もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら13泊目
旅の扉から抜けるなり嘔吐し倒れたメイをアリーナが背負い、三人で魔物と戦いながら一行はエンドールに
たどり着いた。人々の賑わいが八方を流れ、様々な体臭や声や文化が混在している。ブライが宿に部屋を取り、
荷物を置いてメイをベッドに寝かせた。固い革の服を脱がせると、半袖のシャツから伸びる腕にはやはりあの
不気味な金の塊がそこにある。肘と手首の間で眠るように静かな黄金の腕輪は、誰の目から見ても信じがたいほど
当たり前のように落ち着いていた。
「ひとまず、メイはここに置いて行っても平気じゃろう。姫様、この街には大勢の人々が集まる大きなカジノが
ございます。まずはそこで武術大会についての情報を集めるのが先決かとブライは思いますぞ」
一刻も早く出場手続きをしに行きたいと目で訴えていたアリーナを制するように、ブライはクロスボウをテーブルに
寝かせて椅子に腰を下ろした。
「では、私はメイさんを看ていますので、ブライ様と姫様はエンドール見物も兼ねてカジノへ行かれては?」
気を利かせたのであろうクリフトが、青銅の鎧をはずし言う。しかし、ブライは腰を上げようとはしない。
「冗談はよせい。これ以上この年寄りに鞭打つようなことはせんでくれ。お主と姫様で行くがよい」
「で、ですが」「『ですが』は禁止じゃ。ほれほれ、さっさと行けい。姫様がうずうずしとるじゃないか」
クリフトの言葉をさえぎり、ブライは二人に背を向けるように椅子の向きを変えてしまう。
「……ま、ブライがそう言うなら仕方ないわね。ほら、行きましょ!」
「ひ、姫様!あっ、お、お待ちを!わわっ!」
顔を真っ赤にしたクリフトの手を引いて装備もはずさぬまま部屋を飛び出していくアリーナを尻目で見送ると、
ドアが閉まったのを確認してブライはメイの左腕を薄い掛け布から取り出して見つめる。
―――この娘、これほど禍々しい魔力を肌に当ててもなお、ひとの姿を保つとは。……何者じゃ?
メイはまったく意に介していないようだが、彼女を背負ってここまで来たアリーナは武術大会への期待を
その心から抜けば、肉体は疲弊によって倒れこむ寸前だろう。魔力を受けることに才がない代わり、アリーナは
魔法が使えない。幼い頃は父王もアリーナ本人もそれを気に病んでいたことがあったが、ブライは今ここで彼女に
魔法の才がないことに対し、神に感謝した。もしもアリーナに魔法の才があれば、メイの腕に光る黄金の腕輪の
魔力にあてられ、武術大会どころの話ではなくなっていたからだ。
―――ちょっと上背と乳がでかい以外は、異界からやってきたとはいえ何の変哲もない人間じゃ。
だが、普通の人間が黄金の腕輪を身に付ければ、心は壊れ、『命』が無理な進化を遂げるはず。だのに、なぜ。
眉ひとつ動かないメイの顔からサングラスを取り、その顔を覗き込む。切れ長のつり目を閉じた、ただの娘だ。
―――異界からやってきた者に対して我々がとやかく考えをめぐらせるのは粋なことではない、ということか。
ふう、とひとつため息をついて、ブライはメイが眠るベッドから椅子を離した。
黄金の腕輪の魔力に少しあたってしまったらしい。
―――クリフトは姫様と上手くやっているじゃろか?……それこそわしが考えるのは粋ではないか。
備え付けのポットで茶を入れて、老魔道士は一度思考を停止した。
「もし、そこの人。わたしはバトランド王宮戦士のライアン。つかぬことをお伺いするが、
あなたは『伝説の勇者』と呼ばれるお方について、何か知っていることはありませぬか?」
重装備に身を包んだ戦士は、小柄な少女と一緒にモンスター格闘場を見物していた青年に声をかけた。
見たところ、旅の神官らしい。血沸き肉踊る魔物同士の戦いの興奮にすっかり支配された少女が闘技場の柵から
身を乗り出そうとしているのをそっと止め、青年は戦士のほうを振り返る。
「伝説の勇者、ですか……。古い書物では何度かその話を読みましたが、残念ながら私の知っていることは
既存の記録を少し齧った程度です。お役に立てず申し訳ありません」
「伝説の勇者?その人って、勇者ってぐらいだから、やっぱり強いのかしら?もし本当にいるなら一度手合わせ
してみたいわね」
少女の言葉に苦笑する青年を微笑ましい気持ちで見ながらも、戦士は心の中で落胆した。この大きな国でなら、
少しは頼れる情報を得られると思っていたのだが、それも見当違いのようだった。
「……ならば、もうひとつ聞きた」
「ねぇ、あなたも武術大会に出場するの?」
「姫さ……、アリーナ様。初対面の方に失礼ですよ」
「いや、構いません。アリーナさんと言いましたか。残念ながら、わたしにはかのような催しに参加する余裕は
ありませぬ。ですが、こちらから見る限り、あなたも相当腕の立つ方と感じられる。いずれ、またどこかで会った
ときは、ぜひ手合わせ願いたいものですな」
戦士の言葉に気をよくしたアリーナは、にっこり笑って青年を見上げた。花のような笑顔に目を白黒させる
青年に丁寧に礼を言って、戦士は賑わうカジノを静かに去った。
三年前―――バトランド地方イムルの村では、子供が神隠しに遭う事件が頻発していた。子供たちをさらった
魔物を倒す旅に同行した女が、湖の中央に聳え立つ塔の屋上から落ちて、湖水に飲まれ姿を消した。
女とは、未だ再会できていない。ほんの数日の間、旅を共にしただけの女が、なぜか三年という月日が経った今でも
忘れられない。伝説の勇者を探す旅を続ける限り、この広い世界をくまなく見て回ることになるだろう。
その旅の一端に、水の中で姿を消した「メイ」という心優しい異邦人を見つけ出すことも、彼の目的であった。
戦士の大きな背中を見送り、再び闘技場に視線を戻したアリーナがぽつりと呟く。
「ねえ、クリフト。メイさんも今日、ここに来られたらよかったのにね。……あ、見て見て。あそこのステージ。
ギター弾いてる人がいる。帰ったらメイさんにも教えてあげよ?カゼひいて来れなかった分も、いっぱい教えて
あげなくちゃ」
「そうですね。……アリーナ様。柵を乗り越えてはいけません」
「はぁい」
広いエンドールの街の隅にある安宿に戦士が帰り着いたころ、カジノの上に併設された宿の一室でメイは目を覚ました。
Lv.12 メイ
HP:51/51 MP:53/53
E ホーリーランス
E うろこの盾
E 革の服(革ジャン)
E −
E サングラス・黄金の腕輪
戦闘呪文:ホイミ・メラ・ヒャド
所持金:821G(メイ個人の所持金額)
>>562 パンツマスクよりも変態な格好になるwww
>>570乙でした。
黄金の腕輪を装着していても大丈夫な身体。何故だろうか?
続きが気になります〜。
>>570 こいつはくせえッー! 名作のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!
wktkが止まらねえッー!
第四話 「邪悪な存在」
家がアレなのでサンタローズの村を散歩することにする。
だが、のんびり歩いている俺に女が話しかけてきた。
見た目からしておばさんと思えるが・・・
「ねえ、あんたパパスの子供だね。これお食べ」
そういいおばさんは俺に箱を渡してきた。
「パパスさんによろしく伝えておいてね」
ニッコリと笑いながらおばさんはで去っていった。
おかしい。あのおばさんはこの前パパスに殺されかけた人だ。
というより殺されたんたんだよな。でも、神父のザオリクでなんとか生き返った。
普段、パパスに世話になっていたとしても自分を殺した相手に物なんかあげるか普通?
まあ、この世界の人々はわけ分からん人が多いからあまり気にしないでおこう、うん。
箱を開けて中を見てみると美味しそうなクッキーがたくさん入っている。
あまりにも美味しそうだったのでその場で食べることにした。
「こりゃ、うまそうだな。いただきまー・・・」
クッキーを口に入れようとしていると、連れていたベビーパンサーが俺の事を見つめていた。
「お前も食べたいのか?」
そう聞くとベビーパンサーは「くぅ〜ん」と物欲しそうな声を上げた。
「そうか、ほら、お食べ」
クッキーをベビーパンサーの口に近づけてやると一口でぺロリと食べてしまった。
「さて、俺も食べるか」
俺はクッキーをもぐもぐと食べて飲み込む。
しかし、ベビーパンサーはいきなり泡を吹いて倒れた。
「な、どういうことだ!?ま、まさか・・・うっ」
俺は倒れて薄れゆく意識の中こう思った。
(あのババア・・・許さん・・・)
その頃、クッキーをやったおばさんは
/〃// / 〃l lヽ∨,〈ヾ、メ〈 }} ;l リ ハ l`!ヽ.
//' /,' ,' 〃 l l川/,ヘ丶\;;ヽ/:'/〃∧ l ト、:l !
〃,'/ ; ,l ,'' ,l| レ'/A、.`、\;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |、
i' ,'' l| ,l ' l. !| l∠ニ_‐\ヽ;\,//,イ| l | l ト/ λ! 、
. l ; :|| ,'i:/ l| |:|: |``'^‐`ヾ∨`゙//|斗,l ! | ,タ /l.| l 三__|__
l ' l |」,' l' lハ |'Ν  ̄´ /` ,|l_=ミ|! ly' ,〈 :|| | 口 |
|l .l H|i: l | ゙、| l _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :l| ‐┬‐
|! :l |)!| ! | ヽ '´ ’/'_,. ノイ.〃/|! │田│
l|l |l 「゙|l |`{ .. _ |}/,ハ l  ̄ ̄
|!l |l、| !l :|. ‘ー-‐==ニ=:、__j:) l'|/|l リ 、 マ
ヽ ̄ニ‐、__.」乢!L!lヱL」__ ー、 `'''´ 从「 / 了 用
\ `ヽ\ /l | / ̄´ // '"`ー‐
. ,、 l ゙、 / ' |、 { /l/ ,
'} l ゙, / |:::\ } ,.イ/ レ |
l l l ,.イ l:::::::::\__ `'-‐::"// |′ ノ
l ! K ヽ,、 \「`''''''''"´:::::::;;:" //
. l l ト、\( _.... ヽ .:.::::::::;;″ /' _
\ | l| 八、ヽi´ | .:.:::::::::::::i' .:/'"´ ̄ ̄ ̄ ,.へ\
あのパパスのガキは今頃、死にかけているだろう。
ガキにやったクッキーには動物の嗅覚でも気づかない猛毒が入っている。
これと同様の手でパパスを殺してみせる。
そして、世界の人間達や魔物共を殺し私は・・・
新世界の神となる。
数分後、このおばさんは村の兵士に連行された。
理由はおばさんがクッキーを主人公に渡し
そのクッキーを食べた主人公が倒れたという状況を見ていた村人が通報したためである。
「ふう、ひどい目にあったな・・・」
俺とベビーパンサーが毒のクッキーを食べて倒れた後、
この村によって旅人がどくけし草っていうどんな毒でも消し去る草を俺達に食べさせてくれたので
死なずすんだ。やっぱりこの村にもいい人がいるんだな。
「あの、ありがとうございました」
俺が素直に礼を言う。恩人に礼を言うのは当たり前のことだ。
「別にいいよ」
その旅人を見てみるとどこがでみたことがある。なにやら俺と同じ格好をしてるし・・・
・・・あっ!もしかして未来の・・・・
「もしかしてあなたは未来の・・・」
だが、その旅人は俺の言葉をさえぎるように別の話しをしてきた。
「ん?君はきれいな玉を持っているね。ちょっと見せてくれるかい?」
きれいな玉ってこのゴールドオーブか。
でも、これってどこからみてもゴールデンボールじゃねえかと下ネタを思う俺。
我ながらツマンネ、もうゴールデンボールなんて言わないでおこうと思いつつ旅人に渡す。
「うん、きれいだね。ありがとう」
ゴールドオーブを見ている旅人にアレを言ってみるか。
「俺のゴールドオーブを見てどう思う?」
「すごく大きいです・・・」
やっぱり!こいつ俺だ!!見た目は未来の俺の姿っぽかったけど中身の人格とかが
別人だったら恥ずかしい事になるので聞かなかったけど・・・
ん?こんな方法で未来の俺かどうか確かめている時点で恥ずかしいんじゃ?
ま、まあいい。とにかくこんなノリをしてくるってことはこいつ俺だ!
「あんた未来の俺なんだろう?」
「さあね。今の君が知る事じゃないよ。このオーブ返すよありがとう」
旅人は俺にオーブを渡すと「どんな事があっても絶対に負けちゃいけない」といい去っていった。
あいつは本当に未来の俺なのだろうか?それとも俺が変わっていったのだろうか?
・・・俺はしばらくしてから散歩を再会した。
村では変な事が次々、起こっていることが分かった
それは民家のタンスの中に入れてあった物がタンスの別の段にあったりとか
作ってあったシチューがなくなっていたりとか
最近、妻に浮気の疑いをかけられている夫がいるとか・・・まあ、最後のは多分関係ないと思うが。
とりあえず、気になるので情報の調査をしている。
「まだ情報を聞いてない所は・・・酒場か。よし行ってみよう」
酒場にいるとなんと人間ではない生き物、そう妖精がいた。
「な、なんですか?この妖精と言わんばかりの妖精っぷりは!?」
思わず口に出してしまった。
だが妖精は何故か嬉しそうな表情になり俺に近寄ってきた。
「あなた私の姿が見えるの?」
「え?見えるけど・・・」
「良かった!他の人間達は私の姿が見えなかったみたいだから困ってたの!」
「へ、へえ・・・」
「ねえ、私達の世界に来て!今、妖精の世界で大変な事が起こっているの!」
暇だったので行く事にした。ちなみにこの妖精はベラという名前らしい。
べラはとある所に来て欲しい。そこで待ってるといい一足先にその場所へと向かった。
妖精の世界の入り口は俺の家の地下室にあるらしい。
そんな所にあったっけ?そんに疑問を持ちながら家へと向かった。
キイ、俺は家のドアを開く。
すると目の前にはパパスに血祭りにされたサンチョの死体があった。
「たぶん、なんか知らないけどパパスの怒りを買ったんだな・・・」
そう言い、俺は地下室の階段を下り地下室に向かった。
地下室に着くとべラがいた。
「ふう、じゃあ行きましょ。くわしくはポワン様から聞いて!」
ポワンという人は精霊の世界の村で偉い人らしい。
「どんな人か早くみてみたいな」
「とてもきれいな人よ。あっ、誰か来るわ!」
コツコツコツ、階段を下ってくる音が聞こえた。
そして、その人物が俺達の所に来た。その人物はパパスだった!
「お前、誰かと話してなかったか?」
パパスにも妖精の姿は見えないらしい。
なのでべラの姿も見えないのであろう。
「だ、誰もいないけど」
俺が答えるとパパスはチッと舌打ちすると「次に間際らしい事をしたら殺す」と小声でいい
殺気だった顔をしながら階段を登り戻っていった。
(恐い・・・・!恐!・・・逃・・・この家を出るとどうやって生きる?無理!!
この家にとどまる?無事で?出来る!?否・・・死!!)
色んな事を俺は思っていた。
「やっぱり大人には誰も妖精の姿が見えないのね・・・まあいいわ」
べラは俺の様子に気づかないのかそう言っていた。
そして、いきなり光の階段が出てきた。これで妖精の世界へ行けるらしい。
俺、そして空気だったベビーパンサーが光の階段を渡るべラについていった。
妖精の世界とはどんな所なのだろうか?俺は少し緊張していた。
一方、ベビーパンサーは将来の事を不安に思っていた。
レベル 10
最大HP 76
最大MP 28
装備 ブーメラン 皮の鎧 うろこの盾 木の帽子
呪文 ホイミ キアリー バギ スカラ
>>565-570の続き
「ギター弾けるようになった?」
「そんなにすぐにはなれないよ。……私は『佐呂間さん』と違って弦楽器弾く天才じゃないんだから」
高校の制服姿のままでスタジオに入ったボーカリストは、椅子に腰掛けるメイの足元に座り、
床に置かれた譜面を覗き込んでいる。
成長途中のボーカリストと練習中のギタリストは、他のメンバーよりも早くスタジオに入ることが自然と多くなっていた。
「ごめんね。元はと言えば俺が『佐呂間さん』のベースで歌えたら最高なのに〜!
なんてミーハーなこと言ったから悪いんだよなー。……反省してるから恨まないで?」
「恨まないよ。今はもう、あなたの歌を引き立てる音を出そうと夢中なんだから。ね?」
笑顔の裏にある邪とも取れるであろう思いを隠すため、メイはギタリストになってからサングラスを
かけるようになった。演奏中、手元から目を離した時、真っ先に視線を向けるのはまだあどけなさの残る顔で
歌うボーカリストだった。悪魔が味方しているのか、サングラスをかけて鋭さを増したメイの評判は、
男性人口の多いメタル系バンドの世界にいても引けをとらないと噂になった。
「……俺がボーカルになったこと、後悔してない?」
黒いレンズに隠れた瞳を覗こうと、ボーカルは精一杯メイの顔を見つめた。
薄く小さなメイの唇が優しくつりあがり、子どもを相手にするための笑顔を作る。
「してないよ。……この先、『木暮くん』が高校を卒業しても大学生になっても、社会人になったって、
ずっとこうして隣でギターを弾いていられればいいなって、いつも思ってる」
「ほんと?ずっとだぜ?ずーっと。俺たち一蓮托生?」
「うん。……私たち、ずっと一緒にいられたらいいのにね。『佐呂間さん』も『木暮くん』も私も、ほかのみんなも」
「……ねー、メイさんはいつになったら俺のことあだ名で呼んでくれるの?
『木暮くん』って呼ばれるたびに、なんか背中のあたりがもぞもぞするんだけど」
「えー……?あだ名呼びってなんか恥ずかしいなぁ。おばさん、『木暮くん』みたいな若い子と違うんだから」
「何言ってんだよ。十分若いじゃん。ほら、一回呼んだら癖になるかもしれないよ?はい、呼んで呼んで?」
「んー……じゃあ。―――」
―――目が覚めて、よかった。呼んでしまってからじゃ遅かった。この歳になって起き抜けに泣くとかは勘弁。
思春期の中高生じゃあるまいし。よりによって一番楽しかった頃の夢を見るなんて。何年前の話なんだか。
私が彼を苗字で呼んでいたのは、彼がバンドに加わってから間もない時期だけ。一緒に活動してきた四年間、
ずっとあだ名で呼んでいた。この世界に来てから忘れてた。彼はもういない。忘れようとすると、ふとした
瞬間に記憶は蘇ってくるものらしい。
落ち着けと言い聞かせても、嫌な汗は止まらずに寝間着をぐっしょり濡らしている。
……未だ夢に出るほど、私は彼のことを好きでいたんだと痛感した。そして、……違う世界にいるときぐらいは
聴きたくも口にしたくもない名前が出てきたことに、年甲斐も無く強烈なダメージを受けているのを自覚した。
無責任な発言は結局のところ自分の身を滅ぼすことになる。これをよく覚えておこうと思った。
「頼む、アリーナ姫よ。どうかこの武術大会で優勝し、モニカの結婚をなかったことに!」
最近、魔物の動きが活発になっているからと、エンドール王はつわものを集めるためにこの武術大会を開いたそうで。
武術大会で優勝した人はなんと、この国のお姫様と結婚する権利が与えられる。
つまり、王様の隣の玉座で浮かない顔をしているモニカ姫は、優勝者が男性だった場合、嫌でも結婚させられてしまう。
少しだけむっとしたアリーナちゃんがエンドール王の前でスカートをつまみ頭を下げ、無理な頼みを聞き入れる。
「……王様、ひとつお願いしたいことがございます」
跪いて顔を上げ、アリーナちゃんはとんでもないことを口にした。
「ギターを、ください。わたしの後ろで控えている色眼鏡の者は、人々を魅了する音色を奏でるギタリストです。
ですが、旅の道中に魔物に襲われてギターを壊されてしまいました。わたしたちの旅の資金では、高価なギターを
買うことはできません。ですので、どうかわたしが優勝した暁には、この国にある最高のギターをお与えください」
ななななな何を言い出すのこの子は! 魔物に壊されたなんて大嘘までついて!
いや……理由はあるんだ。昨日は一日中ずっと熱出して寝込んでいた私を、ステージでギターを弾いていた人が
いるから観に行こうとアリーナちゃんがカジノへ誘ってくれた。砂漠を放浪する民の衣装を着てギターを爪弾く
男性を、ステージが終わったあと二人で訪ねて「一度そのギターを貸してくれませんか?」と申し出た。
すると、返ってきた答えは悲しいものだった。
この世界ではギターはすごく高価な楽器で、ひとつ買うだけでも二万ゴールド近くかかるのだという。
そんな高価なものを、見ず知らずの他人に貸すわけにはいかないと突っぱねられてしまった。
そうなると、いつかギター演奏を聴かせると約束した私も、それを楽しみにしてくれていたアリーナちゃんも、
意気消沈してがっくり来てしまう。とぼとぼと宿に戻った私たちを見て、ブライ様とクリフトくんは
「いつかご自分で気づいたほうがよいと思い、フレノールの洞窟では何も言わなかったのです」と頭を下げた。
確かに、あのときは「いつかギターを弾いてあげる」という約束でその場の空気を取り持ったから、
真実を伝えられれば一気にしらけてしまっただろう。
けれども、なんかなぁ……。出場するのはアリーナちゃんなのに、高価なギターをもらえるのは私、
っていうのも、ちょっと腑に落ちない部分がある。……よし。決めた。
「……姫様、わたくしなどのために貴重な優勝賞品を選ぶ権利を棒に振ってはいけません」
「で、でも、メイさん……、わたし、メイさんのギターが聴きたいよ」
「ええ、ですから、姫様」
床に置いて攻撃の意はないという態度を取らせていたホーリーランスを握り、切っ先を天井へ向けた。
「わたくしも、武術大会に参加させてください。もしも決勝戦でわたくしと姫様が戦い、わたくしが勝ったら、
その時は国王陛下からギターをいただきます」
王様に拒否権なんかなかった。むしろ拒否する理由がない。女が二人、決勝戦まで残れば、大事な娘を嫁にやる
必要なんかなくなるからだ。
これだけ大きな街だと、武器や防具の品揃えもすごく豊富だった。防具屋でうろこの盾を「鉄の盾」に
買い換え、クリフトくんは今まで装備していた青銅の鎧を売って鉄の鎧を買い、武器屋でブライ様は
毒蛾のナイフを買った。でも、アリーナちゃんのような武道家が装備できる軽くて丈夫な防具は売ってなかった。
何かいいものはないかと探していたところで、さっき立ち寄ったカジノの景品リストを思い出す。
景品の中に「スパンコールドレス」っていうキラキラのドレスがあった。交換所のバニーさんの話を聞いても、
優秀な防具として、旅する女性に大人気だって。
それじゃあコインを買うお金をどうやって捻出しようかと、カジノの入り口付近で考える四人。
「……ん?ステージの上にギターが置きっぱなしになっとるぞい。ははぁ、さてはあのヘタギタリスト、
休憩時間に入ったんじゃな。……こりゃ、何をぼんやりしとるか。さっさと行ってこんかい」
はい? 行ってこんかいって、どこにですかブライ様。
「ぼやぼやしとるとあのヘタクソが帰ってきてしまうぞ。さっさと一曲弾いて、おひねりを稼いで来なさい」
「無茶言わないでくだ」「メイさんギター弾くの!?聴きたーい!」「わ、私も興味があります!」
トリプルアタックに負けて、しぶしぶ私はステージに向かった。深呼吸ともため息ともつかない二酸化炭素を
吐き出して、なるべく人目につかないようにステージに上がる。
ギター欲しさにここまでやるなんて、例のテレキャスターの購入を決めたとき以来だよ、もう……。
木製のスタンドに立てかけられているギターを勝手に拝借して、バンドを肩にかけた。
曲目はー……、よし、スタンダードに「禁断の遊び」で行ってみよう。
爪の長さはあまり変わっていない。むしろまったく伸びてない。こっちに来てから体質が変わったんだろうか。
前は爪でアコギ弾いてよく爪の先をぼそぼそにしてたのに。
一番細い弦を弾くと、思いのほか澄んだ音がした。エレキではないけど、
シンプルな造りのギターはこの世界でもちゃんとしている。
……この腕輪はギターの音を聴けるだろうか。聴けるんだったらこの曲を聴いて、
禍々しいとか怖いとか言われるその魔力を、少し優しいものにできないだろうか。
左手に何かが乗り移ったようにフレッドを抑えた。久しぶりの感触に指先が喜んでいる。指すべてにそれぞれの
意志が宿ったように右手が動いた。鈍ってはいない。あー、私、ギターが弾きたかったんだなぁ。
黄金の腕輪が熱を持ち始めた。火傷をするとか、そういう熱じゃない。ホットコーヒーを注いだマグカップを
当てるような、よく働いてくれたアンプに触れるような、そんな熱だった。
―――心なしか、ギターの音が大きくなる。弦の弾き方は変えていないのに、左手に伝わる振動が強まった。
あっという間に一曲を弾ききってしまうと、ライブとは違う歓声がどっと沸きあがった。
ステージに投げ入れられる硬貨と時折見える紙幣を一つ一つ丁寧に集めてステージを降りると、
さっきのギタリストに恨めしそうな目で睨まれてしまった。おひねりは全部で三千ゴールドちょっと。
これを元手にして私がポーカーテーブルでちまちまダブルアップを繰り返していると、
アリーナちゃんに引っ張られてスロットマシンをプレイしていたクリフトくんが、なんとスリーセブンをたたき出した。
……カジノでの手柄は取られたけど、装備は整った。コロシアムからは、観客の気配が地響きのように伝わってくる。
回復魔法の素質があってくれて、本っ……当に良かった。私の世界のどこに、人に向けて弓矢を打つ人がいると。
アリーナちゃんと戦うまでに、四回の「予選」があった。予選の「せん」は「戦闘」の「せん」のほうが、
この場合しっくり来そうだけれども。二回目の予選で戦った弓使いのクラウスとかいう人に、思いのほか苦戦を
強いられてしまった。こっちは接近戦向きの槍、あっちは遠距離戦向きの弓矢。刺さったところが悪かったらと
考えると、今でもぞっとする。鉄の盾で必死に防御しながら、ホイミと物理攻撃を何とか駆使してここまできた。
途中の魔法使いの踊り子さんも、女の子なせいか打たれ弱くて助かった。
なんか分身する変な魔物は、ホーリーランスを横凪に振り払えば必ずどれかには当たったから、意外とすんなり。
今まで、槍は「突く」とか「振り上げる」しかしなかったけれど、こういう使い方もあるんだね。
この方法なら、ブライ様に「グループ魔法の才能がないのぅ」と言われたのも、ある程度カバーできそう。
アリーナちゃんと当たるのは決勝戦かと思ってたけど、実際は準決勝でぶつかった。
「デスピサロ」という、やたらと強くて残酷な人がいるらしい。コロシアムに入ったときも、中の人たちはその
デスピサロの話題で盛り上がっていた。対戦相手を殺すまで攻撃をやめないらしい。物事にはたまに、手加減と
容赦が必要なのを知らない人なんだろうなぁ。……そんな危ない人とアリーナちゃんを戦わせるわけにはいかない。
彼女は曲がりなりにも、一国のお姫様だ。何かあったらサントハイムの国中が大変なことになっちゃう。
ギターのため、そして彼女のためにも、ここでアリーナちゃんに負けるわけにはいかない。
試合開始の声がかかった。アリーナちゃんは良い意味での手加減なしに、こっちに向かって飛び掛ってくる。
彼女の動作は風みたいに速い。ときどき目で終えなくなることもあるぐらい。強烈な蹴りを鉄の盾で受け止める。
左手に伝わってくる衝撃はすごかった。鉄を蹴ったら脚が痛くなるだろうと思って心配すると、
そんなそぶりはまったく見せずに次の攻撃動作に入っていた。
ホーリーランスを振り上げると、アリーナちゃんの「鉄の爪」についている鉤と鉤の間に受け止められてしまう。
盾を装備できないアリーナちゃんは、とてつもない動体視力で相手の攻撃を見切っている。
腕力では彼女のほうが上。ってことは、ここで私が勝つには、温存していた魔力で魔法攻撃に出るしかないってこと。
ちょっと情けなく映るけど、私はアリーナちゃんに背中を向けて走り、距離をとった。外野からちょっとした
ヤジが飛んできたけど、……そんな言葉程度で傷ついちゃうほどこっちは若くないんです。くぅ……。
「メラ!」
ハンドボール大の火球が飛ぶ。予想では、アリーナちゃんにメラがぶつかるのはもっと遠い場所のはずだった。
けれど、背中を向けて距離を取ろうとする相手をみすみす逃がすほど、アリーナちゃんは容赦を持ち合わせてない。
アリーナちゃんのスパンコールドレスにぶつかって煙を上げる火球が弾けるのと同時に、右腰のあたりを思い切り
蹴られた。吹っ飛ばされて壁際に転がる。かなり痛いけれども、寝っ転がってる暇はない。わああ来た来た来た来た!
やばい! 距離はあんまりない! 回復しないとノックアウトされちゃう! でも攻撃もしないと勝てない!
……よし決めた。ヒャドを唱えよう。それでなんとか距離を作って、そのあとはホイミで行く!
……確かに、「ヒャド!」って、二回唱えた。ほら、人間あせると同じこと何回も繰り返して言っちゃうでしょ。
それだよね。うん、それだったんだ。
左手から発動したヒャドは、唱えた回数どおり、ふたつの氷をアリーナちゃんに飛ばした。こんなこと初めてだった。
魔法は、一度唱えるなら一回しか発動しない。魔力で魔法を発動したら、次の魔法を唱えるまでには魔力の「タメ」が
必要だから、連続して一度に二回、今みたいに発動するはずなんてない。
出会ったばかりのころ、戦闘でメラを連呼していた私に、ブライ様は確かにそう言っていた。
左腕で、黄金の腕輪が熱くなる。嫌な熱ではないけど、私は初めてこの腕輪のことが怖くなった。
今、魔法を連続で唱えられたのは黄金の腕輪のせいだとはっきりと自覚できた。
アリーナちゃんの選択は正しかった。こんなことが出来てしまうものを悪い人に渡したら、一体なんのために悪用されていたんだろう。
「くっ……」
氷の塊に吹っ飛ばされたアリーナちゃんが起き上がり、薬草を齧る。咥えている葉っぱをそのままに、
アリーナちゃんは戦いの意志を宿したまんまの目で私を見据え、笑った。今まで見たアリーナちゃんの笑顔の中で、
一番いい笑顔だった。つられて私も笑う。距離は十分に取れた。
クリフトくんから即興で教えてもらった「スカラ」とホイミを一度ずつ唱えて、ホーリーランスを握りなおす。
この戦いではもう、黄金の腕輪には頼らない。彼女は純粋に私との戦いを楽しんでくれている。だったらもう、
アリーナちゃんが使えない「魔法」なんてナシ。向こうも薬草を持ってるし、スパンコールドレスと革ジャンの
耐久性の差があるから、ホイミとスカラは使わせてもらうけど、それ以外は唱えっこなしだ。条件は互角だ。
「てやあああ!」
気合一発、アリーナちゃんは掛け声と共に鉄の爪を繰り出す。この一撃に耐えたら、勝算は十分すぎるほど整う。
スカラで耐久性は上がってる。防御すればなんとかなるはず……だったんだけど。
―――姫様の「会心の一撃」には十分ご注意ください。武器による攻撃は時折、体で繰り出すのに最高の条件が
整うことがあります。いつものように攻撃をしたら、とても上手く決まった、ということが、メイさんにも
あるでしょう?姫様のお体はそういった、会心の一撃を打ち出す条件が整いやすいという特徴があります。
打たれたが最後、物理的な防御力など一切関係なくなります。いくらスカラを唱えていても、です。
……姫様に優勝していただきたいのはやまやまですが、私は……姫様がデスピサロと戦うことがとても心配なのです。
身勝手とはわかっています。ですが、どうか……。メイさんがデスピサロと戦うことになったら、私はルールを無視して
加勢いたします。
スカラを教わったとき、クリフトくんがロザリオを握り締めながら言ってたことが今更になって蘇ってくる。
そ、走馬灯……!? いやいや、アリーナちゃんも多分、死なない程度に力は抜いてくれてるはずだよね……。
ボディに入れられた強烈な一撃は、「吹っ飛ぶ」なんて表現では表しきれないほど綺麗に私の体を宙に跳ね上げた。
あんまりにも強烈なのを叩き込まれると、いくらみぞおちに入ったとしても出るものは出ないらしい。
壁に背中をぶつけて地面に落ちる。ホーリーランスを杖代わりに立ち上がってみたものの、背中を打った拍子に
衝撃が肺にまで伝わってきてたものだから、呼吸困難になって結局倒れこんでしまった。遠くで試合終了の声がする。
コロシアムの救護室で目を覚ました私は、まだずきずきする体を起こしてあたりを見回した。
「デ、デスピサロは?」
隣のベッドで横になっていた武道家さんにいきなり尋ねると、「棄権したんだ」と教えてくれた。
私がアリーナちゃんにやられて気を失っている間に、決勝戦が行われたらしい。相手はやっぱり、あの悪評高い
デスピサロって人で、アリーナちゃんも相当緊張していたって話だった。だけど、待てども待てどもデスピサロは
決勝戦の場に現れず、痺れを切らした王様が控え室を兵士に調べさせたら、なんとまあそこはもぬけの殻だったそうだ。
「じゃ、じゃあ、優勝は」
「サントハイムのアリーナ姫だよ。なあ、アンタはサントハイムつきのギタリストらしいけど、
ありゃホントにお姫様か?男の俺よりも強烈な拳打を打ち出しやがる。並の剣士だって彼女にゃ勝てねぇよ」
ああ、思い出した。この人「ミスター・ハン」って人だ、一回目の予選で、アリーナちゃんにやられちゃってた。
「よっ……こいしょ」
ホイミを唱えて体のずきずきを消して、ベッドから起き上がる。やっぱり優勝はアリーナちゃんだったんだ。
それにしても、デスピサロが棄権してくれてよかった。あの子にはまだ、「世界を見て回る」っていう夢が残ってる。
ギターがどうのって、そんなことこの際どうでもいいや。早くあの子の顔が見たい。
「メイさぁん!」
美しすぎる放物線を描き、アリーナちゃんが飛び込んできた。ベッドに腰掛けていたのにぼすんと押し倒されて、
脚が天井向いて体がL字になる。……一応けが人なんですけど、私。
「あっはは……。アリーナちゃん、優勝おめでとう」
「へ?なんで知ってるの?」
「そこの人から聞いた。……でも良かった。デスピサロが棄権したんだってね」
「いくじなしのデスピサロなんて、わたしにかかれば秒殺よ!それであの、メイさん。これ、優勝商品。はい」
柔らかい木綿の布にくるまれた、何か大きなものを差し出された。な、なんですかコレは。……ん?
こ、の、輪、郭は、ま、まさか……。
「……うっそ!?えっ、いや、何これ何これ、うわあああホントに!?あっ、ありがとう!」
布を取り去ってそこに現れたのは、上品な木目の茶色が存在感を強く引き立たせる一本のアコースティックギター
だった。この世界でも普及している楽器製造の技術がふんだんに使われているみたい。喜びに興奮して、ギターの
細部の特徴を若い娘みたいに口に出した。
「すっごい、うわ、ソリッドボディになってる!しかもネックはデタッチャブルワンピースメイプルネック!?
信じられない……この世界にもこんな技術があって、しかもそんなギターが私の手にあるー!」
遅れて、王様の従者さんから黒い革で造られたハードケースが届いた。幸せの絶頂でふわふわ足のつかない地面を
歩きながらみんなでお城を出た。
その直後、嬉々とした気分をぶち壊すようなとんでもない光景が目に飛び込んできた。
(※
>>585のタイトルは「武術大会3」でした。すみません)
「ひ、姫様……姫様……!ああ、ようやくお会いできた……。大変、です。サントハイムのお城が……っぐ、ふ」
傷一つ無いサントハイム王家の紋章がついた鎧が、がしゃんと崩れ落ちた。鎧の中には今この瞬間まで、人がいた。
なのに、突然おびただしい量の血と最後の呼吸を吐きながら、サントハイム兵士さんは白い煙になって消えるように
いなくなった。
「フレディ!お、おい、フレディ!」空っぽの鎧にすがりつくようにクリフトくんが地面にはいつくばった。
「ああ……なんということだ……!ひ、姫様!」
たぶん、今ここで事切れた兵士さんはクリフトくんの知り合いだったんだろう。この街にはこんなにたくさんの
人がいるのに、誰一人として空っぽになった鎧にもクリフトくんの嘆きにも気づいていない。幸か、それとも不幸か。
「いったい我がサントハイムに何が起こったと言うんじゃ?……姫様、ここは一度サントハイムに戻りましょう!」
「……っええ!急ぐわよ!旅の扉まで走りましょう!」
空っぽの鎧を持ち上げてみる。鉄製の重く頑丈なもののはずなのに、片手ひとつで軽々と持ててしまった。
密度が薄くなったように軽い鉄の鎧は、私の手からちぎれ落ちて、鉄くずとなって風に吹かれ飛んでいく。
尋常じゃない、大変なことが、サントハイムのお城で起こっている。それぐらいしかわからないけれど、
ただ風邪を引いただけの見ず知らずの女に貴重なさえずりの蜜を分けてくれた王様や、倒れた私を甲斐甲斐しく世話して
くれた大臣やメイドさんたちの国が危機に瀕している。みんなの後を追って私が走る理由なんて、それだけあればもう
十分だった。背中に背負い込んだギターが揺れる。
息切れは以前と比べて大分らくになった。少しずつだけど禁煙の効果が出てきてるみたい。
旅の扉でアリーナちゃんや私たちの無事を祈ってくれた見張りの兵士さんはいなかった。彼も消されてしまったんだ。
……いったい誰がそんなことを? そこらじゅうをちらほらと舞っている「闇の帝王」の話は、噂じゃなくて真実だった
とでも言うの?
「お父様……お父様!」
アリーナちゃんが真っ先に旅の扉へ飛び込んだ。クリフトくんがそれに続き、ブライ様も老体に鞭打つように、
ゆっくりではあったけど彼なりの速さで時計回りの渦に入った。私もそれに続こうと、旅の扉へ続く短い階段をとばし、
中へ飛び込む。
回転の向きが変わった。途中までは確かに時計回りだったはずなのに、いつのまにか渦は反時計回りを繰り返している。
まさか、こんな大変なときに元の世界に戻そうって言うの?
……冗談じゃない。
アリーナちゃんの優勝商品としてもらったギターを、まだ彼女たちに聞かせてない。
お世話になったサントハイムの人たちの安否を確認してもいない。
やめて! 誰がこの渦を回してるのか知らないけど、邪魔しないで! サントハイムへ行かせて!
回転が止まった。恐る恐る目を開けてみると、そこはエンドール側の旅の扉だった。もう一度渦に入りなおしてみても、
時計回りの渦は内部に私を抱いたままで、反時計回りに切り替わってしまう。
本当に移動すらしてないの?と思って、確認のために外へ出た。
「なに、これ……」
ギターをもらったときと同じ台詞なのに、その意味合いはまったく違う。
武術大会が開かれたついさっきまで、エンドール国領は春の盛りだった。淡い色の花がたくさん咲いていて、
ちょうちょが飛んでいた。だけど、ここは……。
ぎらつく陽光がサングラス越しにも眩しかった。木々の青々とした若葉は、夏空に向かって精一杯伸びている。
遠くからも近くからもセミの鳴き声が耳を劈くように充満していた。じっとりと水気を含んだ暑い空気が、
ぬるくてのろまな風に吹かれて革ジャンの中へもぐりこむ。
どこをどう見ても夏だった。肌は暑いのを感じ取っているのに、不快感がまったくないのが怖かった。
汗ひとつかいていない。そういえば、あのときはまったく気にしていなかったけれど、ライアンさんとイムルで
出会ったのは、確か秋口だったはずなのに、アリーナちゃんたちとフレノールで出会ったときは、さっきみたいな
うららかな春だった。
時を越えて、魔力めいた渦に移動させられている―――。
真夏の気温だというのに暑苦しいとも感じず革ジャンを着ているのもばかばかしかった。
彼女たちを追えないなら、この世界で行く当てなんかどこにあるって言うんだろう。背中のギターの重みだって、
ただ単に虚しいだけなのに。
久々に覚えた苛立ちに唇を噛み締めながら、私は革ジャンを脱いだ。
攻撃的な太陽光線は、サングラスの黒いレンズ越しに私の目を突き刺している。それが痛くて、涙が出た。
第二章 完
Lv.12 メイ
HP:51/51 MP:53/53
E ホーリーランス
E 鉄の盾
E 革の服(革ジャン)
E −
E サングラス・黄金の腕輪
戦闘呪文:ホイミ・スカラ・メラ・ヒャド
戦闘特技:なぎ払い・連続魔法(黄金の腕輪の効果)
所持金:171G
※ソリッドボディとかデタッチャブル〜は本編とは関係ないので気にしないで下さい。
興奮のあまり小難しい単語を喋ってるだけですw
>589
乙です!
>>539の続き
「おいおいおい!なんなんだあの化け物は!!」
カンダタは目の前の光景に驚愕していた。
遭遇した暴れ猿やキャットフライなどのモンスターの群。その群れが一瞬にして花火の様に飛び散っていた。
バキッ!ガスッ!ボキッ!ドガッ!ガンッ!
見えるのは敵が吹き飛ぶ姿のみ。
十匹以上のモンスターが一瞬の内に葬らさられた所で、ようやく木刀を背にしまうサキの姿を見つけることが出来た。
「あの女、あんなに強かったのか!?」
「カンダタ、やっぱりお前でも驚いたか。」
「驚くっつーかよぉ!動きが早過ぎて目がついていかねえ!!」
より強いモンスターが生息していると言うロマリアから東の地を目指していた俺達。
10匹以上にもなるモンスターの群れを見つけるやいなや、サキは一目散に切り掛かりあっという間に蹴散らしたのだった。
その姿をカンダタは俺と同じようにただ唖然として見ているだけだった。
「モンスター以上にバケモンじゃねえか!!あの女!!俺様の子分共が簡単にやられるわけだぜ!」
カンダタの子分達はアジトに残してきた。
カンダタが仲間に加わり、子分達もついてくるつもりだったのをサキは「いらない」と一喝していた。
「おいおいこんなんじゃ俺なんか仲間にして意味あんのかよ!聞いてねーぞあの強さは!」
「あぁ…それ俺も思った。だけどな、アイツには弱点がある。」
「あぁ!?弱点だぁ!?あんなバケモンのどこに弱点があるってんだ…。」
サキはモンスターをひとしきり倒し終え、俺達の所へと戻ってくると満足したのかあくびを上げた。
「ふぁぁ……んん…。ソラ。眠くなった…。」
「もうかよ。ペース考えられないのか?」
「そんなこと知らん…。あと頼む…。」
それだけ言うとサキはその場に倒れ込んだ。
「ったく…。ほら、な?」
「なにが?」
「コイツは力を使い果たすと眠ってしまうんだ。所構わずな。おかげで俺は死にかけた。」
「な、なんだそりゃ…。」
アッサラームの町まではまだ距離がある。
仕方なく俺は眠りこむサキを背負い、俺とカンダタで出くわすモンスターと戦いながら町へと向かった。
アッサラームの街に着いた。
この街の南にはすぐ砂漠が広がっていて、砂漠の国イシスへと向かう者の立ち寄り場として名が知れている。
サキを背負いながら俺とカンダタもこの街へと立ち寄っていくにした。
「おい。着いたぜサキ。って言ってもなかなか起きないんだよな…。」
「とんだ眠り姫じゃねーかよ。モンスターが襲ってこようがぐっすり眠りやがって。コイツ殴っていいか?」
「よしておけよ。バレたら死ぬぞ多分。」
「けっ。いつか俺様の実力でぶっ倒してやるぜ。」
「ん…んん………。」
そんな眠りについているサキから微かな声が聞こえた。
「起きたのかサキ?」
「ん…。もう夜……。ソラ。」
「なんだ?」
「面倒だからこのまま宿屋まで頼む……zzz……。」
「お、おい寝るなよ!お前背負ってんの疲れるんだよおい!……ったく眠りやがった。なぁカンダタ交代してくれ。」
「けっ。そんなガキの面倒なんざゴメンだね。もっと胸のある魅力的な女だったらおぶってやってもいいがな。」
「ちぇっ。仲間が増えればコイツのおもりもしなくていいと思ったんだけどな…。」
仕方なく宿屋を探す。
しかし割と広い街。知らない間に俺達は路地裏へと迷い込んでいた。
「あ〜ら素敵なお兄さん!ねえぱふぱふしましょっ。いいでしょ?」
そう言いながら一人のあられもない格好をした女が話しかけてきた。それを見たカンダタが興奮している。
「おお!ソラ!分かるだろ?俺はこういうナイスバディな女がいいんだ!!はぁはぁ!喜んで行くぜねぇちゃんよ!」
「ちょ!ちょっとあなたじゃないわよ!あなたみたいな変態に声かける訳無いでしょ?」
「な、なにぃ!?」
上半身裸でパンツ1枚のカンダタは、変態ではないと否定するもののまるで説得力が無かった。
「お、俺?」
「そう!お兄さんぱふぱふしましょっ。いいでしょ?」
…………………ごくりっ。
「お、おいカンダタ。サキ頼む。後でなんかおごってやるから。」
「嬉しい!じゃああたしについて来て!」
「あっ!おいテメエ!!卑怯だぞテメエばっか!」
その女はサキには備わっていない、たわわなものを俺の腕にぐいぐいと押し付けて、路地裏のさらに裏へと連れて行こうとした。
「………ん……、ソラ…?…どこへ行くんだソラ?…その女は誰だ?」
眠りが浅かったのかサキは再び目を覚ました。
……ちっ、起きてしまったのか。肝心な所では起きないくせになんで今目覚めるんだまったく。
「あの野郎、女とぱふぱふするんだってよ。ヘッヘッヘ。」
「ばっ!カンダタ!何言って!」
薄ら笑っているカンダタ。わざとバラシやがったに違いない。くそっ、軽蔑されるのか俺。ほんのちょっとした過ちで…。
恐る恐るサキの方を見る。
相変わらず表情は読み取ることがが出来ない。
「………ぱふ、ぱふ…?ぱふぱふってなんだ?」
……助かった。サキはぱふぱふを知らない。
纏わり付いている女を振りほどいて何事もなかったのようにごまかして事を済ませよう。
「気にするな…。さあ宿に…」
「あぁ?ぱふぱふも知らねぇのかこのガキは?…あぁそうか、お前無いもんなぁ。」
「…無い?私の何が無いんだ?」
「カッ!カンダタお前!!気にするなサキ!なんでも無い!なんでもな…っ!」
「黙れソラ。」
突如俺の顔面に突き付けられる木刀。切っ先が俺の鼻先に数ミリの所で止まっていた。
「自分に無い」ということに苛立ちを感じているのか、今のサキは戦闘モードのサキになっていた。
(なんでこんなことに…!!)
なす術が無い俺。サキはカンダタから真意を聞くだろう。そして俺は軽蔑される。
いや、それだけじゃなく俺は仲間から外されるかもしれない。いやいや、数秒後には俺はこの世にいないかもしれない。
どっちにしろ俺は選択肢を間違えたのか。こんなのでバッドエンドか…。
バキッ!!!
鈍い音が鳴り響いた。木刀で骨を打ち折る音。サキがモンスターをぶっ倒すときによく聞こえる音。
しかし俺は無事だった。
サキはなぜかカンダタをぶっ叩いていたのだった。
「わ、わたしはぺったんこなんかじゃない!!!ぺったんこなんかじゃないんだから!!!」
既に倒れて泡を吹いているカンダタに対して、サキは別人に変わってしまったかのように叫んでいた。
「お…おいサキ…。」
俺の声に反応し、今度は俺を睨むサキ。
「私はぺったんこなんかじゃないぞ!!」
「わ、わかったから落ち着けよ、な?」
「……ソラ。ひょっとしてソラも私がぺったんこだと思ってるのか?」
俺はぶんぶんっと首を横に振った。縦に振ることは間違いなく選択肢を間違えるということ。
「…ふん、私はまだ16歳なんだ…。これからおっきく…な……zzz……。」
言い終えぬままにその場に倒れるサキ。
「おいまさか眠った…のか?…ったく、なんで急に眠れるんだお前は……。」
ともかく助かった俺はサキを背負い、カンダタを引きずって宿屋を探すことにした。
(やっぱ胸無いなコイツ…)
>>548の続き
旅に出たアリアハン生まれの超弩級の魔女っ娘。マコ。
今日も彼女はアリアハン城近くの平原でスライムを見つけるなり大はしゃぎ。
たった1匹に関わらずメラゾーマを3発も放ち、跡形も無く消し去るとまたしても跳びはね喜んでいた。
そこへおおがらすが彼女を発見。遥か上空の死角から鋭いくちばしで急襲をしかけてきたのだ。
普通の人間であれば頭が割れてしまうくらいの勢いがついている。
しかし彼女の頭にくちばしが触れる寸前。
ぶしゅ〜!!!
まるでマグマの中に飛び込むかの様におおがらすは蒸発。
なんと彼女は魔法の不思議な力によって体全体をガードしているのだ。
まさに完全無欠!無敵!すうぱあようじょ!ぱんつ!
「もう〜!ばりあ張ったら魔力無くなっちゃったじゃない!!カラスさんのばかぁ!」
今日も先へと進めずにアリアハンのお家へと帰るマコなのであった。
梅
>>594 ダブルで乙乙
まだあと11KB逝けるぜ
ひとまず保守だ
598 :
1/5:2009/01/15(木) 01:57:33 ID:CTI4cp3N0
1主「あのさ。」
3主「何?」
1主「なにかおかしくないか。」
3主「そんなことないだろ。」
1主「だったらいいんだ。」
3主「ああ。」
1主「……あのさ。」
3主「何?」
1主「やっぱりおかしくないかな。」
3主「どこが?」
1主「どこかが。」
3主「どこかがじゃ分からないだろ。」
1主「そうだけど、何か違和感があるんだ。」
3主「お前霊感強い方だっけ?」
1主「そんなことないと思うけど。」
3主「やだー、ここ何かいるーとか言っちゃう?」
1主「言わないよ。あ、でもさ。」
3主「何。」
1主「ゴーストってモンスターは普通に見えていたな。」
3主「ああ。じゃあ霊感あるんじゃないか?」
1主「そうなのかな。」
3主「きっとそうなんだろ。」
1主「じゃあ、ここに何かいるのか。」
3主「何で?」
1主「だから違和感があるんだって。」
3主「ああ、そう言う話だったな。」
599 :
2/5:2009/01/15(木) 01:58:49 ID:CTI4cp3N0
2主「ご先祖様も何か変だと思うのか?」
3主「お前も何か感じるのか?」
2主「何かいつもと違う気がするぞ。」
8主「そんなことないですよ。」
2主「そんなことないか。」
1主「変な横槍を入れるなよ。」
8主「何がいつもと違うと思うんですか?」
2主「いつもと景色が違う気がするんだ。」
8主「それは2主さんの経験値が増えたからですよ。」
2主「そうなのか。」
8主「そうですよ。経験を積めば同じものを見ても違って見えるものです。」
2主「俺はレベルが上がったんだな。」
8主「きっとそうですね。」
2主「ロンダルキア攻略ももうすぐできるかな。」
8主「きっとできますよ。」
3主「お前も経験を積んだってことで済ませていい?」
1主「できればもう少し真剣に聞いてもらいたい。」
4主「おい、何か変だよな。」
1主「4主も異変に気づいたか。」
6主「そうか?」
4主「絶対何か変だって。」
6主「3の倍数の主人公と、3人でロンダルキアを目指す主人公と、
3人の候補から嫁を選ぶ主人公と、3つの国を作った主人公と、
海でサンマを捕る主人公と、山でサン菜を採る主人公と、
錬金釜でサンザンな目にあう主人公だけがアホになるいつもの宿舎じゃないか。」
4主「全員アホかよ。」
6主「おかしなことなんてないさ。そんなこと言う4主がおかしいのさ。」
4主「いや、絶対おかしいって。」
6主「おかしかったら笑えばいいさ。ウヒヒ、グヘヘ、うひょひょひょー!」
4主「少なくともお前はいつもと同じようにおかしいな。」
3主「さすがにいつもより変だとは思うが今は放置しておこう。」
7主「放置プレー?」
1主「違います。」
5主「なにか根本的なことが間違っている気がするんだけど……」
6主「根本的と言うと、まさかこの中に主人公じゃない人物が紛れ混んでていると?」
5主「いや、そう言うことじゃないと思うんだ。」
7主「犯人はこの中にいる!」
1主「偽物が紛れているかもしれなら一人ずつ尋問をして確かめてみよう。」
600 :
3/5:2009/01/15(木) 01:59:50 ID:CTI4cp3N0
3主「じゃあ、まずは1主への質問。お前が愛用する乗り物と言えば何?」
1主「いきなりひっかけかよ。俺は乗り物なんて使わない。」
3主「でも、なにか乗ってるんじゃないのかなあ。」
1主「……強いて言えば、玉の輿に乗っている。あ、逆玉って言うのか。」
3主「こいつは調子に乗ってる。まあ、本物っぽいな。」
1主「じゃあ次は2主への質問。ムーンが呪いによって変えられていた動物は?」
2主「犬だぞ。ラーの鏡を使って元の姿に戻ったんだ。」
1主「正解だ。」
6主「もう少し難しい問題じゃないと判断できないと思うぞ。」
8主「それじゃもう一問。2500Gの剣を25%引きで買ったときの値段はいくらでしょう?」
2主「むむむ。ちょっと待ってくれ。2500Gの10%が250Gだから……」
3主「考え込んでしまった。本物っぽいな。」
1主「じゃあ次はご先祖への問題。ラーミア復活のためのオーブの色全部言ってくれ。」
3主「レッド、パープル、ブルー、イエロー、グリーン、シルバー」
4主「正解みたいだな。」
3主「そんな俺は今むしょく。って、誰がニートやねん!」
1主「まあ、本物と見て間違いないだろ。問題は残っているが。」
5主「次4主。英雄リバスト伝説のある温泉町と言えば……」
4主「アネイル。」
5主「アネイルですが、女性だけの城と言えば……」
4主「ガーデンブルグ。」
5主「ガーデンブルグですが、歌と踊りの町と言えば……」
4主「モンバーバラ。」
5主「モンバーバラですが……」
3主「もういいだろ。たぶん本物だ。5主の方は。」
7主「ちなみに4主さん、好きな武器は?」
4主「ドラゴンキラー。」
7主「本物だよね。」
601 :
4/5:2009/01/15(木) 02:00:52 ID:CTI4cp3N0
6主「念のため5主への質問。お前のラスボスは誰?」
5主「ゲマ。じゃなくってミルドラース。」
6主「そんなことを覚えているなんて不自然じゃないか?」
4主「別に不自然じゃないだろ。」
5主「地味ルドラースって呼ばれてもラスボスはラスボスだからね。」
7主「6主さんへの質問。テリーさんの職業は?」
6主「ミレーユの弟からドランゴ引換券を経て酒場警備員へ。」
7主「じゃあ、6主さんの職業は?」
6主「ターニアのお兄ちゃんからレイドック王子を経てみんなのお兄ちゃんへ。」
7主「まあ、本物かなあ。」
8主「じゃあ7主さん。世界一高い塔で仲間になったのは誰でしょう?」
7主「メルビンだよ。」
8主「それでは、神の祭壇で別れることになる仲間は?」
7主「そんな仲間いたかな。」
4主「なに、偽物は7主だったのか?」
7主「勝手に出て行く金髪王子野郎なんて仲間とは言えないもんなあ。ふふふ……」
6主「本物じゃないかな。」
4主「8主の地雷踏みっぷりも本物っぽいな。」
3主「まあ、8主にも質問しておこう。キングアックスを錬金で作る時のレシピは?」
8主「金のオノとスライムのかんむりです。」
3主「正解だな。」
8主「昔話でも、正直者は新しい斧を手に入れることができるんですよね。」
4主「キングアックスを錬金して手に入れる者。人はそれを馬鹿正直と言う。」
8主「あれがきっかけだったのかも知れません。僕が腹黒と呼ばれるようになったのは。」
602 :
5/5:2009/01/15(木) 02:01:53 ID:CTI4cp3N0
2主「偽物の主人公はいなかったぞ。」
5主「ここには主人公しかいなかったってことだね。」
4主「すまん! 主人公じゃないシンシアがいた。」
7主「あ……」
1主「ご先祖。」
3主「何?」
1主「俺やっぱり霊感ないわ。」
3主「みなまで言うな。」
5主「それで、結局この違和感の理由はなんだったんだろう。」
6主「いつもの歴代主人公が雑談するスレと違うから不自然に感じているだけだ。」
7主「普通にぶっちゃけちゃうんだ。」
1主「言っちゃいけない気がして遠慮してたんだけどな。」
8主「結局これはなんだったんでしょうか。」
6主「もし目が覚めたらもし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったらスレだったら
と言うネタだったんだよ!」
7主「分かりにく!」
梅乙
ここでこいつらの会話を見られるとはwww
・・・主ってなに?
ドラクエの各ナンバリングの主人公の略でいいの?
スレ違いだからやめてくれ
向こうにも迷惑かかる可能性あるし
埋め立てなんだから良いんじゃね?って思うけどなあ。
この話題を新スレや別のスレに持ち込むのは言語道断だけど、まあ色んな考え方があるやね。
>>598-602 てっきり
「プレイヤーしか知らないネタをうっかりしゃべっちゃう」っていうトリックだと思って読んでたw
未クリアのシリーズもあるから正確じゃないけど、そう言うネタも面白いかなーなんて。
でもドラクエの場合はプレイヤー=主人公だから無理?
きついかもしれないけど 埋めとか関係なくスレ違いだよ
宿スレは割とのんびりした空気だから誰もそこまで怒るヤツはいないとは思うよ?
でも向こうも老舗の良スレで住人も保全に努力してるんだし
よそで勝手に設定拝借されたら面白くないんじゃないかな?
(向こうで許可できるか聞いてみて住人総意でOKだっていうならともかく)
598-602の作者です。
私の浅はかな思いつきで書いたネタでご迷惑をおかけしたことをおわびします。
主雑スレとは携帯保管庫が共通であることから姉妹スレのようだと思っていました。
ですが認識が甘かったようです。申し訳ありませんでした。
いや、面白かったです。超乙!
ドンマイ
ネタにマジレスry
これは悪い夢なのよ。
目が覚めたら見知らぬ場所にいたわ。木賃宿とでもいうのかしら、粗末な宿泊施設。
ぜんぜん知らない世界に迷い込んだんじゃないかしら。馬鹿げた話だけどさ。
どんな世界でも食べるためには働かなきゃならないでしょ。
しばらくは酒場でホステスの真似ごとをしてしのいでいたわ。
そんなある日、お城で女の人を集めているって話が耳に入ってきたの。
酒場での待遇よりよさそうだったからすぐに飛びついたわ。
それが何を目的にしたものかなんて気にもしなかった。
しばらくはお城で遊んでいればよかった。飲めや歌えやでそれは楽しかったわ。
でも、そのうち集められた女の人が少しずついなくなっていることに気がついた。
そして、私も宴の席から連れ出される時が来たわ。
それはどこかの実験室みたいだった。進化の秘宝の実験施設だとか。
実験は最終段階だった。私はその実験のモルモットにされるらしい。
人間と違う何かが実験を行っていた。私はこいつらの仲間にさせられるんだ。
薄れいく意識の中、「実験は成功だ!」って声だけが頭の中に響いていた。
気がつくとそこは私の部屋だった。元の世界に戻れたらしい。
あれは悪い夢に違いない。長い長い夢。恐ろしい夢。
だけど、悪夢は終わってなかった。私はまだ夢を見ている。
これは悪い夢なのよ。
そうじゃなきゃ説明できないじゃない。
鏡に映る化け物がいったい誰なのか。
>鏡に映る化け物がいったい誰なのか。
ただの素顔だったりして・・・
┃ ∧
┃ω・)
┃O)
梅
┃ ∧
┃ω・)
┃O)
梅