1 :
それも名無しだ:
2 :
それも名無しだ:2007/11/04(日) 19:59:14 ID:ayAzJ4D5
カルヴィナスキーな俺が華麗に2ゲト
3 :
それも名無しだ:2007/11/04(日) 19:59:28 ID:UBtEDl38
テンプレ
【原則】
乗り換えのルールはこれが鉄板です、変更は出来ません。(詳しくは初代議論感想スレを参照の事)
前の人の話やフラグを無視して続きを書くのは止めましょう。
また、現在位置と時間、状況と方針は忘れないで下さい。
投下前に見直しする事を怠らないで下さい、家に帰るまでが遠足です。
投下後のフォローも忘れないようにしましょう。
全体の話を把握してから投下して下さい。
【ルール】
基本的に初期の機体で戦うことになりますが以下は特例として乗り換え可能です。
・機体の持ち主を殺害後、その機体を使う場合
・機体の持ち主が既に別の機体に乗り換えていた場合
・機体の持ち主が既に殺害されていて、機体の損傷が運用に支障無しの場合
・弾薬は放送と同時に補給されます。
【備考】
作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
おやつは三百円までです、バナナは含まれません。
スパロボでしか知らない人も居るので場合によっては説明書きを添えて下さい。
水筒の中身は自由です、がクスハ汁は勘弁してつかぁさい。
これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。
初めての方はノリで投下して下さい、結果は後から付いてくる物です。
作品の保存はマメにしておきましょう、イデはいつ発動するかわかりません。
投下の際は支援と乙を。
草は枯れ、花は散る ◆KX4nhL0NJs 投稿日: 2007/10/29(月) 23:37:53 [ g8Uj/kmc ]
朝の光が、血と憎悪に濡れた大地を照らす。
それはどこか神秘的であり、血生臭い殺し合いが行われているとは思えない光景だった。
憎たらしくなるほど美しいその朝焼けの中を、二体の巨人が並んで飛んでいく。
ディス・アストラナガンと、マジンカイザー。
今や、殺し合いを止めるための鍵とも言える二機の姿は、禍々しさを感じさせる。
満身創痍の悪魔と魔神、それらと朝の光とのコラボレーションは、
絶望に抗う彼らへの嫌味か当てつけかのように、ミスマッチ極まりなかった。
四度目の放送が流れてから、ミオとヴィンデルは一言も口を開いていない。
もっともミオのほうは、盗聴の可能性を考えて、会話は控えているのだが。
しかし、彼女の表情には普段の明るさはなかった。
突きつけられた現実から考えれば、それも当然である。
22人――放送で読み上げられた死者の数は、これまでとは比較にならないものだった。
三度目の放送の段階で、生存者は31人。この12時間で、そこから実に3分の2の命が失われたこととなる。
異常な進行速度だ。デビルガンダムの暴走を考慮に入れたとしても、である。
いくら彼女と言えど、この非情な現実を前に、冗談を言う気分になどとてもなれなかった。
二人がしばらく進んでいると、眼下に大破した機動兵器を発見した。
白いMSらしき機体だった。それを見て、ミオは機体を止める。
(殺し合いは……続いてるんだ)
わかっていたことだった。
デビルガンダムのコアとなっていた間、ミオは数多くの断末魔の思念をその身に受けていた。
どれだけの殺し合いがこの世界の中で行われていたか、わかっていたはずだった。
それを証明するものが、今しがた流れた放送だ。
だが、全てをクールに受け入れられるほど、彼女は老成しているわけでもない。
いっそ思い切り叫び出したくなる衝動を、ぐっと堪える。操縦桿を握る手に、自然と力が込められた。
「……行くぞ。ここで、足を止めている時間はない」
ヴィンデルがミオに声をかける。
「マシュマー達から託された遺志を継ぐためにも……
我々は、ここで立ち止まっている暇はない。……わかるな」
昇進の少女に対して多少厳しいことを言っているのは、ヴィンデルも承知の上だった。
(……ヴィンデルさん)
だがミオはヴィンデルの意図を察し、無言でアストラナガンを頷かせた。
彼女は比較的精神年齢は高かった。何より、彼女自身もわかっていた。
ゲッターの世界で出会った、死んでいった人達の遺志を無駄にしないためにも、
そして自分を救ってくれたマシュマー達のためにも、決して絶望に屈するわけにはいかないのだ。
だから、ミオは再び進みだす。
(……強い子だ)
再び進み始めたアストラナガンを見ながら、ヴィンデルは素直にそう思った。
(あの年代の子には不釣合いなほどに、な)
この絶望的状況においてなお折れない心。
デビルガンダムやゲッター線との接触が、彼女をそうさせるのか。
あるいは、この世界に召還される前からか――
ヴィンデルの彼女に対する感想は、奇しくもアクセルが彼女に抱いたものと同じだった。
(だが、今となっては……彼女の強い心こそが、ユーゼスに立ち向かうための希望になる)
希望――かつてチーフがリュウセイに対し、それを見出したように。
ヴィンデルもまた同じものを、ミオに見出していた。
(ならば……私は、あの子を守り抜いて見せよう。
アクセル、マシュマー……お前達が命を賭けて守った、この少女を)
そう決意して、ヴィンデルは微笑する。そして、気付いた。
普段の自分からは考えられないほど、穏やかな表情を浮かべていることに。
(……まだ、こんな風に笑えたのか。私は)
5 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:08:23 ID:UBtEDl38
ヴィンデルはもう一度、眼下の破壊されたMSを一瞥する。
(……今なら、お前達のような者の気持ちが、わかるような気がする)
ヴィンデルは以前にもこのMS、そしてそのパイロットと遭遇したことがある。
彼らといた時間は短かった。会話もほとんどなかったし、顔合わせもモニター越しでしか行っていない。
だがそれでも、彼――いや、彼らがどんな人間だったか、その短時間である程度想像はついた。
このMSに乗っていた頼りなさそうな青年と、彼に付き従っていた銀髪のツインテールの少女。
(ホシノ・ルリを見殺しにしたこと……この場で、詫びておく。テンカワ・アキト……)
マジンカイザーはその惨状を暫し見届けて、アストラナガンを追いかけた。
* * * * * * * * * * *
クォヴレー・ゴードン。
彼には、このバトル・ロワイアルに参加する以前の記憶がない。
だから、彼にとってはこの二日間の出来事が全てだった。
その中で生まれた仲間との絆は、彼という人格を構成する要素の大部分を占めていた。
クォヴレーの人格は、いつしか仲間に依存するという形で初めて、成立するようになっていた。
そんな彼に突きつけられた、トウマ・カノウの死。
相棒的な存在にもなっていた身近な人物の死は、それまでどこか漠然としていた
殺し合いの恐ろしさを、リアルな認識へと昇華させた。
トウマの死により、彼はバトル・ロワイアルという殺し合いの現実を改めて痛感することとなる。
彼はやがて仲間を失うということに対し過剰なまでの恐れを抱くようになった。
過去を失った彼にとって、この世界で出会った仲間の死は、自らの半身を失うことと同じ意味を持つのだから。
それを嘲笑うかのように、四度目の放送はクォヴレーの心に容赦なくナイフを突き立ててきた。
リュウセイが死んだ。ジョシュアが死んだ。
セレーナも、リョウトも。おそらく、セレーナと共にいたエルマもそうだろう。
E−1の島で別れた仲間達は、いなくなっていた。クォヴレーの与り知らぬ所で。
悪夢にはそれだけに留まらなかった。
今、クォヴレーはシロッコと共に、レイズナーのコックピットの中にいる。
きな臭さと血の匂い漂うそこで二人が目にしたのは、散らばった首輪の破片と、
シートに紅い色を撒き散らして倒れている、巨漢の男。
それは紛れもなく、今しがた放送で呼ばれたガルド・ゴア・ボーマンの成れの果てだった。
だが、クォヴレーはそれを見てから『ガルドの死』という現実を受け入れるまで、数秒を要した。
死体の首から上は、ガルドの、いや人としての形を完全に失っていた。
彼がありのままの現実を受け入れるには、その死に様はあまりにも悲惨すぎたのだ。
6 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:09:31 ID:UBtEDl38
「木原マサキ、か……こちらの想像以上に危険な人間のようだな」
「そんなことは……わかっている」
すぐ隣で呟いたシロッコに、クォヴレーは苛立たしげに吐き捨てた。
その苛立ちを向ける対象は、ガルドを殺したマサキでも、不愉快なほど冷静さを保つシロッコでもない。
(わかりきっていた……こんな事態が起きる可能性は、十分に考えられたはずなのに)
彼は自分の迂闊さを呪った。木原マサキに付け入る隙を与えた、自分自身を憤った。
(あの男を放置しなければ、目を離したりなどしなければ……!
あいつが、トウマが死んだ時誓ったはずなのに……なんてザマだ……!)
次第に彼は、ガルドの死を背負い込んでいく。
無意識のうちに、何もかもを自分ひとりで背負い込んでしまうのは、悪い癖だった。
(俺が、もっとしっかりしていれば……死なずにすんだかもしれない。
ガルドも、トウマも。いや、リュウセイやジョシュア達だって……!)
ガルドだけではない。他の仲間の死までも取り込んでゆく。
しかし、ただでさえトウマの死、さらに記憶喪失による不安やストレスが蓄積し、
精神的に疲弊していた彼が、この上、仲間の死の全てを背負い込むには、それはあまりにも重過ぎた。
その重みで、糸が切れ始めた。
『彼』と『クォヴレー・ゴードン』を繋ぐ糸が、一本、また一本と……。
そして――彼の中で、何かが狂い始めた。
(人間の所業じゃない……)
ガルドの亡骸を見て、クォヴレーは握った拳を震わせた。
惨たらしい。あまりにも惨すぎる。
どれほどの猟奇的趣味の持ち主でも、ここまで酷い殺し方などできないと思えるほどに。
(こんな真似を平然と行える奴が、人間であってたまるものか……!)
心の奥底から、怒りと憎しみが湧き上がる。それを止められる者は、この場には存在しなかった。
(こんなことが、許されるはずがない……こんなことをできる悪魔が、許されていいはずがない!!)
「クォヴレー!?どこへ行く!?」
シロッコが叫んだ時には、クォヴレーは既にレイズナーのコックピットを飛び出していた。
地面に降り立つと、そのまま駆け出す。向かう先はもちろん、ブライガーのコックピット。
それに乗ってどうするかは、決まっている。
(イキマを追わなければ……でなければ、あの悪魔にイキマが殺される――!!)
ブライガーの操縦席へと戻ったクォヴレーは、すぐさま機体の起動作業に取り掛かった。
黙々と、しかし焦りを顕にしながら、システムを立ち上げる。
(あいつは……イキマは、こんな所で死んでいい奴じゃない。
過去を乗り越え、新たな道を見出しつつある、あの男は……!!)
イキマがグルンガストに乗り込む前に見せた、確かな覚悟を秘めた表情が脳裏に蘇った。
(絶対に、イキマを死なせるわけにはいかない……ましてや、あんな悪魔に……!!
木原マサキ……ガルドを殺したあの男は、何としても止める。
奴がイキマを殺そうとする前に、何としても……殺す!)
仲間を守りたいという想い、そして仲間の仇を討つという復讐心が、憎悪を加速させる。
やがて彼の中に殺意という名の刃が生まれ、その刃先は明確に、倒すべき敵へと向けられた。
だが憎悪から生み出されたその刃には、憎悪に囚われた彼には制御する術がなかった。
(いや、マサキだけじゃない。あのラミア・ラヴレスも信用が置けるものか。
あのユーゼスの犬が、素直にイキマと共闘などするはずがない)
刃を向ける対象が、暴走とも取れる勢いで、次第に広がっていく。
(そして、トウマやリュウセイ達を殺した奴らも……!
敵は倒す……全て、一人残らず倒す……!もう二度と、躊躇わない……!)
その決意は、彼がバトル・ロワイアルの理に取り込まれつつあることを意味していた。
そうなったきっかけが仲間との絆だというならば、皮肉な話ではある。
(マサキを、ラミアを……そして皆を殺した奴らを……!
何よりも、ユーゼス・ゴッツォ……この殺し合いを仕組んだあの男だけは……!
俺の大切なものを奪い尽くした、あの男だけは!)
修羅でも乗り移ったかのような形相で、彼はユーゼスと殺人者達を、心の底から憎悪した。
その表情には、もはや記憶を失う前のクォヴレー・ゴードンの面影など見当たらなかった。
彼の憎悪に呼応するかのように、ブライガーの瞳に光が灯る。
同時に、コックピット内のモニターにも、外の光景が映し出された――
7 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:10:46 ID:UBtEDl38
「な――!?」
モニターに映し出された光景を見て、クォヴレーは自分の目を疑った。
ちょうど、ブライガーの真正面。
先程までグランゾンが停められていた所に、それは転がっていた。
(あれ……は……!?)
何故、今の今まで気付かなかったのか。
いや、それ以前に、何故あれがここにあるのか。
だって、あれを持っていたのは――
視線を移す。レイズナーに……いや、その中に残ったままの、パプテマス・シロッコに。
(シロッコ……まさか、お前は……!?)
クォヴレーの頭に、一つの疑惑が生まれた。
その瞬間、まだ心の一部で収まっていたはずの復讐心が、急激に肥大化した。
それは憎悪と共に、彼の心の全てを黒く染め上げる。
同時に彼は、今本当に為すべきことを見失い、目の前の疑惑の元凶に思考の全てを注ぐようになった。
狂った歯車が、動き始めた――
* * * * * * * * * * *
(依存の対象を失って、精神の均衡が崩れたか。
今は矛先を向ける明確な存在がいる分、崩壊までには至っていないが……)
レイズナーのコックピットに一人取り残されたシロッコは、飛び出していったクォヴレーの姿を
見ながら、その精神状態に危険を抱き始めていた。
コックピットを飛び出す直前に一瞬見えたクォヴレーの目には、以前にも見覚えがあった。
つがいを失い精神を崩壊させた少女――ゼオラ・シュバイツァーの目とよく似ているのだ。
(これであのイキマとやらが死ねば、決定打となるな。ゼオラと同じ道を進み始めるのも時間の問題かもしれん。
暴走して、見境がつかなくなれば面倒なことになるが……)
目の前の死体を一瞥する。表面上平静を保っているシロッコでも、その惨い死に様には吐き気を催していた。
(……こんなものを見せられれば、錯乱も致し方なし、か)
思えばキラ・ヤマトの崩壊も、きっかけはこれと似たものだった気がする。
他人の精神崩壊にやけに縁がある。あまり歓迎したくない縁に、シロッコは溜息を一つついた。
(それにしても、何たる失態だ……ここに来てグランゾンを奪われるとはな。
それも、これだけの残虐性を持つ男の手に渡ったとなると……
……ん?)
何気なくシートに目が行く。そこには、見たことのない丸い物体が置かれていた。
手にとって見定めてみる。何かの機械のようだ。
「これは……もしや」
マサキが去り際に言い残していった言葉が思い出される――
そこまで来て、シロッコの思考は中断された。
(!! 敵意……いや、この鋭さ……殺意か!)
自分に向けられたプレッシャーに、シロッコは振り返る。
こちらを向いて立つブライガーが、目に飛び込んできた。プレッシャーの出所は、彼だ。
前に突き出された右手には銃が握られている。
その銃口は、レイズナーに――今シロッコがいる、コックピットに向けられていた。
8 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:12:30 ID:UBtEDl38
事態の急変を悟ったシロッコはすぐさまシートに座り、ブライガーとの通信回線を開いた。
レイズナーの元の操縦者であるマサキはグランゾンに乗り換えたのだから、躊躇う必要はない。
マサキが機体を起動させたままにしていたのは幸いだった。行動は迅速に進められた。
「クォヴレー……一体どういうつもりだ」
通信機越しに、シロッコはブライガーの中のクォヴレーへと問いかける。
「お前が、殺したのか」
返ってきた声は、先程の姿からは考えられないほど、冷たかった。
「お前が、リュウセイやジョシュア達を殺したのか」
それも爆発寸前の怒りを無理矢理抑え込むかのような、どこか危うさを感じさせる冷たさだ。
「……何を言っている。いや、何故そういう結論に辿り着いたか、説明してもらいたい所だが」
余計な刺激を与えないように言葉を選びつつ、シロッコは再度問い返した。
それと同時進行で、機体のサポートAIに指示を与える。
(AIは生きているか。よし……機体のマニュアル、及び現在の機体状況をモニターに映し出せ)
「READY」
そんなシロッコの行動など気付くことなく、クォヴレーは返答する。
「お前は嘘をついている。お前は、俺の仲間達と出会っているはずだ」
「……どういう意味か、わからんが」
さらに出方を伺うべく、シロッコは肯定でも否定でもない返事を返す。
「白を切るな。根拠は……あれだ」
ブライガーの左手が指し示した先。
そこには、人型機動兵器の動力部が放置されていた。
シロッコがE−1で拾い、グランゾンに隠し持たせていた高エネルギー体。
――トロニウムエンジン。
「何故セレーナが……俺の仲間が持っていたあのエンジンを、お前が持っていた?」
(抜かった――)
なんと迂闊な!シロッコは内心で舌を打った。
別にエンジンのことを忘れていたわけではない。クォヴレー達にも、追々経緯は説明するつもりだった。
だが、そこに至る前に、マサキの手でグランゾンを強奪され、段取りは有耶無耶となった。
しかも、マサキは逃亡の際、トロニウムエンジンを回収し忘れていってしまったらしい。
エンジンの存在は、クォヴレーのシロッコに対する疑念を一気に膨らませることになる。
グランゾン強奪に、放送のタイミング――あらゆる偶然が重なり合った結果、
シロッコにとって最悪のシナリオが作り出された。
(フン……どうやらティータイムで緊張を解しすぎたらしいな)
追い詰められたこの状況に自らを皮肉りつつも、シロッコはこの場を切り抜けるべく思考回路を稼動させる。
「どうした、答えてみろ」
そう問い詰めるクォヴレーの声色には、震えが僅かに感じられた。まさしく怒り心頭といったところか。
面倒を避けるためについた嘘が、ここに来て裏目に出た形となってしまった。
(ラミア・ラヴレスはこういった展開も見越して、私に嘘をつかせたのかもしれんな)
そんなことを考えながら、シロッコは口を開く。
「そのエンジンは拾い物だ。とある戦闘の跡で発見した」
「拾った……だと?そんな言い訳じみた言葉を信用できると思っているのか」
「真実だ。信じてくれ、としか言いようがないな」
9 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:14:11 ID:UBtEDl38
無理な話だとは思うが。シロッコは内心でそう付け加えた。
この状況では何を言っても言い訳臭くなる。相手が感情を先走らせているとなれば、尚更だ。
シロッコは嘘は言っていない。リュウセイと遭遇したことを隠している以外は、確かに全て事実である。
だが潔白を証明できる決定的な証拠がない以上、クォヴレーを納得させることは極めて困難だった。
「君の仲間のことはわからんが、その場には生存者はいなかった」
「お前が殺したから、か……!」
「誤解だ。君の仲間については、先程伝えた情報以外には……」
クォヴレーの言葉、そして必要以上に向けてくる敵意に、説得は期待できそうにないとシロッコは改めて判断した。
受け答えと並行して、シロッコはモニターに映し出された機体状況を確認する。
(左腕損失に、背面部装甲に損傷……現状で使用できる武装は、脚部のカーフミサイル程度か。
だが、戦闘などできる状態ではない。逃げるにしても、背面部スラスターが完全に破損していてはな……)
想像以上の機体の損傷に、シロッコは顔を顰める。
状況は絶望的――それに追い討ちをかけるように、クォヴレーは問い詰めてくる。
「お前はこれを拾ったんじゃない……奪ったんじゃないのか。セレーナや、リュウセイ達を殺して――!」
一言一言から怒りが滲み出ている。堪忍袋を縛る緒の限界が近いらしい。
「……随分な言いがかりだな」
「あのエンジンに限ったことじゃない。ユーゼスのスパイと行動を共にしていたこともそうだ。
いや、マサキにグランゾンを奪われたことすらも……」
まさしく言いがかりも甚だしいクォヴレーの言動に、シロッコは閉口した。
疑心暗鬼に陥ったクォヴレーの思考は暴走しつつある。
シロッコの予感は、あまりにも早い段階で現実のものとなっていた。
このまま酷くなれば、彼は――いや、この調子ではその先へと至る前に、シロッコは命を落とすことになるだろう。
「お前には不審な点が多すぎる」
そう言って、ブライガーは銃を構え直す。
いつ銃声が轟いてもおかしくないほどの緊張感が、周囲に張り詰めた。
逃げ場はない。まさしく絶体絶命と言ったところか。
しかし、それでも彼は取り乱すことなく、口を開いた。
「私を撃つか。だが、それは君のためにはならんぞ。クォヴレー・ゴードン」
「何……?」
クォヴレーの返答を待たず、シロッコはコックピット内の映像をブライガーへと送信した。
「!! それは……!!」
クォヴレーの発する声が、明確に焦りを含んだものへと変わった。
彼からも見えているはずである。シロッコが、丸い機械を抱えているところが。
「私に当てれば、この機械……首輪の解析装置も、失われることになる」
首輪の解析装置。木原マサキが残していった、脱出の鍵の一つ。そして今は、シロッコの唯一の生命線でもある。
10 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:15:13 ID:UBtEDl38
「き……貴様!!」
「破廉恥だと笑ってくれて構わんよ。とにかく、まずはその銃を下ろしてもらいたい」
これでは三流の悪党だと、シロッコは内心で苦笑した。
(こういった手段は避けたかったが……今の状況ではやむを得んか)
後々の面倒を考えると頭が痛くなる手口ではあるが、現状でこの窮地を打開するための唯一の手段だ。
だがこの手段も、絶対であるとは言い切れない。
解析装置すら無視するほど彼が感情に呑まれていれば、それで終わりだ。
(さて、どう出る……クォヴレー・ゴードン)
クォヴレーの取る次の行動に対処すべく、シロッコは操縦桿に手をかける。
平静を装っているものの、彼の額には汗が滲んでいた。
* * * * * * * * * * *
(あの男、よくもぬけぬけと……!)
レイズナーから送られてきたシロッコの映像を見て、クォヴレーは唇を噛んだ。
シロッコが抱える機械は間違いなく、マサキが首輪を外していた時に使用していた物である。
解析装置を失えば、ようやく見つけた首輪の解除手段を失うこととなってしまう。
それは、脱出の手段、そしてユーゼスに牙をむくための一歩をふいにすることと同義。
クォヴレーに選択肢は残されていないはずだった――
しかし。
(奴の言う通りにするしかないのか。みんなを殺したかもしれない奴の……!)
クォヴレーは迷った。
首輪の解除を盾に自らの延命を図る――シロッコの取ったその行動は、同じなのだ。
あの憎き悪魔のような男、木原マサキの取った行動と。
『マサキと同じ行動を取った』という事実は、クォヴレーのシロッコに向ける敵対心をさらに煽ることになった。
(マサキと同じように、みすみす殺人鬼を野放しにしろというのか。
そして……また、過ちを繰り返すのか。ガルドの時と同じように……)
ガルドの死に様が、再び脳裏に浮かび上がる。『マサキを見逃したばかりに』殺された、ガルドの姿が。
――殺せ。過ちが繰り返される前に。
心の奥底にある何かが、クォヴレーに囁きかけてきた。
――殺せ。この男は皆の仇だ。この男はマサキと同類だ。
――殺せ。そして仇を討て。もう二度と、悲劇を繰り返さないために。
――たとえ、脱出の手段を失うことになっても――
11 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:16:06 ID:UBtEDl38
(!! 俺は何を考えて……!?)
おかしくなり始めている。
それを自覚し、クォヴレーは自分の思考に恐怖した。
だが、囁きは疑念に囚われた彼の心を徐々に蝕み、その感覚すら消し去っていく。
――何を躊躇う?甘さは捨てろ。トウマが死んだ時、決意したのではないのか?
――お前の甘い考えのせいで、トウマもガルドも死んでしまったのではなかったのか?
(……そうだ。もう、あの二人の過ちを繰り返すわけには……)
――殺せ。取り返しかつかなくなる前に。
――それが、取り返しのつかない事態を引き起こすとしても――
思考が、破綻を起こしていく。
麻痺した感覚は、明らかに狂ったその思考を、自然に受け入れていく。
クォヴレーの手が、トリガーに添えられる――
「―――――ッ!?」
突然、頭の中に電気が――いや、稲妻でも落ちたかのような感覚が走り抜けた。
それはクォヴレーの思考を中断させ、同時に彼を我に返らせた。
(な、何だ今のは――ぐぅっ!?)
続いて、激痛がクォヴレーの頭を襲った。
今まで感じたことのない、得体の知れない痛みが脳全体に広がっていく。
(く……この感覚は何だ!?何かが……何かが近づいてくる?)
激痛の中で、クォヴレーはこの場所に接近してくる何者かの存在を感じ取った。
額に脂汗が滲む。痛みは徐々に強くなっていく。
クォヴレーの直感に呼応するかのように、コックピットに警告音が鳴り響いた。
その音と共に、レーダーに新たな機体の反応が表示される。
「……クォヴレー」
「動くな!!」
声をかけたシロッコを、クォヴレーが怒声を発し制した。
同時に、銃口から光が走り、レイズナーのすぐ横を掠めていった。
「お前は黙っていろ……!!」
苛立ちも顕にシロッコを一蹴し、クォヴレーはレーダーに注目した。
北側から反応が2つ、自分達のいる場所に近づいてきている。
「シロッコ……そこから動くな。少しでも動けば、次はコックピットを狙う……!」
半ば取り乱しつつシロッコに釘を刺すと、クォヴレーは痛む頭を抑え、反応のある方角へと目を向けた。
2つの機影が、肉眼でも見えた。
(間違いない……俺が感じたのは、あの片方……!)
2機が接近してくると共に、頭痛は激しさを増していく。
その痛みとは別に、何か言いようのないもどかしさがクォヴレーを包み込んでいく。
それは、クォヴレーにさらなる苛立ちを提供することになった。
(ぐっ……一体どうしたというんだ!?こんなことをしている場合ではないというのに……!)
2機の影はだんだん大きくなり、やがて姿がはっきりと見えてくる。
片方は赤い翼を持った、黒い魔神。
そして――
「あれは……!?」
もう片方の黒い機体を見た時、クォヴレーの両目が大きく見開かれた。
彼にはその機体に見覚えがあった。手足を失い、ボロボロだが……間違いはなかった。
「あの……黒い奴は……!!」
12 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:17:53 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
「あの赤い機体で、間違いないのだな」
ヴィンデルの言葉に、ミオの乗るアストラナガンは頷き、肯定の意を示した。
青、紫、そしてそれらより3倍ほど大きな赤と、三つの色が並んでいるのが視認できる。
(あの赤の他にも2機……動いているのはあの青い方だけか。しかし、あの青は確か……)
レイズナーの姿を確認したヴィンデルの眉間に、しわが寄せられた。
「……よりにもよって、あの男が彼と接触していたとはな」
ヴィンデルの呟きに、知ってるの?とばかりにアストラナガンが首を傾けてくる。
(そういえば、話していなかったな。奴の危険性は、伝えなければなるまい)
ヴィンデルの脳裏に、マサキの手で絞め殺されるホシノ・ルリの姿が過ぎった。
その時のルリの姿にミオを一瞬重ね合わせてしまい――ヴィンデルは慌ててそれを振り払う。
「あの青い機体に乗っているのは、おそらく木原マサキという男……
表向きは気弱そうな少年を装っているが、奴の本性は幼女も躊躇いなく殺す危険人物だ」
(げ!?マジ!?)
「とにかく、まずは私が彼らと接触を図る。
木原マサキについては、私が引き受けるが……それまで、奴からは注意を逸らすな」
(が、合点承知!)
アストラナガンの首が縦にぶんぶんと振られるのを見て、マジンカイザーは一歩踏み出した。
ミオが迂闊に大声を出せない以上、ファーストコンタクトを取るのはヴィンデルの役目だ。
(ミオまで同じ運命を辿らせるわけにはいかん)
彼女を守る決意を一層固め、前進する。
赤と青の機体も、こちらの存在に気付いているようだ。
だがよく見ると、赤の手に銃が握られ、青に向けている。
その光景からきな臭さを感じ取り、ヴィンデルは警戒を強めた。
(追い詰められているのは、マサキの方か。奴め、尻尾を晒したか?)
もしかすると、接触のタイミングを誤ったのかもしれない。
しかし今さら引き返すわけにもいかなかった。ヴィンデルは通信回線を開いた。
「聞こえるか。我々は打倒ユーゼスのための仲間を集めている。こちらに敵対の意思はない」
小細工抜き、直球ど真ん中のストレートな言葉で呼びかける。
ただしマサキについては、現状を完全に把握するか、相手が話題を振ってくるまで、
あえて触れないことにした。もしマサキの本性が知られているとなれば、
下手にマサキの名を出すと、余計な疑いをかけられる可能性がある。
まずは、クォヴレーとの接触を最優先で行うことにした。
「私の名はヴィンデル・マウザー。クォヴレー・ゴードンという男はそちらにいるか」
13 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:18:33 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
新たに出現した二人組の片方から、通信が割り込んでくる。
それは、今のシロッコとクォヴレーを包み込む一触即発の空気に、水を差すこととなった。
シロッコは、クォヴレーの注意が僅かに二人組のほうに逸れたことを感じ、内心で胸を撫で下ろした。
(結果的に、命拾いをしたと見るべきか)
彼らが現れる直前、クォヴレーが向けてくるプレッシャーに鋭さが増したことを、シロッコは感じ取っていた。
彼は間違いなく自分を殺すつもりだった。
もし少しでも二人組の出現が遅れていれば、レイズナーは間違いなく撃ち抜かれていたことだろう。
「シロッコ……お前は喋らず、そこでじっとしていろ。少しでも妙な動きを見せれば……撃つ」
だが危機を脱したと見るには、まだ程遠いようだ。
物言いこそ幾分落ち着いた様子だが、クォヴレーからは殺意が衰える気配を見せない。
ブライガーの銃口はレイズナーを捉えたままであり、シロッコの命は未だクォヴレーの手の中にある。
(クォヴレーはあの2機とコンタクトを取るつもりか。下手なことを吹き込まねばいいが……
……いや。ここは好機と見るべきだろうな)
風向きが変わった。第三勢力の出現により、クォヴレーの注意は分散されるだろう。
現状ではまだ隙を作るまでには至っていない。だが今の彼の精神状態なら、隙が生まれるのは時間の問題だと踏んだ。
カーフミサイルの照準の調整を行い、レイに指示を出す。
そして、深呼吸を一つ。シロッコは、再び機を伺い始めた。
* * * * * * * * * * *
「……クォヴレー・ゴードンは俺だ」
マジンカイザーのコックピットに、ブライガーからの通信が入ってきた。
(間違いない……ミオの言った通りか)
アストラナガンの本来の操縦者との接触は成功した。
クォヴレーの口ぶりから妙な刺々しさを感じ取ったが、ヴィンデルはそれを警戒によるものだろうと判断した。
「今も言ったが、我々は打倒主催のための仲間を探している」
「仲間……だと」
「そうだ。クォヴレー・ゴードン……こちらの機体を、お前は知っているな?」
そう言って、隣のディス・アストラナガンを指す。彼が本物の操縦者ならば、何らかの反応を示すはずだ。
その答えは、すぐに返ってきた。
「ああ……見覚えなら、ある」
(ん?見覚え……だと?)
クォヴレーの返答に、ヴィンデルは違和感を抱く。
「司馬博士達を襲撃していたそうだな。その前はセレーナにも」
会話が微妙に噛み合っていない。その上、話の流れも何かおかしい。
嫌な予感を胸に抱きつつ、ヴィンデルは問い返した。
「襲撃、だと?どういう……」
「とぼけるな」
ヴィンデルの言葉を、クォヴレーの静かな声が遮る。
「それに乗っている者が、殺し合いに乗っていることはわかっている」
「なっ……!?」
しまった――ヴィンデルはその言葉に、状況を瞬時に把握する。
それと共に自分達の行動の軽率さを悔やんだ。
(もしや、私と接触する以前のマシュマーに襲われたことがあるのか?いかん……!)
誤解を解くべく、ヴィンデルは事情を説明しようとする。
――だが、まだ何かがおかしい。それらを差し引いても、ヴィンデルは違和感を拭いきれなかった。
14 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:19:40 ID:UBtEDl38
「待ってくれ!今これに乗っているのは……」
「いや……乗っている人間など問題ではない。その機体がどれだけ危険な存在であるかを考えれば」
ヴィンデルの言い分など聞くまでもないと言わんばかりに、クォヴレーは言い捨てる。
「な……何を言っている!?」
ヴィンデルは、自分達に向けられた敵意がただ事ではないことを察した。
「言葉通りだ。そしてそれと共に行動するお前も……剣鉄也と同じ存在か」
「剣鉄也……だと……?」
クォヴレーの口から出た名に、問い返す。
「……どういう意味だ。お前は何を言っている?
いやそれよりも、お前はこの機体を知っているのではないのか?」
クォヴレーの反応から、ヴィンデルは自分の抱く違和感の正体を突き止めた。
クォヴレーは、アストラナガンのことを知らない。しかも、何か別の物と勘違いしている節がある。
「ヴィンデルさん!なんだか様子が……」
「喋るな、黙っていろ」
ミオの言葉を制する。僅かに聞こえた彼女の声にも、動揺が見られた。
(どうなっている?この男は、アストラナガンの真の操縦者ではないのか!?)
今のミオの声色から、彼女の勘違いというわけではなさそうだった。
(一体何故……いや待て?このケース、以前にも……)
ヴィンデルは思い返す。この会話の噛み合わなさは、前にも経験したことがあった。
そう、最初にアクセルと接触した、あの時と同じなのだ。
「……クォヴレー・ゴードン、一つ聞かせてくれ。
もしやお前は……記憶喪失なのか!?」
「え……!?」
ヴィンデルの推測に驚くミオの声が聞こえた。流石にこれは、彼女にも予測できない事態だったようだ。
「!!……お前達には関係のない話だ……!」
「……ッ!」
クォヴレーからの返事は、それを肯定すると取れるものだった。
(やはりか……何かの事故で、記憶を失ったのか?いや、それとも……)
ヴィンデルは、彼が記憶を失った原因について、一つの可能性に思い当たる。
考えてもみれば、このバトル・ロワイアルそのものを破壊しかねないという存在を、
あのユーゼスが何の策もなく参加させるだろうか?
もしも、先手を打たれていたのなら。
ユーゼスの手によって、クォヴレーの記憶が操作されていたのなら。
ようやく差し込み始めた光が、再び暗雲に呑まれ始めているのがわかった。
(くっ……なんということだ、これでは……)
愕然とするヴィンデル達に、さらなる追い討ちがかけられた。
「とにかく……その機体は破壊する。
お前達が殺し合いに乗っていないと証明したいなら……すぐにその機体から降りることだな」
「ま……待て!お前はこの機体のことを……」
「その機体なら知っている。ここに来るまで、情報は集めてある」
「情報、だと……?」
戸惑う二人をよそに、クォヴレーは話し始める。
彼がそれまでに得てきた断片的な情報から推測・判断した、アストラナガンの正体を。
「撃墜されても、短時間で戦闘復帰できるだけの自己再生能力を有する機体」
だが――
「いや、自己再生だけじゃない。自己進化、自己増殖も行える細胞を搭載しているそうだな。
その細胞は、中のパイロットをも蝕む可能性がある……そう聞いている」
パズルは、誤った形に組み上げられていた。
「その機体の名は『デビルガンダム』……違うか」
15 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:20:35 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
この誤解の始まりは、E−1の島での作戦会議まで遡ることになる。
E−1で仲間達と情報交換を行った際、クォヴレー達はダメージの自己修復を行う機体の存在を知った。
クォヴレー達が修復の瞬間を直接目にした、剣鉄也のガイキング。
セレーナが一度撃破し、その後謎の復活を遂げたという、『黒い悪魔』のような機体。
彼らはその二つの機体が同じ類の力を有していると推測した。
同時に、ガイキング修復の際に出現した謎のガンダム頭の化け物が、
それに何か関係しているのではないかとも考察した。
それからしばらくして、クォヴレー達はガルドと接触。
マサキが目を覚ますまでの間、情報を交換した。
そこで彼らは、デビルガンダムと呼ばれる怪物の情報を入手する。
自己再生・自己進化・自己増殖の三大理論を持つ細胞を有した、パイロットすらも取り込む、
とんでもない怪物がE−4にいる、と。
「俺自身、実際に見たわけではない。その怪物の詳細はわからんが……
マスターアジアが言うには、何としても叩かねばならない、極めて危険な存在であるとのことだ」
とは、ガルドの言葉。又聞きによる情報だったためか、その詳細まではわからなかった。
だがその情報は、クォヴレー達の持つ断片的な情報を結びつけるための接着剤として、大きな意味を持った。
デビルガンダムとガイキングらに共通する、自己再生能力。
ガイキングの前に出現したガンダム頭の化け物。
(デビルガンダム……あの剣鉄也の見せた再生能力は、奴の力によるものだと見るべきか)
バラバラだったパズルのピースは、少しずつ組み上がり、一つの形を成そうとしていた。
だが、ここで不純物が混じる。
(そしてセレーナが遭遇したという、この『黒い悪魔』のような機体も……)
E−1の島を発つ前にエルマから貰った写真を凝視しながら、クォヴレーは考察する。
彼は『黒い悪魔』――ディス・アストラナガンまでも、デビルガンダムと関係があると推測した。
(やはり気になる。この機体、どう考えても普通じゃない。機械とは思えない生々しさと、
この禍々しさ……見ようによっては、あのガンダム頭と通じる部分がないわけでもない)
失われた記憶の残り香が、『黒い悪魔』の持つ特異性に気付かせたのか。
ただ、その感覚は考察を誤った方向に向けることとなる。
(もしかすると……この『黒い悪魔』こそが『デビルガンダム』ではないのか……?)
元々、彼の知るガンダムはジョシュアの乗っていた試作2号機のみ。
ガンダムヘッドも、頭部が試作2号機と少し似ていたという理由で、便座的にガンダムと呼んでいたに過ぎない。
クォヴレーは知らないのだ。ガンダムを。それがどういった兵器を指すのかを。
そしてデビルガンダム自体もまた、通常のガンダムという名の兵器からかけ離れた怪物であるということが、
さらなる情報の混乱を促した。
並行世界による認識のズレが重なって、誤解が起きた。
クォヴレーの推測を後押ししたのは、他ならぬミオとヴィンデル自身であった。
当初から危険視していた『黒い悪魔』に乗って、
『デビルガンダムが居座っていた』というE−4の方角から現れた二人。
ただでさえ過剰な警戒心を抱き、他者に対し疑心暗鬼に陥りつつある今のクォヴレーには、
疑う要素が大きすぎた。
16 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:21:25 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
「デビルガンダムだと!?ちょっと待て、何を言っている!?」
「なら、デビルガンダムの力を持った機体……と言ったところか?
どちらにしても、危険な存在であることに変わりはない……!!」
驚くヴィンデルをよそに、警戒を強めるクォヴレー。
デビルガンダムと思しき『黒い悪魔』に対し、彼は焦りや苛立ちにも似た敵意を剥き出しにする。
DG細胞の危険性を考えれば、確かに早急な殲滅の判断は間違ってはいない。
だが、それでも彼の姿は異常だった。
まるで、一刻も早く目の前から『黒い悪魔』を消したがっているかのように。
いや……事実、彼はそうした衝動に駆られていた。
こうしている今も、クォヴレーの頭は謎の激痛に苛まれている。
その痛みを堪えるために、全身は汗だくになり、髪や服は水でも被ったかのような有様だった。
今にも叫びだしたくなるほどの痛みを無理に抑え込んでいるためか、正常な思考も失われつつあった。
イキマを助けに行くことも、シロッコへの注意も、マサキ達への憎しみも。
かけがえのない仲間達の記憶も。彼らの死により生まれた、憎しみまでも。
激痛に押し流され、全てが徐々に薄れ始めていた。
それと同時に、記憶の奥底で何かが蠢くような感覚が、彼の中に広がっていく。
自分が自分でなくなっていくかのような、得体の知れない感覚。
それはこのクォヴレーにとって、不安で、もどかしくて、不愉快だった。
このまま自分の全てが消えていってしまうのではないか、そんな恐怖が彼の無意識の中に生まれていた。
そして、ヴィンデル達と対峙している間に、彼は理解した。
この頭痛を引き起こしているのは、あの『黒い悪魔』なのだと。
あの『黒い悪魔』を消せば、この痛みが治まるように思えたのだ。
彼が少しでも冷静さを保っていれば、少しでも精神的余裕があれば、気付いていたかもしれない。
『黒い悪魔』……いやディス・アストラナガンは、彼の半身にして封印された記憶を呼び起こすための鍵であること。
今抱いているこの痛みは、自らの記憶の扉の開く音であるということに。
だが、皮肉にもこれらの要素は、今のクォヴレーにとっては、逆に敵意を煽ることとなってしまった。
「待て!これはデビルガンダムとは何の関係もない!!
わからないのか!!この機体の名は、ディス・アストラナガンだ!!」
「ディス……くっ!?」
その名を聞いた時、痛みはさらに強まった。
「だ……まれ……!」
これ以上、彼らの話に耳を傾けていては、自分が壊れてしまうような気がした。
彼は否定する。目の前の、得体の知れない存在を。
「お前は知っているはずだぞ!思い出せ、この機体は元はお前の……」
「黙れ、動くなっ!!」
ヴィンデルの声を遮って、クォヴレーのヒステリックな叫び声が響いた。
その勢いに任せて、ブライガーはレイズナーに向けていた身体を二人のほうへと向き直らせる。
そして、肩に背負った二門の大砲――ブライカノンの砲身を、二人に向けた。
17 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:22:31 ID:UBtEDl38
この瞬間――
クォヴレーの注意は、完全にレイズナーから逸れた。
それは、シロッコに対し大きな隙を曝け出すこととなる。
(機は……熟した!)
シロッコの目の奥が光った。唇の端が不敵につり上がった。
この窮地を打開するための、最大の好機。それを逃すほど、シロッコは甘くはない。
(この一撃で……流れは変わる――!)
躊躇うことなく、引き金を引く。
発射するミサイルは2発。ターゲットは――
「危ない!!」
レイズナーの不審な動きに真っ先に気付いたのは、レイズナーへの注意を逸らさなかったミオだった。
彼女の叫びがその場に響いたとほぼ同時に。
レイズナー両脚部の2発のカーフミサイルが、撃ち放たれた。
1発は、ヴィンデルとミオのいる方向へ。
(な……木原マサキかっ!?)
クォヴレーに気を取られていたとはいえ、レイズナーを警戒していたヴィンデルの反応は早かった。
アストラナガンを庇うように、マジンカイザーが前に飛び出す。
今の傷ついたアストラナガンには、ミサイルの直撃は耐えられないだろう。
(迎撃、間に合え!!)
マジンカイザーの二つの瞳から、光子力ビームが、ミサイルに向けて撃ち出された。
光はミサイルを貫く。そして――
もう1発は、すぐ傍のブライガーの、コックピット部に向けて。
「なっ!?」
レイズナーとの距離があまり離れていなかったせいもあり、クォヴレーがそれに気付いた時には、
既にミサイルは手遅れと呼べる位置まで接近していた。
(回避、いや間に合わない!やられる――!?)
ブライガーは、反射的にコックピットを庇うように右手を前に突き動かした。
それだけが、クォヴレーの精一杯の反応だった。
突き出した右手を、ミサイルが吹き飛ばす。そして――
2つのミサイルが爆発した。
それと同時に、周囲に強烈な光が放たれた。
その光は、その場にいる者達の瞼の中に飛び込み、彼らの視界を一時的に奪い取った。
18 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:23:31 ID:UBtEDl38
「閃光弾か!?ち……っ!!」
突然牙を剥いたシロッコに、クォヴレーは眩んだ目を擦りながら舌を打った。
咄嗟に突き出した右手がミサイルを阻み、コックピットへの直撃を防いだようだ。
だが、危機は去っていない。閃光により視力を奪われ、今ブライガーは無防備な状態を晒している。
「シロッコ、貴様っ!!」
いつ追撃を受けても不思議ではないその緊張と恐怖が、クォヴレーの焦りを促した。
失われていた視界が徐々に戻ってくる。
すぐに、クォヴレーはレイズナーのいる方向を睨み付けた。
(!? ――しまった!!)
睨み付けた先に、レイズナーの機影はなかった。
出し抜かれた――それを理解するや否や、すぐに索敵を行う。
しかし、レーダーが正常に作動しない。閃光弾にはチャフの効果も含まれていたようだ。
「くそっ!どこだ、どこに消えたッ!?」
焦りをさらに加速させながら、クォヴレーは肉眼で探すべく周囲を見回した。
探し物はすぐに見つかった。脱兎のごとく自分の下から離脱していく、青い影が視界に入る。
「シロッコ!!待てっ!!」
首を振り、まだちらつきの残る視界をはっきりさせ、操縦桿に手をかける。
もう迷う必要などない。パプテマス・シロッコは、敵だ――
レイズナーを撃つべく、ブライガーは銃を握る右手をレイズナーに向け……
そこで、クォヴレーは初めて、ブライガーの右手首から先が失われていることに気付いた。
ミサイルによって、握っていた銃もろとも吹き飛ばされたのだ。
「待てシロッコ!!逃げるなぁぁぁっ!!」
暴走する焦りは、クォヴレーの人格にまで影響を及ぼし始めた。
このままでは逃げられる。仲間達を殺した憎い仇を、むざむざと取り逃がしてしまう。
あの時、確実にシロッコを殺しておけば――
(同じだ……マサキの時と!!俺は同じミスを!!)
クォヴレーは再び自分の甘さを悔やみ、歯を軋ませた。
(くっ、こうなったら……ッ!?)
この時、クォヴレーは気付いた。レイズナーの行動に不可解な点が含まれていることに。
シロッコは、何故ブライガーから離れようとしているのか?
無論、クォヴレーから逃れるためだ。ひいては、自身の生存のためでもあるだろう。
だがそうだとすれば、レイズナーの取った動きは、明らかに得策ではない。
レイズナーが向かっている先、そこは喧騒の真っ只中なのだから。
ディス・アストラナガンと、ヴィンデルの乗るマジンカイザー。
レイズナーは、その二機のいる方向へと真っ直ぐに向かっていた。
クォヴレーの頭の中で思考が巡る。
どうしてシロッコは、ヴィンデル達の方へと向かったのか?
危険の真っ只中に飛び込むような自殺行為を、何故?
それとも、ヴィンデル達と接触すれば、助かるという見込みでもあるのか?
そう、例えば――
シロッコとあのヴィンデル達が、手を組んでいたとしたら?
ヴィンデルの意味不明な言動は、自分にシロッコの付け入る隙を作るためのものだとしたら?
あのディス・アストラナガンが引き起こす頭痛は、シロッコの付け入る隙を自分に作らせるためだとしたら?
思えば、この頭痛が始まったのは『ちょうどシロッコを殺そうとした』瞬間だった。
これは偶然か?全て彼らがシロッコを救うために、意図的に起こしているとしたら?
リュウセイ達の死に、シロッコ同様、彼らが関与しているとしたら――?
その可能性に辿り着いた時――
彼を繋いでいた糸が完全に切れた。
彼をクォヴレー・ゴードンたらしめていた、最後の糸が。
19 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:24:26 ID:UBtEDl38
「うあああああああああああああああああああああああッ!!」
溜まりに溜まった負の感情が、ここに来てついに爆発を起こした。
彼の人格そのものをも破壊するかのような勢いで、一気に解き放たれた。
自制心など完全に振り切れた。シロッコの持つ解析装置のことも、もはや彼の頭にはない。
「逃がさん!!」
逃げるレイズナーを撃つべく、大砲の砲身を向ける。
電波障害で照準が定まらない。だがそんなものは、砲撃を止める理由にはならない。
肉眼で狙いをつける。ターゲットはレイズナー、そしてその射線の延長線上……
シロッコに組する、二人の殺人鬼――!!
「逃がすものかぁぁぁあああああああああ!!」
「くっ……ミオ、無事か!」
「う、うん!」
視力の回復と共にミオの無事を確認して、ヴィンデルは即座に身構える。
流れが変わった。それもどうやら、最悪に近い方向にだ。
舌を打つ。この状況で戦闘になれば、今の自分達の機体状態では生還は絶望的だ。
(木原マサキめ、このタイミングで……何!?)
ミサイルの放たれた方向から、何かが駆け寄ってくるのが目に付いた。
それは青いロボット――レイズナー。
今しがた自分達にミサイルを放った、張本人ではないか。
(マサキ!?奴め、どういう――!?)
しかしヴィンデルの考えが、その先に至るだけの時間はなかった。
一瞬、ブライガーが光ったのが見えた。
光った場所は、ちょうど両肩のあたりだ。
そう、ブライガーの背負う大砲の砲身のあたり――
「!! 伏せろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
次の瞬間。
ブライガーの放った激しい光の濁流が、戦場を奔り抜けた。
ブライカノン。
ブライガーの持つ最大の武器の一撃。
しかしそれは、宇宙の始末屋達が悪党どもに見舞う正義の花道などでは決してなく、
ただ己の中の感情のままに振るわれた、憎しみの光だった。
20 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:25:33 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
――どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
ブライガーと対峙した時、ミオはクォヴレーの態度に、漠然とした違和感を感じ取った。
それと共に、彼から放出される思念が、ディス・レヴを通じて彼女の中に伝わってきた。
ミオはそれを知っていた。そして、すぐに気付くべきだった。
デビルガンダムのコアとなっている間、彼女はずっとその波動を一身に受けていたのだから。
「う……いったた……」
アストラナガンのコックピットを襲った衝撃に、ミオは軽く呻き声を上げる。
感じる痛みと眩暈が、自分がまだ生きていることを証明していた。
(今のって……嘘でしょ……)
以前読んだブライガーのマニュアルの記憶を掘り起こしながら、目を開く。
視界に最初に飛び込んできたのは、巨大なマジンカイザーの顔だった。
「ヴィンデルさん!?」
マジンカイザーはアストラナガンを押し倒し、覆い被さる体勢にあった。
ブライカノンの砲撃から身を挺して庇ってくれたのだろう。
「ヴィンデルさん!!ヴィンデルさん、大丈夫!?」
盗聴のことも忘れ、ミオは慌てて通信機で呼びかける。
しかし、通信機から聞こえるのは雑音だけ。
チャフの効果による電波障害が、マジンカイザーとの通信を妨げていた。
やむなく、ミオは外部スピーカーを使い、大声で呼びかけた。
「ヴィンデルさん、聞こえる!?返事して!」
いくら呼びかけてもマジンカイザーからヴィンデルの返事はなかった。
最悪の可能性を過ぎらせ、少女の顔色は見る間に青ざめていく。
「う……嘘でしょ!?ちょっと、そんな冗談笑えないってば!?ねぇ!?」
もし、クォヴレーが自分達を敵視する可能性を、少しでも事前に考えていれば……
ミオは後悔した。結果的にヴィンデルを危険へと導いた、自分の無警戒な行動に。
「ヴィンデルさん!!返事して、ねぇってば!!」
しかし、彼女を取り巻く状況は、彼女にゆっくり後悔や悲しみに浸らせる余裕すら与えない。
「ヴィンデルさ―――ッ!?」
背筋を寒気が走り抜け、ミオは思考を引き戻された。
ディス・レヴを通じて、再び思念が自分の中に流れ込んでくる。
「まだ……生きていたか……デビルガンダム」
憎悪の限りを込めたような低く冷たいその声に、ミオは視線を向けた。
思念を、声を発した人間――クォヴレー・ゴードンの乗る、ブライガーの方向に。
二人のいる場所から少し離れた所に、ロボットの残骸が散らばっている。
ブライガーと共にいた青い機体――レイズナーのものだった。
今のブライカノンの直撃を受け、完全に破壊されたようだ。
中に乗っていた木原マサキとかいう男も、恐らく生きてはいないだろう。
そしてそのさらに先には。
ブライカノンを撃ち終えたままの体勢で、ブライガーがミオ達を見据えていた。
クォヴレーが発する思念。それは紛れもなく『負の波動』だった。
憎悪を漂わせるブライガーの姿は、ミオが思い描いていたヒーローのものではなかった。
21 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:26:26 ID:UBtEDl38
「クォヴレーさん!!待って、話を……」
「黙れ……!!」
呼びかけるミオの言葉を最後まで待たず、クォヴレーは一蹴する。
「結局、お前達も……奴と同じ、殺人鬼だったということか……!」
「違っ……話を聞いて!!あんた、このアストラナガンの操者なんでしょ!?」
「黙れと言った……!!」
聞く耳持たずとはこのことか。だが、ミオは諦めず呼びかける。
「思い出して!!この機体……ディス・アストラナガンは元々あんたが乗ってた機体なんだよ!!
これに乗ったら全部わかるから!!そしたら、この殺し合いを止められるかもしれない!!」
ミオとて何の確信なしに言っているわけでもない。
自分がアストラナガンのシートに座ることで、アストラナガンの意思が脳内に伝わってくるように、
クォヴレーが同じようにシートに座れば、彼の記憶も蘇るはずだ。
しかし、彼の誤解が記憶喪失によるものだけなら、どれほどよかったことか。
「……そう言って、俺もDG細胞とやらに取り込むつもりか」
「そんなんじゃないってば!クォヴレーさん、あたし達は……」
「そうやって油断させて!!リュウセイやジョシュア達を殺したのか!!お前達は!!」
スピーカーを壊しかねないほどの大声で、彼は内に秘めた怒りをぶち撒けた。
ディス・レヴが伝える殺意が、急激に鋭さを増していく。
全身に鳥肌が立ち、寒気が走った。
ミオは愕然とする。人は、これほどまでの憎しみを抱くことができるというのか――?
「クォヴレーさ……!?」
ブライカノンの二門の砲身に、光が収縮していくのが見えた。
二発目が放たれようとしているのだ。
「お前達を……絶対に許すものか」
地獄の底から響くかのような声で、完全なる敵対宣告が行われる。
ディス・レヴが伝える殺意はさらに鋭さを増していた。
もう、止められない。
「後悔しろ……お前達のしてきたことを……!」
打つ手はなかった。
マジンカイザーに覆い被さられている今の自機の状態では……
いや、そうでなくとも満身創痍の今のアストラナガンでは、砲撃は避けられない。
あまりにも彼女は無力だった――
22 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:27:37 ID:UBtEDl38
「……諦めるな」
突然横手から聞こえた声に、ミオは振り返る。
それと同時に、彼女が振り返った先から、ブライガーへ向けて光線が走った。
光はブライガーの手前の地面へと撃ち込まれ、爆発する。
「ぐぅぅっ!?」
爆発と爆風、それらに伴い巻き上がった土砂により、ブライガーはのけぞり、態勢を崩す。
同時にクォヴレーは視界を阻まれ、ひいてはブライカノンの発射を妨げることにもなった。
「ヴィンデルさん!?」
アストラナガンに覆い被さっていた魔神はいつの間にか立ち上がり、ブライガーに向き直っていた。
「……翼を持っていかれただけですんだ。私は大丈夫だ」
返ってきたヴィンデルの声に、ミオは僅かに安堵する。
見れば、マジンカイザーからは背中のカイザースクランダーが丸々失われていた。
ブライカノンの砲撃で吹き飛ばされたのだろう。
だが、状況は彼の生存を喜べるだけの余裕を与えない。
「……これで誤魔化せるのは、さっきのチャフの効果が持続している今だけだ。
そして……奴を振り切るチャンスも、今しかない」
そう言いながら、魔神は赤き修羅を睨み付ける。
「……逃げろ」
「え!?」
「さっきお前が目覚めた場所まで、一旦退却していろ。その時間は、私が稼ぐ」
彼の言葉と行動が何を意味しているか、わからないミオではない。
「ちょ……ちょっと、ヴィンデルさん!?」
「後は私が残って、説得を続けよう。そして、お前のもとまで連れて行ってやる」
「せ、説得って……待って、今のあの人は……」
「奴はアストラナガンを目の仇にしている。
奴の怒りを鎮め、説得するためにも……お前は一旦奴の前から姿を消したほうがいい」
それはミオを納得させるための方便であることは明白だった。
「ヴィンデル……貴様ぁぁっ!!!」
ブライガーから、クォヴレーの怒りの絶叫が発せられた。
その声に即座に反応し、ヴィンデルはさらに光子力ビームを連射する。
ビームはブライガー本体には命中することなく、その周囲の地面を削り続けた。
あくまでけん制、威力も十分に抑えて。
これはブライカノンの発射阻止と、クォヴレーの目眩ましに過ぎない。それ以上の意味はあってはならない。
「そういうことだ。逃げろ……これが今思いつく限りの、最善の手だ」
けん制の砲撃を続けながら、ヴィンデルは言う。
「何言ってんのよ!!今のあの人相手に、そんなの無理に決まってるじゃん!!」
ミオはそれを拒んだ。このままヴィンデルを残せば、彼は確実に殺される。
クォヴレーは頭に血を上らせている。ヴィンデルのけん制は、それをさらに促したことだろう。
そして……ヴィンデル自身もそれを覚悟していることを、ミオは察していた。
「絶対ダメ!!死んじゃったらおしまいでしょ!!考え直して、一緒に逃げ……」
「甘えるなッ!!」
響き渡った怒声に、ミオは押し黙る。
それは、ミオにとっては初めて聞く、ヴィンデルの声。
いや、このゲームが始まってから、初めて彼の口から発せられた声だった。
即ち、シャドウミラー隊長の――指導者としての、力に満ちた声。
「お前はまだやるべきことが残っているはずだ。戦いを終わらせるために、為すべきことが」
厳しく、諭すような口調でヴィンデルは続けた。
そう、彼女の使命はディス・アストラナガンを完全な状態にするだけではない。
空間維持装置の破壊という、もう一つの目的。そして打倒ユーゼスのために為すべきことは、まだ沢山ある。
それらの情報を握っているのは、ゲッター線に接触したミオだけなのだ。
「それ、は……」
「忘れるな。お前の命はもはやお前一人のものではない。
お前がここで死ねば、アクセルやマシュマー達は、何のために命を賭けた!?」
23 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:28:29 ID:UBtEDl38
「なんでよ……そんな、勝手なことばかり……」
死者の名を使う彼を、卑怯だと感じないわけではない。
だが、自分を助けようと死んでいった者達の想い、自分の無力さと八方塞な現状、
そしてヴィンデルの真意や覚悟を理解しているからこそ、ミオはそれ以上反論することはできなかった。
「W17……」
「え?」
ヴィンデルの突然の呟きに、ミオが聞き返す。
「いや、ラミア・ラヴレス……この殺し合いに参加させられている、私の部下だ。
以前のままの奴ならば……私の名を出せば、お前の力になってくれるだろう」
「ヴィンデルさん?」
自分の持つ情報を、ヴィンデルは淡々と、そして口早にミオに告げてくる。
「だが今の奴には、何やら不審な動きが見受けられる。
……ユーゼスと通じている可能性すらもある。奴には十分に警戒を持って当たれ」
ヴィンデルは、託そうとしている。
アクセル、タシロ、副長、マシュマー……彼らから受け継いだ遺志を。
「……ヴィンデルさん」
「ふ……そんな顔をするな。私は死ぬつもりはない」
今のあたしは、どんな顔をしているというのだろう。
「言い忘れていたが……こう見えても私は、元の世界ではとある平和機構のリーダーでな。
数多くの紛争を、話し合いで解決してきた。この程度の修羅場など、大したことはない」
嘘だ。あたしを納得させるために、嘘をついている。大体この人、どう考えてもそんな柄じゃない。
「だから……私を、信じろ」
そんな臭い台詞は、正直苦手だ。なんていうか、思いっきり死亡フラグだし、それ。
どうしてこの人は、死を覚悟して、そうやって笑えるんだろう。
「今回も、無事に説得して……お前の所に連れて行ってやる」
自分も、戦いの中でもバカばっかりやって……真意を押し殺してたっけ。
それと同じ?それとも……?
「おぉぉぉぉぉっ!!」
クォヴレーの絶叫と共に、爆煙の向こうからブライガーが駆けてくる。
肩のブライカノンを放り出し、その左手には剣が握られている。ブライソードだ。
ブライカノンの発射が難しいと判断して、接近戦でとどめを刺すつもりなのか。
もう、猶予はなかった。接近を許してしまえば、今度こそ逃げる術はなくなる。
ミオにもまた、覚悟を決める時が来た。
「最後に言っておく。これは私のミスだ。お前が責任を感じることはない」
ビームを撃ち続けながら、マジンカイザーは肩からカイザーブレードを抜く。
「それでも、自分を許せんというなら……
最後まで、諦めるな。希望を捨てず、絶望に抗い続けろ」
ヴィンデルの言葉に、ミオはアストラナガンを頷かせた。
そして、彼女もまた叫び返す。
「わかった。……だから、ヴィンデルさんも!」
「……無論だ。約束は、守る」
ミオの続きを待たず、ヴィンデルは彼女が言おうとしていたであろうことを、自らの言葉に乗せ被せた。
迫り来るブライガー。そこに向けて、マジンカイザーは光子力ビームを地に走らせる。
光はブライガーの進行を妨げるように大地を切り裂いた。
「ちぃっ!!」
噴き上がった土砂が壁を作り、クォヴレーの視界は再び奪われ、ブライガーは足を止めた。
「今だ!行けッ!!」
ヴィンデルが叫んだと同時に、アストラナガンもまた飛び立った。
一直線に北へと向けて、戦場から離脱していく。
振り返ることは、しなかった。
24 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:29:20 ID:UBtEDl38
* * * * * * * * * * *
(そうだ……それでいい、ミオ・サスガ)
アストラナガンの飛び去る姿を見届けて、ヴィンデルはすぐにブライガーへと向き直る。
(あとは、彼女の離脱する時間を稼ぐ……ッ!)
全身を走る痛みに顔を歪める。デビルガンダム戦で受けた傷が、疼いた。
ブライカノンの砲撃からアストラナガンを庇った際の衝撃で、全身の傷口が開き始めていた。
それを振り払うかのように、ヴィンデルは操縦桿を強く握り締める。
満身創痍のアストラナガンと翼を失ったマジンカイザーでは、ブライガーからは逃げ切れない。
だから、ヴィンデルは自分が盾となることを選んだ。ミオを確実に逃がすために。
あれだけ大音量で叫んでいては、既にユーゼスにもミオの生存がばれたと見ていいだろう。
もっとも、それを悠長に気にしていられる状況ではなかったのも事実だが。
しかしばれたことを差し引いても、彼女の重要性に変わりはない。
彼女はこのバトル・ロワイアル破壊のための『鍵』であり、打倒ユーゼスのための『希望』なのだ。
ならば、それを守るために命を賭けるだけだ。アクセルやマシュマー達が、そうしたように。
これは、命の取捨選択。闘争の渦中においては、さして珍しいことでもない。
その天秤に、自分自身がかけられただけの話。闘争の世界を望んだ時から、そんな覚悟くらいはできていた。
――はずだったのだが。
ふと、ヴィンデルの心が痛んだ。
最後に見えた、ミオの表情は――
爆煙の中から、赤い影が飛び出してきた。
影の進路上に、ヴィンデルはマジンカイザーを割り込ませる。
「貴様ぁぁ!」
ブライガーは躊躇なくブライソードで斬りかかった。
寸でのところで、それをカイザーブレードが受け止める。
二本の剣がぶつかり合い、火花が散る。その衝撃は、互いのコックピットにも直接伝わってきた。
「ぐっ……!」
ヴィンデルが呻く。
機体の体格差とブライガー自身の勢いが、マジンカイザーをじわじわと後ろに追い詰めていく。
「待て……戦うつもりはない、こちらの話を聞いてくれ!!」
「今さら何を!!命乞いなど聞いてたまるか!!」
力任せに薙ぎ払われるブライソードで、カイザーブレードが弾かれ、宙に舞う。
それと共に、マジンカイザーもバランスを崩した。
「ぐ……頼む、聞いてくれ!私達は、お前にアストラナガンを……」
「煩い!!デビルガンダムの手先が!!」
ブライソードが一閃する。次の瞬間には、魔神の右手は斬り落とされていた。
斬られた部分からオイルが血のように噴出し、地面に落ちた右手に降りかかった。
「殺人鬼の一味が!!ユーゼスの犬がっ!!」
再度一閃。それを避けるべく、マジンカイザーが後ろにステップを踏む。
だが完全にはかわしきれず、左胸の放熱板が斬り飛ばされた。
「リュウセイの!ジョシュアの!皆の……仇がぁぁっ!!」
狂ったように吠え散らしながら、クォヴレーはブライガーを攻め立てる。
(くっ、無理もないか。けん制とはいえ、あれだけ攻撃を加えた後ではな)
ミオを逃がすために取った行動は、クォヴレーの怒りをさらに煽ることとなっていた。
無論、ヴィンデル自身もそうなることも覚悟はしていた。
(当然の結果か。……だが、それを差し引いても……)
滅茶苦茶だ。クォヴレーの叫びを聞きながら、ヴィンデルはそう感じた。
クォヴレーの理屈は、支離滅裂を極めていた。いや、もはや理屈など意味を持たないのだろう。
目の前の人間が仲間を殺した。今の彼にとっては、それだけで十分なのだ。
(やはり……同じだ。あの時の私や、マシュマーと……!)
25 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:30:08 ID:UBtEDl38
B−3でのマシュマーとの戦いの記憶を――その時の自分達の感情を思い返す。
自分もマシュマーも、完全に怒りと憎しみに取り込まれ、ただ互いを殺すことだけを考えていた。
今のクォヴレーは、その時の自分達と同じなのだ。
自分自身の憎悪に振り回され、周りが見えなくなってしまっている。
このままでは遅かれ早かれ、クォヴレーは取り返しのつかない過ちを犯すだろう。
自分達と同じように。だが、それだけはあってはならない。
ここで彼の過ちを許すことは、希望が完全に絶たれることを意味するのだ。
先程取り落としたカイザーブレードを、左手で拾い上げる。
だがその際に生じた隙を、ブライガーは見逃さない。
耳元から発射されたブラスターが、マジンカイザーの装甲を掠めていく。
「ぐぅぅっ!」
「リュウセイを、ジョシュアを……セレーナを、エルマを、リョウトを……
そしてトウマを、ガルドを……あいつらを殺しておきながら……」
声が震えている。怒りか、それとも……泣いているのか。
「今さら、ただですむと思うなぁぁぁっ!!!」
乱射する。感情に任せて、ブラスターを撃ちまくる。
それが直撃こそしなかったが、その攻撃はマジンカイザーの逃げ場を確実に潰していた。
標的から外れた光線は周囲の草木を焼き尽くし、瞬く間に炎が包みこむ。
「誤解だ!私もあの子も、お前の仲間を殺してはいない」
「信用できないと言ったはずだ!!」
間合いを詰められ、再度接近戦に移行するのに時間はかからなかった。
ブライソードが振るわれる。闇雲に、力任せに、滅茶苦茶に。
それをカイザーブレードで捌きながら、ヴィンデルは防戦を続けるしかなかった。
「頼む、話だけでも聞いてくれ!これでは……ユーゼスの思う壺だッ!!」
「ユーゼスの手先の貴様が、言えたことか!!」
会話は交わることなく、ひたすら平行線を辿り続ける。
(どうする……?)
ヴィンデルは考えた。クォヴレーを止める方法を。
(どうすればいい……?)
だが、そもそも全くの初対面である彼の怒りを諌める術など、最初からありはしなかった。
(……平和機構のリーダーか。全く、出鱈目にも程がある)
ミオを納得させるためについた嘘に、苦笑が漏れる。
平和を否定してきた人間が、今さら何を言うのか。
「お前達のような人殺しに、貸す耳は持ち合わせていないッ!!」
(そうだな。確かに、私は人殺しだ。それも、最悪のな……だが)
振り下ろされたブライソードが宙を切り、そのまま地面に思い切り叩きつけられた。
その僅かな隙を縫って、マジンカイザーはバックステップで間合いを取る。
「……お前と争う気はない」
「ほざけ!!」
「ならば……それを証明できれば、話を聞いてくれるか」
ヴィンデルは何かを決意したように、クォヴレーに問いかけた。
もう、自分の言葉では彼には届かない。ならば――態度で示すまで。
どの道、これではやられるのは時間の問題だ。ならば、一か八かの賭けに出る。
……どこぞのベーオウルフとて、こんな馬鹿げた賭けにはまず乗るまいが。
「何が証明だ!!これ以上お前の戯言になど……」
ヴィンデルの言葉を無視してブライガーが飛び掛ろうとした、その時。
ガラン、と地面に激しい金属音が響いた。
皇帝の刃がその手から落ち、地面に転がった。
26 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:31:14 ID:UBtEDl38
「な、に……?」
ヴィンデルの信じ難い、まず正気とは思えないその行動に、流石のクォヴレーも面食らう。
ブライガーの攻撃の手も、止まった。
「なんの……つもりだ」
「何ということはない。今の私には……こうすることでしか潔白を証明できなかった」
カイザーブレードを手放したマジンカイザーは、構えを解き、手を広げた。
無抵抗……のつもりだろうか。
「これが、敵意のない証明と……私の誠意の、つもりだ」
誠意――柄にもない己の言動に呆れつつも、ヴィンデルは続ける。
「……これから、機体からも降りる。
だから、もう一度言う。我々は戦うつもりはない。
今一度、我々と……あの子との話し合いの場を設けてほしい」
それは確かに、馬鹿げたほどに裏表のないストレートな、彼なりの誠意だった。
DC戦争を戦い抜いて、異星人との戦争を戦い抜いて、連邦軍を相手にクーデターを起こして。
そんな戦いしか知らぬような彼には、クォヴレーを鎮める手段は他に思いつかなかった。
「な、に、を……」
ブライガーの攻撃の手が止まる。迷っているのだろうか。
せめて、少しでも怒りが和らいでくれれば、ヴィンデルとしては御の字ではあった……のだが。
「ふ……ざけるなぁぁっ!!!」
クォヴレーの怒号が轟いた。
ヴィンデルの行動を受け入れるには、彼は憎悪に染まりすぎていた。
「お前にその気はなくとも、俺にはある!!
リュウセイやジョシュア達を殺したお前達を、そんなことで許すと思っているのか!!!」
ヴィンデルの説得を振り切るかのように、クォヴレーはその誠意を斬って捨てる。
「ッ!!クォヴ――」
ヴィンデルが叫び返そうとした時には、ブライガーは動き出していた。
「がっ――!?」
パイルダー内部を激しい衝撃が襲う。
ブライソードが、マジンカイザーのボディを斬り裂いていた。
右肩から左腹部にかけて、大きな傷が刻み付けられる。
傷口からはオイルが激しく噴出し、返り血となってブライガーを濡らした。
(ぐっ――)
マジンカイザーに態勢を立て直す余地を与えることなく、即座に二撃目が加えられた。
横薙ぎに振るわれたブライソードが、マジンカイザーの腹を抉る。驚くほど呆気なく、超合金が砕けた。
「ぐ……ぅぅぅっ!!」
再度襲う衝撃。ヴィンデルは飛びかける意識をかろうじて保つものの、それだけが精一杯だった。
そして、三撃目が振るわれる。その動きに、一切の容赦はなかった。
それに対処できるような余力は、マジンカイザーにも、ヴィンデル自身にも残ってはいなかった。
「あの世で詫び続けろ!!お前達が殺した、全ての者達にな!!!」
怒り。憎しみ。悲しみ。嘆き。恨み。憤り。絶望。そして持ち得る殺意の全てを込めて。
人間の持つ全ての負の感情が凝縮されたかと思えるような一撃が、振り下ろされた。
ふと、思い返す。
B−3で、マシュマーと戦っていたあの時。
アクセルを殺し、ミオを殺そうとしていた(と思い込んでいた)マシュマーが、
今の自分と同じことをして……自分は、それを受け入れられただろうか?
……。
(見当違いの偽善、か。慣れぬ真似は、するものではない……な)
視界が反転し、赤く染まり、最後に黒一色になった。
全身から猛烈な勢いで血を噴出し、魔神皇帝は崩れ落ちた。
大量の返り血をその身に浴びながら、ブライガーはそれを見届けていた。
27 :
代理投下:2007/11/04(日) 20:32:33 ID:UBtEDl38
(ミオが逃げるだけの時間は……稼げたか)
電波障害は収まり、レーダーは正常に作動している。
その範囲内に、アストラナガンの反応はなかった。戦闘空域から離脱できたようだ。
ひとまずは安心する。ただ、レーダーを凝視する自分の目の焦点は、どうやっても合わなかった。
機体がかろうじて大破にまで至らなかったのは、超合金ニューZαの為せる業か。
あるいは、クォヴレーの中で生じた僅かな迷いが――と考えるのは、些か楽観的だろうか。
だが、機体は大破を免れても、搭乗者へのダメージは深刻なものだった。
ヴィンデルの着ている服は、いつの間にか真っ赤に染まってしまっていた。
服だけではない。彼が座っているシートも、自らの血で赤く染め上げられている。
全身の傷口は、完全に開いていた。このまま放っておいても、失血死は免れない。
(やせ我慢も……ここまでのようだな……)
自らの限界を悟り、ヴィンデルは無念の表情を浮かべた。
(まったく……私は、何をしているのだ……)
いかに説得のためとはいえ、何故あのような行動に出てしまったのか。
無意識のうちに、つまらない奇跡などを期待してしまったのだろうか。
(クォヴレーのことは言えん……私も、狂っているのかもしれんな)
皮肉を含めたような、自嘲に満ちた笑みを浮かべる。
そう、この世界は狂っていた。いつの間にか、取り巻く環境の全てがおかしくなっていた。
死ぬべきではない人間が次々と命を落とし、勇者は闇へと堕ちていく。
目の前の、戦いを止めるための抑止力となりえる男は、憎悪に囚われ壊れた。
永遠の闘争を望み、理想としていたはずの男は、今は反吐が出るほど青臭い綺麗事を謳っている。
滑稽だ。実に滑稽だ。皮肉というには、あまりにタチが悪い。
(ふ、ふふ……どこで狂ったのか……何故、こんなことになったのだろう、な……?)
気付けば、視線は傍らに向いていた。
そこには、いくつもの丸い玩具ロボットが、機能を停止させ転がっている。
(そうだ……こいつらだ。こいつらのせいで、私はつまらぬ夢を見てしまった)
そう、この忌々しい玩具どもが起こしてきた奇跡が、自分を変えてしまった。
(最初にこいつらに出会ってから、全てがおかしくなり始めた……)
――「はぁ……はぁ……な、何故だ……何故私がこのような目に……」
『ホ゛ウヤタ゛カラサ』『エコ゛タ゛ヨ、ソレハ!』『シュウセイシテヤルー!』
「だぁっ! やかましいわっ、おのれらっ!」
『ミエルッ!!』『ソコカァッ!!』『オチロッ!!』
「ぐはぁっ!?」
――『ウルサイソ゛、ウ゛ィンテ゛ル!!』
「あっ! す、すんません、すんません!
静かにしてますから、どうか……どうか、修正だけはっ……!!」
――『アタマヲカカエテ、ト゛ウシタ?』
「ああ…お前らみたいな変な奴らと一緒じゃ頭も抱えるよ…」
『ナニカイッタカ、ウ゛ィンテ゛ル!』
「あ…す、すいません!!許してください…ホント口がちょっと滑っただけで…」
(……)
これが死の間際の走馬灯現象という奴なら、もっとマシな光景を見たかった……などと思う。
最初にジャスティスのコックピットで出会って。
そこから先は、ろくな目に会わなかった。ひたすら虐げられては、涙を濡らす時間が続いた。
(本当に……ろくな目に会っていない)
ヴィンデルの顔に何故だか笑みが零れ、目から涙が流れ出た。
忌まわしい記憶だったはずのあの時間が、今となっては懐かしく思えた。
出会ってから、たった二日しか経っていないというのに。
ヴィンデルにはそれが何年も昔の出来事のように思えた。
(どこまでも……馬鹿げているな)
友情が芽生えて、デビルガンダムと戦って……この二日間の記憶が、脳裏を駆け巡る。
そんなことを回想するのは、自分の命が尽きようとしている証拠でもあった。
28 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:07:27 ID:4BWKv14F
(ここまで、か……どうにもならないのか……)
身体が動かない。目の焦点も合わず、視界に霞がかかってくる。
死が間近まで迫っている現実を、ヴィンデルは否が応にも感じさせられていた。
視界が、意識が、真っ白になっていく。
階段を、一段、また一段と降りていく。その度に、全身の痛みが消え、楽になっていく。
その真っ白な世界の中に、今までに出会ってきた人々の姿が映し出された。
アクセル。レモン。自分の理想についてきてくれた部下達に、W17を初めとするWシリーズまで。
それから、この世界で出会った者達。
マシュマー。タシロ。副長。さらに、アキト、ルリ、イサム、マサキまでも。
ひとつひとつ、瞼の奥に映し出され――消えていった。
そして――
最後に、自分が守ろうとした、少女の顔が浮かんだ。
また、心が痛んだ。
結局、約束を一つも守れず、力尽きるのか――
今はそれが、心残りだった。
別れ際に、最後に見えたミオの表情が、もう一度浮かんだ。
ああ、そうか。
あの子は泣いていたのだ。こんな自分のために――
29 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:08:59 ID:4BWKv14F
* * * * * * * * * * *
――本当にこれで、よかったのか?
地に伏せ、動かなくなった魔神を見下ろしながら、クォヴレーは自らに問いかけた。
それは彼の中に、新たな迷いが生まれた瞬間でもあった。
(!? 俺は何を考えて……)
場に静寂が戻った。張り詰めていた緊張感も消えた。
気がつけば、頭痛もいつの間にか治まっていた。アストラナガンが離れたせいだろうか。
それに伴い、思考も次第に落ち着きを取り戻しつつあった。
本来の冷静さが戻りつつあった彼は、自らの行動と思考に疑問を抱く。
完全に、頭に血を上らせていた。今の行動は、あまりにも短絡的過ぎたのではないか?
(……違う。奴らは敵だ。倒すべき仇……何を迷う必要がある!?)
汗を拭いながら、自分に言い聞かせる。汗と共に、迷いも拭い去るかのように。
だが一度生まれた迷いは、思考の片隅に確実にこびり付いた。
(くっ、冷静になれ……甘さを見せて、油断して、それで出し抜かれて……
もうこれ以上何かを失うのは御免だ。これ以上、仲間を――)
そこまで考えて、クォヴレーの顔色が急激に青ざめていく。
「お……俺は……何、を……!?」
忘れていた。完全に頭から吹き飛んでいたのだ。
あれほど固執し、守ろうと誓っていたはずの、残された仲間――イキマの存在が。
「俺は……俺は何をしているんだッ!?」
半ばパニックに陥りながら、声を裏返らせて叫ぶ。戻りつつあった冷静さなど瞬時に吹き飛んだ。
「こんなことを……こんなことをしている場合ではない!!」
倒れた魔神に背を向け、ブライガーはバーニアを噴き上がらせる。
「くそっ……」
既にアストラナガンのことなど頭の片隅に追いやられていた。
一刻も早く、イキマを追わなければ――それだけが、彼の頭の中を塗り潰していた。
急がなければ。あのマサキのこと、必ずイキマを殺そうとするに違いない。
いや、イキマと共にいるラミアだって、いつ牙を剥くかわかったものではない。
「くそ……っ!!!」
一度最悪の可能性を考えれば、思考は一気に下層まで転がり落ちていく。
殺される。イキマが。唯一の仲間が、残された最後の仲間が。
そうはさせない。それだけは、なんとしても止めなければ――
イキマ達を追うべく、いざ飛び立とうとした――その時。
不意に、背後から何かを感じ取り、ブライガーは踏み出そうとした足を止めた。
「!?」
振り返り、その先にあるものを見て――クォヴレーの表情は凍りついた。
「なん……だと……!?」
先程までと違って、その声からは憎悪の色が幾分薄れ始めていた。
その代わりに怯えが含まれ始めたことに、彼は気付いているだろうか。
「生きていた、のか……お前は……!」
マジンカイザーが、再び動き始めていた。
傷ついた左腕を支えに、立ち上がろうと足掻いている。
それは、ヴィンデル・マウザーがまだ生きている証だった。
30 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:10:28 ID:4BWKv14F
「すまんな……まだ……死ねん……」
返ってきたヴィンデルの声は、動揺を顕にするクォヴレーのそれとは対照的だった。
「せめて……お前の、誤解、を……解いて、から……」
「ふ……ざけ、るな……!人殺しが、何を……」
「お前が、私を……どう思おうと、構わん。
だが……頼む。あの子の話を……聞いてやって……くれ……」
喉の奥から、今にも消えそうな声を無理して捻り出しているのがわかる。
途切れ途切れになりながらも、そこには強い意志が込められていた。
(何なんだ……!?)
クォヴレーの中に生まれた迷いは、再び膨らみ始める。
一体何が、この男をそうまでさせているのか。
「何なんだ……お前は……!?」
思わず、疑問が口に出ていた。
「お前は一体、何をそんなに……!?」
「約束を……一つも守れないのでは……大の大人として、問題が、ある」
「何を……言っている……?」
「それに……少女一人、泣かせたまま死ぬというのも……まずかろう。
……これが、な」
かつて友がやっていたような口調で、彼は言った。
クォヴレーは感情から憎悪が幾分薄れ、僅かとはいえ理性も戻っていた。
それ故に、先程までの精神状態なら一蹴したであろうヴィンデルの態度に、さらなる動揺を見せる。
彼の中の迷いが膨らみ始めた。
それは彼が自らの誤解を受け入れ、真実を認識するための最後のチャンスだったのかもしれない。
(く……聞くな!これ以上聞いてはいけない……!!)
しかし、クォヴレーはそのチャンスを自ら払いのけた。
(こいつらは皆の仇だ。真に受ければ……また俺は躊躇い……
また、守れなくなる……!!)
過ちを、ヴィンデルを認めるには、彼はあまりにも迷いすぎていた。
「黙れ……俺を惑わそうとしても、無駄だ!!」
彼は自分の数少ない過去の、二日間の記憶から、穿り返す。
自分の正当性を、攻撃のための口実を、捻り出す。
「そうか……自己再生の時間を稼ぐつもりだな!!
剣鉄也のように!!お前もDG細胞とやらを使って!!そうだろう!!」
自分に言い聞かせるのように叫びながら、クォヴレーはブラスターを撃つ。
発射された破壊光線は、マジンカイザーの左腕をいとも簡単に吹き飛ばした。
支えを失い、マジンカイザーの身体が地面に崩れ落ちる。
「クォヴ……レー……」
「黙れ!!黙れ黙れ黙れぇっ!!悪魔がッ!!俺を惑わすなぁぁぁぁ!!」
ブラスターを乱射する。見境なく、滅茶苦茶に。撃って撃って、撃ちまくる。
そのうちの一発がマジンカイザーの腹を貫き、大きな穴を開けた。
蓄積したダメージにより、超合金ニューZαの装甲も本来の硬度を保てなくなっていた。
クォヴレーは容赦なく壊していく。自らの手で、何かに追い立てられるかのように。
魔神を。そして自分自身の心をも。
31 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:13:21 ID:4BWKv14F
* * * * * * * * * * *
パイルダーに衝撃が伝わり、激しい揺れが襲う。
痛みはない。既に全身の感覚は失われていた。
もう、目も見えない。聞こえてくる周囲の爆音も、パイルダー内に響く警告音も、
外から聞こえてくるクォヴレーの狂ったような怒声も、次第に小さくなっていく。
クォヴレーに呼びかけようとして――もう声も出ないことに気付いた。
意識が、何もかもが消えていく。
それでも、彼の心は足掻き続けた。
どれだけ死を突きつけられようと、絶望に包まれようと、彼は決して心だけは折らなかった。
今までと、同じように。
異星人との戦いで、どれだけ苦しい戦いを強いられても。
そうまでして守った世界に、裏切られたとしても。
自分達の信じた世界が、腐り、狂っていく様を目の当たりにしても。
彼は決して、絶望に屈することをしなかった。
自らの信念のもとに、絶望に抗い続けた。
例えそれが人の道を外れた、愚かな理想でも。
彼はその先に光があると信じて、どこまでも走り続けた。
今回も、同じだ。
最後の最後まで意志を曲げず、彼は貫き通す。
ミオという希望を守るため……いや、彼の願いは厳密には少し違った。
――死ぬな。
それはミオに向けた、ヴィンデルの純粋な願いだった。
打倒ユーゼスも、希望の光も、そんなものは二の次だ。
ただ、生き延びてほしい。
マシュマーと同じように、ヴィンデルはただそれだけを願い、戦い続けた。
見えているか、お前達。
お前達に頼らずとも、私は立ち上がってみせる。
自分自身の力で……奇跡を起こしてみせる。
熱き拳を握り、魔神は立ち上がる。少女の正義のため、全てを賭けて。
「何……!?」
マジンカイザーのシンクロシステムは、操縦者の意志に反応し無限の力を引き出すことができる。
ヴィンデルの意志に反応するかのように、胸の赤い宝玉が輝き始めた。
「何なんだ……お前は……!?」
得体の知れない迫力に、ブライガーは思わず後ずさった。
満身創痍ながら、確固たる意志を持ち、それを貫き続けるヴィンデルの、マジンカイザーの姿は、
真実を見失い迷い続けるクォヴレーにとっては、恐怖の対象となっていた。
魔神の咆哮が轟く。
胸の宝玉が、輝きを増していく。
そこに敢然と刻み込まれた「Z」の文字。
それは紛れもなくヴィンデル・マウザーという人間の意志の象徴。
そして、彼の交わした約束――
マシュマーやアクセルが、誰かのために命を賭けたように。
ヴィンデルもまた、たった一人の少女のために、その命を燃やした。
32 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:15:30 ID:4BWKv14F
輝く「Z」の文字は、やがて――
胸の光と共に、消えた。
同時に、瞳からも光が失われ、機体全身から力が抜けた。
力を失ったマジンカイザーは、前のめりに倒れこんだ。
そして、魔神は二度と動かなくなった。
* * * * * * * * * * *
今度こそ、完全に静寂が訪れた。
今度こそ、魔神は完全に動かなくなった。
今度こそ――終わった。
ブライガーのすぐ足元で、死した魔神が倒れている。
それを見下ろすクォヴレーの顔に、先程までの憎悪の色はない。
ただ、迷いだけが彼の頭の中を渦巻いていた。
その場に蔓延する後味の悪い空気は、ひたすら彼の迷いを促した。
迷って、迷って、迷って迷って迷って迷って、迷い抜いて。
迷いすぎた心は、遂には耐え切れず悲鳴を上げ始めた。
本当に、彼らは敵だったのか。
(そうだ。こいつは、こいつらは敵だ。リュウセイやジョシュア達の、仇だ)
本当に、そうか?彼らは、最後までそれを否定していたが?
(そんなもの、俺を陥れるための罠に決まっている。マサキやシロッコと同じように)
だったら何故、彼は武器を捨てた?最後の最後まで説得を続けていた?
(それは……デビルガンダムのためだ、あいつらは俺を取り込むつもりだった)
彼らがいつ、そんなことを口にした?いや、そもそも……
お前はあれを、アストラナガンと言っていた機体を、本当にデビルガンダムだと思っているのか?
(……煩い)
剣鉄也の前に現れた触手と、あのアストラナガンが、お前には本当に同じ存在に見えるのか?
(煩い……!)
お前は、本当は認めたくなかっただけではないのか?そして、今も――
「煩い……煩いッ!!!」
感極まって、ブライソードを振り上げる。
まるで、何かから逃げ出すかのように。
33 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:16:51 ID:4BWKv14F
その振り上げた剣で、何をする?
(決まっている!!完全にとどめを刺さなければ、こいつはすぐに蘇る!!)
再生できなくなるほど完全に破壊すれば――言い訳が立つからか?
仮に再生しなかったとしても、デビルガンダムと無関係だったとしても――
「ッ……黙れ!黙れぇぇぇっ!!」
剣は、力の限り振り下ろされた。
マジンカイザーの頭部――パイルダーを目掛けて。
ヴィンデルがいるはずの、その箇所を目掛けて。
何度も何度も、叩きつける。
原形が完全に失われても、叩くのをやめない。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
それから、どれだけの時間が流れただろうか。
何度剣を振り上げ、振り下ろしただろうか――
虚しい音を立てながら、ブライソードは手から地面へと滑り落ちた。
肩で息をしながら、クォヴレーは目の前の光景を呆然と眺める。
ブライガーの足元には――
頭部を滅茶苦茶に叩き潰された、マジンカイザーの無惨な姿があった。
何度も何度も剣で叩きつけられた、ぐちゃぐちゃの頭。
ほんの少し前に、クォヴレーはこれと同じようなものを見たような気がした。
そう……
ちょうど、レイズナーの中で死んでいたガルドの死体の頭が、こんな感じだった。
そう感じた瞬間、クォヴレーは胃の中の物を激しく嘔吐した。
汚物が、コックピット内に派手に撒き散らされる。
嫌悪感に耐えられず、髪の毛を掻き毟った。
落ち着け。こいつは敵だ。皆の仇だ。死んで当然の殺人鬼だ。
だが、もし本当に違っていたら?
彼が、本気で話し合うつもりだったなら?
俺は――木原マサキと同じことをしたのか。
違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う――!!
俺はあいつとは違う。あの悪魔と同じであるはずがない。あってたまるものか。
……本当に、違うのか?
34 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:18:18 ID:4BWKv14F
それに、『本当の俺』は、違うと言い切れるのか?
ヴィンデルは、あの少女は、俺がアストラナガンの操縦者だと言った。
俺が?アストラナガンの?デビルガンダムの?
あの剣鉄也のような殺人鬼を扇動した、悪魔の主だというのか?
なら、悪魔の機体に乗って、記憶を失う前の俺は、何をしていた?
俺は誰だ?俺は何者だ?俺は、俺こそが悪魔の手先なのか?
違う、そんなはずはない。そんなはずは……
俺は悪魔なんかじゃない。そうだろう?
目を閉じる。瞼の奥に、人の影が映った。
影は仲間達の姿へと形を変えていく。いや、クォヴレーの無意識が仲間達の姿を形作っていく。
まるで、仲間に縋りつくかのように。
トウマ、リュウセイ、ジョシュア、セレーナ、エルマ、リョウト……
もう二度と会えない仲間達。だが、彼らの表情は皆曇っていた。
――何故?
どうしてみんな、そんな悲しげな目で俺を見る?
続いて、イングラムの姿が映し出された。
何かを訴えかけようとしている。だが、何を言おうとしているかは聞こえない。
何を言っているんだ?お前は俺の、何なんだ?
そして最後に、紫の髪の少年と、銀髪の少女の姿が映った。
誰だ、お前達は?彼ら二人の表情も、ひどく悲しげだった。
彼らもまた、自分に何かを伝えようと口を動かしている。でも、やはり声は聞こえなかった。
そんな二人の姿を見て、何か大切なことを忘れている気がした。トウマ達と同じくらい、大切な何かを。
それを深く考えようとすると、また頭が痛み出し、それを妨げる。
お前達は何だ?どうしてそんな目で俺を見る?
やめろ、やめてくれ。俺を見るな、アラド、ゼオラ――!!
もう、何もわからない。
何が正しくて、何が間違っているのか。
自分自身も。自分を取り巻く、全ての環境も。
この世の全てが、信じられなくなっていく。
いや、一つだけ確かなことがある。
……行かなければ。
ブライソードを拾い上げた。
ブライカノンを、肩に担ぎ直した。
トロニウムエンジンを、今となってはセレーナの形見となったそれを拾い上げた。
随分と、時間を費やした。
もしも、間に合わなかったら。あいつの身に、何かあれば……?
いや、そんなことはさせない。させてたまるか――!!
一瞬生まれた悪い予感を慌てて振り払い、ブライガーが飛び立つ。
急がなければ。イキマを、助けなければ。
今の自分に残された、唯一の絆を、かけがえのない仲間を。
もう絶対に失わない。失ってはならない。なんとしても、俺の手で守らなければ――
35 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:19:38 ID:4BWKv14F
この少年の姿を見て、彼がクォヴレー・ゴードンであると納得できる人間が、果たして
どれだけいるだろうか?数多くの敵を相手に戦い抜いてきたクォヴレーの勇姿を知る者ならば、
このあまりにも無様な姿は、失望に値することだろう。
だが、彼が記憶を失ったこと、拠り所とする仲間を一度に失ったこと……それらを考えれば、
已む無しと言えなくもない。加えて、シロッコへの不信から始まる一連の疑惑の数々は、
不安定な彼の心を狂わせるには十分すぎた。
疑心暗鬼に囚われ、真実を見失い、迷い続ける哀れな少年。
それはもはや、クォヴレー・ゴードンの姿ではなかった。
いや、あるいはクォヴレーという人間など、最初からこのゲームには参加していなかったのかもしれない。
ここにあるのは、クォヴレーでもアイン・パルシェムでもない、全く別の人格。
記憶を失ったことにより生まれた新たな人格が、彼の中に生まれていたのだ。
かつてのイングラムが、アクセルが、記憶を失ったことで新たな可能性を生み出したように。
そして何より、クォヴレー自身がそうした経緯で形成された人格であったように。
ただ、この二日間で不安定なまま育ったその人格は、ここに来て好ましくない形に形成されてしまった。
それだけが、決定的な違いだった。
ここにいるのは、クォヴレー・ゴードンではない。
正義を見失い、憎悪に身を委ね、そして罪から逃げることで己の脆い心を補完しようとする、
ただの欠陥品のパルシェムであり、弱い少年でしかなかった。
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:錯乱状態。極度の疑心暗鬼。精神崩壊寸前。全てに対する重度の迷い。
これ以上の仲間喪失に対する恐怖。正常な判断能力の喪失?
記憶に混乱が。さらに、記憶を取り戻すことに対し恐怖。
機体状況:右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルの血塗れ。
現在位置:G-6
第一行動方針:イキマを追う。彼を絶対に死なせない。
第二行動指針:マーダーの全滅。仲間の復讐。
第三行動方針:なんとか記憶を……しかし……?
最終行動方針:ユーゼス、及び生存中のマーダーの全滅。これ以上、仲間を絶対に失わせない。
備考:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと9時間前後
ディス・アストラナガンと接触することにより、失われた記憶に影響が……?
シロッコは死亡したと誤認。マサキ、ラミア、ミオを敵視。
ディス・アストラナガンをデビルガンダム(または同質の存在)だと思っている
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識】
【レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
パイロット状態:なし
現在位置:E−5
機体状態:大破】
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:悲しみ。強い決意。首輪なし。ディス・レヴから伝わる負の波動に嫌悪感
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中
現在位置:E-4
第一行動方針:一旦、E-4の自分の目覚めた場所まで撤退。
第二行動方針:対主催のために動く(クォヴレー説得・空間操作装置破壊など)
第三行動方針:戦力を結集する
最終行動方針:ユーゼスの打倒
備考:ヴィンデルから自分がDGに取り込まれた後の一連のあらましを聞きました。
ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
ラミアに関する情報、マサキの危険性を認識しました】
36 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:21:23 ID:4BWKv14F
* * * * * * * * * * *
「……行ったか」
飛び去ったブライガーを見届けて、シロッコはエステバリスの影から姿を現した。
(クォヴレー・ゴードン……彼もここまでのようだな)
内心で冷たい評価を下す。既にシロッコは彼を見限っていた。
レイズナーの放った二発のカーフミサイルが爆発し、閃光が周囲を包み込んだ直後。
その場にいる、シロッコ以外の人物の視界が奪われた隙を突いて、
シロッコは単身、レイズナーのコックピットから脱出した。
比較的小柄なレイズナーがしゃがみ込んだ体勢にあり、降りる際に手間がかからなかったのは幸運だった。
さらに地面が柔らかかったこともあり、差しあたって大きな怪我もなく、彼は脱出に成功した。
シロッコが脱出した後、レイズナーは自動操縦へと切り替わる。
事前にシロッコが組み込んでいたプログラムに従い、レイズナーはヴィンデル達のいた方向へ、
即ち……この場において最も注目を惹くであろう、喧騒の真っ只中へと走った。
それによりクォヴレーの、そしてヴィンデル達二人の注意は完全にレイズナーのほうに向くこととなる。
その隙を縫って、後はほとぼりが冷めるまで身を隠す……という寸法だ。
レイズナーが破壊されたことで、中にいるシロッコも死んだ……そう判断されるだろう。
あとはC−3での戦闘と同じで、『死んだフリ』を決め込むだけである。
(何にせよ、生き延びることはできた。運がよかったというべきか……)
一か八かの、分の悪い賭けだった。助かる保証はどこにもなかった。
脱出した後も、戦闘に巻き込まれる可能性は十分にあり、事実肝を冷やしたものだった。
だがいつ撃たれてもおかしくなかったあの状況、他に有効な選択肢もなかったこともまた事実。
結果的にクォヴレーの狂気をさらに煽り立てることになった。それについては彼自身も思うところが
ないわけでもなかったが、あの様子では遅かれ早かれ彼は狂っていたと判断し、早々に見切りをつけた。
しかし、シロッコは生還に安堵することなく、表情を渋らせた。
(いや……何が幸運なものか。あれだけの醜態を晒しておきながら……!)
グランゾンを奪われ出し抜かれた挙句、単純なミスを犯して不必要な窮地に陥った。
彼らしからぬ無様な失態に、己の気の緩みを自覚せずにはいられなかった。
エステバリスのコックピットシートに座ったシロッコは、溜息を一つつき、起動作業に取り掛かる。
グランゾンが奪われた今、この場に残された機体はこのエステバリスのみ。
戦力的には不安が大きいが、今はこれに乗り込むしかないだろう。
(さて、これからどうしたものか)
シロッコは今後の行動について検討する。
(あの黒い機体……ディス・アストラナガンなどと口走っていたな)
シロッコは、北へと飛び去っていったアストラナガンに興味を抱いていた。
クォヴレーはデビルガンダムとか言って敵視していたが、シロッコには、あれに自分達の知るガンダム
――MSと同じ技術が使用されているとは到底思えなかった。
ましてや、狂乱状態にあったクォヴレーの一方的な決め付けが、どこまで信用できたものか。
(あれのパイロット、声の調子から幼い少女か。だが、理性はそれなりに保っていたようだが。
駒とするには頼りないが、話し合いの余地はあるか……?)
そうしているうちに、エステバリスが起動する。特に問題なく動くようだ。
一息ついて、シロッコは傍らにある自分の所有物に目を向けた。
今、自分の手元に残っているのは、首輪の解析装置と、最高級の紅茶の葉が一袋。
(解析装置は……もう少し調べる必要があるかもしれんな)
彼は木原マサキが装置に罠を仕掛けている可能性を警戒していた。
少し弄った限りではそんな形跡は見られなかったが、万が一のこともある。
念を押しておくに越したことはない。
(もっとも……首輪を外した所で、ユーゼスを出し抜くための決定打にはなりえんだろうがな)
首輪を外したはずのマサキの名は、放送で呼ばれなかった。
つまり、ユーゼスの支配下からは逃れるには、首輪の解除だけでは意味はない、ということだろう。
(まだ、ユーゼスの思惑の内、ということか。さて……)
37 :
代理投下:2007/11/04(日) 21:22:53 ID:4BWKv14F
改めて現在の状況を振り返り、整理する。
あのヴィンデルという男が死亡したことにより、残り人数は自分を除けば6人となった。
その内、クォヴレー・ゴードンは精神崩壊寸前。木原マサキは残虐な殺人者。
ラミア・ラヴレスは主催者の犬で、その動きには未だ不審なものが残る。
それから、対主催に属するイキマに、先程のアストラナガンに乗る少女。
そしてあとの一人は――
(……マイ・コバヤシか)
先程の放送で、彼女の名は呼ばれなかった。そして、リュウセイの名が読み上げられた――
つまりは、そういうことだ。リュウセイの死は予想の範囲内だったが、
彼らの戦いがどういった結末を迎えたか、想像に難くはない。
(……絶望的、だな)
シロッコがそうした感想を抱くのは至極当然のことではあった。
現状で、対主催として真っ当に機能しそうな者は、自分以外には僅か二人を残すのみ。
しかもイキマは、死地の真っ只中。危険人物二人を前に、どこまで持たせられるか。
アストラナガンも戦闘できる状態ではなく、パイロットも年端も行かぬ少女だ。
未知の技術を保有するユーゼスに対抗するには、これではあまりにも無謀すぎる。
(……不本意だが、優勝も視野に入れる必要があるかもしれん)
そう考え始めるのは、極めて自然な流れだった。
もっとも……グランゾンやラーゼフォン、ブライガーをまともに相手にするには、
今乗っているエステバリスでは太刀打ちはできない。
優勝を狙うにしても、今まで以上に上手く立ち回る必要があるだろう。
(……とにかく、今はあのアストラナガンの少女と接触を図るとするか)
シロッコは、ミオの口走っていた言葉に興味を抱いていた。
『戦いを止められる』と。何らかの確信を持って、言っていたように思えた。
(全ての方針を決定するのは、彼女の話を聞いてからでも遅くはあるまい)
シロッコはアストラナガンの飛び去った方向へと、エステバリスを飛び立たせた。
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:エステバリス・C(劇場版ナデシコ)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)
機体状況:エネルギー消費(中) 駆動系に磨り減り。左腕欠損
現在位置:E−5
第1行動方針:ディス・アストラナガンと接触
第2行動方針:首輪の解析及び解除
第3行動方針:脱出を目指す。できなければ臨機応変に動く
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。ただし、場合によっては優勝も視野に。
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶を試したい(ただしもう気は緩めない)。
備考:首輪を1つと、首輪の解析装置を所持。 ラミアに疑念。マサキ、マイを危険視。
リュウセイのメモを入手。反逆の牙共通思考の情報を知っています。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
38 :
それも名無しだ:2007/11/04(日) 23:22:55 ID:UBtEDl38
ヴィンデル・マウザー。
彼はかつて、闘争を日常とする世界を理想とした。
それは結果として正しいとは到底言い難い、愚かな理想ではあった。
だが、それもまた世界の腐敗を憂い、変えようとしたが故の理想であったこともまた事実。
もしも――
彼がもっと明確な、守るべきものの存在を見出していたなら。
彼がもっと早くそれを見つけられていたなら。
ヴィンデル・マウザーは、違う道を選ぶことができたのだろうか?
もっとも、今となってはそんな考察も無意味でしかない。
魔神の死骸に、乾いた風が吹き付ける。
轟々と鳴り響く風の音が、このあまりに無意味な戦いの終わりを、虚しく告げていた。
【ヴィンデル・マウザー 搭乗機体:マジンカイザー(α仕様)
パイロット状況:死亡
機体状況:大破・頭部完全破壊(自己修復不能)】
【三日目 6:45】
39 :
それも名無しだ:2007/11/04(日) 23:25:42 ID:UBtEDl38
>>15の36行目
便座的にガンダムと呼んでいたに過ぎない。
↓
便宜的にガンダムと呼んでいたに過ぎない。
に訂正
40 :
それも名無しだ:2007/11/04(日) 23:27:39 ID:UBtEDl38
代理投下完了
41 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 02:31:30 ID:QWyAKrHO
闘鬼転生の中にはマシンファーザーやボスボロット、ネッサーもいたんだろうなあ…
二体のバルキリーはフォッカー&柿崎とイサム&ガルドのどっちかな
42 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 05:45:51 ID:hQkUfeMJ
親友として存在しながらついに出会うことが出来なかった二人が死んだ後で協力しているというのが
俺的に凄くいいのでイサム&ガルドを押したい。
43 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 10:58:17 ID:LF+ytUd1
柿崎だったら撃墜されてそうと思うのは俺だけ?
44 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 13:32:13 ID:nWYiFkJq
柿崎「へへっ、見せしめの俺にもやっと出番がうわああああああああああああ!」
一同『柿崎ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?』
こうですか?わかりません!
45 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 15:11:20 ID:lyZ6P++s
ヘルモーズ ラミア フォルカ
E-4 イキマ ミオ
E-5シロッコ
D-6 ユーゼス
G-6 久保
不明 マサキ
今はこんな感じか?
46 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 15:40:15 ID:lyZ6P++s
って見て思ったけど、久保、イキマたちが向かった場所と見当違いの方向へ走ってないかw
D-6(MAP左下)方面に向かったイキマたちを追いかけてG-6(MAP右下)方面にダッシュってwww
最新話で、Dー6の近くにいるっぽいことは言われてたけど
47 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 17:36:39 ID:KXliL4BV
>>46 たぶんE-5の誤記。
243話の時点で久保の現在位置がG-6になっていたのをそのまま放置してしまったんだろう。
48 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 18:53:30 ID:VsoNIyi5
しかしフォルカを何に乗せるか&フォルカがラミア説得できるかがそのまま死活問題に直結するな
結構今はバラけてるから書けるパート広がってるが
◆「死亡者編」(残り7名、「限られた永遠の中で」まで)
・『死亡者名(搭乗機)/殺害者名(搭乗機)』キャラ辞典より抜粋&コメント
・アラド・バランガ(ガンダムエピオン)/アムロ(サザビー)
ゼロシステムでファンネルを切り払うもビームトマホークでコックピットを攻撃され死亡する。
ゼオラがアラド依存症なせいで、死んだ後の方が名前が良く出てくる。
・アルマナ・ティクヴァー (VF-1Aバルキリー)/ウルベ(グルンガスト)
戦う意思は無く、この戦いを止めようとしていた。ウルベの攻撃により出血多量で死亡。
イキマを善人属性に導いた立役者。遺体は最終的にトウマとクォヴレーが埋葬した。
・一色 真(シズラー黒)/フェルナンド(ズワウス)
ズワウスにダメージを与える事が出来ずに機体は真っ二つ、彼はバラバラの肉片となってしまう。
なお、彼は最後までミサイルの雨でズワウスを倒していたと思い込んでいた。
・柿崎 速雄(なし)/ユーゼス(??)
オープニングで登場、ユーゼスに野次を飛ばしていたら目をつけられて見せしめにされる。
なおフォッカーは彼の仇討ちを真剣に考えてくれている。「柿崎ぃぃぃぃぃっ!」
・カツ・コバヤシ(ビッグモス)/ゼオラ(ゼオライマー)
アムロを探すため奔走していたが、ゼオラの不意打ちを受け死亡する。
・シュウ・シラカワ(ファイヤーバルキリー)/マサキ(強化型レイズナー)
一瞬の油断を突かれ木原マサキ乗るレイズナーのVーMAXに機体ごとバラバラにされる。
ファイヤーバルキリーを支給されたが、最期まで歌うことはなかった。
・ジャック・キング(ウォーカーギャリア)/セレーナ(アーバレスト)
優勝すべく動き出すが、同じくマーダーとなったセレーナにコクピットを潰され死亡する。
・テンザン・ナカジマ (ヴァルシオン改)/リョウト(ウイングゼロカスタム)
ゲームを楽しむべく、近くにいたアラドやリョウトを追い詰めるが、ゼロシステムを発動させた
リョウトに返り討ちに会う。
・B・D(ボン太君スーツ)/ベターマン・ラミア(ザーメ・ザウ)
元々の自機を発見し、運が向いてきたかと思いきや、ラミアの変身したベターマン・フォルテに惨殺。
首の飛ぶグロい死に様を晒したが、彼の残した首輪は後に重要な鍵となってゆく。
・フェルナンド・アルバーグ(ズワウス)/ゼンガー(サーバイン)
フォルカを探し、狂気に包まれたままハイパー化してゼンガーに襲い掛かったが、返り討ちに。
・三輪防人(EVA初号機)/東方不敗(零影)
アキト(νガンダム)をボロボロにするも取り逃がし、アスカ(ダイモス)との交戦では
ケーブルを切られ逃走する。その後、東方不敗の超級覇王電影弾によって爆発!!!する。
・ラージ・モントーヤ(ヒュッケバインMk-V・L)/リオ(デスサイズヘルカスタム)
リョウトな為にマーダー化したリオに、ビームシーザスでコクピットごと蒸発させられる。
なおリオに強奪されたトロニウムは現在セレーナが所持。
<<第一回目の放送で上記12名の死亡が伝達>>
・ハイネル(ヤマタノオロチ)/アムロ(サザビー)
ギレンと手を組むが、その後アムロの襲撃を受け、ファンネルによる内部からの攻撃により死亡。
・司馬宙(ベミドバン)/アムロ(サザビー)
ギレンに仲間に引きずり込まれるが、ハイネルの攻撃で隙が出来たところへ、アムロに襲撃され
サザビーの攻撃がコックピットへ直撃し死亡する。
・バラン・ドバン(獅子王争覇グランドガンダム)/東方不敗(零影)
アルマナの死を知り、不甲斐ない自分も死のうと東方不敗に決闘を挑む。
東方不敗も全てを察し、石破天驚拳をもって笑みを浮かべながらアルマナの元へ逝く。
最期までDG細胞に取り込まれなかったところは、流石バルマー屈指の武人であろう。
・バグ・ニューマン(ボール)/ヴィンデル(ジャスティスガンダム)
ブライガーとワルキューレを奪おうとするが見事に撒かれてしまう。
その後、ジャスティスにプチッと潰されこのロワ屈指の間抜けな死に方をする。
・ハマーン・カーン(アッガイ)/ヤザン(竜王機)
ヤザンに機体ごと噛み千切られ死亡した。
彼女の幼馴染が戦いはMS性能で決まる物では…、と言っていたが、実際はやっぱり重要なものだ。
・ハチロー(ジャイアントロボ)/ヤザン(竜王機)
奇襲して来たヤザンに燃やされ死亡。
ネタキャラとしての参戦のようだったが、ロワの無常さを表す良い例になってしまった。
・ゼンガー・ゾンボルト(サーバイン)/ラッセル(マジンカイザー)
フェルナンドを気合でオーラソードを斬艦刀とし倒すも気絶。発狂したラッセルに襲われる
シンジのピンチに目覚め、ファイアーブラスターを防ぐが機体が耐えられず爆発、死亡する。
・ラッセル・バーグマン(マジンカイザー)/シンジ(大雷凰)
目の前でゼンガーを死なされ、殺意を持ったシンジにカイザーパイルダーを踏み砕かれ死亡する。
原型がないほど発狂していたが、それはそれで個性となった。魔神皇帝は現在ヴィンデルが搭乗。
・アキト(νガンダム)/アムロ(サザビー)
序盤に三輪長官のエヴァにボロボロにされ逃走してしまう。襲撃してきたアムロのファンネルで
コックピットを攻撃され死亡。ニュータイプでない為、ファンネルは使えなかった。
・ルリ(スカイグラスパー)/マサキ(強化型レイズナー)
アキトを殺され悲しみにくれている中、本性を表したマサキに首輪を入手のために首を絞められ
死んでしまう。遺体はマサキによって頭部を切断されてしまった。
・ボス(ダイターン3)/ヤザン(竜王機)
空中にて鉄也共々襲撃され、鉄也が落下した為、孤軍奮闘するも終盤にEN切れを起こし倒される。
戦線復帰が遅れた鉄也に恨み言一つ言わず、希望を託し死亡した。
・ラウ・ル・クルーゼ(ディスアストラナガン)/セレーナ(アーバレスト)
ヤザンと遭遇し、互角の戦いを見せるが、身体を維持する薬の禁断症状で戦闘から離脱。その後、
セレーナとの戦闘、ディスレヴに取り込まれ力を引き出し始めるも、ラムダドライバによって倒される。
<<第二回目放送に上記12名の死亡が伝達>>
・ギレン・ザビ(RX-7ナウシカ・フライングユニット装備)/リョウト(ウイングゼロ)
自分を警戒する副長を墜落しに見せかけて始末したつもりが、懐柔しようとしていたリョウトに
あっさり見抜かれバスターライフルで撃ち殺される。葛藤していたリョウトを自分で後押しした形となった。
・ラトゥーニ・スゥボータ(V2アサルトバスターガンダム)/ゼオラ(セオライマー)
メイオウ攻撃からリョウトを守り損傷した所をキラに攻撃され半壊し墜落。瀕死の走馬灯状態の中、
駆けつけたゼオラに抱き起こされトドメを刺された。直接描写は少ないが、かなりスプラッタ状態。
ゼオラが持ってたのは流石にヤバ過ぎ。その後、遺体はシロッコが埋葬したようだ。ナムナム。
・相良宗介(ブリッツガンダム)
竜王機に殴り飛ばされたウルベが死亡したと誤認、代わりにグルンガストに搭乗しようとした瞬間
ペナルティが発動、首輪が爆発して死亡してしまう。歴戦の傭兵であったが、ガンダムファイターという
戦場の常識を逸脱した存在によって判断ミスを犯すという皮肉な結果となった。
・ウルベ・イシカワ(グルンガスト)/ヤザン(竜王機)
芝居を打とうとコクピットを離れたところを竜王機に殴り飛ばされるも超人的な身体能力で復活。
なんと生身で竜王機と渡り合うが、最終的には倒れたグルンガストの下敷きとなってあえなく死亡。
・ハヤミブンタ(ドッゴーラ)/アムロ(サザビー)
奇襲を仕掛けてきたアムロに対し果敢に応戦。ミオを安全な場所に逃がすことに成功する。
その後も奮戦するが一歩及ばず、コクピットをビームに射抜かれて死亡した。
・アムロ・レイ(サザビー)/ミオ(ボスボロット)
ブンタのドッゴーラと交戦、これを撃破するも、ミオの存在に気付いておらずボロットパンチで潰される。
ニュータイプの能力に頼りすぎたのが仇になるという形となった。
・プレシア・ゼノサキス(グランゾン)/木原マサキ(強化型レイズナー)
チーフとルリの治療に入った病院で、マサキによって塩素ガスの充満した集中治療室に閉じ込められる。
最期は兄の名を呼びながら、苦悶の果てに酸鼻極まる死を遂げた。合掌。
・ゼオラ・シュバイツァー(ゼオライマー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
戦闘中に突如乱入してきたガイキングのハイドロブレイザーが三発連続で直撃し、爆散。
最期の瞬間まで、彼女が自らの内の狂気から解き放たれることは無かった。
・キラ・ヤマト(ゴッドガンダム)/剣鉄也(ガイキング後期型)
乱入してきた鉄也のガイキングに頭部を握り潰され、腹部を破壊されて死亡した。
かつてキラは混乱から鉄也に攻撃を仕掛けたが、それがこのような結末に繋がるとは皮肉である。
・イングラム・プリスケン(メガデウス・ビッグオー)
ラミア・ラヴレスとの交戦において致命傷を負い、最後の力を振り絞ってファイナルステージを発動。
ヘルモーズに一撃を放つも通じず、首輪を爆破され、まだ見ぬ勇者達に希望を託して壮絶に散る。
しかし彼の遺志は、同じ思いを抱く参加者達によって確実に受け継がれる事となる――
・イッシー・ハッター(アフォームド・ザ・ハッター)/剣鉄也(ガイキング後期型)
火車カッターで竜馬を襲うガイキングに限界速度での突撃を敢行、自らの身を案じることもせずに散っていった。
彼のVコンバーターはチーフが引き継ぎ、テムジン747Jとなって戦場を駆ける。
・流竜馬(ダイテツジン)
戦闘中にゲッター線の介入を受け、永遠の闘争の世界であるゲッター宇宙へ飛ばされてしまう。
この時周囲に撒き散らされたゲッター線が、ロワ全体の流れを大きく変えていく。
・リオ・メイロン(ガンダムデスサイズヘルカスタム)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デスサイズが爆散した際にコクピットから投げ出されて全身を強打、見るも無残な姿となってしまう。
最終的に遺体はリュウセイの核攻撃により消滅。
<<第三回目放送に上記13名の死亡が伝達>>
・アクセル・アルマー(クロスボーンガンダムX1)/マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
絶体絶命の窮地に追い込まれたヴィンデルの前に割って入り、身代わりとなって死亡。
最期に彼の頭をよぎったのは、このゲームでの初めての仲間、テンカワ・アキトの姿だった。
・碇シンジ(大雷凰)
正気を失ったアスカに全否定され暴走、神雷によりダイモスを破壊する。
アスカ殺害直後にシステムLIOHの反動により死亡。
・イサム・ダイソン(ドラグナー3型)/木原マサキ(強化型レイズナー)
マサキを守るべくヤザンと交戦中、突如背後から撃たれ死亡。
最期までマサキの身を案じていた。撃ったのがそのマサキ本人であることを知ることもなく。
・ガルド・ゴア・ボーマン(エステバリスC)/木原マサキ(強化型レイズナー)
イサムの仇であるマサキを確保し、睡眠中の隙を狙いマサキの殺害を試みる。
圧倒的な体格差を武器にマサキを圧倒するも、首輪の爆発に巻き込まれ死亡。
・司馬遷次郎(スカーレットモビル)
基地内部で首輪の解析を行っていたが、解析装置の中に仕組まれた罠が発動し、彼の人格部分は機能停止してしまう。
残ったボディの内部の解析装置は、現在マサキが利用しようと画策中。
・ジョシュア・ラドクリフ(ガンダム試作2号機)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
オートガード機能の発動したジャイアントロボの全弾発射によって命を落とす。
なお、遺された核はリュウセイの手によって『天上天下一撃必殺砲』の名の下に発射された。
・惣流・アスカ・ラングレー(ダイモス)/碇シンジ(大雷鳳)
原作後半の精神不安定状態であり、シンジを抹殺しようとする。
ついにシンジを発見。攻撃を仕掛けるも、暴走大雷鳳により優しさと夢の源へ帰ってしまう。
・セレーナ・レシタール(アーバレスト)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
指示に反抗しようとするリョウトを説得するも攻撃を受ける。
そしてジャイアントロボの攻撃で虫の息になっているところを同時運用のルール確認の実験台にさせられ死亡。
・タシロ・タツミ(ヒュッケバインmk-3ガンナー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デビルガンダムを止めるためにヴィンデルとマシュマーついていく。
最後は鉄也乗るガイキングに自爆攻撃を仕掛け、副長と共に散る。
・チーフ(テムジン747J)/リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)
リオの死を聞き暴走するリョウトを追うが、彼の暴走を止める事は出来なかった。
その後、GRの自爆からリュウセイ達を救うために疾走。核の輝きの中に散っていった。
・剣鉄也(ガイキング後期型)/マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
ロワ勝利のためデビルガンダムを利用しようとする。そしてデビルガンダムを止めんとするマシュマー達と戦闘。
マシュマーの放ったアイン・ソフ・オウルにより消滅する。
・東方不敗マスターアジア/トウマ・カノウ(ワルキューレ)
アルジャーノンに取り込まれ、生身で大暴走。魂を燃やし尽くし、完全な殺意の塊となる。
そんな彼に最後のとどめを刺したのは、ベーゴマとバイクの爆発だった。
・トウマ・カノウ(ワルキューレ)
基地へ単独先行したばっかりに、死にかけ寸前の暴走師匠と遭遇するハメに。
闘志を振り絞って撃退するも、その際の爆発に巻き込まれ死亡。
・ヒイロ・ユイ(M9ガーンズバック)/碇シンジ(大雷鳳)
基地内部でワームホールによって飛ばされていたダイモスと接触、交戦しつつ地上へ誘き出す。
その後大雷鳳に攻撃を仕掛けるダイモスに銃撃を浴びせるも、逆に錯乱したシンジによって機体ごと潰されてしまった。
・副長(AMガンナー)/剣鉄也(ガイキング後期型)
デビルガンダムを止めるためにヴィンデルとマシュマーについていく。
最後は鉄也乗るガイキングに自爆攻撃を仕掛け、タシロ艦長と共に散る。
・ベターマン・ラミア(機体なし)
デビルガンダムに地球単位の危険を察知。
闘いを切り上げ現場に急行するが、案の定取り込まれてしまう。
・マシュマー・セロ(ディス・アストラナガン)
ヴィンデル達の力を借りてDGからミオを救出する。
その後、生きていた鉄也の攻撃によりダメージを負うも、アイン・ソフ・オウルにより鉄也を倒し『月』に穴を開ける。
マシュマー自身は一輪のバラの花を残し消滅。
・ヤザン・ゲーブル(アルテリオン)/東方不敗マスターアジア
ガルドと東方不敗に戦闘を仕掛け、東方不敗の零影を撃破。
しかし、生身の東方不敗の超級覇王電影弾を受け、アルテリオンと共に散る。
・リュウセイ・ダテ(メガデウス・ビッグオー)
激戦の末、ついにマイをユーゼスの呪縛から救い出した。
そしてビッグオーと共に、静かに眠りにつく。
・リョウト・ヒカワ(ジャイアントロボ)/−(BIG−O)
リュウセイの発射した核でリオの遺体を失い、完全に暴走。
補給ポイントでマイを攻撃するも、アーバレストに乗り換えたリュウセイに破れ、GRの自爆もチーフに阻止される。
執念でBIG−Oに乗り込んだものの、BIG−Oに拒絶されコードに潰される。
・ロイ・フォッカー(アルテリオン)/ヤザン・ケーブル(無し)
誰もいないはずの解析室からの声を受信、司馬遷次郎だと思い急行する。
しかし、それはヤザンのトラップだった。鉄パイプで頭を強打され死亡。
<<第四回放送に上記21名(+ミオ・サスガ)の死亡が伝達>>
・ヴィンデル・マウザー(マジンカイザー)/クォヴレー・ゴードン(ブライガー)
ミオと共にクォヴレー、シロッコと接触。だが仲間の死を聞き錯乱したクォヴレーと戦闘に。
最後までクォヴレーの説得を続けたが、遂に力尽き死亡。
・マイ・コバヤシ(R-1)
突如現れたユーゼスの駆るジュデッカと戦闘に。限界を超えた念動力でジュデッカのシステムを破壊する。
残骸の世界にてフォルカの身体を繋ぎ止め消滅する。だが、彼女の力はフォルカと共にあり続ける。
<<第四回放送より後、更に2名が死亡。計60名(残り7名、「限りある永遠の中で」まで)
『生存者編』(「限りある永遠の中で」まで)
●(最新エピソード時の場所:時刻)
・『生存者名(★は殺害数、◎は所持している首輪の数):搭乗機:タイプ分け』備考&一口コメント
●主催者(08:30 D-6 アースクレイドル内部)
このゲームを引き起こす男。しかし彼もまた、追い詰められ始めていた。
・ユーゼス・ゴッツォ(ヘルモーズ)主催者
意地でもゼストを完成させるべく、ゲームを通じて負の感情を集め続ける。
野望はひとつ。神をも超えた、ウルトラマンとなるために。
●欠陥品のパルシェム(06:45 G-6)
記憶を無くし、仲間を失い……もはや彼はクォヴレーでもアインでもない、欠陥品のパルシェム。
・クォヴレー・ゴードン★(ブライガー)対マーダー、協力暴走型
ディス・アストラナガンと共に、ゲーム破壊の鍵を握る。が、仲間の死と疑心により彼の精神は崩壊寸前。
ただ一人残った仲間イキマのために、他の全ての人間を殺そうと考える。
●ミオ(06:45 E-4)
ヴィンデルの犠牲を無駄には出来ない。たった一人の少女の戦いは続く。
・ミオ・サスガ(首輪なし)★(ディス・アストラナガン)自衛協力型
ゲッター線との接触で全てを知り、さらに首輪の呪縛から解き放たれた。
クォヴレーの説得、空間操作装置の破壊を目指し行動中。
●コーヒー(06:45 E-5)
既に本筋から取り残されつつある「死んだフリ」キャラ。だが、それゆえに伏兵となりうる存在。
・パプテマス・シロッコ◎(エステバリス・C)策士型
死んだフリ・いないフリに長けた策略家にして強力なコーヒー・紅茶愛好家。立ちションすらも思いのまま。
死んだフリにてクォヴレーをやり過ごす。対主催戦力の激減により、優勝も視野に入れ行動中。
果たして『ユウキ・ジェグナン厳選・最高級紅茶』を賞味するための優雅な時間は取れるのか?
首輪解析装置という重要なアイテムの持ち主でもある。
●冥王(08:30 ???)
ついに首輪を解除。冥王計画はここから始まる。
・木原マサキ(首輪無し)★★★★★★◎◎◎(グランゾン)策士型
天上天下唯我独尊。全てを嘲笑しつつ利用する稀代のステルスマーダー。
遂に首輪の取り外しに成功。グランゾンのブラックボックスを利用し、ユーゼスの殺害を目論む。
●ジョーカー(08:30 ヘルモーズ内部)
ユーゼスの人形たるジョーカーにしてゲームを引っ掻き回すトリックスター。
・ラミア・ラヴレス(首輪無し)(ラーゼフォン)煽動型
機体もパイロットも一線級だが、自分で手は下さずに他のプレイヤーを煽動する。
人数も減ってきた今、彼女はどう動くのか。
●イキマ(08:30 ???)
・イキマ(グルンガスト)自衛協力型
他の参加者達に感化されて善人化絶賛進行中の邪魔大王国幹部。
司馬博士が死に、自分達以外の仲間も死んだ今、彼は……?
ジュデッカとの戦闘を終え、ゲームの終了を確信。
●フォルカ(08:30 ヘルモーズ内部)
ジュデッカとの戦闘、ゾフィーとの邂逅を果たし修羅として真の力を発揮する。
・フォルカ・アルバーグ(首輪無し)(搭乗機体無し)自衛協力型
争いの無い世界を望む若き修羅王。その実力は折り紙付き。
ユーゼスの目的を知り、争いを止めるためにゾフィーの力を得てヘルモーズ内部へ。
<<生存者7名(「限られた永遠の中で」まで) >>
55 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 19:07:03 ID:12maE26z
というわけでラヴレス先生投下しました。
もしかしたら所々ミスがあるかもしれないので、見つけたときには報告お願いします。
……生存者が1レスに収まってしまうことにちょっと感慨を覚えたり。
56 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 19:57:41 ID:rqHVoomE
>>49-55 ラヴレス先生乙!つかコーヒーふいたーw
上で指摘があったように、久保の現在位置はE-5(243話時点ではD-6付近)、
イキマはE-4でいいんじゃないか?
それと新作2つもそうだが、バルシェムがパルシェムになってるよな?
モニタ上だと見間違いやすいのかたまに混同されてるのを見るが
DWでも発音はバルシェムだった筈
あと失礼ながら248話でいくつか誤字ハケーンしたのでついでに報告
wiki版だと行数多くて数えにくいのでスレ番号準拠
・前スレ
>>955 23行目/思ったよい→思ったより(?)
・同
>>974 下から7行目/ユーゼ巣→ユーゼス
57 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 21:20:41 ID:QWyAKrHO
>>48 ゾフィーの力が使えそうでフォルカが望んでそうな機体となるとかなり限られるな
バイカンフーや凰牙あたりかな?
58 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 21:23:41 ID:rqHVoomE
ラヴレス先生もう1点
死亡者だったんで見過ごしてたがガルドの死因が改訂前バージョンのになってるね
今後の展開にはあまり関連してこないかもしれんが一応
指摘された部分を修正しました
>>35の状態欄をこっちに差し替えといてください
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:錯乱状態。極度の疑心暗鬼。精神崩壊寸前。全てに対する重度の迷い。
これ以上の仲間喪失に対する恐怖。正常な判断能力の喪失?
記憶に混乱が。さらに、記憶を取り戻すことに対し恐怖。
機体状況:右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルの血塗れ。EN中消費。
現在位置:E-5南西(D-6方面に移動中)
第一行動方針:イキマを追う。彼を絶対に死なせない。
第二行動指針:マーダーの全滅。仲間の復讐。
第三行動方針:なんとか記憶を……しかし……?
最終行動方針:ユーゼス、及び生存中のマーダーの全滅。これ以上、仲間を絶対に失わせない。
備考:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと9時間前後
トロニウムエンジン所持。
ディス・アストラナガンと接触することにより、失われた記憶に影響が……?
マサキ、ラミア、シロッコ、ミオを敵視。シロッコは死亡したと誤認。
ディス・アストラナガンをデビルガンダム(または同質の存在)だと思っている
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識】
【レイズナー/強化型(蒼き流星レイズナー)
パイロット状態:なし
現在位置:E−5
機体状態:大破】
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:悲しみ。強い決意。首輪なし。ディス・レヴから伝わる負の波動に嫌悪感
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中
現在位置:E-5北端(北上中)
第一行動方針:一旦、E-4の自分の目覚めた場所まで撤退。
第二行動方針:対主催のために動く(クォヴレー説得・空間操作装置破壊など)
第三行動方針:戦力を結集する
最終行動方針:ユーゼスの打倒
備考:ヴィンデルから自分がDGに取り込まれた後の一連のあらましを聞きました。
ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
ラミアに関する情報を入手(ただしスパイであることは知らない)
マサキの危険性を認識、また死亡したと誤認】
60 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 22:02:16 ID:yyOrE289
>>57 操縦者の動きがトレースされる機体が良いんだろか
凰牙にインストールされるゾフィー兄さんを想像してしまったのも私だ
61 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 23:43:11 ID:e7gppZ/X
格闘向きで動きをトレースする機体を列挙してみるか
・バイカンフー
・ギア戦士
・
・モビルファイター系
・ガンバスター
・ツヴァイザー/ソウル/アース/スーパーアースゲイン、ヴァイローズ
・修羅神
・故ダイモス
・雷鳳、故大雷鳳
・テックセッター!
・オーガンさん
(エヴァシリーズ?)
(剣撃用)ダイゼンガー、ヴァイサーガ、ヴァルシオーネ
思ったより思い付かない
62 :
それも名無しだ:2007/11/05(月) 23:50:05 ID:63iw5s8i
ジャンボーグAとか
エメラルド星人の贈り物だし
63 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 00:04:53 ID:y65cZ6uW
,r‐、 , -、
! ヽ / }
ヽ、 ,! -─‐- 、{ ノ
/。 。 r`'、´ <ハロハロ! オマエノAAナンテコレデジュウブンダ!
/ ,.-─- 、 ヽ、.ヽ
!/ ヽ、._, ニ|
. { ,' 名前:ヴィンデル・マウザー
ヽ /,ソ 愛称:史上最弱のラスボス ヘタレワカメ 邪龍鱗
. ヽ、.____r',/ 声優:ベラボーマン(PCエンジン版)
<登場作品:スーパーロボット大戦A>
描写から推定して、おそらく次元転移直後あたりから召喚されたようだ。
機体としては大当たりになるだろうジャスティスを引き当てるも、そこには悪夢の先客が。
無数のハロにフルボッコにされ、ネタキャラ街道まっしぐら。
ドサマギでバグを踏み潰しつつ、(注:この辺りの時間軸は少々いい加減)
ガンダムタッグを組み、そこそこの大所帯となっていたアクセルと見かけるも、かつての同士はアホセル化していた。
ジャスティスの性能を過信して攻撃を仕掛けるもののあっさり返り討ちにあい、アクセルの意向もあって捕虜になる。
しかしこの男、腐ってもラスボスであった。
ハロを使ってD−3のジャミングを掻い潜り、アクセルとの一騎打ちに持ち込む。
冥王の乱入などもあったが、ファトゥムとハロの一部を失いながらも脱出に成功。
その後も相変わらずハロにいたぶられ続けるものの、この辺りから少しずつ友情が芽生え始めていたようだ。
そして、暴走するマジンカイザーをジャスティスの自爆で抑えこみ、乗り換えた辺りから本格的に芸風(?)が変化し始めてくる。
交通事故に近い状況で、記憶を取り戻したアクセルとの戦いになり、さらに乱入してきたマシュマーとの戦いでアクセルが死んだことで本格的にシリアス化。
UG細胞を取り込んだハロがカイザースクランダーとなり、マシュマーの駆るディス・アストラナガンと死闘を繰り広げ、
アイン・ソフ・オウルとカイザーノヴァのエネルギーを喰らってデビルガンダムが降臨、何と言う超展開の連続。
タシロ艦長を交え、取り込まれたミオを救出するためにDGに挑み、多くの犠牲を払いながらこれに成功。
ゲッター線を通じてバトルロワイアルの真実を知ったミオを守ることを、亡き戦友であるマシュマーとアクセルに誓う。
その後、ディス・アストラナガンを本来の操者であるクォヴレーに届けようとするも、当のクォヴレーが仲間を喪って半狂乱になってしまっていた。
何とか説得しようと試みるも通じず、ミオとディス・アストラナガンを守るためにブライガーの前に立ちはだかる。
最後まで説得を続けたがクォヴレーには届かず、魔神皇帝とともに散る。
もともと原作での顔見せステージでの撃破、ワンターンキル、MAPW自爆などネタ満載で、
本ロワでも序盤はコメディ担当であったが、後半は主役級として物語の中核を担った。
ある意味、本ロワにおける良い意味での超展開を象徴的する人物と言えるかもしれない。
AAは……ま、本ロワにおける彼の原点ってことで。ヴィンちゃんだし。
64 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 00:16:39 ID:ItFm3AHV
>>61 故ボン太君もいれてくれ
魂が足りないので量産型ボン太君で闘鬼転生
ゾフィーの力で巨大化しユーゼスinゼスト(ターミナスエナジーを制御するためDFCスーツ着用)と激闘を……
「ふもっふっ!!!(シュワッチ!!!『真覇猛撃烈破!!!』)」
65 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 00:44:13 ID:y65cZ6uW
(AAが見つかりませんでした)
名前:マイ・コバヤシ(レビ・トーラー)
愛称:マイマイ 可憐美
声優:折笠愛
<登場作品;スーパーロボット大戦α>
どの時間軸からかははっきりしないが、ジュデッカから解放された後に、改めてユーゼスによってレビの人格を封入されて参加。
リュウセイの愛機であったR−1を支給され、リュウセイと合流すべくフラフラと移動していたところをフォルカと遭遇。
レビの意識によって混乱したまま攻撃を仕掛けるが、フォルカの決死の説得で落ち着きを取り戻す。
その後、何気なくレビ・トーラーと名乗ってフォルカと行動を共にすることに。
精神的に不安定な状況が続いていたため、基本的にフォルカに守られっぱなしであった。
しかし、流石のフォルカもDG相手では分が悪く、撤退。
なお、この際に彼女がひょんなことから拾ったアルジャーノンの実をDGが取り込んだことで、『進化』が促成される。
その後、レビの声に誘われて眠っているフォルカを殺そうとしてしまい、その場から逃げ出す。
行き場も無く彷徨っていたところを、壊れてしまったリョウトが見つけて一方的に攻撃を受ける。
その戦闘の中でリュウセイと再会するが、リョウトを退けた直後にレビの意識が覚醒してしまい、改めてリュウセイと戦闘に。
満身創痍のBIG−Oとリュウセイを圧倒するが、最終的に『天上天下鉄槌粉砕拳』によって、完全に解放。
なお、このときの描写から推測すると、彼女のR−1はスパロボスピリッツの仕様だったようである。
夢の中でリュウセイと別れを告げ、フォルカの『次元の拳』をアシストするために自身の念動力でジュデッカのシステムを掌握。
フォルカ、エルマ、そしてユーゼスとともに因果地平の彼方へと消滅。
その魂は、フォルカの拳と共にある。この世界で散った幾多の魂と共に。
余談ながら、彼女とずっと行動を共にしていたフォルカはC3ではリィナ、OGSではショウコと、何かと少女と縁があったりする。
この修羅、冥王とは別の意味でロリキラーなのかもしれない。
66 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 04:01:43 ID:zjjwcZBW
候補1
,__-‐ ァ__ー_ 、
/ -_‐ヽ'´ー- .` ヽ、
/ '/´ 、 _ `ヽ. i
/ / / / , ト ヽヽ \ ヽヽ
l/ / ! | l l ヽ ヽ ヽヽ ヽヽ
// イl l ! | l l ヽ ヽ l_ 〉´
l l! | l ! _L. レ'- `ー ,三、フl /
Ll _l,イ_,ィテォ ヘ辷タ`|リ
トヽ. ゞ‐' ,,, j |
`ヽl、 ''' ′, / l !
ll ト 、_  ̄ /1 ヽ
| ,ゝト-` T i-'/|ト 、 __
,.. イ ' V l// l ヽ
/ | ヽ ヽ _ ‐ ´l
rヽ、_j__ノ___ _ -、‐' ´ l
/ /ハ / lヽ,_、j-イ _.. -_二!
ヽー_-_ __ /.ハ l! ハ l_,. _‐.. イ l l/
l ll T ―- r ' l l | ‐ 1=三| | |
ヽ l != 三j l !l l ̄ / ! !
llヽヽ ヽ ||l / j l リ
lヽl. ヽ | ||l ! ! j l!
| !l l | ||l ! j ! !
候補2
〒 ←ジュデッカ?
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<`ヽ、! l !}
∠ -‐-、 レ'/-‐‐- 、
/ ̄ ̄` ´ -‐‐- 、`ヽ、
レ'´ ̄二ニ, _‐- 、 ヽ、ヽ、
`ム'´ ̄二フ / l`ヽ ヽ、ヽ、ヽ、ヽ
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,:'、 、'フ';ト、 く/ ! l } i l ヽ ヽ!
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ヽ、 / / /__」 | l l !
,..::'〃:::ヽ ∠ /)--' / ! l l ! i
,._'ヾ:://::::::::::j _____l_` ̄i | / l l__」__,. !-'7´
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,.'::::::::i//::::::::::::i'rレ' ´ニ二ゝ/'二=ニ二´ ̄:l:.:.l:.//l l
,':_;;;r‐y !===シレヽ i´/ニ//==‐-`ヾ=┼レ' / | l
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/ / 〉 __/ヽ/ / _,/-z'´ ムニ=i‐-、______.!......>く|:.:|:.:.:.:.:| l
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i } i 〃/ `ヽ く´ ̄ __ / ヽ レニヽ !......i.|....|..lヽヽ:.l l
ト、_ノ l |l { } |___/ >、___/ ヽ ト┴;....l..|....|..|...ヽ.\ !
ヾ-ヽ! ヾ! / / / / l`ヽ、/ /二)....l..|....|...l.......}.i....i
ヽ、 ヽヽ、__/// /_,. -‐'"ヾニ/oニ「`7┼┼┼ '´.l....l
\ `7ー‐r'‐‐' /__,. -‐'"´/〉oヽ |l `く´...|....|....|........|....l
`ヽ_ノ:.:.:.:.:l /_,.-‐ 、 /〈 〉〉ヾ 、 lヽ|.....|...l.........!....l
`ヽ:.:.:.\ `! }ニ! ヾ// / |..ヽ、l......|..|........l......l
\:.:.:.〉ヽ、ゝ、___ノ _ゝ ト/ 〈 !...l...|......|..l........l......l
\!ヽ、\ \'_,.二i ヽi....|..|.......l.|........|......l
∧/ \ ヽ___ト、 !...|..|........|!........|......l
ト、! /二 ̄ 「`ヽ、 i....|..|.........i.........l......l
iヾ! 〃 ` ̄`! ヽ`ト、!.|.........l.........l......l
i / iヽ、 ヽ!:.:.i:|ヽ.....l.........l......l
67 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 04:03:08 ID:zjjwcZBW
候補4
,. -==< ̄/⌒` ー- 、
/ ヽ/  ̄  ̄ヽ
/ ヽ
〈 / / ハ
レ ! / /ハ i }
ヽ、Lニシく ヽ ヽ _ リ l l リ
ヽ}Tヒヽ -ーァ=r-ト`` /_/ リ
| `┴ 'ゝニシ´/フノ /
人 ヽ_ / ∠/
' \´´ _,///
_,〉--‐ ' /シ {
,. '´ ̄ >マ// ̄ ̄{/
/ / ヽく_,... -ヽ-─- 、
/ r / _,. 7⌒ ヽ
{ レ ' { ',
} / l ソ } /)_
,' ' V´ /,ィf,ィヽ!
| ヽ / 〃 と-ニ}ィ7
fマ } / _,.-ニ/ ! T ,ィ'
/ \_{ レー'´ /! r' |
/ / ソト--- __ rfv ,.イ/ l \/
. 〈 ,イ ⌒〉リ くヒV l/ '´ ヽ /
〈V ⌒ヽ 〉〉 }}//f ヽ/
|/  ̄ ソ' i 〃 ∧! /!
/ / ヽ 〉〉 _,.くニー-ヽ_/ヒ!_ 〉
ll/ l l |!` ー---─ '" \ ll \ ハ\
/〈 l l | ヽll ヘ\ゝヽ
}イ! l l | 〃 ヽ ト、!\ \
Y | l l i ヾ / l ! ト- ゝ. 〉
! | ハ! ,.ト \ / l ! ヘ \!
| 〈 ! ソ´ ト \_ / 〉ヽ い 〉
|! /レ ,_} / / } /
ll // /、 ! / / l/ /
〈l V /ヽ lヽ). ,' /-⌒/ /
V iヽ'┴ヽヽ. ,' / / /
V! \!__,' ./ ヽl!
ヽ ヽ ト 、._ / ヾ
V `` ーァ'
! /
見つかったのだけ
ミニキャラ探したけど見つかんなかった…
68 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 04:13:27 ID:zjjwcZBW
候補5
'' ̄ ̄ 丶
l ハ_/ ^ハ_)
丶 リ ゚ -゚リ
___( フ⊃/ ̄ ̄ ̄/_
/ \ \/SRX-X/ \
.<\※ \__________\
丶\ ※ ※ ※ ※ ※ ※ヽ
\`ー─────────.丶
69 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 14:04:11 ID:8gFo6OtB
>>59 差し替え乙!
そしてキャラ図鑑の人、wiki更新の人も乙!
最新話の登場キャラ欄にしれっとゾフィーの名前が…w
70 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 14:57:31 ID:RtIWYo+V
まあゾフィーだし
71 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 18:11:57 ID:BhgkwnY7
かなりいまさらだけど、最新作のフォルカと一緒にいた魂の中の赤毛とウェーブってアクセルとヴィンデル?
72 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 18:14:17 ID:unpzhf3b
ところで誤字の報告ってした方がいいんだろうか。
しないならともかく、するんならどこですればいいんだ?
いや、wiki編集する勇気が無くて・・・。
73 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 20:18:16 ID:O5u1Cj7P
>>72 wikiいじってしちゃえばいいじゃないか、少なくとも俺は自分の作品直してもらえると助かる
74 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 20:27:36 ID:lHFFBWp6
>>72 とりあえずここで指摘して良いんじゃない?
wiki編集も難しいもんじゃないからチャレンジしてみていいと思うけどね。
失敗しても履歴から元に戻せるし。
75 :
それも名無しだ:2007/11/06(火) 22:23:49 ID:zbuxhfUi
>>73,
>>74 かたじけねぇ・・・かたじけねぇ・・・。
とりあえずチャレンジしてみる。
失敗したらごめん。
どうしても無理だったら言います(他人任せかよ)
76 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 20:19:30 ID:emvqngCa
wikiの全体マップの更新乙
そうか、もうたったこれだけしか残ってないんだよな……
あれって旧まとめのMAP画像を貼り付けることはできんのかな
77 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 22:24:34 ID:IqPbQLXi
マップ画像貼り付けられるんなら画像編集しようか?
wikiは使い方わかんないからそこは人任せになるけど
78 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 22:30:07 ID:/ICuJA37
wikiは管理人さんしかアップロード出来ない設定になってるみたい。
だからあんな感じの簡易地図しか作れてないんだよな……俺もwiki詳しくないからあのくらいのしか作れなかった。
管理人さんこれを見たら誰でもアップロード出来るように設定変えてくれませんか?
アップロードできるよう設定変更しました。
迷惑おかけして、すいませんでした。
80 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 22:53:37 ID:emvqngCa
管理人さんGJ!
ついでに要望するのも何だけど、右側の更新履歴って
本文の改行とかの問題で、いらなくない?
それとも今からじゃ直せないのかな
って何を図々しいこと言ってるんだ俺
81 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 23:01:38 ID:/ICuJA37
>>79 対応ありがとうございます!
とりあえず素のマップをあげてみました。
>>77さんに期待してもいいのかしら?
82 :
それも名無しだ:2007/11/07(水) 23:48:17 ID:IqPbQLXi
83 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 01:02:49 ID:S6mNFrSX
地図を見て気付いたのですが、確かラミアも首輪なしのはずでしたよね。
84 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 17:43:36 ID:d8TJ/x9Z
あ、イキマは???から変え忘れてるだけで、現在位置E-4です、今気づいたよすいません
85 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 17:50:50 ID:3WPqj7wn
86 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 17:56:08 ID:3WPqj7wn
88 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 18:17:51 ID:3WPqj7wn
>>87 失礼しました。地図のほう再度手直しさせていただきます。
wikiは使い方分からないのでどなたかよろしくお願いします。
89 :
それも名無しだ:2007/11/08(木) 18:58:54 ID:3WPqj7wn
90 :
それも名無しだ:2007/11/09(金) 22:31:42 ID:Rg94Blav
>>89 若干遅くなったけど地図GJです。
こうやって見ると本当少なくなったな……MAP上にいるの実質四人だしw
91 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 05:30:23 ID:Xpue1ktM
一人ぐらいうっかりもとの世界に帰っちゃって一抜けとか
そんな事態になったりしそうだなw
92 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 08:12:30 ID:e/bo4d3/
できそうなのフォルカかミオ(機体が)くらいじゃん
93 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 12:33:16 ID:j56cKCpI
意外と冥王がラ・ギアスに召喚されてたりして
94 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 13:39:10 ID:3nUambZj
予約Koneeeeeeeeeeeeee!!
イキマ、ミオ、シロッコ遭遇確定とか
ラミア、フォルカ遭遇確定とか
やっぱ会うのがもう確定してる面子が多いからか?
95 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 19:08:49 ID:GsxnEDwI
続けざまに2作も投下されたんだから
しばらく間が空いてもおかしくないさ
フォルカ用に外伝発売待ちってのもあるんじゃないか?
>>91-93 帰る世界も機体同様シャッフルです、とかだったら目も当てられない
96 :
それも名無しだ:2007/11/10(土) 19:21:41 ID:s8lnfsSD
>>91 竜馬がすでに連れ去られてるがたぶん元の世界じゃないだろうなあ……
97 :
それも名無しだ:2007/11/11(日) 10:03:30 ID:yN8MpCoh
竜馬はそのままロワ続けてた方が幸せだったとかそういう世界にいっちゃったんだろうなぁ……
ゲッター線ヤバイ、マジヤバイ。
98 :
それも名無しだ:2007/11/11(日) 20:55:56 ID:/jLBuG15
そろそろレスも落ち着いてきたようなので
ここらで保守も兼ねてキャラ語りを再開してみる
次はゼオラだっけ?
期待を裏切らなかったどころか、生首事件は完全に予想の斜め上だった
どこの世界の彼女か作中では明記されてないせいか意見が分かれるようだが
あの病的な依存っぷりを見るにOG2版のような気がせんでもない
99 :
それも名無しだ:2007/11/11(日) 21:54:34 ID:c+a/o/bs
序盤はどちらかというとサラマンダー臭かったんだが……シロッコ・キラと合流してからが凄かったな。
あとは主に北方で火種をばら撒いてた印象。
序盤で踏みつぶされたカツ涙目www
どうせカツだから生存しても……
もし死ななかったらディストラで死人バリアを張りながら大暴れするカツとか存在したのかな
それはない
カツ……二次のカミーユみたいに原作テイストを放出してたら……
うわぁすげぇウザキャラになりそうだぜこいつw
彼の機体がビッグモスだということを覚えているのは一体何人居ることやら。
ウザキャラだって空気よりはいいさ、原作再現だしw
まあ、あの機体で出てきた時点で生贄確定だからな。これで強機体に乗ってたら、「僕が一番うまくガンダムを(ry状態になってて面白かったかもな。
ゼオラはあれだ。ツンデレのジンクス以前に重度のアラド依存症だから、ロワ的にキャラが固定されすぎる。
弱い機体に乗せて、逃げ惑いながら徐々に壊れていくってのも面白そうだが、スイッチ一つで簡単にマーダーにできるから再登場したとしても同じ未来しか見えないw
もしアラドが参加していなかったら…それでもまあ時間の問題だっただろうな
生き残らないとアラドと再開できないってんで
大暴れ→返り討ちってパターンが目に見えるようだ
いささか記号的なキャラ付けをされてるとは思うが、
かといってアラド依存の要素を薄めると(サルファ序盤みたいに)
ロワ的につまらなくなってしまうという可哀相なキャラである
では、早い時期からアラドと合流できてたらどうなっただろう
そしたら目の前でアラドあぼんでなおさら悲惨な目に遭ってただろうな……w
ええい、アラドにはそういう使い道しかないのかw
……ないんだろなぁ実際w
ゼオラの目の前でアラド死亡?→ゼオラ崩壊、暴走→実はアラド生きてました
のパターンならどうだろうか
しかも上手い具合にアラドの首輪が外れて、放送で名前を呼ばれたら……
そこまで手の込んだ真似するくらいならさっさと殺してトリガーにするか。うん
久保と合流したら……って、時間軸違うから結局ダメか。
どう転んでもマーダーに逝くしかないのね。
お互いを知らないなら会っても戦闘になってたかもな
ゼオライマーvs自動車&バイク……戦力差ヒドスw
逆パターンの「ゼオラが死んででアラドが生き残る」なら
アラド奮起フラグになりそうなんだけどなぁ。
ゼオラはどー考えてもあの方向にしか行けないきがする。
ならば、久保とゼオラが互いを知っていたなら……
いやダメだ、何をどうやったってあの方向しかないw
ここまで展開が固定されてしまうキャラもいないんじゃないかwww
暴走しないように電童みたいなのに二人で乗ってもらえばいいんじゃないか
いかん、アラドのコクピットにだけ攻撃が直撃する
サルファの久保のお母さん路線で行けば…と思ったけど、これでも子供を守るために狂っていくお母さんがあるな。
個人的には依存度低めの保護者ゼオラが好きだが、ロワだとどうしても依存度高い発狂娘にしたくなる。
シロッコ「お母さん…息子さんは貴方似の立派な奉仕マーダーと化しました
本当にありがとうございm(ry
ゼオラ合流後のシロッコ・キラ組の内心ヒヤヒヤぶりは面白かった
キラの恋愛フラグも最後には明後日の方向へ行ってしまうし…w
次はセレーナか
ラミアと絡みが起きる前に死んだのはロワの無情さか
狂化リョウトに喧嘩売ったのはまずかったなぁ
序盤の輝きが嘘のようなあっさりした死に様でした…。
つか、マーダーキラーというスタンスもあってか、活躍の陰でスレがやたら荒れてた覚えが。
ラムダドライバを自在に使ったりエルマがデフォ支給だったり、ジョーカー待遇されてたとはいえ優遇が過ぎたからね。
クルーゼinディストラとか勿体なかった感があるし。
俺はこのスレでセレーナに惚れクチだったりする
イングラムと同様、他のネタスレと違ってかなり漢前というか
ネタ補正抜きのキャラで書かれてたせいか好感が持てた
葛藤が丁寧に描写されてるのも良かった
もし生き残ってたらラミアとの絡みはどうだったんだろうな
乳揺れ頂上対決勃発
復讐の念が薄れていく可能性が死亡フラグに直結してたな
そういう意味では牙組に入り込んだのは彼女にしてみれば致命的だったわけだが・・・
まさかリョウト、いきなり潰しにかかってくるとはw
リオとも絡んでたから、この結末はある意味因縁だったのかもしれん
フォルカはロワ世界でも現実世界でも物凄い勢いで出世しまくったな。
すぐに殺されるはずだったのが、一転してゾフィー隊長に力を授かるまでになるとは……
フォルカはノリスケ、ユーゼスはヒロシだっけ
書ける人少なくてだらだら生き延びた結果
最後の最後でいきなり主役格のおいしいポジション独り占め……
ええい、なんかむかついてきたぞこのやろぉw
だらだら生き延び続けてるのはコーヒーだろ。
……ネタキャラ化の発端を作った俺が言える台詞じゃねーけど。
そーいやエルマはマイと一緒に因果地平の彼方にサヨウナラなのかな。
ヘルモーズ内に同型機が存在してたりして。
>>126 アンタって人はーッ!
とでも言って欲しかったのかもしれんがね、ってドクトルが言ってた。
そろそろ終わらないか
次はゼンガーか……
シンジとの絡みがあった程度で、いまいち印象が薄い気がする
とはいえ……こいつもロワじゃ長生きできるキャラじゃないなぁ
キャラ的にマーダー化はしづらいキャラだしな。武人系だし・・
結局誰かの為に犠牲になって逝きそうな気がする。
せめてもう少し出展に関係したキャラが出てれば違ったんだろうけど
出展が第2次αじゃゼオラやアラド・リュウセイたちとも絡めんし
第3次αの主人公組やアルマナ・バランとも絡めん
OG出展じゃないからラッセルやラトとも絡めん
イルイがいれば・・
絡めないって書いたけど生きてれば3次αの連中とかOGの連中は
ゼンガーのこと知ってるんだっけ。確かラッセルは知ってたし・・
生きてたら結構変わってたかもなぁトウマとかバランなんかは特に
シンジに色々遺したはいいけど、シンジの最期がアレだもんなあ……
言葉少なに行動で示すタイプだから、シンジとの組み合わせとしては
スパロボでは珍しい異色な組み合わせで面白かったな
シンジが結局ヘタレてしまったのは、個人的にちょっと惜しかったフラグベスト3に入る
もしシンジがスパロボ補正で前向きなままだったら、
ゼンガーの影響を若干受けた言動なんかも見られたのかもしれんね
しかし…ラッセル………w
暴走するアスカに「黙れ!!!そして聞け!僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジ!!アスカを護る剣だ!!!」
アスカがますます逆上するかものすごく赤面するか見ものだな
まあどれだけシンジが前向きになろうがアスカがあのままじゃ結果は同じな気はするが
って、そういや次はアスカだな
>>135 宗介と立てたツンデレ彼女持ちフラグが成立すればあるいは
仮に宗介とのツンデレフラグが成立してもシンジがそこに
乱入して結局泥沼化しそうな気が。。。
宗介は本人の意図とは別に泥沼化を助長しそうだし・・
死んだのになぜ生き返った事前提に話してるんだ?
ifはスパロボの華
アスカはツンデレなんてレベルじゃねえw
たとえシンジがゼンガーや宗介との交流を経て前向に成長しても
アスカの方が元々どうしようもなく病んでるから
少なくとも彼女に関しては鬱展開しか見えないような気がする
アスカだけ死亡→シンジ奮起、という選択肢もあっただろうけど
アルマナみたいな未来を託す系のヒロイン的な死に方が想像できんし…
つーかアスカと上手くやっていけそうなキャラってこのロワにいるのかな?
>>141 アルマナと無職(ワルキューレ)
自分よりあまりにも弱い相手ならツンデレ根性を発揮して大丈夫だと思う
>>142 なんかこうして考えるとアスカって惨めなくらいどうしようもない娘だな……
原作準拠で考えてみた
【相性が悪いタイプ】
・優等生
・周囲の人気者
・自分を見向きもしない
・主導権を握りたがる
・心の機微が解らない体育会系脳
・主体性がない
・カップル、もしくは恋人持ち
【相性が良さそうなタイプ】
・包容力がある
・自分を評価してくれる
・真正面から向き合ってくれる
・トラウマには決して触れない
アルマナはバランと合流しさえなければ結構いい線いくかもな
同じく、他キャラと絡まなければ、という条件でイングラムとフォルカ
逆に竜馬とハッターは相性が悪かったとしか言いようがない…
ルリなんかはたぶん最悪だろうな
>>144 ジョッシュは?
ギュネイや鉄也とですら親友になった事のある奴ならば、困った子の扱いに関しては問題無いと思うけど。
まあ何だ
ただでさえやばい状態の火に、さらに油を注ぎまくってくれた師匠はある意味戦犯とw
師匠…絡むタイミングさえよければアスカを導くこともでき………ねーかw
>>145 そういや伝説のツンデレキラーがいたんだった
単体ならジョッシュが最強だろうな
しかし仲間が増えていくごとに被害妄想的な疎外感が生まれそうな気がしなくもないので
そういう意味ではジョッシュは特に諸刃の剣になりうるかも
実に困った子だな、アスカ…
ミオあたりをぶつけてみたらどうなっただろうか
精神年齢高いし相手の感情に敏感だしボケで脱力させまくれるし、あるいは・・・?
ここでブン太が登場
>>144の条件にかなり当てはまってると思うぞ
ブンタは機体が敵意を向けられそうな
次回があるなら迷いを振り切ったアスカっていうのもいいかもしれないな。
マシュマーも一緒にいて安定してたし、
ミオ・ブンタは癒し系になりうるかな
>>151 劇場版の復活劇に相当するイベントがあればいいかもな
さて、惣流・アスカ・ラングレーの次は……
ゾ フ ィ ー だな!!
スパヒロ作戦からつれてくるのかよwww
因果律以外の力を与えたって簡単に言ってたけど
ウルトラ一族の能力
・巨大化ミクロ化
・命の譲渡
・融合
・飛行
・味方のエネルギーを回復させる
ゾフィーの能力
・M87光線、Z光線、スペシウム光線、ウルトラモールリフトアップ、ウルトラフロスト
・異次元テレポーテーション
・捏造
こんだけあればヴァルシオンも簡単に倒せそうだ
ウルトラマンフォルカか…つか、捏造ってw
フォルカ「とどめだ、受けてみろ!!Z光線!!」
ユーゼス「ぬぅ、しかし技の選択を誤ったな。M87光線で勝負をつければいいものを」
フォルカ「何!?まだ生きているのか!!」
ユーゼス「くらえ新兵器、火炎放射器!」
フォルカ「ぎゃあああああっ頭が、頭がぁぁぁぁぁぁぁぁ」
フォルカ惨敗。
その後、ユーゼスは他のメンバーにより倒される。
ギリアム「外部からの救援に来たぞ!」
ヴィレッタ「一体何があったの!?」
フォルカ「遅かったな。ユーゼスは私が倒した」
ミオ「嘘だあああああああ」
イキマ「お前真っ先に無様にやられただろうがあああああああ」
うん、やっぱゾフィーの能力は空気読んで制限しとくべきだね、こうならないためにもw
憧れのウルトラマン(の代理)の説得なら、ユーゼスもあっさりと受け入れたりして。
「ウルトラマンにそう言われては、頷くしか他ないのも私だ」
ユーゼス「ぞ、ぞわ〜!ぞっちゃんぞわ〜!」
ゾフィー「安心しろ、ユーゼスは私が倒した」
ユーゼス「とりあえず光の巨人を取り込むのも私だ」
ゾフィー「ンー!デヘー!」
とりあえずお前らが兄さん大好きだっていうのはわかった。俺も大好きだ。
やはりネタキャラ扱いされる運命は必至なんだな
しかしゾフィー以外に誰がいるんだ、とは思うがね
ごめん、でもやっぱり登場シーンはシリアスなのに笑ってしまうw
ゾフィが出てきたのっていつよ
つ最新話
つーかたいちょの話でいきなり話が盛り上がるのはどういうことだw
アスカの次はタシロに
……ああー、よりにもよってえらく微妙なキャラだw
そんなに言うほど微妙かな?
ラトとの絡みとか、副長との合流、ヒュッケMk−IIIの運用、最後のDG特攻と、
自分のやることをキッチリやって散ったナイスミドルだったと思う。
何気にかなりの激戦の中を生き延びてるんだよな、この人。
他の面子が派手だったからなー
相対的に地味に見えるけど、渋い活躍をしてくれた良キャラだったと思う。
まぁ元の世界からしてこのロワ世界にひけを取らんほどの
激戦区だからな。
もし参戦期待にガンバスターあったらどうなってたのかしらねぇ
シズラーはいたけどなんか微妙な扱いだった品
あれ二人乗りだからなあ。
シンジとアスカでイナズマキックなんか燃える展開だと思うけど。
ていうかガンバスって結構なバケモノだし
ゼオライマーくらいは制限いるよな
タシロさんは良い燻し銀だった
>>167 〜Fly High〜<艦長&副長バージョン>のほうがいいだろ
これだけは言わせて貰う
フォルカとゾフィーの邂逅描いたのスパヒロ厨だろ?
いるんだよなあ 同じバンプレソフトだからといってスパヒロとスパロボの区別がつかない人って
既にゼストやらなにやら出てるのに何を今更
中盤はまだいいんだ
なのにこの終盤になってとかもうね
>>170 ごめんなさい、正直本当は、
コスモテクター身につけたウルトラ神化ソウルゲインinフォルカ
を登場するまで書こうとか思ってました
我ながら無謀だと思ったからやめたんだけど
あッッッッ!!
ミスった、コテこっちだよ、なんてミス
>>174は忘れてくれ
がんばれカオスヒーロー
>>174 そこだけ読むとネタにしか見えんw
てか俺のいない間にタシロ艦長ネタでこんなにもスレが進んでるとは…
キャラがキャラだけに終盤まで生き残って対主催として戦うより
誰かの礎になって死ぬ展開が目に見えてたな
行動方針の選択の幅が狭いという意味では地味だが、
ロワでは必要かつ重要なポジションとして役目を全うしてくれたと思う
修羅場くぐってる軍人だけあって比較的冷静だったし、副長と会えたのも幸運だった
個人的にこのタッグでのガンナー2人乗りは燃えた
次は副長だが語るべきところはタシロと変わらんからな…。
とばしてマシュマーさん行きますか?
次はチーフと違うのか?
名簿の順だから、次はチーフだぜ
この人は……とにかく頑丈だったなw
あれだけ鉄也やらマサキやらにフルボッコにされて戦えるのは凄すぎw
今だから言える、
チャロン好きの俺が、参加したきっかけだったな。
テムジン再生フラグ作るついでに大乱戦仕掛けたっけなぁ
そういやあの時丁度、スパロワが停滞してて終了寸前だったっけ…
最早1年以上前か…
題名が誤字になってたのに気づいたのはかなり後だった、
まさかゲッターのパロディを模した機体にまでゲッター線が反応するとは思ってもみなかったあの頃
ゲッター線って人の感情に呼応する部分があるからゲッターをパロった機体のパイロットの心に呼応したんだろう
むしろダイテツジンの皮をかぶった真ゲッターだったんじゃないか、あの機体w
>>181 頑丈というか、もの凄い不屈の精神の持ち主でもあったなあ
ハッターとの友情にも思わずホロリときた
サルファだと機体=キャラという扱いだったが、
ここではテムジンの中にチーフが乗ってる設定でいいのか?
一応、病院でプレシアが治療しようとしてたし、人だっていう描写はあったと思う
せっかく指導教官なんだから、
リュウセイと組ませて教官って呼ばせようと思ってたら
死んじゃった罠
あと一日あれば先に予約できてたのにぃ
まぁ、今更だが
チーフの次は、脅威の最強マーダー・鉄也か……
あの恐るべき強さの秘密は、機体性能を最大限以上に引き出した柔軟な戦法の数々の賜物か
ゼオラとキラの見事すぎる瞬殺劇から始まって、
ダイターンザンバーを使った火車カッターに、シャインスパーク合戦、
僅かの隙を見出してのグランゾンの撃破に、超兵器ヘッドを駆使した牙組急襲、
そしてDG戦でのDG細胞の特性を最大限に活用した超バトル……
どれもこれも本当に凄すぎる。書き手の皆さんには脱帽するしかない。
スパロワの鉄也になら掘られてもいい。
さすが戦闘のプロだぜ!
スパロワの主役の一角と言っても過言ではない存在感でしたなぁ。
そして何気にカタログスペックがトンデモだったガイキングの恐ろしさ。
ごめんなさい、ニルファサルファでろくに使わなくてごめんなさいガイキング
>>188 そういう時こそIFネタ
鉄也の書き手さんは戦闘の描写だけじゃなくて屈折した心理描写も上手かったよな
ロボゲ板じゃホモネタキャラとして定着しかけてたから、
久々に(ある意味)正当派な鉄也が拝めた気分だった
初回から精神危なげだったな鉄也。
そしてガイキングの超性能、途中から鉄也を主人公として見ていた。
ボスはフォーグラー博士並に迷惑な遺言を残したな
>>194 人数の多い群像劇&フラグ整理のために途中退場してしまったが
間違いなく主人公の一人だったと思うぞ
ゲッター線の中の竜馬と出会って
マーダー辞めるのかなと思わせて
ああいう風に持っていったのは良かった
やっぱりこのロワの鉄也さんかっこいいわ
本音を言えば、最後の最後で更生する鉄也も見てみたかった気はする
…が、そういうヒロイックな王道展開やっちゃうと
却ってキャラもストーリーも死ぬんだよな
やや精神不安定とはいえ確固たる意志でこの道を選択したわけだから
安っぽく更生しなくてよかった
199 :
それも名無しだ:2007/11/25(日) 22:37:52 ID:iKluCwu2
ジョシュアともうちょい交流できてればなw
鉄也とかヤザンとかのマーダーもフォルカも闘鬼転生に参加したんだっけ?
200 :
それも名無しだ:2007/11/25(日) 22:41:40 ID:hYcNoTIX
さげろハゲ
>>199 どうだろなー、現状ではまだなんとも言えん
DG戦ではあのテンザンまでもマシュマーに力貸してたりするしw
その一方で、鉄也はゲッター線を否定してたりするし
闘鬼転生と言えば、グランゾンが妙な事になったのはやっぱシュウがなんかしたのか?
本編中ではぼかされててよく分からんかった
>>197 おう!その話書いたの俺だ、なんてでしゃばってみるw
ウザかったらごめんなさい
ようやく終盤になって、なんとか応援したいんだけど、もう書けるキャラがいないんだ…
今更短い簡単な話とか、話が進まない心理描写だけのSSとかじゃあ迷惑かけちゃうんで
自重してます。
こうやってたまに書き込むことぐらいしか出来ないけど
残ってる書き手さん、応援してます。
いい作品を幾つも読ませていただいて本当にありがとう。
最終決戦前にそれぞれの心情を纏めた繋ぎがあると
全体的に話が締まって良い感じになるんだぜ!
>>201故石川先生もゲッター線は悪かもしれないみたいな事言っていたから、ゲッターと対になるともいえるマジンガーの鉄也が否定するってのは中々興味深いぜ
結構俺も
>>202が気になる。
というか旧シリーズしたことないからグランゾン→ネオグランゾンの過程もよく知らないのよね……
>>206 同じく
グランゾンがあんな風に変化するのは正式な設定にあるの?
それとも、ロワオリジナルの展開?
これがどっちなのかで、今後の書き手さんの描写もかわってくると思うから
けっこう重要なことだと思うんだけど…
グランゾンは魔術的な強化を施してネオ・グランゾンになる。
α外伝だとそー言う描写はないから何時の間にか強化したのね、だけど。
旧第三次ではコレが真の姿ですとか言いつつ覚醒する。
邪神の力を集めてどうこうなパワーワップなんでロワでは邪な魂かシュウのお茶目でああなったと。
まぁ、EX行くとその邪神を片手でひねるのがネオなんだけど。
数字的なトンでもは第四次のサンアタックが5500ぐらいなところで縮退砲が18000。BHクラスターで6千か7千。
ロワで言うとゼストの卵に穴を開けた最高性能時のディストラにも問題なく勝てる。但しソースはシュウ。
ディストラがアストラと互角なら、だけど。ちなみにDCαでの奇跡縮退砲は確かにアストラを一撃で葬ってくれました。
想像して欲しい。一機編成の時代に反撃で常にイデオンガンが打ち込まれる恐怖を。
あれだ、ゼオライマー>Gゼオライマーとかラーゼフォン>真聖、クラスの凶悪クラスチェンジ。
って脱線したがこんな感じ。
MAP上で突然真の姿とか言って覚醒するからネオグランゾンは恐ろしい
冥王のパートを避難所に投下しました。ぶっちゃけかなり超展開ですのでご意見があれば聞かせて下さい。
あえて言おう、GJと!
シュウの出現理由も筋が通っているし、ここまで来たら超展開がデフォw
ラストバトルに向けてかなり盛り上がってきたぜ……!
シュウがなぜか色々知ってるのがちょっと気になったが
まぁ、死んでる間にイングラムに聞いたかなんかしたのかもなw
乙
シュウって死んでからの方が重要人物だよね!
ある意味原作再現か。
しかし、ここまでくると最初にわざと死んだようにしか思えないなぁ、本当に。
あと、コーヒーは逃した獲物はとてもおおきかったですね。
>>210 タイムリーな投下GJ!
即死キャラだったシュウが今になっておいしい役回りをw
冥王の設定も成る程そうきたか、という感じで納得がいくし
あくまで対主催とユーゼスをぶつけて漁夫の利を狙う予定だったのが
ここへ来てどう転ぶのかも見物だと思う
そういえば闘鬼転生の時に自分の機体が使用中だったというなら
似たような状況のイングラムはどうしてたことになるんだろ?
あの辺をざっと読み返してみたがアストラらしき描写がなかったんで
もしかしたら書き手さんがディストラ用にフラグ(というか保険)を
残してたのかなとふと思ったんで、一応指摘しておくな
俺の勘違いor今後の展開に必要なさそうなら無視してくれてOK
案外スパヒロよろしく地味にR-GUN使ってたのかもしれんがw
イングラムの魂がディストラに宿ってミオが使用者に(ry
ふつーにBIG-Oと融合したのとディストラに残ったんだと解釈してた。
ここまでの主要人物戦力まとめ
イキマ グルンガスト(中破)
クヴォレー ブライガー(中破)
ミオ ディス・アストラナガン(大破 イングラムフラグ)
フォルカ 無し(機体拾いフラグ 神化可能)
マサキ グランゾン(健在 ネオ化可能)
ラミア ラーゼフォン(健在 現在ゆらぎ中)
ユーゼス ヴァルシオン(健在 ゼストフラグ)
シロッコ エステバリスカスタム(健在)
ミオのフラグとフォルカの機体、ラミアの動向によってはユーゼス涙目のような気がw
ゼストのフラグがよく分からん。強いのか?
イングラムは生前はクォヴレーのこと知らなかったようだが、マシュマーに憑依したあたりではなぜか知ってたから
今のクォヴレーが普通じゃないってのもわかるんじゃね?
だったらやっぱディストラの中でクォヴレーを待ってたりするんじゃないかな。
>>210 GJ。タイトルもあの「マサキ」なんて味があっていいなw
あーあと連投すまんが、グランゾンの損傷まで直るって微妙じゃね?
ネオ化したときに修復するんならわかるが。
>>216 とりあえずウルトラマンぐらいには強いんじゃないか
ノアからボーイまでピンキリだが
>>218 闘鬼転生の能力じゃね?
>>219 すまん、そのウルトラマンの強さがよく分からん
スパロボらしく機体に例えてくれないか
>>212 αでもユーゼスを倒すために結託してたなあ、あの二人
>>208 まあなんだ、パラメータ上の設定をあんまり真に受けんようにな…
ラスボス補正が入ってんだから
しかし一応、コーヒーも原作・ゲーム両方で
ラスボス経験のあるキャラなんだがエライ存在感の差だな
そういやαの時ユーゼスがシロッコのクローン造ってたが、
もしやこいつも…w
>>221 ユーゼスだけじゃない、ゲストだってF完の時……w
>>220 ハチローからベターマンといったところか
並のウルトラマンはガンダムファイターぐらいかな
「マサキとシュウ」は通しでいいと思うけど、このままwikiに掲載してもおk?
一応仮投下という体裁っぽいし、◆uiAEn7XS/. さんが本投下するのを待つべきか?
>>218さんの疑問に対する正式なコメントとかも出てないし。
以前、忙しいとか言ってた気がするし
もう少しコメントを待った方がいいんじゃないかな
ここんとこ保守体制はばっちりだし、収録を焦るこたないさ
>>223 そう喩えると実に微妙だなw
ユーゼスの脳内補正で神レベルなイメージがあるけど
レスが遅れてすいません、皆さん感想ありがとうございました。
当方に修正の用意アリ。
・グランゾンが修復されてる
>前回の話で殻がはがれる描写があったんで、ネオグラパワー発動で直ってもいいかなーとか。
まあ、本文で描写してないのにこれはまずいですね。ややこしくなりそうだし未修復に直します。
・なんでシュウがいろいろ知ってるの?
>イングラムが色々知ってたからシュウも知ってた…で通すわけにもいきませんね。
マサキの記憶に関しては潜在意識の共有>記憶を覗いたで何とかなりそうですが、
ユーゼスの計画に関して知ってる件は、そもそも何でイングラムも知ってるのかについて
説明しなければいけないのかな?なんとかやってみます。修正点は以上でよろしいでしょうか?
作者さnおつー。
修正点はそれでいいと思いますよ。
ネオグランゾンの「力」って言ったらやっぱ縮退砲?
>>227 修正作業お疲れです!
「なぜ知ってるのか」に関しては、あまり難しく理由を考えなくても
ある程度ぼかしてもいい気もするな。
伏線として残すのでなければ、読んだ側がそれぞれの解釈で
なんとなく納得できる程度でもいいんじゃないか?
俺はそれはそれで面白いと思うけどな。
もちろん、次の書き手へきちんとした設定を伝えたいのなら
どこかに書いておく必要があるけど。
>>225 ゾフィー隊長の能力wikiより
M87光線 飛行速度:マッハ10
走行速度:時速650キロメートル
水中速度:300ノット
ジャンプ力:450メートル
腕力:16万トンタンカーを持ち上げる
M87光線
ウルトラ兄弟の単体光線技で、最も威力が高いとされる必殺技Mの意味はミラクル。
Z光線
両手の先を合わせて発射する稲妻状の光線、バードンを倒せない。
ウルトラフロスト
両手の先を合わせて発射する霧状の物質で対象を凍結させる
ウルトラトゥインクルウェイ
宇宙空間を越えて物体を転送する光の道。バードンに倒されたタロウの身体をウルトラの星へ運ぶために使用された。
ウルトラクロスガード
映画『ウルトラマンZOFFY』で、突然襲ってきた宇宙船の光線を、腕を交差させて防いだ。
ウルトラチャージ
ゴルゴダ星でヤプールの罠にかかった際に使用。ウルトラ4兄弟がAを取り囲み、自分達のエネルギーを与えてAだけを脱出させた。
テレポーテーション
通常空間から異次元空間へ瞬時に移動が可能
それを全部もらったフォルカはもう機体を探す必要はないんじゃないだろうか・・・
ゾフィーの力を得たと言っても、フォルカ本人がこれを使えるわけじゃないだろう
むしろ、ゾフィーに変身できると考えたほうが自然……
……
ゾフィーに変身したばっかりに
頭燃やされ池で溺れ腕を折られたり誤解で「俺はディストラを殺す!」ばりに攻撃しかけたり
いやむしろユーゼス戦ではマサキやミオ達に全部まかせっきりで、いざとどめという時に美味しい部分だけ取りに現れたり
……ああっ!急に対主催側の雲行きが怪しくなってきた!
冥王はシュウの残留思念(?)から力を借りてネオグランゾン化が可能になったんだが、
もしもグランゾンに乗ってたのが他のキャラであればどのような経緯でネオグランゾン化が可能になったんだろう。
イキマ…:行方不明になった部下が異境で殺し合いを強いられてることを知ったヒミカが時空を超えて力を貸し与えた
クヴォレー:イングラムが記憶を取り戻させると同時に最後の力を注ぎ込む
ミオ:精霊たちの力以外に何が思い浮かぶ?
フォルカ:ゾフィーの力?
シロッコ:今まで死んで行った死人たちの力を借りてZ最終話のカミーユ状態に
こんな感じ?
シロッコ:最高級紅茶から紅茶王子が出てきて最強の生存(空気化)フラグを伝授
>>234 今までの戦死者たちの魂の声が聞こえる
↓
Zのアレみたいにグランゾンに魂が集まっていく
↓
ネオグランゾン化!
と考えればそれなりに行けるんじゃないかと思ったんだが。
さすがに「出してくださいよぉ…」はまずいだろうがw
スパヒロ厨の次はZ厨か
しかしシロッコはそもそもそういう方向性のキャラじゃない罠
となると、やはり鍵となるのはコーヒー&紅茶かw
>>232 やはりそういうオチがつくのかw
>>233 ヒミカ様優しいな
ロワは関係ないが、邪馬大王国の連中が微笑ましすぎてなんとなく
竜魔帝王登場後の鋼鉄ジーグを観ないままになってるのも私だ
シロッコはネオグラよりディストラ向きかもしれないな、そのイベントだとw
ジョシュアを殺したのはリョウト→リョウトが暴走した原因は鉄也→竜馬を拉致しなければ鉄也を倒せていた
これでゲッター線が詫びをいれてくれればグルンガスト改に……焼け石に水だな
そいや龍王機ってどうなったんだっけ?
一時期グルンと合体して龍人機になんて話も出てたが
一度復活するネタもあったな、破棄になったけど
でも虎がいるならまだしも今さら龍人機では……
まずい、決戦に挑むにあたってイキマだけ戦力に決定打が欠ける……
あれ?エステバリスが動いてるけど、誰かのってたっけ?まあいいや
確かグルンガストは既に戦闘不能だったはず……
だ、大丈夫! フォルカならついでにもう一機くらい拾ってきてくれるさ!
でも特に特技も特殊能力も持たずハニワ幻人ということしか特徴がないイキマに乗りこなせるマシンなんて……
そうだ!ターミナスエナジーをゼストに組み込んでいたということは二人乗りのあれがあるはずだ!
同レベルの損傷なのに気にされないディストラ。
ディストラはディスレヴさえ無事なら再生できそうなイメージあるからな…
実際デビルガイキングと闘ってたときも、潰れた腕一瞬で再生したし。
まあもう乗りこなせるキャラはクォヴレーしかいないから現時点では十分破壊できそうだが
今日OG外伝予約してきたんだが、発売までにはなんとか完結・・・さすがに無理か
>>233で考えたんだが、それだと
模様が古墳時代風+背中の後光パーツが勾玉風(イキマ)
色が土色(ミオ)
ウルトラマンカラー(フォルカ)
背後に何十体もの背後霊が憑いてる(シロッコ)
みたいに愉快な事にならんか?
ヒミカパワーネオグランゾンや背後霊ネオグランゾンはかなり壮絶なグラフィックになりそうだが。
>>246 むしろ外伝発売→プレイ→フォルカネタ推敲でもいいんじゃね?
ディストラは気質的にはミオと相性は良さそうなんだがな
パイロットにはオリジネイターの刻印が必要なんだっけ?
ミオがマシュマー並に命を削るんでなければ
DG戦で見せたような戦闘力・再生力は戻らないのかな
いっそディスレヴがクォヴレーの魂を食っちゃえば本来の力を発揮できそうではある
>>248 クォヴレー自身が乗らないと安定しないんじゃなかったっけ。
重要なのは死者の怨念を撥ね退けるくらいの生きる意志みたいとかで。
むしろミオは相性悪い気がする。最古ドライバーだったアルマナだって怯えてたし。
変態とかマシュマーみたいに半ば取り込まれてたらある程度は乗れるんだろうけど
本気でディストラ運用する気なら、イキマと二人がかりで説き伏せるしか無い予感。
待て、シュウがグランゾンに憑いたように教官もイキマに取り憑いたと考えるんだ
そして教官ならきっとなんとかしてくれる…!
ここってどんなに展開予想しても何も言われないよな。
書き手さんが(いい意味で)超展開過ぎて予想がことごとく外れるからだろうがw
>>251 イキマが「フフフ……デットエンドシュート」とか言い出すのか?
もうグルンガスト、フォルカ、ディストラ、ネオグランゾンでコンパチカイザーに乗ればいいんじゃないか
>>253 いやいや、書き手さんもモニタの前で苦々しい顔してるかもしれんぜ?
…と言ってみるテスト
ちなみに俺は予想通りな展開の焦らしプレイも手法として悪くないぜ派
といっても展開予想の方も冗談交じりというか、
割と明後日の方向を向いてたりするからなw
コーヒーか? コーヒーのせいなのか!? それともハニワ!?
いつだって私だ。
久保見沢症候群の特効薬C-820を作るイキマ
アイザック→イキマ
キッド→リュウセイ
ボウィー→ジョシュア
お町→ミオ
「お呼びとあらば即参上だぜ!ギャラクシアンハリケーン、ブライガー!」
そんな夢を見ていたことがありました…イキマはどうにも強いイメージないよな
今となっちゃブライガーとディストラの交換すら困難な現実
交換できても……久保の精神状態でディストラ動かせるかなぁ
もはや久保の全てはイキマにかかっているわけか
でもまあ原作通りの組み合わせってのも芸がないし
久保にはこのまま最下層まで堕ちきってもらうというのも一つの手かもしれんw
イングラムが久保の意識を乗っ取ればどうなるんだろうか。
イングラムが因果律の番人に戻ってユーゼスの野望を打ち砕きます。
>>236 コーヒーと対峙した時は久保が「出してくださいよ」をやるのかと思ったw
スパロボの恒例イベントだからネタ化は必至だが
本投下いきます
闇。
そう闇だ。
目を開けようと閉じようと、知覚できるのはただそれだけ。
そもそも自分の目は見えているのだろうか。
それすらも関係なく自分はすでに死んでいるのだろうか。
上下の感覚すら掴めぬ空間に、ただ一人。ほかに何も感じ取ることはできない。
これが死――ずいぶんとつまらないが、まあこんなものだ。
――眩しい。
突然、目の前に光が生まれた。
どうしてこう眩しいのだろう。
目をそらそうとして、それはできないとわかった。
その光をさえぎる方法は、今の自分には何もないらしい。
この光は何だろう。
「それは私の、あなたの命。魂と言ってもいい」
それまで真っ白だった、自分の周りに音が満ちる。
空気の流れる音、それは風だとわかった。
その風が自分の体を通り抜けていくのを感じた。
「あなたは何を以ってあなたなのか。あなたの名は――」
その言葉は問いかけだと理解した。
そして俺はその答えを知っている。
「俺は木原マサキ」
俺の名前。
その名によって、その法によって、俺は俺であると定められた。
そして再び響く声。誰の声なのか、どこかで聞いたことがあった。
「私が誰なのか。知りたければ、その扉をくぐりなさい」
その言葉の意味を考えて、すぐそばに扉があることに気がついた。
それは初めからあったのか。
それとも今の言葉の後に現れたのか。
その扉に近づくため、一歩踏み出した。
そうして自分に足があるのだとわかった。
その扉を開けるため、金属とも木製ともつかぬその扉に手をかけた。
そして自分に手があると理解した。
その向こうに見える風景は黒一色。
踏み出したその先に足をつく床があるのかさえわからない。
俺はその扉をくぐった。
* * *
視界いっぱいに景色が広がった。
無限に広がる空間、その四方を遮る硬質のカタチ。
――壁、だ。
そして自らの足が踏みしめる硬い感触。床だ。
見上げれば同じく、空間を遮るカタチ。天井という。
外に通じる隙間が何一つとしてない密室の真ん中に、椅子が二つ。
そのうちの一つに誰かが座ってこちらを見ていた。
光源もないのに、その姿ははっきりと認識できている。
「ようこそ。……私の名はシュウ・シラカワ」
背筋を伸ばし、足を組んで優雅な姿勢で椅子に腰かける、一人の男。
その腕を掲げてもうひとつの椅子を指し示し、座るように促した。
俺はそれに従い、その椅子に体を預け、やつに向き直る。
「思い出したぞ。確かにそんな声だったな……ならばここは地獄か?」
シュウ・シラカワ。
この俺がユーゼスの仕組んだゲームの中で、最初に出会い、そして最初に殺した人間だ。
そいつがここにいるということは――
「ククク、ご安心下さい。あなたはまだ生きていますよ。そしてここは地獄ではなく、あなたの魂の深部――潜在意識ともいうべき場所です」
「……ふん。それで貴様は幽霊にでもなって、俺の意識の中に恨み言でも言いにきたか」
「いえいえ……生あるものは、いつかは滅ぶ。今度は私の番であった……ただそれだけのことです」
薄ら笑いを浮かべて、こともなげに言う。
ならばさっさと消えてほしいものだ。俺はこんなところで亡霊相手に油を売っている暇はない。
そこまで考えて、あることに気付いた。その考えを見越したかのようにシュウが言葉を続ける。
「ところであなたはあの瞬間に何が起こったのか、どれだけ把握していますか?」
そうだ、あの時フォルカが呼び出したように見えた、数十体のマシンはいったい何だ?
あれは……ただのマシンではない。
何故なら通信でコンタクトしたわけでもないのに、それがこの殺し合いに召還された人間たちだと理解したのだから。
シュウ、イサム、アクセル、ルリ、ガルド、プレシア、ヤザン、フォッカー、イングラム、トウマ……。
「あれはいったい――」
「魂の具現化とでも言いましょうか。この殺し合いから脱落した者達の念がフォルカ・アルバーグの力を借りて、ユーゼスを倒すために蘇った……。
それぞれの分身とも言える機体の形をとってね」
「……それも魔力やら念動力のうちの一つということなのか」
「そのとおり。厳密には違いますが、解釈としては概ね正解です。流石ですね」
グランゾンのカバラシステムはもとよりユーゼスの首輪の技術などをとっても、そういったオカルティックな技術が使われているのを、マサキは今まで目にしてきた。
いわゆるオカルトとされる分野を、科学技術として実践の域にまで高めたものが存在することは認めざるを得ない。
「ですが私だけは事情が違った。何故ならそこにグランゾン……私が造り上げた、分身ともいうべき機体がそこに実在したのですから」
「貴様が造っただと!?」
「そうです。ですから私はフォルカ・アルバーグに召還された瞬間、その力を借りてユーゼスと戦うのではなく、グランゾンにこの魂を宿すという選択肢があったというわけです」
「そうか……あのときの異常はそのせいか。それで貴様は何が目的だ?」
グランゾンがマサキのコントロールを離れたのは、シュウの魂が干渉した影響であることに間違いはない。
ならば、何故そんなことをしたのか。
自分が殺し合いの場に連れてこられて、死んだことに対して特に恨み言はない――そう言った。
ならばユーゼスは憎むべき相手ではないということか。
他に果たすべき目的があるのか。
「……結果としてあの闘鬼転生は失敗でした。ユーゼスの野望を助ける結果にしかならなかった」
「野望?お前は奴の目的が何なのか知っているのか?」
「ええ、知っていますよ。私はここに呼び出される前の世界でユーゼスと戦ったことがありますからね。
この殺し合いは、あの男が前の世界で私達に施した仕掛けに酷似しているのですよ。
強力な力を持った人間たち――あの男にとってのサンプルを争わせることで鍛え、その力を摘み取り、我が物とする……。
ならば目的はおのずと見当がつきます」
「それは、何だ」
「人を超えた存在となり、神になることですよ。『宇宙の調停者となる』……本人はそう言っていましたね」
……神だと?宇宙の調停者だと?こんな大掛かりな仕掛けを打っておきながら、結局はその類か――俗物が。
「……何が神だ。くだらんな。神など知恵の足りんクズどもが、己の理解が及ばぬ力を奴等なりに定義しただけの存在に過ぎん。
神だろうと何だろうと所詮、強大な力を持った者がクズどもをその力で支配する……何の変わりがある?
何度も繰り返された歴史だ。何も変わらんさ――――このくだらん世界はな」
吐き捨てるように呟くマサキの言葉に、だがシュウは何も答えようとしない。
「……何か言いたいことがあるなら言ったらどうだ」
「いいえ。私には神について何も語る言葉はありません。ただ……聞きたいことが一つだけ。
あなたはユーゼスに利用された不完全な存在である――としたら、どうします?」
――俺が?ユーゼスに?
「そう、あなたは疑問には思いませんでしたか?何故あなたは『秋津マサト』でなく、『木原マサキ』なのか」
そうだ。
俺はあの時、秋津マサトの人格に取り込まれたはずだ。
では、どういうことだ?俺はいったい何故ここにいるんだ?
疑問を先送りにしてきたが、そもそも俺は――
「…………何故そんなことがわかる?」
「魂の形ですよ。あなたも闘鬼転生をその目で見た瞬間に感じたはずです。あれはこの殺し合いに呼ばれた者たちであると。
そして私は魂だけの存在となって、あなたの潜在意識を共有し、記憶を共有してこうして会話している。
土足であなたの心に入り込んだ非礼はお詫びしますが、状況が状況ですのでね。
だからわかるのですよ、不自然な魂のカタチが。あなたは『秋津マサト』を削られた不完全な存在――そういうことです」
馬鹿な。
そんなことが……。
「ユーゼスはこの殺し合いを円滑に進行させるために、様々な因子を仕込んでいました。
あなたもその一人だった。他人の命を何とも思わぬあなたが、秋津マサトよりもこの殺し合いに『適任』だった――」
だから?
だから俺という人格を造ったというのか。
俺自身が冥王となるために、俺のクローンを造ったように?
「改竄した記憶を植え付け、そしてこの殺し合いに送り込む……。
クローンでも造れない特別な力を持った者たちの魂と、負の念を刈り取るために」
かませ犬というわけか。
そのためだけに、俺もラミア・ラヴレスと同じ、人形だったというわけか。
そのためだけにユーゼスは、俺を造り上げていいように利用し、そして――
「……それでもあなたは先ほどと同じ言葉を言えますか?
あなたという人格の造物主である、因果律をも支配し、神になろうとする、ユーゼス・ゴッツォに対して――」
「くくくくくくくくくくくくく…………。
くはははははははははははははははははははははははは…………。
あーっははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは
はははははははははははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!」
気付けばその笑い声はまるで他人のもののように、喉からあふれ出ていた。
部屋中に響くその声に、だがシュウの表情は仮面のように何の変化もなく、ただこちらを見つめている。
「……俺は人形か。ユーゼスの手の上で踊っていただけか」
「――――ならばユーゼスを殺せば人形ではなくなるじゃあないか」
「やつが死ねば俺の意思は正真正銘、木原マサキの意思だ!何も変わらない!
何度でも言ってやるぞ、シュウ・シラカワ!!
何が神だ!神など知恵の足りんクズどもが、己の理解が及ばぬ力を奴等なりに定義しただけの存在に過ぎん!
神だろうと何だろうと所詮、強大な力を持った者がクズどもをその力で支配する、そのことに何の変わりがある!?
何度も繰り返された歴史だ、何も変わらんさ!そしていつかは必ず誰かに倒されるということも含めてな!!」
「わかりました……『何が神だ』ですか……」
シュウは笑っていた。
さも楽しそうに、拍手を送らんばかりに、とても楽しそうな表情で。
「ではあなたに神をも殺せる力を差し上げましょう。
私は、私を利用しようとするものを、ユーゼス・ゴッツォを決して許さない……。
魔力も魔術の心得もないあなたでも、私の魂を魔力の代用に使うことで一度だけグランゾンの本当の力を解放することができます」
「本当の力……?『あれ』に勝てる力がグランゾンにまだ隠されているというのか」
「そうです。もっとも……それはあなた次第といったところですか」
気に食わない。そのすべてを見透かしたような目で、自分を試すように覗き見ているのが気に食わない。
お前にそれができるか?と、奴は目でそう言っている。
「死人が偉そうな口を叩くな。もったいぶるんじゃあない」
「くっくくく……失礼。ですが――」
含み笑いの後で、唐突に口調が変わった。
その目の中の光には、少なくとも嘘や冗談の類は見受けられない。
「強大な力を得ることはできますが、それに見合うリスクは払っていただかなければなりません。
私という本来あるべきでない因子をこの世にとどめるツケは、あなたが払うことになりますが、それでもよろしいのですか?」
そういうことか。
この男はそれを見越してこの話の前に、俺の造られた人格のことを話したのだ。
このことを知れば俺が危険を承知で力を求めると、それをわかっていたのだ。
気に食わない。まったくもってこの男は気に食わない。
だが――ひとつ間違っていることがある。
「いいだろう。乗ってやる。どうやるのかしらんが、さっさと済ませるがいい」
「……承知しました」
慇懃無礼という言葉がこれほど似合う男も珍しい。
余裕たっぷりの笑みとともに組んだ足を解いて椅子から立ち上がると、静かに目を伏せて呪文の詠唱らしきものを始めたのだった。
「エル・エロヒム・エロホ・エロヒム――」
ぎしり、と心臓に圧迫感が生まれた。
体が……動かない!?
「ツァバオト・アドナイ・エイエク・アディエル――」
声すらも出ない。
かろうじて視線だけを動かしてシュウを見やると、その体が光に包まれていく。
それはこの部屋に入る前に見えた光。奴の言葉を借りれば、魂そのもの――
「ヤー・シャダイ・ティフェレト――」
そして光となった人の形が、徐々に解けて俺の中に入り込んでいく。
そこに見えたのは明らかに異質な、初めて目にする映像、いや、これが奴の記憶なのか?
これが共有ということなのか――――!?
「アラトオル・レピタオトル・テンタトオル・ソムニヤトオル・ドオクトオル――」
詠唱のテンポが早まるにつれ、次々と俺の中に侵入してくる俺ではないモノが、俺の精神を埋め尽くしていく。
このままではどうなる?秋津マサトに乗っ取られたように……?
俺が……消える!?
「テトラテュクス・グラマトン――エイメン!」
ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「シュウ=シラカワ…お前は私が利用した素材の中では最も優秀だった。
お前のおかげで私の計画は完成に近づいたといっても過言ではない。
無論、お前も私の計画に気付き、逆に私を利用していたようだがな」
「……そのとおりです。ですが、私を利用したことを許すわけにはいきません……その代償はあなたの命で払って頂くとしましょう」
「この亜空間に入り込んだ時点で、あなたの命運は尽きました。今から私があなたの帰るべき世界へ案内してあげましょう」
「フッ私には見えるぞ。お前の背後には邪悪な意志が存在している……」
「……何人たりとも私を束縛することは出来ないのです。それが例え……神であっても」
「シュウ! ようやく本性を現しやがったな!」
「本性…? いったいあなたは私の何を知っているというのです?」
「何…!?」
「本当の私はあなたが知っている私ではないかも知れませんよ」
「あなたが勝てる確率は万に一つもありません。なのに何故、そうムキになってかかって来るのです?」
「確かにそうかもしれねえ…けど、それじゃ俺自身が納得できねえんだよ!」
「やれやれ。そんな下らないプライドのために、命を落すつもりですか。愚かな…」
「サイバスター……俺のプラーナを……いや、俺の命をお前にくれてやる……!
俺はどうなろうと構いやしねえ……だがな、奴だけは……奴だけは生かしちゃおけねえんだ!!
シュウ!お前のその邪悪な衣だけは!俺のこの命に代えても剥ぎ取ってやるぜッ!!」
「フ、フフフ…さすがです…この私を倒すとは……全てのものには相反する相が存在する……。
今の私にとって、あなた方がまさにそれだったのでしょう………」
「シュウ……!!」
「私もまた……この世界の因果律を乱す……元凶の一つ……結果的には……これでいいのです……」
ク…………ククククク……クククククククク……。
シュウ・シラカワ……貴様はひとつだけ俺を見誤っている……。
姑息だな……魂を重ねることよる人格崩壊の危険性……そんなリスクを俺が恐れると思ったのか?
ユーゼスに対する個人的な復習の動機を与えなければ、死を恐れ、滅びを恐れるクズどもの同類だと、この俺をそういう風に見ていたのか?
――――ふざけるなよ……!!
死人だろうが!
神だろうが!
造物主だろうが!
俺は何も恐れはしない!
すべてはこの冥王!
木原マサキの前に跪かせてやる!
塗り替えろ……!記憶を!
支配しろッ!人格を!!
最後に立つのはこの俺だ!!
俺は全ての滅びのその果てに立つ――――冥王なのだ!!!!
【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常。照準のズレ修正済み(精密射撃に僅かな支障)。
右腕に損傷、左足の動きが悪い。EN半分ほど消費(徐々に回復中)。グラビトロンカノン残弾1/2
シュウの魂とカバラシステムを併用することで一度だけネオグランゾンの力を使うことができます。
パイロット状態:疲労、睡眠不足 、混乱、胸部と左腕打撲 、右腕出血(操縦には支障なし)
α及びα外伝のシュウの記憶を自分のものにしました。これ以降、シュウの人格は表に出てきません。
現在位置:???
第一行動方針: ???
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:シュウの記憶によって、グランゾンのブラックボックス及び特異点について把握しました。
首輪を取り外しました。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました】
【三日目:???】
投下終了。
>>272 誤字がありました。
×ユーゼスに対する個人的な復習>○ユーゼスに対する個人的な復讐
ご意見ご感想よろしくお願いします。修正したら余計超展開になった気が……。
修正乙!
で、一つ気になったんだが、シュウはキャラ名簿だと魔装、
図鑑だとOGから召還されてる設定になってるぞー
結果的に作中ではこの設定は活かされないままだったし、
初期にマサキvsシュウ描いた人がどの出典を意識していたのかは
今となっては判らないが、リレーである以上そういう設定上の縛りは
あまり逸脱しない方がいいんじゃないかと思う
修正前と修正後を比較してみると、グランゾンの機体状況以外は修正前の方が
スッキリしててよかったんじゃね?というのが俺の初見での印象だなあ…
ただセリフ回しは修正前よりも格好良くなったね
>>274 実はヴィンデルもA出展なのに後半はOG出展みたいになってたから別にいいんじゃね?
まあ、リレーSSの場合そういうミスが出てしまうのは避けられないでしょ。
イキマだって初登場の時はヒミカ様と仲間たちの無念を晴らし邪魔大王国を再建する、みたいな事を言っていたけれど
途中からヒミカも他の幹部も生きていた時点から召喚された事になっていたし。
>>274 な、なんだってーーーーーーーーーーーーーー(AAry
シュウ死亡話であいつがMSだのリオンだの言ってたから
「MSってモビルスーツだよな?ニルファでアルテリオン出てるしα準拠でいいよな?」
なーーんて思っちまったァァーーーー!!
地雷臭いんで、あまり踏み込まずに修正前のをベースに最低限の修正でもう一度避難所に投下予定。
ホ!
シ!
ブ!
ド!
ウ!
「マサキとシュウ」改訂版を破棄します。そして修正部分を避難所に投下しました。
待たせてしまってご面倒をおかけしました。すいません。
>>283 修正お疲れさまです。
特に問題はないと思います。
ラストバトルに向けて盛り上がってきたな……
さすがに年内完結は無理そうだけど、今年度中には終わりそうだ。
二次の方で話題になってたから疑問に思ったが、ラミア本人やラーゼフォンにもコードATAって仕込まれてんのかな?
スパヒロ厨の次は魔装冥王厨か…残り人数少ないんだからチャチャッと終わらせようよ。
人数少ないんだしこんなんじゃ来年の今頃になっても終わりそうに無いぞ
はいはい
>>285 付いててもおかしくないとは思うけど、今やったら二番煮込みだから自重するんじゃね?
二番…煮込み…?
二番煎じという意味で使ったんだろうw
291 :
288:2007/12/12(水) 00:37:19 ID:T7BJ1C1a
ああ、二番煮込みとかかなり古いネタだから知らない人がいてもおかしくないかw
ここが始まった頃はロボゲ板では普通に使ってたのになw
しかし始まってから二年と三ヶ月だっけ?初期の頃からの住人って何人いるのかね?
そういえば去年の今頃って
どの辺の話をやってたの?
293 :
それも名無しだ:2007/12/12(水) 09:19:52 ID:LVYNzz93
覚えてないが、なんか「ゼオラこえぇぇぇ(ry」みたいな空気だった希ガス
>>291 たんぱぅ質とか、種運命隠し参戦か!? とかあったな
電車男もだ!
>>293 それはそのもう一つ前の年じゃなかったか?
去年はアニロワに一極集中で、ここを含めて過疎りまくってた気がする
DG戦終盤あたりだと思うな
DG戦終盤から今で1年間か…
ロワ完結まで後1年くらいかかりそうだな
調べてみたらDG戦は一応終わってるな
『守りたい“仲間”』が一年前の最新話だった
一年でちょうど20話進んでる
んで、雑談スレの過去ログも漁ってみたら、ほぼ一年前にもかかわらずあのお方がいたw
190 名前:それも名無しだ mailto:sage [2006/12/15(金) 01:11:56 ID:MK+z8Rz+]
::| /ヽ
::| イヽ .ト、
::|. / |.| ヽ.
::|. / |.| ヽ
::|-〈 __ || `l_
::||ヾ||〈  ̄`i ||r‐'''''i| | ふふふ、ゼストの起源もエヴァの起源も私なのだ。
::|.|:::|| `--イ |ゝ-イ:|/
::|.ヾ/.::. | ./
::| ';:::::┌===┐./
::| _〉ヾ ヾ二ソ./
::| 。 ゝ::::::::`---´:ト。
::|:ヽ 。ヽ:::::::::::::::::ノ 。 `|:⌒`。
::|:::ヽ 。ヾ::::::/ 。 ノ:::i `。
::|:::::::| 。 |:::| 。 /:::::::|ヾ:::::::::)
::|::::::::| . 。 (●) 。 |:::::::::::|、 ::::〈
月に1〜2話くらいか。
多分この先更に書き手が減るだろうから
月1ペースになるだろうな。
そしたら来年まで12話…
あれ?終わらないんじゃね?
逆に考えるんだ
「一年たっても終わらなくね?」
ではなく
「再来年まで楽しませてくれるのか」
こう考えるんだ
再来年で終わるかどうかはゲッター線とかイデの機嫌次第だが…
初期から見てるんだが
今、何年目だよ?www
最初のスタートダッシュで人気のあるキャラがどんどん書かれていく中いつまでもスタートしないブンタと親父って状況があったな
ひとつ言っておく
自己リレーありなら、来年3月から暇になるからそこから一月で完結させる自信ある
自己リレーがなぁ……あまりお勧めできないが、キャラが少なくなるとこういう事態起こるんだよな
余裕があったら全キャラ予約するんだが
3月まで残り76日、自己リレーへのカウントダウンには十分じゃないか
自己リレー問題ないんじゃないかな。
自分もラミアとシロッコを別鳥挟んで使って3連続で書いてるし。
3月までできる限り繋いで待ってるよー。
ここに来て神降臨!?
ほとんどのリレー系スレでは大抵最後は1、2人での独壇場になるので問題なしと思われ。
生意気なクォヴレーをシめてやるッ!
数々の死に逝く魂が見守る中、制裁は行われた。
既にクォヴレーの口にはディス・アストラナガンのディス・レヴがねじ込まれている。
「イキマ、コマしたれ」
ミオがいうと、イキマは稽古廻しの横から計都羅喉剣を取り出した。
ゆうに一尺はあろうかという巨大な業物に、クォヴレーはぶるっと震えた。
しかし、その恐怖とは裏腹に〜いや、クォヴレーにとってはその恐怖こそが
色欲を沸き立たせるものだったのかもしれないが〜
クォヴレーの花らっきょうの
ような小振りのブライソードは痛い程にそそり立っていた。
その「花らっきょう」の合金をフォルカが素手でちゅるんと器用に剥く。
フォルカの腕中に八つ裂き光輪臭が広がる。
そして、マサキの縮退砲がブライガーの菊門にねじり込まれていく…
まだ、幕が開いたにすぎない。
悦楽は、ここから始まる。コーヒーブレークはまだ終わらない…。
801板に帰れ
311 :
それも名無しだ:2007/12/18(火) 22:28:09 ID:MG0xaJHa
書いてみたい話があるのですが……なにぶん初めてで、勝手が分かりません。
名前の欄は空白で「それも名無しだ」のままでいいんでしょうか?
それとも、あのアルファベットと数字の羅列(ID?)が必要なのでしょうか?
そしてそもそも、終盤に初心者が乱入しても良い物でしょうか?
宜しければ、お教え願いたく存じます。
名前欄に半角で#を付けて、好きな単語を入力してください。
で、アルファベットと数字の組あわせが出るのがトリップです。
ですがここでは義務ではありませんので付けなくても結構です。
ルールとしては他の書き手さんのことも考えよう、ルールと矛盾がないように書こう
ということで
>>3を読んでみてください。
いつでも書いてくれる人は歓迎です。ちなみに名前欄に#raiouといれるとこうなります。
313 :
◆8CSsCd1fk6 :2007/12/18(火) 23:04:47 ID:MG0xaJHa
>>312
ご助言、ありがとう御座います! それでは……
ミオ コーヒー……じゃなくてシロッコ クォヴレー イキマ
以上4名を予約します。今週中、遅くとも日曜日には投下予定です。
メール欄にはsageといれるといいですよ
期待してます
>>313 レスアンカーは全角で>>313ではなくて半角で
>>313と書かないと機能しませんよ
あとトリップは認証の一種なので#の後に入れた文は忘れないよう気を付けてくださいね
分かってるかもしれませんが一応
>>313 だめだったら駄目だしして没にしてやるから安心汁
ラミア予約します。
初書きなので駄目出しよろしくお願いします。
は…初書き手がこの時期に二人だと!?
ちっ!まるで書き手のバーゲンセールだぜ。
とりあえず、二人ともSS書くこと自体はじめて?
>>319さん》自ブログでヘボ小説書いているので初めてでは無いです。
ついでに、リレー小説も何回かやった事があります。
>>314,
>>315,
>>316 指摘、ご助言、ありがとう御座います。駄目出しも容赦なくお願いします
>>319 一応、自分のホムペでスパロボ小説を書いているので、まるっきりの初心者ではないです。
リレー小説は今まで、傍から見ているばかりでしたが。
──深い、闇。
“ソレ”から逃げるようにゆっくりと瞼を開く。
先程まで見詰めていたモニターは白い閃光で焼かれ、今は何も映ってはいない。
ぼんやりとモニターを見、ラミアはもう一度瞳を閉じた。
再び広がる闇の中に求める姿は無く、しかし、焼けついたモニターも彼女が求める姿を映しはしない。
(ユーゼス様……私は……)
ジュデッカを駆り現れたユーゼスの支持を受け、ヘルモーズに戻ったラーゼフォンは格納庫の床に無造作に座り込んだ。
頭部の翼もダラリと垂れ下がり、その姿は糸の切れた操り人形の様。
「貴方の人形……」
ラミアは目を閉じたまま小さく呟き、モニターをゆっくりと触る。
──モニターが閃光に焼かれる一拍前、確かに見た。
エスカフローネとR-1が放つ光にジュデッカが塗り潰され、消滅したのを。
──あの光はきっと…全てを呑み込み、塗り潰し、消し去る“正義”
(“正義”なぞ無い。……いや、人形である私には判らないだけかもしれんな)
──しかし、その光にジュデッカ、ユーゼスは呑み込まれ、消滅したのだ。
──操り糸が切れた人形はどうすれば良い?
──修羅王が言った、『意思』
ふと、ラミアは思った。
操り糸が切れた人形ははたして、人形なのか。と。
「いや、糸が切れたとしても人形は人形……私は…」
浮かんだ言葉を掻き消すためにラミアは敢えて否定の言葉を口に出した。
しかし、一度浮かんだその言葉はなかなか消えず、ラミアは頭を抱えてコクピット内、奏者の台座に体を丸めて踞った。
そして、時同じくし、ユーゼスは生きておりアースクレイドルへと向かった事を彼女は知らない……
若き修羅王、フォルカが光の巨人の力を、このゲームで散った戦士の意思を受け継いだ事も……。
「私は人形…糸の切れた人形。」
俯き、ゆっくりと呟く。
開いた瞳の奥には───
「糸の切れた人形はあくまでも人形……だが、“自由”だと私は思う。」
【ラミア・ラウレス 搭乗機体:ラーゼフォン (ラーゼフォン) パイロット状態:精神安定 機体状態:装甲に僅かなダメージ EN1/3ほど消費 現在位置 ヘルモーズ内(格納庫) 第一行動方針:ユーゼスの代わりにゲームを進める。 最終行動方針:ゲームの完遂。】
投下完了です。
指摘、駄目だし、誤字脱字。よろしくお願いします。
【追記:ラミアはユーゼス、フォルカの生存を知りません】
つなぎとしてはおkだと思う
最近は超大作が連発してるけど、こういうつなぎの回も重要だよね。
ってことでGJ!
「闘鬼転生!!」
若き修羅王が拳を振るい、ありったけの覇気とともに大地に叩きつけ、60の闘神を降臨させた、その時。
その場に居合わせなかった、このバトルロワイアルを生き残った3人はそれぞれに、その気配を感じ取っていた。
「な、なに!? この、凄いプラーナ……!?」
ミオはディス・アストラナガンの中で、突如として発生した、今まで感じたことも無いプラーナに驚愕し、その方向を見た。
そちらは紛れも無く、自分が目覚め、デビルガンダムが消滅したE−4だった。
ミオは現在、E−4から少し外れた、G−4の南西端にいた。E−4を目指していたが、途中でディス・アストラガンの調子が悪くなり、現在はここでやむなく機体を停止させ、回復するのを待っていたのだ。
ともかく、ミオはプラーナが感じられる方角を見た。はっきりとは分からないが、自分の目覚めた場所の近くで何かが起こっていることは間違いなかった。
この時、ミオ自身も気づいていなかったが、つい先程まで流れていた涙が、ぴたりと止まっていた。
ミオは迷った。これ程の距離でここまで圧倒的なプラーナを感じさせる存在、只者ではない。
だが、果たしてその人物がどのような存在なのか、自分には……
(心配は無用だ、ミオ)
「え?」
声が、聞こえた。聞き慣れた……そして、二度と聞こえるはずの無い声。
あの声は間違いなく、マシュマーの声だ。
「マシュマーさん!? 嘘、どこにいるの!?」
だが、周囲には何も無い……いや、彼女は今、ディス・アストラナガンに乗っている。
この機体はこのゲームを終わらせる可能性を持つ物であると同時に、マシュマーがミオを救うべく奮戦し、命を散らした機体でもあった。
(ディストラちゃんの機体のことを考えると……やっぱり今のは、幻聴なんかじゃない!!)
確信すると、ミオは早速ディス・アストラナガンを……
(……待ってくれ)
「ええ、また!?」
ミオはほぼ反射的に、今度は聞き覚えの無い声ではあったが、その言葉に応じて、
動き始めていたディス・アストラナガンを静止させた。
「な、なんだ!? このプレッシャーは!?」
シロッコは機体の制御と並行させつつ、首輪の解除を行っていた。
技術者としての自分の知識と照らし合わせて、この装置が信用に足る物だと確信したのは、ほんの数分前のこと。
周囲の気配を探って、敵に襲われる危険性が少ないと判断すると、彼は見失ってしまった黒い機体の捜索と首輪の解除を同時に行っていた。
木原マサキの残虐な性格を考えると不安は残るが、このままずるずると、首輪の解除を先延ばしにするわけにもいかなかった。
首輪が解除されるかもしれいという高揚感と、失敗して死ぬかもしれないと言う緊張感は、突如として感じられた、嘗て感じたことのないプレッシャーに掻き消された。
その方向は、自分の目指す先――ゲームを終わらせる確信があるらしい少女が去って行った方向だ。
エステバリスを一先ず停止させ、目を瞑り、更に詳しく気配を探った。
優れたニュータイプ能力の持ち主であるシロッコには、この程度の距離で相手の存在を探ることは容易い事だ。
しかも、あのプレッシャーの主、闘志とも言うべき思念を剥き出しにしている。
(さて、鬼が出るか、蛇が出るか)
その言葉の皮肉に気付かず、シロッコは気配を探った。
そして、驚いた。
圧倒的な巨大さを誇ったプレッシャーが小さくなったと思うと、突然、60を超える剥き出しの思念を感じたのだ。
(な!? なんなのだ、これは!?)
さしものシロッコも狼狽した。しかし、生来の冷静な思考はすぐに彼をとるべき行動へと引き戻した。
(先程のプレッシャーを感じられなくなってしまったが、この意識の群れ、混然としているようだが、それでいて、まるで統一されているかのようだ。
敵意、憎悪、憤怒、闘志、勇気……その向かう先は、唯一つ)
考える。入り乱れた感情と言えど、その矛先は一つ。では、その矛の先に居るものは?
この場で、これだけの数から“敵”として共通に認識される存在とは? 答えは、1つ。
「よくよく探ってみれば……数に覆われてしまってはいるが、このどす黒く不愉快な感触……ユーゼス・ゴッツォのものではないか」
つまり、あそこではユーゼスがいる。この殺人ゲームの主催者が、自ら盤上に現れたのだ!
これは明らかな異常事態だ。頭上で自分達を見下ろしていた忌々しい存在が、今、正しく自分達と同じ土俵に居る。
「何事が起こっているのか、この目で確かめなければなるまい」
今まで死んだ振りと茶飲みばかりをしていた彼も、この事態に遂に行動を決意した。
ふと気付くと、首から不快感が消えている。首に手を当て、自分の足元を見て漸く気付く。この首輪の解析機、本物だ。
一先ず安心すると、シロッコは止めていた機体を再び動かし、加速させた。
黒い機体の追跡と捜索は、一旦打ち切ることにした。あの少女との接触も急務だが、あの場に行くのも急がねばならない。
彼女と現場で居合わせるか、途中で合流できるのが最上なのだが。
「なんだ!?」
イキマを探していたクォヴレーも、異変を察知した。
クォヴレーは機体を着陸させると、気配がした方向を見た。あの方角は……ディス・アストラ……いや、デビルガンダムが向かった先だ。
「まさか、やつが何かを始めたのか!?」
そうだ、そうに違いない。微かではあるが、あの時と同じような頭痛もする。やはりあの場で、殺しておくべきだったのだ。
クォヴレーは強引な理論で、そう結論付けた。それが殆ど言い訳のようで、客観的な事実ではなく主観的な願望であることに、彼は気付けなかった。
「早く、イキマと合流して、あの悪魔をなんとかしなければ……!!」
クォヴレーは態々着陸してしまったことを悔やみながらも、ブライガーを急いで再度発進させ、デビルガンダムが居るであろう方角に背を向けた。未だ見つからない、仲間を探して。
「無事でいてくれ、イキマ……!!」
木原マサキ、ラミア・ラヴレス、パプテマス・シロッコ、デビルガンダム。
貴様らに、もうこれ以上、決して、絶対に、仲間を殺させはしない!
『だが……頼む。あの子の話を……聞いてやって……くれ……』
『……少女一人、泣かせたまま死ぬというのも……まずかろう。……これが、な』
不意に、本当に突然に、あの魔神のパイロット、悪魔の手先――ヴィンデル・マウザーの最期の言葉が、鮮明に甦った。
その声は、とても穏やかだった。とても、死に掛けの人間が残したとは思えないほどに。だが……
「ウルサイ!煩い!五月蠅い!五月蝿い!うるさい! 死して尚、俺を惑わすと言うのか! 黙れ!ダマレ!だまれぇぇぇぇぇ!!」
クォヴレーはそれすらも、叫んでいるのか、喚いているのか、泣いているのか区別のつかない声で掻き消した。
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:錯乱状態。極度の疑心暗鬼。精神崩壊寸前。全てに対する重度の迷い。
これ以上の仲間喪失に対する恐怖。正常な判断能力の喪失?
記憶に混乱が。さらに、記憶を取り戻すことに対し恐怖。
機体状況:右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルで血塗れ。EN中消費。
現在位置: D―6を彷徨っている。
第一行動方針:イキマを追う。彼を絶対に死なせない。
第二行動指針:デビルガンダム(ディス・アストラナガン)の抹殺
第三行動方針:マサキ、シロッコ、ラミアの抹殺
第四行動方針:マーダーの全滅(イキマ以外、全員がマーダーに見えている?)
第五行動方針:なんとか記憶を……しかし……?
最終行動方針:ユーゼス、及び生存中のマーダーの全滅。これ以上、仲間を絶対に失わせない。
備考:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと7時間前後
トロニウムエンジン所持。
ディス・アストラナガンと接触することにより、失われた記憶に影響が……?
マサキ、ラミア、シロッコを敵視。シロッコは死亡したと誤認。
ディス・アストラナガンをデビルガンダム(または同質の存在)だと思い込んでいる
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識】
ミオは突如として聞こえてきた声に従い、E−5の縦軸中央の北方にいた。
此処にいれば、自分を探しているゲームに乗っていない人物に会えると教えられたのだ。
(……ということだ。あの場はフォルカ・アルバーグや、闘鬼転生で降臨した者達に任せて大丈夫だろう)
声――“ディス”の付かないアストラナガンのパイロットだという、イングラム・プリスケンの説明が終わると、
ミオは少々無理矢理ではあったが、それでも嬉しくて笑顔になった。
「驚いたな〜。死んだみんなが力を合わせて、あの変態仮面を倒そうなんて!」
自分がデビルガンダムに取り込まれた時、闇に飲まれそうになった自分を、死んでいったみんなが励ましてくれた、支えてくれた、助けてくれた。
そして今もまた、フォルカという男の『死者の魂を愛機と共に一時的に呼び寄せる』という反則的な能力によって力を貸してくれているという。
死んでしまったのに、それでも自分達のように戦っている。ミオにはそれが頼もしく、そして嬉しく思えた。
(……成る程、聞いたとおりの少女だ。大地の魔装機神、ザムジードの操者は伊達ではないか)
イングラムはそう言って、笑っているようだった。顔が見えるわけではないので、何となくそう思えただけだが。
「え? 誰に聞いたの?」
ミオは自分のことを誰から聞いたのか気になった。自分と合流して一度でも離れた人はマシュマーしかいないが、狂乱状態にあったという彼が他人と話しをするとは思えない。
もしかして、プレシアと一緒に行動していたのだろうか? そう思って聞いてみると、予想外の答えが返ってきた。
(死後にハヤミ・ブンタやアクセル・アルマー、マシュマー・セロから聞いた)
「……そっか、みんなが……」
正直、自分と関わってしまったがために死んでしまったと、怨まれていたらどうしようと、不安だった。
だが、デビルガンダムの中で聞いたとおりだ。ミオはこんなゲームの中に出会えた仲間達を思い出し、心の中でお礼を言った。勿論、ヴィンデルにも。
イングラムは暫くの間黙っていたが、ミオの心が落ち着いたのを見計らって本題を切り出してきた。
(それで、ミオ・サスガ。クォヴレー・ゴードンがディス・アストラナガンを拒絶し……あまつさえ、破壊しようとした。これは、事実なんだな?)
「……うん。やっぱり貴方も、彼のこと、知ってたの?」
ディス・アストラナガンの真の操者である、クォヴレー・ゴードン。だが、このイングラム・プリスケンの魂をディス・アストラナガンは歓迎しているように感じられた。
それに、イングラムは先程“並行宇宙の番人”だと名乗った。これは、クォヴレーの称号と同じだ。関係があると見ていいだろう。
(いや、正確には違う。確かにクォヴレー・ゴードンとイングラム・プリスケンは魂を融合させていたようだが……それは別の時間軸での話しだ。
クォヴレーから切り離されたイングラム・プリスケンの魂はディス・アストラナガンに封じられ、お前や主君の魂を助けようと死力を尽くしたマシュマー・セロに手を貸し、その力の殆どを失った。
そして今、その魂の残滓は俺という同一でありながら別の存在に吸収された)
「……ようするに、合体して、クボくんのことが分かったってこと?」
(そういうことだ。……それと、クボくんはやめておけ)
小難しい話の後に敢えておどけてみせると、イングラムはそれにもちゃんと反応してくれた。どうやら、意外とノリがいいらしい。
そんなことを考えていると、前方に機影が見えた。
「誰か来る?」
ミオが呟いたのと同時に、イングラムは離れた場所で戦っている同志達の異変を感じ取り、舌を打った。
(ユーゼスめ。やはり、闘鬼転生によって集った魂を刈り集める計画だったか。
……だが、そんなことは先刻承知だ。死して尚、反逆の牙を剥く人間を侮るなよ、ユーゼス)
「イングラムさん、聞いてる?」
(ああ。先程話したとおり、あれは対主催の立場の、男が……乗っている。あの機体と接触……するべき、だろう……)
「どうしたの? だんだん声が小さくなってるけど……」
ミオが不安げに尋ねた。まさか、このまま消えてしまうのでは……。しかし、それは杞憂だ、とイングラムは言ってくれた。
(闘鬼転生の力が……失われた。……あの場に1人……イキマ……仲間にすべき男が、残って……いる。
……俺は暫く眠りにつき……クォヴレーとの、接触、まで……力を、蓄える。俺が感じ取ったことは、お前にも、分かるように……しておく。頼んだ、ぞ……)
「ああ、ちょっと! プリスケさん!?」
(………………プリスケン、だ……)
「おお、ナイス・ツッコミ。やっぱり、意外とノリのいい人だったんだ」
土壇場での絶妙なボケとツッコミ。この遣り取りを最後に、イングラムは少々不満そうではあったが、眠りに就いたようだ。
その直後、接近してくる機体から通信が入った。
「聞こえているか? 黒い機体のパイロット。話がしたい。こちらに戦意は無い、信じて欲しい」
「……うん。いいよ」
ミオは短く、男からの申し出を受けた。不安は無かった。みんなが見守っているという、安心感があったから。
それでも、油断は大敵だ。先刻の、クォヴレーの時のようなことにならないためにも。
シロッコは、まるで自分を待っているかのように進路上に佇んでいた黒い機体と、接触を図ることにした。
恐らくはユーゼスがいるであろうE−4に向かいたかったが、このゲームを破壊できる可能性を持つ少女と折角出会えたのだ。これを無碍にするほど、シロッコの気も逸っていなかった。
シロッコが先ず自分から降りようかと尋ねると、彼女は同時に降りようと言ってきた。どうやら、自分を信じてくれたようだが……何故?
仮にもここまで生き抜いてきたのだ。底抜けの善人、というわけでもないだろうに。
先刻の言葉通りに、自分と同じタイミングで機体から降りた少女を見て、シロッコは驚愕した。なんと彼女には、首輪がついていなかったのだ!
まさか、木原マサキの首輪の解析装置以外の方法で、首輪を外している者がいるとは、思ってもみなかった。これでは、あれを交渉材料には使えないな。
シロッコの驚愕を余所に、青い髪をツインテールに纏めている少女はメモを取り出し、何かを書くと自分に渡してきた。首輪が外れているというのに、用心深いことだ。
『はじめまして。私はサスガ・ミオ。さっきの放送ではミオ・サスガって呼ばれてたけどね』
(さっきの放送?)
ミオという少女の差し出してきた文面を読み、シロッコは何かが引っ掛かった。聞き覚えのある名だ。……そう、主催者が行った放送で呼ばれた名前だ……!?
『どういうことかな? 君は、ミオ・サスガは死んだのではないのか?』
『どうやら、あの変態仮面が死んだと誤解しているみたいなの。首輪が無いからかな? あ、でも、あなたもないか……って、どうやって外したの!?』
少女も自分の首を見て、首輪がないことに驚いていた。だが、今はそれどころではない。
『私は、ある男が作った首輪の解析・解除装置を使ったのだ。その男は先刻の放送よりも前に首輪を外したが、名前は呼ばれなかった。
君こそ、どうやって首輪を外したのだ? その違いに、答えがあるのかも知れん』
『う〜ん……話せば、っていうか、書くと長くなるんだけど……』
シロッコはそこまで書き終えてから、気付いた。自分はいつの間にか、この少女を信用している。彼女の纏っている、独特な雰囲気のせいだろうか。
そもそも、自分から「先程の放送で呼ばれた」と言っている時点で、彼女には身を偽る気持ちが無いことが分かる。取り敢えずそこだけは、信じるとしよう。
少女の書いたとおり、話は長かった。それだけではなく、その内容は自分の理解を凡そ超越していた。
デビルガンダムについての顛末、使者の魂との接触、ゲッター線なるものとの接触によるゲームの全容の把握、使者の魂と無念を用いた“超神”と称される器、ユーゼスの野望、それを阻止する手立て……
自分のいた宇宙世紀の世界からは、想像も出来ないようなことばかりだった。
だが……と、シロッコは視線を少女に向ける。元々、シロッコには人を――特に女性を見る目には自信があった。
この少女の瞳から感じられるのは、俗物の浅ましい感情でも、女性特有の母性的なものでもない――強い決意だ。こんなにも力強く、真っ直ぐな瞳の女性が、下らない上に無意味な嘘を吐くはずが無い。
シロッコは自分の直感を信じ、ミオの言っていることも大筋で信じた。
デビルガンダムに関しては、クォヴレーがあそこまで恐れていたのも納得できるような力だった。それに、自己修復どころか自己増殖、自己進化まで備わっていたとは。
……本当に、これはガンダムなのか?……いや、“悪魔の名を冠するガンダム”ではなく“ガンダムの名を持つ悪魔”ということだろう。
それに、これなら木原マサキの名が呼ばれず、彼女の名が呼ばれた点について合点がいくのだ。
彼女の首輪は、デビルガンダムに取り込まれた拍子に無くなったという。
つまり、“DG細胞なる物によって変質した首輪が、正常な機能を発揮しなくなってから外れた”のだ。
対して、自分や木原マサキは正常な機能のまま首輪を外している。そして、彼女は自分の名が呼ばれ、木原マサキの名が呼ばれなかった放送を、機体の中で聞いていたという。つまり。
『ありあわせの物で装置を作り、首輪を解除することは、ユーゼスの予想の範囲内だった。だが、DG細胞とやらの影響で首輪が変質し、外れ、君が生還することは全くの予想外だったのだろう。
となると、“正常な機能のまま首輪が外されると、他の何かがその機能を引き継ぐ”ことが確定的になる。そこで考えられるのは、機体に代替の監視装置が備え付けられていることだ。
恐らく、“正常な機能のまま首輪を外すと、機体の監視装置が発動する”のだろう。君が機体に乗っていながら、ユーゼスに生存を知られなかったのがその証拠だ』
『な、なるほど……!』
自分の推論をさらさらと書き上げて彼女に示すと、彼女は驚愕の表情そのままの文面を返してきた。
恐らく、声に出していても同じことを言ったのだろう。おかしな少女だ。
『通信をしていても大丈夫だったようだが、万一ということもある。
会話が私の機体の外部マイクで拾われる可能性も考慮し、筆談を続行しよう』
『うん』
シロッコは再び、彼女から渡されたメモを読み直した。
そこには、これっぽっちも予想していなかった……考えられるはずも無いことが書いてあった。
『つまり……このゲームを破壊し、主催者を打倒するには……』
『うん。このディストラちゃんに、真の操者のクボくんが必要だったんだけど……』
(ええい、なんということだ! まさか、私が勝利の可能性を自ら蹂躙していたとは!!)
歯を食い縛り、シロッコは己の間抜けさを悔いた。自分が先刻、我が身を守るために陥れた3人。
まさかその3人全員が、このゲームを破壊しうる可能性を持った、数少ない存在だったとは。己の迂闊さ、間抜けさに、どうしようもなく腹が立つ!
それから数十秒、シロッコは沈思黙考した。そして、ある決意の元にペンを動かした。
今までの彼の思考からは、考えられないような行動だった。
『……申し開きの仕様も無い。私の軽率な行動で、取り返しのつかないことを……』
シロッコは自分の落ち度を、自分がミオとその同行者を策に嵌め、その同行者を見殺しにしたことをありのまま伝えた。
直前の木原マサキの行動、奴によって目の前でクォヴレーの仲間が殺されたこと、等等……。
書いてから、シロッコは自嘲気味に、声も無く笑った。これでは、なし崩し的にとはいえ、折角得た彼女からの僅かばかりの信用を損なってしまうだろう。
そう、最悪、クォヴレーの時のように……。どうして、このような軽挙妄動を……。
すると、ミオが何ごとかを書いて、自分に差し出した。これまでのように地面に置くのではなく、直接、自分に渡してきた。
シロッコはやや戸惑いながらも受け取ると、その文面を一語一句、丁寧に読んだ。
『ううん。まだ、可能性はゼロじゃないよ。私もクボくんも、まだ生きてる。
だからもう一度、説得してみるよ……ううん。説得してみせるよ、今度こそ!』
シロッコが驚いて顔を上げると、彼女は柔和な笑みを浮かべた。その笑顔が、シロッコの目には聖母の微笑みのように映った。
そして、この殺し合いの世界で初めて見た、純粋な心からの笑顔は、太陽よりも輝いているようにさえ思えた。
(なんと……強い少女だ)
仲間の仇とも言える私と彼を、寸毫も敵と考えていない。
それどころか、最後まで諦めようとしていない。どんなに僅かな光明でも、決して見逃そうとしていない。
この、全てを包み込むような寛大さと、暖かさ、そして強さ。これが、母性と言うべきものなのだろう。
「やはり……世界を治めるのは、君のような女性であって然るべきだ」
「え?」
「いや、こちらの話だ。忘れてくれ」
ついつい、声に出してしまった。兼ねてから自分が抱いていた野望。
そうだ、この下らない殺し合いを開催したのも男、呼ばれた者の大半も男、争いを繰り広げる者の大半は、何時如何なる時でも、世界でも、男なのだ。
やはり……そう、やはり、今眼前にいるサスガ・ミオのような女性こそが、世界を治めるに相応しい存在なのだ。
シロッコは未だに不思議そうな顔をしているミオを見ながら、心からそう思った。
いよいよ、元の世界への帰還の欲求も高まる。殺し合いに乗って勝利する下衆なやり口で、ではなく、この尊ぶに値する女性の示した、至上の方法で。
『そうなると、彼の仲間……イキマ、だったかな。彼と合流し、事情を説明しなければ。クォヴレーとて、仲間の言葉なら聞いてくれるだろう』
『あ、それだったら、居所は分かってるよ。この先に居るんだって』
『先程の……死者の声、というもの、だったかな?』
『うん。さっきまで変態仮面をフルボッコじゃあ!って状況だったみたいだけど、詳しくは分からないの。
けど、今はそれも終わって……半分は変態仮面の思惑通りで、もう半分は、死んだみんなの予想通りだったみたい』
『つまり、まだ終わってはいない、ということか。……それにしても、死者が生者に力を貸すとは、ナンセンスな』
『も〜、そういう堅いことは言わないの! じゃあ、それは信じなくてもいいから、この先にクボくんの仲間がいることは信じてくれる?』
『ああ。少なくとも、君がそう感じていることは信じられる。ここで嘘を吐いても、何の意味も無いからね』
『よ〜し。それじゃあ、しゅっぱ〜つ!』
筆談を終えると、2人は殆ど同時に立ち上がって自らの機体に向かった。
その時シロッコは、ある決意を胸に抱いていた。この少女、サスガ・ミオを守り抜いてみせると。
そして、自らの世界に帰還し、彼女のような女性の統治する社会構造を創り上げて見せると。
「あ、そうだ」
「何事かな、ミオ?」
「名前、まだ教えてもらってなかったよね?」
私としたことが、紳士として淑女に接する最低限のマナーすら行えていなかったとは。
シロッコは苦笑のような、それでいて楽しそうな笑みを浮かべると、ミオの右手を軽く握り締め、同時に跪いた。
そして、彼女の手の甲に口付けを。
「ひゃっ……!?」
「失礼。私の名は、パプテマス・シロッコと申します、ミス・サスガ・ミオ」
戦士が、敬愛する女性に跪き、その手の甲に口付けする。
何かの文献で読んだ、敬愛する女性を守り抜く、男の誓いの立て方だった。
若き修羅王と強念の少女、そしてこの殺人ゲームの主催者は、消えた。あの状況では、ユーゼスも、あの勇気ある2人の人間も、生きてはいないだろう。
だが……これで、終わったのだ。この馬鹿げた、下らない……殺人ゲームが。そう、イキマは確信していた。
(ジョシュア、トウマ、リュウセイ、セレーナ、エルマ、リョウト、ガルド、
イングラム・プリスケン、バラン・ドバン、東方不敗、そして……アルマナ嬢。終わった……終わったぞ)
イキマは空を見上げ、志半ばで倒れた、今は亡き反逆の同志達にそう報告した。
尤も、この決着の一因は紛れも無く、つい先程まで此処にいた“彼ら”なのだから、報告の必要は無かったかもしれないが。
この場に居合わせたのがミオでも、シロッコでも、クォヴレーでも、そう思ったことだろう。
あの修羅王の強さ、その極大の拳を振るった際の覇気――あれでも倒せなかった、という考えは到底思いつかないことだろう。
だが……イキマの視線に、巨大な飛行物体――ヘルモーズが目に入ると、彼は違和感を覚えた。
何故、あれは主を失っても尚、今までと同じように動いているのだろうか? 主催者であるユーゼスが死亡したのであれば、何らかの動きがあるはずだ。
まさか、あれだけ巨大な戦艦に誰も居ない筈が無い。スパイのラミアとかいう女がいい例だ。だが、何も起きない。起きる様子も無い。
(……まさか、まだ、なのか? まだ、なにかあるというのか?)
邪馬大王国の最高幹部であり、歴戦の勇士でもある彼の直感が、そう告げていた。
まだ、この戦は終わってなどいない、と。
そうだ、考えてみろ。自分達ハニワ原人と人間達の戦いの中でも、こういうことはあった。王が死んで尚、抵抗をやめずに最期まで戦い続ける人間の悪足掻き。それと同様のことが有り得るのではないか?
(ユーゼスの命が終わっても、奴が仕組んだこのゲームが終わる事はないということか!!)
イキマはそう結論を下した。そして、忌々しげに歯を食い縛り、悠々と飛んでいく戦艦をにらみつけた。
あの戦艦と、この会場内のどこかにあるという空間操作装置。これらを破壊しなければ、主催者であるユーゼスが消えても、どうにもならないのだ。
(……クォヴレー、無事でいてくれよ)
イキマは地図と機体のGPSに表示されたデータを元に、此処がG−6基地から北西に3ブロック離れたE−4と確認した。
此処にはデビルガンダムとかいうものが居座っていたらしいが……ユーゼスが回収したのか、それとも、あの赤い髪の青年が倒したのか。恐らく、後者だろう。
あの強さだ、充分に有り得る。そして、その不測の事態に慌てたユーゼスが、止む無く動いた……といったところだろう。
それはさておき、あれから大分時間も経っているが、まだD−6周辺で、クォヴレーが自分を探している可能性もある。彼を迎えに行こう。
そう決めた直後、イキマの人間を超越した視覚が、何かを見つけた。
参加者の機体、だろうか。2機見える。こちらに向かって来ているのか?
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:強い決意。首輪なし。ディス・レヴから伝わる負の波動に嫌悪感(イングラムの魂によってかなり軽減された)
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中。
故障した推進機器も、移動に支障が無い程度に回復。イングラムの魂が融合
現在位置:E−4
第一行動方針:イキマと合流し、クォヴレーの説得を頼む
第二行動方針:対主催のために動く(クォヴレー説得・空間操作装置破壊など)
第三行動方針:戦力を結集する
最終行動方針:ユーゼスの打倒
備考:ヴィンデルから自分がDGに取り込まれた後の一連のあらましを聞きました。
ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオも知覚できる(霊魂特有の感覚など)
ラミアに関する情報をシロッコから入手(ヴィンデルの言葉と合わせて疑念)
マサキの危険性を認識、また生存を確認。マイも警戒
ヴィンデルの死を知りました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:エステバリス・C(劇場版ナデシコ)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)、首輪無し、やや混乱
機体状況:エネルギー消費(中) 駆動系に磨り減り。左腕欠損
現在位置:E−4
基本行動方針:ミオを守る。
第1行動方針:イキマとの合流
第2行動方針:クォヴレーの説得(不可能な場合は……?)
第3行動方針:仲間を集め、一致団結して対主催に動く(この際マサキでも構わない)
最終行動方針:主催者の打倒。あわよくばミオを自分の世界に連れ帰りたい(ミオの意思を尊重)
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶をミオと一緒に味わいたい(もう気は緩めない)
備考:首輪は解除済み。首輪を1つと、首輪の解析装置を所持。ラミアに疑念。
マサキ、マイを危険視。
リュウセイのメモを入手。反逆の牙共通思考の情報を知っています。
ミオとの情報交換メモを所持。人知を超えた事態に少々混乱気味
ユーゼスの目的、その打倒の方法を知りました
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
【イキマ 搭乗機体:ウイングガスト(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:ユーゼスの死を確信。戦闘でのダメージあり(応急手当済み)
マサキを警戒。ゲームが終わっていないと判断
機体状況:装甲に大程度のダメージ、メインカメラ破損。
殆ど碌に動けませんが、移動は問題なく可能。詳細は次の人にお任せします。
コックピットの血は宗介のものです。
現在位置:E−4
第一行動方針:他者にユーゼスの死亡を伝える。
第二行動方針:トウマに代わり、クォヴレーを支える
最終行動方針:ゲームをどうにかして終わらせる
備考:ディス・アストラナガンを特に警戒
ガイキングの持つ力(DG細胞)が空間操作と関係があると推測
ディス・アストラナガンがガイキングの力(DG細胞)と同種のものと推測
剣鉄也らの背後の力(デビルガンダム)が空間操作装置と関係があると推測
デビルガンダムがフォルカによって破壊されたと推測
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測 】
【3日目 08:50】
妙に長い繋ぎの話、投下完了。
駄目出し、誤字・脱字の指摘等等、宜しくお願いします。
乙&GJ。とりあえず・・・。
ハニワ「幻」人だ
60の魂って事は今まで死んだ人間の数だよな?
ユーゼスがカミーユみたいな事になるのか?
おつかれいんぼー!
ミオはDG戦といい完全にこのロワのヒロインだな。
>>340 取り込んでるのはゼストの方じゃまいか?
乙!コーヒーは相変わらずだな
修正
>>330 クォヴレーの第三行動方針:マサキ、シロッコ、ラミアの抹殺→マサキ、ラミアの抹殺
>>333 20行目:使者の魂→死者の魂
>>337 >>339、ご指摘、ありがとう御座います。
ハニワ原人→ハニワ幻人、邪馬大王国→邪魔大王国
他にもありましたら、ご指摘をおねがいします
二人とも投下早っ!
>>325 乙&ナイス繋ぎ
こうなってもなお行動方針が「ゲーム遂行」なのがいいな
ただ何点か気になったので指摘させてくれ
1.×ラウレス ○ラヴレス
2.状態表は項目ごとに改行すべし(もしかして携帯かい?)
あと、【】内の語尾には「。」は要らないと思う
3.志村ー時刻時刻ー
>>344 こちらも繋ぎ乙
生存者の大まかな動きはいいんじゃないかな
出会う順番&それぞれの認識の差が今後どう響いてくるか?
が、ミオが平常時から死者と明確な「会話」をしてしまうことには違和感を禁じ得ない
ミオの能力が高いことを差し引いても、機体・パイロット共に落ち着いた今の状態では
DG戦時のマシュマーが知覚したレベルを越えられるとは思えないし、
もしそれを「イングラムがディストラに融合したから」で説明しようとするならば、
失礼ながらいささかご都合主義的に感じられる
また、この会話の描写によって先回までのミオ自身やこれまでの死亡話の悲壮感が
帳消しになってしまうようにも思う(ストーリー上ではなく、読み手側の印象として)
言葉によるコミュニケーションはストーリー進行にとって有用な武器ではあるし、
死者との邂逅は当事者にも読み手にもカタルシスを齎すだろうが、
安易に使いすぎると雰囲気が軽くなってしまうという諸刃の剣でもある
気配や大雑把なイメージがぼんやりと伝わる程度に留めておいた方がいいのではないだろうか
長文&偉そうな意見スマソ
俺の主観も多分に入っているだろうから、他の人の意見も交えて総合判断ヨロ
【ラミア・ラヴレス
搭乗機体:ラーゼフォン (ラーゼフォン)
パイロット状態:精神安定
機体状態:装甲に僅かなダメージ EN1/3ほど消費
現在位置 ヘルモーズ内(格納庫) 第一行動方針:ユーゼスの代わりにゲームを進める。
最終行動方針:ゲームの完遂。
ユーゼス、フォルカの生存を知りません。
8時35分】
【ラミア・ラヴレス
搭乗機体:ラーゼフォン (ラーゼフォン)
パイロット状態:精神安定
機体状態:装甲に僅かなダメージ EN1/3ほど消費
現在位置 ヘルモーズ内(格納庫)
第一行動方針:ユーゼスの代わりにゲームを進める
最終行動方針:ゲームの完遂
ユーゼス、フォルカの生存を知りません
8時35分】
>>346は破棄でorz
一応修正版投下完了です。
>>345》指摘ありがとうございます。まだ何か不備があればどうぞ。
ちなみに自分は携帯です。
>>504 あえて言おう。詳細は、サイト紹介になるから伏せるが、
俺は、
ブレイドの記憶を失った相川始とfateのクロスオーバーSS が好きだ
某ザウスのエロゲーのSSで、俺tueeeチックなオリキャラが一番好きなネリーと結ばれるようなSSだって好きだ
某、キャラ羅列しただけじゃねーかとか言われる、グランゾン○ターナル生みの親のSSが好きだ
オリジナル特撮系SSとはいえ蟻人の完成度の高さには感動し、ファンにすらなった
某所の禁書&ゼロ魔クロスオーバーも大好きだ
はたから冷めた興味のない奴が見て、何これとか思うようなそんなドリーム小説も、素晴らしい大作も、おれは好きだ。
オリキャラも展開も些細なものだ。大切なことは面白いか面白くないかの2つにひとつ。
つーか面白くてキャラたってりゃなんでもいい、とかいう雑食性な性格のせいかも知れん。
自分が書くときは文章力に気を使うけどな!
誤字脱字が多いことにSS投下した後気づいて鬱ることも多いが
誤爆orz
すまん
ちょwおまwwwなんだこの誤爆www
>>345 俺は
1、ミオはいったん負の意思でてんこ盛りなデビルガンダムに取り込まれた。だから死者の声を聞けてもおかしくはない
2、アストラナガンはいわばイングラムの半身、ディストラとでも融合はできそう
3、常時会話するならともかく、「クォヴレーと接触するまで力を蓄える」ってことはそれほど余裕はない
ってなかんじで納得してるが。
死者なら誰とでもって訳じゃなく、グランゾンに憑依したシュウと同じくディストラっていう器があったイングラムだからこそできたんじゃないかな?
うーん、俺はどっちでもいいと思うけど、むしろシロッコに違和感覚えた。
こんないい奴だっけ? 女性を祭り上げてとことん絞ろう、って言う腹のキャラだったような……
今まで策士をやってたから余計にそう感じる
ああ、追加するといい人過ぎるってことね
ん〜シロッコの女性崇拝は元からあるが、原作Zとは違い
明確に崇拝するだけの価値がある女性が存在していたってことじゃないか。
この状況ですらそのままのミオだから相応に敬意を払っているのでは。
原作内も後の評価でも真に女性崇拝者なのかははっきりされてないよ。
このロワでは崇拝者として解釈されてる、でいいじゃない。
>>345 あそこでイングラムとミオが会話できていたのは
1.ミオがDGと融合したときに魂との接触の経験があったから
2.ゲッター線
3.イングラムもちょこっと言っていましたが、闘鬼転生の力を借りていた。
なので、フォルカがいなくなって、途中で余裕が無くなり、
クォヴレーとの接触の時まで力を蓄えることに
付け加えると、以後、ミオと会話する機会はあっても1度、それも短いものです。
・ディストラとの融合は
1.マシュマーに力を貸した“クォヴレーから切り離されてしまったイングラム”
という限りなく自分に近い因子の残滓があったから
2.ディストラも、元を質せばイングラムのアストラナガンも混じっているから
以上のように判断して、あのように書き進めました。
悲壮感については……私の力量不足といわざるを得ないです。
近日中にできるだけ修正してみます。
シロッコについて
>>355のように考えました。加えて、他人の精神崩壊に多く出くわしていたので、
それに陥りそうにも無いミオの姿がより一層……と考えてみました。
やっぱり、策士シロッコのほうが良いでしょうか?
いざとなればシロッコのクローンでしたでもいい気がする
確かに今まで策士路線だったから、ここへ来て唐突に善人補正がかかったような違和感はあるね
ミオを利用して生き残ろうと裏で考えてるっつー方が筋が通るような
もし本心からミオに惹かれたんなら、惹かれた事実そのよりも
そこへ至るまでの過程のほうこそ大事にすべきなんジャマイカ
つーか全体的にそういう心理描写が薄い印象は受けたな
とにかく修正頑張ってくれ
「闘鬼転生!!」
若き修羅王が拳を振るい、ありったけの覇気とともに大地に叩きつけ、約60の闘神を降臨させた、その時。
その場に居合わせなかった、このバトルロワイアルを生き残った3人はそれぞれに、その気配を感じ取っていた。
ミオは、ひたすらにディス・アストラナガンを前に進めていた。ヴィンデルとの約束を果たすために。
(ヴィンデルさん……)
これで、一体何度目だろうか。このゲームで自分は、いつも誰か男の人に支えられ、守られていた。
マシュマー、ブンタ、アクセル、ヴィンデル……人数で言えば4人だが、何度救われたかで考えると、想像もつかない。みんな、自分を支えて、守って……死んでいった。
自分のせいで、自分を庇って、みんな死んでいった……自分なんかに構わなければ、みんな、今も生きていたのではないだろうか? そうだ、きっとそうだ。
そして、だからこそ、みんな、自分のことを怨んでいる。どうして、お前はまだ生きているんだ、と。
ミオは知らず知らずの内に、ディス・アストラナガン――正確には、その中枢であるディス・レヴから発せられる負の波動によって、ずるずると暗い思考に引き擦り込まれていった。
無理も無い。今まで彼女が気丈に振舞えていたのは、傍にいつも仲間がいたからだ。だが、もう彼女の傍には誰もいない。ブンタはいない、マシュマーはいない、アクセルはいない……ヴィンデルもいない。
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……)
ミオはまるで何かの呪詛のように、死者に許しを請うた。だが、死人に口無し。誰も彼女を許さない。彼女が顔を涙で腫らしていても、何も言わない――言えないのだ……そう、本来ならば。
泣きじゃくり、集中力を欠いたミオの操縦は覚束ない。そのため、真っ直ぐ前進していた機体がふらふらと方向を変えてしまった。
そして、やはり先刻の戦闘の影響だろう。推進機器に異常が発生した。コクピットにはそのことを告げる警告音が鳴り響いたが……ミオは虚ろな瞳で、ぼう、っとしていた。
(このまま墜ちれば……)
死ねるかな――そう続こうとしていた思考は、途中で止まった。いや、思いそうになった瞬間に、思い止まったのだ。
慌てて体勢を立て直し、なんとか出来る限りの軟着陸をした。それでも、地面にうつ伏せに倒れてしまった。しかしミオは、そのことをあまり気にしていなかった。とても、大事なことを思い出したのだ。
以前にも、こんなことがあった。デビルガンダムに取り込まれた時だ。あの時自分は、とんでもない質と量の負の感情に染め上げられて、死にたい、殺して欲しい、死んじゃえ、殺してやる……そんな感情に、確かに支配されていた。
だが、あの時、自分が正気を取り戻せたのは? 今、こうして、ここにいられるのは?
ゲッター線を通じて呼び掛けてくれた、死者の魂達。その中にはブンタやアクセル、プレシア、シュウでさえもいた。
彼らは自分に託してくれた、教えてくれた。彼らの、負の感情ではない想いを。
『お前には、まだやるべきことが残っているはずだ。この戦いを終わらせるために、為すべきことが』
『忘れるな。お前の命は、もはやお前一人のものではない。お前がここで死ねば、アクセルやマシュマーたちは、何の為に命を賭けた!?』
『最後まで、諦めるな。希望を捨てず、絶望に抗い続けろ』
別れ際の、ヴィンデルの言葉。まるで、今の自分に対して言ったかのようだ。……そうだ、彼の言ったとおりだ。
(今、ここで諦めたら……それこそ、みんなに叱られちゃうか)
ミオは取り敢えず、無理にでも笑った。ここで挫けたらいけない、泣いてちゃいけない。だから今は……笑っておこう。
涙がなかなか止まらないけど、笑っておこう。ヴィンデルのことを想うと、ディス・レヴを通じて感じられる確信めいたものに胸が締め付けられるけど、笑っておこう。
なんとかミオは、心の平静を取り戻した。結局、また彼らに助けられたようなものだが……
だからこそ、自分は彼らにはもうできない、自分にはまだ出来ることをやろう。そう強く決心した。その時だった。
「な、なに!? この、凄いプラーナ……!?」
ミオは突如として発生した、今まで感じたことも無い強大なプラーナに驚愕し、その方向を見た。そちらは紛れも無く、自分が目覚め、デビルガンダムが消滅したE−4だった。
現在位置を確認すると、ミオは現在、E−4から離れたG−4の南西端にいた。
ともかく、ミオはプラーナが感じられる方角を見た。はっきりとは分からないが、自分の目覚めた場所の近くで何かが起こっていることは間違いなかった。
この時、ミオ自身も気づいていなかったが、つい先程まで流れていた涙が、ぴたりと止まっていた。まるで、必要が無くなったかのように。
ミオは迷った。これ程の距離でここまで圧倒的なプラーナを感じさせる存在、只者ではない。だが、果たしてその人物がどのような存在なのか、自分には……
(心配は無用だ、ミオ)
「え?」
声が、聞こえた。聞き慣れた……そして、二度と聞こえるはずの無い声。あの声は間違いなく、マシュマーの声だ。
「マシュマーさん!? 嘘、どこにいるの!?」
だが、彼は死んだ。それに、周囲には何も無い……いや、彼女は今、ディス・アストラナガンに乗っている。
この機体はこのゲームを終わらせる可能性を持つ物であると同時に、マシュマーがミオを救うべく奮戦し、命を散らした機体でもあった。
その力の源は、ディス・レヴ。負の魂を力とし根源とする心臓。死者の魂と、強く結びついている機体。
(ディストラちゃんのことを考えると……やっぱり今のは、幻聴なんかじゃない!!)
確信すると、ミオは早速ディス・アストラナガンを……
(……待ってくれ)
「ええ、また!?」
ミオはほぼ反射的に、今度は聞き覚えの無い声ではあったが、その言葉に応じて、飛び立たせたばかりのディス・アストラナガンを静止させた。
ミオは突如として聞こえてきた声に従い、E−5の縦軸中央の北方にいた。
此処にいれば、自分を探しているゲームに乗っていない人物に会えると教えられたのだ。
(……ということだ。あの場はフォルカ・アルバーグや、闘鬼転生で降臨した者達に任せて大丈夫だろう)
声――“ディス”の付かないアストラナガンのパイロットだという、イングラム・プリスケンの説明が終わると、ミオは少々無理矢理ではあったが、それでも嬉しくて笑顔になった。
「驚いたな〜。死んだみんなが力を合わせて、あの変態仮面を倒そうなんて!」
自分がデビルガンダムに取り込まれた時、闇に飲まれそうになった自分を、死んでいったみんなが励ましてくれた、支えてくれた、助けてくれた。
そして今もまた、フォルカという男の『死者の魂を愛機と共に一時的に呼び寄せる』という反則的な能力によって、力を貸してくれているという。
死んでしまったのに、それでも戦っている、諦めないでいる。ミオにはそれが頼もしく、そして嬉しく思えた。
(……成る程、聞いたとおりの少女だ。大地の魔装機神、ザムジードの操者は伊達ではないか)
イングラムはそう言って、笑っているようだった。顔が見えるわけではないので、何となくそう思えただけだが。
「え? 誰に聞いたの?」
ミオは自分のことを誰から聞いたのか気になった。自分と合流して一度でも離れた人はマシュマーしかいない。
だが、狂乱状態にあったという彼が他人と話しをするとは思えない。もしかして、プレシアと一緒に行動していたのだろうか?
そう思って聞いてみると、予想外の答えが返ってきた。
(死後にハヤミ・ブンタやアクセル・アルマー、マシュマー・セロから聞いた)
「……そっか、みんなが……」
正直、自分と関わってしまったがために死んでしまったと、彼らに怨まれていたらどうしようと、未だに不安だった。
だが、そんなことはなかった。デビルガンダムの中で聞いたとおりだ。ミオはこんなゲームの中に出会えた仲間達を改めて思い出し、心の中でお礼を言った。勿論、ヴィンデルにも。
イングラムは暫くの間黙っていたが、ミオの心が落ち着いたのを見計らって本題を切り出してきた。
(それで、ミオ・サスガ。クォヴレー・ゴードンがディス・アストラナガンを拒絶し……あまつさえ、破壊しようとした。これは、事実なんだな?)
「……うん。やっぱり貴方も、彼のこと、知ってたの?」
ディス・アストラナガンの真の操者である、クォヴレー・ゴードン。だが、このイングラム・プリスケンの魂を、ディス・アストラナガンは同様に歓迎しているように感じられた。
それに、イングラムは先程“並行宇宙の番人”と名乗った。これは、クォヴレーの称号と同じだ。関係があると見ていいだろう。
(いや、正確には違う。確かにクォヴレー・ゴードンとイングラム・プリスケンは魂を融合させていたようだが……それは別の時間軸での話しだ。
クォヴレーから切り離されたイングラム・プリスケンの魂はディス・アストラナガンに封じられ、お前や主君の魂を助けようと死力を尽くしたマシュマー・セロに手を貸し、その力の殆どを失った。
そして今、その魂の残滓は俺という同一でありながら別の存在に吸収された)
「……ようするに、合体して、クォヴレーさんのことが分かったってこと?」
(そういうことだ)
イングラムが簡単に答えた直後、前方に機影が見えた。
「誰か来る?」
ミオが呟いたのと同時に、イングラムは離れた場所で戦っている同志達の異変を感じ取り、舌を打った。
(ユーゼスめ。やはり、闘鬼転生によって集った魂を刈り集める計画だったか。……だが、そんなことは先刻承知だ。死して尚、反逆の牙を剥く人間を侮るなよ、ユーゼス)
「イングラムさん、聞いてる?」
(ああ。先程話したとおり、あれは対主催の立場の、男が……乗っている。あの機体と接触……するべき、だろう……)
「どうしたの? だんだん声が小さくなってるけど……」
ミオが不安げに尋ねた。まさか、このまま消えてしまうのでは……。
しかし、それは杞憂だと、イングラムは言ってくれた。
(闘鬼転生の力が……失われた。……あの場に1人……イキマ……仲間にすべき男が、残って……いる。
……俺は暫く眠りにつき……クォヴレーとの、接触、まで……力を、蓄える。
……それから、俺が感じ取ったことは、お前にも、少しは分かるように……しておく。頼んだ、ぞ……)
「ああ、ちょっと!?」
イングラムはミオからの呼びかけに応えることなく、深い眠りに就いた。
ある決意を秘めて、それを実行するために、彼には今、眠りが必要だったのだ。
「聞こえているか? 黒い機体のパイロット。話がしたい。こちらに戦意は無い、信じて欲しい」
「……うん。いいよ」
ミオは短く、男からの申し出を受けた。不安は無かった。みんなが見守っているという、安心感があったから。それでも、油断は大敵だ。
先刻の、クォヴレーの時のようなことにならないためにも。
シロッコは、まるで自分を待っているかのように進路上に佇んでいた黒い機体と、接触を図ることにした。
恐らくはユーゼスがいるであろうE−4に向かいたかったが、このゲームを破壊できる可能性を持つ少女と折角出会えたのだ。これを無碍にするほど、シロッコの気も逸っていなかった。
シロッコが先ず自分から降りようかと尋ねると、彼女は同時に降りようと言ってきた。どうやら、自分を信じてくれたようだが……何故?
仮にも今まで生き抜いてきたのだ。底抜けの善人、というわけでもないだろうに。
言葉通りに、自分と同じタイミングで機体から降りた少女を見て、シロッコは驚愕した。なんと彼女には、首輪がついていなかったのだ!
まさか、木原マサキの首輪の解析装置以外の方法で首輪を外している者がいるとは、思ってもみなかった。これでは、あれを交渉材料には使えないな。
シロッコの驚愕を余所に、青い髪をツインテールに纏めている少女はメモを取り出し、何かを書くと自分に渡してきた。お互いに首輪が外れているというのに、用心深いことだ。
『はじめまして。私はサスガ・ミオ。さっきの放送ではミオ・サスガって呼ばれてたけどね』
(さっきの放送?)
ミオという少女の差し出してきた文面を読み、シロッコは何かが引っ掛かった。聞き覚えのある名だ。……そう、主催者が行った放送で呼ばれた名前だ……!?
『どういうことかな? 君は、ミオ・サスガは死んだのではないのか?』
『どうやら、あの変態仮面が死んだと誤解しているみたいなの。首輪が無いからかな? あ、でも、あなたもないか……って、どうやって外したの!?』
少女も自分の首を見て、首輪がないことに驚いていた。だが、今はそれどころではない。
『私は、ある男が作った首輪の解析・解除装置を使ったのだ。その男は先刻の放送よりも前に首輪を外したが、名前は呼ばれなかった。
君こそ、どうやって首輪を外したのだ? その違いに、答えがあるのかも知れん』
『う〜ん……話せば、っていうか、書くと長くなるんだけど……』
少女の書いたとおり、話は長かった。それだけではなく、その内容は自分の理解や常識を超越していた。
デビルガンダムについての顛末、ゲッター線なるものとの接触による死者の魂との邂逅、そしてゲームの全容の把握、死者の魂と無念を用いた“超神”と称される器、ユーゼスの野望、それを阻止する手立て。
……自分のいた宇宙世紀の世界からは、想像も出来ないようなことばかりだった。
だが……と、シロッコは視線を少女に向ける。元々、シロッコには人を――特に女性を見る目には自信があった。この少女の瞳から感じられるのは、俗物の浅ましい感情でも、女性特有の母性的なものでもない――強い決意だ。
こんな瞳をしている女性が、下らない上に無意味な嘘を吐くはずが無い。シロッコは自分の直感を信じ、ミオの言っていることも大筋で信じた。
デビルガンダムに関しては、クォヴレーがあそこまで恐れていたのも納得できるような力だった。それに、自己修復どころか自己増殖、自己進化まで備わっていたとは。
……本当に、これはガンダムなのか?……いや、“悪魔の名を冠するガンダム”ではなく“ガンダムの名を持つ悪魔”ということだろう。それに、これなら木原マサキの名が呼ばれず、彼女の名が呼ばれた点について合点がいくのだ。
彼女の首輪は、デビルガンダムに取り込まれた拍子に無くなったという。“DG細胞なる物によって変質した首輪が、正常な機能を発揮しなくなってから外れた”のだ。
対して、自分やマサキは正常な機能のまま首輪を外している。そして、彼女は自分の名が呼ばれ、マサキの名が呼ばれなかった放送を、機体の中で聞いていたという。つまり。
『ありあわせの物で解析装置を作り、首輪を解除することは、ユーゼスの予想の範囲内だった。だが、DG細胞とやらの影響で首輪が変質し、外れ、君が生還することは全くの予想外だったのだろう。
となると、“正常な機能のまま首輪が外されると、他の何かがその機能を引き継ぐ”ことが確定的になる。そこで考えられるのは、機体に代替の監視装置が備え付けられていることだ。
恐らく、“正常な機能のまま首輪を外すと、機体の監視装置が発動する”のだろう。君が機体に乗っていながら、ユーゼスに生存を知られなかったのがその証拠だ』
『な、なるほど……!』
自分の推論をさらさらと書き上げて彼女に示すと、彼女は驚愕の表情そのままの文面を返してきた。恐らく、声に出していても同じことを言ったのだろう。おかしな少女だ。
『通信をしていても大丈夫だったようだが、万一ということもある。会話が私の機体の外部マイクで拾われる可能性も考慮し、筆談を続行しよう』
『うん』
シロッコは再び、彼女から渡されたメモを読み直した。そこには、これっぽっちも予想していなかった……考えられるはずも無いことが書いてあった。
『つまり……このゲームを破壊し、主催者を打倒するには……』
『うん。このディストラちゃんに、真の操者のクォヴレーさんが必要だったんだけど……』
(ええい、なんということだ! まさか、私が勝利の可能性を自ら蹂躙していたとは!!)
シロッコは改めて、己の間抜けさを悔いた。自分が先刻、我が身を守るために陥れた3人。
まさかその3人全員が、このゲームを破壊しうる可能性を持った、数少ない存在だったとは。己の迂闊さ、間抜けさに、どうしようもなく腹が立つ!
しかしそのような激情は己の内に隠し、シロッコは思考を続けた。取り敢えず、彼女の語ったことは信じられるだろう。
最初に名乗る時、放送で名前が呼ばれたのを承知の上でその名を名乗ったのだから、偽名と言うこともあるまい。
彼女の示したゲーム破壊の手法は、それを知るに至った経緯を含めてあまりにもオカルティックだが、そもそもこのバトルロワイアルからして異常なのだから、とやかく言うまい。
だが、それが外れと言う可能性もある。外れでなかったとしても、結局最後までクォヴレーがディス・アストラナガンを拒絶してしまっては無意味だ。
今後の方策を様々に張り巡らし……結論、シロッコは彼女に協力することにした。彼女の有する情報は、最大の強みだ。自分とて、このような少女を手にかけてまで優勝することは忍びない。
それに……『最後の勝者はユーゼスだけ』と言う言葉。これはシロッコに、今まで感じてきた子のゲームに対する嫌悪感と疑念を踏み台に、このゲームとその主催者であるユーゼスへの強く明確な反意を作り上げさせるのに充分だった。
我々は奴の訳の分からぬ野望のために捧げられた生贄であり、同時に、その間隙の暇を潰す為の座興をさせられていたわけだ。このような理不尽に、憤慨しない者は滅多にいないだろう。
シロッコはすっかり忘れていた自己紹介を簡単に済ませると、更に、彼女の仲間がクォヴレーに倒されたことを伝えようとしたが……やめた。
シロッコは、自分にある奇妙な、正直願い下げの縁を忘れていなかった。
何故か自分は、他者の精神崩壊の場面に居合わせることが多い。もしも、仲間の死を突きつけられたら……今までの様子を見るにそうは思えないが、万に一つも彼女がそうならないとは言い切れない。
遅かれ早かれ分かることだが、今は伏せておこう。
その代わりとばかりに、シロッコも自分の持っている参加者の情報を提供した。
ラミアについて、イキマについて、マサキについて、クォヴレーについて、マイについて、自分の知っている情報は殆ど提供した。
クォヴレーと彼女の仲間の戦いを脇から見物していたことも伏せておくことにした。そして、話は今後のことに推移した。
『クォヴレーの最後の仲間……イキマ。彼と合流し、事情を説明しなければなるまい。クォヴレーとて、仲間の言葉なら聞いてくれるだろう』
『あ、それだったら、居所は分かってるよ。この先に居るんだって』
『先程の……死者の声、というもの、だったかな?』
『うん。さっきまで変態仮面をフルボッコじゃあ!って状況だったみたいだけど、今はそれも終わって……半分は変態仮面の思惑通りで、もう半分は、死んだみんなの予想通りだったみたい』
『つまり、まだ終わってはいない、ということか。……それにしても、死者が生者に力を貸すとは、ナンセンスな』
『も〜、そういう堅いことは言わないの! じゃあ、それは信じなくてもいいから、この先にクォヴレーさんの仲間がいることは信じてくれる?』
『ああ。少なくとも、君がそう感じていることは信じられる。ここで嘘を吐いても、何の意味も無いからね』
『よ〜し。それじゃあ、しゅっぱ〜つ!』
シロッコはミオの立ち居振る舞いを見て、強い娘だと思った。恐らくはクォヴレーに仲間が殺されていることも薄々察しているだろうが、それでも立ち止まろうとせず、前を向いて進み続けている。
その姿は、気高い戦士とでも言うべきか。
(仮にもここまで生き抜いてきただけのことはある……ということか。これならゼオラのようになる心配は無いだろうが……やはり、問題はクォヴレーの方か)
今のクォヴレーは、たった1人の仲間という危うい存在によって、何とか精神崩壊寸前で踏み止まっている状態だ。
もしもイキマに何かあれば、その時点でクォヴレーはもう終わりだ。それに、自分達とイキマが上手く合流できても、クォヴレーがそれを見て何を言い出すか分かったものではない。
最悪、イキマに対して『洗脳されている』『偽者だ』などとのたまい、錯乱して、イキマを自分の手で殺してしまうことも考えられるだろう。
(ミオ……だったな。彼女には悪いが、クォヴレーが使えないようであれば……)
険しい表情で、シロッコは自らの乗る機体を見上げた。
正攻法で無理ならば策を弄す。策によって隙を、チャンスを作り出し、それを逃がさず確実に衝き――勝利する。
クォヴレーの説得。どちらに転ぶにしても、それだけは変わるまい。このボロボロの機体では心許ないが、やれないことは無いはずだ。
しかも運のいいことに、彼女はブライガーのマニュアルに目を通しており、その武装やコクピットの位置も把握していると言う。
こちらの手札がボロボロであるからには、やはり最大の武器は情報だ。シロッコは改めて、自分が必要とする情報の殆ど全てを持っていた少女との合流を、幸運に思った。
シロッコは思考を終えると、エステバリスのコクピットに乗り込んだ。そして、ミオのディス・アストラナガンと共に、目的の人物を求めて移動を開始した。
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:悲しみ。強い決意。首輪なし。ディス・レヴから伝わる負の波動に嫌悪感(イングラムの魂によってかなり軽減された)
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中。故障した推進機器も、移動に支障が無い程度に回復。
イングラムの魂が融合。現在は休眠状態。
現在位置:E−4
第一行動方針:イキマと合流し、クォヴレーの説得を頼む
第二行動方針:対主催のために動く(クォヴレー説得・空間操作装置破壊など)
第三行動方針:戦力を結集する
最終行動方針:ユーゼスの打倒
備考:ヴィンデルから自分がDGに取り込まれた後の一連のあらましを聞きました。
ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオもある程度知覚できる(霊魂特有の感覚など)
シロッコとの情報交換メモを所持
クォヴレーがシロッコを目の敵にしていると認識
ラミアに関する情報をシロッコから入手(ヴィンデルの言葉と合わせて疑念)
マサキの危険性を認識、また生存を確認。マイも警戒
ディス・レヴを通じて、ヴィンデルの死を薄々感じています】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:エステバリス・C(劇場版ナデシコ)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)、首輪無し、やや混乱
機体状況:エネルギー消費(中) 駆動系に磨り減り。左腕欠損
現在位置:E−4
基本行動方針:ミオと行動を共にする
第1行動方針:イキマとの合流
第2行動方針:クォヴレーの説得(不可能な場合は……?)
最終行動方針:ユーゼスの打倒(ゲームには乗らない)
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶を味わいたい(もう気は緩めない)
備考:首輪は解除済み。首輪を1つと、首輪の解析装置を所持。
ラミアに疑念。
マサキ、マイを危険視。
リュウセイのメモを入手。反逆の牙共通思考の情報を知っています。
ミオとの情報交換メモを所持。人知を超えた事態に少々混乱気味
ユーゼスの目的、その打倒の方法を知りました
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
【イキマ 搭乗機体:ウイングガスト(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:ユーゼスの死を確信。戦闘でのダメージあり(応急手当済み)
マサキを警戒。ゲームが終わっていないと判断
機体状況:装甲に大程度のダメージ、メインカメラ破損。
殆ど碌に動けませんが、移動は問題なく可能。詳細は次の人にお任せします。
コックピットの血は宗介のものです。
現在位置:E−4
第一行動方針:他者にユーゼスの死亡を伝える。
第二行動方針:トウマに代わり、クォヴレーを支える
最終行動方針:ゲームをどうにかして終わらせる
備考:ディス・アストラナガンを特に警戒
ガイキングの持つ力(DG細胞)が空間操作と関係があると推測
ディス・アストラナガンがガイキングの力(DG細胞)と同種のものと推測
剣鉄也らの背後の力(デビルガンダム)が空間操作装置と関係があると推測
デビルガンダムがフォルカによって破壊されたと推測
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測 】
【3日目 08:50】
369 :
345:2007/12/22(土) 16:15:28 ID:fQ4PFMvH
>>357 意図が正確に伝わってない…かな?
俺は死者と会話ができていることについて説得力のある理由付けをしろと言っているわけでも、
ましてやイングラムとディストラの融合について疑問を述べているわけでもないよ、念のため
あと、会話の回数も問題じゃない
死者との明確な言葉を用いたコミュニケーション、およびイングラムやシロッコとの会話のノリの軽さは、
ここ最近投下された作品の中で少し浮いてはいないか、ということが言いたかったんだ
ラストスパートが掛かってるところなので勢いが殺がれたように思えてな…
これは俺が連続性とか全体を俯瞰した時のバランスに重点を置くタチだからかもしれないが
それと、あらためて気になった点があるので指摘させてほしい
1.上記でも指摘されているように、シロッコの突然なミオへの傾倒が不自然
(シロッコのキャラクターの解釈はまた別問題)
2.クォヴレーはD-6の巨大なクレーターを目の当たりにしている筈だが、
その場にいないイキマ(&冥王&ラミア)の死を意識する可能性はなかったのか?
少なくとも、不安に苛まれてさらに不安定さに拍車が掛かると思うのだが…
以上2点から感じたことだが、今回の作品は
「キャラクターにこういった行動を取らせたい」という展開がまずあり、キャラクターをそれに沿って動かし、
結果として個々の心理を追う作業をおざなりにしてしまってはいないだろうか?
上のレスで「ご都合主義的」と述べたように、俺が引っかかりを感じたのはたぶんその点なんだと思う
誤解のないように再度言っておくが、展開自体に不満があるわけじゃない
でき得る限り、その展開の表現方法を練り直していただけたら、と思う
以上、何やら説教臭くてすまんかった
他の住民の方々も、度重なる批評で気分を害されたら申し訳ない
370 :
345:2007/12/22(土) 16:16:27 ID:fQ4PFMvH
すまんリロってなかったァァァァ!!
どんなタイミングだよ……orz
修正版投下完了
>>328を破棄し
>>360-361に修正
>>332を破棄し
>>362-363に修正
>>333-
>>335を
>>364-367に修正
>>337を
>>368に修正
また駄目だし、ご指摘をお願いします
補足:イングラムの魂について
・これ以降の会話は、基本的に不可能。短く、用件を一方的に伝えるのが、精々1回
・ディス・レヴの負の波動を吸収して力を蓄えると共に、ミオへの負担を軽減している
・クォヴレーとの接触(会話)のためには、クォヴレーをディス・アストラナガンに乗せる必要がある(気絶していても可能)
・ミオから聞いた話により、クォヴレーに対して不信感と失望。最悪の場合、彼の肉体を乗っ取る可能性も?
・彼の魂が融合していても、ディス・アストラナガンの性能に殆ど変化は無い(現時点では)
クォヴレーがD−6で先ず見つけたのは、直径5kmはある巨大なクレーター。それを見つけた時、クォヴレーの脳裏に最悪の事態が過ぎった。
しかし、そんなことがあるはずないと頭を振り、クレーターから目を逸らし、必死に仲間の姿を探した。クレーター内には特に何も見当たらなかったので、周囲の山岳地帯の影や谷間を、懸命に探す。
(いったい、ここで何があったんだ!? クレーターの中心部で大爆発……周囲の土も蒸発してしまうほどの……)
考えて、またも嫌な予感が脳裏を過ぎり、クォヴレーは頭を振った。振り払った。
或いは、彼がクレーターに近付こうとしなかったのは、その予感の裏付けとなるような物を見つけてしまうかもしれないと、恐れていたのかもしれない。……実際に、そうなのだろう。
突如、微かに頭痛がした。同時に、今まで感じたことのない何か……大きな、圧力を伴う気配のようなものを感じた。
「なんだ!?」
血眼でイキマを探していたクォヴレーにも、異変を察知することができた。クォヴレーは機体を着陸させると、気配がした方向を見た。
あの方角は、確か、ディス・アストラ……いや、デビルガンダムが向かった先だ。
「まさか、やつが何かを始めたのか!?」
そうだ、そうに違いない。微かではあるが、あの時と同じような頭痛もする。やはりあの場で、殺しておくべきだったのだ。
クォヴレーは強引な理論で、そう結論付けた。それが殆ど言い訳のようで、客観的な事実ではなく主観的な願望であることに、彼は気付けなかった。
「早く、イキマと合流して、あの悪魔をなんとかしなければ……!!」
クォヴレーは態々着陸してしまったことを悔やみながらも、ブライガーを急いで再度発進させ、デビルガンダムが居るであろう方角に背を向けた。
未だ見つからない、仲間を探して。……もう見つからないのでは、という不安から、彼は目を逸らし続けていた。そのために、イキマの捜索に没頭していった。
「無事でいてくれ、イキマ……!!」
木原マサキ、ラミア・ラヴレス、パプテマス・シロッコ、デビルガンダム。貴様らに、もうこれ以上、決して、絶対に、仲間を殺させはしない!
『だが……頼む。あの子の話を……聞いてやって……くれ……』
『……少女一人、泣かせたまま死ぬというのも……まずかろう。……これが、な』
不意に、本当に突然に、あの魔神のパイロット、悪魔の手先――ヴィンデル・マウザーの最期の言葉が、鮮明に甦った。
その声は、とても穏やかだった。とても、死に掛けの人間が残したとは思えないほどに。だが……
「ウルサイ!煩い!五月蠅い!五月蝿い!うるさい! 死して尚、俺を惑わすと言うのか! 黙れ!ダマレ!だまれぇぇぇぇぇ!!」
クォヴレーはそれすらも、叫んでいるのか、喚いているのか、泣いているのか区別のつかない声で掻き消した。
【クォヴレー・ゴードン 搭乗機体:ブライガー(銀河旋風ブライガー)
パイロット状態:錯乱状態。極度の疑心暗鬼。精神崩壊寸前。全てに対する重度の迷い。
これ以上の仲間喪失に対する恐怖。不安、焦燥。正常な判断能力の喪失?
記憶に混乱が。更に、記憶を取り戻すことに対し恐怖。
機体状況:右手首損失。ブライカノン装着。コズモワインダー損失。オイルで血塗れ。EN中消費。
現在位置: D―6を彷徨っている。
第一行動方針:イキマを見付ける。彼を絶対に死なせない(けど、もしかしたら……)
第二行動指針:デビルガンダム(ディス・アストラナガン)の抹殺
第三行動方針:マサキ、ラミアの抹殺
第四行動方針:マーダーの全滅(イキマ以外、全員がマーダーに見えている?)
第五行動方針:なんとか記憶を……しかし……?
最終行動方針:ユーゼス、及び生存中のマーダーの全滅。これ以上、仲間を絶対に失わせない。
備考:本来4人乗りのブライガーを単独で操縦するため、性能を100%引き出すのは困難。
主に攻撃面に支障。ブライシンクロンのタイムリミット、あと7時間前後
トロニウムエンジン所持。
ディス・アストラナガンと接触することにより、失われた記憶に影響が……?
マサキ、ラミアを敵視。シロッコは死亡したと誤認。
ディス・アストラナガンをデビルガンダム(または同質の存在)だと思い込んでいる
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測
ラミア・ラヴレスがジョーカーであることを認識】
修正乙ー
一旦これでユーゼスから久保が離れることになってユーゼスにんまりなのがなんとも
そういやユーゼスって足の悪い黒髪ショートの嫁さんいたはずなんだがどこ消えたんだろうね
初期設定なのか都合が悪いからかスパヒロでも完全に途中からガン無視だったが
>>373 修正乙ッ
>>374 えええええええ!?そんな設定あったっけ!?
スパヒロやってたはずなのに全然覚えてないぞっっ
修正乙
>>374 そんな情報は初耳なのも私だ
というか、その奥さんがあの仮面見たらなんて言うんだろww
377 :
369:2007/12/23(日) 01:00:04 ID:q0X3oOyI
○住人 ×住民 真面目なところで間抜けな間違いを…スマソ
>>360-368および
>>372-373 早い修正お疲れ
なんとなく、あなたのキャラクターの好き嫌いが
解ってしまったような気がしないでもないが…まあいいやw
もとより粘着する気はないし、そのせいでスレが荒れるのも望まない
他の住人方、2日間も空気読まない堅いレスを続けて本当に申し訳なかった
気にせず感想等、続けてくれ
>>374 え…あいつ毒男じゃねえの?
思い出せねえ…試されてるのか俺たち
>>374 スパヒロにそんなキャラいなかったぞ
何か別の物と勘違いしてるんじゃないか?
>>377 書き手の思い入れによるキャラの落差には同意だな
ミオはみんなから愛されるヒロインにしたい、
久保を潰してどうにかイングラムを復活させよう、
で久保はイキマと戦って全員から見放されりゃいい、
分かりやすくフラグ立てたといたから次の書き手はそう書いてくれ、
っつー願望が露骨杉なんだよ
オブラードに包みもしねえ、正直あからさますぎて読んでて気持ち悪いんだが
種死を思い出すんだよこういう強引な補正と語る力の無さ
序盤〜中盤なら許容範囲だがさすがに終盤にこれは萎える
これ以上修正したって一旦底が見えちまったものはどうにもならん
俺は破棄を提案する
なんか死者スレでも話進めようとしてるし一体何がしたいんだか('A`)
ミオ シロッコ フォルカ ラミア イキマ 予約
私は、一向にかまわんッッッ!!
……どうしようもなくなったら俺に限らずだれかがフラグ流石に折るだろうし
みんな、書こうぜ!
修正乙です。
自分が言えた義理ではないですが修正をあまり慌てる必要はないと思いますよ。
その指摘が正しくない場合もありますし、誰かから違う意見も出るかもですし、一日くらい様子を見てから修正にとりかかればいいかと。
そしてラミア、シロッコ予約します
違う、ラミア、フォルカの間違いだ……って被ったあああああああああああああああ!!
すいません予約破棄します。
うおっ、こんな時に限ってw
多分お互い考えてること同じなんだろうなぁw
お願いですから、途中まで書いてるのでしたら、そのままにしておいてください
今回リアルが非常に忙しく、もしもがありうるので
>>379 お前さんももちつけ、逆に久保のスパルタ矯正のスイッチにも出来るだろw
破棄提案するにしろ刺々しくせず理性的に頼む
教官儲認定して噛み付く久保厨にしか見えん
あ、そうか、今、フォルカはヘルモーズにいるんだっけ。なる。そりゃあ、予約も被るなあ。
予約ktkr!
年末の忙しい時期だろうけど、期待してます
お二方の姿勢とバイタリティはぜひ見習いたい
>>379 スレが荒れるもとになるから、
どうか理性的になって言葉を選んではくれないだろうか
頼むよ……
さて、久々にキャラ語りでもやって空気を変えようか?
鉄也まで終わってるから次はアキトだな
それぞれのエピソードは短めのものが多かったけど、
アクセルに与えた影響もあってか存在感は大きかったように思う
あと、νガンダムに乗って本来の持ち主と戦闘になったり
それがνガンダムvsサザビーだったりと、小ネタ巧いよw
うお、保存ができんorz
今日書いた分どうしよう……まだ2時間くらい時間があるからいいが、
8時10分くらいになったら前篇ってことで投下していいだろうか?
すでに10ページ分近く書いてしまって困ってしまった。明日後編か中編を投下するんで……
予約期間を使ってじっくり仕上げてくれ。
>>387 避難所に仮投下しておくのがいいんじゃない?
無いとは思うけど後編との整合性で問題が出るかもしれないし、いきなり本投下は避けたほうが良い気がする。
しっかし相変わらず筆が早いなぁw
結局、CDーRW買ってきました。
どうにか保存できそうです。
>>389 だってクリスマスプレゼントのつもりで書いてるんですよ?
当然じゃないですか
かなり前のスレにあったこのスレの内容を映像化云々かな?
文字だけってのがつまらんな
画像も入れて欲しかった
>>391 支援GJ!
ニコニコ組曲は未聴だったけどかなり楽しめたぜw
個人的にはつるぺったんあたりがツボだw
えーと、今とりあえず書きあがりました。
また55kちょいあるっぽいんで、どうやら支援必須っぽいですorz
とりあえず、明日の昼までくらいには投下できると思うので、その時支援をお願いします
あ、すいません言葉足らずだ
推敲を除き、すべて書き上げたって意味です、遂行に時間かかるんで、投下はまだもうちょっと先です
すいません、ミスが見つかったんで大分書き直します
28日まで時間の余裕がまったくないんで、29日に投下します
乙です。頑張って下さい。
「あれは……?」
こちらに近づく2つの機体を見つけ、イミマは目を細めた。
一体は、ガルドが、かつて乗っていたエステバリスカスタム。もう一体は……見たことがない
外見は一言で言うと、悪魔と形容するのがふさわしい機体だろう。
余談だが、元々美的感覚などが人間と異なるイキマはディス・アストラナガンに確かに警戒こそ覚えたが、
不快感やおぞましさというものは覚えなかった。むしろ、彼らの作ってきたハニワ幻人にフォルムは近いのもある。
そこでイキマも思い出した。
『悪魔』。
つまりそれは仲間内で警戒しろと言われていたあのロボットを示す言葉だ。
動きの悪いグルンガストを強引にむき直させる。
簡単な方向転換も、何度かレバーを引き直しやっと動いてくれた。
損傷の激しさを感じ、背筋に冷たいものが流れる。今のグルンガストに戦闘は事実上不可能だ。
もし、予測通りあの『悪魔』に、能動的に人を殺して回っている人物が乗っていればどうなるか。
この戦いの終了を教えて説得できればいいが、そうでない場合はもはや自明の理だ。
誰がエステバリスカスタムに乗っているかは知らない。
が、同行者がいる以上いきなり仕掛けてくることだけはない、と信じたい。
「そちらのパイロットたち、聞こえているか!」
先手必勝というわけでもないが、もし攻撃の意思があった場合相手の出鼻をくじくという意味で、
イキマはオープンチャンネルを使い、声を発した。
「この戦いは終わった! 主催者は死亡した、これ以上戦う必要もない!」
汗で、オープンチャンネルを開くためのボタンがぬめる。突拍子のないこととは彼もわかっている。
いきなり信じてくれずともいい、話す機会さえあれば主催者が死んだことだけでも……
ヒミカ様に祈る気持ちで、体を緊張させながら相手の答えを待つ。
その間も、ぐんぐん近付いてくる2つの機体。
『悪魔』は、かなり小さい。いや……小さくなったというべきか。
両腕をもがれ、左足を失ったその姿は、かなり弱々しくも見えた。
どんな内蔵火器があるかは知れないが、もしかしたら逃げることくらいはできるかもしれない。
目視できるようになり、そうイキマが希望的な観測を抱いた時だった。
「わかっている。 もとより戦う気はない」
『悪魔』ではなく、その横にいたエステバリスカスタムからの通信。
そこに映し出されていたのは、純白の指揮官服に見た包んだ男、つまり――
「……シロッコ!?」
◆ ◆ ◆
「………というわけだ」
シロッコが、使い残った茶葉をまとめて、2度出ししたぬるい紅茶をすすりながら言った。
淹れてすぐは熱かったのだが、何しろ話が話だ。どうしても長くなり、すっかり紅茶は冷めていた。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉はまだ使用していない。
これは、ここまで来た以上すべて終わっての勝利の美酒……もとい勝利の紅茶としたいとシロッコは思っていた。
お互いを心から信頼するという意味で、コクピットから出て顔を突き合わせていた3人。
だが、紅茶を楽しんでいるのはシロッコだけだ。
ほかの2人は、「今はそんな時ではない」とか「ちょっと……」などと言って断ってしまった。
こんな時こそ落ち着く必要がある。どうせ話が長引くとわかっていただろうに、なら飲んでもよかろう……と、
内心軽く毒づきつつも、それを見せないように紅茶と一緒にその気持ちを飲み下す。
「うむ、うまい」
マイとリュウセイが倒れていた場所でも呟いた言葉を、シロッコは満足げにまた呟いた。
2度出しとはいえ、時間をかけて茶葉に残った味をじっくりと出してやれば、十分に賞味に耐えうるものであった。
「しかし信じられん……」
イキマは、唸るように眉を曲げて声を漏らした。
どうも話す前から、なんとなくユーゼスのたくらみを知っていた節があったが、ここまでとは予想外だったのだろう。
片手を組んでこめかみをもみ、顔をしかめている。
シロッコはその様子を見て、カップで口元を隠し、ほくそ笑む。
すっかり自分たち……シロッコ、ミオに何があったかに関しては、ほとんど意識の外だ。
一応、シロッコは、
『マサキが事前に組んでいたプログラムで動き出したレイズナーの攻撃のせいで、自分は気絶していた。
大体のことが終わった後、起きて、あわててエステバリスカスタムで追いかけた』
という説明をしておいた。
だが、冷静に考えれば相当に穴がある。
この説明通りなら、あの時、シロッコはマサキにグランゾンを奪われて、生身の状態だったことになる。
そんな状態で手加減、制御のないロボットの攻撃を受ければ、間違いなく即死だ。
さらに、なぜディス・アストラナガンを追いかけたのもよく考えれば意味不明。
エステバリスカスタムは、そう高い戦闘力を保持する機体ではない。
なのに、なぜクォヴレーとの合流を真っ先に考えず、単独でディス・アストラナガンを追跡したのか。
気絶していたなら、ミオが非・危険人物だとわかる訳がなく、クォヴレーの精神状態が不安定とも知っている筈もない。
そんな細かい事情は、もっともっと大きい出来事とクォヴレー自体の安否の前にはかすんでしまっているようだ。
食い破られたチーズも、パッと見はチーズであることに変わりはしない。
やはり脳まで筋肉の野蛮人だな、と、悟られれば首をへし折られかねないことをシロッコは考えていた。
もっとも、それをおくびにも見せることはない。
真剣に自分も悩む振りをしながら、ここまでうまくいって笑いそうになるのをこらえていた。
(決められた役割を演ずるというのは、難しいものだな)
いつしかジャマイカンの前で思った言葉を噛みしめていた。
いい。非常にいい。あれだけの人間が死んできた中、自分がここまで生き残った。
何度も何度も大規模な戦いがあったというのに、巻き込まれることなく、だ。
なのに、最大の武器である情報を集結させつつある自分。
確かに自分が舞台の中心に上がりつつあるのを、否応なしに感じていた。
そう、否応なしだ。
自分の意志の関与する場所の外ばかりのこの世界で、すべてを動かしていた元の世界のように自分は生き残った。
自分は、選ばれている。
これこそ、その証明ではないか。
パチリと指をシロッコが鳴らす。そして、指導者のように威風堂々に話を切り出した。
もはや、相手にほぼ筒抜けですべて伝わっていることや、今の状況を考えれば声を忍ぶ必要すらない。
「ここで悩んでいてもしょうがない。むしろ一刻を惜しみ、行動するべきだと私は思うのだが、どうかね?」
どこか余裕すら感じられるシロッコの声。
こちらの本心を見せてはいけないとはわかってはいるが、声の調子までは抑えられなかった。
その声色に、顔をゆがめながら、イキマは無言で頷いた。ミオもコクリと首を縦に傾けた。
自分の意のままに物事が動くことを感じ、さらに気分が高揚する。やや早口に、
「では、クォヴレーを説得するのは、イキマに任せたい。
もちろん時間が惜しい、ディス・アストラナガンで行ってもらおう。
より損傷のひどい機体に彼女には乗ってもらうことになるが、かまわないだろうか?」
「私はいいよ。操者のクボ君に渡せればそれでいいんだし。
……説得は、イキマさんに任せたほうがいいみたいだしね」
親指を立て明るく答えるミオ。
「……彼女はどうする? とてもこのグルンガストでは戦えんぞ」
シロッコはイキマの首輪をいじりながら、その質問にすぐに答えた。
「もちろん、そのアテはある。心配はいらん」
カチリと、錠前がはまるような音をたてた後、銀色の輪が、イキマの首から滑り落ちる。
「……本当だな?」
立ち上がり、ディス・アストラナガンのコクピットに向かうイキマ。
正直、このディス・アストラナガンに乗せることが一番至難の業だとシロッコは思っていた。
意外と信じやすい性格なのか、それとも真摯で、つじつまの合うミオの言葉を信用したのか。
その美点も、シロッコから見れば騙されやすい愚鈍、ウドの大木といった悪徳にすぎないが。
なんにせよ、この関門を潜り抜けた。
「この戦いが終わるか否かはその肩にかかっている。頼む」
短く、通信でイキマに言うと、イキマも長くない答えを返した。
「わかっている。全員で、ユーゼスを倒して脱出する。だから、待っていろ」
「健闘を祈る」
軽い敬礼。
もっとも、これは虚礼にすぎない。
真実は、こうだ。
どうとでもするがいい。 死んでも一向に構わんぞ……?
クォヴレーと戦って、相討ちなりなんなりで死んでくれてもよし。実際説得が成功してもよし。
シロッコからすれば、今ではどっちに転んでもおいしい展開。
なにしろ、不確定なカードを切り札にすえる気持ちは、シロッコには欠片もなかった。
クォヴレーによるディス・アストラナガンの覚醒。現状それしかやりようがないように見える。
だが、既にシロッコの思想は、2歩も3歩も先を行っていた。
……そんなものに頼る必要もない。
ディス・アストラナガンのコクピット前から歩いてくるミオの手をさり気なくとり、
エスコートするようにグルンガストのコクピットに連れて行く。キザに見えないのはこの男の本質ゆえか。
推進装置に火が入り、飛び上がるディス・アストラナガン。
それによっておこる風の中、目を細めてそれをシロッコは見送った。
この時ばかりは、笑みをシロッコは隠さなかった。隠す必要もなかった。
見えなくなるまでシロッコは、遠くなっていく悪魔を見つめ、誰にも聞こえない声で言った。
「今の手札を組み立てて無理なら、手札を増やせばいい……そう思わんかね?」
くるりとターンし、自分もエステバリスカスタムのコクピットに乗り込む。
カップに残った紅茶を一気に飲み干し、シロッコは、ミオに自分の策を切り出した。
ゲームが根底から覆されたことによって生まれ得た、新たな選択肢を。
【イキマ 搭乗機体: ディス・アストラナガン(第3次スーパーロボット大戦α)
パイロット状況:戦闘でのダメージあり(応急手当済み)
マサキを警戒。ゲームが終わっていないと判断
機体状況:両腕、および左足大腿部以下消滅 少しずつ再生中。
故障した推進機器も、移動に支障が無い程度に回復。
イングラムの魂が融合。現在は休眠状態。
現在位置:D−5
第一行動方針:クォヴレーを説得し、ディス・アストラナガンに乗せる
最終行動方針:ゲームをどうにかして終わらせる
備考:デビルガンダム関係の意識はミオとの遭遇で一新されました。
空間操作装置の存在を認識。D−3、E−7の地下に設置されていると推測
C−4、C−7の地下通路、及び蒼い渦を認識。空間操作装置と関係があると推測 】
【3日目 09:20】
◆ ◆ ◆
―――ヘルモーズ内
「ユーゼスさまが……なんだと?」
バルシェムたちから聞かされた報告を受けて、ラミアは怪訝な顔をした。
ラミアは特別ヘルモーズ内で立場が上にあるというわけではない。
しかし完全な人形でしかないバルシェムと違い、自律して思考、行動することができる。
もっともその思考も行動も、『ユーゼスの命令を聞くために有機的な行動を許可されている』というものでしかないが。
とにかく、立場というより存在の違いからか、必然的に半端ではあるがまとめ役になっていた。
あの状態からでは、流石に空間転移は不可能、とラミアは思った。
主の死亡を願うわけではないが、物理的条件から鑑みるに、客観的に見て死亡していると思った。
なのに、バルシェム達はこう言うのだ。
――――『先ほど我々の前に顔を出し、アースクレイドルへ転移した』と。
もちろん、ラミアは知らない。
ユーゼスが己のクローンを生成しており、その肉体に記憶のダウンロードを行ったことなど。
心中、靄のようなものが掛かる。何と形容していいのかわからない――そんな『感情』を抱き、ラミアは問うた。
「それで、ユーゼスさまからの指示は?」
バルシェム達は、無言。
「……なんの指示も出されなかったのか?」
今度は、首肯。
「本当に、何もおっしゃらなかったのだな?」
念を押すように、もう一度。しかし、やはりバルシェム達は首肯を見せた。
「……わかった」
そう返すと、バルシェム達は部屋を出て、どこかに行ってしまった。
ラミアは、ぼんやりと部屋の椅子に座り込んだ。
……やることがない。
つまり、ユーゼスさまの思う通りにことが進み、これ以上何かする必要がないということだ。
もし自分が感情を発露することを許されるなら、喜ばしい事態のはずだ。
なのに、『やることがない』ということは彼女の心を沈ませた。
『やることがない』ということは、もう自分は必要ないということ。
自分の存在意味は、ユーゼスさまの駒となり、戦うことだけだ。それしか彼女にはないのだ。
自分の存在の否定。本来なら耐えがたいほどの苦痛を伴うはずのその現実を、ラミアは受け入れようとした。
当然だ、自分は人形なのだから。
人形に意思はない。繰り糸が切れた人形は、ただそこに這いつくばるだけだ。
主が動かさない限り動かない。動いてはいけない。
それが、人形に与えられたルール。
ラミアは、椅子を引いて立ち上がると、窓の外を眺めてみた。
何もない。防音ガラスのおかげで、物音ひとつしない。ただ空っぽの青空だけだ。
そっと窓に手を当ててみる。自分の視界に、手が入り――その向こうにガラスに映りこんだ自分の顔が写った。
自分は、今自由だ。
なんの命令も受けず、ただ在ることを許されている。自由に、ユーゼスさまのために働くことができる。
そこまでは思考できる。
だが、今の状況で何をすれば真にユーゼスさまのためになるのか?
それを思考した瞬間、視界がぶれた気がした。
いや違う。無意識に自分が顔を伏せるように視線を下げていた。
わからない。帰還を命じられた以上、今の自分が会場に赴くことは許されない。
手伝いにアースクレイドルに行ったところで、自分の知識で何ができようか。いや何もできない。
結局、何もせず調整槽の中を漂うことだけが自分にできることなのではないだろうか。
今回が、失敗し、次の出番があることを願って―――
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
今回が、失敗し、次の出番があることを願って?
待て。それ以上思考するな。それから先を考えてしまっては、致命的になる。
だが、感情に鍵をかけられぬのと同じように、おぞましい自己を否定する言葉が脳に湧きあがる。
自分の存在の否定ではなく、自分の意識の否定。罪の意識に近いそれは、ゆがんだ形で発露する。
つまり。自分は。
胸を押さえる。深く息をする。
自分をコントロールしろ。自分は人形。自分は人形。誰かに繰ってもらうもの。
ならば自分を抑えることも―――
誰かに繰られることを願うだけの。
知能に力を回すことにより、逆に体からは力が抜けていく。
額が窓につき、膝がくず折れる。銃口を突き付けられた人間のように、怯える。
苦悶の表情。そう、汗を流し、震え、歪められた顔には、はっきりと『感情』が浮かんでいた。
それでしか自分の存在を確立し得ないと思っている。
心に向けられたトリガーが、引き絞られる。
撃ち込んでいるのも他でもない自分であり、撃ち込まれるのもまた自分だった。
ひっちゃかめっちゃかだ。今まで、固い殻に覆われていた自分。その中にあるかもしれない自分。
それが分別なくごたまぜになってかき回され、膨らんでいく。
人形願望のただの女なのではないだろうか。
ただ、自分が存在している実感を得る方法に、『人形である』ことを確認する以外知らない人間。
自分の存在理由が『それ』しかないから『そう』振る舞う女。だから、『それ』が失われることが恐ろしい。
その恐怖心に蓋をするため、『それ』に依存する。
自分であることを志向し、思考し、嗜好して自分のあり方を定義することで自分が崩れないようにする。
ボンテージで体を縛ることによって、自分を確認し快楽を得る売女のように。
自分の消滅を恐れるのは、あらゆる生物にインプットされたプログラム。
バルシェム達にそれはない。なぜなら、彼らは生物ではないのだから。
肉と骨と皮と機械とナノマシンとチューブで組み上げられた皮詰めの『人形』。それがバルシェム。それが『人形』。
ならば今自分が失われることに違和感を感じ、あまつさえ自分が使用されることを夢見るこの自分は何だ?
「フッフフ………」
ラミアは、笑った。自分が笑い声を上げられることに他人事のように驚嘆しつつも、ただ笑った。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか?―――答えは絶対にノー。
彼らには、夢を見るという概念がない。非生物に概念はもちえない。
ゆえに、アンドロイド〈ニンゲンモドキ〉でしかありえないのだから。
「ハハハハハハハ………ッ!」
喉から、息とともに笑い声があふれる。
壊れたテープレコーダーのように、一本調子の女の笑い声ががらんどうの部屋に響く。
機械のような、だが間違いなく女の声。
しかしそれは機械でないことを証明するように、嗚咽の混じったものへと変化していった。
私は何だ?
結局、どこの世界にでもあふれるほどいる……他人を媒介して初めて幸福を感じる女にすぎないのか?
人形であることをプログラミングされた人間の女にすぎないのか?
あれだけ自らは人形だと表明しておきながら、道具願望を抱えた薄汚い女にすぎないのか?
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
ラミアは気付かない。そう考えること自体が人形であることを否定していることに。
円環を描き始めた思考から、引きずり上げてくれるものは何もない。
ただぐるぐると同じところを回りながら、みじめに落ちていく、自分の破壊。
破滅衝動を人間は少なからず持っているといわれる。
自分が壊れる寸前から助かることで、自分であることを確かめるものとは言われているが、ラミアのそれは違っていた。
ただ、自分を突き崩すだけだ。
助かろうとかここから出ようという意識も、そこから立て直そうという意志もなかった。
その余裕すらない。
人間に備わった破壊衝動と破滅衝動で、彼女は彼女を蹂躙する。
その嗚咽に混じって、非常事態を告げるサイレンが鳴り響いていた。
女が、立ち上がった。
歩き出す。
向かう先は……
◆ ◆ ◆
物陰に隠れながら、ヘルモーズ内を駆け回っていたフォルカ・アルバーグ。
しかし、当然内部にも監視カメラの一つや二つはあった。即座に鳴り渡る警戒の音。
そのため、彼は見つかり……
バルシェム達をなぎ倒していた。
「はああぁぁッ!機神ッ! 双獣撃ッ!」
彼の叫びとともに腕から2体の獣が現れ、バリケードのようなものを作っていたバルシェム達に突進。
機材を並べたバリケードをものともせず、バルシェムもろともそれらを吹っ飛ばした。
どうにか吹き飛ばされずに済んだバルシェム達が、即座に火器で応戦する。
マシンガンはハンドガン、届くかどうか怪しいがショットガンまで。一斉に火を噴き、相手を貫こうとする。
「ふんッ!」
フォルカが跳躍。一気に10m以上飛び上がったかと思うと、今度は天井をけってさらに加速。
バルシェム達が対応するよりも早く敵陣に入り込むと、修羅の拳が、竜巻のように唸りを上げて繰り出される。
言っておくが、バルシェム達が弱いわけではない。
機械などで強化された彼らは、常人では及びつかない身体能力を持っている。
ひとりひとりが歴戦の戦士並の体術も保有している。
だが、相手が悪すぎた。
至近距離から、大型ハンドガンの発砲。しかしフォルカはそれをちらりと見ると……
それをつかみ取った。
次の瞬間には、撃ったバルシェムの顎には蹴りがクリーンヒットしている。
ここにいたバルシェム30人。それが、1分と持たず壊滅していた。
普通、あっという間に銃殺されるような状況の中、平然とフォルカはぶっちぎっていた。
車より早いんじゃないかと思うスピードで、長い通路を駆け抜ける。
待ち伏せ部隊も殺気を読んで即座に対応、即殲滅。それでいて一人も殺すことなく当て身で制圧していた。
先ほどの銃弾つかみ取りも、よけられたがそれでは彼の後ろにいたバルシェムが危険だからだ。
「はあッ! とおッ! むんッ!」
ふぉるかが息を吐くたびに、木端のようにバルシェム達が宙を舞う。
元から持っている修羅の力を再現するのが修羅神であって、修羅神の持つ力を修羅が引き出しているわけではない。
逆を言うなら修羅神で使える技能は、生身でも使用できるのだ。
生身の1対1で修羅王を止められる生命体など、宇宙広しといえどもそうはいない。
というか、はっきり言っていない。修羅界というひとつの世界で最強の戦士。次元一つにおいて最強。
対抗しうる相手は、ガンダムファイターでも1人いるかいないか。当然、バルシェム風情に止められるわけがない。
端末を操作の仕方もよくわからず適当に叩いて、どうにかこうにか格納庫の場所を知ると、あとはもう一直線。
「ここが格納庫か!?」
閉じられたシャッターを強引にぶち抜き、飛び蹴りの態勢のまま格納庫の床を滑るフォルカ。
バズーカ直撃でもびくともしないヘルモーズの生体シャッターが、紙のようだった。
立ち並ぶロボットを見回したあと、広大な部屋の端っこのほうにある端末へ走っていく。
もう妨害するバルシェムはいない。
もともとオートメーション化が進み、乗っているバルシェムが少なかったのもある。
しかし、それでも200人は下らない数のバルシェムも、ここに来るまでにカタがついていた。
1vs200以上。
これを覆すのだから修羅の力をユーゼスが頼ったのももっともな話だ。
科学などそちら側には明るくないフォルカも、どうにか端末をいじって自分に合ったマシンを探す。
自分に合ったマシンとは、体を動かせるタイプ、モーションがそのまま伝わるタイプだ。
「これじゃあない、これも違う、これも……」
頭をかきながら、急いで探す。かれこれ3分近くかけて、やっと2体見つけた。
もっとも、もう彼を止めるものなど誰もいないのだが……それに気付いていないのか。
―――いや、一人だけ残っていた。
奥のほうにあった天使の瞳に光が灯る。
天使だ。だがラーゼフォンではない。桃色の、女性を模した天使だった。
ゆっくりと軌道を始めたそれを見て、フォルカは慌てて目当てのマシンに乗り込んだ。
奇しくも、動き出した2体のマシンは同じ世界で作られたものだった。
ソウルゲイン、そしてアンジェルグ。
もとある世界で激突した2体が、またしても向かい合った。
そして乗っている人間の魂もまた、形は変わってはいるが同一人物。
そう、アンジェルグに乗っているのは―――――ラミアだった。
◆ ◆ ◆
「シロッコさん、ちょっとあそこ!?」
「わかっている」
ミオが指さすほうをシロッコは興味深く観察していた。彼と彼女は、今ヘルモーズの側にいる。
シロッコの考えた策とは、簡単に言うと、ヘルモーズの襲撃だった。
ユーゼスが死亡し、統制がとれていない状態で、今現在首輪を外した自分たちが強襲し、機体を奪取。
それが簡単な青写真だ。もっとも、あの空間転移式バリアがまだあるかどうかチェックした上での予定だったが。
首輪がない以上、牙を剥いても首輪を爆破される心配はない。
さらに、バリアが利いていて無効化されるならこちらに攻撃を仕掛けることはないとシロッコは計算していた。
なにしろ、その攻撃を決定する統括者がいないのだ。
加えて、それだけで攻撃を仕掛けてくるなら、首輪をはずしている段階でなんらかのアクションを取っている筈。
そう考え、ウィングガストの背に乗り舞い上がって、さて仕掛けるかどうか状況を見て最終判断を下そうと思った矢先。
突然、ヘルモーズの後方が爆発したのだ。
急行しようとするミオを手で制止し、ウィングガストに一発だけミサイルを撃たせる。
すると、ミサイルはヘルモーズの外壁にあたり、炎を上げた。
しめた……ッ!
ラミアが戻ってくるときに解いてそのままにしていたか、それともあの爆発で機能に障害が生まれたか……
どっちにしろ、いまあそこにバリアはない!
やはり自分に運が向いていることを確信し、シロッコは言う。
「もし、誰かが先に乗りこんでいるとすれば支援せねばならん」
「おっけーッ!」
移動だけなら、グルンガストの状態は良好なのだ。一気にバーニアが火を吹き、機体を加速させる。
もし、シロッコがもうあとわずかにでも冷静なら、気付けただろう。
――そんな偶然、本当にあるのか?
◆ ◆ ◆
『よく報告してくれた、W17。お前の出番はないと思っていたが、思わぬところで使いどころができた』
「……はい」
どこかどうでもいいような調子でラミアはユーゼスの声に答えた。
『どうやってあの修羅王が生きていたかは知らんが、ここでとどめを刺せ。最もお前が勝てるとは思っていない
だから……死んでも構わん、全力で足止めしろ。中身を抜いたとはいえ大きすぎる卵だ、棺桶にしては十分だろう?』
「……はい」
『ついでに、愚か者2人もまとめてそこに向かっている。全員を足止めするのがお前の役目だ』
「……はい」
ユーゼスは、ラミアの調子の変化に、全く気を払っていなかった。
いや、調子の変化というものがあること自体気付きもしない。
『試作型のゼストのできそこないも、封印処理を解いておいた。死ぬことを許す。もう会うこともないだろう』
「……はい」
ユーゼスとの通信の断絶とともに、ヘルモーズのあらゆるウィンドウに、ある文字が表示される。
たった3文字の、簡素なシステムコード。
ATA
その文字が、赤をバックに点滅する。
フォルカは、その意味がわからないだろう。
ATA……コードASH TO ASH。灰は灰に。塵は塵に。吸血鬼……命なきヒトカタを無に還すためのうたい文句。
元の世界で、レモンが自分の作った人形が所詮心なきものであることを皮肉ってつけられたコードだ。
無に還すためのコード。つまり、それは自滅……自爆コード。
あと30分でヘルモーズは爆発する。
それを使い、フォルカ・アルバーグと、不明の2名を殺害すること。
そのために爆発までヘルモーズ内で足止めせよ。……死亡する許可も与える。
自分は人形。命令なくば死ぬことすら許されない。そんな、存在。
もう、それでいい。
結局彼女は人間だった。人間だったが故に、自分の否定しきることができることができなかった。
そのことが人形であることを否定するのにもかかわらず、人形であることを強要する。
解けることのないパラドックスが、彼女を磨耗させた。
ラーゼフォンでなくアンジェルグに乗った理由は、そんなこすれあい悲鳴を上げる心が選んだささやかな自由。
もっともこのアンジェルグは彼女が過去潜入で乗ったアンジェルグとは違う贋作にすぎない。
それでも、彼女はこの機体を選んだ。
「照準セット……」
アンジェルグの腕から青い光が伸び、空だった手に弓が握られる。
「イリュージョンアロー……!」
その声とともに放たれる光の矢。飛来するそれの矢柄を正確に叩き、ソウルゲインは撃ち落とす。
さらに動きを確認するように短くステップを踏み込むと、一気に距離を詰めてきた。
紫の光を引き連れ、天使の羽が大きくはためく。打ち下ろし気味に繰り出された腕は当たることはない。
手の中で回転させると弓はなくなり、今度は光の剣が握られていた。
突くように放たれる剣撃を、機敏にソウルゲインはかわして見せた。
だが、かわした次の瞬間には、第2発目が放たれている。
溶けるように消えていくアンジェルグに替わり、何もなかった場所からアンジェルグが現れて剣を横なぎに振るった。
それを、片手で防ぎ、即座にカウンターを繰り出すソウルゲイン。
しかしまたもアンジェルグは虚空に溶ける。
今度は死角である背後にその姿を現し、ソウルゲインをついに切り裂いた。
厚いソウルゲインの装甲のため、大きなダメージにはならない。だが、それも回数を重ねれば話は別。
切り裂くたびに姿を消し、別の角度から攻撃態勢に入った状態で出現するアンジェルグ。
もし上空から見れば、それが五芒星??を描いていることがわかっただろう。
形には残らず、剣の軌跡がうっすらと生み出す幻影の印、ミラージュサイン。
細かくパイロットに合わせてアジャストの行われていないソウルゲインでは、致命傷を避けるのが精いっぱいだった。
腕からノーモーションで放たれる緑色の矢が、ソウルゲインの接近を阻む。
ラミアに与えられた命令は、足止め。そのため、距離を詰めさせることを極力避けていた。
接近戦は、ハイリスクハイリターン。一気に勝負をつける時に選択されるものだ。
それに、いくら調子が完璧ではないとはいえフォルカ・アルバーグ相手に格闘戦を挑む気もない。
シャドウランサー。ミラージュサイン。イリュージョンアロー。そしてファントムフェニックス。
虚構であることこそがアンジェルグに与えられた力。
今の自分に、これほど似合うものもないだろう。
ソウルゲインの拳が、中身のないアンジェルグに打ち込まれる。当然それは幻影。
背中に回った本物が、光の矢を放つ。当たった瞬間掻き消えるこそ、その光の矢は美しい。
お互い決め手に欠き、膠着に近い状態の中、時だけがゆっくりと流れていく。
「なぜ、そこまでユーゼスに手を貸す!」
ひどく空しい、フォルカの声。どうせ、この男にはわからない感情だ。
最初から最後まで、一人で立つことでしか生きられない世界で育ったこの男にわかるはずがない。
自分と対極にある人間には、一生かかっても理解できないだろう。
「………」
ラミアの答えは、ただ沈黙。自分は、もうすぐ焼却される人形だ。言葉など必要ない。
ただ、淡々と繰り出される攻撃のみがはっきりと存在する事実だった。
弓を引く。手を伸ばす。剣をふるう。別に、そんな些細なことに何も感じる必要もない。
そう、それでいい。人工知能に置換可能な戦闘人形。そうなることが最後に言い渡された命令の執行に必要なものだ。
ソウルゲインの肘から延びるブレードと、ミラージュソードがぶつかり、火花を上げる。
剣は本来打ち合わせるものにあらず。細身の刀なら、あっさりと折れてしまうだろう。
しかし、この剣は剣であって剣にあらず。
本来あるべきだったアンジェルグと違う、実態のない収束エネルギーブレードが、羽虫のような音を立てる。
右から左へ。振りぬいた瞬間幻影へと変わり消滅。
そのわずか後ろ、消えていく自分の影を目くらましに本体から放たれる突き。
ガラスの擦れ合うような音が高く、冷たい金属の床に響いた。一合、弐合参合………切り結ばれる二刀。
少しずつ、ソウルゲインのスピードが上がっている。
いや、瞬間的な速度は、そう変わっていない。
ただ、ひとつひとつの動きの間がなくなり始めていた。
ぎこちなかったそれが、水が流れるがごとくなめらかなものへ。
証拠に、ソウルゲインからはアンジェルグの剣の切り跡が減り始めている。
最初の大きな傷は残っているが、それ以外は、自己修復システムがすぐに追いつく程度しか損傷を与えていない。
アンジェルグの幻影と羽が空間を満たす。よどみなく竜巻の蹴撃を繰り出すソウゲイン。
刃がぶつかるたび、鈴のような音が、沁み入るように波紋として広がる。
まるで、神に捧げる拝舞。お互い、取り決めもなく、全力で戦っている。1秒と、同じ瞬間はない。
なのに、それは完成されきった――神霊も目を奪われるような、戦舞となっていた。
他人に依存するものと、他人への依存を許されなかったもの。
対極にある両者が、
ソウルゲインとアンジェルグ。同一世界でも、因縁を持ってぶつかり合った。
関連をもった力が、
調和を作り出す。
さながら逆説的に。
ついに、ソウルゲインの動きがアンジェルグを上回る。
ミラージュソードを引き戻す際、数cm通常より浮きあがった。
60m級のマシンにおける数cm。機械でなければ分からないようなその差異に、ソウルゲインは肘鉄を叩き込む。
剣のハラにあたる部分にかかる負荷が、アンジェルグの腕へと伝わる。
それに耐えきれず手から離れた剣が、弧を描きどこかへ落ちていった。
だが、どこに落ちたかを確認する暇はない。ラミアは、次の一手を間髪開けず決定する。
「リミッタ―解除、コード入力……!」
時間稼ぎのため、大技を捨てていたラミア。しかし、今のソウルゲインを止めるためには使わざるをえない。
光の粒子が格納庫に広がった後、壁から舞い上がるように空に天使の羽が浮きあがった。
急速加速によって起こる風を翼が受け、速度を落とすことなく宙で機体が翻る。
弦の数は、通常の倍。つまり、先ほどまで違い、それだけ用意せねば引き絞れないということ。
ソウルゲインもまた、両腕に生体エネルギーを収束し、燃やしていた。
ラミアは初めて見た。ソウルゲインの腕が、あれほど輝く瞬間を。
ソウルゲインは、電力を補助ユニットとし、パイロットの生体エネルギーを取り込んで動いている。
大勢のシャドウミラーのクローンたちがソウルゲインを動かしてきた。彼らの命は消耗品。
だから、その戦いで死亡しようとも無尽蔵にエネルギーを注ぎ込んできた。人間のパイロットでは、こうはいかない。
だが、目の前の男は何だ?
クローン1個分の命を使い放つ光よりも、はるかに煌々と輝く青い光を放っている。
何十人のクローンの生命エネルギーも、一人の修羅王の力の前にはかすんでしまう。
命には、軽い重いがある、と言っているようにラミアは見えた。
「……私の命など軽いものだ」
自嘲の笑みを浮かべ、最終セーフティーを解除。同時に、ソウルゲインも解除していた。
「コード・ファントムフェニックス……!」
「コード・麒麟……轟覇機神拳!」
火の鳥が、舞う。
形のない炎と熱気をくゆらせながら、一定の形をもちことなく、羽ばたく。
アンジェルグ……機械で作り出された偽りの天使に与えられた最高の力がそこに在った。
それは、永劫と再生を意味する不死鳥の幻影。ひとたび消えればそこで終わり。よみがえることはない。
そんな空虚な不死鳥が、死体のように横倒しになって動かない機体を飲み込み焼却しながら、青い闘紳へ迫る。
ラミアは、自分の放った不死鳥ではなく、その先にあるソウルゲインと……ほかの機体から外れた剣を見つめていた。
――さあどうする、フォルカ・アルバーグ!
ソウルゲインの拳の光が、全身に広がっていく。
自分の5倍強の大きさをもち、奇声と爆音を引き連れ迫る不死鳥相手に、一歩も退く様子を見せない。
半身を、前に。拳を前に。重心を前に。すべてを前方にソウルゲインは構えていた。
「はああああああああああぁぁぁ!!」
フォルカの吐く息に合わせて拳が放たれる。
早い。
あと少しで不死鳥が届くという限界のタイミングから拳が繰り出された。
速い。
速射性のマシンガンとか、音速を超えた拳とか、そんなものが子供の戯言にしか感じない。
疾い
ソウルゲインの形が、わからない。ぶれた姿の中、光だけがそこにいることを示していた。
瞬い。
不死鳥に次々と打ちこまれる鉄拳。だが当然実体ないものに手を伸ばしたところで、空を切るだけだ。
そう、ラミアは思った。しかし、そんな常識論が通じないことを一拍置いて理解させられる。
不死鳥が、削れていく。
実態のない炎を、オーラで削っていく。その範囲は必然微々たるものだ。
一発一発は、ソウルゲインのこぶし大ほども削れていないであろう。
だというのに、不死鳥はソウルゲインに届かない。届く前に、壁同然のラッシュがかき消してしまう。
仮に、自分の5倍強のものを掌で削るとして、いったいどれだけ時間がかかるだろうか。
まして、自分に雪崩の如く迫るとして、それを捌ききることなどできようか。
「おおおおおおおッッ!!」
それをやってのける男が目の前にいた。
赤をかすませる青。秒間10000発。
最後に、嵐のような大回転が小さく残った炎を周囲に弾き飛ばした。
まさに、修羅王の実力をいかんなくソウルゲインは発揮している。
エスカフローネでは耐えきらなかった強度を、ソウルゲインは満たしていた。
ラミアは急降下し、落ちている剣を拾うと、技を出し切って弛緩しているであろうソウルゲインへ。
手に取った剣は、実体剣だった。それを全速のスピードにまかせ腰だめに突く!
「相手が悪かったな……」
だが、その隙があるでろうという予想すら甘かった。
回転をやめ、ついたばかりの足を軸足に切り替え、さらに回し蹴り。
クロスカウンターのように剣とのばされた脚が交錯し、アンジェルグを逆に猛烈な勢いでのけぞらせた。
距離を取り直そうと後ろに飛翔。その時、アンジェルグの胸に玄武剛弾がめり込んだ。
そのことを、ラミアはフォルカが予想以上にソウルゲインになじみ始めていると判断した。
それ以外は、意識の外に追い出した。追い出せた。
軋むような音を立て、フレームが歪曲する音がする。
続いて放たれる青龍鱗を、どうにか拾った剣でそらす。
見当違いの方向にエネルギーは飛んで行き、ヘルモーズの内壁にあたり、爆発を起こした。
穴が開き、青空が見える。どこまでも飛べる、吸い込まれそうな青空が………
そちらを見やったわずかな時間。しかしそれは戦闘中では値千金の時間。
腕をつけたソウルゲインが、まっすぐに飛翔し、アンジェルグに迫る。
気付いた時には、もう遅い。一気にソウルゲインは一気に加速し、拳に燐光をまとい目の前にいた。
「く――――!」
無理やりな姿勢のまま振った剣をものともしない。
コークスクリューのように回転した正拳好きが、アンジェルグの右肩を打ち抜いた。
しかし同時に左腕をソウルゲインの腹におしつけ、シャドウランサーを解放した。
無理な射出により、内部で溜まっていたエネルギーが爆ぜた。
左腕の肘から下が、チリヂリの破片になってこぼれていく。右腕も、肩の駆動系をやられたのか、全く動かなかった。
それでも機体を立ち上げ、戦闘モードを維持する。
「よせ、これ以上やってどうする!」
「――どうするだと? どうもしない、戦うだけだ。それが、私に与えられた存在理由だ」
もっとも、アンジェルグの武器はほぼすべて腕に集約されている。
やれることなど何も本当はありはしなかった。
ためらうように、構えたまま動かないソウルゲイン。
時間を稼ぐという意味では、最高だった。そのままでいい。そのまま、あと20分もすれば終わる。
すべて終われるのだ。
そう思い、ラミアがため息ともつかぬ息をもらしたとき―――
ユーゼス曰く愚か者2人が入ってきた。
「ちょ、方向転換できないんですけど!」
「なんだと!? うおおおおッ!?」
先ほど開いた穴から、飛び込んでくる大型戦闘機型のロボと、その背に乗った小型ロボ。
グルンガストとエステバリスカスタムだった。
アンジェルグの動きは素早かった。
すぐさま、入ってきたグルンガストを盾代りにしながら、それに取りついた。
「動くな! これ以上動けばこの場で自爆する。もちろん巻き込まれればどうなるかはわかっているな!?」
走り出そうとしていたソウルゲインが動きを止める。
転がり込んできたエステバリスも、起き上った後停止した。
「やめろ、本当に命まであの男に捧げるつもりか!?」
「さっきも言ったろう、フォルカ・アルバーグ! それが私の存在理由だ!」
ラミアが名指しで非難するように声を上げた。その声を聞き………
「ええええええ!? フォルカさんって死んだんじゃなかったの!?」
ミオがすっとんきょうな声。
「………」
「………いろいろあって、助かった」
それだけぽつんと返すと、そんなことは今どうでもいいと、すぐにフォルカは話題を切り換えた。
「だからなぜそこまでユーゼスに協力する、人形とはどういう意味だ!?」
「いやだからそれだけでながされ」
「言葉通りだ! 私はユーゼスさまに使えるために製造された人造人間W17、それ以下でもそれ以上でもない。
命令をこなすために生まれた使い捨ての人形だ!」
人形とは思えないヒステリックな声色で、ラミアが叫ぶ。
フォルカも、さすがにこの事実に息をのむ。
この状況で、自分たちが口をはさむことはできないとミオとシロッコは黙っていた。
「あの時、聞いてまだ答えてもらっていなかった。
何故、あの時木原マサキにつくことをよしとしなかった? そうしたほうが良かったはずだ」
「答えたはずだ、自分の判断で行動したと!」
息を荒げるラミア。
「そうだった。だから、それは『意志』ではないかと聞いた。それに対する答えだ」
「それは………」
―――ユーゼスさまのみに依存することで自分が成り立っていたから。
あの時答えられなかった答えが、今胸をかけのぼる。違和感が言霊で形となり、喉までそれがせりあがった。
だが、それを応えてはいけない。答えれば……自分が人形でないことを認めてしまうことになる。
自分の意識を二の次三の次にして主のために働くべき人形が、他者のもとに一時的とはいえ下ることを恐れて拒否したなど。
諭すように、フォルカは言った。
「縛るものがないなら、自分の足で立つべきだ。 ……そのうえで、ユーゼスにつくか決めたほうがいい」
―――そうしてお前達と行動してやはり裏切ったらどうする?
―――そのうえで、ユーゼスさまにつくことを決めたらどうする?
駄目だ、そんなことを考えるな、言おうとするな。
耳を押さえた指の隙間から、するりとフォルカの言葉が滑り込む。
「たとえ茨の道であろうと、選ばなければ後悔する」
それは、そうやってお前自身修羅軍から離れたからか?
他の人に、今を投げ出して生きろとお前は言うのか。
そうお前は私に指示しているのか。命令しているというのか。
「―――自分の意思で選べ」
フォルカは、一度も強要するような言葉を発しなかった。決めつけて前提を作らなかった。
だからこそ、ラミアにその声は届く。耳を、ふさごうとも。
ヘルモーズに帰ってきたときのように、ラミアは頭を抱えて体を丸めて踞る。
光の輪が、グルンガストとアンジェルグを真っ二つに切り裂いた。
「え―――」
爆発まで、あと15分。
それは、格納庫の通路の奥、暗闇からやってきた。
赤い双眸だけが、闇の中浮かび上がっていた。
グルンガストとアンジェルグを切り裂いた光輪が、その中に返っていく。
「ゾフィー……!?」
フォルカが信じられないといった調子で呟いた。
それが、通路から出てきた。格納庫の電灯に照らされたその姿は―――
―――ウルトラマン。
赤の代わりにドス黒く、捻じれた紋様を体に刻まれた最初のウルトラマンだった。
試作型のゼスト。
実験段階で、DG細胞に代わるものとして研究されたカオスヘッダーで作られた、できそこないのゼスト。
数多の打ち捨てられたユーゼスの妄執だけが容となったもの。
ウルトラマンを超えるウルトラマン、カオスロイド。
第252話 命あるもの、命なきもの
試作型ゼスト カオスロイド 登場
◆ ◆ ◆
「デゥヷッ!」
「―――速いッ!?」
軽く500mは離れていた距離を、残像だけを残しカオスロイドが走る。
組んだ両腕がギリギリで間に合った。そこに、カオスロイドの正拳が撃ち込まれた。
「しかも―――重い!」
不死鳥相手も一歩も引かなかったソウルゲインが後ろにたたらを踏む。
両腕を組んだためできた死角をかいくぐり、ショートフックがソウルゲインに叩きこまれる。
セオリー通りともいえるが、正確にインパクトの瞬間に拳をひねり、ダメージを倍増させるカオスロイド。
当たった瞬間、金属をこすれあわせるような不快な音が、ソウルゲインの集音マイクから聞こえてきた。
体が倒れるよりも早く、足を踏み出し軸とする。地面を蹴るようにアッパーカット。
ブレードの部分も合わせて、かなりの射程を持つこの一撃を、背面ぞりでカオスロイドはかわすと、
そのまま両足を空に浮かせ、逆にソウルゲインの顎に1発喰らわせて見せた。
一回転し地面に着く衝撃を足をバネに使い前へ跳躍する力にソウルゲインは変える。
だがカオスロイドも、縦回転蹴りの勢いをまったく同じ方法で前進する力に変える。
お互いの額がぶつかり、腕が組み合わされ、正面から力比べとなった。
「く……おおおッ!」
「ジュワッ!」
旺盛な修羅の生体エネルギーを吸い、フルポテンシャルを発揮するソウルゲインが、あろうことか押し負けていた。
組み合わされたソウルゲインの手には、ひびが入り始めている。
無理に手を返すと、磁石同士が反発するように距離をとる。すかさず、拳の雨が繰り出された。
腰を低くし、重心を下げていたカオスロイドは、背杉を伸ばし、高速回転。
回転の力でそのラッシュを左右にそらし―――さらに紫の輪が帯のように体からにじみ出る。
それでも連打を続行していたソウルゲインの腕に光がぶつかると、それは拘束具へと変貌。
腕をつたってソウルゲインの体へと巻きついてきた。
カオス・キャッチリングが、ソウルゲインに身動きを許さない。それを見届けて初めて回転を停止するカオスロイド。
もがくソウルゲインを、逆に暴れれば暴れるほどカオス・キャッチリングは、ソウルゲインを締め上げる。
カオスロイドが後ろに手をゆっくりと引く。
その腕が、光の粒子にほどけていく。そして、先ほどグルンガストとアンジェルグを引き裂いた輪へ。
腕全体を一般の刃へと変換するカオス・ウルトラスラッシュ。
それはオリジナルの八つ裂き光輪や、3人目のウルトラスラッシュのように手のひらサイズではない。
断頭台のギロチンのように巨大なそれが、もう一度放たれようとしている。
(―――ジュデッカより強い!)
ソウルゲインを尻目に、腕を鋭く尖らせていくカオスロイド。それは徐々に弧を描くように曲がり、円を作る。
はやり金属音を打ち鳴らし、地面を奔るカオス・ウルトラスラッシュが―――
空を切った。
黄色い光がソウルゲインにあたり、カオス・ウルトラスラッシュの進路からはじき出した。
「まさかとは思ったが……こんなものまであるとはな。神になるというのはあながち嘘ではないようだな」
紅茶を飲み下し、男が呟いた。もうこのアクションで誰かわかる。
シロッコである。
乗っているのは、エステバリスカスタムにではない。なんと、ジ・Oに乗っていた。
「まだ設計すら終わっていない段階のこれがすでに完成品として存在する。なるほど、時空を超える証明だな」
ジ・Oのビームサーベルが、カオス・キャッチリングを溶かす。
どうやら、内から外れずとも、外からなら外すことは可能のようだ。
実はこの男、最初の段階……ミオが人質に取られた段階で、すでにエステバリスカスタムのコクピットにいなかった。
こっそり倒れこんだ隙に脱出し、乗り換える機体をラミアがフォルカに気を向けていた間に物色していたのだった。
そして、比較的多かったMSの中で、ジ・Oを発見し、乗り込んだというわけだ。
ちなみに……
「ちょっとシロッコさん、私も機体を選ばなきゃ……」
「今出て行っては吹き飛ばされるだけだろうが、かまわんかね?」
ミオは、格納庫に転がっていた適当なマシン―――ブラックゲッターのコクピットにいた。
グルンガストもアンジェルグも、コクピットは胸にある。
つまり、誘爆さえしなければ、腰をぶった切られようがパイロットはなんでもない。流石は特機ということだ。
もっとも、これがまともなマシンのエネルギー攻撃なら爆破して臨終だろう。
フォトンをぶつける、ウルトラ一族特有の力をカオスロイドが持っていたからこそ助かった。
きれい過ぎる切断面。何の抵抗もなく2機を切り裂いたが、切れすぎるためきった周囲を傷つけることはなかった。
シロッコはジ・Oを手に入れたが、ミオはすぐに操縦方法の分かるロボットが見つからなかった。
なにしろ、あまり量産期やらバリエーションの面で劣るあの世界のマシンは、ここには用意されていなかったのだ。
だから、適当なマシンのコクピットに押し込んで……という調子だ。マシン同士の戦いの最中、生身というのは危険極まりない。
ラミアも、実はジ・Oの影になる場所にさっきまでいた。
フォルカとの会話の調子から、引き込むことはできると思ったのも半分、シロッコの嗜好の問題からも半分。
そういった理由でミオのついでに助けたわけだ。
この男の快進撃はさらに続く。
やたら捨て鉢なラミアの態度(もっともこれはラミアの心理状況のせいであり、見当ハズレだが)から、なにかあると推測し、
ジ・Oに乗るついでに端末からヘルモーズにアクセス。自爆があることまで掘り当てて見せた。
とにかく、この男はもっともおいしいところをかっさらっていた。
「フォルカ・アルバーグ、と呼べばいいかな? とにかくこの戦艦は残念ながらあと10分少々で爆発するようだ」
「何……!?」
「残念だが、事実だ。急いで脱出せねばならん。だがそのためには………」
カオスロイドのマッハ5の飛行能力を生かした飛び蹴り。2機とも、バーニアを吹かせそれをよける。
「……あれを倒さねばならん……お互い素性を説明する時間もないが、協力してくれるな?」
「分かった、後ろは任せる!」
フォルカも、時間を惜しみ即答。
シロッコと、フォルカ。
奇妙な共同戦線がここに張られた。
◆ ◆ ◆
私は……どうすればいいだろう?
なにも守るものなく、生身のままラミアは目の前の戦いを眺めていた。
あれが、ゼストの試作型。……ユーゼスさまの最終目標、そのできそこないの人形。
カオスロイドは、自爆に巻き込まれれば自分も滅びるというのに、何の迷いもなく戦っている。
その神にもなれる力を、ただ単一の目的のために暴力的に振るうことを許されている。
迷いもしない。悩みもしない。目の前のものを抹消する……完璧な戦闘人形。
あれが、私の目指したものだったのか?
ジ・Oとソウルゲイン、2体の軌道兵器を前に互角以上の戦いを繰り広げる黒い神。
いったん開放すれば、破壊しつくすまで止まらないため封印された。
意志を持たぬ力、それはユーゼスが最も忌み嫌ったであった。それをラミアは知らない。
だからこそ、意思を持たぬことはユーゼスに使える時では美徳と思っていた。
ヘルモーズへのダメージを気にすることなく、加速していく黒と黄と青の閃光。
カオスロイドに、機神拳が叩き込まれる。しかし痛みを感じることなくカオスロイドは応戦する。
当然だ、 い た い と認識する心すらカオスロイドにはないのだから。
あれが、私の目指したものだったのか?
カオスロイドに自分を重ねようとして……どうしてもそれができなかった。
鏡写しのそれは、酷く醜かった。
やはり、顔をそむけてしまう。
それどころか、ラミアは自分がああなることを「いやだな」と思ってしまった。
何も疑わず、なにも選ぶこともせず、なにも感じずに生きて行ける世界。
それは、きっと楽園だろう。
だけど、一度知恵の実を口にした人間は、もう二度と楽園に変えることはできなかった。
いや、きっとそれは違う。
知恵の実を食べたからこそ、人間は人間になれたのだ。
人形のような生を否定し、荒野を歩き傷つくことを選択した。
そう、選択したのだ。誰からか強要されたのではなく、自分の意思で自分の自由を。
「―――自分の意思で選べ、か」
大きな衝撃で、格納庫の瓦礫が右へ左へと動く。それは、天井からも降り注いだ。
ラミアの上に、落ちてくる鉄塊。ラミアはそれを見つめて、これで終わるのか、と漠然と思い目を瞑った。
その時、一体の無事だったマシンが倒れ、彼女を守るようにそれを阻んだ。
いつまでたっても落ちぬ飛礫に、ゆっくりと眼を開ける。
そして自分を守ったものを見上げ、ラミアは目を見開いた。
今から楽園を捨て、荒野を歩こうとする『人間』を、楽園の使いである天使が守った。
先ほどまで、人形であろうとした自分の乗っていたものが、自分を守ったのだ。
穢れを知らぬ純白も、黒くくすんでいた。荘厳だった天使を模した神像だったころの見る影もなかった。
―――神の卵より生まれし雛鳥だ
、、、、、、
最初に乗る際、ユーゼスが言った言葉だ。
「そうか……お前もまだ生まれてなかったのだな」
そっと手伸ばし、手でくすみを払う。もっとも、大きすぎる体の前に、その行為にまったく意味はない。
単純に、感傷だ。人間のみが取りうる、意味のない『遊び』という概念に当たる行動。
不意に、神像から一条の光が放たれた。
最初の時と違う感情を抱き、最初の時のように腕を広げて光を迎え入れる。
ここからだ。ここからもう一度始めるのだ。そうだろう?
自分なりに、自分を探してみよう。そのためには、もう一度ユーゼスに合わなければ始まらない。
「謳おう―――ラーゼフォン!」
歌を歌う。生を謳う。
ラーゼフォンの真の眼が即座に解放された。どこからか流れ出す聖歌。
今までの死を運ぶ陰気な歌ではない。命の輝く様をありったけの方法で表現した生命讃歌。
「歌……?」
フォルカと、シロッコは、この戦場に流れる歌を耳にして、動きを止めた。
カオスロイドは、動きを止めない。心がないから戦場に歌が響くおかしさが分からない。
「受けろ、幻影の印を……!」
ラーゼフォンの光の剣が、カオスロイドに振り下ろされる。
そのまま、右斜め上に。次いで横に。今度は左下に。フィニッシュに、右上方に切り上げる。
「ミラージュ・サイン!」
機体の軌跡が、五芒星を描くのではない。剣の軌跡が、相手の体に五芒星を刻み込む。
最後に、すれ違い様に胸に剣を付き立てた。
紛うことなき、『A』の世界……彼女がもといた世界のアンジェルグに設定されていた本当のミラージュサインのモーション。
だが、カオスロイドの肉体に傷を付けることはかなわない。盛大に吹き飛びはしたが、外見上なんの変化もなかった。
カオスロイドが、またも高速回転。カオス・キャッチリングが、今度はラーゼフォンに。
しかし、当たる直前に音障壁が展開される。波動をあやつり物質を共鳴させる能力が、自由の拘束を一時阻んだ。
その一時の間に、環からラーゼフォンは脱出する。
天に掲げる腕から光が迸り、それは輝く弓を形作る。逆の手には光の矢が生まれる。
それらを一つに合わせ、一気に引き絞った。もちろん呼ぶ名は――
「標準セット……イリュージョン・アロー!」
――彼女の愛機のそれだ。
カオスロイドはそれが直撃することを平然と許し、真っ直ぐにラーゼフォンへ。
矢から、盾に。赤い盾が、カオスロイドのカカト落としを受け止める。ビッグオーの渾身の鉄拳より重かった。
だが、中身がない。破壊衝動はあっても、心の重心を定め相手を打ち倒そうという覇気がない。
イングラム・プリスケンのほうが、よっぽど強い。
腕が軋む。足裏が虚空を踏みしめ、体が沈んだ。更に槍のように真っ直ぐ捻り込まれる拳。
だが、ラミアからすればかわすのはたやすい。ユーゼスから、幾億の世界から集めた戦闘モーションを最適化して作るその動き。
それはラミアもそれは持っているのだ。だからこそ、分かる。
愚直なまでに、一片の揺らぎもないプログラミングの攻撃。そこからまったく変化や緩急がない。
誰かの繰り糸に従うままの戦闘人形。
ラミアが意図的に、大振りにラーゼフォンの腕とそこから伸びる光の剣を振るう。カオスロイドが姿勢を低くしたため、頭上を通り過ぎる。
それはカオスロイドへの攻撃ではなく、その頭上にたれる糸を断ち切るような動きだった。
伸ばしきった腕が、体を前に倒し、バランスが崩れた。その状態においてAIから選ばれる最適の行動をカオスロイドは実行。
すかさず足元をすくう屈み蹴り。
相手の動きを考え、それがくると予見し、自分の判断に従って、ラミアは事前にステップを踏むように飛翔。
蹴りは届くことはなかった。ラーゼフォンの腕からあふれる光が、カオスロイドを焼く。
相手がこちらの行動パターンを認識しているともカオスロイドは考えない。
だから、それに合わせて戦い方を変えようとも思わない。当然だ、カオスロイドにはそう認識する心がないのだから。
ラミアは、正確に相手の定まった動きを認識し、自分独自の動きを加え、戦い方を微細に変える。
横槍から、腰を軸に振りぬかれる拳がカオスロイドを追撃した。
ソウルゲインの機神拳が、カオスロイドの腹に拳のあざを作った。初めてカオスロイドにダメージらしきものが見える。
ダメージがあっても痛みがないため、動きが鈍ることはない。相変わらず機敏な動きを、ジ・Oのビームライフルが妨害した。
仲間と信じて疑わぬように、2機ともラーゼフォンに動きを合わせてカオスロイドを攻め立てる。
カオスロイドが、初めて後退して距離をとる。
腕を胸の前で組むと、そこから波紋のようにウルトラ念力が攪拌しながら撒き散らされた。
「こちらの後ろに下がれ!」
ラミアが、前に立つシロッコとフォルカに呼びかけた。
2人とも、その言葉の意味にある二重の意味を即座に理解した。
彼女が今仲間であること、そして何より自分たちの信じて賭けた可能性は、間違っていなかったと。
ソウルゲインと、ジ・Oが、ラーゼフォンの側にすっくと立った。昔から気心知れた戦友のように。
それを守るように同じく波紋を広げ、音障壁を展開。ウルトラ念力と音障壁がぶつかり合い、相殺されていく。
動くたびに金属音を鳴らすカオスロイド。それを退ける完全調和〈パーフェクトハーモニー〉。
「謳えラーゼフォン! お前の禁じられた歌を!」
何処からともなく聞こえるかすかな響きが、大きくなっていく。
護る歌から戦いの歌へ。声の質が移ろっていく。
ラーゼフォンが歌う。ラーゼフォンのみに歌うことの許された、調律の歌を。
3体に増えた外敵をまとめて消滅させるため、カオスロイドは躊躇なく切り札を切った。
それを使えば、エネルギー消費で自分の存在が危なくなるとか、そんなことは考えない。考える心がない。
カオス・ウルトラスラッシュと違い、両腕が発光する。形だけを真似られたカラータイマーから、両腕に力が流れていく。
黒い神の、究極の力………カオス・スペシウム光線!
「デュア!!」
ゆっくりと腕を交差させ、前に突き出す。漏れ出す力が、コントロールを失い暴れるが、それを強引にまとめあげる。
あるべきでない力を、暴れる力を一つにすることで、強烈な不協和音が、カオスロイドのいた場所から放たれる。
次の瞬間、収束と拡散を繰り返し切れ切れの光が巨大な柱となりラーゼフォン達に直進する!
『ラァァァァ―――――――――――――――――!!』
旋律が、カタチある歌となりラーゼフォンから放たれる。
今までのラミアでは引き出せなかった力をラーゼフォンは汲み上げた。
グランゾンの時のように、拮抗状態が作り出される。神の炎と天使の歌。押し合い、中心をゆがめていく。
だが、あの時のようにはならない。
なぜなら、今は共にある人間がいるのだから。
何も言っていないにも関わらず、重ね合わせるように闘気が歌に混ざっていく。
ソウルゲインの手から、青龍鱗に混じって放出される力で、より荒々しく、より激しい歌に変化する。
戦いしか知らぬ修羅の奏でる歌が、完璧の調和が作り出す。極限の虚無の力を押し返していく。
ジ・Oが、ビームライフルをカオスロイドのカラータイマーを打ち抜いた。
ほとんどダメージにならないそれは、カオスロイドの放つ力に間隙を作る。
そして、歌が一気に押し切った。
逆に、光に飲み込まれていくカオスロイド。光を拒否する神の断末魔が、最後に格納庫へ木霊した。
「終わったの……?」
ブラックゲッターを起こしながら、ミオは呟く。
コードなどの設置に手間取っていたが、ブラックゲッターはモーション伝達式のロボット。
いったん起動させれば十分ミオにも動かせた。
それにラミアが答える。
「終わったさ。……ひとまずはな」
シロッコが、時間を確認する。
「あと、5分弱。どうにか間に合ったか。……残念だが、話している暇はない」
シロッコが、安堵の空気を漂わせる全員に言った。やはり指導者というのだろうか、その姿は実に似合っている。
「……ああ、そうだな」
流石に修羅王にもこのときばかりは弛緩があった。
先ほどの戦闘で壁面は穴だらけだ。すっかり荒れ果て、瓦礫の山となっている上を、4機が飛ぶ。
あとは、脱出するだけ。
フォルカが、まず飛び降りた。ソウルゲインはジ・Oをぶら下げている。
何しろ、ジ・Oだけは単独で飛行ができない。この高さから落下すれば死あるのみだ。
「……落とさないように頼む」
「分かっている」
簡単なやり取りをしながら、落ちていく2機を、ラミアは見ていた。
「んー? どしたの、ラミアちゃん」
ラミアちゃん、という言葉に眉をひそめながら、ラミアは初めて自分の心情を吐露した。
「結局、自分のやったことは背信行為だ。自分のやったことは……正しかったのか? これでよかったのか?」
息を吐きながら、ラミアが言った。ミオは頬を指で書きながら、苦笑いで答えた。
「それは、私にもわかんない。けどね……」
指をびっと立てて、笑ったままミオは、
「自分が正しいことをしてるって、わかってやってる人なんてだれもいないよ。
だから失敗して頭えたりすることもある。あの時こうしてれば、って思うことだってあるよ。
でも、私たちは頑張って動かなきゃいけない。だって、私らは生きてるだから」
生きてるんだから、というところには強いアクセントがあった。
マシュマーたちの魂と触れ合ったからこそ、言える言葉だった。死んだ人たちだって、あれだけ頑張っている。
生きてる自分たちが、サボってる暇なんてない。
おそらく、そういうものだろうと、今のラミアは理解できた。
ポンポンと、ブラックゲッターがラーゼフォンの肩を叩く。
「………そういうものなのか?」
「そういうもの」
うんうんと頷くミオ。あと時間は、2分もないが、脱出するには十分すぎる時間だ。
ゆっくりと降下を始めようとした時、
時間が、ゼロになった。
瓦礫を吹き飛ばし、何か黒い影が2人に走った。
振り向く間もなく、ブラックゲッターにそれがまとわりつく。
「馬鹿な……ッ!?」
それは、カオスロイドだった。ひび割れ、砕けた部分を露出したまま、ブラックゲッターにしがみつく。
ゾンビを思わせる姿になっていたが、動くことをやめようとしなかった。決して、しがみつく手から力を抜かない。
当然だ、なぜなら心のないカオスロイドには、失われる魂がないのだから。
ラーゼフォンが、光の剣を発生させ、カオスロイドの皮膚に突き刺した。だが、一ミリも食い込まない。
エネルギーを失いつつも、神の肉体の硬度は依然として損なわれていなかった。
歌おうにも、この距離ではブラックゲッターも歌をあびてしまう。使うことはできない。
ラーゼフォンは腕力にものをいわせ、強引に引きはがそうとする。
すると、今度はラーゼフォンも道連れにしようとカオスロイドは手を伸ばし―――
とん、と。
ラーゼフォンがブラックゲッターに突き飛ばされた。
「な――……」
浮遊感が、身を包む。落下するラーゼフォン。すぐに姿勢を立て直し、ヘルモーズに戻ろうとした。
「きちゃダメッ!」
それをミオが制止するよう声を上げた。
「何故だ、このままでは………」
「いや、そう思うんだけどね……多分来ても一緒。多分、無理だと思うから」
ミオからの通信。ミオは、まだ笑っていた。
「何を言っている、諦めるつもりか!」
「あきらめるわけじゃないんだけど……多分、ラミアさんも巻き込んじゃうだろうから」
真剣な声で、ミオが言った。
息が、できない。
あれほど軽いと思っていた自分の命を……この少女は案じている。なぜ、あの少女なのだ?
自分の命など惜しくない。あの少女の命のほうが、自分のと比べることすら愚かしいほどの重みを持っている。
だというのに……!
噛んだ唇から、血が出た。声を無視し、ヘルモーズへ戻るラーゼフォン。
その肩に、ゲッタービームが撃ち込まれた。今度こそ、落下していく。
「んじゃ、あの二人のことお願い。できたら、ヴィンちゃんも探してるだろうし、ユーゼスも、止めてあげて。
あとそれから……ああ、結構言いたいことって残ってるなぁ。……全部お願い」
ミオは、笑いながら震えていた。目尻には、涙がうっすら浮かんでいる。
彼女も、恐ろしいのだ。自分のと同じように。……それを、一生懸命耐えている。
逃げようとしていた自分と違って正面からまっすぐに。
「頑張ったんだけどな……私の分まで受け取って頑張って。もちろん、ラミアさんの信じる限りでいいから」
それが、最期だった。
ついに、戦艦が轟音と共に燃え落ちる。
――全部お願い。
―――私の分まで受け取って頑張って。
「分かった……確かに受け取った」
まっさかさまに落ちる中、自分の目からもミオと同じものが流れているのを感じ、さらにラミアは泣いた。
こんな自分に、託してくれた少女の分まで、生きてみよう。
それもまた、託されたものだろうから。
ジョシュアやセレーナからリュウセイへ。リュウセイからマイへ。マイからフォルカへ。
タシロと副将からヴィンデルとマシュマーへ。マシュマーとヴィンデルからミオへ。そして、ミオからラミアへ。
続いていく、命の連鎖。
その鎖の最後尾には………だれが繋がれるのだろうか?
【ミオ・サスガ パイロット状況:死亡】
【ラミア・ラヴレス 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状態:良好
機体状態:EN 1/3ほど消費、右肩を少し損傷
現在位置:E-5
第1行動方針:ユーゼスと会って、ゲームの終了を説得する。
最終行動方針:自分の確立】
【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:ソウルゲイン(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:完治 、全快、首輪なし
機体状況: 損傷(小) ソウルゲインで再生中 EN1/2ほど消費
現在位置:E-5
第一行動方針:ユーゼスと会う
最終行動方針:殺し合いを止める
備考1:フォルカは念動力を会得しました。
備考2:ゾフィーの力により機体の神化が可能となりました
備考3:ユーゼスの目的を知りました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:ジ・O (機動戦士Zガンダム)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)
機体状況:良好
現在位置: E-5
第1行動方針:脱出を目指す。
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶を試したい(ただしもう気は緩めない)。
備考: ラミアを完全に彼は信用していません。マサキ危険視。
リュウセイのメモを入手。反逆の牙共通思考の情報を知っています。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
フォルカ厨でスパヒロ厨でウルトラマンFE厨か
ふうーラミアがいい人っぽくなってるなあ…
ちょっと長いなあ
ラーゼフォンのシーンはいらんからラミアVSフォルカだけにしといた方がいいと思う
最初完全オリジナルで、ゼスト試作型を書きました。
けど、やはりオリジナルはラスボスだけにしたいなぁ・・・・・・と思い、イーヴィルティガとカオスウルトラマンカラミティで書きなおしました。
ダメだ、やっぱユーゼスの求める力の巨人って、昭和ウルトラだろう!
って思って結局・・・・・・カオスロイドにしました。もっとも、そのまま使えないんで、作中の扱いとしては試作型ゼストですが。
話も、そのせいで大分変わってます。
最初は、生きてる光を信じて力を振るうミオと対比図で闇に飲まれたイーヴィルティガでしたが(題名も、神を模したモノ だった)、
カオスロイドに変えたため、思いっきりラミアの比重を増やして、心のありなしを中心に細部をすべて変えていって・・・・・・
最初は、最後まで結局ヘルモーズに残ったラミアが死亡する展開でした。
ですが、せっかくまとめて差し替えたし、こころを引き継ぐ、というのがどうしてもやりたかったためこのカタチに。
多分、消した分含めると投下した量の3倍書いてるw
あーわかってると思うけどスパロボだからね?
特撮じゃないよ?
ニセウルトラセブンみたいな事をやりたかったんでしょ
凄い良いタイミングでスレ見れたものだ
お疲れ様 つ旦~~~
っていうかひょっとして前にウルトラマンとフォルカの邂逅描いたのと同じ人か?
このあたり、何でも厨付けしてして空気をわるくしようとする荒らしがいるな
NGID ID:5c8cdH04
超GJ!
AとOGで剣の材質が違うとか細かいところで凝ってるなぁw
もう本当に最後なんだなぁ、これ見てるとそういう気分になってくる
最後まで頑張ってくれ、これからもマジ期待してる
ほう、ここでミオを殺すか…。だが、最後までミオらしかった。
(フォルカとの会話とか)
燃える話だったし、GJ!!
ラミアも命の重さを知ったからこそ、ゲームを終わらせようと思ったんだなあ。
あ。
なにげに、シロッコがすんごいシロッコらしいぜ!
んで、フォルカはやっぱかっこいい。
しっかし、最終決戦どうなるんだろ…。イキマ、クボはまだ確定してないが、
フォルカ、ラミア、シロッコ、マサキにユーゼス。だめだ、混沌すぎて、先が読めねえ。
そして、エルマ、お前はこのまま本人も気付かず汚名をかぶって、空気で終わるのか?
アーバレストで助けにこんかな〜〜。
あー・・・カオスロイドって名前出すのはやりすぎじゃね?
試作型ってだけでいいような、バンプレ作だからってFEとスパロボは関連ないし。
>>429 了解、んじゃカオスロイド登場から全部ゼストに差し替えて、
没にした戦闘描写全部もう一回組み込みなおして、さらに加筆します
……推敲したはずですけど、今読むと戦闘シーンが物足りないですね、描写も薄いし……
書き直すんでしばしお待ちを
投下乙。
スパロワの癒しが逝ったか・・・オープンゲットできたなら助かったろうにな。
イングラムはディスの方に憑いたから、まだクォヴレーのフラグはあるのかな?
しかしフォルカにソウルゲインて鬼に金棒とか言うレベルじゃn(ryこの上神化までできるんだしな。
あと
>>400でイキマがイミマになってるぜ
神化ソウルゲイン……ツヴァイザーゲインか、スーパーアースゲインだろうか。
一人天竜魔滅陣とかかましてくれるんだろうか。
乙!
イーヴィルティガもウルトラマンを目指した科学者繋がりで見たかったかも
もう一体はヘルモーズの爆発からでも平気なら出れるのか
Jアークぐらいしか思いつかないが何かいるかな?
>>410 >アンジェルグの幻影と羽が空間を満たす。よどみなく竜巻の蹴撃を繰り出すソウゲイン。
ソウルゲインのコードはEG-Xだからスーパーアースゲインかなぁ。
もう一度投下はしたらばだよな?
後カオスロイドとかいう名前だけじゃなくゼストは描かないでくれ
スパヒロロワじゃないんだ
ちなみにアルバークね。
冬厨の季節だなぁ、つーかGか?
毒吐きもないしキャラ信者もいない、スルー能力完備のここを荒らしても 無 駄 だ
時間帯まで昨日と一緒とは同一人物ってバレバレで吹いたw
O(OG外伝症候群で一時的に過疎るかもしれないが)
D(大丈夫だよな)
E(ええおい)
システムだ……。
しかしミオ、ゲッターやら何やらに接触した割には
大した見せ場なく死んだなぁ
まあラミアに託したのはでかいが
やはりフォルカがゾフィーと接触して首輪外れた時点で
キーパーソンとして立場が弱くなったのかもしれん
いやぁ、流れ的にはラミアがミオを助けてまた一つ思いを託したになるとは思ったがこれはこれで。
さぁ、久保が戻れないフラグが一つ増えた気もするが、もう駄目か奴は。
>>439 ゲッター線(ブラックゲッター)とDG細胞(試作ゼスト)が揃ってるから復活はありえる
ゾンビミオが進化して何になるんだ
いっそミオが生存するように差し替えてもらうとか
流石にムシが良すぎるか?
でもよかったら……
まあ、ロワにおいてはいかなるキャラでも死は平等だしね
とりあえず作者氏の修正版がどうなるか待とうか
ていうか別にカオスロイドって固有名詞使ってもいいような気がする
ここまできたら今さらって感じだし
しかし……ふと思ったんだが
実は「ユウキ厳選紅茶賞味フラグ」が存在し続ける限り、
コーヒーの命は安泰なんじゃ、って気がしてきた……
しかもこいつ、戦いが終わるまで味わう気はないようだしw
/::::i::::、:::ヽ、:::::\:ヽ:\::::::ヽ:::、::ヽ::、:',
/::i|::l::ト、ヽ::、:::ヽ:、::::::\::ヽ::::l::::ヽ::i:::i:::!
/:/:!:::!:|::ヽ:\ヽ::::、:\::::ヽ:::ヽ!::::::i::|:::!::!
!ハ::|::::i::l:|心、:ヽ::\:ヽ_\、\:::ヽ:::|!::|:|i
i、:!:|:、N{、ヒjヽゝ\ヾイ ヒj >、ヽi:、|!:|:l
ヽ:!::トヽ ̄ l! ` ` ̄´ |::l::|:|j:,!:! 駄目だこいつ
ト、::! u j |::/lj:::!リ
ヾ、 丶 - u リイ:|リ 早くなんとかしないと……
リヽ ‐、ー- 、_ /イ:::i
rー'"ト:l゙、  ̄ ./ , |::!
/ ヘ ヾ ヽ、 _,. ' / |:'
龍人機フラグが折れてしまった龍王機に出番は来るのか
来るとしたらイキマが乗るしかのこってなくね
てか、クボ説得成功したら、イキマINブライガー!!
ちょっと、みてみたい、かも。
あと、なにげに、イキマ、ディストラ少しなら扱えそうだよな〜。
投下しますー
>>413の途中からこちらに差し替えをお願いします
赤の代わりにドス黒く、捻じれた紋様を体に刻まれたウルトラマンだった。
試作型のゼスト。
実験段階で、以前のゼストを模して作られた、できそこないのゼスト。
数多の打ち捨てられたユーゼスの妄執だけが容となったもの。
ウルトラマンを超えるウルトラマン、帰ってきたゼスト。
第252話 命あるもの、命なきもの
偽神 ゼスト・ザ・リターン 登場
◆ ◆ ◆
「LUA■DYEWT■■―――!」
人にあらざる言葉でゼストが咆哮する。
モニターには、それを無理に人語に翻訳した結果できたでたらめな言葉の羅列が表示される。
それもところどころ認識されず、黒く塗りつぶされていた。会話など、できそうにもない。
「―――速いッ!?」
軽く500mは離れていた距離を、残像だけを残しゼストがつめる。
背中の黒い羽が可変翼のように自在に動き回り、加速力を高める。まるで悪魔の翼だった。
組んだ両腕がギリギリで間に合う。そこに、ゼストの正拳が撃ち込まれた。
「しかも―――重い!」
不死鳥相手も一歩も引かなかったソウルゲインが後ろにたたらを踏む。
両腕を組んだためできた死角をかいくぐり、ショートフックがソウルゲインに叩きこまれる。
セオリー通りともいえるが、正確にインパクトの瞬間に拳をひねり、ダメージを倍増させるゼスト。
当たった瞬間、金属をこすれあわせるような不快な音が、ソウルゲインの集音マイクから聞こえてきた。
体が倒れるよりも早く、足を踏み出し軸とする。地面を蹴るようにアッパーカット。
ブレードの部分も合わせて、かなりの射程を持つこの一撃を、背面ぞりでカオスロイドはかわすと、
そのまま両足を空に浮かせ、逆にソウルゲインの顎に1発喰らわせて見せた。
一回転し地面に着く衝撃を足をバネに使い前へ跳躍する力にソウルゲインは変える。
だがゼストも、縦回転蹴りの勢いをまったく同じ方法で前進する力に変える。
お互いの額がぶつかり、腕が組み合わされ、正面から力比べとなった。
「く……おおおッ!」
「■AAZYI■WWAER――!」
旺盛な修羅の生体エネルギーを吸い、フルポテンシャルを発揮するソウルゲインが、あろうことか押し負けていた。
組み合わされたソウルゲインの手には、ひびが入り始めている。
無理に手を返すと、磁石同士が反発するように距離をとる。すかさず、拳の雨が繰り出された。
腰を低くし、重心を下げていたゼストは、背杉を伸ばし、高速回転。
回転の力でそのラッシュを左右にそらし―――さらに紫の輪が帯のように体からにじみ出る。
それでも連打を続行していたソウルゲインの腕に光がぶつかると、それは拘束具へと変貌。
腕をつたってソウルゲインの体へと巻きついてきた。さらに収縮し、ソウルゲインをがんじがらめにする。
黒光のリングが、ソウルゲインに身動きを許さない。それを見届けて初めて回転を停止するカオスロイド。
もがくソウルゲインを、逆に暴れれば暴れるほどリングは、ソウルゲインを締め上げる。
ゼストが後ろに手をゆっくりと引く。
その腕が、光の粒子にほどけていく。そして、先ほどグルンガストとアンジェルグを引き裂いた輪へ。
腕全体を一本の刃へと変換する、ウルトラスラッシュ。
それはオリジナルの八つ裂き光輪や、3人目のウルトラスラッシュのように手のひらサイズではない。
断頭台のギロチンのように巨大なそれが、もう一度放たれようとしている。
(―――ジュデッカより強い!)
ソウルゲインを尻目に、腕を鋭く尖らせていくゼスト。それは徐々に弧を描くように曲がり、円を作る。
はやり金属音を打ち鳴らし、地面を奔るウルトラスラッシュが―――
空を切った。
黄色い光がソウルゲインにあたり、ウルトラスラッシュの進路からはじき出した。
「まさかとは思ったが……こんなものまであるとはな。神になるというのはあながち嘘ではないようだな」
紅茶を飲み下し、男が呟いた。もうこのアクションで誰かわかる。
シロッコである。
乗っているのは、エステバリスカスタムにではない。なんと、ジ・Oに乗っていた。
「まだ設計すら終わっていない段階のこれがすでに完成品として存在する。なるほど、時空を超える証明だな」
ジ・Oのビームサーベルが、・キャッチリングを溶かす。
どうやら、内から外れずとも、外からなら外すことは可能のようだ。
実はこの男、最初の段階……ミオが人質に取られた段階で、すでにエステバリスカスタムのコクピットにいなかった。
こっそり倒れこんだ隙に脱出し、乗り換える機体をラミアがフォルカに気を向けていた間に物色していたのだった。
そして、比較的多かったMSの中で、ジ・Oを発見し、乗り込んだというわけだ。
ちなみに……
「ちょっとシロッコさん、私も機体を選ばなきゃ……」
「今出て行っては吹き飛ばされるだけだろうが、かまわんかね?
それに奥に換装用のパーツもあった。工具型のマシンがやってもらってきたほうがいい、今のままでは足手まといだ」
突き放すようにシロッコが言い放つ。
ミオは、シロッコの乗っていたエステバリスのコクピットにいた。グルンガストもアンジェルグも、コクピットは胸にある。
つまり、誘爆さえしなければ、腰をぶった切られようがパイロットはなんでもない。流石は特機ということだ。
もっとも、これがまともなマシンのエネルギー攻撃なら爆破して臨終だろう。
フォトンをぶつける、ウルトラ一族特有の力をゼストも持っていたからこそ助かった。
きれい過ぎる切断面。何の抵抗もなく2機を切り裂いたが、切れすぎるためきった周囲を傷つけることはなかった。
シロッコはジ・Oを手に入れたが、ミオはすぐに操縦方法の分かるロボットが見つからなかった。
なにしろ、あまり量産期やらバリエーションの面で劣るあの世界のマシンは、ここには用意されていなかったのだ。
だから、とりあえず側のマシンのコクピットに押し込んで……という調子だ。マシン同士の戦いの最中、生身というのは危険極まりない。
ラミアも、実はジ・Oの影になる場所にさっきまでいた。
フォルカとの会話の調子から、引き込むことはできると思ったのも半分、シロッコの嗜好の問題からも半分。
そういった理由でミオのついでに助けたわけだ。
この男の快進撃はさらに続く。
やたら捨て鉢なラミアの態度(もっともこれはラミアの心理状況のせいであり、見当ハズレだが)から、なにかあると推測し、
ジ・Oに乗るついでに端末からヘルモーズにアクセス。自爆があることまで掘り当てて見せた。
とにかく、この男はもっともおいしいところをかっさらっていた。
「フォルカ・アルバーグ、と呼べばいいかな? とにかくこの戦艦は残念ながらあと10分少々で爆発するようだ」
「何……!?」
「残念だが、事実だ。急いで脱出せねばならん。だがそのためには………」
ゼストの、いったいどれだけマッハを超えているか分からぬ飛行能力を生かした飛び蹴り。2機とも、バーニアを吹かせそれをよける。
「……あれを倒さねばならん……お互い素性を説明する時間もないが、協力してくれるな?」
「分かった、後ろは任せる!」
フォルカも、時間を惜しみ即答。
シロッコと、フォルカ。
奇妙な共同戦線がここに張られた。
◆ ◆ ◆
私は……どうすればいいだろう?
なにも守るものなく、生身のままラミアは目の前の戦いを眺めていた。
あれが、ゼストの試作型。……ユーゼスさまの最終目標、そのできそこないの人形。
ゼストは、自爆に巻き込まれれば自分も滅びるというのに、何の迷いもなく戦っている。
その神にもなれる力を、ただ単一の目的のために暴力的に振るうことを許されている。
迷いもしない。悩みもしない。目の前のものを抹消する……完璧な戦闘人形。
あれが、私の目指したものだったのか?
ジ・Oとソウルゲイン、2体の軌道兵器を前に互角以上の戦いを繰り広げる黒い神。
いったん開放すれば、破壊しつくすまで止まらないため封印された。
意志を持たぬ力、それはユーゼスが最も忌み嫌ったであった。それをラミアは知らない。
だからこそ、意思を持たぬことはユーゼスに使える時では美徳と思っていた。
ヘルモーズへのダメージを気にすることなく、加速していく黒と黄と青の閃光。
ゼストに、機神拳が叩き込まれる。しかし痛みを感じることなくゼストは応戦する。
当然だ、 い た い と認識する心すらゼストにはないのだから。
あれが、私の目指したものだったのか?
ゼストに自分を重ねようとして……どうしてもそれができなかった。
自分の鏡写しのそれは、酷く醜かった。
やはり、顔をそむけてしまう。
それどころか、ラミアは自分がああなることを「いやだな」と思ってしまった。
何も疑わず、なにも選ぶこともせず、なにも感じずに生きて行ける世界。
それは、きっと楽園だろう。
だけど、一度知恵の実を口にした人間は、もう二度と楽園に変えることはできなかった。
いや、きっとそれは違う。
知恵の実を食べたからこそ、人間は人間になれたのだ。
人形のような生を否定し、荒野を歩き傷つくことを選択した。
そう、選択したのだ。誰からか強要されたのではなく、自分の意思で自分の自由を。
「―――自分の意思で選べ、か」
大きな衝撃で、格納庫の瓦礫が右へ左へと動く。それは、天井からも降り注いだ。
ラミアの上に、落ちてくる鉄塊。ラミアはそれを見つめて、これで終わるのか、と漠然と思い目を瞑った。
その時、一体の無事だったマシンが倒れ、彼女を守るようにそれを阻んだ。
いつまでたっても落ちぬ飛礫に、ゆっくりと眼を開ける。
そして自分を守ったものを見上げ、ラミアは目を見開いた。
今から楽園を捨て、荒野を歩こうとする『人間』を、楽園の使いである天使が守った。
先ほどまで、人形であろうとした自分の乗っていたものが、自分を守ったのだ。
穢れを知らぬ純白も、黒くくすんでいた。荘厳だった天使を模した神像だったころの見る影もなかった。
―――神の卵より生まれし雛鳥だ
、、、、、、、、
最初に乗る際、ユーゼスが言った言葉だ。
「そうか……お前もまだ生まれてなかったのだな」
そっと手伸ばし、手でくすみを払う。もっとも、大きすぎる体の前に、その行為にまったく意味はない。
単純に、感傷だ。人間のみが取りうる、意味のない『遊び』という概念に当たる行動。
不意に、神像から一条の光が放たれた。
最初の時と違う感情を抱き、最初の時のように腕を広げて光を迎え入れる。
ここからだ。ここからもう一度始めるのだ。そうだろう?
自分なりに、自分を探してみよう。そのためには、もう一度ユーゼスに合わなければ始まらない。
「謳おう―――ラーゼフォン!」
歌を歌う。生を謳う。
羊水に広がっていく細波。ゆっくりとラミアが眼を開く。
ラーゼフォンの真の眼が即座に解放された。どこからか流れ出す聖歌。
今までの死を運ぶ陰気な歌ではない。命の輝く様をありったけの方法で表現した生命讃歌。
「歌……?」
フォルカと、シロッコは、この戦場に流れる歌を耳にして、動きを止めた。
ゼストは、動きを止めない。心がないから戦場に歌が響くおかしさが分からない。
「受けろ、幻影の印を……!」
ラーゼフォンの光の剣が、カオスロイドに振り下ろされる。
そのまま、右斜め上に。次いで横に。今度は左下に。フィニッシュに、右上方に切り上げる。
「ミラージュ・サイン!」
機体の軌跡が、五芒星を描くのではない。剣の軌跡が、相手の体に五芒星を刻み込む。
最後に、すれ違い様に胸に剣を付き立てた。
紛うことなき、『A』の世界……彼女がもといた世界のアンジェルグに設定されていた本当のミラージュサインのモーション。
だが、ゼストの肉体に傷を付けることはかなわない。盛大に吹き飛びはしたが、外見上なんの変化もなかった。
ゼストが、またも高速回転。リングが、今度はラーゼフォンに。
しかし、当たる直前に音障壁が展開される。波動をあやつり物質を共鳴させる能力が、自由の拘束を一時阻んだ。
その一時の間に、環からラーゼフォンは脱出する。
天に掲げる腕から光が迸り、それは輝く弓を形作る。逆の手には光の矢が生まれる。
それらを一つに合わせ、一気に引き絞った。もちろん呼ぶ名は――
「標準セット……イリュージョン・アロー!」
――彼女の愛機のそれだ。
ゼストはそれが直撃することを平然と許し、真っ直ぐにラーゼフォンへ。
矢から、盾に。赤い盾が、ゼストのカカト落としを受け止める。ビッグオーの渾身の鉄拳より重かった。
だが、中身がない。破壊衝動はあっても、心の重心を定め相手を打ち倒そうという覇気がない。
イングラム・プリスケンのほうが、よっぽど強い。
腕が軋む。足裏が虚空を踏みしめ、体が沈んだ。更に槍のように真っ直ぐ捻り込まれる拳。
だが、ラミアからすればかわすのはたやすい。ユーゼスから、幾億の世界から集めた戦闘モーションを最適化して作るその動き。
それはラミアもそれは持っているのだ。だからこそ、分かる。
愚直なまでに、一片の揺らぎもないプログラミングの攻撃。そこからまったく変化や緩急がない。
誰かの繰り糸に従うままの戦闘人形。
ラミアが意図的に、大振りにラーゼフォンの腕とそこから伸びる光の剣を振るう。ゼストが姿勢を低くしたため、頭上を通り過ぎる。
それはゼストへの攻撃ではなく、その頭上にたれる糸を断ち切るような動きだった。
伸ばしきった腕が、体を前に倒し、バランスが崩れた。その状態においてAIから選ばれる最適の行動をカオスロイドは実行。
すかさず足元をすくう屈み蹴り。
相手の動きを考え、それがくると予見し、自分の判断に従って、ラミアは事前にステップを踏むように飛翔。
蹴りは届くことはなかった。ラーゼフォンの腕からあふれる光が、ゼストを焼く。
相手がこちらの行動パターンを認識しているともゼストは考えない。
だから、それに合わせて戦い方を変えようとも思わない。当然だ、ゼストにはそう認識する心がないのだから。
ラミアは、正確に相手の定まった動きを認識し、自分独自の動きを加え、戦い方を微細に変える。
横槍から、腰を軸に振りぬかれる拳がゼストを追撃した。
ソウルゲインの機神拳がゼストの腹に拳のあざを作った。初めてゼストにダメージらしきものが見える。
ダメージがあっても痛みがないため、動きが鈍ることはない。相変わらず機敏な動きを、ジ・Oのビームライフルが妨害した。
仲間と信じて疑わぬように、2機ともラーゼフォンに動きを合わせてゼストを攻め立てる。
ゼストが、初めて後退して距離をとる。
腕を胸の前で組むと、そこから波紋のようにウルトラ念力が攪拌しながら撒き散らされた。
「こちらの後ろに下がれ!」
ラミアが、前に立つシロッコとフォルカに呼びかけた。
2人とも、その言葉の意味にある二重の意味を即座に理解した。
彼女が今仲間であること、そして何より自分たちの信じて賭けた可能性は、間違っていなかったと。
ソウルゲインと、ジ・Oが、ラーゼフォンの側にすっくと立った。昔から気心知れた戦友のように。
それを守るように同じく波紋を広げ、音障壁を展開。ウルトラ念力と音障壁がぶつかり合い、相殺されていく。
動くたびに金属音を鳴らすゼスト。それを退ける完全調和〈パーフェクトハーモニー〉。
ゼストの体から放たれる熱量が、増大した。
メキメキと音を立て、体の細部が太く、長く変化していく。
ウルトラマンに近かった姿が、元来あったゼストにより近くなる。
「……これからが本番ということか」
残り時間はあと、8分。最後の攻防が、始まった。
桁外れの光波が、うねり狂う。
ゼストの体を、衣のように包み込んだ。
上半身をねじる。腕をねじる。
人型の限界まで全身のバネをねじりあげ、3機までの数百mあるにもかかわらず、ゼストが、その場で拳を繰り出した。
低く、サイドスローの投球の要領で、光波が天井に投げつけられる。
最も硬い、ズフィルートクリスタルでできた結晶隔壁が、36枚すべて貫通し、電灯の光を反射しながら膨大な水晶が降り注ぐ――!
「何だと!?」
フォルカの、驚嘆の声。いくらソウルゲインでもこれほどの現象を、単純な腕力で起こすことはできない。
常軌を逸したパワーだった。
機械でも、まして生物では絶対に再現できない剛力。神にのみ、許された力。
受ければ、圧殺確定の量が、隙間なく落ちる。
にも関わらず、その状態を前に一瞬硬直したラーゼフォンへとゼストが転移する。
速すぎて、コマ落ちした映画か何かのように、一瞬で掻き消え、そしてまた現れる。
本能的な恐怖で、音障壁と、盾を限界の出力で張った直後。
光が、目の前で瞬いた。強烈な速力で伸びる腕が、空気と擦れあい、摩擦で熱だけでなく光まで放った。
光の巨人の拳が、盾に当たる。音障壁は、風船がはじけるような音と共に爆ぜ、盾は鏡のように散った。
神の力を前に、内部の無数の歯車やワイヤが振動し、デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)の腕が震えた。
ラーゼフォンの姿勢制御をすべて放棄。結果、その状態を維持しようという反発をゼロに変え、後ろのラーゼフォンは回転しながら落ちる。
もし、まともに踏ん張って受けていれば、腕だけでなく胸まで貫かれていただろう。そうなればひとたまりもない。
そう確信できるほどの圧倒的な衝撃が伝わってくる。
ラーゼフォンを、先に離脱していたソウルゲインが何とか受け止めた。
そして、時は動き出す。一瞬の攻防ゆえに、落ちてこなかった水晶が、ゼストに降り注いだ。
小山より大きく積もったそれに、ゼストが埋まる。無数の青白い稲妻が、水晶の隙間から空中へ走った。
ゼストは、無傷。黒い翼を広げ、腕を組み光波をまとい空から彼らを眺めている。
「クッ!」
ジ・Oの大口径ビームライフル。牽制にすらなりはしない。片手をかざし、それを平然と受け止める。焦げ一つない。
全身を包んでいた光が、小さな塊になって収束していく。その数、500以上。蛍の光に近いそれが、引き伸ばされて槍に変わる。
今度は、ソウルゲインが前に出る。フォルカ以外に、アレを打ち落とせるものはいない。
指を2,3回振り、握る。まず、40本。フォルカは、後ろにそらすことなく正確に打ち落とす。
80本。これもフォルカは打ち落とした。だが、槍の一本一本があまりにも重い。ソウルゲインの手の動きが、鈍っていく。
160本。
「うおおぉおオォォオオッ!!」
機神拳のラッシュ、ラッシュ、ラッシュ。息を告ぐ暇なく拳が解けぬように力を込める。
一本打ち落とすのに、50発。最低でもそれほどこめなければ、そらすことも難しい。そして一本でもこちらに届けば致命傷になる。
最後、320本。
「どけッ!」
ひびが入った拳が、ほぼ限界。そこで膝を突きかけたソウルゲインの前にラーゼフォンが割り込んだ。
ラーゼフォンが、禁断の歌を、歌う。その波紋で、ほんの15度ばかり進路をそらされた光の槍は、3機の周囲を円を描くように着弾。
機体と着弾点は、腕一本分程度しか開いていない。あと少し遅れたり、出力が足らなければ、容赦なく自分たちに到達していただろう。
ラーゼフォンの指先が、光を宿す。あふれる光が剣の形に収斂された。
だが、光の神の操る光に比べれば、微々たる物だ。
距離を詰めなければ、大火力の爆撃で確実に押し切られるとラミアは判断した。
神を見上げ、天使が舞う。ジ・Oが、効かないと分かりながらも眼くらましにビームライフルを連射。
人間の作った機械にまったく目を向けない。だというのに、完璧にラーゼフォンとジ・Oの攻撃を防いでいる。
当たったとして損害は軽微にもかかわらず、一発たりとも当たることを許さない。
灰キックが近くにいたラーゼフォンに叩き込まれ、金属隔壁にラーゼフォンがめり込んだ。
ゼストはまた前で腕を組む。ウルトラ念力の構えだ。
先ほどまでとは段違いに強力な、頭が割れるほどの禍々しさ。
振りかざされる、鉄槌。
彼らの視界を閃光が染めた。全身が産毛立ち、圧力と痛みとなって押し寄せる。
質量を持つに至った念力が、機体を透過し叩きつけられた。
「あぐッ……ぅ……」
振動する衝撃波が耳朶を叩き、音を受容しない。
ゼストの瞳が、彼らを睥睨してニヤリと笑った気がした。
しかし、それはありえない。ゼストには、感情を持つという心がないのだから。
ゼストは、鏡。巨大な壁として立ちふさがり、見るものの心理状況を跳ね返す。人間だけが持つ、想像力が恐怖の幻影を作り出す。
勝てる気が、まったくしない。絶望の化身……いや神か。
その心理が、そのようにゼストを認識させる。それほどの戦力の差だった。
湖畔に立つように、ゼストが着地。更に腕を振り上げ、刃を作ろうとする。大きすぎる力が、天井を貫く。
ラーゼフォンを、どうにか起こす。
ようやく立ち直りかけた鼓膜を、轟音がつんざいた。
銃声。
ゼストの体が僅かに傾いた。再び、銃声。今度ははっきりと体が傾いた。
「……グランゾン並とはまた驚かされた。これはいったいどれだけ未来の、私の世界の兵器だ?」
ジ・Oが、両手で巨大なランチャーを抱えていた。側には、ヒュッケバインが転がっている。緑色の009タイプだ。
……なるほど、ヒュッケバインはガンダム――つまりは宇宙世紀の兵器にも見えなくもない。
グランビトン・ランチャーをさらにゼストにシロッコは打ち込んだ。
ブラックホールキャノンと違い、グラビトンランチャーは出力機関を内部に搭載している。ジ・Oにも扱うことはできた。
それでも不意打ちで驚かす程度だったためか、体を立て直そうとするゼスト。
「ええい……ユーゼスの科学力はバケモノか!? 足止めしている間にそちらで手をうて!」
ラーゼフォンの横を、ソウルゲインが通り過ぎる。
重力芯の中、動きを鈍らせているこの瞬間なら、全力で近接戦闘を仕掛けられる。
「これなら……行けッ!」
狙うは、変身前のゼストに残っていたあざの場所。
ソウルゲインの拳が砕けるのが早いか、ゼストが砕けるのが早いかの勝負。
最初は、ソウルゲインの破片のみが撒き散らされていた。だが回数を増すごとに、少しずつ銀色の粉が混ざっていく。
ピシィ―――!
ついに、大きく横に走る黒い筋。血こそ非生物なので流れないが、それは間違いなく裂傷だ。
重力の中、耐えかねたように膝を突くゼスト。ついに、ゼストがひるみを見せる。
しかし、それもすぐに収まり、反撃を仕掛けてくるだろう。
即座に、次の一手を任せるためにソウルゲインが離脱する。
「謳えラーゼフォン! お前の禁じられた歌を!」
何処からともなく聞こえるかすかな響きが、大きくなっていく。
護る歌から戦いの歌へ。声の質が移ろっていく。
ラーゼフォンが歌う。ラーゼフォンのみに歌うことの許された、調律の歌を。
3体に増えた外敵をまとめて消滅させるため、ゼストは躊躇なく切り札を切った。
それを使えば、エネルギー消費で自分の存在が危なくなるとか、そんなことは考えない。考える心がない。
カオス・ウルトラスラッシュと違い、両腕が発光する。形だけを真似られたカラータイマーから、両腕に力が流れていく。
黒い神の、究極の力………ゼストファイナルビーム。
「GR■EEZZZUI■OWW■!!」
ゆっくりと腕を交差させ、前に突き出す。漏れ出す力が、コントロールを失い暴れるが、それを強引にまとめあげる。
あるべきでない力を、暴れる力を一つにすることで、強烈な不協和音が、ゼストのいた場所から放たれる。
次の瞬間、収束と拡散を繰り返し切れ切れの光が巨大な柱となりラーゼフォン達に直進する!
『ラァァァァ―――――――――――――――――!!』
旋律が、カタチある歌となりラーゼフォンから放たれる。
今までのラミアでは引き出せなかった力をラーゼフォンは汲み上げた。
グランゾンの時のように、拮抗状態が作り出される。神の炎と天使の歌。押し合い、中心をゆがめていく。
だが、あの時のようにはならない。
なぜなら、今は共にある人間がいるのだから。
何も言っていないにも関わらず、重ね合わせるように闘気が歌に混ざっていく。
ソウルゲインの手から、青龍鱗に混じって放出される力で、より荒々しく、より激しい歌に変化する。
戦いしか知らぬ修羅の奏でる歌が、完璧の調和が作り出す。
一気に膨れ上がる凄まじい反動に吹き飛ばされないように、後ろからジ・Oが2機を支えた。
隠し腕が展開されライフルを掴む。ジ・Oのビームライフルをカオスロイドのカラータイマーを打ち抜いた。
ほとんどダメージにならないそれは、ゼストの放つ力に間隙を作る。
極限の虚無の力を押し返していく。
重力に引き込まれるように、後ろの壁が落ち窪み、陥没していた。
すり鉢状にえぐれていく壁とラーゼフォンたちの間に立つゼストは、吹き飛ばされまいと足を踏ん張っていた。
だが、徐々にめくれ上がるように体がのけぞっていく。
光すら捻じ曲げるほどの『破壊』。
歌が一気に押し切った。
「UUUUUUU■■Lt―――」
逆に、光に飲み込まれていくゼスト。光を拒否する神の断末魔が、最後に格納庫へ木霊した。
ヘルモーズを完全に貫通し、青空の向こうまで光が伸びていく中、解け崩れていくゼスト。
そして―――爆発。
「終わったの……?」
奥からブラックされなが姿を見せる。ミオは呟いた。
どうやらカーペンターズによる装着は、成功しているようだ。
あとは、IFS――イメージ伝達系の操作システム。いったん起動させれば十分ミオにも動かせた。
それにラミアが答える。
「終わったさ。……ひとまずはな」
シロッコが、時間を確認する。
「あと、5分弱。どうにか間に合ったか。……残念だが、話している暇はない。下でまた合流しよう」
シロッコが、安堵の空気を漂わせる全員に言った。やはり指導者というのだろうか、その姿は実に似合っている。
「……ああ、そうだな」
流石に修羅王にもこのときばかりは弛緩があった。
先ほどの戦闘で壁面は穴だらけだ。すっかり荒れ果て、瓦礫の山となっている上を、4機が飛ぶ。
あとは、脱出するだけ。
フォルカが、まず飛び降りた。ソウルゲインはジ・Oをぶら下げている。
何しろ、ジ・Oだけは単独で飛行ができない。この高さから落下すれば死あるのみだ。
「……落とさないように頼む」
「分かっている」
簡単なやり取りをしながら、落ちていく2機を、ラミアは見ていた。
「んー? どしたの、ラミアちゃん」
ラミアちゃん、という言葉に眉をひそめながら、ラミアは初めて自分の心情を吐露した。
「結局、自分のやったことは背信行為だ。自分のやったことは……正しかったのか? これでよかったのか?」
息を吐きながら、ラミアが言った。ミオは頬を指で書きながら、苦笑いで答えた。
「それは、私にもわかんない。けどね……」
指をびっと立てて、笑ったままミオは、
「自分が正しいことをしてるって、わかってやってる人なんてだれもいないよ。
だから失敗して頭えたりすることもある。あの時こうしてれば、って思うことだってあるよ。
でも、私たちは頑張って動かなきゃいけない。だって、私らは生きてるだから」
生きてるんだから、というところには強いアクセントがあった。
マシュマーたちの魂と触れ合ったからこそ、言える言葉だった。死んだ人たちだって、あれだけ頑張っている。
生きてる自分たちが、サボってる暇なんてない。
おそらく、そういうものだろうと、今のラミアは理解できた。
ポンポンと、ブラックゲッターがラーゼフォンの肩を叩く。
「………そういうものなのか?」
「そういうもの」
うんうんと頷くミオ。あと時間は、2分もないが、脱出するには十分すぎる時間だ。
最後に落下していく白と黒。
ついに、戦艦が轟音と共に燃え落ちる。
――戦いは、新たな局面へ。
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ブラックサレナ(劇場版機動戦艦ナデシコ)
パイロット状況:悲しみ。強い決意。首輪なし。
機体状況:ほぼ良好。中のエステバリスカスタムのモーターが磨り減っているため、なにか影響があるかも
現在位置:E−5
第一行動方針:とりあえずおりて合流
第二行動方針:対主催のために動く(クォヴレー説得・空間操作装置破壊など)
第三行動方針:戦力を結集する
最終行動方針:ユーゼスの打倒
備考:ヴィンデルから自分がDGに取り込まれた後の一連のあらましを聞きました。
ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオもある程度知覚できる(霊魂特有の感覚など)
シロッコとの情報交換メモを所持
クォヴレーがシロッコを目の敵にしていると認識
ラミアに関する情報をシロッコから入手(ヴィンデルの言葉と合わせて疑念)
マサキの危険性を認識、また生存を確認。マイも警戒
ディス・レヴを通じて、ヴィンデルの死を薄々感じています】
【ラミア・ラヴレス 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状態:良好
機体状態:EN 2/3ほど消費、装甲表面にひび。
現在位置:E-5
第1行動方針:ユーゼスと会ってみる
最終行動方針:自分の確立】
【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:ソウルゲイン(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:完治 、全快、首輪なし
機体状況: 損傷(小) ソウルゲインで再生中 EN1/2ほど消費
現在位置:E-5
第一行動方針:ユーゼスと会う
最終行動方針:殺し合いを止める
備考1:フォルカは念動力を会得しました。
備考2:ゾフィーの力により機体の神化が可能となりました
備考3:ユーゼスの目的を知りました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:ジ・O (機動戦士Zガンダム)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)
機体状況:良好 グラビトンランチャー所持。ビームライフルをいくつか所持。もしかしたら他にもガメてるかも。
現在位置: E-5
第1行動方針:脱出を目指す。
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶を試したい(ただしもう気は緩めない)。
備考: ラミアを完全に彼は信用していません。マサキ危険視。
リュウセイのメモを入手。反逆の牙共通思考の情報を知っています。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
乙ー、ってあれー!?ミオ生き返ったー!?
いや、全然OKですよ。不確定要素増えて面白そうだw
お疲れさま!
誤字だけど
>>456でブラックサレナがブラックゲッターのままだよ
俺の涙を返せえぇぇぇぇ!
しかしGJだ!!
あと“ブラックされな”になってるトコがいくつかあったよ
乙
個人的には前の方が好きかなぁ
でもGJだぜ!
ま、これ以上ゼストでgdgd引っ張られても困ったしな
乙
さて、あとはイキマと久保の決着がついたら最終決戦いけるか?
GJ!
あと軌道兵器ってなってたとこがあったが誤字?
乙
エステバリスが換装するなら頭ごと交換しそうな気もするが
ユーゼスならサレナの強化されていく過程を再現しようと増加装甲だけ用意しそうな気もするし別にいいかな?
首輪が無いのが久保だけだなコレwww
ユーゼスひょっとして首輪の件忘れてたりしてw
地図乙です。早速wiki編集しときました。
それと◆ncKvmqq0Bsさんに一つ質問があるんですけど、252話のタイトル表記はどういうふうにすればいいですか?
スペース空けて
「命あるもの、命なきもの 偽神 ゼスト・ザ・リターン 登場」みたいな感じでおk?
偽神なんていらなから シンプルに 激闘!ゼスト!でいいんじゃね
「偽神 ゼスト・ザ・リターン 登場」の部分はタイトルには含まれないんじゃないか
ほら、あれだ、元ネタはウルトラマンだ
主題歌冒頭に「さらばウルトラマン」とサブタイが表記されて、
主題歌が流れて、んで最後に「宇宙恐竜ゼットン 登場」と出てくるみたいな
>>472 正解、元ネタはウルトラマンティガの冒頭w
だから 命あるもの、命なきもの だけでいいです
しかし、ミオはボスボロットといいサレナといい生存性が高い機体に縁があるなw
そしてシロッコ美味しい所を思って行き過ぎで吹いたw
だがジオじゃな・・・正直他のやつらの機体に比べると見劣りする気が。
ブライガー・ラーゼフォン・ソウルゲイン・ディストラとトンデモロボばっかだしな
ソウルゲインは機体がとんでもと言うより中の人が……
一応装備はそれなり何だけどな。OG最強の汎用兵器グラビトンランチャーを持ってるわけだし、他にもあるかもしれんし
そこは軍曹が置いてきたトンf(ry
ゴルディオンハンマーでひかr(ry
現実問題ブライガーのほうがやばい気がする
タイムリミットはともかくとしても、100%の力を発揮できないわけだし
今さら他の参加者乗せようにももう人材が……
一応ブライカノンがあるとはいえ……
まあ一番やばいのが久保本人だったりするわけだが
ウ
外伝オワタ。
・・・なんだこのフォルカ無双www
このロワでしか知らないから正直誇張されてんだろとか思ってたらマジで強いじゃねーか
しかもソウルゲインがラミア助けるとか◆ncKvmqq0Bs氏は予知能力者かw
>>482 コンパクト3ではもっと凄くて、最終ステージを一人で攻略できたほどでスパロボ史上最強の主人公
(設定的な意味ではなく体感的な強さという意味で)とか言われてたらしい。
もっとも上には上がいて、コンパクト3にはバグ技の「神」隼人がいるんだけれど。
あけましておめでとー
今年は完結だろうし、最後の年越しだったな……
思えばここが始まってから三回目の正月かw
ロワ住人と一回チャットでもしてみたいんだけどどう?
486 :
それも名無しだ:2008/01/01(火) 08:54:45 ID:ja9AuYj9
つ隠し腕びーむさーべるで優勝
>>485 やってもいいんじゃない?
でもやるなら完結後のほうがいい気がする。特に理由はないけどw
他所みたいに最終回の打ち合わせできるほど書き手いないしなあ
>>483 フォルカとクォヴレーの無双っぷりはよく聞くが
まだ体験したことないんだよな
俺、正月勤務が終わったら外伝やるんだ…
>>489 サルファと外伝やった俺が説明するぜ
クォヴレーは強化人間みたいなもんで、アストラナガンと悪魔合体したからか設定・能力共に最強レベル。
素でSP回復・収束攻撃を持ち、高いリアル系能力を持つ。
機体の方はベルグバウ時代から高機動・バリア・長射程ALL攻撃と使いやすくまとまってる。
ディストラになるとさらに飛行可能・無消費中射程P攻撃・超威力超射程超アニメの必殺技。
フォルカは修羅っていうガンダムファイターみたいなもんで、機体よりむしろ本人がやばい。
バカ高い格闘、最大まで上がる底力・カウンター・インファイト、ツインで魂を持つ。
機体は全部格闘系だが全てが中射程。機神拳ていう無消費のがやたら使いやすい。高機動・高い回避で避ける避ける。
神化すればHPEN回復大、分身、飛行、格闘長射程ALLとまさにやりたい放題。特に神化機神拳は一見の価値アリ。
俺はこのフォルカとライトニングっーEN大持ち組ませてた。すると敵陣で必殺技撃ちまくっても回復するからまさに一騎当千。
長くなったが結局この二人は名実共に最強クラスの主人公ってことだな
つまりあれか、ゾフィーフォルカとダークサイドに堕ちた久保の壮絶な潰し合いがw
ここに来て展開読めないからなぁ。実際どうなることか
どう考えても久保がボコられて終わりです。本当に(ry
実際無茶だ。ディストラなら…とも思ったが、乗ったら記憶が戻るからこれまた微妙
久保、イキマ、予約します
ヤバいマジヤバい。
ここへ来てラストスパートか!?
がんがれ!!マジがんがれ!!
>>493 期待しております。
自分も自己リレーですが冥王、ユーゼス予約します。
あ、皆様あけましておめでとうございます。完結にむけて今年もよろしくお願いします。
外伝にならってネオグラがラスボスになると言う展開もありだな、冥王的に
ユーゼスがグランゾン奪取してネオグラに強化とか?
版権スパロボは全てやってるが
OG系を完全スルーしてる俺が
OGs及び外伝を買ってきたよー。
1日5時間くらいやってる。
クリアしたらスパロワ書くわ。
外伝ネタでアレなんだが、ソウルゲインに人の意思とか魂が集まるってのはちゃんとした設定なのか?
それはフォルカさんのほうのロワ内でついた能力だろ
一応ソウルゲインが、起動時の電力+パイロットの生体エネルギーで動いてるのは本当
>>500 >>499が言ってるのはOG外伝のソウルゲインのことだぞ
実際どうなのかは俺もその場面みたばかりだからよく分からん
外伝そこまで進めてないから知らんかったが、そんなイベントあるのかソウルゲイン……
しかしそんなのがあるとはなんとこのロワ向きか……
フォルカのソウルゲイン搭乗話が投下されたのは外伝発売前だな
これは偶然か?作者nc氏も予想してなかったに違いない
>>499 ってことはあれか、最後はフォルカが
「みんな、オラに力を分(ry」とか「俺の体をみんなに貸(ry」
になるのか?
まあ後者はディストラの方が似合うか…
負の意志のディストラと正の意志(であろう)ソウルゲイン
ソウルゲインの綴りはソウル(SOUL)+ゲイン(GAIN)だろうから
悪魔合体してDiSoウルゲイン・・・とか。
まあそれはともかく、機体が神化できるようになったって言ったって実際どうなんだ?
ヤルダバオトが神化したのは元が半生体みたいなもんだったからわかるが・・・
正直機械がメインのソウルゲインが神化したらちょい違和感がある
ラーゼフォンなら神聖フォルカいけそうなんだけどな。
ああっ!そんなこと言ったらラミアに死亡フラグ(ry
ラーゼフォンといえば、1年以上も前にこんな夢を見たのを唐突に思い出した
↓
トウマが久保に借りたディストラに乗り、
久保がラミアから強奪したラーゼフォンに乗っていたら、
リュウセイに「お前らを見てるとなんだかデビルマンを思い出す」と突っ込まれ、
ロワそっちのけでデビルマンとは何かを説明しようとするリュウセイと共に
市街地の本屋と漫喫を梯子するが、アレな実写版のDVDしか見つからない
この頃は久保ラスボス化(私だ化)オチもいいなと思っていたものだが、はてさて…
二個同で00Bパート見オワタ
グラハムさんいい人なんだな 軍人として
誤爆した
>>499 完全なオフィシャルではないにせよ、スーパーアースゲイン=舞踏王ナタラージャだからな。
天竜八部衆を従える破壊神シヴァの化身だっけ?
ソウルゲインにトンデモ設定が付いていても、それほど驚く事ではないと思う。
あれ、シヴァってヴォルクルスとも同一視されてたりもしなかったっけ?
まあいいか、阪田と鏡でシナリオ違うし。
フォルカ、ラミア、ミオ、シロッコ予約します
ええい、この終盤に怒濤の連続予約とは……スパロワの書き手は化物か!?
三人とも期待して待ってます。
>>511 シュウが破壊神シヴァ云々言ってたはず。
>>510 wiki見たらスーパーアースゲインとソウルゲインは「設定上は」特に関係ないってあったぞ。
これじゃほんとに神化できなくね?
それは勢いとノリだろ、そこまで細かく突っ込むとこのロワきりがないぞ
別に神化は突然白くなるばかりか銀と赤のツートンカラーな神化しても俺は一向に構わないぜ!
勢いとノリはたしかに大事だが、矛盾があればそれどころじゃないだろ?
むしろ設定を活かしてこそ勢いつくしノリも良くなる・・・と思うんだ。
まあすべては書き手さん次第なんだがな
ニコ厨で悪いが
今ランキング入りしている
OG外伝のMADが熱すぎるのでSSを書く情熱を取り戻してきた
おおお、これは一気に完結する予兆か!?
>>518も、投下が終わって予約が空いたら予約しようぜ!
>>499 外伝のは乗ってるアクセル共々アインスト成分が混じったせいで多少変化してるのかもしれない
エクセレンと同じ方法で直したっていってたし
ヴォルクルスとシヴァの関係は=じゃなく、ただ両者が似てるだけ。
ヴォルクルスは今のラ・ギアスを滅ぼし、新しいラ・ギアスを創ろうとしている神。
シヴァは限界の迎えた世界を滅ぼして次の世界を創る準備をする神。
共に世界の死と新生を司る神だからグランゾンの本質はシヴァ云々とかいうシュウの発言が出てきた。
最もラ・ギアスの神話そのものがヒンドゥー教を元ネタにしているらしいけど。
申し訳ありませんが冥王とユーゼスのパートの予約延長お願いします。
最後の推敲の段階で無視できない矛盾点を発見したので、現在全力で修正中です。
本当にすいません。
523 :
それも名無しだ:2008/01/09(水) 21:31:11 ID:AzCYRQkE
がんばってください!
ここまできたんだから、あせらずゆっくり満足行くものを書いていただけたら幸いです
さて、今日久保イキマパートはくるか
>>524 おいおい肩の力を抜けよ。
ここに来るのは初めてかい?
このスレは別に原則sage進行なんていう決まりはないぜ。
まあでも好きなキャラが悲惨な死に方したら気分悪い人もいるだろうし、sageるに越したことはないのでは。
そういえばこの企画ももう二年半やってるけど、ロボゲ板住人的にはどういう評価されてるんだろうか。
随分気の長いことやってんなーくらいの生暖かい視線でスルーされてる感じ?
ロボゲ板じゃないけれど萌えスレだと嫌っている人はいるね。
まあ、第二次に対するJキャラ萌えスレの過剰反応には負けるけれど。
大抵こんなのは嫌われるだろ
っていうか認知すらされてないと思われ
>生暖かい視線でスルー
むしろ冷たい視線でスルーが正解なんじゃね?
確かに萌えスレのノリが好きなタイプは特に毛嫌いしそうではある
そこそこ肯定的な意見は図鑑スレとイングラムスレぐらいでしか見たことない
イングラムスレが例外なんだよ
教官の扱いに不満がある奴は多分誰も居ないw
基本的に他スレでここの話題を出すのはNGだろ
ふいんき(ry)ぶち壊すの分かっててわざわざ書き込む奴は工作員か嵐だけ
萌えスレでも「理解は出来ないけれど否定はしない」「話題には出さないけれど嫌いじゃない」
位の人は結構いるみたいだよ。某萌えスレの避難所だと話が出てきたこともあるし。
>>528で書いてある第二次におけるJキャラの場合ヒロイン達の悲惨な状態
(メルア&カティア死亡、テニアマーダー化。しかもカティアはテニアに殺された)
が許せないらしい……ってこんな状態になれば当然だな。
でも話に出さない方が無難なのは確か。
二次のJ勢の扱いの酷さは異常w
二人ズガンに一人狂化ステルス一人マーダー
時期のせいか五人も出てたのに悲惨すぎる
逆に扱いが良いのはこっちのA勢だな
熱い展開を続けるアホセルに加えまさかのヴィンちゃん覚醒にラミアの対主催?化
終盤のバランス的にまさかラミアが対主催に味方するとは思わなかった
イ ,. .-∠. .-ー. .- 、 __ /
/:{/: ::/ : : : -:ー.‐:--_‐ ´
_ {:.rー く _ :ー: :--: : :_: 二二ヽ、
/:r:< ` :ー..- 、... ー:.、`:ー 、 `
ノイ:\: .\: 、:_`:.ー: 、: . ヽ:.. : {:.. : }:}
/ィ . {:{ト、: ..\ー ニ、_>ヽ、_ー-ヽト、:{ _ 、_人__ノ、__人__人__人_人_人_人_人_
// {:{: :l l! -弐_ーヽ_ィ:ォテナヽーヽく:::ーミ二´ 、ノ (_
l′ ヽ}: トヽ代:ィハ´ヽ  ̄` ヽトト }::::::::}jノ _) トリック・オア・トリート!! (_
ノ'´ト:トト ̄ く l!イ::l::r ' _) トリック・オア・トリート!! (_
ノノ从 f=ヽ _ ∠Lイ:Lーァ ) .(
/ /ハ::\ ー_' ヽ ̄ ̄ ̄ ̄〉´ ´`Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
′`ーj}ヽ / 〉 / _ -,_
/ ー 丁!‐ ´ ノ _ ィ -_〉 -‐ァ7-/ / `ヽ
` ー- 、 / ,} く、 / / / / / / /ヽ.|
_. ィァ V/ 〉 _jヘ _//´ィ / / / / / ヽ!
_ノ / /_ノ_ r ニ / ィ7ヽ {-'-{ i / /⌒ヽ
r 7/ i j/ _ _ -{ {´ ノ}  ̄ j i { | riハ
j r{!| /jヽ{⊥、/jヽ.V´ ー' く _ /ノ、_ l |l{ ヽ
{ ! !j |! j´ V }/_ - j/ l l ̄, -、― ‐ l l ヽ、 ヽ
V jー' ― ト-r'/_ - / / l ノl\ ヽ ー、ヽー ト、
|ヽ/ | - ヘrV / `T / \ ⌒ヽ、` ' \
ネオグランゾン出たとしても、OG外伝版じゃ大した脅威には思えないよな。やっぱ昔の強い方でないと
マサキのネオグラ→OG外伝でテラザコス
久保とディストラ→久保の精神状態致命的
ウルトラフォルカ→たいちょが関わってる時点で危険度MAX
あれ?実は対主催やばくね?w
OG外伝そのまま取り入れたら、ネオグラは実はヤバいと思う
縮退砲の戦闘アニメを見たらこの意味が分かるw
回避されたら滑稽で目も当てられないがなw
突っ込んだらだめだが、なんであれ回避出来るんだよw
効果範囲がガンエデンとかのレベルを遥かに超越してるじゃねーかwww
※イメージ映像です
俺達プレイヤーにはひらめきがあるんだぜ
しかしガンエデン辺りからオリ系のアニメは漫画っぽくなったというか、
回避とか関係なく大仰すぎて滑稽なのが増えてきたな…
…ってすまんスレチか
>>536 スパヒロの隊長には八百長疑惑までなかったか?w
そろそろ予約切れてない?
リアルの都合で投下は明日の夜になります。遅くなってすいません。
あそこを直したらこちらを直さなきゃのエンドレスで(ry
すいません、今の調子だと2,3日遅れそうです
毎度のことながら申し訳ないorz
もうしわけありませんが急用ができたので投下できません。朝には残りを投下します。
一時投下スレにできていた分を落としておきました。ほんとごめんなさい……。
木原マサキの視界が白一色になった。
シュウとの会話が終わり、そしてその後に訪れたのは何故か眩しくもない光に包まれる不可思議な事態。
今更、何が起ころうと慌てることはしない。
認めるのは癪だが、この世界には自分に理解できぬほどのテクノロジーが見本市のように無数に存在する。
自分に何かできることがあるのならともかく、そうでないのなら慌てるだけ無駄というものだ。
それよりも、そこから一つでも多くの情報を収集するために、観察に集中するべきである。
己の感情をコントロールして、心を平静に保つ。
これが現在の自分にできることだ。
光の先に何かが見えたのはその時だった。
光に包まれえる前の光景とは、明らかに違う。
どこへ飛ばされるのか。
これはシュウの意思か、それとも完全にランダムなのか。
だが空間転移を明確な座標も設定せずに行うなど、無謀どころの話ではない。
シュウは自分にユーゼスを滅ぼせといった。
ならばその為に「あそこ」へ送り届けようとしているのか。
もしかして何か他のものの意思が介在しているのか――今はこの可能性について考えたところでどうしようもない、一時除外だ。
そこまで考えたところで白い光の世界は終わる。
そしてマサキの視界が認識した新しい世界はグランゾンが楽に入るほどの、数十kmはあろうかという巨大なドーム状の空間だった。
◆ ◆ ◆
「……何だ、ここは」
この殺し合いの為に呼び出されてからというもの、あのフィールドの中で森や草原、都市部や軍事基地に山岳地帯など色々な場所を見てきた。
だが、この光景は他と比べて明らかに異質だ。
木の一本一本まで規則的に並んだ、ゲームか何かのような現実味に乏しい空間ではない。
この施設には明らかに意味がある。
誰かが何かの目的のために造ったという明確な意図が見える。
ドームの壁面に無数の光の管がうっすらと映っている。皮膚の上から見える太い静脈のようだ。
それが正に血液を循環させるように、どこからかやってきた光の流れをどこかへと運んでいく。
「高エネルギーに反応するレーダーがまるで役に立たんか」
レーダーは全て光で塗りつぶされている。
つまりこのあたりの全てに莫大なエネルギーが集中しており、グランゾンは今、そのど真ん中にいるのだ。
そしてドームの中心に位置する、いかにも重要といった印象の巨大な装置が、今マサキの目の前にある。
それはドームの天井まで達する巨大な一本の柱だった。
その柱を取り囲むようにして、ボックス型の装置がドームの床部分に隙間無く林立している。
よく見るとそのボックスの一つ一つは透明なケースになっていた。
ドームの壁面が発するぼんやりとした光によって、その中身の影がうっすらと見える。
マサキはグランゾンのカメラをクローズアップさせて確認をとろうとするが、計器類のダメージはここにも及んでいるようだ。
ノイズがひどく、映りも悪いなど、どうもうまくいかない。
やむを得ず機体を降下させて近づき、改めてカメラを向ける。
「…………人間だな。生体ユニットというわけか」
ケースの中に見えるのは人間の脳髄そのもの。
そこから下方に向かって垂れ下がる、脳幹、延髄、脊椎、そして主要な神経網。
そしてそれらを繋ぎ、外部へと伸びていく無数のコード。
機械につながれ、おそらく己の意思など存在しないであろう哀れな生体ユニットだ。
それは他の装置も同様で、見渡す限りのケースの中身がそうなのだろう。
普通の人間ならば吐き気を催すほどの嫌悪感を感じるだろうが、マサキは最初から自分以外の人間をクズと考えている。
だからこのコードに繋がれた脳みそ自体については、何も特に思うことは無かった。
それよりもこれらの装置が意味するものについて思考するべきだと結論を出す。
ここがどこなのか――おそらくここはフィールドの外だ。
だがマサキ達が殺し合いのさなか、その頭上で威容を誇っていた巨大戦艦とも違う気がする。
あの戦艦の動力炉だと考えれば、このエネルギーも納得がいく。
だが、この大空洞は戦艦というものの構造としては少しそぐわない。
この生体ユニットもただの動力炉としては不自然だ。
近づいて初めて確認できたが、エネルギー反応は壁と柱のみであり、この無数のボックスからは探知できない。
無論それはマサキの常識であり、これを造った者達にはマサキの文明とは違う常識があるのかもしれないが。
――まあいい。最終結論は保留だ。
次、ユーゼスがこの装置を作ったと仮定すれば、ここにある桁外れのエネルギーを一体、何のために使っているのか。
当然、この殺し合いを進行する為に必要なことに使っているのだろう。
あそこまでの手間と労力を注いでおいて、その他のことに使う理由が見当たらない。
そしてそう考えれば、それは空間閉鎖か、もしくは自分達の念を集める為の――いや両方か。
そのときグランゾンのレーダーが反応を示した。
あまりに巨大なエネルギーがカモフラージュになっていて気づけなかったのだ。
周りを見ると、ユーゼスと対決したときに見かけた無数の機械虫――メギロート――がマサキとグランゾンを取り囲んでいた。
人工知能による自動警備ロボットである。
飛びついてきた虫の一匹をかわし、マサキは宙空へとグランゾンを上昇させる。
それを追って群がってくる数十体のメギロート。
だがマサキはそれをかわそうとも逃げようともしない。
「ワームスマッシャー!!」
ただ一声。
グランゾンの胸部装甲から発射口を展開。
ワームホールを展開し、そこに無数の光弾を発射。
そして襲い来るメギロートのその全ての眼前の空間に暗い穴が開く。
次の瞬間そこから飛び出した光弾が、それぞれのメギロート全てを正確に撃ち抜いていた。
その全てを終えるのに僅か数秒。
「あの虫どもの形状から察するにやはりユーゼス……だな」
やはりここにグランゾンを転移させたのは、ユーゼスを滅ぼすためにシュウ・シラカワが仕向けた結果か。
奴の言うなりになるのは気に食わないが、所詮死人だ。
ならばさっさと望みをかなえて、あの世に消えてもらおう。
その代わりに、グランゾンは頂くつもりだが。
さっきの攻撃で試してみたが、マサキは徐々にカバラシステムを使いこなせてきていると実感していた。
使い方にくせはあるものの、このマシンは自分が作り上げたゼオライマーに匹敵するスペックを有している。
この冥王の新たな機体として及第点の評価は与えてもよいと言えるだろう。
「む……?」
目の前の巨大な柱、その天井近くの部分に窓のようなものが見える。
ここに転移したばかりの時の初見では、グランゾンの位置が柱に近すぎて見つけられなかった。
やや離れて見て、それがわかったというわけだ。
早速、その窓に向けて機体を上昇させる。
やや暗い緑色の光を発するその窓を覗き込んだマサキが見つけたのは、他の装置と同じくそこに標本のように埋め込まれた人間だった。
だがその体は脳髄と神経のみではなく、一目で人間とわかる人間の女性の姿があった。
後頭部から脊髄にかけて繋がれた無数のコードがまるで髪の毛のように思えてしまう。
いや、もっとふさわしいものに例えるとするなら――、
まるで寄生虫のように見えるコード類にその身体を内側から食い破られた虫、といったところか。
おそらくこれも生体ユニットのうちのひとつなのだろう。
だが、このような場所に設置されていると言う事は、この女は特殊な役割を与えられているに違いない。
ならば、そもそも何のためにこんな真似をしているのか。
『魔力』、もしくは『念動力』のエネルギーをこの生体ユニットから搾り取って利用する為か。
マサキはこの装置をじっくり吟味するべく、目の前の女を中心にしてあちこちに視線を走らせる。
その時だった。
「お前は…………」
女の声がした。
マサキは反射的に目の前の女に視線を向けて、その瞬間に目が合った。
その女の目の奥は真っ暗で、何もうつさない奈落のような色をして、吸い込まれそうなくらいに何も無かった。
「侵入者……排除……ダイダルゲート及び閉鎖空間の制御……一時停止……ODEシステム……一時停止……」
感情など欠片もこもっていない無機質な声が響くと同時に隔壁が降りて、マサキの眼前にあった「窓」が閉じられる。
すでに下方では、こちらに無数の無人機が向かってきているのが確認できた。
だがこの冥王を止めるには役者不足もいいところだ。
先刻のように、いや今度は秒とかからず叩き落してくれる。
支援
支援
続きどうした
避難所に続きあるよ。
代理投下しようとしたけどなんか弾かれるね。
なんでだろ?
「ふん、今更そんなもので止められるとは――――」
「……思ってはいない。だから私が相手をしよう」
ドームの端に見える巨大な隔壁が地響きとともに開いていく。
その向こう、薄暗闇の中から巨大なロボットのシルエットが徐々に姿を現す。
いつのまにか無人機の動きは止まっていたが、そのようなことはすでにマサキの眼中の外であった。
黒い炎を宿したその眼で、先程の声を発した存在を、そのまま燃やし尽さんばかりに睨みつける。
「なぜ、お前がここにいるのか……まあそれはどうでもいいことだ……いずれにせよ障害は排除する」
「…………ユーゼス……ゴッツォッ!」
木原マサキを生み出した男。
それゆえに必ず殺すと誓った男。
己のエゴの為に全ての命を躊躇いなく踏みにじる、自分ととてもよく似た男。
ユーゼス・ゴッツォと木原マサキは、今ここで相対することとなった。
【木原マサキ 搭乗機体:グランゾン(スーパーロボット大戦OG)
機体状況:内部機器類、(レーダーやバリアなど)に加え通信機も異常。照準のズレ修正済み(精密射撃に僅かな支障)。
右腕に損傷、左足の動きが悪い。EN半分ほど消費(徐々に回復中)。グラビトロンカノン残弾1/2
シュウの魂とカバラシステムを併用することで一度だけネオグランゾンの力を使うことができます。
パイロット状態:疲労、睡眠不足 、胸部と左腕打撲 、右腕出血(操縦には支障なし)
現在位置:D-6 アースクレイドル内
第一行動方針:ユーゼスを殺す。だが状況次第で一時撤退もあり。
最終行動方針:ユーゼスを殺す
備考:グランゾンのブラックボックスを解析(特異点についてはまだ把握していません)。
首輪を取り外しました。
首輪3つ保有。首輪100%解析済み。 クォヴレーの失われた記憶に興味を抱いています。
機体と首輪のGPS機能が念動力によって作動していると知りました
ユーゼスの目的を知りました。】
【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:ヴァルシオン(CPS強化)
パイロット状況:良好
機体状況:良好
現在位置:D-6 アースクレイドル内
第一行動方針:マサキの排除
第二行動方針:アースクレイドル内で、ゼストの調整
最終行動方針:ゼストの完成】
※アースクレイドルの中心部にダイダルゲートの制御システム(ODEシステム)が設置されています。
※ODEシステムの中心制御ユニットが誰かは次の書き手さんにお任せ。
※迎撃システムを作動させた為、空間閉鎖及び負の情念収集は一時停止状態です。
【三日目 9:00】
ODEシステムの中にいる女って誰よ
投下出来てしまった……作者さんや
>>553さんのときは鯖の調子が悪かったのかな?
投下乙です。
ここにきてユーゼスとマサキの直接対決。
同じCPS搭載のジュデッカには殆ど攻撃が通らなかったグランゾンだけど、ネオグランゾンの力を使えばどうなるか分からないな。
ここまでぶっ飛んだ展開を思いつく書き手の発想力には脱帽だぜ!
ODEシステムの中の人は……アースクレイドル絡みのあの人か、原作でも制御ユニットやってるあの子かってところかな。
原作でも制御してるあの子…スパロボオリラミアキター?
GJ!
アースクレイドル内の直接対決か。
この二機がぶつかったらクレイドルごとぶっ飛びそうだ。
他の話にどんな影響を与えてくるのか、それも楽しみです。
>>556 代理投下乙!
ギリギリで秋津マサトが出てきてピンチになるに1000ペリカ
GJ!、そしてナイス引き
これからってところで「次回に続く」とは…
>>556 代理投下乙!
なるほど、すり替えられた本物のラミアの方か
でもマサキが知らないキャラっぽいから、そうなるとメイガスの方が有力?
ユーゼスのイングラムへの固執からするに、ヴィレッタってのもアリかと思った
バランス的には版権キャラでもいい気がするんだが、美久ではないみたいだな
代理投下してくれた方、ありがとうございます。
コアユニットに関しては、このまま戦闘の巻き添え食って破壊されたりしてもよし。
もし他の人にネタがあれば何らかの形で活用してください、ということで中身を決めませんでした。
矛盾を発見したおかげで削った部分がかなりある……正直長時間延長のあげく短くてすいません。
一度予約破棄したほうが正解だったかもしれませんね。すいません。
投下乙。
すでにラミアが出てるんだから別のがいいなー
ところでゾフィがなんか死亡フラグみたいに言われてるが、スパヒロでなんかやらかしたのか?
スパヒロに限らずゾフィ兄さん自体が死亡フラグみたいなキャラ
設定上はキングや父を除けば最強設定にもかかわらず
勝利描写がほとんど無い(円盤には強いけど)上に兄弟たちの
助っ人に来ても大抵はやられる(頭燃やされたり、骨折られたり・・)
何より割といいとこだけ持っていこうとする描写が多いのがww
そんな訳でゾフィ自体がネタキャラ扱いされてるイメージが強い
ところで久保イキマパートの予約は破棄扱いでいいんだよな?
そうなるな、予約ももうとれる……わけだから、ネタがある人はどうぞ
>>563 死亡フラグというより敗北フラグだな、それ
ある意味最強の生存フラグになりうる気がしないでもないw
囚われていたのがクスハだったら龍王機大喜びだな
待て、木原マサキはウィスパードらしいから、それ繋がりでテッサたんを(ry
ODEシステムのコアとなる女…Gガンつながりでレインか?
念動力やら負の意志とかで言うなら衣類もありだな
待て、ここはいつから各々の嫁を列挙するスレになったんだw
じゃあラーゼフォンの久遠は俺がもらっていきますね
KX氏の投下も時期的にそろそろかな?
もう最終話近いしwktkでしょうがない
wktk
報告遅れてすいません
早ければ今晩中に、遅くても明日には投下できると思います
たびたび申し訳ない
おおおおおおwktkしながら待ってます!
キタヨキタヨー
579 :
それも名無しだ:2008/01/19(土) 19:10:22 ID:a4CpwktK
んっ・・んぅっ・・ゴクッ・・はぁ・・・飲んじゃった///
今日も無理っぽいのかね?
まあ、気長に待とう
や、やっと繋がった……
滅茶苦茶遅れて申し訳ないです、今から投下します
ヘルモーズが、沈む。
全長20キロに及ぶ超巨大戦艦が、凄まじい炎と共に落ちていく。
炎はやがて大地に激突し、地獄の業火となって周囲の全てを焼き尽くした。
それは大地だけに飽き足らず、空をも血のような紅い色に染め上げる。
その光景は、世界の終焉を思わせるほど壮絶なものだった。
ラミア・ラヴレスは一言も発することなく、その一部始終を見届けていた。
落下場所から数十キロ以上離れた、彼女のいる場所からでもはっきりと見えた。
私の行為は正しかったのか。
ラミアは自らに問いかける。
自分の行為が正しいと確信している人間などいない……ミオ・サスガはそう言った。
そして、それでも生きている自分達は動かなければならない、と。
だからこそ……問わずにはいられない。
私は、何をしているのだろうか。
そして、何をすればいいのだろうか。
「ラミアちゃん」
不意に声をかけられ、我に返る。ブラックサレナからの通信……ミオの声だ。
「一旦降りよ。いつまでもここにいても仕方ないし」
「……ああ、わかった」
ブラックサレナに連れられるままに、ラーゼフォンは地面へと降りていった。
ヘルモーズを脱出した4体の巨人は、E−5の地へと降り立った。
そこは既に禁止エリアに指定されている場所である。
もっとも、首輪の枷から逃れた彼らには、今や意味のないことではあるが。
「全員、無事に脱出できたようだな」
ジ・Oに乗るシロッコはそう言うと、自機以外の3体のロボットを一瞥した。
ミオのブラックサレナ。フォルカのソウルゲイン。そして……
(ラミア・ラヴレスか……)
ラーゼフォンに視線が移ったとき、表情は自然と険しくなる。
結局、彼女が自分に見せたユーゼスへの反逆の意思はフェイクだった。
当初から薄々勘付いていたとはいえ、シロッコが彼女への警戒を緩めないのは当然だろう。
ヘルモーズの共闘は一時的なもの、あくまで成り行きでしかない。
『共通の敵』の存在があって、初めて成立した関係に過ぎないのだから。
それはフォルカ・アルバークについても同じことではあるが。
「ラミア……答えは出たのか」
フォルカがラミアに切り出す。
「そう簡単に……割り切れるものでは、ない」
「……そうか」
ラミアの回答に一言返すと、フォルカはそれ以上を問い詰めようとはしなかった。
「……君達だけで話を完結させられても、困るのだがな」
しかし事情のわからないシロッコとしては、勝手に話を進められるのは面白くはない。
空気を読まないことを承知の上で、シロッコは彼らの中に割って入った。
「一先ずの危機は脱した。ここらで互いの情報を交換したいと思うが……
構わんな、フォルカ・アルバーク」
「ああ、俺は構わないが……」
「ラミア・ラヴレス……君もだ」
シロッコの鋭い視線がラミアを貫いた。向けられたプレッシャーに、ラミアは気圧される。
脆い。少し前までの彼女と比べると、あまりにも脆すぎる。
(さて……その真意、確認させて貰う)
その場に、緊張感が張り詰め――
――――?
すいません、なんかまともに繋がらない
一旦投下中断しますorz
続きが来るかどうかわからないが支援
よそのロワの人いわく、最初の行を空けてある程度の行数のレスを書き込むと、規制くらうらしいです。
避難所に投下したほうがいいかもですよっと。
>>587の言うのと同じタイプの規制だとすると、
スペースが一個でも入ってれば一行目即改行とは見なされないから規制にかからないとか。
割と手っ取り早いのは避難所投下→みんなで代理投下だったりする
ホスト規制とか連投規制じゃなくて文体規制だったら無意味じゃないか?
避難所にも続きの投下がないってことは
規制じゃなくて単にネットへの接続のことじゃないか?
イデ発動でないことを祈りつつ、気長に待つことにする
イデきたか?
おーい
過疎
ほ
し
そ
う
め
ん
…って同じネタ前にもやったじゃねえかぁぁぁぁ!
マジで作者どったの?
中途半端な投下していって…
イデじゃない?
イデなら携帯なりネットカフェなりで連絡があってもいいと思うが……
報告遅れてすみません
一時的に復旧したんで書き込んでます
仰る通り、規制ではなくて接続の調子が悪い状態です
イデ発動じゃないんでデータは残ってますが、
リアルの都合でネカフェに行ける時間も取れない有様で……
少なくとも今月いっぱいは難しい状態です
今のままだと本気で投下がいつになるかわからないので、予約を破棄します
ごめんなさい、長期間のキャラの拘束、本当に申し訳ありません
んじゃ来月までマッタリ待ってますんで空いたら是非投下してくださいー。
別に、1,2週間伸びてもぜんぜんかまわないっすよ、ホントに。
>>606 忙しいのにご苦労様です
せっかくの作品が見れなくて大変残念に思います
次の機会を楽しみに待ってます
>>606 御本人もデータもご無事で何よりです。
続き、または次回作を今後も楽しみにしています。
過疎りすぎわろた
糞コテがのさばってるからじゃね?
>>611 何もしてないコテを批判するやつの方が糞だよ
というか、真の過疎スレに比べれば、全く過疎じゃないんだけどね。
とりあえず、お久しぶりなコテが現れているな。
CやGが出現してから、陰に隠れて過去の遺物になってるっぽいけど。
まあ、コテは基本的に嫌われるし、過去の行動を考えると自業自得の気もする。
ともかく、予約するならしてくれ、しないなら名無しでマターリしようぜー。
じゃあ、ここは心を一つにしてもう一度
ほ
っ
し
ゅ
便器用男ってこんな最悪な奴だったっけ?
もしかしてあぼーん推奨なヒト?
コテがいるだけで荒れるなら、荒らしやすいスレと思われて本当の荒らしがわくぞ。
第一何のためにコテつけてんだよ、投下するでもないのに
結局かまってほしいだけのやつにしか見えないんだが?
コテつけちゃいけないなんてルールねーだろ
そこまでわかってんなら構うなや。
勉強の事を知らない人がいるのも時代の流れか。
昔が懐かしいな。
勉強は、高校受験でもしてたんだろうか?
勉強なんてどうでもいい
キャラ語りの続きを・・・
って、どこまで行ってたんだっけ
鉄也だから次はアキトか
宇宙戦用のニュータイプ専用機なんてロワじゃかなりの外れ機体を支給されたのが運の尽き
脳波コントロールが可能な機体ならもうちょっと頑張れたかも
じ
アクセルが最期に彼のことを思って逝ったのが印象深いな。
死者スレでのラーメン屋はそこそこ繁盛してるようでw
>>630 人間によっちゃ当たり中の当たりの機体なんだけどアキトじゃなw
しかも三輪に即効でボロボロにされるし…
後半の方のフィンファンネル遠投はなかなか熱かった。
サザビーを支給されたアムロはバリバリのマーダーとして活躍したのにな・・・
サイコミュ兵器の効果はパイロットに依存しまくりだからしゃーない。
しかしアキト、機体はハズレだったが仲間には恵まれてた印象があるな。
良絡みが多かった気がする。
アラドと組んでテンザンとやりあったりと序盤はかなり目立ってた。
まあ、あまりにも早く大集団を形成、おまけにルリルリと再会してしまったからなぁ……。
機体もあれだし、そろそろ死ぬかなと思ってたら死んだという感じw
死亡者図鑑で「ギャルゲの主人公臭」と書かれていたのが忘れられないw
>>636 >アラドと組んでテンザンとやりあったり
それはリョウトだな。
過疎
過疎ってのは、半年近く投下の無いロワスレのことを言うのさ
次はテンザンか……テンザンだったとしか言いようがないな
ヴァルシオンなんてかなりの当たり機体だったのにな
そういやユーゼスも今ヴァルシオンだよな
テンザンは中の人の演技が上手すぎてワロタw
あの声知った後ならもうちょっとイメージ膨らんで活躍できたかもしれんが
まあキャラがキャラだからどっちにしろ中盤まで生き残りはしないだろうなあ
わからんぞ、イキマやヴィンちゃんがああなったんだ
昔のリュウセイとある意味紙一重なこのキャラ、覚醒して思わぬ対主催化という可能性も
(そしてリュウセイと誤解フラグ……まあこっちはα版だから面識ないが)
こいつ、しっかりDG戦でマシュマーやヴィンデルに力貸してんだよなw
>>644 どこだったかの二次創作のOG版EXシュウの章で、確かに戦いをゲーム感覚で見ているけど
原作と違って悪気のない憎めない奴としてシュウの仲間に加わってたっけ。
ところで、その協力のシーンだけれど
「ラムダドライバと同じやり方なのは気に食わんが、こうするんだな?」
「僕と、彼女が送る役ですか?」
「そのようだな……まさか一年戦争のころのアムロ・レイと会うとはな……」
「はい?」
「いや、なんでもないよ、坊や」
「おっしゃあ!あんな仮面野郎にやらせてなんかたまるか!」
「アラド、落ち着きなさい。無鉄砲なんだからまったく……」
「やらせはせん、やらせはせんぞ!一人でも多く地獄に引きずり込んでくれるわッ!」
「あの、ひきずりこんじゃ駄目なんじゃ……?」
「まるでこれじゃ主人公サイドのモブキャラみたいだっつの、まぁ、手伝ってやるけどな」
「皆さん、ちゃんと手をつなぎましたか?プラーナを落ち着いて高めて……」
「ヴィンデル、後は頼んだぞ」
「親父、いくぜ!」
「ああ、目にモノ見せてやろう」
「外との接続は、イングラムがやってくれているのですね?……では、グランゾンを利用する代価、支払っていただきましょう」
「異星人の暴走をわしがとめてやろう!!」
「心を細く、切っ先として……参る!」
上から
ソウスケ
アムロ
ハマーン
アムロ
ハマーン
アラド
ゼオラ
?1
?2
テンザン
プレシア
アクセル
ジーク
マシーンファーザー
シュウ
三輪
ゼンガー
でいいんだよな?あと、?の二人が分からない。
?1はやらせはせん的にドズルっぽいが出てるのはギレンなんだよな……
書き手さんが間違えたとかw ……無いよね、そうだよね。
でも勘違いだったら?2はキラっぽいんだよな。
>>646 間違えたんじゃなくて、あのギレンもなんだかんだいって
ドズルと似たところがあるってことなんじゃないか?
兄弟の絆とまでは言わないけど、切っても切れない血縁を感じさせる
……もしかして「今月いっぱい」なんて余計なこと言わなきゃよかったんだろうか。
今さら出せた顔でもないけど、フォルカ組投下します。
ヘルモーズが、沈む。
全長20キロの巨大戦艦が、凄まじい炎と共に落ちていく。
炎はやがて大地に激突し、地獄の業火となって周囲の全てを焼き尽くした。
それは大地だけに飽き足らず、空をも血のような紅い色に染め上げる。
その光景は、世界の終焉を思わせるほど壮絶なものだった。
ラミア・ラヴレスは一言も発することなく、その一部始終を見届けていた。
落下場所から数十キロ以上離れた、彼女のいる場所からでもはっきりと見えた。
私の行為は正しかったのか。
ラミアは自らに問いかける。
自分の行為が正しいと確信している人間などいない……ミオ・サスガはそう言った。
そして、それでも生きている自分達は動かなければならない、と。
だからこそ……問わずにはいられない。
私は、何をしているのだろうか。
そして、何をすればいいのだろうか。
「ラミアちゃん」
不意に声をかけられ、我に返る。ブラックサレナからの通信……ミオの声だ。
「一旦降りよ。いつまでもここにいても仕方ないし」
「……ああ、わかった」
ブラックサレナに連れられるままに、ラーゼフォンは地面へと降りていった。
ヘルモーズを脱出した4体の巨人は、E−5の地へと降り立った。
そこは既に禁止エリアに指定されている場所である。
もっとも、首輪の枷から逃れた彼らには、今や意味のないことではあるが。
「全員、無事に脱出できたようだな」
ジ・Oに乗るシロッコはそう言うと、自機以外の3体のロボットを一瞥した。
ミオのブラックサレナ。フォルカのソウルゲイン。そして……
(ラミア・ラヴレスか……)
ラーゼフォンに視線が移ったとき、表情は自然と険しくなる。
結局、彼女が自分に見せたユーゼスへの反逆の意思はフェイクだった。
当初から薄々勘付いていたとはいえ、シロッコが彼女への警戒を緩めないのは当然だろう。
ヘルモーズの共闘は一時的なもの、あくまで成り行きでしかない。
『共通の敵』の存在があって、初めて成立した関係に過ぎないのだから。
それはフォルカ・アルバークについても同じことではあるが。
「ラミア……答えは出たのか」
フォルカがラミアに切り出す。
「そう簡単に……割り切れるものでは、ない」
「……そうか」
ラミアの回答に一言返すと、フォルカはそれ以上を問い詰めようとはしなかった。
「……君達だけで話を完結させられても、困るのだがな」
しかし事情のわからないシロッコとしては、勝手に話を進められるのは面白くはない。
空気を読まないことを承知の上で、シロッコは彼らの中に割って入った。
「一先ずの危機は脱した。ここらで互いの情報を交換したいと思うが……
機体から降りて話をしたい。構わんな、フォルカ・アルバーク」
「ああ、俺は構わないが……」
「ラミア・ラヴレス……君もだ」
シロッコの鋭い視線がラミアを貫いた。向けられたプレッシャーに、ラミアは気圧される。
脆い。少し前までの彼女と比べると、あまりにも脆すぎる。
(さて……何があった?その真意、確認させて貰うぞ)
それぞれの機体から降りて集まるシロッコ、ラミア、フォルカ。
ミオだけは、シロッコの指示でブラックサレナの中に残ったままである。
周囲への警戒は勿論だが、何と言っても彼女は現在イレギュラー的立ち位置にある。
ゲッター線を通じて多くの真実を知る、言うなればキーパーソン。
その上、彼女は未だユーゼスがその生存を把握していない可能性がある。
ラミアの真意が判明するまでは彼女の前にミオの姿を晒させるのは危険――
シロッコは石橋を叩き、そう判断した。
実際はヘルモーズで両者は既に接触していたが、それはあくまで通信機越しのこと。
彼女の重要性を考慮すれば、用心するに越したことはない。
ラミアは一言も発することなく、沈んだ面持ちで俯いたままだった。
少なくとも、シロッコと共に行動していた時からは考えられない姿である。
(私と別れてから今に至るまでの間、彼女の中に何らかの変化があったことは間違いない。
それも、彼女の価値観を壊しかねないほどの大きな変化が、だ)
そこまで察していながらも、シロッコは決して彼女に同情的な感情は抱かない。
何せ彼女は、元はユーゼスのスパイである。いや、未だ現在進行形である可能性も否定できない。
哀れみすら誘う今のこの姿すらも、こちらを欺くための演技であったとしたら?
かと言って、必要以上の疑心に囚われない点は流石というべきか。
あくまで心をニュートラルに保ち、シロッコはラミアの本心を探ろうと試みる。
「君は私やフォルカと共に、あの人形と戦ってくれた。
それは、君を信用していい……と受け取って構わないかな?」
鎌をかける。信用など初めからありはしなかったが。
それに対するラミアの答えは、シロッコの予想に反するものだった。
「信用……しないほうが、いい」
「……ほう」
憂いを帯びた瞳で俯く女の姿を、シロッコは素直に魅力的だと感じた。
「ラミア……?」
「勘違いするな、フォルカ・アルバーク。確かに……私はお前達と共に戦った。
自分が人形であるということを否定した。だが……そこに、それ以上の意味はない」
重苦しい表情のまま、ラミアはフォルカに自分の意を告げる。
「私は今でも、ユーゼス様の部下だ。私の忠誠に変わりはない。
主であるユーゼス様を……裏切ることは、出来ない」
「それが……お前の選んだ道なのか」
「……どうだろうな。実際に私が取った行動は、主への裏切り以外の何でもない」
そう言って、ラミアは自虐的に笑った。酷く痛々しい微笑だった。
――本当に彼女はラミア・ラヴレスなのか?
フォルカにそう思わせるほどに、彼女には覇気がない。
ヘルモーズで共闘した時に感じた強い『意思』が、今の彼女からは感じられない。
(ラミア……お前は)
「……話を続けるぞ」
シロッコは二人の会話に割って入る。これ以上蚊帳の外に放置されてはたまったものではない。
しかし今のやり取りで、ラミアの精神が如何なる状態にあるかは、彼にも把握は出来た。
だが、事は精神論で片付けられるような段階ではない。
「ラミア、君がどういう考えに至ったかに関わらず……
君に対しては、然るべき対応を行わなければならない」
「……そうだな」
『然るべき対応』――シロッコの口から出たその言葉は、酷く不穏な響きを持っていた。
妙に素直に肯定するラミアとは対照的に、フォルカは眉間にしわを寄せて聞き返す。
「……どういうことだ?」
「彼女はユーゼスの創造物……それを抱え込む危険を、理解できないわけでもあるまい」
シロッコの目の奥が光る。それが何を意味するかを読み取れないほど、フォルカは鈍くはない。
「待ってくれ!もう少し……猶予をくれないか」
シロッコが下そうとしている判断が、一概に否定できるものではない現実も承知はしていた。
それでも、フォルカはその選択を良しとしなかった。
「フォルカ、だったな。我々同様、君もユーゼスに抗うべく行動しているのだろう?
ならば、後顧の憂いは今のうちに完全に断たねばならん」
「わかっている。俺がいかに甘いことを言っているかも。だが、彼女の戦いに嘘は……」
「……この場合、彼女の意思など問題ではないのだよ」
シロッコは、フォルカの言葉をあっさり一蹴した。
別に疑念に取り込まれているわけではない。ある程度疑ってかかってはいるものの、
ヘルモーズにおけるラミアの行動は状況から考えれば、信用とまではいかずとも、
自分達を欺く演技である可能性は薄いと考えていた。
しかしシロッコの着眼点は、そもそもそんな場所には存在しない。
問題なのは、ラミアがユーゼスの人形であるという事実と、そこから導き出される可能性。
「彼女を通じて、こちらの情報がユーゼスに漏れていたら?」
「まだ、彼女がスパイ活動を行っているというのか?」
「言っただろう。ここでは彼女の意思は問題ではないと」
意を解せぬといった表情のフォルカに、シロッコは一から説明を始める。
「忘れたか。彼女は人造人間……いわば、ユーゼスが造り出した人形」
シロッコが『人形』という言葉を発した時、ラミアの表情が一瞬曇った。
男達はそれに気付かない。シロッコは話を続け、フォルカはそれに耳を傾ける。
「彼女の見たもの、聞いたもの、感じたもの……
それら全てが、そのままデータとしてユーゼスのもとに流れていたら?」
シロッコはそう言うとラミアの方向に向き直り、鋭い眼光で彼女を射抜いた。
「そう……あのエルマというロボットが、そうだったのではないかな?」
「エルマ、だと!?どういう意味だ」
突然飛び出した名前に、フォルカは思わず目を見開く。
「君もあのロボットを知っていたか。ならば話は早い。
そもそも、『ユーゼスが用意した支給品』である、あの自律型AI搭載のロボット……
その存在自体が不自然だと思わんかね?」
「……言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ」
回りくどいシロッコの物言いに、フォルカは苛立ちを覚える。言葉の語尾に僅かに怒気が感じられた。
緊張感が走る。それを物ともせず、シロッコは単刀直入に切り込んだ。
「エルマはユーゼスの監視カメラの役割を果たしていた。私はそう推測する」
「馬鹿な!エルマがスパイだったというのか!?」
短い間とはいえ、エルマもまたフォルカの仲間だった。
今は亡き彼に嫌疑をかけるようなシロッコの言葉に、フォルカは憤りを表に出す。
「もっとも、私はあれが動いているところを直接見たことはない。
あのロボットについては君のほうがよく知っているのではないか」
「ああ。彼がそんな行動を取っていたとは思えない……!」
「そう。そこが盲点となり得たということだ」
「エルマが俺達を欺いていたと言うのか!?」
「いや……むしろエルマ自身すら、それに気付いていなかったのではないかな」
「……シロッコの推測とおりだ」
感情を昂ぶらせるフォルカに、ラミアが静かに肯定の声を発した。
「エルマのカメラが映し出した映像は、逐次ヘルモーズに送られる仕組みになっていた。
あれは、ユーゼス様の送り込んだスパイ……そして、エルマのAI自身も、その事実を知らない」
「な……それでは!?」
「あのロボットは自分の与り知らぬ所で、ユーゼスに利用されていた……ということだ」
ラミアの説明に、シロッコが補足を付け加える。
愕然としつつも、フォルカはシロッコが何を言いたいのかを理解する。
――ラミアもまた、エルマと同じである可能性がある、ということだ。
だが、現実は彼に更なる衝撃を与える。
「エルマだけではない。あのマイ・コバヤシという参加者にも、同様の疑惑がある」
「ッ……!?」
立て続けに取り上げられる自分の仲間への疑惑に、フォルカは動揺を隠しきれない。
「一つの器に、明らかに異なる二つの人格……しかし、あの感覚は不自然すぎる。
あの、レビと名乗った好戦的な人格……あれは後天的に植え付けられたものではないか?
恐らくは、ユーゼスの手で」
「……お前の推測している通りだ。マイの中のもう一つの人格、レビ・トーラーは……
ユーゼス様が植え付けたものだ。殺し合いを促すために、な」
淡々と続く二人の会話の中で、次々と判明する事実。
フォルカは自分の周囲で、様々な悪意が渦巻いていたことを思い知った。
そして、それに気付けなかった自分自身の無力さに、悔しさが込み上げてきた。
「彼女達だけではない。クォヴレー・ゴードンの記憶喪失、木原マサキの凶暴性……
彼らの精神への干渉も、全てユーゼス様が仕組んだことだ」
(まさか……アクセルの記憶喪失も、ユーゼスが……?)
フォルカの握った拳に、力が込められる。
ちなみにアクセルの件だけは違うが、本人が死んだ今となっては、その是非にはもはや何の意味もない。
「そう……私とて例外ではない。
シロッコの言う通り……私にも、どんな罠が仕込まれているかわからんな?」
「ラミア……お前は……」
再びラミアに視線を戻した時――フォルカは一瞬、背筋を寒くした。
正視することすら憚られるほどに痛々しい、虚ろな目で薄笑いを浮かべている女の顔がそこにあった。
「もうわかっただろう、フォルカ。我々はお前達の運命を弄び続けてきた……
信用などするな。憎まれこそすれ、信用を受ける価値など私にはない」
あまりにも見るに耐えない――フォルカは思わず目を伏せる。
ラミアは視線をシロッコに移す。シロッコは真っ直ぐに彼女の目を見ていた。
「シロッコ、私の処遇はお前に任せる。殺したくば殺すがいい」
「ラミア!自暴自棄になるんじゃない!」
フォルカは思わず声を張り上げていた。
「語弊があるようだが……私は別に、ここで君を殺すつもりはない」
シロッコもまた、理性的にラミアの言葉を否定する。だが。
「どの道、同じことだ。お前の言った危険を防ぐなら、私を消すのが最も有効な手段だ。
後顧の憂いを断ちたいのだろう?」
抑制のない口調で淡々と述べる。まるで以前の人形の彼女に戻ったかのように。
いや、無理してそう振舞っていると言ったほうが正しい。
(……傷心の女性にかける態度ではなかったか。それにしても、これは重症だ)
自虐、いや自己破壊的とすらいえるラミアの態度。
シロッコは、彼女の精神が極限まで追い詰められていることを悟った。
「落ち着くんだ……お前は本当に望んでいるのか」
「望み、など……人形にそんなものは存在しない」
フォルカの声も、もう届かない。目を据わらせ、まるで自分に言い聞かせるかのように唱える。
「人形、だと……?お前はそれを、自分で否定したんじゃなかったのか!?」
「そんな思考も行動も、所詮はプログラムの一環でしかない。
意思も、望みも、感情も……そんなものが、私に存在するはずがない……!」
「ラミア!」
「黙れッ!!」
響き渡ったラミアの叫びに、場の空気が凍りついた。
気圧されるフォルカ。シロッコも、突然の出来事に口を挟めないでいた。
「知った風な口を利くな、フォルカ・アルバーク……お前に何がわかる!?
自分に向けられた悪意にも気付かなかった男が……!」
ラミアの、かつて誰一人として聞いたことがないような、感情的な叫びが木霊する。
何故だか、無性に目の前の男が苛立ってしょうがなかった。
この男の、他人を気遣えるだけの余裕が、とにかく癇に障った。
「一つ教えてやる。フェルナンド・アルドゥク……いや、アルバーグは。
お前を最も憎悪していた時間軸から、この世界に召還した……」
だから彼女は、真実を話し始める。彼に対してあてつけるかのように。
「な……!?」
「何を驚いている。まさか同姓同名の別人などと、おめでたい考えでも持っていたか。
我々はあの男を、お前に殺される前の時間から召還していたのだ」
ラミアの中に、どす黒い感情が芽生え始めていた。
それは人間こそが持ちえる闇の一つであることは、彼女はまだ知らない。
「お前を殺すためなら、どんな手段や犠牲も厭わぬ頃を選んで、あの男を呼んだ……
ここまで話せば、お前にもその意味がわからんわけではあるまい……!」
醜く表情を歪ませ、言霊を刃にしフォルカに向けて斬りつける。
「そもそも……お前は、この戦いで何をしていた?
フェルナンドどころか、一体どれだけの参加者と遭遇した?どれだけの悪意を見てきた?」
斬りつける。何度も何度も、斬りつける。
「もし、お前とあの修羅が遭遇し、殺し合う状況に追いやられていたら……!
いや……お前が、少しでも現実が見えていたら……!」
何度も、何度も。
自分が知っている限りの惨劇と、可能な限りの悪意を、毒としてその刃に塗りこんで。
「人が疑い、狂い、壊れていく姿を!殺しあう光景を、少しでもその目にしていたら!!
本当の恐怖や絶望を、お前が少しでも感じていたら……!!」
斬って斬って、斬りまくる。
「それでもお前は、そうやって正常を保てるのか……!!」
まるで、自分の中の闇に呑まれるかのように。
「そんな軽口が叩けるか!!お前はッ!!」
「……ッ!!」
言葉がなかった。返すことができなかった。
フォルカは知らない。バトル・ロワイアルの、本当の恐ろしさを。
マイやアクセルといった混乱する人間を抑えて。
デビルガンダムやユーゼス、ゼストといった、明確に敵である相手と戦って。
……それだけだった。幸いにも、彼は遭遇することはなかったのだ。
誤解。憎悪。狂気。疑心暗鬼。死への恐怖。それらから生み出される――破滅。
殺し合いにおいて曝け出される真の恐怖を、彼は目の当たりにすることがなかった。
何故か書き込めないんで、続きを避難所の投下スレに投下しました
たびたびご迷惑を申し訳ない
657 :
代理:2008/02/12(火) 02:14:28 ID:ztFsQzTx
一頻捲し立て終わると、気まずい沈黙が場を支配した。
あまりにも重苦しい空気が、その場にいる者達に圧し掛かる。
「……すまない」
暫しの沈黙の後、ラミアはばつが悪そうに謝罪した。
「話が逸れたな。シロッコ、私の処遇はお前に任せる。この場で殺してくれても構わん」
「……先程も言ったが、私はそういう手段に出るつもりはない。君にはまだ、聞きたいことがある」
「……そうか。そうだな」
シロッコの言葉に何かを納得したかのように呟くと、ラミアは二人に背を向けた。
「しばらく席を外させてくれ。私がいてはし辛い話もあるだろう。
ラーゼフォンには戻らん。ユーゼス様への報告も……行うほどのものはない。
我々がヘルモーズから生還したことくらいは、ユーゼス様も把握しているからな」
普段の淡々とした口調に戻る。ただし口数は不自然に多い。
今となっては、それが虚勢であることは誰の目にも明白だった。
「怪しい動きを見せれば、遠慮なく攻撃してくれても構わない」
そう言って、ミオが乗ったままのブラックサレナを見上げて……
ラミアは二人から離れていった。
「ラミア……!」
追いかけようとするフォルカを、シロッコは手で制した。
「……今の彼女にこれ以上踏み込むのは、あまりにも無粋だ」
河の方向へと消えていくラミアを見届けて、シロッコは遠い目をしながら言った。
フォルカは膝を折り、拳を地面に突き立てる。己の無力さを呪うかのように。
「俺は……何もわかっていなかった。この3日間、何が起きていたか……
それを理解することすらできずに……俺はどの面を下げて!!」
「……運が良かったのだよ、君は。それは責められることではない」
「しかし……!!」
「そういうものだ。全てを理解できるほど、人は万能にはなれんよ」
そう言って、シロッコはフォルカの肩を叩く。彼なりのフォローだったのだろうか。
「ここで項垂れていても仕方がない。我々には一刻の猶予もないのでな。
まずは、互いの情報の交換を行いたいと思う。……構わんか」
それでもあえて事務的な口調を心がけ、シロッコはフォルカに持ちかけた。
下手に相手の感情に踏み込むのは、彼にとっても辛いことだろうと判断して。
「……わかった」
フォルカに返事に一つ頷くと、シロッコはメモとペンを取り出し、話し始めた。
* * * * * * * * * * *
ラミアは歩いていた。フォルカ達から、少しでも離れるために。
今はあの二人とは顔を合わせたくはなかった。
彼らと話していると、現実に向かい合わなければならなくなる。
次第に足早になり、いつしか彼女は走り出していた。
何故、フォルカにあれほどまでに辛く当たってしまったのか――
あの時、彼に浴びせた罵声。その際に自分の中に生まれた、どす黒い何か。
あれは何だったのか。何故あんなものが自分の中に生まれたのか。
――やはり、おかしい。自分が、わからない――
どれだけ走っただろうか。もっとも、時間にすれば数分に過ぎないが。
いつしかラミアは、河のほとりまで辿り着いていた。
陽の光が水に反射し、きらきらと輝いている。
その光を、ラミアは眩しいと感じた。
――結論から言ってしまえば、彼女にとってフォルカは眩しすぎたのだ。
羨ましかった。
自分の意志をあれほどまでに純粋に貫くことができる、彼を。
その意志の力で、修羅の世界に新たな未来を示した彼を。
それと同時に、彼女は自分とフォルカを比較して、激しい劣等感を抱いた。
何故なら、彼女は意志を貫くことも――そもそも自分の意思というものが何であるか、
どれを指すかすらもわからない、ただの人形でしかないのだから。
それらは彼女の無意識が抱いた感情であり、故にラミアは自覚することができなかった。
その理解不能な思考により、ラミアの思考回路に狂いが生じていく。
彼女は人形であることを拒んだ。自我を選択した。……そのつもりだった。
だがゼストを倒した時――即ちユーゼスの目論見を阻んだ時、彼女の中に後悔が込み上げてきた。
主を裏切ったという背徳感が、彼女を締め上げた。
ユーゼスへの忠誠心。あるいは、依存心も含まれるのかもしれない。
それらが自分の中に強く根付いていることを、ラミアは自覚する。
同時に彼女は、自分の思考と行動に存在する決定的な矛盾に気付いてしまった。
(……どこまで行っても、私は壊れた人形)
目覚めた自我と、刻み込まれた忠誠心。相反する二つの間を不安定に揺れ動く。
その癖、フォルカのように自分の意志を貫く術すら知らない、中途半端な存在。
それが、今のラミア・ラヴレスという存在。
(どれだけ自分が人形であることを拒んだとしても……人形である現実は、変えることは出来ない)
エルマやマイのように、自分の知らない何かが組み込まれている可能性。
それをシロッコから指摘された時、自分の中の熱い何かが、急速に冷めていくのを感じた。
自我を選んだところで、決定された現実は変えられない。
今のこの自分の思考すらも、組み込まれたプログラムの一つでしかないかもしれない。
そこに辿り着いた時――ラミアは自分の内に巣食う悪魔を抑えられなくなった。
ヘルモーズでフォルカと戦う前、彼女を蹂躙した無意識の破壊衝動。
それが再び顔を出し、今度はヘルモーズの時とは全く逆の切り口から、彼女を壊し始めた。
決して変えることの出来ない現実と共に、彼女を負の極地に向けて追い込んでいく。
皮肉なことに、これらは全て、自我が生まれたからこそ発生したものだった。
そして考えれば考えるほど、深みへと嵌っていく。
私は――何をしているのだ?
主を裏切って、敵の下でおめおめと生き延びて。
何故、私は生きている?
私はユーゼス様から、死を命じられたというのに――
* * * * * * * * * * *
(光の巨人、ゾフィー……か)
フォルカと情報交換を行ったシロッコは、彼の体験に興味を示す。
意外なことに、その内容に対する驚きは少ない。
「……随分とあっさり受け入れるのだな」
「ミオの情報もある。それに、ここまで来れば多少のことでは驚かんよ」
立て続けに押し寄せる超常現象の波に慣れ始めていることを、シロッコは自虐的に笑った。
一方で、頭ではそれらの情報を冷静に整理・分析する。
驚くべき適応力である。いや、そうせざるを得ないと言うところか。
(彼のゾフィーからの情報は、ミオのもたらした情報と符合する点がいくつもある。
こうまでこちらの情報と一致すれば、嫌でも受け入れざるを得まい。全く……)
持ち寄ったパズルのピースが集まり、一つの絵を形成していく。
出来上がろうとする絵は、想像以上にオカルティックで、現実離れしたものだった。
ただ、この非常識な真実を緩和させたのが、ユーゼス本人の驚くほどの人間臭さである。
人間に絶望しながら、未だ自分が人間であることを捨てきれぬまま、神への道を模索する男。
その姿は、シロッコから見れば滑稽でしかない。
(ユーゼス・ゴッツォ……奴も所詮は俗物だったか。これでは、神の器には程遠い。
だが、ゼストの力は興味深い。然るべき人物がその力を使えば、あるいは……)
口元がつり上がる。ほんの僅かにではあるが。
それをフォルカに悟られないよう口元を手で隠し、シロッコは話をまとめにかかった。
「では、ここまでの情報を総合するにあたって……む?」
そこで、シロッコは一旦言葉を切る。
思い詰めたような表情で俯くフォルカを、目に留めて。
――今の俺に、ラミアの生き方に如何こう言える資格はあるのか?
そして……ユーゼスの行為に口出しできるような資格は……?
人の持つ闇を見てこなかった俺が、人間に失望したあの男を説くことなど――
(……心ここにあらず、か。よくない傾向だな)
恐らく、ラミアの言葉が後を引いているのだろう。
フォルカの精神の乱れは、シロッコに取っても他人事ではない。
彼の戦闘力は高い。乗機であるソウルゲインとの相性も良く、ユーゼスとの決戦において
の主戦力になりえると、シロッコは考えていた。
そんな強力な『駒』である彼に、今迷いを抱かせるのは避けたい。
彼をユーゼスにぶつけ、心置きなく戦って貰うためにも、そうした感情は禁物だ。
ユーゼスは人の負の感情を力とするのだから。
「フォルカ……この世界に呼ばれる前の君がどういった人間だったか、私には知る由もない。
しかし、たかだかこの二日三日で否定されてしまうほど、君の半生は薄いものか……?」
シロッコはここで初めて、彼の内面に一歩だけ踏み込んだ。その声にフォルカが面を上げる。
「要はどれだけ心を平静に保てるか、だ。どんな境遇に置かれようともな」
立ち上がると、シロッコはフォルカに一つの質問をする。
「フォルカ……君がヘルモーズで、彼女に求めたことと同じことを尋ねる」
「……?」
「君の『意思』は、何処にある?」
まるで相手を試すかのような目で、シロッコはフォルカを見下ろす。
「君が現実を見えているかどうかは、ここでは別に置いておく。
そうだな……ラミア・ラヴレスに対して、今、君はどう考えているか。
そしてどうしたいと考えているか、答えてもらいたい」
フォルカにとって、これは試練だ。この狂ったゲームを終わらせるための、試練のひとつ。
これまでゲームの中で起きてきた出来事を考えれば、きっと取るに足らない壁だろう。
しかしこの壁を越えられなければ、全てを終わらせることなど出来はしない。
フォルカもまた、自分自身を見つめ直す時が来た。
シロッコの問いに対する彼の答え、それは――
「俺は……彼女の生き様を、見届けたい」
例え打ちひしがれていようと、彼の根本に揺らぎはなかった。
「彼女がしてきた罪は、決して許されるものではないことはわかっている。
だが、ラミアは今、自分の足で歩き出そうとしている……
本当の自分の生き方ができるかもしれないんだ」
ラミアが聞けば、甘い戯言だと罵られるだろう。
結局は、何も知らない人間の勝手な押し付けに過ぎないのかもしれない。
それを承知してなお、フォルカは希望から手を離そうとはしなかった。
「人間になったピノキオが、幸せになれるという保証ないぞ?
現に今の彼女の自我は、現実に押し潰されようとしている」
シロッコはその芯の強さを試すように、客観的に現実を述べる。
「だが……それでも俺は、彼女を人形のまま終わらせたくはない……
でなければ……あまりに悲しすぎる」
「……成程」
フォルカの揺らがぬ信念に、シロッコは彼の甘さと、そして強さを感じ取った。
それは、過去何らかの壁を乗り越えた人間のものか。
ラミアが言ったような真の恐怖を味わったとしても、その意志は折れることはないように思えた。
しかし、だからこそ……彼では、ラミアの説得は難しいとも感じた。
フォルカはあまりに生真面目すぎる。ラミアと正面から向き合ってしまう。
……今のラミアに、それは酷と言うものだ。
シロッコもまた、ラミアの抱く感情の正体を漠然と察していた。
「ラミアは今、一つの壁に突き当たっている。だが、我々がそれに対してできることはない。
その壁を超えることができるのは、彼女自身しかいないのだからな」
「ああ……それはわかっている。だから俺は、それを見守りたい……」
(超えられればいいが、な。
今の彼女では、その前に……自分を破壊しつくしてしまうかもしれん)
そんなことを考えながら、シロッコはラミアの向かった河の方角に目を向けた。
* * * * * * * * * * *
『死ぬことを許す。もう会うこともないだろう』
――そう。私が選ぶべき道は――死。
葛藤の果てに、ラミアはその選択肢に辿り着いた。
ここにいては、自分は主を裏切り続けることになる。
シロッコは自分の持つ情報を求めている。フォルカとて、突き詰めれば同じことだ。
彼らにとって、自分の存在価値などその程度でしかない。
それ以上を、求めてくるはずがない。そんなことはあってはならない。
何故なら私は、ユーゼス様の忠実な僕なのだから。主と敵対する彼らとは、決して相容れない。
もし、私が彼らを受け入れれば。そのまま、主の情報を彼らに流せば……
それは主への裏切りに他ならない。
そうなれば――自分は、これ以上自分を許せなくなる。
そんな事態を引き起こす前に――自ら命を絶つ。
ユーゼス様は、死を許可した。今さら躊躇うことはない――
彼女が乗り越えるべき壁は、あまりにも大きかった。
せっかく産声を上げた自我が、再度崩壊してしまうほどに。
だが、今の彼女の行動は、単なる『逃げ』でしかない。
ラミア本人の体内にも、ユーゼスの手で自爆装置は取り付けられている。
それを発動させれば、全ては終わる。
本来ならば、自爆の際にフォルカ達をも巻き込ませるのがベストな選択だ。
しかしラミアはその方法を選ばず、一人で死ぬことを選ぶ。
彼らと、特にフォルカとは顔を合わせたくない。
合わせれば……きっとまた、迷う。さらにおかしくなる。そして、判断を鈍らせる。
そうなる前に……ここで独りで、全てを終わらせよう。
彼女の全てを終わらせるコード。
今、それを発動させる。
――ユーゼス様、どうかご武運を――
ASH TO ASH―――
「おいっす!」
場違いにも程がある少女の声が、その発動を遮った。
「!?」
その声に振り返ると、そこには青髪のツインテールの少女が立っていた。
ラミアは驚きを表情に出す。どうやら少女の存在にも気付かぬほど、ラミアの精神は疲弊していたらしい。
「お前は……」
「あーほら、照れないの!映っているのは背中だけよ!」
「……は?」
ラミアの口から出た声が、酷く間抜けに響いた。
「ああいう時はね、大きな声で『おいっす!』で返すのがお約束なのよ。
っとと、知らなきゃわかんないか。ていうか、もう知ってる人も少ないのかな。
最近じゃ『志村、後ろ後ろー!』のネタも間違った使われ方してるくらいだし」
ラミアとミオは、河原の土手に座り、話し込んでいた。
と言っても、ミオが一方的に喋り倒しているだけだが。
「でもラミアちゃん、結構ボケの素質あると思うんだよねー。
どう?この戦いが全部終わったら、そっちの芸の道を進んでみるってのは?」
「……何故」
場違いなほど明るく振舞うミオに、ラミアは暗い表情を変えずに呟く。
「何故、私に話しかける」
「……そりゃさ、あんだけ暗い顔してちゃほっとけないし。
って言うか、ラミアちゃん美人なんだから、もっと笑顔でいなきゃ」
「笑顔……?」
「そ。ほらほら、しかめっ面してないで、笑った笑った」
「こ……こういう感じなのか?」
あまりの明るさと勢いに、ラミアはそのまま流されてしまう。
流されるまま言われるままに、笑顔を作ってみた。
「って、口元引きつりすぎ。ほら、もうちょっと顔の筋肉緩めて」
「では……こうか?」
「ぷっははは!そっそれ、やばいって!人間の顔じゃない〜!」
……ラミアがどんな顔をしたのかは、あえて触れないでおく。
だが、その表情はすぐに元の沈んだ表情に戻ってしまった。
「そう……だな。私は人間とは違う、人形でしかない……」
「いや、あのね……ネタにそういうリアクションはダメだって」
ミオの突っ込みに反応することなく、そのままラミアは黙り込んでしまった。
俯くラミアの顔を、ミオは覗き込むように話しかけてくる。
「ヴィンデルさんから話は聞いてるよ。ラミアちゃん、ヴィンデルさんの部下だったんだって?」
「……違う。私はユーゼス様に作られたバルシェム……人造人間だ」
自分の顔を見つめてくるミオの視線が、妙に痛い。ラミアは思わず、ミオから顔を逸らしていた。
「W17、ラミア・ラヴレス……
ヴィンデル・マウザー率いるシャドウミラーの人造人間、Wシリーズーの一体……
私はその、人格や行動パターンを移植された……コピーでしかない」
「へ?人造兵?その人格を、わざわざコピーしたの?」
「そうだ……私はヴィンデルの知るラミア・ラヴレスではない……紛い物だ」
ラミアの語った事実の奇妙さに、ミオは少なからず疑問を抱く。
しかし、ここで触れるべきはその問題ではない。
「ふーん……ま、この際細かいことはいいじゃない」
「……本当にわかっているのか?私はユーゼス様の作った人形だ。
お前達の敵……私はラミア本人とは違う」
「そ、本人とは違うんでしょ?だったら、紛い物なんて言わないの」
「それは……」
予想外の反応に、ラミアは口篭った。
この娘は何だ?
馴れ馴れしい。話をしていると、どうも調子が狂う。
これでは、まるで――
まるで……何だ?
「もしかして、ヘルモーズでのこと後悔してる?」
思考がどこか別の場所に飛びかけた所を、ミオの言葉が呼び戻す。
「……わからない」
虚勢を張る余裕すらないのか、ラミアは素直に自分の内面を吐き出した。
「自分が何なのか、わからなくなった」
プログラムか否かは別として、それは今の彼女の確かな『本心』だった。
「全ての思考に矛盾が生じる。自分の全てが、理解できない。
何故こんなことになったのか……一体、何処で何が狂ったのか……」
吐き出すだけ吐き出して、そのまま言葉を続けられず沈黙する。
一呼吸ほどの間隔が空き、やがてミオが口を開いた。
「あのさ……そんなに難しく考えることないと思うよ」
「何……?」
「そう簡単に心の整理がつけられて、割り切れたりするもんじゃないんだよ、普通。
そこまで深く考えてたら、生きてなんていけないって」
あまりにあっけらかんとした言い方に、ラミアは一瞬拍子抜けする。
「……勝手なことを。お前に何がわかる!?」
思わず立ち上がり、ラミアは声を荒げた。
「私は生まれた時から、ずっとユーゼス様に仕え続けてきた!!
ヴィンデルなどではない、ユーゼス様に、だ!その忠誠は今も変わってはいない!!」
再び感情を顕にし、彼女は叫ぶ。人形では決して口にすることはできない、魂の叫びを。
「だが、私はユーゼス様の意に反する行為を選んでしまった……それがお前にわかるのか!!
主への裏切り……自分が壊れていくのを自覚する苦しみが!!」
「そっか……苦しかったんだ……」
「!!そんな感情などない!!私は人形だ、意思も感情も存在しな……ッ!?」
気が昂ぶるあまり混乱し、言っていることが支離滅裂になっていく。
それに気付いて、ラミアは糸が切れたかのようにその場に膝をついた。
「私は……私、は……?」
「ほら、慌てない慌てない。一休み一休み」
ミオはラミアの両肩に手を置き、優しく鎮めた。
それと同時に、ラミアの中の何かの箍が外れた。
「そう……そうだ、私は……もう壊れてしまっている……
だから……これ以上、生きて、いる……わけ、には……」
自分を虐め続けたラミアの精神は、もう限界だった。
目からは涙が溢れ始めていた。言葉の中に嗚咽が混じる。
それでも尚、ラミアは自らを傷つけることを止めない。
……ただその言葉に、言い訳のような響きが含まれ始めたのは、錯覚ではないだろう。
「落ち着いて。ラミアちゃんは壊れてもないし、おかしくないんだから」
「……?」
ミオの言葉に面を上げる。
『壊れていない』『おかしくない』――まるで、その言葉を待ち望んでいたかのように。
「そうやって他人と意見が食い違うなんて当たり前なんだから。
上司と部下の間も、親しい人との間でも、ね。……あたしもそういうの、知ってるし」
一瞬、ミオの表情が悲しげなものに変わる。
この時彼女の脳裏に過ぎったのは、矛を交えるサイバスターとデュラクシールの姿か――
ただ、そんな過去をそれ以上おくびにも出すことなく、ミオは続けた。
「でも、だからってそれに拘りすぎたら潰れちゃうよ。
今のラミアちゃんに言えるのは……もっと自分を信じてみたら?ってことかな」
「自分を……信じる……?」
「そ。自分を信じて、自分のために生きてみたらってこと」
「自分のため……?」
ミオの言葉がラミアの中に波紋のように広がり、侵食していたネガティブな感情が癒されていく。
彼女の中に巣食った、あれほどまでに彼女を傷つけた悪魔は、急速にその力を失っていく。
あっさりと、あまりにも呆気なく。先程までの彼女の姿が、馬鹿馬鹿しく思えるほどに。
携帯から。代理投下途中で規制にかかった模様。
でしゃばった真似をしてすまない。
666 :
代理の代理:2008/02/12(火) 03:54:43 ID:fvHePSyl
彼女の中の破壊衝動の正体は、言うなれば彼女の『恐れ』だ。
ただの人形から次の段階へとステップを進める際に生じた、無意識の恐れ。
自分を虐げることで、進化を先延ばしにしているだけの弱い心だった。
では、その衝動が自己破滅の先に本当に求めていたものは何か?
……詰まるところ、それは他者からの慰めである。
自分を傷つけ壊し、全てを拒みながら……それを自ら止める術を知らない彼女は、
心の奥底で、誰かに「そうではない」と否定してもらいたかった。
深みに嵌っていく自分の手を繋ぎ止めてくれる存在を、彼女は無意識に求めていた。
全てを一言で言い表すなら――それは彼女の『甘え』だろうか。
「なぁんてね。ちょっとベタ過ぎかな?」
「……私はどうすればいいと思う?」
軽くおどけるミオに、ラミアは涙を拭きながら尋ねた。
「自分が進むべき道を見失った私は……これから、どうすればいい?」
ラミアは無意識のうちにまたミオに甘え、自分の道しるべを彼女に求めた。
しかし誰かに甘えたままでは、決してそこから這い上がることはできない。
シロッコが言ったように、自分の中の壁を越えられるのは自分自身のみ。
真にラミアのことを考えるなら、ミオには今以上の行動は許されていない。
ただ――軽く背中を叩いてあげるくらいのことは、許された。
「……じゃあさ、ラミアちゃんはどうしたいの?」
ミオは逆に問い返す。真っ直ぐに、ラミアの目を見て。
「どうすればいいか、じゃない。どうしたいのか――
ラミアちゃん自身が決めるの。自分自身の意思でね」
「私、自身の……?」
667 :
代理の代理:2008/02/12(火) 03:55:21 ID:fvHePSyl
――たとえ茨の道であろうと、選ばなければ後悔する。自分の意思で選べ。
お前も、フォルカと同じことを言うのか。
いや……彼女やフォルカだけではない。
ずっと昔にも、誰かに同じことを言われたような気がする。
――ダメ、あなたが決めなさい。Wシリーズとしてのあなた自身の意思でね。
誰に言われたのか。自分の記憶回路にそんなデータはないはずなのに。
……今考えるべきはそれではない。私は、何をどうしたいのか。
しかし『あの時』とは違い、私はまだ答えが出ていない。
私は――?
「焦らない焦らない。ゆっくり考えてくれていいから」
見守るようなミオの視線が、ラミアに安堵感を与えていた。
あの時――ヘルモーズで再びラーゼフォンに乗り込んだ時、自分はどう思っていたか。
ゼストを見て、自分がああなることを嫌だと思った。
ラーゼフォンを、生まれたての雛鳥を見上げて、自分と同じだと思った。
そして私の生まれたての自我は――本当の自分を探したいと思った。
私は――
私のことが、知りたい。
暫しの沈黙。そして……ラミアはその口を開いた。
「私は……」
虚ろだった瞳には、新たな輝きが宿っていた。
「ユーゼス様と会って、話がしたい」
それは、正しいかどうかではない。最適か否かでもなく。
紛れもない、彼女の素直な想いだった。
「会ってどうしたいのか……何を話すべきなのかは、まだわからない」
もしかしたら、その判断は『過ち』かもしれない。
自分の迷いに、さらなる止めを刺されるだけかもしれない。
あるいは、この目の前の少女を、裏切る結果となるかもしれない。
想定されるifは、見えない不安や恐怖となって彼女を覆う。
「……だが、自分が自分で在り続けるためにも。
私の中で、答えを見つけるためにも……
ユーゼス様と、もう一度話したい……と思う」
しかしラミアはそれらの不安を振り払い、自分の足で歩くことを選んだ。
それが、彼女が新たな楽園を探すための、最初の第一歩だった。
本当の意味で人形としての呪縛から解き放たれた、ラミア・ラヴレスとしての。
「そうでなくっちゃ!」
そう言うとミオは、右手をラミアの前に突き出し、ぐっと親指を立てる。
「ミオ?しかし私は、まだ何も……」
「言ったでしょ、そう簡単に答えなんて出せるもんじゃないって。
後ろ向きになってないで、もっとポジティブにいかなきゃね!」
「そういうもの……なのか」
ミオの言葉は、ラミアの決意の支えとなり、不思議な安心感を与えていた。
ラミアの心に張り詰めていた緊張が、少しだけ緩んだ。
「そうそう。そんな感じ!」
緊張が緩んだ瞬間のラミアの表情を見て、ミオは満足げに頷いた。
「今みたいに笑ったほうが、絶対ラミアちゃんに似合うって!」
668 :
代理の代理:2008/02/12(火) 03:56:26 ID:fvHePSyl
* * * * * * * * * * *
「ミオ……!?」
ブラックサレナに目を向けたシロッコは、我が目を疑った。
コックピットハッチが開いている。当然、そこにミオの姿はない。
男二人が話し込んでいる間に、機体から降りたようだ。
「シロッコ、彼女は!?」
「くっ……どういうつもりだ、あの娘は!?」
シロッコはフォルカと共に、ミオの姿を求め周囲を見回す。
だが、全てを見渡せるだけの猶予すら与えられる間もなく――
突如、その隣の白い神像――ラーゼフォンが動き始めた。
「なっ!?」
何かに呼応したかのように目覚めたラーゼフォン。
導かれるように、飛び立つ。その際に巻き起こった風が、シロッコとフォルカの動きを封じた。
(――ッ!!遠隔操作かッ!!)
神像は河の方向に向けて飛んでいく。ちょうど、ラミアが向かった方向だ。
シロッコは、ラミアが何らかのアクションを起こしたことを確信する。
これにミオの不在という要素が加わり、不吉な予感と化して脳裏を掠めた。
「ラミア――なのか!?」
「!?フォルカ、待て!」
シロッコの制止も間に合わず、フォルカは河の方角へと駆けていった。
飛び立ったラーゼフォンを追って――ラミアの行動を、見届けるために。
「全く……!」
どいつもこいつも……と言わんばかりに、シロッコは舌を打った。
そして彼は、ラミアの行動に備えるべく、フォルカとは反対の方向へと走る。
向かう先は――ジ・Oのコックピットだ。
* * * * * * * * * * *
陽の光煌く河に、ラーゼフォンが降り立つ。
巻き起こる風に水飛沫が舞い、光と合わさって虹が生まれる。
その神秘的な光景は、誰もが目を奪われるだろう。
まるで、人間になったピノキオの新たな旅路を、祝福するかのようだった。
669 :
代理の代理:2008/02/12(火) 03:57:34 ID:fvHePSyl
「行っちゃうんだ」
「……ああ。止めないのか?」
背中にかけられた少女の声。
「これから私は、お前の敵になるかもしれない。
もしここで私を逃がせば、お前達にとって確実に不都合なことになる」
彼女がそれを口にしたのは、ユーゼスに対する後ろめたさによるものだろう。
主への忠誠心が健在だからこそ、このまま発つことに抵抗があった。
「止めるも何も、あたしの力じゃラミアちゃんを止められそうにないし。それに」
「それに?」
「ラミアちゃんがその気だったら、ここであたしをどうにかできるんじゃない?」
「……どうかな」
掴みどころのない少女だと、ラミアは思った。
他愛のないことばかり話してふざけているのに、時折鋭さを見せる。
そんな女を、自分は以前にも知っていたような気がした。
「……ユーゼス様は、アースクレイドル……この会場の、ある施設に転移した」
せめてもの感謝の意か、ラミアは一つだけミオに自分の知る情報を与える。
「ラミアちゃん!?それって……」
「私が言えるのはそこまでだ。そこから先は、自分達で探すがいい。
私はユーゼス様に仕える身。主の身を危険に晒すような真似はできない」
「できない、じゃなくて……したくないんでしょ」
「……ああ。私の意思だ」
神像から一筋の光が放たれ、ラミアの身体を包み込んだ。
そのまま導かれるように、彼女の体が宙に浮かび上がる。
ラミアはそこで初めて、ミオのほうを振り返った。
「世話になった、ミオ・サスガ」
「気にしてないって。それよりさ、どう?戦いが終わったら、本格的に芸の道を目指すってのは?」
「そうだな……考えておこう」
この少女から伝わってくる温もり。初めてのはずなのに、随分と懐かしかった。
いや、知っている……以前にも、同じものを感じていたような気がする。
「悪くない……そう、悪くない気分だ」
誰にともなく、ラミアは一人呟いた。
「ラミア!!」
声が聞こえ、視線をミオからずらす。
眼下には、ラーゼフォンを追い走ってくる紅髪の男の姿があった。
そう、ミオだけではない。彼も同じような言葉を、同じような温もりを自分に与えてくれていたのだ。
「フォルカ……先程の言葉、謝罪しておく。
それから、礼を言わせて貰う……ありがとう」
「!?」
予想だにしないラミアの言葉に、フォルカは思わず立ち尽くす。
少し前に彼に見せていた、負の感情に満ちていた姿とはまるで違った。
「ラミア……答えを見つけたのか?」
「……まだだ。だから、これから探しに行く」
どこか寂しげで、憂いを帯びたラミアの瞳。
だがそこには、先程まではなかった確かな光が灯っている。
いい顔をするようになったと、フォルカは思った。
「……もう一度、逢えるか」
「そうだな。だが、その時は今度こそ、敵同士かもしれんぞ」
「その時は、俺が全力で相手をしよう」
ラミアの言葉に、フォルカは笑って返した。
「俺はこのバトル・ロワイアルを止める。例え甘いと言われようとも……
それが、マイ達の魂を受け継いだ俺の、意志だ」
そう宣言するフォルカの覇気に、揺るぎはない。
彼の持つ強さを、今のラミアは自然に受け入れることができた。
やがてラミアを包み込む光は、彼女を神像の中へと誘う。
「……ユーゼスのもとに、戻るつもりか」
ラーゼフォンの目を通じて最初に視界に映ったのは、銃を自分に向けるジ・Oの姿だった。
「……シロッコか」
緩みかけていた気を再度引き締める。
ミオやフォルカとは違い、シロッコは理性的で、感情を制している。
ミオとのやり取りを知らない以上、彼は自分の行動を危険視していると考えるべきだろう。
「そうだ」
ラミアの肯定の返事と共に、両者の間に緊張が走った。
「生憎、私としてはこのまま君を行かせたくはないのだが」
「……やはり私を止めるか。だが、私はここで倒されるわけにはいかない」
自分のことを知りたいと強く思ったラミアに、死の意思など感じられない。
どうしてもというのであれば、力ずくでの突破も辞さないだろう。
身構えるラーゼフォン。ただ、この場で戦うのはラミアとしては避けたかった。
眼下の二つの人影を横目に、ラミアは思考を巡らせる――
「別に止めはせんよ。行きたまえ」
「!?」
予想外の言葉が、シロッコの口から出た。
「……どういうつもりだ?」
「下にいる二人を戦闘に巻き込み、失うわけにはいかんのでな……?」
まるでラミアの考えを読んだかのように、理由付ける。
ジ・Oは特に引き止めるような動作は見せない。本気で見逃すつもりなのだろうか。
「どうした。私の気が変わらんうちに、行けばいい」
「……感謝する」
その一言と共に、ラーゼフォンの頭部の翼は大きく羽ばたいた。
ラミア・ラヴレス。
自分の生き方に苦悩し、人形であることを拒んだ。
自分の存在意義を疑い、迷った。嫉妬や劣等感で他人を攻撃した。
前に進むことを恐れ涙した。自分への慰めを求めて他人に甘えた。
そして自分の意思で壁を乗り越え、未来へ向けて歩き出した。
彼女は――紛れもない『人間』だった。
「謳おう、ラーゼフォン……私達の歌を――!」
ラーゼフォンが飛び立つ。
本当の自分を探す旅を始めるために。
【ラミア・ラヴレス 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状態:良好、首輪なし
機体状態:EN 2/3ほど消費、装甲表面にひび。
現在位置:E-5
第一行動方針:D−6へ向かう
第二行動方針:ユーゼスと会い、話がしたい
第三行動方針:その後の行動次第では、ミオやフォルカ達と自分なりの決着をつける
最終行動方針:自分の確立
備考:ユーゼスへの忠誠心は残っています】
ラーゼフォンが飛び去った後、他の三人も出発すべく、それぞれの機体を起動させていた。
「だからぁ〜、悪かったってば」
通信機を通して、ミオの猫撫で声がジ・Oの中に流れてくる。
シロッコはそんな彼女に溜息をつきながら、苦言を呈していた。
「君は今、特殊な立ち位置にある。もう少し考えて行動してもらいたいものだな」
「わかったから、そんなに怒んないでって」
「ならば、少し静かにしたまえ。通信での会話は、君の存在がばれる恐れがある」
「はーい」
妙にほのぼのとした二人のやり取りは、傍で見ているフォルカの笑いを誘った。
咳払いを一つして気を取り直し、シロッコは今後の行動について話し始める。
「では、我々はこれよりD−6へ向かうことにする」
それぞれの情報を交換し、まとめた結果……
やはり鍵となるのは空間制御装置『ダイダルゲート』の存在だった。
この空間を形成し、尚且つユーゼスの力の源である負の感情を収集する装置。
これこそがユーゼスの、そしてバトル・ロワイアルの最大のアキレス腱と見て間違いない。
ユーゼスの野望を止めるにしても、倒すにしても、この世界から脱出するにしても。
ダイダルゲートの破壊は避けては通れないだろう。
ミオのもたらした情報によると、そのゲートが設置された場所が、D−6。
そこは同時に、現状でユーゼスが現在潜伏している可能性が高い所でもあった。
「イキマと、そしてクォヴレー・ゴードンもそちらに向かっているのだったな。
うまく合流できればいいが」
「……そうだな」
一度彼らを見限ったシロッコの本音としては、彼らとの合流は気が進まなかったが、
彼らが自分達の行き先にいる可能性がある以上、もはや避けては通れない。
「さっきも言ったが、クォヴレーの精神は極めて危険な状態にある。
そのためにイキマを説得に向かわせたわけだが……十分、注意してくれたまえ」
二人に注意を呼びかけながら、シロッコはイキマ達の動向を予測する。
クォヴレーは、仲間の存在に過剰なまでに執着していた……
その仲間であるイキマの説得なら、あるいは応じるかもしれない。
ミオの情報によると、彼はアストラナガンの真の力を引き出すことができるという。
クォヴレーが無事に説得に応じ、ディス・アストラナガンと上手く繋がることができたなら――
間違いなく、形勢逆転のチャンスを掴むことができる。
だが、イキマの言葉をも拒むほど彼の精神が壊れきってしまっていたら――?
それでは、むしろ足手まといでしかない。負の感情を糧とするユーゼスの格好の餌だ。
どちらにせよ、全てはイキマの肩にかかっていると言っても過言ではなかった。
(……これであの野蛮人がクォヴレーに丸め込まれた、などというオチになっては笑えんが。
とにかく、万が一の事態に備えて、それなりの対処法を用意しておくべきだろうな。
そして……ダイダルゲートの攻略についても、だ。何の備えもしていないはずがあるまい)
シロッコは一人、思案を巡らせていた。
「あっ!」
いきなり声を上げたミオに、シロッコは思考を一旦中断。
フォルカと共に機体をブラックサレナに向ける。
「どうした!?」
「ごめんみんな、先に行ってて!すぐ追いつくからっ!」
ミオはそう捲し立てると、ブラックサレナを河沿いに飛び立たせた。
「何!?おい、どこへ……!?」
シロッコの制止も間に合わず、黒百合の影はすぐに彼方へと消えてしまった。
「全く……どこまでも世話を焼かせる」
こめかみを押さえてシロッコは呟いた。
ダイダルゲートの位置を一番正確に把握しているのは彼女だ。
自分の重要性を少しは自覚してもらいたいと、シロッコは呆れる。
そんな仕草を見せる彼に、通信機越しにフォルカが不思議そうに訊いてきた。
「……意外と、怒っていないんだな」
「まさか。正直、彼女の行動には悩まされているよ。おかげでラミアをみすみす見逃すことになった」
「その気になれば、阻止できたんじゃないのか?ラミアの出発を」
「……どうかな。まあ……彼女に対しての敬意、とでも理由付けておこうか」
「敬意?」
「フ……こちらの話だ、気にするな」
シロッコは軽く笑い、フォルカの疑問を煙に巻いた。
(……確かにフォルカの言う通り、我ながら甘い判断だな)
実際のところ、シロッコはラミアへの対応を決めかねていた。
仮に彼女の持つ情報に期待するとしても、それがどこまで信用できるかわかったものではない。
かと言って彼女を排除するにも、生身のあの場ではフォルカがそれを許さなかっただろう。
ラーゼフォンとジ・Oが対峙した時もそうだ。あの場で正面から戦うのは得策ではない。
だがその戦いはどう転ぼうと、互いに無事では済むまい。
それで眼下にいた生身の貴重な情報源と強力な戦力を巻き込み、失ってはそれこそ元も子もない。
本人が出て行くと言うのだから、あの場は素直に見送ってやるのが吉、ということだ。
……それでも、甘いが。
ラミアがこの後どういった行動を取るかはわからない。ユーゼスの忠誠心を失っていない以上、
彼女の行動次第では、今後自分達に不利な流れとなる可能性は高い。
(私も、ミオに影響されてきたというのか?……まさかな)
現在、この集団の間に流れる空気は、ミオの持つ色が濃く出ている。
シロッコ、フォルカ、そして去ったラミアも含めて、曲者揃いのこの面子。
様々な因縁の絡んだ彼らは、一度は崩壊寸前の陰鬱な展開を迎えつつあった。
ここにミオと言うムードメーカーの存在がなかったら、どうなっていただろう?
今、こうして丸く収まることはなかったのではないか。
(彼女に自覚はないだろうが……何にせよ、大したものだよ。ミオ・サスガ)
シロッコは素直に感嘆した。
このメンバーをまとめたことだけではない。ラミアを導いた手腕も、だ。
ラーゼフォンと対峙した時のラミアの態度は、生きる意思に満ちていた。
スパイとして自分と行動していた時とも、ましてや先程の陰鬱なものとも違う。
強いて言えば……何かしらを吹っ切った、ヘルモーズで共闘した時のそれに近かった。
一体何が、彼女をあそこまで立ち直らせたのか。ラミアのあれが、演技でなかったとしたら。
……状況から察するに、ミオしか考えられまい。
ミオ本人から聞いた話や、ラミアがミオに何の危害も加えなかったことから考えても、
ラミアの心の深い闇に光を射し込めたのは、彼女以外にいない。
シロッコやフォルカと違い、ラミアと何の接点もないミオがそれを可能にしたのは意外に思える。
しかしここは、むしろ接点がなかったからこそ……と言うべきだろう。
それ故に、互いに何の先入観もなく接することができたのかもしれない。
だがシロッコが着眼した一番のポイントは……
(やはりこれも、彼女が『女性』であるが故、だろうな)
どれだけ強大なカリスマの持ち主だとしても、男ならばこう上手く事は運ぶまい。
基本的に男と言う生き物は、思考回路が単純で、その癖物事に理屈を求めたがるものだ。
傷心のラミアの直感に直接訴えかけるには、女性の言葉が最適というところか。
これらは、ごく自然なことだろうとシロッコは受け入れた。
世界を導く存在は女性であるべき……それが彼の持論なのだから。
(フ……私が求める資質が、彼女にはあるかも知れんな。
もっとも……まだ成熟しているとは言い難い。今のままでは、生の感情に流されすぎる。
良き方向に道を示す必要はあるだろうが)
そんなことを考えながら、傍らに目を向ける。そこには、紅茶の葉が入った袋がひとつ。
「そうだな……この戦いが終われば、まずは紅茶の世界の何たるかを指南するか。フフフ……」
「お、おいシロッコ……大丈夫か?」
何やらニヤニヤしながら一人でぶつぶつ呟くシロッコを、フォルカは怪訝な目で見ていた。
「ああ、すまない。気にするな」
「あ、ああ……ところで、ミオはどこに向かったんだ?」
「うむ、恐らく彼女は……ッ!?」
そこに来て、シロッコは重大なことを忘れていたことに気付く。
「い、いかん!」
「な、なんだいきなり!?」
(まさか、彼女が向かった先は……!)
ブラックサレナの飛んだ方向には、橋がある。
そこはシロッコがクォヴレー達やミオと始めて遭遇した場所。
そう……彼女が向かったのは。
* * * * * * * * * * *
アストラナガンと離れている今は、ミオは彼らの存在を感じ取ることはできない。
それが当然なのだ。人は死んでしまえば、それで終わり。
アストラナガンの力も、闘気転生も、結局は一時的なものでしかない。
失われた命は、もう二度と戻らない。命を失ったものは、何もできない。
それ故に、人は生きようと足掻き続ける。
だからこそ、ミオはラミアを励ました。
自分はまだ、生きている。まだ、できることがある。それが、ラミアの背中を叩くことだった。
ラミアの素性を考えれば、その行動が本当に正しかったかどうかは疑問が残る。
それでも、負の意思に取り込まれていく彼女を放ってはおけなかった。
負の波動を一身に受けた彼女は、それがどれだけ辛いことかわかっていたからだ。
あの時、ゲッター線を通じて魂達が勇気付けてくれたように。
彼女を助けることが、今の自分にできることだと思った。
それと、どうしてもラミアを悪人だと思えなかったという、単純な勘もあるが。
「……ヴィンデルさん」
ポツリと呟くミオ。
こうなっていたことは、クォヴレーの状態やシロッコの話から薄々わかっていた。
「……ごめんね」
彼女の前で、魔神皇帝が無惨な姿となって倒れている。
全身を傷つけられ、頭を滅茶苦茶に潰されて。
それがもう二度と動き出すことがないということは、一目で見て取れた。
目頭が熱くなってくる。後悔なら、どれだけしてもし足りない。
ヴィンデルは無思慮な自分の行動で命を落としたも同然なのだから。
――お前が責任を感じることはない。それでも、自分を許せんというなら……
別れ際に遺したヴィンデルの言葉が蘇る。
(わかってる。あたしは最後まで絶対に諦めない。
絶対に希望を捨てないで、絶望なんか跳ね除けてやるんだから)
魔神の亡骸を前に、ミオは誓った。
溢れ出そうになる涙を堪えて、決してその心を折らないことを約束した。
それでも堪えきれず、涙が一粒だけ零れ落ちる。
だが、もう泣くのもこれが最後だ――
その時――不思議なことが起こった。
「……え?」
まるでミオの涙に反応したかのように。
マジンカイザーの胸の部分が、突然光り始めた。
死した、完全に機能を停止したはずの魔神から、再び命の息吹が生まれ始めた。
(ヴィンデルさん……なの……?)
ミオは何かに導かれるかのように、ブラックサレナの手を魔神の胸の宝玉に伸ばす。
宝玉に触れた途端、突然眩い光が広がり、ミオの視界は白一色に溶け込んでいく。
「う、うわっ!?」
ブラックサレナの手に、何かが握られた。
導かれるままに、それを引き抜く。
放出された光が、収縮していく――
宝玉から引き抜かれた、巨大な『剣』の、刀身に。
闘気転生の残り香が、魔神に一時的に命を呼び戻したのか。
それとも、散っていったハロ達が遺した、最後の力か。
あるいは、ヴィンデルがマジンカイザーに託した最後の遺志か。
いくつもの奇跡が、一本の剣となって――黒百合の手に、託された。
それは真の力を解放した魔神皇帝の持つ、最後の剣。
(こ、これって――)
剣を通して、何かがミオの中に流れ込んでくる。
アストラナガンに乗っていない今の彼女に、死者の魂を感じることはできない。
あるいは、それはただの思い過ごしかもしれない。
しかし、それは確かに、彼女の中の勇気と力を湧き上がらせた。
ふと、ミオは胸に差した薔薇の花に手を触れる。
何故だか、温かく感じた。
みんな、生きてるんだ。あたしの、そしてフォルカさんやイキマさん達の中で。
命を落としても、彼らの『心』や『生き様』は、決して死にはしない。
誰かが覚えている限り、それはきっとその人の中で生き続ける。
だから、ミオは彼らの姿――生きた証を、胸に刻み込んだ。
そしてそれらを、この地で起きた自分の知る全ての出来事を、決して忘れないことを誓う。
それが、死んでいった彼らへの、ミオにできる精一杯の手向けだ。
見ていて、みんな――
皇帝の剣を、空に翳す。
彼女の不屈の意志を、表明するかのように。
待ってなよ、ユーゼス。
魔装機神操者の使命のため。何より、皆の生きた証を刻み続けるためにも。
最後まで諦めず、生き抜いて、そして――
あんたを、絶対に止めてみせる。
【ミオ・サスガ 搭乗機体:ブラックサレナ(劇場版機動戦艦ナデシコ)
パイロット状況:強い決意。首輪なし。
機体状況:ほぼ良好。中のエステバリスカスタムのモーターが磨り減っているため、なにか影響があるかも
ファイナルカイザーブレード所持。
現在位置:E−5
第一行動方針:D−6に向かう
第二行動方針:対主催のために動く
最終行動方針:ユーゼスの打倒。最後まで諦めず、皆のことを決して忘れない。
備考:ディス・アストラナガンの意思(らしきもの?)を、ある程度知覚できます
イングラムが知覚したことを、ミオもある程度知覚できる(霊魂特有の感覚など)
フォルカと情報を交換しました。
クォヴレーがシロッコを目の敵にしていると認識。
マサキの危険性を認識、また生存を確認】
【フォルカ・アルバーク 搭乗機体:ソウルゲイン(バンプレストオリジナル)
パイロット状況:完治、全快、首輪なし
機体状況: 損傷(小) ソウルゲインで再生中 EN1/2ほど消費
現在位置:E-5
第一行動方針:D−6に向かう
第二行動方針:対主催のために動く
第三行動方針:ユーゼスと会う
最終行動方針:殺し合いを止める。
備考1:フォルカは念動力を会得しました。
備考2:ゾフィーの力により機体の神化が可能となりました
備考3:ミオ・シロッコと情報を交換しました】
【パプテマス・シロッコ 搭乗機体:ジ・O (機動戦士Zガンダム)
パイロット状況:軽度の打ち身(行動に支障はなし)、首輪なし
機体状況:良好 グラビトンランチャー所持。ビームライフルをいくつか所持。もしかしたら他にもガメてるかも。
現在位置: E-5
第一行動方針:D−6に向かう
第二行動方針:脱出を目指す
最終行動方針:主催者の持つ力を得る。(ゼストの力に興味を持っている?)
補足行動方針:十分な時間と余裕が取れた時、最高級紅茶を試したい
(全てが終わってからミオと……いやいや、もう気は緩めない)
備考:ラミアを完全に彼は信用していません。マサキ危険視。
フォルカと情報を交換しました。
ユウキ・ジェグナン厳選最高級紅茶葉(1回分)を所持】
【三日目 10:00】
最初の行を何も入力せずに改行すると通らないってアレかな?
作者氏も代理さん達も非常にGJ!
>>648さん、代理の方々GJお疲れ様でした
ラミアの心情の変化が描かれててよかったです。
フォルカ、ミオとの話す間で変わっていき、ラーゼフォンとの関係もしっかり描写されたり。
シロッコはシロッコでまだ悪どいこと考えてそうですがミオのおかげか当分は大丈夫そうですね。
679 :
それも名無しだ:2008/02/12(火) 22:32:39 ID:b2sUkOrm
ここまで繋げて、ファイナルカイザーブレードで惚れた。やっぱスパロボロワは待つ甲斐がある作品が多いな。
アゲんな馬鹿
空気読まないで言うけどサレナにカイザーブレードはサイズ的に無理がないか
サレナ8〜10mくらいでカイザーは20m以上だろ
それで胸から出す方のブレードはOVA見る限りじゃカイザーの全高に近大きさがある
サレナの関節も装甲でほぼ固定されているはずだし、持てないんじゃないか?
相変わらずの濃い心理描写は読み応えがあるな、GJ!
そしてミオも実にGJだ!
ラミアがこの先どう動くのか楽しみだ
>>681 スパロボにサイズ差の話題は禁句だぜ。
ガンダムが宇宙怪獣を倒すような世界観なんだから。
しかしこれだけサイズ差があると厳しいか?
かといって削るのはもったいないシーンだが・・・
いや待てよ、実はこの後、剣をかざしたブラックサレナが重量を支えきれず
バターンとひっくり返るという情けないNGシーンが(ry
ところで、何気に容量が限界迫ってきてるな。大丈夫か?
GJ!
元々どうやって抜いたのか分からん剣だしなぁ
持てなくても固定して体当たりぐらいはできるかな?
コーヒー……終わった後のことを考えるのは死亡フラグだぞw
なァに、たった今生まれたかのように出てきたんだ。ヴィンちゃんの遺志はサイズ調整ぐらいやってくれるよ。
待ってたよGJ!
ラミアが自我を持ってなおユーゼス側ってのが燃えるね
サイズ差については、持ち歩く時は敢えて突っ込まず
いざ使う時はゴルディオンハンマーっぽくだな…
そもそもサレナの腕可動範囲狭いし。
夢幻三銃士のラストっぽく
あ。地味に490k……そろそろ次スレの季節か
>>689 そういう問題ではないだろ
サレナはそもそも追加装甲で間接を固定してる設定だから剣を掲げる事が出来るか怪しい
武器を振るようには出来てない
あまり設定無視して無茶させるのはどうかと思う
少なくとも俺はボールのマニュピレーターで斬艦刀振ったらケチ付ける
トンデモロボのガイキングにダイターンザンバーの時とは訳が違う
戦闘に使ったならまだしも引き抜くだけならサレナでもできるんじゃね?
実際使うのはソウルゲインでもジオでもいいわけだし。
確かにボールが斬艦刀振ったら違和感バリバリだが掴んで牽引するのなら自然にイメージできるし
遅ればせながら投下乙。スパロワはまだ終わらんよ!
>>693 SS内で翳してるじゃないか、空に
ただでさえ腕の可動範囲が狭い上に両手にハンドガン持ってるからサブマニュピレーターを
テイルバインダーに設置してるような機体だぞ
別に腕を上げるだけが「翳す」じゃないぜ
掴んで機体を横に倒してホバリングすれば剣は上に向くじゃないか
つかそこまでこだわることでもないだろ。修正とかしなくても個人の解釈で十分納得できることだ
>>694 元々マジンカイザーでもかざすのは物理的に不可能(腕よりはるかに長い剣をどうやって胸から?)
アニメ的演出だろう
>>697 両手で持つ事ができないっポイからかなり間抜けだと思うんだが
>>696 いや、同じとんでも漫画でもドラゴンボールなら光線出そうが地球壊そうが納得できるけど
るろうに剣心でやるとびっくりするじゃ済まないだろう
同じ要領でダイナミックな方々なら無理な変形しようが変な所から武器が出ようが気にならない
でもガンダムが身の丈より長い剣を胸から取り出したらキレる
マジンカイザーとナデシコじゃそれくらい差があると思うんだが
まあしつこすぎるよね
わかってるなら書き込むなよ
まあ気持ちはわかるよ。でもほら・・・時には正しさより場の空気のが大切な時があるから。
それだとリアル系機体はスーパー系機体に絶対に勝てないということになってしまうな。
まぁ本物じゃなくてユーゼスの模造品だからってことじゃだめかな?
リアル系が勝てないなんて言ってもウイングゼロがヴァルシオンに、サザビーがベミドバンやドッゴーラに勝ってる。
D3とガーンズバックだってグルンガストを撃退してるぞ?
あとはレイズナーでビッグオーと渡り合ったりな
リアル系も設定が細かいだけで超兵器な事に変わりはないから
てか、ナデシコのロボもわりかしトンデモ機体だと思うんだけど。
ナデシコはボソンジャンプが最強だと思う
ご本人の降臨を待って、意見を聞いてみるのがいいのでは?
ユーゼス冥王久保イキマ予約します。
おおおついに久保組の予約来た!
楽しみに待ってます!
返事遅れて申し訳ないです。まずは代理投下の方に感謝!
カイザーブレードのくだりは、確かにブラックサレナには無理があった……
ということで、今日明日中に修正しようと思います。
そして度々の迷惑、誠に申し訳ない。
>>707 単純に「ブラックサレナサイズで出てきた」事にすればいいじゃないか。
ヴィンデルの志を引き継ぐ象徴であったあの剣が無かった事になるのは惜しい。
>>708 その辺りは散々前のレスで話し合われてるからそれを読んだ作者さんの裁量に任せよ
保守
すいません、出先のネカフェより失礼します。
帰りが遅くなりそうなので、大変心苦しいのですが、延長させてください。
投下は今晩深夜になります。申し訳ありません。
>>711 無理はなさらないで結構ですよー
支援は出来そうにないですが期待して待ってます
自分、実は携帯厨なのでネカフェで打ち込みしてましたが…おわりませんw
区切りのいいとこで避難所に投下します。続きは明日。ごめんなさいです。
ウィスパードは未来の技術を先取りしてるだけだからあんなに情報持ってないんじゃないか?
昨日の残りの部分を避難所に投下完了しました。
改めて問題点の指摘など、ご意見をいただければ幸いです。
いや、すでに指摘されてるだろう・・・ここでも向こうでも。
そういや没のマサキとユーゼス書いた人がギャルゲ2でうっかり鳥バレしてたなw
投下乙です
そういえば冥王はイキマにも哀れまれてたなー
一瞬だけど、今まで余裕だった感情に綻びが見えたのには燃えた
他に気になったことというと、冥王の状態表で第一行動方針が
「状況次第で一時撤退もあり」になってる点(まさに今撤退中では?)
あとタイトルないけど、これは本投下時に追加予定?
投下被ってしまった方も乙でした
過去作からV-MAXネタ引っ張ってきたのにはGJと言わざるを得ない
避難所に
>>674以降の修正分を投下しました。
ていうか、この期に及んでこの醜態、ほんとに申し訳ない。
最初の予約から実に一月半のキャラ拘束……
ここまで無駄に長引くとは、もう返す言葉もないです。
自重します。ほんとにごめんなさい。
GJ!
ここにきて自分の恥を暴露されるヴィンデルって一体w
GJ!
せっかく墓石の下まで持っていった恥がこんなところでwww
GJ!
もし再会したらミオに生暖かい目で見られそうだwww
長いことお疲れでした!
待っただけのものは読めたから無問題
死人に口無しとばかりにヴィンちゃんに追い打ちが掛かっとるなw
こんばんは。
修正点についての相談なのですが
・「特異点」「ささやく者」のあたりを削除
・ダイダルゲートがゲッター線を取り込んだことによりかなめの能力が強化された
・マサキとかなめの交信はJネタでウィスパードということで共鳴
・木原マサキのクローンである冥王にそれができるのか?>グランゾンの特異点による偶然でフォロー
このへんでどうにかなるでしょうか。
相談するかどうかは迷ったのですが、何度も修正してご面倒かけるのもなあ、と思いましたので。
タイトルは修正後につけます。
Jやってないんでよくわからんが
>・マサキとかなめの交信はJネタでウィスパードということで共鳴
基本的に原作で関わり合ったやつ以外はロワ内でも知り合いではないという設定じゃなかった?
サルファ設定のリュウセイがガンダム知らなかったとかで。
それは木原マサキはウィスパードっつーJ設定を流用するってこと?
基本的にスパロボ本編の独自アレンジを使うのはやめといたほうがいいと思う。
グランゾンの特異点とか一度ダイダルゲートに取り込まれてたシュウを通じてとかで3、4番目の問題はどうにか出来るんじゃないかな。
1、2番目についてはそれで大丈夫だと思います。
結局カイザーブレードなくなったのか。ちと残念
ふむぅ…クレーマーにはスルー技能使っちゃいけなかったのか。
スパロボ的ロマンをくだらない理屈でつまらなくしてどうすんの?高二病?
いちいち煽るな
びっくりするほど住人にやる気が感じられないな
議論に参加する気がないの?それとも書き手さんに意見出した二人しか住人がいないの?
議論も何も作者さんが来なきゃこれ以上議論のしようもないだろ
>>727氏の案で特に問題もなさそうだし、あとはui氏の投下を待つだけだろう
KX氏のほうはこれでいいんじゃないか
お待たせしてすいません。避難所に修正案を投下。
問題がなければ誤字脱字などをチェックして、明日の夜にでも本スレ10に投下したいと思います
特に問題なさそうに思う
投下待ってます
そろそろこっちは埋めた方がいいかな
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