めぐれメタルの冒険 2.5 deep strangeness
1 :
アーサー:
2 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/22(月) 01:20:07 ID:SawLybG4
2
3 :
アーサー:2005/08/22(月) 01:24:47 ID:tRHVFjUB
無事立ってなにより。
テンプレ追加したけど問題ないよね。
タイトル勝手にいじっちゃってスマソ
前スレ終盤が未知への兆戦ぽかったから変えちゃった。
あとははぐりんさんを待つだけだ!
4 :
アーサー:2005/08/22(月) 01:27:36 ID:tRHVFjUB
保守代わりにいいアイディア思いついた。
はぐりんさんを待つ間投票をやるのだ。
書き込みごとにお題を決めてリセット。
集計した人が次のお題を決める。
投票はIDにつき一票で<<>>で括る。
どう?面白くない?
お題は自由でスレ違いをしてもいい。
即死回避のためにも付き合ってくれると助かるぞよ。
最初のお題は「第一回めぐれメタル人気投票」!
5 :
アーサー:2005/08/22(月) 01:30:57 ID:tRHVFjUB
俺はもちろん<<アーサー>>
そうそう初見の人は初代スレを見ることをすすめる。
じゃ名無しに戻るぜぇ。
はぐりんさんが見つけてくれることを祈る。
スレが即死しないことを祈る。
(・∀・)ノシ
>>アーサー
乙です。
アーサー乙!+あげ
おっ、おお!?なんか立ってる!!
待ってましたあーー!!!
9 :
書き手 ◆F/WveZadCU :2005/08/22(月) 21:44:13 ID:GoxX3t4t
>>1 スレ発見!
スレ立てありがとうございました。
立てる前に検索して良かったです。
スレタイかっこいい。
深き未知なる体験?辺りに意訳すればいいですかね。
にくちゃんねるのログもわざわざありがとうございます。
投票のアイディアも面白いですね。
書き手である私は投票できませんが(;´Д`)
どのキャラにも思い入れがありますし。
>all
という訳で実家から帰ってきました。
また頑張って続けますので読んで下さると嬉しいです。
とりあえずは前回と今週分を連続で投下します。
十レス以上あるのでもし止まったらヘルプお願いします。
話ははぐりんとスラングが城を見て頂上から帰ってきたところからです。
日が暮れて焚き火を囲んだ。
僕とスラングは見たことをありのままに話した。
「そんなにデカかったってのか!?」
マグマンが信じられないといった顔をする。
スラングが嫌そうな顔をして言い返す。
「残念ながら事実だ。」
ゆうぼんがゴクリと喉を鳴らし、つむりんがガクガク震える。
ホイミンが疑問を口に出す。
「しかしどうすればそこに忍び込めるのでしょう・・・。」
おじいさんも続ける。
「わしのルーラも辿り着いた経験がなければ使えんのう。」
僕たちは頭を下げ、塞ぎ込んでしまった。
そうしていると、森の奥からモンスターがやって来た。ハエまどうさんとガンコどりくんだ。
僕たちがお辞儀をするとハエまどうさんが喋り出す。
「見てきなさったか。そう。あのお方はあの城に住んでおる。若い頃からじゃ。次はなにをするのかと期待させる。
あのお方のなさることはわしらのしたいことそのものじゃ。わしら魔物の本懐を分かっておられる。」
おじいさんが尋ねる。
「今そのお方がしたいこととはなんなのじゃ?」
ガンコどりくんが鳴き続ける。
「ガッガッガッ!セイフク!シハイ!セイハ!ガッガッガッ!ムズカシイ!ワカラナイ!ガッガッガーーー!」
ハエまどうさんがガンコどりくんの頭を撫でる。
「四つの島の統一じゃよ。いずれ誰かがやらねばならん。島々が統一されれば小競り合いもなくなろう。
ふふっ。もっともあのお方はそんな理由で動いておるのではないがのう。」
僕が尋ねる。
「四つの島で仲良くすることは出来ないのですか?」
「沈んだ二つの島があった時はそうだったと聞く。あのお方は愚か、わしすら生まれてない頃の話じゃ。
・・・それも偉大な魔王がいたからこそじゃ。」
スラング。
「そんな話はどうだっていい!俺たちはそんなことを聞きたいんじゃねえ!」
ホイミン。
「僕たちは届けなくっちゃいけない情報を持ってるんです。」
ハエまどうさん。
「ふむ。分かったとも。自分たちで会ってみると良いじゃろう。空を飛ばずともあの城へ辿り着く道はある。」
僕は一段と明るい声を出した。
「城に行く方法があるんですね!!!」
ハエまどうさんは頷く。
「巨大な岩山群。その根元に中へと続く洞窟がある。抜けることさえ出来れば城へたどり着けるじゃろう。
しかし命の保障は出来んぞ。身内の者にすら襲い掛かるモンスターが山盛りじゃ。」
僕は即答した。
「大丈夫です!行けます!そのために来たんです!」
ハエまどうさんは更に頷いた。
「では明日案内するとしよう。今日はこの住処に止まっていくといい。どの家を使ってくれても結構じゃ。」
僕たちは好意に甘えて、住処で身体を休めた。
異なる大地の匂いに包まれながら目を閉じたのだ。
五十六日目。
朝ごはんを食べる。僕たちの大陸とあまり変わらないご飯だ。
食事を終えるとハエまどうさんとガンコどりくんが道案内をしてくれる。
二人に連れられて山を裏側へ回っていく。下っていく。
・・・頂上に登らずとも山の裏側からは岩山群を見ることが出来た。
全体図を見ることは出来ず、目の前に広がる灰色の風景を一瞬で理解することは難しい。
しかし僕とスラングには一目瞭然だった。マグマンを始めとするみんながびっくりする。事態が把握出来たようだ。
昼には岩の根元に辿り着く。
大きい洞穴が目の前に広がる。真っ暗だ。
ハエまどうさんが立ち止まる。
「ここを進んでいけばよい。早ければ夜にでもつくじゃろう。いくつか分かれ道もあるが、さほど迷うこともあるまい。」
ガンコどりくんも声を張り上げる。
「ガッガッガッ!ガンバレ!ガンバレ!」
ハエまどうさんが立ち去ろうとしたが、歩みを止めた。
「そうじゃった。洞窟を抜けてからが本番じゃ。
城へ行くには勇気がなくてはいかん。それでも大昔よりは行きやすいらしいのう。」
「はい?」
「気をつけるんじゃぞ。」
そう言うとハエまどうさんは再び歩き出した。
僕たちは頭を下げて二人と別れた。
食料は大量にある。例え三日迷おうとも大丈夫だろう。
おじいさんがルーラで一度報告に行く。
万が一、僕たちとの連絡が途切れてもこれで途切れた場所が分かるからだ。
おじいさんが戻ってきたところで、そこらにある枯れ木を拾ってもらう。
暗闇を探索するにはたいまつが必要不可欠だ。
「えっまさか!?」
マグマンが驚いた声を出す!
ジュバッ!
「いたっ!」
マグマンが頭を押さえる。スラングがケラケラ笑う。ごめんよマグマン。
「トホホ。」
そう言いながらマグマンが前に進む。僕たちも続いた。
マグマン自身とおじいさんの持つたいまつが足元を照らす。
洞窟の中は暗いが、以前潜った洞窟の様におどろおどろしい訳ではない。
真っ直ぐ進んでいく。
モンスターが行く手を阻む!話しかけるが聞く耳を持たない!
切り株小僧にそっくりだ!おじいさんが『書』を片手に叫ぶ!「ヘルボックル!」
吸血こうもり!?おじいさんが『書』を片手に叫ぶ!「バットマジック!」
鎧だけが動いている!おじいさんが『書』を片手に叫ぶ!「ぬけがらへい!」
相手の強さがわからない!まずは牽制だ!
「イオラ!」
三匹を中心に爆発が起こる!
煙の中から三匹の影が見える!各々が飛び出してきた!
ヘルボックルはボロボロだ。呪文を唱えようとしたが、その前に僕がベギラマで倒す。
バットマジックもボロボロだ。おじいさんに噛み付こうとしたが、ヒャドで貫かれて地面に落ちた。
ぬけがらへいは頑丈なようだったが、マグマンからメラミを食らい、スラングにぶん殴られて砕け散った。
よし。緒戦は順調だ。平地のモンスターに比べれば強いが、十分対応できる。
僕たちは先に進んだ。何度か分かれ道があったが、全て右に進むことにした。
全ての迷路は壁に沿って進めばいつか抜けられる!・・・とおじいさんが教えてくれた。
幾度か行き止まりに出会うが確実に前に進む。
ゆうぼんが僕に声を掛ける。
「ねえ。お兄ちゃん。ここの王ってどんなモンスターかな?
ハエのおじいちゃんが話してたよね。そのときあの人の目が輝いていたんだ。」
僕は頷いた。
「会うまでどんなモンスターか分からないね。凄くいいモンスターかもしれないし、とっても悪いモンスターかもしれない。
けど、きっとあのおじいさんを惹き付ける魅力があるんだよ。」
ゆうぼん。
「すごいね。でも・・・ここの王が悪い人だったらどうするの?」
・・・・・・。
スラングが代わりに答える。
「はっ!悪かろうが良かろうが関係ねえ!言うこと聞かなきゃぶっ潰すのみよ!」
おじいさんがゆうぼんに笑いかける。
「わしも同じことを考えておった。ここの王はな。
わしのような平穏に暮らしておるモンスターが忘れている、そんな心を持っているのかもしれん。」
つむりんが首を傾げる。
「おじいちゃんが・・・忘れてる?・・・じゃあ僕も忘れてる?」
おじいさんは黙って肩のつむりんを軽く撫でた。
僕は答える。
「ゆうぼん。なんとか説得するよ。戦いは出来る限り避けよう。」
ホイミンが付け加える。
「腐っても、悪であろうとも、ここの王です。領土を荒そうとするゆうぼうたちの情報は素直に受け取ってくれるはずです。」
・・・ボト。ザザ。
マグマンが頷く。
「ああ。最悪情報を伝えて逃げ出せばいい。それに・・・案外超いい奴かもしれないしな。」
・・・ボト。スゥ。
僕は不思議な音を聞いて尋ねる。
「マグマン、なにか落とした?」
「いいや。俺はなにも・・・。」
・・・ボト。サッ。
おじいさんが叫ぶ!
「周りに何かおる!上から近づき巧妙に潜んだのじゃ!呪文で明るくするといい!」
「ベギラマ!」
「分かった!ベギラマ!」
僕とマグマンが足元にベギラマを唱える。
閃熱で敵の姿がうっすら見える!
真っ赤な身体。悪魔の様な顔だ。三体いる!?
「レッサーデーモンじゃ!」
おじいさんの声が洞窟にこだまする!
次の瞬間、不気味な光があたりを包んだ。
眩しいわけではない。青と黒が混じったような異常な光が照らされる。
僕たちの体にその光が残った!
僕は身体の節々を見て叫ぶ!
「これは!確か!」
「ルゥゥカナァァァン!」「ルゥゥカナァァァン!」「ルゥゥカナァァァン!」
呪文が響く!
今の光は特技や呪文への効果を大きくする術だ!
僕にはルカナン自体効かない。しかし他のみんなは!?
ズガッ!
おじいさんの背中がレッサーデーモンの爪で切り裂かれる!
「ちっメラミ!」
マグマンのメラミがレッサーデーモンを吹き飛ばす!
他のレッサーデーモンがホイミンを襲う!
僕は間に割って入り攻撃を防いだ。みんな、些細な攻撃でも大怪我を負う筈だ!
攻撃を受けさせるわけには行かない。一撃で決める!
「イオナズン!」
レッサーデーモンの一匹がボロボロになって倒れこむ。
スラングがレッサーデーモンの攻撃を避けて殴りかかる!
力を溜めた一撃だ!レッサーデーモンは壁に叩きつけられ絶命した。
「メラミ!」
マグマンのメラミが焦げたレッサーデーモンに止めを刺す。
僕たちはおじいさんに駆け寄る。ホイミンがベホイミを唱える。
するとひょっこりと起き上がった。意識があったらしい。
「いたたた。ありがとう。全く・・・老人をいたわらんモンスターたちじゃ!」
僕は元気そうな姿を見てホッとした。
しかし出遭うモンスターたちは確実に強くなっている。僕たちは慎重に先に進んだ。
モンスターたちが現われては挑んでくる。僕たちはそれを撃破して先を進んだ。
中には黙って通してくれた者もいたが、ごく一部だった。
そして再び行き止まりに出会う。だか今度の行き止まりはただの行き止まりではない。
なんと宝箱が四つも置いてある!
「たっ宝箱だーーー!!!」
僕たちは口々に叫んだ。驚きの余り緊張も忘れてしまう。
そういえば長く旅してきたが、宝箱を見つけることはほとんどなかったはずだ。
「なっ何が入っているかな?」
僕はゴクッと喉を鳴らして周りに話しかけた。
「そっそりゃあ強力な武器だろう。」
マグマンがヨダレを拭いて答える。
「馬鹿野郎!金だ!金!!」
スラングが怒鳴ってフヒヒヒと不気味な笑みを浮かべた。
「ど・・・道具・・・道具かもしれない・・・よ・・・ね?」「ねー!」
つむりんの呟きにゆうぼんが相槌を打つ。
「もしかしたらこの地の特産品かもしれませんよ。」
ホイミンが落ち着いて言う。それはいい。
おじいさんも何か喋り出したが、僕たちはもう宝箱を開けたい衝動に駆られてしまっていた。
「じゃ!空けますか〜♪」
僕はそう言って宝箱の前に近づく。
!?
僕を押しのけ、スラングが宝箱を開けようとする。それをマグマンが取っ捕まえる!
宝箱争奪戦だ!やっぱりみんな自分の手で空けたいのだ!
みんなで争う中、僕は持ち前の速さで一歩前に出た。
そのまま宝箱を開ける!
「よーし!!!空けたぞーーー!」
僕は勝利に似た快感を覚えつつ大声で叫んだ。
・・・。
・・・・・・。
なんと宝箱には歯が付いている・・・。珍しい。
・・・それどころか宝箱の中から目が覗いている。
うん。変わってる。まるでモンスターみたい。
いや。気づいたんだけどね。歯の時点で。ははは。だって有名なモンスターだもん・・・。
僕たちは口をそろえて叫んだ。
「罠ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」
ガヴゥアァ!
そのまま宝箱が僕に噛み付いてくる!
僕はタッチの差で宝箱から離れる。
宝箱の口が重なり火花が散る!
なんて強力な噛み付きだ。僕の身体を貫ける一撃だった。
危ない!
「だから言ったじゃろう!」
おじいさんの声が聞こえる。・・・すみません。聞いてませんでした。
これが人食い箱か!
僕が睨みつけると残った宝箱のうち二つもその本性を露にした!
僕たちは敵に釘付けになった。緊張が走る。
「カカカカカカカカカカカカカカカカカカ!」
宝箱が不気味な声を上げる。笑い声に違いない。
「ザキ!」
一匹の人食い箱が僕に向かって呪文を唱えた。
更に二匹が僕に噛み付いてくる。
僕は言いようのない不安が走った。危ない!僕でよかった!
二匹の人食い箱から身を避ける。僕にあの手の呪文は効かない。
でも他のみんなに唱えられたら!?
僕の中で不安が大きくなる。海のモンスターにはこの手の呪文が聞きやすいと聞いている。
即効でケリをつけなくては駄目だ!みんなに被害が出る前に!
三匹が口々に呪文を唱えようとする。しかしそれよりも早く僕は全力を出した!
「イオナズン!」
爆発に包まれて三匹の人食い箱は粉々に砕け散った。
僕たちはモンスターだ。名前が『人』食い箱なんだ。手を出す相手が悪かった。
戦いが終わりホッと胸を撫で下ろした。
その瞬間だった。
「ザラキ・・・。」
僕は一瞬聞き間違えかと思った。しかしはっきり耳に残っている!
残りの宝箱!?
僕は前を確認する!
しかし目の前にあるのは何の変哲もない宝箱だ!動いていない!
爆発で黒こげているだけだ!
僕は後方を確認する。
おじいさんが苦しそうな顔で倒れこんでいる!
奥には泥と人間が合わさったようなモンスターが佇んでいる。
ふなゆうれいを水から泥に変えたようなモンスターだ!
「おじいさーーーん!」
僕は大声で声を掛ける。
「わっわしは大丈夫じゃ。こんなことで血を止められて堪るものか。
苦しいが死の声に負けない限りはやられはせん!」
死を呼ぶ声に耐えれば死なないで済むのか。僕は焦ったものの落ち着きを取り戻した。
ドタン・・・。
???
何かが倒れたような音がした。なんだ?
僕は目の前の光景を見て困惑した!
ホイミンが倒れこんでいる!
「ホイミン!ホイミン!?」
返事がない!まさか・・・そんな・・・!?ザラキで!!?
「うおおおおおおぉぉぉ!」
マグマンが叫び声を挙げて泥のモンスターに飛び掛る!
「ふざけるなああああああぁぁぁ!」
そのまま体当たりを食らわせる!
「くらええぇ!ベギラゴンンン!」
泥のモンスターは蒸発するように燃え尽きた。
ゆうぼんがホイミンに泣きついている。
「息が!息がないよう!!!」
つむりんが腰を落としガクガク震えている。知り合いの死にショックを受けたのだろう。
僕は声を上げ叫ぶ!
「そんな!こんなところで!?
ホイミン!目を覚ましてよ!君が倒れたら誰が仲間を助けるんだよ!
頼りにしてたんだよ!冗談は止めなよ!僕たちを助けてくれるって言ってたじゃないか!」
「だめなのか?」
近づくマグマンの問に首を縦に振る・・・。
「くっ。なんてことじゃ。連れて行くならばわしの様なジジイにすれば良いものをのう。」
おじいさんが立ち上がる。
そして続ける。
「外傷はない。綺麗な死に様じゃ。これなら助かるかもしれん。
わしは僧侶でもなければ、回復に長けたモンスターでもない。この呪文が成功したことはない。
修行したことがあるに過ぎん。じゃがやるしかないじゃろう。」
そこまで言うとホイミンの身体に両手をそろえた。
まさか・・・。呪文を極めたネーレウスは蘇生呪文を使えると聞いたことがある。
「たった一度・・・たった今成功するだけでよいのじゃ。わしの人生で一回切りじゃ。
頼むぞ!ザオラル!」
緑色の優しい光がホイミンを包む。
この力強さならばあるいは!?
光が止む。おじいさんは大量の汗をかいている。しかしホイミンの息はない。
「もう一度じゃ!全ての力を込めるぞ!ザオラル!」
再び緑色の光がホイミンを包む。
お願いホイミン!立ち上がって!
僕たちが見守る中・・・ホイミンが目を覚ます!
「やったーーー!」
僕たちは何度も首を縦に振った。ゆうぼんに至っては泣きじゃくる。
「ふう。良かったわい。じゃがわしの余力はなくなったのう。今日はもう呪文が使えん。」
おじいさんはそう言って座り込んだ。力を使いきって疲労が溜まったのだろう。
ありがとうございます。おじいさん。
ホイミンもおじいさんが力を尽くしてくれたと聞いて深々とお辞儀をした。
「ありがとうございました。僕は攻撃を受けてはいけませんでした。もっと気を付けます。ううっ。」
回復役が真っ先にやられる。現実には良くある話なのだろう。
おじいさんが蘇生呪文を使えてよかった。もし使えなかったら・・・考えるだけでも恐ろしい。
マグマンがホイミンをなぐさめる。
「避け様がなかったんだ。仕方ないさ。」
「おいおまえら!いつまでもメソメソしてないでやって来い!」
スラングがいつの間にか宝箱を開けている。
僕は駆け寄って宝箱の中を覗いた。一本の瓶が入っている。水だろうか。
「これは・・・?」
ホイミンが説明する。
「ベホズン様の元で見たことがあります。これは魔法の聖水。疲労を回復する不思議な水です。」
おじいさんに魔法の聖水を差し出した。しかし首を横に振って受け取ってくれない。
取っておけということなのだろう。僕は魔法の聖水を袋の中にしまいこんだ。
「そろそろ行くぞ。」
スラングがさっさと前に進む。確かにいつまでもここにいるわけには行かない。
おじいさんとホイミンの体調を尋ねる。どちらも歩けるとのことだ。
僕たちはスラングを追いかけた。
前へ進む。降りかかる火の粉を振り払う。
先ほどの泥モンスターにも出遭うが攻撃の隙を与えずに倒した。
おじいさんが言うにはマッドロンと言うらしい。
そうこうしている内にとうとう周囲が明るくなってきた。風も吹いている。出口が近いのだ。
「あっ!出口だーーー!」
ゆうぼんが喜びの声を張り挙げた。
トラブルがあったものの僕たちは何とか全員で洞窟を抜けることが出来た。
外は森が広がっていて、真ん中に一本の道がある。夕日が僕たちを照らす。もう夕方なのだ。
僕たちはその道を進んだ。
小さな広場に出る。焚き火が作れるようになっている。
ここで休むことも出来るのだろう。過去に城を目指した者はここで休んでいったのかもしれない。
僕たちには休むほどの時間がないのが残念だ。
んん?広場の先を見て僕は少し嫌な予感がした。
スラングが先に進む。そして案の定声を上げた。
「ちぃぃっ!なんてこった!ふざけんじゃネーゼ!」
僕たちも前に進む。
・・・そして広場を出た先を確認する。・・・断崖絶壁だ!
ボロボロの吊り橋が一本だけ架かっている。対岸には不気味な魔王城だ。
吊り橋はとっても長く不安定に出来ている。もしここを進んでいる最中に攻撃されたらどうなるのだろうか。
城の者が身を守るには最適な方法だ。崖の底は真っ暗で先が見えない。
今の高さは隣の山の頂上ほどある。落ちたら一溜まりもないだろう。
僕たちは顔を見合わせて溜息をついた。
すんごく怖い。
勇気がなくては渡れない。
ハエまどうさんが言っていたのはこれのことなのだろう。
僕たちはジャンケンをした。怖い時にはジャンケンが一番だ。
時間が掛かったのでこの真剣勝負については省略する。
結局僕が先頭に進むことになった。
安全を考えて一人ずつ進む。
ブルブル・・・吊り橋が震える。
うわあ。これやばいよ。絶対危険。絶対ヤバイ。
僕は泣きそうなのを我慢して先に進んだ。
ブルルン!
中盤辺りで吊り橋が大きく揺れた!
「ひぃぃぃ!」
なんだ!?
後ろを振り返るとスラングが満面の笑顔でニヤついている。
ちくしょ〜。奴か。後で見てろ!
僕はなんとか渡り切った。
続けておじいさん、ホイミンと慎重に歩き渡り切った。
あっ・・・おじいさんの肩にいたつむりんは泡を吹いて気絶していた。
マグマンとゆうぼんも怖がりながら渡り切る。こんな時のマグマンは見ていて楽しい。
ゆうぼんは幼いから仕方ない。渡り切ったことを褒めてあげた。
最後に奴だ。
ふははは。覚悟は出来ているんだろうなあ。スラングさんよぉ!
渡りきった奴ならばともかくぅ!渡り切る前にイタズラとは!愚かな奴め!
どれだけ揺らしてやろうか。むしろ落としてやろうか。ああ。楽しみだ。
僕は満面の笑顔でスラングが渡るのを待った。
しかしスラングは腰を落とし力を溜めている。
・・・?
なんとそのまま飛び上がった!
真上に飛び後方の木に飛び掛る!反動を利用して前に飛ぶ!
スタッ。
大きく前に進み、崖を飛び越え僕の隣にたどり着いた!
そして一言。
「ふははは。残念だったなあ。はぐりんさんよぉ!」
あああああああああああああああああああああああああああ!
吊り橋があるだろうがっ!つり橋を渡らんかい!
渡るために吊り橋ってのはあるんだよぉぉぉ!飛び越えるためにあるんじゃねぇぇぇぇぇぇ!
吊り橋が泣いているだろうがぁぁぁ!もう一度渡れえええ!いや、ぬるい!往復して戻って来ぉぉぉい!
僕が怒りでガタガタ震えているとマグマンが呟いた。
「まじかで見ると想像以上に禍々しいな。」
それを聞き僕は振り返る。城を見ると怒りは吹き飛んだ。
全くだ。なんて城だ。ふざけている場合じゃない。
みんなで顔を合わせた。
僕たちは門の前にいる。先に進むしかない!
今日はここまでです。そういえば合宿帰りの報告もしてませんでしたね。
<三.V.三>
‖ 。○ ( 合宿で花火見て来ましたよ。 )
、、、‖、、、
<三.V.三>
‖ 。○ ( それどころか肝試ししてきました。 )
‖
、、、‖、、、
<三.V.三>
‖、 。○ ( この歳で肝試しって・・・。 )
((ソ
‖
c;.リz
、、、‖、、、
<三.V.三>
| |、 。○ ( いやーでも怖かったっす。脅し役してるときは特に。 )
<~ | |ソ
` | |
| |))
| |、
( C ;ソ|Z
| |
(( |
、、、| |、、、
/VV\
│ /\ │ 。○ ( 休む間もなく忙しかったけど楽しかった。 )
\__/
|リ、 _____
| |)) / \
(( | /┌──── |
| )) // _____/
//二二 |二,,,/
| |
| l) / ̄\
(そ_:| |._// ̄゛`
<ソ_V;_ノろ
| リ ̄
、、、| |、、、
^^^\^^^^^゛~9_/\;; ∧
へ ひ|( )|v- --< ノノ 。○ ( 実家で休養もしたし色々頑張らないとなあ。 )
/\ __/ ̄`;_/ リ
゛; :/|リ |/ _____
;/ ;/ | |)) / \
(( | /┌──── |
| )) // _____/
//二二 |二,,,/
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| l) / ̄\
(そ_:| |._// ̄゛`
<ソ_V;_ノろ
| リ ̄
、、、| |、、、
^^^\^^^^^゛~9_/\;; ∧
へ ひ|( )|v- --< ノノ 。○ ( こんな所で報告終わりです。 )
/\ __/ ̄`;_/ リ
゛; :/|リ |/ _____
;/ ;/ | |)) / \
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| )) // _____/
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| l) / ̄\
(そ_:| |._// ̄゛`
<ソ_V;_ノろ
| リ ̄
| | ボサッ
人ノ`
、;;`(:゚∀゚)ろ;;、 。○ ( あーあ。よく寝た。んーなんか頭が重いなあ。 )
ον `υ
・・・で反省会です。色々考えたんですけど、最後に一言書くの止めようと思います。
なんか無駄に垂れ流してる気がして良くないかなあと思ったんです。
ネタも尽き(ry
前スレラストに書いたかも知れないんですが、初心に戻って黙々と書こうかなって思うんです。
自己主張するってことは自惚れてる状態に近い気がしました。精進が足りない。
そんなことだからスレが落ちる。
なんで大事な事以外レスもしなくなると思います。レスがなくても気を悪くしないで下さい。
レスしろと書いてあったり質問だったりしたら反応します。
最後の「ここまでです。」もなくなると思います。代わりに本文最後に「続く。」とでも書きます。
あとゲーム化ネタとか楽しく読んでます。今までレスしていなかったですね。
今回の投票ネタも面白そうでワクワクです。
自分は気にしてないので遠慮なくやってください。むしろネタレス歓迎です。
問題の『携帯で見る』の方は今ひとつ方法が思いつきませんでした。
アプロダに分けて上げようとしたのですが、携帯からは見れませんでした(;´Д`)
にくチャンネルなら見れそうなのですが、全ログがないんですよね。
今のところ学校や会社、カフェでPCから見て下さいとしか言い様がないっす。
それでは良い夏休みを(ちょっと遅いかな?)。
<<サーラ>>保守
瞬殺なんてされてないもん!!
32 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/24(水) 12:43:40 ID:FAv/U2h6
ついでにage
33 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/25(木) 16:26:12 ID:2vmAZdHs
<<サイモン>>保守
正々堂々キャラってやっぱりカコイイ
PS版5では仲間になるんだよな
<<ばぶすけ>>
理由?好きだからさ・・・
35 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/26(金) 11:57:45 ID:1AQifogB
バブすけいいね。はぐりんの最初の友達だ。
でも<<スタスタ>>の方が好き。
飼うというか友達になるならスタスタがいい。
36 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/26(金) 13:19:49 ID:vUmrtxHj
<<スタスタ>>にもう一票。
能力最強のくせに泣き虫で優しいところが(*´Д`)ハアハア
37 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/27(土) 10:32:10 ID:PraROxzh
<<ピエール>>に一票!
いじられキャラになるとは思いもしなかった。
俺が入れないと誰も入れないんじゃないかw
鉄 逃鉄 鉄 逃逃鉄
鉄逃逃鉄 鉄逃逃逃鉄
鉄 鉄鉄 鉄逃逃鉄鉄
鉄逃鉄 鉄鉄鉄
鉄
鉄鉄
鉄 逃鉄 鉄鉄鉄
鉄逃逃鉄 鉄鉄 逃鉄鉄
鉄鉄 鉄鉄 逃鉄鉄鉄逃逃鉄 鉄
鉄逃鉄逃鉄銀銀鉄鉄逃逃鉄 鉄逃鉄
鉄逃 .銀銀銀銀鉄逃 逃鉄 鉄
.鉄逃逃 ● .銀 銀鉄逃 逃鉄
.鉄鉄鉄鉄逃逃 .銀 ● 銀鉄逃逃逃逃鉄鉄鉄
.鉄 逃鉄逃■■逃銀銀銀 銀銀鉄鉄鉄鉄銀銀逃鉄
鉄鉄鉄鉄逃鉄逃逃■■■銀銀銀銀銀■■鉄鉄鉄銀 逃逃銀逃鉄鉄
鉄 逃鉄逃逃逃銀鉄逃■■■■■■■■■鉄鉄銀逃逃逃逃鉄逃逃逃銀
鉄逃 逃鉄鉄銀銀鉄鉄逃■■■■■■■逃銀鉄銀逃逃逃逃鉄鉄逃逃銀
鉄逃逃逃逃鉄鉄鉄 逃鉄鉄鉄銀銀銀銀銀銀銀銀逃逃 逃逃逃銀
.銀鉄鉄逃逃逃鉄逃.鉄銀銀銀銀銀銀鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄鉄銀銀銀銀
銀逃逃逃逃逃逃逃鉄鉄鉄銀銀銀鉄鉄鉄鉄 銀銀銀銀
.銀銀銀逃逃鉄鉄逃逃鉄鉄鉄鉄鉄鉄銀銀銀銀
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39 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/28(日) 17:32:49 ID:IVNTSEI/
こえぇよw
<<ピエール>>に一票!
瀕死になった場面では・゚・(ノД`)・゚・
ピエールもいつかアーサーの後を(ry
<<ブリード>>に一票
喋らないのに怖かった
<<アーサー>>
散りてもなお、気高く美しき姿。まるで桜のようだ。
アーサー根強いな
正直に言う
俺もピエールが生き残ったときはこっちかよ!てツッコミそうになったw
僕たちはお互いに頷く。
門は大きく広い。重そうだ。
両脇にあるモンスターの像が城に負けじと禍々しさを醸し出している。
スラング。
「準備はいいな?門をくぐるぜ?」
ホイミン。
「ええ行きましょう。僕ももう大丈夫です。」
門の先には意外なことに普通の大きさの扉が待っていた。
またスラング。
「ジジイのところと違ってやけに謙虚じゃネーか。」
僕。
「僕もおお〜きな扉が出てくるものかなって。」
またまたスラング。
「どうすんだ?素直に扉でも叩くのか?」
マグマン。
「ああ。そうしよう。俺らは会いに来ただけだ。」
最後にスラング。
「フン。それで済めばいいんだがな。」
コンコン。
スラングが扉を叩く。素直に扉を叩く姿がちょっと面白い。
ゆうぼん。
「返事がないね。」
ゴンッ!ゴンゴンッ!
スラングが力強く扉を叩く。しかしやはり返事はない。
続けて扉を押す。
「おっ開いてるじゃネーか。入っちまおうぜ?」
おじいさんが答える。
「そうじゃな。入り口付近にモンスターがおらんのかもしれん。
それなら中から呼びかけた方がいいじゃろう。門番が居ないのもおかしな話じゃがのう。」
僕は念のために言った。
「スラング。罠には気をつけてね。」
スラングが笑い返す。
「ハハハッ。扉の形をしたモンスターなんて聞いた事ネーよ。」
ギィー・・・。
スラングが中に入った瞬間だった。ひゅーんという音が聞こえてくる。
そしてちぃぃぃと叫びながらスラングが僕たちの方に飛んでくる。
ズドーン!
大きな鉄の塊がスラングの頭上に降ってきたのだ。
罠・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
スラングが怒りを露にする!
「この俺様を罠に嵌めようとはフテェ奴らだ!絶対ぶっ潰してやる!」
スラングをまあまあとなだめながら扉の先に進む。
鉄の塊がギギギと上に戻っていく。扉が開くと落ちて来る仕組みなのかもしれない。
中は薄暗いが十分周りを見渡せる。中央に階段がある。上にも下にも進めるようだ。
細かい通路が幾つかあるが、城の主に会う今は関係ないだろう。
僕は大声で叫んだ。
「誰か居ませんかー!?僕たちここの主に会いに来たんです!」
返事がない。仕方なく僕たちは先に進んだ。
罠がないか用心しつつ階段を上る。結構な距離を進んだが罠はない。
当然かもしれない。分かり易い正門はともかく、通路の中に罠があったら暮らし辛いことこの上ない。
「ちょっと待て。」
スラングが変な顔をしながら声を掛けてくる。
「んー。やっぱりか。先に行ってろ。すぐ追いつく。」
そういうとさっさと戻っていってしまった。
うーん。どうしたのだろう?トイレだろうか?
僕は首をかしげながらも先に進んだ。
王室と思われる部屋にたどり着く。しかしやはり門番は居ない。両脇に禍々しい像があるだけだ。
中に入る。中も空っぽだ。王の座と思われる場所には誰も座っていない。
しかしなんて不気味な部屋だろうか。とても王の住む部屋ではない。
マグマンが声を出す。
「誰も居ないとは・・・。まさかゆうぼうたちに先を越されたんじゃないか。」
ホイミンが続ける。
「それはあるかもしれません。
しかしその場合僕たちが洞窟を登っている間に決着を付けたことになります。
いくらなんでも城が綺麗過ぎませんか?」
「ゆうぼう・・・聞いたことがないな。」
!!!
どこからともなく声が響く!部屋には誰も居なかったはずだ!
マグマンが叫ぶ!
「何かいるぞ!王座の右!斜め前だ!」
一匹のモンスターが僕たちに近寄ってくる。
全身を鎧が覆っている。向かって左側が真っ黒、右側が真っ赤だ。
黒側の手にドクロ模様の盾を、赤側の手に巨大なナギナタを持っている。
もしかしたらさまようよろいの様なモンスターかもしれない。
おじいさんが『書』を見て喋る。
「デビルアーマーじゃな?」
最初から居たのだろうか?気配が全く感じられなかった!用心をしていたのに!
このモンスターはきっと強い。そんな気がする。
デビルアーマーが再び口を開く。
「御もてなしが出来なかったことを許して欲しい。客なんてもう何年も来ていなかったのですよ。」
僕が尋ねる。
「ここの主はどこへ?」
「今は演習の時間です。地下で他の仲間と共に大地のモンスターを鍛えていることでしょう。
彼らは弱い。しかし集めました。鍛えればそれなりに力になると信じてます。私たちには兵士が必要なのです。
主も時機に戻られますよ。」
「主に会わせて頂けますか?どうしても会いたいんです。」
「もしや求人ですか!?人材ならばいくらでも歓迎しておりますよ。
正門の罠を見抜く、あるいは避けれるほどの実力があればなおさらです。」
マグマンが横から突っ込む。
「あっいや俺たちはここで働きたいわけじゃないんだ。」
「ふむ。そうなのですか。残念ですね。しかし会えますよ。
近くに客室があります。そちらでお待ちください。案内しましょう。」
ギィッー。
デビルアーマーが近づこうとしたら扉が開く。
「ここにいたのか。」
やってきたのはスラングだった。タイミングがいい。
僕たちは王室を出て、客室に案内してもらった。
客室もまた不気味な飾り付けがされている。彼らの趣味なのかもしれない。
デビルアーマーが部屋を出て行く。
僕たちはこの部屋の趣味の悪さを囁きあった。
スラングは割かし好みらしいが、やっぱりその感覚が分からない。
昔勇者と戦っていたモンスターのお偉いさんもこんな趣味をしていたらしい。
うーん。偉くなると危ない趣味を持つようになるのだろうか。
しばらく経つと通路が騒がしくなる。更に数分待つ。
一匹のモンスターが部屋の中にやってきた。
ピエロの様な格好をした緑色のモンスターだ。両手には鉄の爪を嵌めている。
・・・うーん。彼はどうやって扉の取っ手を掴んだんだろう?
もしかしたら毎回鉄の爪を嵌め直しているのかもしれない。
いや、待てよ。
そもそも両手に鉄の爪なんてどうやってつけるのだろう。一人じゃ無理な気がする。
僕はそんな疑問を持ちつつ、モンスターの後について行った。
おじいさんが言うにはカメレオンマンというモンスターらしい。
スラングが「気を抜くな。」と忠告してきたのが耳に残った。
王室に着く。今度は様々なモンスターが居る。
おじいさんが説明する。
地獄の門番。門番なのに門番をしてなかったよ・・・。
奴隷兵士。地獄の門番の部下さん?
妖術師。渋いおじいちゃん。
バーニングブレス。両手両足がある炎の化身。薄紫色。
ラリホーン。巨大な角を持った二本足の牛さん。凶暴そうだ。
そしてカメレオンマン。デビルアーマーは居ないみたいだ。
王室の先に部屋があるみたいなのでそっちかもしれない。
僕は王座に目を向ける。
とうとうこの大地の主に会うことが出来た。
青色の肌に黄色いマント。爬虫類の様な顔をしている。
「はじめまして。お会い出来て光栄です。」
僕は出来るだけ丁寧に挨拶をした。
「旅の者たちか。よくここまで来た。お前たちの話を聞こう。」
僕たちはゆうぼうについて話をした。
危険な存在であること、ここが狙われていること、万全の注意をして欲しいこと。
その話は一時間以上におよんだ。
僕たちの話を聞いたあと、王座から返事が飛んだ。
「なるほど。話は分かったぞ。お前たちはその者たちが間違っておると考えているのだな。
話を伝えるためにわざわざ足を運んでくれたのか。礼を言うぞ。
ところで尋ねたい。
お前たちは真の魔王とはどのような存在であるべきか考えたことがあるかね?」
僕がちょっと考えてから聞き返す。
「真の魔王ですか?
魔物の王、魔族の王ですからやはりモンスターの代表であるべきなのでしょうか?」
「悪くない答えだ。しかし具体的ではない。」
マグマンが尋ねる。
「では真の魔王とは?」
王座に居るモンスターがニヤリと笑う。
「魔王とは恐怖を生まねばならぬ。全てを支配する喜びを知らねばならぬ。
この島々に恐怖を広げ、この海に恐怖を広げ、いつかは世界を恐怖に包まねばならぬ。
恐怖を求める者が来れば協力しよう。お前たちはこの城を生きて帰れることはできぬ・・・!」
僕が叫ぶ!
「ゆうぼうたちに協力するというのか!」
「我が部下にはならんと聞いた。ならば返事は以上だ。」
つづく。
を入れ忘れました。
今回は遅れてすみませんでした。
次は土日に。
ブースカ?
53 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/01(木) 14:30:59 ID:ghb2Dq4K
「第一回めぐれメタル人気投票」結果発表!
2票
アーサー スタスタ ピエール
1票
サーラ サイモン バブすけ ブリード
思ったよりも偏らなかったね。
主人公に誰か入れてあげろよw
次のお題は「出て欲しいモンスター」でどう?微妙かな?
<<メーダ>>を希望したいだけなんだけどさw
>>52 ぽいなw
てことは次はあのお方ですか
54 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/01(木) 14:33:46 ID:ghb2Dq4K
55 :
向こうの人:2005/09/01(木) 15:29:41 ID:eP85XEVh
こちらこそどうも。
仕事の息抜きに使わせてもらうよ。
あの1は反則。予想外だった。
56 :
向こうの人:2005/09/01(木) 15:32:07 ID:eP85XEVh
出て欲しいのは<<キラーマシン>>だな
1でも2でもいい
人気投票なんかやってたのかよぅ!
バブすけに入れたかったのにいぃ
まあいいや
バブすけほおおおぉぉしゅ!!!!
僕たちの周りをモンスターが囲む。
くっ。まさか敵に回るとは。
スラングが僕に向かって叫ぶ!
「なあ!いいんだな!?やっていいんだな!?」
確認しているのだ。僕は黙ってコクリと頷いた。
僕たちに協力しないのならば立ち去るだけだ。でも敵に回るのであれば今倒さないといけない。
「あいつを倒す!」
僕の前に地獄の門番が立つ。傍らには奴隷兵士が立っている。
奴隷兵士は汚い布で地獄の門番の持つ巨大な骨を磨いている。綺麗に磨き終わるとにやーと笑った。
僕は部屋の隅に袋を置いた。戦闘の前には身体から離す。汚れたり破けたりしないよう注意するのだ。
既にバーニングブレスとラリホーンがマグマンに攻撃を仕掛けている。問答無用だ!
バーニングブレスの火炎の息に合わせてラリホーンが突撃する!
妖術師はおじいさんに襲い掛かっている。
まずい!おじいさんはホイミンを助けるために力を使い果たしたのだ!
間にゆうぼんが割って入る!こっちが終わるまで堪えててくれ!
そしてスラングにカメレオンマンだ。カメレオンマンは高い声で下品に笑う。
「ひゃっひゃっひゃっ。お前は僕に勝てないよ〜。絶対勝てないよ〜。」
ホイミンは遠くに陣取り攻撃を受けないように気をつけている。
地獄の門番が僕に殴りかかってきた!
避けるとその一撃が床を砕く!とても破壊力のある一撃だ!
十分実力のある相手だろう。しかしデビルアーマーに感じたような驚きはない。
この程度の攻撃力ならば何度も見てきた。
おじいさんとゆうぼんが危ない!申し訳ないがすぐに決着を付けさせてもらう!
「イオナズン!」
大爆発に巻き込まれ地獄の門番がボロボロになる。せっかく磨いた巨大な骨も折れてしまった。
奴隷兵士にとってはまさに骨折り損のくたびれ儲けだ。
しかし流石というべきか。一発では倒れなかったのだ。再び攻撃を仕掛けてくる。
奴隷兵士は両手を胸に当ててオロオロしているだけだ。
攻撃を避ける!
「イオナズン!」
地獄の門番はよろよろと倒れこんだ。
すぐにでも仲間の元へ駆けつけたいが油断してはいけない。
これは以前得た教訓だ。止めを刺さなければいつ蘇るか分からない。
「イオラ!」
地獄の門番は粉々に砕け散った。・・・意識がないのにごめんよ。
僕は奴隷兵士の方向へ目を向ける。目が合う。にやーと笑う。
しかしすぐに目をウルウルとさせて涙を流した。僕が近づくとゴロンと転がり死んだ振りをはじめる。
それでも僕は近づく。あわてて逃げ出そうとしている。背を向けて必死だ。
まさか上司がやられるとは露にも思ってなかったのだろう。
・・・ごめんよ。
「イオナズン!」
奴隷兵士が絶命したのを確認して僕はおじいさんの方へ向かう。
ゆうぼんが妖術師に体当たりを食らわせている所だった。
「えらいぞ!ゆうぼん!」
僕はそう言ったあとベギラゴンで妖術師を倒しきった。
おじいさんにもつむりんにもゆうぼんにも怪我はない。
他の戦局を確かめる。
カメレオンマンは周りを見渡し不自然な動きをしている。
「なぜだ!?なぜ始まらん!!」
スラングが馬鹿みたいに笑っている。
「あっはっはっはっは!あっはっはっはっは!はははは!ははっ!ふははははは!あはははははは!!!」
カメレオンマンが困惑して叫ぶ!
「なにがおかしい貴様!」
「はっはっはっは!だってよぉ・・・。
おまえ馬鹿みたいじゃネーか!来ねえ奴を待つなんてよぉぉぉ!
くっくっく!腹がいてぇ!!!」
カメレオンマンがビックリする。
「なっなんの話だ!」
「あれだろ?おまえに意識を集中させておいて他のモンが攻撃するって奴!
使い古された方法だぜ!しかも相方は双子か兄弟だったりするんだろ〜?
なあ!馬鹿みてえだよな!なっ!」
カメレオンマンが肩を震わせる。
「おっおまえまさか弟を・・・。」
「はっはっはっは!うまく隠れたつもりだろうが俺たちの後をつけさせたのは失敗だったな!
まあ仕方ない。付きまとってねえといつ戦いが始まるか分かんねえからな〜。
余りにもウゼーんでさっさと片付けちまったよ!
バキバキにした後は通路の奥に突っ込んどいたぜ!
そのために別行動までしてやったんだ。
ひひひ。うまく隠れてたつもりだったんだろうがな!
見つかった時のあの顔ときたら・・・思い出すだけでヨダレが出てくるぜ!情けねえぇぇぇ!
そう!今のあんたの顔みてえだよぉぉぉ!あっはっはっはっは!
あいつは弱かったなぁ。おまえは楽しませてくれるんだろうなぁ。
ふはははは!はははははははははは!あははははははははは!」
カメレオンマンが戦意を喪失して後退する。
「嘘だ・・・嘘だ・・・。」
「あっはっはっはっは!俺はなあ!
調子に乗ったあと怯え切った奴を嬲るのが大好きなんだよ!おまえみたいにな!」
次の瞬間スラングは一瞬で間合いを詰めた。
ひぃぃっとカメレオンマンが悲鳴を挙げる。
スラングはそのままカメレオンマンを殴り倒した。
「どうしたーーー!?
どうした!どうした!どうした!どうした!どうした!どうした!どうした!どうしたーーー!?
ふはははは!ふはははは!ふははははははははは!はははははははははは!」
スラングがとびっきりの笑顔を見せて馬乗りになる!
「ひゃっひゃひゃひゃ・・・たっ助けっ・・・助けっ・・・!」
「はっはっはっはっは!はっはっはっは!やっぱりこうじゃなくっちゃなあ!
俺が楽しんでこその戦闘なんだよぉぉぉ!はじめて見た時からおまえを嬲り殺したかったぜぇぇぇ!」
ぐちゅ!ぐちゃ!びきぃ!ぬちゃ!じゅる!ずるずる!ぶしゃあぁぁぁ!
「ふはははは!ふはははは!ふははははははははは!あっはっはっはっは!
どうした!?もっと鳴いてみろよ!許しを請え!反撃しろ!このままじゃ死ぬぞぉぉぉぉぉぉ!」
カメレオンマンが動かなくなってもスラングは殴り続けている!
・・・可哀想だが相手が悪かった。
僕はマグマンの方に目を向ける。
ラリホーンは既にボロボロだがバーニングブレスが無傷だ。炎対炎なので決着がつかないのだろう。
僕は持ち前の速さでバーニングブレスの真横につく。
僕を見てバーニングブレスは驚いた顔をしている!
状況が飲み込めないのだ!
「イオナズン!」
バーニングブレスは大爆発に巻き込まれ四散した。
同時にマグマンがメラミでラリホーンに止めを刺す。
僕は王座を睨みつけた。
主は驚くことなく構えている。
「次の者たちは今の者たちとは一味違う。うまく行くかな?」
その声と同時に王の間の扉が開く。
やってきたのは例の禍々しい像たちだ!ただの像ではなかったのか!
八匹も居る!
おじいさんが叫ぶ。
「気をつけい!ストーンビーストというモンスターじゃ!勇者を何度も倒したという種族じゃ!」
ならば速攻!
僕はみんなの元を飛び出して扉に走った!
そんな事を聞いたら手を抜けない。元々抜くつもりはないんだけどさっ。
「イオナズン!」
八匹全員が大爆発に巻き込まれる!
しかし流石は強いと噂のモンスターだ!傷を負いながらも一匹も倒れていない!
逆に呪文を唱えようとしている!しかし僕に呪文は効かない!この距離ならばみんなも大丈夫だ!
避けずに反撃のチャンスを窺う!
「ベギラマ!」
八発にも及ぶベギラマが僕を襲う!しかしダメージはない!
「もう一発!イオナズン!」
二度の大爆発に巻き込まれストーンビーストは全て倒れこんだ。
「止め!イオラ!」
微かに動いていたモンスターも動かなくなる。
ふうー。流石に力を使いすぎたか。少し疲れを感じた。
しかしそんなことは言ってられない。
僕はみんなの元に戻った。ホイミンが笑い転げるスラングを引っぺがしている。
全員そろった。
僕は再び王座を睨みつけてやった。
つづく。
64 :
名前が無い@だだの名無しのようだ :2005/09/03(土) 23:40:06 ID:EgN9rAS4
<<ジャミラス>>保守
このまま続けばいづれ・・・このお方が・・
↑まてムドーはブースカだった
きっとジャミラス様は<<エビルホーク>>様だ
今週の感想
奴隷兵士(´・ω・)カワイソス
スラングツヨスwww
奴隷兵士様無駄にキャラ立ってるよ
もはやスラングどころじゃねぇ、クレイジーだ…。
67 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/06(火) 11:17:47 ID:yVDkRtM3
>>66 はぐりんも負けていたら(((;゚Д゚)))ガクガク
俺は好きだぞ>狂ってる味方
ブースカならイオナズンと凍える吹雪か…。
手強いな
<<ウコッケ>>様
ジャミラス様も捨てがたいけど票が無かったので…。
いやいや鳥の王様といえば<<ジャミラス>>様だろう。
こんがり焼くと旨そうだ。
「わっはっはっはっ。お前たちのような虫ケラがこの私をたおすことなどできぬ!」
僕たちから王座までは程遠い。しかし声ははっきりと聞こえる。決して強がりではない、どっしりと落ち着いた声だ。
モンスターは悠然と立ち上がっては続けた。
「私には五百からなる私兵が残っている。だがお前たちに貴重な兵力を割くわけにはいかぬ。
私が直々に殺してやろう。」
そういうとモンスターは右手を斜め上に挙げた。ゆっくりと三日月を描くかのようだ。
僕の身体がふわっと浮かび上がる。突然のことで状況が飲み込めなかった!
「えっ?えっ!」
「先の戦いで既に見極めている。お前さえ居なければ後始末はたやすいものよ!」
モンスターの声を合図に僕はぐるぐると回り始めた!
「何を!」
マグマンがそういって飛び掛る!
回転が速くなる!大きく弧を描く!状況が把握できなくなってきた!
「メラミ!」
メラミが放たれる!しかしその一撃は軽やかに避けられた!右へ飛んだのだ!
「こいつ!太ってる癖に!」
マグマンの声が上がる。
続いてスラングが攻撃を仕掛ける!
「ふざけるなよ。俺の始末がたやすいか・・・試してみろ!」
モンスターは天井ギリギリに飛び上がった!力を溜めた一撃も避けられては意味がない!
ここから先はもう訳が分からなかった。僕は視界がぐちゃぐちゃになり、不覚にも意識を失ってしまった。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ズズン!
うーん。どうやら僕はベットから落ちてしまったみたいだよ。
いつもと変わらない風景。僕の家だ。
昨日は他のメタルスライムに虐められて眠っちゃった。そんな気がする。
「あらあら。大丈夫。」
お母さんが心配して声を掛けてくる。
どうしてだろう。お母さんの顔がぼんやりとしてはっきりしない。
まあいいや。僕はここでのんびりしていればいいんだから。
そうずっとここで・・・。
!?
ズズン!
うぅっ。いたい!
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
意識がはっきりしてくる。
僕は・・・地面に落ちたのか?
「どうだ!?舐めるなーーー!」
雄叫びの様に響くマグマンの声だ!
モンスターが倒れこんでいる!スラングが火傷を負っているがマグマンは無傷だ!
モンスターは埃を落としながら立ち上がった。多少焦げているもののダメージは薄そうだ。
「火柱・・・面白い特技を持っておるな。呪文を唱えずに出せるのか。油断した。」
身体に触る何かに気づく。よく見るとゆうぼんが抱きついている。
「よかったぁ。スラングがもう一度攻撃を仕掛けたんだよ。あいつが吐いた燃えさかる炎の中に飛び込んだんだ!
その攻撃はまた避けられちゃったんだけど、マグマンがとうとう火柱をぶち当てたんだ!」
僕はゆうぼんに起こしてもらった。そして声を掛ける。
「みんなは下がってて。三人で戦えばきっと勝てる。」
ガクッ。
動こうとして僕は違和感に気づいた。
身体が動かない!いや下半身が動かない!
僕は自分の足元を見て驚愕した!
僕の身体の底が固まっている!?いや違う!これは石だ!石になっているんだ!
しかも少しずつ、限りなく少しずつだが症状が進行していく!
モンスターが笑い声を上げる。
「わっはっはっはっ。・・・手遅れだったな。」
マグマンが問い詰める!
「なんだ!?はぐりん!何かあったのか!貴っ様ーーー!はぐりんに何をしたー!?」
モンスターがニヤリと笑う。
「奴は石になる。不覚にも術は中途半端だった。全身を変えられなかった。だがもう止まらない。
この術を作り出した『魔王』は同時に幾人もの人間を石にしたという。私にはそれだけの魔力はない。
しかしその『魔王』も戦いに敗れ倒れたそうだ。術とは見破られる時があるのだ。
私は術よりも戦闘能力に磨きをかけた。偉大なる伝説は活かさなければならぬ。」
「石になるだと!?そんなことは俺がさせん!」
マグマンが言い返す。
「私を倒せば止まるかもしれぬ。だが無理だ。言ったであろう。後始末はたやすいと。」
「ほざけえええぇぇぇぇぇぇ!」
マグマンではなくスラングが攻撃を仕掛ける!軽く見られて激昂したのだ!
モンスターが左手を挙げる。
突然他の者がスラングを蹴り飛ばす!
あれはカメレオンマン!?・・・違う!色が違う!
不意打ちとはいえスラングに一撃を加えたのだ。あんなちゃちな相手じゃない!
紫色の服を着ている!おじいさんが「きりさきピエロ!」と叫ぶ!
そして王室の奥から一匹のモンスターがやってくる。デビルアーマーだ。
三対二か・・・ああっ違う!
きりさきピエロが次々と姿を現す!七ッ八ッ・・・十二!?
スラングが立ち上がる。
「けっ。うじゃうじゃ出てきやがって!ピエロ野郎どもが!蹴った覚悟は出来てるんだろうな!?」
しかしピエロたちはそんな問答に付き合うはずがなく、一斉にスラングに襲い掛かった!
スラングは一撃二撃と攻撃をかわすが、徐々に避けきれなくなってくる!
腕に付けられた鉄の爪があやしく光る!とうとう身体が切り裂かれてしまった!
ズシュッ!バシュッ!
「ぐあぁっ!てめえ!ふざけっぐっがぁぁああああああ!!」
ズバハッ!バハッ!
ズンンッ!!!
最後の一匹が鉄の爪でスラングの腹を貫く!スラングは裂傷で血まみれだ!
「ぐっ!てめえら・・・それで鉄の爪を扱ってるつもりかよ。
ごほっごふっ・・・ふはは。笑わせやがって。ははっははは・・・はははは!」
スラングはボロボロのまま首に手をやった。
首には例の小袋が掛かっている。小袋の中・・・!何が入ってるんだ?
袋の中から取り出されたのは一つの鉄の爪だった!
スラングも鉄の爪を使うのか!?
マグマンはどうしてる?
青いモンスターとデビルアーマーに挟み撃ちにされボロボロだ!
「ホイミン!なんとか近づけないかな!僕に出来ることはやるからさ!」
僕はホイミンに呼びかける!
しかしホイミンの返事は返ってこない!
「ホイミン?」
まさか!?・・・僕は体をよじる様に後ろを振り向く!
おじいさんが人差し指を口に当てている。
ホイミンは目を瞑り、気を落ち着かせている。身体が少しずつ光っているかもしれない。
「ふうっ。驚いた。なにか手があるんだね!」
僕はそういうと無理矢理笑った。
次の瞬間ホイミンは目を見開いた!同時にまばゆい光がホイミンを包む!
「ベ・・・ベホマラーーー!」
この呪文は!修行でこの呪文を取得していたのか!
床に緑色の光が広がっていく!
マグマンもスラングも身体の傷が癒えていく!
「もうぃぃ一回!ベホマラー!」
二人の傷が完治する!
スラングが腹に突き刺さった鉄の爪を無理矢理外す!その下に傷跡はない!
「はっはっはっはっ!くらげ野郎!やってくれるじゃネーか!見直したぜ!
てめえら・・・てめえら!俺様は痛いのが大っ嫌いなんだよーーーーーーーーー!!!」
叫ぶと同時にスラングの姿が消える!
次に姿を現した時、ピエロの首が二つ飛んだ!
青いモンスターが苦笑いする。
「回復呪文とは運のいい奴らめ。デビルアーマーよ。この雑魚は私一人で十分だ。残りを片付けて来るとよい。」
なんてことだ!デビルアーマーがこっちに向かってくる。
初めて会った時を覚えている。彼は強いはずだ。三人以外じゃ勝てない。僕がなんとかしなくっちゃ!
「はぐりん!」
ホイミンが僕に声を掛ける。
「大丈夫。口は動くから。それより攻撃に気を付けて。」
「分かりました。ただ、ベホマラーはあと数回しか使えません。消費が激しいんです。
使い慣れてないため時間も掛かります。」
「分かった。ダメージを抑えなくっちゃね。見てて。僕も頼りになるところも見せるから。」
デビルアーマーは目の前だ。ナギナタをぐるぐる回している。
意外なことに声を掛けてきた。
「残念です。陛下の元に募って下さればどんなに嬉しかったことか。」
「ごめんね。僕たちあの王様とは仲良くなれなさそうなんだ。」
「そうですか。貴方は時期に石になります。小突けば簡単に砕けるでしょう。
失礼ですが、避けて後ろの方々を狙わせて頂きますよ。」
僕の石化は既に口の下まで来ていた。
「宣言してくれるなんて助かるよ!」
デビルアーマーがナギナタを振り回し牽制してくる!
「いくよ!イオナズン!」
デビルアーマーは呪文に耐えそのまま上空に飛んだ!
そのまま飛び越えるつもりだろう。そんなことは百も承知だ!
おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!
僕は全神経を呪文に集中した。
例え僕の後方に居ようと巻き込んでやる!
「これが避けれるものか!イオナズン!」
天井の大部分を大爆発が包む!
今まで最大級の爆発だ!全身全霊を込めたイオナズンだ!
ギギギィッギシャアァ!
デビルアーマーが天井に張り付く音、ねじれる音だ!それ以外はない!
あいつは今!僕の後方!天井に居る!
『ここからじゃ呪文が撃てない!?』そんな弱音は吐かないぞ!
僕はどんな状況でも!不利な状況でも!もう足手まといにはなりはしないんだーーー!
「イオラ!」
僕の足元前方に呪文を撃つ!あ〜〜〜っくぅ!痛い!石になってた部分が砕け散る!
こんなもの!あとで治せばいい!
そうさ。強敵相手に無傷で済むものか!マグマンもスラングも怪我を負っている!!
僕の・・・目の前に・・・デビルアーマーだ!
コイツはちょっとやそっとじゃ倒れない。倒す機会は今しかない!
「こっちを見ろーーー!!!強い!強いモンスターめーーー!
ベギラゴン!ベギラゴン!ベギラゴン!
うおおお。もう一発!おまけにベギラゴンだーーー!!!」
巨大な閃熱が天井を溶かしきる!
ホイミンたちもマグマンたちもピエロたちも青いモンスターですら閃熱を見上げた。
僕は・・・地面に倒れこんだ。
ドスッ!
なにかが僕の顔の横に落ちてくる。真っ黒焦げのナギナタだ。床に突き刺さることなく、一瞬で崩れ去った。
きっと僕に向かって投げられたのだろう。だから届いたのだ。
それ以外は落ちてこない。落ちてこようもない。目の前には巨大な星空しか見えないからだ。
僕はホイミンに起こしてもらう。ホイミも掛けてもらうが、身体の底は治らない。
ホイミン曰く。石に変える呪文など知らないらしい。きっと一部のモンスターのみに伝わっている術なのだそうだ。
こうなったらマグマンとスラングを信じるしかない。
二人は?
マグマンは青いモンスターと戦い続けている!
ベギラゴン以外の呪文は避けられてしまうようだ。
青いモンスターはルカナンを使うようで通常攻撃でダメージが蓄積していく。
くっ僕がまともならスカラを使えるのに!
スラングは順調にピエロを打ち倒している。
しかし深い傷も負い続けている!攻撃を避け切れないのだ!
ホイミンが僕に視線を送る。
「再び・・・ベホマラーを唱えますよ。完治するまで二回分!」
二人ともボロボロだ。唱えなくては手遅れになるかもしれない。僕ははっきりと頷いた。
ホイミンは精神を集中した。時間が経つ間に二人の怪我が酷くなっていく。マグマンが地に伏した!
「行きますよ!ベホマラー!・・・あぁぁ!ベホマラーーー!」
再び床に緑色の光が満ちる。二人の傷が完治する。
マグマン。
「ありがてぇ!元気になったぜ!
魔王さん!あんたは少し動きが落ちてるぞ!ベギラゴン!」
スラング。
「はっはっはっはっは!あっはっはっはっは!きりさきピエロが切り裂かれて泣いてやがるぅ!
どうした!どうしたーーー!鉄の爪の使い方が分かったかー!背を向けた奴から貫くぞ!
見ろヨォォォ!血のシャワァァだー!身体は鮮血で洗わなきゃ嘘だよなぁ!!!
まるで噴水だ!お前の血だよぉぉぉおおお!ふはははははははははははははははははははは!!!」
スラングはやり過ぎだけど・・・二人とも押している!
青いモンスターが一匹、きりさきピエロが四匹だ!
マグマンが攻撃をギリギリでかわす!
スラングが背にダメージを受けつつも更に二匹倒す!
マグマンが至近距離でベギラゴンだ!とうとうモンスターが吹き飛ぶ!初めて地に手を着く!
スラングが一匹の胸を貫く!笑いながらそいつを嬲り続ける!もう一匹が逃げ出す!
83 :
はぐりん ◆F/WveZadCU :2005/09/11(日) 16:45:59 ID:cyvRHWuu
青いモンスターが初めて叫びながら攻撃を仕掛けてくる!
「ぉぉぉ!おおお!ぬおおおおおーーー!!」
すざまじい連続攻撃だ!両手は床を粉砕し!口からは燃えさかる炎を吐く!
僕でも避け切れないスピードだ!マグマンは全ての攻撃をその身に受けた!
炎は効かない!打撃は致命傷にはならないよう受けている!
連続攻撃は終わらない!両手から稲妻を繰り出し!口からは凍りつく息を吐く!
ああマグマン!この攻撃は受けちゃいけない!しかしマグマンはベギラゴンで相殺する!
とうとうマグマンは全ての攻撃を凌ぎ切った!!
「これでお終いか!この呪文は避けれないって分かってるんだろ!?
さあ食らえよっ!ベギラゴン!!!」
ゴオォォォッ!
モンスターは閃熱に包まれて倒れこんだ!もう動かない!
ちょうどスラングがきりさきピエロに『止め』を刺した瞬間だ。
マグマンが王座の前から帰ってくる。ホイミンがベホマラーを唱える。
ハッピーエンドだ。
ゆうぼんがつぶやく。
「ねえ。あのモンスター倒れたんでしょ?お兄ちゃんの身体治らないのかなあ。」
つづく。
ドキドキ…。
只今、Yを再プレイ中
「出て欲しいモンスター」結果発表!
2票
ジャミラス様
1票
メーダ
キラーマシン
エビルホーク
ウッコケ
ジャミラス様一位
鳥の癖に(><)
次「印象に残った敵」
<<ホークブリザード>>
だって鳥だもん(゚∀゚)
マグマン勝ったの超久々
おめ
ボス相手に初勝利?
>>84 実況汁
87 :
84:2005/09/15(木) 03:24:18 ID:9U6RbTKB
>>86 さっき、デスタムーア倒しちったよ…。
印象に残った敵
<<サイモン>>に一票。敵ながら格好よかった
我らのジャミラス様が
>>87に負けたというのか!?
ところでテリー使ってる?w
サイモンって今戦ったら瞬殺されるかもしれないな。結構好きなんだが。
<<メッサーラ>>
説明不要?
なんだか今までの内容忘れてきたから一回読み返そうかな…
ジャミラスなんて出て来たっけ?
きっと倒すだけじゃ治ら・・・!
ゾクッ!!!
おかしい!なんだ!この圧迫感は!
立っているのも辛い様な・・・体がガクガク震えるような・・・!
馬鹿な!身体が怖がっている!?僕だって強くなったのに!
マグマンが後方を振り返る!
同時にこっちまで吹き飛んでくる!
殴られたのか?ここまで!?
スラングが裂きに掛かる!
しかし大爆発で押し戻された!
こっちに来た時には傷だらけだ!
爆風の中に影が見える。よろよろと歩いている。爆風が・・・消える!
例の青いモンスターが立っている。
マントはボロボロで体中怪我だらけだ。どうみても戦える状態じゃない。
目が裏返り白目になっている。口からはヨダレを垂らしている。
しかし体中の血管と神経が浮かび上がり、何かをぶつぶつ呟いている!
「なぜだ・・・!? こんな虫ケラどもにこの私がやられてしまうとは・・・。」
一歩前に進む!
「わが名はブースカ。世界をわれら魔族の物にするまで まだほろびるわけにはゆかぬ!」
白目から目が戻る!意識が戻ったのか!
「ぬおおおー! かっー! さあ来るがよい! 私の本当のおそろしさを見せてやろう。」
マグマン。
「そんな・・・完全に意識を断ち切ったはずなのに・・・。」
スラング。
「おい逃げるぞ!俺は弱い者イジメが好きなんだ!あんな化け物と戦えるか!」
ホイミン。
「そんな。回復呪文を唱えていないのに傷が塞がっていく。たっ倒すなら今しかありません!」
僕。
「みんな。逃げて。誰も庇わないで済むなら、きっと相打ちに持っていける!」
ゆうぼん。
「あああっ。怖い。ごめんお兄ちゃん。僕、腰抜けちゃったよぉぉ。つむりんも気絶しちゃったよぉぉ。」
おじいさん。
「ブースカか。『書』にもここの王としか載っていないようじゃ。別世界の魔物の子孫かもしれんのう。」
マグマン。
「流石じいさんだ。こんな時にも落ち着いてる。俺は残るぜ。石になりかけたお前じゃ相手にならない。」
スラング。
「クソッ。てめえらが残るのに俺だけ逃げられるかっ。」
ホイミン。
「あと二回はベホマラーが使えます。最高のタイミングで使いますから。」
ゆうぼん。
「僕・・・お兄ちゃんたちを置いていかないよ!」
僕。
「今回の冒険はやっと四分の一だったね。醍醐味を味わう前にやられちゃ馬鹿だ。馬鹿にはならないっ。」
マグマンとスラングが前に出る!
僕の後ろにみんなを下げる!
ブースカが両手に力を込めた!
両手に光の玉の様なものが出来る!両手で使う呪文は最上級の呪文に違いない!
さっきの大爆発!?
僕が叫ぶ!
「距離を取ってーーー!」
「イ・オ・ナ・ズ・ン!」
マグマンとスラングが左右に散る!
爆風を受けたが直撃じゃない!大したダメージではないはずだ!
スラングが叫ぶ!
「援護しろーーーーー!」
「分かってる!ベギラゴン!」
しかしベギラゴンは凍える吹雪でかき消される!
スラングはそのスキを突く!ブースカを切り裂く!
ブースカがうめいた!?ダメージがあった!?
しかしそのままスラングは掴まれて真下に叩きつけられた!
床が砕け散りスラングが悲鳴を上げる!
ブースカが両手に光の玉を作る!止めを刺すのか!
ズォォォ!
火柱だ!ブースカの体勢が崩れ呪文が不発に終わる!
いや終わっていない!光の玉は残っている!
逃げなきゃまずい!
スラングがこっちに戻ってくる!マグマンもだ!
「イ・オ・ナ・ズ・ン!」
二人とも爆風に巻き込まれる!
こっちに帰ってきたがボロボロだ。
歯がゆい!僕が居れば互角に戦えるのに!
ホイミンがベホマラーを唱え始める。
スラング。
「ハアハア。んああ。焚き火野郎。作戦タイムだ。呪文も特技もさっきまでとは段違いだ。
直撃でも食らったら一撃であの世に行っちまう!だが・・・身体能力は変わってねえ!
変わってねえどころか火柱でも大ダメージだ!体だってピエロみたいに柔らかかった!
体力も身の堅さも落ちてやがるんだ!っ無理もねえ!
あんなボロボロの状態からフルパワーを出したんだ。傷は癒えても限界は超えちまってやがんだよ!」
マグマン。
「イツツッ。言いたいことは分かった。俺たちが倒れるか、あいつが倒れるか二つに一つってことだな!
今ので相当削ったはずだ。翻弄して攻めまくる。直撃しない限りは攻撃も気にしない。当てること最優先だ。
まっ。かわせないってのが本音だがな。」
ホイミン。
「ベホマラー!頑張ってください!二人とも!」
スラング。
「フン!温いこと言いやがって!こっちの身になれってんだ!」
マグマン。
「ありがとう。だいぶ楽になったぜ。あいつはどうしてる?」
僕たちはブースカに視線をやった。
なんと大胆にもブースカは目を瞑っている!異常な速さで火傷と裂傷が治っていく!
おじいさん。
「分かったぞ!瞑想じゃ!それが異常な回復の正体じゃ!奴に精神を集中させてはならん!」
マグマン。
「つまり畳み掛けろってことだな!」
スラング。
「行くぞ逆にチャンスだ!」
二人が動いた直後にブースカが目を開く!
傷は癒え切っていない!声が聞こえたのか気配で察したのか!
二人は舌打ちしつつ先に進む。
しかし驚くべきは次に起きたことだった!
一瞬違和感を感じた。
次の瞬間マグマン、スラング、ゆうぼん、ホイミンが一斉に倒れこんだのだ!
僕は困惑する!
──分からなかった!僕は二人を見てた!何をされた?毒?睡眠?麻痺?ラリホー?違う!一瞬だった!
おじいさんが「寝ているようじゃ。」と告げる!
強制睡眠の術!?
まずい!ブースカが前に出る!
両手に光を!二人目掛けてイオナズンを!
大爆発が起こる!
二人が僕の横まで吹き飛ぶ!
マグマンの炎は小さくなり岩石が見え隠れする!スラングはうっあっあっと言って痙攣している!
「ぐっ。おじいさん起こして!ホイミンをー!」
おじいさん。
「ホイミンもゆうぼんも爆音で起きた!じゃが何故眠ってしまったのか分からんのじゃー!」
マグマンとスラングがカタカタ震えながら立ち上がる。「・・・まだ・・・。」と呟く。
僕はゆうぼんを呼んだ!何が起きたか聞くのが一番だ!
しかし次の瞬間今度は僕とゆうぼんを除いて全員が倒れこんでしまった!
ゆうぼんが起きたことを告げる。
「あいつを見てたんだよ。そしたら急に気持ちよくなって・・・。
まって・・・。そうだ!確か瞳が怪しく光った!」
それだ!怪しい瞳!目が合うと眠ってしまうに違いない!
石に変える術に強制的に眠らせる術。こんな恐ろしい特技を持つなんて!
ブースカが一歩一歩近づいてくる。
もう僕たちの目の前まで来ているはずだ。
今ここで攻撃されたら!
僕は前を向く!目を見ないように足元を見る!
本当にすぐそこだ!
僕だ。僕が防ぐしかない。何度でも呪文を唱えてやる!
ホイミンさえ起きればまたみんな戦えるんだ!
「・・・・・・!」
!!!
呪文が唱えられない!
いや!声が出ない!
まさか・・・ああ・・・そうだ・・・僕はもう口が動かないんだ!
口まで石になってしまっている!
今・・・呪文を唱えないとみんなやられてしまうのに!!
ブースカは僕の口が動かないことに気づいたのだろうか。笑い声を上げた。
大きく息を吸う。吸っていく音をゆっくり聞かせる。まるで死のカウントダウンの様だ!
僕は涙が出てきた。
涙まで石になってしまうのだろうか。
口なんて砕けていい!一度でいいから呪文を!
くっぐっぐぐ。ぁぁあ。口が砕け始めた!身体中にひびが入る!だが出せる!?
行くぞ!
「イオ!!!」
小さな爆発が起こる!・・・僕じゃない!
音でみんなが目を覚まし始める。
ブースカは予想外の音と攻撃にビックリしたようだ。
「・・・ひっく。ひっく。イヤだ!イヤだ!来るな!みんなのところに来るなーーー!」
97 :
はぐりん ◆F/WveZadCU :2005/09/18(日) 01:29:07 ID:4ZlCaYg9
ゆうぼんがブースカに飛び掛る!
攻撃を掻い潜り口まで上った!顔面に呪文を唱える!
「イオー!」
ああっ!まるで旅に出た頃の僕のやり方だ!
いつの間にイオを・・・城でだろうか。
ゆうぼんの歳で僕はこんな化け物に立ち向かえただろうか?
少し前にさまよう鎧から逃げたことをはっきり覚えてる。
ゆうぼんの年の頃だったら住処でずっと泣いてるだけだった!
なんて・・・なんて強い子なんだ!
ブースカは息を吐き損ね、怒り狂いゆうぼんを捕まえる!
そのまま両手で引きちぎろうとした!
「うわーーー!助けてーーー!お兄ちゃんーーー!」
うおおおおおおおおおぉぉぉ!させるかぁぁぁ!体よ動けえええぇぇぇ!
弱々しく声が響く。
「最後の・・・ベホマラーです。」
僕の前にマグマンが飛び出す!
「俺たちの坊やに手を出すんじゃねえ!!んおおおおおおぉぉぉぉぉぉお!
この距離じゃ避けようもねえだろう!取って置きの呪文で燃え尽きやがれ!
メラゾーーーーマ!!!」
つづく
激しく乙です!
ブースカ強ぇー(;゚д゚)
>>88 ジャミラススレの前でいたぶり殺してやったぜ。
ゆうぼんが健気。
>>89 ジャミラスは出て欲しいモンスターで挙がってるだけだよ。
>>98 信者の前で公開処刑かよw
100 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/20(火) 01:24:36 ID:+t/Du7Lq
天国スレ落ちたね。土曜に書き込みがあったのに昼には落ちてた。
地味に面白かったんだがしょうがない。
最近は圧縮早いんだなー。
<<奴隷兵士>>
最近のキャラで一番インパクトがあった(・∀・)イイ!
101 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/20(火) 01:27:42 ID:+t/Du7Lq
100&101匹ワンちゃんゲッツ(・∀・)
<<ホークマン>>
あそこまで純粋な悪はそうはいない。
つスラング
ホークマンは雑魚の一匹って感じが良い
強くはないけど難敵なんだよな
ピエールの気持ちが分かったのはこいつとダークスライムのおかげ
ダークスライムもいいな
特大級の火球がブースカを襲う!ブースカの倍は大きい火球だ!
ブースカは火球に飲まれながら王座まで吹き飛んでいく!
ゆうぼんは手元を離れ転んだ後に僕たちの方へ戻ってきた!
ああ元気そうだ!!!
マグマンがゆうぼんの頭を撫でる。
「はぐりんのお兄ちゃんは喋れないから、俺が代わりに言ってやる!
『よく立ち向かった!よく頑張った!よく元気に戻ってきた!!!』
なあはぐりんよぉ!あんなに頑張ってもらったらもう負けられないぜ!!」
マグマンは大声でそう言い放つと単身でブースカに向かっていく!
休ませない気だ!
打撃を避け続ける!イオナズンを火柱で使わせない!凍える吹雪をベギラゴンで相殺する!
例え攻撃を受けても紙一重で直撃しない!
スラングは!?
右前方で震えている・・・。死にかけたのだ。仕方ない・・・か。
いや何か叫び始めた!
「ふざけるなっ!震えるんじゃねぇぇぇ!あのチビだって立ち向かったんだぞ!あんな肥満体怖くも何ともない!
そうさ!俺様は無敵のスラング様だ!あんなデブの首なんざピエロの様に刈り取ってやる!!!
ウぉぉおおおおおおおあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
スラングは力を溜めて飛び出して行った!
僕は戦いを見守ることしか出来ない。
・・・いやそれすら出来なくなってしまった。
目が見えなくなった!
いよいよ石になる時が来たのだろうか?
ズォォォ!
これは火柱!
ズバババッ!
スラングか!
ヒュォォオ!
凍える吹雪!?もらったのか!
ズバッ!
スラング!
ドゴン!
打撃!?
ドォォォン!
イオナズン!?
ギギギ・・・。ググッ・・・。
力を溜めてる?
バンッ!
飛び上がる音!
何故マグマンの音は聞こえない!やられてしまったのか!
あっ。
・・・何も聞こえない。耳もやられてしまった。
ならばもうなにも考えない。
彼らが勝つと信じるんだ!
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
目の前に光が入る!
石化が解けた!?
どうなったんだ!?
視界がはっきりする!
僕が見たのはマグマンの前で大火球に巻き込まれるブースカだった!
吹き飛び王座に倒れこむ!
「こ こ こんなはずでは・・・。」
「はぐりんは取り返す!お前には勝つ!俺たちは負けられないんだよ!!!
メラッゾォーーーマァァァーーー!」
ググォォオオオン!
再度マグマンがメラゾーマを叩き込む!
ブースカは王座ごと吹き飛んだ!!!
マグマンは振り返る。僕を確かめたのだ。
僕はゆっくり微笑んだ。マグマンも微笑み返す。
しかし・・・戦いは・・・まだ・・・終わっていなかった・・・!
マグマンの後ろに黒焦げのブースカが立つ!そのままマグマンを抱きしめる!
「残念ながら私の負けだ。我が夢もついえるだろう。
しかし『魔王』は・・・『魔王』はただでは負けぬ!お前の命!あの世の果てまで持って連れよう!」
そう言うと床に手を着き力を込めた!
瞬く間にブースカの真下を残し床が崩れ始めた!
僕は叫んだ!
「何をする気だ!」
「城を崩す・・・。主の居ない城など必要ない。」
僕は更に叫ぶ!
「五百からなる私兵が居るんだろう!?」
「わっはっはっはっ。『魔王』にとって部下は捨て駒に過ぎぬ。それ以上であってはならぬ!!
捨てる機会がなくなれば、今捨てればよいのだーーー!
くっ。なぜだ・・・。なぜこうなった!?
わっはっはっはっ。はっはっはっはっ。・・・ぐふっ。」
マグマンの声が聞こえる。
「すまない。はぐりん・・・。動けない・・・。お別れだ。」
「なに言ってるんだよーーー!」
「最後に役に立てて嬉しかったぜ。みっともない姿ばかり晒してたからな。
ここも時期に崩れる。早く逃げるんだ。お前が残っていれば俺は安心だよ。」
「置いていけるわけないだろう!」
「五百のモンスターを逃がす役はお前の仕事だろうが!お前がやらなかったら誰がやるんだーーー!」
「くっ。なんで・・・。なんでこんなことに!?」
僕は顔をうつむける。
ギギギ・・・。ググッ・・・。
バンッ!
僕は顔を上げた。
一匹のモンスターが床を蹴り、壁を跳ね、ブースカの前に行く。
「あの世にはお前一人で行きな。」
ブースカの両手両足首を切り落としそのまま横に押し倒した。
「焚き火野郎!これで俺様がどれだけ役に立つモンスターか分かっただろう?」
ギギギ・・・。ググッ・・・。
バンッ!
飛び上がった直後、ブースカが崩れる床に飲み込まれていった!
「良かった!マグマン!」
マグマンが恥ずかしそうに言う。
「はははっ・・・。カッコつけたのに死に場所を逃しちゃったぜ・・・。」
「そんなことどうでもいいよ・・・。うん。」
僕はマグマンにそう言った後スラングに顔を向けた。
よく見ると凍傷が酷い。
「ありがとう・・・本当にありがとう・・・スラング!」
僕はこんな言葉を言う日が来るとは思わなかった。
「おらぁっ。さっさと行くぞ。モンスターを助けるのは手伝わねーんだからな。」
そうだ。急がなくては。
僕は後ろを振り返る。
ホイミン、ゆうぼん、おじいさん、つむりん。全員無事だ。
みんなで顔を見合わせて頷く。
みんなには先に逃げてもらった。
僕はホイミを受けた後、持ち前の速さでモンスターたちに危険を知らせていく。
地下に大量のモンスターが生活していたのには驚いた。
が、細かく調べてる暇はない。
逃げ道を監督し、混乱を起こさないように指示を出す。
全員避難した後、城は轟音を立てて崩れ去った。
僕たちはモンスターたちに洞窟を通って降りていくことを提案した。
少しの間休憩をした。
おじいさんがルーラを使えるようになったので麓に下りる。
麓では二匹のモンスターが僕たちを待っていた。
ハエまどうさんとガンコどり君である。
ハエまどうさんがよろよろとふらつきながら近づいてくる。
「城が崩れた。もしや・・・もしや・・・あのお方になにかあったのか?」
僕は頷いた。
「・・・。僕たちが倒しました。敵に回ると断言なされましたので。」
「ああ!なんということじゃ・・・。わしは悪魔どもをあの城へ連れたのか・・・。」
ハエまどうさんは肩を震わし僕たちに向かってくる!
「お前に・・・お前たちにわしの気持ちが分かるか?
あのお方は我々の希望だったのだ!この島の全てだったのだ!
なぜ住処の若者を差し出したと思う?
なぜ苦しい生活の中あのお方に貢ぎ続けたと思う?
なぜ我々がこの島に残っていると思う?
わしが、この島の者たちが、どれだけあのお方に期待していたことか!
もう生きる希望もない!お前らは刺し違えてもこの島から出させんぞ!」
僕は素早くハエまどうさんの背後に回り、軽く首に体当たりを食らわせた。
気絶するハエまどうさんを受け止めホイミンに見せる。
「ガッガッガッ!アクマ!アクマ!アクマ!アクマーーー!!!」
ガンコどり君が僕を突っつく。
「ごめんよ。ハエまどうさんを見てあげてね。」
僕はそういってみんなの元に戻った。
おじいさんがルーラを唱える。一旦グランスライム様のお城へ戻るのだ。
僕。
「僕たちは正しかったのかな。あの島は指導者を失ってしまったよ。」
マグマン。
「わからねえ。あいつらは世界を支配しようとしてたし、ゆうぼうの味方をしようとしてた。
倒さなきゃゆうぼうたちがより凶悪になってたのは間違いない。
ブースカがモンスターとして本物だったとしてもそれが全てじゃないんじゃないか。」
スラング。
「フン!俺たちには敵だった。それで十分じゃねえか。寝るぜ。俺はーよ。」
僕。
「ありがとう二人とも。僕はブースカよりもグランスライム様の方が王様に相応しいと思う。
それで十分なのかもしれないね。おやすみ。」
その日はお城で眠った。疲れのためか案の定すぐに眠ってしまった。
新しい大陸での初めての冒険。予想以上に厳しい道のりだった。
朝一番に報告を済ませる。そしてグロンテプスさんの待つ場所へ向かった。
そう。目指すは第二の島だ!
つづく。
マグマンかっけぇ、スラングもかっけぇ。
ピエールたちも気になる…。
マグマンが大金星なんて珍しい!
復活したはぐりんが倒すと思ってた。
大金星で本当にさよならかと思ったぜ(;´Д`)
あれ?ボスにマグマンが勝ったことあったっけ?
いっつも最後に倒れてたような?
初勝利?初勝利記念age!
116 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/09/26(月) 01:17:06 ID:cXzCMZ4Y
次のお題希望age
<<印象に残っているシーン>>
それはまた迷うお題だな。後で投票しよう。
一つの島が終わるのに約5回
四つあるから×4で20回
同じ規模の冒険が四つあるから×4で80回
最終決戦やエピローグがあるとして+20で100回
週に一回の書き込み
100週を月に換算すると約25ヶ月
25ヶ月は2年と1ヶ月
あと2年と1ヶ月は続く!
こんなんでました(;^ω^)
天国スレの続きってここでもいいの?
>>120 ここは本スレだし、やめといた方がいいと思う
そうか。それもそうだな。
保守
124 :
age:2005/10/02(日) 17:36:57 ID:3mYM4tFg
age
申し訳ございません。今週分は明後日まで待ってください。
連絡が遅れてすみません。
保守ありがとうございます。
はぐりんたちの力関係で議論希望。
分からなくなってきたのよ。特にマグマン。
6日間の時(ゆうぼう戦まで)は
スタスタ>>>はぐりん=ピエール>マグマン>>>メタリン>ホイミン>>>ゆうぼん
で大体合ってると思う。
マグマンがはぐりんやピエールと同じくらい強い可能性もある。
スラングが山の頂上に登ってsugeeee!の時は
スタスタ>はぐりん>>>ピエール=スラング>マグマン>>>その他
のイメージ。ゆうぼんを守った辺りからはぐりんは強いと思うのね。
で問題はマグマンが修行の成果を見せた今
スタスタ>はぐりん>>>ピエール=スラング=マグマン>その他
でいいと思う?
もしこう考えるとマグマンが元々ピエールと同じくらい強いと考えた場合、スラングを抜いちゃうんだよね。
かといって邪悪な騎士に匹敵するピエールが三匹の中で一番弱いとは思えない。
ベホズンの位置もよく分からん。
はぐりんはビッグバンなしのスタスタくらい強いよね?
今サイモンと戦えばデビルアーマーみたいに瞬殺しそう。
ブースカとタイマンで勝てそうだもん。
俺ん中では、
ピエール>>>マグマン≧スラング
っていうかんじかな。
スラングが初めて出たときは、はぐりんにけっこう軽くあしらわれてたし。
五十七日目。グロンテプス号に乗っている。
第二の島は形が随分と変わった島だった。
本島というべきか、真ん丸い島とその脇の小島で構成されていたのだ。
小島は本島の周りを回っていてひょっこり浮いているかのようだ。
浮き島なのだろうか。ひょうたんの様な形だ。
・・・って。
「ひょうたん島!?」
あの小島すっごい!すごいすごい!とっても変わった形なのでドキドキする!
こんな島があったんだね〜。
ゆうぼんが声を上げる!
「お兄ちゃん!あの島変わってるよ〜!近くに行って見てみたい!ねえねえ。いいでしょ!?」
僕はみんなの顔を見比べる。
マグマンの顔は「行きたい!」という言葉を言わないために痩せ我慢をしている顔だ。
全身が燃え上がり周りの温度が上がっている。・・・グロンテプスさんが怒りませんように。
スラングの顔は全く持って興味なさそうな顔だ。
もはや島とは違う方向に顔が向いている。
ホイミンの顔は落ち着いてる顔だ。しかし少々興奮しているようにも見える。
素直に「行きましょう。」と言ってくれた。
おじいさんの顔はにっこり微笑んでいる顔だ。
ゆうぼんを楽しませてあげようという顔に違いない。
つむりんの顔は光り輝く目を持つ顔だ。
ずっと小島を見続けている。ゆうぼんと同じく行って見たくて堪らないのだろう。
僕はグロンテプスさんに話しかけた。
「あの小島に向かうことは出来ますか?」
グロンテプスさんが答える。
「構わないとも。うん。しかし浮き島自体は珍しくない。だが島の周りを回る島は聞いた事がないな。
海流にでも乗っているのかもしれない。」
グロンテプスさんは小島に進路を取った。スイスイと泳いでいく。
「むっ。少し流れが強いな。だが焦るほどではない。」
グロンテプスさんはそういうと力強く海を駆けた。小島に泳ぎ着く。
僕たちは次々と降りて、グロンテプスさんに戻ってもらった。
今は昼なので夜には一度迎えに来て貰うことにした。
僕たちはこのひょうたんの様な島を見渡した。
大きな丸い島と小さな丸い島がくっついている。
そして小さな島の先っちょが少し飛び出しているのだ。
それぞれの島にはなだらかな山があって、島一つがまるで球体のようだ。
ただっ広いということはなく、数時間もあれば島を巡ることが出来るだろう。
大地は芝生で覆われていたが、所々土が見えていた。
砂の色は僕たちの所より薄っぽい。
山も木々があるわけではなく、芝生が続いているようだ。
山の裏側や頂上までは分からないが、表側は芝生で出来ている。
周りを見渡す限り魔物の住処はない。
とりあえずは見て回るしかないだろう。
マグマン。
「島はおかしな形だが、特に変わったところはないなー。
あんなにウキウキしたのによ・・・あっいやなんでもないぜ。」
終わり?
次はサイレスか…
僕。
「そうだね。でもよく探したら珍しい物が見つかるかもしれないよ。」
ゆうぼん。
「うわーーい!ひょうたんの島だーーー!
きっとどこかに黄金のひょうたんがあるんだよ!ねえ?お兄ちゃん!」
僕。
「ははは。うん。そうだといいね。」
つむりん。
「・・・きっと・・・こ・・・の・・・島は・・・ひょっひょうたんで・・・出来てる!!」
ゆうぼん。
「あーーー。それ当たってるよ!つむりん天才!」
つむりん。
「・・・へへへ・・・っ!」
僕。
「・・・・・・・・・・・・。」
二人は素直に喜んでていいなー♪
ひょうたん型のただの島だと思ったけど、前向きに考えたら色々想像できるんだ。
僕も外に出たばかりの頃は些細なことで喜んだり、期待していたなー。
あれ・・・僕・・・前に比べて喜ぶ心がなくなっちゃってる?
あわわわっ。大変だ。僕ももっと喜ぶ心を持たないと!
僕。
「みんなーーー。宝物を見つけるつもりで散策頑張るよぉぉお!」
スラング。
「あいつ・・・急にどうしたんだ?」
ホイミン。
「さっ・・・さあ?」
うっ。確かにこの気分変わりは不自然だ・・・。
でっでも楽しまなきゃ損だもんね!
それに気づかせてくれた二人に感謝!
ふんふっふふ〜ん♪
僕たちはまず大きな島の方を見て回った。
なだらかな坂道を上がって行く。
辺りを見渡すが一面芝生だ。
ゆうぼん。
「ねえねえ!この芝生気持ち良さそうだよ!寝っ転がってもいーい?」
つむりん。
「・・・・・・草・・・。」
僕。
「だめだめ。探検するんだろう?
寝っ転がってたら時間がなくなるよー。ほらっ周りを見渡して!」
ゆうぼん。
「お兄ちゃんのけちー。」
つむりん。
「・・・けちー・・・。」
ガーン。けちって言われるとは・・・。
僕。
「わっ分かったよー。頂上に着いたら日向ぼっこしていいからしっかり周りを見てね!」
スラング。
「ふん。・・・子供に甘いな。」
僕。
「なんか言った!?」
スラング。
「いっいや・・・。」
僕たちは丹念に散策しながら頂上を目指す。
しかし周りには岩すらないので、見落とすものなど何もない。
頂上に着いた。
山の裏側を見渡すが、特に異常はない。
ゆうぼん。
「お兄ちゃーーん。芝生に寝っ転がっていいんだよね!?とっても気分がいいよ!」
おじいさん。
「ふむ。太陽が出とるからのう。日向ぼっこには最適かもしれん。」
うーん。ゆうぼんとつむりんが気持ち良さそうだ。僕も横になろう!
僕。
「うわー。気持ちいいー。太陽が暖かいね。このまま眠っちゃいそうだよ。」
僕は芝生に寝っ転がり身体を伸ばす。左右に身体を捻る。
ゆうぼん。
「このまま眠っちゃいそうだよ。」
ゆうぼんは僕を真似て身体を伸ばす。左右に身体を捻る。
つむりん。
「こっ・・・このまま・・・眠っちゃいそう・・・だよ・・・。」
つむりんは貝殻から身体を出す。おおっ普通のスライム族とは違い丸い体型だ!
少しの間休憩する。みんなで寝っ転がった。スラングもだ。本当に眠ってしまいそうだった。
僕は起き上がりみんなに立つように言う。
「さあ行こう。」
山を降りて裏側を散策する。
幾つか大きな岩があっただけで、他には何もない。
モンスターとも出会わない。
そのまま島の外側をぐるりと回り、今度は小さい島の方を散策する。
小さな島は狭い。
山の頂上にも簡単にたどり着いた。
しかし山の麓には三百六十度何もない。
とうとうこの島には住処はおろか、モンスターすら居ないことがはっきりしてしまった。
ゆうぼん。
「えーん。なにもないよぉー・・・。黄金のひょうたんはー?」
「もしかしたらこの島には既に誰も住んでなくって、モンスターはみんなあっちの本島にいるのかもしれないね。」
僕はそう言って本島を見据えた。
・・・その時だった。・・・マグマンが大声をあげたのは!
「おい!みんなこっちに来るんだ!」
マグマンが見下ろしていたのは島の先端に向かって右の麓だった。
僕が聞き返す。
「どうしたの!?驚いたような声を出して!」
マグマンが下を見たまま言う。
「なあ・・・。あそこ。陰になってるけど・・・。
間違いない。洞穴があるぜ・・・。なんであんな所に・・・。」
僕たちはその洞穴に向かって降りて行った。
中型のモンスターがやっと一体通れるような洞穴だ。
既に日が暮れ始めている。
洞穴は不気味に僕たちを誘っているようだった。
ゆうぼんがつぶやく。
「この中に・・・黄金のひょうたんがあるのかな・・・?
でも・・・ここ・・・危なそう・・・。」
僕が頷く。なんて嫌な空気だ。
嫌なものをツボに閉じ込めてそのまま埋めてしまったようなイメージ。
僕は一歩前に進んだ。
みんなも続く。
さらに数歩進む。・・・が拍子抜けだった。
洞穴は歩いて十歩も経たない内に行き止まりになったのだ。
マグマンが溜息をつく。
「はあ〜。なにかあると思ったのになあ。」
スラングが罵る。
「ふん。役に立たない焚き火だ。」
マグマン。
「なんだと!」
ゆうぼんが必死に止める。
「焚き火のお兄ちゃんも不良のお兄ちゃんも喧嘩は止めてよー。」
外に出ると日が沈む瞬間だった。
空が闇に落ちていく。
皆で島の中心に戻る。
島と島との境目だ。そこにグロンテプスさんが来るのだ。
しかし島の中心に来て今度は僕が悲鳴を挙げてしまった!
「ああーーーっみんなーーー見てぇ!!!」
うはwww続いてた
すみませんorz
何気なく本島の方を見たのが始まりだった。
真っ暗な空の下、真っ暗な本島が少しずつ真っ赤に染まり始めたのだ!
なんだあれは・・・火?山火事!?
いや!違う!そんなちゃちじゃない!
赤が・・・炎が・・・?・・・広がっていく!!
まるで神の怒りに触れたかのように本島が真っ赤になってしまった!
ホイミンが叫ぶ。
「真っ赤になる島の話なんて聞いたことありませんよ!」
スラングがゲンナリした顔をする。
「また訳の分かんねーものを見ちまったぜ!」
海の方角から声が聞こえる。
「おいおい。じいさんたちよ。ありゃーなんなんだ。真っ赤じゃねーか。」
グロンテプスさんが首から上だけ姿を表している。
僕は大声を出して駆け寄った!
「グロンテプスさん!いますぐあそこにぃ!向かえますかーーー!?」
つづく。
139 :
書き手 ◆F/WveZadCU :2005/10/05(水) 04:00:30 ID:ZUZ8Twc/
今日はここまでです。
>>130氏お構いなくです。
時間に空きがあったので終わったと考えて当然だったと思います(;´▽`)ノ
一回目の空きは意識が飛んでいて、二回目の空きは連続制限に引っかかってました。
いいタイミングでヘルプになりました。
リアルタイムで読んで頂きありがとうございました。
で、実は本題がありまして。
今度資格試験を受けるので次の土日とその次の土日は休ませて欲しいのです。
今回も遅れていたのに申し訳ない話です。
おそらく再来週の火水辺りに次の話を書くと思います。
ご了承ください。
題として悪くない
ただ選びきれない
三つでも迷いそうだ
142 :
126:2005/10/07(金) 01:21:45 ID:LWN3x0zK
>>127 レスサンクス。
それはその通りだ。
でもスラングが跳んだ辺りから、僅差の戦いだったと俺の中で脳内補正されてる。
当たった者勝ちの戦い。
はぐりんも強いって認めたし、マグマンやピエールが相手でも同じ結果になってそう。
はぐれメタル相手だとマグマンが一番不利かな?
再会までは強さ議論?
はぐりんてサイモンとダークスライムの他に勝ったボスいたっけ?
スタスタもメッサーラ以外に勝ってる?
はぐメタはエリミネータとアンクルホーンに勝ってるよな。
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
< >
.< ジャミラス! ジャミラス! >
< >
∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
、 、 、 、 、
/っノ /っノ /っノ /っノ /っノ
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/ / A_A / ./ A_A / / A_A / / A_A / / A_A
\\( )\\( )\\( )\\( )\\( )
\ ⌒\\ ⌒\\ ⌒\\ ⌒\\ ⌒\
/ /ヽ / /ヽ / /ヽ / /ヽ / /ヽ
/ / / / / / / / / /
145 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/10/09(日) 21:25:52 ID:Sf4PuQ3V
ジャミラススレの次スレはここですか?
ビキニパンツの城ですがなにか?
ピエール保守
今頃ピエールはどうしてるんだろうな
ピエール「ふぁっくしょん!噂か…?」
メタリン「ピエール!ぼけっとしてないで手伝ってよ!」
本当にそんな扱いを受けてそうだw
何か話題ちょうだい
じゃあドラクエ6の思い出(笑)
154 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/10/18(火) 23:36:05 ID:jqwVcR5H
バブすけ捕手&揚げ
お久しぶりです。
日曜にシスアド受けてきました。
報告が遅れて申し訳ございません。
60/80
62/73(TAC配点81.5)
でした。受かってるといいなーって感じですね。
金曜と土曜に熱が出たのがピンチでした。
ところで再開の方なのですが、もう一週間待って頂けないでしょうか。
ゼミの進級論文の提出期間が縮まってしまい、
さらに下級生向かい入れの為の準備をしなくてはならないのです(面接、試験など)。
非常に勝手だとは思いますが、どうかご理解ください。
ではまた。
>>書き手さん
お疲れさまです(´∀`)つ且~~
再開は時間のあるころでいいですよ。
>>153 身の代金をネコババ。
島ムドーで全滅5回
防御の大切さを教えてもらったな>ムドー
海底でキラーマジンガに瞬殺(´・ω・`)
アモスに真実を話しちゃう
ここまだあったんだ。なつかしいww
まあ読んでけや
僕たちはグロンテプスさんの背中に乗って本島を目指した。
島は今も轟々と真っ赤に染まっている。
本島にも大きな山があるようだ。山も真っ赤に染まっていてはっきり分かる。
本島までは一時間というところであろうか。
一体何が起こっているのか想像もつかない。
僕たちは島を見つめては唾を飲んだ。
「悪魔だよ!きっと悪魔の仕業だよ!」
そう言って怯えるのはゆうぼんだ。ガクガク震えている。
確かにそう言いたくなる様な恐ろしい光景ではある。
「しっ・・・島に入ったら・・・みっ!見つかって!・・・呪われるの?・・・ううっ!」
同じくつむりんがガクガク震えて相槌を打つ。
あれが悪魔の仕業なら呪われることもあるかもしれない・・・が。
マグマンが二人に声を掛ける。
「安心しろ。あれが悪魔の仕業なら俺たちはとっくに呪われてるぜ。」
島を真っ赤にするほどの魔力ならば、あの位置から僕たちを呪うことも可能かもしれない。
ホイミンが足元を見つめて喋る。
「あの島の光は神々しいです。命に満ちた炎のよう。悪魔の仕業というよりは神様の所業かもしれませんね。」
もし神様ならば呪いではなく、裁きを受けることになる。
おじいさんが唸る。
「ふーむ。その手の類であるならば、真っ赤に染まった島はわしらに近づくなという警告なのかもしれんのう。」
なるほど。そういう考え方も出来る。
スラングが溜息をついて言う。
「ふう。おいおい。てめえらマジで言ってるのか?そんなもの居やしネーよ。
壮絶な戦いで真っ赤に染まったって言った方がまだ説得力あるぜ。」
いや。それもどうかと思うけど・・・本気で言ってないよね?
僕がみんなに声を掛ける。
「みんな。僕は自然現象の類じゃないかと思う。
山火事や火山の噴火ではないと思うけど、島特有の原因があって真っ赤になってるんじゃないかと思うんだ。」
僕はそういって島を見上げた。
もしかしたら自分を納得させるためにああ言ったのかも知れない。
あの赤さは神秘的だけど不気味なんだ。
・・・!?
なんと僕の目の前で不思議な光景が始まった!
本島全体に広がっていた赤色が、今度は島の端から消えていったのだ!
少しずつじんわりと赤色が消えていく。
山の表面を中心に円を小さくしていくかのように縮まっていく。
一体何が起こったというのだろうか!?
僕たちは本島に急いだ。
島に着いたときには既に山の一部を除き赤色がなくなっていた。
夜空には満月が見える。
ゆうぼん。
「本島に上陸するの!?」
つむりん。
「呪われるよ・・・呪われるよ・・・。」
二人が泣き出しそうな顔で言う。
スラングが眉間にしわを寄せて言い捨てる。
「ガタガタ抜かすな!うぜーから黙ってろ!」
僕が二人をなだめる。
「怖かったら二人は残っていてもいいんだよ。グロンテプスさんと海にいれば安心だからね。」
ゆうぼんが青い顔をして答える。
「ううん。僕も一緒に行くよ。強くなるために来たんだから、逃げないよ!」
つむりんは無言で震えているが、時間を置いて喋りだした。
「・・・ゆうぼんは・・・行っちゃうの?おじいちゃんは?」
おじいさんが少し困った顔をした後に枯れた声で行った。
「わしは行くよ。いざという時にルーラで逃げられるようになるからのう。
グロンテプスと一緒ならば大丈夫じゃよ。お留守番をしておれるはずじゃ。」
つむりんは恐怖に歪んだ顔をして答えた。
「・・・それなら・・・僕も行く。・・・おじいさんと一緒がいい。」
「よし。ならば行こう。つむりんや。」
マグマンが二人を励ます。
「勇気あるぞ。二人とも。大丈夫。いざとなったら俺が守ってやるさ。」
そういって震えてる。さすがマグマンだ。
赤色はいよいよ小さくなり、山の一点を残し全て消えた。
僕は自然とつぶやく。
「あそこに・・・なにかある。」
そうこう言ってる間にその一点も消えてしまう。
グロンテプスさんとは朝方に来てもらう約束をして別れた。
本島は広い。小島とは大違いだ。
気になるあの山も大きい。麓までの距離もある。
また山登りか・・・そんなことを思いつつ僕は歩みを進める。みんなも付いてくる。
周りを見渡しながら進む。
ホイミンが地面の芝生を調べながら言う。
「やはり単純に燃えていた訳ではありませんね。焦げ後も見つかりません。」
マグマンが答える。
「まったくだ。何の異変もねえ。数分前まで何があったんだ。」
つむりんが変わったことを言う。
「もっもしかして・・・島・・・全体が・・・光ってた・・・?」
面白い考えだ。草一本一本に赤く染まる習性があるのかもしれない。
おじいさんがううーむと首を傾げる。
「ルラムーン草と言う光る草の話は聞いたことがあるぞい。とても珍しい草でとうの昔になくなったと聞くがのう。」
スラングが異論を挟む。
「いや。違うな。小島は光ってなかったぜ。ここの芝生と小島の芝生は似ている。そうだろー。」
賢い。言われてみればその通りだ。
もちろん全くの別種という可能性もあるが、芝生は同じと言っていいほど似ている。
僕たちは周りに注意しながら山を目指す。
しかし例の如くモンスターに出会わない。
小島と合わせてモンスターに出会ってないことが不気味だった。
山に近づいた辺りで、なんと大きめの住処を発見した!
僕たちはいくつかの家に顔を出し声を出して訪ねて見た。
しかし・・・なんということであろうか!
どの家にも一匹もモンスターが居ないのである!
不自然に残る生活の跡が不気味さを増す。
マグマン。
「だめだ。この家にもモンスターが居ないぜ。」
ホイミン。
「先ほどの赤い光と関係があるのかもしれませんね。」
ゆうぼん。
「たぶんあの光がモンスターを襲ったんだよ!あわわっ!」
僕。
「いざとなったらルーラで逃げれる。先を急ごう。」
僕たちは急いで山に向かった。
時期に麓に着き、気になる場所に目安をつけて登っていく。
本来山の中を自在に歩き回るのは大変だ。
この島も小島と同様に芝生の面積が多いのだが、それでも暗闇が手伝って道を誤りやすい。
しかし僕たちにはスラングがいる。
スラングに飛び上がってもらい居場所を確認するのだ。
とうとう・・・赤い光が一点に集まっていた場所へ辿り着いた。
なんとそこには謎を解く鍵があった!
大きな洞穴がぽかーんと口を開いていたのだ!
奥は相当深そうだ。
ゆうぼんがつぶやく。
「危険じゃないかな?」
何が起こるか分からない。ゆうぼんに限らずみんな不安だった。
マグマンに協力してもらい、たいまつを作る。
僕たちは洞穴を進むことに決めた。
一歩踏み出すと中は大きな通路の様な一本道になっていた。
荒々しく掘られたかのような道だ。自然に出来た空洞なのかもしれない。
ベホズンだって通れそうなくらい広いのが特徴だ。
意外なことにジメジメしたような気持ち悪さはない。
五分ほど歩くが、洞穴は延々と続いている。少しずつ地下に向かっている気がする。
時にくねくねと道を曲がる。
この先に何が待ち構えているのだろうか?
つづく。
保守ありがとうございました。
やっとこさ復活です。
>>156 ありがとうございます。
つ旦~~
ドラクエ6はぶちスライムとスライムの裏話が好きです。
夢と現実を織り交ぜたストーリーが魅力的ですね。
最近テンポについて悩んでますが最後まで続けます。
それではまた。
つむりん萌え(*´Д`)ハァハァ
スタリオン保守
サスケ保守
あげますあげます
サスケ保守をしようと思ったら先越されてたー
175 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/10/30(日) 23:26:03 ID:Y5oI6wVM
人間二人を恐怖に陥れたはぐりんを圧倒したはぐメタに大ダメージを与えたエミリーと同等の実力を持つサイモンに辛くも勝利したはぐりん
でも敵わなかった邪悪な騎士を倒したアーサーと互角のピエールでも一度は苦渋を舐めさせられた邪悪なスライムを倒したはぐりん
をも相手にしなかったゆうぼうが唯一相手にしたスタスタですら倒せなかったブリードを戦闘不能寸前にまで追いつめたはぐりん
を窮地に立たせたホーの首を吹き飛ばしたスタスタですら不可能な山越えをやってみせるスラングを瞬殺した修行中のはぐりん
さえも簡単に石化したブースカを倒して見せたマグマンの呪文がまったく利かないメタルボディのはぐりんは最強保守
今日投下しようと思ったのですが仕上がりませんでした。
すみません。また後日に。
星
☆ゅ
一回分は出来たのですが、明日早いので投下している時間がなさそうです。
日曜に二回分投下しますね。
夜中になりそうです(´・ω・`)
洞穴を降りていく。
突然スラングが立ち止まる。奥を見据えて告げる。
「おい。なにか音がしねえか?」
僕が答える。
「しっ。みんな立ち止まって。静かにしよう。耳を澄ませてみるんだ。」
・・・ごっごっ・・・すっすっ。
奥から足音とざわめきの様なものが聞こえる・・・気もするが、何も聞こえない気もする。
駄目だ分からない。
先に進んで確かめるしかない。
しばらく歩き続ける。
!
今度は確かに何かが聞こえた!
うめき声と口々に叫ぶ声の様なもの。しかしこれは岩が崩れた音かもしれない。
どちらにしろ用心した方がよいようだ。
さらに歩き続ける。
奥の方がうっすらと明るい気がする。
!!
一気に歓声の様な声が上がる。今までに比べて一団と大きな音だ。
「・・・ス!・・・ス!」
なにか叫び声の様なものが聞こえる。微かに地面が揺れた気がした。
僕たちは顔を見合わせて先を急ぐ。
スラングだけは立ち止まったものの、すぐに追いかけてきた。
「諸君!」
よく通った高い厚みのある声が響く!
奥の方からだ!
遠くから聞こえるのになんてはっきりしているんだ!
「今こそ我らが立ち上がり・・・」
先に進むに連れて歓声が大きくなってくる。
間違いない。何かがいる。
歩みが駆け足となる。
視野が明るくなっていく。灯りが置いてあるのだ。
「新しき時代の扉を開くときではなかろうか?! 」
目の前に途轍もなく巨大な空間が飛び出す!
正面に道はなく左右に回れば下り階段がある。危うく落ちるところだった。
下を見下ろせば大きな舞台と数百のモンスターたち!
「サイレス!サイレス!」
数百のモンスターが声を合わせて叫ぶ!
声は部屋中に響き渡り地震の様に床が揺れる!
手には真っ赤なたいまつを持っており、炎の揺れる姿が不気味だ!
舞台の上には一匹の巨大なモンスターが片手を掲げながら立っている。
ちょうど僕たちの真下だ。鳥のモンスターだろうか。
僕たちは息を潜めて様子を窺った。
モンスターは掲げていた手を下げ、今度は両手を大きく広げて喋りだした。
「そう! 魔物の魔物による魔物のためだけの世界・・・・・・。」
何を言っているのか分からない。
隣でマグマンが「演説か?」と囁く。
モンスターは続ける。
「しもふり肉を毎日食べられる世界!」
なんとも力の入った言葉だ。
心の底から望んでいることが僕にも伝わる。
ゆうぼんとつむりんが興味心身に身を乗り出す。
マグマンがゴクッと喉を鳴らす。
「そんな世界を私は諸君に約束する!!」
モンスターの肩が震える。手を握り深く声を響かせる。目には涙が溜まっている。
「サイレス!サイレス!」
再び歓声が沸く。
ホイミンが耳打ちする。
「彼らがここの住民でしょうか?あるいは危険な宗教団体かもしれませんね。」
!!?
僕たちが目を話した隙につむりんが落ちていく!
身を乗り出しすぎたのだ!
まずい!見つかったら・・・!
「であるからして・・・・・・」
ぼとっ。
あろうことかモンスターの背中に落ちてしまった!
いや堅い地面に叩きつけられなかった分幸運だったかもしれない!
「ムムム!!!???
背中が何故かむず痒い。」
モンスターが異変に気づく。手を後ろに回す。
つむりんはビクビクしながら手から逃げる。
背中の上を歩き回る。
ついに背中から飛び降りて舞台の斜め後ろを歩き出す。
「諸君! しばし背を向ける無礼をお許し願いたい!」
モンスターは深く一礼すると後ろを振り返った!
くっ飛び出すしかないのか!?
モンスターはつむりんを見つけるとニヤリと笑った。
なんて嬉しそうで、なんて意地の悪そうな笑顔だろうか。
「お前・・・この島の者ではないな・・・。」
一歩近づく。
つむりんは真っ青になってそのまま左に走り出した!
鳥のモンスターはそのまま歩き続ける。
集まっているモンスターたちはざわめいた。
僕はマグマンを見て言う。
「降りよう!今なら間に合う!」
マグマンが答える。
「ああ。それしかなさそうだ。」
スラングが悪態をつく。
「ちっ化け物の次は数百のモンスターか。貝殻のガキめ。後で殺してやる。」
ドン!トトン!タン!スタ!バッ!
僕たちは地面の下に飛び降りた!
モンスターたちがより大きなざわめきを起こす。
鳥のモンスターが振り返り一瞬呆然としたが、再び邪悪な笑顔に戻った。
しかし次の瞬間、僕たちも、この島のモンスターたちも、誰もが予想できない事態が起こった!
ゴゴゴゴゴ・・・!
頭上で崩壊音が響く!
それと同時に大小様々な岩が降ってきた!
天井が崩れたのだろうか!?
何が起きたのか分からず、行動が遅れる!
「はっ!いけない!つむりん!」
僕とスラングが飛び出すが、この距離では間に合わない!
「つむりーーーん!」
僕たちは振ってくる岩を砕きながら進むが、明らかに手遅れだった!
岩が落ちて煙が立つ。
煙が止んだ時、つむりんの居た場所には大量の岩とおびただしい血が残っていた・・・。
僕はガクッとその場に倒れこむ。
!?
積み重なった大量の岩が崩れ始めたのだ!
信じられないという顔で見ていると岩の影から一体のモンスターの姿が見えた!
なんと先ほどの鳥が身を挺してつむりんを庇っているではないか!
裂傷、打撲傷、大量の血にまみれており、翼の羽も散っている。
しかし変わらぬ笑顔で立っていた。邪悪な笑顔のまま周りの岩を吹き飛ばす。
そして左手でつむりんを抱え、右拳を頭上に高く掲げ、大声で叫んだ!
「1日1個のしもふり肉を要求する!」
モンスターはばったりと倒れこんでしまう!!!
「サイレス!サイレス!」
再び歓声が上がる。
──庇ってくれたのか!?なんのために!?いや最後の言葉は・・・さっきの続き!?
いいや!そんなこと考えてる場合じゃない!
「ホイミン!回復呪文を!」
ホイミンがベホマでモンスターの傷を癒す。
目を覚まさないが、命に別状はなさそうだ。
つむりんが心配そうに見つめている。
周りを見渡せばモンスターの集団に囲まれていた。
一種類を除けば僕たちの大陸でも見かけるモンスターたちだ。
おじいさんが小さな声でその種族の名前を読み上げる。
ファーラット。緑色で三つ目のモンスターだ。モコモコとしている。抱きつけば暖かそうだ。
残りはスライム、スライムベス、ホイミスライム、ベホマスライム、キメラだ。
一つの種族に付き数十匹はいる。キメラだけは微妙に色付きが違う。
みんなざわめいている。鳥のモンスター・・・サイレスと呼ばれていた、彼を心配しているのだろう。
特にスライムとファーラットはおどおどした表情をしている。
中には僕たちに敵意を向けている者もいる。
突然現れた僕らを不審に思っているのだろう。あるいはサイレスの治療をさせろと迫りたいのかもしれない。
僕が呼びかける。
「突然お邪魔して本当にごめんなさい。
このと・・・えっとサイレスさんには仲間の命を助けてもらい感謝しています。
仲間が回復呪文をかけましたので無事だと思います。しかし意識がありません。
どこか休めるところへ運べませんでしょうか?」
周りから安堵の声が上がる。スライムが十匹ほど出てきて、サイレスを担いでは走っていく。
モンスターたちが相談を始める。
きっと僕たちについて話しているのだろう。
スラングが耳打ちする。
「雑魚ばっかりだ。俺一人でも一掃出来る。さっきの鳥だって寝込みを襲えば一発だぜ?」
僕が耳打ちを返す。
「駄目だよ。それは最後の手段だ。激突は極力避けよう。」
相談の結果が出たのか一匹のファーラットがやってくる。
汗を掻いていて少し怖気づいている様だ。
「はっはじめまして。僕はファーラットのモコモン・・・です。
先ほど舞台で演説をなさっていたのは我らの魔王、サイレス様。
一体どのようなご用でこちらへいらっしゃいました?」
僕が返事をする。
「突然現れ、迷惑をかけてすみませんでした。
僕たちはこの島を治めている王に伝えたいことがあってきたんです。
危害を与える気はありません。話さえ終われば島から出て行きます。」
「分かりました。信用しきったわけではないんですが、落石は君たちの降りた後に起きました。
君たちも命を落とすところでしたよ。サイレス様はいつ目が覚めるか分かりません。
明日になるかも・・・。部屋に案内します。そこで待ってください。」
僕たちはそういわれると広場の隅っこの通路へ案内された。
他のモンスターたちも行動を再開する。
ホイミスライムやベホマスライムはサイレスの治療について相談を始め、他のモンスターたちは何かの準備を始めた。
通路を抜け、小部屋に入る。
モコモン君は部屋を早足で抜けていく。
仲良くなれればモコモコの身体に抱きついてみたいのだが、今はそうもいかない。
つむりんが「あの鳥の人・・・大丈夫かな・・・。」とつぶやく。
僕はつむりんを慰めながらみんなに声を掛けた。
「とりあえず王に会えそうでよかったよ。けどあの落石はどうして起きたのだろう?」
おじいさんが答える。
「ふむ。元々古くて荒い洞穴じゃった。自然に崩れたと見るのが妥当じゃろう。
あの辺りに他のモンスターも居なかったしのう。」
僕は納得し頷く。
「じゃあサイレス様が目を覚ますまで休もう。食事も取らなくっちゃ。」
僕たちは長い時間を小部屋で過ごした。
もう夜も更けたかもしれない。
その間僕たちは今後の行動を確認したり、雑談したり、久しく遊んだりした。
ゆうぼんが顔色の悪いつむりんを必死に励ます。
二人とも身を乗り出したことを反省しているようだった。
小部屋にモコモン君が再びやってくる。
ちょうど『種&実シリーズなりきりごっこ』をしていたところだったので、異様な風景に彼は三つの目を丸くする。
そしてキョロキョロと部屋の中を見渡した後、異常がないことが分かったのかホッとした顔をした。
力の種ことマグマンがゴロゴロ転がりながら話しかける。
「ほら、みんな変な佇まいをしているから、混乱させちゃったじゃないかちから。
なにか用かいちから?一緒に遊びに来たのかいちから?」
モコモン君は首を縦に振った後あわてて横に振り直した。
焦る姿が面白いたいりょく。くるくる。
モコモン君が喋りだす。
「サイレス様が目を覚まされました。君たちの話をしたら是非会いたいとのことです。会うんですよね?」
「もちろんちからーーー!」
「あうよたいりょく!」
スラングが舌打ちをする。
「ちっ。そうと決まったらその下らないごっこを止めろ。さっさと行くぞ。」
「素早さの種は冷たいりょく!」
「やらないって言ったろ!!!」
ごっこを中断し、魔王の休む小部屋へ向かう。
なおモコモン君は不思議の木の実役に任命した。心の中で。
小部屋へ着く。
中ではサイレスがベットの上に座って待っていた。
「諸君。このような醜態、このような場所で失礼する。少しばかり疲れてしまったようだ。
わざわざ情報を伝えに来てくれたとは感謝の極みだ。話を聞かせて頂きたい。」
僕が話しかけようとするとその前につむりんが前に出た。
「さっ・・・さきほどは・・・ありがとうございました・・・。
本当に・・・ありがとうございました・・・。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・。」
そのまま泣き出してしまった。
サイレスは魔王に相応しい邪悪な笑顔を浮かべて言う。
「気にすることはない。当然のことをしたまでだ。
それに見るといい。ほうら!元気そうだろう!生まれた時から身体は丈夫でな。」
腕をぐるぐる回し、立って見せる。
僕は嬉しいような申し訳ないような顔をしつつ喋りだした。
「気を使って頂きありがとうございます。どうか座って話をお聞きください。
まずは改めて先ほどの無礼をお詫びいたします。また仲間の命を救って頂き感謝します。
実は・・・。」
僕たちは自己紹介をした後にゆうぼんの話をした。
サイレスは静かに目を瞑り、時々僕の目を見て話を聞いた。
「なるほど。諸君の伝えたいことは分かった。そのような危険な人物がいるとすれば事態は急迫を告げる。
だが諸君の言うことをそのまま信用することは出来ない。本当とは限らないからだ。
もしそのゆうぼうとやらが尋ねてきてもそのまま攻撃を仕掛けることはない。
しかし!実際に危険な人物であると判断した時には協力しないことを誓おう!
また今後一年は島の見回りを強化しよう!
伝えに来てくれたことを感謝する!」
おおっなんて話の分かる鳥なのだろうか。ブースカとは考え方の根本が違う気がする。
「ありがとうございます。これで安心して島を離れることが出来ます。
・・・二つだけお聞きしてよろしいでしょうか?」
「なんなりと。」
「なぜつむりんを助けてくれたのでしょうか?
それに僕たちが来た時この島は赤く染まっていました。なぜでしょうか?」
「魔王とは威厳を持たなくてはならぬ。手下達を慈しむ余裕を築かねばならぬ。
力なきモンスターであろうとも、私を慕う手下であれば、一握りのしもふり肉にもこと欠かせてはならぬ。
諸君が友であるならば歓迎しよう。例え初めて会った相手だとしても危機にある者は手下と変わらぬ・・・!」
僕は嬉しくてつい口が緩んでしまった。
「僕はそんな魔王が好きです・・・。ブースカのような魔王よりも・・・」
サイレスは怪訝な顔をする。
「彼に会って無事だったとは・・・!
運良く逃げれたのだな・・・。よかった。よかった。」
スラングが横からしゃしゃり出る。
「逃げたんじゃねえ。ぶっ潰してやったんだ。」
サイレスが驚いた顔をする!
「あのブースカを!?」
僕は弁明する。
「戦いたくて戦ったわけではありません・・・成り行きで。」
サイレスは残念そうな顔をしたがすぐに笑顔に戻った。
「ふむ。彼のことだ。大方諸君の自己防衛だろう。
手下を駒の様に扱っていた男だ。諸君が手を出さずとも、いつかそうなっていたに違いない。
不思議な魅力はあった。思想を乗り越え、成長した姿も見てみたくはあったが仕方あるまい。
気にしてはならんぞ。」
「・・・はい。」
「質問に答えよう。昨日から明日にかけては満月だ。この三日間、古の伝説を奉り百年演説祭が行われる。
本来は百年に一度の祭りのはずなのだが、代々の魔王が演説好きなために一年に一度の習慣となってしまった。
恥ずかしいことに私も例から漏れてはおらぬ。
島が真っ赤に染まったのは儀式の一環で一斉にたいまつに火を灯したからだ。
この儀式上への道は暗い上に、頻繁に使わぬため、たいまつを使った方が良いのだ。
それがそのまま儀式の一つになったのだな。島の外から見ていたのであればさぞかし綺麗であったろう。
今日はもう遅い。良ければ一晩休んで、祭りを見ていくと良い。」
「はい!そうさせて頂きます!」
会談を終えて再び元の小部屋へ戻る。
変な言い方だが、いい魔王だった。
僕たちは少しの雑談をした後、明日に備えて種や実の様にじっと眠った。
193 :
書き手 ◆F/WveZadCU :2005/11/07(月) 08:07:08 ID:b6gYhMa6
今日はここまでです。
結局朝方に・・・すみません。
二通りの展開を考えていたのですが、途中でやっぱりこっちにしようと書き直してました。
内容的に正反対になりますので・・・。
ではまた今度。
読んでないけど乙!!!
読めよw
乙!
196 :
素早さの種:2005/11/08(火) 12:38:55 ID:0pCSvPpE
素早さの種役はもらったすばやさ
「心の中で」にわろすばやさ
どう見てもスラングです。
本当にありがとうございました
煽られたら冷たいりょく(の種)と言ってみようキャンペーン実施中
age忘れ
↓200おめ
200 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/11/10(木) 03:38:43 ID:IesO2KpX
前スレの途中まで読んでた。
それから暫くPCが出来なくて、おいてかれてしまった。無念だ。
201 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:
つ[
>>1にある過去ログ]
更新は週に一回分。一日一回読めば余裕で追いつくぞ。
復活を信じてる。
スレが変わるごとに人が減ってる気はするねw