の中から、二人の男の声が聞こえる。
「おやおや、そんなに気を猛らせて。そんなにあの女性が大切だったのですか?まあ私にはどうでもいい人物ですが」
並み居る木々の枝に悠然と佇むその男、ソロンを見上げながら、金髪の男、ダオスはその男を強く睨み付けた。
「・・・ふざけるな!」
彼がそう叫ぶと同時に、ソロンの頭上から突如雷が起こり、足元から土塊が飛び出し、
彼から男へ向けて火の玉、氷柱が飛んだ。
しかしそうした攻撃も、煙幕と共に姿を消した男には届かなかった。
「怖いですね、その表情。
あまり怒りに囚われすぎると顔が恐ろしいままになっちゃいますよ。
まあ、私はそういう歪んだ顔の方が好きですが。アハハハハハハハハ!!!」
いつの間にか自身の後ろに出現していた男に対し、再度術を放つも再び消えてしまった。
「逃げるな。マーテルを傷つけておきながら、私と戦うのを臆するか。卑怯者が」
「やれやれ、随分な言いがかりですね。まあ卑怯なんて言葉はむしろ誉め言葉としてありがたく受け取っておきますが、
それについてはあなたの不注意が原因の一つであるのではないですか?」
痛い所を突かれたらしく、ダオスは顔をしかめる。だがやがて憤然とした面持ちでソロンを見やると、声高く言った。
「確かに私の不注意ではあった。だが、もうあのような失敗はしない。
私は彼女を守り通す。その為にも今、ここでお前を葬る!」
もう一度ファイアーボールを飛ばし、ソロンの位置を動かす。次に奴が現れた場所へ、間髪いれずに追撃をする。
ダオスは両手を開いたまま前に突き出し、大きく脚を広げ地面を強く踏んだ。
「ダオスレーザー!」
極太のマナエネルギーの塊が、木々をなぎ倒し草を焼きながら収縮して突き進んでいった。
それは確実に男に直撃すると思われたが、またしても男は煙の如く消え去ってしまった。
「あ〜、駄目ですよ、その程度で私に当てようなんて。それにあなたも、
こんな序盤からそんな大技を撃っていては、いつか力尽きてあっけなくやられてしまいますよ?」
敵である自分に忠告をしてくれるとは、この男、どこまでふざけるつもりだ。
ダオスは内心そう思いつつ、次なる攻撃に出ようと構えていた。
遠距離戦が駄目なら、接近して戦うまでだ。
「まだやる気ですか。どうやら逃がしてはくれないみたいですね。
いやぁ困った、困りましたね。ええ、実に困りましたよ。困りすぎて独り言を言いたくなりました」
独り言と言いつつ、しっかりとダオスに聞くことができる声で話す男の言葉を聞きながらも、
彼は一瞬の隙を逃すまいと神経を集中させていた。
「あなたは私が単独で動いてると思っているかもしれませんが、
そういえば私には弟子がいましてね〜、彼は今頃うまくやってるのでしょうか」
「何・・・?」
「ああ、勿論独り言ですからお気になさらずに。
いやぁ、もし彼が今あなたのお仲間を襲っているとしたら、これに勝る喜劇は無いでしょうなぁ」
男の独白に、ダオスは身震いした。まさか、いや、そんなことが・・・?
「馬鹿な」
「もしこれであなたの大切な人が亡くなられたら、
あなたは全く同じパターンでお仲間を二度も傷つけたことになりますね。
いやぁ、想像するだけで腹がよじれそうだ!!アハハハハハハハハハハ!!!」
大げさに腹を抱えて笑みを浮かべるソロンをよそに、ダオスは猛然と駆け出していた。
そんなことが、本当に・・・・・・!?
もしそうだとしたら、自分は最早生きていけないほどの大馬鹿者だ。
はやる気持ちを抑えつつ、彼は元来た道を戻っていた。
「やれやれ・・・」
ダオスの姿が消えたのを見届けると、ソロンは軽やかに跳躍し森の中へ消えた。
あの男は間違いなくこの試合で最強クラスの力を持っている。
そんな者とまともにやりあえば、こちらは当然無事ですまない。
ソロンはそうなるつもりは更々無かった。わざわざ嘘を付いてまで彼から逃れたのは、
せっかくこんな面白いゲームに招待されたのだから、
もっともっと色んな参加者達の姿を見て、かき乱してやりたかった。
そうすることで浮き彫りになる人間の醜い素顔、奇麗事を口にする青二才どもの仮面が剥がれ落ちるその瞬間、
そういったものを想像するだけで男の心は絶頂に達しかけた。
「全く、こいつは最高のゲームですよ!!」
木々の上を駆けながら、ソロンは大声でそう叫んだ。その顔は、既に常人のものでは無かった。
「マーテル!」
「ダオスさん!」
いち早く反応したのは金髪の、といってもダオス達に比べればやや色素の薄い髪の少女、シャーリィだった。
真っ先にマーテルの容態を見る。が、その姿は彼がこの場を立ち去る前より変わっておらず、
いやむしろ、顔色もよくなっているようだった。
「・・・お前のくれた薬が効いたようだ」
背後から声がし、振り向くとマーテルと同じ輝くような金髪の少年、ミトスが立っていた。
あまり気もちよさそうでない表情と、少しトゲのある言い方から、まだ少年は自分を咎めているのだ、と彼は思った。
「心配かけて、御免なさい・・・」
マーテルが苦しそうに身を上げる。傷も殆ど直っている。
どうやらこの島においても、回復アイテムは正常に機能するようだった。
三人の様子を見るに、彼が居ない間に何かあったとは思えない。
ということは、やはりあの男、はったりをかけたのか。
ちっ、と軽く舌打ちをすると、とりあえずマーテルが無事だったことに安堵した。
「あまり無理はなさらないで下さい。とにかくあなたが無事でよかった」
立ち上がろうとするマーテルに手を貸してから、辺りを見回した。少しずつ空が暗くなり始めていた。
ふとミトスが厳しい顔でこちらを睨んでいる事に気付いた。
マーテルとシャーリィに背を向け、彼女等と少し離れて彼は少年と話した。
「どうした?」
「敵は・・・姉さまを襲った奴はどうした」
ダオスは少し黙り込んだ。あの時、気を荒げて襲撃者に向かっていったのは彼自身だった。
「いや・・・逃げられた」
「何だと!?」
少年の語気が強まる。あからさまにダオスの手落ちを批判しているようだった
「お前・・・もしこれでまた姉さまが襲われたりしたら、お前のせいだからな!
こんなことなら、僕が敵を倒しに行けばよかった・・・!」
彼は反論しなかった。自分の判断ミスが今回の事態を招いたのは確かだし、
それに、この少年は彼が睨んでいた通りの凄まじいマナの持ち主であった。
「いいか」
少年が続けて言った。
「僕はお前を信用しない。姉さまは僕が守る。
けど、もしお前のせいでまた姉さまが傷つくことがあれば、僕はお前を許さない」
「・・・了解した。ただし、約束がある」
少年の表情が一瞬こわばったように見えた。
「な、なんだ・・・」
「守ると言った以上、必ずマーテルを守れ。私も全力を尽くそう。彼女は失われてはならない」
しばらく黙っていたが、やがて表情を引き締めキッとダオスを睨むと、力強く言った。
「言われなくてもそうするつもりだ」
「なら、安心だ」
既に空は暗く、ゲームが始まってから結構な時間が経過していた。
ダオスは参加者全員に支給されていた時計を見た。
「もうすぐ、最初の放送か・・・」
その放送で、それまでに死んだ者達の名と、禁止エリアの位置と時間が発表されるらしかった。
先程彼らを襲った神出鬼没の男といい、ゲームに乗った者は少なくないようだった。
彼は神経を尖らせ、周囲を見回した。もう何人たりとも、マーテルに近づけさせはしない。
ダオスが見張りをしている場所から少し離れた場所で、残る三人は休息を取っていた。
当然、先程のソロンの襲撃もあって、何か異変があればすぐに気付ける距離ではあった。
そしてダオスは限界まで気を張っていた。
この状態なら、例え空間を跳躍して接近してきても、大気の異常にすぐに気付けるはずだった。
疲れがたまったか、姉と再会できて気が緩んでいるのか、ミトスは既に眠ってしまっていた。
その傍らでマーテルとシャーリィが話し込んでいる。
「もうすぐ・・・放送があるみたいですね」
「お兄ちゃん・・・大丈夫かな・・・」
シャーリィは物憂げにつぶやいた。
彼女の最も大切な人、セネル・クーリッジもまた、この島のどこかに居るはずなのだが。
「不安なのですか?」
「はい・・・こんなことになってしまって・・・それに何だか、とっても嫌な予感がするの・・・」
マーテルは姉が妹を慰めるように、シャーリィの頭を撫でた。そして口調も柔らかく、少女に語りかけた。
「大丈夫よ。家族は、強い絆で結ばれているものなの。だからあなたも、きっとお兄さんに会える」
「あ・・・」
何かを思い出したように少女は口を開けた。
「どうしたの?」
「いえ、ここに来る前に、魔法陣に乗る前に・・・私達の仲間の人も、同じようなことを言ってました」
「そう・・・きっとその人は、家族をとても大切にしてる人なのね」
「ええ、ことあるごとに『ワイらは家族じゃ』って言って・・・お兄ちゃんとも仲がよかった・・・」
その彼も、このゲームの参加者だった。
「お兄ちゃん・・・」
さみしげに、再度つぶやく。マーテルは少女を抱きしめた。
ダオスは空を見上げた。
絶対に、誰も、マーテルに近づけさせも傷つけさせもしない。
緩みかけた精神を再度張り詰めなおす。睡眠など取るつもりは無かった。
・・・・・・しかし、襲撃者のこともあり、彼は外部に気を取られすぎていた。
彼はこの時気付いていなかった。
いずれ彼自身をも焼くことになるだろう炎の火種が、彼の外側では無く、内側に存在していたことを。
【ダオス 生存確認】
所持品:エメラルドリング
現在位置:B7の森林地帯
状態:多少TP消費 精神の緊張
行動方針:マーテルを守る
:マーテルと行動
【ミトス 生存確認】
所持品:ロングソード ????
現在位置:B7の森林地帯
状態:擦り傷
行動方針:マーテルを守る
:マーテルと行動
:クラトスとの合流
:ダオスを信用しない
【マーテル 生存確認】
所持品:双眼鏡 邪剣ファフニール アクアマント
現在位置:B7の森林地帯
状態:極めて普通
行動方針:ダオス達と行動
:ユアン、クラトスとの合流
:戦いをやめさせる
【シャーリィ 生存確認】
所持品:???? ????
現在位置:B7の森林地帯
状態:普通
行動方針:マーテル達と行動
【ソロン 生存確認】
所持品:???? ????
現在位置:B7から移動中
状態:狂気
行動方針:周りをかき乱し、傍観して楽しむ
:ジェイの監視
668 :
分裂 1:2005/11/16(水) 23:23:41 ID:El+iNwg8
何がどうなっているのか、ミズホの民・しいなはさっぱり分からなかった。
確かに自分はティトレイと口論をして、その最中に誰かに刺された。
大量に流れ出る自分の血と、薄れていく意識の中で、彼女は既に自分が助からない容態だろうと悟った。
そこまでは覚えてる。
気付けば、目の前によく見知った仲間が一人。イセリアの天才こと、ジーニアス・セイジである。
だがその彼もまた意識を失っているようだった。一方彼女はもう意識を取り戻していた。
状況がつかめない中、とりあえずその辺に放置してあった、
彼の持ち物と思われるケンダマを拾い、彼のザックに入れる。
そしてふと気付く。ティトレイは、どこに・・・?
彼の荷物はそこに放置してあった。彼が自分を見捨てて行ったとは思えない。
いや、この極限の状況を考慮したらもしかしたらそうなのかもしれないが、
いずれにせよ食料や水の入っているザックを丸ごと放置することはありえないことだった。
自分を刺した相手を追いかけていったのだろうか。
そう思った瞬間、刺された場所がジワリと痛んだ。
669 :
分裂 2:2005/11/16(水) 23:24:51 ID:El+iNwg8
しかしそうした彼女の疑問も、突如戻ってきたティトレイの尋常ならざる様子、
そして彼がしいなに攻撃したことによって吹き飛んだ。
「うおおおおおおおお!!」
全身から異常なほどの闘気を発し、彼は彼女に突進してきた。
咄嗟に避けようとするも、胸の傷が痛んで体がうまく動かなかった。
彼の拳が右側頭部を打つ。脳が揺れる。
「ティトレイ!どうしてあんたがこんな・・・」
その言葉に全く反応せずに、彼は直も攻撃を仕掛けようとしてくる。
しいなはティトレイが正気を失っていることに気付いた。
なんで、どうして──・・・
思いつく理由は一つしかない。彼女が刺されたことである。
それと彼が一旦姿を消したこと、そして目の前でジーニアスが気絶していることが
どう関係しているか、彼女には到底分からなかった。
分からなかったが、ただ一つ言えることは、このままでは自分がティトレイに殺される、ということだ。
ならば戦うしかなくなる。しかしそれは出来なかった。
時間にすればほんの数時間だが、彼女は確かに彼と共に動き、語り、誓った。
こんなゲーム、絶対に許さない。あそこで朽ち果てていた、少年と少女の為にも。
そして、たとえ一度でも仲間意識の芽生えた者を、殺すなんて出来はしない。
冷酷に任務を遂行する忍として育てられた彼女だが、人としての情は人一倍であった。
だから、逃げる。
例えこちらが銃を持っているとしても、この怪我、更にジーニアスが倒れているとなると、
到底こちらが有利とは言えない。せめてティトレイを説得したかったが、それも難しいことだった。
彼女はそう決めると、素早く自分とジーニアスの荷物を両手に持ち、彼を背負って走り出した。
派手に動いたせいで刺された胸からまた血が出たが、気にする余裕は無かった。
ティトレイは直も叫びながら追いかけようとしてきたが、不意にその足を止めた。
理由は分からなかったが、とにかくどこか落ち着ける場所へ行くのが先決であった。
自分がどこへ向かっているのかすら分からず、彼女はひたすら走った。
そうして、彼女と少年はやがて川に出た。
670 :
分裂 3:2005/11/16(水) 23:26:44 ID:El+iNwg8
「おやおや、こんな所に隠れたのかい」
突然自身の身を襲った風の刃が飛んできた方向を睨みつけていたティトレイの前に、サレが現れた。
サレは素早く周囲を見回した。しいなは既にその場に居なかった。
内心彼はほっとした。もし女の姿が発見されれば、自分が女を刺した事、
ひいてはすべての事を仕組んだのが自分であるとバレる恐れがあったのだ。
・・・全く、こいつがいきなり逃げ出した時はどうなるかと思ったよ・・・
「コレットちゃん、クレス、こっちに居たよ!」
口に手を添え、彼の右手方向に叫ぶ。やがて、コレットとクレスも現れた。
「こ、この血は・・・!?」
クレスが地面に溜まった赤い血を見ながら動揺して言った。それこそがサレがしいなを刺した時のものなのだが。
だがその瞬間またしてもサレの頭に黒い考えが浮かんだ。
「それはこの男がやったんだろうね。ここに居た別の誰かは、命からがら逃げたという所かな?」
「そんな・・・ひどいです!どうしてこんなひどいこと・・・」
「無駄だよ、コレットちゃん。もうこの男には声なんて届きゃしないさ。
あえて例えるなら、モンスターと同じ。やらなければ、こちらがやられるのさ」
そう言ってティトレイを指差す。更に男は猛った様だった。
「うおおおおおお!!」
男の周囲から、再び蔦が伸びだした。
「さあて、第二ラウンドの始まりだ」
そう言うサレの口元には、冷酷な笑みが広がっていた。
671 :
分裂 4:2005/11/16(水) 23:27:37 ID:El+iNwg8
【クレス 生存確認】
所持品:ダマスクスソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレット、サレと行動
:生き残るためなら戦いも辞さない
現在位置:F4の森
【コレット 生存確認】
所持品:忍刀血桜 ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:サレ、クレスと行動
:ロイド達と合流
現在位置:F4の森
【サレ 生存確認】
所持品:ブロードソード ????
状態:無傷
行動方針:ティトレイを倒す
:コレットとクレスを利用する
:コレット、クレスと行動
現在位置:F4の森
【ティトレイ 生存確認】
所持品:不明
状態:フォルス暴走
行動方針:眼に付いた者を倒す
【しいな 生存確認】
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ????
状態:胸を深く刺され重傷
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:安全な場所へ逃げる
:ティトレイを正気に戻す
:すず、セネルの仇を取る
【ジーニアス 生存確認】
所持品:ライフボトル×2 ビジャスコア ????
状態:気絶
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:不明
先程の戦いの傷を癒していると、徐々に近付いてくる足音が聞こえた。
その足音は、彼のすぐ背後で止まった。
「やれやれ・・・俺様もここまでか・・・」
ゼロスは呟くと、傷が癒え切らない体で後ろを振り向いた。
そこには、不慣れな手つきで剣を構える女性の姿があった。
「やあハニー、俺様を殺すなら今がチャンスだぜぇ〜」
作り笑いを浮かべながら言った。
「・・・1つ質問に答えてください」
先程スペクタクルズで調べて
大怪我を負っていることが判っている目の前の男が、
こんな状況に笑顔で答えたことに困惑しながら
マリアンは言った。
「ん〜、何かな〜?」
相変わらず男の口調は軽い。
(私の声が聞こえる?)
今更声が聞こえるも何も無いだろう・・・と思ったが、
先程の声とは別人の様な声であった。
「バッチリ聞こえてるぜぇ〜、ハニー・・・・で?もう一人は何処だ?」
ゼロスの声がいきなりトーンダウンする。
(どうやら聞こえてるみたいね。聞こえる人に何人も巡り会えるなんて幸運ね)
「いいですか?私もついさっき知った事なんですが、今から私たちが話す事を信じて下さい」
明らかに、二人分の女性の声が聞こえる・・・・・。
「・・・・・・俺様と一緒にいたいと、そういう事でいいのかな?ハニー?」
「そうですけど・・・そのハニーって言うのはやめてもらえませんか」
ゼロスは、マリアンとアトワイトから
アトワイトが作られた経緯や、その声が一部の者にしか聞こえない事、
その特徴を活かして信用できそうな人物を特定して
仲間を集めてミクトランに対抗する方法を探すという作戦を聞かされた。
もちろん、首輪からミクトランに伝わらないように一部を筆記で伝えあった。
剣が喋っている事も気になったが、
考えて見れば、精神が肉体を離れて存在する例など何度も見てきたではないか。
それよりも気になったのが、
ミクトランの元の世界で唯一脅威となりうる存在であるソーデイアンが、
何故支給品として配られたのかという事だった。
自分なら、即座に破壊してしまうだろう。
そう考えると、何故自分にアトワイトの声が聞こえたのかが解らなかった。
我ながら、心は純粋でない自信がある。
アトワイトが思っている以上に声が聞こえる者は多いのではないか?
会場のマナがソーディアンの声を聞き易くしているのかもしれないと憶測する事もできる。
下手をすると、完全に心を閉ざした殺戮を楽しむ者にさえ声が届くのかも知れない。
そうだとすれば、この作戦は、完全に意味を成さなくなる。
しかし、殺伐としたこのゲームの中で、
このような提案をされたことを少し嬉しく思った。
「俺様はこの通りしばらく動けねぇから、もう少し待っててね〜、マリアンちゃん」
「・・・まあ、いいでしょう」
「アトワイト様ぁ〜、回復手伝ってちょうだいよ〜」
(誰かが来ない限り、今は温存すべき時よ)
「俺様、しょんぼり」
空がゼロスの髪の色に染まるのはもうすぐだった。
【ゼロス 生存確認】
所持品:壊れたけん玉 ナイツサーベル ???? ????
現在位置:D8海岸
状態:切創 (多少回復、割と重傷)
行動方針:回復するまで待つ マリアンと共に行動
【マリアン 生存確認】
所持品:ソーディアン・アトワイト スペクタクルズ×14
現在位置:D8海岸
状態:普通
行動方針:ゼロスの回復を待って共に行動 アトワイトの提案した作戦を実行する
677 :
心構え 1:2005/11/17(木) 04:25:09 ID:P3DYtXcC
「いつの間にか眠ってしまったか…」
日はすでに傾き、窓から入る光は赤みを帯びている。
海は、その光をあびてきらきらと輝いている。
反対側の空は、すでに暗い。
「もうすぐ日没か…」
ユアンは少し気怠そうに立ち上がり、たまたま近くで風呂桶を抱えていたプリムラに話しかける。
「お前、確か探偵だと言っていたな。この状況についてだが…。どう思う?」
「どうって…。当〜然ムカついてるわよ! ミクトランとかいうやつをぶん殴って、石板に縛り付けて海に沈めてやりたいわ」
プリムラはちょっと違った方向に解釈したらしい。ユアンは訂正する。
「私の言い方が悪かったようだ…。私が言いたいのは、最後に残った参加者は本当に願いをかなえてもらえるのか?
最後の一人が生きて元の世界に帰ることができるのか? ということだ。」
「え〜と、つまり、どういうことよ?」
ユアンの言いたいことが分からず、プリムラは首をかしげる。
「ゲームの勝者の願いをかなえるというのは、ゲームを円滑に進めるための嘘かもしれないということだ。
それどころか、最後の一人になったとしても帰ることができるという保証は無い。
ミクトランが言ったことは鵜呑みにするのは危険だと思わないか」
「そういえば、あのオヤジ、顔も声も胡散臭そうだったわよね…」
顔はともかく、声は関係ない気がしたが、そう思わなかったわけでもないので同意しておいた。
「そういうことだ。だから私はゲームには乗らない。勝者とならずとも脱出できる方法を探す。
ところで、お前の仲間や家族はこれに参加しているか?」
「仲間…」
プリムラは同僚の学士を思い浮かべる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
キール「プリムラ。君は僕の命の恩人だ。君がいなければ僕はあのゲームで死んでいたことだろう」
プリムラ「もう、何言ってるのよ。私達、パートナーじゃない」
キール「君への感謝の気持ちは表しきれない。僕にとって君は世界一大切な人だよ」
メルディ「キールぅ! メルディとその人とどっちが大事か!?」
キール「…メルディ、済まない。僕には君よりも大切な人ができてしまった。
プリムラ、僕の一生のパートナーになってくれないか」
プリムラ「喜んで!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……い、どうした?」
「はっ…?」
現実に引き戻されるプリムラ。目の前でユアンが呆れていた。
「はっ…?ではないだろう…。その様子だと参加しているようだが、もうすぐ放送が始まる。
覚悟はしておけ。何があっても早まるな。他の二人にも伝えておいてくれ」
プリムラはさきほどの表情とはうってかわって、緊張した面持ちで頷く。
678 :
心構え 2:2005/11/17(木) 04:27:43 ID:P3DYtXcC
「ところで、さっきから気になっていたのだが、お前、何をしている?
風呂にでも入るつもりか? 気持ちは分からんでもないが…」
「違うわよ。誰かが忍び込んできてもすぐ分かるように罠を仕掛けてるの。
警報機みたいなものだから、命に関わるようなものはないけどね」
ユアンが想像をめぐらす。風呂桶で警報?
「罠か警報かは知らんが、このゲームの参加者がそうやすやすと引っかかるとも思えんぞ。
あまり頼りすぎるなよ。私はまだ背中に受けたダメージも残っているので、放送までは休ませてもらう」
ユアンはドアを開けて寝室に入る。その瞬間、金ダライがユアンの頭に直撃した。
教会内に少し早めに、ゴ〜〜ンという鐘の音が響き渡った。
「みなさん! 誰か侵入してきたみたいですよ!」
「バカな! 俺が見張りをしていたというのに、敵はどこから入ってきたのだ!」
どうやら警報としての役割は十分果たせているらしい。
【ユアン 生存確認
所持品:占いの本、エナジーブレット、フェアリィリング、ミスティブルーム
状態:疲労回復中、頭部に金盥直撃(ダメージはほとんどなし)
行動方針:漆黒の翼の一員として行動。休んで、仲間捜し
:仲間と共に脱出。ミクトランを完全には信用していない
【プリムラ 生存確認
状態:健康
所持品:セイファートキー、?、チャームボトルの瓶、ナイトメアブーツ、エナジーブレット、C・ケイジ
行動方針:漆黒の翼の一員として行動。トラップを作る。材料探し
:仲間と共に脱出。ミクトランを石板に縛り付けて海に沈める
俺さまは、五聖刃マグニス。
泣く子も黙る東の牧場のマグニスさまとは、俺さまのことよ。
俺さまの暴虐非道の行いの数々については、最早説明する必要は無いだろうな。
シルヴァラントでは俺さまを知らない豚は居らず、テセアラでも俺さまの名声は通っているようだった。
そんな俺さまが、このバトル・ロワイヤルという酔狂な余興に呼ばれたのも、至極当然のことだろう。
見れば、俺さまの他に招かれたのは、貧弱そうな劣悪種の豚共ばかりだった。
こんな奴等、ゲーム開始一時間も生きてられねえな。内心そう思ったもんだ。
はやる気持ちを抑えつつ、主催者の豚がルールについて説明している時に、
邪魔立てする豚が居た。聞けば、俺さまの統治するパルマコスタの豚だと言うじゃねぇか。
奇遇だな。そう思いつつ、さっさと殺し合いがしたかったので、その豚を黙らせた。
俺さまを呼び捨てしたので、当然首コキャだ。いい音がした。
何だかそいつに首コキャするのが初めてではない様な気がしたが、気にしないことにした。
そうして説明の後、魔法陣に乗って島に飛ばされた。
俺さまは地図北西の塔に飛ばされた。
そこでバルバトス・ゲーティアという猛者に出会ったのだが、
なんのかんのでこいつと行動を共にすることになった。
こいつはそこいらの豚とは違う。劣悪種であるようだったが、
そんなハンデは微塵も感じられない程の戦闘力だった。
その後お互いの装備を整えて、塔から移動した。
とにかく目に付いた奴は殺してやろうという点ではバルバトスと同意したが、
実際島に潜む豚共をあぶりだして始末するのは結構な苦労が居ることが分かった。
手当たり次第に焼き尽くすという案も出たが、余計なマナを消費するということで却下された。
そうこうしている内に上空に煙が見えた。
即効で俺さまは煙を起こしてる奴は殺してくださいと言っていると思った。
バルバトスも同様で、そのポイント目指して進むことにした。
待っていろ、劣悪種の豚共。
この俺さまが、全員まとめてその貧弱な体をぶっ潰してやる。
・・・だが、これは一体どういうことだ!?
既に歩き始めて数時間は経ったろうに、一向に豚共は姿を見せない。
怖気づくにも程があるぞ、豚が!!
「もうすぐ砂漠に入る。準備は出来ているか?」
バルバトスが喋る。こいつもずっと仏頂面だが、内心血がうずいて仕方がないだろうな。
「準備も何も、豚共が居なきゃ話になんねぇなぁ」
「仕方が無いな。俺達が動いた道中に、何人かは接近してただろうが、
どいつもこいつも恐れを為して出てはこなかったようだ」
「ケッ、豚共が浅知恵を働かせやがって。どうせ皆死んじまうんだから、隠れたって無駄だろうにな」
「まあ好きにやらせておけ。俺は力のある奴にしか興味は無い。
勿論、道中で出くわしたものは容赦なく皆殺しにするが、特に英雄と呼ばれるもの共は全員抹殺だ」
またか。こいつはさっきからそればっかりだな。まあ俺さまも似たようなものか。
何かに執着し、周りが見えなくなる。そしてひたすらに己の本能を弄ばせる。
俺さま達の場合、それが殺戮行為による快楽、飢えた欲望を満たす為の儀式だ。
「砂漠に豚の一匹や二匹放し飼いになってねぇかな」
笑いながらそう言った。バルバトスも微かに口元を緩めた様だった。
俺さまも、こいつも、乾きが限界近く来ている。
早く、早く、戦いたかった。
この俺さまが、マグニスさまが、ミンチにしてやる、豚共。
そうして歩き出す。既に陽は傾きかけていた。
もう一度言おう。
マグニスさま、だ。豚が!!!!!
【マグニス 生存確認】
状態:無傷
所持品:オーガアクス ピヨチェック
現在位置:D3の砂漠地帯入り口からF4へ移動中
第一行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する
第二行動方針:F4で起こった煙が気になり、移動する。
【バルバトス 生存確認】
状態:無傷
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸4発付き。一射ごとに要再装填) クローナシンボル
現在位置:D3の砂漠地帯入り口からF4へ移動中
第一行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先
第二行動方針:F4で起こった煙が気になり、移動する。
d
683 :
戸惑い1:2005/11/18(金) 23:00:16 ID:nsvHQrcc
ティトレイの暴走が始まる少し前…川縁では二人の男女が楽しそうに話をしていた。
「どうパン?おいしいパンか?」
「ああ、旨いぜ。こんな旨いパンを食ったのは初めてだ。」
自分の作ったパンの味を気にしている少女の名前はミミー。
一流のワンダーパン職人を目指している超前向きな少女だ。
そして、「魚鍋パン」を食べながらそれに応えている男。名前はトーマという。
ガジュマと言う獣の姿を持つ種族のもので、その姿は二つの角を持つ荒々しい
雄牛の様相を成している。
自分たち種族よりも力の劣るヒューマと言う種族を忌み嫌っている。
−・・・しかし、なぜかミミーにはそのような嫌悪感を持っていないようだ−
「・・・それで、ウシさんはこれからどうするパンか?」
「決まってるじゃねぇか!俺の邪魔する奴を全員ぶっ潰す。
邪魔するやつだけじゃねぇ!力がねぇくせに威張り散らすヒューマもだ!!」
と、トーマは今後の自分の目的を高らかに言い放った。
ここで決まれば少しも格好がついたのだろうが、ミミーからツッコミが入る
「『ひゅーま』ってなんだパン?」
「ヒューマってのはだなぁ…・・・」
トーマは答えようとするが言葉に詰まる。いつもならば、
『ガジュマの肉体を持たない、貴様らのような軟弱な奴らの事よ』と言い放ち、
眼前の"物"を、動かなくなるまで弄ぶのだろうが…彼女の前ではなぜかそれが憚れた。
そんな自分に躊躇しつつも、何か答えなければならないと思ったトーマは
「・・・あー、そんな事よりもパンもっとくれねぇか?まだちょっと食い足りねぇんだ」
「もちろんパン!何かリクエストはあるパンか?」
「それじゃあ、あんたのお勧めのパンを作ってくれ」
そうトーマが言うと、ミミーは楽しげに自分の起した火の元へ行くと
「分かったパン!それじゃホタテクレープを作るから、ちょっと待ってて欲しいパン」
と、楽しげに調理に取り掛かり始めた。
(俺様が言うのもなんだが、コイツ人の話を疑わなさすぎじゃねぇか・・・?)
そう言いながらも、トーマは自分の心境の変化にも疑問を抱いていた。
(何で俺様は、こんな小娘と一緒にいるんだ?)
(何で俺様は、コイツをぶっ殺そうとしないんだ?)
(何で・・・もしかして、俺様は・・・・・・コイツを・・・・・・)
トーマは自問自答の末、その答えを見出せそうだったが、
その答えは、ミミーの悲鳴によって失われた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ、なにパン!これはいったいなんだパン!?」
684 :
戸惑い2:2005/11/18(金) 23:01:15 ID:nsvHQrcc
ミミーのほうを見ると、なんとミミーが植物に襲われているではないか。
植物といっても、野原などに咲いている可愛らしい花々では無い。
その植物は地面を抉り、岩を砕き、さらには天を覆いつくしながらミミーへと向かっていく
巨大な蔓が大きくしなり、ミミーへと向かい……地面に大きなクレーターができた。
(あぁ、小生死んだパンね…佳人薄命とはこのことパン……)
「おい!さっさと起きろ!この場から逃げるぞ!!」
(・・・?小生は死んだパン。今更逃げるも何も無いパン)
彼女はすっかり自分は死んだものと考えていたが、実は蔓が地面に叩きつけられる瞬間、
トーマの磁のフォルスによって彼女は一瞬のうちにあの場所から引き離され
間一髪のところで一命をとりとめたのだ。
しかし、そんな事がまったく分かっていないミミーは、
自分は死んだものだと決め付けてしまった。
(お父さん…先立つ不幸をお許し下さいパン)
(コッペ…コロネ……あんまり遊んであげれなくてごめんパン)
何度呼びかけても起きないミミーに、
トーマは彼女がどこかに大きな怪我をしてしまったのではないかと思い始めた。
「…しょうがねぇ、気が進まねぇがここは一旦どこかに身を隠すか」
「それで、コイツが眼を覚ましたら…」
−…ヒューマの小娘を助けて、どうするんだ? …何で助けるんだ?−
そう考えが頭をよぎったが、今はその考えを頭から払拭した。
植物たちがトーマをも襲い始めたのだ。
「…ちっ!」
舌打ちをすると、ミミーを抱きかかえ、その場から逃げ出した。
(これはあの緑の髪の野郎の力だな…形振りかまわない所を見るとフォルスの暴走か…)
(サレの仕業…か?)
眼を覚まさないミミー…フォルスの暴走…サレ……そして自分のミミーに対する感情。
それらに思い悩まされながらも、雄牛は南東の方角へと走っていった。
【ミミー 生存確認】
所持品:ウィングパック×2 イクストリーム
金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ
現在位置:F4の森林地帯の河に最も近い辺り → トーマに抱きかかえられ南東へ移動中
状態:無傷。しかし、自分は死んだものと錯覚している
第一行動方針:不明
【四星トーマ 生存確認】
所持品:なし
現在位置:F4の森林地帯の河に最も近い辺り → ミミーを抱きかかえながら南東へ移動中
状態:無傷。
行動方針:ミミーが眼を覚ますまで、一時身を隠す
フォルスの暴走から逃れる
685 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/19(土) 18:22:13 ID:9o14bAZf
砂漠。
レーダーに反応のあった方向に歩を進めると、小さな湖が見えた。
オアシスというにはあまりに小さく、巨大な水溜りと言う方が適切かもしれないので、地図には載っていない様だった。
そしてその傍らに、一人の女性が立っている。手にした壷に水を汲んでいる様だった。
「ん?」
褐色の男、ロニ・デュナミスは一瞬立ち止まり、目を細めた。知っている誰かに似ている。
よく見極めようとし、更に進むと、不意に女がこちらを振り向いた。
目が合った。お互いに緊張と疑惑が走る。
「──魔神剣!」
女が手にしている棒を振り、地を這う衝撃波を放った。
ロニは驚愕の表情を浮かべた。そして体を右にずらして攻撃をかわす。
衝撃波によって生じた砂塵が、視界を曇らした。
一瞬女を見失う。次の瞬間、砂煙から突如棒の先端が現れた。
突然のことに全く反応できないでいたロニは、棒によって顎を跳ねられた。
更に追撃の横薙ぎが頬を打つ。口の中が微かに切れた感触がした。
その場に尻餅を付きそうになるのを堪えて、二、三歩下がる。
そして至近距離ではっきりと女の顔を見た。
間違いない、この人は・・・・・・
直も追撃をやめない女は、体を縮ませ溜めを作っているようだった。
「獅子──」
まずい、ロニはそう思うと同時に自身の右手に獅子の闘気を纏わせた。
「戦吼爆っ破!!」
右の掌底を思い切り振った。
女の獅子と、彼の獅子がぶつかり合う。
しかし向こうの方が威力が高かったらしく、彼は派手に吹っ飛んだ。
女の方も衝撃は伝わったらしく、微かに揺らいだ様だった。
ロニが急いで立ち上がると、女も表情を引き締め、再度向かってくる。
だが・・・・・・
駄目だ・・・これ以上は・・・
彼はそう思い、咄嗟に叫んだ。
それを口にすることで当面の問題は解決できても、
新たな問題を作ることを理解しながら。
「待ってくれ・・・マリーさん!」
女、マリー・エージェントは明らかに戸惑いの表情を浮かべて、中途半端に佇んだ。
「私のことを知ってるのか?」
やはり・・・とロニは思った。このマリーさんは、十八年前のマリーさんだ。当然、自分のことなど知る由も無い。
「はい。あなたとは戦うつもりはありません」
「お前は何者だ?」
言われて、返答に詰まった。
十八年後の世界から連れてこられました、なんて言っても、信用してもらえそうに無い。
いや、明らかにこのゲーム自体が異様な顔ぶれで行われているから、あるいは信じてくれるかもしれない。
勿論、名簿で見て名前を知ったなど言うのは論外だ。
それでは信用されるどころかまた攻撃を受けかねない。
ちなみに、ここに来るまでに名簿を見て気に入った女性をチェックしていたことはここだけの秘密だ。
しばらく考えた挙句、とりあえず無難な回答をすることにした。
「あなたとソーディアンチームの活躍は常日頃聞いています。ファンなんですよ、俺」
あながち嘘ではない。
「そうか・・・」
「特にあなたとルーティさんにほれぼれとしております。仲がいいですよね」
「ルーティ・・・か・・・」
少しずつマリーの顔から戸惑いと疑惑が消えていった。
つたない弁論だったが、何とか敵ではないと思ってもらえたようだ。
「・・・つまりロニ・デュナミス。お前はゲームに乗った者の討伐を優先して動いているのか?」
小さな湖で水を汲ませてもらいながら、ロニは答えた。
「ええ。勿論仲間達との合流も優先すべきですが、
乗った奴等を放置しておけば何の罪も無い者達にも被害が及びます。俺はそれを見過ごせない」
そうか、と言うマリーを横目に見ながら、
ロニは水を入れたペットボトル─マリーに会うまでに飲みつくしてしまっていたそれ─をザックに入れた。
そして身なりを整え、レーダーを構えた。中心の光点に、赤い点が一つ映っていた。
「マリーさん」
声をかけ、こちらを向いた。
「よければ、一緒に・・・」
彼女はしばらく目を瞑り、何事か考えているようだったが、やがて目を開けると、
「・・・いや、それは無理だな」
ロニは黙っていたが、ショックは大きかった。・・・まるで告白に失敗したみたいじゃないか、おい・・・
マリーが続けた。
「お前は私を知っている様だが、私はお前を知らない。
このゲームにおいて、あまり面識の無い者が組むのは危険と私は考える。
今はこうして普通にしているが、やがて切羽詰った状況に陥った時、
お互いがお互いを信頼しあって動けるかどうかは疑わしいものなんだ。」
彼女の言っていることは確かに納得できることだった。
だが、それゆえに悲しかった。
・・・ルーティさんの友人であるあなたを、俺が裏切ったりする訳無い・・・
その秘密を打ち明けることが出来れば、どんなに楽だろうか。
しかしそれは出来ない。それを口にすることでこの場のみならず、
彼女等や彼等の元居た世界にどんな影響を及ぼすか、計り知れなかったからだ。
・・・最も、このゲーム自体が既に参加者達の居た世界にどれだけの影響を与えているか分からなかったが。
「・・・・・・分かりました。俺は俺の道を進むます」
「すまないな・・・私のことを薄情な人間と思っているかもしれない。ルーティに会ったら私は元気だと伝えてくれ」
「はい。マリーさんも、スタンさんやルーティさんに会ったらよろしく伝えてください」
ロニは身を翻した。空が既に薄暗い。
「これからどうする?」
「向こうっ側に行ってみようと思います」
そう言って彼は東の方角を指した。
「そうか。私はもうしばらくここに居よう。もう夜になるから、暑さも薄れるだろうからな。
あまり動き回ると体力を消耗する上に、敵に遭遇しそうだからな」
「分かりました。では・・・」
「ああ。達者でな」
マリーと別れてしばらくした後、ロニはふと振り返った。
既に彼女の姿は見えなかったが、彼はしばらく砂丘を見つめ続けていた。
もし、彼女の身に何かあれば、それは経過は関係無しに自分が彼女を見捨てたことになる。
いや、逆もありうる。自分が誰かの手にかかって、彼女が生きて逃げ切る可能性もある。
しかしそれはくだらない考察だった。この状況においては、どんなことだってありうるのだ。
せめてお互いが仲間と合流して生きて再会できるように祈りながら、彼は再び歩き出した。
【ロニ 生存確認】
状態:無傷
所持品:簡易レーダー なりきり剣士セット
行動方針:ゲームに乗った者の駆除
:仲間との合流
:武器の調達
現在地:E4の砂漠地帯から北東へ移動中
【マリー 生存確認】
状態:無傷
所持品:ハヌマンシャフト ディクティオン(壷)
行動方針:しばらく休憩
:生きるために動く
:仲間との合流
現在地:E4の砂漠地帯
不死身の男、マウリッツが命を散らしたその少し後・・・・・・
暗がりの洞窟の仲から、若い男女の声が聞こえてくる。
「・・・そうか、それでキミは気を失って、この洞窟の前に居たんだね」
「はい。その後、一旦目が覚めて、近くに居たマウリッツさんという方を回復しましたが・・・」
少女はそこで口をつぐんだ。向き合って会話している男も少しうつむく。
そのマウリッツも、もう死んでしまったのだ。
「でも、その君を撃ったというジェイって子、ちょっと気になるな。
それまでに動いてる間には、そんな素振りは見せなかったんだろ?」
「はい・・・恐らく、何かやむにやまれぬ事情があったものかと・・・」
そう言う少女の顔には、あまり元気が無かった。
事情がどうあれ、自分が殺されかけたことに変わりはないのだ。
「とにかく、君だけでも無事でよかったよ」
大体の話が終わったと見て、彼は口調新たにそう言った。
「ありがとうございます、スタンさん」
少女も応えて、頭を下げる。所々焼け焦げた法衣が少女の内面を表しているように見え、痛々しかった。
金髪の男・スタンは頭を上げた少女・ミントと目が合い、少し微笑んだ。
「で、ハロルド?言われた物も仕掛けたし、そっちはどうだ?」
スタンは立ち上がり、ピンク髪の女性・ハロルドの居る方を見た。
彼らは今、洞窟内でも中心部と思われる特に広い場所に居た。
ここは水も流れているし、先程まで少女を寝かせていた様な小部屋に通じる穴がたくさんあったので、
ここを活動拠点にすることに決めた。何よりハロルドが気に入ったのは、この大部屋にある
縦一メートル横ニメートルほどの机のような平らな岩と、
そばにあった椅子のようなこれまた平らな岩があったことだった。
彼女は研究するのに寸法ピッタリと言い、諸々の荷物を乗っけてごそごそと何やら始めた。
その間スタンは支給品にあった釣り糸を使い、洞窟の入り口と反対側の入り口に鳴子を仕掛けた。
洞窟の外で調達した木材を糸に結び付けてつなげたもので、誰かがこの洞窟に侵入しようとすれば
たちまち振動がこの大部屋まで伝わり危険を知らせてくれる。
ハロルド曰く、「術で攻めようにも私たちの正確な位置が分からない限りヤバイことは無いから、
これで全然安心よ。んー、私ってやっぱ天才」だそうだ。
ちなみに少し余った糸は適当な木の棒に結び付けて本来の用途通り釣り竿にした。
川にたらしているが、魚がかかる気配は無い。
「んーやっぱ明らかに植生がおかしいわね。
これはもしかして大気の異常な収縮率と関係あるのかしら?
でもだとしたらどうしてアイツはこの世界を・・・」
「ハロルド?」
「んん、ああ、ごめんなさい。で、何?」
「・・・彼女から話を聞いたんだけど」
「ああ、それならいいわ。私も聞いてたから」
さらりと言ってのけるが、明らかにミントが話をしている間ハロルドは研究だかをしていたはずだった。
・・・やはりこの人は只者では無い・・・
はあ、とため息をついてかぶりを振った。
「それで、これから具体的にどうする?まだはっきりしたことは何も言われて無いぞ、俺達」
んー、とハロルドが指を唇に当て考え込む。
スタンとミントがやや不安そうに彼女を見る。
「ねぇ、鏡ある?」
「は?」
鏡?そんなものがあるはず無い。
そう言うと、彼女は「やっぱそうよね」と言い、おもむろにスタンに近付いた。
「しょーがない」
「?」
怪訝な表情を浮かべるスタン。ハロルドは無表情に真っ直ぐ彼の顔の辺りを見つめた。
そして唐突に両腕を彼の首に回し、抱きついた。
「え!?」
あからさまに戸惑うスタン。
年上の割りに童顔な彼女に密着されて上目遣いで見つめられ、顔が赤くなった。
だがそんな彼の様子はおかまいなしに、彼女は絡めた腕を動かし後頭部から首の辺りを撫で回した。
「だっ、駄目だハロルド!まだ会ったばかりでこんな・・・・・・・・・」
パッと手を放し距離を取る彼女。スタンはぜいぜいと息も荒く、前かがみに両手を膝についた。
そしてハロルドはくるりと回り、無表情のままミントを見つめた。
ビクっと体を震わせ、一歩下がる少女。だがそんなささやかな抵抗に構う事無く、
彼女はズカズカと少女に歩み寄り、先程と同じように抱きついた。
「い、いけませんハロルドさん!私にはそういう趣味は・・・・・・・・・」
パッと手を放し距離を取る彼女。ミントはハァハァと息も荒く、ペタリとその場に座り込んだ。
そして最後に自身の首筋に手をやって、納得したように頷いた。
「ごめんごめん、ちょっと確かめたいことがあって」
「い、一体何を調べたんだよ?」
まだ落ち着きを取り戻していて居ないスタン等を余所に、
彼女は机(のような岩)に歩み寄り、ごそごそと何かを取り出しているようだった。
「んーとねぇ、世界の違いによる人体構造の相違点について調査したのよ」
そう言いながら机の上で何やら字を書いている。
スタンとミントは理解できないといわんばかりに息を吐いた。
そしてしばらく後、彼女は振り向いて紙を二人に見せた。
そこには彼女が熱く綴った字が書かれていた。
『でも、本当はそうじゃない』
二人は気の抜けたようにそれを見つめていた。
彼女が何を言いたいのかまだ分かっていないようだった。
そして二枚目が出される。
『首輪について調べたの』
二人は彼女の言に釘付けにされていた。
そして彼女は三枚目、最後の紙を見せた。
『私達、盗聴されてる』
呆気に取られて口を開けっぱなしにする二人を見て、彼女はにやりと笑った。
【スタン 生存確認】
状態:精神の激しい動揺
所持品:ディフェンサー ガーネット 釣り糸
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:ハロルド、ミントと共に行動
第二行動方針:仲間と合流
【ハロルド 生存確認】
状態:TP微消費
所持品:ピーチグミ 短剣 実験サンプル(植物やらなんやら色々)
現在地:G3の洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:スタン、ミントと共に行動
【ミント 生存確認】
状態:精神の激しい動揺 TP小 小程度の疲労
所持品:ホーリースタッフ サンダーマント
現在位置:G3の洞窟内部
行動方針:スタン、ハロルドと共に行動
696 :
第一回放送:2005/11/20(日) 21:08:12 ID:Byyfdy5B
「さて・・・そろそろ時間だな」
とても常人が使うとは思えない大仰な椅子に腰掛けながら、
壁にかかった時計を見やり、このバトル・ロワイアルの主催者、ミクトランはそう呟いた。
先程まで見続けていた画面にもう一度目をやり、薄ら笑いを浮かべる。
そこには、まるで劇場の様な巨大なスクリーンと、そこに表示される45の光点があった。
それはこのゲームの参加者達の現在位置を示すものであり、
彼ら彼女らの生死の判別も行う、簡単に言えば超巨大なレーダーであった。
当然参加者の支給品として配られた簡易的なものとは、性能に雲泥の差がある。
ミクトランはおもむろに右手を前に出した。
突如その場から黒い光が起こり、不気味に蠢く魔力の球体が出現した。
それは次第に歪み、凹み、うねりながら形を変えていった。
そして、やがて放送用に使われる拡声用のマイクが形作られた。
彼はそれを手に取り、何の気なしに右に左に傾けた。
これから自分が行うことによって、残る45人の参加者がどの様な反応を見せるか、彼は非常に楽しみだった。
「あ〜・・・」
喉を鳴らす。これから起こる出来事に、誰よりも彼自身が心を弾ませていたのかもしれない。
「諸君」
マイクに向かって言葉を投げかける。
彼の言葉はそれを通じて、島全体に設置された拡声器により、参加者全員の耳に届いているはずだった。
「どうだ、調子は?だいぶ時間が経過したが、バトル・ロワイアルには、もう慣れたか?」
自然と彼の内面にある嬉々とした感情が言葉に出てしまう様だった。
この放送を今、参加者達はどのような状況で聴いているだろう?
ある者は戦いながら、ある者は歩きながら、ある者は走りながら、立ち止まりながら、眠りながら、腰を下ろしながら、
怒りに身を焼き、悲しみに身を沈め、歓喜に震え、恐怖に怯え、自我を失いながら。
「諸君も知っての通り、現在時刻は午後六時、すなわち、第一回の放送を行う時間だ。
説明するまでも無いが、この放送を行うまでの間に脱落した者達の名前と、
これから三時間おきに設置される禁止エリアについての発表を行う。
さて、諸君等は自分達の仲間や友人達の安否が気になって仕方が無いだろうが、
まずは禁止エリアについて発表する。一度しか言わないので、よく聞いておけ」
そこで言葉を一旦切り、顔を上げて再びモニターを見る。
既に彼によってランダムに選ばれた禁止エリアが、赤く光っていた。
「まず、今から三時間後、つまり午後九時よりH6、更に三時間後の午前0時よりB4、
次に午前三時よりG1、そして今より十二時間後の午前六時よりE7だ。
時間になるまでは今指定したエリアに入っても問題ないから、各自よく考えて動くがいい」
そこでまた口を止めた。モニターごしに、参加者達の緊張が伝わってくるようだった。
ミクトランは暗い笑みを浮かべてモニターを見た。45の点は、どれも動こうとはしない。
「では全員お待ちかねの、脱落者、すなわち死亡者を発表する。
既に諸君等が知っての通り、ゲーム開始前に散った彼については今更説明の必要も無いだろう。
それでは発表だ。ここまでで死んだ者は彼を除いて九人──
直、今から発表する者達の名前の順序についてはこちらが勝手に決めたものだ。
死亡した順に言ってしまうと、余計な詮索をする輩が出て困るからな。では改めて言おう」
「アミィ・バークライト、チェスター・バークライト、藤林すず、ジェストーナ、
ルーティ・カトレット、ヒアデス、セネル・クーリッジ、モーゼス・シャンドル、マウリッツ、以上九名だ」
言葉を発する最中、モニターとは別に設置している機械から参加者達の多種多様な声が聞こえてきた。
「残りは45人、まだまだだな。もっともっと殺し合え。
ではこれで放送を終わる。これからは夜だ、くれぐれも闇討ちなどに気をつけるんだな」
彼の発表が参加者達にどの様な反応を与えたか、彼は気になって仕様が無かった。
そしてマイクを切り、放送を終えた。ミクトランはふう、と息をつくと、再び椅子に腰掛けた。
その顔には張り付いたままの暗い笑顔があった。彼は完全にこのゲームを楽しんでいた。
・・・この発表で奴等がどんな反応を見せるか、楽しみで仕様が無い。
697 :
逃亡 1:2005/11/20(日) 23:53:15 ID:ONGRHGKd
「バイバ!!」
どこからともなく聞こえてくる主催者の声。
はじめのほうこそ恐怖によって上手く聞き取れなかったが、ある単語にメルディは反応した。
〈禁止エリア〉 そしてそのあとに続いた〈B4〉 というエリアを指す単語。
そして………死亡者の中にいた〈ヒアデス〉という名前。
「ヒアデス……どうしてか……」
メルディには、ヒアデスが死んだと信じられなかった。
自分を殺そうとしていた男であったが、それはネレイドの所為であるところが大きい。
本来の彼は、セレスティア総領主である彼女の父バリルを補佐し、また仕事に追われる
バリルの代わりに父親代わりをしてくれる優しい男で、メルディはそんなヒアデスを好いていた。
年若い娘が、自分の父をスーパーマンだと錯覚するようなある種の感覚。
自覚しないまでも、彼女はヒアデスに対してそんな感情を抱いていた。
そんな彼が死んだ。あっさりと死んだ。
誰が殺したのか? いや、誰が殺せたのか?
メルディには見当もつかなかった。考える分だけ、恐怖は大きくなった。
自分がこの参加者の中で一番弱いのではないか。そんな考えが頭の中をよぎる。
《ならば誰にも負けぬ力をやろうか?》
まただ。ぶんぶんと頭を振って、少女はその声を追い出した。
698 :
逃亡 2:2005/11/20(日) 23:55:20 ID:ONGRHGKd
ヒアデスの死をしばらく悼んだ後、慌てて地図を開く。
遠くになった塔と、徐々に見え始めてきた絶壁にかかる橋。そこから、自分がまさにエリアB4にいるのだと分かった。
本当ならその区域は午前0時をもって禁止エリアになるのだが、恐れる少女にそこまで考える心の余裕もなかった。
このエリアから離れないと、死ぬ。
それが少女の頭の中を占領し、そして行動に移させた。
塔と、橋。とりあえずここから見えるシンボルはそれだけ。
つねに薄暗いセレスティアで育っていなければ、この二つも見えなかったかもしれない。
メルディの決断は、意外なほど早かった。
その決め手となったのは、あのとき塔で見たふたりの男。
あれらの所為で、彼女には塔がひどく不気味なものに思えた。
クイッキーの代わりであるかのように、鉱石を一層強く抱きしめながら、彼女は橋を目指した。
【メルディ
状態:弱パニック。ネレイドの干渉は押さえ込んでいる
所持品:スカウトオーブ、リバヴィウス鉱
行動方針:仲間と合流、元の世界へ帰る
現在地:B4の海岸部寄り】
699 :
波紋 1:2005/11/21(月) 22:56:20 ID:Zlpr10oA
「嘘だろ・・・十人も・・・」
ロイド・アーヴィングは口を開けたまま、呆然と立ち尽くした。
発表された者の中に彼の見知った仲間が居なかったとはいえ、
既に殺し合いが行われてる、死者が出ている、という事実が彼を大きく動揺させた。
「言った通りだ。もうこれは始まっている」
仮面の男・ジューダスは草花が微かに生い茂る地面に腰を下ろし、名簿を眺めつつ、手を動かしていた。
それは何度も聞こえた術が炸裂する音、銃器が撃たれる音によってもはや疑う余地の無いことでもあった。
「でも・・・、あのマグニスや、お前の言ってたバルバトスって野郎がやったことじゃないのか?」
ジューダスは動作を止める事無く、
「無論彼らが手を下した者も含まれているだろう。
だがこの短時間で10人も相手をするのは不可能だ。
他にもこれに乗った者や、疑心暗鬼から殺し合いを始めたものもいると考えるべきだ」
「そんな・・・そんなことって・・・」
がくりとうなだれて、かぶりを振る。
現在のこのおぞましい状況は、ひたむきなまでの直情を持った彼にはとても我慢できないものだった。
そしてふと、ロイドはジューダスの手元を見やった。
仮面の男は手にした名簿に、放送された者に印を付けている様だった。
「・・・やめろよ、そういうの」
咎める口調でそう言った。ジューダスはそれまで動かしていた手を止め、顔を上げてロイドを見た。
「何故悪い?彼らは死んだ、その事実は記録しておいた方がいいだろう」
「だからって」
「情報は正しく整理されるべきだ。
お前も、さっきの放送をただ聴いていたようだったが、禁止エリアの場所をちゃんと記憶しているか?」
ロイドは返答に詰まった。
尤も、彼がしっかりと注意して放送を聴いていたとしても、
禁止エリアの場所と時間を正確に復唱できるかどうかは怪しいものだが。
そんな彼の様子はお構いなしに、仮面の男は「いいか」と続けた。
「この程度のことも割り切れないようでは、これから先、生き残ることは到底無理だ。
死んだ者達のことをいつまでも気にかけていては、己の心に隙を生む。
いいか、これが行われている間は死者を気にするな」
ロイドはただ仮面の男の言葉を聞き、うつむいて考え事をしているようだった。
一緒に行動するようになってから頻繁に思っていたことだが、このジューダスという男は、
自分とあまり年は変わらないはずなのに、やたら大人びた物の言い方をする。
700 :
波紋 2:2005/11/21(月) 22:57:08 ID:Zlpr10oA
「・・・ちょっと頭を冷やしてくる」
そう言うと、くるりと背を向け、ジューダスから離れて三、四歩進んだ所でどかりと腰と降ろした。
そのまま背中を向けながら、思案にふけっている様だった。
それから十数秒後、ジューダスは足元に置いた名簿に視線を移した。
彼によって十の印が付けられたそれを拾い上げ、改めて死亡者達を一人一人見やる。
・・・死者を気にするな、か・・・
ジューダスは自嘲気味に微笑を浮かべると、ゆっくりと顔を上げて薄暗い天を見た。
そしてそのまま瞼を閉じ、近くに居るロイドにも聞こえないぐらいの微かな声で一言呟いた。
「ルーティ・・・・・・」
【ロイド:生存確認】
状態:無傷 放送による動揺
所持品:ウッドブレード(自作)、忍刀桔梗、 トレカ、カードキー
行動方針1:ジューダスと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:皆(Sの仲間及び協力してくれる仲間)で生きて帰る
現在地:B5の森
【ジューダス:生存確認】
状態:無傷 放送による悲しみ
所持品:アイスコフィン、???、???(アイスコフィン以外の武器は持っていない)
行動方針1:ロイドと共に協力してくれる仲間を探す
行動方針2:ミクトランを倒す
現在地:B5の森
701 :
強者を求めて:2005/11/22(火) 04:05:21 ID:85mLcDNW
ゲームが開始してから、彼はまだ誰とも会っていなかった。
森に飛ばされ、位置が特定できなかったので無駄に時間を過ごしてしまったのだ。
ようやく森を抜け、近くの教会を訪れてみたが、すでに人のいる気配はなく、
変わったところといえば、女神像から水がしたたり落ちて机の上の聖書を濡らしていることくらいであった。
次の目的地として、G5の町を目指していたとき、放送が行われた。
どこからともなくミクトランの声が聞こえる。
「そうか、アイツは死んだか」
ルーティの名前が呼ばれたのを聞いたが、それだけを思う。
このゲームに、正義や悪は関係ない。ただ強ければ生き、弱ければ死ぬだけだ。
いわば弱肉強食の世界。それは自然の摂理。彼はこの考え方に心酔している。
カイル達の時代にはノイシュタットの英雄として、外殻の落下によって破壊された町の復興に尽力すると記されているが、
それはまた別の歴史なのである。
「スタンの野郎も参加しているんだったな。今ので腑抜けてなけりゃいいがな」
自分を打ち破った唯一の男、スタン。最初の広間で他の参加者とは一線を画す力を見せつけたダオス。
大勢の前で自らゲームに乗ることを宣言したマグニス。そして、まだ見ぬ、いずれ戦うであろう強者達。
彼の心はそれらの者に対する闘争心で占められていた。
彼もまた、このゲームの気に当てられてしまったのかもしれない。
優勝した際に何を願うかは考えていない。強者を打ち負かし、このゲームで優勝すること、これが彼の願いなのだから。
もうすぐ町だ。明かりが点いているらしい。今度は誰かがいることだろう。
【コングマン
状態:健康
所持品:レアガントレット ???
基本行動方針:とにかく強い奴と戦い、それらを倒して優勝する。
現在の行動方針:G5の町へ
現在地:G6の街道】
702 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/24(木) 21:35:04 ID:O1wvw+cG
上げ
703 :
天才と忍者1:2005/11/25(金) 00:27:31 ID:I2ynArZ7
「僕たちの知っているメンバーはいないみたいだね。」
放送を聞いて、『優等生』こと、ジーニアスは少し安心した。
しかし、気絶する前にコレットが誰かと一緒にいた事が気になってしょうがないようだ。
「それよりもサ、ライフボトル2個も使っちゃってよかったのかい?
これって貴重な物じゃないのかい?」
木にもたれかかりながら、しいなが心配そうにしている。
「な、何言ってるんだよ!しいなの命の方が大切じゃないか!
それよりも、今のうちに皮袋の中身を見たほうがいいんじゃない?」
「ああ、それもそうだねぇ。」
2人はそれぞれ自分の皮袋の中を見てみた。
ジーニアスは、あの時興奮していて気づかなかったが、
闇の装備品であるビジャスコアが入っていた。
どうやら、このビジャスコアはアビシオンを倒した後の物らしく、
あまり禍々しい気配はしなかった。
もう一つの支給品は、アビシオンのフィギュアだった。
ご丁寧に、背中にあるスイッチを押すと、
『甘い、甘いぞぉ!』
としゃべった。
「・・・。」
「・・・。」
「なにこのフィギュア・・・。」
「はずれアイテムじゃないかい?」
704 :
天才と忍者2:2005/11/25(金) 00:28:49 ID:I2ynArZ7
「で、そっちは何支給されたの?」
しいなは皮袋の中をガサゴソと探り、
「こっちは、良く分からない鉄砲と、え〜とあとは・・・。
って、なんだいこりゃ?」
彼女の皮袋には、コルトガバメント弾7マガジン4以外に、
ホイッスルのような物が入っていた。
「・・・何に使うんだい、こんな物。」
彼女はジーニアスに尋ねた。
「僕にそんな事言われても・・・。」
「支給品も見たことだし、とりあえずここを離れよう。
川沿いは人に見つかりやすくて危険だし。」
「でも、ティトレイが・・・。」
「しいなはそんなこと言ってられる場合じゃないでしょ!
とりあえず、一番近い町のイーツー村に行こう!
食料を今のうちにどうにかしないといけないしね。」
「仕方ないねぇ、わかったよ。」
【しいな 生存確認】
所持品:コルトガバメント弾7マガジン4 ウグイスブエ
状態:ほとんど回復
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:安全な場所へ逃げる
:E2の町に
:ティトレイを正気に戻す
:すず、セネルの仇を取る
【ジーニアス 生存確認】
所持品:ビジャスコア アビシオンのフィギュア
状態:少し背中に痛み
現在位置:F4の森 川付近
行動方針:E2の町に行く
:食料を手に入れる
いくらなんでも早すぎ。
>>706 容量が、もうないんです。
ロワスレなのに容量が越える前に1000行くような、スカスカなスレにはしたくないものです。
あ...本当だ。よく見てなかったな。ごめん。
まとめサイト出来るまで2〜3日周期で保守しとく
710 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/11/27(日) 02:53:07 ID:corWjj5C
711 :
ローグ消えろ:2005/11/28(月) 15:06:59 ID:ZyZ1h1gm
テイルズで一番はリオンくんだけ!
保守
保守
保守
717 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/08(木) 06:49:19 ID:ke0yZ0Su
ほ
まとめサイトと次スレは別物・・・と
初めはスレ違いとか叩かれてたが頑張ってるみたいだな。
保守
保守
保守
まだか・・・
724 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2005/12/29(木) 16:42:14 ID:qr2iRHC1
ほ
725 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/01/01(日) 18:49:59 ID:WKCsJ/Eh
(^^)」<うんこするぞー
「||
三 >>
(^^)」<あたしおしっこー
「||
三 >>
(^^)」<うししし
「||
三 >>
727 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2006/01/04(水) 08:37:17 ID:trIv8tW0
ここのスレはクソだな・・
既に次スレに移ってますから。
一応保守
急いで落とす必要も無いだろ
いや、このスレになんの利用価値があるのよw
まとめサイトがもうできたからな。
まあ、それもそうか
んじゃぼちぼち埋めるか
てっきり保守だけで1000を目指すスレにすると思ったのに
じゃ目指そう
=========== 、
ヽ マ グ ニ ス ヽ================================、、
ii ===========' .ll
ll .ll
ll マ グ ニ ス さ ま、 だ 。 豚 が ・ ・ ・ ll
_ ll .ll
/ `ー 、 ll、 .ll
/:::::::::::::::::::::::::::ヽ `-======================================>>==''
/..::::::::::::::::::::::::::::::::..\ , ー- 、
/..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.l, /`` '"l;;;;,`;,、
l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::.ヽ_ /y、 '_;;ヽ
l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::l_!ヽ .!/≠> -= lー-、
l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::::::::::::::::::::/ ̄ \ / ,ヘ. i ヽ、i| ミ;;;;;;l;;;;/
!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:::::::::::::/__l、`ヽ ヽ .,-、'";;l ー 、 /ヘ ,, l`;;;;;;;/;;,,,ヽ、
ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:::::::::::::::lゝ-' l_ l;;;;;;;;;;;;>、 ` /v_;;;;/- =、;;;;)
\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;::::::::::::::::l、 ゝ、`l ーll'< \_ _ //ヮ,フ、;;;;;,,ヽ、
ヽ;:;:;:;:;:;:;:;;;:::::::::,ー'ー-、 /- ̄ ヽ l ll .l /彡L-=,,i,ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;)
ヽー-、__ ,/ /, ヘ、' , へl ll l /!ヽ、;;;;;;;l;;;;、ヽ、;;;;;/
| i i / \'" ヽ/ l.lヽヽ_ノ// ii llヽ 、l;;;;!;;;;;;;;i
i l v___ ヽ、 .! l l 丶ー / ii /l l;;;;;i;;;;;;;l
.l l 7ヽ、 l/ l / /./ ー./ /,;;;;i、;;;!
l::... /`ー'\ l/ー 、 // ,ー、 l;;;/、
,、l:::::::::... ./`i ,l、 ー,-,=' / ,/' ,/ ヽ__/ ヽ、__
l)、ヽ、:::::::::::::::::: /! l ,< ヘヽ、//==-、_// / ヽ ,- ='" /
l 、\ `、ー-一' ,'"/l 、 `ゝ、'-、___//__ ,'", )' -'`,
l `ヽ==-=-'` l_ゝ、 .lー-`ー--,--- ' l <、, ヘ’, -=ヘ