湾岸ミッドナイト風に釣りを語るスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無し三平
たとえば…
近所の上州屋でジェットテンビンを安く買う
それを自分でつける ちょっと結び目ナメたりしてナ
さっそく試運転で遠投くれたら
なんか前より飛距離が出てない
よくよく見たら取り付けミスで上下さかさま
まーよくある話だ
だけどそーゆうのはけっこう楽しいんだ
自分の手を潮で汚し、海との対話みたいでサ…

だけど もう君はそうゆうレベルじゃあないだろ?
2名無し三平:2009/12/16(水) 01:23:42 0
ドコのリールよ ソレ?
3名無し三平:2009/12/16(水) 01:27:30 O
作者急病のため今週の「湾岸ミッドナイト」は休載します(笑)
4名無し三平:2009/12/16(水) 01:48:23 0
竿を擬人化するヤツっているよナ
たとえば──売ろうとしたらスネたように折れたとか…
オレはキライなんだヨ そうゆーの
売られようとする竿はすでにオーナーの心は離れている
ゆえにろくに整備もされていない
当然折れる確率は高い
竿がトラブるには必ず原因がある ただそれだけだ

…ただ、本当に時として…
奇跡としか思えないコトがあるのも事実だ
絶対に竿は竿でしかないのに
どうしてもそれ以上に思えてしまう時がある
奇跡はあった 本当に幾度も
今日はもう終わろうと決めた最後の仕掛け投入で
ボウズ逃れをしてきた者なら
誰もがそれを知っている
5名無し三平:2009/12/16(水) 01:52:34 0
どーしてもリョービなのか…?
ダイワやシマノとか…
もっと新品でドカンとパワー出るヤツあるゾ
オレは昔からリョービしかやれないワケじゃないんだぜ

リョービがいいんです
大田さんが組んだリョービリールがいいんですオレ

OKリールを組もう
6名無し三平:2009/12/16(水) 02:07:59 0
どうしてステラを買わなきゃいけないの?
一番最初のリールが 実は一番楽しかったんじゃないの ケイ?
7名無し三平:2009/12/16(水) 02:13:06 0
トゥイッチングみりゃあ少しはわかる
ガルプでごまかさないタイプとみた───ッ!
8名無し三平:2009/12/16(水) 02:18:04 O
後ろから来る!
この気配・・・速い!



悪魔のTD−Z!!

あれが・・・
9名無し三平:2009/12/16(水) 02:22:50 0
     /       i         |            |:_ :/ 
    |       i    .............:::::|ヽ::::::........       ⊂、___ 
    /      ..i:::::::::::::::::::::_:_:::::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 
  / |   ...::::::::::ヽ:::::,:::::::::::::::::: ̄| ̄ヽi ツ::,::::::::::::::::::::/  ../ 
  ヽ、ヽ:::::::::::::::::::_:|ゝ:'::::::::::::::::: : |=ェr,、^ ''7--;_アi/:,; -:' 
    弋::::::::::::::-:i::| ,ヾヽ/--ー^i^'  i入ヽ  i  ::| ヽ:::::: 
   / ヽ::ヘ:::ヘ/^ /  ゥ、      ト|ヽiヾ i  ::|  i:::::::::::: 
   ヽ - -∨>-┤ t   iリヽ       ヾ | iミゝi  :|  i::::::::::::::::: 
          | i‖ ヽ::i       ヽノ ゝ i   :|  /、i ̄ |:::: 
          | 彡  ヾ' ///   ''  i   :|/i- '- - 、|' 
          i |  ̄   、     ″   i  K/     ヽ 
          i ヽ、 ″          ,>  /| 
           i 勹、    o     /:/┤iイ 
           i ::|/ヽ,-、_  , /::::::ヽ∧| | 
            i ::| 了コ | - :::i\:;;:::i- | )| 
            ∨( ̄_] i   :::i しゞ: ) | ヽ| 
             入,_ ゝi   ::::/ r-t |」、_ゝi 
             / ii/   ::::/ _<5[] /- ' i 
             /  \| i 、:/=- V ヽi   i 珍障人間オサーン、キモイですぅ
10名無し三平:2009/12/16(水) 02:23:44 0
           l  \    |/        /   /ハ  
           ヽ    \  jl    .   ´   ////l  
            |\    \」!.   ´       / ///|  
               l |l\ 珍 | 障     ∠\ /// ハ  
           /ヽl l●\  l    .  '●)ノ/l l l l/  ヽ  
      __/   ハ卜ニ^ヽ!. _イ  ゝ=彡' ///イ     \  
___/        ヘ    l|     ̄ ̄ ̄ //イ //       \  
   ̄` ー 、        \   l!         /イ /           \  
          ̄\      \ l      / /              \  
          -‐\_    ヽ _  イ /                \  
        /    / /\    |   /      _  −<_ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`  
       /     / /   \  l  /   -‐     /   /` ー- 、  
       /       l /      \ l //        / /         \  
11名無し三平:2009/12/16(水) 02:28:00 O
あるよな、上辺だけそれらしく仕上げただけの高感度ロッドってやつが
世の中に掃いて捨てる程溢れてるよ
それで納得できる奴はそれで良いのよ
それで利益を上げるのもありよ
出来合いのマンドレルに薄っぺらなカーボン巻いて、はい5万円、止められないだろうな(笑)
けど、改造ロッドってそんなもんじゃないのよ
万人向けに仕上がったロッドをわざわざ弄る
弄ってダメにすることがほとんどだが、それでも懲りずに弄る
理解されない世界だよな(笑)
12名無し三平:2009/12/16(水) 02:46:56 0
おされるようなプレッシャー
ダム湖に入ったとたんコレだ…
谷田部の管釣り ツクバヘラブナセンター イヤというほどこのへら竿で釣りこんだ
──だが、それはここではほとんど役に立たない
認めろはっきりと 野べら釣りではヤツが数段上だと──
そして挑め 非合法のルールの上で爆釣するか
ボウズで終わる──か
13名無し三平:2009/12/16(水) 18:19:41 0
ちょい投げ20mオーバーからチョロつく竿先
オモリの疾走感はなくなり まっすぐ飛ぼうとしない
ついでにリールは遠投に不利な2000番だ
釣り手を選ぶ?
奥が深い?
リアルな投げ竿?
いやいや 実はただの2000円投げ釣りセットだろそれ
14名無し三平:2009/12/16(水) 19:13:23 0
なにが完璧な投げ釣りタックルだ
ふざけんじゃねェよ
いちばん大事なトコがまだだろう
12色トップエンド──
遠投300メートル
その世界がまだだろーが
15名無し三平:2009/12/16(水) 20:14:00 0
同じ時間
同じ場所に
同じコマセの匂いをもった仲間が集まる
16名無し三平:2009/12/16(水) 22:43:58 0
ほら ゆっくりとイメージしろ
ミッドナイトブルーの悪魔の遠投リールだ…
いま1色でゆっくりと動き出した
25m飛んで2色 糸速は上がる
3色 4色 ラインは確実にオモリをとらえているか?
強風に進路をみだされてはいないか?

そして5色

250…260…
さあ、空気の壁が大きく立ちはだかってきた

270…280…
L28改 ハイパーーエアロ キススペシャル オレが新しく組んだ
悪魔のリールはまだまだ加速をやめない

もっとだ ラインはもっと出ようとしている
あとはお前次第だ

信じろ お前こそが天才投げ釣り師だ
17名無し三平:2009/12/16(水) 23:07:02 0
テクニックいらないし 仕掛けも簡単
なのに釣果だけはある
ぶっこみ釣りってのはずっとそうだったわけヨ
釣ってる奴もむつかしーコトは言わねえアホーばっかで
尺カサゴ釣れて本気になって 冬のアイナメでブラクリにチェンジ
ある意味ぶっこみはソコが頂点なのヨ
あの頃マジに投げ釣りにもサビキ釣りにもぶっこみ釣り以上の釣果はなかったから
岩イソメ使ってもっと良くなったが もうフカセ釣り師やルアーマンがいるワケだろ
もうぶっこみ釣りは突出したカンジじゃあないのヨ
なんかくやしいわけヨ
ウキ釣りやメバリングにナメられちゃイカんのヨ
ぶっこみ命って奴は世の中に まァ ゴマンといるが
ことぶっこみが釣法として最高と思ってる奴は少ないと思うヨ
置き竿したまま昼寝しよとかジジイの釣りとか
みーんな自嘲的に笑ったりしてナ
で 他の釣りに乗り換えた時気づくのヨ
アレよかったって
そして戻れる奴は再びぶっこみに戻るし
事情が許さず戻れない奴も ずっと忘れない釣り方になるのヨ
突出していたのはぶっこみの釣り方だけじゃなく
その存在そのものなんだったと気づくのヨ
18名無し三平:2009/12/17(木) 00:59:55 0
千本ハリ以上のサビキ仕掛けを組んで
数えきれないほどのお祭りを起こし
何十人もの釣り人を怒らせた
19名無し三平:2009/12/17(木) 01:28:43 0
くくく…そんな理由いくらつけてもムリなコトだ
釣り公園で100本置き竿
どう考えたって反社会的で狂った行為だ
20名無し三平:2009/12/17(木) 19:24:07 0
「全然釣れないんですヨ このワーム」
きまってこのセリフだ
釣れないのはテメーのウデなんだヨ
なんてコタぁいわねーよ… 客だからナ
だからヘタ用に匂い付きのワームを作ってやる
これが大ウケだ
ラインはもっとボロいぜ
4000円のPEライン
原価は20円よ20円
21名無し三平:2009/12/18(金) 00:16:51 0
さんざんエサ取りに打ちのめされ もう十分わかっていたくせに
ステラを手に入れヤツは再び磯に出してしまった…
それを得るために何を失うか…
選ぶのはいつだって自分自身だ
ボラしかいないなんて通用しない
22名無し三平:2009/12/18(金) 21:00:45 0
300メートル投げたら次は301メートル その次は302メートル
いつまでも終わらない
わかる奴だけがわかる
同じ匂いをもつ投げ釣り師だけが分かり合える
永遠に終わりのねえとびきりの遠投だ
23名無し三平:2009/12/19(土) 01:24:21 0
「この前ウチのオフクロに何か言われただろ 平本 タクゥ あのクソババアは
ところでデキたぜ 次のジェッテン」

「…マツ もういいヨ お前の作ったジェットテンビンは
はっきり言うヨ しょせんシロートの作ったテンビンじゃ 遠投はムリだ 飛距離が出てない」

「どこが!? どーゆうトコがダメなんだ!?」

「全部だ 欲しいのは100号オモリにも耐えられるキチンと飛距離の出るジェットテンビンだ
シロートがカンで鉄パイプ曲げてるようーなモノじゃダメだ
昔から友達なんかじゃない 人のいいウチの息子を利用してるだけ…
スルドイな お前んちのオフクロ
そのとーり 器用なお前を利用してただけ ハハ…」

「もういいヨ 平本… もういい…」

「…じゃあナ」

「とりあえず コレはおいてゆく 気に入らなければ捨ててくれ
…友達とか そうゆうの どーでもいいヨ オレ
ただ お前がオレのジェットテンビンをいちばんよくわかってくれてると思ってただけだ…」

──わかっているサ 十分すぎるほど…

(これ以上 ウチのコ 釣りに誘うのはやめてほしいんです)

マツ… どうしてお前は こんなジェットテンビンが作れるんだ
これだよ 最高だ マツ
最後の最後にほしかったもの…
とびきりの100号オモリもブン投げる とびきりのジェッテン
いける 最強の投げ釣り師になれる
24名無し三平:2009/12/20(日) 23:35:51 0
カンペキにくるっていたんだヨ…
あと1匹 もうあと1匹…
24時間そればかり考えていた
アミコマセで汚れた堤防の中で
あと1匹 もうあと1匹とマメアジばかり
釣っていた
絶対に食べきれなかった
そしてそれをわかっていながら釣っていた
25名無し三平:2009/12/21(月) 10:41:32 O
小走りで釣り場へ戻る砂浜…
オレは白いセダンの前で立ち止まった

楽しそうなカップルが乗っていた
恋人同士か それとも もう夫婦か
歳もオレと同じぐらいの二人だった

あの頃のオレはロッドビルダーとして行き詰まっていた
オレの組むロッドは客を選び 結果として 客は離れていった

本当に幸せそうな男女だった
対し 雨に打たれる ウェーダーのオレは みじめま姿だろう

…だが

オレの方が絶対に幸せだと思った
26名無し三平:2009/12/22(火) 00:18:40 0
こーゆー釣り堀をこーゆー時間帯に投網で捕ってるんだ
その気ってコトだろ
27名無し三平:2009/12/23(水) 15:30:24 O
アキオー!
オレ、ポタージュ缶な。
28名無し三平:2009/12/29(火) 22:17:06 0
気合が違うんだナ 気合が
一歩間違えば絶対に根掛り
本当にわかっていて奴はぶっこんでくるのヨ
29名無し三平:2010/01/05(火) 21:56:59 0
苦しいナ...
お前とぶっこみの呼吸がどんどんズレる
このままじゃあ
となりで釣りしているボーヤのサビキの釣果についていけない...
ゆっくりとサビキがもつれる
若さだけじゃダメだぜボーヤ...
30名無し三平:2010/01/25(月) 12:08:42 0
クククッ
湾スレツアーしてるのナ
記念カキコ
31名無し三平:2010/01/25(月) 12:22:05 O
このスレ好きだw
32名無し三平:2010/02/02(火) 20:02:27 0
なんにも知らなかった19の時から あっというまに──10年
釣りに出会って キャスティングにあけくれた20代が終わる
有名メーカーに出入りしてたテスターという名のカモから
技術を身につけ 金を得る側に
雑誌に名前を売り 釣りプロとしてうまく回し
さらにエスカレートして名前を売る
尊敬できる釣りプロもいたし ペテン師まがいの自称プロもいた
──そして 秋丸美帆に会った
──カワイイ
──みっぴと 釣りやりたい
33名無し三平:2010/02/24(水) 16:53:47 0
クククッ
おまえら狂ってるゼ。
34名無し三平:2010/02/24(水) 18:22:04 0
だれも使いこなせないベイトリールだった
ある者は、二度と帰らず
ある者は、長い闘病生活を送る
危険すぎるベイトリール
35名無し三平:2010/03/23(火) 13:17:30 0
あげ
36名無し三平:2010/03/25(木) 04:26:52 0
ククク、
     OK、ageだ
37名無し三平:2010/03/26(金) 01:26:25 0
トーナメントで優勝するカリカリなチューンで有名になるわけよ。
でもな、一般のお客さんは使いこなせない。
経営を成り立たせるためにマイルドなチューンで誰でも使えるリールやロッドにしてしまうんだ。
客は喜ぶんだ、トーナメンターと同じチューンだと思ってな。
次第にトーナメントに名を残すことなく、伝説のチューナーってだけで客がよってくる。
残ったのは金儲けに走ったチューナーとミーハーな客で、商売ウハウハさ。

当たり前のことさ。でもお前らはちがうだろ?
38名無し三平:2010/03/26(金) 18:37:34 0
どうだろ
実際こっちは何も感じていないわけだし。
39名無し三平:2010/03/29(月) 23:35:59 0
ずっとキライだったんだ
アンタが…
ロクな釣果もなく
いつも磯でコマセにまみれていた
船釣りもせず 管釣り遊びもせず
毎日朝早くから自転車で何十年も同じ磯に通い続けたアンタ…
アンタのような釣り人だけはゴメンだった
コマセ撒いていつもエサ取りに食われて
毎日フグやボラばかり釣って
早くアンタのもとを出ていきたかった

バス釣り ジギング エギング メバリング
そうだよ とびきりのルアーマン人生を送りたかったんだよ
あんたが死んだあの日も
オレは朝まで大さわぎしてた
キラキラした海でキラキラしたシーバス達と大さわぎさ

ヨシアキ…今日お父さん入院してね
ガンだって…もうずいぶん進んでるらしいの
お前のためにお父さん毎月貯金してたのよ
少しずつ…
ヨシアキはバスプロなんて仕事選んだから
いつ食えなくなるかわからないからって…
少しでも 少しでもヨシアキのためにって…

どうしてもっと早く病院に行かなかった
どうしてずっと痛みをこらえて仕事を続けた
雨の日も雪の日も一度も休まず
どうしてオレなんかのために

ずっと
ずっとキライだったんだアンタのことが…
40名無し三平:2010/04/16(金) 02:23:29 0
>>39
マジに泣けてきた
41名無し三平:2010/04/26(月) 09:33:59 O
ネタ切れ?
楽しみに待ってるんだけどなぁ
42名無し三平:2010/04/27(火) 23:06:53 0
しかしお前がやってる例のバイトてのは儲かるのナ ホント
その歳でこーゆーリール使っちゃってサ
も ヨユーで
同僚とかもステラとか使ってんだろ?

そーでもないですヨ
普通のシマノバイオマスターが多いですね
ダイワでもカルディアあたりで…

ほー じゃ なんでお前はこんなの使えるんだ?

カンタンですヨ
彼女いないから釣具に金使うしかないんですヨ
43名無し三平:2010/04/29(木) 18:10:57 0
「たっ!タンマァァァ!!」
「なんだよ ガッちゃん」
「ちっ…ちから糸なしでブン投げるかぁァ!?」
「ハハ… 投げて悪いかよ」
「昔っからオメェは一番無茶なんだよ… たッ!?タンマァ!!」
「だからなんだよ ガッちゃん」
「オメェその竿… 錘負荷何号だよ?」
「知らねーよそんなの じゃあいくぞ!!」
「ちょ… 折れるって! たっ!タンマァァァ!!」
「ガッちゃん昔からビビリはかわらねーナ」
44名無し三平:2010/04/29(木) 22:05:14 0
たとえば世の中には様々な釣りがある
全てに対してマジメに…つまり真摯に接していくのはキツいし
無理がある
ひとつのコトに バス釣りだけ真摯である…
それではいけないのか…
45名無し三平:2010/04/29(木) 22:11:25 0
笑う…?
どうして笑う? この渋い中やっと釣り上げた10cmメバルを
46名無し三平:2010/04/30(金) 18:35:36 0
普通の人にはちょっと理解できないですよね ソレ

できないねえ アタマおかしいといわれるでしょ

でもホラ バス用ベイトリールのチューニングって
やっぱそーゆーモンだから・・・・

社外品のオイル指してベアリング追加して
ハイ チューンドリールのできあがり

やっぱそーゆうのじゃないワケだから

手間(時間)とコスト(金)をきっちりかけて
本気で飛距離を求めてるワケだし――

金が用意できる奴は金を
できない奴はてめぇの時間を全てつぎ込む

金も時間もそれなりじゃあ
無意味としか思えない飛距離なんてそりゃ無理だろ

ありったけのモノをつぎ込んで
そしてもう戻れなくなる――――


10年位前だったか飛距離がもてはやされた時期があった・・・
仲間内でアンタレスのスプール肉抜きとか
アホなことやってたころは楽しかったナ――
47名無し三平:2010/05/04(火) 00:32:53 0
「かわんねーナ タカ お前は――
初めて会った頃とおんなじだ いつまでも釣り込むコトがスキでサ」

「安彦さんはかわったんですか?」

「かわったんじゃないかナ…
一釣り人より家族サービス出来る満点パパとしてすぐれてなきゃなんて思ってたし」

「一人に戻ったらどうです? 最初の頃みたいに
そりゃ慰謝料や養育費で金回りは悪くなりますが
納得いく釣りは出来ますヨ まちがいなく
さっき釣具少し見させてもらいました
あんまりレベルの高い道具じゃあないですね
メンテもあんまりされてないみたいだし」

「たしかにナ…
ところでタカ お前どーして昔からオレに秘密のポイント教えてくれるんだ?
行ってみてくれ 釣ってみてくれゆーけどサ
せっかく見つけたポイント人に教えちゃ場が荒れるだろ」

「信頼しているんですかね 安彦さんを
他の人には絶対バラさないと思ってますし」

「かいかぶりだぜー そりゃあ」

「とにかく今夜12時にきます かなりいいポイント見つけましたから」

「…ああ」
48名無し三平:2010/05/04(火) 01:37:53 0
そう・・・

俺はすぐにわかった、
コイツは今日のタメに一睡もせずこの場に立っているってコトを

当然だよナ・・・世間はゴールデンウィークって奴だ・・・・
うっかりでも寝過ごしたら、このポイントは取られちまう。

朝、真っ暗なうちから淡々と準備して来たんだろうナ、
でもよ・・・・・
一流のポイントってヤツはそこだけじゃないんだぜ、ここだって一流なんだ
お前とオレ一流の場所同士の対決ってのも悪くないだろ?
釣具(道具)の差ってのはナシだぜ、一睡もしないリスクってのを背負ってまで来るヤツなんだからヨ
プアな釣具(道具)を使ってるワケが無いからナ。

OK!じゃあそういうコトで一流同士の戦いと行くか
49名無し三平:2010/05/09(日) 17:01:47 0
パンツもいいけど、リールも撮ってヨ。
50名無し三平:2010/05/22(土) 00:21:33 0
「なつかしィ 昔よくこの磯で釣りしたよね」

「昔にもどったみたいって?」

「アハハ ホント そんなカンジ 覚えてる はじめて会った時なんて」

「はじめてか… 谷田部のグレ釣り取材だろ
テスター対抗谷田部グレ釣り選手権 そこに記者としてきたんだよナ」

「あったね そーゆーの みんな全然口きいてくれなくて メゲたわぁ…」

「ちがうんだヨ グレ釣りって男ばかりの世界だろ
みんなシカトしてたけど もォ気になって気になって
ミカみたいなコきてくれてドキドキでサ」

「だからいい釣果出たんだ」

「気合入れたのヨ みんなカッコつけて」

「タカも気になってた?」

「なってたナ 話したくてしょーがなかったヨ」

「いってよ〜〜〜ッ」

「言えないヨ どうやって話すりゃいいんだヨ 二段浮き好きですか? それじゃだめだろ(笑)」

51名無し三平:2010/05/22(土) 09:56:05 0
>テスター対抗谷田部グレ釣り選手権
>二段浮き好きですか?

ワロタw
52名無し三平:2010/05/29(土) 19:15:30 0
たとえば全てのダイワロッドとシマノロッドは強度志向だ
最終的に釣り手を信じてないし 大メーカーとしての姿勢もある
簡単に折れるような設計はしていない
お前のメバルロッド ソアレソルティーでさえ固めの強度性重視だ
ネットでシマノと検索して キーワード・折れるなんて出てきたらメジャーメーカーとして終わりだからな
メジャークラフト・クロステージはダイワやシマノのロッドじゃないんだ
良くも悪くも3番目以降のメーカーなんだ
強度指向なロッドじゃない
あくまでもコストパフォーマンス 折れてもその値段ならしょうがない 
誰にでも優しいセッティングじゃないんだ
根掛りしたらブンブン煽ろうなんて思っちゃあいけない
53名無し三平:2010/06/08(火) 04:23:19 0
アゲてくれ 早くッ 早くゥーッ

・・落ちる 湾岸スレが落ちる


アゲる・・?

いやムリだろ これはもう

湾岸スレはこのまま俺が処分する・・

アゲて また そこで誰かの心を奪い

生きかえらせられるのも もうゴメンだしな・・

いーだろそれで・・ これで終わりにしよう

湾岸スレは落ちたんだ・・・・
54名無し三平:2010/07/06(火) 12:18:51 O
レイナのフェラ(>_<。)
55名無し三平:2010/07/07(水) 19:36:32 0
アキオー!
オレ、ボウズな
56名無し三平:2010/07/07(水) 20:37:43 0
スレをageる…正当化なんてできっこない

立派な犯罪行為だ
57名無し三平:2010/07/12(月) 23:54:36 0
ククク、
     OK、ageだ


58名無し三平:2010/07/13(火) 00:27:49 0
いやあ───ひさしぶりです村田サン ウチでリール修理ですか?

ああ どうしてもお前でなきゃダメなんだヨ

(無理だ・・ ここの技術力じゃあれだけのダメージを負った95ステラは完全には直せない)

コイツをもう一度頼むヨ

こりゃまたハデに ハハハOK OK 大丈夫ッ ウチにはホントいいスタッフがいますから そうそう ドイツ製の冷間鍛造プレス機も入れたんですヨ

いいスタッフ?ドイツ製の冷間鍛造プレス機?なにねぼけたコト言ってんだ?
お前が一人でやるんだヨ
ジャリジャリのBBをセラミックBBに交換し ミクロン単位のワッシャー調整でヌル回転にして ARCスプール付けて
一から十までお前が一人でやるんだヨ

ふ・・ ふざけたコト言わないでくださいヨ・・
オレはもう昔のままじゃないん・・

1ヵ月以内に仕上げろ
今度はGTに耐える95ステラ1000だ
59名無し三平:2010/08/20(金) 19:52:47 O
さぁ…続けてくれ 最高のあの瞬間まで連れて行ってくれ
60名無し三平:2010/09/12(日) 15:06:09 0
続き、マダー?
61名無し三平:2010/09/12(日) 16:02:35 0
くすくす先生の次回作にご期待ください
62名無し三平:2010/09/13(月) 14:19:59 O
アゲるき
63名無し三平:2010/09/13(月) 19:32:24 O
まだぁ
64名無し三平:2010/09/16(木) 09:21:05 O
o(`▽´)o
65名無し三平:2010/09/27(月) 23:02:39 0
「ボタンを掛け違えちまったのさ」
「ツール・ド・フランスで優勝する、そういうギアを釣り人は期待する」
「でもな」
「レースと路上は違う。これがシマノの出した答えだ」
「ツールで優勝するギアを作りながら、一般売りの最高峰はLBすらないステラだぜ」
「ステラは年々進化する。だけどそれはLBすらない万人向けの味付けなのさ」
「釣り人はツールのギアを期待する、だけどそれはシマノの答えじゃない」
「最初にボタンを掛け違えちまったのさ」



ギアって道具ってことね。歯車じゃないよ。
66名無し三平:2010/10/01(金) 01:23:35 0
そのころ記録狙いのオレ達のタックルは
すっかり管釣りSPLになっててサ
極端な仕様でレインボー一匹釣ればリールはパーとか…
67名無し三平:2010/10/01(金) 01:41:46 0
恵…お前六本木にバイトに出てくれないか?

金がたりない
ココでおりるわけにはいかないんだ…
頼むよ釣りしかないんだ オレには
68名無し三平:2010/10/01(金) 01:54:51 0
言葉などいらない 言わなくてもすべてわかる
釣りしている以上仲間であり戦うべき相手
今日でなければダメなんだ 同じ潮は二度とやってこない
釣り公園グレ50cmトライ―――ッ
69名無し三平:2010/10/01(金) 12:19:03 0
わからないな>>68
どうして そこまで自分を追い込む?
おまえも、そして 幾多の磯での戦いで
そのレバーブレーキはとうに限界を超えている---
70名無し三平:2010/10/01(金) 15:40:04 0
だからダメダメ
おとなしくラインメンディングだけしてろって

とびっきりのコマセワークで
ポイント作ってやっからよ―――ッ
71名無し三平:2010/10/04(月) 22:19:26 0
確かに
釣り公園で50cm級のグレともなると
>>70ほどのコマセワークが必要かもしれない

・・だが
おとなしく>>70の作ったポイントで
釣らせてもらうワケにはいかない

通いつづけてきた

このプライドにかけて
72名無し三平:2010/10/05(火) 23:41:24 0
age
73名無し三平:2010/10/06(水) 01:16:50 0
このスレさいこー! 腹イタイ
ageageage
74名無し三平:2010/10/06(水) 01:54:15 O
>>68-71はとても秀逸
75名無し三平:2010/10/08(金) 00:19:10 0
流石にオワッタか...

楽しみなのに。

ククク、
     OK、残念だ。
76名無し三平:2010/10/08(金) 00:23:29 O
なんだ、この胸騒ぎ
まさか

来るのかっ!?
77名無し三平:2010/10/08(金) 11:35:52 0
>>75
最後までレスをするのも自由なら
おりるのも自由―

もしこのスレに約束事があるのなら
一番は その自由意志だろう―
78名無し三平:2010/10/08(金) 14:06:26 0
アジングってやっぱ小物釣りじゃあ
ないですか

どんなに時代かわっても
やっぱアウトローなモンですよね

昔バナシならオレたのしくしたいです
79名無し三平:2010/10/08(金) 14:07:38 0
いいベンディングカーブですね今の
あーゆーレベルの専用ロッドが
今はふつーに売ってますよね

5年ってやっぱ長いですヨ
とくにアジングの世界では

一晩100匹じゃあ
今じゃ誰も驚かないでしょ

…まてまてサビキじゃないんだゼ
やっぱ100匹はスゴいだろ
80名無し三平:2010/10/08(金) 14:47:52 0
静かにしろい
このドラグ音が…
オレを蘇らせる
何度でもよ
81名無し三平:2010/10/08(金) 15:07:18 O
もしもし

>>80さん、漫画が違います

がちゃ
82名無し三平:2010/10/08(金) 20:58:02 0
ビルダーてのはけっこー矛盾した人間でナ
テスターのときはダメとわかってれば絶対にムリはしない
だが釣り手になった時にはちょっとちがってくる
ここで投げ続ければ100%ボウズ
もしくは確実に根掛る―――

それでも投げ続ける時がある
つまんねぇプライドでな・・
てめぇの作ったルアーは最高であり一番でなきゃ
気がすまねェのナ
そして その
つまんねぇプライドが
時として命より重い時があるのヨ





よくわかったねココが
いっとくが根掛りしたなんて全然思ってないヨ
すべてはオレのテクが未熟なせいだから
タックルはこっちが上だ
あの時キチンと竿を立てて巻ける腕があれば
キレイに弧を描いて沈みチャリをクリアしていた

でしょうね・・
83名無し三平:2010/10/09(土) 00:12:05 0
「もともとあのメガバスのPOP-Xがいちばん最初のルアーなんだろ?」

「そーです 18でバスタックル買ってすぐ
当時メガバスはブームでしたから中古でも高くて
バイトで貯めた金と あとは親に借りてルアー買いまくって」

「でも返していない?」

「ですね ハハハ」

「すぐにバサーデビューか?」

「そーですね ドブ池生まれのドブ池育ちですから
いちばん近い釣り場って ドブ池なワケですヨ
先輩もそうだったし その先輩たちもそう
とにかく釣りっていえばドブ池しか知らないんですヨ
でもバスフィッシングが好きでメガバスってワケじゃないんですヨ
ホラ メガバスってあるじゃないですか
トンがった若い厨房をミョーに惹きつける」

「あるある昔から とりあえずメガバスなら釣れるだろーと」
84名無し三平:2010/10/09(土) 02:36:33 0
オレが欲しいのはとびっきりのリールなんです

誰よりも速いリトリーブスピードで、誰にも負けない

とびっきりのアルテグラがほしいんですヨ
85名無し三平:2010/10/09(土) 07:09:38 0
「き・・北見サンッ!」

「あのビッグバドはおジョーちゃんのだろ」

「そーですレイナのバドです・・
でも今までと全然違うような・・
あんなピンク色の美少女萌え萌え痛チューン・は・・・ッ」

「だけど北見サン特別なコトをしたワケじゃなさそーだぜ
もとは山本サンが組んだバドだと聞いている
マッチザベイトのリスクの少ないナチュラルカラーだったハズ
山本サンが意図的に押さえていたモノ・・
それを北見サンがモトの姿に戻しただけだ」





「高木コレ・・」

「わかりますか?
見ためのパーツ何もかわってないハズなのに」

「わかるさそりゃ
変態だナ
北見のヤツ」
86名無し三平:2010/10/09(土) 08:33:33 0
遠投による空気抵抗がボディをねじ曲げ
荒れた水面はボディを攻撃し続ける
だけど心配するな、そのままでいい。
まっすぐ。オレの作ったそのポッパーはまっすぐ突き進む

330キロでもまっすぐポッピングする。
ミッドナイトブルーの悪魔のポッパーだ。
87名無し三平:2010/10/10(日) 23:29:17 0
「オハヨ―――ッ」

「お―――」

「お―――じゃないでしょ お―――じゃ」
「どーですか あたしの足の爪は?」

「すんげーいいニオイ 昨日も帰りに嗅いだけど
ちょっと手に負えないカンジで・・」

「んもー いつ返してくれるの」

「わりー もう2、3日貸しといてくれヨ
山本サンも もう少し嗅ぎたいって・・」

「山本社長?!」

「ああ 連日いっしょ 匂いオナニーにハマっててさ」
「お前 かってに北見サンの足の爪まぜただろ」

「や、やっぱマズかったかな〜〜〜」

「そーでもないかナ むしろ楽しんでるみたいでサ」
88名無し三平:2010/10/15(金) 19:51:02 O
って漫画のまんまじゃん
89名無し三平:2010/10/15(金) 23:59:32 0
近頃とっちらかり過ぎw
過疎ってから頻繁に見てる椰子なんて居ないだろうから
もう少しゆっくりしようぜ。

繋ぎようが無い感じがするよ
90名無し三平:2010/10/16(土) 00:13:11 0
繋げないのは無知ゆえの結果 助ける必要などない
91名無し三平:2010/10/21(木) 05:20:11 0
その中でリョービだけは少し違っていた…
結果として3番手だとしても
同じ道は決して通らない
それがリョービイズム…
リョービの考えだった
92名無し三平:2010/11/05(金) 17:26:03 0
そのプラスチックリールは、くるおしく身をよじるように魚を釣るという・・・
93名無し三平:2010/11/05(金) 17:41:57 0
ワロタ
94名無し三平:2010/11/09(火) 01:32:55 O
お前のノットはキレイ過ぎる
一番大切なのはキレイさか?
ノットはガチッと結ぶ事だろうが
95名無し三平:2010/11/23(火) 22:57:39 0
お前が釣るんだヨ
96名無し三平:2010/12/14(火) 02:36:30 0
湖沼の帝王
黒い怪魚

ブラックバース
97名無し三平:2011/01/03(月) 21:38:40 0
>>2
98名無し三平:2011/01/21(金) 21:30:49 0
a
99名無し三平:2011/01/30(日) 15:13:58 0
 |\___/|
   |       .|
   | Θ   Θ |      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   |       .|     < >>413 >>415
 ∈AA∋   ∧∧      \_______
  (゚‥゚ )   ( ゚Д゚)
  ∪∪|___⊃ ⊃
 /|__.|    |__|\
 |  |  |     | \_|
 | ノ ノ     \_|
 \_ノ|      |
    |ジグ男  |


100名無し三平:2011/02/04(金) 10:34:37 O
もっと、もっとだ。 もっとネタおくれ
101名無し三平:2011/02/08(火) 23:46:13 0
102名無し三平:2011/02/14(月) 22:52:37 0
いつ終わってもおかしくない・・
―――いや
もう終わっていて当然なんだ
どうして破断しないんだこリッドは
折れるどころかさらにバットを巻き込むような・・
ソリッド・・だ

これぞ奇跡といわれたフルソリッドチューンだ
103名無し三平:2011/02/18(金) 18:19:12 0
104名無し三平:2011/02/18(金) 21:52:17 0
初めて見たワロタwありがとう
これからも楽しみだ、ククク
105名無し三平:2011/02/18(金) 22:31:52 0
バラして洗浄か、それでいいんだよ。
それで十分だ。そうだ。そういうふうに使ってやってくれ。
もっとギアを感じて、もっと思いきり、もっと、もっと・・・ 
もっとそいつを愛してやってくれ
106名無し三平:2011/02/19(土) 23:29:24.71 0
夏場のウェダーのきついニオイ正常な人間だったらとても履けない
だが平気で履けるのがジャンキーだ
107名無し三平:2011/02/20(日) 23:55:42.00 0
金が用意できる奴は金を
できない奴はてめェの時間を全てつぎ込む
金も時間もそれなりじゃあ
刻々と変わる自然相手に満足な対応なんてそりゃ無理だろ
ありったけのモノをつぎ込んで
それでも得るのもは少なく、そしてもう戻れなくなる──
そこまでいってからわかるコトがあるし──
そして そこから始まるのが釣りなワケだから──

半年前でも半年後でもない──今
誰が今、この釣り場で、そしてこの釣り方で一番か──だろォ

何の価値もなく、何の意味もないその称号──
同じ釣りをする者でしかわからないその称号
108名無し三平:2011/02/21(月) 14:24:30.32 O
>>26
最高w
109名無し三平:2011/02/21(月) 23:06:48.98 0
どこかで仕入れた知識や本で拾ってきた理屈並べて、そんなことは知っていた、
とっくにわかっていた、やらない奴はいつもそう言う。
他の世界は知らねえが、こと釣りの世界じゃそれは通じねえ。
自分の手で、そして自分の体でやり遂げた者だけがモノを言えるわけだから。
110名無し三平:2011/02/24(木) 21:23:28.49 0
もっと、語ってくれ、もっとだ___スレが埋まるほどに
そして永遠に・・・
111名無し三平:2011/02/24(木) 23:05:22.99 O
大黒埠頭まで2キロ
午前0時27分‐
漆黒の海面からのアクセスをひたすら待ち続けるジャンキー達

そんな時だ
突然 視界の中で、竿先が海面に突き刺さるんだョ

有り得ないほどのトルク

どこまでも走りつづけ、倦む事を知らないかのようにナ

今夜はやめてくれ
今夜だけは

そう思っても、身体がリニアに反応して

腰を落とし、捕ろうとファイトしてしまうンだ

やがてそいつが力尽きるとき
おれたちジャンキー、ってヤツぁ、なんて自分であきれっちまうンだナ

まだ、やれる
そんな事を、そいつが言ったような気がした

それは例えば ツインカムのEGが吸気をむさぼるような音

…ボヒュー…!

…ブボォッ…!

エイの引き、ハンパねぇ
112名無し三平:2011/02/25(金) 00:00:00.20 O
風もなく 冬のくせに柔らかい陽射しが降る午後
いつもの防波堤に続くワインディングを 小気味よいフィールでクリアして行った日
先の交差点を過ぎると すぐそこには 駐車場 そしてあの場所が

ただ その日は少し 違ってたンだ
白い営農サンバー 履き混んだ 黒のゴム長 そして スクール仕様の身体にフィットした イモジャー
おれたち シーバスジャンキーには 「キラー」と呼ばれている男

65を優に越えるヤツが狙うのは 波止の最先端だってこと
ルアーキャストをマシンガンのように繰り返していても 平然と 浮きを目の前に流してくること
いくら文句を言ってみたところで 肝心なところになればなるほど耳の遠いふりをして
「あああ〜…? 」
なんてスルーされちまうこと
そんな事は 解りきってる話なンだ

ただそこに 戦いを挑まなくちゃ いつまでたっても ヤツより先になンか 行けはしない

波止まで100メートル ヤツの脚より もっとだ
もっと速く

勢いよくドアを閉め ダッシュを始めるンだ

おれの愛竿 SPSを掴み 走り出した瞬間だった

ドアに挟んだ SPS
逝っちまった
113名無し三平:2011/02/27(日) 19:11:42.39 O
ageだ
ククク…
114名無し三平:2011/02/27(日) 20:05:07.38 0
>>111-112
www
115名無し三平:2011/02/27(日) 21:25:01.88 O
若い、ッてこたァ、アレコレあるモンだ。
回りが見えなくなッちまうまで、釣りにのめり込む  そんな事も、若いからこそ許されるンだよな。
おれなンかもサ、今だったら「バカじゃねーか?」ッて思うくらい、釣って、釣って、釣り捲る日もあったンだよナ。

例えば、時合に直面しちまッてサ、その場を何があっても離れたくない、離れられない時、あンだろ?
腹ン中じゃ、解りきってるンだよナ。「これ以上釣っても仕方ない、そろそろ切り上げなくちゃヤベーよ」
なンて、ナ。
でも、別の頭ン中では
「もっとだ、もっと…今日なら越えられるかもしれない」
で、気が付いたらマシンガンのようにポイント打ち捲って、クーラーなんて限界越えるくらいたんまりと獲物が入っててサ。
そこでハタと我に帰る瞬間があるンだヨ。
「いくらなんでももうヤバい とっとと帰ンなきゃ」って。

自分の限界点を知る、ッつーか、思い知らされる、ッつーかナ。

慌てて腰を落としてクーラーを担いだ瞬間とかだったりするンだな。

「ギュルルルル…」って腹が鳴って


下痢便が肛門を一気に押し開くのッて。
116名無し三平:2011/02/28(月) 14:37:20.73 0
ワロタ
117名無し三平:2011/02/28(月) 17:52:56.74 0
釣り、ってェのは一種の勝負事でナ
ここ一番、ッてえ時があるんだよナ。
愛用のジェッ天、投げても投げても、フグばっか食ってるような時にも、なンか惹かれる、って
ェの?
そんな瞬間、そんなポイントが訪れることがあるンだ。
それはアスリートにも似た感覚だったりするんだけど、
ギャンブラー?
それにも限りなく近いのかもしれねェよ。

そういや、Jリーガーなんかにもオフにはよく釣りに出かけるヤツがいるって話じゃねェか。
勝負師―――
おれたちもそう表現していいンなら、根っからのジャンキーとか言われてるヤツぁ、皆そうなのかもナ。

限りない、青い世界―――
グラン・ブルー

魚族は、そこで生まれ、おれたちに戦いを挑んでくるんだよナ。
生存を掛けた戦いに、サ。

そういや、長嶋茂雄の言ってたこと、ふと思い出しちまったよ。

「サバはさかなへんにブルーって書きますね」

118名無し三平:2011/02/28(月) 20:50:52.10 0
お前たちサイコーだよ、クククッ
119名無し三平:2011/02/28(月) 23:59:16.86 0
良スレだナ



120名無し三平:2011/03/01(火) 00:12:06.63 0
もともと仲間じゃあないですよ
僕たちは偶然あの場所で出逢っただけです。
それぞれの生活や生き方は全然ちがう
本来なら交わらない者同士が偶然に…

ノッコミストのイシダさんも
サビキ臭の北見さんも
12色投げのレイナも、
そしてマメアジの彼も…
さらにこれから会う次の者たちも…


今日イシダさんはボウズ…
そして僕たちは…








オマツリ…


ただそれだけです。仲間でも友達でもない。

…だけど、あの日あのとき海で…
一緒に釣ったコトだけは忘れないと思います。
121名無し三平:2011/03/01(火) 00:22:23.27 0
戦闘機みたいなモンだろオレ達が投げてるルワーてサ
MAX50mオーバーの飛距離をもって波止場の先端で空中戦をやってるワケだ
絡んだ絡まされた、荒らした荒らされたって
マトモな釣り人から見りゃあ狂ってると思われるわナ でもしょーがないよナ
そこに投げてーだけなんだから オレ達
122名無し三平:2011/03/01(火) 23:49:23.15 O
−−−この前、父さんの遺品、整理してたらね、こんなオモチャが出て来たんだよ。 釣りに使ってたみたいなんだけど、お前 知ってるかい?−−−

−−−……ああ…−−−

−−−捨てられなかったんだね 父さん、さ、これのために子供の時、随分とウソツキ呼ばわりされたらしいのよ−−−

−−−…だから、なのか… 釣り、おれが行くと見ないふりをしてたの…−−

−−−きっと お前にも信じてもらえなかったら、なんて思ったんじゃない? バカだねぇ…バカよ…−−−


−−−…おれ…よくわかんないけど…前に親父の友達の北見のおじさんに聞いた事、あったんだ… そん時はあんまり釣りに興味なくてさ。 へえ…って思っただけだった…−−−

北見「そりゃ親父サンはうまかったゼえ−−− おれたちなんか足元にも及ばないくらいだッたヨ
打ち込み方がサ、大人みたいに…どっか醒めてンだヨ。
でも 情熱は本物だったサ。ブラックバスが入ってきて、いち早くシーバスにシフトしたのも、雑誌やなんかで紹介されるのよりもずーーッと早かったもんサ。
でもな…−−−」

「でも…?」
「ルアーに傾倒してから、ってもの、おれたちには理解できない領域にまで踏みこんじまって、ナ−−−仲間内からサ、その釣果、ありえねー、なんて声が上がり初めて、ナ−−−」
「………」
「竿を、折っちまったんだ…」


あんたの1周忌を終えて、おれは今、防波堤であんたのロッドを振っているよ
生きてる時には決して判り合えなかった あんた
あんたの竿を折った、無念さを晴らす為なんかじゃねえ おれが納得するために、キャストを重ねてる−−−
あんたが友達に信じてもらえなかったルアーを付けて−−−
《続く》
123名無し三平:2011/03/02(水) 00:20:58.57 O
−−−もう 何百回のリトリーブになるだろう それすら、気にならないほど、今夜…それ程までに おれ、研ぎ澄まされてる−−−
時折起こるボイルも、今夜は…おれに焦燥感をもたらせはしない
いつのまにか、釣る、なんて意識がクリアに−−−どんどん透明化して、ルアーを操るより、マリオネットを操ってるみたいだ−−そこまで、意のままに、操れる。そんな気がしたんだ。

そして−−−
AM3:42 真っ黒な海面に ナトリウム灯が黄色く周囲を照らし、湾岸Goldに染められた光景の中を ラインが走った−−−
−−−バシャッ!バタバコッ!!−−−激しいエラ洗いと同時だった

−−−レジェンド−−−あんたの作った伝説を おれが納得させるために−−そんな事は、もう どうでもよかった

親父−−−今、親父を感じてる−−−
最後の抵抗は、ネットインと同時に あっさりと終わった

ぱたんっ パタッ…!
力尽きたシーバスが、『まーったく よくやるゼ』って、あきれてるように尻尾を地面で叩いて 口をパクパクと開けた
ブロンズバック シルバーボディの綺麗なシーバス

「うおおおおお−−!!」
なぜか、叫びながら無性に泣きそうになった
叫ばなきゃ 泣きそうだった


使用タックル
ロッド モアザン ブランジーノ 9ft
リール ステラ
ライン よつあみ PE#0・8
リーダー バリバス ナイロン 20Lb
フック カチイチ オフセット
ルアー
筋肉マン消しゴム ラーメンマン
124名無し三平:2011/03/02(水) 00:59:38.02 0
くっそオチで吹いたwwwwwwwwww
125名無し三平:2011/03/02(水) 09:25:21.78 0
奇跡だな…
こんな良スレが荒らされずに…
オマイラ最高だ。
126名無し三平:2011/03/02(水) 09:34:13.55 O
やられた
電車の中でワロタw
127名無し三平:2011/03/02(水) 12:32:10.02 O
もっと、だ
もっと、いける
ageだ…
ククク…
128名無し三平:2011/03/02(水) 14:12:09.11 O

アキオー

俺、コーヒーな!
129名無し三平:2011/03/02(水) 16:23:55.69 0


OK、Z







オカズだよ
130名無し三平:2011/03/02(水) 20:35:24.76 0
長編ワロタwwwキン消しとかwww腹イタ
131名無し三平:2011/03/04(金) 23:20:08.19 O
そろそろ限界…か…?
いや 楽しみたいんだ このフィネスさを
もっと もっとだ もッとぉ−!


メバルの最小記録7cmを越えるまで
132名無し三平:2011/03/05(土) 11:09:05.30 0
少しでも飛距離が欲しくてメインラインを落とす
それがアダになった

セットしてキャスト前のタラシ見た時
ふと根ズレのコトが気になった 
沖のボトムというポイントにショアからこの細さどうかな・・と 

だけどごまかした
リーダー一尋で大丈夫だろうと 自分に都合よくいいきかせた


やっぱりメインラインがブレイクした
完全な根ズレだ
あまりにも稚拙なミスだった

たしかにわかっていたんだ ・・あの時
だけどごまかした
距離とライン角度は比例するのに自分の心をごまかしたんだ


残ったものはただ──
悔やみきれない後悔だけだ
133名無し三平:2011/03/06(日) 22:28:10.83 0
ああ、解禁だ間違いない
134名無し三平:2011/03/06(日) 22:30:33.18 0
うん
いいスレだな
135名無し三平:2011/03/06(日) 23:14:31.98 0
高速リトリーブ時の小さなゴリ よく気づいたナ

別にかくしてたワケじゃない 

実釣性能にかかわるほどのレベルじゃなかっただけだ 

だけどお前が気になるなら きちんと直してやる 完璧にだ

わかるヤツにはわかる オレはもうわかるヤツのリールしか手を入れたくない 

商売なんかなりっこねェヨ

誰も中毒になることなんか望んでいない リールでアタリ取ろうなんて
得るものより失うものが多いしな

だけど

そこまでいかなければ感じ無いバイトがあり 

そこまでいってこそ わかるアタリがある 

一瞬咥えてすぐに放すような 

脊髄反射でも掛けれるかどうか そんなかすかな可能性まで拾うために
お前はこの古いリールにさらに大金をつぎこむ

・・・OKだ 

136名無し三平:2011/03/09(水) 09:30:41.27 0
最高を求めるために何かを犠牲にするのは仕方ない
金 時間 人間関係 時にはミスもつきものだ
お前が悪いわけじゃないが
それなりのリスクは背負わなければならない
たとえ車の中で



ガルプ汁をボトルごとぶちまけても
137名無し三平:2011/03/09(水) 21:51:47.66 O
いつの頃からだったろう あんたの事を「あんた」と呼び始めたのは
いつから、だったろう あんたの事が大嫌いになったのは

父親、なんてのは判ってる だけど それが何?何かの慰めにでもなるってのか?
小さかった頃、あんたはおれのHEROだった

どんな時だって、冬ならカットウや太刀魚、春ならメバルや解禁になった渓魚、夏にはスズキやアジ、秋にはサバや磯魚、
釣りに行くたびに 何か持って帰ってた

だけど、

何時から、だったろう そんな事なんか、何の意味もない、って知ったのは

「父さんはね 釣りしてなきゃ 父さんじゃないの」
そんな風に言うお袋が どれ程毎日生活に追われようが あんたには関係がなかった

あんたなんか死んじまったらいい そう思い始めたのは いつからだったんだろう

釣り−−−
小さい頃からおれの中では、趣味でしかなかった
あんたを駄目にした釣り いや、おれの家をダメにしちまった釣り

嫌いだったあんた
本当に死んじまったら あんたを越える事もできなくなっちまった

《続く…かも》
138名無し三平:2011/03/09(水) 23:05:23.00 O
今日も、あんたの通ってた場所に来た
小さい頃に、あんたに教えてもらった場所だ

小さかったおれに あんたはよく言ったもんだった

「今はまた、こんな事には興味ないのかもしれん だけど、ナ」
「…?」
「キャストの精度を上げる 例えば、パン食い競走でサ、届くか届かないとこにパンがぶら下がってるからこそ 食うまでに時間のかかる競走になるンだ これが簡単に口に入る場所だったら…これが魚だったら… ナ?判るだろ?」
「…??」
「練習みてぇなもんサ こんな小場所で、いつか出会う 夢…誰にも採れなかった獲物を仕留めるために…な」
あんたはそう言って、スポット打ちをビシバシとキめたもんだった

そうして次々と、捕っていったもんさ

おれは 手品を見てるみたいに 呆気に取られてあんたの手元を見ていただけだった

たまに トレブルフックを磨いては 刺さりを確認し、再びキャストして…

みるみるうちに、黒、赤、青、白、色とりどりの獲物

ベランダに干されたパンティーが溢れて…

お袋、なんで離婚しなかったんだよorz
139名無し三平:2011/03/09(水) 23:07:37.80 0
今回はイマイチだなorz
140名無し三平:2011/03/09(水) 23:31:57.11 O
>>139
なんだとゴルァァ!!

と、言いたいところだけど
オマイの言う通りだOTL
ちょっとセックスしてリフレッシュしてくるわ

「アキオーー オレ タンポン ナーー−!」


ダメだ…orz半年ROMるわ…
141名無し三平:2011/03/09(水) 23:44:36.01 0
それが1話しかネタが無いのなら、1話までにしておく
2話目がしっくりこないのなら、1話でヤメておく
やりすぎない。いいトコでヤメておく・・・大事な事だ。

だけどかしこくねーからダメなんだ。
それが本当に2話まで考えれる人間なら・・・
書いてみないと気がすまねえ

そして半年ROMったあと、どうなると思う?




「ハハハッ、もう一度書くんでしょ?」
142名無し三平:2011/03/10(木) 00:03:50.79 0
個人的に>>111-112が神だった
143名無し三平:2011/03/12(土) 18:23:09.14 0
このスレ住人として、今回の津波罹災者のみなさまに謹んでお見舞い申し上げます。
144名無し三平:2011/03/12(土) 22:33:57.67 0
そうですね、こんな時ほどすばらしいレスを心掛けて欲しい
不安や困難を乗り越える為にも全力を投じて・・・個人が出来る事って小さいけど大勢の力が集まれば
145名無し三平:2011/03/20(日) 20:41:34.66 0
このスレにも自粛ムードが・・・解禁まだ〜〜〜?
プリーズスマイルアゲイン、アキオ、レイナ帰って来てくれよ
146名無し三平:2011/03/22(火) 22:50:13.76 0
オイ、生きているか?クククッ
147名無し三平:2011/03/24(木) 15:08:21.88 0
なぁ?なんでこのミノーにはリップが付いてないんだ?

これとると飛距離が50cm伸びるんですよ、フックをシングルに
替えるだけで20cm伸びます

かぁ〜〜頭おかしいわ
148名無し三平:2011/04/02(土) 18:02:36.59 O
イカタコ二匹つれた
149名無し三平:2011/04/06(水) 21:38:45.37 0
保守アゲ
150名無し三平:2011/04/07(木) 00:48:27.80 0
波OK
揺れOK
手すりOK

OK 船上ウンコ
151名無し三平:2011/04/07(木) 00:54:15.14 0
いつ成虫してもおかしくない・・
―――いや
もう成虫していて当然なんだ
どうして成虫しないんだはこのスムシは
成虫するどころかさらに大きく・・身を捩じらしている・・
メイ蛾・・そうなるはずなんだ
152名無し三平:2011/04/07(木) 01:19:44.85 0
>>150
ワロタ
153名無し三平:2011/04/18(月) 20:02:51.89 0
期待アゲ
154名無し三平:2011/04/18(月) 23:16:45.62 0
ヘッッショーン!





…ククク、クシャミだ
155名無し三平:2011/04/20(水) 15:20:26.81 0
湾岸ミッドナイトの本10年位前に処分しちゃった上に、細かいニュアンス忘れちゃった。
156名無し三平:2011/04/20(水) 20:56:02.07 O
行っけ〜俺のコモモU
157名無し三平:2011/04/27(水) 21:50:57.71 0
保守
たてた人では無いですけど
158名無し三平:2011/04/28(木) 20:48:31.14 0
震災で通い慣れた漁港は壊滅
会社は水に浸かり倒産し残った物は根魚権蔵だけ俺は職を求め逃げるように日本海側に行った

安定所に通う毎日やっと見つけた土木作業の仕事で貰った給料を握り締め
銀色に輝くジグヘッドとミッドナイトブルーのワームを買った

そして初めての釣り場に来た…
周りの連中は、タフテックエンジン搭載のシマノ
SVFビックタービンのダイワ俺の型遅れな硬派な権蔵で戦えるのか?

常夜灯の下で岸壁に擦り付けるようにワームを落とし込みゆっくり歩いた
結局メバルは釣れなかったが俺は実感した
まだやれる俺はまだ戦える…そうだろアキオ

159名無し三平:2011/04/28(木) 23:22:45.95 0
このスレ読んでると
ラーメン二郎の90分待ちが苦にならなかった(三田本店)
160名無し三平:2011/04/29(金) 00:32:42.78 O
あの日からもう 1ヶ月以上が流れていったんだナ−

黒く押し寄せる濁流 逃げ惑う人々 瓦礫に押し潰されてゆく建物

楽しさや 悔しさ おれの人生の半分以上を いや、全部突っ込んで来た海の怒り なすすべすら、なかったヨ

今日実は 海岸まで走ったヨ まだ海を直視する勇気はなかったンだが それでも行かずにはいられなかったサ

汚泥に褐色に染められた道や、建物 瓦礫の山 迷彩色の服に身を包んだ自衛隊

目を背けたくて、真っすぐ前しか見なかったサ


汚泥のひどい臭いは 海に近づくにつれて薄くなり 潮騒が聞こえて来た

柄にもなく、



なンてモンが出てきちまってサ
そん時に 海が視界に入ったヨ
おれたちの悲しみを飲み込んだ海 きらきらと、何にもなかったように、綺麗な、前のままの海

まだ、釣り 再開するにはやる事が山積みだけど
この国には どんなになったって 変わることのない海 自然 季節があるッて事
思いだしたンだよナ−

−ククッ Okだ−

風が耳元で囁いた

そンな気がした。
161名無し三平:2011/04/29(金) 00:40:25.13 O
なんて良スレ(´;ω;`)
162名無し三平:2011/04/29(金) 21:00:53.46 0
久々に新作読んだ、心にしみこんだ。良スレだ。
163名無し三平:2011/04/29(金) 21:21:56.50 O
ブラック&ゴールドボディの、クラシカルなリールだった。
誰の目も引かず、むしろそれは サブタックルにこそ相応しい だが ヤツは この1台しか持ち込まなかった。
その日
船内は誰もアタらず、ダラダラとしたジギング作業に堕した釣りとなっていた。しかし ヤツだけは…
異様に鋭い眼光を湛えたまま、変わらないピッチでシャクリ続けていた。

−−−何やってんだ?−−−
現場到着前、船のトモからラインを流すヤツに、おれは聞いた。

−−−ああ…ドラグ調整しとかなくちゃ、な−−−
100m程流したラインを確認し、竿先から残り半分 スプールに収まったままのラインをつまみ、バネ計りで7kgまで…

−−−アンタ、そんな状態で、調整、って…そのリール、ペンだろ?見たところ、少しはいじってるみたいだけど 大丈夫か?−−−
−−−いいんだ−−−
2号と思えるPEライン、しかも、ペンの深溝スプールにライン半分の状態で7kgドラグ…
−−−どうせ、おれんじゃないからどーでもいいやな−−−
そう思ってた
「キたッ!!」
鋭く叫ぶヤツの竿
ラグゼ ジグシャフトが満月にしなった。
−−−何もかもが レトロなヤツだぜ−−−だが−−−
あんな無茶なドラグ設定、しかも…ペン 国産最新リールのスムージーなドラグ性能なんか望めっこない バレちまうだろ、そう思った矢先だった。

キュウウウウ…

まるで、モーターが入っているかのような、ドラグ性能を見せるヤツのリール…
タランチュラのエンブレムが入ったドラグノブ、少しだけ大振りになったハンドル
外見から分かるチューンは、たったそれだけだった。
<続く>
164名無し三平:2011/04/29(金) 22:02:10.99 O
それはどこまでもスムーズそのもののファイトだった。
ドラグ、巻き上げ、何一つ、マシントラブルを起こすことはなく…やがて、巨大なヒラマサが水面に浮いて来た。

−−なんであんなペンで、あんなファイトが可能なんだ?−−

「…なあ、リール、見せてくれないか?」
「ん?……ああ。」

手にしたリール、それは…ペンに似て、非なるものだった。
「なん…だ、こりゃ!?」
ドラグのスムーズさに圧倒された。限界まで強く、限界だからこそ、絹のように

「なあ、これ…!」
「…ドラグはシリコンとコルクのハイブリッド ラインが少なく、弱らせるファイトの時にはライン残量なりにドラグが弱く、
一気に片を付け始め、ライン回収し始めるとライン残量に応じて、ドラグは限界まで高まる設定にしているんだ…」
「…だから、ライン半分でのドラグ設定を…」
「ギアは全て、冷鍛ジュラルミンに換装し、防水ドラグ、BB、NonBBフルチューン、そして…グリスは気温により変更してる…」
「かァ−−ッ!そこまでやるかヨ!?」
「…バードイーター…」
「なんだって…?」

ヤツが黙って、ドラグノブを指差した。
「…タランチュラの最大種は、鳥さえも餌にしてしまうそうだ…」
「…」
「こいつも…そうだ。クククッ…」
狂ったエンスージアスト
有り得ない程の、カスタム技術を見せ付け、ヤツは嘲笑うかのように 笑った。
165名無し三平:2011/04/29(金) 22:09:10.09 0
かっけーw
166名無し三平:2011/04/30(土) 18:03:49.60 0
このスレ本に編集したらそこそこ売れるでしょ、マジでレベル高いわ。
167名無し三平:2011/05/01(日) 00:32:55.79 0
大切なのは環境ですヨ 
釣りに行き続けられるそーゆー環境にいるかどーかってコトです 
釣行出来ない環境なら 釣りに行ける環境に変えていく  
許してくれない女は別れていくし 釣りを優先して仕事も変わる 
よりベストな環境を探して自分をそこにおく 

自然にはこちらがあわせるしか無い・・・
あの釣果はそこまでしたその環境が作るんです
そこまでやって得てるものが、お気軽に真似できたら笑っちゃいますヨ
メーカーのサポート?選択肢を狭めるだけでしょ?
新しいモノや使う人間が多いモノが良いものとも限らないしね
部屋で想像する暇があったら10分のために1時間掛けても釣り場へ向かえばいい
竿も持たずに新たな場所を探して歩きまわる時間も面白いものですよ

そうすればあの釣果の意味がわかるかもしれないですね・・・

168名無し三平:2011/05/01(日) 02:06:48.46 O
ククク…

ageだ…
169名無し三平:2011/05/01(日) 07:30:35.24 0
何この良スレ
170名無し三平:2011/05/01(日) 08:33:28.04 O
>>159
オイオイそのシチュエーションならこれなんじゃねーのかヨ
http://c.2ch.net/test/-/ramen/1248109868/i
171名無し三平:2011/05/01(日) 23:10:10.65 O
ヤツのリール PennスピンフィッシャーSS8500 改 ゛バードイーター″は完璧だった
嫌味なくらい、クラシカルな佇まい 持ち手に不安を全く持たせない堅牢性はそのままに、 信頼性と精密さを完璧に現出していた…

おれのステラ10000H改が…オモチャに見えるほどの完成度 おれにヤツを越えるリールが…組めるだろうか…?

そう思いながら ソルティガ、ステラを前にしてる…
凌駕するためには…Vanstaal…?いや、あれは…カスタムするにはあまりにも… 車にたとえれば、フェラーリなんだ。
芸術品にまで、リールを昇華させた工芸品…

それではどうやって…?
どうすれば、゛バードイーター″を越える事が…?
ふと、ひとつの思いが浮かんだンだ
−−ステラしか、ない−−

ギアから全て、0から造り直そう−−
Made in Japan の、真骨頂 最高の精密機械を、ひとつ…
チタニウムギアを搭載させ、ドラグをさらに大口径に…そして、ドラグノブのピッチもさらに細く…堅牢に

そして組んだステラ改2…
だが、おれは…あまりに機能性のみに捕われ過ぎていた。

重量…アングラーにとって、無視できないファクターを、おれは無視してしまっていた…
オリジナルを120gも越えてしまったステラ…

−−ダメだ…−−
工房で再びバラし始めたリールは 何も答えないまま、冷たい光りを跳ね返していた
172名無し三平:2011/05/04(水) 21:07:39.32 O
続き期待してます
173名無し三平:2011/05/05(木) 01:13:31.04 O
バラしてしまったステラ…換装したチタニウムギアが金色に輝き、うらめしそうに睨み返して来る−
ごめんナ−
犠牲となったギア達を、そっとつまみ上げ、一人、言葉が口を突いて出た−

ディバイダーを手に取り、こいつらの設計図面にもう一度向かうとき、一枚の写真が目に入ったンだ−−
若い頃の、おれ オレンジブラックの いすゞ ベレットGTRと 往年のワタナベ8スポーク マグホイール

そう…か…
やって、やろうじゃン…
マグネシウム合金加工…軽量化のために−−
航空機にも使用された金属は、戦争中、日本を苦しめたB29のEG、そのターボチャージャーを造り−−日本はマグネシウムを入手できなかったため、空気の薄い成層圏での戦いに敗れたという−−
バードイーター…Made in USAのお前を、今度は日本人が越えてやる…
忘れてたヨ…こんな、気持ち。
……゛ゼロ″か…ゼロ戦 そうだ、な…ステラ10000H改゛ゼロ″……
くすり、と吹き出すように笑ッちまったヨ。
すると 堰を切るように笑いが込み上げて どーにも大笑いしていたンだ−−
(チタンがマグより比重軽かったらそこはスルーよろしく 携帯野郎ゆえ、カキコミ中はなかなかググれん)
174名無し三平:2011/05/05(木) 02:19:18.64 O
−−大阪 住吉区 町工場 江坂精密鐵工所−−

「オイオイ!てんご(ふざけたこと)言うたらあかんで!マグでギア作れ、やとォ−!!」
「無理だッて言われるのは覚悟で来ています。でも、こちらしか、ないンです。おれの思いを、モノにしてくれそうなのは。だから…だから、お願いしますッ!」
「アンタなぁ、こないな図面、書いてきてるくらいやさかい、知ってンのやろ?マグなんかなンぼも持たへんで。こんなこンまいギアにしたら。それ、承知なンか?」
「だからッ…ギア中心部のメインはマグで、歯をチタンコーティングできないものか、と…」
「あかんあかん!!そないな夢みたいな事…日本国中、そんな酔狂な仕事受けるとこなんか有り得へんで。…悪い事言わん、諦め。もう。」
「…おやっサン…」
「な…なんやねんな…急に。あんさんとはそないな風に呼ばれる仲やないで。」
「…おやっサン、新地で最近、JAXXAのエラいさんと飲んだでしょ…?」
「…な…」
「JAXXAの今度のH2ロケットプロジェクト、大変な仕事ですね?宇宙空間で使用する、モーターのギア…おやっサンの仕事だそうじゃないですか。」
「あ、アンタ…」
「極秘…ですね?」
「…。」
「頼みますッ!お願いしますッ!もう、おやっサンの腕しかないんですッ!!」
「…」
「ヤツに、Made in USAに、負けるわけにはいかないンですッ!お願いしますッ!!」
「…ナンボかかるか…解れへんからな…納期は半年後、しかも確約でけへん。前金で40万、それが嫌なら今すぐ帰り…」
「ありがとう、ございますッ!!」

−−−PM 4:32 ステラ ゼロプロジェクト 始動−−−
175名無し三平:2011/05/05(木) 11:40:31.36 O
−−それはきっかり半年後だった。留守電に吹き込まれた、ぶっきらぼうな塩辛声−−
「大阪の江坂です。モノ、できたさかい、送るか取りに来るか、決めとくなはれや。ほな、連絡待ってますさかい」−−ピー…

「お久しぶりです、おやっサン」
「おお、取りに来てくれたんか。そかそか。ほな、こっちや」
−−応接室に通された後、アクリルのケースが渡された。
「ほう…」

クッション材に沈むように収まったそれは、まるで宝石のようだった。
精緻の限りを尽くした、細かなギアの歯ひとつひとつに、目の前に座っている初老の角刈り親父の人生が詰まってる−−
そう、思った。
「…なんとかなったで。よう、見てや」
「…」
「あんさん、北見はん、アメちゃんに勝ちたいから、言うてはったな」
「…」
「あんな…ワシの親父な、海軍の飛行機乗りやってん。そいでな、大阪空襲ン時もな、ワシらを守るため、言うて、出撃してな…」
「おやっサン…」
「帰らんかったよ。とうとう。瀬戸内海に機体はバラバラになって墜ちた、って聞かされたんや」
ポン… テーブルの上に、茶封筒が投げ出された。
「ゼニはいらん。ワシの親父の仇、討ってくれるか…?」
熱い、想い…

「だが 断る!!」
塩辛親父がソファーからズッこけた。

『完』
176名無し三平:2011/05/05(木) 14:44:25.81 O
>>175乙です
落ちがw
分解マニアなもんでwktkが止まりませんでした
177名無し三平:2011/05/05(木) 15:07:35.92 O
>>176
感想あんがと。
もう知識がついていかんから無理w
シリアスに最後までいこうかとも思ったけど、ダラダラ スレ占領もどうかとも思うし
着地点に至るまでまだまだ長編5レスは必要だし。
黙って占領許してくれた人たち、どうもありがとうです。
178名無し三平:2011/05/05(木) 17:43:49.07 0
この進み具合のスレに占拠も何も無い!
179名無し三平:2011/05/05(木) 19:47:43.91 0
>>177乙です
176とは別人だが、いい作品だった、次回作期待してしまう内容だ
機会があったらぜひカキコしてくれよ
180名無し三平:2011/05/05(木) 20:37:40.98 O
181名無し三平:2011/05/05(木) 20:49:43.94 O
>>179あんがd。
また何か考えついたらカキコするわ。シリアスバージョンの続きでもいいし適当にw

>>180
その通りだ クククッ…
182名無し三平:2011/05/06(金) 00:47:23.33 O
連投失礼。
>>178
の言うように、スレ進行具合が遅いんで、
178は応援してくれたのかな?と取って、ちょいと思い付いたんでシリアスバージョン追加しときます。
舌の根も乾かないうちにごめんちょ。
183名無し三平:2011/05/06(金) 01:14:46.30 O
江坂のおやっサンから、メインシャフトを含むすべての内部ギア、オシュレートスライダーを受け取り、心臓部の入手は終わった。
次はドラグ部分を手に入れなければ…
゛バードイーター″は、シリコンとコルクのハイブリッドだと言う…内部構造や、編成は謎のままだが それを越えるには?
ドラグの大口径化をなし遂げ、モンスターに変貌したタランチュラ…恐らくは、ディスクドラグへの換装、インフィニット化もしているに違いない。
ヤツの弱点を、こちらが克服できるならば、それはわずかな差でも、確実なアドバンテージをもたらせてくれるはず…
ドラグはなぜ、効かなくなる…?

スプール軸 そう、深溝スプールは、弱点とも言えるのだが…ヤツはそれすらも武器にして、深溝特有の「可変ドラグ」釣法とも言うべきファイトスタイルを確立させちまってる…
では、熱は…?
スプール内部に篭った摩擦熱は、ドラグを狂わせ、釣り人をラインブレイクの奈落へと誘う…
そうだ…
熱…。
いかに速やかに、熱を外部へと逃がし、1度でもスプール内部の温度を下げるか…
再び、大阪に行かなくちゃ、ナ−−

゛バードイーター″ 一点を突き崩し、お前の前に出られるのか…勝負だ…

184名無し三平:2011/05/06(金) 01:40:32.34 O
再び 大阪へ−−

「なんやとォ!?シャフト、作り直せ、て、どういう事やねん!!」
「熱、なンです。おれたち釣り人の、敵 そいつを外に逃がすための工夫が、もうひとつだけ欲しいンです」
「そやかて、アンタ…もっと分かるように説明してんか。ただ、図面持ってきて、作れ、言われてもなぁ」
「ドラグはスプールとの接触、摩擦力によって、ラインの出る量を調整するンです。ただ、発生する摩擦熱は…ブレーキ素材であるコルクやカーボン、耐熱シリコンをも痛め、調整量を狂わせてしまうンです。だから…放熱効率も、最大限にしなければならないンですヨ」
「う…ほんだら、アンタの言う、冷却効率を最大限になるよう、考えたらエエんか…?」
「そのとーり!!さすが、JAXXAが白羽の矢を立てるだけはありますネ!」
「…アンタ、ちょっと気ィ許したら、エラい事図々しいな…」
「まあ…忙しいのは知っていますけど、随分勝手なのはわかってますけど…お願いします!」
「あ〜!!もォ!!わかったわかった!ワシも大阪の江坂や!乗り掛かった船、沈めるよーにはしたくないさかいにな。アンタの我が儘、聞いたるわ」

−そして2ヶ月後−

「北見サン!お荷物です〜!」
間延びした声と共に、大阪から手紙と荷物が到着した−−
185名無し三平:2011/05/06(金) 02:05:53.44 O
「前略 北見様
アンタと妙な事で知り合って、もう8ヶ月 エラい仕事ばっかり頼まれて、迷惑してるんや。
また、こっちに来られたらやっかいやさかいに、荷物、送り付けたろ 思て 今回は宅配便や。
依頼を受けたシャフトやけど、シャフト本体はチタンを叩いて、削り出してる。
特に依頼のあった先端部には、熱伝導効率を最大にするために銅を使った。
シャフトとの間に、耐熱セラミックのスペーサーかまして、先端で発生した熱は、内部ギアに影響せんようにしてる。
せっかくワシが削りだした、可愛いマグギア、いじめたくないからな。
で、同封のスプール、勝手に作らせてもろたで。
中心から * の形で、銅を延長して、スプール全体に熱を拡散できるようにしてる。
ハニカム構造で残りをマグネシウムで組んで、なんや、オリジナルは穴、空いとったから、穴も開けてるで。
ただし、ドラグの回転方向に8度程傾けて、外気を取り入れ、熱放射をサポートしてる。
ドラグ材については専門外やさかいに、かんにんやで。でも、あんなんはどうとでもなるやろから…な。
負けたら40万、請求に行くからそのつもりで、な
江坂」
おやっサン スプールまで…
依頼したシャフト…冷たく、ものも言わないちっぽけな金属に、全部突っ込んでくれた−−−
視線を落とすと、小さな文字が目に映った。
「Made for ZERO NIPPON」

血が、ざわめいた瞬間だった。
186名無し三平:2011/05/06(金) 02:29:26.53 O
鳥肌が立った
187名無し三平:2011/05/06(金) 12:54:00.33 O
主要なパーツは殆どが揃った。そして、゛ゼロ″のディスクドラグを真新しいカーボンと耐熱シリコンに換装し、調子を試していく
−…ルッ−…
真新しいグリスを噛んで、滑らかに回転を始め、それはまるでスカイラインのEG、RB系V6のシリンダーの動きを思わせた。

これでいつでも、゛おまえ″を飛び立たせられる…だが、

もうひとつの、Made In Japanを投入しよう、そう決めていた。

日本独特の、レバーブレーキ。

自由自在にドラグ強力を高められ、Maxから0まで変幻自在 まさに、柔よく剛を征するために考え出された、極めて日本的な、日本人にしか発想できないような機構を…

しかし、一般的なレバーブレーキではダメだ。ファイト中、ドラグに神経を集中させる訳にはいかないんだヨ−
極めて限定された目的に、アシストドラグとして使用できればそれで、いい…
その昔、MARFIX J‐SYSTEMに搭載されたものではダメだ。ボタン型で使いづらく、滑らかなファイトを決して妨げないスタイルで、Max プラス3kgのドラグを与えられるように。
最後にドラグノブを放熱性に富んだ銅で作りこみ、゛バードイーター″を凌駕するリール、゛ゼロ″は完成する…

飲みかけたワイルドターキーを煽り、図面を片付けると再び、ベレットGTRの写真が目に入って来た。
−−−やって、やるよ−−−
188名無し三平:2011/05/06(金) 13:47:52.88 0
wktkして読んでるガンバレ
RB系はちょ…いやなんでもない
189名無し三平:2011/05/06(金) 17:16:42.70 O
ついに゛ゼロ″は完成した。
贅肉を削ぎ落とし、極限まで高めたスペックデータは、おれが今までチューンしてきたリールの中では間違いなく唯一、絶対の完成度だった。

−ヤツは今、どこに−?

バードイーターを名乗るチューナの行方は姜として知れず、さらに4ヶ月の月日が流れた−−
そんな、時だった。

−−「ペン使い」の噂が、港に広がったのは−−






次回 対決編 序章


スカイラインは直6だったすまんこw
190名無し三平:2011/05/06(金) 18:06:38.27 O
その男は、必ず一人でやって来て、古びたロッドケースから時代遅れのタックルを取り出すという
そして、ドラグノブにはクモのエンブレム…特徴的な外観は唯一それだけ−−−ただ、極端に無口だが、ジギングの冴えは凄まじいの一言に尽きる−−−

間違いない、ヤツだ…
おれは港に車を走らせ、片っ端からジギング船に当たっていった。

−−−ああ、そのお客さんなら、明日も予約入れて帰ったよ。今日?あ〜、ダメだったねえ。
でもサ、一度だけ、すげえのが当たってね。
そう、そのお客さんだった。何だと思うヨ?サメよ、サメ!青鮫の3メートルくらいあったかな?それをサァ、ものの5分で船縁まで寄せてサ。
ラインカットして逃がしたんだけど、おかしいんだよね。うれしそうに笑ってンだ。変わった人だナ、なんて思ったんだけどネ−−−
ビンゴ…!
「おれも、明日予約入れといてくんないか。出船時間は6時だったよナ。頼むよ」
−−−ああ、解ったヨ。
でも、こんな事言ったらナンなんだけど、今日の様子だと明日もアテになるかどーか、わかんないヨ−−−
「いいんだ。頼んだヨ」


翌朝−−−AM5:42−−−
まだ目覚めない街を抜け、マリーナに降り立ったおれは…1年ぶりにヤツの姿を見た−−
191名無し三平:2011/05/06(金) 18:31:06.33 O
無言のまま、船に乗り込もうとするヤツを、おれは呼び止めた−−
「おい!覚えて、いるか!?」
不思議そうに振り向いたヤツの表情からは、何一つ 感情が伝わってくることはなかった。かまわずおれは続けた。
「1年前、アンタのジギングを見た。この海で。とんでもないリール、ペン使いのテクニックを、ナ。なあ、名前は?おれは北見。今日は一緒に、この船に…」
「バード イーター…」
「…?なんだって?」
「名乗る必要なんか、ない…おれはいつも、こう呼ばれてる…」
「…ンだと!?」
ヤツを睨みつけながら、おれはにじり寄り、生意気なコイツに礼儀を教えてやろう、そう思った時だった。
「クククッ…」
笑ってる…?!
「そう…か…風の噂に…聞いている。おれを狙ってるヤツがいる、って、な…そういう事、か…クククッ…」
こいつ…!
「江坂の爺いンとこのギアはもう、組んだのかい…?゛ゼロ″。」
…なに…?
「JAXXAのお墨付きだ…だが、それはまだ…スペックデータでしか、ない… おれのバードイーターのように、フィールドプルーフされたものではない…」
…何だ…コイツ…
「おれと 勝負したくてたまらない、って…顔に書いてあるぜ…゛ゼロ″。  クククッ…Okだ…」
こいつは一体…何者なンだ…!!
「親父、今日は2人、キャンセルだ…済まないな…。ついて、来い…オレに…。」
あっけに取られた顔のキャプテンを後に、おれは船を降り…そして、ヤツの後を追った−−−
192名無し三平:2011/05/06(金) 19:17:06.21 O
これはヤバい
すげーヨあんたすげーヨ
これで明日も頑張れる
193名無し三平:2011/05/06(金) 19:18:36.39 O
ヤツの無言の案内を受けるまま、着いた先は 寂れた漁港だった。
「オレと勝負したいんなら…オレのルールに従ってもらう。嫌なら…このまま帰れ…」
ヤツの表情は再び…能面のように、凍りついていた。
「乗りな…アンタの大事なタックルも一緒に…」
船外機の付いた船…曳航用の小さなボート。それをヤツは指さした。
−こいつは何を考えてる−?

ヤツは船外機を操り、二人きりの船は 波を切り、しばらくの間 クルーズしていた−−

−−「着いたぜ…降りな…」
…何だ!?ここが勝負の場所!?

2つ、連なった養殖筏の中心に、人が立てるスペースがあり…いかにもファミリー釣りの舞台になりそうな場所…
「てめぇ…ナメてんじゃねェぞコラァ!!」
激情が、口から飛び出した。
「ナメてんのはお前だ!!さっき言っただろ!!オレのルールに従ってもらうと!!」
一瞬 だった。ヤツの目に生気が宿り、感情が見えたのは。
次の瞬間には…再び、凍りついた いつもの表情に戻っていた。
「…この筏には、8kgクラスのカンパチが2000匹放たれている…」
「それが、どうした!」
「セクター1は、この筏だ…これを、釣るんだ お前が 」
「ふざけた事言ってんじゃねえ!勝負しやがれ!バードイーター!!」
「…クククッ…江坂の爺いも…こんなヤツ相手じゃ さぞかしやりにくかっただろうな…」
「何だと!?」
「落ち着け…゛ゼロ″。お前のリールは…フィールドプルーフがまだだ…どうやってオレに本当に相応しい敵だと証明する…?」
睨みつけるおれを無視し、ヤツは続けた。
194名無し三平:2011/05/06(金) 20:58:20.94 O
「8kgクラスの、釣り頃のカンパチだ…お前の゛ゼロ″なら、たやすかろう…?この2000匹を、フルドラグでラインを1cmも出さず、釣り切るんだ…もし゛ゼロ″のスペックデータがその通りだったなら、可能だろう…?釣り上げたなら、隣の筏に移しておいてくれ」
「…!」
「自然の魚相手に ゛ゼロ″のフィールドプルーフを待つ程オレは暇じゃない…夕方6時に、迎えに来る…。その時に、お前の゛ゼロ″が、スペックデータの通りの性能を保っていれば、第1セクター通過、だ…」

ヤツの言う通りだ…
「くそっ!!」
こんな為に…おれは゛ゼロ″を組んだんじゃねエ…!

次から次へとヒットするカンパチ…地獄の12時間耐久レースの始まりだった。

500匹…800匹…1000を越える頃には腕の感覚が鈍り、1200、1500と…気の遠くなる時間が過ぎて行った…

遠くから、ヤツのボートの音が近づいて来る…

「…時間、だ…」

「…お…終わったゼ…」
無言で、うずくまるおれのタックルを手に取り、ヤツはチェックを繰り返した。

−−暫しの時間が経過し−−

「江坂の爺イに感謝しとくんだな…第2セクターは3日後に、AM3:00…あのマリーナだ…。遅れるな…」

夕暮れの中、疲労だけがのしかかり おれの身体を支配していた…

第1セクター 通過時間 PM5:28

第2セクター開始 3Days AFTER AM3:00
195名無し三平:2011/05/06(金) 21:55:17.44 0
長編乙です、続き読みたいが終わってしまうと寂しくなる
いい作品ほどな・・・登場人物のキャラに感情移入してしまうから
196名無し三平:2011/05/06(金) 21:59:56.54 O
197名無し三平:2011/05/06(金) 22:07:21.90 O
>>195 196
応援レス、ありがとう。
スピンオフの話もあり だよ。
この話が終わって、誰か続けたくなるなら、続ければいいさw
198名無し三平:2011/05/06(金) 23:16:31.88 O
セクター2前日 PM2:16
−−1本の電話が掛かって来た−−プルルルル…プルルルル…
「はい、北見…」
「オレ、だ…バードイーターだ…」
「お…お前…!この電話をどこで知っ…」
「細かい事を説明する気は ない 用件だけを伝える…」
「…」
「明日のセクター2、゛ゼロ″だけを持って来い…ラインはこちらで用意する…」
「…」
「以上、だ…」プツッ…ツー…ツー…
…ヤツはセクター2のターゲットさえも教える気はないらしい…まっ、どうにか なるサ…
−同時刻−
JAXXA種子島宇宙センター
「ロボットアーム、展開」「ロボットアーム、展開します」
「モーター作動、オブジェクト採集開始」
「モーター作動します オブジェクト、採集開始しました」

「ロボットアーム、順調にオブジェクトを採集しています」
「採集終了 ロボットアーム収納」「採集終了し、ロボットアーム収納します」
「ロボットアーム、順調に収納しています…完了しました」

同時に、拍手と歓声が上がり…
「所長、おめでとうございます。」
「ありがとうございます。今回のプロジェクトは 江坂さんがいなかったらと思うと…本当に、お世話になりました!」
「いやいや…ワシらなんぞ、ただの部品屋でんがな。お国の為に少しでもなれたら、そんだけです。おおきに、ほな…ワシらはこれで失礼しますさかいに…」
「え!懇親会には出られんのです!?今日の主役はあなたじゃないですか?」
「いやいや。部品屋はただの部品屋ですさかいにな。ただ…」
「…?」
「日本には、ワシら部品屋がぎょーさんいてて、その誰もがチャンスを待ってる事、覚えてて欲しいんですわ。ほな、またいつか。さいなら…」
「え?あ…江坂さん、江坂さん!」
−−北見はん…アンタも今頃…頼み、ましたで…−−
199名無し三平:2011/05/06(金) 23:38:40.74 O
「社長。いーんですか?本当に。」
「ああ、レイナか…ええんや。ワシの仕事は終わったしな。これからはワシのしたいことを、したいようにして、生きる。そんだけの、こっちゃ」
「…」
「なんや…?辛気臭い顔して…。また、アキオの事、考えてんのんか?あれは事故や…」
「…」
「誰かて、逃げられへん運命がある。ワシの後継者に、そない思っとった。息子や、そないにも、な。」
(違う…アタシの考えてるのは、あの人の事… 身勝手で、バカで…)
「墓参り、行かな…な。今年はあいつの7回忌やし…」

海難事故…だった。
さみしげに笑う顔しか、記憶に残してくれなかったアキオ…
せめて、一度くらいは釣りに付き合えばよかった…そうすれば、もっと、今の気持ちを整理できるかもしれないのに…

「…ナ…?レイナ?聞いてんのか?」
「…あれっ?アタシ今、どっかにブッ飛んでました?」
「人がせっかく心配したったのになんや…」
「ゴメンなさ〜い、社長、だ〜いすき。」
「お前、ちうヤツは…」

−−空が、青く どこまでも遠かった−−
200名無し三平:2011/05/06(金) 23:39:41.79 0
すごいな!
おもしろい。読み切りで雑誌に載せれるなw
201名無し三平:2011/05/06(金) 23:58:16.78 O
>>192
あなたの明日の力になれてうれしいwありがとう。
>>200
調子付かせんなよw
ありがとう。
202名無し三平:2011/05/07(土) 00:34:36.38 O
セクター2当日 AM2:55 某市マリーナ −−
ナトリウム灯が、今夜も漆黒の水面を、湾岸Goldに染めていた−−
オンボロの1Box軽から流れてくる音楽、Janis Joplinの『Move Over』…
ヤツ、か…
「こっちだ…来てくれ。」
やはり、バードイーターだった。
「セクター2…今日のターゲットは、シイラだ…」
「オイ!いい加減にしてくれヨ!セクター1は、養殖カンパチ、そして今日は、シイラだと!?誰にでも簡単に…」
「オレの、ルールだ…」
遮るように言うヤツは、あくまで淡々と、そしてきっぱりと言い放った。
「セクター2からは、オレもロッドを握る…勝ち抜く方法は、オレとの釣果が3匹以下より多い事だ…。
ただし、ラインはナイロン6ポンド、リーダーは30ポンド。ロッドはこの中から、好きなものを選ぶといい…。
各2本、用意している。お前が選んだ同じロッドを、おれも使う…」
「イコールコンディションで、リールだけが違う、そんな条件なんだな…?」
「ククッ…そうだ…。そして…ラインブレイクをしたら、その時点で敗退、だ…。ラインシステム交換はいくらしてもらってもいい…ただし、ラインブレイクだけは即、ゲームオーバー…理解したか…?゛ゼロ″。」
「ルアーは?」
「同じものを、2本だけ、用意した…それ以上は必要ない。…そうだろ?゛ゼロ″。クックック…」
挑発…されている…
そう、感じた。
203名無し三平:2011/05/07(土) 00:59:15.19 O
原作は少ししかしらないけど、期待感がイイ!次も楽しみー
204名無し三平:2011/05/07(土) 01:00:12.38 O
「バードイーター!」
「なんだ…?突然デカい声を上げるのがお前の趣味か…?」
「おれの、゛ゼロ″のフィールドプルーフは、まだ終わってない そうだな?」
「ほう…なぜ、そう思うんだ…?」
「初めはギアに負担を掛ける、有り得ない数の養殖カンパチで、゛ゼロ″の堅牢性を確かめた…」
「…」
「そして、今日は 有り得ない程のライトタックルで、゛ゼロ″のドラグ性能を確かめようとしている…」
「…」
「なぜこんな、誰にでも釣れるイージーターゲットがセクター1、2に設定されているか、逆に言えば、
イージーターゲットでなければ、セクター1、2には向いていないからだ!そうだろ!!」
「クク…クックック…その、通りだ…゛ゼロ″。」
「約束しろ!逆におれが、お前を3匹以上上回れば、セクター2はおれの勝ち、つまり、この勝負はおれが勝者だ!」
「ククッ…いいだろう…ロッドを、選べ…。」
1Boxの荷台には 20本以上のオフショアロッドが積み込まれていた。
だが、どれも古く…おれはSauls HYPER Twitchin’55を手にしていた。
戦闘スティック、メディアにそう持て囃された、往年のロッド…
「30分、時間をやる…その間に、6ポンドのナイロンをしっかりと巻いておけ…」
205名無し三平:2011/05/07(土) 01:24:27.49 O
>>203
BGMはパイレーツ オブ カリビアンでお願いしますw
愉しんでくれるよう、がんばりまつw
206名無し三平:2011/05/07(土) 17:56:35.20 O
6ポンドのナイロン その頼りなさにおれは再び不安を覚えた。
ドラグはわずか、1kg程度しか余裕がない…距離を走らせ、シイラの走りをなだめながら寄せて
その時、ロッドに最大限の仕事をしてもらわなくては…
ラインは何メートルを…?
通常ならば、200も巻けば事足りるはず しかし、ラインブレイク即ゲームオーバーの状況では、ラインマネージメントがセクター2では最優先されるだろう…
9つという、ロッドガイド数も気になるファクターだ… 魚を掛けると、ライントリートメントには有利に働く多めのガイドも、
シイラという比較的大型の対象魚ゆえに、ルアーも14cm以上が想定される。
その重いルアーで数限りないキャストをくり返すうちにはガイド通過のストレスが、わずか6ポンドのラインの繊維疲労を招きかねない…

ここは、倍プラス50m…450で行くべきだろう。
そのドラグだが…
゛ゼロ″には、MAX2kgのアシストドラグ、レバーブレーキを搭載している。
そうだ…セクター2はノードラグ設定で全て、アシストに賭けよう。

「…終わったか…?乗れよ。セクター2は、おれとお前…二人きりで船を仕立ててる…」
バードイーターがいつの間にか、後ろに立っていた。

開始のゴング…鳴った…
207名無し三平:2011/05/07(土) 20:32:07.72 O
「黒潮本流まで走り、浮遊物をランガンしてゆく…ルアーは、これを使え…」
渡されたルアーは、製造どころか会社すらなくなったハクト リーフ140だった。
「お前のタックルは時間が止まってるのか…?」
それには答えず、ヤツは続けた。
「お互い、これから漂流物を探す…。見つけたら、デカい声で叫ぶんだ。
沖上がり時間は午前11時。それまでは精々、ベストを尽くしな…」
リーフ140 スレた相模湾のシイラですら、なまめかしい輝きと独特のショートスライドで口を使わすことのできる、必殺ルアー…
ただしそれは、釣り人を選び…ときには期待を裏切る事すらあった。

…こいつ…なのか。今日のルアーは…

ふいにバードイーターが声を張り上げた。
「2時方向!」
遠くの浮遊物、その周りにシイラが跳ぶのが視界に入った。
船はもどかしげに舵を切り、ポイントに向かっていく。
−−出番だ、゛ゼロ″ お前のパフォーマンスを見せてやれ−−
「Let’s  GO−−!!!」
目標、浮遊物左5m!
低伸弾道を描くように ライナーキャストしたルアー…目のいい青物、わずかの不自然な停止時間をも見破るターゲットへの常套手段。
着水前にサミングし、ラインスラックを最小限に留め、パニックダンスを始めさせた−−
208名無し三平:2011/05/07(土) 22:59:32.79 O
バードイーターもキャストを終え、リトリーブを始めたようだ。視界の隅に、ヤツのロッドが見え、おれと同じく ルアーに命を吹き込むダンスをしていた。
ルアーの煌めきが遠くから近付き始めると、その真後ろを背鰭をブルーに染め上げたシイラのスクールが確認できた。

−ターゲット ロック・オン−
トウィッチ、ジャーク、ストップ…リズムを刻み、踊れ…

「…コンッ…!」
アタック…!

しかし…黎明の海は、まだ充分目覚めてはいないらしい…
軽い挨拶をくれただけで、ファーストアタックは終わった。

バードイーターも同じく、ヒットまでには至らず 再び船はエンジン回転を上げる…

初めてのヒットは1時間後だった。

「…ククッ…ヒットだ…」
竿を曲げたのは、ヤツだった−−−

極端に短い5・5フィートのロッドをベントさせ、ファーストランを凌いでいる…
ロッドを保持したままシイラの走る方向を意識しつつ左右に腕を倒し…
止まれは距離を詰め始めていく
…バード・イーター…−
凶暴 かつ狡猾な、タランチュラ…

セカンドランを凌いだ後はもう、ターゲットはシイラから『ドラド』へと変貌していた。
−−降伏の体色−−
「1ポイントだ…『ゼロ』…」
209名無し三平:2011/05/08(日) 00:01:01.35 O
−くそったれ−
心で毒付きながら、ヤツの嘲笑にも似た言葉を聞き流し おれは『ゼロ』に鞭をくれた。
−キャスト−
誘惑のダンス その直後を5本の青いチェイサーが追って来た

『食え…!』
「ガツッ!」
引ったくるような衝撃…!
「ヒット!!」
同時にレバーブレーキを握り、ドラドを効かせ始める。
ターゲットはデコッパチ、ジャンプ一番、首を振るのが見えた…
…ヤバい…ッ!
ロッドを下げ、シイラの動きを制御し、右へ流していく…
よし…安定した方向に逃げ始めた…ファーストランの始まりだ。
サミングのような感覚でレバーを人差し指で握り、プレッシャーを掛けていく
−また来るッ−
ジャンプ!
こいつを凌いだら、一気に距離を詰めてやる…
セカンドランに備え、距離を縮め…
船の影がヤツに見える距離に来たら…
セカンドランだ…
いい子だ…そのまま寄って来い…

「こっちも1ポイントだ!」

一進一退の攻防…おれはいつしか我を忘れ、戦いに酔いしれはじめていたンだ−−−
210名無し三平:2011/05/08(日) 00:29:34.54 O
−いつから−だったろう、
オレがヤツのような熱い血を失ったのは−−
おれがまだ、島 達也と名乗っていた頃…

アキオと呼んでいた あいつと…つまんない事で張り合っていた頃は、まだこんなじゃ、なかった…

たまたま、今日のようなシイラ船で乗り合わせ…リールの話しから大乱闘−
その日から、ヤツの事はいつも…意識の隅から離れなかった…
「お前の国産リールなんぞ…所詮は上っ面だけの本物じゃないんだよ。戦後の猿真似から始まった、田舎役者みたいなモンだ…
戦う事を前提にした合理性にこそ、強さがある事を教えてやる…」
「いつまでも歴史や文化にしがみつく時代錯誤の百姓はお前の方だヨ!返り討ちにしてやる!」

そうやってあの日…タイマン勝負のツナ キャスティングに出た…

そして お前にヒットした、ブルーフィン…
弾丸のような走り…150、いや、200ポンド オーバーだったろう…
事故はその直後、だった…
不自然な程の横波がふいに船を揺らし、お前は海へ
落水と共に、姿が忽然と消えた…
有り得ない、事故…
だが、おれは見た。お前をさらった物はなんだったか、を…
211名無し三平:2011/05/08(日) 01:24:38.05 O
…まずい…
バードイーターとの差が…広がりはじめてる…
ドラグ強力の差だ…
現在、15対11…
残り、1時間弱…
くそ…勝負に出るしか…ないナ。
キリリリッ…
おれはドラグをわずかに締め、強力を600g、アシストと合わせ、MAX2600gまでに引き上げた。
勝負だ…バードイーター…!
ギリギリの線までドラグを上げ、今度はおれが前に出てやる!
「クク…焦りが出て来たな…゛ゼロ″。」
「うるせェ!!」
挑発に乗ったら…ダメだ…!
「ヒット…これで、フィニッシュだ…゛ゼロ″。」
残り20分、ヤツが22本目のシイラを掛けた。
おれはこの時点で17本…ファイト時間を考えても、もう、ヤツには届かない…
しかし、投げ出すのは絶対に嫌だ…!
ヤツのファイトを横目で見ながら、絶望的にキャストを繰り返して行った…「ゴンッ!」
当たった…
こいつにだけは、絶望的な顔なんか、見られたくない…!
淡々と、ラストフィッシュは丁寧に、確実に…そしてMade in Japanを使った者として正々堂々とファイトする!
ひたすらに重く…長いファイトを繰り返すターゲット…
…おかしい…本命じゃ、ないのか?
船べりまで寄せて来た時、謎は全て明らかになった。
70クラスシイラ ダブルヒット…!
バチバチバチッ!!バチッ!
船上に揚げられ、暴れるシイラ…
スコアは19対22…
「クククッ…゛ゼロ″のフィールドプルーフは終わった…。セクター2、通過…だ。」
沖揚がりを知らせるベルが響いた−−
212名無し三平:2011/05/08(日) 01:30:26.17 0
そろそろ飽きてきた
213名無し三平:2011/05/08(日) 01:36:01.88 O
>>212
おけ。
そろそろ、そう思う人も出てくるかも、とは思う。
少し休んで後はまた適当にするわw
お付き合い、あんがとw
214名無し三平:2011/05/08(日) 01:36:17.45 O
俺はかなり楽しみにしてる
215名無し三平:2011/05/08(日) 03:51:30.54 0
アキオって原作でも死んじゃうの?
216名無し三平:2011/05/08(日) 07:44:32.05 O
>>213
メモ帳を使って書き上げてから、まとめて連投したほうが飽きられ難いと思うぞ
間が空くとどうしてもダレちまうからな
俺も他板で経験したから言えるんだけどw
217名無し三平:2011/05/08(日) 10:37:08.52 O
>>214
あんがとさんw
でも、まあ過疎気味の板だし、そんな中で1人でもそんな意見出てきたら、シカトできん。
>>216
メモかあ…
勢いで書いてるからなあ。
参考にしてみるわ。dクス。
218名無し三平:2011/05/08(日) 13:48:37.29 0
>>217
過疎板の超過疎スレだキニスンナ
自分のペースで好きなように書けばいい
続き待ってるぜ
219名無し三平:2011/05/08(日) 17:48:09.98 0
スリリングだぜククッ・・・セク3待つヨロ
220名無し三平:2011/05/08(日) 18:29:14.53 O
おk みんな、ありがとう。
>>212の言う事も解るし、
>>216のアドバイスも もらった。
今、メモに書いてるところだ。明日には一気にアップするからヨロ。
221名無し三平:2011/05/09(月) 04:22:58.14 0
>>215

Zの元の持ち主、同姓同名のアキオが
222名無し三平:2011/05/09(月) 10:20:22.40 O
話しが大量になりすぎてゆうべ書ききれなかったよorz
2回に分けて投稿すんの許してくれw
223名無し三平:2011/05/09(月) 10:22:40.21 O
−−−辛うじてとは言え、セクター2を通過した゛ゼロ″
こいつのポテンシャルは本物だ−−−
帰りの船内、ヤツ、北見は一言の憎まれ口も叩かず、こっちをじっと睨みつけるだけだった。
「セクター3は1週間後、同じ時刻、同じ場所だ…。ターゲットはキャスティングツナ。タックルは全て、自前を使用し、
勝利条件は 水揚げの総合重量とする…」
そう宣告しても、ヤツの表情は崩れなかった。
クククッ…面白い。実に、面白いじゃないか…
ヤツはオレに、熱い感情を思い出させた。かわりにオレはヤツに、凍りつく敵愾心を呼び醒ましたようだ…。
携帯がふいに鳴り、おれの思考を中断させた。
「達也サン…?アタシ レイナです」
「…何の、用だ…?」
舌打ちを覚えつつ、返事すると 泣きそうな声が返って来た。
「…ねえ、いい加減…辞めて!アキオが死んだのは、あなたのせいじゃないでしょ!?あれは事故だったんだから!!」
「…」
「アキオがいなくなって、あなたが会社に来てくれて…社長も喜んでた。
『いい青年に巡り合った。アキオの事は今でも残念でしょうがないが、
達也クンにアキオが逢わせてくれたんやな』って。」
「…オレにはもう、関係のない話だ…それに、江坂の爺いには、借りは返してあるつもりだ…」
オレはあの海難事故が起こってから、3年程 江坂精密鐵工所に勤務していた。あいつの代わりに、何かできないか、少しでも償いができるなら…
「あなたが今、何かを追ってるのは、知ってる。でもそれって、意味がある事なの?ねえ、帰って来て!」
「…今では会社も、ちゃんと稼動してるじゃないか…JAXXAから発注を受ける程、な…」
「それはあなたの大学で研究した理論があったからよ!お願い、もう一度…」
「口止めしてきたが…今回は江坂の爺イに伝えておけ…。北見が、来た。
このジャンキー同士の闘いが終わったとしても、帰る気は…ない、とな。」
「ち…チョっと…!」
ぷつっ…

そうだ…
…ヤツにリベンジを果たすまでは、オレはどこにも帰るとこなんか…ない…。
3年間、江坂精密鐵工所で勤務して得た金…全てを、リールチューニングに費やし、ヤツを追い求めてる…
224名無し三平:2011/05/09(月) 10:26:35.68 O
セクター3 3日前
PM4:17
−−キャスティング ツナ−−か−−−
アングラーに取っては、最高峰とも言えるだろう…
ロッド、リール、ライン、ルアー…スイベルに至るまで、最高の耐久性と尚且つ最高のテクニックが要求される…
恐らくセクター3が、ファイナルステージであるのは間違いない。
ヤツの本気を−100%の本気を−引き出してやる。
工房に篭り、゛ゼロ″を分解掃除し始める グリスを拭き取り、再グリスし…
メインシャフトの Made for ZERO NIPPONの文字が、グリスに埋もれ、鈍く浮かび上がっていた。
ラインは6号…ドラグはMAX8kgプラス2。
ロッドはカーペンター ビッグツナOMA92
…これしか、ない…
国内最高の道具立てで、ヤツを倒す。
225名無し三平:2011/05/09(月) 10:27:36.82 O
−−大阪 江坂精密鐵工所−−
「なんやてェ!?た、達也と、連絡取ってた、やて!?しかも北見はんの相手が、達也て、どーゆーこっちゃ!それは!」
「ゴメンなさい!社長…どーしても言えなくて…」
「ナンでやねん!?ワシになんで一言…」
「…口止め、されてたんです…あの人に…」
「…レイナ…惚れてンのか?達也に…」
「ちっ…違いますヨ!」
「無理とか、嘘言うたらあかんで、そら、アキオとの事もあって、言いにくいかわからんけど…」
「…違います。そういうんじゃないですけど…」
「ほな、なんや…?」
「なんか…あの人、すごく…苦しんでるって思うんです。いつかは社長に伝えなくちゃ、って思ってたんですけど…」
「…」
「自分がやってきた事、終わりにしたい、って…そう、思ってるんじゃないか、って」
「北見はんの事…か?」
「ええ…あの人、何かを追ってるんです。何かはわかんないんですけど…それ、終わりにしたがってる、って」
「…」
「今までは何があっても、社長には言うな、って…でも今回は違った。何か…胸騒ぎがするんです。」
「ワシも北見はんから仕事請けた時に、ナ…ひょっとして、北見はんの相手、達也やないか、って思っとったんや。
…レイナ…達也は今、どこにおんねや…?」
「…」
「言わんかいッ!!いまさらこれ以上、ワシを部外者扱いすなッ!」
「…○×市…」
「ちょう、待て…北見はん…番号は…あ、あった……
…北見はんでっか?ご無沙汰しとりまんな。江坂です。今、ちょう時間エエですか?
勝負、してはりまんのやろ?例の…そうそう。次はいつですの?はい、あー、場所は?なるほど。
ワシ、行きたいんでっけど。いや、行かせてもらいますわ。なんで?…ま、いろいろありまして。
はあ。ああ、邪魔ならんようしときますんで。はあ。はい。おおきに。はい。ほな、そん時に。」
「…」
「レイナ、現場、行くぞ。」

4人の運命が…大きく動き出した。
226名無し三平:2011/05/09(月) 10:28:31.04 O
セクター3 当日
AM2:48
おそらく、おれは今日を最後にして結果がどうあろうと…
2度と自らロッドを握って海に立つことはないだろう…
最高の舞台に、最高のターゲット…悔いは、ない…
すでに駐車してあるオンボロの1BOXからは、セクター2の時と同じ歌手、Janis JoplinのSummer Timeが物憂げに流れていた。
「待たせたな…」
おれはバードイーターの車の近くで声をかけた。
…ガチャッ…
ドアが開き、ヤツが車外に出てきた
「悪いが、今日はお客さんがいるンだ。お前も知ってるかもしれんが、おれの゛ゼロ″の父親とも言える…江坂サンだ。」
「達也…」
その瞬間だった。
バードイーターの目に、ギラリとした生気が宿った…が、
一瞬で再びいつものヤツに戻り…
「…フン…好きにするがいい…ただし、同じ船に乗るのはゴメンだ…」
「江坂サンたちは、別の船を仕立ててる。おれ達は、おれ達の勝負をする。
積もる話もあるだろうが、おれも今日の勝負は…誰にだって、邪魔されたくはない。」
「…クククッ…ジャンキー…か」
ヤツはそう言いながら、今日のバディ、ロッドケースとタックルボックスを引きずり出した。
「−−さァ、一流同士の一流の闘いだ−−楽しませてくれ−−゛ゼロ″…クククッ」
227名無し三平:2011/05/09(月) 10:31:25.41 O
船は快調に、黒潮本流を目指していた。後ろに江坂のおやっサンを乗せたクルーザーを従え、片道2時間…
ワッチクルーからの報告を待ちながら、じりじりとした焦燥感をスパイスに…沈黙がキャビンを支配していた。
「今日が最終ステージだ…何人かに、オレは勝負を挑まれて、そして全てに勝利してきた…」
「…」
「セクター3まで到達したのは…゛ゼロ″、お前だけ、だった…」
「…随分と、お前にしちゃ、饒舌じゃねーか、バードイーター。
江坂のおやっサンと会ったから、か?」
…ギラリ…
再び、ヤツの目に生気がやどり、一瞬で爆発した。
「ナメた事言ってんじゃねえ!!」
しかし、それもまた 一瞬の事だった。
「…明日から 勝負の行方がどうあろうと、オレはオレのターゲットを再び追い始め、お前はお前の生活に戻る…」
「…」
「面白いと、思わないか…?゛ゼロ″。歴史や、記録なんかには決して残らないが、本当の頂上決戦は…オレ達みたいな男によって、行われてるんだ…」
「…お前のターゲットとは…何だ…?」
遮るように、アナウンスが流れた。
−−鳥山発見−−アングラーはデッキへ−−
228名無し三平:2011/05/09(月) 10:32:49.97 O
ギイギイ、ギャアギャアと鳴き喚く海鳥…一面に沸き立つ海面
−ドカン!−
時折、ジャンプする巨大な弾丸…
−−来た−−
「クククッ…ついに…来たな…」
ヤツのタックルは−Fisherman BIG GAME TUNA−
往年の…一時代を築いた頃のモデルなのは、ラッピングから見て明らかだった。
ルアーは…表現し辛いが、明らかに自分で削り出した、一種独特な形のもの リップレスで、アイすら装着されていないものだった。
デフォルメされ、魚に似せる事すら考えていないカラー…
だが、ボディにはいくつかの歯型が刻まれ、巷のルアービルダーが自己満足のために作り上げるファンシーな物とは違うと主張しているようだった。
おれは タックルハウスの「Shibukiを結び、その時を待つ…」
「さあ…これから沖揚がりの時間までがオレ達の生きる時間だ…戦端を開こうか…ククク…」
ヤツはおもむろにポケットに手を入れ、コインを取り出した。
「コイツが海に落ちればスタートだ。」
…ピイィィン…チャポン…
「GO−−!!!」
229名無し三平:2011/05/09(月) 10:33:31.08 O
−−クルーザーデッキ−−
「…どうやら始まったみたいやな…」
「…ええ。あの…聞いてたん…ですか?」
「何が、や?」
「達也がこんな暮らしをしてた、って事−−」
「−いや、具体的な事なんかいっこも知らんやった。ただ−−」
「…?」
「あいつがうちを辞める時、『これから自分のケリを付けるための生き方をする』言うてたから、想像はしとった。」
「…達也、もしかして…終わらせたいんじゃないかしら…?」
「…?」
「だから今回は、『社長に伝えとけ』なんて電話で…」
「…それはわからんな…。ひょっとすると本当の意味で、ワシらと訣別するためにそう言ったんかもわからんし、
ひょっとしたらレイナの思ってる通りかもわからん。」
「…」
「…いずれにしろ、今日のこの勝負が終われば、なんか見えてくるやろ…。それまではこないして見守る事しか、でけへん。」
「…男の人って…わかんない…」
「つまらん事に、おのれの総てをかけるんが、男や。
プライドも経験も思いもなんもかも ポケットに突っ込んで、やせ我慢しながら勝負しようとすんねん。」
「…」
「…まあ、ゆっくりと見守ろうやないか…
2人の男が、足掻いて足掻いて、死に物狂いでつかみ取ったモン、ぶつけ合う勝負を…」
230名無し三平:2011/05/09(月) 21:54:08.28 O
WKTK
231名無し三平:2011/05/10(火) 12:42:38.86 O
お世話になってきた、「バードイーター」シリーズ、ようやく今夜辺りで最終話までアップできそうです。
途中報告まで。
232 忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/05/10(火) 13:00:46.71 0
新連載楽しみ
233名無し三平:2011/05/10(火) 22:16:43.49 O
お騒がせしてます。
フィナーレまで、一気に行きます!!
234名無し三平:2011/05/10(火) 22:19:31.44 O
キャスト−−−
唸りを上げ、飛び交うルアーは、まるでボクサーの打ち合うジャブのようだった…
お互いに決定打を探り、パンチを繰り出す 報酬はおのれ自身のプライドのみ−

バードイーターの繰り出すテクニックは…ヤツの総て凍り付いたような人格とは相反し、多彩を極めていた。
スロージャーク、ファーストリトリーブ、ロングピッチからショートなトウィッチ、スローリトリーブ…
そして、何よりもルアーは驚異的な飛距離を稼ぎ出していた。ナブラ打ちに特化し、進化させている…

コイツ…シイラの時よりもはるかに多くの切り口で責めてやがる…
そう思った瞬間だった。
おれの「Shibuki」を、黒い弾丸が突き上げた。
「ドンッ!!!」
−ヒット!−
おれのカーペンターがバットまで曲がる…
推定70ポンド…
「゛ゼロ″、頼んだぜェ!!」
ガツンとフッキングのアッパーをターゲットに食らわせ、ギンバルに竿尻をこじ入れて…
ファーストランに備えていく。
正確にピッチを刻んだドラグが、設定重量の分だけブレーキをかけ、クロマグロの走りを受け止めていった。
「ククク…そう、来なくっちゃあ、な…」
バードイーターが不敵に笑いかけて来る…
…走ってみろ…お前の息が切れるまで…
ロッドを高く保持し、最大限のプレッシャーを掛け、゛ゼロ″のパフォーマンスをMaxへ…

235名無し三平:2011/05/10(火) 22:20:47.12 0
Go------!!
236名無し三平:2011/05/10(火) 22:21:50.27 O
−キリキリキリ…−
バードイーターの立ち位置から、突然のドラグ音が響いた…
BG TUNAのバット位置があらわになり、ヤツもショートアッパーを何度もターゲットに見舞っていた。
…やるじゃないか…これだけの闘いを演出できる相手…
「ヒットだ…50ポンドクラス…」
「追いかけて来い…!今度はおれが前を走る!」
「ククク…可変ドラグの真骨頂を見せてやる…」
船中ダブルヒットに、クルーの動きが慌ただしくなり、サポートスタッフが走り回る中、
2本のツナロッドの描くベンディングカーブが競い合うように並んだ。

止まってはランを繰り返すターゲットの動きにキレがなくなりはじめ、ゆっくりしたポンピングで寄せてくる…
マグロ類特有の、ぐるぐると円を描きながら70ポンドクラスが揚がりはじめ、最後のランも竿でいなし、巨体が視界に入って来た。
クルーのギャフが掛かり…フィニッシュへ−−
通常ならば歓喜と心地好い疲労感に包まれる時間も、今日だけは じりじりとした焦燥感しか感じられなかった。
−ヤツの獲物は−?
少し小振りのターゲットを相手にしていたヤツを見てみると−−
ランを凌いだ後、ぐいぐいと寄せている様子が解った。
−−セカンドランからの逃走距離が極端に短くなっている−−
疲労したターゲットに、前のランにかかった荷重以上のドラグがのしかかっていく−−
それはいみじくも、巨大なタランチュラが獲物にのしかかり、抑えつけた上で牙を剥く−
そんな事をイメージさせた。
「クククッ…『捕る』ために特化させたリール それが゛バードイーター″なのさ…」
船縁での最後の抵抗も、軽いロッド操作でいなし…
「フィニッシュだ…」
同時に船は、遠ざかりつつあった鳥山に向け、エンジン音を高め 突進していった。
237名無し三平:2011/05/10(火) 22:24:04.94 O
再び鳥山に接近し、スローダウンしながら間合いを詰めると…ラウンドの再開だった。
ヤツはショートパンプさせながらルアーをスライド・ダイビングさせ、ターゲットの突進を誘っている。
おれは「Shibuki」を激しくダートさせながら、ヒットの瞬間を待っていた。
空中からの逆落としアタック…しつこく追って来る、海鳥の猛攻に辟易しながら、海中からのコンタクトを誘う…
ほぼ並走する形になった2つのルアーの直後の海面が不気味に盛り上がる…
−−−見切られた…か?−−−
落胆気味の回収を終えようとした瞬間だった。
「ドンッ!!!」
いきなり全身を水面に突き上げてのアタック…!
引き当てたのは、バードイーターだった。
推定80ポンド…!!
「どうした…?゛ゼロ″。もっと、だ…もっと楽しませてくれ…」
一気にターゲットは深海を目指し、ヤツのロッドは引き絞られていった。
キリキリキリキリキリ…
ユーザーには心地よくも、ライバルにはこの上なくカンに障る、ペン特有のドラグサウンドを撒き散らして…
−やられたッ−
「クククッ…いいぞ…もがけ…。オレの凍った血を、溶かしてくれ…」
必死に潜航を試みるターゲットに、再びガツガツと追い合わせのアッパーカットを見舞い、
サディスティックな笑いを浮かべたまま バードイーターは距離を縮め始めた。
「…ほら…どうした、これくらいで音上げてんじゃねーよ…」
ぐいぐいと強いトルクで深海から強制浮上させられているターゲットが何度も抵抗を繰り返すが…
BG TUNAの強靭なブランクスと、バードイーターの可変ドラグが推定80ポンドの魚体から、容赦なく体力をそぎ落としていく…。
20分後、海面に突き刺さったPEラインがゆったりと孤を描きながら、力尽きたターゲットが海面に浮上した。
「通産推定130ポンド…全部出し切らなくちゃ、オレは倒せねーよ、゛ゼロ″。」
238名無し三平:2011/05/10(火) 22:31:41.85 O
ベイトが沈んだせいで、鳥山は消え…再び船はフルスロットルで宝の山を目指していった。
そして30分後…再び鳥山を発見。
スローダウンしながらのアプローチ…

−−ドカッ!!−−
…デカい…
明らかに先ほどの群より二回りほど大きな個体で編成された群だ…
水面を割って出現する砲弾は、恐怖さえ覚える大きさだった。
…150、いや、大きい個体なら200ポンド…?
−−キャスト−−
期待を乗せ、「Shibuki」を低伸弾道でキャストする。
ナブラは狂ったように、海面を沸騰させ、ルアーの軌道さえも変化させた。
しかし…
ルアーに反応を示す事はなかった。
…どうした…?反応しろ…
ふと、バードイーターの方に目をやると、ルアーチェンジをしていた。
「ヤツら、泡を食ってる…イワシの稚魚かなんかを、な…」
それは単なる、透明樹脂で出来たスティックだった。
ラメがまばらにちりばめられた、シンキングペンシルとも言うべきもの…
「…行け…!」
フルキャストと同時に、サミングし、絶妙なラインコントロールでナブラの進行方向に着水したヤツのルアーは、
意外なほどのスローなリトリーブで操られていった。
239名無し三平:2011/05/10(火) 22:33:16.35 O
ガツッ!
一撃、だった。
水面直下からの強烈なストライクが襲って来た。
ヤツのバードイーターが再び甲高いドラグ音を奏で、運の悪い個体が懸命の逃げを打つ…
「コイツは120ポンドクラスだ…コイツが食わなきゃ、もっとイけたんだが…な。ククッ…」
…ちくしょう…ヤツのペースにハメられてる…
なんとかしなければ…
バードイーターは巧みにロッドを操作し、さらに深海に逃げ込もうとするターゲットを補足しようと ローターに指を宛てがった。
「逃げられない…ぜ…」
ランが止まり、指を宛てがったままでショートリフティングに移る。
−−ぐっ…ぐっ…−−
深海から120ポンドの魚体が浮きはじめ、やがてランは水平方向へと移った。
「ククッ…このまま水圧と抵抗を武器にすりゃいいのに…勝った…」
ランはやがて、距離を落とし…巨体がゆらゆらと回りながら浮いて…
「フィニッシュ…」
ドカッ…!
120ポンドがデッキへ降ろされた。
240名無し三平:2011/05/10(火) 22:37:28.45 O
なんて…ヤツだ。
おれはバードイーターのテクニックに半ば見とれながらファイトの一部始終を見せられていた。いや、目を離せなかった。
コイツに…勝てるのか…?いや…まだ、やれる…
巨大な個体を狙い打ちすれば…。ナブラ直接だと、ベイトに狂ったターゲットにはおれのルアーは通じないかも知れない…
だが、群れから離れて 効率のいい、大きめの餌を食ってるヤツが、必ずいるはずだ…イチかバチか…
「行けッッ!!」
おれはあえて、ナブラを避け、ナブラ後方にキャストを集中した。
……出ない…出ろッ!……マシンガンのように打ち続け ローンウルフのようなターゲットを水面まで誘い出すんだ…
何回目のリトリーブだったろう…
突如、水面がこれまでない程の音と共に、炸裂した。
「ドバンッ!!!」
「…!!…」
あまりの衝撃…
ラインは一気に引きずられ、ドラグが唸りを上げ、回り始めた。「くッ…!」
……推定 200ポンドのローンウルフ……
ランはラインを半分まで減らし、それでもヤツは止まる気配すら見せないまま…
くそっ…!おれは最後の砦、セクター2でおれの窮地を救ったレバードラグに指を架けた。
「いっ…けェェェ!!゛ゼロ″!!」
プラス2kg…ロッドのしなりが一気に増し、負担が両肩を襲う…
20…30…40メートル…80メートルを走り、ファーストランがようやく止まる…
…捕るんだ…200ポンドの暴君を…
腰を入れ、リフティング…それはまるで、岩を持ち上げるような重量感だった。
゛ゼロ″…やれる…おれとお前なら…
1メートル、いや、30センチ刻みのリフト…
セカンドラン…
再び゛ゼロ″を、解き放つ…コイツの最大釣力を信じて…
「くっ…!」
闘いは1時間に及び、距離を詰め、巨体が確認できる頃になると…疲労が全身を覆い尽くしていた…
−−ザバァッ!!−−キャプテンまでランディングクルーとしてギャフを受けた、モンスター…
「うおおおお−−!!」
言葉にならない叫びが…全身を突き抜け、その場にへたりこむ…。沖揚がり30分前…
241名無し三平:2011/05/10(火) 22:39:30.85 O
「゛ゼロ″…楽しめたゼ…ククッ…」
バードイーターが、ロッドを持ったまま、近づいて来た…が、
突然、ヤツはロッドを持ちかえ、海へ再びルアーをキャストした。
「とうとう見つけたゼ!!『ブラックバード』!!」
…なんだ…?どうしたんだ…?
ヤツのルアー着水地点は…ボートから20メートルの距離だった。
「オイ!!どうしたんだ!!」
おれが声をかけると、ヤツの目は おれのいつも知っている『バードイーター』ではなかった。
憎しみ…悲しみ…そして、邂逅の喜び…
総てが宿る、狂気…
ボートのすぐ傍に…
「なッ…なんだ!?アレは!?」
7メートルはあろうか…1頭の頬白鮫がいた…
200ポンドのクロマグロさえも、小物に見える大きさ…
「コイツはアキオを殺ったヤツだ!!おれは見たんだ!事故の時、なぜボートが不自然に揺れたか、
そしてアキオが消えたようにいなくなったか、」
狂気を宿したまま、ヤツは狂ったようにルアーを操った。
「コイツの背鰭だ!切り欠きみたいなモリの傷痕…SR71のシルエット…コイツなんだ!!」
おれはヨロヨロと立ち上がり、ヤツに近づいた。
「オレは…オレは…!!」
「おい、止めろ!!」
頬白鮫…ブラックバードは、頚を軽く振り、ルアーに興味を見せ…
「ガバァッ…!」
カリカリカリカリッ!!
゛バードイーター″のドラグが狂ったように騒ぎ立てた。
「止めろ…!危ない…!」
「コイツを…仕留めてやる!!アキオと、おれの無くしちまった人生のために!!」
242名無し三平:2011/05/10(火) 22:41:27.25 O
−−クルーザー デッキ−−
「…終わったな…北見はんの、勝ちや…」
「そう、ね…」
「何や、あんまりうれしそうやないな…?」
沈黙が支配し、波の音だけが響く…
「少しだけ、わかったような気がする…男の人の事…」
「…多分…あいつは、無くした何かを、探していたんや。
捜し当てても、もう、戻っては来ぃへん、何かを…」
「…」
「ワシは北見はんに、賭けてた… もし、北見はんの相手が、達也やったら…あいつにそのこと、教えてくれるんやないか、て…」
「…そう…ね…」
「せやからワシは゛ゼロ″を…   …?おい、何や…?アレ…?」
「…え…?何?」
243名無し三平:2011/05/10(火) 22:44:58.07 O
「オイ!危ないから止めろ!!」
おれはバードイーターの腰を掴み、引きずられそうになるヤツを引き止めた。
「止めろ!!触るんじゃねェ!オレ一人でケリを付けるんだ!!」
船縁まで引きずられ、手摺りに身体を保持して、ヤツが怒鳴り、おれの手を払いのけた。
「…クククッ…!楽しませろ…『ブラックバード』…もっとだ…もっと…」
おれはヤツのファイト…そう表現するにはあまりに壮絶な命の奪い合いを、呆然として見ていた。
カリカリッ…ギュンッ!!
突如として、快調に鳴っていた゛バードイーター″のドラグが止み、
破壊音に近いリールの悲鳴が響いた…!
…PEがスプールに食い込んだ…
一瞬で理解したおれは、慌ててヤツに駆け寄ろうと…

ガタガタッ…!ザバーン!!
落水!!!
「おい!!竿を離せ!!」
バードイーターは…自らを死刑執行人に、ブラックバードに誘われるまま…ディープブルーの海に飲み込まれていった…
244名無し三平:2011/05/10(火) 23:05:10.03 0
後日
おれは海上保安庁の取り調べを受ける中、バードイーター・・・いや、島達也の人生全てを知った。
達也が一人の青年から、いかにしてジャンキーとなり、ブラックバードを追い詰めようとしたか・・・
ターゲットの回遊に合わせて日本国中を廻り・・・
しかし、達也は・・・ほんとうは解っていたンじゃないか、と思うンだ。
自分は破滅の旅を続けている、ッてことを。
そして、そうせざるを得ない自分を許せなかった・・・。
泣きじゃくる女の子・・・レイナさん、って言ってたナ・・・。
そして、背中を見せたまま震えていた、江坂のおやッサン・・・。
達也を含め、この3人は本当に存在したンだろうか・・・?
全ては夢の中の出来事だったような気がする・・・。
      足早に足元を泳ぎ去る風
ヤツが言ってた言葉を思いだしちまった。
『面白いと、思わないか?”ゼロ”。歴史や、記録なんかには決して残らないが、本当の頂上決戦は・・・オレ達みたいな男によって、行われているんだ・・・』

ちくしょー・・・・。
おれは家を出て、海へと向かい・・・太平洋を臨む切り立った丘へと登った。
潮騒が妙に耳に気持ちが良かった・・・・
「お前も・・・・逝け、”ゼロ”・・・・・」

おれは海へと”ゼロ”を解き放った。
男達の夢を飲み込んだ海へ・・・”ゼロ”はきらきらと光を反射させながら静かに沈んで行った。


                「FIN」
245名無し三平:2011/05/10(火) 23:07:39.10 0
え〜〜、最後にパソから書き込みしました。
携帯から規制を食らって書き込めなくなったorz

お騒がせした「バードイーター」シリーズ、シリアス編、これにて。
ありがとうございますた。
246名無し三平:2011/05/10(火) 23:11:38.33 O
>>245
いやー
久々釣り板で楽しませて貰ったよ
また構想練ってアップしとくれ

247名無し三平:2011/05/10(火) 23:17:14.52 0
>>245
お疲れ様です
とつても面白かったです
ありがとうございました
248名無し三平:2011/05/10(火) 23:18:37.82 0
( ゚Д゚ノノ"☆パチパチパチパチ
スゲー面白かったぜ 毎日楽しみに読んでた ありがとう
次回作も思いついたら書いてくれな
まとめ
>>163-164,171,173-175,183-185,187,189-191,193-194,198-199,202,204,206-211,223-229,234,236-244
249名無し三平:2011/05/10(火) 23:40:04.44 0
チョ〜乙です、釣りってロマンですよね
終わってしまって寂しいけれど面白かったよっ!
充電したらまたアップしてね〜、楽しい時間をありがとう。
250名無し三平:2011/05/10(火) 23:55:30.40 O
乙です
スゲー楽しませてもらいました
これ、漫画にしてもらいたいっす
251名無し三平:2011/05/11(水) 08:03:27.90 O
>>246
次かあ…うー…
頑張ってみるw
>>247
楽しんでいただけましたか。よかった。
>>248
拍手w普通にうれしいっス。まとめまでしてくれて、多謝。
>>249
そうですね。ロマン…これがあるからやめらんねw
>>250
身にあまる言葉っス。


みんな、ありがとう!!
252名無し三平:2011/05/11(水) 08:09:38.55 O
>>251イカ釣り編まだ?
253 忍法帖【Lv=9,xxxP】 :2011/05/11(水) 09:34:41.82 0
3レス読み切りくらいがいいなぁ
254名無し三平:2011/05/11(水) 11:34:36.40 0
すげぇ労力乙w
面白いが、湾岸風味には欠けた感がある気もする。

ただ、ココにカキコするだけじゃ勿体ないから、投稿とかしてみたら良いんでないか?
せめてホムペやブログなんかをやるとかさ。
255名無し三平:2011/05/11(水) 12:13:06.66 O
>>252
無茶言うんじゃありませんwてか、イカはあんまりやんないからわかんない…
>>253
うむ。おれも最初はダラダラgdgd書くつもりはなかったんだが
なんか、作家さんとか、
「キャラが独立して命が入って一人歩きしはじめる」とか言うじゃん?もちろんおれなんかが作家気取りなんてウケるんだけどw
そんな気分になっちゃった。
本当は2ちゃんなんだから3レスくらいのが読みやすくていいな、なんて思う。ごめんよ。
>>254
湾岸風味w
作家さんの力は偉大でおれなんか及ばないのの証明だな。うむ。
さすがにブログやホムペや投稿は…w
おれ自身は2ちゃんで遊んでんのが似合いだよw

引っ張ると次のおもしろ投稿の邪魔にもなるだろうからこれっくらいでw
ご意見、ありがとう。
256名無し三平:2011/05/11(水) 13:51:16.38 O
>>255エギング編宜しくお願いします。
257名無し三平:2011/05/11(水) 22:27:20.84 O
テクってのはたった2、3日でどうにかなるようなもんじゃねーんだ

どうすれば思い通りに餌木が動いてくれるのかを‥
トコトン考えて
トコトンシャクりこむしかない

オレなんざ現役でシャクってるころは夢の中でさえも●●港を攻めてたぜ

寝ても覚めても考えることといえばエギングのことだけだったよ

それで ちょっとでも思いつくことがあれば
夜中でもふとんからとび出して海で試しにいくんだ
ジョーシキでは考えられないような
すっとんきょうなことも試したな

10コ思いついたアイデアのうち9つは使いものにならなかったが
それでも懲りずにシャクり続けたよ

技術(テク)ってなァ
そういうもんだ
教えられて身につくもんじゃねぇよ
自分でつくるものなんだ‥
帰んな

力になれなくてわるかったな‥
258名無し三平:2011/05/12(木) 19:32:49.10 O
ん?
豆腐屋のオヤジじゃね?
259名無し三平:2011/05/12(木) 19:50:13.17 O
>>257終わり?
260名無し三平:2011/05/12(木) 20:12:20.37 0
活気があるな、一時はDAT落ちしそうだったクククッ・・・。
愛こそすべてだとあらためて感じた、紛れもない釣り愛だった。
261名無し三平:2011/05/12(木) 20:32:34.78 0
>>257
で?
262名無し三平:2011/05/12(木) 20:43:25.33 O
>>261でって言われてもw>>257は「力になれねーから帰れ」つってるしw
263名無し三平:2011/05/12(木) 21:30:08.75 0
荒れそうな悪寒
264257:2011/05/12(木) 22:09:13.30 O
>>258の指摘の通りで「頭●●D」からだけど、スレの主旨から外れてるよな

スレ汚しスマンm(_ _)m
265名無し三平:2011/05/13(金) 00:20:33.89 0
巷ではどこに行ってもエギンガーだらけ
どいつもこいつも決まって2.5号を結んでやがる
俺から見たらコイツらはただのガキ・・・
ロクに底も取らずにシャクったら乗ってたのママゴト同然

俺のホームのコンクリート一文字の先端には決まってヤツがいる
鴉-KARASU-
俺はヤツの事をそう呼ぶ
アイツの周りには墨の絨毯の上に無数のカラストンビがばらまかれている
地元の漁師でもKARASUの絨毯に乗ることは許されない

ヤツのタックルは竿とは名前だけの竿竹
どこの竿竹屋の竿竹かを知るヤツはいない
リールは付けないでナイロン40ポンドの直結
エギは7寸の漆黒のエギ
俺の想像だが黒ではなくイカの墨かもナ

始めて鴉-KARASU-を見た時には脳に電撃が走った
狂ってやがる・・・
266名無し三平:2011/05/13(金) 09:07:42.55 O
wktk
どんな展開になるんだろう
267 忍法帖【Lv=11,xxxPT】 :2011/05/13(金) 10:08:33.02 0
悪魔の餌木
268名無し三平:2011/05/13(金) 16:37:50.06 0
世間一般のエギングは
8.6ftの竿に2500のリールにPE0.8号をセット
フロロのリーダー2号にエギ3.5号という定番


俺のタックルは廃車寸前のヒラスズキ用のタックル
DAIKO DESPERADO(HIRA SPECIAL)DS-1263HS、通称:SARASHI
リールはTOURNAMENT FORCE 3500にPE1.5号にフロロの20ポンドをセット
エギはYO-ZURI 大分型U シャクリ 布巻の4.5寸メイン、通称- EGI "OITA" -
この武器をみたガキ共は自然に俺から遠ざかる
クックック

しかしヤツを見た途端俺の常識は吹っ飛んじまった・・・
アイツのシャクリ音は1000羽の鴉が鳴くような轟音
カカカッッッッガン・・・グオオオオオオオオオン・・・
耳栓無しでヤツの周囲20mに近づくのは自殺行為だ
自然と俺の顔はニヤけていた
コイツなら・・・


269名無し三平:2011/05/13(金) 17:53:46.33 O
それから!それから!
270 忍法帖【Lv=18,xxxPT】 :2011/05/13(金) 18:43:01.28 0
続きまだー
271名無し三平:2011/05/13(金) 20:14:41.80 0
>>268はフィニッシュに向けての構想をねってるハズだ。
がんばれ!
wktwして来た!
272名無し三平:2011/05/13(金) 20:51:50.64 0
イツなら俺の相手になるかも知れない・・・
クックック

俺のハンティングスタイルは4.5寸のエギを100m以上ぶん投げる
ソコを取りダブルハンドで海を割る勢いで一気にエギをシャクリ上げる
グワアアアアアアアアアン シュバアアアン
俺のSARASHIが旋律を奏でる
シャクリで10m以上舞い上がったエギにヤツが乗る
合わせた瞬間にヤツは為す術もなく海面に浮上
墨を吐く暇も与えずに海の上を滑らせる
ドラグなど俺にとっては不要・・・!

鴉-KARASU-のハンティングを見たときに俺は思わず目を疑った
ナンだコレは・・・
ヤツはエギを足下に放り込む
そして底を取り一気に竿竹をシャクリあげる
カカカッッッッガン・・・グオオオオオオオオオン・・・
その音と同時にエギが海面を割り天高く舞い上がる
そして着水と同時にイカがエギを抱く
シュッパアアアアアン
合わせを入れた瞬間にイカはヤツの横に白くなり横たわっている
カツオの1本ヅリじゃナイカ・・・・・
273268:2011/05/13(金) 20:54:19.27 0
読んでくれてありがとう
次は月曜日か火曜日になります

こういう小説書くの始めてだからつまらなくても許してくれ
カカカッッッッガン・・・グオオオオオオオオオン・・・
274名無し三平:2011/05/13(金) 22:49:53.84 0
>>273
無かったことにしてあげるよ
275名無し三平:2011/05/13(金) 22:55:52.17 O
書きながら結末考えるのもいいと想うが、
結末(落ち)をまず考えて(悲劇・喜劇)そこに向けて話を進めていくのもいいかもしんないよ。
276名無し三平:2011/05/14(土) 20:52:37.63 0
頑張れよ
277名無し三平:2011/05/14(土) 20:58:03.73 O

そうはゆっても>>273は皆に愛されてるぜメーン

278名無し三平:2011/05/14(土) 21:08:38.94 0
あいちてゆ
279名無し三平:2011/05/14(土) 22:03:55.63 0
>>277
うむ。懸命な姿勢が見えるゼ
280名無し三平:2011/05/14(土) 22:34:16.06 0
…なぁ、面白いか?
281名無し三平:2011/05/15(日) 00:20:16.25 0
>>273
気にせずがんばれ。
282名無し三平:2011/05/15(日) 18:07:54.44 0
次は期待してるぞ
283273:2011/05/16(月) 02:22:49.50 0
構想を練るために沖縄に行くことにしました
次回 ヤシガニと呼ばれた男


284名無し三平:2011/05/16(月) 11:49:09.22 0
>>283
はぁ?
285名無し三平:2011/05/16(月) 12:12:38.94 O
何を血迷って
286名無し三平:2011/05/16(月) 16:28:10.19 0
次回の湾岸ミッドナイトフィッシングは、作者の都合によりお休みいたします。
287名無し三平:2011/05/16(月) 19:15:41.65 O
一連の流れは全て壮大な釣りだったりしてw
まさに湾岸ミッドナイトフィッシング。
288名無し三平:2011/05/16(月) 19:20:47.24 0
ザリガニ釣り編

誰か書けよ
289名無し三平:2011/05/17(火) 00:06:20.05 0
せめて手長・・・
無骨な、頑丈一点張りのダイキャストボディ
下品さと紙一重の、ブラック&ゴールド
リールという機能を徹底的に追求した結果、たどり着いたシンプルな構造

フィラデルフィア工場のラインを通過し、おれの手元…極東の島国の辺境で佇むそのリールは、国産品には醸し出せない圧倒的な存在感を放っていた。
PENN Spinfisher 8500SS

おれたちペン使いからは「ハチゴー」の愛称で呼ばれる、大型スピニングリール。

きっかけは、つまんないことだった。
アキオと呼ばれてるアイツ…ツナキャスティング勝負をする事になった、おれの喧嘩相手が、おれにコイツを選択させた。
291名無し三平:2011/05/18(水) 18:00:38.59 O
−−回想−−
AM4:55
某マリーナ
静かな、夜明け前−ずらりと並んだ漁船やクルーザーの船体を、さざ波がャプチャプと洗う音だけが響いていた−−
ガヤガヤ、ワイワイと騒ぐ一角だけが、熱気と出撃前の興奮を周囲に拡散して…後はまだ、眠りについていた。
−−この雰囲気が、たまらない−−
いつも、そう思う。期待と不安、それがないまぜになり、オレ達アングラーを熱狂させる−−
おれの愛機、前日までは、ウエダCPS123に搭載されていた、PENN Spinfisher 6500SSは、今日はTENRYU MAGNA DT KILLER96を相棒にぶら下がっている。
磯釣りから始まったオレの釣り…それがいつの間にか、ルアーフィッシングへとシフトしていった。
始めは、近所の堤防からだった。
豆アジをサビキで釣り、イカや太刀魚狙い…それに、セイゴが飛びついた。
−ルアーで釣れるんじゃねーか?−
きっかけはそんなとこ−−
292名無し三平:2011/05/18(水) 18:01:15.00 O
そして、若さもあって、のめり込んでいくのは早かった。
堤防から、大型を求め河川へ−磯のヒラスズキ、青物−−
そして今日、ついに乗り合い船でシイラのオフショアデビュー。
わずか2年で、磯の上物師からここまで…
−ドルンドルンドルンドルン…−
船のアイドリング音に心拍数が重なり、気分は泡立ち、沸騰して来る。
ロッドケースから竿を取り出し、ロケットランチャーのように並んだ筒型ロッドホルダーに差し込む。
ずらりと並んだ派手なカラーリングのオフショアロッド達…クラクラする高揚感…

−−さあ…これから、あの瞬間に連れてってくれ−−

ずしりと重いタックルケースを置いて、オレはその時を待った。
293名無し三平:2011/05/18(水) 18:02:04.63 O
−−ドドドドドド−−
船がエンジン音を高らかに鳴らし、一気に加速していく。
…パヤオを打ちながらランガンを繰り返す、つってたな…
ポッパー系で行って…ミノーはその後で。雑誌で情報収集した通りの責め方で行くように…
ふと海を見ると、ぐんぐんと透明度を増し、波を切って進む船の蹴立てる白い筋が果てしなく続いていた。
陸地が遥か遠くなり、やがて遠目に旗を立てたパヤオが小さく見えて…徐々に近づいて来る。

「ピーッ…そろそろ準備して…ガチャッ」
キャプテンの無愛想な放送が入り、フリークス達がガチャガチャとロッドホルダーからロッドを取り出し始めた。

…手始めは、コイツだ…
オレはタックルケースの中からスカジットデザインズ ガラポップをチョイスした。

−−バシュッ−−
パヤオ付近でシイラがジャンプ!
「おー。飛んでるナー。お客さん、今日は目ェつむったって釣れるヨ。アッハッハ!」
キャプテンから檄が入る。
「−−合図するまでは投げたらダメだヨ−−」

じりじりとする、高まる期待−−

「ハイ、いいヨーー」

−−シュコッ シュッ シュコッ シュコッ−−

リーダー結束部がガイドを通過する音を立て、乗り合いに縁を共にしたフリークス達の一日が幕を開けた。
294名無し三平:2011/05/18(水) 18:02:30.16 O
オレのガラポップは パヤオ真横10メートルに着水した。
ラインスラックを回収し、リトリーブを始めようとしたら−−−
−−なんだ−−?
船の行き足で、ぐんぐんラインが取られて…上手くルアーを操れない…
…ちくしょうッ…
オレはファーストキャストのリトリーブを諦め、ルアー回収に努め…セカンドキャスト!

再びラインスラックを回収し、ロッドアクションを入れながらリトリーブを始めた。

カポンッ…バシャッ…カポン…!
木製のアルミホイルで鱗を表現された大型ポッパーは、カタログ通りのアクションで応えてくれる。
…いいぞ…出ろ…

偏光グラスを通して ブルーの弾丸…背鰭が何枚も、ルアーを追尾して来るのが見える。
…出ろッ…!
「ガポンッ!」
…キリキリキリキリッ…
一気にオレのDT KILLER96が引き絞られ、16ポンドナイロンラインが矢のようにおれの「ロクゴー」から飛び出していった。
「ヒット…!」
突っ走る弾丸に、追い合わせをくれ、オレはそのファイトに魅了されていった−−
295名無し三平:2011/05/18(水) 18:31:52.48 O
外伝、3回に分けての投稿にしようかと思います。次は週明けくらいかな…?
296名無し三平:2011/05/19(木) 20:27:37.45 0
手応え、生命感、波、風、潮風の匂い、竿を引き絞る音、感じるぜクククッ・・・
297名無し三平:2011/05/20(金) 20:39:03.74 O
予告より少し早いけど、書き溜めた分、放出しときます。
バシュッ…−シュッ…−
横ッ飛びにカッ飛んでくシイラの連続ジャンプを、竿先を下げ、イなしてゆく−−
−これが、シイラか…
ヒラスズキにはないスピードと、青物にはないジャンプ… これが…
次々と、周りから「ヒット」の声が出始め、船上はにわかに騒がしさを増していった。
…その中で、一際異彩を放っていたヤツがいた。

「…ヒットォ!」
…コイツの使ってるのは…バスロッド…?
「さすがに走るナ−でも、こうやってプレッシャーをかけつづけたら…」

フルベントさせた、フリッピングロッドらしい竿を巧みに操り、シイラをコントロールしていた。
それはオレが今まで見たこともないファイトスタイルだった。
トーナメントZ3500の、ゴールドシルバーボディ…ダイワの最高峰リールから繰り出される、スムージーなドラグ…
オレはシイラを寄せながら、ヤツのファイトを横目で観察していた。
…ふん…コイツはタックルの限界域までのファイトを、肩に力みなくやってやがる…
屈託なく、素直に竿の弾力を生かし切って…

そんな事を考えながら、おれはDT Killerの生み出す強靭なトルクを利用して ターゲットをぐいぐいと寄せていった。
…ファイトスタイルこそ違うが…コイツを動かしているモノは 探究心だ…オレと、似た、コイツ…
299名無し三平:2011/05/20(金) 20:49:10.25 O
−−バタバタバタバタッ…!−−
シイラをランディングし終えて、しばらくヤツのファイトを観察していた。
「フゥー…汗、かかされたヨ」
…ドサッ…!
ヤツも程なく獲物をランディングし、視線が合った。
「…あ…シイラ、初めてなんでスか?」
「…ああ…。面白い、ターゲットだ。」
「ええ。ボクも実は2回目なんですけど、ヤミツキになりそーなンですヨ。楽しいですよネ。」
「…バスロッド、なのか…?」
「そーなんです。前に乗った時、こりゃ、走らせたらなんとか取れるンじゃないか、ッて」
「……」
「朝倉アキオ、って言います。ヨロシク。」
「…島 達也だ…」
300名無し三平:2011/05/20(金) 20:50:41.19 O
それからはしばらく、お互いの釣りを観察したり、自らのファイトに没頭したり…
しかし、その状況を変えたのはキャプテンのアナウンスだった。
「ピーッ…オイ!右斜め前、見てみろ!バショウカジキだ!」
−−−……一気に色めき立つ船内……−−−
「誰か投げてみろ!あいつら食わせるのはチョロいが、揚げたらヒーローだぜ!!」
海面から突き出た褐色のセイルは、補食者のいない王者の風格を漂わせ、ゆったりと波間に浮かんでは 消えて…
体長2メートル強の魚類最速スプリンターはシェスタを愉しんでいるかのようだった。
オレはガラポップをクロススナップから外し、SAURUSトビペンシル18cmに換装する。
−−目標捕捉…距離 40メートル前方−−ロック・オン−−
オレの中で、70年代UKパンク The CLASHの『LONDON’S BURNNING』がリズムを刻みはじめる。
−「ロンドンは退屈で燃えている!」−
そう、叫ぶように歌う Joe Strummer …そうだ、日常なんて退屈でしょうがないんだよ!
オレは心の中でリフを刻み、ルアーに弾けるような命を吹き込んでいった。
…ダイブ…ウォーク…ダイブ…
まるでライブでポゴを踊るように、海面を跳ね、セイルを誘う…
ダイブした泡にセイルが反応を見せ、突進−−
301名無し三平:2011/05/20(金) 20:51:44.19 O
−−ガパッ…!!!−−

一撃でトビペンシルを捕らえた巨大ダーツは一気に反転し、反撃へと移った。
…来るッ!…
ドバドバドバッ!!
DT Killerのバットが華麗なジャンプを受け、ルアーを弾こうとするヤツから抵抗力を奪おうとする。
−−よし−閂に掛かってる−−
フッキング位置を確認し、最大のプレッシャーをヤツへと向けて−−
…コノヤロー…シイラがライトウェイトスポーツのレビンなら…
まるでこいつは…グループCカーだ…
とんでもない最高速…とんでもない、持久力…
一気に50メートルを走り、
…また…来るッ…!!
ドバドバドバッ!!!
−−くッ−!
オレはルアーを弾かれないよう、今度はDT Killerを前に突き出し、ボウイングで凌いだ。
「ピーッ…あー、みんな、竿上げて。カジキ追っかけるヨ。」
キャプテンが声を掛け、船はエンジンを吹かし 前進しはじめた。
302名無し三平:2011/05/20(金) 20:52:44.98 O
そして、ラン…
「ロクゴー」のドラグがさっきとは全然違うピッチでラインを吐き出してゆく。
キリキリキリキリキリキリ…
巻いては、走られ、プレッシャーを掛けてはジャンプを繰り返すセイル…
時にはそのスピードは、水中でラインを「く」の字に曲げて走る程だった。
…くそっ…寄らない…
意を決して、オレは勝負に出た。
ぐ…ぎゅっ…
ドラグを1kg程度強くし、ヤツにプレッシャーを…
そう思い、ドラグノブを締めた矢先だった。

ギリギリギリギリギリギリギリギリッ………パァンッ!!!

ラインが手元で弾け飛んだ。
…ヤられたッ…
反動でデッキに転がり、したたかに腰を打ちつけてしまった…
「やー、スゴかったなァ。いいファイト、惜しかったっスね。」
「…ああ…。くそっ…!」
朝倉アキオが話し掛けて来た。
「一気に締め込まれて、PENNじゃ、キツかったでしょ?」
…なに…?
「でも、国産リールのドラグ性能でも、あんなのは難し過ぎですネ。お疲れ様でした。」
…なんだと…?
オレは答えず、憮然として立ち上がり、黙々とラインを再び巻きはじめた。
303名無し三平:2011/05/24(火) 03:21:08.59 0
読んでくれてありがとう
304名無し三平:2011/05/24(火) 21:38:33.43 0
乙でした、なんか続きありそうな気がしてね
305名無し三平:2011/05/25(水) 00:42:27.55 O
>>303
なりすましはイカンよw
>>304
続き、もちろんあります!
ただ、ごめ、まとまりきってないorz
306名無し三平:2011/05/25(水) 00:47:29.62 O
まとまり切らないままなんだが
続き、落としときます。連投&いいかげんな事言った結果になってごめんよ
307名無し三平:2011/05/25(水) 00:48:22.33 O
あまりの表情の変化に怪訝そうな顔をし、ヤツは無言で自分の釣りに戻っていった。
…くそったれ…
オレは心で毒づきながら、ヤツを睨んでいた。
「…!ヒット、ヒット!!」
ヤツが再びシイラを掛け、ファイトに移っていく。
…シュバッ…バシャンッ…

−デカい−
ジャンプの時に見せた全長…目測130cm、デコッパチと呼ばれるオスのシイラ。
…ウィィィィィィン…
トーナメントZから、一気にラインが引き抜かれ…バスロッドが弓なりにフルベントしてゆく。
…ケッ…ドデカイのを掛けやがった…だが、止められるのか…?
ヤツの愛機からはすでにラインが底を尽く寸前−−
ヤツも指でスプールを押さえ必死に防戦しているものの、ライトタックルの悲しさ、止め切れず……
−ウィィィ…ギュンッ…パチンッ!!

ラインが全て引き抜かれ、スプールで引きちぎられてしまった。

「ククッ…オレの『ロクゴー』なら、ラインストックがまだ50メートルはあった…国産じゃ、無理だ…」
「…?」
何を言いたいんだ、そんな表情を浮かべるヤツに、オレはさらに、こう続けた。
「最近の国産リールは、オレに言わせればギミックだらけのオモチャだな…」
「…」
「BBが多ければ、即、高級機種…メーカーもバカなら喜んで買ってるユーザーも、輪をかけておめでたいヤツらばかりだ…」
「…何だよ…何を言いたいんだ!ハッキリ言えよ!」
308名無し三平:2011/05/25(水) 01:03:26.35 O
「ムカつくんだよ!」
オレが手を出すのが早かったか…それともヤツだったのか
今にしてみれば、それはもう、どうでもいい。
もみ合うように殴りあい、気がついた時にはオレはキャプテンとクルーに押さえ付けられていた。
それからというもの…
オレは事あるごとに、ヤツとぶつかり合ってきた。
プラッギング、ジギング、どれを取っても、最終的な決着なんか付かなかった。
プラッギングでオレがキハダの45キロをランドすれば、ヤツはジギングで25キロのヒラマサをキャッチし…
互いの記録を破ることのできないジレンマ…
それはいつしか、互いに最終的な決着を付けなくてはならなくなっていた。
−−−そして現在−−−
…ヤツはオレに取って、どんな存在だったのか…?
ハチゴーを目の前にして、自問自答している。
−−ヤツは、オレだ−−

なかなか理解して貰えない感情かもしれない ただ、言える事は、オレがヤツを倒した時、
または、ヤツにオレが倒された時、敵愾心以外の何かが、生まれるかもしれない−−
ヤツを倒した時、自分自身を乗り越えられ、今よりも世界が広がるかもしれない…
ヤツに倒された時、その時は、また、新しいアプローチで自らの釣りに向かい合える新しい地平が開くかもしれない…

ククッ…朝倉アキオ、お前は実に愉しい男だよ…
オレは翌日の闘いに向けて、サイコーに高まりつつある…
309名無し三平:2011/06/01(水) 23:20:10.29 0
310名無し三平:2011/06/08(水) 21:07:49.56 0
続きがどうなるのか気になるけど気長にまっちょりますんで気が向いたらお願いします
311名無し三平:2011/06/10(金) 01:33:19.08 0
>>310
すまん携帯壊れてメモ帳もぶっ飛んだorz
気長に待っててくれてありがとう。
頑張ってなんとか日曜くらいにはアップできる、若しくは結末まで行けるようにしてみる・・・。
ごめん!
312名無し三平:2011/06/12(日) 01:00:32.53 O
オレは翌日のタックルを再びチェックし始めた。
ツナキャスティングゲーム…最高峰とも言えるオフショアのハンティング…
ロッドは取り回しのよいショートロッド…巨大なプラグを一日中振り回しても体力の消耗を抑えやすいように
───SAURUS N・Z(ニュージーランド) STANDUP───
戦闘ロッドと名付けられたそれは、アルミギンバルを標準装備し、ブランド随一の強靭なバットを内包していた。
それにはコイツが──オレの釣りを、初めから支え続けてくれた、PENN SPINFISHERシリーズのセカンドモデル──
“ハチゴー”の、無骨でマッヨなボディ…
313名無し三平:2011/06/12(日) 01:13:35.58 O
こいつの深溝スプールに飲み込む膨大なラインストックは、国産リールに圧倒的なアドバンテージをもたらせてくれるだろう…
マニアックな、捕るために特化したペアリング…
───完璧、だ───
グリスアップを入念に行い、各部を稼働させながら…オレは明日への静かな時をガレージで過ごしていった…
314名無し三平:2011/06/12(日) 01:19:53.39 O
だめだ
携帯変えたら、メモ帳が500文字程度(全角250文字くらい)でやんのorz
待っててくれた人、まじごめん…
また、前の前半期みたいにだらだら書き込み続けたら嫌がる人も いるだろうし、今回はこれで断念しようと思う…
結果として、スレをこんなだらだら占領することになっちまってすみませんでした。

才能ねーわおれorz
315名無し三平:2011/06/12(日) 17:03:06.35 0
>>314
おつでした
過疎スレ的だから占領とか気にしなくても平気なんじゃないかな、多分。
おれがたてたわけじゃないんだけどねwww
湾岸MIDNIGHTってわりとハードボイルドだな
ゴルゴみたいに釣りしてみようスナイポー気分で
316名無し三平:2011/06/12(日) 20:07:18.46 O
>>314
オレ達は鮫と一緒で、泳ぎ(走り)を止めたら死んでしまう悲しい生き物なのサ

おまえもまた湾岸から降りて去って行くOne of Them(多数のなかの一人)なのか?
317名無し三平:2011/06/13(月) 00:43:07.27 O
>>316
…挑発してるつもりなのか…?
このおれが、もう泳げないとでも…?
この湾岸チキンレースは終わらないんだろ?
舐めるんじゃねーぜ!
続けてやるゼ!
318名無し三平:2011/06/13(月) 10:20:18.29 0
>>317
皆お前に期待してるんだ!
俺達を悲しませるんじゃねぇ!
続き待ってるぜ!
319名無し三平:2011/06/13(月) 17:17:28.63 O
>>317
ククク…やっとブースト掛かって来たか…
手のかかるエンジンだぜ、まったくよォー
320バードイーター ライジング 対決!!:2011/06/14(火) 22:44:53.35 O
──当日 AM3:00──

・ ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・・!

目覚ましに起こされ、オレはベッドを抜け出した。

眠い目をこすり、ゆっくりと立ち上がって 対決の日を迎えたことを反芻してゆく・・・。

───クククッ・・・。ようやく、この日が 来た。 今日の勝負、タックルの差なんてモンは関係なくなるだろう。 差ができるとすれば、それは───好奇心に裏打ちされた、探究心───

そして、それぞれの思いが 勝敗を分ける───

そうさ・・・オレは、ヤツだ・・・。

自分自身の影を越すことによって唯一、ヤツに勝つことができるンだ。

この日のために、オレはルアーをカスタムし、完成させていた。

Valley Hill Atoll Jack pencilをインスパイア レジン樹脂を素材にした、シンキングペンシル。

比重が1.1と、限りなく海水に近く 水に絡みつくような水面直下でのダンスとダイブ 透過光と表面の反射、そしてボーマー ロングAのように反射材をサンドしている艶かしいボディ

そしてボディサイズの割には圧倒的な自重を誇る、ジグ並の飛距離。

こいつで、ヤツを倒してやる・・・。

──時間だ──

オレは完成した10本をタックスケースに仕舞い込み、家を後にした。

マリーナまで後15分、対決の時まで後、40分──
321バードイーター ライジング 対決!!:2011/06/14(火) 22:49:01.25 O
ガレージに入ると、オレの愛車 プリメーラHP10が静かに乗車を待っていた。

一見ファミリーカーにしか見えない外観 しかし、その心臓部はシルビアにも採用されたSR20DEを搭載し、足回りと剛性の高さ そしてオレ達のようなフリークスにとってはありがたい 大容量のトランクが用意されていた。

カシャシャシャ・・・・ブフォン!!

一発で4気筒Egが目を覚まし、インパネに命が宿る。

吸気系・排気系ともにRS・Rのパーツを入れ、足回りはKYB、ROMチューンの上に、Egフルバランスを取った 羊の皮をかぶった狼・・・。

釣り場まで最短時間で移動し、大容量の荷物を運べる、オレの足──

国道から逸れて、片側通行のような山道でさえ遠慮なくカッ飛ばせる、理想のツール。

RECAROのバケットに身を沈め、Momoのヴェローチェ レーシングを握り締めて 強化クラッチで踏力の増したペダルを蹴飛ばすように踏み込む。

カコンッ  クイックシフトにチェンジしているギアをシフトし、アクセルを開け、ガレージを出発

──フリークス達の全てを賭けたバトル 走り出した──
322名無し三平:2011/06/19(日) 17:21:17.06 0
いや──

そっかあ
コレが
面白いかあ
わかんないなあ
323名無し三平:2011/06/20(月) 03:49:28.65 0
俺も
324名無し三平:2011/06/20(月) 06:37:23.88 O
なんか自演クサイ…
325名無し三平:2011/06/20(月) 16:17:27.33 0
つまんね
326名無し三平:2011/06/21(火) 08:01:40.90 0
おれは面白いが。続行してくれ
327名無し三平:2011/06/21(火) 14:13:31.96 0
今のところつまんねぇけど続行してみろ
328名無し三平:2011/07/11(月) 21:24:33.40 0
はやくも夏バテあげだ、クククッ
329名無し三平:2011/07/18(月) 22:58:40.90 0
この世界は降りるのも自由ってことだナ
330名無し三平:2011/07/20(水) 16:32:33.48 0
スレをageる―――
反社会的で狂った行為だ―――
331名無し三平:2011/08/11(木) 16:15:15.38 I
アキオーっ
オレ、生ミックな!
332名無し三平:2011/08/20(土) 23:26:26.39 0
>>331
お前が一人で買うんだヨ
333名無し三平:2011/08/20(土) 23:26:46.73 0
ま、こういう流れになるだろうナ
334名無し三平:2011/08/23(火) 21:33:19.44 0
コト…
335名無し三平:2011/08/25(木) 22:50:06.29 0
コト…
336名無し三平:2011/09/01(木) 22:58:11.38 0
スピンキャスト命って奴は世の中に まァ ゴマンといるが
ことスピンキャストがリールとして最高と思ってる奴は少ないと思うヨ
包茎リールだとか大リーグボール養成ギプスとか
みーんな自嘲的に笑ったりしてナ
で 他に乗り換えた時気づくのヨ
アレよかったって

そして戻れる奴は再びスピンキャストに戻るし、
事情が許さず戻れない奴も、ずっと忘れないリールになるのヨ
突出していたのはリールの性能だけじゃなく
その存在そのものなんだったと気づくのヨ
337名無し三平:2011/09/11(日) 00:27:52.84 0
カメラ板のほうが面白いな
所詮たかがつり道具だし
338名無し三平:2011/09/11(日) 14:03:42.25 0
この釣りは終わった。
あきらめろ。
339名無し三平:2011/09/11(日) 22:19:42.98 0
スレタイも読めない勘違いバカのせいで終わったなこのスレ
340名無し三平:2011/10/13(木) 01:46:07.11 O
341名無し三平:2011/11/06(日) 20:43:26.44 0
夜釣り用発電機にL型3.2?とは奢ったな

ふっ 重くて荷台から降ろせないことは考えていなかったぜ
342名無し三平:2011/11/06(日) 23:16:51.80 0
まあ、とりあえずコレでも聴いて気を取り直しなはれや
http://youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&rl=yes&v=vIWUZwweOBo
343名無し三平:2011/11/27(日) 17:34:19.16 0
クククッ・・・異常だぜこの時期に落ちアユ釣りなんて
だが、いるんだから仕方ないんだ
上流にも残っている、雨後にはそいつらが落ちてくる
まだ終わっちゃいない、道具は仕舞うことが出来ない
344名無し三平:2011/12/03(土) 07:09:33.53 0
>>341
ワロタ
345名無し三平:2011/12/17(土) 03:09:40.16 0
tes
346名無し三平:2011/12/20(火) 08:04:01.47 O
よしっ!先客は居ない、オールクリア!
行けーー!!
347名無し三平:2011/12/25(日) 12:40:20.06 0
5月頃は盛り上がっていたな
戻ってくる者もいれば行方知れずな者も・・・
そして新たな者も訪れる、ジャンキーは滅びないクククッ
348名無し三平:2011/12/25(日) 14:13:57.44 0
いいや、もういいだろう。
散々甦って何度となくジャンキー達を虜にしてきたこのスレだが、もう終わりにしよう。
落ちても起こし、落ちても起こし、いったい何人のジャンキー達を作って来たか…
もういいだろう、安らかに眠らせてやってくれ。











カタッ
349名無し三平:2011/12/25(日) 21:38:47.22 0
いいのか?
あんた・・・
本当にそれでいいのか?
350名無し三平:2012/01/19(木) 00:13:15.04 0
悪魔のZは不死身・・・あれは嘘だったのか
351名無し三平:2012/01/19(木) 14:36:11.68 O
まさか闇に紛れズロースを穿いているとはな・・
S-MXで釣り場に前夜到着したが
デリヘル呼んでカーセクースして朝に帰ってました。
釣り板は古い2ちゃんねるが未だに残ってるよな。
さっぱりわかりまへんわ
353名無し三平:2012/02/12(日) 22:15:51.82 0
釣り場にデリだと・・・車の中で
クククッ、見たかったぜ
354名無し三平:2012/02/13(月) 00:58:00.97 O

次は自転車屋の正体がブッコマンダーで頼むワ

355名無し三平:2012/02/16(木) 19:26:44.95 0
>>354
あ? 何を言ってるんだ?
お前が書くんだよ。

そう、一つ一つ確かめる様に。
356名無し三平:2012/02/17(金) 18:17:22.86 O
あ? 何を言ってるんダ?
お前が釣るんだヨ。 
 
割り箸にミシン糸、その先にはミミズつけてナ
357名無し三平:2012/02/17(金) 19:53:50.67 0
エギの話書いたの俺だヨ
昔はバカやってたナ
358221
そのロッドは 狂おしく身をよじる様に撓ると言う