952 :
500:2007/10/02(火) 12:45:59 ID:c8aB+n5u
三人とも顔を洗い終わり、居間に向かう。
「朝食の用意はすぐに出来ますの。待っててくださいでぃすの」
他の皆は、夏休みを利用して、一週間前から妹の亞里亞のお屋敷に、お泊りに行っている。
皆には悪いと思ったが、気分が乗らなかったので僕は誘いを断った。
「皆は朝は終わった頃かな・・・」
僕と千影姉さんは居間の椅子に腰を下ろした。
ふと、千影姉さんの顔を盗み見る。
「ん?」
ちょうど目があってしまった。
953 :
500:2007/10/02(火) 12:46:52 ID:c8aB+n5u
「いや、なんでもない」
「そうかい?さっきの洗面所でもそうだったけど、どうかしたのかい?」
「ううん、本当になんでもないよ」
「・・・何か隠してないかい?」
「な、何で?」
マズイ、昨日のことを言うわけには・・・
言葉につまり困っているところへ、救世主が現れた。
「お待たせでぃすの」
助かった。おかげでこの場は何とかやり過ごせた。
954 :
500:2007/10/02(火) 12:47:30 ID:c8aB+n5u
朝食が終わり、食後の散歩にと外へ出ようとしたところ、千影姉さんに呼び止められた。
「航」
「何?」
恐らくさっきのことだろう。
早く外に出ればよかったな・・・と思ったその時だった。
「あっ・・・」
”バタッ”
千影姉さんの体が前のめりに崩れた。
955 :
500:2007/10/02(火) 12:48:19 ID:c8aB+n5u
「姉さん!!」
慌てて僕は掛けより千影姉さんの体を抱えた。
「ちょっと、しっかりしてよ!!千影姉さん!!」
呼吸はしてるが返事はない。恐らく連日の練習の疲労と睡眠不足がたたったのだろう。
僕は白雪姉さんを呼んで、千影姉さんを部屋に運ぶのを手伝ってもらった。
運んだ先は僕の部屋だ。
「ここは僕が見ておくから・・・」
「航ちゃん・・・それではお願いしますでぃすの。姫は代えの氷枕を用意してきますでぃすの」
956 :
500:2007/10/02(火) 12:49:18 ID:c8aB+n5u
時間は夜の七時、あれから九時間近くも千影姉さんは寝込んだままだった。
白雪姉さんと僕は交代で看病をしていた。
「姉さん・・・無理をするから・・・」
幸い、熱などはなく、医者を呼ぶこともなく、白雪姉さんの判断によれば、一日寝てれば回復
するだろうとのこと。
と、
「う・・・うん・・・あっ」
千影姉さんが目を覚ました。
957 :
500:2007/10/02(火) 13:12:48 ID:c8aB+n5u
「姉さん・・・」
「航・・・ここは?」
「僕の部屋だよ。姉さん、いきなり倒れたから、あれから白雪姉さんに頼んで僕の部屋に
運んでもらうの手伝ってもらったんだ。」
「・・・何故・・・・航の部屋に?」
「・・・それは」
姉さんが倒れた理由を知っている僕としては、隠し通すことはやめようと思った。
僕は姉さんに、昨日姉さんがお箸の使い方を練習をしていることを見たことを話した。
話を聞いた姉さんは、最初は驚いていたが、次第にクスッと笑みを浮かべた。
958 :
500:2007/10/02(火) 13:13:51 ID:c8aB+n5u
「航には・・・隠し事は・・・出来ない・・・ね」
「姉さん・・・」
「私を・・・航の部屋に・・・運んだのも・・・私が・・・昨日・・練習の・・・後片付けを・・・
してないからなんだろう?」
「・・・そうだよ」
「フフ、航には正直に打ち明けてもいいかな」
そう言うと、姉さんは静かな口調で話を始めた。
・
・
・
959 :
500:2007/10/02(火) 13:15:23 ID:c8aB+n5u
「そうだったんだ・・・」
「それでまたお箸の使い方の練習を・・・」
「航には・・・こんな恥ずかしいところを・・・見られまいと・・・思っていたんだが・・・」
「そんなことない。僕は気にしてないよ。」
「航?」
「お箸の使い方だったら僕が教えてあげる」
「でも、それは・・・」
「今更恥ずかしがることもないよ。だから、ね?」
「航・・・」
960 :
500:2007/10/02(火) 13:17:23 ID:c8aB+n5u
その翌日から僕と千影姉さんのお箸の使い方の特訓が始まった。
最初に僕は千影姉さんの箸の持ち方を見せてもらった。
「ちょっと違う、左の箸は支えるだけだから動かさないんだ。」
「えっと・・・それじゃあこの指とこの指でささえればいいんだね?」
「うん。もう一方の箸は中指と人さし指のあいだに置いて、親指で支えるんだ」
「っと・・・こう・・・かな?」
「うん。そんな感じ。少しの間動かしてみて」
「中指と・・・薬指で・・・支えて・・・こっちは・・・」
姉さんはしばらく箸で宙をつかんで、それを体に覚えさせた。
不慣れな手つきも次第に段々なれたそれへとなっていく。
「その調子。それじゃあ次は、豆を移し変えてみよう」
姉さんは恐る恐る、箸で豆をつかんだ。緊張しているのか、小刻みに手が震えている。
961 :
500:2007/10/02(火) 13:18:16 ID:c8aB+n5u
「大丈夫だよ姉さん。姉さんなら出来る」
「う、うん・・・」
姉さんはそう言うと、浮かせた手を、移し変える先の皿へ移動させた。
「・・・・・」
”カラン”
見事に成功。
「よし・・・」
姉さんは一呼吸し、もう一豆取って移し変え、またもう一豆取って移し変え・・・と
続けていき、ついに全部の豆を移し変えることに成功した。
962 :
500:2007/10/02(火) 13:31:10 ID:c8aB+n5u
「やったよ姉さん!!」
「で、出来たよ・・・航・・・」
姉さんは緊張の糸が解けたのか、深呼吸して、椅子の背もたれに体を預けた。
「これでもうお箸が使えるようになったね」
「ああ・・・これも・・・航の・・・・お陰だよ・・・・」
そう言って姉さんは、手に持った箸をテーブルの上に置いた。
「少し休んで・・・またやってみるよ・・・・」
「一緒に見ててもいい?」
963 :
500:2007/10/02(火) 13:32:41 ID:c8aB+n5u
「ああ・・・見ていてほしい・・・・」
五分ほど休んで、再開。
千影姉さんは順調に豆をつかんで皿から皿へと移していく。
千影姉さんはとても嬉しそうだった。
それは僕も同じだった。それは、千影姉さんがお箸の使い方を覚えることが出来て
いくところを見ることが出来たことだけではない。
千影姉さんの意外な一面を見れたこと、そんな千影姉さんが可愛いと思えたことと、
色々な意味で僕はとても嬉しい気持だった。
964 :
500:2007/10/02(火) 13:33:26 ID:c8aB+n5u
「今日は・・・本当にありがとう・・・航」
「こ、こちらこそ・・・」
「航に・・・打ち明けて・・・本当によかった。もし・・・航がいなかったら・・・私は・・・」
「そ、そんなことは、ないよ。僕だって少ししか手伝ってないし・・・」
「いや、航は大いに貢献してくれた。自分を過小評価することはないよ。
航は本当によくやってくれたと思ってる。」
「姉さん・・・」
「・・・航」
姉さんは突然僕を抱きしめた。
965 :
500:2007/10/02(火) 13:34:26 ID:c8aB+n5u
「!!」
「航・・・私は・・・航が好き・・・好きなんだ」
「・・・僕だって千影姉さんが大好きだよ・・・」
しばらく沈黙が続いた。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
それを破ったのは、玄関が開く音だった。
「ただいまー!!」
「あっ・・・」
966 :
500:2007/10/02(火) 13:35:17 ID:c8aB+n5u
下に下りてみると、お泊りに行ったメンバーが帰ってきていた。
白雪姉さんが皆を出迎えていた。
「お帰りなさい」
「ただいま航!!」
と、返事をしたのは咲耶姉さんだ。
「あれ、帰りは明日じゃなかったの?」
「航に会いたくなって早く帰ってきちゃった♪」
「本当に・・・それが・・理由かい?」
967 :
500:2007/10/02(火) 14:03:34 ID:c8aB+n5u
「あら千影もお出迎え?珍しいわね。雪でも降るのかしら。」
「失礼な・・・」
「ごめんごめん。本当は亞里亞ちゃんのお屋敷の都合で、行った日に帰りが一日早まったの」
「それなら電話してくれたらよかったでぃすの。お夕飯三人分しか用意てないでぃすの」
「心配御無用。夕飯なら途中で済ませたから。」
「それならよかったでぃすの。今からだと追加の材料を買いに行くのと合わせて、お夕飯お出し
するの遅くなってしまうところだったでぃすの」
「夕飯って言えば、思い出した。白雪ちゃんにお土産があるの。」
「なんでぃすの?」
「これよ。」
968 :
500:2007/10/02(火) 14:04:32 ID:c8aB+n5u
咲耶姉さんが白雪姉さんに渡したのはクーラーボックスだった。
「キッチンで開けて見て。航ちゃんも千影も来て。」
手招きされるままに、キッチンに移動して、クーラーボックスを開けた。
「ほう・・・これは・・・」
「そう。ウニよ。それもとびきり新鮮のね。」
クーラーボックスの中には、びっしりとウニが詰まっていた。
「どうしたんでぃすの!!こんなにたくさん!!」
白雪姉さんは歓喜の声を上げた。
「じいやさんの親戚の方が漁師をされててね、今日帰り際に是非お土産にって
持って来て下さったの。」
969 :
500:2007/10/02(火) 14:05:25 ID:c8aB+n5u
「こんなにたくさん・・・献立考えるの大変でぃすの〜♪」
白雪姉さんの顔は幸せ顔だ。
ウニか・・・僕だったらウニ丼かな・・・お寿司も捨てがたい・・・
「決めましたでぃすの。これだけたくさんのウニがありますの。明日は朝から
ウニ料理でぃすの♪」
「そうよ、その粋よ、白雪ちゃん!!」
早くも二人は盛り上がっている様子。
なんだか浮いてしまった僕と千影姉さんはキッチンを跡にした。
970 :
500:2007/10/02(火) 14:06:20 ID:c8aB+n5u
僕と千影姉さんは外に出た。
お泊りの後片付けはメンバーがとっととやってしまっているようで、
やることがなかったのだ。
「予定が早まるとは思わなかった・・・」
「ああ・・・もう少し・・・あのままで・・・・いたかったのにな・・・」
そう言った姉さんの頬が赤らんでいた。
「・・・・僕も・・・・・・同じ・・・・・・」
「・・・えっ?」
そう言って俯く僕。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
971 :
500:2007/10/02(火) 14:07:25 ID:c8aB+n5u
そこへ、
「ここにいたでぃすの」
白雪姉さんが現れた。
「お夕飯できましたでぃすの。冷めないうちに居間に来てくださいでぃすの」
僕達は居間へといき、夕飯を食べることにした。
夕飯は和食だった。
「召し上がれでぃすの♪」
いよいよ本番の時。
千影姉さんの様子は少し緊張気味だ。
「どうしたんでぃすの?」
「・・・なんでもないんだ・・・いただくよ・・・」
972 :
500:2007/10/02(火) 14:36:36 ID:c8aB+n5u
ゆっくりと箸を味噌汁につけて口に運ぶ姉さん。
(和食では、最初に味噌汁を口につけることは練習の最中に教えた。
箸が濡れてないとご飯粒が箸に引っ付くからだ)
いよいよお箸をご飯につける。
僕はそれを固唾を呑んで見守る。自分もご飯を食べないと変に思われることも忘れて
千影姉さんを見ていた。
973 :
500:2007/10/02(火) 14:38:11 ID:c8aB+n5u
「・・・・・」
「ご飯お味はいかがでぃすの?」
「・・・おいしい・・・」
千影姉さんは見事にお箸を使いこなすことに成功した。
それを見て安心して僕もお箸を進めた。
夕飯が終わり、部屋に戻った。
「ふぅ・・・」
974 :
500:2007/10/02(火) 14:38:54 ID:c8aB+n5u
”コンコン”
「ん?」
「航・・・入ってもいいかい?」
「どうぞ」
千影姉さんが部屋に入ってきた。
「航・・・」
「姉さん、やったね。」
「・・・少し・・・緊張した・・・」
975 :
500:2007/10/02(火) 14:39:30 ID:c8aB+n5u
「でも、もうなんともないでしょ?」
「ああ・・・もう慣れたよ・・・完全に・・・・航のおかげでね」
といってまた抱きついてくる千影姉さん。
「えっ、えっ??」
「・・・・さっきの続き」
「・・・・・」
それから僕と姉さんは、五分後に咲耶姉さんが部屋に入ってくるまで抱き合ったままでした。
976 :
500:2007/10/02(火) 14:40:05 ID:c8aB+n5u
やがて夏休みも終わり、学校に通う毎日に戻りました。
今年の夏休みで僕が得たものはたくさんあります。
もちろんそれは千影姉さんのことが大半ですが、この夏、僕と千影姉さんの二人だけの秘密が出来た、
それが一番の宝物です。
= 完 =
977 :
500:2007/10/02(火) 15:02:27 ID:c8aB+n5u
千影姉SSが完成しました。
長文になってスマソ。
978 :
922:2007/10/02(火) 16:11:44 ID:TP15OisB
>>922-941を投下した者です。
500さんの
>>943-976のSSは乙なのだが、
1行空けて書かないほうがよかった。
>
>>922-941さんのSSもGJなのだが、18禁のような気がする。
18禁のほうに投下しようか迷ってこっちに投下したが
これからは気をつける
>>979保守や空age荒らしがいつ来るかわからんからしばらく立てないほうがよさそう。しばらく待って必要なら立てるほうがいい。
今日は可憐お姉ちゃんのお家でお留守番をしています。
一時間前
「航ちゃん、お留守番お願いね」
「うん。お姉ちゃん、何時頃帰ってくるの?」
「大体二時間くらい。お土産は何がいい?」
「えーっとね、あの店のマロンクレープ」
「分かったわ。それじゃあ行ってきます。」
「行ってらっしゃーい」
あと一時間で可憐お姉ちゃんが帰ってきます。
可憐お姉ちゃんがいない間は、あまりやる事が無くて退屈です。
やる事と言えば、可憐お姉ちゃんに用があって来た人に、留守を
告げることくらいかな。
あまり退屈なので、僕の悪い虫がうずき始めました。
「可憐お姉ちゃんのお部屋・・・」
僕は可憐おねえちゃんの部屋のドアの前まで来ました。
少し見るくらいなら、すぐに部屋を出られます。
僕は可憐の姉ちゃんのお部屋に入りました。
「綺麗なお部屋だな・・・」
可憐おねえちゃんのお部屋には、勉強机と、
ベッドと、ピアノ。あとはクローゼットと、すっきりした
お部屋です。窓からレースカーテン越しに差し込む
日の光が、部屋の奥まで差し込んで、とても快適そ
うです。
「あれ・・・」
僕は机の上に何かが置いてあるのに気がつきました。
よく見ると、日記のようです。
「日記・・・」
僕もまだ小学校に入ったばかりの頃は、よく日記をつけ
ていました。でも、いつの間にか、日記がなくなってしまっ
て、それから日記をつけてません。
「日記をなくしてから五年か・・・ん?」
可憐お姉ちゃんの日記は、鍵付き式の日記でした。
でも、その鍵が外れていました。
「・・・・・・」
悪い虫がまたうずきます。
「・・・ちょっとだけなら」
僕は、椅子に座って日記を見ることにしました。
「可憐お姉ちゃん、どんなことを書いてるんだろう?」
可憐お姉ちゃんのことを話に出すと、他のお姉ちゃん達は
必ず可憐お姉ちゃんの話はするなといいます。理由を聞い
ても誰も教えてくれません。僕には、可憐お姉ちゃんの話が
避けられてる理由が分かりません。最近は妹達も可憐お姉
ちゃんの話はしません。僕だけが理由を知らないのかな。
だから僕は、可憐お姉ちゃんが優しくていいお姉ちゃんなんだと
証明するために、日記を読んでそれを確かめることにしました。
でも、まさか、日記を読んだことで、あんなことになるとは、この時は全く思いもしませんでした。
最初のほうは気に止めるところはありませんでした。
だけど・・・
○月×日
今日は朝から天気が悪い。せっかくお出かけしようと思ったのに、
これじゃ出かけられない。晴耕雨読、雨の日は家の中で読書。
それが可憐の雨の日の過ごし方。今日は、読みかけていたあの本
の続きを読むことにした。
何回読んでもこれは飽きない。いいえ、飽きるはずが無い。
何故ならこれは、愛しい可憐の航ちゃんの日記だから。
あぁ、航ちゃん、可憐のいないところでこんなことしてたなんて・・・
読んでるだけで、航ちゃんで頭が一杯になっていくわ?
航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?
航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?
航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?
航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?航ちゃん?
(以下二ページに渡って航ちゃん?が続いていた
○月×日
今日は航ちゃんが、可憐の作ったパフェを食べに来てくれました。
航ちゃんにおいしいパフェを食べてもらうために、腕によりをかけた
甲斐があった。可憐のお家に来る前に白雪ちゃんのお家にお邪魔
して、プロフィットロールをご馳走になったみたいだけど、可憐が航
ちゃんのお腹を、魔法の紅茶で清めてあげたから大丈夫。
航ちゃんのお腹には、可憐のお料理以外を受け入れちゃいけないの。
航ちゃんは可憐だけのモノなんだから。
「ひっ!!」
僕は慌てて日記を離した。
「僕の日記を可憐姉さんが読んでたなんて・・・」
そういえば、可憐姉さん、いつも黒いカバーを被せた本を読んでた。
これは何回読んでも飽きない本だって。可憐お姉ちゃんに話した事の
無い学校の友達のことや、他のお姉ちゃんとのデートのこと。
あの時、可憐お姉ちゃんは僕の日記からそれを知ってたんだ・・・
「可憐お姉ちゃん・・・・どうして・・・」
可憐お姉ちゃんが、優しいことを証明しようと思って開いた日記に、
まさかこんな事が書いてあるなんて・・・・
「・・・そんな・・・馬鹿な・・・!!」
と、その時、後ろに人の気配を感じた。
振り向く間もなく、口に布を押し当てられ、僕の意識は遠のいていった。
気が付くと、僕はリビングのソファに横になっていました。
「あれ・・・?」
「航ちゃん。」
ゆっくり目を開けたそこには、心配そうな顔をして、僕の顔を
覗き込む可憐お姉ちゃんの顔がありました。
「・・・可憐・・・お姉ちゃん?」
「大丈夫、航ちゃん!!」
「・・・・・」
「可憐、心配だったのよ。帰ってきたら航ちゃん、階段前で倒れて
たんだから・・・」
「えっ・・・」
そう言われて、後頭部に痛みが走りました。
「頭・・・痛い」
「待ってて、氷持ってくるから」
可憐お姉ちゃんは、氷を持って戻ってきました。
可憐お姉ちゃんの話によると、お姉ちゃんが帰ってきたとき、
僕は階段前で倒れていて、五時間も目を覚まさなかったとの
こと。時間を見ると、夜の九時を過ぎていました。
「もうこんな持間になってる・・・」
「念のために、航ちゃんのお家に連絡を入れておいたわ。お母さんが
心配するといけないから、航ちゃんが倒れたことは言ってないけど・・・」
「・・・・」
「でも、航ちゃんが目を覚ましてくれて本当によかった・・・・可憐、航ちゃんが
目を覚まさなかったらどうしようかって・・・」
「・・・僕なら大丈夫だよ、だから心配しないで」
「航ちゃん・・・・」
「・・・・・」
その日、僕は可憐お姉ちゃんのお家にお泊りすることになりました。
僕は可憐お姉ちゃんに頼み込んで、可憐お姉ちゃんと同じベッドで
寝ました。可憐お姉ちゃんはとても嬉しそうでした。
だけど、僕が可憐お姉ちゃんと同じベッドで寝た理由は、あることを
確かめるためでした。それはあの日記のことです。
その日、僕は可憐お姉ちゃんの言葉が信じられませんでした。
僕は確かに可憐お姉ちゃんのお部屋に入っていったし、
可憐お姉ちゃんが抱きついてきたとき、あの時嗅がされた
匂いがかすかにしたんです。
そして、お姉ちゃんが寝静まるの待ち、起きだして部屋を
調べたところ、あの日記がありました。そこには、僕が五年前に
なくした日記もありました。幼稚園から、小二の時までつけていた
日記が箱に入っていました。
僕はこの日を境に、可憐お姉ちゃんの対する見方を変えました。
今までのお姉ちゃんは本物ではないのだと。
僕のためを思っての行動なのはわかってます。
だけど、僕はもう、可憐お姉ちゃんのことが信じられません。
可憐お姉ちゃんのあの優しい笑顔の裏には、何か恐ろしいナニかが
あるように思えてしまうんです。
訂正
×僕はこの日を境に、可憐お姉ちゃんの対する見方を変えました。
○僕はこの日を境に、可憐お姉ちゃんに対する見方を変えました。
追加
訂正:
>>989 × 航ちゃんのお腹には、可憐のお料理以外を受け入れちゃいけないの。
○ 航ちゃんのお腹は、可憐のお料理以外を受け入れちゃいけないの。
>>996 × そして、お姉ちゃんが寝静まるの待ち
○ 可憐お姉ちゃんが寝静まるのを待ち
これで終了です。
>>979 ここは幸いカンチやちんこ花火厨などの荒らしはあまりないが、
この間は空レスや保守レスを大量に削除したことがあったしまたそれでレス数消費されかねないから
今は次スレ立てないほうがいいだろう。
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。