スパロボキャラと何かスレ

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1それも名無しだ
・自分キャラ×スパロボキャラで何か考えてみよう。
・エロは紳士的に15禁まで。
・荒らしはスルー。構った奴も荒らしですよ?
2それも名無しだ:2007/11/05(月) 00:47:38 ID:trG9wzom
落ちたようだから立て直しといた。
3それも名無しだ:2007/11/05(月) 00:48:44 ID:AkYwcv1k
なんという邪気眼スレ・・・
4それも名無しだ:2007/11/05(月) 01:47:33 ID:7nk/64Ul
保守もできないようなスレなどいらん
5それも名無しだ:2007/11/05(月) 06:39:31 ID:trG9wzom
6それも名無しだ:2007/11/06(火) 13:10:15 ID:J0uKtZjR
放置してたら落ちてた&立て直してもらってた…。

立て直しサンクス(・ω・)/&>>1乙。
7それも名無しだ:2007/11/06(火) 14:29:57 ID:vflNIarf
>>6
自演乙
8それも名無しだ:2007/11/08(木) 14:59:48 ID:GC8ec7lF
伊豆基地に到着した俺は、まず大きく深呼吸した。
新しい配属先に対する緊張をやわらげるためでもあるが、何よりも、何年ぶりかの日本の空気を味わいたかったからだ。
潮の香る空気をいっぱいに吸い込んだ後、俺は荷物を手に、基地へと入った。



「私がSRXチームの隊長、ヴィレッタ・バディム大尉よ」
隊長執務室。
書類が摩天楼のごとき様相をなすデスク越しに、彼女はそう名乗った。
「予定より一週間も早い配属になっちゃったけど、体の方は本当に大丈夫?」
「問題ありません」
敬礼しながら、俺は簡潔に答える。
「噂通りの、不死身の男のようね」
バディム大尉はそう言って、唇の端をキュッと上げた。
「恐縮です」
俺はまた簡潔に答える。
――その手の噂は、俺にとってはタチの悪い皮肉やイヤミでしかないんだがね。

そこへ、入り口のドアのインターホンが鳴る。
『アヤ・コバヤシです』
透き通るような女性の声が、名を告げた。
「開いてるわ。入ってちょうだい」
『失礼します』
返答の後ドアが開き――そして俺は、入室者に目を奪われた。
ファッションには疎いんで、どう呼ぶのかはわからんが、胸から上がむき出しになった大胆な軍服に、パツンパツンのミニスカート。
しなやかな手足を包む、鮮やかなブルーの手袋とブーツ。
きめ細やかな白い肌は、心なしか光を放ってるようにすら感じられる。
ショートに切られた、クセのある緑の黒髪。
意志の強さを現す切れ長の瞳。
桜色のルージュが引かれた可憐な唇。
体のパーツの一つ一つが特注品で造られているかのような美しさに、俺は不覚にも見入ってしまった。
「彼女はチームリーダーのアヤ・コバヤシ大尉よ」
バディム大尉が彼女を紹介する。
「例えるなら、私が社長で彼女は部長といったところかしら。普段は、彼女の指示に従ってちょうだいね?」
「イエッサ」
――彼女、アヤ・コバヤシ大尉に見とれて、一瞬返事が遅れたのは内緒だ。
「それじゃあアヤ。あとは任せるわね」
バディム大尉はそう言うと、デスクワークに取りかかる。
「では、まずあなたの部屋に案内します。よろしくお願いしますね」
コバヤシ大尉はそう言って手を差し出し、握手を求める。
およそ軍人とは思えない、細くたおやかなその手を、俺は一瞬ためらいはしたものの、軽く握った。
9それも名無しだ:2007/11/08(木) 15:01:53 ID:GC8ec7lF
>>8
案内された部屋に荷物を置き、SRXチームの制服に着替える。
その後、チームメンバーが集まっているシミュレータールームへ、大尉に案内される。
「あなたの経歴は拝見させてもらいました」
その途中で、大尉はおもむろに口を開く。
「本当に驚きました……DC戦争からずっと激戦地を渡り歩いてきて、まさに歴戦の猛者って感じで……」
「それで、俺に敬語を使ってるんですか?」
ひょっとして怖がられてるのかと思うと、ちょっとヘコむぞ。
「だって、私の倍以上も軍に勤めている先輩ですし……」
「ですが、階級はあなたが上です。どうか自分には、敬語を使わないでください」
「は、はぁ……」
む、ちょっと言い方が冷たかったかな……大尉は面食らった様子だ。
彼女はその後、ちょっと考え込んでから、また口を開いた。
「そう、ね……これから一緒に戦っていく仲間だし、それに、せっかく同い年のチームメイトが出来たんだし、ね」
自分に言い聞かせるようなつぶやきの後、宝石のような汚れのない瞳で俺を見る。
「わかったわ。敬語を使うのはなし。ただし、あなたも私の事は、アヤって呼んでくれる?」
――何言ってんだ?この人は。
「もちろん、他の部隊やお偉いさんの前ではダメだけど、仲間内では、友達みたいに話してほしいわ。そうやって、お互い気楽に話が出来るような関係の方が、上手くいくような気がするの」

――学生のクラブ活動じゃねえんだぞ。
という台詞を、俺はグッとこらえた。
或いは、SRXチームはそういう方針なのかも知れない。
そういう気さくな付き合いが生み出すチームワークってのがあるかも知れない。
郷に入れば郷に従えとも言うし、何より、恥ずかしい話だが、この同い年の上官に良い顔しておきたいという、下心もある。

俺は軽く咳払いをした後、答えた。
「わかったよ、アヤ。これで良いか?」
自分でも、顔がカァーッと熱くなるのがわかる。
恋人でもない、会ったばかりで、まだ音楽の好みすら知らない女の子を呼び捨てにするのは、ぶっちゃけかなり照れくさい……。
大尉は、赤面する俺を見てクスクス笑った。
花がほころぶような、愛らしい表情だ。
「えぇ、それで良いわ。じゃあ改めて、よろしくね」
そう言って、また握手を求めてくる。
俺は、さっきよりは軽い気持ちで、それに応じた。
大尉の手は暖かく、とても優しい感触だった。
10それも名無しだ:2007/11/10(土) 13:01:37 ID:l9qwgNYR
晒し上げ
11それも名無しだ:2007/11/10(土) 14:25:18 ID:DBlKBnyN
スパロボキャラじゃなくて零の雛咲深紅と付き合いたい
12君の夫は、もういない:2007/11/10(土) 22:13:15 ID:Dlb9n7oU

ヒギンズ「……耐…爬……さん……?」
耐爬「う…ぐっ……」
バルサム「ひっひははははははぁぁ!!とっとととととくたばりりりりりやがれぇぇぇぇ!!!!」

バルサムのハイペリオン二号機はなおも執拗にランスターをメッタ刺しにしていく。
宗介とヒギンズはそれぞれ敵に追われ助けるどころではない。

バルサム「あ〜あ、つっまんねええ〜なぁ。もお終わりかぁぁぁぁ?」
耐爬「…………ならば……最高に…面白いものを見せてやろう……冥土の土産に……な……」
バルサム「あぁあ〜ん?なに言ってやがるるるう?……っ!?」

バルサムは気付くのが少し遅かった。
ランスターはその両腕でハイペリオン二号機をしっかりと掴んでいたのだ。

バルサム「っ!てててめぇええぇぇぇええ!!離しやがれれれれぇぇぇぇええぇええ!!!」
耐爬「……地獄まで……付き合ってもらうぞ……」
宗介「…!耐爬、まさかお前……!」
ヒギンズ「駄目、耐爬さん!早まらないで!」
耐爬「ふふふ、仲間も愛する人も既に黄泉の国……私一人のうのうと生きているわけにはいかないのでな」

耐爬はそのまま一気に加速し敵機が密集しているエリアへと突っ込んでいった。

バルサム「!!!!!は、ははははは離せ!離せ離せ離せ離せ離せ離せぇぇぇぇぇ!!!!!!」
耐爬「……幽羅帝…今、貴女の元へ…………」

耐爬の口元がふっとゆるんだかと思うと、アルテミス中域に大きな火花が舞った。

ヒギンズ「…………」
宗介「……行くぞ、ヒギンズ・サス」
ヒギンズ「……ええ。ゼア、無茶しなければいいけど……」

アルテミス内部。司令室に続く通路。
ゼア=ウィドは拳銃を構えつつ前進していた。

ゼア=ウィド「あの野郎だけは……俺の手で……!」

ゼア=ウィドが階段を上りきった頃、その階段の下にシャナ=ミアが到着、
少し遅れてオルガも追いついた。

シャナ=ミア「オルガさん……?」
オルガ「ゼアの野郎……絶対連れ戻す……行くぞ!」
シャナ=ミア「はい……!」

司令室。

ガルシア「ゼア=ウィド……やはりここまで来るか。だが、ふふふ……

ガルシアの右手には、黒光りする銃身が握られていた……。
13君の夫は、もういない:2007/11/10(土) 22:15:31 ID:Dlb9n7oU
今日はここまでです、新スレはここでいいようですね。

>>8-9
お久しぶりです…って、これ少尉が初めてアヤに会った話ですか?
以前に比べると少し寂しいですが、お互いに頑張っていきましょう。

以上、新スレの殺伐とした空気に一瞬戸惑ったゼア=ウィドでした。
14それも名無しだ:2007/11/11(日) 10:09:56 ID:eDSAtAs/
>>12
耐爬の分もゼアはきっちり落とし前つけてくれ!

>>13
うん、まぁ何というか、くっつくまでの過程もじっくり書いてみよーかと思って、最初からやり直してみた。

何はともあれ、紳士的によろしく。
15それも名無しだ:2007/11/12(月) 16:32:34 ID:4kN55bv6
>>8-9
屋上から、その日の訓練を終えて帰投する戦闘機を眺める。
夕焼け空をバックに飛ぶメッサーやシュヴェールトに、無性に懐かしいものを覚えた。
DC戦争の中頃までは、俺もあれに乗って飛び回ってたっけ……それが今じゃ、PTなんていう奇想天外兵器のパイロットだってんだから、人生本当にわからんよな。

「あ、ここにいたのね?」
そこへアヤ大尉がやって来る。俺はとっさに敬礼した。
「良いわよ、そんな肩肘張らなくても」
大尉はクスクスと笑う。
「言ったでしょ?チーム内ではお友達として接してほしいって」
そういやそうだったっけ。何となく気恥ずかしくなって、ポリポリ頭をかいちまう。
「すまん。習慣っつーか、職業病みたいなもんだ」
「なるほどぉ……どおりで板についてる訳ね。スッて敬礼する動きとか、ちょっとカッコ良かったわよ?」
「……おだてたって、何も出ねぇーぞ」
敬礼を誉められたのは初めてだ。ましてや彼女のような美しい女性からなんて、尚更だ。
俺は口元がにやけるのを必死でこらえた。
「おだてたりなんかしてないわ。本当にそう思ったの」
穏やかな笑顔を向ける大尉。
一瞬、死んだ姉貴を思い出した。

「さっきは、リュウがごめんなさいね」
大尉が不意に話題を変えた。
リュウってのは確か、リュウセイ・ダテ少尉の事だったな。
しかし、何が「ごめんなさい」なのかよくわからん。
「まだ退院したばかりなのに、あんな事言い出して……」
どうやら昼間の顔合わせの時の事を言ってるようだ。
チーム全員の紹介が終わった後、リュウセイ少尉が、俺の腕前が見たいと言い出した。
特に断る理由もなかったんで、シミュレーターで簡単なミッションを三つほどこなしてやった。
どうやらアヤ大尉は、その事を謝ってるらしい。
予定より一週間も早く退院した俺の体を、気遣ってくれているんだろう。
「気にすんな。体の方は問題ない。だからやったんだよ」
「本当に……?」
大尉が心配そうに聞き返す。

南米での、DC残党の大規模な掃討戦で、俺が所属していた部隊は全滅。
俺自身も重傷を負った。

彼女もそれくらいの話は聞かされていたみたいだから、心配になるのも無理はないか。
「自分のコンディションも把握出来ないようなガキじゃあないつもりだぜ?気にすんなよ」
大尉を安心させようと、俺はなるべく柔らかな口調で言ってやった。

16それも名無しだ:2007/11/12(月) 16:36:00 ID:4kN55bv6
>>15
「なら、良いんだけど……本当にごめんなさい」
「そうやって、しょっちゅう人に謝ってばっかなのか?」
「だって……」
「アヤがリュウセイ少尉に指図した訳じゃないんだし、謝るなよ」
「ごめんなさい……」
「……だから謝るなって」
「ご、ごめんなさい……じゃなくって、違うの、ごめんなさい……でもなくって、ごめんなさい、そうじゃなくて……ええっと」
「くくく……!」
謝るなと言われてつい謝ってしまい、その事についても謝って、またその事を謝って……それじゃ一晩中謝っても終わらねーよ。
みんなといた時の、落ち着いたお姉さんキャラからは想像出来ないワタワタした様子が、おかしいやら可愛らしいやらで、込み上げてくる笑いをこらえきれず、俺は大笑いしちまった。
「んもう!笑い過ぎよ!」
アヤ大尉は顔を真っ赤にして怒鳴りつける。
その様も、小さな子供みたいで愛らしかった。
「でも、良かった……ちゃんと大声で笑えるなら、大丈夫ね」
「大丈夫って?」
「その、あなたの部隊の事……話で聞いてたから……」
「ああ、それか……心配すんな。いつまでもクヨクヨしてちゃ、あいつらに笑われちまうからな」
俺はつとめて明るい声で答える。

「ところで、用事はそれだけか?何か俺の事捜してるっぽかったが」
屋上に来た時の第一声も「こんな所で何してるの?」とかじゃなくて、「ここにいたのね?」だったしな。
「えぇ、そのぅ……今夜、って言うか、しばらくの間なんだけど、夜は時間を空けておいてほしいの」
「なんで?」
「私たちSRXチームは、Rシリーズっていうちょっと特殊な機体を扱ってるの。みんなの機体の事を知っておかないと、いざという時に対処しにくいでしょう?」
なるほど、確かに。
チーム全体のバックアップというのが、俺が呼ばれた理由だっけか。
「それで、そのRシリーズについて色々教えてあげたいの。ちょっとした勉強会ってところね」
「ああ、わかった。どうせ飯食って風呂入って寝るだけだしな。了解だ」
「ありがとう。じゃあ今夜8時に、私の部屋に来てね?」
「イエッサ」
敬礼こそしなかったが、またこの返事が出た。
「遅れちゃダメよ?」
大尉は、最後にそう言って立ち去っていった。



……しかし、ちょっと待て。
勉強会ってひょっとして、大尉の部屋で二人っきりなのか?
そう考えた瞬間、俺は急に緊張を覚えてしまうのだった。
17それも名無しだ:2007/11/15(木) 13:53:18 ID:hGvrqh0v
保守
18それも名無しだ:2007/11/16(金) 13:51:50 ID:iUjFEkiL
「はぁ……」
朝飯を箸でつつきながら、ため息をつく。
SRXチームに配属されて三日。
アヤ大尉の提案で、俺はRシリーズについての勉強会を彼女の部屋でするようになった。
大尉が作成したであろうプリントを、小さなテーブルの上に広げ、向かい合って行う、一対一の勉強会。
俺は「蛇の生殺し」という言葉をそこで実感させられた。

正面のソファに座るアヤ大尉の、ミニスカートから伸びる太もも。
眩いばかりの白い肌。
少し屈んだだけで見えそうになる、胸の谷間。
Rシリーズについての説明をする唇の動きもとても魅惑的だった。
俺が来る前にシャワーを浴びてるのか、いつも緑の黒髪はしっとりと濡れている。

目の前にこれだけ魅力的な女性がいたんじゃ、いくら俺でも勉強会に集中出来ねえっつーの……。
結局暇を見つけては、アヤ大尉からもらったプリントに目を通し、その内容を頭に詰め込む羽目になる。

今夜もやるんだよなぁ、勉強会……。
「はぁ……」
彼女と二人きりになれるのは嬉しいが、また生殺しにされるのかと思うと、どうにもため息が出てしまうのだった。

「おはよう」

そこへ、アヤ大尉が朝食の乗ったトレイを手に、やって来た。
「隣、いいかしら?」
俺はその問いに、無言で隣の椅子を引いてやった。
「ありがとう」
アヤ大尉はニッコリと笑って、椅子に座り、テーブルにトレイを置く。
その動きの一つ一つに、俺は知らず見入っていた。
「勉強会はどう?私の説明、ちょっとわかりにくいところとか、ない?」
彼女は子猫のような愛くるしい瞳を向けて、尋ねてくる。
「もしわからないところがあったら、遠慮しないで聞いてね?大事な事だし」
「ああ……今は大丈夫だ」
俺は慌てて視線をそらし、味噌汁をかきこむ。
が、うっかり湯気を喉に吸い込んじまって、むせ返った。
「んもう、慌てて食べるからよ」
アヤ大尉はクスクス笑って、背中をポンポン叩いてくれた。
「大丈夫?口の中、火傷してない?」
「ああ……大丈夫、大丈夫だ」
手の甲で口元を拭いながら、答える。
答えながら、うなじや鎖骨のライン、剥き出しの肩に目が行ってしまう。
肌が外気や日光に晒される事も多い筈なのに、何故こうも美しい白さを保てるのか……女っ気のない生活を送ってた俺には、刺激が強すぎるぜ……。
19それも名無しだ:2007/11/16(金) 13:55:50 ID:iUjFEkiL
>>18
「どうかしたの?」
さすがに俺の視線に気付いたのか、アヤ大尉がキョトンとした顔で尋ねる。
「何だか顔が赤いわ……熱でもあるんじゃない?」
そう言って俺の額に、青い手袋に包まれた手をあてがう。
その後、それでは熱があるかわからない事に気付くと、信じられない行動に出た。
「ちょっと、ごめんなさい」
そう言って俺の頭を両手で挟むと、コツンと自分の額を俺の額にくっつけたのだ。
額だけとは言え、大尉の素肌が触れている……。
息がかかりそうな超至近距離に、スラリとした鼻筋が、花弁を思わせる唇が、エメラルドのような瞳がある。
ほんの少し目線を下げると、深い胸の谷間が見えた。
その谷間も、透き通るような白さを誇っている。
顔どころか、全身の体温が上昇していくのがわかった。
思わず、彼女の細い体を抱き締めてやりたい衝動に駆られる。
「……やっぱり、熱があるみたいね」
その言葉に、俺は我に返った。
「ヴィレッタ隊長には私から言っておくから、今日は部屋で休むといいわ」
「あ、いや……」
熱があるのは、病気だからではないんだが……。
「ダメよ、無理をしちゃ。怪我や病気は早めに治す。これも大事な仕事の一つなんだから」
俺が体調を崩してると、すっかり思い込んでいるアヤ大尉は、口調をわずかに強めた。
「ご飯食べたら、ちゃんと部屋で休む事。これはチームリーダーとしての命令よ」
眉根をキュッと寄せて、大尉は付け加える。
……何かもう面倒だ。病気っつー事にしとこう。
「イエッサ」
短い返事をすると、アヤ大尉は安心したようだ。
「後で、医務室からお薬もらって来てあげるわね?」
そう言って、とても優しい、柔らかな笑顔を見せてくれた。

その笑顔はとてもあどけなくて、まるで少女のようだった。
20君の夫は、もういない:2007/11/17(土) 21:57:38 ID:/vGuXx5E

アルテミス司令室。
司令室に到着したゼア=ウィドは椅子に座りほくそえむガルシアに銃口を向けていた。

ゼア=ウィド「…………」
ガルシア「意外と速かったな、クレーズ特務兵?」
ゼア=ウィド「その名前で俺を呼ぶな。俺はゼア=ウィド…エテルナ・フューラだ」
ガルシア「ふふふ、その様子では記憶はまだ完全には戻っていないようだな?」
ゼア=ウィド「うるせえぞ。てめえは、自分の置かれてる状況が分かってんだろうな?」
ガルシア「ふはははは、その言葉、そっくり君に返すとするよ、ゼア=ウィド」

ガルシアは懐から拳銃を取り出し、ゼア=ウィドに向けた。

ガルシア「私はこう見えても反射神経だけは良くてね。君が引き金を引く頃には君はこの世にはいないさ」
ゼア=ウィド「…………」

ゼア=ウィドは銃口を下ろそうとはしない。
この状況、如何なる動きを起こしてもすぐに狙い撃ちだ。
どうすればいい、ゼア=ウィドは焦っていた。

シャナ=ミア「ゼア!」
ゼア=ウィド「!?」

突然、シャナ=ミアとオルガが司令室に乱入し、ゼア=ウィドが一瞬揺らいだ。
ガルシアはそのコンマ一秒の隙も見逃さなかった。

ガルシア「ではまずその王女から撃たせてもらおう!」
シャナ=ミア「っ!」
ゼア=ウィド「…!」
オルガ「ちっ…!」

ゼア=ウィドは、動けなかった。フューリーの騎士といえど、飛び出た弾丸をどうにかできるほど万能ではない。
それに、ゼア=ウィドが動けなかった理由はもう一つ、『知らない』のである。この女性を。
もちろんメリオルやカナードから彼女が自分の妻である事は聞かされている。
しかし、ゼア=ウィド自身はそれを認識しているわけではない。つまり、ゼア=ウィドは彼女を『知らない』。
『見知らぬ女性のために動く』今のゼア=ウィドにはこれが出来なかった。

銃声が響く。

シャナ=ミア「…………?」

シャナ=ミアは生きていた。銃声は聞こえたはずなのに。その理由はすぐに分かった。
一人の男が、シャナ=ミアに覆いかぶさり、銃弾から彼女を守ったのだ。

ゼア=ウィド「…………!?」
シャナ=ミア「あ…ああ……いや…………」

シャナ=ミアは震える唇でその男の名を叫んだ。

シャナ=ミア「オルガさん!!」
21君の夫は、もういない:2007/11/17(土) 21:59:48 ID:/vGuXx5E
今日はここまでです。

>>18-19
なんだか新鮮味がありますね。
いっつもいちゃついてっからなぁ……w

以上、いっそゼア=ウィドをアルテミス編で終わらそうと思ってるゼア=ウィドでした。
多分次回が最終回です。
22それも名無しだ:2007/11/20(火) 14:08:41 ID:6hbHd2qT
>>21
マジで!?
も、もちろんその後、また違うキャラの話があるんだよね!?そうだと言ってよバーニィ!
23それも名無しだ:2007/11/22(木) 16:58:12 ID:jeFWkhzy
保守
24それも名無しだ:2007/11/26(月) 15:39:21 ID:JPhNttXl
「お疲れ様」
アヤ大尉が、そう言ってコーヒーを入れてくれた。

彼女の部屋での、Rシリーズについての勉強会も、今夜で終わりだ。
相変わらず、アヤ大尉の格好が気になって、今一つ集中出来んかったが……。

「これで一通りの内容は話したけど、何かわからない事があったら、遠慮しないで聞いてちょうだい?」
「ああ、わかった」
答えながらも、正面のソファに座るアヤ大尉の真っ白な太ももに目を奪われそうになる。
いやいや、いかんいかん。
彼女はそんなつもりで、俺を部屋に呼んでる訳ではないんだ。やらしい目で見るのは、そういう意味でも失礼だ。
俺は不屈の精神力で、太ももから目線を外す。

「……ねぇ」
不意に、アヤ大尉がコーヒーカップをテーブルに置き、こちらに軽く身を乗り出した。
「最近様子が変だけど、私に何か不満でもあるの?」
「は?」
唐突に切り出されて、我ながらかなり間の抜けた声が出てしまった。
「話しかけても目を合わせてくれないし、食事の時も、私が隣に座るとすぐに離れるし……今だって、うつむいて、私の顔をちっとも見てくれないじゃない」
「あー、それは……」

――そういうとこはちゃんと見てるんだな。

「もし私が、知らない内にあなたを傷付けてしまったのなら、謝るわ……もしも私に不満があるなら、隠さずにきちんと言ってちょうだい。私たちは、一緒に戦うチームだし、同い年のお友達でしょう?」
アヤ大尉は真剣な顔で語りかける。
とても凛々しくて、何よりも美しい……不覚にも、一瞬見とれてしまう。
だが、そんな場合ではないな。
「いや、そうじゃあないんだ」
まさかアヤ大尉がそこまで思い悩んでいるとは思わなかったぜ。
仕方なく、俺は本当の理由を話す事にした。

「その、俺は軍隊に入ってからは、女っ気のない生活送ってたもんでな、その……」
とは言え、言葉には気を付けなきゃならん。
下手な言い方をして、彼女の機嫌を損ねたくはない。
「自分でも驚くくらい、女性に対する免疫が落ちてるみたいで……」
「……???」
アヤ大尉はじっと俺の顔を見ているが、俺の言わんとする事がまだ理解出来ないようだ。
「でな、そこへその、アヤみたいな美人が、そんな大胆な格好してるもんだから……あー、何つうか、俺には刺激が強すぎるんだよ」
話しながら、顔が熱くなっていく。
何で俺がこんな事話さにゃならんのだ……。
25それも名無しだ:2007/11/26(月) 15:46:03 ID:JPhNttXl
>>24
「アヤが俺なんかに、気さくに接してくれるのは嬉しい。でも、正直言ってアヤのその服装は大胆すぎて、どうしても目を合わせづらいんだ……」
「……要するに照れくさかったの?」
冷徹なくらい簡潔に、アヤ大尉は俺の言わんとする事をまとめてくれた。
「…………ああ」
軽い敗北感すら覚えつつ、俺は答える。
「ぷっ……くく……あっはっはっはっはっ!」
直後、アヤ大尉はこらえきれなくなったかのように、大爆笑し始めた。
「な、何よそれ!私、本気で心配してたのに、私に話しかけられて照れてただけなんて……しかもそんなに真っ赤になって!
あっはっはっはっはっ!」
大きく口を開けて、子供のように笑うアヤ大尉。
「笑いすぎだ!」
恥ずかしくなって、俺もつい声が大きくなった。
「くく……!ごめんなさい……!」
口元を押さえながら、アヤ大尉は謝る。
「でも、あなただってこの前、私の事大笑いしたじゃない。これでおあいこよ?」
そう言ってパチッとウインクする様は、とても愛らしかった。
「でも良かった……傷付けちゃったんじゃないか、嫌われたんじゃないかって、本当に心配だったから……そうじゃないってわかって、安心したわ」
「さいですか」
笑われた恥ずかしさと、心配させた罪悪感から、俺はまた目をそらしてしまう。
「あ、また目をそらした!ちゃんとこっち向いて!相手の顔を見れば、服装なんて気にならない筈でしょう!?」
むぅ、言われてみれば……。
彼女の顔に集中すれば、胸の谷間や太ももに目がいかなくなるから、そんなに恥ずかしくないかも知れん。
変に納得しつつも、俺はアヤ大尉の顔を見る。

――目が合った。

宝石のような汚れのない瞳。
スラリとした鼻筋。
ルージュに彩られた可憐な唇。

真正面から見据えて、改めて美しいと思う。

「……こうして見ると、結構ハンサムね」
不意にアヤ大尉がつぶやく。
――俺がハンサム?
思わぬ評価に、顔が熱くなる。
「やだ、また赤くなってる」
クスクス笑うアヤ大尉。
まったく、本当にいろんな顔を見せてくれる人だ。
最初は落ち着いたお姉さんって印象があったが、こうして見ると普通の女の子って感じだな。
そこで不意に、さっき彼女が言った「同い年のお友達」という言葉を思い出す。
そうだな……俺と同い年なんだし、こんなもんだよな……。
そう思うと、少しだけアヤ大尉が身近な存在に感じられたのだった。
26それも名無しだ:2007/11/29(木) 11:41:01 ID:QGJipxcw
保守
27それも名無しだ:2007/12/03(月) 12:23:41 ID:wRsVx45p
保守
28それも名無しだ:2007/12/04(火) 12:36:31 ID:JDqrCqhf
「アヤ、ちょっと良いか?」
――現在、十二月三日の夜七時。
夕食後の自由時間、ロビーで一人くつろいでいるアヤ大尉に、俺は思い切って声をかけた。
周りには誰もおらず、俺と大尉の二人だけ。
チャンスは今しかない。
「あら、どうしたの?」
声をかけられたアヤ大尉が、こちらを振り向く。
「ああ、その……なんというか……」
振り向いた瞬間、目が合ってしまい、不覚にも言葉が詰まった。
「……どうかしたの?」
俺のそんな様子に、アヤ大尉は首を傾げる。まるで子猫のような、愛らしい仕草だ。
って、ええい!見取れてる場合か!モタモタしてっと人が来ちまう!男は度胸だ!当たって砕けろ!
「かなり遅くなっちまったけど、誕生日おめでとう。つまらん物だが、受け取ってくれ」
照れのせいで少々早口になっちまったが、俺はそう言って包装紙に包まれ、小さなリボンを飾った、細長い小さな箱を渡した。
「あら、ありがとう……私の誕生日、わざわざ調べたの?」
「人をストーカーみたいに言うな。みんながあれこれ用意してたからわかったんだよ」
「ああ、なるほど……開けても良いかしら?」
「どうぞ」
答えながら、人が来ない内に渡す事が出来て、俺はホッとしていた。
こんなとこを誰かに見られたら恥ずかしいったらありゃあしねえからな……特にリュウセイの野郎はガキ丸出しだから、絶対からかってくるに違いねえ。
そんな事を考えながら、箱の包みを取るアヤ大尉の、どことなく嬉しそうな表情に、心が和む。
本当にこの人は、見てて飽きないよな……。
「あっ……」
箱の中身を見て、アヤ大尉は声を上げた。
俺が用意した贈り物は、11月の誕生石トパーズのネックレスだ。
「だ、ダメよ……受け取れないわ、こんな物」
アヤ大尉はうろたえながら、一度取り出したネックレスを箱にしまった。

むぅ、どういう物を贈れば良いかわからず、結局光り物に走るとは、我ながら芸がないとは思っていたが、やはりダメだったか……。

「こんな高価な物……あなた、かなり無理したんじゃない?」
……うん?
ひょっとして、気に入らないんじゃなくて、高価な物を買わせて申し訳ないって言いたいのか?
「いや、金なんてロクに使う暇もなくてだいぶ貯まってたし、アヤが気にする事はないぞ」
29それも名無しだ:2007/12/04(火) 12:38:52 ID:JDqrCqhf
>>28
「でも、ご家族への仕送りとか、色々あるんじゃない?」

…………。

「俺は、そういうのは必要ないからな」
「でも……何だか悪いわ。まだ知り合ったばかりなのに、こんな高価な物……」
「アヤが言ったんだろ。同い年のお友達だって」
「え?」
俺の唐突な切り出しに、大尉は面食らったようだ。
「アヤは俺のために、部屋に呼んでまでRシリーズについての勉強会をやってくれた。それに、チームに入ったばかりの俺を普段から気遣ってくれてる。
それだけの事をしてくれる友達への贈り物としては、むしろまだ安いくらいだぜ?」
「私はただ、同い年のチームメイトが出来て嬉しかったから……」
「それと同じように、俺もアヤの優しさが嬉しかった。だから、それに対するお礼でもある。だから受け取っておいてくれよ。だいたい……」
俺はズイッと顔を突き出す。
「これを突き返されたら、アヤの言う高価な物を用意した俺の立場はどーなるんだよ。とんだ無駄金になっちまうじゃあねーか」
「う……」
そこに気付いたのか、アヤ大尉は困ったような顔になる。
「それとも何か?男に、一度差し出した物を引っ込ませるよーなダサい真似をさせる気か?」
「……わかったわ、私の負け」
アヤ大尉は諦めたように息をつく。
「そうよね。せっかくお友達がくれた贈り物を突き返すなんて、失礼よね。
ありがとう。私、大切にするわ」
そう言ってアヤ大尉はニッコリと笑ってくれた。
花の咲くような笑顔たぁ、まさにこの事だな……これだけでも、贈り物を用意した甲斐があったってもんだ。

30それも名無しだ:2007/12/04(火) 12:41:47 ID:JDqrCqhf
>>29
「ねぇ、早速着けてみて良いかしら?」
「ああ、是非とも」
答えるや否や、大尉は白い首筋を飾るチョーカーを外し、ネックレスを身に付ける。
「どう?」
白い肌に、トパーズの輝きが良いアクセントになっている。
「良いね……凄く似合ってる。綺麗だぜ、アヤ」
「あ、ありがとう」
誉められて照れくさくなったのか、大尉の白い頬にうっすらと赤みが差していた。
「でも今の会話って、友達って言うより恋人同士みたいな感じね」
そう言って、クスクスと笑う。

――恋人?
俺とアヤ大尉が?

途端に、自分の顔がカァーッと熱くなるのがわかった。
「やだ、顔真っ赤になってる……!」
俺の顔を見て、アヤ大尉がプッと吹き出して、俺はますます顔が熱くなる。
「あー……おおっと!アレをナニするの忘れてたわ!んじゃ、そういう事で!」
俺は耐えきれず、逃げるように背を向けた。
「あ、待って」
その背中に、アヤ大尉の声が響く。
「本当にありがとう……おやすみなさい、また明日ね?」
限りない優しさに満ちた声で、大尉はそう言ってくれた。
「あ、ああ……おやすみ」
俺は振り向きもせずに返して、早足で部屋へと戻っていった。

また明日、か……。
明日もアヤ大尉に会える。
同じチームなんだから、当たり前といえば当たり前なんだが、俺には何故か、それが素晴らしい事のように思えて仕方がなかった。
31それも名無しだ:2007/12/08(土) 08:45:33 ID:IV8lD1gg
  
32それも名無しだ:2007/12/11(火) 10:31:07 ID:3hCiYWvr
終了
33それも名無しだ:2007/12/14(金) 14:29:49 ID:5cxTW0xe
保守
34それも名無しだ:2007/12/17(月) 14:19:51 ID:KcCHn6iR
俺は今、ゲシュペンストに乗って、海面をホバー走行で移動している。
DC残党が基地付近の空域に現れたため、それを撃墜すべく朝一から出動したのだ。

レーダーに敵対反応。
上空に、5機編成で密集隊形を取るリオン。
俺は機体に装備させてあるM13ショットガンを、そのリオン部隊に向けてぶっ放す。
まき散らされた散弾が、回避の遅れた1機を撃墜した。

残りは4機。

それを、俺の後方からついて来るR−2とR−3の砲撃が正確に撃ち抜く。

残り2機。

1機を、上空にいるリュウセイのR−ウイングに任せて、俺は残り1機を仕留めにかかった。
目標をロックして、M13のフォアエンドを引き、トリガー。
しかし敵は、発射寸前に回避に入っていたため、見事にかわされる。
そして、回避と同時に放たれたレールガンが、右足の装甲をかすめた。
崩れかけた機体バランスを何とか立て直し、再度M13をぶっ放す。
これもかわされた。
かなり勘の良いパイロットのようだな。
俺はブースターを噴かして、機体を上昇させた。
リオン目掛けて、真っ直ぐに飛翔する。
リオンがレールガンを撃ってきた。
機体を捻って、射線を外す。機体をかすめる弾丸の風圧が感じられるかのようだ。
右肩。
左肩。
頭部。
スピードを緩めず、最小限の動きでかわしていく。
コクピットが左右に揺さぶられるが、これくらいはどうって事ない。
三発目をかわされたリオンが、胸部のマシンキャノンを撃ってきた。
これはかわそうったってかわせるもんじゃない。
機体の両腕で頭部とコクピットを守りながら、構わず突進した。
装甲が削られ、機体の損傷を報せるアラームが鳴り響く。
それを無視して、弾幕を抜けた俺は、左腕に装備されてあるプラズマカッターを抜き払い、リオンの胴体部分――コクピットを、一気に刺し貫いた。
糸の切れた操り人形のように、リオンは海面へと落下していった。
35それも名無しだ:2007/12/17(月) 14:21:56 ID:KcCHn6iR
>>34
ふぅ、やれやれ。
溜め息をつきながら、俺は食堂に入った。
帰投した俺を、オオミヤ博士のお説教が待ち受けていたのだ。
もっと機体を大事に扱えだの、お前の操縦には愛情が足りないだので、かれこれ3時間も叱られちまったぜ。

昼の定食を受け取って、空いた席を探す。
と、アヤ大尉とマイが隣り合って座ってるのを見付けた。
向かいの席が空いてるようだが、どうしたもんか……。
同じチーム同士だし、一緒に飯を食っても構わないだろう。
しかし、姉妹水入らずで食ってるところに乱入するのは、空気読めてなさそうで気が引ける。

「ここ、空いてるわよ」

迷っていると、アヤ大尉の方が気付いて、声をかけてくれた。
俺はその声に従う形で、彼女の向かいに座る。
「今朝はお疲れ様。オオミヤ博士と、何か話してたみたいだったけど……」
「機体をもっと大事に扱えって、説教されてたんだよ」
俺は食いながら大尉に答える。
「当たり前だ。お前の機体、穴だらけだったじゃないか」
マイがオムライスをパクつきながら、ケチャップまみれの口で言った。
「うるせ。弾丸は装甲で止まってたし、きっちり敵を倒して帰投したんだから良いじゃねーか」
「確かにPTは戦うための兵器だし、壊れるのは仕方ないけど……それにしたって、あの戦い方は、ねぇ?」
「危なっかしくて、見てられない」
ぐぬ、姉妹揃ってダメ出ししやがって……!
「危なっかしかろうが何だろうが、あれが俺のやり方なんだよ。今更変えられるか」
「ごめんなさい。でも私たち、心配なのよ?あなたの事が」
俺を怒らせたとでも思ったのか、アヤ大尉が謝ってきた。
「あなただってチームの一員、私たちの仲間なんだもの……無事でいてほしいし、危険な真似はしてほしくないって思うのは当然でしょう?」
じっと俺の目を見て、まるで小さな子供に言い聞かせるように、アヤ大尉は続けた。
なんて優しい顔だろう……。
「だから、もう少し自分を大事にしてほしいの。これは、リーダー命令よ?」
強い口調で言うアヤ大尉。
「イエッサ」
俺は彼女の気持ちが嬉しくて、穏やかな気持ちで答えた。

「ほら、これやるから元気出せ」
マイがそう言って、サラダに入っていたピーマンを、俺の皿に移す。

……自分の嫌いなもん押し付けただけじゃねーか。

「お前、野菜も食わねーと一生チンチクリンのまんまだぞ?」
そう言うと、マイはベーッ!と舌を出したのだった。
36それも名無しだ:2007/12/20(木) 11:35:49 ID:qtJyIFuW
保守
37それも名無しだ:2007/12/23(日) 18:50:56 ID:kQLgrryd
保守
38それも名無しだ:2007/12/24(月) 21:54:19 ID:aPea2cyM
その日たまたま、アヤ大尉とエレベーターに乗り合わせた。
ドアが開き、俺は大尉を先に乗せる。
「ありがとう」
そう言ってアヤ大尉が乗った後、俺も乗って、ドアを閉める。
大尉が3階のボタンを押し、エレベーターはゆっくり上り始めた。

ドアの前に立つ大尉の後ろ姿を、俺は壁にもたれながら眺める。
アヤ大尉は相変わらず、露出度の高い制服を着ていた。
白いうなじや背中は、こっちが戸惑うくらい無防備だった。
ただスッと立っているだけだというのに、ミニスカートの下のヒップラインも、スラリと伸びる太ももも、やたらとその存在を俺にアピールしているように感じられた。

このまま、後ろから抱き締めたい。
あの華奢な体を、思うがままにしたい。

不覚にも、そんな邪な衝動が沸き起こる。
と、次の瞬間、エレベーターが激しく揺れた。
「きゃっ!?」
アヤ大尉がバランスを崩して、倒れそうになる。
俺はとっさに彼女を抱き止めたが、そのまま倒れて壁に頭を打ちつけちまったらしい。
後頭部に強い衝撃を受けたかと思うと、目の前が真っ暗になった。

*****

目を覚ますと、エレベーターの狭い天井が見えた。床に横になってるようだ。
頭には、枕代わりに何やら柔らかな物が敷かれてあるのがわかった。
「はい……ええ、エレベーターに閉じ込められたみたいで……彼も頭をぶつけて気を失ってしまって……はい、助けはもう呼んであります……」
視界を少し上に移すと、通信機で連絡を取るアヤ大尉の上半身が、上下逆さまで見えた。
あれ?コレってひょっとして……。
「わかりました、ここで救助を待ちます。隊長もお気を付けて」
大尉は通信を終えると、俺の方へ視線を落とす。
「目が覚めた?大丈夫?」
青い手袋に包まれた、たおやかな手が、額を撫でてくれた。
やっぱりそうだ。
俺は今、アヤ大尉に膝枕してもらっている。

そうわかった途端、急に恥ずかしくなって、俺はガバッと起き上がった。
「あ……えーっと……」
「所属不明のAMが、基地に攻撃を仕掛けたみたいなの」
アヤ大尉が説明してくれる。
「SRXチームにスクランブルがかかったんだけど、私たち、こんな状況でしょう?助けが来るまで、下手に動かずじっとしていろとの事よ」
39それも名無しだ:2007/12/24(月) 21:55:39 ID:aPea2cyM
>>38
……そういう事なら、しゃーないな。
俺は壁際に移動して、壁にもたれるように座り込んだ。
「アヤもこっち来て座れよ」
「え?」
「変に距離を取られると、怖がられてるみたいでイヤだからな」
「それもそうね」
俺の言葉に納得したのか、アヤ大尉はスッと俺の隣に、膝を抱えて座り込んだ。

――たぶん、今までで一番近い距離に、大尉がいる。
しかも動かなくなったエレベーターという、密室の中。
それだけじゃなく、こんなあっさりと隣に座ってくれたって事は、それだけ俺に気を許してくれている証拠だ。
そう考えると、閉じ込められてる状況だというのに、何故か嬉しくなってしまう。

「みんな、大丈夫かしら……」
ポツリとアヤ大尉がつぶやいた。
「基地の防衛システムをくぐり抜けて来たってんなら、よっぽど機動性かステルス性が高いんだろうな」
俺は自分の推測を口にする。
「だが、いずれにしたって、大勢さんで押し寄せるのは無理だろう。本命が一機に、護衛が多くて三機くらいじゃねえか?
その程度の敵も蹴散らせないようなSRXチームじゃねえだろ?」
「そうなんだけど……でも、信頼する事と心配する事は別でしょう?」
「まぁ、な」
「それに、こうやって助けられるのを待つだけの状態だと、尚更心配になっちゃうわ」
そう言って、アヤ大尉は膝を抱え込んだ。

それからしばらく、俺たちは天井や壁をボンヤリ眺めながら、無言で助けを待った。
しかし、誰も来なけりゃ、物音一つしない。
……遅いな。他の重傷者の救助を優先してるんだろうか。
そんな事を考えてたら、視界の端っこで、大尉が寒そうに肩を抱くのが見えた。
エレベーター内のエアコンも止まってるから、だいぶ室温も下がって来てる。
いつもの大尉の服装じゃあ、確かに寒かろうな。
「アヤ、これ着とけ」
俺はジャケットを脱いで、彼女の肩にかけてやる。
「え?でも……」
「俺は平気だ。それよりもリーダーさんに風邪を引かれる方がまだ面倒だぜ」
「……ありがとう」
大尉は優しく笑って、ジャケットを着込んだ。
「ふふ、あったかい……」
「そりゃあ、さっきまで俺が着てたんだからな」
「それもあるけど、何て言うかな……あなたの熱さが伝わってくるみたい……」
40それも名無しだ:2007/12/24(月) 21:57:54 ID:aPea2cyM
>>39
「熱さ?」
「ええ。周りを明るくする、リュウみたいな熱さじゃなくて……触れる者を全て焼き尽くすような、そんな激しい熱さ……」
「なんか俺がアブねー奴みたいな言い方だな」
「そういう意味じゃないんだけどなー」
アヤ大尉はアハハ……と苦笑した。
「でも、暖かくて、ユッタリとしてて、ちょっと気持ち良いかもね」
「そうか?」
「うん。背丈は変わらないけど、やっぱり男の人ってガッシリしてるんだなぁって思っちゃう……」
「体がガッシリしてねえと、女の子の盾にもなれねえからな。女の子守るために体を張るのが、男の仕事だ」
そう言って、俺は自分の右腕の筋肉を膨らませて、ポンと叩く。
アヤ大尉は可笑しそうに笑った。

――それからしばらく立ったが、救助が来る気配はまだなかった。
「――イヤになっちゃう」
大尉がつぶやく。
「私の念動力がもっと強ければ、このエレベーターを動かせるのに……」
「そんな都合の良い力があったら、そもそもT-LIKNシステムなんて増幅器はいらねーだろ?気にすんなよ」
「うん……でもね、時々本当に、自分の無力さがイヤになるの」
アヤ大尉は、暗い声になっていた。
「私の念動力が弱いせいで、最初はSRXの合体もままならなかった……パイロットとしても、まだまだ未熟だし、自分がみんなの負担になってるような気がして、堪らないの」
「でも、実際は何度も合体を成功させて来たんだろ?」
俺は間髪入れずに返す。
「訓練や実戦でも、アヤの指揮と索敵があるから、みんなシッカリ戦えてる。普段からマイやリュウセイの面倒も見てるし、ちゃんとリーダーをやれてるぜ?」
「そう、かな……」
大尉の表情は、まだ暗かった。
「だいたいな」
俺はジャケットの隙間から、大尉の胸を飾る階級章を指で触る。
「みんなの負担になるような奴に、大尉階級が与えられる訳ねーだろ」
「……これは、違うの」
アヤ大尉は俺の手をそっとどかしながら、微笑む。
自嘲気味な微笑みだった。
「この階級も、SRX計画の機密を守るのに都合が良いから与えられただけ。私には、分不相応なものよ」
「……ずいぶんと舐められたもんだなぁ」
「え?」
俺の苛立ちの混じった声に、アヤ大尉は弾かれたように、こちらに顔を向けた。
41それも名無しだ:2007/12/24(月) 22:00:20 ID:aPea2cyM
>>40
「要するにアヤは、みんなを信用してなかった訳だな。今まで、ずっと」
「そ、そんな事ないわ!どうしてそうなるのよ!」
「じゃあ聞くが、ヴィレッタ隊長は、出来もしない人間に出来もしない事をやらせるような人か?」
「それは……」
「リュウセイやライディースが、アヤにリーダーを任せてるのは、単に自分がやりたくないからか?違うだろ。みんな、アヤなら出来る、アヤこそふさわしいと思ってるから、任せてるんだろ」
「……」
アヤ大尉は答えず、ただ顔を伏せただけだった。
「だけどさっきのアヤの愚痴は、そんなみんなの信頼をまるで無視してるように聞こえたぜ?」
「そんな……そんな事ないわ!私だって、その信頼に応えようと頑張ってるんだから!」
「そうだ。そして、結果も出している。だからアヤは今も、SRXチームのリーダーなんだ」
俺は言い聞かせるように、つとめて優しい声で答える。
「確かに大尉階級もリーダーのポジションも、上の都合で与えられたものだったかも知れん。だが、それを今も守り続けているのは、間違いなく、アヤ自身の力だ」
「私自身の、力……?」
「そうさ。それをみんなわかってる。だからアヤにリーダーを任せてる。だからアヤはこれからも、今まで通り、自分に出来る事を精一杯やれば良いんだよ……アヤの事を信じてる、みんなを信じてな」
話をやや強引に締めながら、俺はアヤ大尉の頭を荒っぽく撫でてやった。

昔の仲間も、俺を励ます時にはこうしてくれたもんだ。

「そっか……そうよね……」
つぶやく大尉の声は、明るさを取り戻していた。
「みんなが太鼓判を押してくれてるようなものだもの。自信を持っても良いわよね?」
「持ってくれなきゃ困る」
答えながら、彼女を元気づけるように、俺は撫でる手に力を込めた。
「ふふ、そうよね」
撫でられながら、アヤ大尉は朗らかな笑みを見せてくれた。
「ありがとう。何だかスッキリしちゃったわ」
「そりゃ良かった」
本当に安心したぜ……また愛らしい笑顔を見せてくれて。
「何だか不思議ね……実はあなたの事、普段は弟みたいに思ってるんだけど、今はお兄さんみたいな感じ……私には兄はいないけど、もしいたら、今みたいに励ましてくれたんだろうなぁ……」
42それも名無しだ:2007/12/24(月) 22:02:41 ID:aPea2cyM
>>41
「まぁ、あれだ。俺で良かったら、愚痴でも何でも、いくらでもぶつけてくれよ」
「んもう!私だって、しょっちゅう落ち込んでばかりじゃないわよ!」
大尉はプウッと頬を膨らませる。
どうやら本当に吹っ切れたようだな。
「……でも、そうね。また何かあったら、聞いてもらおうかしら。その代わり、あなたも何かあったら遠慮せずに、私に相談してほしいな……だって私たち」
「同い年の友達だから、な」
アヤ大尉の言葉を継ぐように、俺は言った。
「……うん、お友達だから、ね」
アヤ大尉は優しい笑みを浮かべながら、返した。

――その後、更に30分近く立って、ようやくエレベーターが動き出し、俺たちは外に出られた。
戦闘から戻ってきたチームのみんなが、そこで待っていた。
話によると、敵は3機編成のリオンで、いずれも機動力をかなり強化した機体との事だった。

*****

その日の夜。
特にする事もなく、俺はベッドの上でボンヤリしてた。
と、不意にドアのインターホンが鳴る。

『まだ起きてる?私だけど……』

――来訪者はアヤ大尉だった。
慌てて飛び起き、ドアを開ける。
アヤ大尉は胸に、キチンとたたまれたジャケットを抱えていた。
「ごめんなさい、起こしちゃった?」
「いや、まだ起きてた」
「そう?良かった。これ、借りっぱなしだったから返しに来たの」
そう言って、ジャケットを渡すアヤ大尉。
俺は、「ああ」と曖昧な返事をしながら受け取る。
「今日は、本当にありがとう。アナタとお話出来てスッキリしたし、みんなが私を信じてくれてるって思うと、何だか本当に自信が出てきたの」
「……そうみたいだな。何かこう、みなぎってる感じがするぜ?」
普段のハツラツとした明るさが、表情にもハッキリと現れている。
心なしか、輝いてすら見えた。
「そうかもね……明日からも、頑張れそう。アナタのおかげよ、本当にありがとう」
そう言って、アヤ大尉は笑ってくれた。
見ているだけで暖かな気持ちになれる、優しく明るい笑顔だった。
「じゃあおやすみなさい。また明日ね」
そう言ってアヤ大尉は自分の部屋へと戻っていく。
俺は彼女の後ろ姿が曲がり角に消えるまで、ずっと見送るのだった。
43それも名無しだ:2007/12/27(木) 16:20:44 ID:Yh6WpXyt
保守
44君の夫は、もういない:2007/12/29(土) 21:45:06 ID:Qt3TcfBv

オルガ「カッ……ハッ……」
ゼア=ウィド「……オル、ガ……!?」
シャナ=ミア「あ、ああ……嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」

オルガはシャナ=ミアに覆いかぶさり、シャナ=ミアをガルシアの凶弾から守ったのだ。
弾丸はオルガの体を貫通し、傷跡から血が流れ、シャナ=ミアの頬を伝う。
ブーステッドマンだからこそ銃弾にも反応できた。生きるための力を死ぬことに使う、皮肉な話だ。
オルガはそう思った。

ガルシア「……い、今だ!」
ゼア=ウィド「!……シャナ=ミア、お前の機体、ラフトパラディン……借りるぞ」
シャナ=ミア「え……ゼア……記憶が……」
ゼア=ウィド「いや、戻ってはいない……だが、ケリは俺自身の手でつけたい……」
シャナ=ミア「……いいわ。ただし、私も乗るわ。サイトロン調整のためにね」
ゼア=ウィド「……オルガも乗せてやってくれ。あいつは俺の嫁を守ってくれた。こんなところに置き去りにはしたくない」
シャナ=ミア「……ええ」

アルテミスを脱出するシャトル。

ガルシア「ハイペリオン三体を失っただけでなく量産型グレート、ネオゲッター、ハイペリオンすら
      失ってしまった……。だが、このゲイムシステムの起動結果のディスクさえあれば私はDCで確固たる地位を手に……」
ゼア=ウィド「……残念だったな。アンタに未来は無い……」
45君の夫は、もういない:2007/12/29(土) 22:02:45 ID:Qt3TcfBv

ガルシア「ッ!?」
連合兵「ラ、ラフトパラディンです!!」
ゼア=ウィド「ジェラード・ガルシア……アンタ一人のために一体どれだけの人間が死んだと思っている……!」
ガルシア「ひ、ひいっ!!」
ゼア=ウィド「黙れ、もう貴様の声など聞きたくない。命乞いも断末魔も謝罪すらもな……!!」
ガルシア「ま、待て…」
ゼア=ウィド「黙れと言った!!」

ゼア=ウィドは悪鬼のような形相でトリガーを引き、シャトルを爆破した。




フェン=ラウ「……ゼア、私のことも覚えてないの……?」
ゼア=ウィド「フェン=ラウ・イルーゼ……嘗て俺のパートナーだったという……すまない」
フェン=ラウ「ううん、いいの。ゼアが悪いんじゃないんだから」
ヴィズ=ドル「つうことは、俺たちのことも覚えてねえか……」
シャナ=ミア「ヴィズさん、ファルさん!どうしてここに!?」
ファル=カル「新婚旅行も終わって、帰ってきたんです。ついでに五ヶ月です」
ヴィズ=ドル「で、いい家が見つからず途方にくれてたら……」
フェン=ラウ「んー……そうだ!家で一緒に暮らす?」
ファル=カル「ええぇ!?」
ヴィズ=ドル「あ、成る程。ゼアの記憶を戻せる可能性があるか……」
ゼア=ウィド「フェン=ラウ……俺のためにそこまで……」
フェン=ラウ「やーね、フェンでいいのよ」
ウル=ゼア「アー……」
エル=シャナ「……アウ」
ゼア=ウィド「俺の、子供か……」
シャナ=ミア「うん、双子なの」
ゼア=ウィド「そうか……騒がしくなりそうだな……シャナ=ミア」
シャナ=ミア「え?」
ゼア=ウィド「……いや、なんでもなかった」

ゼア=ウィドはフェン=ラウについて行くように家に入っていった―――――。
46君の夫は、もういない:2007/12/29(土) 22:05:30 ID:Qt3TcfBv
これでゼア=ウィドシリーズ終了です。


少尉しばらく一人にしてすいませんでした!
期末試験やら規制やらで書き込めずに、すいませんでした!

勝手ではありますが、
新シリーズ「スーパーロボット大戦OG 流星求めて」もよろしくお願いします。
47それも名無しだ
お久しぶり(・ω・)/
戻ってきてくれただけで嬉しいよ。

まずはゼアお疲れ(・ω・)/
新シリーズにも期待してるよん('-^*)/