1 :
存分に語ろう。:
釣りと出会った瞬間と面白体験を語ろうよ!!
俺は5歳くらいで釣りというものに出会った。親父に家の近所を流れる
大きな川に連れて行かれ、餌釣りでハヤ、ヤマベ、オイカワなどを釣っていた。
ただただウキが沈み、ググッていう感触が楽しくてしかたなかった。
ある日親父は簡単な毛ばりの仕掛けを買ってきて、でかいヤマベ釣りを
教えてくれた。小学生になると一人で出かけ真っ暗になるまで釣っていた。
小学5年生の時、テレビでフライフィッシングを見た。直感で、これだ!!
と思った。衝撃だった。しかし、その時は何ていう釣りか名前もわからない。
時は流れ、中学2年生。担任の先生がフライをやっていた。道具一式を
譲ってくれた。ドキドキした。西山徹の本を読み漁った。
フライで始めた釣った岩魚は生涯忘れる事はないだろう・・・。
>>1 俺も同じ様な出会い方だったなー、ナツカシイ。
最初は父親に釣れてってもらった毛鉤だった、次は吸い込み。
夏なんか8時頃まで釣りしてて親に怒られたっけ・・・
俺は小4の時クローズドフェイス一式をお年玉で買って、釣れもしないのにルアー投げてた。
そのときのバイブルは井上博司の「ルアー釣り入門」だったよ。
今では売っていないようなルアー満載で、今読むと別な意味で面白い。
>>2 お〜!!レスサンクス!!誰もいないかと思ったよ。
吸い込み??鯉だよね?俺もよくやったもんです。おもしろいよね。
ルアーがメインですか?フローティングルアーでニジマスかけた時も
衝撃だったな〜。最初ルアー見たとき、ほんとにこんなんで釣れるのか疑った
もんです。
ジサクジエンゴクロウ
>>4 1と2だけが真実を知っている。
あんたはどんな感じよ?どんな釣りしてんの?
おもろい話は、やっと買ってもらった一本竿を
初日で踏んづけて折ってしまった事。11歳の時の出来事です。
半泣きで家に帰った。
↑ 別におもしろくはない。かわいそうに・・・。
8 :
Sportster ◆2CXLH74wdg :02/10/20 02:47
>>3 2だけど、疑われるので他の板で使ってるコテハンにしたよ。
吸い込みっていっても釣れるのはデカウグイばかりでした。
大体父親があまり釣りが得意じゃなくて、高校入る頃には俺のが上手くなってたなー。
小学校の頃は釣り仲間がいたけど、皆やめて行って高校では一人で釣りしてた・・・
この歳になってから今まで付き合った女の子全てに釣り教えて、友達も引き込んだよ。
でも仲間内で一番マヂにやってるのって、やっぱ俺だな〜。
それにしても、なんで明日は天気悪いんだよ!
釣りが中止になっちまったよー、チクショウメ!!
>>8 残念ですね・・・。何を釣る予定だったのでしょう・・・?
まあ、休日は毎週って程よく降りますよね。
↑日本語おかしい。日曜は毎週のように〇
11 :
Sportster ◆2CXLH74wdg :02/10/20 02:58
>>9 堤防で小物釣りをマターリとやろうと思ってました。
そういえば釣り板、休み前なのに夜更かししてる人が多いですね。
やっぱ天気のせいかな?
俺は今でも親父と釣りに行く。親父61歳
まだ小学校に入る前のころ、
近所の川で棒に紐つけて釣りもどきみたいなことをして遊んでました。
人懐っこかった俺は鮎の友釣りやってるおっさんと仲良くなって竿も持たせてもらったり、
海に行って防波堤でサビキ釣りしてるおっさんにサビキ釣り教えてもらったりして釣りの楽しさを知りました。
小学校に入ると漫画釣り入門とかいう本を買ってもらい読み耽り、
スズメの涙ほどの小遣いでのべ竿を買い、小物を釣るうちにどんどんハマっていきますた。
釣りを始めて20年近く経ちますが、小2くらいの時にチャリで何10kmも漕いで遠征したこと、
初めてリール付きコンパクトロッドセットを買った時の感動を今でも覚えています。
今の所いいスレに育ってるじゃないか、これからも煽られないことを祈りつつお休みー。
また来るよ。
>>6 漏れはこっそり持ち出した親父の竿を折っちゃったことがある。
泣いて謝ったような気がするが。
叔父が川で死んだんで、漏れが釣りするの嫌だったみたい。
お〜。どんどん書こう。あげ
>>14 コンパクトロッドセットってどこの?
俺はRYOBIの買ってもらった憶えがある、DYNA FISH ROD CASTINGというヤツ。
6本継ぎのロッドはまだ残ってるけどリールはすぐ壊れた…
ある、水門で子供の頃釣りしてたら、変なおっさんが来て
目の前で投網ブン投げてごっそりヤマベ、フナなんかを取っていった。ビックリした。
何に使うんだろう??食えないし・・・。
小学校入りたての頃、新しくできた友達とその父親と一緒に近所の川に
注ぎ込む水門でウキ釣りをしたのが初めてだったな。
確か小さなオイカワだった。 玉ウキのペコペコする動きと、手元にプルプル
と伝わる魚の手応えが印象に残っています。
田舎の内陸部のくせに盆地だったから、鮒やウグイやオイカワがターゲット。
小学校高学年には鯉とナマズが主で、餌に使うためのザニガニ釣りを始めた。
これが意外に面白く、魚釣りとザリガニ釣りが半々になった時期もあったよ。
しばらく釣りに出かけない年月が流れたが、今年の中頃になって再開。
埼玉の近所の川に小物釣りに出かけた。
最初の獲物は甲羅長15cmほどのアカミミガメだった。 初めて亀釣った。
今は渓流タイプの管理釣り場で、渓流魚入門。
来年は自然の河川に挑戦してみたいと思っています。 まあ、放流直後なら
僅かながら可能性があるかもしれませんが、しばらくは坊主だろうなぁ。
>>19 私も同じ経験あります。
ウグイとオイカワをごっそり持って良かれ、今日はもうダメかなぁ〜と
水門近くのいつもはあまり釣れないポイントを探っているとマブナ入れ食い。
不思議だった。
>>18 台湾製のおもちゃみたいなヤツ。
1,8m 10号くらいの竿にプラスチックのリール(糸は黄色)
小学生低学年で買えるのはこんなんだけだたーよw
最初は糸に石巻き付けてキャストの練習してたっけ・・・
ばびゅーんと飛んでいくのがメチャおもろかった。
トウモロコシ畑の中の用水路で、(凄く農薬臭く、激しく汚い)平気で川に入り
フナをタモで追っかけていた。たまにコケテ水を飲んでしまう。
中学生の頃、一人で鱒釣ってたら、30歳位の綺麗な女の人に
木陰に連れて行かれヤラレテシマッタ。(管理釣り場)
気持ちエカッタ。
>26 お前こそ邪魔だ
二人とも邪魔だ!
マターリと、ね!
こういう本人は悟ってる風でイイ気になってる香具師ほどタチが悪いという罠。
議論にもなりゃしないし、どうしてそうAll or nothing的なことを言うかな。
お前って人が何か言うと、必ず「でも・・・」って言って相手の言うことを
否定するタイプだろ?
プゲラ
良スレあげ
確か小学1年の頃だったかな。スーパーで売ってた500円位の釣りセット
で、名もない池で釣った30センチ程の野鯉。玉ウキがスッと消しこんだ
瞬間、今でも鮮明に覚えてる。
その後も近くの水路でクチボソ、鮒を良く釣った。2ヵ所とも今では
住宅地になって面影も無くなってしまったよ。少年の頃のいい思い出さ。
34 :
Sportster ◆2CXLH74wdg :02/10/22 01:14
お?微妙に荒れてるかな?
>>33 初めて釣った鯉って嬉しいよね、なんか特別な魚って感じだった。
俺の場合は住んでる所から5キロ程上流のテトラ周りで釣ったんだけど、
最初は何処かのおっさんが釣ってるの見て仕掛け真似してやっと20cm位のが釣れたんだ。
家の近所でも釣れる事が分かって、それからは何十回と通って、36cmが釣れた時は嬉しくて魚拓まで取ったっけ。
今はルアー、フライ、投げもやるけど、一番好きなのは浮き釣り。
鯉もその頃と殆ど同じ仕掛けで釣ってるよ、海でも浮き釣りだし。
子供の頃の体験って刷り込まれるんだねぇ。
コイはへら釣りの時によくかかったなぁ。
60cm以上はあるサイズばかりかかって一瞬でハリスがブチ切れた。
まだあるのかなぁ、酒匂川の側のひょうたん池
あんまり良く覚えてないや・・
オフクロの故郷の信濃川で、オヤジがヤマベを釣ってるのを見てたのが、釣りとの最初の出会いかな。
自分でやったのは、西武園の金魚釣りが初めてやった釣りかもしれない。
釣りのバイブルは、小2の時にお年玉で買った小学館の入門百科シリーズ(つり・川釣り・海釣り・君は釣り名人)です。
後々ルアー釣り入門(西山徹著)も買って、この5冊は20年以上経った今でも持ってます。
もうボロボロだけどね。
オレが初めてつりと出会ったのは中一の冬だったなあ。。。
(遠くを見つめる目で)
体中に電流が走った感覚でおしっこ漏らしたかと思ったよ。
でもオシッコじゃナカータよ
オレがツリと出会った瞬間でした【おー!いい!サイコー!】
>>37 なるほど。そういう風にも捉えられるのか・・・。天才。
面白体験・・・。そういえば、中学生の頃近所の川で友達とフライをやっていて
俺がバックキャストしたら見事に友達の頭にヒット!!夕方薄暗かったので、友達は
友達はコウモリに突っつかれていると思ったらしく、必死に振り払っていた。
俺は俺で、葦にでも引っかかったかと思い、無理やりひっぺがそうとしてグイグイ
していた。その後友達は病院にいきました。
その病院てのが俺の親父が勤めている病院で、(もちろん親父もその友達を知っている。)
友達に「アブねー事をする奴も居るもんだ」といったそうです。友達は「お前の息子だよ!!」
と言いたくてしょうがなかったらしい。 友よご免。
40ゲト
俺はフナの釣堀が最初の体験かな。やっぱり小学校の低学年だったと思う。
へらウキ使ってたけど、ちょこちょこ引くのを見て真剣にアワセてたな。
よくアワセ損じて仕掛け絡ませて親父に怒られた。
アタリをじっと見てるときのワクワク感と手首にブルブル来る感触が堪らないんだよね。
そのせいか
>>34と一緒で、ほとんどウキ釣りしかやらないな。
ウキ釣りマンセー。
フライを始めた20ぐらい 北海道のある川での事 夕方になってから、ヒゲナガのスーパーハチー 夕日をバックに上流に向かって飛ぶ景色はなんとも幻想的でライズするデカ鱒を忘れたぐらい 涙がでますた そーいえば最近あたらねーなー(w
俺が小学生だったころ、友達に誘われ、始めてつりに行った。
そのとき俺は竿も持っていなくて友達の一人が持ってきた一本の竿を
使って釣りをしようとした。
川に行ってみたものの何をえさにしていいかわからず、隣で釣っていた
中学生ぐらいの人からえさをもらい、とりあえず、やってみた。
結局何も釣れなかったが、えさをくれた人たちが40cmぐらいの
鯉を釣っているのを見て、すげーと感心したよ。
それから夏休みになると毎日鯉釣りに行ったが、鯉がかかり、竿が
絞り込まれる瞬間のドキドキ感は今でもわすれられないよ。
>>43 お〜!!羨ましい〜。想像するだけで涙がでまふ・・・。
そんな時って人間の(自分の)ちっぽけさ、自然のすばらしさを実感できるよね。
あ〜、北海道はでっかいど〜。
みんな!!いっぱい書いてね。
釣りと出会った瞬間・面白体験・感動した話などなど。
よろしく。
特に、感動した話などよろしく。
物心ついた時には一人で竿を担いで近所の川に通って痛さ。
初めて釣りをした時なんて覚えてね〜ぞ!
お〜!!カコイイ!
それでこそ本当のつりキチだYO!!
今だ!ずざ〜50げと!
保全アゲ
>>47 俺もそうだな
休みのたんびに釣に連れてかれてた
釣り場が遊び場で気がついたら竿持ってたって感じ
親が言うには3〜4才ぐらいの時から自力で魚釣ってたらしい
全然覚えてないけど
釣りとの出会いで衝撃だったのは
三宅島の地磯でヒラマサ釣りをしたとき
魚に引きずり込まれそうなほど強いひきに感動した
中学生の時だった
三宅ももう逝けないからすこし寂しいな
最近は川で小魚釣るのがむしょうに楽しい
53 :
fish on:02/10/25 00:47
俺が小学生の頃か、親父が鮎のコロガシをやってた。
えらく長い竿と、針が沢山ついた仕掛が妙に印象に残ってる。
あまり釣れてた記憶はないが、「俺もいつかは!」と子供心に思った。
俺も憧れてたけど家の近所の川はコロガシ禁止なんだよな・・・
アユでは有名な川で、解禁はすげー混雑してるし。
あ〜、釣りにいきて〜。川にいきて〜。
子供の頃平気で禁漁区で山女釣ってたW
初めて釣りは毛ばりでオイカワ釣った。
あのブルブル感、それからとりこになった。
親父がいない俺にオフクロが男の子らしい遊びをさせたいと釣りに連れて行ってくれたらしい。
しばらくして、ちょっと大きめの鯉がかかって買ってもらった竿が折れてしまった。
貧乏なのはわかってたから、お袋になかなか言えなかった。
「釣りに行かないの?」と聞かれても言い出せないでごまかしてた。
しばらくして誕生日にお袋が新しい竿を買ってくれた。
まだ夜も明けぬ中、船で磯に向かうたびに思う。
初老のお袋を見るたびに思う。
ありがとう、あなたの息子でよかったと。
もうすぐガキが釣りをできる年になる。
俺はガキに何ができるんだろうと、時々考える。
多分お袋にはかなわないなと苦笑いしながら。
スレ違い失礼。
無駄な長文失礼。
>>56 マジに泣けたよ。一杯のかけそば以来だよ。
みんな最初は淡水から入っていくんだな。
そして淡水にそのまま残る者と海に行く者に
別れるのか。
>>56 いや、マジで泣きそう・・・目がウルウル
>>委員長
久しぶり・・・雇用通知書はもう出来たか?
良スレのよか〜ん。
!?
へえ〜・・・
ごめん!今日飲み会・・・
おーい!!誰も居ないのか〜???
オラの、オラたちの川を汚さねーでけれ!!
オラはこれからも魚をいっぱい釣りて―だ!!
このすばらしい自然を壊すさねーでけれ。
70ゲト
シンガポールで釣りしてキター!桟橋からの海は全くダメでダツだらけ。
大きな公園の中にあった管理釣り場は最高。生まれて初めての釣り方
でした。まず、貸し竿(日本製の投げ)と餌。これが驚き。餌は鶏肉と
空き缶に入った赤い液体(豚の血)藁。スピニングに巻かれた10号位の
ナイロンは巻き癖よろしくでグルグルポン!のぶっ込みで即アタリ、
肘が上がる強烈な勢いで5分位の格闘で上がってきたのは60超えの
見たことも無い牙の生えた黒鯛風の淡水魚。(名前分からず)立て続け
にアタリ、こんどは全然上がって来ない!!根がカリしてだめかと思
ったらユラ〜と浮いてきたのは70超えのやはり牙の有るアロワナ風
の魚(気持ち悪)でした。現地の人によると1メーター50センチ以上
のヌシがいるとのこと。また行ってみてぇー!シンガポールでした。
初めて釣りしたのは、小2の夏だった。
それまで、父が釣り好きだということも知らなかった。
だから、父が「釣りでも行こうか?」なんて言いだした時には
びっくりした。
どうやら父は、手のかかる幼児のいる内は、
釣りを我慢していたようだ。
「かれこれ10年ぶりだなぁ。」ともらしながら、
前日の晩、どこからともなくでてきた、二組の
新品のリールと竿。
父は、「これがサビキで、これがカゴ。」と俺に教えながら、
夜遅くまで、いそいそと準備していた。
次の日の夜、バケツ二杯のサバをもって帰り、
母に怒られるとも知れずに・・・。
そんなこんなで、俺、水産学部卒。
俺も親父とつりいきて〜〜〜。
晒し上げ。
ほのぼのした話題をきぼん
小2の時オヤジと初めて海釣りに行く
↓
小3の時に初めて自力にてマブナを釣ル
↓
小4〜小6までヘラ釣りにはまる(かなり本格的)
↓
中学時代は多少グレルがチヌ&投げ釣りにはまる(あまり釣れなかった)
↓
高校の頃は酒とタバコをしながら夜釣り
↓
大学〜22まで釣りから離れる(クラブ遊び全盛期)
↓
22〜28までかなりバス釣り&サーフィンにはまる(使った金は100万オーバー)
↓
現在はチヌ釣りとメジナ釣り&サーフィン
ぼのぼのした話をキボン
初めての釣りは小学2年のとき、親父と行ったマブナ釣り。
最初は仕掛け作りや魚の針はずしをやってもらっていたが
やがて自分でできるようになり、魚もそこそこ釣れるように
なった。でも、俺らがやっている場所で魚がよく釣れると
親父は、他の場所の釣れていない子供たちを「こっちが釣
れるよ、ここでやりなさい。」って呼び寄せちゃうんだ。
なんでそんなことするんだよ、って思っていたが、今から
思うと自分の子供と同じ年頃の子供たちみんなが釣れて
喜ぶのが見たかったのかなーって、親になってみてからな
んとなくわかるような気がするよ。
よし。80ゲトだ。
>>79 いえ、釣りをしてたのはそんなに深い所ではなかったです。
>>56 読むたびにしみじみとさせられる・・・
最初に読んだ時は涙がこぼれたよ。
>81
くだらねぇ。しかし激藁!
∧_∧ グッジョブ!!
( ´Д` ) n
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
2ちゃんねるって掲示板である板の論争が盛り上がってるスレを流し読みしてたら
何かムカついて(粘着嫌い)論争している双方に名無しで参戦。微妙なボケでカキコ
してリロードしたらイパーイレスが付いて楽しかった。そんだけ。
魚釣りを始めたのは多分小学4年生の夏休みで友達家族と波止で五目釣りに行ったのが
最初だと思う。のべ竿でハゼとかセイゴを釣ってた時期とギャング針でボラ狙いしてた
のが小学生の頃。6年生の時は釣りから離れてた(コインゲーム〜ゲーセン)。
ちなみに5年生の時にインベーダーゲームが流行してたなぁ。
小さい頃から海で釣りしたかったなぁ・・・
海無し県はつまんないや
|
>>85はさいたまなんですか? さいたまなんですね!
\____ ________________/
/||ミ V
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|:::::::::::::::|| ̄\ ガチャッ
|:::::::::::::::||゚ ∀゚) ||
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|:::::::::::::::|| ゚∀゚)/ .||
|:::::::::::::::||∧ ∧∩ ..||
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|:::::::::::::::||,,/\」......|| …
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\ ::::|| ___\(・∀・; ) << 85・・・
\|| \_/⊂ ⊂_ )
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| し……しつれいしました! !!!!!!!
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V
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小学校の2〜3年の時にダイワ釣り百科みたいな本買ってもらった。
表紙に色々な種類の魚がついとる奴ね。死ぬほど読んだ。
今思えば未だに釣り好きなのはその本のおかげかなぁーと。
今日息子用に本屋物色してくる。
でも釣り具メーカーから出てる本は、自社製品で仕掛け解説してあるからイマイチ。
俺が生れてはじめて釣った魚は、今のところ最大の魚だった。
川幅が10メートルくらいの小さな川でマブナ釣りを教えてもらってた。
当時五歳。
それで全然つれないなあと思っていたら突然竿がひん曲がった。
幼稚園児の俺には対処できなくて親父に手を添えてもらって何とか格闘したな。
結局ほとんど親父がやったんだろうけど。
それで・・・つれたのは真鯉の77センチ。
釣り上げたらショックで産卵はじめちゃったのよ。
それから何年かいくらは鯉の卵だと思ってた。
それで今はマス釣りをルアーでやってるもんで、この記録は抜けない。
でも、これは俺の目標でもあるんだ。
いつか、トラウトで77cmオーバーを釣るってね。
道はまだまだ遠い・・・トラウトで一番の大物はサクラマスの62cm。
これからずっと、20年前の自分と戦っていきたいね。
ガンバレヨー
いつ釣りを始めたのか覚えて無いが、保育園へ通ってた頃には
親父にライフジャケット着せられて、離岸提へ渡ってた。
親父は落とし込み(当時はフカセ釣りと言ってた・ウキフカセ
とは違う)とブッコミ。俺は手釣りで根魚と遊んでた。
あれから30年。釣りだけは止めらんないね。いろんな釣りや
ったけど、中学のときに出会ったフライだけは続いてる。
いまおなーにしてんだけど
ちんこがいつもより
はりがあるってか
きれいにみえるってか
えらく神聖に感じられてさ
てでさわるのもものったい
ねぇーの
ん〜。良スレ!!あげ。
ここはマターリとして(・∀・)イイ!
いい話キボンヌ
>>56 感動ものだったからな。
でも父ちゃんがシバスやってたら・・・略
100 :
名無し三平:02/11/30 09:54
100げと!
・・・(πーπ)グスグス・・・
102 :
名無し三平:02/12/10 20:50
103 :
名無し三平:02/12/10 21:11
102>>マジで氏ね クズ 二度と来るな
105 :
ぐ ◆rgG2t.iTew :02/12/30 01:28
上げとくべ!
106 :
名無し三平:02/12/30 10:36
去年2才の息子にオイラがロッド支えて
リール巻かせてたら72cmのライギョがヒットしたよ。
反射的にオイラが合わせてその瞬間ライギョが飛んだ
その時の息子は目が点になってた。
なにかしらのインパクトを心の奥に残せたのではないだろうか
あとはマナーの良い釣り人になってほしいと願うばかり。
あとパンフライで65cmのコイも釣らせたよ
当然ロッドはオイラが支えてる訳だが、
うちの息子は60cm以下の魚は釣ったことがないのが自慢!(親ばか
>>106 子供は親の背中を見て育つっつうから良い父ちゃんで居ないといけないな。
ガンガレ!!!
108 :
名無し三平:02/12/30 11:16
最初に釣りに連れて行ってもらったのは小学校1年生くらいのときだろうか。
防波堤にサビキでアジを釣りに行った。結構釣れたようでそれから付いて行く様になった。
悲劇が起こったのは小学3年の時でおねだりして買ってもらった竿リールセット(\2500位?)を
誤って自分で蹴飛ばして沈めてしまった。ショックのあまり暫らく行かなくなった。
本格的にやり出したのは大学に入ってから投げ釣りとシーバス(バスブームの兆しがあって
皆がバスバス言っていたので、じゃあ俺はスズキを釣るわって事になった)。
開高 健のオーパを読んだのもこの頃。最初のシーバスはテクトロで60up(w
未だにメーターオーバーは無し。(尺キスは何匹も釣ったんだけど・・・)
恐らく老眼でラインを結べなくなるまでやるでしょう・・・・釣りバンサイ!!
もう20年も前。それまでざりがにやクチボソを釣っていたおれが中学に入学して
「釣り部」に入った。中高一貫教育の学校で、ここ2〜3年間、新入部員が誰も
入らなかったとかで、先輩はすべて高校生ばっかり。ついこの間まで小学生だった
おれにしてみればみんな完全なオジサン。無精髭なんか生えちゃってるですよ。
「部活動」の釣りに行く途中、電車ではしゃいで騒ぎまくるおれを、先輩たちは
必死に静かにさせようとしてた。また、防波堤で安物だが大事なリールを海に
落っことしてしまい、いつまでも泣きやまないおれに「仕方ねーなー」といいながら
カッチョいいリールをくれた先輩(いまでも大切に持ってる)や、帰りの電車
で眠りこけてしまったおれを家までおぶっていってくれた先輩(しかも、後で
クーラーを開けてみると釣った覚えのない大きなカレイが3匹も!)もいた。
なんか、今、コンビニの前でたむろってる高校生とか見て、あの先輩たちも
こいつらと同年代だったんだなあ、とか思うと、信じられないですよ、実際。
中学生になっても眠りこけたまま背負われて気が付かないものなのか?
電車でハシャギまくるところも小学生低学年並の幼さだな。
この話は創られてる感じがして信用できん・・・
そうか?
中一だったらそんなもんだろ。
泣きじゃくるっつうのは理解出来ないが・・・
112 :
名無し三平:02/12/31 10:59
あげておきます。
113 :
名無し三平:02/12/31 11:11
皆様よいお年を!!
114 :
名無し三平:02/12/31 15:40
もう20年以上も前。多分7歳くらいだったと思う。その頃夏休みになると必ず静岡の
おばさんの家へ1週間くらい家族5人で遊びに行っていた。
緑とオレンジの電車(東海道本線ね)に乗り沼津まで。
出発前にホームの売店で弁当、飲み物、冷凍みかん等を購入。
親父は何か週刊誌みたいなのを買っていた。僕も何か本でも.....と思っていたとき
目に入ったのは「何とか釣り百科」みたいなB5よりちょっと小さくてかなり分厚い本。
リトルリーグで野球ばかりやっていたのに何で釣りの本?と後で親父に聞いたが
泣き倒して買ってもらった。その本が私の人生を狂わせた(藁)。
以来今のかみさんと結婚するまで「釣り」が原因で彼女に振られた回数数知れず。
結婚してからもとにかくすぐに釣りに行ける環境で生活したくて
相模湾沿いのボロ借家に引っ越して現在に至ります。
ちなみにファーストヒットは多摩川ガス橋でコイ35cm。泥まみれになりながら
取り込み、ひざががくがく震えてました。
釣りが原因で彼女と別れたことは無いな、付き合う女とはいつも一緒に釣りに行ってるから。
相手が初心者のときは面倒だけどね。
116 :
名無し三平:03/01/11 14:31
↑誤爆か?
保守アゲするか。
(^^)
お〜。一ヶ月ぶりに来たがまだこのスレ残っていたとは・・・。
もっと、釣りとであったエピソードキボン
初めてこのスレ見た。
>>56 感動したよ。ワシ35歳で初めて釣り始めたから、幼い頃の思い出があるみんながうらやましい・・・。俺も親父に連れられて行ってみたかった。いま、それを取り戻すかのようにはまってます。・・・2chにもいいスレがあるんだなぁ。
120 :
名無し三平:03/01/21 21:12
シーバスとの出会い。
夜、船着場でセイゴのチョイ投げをやってたら電灯の明かりに群れてたイナッコが
ザワザワしだした。明らかに追われていて「ゴボッ」と音もする。しばらく
見てるとあちこちで50センチ位のフッコがボイルしてた。1匹だけ明かりの下に
悠然と佇んでたフッコがいて、たまたま持ってた初代シーバスハンターレッドヘッドが
あったので、そいつの前で泳がすとフッと顔を向けた。釣れなかったがこれを
機会にシーバスのルアーを始めた。めちゃめちゃシビレタのを覚えている。
4年前の夏の出来事でした。
その1年半後、右左も分からず20回ほど釣行してようやく釣り上げた55センチの
フッコはやっぱり嬉しかったね。
(^^;
1月22日生まれの俺が1月22日に122ゲットします!!
ちなみにこのスレ立てたのは私です!!
(チョッとすごいでしょ?!)
というわけで、釣りとであった瞬間を語ってください・・・。
123 :
名無し三平:03/01/23 08:44
>>122 良スレサンキュ。
いまだに釣れた瞬間ってドキドキする。
初めて釣ったときの感動もあせてない。
釣りって本当に素晴らしいと思う。
124 :
名無し三平:03/01/23 17:41
俺も誕生日1月22日だよ。
俺が釣りと出会ったは4歳のころのザリガニ釣りかなぁ。
2つ年上の兄貴に連れられ良く行ってました。
小学生になったころ親に竹ののべ竿を買ってもらい良く雑魚釣りをした物です。
それから二十年以上経ったが未だに釣りだけは止められません・・・。
125 :
(゜ρ゜)ノ:03/01/23 18:33
10歳の時に友達と淀川でモロコ釣ったのがハジメテの釣りでした
近所の汚いじいさん一人でやってる釣具屋で 紙につつんだ赤虫持って
暗くなるまで釣りしたぞ イタセンパラも釣れたな〜・・・・26年も前の話しだが
・・・・(-_-;
最近また釣りはじめた! フライでブルーギル バスなどしてます冬はしませんが・・
暖かくなったら また行くぞ〜!
126 :
名無し三平:03/01/24 01:09
うい〜。面白体験きぼんぬ
127 :
名無し三平:03/01/25 18:47
巨大ミドリガメに人差し指の肉食いちぎられた・・・・( p_q)
128 :
名無し三平:03/01/27 22:37
やっぱ釣りはすばらしい。
釣りマンせーーー!!!
うちの親父が馬鹿が付くほど釣り好きでね。母方の叔父と
一緒に毎週のように遠征に出かけていたのを冷ややかな目で
見ていたのが20年前。それから間もなく、親父の釣友だった
叔父が癌で亡くなってね、それをきっかけに、親父も釣りに
ほとんど行かなくなったんだ。
そんな親父が突然、俺を釣りに誘ってきたんだな。
乗り気じゃなかったが親孝行のつもりで一緒に行ったら喜んでねえ。
たまには付き合ってもいいかな?と思ったのが7年前。
それから時々は親父と釣りをするようになったよ。
その親父に叔父と同じ所に癌ができたのが5年前。
落ち込んでる親父を少しでも元気付けようと誕生日にリールを
買ってやったさ。親父が使っていたのは年代モノだったからな。
(思えば、叔父と一緒に釣行してた頃のものじゃないかな?)
入院の日が既に決まってるのに、釣りに行こうって言うからさ、
1回だけ行ったよ。
さてそれから… 親父が死ねばドラマだけど、何のご加護か
親父は生還しちゃったよ。 5年後検診も転移の形跡なし。
手術の後遺症はあるんだけどさ、釣り!釣り!って騒いでるよ。
ホントに釣り馬鹿だねい… って今は俺もなー!(w
叔父との釣行は延期になったけどさ、ちったぁ長生きしろよ!>親父
130 :
名無し三平:03/01/28 20:35
↑まあまあ良い話だねえ・・・
しんみりとさせられるよ。
131 :
名無し三平:03/01/31 18:46
和歌山で船釣り カツオが廻ってくる ジャンジャン釣れる 突然竿がしなり
ドラグがうなる でかい! 沖でシイラがはねる 急に竿が軽くなる
上げたらカツオが頭だけになってた・・・
132 :
名無し三平:03/02/06 16:50
話し作っても言いから読んで感動する話しないのか?
誰か文章のうまい香具師頼むよ。
133 :
名無し三平:03/02/14 16:15
age
>>132 釣り師の文章はこんなもんだよ。
この原始のようなおおらかさに感動するんだよ。
135 :
名無し三平:03/02/20 07:46
みんな素直に書き込んでるから良いんだな
まあボチボチ逝きまひょ
136 :
名無し三平:03/03/02 01:42
じゃんじゃん書き込んで。ちょーだい。
(^^)
138 :
名無し三平:03/04/05 10:00
まあ悪いスレじゃないね。
139 :
名無し三平:03/04/05 10:03
この板では良いスレは長生きしないんだな。
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
142 :
名無し三平:03/04/20 11:17
きょええええええええええええええええええええええええええええ
143 :
名無し三平:03/04/20 21:45
小学1年のとき父が同僚との釣りに自分を連れていった。はじめて立った防波堤
は怖かった。父と同僚はほとんど寝ていた。投げ方を教えてもらった。4mの投げ
竿を振って、えさも付けずただ仕掛けだけを投げては巻いて投げては巻いてを繰り
返していた。すると小さな蟹が仕掛けについてきた。生き物が好きだった。うれし
かった。家に持ってかえって小さな洗面器に海水と入れじっと見つめていた。
144 :
名無し三平:03/04/20 21:48
145 :
名無し三平:03/04/22 00:21
>144
ハハハ
良いスレだなや。昔をおもいだすYO。
そろそろage?
148 :
名無し三平:03/05/18 22:32
ゆりっぺ〜!!今夜は寝かさねーど〜!!
149 :
名無し三平:03/05/20 02:29
その頃、オレが住んでたのは北海道のド田舎。小坊4年だった。
休みになると竹ののべ竿と、駄菓子屋で買った仕掛けとバケツを下げて
4キロ先の牧場の小川へ釣りに出かけていた。
そこはミミズでウグイが入れ食いになり、1時間でバケツいっぱい釣る事ができた。
夏が過ぎようとしてた頃、いつものように裸足で浅瀬に立ち込み、
瀞場へ仕掛けを流していると何やら竿が重くしなった。魚の手応えはない。
ゴミでも掛けたかと糸をつかんでたぐり寄せてみた。
すると、70cmくらいのサカナらしきものが足元に寄ってきた。
針はそいつの背びれに引っかかっていた。
そいつはオレの足元で横たわりながら、大きく口を開けた。
「ギャーッ!」
叫びながら、あわてて陸に走りあがった。
そいつの口は耳まで裂けていた。
口には牙らしきものが見えた。
竿はしっかり握っていたため、そいつはまだ浅瀬に横たわっていた。
口を大きく開けながら、エラをゆっくり閉じたり開いたりしていた。
(生きてる・・・・)
(どうしよう・・・。噛みつかれたらエライコトになる・・。)
夕暮れ迫る中、そいつに石をぶつけて殺そうとしてみた。
何個か投げつけたとき、針が外れてそいつは横たわったまま、ゆっくり流されていった。
帰りがけ、牧場のオッサンに魚屋でしか見た事がない鮭を釣ったと報告してみた。
オッサンが言うには、鮭じゃなくてマスだろう。
産卵後に半死半生になった「ホッチャレ」が掛かったんだろうということだった。
マスはミミズじゃ釣れない、ルアーなら釣れるらしい、ともこの時聞いた。
これが「ルアー」という言葉を聞いた最初の時だった。
150 :
名無し三平:03/05/20 02:30
ルアーという代物をこの目で見たのは、あれから2年後だった。
中坊になったオレは都会に引っ越していて、その町の釣具店で初めて見ることができた。
(なんて綺麗なんだろう・・)
その金属片はブレットンとかいうフレンス製だという。
しかし、その釣りの道具の値段に度肝を抜かれた。
天文学的な数字が値札に付いていた。
そのリールはABUとかいう虫みたいな名前が付いていた。
魚のおもちゃみたいにかわいいものもあった。
ラパラとかいう北欧製である。しかし、これもびっくりするような値段が付いていた。
とりあえずオレは、国産品のカタログをそこで貰い、本屋で「ルアー」に関する本を探してみた。
そして、井上博治の「ルアー釣り入門」という本を大枚はたいて手に入れた。
毎晩毎晩、布団の中でこの本を読みふけった。
読みふけっては、地図を開いてルアーで釣れる湖を探し、カタログ眺めてはため息をついていた。
やっと道具を揃えることができたのは、1年後だった。
ダイワの2本繋ぎの竿と赤いクローズドフェイスリール。
ブレットンとABUのトビー、そしてラパラのプラグも手に入れた。
それからは毎晩、部屋の中で竿を振り、ルアーを眺めて悦に入っていた。
151 :
名無し三平:03/05/20 02:31
その道具を持って水辺に立つことができたのは、半年後だった。
そこは、街から電車とバスを乗り継いで3時間のダム湖だった。
その日はどんよりと曇り空が広がっていたが、鉛色の水の前でオレは奮い立った。
あの本に出てたサカナをやっとこの手で釣る日がやってきた。
オレの宝物のルアーで何が釣れるのだろうか。
根掛かりが心配だったが、正しいフォームであの本の通りキャストすれば
オレのルアーを見たサカナは群れをなして襲いかかるに違いない。
ルアーを繋ぐ前に、キャスティングのチェックをすることにした。
まづ、サイドハンドキャスティング。
楽勝。思いっきり腕を振ってみる。気持ちいい!
つぎに、オーバーハンドキャスティング。
楽勝。思いっきり腕を振ってみる。最高!
もう一度、思いっきり腕を振ってみる。
ん・・・・・・・
突然竿が軽くなった・・・
ふと見ると、湖の上を何かが飛んでいる。
手に持った竿を見て、愕然とした。
竿先がない・・・・。
遠くでぽちゃんと音がした。
その日は野宿するつもりで出かけたのだが、再びバスと電車を乗り継いで
家に帰ってきた。
・゚・(ノД`)・゚・。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
行きは電車とバス。帰りはバスと電車。
こーいう細かい描写がいいねぇ。
156 :
名無し三平:03/05/31 09:25
唐揚げ
157 :
名無し三平:03/06/10 17:18
仕事が無いから仕事してないんだよ。
俺の責任ではない。
むしろ小泉の責任だ。
158 :
名無し三平:03/06/17 21:34
159 :
名無し三平:03/06/17 21:35
>>157 禿どおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう
160 :
名無し三平:03/06/21 02:18
良い思い出キボン!
161 :
名無し三平:03/07/11 15:12
良い思い出キボン!
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
163 :
名無し三平:03/07/15 22:52
折れが1歳の誕生日を向かえる前に、囲炉裏に落ちて
下半身を大火傷を負って、小学校に入るまで、
遠くの病院での入院生活を送っていた。
家に帰りたくて、西の空を見上げてよく泣いていた。
父に手紙を書いたが、住所が書けず
「家のお父さんへ」と書いた手紙を、看護婦さんに
出して下さいと頼んだが、切手が無いと駄目と
言われた。俺は切手と言うものを知らなかった。
当時4〜5歳だと思う。
164 :
名無し三平:03/07/15 23:02
やっと退院した折れの足は、片方がくるぶしから
先がすねの方に反り返りくっ付いて足跡は
ただ丸いものだった。もう片方が親指は半分に
焼け落ちているが、ほぼ健全だ。
保育園を半年行って、小学校に母に連れられ
入学した日を、鮮明に覚えている。
その後半年で、また病院送りとなった。
ひどい方の足の整形手術の、始まりだった。
165 :
名無し三平:03/07/15 23:14
2年の秋に退院!それからは普通の生活が始まった。
3年の夏、父に遊んで貰いたいが、忙しい父は
なかなかうんと言わない。
ある日釣竿を持って出かけるちちに、
無理やり付いて行ったのが近くの川だった。
フナ釣りである。
退屈な俺は石を投げて怒られたものだ。
それから一度も連れて行ってもらえなかったな。
166 :
名無し三平:03/07/15 23:39
山から竹を切って来て、竿を作り一人で川へ行ったが
いつも釣れない。ある雨の日に、ススキのウキが
スーと入り、凄い引きに我を忘れて竿を握り絞めたが糸が切れた。
それから良くフナやハエ釣りをやった。
中学生になると、20Km以上離れた海へ自転車で行った。
今では家庭を持ち、父親となった俺は
自分の小さい時の気持ちを思い出して、息子達と良く釣に行く。
長男は今は止めたが、次男は7歳の時から
離島の遠征にも連れて行く。
今12歳の次男は、立派な釣師と成長した。
記録はチヌ55.5cm2.4kg(9歳時)
グレ47cm1.63kg(10歳時)
息子に夢を持って生きてもらいたい。
いつかこの釣り馬鹿オヤジを乗り越えて・・・・
ええ話やぁ〜・゚・(ノД`)・゚・。
168 :
名無し三平:03/07/16 22:06
スレとは外れるけど、
俺は軽い障害だが、少年時代は傷口から膿が出て痛くて苦労した。
磯釣りでも、良くバランスを崩し転んで怪我もした。
しかし、これは俺に与えられた試練であり、
この火傷によって、その後の大きな災いから逃れていると
自分に言い聞かせている。
またこの事で、親を恨んだ事は一度も無い。
これを見ている、障害を持つお子さんをお持ちの方、
またこれから家庭を持たれる方、お子さんといつも笑顔で!
楽しい事は皆で喜び、辛い事は皆で分け合って下さい。
親が笑顔で日々を送れば、子供はのびのび育つと思います。
文章作りが下手で申し訳有りません。
169 :
名無し三平:03/07/16 22:11
↑168は166の続きです。
170 :
名無し三平:03/07/16 22:14
覚えてない
物心ついたときには毎週竿を振っていたから
171 :
名無し三平:03/07/19 23:02
今日多摩川でテナガエビ釣っていたんだけど、
爺さんが孫連れて声かけてきたんだよ。
聞けば孫の男の子は父親がいなくて友達も少なく、
いつも爺さんが散歩がてら遊んでやっているんだと。
横で見ている男の子の健気さに心打たれて予備の竿貸して釣らせてやったら、
一投目で巨大テナガエビがきちゃった。
生まれて初めて釣竿もって釣れたのがテナガエビとはいえ、
男の子が目をキラキラさせてすげえ喜んでくれてさ。
一緒にしばらく釣って最後に予備の竿と釣り道具を少々分けてやったんだけど、
メチャクチャ喜んでくれたなあ。
帰りに土手の上で爺さんに手を引かれながら手を振ってくれる男の子の姿見たら、
ちょっと切なくなったよ。
>>171 作り話するのなら、もっと演出を考えなされ
173 :
名無し三平:03/07/20 00:19
>>172 オメエみてえなボケがいるからこのスレ伸びねえんだろ。
ハッキリ言ってアメリカなどの多民族国家では黒人の方がアジア人よりもずっと立場は上だよ。
貧弱で弱弱しく、アグレッシブさに欠け、醜いアジア人は黒人のストレス解消のいい的。
黒人は有名スポーツ選手、ミュージシャンを多数輩出してるし、アジア人はかなり彼らに見下されている。
(黒人は白人には頭があがらないため日系料理天などの日本人店員相手に威張り散らしてストレス解消する。
また、日本女はすぐヤラせてくれる肉便器としてとおっている。
「○ドルでどうだ?(俺を買え)」と逆売春を持ちかける黒人男性も多い。)
彼らの見ていないところでこそこそ陰口しか叩けない日本人は滑稽。
初めて釣りをしたのは、母方の祖父に連れて行ってもらった時だったように思う。
自転車の後ろに乗せられて、川沿いの道を走っていった。
護岸工事もされてなく、土手には雑草や潅木が川面にせり出していた。
所々に、竹や板で作られた、釣り座らしきものも目に付いた。
思い出す限りでは、川幅は4mくらいだが、水量は多く、ゆっくりと流れていた。
その景色が好きだった。
というのも、その川は支流で、本流に流れ込むと景色は一変するからだ。
祖父の少々ふらつき加減の自転車は、両サイドにガードレールも車止めもない、
切り立ったようなコンクリート造りの堤防を進むことになる。
しばらく怖い思いをして、海に流れ込む手前に設けられた、水門に到着した。
祖父と並んで水門の上に腰を下ろし、鉄格子の隙間から、糸を垂らす。
いつまでたっても、ウキが横になったままで、立とうとしない。
それに気づいた祖父が、リールを巻くように言った。
やけに重かった。やがて、獲物が水面に出ると、リールを巻く手が止まってしまった。
「蛇だ」なぜだか、そう思った。
祖父は早く早くと急かすが、私はあいかわらず固まったままで、ほどなく獲物は川へ落ちた。
「いい型のうなぎだったのに」祖父のその声を聞くまで、私は頑なにそれが蛇だと思い続けていた。
私が社会に出て二、三年たった頃、そんな祖父が入院した。忙しさもあって、見舞いにも数度しか行かなかった。
癌だった。一年ほど入院して、逝った。
通夜の席。久しぶりに会った叔父(母の弟)と話をしていたら、いつの間にか話題は釣りのことになっていた。
その夜、親族が寝静まるのを待って、叔父と夜釣りを強行。
帰宅した時、坊さんの読経はすでに始まっていた。
当然、母親などから、ボロクソに言われ、「ごめんね、ばあちゃん」と私と叔父。
祖母を見ると、目にうっすら涙を溜めていたが、優しく微笑んでいる。
「釣り好きの親父を偲んでのことだからなぁ」と祖母の笑顔を見て叔父が言った。
「バカだね、この子は・・・・。そうじゃないよ」
祖母は私たちを見てしみじみと言った。
「おじいさんは死んでも、お前たち子供や孫の中に脈々と生き続けていくんだね。本当に釣りバカなんだから」と。
ええ話やぁ・゚・(ノД`)・゚・。
自分は生まれたときから両祖父はいなかったからなぁ。・゚・(ノД`)・゚・
178 :
名無し三平:03/08/02 23:22
ゆりっぺ〜!!
179 :
名無し三平:03/08/03 02:01
さんちゃ〜ん!!
180 :
名無し三平:03/08/03 02:03
ししょ〜!!
181 :
名無し三平:03/08/03 08:19
初めて手に入れた竿は、竹の繋ぎ竿だった。仕掛け付きである。
4本繋ぎで当時200円くらいだったと思う。
小坊3年の頃で、いつも行く駄菓子屋で売ってた物だ。
そこでたむろしていた上級生達がその竿を持ちよってフナ釣りの話をしていたのを覚えている。
もっと安いのべ竿もあったが、それには食指はわかなかった。
釣りがしたかったからというのではなく、とにかくその竿が欲しかったのだ。
欲しいが、金は無い。お袋はけちだった。
たまのお使いで10円玉しか小遣いを貰えなかった俺は、文房具を買う金が欲しいと言って
ばあさんに金を工面して貰い何とかそれを手に入れた。
お袋には友達に貰ったと嘘を付いた。
じいさんは、俺が生れる前に死んでいた。
親父は都会に働きに出てた。出稼ぎである。
182 :
名無し三平:03/08/03 08:21
釣りに行くと決めたその日、家の裏の畑をほじくり返してミミズを集めてたら妹が手伝ってくれた。
2歳違いの妹だ。集め終わって近くの古川に行こうとすると、自分も行くと言い張りだした。
駄目だと言うと、一人で行ったら学校の先生に怒られる、と脅してきた。
学校では子供どうしの釣りは禁止だったのだ。昔死亡事故があったからだ。
足手纏いと思ったが連れてく他無かった。
近くといっても1キロ以上あり、道路から水辺に降りるのに背の丈くらいの草をしばらくかき分けねばならない。
幼い妹の遅い歩みにいらいらしながら水辺に付いたときは、妹を無視して釣りを始めた。
だが、釣れない。
退屈した妹が、自分にもやらせろと言ってきた。
諦めて竿を持たせてやると、大げさな振り回し方をして傍の木にぶつけてしまった。
竿先を見ると、変に曲がっていた。調べてみると折れている。
バカと怒鳴りつけて、そのまま家路をとって返した。
道路にあがったとき後ろを振り向くと、半べそをかきながら妹は草の中で藻掻いていた。
それを見て俺は走り出した。妹のところじゃなく家の方へ。
183 :
名無し三平:03/08/03 08:22
家に帰ってお袋に妹のことを聞かれたが知らないと答えた。
アンタが見てなきゃ駄目じゃないと頭を叩かれたけど、そのときはへへへと笑ってやった。
外に探しに出たお袋が、泣き顔の妹を連れて戻ってきたのは1時間後くらいだったと思う。
道々妹から事情を聞いたお袋に、台所にいた俺はアルミの鍋で殴られた。
今度は俺が泣いた。号泣した。
鍋で叩かれた頭が痛かったのではない。
竿を折られた悔しさで泣いたのだ。竿を折られた自分がかわいそうで泣いたのだ。
家を出ようとしたのかはっきり覚えてないが、何故か玄関で靴を履いたまま折れた竿を手にして、
しばらく泣いていた記憶がある。
184 :
名無し三平:03/08/04 02:41
最初の獲物はフナではなくウグイだった。
古川よりも更に遠い、牧場の中を流れている川だった。
どうやってその場所見つけたかはよく覚えていない。
新しい竿は親父が帰ってきたとき買って貰って手に入れる事ができたが、、
古川には行かなくなっていた。
死人が出た水辺は幽霊が出ると、お袋に脅されたのだ。
俺はその話を真に受けた。お袋は俺が釣りするのが気に入らなかったらしい。
新しい釣り場は遠かったので、休みの日にしかいけなかった。
その川は釣れた。初めて魚を釣った感触はよく覚えている。
竿がしなって、手に力を入れると竿自体がブルブル踊って生き物になったような気がした。
あわてて竿を引き抜くと20cmくらいの魚が空に舞った。
魚をつかむと手の中でピクピク動いて、くすぐったかった。
初めての獲物でしかも大漁だった。楽しかった。
そのときはバケツを持ってなかったので、獲物は全てリュックの中にそのまま放りこんで
家に持ち帰った。リュックや水筒が魚くさくなってお袋に叩かれたが、気にならなかった。
その魚は、ばあさんが佃煮にして食べさせてくれた。
185 :
名無し三平:03/08/04 02:43
妹がまた連れて行けと言い出したのは、そこに通い始めて何度目だったろうか。
歩いて4キロ以上あるのだ。最初はシカトしてたが、妹の小遣いに気が付いた。
妹がお袋から貰った10円玉を、昔はよく取り上げていた。
だがその頃になるとお袋に告げ口するようになっていて、簡単に巻き上げることはできなくなっていた。
それで釣れてく代わりに、妹の小遣いで予備の仕掛けを買わせることを思いついた。
予備の仕掛けはいくらあっても困らない。
予備の仕掛けを手に入れて、いつもの倍近い時間を掛けてその釣り場に着いた。
その日はどんよりと曇り空。
天気の悪い日の方が釣れることを、その頃の俺はもう知っていたので気にしなかった。
最初に釣り上げた魚をバケツの中に放り込むと、妹はそれを触ってキャッキャと喜んだ。
妹にも魚を釣らせることができた。
その頃までは妹も楽しそうだった。
186 :
名無し三平:03/08/04 02:47
バケツの中がいっぱいになる前に、雨がぽつりぽつりと落ちてきた。
雨に打たれて元気のなくなった妹がぐずりだした。
はぁ、仕方ない。
俺はも少しやりたかったが、家路につくことにした。
バケツを妹に持たせたが、歩こうとしない。
竿を持たせるつもりはない。
俺はいつも通りバケツと竿をぶら下げて、後ろの妹の歩調に合わせて歩き続けた。
雨が本降りになってきていて急ぎたかったのだが、妹は時々道路にしゃがみ込んで動かなくなった。
ふと後ろを見ると雨の中、しゃがみ込んで水筒の水を飲んでたりする。
歩くにつれ、しゃがみ込む回数が多くなった。
急がないと日が暮れると怒鳴ると、リュックが重くて歩けないと言う。
いっそ置き去りにして、さっさと家に帰ろうかと思ったが、お袋にぶん殴られる。
イヤな予感が当たった。
仕方ないので妹のリュックは、首にぶら下げようと持ち上げるとやけに重い。
中をみると水筒以外にリンゴや野菜が入っていた。
小遣いを巻き上げられてお菓子が買えなかった妹は、家にある果物と野菜を詰め込んだらしかった。
リンゴはともかく、キュウリやにんじんがおやつになるか、このバカ。
首に重い妹のリュック、右手に降る雨で重くなったバケツをぶらさげて家にたどり着いたときには日が暮れていた。
夕食時、暢気に釣った魚の自慢話をしてる妹をみながら、やはりこいつと釣りにくのはもう止めようと俺は思っていた。
(・∀・)イイ!!
続きキボン!
189 :
名無し三平:03/08/04 16:15
続き!続き!キボン!キボン!
190 :
名無し三平:03/08/04 19:04
ワシもキボンキボンキボン!
191 :
名無し三平:03/08/04 21:50
その後妹を釣りに連れてく事は無かったが、学校が終わって
近所の友達と虫取りや裏山に遊びに出るときは妹も一緒だった。
友達とプロレスごっこをしてると、ケンカしちゃ駄目と割り込んできて
遊びをしらけさせたりした。
友達は俺が妹を連れてくるのを嫌がっていた。俺だって連れて行きたくなかった。
だけどそうしないとお袋に叩かれたのだ。妹の面倒見るのが俺の仕事だというのだ。
仕事なら小遣いよこせといって、また叩かれた。
友達と一緒にいても、妹と一緒に遊びの輪を傍で見てることが多くなった。
それでも釣りだけは一人で行っていた。そんな俺に、同級生の釣り友達ができた。
同じクラスの子だったが、日頃つるんでた近所のガキ共ではない。
役場の官舎に住んでる金持ちの子だった。
俺より勉強できたし、その子の母親は上品な人だった。
参観日に見たその子の母親は、子供の目で見ても綺麗な人だった。
教室で釣った魚の自慢話をしてたら、興味を持ったらしい。
自分もやりたいと言ってきた。
優等生なのに校則違反(大人を伴わない釣りは禁止)しても
家の人に叱られないかと聞いたが、大丈夫だと言って笑っていた。
192 :
名無し三平:03/08/04 21:52
次の日曜日、その子は新しい竿を抱えてやって来た。
俺の新しい友達を珍しがった妹が、一緒に行きたそうな顔をしたが当然無視した。
そしていつもの小川でなんなく、いとも簡単にウグイを釣り上げた。
彼は楽しそうだったし、俺も楽しかった。
楽しかったのは釣りだけではない。その子の弁当のおかずだった。
卵焼きやら唐揚げやらウィンナーソーセージ。
普段、彼が教室に持ってくる弁当よりも豪華版だった。それが俺の分まであったのだ。
いつもより長い時間を掛けて弁当を食ってるときに、
此処の牧場の親父が言ってたことを何げに話した。
この川の上流まで行けばヤマメが釣れるという話だ。
ヤマメが釣れると母親が喜ぶだろうと、その子が言った。
ウグイよりおいしい魚なのだそうだ。
近所の釣り好きの人にお裾分けしてもらって、大喜びしてたことがあったそうだ。
自然に、行ってみようということになった。
小川を遡りながら、ポイントごとに交代で糸を垂らした。
だが釣れるのはウグイばかりで、ヤマメはどちらの竿にも掛かってこなかった。
途中で見つけた蛇を、棒きれで追っかけ回したりもした。
ヤマメを諦めたのは、夕暮れに気づいたときだった。
帰り道は夜になることは覚悟したが、通い慣れた家路だったので不安はなかった。
不安だったのは帰宅時間を遥かに過ぎた事へのお袋のげんこつの強さだけだった。
193 :
名無し三平:03/08/04 21:54
家のそばでその子と別れて玄関に入った途端、案の定叩かれた。
だが、お袋の怒り方が尋常じゃない。いつもより激しかった。
聞いてると、一緒に行った子の母親が心配して訪ねてきたらしい。
死亡事故のあった古川の方へ行ったのだと思って、日が暮れてから
そこを一緒に探し歩いたという。
もう少し待って帰ってこなかったら派出所に届ける事になっていた。
腹が減っていたが、そのまま俺はその子の家に連れて行かれた。
俺が釣りの首謀者だから、とにかく心配掛けたその子の母親に謝れというのだ。
その子の家の玄関で、美人のお袋さんに頭を下げたが、
無事で良かったねと言われただけだった。
奥からその子が出てきて、泣きはらした後の顔をして恥ずかしそうに立っていた。
こってり絞られたらしい。
その子が出てきたとき、奥の部屋に座っていた父親らしい人の顔がチラッと見えた。
その子の家を出た後、ペコペコ頭を下げどうしだったお袋にまた叩かれるなと思ったが、
外に出たときにはお袋はけろりとしていた。
官舎の前にドブには、この日釣ったウグイが散らばっていた。
翌日の教室でその子に話しかけたが、何やら居心地が悪そうだった。
また行くかと尋ねたが、歯切れ悪そうに当分無理だと言われた。
せっかくの釣り友達が一日で居なくなった。
194 :
名無し三平:03/08/05 12:45
まだ続くよね。ねっねっねっ
続きがよみてー!!
195 :
名無し三平:03/08/05 19:58
家の裏手に小さな男の子が住んでいた。
妹の同級生で、父親と二人暮らしだった。
俺が畑でばあさんの手伝いをしたりミミズを捕ってると、傍に来て見てたりするのだが、
おとなしい子でほとんどしゃべらなかった。
同級生の妹がその子を見つけると、よくお姉さん口調で何やら命令してたりした。
彼が言い返したことは一度も見たことがない。
妹よりも背が小さく、身なりは俺より汚かった。
学校の帰りに、同級生の男の子達に枯れ草を頭にかけられたりしてた。
からかわれやすい子なのかな、と思っていた。
初めての海釣りは、この男の子がきっかけを作ってくれた。
小坊2年生に進級した妹は、離れて住んでる同級生の女の子の家に
遊びに行くことを覚えて、行動範囲を広げていた。
学校から帰っても、俺にべったりまとわりつくことが少なくなっていた。
その男の子は妹が居ないときには、俺のすぐ傍までやって来た。
かといって、向こうから話しかけてくることはほとんど無い。
ミミズを捕ってたそのときも、俺のすぐ傍でじっと見ていた。
釣りの餌だと言うと、うんとうなづく。
釣りしたことがあるかと聞くと、うんとうなづいた。
ひとりでか?と聞いたら首を横に振って、「父さん」と答えた。
自分の竿も持ってると言った。
196 :
名無し三平:03/08/05 20:01
雪代水が納まって水温が暖かくなった頃、いつもの小川に彼を連れ出してみた。
その子の竿は竹ののべ竿だった。あくまでマイペースの妹と違って、
俺の歩調に合わせて必死でついてきた。釣りもうまかった。
何より、他のガキ共と違ってきゃんきゃん騒がないのが気に入った。
昼時、彼は弁当を持ってきてなかったので、俺の握り飯を一個あげた。
むしゃむしゃ食べたが、ありがとうともおいしいとも言わなかった。
釣り上げた魚をつかんだ時は、ひとりでにんまり笑ってたが、彼は滅多に笑わなかった。
親父さんとは、海釣りに行くと言った。食べておいしい魚しかその子の親父は釣らないそうだ。
帰り支度をしてるとき、牧場の牛が水を飲みに川辺にやってきた。
川で手を洗ってた彼は、背中に突然現れた牛を見て驚いた。
逃げようとして川原で転んでしまい、両手両足を手酷くすりむいた。
シャツやズボンをまくり上げると、血がかなり出てる。
ヤベェ、ケガさせちまった。しかしこの子、泣き声一つあげなかった。
タフな子だった。
俺が遊びに誘ってケガをさせてしまったので、負い目を感じ、その子を家まで送り届けた。
親父さん、怒るだろうか。
玄関の引き戸を開けると、茶の間で横になってたその子の親父はこちらをじろりと見て起きあがった。
酒の臭いがした。男の子がケガしたこと話すと、ゲラゲラ笑い出した。
ウグイなんか釣ってもしょうがねぇべ。海釣り行くか?
その子の親父(以後、おっさんと呼ぶ)、おっさんがニコニコ笑いながらそう言ってくれた。
海釣り?!行きたい!!。俺は二つ返事で誘いを受けた。
男の子を見ると、彼が珍しくニッと笑った。
帰り際、彼から干し芋を貰った。握り飯のお返しらしい。
釣りの日取りを約束して家に帰ったが、問題があった。
うちのお袋は、家の裏に住むこのおっさんをひどく嫌っていたのだ。
197 :
名無し三平:03/08/05 20:04
晩飯の時、おっさんに海釣りに連れて行って貰うと話したら、お袋の眉間にしわが寄った。
だが、駄目とも良いとも、何も言わない。
妹が、私も行くと言ったときに、ひとことアンタは駄目よと言ったまま再び黙り込んだ。
お袋がおっさんを嫌うわけは、何となく分っていた。
数年前までおっさんと一緒に暮らしていた奥さんのことだ。
奥さん、あの男の子の母親のことだが、その人はお袋とは仲が良かった。
家によく遊びに来てたのを、何となく覚えている。
ガキの俺の、更にガキの頃の記憶だからはっきりしてないが、
夜中にその人が家に飛び込んで来て、茶の間で泣いてたことが何度かあった。
旦那に殴られたとかいう話だった。大人が泣く声を初めて聞いた。
酒乱という言葉も覚えている。
そのうちに奥さんが家から居なくなったが、その辺の詳しい事情は知らない。
俺とは違う世界の話だった。
いずれにせよ、駄目と言われなかったのだから、行って良いのだ。
198 :
名無し三平:03/08/05 20:06
tert
199 :
名無し三平:03/08/05 20:06
おっさんは隣町の土建屋で働いていた。
普段はバイクで通っていたが、釣りに行くときは働き先から軽トラを借りてきていた。
釣り場の港までは車で2時間。おっさんは陽気で、途中ずっと一人でしゃべって、一人で笑ってた。
餌は海辺の町で買った。毛の生えたミミズのような奴だ。
竿は3本、グラスの投げ竿で新しい物だった。ずっしりと重量感がある。
仕掛けを放り投げて、竿を港のコンクリ壁に立てかけて、アタリを待った。
釣り人は結構居た。釣り人じゃないのも結構居た。同世代の子たちもいた。地元の子だ。
みんな日に焼けて真っ黒だ。赤ん坊を背負った上級生らしき女の子もいた。
その子が傍を通ったとき、鈴がりんりんと鳴った。
振り向くと、真っ青な空の中で竿先がぴょんぴょんお辞儀してる。
おっさんを見ると、笑ったまま竿を取らない。俺を見て、次にアゴを竿の方へしゃくった。
最初の獲物を俺に譲ってくれたのだ。俺は竿を抱えてぐいぐいリールを巻いた。
暴れてる、暴れてる、竿が暴れてる。防波堤に引きづりあげた、その獲物は30cmくらいのウグイに似た魚だ。
コマイだと男の子が言った。
ばたばた暴れるその魚を二人で押さえ込んだとき、一緒にくすくす笑った。
他の竿の鈴も次々と鳴ったが、おっさんは一度も竿を取らなかった。仕掛けの投げ係りに徹していた。
男の子と交代で、リールを巻き続けた。豪快だった。カレイも何枚か釣れた。
彼が竿を抱えてリールを巻くのは大変そうだった。竿がでかいのだ。時々俺が手伝った。
男の子と二人で何匹めかを、取り込んだとき、傍でこちらの様子を見ていた上級生らしき女の子と眼があった。
目元が微笑んでいた。大漁を祝福してくれたのだ。
おっさんはワンカップのお酒を飲みながら、そのうち寝てしまった。ア
タリが遠のいたときは、上級生の女の子を眺めて過ごした。
同級生の女の子じゃないというのは、胸のふくらみで分った。
200 :
名無し三平:03/08/05 20:07
おっさんは食べておいしい方の魚ばかり、俺に持たせてくれた。
家に持ち帰るとばあさんが喜んでくれた。ウグイよりも大歓迎してくれた。
お袋は何も言わなかったが、魚はしっかり食べていた。
晩飯に釣った魚をみんなで食べてるとき、海釣りの竿が欲しいなと言ったら、
お袋にすごい形相で睨まれた。
この話題はしばらく避けた方が良さそうだった。
あれから海釣りはもう一度行った。
海釣りに行かなかったときは、例の小川に行った。
もちろん彼も一緒だ。彼は自分の竿と道具を、俺の家に置きっぱなしにするようになっていた。
学校が終わって近所の友達と遊ぶときも、妹の代わりに彼を連れ歩くようになった。
マイペースの妹よりは評判が良かったが、おとなしいので、からかおうとする不届き者もいた。
そういう奴は俺が絞めた。
その彼が、突然消えた。
201 :
名無し三平:03/08/05 20:09
夏休み間近のある日、家に帰るとお袋が近所のおばさん達と眉間にしわを寄せて何やら話し込んでいた。
そのまま裏の畑に行ったが、いつも俺を待ってる彼がいなかった。
家の方へのぞきに行ったが、誰もいない。
その晩、おっさんが仕事中交通事故を起こして遠くの街の病院に入院したらしいとお袋が言った。
飲酒運転中の事故だとも。
そうか今日、畑に居ないわけが分った。
病院に行ってるのか。かわいそうに。
父が退院するまで釣りや遊びはおあづけだな。
でも、しばらく一緒に遊べないのは寂しい。
だが数日後、妹が彼は転校したんだと言い出した。先生がそう言ったのだという。
お袋が、あの子は遠い親戚にあづけられたらしいと答えていた。
おっさんが退院するまででしょ?と俺は聞いたが、お袋は首をかしげただけだった。
2ヶ月後おっさんが退院してきたとき、家に行ってみた。彼は居なかった。
おっさんに彼がいつ帰るのか尋ねたが、目をそらしたままぶつぶつ言って、それきり黙ってしまった。
遠い親戚じゃなくて、何かの施設に引き取られたのだと言う者もいた。
誰も確認しなかった。
俺も聞かなかった。
それから一ヶ月過ぎたが、彼は帰らなかった。
年が明けて正月が来ても、彼は帰らなかった。
春が来て俺は小坊5年になったが、彼は帰らなかった。
雪代が納まって、川の水が温かくなっても、彼は帰らなかった。
町のみんながおっさんを避けて暮らしていた。
そのおっさんもいつの間にか町から居なくなった。
おっさんの消息をお袋に尋ねたが、知るわけがないと怒鳴られた。
202 :
名無し三平:03/08/05 20:10
その年の夏休みに、あの小川に一人で行った。
相変わらず、たくさん釣れたはした。
でも、もう昔ほど楽しくはなかった。
そして、小坊5年の秋、ばあさんが死んだ。
長い長い冬が過ぎて春が来ても、もう釣りには出なかった。
ウグイの佃煮はお袋より、ばあさんの方がうまかったのだ。
そして、その年の秋。俺が小坊6年の秋だ。
俺たち家族は親父が働いてる街へ引っ越すことになった。
引っ越し日時は、冬が過ぎた翌年の春。
俺は中学生、妹は小坊5年を新しい街で迎えることになる。
引っ越し話が片づいた、秋も終わりの頃、最後にもう一度あの小川に行ってみた。
水辺についたときには、雪が落ちてきた。
ガタガタ震えながら糸を垂らした。
手にした竹ののべ竿に積もる雪を払いつつ払いつつ、糸を打ち込んだ。
一匹も釣れなかった。
だがこの日、俺は日暮れまで帰るつもりは無かった。
203 :
名無し三平:03/08/05 20:15
続きキボヌキボヌキボヌ!!
キボヌキボヌキッボーーーヌ! モウマテンヨ、ワシ。歴史に残る名レスかも知れませんな。
203、モティツケ
/\⌒ヽペタン
/ /⌒)ノ ペタン
∧_∧ \ (( ∧_∧
(; ´Д`))' ))(・∀・ ;)
/ ⌒ノ ( ⌒ヽ⊂⌒ヽ
.(O ノ ) ̄ ̄ ̄()__ )
)_)_) (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(
/\⌒ヽペタン
/ /⌒)ノ ペタン
∧_∧ \ ((
(; ´Д`)∧_∧
/ ⌒ノ(・∀・ ;)⊂⌒ヽ
.(O ノ ) ̄ ̄ ̄()__ )
)_)_) (;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(
203!
もちつけぇェェェっぇェェェェェッェぇぇっぇぇ!!!!
___ ガスッ
|___ミ ギビシッ
.|| ヾ ミ 、 グシャッ
∩_∧/ヾヽ
| ,| ゚∀゚). .| |;, ゲシッ
/ ⌒二⊃=| |∵.
.O ノ %`ー‐'⊂⌒ヽ ゴショッ
) ) ) )~ ̄ ̄()__ )
ヽ,lヽ) (;;;;;;;;;;;;;;;;;)(_(
スマソ
スルーしてくれ
ツヅキ。都築。頭突き。
ドラマ化決定しました。
209 :
名無し三平:03/08/07 19:58
久し振りに覗いたら・・・
お〜い!!突付き〜・・・・!!!
これじゃあークイズミリオネアのモンタ、ミノじゃん
引っ張らんと〜はーやーくー!!!!
210 :
名無し三平:03/08/07 21:43
涙無しでは読めませぬな コテハンで登場キボン>作者
211 :
名無し三平:03/08/08 08:27
ししょ〜、は、早く続きを〜
「少年時代」とか、「Summer」(菊次郎の夏のBGM)が聴こえてくるやうだ。
213 :
名無し三平:03/08/08 15:48
師匠降臨キボン!
師匠ハンカチの準備は何時でつか??
215 :
名無し三平:03/08/08 20:18
>214
ハンカチでは足りんぞ!!
バケツ用意しとけ!!
折れは風呂場で見るよ!!!
216 :
名無し三平:03/08/08 20:19
217 :
名無し三平:03/08/09 16:36
今宵はつづきが見れるのだろうか?
218 :
名無し三平:03/08/10 14:53
正月が来て、いつものように親父が帰ってきた。
家族が5人から4人に減って、初めての正月だった。
新しく住む街のことをいろいろ話してくれたが、うれしそうに聞いていたのは、妹だけだった。
大きな街でこんな田舎とは違うと言っていた。俺は以前、引っ越しの話が決まったとき、
引っ越し先では釣りなど出来ないとお袋に言われ、釣り以外の遊びは何ができると聞いていた。
遊びは何もできないから、家の手伝いと勉強だけしてろとその時言われて、
その街には既に興味を失っていた。
そういうお袋も、何故か新しい街の話題にはあまり参加しなかった。
その街の話が終わると、視線を親父からはずしたまま小さく溜め息をついていた。
親父が再び帰ってきたのは、卒業式が終わって残雪がまだ残る早春だった。
家族総出で引っ越しの最終準備をした。小さな荷物はほとんど片づいていた。
大きな荷物はまとめてトラックで送り、翌日の朝早く俺たち家族は列車で新しい街へ
向かうことになっていた。半日くらい掛かるそうだ。
親父がトラックに便乗して一足先に家を出た日、俺はたくさんのゴミを裏の畑の雪の上で、
夕方から燃やしていた。
夜になって、おっさんの家にほうに光が見えた。
行ってみると、茶の間の窓から明かりが漏れている。手のひらで窓の霜を払いながら中を覗いてみた。
そこには、夫婦らしき人が二人だけちゃぶ台を挟んで飯を食っていた。知らない人だった。
俺を見てギョッとしていた。
家でお袋に、その人達のことを話した。
おっさんの遠い親戚なのかと聞いたが、眉をちょっと曇らせて首を横に振っただけだった。
そんなことは知らないという意味か、親戚ではないという意味かよく分らなかった。
だけどお袋が、無言で首を横に振って下を向くときは、その質問はもうするなという合図だ。
何か知ってても、それを話したくないときの癖だった。
そういう時、しつこい質問への答えは、張り手となって頭に帰ってきた。
俺は黙った。
219 :
名無し三平:03/08/10 14:58
町を離れるその日、近所の人たちが、駅まで見送りに来てくれた。
ホームには、他に俺の友達数人と、妹の同級生が多数来ていた。
新しい街へ向かう列車がホームに滑り込んで来たとき、妹は同級生と抱き合って泣いた。
妹が別れがつらくて泣いているとは思わなかった。
親父と暮らせることを一番喜んでたのは妹だったからだ。
妹は回りの友達が泣くと、自分もよく泣いた。
お袋が知り合いのに身の上話を聞いて泣いた時も、一緒に泣いた。
俺が泣いたときは、笑った。
見送りに来てくれた人達を駅のホームに置いて、列車は動き出した。、
俺たち家族はホームにいた人達に手を振り、列車の窓から見慣れた景色が
遠ざかって行くのを無言で見ていた。
ばあさんと暮らした町が、山陰に消えてしまうまで、何もしゃべらなかった。
あの町の面影が、流れる景色からすっかり消えてしまってから、3人がお互いを見た。
さっき泣いてた妹は、もう微笑んでいた。お袋はちょっと頷いた後、眉間に指をあてて目を閉じた。
引っ越し疲れが出たのだと思った。隣町を越え、窓に流れる風景が平凡な山並みになっても、
俺は妹と飽きずに外を眺めていた。
やがて列車は、おっさん達と初めて海釣りをした、あの港町に入っていった。
俺は列車の窓に流れるその小さな町の風景の中、行き交う人々を一人一人、
目を凝らして見つめていた。
町を抜けて海が現れて、あの港が見えてきたとき、あそこがそうだと、二人にその港を指さした。
その港が遠くへ過ぎて見えなくなる前に、お袋の膝を叩いて教えてあげた。
お袋は、目をうっすら開けて、少し微笑んだ。
その眼が赤かった。
ばあさんの通夜のときと、同じ眼だった。
220 :
名無し三平:03/08/10 14:59
俺は顔を窓に向けて、港の中に点のよう見えるまばらな人影を見つめた。
そして、あのとき見た他の釣り人や、あの上級生の女の子を捜していた。
そこに居るはずのない、あの親子の姿も捜していた。
やがてその港や海も遠くへ消えると、列車は再び山間部へ入り、
景色は再び、退屈な牧場の風景や山並みが続いた。
平凡な風景になっても、新しい街に着くまで、こうして流れる風景だけを見ていようと思った。
お袋の涙眼は見たくなかったのだ。
山並や海を縫って走りながら、列車はいろいろな町を通り過ぎた。
一つの街を通り過ぎるたびに、次に現れる街の規模が大きくなった。だんだん、雪も少なくなっていった。
途中で何度も川や海岸が現れた。
その水辺の景色の中、釣り人を見つけたときは、その姿が遠ざかり、小さく見えなくなるまで後を追った。
俺の視線が追う物に気づいた妹がぽつりと言った。
「釣りしたいの?」」
俺は何も答えなかった。
「またあそこで釣りがしたいの?」
俺が淋しそうに見えたのかもしれない。
妹にちょっとだけ微笑む努力をして、俺は窓に向けてた視線を他へはずした。
221 :
名無し三平:03/08/10 15:01
引っ越しすることを告げられた日、新しい街には釣りをする場所など無いと聞かされた。
そのとき俺は、ほとんど釣りをしなくなっていた。というより、釣りには行きたくなくなっていた。
なのに、もう釣りはできないと告げられたその時、何か石ころのようなモノを飲み込んだ気がした。
釣りをする気はなかったのに、釣りができなくなると分った時の、変な不快感だった。
俺は秋の初雪が振ったあの日、それを吐き出そうとして、あの小川に行った。
あの日、ウグイなど釣れなくても良かったのだ。魚など欲しくなかった。
ウグイは、ばあさんを思い出すからだ。俺の親友だった少年を思い出すからだ。
だけど、水辺で糸を垂らしたとき、俺は何かを捜していた。捜し始めていた。
何かを吐き出そうとしてやって来た俺が捜し始めたもの、それは魚以外の何かだった。
それは初めて魚が釣れた日に見つけた、魚以外のきらきらした何かだったはずだ。
釣りという遊びの中に、あの時それは確かに在ったはずだ。
それをもう一度、雪の中、あの小川での最後の日に、俺は捜そうとしていた。
でもガキの俺には、それが何だったのかは分からなかった。
小坊4年のあの夏、あの少年が居なくなった時、俺は何を失ったのだろう。
小坊5年のあの秋、ばあさんが居なくなった時、俺は何を失ったのだろう。
あの時に、釣りする元気を無くしたんだと俺は思っていた。
だが、あの時失った物はそんなモンじゃなくて、何か他のものだった。
さっき、妹の隣で眼に滲んでくるものを指で押さえてたお袋も、俺と同じものを失ったのだ。
家族や大切な人が居なくなったとき、無くしたものは、居なくなってしまったその人本人じゃなくて、
心のずっと奥にあった何かだった。
自分の気持ちの中にある何かだった。
頭の悪い俺は、それが何かを説明できない。
ただ、分っているのは、再びその何かを失いたくないという気持ちだけだ。
何かを失ってから、それを失いたくないと言う気持ちを見つけた、という事かもしれない。
それを見つけて、何かが変わった。
ばあさんが死んでからは、お袋は俺をあまり叩かなくなった。
俺は妹とあまりケンカしなくなった。
そして俺たち家族は、バラバラに暮らすことを止めた。
222 :
名無し三平:03/08/10 15:03
列車の中、窓と反対の通路を挟んだ席の方に顔を向けて、そんな取り留めのないことをぼんやり考えていた。
新しく暮らす街へ列車が近付いた頃、斜め向かいのその席には女の子の母子連れが並んで座っていた。
さっき停車した大きな街から乗り込んできた親子だった。その女の子は窓の方を見て座っていた。
綺麗な革靴が眼にとまった。ぴかぴか光っていた。
田舎じゃ見たこと無いような短いスカートを履いていて、綺麗な膝小僧をきちんと揃えていた。
柔らかそうな毛糸のセーターを着ていて、その胸のふくらみから俺と同級生ぐらいと判断した。
血管が透き通るくらい白い顔をしていた。
その子が通路側の母親に話しかけて少し笑ったとき、眼が真っ黒になった。
俺の方を一瞬見てから窓辺に顔を向けた。
笑ったとき目が黒くなるのは、長い睫毛のせいだというのが横顔を見て分った。
その子を観察してると、その子の母親が俺を見た。
こちらへの視線をそらしてから、微かな笑みを目元に浮かべていた。
その女の子は母親と話す時、こちらに何度も顔を向けたが俺の方は見なかった。
その代わり、その子の母親がちらちら俺を見て、微かな笑みを目元に浮かべていた。
俺の、ほんの小さな下心を見抜かれたのだろうか。
新しい街までの退屈しのぎになりそうだったけど、その女の子の観察は止めることにした。
女の子の母親の視線が居心地わるいので、俺は再び顔を窓に向けた。
もう窓の景色に海や山が現れることは無くなっていた。
その代わり、家並みが地平線に広がるような大きな街ばかりが現れては消えた。
妹が俺を見てた。視線を一瞬、反対の席の母子連れに跳ばしてから妙な笑みを俺に向けた。
それを見たお袋も似たような笑みを一瞬浮かべて、俺を見た。
それから妹の頭を、ちょっと小突いてから大きくほころんだ顔を窓の方へ向けて、妹とくすくす笑い出した。
何だというのだ。
妹をちょっと睨みつけて、顔を窓に向けると後ろの親子が窓に映っている。
さっきまでこちらを見なかった女の子が、時々振り向いて俺の方を見ていた。
今度こちらを見たとき、いきなり振り向いて舌を出してやろうかと思ったが、人前でのお袋の張り手を思って止めといた。
223 :
名無し三平:03/08/10 15:06
列車は、家並みが永遠にとぎれることの無いような広い街の中を走っていた。
コンクリの大きな建物が密集して、山のようになった景色が遠くに現れたとき、
妹の頭にアゴを置いて窓をのぞき込んだお袋が、そろそろ着くよと言った。
朝、お袋の眼もとに滲んでたものは既にない。だが、先ほどの笑顔も無くなっていた。
口元を引き結んで、外の街並みを眉をひそめて見つめてた。
俺たちがこれから暮らす街を、じっと睨みつけていた。
お袋の表情を見て、俺は少し緊張した。
お袋は何かを覚悟したような顔つきだった。
引っ越しの前、田舎で暮らしたようにはいかないと言ったお袋の言葉を思い出した。
お袋のアゴの下にいた妹は、初めて見る大きな街並みに眼を輝かせていた。
その妹の肩を抱きながら、お袋がもう一言、お兄ちゃんしっかりやってよ、と言った。
(家の手伝いと勉強のことか?)
釣りも他の遊びもできないこの街で、田舎で暮らしたようには暮らせないというのなら、
どういう暮らしが俺たちを待っているのだろう。少し不安になった。
ため息をついて、ぼんやりと窓に映る後ろの家族に視線をずらした時、
外の景色の中にあるモノを見つけた。
俺の目は、窓に映った後ろの女の子から一瞬でそれへピントがあった。
224 :
名無し三平:03/08/10 15:06
大きな川だ。
俺たちが暮らすこの街で、始めて見た水辺だ。ゆったりと蛇行した川だった。
汽車がその川に架かる橋にさしかかってから、水際の人影を探した。
橋を走り抜ける短い時間の中で、川辺の釣り人を探した。
誰も見えなかった。
だが、橋の真ん中を通り過ぎたとき、遠くの岸辺に点のように見える人影を一つ見つけた。
目を凝らして見ると、ちゃんと竿を持っている。
居た!
だが、こんな大きな川に釣り人が、たった一人?
例え一人でも、魚の釣れないところで竿を出すバカは居ないだろう。
橋を渡りきる残り僅かな時間で、その川を必死で検証した。
淵、瀬、瀞場、落ち込み、水の色。
橋を渡り過ぎて、眼の下に再び街並みが広がったとき、妹の視線に気づいた。
ジッと、俺を見ていた。
集中して視線を凝らしてたために、眉間にしわを寄せてたかもしれない。
その表情を怖がったようだ。
さっきお袋の表情を見て俺が緊張したように、今度は俺が妹を緊張させたようだ。
225 :
名無し三平:03/08/10 15:08
普通の表情で、安心させようとしたとき
「変な笑い方してたよ。」
妹が言った。
「え??」
どうやら、俺はうっすらと一瞬笑ったらしい。
ちらりとお袋を見ると、俺の視線の中に何かを探すような表情をした。
昔、妹の小遣いを取り上げて叱られたとき、しらばっくれた俺を見つめた、
あの表情がそこに在った。
ガキの頃の俺は、お袋に叩かれるようなことをたくさんしていた。
でも何かを失って何かを見つけることができた今の俺は、
もうお袋を泣かすようなことはしないだろう。
ただ怒らすことは避けられないかもしれない。
釣りにまつわるお袋との緊張状態はこの街でも勃発の予感があった。
今その原因に鳴りそうなモノを見たばかりだ。
俺はにっこり笑って、お袋を見返した
(引っ越し前、お袋が俺についた小さな嘘はもうバレてるよ。)
言ってやろうかと思ったが、藪蛇は避けることにした。
代わりに妹に向かってべーと舌を出してやった。
妹がケタケタと笑い出した。
こちらを見た隣の親子が、妹の笑い声につられて微笑んでいた。
彼らの微笑みに釣られてお袋も、ほんの少し笑った。
226 :
名無し三平:03/08/10 15:23
【 何処にでも居た 少年釣り師の 物語 】
< 終了 >
>226 てめーふざけんな! やっと書いてくれたのに。
夜ゆっくり読みまつ
>227
>226は本人かと思うてたYO!
本当に終了なのかと
いい話や 完結でつか?>師匠
231 :
名無し三平:03/08/10 22:18
これから、第三部が始るんだよね!!
次の街での物語が!!!
さあー!!皆でお願いするんだ!!
突付きお・ね・が・い・しますううう!!
233 :
名無し三平:03/08/11 13:32
泣いたのはほたるのはか以来です。
巨匠続きをオネガイシマス!!!!!!!!!!!
234 :
名無し三平:03/08/12 15:30
泣いたのは母が死んだ時と、失恋した時いらいです。
俺を人間としてもう一度、涙させて下さい。
”お”ね”が”い”
235 :
何処にでも居た少年釣り師:03/08/12 21:39
少年時代、青年時代を過ぎて、今はいい歳した大人になってます。
少年時代から今に至るまで、ずっと釣りをしてきた訳ではありません。
釣りをしない時期が結構ありました。
釣りができない時期が結構ありました。
だけど、結局釣りに戻ってます。
生活していくことが息苦しく思えたとき
世の中が思い通りにならないと悟らされたとき
結局釣りに戻ってます。
いろいろな水辺に戻ってます。
それぞれの釣りにまつわる思い出は楽しいものばかりじゃなかったけど、
だけど、つらい事やほろ苦いものでも、釣りにまつわる思い出は
思い出すときは何か甘酸っぱい切なさと一緒によみがえってきます。
この先も、何かの事情で竿を握れなくなる日が来るかもしれない。
でも、帰る先はもう分ってます。
少年時代の、あの水辺以外にはないことを既に分ってます。
小坊6年の最後の秋、あの水辺に探しにいった魚以外のきらきらしたものを、いまだに探してます。
それを捜して、いろいろな場所・水辺に出かけてます。
236 :
何処にでも居た少年釣り師:03/08/12 21:40
魚が欲しくて釣りに出るわけではない。
今はどんな魚も、スーパーで売ってます。
それなら自分が釣りする訳は?
何故釣りなんだ?
このスレを立てた1さんや、此処に集まる心優しき釣り師達同様、
その答えがある場所は既に分ってます。
「釣りと出会った瞬間!」です。
答えのある場所は分っても、その答えがいまだに見つかりません。
だからこのスレッドに来ました。
一緒に答えを捜すために。
大量にレスを消費させてくれたことを感謝します。
以後、名無しに戻って、みんなの経験を楽しみに待ってます。
>何処にでも居た少年釣り師
おぬしと飲みたい
釣師は心に傷があるから釣りに行くんだね 一生故郷の川を探して釣り歩くんだな
BY開高&芦沢
238 :
名無し三平:03/08/13 07:55
>何処にでも居た少年釣師さん
終わりですか??感動を有難う!!
誰にでも似た様な経験がある筈なんだ、もちろん私にも。
ただアナタの様に私は上手く文章に出来ない。
私も今は釣りキチとして、日々を送っているいい歳をしたオヤジなんです。
最近胸が熱くなる事が少ない中、自分の人生とカブって感動しました。
釣りの技術、道具の進化はめまぐるしい物が有りますが、
絶対に変わらない物!!>1のその瞬間であると思う。
子供の頃は弟とよく釣りに行った。
大学進学のため、故郷を離れてからは釣りとは縁の無い日々を過ごした。
大学を卒業し、久しぶりに故郷に帰ってきた。
「釣りは?」と弟が尋ねた。
「全然。」
「じゃ、行こうか。」
懐かしい、通いなれた川で僕のキャスティングは随分と不恰好だった。
「そのうち勘が戻るさ。」弟が笑った。
シャドウ・キャスティング。
弟はアーティストになっていた。
240 :
名無し三平:03/08/14 00:44
↑杉坂兄弟ハケーン
241 :
名無し三平:03/08/14 00:49
リバーランズスル―イットのワンシーンだね。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
>>236 有難うございました。
自分、大人になってからワクワクさせられる事って
あんまりないんですよね。
釣り以外は。
245 :
名無し三平:03/08/22 06:55
保守
246 :
名無し三平:03/08/23 23:45
留守
247 :
名無し三平:03/08/24 04:44
看守
248 :
名無し三平:03/08/24 11:45
子守
ちょっと違うぞ。もう一度よく考えて出直すように。
先生は知ってるぞ。
オマイはやれば出来る子なんだ。
今回はちょっと結果が出なかっただけなんだな。
もう少しだけ頑張ってみようか。なっ。
252 :
名無し三平:03/08/24 23:05
御守
先生出来ました!!!
253 :
名無し三平:03/08/24 23:57
先生笑っちゃったぞ!
今、山田君が座布団を持ちに行ってるから、そこで待ってなさい。
>>先生!おしっこ漏らしたんで遅刻しました〜。
しかも宿題忘れました〜。
明日持ってきます。
256 :
名無し三平:03/08/26 00:12
なんか最初の頃とスレの趣旨が変わってるな・・
これはこれで(・∀・)イイ!! んだけど
そう思いながらも、訪問者が居ないもので・・・
日付け変わったしー
>>厳守
先生出来ました!!!
258 :
名無し三平:03/08/27 11:44
釣りと出会った瞬間…俺にとっては父親と出会った瞬間でもある。
漠然としていて語れない…スマソ
山田君!先生が居ません!!
260 :
名無し三平:03/08/27 22:24
>>258
訳ありですなー、
その漠然としたものを語ってみて下さい。
オナガイーシマソ
>>252よスマン。
先生早朝のハゼ釣りで疲れがたまってたんだ。んで、ちょっとサボって保健室で睡眠をな・・・。
山田君に起こされなかったら学校で一泊するとこだた。
オマイも知ってると思うが、保健の慶子先生がなぁ、あわ・・。ん、んっ。いやまぁそんなことはどうでもいいが・・・・。
厳守か。うん252よ。オマイは確実に実力をつけてきているな。
このまま精進すれば、このスレの先輩達をも凌げる作文を書けると先生は信じているぞ。うん。
>>260 あまり面白くも無いと思うけど。
俺の育った家庭は特殊な部類に入ると思う。
父親が自宅から500km程離れた場所で会社経営をしていた。
さらに、父は盆暮れ正月の多くは海外出張をしていたようで、俺は
父親の顔をほとんど知らずにいた。それどころか、妹に至っては
3歳のとき、父親に抱かれた際、
「知らないおっちゃんに連れて行かれる」と泣き叫んだこともあったそうだ。
母は、長男である俺を含め3人の子供を育てていた。
今だから俺も分かるが、母は相当不安を抱えていたと思う。
亭主はいつ倒産してもおかしくない様な零細企業の社長、
実家も遠く子育てを助けてくれるものも居ない、
亭主に電話しようとしても海外に居たりして繋がらない、等々。
そんな中で俺は育てられた。
事あるごとに、俺は今で言う「軽度の虐待」を母から受けていた。
親戚の話を聞くと、どうやら母は当時、軽度のノイローゼ状態にあったそうだ。
また、ごくごく稀に帰宅する父は、息子の俺が言うのも
おかしな話だが「かなりできる男」であり、そんな父は俺に対し、
「出来の悪い息子」「とろくさい奴」「何をやらせてもダメ」と俺に言い続けていた。
俺が小学校に上がって最初の夏休み、家族そろってキャンプに行くことになった。
生まれて初めて、家族全員がそろったイベントだ。
実は父が相当の釣りキチだったこともあって、場所は某県の海岸ということになった。
キャンプ場に着くや、まだ小さい俺が居てはテントを張ったりするのに邪魔になると
父が判断し、近場の波止に連れて行かれた。そこではたくさんの大人が、長い長い
釣竿を出しており、よくよく見ると砂団子のような物を海に投げ込んでいた。
今にして思うと紀州釣りだ。
「あの大人たちの邪魔にならないよう、隅っこで釣りをしなさい。このウキが
沈んだら竿を立てるんだ。」
そう言うや、父は立ち去っていく。
俺はウキを見ずに、父の小さくなっていく背中を見ていた。
と、その時、竿を握っていた手に異常な力が加わった。魚が釣れたのだ。それも
子供の力ではどうしようもないほどの大物が。
敢えて言うが、俺が釣ったのではない。魚が釣られてくれたのだ。
思わず大声で叫ぶ「おとうさ〜ん。」
その声を聞いて父が急ぎこちらに戻ってくる。
竿のあまりの重さにへばっている俺から竿を取り上げ、海岸から海へなだらかな傾斜を
描いている場所まで魚を引張って行く。
ついに海岸に魚を上げ、キャッチに成功。35cmのチヌだ。
周りの紀州釣りをしている大人たちが近寄ってきて
「おい、子供がチヌを釣ったぞ」「第一投目だったぞ」等等、会話している。
父は私に魚を持たせ、すぐに二人そろって家族のもとへ戻った。
すぐさまチヌは刺身になり、テントを張らぬまま、青空の下で家族の団欒が始まった。
「さすがに俺の子だ。釣りの才能だけは人一倍だな。周りの大人も驚いていたぞ」と父。
「私の子だから、何をさせても器用なのよ」と母。
俺は…初めて親に褒められた。そして、両親がそろって笑顔で居るのを初めて見た。
今、俺の中にある父親像は…俺が大声で助けを求めた時に急いで俺のもとへ戻って来てくれた、
あの人生最初のチヌを釣ったときの姿だ。
俺は今、そんな父の経営する会社で跡取りとして働いている。
先生!!258さんが素晴らしい作品を提出してくれました!
何処にでも居る少年釣師さん並の出来だと思います!
父と息子の心の葛藤を描いた作品ですね。
これで暫くは保守も看守も要りませんね!!
私も諸先輩方を見習って頑張ります!!
ところで、山田君が行方不明なんですが?一緒に保健室ですか?
私は素晴らしいと思いますが。
258さんの作品についてオナガイシマソ
先生、評論家の皆様、一般の方、
ではどうぞ ↓
遊びを教えてくれる父親っていいね。うらやますい。
うちのはまったくだめだった。遊ぶことを知らん堅物リーマン。
>266
折れも一緒だったよ。その分と逝っちゃなんだが
息子にはイやっちゅう程釣を教えた。
生姜区2年生の時から瀬渡し船で遠征にも連れてった。
キャンプだ、釣だ、ドライブだってね。
お陰で、親と同じ頭になっちゃいマスタ(ToT
良スレ復活ですね。オメー!
>>258さん感動をありがとうございました。
>>252息子を釣りバカにした罪は重いぞ!(うらまやしぃ)
うちは娘で、ガキんちょの頃は釣りにも連れて行ったが、ちょっと色気づくともうだめだわ。
俺も、父親が堅物だったという、お二方とほぼ同じ。
公務員で組合活動にしゃかりきになってたなぁ。
家にいる時は、ガリ版に向かって、鉄筆握ってる姿ばかり見てた気がする。
その分、親父の兄弟、お袋の兄弟揃って釣りバカ。今の自分があるのは、そんな叔父達の影響だぁ〜。
そうそう、山田君は
>>258の話に感動して、今図書室でなにやら執筆しているようだ。期待しよう。
>先生、重い罪って!?ひょっとして沖磯置き去りの刑でつか?
わーーーん(i_i)許して下さ〜い!だって餌がもう無いんです!!
折れは先生がうらやますい!!息子二人と折れと妻が一人(二人位許されんかな)
の男所帯でせう、カーちゃんまでまるで男っすよ。
”コッルアー!!なんばしっよとかー!おめーたちゃー帰ってくんなー!!”
って九州女は怖い!
せめて娘が居ればもうすこーし優しかったかも。
山田君の力作をき・た・い・・・・・・・
>>252オ、オマイなんちゅーうらやましぃやつだ!
うちは娘2人とカミサンの4人家族。
確かに俺は女好きだ。普段はいいよ。普通に話をしている時はね。
だけど・・・。ううっ、語れない。語るには長すぎる。そして悲しすぎるぅ。
俺は、息子とキャッチボールしたり、クワガタ獲りに行ったり、釣りに行きてぇーんだ!
餌なし状態での沖磯置き去りの刑はしないよ。うん。同じ釣り人として気の毒すぎるからさ。
つけ餌もコマセも十分使ってよし!
ただし、時合いがくるまでじゃ。本命魚が寄ってきた時点で、没収とするかんな。
先生、やはり人は無いものネダリなんですね。
折れは娘がホスイ、先生はセガレがホスイ。
父親に遊んで貰えない子供は、遊んでくれる親がホスイ。
折れは若いベッピンの嫁が2〜3人ホスイ。
あ〜先生!!!女マミレでいいな〜!!!
俺ん家の中は男くさー!
洗濯物に色気、華やかさがじぇんじぇんありましぇン。
下着ドロとは無縁です。
>ただし、時合いがくるまでじゃ。本命魚が寄ってきた時点で、没収とするかんな。
これって、砂浜でフカセの道具しか無いみたいに悲しい・・・(ウルッ
確かに無い物ねだりだよなぁ。隣の芝生は・・・ってやつ。
釣り板風に言えば、隣のポイントはよく潮が効いてるように見える、かな。
だけど、俺は252みたいに強欲じゃないから、
(若い)(べっぴん)(2〜3人)の妻なんて、贅沢な条件をださない。
若けりゃ多少ブチャイクでもナイスバディーならいいし、年がいってても美人でナイスバディーなら十分。
人数だって、1〜 365人のナイスバディーの女性ならOKだもんね。
>砂浜でフカセの道具しか無いみたいに・・・
で思い出したんだけど、ちなみに俺はフカセで(チヌ狙い)シロギス釣ったことあります。(エヘン!
先生!!参りました!
つっても折れもグレ釣りで、キス釣ったしー
カゴの真鯛釣りでもキスだったしー
本流で尾長釣っててカモメもゲットしました。
このカモメって奴は困りモンです。懸命にやり取りして寄せて、
いざ掬おうとすると磯にトコトコ上がって来て掬えない!
かぶせようとすると飛んで行く。そこでレバーブレーキの大活躍です。
やっとの思いで掬って、ハリを外そうとするとキッ!!って睨むんです。
うかつに手を出すと噛まれるしー。今年は3羽程ゲッツです。
拓取っとけば良かった。焼き鳥で食えるかな?
>人数だって、1〜 365人のナイスバディーの女性ならOKだもんね。
こっちがすげ〜わがままじゃ無いすかー?
何かまたスレタイと変わって来ちゃいました。
カモメを釣った瞬間!なんちゃって・・・
で、お前らいいかげんウゼーんだけど。
うっ。確かにスレ違い。
>>1さんを始め、すまんかった。
"(,,゚Д゚)∩
>>252死にかけた駄スレに引っ越そう。カキコしておくから、よかったら探してくれ〜!
領海、
皆さん。良いスレ復活期待
先生ここから下には居ないジャン?
全部見たら頭痛くなった。
これ見たら724まで降りてきなよ。
>>278 サンクスですが・・・結局探せませんでした。
が!277見て来てくれました。
太平洋にゴムボで放り出されたみたいだった。
皆さん時々覗きますので、ナイススレにしてねー。
>>278 感謝でつ。あなたのレスに涙出そうだった・・・。乙!
覚えてない、、、。
おいらは釣りとは無縁なわけだが、なぜかこのスレを読んでた。
(なんでだ!?)
時間を忘れて、読みふけてしまったのは2ちゃんに来てこのスレが初めてだ。
(うん、確かに、こんな時間だ…)
このスレ感動した!
おいらが釣りと出合った瞬間は…このスレを読んだときだよ…
そしてageます。
284 :
名無し三平:03/09/27 04:40
あ、あがってなかった
釣りと出会った瞬間、思わず「フィッシュヲーン!」と叫びまつた。
286 :
名無し三平:03/10/12 22:44
保守
留守
久しぶりにこのスレに目が留まり、>283のレスを読んで、読み返してしまった。
以前カキコした自分の体験談にも、感動して貰えたのだろうかという、多大な不安と少々の自慢めいた気持ちを抱きながら。
私はこのスレで出会いに恵まれ、その人物とは他スレで親しくさせてもらっています。
彼の人となりを知って、今このスレを読み返して、今更ながらですが彼の「釣りと出会った瞬間」のカキコが分かったんです。
彼とは並んで竿を出すことになると思う。その時、自分と彼の釣りと出会った瞬間を思い出すだろう。
いろんな地域で、場所で、それぞれが、それぞれの体験を重ねてきたんだって。
遠く離れた場所で、偶然には決して隣どうしの釣り座になることなんて無かったはず。
その時は、初めて竿を出した時とは違うけれど、[おー!]釣りと出会った瞬間[いい!]って呼べるはず。
289 :
名無し三平:03/11/10 17:00
良スレage
290 :
名無し三平:03/11/10 17:41
釣り板は良いね
心が和むよ
しかし、初めて釣りに行った時の事なんて憶えてるもんかな・・?
しかもサイズまで・・
まあ、良いや。
お国自慢板行ったら地元が叩かれてるし、野球板行けばファン同士で煽りあってるし・・
ニュー速行けば糞スレ立ってるし・・
やっぱり釣り板は良いね。
それが、本当に初めての釣りでなくても、いいんじゃないかと思うよ。
自分の中で思い出しうる限り昔の記憶でさぁ。
俺も、3つ4つの古い思い出があり、どれが釣りと出会った瞬間なのかなんて、分かりゃあしない。
ことによると、もっと小さい頃に出会っていたのかも知れないし、二つの釣行がごちゃまぜになっちまってるかも知れない。
30センチの魚だって思い込んでるだけで、実際は半分くらいの大きさだったかも。
周りの大人たちが子供を褒め称えるために言った、「大きな魚だよ」って言葉が、自分の中で偽りの記憶となっているのかも知れない。
実際の釣行日や現実の釣果なんて、特に意味がないと思う。
自らの記憶に残る、釣りの想い出や、魚たちの大きさ、幼かった自分が持ち上げた時に感じた重量感。
その感動こそが、この釣りと出会った瞬間での現実なんじゃないかと思う。
それで良いんだと思う
初めての釣りがその瞬間でもあり、色んな釣りをやって来て
感動出来た釣がその瞬間でもある。
幼い時小さい魚を釣った感動、成長してから巨大魚を釣った感動
サイズや釣り方が問題ではない。
皆でイイ釣りしよう。
293 :
何処にでも居た少年釣り師:03/11/11 10:29
初めての釣り = 初めてのオ○ンコ。
忘れられるわけがありません。
294 :
何処にでも居た少年釣り師 :03/11/11 13:14
初めての釣り = 初めての万引き。
忘れられるわけがありません。
296 :
名無し三平:03/11/11 15:53
>>293 >>294 偽者って事は判ってるが
本物の何処にでも居た少年釣り師に失礼だぞ
控えおろ〜!頭が高い!
この春に就職して、半年以上このスレを見てませんでした。今日見て
まだ存在していたことが嬉しいです。また、なんだかモヤモヤさせられる
長編レスを読ませていただき、田舎の川面を思い出しました。
私たちは大人になって、何かを失ったのだろうか?それとも、実は何も失って
いないのでないだろうか・・・。
もう2年以上竿を持っていません。そろそろ車を手に入れて釣りにいこうかな。
299 :
名無し三平:03/11/16 00:57
2級河川の河口部で
オレが5歳つまり30年くらい前
エサは漁師の捨てたアケミ貝
竿は駄菓子屋の軒裏にかけてあった
仕掛けつき竹竿500円
そういや、じいさんが買ってくれたんだ
自転車もじいさんが乗り方を教えてくれたんだっけ
玉浮きでハゼとフナを釣ったなー
それ以来丸っこい浮きが好きで
今でも紀州釣りが好きなのかな?
小学校1年生の夏休みは毎日通った
昼めしも忘れてね、、、。
>1さんお久しぶりです。
良スレに育ってますよね。
俺が言うのもなんですけど、素直に嬉しいです。
どうかまた釣りを始めて、楽しい想い出、良い想い出を増やしてください。
>1
あなたの立てたこのスレってとってもイイ!
今年就職されたんですね、おめでとう御座います。
まだまだこれから色んな事が有るでしょうが頑張って下さい。
人生は釣りと一緒だと思います、釣れたりそうでなかったり・・・
なんかケコーン式の台詞みたいですね。
私は釣りを通して色んな事を学び、色んな出会いを得ました。
知らない土地で家庭を持って友達と呼べる人は殆ど居なかったけど
釣りをやってて友人が出来、楽しく過ごしています。
釣りってとっても”イイ”
302 :
名無し三平:03/11/16 05:35
名スレに感動しました。
今日初めてこのスレ見たけど、釣りってイイね。
この板で煽ってる香具師とか、荒らしてる香具師にも大なり小なり
似たような感動があるんだろうね。
巨匠も「大きな感動」がなかったら本職作家じゃないかぎり
あれだけの力作は書けないとおもう。
釣りは心も育てるんだと思う。2才の息子がもう少し大きくなったら
一緒に釣りしよう!
父親に竿を持たされて、すごく小さい頃から釣っていたような気がします。
正直思い出せる最年少まで遡っても、もう釣りしてる。
思い出せないぽ・・(;´Д`)
>>1さん、就職おめでとうございます。
自分もその時期は、たいへんで釣りはしてませんでした。
自分の経験上、釣りができない(釣りどころではない)時間というのは、
それはそれで密度の濃い時間だったかもしれません。
釣りを再び始めた時期のことを思い出すと、立ち止まって後ろを振り返った
時期だった気がします。
何か心の震えることを再び探し出しそうとして、結局釣りなんですね。
このスレで、最初に中坊の頃の初めてのルアー釣り、それから初めての竿・
初めての獲物・初めての海釣りを思い出しながら書いていて、
釣りと出会えてホントに良かったと思い新たにしました。
釣りはいいですね。
305 :
名無し三平:03/11/24 02:28
感動話キボン
初めて釣りをしたのは4歳ぐらいだったかなぁ?
その時の釣りはサビキだった
東北の秋田港で豆アジを釣っていたのよう
そうしたらサビキに掛かった豆アジに50cmくらいの
イナダが掛かって振り回された
三歳の自分にとってはマジで引きずりこまれると思った
兄貴が竿立て助けてくれて根性で引きずり上げた
その後も同じくらいのイナダとヒラマサを合計5匹釣った
後で知った話だが、この釣り場では餌のアジを追いかけて
稀に青物が侵入するそうな
幼稚園児の自分にとってはまさに衝撃の出来事だったよ
これがトラウマになって今では浪人やイソマグロを追いかけるようになってスマタ
子供の頃の初めて釣りって大人になった時の釣りに影響すると思う
遠路遥々来てくれた友へ。
釣れる自信は有ったんだけど、其の日が近ずくに従ってプレッシャーが
上がり大丈夫だろうか、本当に釣れるんだろうか?
自然相手の釣に絶対なんて無いんだぞ!と 自分との葛藤が。
楽しんで貰えるんだろうか?喜んでくれるかな?
不安は募るばかりだったよ。
何とか日程をクリアーして満足行く結果だったか?
またまた不安が込み上げて来る。
また来るよと言ってくれた彼の後ろ姿を
ゆっくり見送る時間が無くて失礼だった。
遠くに帰って行った彼との再会を心待ちにして
その日まで普段の日々がまた始る。
彼と俺の釣りと出合った瞬間!!サイコーイイ
>>1このスレを立てた貴方に感謝致します。
彼と俺を結んでくれたこのスレに感謝します。
このスレを訪れる心優しい皆さん、本当に有難う御座います。
308 :
名無し三平:03/12/02 01:00
死守
皆さん初釣りの頃から野釣りで羨ましい限りです。
俺の初釣りは管理なんですが記憶を掘り起こして書き込んでみます。
俺が初めて釣りをしたのは確か小学校低学年の頃。観光地近くの管釣りだったと思う。
未だに都内在住の俺はその頃あまり遠出をしたことが無く、
親父がハまっていた単車のケツに乗って出かけるのが楽しみだった。
少し肌寒い秋の日。「今日は少し遠出してみるか」と挑戦的な親父に高揚感を覚えた。
ゴミゴミしたビル郡を抜けてしばらく経ち、
曲がりくねった山道を駆け上がっていくと景色は様変わりし、
ガードレールと地面のアスファルト以外、人造物は極端に少なくなっていく。
見たことも無い景色に興奮している俺の目に更に不思議な物が飛び込んできた。
川だ。恥ずかしながらそれまでに俺が認識していた川というのは
T都とK県の境である多●川(しかも下流)であり、所謂汚染が進行してしまった河で、N●K等の自然物で放送されている清流を初めて見た。
慌てて後ろから親父の背を叩き単車を止めてもらう俺。
親父の制止も聞かず流れまで転がるように駆け下り呆然と水面を眺め続けた。
十年も生きていない、いや、生かされているだけの糞餓鬼のくせに、
世の中にはこんなに綺麗な水の流れがあるものなのかと思った。本気で。
「おーい」と上から親父の呼ぶ声がする。耳を傾けると、
「少し上で魚釣らせてくれるらしいぞー」とのこと。
同年代の男の子の典型に漏れず、生き物に興味があった俺が釣りをしない訳がなかった。
到着した管釣りは虹鱒の量売りの餌釣り。当然釣れない訳がない。
が、そんなことは当時の俺には解るはずもなく、結果爆釣。
俺は針掛かりしたときの快感を得る為に何尾も何尾も釣り上げる。
親父はそんな俺の仕草がおかしいのか、親として微笑ましいのか知らないが、
ただ笑っていたのを覚えている。
帰り道。簡易クーラーを背に眠くなるのを堪えて必死で親父の腹にしがみ付いていた。
振り落とされたら大変だ。という漠然とした恐怖はもちろんあった。が、
生まれて初めての釣果を親父以外の誰かにも見て欲しかった。
帰宅し、釣果を自慢そうに見せる俺に母は一瞬困った顔をしたが、
笑顔で「凄いわねー」と一言残し俺の釣果を持って台所に向かった。
その夜は家族皆で俺の釣った虹鱒を食べ、食卓は俺の釣りの話題で持ちきりだった。
なんだかくすぐったかったが楽しい食卓だった。
しかし、俺の苦悩はここから始まった。
その晩から俺の晩飯のおかずのメインは虹鱒。来る日も来る日も。
食べ物がある幸せな世代に育ち、旨くても他の肉も食いたいのが本音。
そして、ある日親父に訊いた。何で俺だけ毎晩虹鱒なのかって事を。
「お前が殺したんだから食わせて貰え。無闇に殺していいモンなんて無えんだぞ」
餓鬼なりに効いた。言葉が乱暴なだけに直球で来た。
虹鱒メインの食卓も何日か続いたがそれからは、食べた。それこそ半泣きで。
嫌だったから泣けてきたのではない。
正直、食べ飽きていて心の底から美味いと思えない自分が悔しく、泣けた。
そして、幾つもの命の代償を経て俺が生かして貰っていることを知った。
あれから幾年月、暇を見つけては渓に立ち入るようになった。
最低限の装備はするが、散歩気分。
とりあえず釣って食う。腹が減ったらまた釣る。帰りがけにお土産程度。
バーブレスでも完全に生き長らえさせる自信が無いのでCRは不安。
数釣りにも程遠いから大物などとはほぼ無縁。
でも、こんな釣りでいいと思っている。俺は釣り過ぎない。
>「お前が殺したんだから食わせて貰え。無闇に殺していいモンなんて無えんだぞ」
ええ親父さんや…
ええ話やぁ・゚・(ノД`)・゚・。
【サムライ部落】
バスを一度乗り換えて、しばらく歩いてその場所にたどり着いた。
大きな工場地帯を過ぎるともう家屋はなく、見渡す限りに荒れ地が広がっていた。
遙か向こうに川の土手がある。草もない荒れ地を歩き続けると、土手の手前に
ホッタテ小屋が集まっていた。遠くから見たときは、ゴミ置き場にしか見えなかった。
木材や段ボールやら壊れた自転車やら、リヤカーやらガラクタが山のように積み上げられ、
そのあいだに小さな小屋が建ち並んでいる。集落の通りに人の姿はなかった。
俺が小屋のそばを通ると、かすかに聞こえていた話し声がぴたっと止んで静かになる。
中からこちらを伺っている様子がした。早く通り過ぎて川の土手に抜けようとしたとき、
白い大きな犬が走ってくるのが見えた。後ろに5・6匹、他の犬を従えている。
5メーターくらい手前に止まって、いきなり牙を剥き出した。ぎょっとしてると盛んに吠えたててきた。
仲間を呼んだか、ぞろぞろ他の犬も集まり、半円を描くように俺を取り囲んだ。
今にも噛みつきそうな勢いで、吠えまくる。十数頭の犬に行く手を阻まれて、俺は凍り付いた。
これだけ騒ぎになっているのに、小屋から人は出てこない。俺はそのまま後ずさりした。
犬の群は一定の距離を、つかず離れずついてきた。そして盛んに吠えたてた。
集落の外に出てしまうと、犬達はそこで止まった。そのままじっと見張っていた。
こんな犬を見たのは初めてだった。
俺のそばに走り寄ってきた時の動きや、統率された集団の見事さは、一点の無駄もなかった。
そして飼い犬の愛嬌など、みじんもないのだ。
その集落を大きく迂回して、川の土手に回り込んだ。
土手にあがって上から見ると、広い河川敷の向こうにどんよりとした流れがある。
釣り人は一人も居ない。後ろを振り向くと、寄り添うように立ち並ぶホッタテ小屋の向こうに、
工場の高い煙突から黒い煙がもくもくと流れてた。人外地。寂しいところだ。
そのまま河川敷に降りて川の方へ歩いていく。
その途中に、金網が張られたリンゴ箱のようなものが落ちていた。
そばに杭が一本立っていて、鎖が繋がれている。
金網の中を覗くと、金色の眼がぎょろりと俺を睨んだ。黒い犬だ。
薄暗い箱の中で、眼だけ光らせている。こんな所で犬を飼ってる奴が居るのだ。
その箱を迂回して、水辺に立った。鉛色の水は油を浮かべていた。
真っ黒い藻がコンクリの護岸を覆っている。上流から流れてきたゴミがあちらこちらに溜まっている。
汚い。臭い。周りを見まわして、俺はため息をついた。
やはり嘘か。
あいつの言ったことを真に受けた俺が馬鹿だったのだ。
ここが一番釣れる場所だと、一人のクラスメイトから聞いた。通称ボンゴ豆。ボンゴ。
もちろん渾名だ。中学始業式の教室で、担任が自己紹介してるときに学生服のポケットから
豆を出してボリボリ食い始めた。全員注視の中、出席簿で頭を叩かれた。
中一の時から同じクラスだったが、2年生になってもあまり口を利かなかった。
俺は、こいつを避けていた。不良っぽかったのだ。
いつも第一ボタンをはずして、一人だけ斜に構えてるようなところがあったのだ。
割と親しくしてたのは、女子生徒から玉三郎と呼ばれてた、少し変わった男の子だった。
色白で上品な様子から女子生徒がそう呼んだ。それだけではなく実際に仕草・話し方が女っぽいのだ。
初めてこの中学に入ったとき、俺は都会の子供たちの雰囲気になじめず教室の中で押し黙っていた。
ほとんどが地元の小学校から、その延長で中学生活に入ってきている。
皆、すでに顔なじみの中で、俺はまだ友達が居なかった。その時声をかけてくれたのが彼だった。
「君は塾とか習い事とかする?」
まるで別世界のことを女っぽい口調で尋ねられて、俺は吹き出した。
「釣りの塾があれば行きたい」
彼はきょとんとした顔をしたが、俺につられて笑い出した。
それも口をすぼめて、女のようにウフフと笑ったのだ。
雪が解けて、中坊2年の春を迎えた
ある休み時間、前の席の玉三郎と話していたとき、大川のことが話題になった。
大川。この都会のど真ん中を流れる大きな川だ。
俺達家族が住んでるアパートからバスで20分位のところにある。
この町に慣れた頃から通い始めてみたが、全然釣れない。
バス代がかかるから、数回しか行ってないのだが、中一の時は連戦連敗だった。
列車の中から見たとき、釣れない川で竿を出す馬鹿は居ないだろうと思ったが、
自分がその馬鹿になるとは思いもしなかった。
その話題の時、ボンゴ豆が後ろから割り込んできた。
「サムライ部落の裏じゃなきゃ、釣れねぇよ」
サムライ部落?川沿いにそんな町はない。
「なんだそれ?」
俺は振り向いて聞いてみた。
「知らねぇのかよ?おまえ田舎者か?」
いかにも意外というような眼で見返してきた。人をからかうときは、いつもこういう眼をする。
田舎者。本物の田舎者に言ってはならない言葉だ。気になる情報だったが、相手にするのを止めた。
「スラム街だよ。昔、川のそばにあったけど、今はもう無いよ」
玉三郎がそう言って、相手にするなというように眼で合図をした。
「スラム街?でも何故、サムライなんだ?」
聞いた問いに答はなかった。玉三郎も首を傾げていた。
サムライ部落。昔消えたはずのその町は、実際には、まだあったのだ。
正確には、いまだそう呼ばれてる場所があった。釣具屋の親父に聞いた。
川の下流に、屑屋が集まって居住してる場所があって、いまだにそこをサムライ部落と
呼ぶ人たちが居ること。サムライ部落というのは町の名前じゃなくて、蔑称なんだということ。
そう呼ばれる場所には、街の人間は近づかないということ。
何故、サムライとよぶのかは、その親父も首を傾げていた。
屑屋。廃品回収業者である。当時、彼らはリヤカーを引きながら街を流していた。
「たとえ釣れても、子供が行く場所じゃないよ」
釣れるなら、大人も子供も関係ない。
釣具屋の親父の忠告を気にせず、とりあえず、此処にやってきた。
そしてため息をついた。ため息をつきながら、仕掛けの準備をした。
だが釣れた。やってみると確かに魚が釣れたのだ。1時間ほどでうぐいが2匹、油の浮いた水面にのたうった。
この川の、その初めての記念すべき獲物を俺はリリースした。
いや、川に捨てた。握り飯も、手に油のにおいがして半分残した。なんか楽しくない。心弾まない。
早々に竿を畳んで、近辺を探検することにした。
そして先ほど見たあのリンゴ箱の所にもう一度行ってみた。
中を覗いてみると、相変わらず金色の眼がじっと俺を見ている。おそるおそる近づくと耳をピンと立てた。
よく見ると右耳が半分無い。金網のそばまで行ってみた。
前足に顎の乗せたまま上目遣いにこちらの様子をうかがって、俺の方を警戒していた。
見覚えがある。あいつだった。あの片耳のシェパードだった。
この犬を始めてみたのは、この街に引っ越したばかりの、中一の時の夕方だ。
帰宅途中、後ろで男のわめき声が聞こえた。振り向くと段ボールやら雑誌やら
たくさん積み込んだリヤカーのそばで犬がうづくまっている。
その男は大きな声で怒鳴りながら、犬を踏みつけていた。犬が立ち上がると、今度は蹴り始めた。
かなりの力で蹴っていた。往来のど真ん中でだ。やられていたのは黒いシェパードで、
耳を伏せたままじっと耐えていた。驚いたが、俺は視線をはずすことができなかった。
周りには他にも買い物帰りのおばさんや小坊達が居たが、皆立ち止まってこの様子を見ていた。
俺と同じ視線でこの男を見ていた。そう、皆にらんでいた。
リヤカーを引いて歩き出しても、周りを気にする様子もなく犬をときどき蹴り上げる。
犬がリヤカーを引く力を緩めると、とたんに蹴りが入った。男は、結構年寄りでビッコを引いていた。
ただ体格が大きく、猪首で体つきもがっしりしている。
眉間に皺を寄せて、にらまれるとすくんでしまうような剣呑な目つきをしていた。
都会には恐ろしい大人がいるのだ。そばを通り過ぎるとき、犬がちらりと俺を見た。
その黒いシェパードには片耳がなかった。
その後も、この二人連れ(正確には一人と一匹だが)は何度か俺の住む町に現れた。
犬は相変わらず蹴られてたが、叫び声もあげず、懸命にリヤカーを引いていた。
俺はそっと、指を金網においてみた。耳を伏せながら、鼻を近づけてきて臭いを嗅いでいる。
鼻の上をそっとなでると指をぺろぺろなめてきた。
「クロ。」
呼びかけてみると、しっぽが箱をぱたぱた叩く音がした。おとなしい。危険はなさそうだった。
本当はなんて名なのか。クロと呼ぶと、ちゃんと反応する。
手を、さらに押し入れて、顎の下をもんでみた。向こうも安心したのか、
しっぽで箱を叩く音が大きくなり、立ち上がって金網に鼻を押しつけてきた。
もっとこの犬に触りたくなった。扉のフックをはづして、そっと開けてみた。
クロは耳を伏せながらおそる出てきた。背中を撫でてみる。
毛並みの下の暖かい筋肉が気持ちよかった。
体を撫でてやると、向こうから体をこちらに押しつけてきた。もっと触れと言っているのだ。
首を揉んでやる。すっかり安心したのか、俺の顔をべろべろなめだした。
背中を軽く叩いてやると、しっぽの揺れが大きくなる。
食い残しの握り飯を与えると、一息で呑み込んだ。
杭にぶら下がって居た鎖に繋いでから、俺は再び、水辺に戻った。
うぐいを一匹釣り上げて、クロに与えてみた。その油臭いうぐいを、クロは平気で食べた。
この日は結局、夕方まで水辺とクロの所を往復した。
そしてその後、何度かこの場所に通った。
平日はリヤカーを引かせられ、日曜日に閉じこめられている、この犬がほっとけなくなった。
同情か。いや、そうではない。無意識に自分の境遇を重ねてたのかもしれない。
俺は誰からも蹴られなかったし、リヤカーも引かされなかったが、越してきて一年以上すぎたこの街に、
妙な圧迫感を感じていた。違和感が、なかなか抜けなかった。
友達もできたが、田舎の気の置けないガキどもとは、どこか違っていた。
新しい街と学校の中で、説明できぬ疎外感を抱えていた俺は、この孤独な犬に妙な連帯意識を持ったのだ。
俺が釣り上げた魚を喜んで食べる、この不幸な犬のそばにいると、こちらが慰められた。
俺が近づくだけで喜んでくれる生き物を見ると、自分が抱えていた疎外感が消えていく気がした。
【ボンゴ豆】
トイレから教室に戻ると何やら騒ぎが起こっていた。男子生徒の人垣ができていて、
その中から興奮した声がする。始業ベルが鳴っても収まる様子がない。
中に割って入ってみると、大人しい玉三郎が顔を真っ赤にしてボンゴと言い争っていた。
英語の宿題を写させろと、ボンゴが玉三郎に頼んだとき、あんただけはイヤだ、
と返されたのがはじまりらしい。
教師が来る前にこの場を納めなければと思った。それに喧嘩になったら玉三郎に勝ち目はない。
低い声で玉三郎に応じていたボンゴの肩に後ろから手を置いた。
「おまえには関係ねぇよ。」
ボンゴが振り向きざま、片手で胸ぐらを掴んできた。反射的にこっちも相手の胸ぐらを掴んだ。
ボンゴは余った手を首に巻き付けてきた。ヘッドロックをかけようというのだ。頭に来た。
ボンゴの腰に手を回して、振りほどこうと力を入れると、踏ん張ろうとしたボンゴの足が、
椅子ともつれて通路に倒れ込んだ。引っ張られるように俺もボンゴの上に倒れ込んだ。
あわてて逃げようとした女子生徒のスカートと白い腿が視野をかすめた。
周りで歓声が起きて、椅子や机をばたばた片づける音がする。ボンゴと俺は床で揉み合っていた。
奴にマウントポジションを取らせてはならない。起きあがろうとするボンゴを上から必死で押さえ込んだ。
周りの歓声がぴたっと止んだとき、俺とボンゴ豆は襟首を誰かに引き吊りあげられた。
立ち上がった途端、出席簿が二人の頭に跳んできた。
「廊下に立ってろっ!!」
一瞬言い訳をしようと思ったが、ボンゴが俺の肩を叩いて、さっさと行こうぜと歩き出してしまった。
どっと湧いた笑い声の中、俺も教室を出た。
廊下と教室の間の壁には大きな窓ガラスがはめられている。
授業が始まった教室を背に、廊下に2人で並んだ。
背中での授業も半ばすぎた頃、後ろの教室をちらりと見てからボンゴが小声でつぶやいた。
「最初からあいつに当てりゃぁいいじゃねぇか」
教室の方を見ると、富士子嬢が教師の質問にすらすら答えていた。これも渾名である。
これは定年まぢかの担任教師が付けた。山本富士子という大昔の女優に似てるのだそうだ。
女優さんの渾名を貰えるとおり、確かに美人で学年成績優秀者だ。
担任教師の一番のお気に入りだった。
出来の悪い生徒に何人か質問した後、最後に富士子嬢に正解を述べさせるというのが、
いつものパターンなのだ。ボンゴと俺は、富士子嬢の引き立て役のほうだった。
「おい」
視線を、その富士子嬢に飛ばしてから話しかけてきた。
「さっき、あれ見たか?」
何のことだろ?
ボンゴが飛ばした視線の先には富士子嬢が座っている。
黒板に見入っているその横顔を見てから、ハッと気づいた。
俺達が倒れ込んだのは富士子嬢の足下だった。あの時視野に飛び込んだ太股は、富士子嬢だったのだ。
その時俺は下を見ていて、奴は上を見ていた。
俺はむっとした。ボンゴの言う<あれ>を俺は見ていないのだ。
「おどろいたろ」
顔を俺に近づけてから、こう言った。
「ドラエモンのイラスト入りだったもんな」
「嘘だろっ」
不覚にも、俺は吹き出した。
その時だった。
ガラッとドアの開く音がして足音が近づいたと思ったら、パンッパンッと出席簿が頭を叩く音が2発廊下にこだました。
「反省してないなら放課後まで立たせるぞっ!」
怒鳴り声と足音が去って再びドアが閉まった後で、教室からドッと歓声が上がった。
放課後、俺達二人は職員室で更なる叱言を受けた。
その帰り道、あのビッコの男が町に現れた。暑い日差しもまだなく過ごしやすい季節の中、
男は大汗をかきながらリヤカーを引いてこちらにやってきた。
俺は立ち止まって、二人(正確には一人と一匹だが)を見ていた。
「あいつを見ると、いやな気分になる。」
声に振り向くと、いつの間にかボンゴがそばに立っていた。
その通りなのだ。いやな男だ俺も思った。
俺はクロに視線を戻した。耳を伏せて、全身に力を入れて、懸命にリヤカーを引いている。
俺達の近くまで来て、通り過ぎようとした時、クロの緊張が解けた。俺に気づいたのだ。
ぴんと耳を立てて、俺の臭いを嗅ぎながらしっぽを振った。まずい。とたんに蹴りが跳んだ。
1発、2発、3発。目の前でやられた。
「やめろよ。」
俺とボンゴ豆が同時に発した言葉は、同じ言葉だった。
男は一瞬こちらをにらんだが、いっそう力を込めてクロを蹴り始めた。クロは地面に伏した。
無抵抗の意志を示す行為なのだ。耐えられなくなったときは、悲鳴をあげる代わりに地面に伏せることで、
もう止めてくれと頼んでいるのだ。そのクロを今度は踏みはじめた。俺は黙ってみていた。
この男が恐ろしかった。男の足が離れたとき、クロは立ち上がって、懸命にリヤカーを引き始めた。
その後ろ姿を、しばらく見送った後、ボンゴ豆が怪訝そうな顔で俺を見た。
クロが一瞬、俺に向けた様子が不思議だったのだ。
俺は道々事情を話した。サムライ部落を探し出して行ったこと。犬の軍団に襲撃されたこと。
河川敷で、今のシェパードを見つけたこと。一匹だけ、檻に閉じこめられていたこと。
俺の話を黙って聞いた後、ボンゴはその部落について説明した。
リヤカーを引く屑屋は、ほとんど犬を飼っていること。
それは、ペットとしてではなく、リヤカーを引く労働用として。
そこで飼われてる犬は人にはなつかないこと。
人に撫でられて喜ぶような犬は居ないこと。
捨て犬や元野良犬か、保健所行きになりそうな飼い犬をもらい受けて、飼って居ること。
かっぱらいを警戒して、よそ者が部落に近づくのを好まないこと。
そのため、部落内じゃ犬を放して番犬にしてること。
あのゴミのように積まれたがらくたも、彼らが生きてゆく糧なのだ。あの片耳のシェパードも、
金持ちが飽きたのを貰い受けたか、保健所行きの奴を貰ってきたのだろう。
「でなきゃ、屑屋がシェパード買えるわけないだろ」
「でも、何であの犬だけ河川敷のど真ん中で、檻に閉じこめてるんだろ?」
「う〜ん、よほど凶暴な犬じゃなきゃそんなことはしない筈だけどなぁ」
しばらく考え込んでから、ボンゴは俺の方を見た。
「また行くんだろ。俺も行くよ」
【死闘・大川河川敷】
その週の日曜日、一緒にバスに乗り込んだボンゴ豆は、袋に入れた残飯と竿を持っていた。
グラス竿である。俺は感嘆の声を上げた。
「兄貴のだよ。ちょっと借りてきた」
「お前んち、金持ちなんだな」
ボンゴはゲラゲラ笑いながら否定した。
「俺んち、親父がいないんだぜ」
親子3人暮らしで、アパート住まいをしていること。
高校生の兄貴がいて、朝夕新聞配達してること。朝は毎日手伝って、夕方もほとんど手伝うので
分け前が貰えること。そのため比較的、自由になる金を持ってること。
お袋さんは夜、働きにでてるので、夜更かしはし放題ということ。
夜更かししながら、新聞も配達するので、寝る時間は授業中しかないということ。
新聞配達という手があったのか。俺もやろうかな、と思った。
グラス竿が頭に浮かんだ。夢にまで見たルアーロッドも頭に浮かんだ。
「親父さん、死んだんだ」
「違うよ。女つくって、居なくなったんだよ」
ボンゴが笑いながら、大きな声でそう言ったとき、バスの乗客が一斉にこちらを見た。
リンゴ箱に近づくと、クロはすでに立ち上がってしっぽを振っていた。
扉を開けると、最初はボンゴの方を少し警戒したが、俺のお腹に鼻をつっこんでから、
体を押しつけながらグルリと一回転した。
頭を撫でると手をべろべろ舐め、首筋を揉んでやると俺の肩に飛び上がって、顔を舐めてくる。
「大人しいじゃないか」
様子を見ていたボンゴはそう言って、いきなりクロを抱きしめた。
一瞬耳を伏せたが、荒っぽい愛撫をするボンゴに、クロもすぐに警戒心を解いた。
そのまま杭の鎖を繋いで、クロを水辺に釣れていった。
ボンゴは釣りはしないというので、俺はグラスロッドを借りることができた。
ボンゴが持ってきた残飯を、クロが食べ終わる頃に一匹釣り上げた。
グラスロッドは、やはりいい。
何せカタカナの竿である。ルアーロッドもそうだが、カタカナの物は文化が違うのだ。
持ち重りのしないそのバランスは、持ち手にロッド本来のウェィトを感じさせることはなく、
最先端のテクノロジーによって実現された、そのレスポンスとパフォーマンスはアングラーに
最良のフィーリングを与えた。
リアル・フライ・チャイルド(蛆)をフックにかけて、しなやかなラインをサーフェイスからボトムに
フォーリングさせ、マイルドなストリームの中ドラフトさせるとボトム近くにサスペンドしていたフィッシュが、
たまらずバイトしてくる。フィッシュオン!
サーフェイスのオイルをかき分けてジャンプした、そのフィッシュはサンシャインの中でキラキラと
ブライトしながら、ミーのハンドにホールドされた。
マイフレンド、ボンゴのフードをたらふくイートしたブラックシェパードは、そのオイルフィッシュに、
もはやバイトする事はなかった。俺はやさしく、ゲットしたフィッシュを元居たストリームにリリースした。
そしてオイルがまとわりついたマイハンドを、ブラックシェパードの背中でクリーンにした。
ダークカラーのチョークストリームから漂う香りに、マイフレンドはギブアップしたのか
、ブラックシェパードを連れてウォーターフロントから離れ、ウォーキングに出かけた。
クロがうぐいを食べなかったのも無理はない。
ボンゴが持ってきた残飯は、お袋さんが働いている居酒屋から持ち帰ったもので、かなりごちそうだった。
ボンゴ達は河川敷で走り回っていたが、やがて姿が見えなくなった。
そのあいだ、俺は水辺を移動しながらグラス竿の釣り味を一人で楽しんだ。
2時間ほど過ぎた頃、後ろで呼ぶ声がして振り向いた。ボンゴが缶コーヒーを二つ手に持って
その手を振りながら歩いてきた。その時、その向こうの土手の上に点のような物が動き回るのが見えた。
俺は竿をおいて、ボンゴの所に向かった。
「こいつ、やっぱり元飼い犬だな。」
缶コーヒーを、差し出しながらボンゴが言った。土手を越えて、近くの町まで遠征してきたらしい。
クロは、大人の男がそばに近づくと耳を伏せて少し警戒するけど、小坊や女の人には全く警戒せず
立ち止まってしっぽを振ったりするそうだ。
小学生の女の子を見ると、臭いを嗅ぎながらそばに近づこうとして、まるで誰かを捜している様子に見えたそうだ。
「元の飼い主の家に、小さな女の子が居たんだろうな」
俺はボンゴから缶コーヒーを受け取ってから、土手の方に視線を移した。
先ほど点のように見えたものは、もう無い。だが、その下を見て、俺はぎょっとした。
土手の下、犬が5・6匹こちらに向かって走ってくるのが見えたのだ。クロが耳を伏せた。
低いうなり声を発して、そのまま飛び出そうとした。あわてて鎖を押さえ込むと、クロは暴れ出した。
何とか落ち着かせようと、抱きかかえながらクロを河川敷の杭に繋いだ。
周りで凄まじい吠え声が、わき起こった。囲まれていた。振り向くと、あの白い犬が牙をむいてる。
周りに5匹、円を描いて吠えたててきた。クロが激しく咆吼しながら、鎖をほどこうと暴れ始めた。
ボンゴはとっさに短い棒きれを掴んだ。俺もあわてて棒を探した。無い!
白犬が跳んだ。クロが受けた。2匹は後ろ足で立ち上がって、激しくぶつかった。牙がかち合う音がした。
鎖を張ったまま応戦するクロの後ろ足としっぽに、他の犬が襲いかかった。ボンゴが白犬を棒きれで叩いた。
白犬は反転して棒きれに噛みついた。俺はクロのしっぽに噛みついた犬を蹴り上げた。
とたんに足に噛みついてきた。ズボンの裾を引っ張られて、もんどり打った。
クロが反転して、後ろ足に噛みついた犬の首に牙を食い込ませた。そのクロの背中に数匹が襲いかかる。
地面で横転したクロの首に鎖が巻き付いた。
「鎖をはなせっ!」
ボンゴが叫んで、クロに覆い被さっていた犬を引き剥がそうとした。
俺は杭に飛びついて、鎖を引きはずした。ボンゴの手首に犬が噛みついて、ぶら下がっているのが見えた。
シャツが引き裂かれる音がして、ボンゴは河川敷にひっくり返った。
解き放たれたクロが躍り上がった。目の前の犬の喉元に噛みついて、そのまま組み敷いた。
鋭い悲鳴があがった。反転して、後ろ足に噛みついた犬の耳に噛みついた。何匹か、逃げた。
その犬を追っかけながら、後ろから追いすがる犬を、さらに反転して攻撃した。
飛び上がって噛みつき、走っては牙を剥いた。短い悲鳴が上がる。逃げまどう犬の数の方が多くなった。
うなり声、咆吼、悲鳴。犬の喧嘩は見たことあるが、こんな凄まじいのは初めてだった。
殺しあいだ。こいつらは殺し合いをしているのだ。
クロが白犬に挑みかかった。
2匹は河川敷を転がりながら、死闘を展開した。
転がっては跳ね起き、ぶつかっては転げ回った。牙と牙がぶつかり合った。
白犬がクロの耳にその鋭い牙でぶら下がったとき、クロが白犬の喉に噛みついた。
そのまま組み伏せた。低いうなり声が悲鳴に変わった。
キャインッ!
白犬の叫び声で、他の犬がいっせいに逃げ出した。白犬もしっぽを巻きながら走り出した。
勝負あった。俺とボンゴは歓声を上げた。河川敷のど真ん中、仁王立ちのままクロが吠えた。
俺達はクロに走り寄った。そのまま抱きしめた。揉みし抱いた。
「かっこいいじゃねぇか!おまえっ!」
凄い犬だ!おとなしい犬と思っていたクロの、初めて見るその姿に度肝を抜かれた。
その耳元と後ろ足に血が滲んでいた。血を手で拭いてやると、心配するなというように手を
べろべろ舐めてきた。ボンゴの手にも血が滲んでいた。逆に慰めるように、クロがその手を舐めた。
抱きついてるボンゴの顔を、しっぽを激しく振りながら舐めまくった。
クロの体を撫でながら、俺たちは缶コーヒーで乾杯した。
逃げた犬達の行方を追って、視線を土手の方に向けたとき、俺は再び戦慄した。
あの男が、そこに立っていたのだ。杖のような物を手に持って、こちらを見ていた。
「まずいぞ。」
ボンゴも立ち上がった。
俺達は、あわててクロをリンゴ箱に連れていき、中に入れた。
扉のフックを掛けて、土手の方を見ると男はゆっくりこちらに歩き始めている。
クロを普段の状態に戻してリンゴ箱から離れた。少し離れて様子を見ることにした。
何事も起きなければいい。男が何事も見なかったことにしてくれればいい。
クロはいつも通り、箱の中で大人しくしているのだから。
祈るような気持ちで、男が箱に近づくのを見守った。
男は扉を開けると、耳を伏せてうづくまっているクロを引き吊り出した。杭の鎖に繋いでから、蹴り始めた。
クロは耳を伏せたまま、じっと耐えていた。
何故、かわさないのだ。何故、逃げないのだ。何故、やられっぱなしになって居るんだ。
あんなビッコのヘナチョコキックを。
耐えられなくなったのか、クロが地面に伏した。男は杖で体を支えながら、クロを踏みつけた。
何故、怒らない。何故、牙を剥かない。白犬に立ち向かったように、躍り上がれよ、クロ。
俺は手に持っていた缶コーヒーを男に投げつけた。
缶はコーヒーをまき散らしながら、男の頭上を越えていった。
男が振り向いたとき、その肩にボンゴが投げた缶コーヒーが命中した。
缶は中の液体を男の顔に浴びせて、足下に落下した。男は顔を手で拭いながら、こちらにやってきた。
そして俺の胸ぐらを掴みあげた。体が浮いたと思ったら、そのまま地面に叩き付けられた。
「警察呼ぶぞっ!」
そう叫んだボンゴの頭に、男の拳がとんだ。ボンゴも河川敷に転がった。
「泥棒はお前らだろうがっ!」
男が大声でわめき始めた。
「人様の物に勝手に触るんじゃねぇっ!」
わめき声は続いた。この犬はペットじゃねぇ。人に慣れたら、仕事しなくなるんだっ。
ただ飯食わせてるんじゃねぇっ。ガキどもが勝手なことをするなっ。
わめき終えると、男は再びクロの側に行き、今度は杖で叩き出した。
俺とボンゴは静かに立ち上がった。
男は、こちらを振り向きながら、これ見よがしにクロを踏みはじめた。
俺達への当てつけか、いっそう暴力が激しくなっている。
俺はボンゴの肩を叩いて、行こうと眼で合図した。俺達が側にいる限り、クロは叩かれるだろう。
水辺に戻って、竿を片づけた。
歩き始めて、土手の上に立ったとき後ろを振り向いた。
男がクロを背にして、仁王立ちでまだこちらを見ていた。
俺とボンゴは押し黙ったまま、帰りのバスに揺られた。
もうクロには近づくまい。あの男によけい虐待されるだけなのだ。
町で出会っても、こっちが避けよう。でなけりゃ、クロが痛い目に遭う。
ボンゴは時折、殴られた頭をさすりながら、窓の外を睨んでいた。
家のそば、別れ際にボンゴが言った。
「おい」
俺は立ち止まって、その眼を見た。
「明日の放課後、俺に付き合え」
俺は答えずボンゴの眼を見てた。俺の無言の視線を受けて、ボンゴはやがてうなづいた。
そしてニヤッと笑ってから、こう言った。
「あいつは俺が飼うことにした」
【道行き】
「やられた」
暗闇の中で、新品の犬の首輪と革ひもを持ったままボンゴが舌打ちした。
俺が持つ懐中電灯の光は、リンゴ箱をぼんやり浮かび上がらせていた。
中から、クロのしっぽが箱を打つ音がする。その光の中で、真新しい南京錠が鈍く輝いていた。
鍵を変えたのだ。ボンゴと俺は視線を合わせてから、南京錠のそばまで行った。
俺は金網を掴んで、激しく揺すってみた。破れそうもない。その指をクロがしきりに舐めていた。
「懐中電灯を貸してくれ。」
ボンゴはそう言うと、闇の中に消えていった。
やるなら夜の方がいい。
夕刊の配達が終えてから、落ち合おう。放課後そう言ったボンゴの夕刊配達に、俺はそのままつきあった。
配達途中で、計画を聞いた。平日の陽があるうちは、まだクロが帰っていない可能性がある。
明るいうち、あの近辺でクロを連れて歩くのは目立つ。
ボンゴのアパートはペットは禁止だが、猫を飼ってる棟もあるので平気だ。
大家は遠くに住んでるので、見つかることはない。近所には親戚から貰ったことにする。
お袋さんの勤め先で、大量の残飯が出るので、クロの餌には困らない。
「お袋さんは、犬を飼って良いと言ったのか?」
「全然平気さ」
得意そうに笑って見せたボンゴと、闇に紛れてやってきたのだ。
やがてボンゴは鉄の棒みたいな物を持って現れた。工場の裏で、探してきたのだ。
リンゴ箱の後ろに回って、板の隙間にこじ入れた。一枚引き剥がすと、クロが鼻を突きだした。
「あせるなよ、クロ」
俺が手を入れて、クロを撫でてるあいだに、ボンゴは数枚板を引き剥がした。
その隙間から強引にクロが飛び出した。
闇の中で、汚くて太い首輪をはづしてやると、体をブルブルッと振ってから俺達に飛びついてきた。
そのまま、上流へ走り出した。二人と一匹が走り出した。
俺達の笑い声が闇の中、風にながされていった。
3時間以上歩いて、ボンゴの家にたどり着いた。
この距離を重いリヤカーを引いて歩き回るビッコの男のことが頭に浮かんだが、
生活の為にそれをしている男の人生に思いめぐらせるには、俺達はまだガキだった。
ボンゴと兄貴が一緒に使っている部屋に、古いバスタオルが置かれた。クロの寝床だ。
ボンゴの兄貴がクロの体を拭いてやっていた。兄貴はボンゴと違って、大人しい人だ。
高校生だけど、背もそんなに高くなかった。俺は好感を抱いた。
夕刊の配達が終わったとき、君の給料だといってバラ銭を手のひらに乗せてくれた。
予想外だったが、これはありがたかった。バス代が楽に浮いたのだ。
俺は話しかけた。
「また、配達手伝っても良いですか」
二人が笑い出した。
「助かるよ。人いないから」
兄貴の言葉を受けてボンゴが言った。
「朝も手伝えよ。クロも連れて歩くから」
うちじゃお袋も昼間パートに出ている。俺が配達手伝っても問題ないだろう。
かえって喜ぶかもしれない。自分の身の回りのものを買うのだと、言えばいい。
すぐにもグラスの竿が買えそうな気がして、うれしくなってきた。
部屋の片隅に立てかけてあるグラスロッドをちらりと見てから、本題に入った。
「釣り、やるんでしょ?」
釣り友達は欲しい。俺が魚をかけたとき、冷やかしでも賞賛でも、そばで声をかけてくれる人が居て、
ゲラゲラ一緒に笑えたらどんなに楽しいか。ボンゴの兄貴は申し分なかった。
「今はやってないんだ。前、やってたけどね」
話が終わってしまった。
俺は黙って、クロの背中を撫でた。
その週から俺は新聞少年になった。夜明けに起きて、家の前でボンゴ兄弟とクロを待つ。
合流してから、兄貴の自転車に積まれた新聞をブロックごとに俺とボンゴが配達した。
放課後は家で着替えてからボンゴの所へ行き、クロと遊んだ後3人と一匹で町へ繰り出した。
夕方、ボンゴの家に行くとお袋さんが上はブラジャーだけで化粧していた。
最初はとまどったが、すぐに慣れた。
休みはクロを連れてボンゴと遠征したが、大川には決して近づかなかった。
クロとボンゴと過ごす時間の中で、釣りのことは頭に浮かばなくなった。
俺がすっかり慣れて、兄貴が新聞の配達部数を増やしてもらったころ、ボンゴがクロを学校に連れてきた。
クロがお袋さんを寝かせなくなったのだ。ボンゴの家にすっかり慣れて、昼間も人恋しくなるのか、
寝ているお袋さんの顔を舐めて起こすようになった。ふすまにつっかえぼうをして家を出ると、
吠えはしないがふすまを揺らして騒ぐようになった。ついにお袋さんがヒステリーを起こしたのだ。
「あたしを寝せないつもりなら、餌持ってこないよっ!」
結局、俺達の授業中、クロは校舎裏の路地の空き地の木に繋がれることになった。
ただ心配事があった。あの男が現れることだ。
【暗雲】
たたきでクロの足を拭いてから、茶の間に連れ込んだ。
台所で作業をしていたお袋が、振り返ってぎょっとした。
「こいつなんだけど、おとなしいでしょ」
前日、俺はお袋と親父に頼み込んでいた。昼間、友達の犬をこの家においてくれと。
友達のお袋が病気になったので、昼間だけその犬の居場所が無くなったのだと。
何とか助けてくれないかと。
答はノーだった。にべもなかった。いわく、このアパートで犬は飼えないこと。
月曜日から木曜日まで、お袋もパートに出るので、犬が騒いだら近所に迷惑がかかること。
いわく、犬を飼える身分ではないこと。俺はくいさがった。飼うのではない。預かるのだ。
それも友達のお袋の病気が直るまでのことだ。吠えるような犬ではないから、近所迷惑にはならない。
嘘は泥棒の始まりというが、泥棒は既にやってしまっていた。しつこく頼んだ俺に、答は帰ってこなかった。
俺は実力行使に出た。クロを連れてきたのだ。
「絶対吠える犬じゃないから。俺の部屋に閉じこめておけば問題ないでしょ」
「あんただけの部屋じゃないでしょ」
お袋はそう言うと、再び背中を向けた。部屋は妹と共同で使っている。俺はため息をついた。
妹が帰ってきた。茶の間のクロを見て、大きく目を見開いた。俺はクロの背中を軽くたたいた。
クロは静かに床に伏せたが、上体を乗り出して妹の方に鼻先を向けた。
「クロだよ。」
ランドセルをおろしてクロを見つめたまま、妹は壁伝いに移動した。そのまま部屋に逃げ込むつもりだ。
クロも妹から目を離さない。もぞもぞと起きあがろうとする。怖がらせてはまずい。
「おとなしいから、怖がらなくていいよ。」
妹をクロのそばへ強引に連れてきて、その手を取って鼻先に近づけた。
クロは臭いを嗅いでから、その指を舐めた。しっぽを大きく振りだした。
「この犬、見たことある」
振り返った妹がそう言った。俺はとっさにその口を押さえた。お袋を見た。背中を向けてる。
(それをしゃべったら、くすぐりの刑。)そう耳元で囁いてから
妹を床に押し倒して、脇の下に両手を突っ込んだ。妹は悲鳴と笑い声をあげて、床を暴れ回った。
「静かにしなさいっ」
お袋が、台所の手を止めてこちらを向いた。
俺は妹を離した。妹の笑い声と悲鳴は収まらない。
見るとクロが妹に覆い被さって、顔を舐め回していた。お袋はその様子を、じっと見てた。
「部屋にオシッコしたらどうすんのよ」
クロに近づいてそう言った。脈が出てきた。
「朝晩、外に連れ出すから、それは大丈夫」
クロがお袋の方を見上げた。お袋が前掛けのポケットから、いりこを出してクロに食べさせた。
いりこをかみ砕いているクロの、ちぎれた方の耳を指で触りながら、お袋が言った。。
「かあさんが、いる日だけなら連れといで」
ホツとした。金・土だけでも、その日は安心できる。
そのうちに放課後のクロは俺の担当になった。
家に連れて変えるうちに、クロはお袋と妹も魅了したのだ。お袋もクロをかわいがるようになった。
家に置かない日以外も、妹がクロに会いたがるようになった。
放課後、配達に行くまでのあいだ、クロを妹のために毎日連れ帰ってやるようにになったのだ。
こうして、俺とボンゴとクロの日々が周りの人間を巻き込みながらも、しばらくは穏やかに過ぎていった。
その平穏な日々に、変化が起き始めた。
その日の放課後も、一人で校舎裏のクロの所に行くと、革ひもを張ったクロが後ろ足で立ち上がって、
前足をばたばたさせて俺を迎えた。その前足と、首に血が滲んでいた。
俺がしゃがんでその傷を調べていると、後ろで声がした。
「怪我してるのかい?かわいそうにねぇ。」
振り向くと近所のおばさんだった。
「何かあったんですか?」
「大きなブルドック連れてた人が、喧嘩させてたんだよ。ひどいよねぇ、こっちは繋がれて身動きとれないのに。」
ブルドック?俺はおばさんに頭を下げてから、教室に戻った。
夕刊の配達時、ブルドックを連れて歩いている男は見たことがある。眼鏡をかけた若い男だ。
薄い口元をして、うっすら笑っていた。青白い顔をして、高校生に見えた。
教室で時間をつぶしていたボンゴを見つけて、一緒にクロの所に戻った。
「ブルドック?ああ、あいつは浪人生だよ。」
クロの傷を見てから、大したこと無いというように言った。
「心配ないさ、あんな脂肪の塊にクロがやられるはず無いよ。あん時の喧嘩おぼえてるだろ。」
その脂肪の塊が、すぐ後ろにいた。クロのうなり声で後ろを向くとその男が立っていた。
足下のブルドックは舌を出して顔をぴちゃぴちゃ舐め回している。顎の下から、血が出てた。
俺とボンゴは立ち上がって男に向き直った。
「その犬、お前らのか?」
口元に妙な笑みを浮かべている。
「その犬、鑑札が無いぞ」
指で眼鏡を、押し上げた。
クロの革ひもを、木からはづして俺達は歩き始めた。
「世話も観察もちゃんとしてるよ」
男に振り向きながら、ボンゴが答えた。
「よけいなお世話だろ。だから大学落ちるんだ」
ボンゴは一言多い。振り向くと、男はこちらをにらんだまま、まだ立っていた。
サムライ部落の次は浪人だ。
翌週のことだ。
放課後クロの所へ行くと、女子生徒が一人そばにしゃがみ込んでいた。
クロは下級生の女子生徒から、弁当の残りをよく貰っていた。
そういうとき俺は、下級生が立ち去るまで黙ってみていた。彼らは上級生を怖がったからだ。
特にボンゴが近づくと、蜘蛛の子散らすように、皆クロの周りから居なくなった。
だがその時居たのは、富士子嬢だった。弁当の残りを与えていた。クロの首を撫でながら、
何やら話しかけている。俺は近づかずに見ていた。
富士子嬢は同級生なので遠慮することはないのだが、その時は近づくのをはばからせる雰囲気があった。
しきりに呼びかけて囁きかけていたが、「クロ」と呼ぶ声はしてなかった。
黙って様子を見ていると、ボンゴが後ろから声を掛けてきた。富士子嬢が振り向いた。
俺達に気がつくと、弁当を片づけてそそくさと立ち去ってしまった。
翌日異変が起きた。クロの所へ行くと背広姿の大人が2人立っていたのだ。
クロの所に走り寄ると、俺を見てから、二人で視線をかわした。
「君の犬?」
「え?はい。友達が飼ってる犬です」
二人小声で話してから俺の方に向き直った。
「保健所の者なんだけど、鑑札のない犬が居るから、調べてくれと言う通報があったんだ」
カンサツ?あの浪人やろうか。カンサツの詳しい意味は分からなかったが、前の持ち主に聞いてくれとは言えない。
黙り込んだ。その時、後ろでぱたぱた足音がした。振り向くとボンゴではなく、富士子嬢だった。
そのままクロの首に頬づりした。
「ジョン。ジョン。いい子にしてた?」
ジョン?クロが顔を舐めると、富士子嬢はけたけた笑い出した。
二人はその様子を黙って見ていた。
「飼い犬ならいいんだ。カンサツは付けておいてね」
そういうと、にっこり笑って歩き出した。
二人の姿を見送ってから、富士子嬢を見た。富士子嬢も二人の後ろ姿を振り向いて、その目で追っていた。
それから俺を見た。もう笑ってない。
「こいつの名前はクロだよ。」
富士子嬢は俺を見ながら、黙って頷いた。表情に陰を漂わせている。
まるで、全て分かってるとでもいうように。いやな予感がした。
「ジョンて名前なんだよ、この子。」
富士子嬢は、そう言ってクロに向き直った。
俺は黙り込んだ。クロと町を歩いてと、声をかけてくるおばさんがいる。
立派な犬ねぇ。あなたの犬?そうだと答えると、決まって意味ありげな視線を俺に向けてきた。
まるで同情するような、哀れむような、居心地が悪くなる視線だ。
さっき富士子嬢が俺に向けた視線と同じものだ。そうなのだ。あのビッコの男は目立ちすぎたのだ。
片耳のシェパードは目立ちすぎたのだ。そしてみんな知っているのだ。この犬の素性を。
俺達二人がしでかしたことを。
富士子嬢はしゃべり続けた。小学生の時、バイオリンの稽古にいってた家に、このシェパードが
飼われていたこと。その家に同級生の女の子が居たこと。
その一家は、4年生のとき東京へ越したこと。いらない家裁道具とともに、このシェパードも
屑屋に貰われていったこと。そういうことか。いや、大方予想とおりだった。
だが、聞いててだんだん腹が立ってきた。
引っ越すからといって、物でも捨てるようにクロを屑屋に引き渡した、金持ちという人種の身勝手さに
腹が立った。それもよりによって、あんな男に渡すことはないだろ。富士子嬢も同じ金持ちという人種なのだ。
筋違いの腹立ちなのは分かっていたが、そう思うと富士子嬢にも反感を覚えてしまった。
「違う犬だよ。こいつはボンゴの親戚の犬だから。」
俺はクロの革ひもをはづした。
「大丈夫なの?」
富士子嬢が立ち上がった。
「屑屋さんから盗んだんでしょ?」
はっきり言ってきやがった。むっとした。
「おまえ、猫好きなんだろ。こいつの心配しなくていいよ。」
「なんで?あたし、犬、好きだよ。」
「ドラエモンて猫だろ。」
富士子嬢は、きょとんとした顔をしてたが、その顔が見る見る赤くなった。
俺はそのまま行こうとした。富士子嬢に背を向けた。とたんに頭に衝撃を受けて、目の前が暗くなった。
うかつだった。
俺のからっぽの鞄と違って、富士子嬢の鞄は教科書いっさいから参考書・辞書まで持ち帰りしているのだ。
重量が違う。頭を抱えてしゃがみ込んだ、その耳に怒りの足音が遠ざかった。
【眇のブルドック】
翌週の月曜日、事件は起きた。5時間目は国語の授業だった。
富士子嬢が教師の指名を受けて、教科書を朗読していた。その時、犬の咆吼が聞こえた。
俺は後ろのボンゴを振り返り、廊下に顔を向けた。2度目の咆吼が起きた。はっきり鋭く聞こえた。
朗読が止んだ。富士子嬢が振り返ってこちらを見た。その静寂の中、3度目の咆吼が起きた。
悲鳴だ。クロの声だ。俺が立ち上がったときは、ボンゴは既に廊下に飛び出していた。
「おまえらっ!」
教師の怒鳴り声が起きたころには、俺も廊下に飛び出ていた。校門を走り出て、校舎裏の路地へ走った。
浪人が見えた。のばしたその手の先の引き綱には、ブルドックがクロの首に噛みついている。
クロの首はいっぱいに張った革ひもと、ぶら下がったブルによって首吊り状態になっている。
苦しそうにもがいている。
「なにすんだよっ!」
ボンゴが体当たりすると、浪人はよろめいて引き綱を離した。
俺はブルの首輪にしがみついて、クロから引き離そうとした。
反転したブルが学生服の裾に噛みついてぶら下がってきた。
「わっわっわっ!」
尻餅をつくと、俺の顔めがけて牙を剥いた。とっさに腕で払うと袖口に噛みついて、激しく首を振る。
浪人があわてて引き綱に飛びついた。
「クロをはなせっ!」
俺が叫ぶ前に、ボンゴはクロの首輪のフックをはづしていた。
躍り上がったクロが空からブルの首めがけて落ちてきた。掴んだブルの引き綱を、浪人が放り投げた。
俺の足の上、クロに気づいて反転したブルの首にクロの牙が食い込んだ。
横転して逃げようとしたブルは、俺の顔に抱きついてきた。俺はあわててそれを押しのけた。
地面を転がって、はいつくばって逃げ出した。放たれたクロは立て続けに攻撃を繰り返した。
一撃離脱だ。首に噛みついては離し、飛び上がっては耳に噛みついた。
ブルのうなり声の中、クロの鋭い咆吼が耳をつんざいた。
ブルは、相手の攻撃を受けながら、クロの喉元だけを狙っていた。
気がつくと俺は誰かに助け起こされていた。後ろを振り向くと、玉三郎だった。そばに富士子嬢も居た。
他に同じ教室の生徒が5・6人いる。その後ろで近所のおばさん達がこの様子を遠巻きにして見てた。
浪人は、取り付かれたように2匹の死闘に見入っていた。その向こうから教師が3人かけてくるのが見えた。
ブルはクロのスピードに叶わないと悟ったのか、戦法を変えた。地面に仰向けになったのだ。
クロが跳んだ。真上からブルの喉に牙を食い込ませた。
勝負あったと思ったその瞬間、ブルが下からクロの首筋に噛みついた。
噛みついた途端、激しく首を振りはじめた。牙を深く食い込ませるためだ。クロが苦しそうにうめいた。
2匹のうなり声が、低く共鳴した。
2匹はそのまま路地から車道に転がり出た。それを見たボンゴが車道に飛び出した。
甲高いブレーキ音と、クラクションが、耳をつらぬいた。音にひるんだか、ブルが一瞬口を離した。
その時、クロがブルの分厚い喉から口を離し、前足に噛みついた。
鈍い悲鳴をもらしたブルが再び、クロの首に噛みついた。クロが頭を振った。その口元から鈍い音がした。
変な悲鳴をあげながらブルは地面で暴れ回った。クロが飛び退いたとき、ブルは反対車線に走り出した。
ブレーキ音が再び、耳を裂いた。逃げ出したブルを、追撃しようとクロが構えた。
「クロッ!もういいっ!」
クロの所へ走り寄ろうとした俺の腕を誰かが掴んだ。振りほどこうと腕を振ると、襟首を捕まれた。
車道のボンゴにも、教師が二人走り寄った。
そのとき、車道の向こうで小学生の騒ぎ声が起きた。走ってきたブルに驚いて、悲鳴をあげたのだ。
俺の方を振り向いていたクロが、この声に反応した。追撃に出たのだ。ブルを追って走り出した。
「クロッ!とまれっ!」
俺達の声に、クロはもう反応しなかった。
俺とボンゴと、そしてアホ浪人は呆然と2匹の走り去った方角を見ていた。
俺とボンゴは、出席簿の洗礼の後、教室ではなく職員室に連れて行かれた。
「座れっ。正座だっ!そのまま座ってろ」
放課後までそこで正座させられた後、校長室に連れて行かれた。
他の連中は俺達を連れ戻そうと教室を出たということで、お咎めなしだった。
何故、授業を中断させる行為をしたのか
何故犬を学校に連れてくるのか、
何故家に置いておかないのか、
どういう素性の犬なのか、
いろいろ聞かれたが、俺達はほとんど答えなかった。
校長ほか、教師数人が代わる代わる説教してたが、ほとんど覚えてない。
ただ、2度と学校に犬を連れてこないことを約束させられた。
放免された後、俺達はそのまま夕刊の配達には行かずにクロを探して町を歩き回った。
行ってももう間に合わない時間だった。
真っ先に小学校に行ってみた。以前に一度、クロが校舎裏から居なくなったことがあった。
そのときも探し回ったが見つからず、がっかりして家に戻ると、ちゃっかり妹といたことがあったのだ。
小学校の校庭に入り込んで騒ぎになったらしく、校庭で遊んでいた妹がそのまま家に連れ帰ったのだ。
だがその日、そこにクロは居なかった。念のため、家に帰っても妹一人だけだった。
もう一度町に出て、クロが走り去った道筋を、丹念に人に尋ねながら探し歩いた。結局見つからなかった。
俺はそのままボンゴの家に行った。配達を一人で終えて家に帰っていた兄貴が怒っていた。
「おまえら、なにやってんだ。一人で裁ける量じゃないんだぞ」
無理もない。元はといえば、俺のために増やしてもらった配達量なのだ。
ボンゴが事情を説明した。黙って話を聞いていた兄貴は、ちょっと町を走ってくる、といって外に出た。
自転車で探すつもりなのだろう。後ろに乗せてくれと、ボンゴが後を追った。
俺は家に帰ることにした。家の前の、街灯の下に妹が居た。
「見つかった?」俺は首を横に振って、妹の肩に手をおいてからアパートの扉を開けた。
「学校から電話あったよ。」
後ろから学生服を引っ張りなっがら、妹がささやいた。
茶の間にあがると、ちゃぶ台の食器を片づけてたお袋が振り向いた。
「何やらかしたんだい?」
「クロが襲われたんだ。」
ぼそっと答えてから部屋に向かうと、
「飯、食えよ。」背中で、新聞たたむ音にオヤジの声が重なった。
土手の上に上がると、赤く縁取られた地平線を背に工場が黒いシルエットのままたたづんでいた。
あたりは薄闇が覆い始めている。
集落は墨絵のように、闇に融けようとしていた。河川敷を振り返ると、リンゴ箱が半壊状態で転がっていた。
俺達がはずした板の他に、扉が壊れて地面に転がっている。昨日見たままだ。
クロの失そうから4日が過ぎた。保健所を巡って、知らない街中を探し歩いた。
帰ってこないのは、誰かといるからに違いないのだ。それは、新しい飼い主か?それともビッコの男か?
放課後、町中を探し回って、夜になると此処にきた。
俺はあのビッコの男を捜していた。あの男が一人でいれば、クロと一緒にいないことを見れば、
安心できるからだ。
もし、いっしょだったら・・・。どうにかできるか?また盗むのか?考えても分からなかった。
ただ、いまはクロの姿を見つけることだけだ。それだけでいい。
闇の帳に包まれた、その集落を土手の上に座り込んでぼんやり眺めていた。
いざ探すと、あの男の姿も見つからなかった。街の中にも、夕闇に沈む集落の通りにも、
ビッコの男の姿はなかった。集落には犬が走り回る姿が見えた、だが、クロの姿はない。
此処にいるとしたら、どこかのバラック小屋に閉じこめているのだろうか。
あるいは、見知らぬ家の茶の間で、のんびり居眠りでもしてるのだろうか。
その家にも小さな女の子がいるのだろうか。
初めてクロを家に置いた日、家に帰ると、茶の間でテレビを見ていたお袋の脇で、クロはぐっすり眠っていた。
呼びかけようとした俺に、妹が口に人差し指を当てた。ぐうっ。クロは横たわって、いびきをかいてた。
妹が喉をそっとくすぐると、眠ったまましっぽを振った。そして、またいびきをかいた。
妹がそのいたずらを繰り返しては、声を立てずに笑ってた。
夢でも見てるのか、口を半分開けて、目をつぶったまま、ぱた、ぱとしっぽを振った。
ぱた、ぱた、ぱ・・・。
【涙川】
音が聞こえた気がした。
河川敷を振り向いて耳をすませた。おれは土手を降りた。かすかな音が風に乗ってきた。
しっぽで箱を叩く音がした。クロ!?俺は箱に走り寄った。居た!暗い箱の中、横たわって、首だけもたげていた。
首輪が無くなっている。「クロ!」首を抱きしめると起きあがろうとして、そのまま崩れて横たわった。
立てないのか?俺の手に、泥と血が付いた。よく見ると、後ろ足に大けがをしていた。肉が避け血が滲んでいる。
曲がりきらないのか、その足だけ伸ばしきっていた。耳と首、前足にも血がこびりついている。
傷に触ろうとすると、小さく悲鳴をあげた。その姿を見て体の力が抜けた。俺はへたりこんだ。
俺は土手の方をにらみつけた。何が起きたか分かったのだ。何が起きたか全て悟ったのだ。
クロはあの男に見つけられたのだ。そして、あの集落に連れ込まれたのだ。
犬の群が一斉にクロに襲いかかったのだ。おそらく繋がれたままだったのだろう。
自由だったら、クロは反撃しながら逃げ出せた筈だ。
クロはあそこの犬社会の中で、徹底的に異端者だったのだ。あそこの犬社会に取り込まれるのを、
クロは徹底的に拒否してたのだ。あの男が、河川敷のリンゴ箱にクロを閉じこめておいたのは、
あの男なりにクロを保護しようとしたことだったのだ。集落の犬達の攻撃にさらさないためのことだったのだ。
それを盗まれた。そして一度連れ戻したクロを、もう河川敷の、この場所には置かなかった。
また中学生に盗まれるからだ。けがしてぼろ屑のようになったクロは、ゴミのように打ち捨てられた。
仕事にはもう使えないから。あるいは、中学生にしっぽ振る犬など、とっくに見放して居たかもしれない。
恩を徒で返したクロを、痛めつけたかっただけかもしれない。
死闘の果て、そのクロがやっとたどり着いた安全な場所が、このリンゴ箱なのだ。
昔閉じこめられていたリンゴ箱しかなかったのだ。
俺はクロの首を抱いて、うちふした。涙がこぼれ落ちた。確かに盗んだのは俺達だ。でも・・・・。
ビッコの男に腹が立った。クロを捨てた金持ちに腹が立った。学校に連れてくるなと行った校長に腹が立った。
いったいなんて奴らだなんだ!なんていやな場所なんだ!なんていやな街なんだ!
涙が止まらない。両手にこぼれた俺の涙を、クロが弱々しく舐めている。
こうしてはいられなかった。どうにかしなければ。
クロをそこに置いて、土手に向かった。土手を越えて、近くの町に向かった。
街灯の下の公衆電話から、ボンゴに電話をかけた。ボンゴも捜索から、まだ帰ってない。
一人で配達を終えた兄貴が出た。
クロを見つけたこと。酷い状態でいること。を伝えた。
電話をかけていると、小さな女の子を連れた女の人がそばを通り過ぎた。
大きな眼で俺を見上げた女の子を見つめたとき、すぐに行くと兄貴が電話を切った。
街灯の光の傘の外側で、二人は立ち止まって俺を振り向いた。
受話器を置くと、女の子が走り寄ってきて、握りしめた小さな手を差し出した。
差し出した俺の片手に、キャラメルが3個転がった。走って戻る女の子を迎えながら、
女の人が微笑むのがシルエットで分かった。
俺はあわてて、顔をこすった。涙を払った。泣いてる場合ではない。俺が同情されてる場合ではない。
雑貨屋を探して、牛乳とパンとソーセージを買い込んでクロのもとへ走った。
首をもたげて牛乳を飲んだが、ソーセージは一度呑み込んでから吐き出した。
痛みに襲われるのか、ときおり低くうなり声をあげた。
俺はリンゴ箱の傍らに、仰向けに横たわって二人を待った。星が輝いている。
このまま目をつむると、夜の果て、クロと一緒にどこかに運ばれそうな気がした。
目覚めると家の茶の間、お袋が洗濯物をたたんでる、その脇で妹がクロをくすぐっていた、あの時間の中へ。
あそこへ戻りたかった。
どれくらい時間がたったか。
足音が近づいて、ボンご兄弟が現れた。兄貴が袋の中から、クロの餌を地面に並べた。
起きあがった俺の隣にボンゴが、座り込んだ。餌を食べないクロを3人は、黙ってみていた。
「連れて帰ろう」
兄貴がクロを背中に担ごうとしたが、クロは低く悲鳴をあげて暴れた。
その体勢だと痛みに耐えられないのだ。クロを横にしたまま、3人で支えて運ぶことにした。
それでも痛みでクロが暴れ出した。土手を越えたところが限界だった。兄貴が一人で町中に消えた。
クロのそばでしばらく待つと、一台のタクシーがやってきた。
中から降りた兄貴と3人でクロを抱えると、泥と血塗れの犬を見た運転手はドアを閉めて走り去ってしまった。
「あ・・・。」
俺達は、クロを抱えて川の上流を目指した。しばらく行くと大きな橋がある。
痛みに耐えかねて暴れるクロを、地面におろして、なだめては抱え上げた。その橋桁の下、クロを横たえた。
翌日にリヤカーを借りて、クロを迎えにくることにした。
ボンゴの家のそばに左官屋がある。仕事後なら、なんとか借りられるとボンゴが言った。
帰ろうとしたとき、哀しい鼻声が聞こえた。初めて聞くクロの声だった。
振り向くとクロが起きあがろうとしていた。3本足で一瞬立ち上がろうとした。
そして前足からくずれて、地面に転がった。
元の場所に横たえてから、クロが追ってこないように俺達は一斉に走った。
哀しい声が再び起きた。その鳴き声は尾を引いて俺達の背中を追ってきた。
【流れ彼方に】
土曜日だった。
交代でリヤカーを引いて太陽が傾きかけるころ、赤く染まったその橋を渡った。
橋桁の下に降りるとクロの姿が消えていた。
俺とボンゴは顔を見合わせた。
「近くにいるよ。探そう」
歩いたのか?どこへ?
俺は下流へ向かった。リンゴ箱の方へ。
あんな状態になっても、あそこへ戻ろうとしたのなら・・・
哀しすぎるよ、クロ。
リンゴ箱はそのままあった。クロはいない。ここまで、歩けるはずが無いのだ。
俺は箱を蹴飛ばした。板が一枚はずれて跳んだ。更に蹴飛ばした。
俺はリンゴ箱を水辺まで引きずって、川へ放り込んだ。
橋桁に戻ってボンゴを探すと、上流の方の水辺に立っていた。
ボンゴが振り向いた。
叫んでいた。喚いていた。そして、しゃがんで草の中に見えなくなった。
あわててそばに行くと、足下にクロが眠っていた。
手足を水の中に投げ出して、体を半分水につけたまま、
目を開けて眠っていた。
静かに流れる水がクロのからだを荒い、川の中へクロを誘うように流れていった。
首筋に滴がぽたぽた落ちて、クロの毛が揺れた。
しゃがんだボンゴの涙だった。
俺はクロのとなりに座って、鼻筋を撫でた。
もう舐め返してくくれない。
言葉がなかった。
ごめんな、ごめんな。
ボンゴが小さな声で、クロに謝っていた。
昨日、置き去りにしたことを謝っていた。
昨日強引に連れ帰らなかったことを、しきりに悔いていた。
俺達がクロを盗み出さなかったら、クロは死ななかったろう。
俺がこの川でクロと出会わなかったら、
クロはまだ生きていたろう。
俺に抱きしめられることもなく
ボンゴに揉みし抱かれることもなく
妹にくすぐられることもなく
富士子嬢に頬づりされることもなく
あの狭いリンゴ箱の中から、河川敷の夕日を眺めて
それでも生きていたのだ。
「それじゃあ、かわいそすぎるだろっ!」
ボンゴの涙声に、俺は口をつぐんだ。
ボンゴを攻めたわけではない。俺はクロに謝ろうとしたのだ。
力足りなかった俺達のことを。
力及ばなかった俺達のことを。
俺達の単純な正義感が、結局クロを殺すことになったことを。
太陽が地平線に隠れはじめたとき、俺達は立ち上がった。
大きな板を2枚拾って、リヤカーに積んできた毛布でくるんだ。
その板の上にクロを乗せた。
大川。
都会の汚れを引き受けて、水は此処によどんでいる。
その水は海へ流れていく。
水は蒸発して、雲になって、再び帰ってくる。
クロを連れていって貰おう。
俺達はクロを此処に埋めるのはいやだった。
いやな思い出の、この河川敷の土の下に返さずに、海へ流すことにしたのだ。
川に浸かって、クロを乗せた板を押し出した。
しばらく水面でたたづんだクロは、風にながされてゆっくり流心に載った。
そしてゆっくりゆっくり下流へ向けて動き出した。
俺達も、その動きにあわせて歩き始めた。
流心に載った板がゆっくりと回転しながら、遠去かる。
その板を追って河原を歩き続けた。
やがて薄暮の中、空と水の境が融けてかすんで見えなくなった、その中へ板が吸い込まれて行った。
クロの姿が消えても、俺達はそこにたたずんで、海へ向かう水の行方を見ていた。
地図に名もなく
街から捨てられた場所
俺達の哀しい記憶を呑み込んで
大川よ
とうとうと流れろ
クロの涙を、海まで運べ
クロの魂を、天まで運べ
俺はボンゴの肩を叩いた。
うなづいたボンゴと、ゆっくり体を返して、元来た道を歩き出した。
上流へ。
水が流れてくる方へ。
ゆっくりゆっくり、
二人で歩いた。
ええ話やぁ・゚・(ノД`)・゚・。
泣きまくり…
358 :
名無し三平:03/12/24 20:33
。(つД`)゚。
359 :
名無し三平:03/12/26 12:41
犬ッコロには人格を与えるが牛豚の死肉は平然と食す
偽善者の皆さんこんにちは。魚もモリモリ殺すべきだぞ。
鰯知障キタ━━━━ヽ(´ρ` )ノ━━━━!!!!
第一部、第二部を読んできなっせ。
話の流れを知らない悲しい君→>359
362 :
名無し三平:04/01/02 12:59
>>361 何かを読むと家畜を殺してもかまわない君には
Greenpeaceがお勧め。
ついでに今すぐ霜降り牛肉抱えてタクシーで
獣医に向かったあと「霜降りの魂を天まで運べ」
とか言いながら自分の魂を精神科にでも送っとけ。
俺に意見したければ霜降りを見て泣け。
話しはそれからだ。
北海道
九州
四国
保ン守ウ
北海道、青森、岩手、山形、秋田、宮城、福島、新潟、富山、長野、
栃木、 茨城、群馬、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡、愛知、岐阜
石川、福井、三重、和歌山、奈良、滋賀、京都、大阪、兵庫、岡山
鳥取、島根、広島、山口、香川、徳島、高知、愛媛、福岡、大分、
佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄
368 :
名無し三平:04/01/15 12:51
369 :
名無し三平:04/01/15 17:21
生まれは愛媛。両親の故郷です。
父の転勤で石川、富山と引越し、今は三重にいます。
ずっと海のある町にいるのに、釣りをした事がない。
それは自分が女で、父も釣りをしないからかな。
ちょっと残念。
370 :
名無し三平:04/01/15 22:23
釣りを始めるのに
条件は何もありませんよ。
371 :
名無し三平:04/01/15 22:40
>>369 残念がるなら竿買って海行ってきなよ
きっと楽しいよ。
自分から釣りと出会うのもいいじゃん
いつか結婚し、子供が生まれたら家族で釣りをしてみたいな。
それが私のささやかな夢です。
373 :
名無し三平:04/01/16 12:02
374 :
名無し三平:04/01/16 12:18
375 :
名無し三平:04/01/25 18:28
ひさぶりにage
だれか感動話しくれ。
376 :
名無し三平:04/02/04 16:05
感動はしないと思うけど私の釣り話をひとつ。
私が釣りに出会ったのは小学生の時、叔父が別荘を買ったことから始まった。
叔父は自分の子供にではなく私と兄が喜ぶだろう、そう言って別荘を買ったのだ。
別荘は岐阜県の山の中で裏に少しだけ大きな川がある。
そこではいわなが釣れると聞いて、父が安物の川釣り用の竿を買ってくれた。
えさなんて無い、そこら辺を飛び跳ねているバッタを針につけて夏〜秋に
ぼんやりと数時間糸を垂らすのだ。
今までいわなが釣れたのは1匹だけ。
釣れただけ凄いと思う。
今では数年前に叔父は亡くなり、父がその近くに別荘を買い、私は結婚して
そこにはあまり行かなくなった。
私は義父と旦那と3人で海へ釣りに行く。
ちゃんとしたエサを使って堤防で談笑しながら。
でも、川でのんびりと釣れなくても糸を垂らしている方が楽しい。
川での思い出の方がたとえ魚が釣れなくても沢山あるから。
377 :
名無し三平:04/02/04 17:07
物心ついた時にはじめて見たのは、親の顔ではなく釣竿だった
378 :
名無し三平:04/02/09 01:03
むちゃくちゃだな(W
379 :
makopii:04/02/09 02:42
僕の小2くらいのころ実家の近くにある建物があった。
そこには貸し部屋?みたいのがあって、小さなお店がそこを借りて商売をやっていた。
たしか、最初はピザ屋をやっていた。しかしいつの間にかピザ屋がなくなっていた。
そして改装工事をしていた。できたのは、釣具屋だった。
小さい店だった。7畳あったかな。
僕は釣りに興味などなかったが友達が釣りが好きだったので、ついていった。
友達と3人で入ってみた。竿やケースなどが並べられていた。
カウンターには、30〜40くらいのおっちゃん(その頃、大人の歳はよくわからなかった)がいた。
僕はお小遣いを持っていなくて、何も買わなかった。友達も。
おっちゃんは、そんな僕達に、ルアーをくれた。ルアー。
それは商売上手というべきか、やさしさと言うべきかわからない。
だが、十年以上たった今も、そのルアーは僕の部屋に大切にしまってある。
その釣具屋は、売上が伸びなかったらしく、数ヶ月でなくなって、今は彼らはいない。
初めて持ったお店がうれしくて、
しかも大好きな釣り道具屋で、
来るお客はかわいい小学生。
来てくれるだけでうれしくて、
只でものをあげている内に、
売る物がなくなったんでしょうね。
店はつぶしても、
君の笑顔は忘れないでしょう>釣具屋の親父
ああ、そうだといいな・・・
384 :
名無し三平:04/02/16 17:01
遅レスだが、泣いた。
385 :
名無し三平:04/02/16 17:10
俺も
私が釣りと出合ったのは随分幼い時だった、父親と川にフナ釣に行ったのが最初のように思う。
川釣りは続づいたが高校生の時から海釣に変わった。
列車に揺られて海の有る町へ友人と数回通ってみたが全く釣果は無かった。
3年の夏休みに佐世保からフェリーで五島へキャンプに行こうと言う話になり、
アルバイトで稼いだ有り金を握り締めて3人で出かけたのが初めての五島だった。
フェリーに揺られて俺は酔った、早く着けよ!今の船なら早いだろう。
有川の港に着くと海の色が違う、コバルトブルーの海は海底まで透き通って小さい魚が
手に取る様に見える。重いリュックやテント、食料をぶら下げて歩く事小一時間
目的?の砂浜が目に入って来た。この浜を誰が知っていたのか未だに不明だ。
テントを設営していると、地元の老人が『もっとあっちが良かよ、あの辺が向こうの島影になって
風が来んたい』と優しく教えてくれた。夕食はやはりカレーだ!でもレトルト。
翌日は海水欲三昧、100m程の遠浅で何処まで行っても腰の辺りまで。
途中ゴンズイ玉を見つけて手でかき回して遊んだ、今なら絶対しないだろう。
記憶は薄れてこのキャンプはこれ位しか覚えていない。
50ccのバイクを手に入れた俺は遠くまで行ける様になったが、
釣りは所詮素人で獲物を手にした事が無い。
ある雨の日にメリケン粉でダンゴを作り父親の川用グラスロッドを手にバイクに跨り走った。
1時間弱で着いたのは小学生の時海水欲で来た事のある場所だったがあの日とかなり様子が違う。
工業団地として埋め立てられていた。岸壁をウロウロして海岸への通路を見つけて海へ降り立った。
仕掛けは至ってシンプル、竿に糸を結びピンポンウキと渓流用サルカンとハエバリでオモリは無い。
暫くして当たりが有って小さいアジが釣れた。当時俺は海の魚は殆ど知らなかった。
今思えばアジやヒイラギ等の小魚だったが初めての獲物は嬉しいものだ。
ビニール袋に獲物を入れて帰り母親に渡したら、全部煮付けとなり家族全員で食べた。
就職した俺は釣りとは縁遠くなってしまったが、時たまコアジ釣り等出掛けた。
就職して2年目の夏に磯竿を買った。給料が6万だったにも関らず5800円もの大金を叩いた。
その頃ガソリンは高騰して1L170円の時代、月の給料の半分はガソリン代に消えた。
彼女と別れて1人になると職場の連れと釣りに出かけたが、本当に素人には難しく何時も獲物は無し。
高校の同窓生も同じ職場で同じ仕事をしていて、4年目の夏に社内の資格試験を受けるべく
数ヶ月に渡り研修が続いて二人揃って見事に合格した。
俺は8月の終わりに社内出向で『違う職種を体験せよ』の辞令で職種転換されていた。
ある日の朝礼で連れが、この合格証書を読み上げられて拍手で手渡された。
次は俺だ!と内心ワクワクで待っていたが、この儀式は終わってしまい『何でだ!?』と憤慨した。
その後のミーティングが終わり所長が『ほら!』とその合格証書を投げてよこした。
俺の心の中はガラガラと音がするように崩れて行った。
こんな会社はダメだ、言いたい事を言って辞めようと思い所長と二人になるのを待ったがチャンスが無い。
数日が過ぎ『お前最近やる気が無いな!』と言われて『ハイ!先週の金曜から有りません』と答えた。
『なんだとコラー!何でだ!』 『所長は証書を投げてやった!あんな事をされたらやる気は起きません、
アナタの様な人の下では働けません、辞めます』
あの情景が浮かび上がり涙が零れ落ちた。悔しくて啜り泣いた。
翌日辞表を手に一時間遅れで出勤し所長に手渡した。
何だかスッキリとした。
翌日、本社の部長から電話が有り『俺の所へ出て来い』と言われ出かけた。
『何ですか?もう辞表は出しましたよ』と言ったら、『お前の気持ちは分かるが、
もう一度頑張ってみないか?』、『でも合格証書は俺の技術の証です、それを投げたんですよ。
俺は否定されたんです』『分かっている、俺が言っておくから頑張れ』
あ!そうだ、後3ヶ月辛抱すればボーナスだ。『ハイ頑張ります』って誰が頑張るか!
奴が居なければ頑張るが、絶対辞める。俺は誓った。
翌日出勤した俺に『悪かった、俺に出来る事があれば言ってくれ』
『ハイ、免許を取りたいので協力して下さい』『分かった』しめしめ・・・
その日から何の仕事もせずにミーティングの後は喫茶店で時間を潰し、午後から帰宅して昼寝。
ある日は釣りとヤリタイ放題で職安へも毎日通った。
11月になって職業訓練学校の入校案内が目に入った。
俺もあれに行きたいですがダメですか?、現在就業中でしょ、無理です。
絶対辞めます。 規則ですから、先に辞めてきて下さい。
俺は身障者です、辞めて入れなかったら仕事は無いかも知れない。
・・・絶対辞めますか? はい、あんな会社は今すぐでも辞めたいです。
分かりましたが、絶対に口外しないで下さい。私の首が飛びます。前例が無いんです。
なんとその職員は入校手続きをやってくれた。
12月15日ボーナスの支給、やった!これでこんな所は辞められる。汚いやり方だったがセイセイした。
翌16日再度辞表を手に出勤して所長に渡した、『何でだ!?』『所長、俺が免許を取りたいと言ったら
協力してくれると言いましたね、辞めて免許を取ります。止めないで下さい、それが協力です』
所長は一言も言えなかった。
重機オペレーターの免許を取る為に訓練学校へ行く事になったが丁度その頃に母が脳溢血で倒れた。
最悪の人生の始まり・・・2年間付き合った彼女とも些細な事で別れてしまい人生投げ出しそうだ。
しかし半年間は地元を離れるので気が楽だった。
楽しく過ごした半年はアッと言う間に過ぎ去ってしまい建設会社に就職した。
先輩オペレーターは神様の様に土端を打って行く、線でも引いて有るかの様に法面を削り取って行く。
俺はというと小間使いだ・・・何でこうなるの?
雨が降ったある日、『仕事は出来無い、釣に行くぞ』と現場監督が言って
監督とその弟、先輩の4人である瀬戸へ行った。
当然の如くA級ポイントには監督達が入り、俺はずっと離れた激流で始めた。
ドデカイ木の玉のウキで流しては上げるを繰返す内にウキが流れに逆らい止まった。
あん?と竿を立てると魚信がある、初めての強い引きに我を忘れていた。
顔面が紅潮して来るのが分かる、数分後に30cmに満たない黒鯛を手にしていた。
初めてのマトモな獲物に監督達も、『良い黒鯛じゃないか、良かったな』と言ってくれた。
だがこの会社は入社2ヶ月で倒産してしまった。
それから4年間其処の瀬戸に通ったがマトモに釣れたのはほんの数回に過ぎない。
倒産の翌日からまたしても職安通いだ。
大型トラックに乗ってみたい、兄嫁と折り合いが悪かったので家に帰りたくない。
長距離に乗れば帰らなくて良いうえに給料も良い、仕事は即日決定した。
2週間の休みを取って月初めから出社、『でわ明日から走ってもらいます、着替え等を用意して来て下さい』
ツーマンで初めて大型で走ったのが名古屋中央市場、ミカンを下ろして信州へリンゴを積みに走り九州へ帰る。次は新宿、次は新潟、福島、青森と走ったが相棒が最悪で極度の睡眠不足。
こんな仕事は体が持たんな〜と考えていた。
自家用にガソリンを入れるためG/Sに行ったら、中学の同級生の女と会った。
事情を説明してると『あの人最悪よね〜』と言って顔を顰めた。
このスタンドは会社指定で彼女は俺の相棒も知っていた。
そうこうしていた時、隣町の建設会社からオペレーターの仕事の誘いがあって直ぐにそっちへ変る。
建設屋は雨で仕事が中止が多くて、良くあの瀬戸へ釣に出かけた。
仕事は面白かったが給料が安い、その上兄嫁との仲が一段と悪化。
2年間辛抱したが生活が苦しい、長距離は良かったなー相棒さえ良ければなー。
やはり長距離に乗ろうと社長に説明して会社を辞めた。
391
393 :
名無し三平:04/04/09 12:21
いい話あげ
394 :
名無し三平:04/04/09 19:12
僕が釣りしてて嬉しかった事は、僕が中学の頃フライフィッシングに興味があって
近所のおじさんにフライの振り方を教えてもらっていた。上達が早いなぁ
と言われ嬉しかったのを憶えている。毎晩竿を振っていて終いには親指
にタコができるほど振っていた。
ある日、僕は6時には帰ってくると言い釣りにでかけた。今日はニジマスを釣って帰ろう
と、心に決めて川へ向かった。なぜかその日は人がいなく釣りやすかった。
しかし、川は一昨日の雨であいにく濁っていてまったく釣れなかった。
辺りも暗くなり始めた。しかも時計をするのを忘れてしまっていた。
次で最後、次で最後と思いながらもついキャストしてしまい時間は過ぎていく。
帰ろうと思ったときに、魚が掛かった。中学の頃のひ弱な体には応えた。
あげてみるとニジマスだった。 おじさんに見せようと思いチャリのカゴに獲物を
入れ急いで帰った。時刻は7時を少し回っていた。親と祖母に遅いとかなり叱られた。
ごめんなさいと泣いた。その時、おじさんが出てきた。カゴの中身を見て、頭を撫でてくれた。
さらに声をあげてないてしまった。
こんな感じ…。
叔父につりを仕込まれた、近くを流れる川で鮒、オイカワ等を釣っていた
その叔父も癌で他界し、一族で釣りを嗜んでいるのは私のみ。
その叔父は結婚していなく、甥である私をものすごく可愛がってくれました
大好きだった釣りを私が引き継ぎ、死んだ叔父の供養の意味も込めて
釣りに勤しんで行きたいと思います。
その私は誰もが認めるフィッシャーマンに成長しました
俺は小さい時から魚に興味があったらしく
小さい事から父が船釣りに行くときに俺も一緒に行こうとすると
「お前はまだだめだ!」としかられていた。子供の頃は何故か分からず
理不尽だと思っていて、船釣り以外も「川で溺れる」「堤防から落ちる」
などの決り文句をいわれて連れて行ってもらえなかった。
しかし小学5年の時に初めて近くの湖に釣りにいった。(親に隠れて)
そのとき初めてアブラハヤを一匹だけ釣った。
だけど楽しくなってそのまま7時まで遊んでしまい親に散々起こられた。
釣りは鮒に始まり鮒に終わるという名言があるほど釣りの入門的な
魚だけど俺の場合ハヤだった。今でも人に釣りを教えるときは
いつもハヤ釣りから教えてます。
みんな釣りとの出会いには親の叱りが入っているようですね。
親と釣りはなんか関係あるのか?
>>394 いいなぁ。フライ竿とかあのあたりは中学生の小遣いじゃ厳くないか?
俺なんて最初は竹の棒と先端にテープを巻きつけて玉ウキで釣ってたぞw。
>>394 フライはおじさんのを使ってましたよ。
そのあとはおじさんが釣りやめるというので
フライタイイング一式譲り受けましたが使ってない…。
398 :
名無し三平:04/04/12 13:47
。・゚・(ノД`)・゚・。
kjjj
おj不gyftdxcvbぬ7ちr6いぇstd
400 :
名無し三平:04/04/18 22:26
400らしいね
401 :
名無し三平:04/05/19 23:59
今は無き爺さんに連れられて。。。。・゚・(ノ∀`)・゚・。
402 :
名無し三平:04/05/20 00:13
今は「女」になってしまった兄に連れられて…
(つω`)
403 :
名無し三平:04/05/21 22:20
悪い!かなり前スレになるが、
>>102マジ氏ね!!!
チビッてしまったではないか!!
初釣りは2歳だから覚えてない。
405 :
名無し三平:04/05/23 01:36
最初からイッキに読んだ。
最近泣いてなかったがすげぇ泣けた。
動物ネタはズリィよ・・
こんなに泣いたのはドラえもんの「のび太の結婚前夜」見たとき以来。
406 :
名無し三平:04/06/22 08:39
保守
407 :
名無し三平:04/06/28 16:24
ageついで。
知り合いのえろいヒトが言ってた。
釣り人は、いろいろ釣りして最後の最後は釣りを覚えた川や海や池に戻るんだそうだ。
なんとなく頷ける話だな。
釣りと出会った瞬間じゃないけど、
おれは自分の記録となるサカナを獲ったときの詳細はほとんど覚えていない。
みなさん、一部始終覚えとるけ?
おれはダメだね。
デカいの掛かったと認識した瞬間耳が聞こえなくなって目が見えなくなる。
近くに居た友の呼ぶ声もアドバイスもすべて聞こえない。
聞こえていたのかもしれないが、覚えていない。
見えてなけりゃランディングのしようも無いわけだが、覚えていない。
気がついたら、ランディングしてた系で、記憶がそこらじゅう欠落してる。
しかしだ、大のオトナ(年齢ちう意味で)が涙目になったり、
半狂乱で喜んだり悔しがったり、
ヒザをガクガクさせながら、感動に打ち震えたり、
記憶が欠落するほど興奮したり…
そんなことが出来る遊びって他にあるかねぇ?
それも、スポーツ選手やなんかの「選ばれし者ども」じゃなくて
ふつーの、おっさんや、にいちゃんがだよ?
なかなか無いと思うけどね。
みんないい釣りしてね。
407が良い事言った。
みんなもそう思うよな!
思う、思う。
410 :
名無し三平:04/07/01 15:16
んだんだ。
411 :
名無し三平:04/07/01 15:37
オイラは、いろいろ釣りして最後の最後は釣りを覚えた川や海や池に戻るんだろうと
思っていたら、埋め立てられてたよ!
412 :
名無し三平:04/07/01 16:00
>>411 帰る所を無くしましたね。
ご愁傷様です。
成仏してね。
オレも親父と釣りに行ったのが最初だと思うが何を釣ったかは覚えていない
みんな良く覚えてるなぁ
オレのセガレ3歳。さて最初の1匹は何を釣らせるか・・
414 :
名無し三平:04/07/02 09:48
>>413 釣りなんかさせない方が幸せな人生送れるかもよw
おれとこは連れて行かない。(9歳♂)
何度か連れて行ったりしたけどさ、
本人なりに楽しいことは楽しいんだろうけど、
自分でなんとかしようとしないからね。
好きなら、どうして釣れないのか、どうしたら釣れるのか
ラインはどうやったら結べるのかなんて自分で考えるだろうからね。
教えたって覚えようとしてる様子は無いな。
プレステやってるほうが、彼には意義深いらしい。
「連れて行け」と本人に頼まれれば連れて行ってもいいけど
おれが「行こうか?」って誘うことは無いね。
反対に娘(8歳)は喜んでついて来るよ。
せいぜいオフシーズンの管釣くらいしか連れて行かないけど
行くとなったら道中の車内も、行きは「ワクワク…ワクワク…」
帰りは、釣れようが釣れまいが、「キャッキャッ」って興奮してる。
北風ビュービューで雪なんか降ってても、
鼻水びろーんって垂らしながら「うりゃー」ってキャストして
「ぐりぐりー」って自分で言いながらリトリーブしてるわw
こいつは好きなんだろ。
「うーん色替えてみるかなー」って自分でスプーン選んでたりするw
>「ぐりぐりー」って自分で言いながらリトリーブしてるわw
ええお子さんですな。 可愛いではないか。
>414
いいなぁ うちの娘はもう風呂にも一緒に入ってくれませんわ(寂
「一生幸せに過ごしたかったら釣りを覚えなさい」
オレは覚えなかったほうがいいかも(w
3日の午後江ノ島の灯台下へ投げサビキに行って来ました。
結果はボウズ。私の事はどうでもいいのです。
突端側はたまにアジが上がってる様だけど、ヨットハーバー側は
ほとんど皆ボウズ状態でした。
私が釣り始めて暫くすると私の隣りに10歳位の女の子を連れたお父さん登場。
竿を伸ばして女の子に「上下に動かしてろよ」って手渡し5分も
しないうちにその子にカタクチイワシが掛かる。
こりゃ時合来たかなと気合入れても、私の見えてる範囲誰も釣れて無い。
1時間ほど粘ってるうち、その子は3匹追加だが廻りはみんな壊滅状態。
そのお父さんと喋りながら、サビキ見せてもらったけど極普通のスキンでした。
コマセも無いのになんで女の子だけにかかるんでしょうね?
携帯でお母さんに写メールしてたけど、その女の子は絶対釣りキチ
になると思った瞬間でした。
age
419 :
名無し三平:04/07/06 10:04
あがってねーよ
418上がってるけど・・・
親父釣り好きでね。記憶にある最初は小学生の時、東京湾。ハゼ釣りした
ことや、あとサビキ釣りでサッパが大量に釣れて、サッパ岬と名付けた堤防が
あった。もうその場所はない。海水浴のついで、伊豆半島の小さな港でさびき
釣りでタカベが大量に釣れた。そういえば、東京湾の船釣りにも
つれていってくれたっけ。その時は竿をおっことして落ち込んでいたら、
とてもやさしく慰めてくれた。そしたら、反対側で"何か釣れた!"という声が
あがって、俺の落とした竿だったってことがあったなあ。何か釣れたかも
しれないけど、記憶にない。このスレ読んで、思い出したら切りがないほどの
釣りの思いでが親父とともにあったことに気が付いた
しかし、そんな楽しい経験したのに全く釣りに目覚めず。大学生と
なって親元を離れ一人暮らし。大学院生となり、配属された研究室の
教授、助教授が大の釣り好きだった。ただし、人格が崩壊していた・・・。
ただただ、自分を守るためだけに、付き合いで船釣りにでかけた。
全然つまらなかった。釣りを始めたことだけを親父にはなしたら、喜んで
貧乏大学院生の俺に竿を買ってくれた。それを研究室にもっていたっら、
ぼろくそにバカにされた。心の底から釣りを憎んだ。真鯛80cmを釣ったり
したこともあったけど、楽しい記憶として何も残っていない。
いろいろ苦い思いでだけを残して、社会人になった。実家近くに戻ってきた。
親父に釣りに良くさそわれたけど、大の釣り嫌いになった俺は常に断って
いた。異動があり、勤務地が海の近くになった。あれだけ頑なに釣りを拒否
していたのに、何故か竿をだしてみたくなり、実家に戻って980円で
売っているような竿を借りた。堤防釣りの仕掛けが全く分からず、ハゼ釣り
片天秤仕掛けというのを購入。堤防の際に仕掛けを落として、2回、3回と
誘う。ぷるっと反応が伝わる。さらに誘う。ググっと激しい当たりがある。
それにあわせると、大きなハゼが釣れた。少し場所をかえてまた誘う。
大きなメバルが釣れた。その後、アイナメが釣れた。もう釣りの虜になって
いた。初めて釣りの楽しさが分かった。これが去年の5月。釣りに出会った
瞬間だった。
毎週毎週、980円の竿を持って、釣りに出かけた。6月、父がガンに犯され、
余命数カ月と宣告された。開腹手術をした所、すでに取り返しのつかない
くらいガンが腹中に転移していた。退院した親父は、昼は本を読むか調子の
良いときは庭いじり、夜は痛み止めの薬と睡眠薬を飲むようになった。
そんなさなかの7月、釣りに誘った。親父の自慢の竿をトランクに積んで、
道路が好いている昼過ぎに実家を出発。”サッパ岬”はすでになく、親父も
俺もどこで釣りをしていいのかわからない。しかし、神様がくれた偶然か?、車を
適当に走らすと、いかにも釣りよさそうな堤防を発見。
ヘチ釣り用の竿を貰い、仕掛けを伝授してもらい、”本格的”ヘチ釣りに
挑戦。親父は磯竿で棚を底にとってのフカセ釣り。しばしの時が流れ、俺の
竿に大きな当たりが。初めてのヘチ竿、激しくしなる竿。興奮しながら釣れた
のが、25cmのアイナメ。親父も自分のことのように喜んでくれた。そして、そ
のすぐ後に、親父の竿にも30cmのアイナメが釣れた。二人でともに喜んた。そ
ろそろ空が暗くなってきたでの実家に帰宅。土曜の夜なのに首都高速も空いて
いた。アイナメはテンプラにして食べたっけ。その二週間後、今度はおふくろ
も一緒に横須賀の釣り公園にでかけた。サビキ釣りでイワシが大量に釣れた。
親父の竿にはアジも釣れた。そしてまたテンプラ。
しかし、その後すぐに、親父は昼も痛み止めを飲んでベットで横になるくら
い体調が悪化。そして入院。しかし、奇跡的に8月中頃に退院。俺は、親父の
分も、という気持ちでひたすら釣りをした。魚がつれたら、どんなに辛くても
実家に帰り、釣果を親父に見せた。
9月、再度入院。出張ついでに、紀伊半島まで釣りにいって、その釣果をデ
ジカメにおさめて、病院の親父に見せた。とても羨ましがったのを覚えている
。比較的元気に見えたが、その翌週にお見舞いにいくと、激しい腹痛を緩和す
るために大量にモルヒネが投与されており、盛んにうわ言を。そして、その翌
日に他界した。
今は、親父の竿(投げ竿、磯竿、へち竿等々)で釣りをしながら、この竿に
はどんな思い出があったんだろうと、竿に語りかけながら、たった2回だけ
伝授された釣り方を自分でアレンジしながら、毎週釣りに通う”釣り好き”の
自分が今ここにいる。そして、親父が子供の頃、釣りにつれていってくれた
から、社会人になって釣りに目覚めることが出来たのだと心の底から感謝し
いてる。
ガンって病気は不思議だねえ。急に時間が濃密になる。(経験済み)
世代を越えて伝えられるものって意外と少ない。
お互い良い趣味を伝えてもらったと感謝しよう。
428 :
名無し三平:04/08/20 00:14
俺は大人になってからだな・・・
子供の頃もやってたんだがあまり記憶になかったな。
進学で上京して社会人を数年経験。そろそろ実家の家業を手伝うか・・・
って実家に戻ったのが27の時だった。
ただ、帰ってきたはいいが山間の田舎で遊ぶに困ってたんだよな・・・
ある時幼馴染でもある地元消防団の仲間達と川へ潜りに行ってアマゴ捕まえようぜ!って
真夏に訓練参加させられた後BBQがてら川へ行ってさ。昔の記憶を探り探り道具作って・・・
綺麗なアマゴだった。昔見たままだった。
昔話に花が咲いてさ。童心にかえったって奴でさ・・・そりゃぁ楽しかった。
またあの綺麗なアマゴが見たいと思うようになったんだけど
漁協の存在なんか子供の時とは違って知ってたし、自然とじゃぁ釣り始めるかって・・・
すぐに釣り馬鹿が誕生しちまった・・・
こんな自然に囲まれてる中でつまらない生活を繰り返してた自分が笑えたな。
遊び場が無いんじゃなかったって、いっぱいあったのにって・・・
遊びって自分で見つけるものだって・・・
昔はどんなことでも遊びに変えちまってなんにでも夢中になれたじゃねぇかって・・・
チャリンコひとつでどこへでも行ってたじゃねぇかって・・・
釣りにはとうの昔に出会ってたくせに釣りに気付いたのは大人になってからだったよ。
長文駄文スマソ んで良スレなんでage
429 :
名無し三平:04/08/21 01:01
自分も一つ書いてみまつ
初めて釣りにいった記憶はなく、気づいたころには父親と釣りをしていました。
小さなネリ餌でタナゴを釣っていました。
本当に小さいころでしたので竿を持つこともなく、父の傍らで
発泡スチロールに収まった水の中の宝石を眺めていました。
それから幾年かして、父と母が離婚して私の前から父が消えました。
その夜、ただただ泣きじゃくって色々な思い出が蘇ってきていたのを
覚えています。
最近釣りにでかけると大抵複数の連れがいますが、一人でいくときに
父の竿を持ち出し、隣に置き竿にしています。
あのころできなかった親子の釣りの時間を取り戻せるように・・・
俺は先天的と言っても良いくらいの釣りキッチーで親戚が不思議がるくらいだ。(渓流釣り)
「なんであの子は釣りばかりするんだ?」
「なんで山ばかり行くんだ?」
ついには
「もしかすると『あの』山で暮らしていた男が憑いてるじゃないか?」
との結論に達してしまった。
小学生から就職までずっと渓流釣りをして遊んだ。
しかし就職後数年釣りをやらない時期があった。このころは異常だった。
風俗やゲーセンといったなんの感動もしない遊びばかりやっていた。
「男の遊びとはこういうもんだ」という何の実力もないのに虚勢を張る知人の意見に賛同してしまい
大阪の新世界で退廃的でくだらなく年を重ねた。
たいした趣味もなく軽い寂寥感を感じていた頃Webで仕舞寸法の短く安いテンカラ竿を見かけた。
何故か急速に欲しくなり購入ボタンを押した。今考えると「押した」のは俺だったのか不安なくらい唐突な押下だった。
せっかく買ったので10年振りくらいに渓流釣りに出かけた。釣りというよりも暇つぶしの気分が多かった。
しかし現地の川は茶色く増水しており釣りのできる状況ではなかった。
「あいかわらずついてないな」
と自嘲気味な気分になり温泉でも入って帰るかと思いながら川を眺めていた時
「昨日は大雨だったからな。ここから少し昇った所に『なにがあっても絶対に濁らない』支流があるから行ってみるといい」
といきなり前振りなしに隣にいた親父に言われた。
「細流で藪の中だから見落とすかもしれん」と言って地元観光地図に一本の線を書き入れてチラシを渡された。
せっかくなので行ってみることにした
川沿いに数百m歩くと藪の中から流れが聞こえる。完全に藪の中だ。
「少し上ると降りれる場所がある」
とも教えてくれていたのでそのまま藪脇の畦道を歩きこれまた藪の中の入渓点を見つけ降りる。
川幅1mくらいの細流。魚が走るのが見えた。
竿を振れないので急遽ちょうちん仕掛で毛ばりを付ける。あんまり本気じゃなかったのでジーパンに古い登山靴
の上Tシャツの魚篭なしの素人丸出しの姿で釣り上る。
テンカラ竿でちょうちんなのでポイントに近づきすぎてしまい針を落とす前に魚が逃げるのが見える。
藪にも針をとられ釣りにならない。
魚が見えるのでそのまま昇って藪を進むと川が急に池になり池の中から湧水が溢れ出ている場所に出た。
水中には梅花藻が咲き乱れクレソン(のような)植物が池全体を覆っている。今まで人間自体が入ってないのでは
ないか?と思われるほどの図鑑でも見たことのないような美しさ圧倒される。
水を掬って飲むと甘い味に少し恐怖する。
『ここはやばいのではないか?』
と一瞬本気で思ったがせっかくだしと針を落とす。
小さいながら岩魚が一発で食いついてくる。魚を見た途端『これだ』と人生感を取り戻した。あっという間に取り戻した。
魚篭もないので池に返す。これ以上ここにいて足で植物を踏んでしまうのが酷く罪な気がして帰ってきた。
今思うとあの川にたどり着いたのは物凄い偶然だと感じざる終えない。
『何故か』テンカラ竿を買い『何故か』今まで言ったこともないような水域に行き、挙句に物凄い川まで教えてもらった。
やっぱり『山で棲んでた男』が憑いているのであろうか?
あれ以来、月2ペースで釣りを再開した。だがあの川には行かないようにしている。
どう考えても一般的な川とは違いすぎる。
『あれは本当に川かどうかも疑わしい』と思うようにまでなってきた。
もしかするとなにかが『川の真似』をしていただけなのかも知れん。
『熊』と『熊みたいな男』くらい違う。根本が違いすぎた。
夏、毎日近所の子達と海で遊んだ。
家は東西南北どちらに行っても10分歩けば海に着くような環境なので
夏に海で遊ぶのは当たり前で、それ以外は考えられなかった。
小さい村なので遊び友達の年齢はバラバラ。必然的に年上の子が小さい子の
面倒を見るというのが当たり前になっている。
あるとき小2の俺は、たまたま年上ばかりで5人のなかで一番年下に位置する
遊び仲間の1人として海に行った。
その頃の俺はまだ泳げなくて、他の人が泳いで競争したり、潜ったり、飛び込んだり・・・
つまらない俺は、見たことがあってもやったことは一度も無い釣りをしてみたくなった。
遊んでいる場所は漁港の波止場で、現在の波止のようにコンクリートで四角く作られた
ものでなく、大きな石を積み上げて作られ、上部は小さい石が混ざったコンクリートで
平らに固められている。
所々に魚を干しているような波止の上では、出漁していない漁師が
延縄の仕掛け作りや網を修理している。
仕掛けを作るため俺は干し物に使ったであろう1mくらいの古い笹の棒を拾ってきた。
延縄の修理をしているおじさんに、使い古しのナイロン糸と
小さめ(とはいっても漁師用は大きい)の釣ばりを貰った。
今考えると糸は漁用のとてつもなく太い物だったが
それがどういう物か知るわけがなかった。釣ばりも錆びていたが全く構わなかった。
おじさんの隣で仕掛けを作り始めたが、
いつまでたっても笹の棒に糸を結べない俺を見たおじさんは
俺から黙って棒と糸を取りあげ結んでくれた。
手を俺のほうに差し出し「針も・・・・・」
一言いったおじさんははりも結んでくれた。
高倉健さんが演技する漁師みたいに無口でぶっきらぼうな人だったが
とても優しい漁師に見えた。
オモリはくびれた石を探して自分で適当に結んだ。
大きな石を真っ黒にするくらい居るフナ虫を捕まえて針に刺すと
もう既に心臓が期待でバクバクしてきた。
おじさんが指差して「あそこの下に降りて石の隙間で釣ってみろ」と言った。
小2の俺にとって、大きな石を積んだ高さ3mくらいの波止を降りるのは
考えられない高さだったが、なぜかその時はまったく怖くなく、
釣が出来るということで頭がいっぱいだった。
体のあちこちを擦りながらも下に降りた俺はおじさんの言ったとおり
石の隙間に仕掛けを下ろし、大人がやるのを見たことがあるので、
真似るように上下にクンクンを動かしてみた。
ちょっとしてから、ガクッガクッとすごい勢いで引かれて俺は前のめりに海に落ちた。
泳げない俺は大きな石に抱きつくようにして何度も上がろうとしたが、
その度にまたずり落ちて何度も海水を飲んだのを覚えている。
一緒に来た上級生達は反対側の方で遊んでいるらしく誰も気づかなかった。
俺を引き上げたのは延縄のおじさんだった。
体中痛いし、海水をがぶ飲みした俺は苦しくて泣くこともできなかった。
しかしウゲウゲしている俺を見たおじさんは似つかわしくなくケタケタ笑い出した。
ちょっとしておじさんが言った。
「おい、死にそうなんだからそのボロ竿放せよ」。
まだ嗚咽状態の俺の手には竿がしっかと握りしめられたままだった。
おじさんに連れられて波止の上に揚がると、糸は無くなっているのに気がついた。
またおじさんはまた黙って同じ仕掛けを作ってくれた。
そのときには他の上級生達も近くに来ており、
なぜか皆の前では釣りたくなかったのでやめた。
しばらくしても心臓がドキドキするのは収まらなかった。
夜寝る時に思い起こしてもドキドキした。
海に落ちたことでなく、あの“ガクッガクッ”でドキドキした。
また釣りをしたい。
家は貧乏なので釣竿なんて買ってもらえなかった。
その前に買ってもらえないことくらい知っているので言えなかった。
その後1年ほど経った頃には、すぐ近くの小さい山で細い竹を切ってきて節を削り、
水で濡らしながら曲がりを矯正して竹の釣竿を作ることを覚えた。
わざと焼き模様を入れ悦に入ったりもした。
あるとき親父に見せると、とても誉められニスを買ってきて塗ってくれた。
上級生にも羨ましがられ、数本作ってあげた。
中学卒業するまでは、暇さえあれば釣ばかりをしていたが
高校入学と同時になぜか全く釣をしなくなった。
20数年後の一昨年、また釣りを始めた。
海の様子や道具は全く変わっているが、“ドキドキ”する気持ちは
その頃のまま変わってなかった。
去年の夏、息子を始めて釣りに連れて行った。
穂先を凝視してアタリを待つ目は完全に逝ってしまい、
釣れた時のキラキラした目はその当時の俺を見るようだった。
俺の子だ。
泣けた。
豊富な物に囲まれた今の子達は本当に幸せなのか。と、ふと思う。
良かったです。
>>428 >>429 >>430〜
>>433 >>434〜
>>439 久しぶりに覗いて感動しました。
>豊富な物に囲まれた今の子達は本当に幸せなのか。と、ふと思う。
自分の息子も親以上に釣りバカとなり嬉しいやら・・・
もう少し勉強しろよ・・・と言いたいが好きに生きて欲しい。
彼(息子)には彼の人生がある。
442 :
名無し三平:04/08/22 22:15
いいなぁ
いいっ!
久々に感動したのでage。
443 :
名無し三平:04/08/28 05:09
先日港湾の岸壁で爺さんが小坊の孫2人連れて釣りに来てた。
孫2人が竿持って、爺さんはお守り役なんだが、見ててなんか変。
聞いたところ、爺さんも孫達も釣が始めてと言う。
俺は隣でワームでソイと遊んでたんだが、小一時間たっても
全く釣れない孫たちが気になってしょうがない。もうだれてるし。
最初の釣りで嫌いになっちゃあ可哀相だなと思い
仕掛けを見てやった。、、、、、、、、スゲェ(゜д゜)
チョイ投げ(1980円セットみたい)のロッドとリールで
ジェット天秤の先に6本バリのサビキ(疑似餌付き)+チヌ用の生エビで
これをフルキャストしてた。で、ずるずる引いてる。
当然付餌は着水と同時に取れてるだろうし、取れてなくても
エビの底サビキじゃあ釣れねえだろ。
てか、初心者にこんな仕掛けを売る店はどこじゃい!!
何が起こるか判らないのが釣りとはいえ、釣れる可能性低すぎ。
他の餌や仕掛けを持ってこなかったらしいので、自分の道具箱
から仕掛けを作ってやった。メインラインが3号くらいだったので
重めの3.5gジグヘッドと3インチのパワーシャドをセット×2式。
釣り方を教えて7、8投げ目で20cmオーバーのソイが
釣れた時は大喜びで、俺も自分が釣ったより嬉しかったな。
もう1人の子のほうもその後すぐに20cmやや下をキャッチ。
爺さんもホッとしたようすで何度もお礼言われた。
釣りと出会った瞬間を手伝いできてよかったと思う反面、
もしかして俺みたいな釣ヴァカの種を蒔いちまったかな。
しかも残りの夏休みに炎天下の下、あの爺さんが
孫たちに引きずりまわされると想像すると、ちょっと心配。
444 :
名無し三平:04/08/28 06:06
>>443 いいじゃないか、釣り馬鹿2人増やしたって・・・(w
その子たち、おまいのことは大人になっても絶対、忘れないと思うよ。
二十数年後、どっぷり釣りにはまって、とうとう海外遠征までするように
なった彼らは、異国のフィッシングボートの上でふと思うんだ。
ここまでのめりこんじまったのは、あのときの兄ちゃんのせいだなって(w
グッジョブ!
いい話やね
446 :
名無し三平:04/09/04 07:58
でもその遠征資金がマコムだったりしたら
>>443は罪なのか。
ええスレ揚げ
俺は海釣り一辺倒だったが、ある時たまたまTVでバス釣りを観て「一度やってみるか」と思い、
某野池に出かけた。タックルはチョイ投げで使ってたロッドにスピニング、適当に選んだジグヘッドにワームだった。
自分も周囲も全く釣れず、「俺にバスは向かん」と思い始めたその時、腕をひったくられる様な
当たりがきた。悪戦苦闘の末引き上げたバスは48cmだった。その瞬間俺はバス釣りにはまった。
それ以来シーズン中は休日のすべてをバスにつぎ込み、県内の主要ポイントはほとんど回った。冬場の
減水期にも出かけては自分のポイントの様子を一つずつチェックしていた。そんな俺に当時の彼女は
愛想をつかし去っていった(貴方をバスにあげるわと言って・・・)。
記録に残ってるだけでも500匹以上のバスを釣り上げたが、はじめの一匹を越えるサイズは釣れなかった。
それどころか40オーバーもなかった。今はバス釣りを止めている。
保守
449 :
名無し三平:04/09/26 07:27:39
いい話の後にバスネタかよ
はじめて来た。何この良スレ。
451 :
名無し三平:04/10/11 18:07:23
a ge
452 :
名無し三平:04/10/23 22:57:17
ねえねえ、なんかな〜い。
子供の頃から海の近くに住んでいたんだが、釣りはそんなに、好きじゃなかった、そんな俺が釣りにはまったのは 友達が入院した事から始まりました
序章ですな?
初めて釣りに来たらしい子との出会いの話を一つ。
俺はチヌ師だ。
良く行く堤防があるが、そこの常連に親子連れが居る。
連れの子供は女の子で小学校高学年くらい。親父は俺と同じく貝でチヌを狙い、
女の子は虫餌でセイゴやメバルを釣っていた。
女の子は子供にしては慣れた手つきでヘチ竿を操り、よくメバルをあげていた。
チヌは簡単には釣れない。いつも親父はボウズで女の子の上げたメバルだけが
獲物になっている。会話をした事は無いが、よく見かける親子だ。
今年の夏、その親子がもう一人子供を連れて現れた。
その子も女の子で小学校低学年くらい。姉妹なのだろう。
釣り上手な姉とおそろいのTシャツを着ていた。その子は竿を持たず、
姉のそばにぴったりついて、その釣りを大人しく見ていた。
その日は潮が澄みすぎて、チヌは絶望的な状況だった。夕マヅメが来た頃、
探り釣りをしていた姉妹が俺のそばに来て、糸を落とし込んだ。
と、すぐに型のよいメバルを釣り上げた。下の子がうれしそうに遠くで釣りを
していた親父に声を掛け、目と目が合った俺に笑顔を向けてきた。
メバルの群れが来たのか、姉の方はその後もメバルを釣り上げた。
そのたびに妹の方が幸せそうな笑顔で俺の方を見る。
俺はイタズラ心を起こして、腕で涙を拭くしぐさをしてやった。
俺だけ釣れなくて哀しいというパントマイムだ。ちょっとふざけたのだ。
とたんにその子の顔が曇った。メバルなどうらやましい訳ではない。
(釣れて良かったね。おじさんうらやましいよ。)というメッセージを
送ったつもりだったのだが、姉がメバルを上げるたびに、俺の表情を探るように、
少し悲しそうな眼で俺を見るようになった。同情のマナコだ。
姉は次々とメバルを上げてしまう。そのたびに妹が心配そうに俺を見る。
さすがに居心地が悪くなった。俺は餌を貝からアミに変えて、糸を落とし込んだ。
一発でメバルが喰ってきた。メバルを取り込みながら、こっちを見ていたその子へ、
いかにも釣れてうれしいなぁという笑顔で笑いかけた。
その時のその女の子の安心したような、華のような笑顔を見て、この日は納竿した。
帰り際、姉妹の親父は諦めずチヌのあたりを待ってじっと海を睨んでいた。
眼が合ったので軽く会釈をして帰途についた。
依然、俺が50オーバーのチヌを掛けた時、傍でうらやましそうに見ていた事があったが、
この日はこの親父が心底うらやましいと思いつつ、50オーバーのチヌを釣り上げた時よりも、
幸せな気分で家に帰ってきた。
>>453 割り込んで申し訳ない。
話の続きを待ってます。
お言葉に甘え続きを
書かして頂きます
社会に出て数年、高校時代からの仲間の電話で友人の入院を知りました取り合えず見舞いに行こうと思い、病院と病室の番号を聞きました
病院は町から少し離れた総合病院で
何故わざわざ離れた所に入院するんだ?と
友達の家に遊びに行くような、そんな軽い気持ちで病院に行き
病室を案内図で探した所 癌病棟
30分か1時間かその前に立ち尽くし
最近は治る病気に成ったはずだと 自分に言い聞かせ、病室に向かい
友人に会いました
そこには何時もと変わらない友人が居ました
友人の挨拶代わりの
冗談を聞いた瞬間
どんな声をかければ良いのかと悩んでいたのを忘れ 何時ものくだらない話しに華を咲かせていました
病院は退屈だからたまには来いよ と友人
それから暇を見つけて
見舞いに行く日が一月
ほど続きました
当初検査が無い日は
一緒に外出したり彼の家に行く事が出来ました
友人の部屋にはかなり
釣り道具が有り
自然と釣りの話しになります、釣りの話になると友人はかなり楽しそうで仕掛けや釣り方まで
色々と教わり
俺も少し興味が湧いてきました
朴訥な感じ・・・とでも言いましょうか。
気張らず続きをヨロシクです
ありがとうございます
続きを書かしていただきます。
友人の楽しそうに話す釣りに興味を持った俺は 一緒に連れて行ってくれるよう頼んで見ました、秋になれば ハマチや鯛が釣れるよ、と言うのでじゃあ秋に行こうと俺は言いました
今は7月です
釣り道具など持って無かったので、友人に相談した所、俺の道具を譲ってやるよ、と、その当時
竿の価値など分からない俺にとても良い竿を数本譲ってくれました、
友人の愛用の竿です
しばらくしてから
本格的な治療が始まり
病院に行っても会えない事が多くなりました、
抗がん剤はかなり体に負担があるらしく ベッドから出られ無い日が続きます、それでも体調の良い時は会いまた釣りの話をしていました
悲しい結末が待っているような気がして、胸を締め付けられるような思いで読んでます。
どうか、杞憂でありますように。
もし現在も治療中でしたら、回復へと向かいますように・・・。
でももうすぐこのすれ落ちちゃうよ。
あげときますね
468 :
名無し三平:04/11/25 22:10:34
上げんじゃねーよ。せっかくあと一つで消えたのに。
469 :
名無し三平:04/12/12 02:07:50
ほしゅりまつ
鯉釣りの夢を見た・・・。
起きたら泣いていた。
釣り・・・してない・・・。
このスレは落とすなよおおおお
感動したんだ
みんな出会いを大切にしヨン
472 :
名無し三平:04/12/23 16:38:34
そろそろ中間順位をつけよう。
俺の1位は56
473 :
名無し三平:04/12/28 14:50:11
474 :
名無し三平:05/01/10 00:13:41
定期保守アゲ
475 :
名無し三平:05/01/11 13:23:33
定期保守アゲ
476 :
名無し三平:05/01/11 20:56:31
私は幼少の頃から釣りが大好きで、特にスズキのルアーとメジナは子供の頃から狙ってました。
昔話でが・・・今から10年程前、私の3歳になる娘を初めて釣りに連れて行きました。
その日は晩秋の割には暖かい日で、しかも娘は小メジナを延べ竿で釣りまくり喜んでおりました。
「いい日に当たったなあ・・」と思い、昼近いのでお弁当タイム♪
その日のおかずは、娘の大好きなから揚げと卵焼き、ウインナーも入ってた。
477 :
名無し三平:05/01/11 21:02:04
続き・・・
その日の卵焼きは やけに焦げて冷たい卵焼き・・・。
しきりに娘が私に問い掛けます。「パパ、おいしい?ねえ?おいしいでしょ?」
そう、娘の初めての手料理でした。
泣きながら娘をひざに抱き一緒に食べました。
そんな愛娘も残念な事に病でこの世からいなくなりました。
あの日の卵焼き。それ以上の卵焼きには二度と出会えないでしょう。
478 :
名無し三平:05/01/11 21:07:05
>>476−
>>477創作ご苦労さん。
おまえ、子供居ないだろう。おまえの文のあちこちに
子供が居ない香具師の書いた事がわかる不自然な点がある。って、子供の
居る香具師には分かるわなw。
そうか嘘だったのか
病気で死んだ子がいなくてよかったよかった