もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら七泊目
ガーディアンの言葉を遮り、逆に質問を投げかけた
「……」
ガーディアンが少し考え話し始めた
「力を持ったとして、我々に敵う訳も無い… いいだろう」
「ギャ!」
もう一つの魔物、ダークサタンも同調したようだ
「この雲の中にはゾーマ様の力が蓄えられている
いのちの力とおっしゃられていたがよくわからない」
いのちの力
じゃあここに、ルビス様の言っていた"いのちの源"が…
「そして元々魔力の高い人間を選び出し、安定させるためこの中で、邪神の像へと魔力を送らせているのだ」
魔力の高い人間?
それじゃあ─ !
「姉さんもここか?!」
「姉さんだと? そんなもの知るわけがない
つい最近、女が一人つれてこられたがな」
間違いない、姉さんだ
こんなところに!
「さぁ、お前! どうやって力を取り戻した!」
「すぐに教えてやるさ」
全身の力を込め地を蹴り、ガーディアンへまっすぐ剣を突き刺す
「クッカッ…!!」
突然の事に動けないダークサタン
雷鳴の剣は鎧を貫き、ガーディアンが穴の開いた胸を抑え後ずさりする
「お、お前…! だましたのか!!」
ガーディアンはいきりたち盾を捨て、巨大な刃のついた矛をビュウと俺めがけ振り下ろす
「だましてはいない!」
その刃を横っ飛びで避け、オロオロするダークサタンの目の前へ─
「ギャ!!」
驚いたダークサタン
滅茶苦茶に尻尾を振り回し間合いを取ろうとする
が─ 尻尾を振る事だけに気をとられた魔物
俺は難なく背後へまわり尻尾を切り落とし─
「ギ………!」
地へ転がるダークサタンの頭
背中に飛び乗った俺は胴体と頭の付け根へ剣を叩き付けていた
歴然とした差を見せ付ける
避
「はっ……!」
敵の力を知り怖気付くガーディアン
「言ったじゃないか、"理由"を教えると」
剣を構えゆっくりと鎧の魔物へ近づいていく
両者はもうほとんど、手を伸ばせば互いの顔へ届く距離にある
「う、か……」
巨大な矛を構えるその態勢は、戦うモノではない
混乱し、ただ持っているものを目の前に突き出す
それは目の前に対峙する、自分より強い者から身を隠すように─
「もう終わりか?」
「ぐぬ─!」
身を乗り出したガーディアンは、その動作よりも早く払われた雷鳴の剣によって矛ごと二つに分かれた
ガシャンと墜ちる二つの身体
「…力を取り戻した方法 それはこうやってお前達魔物を倒し平和を築くと、行動したからだ」
ふわりと気体とも固体ともいえず"いのちの源"へ吸い込まれる魔物
その一言だけを言い放ち、俺はいよいよ向かうべき目の前の雲へと足を踏み入れ雲を割って進んでいく
感触はほとんどない
あるのは視界を遮る白い雲
「この中に…」
確実にわかるのは"いのちの源"がありそして、姉がいる事だ
気配を殺し、確実に前へ歩む
水筒の水が完全に無くなった時、視界が開けた─
●最後の教え
「あ… あれが、いのちの……」
目の前に広がる、まるで見たことも無い途方な情景
夜の空に浮かぶたくさんになった小さな光たち
それぞれが不定な大きさで、ゆらゆらと、それぞれに力を携え瞬く
その光たちに囲まれて、更に大きな光が浮かんでいる
光の集中する地だけが部分的にぽっかりと口を開け、地から天、天から地へと無限に続いていた
「ここは…夜空じゃあないか…!
あの光が、ルビス様のいう"いのちの源"…
なんて、なんて美しい………」
しばらく散りばめられた光を眺め、はっと我に返り使命を思い出す
「そ、そうだ、静寂の玉を持ってこの光に触れて─」
視線を上から下へ向けると数人の人間が、小さな像に向かって集中している
その中には姉ミレーユの姿もある
「姉さん!!」
声はじゅうぶん届いたはずだ
だが、届いていない
「姉さん!俺だ、テリーだ!」
すぐ側へ駆け寄り、更に大きな声で呼びかける
が、やはり届かない
ミレーユ以外の人間も声に応えるでもなく、全くの無反応
まるでそれは、何か心奪われてしまったように、無心にひたすらに
「な、なんだ… まるで俺の存在に気付いてない─」
「オマエ ナニシテル グルゥゥゥ…」
う?!
低く、醜い声へ振り向く
「あ、お前はあの時の…!」
姉に気を向けすぎ全く気がつかなかった
目の先には、ライフコッドで戦ったあのドラゴン─ バトルレックスが今にも襲い掛かろうとしている
「ドウヤッテ ココマデ キタ? ナゼ、チカラヲ モッテイル…」
外に居た魔物と同じ事を投げかけてくる
「俺は 邪魔されるわけにはいかない…」
"いのちの源"を見る
どうやってもこのバトルレックスを相手に触れられる距離じゃない
どうあっても、ここで倒さねばならない
「マア、イイ コノ クウカンデ シネルコトニ カンシャ スルンダナ」
死んでたまるか!
「うおおお!」
スラッと剣を抜き魔力を込めまっすぐ駆ける
『シャァアアァアァアァァア!!!』
きた!
思惑通り激しい冷気を吐くバトルレックス
真正面の広範囲に広がるそれを、俺は避けるように動く
前は恐ろしい技だったが、今はそれが恐ろしく鈍い攻撃に感じる
いける!
俺は、自分で思う以上に強い─!
バトルレックスの横腹へ回り込み一突き
ギシリと固い音が聞こえ、厚い鱗を破る
同時に尾が俺の頬をかすり、直撃を免れるため場を飛び退く
更にじりじりと、他の人間が巻き添えにならない位置へと移動する
「く、油断ならんやつ… さすがに外にいた雑魚とは違う…」
だが─
以前は無理だった剣での直接攻撃でダメージを与えられる
制約なく動けるその意味は大きい
_
「ギガデイン!!」
突進してくるバトルレックスへ魔力の薄い雷撃魔法を見舞う
大した効果は望めないがこいつは雷撃にめっぽう弱い
考えたとおり、ドラゴンの足が一瞬とまる
「おおぉお!」
その隙、飛び上がり上段へ構えた剣を振り下ろす
「バカメ!」
「!」
ガスッと胴へ、バトルレックスの腕が入り弾き飛ばされる
「ソンナ コザカシイ コトデ コノ オレヲ!」
「ぬ…!」
炎の鎧のおかげか、俺の力か、大したダメージではない
こいつは目晦ましなんかじゃ無理だ
力で剣技で、対抗するしか─
「わかっていたがやはり簡単じゃないな
よし、真っ向勝負といこう!」
「ヨシ ノッテヤル」
話に乗ってきたバトルレックスが、少し笑ったように見えた
こいつは、俺と同じにおいがする…
「は!」
敵は一つ
強烈な冷気にさえ気をつければ問題ないはずだ
俺は剣を斜めに、間合いを詰め切りかかる
対してバトルレックスの武器はその鋭い爪と腕力、そして長い尾
俺の連続した剣技を器用に、そして力強く捌いていく
キィンギィンギリガキリと、次々に雷鳴の剣を叩きつけ払われる
少し隙を見せれば今度は逆に爪と尾が襲い掛かり、それを刃で払い除ける
一進一退、だが一瞬でも気を抜けばあっさりと爪に裂かれるだろう
振るわれるドラゴンの爪を剣で払い、勢いのついた身体を回転させ刃を身体へ中てる
尾を足で受け、切先を突き刺す
刃を撥ねられドラゴンの尾が胴へ衝撃を伝え、爪によって頬や腕が切られる
「はぁはぁ… ちくしょう、このままじゃ埒があかない…」
「グゥゥゥゥ…… グゥウ…」
互いに体力を消耗し、だんだんと手数も減ってくる
ダメージが蓄積されてゆく
対峙したまま距離を置き、肩で息を切る
ほぼ互角─
「ふぅはぁ… こんな、強い魔物が、まだいるっていうのか はぁはぁ」
思わず漏らしたその言葉に、ドラゴンも続いて呟く
「グルゥゥ オレハ ゾーマ サマノ ソッキン ダ… グゥゥルゥゥウゥ…」
強すぎると思えばこいつは側近か!
倒せばもしや、魔王を除いて残りは雑魚かもしれん
そうとわかればまだまだ踏ん張れる
こいつを倒しタカハシを目覚めさせ、共に魔王を討つ!
「いぁぁあ!」
力なんてほとんど残ってなかった
だが倒さなければ なんとしても─
『シャアァァアァアアァァァ!!』
「し、しまっ…!」
冷気!
俺は咄嗟に両腕を身体の正面で合わせ、防御する
「ぐうぅぅぅぅうう!!」
体中が軋む
冷たさが全身を蝕み痛みを発生させ筋肉を硬直させる
体内から確実に肉体を滅ぼさんとする究極の技
「オ、オレハ マケルコトハ デキヌ… カタネバナラヌ グゥゥウゥ…」
どうにか冷気に耐え、倒れる事はしなかった
幸いだったのはバトルレックスも消耗し冷気の質が高くなかったことだ
だがダメージはそれでも、大きい
「う、うう… 俺だって、負けるわけにはいかん… ちくしょう…」
痛い
全身が痛い
身体は、足や腕は辛うじて動かせる
だがどこまでもつか
「ソロソロ オワリニ サセテモラウ! グゥオォオ!」
バトルレックスの追撃
全力の打撃を見舞おうと高く尾を持ち上げ地を鳴らし近づいてくる
これは、この攻撃をかわしたとしても今のままでは決め手に欠け─
『これは非常に危険な技じゃが… お前なら成功させることが出来るじゃろうテリー…』
ふと、メルビンの言葉が思い出される
彼が最後に教えてくれた、危険な技
ヤツも次を最後の攻撃にしようと全力だ
ならば俺も、全ての体力と魔力を懸ける─!
「グアアォォォオオ!」
バトルレックスの尾が振り降ろされる瞬間
「おぉぉおぉおお!」
体力魔力全てを攻撃力とし、切先で地面を削りながら防御無視の刃をドラゴンへ叩きつける─!
『ズバッガッ!!』
「ガアアアァァァァァアアアアア!!!」
「がはっ!!」
血を噴きながら地面へと突っ伏すバトルレックス
尾によって殴り飛ばされ地面へ這い蹲る俺
相打ちだと思った
だが僅かに早く、雷鳴の剣がドラゴンの胴を切り裂き、尾の一撃は失速していた
通常の戦闘では絶対に使うことの出来ない、捨て身の攻撃
この剣技は相手との力が互角に近くないと威力を発揮しない
防御を完全に捨て、もてる全ての力を攻撃力のみへ傾けるソレは"まじん斬り"と名付けられていた
「グ ググゥゥ…… ガッハッ! アノ シュンカンニ、ミゴト ナ… コウゲキ…… ダ………」
バトルレックスの呼吸が止り、そしてもう二度と、動くことは無かった
「はぁはぁ 勝った、勝ったぞ……」
尾は肩から胴、足へかけ袈裟斬りされたような感覚
炎の鎧の硬い鉄を通してもなお、衝撃はすさまじい
もし、もしもヤツがベホマを使っていたら、俺は確実に倒されていた
冷気を使ったが俺の言葉に乗って魔法までは、使わなかったのだろうか
ふむ… どちらにしても、強かった 見事だったよ……
冷気ダメージもあり、薬草も回復魔法もない今、動くためにはしばしの休息が必要だった
●静寂の光
落ち着きと少しの体力を取り戻した俺は"いのちの源"へと歩み寄る
「この静寂の玉をもって、どれでもいいから触れればいいんだよな」
夜空に浮かぶ無数の光
生命全ての元であるこの光に、手を触れるなど通常なら躊躇する
果たして触れていいのか、触れて平気なのか
全く一切の予想も出来ないがそうしなければ世界は滅ぶ
開いた地から沸いてくる光へ触れようと右手をかざす
左手には静寂の玉を持ち、いよいよ光へ手が触れる─
「??!!?」
触れた瞬間
喜びに声を張り上げそうな感覚
怒りに我を失いそうな感覚
哀しみに引き裂かれそうな感覚
楽しさに笑い出しそうな感覚
懐かしさで満たされるような感覚
心へ何かが入ってくるような感触
理解を超える理性に支配されそうな感触
身体が飲み込まれてしまいそうな感触
たくさんの"意識"が一度に大量に押し寄せる
このままでは精神が持たない
「ううぅ…」
た、たしか
ルビス様は静寂の玉が反応すると…
それでわかると しかしどう反応するというんだ!
早く…!
なんなんだこの …!
光が、静寂の玉が反応を始めたのか光を放つ
同時に熱を帯び始め、左手から右手へ身体を巡り─
「これ、が! 反応?!」
右手から"いのちの源"へと伝わったのを感じ、素早く手を引く
「か、はぁはぁはぁはぁ…………
とにかく、うまくいった はぁはぁ」
静寂の玉から光が失われ、発せられていた熱も無くなった
その不思議な現象に、しばらく心を奪われてしまう
「…これで」
やるべき事は完遂できた
後は姉を連れ戻し、あの建物へ戻る
未だ、バトルレックスと派手に戦っていたというのに邪神の像へ魔力を込め続ける人間達
何も無かったかのように静かに
「姉さん、帰ろう」
姉の肩へ手をかけ話しかける
しかし反応が無い…
「…どうなっているんだ」
手荒な事はしたくなかったが、姉の両腕を掴みそのまま立ち上がらせようとする
が、動かない
いや、動かせなかった
どういうわけか全く、微動だにしない
「くそ! 像を破壊すればいいのか?」
邪神の像は"いのちの源"のすぐ側へ無造作に置かれている
それはこの世の生き物とは思えない姿を形取り、不気味に"いのちの源"を凝視していた
放置したとしても絶対に害にしかならないだろう
俺はそれを剣で破壊しようと構えた時─
「それを破壊されては困る…」
背後に漆黒の霧と禍々しい気配
構えた身体を動かすことが出来ないほどに、強烈なその魔力
「私の… 力に乱れを感じた
何事かと来てみれば…」
鼓動が激しくなる
汗腺全てから嫌な汗が滲み出してくる
突如あらわれたその男の声
気が遠くなるほどに圧倒的な存在感
"私の力"と言った
この男は"いのちの源"を自分のモノだと言ってのけた
恐恐とその正体を確認する
いや 確認するまでもなく、わかってしまった
こいつは… 信じたくはないが こいつが魔王 ゾーマ、だ
「人間、私の力になにをした」
その言葉に俺は、質問では無く死を感じた
●失敗
魔王ゾーマ
俺を冷たい目で見浅む男
「隠蔽は失敗… 我が側近を倒し… なぜお前は力を持つのだ」
魔王の言葉は全て質問のようでそうではない
発するたびに俺の終わりが確実に近づいてくる
そんな言葉だ
「邪神の像を破壊しようとしたのか… やはり隠蔽する術を見つけなければならぬな…」
タカハシはこんな相手と戦ったというのか
対峙して初めてわかった
次元が、そのものが違いすぎる…!
「俺の」
だけど俺は、せめて姉だけは救ってやりたい
どうにか手段を聞き出し─
「姉に何をした…」
魔王が"ほう"とテリーの言葉に興味を持つ
「お前、そうかあの人間の女は姉か」
魔王は、何かを唱えミレーユを指差す
「どうだ 縛りを解いてやったぞ
さぁ、再会を喜ぶが良い」
姉を見ると確かに、様子が変わり周りを訝しげに見渡す
状況が理解できていないようだ
「姉さん!」
ザッと駆け寄り姉を背に隠す
他の人間達は変わらず像へ魔力を送り続けている
「どうだ、望み通りだろう」
こ、こいつは何を考え…
は!
しまった、姉を知られてしまったのは却って逆効果だったか
タカハシとメイの事を忘れていた─
「テリー! これは一体…」
ミレーユが今にも消えそうな声でテリーへ話しかける
「姉さん、すまない 俺は失敗してしまった…!」
俺の言葉に姉はますます"わからない"という顔をする
今ここで、全てを説明するのは無理だ
そしてなにより、生きて戻る事はないかもしれない
「あれは… 魔王ゾーマなんだ
詳しく説明することはできないけど、すまない もう、無理かもしれないんだ…」
俺は側近にさえ危うく倒されかけた
そんな俺が満足に戦えるとは到底思えない
先の戦いでの傷だってまだ癒えていないんだ
「そんな…… テリー、私を助けにこんなところへ…」
それもある
それもあるんだが、もう一つ大事な事もあった
そしてそれは幸運にも済ませる事ができた…
くそ!
このままうまくいくはずだった…
まさか魔王が目の前に現れるなど!
「ククク……」
魔王の目が怪しく光る
こうなるとわかっていれば…
俺一人が死ぬだけで済んだかもしれないのに…!
「喜びは分かち合えたか? そろそろ絶望をいただくとする」
殺られる!
「姉さん! 時間稼ぎをする! 白い雲に向かって走るんだ!
どうにか逃げてくれ!」
ミレーユの背中を強く押し、促すテリー
剣を構え呪文詠唱に入っていた
「ギガデイン!」
ズガガと強力な雷撃がゾーマの頭上へと落ち、テリーの雷鳴の剣がうなりをあげ斬りかかる
その様子を、ミレーユは背後で感じ、だがテリーの思いを無駄にするまいと雲の中を駆けた
●我が力と
「ぐ!!」
俺の剣が全く効かない!
くそう!
身体さえ完全なら掠るくらいは…!
「楽しくないな まだ人間界で抵抗してきたルビスの使いと女のほうが楽しめた
少なくとも絶望の味は格別であった! クックックックック」
それはタカハシとメイの事か
楽しいとか楽しくないとか、絶望がうまいとか……!!
「おおおお!!」
もう一度、今一度まじん斬りを!
命尽きてもかまわん!!
再び剣を構え全ての力を込め─
「う?!」
身体が動かない…?
な、んだ
何か強い力が俺を抑え付けてくる…!
「どうした? フハハハハハ!」
だめだ…
絶対に考えるのはよそうと決めたんだが
どうしたって絶望を─
支援
「メラゾーマ!!」
ゴオという爆音と共に魔王が巨大な火の玉に包まる
「テリー!!」
「!!」
姉さん!
なぜ戻ってきたんだ!?
「弟が傷つけられるのを、黙ってみていられないわ!」
即座に魔法詠唱をはじめ─
「ベギラゴン!!」
俺の身体は未だ動かせない
魔王は益益、強大な炎に包まれていく
「テリー! 今のうちに!!」
くっ!
だめなんだ姉さん!
動けない、声すらも……あ!
前触れ無くテリーの拘束が解ける
急いてテリーは姉の下へと向かう
「フフ それでこそ、絶望はより深くなるというものだ…」
強い魔力を感じたかと思うと一瞬にして、魔王を取り巻く炎が消えて無くなった
「無くすには惜しい逸材だな」
姉の震えが伝わってくる
正直もう、打つ手は無い
「お前たち 借した力を返してもらおう」
「借した力だと? これは元々じぶんのモノだ!」
わからない
どうなるんだ俺達
どうしたらいいんだ
ルビス様…
「簡単なことだ」
魔王が両手を二人へかざす
「く…!」
身体が持ち上げられ、再び身動きが取れなくなる
今度はミレーユも一緒に─
「死んだ者がどうやって"私の力"へ取り込まれるのは知っているが─」
ググッと姉弟の身体が"いのちの源"へ移動させられる
「生きた者がどう取り込まれるのか、今、知りたくなった」
魔王が手をグイと握る
同時に二人の身体は中央の大きな光へ押し付けられてゆく
「う、うううぅうううぅううぅっぅぅぅ!!!!」
テリーとミレーユの声が混ざり合い、空間へ響く
先刻触れた小さな光よりももっと大きく複雑な"意識"が二人を襲う
か…た、たかはし
た の む……
膨大かつ巨大な意識に支配され、やがて気を失い
身体は溶けるように"いのちの源"へ取り込まれ─
魔王は静かに、そして感動と共に眺めていた
テリーとミレーユ、二人の取り込まれる様が
予想以上に、魔王にとっては美しいのだ
空間は静けさを取り戻し
夜空は美しく光を湛え
邪心の像は一心に魔力を受け取り
人間達は無心に魔力を送り続けた
「我が力となれる事を 光栄に思うが良い」
利用される"いのちの源"
その悦事に魔王自身、身震いすら覚えるのであった
以上、第四部完です
話は第五部へ続きます
470KBになったので新スレ立てようとしたのですが、規制されているようで無理でした。
テンプレを次のレスへ乗せるのでどなたかお願いできませんか。
>>819 ありがとう!
乙!!!なんかゾーマ様が強すぎて、この先どうなるのかが不安だww
新スレについては携帯からは無茶でした。
ゾーマの描写が絶対的な物になっているな。
こいつぁ!たまげた!
::|
::| ____
::|. ./|=| ヽ. ≡三< ̄ ̄ ̄>
::|. / |=| o |=ヽ .≡ ̄>/
::|__〈 ___ ___l ≡三/ /
::|、ヽ|.|┌--、ヽ|/,-┐| ≡/ <___/|
::|.|''''|.\ヽ--イ.|ヽ-イ:| ≡三|______/
::|.ヾ |.::. .. ̄ ̄| ̄ /
::| ';:::::┌===┐./
::| _〉ヾ ヾ二ソ./ こ、これは乙じゃなくてスラッガーなんだから
::||ロ|ロ| `---´:|____ 変な勘違いしないでよね!
::|:|ロ|ロ|_____/ロ|ロ|ロ,|`ヽ
::| |ロ|旦旦旦旦旦/ロ/ロ|旦,ヽ
::|ロヽ 旦旦旦旦旦./ロ,/|::旦旦)
::|ヾ旦旦旦旦旦旦,,,/::::|、 旦旦|
タカハシならぬタカハ神だなこりゃ
スレ立て依頼出してきます
保守
総長さんとレッドマンさんがまだだな。
後暇潰しさんや隙間風さんも。
彼らは一体どうしているのだろうか
書き込み初めてです。
皆さんの面白さに触発されました。
新スレ立ったら投下しようと思うので
新人ですが宜しくお願いします。
賛否あるかと思いますが
リメ5で行きたいと思います。
モチベーションの維持が最重要課題みたいですね。
あ、すいません。
船の上って宿屋ですか?w
ダメそうなら諦めます。
とりあえず投下
話はそれからだ
残り28MBしかないから投下は次スレで
>>835 KBですねw
スレ立て代理をサロンにある依頼スレでお願いしたのですが、どうやら過疎ってるようで。
他に依頼できるスレとか、ないかな
ちょっと立ててみる
ごめん
無理だった
俺もためしてみるぜ
無理だった
すまん・・・
試しに立ててみようか?
すまない、うちのホストでもダメなようだ
サロンでの依頼を取り消し、自治でスレ立て依頼してきました