もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。
・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
(トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
をつけるとより読みやすくなります
前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1134827399/ まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
おお、ニートよ しんでしまうとはなさけない
乙
このスレはロックンゲームボーイを意識してるの?
前スレ埋めといた方がヨサゲ?
あとどっちに投下するべきか書いておいた方が…
一応かいてきた。とりあえず直ぐに埋める必要は無いと思う。
Good job
11 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/12(日) 09:47:32 ID:MNWmyJfO0
お疲れ。
\ \ ,. - ――‐ - 、 /
\ / `ー 、 / /
/ / // / // ヽ /
┌┐ ┌──┐ /./ / ,/ / // / ̄ヽ ヽ ',. / ┌─┐
┌─┘└─┐│┌┐│ || ,/ /| /|//レ' \ヽ . l / │ │
└─┐┌─┘│└┘│┌─┐ || | /○ ○ ||| /┌───┐│ │
┌─┘└─┐│┌┐││ │ ! | |´///____/// | | | / .| ││ │
└─┐┌─┘└┘││└─┘ ! | | | | |l |. / └───┘└─┘
││ ││ | l | | | | | .l / ┌─┐
└┘ └┘ !.| |ヽ、ヽ____/ /! ! | /. └─┘
| | | l `>t----j‐<i | | | /
. \ | \_! ,イト、___/|゙ト、 l | /
\ ヽ、i | !| !.|.|/ /
保守
保守っとな
17 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/14(火) 17:54:15 ID:GoMpY2uw0
みんな忙しいのかね
ごめんね
〜終わりの始まり〜
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
何故世界はこんなにも汚れに満ちているのだろうか
人は皆自分だけの為に他人を傷つける
何が努力だ。何が愛だ。何が友情だ。何が・・・
そんなものどこに存在しているというのだ
もしあると言うなら、今すぐここに示してみせろ
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
何故世界はこんなにも不幸に満ちているのだろうか
自分は何もしていないのに苦しい事ばかりじゃないか
こんな世界なら存在しなくていい
こんな世界なら壊れてしまえばいい
誰もいなくなれば、どんな苦痛も、不幸も、悲鳴も、死さえも無くなるだろう
そうだ。そうなってしまえばいい
僕を傷付けるものは全て無くなってしまえ
そして僕も消えてしまえばいい
そうすればきっとこの世界は救われる・・・
壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ壊れてしまえ・・・
〜Annunciation〜
タタタッ・・・!
街の騒音に混じって軽快な足音が響く
「はぁはぁはぁ・・・。」
時間は通勤ラッシュをとっくに過ぎ、昼前である。
「ちっくしょ〜」
そんな悪態をつきながらも、その声の主は通行人を華麗に交わしていく。
夏に入る頃の爽やかな風も手伝って、彼女が足を運ぶその度に赤チェックのスカートが危なげに舞う。
上は白いブラウスに赤のネクタイ。この先にある高校の制服である。
なかなか映える服装だが、遅刻なこともあり、周囲からはかなり目立ってしまっている。
普段から朝は強くないが、今回の寝坊は特に酷かった。
昨日遊んだ帰りに靴の紐が切れるし、夜は枕の形が気になってなかなか眠れなかった。
今朝は今朝で髪型がうまく決まらなかった。
「また怒られっかな〜・・」
遅刻は3回で欠席1に数えられてしまう。ちなみに結構ピンチである。
♪♪♪あの〜虹を〜渡って〜
「もう!何よこんな時に・・・」
携帯を取り出し、外れかけた赤いヘアピンを直しつつ画面を見る。
番号は分からないが、【RUBISU】と表示されている。
疑問を抱きつつも、条件反射で出てしまう。
「もしもし!?」
「私の名前はルビス。世界は再び危機に瀕しています」
イタズラかと思う。
「真理奈、あなたの力が必要です。どうか私達の世界を救って下さい」
「あんたね〜・・・」
言い終わらない内に真理奈の世界は白く包まれた。
目を開けるとそこは一面の草原だった。
正面の遠く向こうには海岸、右手には山が連なり、左手には森が見える。
ちょうど丘のような場所に真理奈は立っていた。
さっきまでの高層ビル群は跡形も無く消えて、代わりにどこまでも抜けるような青空が広がっていた。
「・・・・・・何だこれ」
まるで夢の中で場面が突然変わってしまうかのように、景色が一変してしまった。
無意識的に頬をつねる。痛い。
どうやら夢ではなさそうだ。
というか、「夢かな?」と考えることができる時点で夢ではないことを証明しているようなものだ。
しかし真理奈はそんな事を考えられない。
(学校は間に合わないか・・・)
と、どこか間の抜けたボンヤリをしていると、何やら青くて丸いものが坂を登り、真理奈の方へ向かってくる。
サッカーボールよりも小さいが、ツノや目や口らしきものがついている。生き物・・・か?
「ピキー!!」と声を出し、必死に走って来る。
よく見ると、青いのの後ろからウサギが追いかけて来ていた。
こちらもなぜか大きな1本のツノが額の辺りから生えている。
スピードをつけ、頭を低くし、青いのを突き刺そうと猛ダッシュをかけている。
青いのも頑張って逃げているが、とうとう転んでしまった。
ウサギがチャンスとばかりに青いの目掛けてジャンプする。
「危ない!!」
真理奈はとっさに飛び出し、ウサギを思いっ・・・きり蹴飛ばした!
タタタタ タータッタ〜ン♪♪♪
「ピー、ピー」
青いのが真理奈の足に擦り寄って来る。
「お〜よしよし」
持ち上げて体を撫でてみる。
不思議な感触だ。プヨプヨと柔らかいが、形を崩しても元に戻る。
色は真っ青で、向こう側が透き通っている。
ツノを体の中に押し込んでみると「プニュ〜・・・」と困ったような声と顔をした。
「ねぇ、ここはどこなの?」
さすがに人間の言葉は分からないみたいだ。
「ピー!」となぜか嬉しそうな返事をされてしまった。
「おい!お前そこで何してる?!」
突然、若い男の声が聞こえた。
振り返ると2人の男がこちらに向かってくるのが見えた。
しかし格好がおかしい。
映画に出てくるような鎧を着、手には槍が握られている。
「見かけない奴だな。どこから来た?」
「どこって・・家だけど?」
「家はどこかと聞いてるんだ!」
「怒鳴らなくてもいいじゃん・・・」
「こんな服見たことないし・・怪しいな。先輩、どうします?」
「そうだなぁ。とりあえず報告だな」
「分かりました。ほら、こっちこい」
若い方が真理奈の手を引く。
「ちょっと!引っ張らなくてもいいじゃん!」「ピー!」
「なんだ?・・スライムか。こんなの持って、ますます怪しい奴だ」
若いのはそう言うと、青いのを掴み投げ捨てた。
「あぁ!!」「いいから行くぞ!」「ピ〜・・・」
スライムは強引に連れて行かれる真理奈をいつまでも見つめていた。
「ね〜ここはどこなの?」
「ん?アリアハンに決まってるだろ?」
「アリア・・・?」(そんな国あったっけ?)
「お前はどこから来たんだ?」
「幕張だけど?」
「マク・・?どこだそれは」
「千葉よ、日本の。ジャパン。分かる?」
「そんな国は聞いたことないな・・・」
話がまったく通じなかった。いや、日本語は通じるのだが、内容が話にならなかった。
「先輩、やっぱりモンスターが化けてるんじゃ・・?スライム持ってたし」
「誰がモンスターなのよ!」
「ん〜それはないだろ仮にモンスターだとしても、俺達にこんな嘘を付く理由がない」
「なるほど・・・それもそうですね」
「それにもうモンスターは―――」
話をしている内に、3人はアリアハンの町に入った。
何の事はない。真理奈がこの世界に現れた時は、アリアハンに背を向けていたのだ。
町の道路はまったく舗装されておらず、車はおろか、自転車の一台も走ってはいない。
そして都会のように小走りで歩く人もいない。皆運ばれてくる風を楽しむかのようにゆっくりと歩く。
建物はまばらで2階建てが多く、一軒一軒の敷地は広かった。確実に日本家屋とは様子が違う。
唯一高い建物と言えば、左手に見えるお城だった。これまた映画に出てくるような西欧のお城である。
真理奈はそれらを眺め、初めて今までと違うトコロにいるんだと実感した。
しかしまったく不安や焦りを感じなかった。
それはアリアハンの持つ、どこかのどかな雰囲気のおかげかもしれない。
「キャー!!」
突然女性の叫び声が辺りに響き渡った。
真理奈を連行していた2人はとっさに走り出す。
「お前はそこで待っていろ!」
先輩の方が走りながら振り返り、真理奈に言い放つ。
「・・・まったく何なのよ・・・」
真理奈は1人取り残され、またしても呆然とする。
2人と入れ替えに青年が町の中に入って来た。腕にはぐったりとした女性を抱きかかえている。
「モ、モンスターだ!モンスターが攻めて来たぞ!!」
青年は町中に警告するように声を上げた。町人はすぐそれに反応し、家の中に避難していった。
(モンスター?あの2人もそんな事言ってたっけ・・・あのウサギや青いのの事かな?)
持ち前の行動力からか、単に騒ぎが好きなのかどちらかは分からないが、真理奈は2人を追いかけることにした。
町の外では2人がモンスターと戦っていた。
普段からの訓練が活かされているのか、次々と撃破していく。
「中々やるようになったな!」「先輩のおかげです!!」
なんて熱血する余裕もあるみたい。と言ってる傍から後輩の後ろに大きなカエルが突進してきていた。
「おぉ〜りぃやぁ〜〜!!」
真理奈はダッシュの勢いを付けカエルの腹に蹴りをぶち込む。カエルは泡を吹きながら吹き飛んでいった。
「油断よ、後輩ちゃん?」「お、お前!どうしてここに・・・」
「いいからいいから〜。私ちょっと自身あるんだ。一緒に戦うよ」
「何言ってるんだ!ダメに決まって――」
「口論してる場合かなぁ?先輩が大変そうだよ?」
真理奈の指差す方を見ると、先輩がカラス達に骨やら石やらを頭上に落とされて困っていた。
「あ・・」「ほらほら、行くわよ!」真理奈は走り出す。
「・・・・」そして後輩ちゃんも真理奈の背中を追うように走り出した。
その頃、アリアハンへと続く道には続々とモンスタ−が集結していた。
「お前やるなぁ〜!」「でしょでしょ〜!!」「ありがとう。礼を言うよ」
カラス達を撃退した後、お城からの兵士が援軍に駆けつけ、事態は終息を迎えようとしていた。
真理奈は先輩後輩コンビと一休み。最初の疑いはどこへやら・・・
「しかし、なぜ今さらモンスターが凶暴化したんでしょうね?」
「分からん・・・」先輩は心底不思議という顔をしながら言った。
「今までもモンスターが襲ってくることはあったが、こんなにも多くのモンスターが攻めて来ることはなかった」
「???モンスターは凶暴なものなんじゃないの?」真理奈も不思議な顔をして尋ねる。
「ここ数年は大人しかったんだ。こんなの初めてだ・・・」
「お前はまだ若いからな。あの頃は―――」
ドド・・ドドドドド・・・ドドドドドドド・・・・!!!
地面がかすかに揺れる。それはゆっくりと、確実に力を増しながら近くなってくる。
「隊長!!モンスターの大群が・・!」兵士が走りながら報告する。
兵士の焦り具合を見ると事態は良くないようだ、と推量できる。
実際に群れを見て推量を確信に変える。が、隊長としてひるむ訳にはいかなかった。
「・・・よし!隊列を組みなおせ!!傷を負った者は今の内に治療しておけ!!」
先輩は兵達に声をかけていく。
「さ、さすがにあれは無理だ。ここからは俺たちに任せて、お前は避難しろよ」
「震えながら何言ってるのよ後輩ちゃん。ここまで来たら最後まで付き合うわ」
「でも・・・」
「負けたら町の中にいても同じじゃない」
「それは・・そうだけど・・・」
「じゃあ決まり!」
「巻き込んですまない。だが無茶はするなよ」先輩が戻ってきて言った。
「大丈夫だって!」
真理奈は満面の笑みで答える。その顔に2人はどこか安心感を覚えた。
モンスター達はアリアハンから200m、兵士達からは100mの辺りで進行を停止した。
まるでその数を見せ付けるように、横一列に並んでいる。
そのちょうど真ん中には一際大きなモンスターが見える。
「馬鹿な・・・あれはグリズリーか・・・」
「え?!グリズリーってアリアハンにいるんですか?!」
「いや、いない。いるはずはない・・・」
(あれって熊よね?そりゃヤバいわ・・・)
日本にもいるが、当然遭った事はない。
「よし、俺達はあれをやるぞ」
「・・・お前、この盾使えよ。さすがにその装備じゃ辛いだろ」
後輩ちゃんが真理奈に盾を差し出す。
「お、ありがと」・・と、受け取ろうとする手を先輩は遮った。
「いや、俺のを使え。少なくともこいつよりも俺の方が強いからな」
先輩はニヤリと不敵に笑った。
グア〜オオォォオー!!!
グリズリーが雄叫びを上げる。それに呼応するように他のモンスターも奇声を発した。
「怯えるな!日頃の成果を見せる時が来たぞ!
薬草と聖水忘れてないな?!何としてもアリアハンを守るんだ!!」
先輩が檄を飛ばす。
グァアアァァ〜!!!オオオオオオオオオ!!!
グリズリーが再び吠え、モンスターに突撃を命じた。一斉に動きだすモンスター達。
「行け〜!!」
隊長の掛け声に合わせて兵士達も迎撃に向かった。
真理奈も同じく駆け出す。真理奈の制服は戦場でも目立っていた。
ほとんどの兵士が善戦する中、真理奈達3人は苦戦を強いられていた。
グリズリーがその巨体に似合わず俊敏な動きで真理奈達を翻弄したからである。
素早い攻撃を何とか盾で受け止めるものの、盾がひしゃげる程の威力があった。
「うあぁぁー!!」ガキン!!後輩ちゃんへの攻撃を真理奈がかばう。
「後輩ちゃんしっかり!」
「ふんっ!!」先輩が力を込め、グリズリーの心臓目掛けて槍を突き出した。
が、皮膚を少し傷つけることしかできなかった。
「!!」
渾身の攻撃が効かなかった事で先輩は少し怯む。怯みは隙となり、戦闘中の隙は致命傷である。
グリズリーの爪が先輩の腹を貫いた。
「せんぱ・・・こんちくしょー!!!」
後輩ちゃんが怒りに任せて突撃する。
しかしそれも虚しくグリズリーにかわされ、後輩ちゃんは蹴り飛ばされた。真理奈がフロッガーにしたように・・・
(先輩・・・後輩ちゃん・・・)
2人を片付けたグリズリーは、なおも攻撃の手を緩める事なく真理奈に迫ってきた。
左右の腕を交互に振り上げ、真理奈を裂くために動かされる。
ヒュッ!!ガキンっ!
盾が使い物にならなくなり、紙一重で避ける真理奈の服は少しずつ破れていった。
(ヤバっ・・・間に合わ――)
右からの攻撃をまともに受け、吹き飛ばされる。
グリズリーの爪は真理奈の背中左脇と左腕を切り裂いていた。
血がブラウスも赤く染めていく・・・
(もうダメか・・・)
朦朧とする意識の中、グリズリーが近づいて来るのを確認する。
グリズリーは勝ち誇ったような笑みを浮かべている。最後の止めを刺す為に腕を振り上げた。
(お母さん・・・!)
その時、青くて丸いものが飛び出し、真理奈を守るかのように立ちはだかった。
「ピーー!!」「お前・・!」
しかしスライムではグリズリーの抑止力にはならない・・・!
ズシュ!!!
戦場では珍しくない肉の千切れる音がした。
次に真理奈が目にしたのは空中を舞うグリズリーの腕だった。
「大丈夫か?」
見知らぬ青年が真理奈に声をかけて、返事を待たずにグリズリーとの戦闘に戻っていった。
「ベホイミ」
凛としたその声とともに体の痛みが消える。
振り返ると、少女が真理奈を見ていた。
「・・・あなたがやってくれたの?」
少女は答えない。
「大丈夫かの?」
その後ろからおじいさんがやってきた。
「は、はい。あなたは?」
「自己紹介は後じゃな。今は勝つ事だけ考えるべきじゃ」
少女が真理奈に何かを差し出す。パンチングマシーンのグローブのようなものだ。
甲の部分にカッターの刃のようなものが3本取り付けてある。
しかしそれはカッターよりも刃が太く、簡単には折れそうになかった。
「これは・・・?」「鉄の爪じゃよ。最後の一撃、頼みますぞ」
そう言うとおじいさんはグリズリーの方へ向かっていった。
「ありがとね」真理奈は少女に礼を言う。
「ピー!!」スライムが自分も忘れるな、と声を上げる。
「お前もありがとね」
スライムを持ち上げナデナデする。
そして真理奈は鉄の爪を右手にはめてみた。不思議と手に馴染む・・・
「よし!じゃあ行ってくるよ!こいつよろしく!」少女にスライムを渡した。
ニッコリと微笑むと、少女は真理奈に小さく手を振ってくれた。
「ピ〜!」
スライムの声援を背中に受け、真理奈は再び戦場に舞い戻る。
片腕を無くしたグリズリーは痛みと怒りに狂い、滅茶苦茶な攻撃を青年に仕掛ける。
スピードはやや落ちたものの、攻撃力は増している。
まともに受ければ命はないだろう。
しかし、避けきれない程ではなくなっていた。
チャンスが生まれるまで青年は走り回った。
「さてさて、久しぶりに頑張ろうとするかのう」
おじいちゃんがMPを練り、青年と目を合わしてタイミングを取る。
「ヒャダルコ!!」
氷の波が地面を這い、青年を攻撃することだけに執着していたグリズリーの両足を凍らせた。
グァワァァァ〜!!!
突然動きの取れなくなったグリズリーはバランスを崩す。
その隙に青年はグリズリーの残りの腕に剣を突き刺し、腕の動きも奪う。
「今だ!!」
青年が叫ぶと同時に、真理奈が走りこんで来る。
(何かよく分かんない内にこんなことになっちゃったけど・・・)
(先輩と後輩ちゃんの仇は取る!!)
「ルカニ!」
「やぁぁぁああぁぁ〜!!!」
真理奈は疾走の勢いを殺さずに飛び上がり、グリズリーの胸に鉄の爪を突き立て、心臓を貫いた。
グリズリーは空を見上げるように顔を上げ、動きを止めた。
オオオォォォオオ・・・・
戦場に戦いの終わりを告げるグリズリーの断末魔の叫びが響き渡った。
夜―――この世界で迎える初めての夜である。
真理奈は夜中に目を覚ましてしまった。
ここは宿屋2階のベッドの上。
横にはスライムが「ピー・・・ピー・・・」と寝息をかいている。
微かに笑った後、ベッドを抜け出して窓を開け、窓枠に腰掛ける。
まったく静かな夜である。
家屋の軒先には明かりの炎が焚かれているが、空の色を変えたりする程ではない。
視線を少し上げると、数ケ所に設置されている、民家と同じく小さい炎の中に浮かび上がるお城が見える。
夜空に浮かぶお城というと不気味に聞こえるが、決して威圧感を与えるような風景ではない。
時々運ばれてくる風に髪を揺らされ、どこか懐かしいような香りを感じる。
そして真理奈は自分の家の事を思う。
母親は心配していないだろうか、と。
いやあの母親では逆に、帰った時に怒られるのを心配した方がいいかもしれないが・・・
(携帯繋がらないかな・・・?)
ふとそう思い、携帯を取り出してみる。
・・・・・・・・圏外だ。
(そりゃ当たり前か)
諦めの表情に苦笑を浮かべる。と、携帯が鳴り出した。
♪♪♪あの虹を〜
「はいはいはい!もしもし?!」慌てて出る。
「ルビスです。ありがとうございました」
「あんたね〜!!」大声で怒鳴ってから、はっとする。
・・・良かった。スライムは起きなかったようだ。
「あなたには申し訳ないと思っています。しかし、これしか時間も方法も無かったのです」
「はいはい、そ〜ですか」投げやりに答え、窓の外に目を戻す。
「で?もう帰してくれるの?」
「・・・それはまだできません。この世界を救って下さい。そうすればあなたの世界に帰します」
「随分な条件だこと!」
「お願いするしかありません。私の力は、あの力には及ばないのです」
「偉そうなくせして役立たずね〜」
「・・・1通だけメールを送れるようにします。お母様によろしく」
「え?!」ツーツー・・・・
「何なのよ!」
終了ボタンを押し、画面を見ると確かにアンテナが4本立っている。
「マジ?!」
慣れた手つきで母親のアドレスを呼び出し、メール作成画面に入る。
「えーっと、えーっと・・・何て書けばいいの・・・」
迷っていると、アンテナが3本に減った。
「え?!ちょっと待ってよ・・・」カコカコカコ
【お母さんごめんなさい。何か帰れなくなっちゃった。怪我とかしたけど、心配しないで―――】
「って怪我したって言ったら心配するじゃん!」
アンテナはもう1本になっている。
「こら〜ルビス〜!まだ終わってないんだからちょっと待て〜!!」
・・・・ちょっとだけ2本に戻った。
【―――ちゃんと帰るから怒らないで待ってて。真理奈】
「よし!送信!」送信完了と共に、再び圏外に戻ってしまった。
「ふぅ・・・今度から着信拒否しよっかな・・・」
少し本気で考える真理奈であった。
夜空を見上げると、本当に真っ暗で星が良く見えた。
あの星のどれか1つに自分の故郷があるのではないか。
そんな思いがするくらい、自分の世界が遠く感じる。
「世界を救って下さい・・・か」
昨日までそんなことを言われたこともなければ、考えたこともなかった。
真理奈の世界も色んな危機に瀕していると言えるだろう。
しかし、その危機を救おうとしているのは全人類のごく一部の人である。
ほとんどの人はその日を精一杯生きるのみである。
真理奈とてその中の1人である。
こっちの世界の危機がどんなものか知らないが、本当にそんな事ができるのだろうか。
ヒト1人の力なんてたいしたものではない事を真理奈はよく知っている。
漫画のように何か秘めた力でもあれば可能なのかもしれないが、そんな力を持っている訳ではない。
それに「世界を救う」と言われても漠然としすぎているし、事が大きすぎてさっぱり実感が沸かない。
「これからどうなっちゃうんだろ・・・」
自分がルビスに選ばれた訳や、この世界の事、それに元の世界の事・・・
色々と知りたいことはあるが、今日のところは寝るしかなさそうだ。
使わない頭で考えすぎて疲れてしまった。
(何か知らないけどやるしかない、か。自分の世界に帰りたいしね)
ベッドに戻り、スライムを起こさないように手に乗せる。
スライムが息をする度にその体が膨らみ、しぼむ。それの繰り返し。
その緩やかなリズムによって、真理奈の心はまどろみの中に誘われる。
「おやす・・み・・・」
そんな初夜だった。
おおおスゲー
大作の予感、GJ!
まってくれ、確かに乙だが・・・・・・スレタイは無視ですかそうですかorz
スレの空気が読めない阿呆をこっちに押し付けられても困る
>>35-36 けど今までにもスレタイ通りじゃないのもあるじゃん。
それに最近職人さん来ないしね
というわけで暇さん乙
おぅ〜りゃ〜ってモンスターに蹴り入れる描写が好き
なぜこのスレに誘導されるのか。
39 :
名無しでGO!:2006/03/14(火) 22:54:25 ID:BJxUJLbA0
>>暇つぶし氏
乙
続きを早く読ませてくれ!
>>35-36 批判はごもっともです
とりあえず前スレを全部読んだので、このスレに投下する際に書き換えようとも思いました
が、良い展開が思い付かず断念してしまいました…
>>38 物語の設定がこのスレに似ているから、ということで誘導されました
けれど、本当にこのスレに投下していいのかどうか皆さんの意見を聞く為にも区切りのいい所まで張りました
もし、やめた方がいいという意見が多く出るならここでやめます
続けて欲しいなぁ〜。最初は、ん?と思ったけど面白かった!
でもこのままいくと確かにスレタイは無視されていきそうだ。
一読者としてはもはやスレタイの趣旨よりおもしろければいいってなってしまう…
43 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/15(水) 16:42:02 ID:CyCWf5sb0
おお、伸びてると思ったらw
がんばれー
FF12で忙しいかもしれんがw
>>20-33 長杉で読む気しないヴァー
とりあえず、妹が俺の棒を舐めまわs まで読んだ。
このスレもう終わってないか?
何を今更
荒れる悪寒・・・。
タカハシ氏おつかれー!
突然DQの世界に飛ばされるという意味では、ここで続けてもいいのでは?
スレタイにこだわるなら新しいスレを作ってそこで続けるしかないが、
そこで書く職人が1人しかいない状況なら、わざわざスレを立てるよりここで続けたほうが、効率がいいと思う。
49 :
名無しでGO!:2006/03/15(水) 19:36:02 ID:NlqaL9qA0
漏れもそう思う
続きを頼む>>暇潰し氏
ソフィアが死んだ。
たった、それだけ。たったそれだけの事で、どうしてこんなにも俺は虚ろなんだろう。
全身の感覚がソフィアの後を追ってしまい、視覚も聴覚も正常に動作していない。
歪む視界、遠い音。自分が今何処に居るのかも解らない。
ただそれでも、どうやら眼の前にはベッドがあって、そこにソフィアが横になっているらしい、という事だけは解る。解っている気がする。だから動かない。此処から。
次に気がついたのは、隣で擬似蘇生(ザオラル)を唱えるミネアの姿だった。
彼女がいつ入ってきたのか。解らない。扉が開く音がしたとしても聞こえなければ意味も無い。
視界にいつ入ってきたのか。覚えていない。気付いたら、もう呪文を唱えていた。
小さく息を吐く。結果は…同じ。
ミネアとクリフトが何度呪文を唱えても、ソフィアは蘇らなかった。
どうして。いや、疑問を挟む余地など無い。死者は、蘇らない。
そんなものは当たり前の事だ。そう、当たり前の…。
何処かで感覚が麻痺していたのだろうか。
そうなのかもしれない。仲間達は皆強かったから、死ぬなんて事を考えられなかった。
いや…。
考えようとしてこなかったのか。
喪って、初めて気付いてしまった。
俺は、ソフィアが好きだった。大好きだった。どうしようもなく――。
どうして、どうして気付いてしまったんだ。気付きさえしなければ、こんなにならずに済んだのに。
失くしてから気付くなんて…遅すぎるじゃないか…。
ずっと続くような気がしていた。
だから、きちんと考えてこなかった。自分の心を。
その挙句が、これか――。
白く透き通る、綺麗な少女の顔にそっと手を当てる。
その冷たさに、言いようの無い悲しみを感じ。
いつかの誓いは破られる。
ぽろりと、一粒、二粒。涙が零れていった。
・
・
ライアンが深いため息をつく。
「困りましたな…」
「ええ、そうですね…」
相槌を打つのはトルネコだ。
宿屋の食卓には今は二人しかいない。
つい、思い返してしまう。
10人が円卓を囲み、賑やかに行われた食事を。
明るく、楽しく、時に喧騒にもなったけれど。あれは、楽しかったのだ。
だというのに。
アリーナが、マーニャが傷つき、そしてソフィアが斃れ――。
「もう…あの頃のような時間は過ごせないのでしょうか」
「そんな事は…だが、皆が立ち直らない事には…」
そこで二人は嘆息する。
何も考えていない訳では無い。彼女たちは、恐らく再び立ち上がる。
だが…。
「ネネを喪ったら、私は…考えたくもないですよ…」
悲しげなトルネコの言葉に、ライアンもまた、瞑目した。
・
・
木に拳を打ちつける音。
アリーナ。彼女の、慟哭の音。
「私は…私は何もできず…あの男が!デスピサロがいたのに!あんな…」
ドン。
男の胸に拳を打ちつける音。
ソロ。彼は、彼女の慟哭を受け止める。
「あんなに力の差があるなんて…私じゃ…」
「…諦めるのか?」
「……」
「俺は諦めない。ヤツは間違っている。
生あるものはいずれ滅びる。それを恐れて、人の全てを殺すなら…人も魔も、動物も、虫も、自然すらも破壊しなければならない。
大切な人を奪うのは、何も人間だけじゃないのだから…ヤツは、臆病なだけだ」
「……」
「アリーナ。君は、あんな男に負けるのか?負けたままで…良いのか」
「良いわけがないわ!許さない…ソフィアを殺したあいつを、許せるもんか!」
ぐっと、拳を強く握る。
だが、すぐにはっとしたような表情で、アリーナはソロを見上げた。そうして、自分の口を抑える。
「…ごめんなさい」
「いや、構わない」
「ソロは…私、バカな事を訊いてしまうけど…悲しく、ないの…?」
思わず、そう問いかけてしまっていた。
バカな事だ。バカな事。しかし、つい、とはいえそう訊ねてしまう程に――ソロは、静かに立っていたから。
「…俺は、二度目だから。前よりは、慣れたんだと思う」
視線を外して、夜空を見上げる。
彼女は――自分の目の前で、妹の姿のまま息絶えて逝った彼女は、今の俺を見て…どう、思うのだろう。
立派だと言ってくれるだろうか。それとも――。
「悲しかったら…泣いても、良いと思う」
視線を戻す。
眼の前の少女は小柄だから、見下ろしがちになりがちだ。
対して、少女の方は男を上目遣いに見上げる。
その、強い意志の宿った瞳で。既にそこに、慟哭の色は無い。
「アリーナ…。ありがとう。だけど、俺は大丈夫だから。泣くとしても…それは、全てが終ってからにしたい。
そう、約束したからな…」
「…解った。その時は今度は私が胸を貸してあげるわね」
どん、と拳で自分の胸を叩いてみせる。
ソロは微苦笑を浮かべながらそれにも頷いた。
・
・
老眼鏡をかけた老人が、一心不乱に書物を漁っている。
蝋燭の小さな光源のみに頼っているせいか、時折こめかみの辺りを抑え疲れをほぐしていた。
ゆらりと小さく焔が揺れる。気配を感じ、老人が顔をあげる。
「なんじゃ、お主か」
「なんじゃとはご挨拶ね、お爺ちゃん」
「ふん。察しはついておったしな。
お主は…思ったより大丈夫そうじゃな」
「あったりまえじゃない。あの子達みたいに若くないもの」
小さく気炎を吐く女に、動かす手を休めずに老人はそうかと小さく呟いた。
この女とも長い付き合いだ。彼女が、人一倍責任を感じているであろう事はすぐに解った。
あの場で最年長の自分が妹分、弟分を護れなかった。
誰より自分を責め――それを億尾にも出さない。悟らせない。それが彼女の矜持。
ならば、それを尊重しようと、この人生の先達はそう思う。
訪ねてきたのは彼女だ。だから、彼女が喋るのを待つ。
「…あいつ。最上級の呪文を使ってきたわ」
「……なるほど、それで訊きにきたのか。
が、残念じゃがわしは氷結系の最上級、それも知識としてしか知らぬよ」
「それでも良いわ」
「…?お主では扱えまい。今更、氷結の基礎から修練するのも――まあ、お主なら可能やもしれんが…」
「勘違いしないで。…ヒントさえ掴めれば、後は私が何とかしてみせる。
それに、年寄りの冷や水はお爺ちゃんの十八番でしょ?それを奪うようなマネはしないわよ」
「ふ…凄い自信じゃな。じゃが…嫌いでは無いな。若者の、そういう所は」
負けていられないな。そう思う。
その、彼女なりの発破に苦笑し、己の知識を今一度、実践へ移す時が来た事を知る。
「良かろう。じゃがその前に、少し手伝ってくれ」
「…何を?」
「探しものじゃよ」
・
・
何もかもが遠い世界の出来事のようだった。
傷つき斃れたアリーナも、マーニャも、それぞれが再び立ち上がり、歩いていこうとしている中で。
彼女を喪った俺は独り、深い闇の中に居た。
今日もまた、ミネアが部屋を訪れ、呪文を唱えている。
そうして、いつものように効果は現れず、ソフィアが目覚める事は無い。
いつもなら、小さくため息を吐いた後、小さな声で失礼しますと残し部屋を後にするのだが、今日は少し違っていた。
「…そろそろ、進みませんか?」
そう、聞こえた。
だが、俺にはその言葉の意味が解らない。
勇者である、ソフィアが死んだ今、何処に進めと言う。
「勇者の光は、ソロさんの中にも宿っています。
デスピサロを斃さねば、人は皆…」
バカな。ソロに、ソフィアの代わりをしろと?
「違います!そういう事では…」
「そういう事じゃないか!お為ごかしは止せよ!
ソフィアが…ソフィアが死んで…ソフィアがいないのに、見知らぬ他人を救ってなんになる!?
他の誰が死んだって構うもんか!ソフィアが生きてれば良かったんだ!!」
「――それじゃ、デスピサロと同じじゃない!」
バン、と扉が開け放たれる。
そこにはアリーナ、そしてソロの姿。
「自分たちさえ良ければ良い、本当にそれで良いの!?」
「違う!だけど…自分たちが無いのに、他人だけがある、自分にはその良さが無いのに、他人のそれを守る為に戦う、そんなの…辛いじゃないか…」
「そうしている人がいるの。――ソフィアがいなくなって悲しいのは貴方だけじゃないんだから!」
そうなのだとしても。そうなのだとしても――立ち上がれないんだ。
これからどうしたら良いのか、もう…今迄立っていた場所が崩れてしまったら、そこにはもう立っていられない、空中に立つ事なんて出来はしない…。
右も左も解らない中で、最初からずっと一緒に居てくれた――彼女の上に俺は立っていた、彼女が居たから立っていられた。
俺にはデスピサロの気持ちが解る。
この世界に来る前の俺にはきっと解らなかった。だって、こんなにも。他人を好きになった事なんて、無かったから。
彼女さえ、居てくれれば。
そう思える存在がもし大勢の人間に追われていたら?
説得する。説得…バカな。それで解決する訳も無い。その努力をしたとしても、やがて諦め。
そして、隠すだろう。
愛する者の行き着く先は籠の鳥。窓から見える外には決して、踏み出せない。
籠の外は、鳥を狙う害虫が多過ぎるから。
自由を与えたい。だがそれは余りに、彼女にも己にとってもリスクが大き過ぎる。あまりにも。
寂しそうに外界を見る愛しい人。何故だ。どうして彼女がこんな目に合わねばならぬ。
自分を虐げる者の死すら哀しむ、聖なる存在が――な、ぜ、だ。
悪いのは彼女か?
――――――否。
悪いのは――――――。ダレダ。
…突然、くしゃくしゃと、髪の毛をかき回された。
深い心の奥底に沈み、嵌りそうになっていた俺を引き上げる。
その何処か乱暴で、だがいつもより優しげな手は、マーニャのものだ。
「ミネア、まだ希望はあるんでしょう?」
「姉さん…希望、などと言えるのか解らないけど、私にはまだ、ソフィアさんの中に光が見えるわ。
とても弱々しくなってしまったけれど…だからこそ、私も擬似蘇生を続けてる訳だし…」
「よし、じゃあこれを使って取りに行きましょう」
どすんと大きな音と共に、テーブルの上に置かれるのは大きな壷だった。
・
・
「さあ、泣け!泣いてルビーの涙を流すんだ!」
ゴッ、ガンッ、バチン。
「強情なヤツめ…これでもか!」
ドンッ、ギリギリ、ぐしゃり。
「おいおい…やり過ぎじゃねえのか?」
「あーあ…死んだら元も子もねーってのに」
「へへ、別に良いだろ。あれだけやっても一粒たりともルビーを流さねえんだから…よ!」
「まあな」
「人間様に楯突くこいつが悪いわな」
「ヒヒヒ、そういう事そういう事」
「……ロ……さ……ま……」
「ん?なんだ、まだ生きてるのか?」
「ピ……サロ……さま……きて……くださったのです……ね……」
現れたのは、魔王。その光景に、愕然とする。
限りなく完璧に強い力を持った存在が見せる狼狽。そして、絶望。
「貴様ら…ロザリーに…ロザリーに何をした…」
「あん?誰だおめえ、いつのまに…何って…なぁ?」
「へへ…」
彼らには解らない。
眼の前に、火山口がぽっかりと口を開き、中から今にもマグマが溢れ出さんとしている事が。
「ナニ、に決まってるじゃねーか…よ!」
がっと、ロザリーの頭が蹴り飛ばされる。
ぶつん。
そうして、何かが切れた。
「消えろォォォォォォォォォォォ!!!下衆ドモォォォォォォァァァァァァァァ!!!!!」
この世の、ありとあらゆる者を超える魔力。
それが、破壊の力へと姿を変える。
極大爆裂呪文(イオナズン)――呪文の中で、一つの頂点として評される周囲を破壊し尽す術。
辺りには何一つ、残っていなかった。
草も、樹も、動物も、虫も…人も。
魔王によってそこに存在するを許されたのは、唯、エルフの娘のみだった。
「ロザリー…ロザリー…?聴こえるか?」
「はい…聴こえます…やさしい…こ…え…」
「待っていろ、すぐに治療する…」
魔王の、先ほど破壊の術を行使した掌が優しく光る。周囲を打ち壊した魔力が、信じられないほどに暖かく光る。
完全治癒(ベホマ)の輝きが。
しかし。
その光は届かない。もう、遅過ぎたから。間に合わなかった、から。
「ピサロ…さま…わたしの…最後の…わが、まま、を…き…いて…くださ…い…」
「最後…?馬鹿なことを言うな…」
「どう、か…野望を…捨て…て…わた…しと…ふたりきり…で…ずっと――――――――……………………」
「ロ…ロザリー…!」
ふっと。
かろうじて、燃えていた命の灯火が、吹き消され。
―――――――――無音。
全ての音が死滅した、世界。
「………………」
絶望に満ちた世界で魔王は小さく呟いた。
最後の約束は――生まれ変わった先で果たそう、と。
それが最後の言葉。
エルフの娘が愛した魔族の男としての、最後の、言葉。
「許さん……許さんぞ……人間、いや……。
例えこの身がどうなろうとも、必ず……根絶やしにしてくれる……!」
魔王の視界が真紅に染まる。
彼の瞳から溢れる血涙の為に。
爆裂の余波でじりじりと燃え広がる紅の焔の為に。
何時の世も、人は、自らの手で滅びの運命を選ぶのだ。
何時の世も。何処の世も。
HP:105/105
MP:48/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒
66 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/16(木) 03:18:39 ID:GvzQ/LRY0
4の人キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
うおおおおおお!!乙!やっぱりすげえぇぇぇ!
悲しい物語…破滅的な感じがするね。
4の人キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!
すげぇよ!すげぇよ!視界が潤んでかなわん!読ませてくれてありがとう!
マトモな言葉がおもいつかねぇぇぇ!!!
このタイミングで投下なんて卑怯すぎる!
涙でキーが打てn
キタY⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
しかし混沌とした内容になりそうだな。次回にも期待乙!
あれ、コテ変わってねえ・・・?
ところで前スレに投下された作品が書庫に保存される前に前すれが落ちちゃったんだがどうするよ?
書庫さんが回復して戻ってくれたら、DATか書き出したHTMLをアップしてあげればいいんじゃないかな
たいていの2chブラウザならHTML書き出し出来るからね
ごめん
×書庫さん
○書記さん
乙そして保守。
ああ心配だぜ・・・、落ちない・・・よな?
>>73 4の人の名前欄はコテじゃなくて章タイトルだから
(コテがないから通称「4の人」)
>>77 乙&サンクス
しばらくは1日2・3回は保守したほうがいいのかなあ
自治スレによると、8時間レスのなかったスレがdat落ちしたそうだ。
圧縮ペースが想像以上にきつくなっているはず。
スレを守るためには6時間に一度保守しとくのがいいんじゃないかな。
6時間に一度って結構ハイペースだな
>>77 乙ー
4の人乙です。すげー面白かった。
>8時間レスのなかったスレがdat落ち
例の12のせいかなあ。スレ乱立しすぎだし。
4の人乙
相変わらず素晴らしい出来です
83から4時間経過したんで保守っとく
85 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/17(金) 10:47:10 ID:VsT2NmH/0
書記は死んだのか。
保守
4の人早く完結してくれないかな。
それだけが楽しみでコのスレ見に来てるし。
88 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/17(金) 16:18:49 ID:mJFm7z2C0
他の職人はイラネって言っているように聞こえるな・・・
>>88 別にいらんとは言ってないよ。
ただ、一回でやめる奴とかばっかりだし、期待するのがバカみたいじゃん。
やめるのは自由とはいえ、もうちょっと考えろよと思う。
一回で続かなくなるなら最初から書くなよと言いたい。
え〜と、とりあえず氏ね
91 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/17(金) 16:40:20 ID:VsT2NmH/0
>>87 マジレスすると、投下するのは数分で終わるけど
書き上げるまでにはお前が考えてる以上に集中力も根気も必要だし
とにかく時間がかかるんだよ
>>92 そんな事は一回投下する前に分かる事だろ?
続かないと思ったら、一回で終わるような読み切りにするとか方法はあるだろ。
出だしだけ壮大っぽくてそのまま放置ってどうなんだよ?
>>93 こいつ最高にアホwwwww
おまいみたいに暇人じゃないんだよ、忙しくてほんとにたまにしか時間がないんだよ。
頑張るから、あんまり荒れないで…
4の人が面白いのは認めるが、タカハシやレッドマン・ローディ・オルテガ・クロベなど
個性があって読み応えがあるけどな。
個人的な意見としては色んな作品を楽しむ度量も必要なんじゃない?
それが出来ないのなら最悪板でも行ってコテ叩きでもしておけ。
4の人が面白いのは単純にストーリーが出来上がってるからだろ。もちろん書き方が上手いというのもあるけど。
オリジナルで書くってのは大変なんだよ。
また昔の流れに戻るのね
お馬鹿な人たちが職人をないがしろにしたせいで、超過疎になった昔に
職人さんたち
このスレの奴は、こんなお口だけの乞食ばかりだけど許してね
頭が悪いお子様がギャーギャー騒いでるだけだと思って、あんまり気にしないで
皆さんの心が海のように広いことをお祈りするばかりです
保守
私の作品がつまらないと思う住人の方もいるかもしれないが、長い目で見守って頂きたい。
私だけではなく、他の職人さん達もそれなりの事情があって書けない時もあるかもしれないが、その点は理解してください。
ポジティブにいこうぜポジティブに
誰でも最初から上手い訳じゃないんだから
量と研究積み重ねるのが大事
>>41>>48>>49 ありがとうございます
スレタイに合う内容にできなかった自分を情けなく思います
けれど、1度初めてしまった物語。続きは書いていきたいです
わがままにお付き合いお願いします
>>33からの続きです
〜Four Nights+1〜
清々しい朝、そんなものはこの人には無い。
真理奈はベッドから落ちそうになりながら寝ている。
「ピーピー!!」
スライムが真理奈の胸に潰されて横長になっていて、苦しそうだ。
「おい!いつまで寝てるんだ!」ユサユサされる。
「ん〜?」
「今から王様が会ってくれるんだとよ!」ユサユサ
「んん〜・・・王様って誰よ・・・後にしてくんない?」
「できるか!起きろ!」ガクガクガクガク
「わ、分かった分かった!分かったからぁ・・・」
ようやく目を開けると、どこかで見た青年の顔があった。
「やっと起きたか。着替えたらすぐ行くぞ!早くしろよ」
「え?!・・・・・・あっ、そっか。ここ、違うんだった」
頭が少しずつ働き出す。
体を起こすと、スライムがペチャンコに潰れていた。
青年は部屋の片隅に置いてある椅子に座る。
真理奈は寝起きのダルさの中で、昨日の事を思い出す。
ルビスからの電話、違う世界への召喚、そして強力なモンスター・・・
(いつもじゃ有り得ない事の連続なのに、意外と混乱とかしないんだ・・・)
他人事のように考える。
それはまだこの世界に慣れていないからかもしれない。
「おい!早くしろよ!」
「分かったってば!うるさいなぁ・・・」
真理奈は壁にかけてある制服のスカートを取る。
昨日の戦闘で破れたブラウスは宿屋の女将さんが縫ってくれるらしい。
血は洗って落ちるんだろうか・・・
そういえばあの時のアレは何だったんだろうか。
少女の声と共に感じた温かさ、そして痛みの軽減。
服を脱ぎ、グリズリーに裂かれた部分を確認すると傷は跡形も残っていなかった。
(ホント夢みたい。夢の中の夢なんじゃないかなぁ・・・それか漫画の世界かな)
誰もが一度は夢見るだろう。突然不思議な世界に迷い込むような夢を・・・
スカートを履き、上はとりあえずカバンの中にあったTシャツを着る。
「よし、オッケー」
「行くぞ」青年はぶっきらぼうに言う。
「そういえばさ〜先輩とか後輩ちゃんは大丈夫なの?」
「・・・?あぁ、兵士の隊長か。命に別状はないらしい」
「良かった〜心配だったんだよね」
隊長はグリズリーに腹を貫かれ、その後輩は強烈な蹴りを食らったのだ。
青年によれば、隊長達も真理奈を治してくれたあの少女が治療してくれた、とのこと。
もっとも、真理奈は大勝利に沸く兵士達に囲まれてそれどころではなかったが。
(後でお見舞い行かなきゃな)
宿屋の外に出ると今日も良い天気だった。雲一つ無く、どこまでも高い空―――
「ん〜!!気持ちイイ〜」
腕を伸ばし、思いっきり伸びをする。新鮮な空気が体中を満たす。
「そういえば」
「んー?」
「お前胸小さいんだな」
「――――!!!」ドギャーン!!
脇腹にめり込む見事な回し蹴りが炸裂した。
青年・・・それは禁句ですよ・・・
「昨日はよく休まれたかな?」「はあ・・・」
嫌そうに真理奈は答える。ここはお城の玉座の間。
王様・大臣・兵士諸々、勢ぞろいしている。
(偉い人の話はつまんないって決まってるんだよねぇ・・・)
赤い絨毯の上、王様の正面に立ち、話を聞かされる。
青年は真理奈をここに案内した後、どこかに消えてしまった。
痛む脇腹をかばいながら・・・
「私はレキウスという。モンスターからアリアハンを守ってくれたそうだな。礼を言うぞ。
そなたの名前を聞かせてもらえるかな?」
「真理奈。能登真理奈です」
「ロトとな!」「ロト・・・」「ロトだ!!」ざわざわ
「???」ホールがざわつくが、真理奈には何故か分からない。
「なるほど・・・してアリアハンには何用で来られたのじゃ?」
「ん〜、アリアハンに用って言うか、この世界に用があるみたい」
「世界・・・じゃと?」
「何かルビスって人にこの世界を救えって言われて―――」
「ルビス様とな!」「ルビス様・・・」「ルビス様!!」ざわざわ
「なるほど・・・ロトにルビス様か。それならそなたの活躍にも納得がいく
そなたは真に世界の救世主なのかもしれんな・・・」
王様は、その通りであって欲しいという願いを込めているようだった。
「今日そなたを呼んだのは他でもない。力を貸してもらいたいのじゃ。
昨日の通り、最近になってモンスターの動きが活発になっておるのだが・・・」
少しのためらいの後、決心をして告げる。
「実は魔王が復活したという情報が入っておるのだ」ざわざわ・・・
3度のざわつき。しかし、前の2回とは雰囲気が違う。
「もう既にアッサラームとバハラタの町は壊滅したそうじゃ・・・」
それは心の底からの恐怖。
「そのような時に、そなたのような者が現れたのはまさにルビス様の導きであろう。
私は運命というものを感じずにはいられない」
「しかし我々も、もう以前のように勇者に頼りきりではない。全ての者が力を合わせ、
モンスターに、そして魔王に立ち向かわなくてはならないと考えたのじゃ」
「全ての者とは、アリアハンの全国民という意味ではない。世界中の人々、という意味じゃ。
つまり我々は世界中の都市との連合結成を計画中でな、もう既に使節の第一陣がサマンオサに向けて出発しておる。」
「そこでじゃ、是非ともそなたに連合大使として世界を回っていただきたいのだが、どうかな?」
「魔王・・・連合大使・・・」
「もちろん一人でとは言わない。同行してくれる仲間もおるのじゃ。ほれ」
王様の合図で後ろを見ると、青年に連れられたおじいちゃんと少女が入ってくるところだった。
「レキウスちゃ〜ん!しっかり王様やってる〜?」
「うるさい!レキウス王と呼ばんか、レキウス王と」呆れたように王様が言う。
「あ!昨日の!」
3人とはもちろん昨日真理奈を助けた青年・少女・おじいちゃんである。
「ぶい〜」おじいちゃんだけテンション高めにVサインをしている。
「あはっ!イエ〜イ!」真理奈も楽しげにそれに応じる。
「んんっ!・・・真理奈よ、この3人と共に旅に出てほしい。良いかな?」
真理奈は王様の方に振り返りながら答えた。
「・・・良いも何も、私はこの世界を救わなきゃ帰れないんだから。何でもやるわ!」
「そうか・・・ありがとう。ではこれを預けよう」
王様は大臣から袋を受け取り、中身を取り出す。色鮮やかな丸い玉が5つ。
「これは聖なるオーブじゃ。このオーブを連合の証としたいと思っている」
王様はオーブをしまって、真理奈の所まで歩き、袋を手渡す。
「真理奈・・・よろしく頼んだぞ。私はもう悲しい犠牲を出したくはないのだ」
その声は、真理奈だけに聞こえるくらいの、微かな希望にすがるようなものだった。
「・・・りょ〜かい!よーし!皆で力を合わせて魔王を倒すぞ〜!!」「おぉ〜!!」
真理奈の力強い言葉に、ホールにいる全ての人が応える。
兵士達のトランペットが高らかにメロディを奏でた。
♪♪♪タ〜ン タタタタッタッタ〜ン―――
>101
悲しいかなあなたの作品は面白い訳だが
>>97 激しく同意。
それぞれ違った面白さがあって楽しめている。
>>89 一回でやめるのは・・・という所は言ってる事も分からなくはない。
だが、職人さん達は金をもらって書いている訳ではないし、こっちも金を払って
読んでいる訳でもない。
職人さん達に続ける義務もないし、こっちに請求する権利もないと言う事だ。
それでも理解できなければ2度とこのスレに来るな。
暇潰し乙。なんかすげぇ和む物があるな…
スレが嫌な雰囲気だがこの調子でがんばってくれ。
>>101 最初は一発屋で終わると思っていたが面白おかしく読ませて貰っているよ。
これからもドンドン書いてほしい。
なんか勘違いしてる人がいるね。
ここで連載してる人はみんなすごいんだよ、文も想像力も・・・
こいつツマンネwwwwwとか言ってる奴に限って自分がすごい文かけるとか
過信しちゃってるんだよね。
作品に文句を言っていいと言うつもりもないけどそれは置いといて
読み手と書き手を同じ土俵に上げて話をするのはなんかおかしいと思う
おすぎは最高の映画監督になれるのか
ピーコの服装は素晴らしいのか
もーいーって、いい加減スレ違いじゃねぇの?
ここは書き手が小説を自由に晒す場所。読み手が自由に読める場所。
好きなだけ読みたい人のを読めばいいし、それが無いんなら来なければいいじゃんか。
逆もまた然り、書きたいだけ好きなように書かせてあげなよ。
てことで、職人さんドゾー。
作品が投下されても何の反応もせず住人どうし煽りあい続けてるスレに未来はないね。
初代からずっとだよ。
いまさらだね
この殺伐とした流れを断ち切るかのように職人さん登場↓
「ここで期待に答える事が出来たなら…」
俺は悩んでいた
目の前にそれは確かに、ある
だが果たしてこのままでいいものか…
「お前はそれで良いのか?」
厳しい表情のテリー
「あなたはそれでも良いの?」
メイも続き、同じ言葉を投げかけてくる
やはりこのままじゃいけない
これじゃただの箇条書き─
意を決し、俺は両手を地面につき頭を下げ、前のレスの人へ言った
「すまん、まだ推敲中なんだ」
「期待に答えられなくて、すまない…」
゙それで良い、よく言いましたな゙
トルネコも嬉しそうだ
かくして俺の投下は、前の人に許しを得られたかはわからないが、明日か明後日になる事が決まった
短編 完
↓とかの矢印レスってある意味スレッドストッパーだよな。
豊かで平和な村、リーザス村・・・この平和な村に一人の問題がいた
「またお前かサイモン!」
村の村長にサイモンと呼ばれた青年はめんどくさそうにこたえた
「なんだじじい!」
その言葉に眉毛をピクピクさせながらも、あくまで冷静に言葉を返した
「いい加減おとなしくしたらどうだ、これ以上悪さをしてどうなる」
「ちょっと金を拝借しただけだ・・・」
そのサイモンの反省のない言葉に村長はついに怒りをあらわにし、
壮絶な言葉のラッシュを食らわした、
サイモンはそ聞き慣れているらしく
それを適当に聞き流し説教が終わるのを待っていた・・・
サイモンは家への道筋を歩きにがらぶつぶつと気味が悪いほど呟いていた
「これでも俺はかつては勇者と呼ばれていたんだ!それがあんな老いぼれに
なぜ説教をされなきゃならんのだ!」
明らかにサイモンが悪いのだが、この男には罪の意識など米粒ほどもなかった。
「それにしても・・・」
サイモンは財布を開き中を指で探り逆さにしたりしたが、一ゴールドも落ちては
こなかった・・・
「村長のじじいには金は借りられんし、かといってゼシカタンから借りようにも
あの性格だ、貸してくれるはずがないだろう・・・」
サイモンはその場に立ち止まり腕を組、頭をフル回転させ、得策を考えていた
「それにしてもじじいめ・・・せっかく拝借した金を取り上げやがって・・・
俺を飢え死にさせるつもりか・・・・っと考えがそれてしまった」
サイモンは再び頭を回転させた・・・
そうだ、オルテガにでもたかりにでも行くかうん、それが良い!」
サイモンに働く意欲など全くなかった・・・
「そうと決まれば旅立ちの準備だ、ゼシカたんにもお別れを言いに行かなければ」
サイモンはダッシュで村の北側にあるアルバート家へと向かった
コンコン
ノックを響く音のあと、返事と共におそらく召使いであろう女性が扉を開けた
「ゼシカさんにお別れをいいにきた、会わせてくれ」
召使いは少々お待ちくださいとだけ言うと扉をしめ、ゼシカの部屋へと向かった
「ゼシカお嬢さま、サイモン様がお見えですが・・・」
ドア越しに召し使いはそう言うと、返事が来るのをまった
「サイモン!っあの男まだストーカーするつもり!?
いないって言っておいてくれる!?」
ドアの向こうからゼシカの声だけが聞こえてくる
召使いは承知しました、とだけ言うと再びサイモンの元へと向かった
ドアを開けるとサイモンが今か今かと待ちわびていた
「申し訳ありませんがゼシカお嬢様は現在外出中でして・・・」
その言葉にサイモンは不満そうな顔をすると、
「それでは、ゼシカさん僕は君の事を永遠に忘れないから待っていて
くれと言っておいてくれ」
召使いは承知しました、と言った後
「どこかに旅に出るのですか?」
と付け足した、サイモンは笑顔でそうです、と言うと宿屋へとかけだした
サイモンは青春を演じているつもりだったが、
それを見る召使いの目は冷たかった
ゼシカはサイモンが旅に出るという報告を二階から盗み聞きし、
小さくガッツポーズをした。
>>118 ちょwwwwwOK、気持ちは受け取ったwww
保守
124 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/19(日) 00:32:17 ID:JrCFPwECO
保守
sage忘れた…
保守
保守
6時間あいたので保守
魔人さん、おっつっつです
130 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/19(日) 22:19:04 ID:fhm+zBtg0
サイモンwwwwwwwwwwwwwwwwww
131 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/19(日) 23:09:22 ID:xGv6fK9A0
うっひょう!
う〜む
魔神氏が描くゼシカタソに期待!
ほしゅ
前スレ
>>688続き
町を出て、まずはレーべの方向に進んで行く。
塔での経験もあって、アリアハン大陸のモンスターに苦戦する事は無くなっていた。
マトリフは殆ど戦闘には参加していない。
本人に言わせれば、オレとミリアムのレベルアップの為らしいが、どう見てもサボっているように
しか見えないんだが・・・
驚いたのはミリアムだ。
高速のスピードで相手をかき回し、様々な技を駆使して仕留めていく。
モンスターの弱さを割り引いても大した物だ。
自信を持っているのも分かるな・・・
モンスターを蹴散らしながら先へ進んでいくとレーべの村が見えてきた。
「どうする?日も落ちてきたし、レーべで泊まっていこうか?」
と、マトリフに聞く。
「いや、先に進むとしよう。行けるところまで行って野宿じゃ」
ミリアムがそれを聞いてあからさまに嫌な顔をした。
「えーっ、野宿ー?レーべで泊まっていこうよー」
それに対し、マトリフが少し呆れた声で返す。
「これから先、野宿など当たり前じゃぞ?今の内に慣れておかないでどうする」
「・・・・・・」
マトリフの言葉にミリアムは押し黙る。
ミリアムの気持ちも分かるが、マトリフの言葉には説得力があった。
確かにこれからの長い道程を考えれば、最初から楽な選択をしていては先が思いやられる。
オレ自身も甘い考えは捨てなければ・・・
「それに、一刻も早くトリスタンを助けたいんじゃなかったのかな?」
マトリフは悪戯っぽく笑い、止めの一言を放つ。
ミリアムは我に返ったような顔になり、その後は黙って付いて来る。
これ以上言い返す気は無いようだ。
レーべから方向を変え、西へ向かって進んで行く内に辺りは完全に闇に包まれて夜を迎える。
さすがにこれ以上進むのは危険だと判断し、そこで野宿の準備を始める。
オレは簡単なテントを張り、その後で枯れ木などを集めて火を起こす。
その間にミリアムは簡単な食事の準備をしている。
マトリフは・・・まあ言うまでもない。
食事を済ませると、ようやく人心地がついた。
その後は3人で焚き火を囲んでそれぞれの時間を過ごす。
マトリフとミリアムは、焚き火の火を眺めて物思いに耽っているようだ。
オレは寝転がって夜空を見上げた。
視界一杯に広がる星空だ。
それを見ていると、なぜか吸い込まれそうな気分になって来る。
・・・そう言えば、この世界に来てから、こういうのんびりとした時間は初めてかもしれない。
今まで、常に何かに追い立てられるような気分だったから・・・
しばらくしてマトリフのイビキが聞こえて来た。
体を起こして見てみると、ミリアムがマトリフの体の上に毛布を掛けている。
さすが老人、夜が早いな・・・
ミリアムが少し位置を変え、こっちと向き合う形になる。
少しの沈黙・・・それに耐えられなくなり、こちらから沈黙を破る。
「さっきは何を考えていたんだ?」
「私、アリアハンを離れるのは初めてなんだ・・・」
初めて聞くミリアムのか細い声。
・・・無理もない。
いくら幼馴染を助けに行くという確かな目標があるとはいえ、まだ16、7の少女・・・
家族と離れ、見知らぬ土地へ旅立つ心細さはどれほどの物か。
しかも、とても安全とはいえない旅、生きて帰れる保証なんて何処にも無い旅だ。
「そうか・・・そりゃ心細いよな・・・」
「ううん、そうじゃなくて・・・なんて言うか・・・
もし帰って来れなくなったらお母さんがどう思うかなって・・・」
そこで話しを止めて空を見上げるミリアム。
何かを堪えるように・・・
「ウチは母一人子一人だから・・・お父さんは物心つく前に死んじゃったし・・・
昨日お母さんに旅立つって言う時、絶対に止められるって思ってた・・・
でもそんな事一言も言われなかったの。ただ一言、待ってるから必ず帰って来てねって」
ミリアムの鼻を啜る声が聞こえて来る。
こういう時に何か言葉を掛けてやれたら・・・
少しでも勇気付けられるような、それでいてわざとらしくない言葉を・・・
しかし、考えてもそんな言葉は浮かんできやしない。
無言で相手の話しを聞くことしか出来ない自分が情けない。
オレの複雑な表情に気付いたミリアムは、急に笑顔に変わり、明るい声で言う。
「ごめんね、変な話しして・・・明日も頑張ろうね!」
「ああ、頑張ろうな」
「それと、レーべで泊まりたいとか言ったけど、もうそんな甘ったれた事は言わないから。
そんな考えでこれから旅していける訳ないよね・・・
もう1つ、絶対に弱音も吐かないわ。そう決めたの!」
力強い声でそう宣言するミリアム。
どこか吹っ切れたような笑顔だ。
「それじゃあまた明日ね。お休みなさい」
ミリアムはそう言ってテントに入っていった。
・・・最初からあんなに気が張っていて大丈夫なのだろうか・・・
なるべく足を引っ張らないように、弱みを見せないようにという事なんだろうけど・・・
ただ、その強い心は確かな目標があればこそだろう。
もしトリスタンが死んでいたなんて事になればその時は・・・
マトリフは間違いなく生きているなんて言っていたけど果たして・・・
考えている間に夜は更けていく。
オレもそろそろ寝るかな・・・
焚き火に枯れ木を加え、横になる。
ふと、ここ2日連続で見ている変わった夢を思い出した。
今夜も見るのかな・・・
そんな事を少し考え、すぐに眠りについた。
次の日
目に眩しい光が差し込んで来て目が覚めた。
今日はあの夢は見なかったようだ。
なぜか少し残念な気分を味わいながらテントを手早くしまい、出発の準備をする。
昨日に続き、西へ向かって進んで行く。
しばらく進んだ先に洞窟の入り口が見えてきた。
マトリフによると、この洞窟の名はいざないの洞窟と言うそうだ。
この洞窟がアリアハンとロマリアを繋いでいるという。
まさか地下道が延々と続いていたりして・・・
笑えない冗談を考えつつも、中へ入っていく。
この前の洞窟と同様、独特の据えた臭いが漂ってくる。
しばらくは真っ直ぐに道が進んでいたが、その先はかなり入り組んでいるようだ。
「さあ、マトリフさん。しっかり案内してよ」
軽い調子でミリアムが言う。
「・・・最後にここに来たのは数十年前じゃ。覚えている訳無いじゃろ」
「えーっ!覚えてないの?役に立たないなー。
年寄りは新しい事はすぐに忘れる代わりに、古い事はいつまでも覚えているって言うのにね」
ミリアムの強烈な皮肉にマトリフはぐっと仰け反っている。
おいおい・・・ちょっと言い過ぎじゃ・・・
だが、マトリフの苦笑いの表情を見る限り、怒っている様子でもない。
むしろ、そういう掛け合いを楽しんでいるようにも見える。
マトリフが覚えてないなら勘で進むしかない。
途中で何度か道を間違えたり、落とし穴に嵌ったりと進みは遅いものの、少しずつ、
確実に奥へと進んで行く。
初めて見るモンスターも出てきたが、ナジミの塔の敵と大差ない。
自分の力が上がっているからそう感じるかもしれないが。
ミリアムは先ほどから顔をしかめている。
洞窟の据えた臭いが奥に行くにつれて増してきたからだろう。
「この洞窟からロマリアって、どうやって行くんだ?」
ずっと気になっていた事を誰に言うでもなく呟いた。
「この洞窟の一番奥に旅の扉があるのよ。私も見たこと無いけどね」
旅の扉か・・・
前にマトリフもそんな事を言っていたな。
詳しい事を聞いても理解出来ないと思い、それ以上は聞かなかったっけ・・・
「思い出したぞ、この先じゃ!」
少し前を進んでいたマトリフが突然声を張り上げる。
見ると、その先には真っ直ぐに通路が進んでいて、大きな部屋に繋がっているようだった。
駆け出したマトリフに続いてその部屋に入ると、その中央、少し盛り上がった地面の上に
青白く光る渦のような物が・・・
「この中に飛び込むんじゃ。ワシから行くぞ」
マトリフは、言うなりその渦の中へ身を投じてしまい、何と一瞬のうちに消えてしまった!
「次は私が行くね」
そう言ってミリアムもその渦に飛び込み、やはり一瞬で消えてしまう。
取り残された形のオレは少し躊躇したものの、ここに突っ立っている訳にもいかない。
目を閉じて、どうにでもなれ!というヤケクソな気持ちでその渦に飛び込む。
体中が揺れるような感覚がしばらく続き、少しずつそれが消えていく。
やがて完全に元の感覚に戻った。
ざわざわ・・・と音が聞こえて来る。
恐る恐る目を開けると・・・そこには洞窟とは全く違う景色が広がっていた!
目の前に広がる平原、その先には森が見える。
これがロマリアの大地・・・
余りの衝撃に声も出ない。
ミリアムも驚きで言葉を失っているようだ。
そんなオレ達を、マトリフは面白そうに見ている。
「だいぶ驚いたようじゃな」
そりゃ驚くよ・・・
自分で実際に体験しなきゃ絶対に信じられないだろう。
「さあ、いつまでも固まっとらんでロマリアに向かうとしよう。ここからすぐじゃ」
マトリフの指差す先に立派な城壁が見えた。
確かにそんなに遠くないようだ。
俄然と力が沸いて来て、足取りも軽くなる。
モンスターに遭遇する事も無く、無事にロマリアに到着した。
門をくぐり、ロマリアの城下町に足を踏み入れる。
夕方という事もあってか、人通りは非常に多く、活気に溢れている。
「ここがロマリアかー、1度来てみたかったんだ」
ミリアムは興味深そうに辺りを見回している。
「今から王に会うのは無理じゃろう。今夜は宿に泊まり、明日会う事にしよう。
トリスタンがどういう様子だったか聞いておきたいし、それにもう1つ用があるからな」
マトリフはそう言って宿屋に向かって歩き出す。
どうやら何かを企んでいるようだな・・・
ロマリアの町を見て回りたかったが、疲れもあるし明日でもいいか・・・
そう思い、マトリフに続いて宿屋に入る。
次の日の昼、ロマリア城に向かう。
アリアハンと同様、見るものを圧倒させるほどに大きく、立派な外観だ。
どうも城ってのは独特の緊張感があるんだよな・・・
見張りの兵士に王への謁見を申し込んだ。
ここの王様は旅人に会って話すのが好きらしく、思ったより簡単に会うことが出来た。
「旅人よ、ロマリアまでよくぞ参った。ゆっくりして行くがよい。
して、どこから旅をしてきたのだ」
上機嫌で聞いてくる王様。
「はっ、アリアハンからでございます」
「何?アリアハンだと?」
王様の顔色が変わり、声も険しい口調と変わる。
どうしたんだ?何か気に障る事でもあったか?
マトリフも戸惑った様子だ。
「はい、アリアハンからですが何か?」
「いや・・・何でもないが・・・ところで私への話とは何かな?」
気を取り直すように言うが、明らかに様子がおかしい。
「はい。その通りですが・・・そのトリスタンが消息不明のため、捜索しに来た者です。
トリスタンが何か失礼な事でも?」
恐る恐る尋ねるマトリフ。
「失礼どころではない!あの若者は、私のたっての頼みをアッサリ断って行きおった」
怒りを思い出したかのように、興奮してまくし立てる王様。
「それはどういった頼みだったのでしょう?」
「うむ・・・半年ほど前、ここロマリアにあった金の冠という財宝が盗まれたのだ。
盗賊のカンダタと呼ばれる男にな。それを取り戻してくれるように頼んだのだが・・・
急ぐ旅だからそんな時間は無いとぬかしおった。取り戻す事が出来たら勇者と認めようと言ったのだが・・・」
怒りが治まらない様子でその時の事を話す。
「トリスタンらしいなあ・・・」
横でミリアムが呟いている。
「トリスタンがそんな失礼な事を・・・その代わりといっては何ですが、その件はワシらが
引き受けましょう」
マトリフが胸を張ってそう言った。
またこの爺さんは相談も無く勝手な事を・・・
さすがにその勝手な態度に呆れてしまう。
「本当か?もし引き受けてくれたらお主達を勇者と認めよう!」
「いえ、それは結構です。ただ、取り戻す事が出来たら1つ頼みがあるのですが」
「よろしい、もし取り戻してくれたら余程無茶な願いでなければ引き受けるぞ!
では頼んだぞ!」
「何で勝手にあんな事言うんだよ。それにどんな頼み事をするつもりなんだ?」
城を出てからマトリフに言ってやった。
そもそも普段から勝手な行動が多すぎる。
「そうよ、それに時間の無駄なんじゃない?」
ミリアムもそう言ってオレに加勢してきた。
それに対し、マトリフは落ち着いた様子で言う。
「すまんな。だが、無駄にはならんよ。むしろ頼みがしやすい分、好都合じゃ」
どうも腹の中が読めない爺さんだ・・
しかし引き受けてしまった事も確かだし王様に貸しを作っておくのも悪くはないだろう。
まずはカンダタの行方を探るとするか・・・
つづく
>>142と
>>143の間の文章が抜けました。読みづらくなってスマン。
「はっ。まずは聞きたいことがありまして・・・今から3ヶ月ほど前、トリスタンという若い
旅人がここロマリアに来ていると思うのですが・・・」
「トリスタンだと?おぬし達はあの若者の知り合いなのか?」
再び顔色が変わり、怒鳴るような勢いで聞き返してくる。
前のレスから6時間ほどたったので保守
オルテガ氏&魔神氏GJ
ゼシカ「たん」ってwwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwwwwサイモンwwwwwwwwwwwww
ほしゅ
3時間じゃ早いかもだけど保守
保守
オルテガ乙
先は長そうだが頑張れ
tst
………………………………………………………。
……………………………………。
……………………。
………。
…ん……。
目を覚ました。俺の名はリュウジ。泣く子も黙る史上最大・最強・最高の暴走族“鬼浜爆走愚連隊”
の総長を務めていた男だ。まあ昔の話だ。今はただ酒びたりのひきこもりだ。
生きていても死んでいても関係ない無気力な毎日。
…………あっ!やっと目覚ましたよ!もう総長ちゃんの寝ぼすけ!
ぞおおおうぅぅううじょぉおおおおおおおおおおういうううう!!!!!!!
甲高い女の声と同時に筋肉ダルマの熊みたいなパンツ男が抱きついてきた。…痛てえ。
痛てえっつの!
俺はパンツ男を3メートル程吹っ飛ばすと天井にめり込んだまま沈黙してしまった。
それだけ元気があればもう大丈夫ね。
やたら美人のねーちゃんが口を開く。
…………そうだった。俺はベランダで足を滑らせて気づいたらこの謎の世界に迷い込んだんだった。
ぞううじょうううぅういぎでででよがっだでびゃんずううぅううう
パンツが号泣している。しかし相変わらず頑丈だなコイツ。しかし俺は何故気を失っていたのであろうか。
………思い出した。オーブを求めて洞窟に入り、ちょっとした手違いで洞窟をぶっ壊してしまった。
崩壊していく洞窟の中で記憶が途切れている。あの後どうなったのだろうか。
うんとね、おっきい地震が起こって心配だからあたしとおねーちゃんとで洞窟に助けに入ったの!
そこで総長ちゃんとカンダタちゃん見つけて戻って来たんだよ!
マジか。この女二人が俺ら大男二人担いであの崩壊する洞窟を抜けてきたのか。こいつらわりと
パワーあるじゃん。
まさか!そんなの無理だよーあのね、魔法で一発でポーンって出てきたの♪
なんてこった…そんな便利な呪文があるとは…てかそんな呪文使えるならおまえが行けや!
行くって言ったじゃん!総長ちゃんがじゃんけんでずるっこして勝手に行ったんでしょ!
ああ。そういやそんな事もあったな。ピーピーうるさい勇者を無視してベットを出る俺。
腹減った。なんか食い物ないかな。その辺の棚を漁る。何も無い。ちっ…しけたとこだな。
部屋を出る。玄関には変なおっさんが顔真っ白にして放心状態だった。おいおっさん腹減ったから
なんか食いもんくれよ。おっさんは小声でブツブツ呟いている。わしの洞窟が…わしの使命が…
話しかけても素無視だ。大丈夫かコイツ。おっようやく俺の存在に気づいたようだ。
…と同時に近くにあった椅子で殴りかかってきた。おいやめろ!あぶねっつの!
おぬしさえ!おぬしさえ来なければわしの平穏な日常が!ぬおおおおおぉおおお!
反射的に体が反応してカウンターを入れてしまった。やべ。おっさん壁突き破って外まで吹き飛ぶ。
おい。大丈夫か。反応がない。騒ぎを聞きつけて人だかりが出来てきた。マズい。これはマズい。
ヒソヒソ…あいつあれだろ…勇者様御一行の…なんで一般人殴ってんだ…
ママーしっ見ちゃいけません!ヒソヒソ…
おまえら帰れ!見せもんじゃねーぞコラァ!ヒーこの子だけはどうかお助けを!なんてやり取りを
していると勇者たちが来た。あー!また総長ちゃん町の人いじめてる!違うこれには深い訳が…
ホイミ
ねーちゃんが魔法をかける。そうかその手があったか。目を覚ますおっさん。
いやはやこれはこれは勇者様。取り乱してしまいしまんですな。
やっと落ち着きを取り戻したようだ。おっさんの家系は代々この「ちきゅうのへそ」という洞窟を
守ってきた。しかしその洞窟は無くなってしまった。確かにちょっと悪い事したかもしれない。
わしは女房と子供のいる故郷に帰ります。ここ半年程帰ってなかったので。そこで農業でも
始めますわ。ハッハッ八…
そうかこのおっさんも無職か。まあ無職も悪くは無いと慰める。勇者が申し訳なさそうに口を開く。
なんか…悪いことしちゃったね…ゴメンナサイ…
おっさんはいやいや気にしないで下され。それよりもお目当ての宝手に入ってよかったですなと
言っているが確実に目は死んでいる。
あっそうだ!奥さんと子供ってどこに住んでるの?私たち送るよ!
また勇者が勝手な事言い出したが今回は仕方がないだろう。そのくらいはしてやる。
ノアールですじゃ。とんだ田舎で勇者様の旅の妨げになるだろうにわしの事は気にしないで下され。
一瞬時が止まった。ノアール。そう俺と勇者が出会った場所。じいさん最後の場所。
もはやノアールという言葉は町の名前ではない。今となってはただの地名としてしか用を為さない。
誰も口を開けなかった。破壊された民家。あたり一面の血痕。そしてじいさん…全てが鮮明に
蘇る。ノアールは…もう無い。あそこは魔王に滅ぼされた。またまたご冗談をと笑っていたおっさん
も勇者の目を見ると黙り込んだ。そうですかいやいや酷い世の中ですな!最後にもう一度息子の顔でも
見ときたかったわい…必死に何でもない風に振舞うのが痛いほどわかる。こいつ強いな。
いやー守るべき場所も家族も同時に無くなってしまうとはさすがに参りましたな。ハハハ
かける言葉がねえ。勇者がいいこと閃いた!っと喋りだした。嫌な予感がする。
ねえねえおじさん!する事無いなら私たちと一緒に旅しよーよ!
へ?
おっさんは突然の申し出に今一状況が飲み込めてない。当たり前だ。俺も訳がわからねえ。
勇者の目はマジだ。もはやこうなったら誰もNOとは言えない。
あのね、私たちと一緒に旅をして、色んな人に出会って色んな場所にいってね、それでおじさんが
好きな場所やもしかして好きな人に出会ったら、そこでお別れすればいいと思うんだ。うん絶対そう!
そうですな…ここにいても何もありゃせんし勇者様がそう言って下さるならお邪魔しましょうかな!
わーい♪こちらこそよろしくお願いしまーす♪
まただ。また総長様である俺を差し置いて勝手に話が進む…いいんだどうせ…俺は形だけの総長さ…
てなわけで我が鬼浜爆走愚連隊にまた一人メンバーが加わった。不本意ながら。
総長が早朝にキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・* !!!
過去ログ見れなくて自分でもどこまで書いてどんな話だったのかがよくわかんないんで
ここから第二部という事で装い新たに続けようかと思います。
今度こそ完結までちょくちょく更新していくんで気長に付き合って下さい!
話わかんねーよって人は
>>1にある書記さんのサイトで一読してもらえればと思います。
(途中抜けちゃいますが…)あとトリ変えました。上の方でどっかと被ってるて指摘があったんで。
つまんねーよ消えろって人は専ブラ入れてトリごとあぼんして下さい。
ではではまたこれからもよろしくお願いします!
ついに総長も復活か。
4の人・ローディ・魔神・オルテガ・レッドマンなどwktkする作品が多いですぞ!
このスレも夢がひろがりんぐwwwwwwwwww
総長さんお帰りなさい♪
どこ行ってたんだよォォォォォォォ!!!!!!1111( ゚д゚ )
総長キテタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
お帰りなさい、こちらこそ宜しくwwwwwwwwwwww
165 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/21(火) 15:48:43 ID:mhYvUFg20
このスレは下らない小説より住人の言い合いの方がおもしろいんだけどな
その日の晩鬼浜定例会議の議題はもっぱら新加入のおっさんについてだ。とりあえず俺が総長であり
このチームのボスである事、勇者を含めここの構成員はすべておれの子分であることははっきりさせて
おかなければいけない。ではまず俺がボスである事から説明しよう。
威厳・強さなどから当然言わなくてもわかってると思うがこのチームのボスは俺d…
ねーねー!おじさん何て呼んだらいい?お名前は何て言うの??
く…このクソガキが…
わしの名前はノーマンと申します。好きに呼んで下され。
んとねーじゃあノマさんでいい?そっちの方がかわいいし!
ノマさん…何か照れますな!ホッホッホ
おっさん小娘にデレデレしてんじゃねーよ…しかし相変わらず勇者はすげえ。家族も使命も一日で
失った一人の男がその晩にここまで笑顔で笑えるだろうか。コイツはアホで天然だけど周りの人全てを
巻き込んで幸せにする力を持ってるのかもしれない。
で、次の目的地くらいは決めといた方がいいんじゃない?
ねーちゃんが突っ込む。その通りだ。鬼浜会議はバカ勇者とアホパンツのせいでいつも話がそれる。
今手元にあるオーブは4つ。全部で6つあるらしいから残りは2つだ。しかし何処にあるのか
検討もつかない。さてどうしたものか。一応聞いてみる。
おまえら誰かどんな小さな事でもいいからオーブについて何かしらないか?
パ:あっしが聞いた話によりますと…
黙れ。おまえは喋んな。
勇者とねーちゃんが首を横に振る。おいおいあてもなく世界中探し回るなんていったい何年かかるんだよ。
おっさん(以下‘お’):確かな情報じゃないんだが東の果ての‘ジパング’という国に凶悪な巨竜がおり
先代勇者様がその竜を封じるためにオーブを使ったらしいですぞ。
マジか。これは有益な情報だ。こいつの知識は意外と役に立つかもしれない。
そういやまだ確認してなかった。このおっさん果たしてどのくらい戦えるのだろうか。
お:ハッハッハ戦闘?無理無理!無理ですわ。肉体労働は苦手でしてな。
その辺の子供にも負ける自信があるぞい。
……聞かなきゃよかった…。戦力は増えないが悩みの種は一つ増えたようだ。
次の目的地もジパングに決定した所で会議はお開きになった。ドッと疲れた。俺はその日すぐ寝た。
総長キタY⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
総長乙であります
170 :
タカハシ:2006/03/21(火) 22:32:26 ID:MeiowjXQO
帰れない
投下できない…
総長さんおかえりなさい!
総長、お帰りなさい。帰ってくるのをずっと心待ちにしていたよ。
うれしくて涙が出てくる…。
これからも活躍を期待しているよ
ー深夜ー
今晩は冷える。しょんべんでもしようかと部屋を出る。おっなんかおっさんと勇者が話し込んでいる。
何故か反射的に隠れてしまった。ん…どうやら俺の話題のようだ。
しかしわかりませんな。あの総長とかいう男…ただの乱暴者にしか見えないですぞ。
なぜあんな男が勇者様の御一行に…。しかもあやつ自分がボスだとか勇者様は子分だとか…
ふーむわからぬ…
総長ちゃんは見た目恐いし口も悪いけど頼りなるうちのリーダーだよ。ノマさんもそのうちわかるよ!
ああみえて根はすーっごく優しいんだ。
そうですかな。まあ勇者様がそう言うなら間違いないでしょうな…。あとあのカンダタという男…
あれは本当に人間ですか?なんと恐ろしい風貌!わしには魔物にしか見えんぞい。
えー!そんなことないよ!カンダタちゃんかわいいじゃん!絶対!
うーむ…いやはや最近の若い子の感性はわからんわいハッハッハ
総長ちゃんもカンダタちゃんもあたしの大好きな仲間です!もちろんカンダタちゃんの子分も
おねーちゃんも…それにノマさんもね!
………。一応俺がボスだという事は自覚しているようだな。殊勝な心がけだ。おっさんは明日絶対殴る。
夜乙-YAOTU-
ー朝ー
俺たちは船に積めるだけの荷を積んで港を後にした。おっさんの事情を知った町の人達が食料やら酒やらを
アホみたいにくれたおかげでほとんど買い物せずに済んだ。実は最近かなり金が貯まっている。
何故かと言うと基本的に宿屋もタダだし飲みに行ってもタダだ。武器も防具も道具も定価の半分から
10分の1程で買うことができる。場合によっちゃお代はけっこうですとか言われる始末だ。
これも全て俺とパンツの巧みな交渉術の賜物だ。特にパンツなんて口を開く事なく目だけで値切る
事ができる。こいつにはきっと天性の商才があるのだろう。
ジパングまではまだ暫らくかかりそうだ。最初はパンツが船長な事に生命の危機を感じたがさすがに
もう慣れた。たいして強い敵もでないしのんびりしとくか。
いっとくけど気休める暇なんてないわよ。
げ…ねーちゃん…
父から私の使える呪文全部教えるようにと遺言受けてるの。まだ全然進んでないじゃない。
ペースあげてくわよ!
いや俺には己の体という最強の武器があるからそこまで呪文にこだわらなくても…
さあじゃあ最初はバギの復習から!
聞いてねえ…
当然俺にブレイクタイムなどあるはずもなくみんながしばしの休息をとってるのを尻目に
今日もコツコツと修行に励むのであった。鬼だ。人の皮を被った鬼だこの女は。
ちょっと!こら!寝ぼすけ!起きろー!
うぅうんん…ぶぶぁギは精神の統一よりしいいいん空を巻き起こ…zzzzzzz
こら!意味不明な寝言言ってないで起きろー!
………。ん…?なんだもう朝か。夢の中でまでねーちゃんに特訓されちまったぜ。
お?なんだ勇者。なんでおまえがここにいる。とっとと自分の部屋へ帰れ。
帰れじゃないでしょ!もう!着いたよ!ジパングに着いたの!
みんなもう船降りる準備できてるよ?総長ちゃんも早くしてね!
ランシールを出てから一週間ちょっとか。俺たちはようやくジパングに着いた。
しかし辛かった。ねーちゃんのスパルタ度はあのクソイケにも引けをとらないくらいだ。
ほんとに恐ろしい親子だ。…正直できる事ならもう関わりたくない。
船を泊められそうなポイントを見つけるといつものように船番はパンツの子分共にまかして
俺たちは上陸した。ジパング。言葉の響きもそうだがどこか懐かしい気がする。
おっさん曰くここから東にしばらく歩くと町に着くらしい。このおっさんどうやらかなりの
インテリのようだ。ねーちゃんも頭はいいのだが、如何せんイケと一緒に長いこと塔に引きこもって
た分こういう事にはうとい。そういう面では勇者も微妙だしパンツは論外、別世界の俺が
知る訳がない。このおっさんカーナビばりに使えそうだ。
やはり地面は落ち着くな。ぼんやりそんな事を考えていると敵が現れた。
不細工面の蛾が5匹にデカいキノコが三匹。杖もった小デブが2匹。…ちっ多いな面倒くせえ。
とりあえず分担して片付けていくか!みな各々近くにいた相手に飛び掛る。
俺はキノコを焼き尽くすとそのまま翻って小デブに切りかかった。
ヒュン!ザクッ!!
そこじゃ!総長殿お見事ですぞ!
危ない!カンダタ殿後ろじゃ!後ろに魔物が!ああ!噛み付かれた!痛いい!
ガブ!ドカッ!グゥエェェェ!!!
勇者様頑張ってくだされ!不肖ノーマン応援しておりますぞ!
バシュッ!!!キーン!カキーン!
総長殿あなたもリーダーならもっと全体を見てですな…あ!ほら勇者様が囲まれておる!
うるせええええええぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!
魔物に飛ぶはずの鉄拳がついおっさんに炸裂した。
おまえは戦えないなら黙っとけ!邪魔じゃボケ!
うぬうう…すまんつい血がたぎってしまい…面目ない…
ちょっと総長ちゃん!怒っちゃかわいそうでしょ!せっかく応援してくれてるのに!
敵を片付けた勇者達が戻ってきた。いやだってよ!うるせーじゃんこいつ!
その後しばらく勇者と口論した結果、おっさんは戦闘中必要最低限以外口を開いてはいけない
という事で落ち着いた。しょぼくれるおっさん。慰める勇者。
そうこうしているうちに町が見えてきた。おお!これはかなり大きな町だ。
町の入り口で異常なまでの注目を集めてしまった。好奇の視線。いや、町に着くたび
変な目で見られるのはいつもの事なので気にならないが今回はちょっと違う。
むしろ変なのはこいつらだ。服装、髪型どれをとっても今まで旅してきたどの国とも
当てはまらない。ガキが三人近づいてくる。は?何?田舎もんだと?
あっいてコラ服引っ張んな破れんだろがコラやめろって!
ガキどもを振り払う。何なんだこいつらは…
わーいわーい田舎もんが熊つれてきたぞー田舎もが熊連れてきたぞー
総長!あいつら総長の事を熊呼ばわりしてるでやんす!シメてやりましょう!
いや熊に間違えられたのはおまえの方なんだが…しかしうっとしいガキ共だ。
ガアアアアッッ!
突然パンツが奇声を発して驚かした。一瞬固まりその後号泣しだす子供。正直泣き出す
子供の気持ちもわかる。子供に対してよくやる事と言えばよくやる事だがパンツがやって
しまうとシャレにならない。子供は泣き止まない。バカでかい声で鳴き続ける。
なんだなんだと人が集まってきた。く…いつもそうだ。いつもこうなる。行く先々で注目を
集めてしまうのは俺が天才故に仕方のない事なのか…。気づけばもの凄い人数に囲まれていた。
>>42 から続き
●イシス
ザッガツッ!
オリハルコンの剣を二振り
ザラザラと分解し風に流されていく土偶戦士
この魔物は宙に浮いて移動し、ラリホーという魔法で相手を眠らせようとする
常に前へ出て戦う俺は当然狙われてしまう
ラリホーにかかると眠気では無く問答無用で意識が飛ぶ
"眠る"というよりは"気絶に限りなく近い睡眠"だろう
攻撃を受けても目覚めることが出来ないことも多く、恐ろしい魔法だ
この手の魔法は術者とかけられた側の"魔力の差"で成功率が変わり、俺にはまだ魔力がないため毎回眠らされた
しかし俺はメイのキアリクによってあっさりと目覚めることが出来る
俺一人だったらとっくに死んでしまっていたに違いない
「ふぅ 町は直角の曲り角の近くって言ってたっけ?」
剣をなおしながらメイに聞く
「ええ 目の前の角を曲がるとイシスよ」
路の左右を森に囲まれ、変わらなかった景色
少し先に、ここまでの旅路には無かった直角の曲り角
人工的に造らなければこんな直角にはならないはず
「この角がそうか、よし急ごう」
「楽しみね」
「ん、なにをニヤニヤいてるんだよ」
「べつにぃ」
…何か企んでいるな
メイの不穏な言葉に少し警戒しながら、粉々になった土偶戦士をまたぎほぼ90度になる角へ歩く
イシス
この町がどんな町なのか誰からも聞いたことが無かったな
魔法の鎧を修理出来る防具屋があればいいんだけど
角を曲がると、イシスへ到着─
「え??」
目の前に広がっていたのは巨大な石で出来た町
だがその町はほとんどの建物が破壊されメルキドと同じくただただ廃墟
まさか俺たちが旅をしている間、魔王に滅ぼされたんじゃぁ…
「驚いてくれた?
これは魔物を欺くためわざと作ったモノ
獣の魔物ならただの廃墟だと思って近付かなくなってくれるの
本当の町は今あなたがいる足元、地下よ」
イシスは地下都市だったのか!
メイのニヤニヤはこれだったんだな
それで、入口はどこに?
「入口は廃墟の中にあるわ、行きましょう」
そう言い廃墟へ入るメイ
俺も続き足を踏み入れた
パッと見た感じでは本物の廃墟だが中へ入ると生活があったとは思えない造り
家らしき建物の間取りもめちゃくちゃだし広さだって適当
獣の魔物は頭が悪い、こんなモノでまんまと騙されてしまうのだろう
「ここ、この階段を降りると町へ入れるわ」
廃墟の中央辺り、一軒の崩れた民家の床には地下へ続く階段
「ほんとに地下なんだな…」
メイを先頭にし階段を降る
かなり深く、まるで終わりがないかのように思える
そして、不思議な事にとても明るい
「地下なのにどうしてこんなに明るいんだ…?」
「ふふ 光の正体はね、これ」
メイが壁を指でなぞり、その指先を俺の目の前へ持ってくる
「ん?! 指先が、光ってる!」
「光苔 この地域にしか生息しない珍しい苔よ
この光苔を地下の壁全てに植えているおかげで外と変わらない明るさを保っていられるの」
「光苔なんてあるのか、なるほどなぁ」
これなら電気も炎も必要ない
ダミーの町といい光苔といい… 驚きの連続だ
やがて階段を降りきり、今度は地下道を歩いていく
地下道も光苔のおかげで明るい
「この町は昔から地下に在ったの
魔王の侵略が始まってから、上の廃墟を造ったの」
「へぇ じゃあ地下の専門家だ」
「あはは そういう事ね
でも町の人を見たらまた驚くと思うわ」
「なんだ? まさか"もぐら"だとでも言うんじゃないだろう?」
「どうかなぁ」
なんだ、不安になるじゃないか
この町はいわばメイのホームグラウンド
俺はまるで借りてきた猫だ
そんな俺の思いとは逆に、楽しそうなメイ
「さ、この扉をあけるとイシスよ 準備はいい?」
「え? ああ、準備も何も…」
俺の顔を一目みて、メイは石で出来た扉の横にある取っ手を引く
『ゴゴゴ…』
扉がゆっくりと左右に開く
この世界の自動扉みたいなものか
今までと違い、やたらと文明的な町だな
だけど白い壁があるだけで町なんてないじゃないか…
「…町は?」
「この白い壁は魔力でつくり出した幻なの 魔物が扉を開けてもすぐに入ってこられないように」
「そ、そうか イシスってすごいんだな」
「なにしろ… まぁいいわ、入りましょう」
メイの言い掛けた言葉が気になったが町に入ればわかるだろう
まず俺が、壁に足をつっこむ
不思議な感覚が足に伝わってくる
足先を阻むモノがない、向こう側は確かに存在するようだ
そのままおそるおそる身体も壁へ─
結界を抜けた俺の目に飛び込んできたのは真正面に構える巨大な宮殿
こんな地下にこんな巨大な建物が─
「ようこそイシスへ!」
後から入ってきたメイが俺の後ろから言う
「なんていうか、驚いてばかりだよ ははは…」
驚きすぎて笑いが出てくる
俺は地下だからてっきり狭い空間にひしめく小さな建物を想像していた
だが違った
真正面の巨大な宮殿を囲むように並ぶ家
その家だって一つ一つがとても大きい
よく地下にこれだけのモノを造り上げたものだ
「宮殿へ行きましょう そこで魔力を引き出してもらえるわ」
宮殿というのはあの正面のでかい建物の事だな
いよいよか、俺も魔力を… 持てるんだ
●魔力とルビスとオリハルコン
正面にある宮殿へ向かい歩き始めた俺たち二人
道は大理石のような美しい石で舗装され、建物全ては白で統一されている
地下の壁全体も白 まるで近未来を描く映画のよう
だけど、何か違和感を感じる
家そのものは大きいのだが窓や入口が妙に小さいのだ
「なぁメイ なんでこの町の入口や窓なんかは小さいんだ?」
「いい所に気付いたわね 向こうを見て」
メイの指す方向へ顔を向けた
身長の低い真っ白なローブを着た二人の男が、何か話しているのが見える
町の色にまぎれ込んでいて気付かなかった
しかし二人の男はやけに… 小さい?
髭を生やしているから大人、だよな…
離れているからとかそういう理由ではなく明らかに"身長が低い"
俺の困惑した表情を見て笑うメイ
「向こうにいる人は小人なのか?」
「あはは 違うわ
このイシスはね、ドワーフの町なの」
「え? どわわふ?」
「どわーふ、ドワーフよ 聞いた亊無い? 旅人なのに」
「…初めて聞いた」
「珍しい旅人ね…
いい? ドワーフっていう種族は人間と違って身長が低いの
手先が器用で人間とは違う独自の文明を持つのよ
器用なだけじゃなくて魔力も力もあるわ」
ドワーフなんて初めて聞いた
トルネコもテリーも知ってて教えてくれなかったのか?
「ふぅ… この町には驚いてばかりだよ」
「驚いてくれて嬉しいわ」
「まぁ嫌な驚きじゃないからいいけど…
そういえばメイはイシス出身なんだよな なのに、ドワーフに見えないのは…?」
言ってから、この質問はまずかったかもしれないと気付く
だがメイは至って普通に返事を返してきた
「私の父がドワーフで母が人間なの
珍しい組合せなんだけどね そして私は父の魔力を受け継ぎ母の人間の姿を受け継いだわけ」
「そういう事か」
よかった、拾われた子供とか不幸な生い立ちじゃなくて…
でもドワーフと人間じゃ身長差が大きいな
向こうで話しているドワーフ二人は俺の胸の下くらいしかない
…いろいろと大変だろう
「ここよ ここがイシス全体の魔力を管理する宮殿」
目の前には高くそびえ立つ何本もの柱に支えられた、巨大な宮殿への入口
その入口に向かって階段が続いている
おかしいな、そんなに歩いたつもりはないんだけど宮殿に着いていたのか
「全体? ああ、町の入口の事か」
「入口もそうだけど気温や気圧も魔力で制御しているわ
そして空間も魔力で広げてる
これはうまく説明出来ないんだけど… 今歩いてきた距離よりも実際の道は遠く見えない?
つまりはそういう亊、ごめんうまく説明できないわ
とにかく、この地下での生活を維持するために絶対必要なモノなのよ」
空間?!
確かにあまり歩いていないのに、遠くに見えたこの宮殿へ着いてしまった
じゃあ広く見えるこの地下も、実際はせまいのか
いや、でも見せかけだけだったら人は住めない
んー さっぱり理解出来ないがそういうものなんだろうな…
「でも、そんなすごい魔力を持っているんだったらこの町の人だけで魔王と戦えるのでは?」
「残念ながらそれは出来ないわ
この町を維持する大きな魔力はルビス様の像によるもの
その像がどのようにして魔力を発生しているのかはわからないのよ
私たちはその像の魔力をドワーフの知恵で利用しているだけ そしてその像の魔力は攻撃的なものではないの
ドワーフの魔力も同じよ」
「うーん… 難しいな」
「ルビス様の像やドワーフの魔力では攻撃魔法を扱えないって亊
私は人間の血が半分入り、親が神官だからその影響で攻撃魔法も扱える魔力を持ったんだと思うわ」
「……イシスはなんだかすごいって亊だな?」
「あはは 私もまだ理解できているわけじゃないからね
魔力にもいろいろあるのよ 難しい話はヤメにして、行きましょう」
これ以上聞いても俺にはきっと理解できない
少しホッとしながら宮殿への階段を一段一段踏んでいく
階段を昇り入口をくぐると真っ青な絨毯が奥へと続いる
宮殿内部に装飾はほとんどなく、窓すら見当たらない
ただただ、白い壁と青い直線がそれだけで美しい装飾品
静まり返った宮殿
その雰囲気に飲まれ、俺は話すことを遠慮しながら青い絨毯の上を進んだ
しばらく進むと壁に人が通れる位の四角い穴が空いた壁
青いカーテンに遮られ中の様子は見えない
「この奥で魔力を引き出してもらえるわ」
「やっと魔力を持てる、今から緊張するよ」
「儀式は一瞬で終わるから安心して」
「一瞬なのか あ、そういえば寄付とか必要なのかな?」
「いいえ必要ないわ」
「そうか、よかった 実はあまり持ち合わせが無い」
雷鳴の剣の修復費用のせいで余計に懐はさみしい
そういえばメイはいいとしても宿代もテリーは払っていってなかった
…三倍にして返してもらおう
「いってらっしゃい、私はここで待ってる」
俺は荷物を降ろし、青いカーテンの向こうへ進む
この入口もドワーフにあわせてあるためか低い
カーテンの向こうは小さな部屋になっていて、簡素なテーブルには椅子に座る歳老いたドワーフが一人
部屋の左右には重たそうな石の扉
色は全て白だ、それ以外には何もない
「あの…」
椅子に座り何か書き物をしているドワーフへ声をかける
「ふむ… 魔力、かね?」
「ええ 引き出してもらえると聞いて訪ねました」
「では金属の装備を外しこのテーブルの上へ、できたらワシの側へきなさい
ワシは怪しいものでは無い、魔力を引き出すことの出来る唯一の神父じゃ」
この人がそうか…
鎧をガチャガチャ外し、剣を腰からおろしてテーブルへ置く
一呼吸おいてから、神父の側へ移動した
「ひざまづいて、頭をワシのほうへ傾け… うん、しばらくじっとしていなさい」
ドワーフは背が低い
ひざますいて頭を向けると俺は床を見る格好となった
「……」
頭のてっぺんに手をかざれる感触を感じる…?
ん なんだ、眠気が…
このままじゃ寝てしまう、我慢できん……
これが ぎし き………
この うかぶ かんかくは…
『お久しぶりです、タカハシ』
ルビス…!
これはあんたの仕業か…
『強くなりましたね』
ああ、頑張ったよ
トルネコさんの事もあるし…
それに強くなれって言ったのはあんたじゃないか
で、なにか用ですか、ルビス様?
『あなたはこれから魔力を持ちます』
その為にイシスまで来たんだ
魔力を持てれば今より強くなれるんだろう?
『ええ あなた自身戸惑うくらい強くなるでしょう…』
戸惑うくらい? 今後の旅が楽になるな
でもまだ俺を元の世界へは… 戻さないで欲しい
『…勇者トルネコのため、ですか?』
そう、その通り
…待てよ、あんたなら呪いを解くことが出来るんじゃないのか?
出来るのならやってほしい!
『申し訳ありません あの呪いは私には解く事が出来ない…』
そうか…
なら、俺が方法を探す
トルネコさんの呪いが解けるまで俺を元の世界へ戻さなくてもいい
俺も強くなれるし一石二鳥だ
…でも、なんで俺に強くなれと言う?
そもそもなぜ俺をこの世界へ引き摺り込んだ?
『それはまだ言えません…』
もし、勇者になれと言うならお断りだ
俺には関係が無い
悪いが他をあたってくれ
『……そうは言いません』
安心したよ
ならなんでだ?
『まだ言えません』
……わかった、もういい
用は?
『…あなたはこれから魔力を手に入れます
ですが、あなたは魔力を引き出しても魔法を使うことができません
代わりに、オリハルコンの剣を活用してください』
そんな残念なお知らせはもっと早く言ってほしい…
魔力があっても魔法を使えない事があるなんて知らなかった
『失望する事はないのです
剣術のみで戦う者であっても、魔力があれば自分の力や技をより強力にする事が出来ます
そしてオリハルコンの真の力はあなたの魔力でのみ、発揮される
その力はとても大きく、自分の意志で扱えるようになって下さい』
それなら安心だ、しかし─
真の力とは?
俺の魔力でしかできないってどういう事だ?
なぜオリハルコンを知っている?
『今引き出された魔力だけではオリハルコンの真の力は発揮されません
もっと強い、心と意志が必要ですがやがて手にするでしょう』
その強い心と意志がなければ、今の魔力でオリハルコンは無意味だと?
それと他の質問にも答えてくれ
『いいえ 今の魔力だけでもオリハルコンは力を見せてくれる
…私の言った他の言葉の意味は、またあなたが強くなった時にお話します………………』
う!
待ってくれ 俺はどこまで強くなったら…
俺に何をしろというんだ……
かってにはなしを おわらせ………
「……タカハシ! 起きてタカハシ!」
パシパシという乾いた音が耳に入る
と同時に、横っ面に痛み
神父の部屋へ戻されたか……
音の源、誰かが俺を平手打ちし頬に衝撃を伝えている音
その動作で顔が左右に揺れている
あまりに痛いので目を見開きガバッと勢い良く身体を起こす
「あ…」
引っ叩いていたのはメイ
俺が突然起き上がったので驚いている
側にいる神父も一緒に驚き、動けなかった
叩かれていた頬を触るとひどく熱い
「起きた…… よかったぁ……」
両ひざをついて平手打ちしていたメイが、がっくりとうなだれる
俺は魔力を引き出してもらっている間に眠り、床へべたりと身体をくっつけたようだ
「失敗してしまったかと、思いましたぞ……」
神父がホッとした表情で言う
「すみません、なんか寝てしまったみたいで……」
「儀式の途中で寝てしまうなんて聞いたことが無い 何もなくて良かったわい
…魔力は眠っている間に引き出せたよ」
そうだ魔力
だけど俺には魔法を扱えないからどう確認していいか…
…ともあれ魔力を引き出してもらえたんだ、礼を言わなければ
「ありがとうございます、迷惑をかけました」
立ち上がり、神父の言葉を待つ俺
だが何も言ってこない もう何もないのかな?
「…もう、行ってもよろしい」
「そ、そうですか では失礼します」
「後でメイに詫びておきなさい メイの事はよく知っておる
あまり困らせるんじゃないぞ」
「あ、はい… すみません」
「さぁ、メイを連れて」
座り込んだままのメイを立たせ、荷物と装備を手に取り神父の部屋を出る
メイはずっと下を向いたまま、黙っている
泣いて、いるのか?
俺が儀式で眠ったから?
…とにかくなんとかしないと
「ほら、もう平気だ! いつもみたいに元気─」
ドゴォォォとメイの拳が腹にめり込む
突然の衝撃に、逆くの字へ身体を曲げる俺
「魔力の引き出しに、失敗する人も、いるの…」
「ぐ… え?」
「失敗したら、精神が破壊されて… 滅多に無い事なんだけど、もしかしたらって……」
そんな事もあるのか…
だから心配を
「今のは、心配させたお返し」
顔をあげタタタと駆け出し、入口である門で止まり振り返るメイ
空間制御のおかげで、遠くの門へ少しの動作でたどりつく
「いきましょう! 早く!」
…元気に戻ってくれた
しかし、俺にダメージを与えられるんだから格闘も出来るじゃないか…
鎧を装備していないとはいえ、見事な攻撃だ
鎧と剣を身に付け荷物を背負う
熱い頬はそのままに苦しさの残る腹を押さえ、手を振るメイの元へ向かった
今日はここで終わり、続きはまた後日
GJ!
あほう
199 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/22(水) 21:27:44 ID:5fJCFl0l0
4の人マダ〜!
201 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/22(水) 22:02:03 ID:5fJCFl0l0
>>200 お前、何様?
お前みたいな奴がいるからスレが荒れるんだよ
死ね
>>201はsageる方法が分からないだけなんです。皆さん、いじめないでやってください。
>>165みたいなのが煽ってるだけだと思うけど。
まあそんな事どうでもいいんだけどさ。
204 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/22(水) 22:56:25 ID:5fJCFl0l0
>>200 なんだよ、ちょっと反論されただけで黙っちまうのか
そんなんなら最初から絡んでくるなよ
こっちはてめぇからのレスなんかいらねぇんだ
いいか、お前みたいな奴がスレの雰囲気を悪くするんだ
そこんところをよく覚えとけ、たわけが
>>202-203 >>200の奴が俺こそが正しいみたいな言い方するからちょっと怒ってやっただけだよ
全ての責任は
>>200にある
まあ、こいつが反省するようなタマとは思えんが
責任はすべて投稿者自信が負わねばならぬ。
急かすと逆にやる気失せたりするから気長に待て。
忘れた頃にうpされてたりするもんだ。
だが、それよりも、だ。
まずsageを覚えて来い、話はそれからだ。
保守乙です
FF12スレ乱立はまだ落ち着かないかな?
もしかすると私の投下方法(アップロード)や内容が不評だったりスレ違いになっちゃってるかもしれないけど、完結まで大筋は出来ているのでもうちょっとお付き合い下さい と酔った勢いで保守しておきます。
>>タカハシ氏
無問題です。乙かれ。
ID:5fJCFl0l0はただの構って厨だろ?明らかに釣りじゃんか。もう反応しなくていいよ。
保守
ムーン「ここはムーンブルグの城よ…今は壊滅してしまったけど。」
?「ムーンブルグ?……聞いた事は無いな。」
この男は現状が全くわからないという雰囲気がある。もしや・・・・・・・・
タケ「なあ、あんた。今から言う言葉に心当たりはないか答えてほしい。」
?「別に構わないが…」
タケ「ローレシア、ハーゴン、サマルトリア、ローラの門、ムーンペタ。」
?「………すまないがわからない。それはどこかの地名か人物名か?」
ムーン「もょもと、貴方は何をしようとしているの?」
タケ「なーに、簡単なテストみたいなもんよ。」
やはりこの男も別世界から来た人間だ。
タケ「あんたは多分、自分の世界の価値観と今の世界の価値観に戸惑う事になると思う。」
?「なんだって?一体どういう事だ?」
タケ「質問するがあんたはどこで眠っていたとか覚えているか?」
?「仲間たちと明日に備えてとある町の宿屋で休んでいたのだが…」
タケ「やはりな。人知を超えた力があんたをここに呼び寄せたんだ。」
?「な、なんだと!?あんたなんでそんな事が言えるんだ?」
タケ「この世界の人間なら今言った地名や町がだいたい分かるはずなんだ。それが分からないとなると、
ただの馬鹿か全くこの世界を知らない者となる。違うか?」
?「へぇ、なかなか頭が切れるな。あんた。」
ムーン「じゃあこの人は別世界の人間って訳!?」
タケ「そういう事になるな。」
まさかスレの住人がここに来たのか?いや、スレに住人ならいきなりバギマやマジックバリアなど高度な呪文は使えないはずだ・・・・
別のドラクエの世界の住人か?
ムーン「しかし、私達の世界の他にも別の世界があるなんて…信じられないわ。」
?「俺も信じたくないくらいさ。失礼だがあんたらの名前を教えてくれないか?呼びにくいものがある。」
タケ「それもそうだな。俺の名前はもょもと。こっちの女性はムーンだ。」
?「俺も名乗っておこう。そうだな………レオンって事にしといてくれ。」
ムーン「……本名は言いたくはないみたいね。もょもとがきちんと紹介したのに。バッカじゃないの!?」
レオン「悪いが今のあんたらは信用できない。」
タケ「ムーン、やっきになるな。」
ムーン「でも失礼じゃない!?いくらなんでも人をなめ過ぎよ!」
タケ「レオンはいきなり知らない世界に来たんだ。警戒するのは無理もない。」
レオン「じゃあ質問をするがもょもとはそんなに冷静なスタンスをとれるんだ?」
タケ「これっと言った理由はない。」
実際俺も別世界の人間だからこんな事も言えるんだけどな。
しかしレオンからは殺気などが感じられないが情報が少なすぎる。敵どうかはまだ分からないって事か。
レオン「ふん…しかし、ここは戦場の跡地だったみたいだな。」
ムーン「………………………………………………」
タケ「ハーゴンの野郎が世界を滅ぼそうとしているのさ。この世界では。」
レオン「それなりの事情があるのか?そのハーゴンって奴は。」
タケ「ああ。ハーゴンの手下から無理矢理喋らせた内容では新しい宗教団体を自ら立ち上げたらしい。」
レオン「宗教か…何かひっかかるな。」
タケ「しかもムーンブルグはハーゴンの軍団に滅ぼされた…しかもムーンはここの王女様だ。」
レオン「な、なるほど………………そうだったのか………………」
ムーン「何話しているのよもょもと。勝手にべらべら話さないで。レオンには関係ないことでしょ。」
タケ「す、すまん………………」
レオン「……………………………………………決めた。」
タケ「ど、どうしたんだ?」
レオン「あんたらについていこう。この世界のことは全く分からないし。多分俺の仲間達もこの世界に来ているかもしれない。それに……」
ムーン「な、何なのよ………………」
レオン「可愛い王女様と一緒に旅できるのならそれはそれで楽しみだしな。」
ムーン「はぁ!?ふざけた事は言わないで!!!」
レオン「ムーン、俺は貴方の騎士になりたい。」
こいつ洋画みたいなセリフばっかり言いやがって……………なんか腹立つわぁ〜……………
タケ「レオン。お前変わった奴だな〜」
レオン「そうか?可愛い女性がいれば即効アタックするのが俺の美学よ。」
ムーン「あんたなんか恋愛対象としては全くの対象外だわ。」
おお!ムーン。良く言ってくれた。さすが女王様!……………じゃなかった。一国の王女様。しかしレオンの行動力は羨ましい限りだ。
レオン「だが、その前に………………」
ムーン「何よ?」
レオンは剣を抜き出した。
レオン「もょもと。俺と決闘をしてもらう。」
タケ「いきなりどうしたんだ?」
レオン「あんたがハーゴンって奴に立ち向かう価値があるのか俺が試してやる。」
ムーン「そんなの卑怯よ!もょもとは貴方と違って全く呪文が使えないのよ!!」
タケ「弁明はしなくていい。ムーン。」
ムーン「で、でも格好つけている場合じゃないわよ!!」
タケ「言葉が悪いが俺達の邪魔する奴らは蹴散らさないと前には進めないからな。力でねじ伏せるのもいい機会だ。」
レオン「ふん………嘗めた口を叩くとは。後悔させてやる。呪文が使えないからって手加減はしないからな。」
タケ「……………………………………………言いたい事はそれだけか?」
レオン「なにィ!?」
タケ「じゃあ始めるとするか。こいよ。」
俺も鋼の剣を抜き戦闘態勢に入った。
もょ「(タケ、しょさんはあるのか!?)」
タケ「(・・・・・・ハッキリ言って俺達のほうが分が悪いな。)」
もょ「(いくらなんでもむぼうすぎるぞ!!しかもレオンはムーンよりまりょくがあるんだろ?)」
タケ「(勿論策は考えてあるがな・・・・・もょ、お前の力も必要になるで。その内容は・・・・・・)」
もょ「(い、いくらレオンがつよいっていってもむぼうすぎるぞ!いのちにかかわることだ!)」
タケ「(リスクはでかいのは承知済みや。頼むで。もょ。)」
レオン「一つ言っておいてやる。俺が無傷で勝つ。」
タケ「なめんな!」
俺は一直線にレオンを向い強撃を喰らわせようとした時…………
レオン「ちっちっち………甘い!バギッ!!」
小さな竜巻が俺に襲い掛かり向って行く所か逆にふっとばされた。痛みは……あまり無い。
斬り掛かれると思ってもバギで吹っ飛ばされる・・・・小ざかしい野郎だ。
レオン「ハハハ!この程度か?もょもと。」
タケ「これからに決まっているだろうが。」
レオン「俺もまだまだ余裕はあるからな。覚悟しておけよ。」
タケ「俺もそれは同じよ。これからが勝負!(バギがやっかいやな。アレを使うか…………………)」
俺はしばらく様子を見ることにした。
レオン「何考えているんだ?もう諦めたのか?」
タケ「どうした?びびったのか。高慢なレオンらしくないな。肝が座ってない野郎だな。」
レオン「ふん。何の策を考えているか知らんがドンドン行くぞ!バギッ!」
予測どおりバギを連発してきた。阿呆が。こっちの思惑通り……………
レオン「なっ・・・・・こいつ、踏ん張ってやがる。」
タケ「どうした?こんなカスみたいな呪文で俺を止めれると思っているのか?」
俺は大防御をしながらレオンに近づいていった。予定通りだ。
レオン「だが、剣が届く範囲に近づいても俺が先に攻撃が出来る。くらえっ!!」
タケ「うぐっ・・・・・・・」
レオンに斬られてしまったが致命傷ってわけではない。何とか動ける。
それに剣が届くって事は俺の範囲でもあるんだよ!俺はレオンに斬りかかった。
しかし俺の攻撃は回避されてしまった。
レオン「なかなかパワーがあるな。しかしテクニックはまだまだ甘い。当てることすらも出来ないのか。」
タケ「・・・・・・・・・・・・・・・・甘いのはお前の方だよ。」
レオン「なんだと・・・・・・・・・・・」
ヒュン!!!!!!!!!!
レオン「ぐわぁ!!!!な、なんで斬られるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
タケ「かすみ二段!!上手くいったみたいだな。」
レオン「お、お前ごときに・・・・・・・・・・・」
タケ「俺を格下というなめた先入観がお前の敗因だ。まだやるか?」
レオン「当たり前だ!今度は確実にしとめてやる!」
レオンはべホイミを唱えると傷口が塞がり回復していった。やはり俺の方がかなり不利か。
タケ「(もょ。ここからが本番やで)」
もょ「(し、しかし・・・・・・・・・)」
タケ「(後戻りは出来へんよ。頼むで!)」
もょ「(わかった・・・・・・・・・・・)」
もょもと&タケ
Lv.13
HP:52/92
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
217 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/23(木) 10:21:31 ID:MQx1Zl1q0
あいつら役に立たんな。
保守
レッドマン乙ー
レオンって誰やろな、予想してたのと違うかもしれん
レッドマン待ってたぞ
。。・゚゚(゚´Д`゚)゚゚・。。ウワァァァァァン
保守まだ必要?
落ちない程度に
スター・フォックスのレオンを想像してしまった俺は負け組。
FFのレオンを思い出した俺はただの厨
カードヒーローのレオンを思い出した俺は勝ち組
>>107続き
王様に話を聞いた後、真理奈は先輩・後輩コンビが療養している部屋を訪ねた。
「やっほ〜い!お見舞いだよん!」
「お〜来てくれたのか〜」
「英雄さんの登場だな」
「いや〜そんなんじゃないっすよ先輩w」
先輩はベッド、後輩ちゃんはその脇の椅子に座っていた。
「調子はどう?」
「もう大分いいよ。先輩はもう少しかかるって話だけど・・・」
「そう・・・でも元気そうで良かった!死んじゃったかと思ったから・・・」
「ありがとう。改めて礼を言わせてもらうよ」
「もうお礼はいいってば!正直聞き飽きちゃった」
「ハハハ!」
真理奈と2人は出会って間もないが、流れる空気は親友のそれだった。
戦友と言うべきだろうか。
しかし、それ故に言わなくてはならないこともある。
「え?!旅に出る!?」
「うん。ルビスって奴に言われて世界を救わなきゃいけなくなっちゃったんだ」
「・・・・・・・・」後輩ちゃんは驚いた顔で黙ってしまう。
「ルビス様にか。それは凄いな・・・1人で行くのか?」
「ううん、さっき王様のトコで会ってきたよ。パトリスっておじいちゃんがノリノリでさー
フィリアって子はあんまり喋ってくれなかったけど、可愛いんだよ〜
でもジュードってヤツはちょっとムカツクー」
「ふふ。まぁ王様が選んだ人たちなら大丈夫だろう。君が強いのは知ってるしな」
「任せてよ!」
「君ならきっとできるさ。頑張ってくれ」
「ありがとうございます!先輩も傷早く治して下さいね。後輩ちゃんもよ!」
「あ、あぁ・・・」
「??」真理奈は首を傾げる。
「・・・少し話したら疲れたな。すまないが寝かせてもらうよ」
「あ、すいません。話し込んじゃった。じゃあゆっくり休んで下さい」
席を立つ真理奈。後輩ちゃんは黙ってそれを見つめる。
「おい、英雄さんを外まで送ってやれ」
「え?は、はい・・・」
「も〜、怪我してるんだからそんなコトしなくていいよー」
「いいからいいから。それじゃあ元気でな」
「はい、先輩バイバ〜イ」
バタンッ・・・
「・・・ったく。俺も年取ったかな」
言葉とは裏腹に、先輩はその事実を楽しむかのように微笑む。
窓から差し込む陽の光が夕暮れ刻を教えていた。
建物を出るまで後輩ちゃんが相槌しかうたないので、真里奈は一方的に喋る形になってしまった。
この世界のこんなところが不便だとか、自分の世界がどんなものなのかとか。
そんな他愛も無い話。後輩ちゃんにとっては興味のある話。
けれど今は聞く気になれなかった。
「それでさ〜」
「な、なぁ!!俺も一緒に旅に連れていってくれないか?」
「え?」
突然すぎる提案に真理奈はとまどう。
「今はまだ足手まといかもしれない。けど俺、強くなるから!絶対強くなるから!」
「後輩ちゃん・・・」
「だから・・・一緒に行くよ!お前の役に立ちたいんだ!」
「・・・ダ〜メ!まだその体じゃ旅なんて出来る訳ないでしょ」
「こんな怪我なんか―――」
「それにさ」
「何だよ!」
「・・・後輩ちゃんにはこの町を守るっていう大事な使命があるんでしょ?」
「・・・・・・・」
「心配してくれたんだよね。私は大丈夫だから。魔王なんか楽勝楽勝!」
(そんなんじゃ・・・)
「ありがとね」
(そんなんじゃないんだ!)
うつむく後輩ちゃん。
「・・・・・」
真理奈が手を差し出す。
この握手を交わせば終わってしまう。
そう感じるが、それを打開する術が思いつくわけでもなかった。
躊躇った後、その手をグっと握りしめる。
柔らかくて暖かくて小さくて・・・
「・・・バイバイ!」
それはずっと聞いていたいモノであって、最も聞きたくなかったコトだった。
「・・・・・・・」
駆け出した真理奈の背中に昨日の光景を重ねる。
しかし後輩ちゃんは追いかけられず、その場に立ち尽くした。
(いつか・・・いつかその背中に―――)
今日も青い空。天気予報もいらないくらい毎日良い天気だ。
「ピーピー!!」という声に無理矢理起こされた真理奈は町の入り口に向かっていた。
制服のブラウスは綺麗に直っていた。何故か左胸のポケットにはロトの紋章が刺繍されていたが。
「アリアハンの伝統工芸なんだよ。カッコイイだろ〜?」
と女将さんが自慢げに言っていたが、真理奈は苦笑するしかなかった。
入り口に到着すると既に3人の仲間が待っていた。
「遅いぞ」
青年が言う。
「いちいちうるさいのよ!あんたは教師か!」
「ほっほっほ。仲が良いのぉ」
「「良くない!」」
「ピ〜!」スライムが楽しそうに声をあげる。
「何だぁ?こいつも連れてくのか?」
「うん。ブルーは私を守ってくれるんだって」
「ブルーだぁ?」
「名前付けたげたの〜可愛いでしょ?ね〜」「ピ〜!」
「・・・女の考えてるコトは良く分かんねぇ」
「では行くとするかの」
「うん!」
青年――戦士のジュード
おじいちゃん――魔法使いのパトリス
少女――僧侶のフィリア
この3人が「ピー!!ピー!!」
・・・
青いの――スライムのブルー
この3人と1匹が真理奈の仲間。
こうして4人と1匹は伝説の続きという旅に出発した。
レッドマン・暇潰し乙。
時間かかってもいいから挫折せずに最後までガンガレ!
もはや身動きがとれない。仕方がないこいつらぶっ飛ばして道つくるか。
俺が拳を振り上げたと同時に凄い勢いでおっさんが飛びついて阻止してきやがった。
一般人に手をあげるのはよくないですぞ!ぬおっ!
こいつ弱いくせに。魔物と戦う時も今くらいの根性の一つでも見せて欲しいものだ。
おっさんと取っ組み合ってる間にも事態はさらに悪化していた。明らかにカタギではない
恐い顔した人らに囲まれている。おそらくこの国の兵士だろう。
有無を言わさず俺たちはそのまま連行された。まあこれも経験済みのパターンだ。
この国の王に会って誤解をを解けばなんて事はない。さあ俺を王の前まで連れて行け。
…………。王に会うはずがなぜか地下に向かう。なんだなんだここの王は引きこもりか?
…………。ガチャッ。……え?……。そのまま投獄されてしまった。これは読めなかった。
ちょっと待てコラ!いきなりブタ箱はねーだろ!話くらいさせろクソ共が!兵士はまったく
聞く耳を持たない。てめーマジ黒焦げにすっぞコラ!下っ端兵士のくせに世紀末覇王の俺様を
こんなとこに閉じ込めやがって後悔すんぜ?いいのかコラ!…………。無視か…。
今まさにボルテージは頂点へと向かっていた。仮にここに閉じ込められるまでの俺の怒りを
10としよう。だが今は10億10!!!お前らに明日を生きる資格は無い!!!!
くらえ!むぅぅえラゾォオオオオ……総長ちゃんだめ!!!!マァァアッァ!!!!
勇者の叫びも空しく俺の放った特大の火炎球が牢の入り口ごと吹き飛ばした。
響き渡る轟音。吹っ飛ばされる兵士。そしてヒッッヒエェ〜!!!!と奇声をあげて逃げ出した。
俺をこんなとこに閉じ込めるからだ。まったく常識のないヤツらだ。
振り返るとみんな有り得ない程の冷たい視線でこっちを見てる。
なんだよ!俺が何か悪いことしたか!?俺のおかげでおまえらここから出れるんだぞ!
ほんとにこいつらも常識が無い。感謝の一つでもしておおとこじゃねーかまったく。
で?
ねーちゃんが恐ろしく低いイントネーションで言う。いやでって言われても…
で?これからどうするわけ?
ヤバい。完全にブチギレしてる。正直恐い。
もうここでの情報収集は望めないわ。とにかく人が来る前に逃げましょう。
一旦船に戻ってからもう一度出直すわよ。
みんなぞろぞろとねーちゃんについて行く。なんだよまるで俺が悪者みてーじゃんかよ!
おっいい事思いついたぜ!多分オーブ程の代物となると宝物庫とかそんな感じの場所にあるから
このまま襲って奪っちまおーぜ!
誰も聞いていない。サッサと行ってしまった。俺は泣いた。
すんなり帰れるわけもなく城の入り口付近で今度は完全に武装した50人はいるであろう兵士に
囲まれた。しかし問題は無い。俺は昔河原で一人対100人で乱闘になっても生還した男だ。
この人数ならいけるぜ。一気にぶっ飛ばしてやる。
いい?絶対殺しちゃダメよ。出来るだけ最小限の相手だけ倒して一気に駆け抜けるわよ!
ねーちゃんが指示を出す。おい待て。俺は売られた喧嘩は買う男だ。この状況で逃げるなんて
真似できるか!と思ったがとりあえずここはねーちゃんの指示に従おう。どーせ一人で暴れてても
また置いていかれるのがオチだ。…世界征服したあかつきには絶対こいつら全員島流しにしてやる。
おやめなさい!
女の人の鋭い声が響き渡った。兵士が一斉に構えをとく。そこには女と老人がいた。
女の方は勇者と同じくらいの年齢だろうか。兵士が全員ひれ伏した。
そこまでです異国の者達よ。もしこれ以上騒ぎを起こすようならジパングの女王ヒミコの名において
あなた方を処罰します。大人しく武器を下ろしなさい。
このクソジャリ女王だか何だかしらねーが偉そうな奴だ。結局ねーちゃんとヒミコとやらが交渉した
結果、正式に謁見する事になった。そのまま奥の間に案内される。
そなた達は何の目的でこの国に参られたのじゃ?
この国に竜を模ったオーブがあると聞いてきました。
旅の目的達成の為どうしてもオーブ必要なんです!
勇者が答える。
オーブはオルテガ様から預かりし我が国の宝。簡単に旅の者に渡すような物ではない。
いったい旅の目的とはなんじゃ?
旅の目的?んなもん決まってんじゃねーか。
俺らの旅の目的が聞きたいか!耳カッポじって良く聞けよ!俺が世界中を旅すんのは世界征服の為だ!
取りあえずその一環として異常に態度のデカイ魔王とやらを一発ブチのめしてやろうと思ってな。
そのためにオーブが必要だ。さあくれ。
周りがザワつく。ヒミコが噴き出す。
はっはっは異国の者はおもしろいのう!世界征服とは大きくでたな!まあ夢は大きい方がいいわい。
はっはっは
この小娘俺よりだいぶ年下のくせに何を偉そうに…。だいたいその年寄りみたいな喋り方が
感に障る。うぜえ。
お願いします!どうしても必要なんです!
勇者が割って入ってきた。
私は…オルテガの娘です!
一瞬でヒミコの顔つきが変わった。じっと勇者を見つめる。
そなたの眼…嘘は言っておるまいな。
ヒミコは一発で信じたようだ。またこれだ。こいつは本当に相手の目を見るだけで全てを納得
させちまうからすげえ。
しかし今オーブはここには無い。オーブは…
姫!!!!!
隣の老人が割って入ってきた。
姫!異国の者をそんな簡単に信用してはいけませんぞ!もっとジパング大国の女王である
自覚を持たれい!
正直老人の言う事は正しい。自分の事を勇者と名乗る怪しい集団が国宝くれなんて言ってきて
信用するほうが問題ある。
老子よ。この者の眼は本物じゃ。それに異国人という事に何の問題がある?
そのような閉鎖的な時代はもう終わったのじゃ。自らの国の問題を自らで
解決出来ないような我が国に置いて異国と交わるのは今後必要であるだろうぞ。
姫!いくら姫と言えどそのような発言は許されぬぞ!選民であるわが臣民は卑下な異国人と
関わる必要なんてありますまい!
ヒミコは頭を抱えると老子と呼ばれる老人を退室させた。老人は渋々出て行った。
すまぬな異国のものよ。あやつも人一倍愛国心の強いゆえ、無礼な発言許されい。
あの老人は完全な右だったようだ。ヒミコも大変だな。
それでオーブの件なのだが…ここから北の鳥居のある洞窟に安置されているはずじゃ。
はず?どういう事ですか?
勇者が聞き返す。
この国には「やまたのおろち」という巨大な悪鬼がおりましてな。度々現れては
破壊の限りを尽くしわが民を恐怖に陥れておった。だが先代国王の時オルテガ様が
この国に現れ見事に退治なさった。ただその生命力の強さ故完全に葬り去る事ができず、
北の洞窟に封印されたのじゃ。そして封印をより強固なものとするためオーブをそこに
安置された。
じゃあそこに行きゃオーブあるんじゃねーか。
ヒミコの顔が曇る。
悪鬼が……復活したのじゃ。あの封印は簡単に解けるような物ではない。しかもオーブで強化されて
おるので尚更の事じゃ。おそらく…強大な魔力を持つ者がオーブを持ち去った後封印を解いた
のだろう。もう何度も原因究明のため兵を送ってるのだが誰一人として帰ってこないのじゃ。
強大な魔力を持つ者。おそらくその場にいた全員が同じやつを想像しただろう。
偉大なる勇者オルテガの娘達よ。恥をしのんでお頼み申す。どうか…
断る。
ヒミコが話し終える前に断ってやった。どうせまた退治してくれとか言うんだろ?
何で俺らがそんな事しなきゃいけないんだよ。俺はボランティアでも人助けの為にでも
無い。世の中クソ共全部ぶっ飛ばして俺が覇権を握る為に旅をしているのだ。
自分の国のゴタゴタは自分で解決しろよ。オーブがないならもうここには用は無い。
おまえら帰るぞ。
ちょっと!総長ちゃんそんな言い方無いでしょ!もう少し考えてよ!
勇者が怒った顔でこっちを見る。うるせえ。俺は人助けなんてまったく興味ねえ。
空気を読んだねーちゃんが簡単には返事できないので話し合い明日また返答すると
その場をまとめた。ヒミコは宿を手配してくれた。
その日の鬼浜会議は荒れた。過去最高に荒れた。
勇者は引き受けるの一点張りだ。あとのメンバーも勇者に賛同する。そろいもそろってアホ共が。
どうやら勇者はかなり勇者の親父が前に倒したという事を気にしているようだ。今度は自分が
この国を救うのが使命とでも考えているのだろうか。付き合いきれん。
そんなに行きたいなら勝手にしろ。俺は絶対に行かん。
総長ちゃんのバカ!わからずや!
ついに勇者は泣きながら出て行ってしまった。
総長!あっしは心底見損なったでやんす!
パンツも出て行った。それを機に自然解散となった。
職人さん様、お疲れです
総長乙。
メラゾーマには笑ったんだが総長孤立カワイソス
総長乙!
もはや完全に総長の威厳ねーなw
総長は毎回確実に笑わせてくれる。
GJ
ちょwwwwww
断るってさすが総長斬新過ぎるwwwwwwww
しかしまとめの人は来ないのか?
良作が読めなかったり更新された無かったりしたらかなりショックだな。
いっそのこと新しくまとめてくれる勇者はおらんのか!
まとめの人は体調不良だと、前に書いていたよ
だから、いいだしっぺの法則でどうかな?
ログうpだけならやってもいいお
保守
>>248 いや、借りてる鯖にHTMLをうpって意味
まとめの人用にZIP圧縮してうpったこともあるお
>>250 なんだか良くわからないけど、
>>77の人がやってるのと被らなきゃいいんじゃね?
dat2htmlかな?
いい人ばかりだなぁ
このスレまじ好き
とりあえず保守
もう大丈夫かな?
254 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/27(月) 12:16:31 ID:QcLSA/3Z0
昨日聞いた
次の日の朝。あいつらはヒミコに会いに行ったようだ。置手紙があった。
無性にイライラする。ちっ…こんな時は飲みに行くしかない。俺はフラフラと宿を出た。
外には小雪がチラついている。どうりで寒いと思った。昨日はそんなでもなかったのにな。
ほんとになんだってんだよあいつら…あの甘ちゃん加減にはほとほと愛想を尽かした。
こうなったら全員辞めさしてまた新しくメンバー集めるか。ったく面倒くせーなチクショウが。
しかし初めて来る場所だ。どこで酒が飲めるかさっぱりわからない。その辺のおばさんに
聞いてみる。少し先に酒屋があるらしい。なぜかおばさんの顔が曇る。まあいい。
そこから500メートル程行った先に酒屋はあった。しかし人気がない。朝だから当然か。
中に入る…うおっこれは酷い。中には店の主人とその奥さんと思われる人がいた。だが凄まじく
顔に生気が無い。世の中終わったみたいな顔をしている。客商売だろ大丈夫かここ!?
……すいません…もうこの店は閉めましたんで…よそに行って下さい…
閉めたって店自体を辞めたって事か?おいおいふざけんな俺は酒を飲みにきたんだ。出せ。
そうですか…なら残ってるお酒全部飲んじゃって下さい…お代は結構ですので…
マジか!?まあせっかくの機会なんで有難く頂く事にしよう。
そしてアホかって程酒が運ばれてきた。マジで店の在庫全部持ってきやがった。
一口飲んでみる……………これは!?それは俺の世界で言うところの焼酎のような味だった。
酒ってのはその時のテンションにより味が大きく左右される。自棄酒の類ってのは大概
どんないい酒を飲んでも不味いもんだ。ましてや今の俺の心境はどん底だ。
なのにこれはうまい。文句なしにうまい。ここまでうまい酒を漬ける事ができるのに何故店を
閉める必要があるのだろうか。ほろ酔いも手伝ってお節介にも聞いてみる。
娘が…選ばれたのです…
????わけがわからん。何に選ばれたって????
主人が奥から無言で一通の手紙を持ってきた。内容はつまりあんたの娘をやまたのおろちの
生贄にするってもんだった。差出人はジパング…つまり国から直接の指名だ。
うっ……うッ…仕方がないんです…仕方がないんですよ…やっとできた娘なんですが…
国の為に命を差し出せるなら本望です…
俺は無言で手紙を破り捨てた。燃やした。そして主人を殴りつけた。ふっとぶ主人。
な…何をなさるのですか!?
何をなさるのですかじゃねー!!!!!俺はもう一発殴った。てめーはアホか!そんな大事な
娘をなぜ簡単に差し出す!?そんな大事なもんだったらタマ張って守ってみろや!
主人が力なくうな垂れた。
無理です…あの怪物には誰も逆らえないんですよ…人の力ではどうしようもありません…
私は所詮酒を作るしか能の無い人間です…
く…俺はこいつみたいに卑屈な人間が一番嫌いだ。もう一発どついてやろうと近づくと
やめて!お父さんをいじめないで!
小さい女の子が止めに入った。娘だろう。必死に父親にしがみついてこっちを睨む。
その必死な顔を見た瞬間俺の心のモヤモヤはキレイに吹き飛んだ。
うおおおおぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉおおお!!!!!!!!!!!!!
もうゴチャゴチャ考えるのは止めよう。俺らしくねえ。俺はやまたのおろちがムカついた。
だからぶっ飛ばす。それでいいじゃないか。誰の為でもない。俺自身の怒りの鉄拳だ。
いいかてめー店閉めやがったらマジでボコボコにするからな!こんなうまい酒を振舞う
店が無くなっていいわけないだろうがアホが!やまたのおろちは俺を怒らしてしまったため
跡形も無く消し飛ばしてやる!祝勝会はここでするからてめーは準備してまってろ!
主人と奥さんと娘は最初キョトンとしていたがやがてバタバタと駆けずり回ると一本のビンを
持ってきた。
これを使って下さい!これは特別な酵素をつかって我が家に伝わる秘伝の方法でつけた神酒です!
オルテガ様もこれを使いやまたのおろちの動きを止めました!もう残りはこれしかありませんが…
どうせ蔵にあっても眠っているだけです。見ず知らずの旅の方に渡すのも変かもしれませんが
あなたに使って欲しいのです!
俺はビンを受け取ると走った。とにかく走った。粉雪舞い散る中無我夢中で走った。
国一つをここまでかき回す化け物だ。きっと恐ろしく強いのだろう。
頭の中にはあいつらの顔がよぎる。もしかしてもう戦ってるのだろうか。
俺がいなくて大丈夫だろうか。あいつらあんま強くねーからな…
まさか今頃もうやられてたりは…クソッ!そうなったら総長一生の失態だ。何故あんなつまらん
意地を張ってたんだろうか。自分で自分がムカついて仕方がない。今はただとにかく早く走るのみ!
そして俺は北にある洞窟へついた。おそらくここだろう。周囲の空気が明らかにおかしい。
中から邪気が溢れ出ているように感じる。勇者は!?パンツは!?ねーちゃんは!?
この静けさからおそらくまだ到着してないに違いない。どうやら間に合ったようだ。
もうすぐ来るろう。暫く待つか。
だが俺の予想は外れた。勇者達が来たのは…二日後だった。……寒い…
なんだかしらんが盛り上がってるなwいい傾向だな。
みんなの中のDQ世界が楽しくて読んでるので、
煽りや荒らしに負けないで頑張って欲しい。
総長〜〜!
あぁ、これでこそ総長だよなw
総長乙
ああかっこいいよ総長
次もwktkで待っている
総長格好えぇ惚れるなぁ
というか勇者達遅っwwwww
おうやっと来たか。おせーぞてめーら。とっととやまたのなんとかってやつ倒して帰るぞ。
俺は寒いんだ。
ぃぎやぁぁぁぉおおおぁぁぁおううううぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!
パンツ。
ぞうぢょーーーーぢゃーーーーんんん!!!!!!
勇者。
二人とも俺の声を聞くなり涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして奇声を上げながら
飛びついてきた…おいコラ!あっ鼻水ついたきたねっつの!離れろ!あーもう!
こいつらほんと涙もろいな。何はともあれ俺たちはようやく合流した。
絶対来てくれるって信じてたんだ!
勇者が満面の笑みで言う。いいから顔ぬぐえ。まだ鼻垂れてんぞ。俺たちは嫌な空気が
プンプンする洞窟の中へ入った。なんて事はない普通の天然洞だ。
へックシュッ!クシャミが止まらない。勇者が総長ちゃんはこんな寒いのにそんな薄着でウロウロ
するから風邪ひくんだよとかぬかしやがる。いや誰のせいで…そういやこいつら二日間も何してた
んだろうか。ねーちゃんに聞いてみる。
やまたのおろちについて色々調べ事してたのよ。強敵だから。でもあまり有益な情報は
得られなかったわ。一つだけあったんだけど…弱点が
おいおい弱点だなんて有益この上ないじゃないか。さすがねーちゃん。
どうやらやまたのおろちの苦手な植物がこの辺に生えているらしいの。それをつかってつけたお酒を
使えばかなり動きを鈍くできるみたい…ただそのお酒探し回ったけど見つからなかったわ。
一軒だけ置いてるお店見つけたんだけど最後の一本旅の人にあげちゃったみたいで…
正攻法で攻めるしか無いわね。
うーむそんな貴重な酒を持ってくとはかなりの酒通の旅人ですな。しかしもしかしたら簡単に
退治できたかもしれぬのに実に残念ですな。
やべ。俺は持っていたビンをそっと捨てた。だって飲んじゃったんだもん…この二日間凍死せずに
すんだのもこの酒のおかげ…神酒だけあって確かに燃えるようなうまさだった…
総長ちゃんぶつぶついっちゃってるけど頭大丈夫!?もしかして風邪が頭まで回った!?
………。仮にそうだとしても普段のおまえらよりは正常な自信はある。絶対に。
そうして俺たちは巨大な門の前に着いた。
総長と勇者はツンデレ具合がかなりいいね。
勇者たんモエス
YABEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!
続きが気になりまくりんぐwwwwwwww総長頑張れ!!!!
総長飲んじゃったのかよwww
そ、総長なんかちっとも面白くないんだからねっ!
毎日このスレ楽しみになんかしてないんだからっ!
そんなにハイペースで書かないでたまには休みなさいよねっ!
ほんとに…バカなんだから。
作者によって異なるが4の人の主人公・レッドマン・ローディの様に総長のステータスも表示して欲しいね。
272 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/29(水) 21:34:59 ID:4Xp2QsgH0
総長のステータスはめっちゃ高そうだ
魔法力も攻撃力も体力もあるし…運は低いかもしれないけど
保守
保守
さらに保守
トリップ忘れてしまったので、変更します
投下は、今しばらくお待ちを。
32日記念保守
278 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/03/32(土) 03:22:37 ID:ijP3C3GU0
とりあえずage
保守
なんとかこっちのペースでレオンとなんとか立ち向かえているがやはり呪文が厄介だ。
かすみ二段が決まってもベホイミ回復しやがるし、そかもバギマは使っていない。
ここは剣を打ち込んで即効で決着をつけるか。しかし……
タケ「確実に仕留めるだと?何をするつもりだ?」
レオン「今まで以上のキツイ攻撃を仕掛けてやるのさ。」
タケ「どーせハッタリだろう?しかも呪文が使えない俺に押されているとは情けないな。」
レオン「ふん。お前をなめたのは事実だが今からは手を抜かん。行くぞ!」
レオンが俺に斬りかかって来た。パワーでは俺が上回っているのは事実だがレオンはトリッキーな攻撃を仕掛けてくる。
ガキイン!!カァン!!
初めて他人と剣を交えるのだが完全には防ぎきれないが何とか対処できる。
タケ「ぐっ…………むん!!」
レオン「へぇ、なかなかやるな。ならこれならどうだ?」
タケ「なにっ!!??その技は……は、速い!!」
レオン「はやぶさ斬り!!」
タケ「ぐわぁ――――――――――――――――――――ッ!!」
んなアホな……もょもと以外にもはやぶさ斬りが使える奴がいるとは…………
流石に一発目は中途半端な形でちょっとだけ軽減することが出来たが、二発目はまともに斬られてしまった。
ムーン「もょもと!!」
タケ「まだ……やれる。心配するな」
実際は立って\いるのがやっとだ。気を緩んだら確実に倒れる。
ムーン「で、でも……」
レオン「た、立ち上がれるとは……いくらなんでもバギで蓄積されたダメージがあるはず……」
タケ「ま、負けず嫌いなんでな」
レオン「…………もょもとに対して俺は敬意を表する。この呪文でケリをつけてやる。」
イレギュラーはあったが俺の思惑通りに事が進んだ。あとは――――――実行あるのみ。
もょ「(タケ!もういい!おれとかわれ!!じゃないとしんでしまうぞ!)」
タケ「(アカン……い、今代わったら俺の苦労が無駄に終わってしまうんや……)」
もょ「(な、なんでそこまでむりするんだ!)」
タケ「(覚悟を決めただけや…………)」
レオン「覚悟はいいか?」
タケ「さっさと来い。耐え切ってやらあ!!」
今俺に出来ることはレオンの呪文を防ぎきる事だ。
レオン「追い込められているにもかかわらず生意気な野郎だ…………くらえ!バギマ!!」
レオンがバギマを唱えると高さ約3メートルくらいの竜巻が俺に向ってきた。
しかも竜巻に吸い込まれそうな感じがしたのだが、俺は大防御の構えを取ったのだがその時に別のことを考えていた。
俺自身何やっているんやろ?
他人のために体を張っても無意味な事やのに…………
なんでやろな…………?
うっかりしていると竜巻が俺にぶつかっていた。気を抜いたら体制が崩れる。
今はナイフで全身をかすった感じの痛みだがもし体制を崩したら確実に死ぬ。
しかし蓄積されたダメージの影響で体制が崩れそうだ。もうだめぽ………………………………
すまん…………もょ…………俺、アカンかった――――――――――
ムーン「バギッ!」
その時ムーンが呪文を唱えてくれた。なぜだ………………?
レオン「なぜ邪魔をする!?」
ムーン「もう見てられないわ。決闘も何も無いわよ!最初からレオンが有利な条件じゃない!ふざけた事しているんじゃないわよ!」
レオン「ちっ、計算外だ。もう一度バギマを唱えないと。」
レオン「し、しまった…………………魔法力が…………まさか………」
タケ「(――――――――――かかったな!アホが!)」
タケ「(今や!もょ!ぶちかましたれ!!!!!!!!)」
俺は必死で叫んだ。
もょ「たああああぁぁぁぁぁッ!! 」
もょもとがレオンに強撃をを仕掛けたのだが…………………………
ガキィン!!!
もょ「な、なんだ?」
レオン「やばかった。盾で攻撃は防いだのはいいが………………」
レオンの持っていた盾がコナゴナに砕けてしまった。もょもとの破壊力は予想がつかねぇ。
もょ「レオン!!おれはおまえをゆさないぞ!」
レオン「な、なぜだ!?致命傷だったはずなのになぜ動ける!?」
もょ「そんなことはどうでもいい!!ぶったおしてやる!!」
どうやらもょもとは怒りで我を失っているみたいだ。レオンに斬りかかろうとした。その時――――――――
ムーン「そこまでよ!」
ムーンがもょもととレオンの間に入ってもょもとを静止させた。………………度胸がある女だ。
もょ「ムーン!!なぜとめるんだ!?」
ムーン「もう決着は付いたでしょ!!同じ人間同士で殺しあうってどうにかしているわ!」
もょ「げんいんはつくったのはレオンだぞ。」
ムーン「それにレオンは蹲ってもう戦えないわよ。」
確かにレオンは蹲っている。どうやら強撃で盾を破壊した際に致命的なダメージを与えたらしい。
もし盾が無かったら――――――――――
タケ「(も、もょ……………)」
もょ「(タ、タケ!!だいじょうぶか!?)」
タケ「(な、何とか生きてるわ。意識が失う前にムーンちゃんに回復を頼んでくれ……………)」
もょ「(それもそうだったな。ムーンにたのんでおこう。)」
奇跡的にも勝つ事が出来た。しかし戦いの最中に別のことを考えた自分自身が理解できなかった。
もょもと&タケ
Lv.13
HP: 6/92
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)
レッドマン乙!
もょもとギガツヨスwwwwwwwwwwww
287 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/02(日) 03:21:49 ID:9hI408ia0
おお、ドラマチックだ
頑張れw
>>レッドマン
もうだめぽがナツカシス
は〜開幕6連戦疲れたよ・・・寒かったし
さぁ言い訳終わり
それでは
>>229の続きです
〜Forbidden Fruits〜
「わ〜綺麗な景色〜!」
真理奈達は海の上にいた。
大きな船の甲板、左の船側に4人と1匹・・・と1人。
「いや〜確かに綺麗な景色だ。けれどこの景色より綺麗なモノがある・・・
それはイシスの姫!マイプリンセスっ!今あなたの王子様が迎えに行きますよ〜」
うわぁ・・・これはちょっと・・・・・・んんっ!失礼。
鉄の鎧に鉄兜、鉄の盾、そして鉄の槍と、全身鉄装備に身を包んでいらっしゃって、
海に向かって叫ばれているこのお方はロマリアの"王子様"
その証拠に、装備しているもの全てにロマリアの紋章が入っている。
そんな柄ではなさそうだが、あの王様ありてこの王子あり、という事らしい。
「こんなヤツで本当に結婚なんか出来んのかよ?」「どうかのぅ・・・」
ジュードとパトリスは呆れて珍しいものを見ていた。
対して真理奈は普段では見られない青い海・青い空に感動していた。
真理奈を真ん中にして左側に王子様、右側にはフィリアがいる。
フィリアは背伸びをして手すりに乗り出し、船首が作り出す波や泡をじっと見ていた。
「フィリアちゃん、海好き?」
フィリアは首を微かに振り、真理奈に応える。
「船、初めて乗った」
「そっか〜気持ちいいよね」
再び頷く。しかし、目線は海面からは離れない。
そんなフィリアに自然と顔がほころぶ。
「砂漠に咲く一輪の花!いやオアシス!まだ見ぬ貴女はきっと可憐な存在であろう!
真夜中の星!いや月!いや・・・流れ星のような―――!!」
「うるせぇなぁ・・・まったく何でこんな事に・・・」
ジュードの問いに答えるには、少し時間を遡らなくてはならない。
アリアハンを出発した真理奈達は、大陸の東にある旅の扉に入った。
旅の扉を潜る時のあの何とも言えない感触。
体が自分の意思ではなく動かされ別の場所に移動していくような、
もしくは体が溶けてしまってどこかへ流れていくような・・・
そんな不思議体験をして、新たな土地に降り立ったのが昨日の事。
〜1日前〜
「それにしても本当に歩いて世界を回るなんて・・・正気なの?」
「仕方なかろう。アリアハンには世界を回るのに耐えられる船が1隻しかないんじゃ。
それもサマンオサに向かった使節が使っておるしのう。
しかし我々はそれでも行かねばならん!世界を魔王の手から救う為にな!」
「何1人で盛り上がってんだよ、じいさん」
「ん?いやいや、ちょっとな・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
旅立つ前のアリアハン城にて――
「ちょいと、レキウスちゃんよ」
「レキウス王だ。王!」
「いいじゃ〜ん、ワシらの仲じゃろ〜」
「うるさい!で、何だ?」
「例のモノ、しっかりと頼むぞ」先ほどまでとは違い、真剣な顔で言うパトリス。
「分かった分かった・・・その代わり、お前もしっかりとな。でなければ・・・」
「分かっておるわい。それじゃあね〜」
「ったく・・・ヤツはいくつになっても―――」ブツブツ・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ムフフ」「何だよ、気持ちわりぃなぁ・・・」
「こっちの話じゃ。気にするでない」
「話、脱線してる」フィリアが珍しく喋る。
「おうおう、そうじゃった。そんな訳でな、とりあえずは歩いて行くしかない」
「ダルい〜外国行くのに歩いて行くなんて・・・飛行機なんて無いんだろうし」
「ヒコウキ?」
「空飛ぶ機械よ。あ、こっちには機械もないんだっけ?面倒な世界だなぁ・・・」
「お前の世界では空を飛ぶのか?」
「そ〜よ。誰でもどこへでもひとっ飛び〜」「それは凄いな・・・」
「勇者ロトは不死鳥ラーミアを蘇らせ大空を飛び回ったと言うが・・・
なんとも便利な世界じゃのう」
「こっちが不便なだけよ」
「話、脱線してる」・・・フィリアさん。もっと喋っていいんだよ?
そんなこんなで真理奈達はロマリアの大地に踏み込んだのです。
王国ロマリア。平原に位置するこの国は、土地に困る事無く栄えていった。
重ねて海・山共に近いので、豊富な食料にも恵まれており、
国民は豊かな暮らしを約束されていた。
町は活気に溢れ、娯楽施設までも存在している。
「へぇ〜アリアハンとは違ってちょっとは楽しめそうなトコロね〜」
「遊びに来たんじゃね〜んだぞ」
「分かってるって!じゃあさっそく王様に会いに行きましょ」
(絶対忘れてたな・・・)
「おぉ、アリアハンのからの使者ですか。何用ですかな?」
ロマリア王ストゥルート。見た目はまだ若く、しっかりとした王様だが、なかなかユニークな人らしい。
何でも仕事を国民に任せて街に遊びに行ってしまうようだ。
しかし、そんなお忍びを繰り返したおかげなのか何故か国民からの人気は高かった。
「何か魔王軍が復活したらしいんで同盟を組みたいんだって〜」
「真理奈、それじゃあ伝わりはせんて・・・
ロマリア王、魔王軍にアッサラーム・バハラタが滅ぼされたのは聞いておろう。
このまま放っておいてはどんどんと犠牲が増えるだけじゃ。
そこでアリアハン王は、世界中の都市と連合を結成することを提案された。
是非ロマリアもその連合に加わって欲しいのだが、いかがかな?」
「なるほど、分かった。喜んで連合に参加させてもらおう」
「即答じゃん・・・」
「ただし、1つ条件がある」
「えぇ〜?良いって言ったじゃん・・・」
「私の息子がもういい年でな。そろそろ嫁をと思っておるのだ。
そこで本人の希望を聞いてみると、イシスの姫が良いと申してな。
何でもイシスでは女王を始め絶世の美女が揃っているらしいではないか。
カッコイイ私の息子にはそのくらいの嫁でなくてはならないと私も賛成したのだ。
そこでだ。そなたたちに息子と一緒にイシスまで行き、嫁を貰って来て欲しい。
無事に息子の婚約を成立させることができれば加盟しよう」
「無理難題じゃん・・・」
「え〜っと、【そんな訳で私は船に乗っていたのです】・・・と」
説明してる間にトコロ変わって灼熱の砂漠を進む王子様一行。
見てるだけで暑苦しい装備のロマリア王子は先頭を切っている。
「この暑さ!君の僕に対する思いが熱気として伝わってきてるんだね!」
よくもまぁそんなに元気でいられるもんだ・・・
そんな王子の後ろをジュードと真理奈は歩く。
「【でも今は砂漠にいるんだよね〜こんなんで世界を救えるのか不安だよ・・・】」
「何1人でブツブツ言ってるんだ?」
「ん〜?いや、メール打ってただけだよん」
「また機械ってヤツか?」
「そ。でもこっちの世界じゃ使い物にならないみたい・・・」
事実、アンテナは今も圏外を示している。ルビスと話す時だけは反応するのだが・・・
(みんな元気にしてるのかなぁ。メールもできないなんて・・・
ったく、電波届くように出来るならやれっての!まじルビス使えね〜)
「この世界とは違う世界、ね。お前の世界に1回行ってみたい気もするよ」
「じゃあ私と一緒に帰る?」
「そうすっかなー」
「そしたらジュードが私の世界を救うんだよ?」
「あ〜それだけは勘弁だな」
「ピーピー!!」
「自分が一緒に帰るって?確かにジュードよりブルーの方が世界を救ってくれるかもね」
「俺はスライム以下かよ・・・」
「ピー!」
ブルーは当然とばかりにジュードに向かって胸を張った。
・・・どうでもいいけど、スライムって暑さで溶けそうだよね。
今日はここまでっす
295 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/03(月) 01:11:12 ID:/HLzBCN40
>・・・どうでもいいけど、スライムって暑さで溶けそうだよね。
笑った
296 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/03(月) 16:00:06 ID:rHarDqxZO
<<暇潰しさん乙です。今更ですが斬新ですね。続きを期待してます。
レッドマン・
>>288 貴様ら!2ちゃん暦5年以上だな!?
暇潰し乙。話のペースが凄い速そう。でも何か和むね。
>>297 かぎのおとが
おやがかぎわたしや
もうだめぽ
>>295-297 ありがとう!
話のペース早いか〜もっとじっくり書いた方がいいのだろうか…
300 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/04(火) 03:42:44 ID:G+AFvISaO
いやいや十分楽しませてもらってます。次回期待してます。
しかしでかい。しかも開いてない。鍵はかかってないようだがこんなもん開けれるか。
おいおいこれじゃ開かなねーぞどうするよ?なんだよ。はいはい。わかりましたよ。
俺とパンツは左右の扉の前に立つとあらん限りの力を振り絞って押した。
く…ピクリともしない。ねーちゃんが俺とパンツにバイキルトをかけた。力が漲る。
ふんッ…ぬうううう…ぬおおおおおぉおぉぉぉ…
血管がはち切れそうになりながら必死になる俺とパンツ。やがて扉は少しづつ開いていく。
ある程度開くとあとは惰性でわりと楽に開いた。
熱い。さっきまでの寒気が吹き飛ぶほど熱い。なんだこの熱気は。
そりゃそーだ。これは溶岩だ。所々地面の隙間から熱気が噴出している。
とにかく俺たちは進むしかない。汗を拭いながらひたすら歩いた。
そうしてたどり着いた先は行き止まりだった。一際大きな空洞で立ち止まった。
つーか熱いだけで何もねえ。
…ん?今微かに地面が揺れたような。いや気のせいだろう。気のせいという事にしておこう。
…やはり揺れている…。
……しかも徐々に振動が大きくなる。みんな終始無言だ。
ねえ…ちょっと…揺れてない…?
勇者がついに口を開く。あーあやっちゃったよ。こいつ明らかにズラの人に向かってカツラですか?
って聞くタイプだな絶対。ここは総長としてみんなを鼓舞しなければ。
先頭を歩いていた俺は振り返る。
いいかおまえら。例えこれから相対する敵がどんな怪物だとしてもだ。例えどんな
山のような化け物だとしてもな…鬼浜爆走愚連隊は最強だという誇りをもってだな…
なんだ?みんな目が点になっている。俺の顔になんかついてるか?そんなジロジロ見んな。
おっさんがガタガタ震えながら後ろを指差す。何だよまったく。
俺は後ろを振り返った。そしてとんでもないものを目撃した。
………ダッシュ……
俺が小さな声で呟くやいなやそれはそれは凄い速さで転進した。おそらくマッハはでていた。
むおおぉぉぉぉおおぉぉぉ!!!!!!!!!
全員さっきの扉をこえると一気に閉めた。今度はみんなで閉める。必死だ。
落ち着け。あまりの突然の出来事に引き返してきてしまった。逃げてどーする…
おーーーーーーっきかったねー
勇者が半笑いで言った。まあ確かに笑うしかない。冷静に記憶を呼び覚ましてみるが
とりあえず頭らしきものが三本見えた。あれに胴体がついて…うーん…
とにかくとんでもないデカブツだ。これは気を引き締めてかからなければ俺たち全員
あの化け物の胃の中に納まる事になる。
ガンッ!!!ガンガンガンッッッ!!!!!!
突然金属音が響き渡る。どうやらあのデカブツが扉を叩いているようだ。
ガンガンガンッ!!!!ガンッ!ガンッ!
…ちょっと様子見るか。
ガンッ!!!ガンガンガンッ!ガン!!!!!!
あーうるせえ!わかったわかった今すぐぶっ飛ばしやるから静かにしてろ!
俺が扉を開けようとするとねーちゃんに止められた。
待って…妙だわ。もう少し待ってみて。
暫くして音は消えた。どうやら帰ったようだ。
やっぱり。やまたのおろちは自分ではこの扉開けられないわ。
え?どういう事だ…?理解するまで三秒程かかった。つまりだ。あのデカブツは
自力でここを開けられない。でもはジパングを襲われている。
わかったでやんす!アイツは透明人間になって瞬間移動できて空を飛べるで
やんすね!?とんでもな化け物でやんすな!
…つまりだ。自力でここを出れないとなると何者かがここをいちいち開けている事になる。
そして国を襲わせていると。一体何の為にだ!?謎だらけだ。
どうやらやまたのおろちを退治すればいいだけの問題じゃなさそうね。
ねーちゃんが難しそうな顔をする。とりあえず俺たちは一旦引き返して出直す事にした。
総長乙!
/⌒\
/⌒ヽ / ⌒ヽ _(^ω^ ) /⌒\
( ^ω^)―--( ^ω^ ) ̄ ⌒ヽ (^ω^ )
⊂二二二 /⌒ ⌒ ̄ヽ、 /~⌒ ⌒二二二⊃
| |ー、 / ̄|297 //`i /
| レッド| | 288 / (ミ ミ) | 298 |
|マン | | | / \ | |
| | ) / /\ \| ヽ
/ ノ | / ヽ ヽ、_/) (\ ) ゝ |
| | | / /| / レ \`ー ' | | /
306 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/04(火) 13:07:54 ID:5YUG3N820
>わかったでやんす!アイツは透明人間になって瞬間移動できて空を飛べるで
やんすね!?とんでもな化け物でやんすな!
パンツ斬新すぎwwwww
総長GJ
試練の森東エリア 12:15
「うぉぉぉ!」
ゲンドウが俺に向かって剣を振り下ろしてくる。
その攻撃は体を反らすことでなんとか避けることができたが、続けて
ゲントウは剣を平行に振り、俺の体を切り裂こうとしてくる。
剣が体に当たるギリギリのところでバックステップを使い、胴体を裂かれるのをまぬがれることが
できた・・・
「どうした?逃げてばかりでは俺を殺すことはできんぞ?」
ニヤニヤと笑いながら俺に言葉をかけてくる。
そうは言っても俺は丸腰なんだ、それだのにこの巨体に向かって殴りかかるなんて
無謀にもほどがあるだろう・・・・
そもそもスピアもウルフも俺と巨体を戦わせるなんて・・・死んでこいといっている
ような物だ!
しかしそうは思ってもこの状況が変わるわけでもない・・・あの二人はそれぞれ
小柄なゲイトと女性のカインと戦っている。
ゲンドウが剣を水平に振り再び襲いかかってくる!
俺はゲンドウからバックステップを使い距離を離し、なんとか逃げる方法を考えることにする。
まず思いついたのが敵に背をむけ逃げ出すという方法だが、それは危険だ。
なぜなら、背を向け真っすぐ走り出すと後ろから巨体が逃がさないと剣を投げてくる
おそれがあるからだ。漫画なんかのパターンだが現実にも起こらないとは限らない。
でも見たところゲンドウは力まかせに戦うタイプのようだ。
小刻みに走れば逃げることは・・・
「避けてみろよ・・・!」
すると突然巨体が俺に向かって剣を振りかぶりながら突進してきた!
それも普通の人間とは思えないほどのスピードで!
魔界 魔王城 12:00
「ゾーマ様だ」
キングヒドラが今にも飛びかかろうとするオロチに向かって言った
その言葉を聞いたオロチはあわててイスに座り直した。
その言葉からわずか10秒ほどで大魔王ゾーマが五人の魔王の元へと現れた
巨大な王座に座り、ゾーマが口を開く
「サウム、現在の状況はどうだ?」
サウムと呼ばれた長髪の男は、ゾーマの方に席を座り直し報告を始めた
サウムが主に報告したのは、バラモスの連れてきた男の状態と現在の軍の状態であった
報告を聞き終えたゾーマは静かに口を開いた
「あの方に今さっき会ってきた」
その言葉にサウムを除く四人の魔王は驚きを隠せないでいた
「それで、あの方はなんと?」
バラモスがゾーマに問う
「あの方は現在の状況に満足しておられる・・・・しかし」
ゾーマは空気を吸い、言葉を続ける
「もしあの方の期待に背くことがあれば、消されるのは我々だということを忘れるでない」
沈黙
会議室には緊張が漂っていた
「それでは、皆持ち場に戻るが良い、続きは明日だ」
ゾーマのその言葉の後、魔王達とゾーマは緊迫した表情のままそれぞれの持ち場へと
ルーラを唱え戻っていった・・・二人を除いて・・・・
「それで、お前はどうするんだ?サウム」
誰もいなくなった会議室で残った二人はサウムとバラモスだった
バラモスはサウムの側へと行き、言葉を発した
「どうにも・・・私の考えに変わりはない」
バラモスにサウムは普段と変わらない口調で言葉を返した。
「しかしどうするつもりだ?一体なにを考えているのか、わしにもよくわからん」
そのバラモスに向かって高くも低くもない声で答える
「ゾーマもあの方も他の魔王達も利用させてもらう。もちろんあの男もな」
「あの男とは?」
「お前が物質界からつれてきた男だ。あれは使えると思わないか?」
「しかし、なにを考えている?」
「いずれ分かるさ・・・近いうちにな。」
久々に投下。
今は反省してる。
311 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/04(火) 21:05:01 ID:G+AFvISaO
なんで? 面白かったよ
312 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/04(火) 22:46:41 ID:KK7t1FwD0
うむ、面白く読んでるよ
頑張って続けてクレ
魔神氏久々の降臨!
元ネタはむしゃくしゃしてやった。今は反省している。だったっけ?
_ ∩
( ゚∀゚)彡 職人さん達 ガンガレ! ガンガレ!
⊂彡
_
⊂ヽ ゚∀゚)ヽ ガーンッ!
`ヽ ヽ' ))
ノ ノ
し' ⌒J
_
( ゚∀゚) ミ ガレッ!!!
γ 二つ つ
{ (
ヽ,_)ヽ,_)
それがVIPヌクモリティ
315 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/06(木) 01:33:12 ID:anzrCVbjO
バラモス萌え
主人公の陰が薄い件について。
保守
>>293の続き
イシス。砂漠のオアシスに存在する国である。
女王を始め、女性が主として国を治めている。故に男の心のオアシスとも言われる。
ロマリア王の言っていた噂が本当なのか、魅力ある女性が多いらしい。
その噂を確かめようとして、たどり着くまでに死ぬ輩もちらほらいるようだ。
「ようこそロマリアの王子、アリアハンの使者よ。はるばる灼熱の国へようこそ。
我々イシスの民はあなたたちを歓迎します」
「はじめましてイシスの女王。私はロマリア王ストゥルートの息子、フィリーと申します。
お目にかかれて光栄です」
(お、王子ってばこんな時は真面目じゃん)
「それでこの度はどのような用件でしょうか」
「はい。実は私、つい先日16になったのです。
そこでイシスの可憐な姫を結婚相手に迎えたいと思い、本日伺ったのです」
「・・・なるほど。しかしそれは困りましたね。
イシスでは古来より王族の結婚相手は身内で、という決まりがあるのです」
「それは・・・存じ上げませんでした・・・」
フィリーが落胆を隠し切れないまま言う。
(あ〜あ、王子かわいそ〜)
「・・・他国の王族の方との婚姻という前例の無い事を私だけでは判断できません。
そこで太陽の王ファラオと聖霊ルビスの意向を知る為の占いを行いたいと思います。
ですから今日はゆっくりとお休み下さい。部屋はこちらで用意致しますので」
(え?)
首をかしげる真理奈。どこかに違和感があるような気がした。
「・・そうですか。ありがとうございます。それでは失礼致します」
(・・・?なんだろ?)
女王との会見後、真理奈達は風呂で体中の砂を落とし、ご馳走をたらふく食べた。
食卓に食後のまったりとした時間が流れる。
最もフィリーはイシスの星空を見るとか何とか言って出て行ってしまったが・・・
「ね〜結婚うまくいくかな〜?」
「さぁなー。前例が無いって言ってたからダメかもな〜」
「え〜じゃあどうすんのよ」
「俺が知るか!」「・・ジュードの役立たず」「なんだと〜?」「ピーピー!」
ブルーが2人の仲介に入るが、2人はまったく聞いていない。
「まぁまぁ、そう喧嘩するでない。それに、たぶん大丈夫じゃ」
「どういう事?」
パトリスが少し声のトーンを落として話す。
「恐らく、これは結果の決まった政略結婚じゃ」
「え?!どうして?」
「アッサラームが滅ぼされた今、イシスは陸の孤島と言わざるをえん。
そんな時期にロマリアからの結納話。成立すれば新たな交流が生まれるからのぅ。
イシスに断る理由はない。それに伝統を大事にするなら最初から門前払いのはずじゃ」
「じゃあ占いってのは?姫の気持ちはどうなるの?」
「政治上の決断に占いを取り入れてるみたいじゃからの。建前上必要なんじゃろ。
姫がどのような方かは知らぬが、おそらく彼女の気持ちは考慮されんじゃろう。
女は政(まつりごと)の道具なんじゃ」
「そんな・・・ひどいよ・・・」
「しかし我々の使命は連合を結成する事じゃ。
政略結婚だとしてもワシらが手出しする事ではない」
「でもっ―――」
「じゃあ結婚させぬようにしてロマリアへ帰るか?
それこそイシスに来た意味が無くなるわい。
真理奈も自分の世界に帰れなくなっては困るじゃろう?」
「それはそうだけど・・・でも・・・そんなのっていいの?」
その問いに答える者はいなかった。答えは皆分かっているはずのに。
次の日、使用人に(1人を除いて)優しく起こしてもらい、再び女王の間へ。
「おはようございます。旅の疲れは取れましたか?」
「はい・・・正直なところ占いが気になってあまり眠れませんでした」
(だから星なんか見に行ってたのかな?)
無理矢理起こされた真里奈はダルそうだ。
「そうですか・・・お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
それでは昨夜行った占いの結果を伝えましょう」
皆の息が詰まる。それを確認するように間を空け、女王は話し出す。
「イシスには古来より女王戴冠の儀式というものがあります。
女王候補がピラミッドから先祖の財宝を1つ受け取って来るというもので、
財宝を無事にイシスまで持って帰って来られれば女王になれるのです。
その試練をもってして今回の婚姻が正しいのか否か定めよ、と仰せ使いました。
ですからあなた達には次の女王候補であるプエラとピラミッドへ向かってもらいます。
プエラ、入ってきなさい」
プエラと呼ばれた姫は、白い衣に身を纏い、背中まである髪を静かに揺らしながら
真理奈達の前に姿を見せた。少し恥ずかしそうにうつむいている。
(うわ〜可愛い〜)
真理奈の10倍はかわ・・・ごほごほっ!ナンデモナイデス。
「プエラです。よろしくお願いします・・・」
フィリーがプエラに釘付けになる。これは一目惚れしたな・・・
「・・・そして今回あなた達に授からんとする財宝は、黄金の爪です」
「黄金の爪?」
「それでは行きなさい。神の召すままに・・・」
王子の疑問には答えない女王。
「はい!」
しかし王子は女王の言葉の全てを受けて、答えた。
真理奈達とプエラは軽く自己紹介をし、さっそくピラミッドへ向け出発した。
「それにしても、儀式に我々も付いていってよいのですかな?」
「儀式とは言っても、今では形だけのものです。
昔は女王候補と、その婚約者だけで行っていたらしいのですが・・・
危険も大きいので護衛を連れてもいいと決められたのです」
「なるほど。それで黄金の爪についてはご存知ですか?」
「黄金の爪はイシスの財宝の中でも、一番の秘宝と言われています。
何でもピラミッドの地下深くに眠っているそうですが・・・
ピラミッドにはモンスターが巣食っております。
皆様お気をつけ下さいませ。私も微力ながら善処致します」
「姫自ら戦っていただかなくても、このフィリーがあなたを守ってみせますよ!
なんとしても黄金の爪を手に入れましょう!」
「はい!頑張りましょうね」
プエラがニッコリと答え、その笑顔にフィリーがますます張り切りだす。
「さぁ行きましょう!黄金にも勝る2人の輝かしい未来の為に!!」
「ふふふ」
いつもよりテンションの高いフィリーはむやみに鉄の槍を振り回し砂漠を進む。
危ないっての・・・
「・・・ねぇ、プエラ?イヤだったら止めてもいいんだよ?」
昨晩の事を引きずったままの真里奈が堪らずに口にする。
「どうしてですか?」
「どうしてって・・・こうなったのはプエラの意思じゃないじゃん」
「そうですね。しかしこれはイシスの姫として生まれた私の運命なのです。
それに・・・フィリー様は楽しい方ですわ」
(えぇ〜どこが・・・?)
それはさすがに口にしなかった。
「お気遣いありがとうございます。
大丈夫ですよ、正しいかどうかは神様が決めてくださいます」
そう言って微笑むプエラに対して、真理奈は何も言えなくなった。
多くの運命を定める王家の墓、ピラミッドはもう目の前に迫っていた。
本日はここまでです
それにしてもプエラは良い娘だなぁ〜こっちを主人公にすれば良かったかな
誰かさんはちっとも女らしくないしな〜
おっと、殺気が・・逃げるお( ^ω^)ブーン
323 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/07(金) 01:45:42 ID:XEZ+pth0O
乙
乙です
暇さん乙です!
,__ | ついでに職人達の為に祈っといてやるか・・・
/ ./\ \____________________
/ ./( ・ ).\ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ .(´ー`) ,\ ∧∧ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||. |っ¢..|| ̄ (,, ,) ナムナム |;;;;::iii|
|| || || ||./,,, |ゝ iii~ ⊂ ヾwwwjjrjww!;;;;::iii|jwjjrjww〃
| ̄ ̄ ̄|~~凸( ̄)凸 .( )〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
327 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/08(土) 20:16:19 ID:eeG1QUtF0
保守
保守
パンツが腹が減ったとごねるので飯にする事にした。ここでいいんじゃないさっきも
寄ったしと勇者が立ち止まる。げっここは…ここは例の酒屋だ。ヤバイバレる。
おいここはやめて別のとこにしようぜなんか辛気臭い店だしってオイ!総長である
俺を差し置いて勝手に店に入るな!あーあ行っちゃったよ。
中に入るなり店長と目が合う。意味深な目で見つめる俺。いいかくれぐれも俺に神酒を
渡した事は喋るなよ…そんな視線。店長はコクッと頷いた。通じたようだ。
やはり真の男同士は目で語れるものだ。店長イカスぜ!あんたも漢だ!
あなたはさっきの!生きてたんですね…!神酒は役に立ちましたか!?
一気に俺に集まる視線。な…なんだよその目は!見るな!こっちを見るな!
まあいいわとりあえず座りましょうとねーちゃんが誘導する。
さて。うんそうだな。まあここは英気を養うためにまず一杯…ピシッ!
ねーちゃんの張り手が持ちかけた俺のグラスを叩き落した。やっべ目が座ってる。
仕方がないので酒は一旦諦めて真面目に会議をする事にする。
議題は二つ
・どうやってあのデカブツを葬るか。
・誰があの扉を開けて町を襲わせているのか。
デカブツは本気だせばどうかなるだろ?大体酒飲ませて動けなくなったとこ襲うなんて
男の闘い方じゃねえ!
…………。まあいわ。それよりも問題はあの扉。まず考えられるのは魔王軍。
でも私はこの線は薄いと思う。
…なんと。大本命をいきなり切り捨てやがった。てかありえねーだろ。わざわざあんな
化け物をけし掛けたり閉じ込めたり繰り返す様な奇特なバカは魔王以外いねー。
しかしねーちゃんが続ける。
魔王軍なら一気に滅ぼしてしまうと思わない?なぜ中途半端に襲わせるのかしら。
見たところこの町に目立った被害わないわ。生贄が要求されるくらい。
そんな回りくどい事をするメリットなんて無いわ。見せしめに一気に潰した方がいいもの。
……なるほどな。そう言われりゃそーだ。じゃあ一体誰が…
あの洞窟は普段人は近寄るのかとねーちゃんが店長に尋ねる。店長曰く国の御触れでなるべく
近寄らないようにとの事だそうだ。近づいたら牢ぶっこむぞって程でもないが、
あまりいい思い出の場所でもないので滅多に自発的に行こうという人はいないらしい。
益々行き詰る。いや行き詰るというよりはなんだろうこれは。強烈な違和感を感じる。
……………。まさかな。そんなはずはない。ねーちゃんと目が合う。どうやら同じ事を
考えていたようだ。
ヒミコの所へ行こう。
まさか国が犯人だとは思えない。ただこんな大掛かりな事をできるのは魔王軍かこの国の
機関かのどちらかだ。少なからず何かは知っているはずだ。
勇者とおっさんは難しい顔をしているが仕方ないと頷いた。パンツは寝ている。
俺達は店長一家に礼を言うと足早に城を目指した。
衛兵の制止を振り切り俺達は中に入った。そしてヒミコの前に立つ。
勇んで来たはいいものを何をどう説明しようか。やべこのままじゃまた只の侵入者だ。
と、ねーちゃんが簡潔に事情を説明した。ひみこはため息をつくとそこにいる全員席を
外せと命令した。
実は…確かにおかしいのじゃ。突然解けた封印。姿を見せるが実際大して暴れたりはせん。
しかし封書で生贄を出せと要求する。無論あの化け物がそんな事できるわけは無い。
その存在だけで国の民は脅えおる。
コイツは本当に何も知らなさそうだ。……………。よし。明日もう一度あの洞窟へ行こう。
面倒くせえ。ごちゃごちゃ考えるのはアイツをぶっ飛ばしてからだ!
すまんな勇者殿達よ。
勇者はいいんです頑張ってきますと笑顔で答えた。決戦は明日だ。
次の日。さすがに今日は誰一人寝坊する事はなかった。パンツですらキチンと起きたのだ。
奇跡。やれば出来るじゃねーかと話かける。ちょうちょが…ちょうちょが…
寝ぼけてるのか何言ってるのかさっぱりわからない。いや違うこれは寝ぼけてるのではなく
寝ているのだ。体は起きているが頭は寝ている。さすがパンツ侮り難し。
俺達は真っ直ぐ洞窟を目指した。中に入る。一度来ているので今回は進むペースが早い。
迷うことなく扉の前に到着した。一気に開ける。
最深部に奴はいた。咆哮が腹に響く。無意識に後ずさってしまう。チクショウ前に出やがれ
俺の足!みんな完全に気持ちが呑まれてしまっている。ここは先陣きって俺が行くしかない!
俺はダッシュで一直線にデカブツを目指した。ねーちゃんがすかさず補助呪文を唱える。
いくぜええええぇぇぇぇえええ!!!!!!!!
ガキィィィィィィィイイイインンンッッ!!!!
金属音が洞窟内に響き渡る。コイツなんて硬い皮膚してやがんだクソが!…え?
信じられない光景だった。俺の愛用ドラゴンキラーが真っ二つに折れた。
おいおい!ドラゴンキラーとは名ばかりか!いやいや有り得ないから!そしてデカブツと目が
合う。ゆっくり口を開ける。ははは…次の瞬間凄まじい炎が放たれた。一瞬にして目の前が
真っ赤だ。ねーちゃんが反射的にかけてくれたフバーハのおかげで何とか持ちこたえる。
が、痛い。超熱い。
隣では勇者とパンツが必死に切りかかっていた。炎をギリギリでかわしつつ刃を立てる。
しかし聞こえるのは乾いた金属音だけであまりダメージはないようだ。
…仕方がない。俺だってバカじゃない。こんな超規格外の相手に丸腰で挑んだりはしない。
昨日一晩考えて奥の手を用意しておいた。毒を以って毒を制す。目には目をデカブツには
デカブツを…!
ド ラ ゴ ラ ム !!!!
何ィィィィィッ!!!
総長ドラゴラムか!
ごめん
sage間違った…
原へった
DQ3仕様のドラゴラムってはぐれメタルも一撃だしヤバくね?
わかりやすい住人だな。
リュウジさんが竜になった!!!
341 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/10(月) 01:42:43 ID:1FTb1UNOO
すごいな総長!
あぁロトの紋章のドラゴラム×2の怪獣大決戦を思ってしまう
ここらでハヤトが助けに来る展開キボン。
ジュワ!
タケ………………………………タケ…………………
懐かしい声だ。―――――――― 誰だ?しかし思い出せない。次第に声が大きく変わっていった。
もょ「タケ!!」
タケ「あ、ああ………………もょか。どうしたん?」
声の主はもょもとだった。しかし最初は確かに別人の声だったのだ。
もょ「ぶじでよかった!!しんぱいしたんだぞ!」
タケ「す、すまん。今はどこにいるんだ?」
もょ「ムーンペタだぞ。あんしんしてやすんでてもいいぞ。」
タケ「悪いな。迷惑かけてしもうたわい。それよりムーンちゃんとレオンは?」
もょ「ムーンはとなりのへやでねているぞ。なんでもタケをちりょうしてつかれたらしい。レオンはそとにいるぞ。」
タケ「わかった。ムーンちゃんには感謝しなきゃな。あの娘には頭があがらへんわ。ムーンちゃんは慣れてないから結構疲れていたんじゃないのか?」
もょ「ムーンはとちゅうでおれがおんぶしてもどったんだ。ムーンはちょっとおもかったぞ。」
タケ「ア、アホ!!そんな事言ったらアカンやろが。いくらなんでも失礼やんか!」
もょ「なにおこっているんだよ。へんなやつだなぁ。」
タケ「もょに言われとうないわ。このドアホ!」
ムーンに聞かれなくて良かった。しかしもょもとの頭の悪さはどうにかして欲しいものだ。
レオン「よう。ちょっといいか?」
レオンが部屋に入ってきた。何か申し訳なさそうな表情をしている。
レオン「もょもと。すまなかった…………………」
もょ「きにするなよ。それよりもひだりうではだいじょうぶか?」
レオン「えっ!?と、とりあえずは大丈夫だ。」
もょ「それならよかった。」
タケ「(おい!もょ!何言ってるねん。俺は殴りたらへん位むかついているんやで。)」
もょ「(タケのきもちもわかるがここはおれにまかせてくれないか。)」
俺なら完全にブチ切れているんだがここはもょもとに任せるか。
レオン「し、しかし納得できない点がある。」
もょ「どうしたんだ?」
レオン「普通なら俺みたいな立場の人間がここにいれるはずがないんだ。何故俺を受け入れるんだ?」
もょ「そうだなぁ…………だれにもしんでほしくないからかな。」
レオン「どういう事だ?」
もょ「ムーンはおやじさんをなくしたんだ。たましいだけおしろにいるってかんじだな。」
レオン「残留私怨か…………」
もょ「そのときムーンがすごくないたんだ。ああゆうのはにどとみたくはないな。」
レオン「そうか………もょもと、お前は純粋な奴だな。」
もょ「いきなりどうしんだ?」
レオン「あの御方以来だな。何か暖かいものを感じだのは。ありがとうよ、もょもと。」
もょ「なにいっているんだ?かんしゃされることはしていないぞ。」
レオン「気にするな。俺にとって懐かしい物を思い出したからな。」
何言っているんだこいつは?しかしもょもとの純粋な心意気は俺も理解は出来る。
もょ「レオン、おれたちといっしょにくるか?」
レオン「えっ!?あ、ああ。しかしなんだか一緒に行動しにくい感じだな。」
もょ「レオンがいたらこころづよいぞ。いっしょにいこう。」
レオン「ただし、俺の仲間達を一緒に探して貰うけど構わないか?」
もょ「かまわないぞ!」
レオン「そうか。決まりだな。改めてよろしく。もょもと。」
>レオンが仲間に加わった。
もょ「レオン、すまないがおれもよすませてもらうよ。」
レオン「おっと、悪かったな。俺も自分の部屋に戻るとするよ。」
タケ「もょ。おまえは立派な奴やで。」
もょ「いきなりどうしたんだ?」
タケ「俺なら同じような真似はできへんよ。」
もょ「そうか?しかしなぜそういえるんだ?」
タケ「いや、寛大な心の持ち主やなって思ってさ。」
もょ「かんだいってなんだ?」
タケ「『度量が大きく、思いやりがあり、むやみに人を責めない。』って事やで。まぁ、そんなもょだから俺も力になりたいって思ったんやで。」
もょ「やっぱタケはかしこいな!おれがしらないことをなんでもしってそうだ。」
タケ「そんな事無いで。」
もょ「そんなことないな。」
タケ「突っ込みは相変わらずきついやっちゃの〜。」
もょ「まぁいいじゃないか。」
思い出せたわ………俺が他人のために体を張る理由が………
信頼。これほど嬉しいものはない。もょもとは俺を絶対的な信頼をしてくれている。
もょもとの思いやりに答えなくては………俺も気持ちを切り返して頑張るとするか。この世界で。
一週間後。
俺達はムーンペタを離れることになった。サマルは槍術に慣れたみたいだし、リアも新しい呪文を習得したらしい。
戦力的には少しはマシになっただろう。
パーティ編成はもょもと(俺)・レオン・サマル・リア・ムーンの5人(実質6人)でなった。
もょ「そろそろしゅっぱつするか。みんな。」
リア「次の目的地はどこかなぁ?」
ムーン「ルプガナって町よ。途中で砂漠を越えないといけないから水と食料は沢山持っていかないとね。」
サマル「さ、砂漠を越えるのかい?大丈夫かな?」
レオン「悲観的に考えてもしょうがないさ。とにかくルプガナで情報収集しなきゃな。」
トーマス「王女様………大丈夫でしょうか?」
カタリナ「私も心配です。ぜひ同行させて下さい!」
ムーン「ダメよ。貴方達まで巻き込む訳にはいかないわ。それにもょもとやレオンみたいに頼もしい用心棒もいる訳だし。」
トーマス「し、しかし………」
ムーン「これはムーンブルグの王女としての命令よ。兵士長トーマス!カタリナ!ムーンペタの警護を命ずる!!」
トーマス・カタリナ「はっ!!了解しました!」
へぇ、なかなかいい感じじゃないか。俺も思わず感心してしまったよ。
トーマス「もょもと王子。私からこれを………………」
もょ「ん?この防具はどうしたんだ?」
トーマス「私が使用していた防具ですが、是非もょもと王子に使っていただきたいのです。」
もょ「そういうわけにはいかないぞ。トーマスさんのだいじなぼうぐだろう?」
するとトーマスは小さな声でもょもとに話した。
トーマス「王子のもう一人の人格、タケ殿に私や王女様達を救っていただいたお礼です。」
もょ「な、なぜタケのことをしっているんだ?」
トーマス「カタリナから聞きました。王子は二重人格であると。」
もょ「け、けど………」
タケ「気にすんな。もょ。」
もょ「タ、タケ!?」
タケ「脅かしてすまん。カタリナさんはトーマスさんに話たんやで。俺の存在を。」
もょ「えっ!?い、いいのか?タケ?」
タケ「俺は別にかまへんよ。それにトーマスさんは俺等の事を毛嫌いしている事はないしな。」
トーマス「タケ殿。私からもお礼をさせて頂きたいのです。」
タケ「そんなん結構ですよ。私はもょ…いや、もょもと王子の力になりたかっただけです。」
トーマス「私ごときに敬語など滅相もない!!命の恩人にそそうな真似はしたくありません!今後にも役に立つはずですから使ってやってください!」
タケ「わ、わかった。もょ、トーマスさんの心意気を飲んでやってくれ。俺からも頼むわ。」
もょ「タケがそこまでいうのならしかたがないな。わかった。よろこんでつかわせてもらうよ。」
トーマス「ありがとうございます。もょもと王子、タケ殿。王女様をよろしくお願いします。」
トーマスから鋼の鎧、鉄の盾、鉄兜を受け取った。早速もょもと身に着けるとちょっとは重たいが気分的には強くなった気がした。
リア「もょもとさんかっこいい〜」
レオン「今のもょもとなら勝てる気がしないな。貧相な防具で俺と戦ったもんだ。」
もょ「そ、そうか?」
サマル「これからも頼りにしているよ。もょ。一緒に頑張ろう!」
ムーン「さあ!皆いくわよ!」
俺達はルプガナに向う事にした。
訂正です
×レオン「悲観的に考えてもしょうがないさ。とにかくルプガナで情報収集しなきゃな。」
○レオン「悲観的に考えてもしょうがないさ。とにかくルプガナに行って情報収集をしなきゃな。」
レッドマン氏乙!
ルプガナへ行ったら新天地の道が開けるのかな?
これからの活躍を応援しているぞ
レッドマン乙!
もょもとの「ムーンはとちゅうでおれがおんぶしてもどったんだ。ムーンはちょっとおもかったぞ。」
素直な意見にちょっとモエス
メインヒロインどっちなのか気になるな。
どうしてもフォックスのカメレオンを思い出してしまうofz
保守
生存証明保守
>>195 から続き
ついでにトリップ思い出したので戻します
●メイの両親
「ごめん」
宮殿を出てすぐに謝る俺
町の明るさが全く変わらないためどれくらいの時間なのかがわからない
太陽の動きがわかっても早朝、朝、昼、夕方、夜くらいしか判断出来ないが
「儀式で眠る人なんてまずいないから、驚いただけ 泣いてなんかないわ」
目が赤くなってるじゃないか
心なしか鼻声だし
ルビスもタイミングを考えてくれよ…
「ところで、魔力を引き出してもらった感想は?」
「感想? …あまり実感が無いな、俺は魔法を使えないし」
「え、そうなの? 神父さまにそう言われたの?」
「ルビス─ じゃあない! …そうだろうなぁって思っただけ」
危ない、思わずルビスの事を話してしまうところだ
「ルビス様がどうかした?」
「なんでもないんだ たぶん、夢でもみたんだよ ははっ」
「ふーん… 後で簡単な魔法を教えてあげるわね」
困ったな
使えないってわかってて教えてもらうのは、悪い
しかしどう説明したらいいんだろうか
「いや、今は剣を─」
「遠慮しなくてもいいのよ 私は賢者なんだから教える事くらい簡単」
仕方ない
教わっても使えない所をみてもらえば、諦めてくれるか
……なんか悲しいけど
「わかった 楽しみにしておくよ
それで今どこへ向かってるんだ? 宿屋か?」
「当然、私の家よ
お金払って宿屋に泊まるなんて、家があるのにもったいないわ」
「そっか じゃあお世話になろうかな」
助かった
これで宿代が浮く
1ゴールドだろうと無駄遣いは出来ないから節約だ
宮殿の正面の大通りを途中で曲がり、民家らしき建物がある通りを歩いていく
"民家らしき"というのは、どの建物も人の住む家に見えないからだ
「ここよ 結構立派でしょ? どう?」
メイが腕を右へあげる
二階建ての四角い石造り
雨が振らないから雨樋を要しておらず余計なでこぼこが無い本当に四角い家
そして空間制御のおかげかとてつもなく広い 軽く百坪はあるだろう
例に洩れず外壁は白だ
家の大きさと合わない扉を開け家へ入る
メイの両親は俺を歓迎してくれた
娘が男と旅をしてるなんて正直、なにか言われるんじゃないかと思っていたが…
父親はカシムといいドワーフ
母親はネリスといい人間
二人はとても温和で、やさしい
俺とトルネコの話をじっと聞いてくれ、それからメイを呪いの解けた勇者様へ送り届けてほしいとお願いされた
メイとの旅は封印の洞窟までと決めていたのだが、その場の雰囲気に押されて"はい"と返事をしまう
この世界で何度、妥協と安請け合いをしてきただろう
俺のこの行動が後々トラブルを起こさなければ良いけど
しばらく談笑し、やがて食事が運ばれてきた
ネリスの作る料理はとても美味しく、メイが作ったという何かのスープも同じく美味い
旅ではゆっくり食事を作る時間も設備も無いから、俺はしっかり堪能した
食事後、疲れていた俺は失礼かと思ったが眠気を我慢できず先に寝かせてもらう事にし、湯を借りた
その後客間へ案内されたのだが、光苔は植えられておらず真っ暗
客間と寝室は、俺はすぐ寝たいので断ったが移動できる台に光苔を植えたモノを使うそうだ
俺が客間へ入った後も家族の会話は聞こえたけど何を話していたのかはわからない
メイと両親は明日から長い時間会えなくなるんだ、いろんな話があるんだろう
気にせず柔らかく厚い布団に潜り込む
明日からまた固い地面と薄い毛布と渇いた食事─
その事を忘れるように目を瞑り、俺は一瞬にして夢の住人となった
●オリハルコンと魔力の力
「お世話になりました」
「メイの亊、よろしくお願いします」
朝になり、俺はカシムとネリスに礼を告げていた
ネリスが俺に言葉を掛け、カシムは黙ってうなずいている
「今度は勇者様もお招きするわ いってきます!」
メイが元気良く両親に挨拶をし、俺と共に家を出る
俺は食事をして眠っただけだが家族は遅くまで話し込んでいたようだ
娘を苛酷な旅へと送り出す親の気持ち、俺には今後も理解できそうにない
「スープ、美味しかったよ」
「ありがとう 私が唯一、自慢できる料理なのよ」
「唯一? 他は?」
「他は… 勉強中です!」
ちょっと怒った表情で、メイは大声で答えた
旅をしている間は否応なしに軽い食事になってしまう
だけど俺は朝からそんなに腹へ入れられない
だから朝食は昨晩メイの作ったスープを出してもらった
調理されている食事はこれで当分お預け、メルビンに出会えれば別だけど方向が違うから会えないだろう
メイの家から歩き、宮殿正面の大通りへ出る
真っ白な建物には真っ白な店の看板
いくら白が好きだといっても、これじゃ迷うよなぁ
「旅に必要なものを用意しましょう」
「うん、店に寄って準備だ」
話し合い、まずは食料品店へ入り食べ物を買った
栄養価が高く保存も利く、いつもと変わらない乾物だ
それから魔法の鎧の代わりを探すため、武具の店へ
「いらっしゃいませ!」
小さな店主が出迎える
この店は武器と防具両方を扱っているため広い
「鎧を見せてほしいのですが」
「鎧ですね? それなら─」
店主がカウンター奥のカーテンをシャッと引く
その向こうには鎧が二つと木の人形に着せられた衣が一着
「左から"水の羽衣"、"ドラゴンメイル"、"魔法の鎧"となっております」
俺が扱えそうなのは魔法の鎧とドラゴンメイルの二つ
水の羽衣はヒラヒラしすぎていて、剣を持って前に出るには不向きだ
メイはどうする?
「あ、私は大丈夫よ 良いローブを着ているから」
メイが身に着けているのは、薄いベージュで所々がキラキラ光るローブ
そういえば昨日までのローブと違う
「昨夜、母にもらったの プリンセスローブっていって"炎"、"風"、"氷"の魔法ダメージを軽減できるのよ」
「へぇ たいしたローブなんだな」
耐性というやつか
これから長い旅になるんだし、そういう事も考えていかなきゃいけない
「耐性なら魔法の鎧が良いと思いますよ!」
店主がそういいながら魔法の鎧をカウンターへ乗せる
トルネコもちゃんと耐性を考えて俺に装備させていたんだな…
「ドラゴンメイルは耐性無いんですか?」
「炎に対してだけ、高い耐性があります」
"炎だけ"なのか、うーん…
赤い色がかっこいいんだけど、守る範囲は広いほうがいいもんな
「じゃあ、魔法の鎧を」
「ありがとうございます! お代は9000ゴールドです
今装備している鎧は… おやそれも魔法の鎧ですか!
穴が空いているようなので1000ゴールドで引き取りましょう
8000ゴールドのお支払いをお願いいたします」
思ったより高い 金が…
しかし穴があいたままでは気持ち悪いし仕方がないか、この鎧を引き取ってくれるんだ…
俺は残った金17000ゴールドから8000ゴールドを支払う
その場で、穴の空いた魔法の鎧を外し店主へ渡した後、新しい魔法の鎧を装備した
「とてもお似合いですよ! ありがとうございました!」
同じ鎧でも新しいモノは気分がいいな
「鎧だけでいいの?」
メイが俺に問いかける
「そうだなぁ… 兜は重いし、これでいいよ」
「あ! 盾はいかがですか? どんな攻撃でも弾き返せますよ!」
店主が勢いよく提案し、別のカーテンを引く
見ると盾がズラリと立てかけられていた
「すみません 俺は盾を扱えないんです…」
「そ、そうですか 最近、盾が売れないんですよねぇ」
そういえばピピンもテリーも、そしてトルネコも盾は使ってなかった
魔物くらいだろうか、使っているのは
とりあえず俺には必要無いな
「じゃあ、これで…」
今度は武器を薦められてしまいそうな雰囲気だったから、急いで武具店を出る
武具屋の扉から"またどうぞ!"と店主の声が聞こえた
「さて もう準備はいいかな」
「ええ、町を出る?」
「そうしよう」
遠くに見える町の入口へちょっとの時間でたどり着き、階段を昇る
昇りきると、まぶしい陽射しが出迎えてくれた
やっぱり本物の陽は違う
なんというか、暖かさがあるもんな
「よし どっちの方向へ向かえばいいんだ?」
地図を出しながらメイに聞く
「ここからだと… 南ね、この偽物の町をこのまま通り過ぎれば分れ道があるわ
その先は私も行ったことが無いから地図を頼りに、迷わないように」
「フィッシュベルへ向かう途中、何回か迷ったからな…
今度はしっかり確認しながら行くよ」
地図をしまい、偽廃墟を通り過ぎる
しばらく進んだところで振り返って見ると、なるほど
普通の人間でもこの距離から眺めれば本物の廃墟だ
しかしこれじゃあ何も知らない旅人はきっと廃墟だと勘違いして素通りするか近付かないだろう
「ホイミ、教えてあげる」
イシスの偽廃墟を眺めていると突然、メイが言った
「あ いや、いいんだ魔法は任せるから」
「任せるって、魔力を持ったのに魔法を使わないつもりなの?」
「うーん、今はオリハルコンと魔力の二つの力を見てみたい
魔法はまた今度、教えてよ」
「そう? タカハシがそう言うなら良いけど」
ルビスの事を言えないのは面倒だ
"誰にも言うな"とは言われてないんだから構わないんだけど、説明するのがなぁ
俺が違う世界から来たなんて、とてもじゃないけど言えない
今はなんとかなってるから、別にいいか 俺はこの世界からいなくなるんだしな
ちょっと不満そうなメイと並び、チゾットへ向け再び歩きだす
俺は魔力とオリハルコンの関係が知りたくて魔物と戦いたくて仕方がなかった
そっと、剣に手を添える
…そういえば魔力の使いかたを知らない
魔法と同じような感じなのだろうからメイに聞いておこう
「魔法を使うには、使おうとする魔法を思い描く事から始めるの」
「魔法を思い描く?」
「例えば、簡単に言うとメラなら炎を相手にぶつける様ね」
「なるほど そうすればメラが出るのか」
「そう そうすることで術者の魔力と反応し魔法が使える」
「メイはメラミっていうでっかい炎をよく使っているけど、そういう魔法はどこで教えてもらえるんだ?」
「魔法のほとんどは書物や人から教えてもらったり… 中には魔法自体を封じ込めてある特別な道具からとか」
「特別な道具か きっと賢者の石みたいなものなんだろうな」
「たぶん似たような物ね でも魔法の効果を知ったとしても使えるようになるには訓練が必要なのよ」
「ははぁ 訓練が必要だなんて、剣術と同じなんだなぁ」
「強力な魔法を扱うにはそれ相応の魔力も必要になるの 魔法使いはただ叫んでるだけじゃないのよ」
魔法を使うにも訓練が必要か
じゃあ、オリハルコンの剣が魔力で強くなるって言うのも訓練が必要なのかもしれない
その後、魔力の話を中心にしながら歩き、夜を迎えた
メイは毛布にくるまって休んでいる
夜は交替で見張りをするため、交互に休む
俺は焚火を前に座り、干し肉をかじりながらボウボウと踊る炎を眺めていた
テリーは今ごろどうしてるかな
メルビンとうまくやっているだろうか
剣の事になると他の事が考えられなくなるから、心配だ
もしかすると武器商人を目指していたりしてな はは…
俺は眠い目をこすりながら、そんな事を考え交替の時間まで過ごした
「おはよう…」
今日も朝からよい天気
結局、魔物が現われることはなく夜は明けた
水筒の水で顔を洗い、草の茎で歯を軽くこする
歯ブラシが欲しいけどこの世界には存在しない
「チゾットまでどれくらいかかるかな」
「わからないわね 私も行くのは初めてだから」
「ゆっくり進んで行こう いつかたどり着くだろうし」
「…朝から大雑把ね」
「ゆっくり眠れなくて… 正直、ベッドの上で寝たいよ」
「私が我慢してるんだから、男のあなたはもっと我慢しなきゃ」
よくわからないメイの言葉に思わず言う
「いや、そのりくつはおかしい」
「なにか言った?」
「……いえ」
女を敵にしちゃぁイカン、ここは大人しくしとこう…
イシス周辺の景色とは違う開けた大地
所々に密集した木々があり地面を短い草が覆いつくす、メルキド周辺に良く似ている
寝起きの頭がハッキリしてから歩きだし、三十分ほどでハイオークが行く手を阻んできた
「ここは俺にまかせてくれ 魔力と剣の威力を試したい」
荷物を降ろし、オリハルコンの剣に手をかけながら俺が言う
「危なくなったらすぐに回復しに戻ってきて」
「わかった」
メイには後ろで待機してもらう
「ウゴゥゥ」
俺は剣を構え、ハイオークの前に立つ
剣に対して魔力を送り込むイメージを作り、柄をギュッと握り斬りかかった
剣尖が弧を描き、動きの鈍いハイオークへ刃が当たるギリギリ─
勝負は一瞬で付いてしまった
ゴウと刀身が金色の光を纏い、上半身と下半身がまるで達磨落としのように跳ね、土の上へ不様に落ちるハイオーク
剣は魔物の体には触っていない
だが明らかにいつもと違う感触 それだけだった
「う…! これが オリハルコンの、力…!」
魔物を倒したというのに、剣から放たれる光は一向に収まろうとしない
俺の身体から力を、魔力を吸い取りつづけているような感覚
このよくわからない現象を抑えようと必死に違うことを考えたりしたが─
やがて俺はその場へ膝からガクリと崩れ落ち、立てなくなってしまった
立てなくなっても柄から手を離すことが出来ない
刃にまとわりつく金色の光は一層、大きく強く激しくなる
「魔力を抑えて! お腹の、下腹部へ魔力を戻す様を!」
メイの声に従い、剣から下腹部へ魔力を呼び戻すイメージを必死につくる
すると、カシャリとオリハルコンの剣が手から滑り落ち、力を吸い取られる感覚も無くなった
「な、なんだったんだ今のは…」
「…たぶんあなた自身が魔力の扱いに慣れていないから、このままだったら魔力どころか体力全てを吸い取られていたわね」
吸い取られる?
もしメイの助言がなかったら危なかったって事なのか
"ふぅ"と一息ついて、立ちあがる
「助かったよ、ありがとう
それにしても魔力を扱うってのは難しいんだな」
「剣に与えたり自分へ戻したりするのはすぐに出来ていたから、すぐに慣れると思う
後は上手に、自分の思う通りに強弱を付けられれば更に良いわね」
「強弱か それは魔力で出来たあの光の強さを変化させるって事かな?」
「そうよ メラでも、魔力を抑えれば弱くなり効果を抑えられる
そして魔力を強めれば効果が上がり強くなる オリハルコンの剣も同じだと思うの」
そういう事か 魔力ってのも奥が深い
うまく扱うにはやっぱり訓練が必要って事だ
「今後は意識して魔力をコントロールしなきゃならないな
戦いかたが全く変わってしまいそうだ」
「こんとろーる?」
「えっと… 操作って意味だよ 魔力を操作しなきゃならないって」
「変な言葉ね どこの言葉?」
「どこの言葉って言われても… 何か変な本でも読んだのを覚えていただけかも」
「ふぅん」
存在しない言葉があるっていうのは、難しい
思わず普段遣いの口調になってしまう、元の世界の
「魔力を増減させるのはそんなに難しい事ではないわ
経験を積んでいけば自然に体得できるから、あまり考えすぎないで」
「それを聞いて安心した しばらくは俺一人で戦うよ」
「私が楽でいい案ね 出来ればずっと一人で戦ってもいいのよ?」
「いや、それはちょっと…」
実際、魔力をうまくコントロールできるようになれば一人で戦っていけるような気もする
敵に触れることも力一杯叩きつける必要もなく、切り裂いてしまう力
だけどテリーみたいに戦闘マニアじゃないから遠慮しておく
「あ、ちょっと待って」
「ん?」
「魔力は大丈夫? まだ残ってる?」
"残ってる"というのはどういう…
「魔力は限りがあるから、時々休んで回復させなきゃならないの
経験を積んでいけばその上限は際限なく上がっていくのよ」
「その"残った魔力"はどうやったらわかる?」
「さっき言った下腹部へ魔力を集中させて
そうして目を閉じると青い光が見えるから、その光の眩しさでわかるはずよ」
下腹部っていうのは丹田の事か
気功みたいだな 本で読んだことがある
「どんな光か、教えてね」
目を閉じ、体全ての末端から力を丹田へ集めるイメージを頭の中で描き、魔力を集中させた
少しして、まぶたの奥に大きな青い光が浮かびあがってくる
その輝きは、少し淋しそう
「大きな光が… でも輝きは弱い」
「魔力が残り少ないと弱い光になるの
大きな光という事は、魔力自体は強いのね
でも剣にかなり吸い取られたみたいだから… 少し休んでいきましょう
魔力の回復は身体を休めるだけでも自然に回復するんだけど、座って今みたいに目を閉じ
静かに、魔力を下腹部で造り出すようにすれば早く回復できる
熟練してくるとあっというまに回復できるようになるから」
「わかった」
「今の魔力を知るのも、経験していけば目を閉じて集中しなくても出来るようになる」
「なんだかめんどうな事が増えたなぁ」
「ふふ 頑張ってね
魔力を集中する練習をたくさんしておくと良いわ」
妄想なら得意分野だし─
「…妄想じゃないから」
!!
まずは思ったことを呟かなくなる練習が必要みたいだな……
●守れない
イシスを旅立ってかなりの日数が経った
グランバニアからフィッシュベルの距離よりも長く、遠い道程
目の前には高い山がそびえ立ち、俺とメイの旅を更に苛酷なモノにしようとしている
「はぁ この山を登っていくのか、嫌になるな…」
「さすがにこれは厳しいわね…」
あまりに嶮しい山道に思わず溜息と愚痴が出てしまう
しかし文句を言っても仕方がない
毎度の事だが進むしかないんだ
急な上り坂のような、道らしき岩を登っていく
だが角度がありすぎる 二人の移動速度は平地の時よりかなり遅い歩みとなった
「こんなに苦労をして… 洞窟に何もなかったら笑うしかないな」
「ごめんね 私もこんなに厳しい旅になるなんて思ってなかったから…」
「いや、それは構わないんだ どっちみち俺は、自ら進んで可能性を探るしかなかったから」
「…そう言ってもらえると私も気が楽になる 勇者様の呪いを解くシャナク、あるといいんだけど」
「シャナクが無くたって構わない 剣術の修行が出来るだけでもありがたい
だけど願わくば、呪いも解きたいよ」
この地へたどり着くまでに、オリハルコンと魔力をほぼ思った通りにコントロール出来るようになった
その力は正に素晴らしく、戦いを格段に楽にしてくれた
それはよかったのだけど、困ったこともある
食糧が常に不足しているのだ
旅商人と出会えたのは一回だけ、しかも食糧屋では無かったため十分に補給する事が出来なかった
だから時々森へ入り、自然に育つ木の実や果実を採取していたがほとんど魔物に荒らされ数は採れない
水だけは休憩所のおかげで困ることが無かった
旅人がメンテナンスしてくれるおかげだ
「それにしても、ここ最近魔物に遭遇しなくなったよなぁ」
「そういえばそうね お腹が空きすぎて気付かなかったわ」
この数日、実は魔物と戦ったのはたったの一回
まさか俺たちに恐れをなして姿を見せないわけではないだろうから、不気味だ
「はぁ… ちょっと、休憩しよう いくらなんでも急過ぎるよ」
小一時間ほどあるいただけで息が切れてしまう
この世界に来て一時間歩くなど造作も無いことだったのだが、この山道は別
富士登山した時も同じようにすぐ息切れして休憩した事を思い出す
その日、実際に歩いた時間は五、六時間だが進めた距離はほんの少しだろう
いや、上に向かって歩いているんだから距離は稼げたのかもしれない
岩の窪みへ座り込み、火も起こさず見張りも立てず、ぐっすり眠ってしまった
翌日、昨日と変わらない嶮しく急な山道を歩いていく
背中に背負う荷物は残り少ない食糧の分だけ、軽い
昨日あまり進めなかった反省から、今日は暗くなっても進もうと二人で頑張ることにした
魔物の気配は全く感じられない
何か、おかしな事でも起きようとしているのだろうか…
翌々日、相変わらず平に削られた道
全くの無言で、その岩に対し疲れをぶつけるかのようにかかとを蹴って進む
この道はいつまで続くのか
山道を進み始めて数日
体も慣れ、あまり休憩を必要とせず進めるようになっていた
だけど食糧が底を尽きそうだ
道の起伏が激しくなり、標高は上がったり下がったりを繰り返し、今いる場所が高いのか低いのかすらわからない
更に数日
降り道が思った以上にキツイ事が判り、そして食糧は尽きていた
水も、節約してきたつもりだが残り少ない
歩みは止まりメイが─ 熱を出し寝込んでしまった
俺も相当疲れていたがここで動けなくなると共倒れ、最悪二人とも"死"
そんな状況を脱するため俺は一人、何か食べ物になる物は無いかと探しに出た
ここ数日を考えれば、魔物はたぶん現われないだろう
メイを休ませフラフラと道を進んでいく
進み始めたはいいが、草一本生えていない
これじゃあ意味が くっ…
小さな石に躓き、その拍子に膝からゆっくりと力が抜けへたり込む
めまいがする
頭がいたい
足腰が安定しない
考えがまとまらない
ここで俺が倒れたら、メイがやばい
今動ける俺しか守って、助けてやれないんだ
そのためにもなんとか進まなければ……
くそっ…!
こんなところでへばるな! 動け!
こわばった足を拳で殴り、気合いを入れる
太股に少し力が戻り、膝を持ち上げ脛と脹脛を前に出す
"うおお!"と叫びながらやっと立ち上り、ズリズリと足を引き摺り─
だが、無情にも再び膝から力が抜け、前のめりに倒れ込み頬を地面にくっつけた状態
もう─ 動けない
ここまで頑張ってきたのに
誰にも見付けてもらえずこんなところでひっそりと死ぬのか
どんなに剣術で強くなったとしても、身体が健康じゃなきゃ無駄だ…
すまないメイ… トルネコさん…
俺には誰も、守れない……
意識は 頭の中から どこか遠いところへ 運ばれて──
ちょっと休憩…
●チゾット
どれくらい 倒れた?
ここは どこだ?
メイは どうなった?
俺は どうなっている?
もしかしたら死の世界かもしれない
瞼を開くのがとても恐ろしい
あの状況ではとてもじゃないが助かったとは思えない
だけどこの感触
柔らかいシーツにベッドだ
俺は、ベッドの上で寝ているんだ
助かったのか?
だとしたらここは… チゾット?
それとも元の世界、か?
"イチ、ニィ、サン…"と心で掛けながらゆっくりと瞼を開く
石で出来た天井に大きなランプが下がっている
元の世界でも死の世界でも無い、この世界の部屋
身体中を大きな倦怠感に支配され、起き上がりたいけどそれも出来ない
仕方がないから顔だけを横に向けると、隣のベッドで白いシーツに包まれたメイの寝ている姿
「…ここは」
俺の声に反応したのだろう
誰かがコツコツと足音を立て近付いてくる
反対方向を向くと、スラリとした長身の男が居た
「気がつきましたか 私はここチゾットで医者をしているクリーニといいます」
「チゾット… 医者… じゃあ俺たちは助かったんだ……」
「貴方は運が良かった
たまたま、東から来た旅の剣士が通りかかりこの村の者へ知らせてくれたのです
お二人とも脱水症状があり、栄養失調になりかけ他にもいろいろ、です」
「助けていただいて感謝します… メイは…?」
「一緒にいた女性ですね 大丈夫、今は熱も引き寝ているだけですよ
しかし貴方が意識がはっきりしないにも関わらず、この女性の事を言わなければ存在に気付かなかった」
目立たない岩影に寝かせていたから、見付けてもらえなかったんだ
また、トルネコを目の前で呪われてしまったように、メイも助ける事が出来ないと─
とにかく助かって本当によかった
もう、俺の目の前で誰かが立ち上がれなくなるのは、見たくない
「さぁ、あなたもまだ回復していません
この薬を飲んでもう少し休んでください」
クリーニから粉薬と水の入った器を受け取り、それを飲み干す
「その薬は身体の回復力を促進させる効果がありますから……」
薬の説明を全て聞く前、現状に安心した俺は深い眠りに落ちた
俺を夢から引っ張り出したのは
クリーニが村の人の治療をしている声
ゆっくり身体を起こしてみる
身体の痛みと疲労感はすっかり無くなり、完全に回復したようだ
今までの旅の疲れも、消え去った
メイは─
隣のベッドで眠っていた
「おや、目が覚めましたね
身体はすっかり治ったのでもう動いて大丈夫ですよ」
「ありがとうございます、クリーニさん
俺はタカハシで、この娘は俺と旅をしているメイといいます」
ベッドから降り、履き慣れた革靴に足を収める
健康に戻った俺の身体はとても軽かった
「はは タカハシさん、礼なら旅の剣士殿に言ってください
要らないというのに治療費まで支払っていったのですから」
「治療費まで?! その剣士は今どこに」
「なんでも、強い魔物を探すんだとかですぐに旅立っていきましたよ」
「そうですか… 名前はわかりませんか?」
「ええと… テルー? いえ… テリー、と名乗っていましたね」
「テリーだって?! はははっ」
思わず大きな声で笑ってしまった
そうかテリーか!
「テリーさんからあなたに伝言を預りました
"約束を、忘れるな!"
だそうですが、知り合いですか?」
「ええ、まぁ 友人なんですよ」
「そうでしたか! それはそれは」
話をしたかったけど、相変わらず忙しく動いているみたいだ
感謝するよ、ありがとうテリー
それにしても、メルビンはどうしたんだ
もう修行は終わったのか?
そしてテリーの言う約束
俺が元の世界へ戻る方法を見付けたとしても─
果たさなきゃならないな
よし
なんだか心も元気に戻ってきた
俺は俺の今の目的を、精一杯やってやろう
「…俺たちの荷物はどうなりました? それから何日くらい眠ってましたか?」
「荷物は、私が責任を持ってお預かりしていますよ
タカハシさんは十日、そしてメイさんはかなりひどい状態だったのでまだ休ませたほうが良いでしょう
無理もありません、いろんな症状が一度にでていたんですからね
あ、身体は治っていますから安心して下さい」
クリーニはそう言い、地下への階段を降りる
俺たちが休んでいる部屋はクリーニの診療室だろう
広い机と診察台、大きな本棚にはたくさんの本が詰められている
あれ?
この世界に病院や医者というものは存在していないんじゃぁ……
「さぁこれです」
クリーニが大きな布の袋三つとオリハルコンの剣を抱えて戻ってきた
「ありがとうございます ところで…」
「なんでしょう?」
受け取ったオリハルコンの剣を腰に携えながら質問する
「この世界、というか、医者というのは?」
「ええ、私が作った職業です
一般には病気になったり怪我をした場合、薬草や魔法、そして教会で治療することが当り前ですが
その手段を持たなかったり教会では間に合わなかったりします」
悲しそうな表情で話すクリーニ
「薬草で病気は治りませんし、魔法は使える者が限られている
最近は病気も複雑化して野草では治らない事が多い
そうなると教会で人体に詳しい者が治療するのですが、これもまた神官の高齢化でままならなず知識も中途半端
そこで、です
私のように怪我や病気を治す事を専門にした人間が町にいれば、そんな事は無くなるだろうと考えた」
「なるほど それで"医者"という職業を始めたんですね」
「そう、今はまだ私しかいませんがきっと認められ、もっと広まると信じています
"医者"は"医療"で人を助ける
医者の医は病気を治すという意味があるのでそう名付けました」
医者という職業が広まるのは確実だ
教会から文句を言われるかもしれないが、頑張ってほしい
その為には勇者が世界を救わないといけないんだが…
「ルビス… 様……」
メイが上ごとで小さく呟く
そう、ルビスが誰を勇者にするかだ
そのルビスが、この世界を救うのは俺では無いと言った
でも俺はオリハルコンという特別な金属を扱っている
…どうも信用できないな 俺に何をしろって言うのか
また変なタイミングで現われるだろうからその次こそは聞き出そう
「ええと、それで治療費なんですが…」
「いえいえ 先ほども言いましたがテリーさんに受け取りましたから結構です
それに医は仁術、人に恵みをもたらすという意味もあるのですよ
私はその喜び、仁徳を受け取れるだけで満足です」
「そうですか… では余裕ができたらいつか、寄付させていただきます」
「ええ 余裕が出来たらぜひ、お願いします」
ニッコリと微笑むクリーニ
この世界の人は必要以上に欲がないというか、羨ましい
「あ…!」
急に、メイの何かを追いかけるような声
そのまま動かず横になったまま、目と表情だけが動いていた
「コホン… では私は少し席を外しますので」
クリーニが診療室を出る
「大丈夫か?」
俺はメイのベッドへ行き、話しかけた
その顔色は良く、体調も回復しているようだ
「タカハシ…」
「ん?」
キュッと、俺の手をとり心配そうに顔を見つめるメイ
ほとんど死にかけた二人、助かったんだから感激しているんだろう
「助かったね… ここはどこ?」
「チゾットだよ テリーが偶然俺たちを見付けてこの村の人に知らせてくれたんだそうだ」
「テリーさんが? どこにいるの?」
「それが、もう旅立ってしまったって」
「そう… 今度テリーさんに合ったらお礼言わないとね」
「そうしよう それから今後だけど、まだ予定は何も決めていないから後で一緒に─」
「あの……」
「どうかした?」
「…いいえ 私はもう少し休ませてもらっていい?」
「ああ、ゆっくりしてていいよ」
メイがまた、布団へ潜り込む
さて、これから何をするか
とりあえず、食料品でも買い込んでおこう
空になった食糧袋を背負い診療室を出る
チゾットの村は山に沿って作られていた
崖に沿って山肌を切り崩し道を作り、その道沿いに家が並ぶ
"並ぶ"というよりは岩をくりぬいてある
家は岩の奥深くまで続いていて、その中で数十人が暮らしているようだ
店を探すと食料品屋と道具屋しかない
特に見て回る場所もないようなので食料品屋へ直行した
「いらっしゃいませ!」
食料品屋はとても広く、品揃えが多い
対照的に客は俺一人
住民が買い物にくるにしては広すぎるし、こんな山の中でどうやってこんなにたくさんの食糧を用意できるのか
不思議に思い店主に聞いてみた
「はは あんたが運ばれてきた道と反対方向の地、西側に村を無くした人達がたくさん住んでいるんだ
そういう人達が二十日に一回ほど大勢でまとめ買いにくるんで、それで広くしている
品物は西側へ採りに行って加工してるよ
ここらは旅人も多いし、商売するには困らないさ」
西の地へはすぐに行ける?
「すぐもなにも、二日かからない
それにしてもグランバニアからならもっと楽に行けるのに東側からそれもたった二人でくるなんて
あんたずいぶん遠回りしてきたんだなぁ、イシスから来たんだろうけど」
グランバニアから…?
え! 地図にはそんな道のってなかったぞ?
じゃあトルネコの地図は…?
「もっとも、グランバニアからの道は今まで隠されてきたから、知らなくても無理はないけどね はっはっはっ」
「なぜ隠されていたんです?」
「ここからずっと西にはカルベローナがあってな
その町の住民の意向でそうしてきたんだが、町は魔物に破壊されてしまった
だから隠す必要が無くなって、知られるようになったのさ」
隠されていた道 それなら地図に載っていなくても仕方がない
それにしても…
経由できる町を考えると、グランバニアから行ったほうがはるかに安全だ
西からならチゾットまで三日かからない事も含めて…
店主の話にショックを受けながら、保存の利く食糧を買い店を出る
大きく膨らんだ食糧袋を背負い、俺はクリーニの診療室へ戻る事にした
今回はここまで、以上です
溜めてしまったから投下が大変だった…
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwwすげぇ更新wwwww乙wwww
395 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/12(水) 17:22:52 ID:D6pKPBCJ0
あげ
タカハシ氏GJ!!!!!!!!
遅れたが暇つぶし氏と総長も乙かれっす!!!
タカハシSUGEEEEEEEEEEEEE!!
メイたんカワイス。
しかし今残っている職人さんは総長・レッドマン・4の人・タカハシ・暇つぶし・魔神くらいか?
タカハシさんGJ
そして4の人待ってるよー
オルテガも頑張ってるじゃないか!!!!
いや正直かなりの賭けだった。イケが一回使った呪文を見よう見真似で使うことは。
だがしかし!俺は!賭けに!勝った!ぬをををををおおおおおおおっっ!!!!!!!!
これは…凄い…!
ねーちゃんが唖然としている。そりゃそうだ。俺のドラゴラムはその辺の奴のとは
訳が違う。このデカブツを一目見たときから考えていた。こんな化け物に勝てるのは
ヤツしかいない…そう…幾度と無く日本を壊滅させかけ、終いにはニューヨークにまで
遠征かけた…
ドラゴラムは呪文を唱えた本人の能力やイメージが強く反映されるわ。
ただこれは…禍々しいというか何というか…そうこの世界の生物ではないみたい…!
当たり前だ!俺たちのヒーローをこんな世界のチンケな竜なんかと一緒にすんな!
今日俺は「ゴジラ」の名においてコイツを倒す!!!!!!!!!!!!!
野生の本能かデカブツは即座に俺を敵だと判断すると飛び掛ってきた。
それでもまだなおデカブツの方が二周りはデカい。だがしかし!ゴジラの名において
敗北は許されない!俺は正面から取っ組み合った。
ぐんむぬぬぬガアアアアアァああグアアああッッ!!!!!
401 :
総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/04/13(木) 11:21:01 ID:TH369VKm0
巨体がぶつかり合う。もはや小細工無しの力と力の真っ向勝負!
俺の強烈なパンチが炸裂する!が、相手はたくさんある頭で同時に噛み付いてくる!
ぐッ…これはズルい…キングギドラですたら頭3つだったと言うのに…
俺は渾身の力で全身を叩きつける。体が小さい分小回りが利く。一撃の重さに劣るなら
こっちは手数で勝負だ!洞窟内に硬い皮膚と皮膚がぶつかり合う鈍い音がこだまする。
しかし徐々に押され始める。コイツは文字通り頭数が多すぎる!
ふんぐああぁぁぁぁぁ!!!これでどうだああああああ!!!!!!
力任せに一つの首を締め上げた。フロントチョークみたいな状態だ。そうとう苦しいのか
他の首が一斉に暴れだした。体中噛み付かれてボロボロだ。放さねえ!絶対放さねえ!
やがてゴキッと鈍い音があすると締め上げていた首の力が抜けた。
ぎゅアアアアアアァアアァ!!!!!!
さらに追い討ちと俺は口から強烈な炎を吐いた。温度でこそのダメージは薄いものの強烈な
圧力により相手は怯む。チャンスだ。一気にタコ殴りにする。俺の鉄拳連打が完全に相手を
捕らえた。
一瞬グッタリしたように見えた。まじかよ…コイツは一体何処までタフなんだ!?
直に体制を立て直し反撃に出てきやがった。残った口という口から猛烈な炎を吐く。
衝撃に押されて後退する俺。
バギッックロスッッ!!!!!
402 :
総長 ◆8X2v8DcqWM :2006/04/13(木) 11:21:33 ID:TH369VKm0
ねーちゃんの起こした真空波がデカブツの炎を切り裂き顔面に命中した!
助かったぜナイスねーちゃん!立て続けにパンツが同じ箇所に一撃を見舞う。
この首も動かなくなった。
お父さん…私に力をかして!…ラィッディイイイインンッッ!!!!
勇者が強烈な雷を落とした。こいついつのまにこんな強い呪文を…
ギャアアアアオオオオオオオオおおううウウウウ!!!!!!!
これはさすがにかなりのダメージを与えたようだ。悶絶するデカブツ。
よしここで俺が一気にカタをつけてやる!あれ?なんかコイツさらに巨大化してないか!?
デカブツの目線がどんどん高くなる…いや違う!これは俺が縮んでるんだ!!!
…元にもどっちまった…。だがこの好機は逃せねえ!炎が効かないなら逆を攻めるのみ!
くらえ!ヒャダイン!!!!!!氷の刃を含む猛吹雪がデカブツを包む。
凍ったせいなのかはたまた体力が尽きたのかデカブツは動かなくなった。
倒したのか…?おそらく一気にダメージをおって動かなくなっただけよ!ねーちゃんが
叫ぶ。膝の力がガクッと抜けた。ち…ちょいとばかし飛ばしすぎたようだ。
もう一息なのに!動け!ドク…ドク…とバカでかい心音が響く。デカブツの回復力半端ねえ。
ゆっくりとだが動き出しこっちを睨む。こいつどうしたら倒せるんだ!?
まずいわ!体力も回復力も異常だもの!このままでは競り負ける!
次の瞬間デカブツの振り回した頭により勇者とパンツが宙を舞った。
壁に打ち付けられ崩れ落ちる。どうやらパンツが自らを下敷きにして勇者をかばったようだ。
確かにこのままじゃこっちがもたねえ。クソこっちは
5人がかりだというのに…あれ?5人…そういやおっさんどこいった!?
総長殿総長殿…おっさんが話しかけてきた。てめえ無事か!?はい!身の危険を感じた故
あの岩の陰に最初から隠れてました!っていばるなそんなもん!…え!?なんだと?
おっさん曰くあの動きからして頭はたくさんあれど脳は一つらしい。で、その脳の場所だが
全部の首の付け根が怪しいらしい。ほんとか!?
間違いありません!あやつさっきからそこだけかばっておる!わしはずっと見ておった!
この際試してみるしかない。ねーちゃんに回復してもらう。ある程度はこれで動ける。
問題はどうやってその弱点を狙えるかだ。さてどうするか。今こっちの戦力は…
ねーちゃんはほぼ魔力使い果たし、パンツは完全に動けない。残るは俺と勇者。
勇者を呼び寄せる。俺がなんとかしてアイツの注意をひくからお前が剣で弱点を突け。
俺のドラゴンキラーは折れてしまったためこれがベストの選択だろう。
わかったと勇者が頷く。ここで失敗すると勝ち目は無い。気合入れてくぞ!
ageちまったすまねえorz
リアル支援。
総長乙。
ゴジラ吹いたw
総長乙。
ゴジラって、これはまた斬新なww
ゴジラってこれ?
/ NY\
/_____,,=─-.`、__
/ / \ ̄ヽ `‐、
| / iilllllii. oilllllii ヽ | ̄~
|y =・= r ‐、 =・= ∨、
r-r' i i | i
\ { / ; ∵; ,|. : : 人; ∵; | { /
\ しi| `''" `ー- ' ー | _) /
|ヽ i ィュエエェュ、 i |r~
| | | | | | / _/\/\/\/|_
\ ノ//, | | | ! .|,ミヽ / \ /
\ / く |! ヽLィニニニ 」/ / \ < バーーカ >
/ /⌒ \___'"_,/ ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
| |
−−− ‐ ノ |
/ ノ −−−−
/ ∠_
−− | f\ ノ  ̄`丶.
| | ヽ__ノー─-- 、_ ) − _
. | | / /
| | ,' /
/ / ノ | ,' \
/ / | / \
/_ノ / ,ノ 〈 \
( 〈 ヽ.__ \ \
ヽ._> \__)
ねーちゃんが最後の気力を振り絞って竜巻を巻き起こす。デカブツの注意はこっちにむいたようだ。
勇者が駆け出す。よし後は勇者が回りこむまで俺がヤツを引きつけるだけだ。
とりあえず回りこんでることに気づかれてはいけないので派手なの一発かましとくか。
イオ!!!わざと爆発の中心手前にずらした。デカブツは口をこっちに向けると炎を吐く。
俺はフバーハを張ると後は仁王立ちだ。耐え切ってみせる!!!!
熱風が視界を塞ぐ。だがしかし俺は倒れん!!息切れか炎は止まった。
デカブツが大きく息を吸い込む。俺はポケットに詰めてあった薬草を全部口に押し込んだ。
ぐにゃあ!ぐるぢゃらごういびゃ!(コラ!くるならこいや!)
第二波がきた!俺は男の意地にかけて倒れん!…………ぬううううう………
意識が遠のきそうになる。勇者は!?勇者は今どこだ!?勇者がデカブツによじ登っているのが
見えた。もう少しだ。ちくしょうだが目の前の敵はまた大きく息を吸い込む…きた!!!!
やられてばっかじゃないぜ!ヒャダルコおおおお!!!!!!
冷気が炎を押し返す。ぐうううううううう!!!!…だめだ魔力がもたねえ…!
逆に押し返される。多少勢いは抑えられたようだ。なんとか踏みこたえる。
これはもう限界だ。視界がボヤける。デカブツが二重にも三重にも見える。ここまでか…。
総長!起き上がったパンツが体全体を引き摺りながら寄ってきた。そして俺の横に並ぶ。
次の一発が最後になるだろう。その間に勇者が一撃見舞えれば俺たちの勝ちだ。
パンツ!俺たちの根性をあのクソデカに見せてやるぞ!はいでやんす!俺達は肩を組むと
デカブツを睨み付けた!
怒号共に一際大きな炎が飛んできた。耐える耐える耐える!根性なら誰にも負けん!!!!!
全ての力を振り絞った。もはや体力は尽きている。だが時に気力は体力を凌駕する!!!!
イヤああああァァァァあああああぁ!!!!!!!
勇者の叫び声が聞こえる。どうなったんだ?炎が止まりそこに写ったのは深々とデカブツの
首元に剣を突き立てる勇者の姿だった。
さっきまでの激闘が嘘のように一瞬静まり返る。
……グ……グッウィヲヲオオオオオオオオオオオオ…!!!!!!!!!
明らかにさっきまでとは違う苦しみ方だ。七転八倒して大暴れした後、動かなくなった。
勝った…のか…?満身創痍の俺達が集まる。いやーいやいや凄まじい死闘でしたな!
…いや一人だけピンピンしてやがる奴がいた…だが突っ込む元気もねー…
デカブツはもう完全に動かない。コイツ…本当に強かったな。デカイとはいえこっちは五人がかりだ。
おそらく俺一人でタイマンはってたら勝ち目は無かっただろう。強敵だった。
できる事なら墓の一つでも掘ってやりたいがさすがに無理がある。俺達は洞窟を後にした。
みんな疲弊しきっているのか無言だ。おっさんは一人興奮しているが誰も聞いちゃいねえ。
入り口で立ち止まる。どうしたの総長ちゃんと勇者が振り返る。
イ オ ナ ズ ン ! ! !
轟音と共に入り口が崩れる。数分後岩盤で埋め尽くされ完全に埋まった。
強敵との闘いに敬意を表してこの洞窟をデカブツの墓標にしてやろう。我ながら粋な計らい…
完全に気力も体力も魔力も使い果たした俺はその場で気絶した。
総長カッコヨス
総長スゴスwwwwwwwwww
確実に某魔王よりは強いな。
>>409 オレンジジュース吹いた
朝、目覚めるとそこは見たことも無いベットの上だった。
ガンガンする頭を振りながら横を見ると、見たことも無い女が寝ている。
(またやっちまったか・・・)酔うと見境無く女を連れ込んでしまうのが俺の悪い癖だ。
よっ、とベットから飛び出すと思いっきり窓を開け朝日に俺のマグナムを晒す。
うーん、いい天気だ。
「いつまで俺のベットで寝てんだよ」俺は牛のようにだらしなく寝る女の形のいい尻をぴしゃり、と叩く。
童貞諸君の皆さんは人の家に泊まっておいてこれは無いと思うだろうが、
こう理不尽に言ってやったほうが女と縁は切りやすいのだ。 「とっとと出てけ、この売女」
「あなたは198人目のプレイヤーです」突然、女が機械のようなかすれた声でしゃべりだした。
「あなたはこのゲームの主人公です。迫り来る敵を倒し、大魔王から世界を救い出してください」
なんだ?何を言ってるんだこの女は?状況の飲み込めない俺は冷静さを装いながらも
ついチンコをしごいちまう。コレも俺の悪い癖だ。 「どういうことだ?」
突然、窓がぶち破られ、外から見たことも無い馬鹿でかいコウモリが現れた。「キキーッ」
何かやばそうだ。コウモリはかわいいつぶらな目をしているものの、
しかしその大きく開けた赤い口は、完全に人肉をほおばる種類の生き物である事を俺に告げていた。
やばいぞ。完全にやばい。しかし俺はこういうときこそ落ち着いて考えられる男。冷静に考えよう。
俺は今、見知らぬ女の家で見たこともない怪物に襲われている。そんなときどうすればいいか。
すぐさま俺は人差し指を両のこめかみにあて、「ぽっく、ぽっく」と独特のリズムでいい案を考え出した。「チーン」
思いついた。俺はすぐさま部屋にあるものを片っ端からコウモリにぶつけることにした。
鏡も、花瓶も、タンスの引出しも、全てだ。知ったこっちゃない。全部この知らない女のものだからだ。
後で警察が来て面倒な事になったらすぐ逃げてやる。
「死ねええ!」飾台を思いっきりぶつけたのが功を奏したようだ。でかいコウモリは動かなくなった。
しかし俺を驚かせた罪は重い。すぐさま俺はコウモリを何度も何度も踏み潰す。
そして出てきた内臓に火をつけて燃やした。「ふはは、燃えろ、燃えろ」
「そこまで!」つんざくような声で、さっきまで動かなかった女が叫ぶ。
「もういいわ。もうやめてちょうだい」 呆れたように女がため息混じりに呟く。
金髪をふりみだしてベットに中座すると、桜色の乳房が朝日の中で美しく揺れていた。
「いかがでしたか?私は反対です」突然、女は誰もいない天井へ向かって話し掛けた。
「確かに冷静ですが、余りに残虐すぎます。勇者には向かないかと」
勇者……?何言ってんだこの女。クスリで頭がイカレちまってるのか?可愛そうに。
俺は女の前に仁王立ちになる。
「ハイ…ハイ…しかしマスタ」ぴしゃん、と俺は自慢の超ロング馬並ポコチンで女の頬を叩た。
「お空と交信中のとこ悪いな」イカレちまってる女を落ち着かせるには、これだ。「咥えろ」
ピシャリ。遠くで何かが割れる音がし、耳の奥がキーンと鳴った。「調子に乗ってんじゃ、無いわよ!」
どうやら俺はこの女にひっぱたかれたらしい。
茫然自失の俺にかまわず、女はますます別世界との交信を始める。
「ハイ。どうやらあなたの見込み違いなようです。この男に世界を救う力があるとは私には思えません!」
ふつふつと、俺の中に怒りが充満するのが分かった。「おい、黙って聴いてりゃ勝手なことばっかり言いやがって」
俺は完全に切れた。「てめえみてえな女が一番俺は気にくわねえんだ」
「何するの、やめなさい」 抗うのも構わず、俺は女に飛びかかった。
「やめてええ」俺は無理やり女の乳首を物凄い速さで擦る。
その摩擦力で火がつくぐらい、俺はコレでもかと擦り上げた。 「ああ、そんな、乳首にメラなんて」
訳の分からんことを、だがまあいい、どうやら感じてきたらしいぞこの女、と
俺は自分のもくろみが上手く行ってニヤリと笑う。女の股に手をやると十分湿った陰毛が、
俺の指をパックリ開いたアレに勝手に誘った。「ああん、いや、やめて、あっ、やめてえええ」
「……ハイ……ハイ」
十分満足の行く行為が終わって、俺は煙草に火をつけていた。
「ハイ。ですから、その、やはり、私の勘違いでした、ハイ。この男、いいえ、このヒトには素晴らしい
勇者としての素質があります。ハイ。確かに、この世界の枠にはおさまらない破天荒なところがありますが、
それはでも、このヒトの魅力…というか、そんな型破りな性格だからこそ、大魔王から世界を救えるのかもしれません。
ハイ。分かりました。では、本格的に冒険を始めます。それでは」
「もうお空との交信はいいのか?」口に含んだ煙を一気に肺に流し込み、ふーっと吐き出して俺は言う。
「改めまして、初めまして」女は今にも四つ指立てそうな勢いで、俺のほうに向き直って恥ずかしそうに言い出した。
「こんな形で出会う事になっちゃって、ごめんなさい。と言ってもこれはあなたの無意識下のイメージのせいなんだけども」
「何が何だかわからねえや」もう一度煙草のフィルターから煙を吸い出す。
「あんた頭おかしいんだろ?SEXは最高だったけどな」
「ドラゴンクエスト」女がじっと俺の目を見詰めてつぶやいた。「やったこと無い?」
ふーっと煙を吐き出して、俺は言う。「あるよ」指先がかすかに痺れた。「小さい頃な」
「その世界に突然自分が飛び込んじゃったら、どうする?」
しばらく時間が流れた。女は真剣な眼差しで俺の目を真っ直ぐ見詰めてくる。
「見て」女が指差した方向には、さっき俺が燃やし尽くしたコウモリの残骸があった。
「あれは、ドラキーよ。あなたが倒したのは、まぎれもない、本物のドラキーなのよ」
「ちょっと待ってくれ」嘘を言っている様子は無かった。
「それじゃ何かい?」しかしこんな奴に限って関わるとろくなことが無い。
「俺は今ドラゴンクエストの世界にいるっていうのかい?」「そうよ」
女は自信たっぷりに言い切った。ヤバイ。俺の直感がそう告げていた。この女、ヤバイ。
ゲームをやっているうちに自分がそのゲームの世界にいるような錯覚、
それは俺も味わった事がある。だからこの女の言っている事は何となく理解できるのだが、
ここまでくるともう完全に‘キ印’だ。ご愁傷様。
「いいSEXありがとう。俺帰るわ」俺は立ち上がるとその辺に落ちていた衣服をつかみ取り、
足早に部屋を出て行こうとした。「ちょっと待って」
後ろの方でいそいそと女が着替える音が聞こえたが、どうでもいい。
まとわりつかれないように、早いとこ逃げるだけだ。
西洋の旅館風の廊下を服を着替えながら足早に走り抜け、カウンターの親父の髭面にも目をくれず扉を開く。
開いて、俺はあんぐり口を開けた。「どういうことだ!」
街を歩いていたのは、どう考えても時代錯誤な衣服に身を包んだ人々と、
中世ヨーロッパにまいこんじまったかのような町並みの光景だった。
「だから言ったでしょ。あなたは今、ドラゴンクエストの世界にいるの」
追いついて来たた女が、俺の背後で静かに言った。「それも、勇者としてね」
「ああ?うるせえ!ここはどこだよ」
「始まりの街、ラダトーム」女は呟くように俺に言った。「とりあえず、王様に会いに行きましょう」
王様?ラダトーム?付き合ってらんねぇぜ。頭がこんがらがってきた。
俺はぎゅっ、っとチンコを握るとゆっくりさすりながら女に向かって言った。
「これは何かの祭りかアトラクションか?それともディズニーランドとか」
「期待していたより理解が遅いのね」長い睫毛をした青い瞳で俺の顔を覗き込んで女が言う。
「これはもう現実よ。レベル1の勇者さん」
エロエロな主人公降臨!!
ウッフンアッハンな展開に期待していいかな?
期待保守
421 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/04/14(金) 20:41:41 ID:xnXMUSfUO
文体は上手いんだがこれはちょっと・・・
鬼畜王?w
>>422に同意。
既出の作品群には無い個性だが、やはり表現に抵抗を感じてしまう。
今後の展開が面白そうなだけに、残念。
下ネタ有りと明記して別スレたてて、他の同志募ってみては?
面白いし、気になる作品ではあるだけど、板の性質上、小学生とかも
来訪者もいるからな…今後は全年齢版ではなく大人板寄展開になりそ
うだし
大人板でこのスレからの派生ということをスレタイに入れたスレを立てて、
続きを連載した方が良いかも。読みに行くので…
分かった。別スレ立ててシコシコやるよ。お目汚しすいませんでした。
ちょwwこの板にたててるじゃねーかwwまぁ心意気は大いに認めるw
まぁFFのヒロイン関連で結構あっち系が立ってたりするから良いんじゃね
保守
次に目を覚ましたのはあの酒場だった。そう例の神酒のとこだ。パンツがここまで担いできたらしい。
店長は号泣しながら礼を言ってきた。別にお前のためにデカブツと倒したんじゃねえ。
うざいから泣くな。と、ねーちゃんが手招きしている。ははーんさては俺の男の中の男の闘いっぷりに
惚れちまったか?ったくこれだからモテる男はつらいぜ。誘われるがままに店の外に出る。
勇者殿…
来た来た。いつでも準備は万端だぜハニー。今晩は最高級のスイートルームを予約しようかってぬお!
振り返った視線の先にいたのはおっさんだった。なんでてめーがここに居るんだチクショーが!!!
実は洞窟でこんなものを拾ったのですじゃとおっさんが勲章のような物を見せた。
竜の形をしていて真ん中にはよくわからない文字が刻まれている。なんだこりゃ。
それはジパングの紋章よ。それもかなり地位の高い人しか身に付ける事ができないものよ。
ねーちゃんが続ける。男心を弄びやがって酷いぜねーちゃん…ってえ!?どういう事だ!?
あの洞窟にこの国の偉い奴しか身につけられない物が落ちている。どうやら嫌な予感は的中した
ようだ。沸々と湧き上がる俺の怒り。すぐに酒場に戻り全員に召集をかける。
おまえらこれを見て欲しい。
みんなの視線が竜を象った紋章に集まる。
これは洞窟に落ちていたものだ。おっさんが拾った。ブローチだかペンダントだか何だかしらねーが
どうやらこの国のお偉いさんしか身に付ける事ができないものらしい。
勇者の顔が強張る。パンツが何か大発見をしたような顔で喋りだす。総長それはつまり…黙れ。
会議中においておまえに発言権は無い。
俺はハッキリ言ってブチ切れた。今から城に殴りこみに行くぞてめーら!
俺は大声を張り上げた。ちょっと待ってとねーちゃんが話し出す。
今日はみんな疲弊してる事だし準備を整えて明日改めて訪ねましょう。それにその格好じゃ
多分城の中に入れてくれないわよ。
自分の服を見つめてみる。ボロだ。これは服というより完全なボロだ。いやしかし服装など関係ない!
俺は今殴りこみをかけたいんだ!
あの…お取り込み中失礼しますがささやかですが出来る限りの料理と酒を用意しました!
娘の恩人です!遠慮なく食べて下さい!
……よし。出発は明日にしよう。
>>321続き
ピラミッドは王家の墓であり、財宝庫であり、イシスの象徴であった。
見るもの誰もがその大きさに圧倒されるだろう。
そして夕日がピラミッドに沈む光景には自然の偉大さを感じ、
夜の暗闇に佇む姿に畏怖と崇高さを覚える。
ピラミッドという存在は、ファラオの力を一番端的に示しているのだ。
「こっちの世界にもピラミッドあるんだね〜ますますエジプトみた〜い」
エジプトみたい、じゃなくてそうなんだけどね・・・
「よ〜し、一番乗りだ〜!!」真理奈が正面の入り口に駆ける。
「こらっ!ここは王子である僕が一番に決まってるだろ!」
フィリーが真里奈の後に続く。
「あっ、フィリー様!私も行きます!」
「待て待て、ここは危険が無いかワシが調べてからじゃな―――」
プエラ・パトリスもピラミッドに入って行った。
皆が宝探しにワクワクしている中、残されたジュードは
「は〜やってらんねぇぜ。何であんなヤツの為に・・・」と1人ダルそうにしている。
「・・・・」コクコクッ
ジュードの隣でフィリアが同意、とばかりに頷く。
「何だ?お前もアイツ嫌いなのか?」
「・・・・」コクッ
「だよなぁ〜あのうるさいトコが気にくわねぇ。お前もそうか?」
「・・・・」
違うよ、という目でジュードを見る。
「あ?違うのか?」
「・・・・・・・・・名前、似てるから」
フィリアとフィリー。
「名前?あぁ確かに似てるな!ってか同じじゃん!ははっ、こりゃ笑える!!」
爆笑するジュードの事を軽く睨み、フィリアは脇腹にパンチを入れる。
「いでっ!!・・・何だよ・・・」
ジュードを無視し、フィリアもピラミッドに向かう。
ごめんねフィリア。あんなのと似てる名前にしちゃってごめんね・・・
ピラミッドの入り口はそのまま大回廊となっている。
が、横幅が無いので2列なって進むしかなかった。
先頭に真理奈とパトリス。真ん中にフィリーとプエラ。しんがりはジュードとフィリア。
暗く、静かな廊下に唸り声が響いてくる。そして突然襲い掛かってくるモンスター。
「げげー!!これってミイラ?!」
「そうじゃな。気をつけるんじゃぞ真理奈。ここは狭いからの」
「大丈夫だって!うりゃあ!!」
ミイラ男にお得意の蹴りをかます。体をくの字に曲げ吹っ飛んでいった。
「王家の財宝を守るモンスター、か。もしくは財宝荒らしを獲物にしとるんじゃな」
しかし財宝が眠っているのに、このピラミッドの造りは何だろうとパトリスは思う。
普通何かを隠したり、大事なものを守ろうとする場合には厳重な扉をつけたりする。
それがピラミッドにはまったく無かった。イシスの兵士が警備をしてるでも無い。
「どうぞお取り下さい」とばかりに開け放たれている。
その代わりにモンスターがいるのかもしれないが・・・
(意図的にそうしている・・?まぁモンスターは財宝に興味はないからのぅ)
「それにしてもおじいちゃん達はジュードみたいに鎧を装備しなくていいの?」
真理奈の問いかけによって思考は中断されてしまう。
「ん?あぁ、あんな重たいモン装備しなくてもワシには呪文があるからの。
例えばスカラという呪文がある。対象者の守備力を上げる効果があってな。
これを使えばワシやフィリアのように防御力が低い者でも、
モンスターの攻撃に耐えれるようになるんじゃ」
「へ〜」
「むっ!信じておらんな?よ〜し、スカラ!!さっ、真理奈よ。ワシに攻撃してみぃ」
「いいの?」「あぁ。逆に真理奈の方が痛いかもしれんがな。フォッフォ」
「じゃあいくよ〜」ボコッ!!!
「!!!!!!!」
「あっ、ゴメン!やっぱ痛かった?」
「いやいや、スカラのおかげでちっとも痛くないわい・・・おおぅ・・」
パトリスは真理奈に見えないように、懐からそっと薬草を取り出したのだった。
回廊を真っ直ぐには進まず、小さな部屋を片っ端から見て回る。
その途中で宝箱をいくつか見つけたが、どれもからっぽだった。
「まぁ、黄金の爪は地下に眠っているという話じゃからのぅ」
「でもどうやって地下に行くの??」
「・・・分からん。もっと先に進まんと地下への階段がないかもしれんな」
しかし、モンスターが引っ切り無しに襲ってくるので、中々先に進めない。
大体は真理奈の一撃やパトリスの呪文で倒せるのだが、
この狭い回廊では倒したモンスターをまたぐ必要があるので面倒なのだ。
そうこうしている内に大王ガマが姿を現す。
と、それまで珍しく静かにしていたフィリーが声をあげた。
「ええい!僕はロマリアの王子だぞ!僕だって戦える!!」
一番前に飛び出し、赤いカエルに突っ込むフィリー。
攻撃を仕掛けようとした瞬間、踏み出した足元の床が抜け、フィリーは姿を消した。
「フィリー!!」プエラが叫ぶ。
穴の中からは「わ〜!!助けて〜!!」という声が・・・
真理奈がすぐさま飛び込み、フィリーの上に着地する。
上の階より暗いが、周りにモンスタ−がいるのが雰囲気で分かる。
「ぐえっ!」という声を無視して、足に力を入れモンスターに飛び掛る。
「フィリー!?」
プエラが穴から降りて、これまたフィリーの上に着地する。
「うぎゃっ!」
「あっ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「ぜ、全然平気ですよ・・・」
「そんなカッコで言ったって説得力ないわよフィリー。
ったく、どうせ姫にイイトコ見せようって思ったんでしょ?」
モンスターを追い払った真理奈がちょっかいを出す。
「まぁ、そうなのですか?」「っ!!」
赤面するフィリー。まぁ暗くて表情はあまり見えないんだけどね。
「違いますよ!僕はただロマリアの王子としてですね!」「ふふふ」
フィリーはプエラに手を引かれて立ち上がる。
そんな2人を見て真理奈は、うまくいけばいいなと思う。
ピラミッド地下1階。視界の利かない中を真理奈達はゆっくりと進む。
プエラはここに来てようやくピラミッドの本当の怖さを実感していた。
それは、暗闇がいっそう濃くなったとか、ここから無事に地上に出られるのだろうかとか
そういった不安や恐怖がもたらすモノではない。
明らかにここは力の強さが違う。
まるでファラオ王に直接見られているような―――
実際に会った事はないが、ファラオ王にはこんな風に場を支配する力があったのだろう。
そう感じざるを得ないような場所に隠す財宝は、まさに秘宝を呼ばれるのに相応しい物。
つまり黄金の爪をはそういった類の物なのだ。
それ故に手に入れるには危険も数段高くなる。
女王があの時、占いの結果を伝える時に躊躇いを見せたのも分かった気がした。
しかし、もしそうならば女王はなぜ今回の儀式に黄金の爪を選んだのだろうか。
プエラ『占い』が建前だという事を知っている。
所詮ファラオやルビスの名を借りて、思うままに政治を行っているに過ぎないのだ。
それなのにこんな困難な命を下したという事は、この結婚話は成立しない方がいい。
そんな風に女王は考えているのかもしれない。
(どうして・・・?私達が死んでしまってもいいと言うの?)
周りの雰囲気も手伝ってか、嫌な考えばかりが浮かんでくる。
プエラは立ち止まり、その場で強く目を閉じてしまった。
どうしようもない不安から逃げ出したくなったのだ。
その時、不意に手をギュッと掴まれた。相手の温もりが伝わってくる。
「プエラ」 「・・・フィリー?」
「大丈夫。黄金の爪はもうすぐそこだよ。一緒に国に帰ろう」
「・・・・・・はいっ!」
それは太陽のような―――
「邪魔するなよモンスター!そしてピラミッドの主ファラオよ!!」
手を繋ぎ、再び歩き出す・・・・と、
「イシスの姫プエラと、ロマリアの王子フィリーがっ!!あぁあああぁぁぁ〜!!」
ガシャンガシャンガシャンガシャン―――ドシンッ!!
派手な音を立てフィリーは再度、奈落の底へ落ちていった・・・。
(また落ちた・・・)
誰もがそう思い、呆れた。
「フィ、フィリー!!」
びっくりして思わず手を離してしまったものの、一番早く我に返ったプエラ。
フィリーを追いかけ、階段を駆け下りる。
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・」
フィリーはモンスターの唸り声に似たうめき声を上げていた。
「フィリー!フィリー!!しっかり!!」
「・・・フィリア、ホイミしてあげなさい」
パトリスに言われ、フィリアが嫌そうな顔でフィリーに近づいた。
そして薬草をプエラに渡す。
(相当嫌いなんだな・・・)
その様子を見てジュードは一人納得する。
「しかし、まだ下があったとはのう」
「きっとこの先に・・・?」
長い間空気を入れ替えていないのであろう。息をするのも嫌になりそうだ。
フィリーのうめき声が止むと、また沈黙が辺りを包んだ。
そして誰からとも無く歩き出す。
曲がり角を含んでいるが、これまでと違い変哲も無い一本道。
それは、この先に捜し求めていた物があるという確信でもある。
再び左へ曲がる。
そこは行き止まりで、小さな部屋になっていた。
部屋の中央には1つの棺。
棺を見る者が必ず見上げるようにするため、その床は他より高く造られていた。
正真正銘のファラオの墓だった。
「やっと、たどり着いた・・・」
フィリーが皆の思いを口にする。
そしてフィリーとプエラは祭壇のように奉られている棺へと近づいた。
今日はここまで、と。
思ったより長くなってしまうなぁ・・・
もう少しスマートに話を展開したいと思うオール明けの日曜日。
暇潰し氏乙です!
長くなるのは歓迎ですw
>>総長
現金主義で身替りが早いなw
>>暇潰し
内容的には申し分はないが文章の間に間を上手く開けたら
もっと読みやすくなって面白さが良くなる…か・も。
総長のギャグとシリアスの微妙なさじ加減にはいつも関心させられるw
あっつい・・・・・
俺達はドラゴンの塔に向っている。道中に教会があって水と食料を補充したのだがやっぱりしんどい。
俺の場合はもょもとがいるから交代制で歩く事ができるがサマル達はそう言う訳には行かない。
もょ「(タケ…すまん…)」
タケ「(ええんよ。しばらく休んどき。しかし砂漠はホンマに疲れるで。)」
タケ「レオン、大丈夫か?」
レオン「俺は慣れているから問題無いがムーンとリアがちょっとしんどそうだ。」
タケ「日影になる場所があればいいのだが………」
マジ困った。なかなか日影になる様な場所が見つからない。やっぱり馬とかラクダは必要だったのだろうか?
サマル「ムーン。地図にはオアシスは載ってないのかい?」
ムーン「はぁ…はぁ…の、載ってないわ。」
サマル「そうなのか…ちょっと休みたいなぁ…」
リア「しんどいよぉ〜…こ、こんなに疲れるなんて…」
流石に休憩はしないと本気でやばい。熱中症で誰かが倒れてもおかしくは無かった。
レオン「おや……あれは?おい、もょもと。」
タケ「どうした!?」
レオン「オアシスがみつかったぞ!」
タケ「マジっ!?みんな!オアシスが見つかったってよ!」
リア「本当!?早くいこっ!」
俺達はレオンが言う通りの方向に向かった。
サマル「やったー!!これで休めるぞ!」
タケ「ヒャッハー!水だ水だ!」
レオン「ここで野宿をしよう。日が暮れてきているし体力的にも限界だな。」
ムーン「そうね。休める場所があるだけでも贅沢は言えないわ。」
リア「本当にありがとうレオンさん。」
レオン「可愛いレディのために男として当然の事さ。」
タケ「いいぞベイベー!ここで水浴びしなければ只の馬鹿だ!ホント オアシスは天国だぜ!フゥハハハーハァー!」
ざっぶ〜ん
リア「きゃあっ!」
ムーン「ふふっ、もょもとって子供みたい。」
タケ「うるせーな、ムーン。水浴びはいいぞ!レオン、サマルも入れよ!」
サマル「ぼ、僕はいいよ。」
レオン「確かに水浴びしないとやってられないな。俺も行くぞ!」
レオンもオアシスに入ってきた。
タケ「レオン!お主のお陰で余は大満足じゃ!かっかっか。」
レオン「まぁ、無事で良かったぜ。それにしてももょもと、最高のチャンスが回ってきたぞ。」
タケ「どう言う事だ?」
レオン「まぁ聞けよ・・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・・・・」
タケ「マ、マジで!?」
こいつ、もしかしたらかなりウマが合いそうだ。別の意味で。
タケ「しかしそれは大丈夫なのか?」
レオン「当たり前だ。恋愛の百戦錬磨の俺が言うのもアレだがたまには違うスリルを味わうのもいいかなって思ってな。」
タケ「レオン。なかなかの悪ですな。しかし自分で恋愛の百戦錬磨って言う奴はいるか?」
レオン「ククク、俺には実績があるからな。まぁもょもとほど悪でもないけどな。」
タケ「阿呆。プラン立てた奴に言われたくはないけど。」
レオン「まぁ実行するのは夜だ。それまで飯を食ったり、明日の準備をしたりして待つとするか。」
俺達は夜を待つ事にした。今夜はまさしくハプニングミッドナイトの予感!!
タケ「隊長。夜になりました。自分はドキドキドッキンの状態であります!」
レオン「緊張するな。先に俺が様子を伺ってくるからな。しかし意外な一面があるなもょもとは。」
タケ「そ、そうか…?」
レオン「まあいい。俺が先陣切ってくるからな。」
レオンは先に行動を移した。
もょ「タケ、なにをしようとしているんだ?」
タケ「たいした事は無いっすよ。まぁ、サマル達の警護やで。レオンと一緒にする事にしたんや。」
もょ「なにかあやしいな〜べつのもくてきがあるんじゃないか?」
タケ「ホ、ホンマにみんなの警護だけやから!」
もょ「いっておくがへんなことしたらだめだぞ!」
タケ「わ、わかってるがな…」
言えねぇ…ムーン達の所にタシーロしに行くなんて言えねぇ…
レオンの指示通りに待っていたのだがなかなかレオンが戻ってこない。何があったのだろうか?
これは気になるな。とにかく指示を無視して後を追いかけるか。
レオンの後を追いかけるとリアがレオンと一緒にいた。あの野郎!今度はリアに手を出すつもりか。
あのスケコマシめ!鋼の剣の錆びにしちゃる!
しかし二人とも様子がおかしい。何か入り込めない雰囲気がある。匍匐前進状態にしてここは様子を見るとしますか。
レオン「なぁリア。眠れないのか?」
リア「うん…」
レオン「それにしてもいい夜空だな…あいつら、大丈夫かな…」
リア「あいつらって誰なの?」
レオン「俺の仲間達さ。この世界に来ていると信じたいのだが、確証はもてない。」
リア「そうなんだ、レオンさんの仲間が早くみつかればいいね。」
レオン「ああ…馬鹿ばっかりな奴らだけど、バラバラになったらやっぱり寂しい物があるな…」
リア「レオンさん元気出して。必ずいるはずだよ!この世界に。」
レオン「どうしてだ?何か根拠があるのか?」
リア「………わからなくてごめんなさい。でも、私は信じていたいの。レオンさんの仲間がこの世界にいるって。」
レオン「悲観的に考えても仕方がないな。僅かな可能性に賭けてみるか。」
そのうちレオンは自分の事を語り始めた。
リア「……なんて言えばいいのかわからないよ。」
レオン「気にするな、でも…もょもとと同様にリアも優しい女の子だな。」
リア「えっ…で、でも…(////)」
レオン「いい笑顔だ。何か引き寄せられるものがある。」
リア「そ、そうなんかなあ?」
レオン「俺もあんまり自分の事を話したくはない。けど、もょもとやリアの影響で思わず話してしまった。ハハッ…」
リア「でも、ちょっとだけレオンさんの事を理解できて良かったと私は思うんだ。明日からもよろしくね!」
レオン「ああ…そろそろ寝るとするか。」
リアは自分のテントに戻っていった。俺もレオンにばれる前に自分のテントに戻るとするか…
テントの中でと何かゴソゴソする音が聞こえる・・・・・・・ドロボウか!?思わず俺は
タケ「何しているんじゃクルルルルルルァァァァァァァァ!!」
?「し、しまった!!」
誰かがいた…俺は側に置いてある鋼の剣を持って戦闘態勢に入った。
ちょww
ここでやめるかwwww
外道すぎるwwwwwwwwww
だが、そこがいい!
まさかこのスレで某コピペが見れるとは思わなかったw
ああ・・・タケがますますネタキャラに・・・
>>436続き
2人が棺を恐る恐る開けると、暗い部屋の中で、名前の通り黄金に輝く財宝が現れた。
「おお〜」
「うわ〜何か趣味悪い〜」
「鉄の爪に似てるな。お前装備できるんじゃねーの?」
「ヤだよこんなの!」
「鉄の爪より攻撃力がありそうなんじゃがのう」
「おじいちゃんまで何言うのよ〜」
その時、低く聞き取りづらい声が辺りを支配した。
―――我の眠りを覚ますのは誰だ―――
「え?!」
「何なに?」
―――王家の財宝を荒らす者よ。生きて帰れると思うな―――
突然棺から光が放たれる。暗闇に慣れた目にはひどく眩しかった。
「・・・・・・?」
数秒の沈黙。何も変化が無いと思われたその瞬間、
「ぐはっ!!」 ドカンッ!
ジュードが攻撃を受け、倒れる。
いつの間にかミイラ男が真理奈達の背後に迫っていた。
「・・このッ!」
真理奈が鉄の爪をミイラ男に突き刺す。その一撃で勝負は決まった。
が、ミイラ男が倒れると、その後ろからまたミイラ男が・・・
目を凝らすと、この小部屋にどんどんとミイラ男が入って来るのが分かった。
「何これ!さっきまでこんなにいなかったのに・・・!!」
目の前のモンスターを倒しながら真理奈が舌打ちする。
「よし!ここはワシにまかせんしゃい!ベギラマ!!」
炎の渦がミイラ男達を焼き尽くさなかった。
「・・・ありゃ?ベギラマ!ベギラマ〜ッ!!」
「ちょっと!何してんのよ!!」
「呪文が使えない・・・・」
な、なんだっ(ry
「ホイミ」
フィリアもジュードに呪文を試してみるが、効果は表れなかった。
パトリスを見上げ、首を横に振る。
「・・・呪文なんか無くったって平気だっての」
ジュードは薬草を乱暴に飲み込み、ミイラ男の群れに突っ込んで行った。
狭い通路に真理奈とジュードが並び、少しずつモンスターの波を追い返していく。
「今回ワシらは出番なさそうじゃのう・・・」
パトリスは戦う2人を眺めて嘆息し、フィリアは不思議そうに棺を見つめていた。
斬る。殴る。薙ぐ。蹴る。刺す。突く。裂く。
真里奈・ジュードはそれらを向かってくる相手にお見舞いしていく。
と同時に少しずつ相手の懐へ踏み込んで行く。
何せ通路いっぱいにミイラ男の列が出来ているのだ。
ただ倒すだけではここから一生出られないだろう。
パーティーはそれに合わせて徐々に前進して行く。
が、この通路では一度に2人しか戦えないのでその前進は微々たるものだった。
一番後ろで待機しているパトリスは再び疑問に思う。
通常倒したモンスターはそのまま死体となる。
中にはそのまま消えてしまうようなモンスターもいるが、少なくともミイラ男は違う。
それなのに真理奈とジュードが倒したミイラ男は跡形も無くなっているのだ。
暗闇に溶け込むように体が消失していく。
まぁそのおかげで、通路が死体だらけにならずに済んでいるのだが・・・
さらに呪文が使えない謎。人智を超えた力が働いているに違いない。
(これが王の呪いなんじゃろうな・・・まったく女王も無茶させおるわ)
「あぁぁあ〜もう!!いつまで続くのよ〜!!!」
ピラミッドにこだまするその声は、真理奈の苛立つ姿を嘲笑っているかのようだった。
階段を上り、地下1階へとようやくたどり着いた。
しかし今度は四方からモンスターが迫ってくる。
未だ呪文の使えないパトリスやフィリアも戦闘に参加せざるを得なかった。
「出口っ!どっち!?」
「知るかよ!!」
さすがに真理奈やジュードには疲れの色が見え始める。
「ピーピー!!」
それまで真里奈のバッグに隠れていたブルーがツノを出し、訴える。
「あっちが出口なの・・?オッケー!ブルー、信じるよっ!!」
皆は真理奈を信じ、進行方向を定める。
戦えないプエラを守りながら周りに気を配り、モンスターを排除していく。
4人は何とかそれを実践していたが、1人フィリーだけが何もしていなかった。
いや、正確には何も出来なかった。
これだけのモンスターに囲まれ、足がすくんでしまっている。
真理奈達についていくだけで精一杯。
初めて感じるここまでの恐怖。
この試練がどれだけ難題だったのか、今になって実感しているのだ。
その時、1匹のミイラ男が4人の隙をつき、フィリーとプエラに襲い掛かってきた。
ミイラ男の包帯に巻かれた両腕が振り上げられる。
「きゃあああぁぁぁぁあああ〜!!」
(こんなの・・・・無理だよ・・・・)
「フィリー!!」
気付いた真理奈が叫ぶ。しかしフィリーは動けない。
「ロマリアの紋章が泣いてるわよ!」
(そうだ!僕は・・・!)
「うわああああああああ〜!!!」
フィリーは大声と共に気合を入れ、鉄の槍を突き出した。
が、王子様渾身の一撃はミイラ男には当たらず、脇に外れてしまう・・・
そして勢い余った王子はそのままミイラ男に渾身の体当たりをする形になる。
フィリーのヘンテコな会心の一撃はミイラ男を見事に吹き飛ばした!
フィリーに飛ばされたミイラ男は、後ろのモンスターにぶつかり将棋倒しになる。
その先には天井から差し込む光が・・・
「プエラ!行こう!」「はいっ!!」
王子と姫は手を繋ぎ、ピラミッドを脱出した。
プエラのもう片方の手にはもちろん黄金の爪がしっかりと握られている。
「よっしゃ〜私達もこんなとこからオサラバしよっ!」
モンスターを適当にいなしながら真理奈達もピラミッドの外に出る事に成功する。
どうやらミイラ男達はピラミッドの外までは追って来ないようだ。
太陽がオレンジ色の光を放ち始め、一日の終わりを告げようとしていた。
「はぁ〜終わった〜・・・」
「きゃあぁぁぁぁあぁ〜!!!」
「え?!」
突然プエラの前の地面が盛り上がり、赤くて巨大なカニが現れる。
地獄のはさみだ。ミイラ男のように次々と湧き出てくる。
「ちょ・・・終わりじゃないの・・・?」
うんざりする真理奈を横目に、地獄のはさみの前に立つ者が1人。
「ふっふっふ。神はちゃんとワシにも活躍の場を与えてくれたようじゃな。
ここはワシに任せんしゃい!」
パトリスが子供のように楽しそうな表情で言う。
(外に出ればこっちのもんじゃて!それに少しは働かんとご褒美にありつけんからのう)
フィリーがプエラを避難させ、パトリスが一番前に出る。
その間6匹の地獄のはさみは攻撃をしかける事無く、しきりにはさみを上下させていた。
[スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト] [スクルト]
みるみると地獄のはさみ達の甲羅が堅くなっていく。
「無駄じゃ無駄じゃ。ワシの呪文の前ではな!!
メラミメラミメラミメラミメラミ〜!!」
パトリスがここぞとばかりに張り切り、地獄のはさみを焼いていく。
その一帯だけ昼間の灼熱の熱さを取り戻したかのようだった。
炎に焼かれ、地獄のはさみが動かなくなる。
「どうじゃ!呪文の力を思い知ったか〜!!」
「カラ剥いて食べたらおいしいかな?」
「お前モンスター食うのかよ」
「え〜だってこれカニでしょ?カニっておいしいんだよ〜!」
「・・・・・・・」
パトリスをかつて無い程のやるせなさが包んだ。
何を思ったかフィリアがトテトテと地獄のはさみに近づいた時、
グググググググググ・・・
良い具合に焼かれた地獄のはさみ達の中から低い唸り声をあげ、生き残りが現れた。
「もー勘弁してよ!早く帰ってシャワー浴びたいっ!!」
「よ、よしっ!今度こそこれで終わりじゃ!メラミ!!」
しかし、パトリスの杖からはメラの炎は出現しなかった。
「・・・・・MPが足りないようじゃの」
「もーおじいちゃん使えない〜!」
「な、なんじゃと!」
「やるなら最後までしっかりと締めてよねっ!」
真理奈が止めを刺しに地獄のはさみへと走り、背中に飛び乗る。
「おりゃ〜!!」
ガキンッ!!
「・・・・!!!痛った〜!!!」
金属の壁を殴ったかのような衝撃。鉄の爪を通じて腕に痺れが伝わってくる。
ググッ!グググ・・・
地獄のはさみは真理奈を攻撃しようとするが、はさみが届かなくてもだえる。
「ありゃダメだよ。硬すぎ〜」
真理奈が地獄のはさみの背中からジャンプして戻ってくる。
「やはりワシの呪文が無いと困るじゃろ?」
「使えないのに言われても・・・」
「・・・どうする?」
一応攻撃を試したジュードも戻ってくる。どうやらダメだったらしい。
「・・・」
そこでフィリアがここは私が、と声を上げる。
いや声は出してないんだけどね。
「ルカニ」
久しぶりに聞くフィリアの声は、やはり凛としていた。
「ねぇねぇ、ルカニって?」
「ルカニは相手の守備力を下げる呪文じゃ。これで攻撃が効くように―――」
グググ! [スクルト!]
地獄のはさみは不気味な笑みを浮かべながらはさみを振り上げ、呪文を唱える。
「・・・あれじゃあ意味無いよね?」
真理奈の質問に対して、パトリスは明後日の方向に目を逸らした。
「・・・ルカニ」
敵の的確な対応に少しムッとしたフィリアが再び呪文を唱える。
[スクルト]「・・ルカニ」[スクルト]「ルカニ」[スクルト]「ルカニ!」・・・
フィリアと地獄のはさみの呪文が応酬を繰り返す。
フィリアを見下すように呪文を唱える地獄のはさみ。
それが気に食わないのか、意地になってフィリアも呪文を唱える。
「なんじゃコイツは・・・MPが尽きんのか?」
それは魔法使いの自分よりMPがあるのではないかと思わせる程だった。
「フィリアちゃん頑張って〜!!」
「頑張ってください!」
「ピーピー!!」
皆の声援を背中に受け、フィリアは呪文を唱え続けた。
ってかもうバギで倒せばよくね?
「はぁはぁ・・・」
魔法合戦はフィリアの方が先に息を切らして終わった。
グガァァァァ〜
スクルトを唱えた姿そのままで地獄のはさみはチャンスと攻撃をしかけてくる。
幸いに地獄のはさみのスピードはそこまで速くなかった。
が、力尽きそうなフィリアは完全には避けきれずに倒れる。
そこに続けてはさみが振り下ろされる。
ガキンッ!!
ジュードがフィリアと地獄のはさみの間に入り、剣で受け止める。
しかし力の差は地獄のはさみに軍配があり、ジュードの体は砂漠に沈んでいく。
「くっ!!」
ジュードの顔が苦しくゆがむ。
「攻撃が効かない、か。こりゃあ万事休すかのぅ・・・」
(マリア・・・使ってもいいか?)
パトリスが心の中で何かを決めようとした時、真理奈が叫んだ。
「そっか!スカラよ!」
「何じゃと?強くしてどうするんじゃ!防御力を下げないと――」
「違う!私にスカラしてって言ってんの!」
「真理奈ならあんなヤツの攻撃食らわんじゃろ」
「いいからっ!早くっ!」
「!!スカラっ!!」
驚いたパトリスが思わず呪文を掛ける。
「オッケー。姫様、ちょっとコレ借りるね」
「は、はい!」
次に鉄の爪を外し、プエラが持っていた黄金の爪を手にはめる。
「よ〜し!行っくよ〜!!」
真理奈は再度、地獄のはさみに向かって走り出した。
「ジュード!どいて!」
ジュードがフィリアが無事なのを確認してから、剣をずらす。
はさみが刃を滑り、力のベクトルが変わる。
ドシンっ!!地面にはさみが飲み込まれ、砂煙が舞い上がった。
ジュードはその隙に敵の懐から抜け出した。
視界が晴れると、地獄のはさみの目に真理奈が立ちはだかっているのが映った。
グゥゥゥゥ〜
地獄のはさみは攻撃を低い声で唸りながら仕掛けてくる。
「フィリアちゃん!もう1発ルカニを!」
フィリアは頷き、最後の力を絞って呪文を唱える。
「ルカニっ」
地獄のはさみの防御力が下がる。ニヤリと笑う真理奈。
「や〜い!スクルトしなくていいの〜?体がヤワくなってるよん」
真理奈の挑発に乗り、地獄のはさみが呪文を唱えようと体を起こし腕を振り上げる。
(今だ!!)
真理奈は素早く地獄のはさみの体の下に入り込み、
「よっ・・・っと!!」
綺麗にサマーソルトを決めた!!
[スクル―――]バクンッ!!
だらしなく開いていた口が閉じられ、地獄のはさみの体が宙に浮いた。
真理奈は着地時の屈伸と同時に右腕に力を込める。
スカラのおかげで足に痛みは無い。そして思いっきり足を伸ばし跳躍。
「とぉりゃあぁ〜!!」
黄金の爪を地獄のはさみに突き刺し、そのまま腹を引き裂いた!
最後の地獄のはさみは泡を吹いてそのまま仰向けに倒れる。
「うしっ!」
真理奈のガッツポーズが決まる。
モンスターの血がその右腕にある爪に吸収されていく。
そしてイシスの秘宝は黄金の輝きを夕暮れに負けじと再び放ち始めた。
戦闘終了〜今日はここまで
>>438 歓迎ありがとうございますw
ってか読んでみたらそんなに長くないかな
自分としてはこんなに物語を書いたのは初めてだ・・・
>>439 指摘ありがとうございますー
やはり読みづらいですよね・・・
一応今回、少し試してみましたがどうだったでしょうか
行数制限が無ければもっと空けたりできるんですが・・・
ってか1レスに詰め込みすぎですよね
もう少し考えよ
ジュード!どいて!そいつ殺せない!
職人さん住民さん、お疲れさまです
展開に悩みついで、保守しておきます
そろそろ4の人が来る頃な予感
た の し み
ほかの職人達もあんなのは気になさらずに気ままに投下してください。
暇つぶし氏もそうだからいまさらだけど、
別に三人称小説でもありなんだよな?
別に良いんじゃね?
最近、物語の終わりを考え迎えるるのがなんというか、こわい
今まで一生懸命書いた、自分にとっては大事な話が、エンディングで全てを決定付けしてしまう気がするから。
だから、保守する
なかなか投下できなくてごめん
タカハシさん推敲がんばってー
急がず自分のペースでまったり書いてくださいな
頑張れ頑張れ!
そういう悩んでる時間も無駄じゃないから
やあ、あげるよ
/ ヽ、
ィ i
/ i ヽゝ
//´ / ノ イl 、ヽ
l , ‐ィ ´ir'´〃', トl
{ f三ミ'' アT ー-'ヽ ノ
ヽ !、´ /i ヽ }、 /
ヽ l´ .ノ `ー 'ノ l l
_,. - Jィヘ. `、''__ ヽ'ノノ ,.人、
/ /ヘ ヘ ー `ィ_ / lヽ\
l _,\ /`ー,. ''_,.ゝ' / | \
| r┴―┐' r´-く ハ l
l l_ ! .| ゝ、 / ヽ--
r '´__,.)〜┤ !ーi ヽ / `7
/ /, -‐- 、 l /i | / /
} '´ _, =-く┘' l / /
l '' , ィ ! /
ヽ ‐ ´ ノ | /
ショクニン・オツ [Shain Otz]
(1949-1988 アメリカ)
男は度胸!なんでもやってみるものさ。>タカハシ
暇潰しさんGJですぅ。すごくよくなったと思うのですぅ。
更新しようと思ったがメモした内容が紛失したwwwwofz
>>474 頭の中のメモまでなくしたというのかね?
>>475 あらすじは把握してても書いてるうちに変わってくことだってあるんだよ
話の内容全部覚えられるとでも思(ry
本人なりの事情があるんだろ。俺達にとやかと言うことはできない。
× とやかと
○ とやかく
リーザス村 11:52
扉を開ける音とともにサイモンは自分の部屋に入った。
ふと前を見ると筋肉が盛り上がり、身長は・・・・・サイモンよりは低い男
が彼のベットに横たわっていた。
おい!」
っとサイモンは体格の良い男をベットから蹴り落とした。それでその男
はようやく目が覚めたようで起きあがると元気よく。
「お帰りなさいサイモンさん」
「人の家に無断で入り込むとは良い度胸してるじゃねぇか。アベル」
アベルと呼ばれた男はサイモンの言葉を受け流し論点をすり替えた
「村を出るんですね?」
「何で知ってる?」
「ゼシカお嬢様の屋敷での会話を盗み聞きさせてもらいました。屋根で」
「なるほど・・・・俺の感動の別れを盗み聞き・・・死にたいようだな」
サイモンは剣を引き抜く体制をとった。しかし肝心のアベルはそんなことは
気にもとめておらず。ニヤニヤと笑いながら話を続けた。
サイモン アベル
Lv30 Lv10
HP200/200 HP30/30
MP300/300 MP0/0
武器:鋼の剣 鉄の胸当て 武器:銅の剣
呪文:ライデイン マホステ 呪文:
特技:隼切り 特技:正拳突き
ずれたofz
サイモン アベル
Lv30 LV10
HP200/200 HP30/30
MP300/300 MP0/0
武器:鋼の剣 鉄の胸当て 武器:銅の剣
呪文:ライデイン マホステ 呪文:
特技:隼切り 特技:正拳突き
またずれたofzスレ汚しスマン
アベル
LV10
HP30/30
MP0/0
武器:銅の剣
呪文:
特技:正拳突き
内容短すwwww
三人称は苦手なようですな。
>>392 から続き
●慣れない男と小さな事件
「おかえりなさい、タカハシさん」
診療室へ戻った俺をクリーニが迎えてくれた
「あ、そういえばここを宿屋変わりに使ってしまって…」
「とんでもない
実はもともと私は宿屋を営んでいまして、実際ここは宿屋だったんです
私が医者を始めてしまったせいで、この町からは宿屋が無くなってしまいました
旅人は皆、民家へお金を払って泊めてもらうんです
そんな環境ですし、構いませんよ」
「そうでしたか」
「お代はテリーさんにいただいてますから、どうか気にせず」
「…遠慮なく使わさせていただきます」
「私は地下の自分の部屋にいますから、何かあったらすぐに呼んでください」
クリーニが地下へ降りていく
俺は背負っていた食糧袋を床へ起き、メイの寝ているベッドの側にある椅子へ腰かけた
ここチゾットから封印の洞窟まで、メイの持つ古文書の地図を見る限り距離はないからすぐ行けるだろう
だけど…
隠されていた道が今では誰でも利用できるようになり、商人や旅人は当然あちこち見て回る
洞窟が誰にも見付かっていないなんて保証はどこにもない
むしろ、すでに見付かっていると考えたほうが良い
…封印された魔法は、高度な魔力を持つ者にしか封印を解くことが出来ないという事だけが安心材料
しかしこれは封印方法にもよるよな
もし持ち運べる程ちいさな封印であれば持っていかれているだろうし
とてつもなく巨大なものであれば、持っていかれないとしても破壊されているかもしれない
賭けだ これからいく洞窟に果たして、何が待っているのか
メイの事を考えれば封印が残っていると、信じたい
俺にはシャナクがなくてもまだ、カルベローナの生き残った住人という可能性がある
それにしても…
しばらく魔物の姿を見ていない
もしかするとここら辺一帯は魔物がいないのだろうか
道具屋の話だと旅人も多いそうだし、壊滅させられた町の人も西には多く住むという
魔物が現われないから交流も盛んに行われているんだな
魔物はどこへ行ってしまったのか…
メイの顔を眺めた
とても落ち着いた表情で眠っている
…なんで俺と行こうと思ったんだろう
俺なんて、フィッシュベルにいる時はとても弱かったし助けられてばかりだったのに…
もっと強い人と旅をしていればこんなに身体を痛めつけることもなかったのに…
気付くと、濃い茶色の長い髪
メイの頭へ手を乗せてしまっていた
「うぉ…」
思わず発し、手を除ける
「どうしました? 顔を真っ赤にして」
ベッドの横の階段からクリーニが登ってきながら言う
「あー 邪魔をしてしまいましたか?」
「え、うぅあ そんあ、そんなこと無いですよなんでもないですから」
「はは、そうですか さっき言い忘れてしまいましたが、お湯を用意しました
どうぞ使って下さい」
はぁ なんてザマ
別におかしな事はしてないんだから堂々としててもいいはずなのに
無意識だったけど、慣れない事はするもんじゃないよ…
気をとり直し、クリーニへ返事をする
「それは助かります 二十日も水浴びすらしていなかったですから」
「では地下を降りてまっすぐ、突き当たりへ
これ、タオルです」
「ついでに洗濯してもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
クリーニからタオルを受け取り、荷物から全部の着替えを取り出し風呂場へ向かい湯を浴びた
「ふぅー…」
この世界では始めての湯舟に浸かりながら一息
やっぱり湯に浸かるに限る
水じゃなんだか、うまくないんだよな
そのまま裸で、衣類全てをゴシゴシこすり洗い、風呂場を出ようとしたとき事件は起きた
「着替えまで洗っちまった…!!」
まずいぞこれは
まさか全裸で上がるわけにもいかない
考えろ、俺!
………そうだ魔法の鎧!
いやっまてっ!
裸に鎧は、胴体しか隠れないし明らかに変質者じゃないか
このまま服が渇くまでここにはいられない…
この世界に来てたぶん一番脳をフル活用して出た答えは─
「クリーニさん!! クリーニさーん!! 服を貸してください!!」
この場から助けを呼ぶ事
しかし、ついてない事にその時クリーニは出かけていた
そうとも知らず俺は必死に叫びつづけ
急いで着替えを持ってくるクリーニを
かなり長い時間待ったのだった
●静寂と形跡
メイは夜になって目を覚まし、クリーニから完全回復のお墨付きをもらい喜んでいた
だが気が、少し疲れているのだろう
湯を浴びた後すぐにベッドへ入り、上半身を起こした状態で会話をしている
クリーニは自分の部屋へ戻り、夜の診察室はランプの中で燃える炎の灯りでぼんやりと照らされる
「さっきは本当にこの世界… いや、ここまで生きてきた中で一番の恥ずかしさを味わったよ」
「ふふ タカハシはどこか、いつも抜けているのよね」
「いや、まぁ、言い返せないな はは
ん? ところでその首に下がっているのはなんだ?」
メイの首には小さなガラス玉
透明で穴が開けてあり、紐が通されている
「これ? これはね、私のお守りなの
ずっと首から下げていたんだけど、ローブのせいで見えなかったわね」
メイはこの診察室に運ばれた後、民家のおばさんに借りたサイズの大きいパジャマのような服装に着替えさせられていた
「お守り? 何か特別な力でもあるのか?」
「これは"静寂の玉"っていって、場の魔力を封じ込める特別な水晶らしいの
私が幼いときにイシスの外で見付けて、それからずっと身に着けているのよ」
「魔力を封じる… 封じた事はある?」
「いいえ、一度もない
静寂の玉は古代魔法と同じ古代の力で作られた水晶玉
身に着ける者の思いを、長い年月をかけて込めなければ効力を発揮しないそうよ
だからいつも身に着けているの」
「そうなのか もしもの時の為に、これからも身に着けておかなきゃな」
「─もし、私ゃタカハシが危険な時、助けてくれたら いいね…」
少し、どこか遠くを心で見つめるような表情で答えるメイ
「うん? なんだ、大丈夫だよ
俺達はきっと、目的をやり遂げる …必ずだ」
俺が言い終わるのを待っていたかのように、外でザアザアバシャバシャと音が弾け始めた
「雨? そういえば雨なんて初めてだ」
「初めて? いくらなんでも初めてなんて、やっぱりタカハシは変わっているわね
と言っても、雨は私も一回しか見た事がないけどね」
この世界の雨は滅多に発生しないんだな
まぁ俺の世界とは気候も違うだろうし、別に変ではないか…
その夜降り始めた雨は激しく止むこと無く一晩中、世界をびしょ濡れにし続けた
何かを必死に、洗い流すかのように─
─
「本当にお世話になりました
すっかり元気になって、クリーニさんと村の方のおかげです」
翌朝、俺たち二人はクリーニの診察室を出て封印の洞窟へ向かう事にした
洞窟はここから近い
ならばすぐにでも行って封印の無事を確認したい、そう思っての決断だ
丁寧にクリーニと俺たちを運んでくれた人達に挨拶をし、村を出る
今まで隠されてきた"西の道"
その道は平坦に舗装され登り降りもきつくない
しっかり休んで回復できたのもあるだろうが東の道を進んできたときよりも遙かに、楽に進むことが出来た
あんなに苦労して歩いてきた東の道の苦労は、なんだったんだろう
西の道を歩み初めてまる二日、俺たち二人は緑に囲まれる森の入口に居た
相変わらず、魔物とは一度も遭遇していない
「この森、古文書の地図にも書いてある
それで地図は… ここから更に西を指しているわ」
だが、目の前にある道はまっすぐ北へ延びている
西へ行く道なんて存在していない
あるのは背丈ほどの鬱陶しい草の壁だけ
「しかしというかやはりというか、西への道なんてないぞ?」
「うん でも地図は西を指しているの だから…
先頭で道を作っていってね、よろしく!」
「やっぱりそうなるよな、仕方がない…」
俺は先頭にたち、オリハルコンの剣でバサガサと草を薙ぎ斬り倒し道を作っていく
魔力はもちろん使わない
使えば楽に進めるとは思うが、草相手じゃあな…
バサバキと草が茎から折れ、倒されていく音だけが森の中へ響く
鳥や虫の声も聞こえず、時折り剣がヒュウと空を切る音が混じる
メイはというと大人しく俺の後ろを着いてくる
こんな調子で休憩を挟みながら数時間は進んだだろうか
目の前から草が無くなり、変わりに地面に張りつく石畳が姿を見せた
その石畳はまっすぐと続く道を作り、道の両脇には刈り取られ枯れ果てた大量の草の山
「道が、現われたのはいいが… これは誰かが通ったみたいだ…」
「…」
なんとも言いようの無い、重たい空気が流れ始める
俺はそんな空気を嫌いメイへ話しかける
「どうしようか?」
「……もちろん、進む
もし誰かが洞窟を見付けて入っていたとしても、封印を解かない限り古代魔法を取り出すことは出来ないから…」
「そうだな 封印は魔力の強い者にしか解けないんだよな?」
「そう、私の様に賢者かそれ以上の魔力を持たないと封印を解くことは出来ないわ
そしてそれほどに魔力が強い人間はとても少ないから─」
「よし、行こう」
剣に着いた草の切れ端や汚れを拭き取り、収めながら俺は一歩踏み出し振り返り、ちょっと笑って言う
「もう剣は必要ないよな?
このまま草刈りばかりしてたら剣も腕も錆びてしまうよ」
●封印された魔法
夜になり、まだ洞窟へはたどり付けず俺達は石畳の道沿いで過ごすことにした
メイは、古代魔法が近くにある為かなかなか寝つけないようで、見張りをいつもより長くしてくれると申し出てくれた
「眠たくなったらすぐに声をかけてくれよ」
「ええ、ありがとう
でもここ最近、魔物の気配は感じられないしこんな森の奥に人が来るなんてなさそうだから」
「魔物か… どうして急に姿を見せなくなったのか気になるけど、体力を温存できるから助かるな
でも油断は禁物だよ」
「もちろん 何か起こったらすぐに起こすわ
だから、たまには… タカハシは安心して休んで」
「たまには? ははっ いつも安心して休んでいるさ
まぁそう言ってくれてるんだから、今夜は少し多めに休ませてもらうよ
何度も言うけど、何かあったとしても一人で無理するなよ」
「うん」
木々の隙間からわずかにのぞく深い青色をたたえる夜空
その夜を物憂げに見上げるメイにその場をまかせ、俺は固く薄い毛布に身を包んで眠った
─
この世界に"季節"は存在しないのだろうか
もうかなりの年月、この世界を旅しているが気温も湿度も変わりなく一定だ
雨だってこの間が初めてだった
俺は、そんな気持ちの良い風と空気にすっかり慣れきってしまっている…
だけど、今いるこの場所の環境はとても酷い
多量の水分を含み生温かい空気
体中にじっとりとまとわりついてくる汗
こんな場所早く出たい 外が恋しい
ここは─ 封印の洞窟内部
夜が明け、歩きだした俺達は程無くして、外へぽっかりと口を開ける岩山を見付けた
それはすぐに洞窟だと分かり同時に目指す場所であることもわかった
だが入口周辺には洞窟を見付けた人間が残した者であろう焚火の痕と、置き去りにされ朽ち果てかけたいくつかの布袋
"もう 封印は解かれてしまったのでは─"
ここまでリアルな人の形跡を見せつけられ、そんな思いが頭をよぎった
だけどやっぱり諦める事なんて出来ない
だから俺が率先して中へと踏み込んだ
メイの、不安そうな表情をなんとかしようと思ったのもあるが─
焚火に使う燃料用の油を布へ染み込ませ、それを手頃な木の棒へ巻き付け松明を作り進んでいく
洞窟の中は人間三人が横に並んで歩ける幅
高さは二メートル半ほど
壁はデコボコで、明らかに手で堀進んだことが分かる
一面にびっしりと苔も張りついている
魔法を封印するためだけに掘ったのだろうが真直ぐ続く道はとても深い
相当の年月がかかっただろうと思う
「嫌な空気… 早く古代魔法を見付けて外へ出たいわ」
「きっと、長い時間人の出入りがなかったのだろうから空気の入れ換えができず、澱んでしまったんだろう…」
警戒して足早に進んで行き、やがて丸く広がる空間へとたどり着いた
松明の明りでうっすらと先が見える
「正面の奥、何かあるわ!」
メイの言葉に急いでその場所へと進み寄る
炎で照らし出されたのは石出で出来た石の土台と数メートルはある巨大な石の球体
「これが 封印…か?」
少し緊張しながらメイへ問いかける
「ええ… 古文書にはこの"丸い石に手をかざし念じろ"と書かれているわ
…やってみる」
メイが球体へ手をかざし、集中を始める
「…… …… よかった! この封印はまだ解かれていない!」
顔を見合わせお互い安堵の表情
先に入った人間は、恐らく封印を解くことが出来なかったのだろう
これだけ巨大であれば持ち出すことさえ不可能だ
「いよいよ、封印を解くわね…」
メイは手をかざしたまま古文書に書かれた古代文字を指でなぞり、何かを呟く
すると、その呟きに反応するかのように球体が赤くぼんやりと光り、ゴゴと音をたて二つに割れてしまった
「! 割れたぞ……」
俺は声に出して驚いたが、メイは目を瞑ったまま集中している
その様子に俺はなんだか声を掛けられない
しばらくしてメイが、口を開いた
「……封印されていた魔法は、全部で三つ 全て、会得出来た…」
「もう終わったのか?
いやにあっさりしてるんだな… それで─」
「ごめんね…… シャナクは、無かったの…」
シャナクは 無かった─
「ここまで来て… 本当に残念……」
「いや、これは誰も悪くない 謝ることは無いよ」
「でも 私が期待させるような事を言ってしまって─」
「気にしなくて、いい
元々、イシス以降まったく宛の無かった俺の旅なんだ
そんな旅に希望をくれたのはメイなんだよ 感謝してるさ
それにまだカルベローナがあるんだ
大丈夫、まだ希望はあるし何があっても誰のせいでもないから」
泣きそうな顔のメイ
俺は自分自身にも言い聞かせるように、そう言った
●巨大なその、邪悪なるモノ
「早くここから出よう ここは空気が悪い」
ゆっくり、松明を左右に揺らしながら元来た道を帰ろうと振り返る
と─
「あれは…?」
「もしかして… これと同じ魔法が封印されていた丸い石じゃあ…」
うっすら見える巨大な物体へ近付くとやはり
さっき俺達が封印を解いた球体の割れた姿
「もしかして誰かが封印を解いたとか…」
「そうとしか、考えられないわね
でもどうして全ての封印を解かなかったのかしら…」
この球体にはどんな古代魔法が封印されていたんだろう
ん、そういえば魔物たちは古代魔法ルーラを使っていたな
……まさか!?
「早くここから出たほうがいいかもしれないぞ」
「どうして?」
「実はな、トルネコさんと旅をしているときにルーラを使う魔物がいたんだ」
「ルーラ それは確か古代魔法ね… !」
「そう、この封印を解いたのは魔物かもしれないんだ だから」
何か、やばい気配が辺り一面に流れ込んでくるのを感じた
俺とメイは急いで洞窟を駆ける
正面に外のまぶしい光が見え、その光へ飛び込むように洞窟から抜け出す
外には森のさわやかな風が吹いているが、身体は汗だらけ
走ったのもあるがそれだけではない
「気配が消えない─」
『ガサリ』
「貴様ら、何をしている?」
不穏な気配の正体
それは目の前に突如現われた巨大な魔物 一目で、鍛え上げられた身体を持つ、アトラス
「まさか封印を解いたのではないだろうな?」
「お前に言う必要は無い…!」
オリハルコンの剣を抜きながら俺は、アトラスの前に立つ
「ふん 弱い人間のくせに口答えするか
…もう一度だけ聞く 封印を解いたのか?」
アトラスの大きな身体にギュッと力が入るのが分かった
こいつは簡単に倒せそうな相手では無い
救いは魔力を僅かしか感じられないから、力だけかもしれないという事だ
「もちろん解いたわ! なにか、不満?」
メイが俺の前へズズイと出て、強気な返事を返す
「メイ、俺の後ろへ…」
「不満だと?
封印を解いたのなら生かしておくわけにはいかんな
解いてなくても殺すがな! ぐあっはっは!」
久しぶりの戦いだ
魔力も体力も完全に回復している
どう仕掛けるか…
「殺されるのなら、知りたいわ
他の封印を解いたのはあなたたち魔物?」
「ふむ どうせ死ぬのだから教えてやろう
俺達魔物では無い ゾーマ様自ら封印を解いたのだ
魔法はルーラだけだったが、俺のように強い魔物にもゾーマ様はルーラを授けてくださった」
「ルーラだけ… 魔王にしか封印を解けないのだったらあなたは何をしにここへ?」
「俺か? ゾーマ様がルビスの力を潰せと俺に命じたからだ」
「ルビス…だって?」
唐突に出た"ルビス"という単語に、今度は俺が聞き返す
こいつは単純なのかよく喋ってくれる
「そうだ 下らない、創造神ルビス
相当の猛者がいるのだろうと期待してみればどうだ
いたのは貧弱な男と女ではないか…!」
足を踏みならし悔しさを表現するアトラス
右手に持つ巨大な棍棒をドスンと地面へ叩きつけ、俺達二人を見下ろした
「ゾーマ様はこうもおっしゃった
ルビスの力はどんなに小さくてもいずれ大きな力となり我々魔族を脅かす、とな
そして貴様等は"か弱い"くせに封印を解き古代魔法を手に入れた
貴様等のどれがルビスの遣いで、なんの魔法を手にしたかは知らんがな!」
「ルビスなんて、俺は知らん…」
俺はかなり迷った
こうなってしまっては、メイに俺の正体を隠しつづけるなんて出来ないからだ
だけどメイには、メイにだけは話しても…
「さて 貴様等と下らない話をするのにも飽きてきた
さぁ! 死ね!」
アトラスがドシンと前足を出し棍棒を俺に振りかざす
俺は戦いの事以外を考えていたから反応が一瞬おくれてしまった
やばい…!
「イオナズン!」
ズドドォと、アトラスの居たあたりに凝縮され圧力の高まった爆発が起き、激しい爆風が辺り一面に埃のカーテンを作り出す
「はぁはぁ… やっぱり古代魔法はまだ私には負担が……」
メイだ
メイは俺とアトラスが話をしている間に魔力を溜めていた
「メイ! 大丈夫か?!」
「ええ… 古代魔法の一つよ、すごい威力だわ…
これだけで魔力をほとんど使ってしまった…」
爆発は空気中で起きていた
爆風は収まり、もうもうとのぼっていた埃が消え視界がはっきりしてくる
その痕は、木々をほとんど薙ぎ倒し残っている
アトラスは地面に俯せ倒れていたが、致命傷にはならなかったらしい
「く… なんて魔法だ…」
頭を抑えながら立上り俺達を睨み付けるアトラス
胸元はブスブスと煙が立ちこめ焦げている
あれだけの爆発を一身に受けながらこの程度の傷しか与えられないとは、なんと恐ろしい魔物だろう
「うがががががああああああ!!」
薙ぎ倒された木々を更に蹴飛ばしながら、力任せに棍棒を俺にいくつも振るうアトラス
その度にドスンズシンと地面が揺れ、意外にも素早いその動きを懸命に俺が避ける
「しねぇぇぇぇえええぇ!!!」
ただひたすらに、前に立つ俺を追いかけ回し棍棒を地面へと叩きつけるアトラス
俺は叩きつけた後に出来る少しの隙を狙い、魔力を十分に送り込んだオリハルコンの剣で斬り付ける
が─ 刃があたる瞬間、妙な感触のせいで思った以上に深い傷を与えることが出来ない
魔王の力なのかなんなのか、とにかくこのまま地道に小さいダメージを与え蓄積させるしかない─
そうしてそんな追いかけっこが数分続いた所で、俺はある事に気づく
それは─
アトラスが蹴り飛ばす木は、確実に退路を絶っているのだ
その事に気付いたときはもう手遅れで、俺とメイは積み上がった折れた木に挟まれ、目の前には余裕の戻ったアトラス
「俺が力だけだと思っていただろうが、残念だったな!
貴様等の魔法や剣など闇の衣の魔力の前では無力!
もう逃げ道はない さぁ、死んでゾーマ様の力となれ!!」
おおきくゴツゴツとした棍棒がいままでよりも遙かに早い速度で近付き、俺は両手を使いオリハルコンの剣で受ける
が、とてつもなく重いその一撃に直撃こそ免れたが、俺とメイは地面から足が数十センチ浮き、吹きとばされてしまった
「くっ……… なんて、力……!」
ゴスッ!
「カ ハッ……!」
腹に激痛と苦しさ
同時にゴキッという骨の砕ける音
俺の口から苦く、温かい液体が飛び出す
血だ
腹の上にはアトラスの大きく太い足がグイグイとのしかかる
「タカハシ!」
少し離れた所へ飛ばされたメイが、ヨロヨロ立ち上がりながら声をあげる
「女 人の心配をしている場合か?」
アトラスは俺から足を除けおもむろにメイへ近付き、身体に見合う大きな手で、叩き払った
メイの小さく軽い身体はまるで折紙のように空を舞い、倒された木々へガラガラと落とされる
「う……」
折れた木の枝が、胸部を貫通し真っ赤に染まってゆく
表情を歪ませその枝から身体を引き抜き、更に地面へ落ちるメイ
『力を─』
ルビス…か?
俺に、こいつと戦う"力"をくれ…
『あなたはすでに"力"を持っている 守りたいモノや人を強く、思いなさい…』
>>魔神
テラ少なす・・・
>>タカハシ
テラ多すwww
俺の中で何か大きな力が起き上がり、身体を支配する
逆にオリハルコンの剣は輝きを無くし、変わりに刀身が純白へと変わる
だが酷く損傷した俺の身体は思うように動かせない
「ベホ……」
メイが何かを小さく呟き、俺の身体にフワリとした感覚─
『ズシュ』
「クッ!! なんだキサマ!? この後に及んでまだ俺に抵抗しようというのか!
人間が無駄な事を!」
意識とは無関係に、アトラスの腕へオリハルコンの一撃を見舞う俺
その後は 覚えて、ない
気が付き目の前にあったのは 横たわり動かない、アトラスだった
今日はここまで
さんざん迷いまくって、結局こうなった
かなりツギハギしたから話の前後が今まで以上にわかりにくくなったかも…
脳内補間、お願いします
>>507 たぶん、今後も長くなると思いますw
GJGJ!
そうだ…うまいぞ…タカハシ…
やればできるってもんだ。っと阿部さん風に言ってみる。
とにかくGJ!!
ま〜え〜ま〜え〜こ〜な〜ぎ〜
拝啓、皆さま。お久しぶりです。
私は今、死出の洞窟の前に立ち、こうして最期の別れを告げるべく筆を取り……じゃない。
今私たちは、ラダトームから北、岩山の麓から地下へと延びるほら穴の前にいる。
この奥が、宿屋を後にしてから町中で聞きまわり、ついに引き出した賊たちの隠れ家だ。
「じゃ、いこうか」
私の前に立つミモザが、気合を入れるように鞭を振るった。
「……うう」
行きたくない行きたくない行きたくない行きたくない生きたくない、いやいやいや逝きたくない!
最初はラダトームの宿屋でミモザを見送るつもりだった。だけど今の私には、彼女のほかに頼るものも
なし、金……ゴールドもなければ知識常識もない。
そしてそんな私に、ミモザは言い放った。
「あ、付いて来ないんなら、あんたの面倒見ないからよろしく」
……そんなこと言われたら、付いてくしかないじゃん。あんた鬼や。
このアレフガルドとやらに迷い込んでからこちら、ろくなことがない。
ちょいと振り返ってみれば、
朝起きーの、宿屋追い出されーの、魔物に襲われーの。トツギーノ。いや、嫁いではないけど。むしろ
嫁ぎたいですけど。
おまけにその後ときたら、盗賊に助けられーの、下っ端になりーの、山賊退治に同行させられーの。
トツギーノ…とか言ってるバヤイじゃない。
まあ大体そんなことがあって、今現在、こうして私はミモザという女盗賊の金魚の糞をやっているわけで。
「ほらほら行くよ、あたしの荷物ちゃん」
ミモザは元気に洞窟の入り口へと足を踏み出す。ていうか人のこと「荷物」呼ばわりかい。人権なんて
あったもんじゃないですか。…まあ確かに荷物運び以外は役に立ってないけどね。
「……荷物って呼ばないでください」
私も死にそうな顔で洞窟の入り口へと足を踏み出す。ああ、父さん母さんごめんなさい。娘はこんなわけも
分からぬところで死んでゆきます。
洞窟のなかは思ったよりも広く、思ったよりも乾いていた。人の手が随分加わっていて、あちこちに燭台が
設置され、石造りになっている壁面もある。
ミモザの掲げるランプのおかげで、辺りはばっちり見えた。
真っ暗だったらつまづきそうな足元も、あちこちに生えているコケだのシダだのも、隅っこで朽ち果てている
不気味な骸骨も、雄たけびを上げてこちらへ襲い掛かってくる魔物も…
!!11!!!!1!!
「ちょ、ま、うわ、魔物マモノまも」
「……あんた慌てすぎだよ」
慌ててるんじゃない、テンパッてるだけです。ってそりゃ言い訳にならないか。
「ほら、ちょっと下がってな。あぶないから」
自信満々、余裕綽々でミモザは鞭を振るう。
「何だ、トロルか。戦うのめんどいなー…」
手に持った武器を眺めて、目の前の敵を眺めて、そして彼女は呟いた。
「バシルーラ」
……
…………
しかし なにも おこらなかった!
「……あれ?」
「どうしたんすか?」
「……魔法が使えないみたいだ」
「えっ」
それってやばいんじゃ、と思った私の勘は正しかった。
ていうか考えればそんなことすぐに分かるか。はは、私ったらおばかさん。
「ぎゃあああAAAAaaaaa!!1!」
「逃げるよっ!」
手に持った棍棒を思い切り振り回し、魔物――トロルが襲いかかってきた!
がきぃんッ!
……
次の瞬間。私はまだ生きていた。
「ばかっ何してる!」
「あ……」
ミモザがいた。盾で棍棒を受け止めて、私の前に立ちふさがっている。また助けられた。
「はやく逃げな、もうもたない……きゃあっ!」
軽いからだが、いとも簡単に吹っ飛ばされた。
私は慌ててミモザのもとに駆け寄る。ほかに、どうしていいか分からなかった。
「ミモザさん、ミモザさん、しっかり、ねぇ、ねぇ!」
「揺らすなっあほっ!……くぅ」
悪態をつきながら足に体重を乗せようとして、ミモザは眉をしかめる。立ち上がれないのだ。
ずしん。がきん。ずしん。どすん。
醜い足で地面を揺らしながら、無骨な棍棒で壁を破壊しながら、トロルが迫ってくる。
どこにも逃げられない。
死ぬ?
――やだ。ヤダ。嫌だ。
武器は? 無い。でも何かしなくちゃ、このまま死んで魔物の餌になるなんて嫌だ。
そのとき。ミモザの腰に吊るされていた短剣が、ちらりと目に入った。
咄嗟。
「これ、借りますっ!」
「え、ちょっと、おいっ!」
私は武器を手にとり、がむしゃらにトロルめがけて突きこんでいく。
とすん。
刃は、あっけないほど簡単に魔物の体を貫いた。
「ごがああぁあぁぁあ!!!!」
トロルは狂ったように叫び声をあげ、そして、
「よけろ、潰されるよっ!」
「え、あ、はい!」
よろけて倒れ、そのまま動かなくなった。
ミモザのとっさの声で後ろに下がっていなかったら、その巨体の下敷きになって私も死んでいたかも
しれない。
――倒した、んだ。私が、魔物を。
「大丈夫か?」
何とか立ち上がったミモザが、私の横にやってきた。
「怪我はないか?」
「……」
「ちょっと、ねぇ?」
「ひっぅ……ふっ……えぐぅ……」
止まらなかった。
緊張の糸が切れた途端、さっきまでの恐怖が襲ってきた。こわかった。こわかった。こわかった。
大人のくせに泣きじゃくるなんてみっともない。分かっていたけど、止まらなかった。
「……大丈夫だよ、もう泣かない。な」
「うん……」
ぽんぽん、とミモザが肩を叩いてくれる。その感覚が、とても温かかった。
トロルの死骸から離れて、私たちは岩陰に身を潜めた。今、他の魔物にあったら、多分逃げる暇もなく
やられてしまう。
ミモザは黙って荷物の中から薬草を取り出して、打撲や裂傷になっているところに貼り付けていく。
私にもいくつか分けてくれた。
治癒呪文をつかったときと同じように、あっというまに傷が治ったけれど、その不思議さは何だかもう
どうでもよくなっていた。そういうもんなんだ、と納得するしかなかった。
そしてだいぶ気分も落ち着いてきたところで、ミモザがぽつんと言った。
「それ、あんたにやるよ」
私の手の中にある短剣を指差して。
「え? いいの?」
「あたしにはこれがある。気にすんな」
短剣の鞘が吊るされているその反対側には、鋼鉄を紡いだ鞭。「それに、ここじゃあ駄目みたいだけど
魔法だって使えるしね」
そして彼女は腰のベルトから鞘をはずして、それを私に放る。
「ほら、しまっときな。あ、その前にちゃんと汚れを落としときなね、錆びたら大変だから」
確かに短剣は魔物の血でずぶぬれになっていた。……へえ、トロルの血って青いんだ。
ミモザから布を受け取って、丁寧に汚れを落としていく。刃はランプの光を反射して、紫色にきらめいた。
「やっぱり、紫色なんだ」
「ああ、毒が仕込まれてるからね。ちょっとした魔法剣みたいなもんだよ」
「へぇ」
「さっきトロルがあっさり死んだのはそのせいだろ。急所に入ればどんなでかい奴でも簡単に倒せる」
「へぇ。あの、ミモザさん」
「なに?」
「……ありがとうございます」
大事な武器を譲ってもらって。転んで動けないときに庇ってもらって。怪我の手当てもしてもらって。
そしてこうして面と向かってちゃんと彼女にお礼をいうのが初めてだと、言ってから気がついた。
「ございますはいらないよ」
ミモザは白い歯を見せて笑った。
「あ、はい、その……」
「ありがとう」
先は長い。当面の目的である山賊退治もこれからだ。ミモザの魔法も使えないし、私はただの足手まとい。
だけど、不思議だ。
――何とかなるかもしれない。
アレフガルドに落ちてきて、そのとき初めて、私はそう思った。
クロベ Lv8 フリーター
HP 17/55 MP 0/1
E アサシンダガー E ピーコート ミモザのにもつ
―――――――――
コピペ失敗orz
下の分は514と515の間に入りますよ
人間をむりやり数回りふくらしたような青い体に、一つ目の豚のような顔。だらしなくにやけた口からは、
舌がぶらんとはみ出している。
滑稽な姿をしているが、多分あの武器が一度でも当たったら、五回分くらいは軽く死ねるだろう。
ガスッ!ドスッ!と嫌な音が後ろから追いかけてくる。何が起きているのか気になったけど、振り向けば
待っているのは間違いなく、死だ。
でっぷりとした見た目に似合わず、奴は意外と俊敏だった。
走る。走る。走る!
ものの壊れる音が、後ろから迫ってくる。
もっと早く、早く。逃げなくちゃ、逃げなくちゃ。
でも。
息が詰まる。
足がもつれる。
――がくん。
「……っ!」
そこが私の限界だった。
つんのめって、肩にしょっていた荷物が前にふっとぶのがやけにはっきりと見えた。
肘を思い切りぶつけたようだった。本当なら泣きわめきたいくらい痛いはずだ。
でも、声が出ない。
あたまのなかが、まっしろに、なる。
何も考えられず、私はとっさに振り返った。
棍棒が、目の前にあった。トロルの顔には、いっそうニヤニヤと嫌な笑みが浮かんでいる。
ぐわん。
あ。もうだめだ。
しぬ。
クロベ氏、乙
主人公が本格的に参戦、楽しみです
これからが大変だと思いますが、頑張ってください
クロベさん乙。
久しぶりの更新だな。
乙!
主人公の運テラタカスwww
期待あげ
そーうーちょーうー
524 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/04/29(土) 23:30:21 ID:FOFV0E5/O
そーうーちょーうー
4の人は書くのが遅すぎるのであげ
どうして毎回こう失礼なやつが現れるのか理解に苦しむのでsage
4の人マダーー?とか言ってるマルチは放置
>>444の続き
その泥棒は食料や水を盗もうとした所で俺に見つかったらしい。良く見てみると北斗の拳のハート様の様な男だった。
タケ「この小ざかしい泥棒がぁ!ブッた斬ったるわ!」
?「チッ!ここはズラかるか。」
タケ「待たんかい!!うわっ!!」
泥棒が俺に砂みたいなものを振り掛けて逃げ出した。目がぁ〜〜目がぁ〜〜って言いたい所だがこのまま逃がすわけにはいかん。
何とか視力が回復させ、泥棒が逃げ去った方向に走って向った。
すぐに追いつけた。なんだかあっけねぇな……………………やっぱりハート様だな。
?「ちっ!ここまでか…」
タケ「人様の食料勝手にパクって何様や!ボケェ!」
?「なら強引にでも奪ってやるぜ!」
ハート様が大きな斧を持ち出し構えた。パワー型の盗賊って言うところか。足は遅いけど…
タケ「こいやオラァ!!」
俺が斬りかかったのと同時にハート様も斧を振り下ろしてきた!
ガキィィィィィィィィィィィン!!!!!!!!
タケ「なっ………なんちゅ〜馬鹿力や…」
?「オラオラどうしたぁ?俺様をなめるなよ!」
コイツ、パワーだけは一級品だ。このままの体制なら確実に力負けをする。だが…
タケ「足元ががら空きやで!」
?「し、しまっ…」
俺は足払いをした。ハート様はステンっと簡単にこけた。今がチャンス!
タケ「おまん逝けや!!!」
ハート様に追い討ちをかけるように俺は剣を突き刺した。
それが甘かった。
タケ「ガハッ!!」
ハート様が(寝ながらだが)サマーソルトを俺に食らわした。俺の攻撃は回避され
しかもあごにまともに入ったためにちょっと脳震盪をおこした。
――――――――まだ動ける。
もょ「(だ、だいじょうぶか!?)」
タケ「(ちぃっ!パワーだけがやっかいやな。今の所は大丈夫やで。)」
タケ「中々やるやないかい!詰めが甘すぎたワ。」
?「てめぇもなかなかやるな。簡単にやられてたまるかってんだ。」
タケ「死にさらせ!」
剣を打ち込んでいるのだが中々クリーンヒットがしない。
テクニックでは俺のほうが何とか勝っているが致命的な一撃打たせないために早く打ち込む事に精一杯だった。
しかもハート様のなぎ払いで吹っ飛ばされた。
タケ「ハァ…ハァ…こいつのパワーはある意味人間やないな。」
?「しつこい野郎だ。俺様の最強の技喰らわせていやる。」
ここで本領発揮って所か。スピード系の技はまず有り得ないな。大防御で対処できるだろう。
?「くらえ!蒼天魔斬!!」
ハート様が斧で地面に円を削ると紺色の霧のようなものがハート様の周りを包み始めた。
なんと霧が髑髏の形になって俺に襲い掛かってきたのだ。
俺は咄嗟に大防御の構えを採ったのだが恐怖で身震いしていた……
死ぬんじゃないだろうか?まして夢の世界であるはずなのに―――――――――
髑髏が俺を飲み込んだときに全身に激痛が走った。
タケ「あがががががががが!!!!!!!!うぐぐっ………!!」
もょ「(タ、タケ!!)」
タケ「(も、もょは出たらアカン!!お前も激痛が走るで!)」
次第に髑髏が消え去っていった。大防御のおかげか何とか防ぎきった。マジで死ぬかと思ったぜ。
タケ「甘くみるんやないで。防ぎきったわい。びびらせやがって。」
?「ガハハハハハ!!上手くいったようだな!」
タケ「何やと?そのアホ面を斬り刻んでやったる!」
体を動かそうとしたら全く動けない。どうなっているんだ?
?「蒼天魔斬の真の目的は相手の動きを止めることだ。思惑通りに麻痺させる事ができたぜ。」
タケ「アハハハハハ!だから体が痺れて動けない訳やな。」
?「な、何笑っているんだ?こいつ…」
タケ「だってよぉ〜
ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'', / 状 .あ ま ヽ
ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ | 況 .わ だ |
ヽ::r----―‐;:::::| | と て |
ィ:f_、 、_,..,ヽrリ .| ち る |
L|` "' ' " ´bノ | ゃ よ |
', 、,.. ,イ ヽ う う /
_ト, ‐;:- / トr-、_ \わ な /
, __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃 `i,r-- 、_  ̄ ̄
〃/ '" !:! |:| :、 . .: 〃 i // ` ヽヾ
/ / |:| ヾ,、` ´// ヽ !:! '、`
! |:| // ヾ==' ' i i' |:| ',
| ...:// l / __ , |:|::.. |
とニとヾ_-‐' ∨ i l ' l |< 天 ヾ,-、_: : : .ヽ
と二ヽ` ヽ、_::{:! l l ! |' 夂__ -'_,ド ヽ、_}-、_:ヽ 」※AAはイメージです。
?「ムカツク野郎だぜ!状況が悪くなってケロっとしている奴などはいないはず…」
タケ「(もょ。蒼天魔斬だけ気をつけたら何とかなるわ。)」
もょ「(そうてんまざんってドクロがでてくるわざだな!)」
タケ「(ああ。蒼天魔斬は遠距離攻撃みたいやから接近戦で攻撃したらもょのペースでいけるやろ。隙があったら魔人斬りを喰らわせてやれ。)」
もょ「(まじんぎりってなんだ?)」
タケ「(もょが以前、レオンが持っていた盾を破壊したやんか。勝手にそう呼ばしてもらった。強撃って呼ぶのも弱弱しいしな。)」
もょ「(なまえのつけかたがうまいなタケは。あとはおれにまかせろ!)」
タケ「(すまん。頼むで!)」
もょもとと代わり、もょもと対ハート様とのバトルになった。
もょもとが向った行った瞬間にハート様はさずがにとどまった。その隙を突いてもょもとは攻撃を仕掛けた。
?「バ、バカな!ありえねぇ…」
もょ「とにかくこうげきさせてもらうぞ!!」
もょもとが先手を取ったようで有利な体制で力比べになった。
?「ぐぐっ………こいつ、こんな底力を隠していたのか…」
もょもとが強引にハート様を押し込んでいる。このまま押し倒す事ができそうだ。
?「足元がお留守だぜ!」
ハート様が足払いを仕掛けてきたがもちろん想定の範囲内である。
タケ「(もょ!バックステップや!)」
もょ「(おう!)」
?「く、くそっ!かわされた!」
もょ「たにんのわざをつかうなんてまだまだあまいな。」
こいつめ、いっちょ前に格好つけやがって。
もょ「いくぞ!まじんぎり!」
?「こ、これは…ぐばぁ――――!!!」
魔人斬りが綺麗に決まった。流石に立ってこれまい。
?「こ、ここまでか…」
もょ「さぁ、ぬすもうとしたりゆうをきかせてもらおうか!」
?「くくっ…」
尋問しているときにレオンとリアがやってきた。
レオン「もょもと!何があったんだ?」
もょ「こいつがおれたちのしょくりょうをぬすもうとしたんだ。」
リア「もょもとさん大丈夫?怪我はない!?」
もょ「だいじょうぶだ。」
リア「良かった…」
レオン「ん…あ、あんたは…?」
?「ク、ククールでがすか!?」
レオン「ヤ、ヤンガス…」
まさか――――――――――――――――レオンの仲間が見つかったって事か?
ククール「あんた何やっているんだ?」
ヤンガス「おっさんが倒れたから食料と水を探していたのでがす。そしたら返り討ちにされてしまったでがす。」
ククール「トロデ王やミーティア姫もいるのか!?」
ヤンガス「そうでがす。」
ククール「他のみんなは?」
ヤンガス「気がついたらあっしとおっさんと馬姫さんだけだったでがす。兄貴達はどこに行ったのかわからないでがす。」
もょ「どうなっているんだ?レオンのなかまなのか?」
ククール「ああ…」
リア「レオンさんどういう事なの?」
ククール「レオンって言うのは偽名さ。本名はククール。この盗賊の名前はヤンガスって言って俺の世界の仲間だ。」
ヤンガス「そ、その前に治療を頼むでがす…」
ククール「わかった。しかしあんまり無理はするなよ。」
ククールがベホイミを唱えるとヤンガスは立ち上がった。
ククール「もょもとすまない。ここは俺の顔に免じてヤンガスを許してやってくれないか?」
もょ「しかたがないな。しかし、ひとのものをぬすむのはよくないぞ。」
ヤンガス「すまなかったでがす。とにかくおっさんの所に案内するでがす。」
ヤンガスはトロデ王の場所に俺達を案内した。
案内された場所に着くとナメック星人みたいな生き物が倒れていた。しかも馬が心配そうにナメック星人をみていた。
リア「こ、この人がトロデ王?」
ヤンガス「そうでがす。おっさんも馬姫様もドルマゲスって奴に呪いをかけられたのでがす。」
もょ「のろいか…」
ククール「この馬もトロデ王の愛娘ミーティア姫さ。しかしドルマゲスは許せねぇ…」
ククールが感情むき出しで語った。よっぽどドルマゲスって奴に悲惨な目にあったのだろう。
タケ「(おい、もょ。)」
もょ「(どうした?)」
タケ「(もしかしたらラーの鏡でトロデ王やお姫様の呪いを解く事が出来るかもしれへんで。)」
もょ「(なるほど!ムーンののろいをといたようにやるんだな!)」
タケ「(しかし成功するとは限らへんけど…)」
もょ「レオン…じゃなかった、ククール。もしかしたらトロデおうとおひめさまののろいをとくことができるかもれないぞ。」
ククール「なんだと!?」
ヤンガス「本当でがすか!?」
もょ「ラーのかがみでムーンののろいをといたことがある。いまからもってくるよ。」
リア「さっすがぁ!もょもとさん!即実行あるのみだね。」
もょ「ちょっとまってろ。」
ラーの鏡を取りに行きリア達の場所に戻った。
戻った後トロデ王の水と食料を与え。とにかく起きてもらった。
トロデ「お蔭様で助かったわい。」
ヤンガス「おっさん良かったでがす。」
トロデ「バッカもーん!!ワシの家臣でありながら何をやっておるんじゃ!!」
ヤンガス「あっしは家臣ではないでがす!」
トロデ「しかしこの者達がワシとミーティアの呪いを解いてくれるとな?」
ククール「俺達の世界と全く違う世界だからな。可能性はあると思う。」
もょ「まずはトロデおうからはじめることにするぞ。」
もょもとがラーの鏡でトロデ王を写し出し、覗き込むと人間の顔が写し出した。
ヤンガス「お、おっさん!手が人間の手に戻っているがす!」
トロデ「なんじゃと!?おおっ!」
ククール「凄いなこれは…元通りに戻ったみたいだな。」
トロデ「どうじゃ?ヤンガス、ククール。これでワシもギャルにモテモテじゃ!!」
ヤンガス「おっさん何言っているんでがすか!?」
ククール「はいはいわかったわかった。」
リア「後はミーティア姫だけだね!」
トロデ「そうじゃった!ようやくミーティアも元通りに戻せるぞ!もょもと!早くやってくれ!」
もょ「わかったぞ。」
もょもとがラーの鏡を馬に写し出した…しかし――――――――
バリィィィィィィン!!!!!!!!!!!
ラーの鏡が砕け散ったのだ……………………その瞬間全員の表情が硬直してしまった。
もょ「な、なぜだ…?」
リア「そんな…」
トロデ「な、なぜミーティアだけ呪いが解けないんじゃ!?」
ククール「多分、トロデ王の呪いより姫の呪いの方が強いのだろう…」
ヤンガス「やっぱりドルマゲスを倒すしかないでがす!!」
トロデ「ドルマゲスめ…」
その時サマルとムーンが来た。
サマル「どうしたんだい?今凄い音がしたんだけど。」
ムーン「凄い音がして目が覚めたわ。」
もょ「ムーン、すまない。ラーのかがみがわれてしまったんだ。」
ムーン「…しかもレオンもいるじゃない。状況を説明して。」
ククール「俺が話そう。」
ククールは今までの話の流れを話した。
ムーン「ミーティアさんの呪いはハーゴンのよりもきついみたいわね。」
サマル「しかもドルマゲスって奴もハーゴンと同様に邪悪な魔術師みたいだね。」
トロデ「ムーン。家宝を壊してしまってすまんのぉ…」
ムーン「気にしなくていいわ。王様。人助けに使って壊れたんだからいいじゃない。」
なかなか話が進まない沈黙の状態でリアが切り出した。
リア「これからどうするの?」
サマル「バカ!空気を読め!」
リア「ご、ごめんなさい…」
ククール「そうだな。もょもと、すまないが俺はここまでだ。」
もょ「なんだって?」
ククール「ヤンガスやトロデ王達と一緒に行くとする。俺のわがままで付きあせる事はできないからな。」
リア「そんな、寂しくなっちゃうね…」
ムーン「リア、ククールも目的があるんだから仕方がないじゃない。」
ククール「すまない…」
ヤンガス「それならまた待ち合わせしたらいいんじゃないでがすか!?」
トロデ「それもそうじゃの。ヤンガス、お前もたまには良い事言うもんじゃ。」
ヤンガス「余計なお世話でがす!」
もょ「そうだな。ローレシアでまちあわせしよう。ローラのもんのつうこうきょかしょうがいるな」
サマル「それなら僕が紙に書いて作っておくよ。」
ムーン「なら決まりね。私達はルプガナに行くわ。」
ククール「俺達はムーンペタに行ってローレシアに向うとしよう。元気でな!」
リア「またね!ククールさん、ヤンガスさん、トロデの王様。元気でね!」
もょもと&タケ
Lv.15
HP:43/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄の盾 E鉄兜
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御
レッドマン乙
みんな職人さんマダー?って言ってるけど、俺は書庫さんの安否が心配じゃ
ちょwwwwそれ何て仙道wwwwwwwwww
さり気無くムスカが絡んでるw
レッドマン乙。
今後の展開が楽しみだ。
>>508 から続き
●変わらない
巨大なアトラスの身体には無数の深い斬り傷がパックリと開き
その命を奪ってしまっていた
「倒したのね…」
メイがよろよろと、立ち尽くす俺の横へ歩み寄り言った
深々と突き刺さった木の枝の傷痕は、消えてなくなっている
残っているのは真っ赤に染まった血痕
「残った全ての魔力で、古代魔法ベホマラーを使ったの」
「ベホマラー?」
「そう ベホイミやベホマとは違って、一度に複数の人を治せる
だけど、イオナズンとあわせてかなり魔力を消耗してしまったから、一晩くらい休まないと…」
だから…
不思議な力が湧いてすぐには起き上がれなかったけど
ベホマラーのおかげで立ち上がることが出来た
あの時メイが呟いた魔法はこれだったんだ
もし、洞窟で古代魔法を手に入れることが出来ていなかったら、今ごろ魂だけの存在になっていた
「ありがとう」
「お礼なんて、私たちは一緒に旅をして一緒に戦っているんだから」
「…そうだな ありがとう」
口の中に鉄のニオイに似た味が、ザラザラと残っている
俺はいったいどうやって アトラスを倒したんだろう
「剣が白くなって、タカハシはとても早い動きで何度も何度も… 斬り付けたのよ」
「何度も… 全く覚えていないよ」
右手に握るオリハルコンの剣は、いつもの通りの金属色
不思議な力は効力を失っていた
倒れる巨体へ目をくれると、光に包まれ空へ溶けこんでいくところだった
同時にシュンと、辺りから不穏な気配も無くなる
そのまましばらく無言で空を眺め、俺は口を開く
「メイ、ルビスの事なんだけど─」
話しておかなければならない
俺といれば、またアトラスのように強い魔物が現われるかもしれない
だから、真実を言って そして俺は一人で旅を続けたいと─
「私は… なんでもいい」
「え?」
「タカハシが"どこの誰で何者"だろうとタカハシである事は変わらない
今まで通り、なに一つ変わらないの」
「…そうだとしても、また強い魔物に襲われてしまう可能性は高いんだ
これ以上、俺と旅を続けるのは危険過ぎる」
「平気、よ タカハシがきっとまた、強い力で助けてくれると信じてる
それに、まだタカハシと旅を続けるって決めてるの」
「しかし─」
「私は、こんな事だいじょうぶだから─」
「聞いてくれ 俺は本当は─」
言い掛けた言葉は、メイの手の平で抑えられ出口を失った
「いい 言わなくても、いい
今まで通り、いつもみたいにまた、旅を続けようよ
今までだって常に危険だったじゃない」
メイの目も"それ以上なにも言わないでほしい"と語っているのが感じとれる
俺はいったいどうすれば…
「わかったわ じゃあ、こうする
もしまた不穏な気配を感じたら、私はすぐに遠くへ離れ逃げるから…
約束するから、お願い…」
アトラスとの短い会話の中でメイは何を、何に気付いたのか
もしかしたら俺が普通の人間では無いことに気付いているかもしれない
俺のあの不思議な力、俺自身が驚いてるんだ
……だけどやっぱり危険すぎるよ
その後も説得し続けたがメイは折れてくれず
"危険を感じたら必ず逃げる"
という約束を俺は信じ、一緒に今まで通り旅を続けることを承諾した
●遙かな時間
アトラスを倒ししばらくの休憩後、俺達はチゾットへ向け歩きだしていた
しかしあまりに厳しい戦いだったために、二人とも気持ちを前に進めることが出来ない
あまりに強すぎた敵アトラス…
そんな、お互いが不安定な状態では危険過ぎる
またゾーマの刺客が現われるかもしれない
だから明るいうちに野営を始め、そしてそのまま夜を迎え今に至っている
魔力を使い果たし疲れ果て眠るメイ
穴の空いたプリンセスローブは丁寧に繋ぎ合わせられ、血痕だけが濃く残っている
俺が身に着ける魔法の鎧はぐしゃりと潰れてしまったから、途中で破棄してしまった
今の装備は予備として持ち歩いている旅人の服
「あの力は、なんだったんだろう…」
ルビスに"守りたいモノや人を思いなさい"と言われ、思ったのはメイと自分の世界…
そして俺は意識を失い、いつのまにかあのデカブツを倒していた
ルビスの言う"真の力"はあの事だろう
だけどあれ以来、力を感じることは無くなってしまった
もしかしてまた死にかけなきゃ発揮されないとでもいうのか…?
「ふぅ…」
俺は溜息と一緒にググッと腕を伸ばし筋肉をほぐす
あの時"自分の世界"を思うのは当然だけど、今の目的である"トルネコと呪い"を思い浮かべることが出来なかった
いや、当り前かもしれない
目の前で木に貫かれたメイがいたんだ
だけど……
それだけじゃない感情が、俺に入り込んできていたのも事実
俺はこの世界の住人じゃないのにな
メイはどう、思ってるんだろう…
だめだ
俺はこんな感情を持っちゃいけない 捨てなくてはいけない
イシスからチゾットへ向かう間、ずっと考えていた
ここは俺の世界とは繋がることのない、遙かに遠い異世界なんだ
いつかは終わる、旅なんだ
●残り人
翌朝、アトラスとの戦いの記憶も多少薄れ、俺達は出発した
「もう一つの古代魔法はマホトーンっていうの」
「どんな魔法?」
「相手の魔力を、少しの間だけ無力化する事が出来るのよ」
「へぇ じゃあ、その静寂の玉と同じようなものか」
「そうね だけどマホトーンは失敗する事も多いらしいの
だからあまり過信してはいけないわね」
アトラスを倒してからも、魔物の気配は感じない
俺達はかなりゆっくりとした歩調で進む
魔王にはルビスの気配を感じとれるらしい
わざわざあんなに強い魔物を送り出してくるんだ
俺にはそう思えないが、ルビスは特別な力を持っているんだろうな
それとアトラスの言っていた"闇の衣の魔力"とはなんだ
古代魔法イオナズンも魔力を十分に送ったオリハルコンでもほとんど傷つけることが出来なかった
「闇の衣… 私も聞いたことが無い
もし、そんな力を全ての魔物が持つようになったら世界はおしまいね…」
「強力な魔法も、剣での攻撃も効かないとなると…
考えただけでも恐ろしい」
不安はつのるが、今はトルネコの呪いを解く事だけを考えよう
考えすぎると自分の世界へ帰る事すら、見失ってしまいそうな気がするから…
チゾットへ戻った俺達はクリーニに一晩の宿を借りて休み、再び西の道を歩いていた
呪いを解く事ができるかもしれない、カルベローナの生き残りを探すため
チゾットで聞いた話によると、西の道沿いを歩いていけば逃げ延びた人達が暮らす小さな集落があるらしい
その集落にカルベローナの人間がいるかどうかはわからないという事だったが、このまま途方に暮れるよりはマシだ
プリンセスローブはというと、チゾットの村人に洗ってもらい元のベージュに戻った
そして俺は、クリーニに譲ってもらった革の鎧を身に着けている
魔法の鎧より軽いが耐性はゼロだし鋭い爪の一撃をもらえばすぐにちぎれてしまいそうだ
だけどほとんど守っていないに等しい旅人の服よりは気持ち的に安心だ
「カルベローナの人達、すぐに見付かると良いけどなぁ」
「この道沿いを進んでいけばいいらしいから、すぐに見付かるわよ」
「見付けたら呪いを、すぐに解いてもらわないとな
メイももうすぐ、勇者にあえるかもしれないぞ」
「…タカハシは、勇者様の呪いが解けたらどうするの?」
「俺か …俺は旅を続ける
ただし、トルネコさんと一緒じゃない、一人で旅するよ」
「私達と一緒に旅を続けようよ!」
「それは─」
仕方がないんだ
俺は、帰らなきゃいけない所があるから─
「…その事は、その時考えればいいよね
もしかしたら、気が変わるかもしれないし」
「…そうだな それにだ
カルベローナの人達が呪いを解けるという確証はどこにもないんだ
もしかしたらまだまだ旅しなきゃならないかもしれないよ
そうなら─」
俺は、何を言おうとしてるんだ
駄目じゃないか
呪いを解くんだ、この旅はそのためにしているんだ
バカか、俺は…
「そうなら?」
「ん?ああ… そうなら… どうすれば呪いが解けるんだろう?って、言おうとしたんだ」
「わからないわね 呪いに関しては、教会でも研究が始まったばかりだし…
大きな町へ行って、人の話をたくさん聞いたほうがいいかもしれないね」
「大きな町か、じゃあもし、呪いを解けなかったらグランバニアへ向かおうか」
「そうね、グランバニアなら人が集まるからいろんな話が聞けそう」
どのみちライフコッドへ行くには、この西の道を通りグランバニアを経由する事になる
呪いが解けなかったとしても、一度ライフコッドへ行こうと思ってたから丁度良かった
西の道を歩き始めて幾日、うっそうとした森からようやく開放され、目の前に平地が現われる
更に数日進むと丸太を組み上げて作った小さな家がたくさん並ぶ、町らしき場所へたどりついた
「なぁ、あれ
あれがもしかすると生き残った人達が住む集落じゃないか?」
「きっとそうね だけどこれは…」
その場所は全く"町"という風体をしていなかった
整備された路があるわけでもなく、店があるわけでもなく、家もバラバラな方向へ向かい
まるで散らかされてしまったように感じる
それも広野に、広範囲に
「まぁ、見た目はどうでもいいさ
カルベローナの人達を見付けなきゃな」
集落へ入り人を探す
だが全く人気は感じられないし、家の扉は閉ざされたまま
少し気味が悪い
「うーん、誰もいないな
仕方がない、一軒ずつ尋ねていくか…」
なんだか訪問販売みたいで嫌だったが、外に人がいないんだ
こうするしかない
コンコンと扉をノックし声を掛ける
ガチャリと開き、女性が応対してくれた
「はい、なんでしょう?」
「あっ 俺はタカハシといいます
あの、カルベローナの人はこの集落にいますか?」
「カルベローナの人は、居るにはいるけど…
ここはカルベローナの人達が作った場所でね、だからそこ出身の人がほとんど
でも付き合いしたがらないから、誰も外へ出なくなってしまったんだよ
私はアリアハン出身だけどね」
「家へ尋ねても話してくれないんですか?」
「あんた、商人かい?
商人だったらカルベローナの人も話してくれるかもね
あの人達は買い物が好きみたいだから」
「そうですか… ありがとうございました」
商人か…
幸い今はチゾットで食糧や薬草を補充したばかりで荷物は大きい
これなら、心苦しいけど欺けるかもしれないな
早速、隣の家の扉をノックする
「はい?」
中からは中年の男がドアを少しだけ開け、返事をする
「あ、すみません
商人なんですが、何か買っていただけませんか?」
俺は商人になりすまし、大きい袋を見せアピールしてみた
「…あんた、商人じゃないな
すまんが見知らぬ人とは話をする気分じゃない、他をあたってくれないか」
男はそういうと扉を閉じてしまった
うーん、たぶん今の人はカルベローナの人に違いない
一言で見破られてしまうとは、トルネコに商人の話しかたを学んでおけばよかった
「タカハシ、どうしよう?」
メイも心配そうだ
「もしかしたら、一人くらい話をしてくれる人がいるかもしれないから…」
俺はそう言い、再び並ぶ家を尋ねる
だが、今度は一言も話さず、断られてしまった
なんでこんなにかたくななんだ…
それから20軒は回っただろうか
その間にカルベローナの住民と思える人は10人いたが、全ての家で門前払い
次、駄目なら一度チゾットにでも戻って商人を連れてこようかと、考え直しながら21軒目の扉をノックする
「はい、どなたでしょうか?」
今までとは違い、扉を大きく開いて一人の若い女性が出迎えてくれる
「あ… えーと…」
商人作戦は通用しない
なんと言えばいいのか─
「…あなた、何か、普通とは違う雰囲気を持っていますね
それに後ろの女性は大きな魔力を感じます
……私はバーバラ、どうぞお入り下さい」
どういう事なのかわからないが、なぜか家の中へ通される俺達二人
まだ名乗ってすらいないのに
丸太を組み合わせ作られた家
中へ入ると狭い部屋が二つ
片方は台所とテーブルが設置され、今通されているもう一つの部屋には二つのベッド
一つは空で、もう一つは歳老いた男が横になっていた
「長老、この方達は………」
バーバラが、長老と呼ばれた男へヒソヒソと短く耳打ちする
「うむ… そうか
バーバラ、お前は下がっていなさい…」
長老がそう言うと、バーバラは俺達に軽く一礼し部屋を出ていく
「あんた方、ワシの横へ…」
長老が横になるベッドへ近付く二人
「む……… あんたはタカハシ、後ろの女性はメイ、か
して、何か用かな?」
なんと
長老は心を読めるのか?
なぜ俺達の名前がわかるんだ…
「ワシは、カルベローナの長老 だった者じゃ
ほんの少しだけ、人の心を見通せる」
●盗まれた魔法
「俺達は、勇者の呪いを解くため旅をしてきました」
「うむ、知っている
先ほど、失礼ながら心を読ませてもらったからの」
心を読む、か
読まれる方は嫌な感じだ
「だからあんたたちの目的は知っておる
……残念な事なんじゃが、勇者様の呪いを解くことはできんのじゃ」
「そんな」
俺は、ガックリと肩を落とし絶句する
古代魔法もなかった
そして、カルベローナの長でも呪いは解けない
いったい、どうすれば……
「この世界のどこかに…」
長老が静かに語り始める
「マジャスティスという、魔法がある
その魔法は、強い正義の心を持つ者であれば誰でも扱える魔法じゃ
呪いや、マヤカシを打ち消す正義の魔法
ただし」
「ただし、なんです?」
思いがけない情報に、身を乗り出して長老へ聞き返す
「ただし、どこにあるのかは全く分かっていない…
ワシらカルベローナの民はその魔法を探しつづけ、そして今でも探しておる
商人が持ってくる珍しい古文書や情報を集めながらじゃ…」
「そのマジャスティスという魔法は、ほんとに存在しているの?」
メイの問いかけに長老がはっきりした口調で答える
「存在はする
これは確実じゃ、なにせカルベローナの一族が守っていた魔法なんじゃからな
だがある日、盗賊によってマジャスティスの魔法書が盗まれてしまった」
「盗賊にですか…」
「うむ…
あんた達が何者なのか、そこまではワシでもわからん
じゃが何か、大きな力があんたたちを守ってくれているようじゃ」
「大きな力?」
「そうじゃ
だからあんた達をバーバラもワシの元へ案内したんじゃろう
もしかしたら… 魔法書を見付け勇者様の呪いを解いて下さると…
本来マジャスティスは、盗まれたから取り戻そうとしていたのじゃが、勇者様がああなってしまった
だから今はその呪いを解くために探しているんじゃ」
大きな力か
ルビスだな、滅多に姿を見せない癖にどこかで見ているのか
「あまり人付き合いしないのも、そのためですか?」
「いいや、それは一族の昔からの風習というか、そういうものなんじゃよ」
新しい情報"マジャスティス"
どこにあるかわからないが、確かに存在しているという
次の目標は否応なしに決定した
早く呪いを解くためにも、早く元の世界へ戻るためにも、ガッカリしている暇は無い
この世界にきて俺の心は、滅多な事ではめげなくなってしまったようだ
「じゃあ俺達に、そのマジャスティスを探してほしいと」
「いいや、そうは言っていない
ワシらはワシらで今後も探していく
あんた達が魔法を見つけ出し勇者様の呪いを解いても文句もいわん」
「…お話、ありがとうございました
俺達もその魔法を探そうと思います」
「うむ 頑張りなさい
二人はまだ若いのだから、きっと見付けることができよう」
"失礼しました"と家を出る
「結果は残念だったけど、こうして新しい情報も手に入れた
…まだまだ旅は続きそう─」
メイに話しかけたところで、長老の家の扉がガチャリと開き、バーバラが出てきた
「そこの… メイさん、長老がお呼びなので来ていただけませんか?」
「私? 私は構わないけど…」
チラと俺を見るメイ
「うん? 構わないよ、俺はここで待ってるから」
「ありがとうございます、ではメイさん中へ…」
バーバラとメイ、二人が家へ入っていく
長老が呼んでるなんて、なんだろう
カルベローナの人は魔力が強いらしいから、その事で話でもあるのかな
メイは賢者だし…
ガチャと長老の家の扉が開きメイが出てきた
時間にすると一時間ほどだろうか
俺は座って何を考えるわけでもなく、ボーッとしていた
「お待たせ」
「お、長かったな」
「ええ 魔法についての話をたくさん聞いてきたわ
さすがに魔力の強い一族の長だけあって、いろんな事を知っていて、とってもためになった
タカハシも魔法を覚えたらいいのに、ホイミ教えてあげるわよ?」
「え?俺は… いいよ、メイが使えるのだから」
なんだか、変に、メイが明るく振る舞っているような気がする
「何か、よくない事でも言われたのか?」
「え! いいえ、本当に魔法の事をお話しただけよ
きっと、いろんな知識を知ることが出来て、嬉しくってそう見えるのね」
俺の思い過ごしか…
「では、道中どうかお気を付けて…」
何時の間にか扉から出てきていたバーバラが丁寧に挨拶をし、家へ戻る
「あ、どうも… って遅かった」
「これから、どうしようか?」
「うーん… 考えていたんだけど、一度ライフコッドへ行きたいんだ
その後、グランバニアで情報を集めてもいいかな?」
「もちろんよ 私も勇者様の姿を一目みておきたい」
「うん、じゃあトルネコさんに会いに行こう」
相変わらず静かな集落を後に、俺達はグランバニア方面へと歩きだした
もう一度、自分の目標を明確に自覚するために─
●予感
グランバニアへ向け出発し何日も過ぎた
この地方の地図はないが、真新しい休憩小屋がわかりやすく道沿いにあったため順調だった
魔物はやはり、出てこない
"もしかすると平和になったんじゃないか?"
そう思ってしまう程に、道は人々が行き交い、途中、新しい町の建設もされていた
「なんだか、平和に見えるね」
「ああ、ほんとにな
魔物が出なくなったんだ、そう思ってしまうのも無理は無い」
「無理は無いって、何か思い当たることでもあるの?」
思い当たること
いや、特にはない
だけど本当に真の平和が訪れたとは、俺にはどうしても思えない
「アトラス、やつが現われたじゃないか」
「あ、そうね まだ魔物はいなくなっていないのね…」
「うん だから」
「…油断はしないで、進んでいきましょう」
昼と夜の繰り返し
魔物は姿を見せず、代わりにたくさんの商人を見掛ける
俺達は少し疲れ、平地へ腰を降ろし休んでいた
時間は夕刻
遠い地平線に真っ赤な陽が、その身を隠そうとゆっくり動いている
「なぁ、この世界は丸いのk─ ?!」
俺が素朴な質問を言い終わる前に、メイが俺の背に自分の背中をくっつけ座り直した
突然の事に、俺はとんでもなく動揺してしまう
「少し、こうして座っててもいい?
背中をつける場所がないから、こうすればお互いもう少しゆっくりできるから」
俺は慣れないシチュエーションに内心かなり焦っていたが"いいよ"と、普段と変わらない調子で返事をした
「ありがとう
…この頃、嫌な予感がしてたまらないの
どう伝えればいいのか、まるで今の瞬間が、最後の瞬間なような気がして…」
あまり、自分が考え悩むことを俺に話すことがなかったメイ
そのメイがそう言っている
「そうか… 予感は外れることだってあるじゃないか
あまり、考えすぎる事はない」
「うん…」
「もうすぐグランバニアだって、さっき話した商人も言ってた
ライフコッド直行じゃなくて、一度グランバニアで休んでいこうか?」
「ううん、大丈夫 きっと… 私の思い過ごしよ
だけどもう少し、このまま…」
最後の瞬間とはどういった意味だろう
どうしても負の方向へしか考えられないから、陽で染まる地を眺め、気持ちをからっぽにしようと俺は努めた
次の日は、朝から雨が降っていた
雨はとても冷たく、気持ちもどんよりと曇る
俺たち二人は雨のせいか全く人通りの無くなった道を進む
もう数時間も歩けばグランバニアだ
「タカハシ、私これ以上進みたくない」
メイはそう言うと、立ち止まってしまった
表情がよくない
「どうしたんだ? もうすぐグランバニアに着くじゃないか」
「ごめん だけど、進むと何か、よくない事が起こりそうで…」
「そうは言っても… 昨日言ってた"予感"か?」
「昨日よりも、とても大きな─」
二人の周りを薄暗い霧が、どこからか囲み始める
「なんだ?!! 突然、いったいどこから!」
俺は焦りオリハルコンの剣を手にし、メイの前へ
「なにが─!」
後ろから、バシと大きな音とすぐ後ろで人が地に倒される音も聞こえた
同時に、今までに感じたことがないほど大きく邪悪で寒気のする気配
身体の向きを急いで変えると、空間に突如現われたガラスのような扉から
マントに身を包んだ若く、スラリとした男
メイが俺のすぐ後ろに倒れ、ゴホゴホとむせていた
「誰だ! メイに何をした?!」
メイを俺の後ろに立たせ、グッとオリハルコンの剣を両手で構えながら男に怒鳴りつけた
ガラスの扉がスゥと消える
「ルビスの遣いを殺しにきた」
マントを翻し、静かに語りだす男
その身体は漆黒の鎧に身を包まれ、武器などは一切所持していない
「何を言って…!!」
恐ろしい
この男は、その存在を目で確かめただけで、とても強い力を持っているとわかる
オリハルコンへ俺が持つ全ての魔力を注ぎこむ
「貴様等人間は、多すぎる 大勢は必要なくなったのだ
遣いを殺した後─ 私自らこの世を洗浄しよう…」
なんだこの男…!
まるで自分が支配者のような事を……
う、まさかこいつが─!!
「我が名はゾーマ この世界、そして宇宙を支配するのは神ではなくこの私…」
●愚かな若者
雨はざあざあと止むこと無く、薄暗い霧だけが晴れていく
俺の想像とは全く違う、人間と変わらないその姿
どこかもの悲しそうな、それでいて眼光鋭い目
筋の通った鼻にキリと結ばれた細い口
今、目の前に立つこの男がこの世界を苦しめる─ 魔王ゾーマ
両手で構えるオリハルコンの剣が、汗と雨水でズイと滑り落ちそうになる
「メイ、大丈夫か? 逃げるんだ…」
俺は小声でメイに告げる
「大丈夫、私だって戦う…」
「まて、無茶だ 約束したじゃないか!」
思わず大きな声で叫んでしまった
だけど、このゾーマにはどうしても勝てる気がしない
正直、俺もこの場を逃げ出したい
「俺が時間を稼ぐからそのうちに逃げろ!!」
メイの言うことを無視してゾーマヘ斬りかかる
『シュン』
切先は確かにゾーマの身体を切り裂いた─ はずだった
しかしアトラスの時よりももっと強力な力が働き、まったく傷を負っていないゾーマ
「…私に傷を付けられるとでも思ったのか? ルビス! この程度なのか?!」
「な、なんだ…と─ う?!」
俺の身体がフワリと宙に浮き、まるで金縛りにあってしまったように固まり、動けなくなる
ゾーマが手の平を俺に向け、強く俺を睨み付けたその瞬間
俺の身体は細かい、何か波動のようなもので無数の切り傷を受けてしまった
しかし身体は地に着くことがなく、幾度も同じ攻撃を受けてしまう
「イオナズン!!」
メイによって放たれた古代魔法イオナズン
しかしその爆発が起こる前に、空気中に完成したその爆発の源が、ゾーマによって握りつぶされてしまった
「娘よ、焦ることは、無い
わが身に纏う"闇の衣"の前では全ての魔法は無力…
だがお前は、力を持つ者として我が世界へ招いてやろう
まずはこの男の絶望を吸いつくし殺してからだ
その後、ゆっくり弱らせ我が力にしてやろうではないか!」
その言葉にメイがガックリと ひざから落ちる
「効果は薄いと思ってはいたけどまさか… 消されてしまうなんて……」
くっ……
闇の衣ってあの赤いマントの事か?
まさに絶望だ 希望を微塵も感じることが出来ない……
このままじゃメイまでも…
─あの、力
あの力が今…!
俺は必死に、心の奥底から自分が守りたいものを強く思い描く
身体の奥で何かが動き始め、意識が飛んでしまいそうになる
くそっ!
頼む、守るんだ……!
ざあざあ降っていた雨がピタリと止み、真っ黒な雨雲がほんの少しずつ散っていく
「む… ルビスの力だな」
金縛りを魔力で破り、ストッと俺は地に降りる
この、大きな力ならいける…!
「ほう…」
ゾーマがニヤリと笑い両手を前にし俺と対峙し、強い圧力を俺に向けて放つ
一瞬、目の前の景色がグニャリと曲がったように感じ、一歩下がってしまう
ゾーマ…
武器をもたず己の魔力を自在に操り相手を傷つけてくる恐ろしい敵
そしてなにより、あの不思議なバリアのような"闇の衣"
アトラスと同じならばこの白く輝くオリハルコンの剣で貫けるはずだ…!
俺は両手の真正面を避けるように動き、一回二回と斬り付けザッと離れる
この"真の力"の早さに、ゾーマはついてこられないのかオリハルコンの攻撃をまともに食らう
闇の衣は貫いている、手応えはあった…!
この調子で斬っていけばいける……!!
手応えの結果を確かめず俺はとにかく動きまわり何回も何回も斬り付けた
その度にゾーマは無言で刃を身に受け、微動だにしない
さすがに俺も警戒しはじめ、そのうちに斬りつけるのを止める
「はぁはぁ… かなりダメージをあたえられたはず…」
この"真の力"はかなり体力と魔力を消耗するようで、俺は息切れしてしまう
斬り付け続けたその姿を見ようと、俺は顔を持ち上げる
「フッ…」
「な…」
ゾーマは一切、傷を受けていなかった─
「なぜだ! 確かに手応えが…」
「若く愚かな男よ
お前が斬ったと思い込んでいたのは… クックック………」
「なにがおかしい! どこを見て………?」
おかしい
おかしいのだ
俺はゾーマを斬っていた
なのになぜ─
ゾーマの視線を追いかけその先に俺が見たのは
血だらけになって倒れる、メイ
「ハッハッハッハッ!!」
ゾーマの太く、不愉快な笑い声が、グランバニアを目前にしたなだらかな平地を、支配していた
●滅び滅ぶ
「メイ!!」
俺はオリハルコンの剣を放り、両手でメイの身体を起こす
「タ、カハシ……」
「すまない…! 俺は、俺は……!」
「ベホマ… 間に合わないの……」
「どうして……?!」
メイの小さな両肩を、ギュッと引きよせる
「ふむ… 愚かな男女よ
貴様等の絶望と悲しみ、怒りと憎しみは実に良い
どうなったのか、特別に教えてやろう
闇の衣の魔力を使い男に幻を見せただけだ
どうだ、クックッ…
あっさりと罠に嵌まり、私だと思い込んで女を斬り続けたではないか!」
幻…!
「その女、闇の衣のおかげで即死は免れたようだが、もう時間の無駄
だが私は!
邪魔をしないで見守ってやろう!
男よ、もう残された時間は少ないぞ?
早く私に、お前の絶望を味わわせてくれないか! クックックックッ!」
なんて… 冷酷な……!
「タカハシ…」
メイの生きる力が、グングンと小さくなっていくのが感じられる
「メイ、もう喋るな ベホマだ、ベホマをかけろ!」
「もう、だめなの…
もう、魔法で回復できる損傷度合を越えてしまったの…
だけど、タカハシのせいでは、ないのよ……」
「ベホマを! ベホ、マを……!」
だめだこのままじゃ…
メイは死んでしまう……!
俺が、俺が、俺が…………!!
「タカ、ハシ… 手を、見せて…」
俺は、心がどうにかなってしまいそうなのをグッと堪えメイの眼前へ、震える手の平を差し出す
その俺の手の平を、メイはそっと弱々しく自分の手にあわせ、言う
「この手が、好き… いつも私を引っ張り守ってくれた手…
もうこの手を見ることは、なくなってしまうのね……」
「まってくれ まだ、頼むから回復魔法を使ってくれ!
きっと治る…!」
「これを…」
メイが差し出したのは静寂の玉
「これ、身に着けていて
私だと思って、連れていってね…」
「バカな事を… 言うな! まだ一緒に、旅をするんだよ!」
メイがフフと笑い、言葉を続けていく
「タカハシがどこから来てなにをしようとしているのか…
私は夢の中でルビス様から聞いたの
チゾットで眠っているときにね…
ずっと、一人で、誰にも言えずにいたんだね……
そして、ルビス様は私に、タカハシの助けになってほしいって、言っていた…
私はそう言われたとき、こうなる事も覚悟していたから、だいじょうぶ……」
「そ、そうだルビス! いるなら返事をしろ! メイを、助けるんだ!!」
声は届かず
何も返らない
「聞いて、タカハシ…
カルベローナの長老は、あなたのその秘められた力を見抜いていたわ…
私が、ルビス様と約束をしている事も知っていた…
そして、私の覚悟を感じとった長老はある魔法を、私に授けてくださった…」
よく、わからない
なんでこうなってしまった
ルビスはなんでメイに告げた なんでだ
俺はなぜ、メイを斬ったんだ
そうしてなぜ、メイが死ななきゃならないんだ─
「う……! タカハシ、私はそろそろ、この身体を抜けなければならないの…」
「抜けるって、どういう」
「わからない… だけど安心して、私があなたを守るから…
一緒に旅が出来て楽しかった、本当に会えてよかった…
もっと一緒に旅したかったけど、ここまでなの ごめんね…」
「そ、んな そん、な事…」
「一つだけ約束… あなたが元の世界へ戻ることが出来て…
私が生まれ変わって、もし目が覚めたらあなたの世界の人間だったら…
また一緒に……」
メイが目を瞑り、少しだけ集中する
「さようなら、タカハシ あなたは何一つ悪い事なんてないの
私、とっても楽しかった…
そしてこれが、長老から授かった究極の魔法…」
「ま、待ってくれ、俺は─」
メイが、俺の手をギュッと握る
腕組みをしたまま俺達を傍観するゾーマを見つめ、小さくつぶやいた
「マダンテ」
刹那、俺はメイの身体と共に吹っ飛ばされ
ゾーマを真っ白な空間に閉じ込め
その空間の中はまるで
小さな宇宙が誕生するかのごとく
混沌と
暴々と
恐々と
眩しく輝きあたり一面、影が焼き付いてしまうほどにグウグウゴウゴウ瞬き
やがて小さく収縮し、消えてしまった
「クッ…… ! メイ─」
俺のそばでぐったりとするメイは
赤色が無くなり魔力も感じられずただ 横たわるだけの動かない存在
「メイ? 死んだ、のか?」
棒のように真っ直な言葉が、口をついて出た
そうして、メイの頬へ手を触れようとしたら、ボッと青白い炎に包まれ粉のように消えるその脱殻
何が起きたのか 頭は"わかる"と言うけれど、心が"わからない"と叫んだ
「フフッフッフッフ………」
ぼんやりと、そのおかしな笑い声の方向へ体ごと向けると、マダンテに包まれ収縮し消えたはずのゾーマ
ゾーマは、ボロになったマントを引き摺り、近付いてくる
俺にはもう抵抗する気力なんて ない
メイが 死んでしまったんだ
「おもしろい事をしてくれたではないか…!
マダンテを使えるとはな…
おかげで闇の衣は消滅し、私自身も傷を負った 時間をかけ癒さねばならない
知っていたか? その魔法は術者自身の命を燃やし、相手を滅ぼす魔法なのだ
その女が消え去ったのはマダンテの効果、そして殺したのは」
不敵なゾーマは、力強い声で─
「お前だ!!」
俺が? そうか…
「惜しい魂を失ってしまったが…
結局は我が力となるであろう、我が世界でゆっくりとな」
ゾーマの言葉を、ただただ、聞くことしか、しない
「男 おまえの力、十分に使える
ルビスの力を持つお前は殺そうと思っていたが…」
ゾーマは右腕を俺へと伸ばし
「お前は弱いルビスの遣い 今からルビスではなくこの私の為に、その魂を、捧げ続けよ……」
離れた所には、輝きを失ったオリハルコンの剣
手を伸ばせば届くのだが、頭に置かれようとするゾーマの鋭い爪を伴った手を俺は、少し見上げ自ら受け入れた
メイは死んでしまった
ルビスのせいか?
いや… ゾーマの言う通り俺だ
俺の手で、その命を殺した
彼女が好きだと言った、この手で………
意識は次第に薄れていき、グイと、"我が世界"へ引き込まれて─
そのまま、永遠に眠ってしまいたいと、願った──
タカハシとメイ、そしてゾーマの姿は グランバニアの南から完全に消え
残されていたのは泥だらけの 立派な剣だけであった
それから57日後
世界は 魔王ゾーマにより全ての町を滅ぼされ
少数の人間が隠れ住む 荒れた廃地となる
凄いモノを読んでしまった・・・
お疲れ様でした
乙!!
ビビった〜、てっきり終わりかと・・・。
細かい修正する前のテキストを張ってしまいました…
違いは言い回しくらいなので、前回に引き続き脳内補完お願いします
あと、書き忘れたけど話は第四部へ続きます
ダークヒーロ―誕生予感。
てかすげぇ…
レッドマンの明るい内容から
タカハシの辛い内容を読んだらかなりへこむな。
メイタソ
.。::+。゚:゜゚。・::。. .。::・。゚:゜゚。*::。.
.。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。 。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウェ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
。+゜:*゜:・゜。:+゜ ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::* *::+:・゜。+::*:.
・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*
゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・
゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜
*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・*+:。。.。。:+*・ ゚ ゜゚ ・
正直に言うと
自分が一番好きな映画を見終わった気分。
さらに続編の制作が決定された時の喜びを感じた。
もっといい言葉があるだろうけどうまく言い表せない、とにかく最高だ!!
機体
タカハシSUGeeeeeeeeeee!!!!!!!GJ!!!!!!!!!!!!!
脳汁垂らしながら読んだ。
すごくショックだ。
泣けた。
保守
>>579 からの続き
●失われた時間
「タカハシ! 起きて!」
ん… 誰だ俺を起こそうとするのは…
頭が、とても痛い……
「今日から一緒に旅するって言ったでしょう! 私よ、メイよ!」
メ…イ?
メイ?!
ズアッと、声のする方へ勢いを付け立ちあがり
その顔をじっと見つめる
「どうしたの? 目は覚めた?」
目の前にいるのは紛れもなく─ メイ
「メイ……!」
「寝坊よ! 待っていたのに寝てるなんて!」
この場所は、見覚えがある
そう確か…… フィッシュベルの宿屋だ
「ここはフィッシュベルの宿屋… か」
「そうよ 扉を叩いてもあなたは出てこないし、部屋の中まで迎えにきたんだから」
「メイ… 生きて………」
時間が戻ったのか
俺がずっと悪い夢をみていたのか
目の前で生き少し怒った顔のメイに俺は、涙が出そうになる
存在を、確かめようと頬へ手─
「迎えにきたのよ、あなたを相応しい場所へ連れていくために…」
「え、連れていくって…」
な、なんだ これはメイじゃ、ない……?
「私は生きていない、なぜ?
だって、フフフフフ… あなたが殺したじゃない フフッ
あなたが剣で、私を斬り殺した…!!」
「な………?!」
メイの姿が突如、霧状の魔物へと変化する
景色も一変し、宿屋の一室から赤く黒くウネウネと動く空と、草一本生えていない土の大地になる
一瞬、言葉が頭の中から消滅し、目の前の出来事が色を無くしてしまったかのよう─
「クカカカカカカ!
お前! マヌケな人間!
心の中から大事に思ってるものを、お前の心に合わせて見せてやったんだ! ありがたいと思え!」
フィッシュベルでの、始まりの朝…
俺のこの どろどろとした、心……
「お前、殺したんだってな!
嬉々と! 自分が大切に思う女を! ケケッ 邪悪なヤツ!」
「あ、あ、ああ・…」
嬉々、と…?
俺、おれ… が、ころした……
「ここは! ゾーマ様が創り出した我々魔族の為の世界!
お前はここで生きる屍のように生き長らえ、魂の力をゾーマ様へ捧げ続けるんだ!!」
「うう…… やめろ、俺は殺してなんか、ない… 罠に嵌まっただけ─」
「事実を認めないなど、情けないヤツ! 本当にルビスの遣いか?!
お前は失ったんだ! その人間の女との時間を! お前には何ものこっちゃいないんだ!
さあ! 今から腑抜けた人間共の暮らす町へ送ってやる!!」
霧の魔物が"バシルーラ"と叫び、身体にガツッとした衝撃が走る
身体は不気味な空を飛び、風はギュウと身体を押し潰そうとし、そのうち気を、失った─
●絶望
『さようなら』
『私は死ぬの?』
『痛い…! やめて…!』
『ヤメテ!!』
「メイ──!!! くっ かっ はぁはぁはぁ………」
「おい、起きるならもっと穏やかに起きてくれないか」
だれ?
「お前、ずいぶん眠ってたぜ」
「メイ……?」
「メイ? なに言ってんだ、俺はフーラルって言うんだ」
「」
「なんだ? おいおい、こういう時は名乗るのが礼儀だぞ?」
う、わからない…
「わから、ないんだ」
「何が? 記憶喪失とか言うんじゃないだろうな?」
「なんであの時、殺したのか… わからないんだ」
「なに? あー… そうか
お前もあの霧の魔物に嫌なモノ見せられたんだな
気にするんじゃない、あいつの見せるモノはほとんど嘘だ」
うそ?
「嘘、なんかじゃないんだ…
今も覚えてる あの感触を あの姿を 青い炎を…
うそなんかじゃないんだ……うそじゃ………」
「こいつは─ 重症だな…
よっぽどの思いをさせられたんだろう、かわいそうに」
「フーラルさん、おじゃましますよ」
「お、トルネコ! 丁度いいや!」
「彼が、この間ここへ飛ばされてきた?」
「そうなんだが、どうも様子がおかしいんだよ
俺じゃどうしようもないから見てもらえないか?」
「ええ、ええ 見て差し上げましょう、どれ…」
「しかし、あんたも元勇者なのになぁ…」
「ホッホッ またその話ですか
何度も言いますが、覚えてないのです
私なんかが勇者なわけないでしょう、この町の管理者ですよ」
「確かにこの"絶望の町"の管理者だけどさ…
あんた、操られてるんだろ? とても魔物の仲間には思えないね」
「そう言われましても… 気付いたら管理者だったんですから…
それに魔物の仲間だなんて、思ってやしませんよ
私はただ、この町を管理するだけです」
「またまたぁ! 勇者なんだからさ、なんかすごい力でババーンと─」
「ホッホッ そんな力ありません
さぁ、この若者を看ますからしばらく静かにしていて下さい」
「ふむ… 身体はどこも悪くないようですが、どうも気持ちが定まっていない
まだ様子をみながら安静にしたほうがいいでしょう」
「そうか、あんたが言うんならそうしよう
で? この男は俺と一緒の部屋でいいのか?」
「そうしてもらえませんか?
他の人達ではこの若者の面倒をみる事は、できないでしょうから」
「ああ、そうだな…
ふぅ…… まったく魔王ときたら、手当たり次第に人間様をこんな辺鄙な所へ送りやがって…」
「手当たり次第ではありませんよ
魔王は秀でた才能を持つ者だけを、選んで送り込んでいるのです」
「なんで? また?」
「さぁ… そこまでは私ではわかりかねます
フーラルさんのほうが、そういう話を知っているんじゃないですか?」
「ん? んん… しかしなぁ、俺なんか別にスゴイ才能持ってるわけじゃないんだけどなぁ…
ここで世界の破滅を見ているのも、辛いもんだよ死なないとはいえ……
だってよぉ? 街全て滅んでしまったっていうじゃないか!
残ったのは少数の人間だって話だ… 他は死んじまったんだぜ?
あーあ 俺の故郷も親兄弟も… 死んじまったんだなぁ いっそ俺を、殺してくれないかなぁ」
「あなた方はこの世界でこうして嘆き悲しんで、魔王にその感情を吸い取られているだけですからね」
「おいおい… なんでそんな普通に言うんだよ!
全く、本当に勇者だったのか? まぁ、呪われてそうなっちまったんだろうが、聞いたときは心底驚いたぜ」
「私は管理するだけの人間ですから… では、他に用事が有るので私はいきます」
「ああ、わかった ありがとな!
なんかあったらまた連絡するから!」
「ええ、ええ そうしてください、では…」
「はぁ… こっから出て、また前みたいに金持ちから金せびって暮らしたいなぁ……」
「とるねこ……?」
「お! なんだ、聞いてたのか
そう、さっきのは元勇者トルネコだ 知ってるだろう? ライフコッドで呪われたっての」
「とるねこ、さん……」
「そうそう、トルネコさんだ
あの人もかわいそうだよなぁ 呪われて記憶無くなったと思ってたらこんな世界へ連れてこられてたんだ」
「て…」
「て? 手か?」
「てりー……」
「テリー? 知らないなぁ 知り合いか?
才能あるんならこの世界にいると思うけど、聞いたこと無いから才能なかったんだろうな!」
「」
「まただんまりか 早く治ってくれよ?
他のヤツラみたいに、世界が破滅しただの生きる意味が無いだのって無気力になっちゃだめだぜ?
この町でまともに動けるのは俺とカンダタと、トルネコだけなんだからな
若いお前にはまともになっててもらわなくっちゃ
じゃなきゃぁ… ますます救われねぇぜ……」
●希望
「よぉ! どうだ、今日は喋れそうか?」
「」
「だめか まぁよし、今日はお前に客が来ている」
「タカハシ!」
「」
「おめぇ… 生きてたんだな! おい! なんとか言え!」
「」
「カンダタ こいつ、タカハシっていうのか?」
「おう、そうだ 俺はタカハシの剣を鍛えてやった」
「へぇ… もしかしてお前って、鍛冶屋? 賢者の石を扱えるっていう」
「お?! なんだおめぇ、知っているのか?」
「いやなに 実は俺は情報屋でな、情報で飯を喰ってたんだ
だからいろいろ知ってるぜ もちろん、この世界の情報も持ってる」
「この世界の情報って、どうやってだ?」
「それは職業柄教えられないんだが、人間も魔物もおだてに弱いって事だ!」
「む、俺にはできねぇ商売だな! なぁタカハシ! ハッハッハッ」
「で、その情報にこの世界を逃げ出せそうなシロモノはあるのか?」
「いや、ない まだそこまでは聞き出せていないんだが、きっと聞き出すぜ」
「また拷問受けないようにしろよ!」
「大丈夫だ こっちの世界で俺達が死ぬことはないからな!」
「それにしてもだ 他のやつらはどうしてあんなに腑抜けなのか」
「仕方ないさ こんな世界で、しかも元いた世界はもう滅んだも当然なんだぜ?
逆に元気な俺達がおかしいんだよ」
「そうかもしれねぇ… だけど俺は! 負けたくねぇんだ 俺の弟子とカミさんを、あいつら殺したんだ!」
「…ああ、まったくだ 魔王だかなんだかに、負かされたままじゃいられないぜ…」
「それはそうと… フーラル、タカハシと一緒に女はいなかったか?」
「いや、いなかった」
「そう、か…… メイは……」
「その名前、こいつが来たときにもつぶやいてたぜ? なにもんだ?」
「うん メイはな、タカハシと同じくらいの歳の娘でな
俺は、その娘に命を助けられた事が有って、それからよく遊びにくるようになったんだ
ある日、タカハシと一緒に旅に出て、それから見なかったが─」
「う、メ、メイ……」
「タカハシ! なんだ? 話せるようになったか?!」
「メイ、は…… 俺が、殺した……… この、手、で…………」
「……な んだって…?」
「そういえば…… タカハシは"なぜ殺したかわからない"とも、呟いていたっけ…」
「ころした、だと? おい、タカハシてめぇ…どういう事だ!」
「まて! カンダタまて! 待てって! 手を離せ離すんだ!!」
「くっ……!」
「落ち着け、落ち着けよカンダタ…!」
「聞け、カンダタ
俺達もこの世界に飛ばされたとき、霧の魔物にへんな幻をみせられただろう?
もしかしたらそれを、タカハシは言ってるかもしれないんだ」
「だが! メイは実際この場所にいない!」
「お前、確か信用できる人間相手にしか商売しないんだろ?
それともなんだ? 金ほしさにタカハシの剣を鍛えたってのか?」
「それは─ ちがう、断じてちがう
信用したんだ、こいつを… 信用したのに、メイを殺したっていうじゃねぇか」
「まぁまてよ まだ はっきりとした真相を本人から聞いてないんだ
それを聞くまでは、俺に免じて待ってくれないか」
「……わかった 俺だって信じたい、魔物どもの思惑通りにもなりたくねぇ
感情的になってすまなかったな
それにしても、やけにタカハシの肩を持つじゃねぇか?」
「そういうわけじゃないんだが、なんとなく─
こいつが"希望"に思えるんだ、俺には…」
「希望… よくわからねぇ」
「まったく、お前にタカハシを任せなくて正解だったぜ
とにかくそういう事だから、まだ手出ししないでくれよな」
ただいま376KB
長文投下時は一度メモ帳にコピペ→プロパティを見て
KB数を確認してから投下するといい予感
604 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/04(木) 23:51:52 ID:A1p1jOiK0
□□□□□□□□□□□ __ ,.-―‐-、..
□□■□□■□□■□□ /:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
□□□■□■□■□□□ /::::::::/ー|::::::::::::::::::::::::\
□■■■■■■■■■□ /::::::/ | |::::::::::::::::::::::::ヽ
□■□■□□□■□■□ |:::::/ | |:::::::::::::::::::::::::|
□□□■■■■■□□□ |::::i !:::::::|ヽ::::::::::::|
□□□□□■□□□□□ {::::| -'''''"'' ''"''''ー ヽ::::::|
□□■■■■■■■□□ .|:::| ▲ : ▲ |::::/
□□■□□■□□■□□ ヽ| ´ ̄ i !  ̄` レ'|
□□■□□■□□■□□ | _、_,ヽ 、 !ノ
□□■□□■□■■□□ ! ノ ) !
□□□□□■□□□□□ ヽ ヽ ‐=ニニ=ー'/ /
□□□□□□□□□□□ ヽ、 ヽ /
□□□□□□■□□□□ ヽ 、___,./´
□□□□■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□■■■□□■□□□□□□■□□□□■■■□□■■■■■□
□■□■■■■■■■□□■□■□□■□□□■□■□□□□□
□■□■□□□□■□□□■□■□□■□□□■□■□□□□□
□■■■■■■■■■□■□□□■□■□□□□□■□□□□□
□■□■□□□□■□□■□□□■□■□■■■□■■■■■□
□■□■□■□□■□□■■■■■□■□□□■□■□□□□□
□■□■□□■□■□□■□□□■□■□□□■□■□□□□□
□■■■□□□□■□□■□□□■□■□□□■□■□□□□□
□□□□□□□■■□□■□□□■□□■■■■□■■■■■□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
勝手にこのスレの主人公達の職業を考えてみる。
総長…賢者
タケ…戦士
タカハシ…魔法剣士
真理奈…武鬪家
クロベ…盗賊?
ジャガン(魔神氏)…(闇)勇者
4の人の主人公…僧侶?
保守
保守
保守
611 :
◆nvrQgBBjrw :2006/05/08(月) 03:14:31 ID:HuTgfSw6O
てす
トリップテストすんな
HDD昇天
第四部から書いてあった話は全て消え─
タカハシの旅は、より鈍足になるだろう
カキッって、鳴った時点でバックアップとるべきでした orz
>>613 どどんまい!しかしペースが速すぎるんじゃないのか?
無理するなYO!
>>614 ありがとう
PCは中身入れ直してなんだか快適になったけど…
この際なのでじっくりやっていこうと思います
616 :
一読者:2006/05/09(火) 01:19:23 ID:NZfvLKCOO
>>615 そうそうドーンと構えてじっくり練り上げて下さい。
他の作者さんも焦らずにじっくりゆっくり練り上げて行って下さい。
|> ほしゅはまかせろ
心配なので早めに保守
保守
ローディ ◆qdB5QYIaRc
オリジ ◆8Ntuwr18d2
DQな現代 ◆gqal0QWwZw
魚間◆TRIPなし→4PnqyfvO3
オルテガ ◆8JKqodVw2k→zYgagV2g.w
ヘタレ ◆ozOtJW9BFA
キョウ ◆Hju2GLbs6k
591 ◆MAMKVhJKyg
シャルル ◆zu/zVku.Kc
彼らの作品がまだこのスレで一回も投下されていないな。気長に待ちますか。
投下してる人がものすごく少なく感じる。
ここは気長に(ry
その中の一人だけど、次スレに移って新規の人のためにまとめにUPされたら投下しようと思ってたんだけど
あれよあれよという間にここまで来てしまった。
>>623 >77のリンクから飛べば全スレ読めるがな(´・ω・`)
あぁ〜GW最悪だったぜ〜・・・
さてさて
>>473さん、ありがとうございます〜
これからも試行錯誤していくつもりなので、気になるところがあったら言って下さい
では
>>456からの続きです
砂漠で水がどんなに大事なものか想像してみよう。
とても、とても暑い日だ。
日陰でじっとしていても汗が滴り落ちてくる。
気持ちの悪い熱気が容赦なく体を包む。
「あつい・・・・・」
その言葉しか言えないような状態だ。
そんな時、目の前に水を差し出されたらあなたはどうするだろうか。
ほとんど、いや間違いなく飲む事を選ぶだろう。
水を口につけ、渇いた喉が潤いで満たされる。
ごくごくと一気に飲み干し、ぷはっ!と息をつくあの瞬間の何と気持ちのいいことか。
水が無ければ我々は生きていけない。
砂漠という枯れ果てた土地では水は命に等しい。
もしくはそれ以上のものなのかもしれない。
ではそんな水によって育った花はどうだろうか。
「バカヤロウ!俺は今喉が渇いてるんだよ!花で喉が潤うか!!」
確かにそうだ。
しかし、本当にそうだろうか。
水が喉を潤すのは、その瞬間だけだ。
対して自然の恩恵によって咲いた花は人の心を潤す。
色鮮やかな花びらが風に揺られるその姿に安堵と覚える。
また、一生その場所で健気に咲き続ける花の強さに感動を覚えることもある。
一瞬の欲望に身を任せるよりも
美しいものを愛でる方がよっぽど人間らしいのではないか
でも結局人は喉が渇けば水を飲むのだ。
だとすれば、心が荒れた時に花を見ればいいじゃないか。
全てはその時の状況次第である。
だから、何が言いたかったかと言うと、
イシスの水で育ち、花で飾られたプエラ姫は今、1番美しい、という事だ。
「天にましますルビスの御霊よ。
そして我らが父ファラオの名によって、今日の日が人々の記憶に残らんとするように。
偉大なる歴史の1ページを飾るこの式に参加できた事を我々は感謝するでしょう」
イシスの王宮、女王の間は飾り付けられ、結婚式場に仕立てられている。
玉座の前に神父が立ち、机を挟んで新郎新婦が横並びになっている。
プエラは花冠にシルクのドレス。胸の一輪の花が良いアクセントとなっている。
恥ずかしげな表情の中にも嬉しさを隠せない、といった笑顔が可憐である。
フィリーもタキシードで決めればちゃんと王子らしく見える。
黙っていれば嫌われるような事のない顔立ちなのだ。
トップの地位にある者として、それが損に働く事はまぁないだろう
「今から交換する指輪は、おふたりの愛のシンボルです。
その輪には、初めもなければ終わりもない、永遠のものです。
あなた達が永遠でありますように願いを込め、互いの心に祈りなさい」
2人の前の机には黄金の爪と、指輪が2つ乗せられている。
フィリーとプエラは相手にはめる指輪を手に取り、向かい合う。
互いの目が合い、どちらからともなく微笑みあう。
その表情から確かな愛をその場にいる全ての人が感じただろう。
そしてフィリーがプエラの指に、プエラがフィリーの指に指輪をはめた。
その動作をイシス女王・ロマリア王を始め、両国のお偉い様方が見つめる。
もちろん真理奈達も同席している。
「それでは新郎新婦、誓いの口付けをもってイシスとロマリアの民に、
そしてあなた達2人の心に夫婦となることを示しなさい」
「「はい」」
2人は寸分の違いもなく返事をし、再び向き合い近づく。そして、キス。
その瞬間、王子はプエラの夫に、姫はフィリーの妻になった。
「汝らの行く道に幸福あれ」
神父の声と皆の拍手喝采が2人を祝福した。
「いやはや、こんなに嬉しい事は久しぶりですよ。
姫は息子に合って美しいし。いや、本当にめでたい」
「こちらこそ、無事に今日という日を迎えられて光栄に思いますわ」
誓いの儀式が終わった後、テーブルが出され皆に料理が振舞われた。
真理奈達はおいしく頂いたが、イシスの料理が合わなかったロマリアンもいたみたいだ。
「イシスの女王よ。改めて礼を言わせて頂きたい」
「もう止しましょう。この気持ちは1日喋り続けても尽きることはないのですから」
「おぉ、そうですな!ワハハ」
喋り続ける陽気なロマリア王を咎める者は誰もいない。
お酒の入る祝いの席なのだ。
それも息子の結婚式ともなれば多少羽目を外しても仕方の無いこと・・・
「フィリーよ、これからは2人でロマリアのために力を尽くしてくれ。
それとご安心なされ女王よ。
姫のロマリアでの豊かな暮らしを約束しますからな。ワハハ」
「・・・それはどういう意味でしょうか」
「どうもこうもないでしょう。こんな素晴らしいお嬢さんを頂けて私は幸せですよ」
「・・・何か勘違いされていませんか?これはそちらから持って来られた話です。
王子はイシスでプエラと一緒に住んでいただきます」
「何をおっしゃっているのですか。女が男の方に嫁ぐというのが当然でしょう」
「イシスにはそんな慣習はありません。だいたいプエラは次の女王となるべき―――」
「こちらだってそうだ!!可愛い息子を取られてたまるものか!!」
一気に場の雰囲気が変わる。ストゥルーストの叫びを機に双方の言い合いと発展した。
「こんな砂漠の地に王子を置いていくなんて考えられない!」
「こちらだって可愛い姫様をお一人で他所へ嫁がせるなんてできませんわ!」
「何だと!こんな不毛の大地に住んでるからそんな事が言えるんだ!
砂漠の砂と同じようにお前らの心も渇いてるんだろうよ」
「まぁ!そんな事を平気で口にできる方がどうかしてるんじゃありません?!」
「だいたいこのスープはなんだ!もっと味を薄くしろよ!!」
わいわいがやがや・・・せっかくの披露宴が台無しである。
真理奈達は唖然とし、プエラは助けを求める目でフィリーを見た。
が、フィリーは黙ったまま、静かに様子を伺っていた。
「そもそも姫にそちらの王子は不釣合いですわ!頼りなさそうだし・・・」
「何を言うか!王子にはもっと利発そうな女子がだなー」
「それは王子の頭が足りないって事を認めるのね?」
「ちょっと待てコラー!フィリーだってやる時はやるんだぞー!!
プエラだっていい娘なんだからっ!!」
最後のは我慢しきれなくなった真理奈の怒声。
加わってどうするよ・・・まぁ気持ちは分かるけどね。
「フィリー、我が息子よ!お前も私の意見に賛成だろ?」
「プエラ、あなたは私の後を継いでくれますよね?」
まったく同時に今回の主役に話が振られた。
怒号は止み、2人の発する言葉に期待がかかる。
心配そうにフィリーを見つめるプエラ。
フィリーはそれに笑顔で返し、すっと立ち上がった。
そして静かな声で話し出す。
「父上」 「う、うむ?」
「申し訳ないのですが、プエラと一緒にロマリアに帰るつもりはありません」
「な・・・」
「そして新しい母上様」 「はい」
「申し訳ないのですが、プエラと一緒にイシスに住むつもりはありません」
「・・・・」
「ピラミッドから帰って来た後、これからの事を私達は話し合ったのです。
この結婚が成立し、ロマリアはアリアハンとの連合に参加する事になりました。
連合に参加するという事は、この世界の平和の為に尽くす、という事です。
では私達は何をするべきなのか」
誰もが王子の声に聞き入っていた。
「私達はまず、アッサラームをモンスターの手から取り戻したいと思います」
驚き。しかしそれを表情に出しはしても、声にする者はいなかった。
「ピラミッドから無事に黄金の爪を持ち帰った事を経て、
行動しなければ道は開けないという事を私は学びました。
行動したからこそ私は今ここに立っていられるのです。
もちろん真理奈達の助けが無ければミイラの餌になっていたでしょう。
アッサラーム奪還も1人では到底不可能です。
ですから、皆さんの力を貸して頂きたいのです。
言い争っている場合ではありません。
ロマリア・イシス、皆の力を合わせて世界の平和を守りましょう!
これ以上哀しみを増やさないために!
未来を切り開くために!」
パチパチパチ・・・ワアァ〜!!
笑顔が溢れる中、それまで表情を崩すことのなかった女王も、優しく微笑んでいた。
そこで真理奈が立ち上がり、フィリーに何かを手渡す。青く輝くオーブだ。
「はい。これが連合参加の証」
「ありがとう真理奈」
「青はオアシスの色よ。頑張ろうね!」
真理奈はフィリーと、少し涙目のプエラと握手を交わした。
こうして真里奈の連合使者としての初めての仕事が終わりを告げた。
「はぁ・・・」
ため息。それは1回つく毎に他人を3回不幸に落としいれるものだと言われる。
しかし今の真里奈には他人の事など関係なかった。
「はぁ・・・」
携帯の画面の明かりで真理奈の沈んだ表情が微かにうかがえる。
「はぁ・・・」
これで誰かがもう9回も不幸になってしまった。
このままでは世界を救うどころか、逆に滅ぼしかねない。
披露宴が終わり、浮かれていてもいいはずの夜なのに・・・
携帯の画面では仲間と写した写メが待ち受けにされている。
画面の右上では、電池の残量表示が1つ。赤く光り、警告している。
それもそうだ。
こちらの世界には充電しようにも電気が無いのだから。
携帯充電器も使い切ってしまった。
このままでは使い物にならなくなるのは時間の問題である。
では電源を落としておけばいいだろ、と思われるかもしれない。
しかし、真理奈にはそれが出来なかった。
真理奈にとって今や携帯は元の世界と今の世界を繋ぐ唯一のものなのだ。
それが使えなくなるという事は、元の世界との関係が切れてしまう事に思える。
常に圏外なので、電池の残っている今でも使い物にはならないのだが、
ルビスがいつ電話をかけてくるか分からないし、
メールを送る機会が無いとは言い切れない。
ルビスが自分の願いを聞き入れて向こうの世界と繋げてくれるかもしれない。
現に1回は送れたのだ。
届いたかどうかはこちらでは分からないが・・・
真理奈はヒマな時、母親や友達にメールを作っていた。
未送信ボックスに残された、たくさんの届かない想い。
突然変な世界に連れてこられた事。
こっちで出会った仲間の事。
勉強より冒険が楽しい事。
早く戻ってしたいことが山ほどできた事。
それは元の世界では有り得ない今のこの状況を整理するのに一役買っていたが、
寂しさを増やす要因にもなっていた。
みんなで冒険をしてるときはいいのだ。
余計な事を考えなくていいから。
話をして、戦って前に進む。
それだけしてればいい。
思い出さなくていい。
この世界で自分だけが違うことを。
♪♪♪あの〜虹を〜渡って〜
ピッ 「・・・・もしもし」
「ルビスです。お疲れ様でした」
「・・・・・」
「この調子で―――」
「・・・・てよ・・・」
「あなたなら―――」
「帰して!!戻してよっ!!」
「真理奈・・?」
「このままじゃ帰れなくなっちゃう!!電池がっ・・・!!」
「真理――」 プツッ!ピーピーピーピーピー・・・
携帯が電池切れを告げる。
「どうして私なの・・・?ウッ・・・うぅ・・」
真理奈は携帯を耳に当てたまま泣き続けた。
っと、今日はここまでです。
読みにくかったら言ってください。
すみません・・・
次の話はうまく書ける自信がないなぁ・・・
でも頑張ろ
ではではー
暇潰しさんおつかれー
635 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/11(木) 20:16:35 ID:eoQPNuYrO
暇潰しさん、乙彼さまです
送信出来ないメールを溜めてるって、なんだかとてもさみしい感じが伝わってきた
続きを早く読みたい!
あー
あげてしまった、ごめんなさい
>>634>>635 ありがとうございますー
真理奈の落ち込む場面がいささか急過ぎた感があるんですが、どうなんでしょう…
今小説の書き方を載せてあるサイトを見てきたんですが…
自分のは全然ダメですねorz
文章作法や物語の展開の仕方など、まだまだ足りない事だらけのようです
これから改善していきたいと思います
皆様お久しぶりです。
過去スレを見ていたのですが誤字が多すぎたために訂正したいかと思います。
申し訳ないのですがやり方を教えていただけないでしょうか?
暇さん
展開が早すぎる事は無いと感じます
これまでの「会話中心の進行」からちょっと変わりました?
良かったです、読みやすかった
書き方は、俺はメチャメチャですけど、あらすじだけは常に変動しますが時間を割いて、完成させてます
無理に小説の定石に合わせる必要はないかと。
きっと、それが持ち味になるんだと、考えるようにしてます
支離滅裂でなければ。
レッドさん
639さんの言う通り、テキストファイルとしてアップすると良いかもしれません
現に、俺は最新版を読んでもらえるよう、そうしていますし。
職人さんが会話出来る空間が欲しいなって思った、泥酔の夜
たぶん進行度はとっても小さいとは思うけど。
保守
あれ、下がってなかた?
酔いってびっくりする現象を、時に起こすね
下がってたよ
これが一番びっくりした
スレ汚してごめん
しまった書き忘れ
レッドさん
一度、投稿した文字列を修正することは、2ch上では不可能です
なので書き直したテキストファイルを適当なアップローダーにアップしurlを書き込みするしか、再度読んでもらうための修正方法はありません
ごめん
何かいてんだ俺
酔って2チャンするもんじゃないね…
タカハシしっかりしろw
ほっしゅ
タカハシさん意見ありがとうございますw
良かったと言われれば素直に嬉しいのが投下してる者の性ですな
と同時に、自分の作品って「会話中心の進行」だったかな?と首をひねっているところですw
そういう点を意識して書いてなかったもんで…
今までは書き上げて投下する事に精一杯だったし
投下した後に自分の作品を読み返すという行為をしてないんで、これを機に読み返してみようかな
書き方も読み易さと自分のスタイルを追求していきたいと思います
同じ立場の人の意見も貴重だなぁ
ここはスレタイどうりであれば個人が作ったオリジナルなドラクエ話はおkか?
ばっちこい
>>647 いろんな作品を読んでいただければわかると思いますが
DQな世界観を保っていれば完全オリジナルもOKなようです。
期待しております。
暇潰しさん
「会話中心の進行」は、なにせ酔って書いたものなので、お気になさらないで下さい
俺自身、取り留めなく読みにくい文を書いているのですから。
暇潰しさんの文は、うらやましいって思ってます。
あんまりほんとに気にしないでください
…だけど、書いてる人から感想もらうとうれしいですね
651 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/14(日) 15:19:53 ID:id66Euxq0
4のやつ遅ぇな
定期的にでてくるアボーン透明ってまだ居るのか。
>>639氏・タカハシ氏
ありがとう。
今後の教訓のために訂正無しで行こうかと思います。
職人同士で雑談もしたい所ですが避難所みたいなのがあれば良いかも知れませんね。
>653
主人公雑談スレに、DQネタスレ避難所へのリンクがある。
そこの自治スレで、避難スレ立てていいか聞いてみればいいんじゃないかな?
あーそういうのあると良いかもしんないな。
このスレで言いたいことバンバン言っちゃうと荒れる原因になるし。
保守
避難所にお願いしようかと見てきたけど、”DQFF雑談系スレ”の避難所だった
ここは雑談じゃないからどうかなと思って、何も書かいてこなかった…
>>601 続き
●フーラルとタカハシ、その日々
「俺はな、珍しい雨の日にこの絶望の世界へ連れてこられたんだ
でっかい魔物が、腰を抜かした俺に手をかざした瞬間
気がついたら霧の魔物が目の前にいて、変な幻を見せられて─」
「知ってたか?
雨は神であるルビスが降らしてたんだ
なんでもな、魔物に聞いた話だから本当かどうかは知らないが
人間の感情やなんてのは空のどこか、隅っこに集まるらしい
その感情がある程度溜まると、特に怒りや憎しみ悲しみなんかは魔物を作り出すそうなんだ
魔物を殺しても残らないのは、形作る感情が空へ散り散りになるからだ
人間のように、俺も難しくてわからないが"存在としての肉体"を持たないらしい
でな、そんな感情を洗い流すために神は雨を降らせていた
だけど、ある日からピタリと雨は降らなくなってしまって、溜まりに溜まった感情から
そう、魔王が生まれてしまった─」
「どこまで話したっけな…
そうそう魔王だ、魔王が生まれた
なぜ雨が降らなくなったか、それはどうやら魔王が自分を誕生させるためらしい
魔王はすでに存在していて何かおっぱじめようと考えていた
その為に、神であるルビスが雨を降らすのをなんらかの方法で妨害した
さすがの俺でも、魔物から聞けたのはここまでだ─」
「お、トルネコ」
「その後、彼はどうですか?」
「ああ、少しだけど俺の話に反応するようになってきたぜ」
「そうですか、それは良かった」
「カンダタはなんだか事情があるみたいで近づかないけど」
「あの方は乱暴なので、その方がいいえすよ ホッホッ」
「まったくだな…
しかし俺たちはいつまでこんな所にいなきゃなんないんだ?」
「さぁ… 魔物が満足するまででしょうか」
「満足? いたぶりもせず眺めてるだけで満足するのかよ
せめて町の外へ出してほしいぜ」
「この世界は狭いと聞きます
外に出たって面白いことなんてありませんよ?」
「狭いか、何か建物はあるのか?」
「…フーラルさん 変な考えは止めてくださいよ?」
「そんなんじゃないさ」
「そうですか?
…とは言っても、残念ながらこの町の外の事は一切わかりません」
「じゃあ魔物にしかわからないって事だ」
「ええ、そうでしょうね
では、また様子を伺いにきますよ」
「ああ、そうしてやってくれ─」
「よう!」
「お、カンダタ! って、なんだ傷だらけで大丈夫か?」
「実はな 外に出ようとして魔物とやりあったんだ」
「おいおい… この世界で力を魔王に吸い取られてるんだぜ?
たとえスライムだろうが敵うわけないだろう」
「なに?! そうだったのか!」
「そうなんだよ 俺も魔物をおだてて聞いたんだが、びっくりしたぜ」
「じゃあ… あれか? 武力でどうにか脱出するのは無理ってぇのか?」
「そう、無理だ
例え強力な魔法を使えたとしても、焚き火程度の威力しかないだろうな」
「なんだよ! ちきしょう…」
「まぁそう焦るなよ
きっとなんとかなる このタカハシが回復すれば」
「なんだ、なんなんだその自信
…どうでもいいけどよ、まだ目は覚めないのか」
「ああ 相変わらずだ」
「メイの事を早く聞きてぇんだが…」
「お前、相当メイって娘がお気に入りらしいな?」
「そりゃあおめぇ、娘みたいに思ってたんだ
俺は子供に恵まれなかったからな」
「そうか…」
「だけど、本当にこいつが殺したのか、俺には信じられねぇ
そりゃあ、聞いた時はこのやろうって思ったが…」
「仕方ないさ、誰でも自分と仲良くしてた人を殺したってヤツが目の前にいれば気が動転する
だけど心がこんなに壊れちまってるんだ、絶対に罠かなにかだろう …事実だとしても」
「心? お前神父もやってたのか?」
「いやいや この状態、これは心だ
たくさんの情報を扱って大勢の人間と出会ってきたから、なんとなくわかるんだ」
「そういうもんかぃ まぁとにかく、本人の口から真実を聞きたい─」
「この世界に来て俺はちょうど100日になったぜ
お前は62日、早いもんだな
俺たち以外の人間は生きているだけの状態だ
だけど俺は、お前はかならず起き上がると、そう思えて仕方がない
お前もそう感じるだろ?─」
「毎日、雨が降っていたら人間だって陰険になるよな
だから神は時々しか降らせていなかったんだろう
しかし、あっさりと魔王なんかに邪魔されて頼りにならねぇ神様だよな─」
「なぁタカハシ
お前は今、どこにいるんだ?
そんなになるほど、お前、霧の魔物に何を見せられたんだ?
真実はなんだ?
俺たちはいつ、解放されるんだろうな
…この世界から解放されるってのは、死ぬ時か脱出に成功したときだけか
まぁ、この世界じゃ死ねないから、脱出しかない─」
●意識
う… 頭が痛い…
確か霧の魔物に飛ばされて……
だめだ
何かとても大事な事を忘れてしまったみたいだ
思い出そうとすると、頭が痛い…
ここは、どこだ?
なんだろう どこかで見覚えのある、よく知ってる場所のような気がする
あれは…?
なぜかぼんやりとしか見えないな
近付くのに遠ざかってしまう…
なんだか靄だらけで先が見えないじゃないか
それにいつまでこうして歩いていればいいんだ
歩かなければ良いんだろうけど、歩かないとなんだか落ち着かない
俺は、なんでこんな所にいるんだ?
俺は俺は、なんでだ?
もう、ずいぶん歩いた
疲れはまったく感じない
でも、そろそろ止まりたい
止まって座りたい
あ
あれは… トルネコ、さん?
俺が、いる
一緒に歩いてる 笑ってる
え? ああ、そうだな
あっちには… テリー
また俺がいる
何してるんだ?
そうか、稽古してるんだな
え? ああ、そうかな
お、カンダタさんだ
俺は… いた
オリハルコンを受け取ってる
オリハルコン、どこいっちゃったかな
え? ああ、そうだった
あれは…?
あの女性は誰だろう
俺が、なんだかだらしない顔で話してる
なんだ、なぜだか、苦しい
え? ああ、それは─
●声の主
『あなたは、この世界から元の世界へ戻ろうと旅を始めた』
『あなたは、彼との修行でとても強くなれた』
『あなたは、オリハルコンの剣を置いてきた』
『あなたは、あの女性の事を悔やんでいますか?』
え? ああ、それはもちろん
だけど、俺はあの女性に何をしたのか、名前すらわからないんだ
でも心は何かを知っていて、悔やんでいるみたいだ
その事をなんだろうと考えるけど、意思が邪魔して思い出せない
俺が俺に対して、どうやら心を閉ざしてるみたいだ
ここはすっかり暗闇に包まれてしまった
足元すら黒いし、先に見えるのは小さく瞬く光だけ
なのに俺の体は止まろうとしないんだ
止まると、もう二度と動けないような気がするから
思い出した 何をしたのか
もう取り戻せない時間 それが現実であり事実
その事を歩いて思い出し考えるからまた歩き続ける
もしかしたら答えが、歩いた先にあるんじゃないかって、愚かに思ってる
もう動かないのに、メイの時間は…
俺には歩いて、歩くことしか今は出来ない
ところで、話しかけるのは誰だ?
『私は、ルビスです』
ルビス?
なんでこんな所にいるんだ
どうして俺たちを助けてくれなかった?
……いや、いいんだ
あんたを責めても、俺が殺した事実はまっすぐ曲がることは無い
『…私は、魔王によって力を抑えられています
あの瞬間も、魔王があなた達の行く手を阻む事が感じられた日
魔王の力を弱めるために雨を降らせるのが、精一杯でした
ですが雨は、全く効果が無く逆に、魔王に圧倒され止んでしまった…』
いいよ、もう
あんたはきっと、精一杯やったんだ
そして俺も精一杯やった
もう、いいだろ?
俺を元の世界へ返してくれないか?
もう疲れたんだよ
もう疲れたよ
『あの賢者、メイの事はとても残念です…
あの娘にはあなたの事を伝え、この先も一緒に旅をしあなたの補助をしてほしいとお願いしました』
この際だから、全部、話さないか?
なぜ、俺がこの世界にいるのか
なぜ、俺は旅を続けなければならないのか
『……わかりました、お話します』
ここまでです。
酔った勢いとはいえあのようなことを書いた後で、ちょっときまずいのですが投下
もう酔って書き込みしません orz
ぐはっ
寸止めかよ…
人と魔物とルビスと魔王の関係か。面白い設定だと思った
ドラクエ世界を創ったのはルビスなのに、その中から自分を超える者が現れちゃうなんて皮肉な話だよね
>>654- 657
( ^ω^)っtp://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi
>>668 避難所を作ってくれてありがとう
これで職人さんの雑談も出来るようになるね
>>667 設定を考えるのがとても楽しいです
時には、レスしてくれた方の内容がヒントになったり。
>>669 ありがとう!
671 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/19(金) 00:51:02 ID:8XIoVdv2O
あげ
672 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/19(金) 01:17:07 ID:TxzjmKWSO
仕事でひどく疲れた俺はベットに倒れた。起きたら家ではなくオラクルベリーの宿屋にいた。冒険はせずに、遊び惚けた。
ククール達と別れて朝が来た。
頼もしい仲間が失って戦力的には乏しくなったが仕方がない。
特にリアが寂しそうな表情を時折見せる。
リア「…………………………」
もょ「どうしたんだ?リアちゃん。」
リア「えっ!?な、何でもないよ!」
もょ「それならいいのだが…」
リア「もょもとさん、心配かけさせてごめんね。私は大丈夫だから。」
もょ「わかった…」
リアは必死に否定をしているが素人でも分かる反応だ。やはりククールがいなくなった事は精神的にも辛いのだろう。
サマル「ドラゴンの角が見えてきたよ!」
サマルが俺達にそう言った。その塔は大よそ40メートル位な高さがあり、通天閣や京都タワーと違った雰囲気が漂う塔だった。
ムーン「それにしても対岸にもう一つの塔があるなんて変わった塔ね。」
もょ「そうとうふるそうだなぁ。」
サマル「とにかく中に入って進もう。」
俺達はドラゴンの角に入る事にした。
中に入ると天井が高く広さが感じられた。
中には竜の銅像や壁絵が見れた。
もょ「おお!けっこうしんぴてきだな。」
リア「こんなの見たの初めて!」
ムーン「結構何かの由来があるかもね。歴史を感じるわ。」
サマル「あそこに人がいるよ。ちょっと話しかけてくる。」
サマル「こんにちは。おじさん。」
*「こんにちは。旅の青年。今とんでもない事になっているぞ。」
ムーン「どう言う事なんです?」
*「ルプガナに行くために上に昇って行ったんだが
モンスターの死体ばっかりでおぞましい状態なんだ。」
もょ「なんだって!?」
*「あんな虐殺されたモンスター達を見たのは初めてだ。
わしも恐ろしくなって降りてきたよ。あの状態じゃ橋すら渡れないだろうな。」
リア「そんな…」
投稿できねーorz
続きはまた後日
タケ「(おい、もょ。)」
もょ「(なんだ?)」
タケ「(勿論行くよな?)」
もょ「(……………………………)」
タケ「(はっきり言って俺も怖えーよ。でもこのおっさんが嘘ついているとは思えへんのや。)」
もょ「(と、とりあえずいってみよう。このめでかくにんしないとな。)」
もょ「うえへのぼってみることにする。はしをわたらないとルプガナにいけないからな。」
*「無理をするのではないぞ。危ないと思ったらすぐに降りてくるんだ。」
もょもと達が階段を上がっていくと悲惨な状況になっていた。
それはモンスター達のバラバラ惨殺死体だった。
モンスター達の死体からとってつも無く嫌な臭いが漂ってくるのだ。
まず言える事は人外の者がモンスター達をやったとしか言いようが無い。
ムーン「あああっ…いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
もょ「どうしたんだ!!ムーン!!」
いきなりムーンが発狂しだした。
ムーン「あ、頭が……痛いの………寒いよ…………」
サマル「もょ!ムーンはこれ以上進むのは無理だ!」
リア「ムーンさんしっかりして!」
多分ムーンブルグ城の惨殺状況を思い出したのだろう……
仲間のピンチの時に声すらかけれない俺自身に嫌になった。
何やってるねんホンマに……
ムーン「ううっ……」
もょ「サマル、リアちゃん、ムーンをたのむ。おれひとりでいってくる。」
サマル「ここは引き返すべきだ!状況が悪すぎる。」
リア「私もお兄ちゃんの意見と一緒だよ。嫌な予感がするわ…」
もょ「やばくなったらすぐに戻ってくるよ。」
もょもとはサマル達と別れ、一人で上を目指す事にした。
上に登って行く内にプレッシャーがひしひし感じてくる。気を緩んでは何かに押しつぶされる感じだった。
タケ「とてつもなく嫌なモンが感じるな。」
もょ「タ、タケ、ちょっとかわってくれないか!?」
タケ「どないしたんや?」
もょ「おれも…きぶんがわるいんだ…………」
タケ「……………………わかった。呼吸だけ整えておき。」
俺も下に降りたい気分だがここまで来た以上は引き下がるわけにも行かない。
首筋がぬるってしている。冷や汗だ…
心臓の鼓動が大きく響き、周りの雰囲気にビビってしまって中々足が出ない…。
俺はどうなるんだろうか?
幸いにもモンスター達が出現しないのだが良いのか悪いのか判断しにくい。
今の所俺自身がしっかりしないともょもとが危ない。
とにかく俺は最上階を目指して歩いていった。
――――――――――最上階に着いた。
周りで何かが燃えている状態だった。物凄い異臭がする。
何があったんだ?
悲しいなぁ―――――――――――― 悲しいなぁ――――――――――――
タケ「おい、もょ。何か言った?」
もょ「なんにもいってないぞ?」
タケ「確か悲しいなぁって聞こえたんやけど。低調な響く声で。」
もょ「おれにもきこえたぞ。」
もしかしたら…この声の主がとてつもない恐ろしい気配を感じさせているのか?
ちょっとした後悲鳴が聞こえた。
*「ぎょへーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
タケ「な、何があったんや?思わずビビッてもうたがな…」
もょ「ど、どうしよう…タケ…」
タケ「とんずらしたいんやけど行くしかないやろ。敵に背中を向けたらやられる可能性があるからな。」
もょ「いまはにげるべきだ。じゃないとおれもタケもあぶない。」
タケ「何抜かしているねん!ここまで無鉄砲かもしれんがいくしかないやんけ!」
もょもとと揉めている内に誰かに足をつかまれた。
*「た、たすけてくれ……」
タケ「おい!あんた!どないしたんや!?」
*「…………………………………………」
もょ「しんでいる……………………」
足を掴んだ人間はハーゴンの部下だった。しかも全身火傷を負って生き絶えた様だった。
タケ「マジでやばいな…」
もょ「はやくにげよう!タケ!」
タケ「そうしたい所やけど問屋がそう落ろしてくれへんみたいやな…」
もょ「えっ!?」
音も立てずにス――――――――――――――――――ッとした感じで近づいてきた。
俺の心臓の鼓動がバクバク言ってやがる。
とてつもない恐ろしい気配を与えた持ち主はコイツの様だ。
人間を超越したこの威圧感は…
もょ「こ、こいつが…」
タケ「間違いない様やな…」
俺は大きく息を吸い込んだ。
タケ「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!」
もょもと&タケ
Lv.15
HP:105/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄の盾 E鉄兜
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
タケ専用:かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御
レッドマンktkr!!
ムーンたんカワイソス。
レッドマン!!!乙!!!
しかし最早パラレルワールドまっしぐらやねww
あ、あと携帯からじゃわかんないんだけど、
そろそろ要領制限か?
いま、425kbです
686 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/05/21(日) 16:37:42 ID:4Z//t9L30
書くの遅すぎ
催促age!
ageたら投下されるなら誰だってageるさ。
NG入れてる俺は勝ち組
なくても笑顔だお( ^ω^)
保守っとな。
保守
その夢を見たのは、出発の前日だった。
怪我の度合いから見て便宜を図ってくれる宿が良いだろうと、数点挙がった候補の中からこのイムルの宿を選んだのは…偶然では無かったのかもしれない。
翌日、泣き腫らした眼をした者が数人現れたことで、一同がまた同じ夢を共有した事を知る。
「ちょっと今朝の夢はハードだったわね…」
小さく嘆息しながらマーニャが呟いた。
「人の犯した罪が…魔族の若者を悪鬼へと変えたのですね…。
なんて…悲しい…」
女性たちが感応する中、男たちは皆沈黙を保っている。
ライアン、ブライ、トルネコ辺りは他に思うところもありそうだった。
大の男が複数で、一人の女性を苛め抜く様に、怒りと、そして自らもその男である事の複雑さ。
「人間は自分の手で滅びの運命を選んだの…?
…いいえ、私がそんな事させない!必ずピサロを止めてみせる!
それはきっと…」
親友の眼が覚めたらきっと、あの子もそうする筈。
マーニャがアリーナに大きく頷き賛同する。
「まあね。あたしはロザリーをいじめてないし、他の多くの人間だって同じだわ。
だからそんな理由で滅ぼされるだなんて納得できない。
あたしは断固戦うわよ!」
「我々が戦う相手は、人の罪そのものなのかもしれませんね…」
罪。人の罪。
俺たちの…罪。そのもの。
ピサロがいつから人間に憎しみを抱き始めたのかは解らないが…彼の変貌が、人間の罪が姿を変じたものだとするなら。
俺たちは人ではあるが、ロザリーをいじめてはいない。
人間の行動は本能だけではないから、他の動物と同じように種が同じだから人間全てが悪いとは考えられない。
それぞれが別個の存在…人間だけがそうであると考えるのは、傲慢だろうか?
同じ人では無い。だが、人である以上、もし僅かながらにでも罪として共有せざるを得ないものが存在するのだとしたら…。
この戦いで、俺たちは断罪されるのかもしれない。
罪は、裁かれなければならないから。この、戦いの先にあるものは――。
・
・
・
風に靡く髪を、ミネアが抑える。
はしゃぐアリーナ。感心したように髭を扱くライアン。
仲間達はそれぞれ異なる反応を示しながらも、目の前のソレに乗り込んだ。
だが、その中でも俺のリアクションは余り大きなものではなかったろう、と思う。
如何せん、俺には見たことのあるものだったから。
「だからっつったって、こんなでかい気球を見た事がある訳ねーーーーーよ!!!」
傍らの馬がヒヒンと鳴く。
だって、馬が乗る気球て!あまつさえ車の部分まで乗っとりますがな!
そして無尽蔵に噴き出されるガスの入った壷…。
そもそもそんなものが存在して良いのか…普通に考えたら途中でガスが切れて…重りを捨てろ!物を投げるんじゃ!的展開に…。
ちらりとトルネコさんを見る。何やら身震いをしているが、寒いからだろう。高度があるからね。
どんどん荷物(及びピザ)を投げていき、それでもダメだとやがて…服も…?
それは皆が望む展開じゃないだろうか…?後はさりげなくそういうシチュエーションにもっていくだけか。
無理です。ごめんな、へたれで。
それにしても…。
この気球、一体どうやって動いてるんだろうな…?
風任せ?いやいや、目的地はある以上そんな悠長な話しもないだろう。
普通、気球を意図通り動かそうとするとエンジンを積んだりするものの筈だが…ま、そうなると飛行船になるのだけども。
エンジンとか、そういうテクノロジーはあったっけなあ…?
大きさ的にはもう、飛行船の方が正しいかもしれないな。形はどう見ても気球なんだが。
色々調べてなんか恐ろしいものを発見したら怖いからやめておこう。
好奇心は猫を殺す。
つまり、そういう事だ。
俺としては落ちなければ良い訳で、落ちそうになったらピザを海に投げ捨てれば良い訳で、ついでにストリップタイムな訳で。
ぐふふふ。
この世界には、天空を支える大樹があると言う。
世界樹と呼ばれる神秘の樹――その葉には、倒れた者すら蘇らせる力があるとか。無いとか。
葉ではなく、1000年に一度咲くと言われる世界樹の花には葉を更に超える力が宿るらしいが1000年に一度じゃ期待はできまい。
世界樹と呼ばれる、巨大なる樹木。
その内部を、俺たちは進んでいる。
樹の幹の中を歩く、というのも非常にシュールな体験ではある気がする…。
だが、今の俺の状態とどちらがそうであろう。
ソフィアの収まった小さな棺桶を引き摺りながら、俺は樹登りをしている。
「代わろうか?」
眼の前で小首を傾げるアリーナに、俺は小さく頭を振る。
彼女の手が塞がると、いざという時に支障が出る――と、いうのは建前で。
これは、俺のエゴだった。
あのブランカからエンドールへの道で、ソフィアは重い俺の身体の入った棺桶を引き摺り、たった一人であの道を歩ききったのだ。
今の俺は戦闘はソロやアリーナ、クリフトに任せられるのだから気楽なものだ。あの頃は彼女も今より格段に弱く、たった一人だったのだからそれは辛い道程だった筈だ。
こんな事で、故郷を失ったソフィアを一人ぼっちにした事への償いになるとは思わない。
だが、それでも…そうしたい。
アリーナが再び先頭に戻り、クリフトがその後ろに控える。
少し遅れて俺が続き、そのすぐ後ろ、殿をソロが守っている。彼もまた、何も言わずに妹を…その身体を、守っていた。
「…今までも、そうして…ソフィアを、導いてくれたのか?」
そのソロが、小さな声で話しかけてきた。
「…いいや。俺が導くだなんて…おこがましいよ。
俺が導かれていたんだと思う。そうでもなければ、こんなところまで…これなかった」
「そうか…。…だが、きっとそれだけではないだろうな」
「え?」
「いや、今はそれで…いいのだろう。俺が言うべき台詞じゃない」
謎めいた事を言い、一人納得するソロ。
俺としてはちょいと問い詰めたい所だが…それより先に、話を逸らされてしまった。
「ありがとう。ソフィアの傍に居てくれて」
「そんな事…礼を言われても、困るし、それに俺は一度…」
「あれからもう何年も経つからな。色々あったろうとは思うさ。
…じゃあ、そうだな。今、ソフィアの傍にいてくれる事に」
「……」
「俺は…あいつに何もしてやれなかった。昔から、泣いてるあいつを慰めてやる事も、頭を撫でてやる事も…。
あの日から…ソフィアと離れ離れになってしまった事が気がかりでしょうがなかった。
再会して解ったよ。あいつは、いい仲間と出会えたと」
ぽん、と肩に手を置かれる。
すると今にも、その手に引き摺り込まれそうな感覚――俺は軽く頭を振った。
それも、ソロは謙遜と受け取ったようだった。
「あいつが健やかに成長できたのは、あいつ一人の力じゃない。だから、礼を言いたいんだ。
…兄として、な。ずっとほったらかしにしてた癖に図々しいって言うなら、これ以上は言わないが」
「そんな事言う訳ない…解ったよ。ソロ。だけど、これからはソロも一緒、だろ?
できる事とできない事はあるかもしれないけど、それでも…もう、一人にしないでやってくれよな」
「…その心配は…」
必要ないだろう?悪戯っぽく笑って俺を見る目が、思いの外、真剣な雰囲気に少し驚いたように見開かれる。
必要なのか?お前が居る限り、ソフィアはもう一人になる事は無い――。
「ああ…そう、だな…」
ソロは、そう言うに止めた。
「申し訳ございません、姫様」
先頭を歩くアリーナの背に、小さくクリフトが呟いた。
悟られぬようにしてきたつもりであったが、今のこの距離を見るにソロは恐らく察していたのだろう。
アリーナは…どうだろうか。彼女の事は何でも知っていると自負してきたクリフトだが、この旅の中、戸惑うことがあったのもまた事実だった。
「何を気にしてるの?」
「…一時の憤怒で我を忘れ、姫様の治療を怠った事です。従者としてあるまじき失態…真に…真に、申し訳もありません…如何なる罰も覚悟の上です…」
もっとも、置いていくと言われる事だけは承服しかねたかもしれないが。
命を賭けろと言われたら、迷うことなく死地へと赴く覚悟は完全にできていた。
「そうね。あの時治療してくれていたら…ワンパンチはいれられたかな。その後、やられちゃっただろうけどね」
しゅっしゅっとパンチを撃つまねをして、あははと笑う。
内心はともかく、彼女は既に立ち直っていた。
「そうね、罰って訳じゃないけど…一つ、いいかな」
「はい!なんなりと!」
「それじゃあ――これからは、私を優先して治療するのを止めなさい」
クリフトは内心、ドキリとする。
そこまで露骨にしていたつもりはない…のは本人だけで、誰の眼にも明らかな事ではあったのだが。
男たちはもちろん、マーニャもミネアもそれなりに聡いので、それほど問題にはならずに来ただけ。
いや、そこまでの危機に直面することが無かったのも一因かもしれないが。
「ですが…ですが、姫様…!」
「クリフト。貴方が私を大切にしてくれるのは感謝しています。ですが――これ以上、私は大切な人を失いたくありません。
それが例え、いずれ別離が訪れるのだとしても、出来る限りは」
「それは…ご命令ですか…」
「いいえ。お願いしているのです」
「…………」
長い沈黙の帳を神官が引き上げる。
「……御心のままに」
「ありがとう、クリフト」
愛しい人の、花が咲くような笑顔。
クリフトは一瞬、それに見惚れ、そしてすぐに意識を取り戻す。
この笑顔を、見たい。見ていたい。その為には。
彼女の命を。仲間の命を。
全てを癒す。そうする事で己は仲間の命と、そして彼女の命と笑顔を守るのだ。
「〜〜……けて……さい〜〜……」
「ん?何か言ったかアリーナ?」
「えいっ!ん?何も言ってないわよ?」
竜巻みたいなものを纏った魔物にコブラツイストをかけながらソロに応じるアリーナ。
似合うなあ。無駄に。コブラツイスト。
まあコブラに限らず関節技なら何でもだが。関節技にこだわらず素手による攻撃ならば。
空耳は大して気に留めず、俺たちは順調に樹の内部を進んでいく。
体力的には俺もだいぶ苦しいのだが、それ以上に何故かクリフトが上に登るにつれて死にそうになっている。
…気球の中でも泣きそうになってたっけな。悲しい事でもあったのだろうか。
だが、泣いたり笑ったりしながら成長することもあるだろう。って誰かが言ってた気がする。
やがて――空一面を、碧が埋め尽くした。
全てが、葉。世界樹の葉だ。太陽の光を浴びて輝く、神秘の葉。
その色は――彼女の髪と同じ色で。俺は涙ぐんでしまっていた。
目の前に彼女の笑顔があるような気がして…こぼれ落ちないように、天を見上げ続ける。
「よっしゲット!それじゃあ早速ソフィアに…」
「いや、ここは太いとはいえ樹の枝の上だし、幹の中に戻ってもまた魔物も出るかもしれない。一度地上に戻ろう」
元々は手に入れたらその場で調合して飲ませるつもりだったのだが。
思いの外安全とも言えない状況だったので、俺たちはその場から一時離脱する事にする。
俺の努力はある意味無駄だった訳だが、何故かそういう気持ちにならない。きっと、背負ってきたのがソフィアだったからなのだろう。
「〜〜〜〜…………!?〜〜〜………っ!」
どこからか焦るような雰囲気を感じるが俺は気にしない。
そんな事は些事だ。ソフィアに勝る有事などないのだから。
アリーナを先頭に駆け下りる一同。
俺は聴こえたような気がした声について、クリフトに訪ねてみたが、聴こえていないのか物凄い勢いで降りていってしまった。
心なしか顔色も悪かったな…泣きそうだったのは…アリーナと何かあったのかなあそういう雰囲気でも無かったんだが…。
世界を支える樹の葉には、倒れたものを再び立ち上がらせる力があるという。
だが、世界樹の葉をもってしても、死者を蘇らせる事はできないらしい。
生者と死者をどこで区別するかなどは俺は興味が無い。
ソフィアが蘇りさえすれば、それで良い。理屈など…どうでもいいさ。
それが例え間違っているのだとしても…ああ、そうだ。この考え方は間違っている。
ミネアに言われずとも自覚していた。
それでも。それでも、構わない。
「で、どうやって飲ませるの?」
「そりゃーもう!こういう時は王子様の口移しに決まってるじゃなーい!」
「妙にテンションの高い女がいるな。阿呆め」
「メラミ」
「ウボァー」
「王子様ってセンスに耐えられるビジュアルの人が少ないですよう」
「ソロは駄目よ!」
「なんでアリーナが駄目って言うの?」
「俺じゃ消し飛んでしまうからだろう」
「後は…半分以上親爺だしー」
「わ、私には…姫様が…ごにょごにょ…」
「なんでクリフトが私に遠慮するの?」
「ちょwwwおまwww」
「鬼がいるな…」
「姫様は昔からそういう子じゃからのう」
「やだ、ブライ。そんなに褒めないでよ。明日槍が降っちゃうじゃない」
「そんなに褒められるのは珍しい事なんですか…」
「もう何でもいいから早く試してみるべきでは?」
「何でもいいって。そんなだからその歳でまだ独身なのよ」
「むう」
「シチュエーションは大事ですよ…今回は特に、大事な事ですから」
「ところで私の時は…」
「クリフト…思い出さない方が良い、ことも、ある…」
「そうですか…」
わいわいぎゃーぎゃー。
賑やかな事だ。どう思う?ソフィア。
こういう時、君がこの中に参加する事は無かったな。
喋る事ができなかった君はいつも、どこか遠巻きに見ていたのを覚えている。
それも無理ない話なのだが。もっとも、仲間たちが騒ぐのを見る彼女は決して寂しそうなだけではなく、楽しそうでもあった。
皆が楽しそうなのを見て、自分も楽しくなる。
俺が、ソフィアが寂しそうにしていないか気になってちらりと確認すると、
彼女は決まって俺に柔らかい笑顔を向けてくれた。
だから今もまた、俺はそれを期待している。
世界樹の葉が淡く光り、俺の手の中から消失した。その時から。
振り返るのが恐ろしい。
そこにあるのは、喜びか、それとも絶望か。
それでも他の誰かに先に確認してもらおうという気にもならなかった。
ソロならばあるいは…とも思ったが、彼にはその気は無いようだった。
恐らくは、俺に任せる、という事なのだろう。他の仲間たちも然り。まるで気づかぬように喧騒を続けている。
意を決する。
意思を固め、意図を明確に、意識を彼女に…向ける。
広がる。
――――碧の光輝、が。
世界を支える樹の葉と同じ色の髪。
ふわふわの、ふかふかな優しい髪が、窓から吹き込む風に微かに揺れる。
少し青い顔をした、けれど、柔らかい笑顔が。
俺の眼の中に――飛び込んでくる。
「……ソフィア」
「……おはよう。おはよう、皆」
俺に。そして、皆に、そう、声をかける。
「おはようございます、ソフィア殿」
「おっはよー!ソフィア!」
「おはようございます、ソフィアさん。今日も良い天気ですよ」
「全く、もう太陽は中天にあるというに。最近の若いもんは」
「まあまあ…偶には寝坊する事もありますよ。ね、ソフィアさん」
「おはようございます。ご飯にしますか?それともパンにしておきます?ああ、まずは飲み物ですね」
「やだ、ミネアったら奥さん気取りね。おっはーソフィア、寝てる間にまた少しすっちゃったんだけど…えへへ」
「…おはよう、ソフィア。食事は面倒くさがらずにちゃんと顔を洗ってからだからな」
皆から朝の挨拶をされ、一つ一つに頷いて。
そうして、最後に彼女は俺を見た。
「……馬鹿野郎。何がおはようだ、このネボスケめ」
「……ごめんなさい」
「ふん。さっさと顔洗いにいけよ、ミネアが作った飯がこれ以上冷めないうちにな」
くるっと背を向け、歩き出す。
顔を、見られたくなくて。
「あっ……」
ベッドから降りようとしたソフィアが小さく悲鳴を上げた。
無理も無い。ずっと眠り続けていたのだから、急に立とうとしても足がびっくりしてしまう。
倒れる――その、間一髪で、少女の腕を捕まえる手。
「何やってるんだよ……馬鹿」
「……ありがとう」
少女は俺の顔の惨状を見て、にっこりと笑ってそう言った。
・
・
・
「あう〜…誰も助けに来てくれない…。ひもじい…」
むしゃむしゃと世界樹の葉を食む孤独な音が、空の中で響いていたが俺たちは知る由も無かった。
HP:112/112
MP:53/53
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒
乙。
…、語るべき言葉が見つからない。
直後のレスが書けたことを誇りに思う。
乙乙
いよいよ佳境ですなぁ。そして、放置プレイワロス。
なんか4の人の後はいつもしんみりしちまうんだよなぁ
4の人乙です
ソフィア復活キタコレ!
そしてルーシア放置プレイw
4の人キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!!
正直、4の人のトリップ見るだけで興奮するwww
4の人ktkr!GJ!
クリフトとアリーナの会話いいな
マジ乙!
もう世界樹まで来ちゃったんだなあ。思えば遠くに来たもんだ、なんて。
また読めて嬉しいです。
そしてチキンクリフトバロスwww
714 :
乙:2006/05/24(水) 16:51:16 ID:e20EdH100
クリフトは高所恐怖症かwwwww
ほんとにすごいね4の人。
なぜにこんな所で書いててくれるのか不思議だ・・・
そのまま小説出版して売り出せるよこれ。
あんまり乙コールし過ぎるのも、どうかと思う。
「なあ」
「ん?」
「これやっぱり夢か?」
「どうだろ」
「5章だよな、やっぱ」
「うん」
「……」
「……」
「どうする?」
「うーん……」
「勇者来たら倒されるんだろうな……」
「うん」
「……」
「……」
「逃げる?」
「どこへ?」
「デスパレスとか」
「どうやって?」
「船?」
「だなあ……」
「……」
「……」
「どうしたもんかな……」
「どうしようか……」
「……」
「……」
「とりあえずさ」
「うん」
「ここにいるのはまずいと思うんだ」
「うん」
「アッテムトから外に出よう」
「だな」
「魔法使えそう?」
「……無理っぽい」
「歩くか」
「うん……」
「……」
「……」
「でもさ」
「うん」
「なんで俺はスライムベホマズンなのにオマエはエスタークなん?」
「さあ……」
「……」
「……」
「ちょっと格が違いすぎね?」
「だなあ」
「いや、そんなに軽く返すなよ」
「なんで?」
「なんで?じゃねえよ。エスタークっつったら地獄の帝王だぞ、帝王」
「そうだね」
「スライムベホマズンってなんだよ。ザコだよ?ザコ」
「でもさ」
「うん?」
「ベホマズン使えるし」
「まあな」
「出てくると意外に面倒だし、ルックスで人気あるし」
「つかルックスは関係なくね?」
「うん」
「……」
「……」
「いや、やっぱりキツいだろ」
「ん?」
「エスタークって会心の一撃連発でもなかなか死なないよな?」
「うん」
「スライムベホマズンなんて会心決まれば即死じゃね?」
「だなあ」
「例えばさ、俺がデスピサロ……は贅沢だとしてもキングレオとかだったらさ、納得も出来るんだよ」
「そうだね」
「だけどさ、スライムベホマズンだもん。いや、確かにスライムの中では強い方だよ、実際」
「うん」
「はぐれメタルとかキングメタルはちょっと反則気味だしさ」
「メタルキング」
「え?」
「キングメタルじゃなくて、メタルキング」
「そうか……」
「……」
「……」
「なあ」
「うん?」
「俺達戻れるのかな……」
「なんとかなるでしょ」
「そりゃいいよな、オマエはエスタークだもんな」
「いや、それは関係ないよ」
「いや、関係あるね。つかさっきから何か余裕あんだよ、オマエ」
「そうかな?」
「そうだよ……。いいよな、俺もせめてキングメタルくらいになりたかったよ」
「メタルキング」
「ああ……」
「……」
「……」
吹いたw いい仕事だw
>「なんで俺はスライムベホマズンなのにオマエはエスタークなん?」
のところの空気にやられたw
本にだせるかも試練が出した所でそこら辺にゴロゴロしてる作品と大差のない評価
になるだろうな。このスレだからこそ高評価な訳であって。
みんなが4の人の引き立て役という事か
>>724 いや、ボク達2chが好きですから
単なるボヤキに避難したくない避難所貼られても・・。
あ、言い方が悪かったスマソ
>>725 それならすまん。
4の人が過剰に称賛される理由は初代スレからカキコしつづけたためじゃないか?
会社で例えると創設者って言う立場で。
上手い表現が出来なくて申し訳ないが傘下にレッドマンやタカハシ・総長などの他の職人さんがいるって言う状態かもな。
これから先今職人さんや新人にも書いてほしいね。
>>727 723は
>>722がつまりはそういうことが言いたいのだろと言いたかっただけ。
4の人は色んな意味でこのスレの牽引役だろうね。
>避難したくない避難所
元々は職人同士の雑談所があれば良いのにという話が
いつの間にかスレッド全体の避難所になってるのが。。。
最もそういう使い方は正しいのだけど、
単にここと違う空気が流れてるのが明らか故に近寄りがたいのか。
残り60KBだから長文は控えるか
次スレ立ててからにしたほうがよさそう
一人分ならなんとかなるかも…
残された職人はあとわずか。どうなることか・・・・
現在確認できているのは
4の人
総長
レッドマン
タカハシ
暇潰し
この職人さん達ぐらいか?
新人なら
>>718だな。
*「変わった人間だなぁ…私と対峙しているなんて…なんと勇ましいんだ…」
タケ「じゃ、じゃかましいわ!!」
*「せめて私の名前だけでも教えてあげよう――――私の名はドルマゲス――――」
コイツの名がドルマゲスって言うのか。もしかして・・・・・・・
タケ 「確かトロデ王やミーティア姫に呪いをかけた張本人やな………」
ドルマゲス「悲しいなぁ。私の名前がこの世界でも知っている人間がいるとは。」
ドルマゲスが発言した後なんと体が空にに浮いていったのだ。――――――――背筋に冷汗が走る。
ドルマゲス「だが、君の人生の中で私が最後に出会った人間になる。」
タケ 「な、なんやとっ!?」
ドルマゲス「――――――――――――今すぐ殺してあげよう――――――――――――――――」
タケ 「か、簡単にやられへんわい!!ロトの血を甘くみるんや無いで!!!」
俺は一直線にドルマゲスに向っていった。
ドルマゲス「汚い突進だなぁ。ヒャダルコ。」
ドルマゲスが呪文を唱えると周りに吹雪が発生し俺に襲い掛かった。
タケ 「ぐっ………がああッッ!!」
ドルマゲス「成程。普通の人間ではないみたいだなぁ。これで死ぬはずなのに。キヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!」
タケ 「こ、こいつ、頭がイッてやがる…」
このジャンキー、相当余裕がある。さっさと攻撃を仕掛けなければ。
体中が寒くて動けない。どうやら凍結しまったらしい。幸い盾を持っている左腕だけは動かせる。
タケ 「くそがぁ!!動けへん!!」
ドルマゲス「ちなみに君は寒いのかい?悲しいなぁ。それなら暖めてあげよう。メラミ。」
今度は大きな火炎球の呪文を唱えてきた。大防御の体制すらとれない。ここは鉄の盾で耐える事にした。
タケ 「ぎゃああああああああああああああああああああっちぃぃぃぃいいいぃいぃいぃぃいぃいぃ!!!」
ドルマゲス「そんな盾で防げるなんて考えが甘いなぁ。まさに焼け石に水って言う事だなぁ。ハハハハハハハ!!!!」
タケ 「て、鉄の盾がドロドロになって溶けてる………」
ドルマゲス「君もここまでみたいだなぁ。絶望を味わせてあげよう。」
流石に今回ばかりは切り札が無い。敗北確定か…………
タケ「(もょ、すまねぇ。俺はここまでや…)」
もょ「(か、かわりにおれがやる!よわねをはくな!)」
タケ「(俺がやられたら死んだふりをしてその場をしのいで逃げるんや…あいつにはまだ勝てへん…)」
もょ「(バカなことをいうな!!)」
タケ「(そ、それにな、お前が死んだらムーンちゃん達が悲しむやろうが…)」
もょ「(……………………………………………………)」
タケ「(俺はもょの影の存在や……死んでもええねん……それにの世界で自分自身良くやったっておもっとる…)」
もょ「(そんなことをいうな!…………おれが……かなしいじゃないか。)」
タケ「(もょ…………)」
もょ「(ぜったいにおれもタケもいきのびるんだ。いいな!!)」
タケ「(…………ありがとう。まかせた………)」
もょもとに代わってもらった。俺は涙が出た。ただこの感情が混みあがってきた。
生きたい
もょ 「ゆるさないぞ!ドルマゲス!」
ドルマゲス「ほほう。まだたち上がって来るのか。なんと喜ばしいことだろう。私こそ忘れはしない。
君の勇ましさはわが魂に永遠に焼きつくことになる。さあこれ以上私を悲しませないでおくれ・・・。」
ドルマゲスが更に威圧感を高めてきた。
もょ 「ううっ……すごいきはくだ………」
タケ 「(もょ……)」
もょ 「(しんぱいするな。タケ。)」
タケ 「(頑張れ……)」
もょ 「(ああ。)」
もょ 「いくぞ!」
もょもとがドルマゲスに斬りかかりに行った。その時だった。
ドルマゲス「ハァ………ハァ………な、なぜだ?ち、力が……抜けていく………」
もょ 「うわ!!」
ドルマゲスが急に上空に逃げ出した。
ドルマゲス「ここは…………退散……するか………」
そう言い終わった後、遙か遠くへ飛んで行った。
もょ「た、たすかったのか?」
タケ「そ、そうみたいやな…よかった。」
もょもと&タケ
Lv.15
HP:8/105
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E鋼の鎧 E鉄兜
特技 共通技:チェンジ
もょもと専用:はやぶさ斬り・魔人斬り
タケ専用 :かすみ二段・強撃・ゾンビ斬り・大防御
>>レッドマン乙!
ドルマゲスの表現がSUGEEEEEEEEE!!
もょもとはいい奴だなぁ〜
このスレってGANTZのパク(ry
さて埋めるかね!
次の日。足取りは重い。場合によっちゃあの城にいる奴ら全員ぶっとばさなきゃ気がすまねえ。
相変わらず衛兵に止められる。ブン投げた。どけ。俺達は最短距離でヒミコの元へ向かった。
ブチのめしたぜ。やまたのおろち。まことか!?とヒミコが驚く。しかし俺たちの浮かない顔を見て
黙り込む。これに見覚えはあるかしら?とねーちゃんが例の勲章のようなものを見せる。
あの洞窟に落ちていた。…………説明してくれ。
一呼吸置いてヒミコは話し出した。
それは…我が国が公的に作っているものじゃ。各役職ごとに異なる紋章を授ける。
古くからの伝統じゃ。そしてそれは…もうよい。本人を直接呼ぼう。
ヒミコは衛兵に何か耳打ちすると衛兵は一礼した後出て行った。数分後。
部屋に入って来たのは最初にこの国に来たときに食ってかかってきた極右の老人だった。
これが封印の洞窟に落ちていた。説明してくれ。
ヒミコはそれだけ言うと紋章を老人に渡した。老人はため息をつくと右手を大きく振り上げた。
突然ドカドカと十数人はいるであろう武装した兵士が部屋になだれ込んで来た。
状況が把握できない。どういう事だ!?ねーちゃんと目が合う。
ねーちゃんが女王様を守って!と指示を出す。何が何だかわからないが俺達は王座を取り囲む様に
円陣を組み備えた。おいおい。ヒミコは顔を強張らせたままどういう事じゃ!と叫ぶ。
姫様…いや今は女王様か。わしは先代国王の時よりずっとこの国の為に心身を奉げてきた。
………?
王妃様はあなたを産んだ後直亡くなられた。偉大な王であった先代の血をひくのはヒミコ様
あなだだけじゃ。王位を継いだ事も女王となった事も何の間違いは無い。
………??
しかし…あなたの思想は危険すぎた。隣国と仲良くとな?笑止万全!何故選ばれた民である我が民と
下民である者たちが手を取り合う必要がある?崇高なるジパング国の指針は一つ!他の国を従える事
のみ!残念だが姫…いや女王様。あなたにはここで退官願う。死をもって!
老人が手をかざすないなや、兵士達が異形の物へと姿を変えた。
コイツ…魔王と手組んでやがったのか!?非常に混乱しているが今しなけりゃいけない事は一つだ。
こいつらを叩きのめす!
俺はねーちゃんと勇者にヒミコの護衛と呪文での後援を頼んだ。そしてパンツと敵陣に切り込む。
数は多いがやまたのおろちに比べりゃ雑魚だ。片っ端から片付けていく。暫く後目の前に敵対するのは
老人だけだった。
ぐぬうううぅぅ…愚かな者達よどこまでも神の国に楯突こうというのか…
老人が凄い形相でこっちを睨む。知るか。とりあえずコイツはとっつかまえてなければ。
ククク…お困りのようですね…
どこからともなく嫌な声が聞こえる。生理的嫌悪感をもよおすこの声。どこかで聞き覚えがある…
不気味な黒い霧と共に一人の覆面の魔術師的な男が現れた。
俺とパンツと勇者は絶句する。コイツは…コイツは忘れもしねえ!あの時あの時じーさんが自分の命と
引き換えに潰した奴あの時の…言葉が出ない。心の奥底からただ怒りが湧き起こる。
てめえ生きてやがったのか!おまえだけは絶対に俺の手で潰す!
今にも飛び掛ろうとした。が、体が動かない。
落ち着きなさい。相変わらず熱い男だな。今日はおまえらの相手をしにきたんじゃない。
後始末にきただけです。
と、次の瞬間魔術師の手が老人の胸を貫いていた。
今までよく働いてくれました。あなたがジパングに与えた恐怖や絶望…大魔王様もお喜びでしたよ。
ただやまたのおろちを失った今もうあなたは不要です。安らかに地獄に行きなさい。カカカ…
老人は口をパクパクさせながらうわ言のようにジパングと呟くとやがて動かなくなった。
魔術師はボロ雑巾のように老人を投げ捨てるとこっちに向かってきた。
やまたのおろちを倒した所をみると少しはマシになったようだが…この程度の邪気で
身動きが出来ないようじゃまだまだだな。大魔王様もおまえらが自分の存在を脅かすくらい強くなるのを
お待ちですよ。色々な国を回り様々な人を助けもっと勇者とその仲間として完成しなさい。
勇者は人々の希望であるから勇者なのですよ。ククク…
メェェラゾォォォォッッマァァァァァ!!!!!!!
極大の火球が魔術師を捉える!
轟音と共に大量の煤と埃が舞い上がり一瞬視界を遮った。
徐々に視界が回復する。
ほう…さすがこの状況で動けるとは…異世界より迷い込みし賢者よ。少しは楽しませてくれるようだな。
コイツ…俺の必殺技を食らって無傷なのか!?ヤバイ近づいてくるが今度こそまったく指一本動かせない。
く…殺られる……………!
次スレタテレズ
ダレカ
タノム
魔術師が耳元で囁いた。
そして去って行った。
俺達の金縛り?も解けたらしく全員が一斉に動けるようになった。目の前にあるのは魔物の死骸の山と
老人の屍。外にいた兵士が何事ですか!?となだれ込んできた。ヒミコは力なく死骸の片付けと
老人の埋葬を命じた。
ひと段落ついてもう一度ヒミコの座の前に集まる。重い沈黙。
重ね重ね礼を言うぞ。勇者とその仲間達よ。やまたのおろちの件だけでは無く命まで助けてもらった
ようだな。こんな事言える立場じゃないかもしれんがあの者は手厚く葬った。許してくれとは言わん。
ただ誰よりもこの国を愛するが故の行動だと思っておる。わかってやってくれ。
そして一冊の日記のような物を差し出した。あの老人の部屋にあった物らしい。
内容は要約するとこうだ。ジパング再興のため魔王軍と手を組んだ事。やまたのおろちを使って
ヒミコの世評を下げ退官させようとした事。そして最終的に魔王軍が世界征服した後
ジパングだけは独立を守ることを契約した事…何があの老人をここまで駆り立てたのだろうか。
さっぱり理解できねえ。
総長・レッドマン乙!
先の展開がワクワクするだ。
新スレ、規制されてるぽくて立てられなかった
どうしたらいいのかな
一応、避難所で出たテンプレを張っておきます
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら 七泊目
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言、オリジナル何でも歓迎です。
・スレの性質上1000になる前に500KB制限で落ちやすいので
スレ容量が470KBを超えたら次スレを立てて下さい
・混乱を防ぐため、書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップをつけて下さい
(トリップは名前欄に「#(半角シャープ)+半角8文字」で出ます)
・同じスレ内で続きをアップする場合は
アンカー(「>>(半角右カッコ2つ)+半角数字(前回レスしたスレ番号)」)
をつけるとより読みやすくなります
前スレ
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/ まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/ 「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」避難所
http://corona.moo.jp/DQyadoya/bbs.cgi
立ててくる
無理でした
>>752 ありがとう!ここは埋めきるので投下する人は次スレでよろしくお願いします
さて話を本題に戻そう…。ぬしらが求めていたオーブの話じゃが…
オーブ…ああそうだ忘れてたたしかあの鳥居の洞窟の奥にってオイ!入り口はもう塞いじまったぞ!
やべえすっかり忘れてた。今から掘り返すのか…しかしあそこは俺とデカブツの名誉ある死闘の場所…
あの洞窟にはありませんでした。
ねーちゃんがこれまた驚き発言をする。えっあの状況で探してたのか!?当たり前でしょと多少冷たい目で
こっちを見る。正直先にオーブ見つけてやまたのおろち退治は後回しにしようと思ってたわ。
勝てそうにもなかったし…結果論から言うと勝ててよかったけど総長さんも私達を率いるリーダーなら
その辺もっと慎重に行動して欲しかったわね。……こんな所で説教しなくてもいいじゃないか…
あやつの手記と共にあったわ。もう我々には必要ないもの。好きにするがよい。
と紫色に輝くオーブを渡された。そうかあの老人が持ってたのか。いやいや結果オーライだな。
ヒミコはさすがに顔色が優れない。そうだろな。これからこの国の奴らにこの一件を
どう説明するのだろうか。差し出した生贄…支払った犠牲を考えると黒幕が魔王とうちの大臣でした
なんて簡単に言えるもんじゃない。事情をしってる周りの大臣や兵士も表情は重い。
俺は考えた。この空気。この雰囲気。問題は山積だがだからこそ立ち止まってはいけない。
一歩ずつでも前に進まなくては。そしてこの状況を打開するには…酒しかねえ。
おいヒミコ。今すぐ宴会の準備をしろ。国をあげて総出の宴会だ。異論反論は許さん。
逆らったらこの国ごと潰すぞ!
一気に城内はザワついた。バカな…あの異国人は何を考えてるのか…この状況で…空気読めよ…
あちらこちらで陰口が聞こえる。ええい黙れ!世界の覇王に最も近い俺に逆らう奴はブン殴るぞ!
数時間後。夜もすっかり更けたころ、国で一番大きい広場に物凄い人数が集まった。
ブツブツ文句をいってた兵士や使用人もいざ宴の準備を始めるとちょっと楽しそうだった。
頃合を見計らって一番高い演説台に立つ。
…誰も見ちゃいねえ。それどころか何の為に集まったかも知らされていないので不審そうな顔をしている。
目の前には大量の料理と酒。家にあるありったけの酒と料理をもって広場に集まれという
女王からの謎の通達。不審がるのも無理はないか。ここは一発派手に民衆の心を引くしかないようだ。
花火でもあげるか。俺は天を仰ぐと夜空に向かい叫んだ。
イ オ ナ ズ ン !
けたたましい轟音と共に一瞬真昼かと思う程に夜空が光った。突然の出来事にへたり込む奴や
当然子供は泣き出した。うんうん。この反応を待っていた。一息つくと俺は声を張り上げた。
コホン…えー俺は鬼浜爆走愚連隊の総長である!
近い将来この世界の王となる男だ有難く目に焼き付けておけ!
あっけにとられる民衆共。
えーここで一つ報告がある!おまえらを悩ませるやまたのおろちはもういない!
俺達が死闘の末今アイツは洞窟の奥で永遠の眠りについた!感謝しやがれ!
そんな話信じられるか!いやまてしかしヒミコ様の命でここに集められたんだから…あんな異国人の
たわ言など!やっぱ全然信じてねーなコイツら。おいヒミコ出て来いや!
この者のいう事は真実じゃ。
ヒミコが台の上に立った。一斉に静まり返る。
勇者率いるこの者たちの手でやまたのおろちは倒された。そして今みなに伝えなければならない事がある。
ヒミコはありのままを国民に伝えた。内容が内容だ。中には敵意むき出しでこっちを睨む奴もいる。
再び俺が前に出る。
えー色々思うとこがあるかもしれないがおまえらに一つ命令しておく!今回の事は全て水に流せ!
そしてやまたのおろちと言う天災が去った今、今日この日を記念日にしようと思う!
毎年今日を「鬼浜祭り」として未来永劫祝え!飲め!歌え!踊れ!騒げ!
一気にヒートアップする広場。賞賛と怒号が飛び交う。
えーそれでは鬼浜祭りに…乾杯!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そう叫ぶと俺は持っていたグラスに注いである酒を一気に飲み干した。
かんぱーい!と勇者も声をあげパンツやねーちゃん、ヒミコ、兵士、城の使用人、その他みんな一斉に
酒に口をつける。なんだかよくわからないがその雰囲気に呑まれあちらこちらで乾杯の音頭が上がった。
そう叫ぶと俺は持っていたグラスに注いである酒を一気に飲み干した。
かんぱーい!と勇者も声をあげパンツやねーちゃん、ヒミコ、兵士、城の使用人、その他みんな一斉に
酒に口をつける。なんだかよくわからないがその雰囲気に呑まれあちらこちらで乾杯の音頭が上がった。
もうあとはとにかく酒を注いで回る。飲ます。飲まされる。一時間だか二時間だか過ぎた頃には
かなりの人数ができあがってきていた。もう誰も恐い顔をしている人はいない。
うんうんこれでいい。やはり祭りはこでなければな。と、むこうから女の子がいっぱい駆け寄ってきた。
これは…もしかして…そうだ。俺はこの国を困らすデカブツを倒した。つまりこの国の英雄ってやつだ。
キャー本当にやまたのおろち倒したんですね!すごーいつよーい!かわいいーーーー!!!!
へへへよせやい照れるべ!?え!?かわいい!?案の定俺を素通りして女の子軍団は勇者とねーちゃんの
元に向かった。パンツが総長総長と寄ってくるなんだよ気持ち悪いな。こっち来んな。
え?あっちで俺の武勇伝聞きたい奴がいっぱいいるって?しゃーねーなおい行ってやるかデへへ
…そこにいたのは明らかに土方系のイカツイにーちゃん達…あっちの世界でもこっちの世界でも
こんな奴らばっかにモテるのはなぜだろう。チクショウ…
それから更にしばらくたった。ねーちゃんがこっちに来る。ねえ一つ聞きたい事があるんだけど…
あの魔王軍の魔術師最後総長さんの耳元で何か言ってたでしょ?何を言ってたの?
そう…あの時からずっと心にひっかかってる事。アイツは…あの時信じられないが俺の事名前で
呼びやがった。この世界に俺の本名を知ってる奴はいない。俺が誰だろうと関係ないし
総長の方が昔から慣れ親しんでる呼ばれ方だ。それどころか俺が異世界から来た事を…
いや違う。無論それも不思議ではあるのだがあの声、あの声はどこか懐かしい。
口調はまったく違うのだが俺の良く知るアイツにどこか似ているーちょっと?大丈夫?聞いてる?
いけないいけない自分の世界に浸りこんでしまった。ねーちゃんには本当の事話すべきだろうか。
いいわ…誰にだって知られたくない事はあるし無理に聞こうとは思わないわ。
そう言って微笑むとねーちゃんは去ってしまった。別に隠す程の事でもないんだが…もし
仮に俺が異世界から来た事をぶっちゃけるとコイツらはどう思うのだろうか。
この国のやつらは生まれた国が違うというだけでかなりの偏見を持っていた…俺の場合はそもそも
世界が違う。……ていったい何考えてんだろうか。酒のせいだ酒のせい!
今目の前にうまい酒がある!それでいいじゃないか!
俺はその日も結局浴びる程飲んだ。
総長乙!!!!!!
そういや総長て埋めマンだったなw
そろそろ話しも佳境ですか…
呪文習得方法を人々に聞く。
まだ40Kはあるぞ。
そういうことなら梅
あと何レスくらいだ?
はいはい埋め埋め
ウ
はいはい埋め埋め
は
梅
干
梅干し
殿下
まだ39KBもあるんで放置推奨
うめ〜梅
雑談スレみたいな小ネタやってみる
総長「俺様以外にも冒険者がいるみたいだな。」
タケ「へぇ、あんたらもよその世界に行っていたんや?」
タカハシ「俺はいきならトルネコと会った。」
真梨奈「私はいきなり疑われていろいろ尋問を受けちゃった。」
クロベ「ミモザが偉そうでちょっと戸惑ったな。助けてもらってあれだけど…」
ジャガン「俺なんかダークヒーローだぞ。うはwwww人々から恨まれまくりwwwwww」
ヒーロー(4の人)「でも俺たちも夢がひろがりんくで結果的には良くね?」
>>774 おもしろいですw
妄想してみた事はあったです
776 :
☆スター☆:2006/06/02(金) 20:32:56 ID:63Tds08kO
『ドアドア』って、画鋲みたいなの踏んで死ぬ。
>>774 つられてやってみる。
ヒーロー「おまいらが驚いた事って何よ?」
総長 「バニーのねーちゃんがすげぇ色ぼっかったな。あの食い込みはたまらねぇ。後酒が美味い。」
タカハシ「テリーがかなり頼りになった。6ではドランゴ引換券だったなのにな。」
タケ 「俺はムーンのヌードを見た事やな。マジ神秘的やった。」
ジャガン「おまwwwwww俺なんか魔族ばっかりだぞ。テラウラヤマシスwwwwwまぁ空が飛べた事だな」
真梨奈 「私の場合はスライムが懐いたことかな。後大きなカニを食べて凄く不味かった。」
クロベ 「まだいいわよ。バカでかい魔物に襲われたのがびっくりしたわ。ところでヒーローはどうなの?」
ヒーロー「そうだなぁ………………………………人生初めて密室空間で女性と話したり………………まぁ、色いろあった。」
総長 「羨まし過ぎるぞてめー!」
ジャガン「おまいら俺だけ仲間外れかよwwwwwwwwww」
テラオモシロスwwwwww
保守っと
781 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/10(土) 22:04:34 ID:JSAvW4tWO
あげ
このスレ閑古鳥が鳴いてるな…(´・ω・`)ショボーン
783 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2006/06/15(木) 00:09:04 ID:4sHnpAfxO
う〜
つ囲
786 :
名前が無い@ただの名無しのようだ: