めぐれメタルの冒険 1.5 run away

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1名前が無い@ただの名無しのようだ
前スレ
めぐれメタルの冒険
http://game8.2ch.net/test/read.cgi/ff/1078721055/ (dat落ち)

前スレのログ(ラトーム◆518LaTOOcMさん多謝)
http://yotsuba.saiin.net/~1001ya/alflailawalaila/log/1078721055.html

°+
  。゜〜⌒ーっ
  こ ・∀・ _つ
   こ__⊃
2名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/02 19:43:06 ID:Fo9aUQ7u
22222222222222222222222
3名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/02 19:45:29 ID:Zg6/f2f3
はぐれメタルはニヤリと微笑んでいる
4名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/02 19:53:06 ID:Fo9aUQ7u
パク4様もget
5書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:38:10 ID:UifR9wWg
>>1代理ありがとうございます。

このスレは前スレの続きです。
もしこのスレに付き合ってやろうという奇特な方がいらっしゃいましたら、まずは前スレをご覧ください。

↓時間が空いたのであらすじです。
ネタバレを含みますので初めての方は↓を見る前に前スレを確認した方が良いと思います。

------

○あらすじ
はぐれメタルのはぐりんは旅に出ていろいろな者に出会いました。そしてある魔物の住処についたとき・・・。

○現在の登場人物

・はぐりん はぐれメタル 本編の主人公。旅の途中。
・はぐメタ はぐれメタル 現在行方不明。
・スタスタ はぐれメタル 迷いの森で待っている?
・ゆうぼう はぐれメタル あらゆるモンスターに復讐を考える。

・ピエール スライムナイト サスケというスライムに乗る。
・アーサー スライムナイト スタリオンというスライムに乗る。
・メタリン メタルスライム はぐメタ・ゆうぼうと同じ住処のメタルスライムで唯一の生き残り。
・マグマン マグマスライム 熱いスライム。

・住処の魔物たち 襲われた住処の魔物たち。スライム族やオークなど。

・邪悪な騎士 急襲してきた正体不明のスライムナイト(?)。二匹いる。
・邪悪なスライム 同上。二匹いる。

○現在の状況
急襲してきた邪悪な騎士に応戦。
6はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:40:11 ID:UifR9wWg
僕は邪悪な騎士の攻撃を避けた!
・・・はずだった!

しかし僕が動くよりも早く!僕が考えるよりも早く!その刃は僕の体を斬り裂いていた!

ギギギイィィン!
鋼の牙で鋼の鎧を引っかいたような嫌な音が辺りに鳴り響く!

・・・大丈夫!
音とは反対に僕は軽傷だ!
僕はそう思って邪悪の騎士の方に顔を向ける。
しかし僕が振り向いた先には既に騎士はいなかった!

!?
背後から何かが僕を切りつける!
なんという早さだ!
僕よりもずっと早い。逃げるときのスタスタに匹敵する早さだ!

間合いを取らなくてはやられる!
「イオラ!」

僕はその場で爆発を起こした。
狙いは真下だ!

僕は爆風で吹き飛ばされた。
同時に騎士も吹き飛ばされたはずだ。

周りを見渡す。
いない!?どこだ!?
影が僕に覆いかぶさる!
上だ!
7はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:41:20 ID:UifR9wWg
真上から斬りつけてきた刃を僕は体をよじらせてかわす。

そうだった。騎士ははじめに空から降りてきたのだった。
よく見れば悪魔の様なスライムには羽がついている。
迂闊だった。

しかしこの爆風の中ならば自由には動けなかったのだろう。
判断が早かったこともあって僕は初めて邪悪な騎士の一撃を避けることが出来たのだった。

「イオラ!」
僕は更にイオラを唱え、騎士にぶち当てることに成功した。
騎士が爆発に巻き込まれて吹き飛んでいく。
僕は体勢を整えてそのまま着地する。

邪悪で恐ろしく強い騎士といえども生身のはずだ。
これで間合いが取れるはず・・・。

だが僕の考えとは裏腹に騎士は一瞬の間もおかず、再び襲い掛かって来た!
呪文が効かない!?
いや、違う!
鎧にヒビが入っているし、スライムも傷ついている。
傷ついても気にせず襲ってくるのだ!

予想と食い違ったためとっさの判断が追いつかない!
僕は目を瞑り身を固めた!
8はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:43:02 ID:UifR9wWg
キィィン!

?・・・音はしたものの痛みがない。
目を開けると目の前にピエールが立っている。
邪悪の騎士の剣を自らの剣で防ぎ、残った片手を騎士の顔に向けた。

「イオラ!」

「グゥッ!」
邪悪な騎士が始めて声を出す。
小さいものの明らかに苦悶の声だ。
とても高い声だがどこかおぞましい。

騎士もやられたまま黙ってはいない!
崩れかけた不安定な体勢のまま、下から上へと斬り返す!
ピエールは兜にかすりながらもその刃をかわし、縦に斬り付けた!
「うりゃ!」

騎士の愛スライムが羽を動かし変わったステップを取る!
騎士を捉えたかのように見えたピエールの攻撃も済んでの所でかわされてしまう。
「ちぃぃ!そりゃ!」
更にピエールが追撃する!
しかしその攻撃はむなしく空を斬るだけだった。

邪悪な騎士は間合いを取って体勢を整える。
しかし今度はそのまま襲ってはこない。
三度攻撃を防いだピエールを警戒したのだろうか。
9はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:44:24 ID:UifR9wWg
「こいつらだ。」
ピエールがぼそりとつぶやく。

「ピエー・・・あっいや、ピエールさん。」
なんということだ。あまりに混乱していたため、いつの間にか呼び捨てにしてしまっていた。

「私達の古城を襲ったのはこいつらだよ。こいつらに情などは期待しない方がいい。」
「アーサー無事か!アーサー!仲間の仇!ここで討つぞ!」

「僕は今集中しているから話し掛けないでくれないか?」
周りを見渡せばアーサーさんが一人でもう一匹の邪悪な騎士と戦っている!
善戦しているものの明らかにアーサーさんの方が分が悪い。

他の者はどうしているのだろうか。

「一度ここに集ろう!」
僕は大声でそう叫んだ。
「一人でいたら危険だ!」
更に大きな声で叫ぶ。

「そうしよう!」
後ろの方で声がした。
聞いたことがある声だ。確かめてみればマグマスライムのマグマンさんだ。
二匹のマグマスライムと一緒に三匹で邪悪なスライムの一匹と戦っている。

もう一体の邪悪なスライムは何処だ!?

ズシン!
何か大きな物が落ちた音がする。
オークが大きな大木を投げ捨てたのだ。
その砂埃の中から最後の一体である邪悪なスライムが顔を現した。
10はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:45:20 ID:UifR9wWg
なんとその邪悪なスライムが意外なことに口を開いた。

「お話してあげるくらいの情はあるよ。アハハハ。」

まさか口を開くとは思っていなかった。
僕が呆然としていると邪悪な騎士との戦いを切り上げたアーサーさんが話しながらやってくる。
「騎士の方は無口だよ。斬られた時すら何も言わない。」
「逆にスライムの方は・・・斬っても斬り足りないほど生意気なのだ。」

マグマスライムが三匹。ボロボロのオークが一匹。オークと一緒に居たと思われるバブルスライムが一匹。
そして僕たちが三匹。合計八匹だ。
なんて少ないんだろう。騒がしかった数十分前が嘘のようだ。

・・・!
「・・・メタリンさんは!?」

ピエールさんが死体の山を見つめて答える。
「メタルスライム特有の・・・逃げ出している癖・・・なら・・・まだいいんだがな。」

今すぐ死体の山にメタリンさんがいるかを確かめるのは不可能だ。
今はあいつらをどうするか考えなくてはならない。

「ハハハハ。一息ついた?」
邪悪なスライムがニヤニヤしながら話しかけてくる。

ピエールさんが口を開く。
「念のために聞いておこう。何故ここを襲う。そして何故私たちの古城を襲った。」
11はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:47:45 ID:UifR9wWg
「アハハハ。ああ、あそこの生き残り?生き残りが居たんだー。君ラッキーだね!ラッキー!」
「子供も逃さず、ちゃーんと殺したはずなんだけどな〜。でも馬鹿だよねー。また僕たちの前に出てくるなんて。アハハハ。」

ピエールさんがぎゅっと口を噛み締める。
アーサーさんが横から口を出す。
「答えになってないなあ。頭が悪いのかい?」

「アハハハ。何で襲ったかって命令されたからだよ。め・い・れ・い。アハハハ。嘘。楽しいから。アハハハ。それも嘘だけどね。本当は涙を呑んでぐちゃぐちゃにしてるんだよ。アハハハ」

「こいつらと話す価値なんてなさそうだよ?ハハハハ。」
もう一体の邪悪なスライムが相棒に確かめる。

「こいつらは生意気だが、真に許せんのは騎士の方だ。古城の子供たちは私の目の前で奴らに殺された。」
ピエールさんがそういうと剣を抜いた。

「アハハハ。やっぱり歯向かってくるみたいだよ。あいつらみーんな弱かったのにねー。力がないから死ぬんだよ。ボクたちの相手じゃなかったなー。子供なんて泣いて命乞いを・・・」

ピエールさんが飛び出す!
手をかざしイオラを唱えるようだ!

一匹の邪悪なスライムが何かを唱える・・・マホトーンだ!
ピエールさんが呪文を唱える前に呪文を封じられてしまう!
12はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:48:48 ID:UifR9wWg
更に邪悪な騎士が飛び出す。鎧の損傷具合から先ほどまで戦っていた騎士だと分かる。
剣を持っていない!?
なんと剣は鞘に収められている!

騎士の両手に閃熱がこもる。辺りの温度が上がっていく!
兜の下で騎士は笑ってでもいるのだろうか。

子供の様な、女の様な、不気味なほど高い声がしっかりと呪文を唱える。
「ベギラゴン!」

同時にこちら側からもベギラマが飛ぶ。
マグマンさんたちだ!
ベギラゴンとベギラマ数発が相殺する!
しかし明らかにベギラゴンの方が勝っていた。

ベギラゴンの閃熱を受けて燃えながらピエールさんが後方へ吹き飛んでいく。

後ろを覗くとピエールさんがサスケ君ごと倒れこんでいた。息はある。
比較的軽傷なのはマグマンさんたちのおかげだろう。

ピエールさんの方を見ていると前の方でアーサーさんの声がした。
振り返れば剣を抜いて空を仰いでいる。
「だめじゃないかピエール。口車に乗っちゃあ。僕たちが何で生き残れたのか。何のために戦うのか。忘れたのかい。」

剣をゆっくりと天に向ける。

「冷静になりなよ。怒り狂って勝てるほどあいつらは温くないぞ。」
13はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:49:36 ID:UifR9wWg
少しずつ声が大きくなっていく。

「好きなように言わせてやればいいじゃないか!少なくとも容姿は僕たちが圧勝している!」

顔を宿敵の方に向け、更に剣先を向ける。

「僕は決してそこの彼の様な争いを好む醜い男ではないが、仲間の仇が目の前に居るとあれば仕様がない。」
「ああ、力が足りず救えなかった幼き少女。我が耳に刻み込まれた少年の最後の言葉。仲間達の死を借りても逃がせなかった子供達。」
「その雪辱、その悲しみ、その恨み、その全てに今この地で葬り去られた仲間たちの魂すらも乗せて『愛スライム』ドゥン・スタリオンと共に晴らして見せよう!」

ピエールさんが起き上がってこっちにきている。ボロボロだ。

アーサーさんには何も言わずに話し始める。
「オーク君は私やアーサーと共に騎士と戦ってくれるかい。」
「はぐりん君とマグマン君たちはスライムの方を頼む。」
「バブルスライム君は直接戦わず私達の援護を頼む。」

「奴らにはもう何も奪わせはせん!」

邪悪なスライムがニヤニヤと笑いながら二匹で話している。
アーサーさんとピエールさんを馬鹿にでもしているのだろう。

「分かったよ!」
僕は出来るだけ明るい声で返事した。
他の者も返事をする。

マグマンさんたちのベギラマを合図に後半戦が始まった!
14はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:51:28 ID:UifR9wWg
マグマンさんたちのベギラマは一発はスライムにかわされ、もう一発はスライムに当たった。
そして最後の一発は騎士の方へ飛んでいったが片手で弾かれてしまった。
騎士には余り閃熱は効果がないみたいだ。

ピエールさんが残った騎士に斬りかかっていく!
アーサーさんはケガの酷いオークさんの回復をしているようだ。

僕はスライム二匹にイオラを叩き込んだ。
スライムたちは避けようとしたが間に合わなかったみたいだ。
騎士たちに比べれば実力が低い。

しかしスライムたちも黙っていない。
一匹が僕にマホトーンを!もう一匹がマグマンさんたちにマホトーンを唱えた!

マグマンさんと一匹のマグマスライムが嫌な顔をしている。呪文に掛かってしまったのだろう。
もう一体のマグマスライムはメラミを唱えてスライムたちに応戦した。

「僕に呪文は効かないよ!」
僕はそういうと更にイオラを叩き込む。

「ふん。キミのよっわいイオなんか効かないよ!アハハハ。」
一匹のスライムが傷つきながらも笑っている。
口が減らない奴だ。

もう一匹のスライムが挑発してくる。
「もっと撃ってごらんよ!もっと!ハハハハ!」

・・・そこまで言うなら撃ってやる!
「イオラ!」

爆発が起こる。スライムたちは身を固めているようだ。
何か対策があるのかと思えば何もないなんて・・・。
15はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:54:57 ID:UifR9wWg
そのときアーサーさんの声がする!
「後ろだ!はぐりん君!」

僕が振り返るとそこには剣を構えた騎士が立っていた!
これを狙っていたのか!

ズパァァン!

嫌な音共に僕は斬り捨てられてしまった。
無防備な状態で斬られてしまったのだ。

うっぐぅ・・・!深手を負ってしまったみたいだ・・・。

アーサーさんがやってきて騎士を追い払う。

深手を負っているのは僕だけではなかった。
オークさんも倒れこんでいる。
スライムたちは騎士が抜けるタイミングを計っていたに違いない。

僕に止めを刺そうとスライムたちが迫ってくる。
そこに飛んで来たのは一発のベギラマだ。

三匹のマグマスライムが邪悪なスライムたちと対峙している。

「呪文も使えないのに何をするのかな。アハハハ。」

スライムの笑い声が聞こえる。

「俺達の特技を知らないようだな!教えてやるさ!」

マグマンさんがそう叫ぶと地面が揺れ始めた!
16はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:56:26 ID:UifR9wWg
マグマンさんが叫ぶ!
「くらえぇ!」

・・・しかし何も起きない。

「くそっ失敗か。」

「アハハハ。笑わせてくれるね。アハハハ。」
「ハハハハ。ハハハハ。ハハハハッ!?」

次の瞬間一本の火柱が一匹のスライムを包み込んで吹き飛ばした!
残されたスライムが呆然として眺めている。
呪文が使えないもう一匹のマグマスライムがニヤリと笑った。

火柱を食らった邪悪なスライムは焦げ付きながら戻ってきた。
それなりにダメージがあったようだ。

マグマンさんが僕に「休んでいて。」といってくれる。

しかし・・・これじゃあまたお荷物・・・。
僕が無理に体を起き上がらせようとしたら、突然何かが僕を捕まえて森の奥に連れこんで行く!

邪悪なスライムもマグマンさん達も戦いに夢中で気づかない!
森の奥に入ると僕は放り投げられた。

僕の目の前にはなんとベホマスライムたちが立っていた。
そのうちの一匹が僕に手をかけたかと思うと見る見るうちに傷が癒えていく。

僕が「何で・・・」と聞こうとしたら、聞き覚えのある声がした。
メタリンさんだ。
「へへへっ。ただ逃げるんじゃもったいないから。みんなに知らせてきたんだ。」
17はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/02 22:59:40 ID:UifR9wWg
よく周りを見渡せばいるのはベホマスライムだけじゃない!
入り口に集ってなかった残り半数の住処のモンスターたちが集っている。

「へへへっ。これから突撃するんだよ。僕は逃げるしかないんだけどね。」
「僕のように弱い奴は他人の手を借りれることしか出来ないんだ。勝手に逃げてごめんよ。」
「僕はこのベホマン君たちと組んで傷ついた仲間をこっそりここに連れてきて治療するよ。」
「意識が戻らないモンスターもここなら安全だ。」
「オーク君も助けたかったけど、目立つところにいるからみんなが飛び出してからだね。」

すごい。これだけの人数でいっせいに攻撃すれば騎士だって倒せるかもしれない。
もし誰かがケガをしてもここに運べば助かる。
ピエールさんの言うように奴らにもう誰も奪わせないことが可能だ!

「ベホマンさんありがとうございます!」
僕はベホマンさんに深々とお辞儀をした。

ベホマンさんは無言で触手をふわふわさせて笑っている。

そして僕が最初に飛び出してイオラを唱えることが決まった。
いっせい攻撃の合図を取れるのは戻っても目立たない僕だけだからだ。

・・・このままあいつらの好きにはさせない!
18書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/02 23:02:52 ID:UifR9wWg
今日はここまでです。
続きは明日投稿します。
明後日まで連続で投稿して普段のペースに戻る予定です。

普段と違い積極的にスレを立ててしまいましたが、やはり最後まで書きたい・読んでもらいたいという気持ちからなのでご容赦ください。
それではまた。
19喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/03 16:44:11 ID:jzVfRO1D
うわああ!!
見つけた時、かなりビックリしました!!
ハァハァ…まさか続きが見れるなんて思ってなかった、これ夢ですか!?
一足早いクリスマスプレゼントをもらったかのようです!

がんばれーがんばれー。そしてお疲れノシ
20名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 21:12:17 ID:/wfyesKf
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 アーサー!アーサー!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 アーサー!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩ピタ
(; ゚д゚)   ・・・ ・・・

  _  ∩
(; ゚∀゚)彡 アーサー!アーサー!
 ⊂彡

正直アーサーの方が好き。
21名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/03 22:23:30 ID:utRLlJf2
復活ありがとうございます。
今回も乙。
しかも連投予告とはっ!
作者さんGJ!
22はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:20:01 ID:TNfc3w/0
僕はすぐに森を飛び出した。
マグマンさんたちがこっちを見て驚いている。
僕がぴんぴんしているからだ。

邪悪なスライムが悪態をつく。
「ふん!どんな魔法を使ったのやら!」

ピエールさん達と戦っていて邪悪な騎士達は余裕がない!
バブルスライムさんが毒を振りかけて援護もしている!
今がチャンスだ!

「くらえ!イオラ!」

大きな爆発が邪悪なスライムたちを覆う!
そしてそれと同時に多くのモンスターがなだれ込んできた。

「なっなに!?」
邪悪なスライムたちが戸惑っている。
オークをメタリンさんが運んでいくのが見える。

騎士達も何が起こったかわかっていないようだ。
多くの呪文が飛び交い騎士やスライムを攻撃していく!

しかし騎士達は獲物が増えたばかりだといわんばかりに攻撃を続けている!
攻撃を避けては斬りつけ、呪文をかわしては斬りつけ、ピエールさんやアーサーさん以外は攻撃に対処できていない。
スライムたちも呪文の大半をかわしている。

大勢で戦っても無意味なのだろうか。
いや、違う!
少しずつ少しずつだが邪悪な者達が押されている!
23はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:21:46 ID:TNfc3w/0
しかしここで安心は出来なかった。
メタリンさんや普通のスライムさんたち、医療班(こう名付けたいと思う)によって運ばれる者たちも少なくなかったからだ。
もっとも傷ついた者も死なないうちに治療され、再び戦地に戻ってくる。

邪悪なスライムたちも流石に変だと思ったのだろうか、周りを見渡し始めている。
しかし気づかれるわけにはいかない。

「イオラ!」
僕は様子をうかがっている二匹にイオラを叩き込んだ。

「ベギラマ!」
「メラミ!」

僕が呪文を唱えるとほぼ同時に他の者も呪文を唱える!

一匹の邪悪なスライムが僕に向かってくる!
僕はその攻撃をかわして更にイオラを叩き込む。

だが邪悪なスライムは身を固めてイオラに耐えきった!

「呪文が効かないといったが、これならどうだ!」

邪悪なスライムの一撃が僕を襲う。
痛くはない・・・が・・・。
なんだ。これは。突然睡魔が襲ってくる。

「ハハハハ!眠りながら死ね!」
おぼろげながら邪悪なスライムが空高く舞い上がり攻撃してくるのが分かる!

体が動かない。頭が働かない。
しかし僕は攻撃を食らわなかった。
一匹のマグマスライムが僕を庇ったからだ。
24はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:24:21 ID:TNfc3w/0
「マグノーーーフ!」
マグマンさんが大声で叫ぶ!

その声で僕は意識がはっきりした。
イオラで邪悪なスライムを撃退し、マグノフと呼ばれたスライムの方へ顔を向ける。

・・・よかった。深手だが息がある。
「すみません。僕のために。」

僕はどうしようもなく申し訳ない気持ちになった。

「気にしなくていい。呪文の使えない私よりもずっと君の方が役に立つ。」

なんて救われる言葉を言ってくれる人だろう。
そうだ!庇ってもらったのならば庇ってもらった分役に立たなくては!

メタリンさんが飛び出してマグノフさんを連れて行く。

「アハハハ。見切ったぞ。」
もう一匹の邪悪なスライムが大勢のモンスターを振り切りながらやってくる。
「アハハハ。今の赤い雑魚もそうだ。他の雑魚もそうだ。あの森の奥に連れて行かれてそこから戻ってくる!」

イオラを食らった邪悪なスライムがすぐさま起き上がる。

「ハハハハ。よく気づいた!それならば騎士達に知らせて吹き飛ばしてもらうとしよう!」

だめだ。こいつらを行かせちゃならない。
これが僕の仕事だ!
25はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:26:44 ID:TNfc3w/0
マグマンさんが叫ぶ!
「そっちの馬鹿スライムは頼んだ。こっちは防ぐ。」

マグマンさんを筆頭に大勢のモンスターが邪悪なスライムの一匹に押しかかる。

「もう一匹を止めましょう!」
まだこれほど居たのかと思うモンスターの大群から一匹のモンスターがみんなに声を掛ける。

「うん!」
ぼくは返事をして邪悪なスライムへ向かっていく。
必死になったスライムは強く素早かった。

しかし僕達は呪文を駆使して止めていく!
一匹また一匹と仲間が倒れていくが僕はどんな攻撃を受けても倒れないようがんばった。

「イオラ!」
僕の呪文が完璧のタイミングで邪悪なスライムに入った!

地面に叩きつけられ邪悪なスライムは深々と倒れこんでいる!
「ぐ・・・ハハハハ。くそっ。このオレが」

どうやら深手を負ったようでモンスターのいない方へ逃げていく。
あの方向に逃げるならば騎士の元には辿り着けないはずだ。
大勢のモンスターがそれを追っていく!

ホッとした時にマグマンさんの声がする。
「まずい!」

声の方を振り返るともう一匹のスライムが、複雑な包囲網を潜り抜け、マグマンさんを倒し、騎士の方へ飛んでいくではないか。
26はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:29:03 ID:TNfc3w/0
僕は猛スピードでそっちを追う!
あとニ十歩、十歩・・・。
「イオラ!」
爆発が邪悪なスライムを覆う!

「アハハハ。痛い!痛いよ!いい加減褒めてやるよ!だけど!!!気を失うほどではないね!」
「アハハハ!ここなら聞こえるだろう!ダークン!」
「ダークン!あそこだぁ。あそこの森を燃やし尽くしてしまえぇぇ!」

邪悪な騎士が無言で頷き、モンスターを振り払って飛び上がる!
まずいあそこにはケガ人やベホマスライムたちが!

「だれかとめてぇーーー!」
僕は夢中になって叫ぶ!

「ベギラ・・・」

しかし騎士が呪文を最後まで唱えることはなかった。
アーサーさんが飛び上がって斬りかかったからだ。
騎士は詠唱を止め、剣を取らざるを得なかった。

騎士は低い声だった。声からして最初にアーサーさんと戦っていた方だろう。

「ふっ。僕がいる限り好きにはさせないよ!全てを晴らすと言っただろう!」

ボロボロにもかかわらずアーサーさんの剣は美しくとても正確だった。
その気迫は怨念めいていて流石の騎士も防戦一方だ。

ズパァァァン!
とうとうアーサーさんが騎士を深々と斬りつけた!
騎士は愛スライムに寄りかかるので精一杯だ。
27はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:31:37 ID:TNfc3w/0
「止めだ!」
アーサーさんの剣が騎士の胸に狙いを定めた!

しかし・・・アーサーさんの剣が騎士の胸を貫くことはなかった・・・。

騎士が素手でアーサーさんの剣の柄を掴み、攻撃を左へ受け流したからだ!

止めを刺そうと力いっぱい斬り込んだアーサーさんの体勢が崩れる。
そして・・・騎士の剣が逆にアーサーさんの胴体を貫いた。

「アーサーーー!」
ピエールさんの叫び声が聞こえる!
悲鳴にも近い。

僕も叫んでいた。

アーサーさんは倒れることもなくしっかりと騎士の両手をつかんでいた。
口からは血が流れている。しかし声は大きい!

「ふふっ。倒したと思っただろう・・・。ギリギリだったからな・・・私の攻撃が。さぞかし美しい僕の顔が怖く見えたことだろうな。」
「ホッとした所に悪いが、わ・・・私はまだまだ死ねないのだよ。美しい僕に血を吐かせるとは・・・君は勲章ものだな!・・・はっはっは!」

「しかしぃぃ!その勲章はあまり美しいものではないぞぉぉ!」

アーサーさんがそう言い捨てるか言い捨てないうちにか、ピエールさんが騎士の方へ走りこんでいく!

騎士がアーサーさんから剣を引き抜こうとするが、アーサーさんに手を掴まれて思うように動かせない。
28はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:34:45 ID:TNfc3w/0
マグマンさんが危ないと叫ぶ。
一本の剣がピエールさんに向かって飛んでくる!

ピエールさんは剣にも目もくれず、騎士の背後に回った!

そして掛け声もなく騎士の首を刈り取った。

更に騎士の元から逃げようとした愛スライムを返す刀で斬り捨てた。

アーサーさんが何かを探している。
駆け寄ってくる僕の姿を見つけると探すのを止めた・・・。

「はあはあ・・・はぐりん君。すまない。どうやら申し込んでおきながら、旅の返事を聞くことは出来なさそうだ。」
「旅か・・・君たちと旅をしたら・・・珍しい物を見て感動しただろうし、僕の美しい顔を見せて回ってみただろう。・・・ピエールを田舎者扱いして笑ってやったかもしれない・・・やりたいことはたくさんあったんだがな。ははは。」

僕は急いで言った。
「返事は『はい』ですよ!アーサーさんも来るんです。向こうにベホマスライムさんたちがいますから!だから!」

「だめだよ。時間がない。騎士が離れん。そしてはぐりん君。騎士の腕についてるあの腕輪を知ってるかい。」
「はあはあ・・・。うっすら光ってるだろう。二人とも光が充満する前に逃げるんだ。・・・爆発する。」

ピエールさんが突然暗い声を出す。
「スマン。私も助かりそうにない。」

僕はそれを聞いてピエールさんの方を見た。
ピエールさんは無傷だった。
しかし乗っていたサスケ君が既に息をしていなかった。
先ほど投げられた剣がふかぶかと突き刺さっていたのだ・・・。
29はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:37:21 ID:TNfc3w/0
「私達スライムナイトはスライムと生まれたときから一緒に育ってきた。だからこそ声を掛けずとも思うがままに動けるのだ。」
「私にはサスケしかいない。こいつは最後の最後に命も省みずに動いてくれたよ。」

「そんな・・・。」
僕は返す言葉がなかった。

アーサーさんが喋る。徐々に声が弱くなっていく。
「目的を忘れるな・・・。僕たちは何をしても生き延びる努力をせねばならんのだ。」
「お前は生き延びるんだ。騎士を一匹倒したところで僕達の目的は終わらない。」
「奴らを倒し、二度と目の前で仲間が殺されることのない世界に・・・それが僕たちの願いだったはずだ。」

「しかし・・・。」
ピエールさんは本当に悔しそうだ。

「スタリオンがいる。お前はこいつを見捨てる気か。」
「僕とお前は兄弟当然に育った。サスケほどではないがこいつとの息も合うだろう。」

スタリオン君は泣いている。
しかし首を横に振った。既にアーサーさんと一緒に残る覚悟なのだ。

「最後のお願いだ。スタリオン。行ってくれ。お前に死んで欲しくない。そしてこのお願いには僕の希望が掛かっているんだ。」

スタリオン君は力なく頷いた。
30はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:39:23 ID:TNfc3w/0
アーサーさんはピエールさんの方に再び顔を向けだ。

「最後にピエール。ふっ。いつか言おうと思っていたが、お前もなかなか味のある顔をしているよ。その顔を見せに回る旅というのも面白そうだ・・・。くっく。晒し者って奴だ。」

「何が晒し者だ!お前に言われなくとも旅に出てやるわ!」

「それを聞いて安心したよ・・・。」
「もう一分たつ。危険だ。行ってくれ。この騎士の生命力が強いおかげで話す時間が出来たな。はっはっは。」

もう腕輪の光が充満している。

ピエールさんは最後にサスケ君を見て今までありがとうと言った。

僕たち二人は他のモンスターに避難するように言いながら距離をとった。

みんな森の中に入っていく・・・。
そして・・・二十秒後・・・想像を絶する爆発が辺りを包んだ。

砂煙の中、遥か空の上から声がする。

「アハハハ。キレイな爆発だったね。巻き込まれたモンスターがいないのがほんんんんんんんんとうに残念だよ!」
「メガンテの腕輪のことを知ってる奴が居たのかな?ケガを治そうと森の中に連れて行けば最高だったのに!」

いつの間にか宙に三匹のモンスターが浮かんでいる。
31はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:40:40 ID:TNfc3w/0
「ハハハハ。今回は一応引き上げてやるよ。」
「それに安心してくれ。この住処はもう襲わない!」
「オレの真っ先に殺してやりたい奴とたまたま探してた奴が一致したからね。」
「ふふっ。他人に化けるなんて悪いことやるもんじゃないよ。」

そういうと邪悪なスライムは僕の方を見た。

彼らは・・・やはり・・・ゆうぼうの・・・。

「アハハハ。そうだな。まずは君たちのいるところを襲うとしよう。」

無言な騎士が珍しくピエールを指さしてつぶやいた。
「次はこんなボロイ鎧やあんななまくら刀ではなく本物の装備で相手をしてやる。」
やはり高い声だ。

「アハハハ。それじゃあねー。」

何人かのモンスターが呪文を唱えるが遠ざかっていく三匹には届かなかった。

・・・その日は疲れ果ててみんな眠った。

しかしまたすぐに襲ってくるのではないかと不安に駆られた者も少なくなかった。

けが人も多かった。途中からの死人は・・・幸か不幸か一人だけだった。
32はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:42:43 ID:TNfc3w/0
次の日、三十三日は墓を立てた。

墓の前ではねぼうさんやアーサーさん、サスケ君にお別れをした。
他のモンスターの墓にも祈りを捧げた。

ピエールさんが声を掛けてくる。

「墓といってもほとんどが中身のない形だけになってしまったな。」
「・・・私も連れて行ってくれるかい?」

「もちろんです。ぜひ・・・。」

「暗くなるな。私は旅を楽しみにしているんだ。奴の分も楽しんでやるさ!」
「実際今まで言わないでいてやったが、私の方が顔が良いからな。うむ。奴の様に顔を見せて回るというのも面白い。この美しい私の顔を・・・な!」

メタリンさんが声を掛けてくる

「へへへっ。行こう。迷いの森だったね。」

「ええ。まずはそこへ。」
33はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:44:06 ID:TNfc3w/0
マグマンさんが声を掛けてくる。

「俺も連れて行ってくれないか。」
「あいつらには借りが出来た。」

「はは。断る理由がありません。」

ベホマンさんが声を掛けてくる。

「事情はメタリン君に聞いたよ。私はここの治療に忙しくてついてはいけない。」
「が・・・この手紙を持っていってくれ。ホイミスライム族ができる限りの協力してくれるはずだ。」

「何から何までありがとうございます。」

・・・・・・。
僕は新たな仲間と・・・アーサーさんの願いを胸に加えて・・・森を出た。
34書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/04 00:48:03 ID:TNfc3w/0
今日はここまでです。
少し遅れてしました。すみません。
・・・内容的にあまりレスする雰囲気じゃないですね。

>>19
そこまで喜んでいただけるとは!
ありがとうございます。

>>20
orz

>>21
ありがとうございます。
そういっていただけると助かります。
35喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/04 11:11:16 ID:7F2OICdQ
お疲れ〜。

アーサー……
36書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:31:16 ID:B/6egkDs
森を出てもうニ時間は経つ。
西に向かって歩いていく。このペースで行けば明後日には着くだろう。

みんな足取りが重い。話すにはみんな話すのだが、どうも盛り上がりそうもない。
やはり昨日の今日では影響が大きいのだ。

「へへっ。迷いの森かあ。懐かしいなあ。」
メタリンさんが話しかけてくる。

「行ったことがあるんですか?」
僕は決まり文句のように聞き返す。

「行った行った。この辺の奴はみんな行ったことがあるんじゃないかな。」

マグマンさんが付け加える。
「小さい頃なんかあそこで隠れんぼしますからね。住処からあそこまで辿り着くのは大変だったなあ。遠いから。」

「僕が行ったのは随分前・・・初めてこの辺りについたときだよ。」
「この辺りで一番安全だって聞いたからねぇ。へへへっ。」
「でもプチット族の皆さんに丁重に追い返されちゃったよ。」

「ははは。僕もですよ。ははは・・・はあ。」
僕は面白く笑ったがどうしても笑いきれなかった。

「暗い!暗いぞ!はぐりん君!」
少し後ろの方から声が聞こえてくる。
ピエールさんだ。

ピエールさんは歩みがゆっくりだ。それでも普通のモンスターの歩みよりは早いのだがついつい僕たちの足が速くなってしまう。
ピエールさんはスタリオン君にまだ慣れ切っておらずうまく歩けないのだ。
37はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:32:02 ID:B/6egkDs
「くっ。スタリオン。少しゆれが強くないかね。それに・・・もう少し早く動けないか?」

スタリオン君の呼吸と合わず、マリオネットのようにピエールさんがぎこちなく動く。
ああ。マリオネットがこんがらがってしまった!
スタリオン君が早く動きすぎてしまい、ピエールさんが落っこちてしまったのだ。

ズジン!
ズルズルズル・・・。
嫌な音共にピエールさんが顔からすべり落ちてしまう。

「いたた。いやいや失礼。動作は私の方が合わせるべきだったな。はっはっは!」

ピエールさんが頭をかいて顔を赤らしめる。
みんなに落ちる所を見られて恥ずかしいのだ。

「あははは!落ちちゃった!」

僕はついピエールさんの落ち方とリアクションが面白くて笑ってしまった。
メタリンさんもマグマンさんも笑っている。

「いやいや。難しいんだぞ。乗ってみるかね。はぐりん君。」

「遠慮しておきます。ピエールさんみたいに落ちたら困ります。」

「うんうん。その通りだ。はぐりん君。」
マグマンさんが腕を組み頷いている。
38はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:32:54 ID:B/6egkDs
「うぅ。そこには触れて欲しくなかった・・・。くっ!スタリオン!必ずやあのバカ共を見返してやるぞ!」

・・・しかしスタリオン君の反応は薄い。

「スッ・・・スタリオン!返事は!?」

ぴー

「っ〜〜〜。スッスタリオーーーン!!!」

「スタリオンはまだショックが大きいんだよ。無理させちゃ駄目だよ。」
メタリンさんが容赦なく突っ込む。

「うぅ。わかっている。わかっているとも。スタリオン、少しずつ慣らしていこう。」

スタリオン君は元気なさげに頭を縦に振る。
ピエールさんのおかげで僕たちは元気が出てきたが、スタリオン君だけはやはり暗い。

「そうだ。俺はなぜはぐりん君が旅に出たのか聞いてないや。」
マグマン君が突然こっちを振り向いて聞いてくる。

「えっ〜と。どこから話せばいいか。」
「色々あって元々住んでた場所に居れなくなっちゃったんですけど・・・それで外の世界に出れば何か見つけるかもしれないと思って・・・それで・・・思い切って出ちゃいました。」
「あっ。初めは・・・恥ずかしいことに友達がいなかったんで・・・友達と・・・自分を受け入れてくれる場所を探してました。」

「ふふふ。素敵な理由じゃないか。俺はもう友達に入れてもらえるのかな?それともまだ足りないかい?」

「足りないだなんてそんな・・・。もったいないくらいですよ。」

「よし!よく言った!これから俺のことは呼び捨てで構わないぞ!」

「ははは。わかりました。マグマン。」
39はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:35:28 ID:B/6egkDs
「えっと。どこまで話したかな。それで・・・色々な人に会えて・・・色々見たこともない景色を見れて・・・旅自体が好きになっちゃたんです。」

僕は話していると何だか恥ずかしくなって来てしまって顔が火照って来てしまった。

「けど、今は旅というよりは例のゆうぼうというスライムを追っているんです。」

「うらやましいぞぉー。はぐりん君!『私もみたこともない景色』とやらが見てみたい!」
ピエールさんが遠くで不気味な動きをしながら話に入ってくる。

「いずれ見れますよー。きっと!」
とりあえず手を振ってみる。

ああ!手を振り返そうとして落ちてしまった。
ごめんなさいピエールさん・・・。

「友達と住処を探してか・・・。僕があっちこっちを回る理由と似てるな・・・。」
メタリンさんがつぶやく。

「えっ?理由って?」

「いやいや。大したことじゃない。ぼくはね・・・。そう・・・楽園を探しているんだ。もう逃げる必要のない楽園を・・・ずっと幸せに過ごせる楽園を・・・ね。それもず〜っと昔から・・・逃げながらね。」
「ずっとずっと昔・・・ゆうぼうのことがあったその前から憧れてるんだ。夢の様なものさ。」

「へーー。大きな夢ですね。楽園は見つかりましたか。」

僕は楽園という言葉に少し魅かれた。
逃げる必要がない住処なんて僕たちメタル族には夢のようだからだ。

「へへへ。見つかったらこんなところにはいないよ。そこでずっと過ごしてるさ。」
「でも・・・実は・・・気づきかけてるんだ。それも昔からね。楽園って言うのは探せる物なんかじゃないんじゃないかってね。」
「逃げる度、逃げる度に。場所を変える度、変える度にね。でも・・・いつかは楽園に住みたいんだ。」
40はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:37:49 ID:B/6egkDs
「いいじゃないですか!見つけましょうよ!」
僕は大きな声で呼びかけた!

「へへへ。一緒に探してくれるかい?」

「探しますよ!ゆうぼうを止めたら一緒に探しに行きましょう!逃げる必要のない場所!幸せに住める場所!」

「へへへ。でも見つからないかもしれないよ。」

「見つけるんですよ〜。」

マグマンが口を開く。
「ふふふ。見つかるといいね。」

「何を見つけるんだって!?」
さっきよりも更に遠いところからピエールさんが声を掛ける。
もう随分ボロボロだ。

「いえ!何でもないですよ!」

「そっそうか。どうだ。少しはまともに歩けてるかね?」

・・・うーん。正直に言うべきだか迷うところだ。

「そろそろ昼ごはんにしよう。」
マグマンが提案する。

「うん!ピエールさんゆっくり来てください!僕たちはご飯の準備をしますから!」
41はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:40:36 ID:B/6egkDs
僕たちはせっせと食べ物を探した。
途中で好戦的なモンスターに出会った。
姿形からマンドリルというモンスターだったと思う。
しかし大した相手ではなかったので省略する。

僕たちがご飯を用意したときにはピエールさんが待っていた。

「すまんね。用意してもらって。」

「いえいえ、構いませんよ。」

今日の昼ごはんは山菜を中心にりんごやぶどうを用意した。

そういえば三人の好物を聞いていない。聞いておかなくては。

りんごにかぶりつきつつ、みんなに話しかける。
「みなさん。好物ってありますか。」

基本の話題。
これを聞いておけば食事の時に何を優先的に探せばいいか分かるようになる。

メタリンさんの場合。
「へへへっ。僕はこれ。ぶどうだな。甘酸っぱい奴がいい。」

僕。
「ぶどうおいしいですよね。僕も本当に好きなんですよ♪」

「だよね♪」
42はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:41:23 ID:B/6egkDs
ピエールさんの場合。
「ここにはないが・・・やはりステーキだな。レアが好みだ。」

僕。
「やっぱり騎士はお洒落な物がいいんですかねー。」

「お洒落か。ははは。確かにな。そういえばスタリオンは梅干が好きなんだったかな。なあスタリオン?」

プイ。

「スッ・・・スタリオンッッッ!」

僕。
「・・・・・・・・・。」

マグマンの場合。
「俺は決まってるよ!溶岩一択さ!」


「溶岩おいしいですよね。僕も本当に好き・・・え!?」

「なっ!おいしいよな!俺たちマグマスライムといえば溶岩さ!」

僕。
「はあ・・・・・・・・・。」

「マグマスライム以外は食べれないとか、試してみたらケガしたとか聞くけど本当にうまいんだよ。あれ。」

僕。
「でっ・・・ですよね!ははは・・・。」
43はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:45:46 ID:B/6egkDs
「むしろさあ、他の食べ物が冷たすぎるよね!野菜炒めとかあるけど、あれ本当に炒めたのかって話だよ!」

僕。
「・・・・・・・・・。」

「普通の炎ですら冷たいって言うのにさあ。やっぱり最低でも1000度は欲しいよ。」

僕。
「・・・・・・・・・。」

「でも至高は1429.2度!これだね。やっぱり。ここが一番いい。ここが。これに薬草を混ぜて食べるのが通の・・・」

僕。
「・・・・・・・・・。」

「よし!今度一緒に食べに行こう!おいしい山を知ってるんだ!」

僕。
「いえ・・・丁重にお断り致します。」

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
すごい。メタル族にはない凄さを知った気分・・・。

マグマンが更に続ける。
「ありゃりゃ。残念。メタルスライムはやっぱり鉄を食べるのかい?」

・・・うーん。僕は聞いた事がないなあ。
44はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:46:46 ID:B/6egkDs
「メタリンさん聞いたことあります?」

「聞いたことないねぇ。でも星の数ほどいるメタルスライムの中には一人くらいはそんな奴がいるかもねぇ。」

「すみませんマグマン。僕も聞いたことないです。それと・・・溶岩も本当は食べたことありませんでした。」

「あらら。そうなのか。それじゃあ無理には食べさせられないな。気にするなよ、はぐりん。」

ピエールさんが口を挟む。
「ちょっちょっと待った。君たちいつの間に呼び捨て合っているんだ。はぐりん君。私のことも気にせず呼び捨てにしたまえ!旅の仲間だろう!」

「あっ・・・ですけど、ピエールさんとメタリンさんは明らかに年上ですから・・・失礼ですよ。」

「ちょっちょいっちょっとまて。その発言はおかしい!私は確かにすこーしだけ年上だが、そこまで差はないぞ!」
「少し前まで半人前だったと言ったじゃないか。私は言うならば大人と子供の間なんだよ!」
「口調が大人びているのは・・・騎士のマナーだからだ!」

「そういえばそうでしたね。大人っぽいからつい・・・。」
「でも・・・僕が呼び捨てで呼ぶって事は・・・ピエールさんからも呼び捨てで呼ぶことになっちゃいます。」

「うぅ。それはまずい。だが、・・・いや、わかった。任せよう。でも私だけさん付けというのはちょっと。」
45はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:48:37 ID:B/6egkDs
「へへへっ。友達なんてのは確認したり、呼び方で決めるもんじゃないよ。僕のことはそうだな・・・はぐメタと合わせてくれ。」

「あっ。わかりました。メタリン。」

「はぐりん君ーーーッ・・・!」

「分かりました。ではピエールさんのことも呼び捨てで・・・。」

「よし。では改めてよろしくな。・・・はぐりん。」

「お願いしますね。ピエール。」

「それとスタリオンもな。」
「さて・・・ではそろそろ行こうか。」

「はい。そろそろ出ましょう。」

そしてその日はみんなで話しながら夕方まで歩き続けた。
少しずつ気分は晴れてきた。
46書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/05 01:53:45 ID:B/6egkDs
ぐふっ。凄く遅れちゃいました。すみません。
しかも初レスを失敗。
一応12時過ぎに一度来たのですが落ちてたようでそのまま寝;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン

以後気をつけます。

続きは一週間以内に。
47書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/05 02:15:44 ID:B/6egkDs
あっそれとたまたま発見したのですが、今回顔文字を探していて・・・

http://www.google.co.jp/search?q=cache:I5Lq52rmja8J:users72.psychedance.com/test/read.cgi/2chdown/1028244942/l50+%EF%BE%80%EF%BD%B0%EF%BE%9D%E3%80%80(%EF%BE%9F&hl=ja

これでターン関係のHPのキャッシュを覗いて見てください。

どうしても伝えたいという欲求が・・・。
では消えます;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
48書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/05 02:17:27 ID:B/6egkDs
間違えた。こっだorz
http://www.google.co.jp/search?q=%EF%BE%80%EF%BD%B0%EF%BE%9D%E3%80%80%28%EF%BE%9F&hl=ja&c2coff=1

一緒なんですけどね。

まさか一日に三度死ぬことになろうとは;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
49喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/05 14:39:48 ID:XGWGO/dZ
乙。

>ターン
皆泣いててワラタ
50アーサー厨:04/11/06 12:38:03 ID:A/JsHpMa
忙しかったからこのスレ来れなかったぜ。
久しぶりに来たら大量にレスがあるな。うん。楽しみだ。
そうだ。紅茶を入れてまったりと読むか。

そうそう今日も一発やっとかないとな。

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 アーサー!アーサー!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 アーサー!アーサー!
 ⊂彡
  _  ∩ピタ
(; ゚д゚)   アー・・・ ・・・

(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?

51アーサー厨:04/11/06 12:39:14 ID:A/JsHpMa
    〃〃∩  _, ,_
     ⊂⌒( `Д´) < アーサー死んじゃヤダヤダ!
       `ヽ_つ ⊂ノ
              ジタバタ
      _, ,_
     (`Д´ ∩ < これからも出てくれなきゃヤダヤダ
     ⊂   (
       ヽ∩ つ  ジタバタ
         〃〃
 思い出す
 もっと思い出す
 深く思い出す
>忘れる
       ∩ _, ,_
     ⊂⌒( ゚∀゚ ) < 溶岩の話面白かったよ!乙!
      `ヽm6 ⊂ノ    フォオオオオハハハハハ!
52名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/06 20:39:09 ID:kUhgRxsD
作者さん今回も乙です。
少しくらいの遅れなんて気にすることないですよ。
投入されているだけでうれしいっす。

>>50, >>51
アーサー厨さんおもろいな。
ちょっと笑ってもうた。
53名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/07 15:24:04 ID:9iWpe7BC
応援してますマジでマジで
54うわさのぶちキング ◆sU/ZJZJbvw :04/11/08 19:48:16 ID:LEwOrHi4
頑張ってください 応援してます
55アーサー厨:04/11/08 23:53:13 ID:li1owMVl
自分なんかを褒めていただいてどうも。自分はアーサーの活躍が見れれば十分ですから。次の活躍はいつかな〜。楽しみだ。

突然何を思ったかマグマンの溶岩自慢を改変こぴぺ化してみる。
そしておもむろにキングススレに張ってくる。
駄作なので無視推奨。思ったよりもいじり辛いと言うことが分かったのでもうやらない。
というか原文とどめてない。
56アーサー厨:04/11/08 23:54:40 ID:li1owMVl
しまった。上げる気はなかったのに。はぐりんさんすみません。
57喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/09 00:16:48 ID:Cs5wRuJ+
誰でもうっかりageることはありますよ。
マターリ頑張ってほしいです。>書き手さん

毎日見守ってますんで。
58うわさのぶちキング ◆sU/ZJZJbvw :04/11/09 20:35:11 ID:ycqckwHe
翔ちゃんです!!
59うわさのぶちキング ◆sU/ZJZJbvw :04/11/09 20:36:46 ID:ycqckwHe
ageちゃった・・・
60名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/09 21:02:14 ID:9yaZZKNR
>>55
:::::::::::/           ヽ::::::::::::
:::::::::::|  現  な  闘  i::::::::::::
:::::::::::.ゝ 実   き   わ  ノ:::::::::::
:::::::::::/  と。 ゃ     イ:::::::::::::
:::::  |           ゙i  ::::::
   \_         ,,-'
――--、..,ヽ__  _,,-''
:::::::,-‐、,‐、ヽ. )ノ      _,,...-
:::::_|/ 。|。ヽ|-i、      ∠_:::::::::
/. ` ' ● ' ニ 、     ,-、ヽ|:::::::::
ニ __l___ノ     |・ | |, -、::
/ ̄ _  | i     ゚r ー'  6 |::
|( ̄`'  )/ / ,..    i     '-
`ー---―' / '(__ )   ヽ 、
====( i)==::::/      ,/ニニニ
:/     ヽ:::i       /;;;;;;;;;;;;;;;;
61アーサー厨:04/11/09 23:46:25 ID:7xMmV5i5
現実?
今日もリアルで仕事をしてきましたよ?
いやーがんばった。
いえわかってますとも。うう。
62喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/10 02:52:39 ID:7sEouHBb
>>58
翔ちゃんキタ!Σ(゜∀゜;)

保守る
63はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:10:22 ID:Xqr81VaA
三十四日目。

「うりゃ!そりゃ!」
「うりゃ!そりゃ!」
「うりゃ!そりゃ!」

今朝はこんな掛け声を聞きつつ目が覚める。
重たいまぶたを無理にこじ開け周りを見渡す。

ん?
うわーーーーー!なんと誰も居ない!

まだ日が出たばかりで明るいとは言いがたい。
みんななんて早起きなんだろう。

掛け声のする方へ行ってみると、ピエールがスタリオン君と空高く舞い上がる練習をしている。
スタリオン君にジャンプ力があるせいか、今ひとつタイミングがつかめてないみたい。
舞い上がるたびにピエールが転げ落ちており、体中が擦り傷でいっぱいだ。

でも気になるのはむしろスタリオン君の方だったりする。
やっぱり元気がなさそうだ。

影から見続けているのも申し訳ないので他の二人を探してみることにした。

ピエールは練習があるから分かるとしてあとの二人はどうしたのだろう。

寝床の付近を見渡すとピエールが居た方向とは反対の方向がやけに明るい。
きっとマグマンが居るに違いない。

おおっ。やっぱりマグマンだ。
まるで何かを探しているかのようだ。
64はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:11:14 ID:Xqr81VaA
「何をしているんですか?」

僕が訪ねるとマグマンがビクッとしてこっちを振り向いた。

「ああ。誰かと思ったらはぐりんじゃないか。」
「いやいや、朝食を探して居たんだよ。」
「ピエールが頑張っていたみたいだから何かしてあげようと思ってね。」

そういうとマグマンはまた周りを見渡した。

「僕も手伝いますよー。」

僕はそういって辺りを見渡した。
あっ。奥にあるあれはりんごじゃあないか♪

こうして僕はマグマンと小一時間くらい朝食を探し続けた。
よし!昨日に負けないくらいの朝食が出来たぞ!

寝床に戻るとメタリンがいる。

「おはよう。二人とも食べ物をとっていたのか感心だなー。」
そういうと大きくあくびをした。

「おはようございます。メタリンは何をしていたんです?」

「僕?へへへへ。僕は空気を吸って少し先まで歩いていったんだよ。」
「この辺は見たことがあったから道が合ってるか確かめたかったんだ。」

うーん。二人とも偉い。あのまま眠り続けていたら大変なところだった。

そうこう話しているとピエールがやってくる。
昨日に比べて随分と歩くのに慣れたみたいだ。
65はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:14:19 ID:Xqr81VaA
「おおっ。また食事の用意をさせてしまったか。すまない。」

「いえいえ。それよりもケガは大丈夫ですか?」

「ああ。この程度なら大したことはないよ。かすり傷ばかりだ。」
「それよりも走ったりや飛んだりとまではいかないが、歩くくらいは出来る様になったぞ。」

「おめでとうございます。」
僕はそういって果物を手渡した。

その後は「明日には迷いの森に着くかどうか」「もし手がかりが何もなかったらどうするか」など今後の計画を話しながら食事を取った。

この後は昼間まで歩き続けることになる。
歩いている間の会話には事欠かなかった。
お互いの故郷について話すだけでも話し切れなかったからだ。
マグマンの変わった火山暮らしにはお腹を抱えて笑ってしまった。
マグマンは故郷が死火山になってから仲間とここいらに引っ越してきたらしい。

昼になると食事を取った。
このとき僕の身に付けている「丸い水晶のネックレス」について触れられた。
河から流れ着いた先で少女から貰った、僕にはちょっと不釣合いな大きな水晶玉のことだ。
言われるまで気づかなかったが良く見るとホコリや砂で汚れてしまっている。
あの騎士たちとの戦いが有ったせいだろう。

メタリンが言うには壊れる危険があるからどこかで袋でも見つけてしまっておいた方がいいらしい。
たしかに人間がつけるような大きさのこの水晶玉は戦いの邪魔にすらなるかもしれない。
よし。迷いの森に着いたらプチット族にでも頼んでみよう。
66はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:15:12 ID:Xqr81VaA
手に入れたときの話をしたらマグマンにとても褒められてしまった。
なんでも僕には魔物使われの才能があるらしい。
何だか語弊のある言い方だが、簡単に言ってしまうと人間と仲良くなる才能のことらしい。
そういわれると嬉しいがその言い方はないだろうと思う。

その後は更に歩いていく。
随分と好調だ。このペースで行くと明日の昼には迷いの森に着くはずだ。

もっとも夕方になってとうとうモンスターと出会ってしまった。
もちろん今までも出会ってはいたのだが、好戦的ではなかったのだ。
そのモンスターの名はアームライオン。
数え切れないほどの手を持った百獣の王だ。

「ぐはぁ〜っ。」

「あまりおいしそうではないな。」
顔に手を二つ当てている。

「そこを通してくれないかい?」
マグマンが尋ねる。

「ぐははは。いいとも。通行料を置いていけばな。」
「通行料は・・・俺様の飯だぁ!」

アームライオンはそういったかと思うといくつもある手を複雑に動かして攻撃を仕掛けてくる。
爪が鋭くメタル族も切り裂くだろう。
67はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:17:50 ID:Xqr81VaA
僕とメタリンが攻撃を避ける。
マグマンが攻撃を受け吹き飛ばされてしまった。
ピエールが攻撃を避けようとしたが呼吸が合わず避け切れなかった。
同じく吹き飛ばされてしまう。

「ぐははは。どうした?」
「スライムナイトにしては動きが悪いぞ。」

ピエールの悔しそうな顔とは裏腹にスタリオン君は元気がない。

僕たちだけで戦った方がよさそうだ。
マグマンが起き上がってベギラマを唱える!
しかしアームライオンの火炎の息で防がれてしまう。

更にアームライオンが突撃してくる!
僕に二発、マグマンに一発、強力なパンチを打ち込んでくる。
痛い!
メタリンはとっくに距離をとっていた。くっ流石だ。

「ぐははは。諦めて私の夕食になるといい。」
「後ろのスライムナイトは掛かってこないのか?」
「勇気のない奴め。」

ピエールはその一言を聞いてとうとう攻撃を仕掛けた。
空高く舞い上がったのだ。
「その侮辱。ゆるさん!」

しかし結果はピエールが空高く頭から倒れこんだだけだった。
アームライオンとの距離も合わなければ、着地のタイミングも合っていない。

アームライオンは転がり込んだピエールを殴り起こすと更にもう一発叩き込んで吹き飛ばしてしまった。
そしてスタリオン君も吹き飛ばしてしまう。
68はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:19:08 ID:Xqr81VaA
「ぐははは。なんだそれは?なかなか楽しませてくれるな。」
「教えてやろう。スライムが悪いのだ。お前に全然合わせようとしていない。」
「喧嘩でもしているのか?よく今まで生きて来れたものよ。」
「育てた奴が悪いのだ。育てた奴が。そんなスライムによく育てたものだ。スライムが腐っているなら育てた奴はもっと腐っていたに違いない。」
「おっと。それはお前か。ぐははは。」

アームライオンがそういった瞬間。
スタリオン君が体当たりを仕掛けていた!
ピーピー鳴いている!
しかしパンチを二発お見舞いされた上に、おまけに切り裂かれて吹き飛ばされてしまった。
スタリオン君が倒れこむ前にピエールが受け止める。

「ぐははは。仲良く黒焦げになるがいいわ。」
「ウェルダンかレアか。いやいや中間のミディアムもいいな。」
「よし!ウェルダンに決めたぞ!」

「イオラ!」

アームライオンが火炎の息を吐こうとする寸前に僕の呪文が決まる!
アームライオンは巨体なためか吹き飛ばせなかったが、火炎の息は止めれたようだ。

「こぞう・・・。」
アームライオンがこっちを睨みつける。

「はぐりん。すまないが私たちにやらせてくれ。」
声の主の方を見るとピエールだ。
既に体勢を整えなおしている。
スタリオン君は泣いてしまっている。
育ての主を馬鹿にされたのが余程堪えたのだろうか。
69はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:22:25 ID:Xqr81VaA
ピエールが静かに喋りだす。
「君は触れてはいけない事に触れてしまったぞ・・・。」

「スタリオン。あいつのことを馬鹿にされたら許せないよな。」
「その怒りをぶつけてやるといい。私の掛け声に合わせて思いっきり放り投げてくれればそれで構わない。」
「攻撃の方は私が合わせる。自由にやれ。・・・ただ、着地は信じるからな。」

そこまでピエールが言ったかと思うとスタリオン君が猛スピードで動き出した。
もはやピエールが乗っていることは気にしていないかのようだ。
ピエールはスタリオン君にしがみついている。

「ぐははは。わざわざ焼かれに来おったか。」

ピエールはそんなセリフは無視してスタリオン君に話しかけている。
「いくぞ。うりゃ!」

ピエールがそういったかと思うとスタリオン君は思いっきりピエールを放り投げた。
今まで見た中で一番空高く舞い上がっている。
・・・しかしこれではアームライオンを飛び越えてしまうかもしれない。

「ぐははは。まるで息があっとらんぞ。」
「まずはこっちのスライムを焼き尽くしてやるわ。」

「ははは。剣で斬り付けたいがこれで勘弁してくれ。」
アームライオンが息を吸い込んだとき、ピエールはその頭上に手を向けていた。

「イオラ!」

アームライオンがピエールの方を向いた時には既に遅かった。
爆発がアームライオンを覆う。
70はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:23:22 ID:Xqr81VaA
ピエールがそのまま落っこちそうになったとき、スタリオン君がちょうどにその場に走りこんでいた。
攻撃こそ変だったものの、ピエールは無事着地に成功する。
そして再びアームライオンに向き合った。

アームライオンは怒り狂った目でピエールを捉えている。
「おのれえぇぇ!食料のぶんざいでぇぇ!」

「スタリオン。今の着地は良かった。」
「だがすまない。前言撤回だ。今度はもう少しだけ弱く放り投げてくれ。奴の顔をこの剣で斬り捨ててやれるように。」

「ほざけぇぇ!食料がぁぁ!」
アームライオンが突っ込んでくる。

既にスタリオン君は泣いていない。
ピエールが空高く舞い上がった。
今度は・・・完璧だ!
71はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:24:27 ID:Xqr81VaA
アームライオンが息を吸い込み真上のピエールに向けて火炎を吹きかける。
しかしピエールはその火炎を剣圧で真っ二つに切り裂いた。
一部の炎がピエールを焦がす。しかし致命傷には届かない。

「そりゃ!」
その掛け声と共にピエールはアームライオンを二つに切り捨てた。

「ぐおぉぉ!ぐふっ!」
アームライオンの断末魔が聞こえる。

が・・・なんと今度は着地がうまくいかなかった。
ピエールが頭から倒れこんでいる。

「うぅ。スタリオン・・・。」
スタリオン君は口笛を吹いてごまかしている。

でも・・・もう少し練習すればきっと前と同じように戦えるに違いない。
僕は今日の二人を見てそう思った。
72書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/11 00:27:49 ID:Xqr81VaA
今日はここまでです。
アームライオン君が見事なまでにかませ犬になってしまった。
ここまでのかませ犬は久しぶりかも。

色々と応援ありがとうございます。

うわさのぶちキング(さん)という名前を見て、昔ぶちスライムを出そうとして夢の産物だと思い止めたことを思い出しました。
ageはお構いなくいつでもどうぞですよ。
73喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/11 04:09:53 ID:mtzP4XuN
キター!お疲れです。
書き手さんの書くキャラはいいですねぇ。読む方まで殺意が湧いてきますw

「ぐふっ」はDQを代表する断末魔で(・∀・)イイ!!
74名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/11 21:36:39 ID:bsrcYHvP
超乙
次も楽しみにしてます!
75名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/14 00:58:13 ID:1WDTZGeM
二日に一保守
76喋るホウキ ◆SXCV.2heRo :04/11/14 02:19:25 ID:OjCiBShi
さっき、(最初のスレから)一度に読んでみました。
何度読んでもいい作品ですねぇ。

保守しようと思ったら>>75に先を越されてました。
77翔ちゃん ◆nk1qI90A.E :04/11/14 14:30:07 ID:/8kFItlQ
無駄に保守
78名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/16 13:24:57 ID:tV19lFUt
このスレまだ続いてたのか。
頑張れ超頑張れ
79はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:29:15 ID:k4TUcC+S
三十五日目。

うーん。眠るのは気持ちいいなー。
このままずっと眠っていられたらいいなー。
今日は休みでいいよー。休みで。むにゃむにゃ。
ぐっすり昼まで眠るのも悪くないと思うんだ。
みんなすぐに起きちゃうんだから。むにゃむにゃ。
みんなは・・・すぐに起きる?

僕は突然ハッとして目が覚めた。
頭を振り、目を覚ますために頬をつねる。
そして薄暗い中辺りを見渡す。

・・・みんなは寝息も立てずに眠っている。
今日は誰も早起きしないのね・・・。

僕は泣く泣くもう一度目を瞑った。

・・・でもまた眠れるのならばそれもいいや。

・・・・・・。
・・・。

体をゆすられて目が覚める。
メタリンだ。

「起きなよー。ご飯の準備が出来たよー。」

ええ!?
ご飯の準備!!!
80はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:31:04 ID:k4TUcC+S
ああ。太陽がまぶしい。
他の三人は既に起きていている。
寝過ごしてしまったみたいだ・・・。

「ごめんなさい。叩き起こしてくれてよかったのに。」
と僕が謝ると、メタリンが言う。

「すっごく気持ちよさそうに眠ってたからたまにはいいかなーって。へへへ。」

ううっ。面目ない。

この日の朝はそうこうしてご飯を食べるとすぐに歩き出した。
迷いの森ももう近くにあるはずなのだ。

他愛のない話をしながら歩いていく。
ピエールが早く動けるようになったので(それでもたまに落ちるけど)、移動スピードが上がっている。
もっともスタリオン君とマグマンの足がメタル族に比べれば少し遅いので全速力というほどではない。

そして昼頃、とうとう僕は見たことのある景色に辿り着いた。
ゴロゴロした岩が少しずつ増えてくる。
そう。荒野の様な地域に入ったのだ。
襲い掛かるモンスターを撃破していく。
マグマンが言うにはもう少し北に行けばいいそうだ。
北へ向かう。
少しずつ今度は緑が増えていく。
遠くに大きな森が見えた。
迷いの森だ。

歩き続ける。
この辺りは洪水の影響がなかったのだろうか、余り荒れていない。
あるいはもう数日が経っているので以前の状況に戻っているのかもしれない。
81はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:32:25 ID:k4TUcC+S
森の前に立つ。
入り口に足を踏み込む。

一本道の奥に何かがちらりと見えた気がした。
あれは・・・ももんじゃ?
実際に見たことがないし、すぐに走って行ったので断言は出来ない。
どこか騒がしい気がする。

迷いの森はこんなところだったのだろうか?
更に奥に進んでいく。
一度は通った道だ。広場までは辿り着けるはずだ。

が・・・おかしい。
以前と道が違う。
というよりも・・・一本道なのだ。
後ろを振り返っても分かれ道などない。
まるで迷いの森として機能していない。

なんだか不思議な感じだ。
不思議だと思っていた物がさらによじれている様な、大きな疑問だと思っていた物があっさり解けてしまうような、なんともいえない感じ。

更に奥に進んでく。

「こんなところだっけ?」
とメタリンがつぶやく。

不自然なことに嫌な予感はしない。
しかしどこかがおかしいのははっきり分かる。

「もう少し進んでみよう。」
ピエールが奥を指差す。
82はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:34:32 ID:k4TUcC+S
僕は頷き先頭に立った。
どんどん進んでいく。
分かれ道はない。
大勢の声が聞こえてくる。
とうとう大きな広場に出た。

以前メッサーラたちと戦った広場だ。
しかし・・・僕は広場に出て驚いた。
ただ呆然としたのかもしれない。

なぜならそこには数え切れないほどのモンスターが居ついていたからだ。

小さなスライムが駆けっこをして遊んでいる。
スライムベスの集団がおしゃべりをしている。
風の吹かせっこをしているのはベビークラウドのようだ。
あばれうしどりがぼーっとし尾をゆらゆらさせている。
おおきづちが斧を持ってマキを割っている。・・・あれ?愛用のはずのきづちは?
一匹のももんじゃがチラチラとこっちを見ている。さっき見かけたのは彼だろう。

モンスターの種類が多くて一匹一匹説明していたら日が暮れてしまう。
まるでこの辺りに居たモンスターが一斉に集ったかのようだ。

「おどろいているようだなっ。」
背後から声がする。
僕たちが振り向くとそこに居たのは勇者風のプチット族だった。

「お久しぶりです!」
僕は大声を上げた。声が大きかったからか、広場に居たモンスターの一部がこっちを見る。
83はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:37:10 ID:k4TUcC+S
「やっぱり戻ってきたなっ。思ったよりも元気でオイラはうれしいよっ。」
「本当は・・・生きてるか自信がなかったけど。」
勇者風のプチット族はそういうと頭を掻いた。

「あの、これは一体?」
僕はまず目の前の疑問を尋ねた。聞きたいことは山ほどあるがまずはこれだ。

「広場のことだなっ。洪水の被害がひどそうだったから、君たちが去った後ここの主が特別に開放なさったのさ。」
「そのために迷所『迷いの森』もここまでは『迷いの森』ではなくなっている。」

それで一本道になっていたのか・・・。
僕はホッとした。何か異変があったのではないかと気になっていたからだ。

「開放して正解だったとオイラは思うのよ。この辺りは一番被害が酷かった。」
「この森とその周辺だけはなぜか大丈夫だったけどね。な・ぜ・か・ね。うん。」

そうか。この辺りはやっぱり被害が酷かったんだ・・・。

「ごめんなさい。止められなくて・・・。」
僕はつい謝ってしまった。

「君たちは悪くないっ。逆に君たちが居たから広場のみんなを救えたんだよっ。うん。」
「はぐりんは自分を責めては駄目だとオイラは思うぞっ。」
勇者風のプチット族はそういうと僕の肩に手を置いた。

「そうですね。次は止めて見せます。」
僕はそういうと次の疑問が浮かんできた。

「そうだ!スタスタ!スタスタは!?」

僕がそう聞くと笑い顔だったプチット族が真剣な顔つきに変わった。
84はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:39:04 ID:k4TUcC+S
「もうここにはいないよっ。」
「洪水が有ってその次の日に目を覚ましたんだ。その三日後にここを発った。」
「ギリギリまで待っていたんだけどね。どうしても確かめなくちゃいけない事があるって言って旅立ってしまったんだ。」

「そうなん・・・ですか。」
僕はがっくりしてしまった。スタスタとはここで会えると信じていたからだ。

「彼は待っている間に君たちの話をしてくれた。ゆうぼうに気をつけろという忠告も主はちゃんと心に受け止めている。」
「そして彼からの言伝がある。」
「彼は河を渡り砂漠を横切り東へ進むつもりだそうだ。以前彼が化け物に会った場所。そこがどうしても気になるらしい。」
「彼が言うにはゆうぼうはそこで探し物をしていたから自分達を遠ざけたのかも知れないってね。」
「確認をしたらまたここに戻ってくるそうだ。」
「もう化け物に会っても逃げないってさ。」

そういえば・・・前に聞いたことがある。
スタスタが逃げ出したから僕たちは知り合ったんだ。
あの辺りは僕の居た住処に近いはずだ。化け物が居るという話は聞いたことがない。
僕もそこに行くべきなのだろうか・・・。

「それと・・・はぐメタについて知りませんか?」
僕はとうとう聞きたくないが、聞きたくないゆえに聞きたいことを聞いてしまった。

すると・・・勇者風のプチット族は彼が知る『はぐメタの最後の勇姿』について語ってくれた。
85書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/18 20:44:36 ID:k4TUcC+S
今回はちょっと少ないですがここまでです。
毎度保守ありがとうございます。
自己保守をしようとする日も有るのですが、そういう日に限って既に保守されてちゃったりします。
つっ次こそは。

応援もありがとうございます。
しかも最初っから通して呼んでいただけるとは。
矛盾が出てこなければいいんですが(;´д`)

期待に応えられるかわかりませんが、最後までは書き切って見せたいと思います。
本当はもっと速いペースでかければいいのですがその辺はご容赦ください。
86名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/19 13:14:29 ID:QKrf6ccz
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 GJ!GJ!
 ⊂彡
87名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/20 00:12:14 ID:lm1kn5ye
>>84 『はぐメタの最後の勇姿』
エエーッ!な、なんだって。

マジですかー!うう、気になる。

今回もGJです。

やっぱり気になる。
88名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/20 01:28:24 ID:YywJDHu1
騙されるな。

彼が知る『はぐメタの最後の勇姿』について語ってくれた。
~~~~~~~~
ここが重要だ。生死不明に30イエティ。
8987:04/11/20 23:40:06 ID:lm1kn5ye
>>88

なるほど、あんた鋭いな。
動揺してますたよ。

でもやっぱり気になる。
90名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/21 01:48:04 ID:Q2j0ZGnc
しかしサイモンやアーサーの例もある。
案外バッサリ切り捨てる可能性も。
というわけで大穴のしぼんぬに1キングスライム(苦難スレ産)を賭けよう。
91 ◆K0h8tOGdq6 :04/11/21 03:39:17 ID:0C2C7PLq
それじゃあ、死んだと思ってたけどボロボロになって戻ってくる、に
15しんかいりゅう!
92名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/21 16:00:31 ID:Yqt2wVyB
変な賭け事するなって。
まぁ、親の俺としては総取りを待つしかないわけだ。
9390:04/11/21 19:44:53 ID:Q2j0ZGnc
自分で言っといて申し訳ないんだが、苦難スレ産のキングスライムなんているかい?
むしろ回収して欲しいくらいなんだが。
94翔ちゃん ◆nk1qI90A.E :04/11/22 18:20:47 ID:Y0Fg+9ew
実はすべて俺の夢の中の出来事だったに6バブルスライム!!
95名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/22 22:08:26 ID:lCzeo9Hq
実ははぐりんが二重人格でゆうぼうであったというオチに30スライムつむり
96名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/22 22:30:00 ID:DUs/iW8P
てかゆうぼうが『メガンテ』に期待。
はぐメタは別にいいや('A`)
97名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/22 23:40:46 ID:0lMyEE3T
>>93
あんなもの普通はいらんわな。
98名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/23 04:12:41 ID:xo3vu3GK
>>96
いや……それならはぐメタがメガンテ、というのも考えられるぞ
99名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/23 12:27:58 ID:8xvHKm/z
メガンテならザオリクで良くないかと。
まぁあの魔法があると感動が一気になくなるが
100名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 01:46:11 ID:7H0OjWsy
ほい、100GET。
死人がザクザク生き返るのはなぁ……。蘇るとしてもメガザルだと思う。

↓ラリホー
101名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 14:04:48 ID:GnVT5kQR
↑ヽ(`Д´)ノ 寝ね−よヴォケ
102名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/24 20:40:56 ID:XekqLkRG
↑メダパニ
103名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 03:30:55 ID:y87m8j3R
↓メガザル
104名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 15:56:11 ID:ESlICG+h
↑ザオリク
105名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 18:32:27 ID:3vK4qmX2
↑邊穂意味
↓ザラキ
106名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 20:05:38 ID:Y1tIrWFf
それは荒らしと同じですおっと。
107名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/25 23:48:01 ID:uxb8lU/D
↑マホステ
保守代わりになるからいいんじゃないの
くっメガザルにマホカンタを返したかったぜ!
↓ハッスルダンス
108 ◆qJRyV2/OCw :04/11/26 01:49:12 ID:PUEg13ZI
↑ベホマ

↓フェロモン
109書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:23:40 ID:aFs/NDD2
↑わざわざ検索してしまった。
オスが使うとメスがメスが使うとオスが寄ってくるらしい。
>>108氏がオスかメスか分からんのですがとりあえず(*´д`)ハアハアしときます。
110はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:26:36 ID:aFs/NDD2
「まずはオイラたちがあの後どうしたか説明をするよっ。」
勇者風のプチット族の話はそんな言葉から始まった。

「オイラたちは色々な住処に洪水の危機が迫っていると伝えに行った。」
「迷いの森付近はマージに任せてオイラはファイタと一緒に西へと向かったんだ。」
「少し西へ行った洞窟にはね。変わり者のキメラが居るんだ。キメラに協力を頼んでルーラで西と東に送ってもらったんだ。」
「オイラたちの足じゃ大陸全体を回れないからなっ。」
「その後は再び迷いの森に集った。そしてここの主に頼まれて付近の魔物に広場を開放したんだ。」
「全ての作業を終えたときにはもう夜更けになっていた。そしてプリりんも加えてルーラで大河付近へ向かったよっ。」

救援にまで駆けつけてくれたとは僕は考えても居なかったので嬉しかった。
ちなみにファイタさんとは戦士風のプチット族のこと。マージさんとは魔法使い風のプチット族のことでプリりんさんとは僧侶風のプチット族のことらしい。ちなみにこの勇者風のプチット族はヒロりんさんと言うそうだ。
ここから先の物語は彼の口から聞いた話を僕が自分なりにまとめたものだ。

プチット族の四人は大河の付近に移動した。
夜であたりは暗かったが西の方に大きな炎が上がっていたのが遠目にも分かった。
明らかに戦闘が行われていると四人は判断した。
キメラもそこまで細かい場所は分からなかったからルーラではなく走って移動したらしい。

一時間走ったところで何が起こっているのか分かる位置にまで近づけたらしい。
その一時間の間にも度々炎は燃え上がり爆発や竜巻まで巻き起こっていたのだという。
そして夜は明け始めた。
時間にして後十五分でつくというところではっきりと戦闘が見えるようになった。
もはや緑はなく黒焦げた土のみが残っていたという。
111はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:29:19 ID:aFs/NDD2
五つの黒焦げの影。形からホークマンかカーゴイルだと思われる。
更に片手を失い苦しみのたれうち回っているホークマン。
全身ボロボロで今にも倒れそうなアンクルホーン。
比較的軽傷なものの身動きをしないサターンヘルム。
アンクルホーンほどではないがボロボロのシュプリンガー。

そして戦い続けているボロボロのメタルスライム。いや、はぐれメタル!
正体を知っている僕はこう記さなくてはならないだろう。

次の瞬間にアンクルホーンの叫び声と共に体重の乗せたパンチがはぐれメタルを襲う。
しかしはぐれメタルはその攻撃をかわし、逆にイオナズンを見舞う。
その攻撃にとうとうアンクルホーンが倒れこむ。

ヒロりんはこのとき間に合ったと内心ホッとしたらしい。

はぐれメタルとシュプリンガーが何か話している。
遠くからでよく聞こえないがアンクルホーンを倒せたことをシュプリンガーが褒めいた様だったという。

残り十分で辿り着く。
はぐれメタルが更にイオナズンを唱える。
シュプリンガーは身を守り、斬りかかる。他三体は無常にも爆発に巻き込まれ更に傷つく。
はぐれメタルはシュプリンガーの攻撃を避け切れなかったが代わりにイオナズンをもう一発叩き込む。
「よくここまで・・・戦い・・・ものだ・・・しかし!・・・!」
シュプリンガーが大声で何か言い捨てたらしい。
112はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:30:38 ID:aFs/NDD2
はぐれメタルが体を強張らせて攻撃に備える。
だが意外にもシュプリンガーは後ろを振り向きホークマンの方へ向かっていったという。
そのままホークマンを気絶させて肩に抱きかかえる。
そして次はサターンヘルムを拾い上げた。
はぐれメタルが追いかける。

「・・・はしない!」
はぐれメタルがそういってベギラゴンを唱える!
シュプリンガーがバギクロスで相殺する!
そのままシュプリンガーは背中の翼で飛び上がってしまった。

このときはぐれメタルの視点ではシュプリンガーが何を考えていたか分からなかっただろう。
余力があるのに何故逃げると問い詰めていたかもしれない。

だが、ヒロりんたちからははっきりと分かった!
辿り着くにはあと五分は掛かる!
自分達には『見捨てて逃げる』しか選択がない。
しかしその前に大声をあげて注意することは出来るはずだ。

「後ろを見るんだよーーーっ!」
ヒロりんが叫ぶ。
はぐれメタルがヒロりんたちの方を見て更に自分の背後を確かめる。

なんとそこには倒したはずのアンクルホーンが再び立ち上がっていた!
そしてはぐれメタルを必死に捕まえようとする!
はぐれメタルは避けようとしたものの不意を突かれた為避けれなかった。
アンクルホーンが思いっきり締め付け逃がさないようにする。
はぐれメタルが呪文を唱えるがビクともしない。黒焦げにもかかわらず異常なまでの頑丈さだ。
まるでアンクルホーンは最後の力を振り絞っているかのようだったという。
「あとは任せましたぜ。」
血を吐きながらアンクルホーがシュプリンガーに話しかける。
位置は近くなり声ははっきり聞こえるようになっていた。
113はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:32:05 ID:aFs/NDD2
「油断するなよ。」

それがアンクルホーンの最後のセリフだったという。
そのまま大河に向かって歩き出す。
はぐれメタルも相手が何をしようとしているか分かったのだろう。
暴れるがアンクルホーンは何をしても離そうとしない。

「忘れんよ。」
シュプリンガーが最後の言葉をかける。
アンクルホーンが堤防の上に立ちニヤリと笑う。
既に手を加え壊れやすくなっている堤防だ。

「例え・・・例え俺が居なくなろうとも必ず誰が計画を防ぐ!」
はぐれメタルが大声で叫んだ!

そしてイオナズン。
はぐれメタルのものではない。アンクルホーンが堤防に向かって放ったものだ。
堤防は壊れ河が全てを飲む勢いで暴走し始める。
既に二匹の姿はない。

シュプリンガーがヒロりんたちに向けでバギクロスを放つ。
しかし済んでのところでキメラがルーラを唱えた。
迷いの森に引き返したのだ。

こうして洪水は始まった。
114はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:32:52 ID:aFs/NDD2
・・・・・・。
この話をした後ヒロりんさんが間に合わなくってごめんと謝ってくれた。
しかし彼が謝る必要がないのは放心している僕でも分かった。

「僕も戻って来ましたし、きっとはぐメタもどこかでピンピンしてますよ!」
まるで自分の不安を抑えるかのように大声で言い切った。
僕が生きていたのは奇跡に近かった。
奇跡とは続けて起きてくれるものなのだろうか。

僕たちはその後少し休んだ。一時間二時間。
旅の疲れがあったのでいつの間にか眠ってしまった。

夜に目が覚めた。
少しは頭がすっきりしたみたいだ。
プリりんさんが何処となく現れ夜ご飯を用意してくれた。

「ありがとうございます。」
僕たちはお礼を行って夕食を食べ始めた。

するとそこにマージさんがやってくる。
「主が会いたいそうじゃ。」
一言そうポツリと言った。
「しかしすぐには会えんぞい。」
訂正する。

「そうだ!報告したいこともあるんです!」
僕は邪悪な騎士たちのことをマージさんに話した。
115はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:33:39 ID:aFs/NDD2
「それはきっと・・・ダークナイトとダークスライムじゃな。」
「わしが知って居る者とは外見も武器も違うがスライムナイト以外にスライムを扱う騎士といえば彼らしかおるまい。」
「既に絶滅したはずなんじゃがのう。」
「分かった。そのことについてはわしが報告しておこう。」

「すぐに会えない・・・とは?」
ピエールが質問する。
「まさかここまではぐりんが頑張っているのを知っていながらいまだ信用できないというのか・・・。」
「私ははぐりんの過去の努力は知らないが・・・出会ったあとの必死さはよく知っているつもりだ!」
「これまでどれだけの・・・」

ピエールがそこまで言ってマージさんが手を向け制止する。
「すまない。わしの言い方に語弊があった。」
「信用していないのではない。ただ主に会うには広場を開かねばならん。」
「しかし今は大勢のモンスターたちが使っている。危険過ぎるのじゃ。」
「わしらもしばらくは会っておらん。」
「あと一週間・・・いや四日は広場を開放しておきたい。それまではここで休んでいておくれ。」
「手紙だけは風に乗せて伝えれるから先に報告しておくということじゃ。」
「スタスタ君にも同じ理由で待っていて欲しかったんじゃが時間を有効に使いたかったそうじゃ。」
116はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:35:16 ID:aFs/NDD2
僕は答えた。
「分かりました。僕たちも一週間の間に旅に出ます。そして戻って来ます。」
「僕たちもじっとなんてしていられません。」
「明日の朝旅立って何とかスタスタと合流し謎を解いてきます。」

「そうか。それなら何も言うまい。」
「河を渡る手段がないならばキメラに会いに行くといい。」
「変わり者だが条件次第では協力してくれるはずじゃ。」

僕たちは次の日の計画を話し合ったあと眠った。
僕はすぐには寝付けなかった。夕方眠ったせいだろう。

広場から見上げた星空がきれいだった。
でもきれいな景色を見て嫌な気持ちになったのは初めてだった。
117書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/27 01:42:32 ID:aFs/NDD2
今日はここまでです。遅くなってすみません。
保守ありがとうございます。

予想についてはノーコメントで。
予想自体はまったく構わないのですが、私が触れると今後の想像が限定されてしまいそうな気がしますので。

一応世界観としてはザオリクはありえますが魂の戻るべき体がない者は生き返りません。
5のパパスのようにです。
4は導かれし者だけが生き返れるという設定だったと思いますが、それは理不尽なんでパスします。
生き返るとしたら導かれし者に選ばれるモンスターって何よ?って話になりますし。

とりあえずスレの流れにそって
↓インパス
118 ◆qJRyV2/OCw :04/11/27 07:00:35 ID:3FeqORNB
(*´д`)ハアハアされちゃったよ…(*´д`)ハアハア

じぶんは あかく ひかっている!

お疲れ様です。DQ8祭りがくるぞ!頑張って保守だ!!耐えるぞっ

耐えてくれ!
↓ザラキ
119名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/27 13:42:37 ID:2kFquTVQ
その前に・・・・・後はまかせた


↓メガンテ
120 ◆qJRyV2/OCw :04/11/27 17:12:43 ID:3FeqORNB
↑メガザル

耐えてよ……




ぬわーーーっっ!▽
121名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/27 21:19:24 ID:EQ5zt2f+
↑バシルーラ
122書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/28 17:03:30 ID:nNB83ALa
自己保守
123名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/28 21:01:49 ID:rWeoqY0O
VIIIパワーで落ちそうなので揚げときます
124書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/29 20:55:36 ID:mmq3+D/h
再度保守
125名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/29 21:07:13 ID:WRjcOvt/

ホイミ

マホイミ(ダイVal,)
126名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/30 13:08:02 ID:CM+M7oYy
↑マホカンタ
どうでもいいけどいつまでこんな流れが続くの?
127名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/30 18:02:36 ID:IekXC0oF
>>126
まぁ、保守がわりにやってるようなもんですよ。。。

↓経験値をゾーマ1匹ぶんGET(・∀・)ニヤニヤ
128名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/30 20:10:14 ID:CM+M7oYy
メガンテを覚えた
↓ラリホーマ
129名前が無い@ただの名無しのようだ:04/11/30 20:57:10 ID:VT8B9u3D
↑あまい息
で対抗だ

↓メダパニ
130書き手  ◆F/WveZadCU :04/11/30 23:00:38 ID:1xLjsObC
保守!保守!自己保守!あっひゃっひゃっひゃ!!!

遅くても金曜には続きを(;´д`)

↓時の砂
131名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/01 17:55:55 ID:bnptEKrb
>>127に戻った!

(ゾーマ一匹ぶんて、結局0だよ…)(・∀・)ヤニヤニ
132名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/02 22:31:52 ID:kGDCES1M
↓ニフラム
133名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/03 20:38:30 ID:CzE37w/c
バブすけ
134名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/03 23:28:43 ID:RtXTVsxS
来る?
135書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/04 00:05:45 ID:fqFY4DNN
今夜中に書き込むつもりなのですが、予定が遅れてしまったので夜中になりそうです。
金曜の夜は疲れている方も多いでしょうから、ぜひ明日の寝起きにでも読んでください。
予定を宣言して置きながら遅れてしまい申し訳ございません。
136名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/04 02:14:31 ID:++NSDqpn
書き手さん来た!
夜中にこっそり、って君はサンタさんですか
137はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:14:10 ID:fqFY4DNN
三十六日目。
薄暗い内に目が覚める。
いや、太陽が昇ってきているのですぐに明るくなるだろう。
既に広場では多くのモンスターが活動を開始しているみたいだ。

周りを見渡す。案の定ピエール・メタリン・マグマンの三匹は既にいない。
朝ご飯までには時間があるので僕も広場を歩き回って見ることにする。
一人で居るとはぐメタのことを考えてしまうからだ。
ここには本当に色々なモンスターがいる。
小さなスライムが二匹目の前を走っていく。朝早いというのに元気なものだ。
あの頃の僕はきっとお母さんに起こしてもらうまで眠り続けていたはずだ。
心の中で褒めることにしよう。

広場を歩いていると赤い集団が何かを囲んでいる。
あっ!ピエールだ!
ピエールがスライムベスたちにキャーキャー言われながら剣を持ってポーズを取っている。
まるでアーサーみたい。
スライムベスの中にはスタリオン君にくっついてしまっている者も居る。
スタリオン君自身はうつむいて照れているようだ。
女の子にキャーキャー言われるなんて羨ましいものだけど、当のピエールとしては嬉しいのかどうか分からない。
人間の子とスライムの子とだったらどっちがいいんだろう?
そんなことを疑問に思いながらピエールに近づいて行く。

「おはよう!ピエール!」
ピエールがギクッとしてこっちを見る。
138はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:16:33 ID:fqFY4DNN
「ああ。おはよう。はぐりん。」
「剣のポーズを取るなんて少しカッコをつけ過ぎだったかな。ハハハ。」
「まるであいつがやることをやってる気分だよ。」
「いや、やっぱりあいつより私の方が美しいのだろうな!こんなに集るのだから!ハハハハハ!」
ピエールはそう言うと剣をしまい、周りのスライムベスたちをかき分けた。
そしてスライムベスたちに話しかける。
「私はもう行くよ。それに君たちには申し訳ないんだが私はね・・・。」

「違うね!」
僕の後ろから不意に声がする。メタリンだ。
「違うよ。へへへ。その子たちはスタリオンを見てキャーキャー言ってたのさ。」
「スタリオンはカッコいいからね。へっへっへ。」

そう言われてを見ると確かにスタリオン君はカッコいい。
適度に化粧をしており体も清潔だ。元の乗り主の影響だろう。
スライムベスたちもスタリオン君に話しかけているように見えなくもない。
ピエールが顔を横にぶんぶん振り否定する。

「くっ・・・いっいや、私は別に・・・その・・・自分がカッコいいと思って居たわけじゃないぞ!」
恥ずかしそうだ。僕はつい笑ってしまった。

「こっこら。笑うな。そ・・・そうだ!二人とも!広場の南東に温泉があるらしいぞ!」
「ゆっくり使ってくるといい!昨日マージさんに聞いたのだ!嫌な気分も吹き飛ぶぞ!」
ピエールが話題を切り替える。

「へー。じゃあ旅立つ前に入ろうかな。」
メタリンが答える。

「ピエールも一緒に入ろうよ!冒険で汚れているんじゃあ。」
僕が提案する。
139はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:18:51 ID:fqFY4DNN
「いっいや!私は既にスタリオンと一緒に入ったのだ!皆が寝ている間にな!」
「だから私は結構だ!二人だけで入った温泉は気分が良かったぞ!はっはっは。」
「今ならきっとまだ空いているだろう。私は広場を回っているとする!」
ピエールは捲くし立てて行ってしまった。
よっぽど恥ずかしかったのだろうか焦ってた様にさえ見える。

「少し悪かったかな。へへへ。お風呂に入りに行くかい?」
メタリンが聞いてくる。

「うん。行こう!マグマンも誘って。」
「・・・マグマンは何処だろう?」

「僕は見てないよ。へへへへへ。」
メタリンはそういうと歩き出した。

うーん。見つけたら誘うとしよう。
僕はメタリンの後について行った。
途中で眠っているかどうかも分からないあばれうしどりさんに方向を尋ねた。
意外なほど丁寧な口調で道を教えてくれる。
おまけにありがとうといったら尻尾まで振ってくれたのだ。
モンスターも見た目じゃ分からないものだ。

歩いているととうとうマグマンを見つけた。
誰もいない木の下で後ろを向いて何かをして居る。

「マグマーン。」
僕が声を掛けるとマグマンはまたまたビクッとしてこっちを振り向いた。

「やっやあ。二人とも!」

「マグマン、温泉に行こうよ。」
僕は温泉があることを教える。
140はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:20:43 ID:fqFY4DNN
「ああ。ごめんよ。俺たちマグマスライムは溶岩のお風呂にしか入れないんだ。」
「溶けちゃうから水は苦手なんだよね。」
マグマンはそういって二人で行くことを勧めてくれた。
そういえば彼が水を飲んだ所を見た事がない。

僕たちはマグマンと分かれて温泉へと向かった。
少しずつ変わった匂いがしてくる。
故郷でも嗅いだ事のある匂いだ。温泉特有のあの匂い。
湯気も立っている。お湯が見えて来た。
何匹か先客もいるようだ。
広い!
故郷の小さかった風呂場とは大違いだ。
こんな大きな温泉だとは夢にも思わなかった。

僕が驚いて突っ立っているとメタリンが僕を突っついた。
そうだ。驚くのは入ってからでも遅くはない。

お湯に入る。暖かい。身に沁みるようだ。
まるで傷ついた心まで洗われて行くような優しい感じ。
・・・温泉っていいなあ!
メタリンも幸せそうだ。

「楽園にはやっぱりこういうのが一つは欲しいよね!」
僕は唐突だがメタリンに尋ねた。

「もちろんだとも!一つと言わず幾つあってもいい!」
メタリンは目を輝かせて答える。

楽園の話になるとメタリンは子供のように夢を語ってくれるのだ。
僕はメタリンの想像する「色々な楽園」がどれも好きだった。
彼の探す楽園はどんな可能性もあるから・・・「色々」だ。
141はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:22:20 ID:fqFY4DNN
僕はメタリンと話しながら先客たちを見渡した。
おおきづちが二人、僕たちのように待ったりと温泉を楽しんでいる・・・あれ?愛用のはずのきづちは?
ヘビークラウドが温泉の上をゆっくり飛んでいる。
湯気を楽しんでいるのかもしれない。
一度彼らの種族と戦ったことがあったがここではそんなことはしたくない。
そして一匹のモンスターと目があった。ももんじゃだ。
僕たちがこの森に入ってはじめて会った彼かもしれない。

僕は彼に向かって頭を下げる。目が合ったならば挨拶だ。
しかし彼は動きもせずにじーっと僕を見つめている。僕が変わっているからかな?

「おおっ。お前たちも風呂か!」
後ろから声が聞こえる。プチット族のファイタさんだ。
僕たちが挨拶すると彼は勢いよく風呂に飛び込んだ。
「この温泉は暫定の風呂で普段はないんだけど、オレは有ってもいいと思うんだぜっ。」

「この温泉はいいですよね。残していいんじゃないですか。」
僕が即座に答える。

「うん。そうなるといいんだが。」

僕たちが話していると何かが近づいてきた気がした。
バッと振り返ると僕の目にももんじゃの顔がアップで映る!
「うわっ!」
僕はそう言って湯船に沈んでしまった。
音もなく近づかれたから驚いたのだ。

湯船から浮かび上がった僕にももんじゃが手振りで何かを示す。
手を僕と彼の間で横に振っているのだ。
なんだろう。何か言いたいのだろうか。
142はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:25:04 ID:fqFY4DNN
「付いて来てって言ってるぜっ。」
ファイタさんがそう答える。このジェスチャーが分かるのだろうか。

ももんじゃは頷くと湯船を上がって歩き始めた。
僕は訳の分からないまま付いていく。
メタリンとファイタさんも一緒だ。

更に南東の隅の方へ隅の方へと歩いていく。
なんと南東の端っこには小さな小道があるではないか。
草を倒して木の間をすり抜けて作られている、小動物が押しつぶしたような小道だ。

「ゲェッ!俺の知らない道があるぜっ!」
ファイタさんが困ったような顔で叫ぶ。
ももんじゃが作ったのだろうか。
ももんじゃが両手でかき分ける動作をする。

「歩きにくいけど付いてきてくれっていってるぜっ!」
ファイタさんがそういって歩き出した。

「何で分かるんだい?」
メタリンが聞く。

「あのももんじゃはこの付近に住んでいたからな。」
「よく遊びに来ていたのを入り口まで追い払った。優しくな。」
「何度か会ってる内に一通り覚えることが出来るようになったんだぜっ。」
ファイタさんが答える。

小道は狭い。僕とメタリンは大丈夫だが、ファイタさんが辛そうだ。
少し歩いたところでももんじゃが立ち止まる。
そしておもむろに振り向いて何かを見せてくれた。
143はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:26:14 ID:fqFY4DNN
これは!?
・・・キラーピアスだ!見覚えがある!
彼が持っていた武器だ。
いや、同じ武器とは限らない。だが僕にはそうとしか思えない。

ももんじゃはそれを無理矢理僕に押し付けた。

そして身振り手振りを再び始める。
両手を縦にしてスーッとスライドさせたり、片手で一本の線を造って横から切って見せたり、はたまた地面を指差して拾う動作をして見せた。
最後に僕を指差し、片方の手を横に振って、更に押し付ける動作を合わせた。

「二人が走っていく様を見てたんだって。きっと洪水の時の話だ。」
「それで洪水があった後この付近で見つけたんだそうだ。」
「拾ったけど本来の持ち主が来たから渡すって。正確には持ち主が違うからはぐりんから渡してくれって。・・・そう言ってるぜっ!」
ファイタさんが説明する。

ももんじゃは頷いた。
そうなのか。じゃあきっとこれははぐメタの物に違いない!
「ありがとう!」
僕は感謝を込めてお礼を言った。
144はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:28:38 ID:fqFY4DNN
ももんじゃが大きくジャンプして宙返りをする。
すごい。僕は見惚れてしまった。

「どういたしまして・・・だってさ。」
ファイタさんはそう言うと道を引き返し始めた。
歩いているファイタさんにメタリンが「本当にそう言ってたの?本当に?」と聞いて回る。
確かに恐ろしい理解力だった。

このキラーピアスはきっと僕の手で彼に返してあげよう。
いや絶対に返してあげるんだ。

僕たちは眠っていた場所に引き返した。プリりんさんが朝ご飯を作ってくれている。
ピエールとマグマンが手伝っている。
マージさんとヒロりんさんが座って待っている。

ヒロりんさんが大きめの袋を用意してくれていた。肩に担げるように作ってある。

「どうだい。はぐりん。こういうのが欲しかったんだろ?」
「昨日メタリンに聞いて必死で用意したんだ。褒めてくれよっなっ?」
145はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:29:43 ID:fqFY4DNN
そういえばはぐメタの話のせいでコロリと忘れていた。
僕は大きな声でお礼を言うとキラーピアスに首飾り、サイモンさんに貰った葉巻など様々な記念品を袋にしまいこんだ。
記念品の中には今まで書いてなかったちょっとした小石なんかも入っている。
河原の石などを感動したときに拾ってきたのだ。
ヒロりんさんが食料や薬草を渡してくれるのでそれもしまう。

マージさんが話しかけてくる。
「昨日別れを告げたつもりじゃったのにまた来てしまったわい。」

正直プチット族の人たちがこんなにいい人たちだったなんて思っていなかった。
はじめて会った時のイメージとぜんぜん違う。
恥ずかしい限りだ。

僕たちはみんなで食事をした。
そして今後の計画を確かめ合ったあと森を出た。
昨日の暗い気持ちはもうない。みんなが癒してくれたようなものだ。

そう!
僕はこのキラーピアスを必ずはぐメタに届けるのだ。
146書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:37:38 ID:fqFY4DNN
今日はここまでです。
次の話までまとめて書きたかったのですが、予想外に長くなってしまったのでここで止めることにしました。
温泉描写を削るという手もあったのですが何となく書きたかったもので(;´Д`)

次はまた来週に。
なお私はサンタなどという良い者ではありません。
ただの遅刻者です。
どうしても大きな袋を持って煙突から入れというならば、泥棒扱いされるに違いありません(w
147名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/04 03:39:47 ID:++NSDqpn
わーい。リアルタイムで見たよ( ̄ー ̄)
F5を押すと続きが見れる、この感覚はなんともいえないね!
ページをめくるみたい
148名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/04 03:40:39 ID:++NSDqpn
あっ、IDがもうすこしで ++NDSqpnだったのに!
惜しい!NSD……ショボーン
149書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/04 03:45:24 ID:fqFY4DNN
おおっ。こんな夜遅くまで付き合ってくださってありがとうございます。
もっと早く投稿できたら良かったのですが(´・ω・`)
無闇な宣言は混乱を招くかなと反省中です。

それでは良い休日を。お休みなさい。
150名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/04 16:42:24 ID:P2XbdfPB
↑ラリホー


↓ベギラマ
151ギラ:04/12/04 17:48:59 ID:MHiBtBMa
↑ギラ
ベギラマなんぞ俺で十分。
いやヒャドで十分。
いやいやメラでも十分かな?
あひゃひゃひゃひゃ!

ピエールが風呂に入らなかった理由
1.逃げるくらい恥ずかしかった
2.実は風呂嫌い
3.ほんとに広場を歩きたかった
4.愛の戦士ピエールは絶対女
152名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/05 21:59:16 ID:9FALWoV5
千桁age
153名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/06 00:56:41 ID:JbvR7XQH
( ゚Д゚)< 俺の大晦日を予言  
◇レス番1桁目.      ◇時刻の秒2桁目      ◇時刻の秒1桁目
  [1] 女子高生に.       [1] 「キタ━(゚∀゚)━ !! 」と   [1] チンコ引き千切られる。
  [2] 初恋の人に.       [2] 「必死だなw」と.      [2] 濃厚な一晩を過ごす。
  [3] 母親に.           [3] 「愛しているの」と     [3] 24時間説教される。
  [4] ヨン様に.         [4] 「反省しる」と.         [4] 言われながらオナニー。
  [5] 女友達に.         [5] 「逝ってよし」と.        [5] 押し倒されて首チョンパ
  [6] 二丁目の兄貴に.   [0] 「ウホッ」と.           [6] 刺される。
  [7] 片思いの相手に                      [7] プレゼントを捨てられる。
  [8] 風俗嬢に.                          [8] キスされる。
  [9] 幼女に.                            [9] 一生からかわれる。
  [0] 運命の人に.                        [0] 通報される。
154書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/06 22:59:40 ID:KY8lKRSf
自己保守
155保守:04/12/07 23:51:40 ID:eO7Rm4M+
↑メガザル
↓メガンテの腕輪作動
156保守:04/12/08 18:51:25 ID:P8iZwbn/
さてと、今日も保守るか…ん?▽

ぬわーーーーっっ!!▽



ウボァー

ぎょえーっ!

ぐふっ
157名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/08 19:29:55 ID:3MeGWfoI
↑復活の玉発動
↓メダパニ
158書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:46:36 ID:mwtxA/98
書き手◆F/WveZadCUはますます混乱した!
何かを猛烈に書き始めている!
まるでエキサイト英語翻訳(C)に掛けたかのような文章だ!

私は西の洞穴へ行きます。それは将来の計画によって移動しています。
しかし、この計画は、睡眠の前に議論された等級のものによってあまりものではありません。
それは第一に妄想に会うために行きます。
恐らく、ので、皆、PUCHITTO仲間、「それが偏心的な人であるので気を付けてください」と言った、それは心配な[であるどの怪物]です、そして避けられない大陸への次の動き。
問題はここで身体です。
それはSUTASUTAのキーがほとんどないからです。
それが私の故郷に近づいただけであると判明します。
したがって、それはあったことが接近した方法上の住処の話および進行になりました。
しかし、それはさらに中へ実行します、どこで、またまたこでありません。
SUTASUTAが私にメッセージを場所あるいは裸にするべきmetaについて言えば、それは私と裸にされたmeta両方に認識を持っている場所であるに違いありません。
不毛のオアシスおよびSUTASUTAは実行していませんが、それは毒の湿地のうちのほんの1つを持っています。
彼はネーレウスの大きな川の祖父に会っているかもしれませんが、経過し、それが大きな川において大きいことが、それが会うことができるかどうか知らないので、それは移動することを決定しました。
159書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:49:54 ID:mwtxA/98
ハッ!
書き手◆F/WveZadCUは我に返った。
160書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:51:40 ID:mwtxA/98
僕たちは西の洞窟に向かっている。
今後の計画に合わせて移動しているのだ。

もっともこの計画は寝る前に話し合った程度の物で大層な物ではない。
まずはキメラに会いに行く。
プチット族のみんなが「変わり者だから気をつけろ」と言っていたためか、どんなモンスターなのか気になって仕方ない。

その次は大陸へ移動する。
問題はここからだ。スタスタの手がかりが少ないからだ。
僕の故郷の近くへ向かったことだけは分かる。
それゆえ道中の住処には寄って行こうという話になった。
とは言ってもどこもかしこもではない。
スタスタが僕やはぐメタへのメッセージを残している可能性がある場所といえば、僕とはぐメタの両方に認識がある場所のはずだ。
砂漠のオアシスか、スタスタは行ったことがないが毒の沼のどちらかしかない。
大河でネーレウスのおじいさんに会っている可能性もあるが、大河が広すぎて会えるか分からないのではずす事にした。

早足で歩いていく。六日後には再びここに戻ってくる必要があるからだ。
道中で流行の話題はキメラがどんなモンスターなのか?だ。

メタリンは呪いか何か変った物に凝っている変人に違いないと言う。
マグマンは人見知りかなと予想している。
ピエールはガメツイ奴に違いないと断言だ。
僕は・・・嫌味な奴・・・じゃあなかったらいいなあと思ってる。
161書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:53:52 ID:mwtxA/98
一時間も歩くと洞窟が見えてきた。
あそこに違いない。
僕は「キメラさんいらっしゃいますかー?」と呼びかけた。
しかし返事は返ってこない。

僕たちは顔を見合わせると中に入ることに決めた。
中は・・・スゴイ!
僕は洞窟の中を眺めて呆然としてしまった。
金の冠からガラス玉まで様々な貴金属が目に入る。
貴金属だけではない。モンスターの毛皮と思われる絨毯から鋼の剣や槍まで飾られているのだ。
ゴミの様な物すら幾つも置いてある。

これは・・・相当なコレクターに違いない。
僕たちがボーっと中を見渡していると入り口から大声が聞こえてきた!
「何をしている!?」

僕たちが一斉に振り返ると少しやつれたキメラが立って居た。
「泥棒か?」
キメラが続ける。

「ちっ違います!」
僕はあわてて否定した。
「協力して欲しくて訪ねたのですが、中に居られなかったもので。」

「ふん!勝手に入るなど泥棒と変わらん!」
「その最たる例が勇者を名乗る人間どもよ!メッキッキッ!」
キメラはそういうと嫌な目つきで僕たちを嘲った。
162はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:55:09 ID:mwtxA/98
「勝手に入ってすみません。でもどうしても助けて欲しいんです。」
僕はそう言ってマージさんの手紙を差し出した。

キメラは嫌そうな顔で手紙を読み始めた。
まるでゴミでも持ったかのような顔だ。

「ふん!あいつらめ!いや、こいつらもか!」
「私の事を便利な運び屋さんとでも思っているのではないか!」
「私は幸せを運ぶこともなければ荷物を届けることもない!」
「前回は急ぎだったからお礼を待ってやったが・・・今回も急ぎだと・・・ふざけるな!」

なんとキメラはビリビリと手紙を破り捨ててしまった!
そして細目をして舌なめずりをしたらこう言った。
「見なかったことにするとする。」

しばらくの間沈黙が流れた。

「どうあっても協力してはくれぬと?」
ピエールが尋ねる。

キメラは面倒くさそうにため息をつくと呟いた。
「いや・・・助けてやろう。あいつらが勧めるような連中だ。愚かな連中に違いない。」
「助けないといえば助けるまでここに居座るのだろう。私のコレクションが汚れてしまう。」
「そうだな・・・条件がある。」

「条件?」
マグマンが聞き返す。

「洞窟に入って分かったと思うが私はコレクターだ。」
「世界中のあらゆる珍品名品を探している。」
「お前達何か持っていないか?」
「報酬によっては助けてやろう。」
163はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:57:19 ID:mwtxA/98
僕たちは顔を見合わせる。
名品は愚か珍品すら持っていない。

「何もないのか?」
キメラがゲンナリした声を出す。
「貧乏にしか見えんしな。ならば話はなかった事にしよう。」

「まっ待ってください。何か欲しい物はないんですか?」
僕が引き止める。

「欲しい物か・・・そうだな。いやそうだ。いい忘れたが私はグルメでもある。」
「おいしい料理変わった料理でも構わんぞ。アンチョビサンドとかな!」
キメラはそう言うとメキキッと涎を垂らした。
何ともいやらしい締りのない顔だ。

僕たちは再び顔を見合わせる。
するとマグマンが思い出したかのように大声を出した。
「はい!はいはい!」

「よし。そこの赤い奴。発言しろ。」
キメラはイヤらしい目でこっちを覗いて来る。

「付近の火山には行ったことがありますかい?」
「俺の大好物なんだけどね。そこにしかない物があるんだ。そう。よう・・・。」
マグマンがそこまで言った時、僕はその口を防いだ!
マグマン!それはまずい!!!
連れて行ってもらう前に死んでしまう!
164はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 03:59:16 ID:mwtxA/98
「おい!こら!銀色。口を防ぐんじゃない。」
「何だ?その・・・よう何とかとは?」

僕が必死に答えた!
「駄目です!食べ物じゃないんです!死んじゃいます!」

「何かと聞いているんだ!」
キメラは譲ろうとしない。

「溶岩・・・です。」
僕は言ってしまった。
「でもマグマスライムしか食べれませんよ。」
そして付け加えた。

「溶岩か・・・いや火喰い鳥が食べれたはずだ。そういえば私は食べたことがない。」
キメラはそう言って悩みだした。
グルメの誇りとそのリスクを天秤に掛けているのだろう。

「え?火喰い鳥って言う鳥も溶岩を食べるの?」
「ぜひ御近づきになりたい!」
マグマンが防いでいる僕を振り切って喋りだした。
目を輝かせている。

キメラが手を打った!
「よし!決めた!その溶岩でよいぞ!」
「火喰い鳥に食べれて・・・私に食べられない訳がない!」

いや・・・その結論もどうかなあ・・・。

「火山行きはできれば帰って来てからにして欲しい。もう期限が一週間を切っている。」
ピエールが提案する。
165はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 04:00:15 ID:mwtxA/98
キメラが嫌そうな顔をして答える。
「お前ら。本当に何も持っていないのか?」
「些細な物でも印象が変わるぞ。」

僕はそう言われて袋をひっくり返した。
食料と貴重品以外はガラクタばかりだ。

しかしキメラは所持品の中の一つを見て目の色を変えた。
キラーピアスだ。

「そそそそれはキラーピアス!それをくれ!それだけでいい!」
キメラの翼がキラーピアスを取ろうとする。

「これは僕の物じゃないんですよ!持ち主に返すんです!」
僕はそう言ってキラーピアスをすぐさま袋に片付けた。

「あああ・・・あ〜あ〜あああ〜・・・。」
キメラがとてもとても残念そうな声を出す。

「ふっふん!それをくれないのならば手伝ってやらんぞ!」
キメラが我に帰って言い付ける!

ピエールが剣を抜き、マグマンの付近が暑くなる。
そろそろ限界みたい・・・。

「うっ。いや。約束は約束だ。連れて行こう。」
「しかし他の物がないのならば・・・溶岩を・・・まずは・・・だな・・・。」

「他の物はどうですか。水晶玉とこの葉巻は渡せませんけど。」
僕はキメラに尋ねた。
166はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 04:01:28 ID:mwtxA/98
キメラは再び物色する。
「んー。それ以外はなあ。イヤ待てよ。葉巻か。」
「その葉巻はいっぱいあるな。それを一本くれ。一本ならいいだろう?」

僕はそう言われて葉巻の束を見つめた。
これはサイモンさんの形見の様なものだ。
僕がもっと大きくなったらこの数だけ吸おうと思っていた物だ。
しかし・・・。

僕はその中の一つをキメラに手渡した。
ごめんなさい。サイモンさん。この分は絶対に無駄にしませんから。

キメラはその一本に容易く火をつけて吸い始めた。
随分とリラックスしている。気分が良くなったのか語りだした。

「ふふっ。お前たち。この部屋はスゴイだろう?」
「私の一生が掛かった部屋なのだ。」
「洪水の時でも私は逃げなかった。泥棒すらも捕まえた。」
「高位の魔族や人間の金持ちですら持ってない物まで置いてある。」
「何よりも・・・この金属たちの輝き。美しい。」

そういってスパーと息を吐くとメッキッキと笑い出した。

メタリンが僕に耳打ちする。
「鳥は光り物が好きだって言うけどそんなにいい物なのかねぇ。へへへ。」
「どう見ても異常だよ。僕にはわかんない。」

えっキメラって鳥に分類されるの?
うーん。そっちの方がわかんない。
僕はどうでもいいことを疑問に思ってしまった。
頭から離れないよ・・・。
167はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 04:05:05 ID:mwtxA/98
「よし。行くぞ。」
キメラは葉巻を吸い終わるとそういうと僕たちを外に連れ出した。

「全く疲れるというのに・・・。」
キメラはぶつぶつ文句を言っている。
「大河の向こうで良いんだな?」

僕は答えた。
「はい。キメ・・・えっと。」

「メッキーだ。」
「お前達の名前はどうでもいい。移動しよう。私の体に触って離れるな。」

僕たちは思いも思いにメッキーさんの体に触れた。

「ルーラ!」

次の瞬間、僕たちは見たこともない場所についていた。
しかしどこか懐かしい。
遠くに大河があるのが分かる。

「確かに送り届けた。帰りは六日後でよいのだな?」
メッキーさんが確かめる。

「はい。メッキーさん、よろしくお願いします。」

「ふん!他の奴らはどうでもいいが、そこの赤い奴だけは何があっても戻って来い!」
「溶岩のためにな!」
「まったく・・・人と会うのは嫌いだというのに・・・。」
「では六日後の夕方にこの場所で。日が暮れるまでは待ってやる。」
168はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/09 04:07:11 ID:mwtxA/98
「ありがとうございました!」
僕がお礼を言うか言わないかのうちにメッキーさんはルーラを唱えて帰ってしまった。
・・・確かに変わった方だった。

僕は周りを見渡す。付近には一本大きな木が立っていた。
あれを帰りの目印にはしよう。

「行こうか。」
ピエールが僕に声を掛ける。

「うん!行こう!」
僕たちは南に向かって歩き出した。
昼過ぎには砂が見えてくる。

ピエールが初めての砂漠に興奮している。
「暖かいな!いや!暑いのか!?ここは夜も暑いのか!?はははは!」
「あれが俗に言うサボテンかっ?サボテンだな!サボテンボールは何処だーーー!?」
「フフフ。メタリン。目を光らすではない!サボテンに触ったりはせんよ!」
「すなーすなーすなーだあーーー・・・結構汚れるな。」

スタリオン君もボフンボフンと飛び跳ねている。
ピエールが落ちてしまいそうだ。

このペースならば今夜は砂漠で野宿だろう。
砂漠で眠るなんてどれくらい久しぶりだろうか。

夜になる。
ピエールが寒くなって嬉しいような切ないような顔をしている。
僕はピエールに笑いかけてから、砂の上でゆっくりと目を閉じた。
169書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/09 04:10:31 ID:mwtxA/98
今日はここまでです。
つい技とらしい混乱を・・・。

しかも最初に名前を変え忘れてしまった(;´д`)
は(;゚д゚)!これがメダパニの効果か!

それと保守ありがとうございました。
ではまた来週までに。
170名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/09 18:18:32 ID:AJyD/e5P
乙です (´ー`)
サボテンボールは何処だーーー!?
171サボテソボール:04/12/10 04:43:32 ID:P0lqqSyX
つっかもうぜ♪サボテソボール♪
172保守:04/12/11 03:01:27 ID:m0o2DQ5W
ヽ(`д´)/#ささった抜けない誰か助けて。
173名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/11 08:12:56 ID:2jWhj2K8
俺が抜いてやるよ。
174名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/11 21:47:51 ID:W84pig0F
じゃあ、俺はそれを静かに見守ろう


↓マヌーサ
175名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/12 00:39:07 ID:iUxa+4CC
俺も抜くのを手伝うぜ!
……あれ?なんだこれ。よく見えない……
うわっ、>>174の髪の毛じゃないか!すまん、かなり抜けちまったな
176174:04/12/12 12:25:02 ID:r0txXLjd
>>175
もともと髪の毛などない、あってたまるか


177名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/12 13:31:44 ID:CkEY7ege
↓ ハゲ゙
178名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/13 03:53:29 ID:XkR4cnwE
           .,Å、
         .r-‐i'''''''''''i''''‐-、
        o| o! .o  i o !o
       .|\__|`‐´`‐/|__/|
        |_, ─''''''''''''─ ,、 / _
      , '´            `‐、
    /::::::::::::.     \,, ,,/     .ヽ
    |:::::::::::::   (●)     (●)    | 誰がハゲだって!?
   .|:::::::::::::::::::::   \___/     .| 僕はハゲてないよ!
    |:::::::::::::::::::::::::.  \/        .| (ぷんぷん ぷんぷん)
    'i:::::::::::::::::::.           _ ノ'
     `''─ _      _ ─''´
179175:04/12/13 11:19:40 ID:HUFXactg
>>176
じゃあこの毛はどこの毛だよぉぉ(´Д`;)
180名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/13 13:25:22 ID:nzSFRBUw
多分自分の毛
181名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/14 17:22:57 ID:Y094tqSW
>>179
それ毛じゃなくて薬草じゃないか。
いつまでマヌーサかかってるんだよ。↑×2いてつくはどう
182名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/14 22:05:20 ID:XTpULbKB
↑ザキ
183名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/14 22:29:24 ID:g75lPLJN
>>181にマホカンタ
↓ラリホーマ
184名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/14 23:25:27 ID:XTpULbKB
>>183
発動後じゃ遅いだろ、>>181ザオリ…zzzz
185名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/15 02:05:10 ID:qjazlUHG
>>184
フッ、パーティアタックで起こしてやるよ。
えっと……はやぶさの剣でいいな!
起きてからもう一回斬ったらごめんな!w
186名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/15 02:06:45 ID:SSLNii30
>>181
ザキ



グハァ
187名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/16 01:01:02 ID:0NI3Katq
良スレage
188はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 02:57:02 ID:3ABdmRsh
三十七日目。
しびれんの居るオアシスへ向かう。
正確な位置は付近のモンスターに聞いて教えてもらったのだ。
イオラを見せたら急に協力的になってくれた。

午前中のうちにオアシスに着く。
マグマンを除くみんなはオアシスで水を飲む。
やっぱり干からびる寸前に飲む水が一番だ♪
そんな冗談を交わしていると水面が盛り上がり水しぶきが飛ぶ。
現れたのは深海竜君だ。
本来は海に住んでいるのではなかったのか。
いやここに住みついたのかもしれない。

初めて海王類を見たであろうピエールが「おっきーな!おっきーな!」と騒ぐ。
もっともこの時騒いで居たのはマグマンも一緒だった。
深海竜君が少し考えてから尋ねて来る。
「何か用か?」

余り歓迎的ではない。当然だ。
前回会ったときにははぐメタたちと一緒に彼を気絶させてしまったのだから。
「しびれんさんに会いたいんです。」

次の瞬間水しぶきが飛ぶ。
深海竜君が勢い良く尻尾を持ち上げたのだ。
空中から何かが落ちてくる。
僕の目の前に落っこちてきたのはなんとしびれんさんだった!
189はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 02:58:52 ID:3ABdmRsh
「ははは。どうだい?この登場の仕方はカッコいいだろう?最近凝っていてね。」
ボロボロになりながらしびれんさんが起き上がる。
「おお。君はいつぞやのメタルスライムだな。あの時はありがとう。僕に何か用かい?」

見かねたピエールがしびれんさんにベホイミをしてあげる。
「おおっ。すまないね。」としびれんさんはご機嫌だ。
僕はスタスタに会っていないか訪ねた。

しびれんさんは答える。
「いや。会っていない。僕があの時から君たちにあったのは今が初めてさ。」
「他のスライム族にならあったがね。ホイミスライムって奴に。今のようにホイミをかけてもらった。」
「他には変わったことはなかった。最近住処を襲っている奴らが居るという噂を聞いたぐらいさ。」

どうやら無駄足だったみたい。
僕たちはお礼を言ってすぐにオアシスを出た。
積もる話もしたかったのだが時間が無いのだ。
しかしここを出るのに一番厄介だったのはピエールだった。
「乗りたい!あいつに乗ってみたい!」
しびれくらげと深海竜が楽しそうに遊んでいるのを見てそう言いだした。
僕たちは駄々をこねるピエールを無理矢理引っ張って出て行った。

東を目指す。
向かうは毒の沼だ。
今の僕ならば半日もあれば辿り着くはずだ。
190はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:01:58 ID:3ABdmRsh
「サボテンボールにも会えなかった・・・。」
砂漠を出たときピエールが残念そうな声を出す。
僕たちはピエールを励ましながら食料を探す。
この辺りの風景は見たことがある。
僕は毒の沼であった出来事を思い出しながら食事を取った。

彼に会える。
僕は久しぶりの沼のことを考えると嬉しくて堪らなくなった。

とうとうジメジメした森に着く。
半日どころか昼過ぎに着いてしまった。
リザードフライが集団で現れる。
当然交渉は効かない。
しかし今の僕の相手ではなかった。

毒の沼に向けて歩き出す。
「ジメジメしてるな。こういうところを見て回るのも旅の醍醐味かね。」
ピエールが嬉しそうな嫌そうな声を出す。
僕はその変な態度を見て笑ってしまった。

「へへへ。毒の沼って言うのはあれかい?」
メタリンが奥に見える沼を指して言う。

おおっ。あれに違いない!

僕は急いで毒の沼に向かう。
そして大声で呼びかけた!
「こんにちは!お久しぶりです!」
191はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:04:06 ID:3ABdmRsh
周りの木から飛び出してくるか、それとも沼から浮かんでくるのか、僕は辺りを見渡した。
しかし何の反応も無い。

「あの・・・以前お世話になったはぐりんです!」
僕は再び大声を出した。

どこからか声が帰ってくる。
「ここから立ち去ってくれ。」

僕は予想外の返事に声を失った。
聞いた事の無い声だがバブルスライムに違いない。

「はるばる会いに来たモンスターに言うセリフじゃない!」
「姿を現しなよ!失礼だろう!」
マグマンが代わりに呼びかける。

呼びかけに反応したのかは定かではない。
しかし大勢のモンスターが木々の間から姿を現した。
なんと僕たちは囲まれていたのだ!

僕たちを囲んでいたのはバブルスライムの大群と一匹のホイミスライムだった。
見たことのある顔もいる。
しかしどのモンスターも悲しそうな顔をしている。ホイミスライムも同じだ。
そして大群を掻き分けるように一匹のモンスターが現れた。

ああ・・・。何て久しぶりなんだ。
僕はつい抱きつこうとしたのをグッとこらえた。

「ごめん。はぐりん。ごめんよ。お願い・・・帰って。」
久しぶりに聞いたその声も同じことを言った。
192はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:06:35 ID:3ABdmRsh
僕は力を失いそうになったが一生懸命聞き返した。
「うん。わかった。迷惑なら帰る。でも理由だけは教えてよ・・・バブすけ。」

バブすけはゆっくりと答えた。
「君と同じ姿のモンスターが現れた。僕の恩人じゃあないよ。顔が君とほとんど一緒だったんだ。」
「何人かの仲間が喜んで出迎えた・・・でもその仲間たちは一瞬で消されてしまったんだ。」
「僕は目を疑った。そして確信した。君じゃないって。雰囲気で分かったんだよ。」
「でもその後が大変だった。そのモンスターとその仲間たちがここで暴れだしたんだ。」
「僕たちも初めは応戦した。でもすぐに悟った。勝てないって。そして身を隠したんだ。」
「最後にあいつは言った。『ここでもない』ってね・・・。」
「昨日あいつの仲間が一匹ここに来たんだ。暴れて行った。今日も来るかも知れない。」
「君じゃないっていうのは分かってる。バブルスライムにだって悪い奴は居る。似た姿の奴が何かしたからといって君を非難するわけじゃない。」
「でも君の顔を見たら怒りが湧く仲間も居るかもしれないんだ。」

バブすけはとっても残念そうだ。いつもの元気も無い。
僕は立ち去るしかないだろう。
しかしその前にやることがある。
僕の大切な仲間を傷つけたモンスターは許せない。
僕は今起ころうとしている脅威について手短に話した。
そしてそのモンスターを僕たちに倒させてくれと頼んだ。

バブルスライムたちはガヤガヤと相談を始めた。
もっともその相談は十分ほどで終わった。
一日だけここに置いてくれるそうだ。
しかしバブルスライムと接触してはいけないとのこと。
当然だ。

僕たちは待った。静かに待った。
そして夕方になったときそのモンスターは現れた。
下品な笑い声と共に空から舞い降りてくる。
193はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:09:03 ID:3ABdmRsh
バサッ バサッ!

隻腕のモンスター。ホークマンだ。

ホークマンは僕を見てニヤリと笑う。
「やっと来たな。俺を覚えているか?」
「あの時はよくも騙してくれたもんだ。ほら。道案内をしてやった俺だよ。俺。」
「忌々しい鉄くずに敬語を喋った屈辱が分かるか?」
「挙句の果てに片腕を貴様ら鉄くずに奪われた!」
「鉄を見るだけで吐き気がするぞ。絶対に許さん!」

「許せないのはこっちの方だよ。よくもバブルスライムのみんなを苦しめてくれたな!」
僕はホークマンを睨みつけた。

「ふん!たっぷりいじめてやるぞ!」
ホークマンはそういうと片手を伸ばし呪文を唱えた!
「バギマ!」

強烈な風が僕たちを襲う!
特にマグマンが苦しそうだ。
しかしこの程度の風なら身動きさえ取れれば問題ない。

「イオラ!」
僕は狙いをつけて呪文を唱える!
しかし呪文を唱え終わる前にホークマンは空高く舞い上がってしまった!
素早い!素早さだけならば僕やメタリンに匹敵するかもしれない!

ホークマンが剣を抜く。
「やはり呪文では駄目か。しかし仲間たちには有効な様だったようだな。」
「くっくっく。くず鉄よ。貴様はこの剣で片をつけてやる。」
「この剣が交わせるかな?この隼の剣が!」
194はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:10:46 ID:3ABdmRsh
ホークマンが急降下してくる!
僕はイオラを唱えるがホークマンは爆風にかすっただけだ!

!?
ホークマンの手が動いたかと思ったら僕はいつの間にか斬り付けられていた!
おまけに二回も斬られていたのだ。
大きなダメージというわけではないが痛くないわけでもない。
しかし小さなダメージも積もり積もるということは今までの経験でよく分かる。

ホークマンが再び斬り付けてくる!
僕はホークマンが手を動かそうとした瞬間に大きく後ろに下がった!
やはり剣筋が見えない。早過ぎる!
しかしこの作戦は当たったようだ。剣筋は見えないものの交わしきった!

「イオラ!」
イオラが初めてホークマンにまともに当たる!
余程避けられたことが悔しかったのか、ホークマンが全力で突っ込んできたからだ!
ホークマンは黒焦げになりながらも僕に二回斬り付ける!
確実にダメージは刻み込まれるが致命傷には届かない。
今まで受けてきた刃の方が痛かった!

「メラミ!」
ホークマンに向かって大きな火の玉が向かっていく。
マグマンだ!
「さっきはよくも!はぐりんだけ見てると火傷するぞ!」

ホークマンはバギマでメラミを迎撃する!
「貴様らは引っ込んでいろ!バギクロス!」
195はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:12:17 ID:3ABdmRsh
マグマンたちに向かって巨大な竜巻が向かっていく!
ピエールがイオラを放つが相殺するには届かない!
マグマンとピエールはバギクロスで吹き飛ばされてしまった!

あの二人にバギクロスは危険だ。
「みんなは休んでて!あんな奴一人で十分さ!」

僕の言葉を聞いてホークマンが睨みつけてくる。
「遊びは終わりだ!食らえ!バギクロス!」

巨大な竜巻が僕に向かってくる!
僕は吹き飛ばされないように身を固めた!
周りの空気が重い。気を抜くと吹き飛んでしまいそうだ。
しかし痛みは無い!

僕は耐え抜いた!
しかし目の前にはホークマンが立っている。
ホークマンは僕に何かを投げつけた!

なんだ?これは!粘々して離れない!

「斑蜘蛛糸って言うんだよ。鉄くず!」
「それはそう簡単には取れんぞ。これでもうチョロチョロとは動けまい!」
ホークマンはそう言って二回僕を斬り付ける!
「ハハハハハハ!てめーら鉄くずは俺が全員ぶっ殺してやる!原型も止めてやらねーぜ!」
ホークマンはそういって更に数回僕を斬り付けた!
196はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:13:04 ID:3ABdmRsh
「くっイオラ!」
僕は数回イオラを唱えるがホークマンはすぐさま交わすか身構える。
当たっても致命傷にはなりそうにも無い。
粘々した物体も体中に巻き付いているので僕一人では焼き尽くせそうもない。
くそっ。こんな物さえなければこんな奴!
ホークマンに二回斬られる!
こうなったら我慢比べだ!

僕がそう思ったとき一匹のモンスターがホークマンの顔にへばりついた!
その姿は・・・バブすけだ!
「はぐりん!大丈夫!?」

ホークマンがバブすけを引っぺがそうともがいている!
今だ!
「イオラ!」
僕のイオラがホークマンの体を中心に爆発する!
バブすけがホークマンから離れる!
僕は更にもう一発イオラをお見舞いしてやった。

ホークマンが立ち上がる。怒りに震えている。
「ぐちゃぐちゃのバブルスライムが俺に何をした?」
ホークマンがバブすけに手を向ける!
「バラバラにしてやるぞ雑魚が!」

させるものか!
「イオラ!」
イオラが勢い良くホークマンの手元で爆発する!

「ぐあぁぁぁぁぁ!」
ホークマンの切実な悲鳴が響き渡る!
197はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:17:47 ID:3ABdmRsh
なんとホークマンの残る片腕が吹き飛んでしまったのだ。
傷から大量の血が流れ出す。
地面を転がり泣き喚く!
「ちくしょう!ちくしょう!いてぇ!いてぇよぉぉぉーーー!!!」
「絶対に。絶対に許さないぞ!貴様らーーー!必ず!・・・必ず殺してやる!」
「くず鉄!俺はお前達くず鉄を滅ぼしてやる!この両腕の痛み!絶対に忘れん!」

「いいや!悪いがお前はここでおしまいさ。」
マグマンたちがやってくる。
「どうやってここから逃げるんだい?」
「その体ではもう戦えないだろう?」

「へへへ。知ってること全部言えば見逃してやってもいいよ。」
これはメタリンだ。

「どうやって逃げるかだとぉ〜?」
「ははは・・・ははははは!あははははは!」
ホークマンが不気味な声で笑い出す。
痛みで頭がおかしくなったのだろうか。
「お前達は俺たちのことを全然分かっちゃいない!」
「だが俺は・・・俺たちは何でも知っている!」
「忘れるな!殺してやる!絶対にだ!絶対にだ!!!」
「ルーラぁーーー!」

ホークマンは呪文を唱えたかと思うと一瞬のうちに消えてしまった。
残っているのは哀れな片腕と隼の剣だけだった。
198はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:18:41 ID:3ABdmRsh
マグマンとメタリンがメラミで粘々を燃やしてくれる。
体は自由になった。僕は一直線にバブすけに向かっていった。
「ありがとう!バブすけ!」

僕はつい約束も忘れてバブすけに抱きついてしまった。
僕はすぐに離れる。
「ごめん。つい・・・。」

「嫌なもんか!冷たくしてごめんね!はぐりん!」
バブすけはそう言ってくれる。

他のバブルスライムたちも出てきた。
いや正確には既に何匹かのバブルスライムが近くに居た。
バブすけが危なくなって飛び出した者も居たのだ。
バブルスライムたちは一矢報いてくれてありがとうと言った。
そしてはじめの失礼な態度を謝ってくれた。
もちろん彼らは悪くない。僕は嬉しく笑いがこぼれてしまった。

一匹居たホイミスライムが僕たちにホイミをかけてくれる。
僕よりもマグマンの怪我の方が酷かったのには驚いた。

そしてこの夜はみんなで食事をした。
僕はここを旅立ってからの冒険の話を語り続けた。
199書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/17 03:21:29 ID:3ABdmRsh
今日はここまでです。
遅くなってすみません。

今回ははぐりん以外まともな描写が無かったなあと。
それではまた今度。
200名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/17 04:21:10 ID:b4TpWmgM
書き手さん乙です。なんだかピエールの性格が変わって来てるような?
毎回楽しく読ませてもらってます。自分のペースでマタ-リ続けて下さい。
201名前が無い@そうだ選挙に行こう:04/12/17 09:30:37 ID:0yU2Nhx0
乙。

>イオラを見せたら急に協力的になってくれた。
脅しだぁ〜w
202名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/17 20:14:15 ID:SuRydD+b
ピエール完全にギャグキャラだな。
203名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/18 23:40:47 ID:nldHIzAF
ああ バブすけ!!!
204名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/19 23:47:25 ID:ucp2LqsP
一日一保守
205豚とロ:04/12/20 22:09:17 ID:y5psywxH
ああ チーズケーキたべたい
206名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/21 23:49:56 ID:G0RK7ANW
はぐメタとスタスタどっちが強いか徹底議論
207名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/22 23:20:22 ID:qhTvtRiP
干す
208名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/24 19:53:49 ID:KCuSk6oa
バブすけほしゅ
209名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 18:38:22 ID:shrbp6y7
バブすけほしゅ
210名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 23:07:14 ID:Vh/MqZ+z
ばぶすけはメガンテを唱えた!!!!!
211名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 00:00:51 ID:PPwN7hJn
しかしMPが足りない!!
212名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 09:34:56 ID:5wVAjKvd
↑エルフののみぐすり
さあ、心置きなく自爆するがいい!
213名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 11:47:34 ID:PPwN7hJn
最大MPが0…
214名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 15:02:14 ID:GMfDUvXf
↑ふしぎなきのみ
215名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 15:55:58 ID:AB528E/+
↑俺が食べちゃえ
216はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:10:03 ID:+SFQbtVp
・・・突然なんだけど。
新たに一匹が僕たちの仲間に加わったんだ。
これは昨夜のお話です。

僕たちはバブルスライムたちと楽しく夕食を食べた。
そして夜遅くまで話し合った。
『僕たちの冒険』から『最近この地域で起きたこと』まで話題は尽きなかった。
そして自然にみんなはバラけていった。
もう眠るという者。食べ足りないという者。夜遅いけど遊ぼうという者。
メタリンたちは何処で何をしているか分からない。
きっと他のバブルスライムたちと話しているのだろう。

僕はバブすけと二人で話をしていた。
お互いに何度お礼を言ったか分からない。
話によると最近のバブすけはめまぐるしく頑張ってたらしい。
いっぱい勉強してマヌーサや不気味な光が使えるようになったというのだ。
すごい!
バブルスライムが使える特技のほとんどを覚えてしまっている!
住処が襲われた時にみんなに迷惑を掛けたくないからだと言う。
偉いなあ。見習わなくっちゃ。
もっともバブすけは「僕はまだ子供だよ。子供なのに旅をし続けているはぐりんの方がすごいよ。」と謙遜していた。
僕なんて迷惑掛けっ放しで大してすごくないんだ・・・だけど、それはもしかしたらお互い様なのかもしれない。
マヌーサを覚えたのは最近で魔法のコツをホイミスライムに聞いたのだと言う。
これは僕も聞きに行かなくては!
217はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:11:24 ID:+SFQbtVp
話した内容はこれだけじゃない。
バブすけのお母さんは元気にしているか(もっとも僕自身、会ったんだけどね。)。
最近何をして遊んでいるか。
旅の自慢は何か。
更に「もし急いでなかったら明日は一日中遊べたのにね。」という会話と『はぐメタに会えたらよろしく言う』という約束もした。

しばらくするとピエールがやってきた。
僕は改めてピエールとスタリオン君をバブすけに紹介した。
ピエールの「ははは。毒の沼の中にもおいしい食べ物はあるんだな。」という言葉には笑いを堪えられなかった。
きっと変わった名物でも食べたに違いない。

バブすけとピエールが仲良くなったがここで問題が生じた。
バブすけのお母さんがバブすけを迎えに来たのだ。
バブすけは名残惜しがったが連れて行かれてしまった。
「はぐりんはまだ起きてるよー!ママ!」という必死の抵抗も無駄に終わった。
就寝時間が決まっているらしい。
僕は『お母さんに無理矢理寝かされた昔のこと』を思い出して切なくも微笑ましい気持ちになれた。

僕とピエールは二人で空を見上げた。
残念なことに木々に覆われて星は見れない。
続けてピエールが僕を見る。
「旅はいいものだな。おいしい物や珍しい物に出会えるとわくわくする。感動すら覚える。ここまで来て私もそれが良く分かったよ。」
「そんな不思議な気持ちに慣れた時は、ついつい柄にもなくはしゃいでしまうのだ。古城では味わうことが珍しかった感覚だ。」
「物心ついた時から同じ世界しか見れなかったからな。」
218はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:13:37 ID:+SFQbtVp
僕は答えた。
「僕も一緒でした。大河を見た時は立ち尽くしてましたから。」

ピエールが続ける。
「旅には出会いと別れがあると聞く。別れは悲しいと聞くがはぐりんのように再開もするんだな。それを勘定に入れれば別れも一つの醍醐味なのかもしれん。」
「おおおっ。私もそんな再開を味わってみたいぞ!」
ピエールの言葉に合わせてスタリオン君が飛び上がる。

「別れはやっぱり辛いですよ。でもまた会えた時は嬉しかったです。」
僕はまったりとしながら答えた。
ピエールは真面目だ。でも旅で新しい物に出会うと僕に負けないくらい喜ぶ。
一緒に旅が出来てよかった。話していてそう思った。

そんなピエールも古城では同じものを見ていたらしい。最近まで半人前だったという話を思い出す。
そういえば僕は古城について何も知らない。
「古城はどんなところだったんですか?スライムナイトばっかりが住んでいたんですか?」

ピエールはこっちを見て微笑んだ。
実際は兜で顔が見えないが何故か微笑んだ様な気がしたのだ。
「スライムナイトというよりはスライムとナイトだな。」
「古城は楽しかった。旅も楽しいがあそこでの生活は忘れられない。」
「様々な歳のナイトが居た。様々な性格のナイトが居た。男も女も隔てなく。」
「私たちは何のために戦うと思う?仲間のためもあるが・・・仕えた相手もいたのだ。王様がね。」

「ええっ!王様が居たんですか!?」
僕はつい大声を出してしまった。
スライムナイトしか居なかったのだと思っていたからだ。
219はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:19:00 ID:+SFQbtVp
「驚いたかい?私たちはナイトだ。仕える相手が居なくては成り立たない。」
「もっとも人間ではない。私たちの様な半端ものを好む物は少ない。なんとキングスライムさ。」
「数多く居るキングスライムのうち、その一匹が私たちの王だった。」

「その・・・キングスライム様は元気にされているわけでは・・・。」
僕はそこまで言って言葉に詰まった。聞くまでもなく知っているからだ。

「フフフ。もうお亡くなりになられたが例の騎士どものせいではない。数年前に亡くなられてしまってね。」
「居なくなられてからは主の居ない古城に成り果ててしまった。いや、元々古かったんが。」
「みんなずーっと新しい王様を探していたが結局見つからなかった。」
「いつか見つけ出すよ。私が仕えるに相応しいスライムを。」

「良かった。」
僕はつぶやいた。
「戦いが終わった後でも忙しいんですね。」
そう思ったからだ。
これで戦いが終わった後ピエールさんが一人で居なくなることはない。

「ははは。以前の様な活気ある古城にするには骨が折れるさ。」
「やるべきことはたくさんある。この旅で得たことを十二分に活かすぞ。」

ピエールさんはそう言った後、星の見えない空を見上げてつぶやいた。

「馬鹿で・・・間抜けで・・・お調子者で。皆に迷惑を掛けてばっかり。迷言・・・愚命・・・尽きぬ失敗。怒りに震えることも多かった。恥に次ぐ恥に殺意すらも芽生えた。」
「言葉にするのも鬱陶しい愚王の中の愚王。そんなものが王だった。」
「昔話にも出てきたが信じることすら不可能だった。」
「しかし、私はあの王の持つ大切な心を知っている。魔物に古城が襲われたとき。子供だった私たちを救いに一人で現れた。」
「ボロボロになりながらも皆と力をあわせて魔物を撃退した。傷だらけの自分よりも怯える私たちを心配した。」
「そしていつものように馬鹿な発言。空回りした挙句のドジ。しかし私は心の底から嬉しかったよ。」
「愚王には勿体ないほどの心。一人前になったら一生懸命支えようと誓ってたのに。」
「あの王のことは決して忘れまい。キングス様を。」
220はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:19:56 ID:+SFQbtVp
ピエールはそこまで言うと大きなあくびをしてしまった。
涙目を誤魔化したのかも知りない。顔を見ることは出来ないがそう思う。

後ろから声がする。
「誓いを立てることが出来るとは。信じられる素晴らしい王様だったのですね。」
僕たちは振り返った。ホイミスライムだった。ふわふわと浮いている。

「立ち聞きをしてすみません。僕も旅をしています。聞きたいことがありまして。」
「僕たちの主席を知りませんか。」
「厳密には王ではないのですが、この森の南のホイミスライム族を束ねるホイミスライム族の代表です。」
「その名もスライムベホマズンのベホズン。」
「数あるスライムベホマズンの中で、もっとも偉大だった言う生ける伝説です。」
「僕の尊敬する主席でしたが、二ヶ月ほど前に居なくなられてしまった。」
「それも何も仰らずに忽然と。探すなという一言すらなしに。」
「大勢のホイミスライム族で探しています。僕はこの辺りを担当しました。もう探していないのはここから東のみです。」
「何か情報があったら教えていただけないでしょうか。」

行方不明のスライムベホマズン。夕食のとき一度聞いたかもしれない。
もっとも残念ながら僕もピエールも今まで聞いた事もなかった。
「役に立てなくてごめんなさい。」と言うしかなかったのだ。
ホイミスライムは笑顔でお礼を言った。
221はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:22:32 ID:+SFQbtVp
僕は逆に二つの事を聞いた。
一つは呪文のこと。一つはゆうぼうのことだ。
呪文については収穫があった。彼は優しく教えてくれた。
僕には気合と集中力があるがイメージが足りないらしい。
もっと何をしたいのか意識する必要があるそうだ。
そういえばいつも口に出していただけの様な気がする。
ゆうぼうの方は分からなかった。
しかしここから西の方では聞いたことがなかったということは分かった。

僕はお礼を言った。
そして以前受け取った「ベホマンさんの手紙」をホイミスライムに手渡した。
ホイミスライムが読む。ベホマンさんとは会ったことがないが名前は聞いたことがあるらしい。
読み終わると僕に手紙を返してにっこりと微笑んだ。

「彼の言うことは正しいです。同じホイミスライム族として出来る限りの協力をします。僕たちは家族の様なものですからね。」
「もし東に向かうようでしたら僕も連れて行ってください。この触手が役に立つかもしれません。」
「それに・・・僕は戦闘が苦手でいつも痛い目に遭ってばかりです。ベホマンが認めたあなた方なら僕も信頼できます。」
「置いて逃げられることは無いでしょう。いかがですか?」

僕とピエールはこの申し出を快く承諾した。
彼が居れば危険がぐっと少なくなる。
仲間の命が救いやすくなるのだ。
話が終わると僕たちはそれぞれの寝床に戻って行った。
222はぐりん  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:28:07 ID:+SFQbtVp
朝日が昇る。

僕は彼のことをメタリンとマグマンに紹介した。
もっともこのとき初めて彼の名前を聞いた。
ホイミンというらしい。
昔話だ。スタスタに教えてもらった話。そこに出てくる伝説の「人間になったホイミスライム」と同じ名前だ。
朝食もおいしかった。
メッキーさんとの約束の日まであと四日しかない。
バブすけも付いて来たがったがお母さんに縛られて動けなかった。
僕が生前にお母さんに「旅をしたい。」と言ったら同じ目に遭ったかも知れない。
僕はバブすけと抱き合ってお別れをした。

しかしこの日。

バブルスライムたちと別れを告げた後。
旅立つ前に一匹のメタルスライムがやって来た。
ボロボロのメタルスライムだった。

三十八日目の朝。事態は急変する。
223書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/27 04:31:50 ID:+SFQbtVp
今日はここまでです。
年末で色々ある為下手したら今年はここまでですになるかもしれません。
もう一回出来れば書きたいのですが、中途半端なところで終わりそうなのでここで区切った方がいいかも?です。

また毎度の事ながら遅れてすみません。
保守ありがとうございます。
感想や小ネタはレスはしなくても毎度楽しく読んでいます。
224名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/27 09:28:46 ID:NvW9pY7t
書き手さん乙カレー。いつも楽しみにしてます。
しかし凄い時間に書かれてますね・・・


↓マホトラ
225名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/27 22:37:11 ID:RU6a/S2u
↓   俺も協力するぜ

↓  ↓マホトラ
226ミニデーモン:04/12/28 00:36:12 ID:65z4OWoH
↑ねんがんの MPを てにいれたぞ!
な なにをする きさまらー!
↓イオナズン
227書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/30 01:05:25 ID:G5FhSvnz
番外編 〜みかん〜

「みかんがない。」

「えっ?」
唐突に言われた言葉に一緒に居たモンスターは驚きを隠せない。
さっまでは「出番がない出番がない」と愚痴っていたのに急に話が変わったからだ。

「餅はあるがみかんがないんだ。探さないと。」

「なんで急にみかんが必要なの?」
モンスターは聞き返す。
外ではもう雪が降っている・・・そんな季節だった。

「あいつに見せてやりたいんだよ。餅を二つ重ねて上に乗っけた奴をな。驚くぞ。」

「・・・僕もそれがなんだか分からないんだけど・・・。それに餅はあるってどこに?」

「ほらあそこに有るじゃないか。」
何故か洞窟の隅に二つ重ねられた餅が置いてある。
ほとんどつき立てだ。

「あれれっ。五分前にはなかったよ!?なんで!?」

「時間が無いんだ。細かいことは気にするな。みかんはないのか!」
「俺はイチゴでもいいんだが、やっぱりみかんじゃないと。」
228書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/30 01:06:45 ID:G5FhSvnz
二匹でみかんを探していると洞窟の中に誰かがやってきた。
不思議な羽を持ったモンスターだ。
「遊びに来ました。パタパタ。」

「おおっ、みかんを持ってないか?」
挨拶もなく唐突だ。
しかしモンスターは首を横に振る。

三匹でみかんを探していると洞窟の中に誰かがやってきた。
スライムの上に乗っている。
「ふっ。みかんはないが遊びに来させて頂いた。」
そういって髪をいじる。

四匹でみかんを探していると洞窟の中に誰かがやってきた。
赤と青の小さなモンスターが一匹ずつだ。
ピーピー。

六匹でみかんを捜していると洞窟の中に誰かがやってきた。
ライオンの様なモンスター。真っ赤な牛の様なモンスター。貝殻を被ったおじいさん。
どんどんどんどんモンスターがやってくる。
まだまだくる。

「このままじゃ身の置き場がなくなるぞ!」
最初に居たモンスターの一匹が叫ぶ。

「はぐメタ〜。僕さー前から思って居たんだけど、この世界には本来イチゴやりんご、みかんなんてないよね?」

「それは言うな!食事が薬草だけになっちまう!」
「うぅっヤバイ!もう時間が無いぞ。あいつらが来る!」
「そうだ。そこに居た青い奴!こっちへ来い!」
229書き手  ◆F/WveZadCU :04/12/30 01:08:19 ID:G5FhSvnz
洞窟に最後のお客さんたちがやってきた。

最初に居たモンスターが話しかける!
「はぐりん!これを見たことあるか!旅先で知った異国の風習だ!」

「へ〜。他の国じゃ餅の上にスライムを置いて飾るんだ!すごいなあ!」

FIN

自主保守でした。
本編の続きはやっぱり来年になりそうです。
帰郷するので次はいつになるか分かりません。
実家で書けるか分かりませんので。

それでは良いお年を。
230名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/30 02:17:25 ID:QjAFuJEy
>>書き手さん
(・∀・)イイ!

やっぱり最後の客はベs…
231名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/31 11:42:06 ID:5DmdSLbQ
バブすけほしゅ

らいねんもよろしくねん
232名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/31 21:32:27 ID:Vsr8qFHx
千桁age
233名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/31 21:33:56 ID:Vsr8qFHx
千桁age
234名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/31 21:35:08 ID:Vsr8qFHx
ミスった
スマソ
235名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 02:48:49 ID:GJVIziN5
明けましておめでとう。
今年もはぐりんの冒険を楽しんで読むからね。
236FOX:05/01/01 11:58:55 ID:5AKBZrPa
↓ディパインスペル、ラリホーマ、マホカンタ、マホトーン、ザキ、
237名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 12:01:43 ID:DEaGG2Zo
あばばばばばば
238名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 14:34:49 ID:5FnPFXE3
↓メラ、ヒャド、メラ、ヒャド、メラ、ヒャ(ry
239名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 18:31:45 ID:5AKBZrPa
↑ヽ(`Д´)ノ どっちかにしろヴォケ
↓ メタパニーマ
240名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/02 03:25:58 ID:zYieSDmW
>>239はでたらめなじゅもんをさけんでみた
「メタパニーマ!」
しかしなにもおこらなかった!
241名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/02 12:21:07 ID:CieoVthd
↑プラス(メラ)とマイナス(ヒャド)の魔法力をスパークさせた
エネルギーこそが・・・全ての物質を消滅させる最強の力・・・・

メ ド ロ ー ア !
242名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/03 04:10:52 ID:HAJ3D1oO
↓マホカンタ   いい対処法をよろしく
243名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/04 03:01:08 ID:syP1v5uc
↑マホトラ(DQ3)

うは、MP回復ww

↓ぼうぎょ
244名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/05 00:48:29 ID:MjvbqkW2
↑ボーっとしながら様子を見ている

いい加減この保守方法にも飽きてきた。
なにか新しいネタはないのか?
245名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 13:20:09 ID:bNpN7zsE
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・) ドキドキ テカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
246名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 14:19:54 ID:HhA8rbjG
はっはぐれモナーーー!?
(・∀・)イイ!
247名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/08 00:40:15 ID:Wa0JwoLd
保守
248名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 01:12:53 ID:QzBofR/P
はぐれモナーは、果たしてメタルキング並みの防御力とすばやさを持つのか疑問・・・
249名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 18:08:55 ID:Be1LUt+6
光ってはいるが弱い
250名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 20:24:36 ID:KjFaSCZf
よく見たらモナーじゃなくてモララーじゃない
251名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 21:37:39 ID:VWfKmCbr
モナーとギコもキボンヌ
252名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/10 01:32:48 ID:utOunAwc
そうか・・・ 弱いのか・・・
弱いくせに経験値激高だったらもう笑うしかなくなるな・・・
253名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/10 01:56:25 ID:5PJwk24e
それでこそモララー(w
254名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/10 02:29:01 ID:Y9Lmlbar
ビニールモララー
255名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/10 15:42:41 ID:EWLqBvpV
でもベホマズンを唱える
256名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 11:24:12 ID:jwB/LucV
うひょ
257名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 11:36:15 ID:aOqGStzn
ベホマズンとかちょっと無駄だ・・・
258名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 16:11:50 ID:xQ2VnPCA
>>251ほらよ
    +   +     +   +
  + ∧_∧   +   ∧∧  +
   (0゚´∀`)      (0゚Д゚)
 +  (0゚∪ ∪  + ヽ/0゚  |  +
  + と__)__)  +  (とUUつ  +
259名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 21:18:41 ID:uF5hFsuI
メタルモナーとメタルギコキターーー!
260名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/12 21:44:33 ID:talmct03
うおっ!光っとるのーー。
261書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/12 23:24:02 ID:IBKLdwS+
はぐれモララー(・∀・)イイ!
メタル二匹も。

明けましておめでとうございます。
他の事で少し忙しいので続きは今しばらくお待ちください。
申し訳ございません。
ではまた。
262名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/14 15:46:56 ID:hUNvXyyb
ちんこ
263名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/14 17:55:17 ID:yZyBcrpA
ほしゅるよ
264名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/15 22:22:19 ID:Sfc7Z8vG
保守
メタルAAを使ったAA作品が見たい
265名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/17 19:54:58 ID:5rCY3Ok7,
保守キュルキュル
266名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/18 21:25:28 ID:Kf2oJ7mQ
アルミでできてるんだ・・・
267258 1/6:05/01/19 14:38:39 ID:CTtbKM8Z
                          .''゛.
  ∧_∧                    .,_从_,.
 (0゚´∀`)         ヾ('∀`)    .ノ:::人:::ヽ.
 (0゚∪ ∪           (   )   .((::::(O)::::)).
 と__)__)           <  ヽ  .//| |\\.
.                        . ̄. . ̄. . ̄.
268258 2/6:05/01/19 14:42:01 ID:CTtbKM8Z
       サッ                  .''゛.
      Ξ                   .,_从_,.   Ξ._∧
      Ξ          ヾ('∀`)    .ノ:::人:::ヽ. Ξ∀`゚0)
      Ξ           (   )   .((::::(O)::::)). Ξ ∪゚0)
      Ξ           <  ヽ  .//| |\\.Ξ_(_つ
.                        . ̄. . ̄. . ̄.
269258 3/6:05/01/19 14:43:01 ID:CTtbKM8Z
                           .''゛.    スッ
                     ?    .,_从_,.    ∧_∧
                 ヾ('∀`)    .ノ:::人:::ヽ. (´∀`゚0)
                  (   )   .((::::(O)::::)). ∪ ∪゚0)
                  <  ヽ  .//| |\\.(__(_つ
.                        . ̄. . ̄. . ̄.
270258 4/6:05/01/19 14:44:13 ID:CTtbKM8Z
                           .''゛.       ・・・・・
                         .,_从_,.    ∧_∧
                 ヾ(;'∀)    .ノ:::人:::ヽ. (´∀`゚0)
                  (   )   .((::::(O)::::)). ∪ ∪゚0)
                  <  ヽ  .//| |\\.ξ_(_つ
.                        . ̄. . ̄. . ̄.
271258 4/6上5/6です。orz:05/01/19 14:46:37 ID:CTtbKM8Z
~~^~~^~~
                           .''゛.
                         .,_从_,.    ∧_∧
                 ヾ( '∀)    .ノ:::人:::ヽ. (´∀`゚0)
                  (   )   .((::::(O)::::)). ∪ ∪゚0)
                  <  ヽ  .//| |\\.(__(_つ
.                        . ̄. . ̄. . ̄.
272258 5/6:05/01/19 14:47:41 ID:CTtbKM8Z
                           .''゛.
                    そ     .,_从_,.
                 ヾ(;'Д)て  .ノ:::人:::ヽ.    ドロッ
                  (   )   .((::::(O)::::)).  ,.,,,.,.,.
                  <  ヽ  .//| |\\. ノ+:;;:゚0ヽ.
.                        . ̄. . ̄. . ̄. ~~^~~^~~
273258:05/01/19 15:07:55 ID:CTtbKM8Z
   |       ミスばっかりだ・・・・
   ト、      すみません。吊ってきます。
   i ∧i|ll|i||i
  (`(0゚ ||l|i
   `゙(0゚ l|li|i
    ( | |il|i
     ヽ.)ヽ.)
274名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/19 21:33:03 ID:hmCRkZBA
千桁age
瞬間移動する描写がイイ(・∀・)!
>>267-269>>271>>270>>272の順番でオッケー?
275258:05/01/21 00:50:42 ID:BRCR/bOP
    |             |        >>274さんありがとうございます。
    ト、  +         ト、       今気付くと自分でやればいいんでしたorz
    | ヽ ∧_∧ +      | ヽ           メタルモナーと一緒に吊ってきます。
    し(`(∀`゚0)      し′   トドカナイ・・・
     `(  ゚0つ +       /l/l
       / /、ヽ、       (∀゚;)
       (___ノ ヽ_ノ +      (<v> )〜
      | ̄ ̄ ̄|         Uヽ)
      |___|         | ̄ ̄|
                      ̄ ̄
276名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/22 11:12:53 ID:xqiOJTWO
勃起age
277名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/23 09:33:57 ID:3zI+va9J
ほしゅ
278名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/25 16:19:33 ID:ORtny786
hosyu
279名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/26 23:00:05 ID:DzRq2jT6
hoshu
280名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/27 10:33:26 ID:ebbQJz4L
ぷりぷりまんこ
281名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/27 10:52:33 ID:Jk5LzaA9
だれか|〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ドラゴンボールの悟空とチチのセックスシーンのマンガ見せて〜〜〜〜あとベジータとブルマのほうでもなんでもいいからドラゴンボールのエロマンガ見せてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜
282書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:08:56 ID:yOVdwhpS
お久しぶりです。保守ありがとうございます。

結局今月は時間が取れなくて書けませんでした。
申し訳ございません。

二月からは時間が取れそうなのでまた不定期的に書かせて頂きたいと思います。
今月何も書かないというのも寂しいのでまた番外編でお茶を濁させてください。
283はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:12:15 ID:yOVdwhpS
番外編 〜節分〜

三匹のはぐれメタルが暖かい洞窟の中で話し合っている。
一匹がはっとして口を開いた。

「そうだ!はぐメタ〜。最近僕の部屋ががらっとしちゃったんだけど、アレやコレがどこに行っちゃったか知らない〜?」

「いっいや、知らないなあ。それよりみんな。セツブンという物を知っているか?」
顔に傷のあるはぐれメタルがビクッとして話を切り替える。

「えっ。セツ・・・ブン?僕は聞いた事がないや〜。はぐりんはある〜?」

「聞いたことないです。また異国の風習?」

「はっはっは。この大陸には知ってる奴は少ないだろうな。一匹鬼を決めていじめる行事だ。」

「えっいじめる?今度はスライムでも投げつけるの?」
異国の風習かと聞いた者がさらに聞き返す。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」
まあ当たらずとも遠からずというところかな。」
「鬼をやっつけて幸せを家の中に入れるんだよ。オニハソト、フクハウチというらしい。」
「ただし、当てるのはスライムじゃなくって豆だ。そして鬼役は仮面を着けて身も心も鬼になってもらう。」

「鬼役は損なんだね〜。でもこの世界には豆なんてないし鬼の仮面なんて物もないよ?」

「ふふふ。スタスタ安心しろ。ここに般若の面という物がある。そして豆の代わりはこの大量の種たちだ。」

そういって一匹のはぐれメタルがどこからか般若の面と袋いっぱいの種を持ってきた。
命の木の実からラックの種までいっぱいだ。
284書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:15:05 ID:yOVdwhpS
「この種は投げた後歳の数だけ食べていいぞ。手に入れるのが大変だったんだからな。」

「えっ食べていいの?僕命の木の実って奴をいっぱい食べたいよ!」

「僕も!・・・でも誰が鬼の役なんてやるの?」

「うーん。俺もやりたくないしなあ。よし。やってくれそうな奴を探そう。」

三匹は鬼役を探して歩き回った。
マグマスライムにホイミスライム、メタルスライムまで探したが誰もやりたがらない。

「俺も当てる役がやりたいよ!」

「僕は後で鬼にホイミする役にしてください。」

「へへへ。鬼になったら全力で逃げる。」

仕方ないので洞窟に帰ってからくじで鬼役を決めることにした。

すると一匹のスライムナイトがお茶をすすっているではないか。

「おお、はぐりん。遊びに来たが居なかったから勝手に上がらせてもらってるぞ。」

「ああ。ピエール。そういえば遊ぶ約束してたんだった。留守にしててごめんよー。」

ピエールがそっと手を伸ばす。
その手はとある袋に伸びていく。ピエールが袋を逆さに振る。どうやらもう中身はないようだ。

「ああーーー!種がーーー!」
285書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:18:21 ID:yOVdwhpS
「ん?ああ。すまない。お茶菓子がなかったので代わりに頂いていた。」

異様な雰囲気が辺りを包む。

「なっなんだ。みんなどうした。私はお茶も自分で入れたんだぞ。」

はぐメタが般若の面をピエールに被せる。

「セツブン開始・・・。ベギラマー!」

「んなにーーー!!!」
スライムナイトの悲痛な叫びがあたりに響く。

しかし声とは裏腹にスライムナイトはぱっと起き上がる。
「・・・?なんだかあんまり痛くないぞ。ああ。まるで今までの自分じゃないようだ。足も軽い。体も強靭に。いや、それより頭が痛くなってきた・・・。」

スライムナイトは頭を抑えたかと思うと、次の瞬間、剣を抜き全力で斬りかかって来た!

顔に傷のあるはぐれメタルが攻撃を避けつつ叫ぶ!
「はっ!しまった!般若の面には頭をおかしくする効果があるんだった!」
「種による身体能力の増加!般若の面の防御力!そして全力の攻撃力!」
「みんな気をつけろ!こいつは今まで戦ったどのモンスターよりも強い!」

そうこういっているうちに一匹のはぐれメタルがスライムナイトの攻撃によって倒れこむ!

「スタスターーーーーー!!!」
「うわーん!はぐメタのバカーーー!」
もう一匹のはぐれメタルが泣きながら駆け寄る。
286書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:23:54 ID:yOVdwhpS
二匹に斬りかかってくるスライムナイトの前にマグマスライムが立ちふさがる。

傷のあるはぐれメタルが再び叫ぶ!
「くっ。みんな。本当の鬼退治の始まりだ!」
「あいつの体から般若の面という鬼をたたき出してやるぞ!」

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

はぐりんの日記
セツブンの後は種の代わりにアミットせんべいを食べました。
ピエールのお土産です。
ピエールは般若の面の副作用で寝込んでます。
しかもはぐメタがどこかから大量に仕入れてきたあの種はやっぱりおかしなところがあったらしく、夜にはもう効果がなくなってました。
今思うとピエールには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

スタスタの日記
気がついたらベットで寝ていたよ。
部屋ががらんとしていて悲しいよ〜。
287書き手  ◆F/WveZadCU :05/01/29 01:25:08 ID:yOVdwhpS
はぐメタの日記
本来とは違う形のセツブンになったがこれはこれで楽しかった。
次は別の国の行事を楽しんでみたいと思う。

マグマンの日記
冷静になって思うんだけど、俺が鬼になってたらきっと種が燃えちゃってたはずだ。
本気になったピエールは強かった。

メタリンの日記
へへへ。最初から最後まで影で隠れてた。
見てると面白かったけど絶対参加はしたくないと思った。

ホイミンの日記
予想外にセツブンの後の出番が多かったです。

ピエールの日記
はあはあ・・・。うぅ。来年は必ず当てる役になってやる。

おしまい。
288名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/30 00:22:04 ID:HwU3wqr+
超超超超乙
番外編好き
289名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/30 11:03:56 ID:f+A43Gao
作者さん、番外編乙です。お忙しい中ご苦労様でした。

番外編も楽しみにしとりますよー。
290名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/02 02:02:02 ID:+woW4T/y
保守age
291名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/04 02:00:49 ID:cPEi5BM3
めぐれ!
292名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/05 22:42:02 ID:MGSYiU1G
めぐろうぜ!
293はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:31:03 ID:ZP3RiZ6U
「ぐうっ・・・。仲間が・・・子供たちが・・・少し離れた向こうの平原で・・・。」
「匿ってやってくれ・・・。・・・頼む。私はどうなってもいい。」

ボロボロのメタルスライムはそこまで言うと意識朦朧と倒れこんだ。
駆けつける僕を見てメタルスライムはハッとした顔をする。
そして周りを見渡す。
僕と並んでいるバブルスライムたちを見て顔を伏せた。
唸っている。まるで何が起きたか分からないかの様に顔を引き攣らせる。

どこかで見たことのあるメタルスライム・・・僕はそんな気がした。

メタルスライムは僕に向かって口を開く。
「・・・そうか。なんという偶然・・・。いや・・・やはり私の思った通りだった。」
「最初は君が帰ってきたものだと思った。憎しみをもって私たちに復讐をしに来たのかと・・・。」
「しかしやはり君ではなかったのだな。・・・あれは君とは違い過ぎる。同じなのに違い過ぎるんだ!」
「村では今・・・仲間を連れた・・・君の様なメタルスライムが・・・家を・・・木々を・・・仲間たちを・・・。」
「何匹も子供たちが・・・逃げてきた何匹かも・・・今平原で。」
「特にあの邪悪なスライムたちの残忍さは・・・。」

そこまで言ってメタルスライムは気を失ってしまった。
・・・そうか。分かった。
僕は彼を見たことがある。
じゃあ・・・今襲われている村は・・・・・・。
いや関係ない。
どこであろうと・・・助けに行かなくては。
294はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:33:25 ID:ZP3RiZ6U
ホイミンがメタルスライムにホイミをかける。
「大丈夫です。命に別状はありません。バブルスライムの方、寝床を貸して上げれませんか。」

バブルスライムの何匹かが出てきてメタルスライムを抱えていく。
バブルスライムの中の一匹が僕たちに話しかける。
「助けに行かれるのならば、匿う準備はしておきますので連れてきて頂いて構いません。」

僕はただ頷いた。
周りを見渡す。
ピエール、マグマン、メタリン、ホイミン。
皆が黙って頷く。

居る。
奴らが居る。
これ以上の被害が出る前にケリを着けなくては。
僕は彼が示した『向こう』を見つめた。
ちょうどあの村とこことの真ん中の辺りだろう。

僕たちは全力で走り出した。
ホイミンが遅い。
正確には早い方なのだが僕たちに付いて来るには遅いのだ。
しかし振り返るとピエールも遅れている。

ピエールが立ち止まった!

「すまない。三匹で先に行ってくれ。私とホイミンは遅れていく。」
「それに一つ思い当たることがあった。」

僕が「分かりました。」と返事するとピエールはホイミンを連れて沼に戻っていった。
僕たちは再び走る。
295はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:34:49 ID:ZP3RiZ6U
メタリンが口を開く。
「へへへ。いざとなったら逃げるけど・・・いざとならないようにがんばるさ。」

僕はメタリンに微笑んで頷いた。
「メタリンは・・・逃げるときは襲われてるモンスターも連れて逃げてね!」

「いや負けない。負けれないだろ?」
マグマンがつっこむ。
マグマンの周りの温度が上がっている。
闘士は十分なようだ。

既にメタルスライムが来てから二十分は経つ。
周りを見渡すが人影はない。
沼からあの村へは走っても三時間は掛かるはずだ。
少しでもこっちに逃げて来てくれれば・・・。

更に十分が経つ。
僕たちの緊張が高まる。
遅過ぎたのか・・・。
・・・いや。見つけた。
少し遠く、北にモンスターの集団が見える。
そしてそれを追いかける二つの影!

「まてーーー!」
僕が大声を張り上げる!
マグマンも叫ぶ!

追いかけているモンスターがこっちを見て動きを止める。
一匹は大河の堤防で見たサターンヘルムだ。
そしてもう一匹は邪悪なスライムの片割れだった。
296はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:38:02 ID:ZP3RiZ6U
サターンヘルムが何もない穴の開いた目で僕たちを見る。
邪悪なスライムは僕を見て満面の笑みを浮かべた後、一変して睨みつけてくる。

「ハハハハ!ほら!来るって言っただろう!ハハハハ!」
「久しぶりだな貴様!あの時はよくもオレを痛めつけてくれた。利子をつけて返してやるぞ!ハハハハ!」

サターンヘルムも口を開く。
「・・・。もう傷のあるはぐれメタルは帰ってこない。お前たちもここで息絶えるといい。」
高くそれでいて枯れた声だ。どこか寒気がする。

僕が二匹を睨みつける。

マグマンが周りを見渡す。
そうだ。先に確認しなくては。
一二三・・・七匹か。どのメタルスライムもボロボロだが生きている。
小さなメタルスライムは四匹だ。彼らだけは必ず死守しなくては。
しかし当の彼らは僕を見て腰を抜かしてしまっている。
メタリンが彼らに近づく。

僕は再び前の二匹を見つめた。
もっと居るかと思ったが二匹とは。
いやこの二匹はただの二匹ではない。
それに追っ手が少ないと言うことはその分だけあの村に居るということだろう。

「ハハハハ!くず鉄め!絶望と苦しみを与えて殺してやる!」

マグマンが話しかけて来る。
「よっぽど気に入られてるみたいだな。あっちの相手は任せた。俺はこっちの兜野郎の相手をするよ。」

「うん。気をつけてね。何か有ったら声を掛けよう。」
297はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:41:17 ID:ZP3RiZ6U
「よし!メラミ!」
マグマンが呪文を放つ!
それを合図に戦闘が始まった!

メラミがサターンヘルムに直撃する。

邪悪なスライムが僕に攻撃を仕掛けてくる!
以前奴らの攻撃で気を失った。眠ってしまったのだ。
当たるわけには行かない。
「イオラ!」

僕はイオラの爆風で邪悪なスライムに牽制し、攻撃を避けた。
イオラは邪悪なスライムを包み、更にサターンヘルムをも包む。
大成功だ。

しかし邪悪なスライムは爆風から姿を現し、再び攻撃を仕掛けてくる!
僕はその一つ一つを慎重にかわしていく。

「いくぞ・・・!。」
高くしかしどこか擦れた声が響く。
サターンヘルムの声だろう。
!?
突然邪悪なスライムが空高く舞い上がる。
そして同時にサターンヘルムの方向からまばゆい光がほとばしる!
これは・・・まぶしい光だ!

気づいたときには遅かった。
きっとマグマンも目が見えないことだろう。
298はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:44:07 ID:ZP3RiZ6U
「うぅっ。来るならこい!」
僕は耳を澄ませた。
この隙を狙われたらイオラで牽制して攻撃を避けるしかない!

しかし敵のとった行動は僕の予想をはるかに上回っていた。

「ハハハハ!マホトーン!」
邪悪なスライムが呪文を唱える声!
そして何かを何度も殴る音!
僕ではない!

「ぐああああ!」
マグマンの悲鳴が響く!
まさか!二匹とも!・・・マグマンを狙ったのか!

僕は音のする方向を向きベギラマを唱える!
ベギラマならばマグマンにダメージはないはずだ!

沈黙が続く。
目が見えてくる。

目が見えた僕の前に居たのはなんとサターンヘルムだった!

「お前も味わうといい。」
サターンヘルムはそういうと邪悪な影をほとばしりつつ僕にちょんと触れた。
僕は体全体に寒気が走った。
なんだ?なにをされたんだ!?
299はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:45:51 ID:ZP3RiZ6U
僕が気を取り戻し、イオラを唱えた頃には既にサターンヘルムは後方に下がっていた。
マグマンを探す。
マグマンはすぐそばに倒れこんでいた。
重そうな体で立ち上がる。
この傷は決して軽い物ではないだろう。

「くそっ。やってくれるな。まさか正面と背後から同時に攻撃されるとは思わなかった。」
「しかも呪文も封じられてしまったよ。」
マグマンが苦しそうな顔で話す。

「休んでる?」
僕が心配して尋ねる。

マグマンが僕を見る。地面が微かに揺れる。

「いや戦いはまだ始まったばっかりだ。気にするな。」
「もしまたあの兜野郎が光を使ったら、俺が注意するから目をつぶってくれ。」
「一度食らったおかげで分かった。奴があれをやる時はその前に体と目が光る。」
マグマンはそういうとサターンヘルムを睨みつけ、なんと火柱を上げた!
ズォォォ!
サターンヘルムが火柱に巻き込まれる!

「来るぞ!俺のことは構うな!」
僕はマグマンに言われて邪悪なスライムを見る。
300はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:47:02 ID:ZP3RiZ6U
こっちに向かって飛んできている!
この距離ならかわせる。
そしてイオラで反撃だ!

しかし僕が動こうとしたとき、体全体が寒気に包まれた!
なんだ!これは!
僕はまるで重い影が覆い被さっているかのように動けなくなってしまった。

邪悪なスライムは着々と飛んでくる!
僕はイオラを唱えるが旋回して避けられてしまう!
まずい!
301書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/07 03:49:20 ID:ZP3RiZ6U
今日は中途半端ですがここまでです。

久しぶりに本編を書きました。
一ヶ月も空いてすみません。
続きは明日に。
ただ夜中になる可能性が高いので明後日の朝見るくらいの気持ちでお願いします。
302名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/07 20:49:39 ID:oHw6eiRm
はーい
303はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:13:56 ID:+kK1tPIs
邪悪なスライムが僕の目の前に迫る!

だめだ!体が動かない!
もらう!眠ってしまう!

僕が諦めた瞬間と同時だった!
真下から火柱が放たれ邪悪なスライムに直撃する!
邪悪なスライムは火柱の勢いで吹き飛ぶ!

隣を見る!
ボロボロなマグマンがこっちを見て微笑む。
そしてマグマンは上空を睨み付けた。
その先にはサターンヘルムが浮かんでいる。

「イオラだ!はぐりん!」
マグマンが呼びかける。
僕は言われるがままにサターンヘルムにイオラを唱える。
サターンヘルムは爆発に包まれ真下に倒れこむ。
そして僕の体が自由になる!

「今のは・・・。」
僕が呟くとマグマンが返す。

「ああ・・・あの兜野郎はさっきの光といい不思議な術を使う。」
「俺もさっき触られた。はぐりんのベギラマでダメージを与えるまで体が動かなかったよ。」
「ここまでボロボロになったのは挟み撃ちだったからだけじゃない。」
よくみればマグマンの額に黒焦げたような後がある。
もしかしたら僕の額にもあるのかもしれない。
304はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:19:07 ID:+kK1tPIs
僕たちが話していると真横から声が聞こえる。邪悪なスライムの声だ。
「ハハハハ!その傷でよく動けたな!少しばかり舐め過ぎたか!」
少し焦げているがまだ余裕がある。

さらに対面から声が聞こえる。
「だが触った。もうおまえたちは自由に動くことすらまかり通らん。」

「ハハハハ!どうする?どうする?逃げるの?ん逃げる?いやいや逃げるの?ハハハハ!」

僕はメタルスライムたちを見る。
固まって震えている。
何匹かは額に黒焦げた後がある。
なるほど。メタルスライムの俊足を持って逃げ切れないわけだ。
・・・やはり倒すしかない。

「イオラ!」
僕は特に言葉も動作もなく思いっきり邪悪なスライムに呪文を打ち込んだ!
僕の反応を待っていた邪悪なスライムは面食らったように爆発に巻き込まれる!

「イオラ!イオラ!イオラーーー!!!」
僕は疲れも気にせず邪悪なスライムに呪文を唱え続けた!

「グギギッ!」
邪悪スライムの苦しそうな声が聞こえる。
マグマンも火柱を邪悪なスライムの真下から打ち上げる!

「止めだ!イオ・・・。」
僕の言葉が途中で止まる!
再び体が動かなくなったのだ。
マグマンがサターンヘルムに火柱を打ち上げる!
火柱は旋回するサターンヘルムにかすり、僕の体に自由が戻る。
305はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:20:12 ID:+kK1tPIs
しかし僕の体が動いた頃には邪悪なスライムは空高く逃れていた。
多少のダメージがあったようだが弱るよりも怒りに震えているように見える。

「ハハハハ!不意打ちは失敗だったね!ハハハハ!ゆるさない!!!」
邪悪なスライムは高らかに笑うと僕に向かって迫ってくる!
僕はベギラマで向かい撃つ!
しかし邪悪なスライムは旋回し、なんと再びマグマンの方へ向かって行った!

「ハハハハ!オレとアイツの戦いにお前は邪魔だ!」
マグマンが火柱を起こそうとする!
しかしそのマグマンの体がピタリと止まる。
サターンヘルムだ!

「やめろ!ベギラマ!」
ベギラマは虚しく空を撃つ。
邪悪なスライムがあっさり避けたのだ!
そして猛スピードのままマグマンに突っ込む!

マグマンは何度も転がり!火の粉を散らして!大木にぶつかった!

「マグマーーーン!」
僕はマグマンに駆けつける。
しかしその僕の体が動かなくなる!

「ハハハハ!くず鉄!お前は後だ!この邪魔は!火の玉は!一生眠ってろ!」
邪悪なスライムがマグマンに一撃を叩き込む!
マグマンはそのまま地面に倒れこんでしまった。
306はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:22:54 ID:+kK1tPIs
「さあ。やっと邪魔が居なくなった。ハハハハ!」
邪悪なスライムはそういうと僕に視線を送り、さらにメタルスライムたちにも視線を送った。

「楽しみな時間の始まりだよ!ハハハハ!」
「ここからがオレとお前との戦いだ。いや戦いなんて上品な物にはならないかな?ハハハハ!」
「動きたかったら動いてもいいんだよ?できたらね。ハハハハ!」

僕が睨みつけると怖い怖いと言わんばかりに体を振る。

「そうそう君を殺す前にやらなくてはいけないことがあるんだった。」
邪悪なスライムは珍しく笑わずにゆっくりと飛び始めた。
メタルスライムたちの方へ向かっていく。
僕は止めろと言いたかったが声が出なかった。

メタリンが前に出る。「やあ。お帰りかい?」と話しかける。
今にも逃げ出しそうな顔だが邪悪なスライムの前に立ちはだかった。

「ハハハハ。逃げ出さないの?他のスライムたちも?みんな?」
邪悪なスライムが近づいていく。

メタリンが答える。
「逃げるよ。へへへ。みんなを連れてね。・・・ザキィ!」
メタリンが呪文を唱え、他のメタルスライムたちに目配せをする。

「うぐぅ!」
邪悪なスライムは一瞬苦しそうな顔をした。
しかし・・・すぐに晴れやかな顔に戻って笑い出した。
「ハハハハ。怖いなあ。でも僕には効かないんだよ。その手の呪文は!」
307はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:29:29 ID:+kK1tPIs
メタリンが更に他のメタルスライムたちに目配せをする。
「メラミ!」
呪文を唱えたのはメタリンだけじゃない。
大人のメタルスライムたちも呪文を唱える!
しかし邪悪なスライムは大きく旋回してメタリンの背後に回った!

邪悪なスライムがメタリンに攻撃を始める。
メタリンは得意の俊足で攻撃を避ける!
そして隙を見てはメラミを唱える!
しかし邪悪なスライムはメラミを受けつつも攻撃を続け、とうとうメタリンに攻撃がかすってしまう!
途端にメタリンの動きが悪くなる。
例の眠くなる攻撃だ。
更に数発攻撃を受けメタリンは倒れこんでしまった・・・。

メタルスライムたちがバラバラに逃げ出す。
邪悪なスライムはその中の一匹に歩み寄っていく!
小さなメタルスライムだ。
大変だ!大変だ!

邪悪なスライムがその一匹を捕まえる。
その瞬間、他のメタルスライムが邪悪なスライムにぶつかった。
体当たりだ!
だがそれもまた小さなメタルスライムだ。
ガクガク震えながらも邪悪なスライムを睨みつける。
捕まっていた一匹は邪悪なスライムから逃げ出す。

邪悪なスライムが嬉しそうな顔をして震えるメタルスライムに近づく。
だめだ・・・僕が動かないと。
僕しか居ないのに・・・。
でも・・・体が・・・動かない・・・。
308はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:32:01 ID:+kK1tPIs
ズォォォ!!!
大きな破壊音共に体が動く!

「兜野郎!お前の相手は俺だと言ったろう!」
マグマンの声だ!
僕は振り返らずまっすぐ邪悪なスライムに向かっていった!
邪悪なスライムは予想外の出来事に目をキョロキョロさせている。

「その子に触るなぁぁぁベギラマーーー!」

邪悪なスライムが勢いよく吹き飛ぶ!
そして僕は邪悪なスライムとそのメタルスライムとの間に入った!

そのメタルスライムが戸惑った顔をして僕を見ている。

同年代のメタルスライムが声を掛ける。
「はぐりんか。・・・やっぱりはぐりんなのか。」

僕はその声には答えず小さなメタルスライムに言った。
「信じられないかもしれないけど・・・僕は味方なんだ。あいつらから・・・絶対守るから!」

「お兄ちゃんが守ってくれるの?」
「お兄ちゃん似てるよ。あの大っ嫌いな奴とも。僕の友達とも・・・。」
小さなメタルスライムは口を開いた。

「友達?」
聞き返す。
309はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:33:40 ID:+kK1tPIs
「大っ嫌いな奴は大っ嫌いなんだ。僕たちの村をめちゃくちゃにした。みんなも・・・みんなも・・・。うう。」
「友達はね。お兄ちゃんみたいな格好なんだ。最近この村に引っ越してきた同い年の友達なんだ。」
「大人の人たちはね。みんな近づくなって言うんだ。でも僕たちはね。みんなで誕生日のお祝いをする約束をしてるんだよ。あいつの。」
「本当にいい奴なんだ。でもね。でもね。あの村に置いてきちゃったんだ。置いてきたくないのに置いてきちゃったんだ。ぐすん。」
「彼だけじゃない。病気のみんなや怪我したみんなも。うう。うわーーーん。」

小さなメタルスライムは震えながら泣き出してしまった。

・・・あの村には『はぐれメタル』が居るのか。
僕が出て行った後に・・・くっ。

「大丈夫!その友達もみんな守るから!」
僕は勇気を奮い立たせるかのように叫んだ!

大人のはぐれメタルが口を開く。少しのっぽだ。
「お前のように呪われたメタルスライムは連れてきたくなかった。だが俺たちだって好きで見捨てたわけじゃない。」
「勝手についてくるのは構わなかった。自分で残るといいやがったんだ。」

メタルスライムが喋り終わったかと思うと何かに思いっきり叩き飛ばされた。
邪悪なスライムだ。

「お前〜お前〜〜〜!!!」
邪悪なスライムが怒りを露にしてこちらを睨む。
しかし邪悪なスライムはその怒りをゆっくり納めて引きつった笑顔で言った。
310はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:35:30 ID:+kK1tPIs
「ハハハハ!しかしお前の相棒はもう・・・もう本当に限界なようだぞ!」

邪悪なスライムが首を振る。その方向ではマグマンが力なく倒れこんでいる。
その前でサターンヘルムがニヤリと笑っている。

「ハハハハ!どうなるか見物だな。ハハハハ!」

「くっイオラ!」
僕の呪文はあっさりとかわされる。
こんな呪文じゃ駄目だ。
うう。他のみんなならどうする。
はぐメタやスタスタだったら僕の知らない、トンデモない呪文でこの場を切り抜けられるかもしれないのに!
僕にもそのくらいの力があればいいのに!

「くっイオナズン!」
邪悪なスライムが身構える。
呪文は言葉空しく響いていく。
やっぱりだめだ・・・。

サターンヘルムが僕を睨みつける。
また僕の体が動かなくなる。

邪悪なスライムが僕をなぶる。
意識が遠くなっていく。

邪悪なスライムの声がぼやけて響く!
「ハハハハ!頭が重いかい?眠いかい?安心しろ!手加減してやった!しばらくは眠らない!」
「あの火の玉はもう動かないだろうが、あのクズに驚かされたのは一回や二回ではないからね。念のためだ。ハハハハ!」
「そうさ。予防線は二重にも三重にも張らないとね!」
311はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:37:22 ID:+kK1tPIs
そういって邪悪なスライムは一匹のメタルスライムを捕まえた。小さなメタルスライムだ。
それもさっきの勇気のあったスライムだ。

「ハハハハ。くず鉄。お前はそこで這いつくばってろ。這いつくばって俺のショーを楽しんでろ!」
「坊や〜。さっきは勇気あったね〜。お兄ちゃん感動したよ〜。ハハハハ。」
「目が輝いてるね〜。泣いてるのかな〜。それとも俺を睨んでるのかな〜。あっもしかして今から起きることを楽しみにしてるの?」
「悪いけどお兄ちゃんにその・・・輝く宝石くれないかなー。」

何を言ってるんだ。こいつは。
頭が痛い。体が動かない。
輝く宝石・・・。まさか。

「ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!お前の考えていることをやってやる!」
邪悪なスライムは僕の頭が痛くなるほど大声で叫んだ!

「はーい。取り出しましたは〜この毒針とメタルスライムで〜す。」
「まだ子供です〜。怖がってま〜す。」
「いやいやいや震えてるけどオレを睨んでるのかな〜?どっちにしろやることは変わりませんよ〜。ハハハハ!ハハハハ!」
「生きたまま目が見えなくなるってのはどんな気持ちなのかな!プツンて真っ暗になっちゃうのかな!」
「ねえ!ねぇ!感想を聞かせてくれよ!坊やーーー!」

邪悪なスライムは毒針を高々と振り上げた!

やめろーーー!
僕は心の中で大声で叫んだ!

次の瞬間毒針がメタルスライムの目に突き刺さった。

メタルスライムの悲鳴が辺りに響く!
312はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:39:40 ID:+kK1tPIs
「イタイぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「助けてーーー助けてーーーお兄ちゃん!」
「目がーーー目がーーー!」

グチョグチュ・・・嫌な音が響き渡る・・・。
ブゴッ・・・。

「はーーーい。取れましたーーー。」
邪悪なスライムが僕に何かを放り投げる。

コロン・・・コロン・・・。

ううっ。あああ。
うわあああああああああああ!
僕は大声で叫んだ!しかしその声は誰にも届かない!

見たくない・・・見たくない・・・。

「ハハハハ!ハハハハ!次いきまーーーす!坊やーーーがんばってねーーー。その次は楽にしてあげるからねーーー!ハハハハ!」

「やめてーーー!やめて!やめてーーー!」

ズギュ!

再び嫌な音と悲鳴が響き渡る!
僕に助けを求める声が聞こえる!

いやだ!・・・いやだ!いやだ!もう聞きたくない!
たのむ!やめてくれ!何でもするから!たのむ!

再び何かがこちらに投げられる!
313はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:46:15 ID:+kK1tPIs
「お兄ちゃん。助けて・・・何も見えないよ。もう・・・ヤダよ。」
・・・聞きたくない声が聞こえる。

「はいはいはいはい。あの役立たずじゃなくてこっちのお兄ちゃんが今楽にしてあげますからねーーー。ハハハハ!」
・・・楽。今なんと言った。やめろ。それだけは。やめてくれ。

「はーーーい!さようならーーー!」
僕は目の前に映る光景をしっかりと焼き付けた。

毒針が一匹のメタルスライムを串刺しにしている・・・。
有るべき物がない。空洞だ。
うそだ。何かの間違いだ。さっき一緒に話したのに。元気だったのに。
・・・悪夢か何かに決まってる!

メタルスライムが最後の言葉を喋る。
「おに・・・おにいちゃ・・・ありがと・・・友達・・・友達は・・・必ず・・・。」

その後メタルスライムは邪悪なスライムの一撃ではじけ飛んでしまった。
・・・もう何も考えたくない。

景色が歪む。
邪悪なスライムがその歪みの中で新たな獲物を探している。

「ハハハハ!はーーーい!次に刺されたい子は誰ですかーーー!?」
「手を上げてくださーーーい!誰かが犠牲になればその間他の子は生きられますよーーー!ハハハハ!」
「そうだ!そこののっぽのお兄さんはどうですか?」
314はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:48:47 ID:+kK1tPIs
そのとき僕は・・・今見たものよりも・・・もっと嫌なものを見た。

「こっこの子。・・・この子はよく泣くぞ。」

なんとのっぽなメタルスライムは一匹のメタルスライムをポンっと押し出したのだ・・・。
そんな・・・そんな・・・。

一匹のメタルスライムが逃げ出す!小さなメタルスライムだ。
邪悪なスライムが捕まえる。
その隙に大人のメタルスライムたちがいっせいに逃げ出す。

「ハハハハ!お前は口を大きくしてやろう!なんでも食べれるようになるぞ!」

「止めてーーー。許してーーー。ごめんなさいーーー。何でしますから。殺さないでーーー!いやーーー!いやいやーーー!」

ギチギチギチ。嫌な音が響く。

「痛い・・・痛いよ。もういや・・・いや。もう楽にしてください。お願いします。うう。」
その言葉の後メタルスライムはいたぶられることなくあっさり砕かれた。

「ハハハハ!次はどいつにしようかなあ。そろそろ時間もないしなあーーー。」
「ごめんねーーー!時間かけなくて!」

邪悪なスライムが残る二匹の子供達に迫る。

やめろ!やめろ!
頭が居たい。眠い。動けない!でもやめてほしい!

そのうちの一匹が数回叩かれてあっさりと砕け散る。
315はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:52:01 ID:+kK1tPIs
「ハハハハ!くず鉄!!!楽しんでるかい?えっ悔しいのかい!ハハハハ!」
「僕はとっても気分がいいよ!これだから止められないんだよ!ハハハハ!ハハハハ!」

死んでしまえばいいのに!
いなくってしまえばいいのに!
何も残さずこの世から消えてしまえばいいのに!
くそぉ・・・。くそぉぉぉ・・・!

邪悪なスライムが残る一匹に手をかける・・・。

その時!
剣の弾くような音!
それも二回!
「グォォォ!」

そして自然と僕の体が動く!
頭を何度も地面に叩きつける!
動け!僕の体!

「こっちを見ろーーー!!!僕の大っ嫌いな!大っ嫌いなモンスターめーーー!」

消えてしまえ!
消えてしまえ!
消えてしまえ!
消えてしまえ!
消えて燃え尽きて何も残さないくらい燃え尽きて何も何も何もかも!
二度と僕の目の前に現れるな!
そう!もう二度とだ!
316はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:54:38 ID:+kK1tPIs
「うわあああーーーベギラゴン!!!」

巨大な炎が邪悪なスライムを包む!
あんな奴では逃げられないくらい巨大な炎だ。
そうだ。こんな奴飲み込んでしまえ!

消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろーーー!!!
うわああああああああああ!!!!!!!!!!!!

僕は何度も唱えた!
何度も何度も!何度も!!!
何度でもだ!

大っ嫌いなあいつの断末魔が聞こえる!
「オレが!このオレが!こんな雑魚に!?そんな!そんな!オレはまだまだ殺すんだ!虐めるんだ!」
「ハハハハ!ちくしょうーーー!ちく・・・!ちく・・・!ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!!!」
「ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!ハハハハ!!!!!!!!!」

ため息をつき相手を確かめる。
その場にはもう何も残っていなかった。

僕は静かに周りを見渡した。
一匹のメタルスライムが僕を見て怖がっている。

サターンヘルムの方を見る。
ピエールが闘ってる。
遅れてすまないとか何とか・・・どうでもいい。
317はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:56:25 ID:+kK1tPIs
サターンヘルムが飛び上がり僕を褒める。
予想外だったとか何とか・・・どうでもいい。
キメラの翼で逃げていく。

ホイミスライムが僕にベホマを。
マグマンの命がどうとか・・・僕が呪われてるとかどうとか・・・どうでもいい。
砕けたメタルスライムたちを見て首を横に振る・・・そんなことは分かってる!

メタリンが起き上がる。
今起きたのか・・・どうでもいい!
そんなことはどうでもいいんだ!

僕は周りに隠れているメタルスライムたちを睨み付けた。
・・・何でだよ。何で逃げたんだよ。

僕はのっぽのメタルスライムを叩き付けた。
許せなかった!
自身・・・自身も許せなかった!
『絶対』を守れなかった!
また犠牲にしてしまった!

メタリンが間に入る!
「何やってるんだよ!!!」

僕は叫んだ!
「気絶してたから知らないんだ!何も知らないんだ!」
「うう・・・知らないんだよ!」
318はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/08 02:59:10 ID:+kK1tPIs
「何が起こってたかは分かるよ!大体分かるよ!この惨劇を見ればね!」
「でも僕たちは死力を尽くせなかったかい!?」

メタリンが僕を掴んで叫ぶ!
「それでも僕たちのやることは他にあるだろう!!!」

思いっきり怒鳴りつけられた。
わかる。頭では分かる。
いやその通りなんだ。
元凶を潰さないと。
原因を消さないと。
何も残らないくらいめちゃくちゃに!

殺してやる!
今まで分かってたつもりだった。
心のどこかできっと似てると思ってた。
でも必ず殺してやる!

「行く!」
僕はそういって走り出した!

絶対に逃がさない!
絶対に殺してやるぞ!
319書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/08 03:01:27 ID:+kK1tPIs
今回はこれで終わりです。
また不定期に戻りますが出来れば最低週に一回のペースで書けたらいいとおもいます。

ちょっと今回はいつもと違ってダーク&普段と違う言葉を連呼することになりました。
さて次回は・・・。
いえそれでは。
320名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 15:01:48 ID:y+l62g9A
あけ
321名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/09 20:31:53 ID:TWg6Rb8c
殺意の波動に目覚めたはぐりん
322名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 12:58:51 ID:5poTGspS
シリアスだ…
続きが気になってしょうがない
323名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/10 18:27:06 ID:FJQlkuPc
だ、だ、だ、ダークだ
でもステキはぐりん...
324名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 04:30:24 ID:W4SP3neb
ほしゅ
325名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/14 21:52:27 ID:uKQxGo0K
hosyu
326名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 02:09:11 ID:it24aHBO
ほし
327名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/15 16:49:13 ID:LGd+DcOD
ほしちんこ
328名前が無い@だだの名無しのようだ:05/02/15 20:10:50 ID:gwXDdKuv
スライムって中身どうなってるんだろ?
329書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/16 03:44:00 ID:YcjGLreJ
自己保守。
今週中に一度書けると思います。
スライムの中身は・・・きっとおいしいです。
330名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/16 17:59:27 ID:DbP7PWCV
おいしいんですか?
・・・なんかなー、
というかスライムがおいしいんならベスとかメタルとかどうなるんですか?
・・・ここで聞くことじゃありませんね、話題的にも質問的にも・・・
331名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 00:56:19 ID:s3kFS/BM
ほしゅしゅ
332名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/18 02:29:29 ID:X98NQtgw
ほっしゅ
333名前が無い@だだの名無しのようだ:05/02/18 16:25:21 ID:UCi5GZyO
べスは唐ィ
334名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/20 04:46:26 ID:hcfbR0qq
mosu
335書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/20 11:53:03 ID:cDEn9Gnm
急用が出来たので今日中にかけるかわからなくなりました。
今週中と宣言しておいたのにすみません。
時間が空き次第書きますのでご容赦ください。
336名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/20 13:59:36 ID:HVfzxpli
オッケーオッケー
337名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/21 18:21:29 ID:tFSfSdPn
だいぶ下がってるけど上げなくて大丈夫?
338名前が無い@だだの名無しのようだ:05/02/21 22:11:00 ID:Mg6A4mfQ
なんか良く分からんがスライムの唐揚げ
339名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/22 23:05:36 ID:y181D42p
ぼっきage
340はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:00:11 ID:bSu1SpS1
ここからあそこまでどれくらいの時間が掛かる?
十分・・・二十分・・・三十分・・・。
早くついても一時間はあとか・・・。
できるだけ早く殺しに行ってやらなくてはならない!

僕は今襲われているという村に向かってる。
そこは僕が知ってる村だ。
でもなんの感慨も無い。
ただそこにいる元凶を倒すだけ!

後ろからメタリンが付いてくる。
全力の僕についてこれるのは彼だけかもしれない。
仕方ない。例え一人でも戦うだけだ。
少しでも早く奴の息の根を止めなくては!

がばっ!
背後から何者かが乗っかかって来る!
乗っかかられたせいで僕の体勢は崩れ、転んで倒れこんでしまった。

「だれだ!敵ィ!?」
僕は乗っかかってきた人物を見る。
他の誰でもないメタリンだった。
ぜえぜえと息を乱している。
ただでさえ急いでいるというのに何の用だろうか?

「何?メタリン!急いでいるんだよ!」

「はあはあ。ごめんごめん。へへへ。話をしたくて。」

僕は少し呆れた。
「声を掛ければいいじゃないか!」
341はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:01:13 ID:bSu1SpS1
「ごほっごほっ。ごめんごめん。口で言って・・・いや息が乱れちゃって声が出なかったんだ。」
メタリンは謝りながら言う。

「わかったよ!どうせ僕は何て言われても止まらなかったよ!それで何の用だい?」

「はあはあ。みんなを待とう。考えもなしに飛び込んだってやられるだけだ。」

僕は溜息をついて走り出そうとした。
ガクッ・・・メタリンが僕に抱きついて走らせてくれない!

「邪魔しないで!今のうちにも僕と同じくらいの歳の子が、いや僕よりも小さい子供が襲われてるかもしれないんだぞ!」

「僕たちが来るまで大人が守るさ!」

「っーーーあんな腐ったメタルスライムどもが!なんの役に立つんだーーー!!!」
僕は大声で叫んだ!

「方言さ!僕だって本当は守れるなんて思っちゃいないよ!守ろうとしてもあいつらに敵う訳がないんだ!」
「でもはぐりんを行かせる訳にはいかないよ!」
「さっきだってピエールが居れば誰も犠牲にせずに済んだかもしれない!」
「ホイミンが居れば誰かを救えたかもしれない!」
「ここで待つんだ!はぐりん!!!」

メタリンは大切な前提を忘れてる!僕は言い返した!
「僕たちが追いつくのが遅かったら一匹残らず殺されてたかもしれないじゃないか!」
「もしかしてたら!もしかしたら!僕たちが着く前に!ほんの少し前に!一匹殺されてたのかも知れないんだぞ!」
「駄目だ!やっぱりできるだけ早く辿り着かなくっちゃ!」
342はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:04:41 ID:bSu1SpS1
駆け出した僕に再三メタリンが抱きつく。
今度は抱きつくだけじゃない!
僕の体をがっしりと押さえて!僕の顔ギリギリまで顔を近づけて!大声で叫んだ!
「絶対行くな!はぐりんの目的は何だ!子供を守ることか!違うだろ!」
「今のはぐりんの目的は・・・自分自身も仲間さえも何を・・・何もかも犠牲にしてでもあいつを・・・ゆうぼうをし止める事だろう!」
「顔にそう書いてあるぞ!はぐりん!!!」
「へへへ。そこまでして殺したいんなら・・・くくっ・・・へへっ。これ以上殺されるのが見たくないのなら・・・確実にあいつを殺せ!」

僕はその勢いに少しだけ押された。
・・・そして分かってることが分かった。
僕は今。子供達を救う気なんかない。その通りなんだ。
結果として救えればいいんだ。
今僕は許せないんだ。元凶が絶対許せないんだ。
僕はあいつを絶対に殺さなくちゃいけなんだ。
無駄死にしたら駄目なんだ!

「わかった!待つ!・・・待つよ!メタリン!」
僕はそういうとメタリンをどかした。

どうすればあいつを倒せるのか、みんなが来るまで考えた。
呪文は効かない。
倒すなら武器で戦うしかない。
・・・ピエールに斬ってもらうと言うのも一つの手だ。
しかし僕自身も戦えなければいざというときに困る。
僕は袋をごそごそと漁った。
一組の武器を取り出す。
勝手に使うことになっちゃったけど、生きているならきっと許してくれるに違いない。
キラーピアス・・・はぐメタのこの武器でけりをつけてやる。
343はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:09:59 ID:bSu1SpS1
メタリンが僕に話しかけてくる。
「へへへっ。僕は逃げるかもしれないし、隠れるかもしれない。でもその代わり僕に何があっても気にせずあいつを倒すことだけ考えてくれよ。」

「うん。何が起きてもあいつを倒すよ。」

二十分も経っただろうか。少し疲れが取れたときに仲間がやってくる。
ピエールが僕を見て頷く。
新しい剣を持っている。さっきはこれを取りに行っていたのだろう。
いつぞやホークマンが落として言った剣だ。隼の剣・・・他の者が一振りする間に二振りできるという幻の剣。
「特に呪われていない様だから貰ってきた。こんな物のためにスマンな。」

いや、ホイミンに合わせて動けばこの剣を取りに行ってても居なくても一緒だったろう。
「ううん。ピエールは悪くないさ。僕が不甲斐なかったんだ。」

そんな僕の前にマグマンが立つ。
「村の奴らを救って借りは返そう。」
精気がない。
回復呪文で体力が戻ったようだが、顔色が優れない。
回復呪文では傷が癒えても疲れは消せないのだろう。

僕はマグマンに静かに頷く。

「さっきのメタルスライムさんたちは毒の沼へ行ってもらいました。」
「護衛は出来ませんでしたが、追っ手も倒しましたし、きっと大丈夫でしょう。」
ホイミンが僕にそう言う。
344はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:13:48 ID:bSu1SpS1
僕はそこまで聞いて立ち上がった。
今にも駆けて行きたい気持ちを押さえ込む。
絶対に・・・何を犠牲にしてでも殺すんだ。
僕はそう心に言い聞かせた。
みんなで進んだ方が確実性が増す。
子供でも分かる。

二時間たった。歩いた。
とうとう僕はあの村の付近までやって来ていた。
村というよりは森。
付近を見守るカーゴイルに注意を払って付近の岩陰に隠れる。
三・・・四・・・五、いや四体。四体見回っている。
森の中からはかすかに叫び声や何かが砕けるような音がする。
中にはもっと多くの敵が居るのだろう。

「作戦を決めよう。」
メタリンの声だ。
歩いている間にいくつかの作戦を話した。
しかし相手の規模、森の状況が分からないため今決めるしかないのだ。

相手の規模は僕たちの数倍。見張りですら四体だ。
サターンヘルムの様な強力な敵が居ることも考えなくてはいけない。
村の状況は今も誰かが襲われている。

作戦は四通り。
一つは固まって静かに潜伏する作戦。
あいつを殺すことはそのままこの森を救うことにも繋がる。
他の者には目もくれず協力し合って奴を探す。
欠点は一度敵を倒しそこなれば全員見つかる可能性がある。
345はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:15:14 ID:bSu1SpS1
二つ目はバラバラに静かに潜伏する。
誰かがあいつを見つけて殺す。誰かがやられても気にしない。いや気に出来ない。
敵にばれても全員見つかるということがない。
しかし一人で歩くのは危険だ。

三つ目は全員で真正面から突っ込むこと。この場合はピエールにあいつと戦ってもらう。
僕らはピエールの護衛だ。
しかし敵に僕らの存在が知られるということはそれだけ危険が大きくなる。

四つ目は陽動作戦。
僕とピエール以外が先に森に入り暴れる。
僕たちがあいつを見つけて殺す。
しかしこれは陽動した者の危険がどの作戦よりも高い。

僕たちが悩んでいるとピエールが口に指をやる。
静かにしろという合図だ。
上を見るとカーゴイルの一匹が僕たちの近くを飛んでいる。

僕たちは岩の影に隠れているが見つかるかもしれない。
しかしカーゴイルは気づくことなく、そのまま飛んでいってしまった。
ホッとして僕たちは再び考える。
二つまでに絞った。みんなで潜伏するか陽動するかどちらかだ。

マグマンが言う。
「さっきの借りを返す。俺とメタリンのことは気にするな。陽動作戦で行こう。」
・・・そうだ。何があっても奴を倒すのだ。そのために仲間を待った!
346はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:16:30 ID:bSu1SpS1
「そんなに考え込む必要は無いぞ。」
どこかで聞いた声だ。
高く擦れた声。
それも数時間前に聞いた声。

岩の上に一つの兜が立っている。
サターンヘルム。何故!?

「ただ逃げたのだと思ったか?ずっとつけて来た。私はどこまでも喰らい付く。」
サターンヘルムがオオオォォォ!と叫ぶとガーゴイルたちがやって来た。
「私たちの大切な命をまだ・・・まだまだお前達にやるわけにはいかんのだよ!」

サターンヘルムはそういうと空中に浮かび上がった。
「ふむ。しかしこちらもいささか戦力不足。効率のために味方を二つに割るべきではなかったか。」
「カーゴイルだけでは心許ない。例の邪悪な騎士にも働かせるとするか。」
「いや・・・いやいやそうだった。連絡にあいつも来るのだった。リンガーに勝るとも劣らない我々四匹の中で最強の・・・ふふっ運がよい。これであの方の手を煩わせる必要も無い。」
「また会おう!哀れなスライムどもよ!」
そう言ってサターンヘルムは森の中に入っていく。

「作戦変更だ!全員で突っ込むぞ!」
ピエールが叫ぶ!
「分かった!みんなで行こう!」
僕が答える!

カーゴイルたちが上空から一斉に降下してくる!
「くっ邪魔だ!ベギラゴン!」
カーゴイルたちは光り輝く閃熱に包まれて墨と化した!

僕たちは一丸となって森の中に入った!
ようやく奴を叩き潰す機会が来たのだ!
347書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/25 17:18:18 ID:bSu1SpS1
今日はここまでです。

先週は約束を破ってすみません。
少し手が空いたので明日と明後日も書きます。
できれば月曜か水曜にも。
その後はちょっと不明です。
348はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:12:38 ID:t2B3Ap/0
一匹のカーゴイルが一匹のメタルスライムを追いかけてる。
忍び込む必要はもう無くなった。

「イオラ!」
カーゴイルは爆音と共に倒れこむ。
僕たちは森の中に入った。
・・・どこも変わっていない。
僕の出る前の村そのものだ。

爆音を聞いて複数のカーゴイルが様子を見に来る。

「うりゃ!そりゃ!」
「メラミ!」
「ザキ!」

二匹のカーゴイルが剣の錆となる。
他の二匹は説明する必要もないだろう。

僕たちは辺りを見渡す。
奴はどこだ!?

ピエールが森の奥を指差す。
その場に立っていた者は例の邪悪な騎士だ。
しかし以前とは服装も持っている武器も違う。
緑色の鎧。なんと言えばいいのだろうか。黒く淡い緑色。
武器は剣ではなく斧だ。僕にも分かる禍々しさがその破壊力を示している。
小振りだが・・・ただの小振りではないのだろう。

ピエールが剣を抜きつつ話しかける。
「作戦変更だ。あいつの相手は私にしか出来ない。」
「はぐりん・・・はぐりんでも元凶は倒せるな?」
349はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:13:49 ID:t2B3Ap/0
確かにあの剣士の相手が出来るのはピエールだけかもしれない。
「分かった。僕が元凶を倒す。」

「何があっても冷静で居るんだ。分かったね。」
ピエールはそう言って単身邪悪な騎士に向かって行った!

僕たちは走り出す。
横目でピエールの戦いを覗く。
邪悪な騎士が斧を振り下ろす。地面が弾け、裂け目が出来る。
振りが早い。まるで斧ではないかのようだ。
ピエールは避けるしかない。
斧が相手では剣で受けることが出来ないからだ。
時折反撃するが鎧に阻まれ、傷を付けたのかも分からない。

しかし僕たちはピエールに相手を任せた。
僕たちの突入がばれたからには奴が逃げるかもしれないからだ。
うぅ・・・思い出すだけでも理性を失いそうだ。
冷静に・・・冷静に・・・確実に・・・確実に殺す。

カーゴイルが度々襲ってくるが相手にはならない。
更に奥に進む。
そろそろ森の中心のはずだ。

!?
目の前にメタルスライムが立っている。
ホイミンを名指して助けてくれという。
何人かのメタルスライムが重症で隠れているそうだ。
子供も居るらしい。しかしそこにいるのが全員というわけでもないらしい。
メタリンとホイミンに行ってもらう。
ホイミンにはこんなときに活躍してもらうのだ。
350はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:16:10 ID:t2B3Ap/0
「へへへ。何かがあったら逃げるよ。みんなを連れてね!」
メタリンが告げる。
「治療を終えたら追いかけますから。」
これはホイミンだ。

僕はマグマンと共に道を進む。
・・・大木の上にサターンヘルムが立っている。
座っているというべきかも知れないが、頭しかないので判断が付かない。
サターンヘルムを見ていると沸々と憎悪が湧いてきたが、僕はそれを頭の隅に追い込んだ。

「やはりここまで来たか。」
サターンヘルムが語りだす。
「お前達の会いたいあのお方はこの先に居るぞ。」
「会いたくばここを通るといい。通れればだがね。」
そういってサターンヘルムは大木の後ろに目をやった。

大木の裏から三匹のカーゴイルがやってくる。
一匹は巨大な金槌を持っている。
以前見たことがある。何時だったか。

そして・・・もう二匹は大きな網を持っていた。
網の中は空ではない。
メタルスライムがこれでもかという程に入っている。
幼い者から、同い年の物、大人もいれば老人も居る。
見たことがある者も多い。
351はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:19:50 ID:t2B3Ap/0
サターンヘルムが網に近づく。
網の中の一匹を捕まえて再び木の上に立つ。
・・・まさか。
「これから公開処刑が始まるわけだが楽しんでくれるかな?」
サターンヘルムがそう言うとニヤリと笑う。
「私の持つメタルスライムは人質だ。お前達が動けば命はない。」
「くくく。よし。端から潰してやれ。」

やめろぉ!
僕が叫ぼうとしたときに網に思いっきり金槌が振り下ろされた。
網の中の一匹が粉々に砕け散る!

う・・・ああ・・・なんてことを・・・こいつらは。
僕が動こうとするとサターンヘルムが喋る。
「おやおや。動くのか?」
「動かないならこの子くらいは助けてあげてもよかったのだがね。」
サターンヘルムがそういって自分の持つメタルスライムを前に出した。
・・・泣いている。・・・僕より幼い。
この村のメタルスライムの中で一番幼いかもしれない。

「最低だ・・・。」

網の中ではメタルスライムの押し合いが始まっている。
より力のあるものが奥へ。ない者と幼い者が端へ寄せられている。
そして更に振り下ろされる金槌・・・。

サターンヘルムが声のトーンを上げる。
「ここで交換条件だ。私たちにも優先順位が有ってね。実はもうこの村はどうでもいいのだよ。」
「調査に協力してくれなかったからね。お仕置きをしていたが、調査自体は終わっているのだ。」
「つまり力のないこいつらを見逃しても私たちに害はない!」
「むしろ居なくなって欲しいのは君たちなのだよ!」
352はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:23:01 ID:t2B3Ap/0
サターンヘルムがそこまで言うと更に二匹のカーゴイルが現れた。
隼の剣を持っている。

容赦なく僕とマグマンに斬りかかって来る!
しかし僕とマグマンは避けることは許されない!

・・・。
・・・・・・。
もう何回斬られただろうか。
僕もマグマンもボロボロだ。

僕が僕に問いかける。
こんなことをしている場合ではない。
こんな奴らを生かしておくわけには行かない・・・。
何に代えても・・・何に代えても・・・だ。

「くっマグマン!」
僕は叫んでマグマンの目を見る。

マグマンは静かに頷く。
カーゴイルが僕たちに再度切りかかってくる。
「イオラ!」
カーゴイル二匹は吹き飛ぶ!

「ほう!」
サターンヘルムの意地悪な声が聞こえてくる。

ズォォォ!
火柱が金槌を持ったカーゴイルを吹き飛ばす!!

「うあああ!イオラ!」
僕は更に唖然とするカーゴイル二匹を吹き飛ばす。
353はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:25:06 ID:t2B3Ap/0
上に跳ぶ!
僕にははぐメタの様な体力はない!
スタスタのように特別な特技も持ってない!
だが!今はサターンヘルムさえ倒せば・・・!
「ベギラ・・・!」

次の瞬間僕は口が動かなくなってしまった。
目の前に居たのは毒針を突きつけられたメタルスライム。
「お願い・・・助けて・・・。」
泣きながら僕に呟く。震えながら呟く。
毒針を突きつけながらサターンヘルムが笑っている。

・・・だが!
ここで止まってどうなるか!
僕は目を瞑り大声で呪文を唱えた!
「ベギラゴン!」

爆風でサターンヘルムが吹き飛ぶ。
僕は目を開け子供を助けようとした。
・・・しかし目の前に居たのは毒針が突き刺さり絶命した鉄塊だった。
鉄塊が炎に纏われて落っこちていく。

サターンヘルムが刺したのか?
それとも・・・。
まさか・・・。
うわ・・・。
うわあああ・・・ああああああああ・・・あああああ。

「気にするな!はぐりんのせいじゃない!」
マグマンの声が聞こえる。
354はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:26:11 ID:t2B3Ap/0
別の声が聞こえる。
「ふふふ。私は刺していないぞ!お前が刺したんだ!」
あの声だ。

「違う!お前が刺した!」
マグマンの声。

うう・・・あ・・・あはっ・・・ははは・・・。
何を動揺しているんだ僕は。
くくく・・・ははっ。
分かってたことじゃないか。
何もかも犠牲にするとはこういうことじゃないか。

「ああああああああああああ!」
僕は絶叫しながらサターンヘルムに向かって行った!

しかし声とは裏腹に体がぴたっと止まる。
それどころか空中で身動きが取れなくなり地面に落下した。

「忘れたか?お前達はもう呪われているのだぞ。」
「まだ分かってない様だな・・・呪われるという事を!」

カーゴイルが三匹やってくる。
そのうちの一匹は金槌を持っている。

「ふふふ。愚かな。お前は失敗したのだ。こいつらを見捨てたのだ!」
「さあ叩き潰してしまえ!端からゆっくりとな!」
355はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:27:43 ID:t2B3Ap/0
金槌が振り下ろされる!
目の前で一匹砕け散る。
やめろ・・・やめろ・・・やめろ・・・。
お願いだ・・・やめてくれ・・・。
僕は知らず知らずのうちに心の中で復唱していた。
やめてくれ・・・やめてくれ・・・やめて・・・お願い。

「ベギラマ!」
マグマンの声だ!
カーゴイルたちが炎に包まれる!
ああマグマンは動けたのだ!

それなら・・・それならもう人質は通用しない。
一対一ならサターンヘルムなんか!

しかし次の瞬間サターンヘルムは最も賢い一手を打った。
僕の方へ飛んできて僕に毒針を突きつけたのだ。

「一匹動けないということが・・・どれだけ大変なことか分かったかな?」

マグマンの体が硬直する。
三匹のカーゴイルが立ち上がる。
ベギラマでは足りないのだ。

うう・・・マグマン・・・僕は気にせず戦ってくれ!
頼む!

だがマグマンは動かない。
356はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:30:09 ID:t2B3Ap/0
カキィン!キン!
どこかで見たような光景が目の前で描かれる。
だが明らかに数時間前とは違う。
今度は手遅れじゃない!

「ベギラゴン!」
「ベギラマ!」

僕がサターンヘルムに!
マグマンがカーゴイル三匹に!
敵が倒れこむ!

「ここは任せろ!奴は退けた!」
ピエールも血だらけだ。しかしその声は疲れを感じさせない!
ピエールはそのまま網を破きに行く!

行ける!行ってやる!
うおぉぉぉおおおおおお!
絶対に許さないぞ!

サターンヘルムが立ち上がる!
しかしそれと同時に火柱が吹き上がる!
「お前の相手は僕だと言ったろう!」
この言葉もどこかで聞いた!

「ううっ 身体がほしい・・・・・・。」
「私に体があればお前らなど。」
逃げるサターンヘルムをマグマンが追っていく!
357はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:32:25 ID:t2B3Ap/0
僕は木々を抜けた!
もう前しか見えない。
このまま行けば小さな草原に出るはずだ。
敵の本拠地としてあそこほど分かりやすい場所はない!

しかしまだ終わりではなかった。

「駄目だ!周りを見ろーーー!はぐりーーーん!」
ピエールの声だ!

僕が冷静にしていればこんなことにはならなかっただろう。
何かが僕の体を貫き、地面まで突き刺さる!
更に僕は宙に持ち上げられて木に叩きつけられる!

最後の番人・・・。
そうだ・・・魔王の間に行くには番人を倒さなくてはいけない・・・。

鋭いくちばしが光る。
見たこともない鳥が僕を見下ろしている。
見下ろす目は・・・邪悪な騎士に勝るとも劣らない・・・そんな目だ・・・。

鳥にピエールが斬りかかる!
しかし鳥は華麗に剣筋をかわした。
そのまま空に飛び上がる。

!?
・・・どういうことだ?
鳥はそのまま飛び去って行ってしまった。
358はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:39:34 ID:t2B3Ap/0
「何にせよ。命があってよかった。最後の一回だ。ベホイミ。」
ピエールが僕に回復呪文を唱えてくれる。
しかしその直後ピエールが倒れこむ。
出血が酷いのだ。

「しまったな。邪悪な騎士との戦いで力を使いすぎた。」
「おいおいそんな悲しそうな目で見るなよ。大丈夫だって。」
「時期にホイミンが来る。」

僕は焦った。
このままここに置いて行くことなんて出来ない。
しかし・・・幸運だった。
悪いことばかり重なるわけではない。
最高のタイミングでホイミンと再開できたのだ。
僕たちがやって来た道を走ってやってくる。

「ベホマ。」
「危ないところでしたね。気になってメタリンと別行動を取って正解でした。」
「メタリンは病人や怪我人を連れて逃げてます。」
「敵に見つかったのですが、彼なら逃げ切れるでしょう。」
「今村に残っているのは捕まった者の他は病人怪我人が多いようです。」
「一部戦っている者も居るようですけどね。」

僕たちは体力を整え進むべき道を確かめる。
ホイミンのスピードで走り始める。
小さな草原に出る!
359はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:43:15 ID:t2B3Ap/0
!!!
一匹のメタルスライム・・・いやはぐれメタルが立っている。
後ろ向きだ。

僕はなんだか嫌な予感がした。
今までの旅が覆るようなそんな予感だ。

はぐれメタルはゆっくりとこっちを向いた。
次の瞬間ピエールとホイミンが僕の顔を確かめる。
目の前に居たのは僕のよく知った顔のはぐれメタルだった。

僕はホッとした。
僕が顔を洗うときによく見る顔。
僕と同じ顔のはぐれメタルだったからだ。
一瞬・・・何故か一瞬・・・振り返った顔がスタスタやはぐメタだったらどうしようと思ったのだ。

本当によく似ている。
僕は憎悪も忘れてあいつの顔を見続けた。

三人でゆっくりと前に出た。

「本当に良く似ているな。」
目の前のはぐれメタルが口を聞く。
声までそっくりだ。

「はぐメタの仲間か。因果な物だな。そっくりとは。」
僕は答えない。そのまま進む。

更に続ける。
「一つだけ聞いておく。何度もメタルスライムの腐り具合を見たことだろう。」
「俺と世界を滅ぼさないか?」
360はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:45:49 ID:t2B3Ap/0
メタルスライムが何だって?
違う。それは違う。
「お前のせいだ!お前が元凶だ!」

はぐれメタルは少し悲しそうな顔をして言う。
「そうか。残念だ。ならば消えてもらうしかない。」
「これでお前が倒れることはないだろう。だが左右の二匹は厄介だ。先に居なくなってもらう。」
「お前は・・・呪文を超える爆発という物を体験するといい!仲間の絶命という物を見聞きするといい!」
「何も聞くな。以上だ。」

その言葉と同時に目の前の空間が歪んでいく。
一度だけ・・・一度だけ・・・これを見たことがある。
僕なんかの半人前では絶対出来ない特技だ。

「みんなーーー下がってぇぇぇーーー!!!」
僕は我を忘れて叫んだ!
そしてはぐれメタルに向かって突っ込んでいく!
止めなきゃ!止めなきゃ!!・・・止めなきゃ!!!

「もう遅い。」
はぐれメタルが呟く。

それだけではない。
僕の体が突然動けなくなる!

「うぅ!」
「ああ!」
ピエールとホイミンの声だ!
二人とも動けなくなったのか!
呪い!?こんなときに!?
361はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:47:23 ID:t2B3Ap/0
やめてくれ・・・頼む・・・これ以上・・・奪わないで・・・。
時間よ・・・止まっておくれ・・・。

しかし・・・時間は流れた。
・・・目の前が真っ赤になる。
僕は想像を絶する爆発に・・・巻き込まれたのが分かった。
362書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/27 04:55:14 ID:t2B3Ap/0
今日はここまでです。
すみません。
結局夜中になってしまいましたorz

明日もこのくらいの時間になるかもしれないので朝に見るという感じでお願いします。
363名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/27 11:57:32 ID:uNI3603l
>>340-362
一気にGJ!
364はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:42:07 ID:xPHY51tF
動けない。
目に入る風景がくるくる変わる。
赤、オレンジ、黄色、ピンク、また赤。
・・・炎が消えていく。
目の前に広がるのは草一片もない地面のみ・・・。
黒焦げ・・・木々すら存在しない。
その奥に一匹のモンスターが立っている。

なんてこと・・・なんてことを!!!

体が動く!
「うわああああああ!!!」
「ゆうぼおぉぉぉ!!!」
両手にキラーピアスを持つ!
狙いはただ一つ!

まずは右のキラーピアスだ!
刺されええ!
しかしピアスは空を斬る!
だがまだ終わりではない。
避けた相手に左のピアスが牙を剥く!
カスる!おしい!
!?
体当たりを食らう!
地面に叩きつけられる!

まだまだぁ!
こんなことで終われるか!
365はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:44:45 ID:xPHY51tF
しかしゆうぼうは見当違いの方向を向いている!
ふざけるな!
同じはぐれメタル!
そこまでの差はないはずだ!

勢いをつけて突っ込む!
ズグゥ!
僕の一撃が突き刺さる!
渾身の一撃だ!

ダメージはあったはず!
しかし微動だにしない!
ならばもう一発だ!
しかし次の一撃はかわされ、より強力な体当たりを食らう!

地面に転がる僕は対象を確かめる。
変わることなく別の方向を見続けている。
くそっ!
その先に何があるというんだ!
焼け野原!
その先はただの森じゃないか!

ゆうぼうがそっと喋る。
「まさか・・・アストロンを使える奴が居るとはな。」

!!!
何かが居る!?
あの形・・・僕と同じ・・・そんな・・・まさか。
その影は一気にこっちに向かってくる!
正確にはゆうぼうに対して向かっていく!
366はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:46:08 ID:xPHY51tF
ゆうぼうに体当たりを・・・!
いや逆に体当たりを貰ってしまった。
でも誰だかは分かった。

ゆうぼうが追撃する!
体勢を崩している!危ない!

いやゆうぼうに向かって落下してくる者が居る!
ピエールだ!
ゆうぼうに斬りかかるがもう少しのところで避けられてしまう!
無事だったのか・・・頭に血が回って気づかなかった。

もう一体のはぐれメタルが僕の方にやって来る。
やっぱりそうだ!
スタスタだ!

ゆうぼうが僕たちの方に向きを変える。
ピエールも僕の方に来る。
ホイミンも横からやって来る。
危なかったからか、ホイミンの顔面が真っ青だ。
・・・いやこれは元々か。
スタスタが・・・何か特別な呪文を使ったんだ・・・そうに違いない。

スタスタがこっちを見る。
「久しぶり!はぐりん!」

本当に・・・本当にスタスタだ。
ピエールたちも助かった。
僕は嬉しいことが重なって口が開けなかった。
久々に・・・久々に嬉しいことだ。
367はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:48:14 ID:xPHY51tF
スタスタが続ける。
「僕は例の化け物の場所を目指してたんだ。でも数時間前に大きな炎が上がってたんだ。すっごい大きな炎だったんだよ〜。」
「何か異常なことが起きてると思って向かってきたんだ。そしたら傷だらけのメタルスライムに会っちゃってさ。」
「ふふっ。あいつを倒しに・・・来ちゃった!」

僕はただ頷くことしか出来なかった。
僕だけじゃどうしようもなかった。
嬉しくて感謝の言葉も出てこない。

スタスタが締める。
「さ〜!ここからが大変だよ!はぐりん!」
「僕もあいつが許せないから・・・お母さんの仇だから・・・ついさっきは力の差も考えずに突っ込んじゃったけど・・・。」
「冷静に冷静になって戦うんだ。許せないからこそ冷静になって倒すんだ!ねっ!」

ゆうぼうが口を開く。
「いつぞやの子供か。やはり才能に恵まれている。予想外だった。」
「ブリードに相手が複数ならまとめて連れて来いなんて言うべきじゃなかったよ。」
「確実のつもりが逆だった。」
「もちろんブリード一人でも勝てたが、念のためさ。味方の被害は少ない方がいい。」

僕は目を瞑る。息を吸ってはく。
殺されていったメタルスライムたちの目がまぶたに残る。
怒りで頭がおかしくなりそうだ。
だが・・・もう怒りで仲間を犠牲にしたりはしない。
犠牲にするなら・・・何を犠牲にしてでも・・・あいつを殺す。

ピエールが剣を構える。ホイミンが触手をこねる。
スタスタが睨みつける。

時間が止まる。
気が付けばもう夕日が上がっている。
夕日の下で僕と同じ顔がニヤニヤと微笑んでいる。
368はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:50:48 ID:xPHY51tF
ブォオオオ!
突然嵐の様な音がする!
何だろう!
僕たちの後方・・・森の端だ!
大きな竜巻が上がっている!
バギクロス・・・バギクロスなのか!

「合図だ。もう付き合っている時間はなくなった。」
「一つ・・・報告が入ってる場所。そこを皆殺しにして帰るか。」
ゆうぼうはそう言うと僕たちの方に突っ込んできた!
早い!スタスタ以上だ!

スタスタの一撃を身を固めて弾く!
ホイミンに体当たりを!
ピエールの斬撃を頭スレスレで避ける!
僕の一撃を・・・喰らいながら体当たりをしてくる!

突破された!
いや・・・それより皆殺し!・・・何を!?
追いかけようとゆうぼうを見る!

奴は空を見上げている!

空・・・何が?
夕日に一匹のモンスターの姿が重なる。
そのモンスターはゆっくりと降下してくる!
青い鳥・・・美しく鋭いくちばしを持った鳥!
急降下!
ピエールが僕を蹴り飛ばす!
僕の頭を鳥の足がカスる!
あのままだったら持ち上げられていたに違いない!
369はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:52:30 ID:xPHY51tF
旋回して僕たちの前に立つ!
何かをくちばしから投げ捨てる・・・。
岩か何かだろうか・・・。
オレンジ色の小さな岩石・・・いや目と口がある。
ガタガタ震えている!
まるで・・・なんというか・・・炎が凍っていると言えばいいのか!
マグマン・・・?

青い鳥が息を大きく吸い込む!
行けない!
今攻撃を食らえば絶命だ!

「ベギラゴン!」
「イオナズン!」
僕とスタスタが同時に呪文を唱える!
しかし!巨大な爆風と閃熱の壁を乗り越えて!光り輝く息が押し寄せる!
目が奪われる・・・輝き・・・青く・・・美しい・・・なんて芸術的な息なんだろう。

「イオラ!」
ピエールが岩石の前に立ち呪文を唱える!

・・・!
吹雪がやむ!
ピエールが半分凍っている!
岩石はどうなった!?・・・いやマグマンはどうなった!?
そうだ!

「ベギラマ!」
二匹の凍傷が消え去る。
でもこれだけじゃあダメだ!
マグマンが死んでしまう!
370はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:57:45 ID:xPHY51tF
ホイミンがすぐに駆けつける!
「ベホマ!」
一命は・・・取り留めてくれ!

敵が再び息を吸い込む・・・。
こんなの・・・反則だ・・・。

「ビッグ!」
スタスタの声だ!

しかし奴の息の方が速い!

「ベギラゴン!」
「イオラ!」
少しでも時間を稼がなくっちゃ!

輝く息が爆炎を突き破り、襲ってくるギリギリにスタスタの特技が発動する!
僕とピエールギリギリまで炎の球体が押し寄せる!
奴はあの中だ!

「キィィィィ!」
叫び声がする!
燃え続ける!
やっと爆発が収まった!
焦げたチキンだ!
しかしチキンが動く!

スタスタが叫ぶ!
「行くんだ!はぐりん!君たち二人も!」
371はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 04:59:59 ID:xPHY51tF
ホイミンがスタスタの背後にマグマンを置く!
気を失ったマグマン。
連れて行くよりも安全だ!

狙いの定まらない鳥の左右を駆け抜ける!

去り際に声が聞こえる・・・。
「ベホマラー。」
鳥の傷が見る見るうちに癒されていく!

くっ!スタスタを信じるしかない!

三匹で走る!
僕たちの行く手を阻む者が居る!
血だらけの邪悪な騎士だ!

「はぐりん!後は任せたぞ!ホイミン!援護を頼めるか!」
ピエールが先に進み斬りかかる!

邪悪な騎士がそれを避ける!
「・・・一人では来れないのか?」
邪悪な騎士が珍しく喋る!

「今は何があっても負けられないのさ!」
ピエールが叫び!ホイミンが構える!

横をすり抜けようとした僕に邪悪な騎士が斬りかかる!
斧だ!
ピエールが体当たりをする!
攻撃が外れる!
372はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:01:38 ID:xPHY51tF
とうとう奴と一対一だ!
何があっても奴は倒す!
僕は全力で走る!

どこかに寄ると言っていた!
それを見逃したらアウトだ!
左右を確認する!
何度も首を回す!

ん・・・あれは!?
僕は静かに止まる!
何かが光った!
右だ!
木々の奥!
あれだ!あれに違いない!
そっと近づく!
気の影から覗き込む!

ゆうぼうが立っている!
周りには数体のメタルスライム!
数匹は行き絶え!数匹はゆうぼうに向かい、今まさに砕け散ろうとした瞬間だった!
だが問題はそこではない!
ゆうぼうの前に大木がある。
あそこは・・・僕の記憶が正しければ・・・薬品置き場だ!
避難所として使われているに違いない!

くっどうする!
砕け散った死体を見る。
僕の頭に目をくり貫かれた子供の死に顔が蘇る・・・。
目を瞑れば毒針を刺された幼子も!
373はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:02:53 ID:xPHY51tF
いや・・・いやいや・・・チャンスじゃないか!
何があろうと目的を果たす!
この怒りをぶつけてやればいい!
元々・・・ここのメタルスライムに生きる資格なんてなかった!
獲物を狙った瞬間ならば、このキラーピアスを深く突き刺す絶好のチャンスだ!

しかし・・・目を凝らした僕は愕然とした。
ゆうぼうの前で何者かが他の者を庇っている!
薬品置き場だ。病人や怪我人が多数なのだろう。
庇っている者も庇われている者も僕より幼い。
そして・・・驚くべきは、庇っている者は僕やゆうぼうと同じ・・・はぐれメタルだった!

うっ!なんだ!
よりによって!こんなチャンスのときに!
そうだった・・・居るんだった・・・同じ奴が!
守ってやる・・・だったっけ?
言っちゃったっけ?
約束の言葉が僕の頭を駆け巡る。
だけど・・・僕はもう一回破ったんだ。
ただの一回じゃない。『絶対』の一回だ。
そうさ。それなら・・・一回も二回も一緒じゃないか!
そんなどーでもいいことよりも!あいつを殺すことの方が大事なんだ!

ゆうぼうが一歩近づく。
僕の心臓が一度鳴る!

逃げろよ・・・そんな・・・そんなクズども・・・どうでもいいじゃないか。
お前だって辛かったんだろ。
助けたって何もないぞ!
庇う必要は無い!さっさと逃げろ!
374はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:04:42 ID:xPHY51tF
・・・。
ゆうぼうの声だ。
「そんなに死にたいか?お前だけは仲間に加えてやってもよかったんだぞ?」
「死ぬのが好みならば容赦はしない。」
「思い出せ!お前を差し出した大人たちを!お前をなぶっていいからと!他の者は助けてくれと言ったメタルスライムどもを!」

声を掛けられたはぐれメタルはガクガクと震えている!
泣いてすらいるじゃないか・・・それなら逃げろよ!
しかしはぐれメタルは、胸を張って動く様子はない!

「約束したんだ・・・僕たちは・・・友達なんだ。」
「今度・・・誕生日まで・・・誕生日のお祝いまでしてくれるんだよ!」
「僕の大切な友達を奪わないで!」

ゆうぼうがなにかしゃべる。
「じゃあさよならだ。」とでも言ったのだろうか?
だが僕には何も聞こえなかった。
僕には・・・僕の耳には・・・僕の頭には・・・はぐれメタルの言葉だけが残った。
違う。違うよ。
そうだよ。僕の本当の目的はこんな物じゃない。
僕の本当の目的・・・旅の目的は・・・。

「よせぇえええーーー!」
僕は大声で叫んでゆうぼうに向かって突っ走った!

ゆうぼうがハッとして振り返る!
375はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:05:55 ID:xPHY51tF
一撃目!
避けられる!
知ったことか!
二撃目!
カスる!
だからどうした!
大切なのは次だ!
何があっても!
ゆうぼうの一撃だけはかわす!
体当たりだ!
当たるかこんな物!
ゆうぼうの横をすり抜ける!
取った!取るべき場所を!

僕はゆうぼうとはぐれメタルの間に割り込んで叫んだ!
「守るから・・・だれでも!メタルスライムでも!あいつらから・・・絶対守るから!」

はぐれメタルは呆然としている。
当然だ。自分を襲っていたモンスターがもう一体増えたのだから!
だけど僕はそんなことは気にせず、ゆうぼうをまじまじと睨み付けた。

ゆうぼうはこっちをみる。
「小僧に聞く。そんなに生きたいか?」
「お前は俺たちと同じなんだ。生きてる限り忌み嫌われるんだぞ。」

後ろから震える声が響く!
「僕は友達いっぱいだよ!いっぱい!いっぱいだよ!」

僕も言ってやった!
「僕もいっぱいだよ!」
「ピエールも!マグマンも!ホイミンも!バブすけも!スタスタも!はぐメタも!人間の友達だっている!旅先で会った人はみんな友達だ!」
376はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:08:18 ID:xPHY51tF
ゆうぼうと目が合う。
どこか悲しそうで、それでいて見てるだけで恐怖に教われるような・・・僕は首を振る。
「そんなに生きたいのならば生きるといい!」
「だが!世界は時期に終わる!それまでせいぜい苦しみ抜くことだ!」

・・・。
・・・・・・。
ゆうぼうは去って行った。
ピエールたちの声が聞こえる。
僕を探しているのだろうか?

でも僕は返事をしなかった。
もう夜だった。
星空の下だった。
僕は子供のはぐれメタルに抱きついて泣き続けていた。
377書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:11:35 ID:xPHY51tF
今日はここまでです。
結局こんな時間にorz
なんか今までの中で一二を争う長い一日だった気がします。

次は水曜日です。
余裕があれば後で書くかも・・・と言いたいですが多分無理です。はい。
378名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/28 05:17:40 ID:SchVS8Yo
書き手さん、乙です!
スタスタカコ(・∀・)イイ!
379書き手  ◆F/WveZadCU :05/02/28 05:27:35 ID:xPHY51tF
寝る前に覗いたら書き込みが。
労い多謝です〜。
深夜にも覗いてくださるお方が居るものなのですね。
寝ますです。
380名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/01 18:48:22 ID:rgxAquTi
ブリードage
輝く息+ベホマラーはトップクラスの強さ。
381名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/01 23:54:41 ID:njTJ+TgS
バブすけ保守
382名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/02 18:37:54 ID:XsMXR8g3
前スレからまとめて二日かけて読みましたが、下手な映画よりも面白いですね。続き期待。
383名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/02 19:45:13 ID:Kv7vibBz
初めはほのぼのストーリーだったんだねぇw
はぐりん・・・「友達できるかなあ」とか…
384はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:08:52 ID:d2IvZXss
三十九日目。
昼過ぎまで眠ってしまった。
みんな疲れ果てて眠りこけていたのだ。
メッキーさんとの約束の日まであと三日しかない。

もっとも目的の一つは果たされた。
スタスタと再開できたことだ。
本当にあえて嬉しかった!
あとはスタスタの気になる場所を探索するだけだ。
ただしここから大河までは急いでも一日は掛かる。
実際に残された時間は二日・・・いや一日半だろう。
待ち合わせ時間が夕方だからだ。

昨日は返事をしなくてみんなに迷惑を掛けた。
でもみんな無事で良かったよ。

マグマンはサターンヘルムを追った後、例の青い鳥・・・ピエールが言うにはホークブリザードというらしい・・・と闘ったらしい。
あの時は頭が回らなかったけど、冷静になるとサターンヘルムを追ったのは自殺行為だったんじゃないだろうか。
呪われているのに一匹で闘ったら負けるのは決まっているからだ。
そのことをマグマンに言ったら「大切なのはサターンヘルムに邪魔をさせないことだったんだよ。はぐりん。」と言われてしまった。
自殺行為だなんていってごめんよ。命を懸けてくれたんだね。
でも僕は矛盾したことを言った。
「今後は出来る限り無理をするのは止めよう。倒すことも大事だけど守ることも重視しよう。」
て。
僕の身勝手な行動で迷惑を掛けたにも関わらず、マグマンは頷いてくれた。
でも、もしかしたら、奴らの勝利だけは何を犠牲にしても阻止しなくてはならない・・・そんな時が来るかもしれない。
僕は昨日一日を経て、旅の目的を確かめると共にその時が来るのを覚悟した。
385はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:10:51 ID:d2IvZXss
メタリンはメタルスライムたちを連れて逃げ回っていたらしい。
見つかりそうになって何度もガクガクしたそうだ。
ガクガクした時の顔を再現されて、僕は笑い転げてしまった。
犠牲を出さずに逃げ切ったのは凄いと思う。

スタスタはホークブリザードと闘った。
メタル族に輝く息は効かなかったが、相手も回復出来たため決着が付かなかったらしい。
最後には逃げられたという。
その後はピエールたちと合流したらしい。

ピエールとホイミンは邪悪な騎士と命の削り合いをしていた。
邪悪な騎士の一撃は強力でピエールが倒れこむ度にホイミンが回復したという。
しかしピエールの技術も高く徐々に邪悪な騎士を追い詰めていったそうだ。
スタスタが合流した時点で騎士は逃げたらしい。

そして三匹で僕を探し、とうとう見つけたそうだ。
見つかった時の僕は赤ん坊のように泣いていたらしく、ちょっと取り乱してたみたい。
正直に言うと恥ずかしくて思い出したくない。
でもそんな僕の考えとは裏腹に、三匹とも返事をしなかった僕への当てつけをしてくる。
泣き虫はぐりんとことあるごとに言ってくるのだ。
うぅ。だって。だって。うーん。ごめんなさい。
でもホイミンまで言うなんて。しくしく。
そうそう。泣いていたと言えば、ずっと抱きついてた幼いはぐれメタルには申し訳なかった。
386はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:12:35 ID:d2IvZXss
そしてその幼いはぐれメタルは僕にちょっと懐いていた。
友達を守れなかったことを謝ったら、悪いのは僕でないと言ってくれた。
でもやっぱり悲しそうで・・・メタリンやピエールの様な年上とは違って、年下の子供に無理をさせるのは遣る瀬無かった・・・。
そうだ!驚くことが二つある!
一つはこのこの名前。ゆうぼん君と言うらしい。
「えっゆうぼう!?」
僕はつい聞き返してしまった。
「違うよ!ゆうぼんだよ!泣き虫のお兄ちゃん♪」
もう一つ驚くこととは、この僕の呼ばれ方だ。
彼にも泣き虫で定着してしまったらしい。
僕の泣き虫エピソードは既にマグマンとメタリンにも伝わっているみたいで、用事がある時は目を光らせてくる。
・・・この子は友達思いのいい子だ。

村の人たちとは・・・あんまりしっくりこない。
過去の溝は一日では埋まらないし、村を救ったのが僕なら、村を襲ったのもはぐれメタルだったからだ。
僕もやっぱり仲良く出来る自信はない。
ただ、疲れ切った僕たちに宿を用意してくれたのは嬉しかった。
僕の家も残っているらしく目が覚めた後に覗いてきた。
何も変わってなくって・・・昔の生活が少し懐かしかった。
感傷に浸って泣きそうになったけど、いつの間にかゆうぼん君がついて来てたので我慢した。

その後はお母さんの墓に祈りに行った。
「元気にやってる。挫けない様にがんばる。」って伝えて来た。

次に今回の事件で亡くなったモンスターの墓に行った。
メタルスライムだけでなく他のモンスターの墓も立てられていた。
近隣に住むモンスターの墓も立てられているのかもしれない。
僕は特に二つの墓を見舞った。
目の前で亡くなった二匹のモンスターだ。片方はゆうぼん君の友達でもある。
守れなかったことをひたすら謝った。
必ず奴らを止めて見せると約束した。
隣でゆうぼん君が涙を浮かべていたので少し辛かった。
387はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:14:19 ID:d2IvZXss
そのあとに問題が起きた。
大きな問題だ。
昼食のときにスタスタにみんなを紹介したときの話だった。
ピエールとマグマンについては問題なかった。
問題はメタリンだった。
メタリンが「はぐメタと同じ住処の生き残りだった。」と告げた時スタスタが怒ったのだ。
予想外だったし、こんなに怒ったスタスタは初めてだった。

「はぐりん!なんで彼を加えてるんだい!絶対に信用しちゃダメだ!」

僕はうろたえながらも理由を聞いた。スタスタは言う。
「あの村の生き残りってことはね!はぐメタの友達を売ったメタルスライムってことなんだよ!」
「はぐメタの話は覚えているよね!メタリン君は一度はぐメタを裏切ってるんだよ!」

確かに・・・。言われてみればその通りだ。
しかしその当時とは時間が経っているし、メタリンとは何度も危機を乗り越えてきた。
僕はそのことを説明してスタスタを説得した。
スタスタは納得いかなそうだったが、はぐメタの判断を仰ぐということで話が決まった。

そして更に問題が起こった。
ゆうぼん君が僕たちに付いて来たいと言ったのだ。
僕たちは一斉に反対した。
特にピエールは強く反対した。
ゆうぼん君は「これ以上友達の様な可哀想な者を出しくない。」と言う。
「自分がまず犠牲になる!」とピエールがたしなめる。

するとゆうぼん君が涙を浮かべて口を開く。
自分が居るから両親がこの村に馴染めていないと言う。
今までも自分が原因で引っ越しを繰り返したと言う。
このセリフには僕やスタスタは言い返し辛かった。
そして両親が胸を張れる自分になるのだと彼は言った。
388はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:17:33 ID:d2IvZXss
「気持ちは分からなくもないけど危険過ぎるよ。」
僕ははっきり言った。
僕よりも幼い子供なんて連れて行けない。

「でも僕はみんなの分も頑張りたいんだ!ここじゃダメなんだ!お兄ちゃん!」
ゆうぼん君が返す。

僕は言った。
「僕も怖くなって逃げたくなったことがあったんだ。その度にみんなに迷惑を掛けた。」

しかしゆうぼん君は中々引き下がらない。
そこでピエールが言った。
「居なくなると聞いたら両親が泣くぞ!まずは両親に話さなければダメだ!」
「私たちはこれからある場所に行く。その帰りにもう一度ここに寄ろう。」
「両親の許可を得なさい。」
「しかしそれが条件じゃない。そのあとみんなで話し合う。」
「今の結論は『連れて行かない』だからね。」

そういうとゆうぼん君は分かったと告げた。

話し合いが一段落して僕たちは村を出た。
北へ進む。
スライムが集団で襲い掛かってくる。
懐かしい。
僕は戦いたくなかったのでその辺の岩にイオを唱えた。
スライムたちは逃げていく。
逃げ去っていく後姿を見て、僕はついスタスタと頷きあった。

二時間後・・・スタスタの言う場所へと到達した。
389書き手  ◆F/WveZadCU :05/03/03 01:24:37 ID:d2IvZXss
今日はここまでです。
続きはまた不定期になりそうです。
保守と応援感謝です。

>>382
一気読み多謝です。期待に沿えるかは分かりませんが最後まで書き続けます。
>>383
今もほのぼの時々シリアスですよ(・∀・)!
たぶん。

それと以前>>329でアホなこと書いちゃったので「人間と変わらない」辺りに訂正させてください。
アホ過ぎてなんか気になりました。
それではまた。
390名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/03 17:03:12 ID:mfMDxFeQ
うへぁ……乙です。
読んでて飽きない
391名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/03 19:02:04 ID:II263RLK
きゃー はぐりーーん!!
392名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/04 10:38:35 ID:1/3kEYwI
暴走はぐりんから元のはぐりんに戻ったね。
オラオラベギラゴンはもう出来ないのかな?
393名前が無い@だだの名無しのようだ:05/03/05 21:39:54 ID:hhkmNaAC
がんばれ・・・・・俺
394名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/05 22:47:39 ID:7qxvYFDS
ようわからんが頑張れ
395名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/06 20:54:04 ID:K/tHQTi+
そして伝説へ
396名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/06 23:19:15 ID:tk4yI6zC
そして運ばれてくるメタル四つ
397名前が無い@だだの名無しのようだ:05/03/07 14:56:45 ID:EA2Rc/W6
はぐりんもがんばれ
398名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/08 23:18:48 ID:SZeXJeKG
バブすけをぜんりょくでほしゅるんだ!
399名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/10 15:09:25 ID:pYlkkxpi
ばぶすけだと!
スタスタの方が好きなのに!
ばぶすけほしゅ!

一日に二回死にかけたマグマンは凄いと思います。
400名前が無い@だだの名無しのようだ:05/03/11 20:10:12 ID:SzqLYWdW
マグマン食べたい
401名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/11 21:57:04 ID:Lk1bliLX
きっとおいしいです。
402名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/12 12:14:20 ID:jSnf0Lq2
マグマンたべると火傷するよ
403名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/12 17:52:30 ID:w+R1b0JR
age
404名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/12 22:04:13 ID:ZW1he88X
マグマン火傷しないよ
405はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:19:44 ID:VW8MR471
この場所は岩が所々にある以外は草が生えているだけだ。
スタスタが化け物を見たのはこの辺りだと言う。
はぐメタと手分けをして情報収集をしていた時だったらしい。

口にも出せない、「とてつもなく恐ろしいもの」とはどの様な化け物なのだろうか。

僕たち全員緊張が走る。
怖がりとはいえ、根性のあるスタスタが戦う事も泣く逃げ出してしまった化け物だ。
恐ろしい姿と力を持っているに違いない。

「恐ろしいものをあえて探す・・・これも旅の醍醐味か。」
ピエールがゴクッとつばを飲む。

「そっそうそう!冒険って言うものは怖くっても勇気を持って進むんだよ!」
「秘境や財宝、珍獣を探すためなら火の中!水の中さ!」
僕はそう言いながらガクガクと震えた。

「火の中は大丈夫だけど水の中はちょっと・・・。」
マグマンが呟く。

「僕は火の中も無理です・・・。」
ホイミンだ。

「火の中水の中はメタル族の特権だな。」
ピエールが僕を見て言う。

「そういう気持ちで行こうって言う意味ですよー。ぷんぷん!」
僕が返す。
するとピエールがクスッと笑う。
「いやいや分かっていたさ。冒険には欠かせない・・・そうだろ?」
僕はコクッと頷いた。
406はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:23:06 ID:VW8MR471
「あの時・・・なんであんな化け物が居たんだろう。」
スタスタが呟きだす。
「幻なんかじゃなかった・・・本物の存在感があった・・・でもどこで聞いてもこの辺りにそんな化け物は居ないらしい。」
「あんなのが居たら絶対噂になるのに・・・。」

「お化けだったらどうしよう・・・。」
僕が反応する。

「にっ逃げればいいと思うよ。」
これはメタリンだ。

スタスタがメタリンをチラッと見る。
そして僕を見る。
「・・・うん。いざとなったら逃げようね。」

「さてどうしようか。手分けして何かを探すか、みんなで歩き回るか。」
ピエールが聞く。

「みんなで探そう!正直に言うと・・・怖いんだ!」
僕が提案する。

「そうだね。へへへ。やっぱりみんな怖いんだね。」
メタリンが付け加える。

「おっ俺は怖くないぞ!怖くない!」
マグマンがブルッとして告げる。

「え?一人で探してくれるのー!さすがマグマン!」
僕が意地悪を言う。
407はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:28:30 ID:VW8MR471
「いや・・・いやー言ってみただけさー。ちょっと・・・ううん実はカナリ怖いんだ。」
マグマンがそういって周りを見渡す。
僕たちもつられて見回す。

深い森と言うわけではない。
むしろ木はポツポツとあるだけだ。
もうじき夕方になろうとしているが、陽は明るい。
しかし話を続けるに連れて、僕はここがどうしようもなく怖い場所に思えてきた。

ホイミンが歩き出して何か呟く。
「実在しないなら・・・幻の化け物・・・何のための化け物・・・相手を脅かすための化け物・・・ですか。」
そのまま歩き続ける。
僕たちも一緒に歩き出した。

所々岩場の影を探る。
大きな岩の影に変わった所はないか。
木の根元は?
化け物の暮らしの跡は?
しかし何も見当たらない。

「化け物の姿は愚か痕跡すらない。」
一時間ほど経った頃ピエールがいう。

「スタスタ。化け物は居たんだよね?」
僕が申し訳なくも尋ねる。

「うん。居た・・・居たはずだと思う。あれは・・・見間違いなんかじゃなかったよ。怖くて怖くて逃げ出しちゃったくらいだもん。」
スタスタが頷く。

「この辺一帯・・・魔物が居ない。」
マグマンが言う。
「影すら見えない。」
408はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:36:16 ID:VW8MR471
「やっぱり気になる。もうちょっと調べよう。」
スタスタがそう言って僕らは再び歩き出す。

「どこかがおかしな場所。化け物が普段身を隠しているのなら・・・ただ見るだけでは分からない場所なはず。」
ピエールが言う。

「へへへ。僕が隠れるなら・・・大きな岩の陰か、穴の中だね。」
メタリンが言う。

スタスタが歩みを止める。
「そうか!わかった!わかったよ!はぐりん!」
「もしも化け物が居たのなら・・・そして隠れているのなら!きっと地下だよ!」
「そうでないなら不思議な特技か存在しないかのどっちかしかない!」
「でも信じて!僕は確かに見たんだよ!はぐりん!」

「地下・・・それならどこかに入り口があるはず。どの道やることは一緒だ。」
「・・・みんな怖いと思うし、俺も怖いんだけど、拉致が明かない。・・・手分けして探そう!」
マグマンが提案する。

ホイミンが頷く!
ピエールも頷く!
僕が震える!
メタリンも震える!
スタスタも震える!
マグマンも震えてる!?

「そうですね。手分けして探しましょう。」
ホイミンがそういって歩き出す。

「ちょっちょ・・・ちょっと待った!待って!ホイミン一人じゃ危険じゃないか!」
「僕が一緒に行くよ!」
僕がホイミンに付いていこうとする。
409はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:38:41 ID:VW8MR471
「待ってよー!僕が付いてくよ!そう!そうさ!出来る限りみんなと親交を深めたいんだよー!うん!」
これはスタスタだ。

「二人とも強いじゃないか。へへへ。ここは実力のない僕が行けばバランスが取れていいんじゃないかな?」
僕も半人前だよ・・・メタリン。

僕たちが意見を交わす間にホイミンはどんどん進んでいく。
「誰でもいいから早く言ってあげな。」
マグマンはそう言い残して去って行った。
ピエールも別の方向へ歩き出す。

「へへへ。よし!よーし!じゃんけんだ!二人とも!」
メタリンが提案する!

「望むところだ!僕がぜひホイミンと一緒に行って!親交を深めてくるね!」

「スタスタ!素直に怖いって言いなよ!会わない間にちょっと虚勢を張るようになったんじゃない?」

「それはお互い様だよー!親友はぐりん君!前はもっと優しい言葉使いだったはずだと思うんだ!」

「今でも優しいさ!」

辺りに緊張が走る!
「よーし!じゃんけん!いっせーのーぜ!」

「チョキィ!」
「パァァァ!」
「グーさーーー!」
410はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:41:45 ID:VW8MR471
「はあはあ・・・ごくん。最初はまあ・・・こんな物だろう。」
「もう一回!行くよ!じゃんけん!」

「もう一度チョキィ!」
「勝利のチョキだぁぁぁ!」
「チョキさーーー!」

「くっまたか!」
「二人ともやるじゃないか!尊敬するよ!」
「いいかい?次はパーを出す!僕はパーだ!」

「せっ宣言する気か!?」

「やっやるな。迂闊にグーは出せない。かといってチョキを出したら引っかかるかも!」

「ふふふ。次の一手でケリを着ける!僕の勝ちだ!じゃんけん!」

「グー!」
「チョっんなにーーー!」
「パーぇえええ!」

「ひっどいーーー!嘘ついたーーー!」
「何を言う!作戦だ!それよりも信用しなかった奴の方が問題さ!」
「ふん!見破ったといって頂こう!」

「くっ。仕方ない。ここは戦場だ。今のことは忘れよう。しかし次こそ勝たせていただく!」

「ふっ。今まで黙っていたが僕はじゃんけんでは負けなしと言われていてね。」

「え!そういうことはやる前に言わないと意味ない!」
411はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:49:25 ID:VW8MR471
「いいな!二人とも!」
「じゃーんけーーーん!ぽーん!」

「グゥ!」
「パァァ!」
「グーさーーー!!!」

「・・・・・・!」

「・・・・・・!」

「ちっ。なかなか決着が付かないな。」

「なっなにぃ!気づいていないのか!」

「それもまた一興!僕が勝つまでやればいい!」

「はっ・・・そうか!勝ったんだ!僕が勝ったんだ!」
「はっはっはっはっ!二人ともバラけて行って貰おうか!」
「さあホイミン!調べに行こう!」

・・・。
・・・・・・。
僕たちは周りを見渡す。
ホイミンどころかマグマンもピエールも居ない!

「わっわわわっ大変だ!ホイミンを一人にしちゃった!」
僕は焦って騒ぎ出す。
412はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:53:46 ID:VW8MR471
スタスタもメタリンもホイミンを呼び続ける!

「ホイミン!」
「返事をしてーー!ホイミーン!」

するとどこからか声がする!
「みなさーーーん!来てくださーいーーー!早くーーー!」
遠くの巨大な岩からだ!

僕たちは一斉に走り出した。
岩の方へ行く。

ホイミンが岩の前に立っている。
ピエールが先に駆けつける。
僕たちの後にはマグマンだ。

ピエールが僕たちを見て言う。
「・・・駄目じゃないか。ホイミンを一人にしては。」

うっ。
「申し訳ございません。」
僕たちは口々に謝った。

「ところで何があったんだい?」
マグマンが尋ねる。

「この岩・・・二つ重なってるんです。」
ホイミンが答える。

言われて確かめる。
巨大な岩が縦に重なっておりどこか不自然だ。
横に回れば縦に小さな隙間が空いている。
413はぐりん  ◆F/WveZadCU :05/03/13 04:57:43 ID:VW8MR471
「地面を・・・まるで動かした様な後だ。」
ピエールが指摘する。

地面を見れば不思議なことにえぐれている。
岩の端っこには緑色の液体が引っかかっている。
あれは何だろう?

岩を押してみるがビクともしない。

「うん。化け物が立っていたのはこの辺りだったかもしれない。」
スタスタが告げる。

「スタスタ!」
僕が言うとスタスタが頷く。

「イオナズン!」

大爆発が起こる。
岩が粉々に吹き飛ぶ。
煙が晴れて何かが現れる。


これは階段だ!
とっても古い!
素人目にもはっきり分かる。
そして深い!奥が見えない!

しかしこれでスタスタの見た化け物がただの幻ではなかったことは分かった!
進むしかない!
414書き手  ◆F/WveZadCU :05/03/13 05:03:09 ID:VW8MR471
今日はここまでです。
次はまた来週にでも。

じゃんけんって結構熱が入っちゃいますよね。
415名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/13 08:40:55 ID:YQh5sjpy
━━━━(゚∀゚)━━━━!!
416名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/13 13:56:31 ID:9BFHvXFQ
(・∀・)イイ!
417名前が無い@だだの名無しのようだ:05/03/13 18:39:37 ID:RZFmUMdR
声にもならない叫びが聞こえる・・・
418名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/15 02:22:55 ID:8BiOH6B7
>>399
フェニックス磨具饅
419名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/17 07:24:06 ID:eEvgb6xu
ペガサスはぐりん
420名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/18 13:41:07 ID:pgQ8BTVF
保守
421名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/18 23:30:15 ID:i2fhP6N7
さあ、みんなでバブすけほしゅ!!!
422名前が無い@ただの名無しのようだ:05/03/19 07:45:57 ID:TdR08f2j
はぐりんほしゅ
423名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/21(月) 23:31:34 ID:3dS/ZbmV
保守
424名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/22(火) 19:03:29 ID:AEsU9SLE
hosyu
425名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/24(木) 02:46:28 ID:apxmOvS+
ほしゅ
426名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/25(金) 13:52:19 ID:Tr+xX+4+
ちんこぷるぷる
427名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/25(金) 20:57:27 ID:b/7EJpeN
いやん
428はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 07:03:25 ID:CxIMOFsi
入り口が見つかったとはいいことだ。
しかしこの階段からは生気が感じられない。
一言で言うと・・・コワイ。

僕はスタスタと顔を見合わせる。
スタスタは頷いたあとマグマンの顔を見る。
マグマンは頷いたあとメタリンの顔を見る。
メタリンは頷いたあとピエールの顔を見る。
ピエールは頷いたあと僕の顔を見る。

僕はピエールに尋ねてみる。
「ピエールは怖い物ってある?僕はまさにこれがそうなんだけど・・・。」

ピエールが答える。
「怖い物はたくさんあるが、私は怖い物があっても立ち向かうよ。騎士の最低条件さ。」

僕はピエールの背後に回って言い放った。
「よかった!誰も先頭に立てないかと思ったんだ!」

スタスタが僕の背後に回る。
マグマンも続く。
メタリンもだ。
ホイミンは階段を見つめていたがそっとメタリンの後ろに付いた。

ピエールが付け加える。
「・・・いざとなれば逃げる勇気。これも騎士の最低条件だな。」
429はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 07:10:25 ID:CxIMOFsi
僕は目を閏わせてお願いする。
「騎士様!」
みんなも続ける。
「騎士様!」
「騎士様!」
「騎士様!」

ピエールが応えた。
「分かった。分かったよ。しかしこう暗いと先頭に立つも何もないぞ。」
ピエールは付近を見渡して落ちている枯れ木を拾いに行った。
そしてマグマンに近づく。
ジュバッ!
「いたっ!」
ピエールはマグマンの頭で枯れ木に火を灯したのだ。

「上出来だな。」
ピエールがそう言って先頭に立つ。
マグマンが何とも言えない顔で頭を擦っている。

ああ。本当に先頭に立ってくれるんだね。ありがとうピエール。

ピエールが階段の前に立つ。
僕たちはゴクッと唾を飲んだ。
ピエールが声を掛ける。
「いくぞ。みんな。準備はいいな。」

「おっおぉ〜。」
やる気のない声が立ち上がる。
430はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 07:15:15 ID:CxIMOFsi
ピエールは階段を下りていく。
僕が続く。
階段はぬるぬるしていて少し危ない。
五段も降りたらピエールのたいまつとマグマン自身以外の明かりは見えなくなってしまった。
「うわっ!だれ!?押さないで!」
「ぼっ僕じゃないよ。」
「おいおい気をつけてくれよ。ここで転ぶと冗談じゃ済まなくなるぞ。」
「ああああああ。今頭に何か掛かった!」
「わわわ。押さないでってば!」
「こっこら!どこを触っている!」
「ご・・・ごめんピエール。怖くって。」

ぴちょん。ぴちょん。
どこかから水滴が落ちる音が聞こえる。
「ごめんなさい・・・。結構限界なんですが。」
「みんな一緒だよ〜。」
「へへへ。お化けを見るまでは逃げないぞ。」
「お化けで済むかなあ。」

やっと階段が終わる。
上を見上げるがもう既に空は見えない。

「結構広いな。」
ピエールの声だ。微かな明かりを頼りに周りを見渡す。確かにピエールの言うとおり通路が広い。高さもある。

「その気になれば大きなモンスターでも通れそう。」
その通りだ。しかしモンスターの住んでる気配はない。

道は一本道だ。ピエールが歩き出す。
「気をつけろ。どんな罠があるか分からない。」
431はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 07:45:38 ID:CxIMOFsi
「今入り口が閉まったら・・・僕たちどうなるんだろう。」
・・・怖いことを言うのは止めてよー。
「次に誰かが来るまで干からびてるだけさ。いや来ても干からびたままかな。」
ピエール・・・僕まだミイラには成りたくないです。

ピエールが立ち止まり。僕が頭を打つ。
「った。どうしたの?」

ピエールが告げる。
「何もあっても逃げるなよ。」
・・・・・・?
僕は前に出てピエールが指差す物を眺める。

壁に何かが持たれかかっている。
・・・骸骨のモンスターさん?

「うわあああああああああああああ!」
僕は一目散に階段を目指す!

「えっ何々?」
スタスタの声だ。

「あーーーーーーーーーーー。」という叫び声が聞こえる。
更に続く叫び声二つ。
僕たちは全力で走り抜けた!
今天下一かけっこ大会という物があったら一着を取れただろう。

階段の前で立ち止まる。
はあはあ・・・。ただの死体とは違う。不気味さがあった。
しかしここで逃げるわけには行かない。
僕とほぼ同じ位置で二匹立ち止まったのが分かる。
もう一匹が階段を上ろうとしたが僕が捕まえた。
432はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 07:46:26 ID:CxIMOFsi
奥のたいまつへと向かって四匹で歩く。
ピエールとホイミンが立ち止まって白骨を調べている。
「ホイミンは勇気あるね。騎士になれるよ。」
僕はげっそりした顔で言った。

「とっても古い死体です。完全に骨になってますから数十年は経ってます。」
ホイミンが冷静に分析する。
「この形は人かマンドリルか何かだな。先人さんは居たと言う分けだ。」
ピエールも語る。

「もう一つ分かったことがあります。」
ホイミンが続ける。
「通路のホコリのたまり具合がマチマチです。ごく最近誰かが通った可能性があります。いやほぼ確実です。」

やはり。それは予想できていた。通った者が誰なのか予想は付く。ここに探していた何かがあったのだろう。
「進もう。」
誰でもないスタスタが言う。

僕たちは通路を更に進んだ。
何かが出そうで何もでない。
生き物の居ない廃墟とはこんな雰囲気なのかもしれない。

「これも旅の醍醐味だな。存分に味わってるのかい?」
ピエールが僕に聞く。
なんだか意地悪を言われた気がしたので僕は返事の代わりにピエールを軽く押した。
「わっ。こら。だから・・・さわっいや・・・先頭に居ればもっともっと味わえるぞ。」

「それは・・・ごめんなさい。」
・・・ん?あれ?もしかしてピエール震えてる?
しかし僕も人のことは言えなかった。ガクガク。
433はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 08:15:19 ID:CxIMOFsi
通路を進めば白骨化死体、白骨化の途中の死体、骨はなく黒っぽい染みだけが残っている死体。
様々な生き物の死体を見かける。
中には粉々になったものもある。
しかし罠の様な物は一つもない。
暗い一本道の中で時間だけが過ぎていく。

ピエールが話す。
「隣の壁が崩れている。気をつけろ。戦ったあとか何かか?しかしホコリだらけだ。古いな。」

「ん!みんなストップ!」
スタスタの声だ。
「何か聞こえない?」

僕はゾクッとしながらも耳を澄ませる。

とつぜん どこからか
おそろしい うめきごえが きこえてきた!

僕たちはすくみ上がって動けなくなってしまった。
しかしそれで終わりではない。

「今のは何だったんだろう?」
僕たちが緊張からやっと開放されたとき、続けてもっと恐ろしいことが起こった!

どこからともなく????の音が聞こえる・・・・・・。
音はどんどん大きくなってきた!

何だ!?何なんだ!?この音は!
どんどん大きくなっていく!
僕は恐怖のあまり頭が真っ白になった!
体が震える!
この音は・・・聞きたくない!ここに居ちゃダメだ!
434はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 08:18:29 ID:CxIMOFsi
僕は全力で通路を逆走した!
僕だけではない!スタスタやメタリンの叫び声が聞こえる!
それどころか僕の後ろに誰かいる!ピエールに間違いない!
僕たちは一分ほど走り続けて立ち止まった!

「何だったんだ!今のは!」
マグマンが震えた声で言う。

「分からない。しかし余りに恐ろしくて逃げ出してしまった。」
ピエールの声。

「それで正解だよ〜。あの場には居てはいけない雰囲気だった。直感があった。」
スタスタだ。

「へへへ。体勢を整えるのも大切さ。」
メタリン。
435はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 08:20:32 ID:CxIMOFsi
僕は・・・まだ震えが止まらない。
・・・これで逃げなかったらまともじゃない。
え?
「・・・・・・ホイミンは?」

「何?そういえば・・・。くっホイミン居るのか!」
ピエールがあらん声で叫ぶ!

しかしその声は室内にこだまするだけで返事は返って来なかった。
僕たちは全力で引き返す。
一分は経ったはずだ。
隣に崩れた壁がある。

「ホイミン!」
「返事をしろ!」
「ホイミン〜!」
「ホイミン!」
「出てきて!かくれんぼの時間じゃないよ!」

・・・ダメだ。返事はない。
436書き手  ◆F/WveZadCU :2005/03/27(日) 08:26:43 ID:CxIMOFsi
今日はここまでです。
意識が飛んでたので投稿に時間が掛かってしまいました。

間が開いてしまいましたね。申し訳ございません。
今月中にあと一回は投稿したいです。
それでは。
437名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/27(日) 20:33:15 ID:8LY6vp2i
なんだか怪談を読んでるみたいだ…。
一体どんな怪物がいるんだろう…。
438名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/27(日) 21:51:24 ID:kOb7Qqxm
はあはあ...乙
439名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/28(月) 02:54:24 ID:bkb2nWo7
ウハゥ・・・激乙っす
440名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/28(月) 09:09:57 ID:U03X4Rtx
暇なんで考えてみた
敵は含まない方が良かったかな?

死亡危険度ランク

A 因縁ありでほぼ確実
はぐメタ
ピエール
ゆうぼう
ゆうぼう四天王(?)
邪悪系

B 危険度中
はぐりん
スタスタ
メタリン

C もしかすると
ホイミン
プチット族

D 安心?
バブすけ
マグマン
ゆうぼん
メッキー

メインキャラでマグマンだけ因縁がない
ゆうぼんとバブすけは再登場するのかも分からん
441名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/03/29(火) 15:28:05 ID:IO6xnYny
そう言うのは、やめた方がいいんじゃ・・・
書き手さんの考えが制限されるような気がして・・・
442書き手  ◆F/WveZadCU :2005/03/29(火) 22:25:39 ID:UR8trwal
お心遣いありがとうございます。
でも予想や議論ネタは自分の方は構いませんです。
(するだけのネタがあるかと言われれば微妙ですが。)
もし予想が当たっても内容は変えずに続けちゃいますし、基本的にノーコメントにしますから制限はされないと思います。

ただ、的確な予想が出てしまい終ったときに予想から真似たといわれたらキツイかなというのはあります。
でも予想された時点で大した展開で無いということになりますから考えの外に置いてくださって結構です。

それで本題です。
先日今月中にもう一回書くと書きましたが、諸事情により四月上旬に書かせてください。
その代わり二回連続で書きますので。
突然ですみません。
443名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/03/29(火) 23:13:09 ID:IdG1b4b0
バブすけは不死身なり!!!
444書き手  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:45:14 ID:eN7BMOxU
最近同じトリップの方が居ることに気づきました。
ちょっと前までは居なかったのですが、念のためトリップは変えた方がいいですかね。

一応今の内に自分を証明できるものを置いときます。「G」「ガ」「人」「ア」
これ使っての証明は出来ればしたくないのですが。
445はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:48:48 ID:eN7BMOxU
僕たちは恐ろしい化け物を見てしまった。
逃げることは許されなかった。
いや逃げれなかった。
幾度となく化け物が現れ、僕たちは行き止まりへと追い詰められてしまったからだ。

──逃げれない。
そう考えただけで頭が真っ白になった。
あまりの恐怖にメタリンが泡を吹いて倒れこんでしまう。

一歩!また一歩!確実に歩み寄ってくる!

僕とスタスタは悲鳴を上げながら呪文を唱えた!
どれだけ唱え続けただろう。
しかし煙の奥から無傷の化け物が現れた。

僕は声を上げて泣き出してしまった。
ピエールが奇声を上げながら剣を振り回す。
しかし化け物に吹き飛ばされ、二度と息を吹き返すことはなかった。
マグマンは僕たちの前に立ち呪文を唱えるが、そのまま踏み潰されてしまった。

次は僕たちの番だ!
僕は悲しみと怒りの入り混じった声を上げて向かっていった。
スタスタも続く。
先にスタスタが吹き飛ばされる!
そして僕も吹き飛ばされた!

意識が遠くなった。
世界が暗くな
446はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:50:39 ID:eN7BMOxU
・・・。
・・・・・・。
どこだろうここは。
辺りはまぶしい光に包まれており、芳しい花の香がした。
周りには僕の他には誰も居ない。
いや目の前には巨大な門と一匹のスライムが立っている。
変わった格好をしたスライムだ。

スライムが話しかけてくる。
「こんにちは。私はエンジェルスライムのジェルスといいます。」

「えっエンジェル!?じゃあ・・・ここは!」

僕の声にジェルスが応える。
「はい。ここは天国です。あなたは幸運なことに天国で暮らすことを認められました。」

「ちょっちょっとまって!じゃあ僕は死んだの?他のみんなは?」

「残念ながらお亡くなりになってしまいました。いえ天国に来れたからには幸運だったのかもしれません。他の皆様は地獄行きとなりました。」

なっなんだって。僕は猛抗議した!
「なんで僕だけなんですか!?みんな悪いことなんかしてませんよ!」

ジェルスはふーっと溜息をつくと答えた。
「貴方たちは命を奪い過ぎました。地獄へ行って当然です。しかし善い事もしました。ですから一人だけ天国へ来れたのです。誰が来るかはくじで決めました。」

「そっそんな・・・。」
僕はガクッと肩を降ろした。
447はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:51:56 ID:eN7BMOxU
ジェルスは続ける。
「何はともあれ貴方様は天国に来ることが認められたのです。喜んでください。みんなの分も幸せになるべきです。私が言えることは以上です。」

ジェルスはそう言って頭を下げた。
巨大な扉が音もなく開く。僕はまばゆい光に包まれた。

・・・。
・・・・・・。
天国の生活は何一つ不自由のないものだった。
おいしい物をどれだけでも食べられるし、周りに居る人はいい人ばかりだ。
可愛い女の子が色々と世話をしてくれるし、様々な娯楽がある。
一生懸命生きたご褒美としては最高のものだと思う。

そんな生活が何日も何日も続いていく。
みんなの分も幸せに生きていこう。この繰り返されていく日々の中で・・・。

そう思ったはずだった。
噂話を聞く。
最近こっちに来る人が多いらしい。
このままでは下界の生き物は何も居なくなるらしい。
でも既に死んでいる僕には関係のない話だろう。

でも・・・理由は分かる。
みんなで防ぐはずだったんだ。
そして僕は幸せになったけどみんなはそうじゃない。
僕が幸せな分、みんなは地獄でどんな目に遭っているんだろう・・・?
みんなの分も幸せになるなんてまやかしなのかも知れない。

せめて・・・せめて・・・みんなを救うことは出来ないだろうか。
448はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:53:55 ID:eN7BMOxU
百二十日目。

とうとう神様に謁見することが出来た。
しかし何と言うべきだろうか。神様も遊び呆けている。
下界がどうなろうと知ったこっちゃないって感じだ。当然もう下界に生き物など居ない。

神様が言うには「僕を生き返らせること」も「みんなと会わせること」も出来ないらしい。
僕は何度も何度も頼み込んだ。
しかし僕の願いを叶えるには「次の神様になる」か「神様よりも偉くなる」しかないらしい。
今の神様は何十代目なんだろう。もしかしたら何百・・・何千代目の神様なのかもしれない。
僕があまりにも頼むので外にほっぽり出されて雷で打たれてしまった。

うう。僕のお願いを聞いてくれてもよかったじゃないか。
確かにみんなは命を奪い過ぎたかもしれない。
だけど神様が呆けている間、みんな頑張ったんだ。

あんな神様なんか神様じゃない!

七百三十日目。

多くの出会いと別れがあった。
ジェルスがこっちを見てにっこり笑っている。
一言で言えば私怨だった。
天国自体は機能していた。天国にいた僕たちには神様に歯向かう理由はなかった。天国の幸せは完璧だった。

しかし僕は寄せ集めた。
僕の様に地獄に仲間の居る者。下界に居た時に助けてもらえなかった者。働かない神様に疑問を抱く者。
そして長い戦いの果てに勝ち取ったのだ。新たな天国を。
僕はこの天国を地獄と合わせて平等な世界にしてやる。
449はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:55:23 ID:eN7BMOxU
三千六百五十日目。

第三次天獄大戦で地獄の閻魔を打ち倒すことに成功した。
長い戦いだった。
また多くの出会いと別れがあった。
しかしこれで地獄を平定したわけではない。
百角鬼を筆頭とする鬼の実力者が地獄の果てに逃走したからだ。
しかしこれでかつての仲間を救い出すことが出来た。
ある者は血の滲む様な体罰を受けていた。またある者は天国への奉仕のために仕事をさせられていた。
中には既に廃人と化していた者もいた。しかし僕は再会に涙した。
もっと早く助けたかった。

四千二百六日目。

地獄を平定した。
鬼たちにとっては元々勝ち目のない戦いだったので苦しかったというわけではない。
今までの戦いに比べれば別れは少なかった。
しかし僕は天国での戦い以来の親友を失っていたので悲しみに暮れていた。

僕は天国と地獄の主となった。

一万五千八十四日目。

魔界、狭間の世界、竜神界との戦いに決着をつけた。
最初の魔界との戦いですら住民の三分の一を失ってしまっていた。
そこに狭間の世界と竜神界が同時に攻めて来たのだから苦しいというレベルではなかった。

しかし僕たちは勝利した。
この三界との戦いが長い戦いの歴史の中で最も激戦だったと思う。
450はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 00:58:09 ID:eN7BMOxU
三万六千七百七十七日目。

この次元に置けるあらゆる世界を手中に収めた。
しかし僕がこの次元の主を名乗ると同時に二次元と八次元が宣戦布告をしてきた。
そして僕たちの戦いを裏から操っている者が居るという噂を聞いた。
この二つの次元は僕らの常識では理解できないことをやってのける。

二十四万三千八百九十一日目。

二次元と八次元を撃破した。
長い戦いだったものの被害は次元を統一した頃に比べれば少なかった。
有力な人材が居たためかもしれない。
正確には五年前に八次元を下したのだが戦いの終結という意味で今日を記したいと思う。
もっとも百を超える次元たちとの戦いはまだ始まったばかりだった。

六百五十万三日目。

同盟を結んだ六次元と九十七次元以外を支配下に置いた。
最後の次元の統治者は他の次元に比べて圧倒的な力を持っていた。
しかし僕の覚えた「ネクストジゴパルプンヘルキラーデスギガマホバイキルクロスディアアバンドラゴラ双竜ネオビックバンアンド大魔人斬り的ジェネレーションぱふぱふ」
や「イオイオナイオナイオイオイオイオイオライオララララララライオナズオットイオナズズズズイオナズンズン」の前では相手ではなかった。
長い戦いがあったというものの子供達の笑顔は絶えていない。
過去と未来の次元が戦いを挑んでくるが、大事になる前に休戦を結んだ。
本来過去の人たちが僕らの前に現れるわけがない。
裏で戦いを操っている人物のせいだろう。
451はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 01:00:04 ID:eN7BMOxU
三千二百万十一日目。

鏡の次元との戦いに勝利する。
しかしこのとき僕たちの存在は今までとは打って変わってしまった。
みんなで一つになってしまったのだ。次元よりも大きいたった一つの僕になってしまったのだ。
心も体も一つだ。好きも嫌いもない。もう苦しむことはない。
僕たちの戦いを操っていたのは鏡の次元の統治者だった。鏡の次元は一言で言えば裏の次元だ。
統治者だけは何もない「点」に逃げ込んでしまった。
だが放っておこう。平和を噛み締めたい。

一億八万六十二日目。

僕は裏次元の者たちとも一つになった。

三兆六千九百八十七億五千四百三十二万三千四百五十一日目。

この戦いが終わる頃、時は無限大を刻んでいるかもしれない。
僕もいい加減疲れてしまった。
しかしやっと「点」に突入することが出来た。

裏の次元の統治者は「点」の中で力を蓄えていた。
あらゆる時代、あらゆる次元の憎しみや欲望を吸収し僕に劣らない存在となったのだ。
奴の狙いは僕、いや僕の様に一つとなった者と合体し、その意識の支配権を得ることだった。
そして唯一無二のたった一つの存在になることだったのだ。

しかし僕は奴に負ける訳には行かなかった。
もう僕は僕だけではないからである。そして今までの戦いが仕組まれた物だったのなら、僕は僕と共に生きることが出来なかった者の仇をとらなくてはならない。
最後の敵との再会だ。
452はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 01:02:10 ID:eN7BMOxU
「はぐメタやスタスタ、ピエールにアーサー、メタリン、マグマン、ホイミン、バブすけ、ゆうぼん、はねぼう、名も知らない地上界に居た者たち!
ジェルス、サイモン、メッキー、エネミー、グランテプス、スーラ、ベホマン、バトラー、アクアン、フレイム、サイクロプス、ベリアル、バズズ、氷河魔人、ウィッチレディ!
ゆうぼう、リンガー、ブリード、アンクル、スーラ、キングス、メタキン、ベホズン、バブキン、グランス、ダークス、ダーラム、ダーナ!
悪魔神官の双子、地獄の蠍、レッサーデーモン、わたぼう、アンドレアル、サーベルタイガー、自炊からくり兵、メイジキメラ、ひび割れたゴールデンゴーレム、夢のスラリン、大魔道、一つ目のメーダ、各世界の罪のない人々に虐殺を受けた裏表三十七次元の人々!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はあはあ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
狭間のメカゾーマに最愛なるヘルエスターク、帰ってきた神様と天国と地獄の竜王、変態パンツにラブピサロ、下克上のゲマと決死のムドー、素のオルゴデミーラと合体ラプソーン、出番のないハーゴンと悲しみのシドー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百次元の主と裏五次元の王、返り血を浴びたはぐメタに全力の呪いスタスタ、もう一人の僕や未来のメカゆうぼうの仇だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
覚悟しろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

最後の戦いが今始まる。

FIN
453名前が無い@ただの名無しのようだ:皇紀2665/04/01(金) 01:08:55 ID:zwhMG/eP
わざわざネタを準備するとは…
454名前が無い@ただの名無しのようだ:皇紀2665/04/01(金) 01:09:37 ID:HmCzBdYy
テラワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

…これってエイプリルフールですよね?
455書き手  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 01:27:04 ID:eN7BMOxU
正直電波飛び過ぎで申し訳ない。
456書き手  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 01:33:57 ID:eN7BMOxU
あっ大切なこと忘れてました。
私は何も出来ないんで書き込みすらしてないのですが、結構多くの方が頑張られてるらしいです。
気が向いたら一票投じてみるのも面白いかもです。

【21:45】全板トーナメント@FFDQ板6th【4/2試合】
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1112283261/
457名前が無い@だだの名無しのようだ:皇紀2665/04/01(金) 22:21:58 ID:LX/Xuhp/
誰か気がついた?
458はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/01(金) 23:59:10 ID:eN7BMOxU
無限大日。

戦いは終わった。
僕らは一つになった。
分かっていたことだが僕が主体でもなければ相手が主体でもない。
新しい僕。
もう僕以外は何もない。
僕だけが世界で僕だけが全てで僕だけが僕だ。
僕の中のみんなが僕の中のみんなを理解している。

長い長い時間が過ぎていく。
僕は何も考えないようになった。
疲れきったのかも知れないし、考える必要がなくなったのかもしれない。
思い出すだけでよい。様々な記憶を僕自身へと注ぎ込む。そして僕自身から吐き出す。繰り返す。
知っていることだけが全てで知らないことなど何もない。

簿の中に何かが膨らむ。僕は消えていく。
僕の中に世界が出来る。
様々な歴史が繰り返されていく。
僕の意識は既にない。
しかし一度だけ何かを考えた。久しぶりに考えたのだ。
どこかで見た風景。懐かしい風景。
そこの五匹。左へ行くのだろう。もし右に行けば違った世界が見れるのかもしれないぞ。
あれ。おかしいなあ。違うんだね。右に行くかい。

うん。
それもいいと思うよ。
459はぐりん  ◆F/WveZadCU :皇紀2665/04/02(土) 00:23:15 ID:lwIP9XB6
「右に行くぞ!」
ピエールが選択する。
僕たちは通路を突っ走りホイミンを探す。
初めての分岐地点だったが悩んでいる暇はなかった。
僕は「左に行こう!」と進言するつもりだったけど、先頭が決めるべきと思い直して「ピエールが決めて!」と叫んだんだ。

右は一方通行の長い道だった。
ホイミンの影はどこにもない。
・・・!

とつぜん どこからか
おそろしい うめきごえが きこえてきた!

まただ!またあの声がする!
僕たちは一瞬立ち止まってしまった!
しかし顔を見合わせてそのまま走り続ける。
逃げることは許されない。

とつぜん どこからか
おそろしい うめきごえが きこえてきた!

また同じ声!?
「うわっうわっうわあああああああああああああ!」
メタリンの声だ!
メタリンが逆走を始めてしまった!

スタスタが叫ぶ!
「待って!待ってよ!ホイミンを見捨てちゃうの!?」
しかしその声も空しくメタリンは走り去ってしまう!
460名前が無い@ただの名無しのようだ:皇紀2665/04/02(土) 00:37:03 ID:TSzeDODB
おや、めづらしく上がってるうえに凄い展開になってる
461はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:08:57 ID:lwIP9XB6
仲間を置いて見捨てる・・・でも・・・それは僕たちメタル族には当然のことだったはず。
僕やスタスタよりも怖がりだったメタリン。仕方のないことかもしれない。
僕だって泣きだしそうだったのだから・・・。

しかし!メタリンを一人にする訳にはいかない!危険過ぎる!

「どうしよう!?」
僕の声だ。

「俺が連れ戻しに行くよ!少しは明かりにもなれるから!みんなは先へ急いで!」
マグマンだ!

そうだ!今明かりはたいまつしかないのだ!選択はこれしかない!

「うん!お願い!」
ピエールを先頭に僕とスタスタは走り出す。

スタスタは悲しそうな顔をしている。
気持ちは分からなくもない。
少しずつ打ち解けていたんだから・・・だけど僕たちには文句を言う資格はない。
メタリンに文句が言えるのは「逃げる」という自らもする行為を受けた者ではなく、「騙す」という悪意のこもった行為を受けたはぐメタだけだ。
僕たちは無言で走り続ける!

「うわあああああああああ!」
!?
後方でメタリンの声がする!

後ろ!?
後ろに何か居るのか!
462はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:12:25 ID:lwIP9XB6
「振り返ったら・・・二度と戻れなくなる気がするよ。」
・・・スタスタ。

「メタリンはマグマンに任せよう!」
僕だ。

「二人とも。いつでも戦える準備だけはしておくんだ。」
ピエールが声を掛ける。

とつぜん どこからか
おそろしい うめきごえが きこえてきた!

・・・うぅ・・・どういうことだ・・・後ろじゃない!
前からだ!
どうなっているんだろう!?
ここは化け物の巣窟なんだろうか!?

道の先が二手に分かれ・・・いや、逆だ。
二つの道が進む先に合流している。
左に向かっていても抜けられたということだろう。

とつぜん どこからか
おそろしい うめきごえが きこえてきた!

恐怖で鼓動が大きくなる。
だけど足音が聞こえてこない分だけ、迫ってこない分だけ、マシかも知れない。

長い通路を抜けた!
463はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:13:32 ID:lwIP9XB6
あっ・・・え・・・ああ・・・あああ〜〜〜。
僕たちの目の前には・・・『とてつもなく恐ろしいもの』が立っていた。
とうとう・・・見てしまった。
とうとう・・・見てしまった!
とうとう・・・見てしまった!!!

「ああああああああああああああああああ!!!!!!」
僕たちは生きた心地がしなかった!
見事に逆走し、通路に逃げ込んでしまった。

「ほっ・・・ホイミンを・・・うぅぁああ・・・ホイミンを・・・救わないと!」
スタスタの声だ。
僕たちはその声に導かれて感覚を取り戻す。
地面に倒れこみ荒々しく息を吸い込む。

片膝をついたままピエールが喋る。
「以前・・・見たというのは・・・あれか?」

スタスタが声を震わせて言う。
「うん・・・もう見たくなかった・・・。」

ピエールが返す。
「えっ偉いぞ、二人とも。良く逃げ切らなかった・・・。あれは・・・あれは、逃げて然るべきものだ。」
464はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:19:26 ID:lwIP9XB6
僕が言う。
「だってスタスタが大事なことを言ったから・・・。」

ピエール。
「そうだ。戻ろう。次は逃げれん。ホイミンが生きて・・・生きているなら私が囮になる。二人はホイミンを捕まえて逃げるんだ。」

僕は恐怖で否定することが出来なかった。
「うん。でもピエールも危なかったら一緒に逃げるんだよ。全員一緒じゃないと帰らないんだからね。」

僕たちは意を決して再度通路を抜けた・・・。

ゴクッ。

・・・化け物・・・良し・・・居ない。

代わりに眼下へ広がるはとても大きな空間。
所々に火が灯されているが部屋の先が見えない。

部屋の真ん中で、真ん中といってもカナリの距離があるが、ホイミンが立っている。
良かった。無事だったんだ。

しかし僕たちには背中しか見えない。
こちらには気づいていないのだろうか?

「ホイミン!無事か!」
ピエールの声が響く!
465はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:21:40 ID:lwIP9XB6
えっ?

・・・・・・!!!
ホイミンはゆっくりと倒れこんでしまった!

「ホイミン!」
「ホイミン!」
「ホイミン!」
僕たちは口々にホイミンの名を呼んで駆けつける!

ホイミンの前には巨大な大理石。
綺麗な碧で構成されている。

様子を見る!ホイミンは体中がボロボロだ!
ピエールが優しく抱き上げる。
「ベホイミ!」

「どう?」
僕が尋ねる。

「助かるかは分からない。だがまだ生きている」
466はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:40:24 ID:lwIP9XB6
コヂュッ!

不気味な音があたりに響く。
・・・響いたけど近い。
近過ぎるよ。
分かるんだもの。どこから音がしたのか。

この大理石。
・・・大理石ではない!
大理石に見えるほど巨大だったのだ!

・・・・・・。
なんてことだろう。

初めて御目にかかった。
噂以上に大きい。
でも・・・でも・・・何故貴方様がこんなところに居るのですか?

・・・スライムベホマズン様。
467書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/02(土) 04:46:28 ID:lwIP9XB6
今日はここまでです。
ちとお待ち下されなんて言っておいて三時間以上もすみません(;´Д`)
長途半端に待ってしまった方がいらっしゃったら頭を地面にこすり付けたいと思います。

実はメールからパソコンにウイルスが・゚・(ノД`;)・゚・
自力で復帰したものの対応に追われていました。
言い訳にもなりませんが理由を説明してただ謝るだけです。
続きはまた明日に。

>>460
久しぶりにメ欄を使ったんで上げちゃいました。
もし待たせていたらごめんなさい。
468名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/02(土) 11:39:24 ID:TSzeDODB
sage
469名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/02(土) 11:40:23 ID:TSzeDODB
間違えた。
続き楽しみにしてます。
470書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 00:36:49 ID:qX6+RYmW
今日は夜中になりそうです。
何も出来なかったけど全板トーナメント接戦の上での勝利おめでとうございます。
471はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:35:23 ID:qX6+RYmW
巨大な体だ。
僕の何十倍とある。
透明な緑色で、頭には光り輝く王冠をつけている。
暗いためよく分からないがその質感は他のスライム族と変わらないだろう。

僕らの間に沈黙が流れる。

「ここにいるのは彼らの手伝いをしていたからです。」
高く丁寧な声が頭に届く。

「しかし良くここまでこれました。余程の運と度胸がおありのようですね。」
「右の道は罠の道。左の道は迷いの道。この場を作った者が止めない限り罠は終わらない。この場を作った者が案内しない限り迷いは抜けられない。」
「私の後にここに来たこと。右の道を選んだこと。それらの偶然がないとここまで来れなかったでしょう。」

なんという優しい目だろう。
再びの沈黙・・・。

「ホイミンを傷つけたのは貴方様ですね?」
ピエールが尋ねる。

「はい。戻らないという私の意見が聞き入られなかったため。私の行動を終えるよう言ったためです。」
スライムベホマズン様は淡々と喋っていく。

「彼らの手伝いを止めないならば我々わなければなりません!」
ピエールが剣の柄を握って告げる。
472はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:35:56 ID:qX6+RYmW
「・・・お止めなさい。どこの方かは存じませんが、貴方の主はキングスライムのはずです。私に勝つには全盛期の貴方の主に勝てる実力が無くてはいけません。このままホイミンを連れて帰るべきです。」

ピエールが黙ってしまう。
しかし柄は握ったままだ。

「・・・待って・・・みなさん。・・・僕が話すから。ベホズン。・・・僕たちの代表。連れ戻すまでは帰れません。」
ホイミンが立ち上がる。

ベホズン様の前へ歩きながら続ける。
「・・・化け物の話を聞いた時点で・・・まさかと思いました。この地で貴方の痕跡を見つけてより強く予想しました。・・・化け物の雄叫びを聞いて確信しました。・・・貴方はここにいると。」

ベホズン様の前に立つ。
「さあ帰りましょう。皆が待っています。」


次の瞬間ホイミンは猛烈な体当たりを受け吹き飛ばされてしまった!

「ホイミン!」
スタスタが受け止める。

「仲間ではないのですか!」
僕はつい怒鳴りつけてしまった。

ピエールが剣を抜く。僕も戦闘体勢に入る。

「待って・・・。待ってください・・・。まだ話は終わってないんです・・・。」
473はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:38:18 ID:qX6+RYmW
ホイミンが再び僕達の前に立つ。
「なんで・・・彼らに協力するのですか?・・・彼らがどんなに酷いことをしているか知ってますか?」

ベホズン様が答える。
「ホイミン。私はあの方が大好きだった。あの方を助けたいのだ。例えそれが世界の終わりを告げることであろうとも。」

ベホズン様はどこか悲しげだ。
「最初は友だった。いや旅の間、私は一番の下っ端だった。あの方が悪の限りを尽くした時、そういう方だと納得した。あの方が封印された時、そんなことは納得できなかった。」

ホイミンが悲しそうな顔をするが話は続く。
「しかし自分から助ける気はなかった。仕方のないことだと理解できてたからだ。平和を守ることの大切さも分かっていた。そしてあの方のやった悪事自体を認めることは出来ない。しかし彼らが現われた時、私の心は動いた。」

ホイミンが返す。
「それでも・・・僕たちには貴方が必要です。」

「仲間を連れて帰りなさい。貴方を亡くしたくはありません。」

「もう・・・もう協力したのならば、それでいいではありませんか。あとは・・・任せて結果を見守ればいいではありませんか。」
474はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:46:00 ID:qX6+RYmW
「この場所はグランスライム様とともに戦った者ならば皆知っている場所です。しかし彼らのもう一つの探し物の場所はグランスライム様しか知らない。私はここでその場を探さなくてはならない。」

ホイミンが更に一歩進む。
「そんなことより森の収穫が始まります。」

ズギュ!
先ほどよりも更に激しい体当たりがホイミンを襲う!

「くっもう我慢できん!私は闘うぞ!ホイミン!」
ピエールが叫ぶ。

ホイミンはまだ立ち上がる。
「だ・・・だめです・・・。僕が説得しますから・・・。さあ帰りましょう・・・ベホズン。」

ボヨン ボヨン!

ベホズン様が二歩前に出る!

「二人とも!行くぞ!」
ピエールの声に合わせて僕とスタスタは飛び掛った!

「パルプンテ。」
ベホズン様が何かを唱える。

・・・。
・・・・・・。

次の瞬間目の前からベホズン様が消えていた!
えっ馬鹿な一瞬でどこへ!?
475はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:48:05 ID:qX6+RYmW
「よっ・・・良かった。」
僕達の隣でホイミンが座り込んでいる。

???
ホイミンは後ろに居たはずでは・・・。

「今の呪文の名はパルプンテ。奇跡を起こす。ホイミンが止めなければ攻撃するところでした。」
後ろから声がする。

ホイミンが代わりに続ける。
「三人の・・・時間が、くっはあはあ・・・止められていたんです。」

続けてベホズン様だ。
「この呪文は何が起こるか分からない。良いことも起これば悪いことも起きる。しかし私は余程運がいいのか。ここ数年悪いことが起こった試しがない。」

ホイミンが言う。
「スライムベホマズン族は身体能力的には並のモンスターと変わりません。・・・しかし他のモンスターでは扱えない強力な呪文を使えます。」

「普通に戦ってはダメということだね。」
スタスタが応じる。

ホイミンが歩き出す。
「僕が・・・止めます。」

ベホズンがホイミンを見つめる。
「そろそろ諦めるんだ。私の気持ちは変わらない。もしこれ以上立ち上がるというのならあの呪文を唱えなくてはならない。」

ホイミンの声が大きくなる。
「僕は貴方が大好きなんです!絶対止めます!」

ベホズン様は容赦なく呪文を唱えた。
「ドラゴラム。」
476はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:49:33 ID:qX6+RYmW
巨大な煙幕が上がり次第に晴れていく・・・。

・・・すごい。
目の前に巨大なドラゴンが現れる。
初めて見た。

ドラゴンの尾がホイミンを捕まえて締め付ける!
「うわあああああああああああああ!うぅっ信じてます!僕たち!僕たちが選んだんですから!」

「ホイミン!」
ピエールが駆けつけようとするがドラゴンの前足に阻まれる!

ドラゴンはそのまま尾を空中へ高く放り投げた。

「なんてことっ!」
ピエールの声だ。
僕達も左右からドラゴンに近づく。

ホイミンが小さな声で呟く。
「お願いです・・・。目を覚ましてください・・・。」

ドラゴンが大きく息を吸い込んだ!
激しい炎が僕たち三人を襲う!
なんだ!この炎は!今まで受けた炎と違いメタル族を傷つける何かがある!

あっ・・・。
僕は炎を受けながら見てしまった。
なんとホイミンが炎の中に落ちていく。
あまりにも無防備だ。
477はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:57:29 ID:qX6+RYmW
そして辺りに響く嫌な音。

「ホイミーーーン!くっピエール伏せて!ベギラゴン!」
僕がベギラゴンを唱える!

ベギラゴンが炎をかき消す!
倒れこんだホイミンへ駆けつける。
真っ黒こげだ!

「ベホイミ!」
ピエールが呪文を唱える。

しかし・・・傷が癒えない!
もう一度ベホイミ!
更にもう一回!
もう一度!

・・・・・・。
そんな・・・そんな馬鹿な!
・・・こんな別れ方なんて!
・・・こんな早いお別れなんて!

「何故だ!ホイミンは貴方のためにここまで来たんだよ!貴方が居なくなってずっと探してたんだよ!」
僕はドラゴンを睨みつける。

ドラゴンは微かな煙幕とともに元の姿に戻る。

「貴方の話をいくつも聞いた!ホイミンは本当に貴方のことが好きだったんだ!貴方にはもう『様』なんてつけてやるものか!」
僕は大声で怒鳴った!
478はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 08:59:42 ID:qX6+RYmW
「そうだ。私に『様』なんてつけるな。私は信じてくれる仲間よりも過去を選んだ。私にその資格はない。」

ベホズンはそう言って涙を流した。
「時間を止めたとき。ホイミンは必死に君たちを庇った。私とは戦わないでくれ!」

「ふざけるな!」
僕が言う前にスタスタが叫ぶ!

僕が振り返るが僕のことは見もせずに言葉を続ける。
「ホイミンを殺しておいて言うことがそれか!貴方にはないのは王の資格だけではない!」

ピエールも大声を出す。
「ホイミンの代償は!ホイミンの願いか貴方の命で払ってもらう!」

ベホズンが答える。
「それならば消えて申しかない。」
「パルプンテ。」

今度はなんだ!
時間か!化け物か!他の何かか!

突然上空が現われる!
天井がなくなった!太陽が見える!
太陽が沈み夜になる!

あたり一面に天空から流星が降りそそいだ!

避けられない!
地面にぶつかり爆発する!
痛い!熱い!意識がなくなる!
今まで味わったこもない痛みを受ける!
479はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 09:04:23 ID:qX6+RYmW
ううう。体中が震える。
気を抜くとどこか遠くに行ってしまいそうだ。

・・・ああ。流星が落ちてきたというのに穴一つない。
それどころか天井が元に戻っている。
しかし痛みはくっきりと残っている!
スタスタとピエールも座っているのがやっとだ。

ベホズンがこっちを見つめている。
まずい。今攻撃を受けたら・・・。
いや・・・ベホズンも倒れこむ。

なんて恐ろしい呪文なんだ!

「ベホマズン。」
ベホズンの声だ。
ベホズンが立ち上がる。

「・・・みんな・・・無事か。いま・・・回復の呪文を・・・。」
ピエールの声だ。

ベホズンが一歩前に出る。

・・・ごめんホイミン。
願いを叶えることも仇を打つことも出来なかった。

「ベホマズン。」
えっ?
一瞬聞き間違えかと思った。
しかし僕達の傷が癒えていく。
480はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 09:08:38 ID:qX6+RYmW
「なんで?」
しかし僕の疑問には答えずベホズンはホイミンへと近づく。

「この程度の破損ならば・・・いや・・・五分五分といったところか。」
「ザオリク。」

このまぶしいまでの光は!?
そして今の呪文は僕でも知っている!

「ホイミン!」
ピエールが駆けつける。僕とスタスタもだ。

ホイミンがうっすらと目を開ける。
「ホイミーン!」
「やったーーー!」
僕とスタスタが声を上げて抱きつく。

「何故?あれほど拒んだのに。」
ピエールが何か喋っているが僕とスタスタの耳には届かない。

「悪いことが起きたのは久しぶりだった。最後に悪いことが起きたのはあの方を見捨てた時だった。今私は大切な友を見捨てていたのだ。」
「私の守るべきは過去ではない。そう考えたらホイミンに何と愚かなことをしてしまったのか分かった。ホイミンすまない。本来は君の言葉で目を覚ますべきだったのに。」

ホイミンは何も言わずにベホズンに抱きついた。
僕もスタスタもピエールもベホズンに再び『様』を付けるべきなのか分からなかった・・・。
481書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/03(日) 09:10:03 ID:qX6+RYmW
結局午前中に投稿してしまいましたorz
あんなことするからか。

続きはまた来週にでも。
482名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/05(火) 18:06:19 ID:vJesQx07
おつかれアンドほしゅ
483名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/05(火) 19:11:38 ID:CzgZOrdO
はぐれメタルって流動体なの?
今までずっとあの形で固まってると思ってたよ。
484名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/07(木) 21:00:12 ID:bGrmYK61
リメイク5に至っては気体と化している
485名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/09(土) 22:50:44 ID:DcqmXIbl
バブすけほしゅ
486名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/13(水) 21:15:50 ID:RF7QQZPW
ほしゅ
487名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/14(木) 22:12:37 ID:l1EZ3JMU
このスレまだあったんだあ
支援sage!
488名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/04/15(金) 21:59:12 ID:TWJp9SqX
ほしゅ
489書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/16(土) 23:56:32 ID:RQddyGin
明日の朝までに書く予定っす。
490名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/16(土) 23:58:18 ID:5cmWldyA
無理せずがんばれ
491書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 00:16:05 ID:3lNz/pUS
心配サンクスです。
しかし間空き過ぎなので頑張ってみます。
492はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:17:50 ID:3lNz/pUS
四十日目。明け方。
辺りは静寂に包まれている。
大きな爆発音が当たり一面に響き渡る。

そうか。僕は既に・・・。
爆発音を聞いてピエールが駆けつける。
「敵か!」と聞くが僕とマグマンは首を横に振った。

『グランスライム様と四匹の王』

この物語には四匹のスライム族の王が登場する。
しかしその王たちは既にこの世に居ない。
話の中ではベホズンというスライム族が登場する。
王ではないが、数少ない物語の生き残りだ。
グランスライム様に協力したものは王・・・いやモンスターにすら限られない。

そのベホズンに僕たちはどう接すればいいのか分からなかった。
ホイミンはベホズンの改心を心の底から喜んでいたし涙まで流していた。
そう。そうなんだ。
ホイミンはあの後元気になった。
本当に良かった。

そしてマグマンたちと合流した。
マグマンたちが言うには両腕を失ったあのホークマンに遭ったらしい。
恐怖に駆られていたメタリンは突然出てきたホークマンに驚いて悲鳴を上げたらしいんだ。
戦闘を重ねて追い払ったあと僕たちの方へ合流しに来たそうだ。
493はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:19:31 ID:3lNz/pUS
ベホズンが言うにはあのホークマンを逃したのは失敗だったみたい。
何でも彼にもう一つの探し物のヒントを与えた直後だったのらしいだ。
彼は連絡係でベホズンは更なるヒントをここで探す予定だった。
ホークマンが知っているヒントは
「土の中」「海の底」
そしていくつかの条件に該当する場所らしい。

奴らの探し物・・・四つの王に登場する彼の王の封印されし場所はグランスライム様しか知らない。
しかし共に冒険をしていた者はグランスライム様の口から生の声を聞いている。

グランスライム様は始め「人知らぬ土の中に埋めてくる」と告げたらしい。
しかし実際に封じた後は「海の底に沈めた」と言ったことがあるそうだ。
「土の中」であるか「海の底」であるか、その場所はベホズンの知ってる限りで四つしかないらしい。
グランスライム様は封印を解かせる様な失敗はしない。
もしかしたら人知れぬ秘境かもしれないが、それでもベホズンの知る範囲はそのほとんどをカバーしているという。
なぜなら容易に人が近づく場所では問題があるからだ。

僕たちはこの遺跡・・・そこまで古くはないのだが遺跡と呼んでみようと思う・・・について情報を求めた。

この遺跡はグランスライム様が例の王の家来たちを封じた場所だという。
そして王を封じた後にその封印を解く鍵を隠した場所でもあるらしい。
この遺跡自体は奴らがベホズンと合流した時点で知られてしまっていた。
しかし迷宮を探すこと、鍵自体を探すこと、家来達の封印を解くことが必要だったため、ごく最近までここを探索していたらしい。

これでいくつかの謎が解けた。

スタスタが見た化け物は何故現われたのか。
鍵を探した時の副産物とは何なのか。
邪悪な騎士たちはどこからやって来たのか。
ゆうぼうは何故直接はぐメタに挑んでこなかったのか。
メッサーラたちやシュプリンガーは何を隠していたのか。
・・・そしてどれだけ奴らが目的に近づいているのかということも。
494はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:21:35 ID:3lNz/pUS
僕たちはこの遺跡を調べた。
ベホズンと会った部屋はとても大きな部屋で、真ん中に台座があった。
ベホズンが言うにはここをいじれば罠の動作を決めれるらしい。

部屋の一番奥には四つの台座があった。
左に二つ。真ん中は砕けた小石が散らばっておりその右に更に二つ。
僕たちには読めない言葉が刻んであって名前や呪文の言葉が書かれているらしい。
禁断の呪法ということだろうか。

ベホズンは王ではないので直接封印には立ち会わなかったが、この封印には一週間かかったという。

更にベホズンに案内をしてもらった。
この部屋には隠し部屋があったそうだ。
しかし今はそこになにもなかった。
当然だ。そこに封印を解く鍵となるものがあったのだから。

その鍵は漆黒の玉の様なもので魔力がこもっているらしい。
もっともその玉は王専用で家来達には関係ない。
家来達の封印は時間が有れば解けるものだったそうだ。
その封印を解く作業も時間が掛かったことに一枚噛んでいたみたい。

そこまで探索したところで僕たちはこの遺跡を出た。
遺跡は細かい所まで調べつくした。
しかしベホズンが時間を掛けて調べたこと以上は何も見つからない。
外はもう夜になっていたが時間を掛けて探索したので仕方ないのかもしれない。
495はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:40:00 ID:3lNz/pUS
ベホズンは僕たちに力を貸してくれるという。
奴らに与えた情報と同じ情報を僕らに与え、罪滅ぼしに奴らを止めるというのだ。
僕は信用していいのか分からなかった。
そう簡単に改心するものなのか疑問があったからだ。
しかしホイミンは喜んでいる。またベホズンはベホズンでホイミスライム族の代表として溜まった仕事をどれから片付けるか相談している。
僕はベホズンの改心した理由がホイミンの決死の説得だったなら納得していたのだろうか。
もしかしたらしていたかも知れない。
だとしたら僕はもしかしておバカさん・・・なのかなぁ?

僕はベホズンの協力は必要不可欠だと思った。
そしてホイミンを助けてくれた。
今までの話にも信憑性があった。
いつか「様」を付けれるその日が来ることを信じて仲間に加えようと思う。

そして昨日はホイミンとベホズンの故郷を中心に話をしながら食事を取って寝た。

僕の元にスタスタがやってくる。
どうやら眠っていた者も起こしてしまったようだ。
他の者は待機しているらしい。
何もなかったことを告げてスタスタにみんなを安心させてもらう。

溜息をついた僕をマグマンが突っつく。
ピエールは離れたところに歩いていく。
496はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:41:22 ID:3lNz/pUS
更に数時間が経つ。
昨日の内に話し合っていたことがある。
最後に僕の「あの村」に立ち寄るかどうかだ。
ゆうぼんとの約束を守るかどうかとも言える。

僕もピエールも通らずにそのままメッキーさんとの約束の場所へ行くつもりだった。
しかしベホズンは絶対に行った方が良いという。
両腕を失ったホークマンは今日の傷が癒えればその村を再度襲うかもしれないからだそうだ。
ベホズンから見てもあのホークマンはどこかおかしかったらしい。
僕たちに復讐するためなら何をしてもおかしくないという。
そしてあの村のことを仕切りに言っていたらしい。
もっとも怪我が癒えなければ襲うことはないと言う。
もしそうならマグマンが戦ってくれたおかげで時間が稼げたことになる。

僕とピエールはこっそり立ち寄るという結論に達した。
村のメタルスライムたちに会いに行くつもりはない。
かと言ってベホズンの意見も間違ってないかもしれないからだ。

僕たちは遺跡を出た。
移動を考えると行動できる時間はあと一日しかない!
497書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/17(日) 05:43:51 ID:3lNz/pUS
連続投稿に引っかかってしまいました。
久しぶりです。間が空いてすみません。

もう少しで切のいいところまで終わりそうです。
次は今回遅かった分ある程度早く。
それでは。
498名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/17(日) 23:53:55 ID:xW+DKI4x
乙&保守
499書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/20(水) 22:44:27 ID:48njGeNF
自己保守
500名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/20(水) 22:45:16 ID:XCWQMekr
たまにはageとく?
501名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/21(木) 21:46:33 ID:D1jO9P38
ホシュアゲ
502書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/21(木) 23:04:45 ID:uTa0B3ib
すぐにレス貰ってたとは気づかなかったorz
それでは1000に近くなったら上げる方針でどうでしょう。
503名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/21(木) 23:55:36 ID:D1jO9P38
サンセーイ
504名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/22(金) 01:30:19 ID:FwtF/NsU
OK
505名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/24(日) 09:42:04 ID:O13oH3CO
保守
506はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 02:27:10 ID:QSm09SsO
僕たちは村に向かって走っている。
しかし一つだけ問題が起きてしまった。
ホイミンとベホズンの足が遅いことだ。
このスピードでは村に寄っていてはメッキーさんとの約束の場所へ間に合わない。

「私たち二人は置いていってくれ。」
ベホズンが言う。
だけど二人だけにするのは問題がある。
ベホズンは一度ホイミンの命を奪っているからだ。

「二人だけで話したいこともある。」
ベホズンは付け加えた。
・・・二人のスピードに合わせていては村に寄る余裕はない・・・だけど。

僕が悩んでいるとピエールが返事をした。
「わかった。先に行こう。村で落ち合うことにする。
 貴方はホイミンを救った。今から襲うのならば救う意味がない。」

不安だけど仕方ない。事実こうするしかないのだ。
僕はホイミンに「・・・気をつけて。」と言って先を急いだ。

村に奴らは居るのだろうか。
いるのならばみんなは無事だろうか。
ゆうぼんは?
507はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 02:27:42 ID:QSm09SsO
僕たちは全力で進み、昼には村に辿り着いた。
村はシンとしている。
メタルスライムたちはどこへ行ったのだろう?
もしかしてもうやられちゃったのだろうか?

僕は静かな村を見て少しずつ不安を実感してきた。
まさか二度も何もないこんな村を襲うとは思えなかったからだ。
しかし・・・あのホークマンの私怨ならば考えうる。

僕たちは口々にメタルスライムやゆうぼんの名前を呼ぶが返事がない。

しばらくすると草のざわめきが聞こえた。
誰かがこっちにやってくる。

!?
やって来たのはこともあろうか両腕のないホークマンだ!
僕はホークマンを睨みつける。

「そう睨みつけるなよ・・・。一箇所に集めただけでまだ手は付けてねえ。」
そう行って飛んで行く。
僕たちはそれを追いかける。

空から声がする。
「おまえらには必死に走り回った上で死んでもらう。あいつらを俺たちから守ってもらおうか。」

広場にメタルスライムたちが集っている。
ゆうぼんもいる。
いつぞやのネバネバな糸で身動きが取れてない。
手にの金槌を持っているホークマンが四匹だ。
・・・数が少ない。隠れてる!?
508はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 02:29:27 ID:QSm09SsO
「くくく。少ないと思ったか。俺はゲームを楽しむんだ。ただじゃ死なせねえ。
 見ての通りこいつらは動けない。おまえらにはこいつらを守りながら戦ってもらう。
 俺の恨みはただ嬲り殺すだけじゃ晴らせねえのさ。
 かすかな希望を与えて奪う。これが一番心を癒す。」

そういうと両腕のないホークマンはメタルスライムたちの先頭に立った。
四方を金槌を持ったホークマン詰めている。

「時期合図が来る。おまえらではあのお方には勝てない。お前達の全滅の時だ。」
そう言ってホークマンが太陽を見上げる。

僕たちも釣られて太陽を見上げる。
何か黒い影が急降下している。
あの影は良く覚えている。
まさか・・・相手はホークマンだけではないのか!

猛スピードで僕たちの背後に一匹のモンスターが降り立つ!
ホークブリザードだ!
着陸した勢いで羽から風が巻き起こる!

!!!
なんともう既に息を吸い込んでいる!

「さあゲームスタートだぜえ!!!」
ホークマンの叫び声がする!
509書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 02:36:35 ID:QSm09SsO
保守ありがとうございます。
今回は遅くてごめんなさい。
予定宣言はどんどん自分の信頼を落としてくだけなのでこれできっぱりと止めます。

昔やってた三〜四レス毎日制に戻させてください。
それと正式に1000近くなったらageると言うことでお願いします。
510名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/04/28(木) 20:48:55 ID:1lUo2fDK
きゃーはぐりーん!!
511はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 23:10:45 ID:hSc/B2Bl
「みんなーーー!メタルスライムたちをお願い!ベギラゴン!」
僕は捲くし立てて呪文を唱えた!

ビュ〜ッ!

輝く息が僕を襲う!
この息で僕に痛みが残ることはない!
しかし美しく、そして輝くほどに冷たい息は、閃熱を奪い僕の体をも氷で包んでしまった!

ガキゴキ・・・!

「ベギラゴン!」
僕は氷を溶かし周りを見渡す!

ホークマンの叫び声がする!
「くくっバカめー!特技が使えるのはあの方だけではないのだぞーーー!バギクロス!」

「イオナズン!」
スタスタの声だ!

「そ〜れ!行くぞ!一匹目!」
他のホークマンの声だろうか!
竜巻と爆炎の相殺で様子が分からない!

「させるかーーー!」
ピエールの声だ!
512はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 23:13:40 ID:hSc/B2Bl
ガキィン!キィン!
金属の響く音がする!

僕はホークブリザードに目を戻した!
ホークブリザードは再び息を吸っている!

「くっベギラゴン!」
僕は呪文を唱える!
「ベギラゴン!」
もう一つ声がする!
スタスタだ!

息を閃熱が押し戻す!
ギリギリの所で打ち破った!
これは・・・もう・・・二発でも防げるかどうか断言できない!

「スタスタ!」
僕はありがたい様な困った様な声を出した。

「はぐりん!こっちは任せて!僕の方が戦い慣れてるから!」
・・・そうだ。スタスタは一度こいつと戦っている。
僕がメタルスライムたちを助けた方がいいかもしれない。

「分かった!」
僕は後ろを真っ直ぐ振り返って走り出した。

ピエールが二匹のホークマンを相手している。
マグマンとメタリンが一匹ずつだ。
僕の前には両腕を失ったホークマンが待ち受けている!
513はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 23:15:29 ID:hSc/B2Bl
前回とは違う。
全員守りきってみせる!

「ベギラゴン!」

「バギクロス!」
閃熱は竜巻にかき消される!
いや!閃熱を纏った竜巻が迫ってくる!

「イオラ!」
勢いの弱まった竜巻は爆風でかき消される!
僕は爆風に隠れてホークマンに近づく・・・。

「ベギラゴン!」
僕はホークマンの真横を取った!
しかしホークマンも簡単には倒れてくれない。
翼を広げギリギリのところで空を飛ぶ。

「ふん!貴様はこのくちばしで貫いてやる!」

・・・いやいい!
僕は腕なしのホークマンを無視してメタリンの方へ向かった。
メタリンと戦っているホークマンは僕に気づいて体勢を整える!
だが遅い!
「ベギラゴン!」

メタリンごとホークマンを焼き払う!
514書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/28(木) 23:18:15 ID:hSc/B2Bl
今日はここまでです。
少しキリが悪いですが続きはまた明日。
ただ明日は帰りが遅くなるかもしれないので
見れるのは明後日の朝になるかもしれないです。

それと「」の使い方を前回から少し変えました。
統一されてなくてすみません。
515はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/30(土) 03:30:11 ID:cV7vGeGI
「貴様!」
腕なしのホークマンが僕の方へ向かってくる。

「イオラ!」
砂埃を上げて次はマグマンの方へ向かう。

「はぐりん!いいところへ来たぜ!ベギラマ!」
マグマンは金槌を避けてホークマンを吹き飛ばした!

「ベギラゴン!」
僕の閃熱が更にホークマンを襲う!

あと二匹!
僕はピエールの方へ向かう。
メタリンやマグマンと違ってベギラゴンに巻き込むわけには行かない!

「ピエール!一匹こっちに吹き飛ばして!」

ピエールは一匹に斬りかかる!
狙われたホークマンは大きく距離を取って離れる。
もう一匹のホークマンがピエールに金槌を振り下ろす!
ピエールは剣先で金槌の鉄塊と柄の間を弾く!
そのまま金槌を避けてホークマンに手を向けた。

「イオラ!」
ホークマンが僕の方へ吹き飛んでくる!

「ベギラゴン!」
僕はそのホークマンに合わせて呪文を唱えた!
516はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/30(土) 03:33:36 ID:cV7vGeGI
ピエールにもう一匹のホークマンが襲い掛かる!
しかし僕が声を掛ける間もなくピエールは振り返った。
そしてそのままホークマンを切り捨てる!

ぼくたちはメタルスライムたちを中心に陣形を組んだ。

スタスタが僕たちの方へ走ってくる。
所々怪我している。
凍り付いている部分すらある。
やはり一人で戦うには厳しい相手なのだ。

「ベギラマ。」
「ベホイミ。」
僕とピエールはそれぞれ呪文を唱えた。

「危なかった。はぐりん。やっぱりあいつはつよいよ。気を付けなくっちゃ。」

「ううん。一人でありがとう!」

これで随分と余裕が出来たはずだ。

ホークマンがホークブリザードの隣に立っている。

「おまえら。予想以上にやるじゃねえか。
 こうもあっさり奪われるとは思わなかったぜ。
 だが最後に笑うのは俺様だ。
 メタルスライムたちを庇いながらこの方の相手が出来ると思うなよ。」

ホークブリザードが前に出る。
ホークマンは様子を窺っている。

ホークブリザードは再び息を吸い込んだ!
517はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/04/30(土) 03:38:16 ID:cV7vGeGI
「ベギラゴン!」
スタスタのベギラゴンが直撃する!
しかしホークブリザードは耐え抜き微動だにしない。

ホークブリザードはとうとう光り輝く息を吐き出した!

「ベギラゴン!」
「ベギラマ!」
「イオラ!」
「メラミ!」

僕たちも必死に呪文を唱える!
しかし全ての呪文が光の中に吸い込まれていく!
防ぎきれない!

僕たちは輝く息を受けてしまう!
随分と相殺されているが温度は変わらない!
目の前が真っ白だ!体の一部が凍りつく!

「ぐっ!」
マグマンの声だ!
やはりマグマンには堪えてしまう!
ピエールも辛そうだ!
あれだけ威力を落としたはずなのに!

ああっ。それどころかホークブリザードが居ない!

「ベホマラー。」
上空から声がする!
優しい光に包まれながらホークブリザードが急降下した!

ズガン!
518書き手  ◆F/WveZadCU :2005/04/30(土) 03:43:05 ID:cV7vGeGI
今日はここまでです。
明日は他にやりたいことがあるので
またこのくらいの時間になるかもしれません。
それでは。
519 ◆q4IPTR0XGE :2005/04/30(土) 03:57:38 ID:I3XJQ53A
乙です(・∀・)
520はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/01(日) 02:57:28 ID:XL4DBAZK
そんな・・・そんな・・・。
スタスタがくちばしで貫かれてしまった!

「スタスター!」
僕は叫び声を上げて飛び掛る!

「ベギラゴン!」

ホークブリザードは閃熱に包まれるが踏みとどまっている!
そしてそのままスタスタを空高く放り投げてしまった!

「いかん!」
ピエールが空高く舞い上がり受け止める。
しかしその直後光り輝く息が二匹を襲った。

「やめろーーー!」
僕はホークブリザードの首に体当たりをして息をそらした!
ピエールたちが倒れこむ!

「はっはっは!だから言ったろう!
 全滅の時だとな!
 メタルスライムの散り様を最後に見ておけ!」
様子を見ていたホークマンが飛び上がった!

「マグマン!メタリン!二人をお願い!」
僕はホークマンを追いかける。

「ベギラマ!」
マグマンの声だ。凍結を解いたのだろう。

ホークマンがメタルスライムの前で振り返った!
「貴様にこの呪文は打ち破れまい!バギクロス!」
521はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/01(日) 02:59:33 ID:XL4DBAZK
さっきベギラゴンで返そうとしたら返せなかった!
だけど!
僕は・・・僕はもう・・・既に・・・。

「イオナズン!」

バギクロスが爆音と共に相殺される!

「バッバカな!貴様いつからその呪文を!」
僕は問には反応せずホークマンに近づいた!

「イオラ!」
ホークマンが吹き飛ぶ!

僕はホークマンに呼びかけた!
「僕は絶対に守るって約束したんだ!
 その時から君はもう僕の相手じゃないんだ!
 こんなこともう止めてどこかで平和に暮らしてよ!」

ホークマンが立ち上がる。
・・・!?
涙を流している?
血の涙!

「ふふふふざけるな!貴様!
 貴様に分かるか!腐った屑鉄どもに両腕を奪われた俺の気持ちが!
 たかが屑鉄に!・・・屑鉄にだぞ!
 平和に暮らせだと・・・!
 この両腕でどうやって暮らして行けと言うんだ!」

「でも僕だって守らなきゃならないんだ!」
522はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/01(日) 03:03:12 ID:XL4DBAZK
「俺はなあ〜!俺はなあ〜!
 俺はなあ〜・・・殺してやる!
 そうさ!おまえら屑鉄を全部殺してやる!」
ホークマンは僕に向かってくる!

手を抜くことは出来ない。
僕は君が敵だって知っている!
「振り返ってくれても良かったんだ!」

「イオナズン!」

ホークマンは爆発に巻き込まれて倒れこんだ。

僕はホークブリザードの方を振り返った。

・・・くっ。
スタスタは気絶している。
ピエールが回復呪文を唱えている。
マグマンはたった今倒れこんだ。
メタリンが襲われている。

このままじゃ全滅だ!

僕は一目散にみんなの方へ走り出した!
523書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/01(日) 03:09:30 ID:XL4DBAZK
今日はここまでです。
明日も(ry
すみません。
524はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/02(月) 05:25:54 ID:HqAJz0Of
ホークブリザードのくちばしがメタリンを襲う!
ギリギリのところで避けるがこのままでは当たってしまう!

ピエールは自分の治療をしている真っ最中だ。
今までスタスタの治療に時間を掛けていたんだろう。
スタスタとマグマンは意識がない。
マグマンの負傷がその頑張りを物語っている。
輝く息相手では辛かったろうに。

危ない!
ホークブリザードの一撃がメタリンを軽くえぐる!
少しずれていたら砕け散っていたかもしれない!

「うわわわわわわ!」
メタリンの声だ。
震えている!

ホークブリザードが再度攻撃する!

「ベギラゴン!」
僕のベギラゴンの方が早くホークブリザードを熱する!
しかし聞こえるあの呪文。

「ベホマラー。」
525はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/02(月) 05:28:01 ID:HqAJz0Of
あたり一面に優しい光があふれ出す。
しかしその光は僕たちを救うことはない。
ホークブリザードを包むのだ。

ホークブリザードはそのままメタリンを襲う!
貫かれることはなかったものの弾かれて木に激突する!
起き上がるメタリンを更にホークブリザードが追撃する!

「うわっうわっうわああああああ!もうやめて!助けて!」
メタリンは全速力で逃げ出してしまった!
くっ。とうとう一対一に・・・。
だがこっちの方が帰って良かったのかもしれない。

いや・・・一人こっちに加わった。
ピエールが復帰したのだ。

「負けられないぞ、はぐりん。私たちは今負けられない。」
そういって僕の頭を撫でる。

そろそろ疲れが噴出してきた。
しかしピエールの一声が疲れを癒す。
いやいや勝つまでは疲れたなんて言えないぞ!

「イオナズン!」
大爆発がホークブリザードを吹き飛ばす!
526書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/02(月) 05:28:43 ID:HqAJz0Of
今日はここまでです。
昨日と同じコメントになります〜。
527名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/02(月) 17:10:50 ID:lRa3XxNn
キャー
528名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/05/02(月) 21:02:42 ID:F5GCh4i2
ホークブリザド強うい
529名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/03(火) 00:45:40 ID:h9lG8omv
ああ…バブすけ一筋だったのに…
ピエール様ステキ…
530はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/03(火) 05:22:06 ID:srClnRxn
よし!
初めてホークブリザードの体勢を崩した!
絶好のチャンスだ!

「私が行く。援護してくれ。」
ピエールがホークブリザードに斬りかかる!

ホークブリザードは起き上がり瞬時に一歩引く。

スパン!パン!
二度身を斬る音!
しかし浅い!
ピエールが更に追い討ちを掛ける!
僕はホークブリザードの左に回る。
呪文でピエールを巻き込まないためだ。
ホークブリザードが息を吸い込むが、その前にピエールの一撃が胸元を切り裂く!

ズバッ!

おびただしい出血と共にホークブリザードが倒れこむ!

「もらった!」
ピエールが剣を振り上げる!
狙いは首だ!
しかし同時にホークブリザードがくちばしを開く!

今が援護の時だ!

「イオナズン!」
ホークブリザードが輝く息を吐くと同時に吹き飛ぶ!
ピエールの剣はホークブリザードに届かないが輝く息もまともに受けない!
531はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/03(火) 05:23:23 ID:srClnRxn
ピエールは凍った肩を払いつつ僕に声を掛ける!
「行くぞ!はぐりん!いい援護だった!」

もしかしたら今ホークブリザードを切り捨てることが出来たかもしれない。
しかしあの息をまともに受けるのは危険すぎる。
次で止めをさせればそれが一番だ!

「くらえっ!ベギラゴン!」
自分でも分かる。呪文を唱えられるのも後少し・・・。

閃熱に包まれながらホークブリザードが飛び上がる!
しかしピエールも舞い上がる!
狙いは片翼だ!

スパパン!
片翼にクロスの大きな傷をつけた!
そしてピエールは地面に降り立つ!
落ちてくればピエールが止めを刺すだろう!

ああ!
なんてことだ!
ホークブリザードはこれだけの傷を受けながらも上昇を続けている!
片方の翼がうまく機能していないというのに!

それだけではない・・・。
「ベホマラー。」
回復呪文が三度目の輝きを示す!
532書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/03(火) 05:25:56 ID:srClnRxn
明日は割と早めになります〜。
533はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/04(水) 04:16:08 ID:SICCTK1D
翼も綺麗に治っている。
ホークブリザードはそのまま上昇を続けて太陽を背に姿を隠した。
真南から西に近くなった太陽にだ。

「来るぞ・・・。」
ピエールが剣を構えなおす。

急降下をして僕に襲い掛かってくる!
僕は持ち前の素早さで攻撃を避ける。
気を抜いたらあのくちばしに貫かれてしまうだろう!

ホークブリザードが通った後には冷たく強い風が吹く!
危うく体勢を崩してしまうところだ。

ホークブリザードは更に空中に上がり大きく円を描く!
再びスピードをつけて降下してくる!
今度はピエールが狙いだ!

ズガッ!

ピエールは避け切れなかった!
いや避けもしなかった!?
わき腹を貫かれてしまった!

「ピエール!!!」
僕が叫ぶ!

ピエールはそのままホークブリザードを押さえ込む!
534はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/04(水) 04:16:48 ID:SICCTK1D
バシュ!

そしてホークブリザードの胸元に深く剣を突き刺した!

「やっと捕まえたぞ!イオラ!」
捕まえていた手から爆発が起こる!

ホークブリザードが初めて苦悶の表情を見せる。

しかしホークブリザードはそのまま翼を広げる!
まずい!
飛ぶ気だ!!!

このまま飛び上がったらピエールが危ない!
既に少し上昇している!
僕はホークブリザードの真下へ進む!

「イオナズン!」
大爆発でホークブリザードが体勢を崩す!
ピエールがくちばしから落ちて叩きつけられる!

僕はピエールに駆け寄ろうとするが、ピエールは手を向けて待ったを掛ける。
そうか。
ホークブリザードを攻めろという意味だ。

「イオラ!」
僕は爆風を地面に起こして風圧で飛び上がる!

ピエールが傷を付けたのは・・・あそこだ!!!

「イオナズン!!!」
大爆発がホークブリザードを襲う!
535書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/04(水) 04:17:32 ID:SICCTK1D
今日はここまでです。
昨日と同じ時間orz
明日は休ませてください〜
536名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/05/05(木) 16:55:43 ID:8yLAGlNc
hosyu
537書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/06(金) 05:39:06 ID:YSIMa3OX
すみません。
しばらく休ませてください。
本当は今日でキリのいいところまで終わらせたかったのですが、間に合いませんでした。
一週間ほどお願いします。
538名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/06(金) 06:32:29 ID:anJ2RUue
乙。無理せずに。
539名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/05/06(金) 23:42:54 ID:pT2OzEyo
ちゅん

出てくるかな?
540名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/07(土) 04:39:49 ID:1IfcixMk
ログ読み返してみた。アーサーかっこいいよ、アーサー(*´Д`)ハァハァ
541名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/09(月) 02:48:14 ID:VbZpwDTE
保守
エイプリルフールの話のときに、アーサーやサスケにはぐりんたちは再会できたのかな?
542( ・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/10(火) 02:03:59 ID:Mmm2h3BL
最近、この板のスレが消えまくってるから保守。
543名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/11(水) 00:53:45 ID:wep8/vt/
気長に待ちます。
544(・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/12(木) 03:24:45 ID:o2aQKQAq
保守
545名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/12(木) 17:51:02 ID:NWjk6Mo+
ほしゅー
546(・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/13(金) 03:24:53 ID:skPTNJn4
保守
547(・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/14(土) 02:25:03 ID:n3PWvFpT
保守
548名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/14(土) 03:18:17 ID:4wuwUt/Q
549名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/14(土) 20:43:25 ID:FY5KAMYP
550名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/16(月) 01:38:57 ID:MB2ndxn2
保守
551名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/16(月) 09:34:28 ID:YuNg0AWz
ドラクエシリーズで一番好きなのは?第2弾
http://www.37vote.net/ffdq/1115894081/
552名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/16(月) 18:16:49 ID:Hr1lW3sc
よかった〜落ちてなくて…
553名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/16(月) 23:15:46 ID:aOcKRjkd
>>541
亀だけど俺は出来たと信じてるぜ
再会したけど最終的にはみんないなくな(ry

保持数が元の700に戻ったようだね
554名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/17(火) 19:33:53 ID:qOOHPoPF
バブすけほしゅ
555名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/19(木) 00:09:51 ID:4stARDYR
もるみ
556(・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/20(金) 02:14:54 ID:+ljs/Yyj
一日書き込みがないときは俺の出番。

保守
557(・谷・) ◆S.E.XaRA6E :2005/05/21(土) 04:54:35 ID:ghllMHQX
書き手さんそろっと復帰してほしいなと祈りつつ保守。
558名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/05/21(土) 09:21:22 ID:QgxD2fOK
きみがたのしーと、
559名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/22(日) 02:38:34 ID:n/8ZqFU1
保守
560はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:09:39 ID:kJZ2Z5+i
ホークブリザードはボロボロになりながら落ちていく。
僕は地面に着地した。

ピエールは・・・後だ。
倒れこんでいるホークブリザードに止めを刺さなければ!

ホークブリザードは力なく倒れこむ。
僕はホークブリザードに近づく。
ホークブリザードは何かを呟く・・・。
「ベホマラー。」

もうたくさんだ!
「イオナズン!!!」

ホークブリザードは暖かい光に囲まれながらも吹き飛ぶ!
僕はホークブリザードを追撃する!
使えるのはあと一発かそれとも二発か・・・!

ホークブリザードは目を光らせて立ち上がる!
この目は・・・命懸けの目・・・生きるために挑むような・・・
全てを捨てたような・・・鈍感な僕ですら分かる・・・伝わってくる!

ホークブリザードは鋭いくちばしを振り回す!
一振りするたびに血が飛んでくる!
早い!
今まで一番早いのではないか!

ズガッ!
561はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:11:54 ID:kJZ2Z5+i
ホークブリザードは吹き飛び木々に激突する!
何ごともなかったように立ち上がる!
だがその目は鋭くも弱々しい!

僕は独り言を言った。
なぜか辺りに響く。
「もう眠っててよ。
 僕はみんなを守りたいんだ!
 この村に住む仲間を守りたいんだ!
 ゆうぼん君を守りたいんだ!
 一緒に旅する仲間を守りたいんだ!
 スタスタも!ピエールも!
 マグマンも!メタリンだって・・・メタリンだって!
 誰とも別れたくないんだよ!
 僕は・・・
 この一撃に全てを賭ける!」

「イオナズンッ!」

ホークブリザードが大きな断末魔を上げた!
木々をつき破る!

まだピクピクと動いている。
意識はない。
放って置いても息を引き取るだろう。
しかし止めを刺さなくては。
僕はホークブリザードに近づいた。
562書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:14:56 ID:kJZ2Z5+i
痛恨のミス。
一文抜けたorz

----

>>560

くちばしが僕の体を貫く!
口の左だ!
ギリギリで!
交わす余裕などない!
最小限のダメージで!

「イオナズン!」

>>561
563はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:18:11 ID:kJZ2Z5+i
「そこまでだ!」
!?
この声は・・・そんなバカな・・・確かに倒したはず。
僕は真後ろを振り向いた。

・・・両腕のないホークマンがボロボロになりながらも立っている!
くちばしには毒針が。
足元にはメタルスライムの子供が。

「ははは!どうした!
 大ガラスが頭蓋骨を盗まれたような顔をしているぞ!
 なんで生きているのかだって?
 簡単だ!
 私は密かに息をしていた!
 意識はなかった!あのまま放っておけは死んでいただろう!
 しかし知ってるか?
 ベホマラーという呪文は味方全てを癒すのだよ!
 この屑鉄を守りたいならじっとしていて貰おうか!」

僕は立ち尽くした。
ピエールがこっちを見ている。
・・・なんとか子供だけでも助けなくては。

「ははは!ブリード様起きてください!これほどの機会はありませんよ!ブリード様!」

「ベ・・・ホ・・・マラー。」

ホークマンの声に呼応するかのようにホークブリザードが立ち上がる。
・・・そんな・・・勝負は決まっていたのに・・・。
僕は悔しくて涙が出てきた。
564はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:20:27 ID:kJZ2Z5+i
「はははははは!このホー!お前のそんな顔が見たかったんだー!」
ホークマンは絶叫する!

だめだ。このまま終わっちゃ前と一緒だ!
守りきらないと!
僕は涙を払う!

背後からホークブリザードが近づいてくる。
僕は後ろを再び振り返る!

「おいおい!分かってるんだろうな!
 手を出せばメタルスライムたちの大虐殺が始まるぜ!」
ホークマンの声があたりに響く!

ホークブリザードがくちばしを振り下ろす!

ガシュ!

僕は体が貫かれ倒れこむ!
しかし目はホークブリザードを見据え次の一撃に構える!
再びくちばしが振り下ろされた!

ズシュ!

僕は攻撃を受けていない!
ピエールが僕を覆い被さって背中を貫かれている!

「ピエールッ!」

「ほらベホイミだ・・・。」
ピエールは何も言わず僕にベホイミをかける。
僕の傷が見る見るうちに癒されていく。
565はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:26:08 ID:kJZ2Z5+i
「おい貴様動くんじゃない!次動いたら屑鉄を刺すぞ!」
ホークマンが激昂する!

ホークブリザードが不思議な動きをする・・・。
まるで踊りのようだ。

「ベホイミ・・・あれおかしいな。私の傷が治らない。変な脱力感がする。
 うん?・・・おいおいへんな顔をするな。私は大丈夫だ・・・。」
ピエールはそういって気絶した。

早く回復しないと命が危ないかもしれない。
傷口から大量の血が僕に流れかかっていく・・・。

ホークブリザードが息を吸い込む!

くっ今輝く息を受ければ二人ともやられる!
攻撃するしかない!
僕たちがやられたらメタルスライムだってやられてしまう!
僕の足に賭けるしかない!
この距離ならやれないことはない!
全員死なせてなるものか!

しかし突然だった。
雑音をなくしたかのように緊張が遮られる。
ゆっくりとはっきりと声が辺りに鳴り響く・・・。

「ザキ。」

ザキ・・・?
566はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:30:15 ID:kJZ2Z5+i
!?
ホークブリザードが倒れこむ。
ゆっくりと・・・音もなく・・・!?

この声は聞いた事がある。
僕たちの中にこの呪文を使える仲間は一匹しかいない。
木の影からメタルスライムが姿を表す。

「ばっばかな!貴様!ばかな!ぶっブリード様!?」

後ろを振り返った!
ホークマンが面食らっている!
僕は全力でその距離を詰め寄った!

「しっしまったーーー!」
ホークマンは身構えるがもう遅い!

「止めを刺さなかった僕が悪い!
 みんな危なくて・・・
 仲間を信じ切れなかったのかもしれない!
 僕が一人でも戦えるところを見せたかった!
 だけどこれでもいい!
 だからこそ僕たちは勝つ!
 イオラ!」

ホークマンが吹き飛ぶ!
僕はホークマンに止めを刺そうと走りかけたが止めた。

袋をあさり、不思議の森を出たときにもらった薬草を掴み取る。
ピエールの傷を癒すのだ。
567はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:34:27 ID:kJZ2Z5+i
ホークマンが立ち上がったようだ。
もしかしたらメタルスライムを人質にとっているかもしれない。
だが頭に血が回って大切なことに気づかないだろう。

僕はピエールの手当てをしながら後ろを振り返った。
ホークマンはメタルスライムを足元に置き僕を睨みつける。
しかしその背後には一体のはぐれメタルが立っている。
ホークマンは後ろを振り返るがもう遅い・・・。

「イオナズン!」

ホークマンの首から上が吹き飛ぶ!
残酷だがこれでもう起き上がることはないだろう・・・。

スタスタがベギラゴンでメタルスライムたちを縛っている糸を焼き払う。
メタリンが僕の方へやってくる。

「ごめん。大切なところで逃げちゃった。」
メタリンの第一声はこうだった。

「なにいってるんだよ!助けてくれたじゃないか!」
僕はそういってメタリンを抱きしめた。

「へへへ。はぐりんが僕を守りたいなんて・・・
 嬉しいこというから・・・飛び出しちゃったよ・・・へへへ。」

・・・。
夜がやってくる。

マグマンが目を覚ます。
ザキで倒したと聞いて目を丸くする。
ひどいなーメタリンは強いんだぞ・・・ぷんぷん・・・たぶん。
568はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:35:55 ID:kJZ2Z5+i
ホイミンとベホズンが合流して僕たちの手当てをする。
ピエールも一命を取り留めた。

大切なことが残っている。
僕たちはメタルスライムたちに囲まれたのだ。

なにを言われるかは分かっている。
お礼の言葉じゃない。
僕たちが迷惑を掛けてしまったからだ。

「まずはお礼が言いたい。助けてもらった。
 ありがとう。
 しかし彼らは流動型のメタルスライムを狙っていた。
 やはり君たちは不幸を呼ぶのかな。」

ゆうぼん君がうつむいている。
両親が青くなっている。

ゆうぼん君たち家族がより辛い目に遭うかもしれない。
そう思った。

ゆうぼん君が僕の前に走ってくる!
「僕を連れてって!」

僕よりもずっと小さい。
旅なんて無理だ。
それもこれから進む先は地獄に違いない。
僕だってまだまだ怖いことがあるのに・・・。
569はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:40:49 ID:kJZ2Z5+i
「気持ちは分かるけど・・・。」

ゆうぼん君は体に似合わず大声を上げた。
「僕はみんなに迷惑掛けたくないんだ!
 旅に出て強くなるんだ!
 僕が強くなったらお兄ちゃんみたいにみんなを守れる!
 そうでしょ!?」

「それは前も聞いたけど・・・。」

ゆうぼん君は泣きそうなのを必死に堪えて僕を見る。
「断られたら一人でも旅に出るよ・・・。
 お兄ちゃんなら分かるでしょ・・・。
 僕は必ずここに戻ってくるんだ!」

僕は振り返ってピエールを見つめた。
ピエールは僕の頭に手を置いて僕の目を見据えた。
僕に・・・任せるのか。

僕はそのままゆうぼん君を見返した。
「わかった。一緒に行こう。」

僕たちは夜まで休息を取った。
移動距離から考えて日が変わる前には出なくちゃいけない。
570書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/23(月) 20:47:10 ID:kJZ2Z5+i
ミス申し訳ないです。
復帰しました。
保守ありがとうございました。
明日からはまた数レス毎日制で行こうと思います。

ちゅんはどのモンスターかと思ったらスライムナイトですか。
ノーコメントで。

アーサーたちは合流できたと思いますがあれは嘘の冒険記(ry

自分もそろそろ読み直した方が良いかもしれないですね。
571名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/23(月) 22:37:01 ID:GKL6ZriQ
乙!
あいかわらずドキドキですね
メタリンかっけー
あまり無理しないでくださいね
続けてくれることが読者にとっては一番ですから
572名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/24(火) 00:08:54 ID:CzAqS5Xe
激しく乙です!
ピエール死ななくてよかったぁぁぁ・゚・(ノД`)・゚・
573名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/24(火) 12:53:26 ID:5xRgJETi
おれもピエールは死ぬと思った
574名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/24(火) 21:42:49 ID:O31dQyW+
ああよかった
ピエール様・・・・
575はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/25(水) 05:32:57 ID:UqEzmOHD
四十一日目。前日に続いてまた明け方だ。
それも仕方ない。
明日の夕方までに大河へと着かなくてはいけないからだ。

村から大河までは急いでも一日掛かる。
全力で走れば今日の夜には着くだろう。
しかしホイミンとベホズンがいるからそういうわけには行かない。
彼らのペースに合わせていく。

メタル族にとっては軽く走る程度。
スタリオン君やマグマンには普通に走る程度。メタル族だけど幼いゆうぼん君もここだ。
ホイミンとベホズンは全力だ。
正確にはマグマンは僕らに近いんだけど走っているのでスタリオン君側におく。

しかし時間に余裕があるので度々休憩を取る。
そうやって移動と休憩を繰り返す。

「二人はどんな話をしていたの?」
僕からキャッチボール開始だ。
ホイミンとベホズンに宛てている。

ホイミンがボールを返す。
「僕たちの村について報告していたんです。案件がいくつも溜まっていましたから。」

ホイミンは口を膨らませてベホズンを見る。
ぷんぷん怒っているのだ。

ホイミンは続ける。
「後期の農耕に使う種の選択。こればっかりは残してもらわなければなりませんでした。
 次の代表の話や残した財産の使い道ではなくこれを決めてもらわないと僕たちは困ります。
 実際に困りました。」
576はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/25(水) 05:33:50 ID:UqEzmOHD
ベホズンは困ったような顔をして答える。
「それは昨日謝ったではないか。私も書き残しがあった気はしたのだ・・・。」

しかしさらにホイミンは続ける。
「決めてもらうことが一杯あります。
 ホイミスライム族の中で盗みを働いた者の処罰、離婚話の話もあります。
 判断を仰ぐ案件がこの数ヶ月で二百は超えました。」

ホイミンのほっぺたがさらに膨れる。
ぷんぷん怒っているのだ。

ベホズンが答える。
「いやいやすまない。戻ったら片付けるよ。
 そうだ。治療案の方はどうなっている?」

ホイミンのほっぺたがしぼみぱっと笑顔が戻る。
「あれは完璧でした!」

目が輝いている。
「怪我で訪ねてきた者を治療する僕たちの仕事。
 案の通りに交代制をしくとベホズン様の穴は見事に埋まりました。
 他の作業への効率も上がりましたよ!
 ・・・ベホズン様が居なくならなければ必要なかったんですけどねー。」

最後まで言って再びほっぺたが膨らむ。

ベホズンが返す。
「いやいや謝るしかないな。すまない。」
577はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/25(水) 05:35:12 ID:UqEzmOHD
僕がさらにボールを投げる。
「えーっと。ずっとそんな話をしていたの?」

ベホズンが笑って言った。
「一緒に歩いた半日。全て説教だった。」

ホイミンが付け加える。
「全部言わなくてはならないことでした。案件を説明するのにどれだけ苦労したことか。
 それに・・・それにみんな心配していたんですからね。」

ベホズン。
「ああ。迷惑を掛けた・・・。」

二人から帰ってきたか帰ってきてないか分からないボールを打ち返す。
「二人の村はどんなところなの?」

ホイミン。
「いいところですよ。一度遊びに来てください。オススメってやつです。」

ベホズン。
「大きな森。素朴だけど多くの仲間がいる。
 ホイミスライム族ばかりだから怪我をしても安心であるな。そう安心して暮らせるぞ。」

ホイミン。
「一番のオススメはですね〜。一年に一度の祭りですね。
 みんなで触手を動かすんですよ。こう。うねうねと。」

ベホズン。
「私は触手がないからいつも頭で王冠を回している。」

中々楽しそうだ。
いつかは行ってみたい。彼らの故郷へ。
578書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/25(水) 06:07:54 ID:UqEzmOHD
今日はここまでです。
結局夜中・・・朝(´・ω・`)

明日・・・というか今日も遅くなります。
基本的には夜中で朝には出来てるという認識でお願いします。
もし朝までに出来てなかったらその日は逃亡ということで見逃してください。

ではまた。
579名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/25(水) 14:27:08 ID:QtnK5bgY
乙です。
ホイミン&ベホズンのやりとり萌え(*´Д`)
580書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/25(水) 21:00:37 ID:UqEzmOHD
すみません。
寝不足なので今日は逃げさせてください。
581名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/25(水) 23:31:26 ID:byOMs0E6
いくらでも待ちますよ(´∀` *)
582はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/27(金) 04:17:27 ID:qNiL0HpG
「ゆうぼん君はこんなに長く走ったことはないよね?
 休憩を取れるように早く出たからキツくなったらいつでも言ってね。」
僕はゆうぼん君に話しかけた。

「うん大丈夫だよお兄ちゃん!
 それにゆうぼんって呼んでよ!
 旅の仲間になんだから呼び捨てでいいよ!」

「そっかそっか。わかったよ。みんな仲間に入ったらそういうんだよね〜。」

「あはは。みんな仲良くなりたいんだ!」

ピエールが付け加える。
「そうだぞ。私なんて呼び捨てにしてもらうのにどれだけ苦労したことか。
 はぐりんは私とは仲良くしたくなかったらしい。うん。」

僕が喋る前にマグマンが突っ込む。
「だって年取ってるし。俺とはぐりんは親友だし。
 スタスタも親友だし。メタリンも親友だし。ホイミンも親友だし。
 ベホズンは王様命令だし。ゆうぼんは弟のようなもんだし。
 まーそうーうんそうそう。親友じゃないって言いたい訳じゃないんだ。スタリオン君のことは。」

ピエールが切り返す!
「私だって親友だ!まだまだ若くてピチピチなんだぞ!そうだろ!?はぐりん!」
583はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/27(金) 04:18:56 ID:qNiL0HpG
「うーん・・・。」
僕は唸って首を傾げる動作をした。
もちろん冗談だ。
我ながら意地が悪い。

「うーん・・・。」
ゆうぼんが首を傾げる動作を真似る。
ははは。
面白い。

「は〜ぐ〜り〜〜〜ん!」
ピエールが僕の頭に手を置く。

「ははは。ごめんごめん。もちろんピエールは親友だよ!」
僕は噴出して答えた。

「あはは。ごめんごめん。もちろんピエールはお兄ちゃんだよ!」
ゆうぼんが謝り方まで真似る。

みんなが大笑いする。

「へへへ。あっお客さんだね。へへっ。」
メタリンが告げる。

目の前にはドラゴンキッズが三匹姿を現していた!
584書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/27(金) 04:20:04 ID:qNiL0HpG
今日はここまでです
ではまた
585名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/27(金) 18:32:45 ID:J10fLObO
下すぎる!バブすけage
586名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/27(金) 20:55:10 ID:2J8P5Z6S
あげ
587書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/27(金) 22:12:32 ID:qNiL0HpG
ごめんなさい
今日一睡もしてないんで逃げさせてください
連続逃げで申し訳ないです
588名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/29(日) 02:49:08 ID:9Y6zRhZi
無理はしないで下さい。戦士には休息も必要ですよ、ゆっくり休んで下さい。
589はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/29(日) 04:35:24 ID:bLV9MVEs
「イオラを唱えれば逃げてくれるかな?」
前に出ようとした僕をピエールが制止する。

「えっ?どうして?」

ピエールが口を開く。
「ゆうぼん。この旅は辛く厳しいものになるだろう。
 時にはその身一つで闘わなくてはならない時もあるかもしれん。
 闘うにしろ逃げるにしろ自分で決めることになる。
 しかし一人で立ち向かえる勇気がなくては。」

ゆうぼんが一歩前に出て振り返る。
「僕に彼らを倒せってことなんだね。」

ピエールが首を縦に振る。
「その通りだ。例え危なくても私たちは助けない。
 勝てないと思ったらここまで逃げて来るといい。」

ゆうぼんは汗を掻き一震えしたがそのまま進み続けた。
「僕はあのホークマンが相手でも立ち向かったんだ。
 怖かったけど逃げなかった!
 決して一人でも逃げないよ!見ててね!」

ゆうぼんはドラゴンキッズの前に立ちはだかった。
ギラを唱える!戦闘の始まりだ!

・・・凄い。
僕よりも小さいのになんてしっかりした子なんだろう!
僕はスライムのと戦うのさえ怖かった!
頭の中が真っ白になった!
590はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/29(日) 04:35:57 ID:bLV9MVEs
そういえばそうだ。
あの子はゆうぼうにすら立ち向かったのだ。
がんばれ!

僕の思いを聞いたかのようにゆうぼんが善戦する。
ギラを唱え攻撃を避ける!

しかしドラゴンキッズが一斉に火の息を吐く!

「わわっ!危ない!」
ゆうぼんが炎に包まれてパニックを起こす!

ああっ!僕たちメタル族に炎は効かないんだよ!
ゆうぼん冷静になって!
僕はハラハラして手に汗を握った。
旅に出た頃の僕もこうだったのだろうか?

その隙を突き三匹のドラゴンキッズが襲い掛かる!
たこ殴りだ!
僕はつい足が前に出たがマグマンが引き止める。

「呪文を唱えるんだ!ゆうぼん!」
我慢できずに声を出す!
591はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/29(日) 04:37:04 ID:bLV9MVEs
「ギラ!」
呪文にドラゴンキッズが一旦退く。
チャンスだ!

再び火の息が吐かれる!
ゆうぼんは一瞬戸惑ったがそのまま火の息に突っ込む!
そう!それでいいんだ!ゆうぼん!

「ギラぁぁぁ!」

ゆうぼんの呪文でドラゴンキッズがフラフラになる。
一匹一匹と逃げ出す。
ゆうぼんの勝利だ。

ゆうぼんは誇らしそうな顔でこっちに歩いてくる。
僕が軽くつつく。
ピエールが頭を撫でる。
メタリンが労いを、マグマンがアドバイスを送る。
ホイミンが回復呪文を唱える。
ベホズンは黙って見つめている。

こうしてゆうぼんの初戦いが締めくくられた。
592書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/29(日) 04:42:54 ID:bLV9MVEs
今日はここまでです。
>>588をこんな時間まで待たせてしまった気がして申し訳ないorz
て・・・それは傲慢でたまたま寝る前に声を掛けてくださったのかもorz
ありがとうございます。

ではまた明日。
593名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/29(日) 16:31:57 ID:qRT9XZNC
1日8時間以上は寝ること。
594はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/30(月) 02:55:13 ID:lLh7uips
昼ごはんをとる。
昼ごはんの話題は僕たちがスタスタやゆうぼん、ベホズンと会うまでどんな旅をしていたか。
逆にスタスタの話を聞いたりもする。

僕は一つだけ気になっていたことをスタスタに聞いた。
「ねえスタスタはどうやってここまで来たの?大河をどうやって渡ったの?」

僕はずっと疑問だった。
メッキーさんのところへは行ってなかった様だし、泳いで渡れる距離じゃない。

「えっへん。実は新しい友達が出来たんだよ〜。
 その友達にここに届けてもらっちゃった。
 最初はグロンデプス君に頼みに行こうと思ったんだけど、連絡の取り様がなかったんだ。
 海のモンスターに尋ねつつ大河の周りをウロウロしてたんだ。
 そしたらライバーンていう強いモンスターに出会った。
 本来はあの辺りじゃ見かけないモンスターだったんだよ〜。」

「へえ。じゃあそのライバーンに届けてもらったんだ。」

「ところがどっこい。そのライバーンてモンスターは強い上に性格が悪くって・・・。
 ジャイアントバットてモンスターをいじめてたんだ。」

僕は質問する。
「え?じゃあどうしたの?」

スタスタが返す。
「ライバーンを懲らしめちゃった!
 結構辛い戦いだったんだよ〜。
 それでジャイアントバットと仲良くなったんだ。
 飛んで送ってもらったんだ。空を飛ぶのは気持ちよかった!」

そうだったんだ。うーん。いいなあ。僕も飛んで見たい。
595はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/30(月) 02:59:28 ID:lLh7uips
食休みが終わると再び出発した。
何度かモンスターに出会うがイオラで逃走してもらう。

走り続けて夜になった。
砂漠につく。

----

今日は短いですがここまでです
明日は書けるか微妙です
申し訳ない

>>593
睡眠(*´Д`)ハアハア

感覚を短くしてから最後に書き手として書くレスが勿体無い気がしてきました。
返信する必要のない時用に何かマークでも作ってみましょうか。
一レスかニレスの時で行が空いている時はそのマークで締めるって感じです。
596はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/31(火) 01:16:26 ID:yOJoImYS
初めて砂漠を見るゆうぼんがはしゃぐ!
「うわーこれが砂漠なんだー!!
本当に砂ばっかりだなーーー!」

ぼふんぼふんと砂の上で飛び上がる!

「ははははは。ゆうぼんのような子供は珍しいものに弱いんだな。
 私のような大人は砂漠くらいでは驚かないぞ。」

あれーあれれ?
ピエールがなにか言っている。

「確か前にここを通った時ピエールも・・・ふがふが。」
僕が喋り始めるとピエールが口をふさいだ。

「ははは。そんなことはないよ。はぐりん。
 私はゆうぼんのような子供を見守っていないといけないんだ。
 喜び叫んだりする訳なかろう。」

「そ・・・そうなんだ。」
僕が聞き返すとピエールが顔を近づけて言った。

「そう。そうなんだ。
 騎士ははしゃいだりしない。うん。」

・・・我慢しないで騒げばいいのになあ。
旅を楽しみたいって言ってたのに〜。
597はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/05/31(火) 01:19:07 ID:yOJoImYS
今日はここで一休みだ。
眠らないで突き進む可能性もあったけど、早く出たおかげで睡眠がとれそうだ。
夕ごはんの準備をする。
僕とゆうぼんは一緒に火を焚く。
昼のうちに取っておいた果物を並べる。
ピエールたちは食べ物や薪がないか探しに行っている。

「砂漠って寒いんだね。暑いって聞いてたのに。」
ゆうぼんが尋ねる。

僕が答える
「ふふふ。誰かさんも前に同じことを言ってたよ。」

パチパチ・・・。

ゆうぼんが続ける。
「へえーそうなんだ。やっぱりおかしいもんね。明日の朝は暑いのかな?
 ・・・あれ?・・・なにか近づいてくるよ?」

ゆうぼんの見つめる方向に顔を動かす。
ああ。あれは。
「あれはサボテンボールっていうんだよ。」

サボテンボールが一言も喋らずに近づいてくる。
そのまま焚き火に当たっている。
僕やゆうぼんと目が合うとにっこりと笑う。

うーん。
いままで会ったことのなかった友好的なサボテンボールのようだ。
ゆうぼんは目を輝かせて見ている。
数分経つとサボテンボールは行ってしまった。
598書き手  ◆F/WveZadCU :2005/05/31(火) 01:20:16 ID:yOJoImYS
今日はここまでです。
また明日〜。
599名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/05/31(火) 23:52:58 ID:8HH9sJFS
サボテンの大活躍期待sage
600はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 00:43:54 ID:naMhCEIj
サボテンボールの後ろ姿を見ながらゆうぼんが呟く。
「変わってるね。」

「うん。変わってるね。」
僕が頷く。

しばらくするとピエールたちが帰って来る。
「どうした二人とも?」

ゆうぼんが答える。
「サボテンボールに会ったんだ!」

「なっ!?」
ピエールがショックを受けたような声を出す。

「どうしたの?」
ゆうぼんが心配そうに聞く。

僕はつい笑ってしまう。
ゆうぼんは知らないが、以前ピエールはサボテンボールに会えなかったのだ。

「い・・・いやいや。なんともないぞ。サボテンボールに会いたかったなんてことはない。」
ピエールが動揺して答える。

ピエールが声を押し殺して呟く。
「サボテンボール・・・見てみたかった・・・。」

「あっサボテンボール!」
メタリンが叫ぶ!
601はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 00:45:34 ID:naMhCEIj
「なにぃ!どこ!?どこだ!?サボテンボール!姿を見せろ!」
ピエールの声は空しく砂漠に響く。四方八方を見渡す。

「く・・・だましたな。メタリン。酷いぞ・・・。見たかったなぁ。サボテンボール。」

しょんぼりするピエールをゆうぼんがつつく。
「あそこ!」

遠くには先ほどのサボテンボールが立っていた。

「おおっ!あれがサボテンボールか!初めて見たぞ!トゲが痛そうだ!
 やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
 はっ!・・・コホン。まっ珍しい物を見ると喜んでしまうのが普通だな。」

ははははは。
僕たちは談笑をしながらご飯を食べてそして眠った。

・・・。
・・・・・・。
話し声が聞こえてくる。

「・・・ああ。・・てくるといい。」
誰の声だ。これは。
眠くて分からない。

「す・・い。席を・・・もらえ・・か?」

ザッザッザ。歩く音。

「・・・話が・・。・・・とても・・な話が・・。」
ん?
なんの話?いや・・・誰の声?
602書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 00:54:04 ID:naMhCEIj
今日はここまでです

>>599
うへへ
マイペースでスマソ
反映されるかどうかは別としてそういう書き込みも嬉しいのです

マークこんな感じかな

─νё×ト─
なんか厨っぽいな
普通に
─続く
続く。
でもいいのだけど
603名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/01(水) 00:59:34 ID:+pwWHVMX
ピエール萌え(*´Д`)
604書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 01:10:53 ID:naMhCEIj
─νё×ト─

↑投稿欄に書くとまだまともだけど反映されると微妙。

─νё×ト─
─νе×ト─
─νE×ト─
─νE×ト─
─νE×ト─
─νE-×ト─
─Νё×ト─
─Νе×ト─
─ΝE×ト─
─ΝE-×ト─

うーん。センスないのがバレてしまう。

>>603
いやいやピエールはきっとかっこよいはず・・・はず・・・はず・・・かなあ。

何気ない一言には反応しない方が良いと分かってるつもりなのにレス失礼。
迷惑とかではなくスレストになってしまいそうで気になるのです。
・・・昔は出来る限り反応しない人を演じていたのにorz
初心に帰ろう。
直後のレスサンクスです。
605はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 23:13:36 ID:naMhCEIj
僕は薄目を開けた。
視界がぼんやりしている。
目を開けたばっかりだからだ。

目の前ではスタスタが眠っている。

!?
近くに居たはずのメタリンが居ない!
寝返りを装って周りを見渡す。
・・・。
ゆうぼんもマグマンもホイミンも居ない・・・。
ピエールとベホズンが焚き火の近くに座っている。なにかを話している様だ・・・。
僕は盗み聞きをしてしまった。

ピエール。
「あなたはあの世に旅立ったはずのホイミンを蘇らせることが出来た。」

ベホズン。
「ああ。恐ろしい呪文だ。出来る限り使いたくはなかったが、
 あのままではホイミンに償うことも出来んかったからな。」

ピエール。
「・・・先ほども話したが、私には死に別れてしまった親友がいる。
 私の力不足だった・・・。私は彼が帰ってくるのならなにをしてもいい。」
606はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 23:14:53 ID:naMhCEIj
ベホズン。
「話は分かった。
 しかし安易になにをしてもいいなどとは語らぬことだ。
 本当にすべき時にこそ使いたまえ。それでも叶わぬことはある。このことがそうだ。
 メガンテの爆発に巻き込まれたのならばもう死体は残っておるまい。
 使い手にもいえることだが、神あるいは邪神の祝福を受けていない者は
 その爆発で塵も残らぬはずだ・・・。」

ピエールは黙っている。

ベホズン。
「もし仮に死体が残っていたとしても既に半月が過ぎている。君は腐った死体を作りたいのかね。
 人間達が使っている棺桶・・・。あれは神の祝福を受けていてな。
 長い年月が経てば別だが数ヶ月はな腐敗せん・・・。
 なにが言いたいか分かるだろう。・・・すまないが力になれない。」

ピエールは泣いているのだろうか。いや暗い上に仮面で表情は分からない。
「いえ。なんとなく分かってました。もう会えないと感じていましたから。
 ただ少しでも可能性があるのなら試したかったのです。
 夜遅くに起こしてすみません。」

ベホズン。
「気を落とさないでくれ。・・・おやすみ。」

・・・少しの罪悪感と眠たさが僕を眠りに導いた。
明日には忘れよう。

明け方。目が覚める。
みんなで朝食を取る。
四十二日目だ。北へ向かう。
607書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/01(水) 23:15:43 ID:naMhCEIj
今日はここまでです。
結局普通にスレを消費するチキンな自分。
ではまた。
608名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/02(木) 19:25:13 ID:+9nI3BLS
俺がマヌーサでどうにかしてやる!!
609はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/03(金) 00:08:19 ID:Zn1sfaFR
砂漠を抜け、モンスターを追い払い先へ進む。

マグマンが口を開く。
「俺ベホズンに聞きたいことがあったんだ。」
みんながマグマンの方に顔を向ける。

「あの遺跡でなにをしていたんだい?
 邪悪なスライムたちを解放したあとは、あそこにいる必要はなかったはずだぜ。」

ベホズンが答える。
「ホイミスライム族に見つかりたくありませんでした。
 だから隠れる場所が欲しかったんです。それに気に掛かることがありました。」

マグマン。
「気に掛かること?」

ベホズン。
「いえ。なにか気に掛かったんですが、実はなにが気に掛かったのか分からないんです。
 おそらく気のせいです。あそこにいると様々なことを思い出しましたから。」

岩場を抜ける。

夕方には大河の付近に辿り着いた。
約束の場所へ向かう。
大きな一本の木。確かにこの木だ。

「いいタイミングだ。メッキッキッ!」
大木の陰からメッキーさんが姿を現す。

そしてあっけに取られて一言。
「・・・人数が異様に増えてないか?」
610はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/03(金) 00:10:09 ID:Zn1sfaFR
「ははは。気のせいですよ。ねえみんな。」
僕は汗をかきながら答えた。

「ふん!まあいいんだ!さあ早くつかまれ!」
旅の内容を聞くこともなくメッキーさんが手を差し出す。
相変わらずだ。

僕たちは一瞬で『迷いの森』へ辿り着いた。

ここは入り口だ。
懐かしい。
六日間しか離れていなかったのにもう何年も立ち寄らなかった気がする。

入り口の奥から一匹のプチット族が現われる。
ヒロりんさんだ。
「無事帰ってきたな。みんな心配していたんだぞっ。」

ヒロりんさんが僕たち一人一人をじっと見る。
そしてびっくりした顔で目を止めた。
「ベッベホズン様!?」

ベホズンがにっこり微笑む。
「久しぶりだな。ヒロりん。」

ヒロりんさんは汗を掻きながら叫んだ。
「なっなぜ!?ここに!いやなぜはぐりんたちとーーー!?」

・・・ヒロりんさんはしばらく固まってから話を続けた。
「・・・いえ。分かりました。詳しいことはあの方とともに聞きましょう。この森の主がお待ちです。」

ヒロりんはそういうと入り口を進んで行った。
611書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/03(金) 00:10:58 ID:Zn1sfaFR
今日はここまでです。
また明日〜。
ノシ
612はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/04(土) 01:35:38 ID:1GXfWnrt
「よし!いくぞお前たち!遅れるな!」
・・・メッキーさんがやけに張り切っている。
損なことは嫌いなメッキーさんがどうしてこんなに張り切っているのだろう。
僕たちもあとに続く。

僕がベホズンに尋ねる。
「ベホズンはここに来たことがあるの?」

ベホズンが答える。
「ああ。何度かね。」

「ふーん・・・。」

木々が優しくささやいている。
初めて訪れるゆうぼん、ホイミンは森の不思議な温かさに目を丸くしている。
とある木の上にももんじゃが座っていた。
いつぞやのももんじゃだ。
僕が笑いかけるとももんじゃは手を振ってくれた。

広場に出る。
広場は果てしなく広がっておりモンスターは影もない。
以前避難していたモンスターはみんな帰ったのだろう。
しかし以前と一つだけ違った部分がある。
僕たちが来た道の反対側に大きな道がある。
そしてその道の先には古くてしかし大きなお城が建っていた。
613はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/04(土) 01:36:01 ID:1GXfWnrt
スタスタが尋ねる。
「結局ここを通る条件はなんだったんだい?」

ヒロりんがスタスタに笑いかけながら答えた。
「主の信を得ることさ。」

僕たちはその道を突き進んだ。
一本道だ。
今までとは違って様々な木々や花々が僕たちを歓迎してくれる。
生命に満ち溢れている道だ。
風が吹き花びらが舞い散る。

しばらく歩くと一面に大きな池が広がった。
池の前ではプチット族のファイタさんとマージさん、プリりんさんの三人が待っていた。
三人は僕たちを見て微笑んでいる。
水面には巨大な花々が浮いており、乗っかることが出来そうだった。

花々には乗らず、僕たちは池を大きく回って歩く。
歩き続けるととうとう大きなお城が目の前に迫った。
こんな大きなお城がどうして今まで見えなかったのだろうか。
不思議だが何度も不思議なこの森を見ている僕はこんなもんなんだと自然に納得してしまった。

僕たちは巨大な門の前に立つ。
門が大きく開く。
614書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/04(土) 01:36:44 ID:1GXfWnrt
今日はここまでです。
明日は書きますが日曜は休ませてくださいませ。
ノシ
615615:2005/06/04(土) 11:50:38 ID:iOOWDR4z
616はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/05(日) 01:43:09 ID:UcgJqflG
門の中に入る。
大きな広間が目の前に広がった。

真っ赤な絨毯が敷き詰められており、スライムやモンスター、人間を描いた絵画が飾られている。
左右を見れば幾つものの通路と扉があり、上を見上げれば大きなシャンデリアが目に入る。
盾や剣、鏡や貴金属・・・様々な装飾品で飾り立てられているがどれも古さが感じる。
古いが消して色褪せている訳ではない。僕の目を奪うには十分美しく暖かかった。

中央には上階へ上がる為の大きな階段がある。

僕は初めてお城というものに入ってしまった。
そして今からこの城の主に会うのである。
ドキドキ・・・急に緊張してきてしまった。

ピエールやベホズンは慣れた目で佇んでいる。
メタリンやホイミンも消して取り乱しては居ない。
マグマンは圧倒されたようだが強がっている。
スタスタとゆうぼんは目を輝かせて広間を見て歩いている。

プチット族の四人が僕たちを上階へ誘う。
上階へ進む。
二階は一階よりもずっと多く通路と扉があった。
書斎や寝室に続いているのかもしれない。

階段の裏手にはさらに上階へ進む階段がある。
僕たちはその階段を上った。
三階、四階・・・どの階もチラッと見ただけだが、僕にお城というものの存在感を教えてくれた。
617はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/05(日) 01:54:00 ID:UcgJqflG
そして五階。
巨大な扉が待っていた。

マージさんが口を開く。
「この先が森の主の部屋じゃ。」

僕たちの間に緊張が走る。
扉が開き部屋に入る。

他の階と同じく古い雰囲気のする部屋で奥には大きな王座があった。
部屋の中には赤と青のスライムたち、ホイミスライムたち、その他多種様々なスライムたちが立っていた。
王座へ赤い絨毯が敷かれており、綺麗に両側へ並んでいる。
スライムたちは丁寧にお辞儀をする。

僕は正面を向いて動けなかった。
白くて巨大なヒゲを持ち、赤い宝石と金で出来た兜を被っている。
緑色でベホズンに負けないくらい大きい。普通のスライムの十倍以上あるだろう。
歳を取っているように見えて背中からは巨大な白髪が覗いている。
なにより優しい目が僕を見つめていた。
噂の通りの容姿だった。
王座の上に座っているスライムは僕やスタスタがずっと会いたかったあのスライムだった。

四人のプチット族が王座へと進んでいく。
固まる僕をスタスタが挙動不審になりながらもつっつく。
僕は真っ直ぐに王座へ向かって歩き出した。
618書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/05(日) 01:55:32 ID:UcgJqflG
今日はここまでです。
昨日もいいましたが明日は休みますね。

もう数行書くつもりでしたが改行多いと叱られたので明後日にorz
ノシ
619名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 00:19:05 ID:k7WEG2gd
一応、保守。
620名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/06(月) 00:44:48 ID:UW2PUpHO
現在 627/640
そろそろageる?
621はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/06(月) 21:32:54 ID:o4QXx1lK
王座の前でプチット族の四人が膝を付く。
ピエールもスタリオン君の上で膝を付く。
僕たちスライムはそのまま立ち止まった。

入れ替わりにホイミスライムを残してスライムたちが退場していく。
僕たちに挨拶するため、待っていたのかもしれない。

僕は目の前のスライムの目をしっかり見た。
紛れもないグランスライム様の目を。

グランスライム様とおぼしきスライムが口を開く。
「よく来てくれた。会うまで時間が掛かってすまなかった。
 わしがこの森を取り仕切っておるグランスライムじゃ。」

「こっこんにちは・・・。」
僕は緊張しながら挨拶する。

グランスライム様がにっこり笑って続ける。
「肩の力を抜いてくつろいでおくれ。プチット族のみんなもそうじゃ。」

プチット族の四人とピエールは立ち上がる。
そのとき場違いな音が部屋に鳴り響いた。

ぐぅ〜っ。

ゆうぼんが顔を真っ赤にする。お腹が空いたのかもしれない。
僕たちは冷や汗を掻いてしまった。グランスライム様に失礼なことをしてしまった。

グランスライム様が笑い出す。
「ほっほっほ。お腹が空いておるのじゃな。これは失礼した。気がつかんかった。
 そうじゃ。旅の疲れもあるじゃろう。話をする前にお風呂と食事を取るといい。話はその後じゃ。
 これ。ヌマージよ。手配しておくれ。」
622はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/06(月) 21:33:56 ID:o4QXx1lK
ヌマージと呼ばれたホイミスライムが僕たちを案内する。
「こちらへどうぞ。」

扉を出ると左にスライムファング、右にピエロスライムが立っていた。
僕たちを見ると不敵な笑みを浮かべながらお辞儀をする。
悪意は感じない。腕に自信があるのかもしれない。

すれ違いに杖を持った緑色のホイミスライムが入っていく。
まどうスライムと呼ばれるスライムだろう。

ヌマージさんが歩きながらこっちを向く。
「彼らはグランスライム様を守っています。失礼に感じたら申し訳ありません。
 変わり者ですが決して悪いスライムではないのです。」

なるほど。王室の番人といった所だろうか。

ピエールが口を開く。
「君はなにをしているんだい?」

ヌマージさんが困ったような顔をする。
「・・・雑務です。かっこよく言えば秘書です。グランスライム様はああ見えてお忙しい方でして。」

マグマンがひっそりと声を出す。
「・・・あんなに一杯いたホイミスライムがみんな秘書なのか!」

ヌマージさんが苦笑する。
「そうなりますね。だから雑用係の方がしっくり来るんです。
 でもこの仕事は誇りを持って出来ますよ。あの方の近くで働けるのですから。」

階段を降り続け三階に着く。
623書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/06(月) 21:35:28 ID:o4QXx1lK
今日はここまでです。
最後にageておきますね。
age進行でも問題ないので自由にageて下さって構いませんよー。

それでは。
624はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/07(火) 22:09:30 ID:nRkvhXXa
ヌマージが口を開く。
「先にお風呂になされますか?お食事になさいますか?そ・れ・と・も・・・。」

ピエールが答える。
「私たちは随分汚れている。このまま歩いたらお城を汚してしまうだろう。」
ゆうぼんが残念そうな顔をしたがピエールは容赦なく言い切った。
「まずは風呂に。」

ヌマージが三方向ある通路の内一つを歩き出す。どうやら三階に風呂場があるようだ。

ヌマージが再び顔をこちらに向ける。
「プチット族の方々はいかが致しますか?」

プリりんさんが答える。
「私たちは入ってきたから風呂はいいですよ。話に加わりたいから食事は加わります。」

ファイタさんが待ったを掛ける。
「いやいや個室ではなく大浴場を使うんだよな?だったら俺は入りたいぜっ。あそこはいい。」

・・・大浴場?

カッポーン・・・。

目の前に巨大な扉が待っていた。
上には暖簾がかかっており「湯」と書かれている。

ピエールがヌマージさんと話をしている。
マグマンが困った顔で「湯」を眺めている。
625はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/07(火) 22:10:08 ID:nRkvhXXa
ヒロりんさんとファイタさんが僕たちを扉の中に押し込んだ!
「おっしゃー行くぞーおめえらーーー!!!」

プリりんさんの声が聞こえる。
「あの二人とお風呂に入るといつも大変なんですよ・・・。」
マージさんの相槌だ。
「ああ。わしももう若い者に付き合う体力はないんじゃ。」

カッポーン・・・。

・・・なんて広い浴場なんだろう。みんな呆然としている。
風呂場は古い大理石で出来ており、いくつもの湯船がある。その湯船一つがまたでかい。
お風呂にはスライムの石像があってその口からお湯が出ているのだ。
大理石には石版がついていてその効能が刻まれている。

スタスタが声を出す!
「すっごいな〜。みんなー。固まってないで入ろうよ〜。」

ゆうぼんが飛び出そうとしたのをメタリンが捕まえる!
「うぇっぷ!なんで止めるのー!メタリンのお兄ちゃん!」

「へへへっ。僕たちは汚れてるから入る前に汚れを落とさないとね。」

ベホズンさんが巨大な桶を口にくわえて僕たちにお湯を被せた。

ぶわっしゃーん!

まるで滝のようだ!
汚れの大半が落ちていく。
626書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/07(火) 22:16:00 ID:nRkvhXXa
今日はここまでです。

レスが無駄にならないよう、最後に一言書いていくということを閃く。
反対意見とか煽りとか突込みとか遠慮なく。でも返信しません多分。

最近GABAてチョコに惹かれてる。
安っぽい味だけどどこか懐かしくて好き。
GABA多め。マジオススメ。宣伝に騙されてる気もしないでもない。

三言になった('A`)
627はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/09(木) 00:48:33 ID:pAg38eP3
よし。いよいよお風呂だ。僕は湯船に向かって歩き出す。

ガシッ!

あれ?ファイタさんが僕をガッシリ捕まえる。
「準備完了!斬り込み隊長ファイタ!突撃します!」

「えっ!?え?」
困惑する僕を摘んだままファイタさんは全力で走り出す。

なにかを悟ったホイミンが両手を合わせている!
ゆうぼんとスタスタが目を輝かせている!
ヒロりんさんが逃げるメタリンを捕まえる!

ファイタさんが大きく飛び上がり湯船に向けて僕を投げつけた!

「うっわーーーーーーーーー!!!」
僕は悲鳴とともに湯船に飛び込んだ!
その上にファイタさんが自ら飛び込んでくる!

ざっぱぱーーーん!

もがいた末、水面に顔を出した僕は恐ろしい光景を見た。

目を輝かせて飛び込んでくるゆうぼんとスタスタ!
僕と同じく投げつけられるメタリン!
そのまま飛び込むヒロりんさん!
さりげなく湯船に入っている恨めしいホイミン。
・・・人の上に立つ人はそんなことしてはいけないと思います。
だからそんな巨体で飛び込まないで下さいベホズン。

ぶわぉぉぉーーーしゃしゃしゃしゃしゃぁぁぁーーーーーーん!!!
628書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/09(木) 00:52:16 ID:pAg38eP3
今日はここまでです。
切が悪い時は一レスになる時もあるのでご了承下さい。
数日分一気に吐き出した方がいいかな?
ちょい悩む。

お風呂ってイイですよね。
子供の頃ってやっぱり飛び込むじゃないですか。遊ぶじゃないですか。
モンスターも一緒だと思うのですよ。

また三言になった('A`)
629名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 01:12:31 ID:5OMkUhZ2
面白いぞw
こうゆうお馬鹿な話大好きだ
630名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/09(木) 01:49:35 ID:buavnmoL
ピエールいない(´・ω・`)
631はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/09(木) 23:54:42 ID:pAg38eP3
カッポーン・・・。

僕たちは湯船にしっかりとつかった。疲れが癒されていく。
身体だけでなく心まで洗われていく。

ふーっ。

なんて素晴らしいんだ。この大浴場は。
言葉もなくまったりとお湯を楽しむ。
時間が経てば自然と会話が始まる。

「・・・あれ?ピエールとマグマンとメッキーさんは?」

「そういえばいないねー。どこいったんだろー?」

「メッキーさん、グランスライム様と会った時にはもういなかったような・・・。お城に入った時はいたのにねー。」

「ああ。マグマスライムには専用の炎のお風呂ってのがあるんだぜっ。」

「ほっ炎のお風呂!?」

「僕焚火につかってるの見たことあったよ。お風呂の代わりだったんだー。」

「水だと消滅しちゃうのかもしれませんね。」

「可哀想。このお風呂が楽しめないなんて。」

「でも炎のお風呂を味わえるって素晴らしいよ。炎のお風呂かー。」

「こらこらそこ三匹。目を輝かせるのは止めた方がいいぞっ。メタル族なら大丈夫かもしれないけど熱いだけだよっ。」
632はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/09(木) 23:55:37 ID:pAg38eP3
「へへへっ。僕は炎のお風呂よりこのお風呂がいいね。まるで楽園だ。」

「そうだねー。楽園の候補が一つ見つかったねー。」

「ねえねえ。他のお風呂に入ってみてもいいの?」

「自由に入るといいぜっ。」

「・・・ベホズン。」

「なんだい?」

「お風呂に入っても王冠は取らないんだね・・・。」

「・・・髪がないのがばれてしまうからな。」

「え!?」

「冗談冗談。大切な王冠さ。いかなる時も外したくないのだよ。この王冠は水にぬれてもだいじょーぶ。」

カッポーン・・・。

僕たちは大浴場を十分に楽しんだ。
始めに入った(投げつけられたともいう)薬草の湯は元より、毒消し草の湯、満月草の湯の基本のお湯。
毒草の湯という危なそうな湯もあったし(入ったあとは毒消し草の湯にもっかい入った)、種尽くしの湯というものもあった。
スライムの湯という恐ろしそうな名前の湯もあれば、アモールの湯という高級感漂う湯もあった。
アンチョビの湯とアミットの湯については説明は不要だろう。

僕たちは旅の汚れを落としてお風呂をあとにした。
633書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/10(金) 00:05:51 ID:cb/Somp9
今日はここまでです。
続きはまた明日。

flowのDAYSという曲が発売されましたね。
flowは好きなので喜んで聞いてます。

(´ー`) 。○ ( 二言になった )
634はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/10(金) 23:03:28 ID:cb/Somp9
外ではヌマージさんとマージさん、プリりんさんが待っていた。
ピエールとマグマンが綺麗になってやってくる。

僕が尋ねる。
「あれれ?ピエール?お風呂は?」

誰もが思った疑問にピエールが答えた。
「剣と鎧の汚れが酷くてね。個室の風呂で洗わせてもらったんだが、そのままスタリオンと入って来てしまったんだよ。
 大浴場はまたの機会だな。」

僕が納得した声で返した。
「へー。お疲れ様〜。でも大浴場凄かったよ。ピエールなら絶対喜んだのに〜。次は一緒に入ろうね。」

「まさかこの城に『風呂』があるとは思わなかったぜ。」
これはマグマンだ。
もちろん指しているのはただの風呂ではない。

僕たちは階段の場所へと引き返す。
ヌマージさんが三方向の通路のうち、先ほどとは違う通路を歩いていく。

通路には様々な絵画が並んでいる。
モンスターの生活を描いたものもあれば勇者と思しき人間の記録を描いたものもある。
見ながら歩いていると視界の中に巨大な扉が現われる。

ヌマージさんが説明する。
「ここが食堂です。既に食事の用意は出来ています。お腹いっぱい食べてくださいね。」
635書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/10(金) 23:04:52 ID:cb/Somp9
今日はここまでです。
また明日。

今日は早めに寝ます〜。

(´ー`) 。○ ( とうとう一言になった )
636名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/10(金) 23:14:42 ID:nUcQVXlZ
(´-`).。oO(次は(ryで0.5言とかになるのかな…)
637名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 00:51:20 ID:mLvsQtFq
( ・谷・).。oO(ピエールの鎧の下…

!( ゚谷゚)<さまよう鎧!

( ・谷・)<んなわきゃない。
638名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/11(土) 23:41:15 ID:prUwAHog
ピエールの中身は絶対ょぅι゛ょ
639はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/12(日) 04:40:12 ID:MwLi/UP9
扉が開くとその先には大きなテーブルといくつものイスが用意されていた。
そしてテーブルの上には今まで見たこともないようなご馳走が並んでいる。

「すっごーーーい!!!」
僕たちは口々に騒いだ。ざわめいたと言うべきか。
我先にとイスの上によじ登る。
ベホズンにはイスはなく絨毯が敷かれていたが、そんなことを言及している余裕はない!

「いっただきまーす!!」

僕はまず目の前のアンチョビサンドをほおばった。
「うんまーい!!!」

続けて野菜のスープを飲む!
アンチョビサンドをもう一つ!
うぅぅむ。
アンチョビをふんだんに使っておりながら生臭さは一切感じさせない。タレは自家製であろう。
目を閉じれば海が見える。アンチョビサンド一つに物語が描かれているのだ!

「料理人は!このアンチョビサンドを作った料理人はどこにーーー!」
僕はつい叫びだす。

「へへへ・・・へぐぅ。なんて!なんておいしさなんだ!」
メタリンが泣きながら特製果物ジャムパンとカツサンドを食べている!

「こんなにおいしいもの初めて・・・。」
スタスタもサンドを握り泣き出しそうだ。

「うむ。この料理は並の料理ではないな。素晴らしい。」
ピエールは丁寧にマナーを守りながら肉料理を楽しんでいる。
定期的にスタリオン君にも食べさせている。
640書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/12(日) 04:57:56 ID:MwLi/UP9
今日はここまでです。

うーん一言か・・・。

いや〜たまに見かけるんですよね。
ピエールの中身が幼女って人。
ピエールが幼女というネタがどこかで流行ったのでしょうか。
想像されている中残念(?)なのですが、既にピエールの脳内設定は出来てたりします。
さまよう鎧という意見は面白いですね。
「ワロタ」ですよ。
中身ががらんどうだとなると色々と説明がつきますね。
本当はこういう予想にレスはつけちゃいけないんですよね。
でも今日はつけちゃいますよ。
別に理由はありませんよ。気分ですよ気分。
関係ないですが、私の理想的な女は幼女よりもおねえさんだったりします。
まったくなにを言わせるんだか。最悪ですね。
ピエールの中身は秘密です。ええ。
別に隠す理由もないんですがやはり秘密です。
秘密があるって魅力的ですよね。エキゾチックて奴ですよね。
だれですか中身を考えてないなんていう人は。
仲間になった時点で考えてあったりするんですよ。一応。
でも実はピエールは中身以外の部分で悩んでることもあったりするんですよ。
こんなことこそ書いちゃ駄目なんですが書いちゃいましたよ。
ピエールが物語の中で一人歩きしてくれる日を待ってます。
ピエールに限らずどのキャラも一人歩きしてくれると嬉しいんですが、難しいんですよね。
まだまだそんな偉そうなこといえるレベルじゃないですね。
この続きは全てが終わった時にでも。

>>636
(・∀・)ニヤニヤ

ではまた。
641はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/13(月) 00:44:22 ID:8HbDDbUP
「ゆうぼん!そっちの果物とって!」
マグマンは次々と別の料理に手を伸ばしていく。

「まっまってお兄ちゃん!これ食べてから渡すから!」
ゆうぼんは果物を飲み込んでテーブルの上を歩き出す!

「こっこら!はしたない・・・いやみんなはしたないが・・・それは止めなさい!」
ピエールの注意が飛び交う!

ゆうぼんが皿の上で食べ始めるとその皿を丸呑みしたスライムが現われた。ベホズンだ!
「まっまっああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「ん?なにか硬いものが・・・ぺっ。」

「うわぁぁぁん!食べられるところだったよぉぉぉ!」
ゆうぼんが僕に泣き付いてくる!

「大丈夫大丈夫。でもテーブルの上を歩いちゃ駄目だぞー。」
僕はゆうぼんを小突いて一緒のイスの上に座らせた。

「おおっ。ゆうぼん君だったか。すまなかったな。食べる時はいつも皿の上のもの全部だったからね。」
流石にベホズンだ。やっぱり身体が大きいと食べる量も多いのだろうか。

「この料理は僕たちの村では見ませんね。」
ホイミンが一つの料理を食べながら呟く。

ホイミンとベホズンもマナーが良い。はっ!まさか育った環境の差なのか!?
ええぃ。認めないぞー。
642書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/13(月) 00:49:00 ID:8HbDDbUP
無理はせずとも一日一レスは書いていこうと思う今日この頃。
余裕が出来ればニレス三レスと書いていきます。
そういいつついきなり休ませてくれという駄目人間だったりする。
いつかはスゴイ駄目人間になりたい。

(´ー`) 。○ ( スゴイが駄目と人間どっちにかかってるかは秘密です )
643名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/13(月) 08:00:55 ID:LVs9k0p5
皿ごと丸呑みするのはマナーがいいのか?w
らんま1/2の格闘ディナー思い出した。
644名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/13(月) 20:59:47 ID:dqhpjOv8
手を使うのはお行儀が悪いザマス
645はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/13(月) 21:50:11 ID:8HbDDbUP
「うん。ここの料理はいつもおいしいなっ。オイラはそう思うよっ。」
ヒロりんさんがスープを飲み干して言う。

「来て正解だったぜっ!」
ファイタさんががっつく。

「二人ともいつもの通りマナーが悪いです・・・。」
プリりんさんが諦めたような声で言う。

「給仕のスライム、スライムベスたちの腕は落ち取らんな。むしろ上がっとる様じゃ。」
マージさんが満足そうに料理を口に運ぶ。

そうか。ここの料理はスライムたちが作っているのか〜。
毎日こんなおいしいものを食べられるなんてグランスライム様がちょっとうらやましい〜。

僕がサラダに手を伸ばしていると扉が音を立てて開いた。
現われたのは行方不明だったメッキーさんだ。

「おお〜お腹が空いた!ちゃんと私の分は残してあるんだろうな!」
どさっとイスに座る。

ヌマージさんが答える。
「たくさんあるのでいくらでもどうぞ〜。」

デザートに手をつけながらスタスタが尋ねる。
「メッキーさんはなにをしていたの〜?」

「私か?ふふふ。城の中を見て回っていたのさ。どんな珍品名品があるかとね。メッキッキッキッキ!」
うーん。なんか様子がおかしい。まさか泥棒はしてない・・・よね。

「まっ今の私に言えることは、私を祝福するようにこの料理がおいしいということだけだね!」
そういってメッキーさんは食事に集中し始めた。
646書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/13(月) 21:54:22 ID:8HbDDbUP
今日はここまでです。

変わった食べ方をしててもベホズンは気品にあふれてるんですよ。
その雰囲気が礼儀正しさをかもち出してるんです。
統括者ですからきっとそうですええw

(´ー`) 。○ ( チーズやアンチョビ以外にまともな食べ物でないかな )
647はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/14(火) 23:39:45 ID:MZGKkkwt
僕はもうお腹一杯。
こんな幸せな気分になったのは久しぶり♪
旅の間の食事とは一味も二味も違う。

再び扉が開きスライムとスライムベスの集団がやってきた。
頭にコック帽が乗っている!
「あーーー!コックさんだーーー!」
ゆうぼんの大声でみんながスライムたちに注目した。

ヌマージさんが紹介する。
「料理を作ったコックのみなさんです。真ん中にいるのが料理長のスラニオです。」

スライムの一団が一斉にお辞儀する。
スラニオと呼ばれたスライムは随分若い。僕と変わらない歳のはずだ。
料理の天才なのかもしれない。そういえばどこかカリスマ性を感じる風貌だ。
スラニオが口を開く。
「はじめまして料理長のスラニオです。
 料理を味わって頂けたようで光栄です。本日は皆で一生懸命作らせて頂きました。」

「ごちそうさまでしたー!!!」
「おいしかったよぉ!」
「ごちそうさま。」
「明日も食べれるの?」
「へへへっへへへ。へへへへへへへへへへへ。」
「・・・よっぽどおいしかったみたいだな。もちろん俺もだ。」
「私もです。」
「今日もおいしかったよっ。」
「ありがとう。」
「もぐもぐ(一名はまだ食べている)。」

みんな口々にお礼をいう。
スライムの一団は照れながら帰って行った。
648書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/14(火) 23:41:28 ID:MZGKkkwt
(´ー`) 。○ ( スライムに一番似合う帽子はなんだろう )

ノシ
649名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 02:59:39 ID:mt9WZ7Yo
シルクハットなんてどうですかぃ?
650名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 03:03:19 ID:mt9WZ7Yo
スライムつむりは帽子なんだろうか…。

…つむりって何だ?


…かたつむりか…。


651名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/15(水) 08:37:58 ID:G5Aj/xOH
毛皮のフード
イメージはショボーンビッチ
652書き手:2005/06/16(木) 00:55:22 ID:aUDokjfC
PCのネット環境がおかしいので今日はお休みさせてください。
もしかしたら代金払いそびれて止められたのかも(;´Д`)
明日も休みになるかもしれません。
休んだ分はまとめて投稿します。

ノシ
653名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 13:48:42 ID:9K9Q6X6f
ピエール保守
654書き手:2005/06/18(土) 15:12:08 ID:/3TYAqW/
色々あって金曜の昼にお金を払ったのですがまだ使えない(゚Д゚;)
金曜に解除されてなくて土日が休みだったりするのかなあ
もしかしたら月曜日まで書けないかもしれません

あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
655名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 22:13:02 ID:Sjn/+5qv
バブすけほおぉぉおぉしゅ!!!
656名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/18(土) 22:37:02 ID:URqMwhOw
>>654
>あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
叫びすぎ、
657名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/19(日) 10:13:42 ID:XoIVYVQM
保守
これだけ下がってると不安になるな
658名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/19(日) 16:25:25 ID:oEKutiSa
ageるか?
659書き手:2005/06/19(日) 19:07:27 ID:2K4UC4KZ
いつでも遠慮なくageて下さいよage
660書き手:2005/06/20(月) 18:50:24 ID:lUdSjOZu
まだ復帰してないorz
明日NTTに電話してみます。
大事なところでごめんなさい。
日数分は出来てるので復帰後投下します〜。
661名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/21(火) 14:20:35 ID:RpXVyCTi
大量投下の予感age
662名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/21(火) 20:25:21 ID:AZWuHsTR
わくわくsage
663はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:45:10 ID:rDTQPdsw
ヌマージさんが僕たちに呼びかける。
「みなさま。疲れは取れたでしょうか。再びグランスライム様に拝見して頂きます。
 情報交換をしながら今後の対策を練りましょう。有意義な談笑になれば幸いです。」

──グランスライム様はスライム族の神様の様なものだ。

僕たちは再び五階へ上がった。

──神様と話せる者がこの世の中に何人いるだろうか。

扉が開き二匹の護衛にお辞儀をして先へ進む。

──僕はスタスタから様々な伝説を聞いて、いつの日か話をしたいと思っていた。

ホイミスライムと何匹かのスライムが絨毯に沿って立っている。

──その時が来たのだ。

王座の上にはグランスライム様が座っており、その前にはテーブルとフカフカした絨毯の様なものが敷かれていた。
僕たちはそのフカフカの上に案内された。

フカフカッ。ボヨヨンボヨヨン。

よしフカフカだ。しかもボヨヨンだ。

グランスライム様が口を開く。
「さて。全員揃ったようじゃのう。肩の力を抜いて気兼ねなく話して欲しい。」
664はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:46:02 ID:rDTQPdsw
ピエールがお礼の言葉を言う。
「お風呂と食事の手配ありがとうございました。疲れが取れました。」
僕たちも続けてお礼を言う。

グランスライム様が返礼する。
「いやいや。わしらのために来てくれた客人に当然のことをしたまでじゃよ。
 大洪水の時のお礼を考えればまだ足りんくらいじゃ。
 ふむ。・・・ではなにから話そうか。わしと封印してあるあやつとの関係からかのう。
 それともわしらの掴んだゆうぼうとその一団の活動範囲についてからかな?
 具体的な対策を立てるのはそれらの後がよいかもしれん。あるいは君たちの話を先に聞くという方法もある。
 そう。そうじゃ。まずはお互いの自己紹介をしなくてはいかん。そしてこの今までの旅の内容を聞こう。
 わしから自己紹介じゃ。わしは先ほども申したとおり、この森を、この大陸を見守っておるグランスライムじゃ。
 災害があるときには森を開放し、飢餓があれば食べ物を他の大陸から入手する。
 大きな紛争にはその消火に当たり、自然形態が崩れぬよう様子をうかがっておる。
 ・・・偉そうに言ったものの大きな魔力もないただの老いぼれじゃよ。
 みなに支えられてここにおる。」

僕たちの自己紹介だ。

僕が先陣を切る。
「ぼっぼくはぼくは・・・。ふぅー。ははは。いつもこうなんです。
 僕ははぐれメタルのはぐりんです。南東の小さな住処からやってきました。
 はじめは知らないことばっかりで怖かったけど、今は旅が大好きです。
 初めての友達もできました。反面別れてしまった者もいます。
 旅の途中ではぐメタやスタスタと会いました。そしてゆうぼうのことを知りました。
 洪水の後はピエールやメタリン、マグマン、そしてみんなに会いました。
 僕はゆうぼうに似ているそうです。だからこそゆうぼうを止めたいんです。
 ・・・好きな食べ物はお母さんの料理と今日出てきた料理全部です。」

「よろしく。はぐりん。君は良い仲間に恵まれとる。ゆうぼうとの違いにいつか気づけるといいのう。」
665はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:46:46 ID:rDTQPdsw
スタスタが続く。
「はじめまして。僕はスタスタです。はぐりんの友達です。
 はぐメタと共にゆうぼうを追ってました。はぐメタは今居ませんが生きていると信じてます。
 僕は怖がりです。泣き虫です。でも頑張ります。その分頑張ります。
 グランスライム様に会いたかったです。お願いしたいこともありました。
 でも今は願いが叶うならはぐメタに再会し、ゆうぼうをこの手で止めたいです。
 いつか逸話のグランスライム様のように勇気を持てるようになりたいです。
 ・・・好きな食べ物は・・・食べ物じゃないけど、透き通った綺麗な水が好きです。」

「ほっほ。逸話のわしは作られたわしじゃよ。本物を見て幻滅しないでおくれ。」

次はピエールだ。
「はじめまして。ピエールといいます。キングス様を主に古城で育ちました。
 キングス様はグランスライム様と共に戦ったと聞きます。私ははぐりんたちと共に戦います。
 私の戦う理由は古城の仲間、親友の復讐です。
 できることならばはぐりんたちに怨嗟が及ばないように願います。
 ・・・好きな食べ物はステーキと野菜全般です。」

「わしは旅が終わった時に君がこの場にいることを祈っておるよ。」

メタリン。
「へへへっ。僕は昔はぐメタを騙してしまいました。
 だからその借りを返したいんです。はぐりんたちと一緒にいるのも楽しいです。
 躊躇いなく逃げちゃうことが欠点です。直したいけど直せません。
 ・・・好きな食べ物はぶどうです。」

「メタルスライムが逃げてしまうのは仕方ないことじゃ。だからこそ立ち向かう姿に価値があるのかもしれんのう。」
666はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:52:16 ID:rDTQPdsw
マグマン。
「俺はみんなの様にしっかりした理由はありません。
 俺の世話になった住処をボロボロにした奴らがいます。そいつらをぶっ潰したいだけです。
 復讐とも違います。借りを返すんです。でもみんなと一緒に旅することに意味があるのかもしれません。
 ・・・好きな食べ物は・・・みんな否定するけど・・・溶岩です。」

「理由のない者でも立ち向かう。それ自体に意味があるじゃろう。」

グランスライム様が続ける。
「わしはゆうぼうとその一団から危険な匂いを感じておる。
 もしあやつが蘇れば紛争というレベルの話ではなくなってしまうからじゃ。
 かつての様にスライムの枠を超え、あらゆるモンスターを巻き込んで世界が二分されてしまうじゃろう。
 あやつには心の深い所で、くすぶっている底の方から、押さえ込んでいる感情を解き放つように、みなが惹き付けられる魅力があるのじゃよ。」

グランスライム様はそういうと少し厳しそうな顔でベホズンを見た。

ベホズンが話し出す。
「すみません。グランスライム。私は分かっていながら彼らに肩入れを・・・。
 この罪はいずれ償います。しかし今はこの者たちに協力させて頂きたい。
 ご存知でしょうが・・・好きな食べ物はチーズです。」

「処罰は自身で考えるといいじゃろう。奴らに伝えたことはわしらにも教えて欲しい。」

ホイミンの自己紹介に戻る。
「僕はホイミンと言います。ベホズンを探す旅の途中ではぐりんたちに会いました。
 ベホズンとは会えましたが私の旅は終わりません。
 協力してくれた彼らに恩返しがしたいのです。
 ・・・好きな食べ物はくるみです。」

「うむ。ホイミスライムの協力ほどありがたいものはないじゃろう。」
667はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:52:48 ID:rDTQPdsw
ゆうぼん。
「僕はゆうぼんというんです。えっへん。へへっ。
 ・・・・・・。
 そうだ。はじめまして。僕は強くなって村に戻りたいんです。だからがんばります。
 ・・・好きな食べ物は・・・シイタケ以外はなんでも好きです!」

「ほっほ。いい子じゃのう。しかし決して無理はしないと約束しておくれ。」

「うん!約束するよ!グランスライムのおじいちゃん!」

おじいちゃんという言い方にプチット族の四人や部屋の中のホイミスライムたちがクスッとする。

グランスライム様が締める。
「これで初めて会う者の自己紹介は聞き終えたのう。誰か言っておくことはあるまいか?」

メッキーさんが片羽を高く上げる。
「はい!はいはいはい!メッキッキッキッ。
 その・・・言いにくいことですが、先日の約束を確認したいと存じまして。
 いえっ。いえいえ。消して信用してないわけではございません。
 しかし・・・物事にはモチベーションというものがございます。」

「ほっほ。もちろんじゃ。今回の戦いに協力してくれれば、洪水のお礼を兼ねて城にあるものをなんでも五つ授けようぞ。」

「メッキッキ!ありがとうございます!やる気が出てくる次第であります!
 私は珍品名品に目がありませんからっ。
 ・・・好きな食べ物も珍味という次第であります。
 いやいやこの城は素晴らしいお城でございますな。メッキッキッキ!」

・・・なるほど。メッキーさんのやる気の正体が分かった。
668はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 01:53:25 ID:rDTQPdsw
グランスライム様さんが提案する。
「最後に言おうと思っておったのじゃが先に言うておこう。
 もちろん戦いが終わった暁には君たち全員にお礼がしたい。
 なにが欲しいかのう。出来る限りの望みは叶えるつもりじゃ。」

僕が真っ先に食らいつく!
「僕たち!僕たちはぐれメタルはメタルスライムの身体が欲しいです!
 きっと・・・きっとグランスライム様なら可能だと信じてました!」

「もちろん可能じゃ。時間と労力が掛かるので戦いが終わったあとになるが秘術を施そう。」

僕とスタスタは「やったぁぁぁぁぁぁ!」と叫びながら抱きあって小突きあった。

その後は僕たちの今までの旅を詳細に説明した。
バブすけに出会った時から六日間の旅が終わるまで・・・全て話すのに二時間は掛かってしまった。
そして自分達がどのような特技が使えるのかを説明した。ベホズンについては既に知っておられるのか聞かれなかった。

次はグランスライム様が知ってる情報を教えてくれる。

「あやつは・・・ダークキングはわしと共に戦った仲間じゃった。なんど助けられたか分からない。
 キングスライム、メタルキング、バブルキング、ダークキングの四匹の王、そしてスライムベホマズンを始めとする仲間たち。
 今わし以外に生き残っておるのはスライムベホマズンくらいじゃ。
 諸悪の根源を絶ったあとあやつはわしらに反旗を翻した。もしかしたら元々わしらも倒すつもりじゃったのかもしれん。
 しかし結果としてはわしがあやつを封印した。封印するのが精一杯だったのじゃ。
 今わしは老いており、対抗する力も残っておらん。決して封印を解かせてはいけないのじゃ。
 ベホズンよ。このものたちはあやつに対抗できそうか?」

ベホズンが答える。
「恐れながら私を含めても足元に及ぶかどうかというところでしょう。」
669はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 02:02:41 ID:rDTQPdsw
「そうか。じゃろうな。いやいやこの話は後にしよう。
 続いてわしらの持っている被害情報を伝えよう。
 大河の北、そして南、さらに進んだ南。各地で彼らの存在が確認されておる。
 全滅している住処も一つや一つではない。この大陸で怪しい場所はあらかた探し終えたじゃろう。
 もっとも探し物を見つけるとは出来なかった様じゃがのう。
 してベホズンよ。彼らにはどのような情報を伝えた?」

「地の中。水の中。・・・そしてそれに当てはまる可能性のある場所です。」

「ふむ。どこを伝えたかは大体予想がつく。四つか五つじゃろう。
 さて諸君。これからはその地へ赴き迎え撃つ戦いとなるじゃろう。
 今からベホズンがいう場所に二組に分かれて行ってもらいたいのじゃ。
 聞き及ぶ彼らの戦力から把握するに彼らも二組に分かれておるはず。そうなのじゃろう?」

そういえばサターンヘルムが二チームに分かれてると言ったはずだ。
「はい。そうだと思います。しかし二つに分かれても出会えなかったら・・・。」

「うむ。策はある。どちらにもルーラ使いをつけよう。敵に出会おうとも出会わなくとも定期的にここへ連絡に戻るのじゃ。
 彼らの気配がなければ新たな土地へ赴く。そこでも会わなければさらに別の地へ。 
 二組の編成は任せよう。ベホズンよ場所を教えておくれ。ホイサッサよここへ地図を。」

ホイミスライムたちがテーブルをどかし地図を床に広げた。

ベホズンが話し出す。
「私が彼らに告げた場所は四つです。
 まずは遥か南東に位置する熱帯の大陸。アマゾニア。
 世界一魔造生物が住むジャングルがあり、その奥には遺跡があるといいます。
 遺跡は地下に伸びており未だに謎が多い場所です。一説には魔造生物は遺跡を守っていると聞きます。」
670はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 02:04:06 ID:rDTQPdsw
メタリンが呟く。
「魔造生物・・・へへへ。ゴーレムたちの楽園だね。」

ベホズンが頷く。
「その通り。魔造生物の国というわけだ。
 続いては東に進めば見えると言われる四つの島々。シックスアイランド。
 その昔は六つの島があったが、長い歴史の間に二つの島が沈んでしまった。
 沈んだ島には遺跡があったと聞きます。現在は四つの勢力が覇権を争っており戦の絶えない島々です。」

マグマンが喋る。
「土の中であり、水の中にある可能性が高いな。その遺跡は。」

ベホズンが相槌を打つ。
「ああ。もっとも条件に合う場所だろう。
 第三は北東にそびえ立つ休火山。バコーンズコ。
 大陸はなく海中から顔を出しており、付近の島々も含め不思議な現象が多く見られるという。
 休火山の噴火口に穴が、そして海底にも大穴があるという噂だ。一説には死人すら蘇ると聞く。」

ピエールがピクッと動く。
「死人すら蘇るか・・・。ふっ。腐った死体は討つだけさ。」

ベホズンがピエールを見ない振りをして続ける。
「様々な現象の中には表現する事も出来ないものもあるらしい・・・。
 最後は北西にあり人寄らぬ漆黒の大地。デットルラウンド。
 人なくモンスターなく生命はないと称される死の大陸であり、私にも詳細のつかめない場所です。
 無数の穴があり地下に続いていると言う。数千年前には栄華を誇っていたという伝説すらある。」

ホイミンが尋ねる。
「最後に行き着く大陸と言われる場所ですね・・・?」
671はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 02:05:44 ID:rDTQPdsw
ベホズンが答える前にグランスライム様が口を開く。
「デットルラウンド・・・デットルラウンドか・・・。
 ホイミンの問は正しいと答えるが・・・ベホズンよ何故ここを選んだ。
 この土地にはなにもない。守るものもない。大きい声では言えないが、彼らが探すものもないはずじゃ。
 なぜ北のトルガッを選ばなかった。」

ベホズンが疑問の声を出す?
「トルガッ?あのお城には遺跡と呼べる物はありません。」

「あるじゃろう。見世物の遺跡が。」

ベホズンがいよいよ困惑する。
「あっあの見世物の遺跡ですか?
 条件こそ満たしていますがなにもありませんよ。人間たちのあの遺跡には。」

「デットルラウンドにはいよいよなにもない。襲う住処もない。
 わしがやつらの頭なら優先順位が最も低い。条件を満たす以上先に三区トルガッ城を襲うだろう。」

ベホズンが目を閉じたあと頷いた。
「分かりました。そちらを優先しましょう。
 訂正先は北の海を渡る大陸にあるお城。トルガッ。
 三区に分かれた城下町を持つお城であり、人間たちの住む王国でもあります。
 城外には人間達が公開している遺跡があります。遺跡は巨大な池の中心にあり、地下に続いています。」

ゆうぼんがびっくりする。
「人間の王国に乗り込むなんて大変そう・・・。」

ベホズンが補足する。
「うむ。人間が味方とは限らないのが恐ろしいところだな。」
672書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/22(水) 02:09:11 ID:rDTQPdsw
今日はここまでです。
保守ありがとうございました。復帰しました。
急ですみませんでした。

大陸の名前がどうしても厨くさく、ダサく、ドラクエっぽくなく(ry
あまり突っ込まないでやってください。

教訓:ちゃんとおかねははらおうね

ではまた明日。
673名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 02:11:54 ID:R9i0fixY
激しく乙です!!!!
674名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 21:23:19 ID:KKs4hxbc
うはwwwおkwwww一番乗り失敗ww
激しく乙wwwwww
675名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/22(水) 21:24:15 ID:KKs4hxbc
よく考えりゃ一番乗りなんかこの時間で出来るはずねえやwwwwwwwwww
676はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 00:46:17 ID:1P3NzfnQ
グランスライム様がまとめる。
「ではこの四つの土地に向かってもらいたい。すぐに行動したいという気持ちもあるじゃろうが、明日から三日間の準備期間を取って欲しい。
 いままで以上に辛い旅になるじゃろう。しっかり休養をとり準備を整えて欲しいのじゃ。
 今のままではあいつらを迎え撃ったとしても勝てるとは限らん。わしから旅に出る君たちに贈り物がしたいのじゃ。
 もちろん君たちが良ければじゃ。書や武器防具、中には休養を取ることもままならない者もいるじゃろう。」

僕が即答する!
「今よりも強くなれるんですね!」

グランスライム様がにっこり笑う。
「今よりも強くなるかは分からない。しかし覚えておいて損のないもの、貰っておいて損のないものであるはずじゃ。」

僕が頷き、みんなも頷く。

グランスライム様が続ける。
「では・・・そちらののっぽの方のはぐれメタル・・・スタスタ君といったかな。
 メタル族四人の中で、君が一番適しておるようじゃ。三日間の時間をかけて覚えてもらいたい物がある。
 まどロンよ。例の書をここへ。」

ベホズンが驚きの声を上げる。
「・・・まさかあの書を?」

グランスライム様が頷く。
まどうスライムが一冊の古びた書をスタスタに手渡す。随分と厚い。
677はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 00:47:38 ID:1P3NzfnQ
「その書を君たちに貸し渡そう。スタスタよ。君が使い終わったら順番に読み回すといい。
 その書はわしと共に旅をしたメタルキングが少しずつ書き記した物じゃ。メタルキングが亡くなったあと彼に近かった者が引き継いで完成させた。
 一説によればかなり古いものでメタルキングも他の者から受け継いだとさえ聞く。
 その書の素晴らしいところはな。メタル族、スライム族に限らず数多くのモンスターの秘術が載っておることじゃ。
 そればかりか、かつて失われた『はぐれメタルの悟り』の写しまであるという。
 修行だけではなく敵を調べることにも使えるはずじゃ。
 239ページに載っておる秘術。それを覚えて欲しい。練習する場所はホイサッサが説明する。」

スタスタが頷く。
「分かりました。頑張ります。」

グランスライム様が一言だけ加える。
「もしも・・・もしも君たちが破れる時が来たらその書は燃やしてしまって欲しい。」

スタスタは頷き、僕たちに手を振ったあと、ホイサッサに連れられて扉を抜けていった。

僕が尋ねる?
「僕たちはどうすれば?」

「今日はぐっすり眠って欲しい。明日から修行するなり、武器防具の使い方を知るなりするじゃろう。
 スタスタに頼んだ秘術は大変難しいものでな。才能のある者でも一月は掛かる。並みの者ならば一年じゃ。
 それを三日間で覚えてもらいたいのじゃ。おそらく不可能じゃが、その後の移動期間も含めれば決戦までには間に合うじゃろう。
 スタスタのみホイサッサが世話をし、少ない休養で行動してもらう。」

並みの者ならば一年も掛かる秘術・・・確かにスタスタでなければ無理な話だ。一体どんな秘術なのだろう。

僕たちはその後プチット族の四人と別れ、二階の寝室へ案内された。
小部屋もあったらしいが今後の話をしたかったので大部屋に通してもらった。
・・・メッキーさんだけ小部屋へ行っちゃった。
678書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 00:51:06 ID:1P3NzfnQ
今日はここまでです。
しかしどの大陸から乗り込ませるべきなのか(w
中身は決まってるのに順番は決まってなかったりする。

(´ー`) 。○ ( ペットが飼いたい。犬とか猫とか鳥とか豚とか。 )
679書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 22:54:37 ID:1P3NzfnQ
僕たちはベットに潜り込み話を始める。
始まりはゆうぼんの喜び声からだ。
「うわーい!久々のベットだ!ぬくぬくのベットだ!」

僕が相槌を打つ。
「気持ちいいよね!太陽の匂いがするよ。」

ホイミンも答える。
「幸せです。」

ベホズンも一言。
「・・・せまい。」

ゆうぼんが話題を変える。
「そういえば海の移動はどうするの?ルーラ使いもメッキーさんの他にいないよぉ。」

メタリン。
「きっとグランスライム様がなんとかしてくれるさ。
 へへへ。いよいよこの大陸を出ることになっちゃったね。
 行く先はどこも未知の大陸だよ。僕はもう震えちゃいそうさ。へへへっ。」

そういったかと思うとブルブルと震える。

同じくブルブル震えながらマグマンが応じる。
「へっ。腕がなるぜ。・・・もっと強くならなきゃな。
 俺は叶うなら強力な呪文を覚えたい。いつの間にかはぐりんに追い抜かれちゃったからな。」
680はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 22:56:10 ID:1P3NzfnQ
僕はギョッとして反論する。
「ぬぬぬ抜いたなんてそんな〜。マグマンは昔からずっと強いよー。」

マグマンはニヤニヤしながらあたふたする僕を見ている。しかしはっきりと強くなろうという目をしている。
ぼくも負けてられない。

ピエールが喋り出す。
「未知の大陸か・・・。珍しいものが見れるんだろうな。新しい体験も出来るかもしれない。
 熱帯のジャングルから人間の王国まで・・・旅を味わうにはぴったりだ。
 そうさ!みんな!楽しく行こう!
 辛い戦いが待っているかもしれない。いつ誰が倒れるか分からない。しかし戦いが始まるその時まではせっかくの機会を楽しもう。
 少しくらい気を抜いてもいい。浮かれてもいい。ずっと気張っていても疲れるだけだ。
 この六日間だけでも色々あった。みんな頑張ったはずだ。」

僕は飛び上がった。
「賛成ーーー!だって面白そうなものが一杯あるよ!
 熱帯で南だよ!食べ物が気になるでしょー。」

マグマン。
「火山も気になるし、四つの島も気になるな。」

ホイミン。
「人間の王国に乗り込むなんて、怖いですけど人間に触れる滅多にない機会ですよ。」

ゆうぼん。
「僕はこの旅で立派なスライムになるぞぉぉぉ。」

僕たちは旅の想像を働かせて一匹また一匹と眠っていった。
681書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/23(木) 22:59:02 ID:1P3NzfnQ
凡ミスorz
今日はここまでです。
続きはまた明日ですが、明日はもしかしたら書き込めないかもしれないので
日が変わるまで書き込みがなかったら明後日という風に取ってください〜。

(´ー`) 。○ ( やっぱり新しい場所を旅しいないと。 )
682名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/06/25(土) 02:36:42 ID:MqLoVZxl
(´ー`).。oO(バコーンズコ、バコンズコ、ズコンバコン。

( ゚∀゚)俺の白いマグマが噴き出すぜ!
683名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/25(土) 10:02:41 ID:aHlsQtEc
保存完了したり
684はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/26(日) 02:29:40 ID:SYlciXY2
四十三日目。ドアをノックする音で目を覚ます。

「おはようございます。」
入ってきたのはヌマージさんだ。

「お・・・おはようございます。」
僕は目を擦りながら返事をした。
他の者も次から次へと目を覚ます。

ヌマージさんに連れられて三階の食堂へ行く。
おいしい朝ごはんに舌鼓する。
スタスタだけが居ない。

王の間へ向かう。
グランスライム様は既に王座の上に座っている。
そしてその前には五つの宝箱が置いてあった。

「おはよう。ほっほ。疲れは取れたかのう。
 さてここにある武器防具を授けたい。みなで相談して自由に使って欲しいのじゃ。
 役に立ちそうな物は滅多に手に入らなくてのう。これだけしか用意できなくて申し訳ない。
 あとで武器庫の方も開けておこう。
 左からはぐりん、メタリン、ピエール、ホイミン、スタスタのつもりで準備した。
 ピエールに渡した物以外は全員で使いまわすことが可能なはずじゃ。その使い方をまずは身に付けて欲しい。
 マグマンとゆうぼんには特技の習得に専念してもらう。」

マグマン。
「ちょうど願い出ようとしてたところです!!!」

ゆうぼん。
「よーし。つよくなるぞー。」
685書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/26(日) 02:49:13 ID:SYlciXY2
今日はここまでです。
昨日はすみませんでした。

>>682
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 マグマ!マグマ!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J

ノーコメン(ry

>>683
ホゾ━━━(。Д。)人(゚Д゚; )━━━ン

ノーコメン、いや気に入って頂けたみたいでありがとうございます。

(´ー`) 。○ ( ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 )
686はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/26(日) 18:56:12 ID:SYlciXY2
まどうスライムが進み出る。マグマンとゆうぼんをつれて四階に赴いて行った。

グランスライム様が続ける。
「宝箱を開けてみるといい。」

僕は目の前の宝箱を開いた。

なんと宝箱には真っ赤なブーメランが入っている。
その輝きは力強い。まるで深いマグマのようだ。

「炎のブーメラン。長い年月をかけて炎を刃に変えた武器じゃ。
 一度投げれば炎を纏い敵を襲う。一説にはこの世界の武器ではないと言われておる。
 返って来る刃を受け止めなくてはならないが、使いこなせば大きな力となるじゃろう。」

僕は大きな声でお礼を行った。
「ありがとうございます!」

メタリンが続けて宝箱を開いた。

なんと宝箱には一枚の布切れが入っている。
空色でハンカチよりは大きい。特に特徴はなく道具の様に見える。

「疾風のバンダナ。大地の風を編みこんで作ったという帽子じゃ。
 身に付けた者には風の力が備わるという。自らの身体が浮いたように軽く感じると伝えられておる。
 戦う時、逃げる時、いかなる時もより素早く動けるようになるじゃろう。」

メタリンは照れた声で言う。
「へへへ。僕にぴったりだ。ありがとうございます。」
687書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/26(日) 18:57:10 ID:SYlciXY2
今日はここまでです。珍しく早めに。

(´ー`) 。○ ( 一週間が早いですね。 )
688名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/26(日) 22:32:46 ID:Cy2y8WRr
保存してもいいんでしょうか?
689はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/28(火) 01:42:57 ID:Q7/Gmw8o
ピエールが前に出て宝箱を開く。

なんと宝箱には青白い鎧が入っている。
緑色の模様がどこか神々しい。目の錯覚かもしれないが鎧から光の粒が漏れている。

「神秘の鎧。時代を超え精霊たちの加護を受けて力を持った防具じゃ。
 粉々にならない限り自己修復をし万全の状態を維持する。それどころか身に付けている者の傷を癒す力がある。
 その鎧を着けておればその癒しと強固な防御力が君の身を護るじゃろう。」

ピエールがお辞儀をする。
「これは素晴らしい。ありがとうございます。」

ホイミンがゆっくりと宝箱を開いた。

なんと宝箱には星模様の帽子が入っている。
なんとも変わった帽子だ。普通の防具としては役に立ちそうにないが・・・。

「不思議な帽子。不思議な木の実から作られたという帽子じゃ。
 呪文による消費を抑える力を持っておる。後方にいて回復を得意とする者には大変重宝すると聞く。
 帽子を身に付けていれば今までよりも多く回復を行うことが出来るじゃろう。」

ホイミンがお礼を言う。
「ありがとうございます。もっとみんなの力になれるんですね。」
690はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/28(火) 01:45:58 ID:Q7/Gmw8o
ホイミンが代わりに最後の宝箱を開く。

なんと宝箱には山の形をした帽子が入っている。
これまた変わった帽子だ。しかし先ほどの帽子は不思議な力があった。

「山彦帽子。その中には山が丸々入っていると評される帽子じゃ。
 一度唱えた呪文を山彦の様に唱え返す。攻撃にも回復にも使えるが世界に一つしかない。
 イオナズンを唱えればその倍の威力があるという恐ろしい帽子じゃよ。」

僕はなんだかゾッとした。

「さてそれぞれ四階の練習場に行きその力を試してみるといい。
 炎のブーメランは彼が、防具の詳細については彼が教えてくれるじゃろう。」

スライムファングが僕の前に、ピエロスライムが他の者の前に付く。

メタリンが尋ねる。
「でも帽子の試しなんてすぐに終わってしまうんじゃ・・・?」

グランスライムがにっこりと笑って宣告する。
「もちろんメタリンとホイミンにはこのあと呪文の勉強が待っておる。」

メタリンがげえっとした顔をする。

ピエールが喋る。
「鎧の使い方はもう分かった。重さに慣れるだけだ。私は今すぐ剣の腕を磨きたい。」

「うむ。ヌマージに案内させよう。四階に図書館と様々な練習所がある。」

僕たちは四階まで下りてそれぞれの部屋に分かれた。
691書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/28(火) 01:59:31 ID:Q7/Gmw8o
今日はここまでです。

>>688
保存の定義がよく分からなかったりして(゚∀゚ ;)アヒャ・・・
自分用に保存なさるのはもちろん自由ですし、保存してどこか(HP?)で公開して頂けるのであれば自分の名前さえ載っていれば問題ないです。
作者を騙ったり、文章の改変がなければ自由にしてください。

んー。なんか答え方を根本的に間違えてるかも。
とりあえず>>683氏に対しては、スレを読んで記念に保存してくれたのかと思って喜んでたのでした。

自分にとっては時間を掛けて書いたものをそのまま埋もれさせるのは勿体無いので、完成したら自分のHPの片隅にでも誤字脱字を修正して置いとくつもりでした。
その時はスレ形式では置かないでしょうし、自己満足なので被るようなことがあっても問題なしです。
なんかうぬぼれたレスですが、こんな返事でOKでしょうか。

(´ー`) 。○ ( んーなんかやっぱり違うような? )
692名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/28(火) 15:46:31 ID:/cXVSl6A
HPに載せるつもりでいまして
つまり、はぐりん様の名前を偽りなくのせればよいのですね?
あと、本文中に誤字脱字があった場合は修正してよろしいのですか?
693はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/29(水) 00:46:36 ID:YRQ7z8Zw
僕の前を歩くスライムファングに尋ねる。
「ブーメランの練習ってなにをやるんですか?」

「・・・・・・・・・。」

「練習所ってどんな所なんでしょう?」

「・・・・・・・・・。」

「・・・そっそのっ。お名前は?」

「・・・・・・ファング。」

「・・・よろしくお願いします。」

「・・・・・・・・・。」

通路の奥でファングさんが止まる。
目の前には古びた扉が見える。その奥に入っていく。

!?
僕は戸惑った!なんと目の前には森が広がっていたからだ!
とてもお城の中とは思えない!

僕はつい質問してしまう。
「どうしてお城の中にこんな物が!!」

間を置いてファングさんが答える。
「・・・・・・グランスライム様のお力だ。
 ・・・・・・さあ練習をしよう。」
694書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/29(水) 00:54:55 ID:YRQ7z8Zw
今日はここまでです。

>>692
はぐりんというか書き手 ◆F/WveZadCUですかね。
でもはぐりんとして書いてるからはぐりんの方が良いんですかね。
このまま載せるのが無難そうですけど、細かいことは気にしないので誤字脱字の扱いはお任せします。
もし直されるのなら直したところを教えて頂けると後々助かるかもです。
特に制限はありませんからご自由にどうぞ。
ただ、書いてない部分の続きとか作られると困るかもです。

こんなところでよいでしょうか。

(´ー`) 。○ ( 暑くなって来ましたね。 )
695名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/29(水) 22:01:10 ID:gndBFySE
了解しました!!
696名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/06/29(水) 22:04:13 ID:gndBFySE
ついでに臨時アゲ
697はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/06/30(木) 02:13:21 ID:FP6X5bnr
それだけ言うとファングさんは一本の大木の前に進む。
「・・・・・・この木が練習台だ。使えなくなれば他の木を使う。
 最初は近くから。徐々に離れて投げる。・・・・・・まずは見ていろ。」

ファングさんは八歩ほど離れてブーメランを前足に握った。木で出来たブーメランだ。

ファングさんは飛び上がり叫ぶ!
「・・・・・・右上の枝!」

ブーメランはファングさんの手を離れ回転していく!

クルクルクル。ヒュン。バキッ。

見事指摘した位置を叩き折り、そのまま大きく弧を描いて戻っていく!

パシッ!

ファングさんは戻ってきたブーメランを前足で受け止めた!

「すごい!すっごぉぉぉい!」
僕が驚きの声を上げる。

「・・・・・オホン。このくらい出来なくては実践で使えない。
 例え狙いが絞れたとしても敵も動く。実際に動く敵はまた一味違う。投げ方のコツはやりながら教えていく。
 受け止めるのが難しい。おまえはメタル族だ。覚えられなければ身体で止めろ。」

僕は簡単な説明を聞いて木と距離を保つ。
身体で炎のブーメランを固定させる。握っているようなものだ。
698書き手  ◆F/WveZadCU :2005/06/30(木) 02:14:25 ID:FP6X5bnr
今日はここまでです。

(´ー`) 。○ ( 身体が溶けそうです。 )
699はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/01(金) 01:46:28 ID:dLq52EIh
僕は飛び上がり叫ぶ!
「・・・・・・左下の枝!」

ブーメランを力いっぱい投げる!

!?
なんと二つ隣の木に当たってしまった!
木は粉砕され大きな傷がくっきり残る。その傷から炎が燃え上がる!

ブーメランは大きく弧を描いて戻ってくるが僕の位置とは少し違う。
僕は飛びついて止めた。痛いし熱い!

ファングさんが呼びかける。
「・・・・・・うむ。初めてにしては上出来だ。もっとコントロールを気にかけろ!」

次は狙いを定めて投げつけるが、身体が固まり力が入らない!
ブーメランは大木に当たらず大地に突き刺さった!

数回繰り返すがうまく投げられない。
六投目!僕は思いっきり投げてみることにした!

ヒュン!

ブーメランは的を大きくはずれ大木の後方へ飛んでいく!
勢いだけはある一投だ!

バキバキバキ!

数本の木を砕いてしまったらしい・・・。
700書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/01(金) 01:50:01 ID:dLq52EIh
今日はここまでです。

(。ー゚し) 。○ ( 冬よりは夏が好きなタイプです。 )
701名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 02:16:53 ID:k3lg0Krb
>>700
顔がΣ(゚Д゚;)
702名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/01(金) 16:36:23 ID:Cu5ZXAZF
木を砕いたノカー!!
703名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/07/01(金) 19:52:18 ID:KmHC25rY
流石ブーメラン
704はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/02(土) 00:35:58 ID:epdN2Ivg
!!!
森の中から炎が上がる!
しまった!炎がつくんだった!山火事になってしまう!

僕が慌てているとファングさんは気にしなくていいと告げてくれる。
「・・・・・・ここは練習所だ。不思議な力が働いている。他の木までには燃え移らん。
 ・・・・・・だが気をつけろ。あのブーメランは伝説に値する武器だ。
 今の様な失投を現実の森で行えばどれだけの被害が出るかはわからん。気をつけろ。
 ・・・・・・さあブーメランを取ってくるといい。」

僕は今まで以上の神経を使い練習を続けた。全力真剣だ。
日が落ちる頃には威力をつけたまま木に当てられるようになった。二十五歩の距離でも大丈夫だ。
しかし出来れば細部に当てられるようにしたい。距離も五十歩は保ちたい。
続きは明日することになった。

ファングさんは無口でいつも怒ったような顔をしている。しかしとても丁寧に教えてくれるのだ。
きっといい人に違いない。いや絶対いい人に違いない。僕は断定することにした。

お風呂に入る。
先にメタリンとホイミンが入っていた。
ゆっくり湯船につかり疲れを落とす。

夕食の時間になる。
昨日とはまた違う料理にほっぺたが落ちる♪
みんなでわいわいお食事だ。なにをしていたか話し合う。
やっぱりスタスタは来ない。

寝室へ向かう。
そしてそのまま就寝した。
705書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/02(土) 00:40:10 ID:epdN2Ivg
今日はここまでです。

炎のブーメランは攻撃力高いですからねー。
炎属性の敵にも効くのがドラクエの不思議。

と。_。つ 。○ ( スイカは好きですよ。 )
706名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/02(土) 16:21:27 ID:q2VlgVns
スパロボ風
呪文=ビーム扱い、物理は切り払われる

はぐりん
特殊 呪文無効化
ギラ 呪 1000 消費10 射程1-4 ALL
イオ 呪 1200 消費30 ハイメガ型 MAP
格闘 物 1400 消費00 射程1P クリティカル+20
ベギラマ 呪 1600 消費20 射程1-4 ALL
イオラ 呪 1800 消費50 ハイメガ型 MAP
炎のブーメラン 物 2500 消費00 射程3-7
ベギラゴン 呪 2500 消費40 射程1-4 ALL
イオナズン 呪 2700 消費100 ハイメガ型 MAP
ゼロ距離イオナズン 呪 3500 消費100 射程1P クリティカル+10
連続ベギラゴン 呪 3800 消費120 射程1-4 ALL
格闘と全ての呪文は命中+10

精神 集中 ひらめき 熱血 努力 友情 魂
技能 底力
小隊長能力 防御+10%up

ギラとかイオとか無駄にイランと我ながら思う
707はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/03(日) 02:35:30 ID:35E+kiJx
四十四日目。準備期間二日目。

さらに一日かけてブーメランの練習を行う。
五十歩離れた場所でも狙えるようになり、動く標的相手に練習を開始する。
動く相手はやはり動かない相手とは違う。
しかし夜になれば満足のいくところまで練習が完了した。残りは実践で掴むしかない。

夕食の時間に料理をむさぼっていると、部屋にスタスタがやってきた。
スタスタも夕食を取りにきたのだ。随分とボロボロで痛々しい。
まるで何年も戦いを続けたかのようだ。顔も厳しく笑顔が少ない。
僕たちが心配しても「大丈夫。」とだけ答える。
僕たちは根掘り葉掘り聞けなかったが、どれだけきつい練習をしていたのか容易に想像がつく。

明日の残った一日を休養に当てるなんてとんでもない。
スタスタですら頑張っているのだ。僕もなにかしなくては。
そうだ。明日は呪文の練習を願い出てみよう。
一日でどこまで出来るかは分からないが、やれる限りのことをやろう。
僕はそう決意して目を閉じた。

四十五日目。準備期間最後の日。

僕は王の間へ向かい、呪文を習いたいと名乗り出た。
グランスライム様は黙って頷き、まどロンさんを呼んでくれた。
しかしまどロンさんが言うにはイオナズンを覚えている僕が習うべき攻撃呪文はないという。
だがスタスタが持っている書には少し変わった呪文や特技が載っているかもしれないらしい。
僕はまどロンさんに連れられてスタスタと合流することにした。
708書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/03(日) 02:37:56 ID:35E+kiJx
今日はここまでです。

。,,,,,_。,,,,, 。○ ( だれた展開全開中。 )
709名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/03(日) 17:45:39 ID:4ZTjhtj0
>>708
大丈夫?
なんかやばそうだ・・・。
710名前が無い@だだの名無しのようだ :2005/07/03(日) 19:42:51 ID:ov34+0oD
>>708
でも、そんな貴方が好きです
711はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/03(日) 22:52:56 ID:35E+kiJx
スタスタの練習所に辿り着く。
部屋の中に入って僕はビックリした。
部屋の中はただっぴろい荒野で、そこらじゅうに大小のクレーターがあるのだ。
正面クレーターの近く、水飲み場に一匹のはぐれメタルが立っている。
体中ボロボロで修行の凄惨さが伝わってくる。

ホイサッサさんが僕たちに気づいて近づいてくる。
事情を話すとホイサッサさんがスタスタに知らせた。
スタスタは僕たちを見てニコッと笑ったあと再び背を向ける。

僕とまどロンさんはホイサッサさんから書を借りた。
一体なにの練習をすればいいのだろうか。
まどロンさんが書を覗きこむ。僕も覗いてみるが、難しい言葉が書いてあって理解し辛い。それどころか読めないページすらある。

まどロンさんが書を読みながらつぶやく。
「ふむ。やはりか。はぐれメタルに合う攻撃呪文はイオナズン以上はないな。強力な特技もあるが、今日から始めて習得できるとは限らん。
 他には・・・スカラ・・・難しいものになるとアストロンか。むっ。中にはルーラを使える者もいるようだな。
 ところで君ではなく、スタスタ君はここにある呪文はほとんど使えるのかね?」

僕はスタスタの呪文を思い出す。そういえばどの呪文、特技が使えるか把握しきれていない。
「え〜っと。アストロンとイオナズン、ベギラゴンは使えたと思います。ルーラは使えないと思います。スカラもどうだったか。」

「なるほど。ルーラは使える者が教えないとよく伝わらないはずだ。時間もかかると聞く。私では教えられない。
 このスカラという呪文を覚えておくかい?身体を強固にする呪文だ。地味に役立つ。君なら一日もあれば覚えるはずだ。」

スカラ・・・。知っている呪文だ。僕たちの身体がより強固になれば無敵になれるかもしれない。
「分かりました。この呪文を覚えます。」
712はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/03(日) 22:57:19 ID:35E+kiJx
まどロンさんが書を閉じる。
「よし。そうしよう。他の呪文、特技は無理をせず少しずつ習うべきだ。」

僕たちが相談をしていると辺りが光り輝く。スタスタが光り輝いているのだ。
大地が震え、割れた地面、石、土が浮かび上がる!
「うあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。どうだぁぁぁーーーーーー!!!」
スタスタが悲鳴の様な叫び声を上げる!

ボンッ!ボンッ!ボボンッ!

爆発音と共にスタスタの肉体の一部が砕けて散る!
なんとスタスタの内部から爆発が起こったのだ!
失敗!?

爆発は収まりスタスタが倒れている!
僕は大声で叫ぶ!
「スタスターーー!大丈夫ーーー!!」

駆けつけようとした僕をホイサッサさんが引き止める。
「見てくるよ。気にするな。毎回こうさ。初日はこの比ではなかった。練習のたびに回復が必要だった。今は数回に一回は傷つきながらも成功する。
 呪文の練習をするといい。心配要らないさ。」

ホイサッサさんはスタスタの元へ走っていく。
僕たちは顔を見合わせ、自分たちの練習に専念することにした。
今は自分のことが第一だ。スタスタの努力に負けてられない。
713書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/03(日) 23:03:48 ID:35E+kiJx
今日はここまでです。
十レス分くらい書き溜めたので、しばらくはまったりと他のことが出来そうです。

>>706
強すぎw

>>709
心配ありがとう。

>>710
告白キタ━━━(゚∀゚)━━━!?

   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( こういう下らない&微妙な遊びに付き合ってくれてありがとう。 )
714名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/04(月) 16:43:44 ID:a5RoQ8Ge
>>706
イオ系をALLにビックバン以降をMAPにしてはどうか?
ギラとイオは存在価値ないので削除
ついついスパロボ板のテンプレ使用
はぐれメタルは宇宙で生息できますか?

名前:はぐりん サイズ:SS 剣:無 盾:無
HP:100 MP:160 運動性:130 装甲:10000
移動力:12 移動タイプ:陸 地形適応:空- 陸A 海D 宇-
スロット:4 コスト:1.0
特殊能力:呪文無効化

【種別】【武器名称】     【属性】【威力】【射程】【消費】【気力】【命中】【CT率】【備考】
 物理 格闘          PLA  1400  1-1  MP0       +20  +20
 呪文 ベギラマ            1600  1-4  MP5       +20
 呪文 イオラ         ALL   1800  1-5  MP10      +20
 物理 炎のブーメラン        2500  3-7  MP0
 呪文 ベギラゴン           2600  1-4  MP20      +20
 呪文 イオナズン      ALL  2800  1-5  MP40      +20
 呪文 零距離イオナズン  PLA  3500  1-1  MP40  120   +40
 呪文 連続ベギラゴン        3800  1-4  MP80  120   +30  +10

名前:はぐりん 性格:普通
物理:145 呪文:155 回避:180 命中:150 防御:200 技量:145 SP:70
精神コマンド:努力(1) 集中(5) ひらめき(12) 熱血(25) 友情(36) 魂(40)
特殊技能:底力(Lv9)
小隊長能力:ダメージ-20%
715はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 00:41:46 ID:Gq7Lq4eG
身体がより強くより輝くように思い浮かべる。
「スカラ!」

しかし身体に変化はない。失敗のようだ。

「スカラ!」「スカラ!」

「スカラ!」「スカラ!」「スカラ!」

なかなかうまくいかない。まどロンさんの指導の元呪文を繰り返す。
太陽が落ちて日が暮れた頃に少しずつ形になってきた。

「スカラ!」
僕の身体をまばゆい光が包む。光が身体に馴染んでいく。
僕の身体がより強固になったようだ。大木に頭から飛び込んでも痛くない。
数十分は効果が続くらしい。思っていたよりも使えるかもしれない。

スタスタとホイサッサさんが僕の方にやって来る。スタスタの傷は回復呪文で癒されている。スタスタが口を開く・・・。
「特訓はうまくいった〜?お腹空いちゃったよー。ううっ。」

いつもの明るいスタスタだ!

「うん!うまくいったよ!スタスタは!?」

「形にはなってきたけどまだまだだねー。とりあえずここで打ち切りだよ。
 特訓を見てたと思うけどこの技は恐ろしい技だよ。『ビック』より強力な技があるなんて思いもしなかった。」

あっ・・・自分で一杯一杯で成功したところを見ていなかった・・・。
「ごめん。あんまり見てなかったんだ。でもどれだけ頑張ってたのはクレーターを見れば分かるよ。」
716はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 00:43:47 ID:Gq7Lq4eG
「ははは。使ったら力が抜け切っちゃうんだ。疲れて動けなくなってしまう。
 まだ数回に一回しか成功しないし、失敗したら自爆技みたいになっちゃう。滅多に使えないね。」

「えっじゃあどうやって練習していたの?」

僕の質問にホイサッサさんが答える。
「ここの水飲み場の水は疲れを癒してくれるんです。水飲み場に神の加護があるからであって、持ち歩いてもただの水になっちゃうんですけどね。」

なるほど。そうだったのか。

まどロンさんが口を開く。
「では戻ろうか。お風呂に入って食事をしたらグランスライム様と最後の調整だ。」

僕たちはお風呂に入る。スタスタと一緒に行動するのが久しぶりに感じた。
先にメッキーさんが入っていたのでイオで水を掛けまくったら怒鳴られてしまった。

食事をとる。久々に全員揃っての夕食だ。
食卓の上が戦場になる。ゆうぼんが再びベホズンに食べられてしまう。楽しい食事だった。

王の間へ進む。
途中でファングさんを見かける。声を掛けようとしたら睨まれてしまった。
あれ?怒られる様なことしたっけ?思い当たらない。
王の間へつくと扉の前にきっちりとファングさんが立っている。
あれれ?なんで?さっき見かけたのは?

僕がファングさんにこのことを告げると、ファングさんが困った顔をして答えた。
「・・・弟なんだ・・・実力はある・・・が・・・性格が幼い・・・派手好きの不良でね。」

言われて見ればファングさんよりも鬣が派手だったかもしれない。
・・・ファングさんも派手なんだけどね。
717はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 00:46:11 ID:Gq7Lq4eG
今日はここまでです。

   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( 7/2にですがスターウォーズEP3先行上映を見てきたとですよ。 )
718書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 00:47:49 ID:Gq7Lq4eG
うぅまたまた凡ミス

   ∞゛ υ
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( しょぼーん。 )
719はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 23:36:22 ID:Gq7Lq4eG
僕たちはお辞儀をして王の間へ進む。グランスライム様と話し合いを始める。

「みなの者。十分に準備が出来たかのう。それでは編成と最初に向かう場所を考えよう。」

僕が口を挟む。
「すみません。移動はどうするのでしょうか?」

「ふむ。協力してくれる者をプチット族の四人が迎えに行っておる。明朝には着くはずじゃ。」

そういえばプチット族のみんなが見当たらない。心配の必要はないみたいだ。

ベホズンが話を進める。
「では決めよう。編成はバランスの取れるように振り分けたい。場所はどこも可能性があるので勘で決めるしかないだろう。
 先に編成を決めたい。意見があれば自由にいってくれたまえ。」

ピエールが手を挙げる。
「ベホズン殿とホイミンには二手に分かれて欲しい。どちらにも回復役が居ないとまずいはずだ。」

ゆうぼんが要望を出す。
「僕お兄ちゃんと一緒がいいーーー。」

メタリン。
「へへへ。僕は誰とでもいいけど、はぐりんとスタスタは分かれた方がいいね。
 メタル族を実力で分けるならはぐりんと僕、スタスタとゆうぼんかな?」

ゆうぼんがガーンとした顔でメタリンを見ている。
ガーンとしたゆうぼんを見てスタスタもガーンとした顔をする。
720書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/05(火) 23:43:07 ID:Gq7Lq4eG
今日はここまでです。
編成決めの時間になったのでした。

数年使ってた恐竜さんのマグカップ(お気に入り)が壊れてしまいましたorz
取っ手が取れただけだけど、根元から取れたから穴が開いてしまった(ノД`)
飲み物が浸かると不安なので瞬間接着剤も使えないっす。
さようなら恐竜さん。

||||
||
   ∞゛ υ
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( 7/6になるまでマジ凹みしますw )
721名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 00:47:40 ID:91WMkPt1
ageるぞ( ゚Д゚)ゴルァ!!
722名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/06(水) 07:18:15 ID:Dj9BBKjY
ttp://nekotani.lix.jp/diary/index.php
アロンアルファは一応食品衛生法の基準は満たしてる、らしい。
723706:2005/07/06(水) 18:50:28 ID:zrWMy/Qs
>>714
バランス(・∀・)イイ
ピエールはサスケがサブパイロット
アーサーはスタリオンがサブパイロット
アーサーは隠しユニット
特定ターンまでに敵を全滅させればOK
ターンが過ぎると死亡イベント

そろそろスレ違い?
724はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/06(水) 23:43:53 ID:/S3MtEh8
スタスタがガーンとしたまま喋る。
「僕とはぐりんに大きな差はないよ〜。四人に大差があるとは決め付けられないよー。みんな修行したはずだからねー。」

今度は僕とメタリンがガーンとした顔でスタスタを見る。僕とスタスタには大差があるのに〜・・・。

スタスタが続ける。
「はぐりんとゆうぼん、僕とメタリンでもいいんじゃないかな?僕はメタリンともう少し行動を共にしてみたい。
 それにゆうぼんは僕よりはぐりんと一緒の方がいいみたいだよー。しくしく・・・。」

しょげるスタスタを見てゆうぼんが焦る。
「ちっ違うよ!僕スタスタお兄ちゃんも大好きだよ!ただ、はぐりんお兄ちゃんと組みたいって思ってたから・・・。」

スタスタ。
「ふふふ。分かってるってば。」

マグマンが声を出す。
「じゃあ俺とピエールが別れればいいんだな。よし。じゃんけんでもして決めるか。」

マグマンが僕と組むことに、ピエールがスタスタと組むことになる。
あとはベホズンとホイミンがどっちに入るかだ。

ベホズンが話す。ちらっとピエールの方を見た気がした。
「よし。私がスタスタの方に入ろう。不思議な帽子でホイミンも私と変わらぬ量の回復が出来る。」

ホイミンが答える。
「ええ。それで構いません。私たちはギリギリまで戦闘に参加しませんから戦力には数えぬ方が無難です。」

編成が決まった。
僕たちのチームは僕、ゆうぼん、マグマン、ホイミン。
スタスタのチームはスタスタ、メタリン、ピエール、ベホズンだ。
725書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/06(水) 23:58:02 ID:/S3MtEh8
今日はここまでです。ageどうもです。

>>722
おおっ。ありがとうございます。
食器に使っても大丈夫なんですね。
熱いコーヒー入れたり、電子レンジに使ったりしてたマグカップなので熱の項目に引っかかる気もしますが、直ると知っただけでありがたいです。
どっちみち新しいマグカップは必要ですね。今度はどんな絵柄にするべきかな〜。
大変参考になりました。

>>723
私は特に気にしてないですよ〜。興味深く読ませて頂いてます。
スレ違いといってもここ以外「めぐれメタル」の話をする場所はないですからね。
スパロボはαって作品をやったあとやってないです。むしろゲーム自体やってない。
ガンダムもマジンガーZも見たことなかったのに結構楽しんでた記憶が・・・。
ドラクエ8はいつかプレイしたいですね。

   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( この部分が日記帳と化して来てしまった。 )
726はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/07(木) 21:40:53 ID:xfYuGrWi
メッキーが質問する。
「旦那。私はどうしたらよろしいので?」

グランスライム様が答える。
「ふむ。他の協力者が来てからどちらかに加わってくれればいい。その時に戦力の調整もすればよかろう。
 みなの者は行く場所を決めてくれ。」

熱帯雨林のアマゾニア。
四つの島のシックスアイランド。
火山のバコーンズコ。
人間たちのトルガッ。

ベホズンが一言告げる。
「トルガッは奴らが来る可能性が低い。最後に回そう。色々と面倒な土地でもある。」

ホイミンがマグマンに尋ねる。
「僕たちのチームは火山に向かいます?・・・マグマンは溶岩が好きなんですよね?」

マグマンが答える。
「溶岩は楽しみだが、いつでも行けるから勘定に入れなくていいぜ。あんまり味は変わらないもんだしな。
 それに海底の大穴が問題になるかもしれないんだろ。俺は水の中は無理なんだ。」

僕。
「そしたら四つの島も難しいよー。色々な文化がありそうで楽しみだけど、沈んだ島二つが大切なんでしょ。」

ベホズン。
「熱帯のジャングルは雨が降る。どこへ行こうとも水とはかち合わねばなるまい。」

メタリン。
「一番遠いのはジャングルなんだよね。先に他の土地に行ける様にした方がいいかもしれないよ。へへへっ。
 火山の周りは海しかないんだよね。火山の探索はマグマンに向いてるけど、それ以外で困ることが多いかもしれないよ。」
727書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/07(木) 21:42:28 ID:xfYuGrWi
ノシ

   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( zzzZZZ )
728はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/09(土) 00:53:53 ID:Xg7dsxbD
僕が質問する。
「スタスタとゆうぼん、ピエール、ホイミンはどう?」

スタスタが答える。
「火山の不思議な現象は興味あるけど正直ちょっと怖いや。」

ホイミンが続く。
「僕はどこでも構いませんよ。火山の熱は恐ろしいですが。」

ゆうぼんも答える。
「僕も火山は怖い・・・。」

ピエールがふうっと溜息をつく。
「それならば私たちが火山へ向かおう。不思議な現象とやらには私も興味がある。
 そして編成も変えないか。マグマンとメタリンを代えるんだ。水は問題だがやはり火山の探索にはマグマンが向いている。」

メタリンがスタスタを見ていう。
「僕は構わないけど、スタスタとはぐりんも代えることになるかな?」

ゆうぼん。
「ええーーー。そんなぁ・・・。」

ベホズンが代案を出す。
「いや、そうするとメンバーを大きく変える必要が出て問題だろう。決まらなくなってしまう。
 マグマンが必要になればここで伝言をして入れ替えるというのはどうだろう?
 大きなアクションを起こす時は、ルーラでここに戻り近況を伝えるのだからね。」

なるほど。火山探索の時だけ入れ替える。それはありかもしれない。

スタスタが結論を出す。
「よーし!じゃあ決定だよ〜。はぐりん、ゆうぼん、マグマン、ホイミンのチームはシックスアイランドに向かう。
 僕、メタリン、ピエール、ベホズンのチームはバコーンズコに向かう。場合によってはマグマンを僕たちの誰かと入れ替える。」
729書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/09(土) 00:55:30 ID:Xg7dsxbD

     〜゜
   ∞ ))
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( お酒っておいしいですよね。 )
730名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/07/09(土) 13:28:49 ID:cTYphv3P
同意したいが・・・
まだ、私は未成年
731名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/09(土) 21:28:49 ID:1rVOjlx7
早く酒が飲める年になりたいです
732はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/09(土) 23:47:53 ID:Xg7dsxbD
グランスライム様が僕たちに声を掛ける。
「ほっほ。決まったようじゃな。では今夜はゆっくりと休んでおくれ。
 明日の朝、武器庫を解放し、協力者を加えて出発することになるじゃろう。
 辛い戦いになるじゃろうが、頑張って欲しい。」

ヌマージさんが僕たちに声を掛ける。
「みなさんの中に呪われている人がいますね。解呪しまいましょう。
 掛けた相手が近くにいなければ意味のない種類の呪いですが、いつ戦うことになるか分かりません。」

そうだった。呪われていたのを忘れていた。忙しかったため頭になかったのだ。

僕たちは解呪の儀式を受けて部屋に戻った。
なんとも変わった儀式だった。神聖な道具でパタパタしてもらい、不思議な水を飲むのだ。
しかし儀式が終わったあと少しだけ肩が軽くなった気がした。

僕たちは雑談をした後、明日へ備えてしっかりと睡眠をとることにした。

・・・。
・・・・・・。

夜中に目が覚める。
喉が渇いたのだ。今夜は随分と暑い。
僕はみんなを起こさない様に静かに扉を出た。
夜中のお城はとっても怖い。真っ暗で幽霊でも出そうな雰囲気だ。

歩いていると通路の奥にホイミスライムの影が見えた。・・・幽霊?
僕が唾を飲んで近づいてみるとなんとホイミンだった!

「ホイミン〜!!!なにしてるの?」

ホイミンは僕を見て返事をする。
「はぐりん!はぐりんも喉が渇いたんですか?他にも何人かベットを出てましたよ。今夜は暑いですからね。」
733書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/09(土) 23:54:47 ID:Xg7dsxbD
意外と未成年の方が多いのですかね〜。
はぐりんたち、今までの主要登場人物でお酒が飲めそうなのははぐメタ、メッキーくらいですかね〜。
お城、森のモンスターもですね。


   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( 成人したらお酒は程よく飲むと良いですよ。たぶん。 )
734はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/10(日) 17:04:34 ID:StMeo4qf
僕は頷いておやすみを告げると先に進んだ。
食堂隣の給仕室へ向かう。意外に多くのモンスターが起きていて驚く。
赤と青のスライムカップルもいたし、メタルスライム三匹が雑談していた。
スライムツリーがにっこり笑って、ピンク色で足のあるスラッピーがぴょんぴょん跳ねている。

僕は給仕室で水を汲み飲み干す。砂漠で飲む一杯に勝るとも劣らぬ一杯だ。
帰りの通路でスライムファングに出会う。
「ファングさん?」

しかしスライムファングは僕を睨みつけて唸る。
「あぁ?なんつった貴様ぁ!!!ファングだぁ〜!?
 俺様の名前はスラングだっ!覚えておけ!カスっ!」

しまった。鬣が派手な金色だ。弟さんの方だろう。
「ごっごめんなさい。」

「ごめんなさいだぁー?
 ふざけんじゃネーゼ。俺は兄貴と間違えられんのが大っ嫌いなんだよっ。
 二度と間違えんじゃねーゾ。分かったか!クズ鉄!」

「・・・気をつけます。」

「へへっ。そうだ。そんことはいいや。おまえらグランのじじぃから旅費ぐらいは貰ったろう?
 俺によこせよ?なっ?名誉毀損の慰謝料代わりだ。」

「貰ってない!貰ってないよ!貰ってても渡せないよ!」
僕は否定する。

「おいおい。痛い目には会いたくねぇだろ〜?なあ?ぉお?なにもぶん取ろうってンじゃネーンだ。
 ちょっと貸して欲しいんだよ。次に立ち寄った時には倍にして返してやるからよ〜。なあ。」
735はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/10(日) 17:07:13 ID:StMeo4qf
「・・・僕は寝るよ。おやすみ。スラング。」
僕はスラングの脇を通って歩き出す。

「おぃおぃ。物分りが良くないようだなぁ!
 ふはははは!分かったぜ!ご自由にどうぞってことか!じゃあ遠慮なく貰ってやるぞ!
 あの兄貴もグランのじじぃも俺の実力は無視できネーンだ!!
 見るがいい!この力の溜め方を!貴様はこの攻撃に対抗できるのか!?」

ギギギ・・・。ググッ・・・。
身体のきしむ音がする。

スススッ。
僕は背を向けたまま歩く。

鋭い視線が突き刺さる!
今まで戦った強敵たちに負けない迫力だ。どうやら口だけではないらしい。
城の中だぞ!まさか本気で攻撃を仕掛けるつもりか!?

スラングがドスの聞いた低い声で唸りあげる。
「なぁなぁ・・・。俺はこのあとどうすると思うー?ふふっ・・・ははっ・・・。
 側面を跳ねて貴様を襲うかもしれん。ジャンプして頭上から攻撃するかもなあ。
 もしかしたらそのまま突っ込んでくるかも知れネーゼ!
 ・・・さあ!金を置いてけやぁ!!!」

相手をするわけにはいかない。僕は無視して歩き続ける。

「返事なしかー!!!ますます気分の悪い野郎だ!
 俺は気に入らないんだぜ。てめーの様な世界を救ういい子ちゃんなんてよー!
 ぜいせい盛大に砕け散りやがれーーー!!」
736はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/10(日) 17:09:06 ID:StMeo4qf
バンッ!
なにかが弾ける様な音がする!

彼は強いかもしれない・・・だが!

僕は振り向くと同時に呪文を唱えた!
目前にスラングが迫っている!
「イオラ!」

爆風と共にスラングが吹き飛ぶ。
倒れこんで通路の先で吠えている。
「ちくしょぉぉぉ!気取りやがって!ぶっ殺してやる!『イオラ』だと!手加減したつもりか!クズ鉄めぇぇぇ!」

何匹かのスライムが爆音を聞いて近づいてくる。
僕は彼の手当てをお願いしてその場を去った。

「絶対ゆるさねぇぇぇ!」
「必ず殺してやるゥゥゥ!」
「このまま生きて城を出れると思うなよぉぉぉぉぉぉ!!!」

彼の罵詈雑言が最後まで聞こえていた。

部屋に戻る。
僕はグランスライム様の元にああいうスライムがいて、ビックリした様なホッとした様な気持ちになった。
彼の様な者もこの城に居てよい・・・のだろうか?
僕は再びベットに入った。
737書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/10(日) 17:15:28 ID:StMeo4qf
今日は珍しく早めです。
これで準備期間終わりです。明日から旅立ちです。
実はここまでを一般的に言う春休みまでに書くつもりだったのに、もう夏突入ですね。
駄目だなあ。まだ足りない。色々と。

   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( 試験的に締めでage! )
738はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/11(月) 16:40:43 ID:UiN2/72s
四十六日目。

僕たちは朝日が昇ると共に目を覚ました。
昨夜とは打って変わって涼しい、清々しい朝だ。
顔を洗って朝食を頂く。このお城の食事も食べ納めだ。スラニオたちコックに改めて御礼を言う。
保存食を始めとする食料、水、薬草を大きな袋に二つ頂いた。なにからなにまでありがたい。嬉しいよ。

グランスライム様の元へ行く。
武器庫は既に開けてあり、ヌマージさんが案内してくれるらしい。
移動は大河から海へ乗り出すことから始まるため、協力者の方たちは大河で既に待ってるらしい。
メッキーさんに大河まで連れてってもらう予定だそうだ。
まどロンさんが僕たちに「グランスライム様からです。」と幾ばくかの旅費をくれた。

グランスライム様が一通りの説明の後こう告げた。
「今後も中継地点としてここを訪れるかもしれん。しかし道中なにがあるかは分からない。だからこそ言っておこう。
 みなの者!再び生きて帰ってきてその元気な顔を見せるのじゃぞ!」

僕たちは声をそろえて「はい!」と答えた!

王の間を出る。ファングさんが僕に声をかける。
「・・・昨夜は・・・弟が・・・申し訳ない・・・。」

僕は首を横に振って答えた。
「迷惑だなんてそんな・・・。元気なスライムでした!」

ファングさんは二度頷いて手を振った。ピエロスライムも手を振ってくれる。
僕たちは手を振って階下へ向かった。
739書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/11(月) 16:42:24 ID:UiN2/72s
今日はここまでです。
梅雨なのか晴れなのかよく分からない天気・・・。


   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( !!! )
740はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/13(水) 00:32:53 ID:O9wIVcAh
一階へつく。この階に武器庫があるらしい。
武器庫には様々な武具が置いてあった。古い物から新しい物。小さい物から大きい物。
中にはビッグボウガンという超度級の武器も合ったが、ヌマージさんが言うにはスライムが扱うにはデカ過ぎるという。
スライムならば数時間かけて一発撃てればスゴイそうだ。

僕たちはそれぞれ武器を手にとって見た。しかし僕たちスライムに扱える武器は少ない。
ブーメランは僕以外は練習していないし、ピエールも剣以外を持つと逆に弱くなってしまう。
僕たちは相談した結果、毒針を人数分、鋼のやいばを四つ、雷の杖を二つ、天罰の杖を二つ、僕の袋とスタスタの持つ食料袋に別けて入れた。
当然食料袋に入れるときには別の袋に包んでから入れる。
僕はそれとは別に予備のブーメランとして鋼のブーメランを袋に入れた。ピエールも魔法の盾という新しい盾を装備している。
それ以外に僕たちに使えそうな物はなさそうなので武器庫を出た。

中央へ戻る。ホイサッサさんとプリりんさん、メッキーさんが待っている。
ヌマージさんとホイサッサさんとはここでお別れだ。世話をありがとうと御礼を告げる。
二人は上階へ戻っていく。
メッキーさんが遅いと怒鳴る!僕たちはごめんごめんと謝った。
プリりんさんが言うには大河で他のプチット族と協力者が待っているらしい。
僕たちが扉を超えようとすると階段を下る音が鳴り響いた!

僕たちが振り返るとそこに立っていたのはなんと包帯グルグル巻きのスラングだった!
手には小さな袋を持っている。昨夜の報復に来たのだろうか!?
僕は身構える!
スラングは包帯を噛み切りながら大声で叫んだ!
「俺を連れて行けぇい!!!」

僕はぽかーんとしたまま反復した。
「連れて・・・行け・・・?」

スラングは包帯を投げ捨て繰り返す。
「その通りよぉ!おまえを追ワネーと!クズ鉄!てめえをぶっ潰せねえジャネーか!」
741書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/13(水) 00:34:09 ID:O9wIVcAh


   ∞
,,,,,,,,,‖,,,,, 。○ ( 干した布団で寝るとすっごい気持ちいいのです。 )
742名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/13(水) 23:20:24 ID:sGV7SQU9
あ〜それよく分かります
743はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/14(木) 00:12:54 ID:dcBcSt4M
マグマンが前に出る。
「クズ鉄だと・・・!?なんていい様だ!取り消せ!」

僕が前に出る。
「スラング!みんなに迷惑を掛ける様なら連れてなんて行けないよ!」

スラングは一呼吸置いて話を続けた。
「・・・俺を連れて行くと便利なことが一杯だぜぇ?
 俺はてめぇらに出来ねえことが出来るんだ。その上強いという一品よぉ。
 赤いだけの焚き火よりはずっとましだぜ!」

マグマンがさらに前に出る。
「貴様!!!」

僕は二人の間に入った。
「スラングが弱いなんて言ってないよ!
 迷惑を掛けるなら連れて行けないって言ってるんだ!仲間割れなんてしてる余裕ないんだよ!」

スラングが笑いながら答える。
「ふはは。甘い甘い。こいつらがてめえに迷惑かけねえと本気で思ってんのか!
 俺が居なけりゃ争いが起きないなんて大笑いだぜ!
 くっく。だがいいぜ。てめえをぶっ潰すのは今じゃなくてもいいんだ。
 逃げないよう見張ってれば十分なんだよ。ついて行く代わりに多少の役には立ってやる。
 俺ももっと強くずっと強くなった方がいいみたいだしな。ふはははは。」

ピエールが尋ねる。
「本当にそれだけか?それだけでわざわざついて来るものなのか。
 はぐりんと戦うならばいつでも良かろう。修行だってこの城ならば存分に出来るはずだ。
 何か他に企んでることか、目的があるんじゃないか?」
744はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/14(木) 00:13:52 ID:dcBcSt4M
スラングが答える。
「はははっ!馬鹿かおまえは!企んでたとしてもそれをばらす馬鹿はいねえよ!
 一つだけ教えてやる。俺はもう飽き飽きしてんだ!この辛気臭い城にな!
 兄貴の様に呆けたじじぃのお守りをする人生なんて嫌なんだよ!
 俺はもっともっと素晴らしい世界に生きるんだ!」

メタリンが喋る。
「はぐりん。彼は信用できるの?
 へへへっ。もし信用できるんなら連れてった方がいいよ。
 今は猫の手でも借りたい状況なんだ。はぐりんの方に入ればバランスも取れる。」

メタリンの言うとおりだ。でも信用は・・・。

僕は答えた。
「分かった。連れて行こう。僕たちの方に入っておくれ。
 でもなにか悪さをしたり、迷惑を掛けるようならルーラを使ってでも置いてくからね!」

スラングが笑う。
「ふはははは!信用できねえってことか!
 十分十分!今に貴様からお願いしますと泣きつく様になるぜ!」

ゆうぼん。
「よろしくね・・・不良のお兄ちゃん。」

僕たちは城を出てメッキーのルーラで大河へ向かった。
大河では三匹のプチット族が僕たちを待っていた。
僕たちが来ると大河が盛り上がった!協力者が姿を現したのだ!
745書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/14(木) 00:28:21 ID:dcBcSt4M
今日はここまでです。


 <三.V.三>
    ‖   。○ ( 太陽の力でパワーアップ? )
 ,,,,,,,,,,,‖,,,,,,,,,,,
746はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/15(金) 01:48:26 ID:4WSHMN9n
バシャァァァン!

姿を現したのは僕の知ってるモンスターだった!グロンテプスさんだ!
そしてその上には一匹のモンスターが立っている!
貝殻のおじいさんだ!ネーレウスのネレウスさんだ!
その肩にはスライムつむりのつむりん君が乗っている!懐かしい!

まさか協力者とは彼らのことなのだろうか!?
おじいさんが降りてきて僕の頭を撫でる。つむりん君が恥ずかしそうに隠れる。
「元気にし取ったかのう。はぐりん君。そしてスタスタ君。
 グランスライム様の使者が来たときも驚いたが、君たちの話を聞いたときにはもっと驚いたわい。
 グランスライム様に会えた様でよかったのう。まさかあの森にあの偉大なスライムおったとは。」

僕は抱きついて答える!
「おじいさん!ルーラが使えたんですか!」

「いーや。三日間の間に練習したんじゃ。わしらはこの大河から移動せんからのう。
 若い頃に一度覚えたが、使わん間に忘れておった。知り合いのネーレウスにも当たったが使える者は居なくてのう。
 それならばとこの機会に覚えなおしたのじゃ。
 覚えておったら昔、君たちを楽に移動させてあげれたんじゃがのう。」

「いえ、そんなことないですよ!僕たちのために練習してくれたなんて・・・。」

「わしがついて行く代わりにつむりんもついて行くからのっ。
 そろそろこのすぐに赤くなる癖を叩きなおしてやらんといかん。」

そう言ったそばからつむりん君は赤くなっておじいさんの影に隠れてしまっている。
しかしそのまま一言喋ってくれた。
「ひっ・・・ひっ・・・久しぶり・・・。よっよろしくっっっね。」

僕はにっこり笑ってよろしくと告げた。
747書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/15(金) 01:49:40 ID:4WSHMN9n
今日はここまでです。


 <三.V.三>
    ‖   。○ ( ゴッロゴッロ。 )
 ,,,,,,,,,,,‖,,,,,,,,,,,
748名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/15(金) 16:11:47 ID:4L0vxabi
久しぶりに見た。
やっぱ面白さはかわらないなぁ、むしろ前よりワクワクする
これからの展開が楽しみです
749書き手:2005/07/16(土) 00:19:16 ID:6WrMgEh3
突然ですが今日は休ませて下さい。
すみません。
750名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/07/16(土) 22:02:05 ID:acBkhbEs
疲れた時は休む!!
これ、基本
751はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:29:27 ID:TSzKw0V9
バッサ。バッサ。

空から羽音が聞こえる。
やって来たのは五体のモンスターだ。隊形を組んでいる。
地面に降り立ち僕たちの正面に立つ。

真ん中に居るのは飛竜の様なモンスターだ。パピラスというらしい。
左に居るのは煙の様なモンスター。ガスト。・・・乗れるのだろうか。
右に居るのは巨大な目玉に蛇が生えている。ゴーゴンヘッド。
左端は赤いリザードフライ?ドラゴンフライと呼ぶそうだ。
右端は意地悪そうな顔をした小悪魔。グレムリン。

彼らは揃ってこちらにお辞儀する。

一癖も二癖もありそうなメンバーだ!
どのモンスターも強力そうに見える。こんな協力者が居ようとは!
ヒロりんさんが言うには彼らはグランスライム様がじきじきに選んだ相手だということらしい。
グランスライム様と旧知の者も居ると聞いて驚いた。
僕たちは彼らにお願いしますと挨拶をした。

僕たちはグロンデプスさんに運んでもらうことになった。スタスタたちは空からだ。
空も飛んでみたいが、おじいさんたちとも話したかったのだ。

プチット族の四人がメッキーさんに運ばれて城に帰る。僕は大きな声でお礼を言った。
メッキーさんが無事帰ってくると、スタスタの隣へ行く。
いよいよスタスタたちと別れる時が来た。僕たちはスタスタたちの正面に立つ。
752はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:30:54 ID:TSzKw0V9
そして僕はスタスタたちに声を掛けた。
「また。みんなで必ず会おうね。必ず生きて帰ってこよう。」

スタスタが返事をする。
「もちろんさ。絶対に居なくなっちゃ駄目だからね〜。」

僕たちは口々に勇気付けあって背を向けた。

四十七日目。
今朝も〜元気にぃーグロンデプス号はっゆく〜♪
おいしい朝食がぁ〜みるみる並べぇばぁーきれいな朝日ぃがー水面を照らすぅ〜♪
水し・ぶ・き飛べば〜僕らの路が出来るぅ♪
ゴーゴーゴーゴー♪我らのはーんせーん我らのグロンデッ号〜♪

「船じゃない・・・!」
グロンデプスさんが怒った声で言う。

「気に入らなかった?」
僕は朝食を広げながら答える。
みんなも次々と目を覚ます。

船に乗ってはや二日。
グロンデプスさんの背中には絨毯が敷き詰められている。
これがないとぬるぬるしてとても乗っていられない。
マグマンの炎を防ぐという意味もあるし、引っかき傷をつけないという意味もある。
昨日はおじいさんたちとお話をして過ごした。
みんなにおじいさんたちを紹介して、おじいさんたちにみんなを紹介した。
グロンデプスさんが言うには目的地へは一週間から十日掛かるという。
道に迷わなくてこの予定だから本来はもっと掛かるかもしれない。
大河から海へ抜けるのは明後日の予定だ。
753はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:34:17 ID:TSzKw0V9
僕たちはグロンデプス号の上で遊びながら大河の神秘に驚いていた。
特にゆうぼんは目を輝かせて、僕に「魚が跳ねたよ!」「変わったモンスターがいるよ!」「夕日が映ってるよ!」とことあるごとに叫んでいた。
水に落ちたら危険なマグマンはとってもビクビクしていたし、ホイミンは『揺れ』に参っていた。
スラングは暇だ暇だと不満を上げていたが、大きな魚が跳ねたときに目を輝かせた。僕はそれを見逃していない。

僕はおじいさんに『書』を読んでもらっていた。そう特技が書かれた例の『書』である。
スタスタは必要な内容が全て頭に入っていると言って僕に渡したのだ。
スタスタが僕でも頑張れば一月で例の奥義を覚えられるかもしれないという。
スタスタの買い被りすぎだと僕は言ったが、練習しない手はない。
他の特技を練習してスタスタには出来ないことを習得するという方法もある。
僕はまずその奥義のやり方だけでも覚えることにした。

グロンデプス号は夜中までしか航海しない。
グロンデプスさんも寝る時間が必要だからだ。昼しか航海出来ないからといって文句はない。
むしろ一日中泳いでくれてすごいと思う。
夜に止まる時は陸地の近くで止まってもらうことにした。
そこで特技の練習をする予定だ。
食事の時は出来る限り陸地に止まり、絨毯を下ろす。
グロンデプスさんが水中を泳いで乾燥を防いだり、魚を食べるためだ。
少し面倒なので小さな船でも引いてもらった方が良かったかもしれないと思った。
次の機会には進言しよう。
乗船前は水中のモンスターとの戦いがあるかと思った。
しかしグロンデプスさんが恐れがられているからか、モンスターが寄って来ようともしない。

僕たちは風景を味わい、食事を騒いで、遊びを頑張って、船旅を楽しんだ。
これから未知なる大陸に向かうというのに楽しくってしょうがない。
754はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:37:19 ID:TSzKw0V9
四十八日目。
いつかぁぁぁたどり着ぅくさーーー♪未知なるぅ大陸ぅ〜♪
いつかぁぁぁ分かるぅさーーー♪僕なりのぉ標がぁ〜♪
きっとぉぉぉ〜♪

「いつまで続くんだ・・・その歌は・・・。」
グロンデプスさんが僕に質問する。

「まだ一台目の半分ですよ〜♪」

「・・・そうか。」
グロンデプスさんはそう言うと泳ぎに集中した。

船に乗ってはや三日。
僕は今楽しく喋っていたが、実は身体を動かす力もない。今日は夜まで身体が動かないだろう。

なぜなら例の奥義を練習したからだ。
身体が砕け散り、ホイミンさんが居なければそのまま天に上っていたかも知れない。
問題は疲れの方だ。身体の傷が治っても疲れは取れない。一晩経ってもこれだ。
失敗の副作用って奴だ。しかしおぼろげにどこが悪かったのかは分かっている。
今夜も練習することになるだろう。

今日も問題なく船旅が続く。
僕は一日ゆうぼんとつむりん君を相手に話をしていた。
積極的に話しかけるゆうぼんに内気なつむりん君は僕の影に隠れてばかりだ。
僕はごろんと何度もつむりん君を押して遊んだ。

あとはマグマンとスラングが口喧嘩したくらいだ。
こうして一日が経った。
755はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:39:37 ID:TSzKw0V9
四十九日目。
グロンデプス号のせーてー♪僕たちの道ぃのーせてぇー♪
なにがー起こるのかー♪進めるのぉかー♪先は一つも見えなぁいー♪
だからーまずはー焦らずー水をー一杯の水をーその手に持ってー
始まったばかりのぉっ♪歩むぅまえのぉ道をぉぉぉ♪
乾杯!!!

「船じゃない・・・。」
グロンデプスさんが呆れた声で言う。

「やだなーサビですよぉ〜♪」
僕はそう告げて一杯の水を飲む♪

「・・・しくしく。」
グロンデプスさんはそう言うと泳ぎに集中した。

船に乗ってはや四日。海に出る。
僕たちは口々にわーわー叫んだ。
見渡す限り水平線なのだ。大河を渡った時と変わらない感動があった。
夕日を見たらまた感動するだろう。

僕は当然動けない。水飲み場で三日掛かってもスタスタはマスター仕切れなかったのだ。
僕が出来るようになるのはいつなんだろう。他の特技を練習した方がいいのだろうか。
しかし他の攻撃特技も時間が掛かるだろうし、ルーラは僕が『使える種類のはぐれメタル』か分からないため重点を置きづらい。
うん。やり方の感覚だけでも身体に覚えさせておくべきなのだ。
今日からは岩場や小さな島を見つけてもらってそこで特訓するしかないだろう。

うーん。またマグマンとスラングが口喧嘩している。
駄目だよ。マグマン。そんなに熱くなっちゃ。絨毯が・・・。グロンデプスさんが・・・。

「あっっっつーーーーーーーーーっ!!!」
756はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:41:47 ID:TSzKw0V9
五十日目。
まだまだまままだまだままだー
戦って食べて気づいたらやられそれでも食べてまーまた食べて最後の人かけら飲み込 乾杯!
戦って眠って気づいたら起こされそれでも食べるんっじゃなく眠って最後の最後に起 乾杯!
ただ一歩そのまま一歩気づいたあとまた一歩三歩下がってまた一歩笑いながらもう一 乾杯!
かっぃぃぃえっぱっああぁいぃ
歩む歩む歩むまえの道をぉぉぉ♪
きっと・・・

「ありえない。」
スラングが僕にそう言った。
くっ!一台目の最後だからちょっと変わった歌い方をして見ただけなのに〜。

「じゃあ一緒に歌おうよぉ〜!」
僕は誘ったがスラングは「俺様の声が勿体無い。音痴野郎。」と言い放った。

「・・・しくしく。」
グロンデプスさんは何も言わずに泳ぎに集中した。

船に乗ってはや五日。
初めて水中のモンスターが戦いを挑んできた!
グロンデプスさんを知らない外海のモンスターなのか!?
あるいは知っていて襲ってくる凶暴なモンスターなのか!?
マーマンというモンスターだ!
三叉の矛を携えた魚人のモンスターだ。
矛を振り回せば波が散る!

!!!
なんとグロンデプスさんに一蹴されてしまった!
・・・強いよグロンデプスさん。

あははっ。今日も平和だ。
757書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:53:27 ID:TSzKw0V9
今日はここまでです。
来週(今週?)の分をまとめて投下したつもりです。
本当はもう少し量があった方が良かったのですが、来週は忙しくなりそうなのでご容赦ください。

毎日パソコンをつける用事が出来たのでしばらくの間毎日制でやってみたのですがどうでしょうか。
前の様にまとめて投下の方が良かったでしょうか。
毎日小出しだと少しずつ読めるから良いかなっと思ったのですが、
元々一〜二レスで終わらないことが多いので逆にまとめて読まないと意味不明になるのではないかと思いました。
どちらに落ち着くか分かりませんが、比べてみて卒のない意見を下さい。

>>748
ありがとうございます(・∀・)イイ
また読んでやってください〜

>>750
労いサンクスです。マイペースで頑張ります。

また無口に戻りそうなのでレスがなくてもお許しを。
フラフラしててすみませぬ。
758書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/17(日) 02:56:19 ID:TSzKw0V9
ちょっと前のレスで息抜き〜

>>649
 __   
 |  │ 
⊂ニ二つ
 (0゚ー゚) 

>>650

      r'ヽ,、ススス・・・
  人  r'二ヽ       _
(0・∀・) r'_^_^_ヽ三  (*- -)zzz

>>651
  __
 ノ r〜 ミ、ι
( そ;・ω・)3   アツイ・・・
 ゛~~ ̄``~ 

 <三.V.三>
    ‖   。○ ( うーむ。毛皮のフードに見えない。 )
 、、、‖、、、
759名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/18(月) 18:57:53 ID:R4HJyFq3
保守
760名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/20(水) 23:42:22 ID:rSObEBsZ
久しぶりに↓ラナルータ
761名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 12:32:42 ID:jLKgYdN1
あれ?おかしいな…寝過ごしたかな…

↓バシルーラ
762名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 12:43:01 ID:0WPPGxz6
私もDQ小説を書く身なのですが、ここまで読み手をワクワクさせることが出来ませぬ。
これからも執筆頑張ってください。
763名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/21(木) 22:01:06 ID:oCqPH1YK
↑マホステ

↓ピオリム
764名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 11:56:06 ID:tEp/Iwpm
↑ボミオス

↓ライデイン
765名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/22(金) 12:40:20 ID:r++F/pwG
↑返事がない ただの屍のようだ

↓返事がない ただの屍のようだ
766名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/23(土) 16:19:58 ID:4bE8PTwA
さて、ここで俺が保sうっ!?
こ、これは・・・、
デ、デスノートか、ぐふっ・・・・・・。
767書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 01:37:55 ID:0qVtg6Ej
↑ホッホイミ?

顔見せなくてすみません。
今日は書けなかったので明日続き書きます。
でも夜中になるかもしれないのでその場合はお許しを。
768はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:24:24 ID:0qVtg6Ej
五十一日目。
夕暮れも〜静かにぃーグロンデプス号はっゆく〜♪
水平線のかなたがぁ〜白紙に描けばぁーきれいな夕日ぃがー僕らを映すぅ〜♪
仲間・た・ち見れば〜みんな泣いているぅ♪
ゴーゴーゴーゴー♪我らのはーんせーん我らのグロンデッ号〜♪

「夕暮れじゃない・・・!」
グロンデプスさんが冷たい声で言う。

「清々しい朝に歌うから素晴らしいんじゃない?」
僕は朝食を広げながら答える。
みんなも次々と目を覚ます。

船に乗ってはや六日。船旅にも慣れて来た。
特訓の疲れは一日眠ると回復するようになった。しかし術自体の進展はないし、唱えるたびに身体が散る。
案外ここまで、特技の慣れまでは簡単に進めるのかもしれない。
僕の身体が派手に散るごとにゆうぼんとつむりん君が真っ青になる。
夜の間だけでも城に帰って特訓が出来ればいいのだが、おじいさんが言うには航海中のルーラは難しいらしい。
ルーラは景色と位置を意識して移動するので、景色に代わり映えが無く、位置が掴み辛い海は戻ってくるのが大変なのだ。
ルーラ使いが城や村、特徴のある場所を中心に移動するのはそのためなのだろう。

日が暮れるまで僕たちは釣りを楽しんだ。おじいさんがやり方を教えてくれたのだ。
スラングが大魚を吊り上げる。意外にホイミンもうまい。・・・僕は小魚しか釣れなかった。
くやしい〜。明日もリベンジしてやる。

五十二日目。
いつかぁぁぁ見つけ出っせるさーーー♪変わりいくぅ言葉ぁ〜♪
いつかぁぁぁ気づくぅさーーー♪対岸のぉ灯ぃがぁ〜♪
きっとぅぅぅ〜♪

「まだ終わらんのか・・・この歌は・・・。」
グロンデプスさんが僕に質問する。
769はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:25:02 ID:0qVtg6Ej
「ちゃんと二台目もあるんですよ〜♪」

「・・・そうか。」
グロンデプスさんはそう言うと泳ぎに集中した。

船に乗ってはや七日。今日は釣りにリベンジだ。
「海に出たのならば釣りを楽しまないと馬鹿だよね。」・・・らしい。
僕は楽しめているのだろうか?・・・今日こそ大物を釣り上げてやる!
昨日は釣りなかったマグマンが大漁だ。まずい。スラングが再び大物を釣り上げる。
いやらしい顔をして「誰かさんは釣れたのなぁ〜うぅぅぅーん?ああー残念だぁ。全然釣れてねぇ。」などと言ってくる。
ホイミンも大物を釣り上げ、ゆうぼんとつむりん君も自分たちの体より大きな魚を釣り上げた。

外海のモンスターが度々襲ってくるが僕は気にしない。
グロンデプスさんが千切っては投げ、千切っては投げ、そんな中僕は釣りに集中した。
オクトリーチが僕の頭上を飛ぶが気にしない。プチイールが燃えながら泣いているが気にしない。
とうとう僕の釣り針に大物が引っかかった。僕の方が飛び込みそうなくらい強い力で引っ張られる。
僕はみんなにヘルプを頼んだ。

「いっせいのーぜ!!!」

ああ!
グランテプスさんに負けない巨大なモンスターが頭上を飛ぶ!
僕たちは真っ青になった。グロンデプスさんの身体をかすって海の中にもぐりこむ。
僕たちはとんでもない大揺れに見舞われた!
まったく見たことのないモンスターだ!
灰色の身体をしている!

おじいさんが手を叩いてつぶやく。
「もしや・・・あれがオーシャンキング?」

どうやら外海のモンスターは外海のモンスターでも、完全に僕たちの大陸とはかけ離れたモンスターのようだ!
オーシャンキングは僕たちに怒りを露にし、全力で向かってくる!
770はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:25:57 ID:0qVtg6Ej
グロンデプスさんが激しい炎を吐く!
僕がベギラゴンを唱える!なんとマグマンもベギラゴンを唱えている!

オーシャンキングは燃え上がり悲鳴を上げながら立ち去って行った・・・。
災難だった。だけど・・・えへへ・・・僕の釣り上げた魚が一番大物だよね?

しかしマグマンの特訓は無事成功していたみたいだ。
ベギラゴンが使えるようになっているなんて・・・。

僕は特訓に力を注いだ!

五十三日目。
グロンデプス号のせーてー♪僕たちの道ぃのーせてぇー♪
なにがー起こるのかー♪進めるのぉかー♪先は一つも見えなぁいー♪
だからーまずはー焦らずー水をー一杯の水をーその手に持ってー
始まったばかりのぉっ♪歩むぅまえのぉ道をぉぉぉ♪
乾杯!!!

「おいおい。手抜きだぞ。」
グロンデプスさんが溜息交じりで言う。

「やだなーサビですよぉ〜♪」
僕はそう告げて一杯の水を飲む♪

「・・・はっはっは。」
グロンデプスさんはそう笑うと泳ぎに集中した。

船に乗ってはや八日。海のモンスターたちの毛色が変わってくる。
本当の意味での外海に入ったのか、それとも目的の島に近づいたのかどちらかだろう。
モンスターたちが襲ってくる。
大抵はグロンデプスさんが追い払ってくれるが僕たちが相手をするときもある。
771はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:26:37 ID:0qVtg6Ej
新たなモンスターが来るごとにおじいさんが、名前当てに四苦八苦した。
キラーウェーブと呼ばれるらしいモンスターには驚いた。生きた波そのものだったのだ。
シーフラワーというモンスターはどこかとぼけた顔をしていて愛嬌があった。
おばけうみうしには何故か塩を撒いてやりたくなった。
エビラはもうそのままレッドロブスターだ。熱々に焼いてやる。
ふなゆうれいは何とも表し難いモンスターでドロヌーバと人間を足して水を噴くモンスターと言えば分かるかもしれない。
唯一マーマンだけはどこの海にでも居るようだった。

僕は戦いのあと特訓をして眠った。

五十四日目。
よるよるよよよるよるよよるー
戦って座って見上げたらくらくそれでも見続けてよーよく見続けて最初の流れ星見つ 乾杯!
戦って眠って真夜中に起こされそれでも寝たふりっじゃなく眠って最後の最後も眠っ 乾杯!
ただ一歩そのまま一歩気づいたあとまた一歩三歩下がってまた一歩笑いながらもう一 乾杯!
いっぃぃぃえっいっいいぃあぁ
歩む歩む歩むまえの道をぉぉぉ♪
乾杯!!!

「それ歌なの?」
「う・・・歌・・・?」
ゆうぼんとつむりん君が僕に尋ねる。
うぅっ!二人にも言われるなんて〜。

「まあまあ一緒に歌おうよぉ〜。」
僕たちは一台目から二台目にかけて熱唱した。

「・・・道をぉぉぉ♪乾杯!!!」
ん?一瞬グロンテプスさんの声が聞こえた様な聞こえなかった様な・・・。
772はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:28:19 ID:0qVtg6Ej
船に乗ってはや九日。この日の夜。
待ちに待った大事件が起きた。そう!四つの島々が遠くに見えたのである!
非好戦的なモンスターに確かめたのだから間違いない!
僕たちはじっと島々を見つめた。

明日は一つの島に上陸することになるだろう。
僕たちは最も近い島に上陸することに決めた。
島で待ち受けているのは熱烈な歓迎か、視線の凍るような敵対か。
楽しい旅の日々か、決死を懸ける戦いの日々か。
どうであろうと進むしかない。

五十五日目。大陸に上陸する。
グロンテプスさんにそこそこ大きな河を進んでもらい陸地を踏む。
グロンテプスさんは海でお休みだ。
一日おきに朝方ここに来てもらう約束をする。

「一番乗りだーーーい!!!」
ゆうぼんが大地を踏みしめる。

僕も続けて大地に降り立つ。
──これが・・・未知なる大地。
僕はドキドキしてきた。とうとう新たな大陸に足を踏み入れたのだ。

マグマンやスラングも大地に立った。ホイミンとおじいさん、つむりん君も続く。
773はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:55:41 ID:0qVtg6Ej
今日はここまでです。
最近は行数を図っているので、相対的にレス数が少なくなっているのですが、それでももう一レスあった方が良かったかも・・・。
切が良いところなのでご容赦ください。

多分来週も週末まで時間が取り辛いので土日になると思います。

まだまだ先ですがここからクライマックスに向かって行きますね。
(多分今年中は続いてる悪寒)

>>762
褒めてくださりありがとうございます。やる気が出ます。
お互い頑張りましょう。変なところがあればアドバイスくださいね。
取捨選択をしてまうので言うことを聞かないかもしれませんが、遠慮なくお願いします。
逆に晒して頂いて自分の時間に余裕があれば>>762氏の読ませて頂きます。


 <三.V.三>
    ‖   。○ ( ドラクエ→スライム→青→信号→実は緑 )
 、、、‖、、、           ( →青菜→中華料理→今夜はチャーハン→(゚Д゚)ウマー )
774書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/24(日) 21:56:49 ID:0qVtg6Ej
また凡ミスorz

・・・bumpの新曲イイねと書き逃げ。
775名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/25(月) 14:30:25 ID:VWUSa/f+
↓バブルスライム
776書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/25(月) 22:22:15 ID:5r2u54UT
昨日書き忘れたことを一つだけ・・・。
厨ぽい歌についてはノーコメントの方向でお願いしますorz


 <三.V.三>
    ‖   。○ ( ↓毒 )
 、、、‖、、、
777名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/26(火) 16:32:17 ID:VPN+CR7a
↓女
778名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/27(水) 04:50:47 ID:m3fvdIWl
わくわくドッキドキボツキage
779名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/29(金) 23:56:53 ID:S0Bpdn2m
保守

↓モシャス
780はぐりん  ◇F/WveZadCU:2005/07/30(土) 01:26:20 ID:ND6y5GoT
感動の最終回

気がついたら僕はハーレムにいた。
幸せに暮らした。



↓イルイル
781名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/30(土) 02:40:47 ID:ENoMG35s
┐(´ー`)┌
782はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:08:02 ID:5kxosO8q
おじいさんがルーラで報告に行く。

僕は周りを見渡した。僕たちの大陸と大きな違いは無い。
緑ある平地や大きな山が広がっている。
いくぶん山の数が多いか?
所々に岩がある。中には背の高い岩もある。
人間の町やモンスターの住処は見当たらない。
海から見た大きさから考えれば、島の広さは僕たちの大陸の四分の一くらいなはずだ。
逆に言えば島々を四つ足せば、大体僕たちの大陸と変わらない広いといえる。

おじいさんが戻ってくる。
連絡がないから城のみんなは少し不安になっていたらしい。外海に出る前に一度連絡しておけば良かったかもしれない。
スタスタたちの方は三日ほど早く目的地にたどり着き、既に行動を開始しているそうだ。
僕たちも負けていられない。まずは情報収集からだ!

僕たちはモンスターやその住処を探して歩いた。
運良く早々に数匹のモンスターに出会う。
このモンスターたちは聞いたことがある。しかし僕たちの大陸には居ないモンスターだ!
シールド小僧にオニオーン、切り株小僧!

「貴様ら!この辺りのモンスターじゃないな!倒してくれる!」
「バラバラ!ザコ共!バラバラーーー!」
「いたずらしてやるのよん!」
口々に叫ぶ!僕たちの話を聞かずに攻撃を仕掛けてくる!

・・・しかし弱い。僕はブチ切れたスラングを押さえ込む。彼らの態度が癇に障ったらしい。
マグマンが近くの岩にメラミを放つ。
ドロリと溶けた岩を見てシールド小僧は逃げ出し、オニオーンは気絶し、切り株小僧は腰を抜かした。
783はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:08:45 ID:5kxosO8q
スラングがオニオーンを揺り起こす。
「おまえよぉ。さっきはなんつった?おぉー?バラバラがお好みか?バラバラか?
 いっそ生きたまま皮を剥いで蒸し焼きにしてやろうかっ!あぁぁーー!?」
目を覚ましたオニオーンはスラングに睨まれて再び気絶した。

「・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」
切り株小僧が弱々しく涙声を出す。オニオーンを揺り動かすが気を失ったままだ。

僕はスラングを引っ張りながら声を掛ける。
「なんにもしないからお話しようよ!」
僕たちはこの島々についての情報を得ることに成功した。・・・最近脅してばっかりだが気にしない。

驚いたことにこの島はモンスターの島なのだという。人間が一人も居ないそうだ。
それどころか他の三つの島もそうらしい。その昔沈んだ二つの島の片方には、この島々を統一していた魔族の王が側近を従え住んでいたそうだ。
もう片方の島には人間たちが住んでいた。人間たちの島が沈んだ時、他の島に住んでいた少数の人間たちも外海に逃げ出したのだ。
現在、この島は一匹のモンスターが仕切っているそうだ。厳格で冷酷な、しかしどこか魔族の本質を持つモンスターだという。
名前を言うのも恐ろしいらしく、一説には魔王の血すら継いでいるかもしれないらしい。
モンスターにとっては英雄なのだろうか・・・それとも・・・。
他の島々にも仕切っているモンスターがおり、覇権を争っているそうだ。
そう言えばベホズンもそういう話をしていた。

しかしこの島を仕切っているモンスターがいるのは好都合だ。
ゆうぼうたちの危険性を伝えておけばいい。
どこに行けば会えるのか尋ねる。切り株小僧はひと際大きい山を指差した。
あそこにこの島一大きいモンスターの住処があり、仕切っているモンスターのお城にも近いらしい。

僕たちはその山に向かって歩き出した。
立ちはだかるモンスターを蹴散らす。弱いモンスターが多いので、力を見せ、逃げさせる。

日が落ち始める頃には山の中に入った。
山の中のモンスターも弱い。これはもしかしたらここを仕切ってるモンスターも弱いのかもしれない。
それならばゆうぼうたちに太刀打ちできない。
784はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:10:49 ID:5kxosO8q
・・・しかし今ひとつ冒険をしてる気がしない。
僕たちの大陸と余り変わらないからだ。熱烈な歓迎も、視線の凍るような敵対も受けていない。
いや、まだモンスターの住処にも入っていないのだ。決断が早すぎる。
住処では独特の食べ物や風習が見つかるかもしれない。
他の島ではもっと変わった世界が見れるかもしれない。

僕たちは住処と思われる領域に足を踏み込んだ!
!?
・・・なんとも殺風景だ。
モンスターの家と思われる住処は幾つもあるが、肝心のモンスターが少ない。
本当にここが大きな住処なのだろうか。

僕は近くのモンスターに話しかけた。
緑色の身体に赤い服を着て杖を持っている。周りでは丸っこくて小さい鳥が跳ねている。一つ目で青い。
ハエまどうとガンコどりというモンスターだろう。

「今、この住処に強いモンスターはおらんよ。若いモンスターもじゃ。全て魔王に連れて行かれた。」

僕が尋ねる。
「魔王?」

「ガッガッガッ!マオウ!ウラニイル!イワノナカニイル!」

「そう。あの方は近くに住んでおられる。この山の頂上にある大木からなら見れるかも知れん。」

僕は周りを見渡し上を見上げた。
木々が深くて外の景色など見れない。頂上までは距離がある。今日は無理か。
785はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:11:37 ID:5kxosO8q
スラングが笑い出す。
「ふははは!困ってるようだな!俺様の凄さを教えてやるいい機会だ!
 そうさ。役に立つモンスターがどういうモンスターだか教えてやるよ!」
偉そうに言って僕の真横にやってきた。

「俺の背中にしがみ付け。鬣を抜くんじゃねーぞ。鬣を汚したら許さん!分かったな!」
僕は訳の分からないまま背中にしがみ付いた。

ギギギ・・・。ググッ・・・。

スラングが力を溜める。今にも両足が爆発しそうだ。

僕は焦った。
「なっなにを!?」

「フン!振り落とされんじゃねーぞ!ぐ・・・おおおぉぉぉぉぉぉ!」

バンッ!

弾ける様な音と共に僕たちは宙へ飛び上がった!
夕日が僕の目に入り眩しい。下を見る。マグマンたちがとっても小さい!
なんという瞬発力だ・・・!
イオナズンを使ってもこんなに飛び上がれるもんじゃない!ピエールより飛んでいる!

頂上が見える。やはり遠い。山の裏側までは視界に入らない。落下し始める。

「焚き火どもの位置はおまえが覚えとくんだぞ!」

・・・え!?
786はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:13:07 ID:5kxosO8q
スラングはそう言い捨てると、比較的高い木に向かって降り始めた。
太い枝に着地する!枝がしなり、スラングはその場で力を溜めた!
太い枝を見極め、そこに着地したのだ!

バンッ!グシャンッ!ヒュン!

枝は折れ後方に弾け飛ぶ!スラングは持ち前の瞬発力に枝の反動を加えて力強く飛び上がった!
高さよりも速さだ!空ではなく前へ向かって飛ぶ!

僕は後方を見てみんなの位置を確認した!
うぅ速度が速すぎてしがみ付くのに精一杯だ!
すごい!一回のジャンプでグンと距離が縮まった!

バンッ!グシャンッ!ヒュン!
バンッ!グシャンッ!ヒュン!
バンッ!グオォォッ!ヒュン!
バンッ!グシャンッ!ォォォ!

次々と枝を乗り移っていく!
最後の枝で前ではなく空に舞い上がる!
最後は力を溜めていない!スピードを落としているのだ!

ズドッ!ギギギギィ!

スラングは斜めから大木に突撃する!クッション代わりになるよう角度を選んだのかもしれない!
大木はしなりスラングはさらにもう一度上に飛び上がる。挙句の果てに宙返りをした!

スタッ!
787はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:15:37 ID:5kxosO8q
スラングの風が止まった。大木の先っぽにバランスよく立ったのだ。
息を整える。止まるまでものの数分だ。怖いが爽快かもしれない。こんな乗り物があったら人気が出るだろう。
僕はしがみ付くのを止めて周りを見渡した。

あっああーーーーーーなんだってぇーーー!!!

スラングが汗を掻きながら声を出す。運動の汗だけではない。
「ふざけやがって!・・・洒落にならねえーンじゃねーか!?ああ!?」

僕たち二人の前に広がったのはただただ壮大な風景だった。
しかしそれは美しい景色とか、綺麗な鳥だとか、そういうものじゃない!
もしかしたらそういうものも見えてたかもしれない。なんと言っても僕たちがいるのは自然一杯の山だ。
だが僕たちの目は一つの「もの」に釘付けになった!

巨大な岩山群・・・!
岩山などというレベルではない!夕日が天然の城を照らし出す!
辺り一面に広がっている!下を見れば木々が蟻の様な高さのはずなのに!
岩のデコボコがまるでモンスターの顔の様だ!
岩山群の周りには川とも池とも判断がつかない水に溢れている!堀なのかもしれない!

断崖絶壁だ。進入口すら見当たらない。いやそれどころかこの山の倍は大きさがある!
岩山とは山だ。当然頂上がある。頂上と頂上の隙間から奥が垣間見える。
その隙間にはなんと巨大な城が見えた!
人間の城やグランスライム様の古城とは違う。あれはモンスターが住む為だけに作った城だ。
来る者を拒み、様々な罠が待っている魔城だ!

なんという尊厳さだ!大き過ぎる!魔王の住む城といっても過言ではない!

僕たちは取り憑かれたように天然の城を見続けた。日が暮れていく・・・。
僕はハッと気がつくとスラングを揺らした。汗を掻いたままみんなの位置を示す。スラングが黙ってそこに飛ぶ!

──これは・・・もしかしたら・・・想像以上の冒険が待っているかもしれない!
788書き手  ◆F/WveZadCU :2005/07/31(日) 17:21:04 ID:5kxosO8q
今日はここまでです。
しばらくは従来の週一ペースで書かせてください。
毎日制・・・はじめてすぐに挫折とは情けない・・・(;´д`)

>>780
つ[ラーの鏡]

 <三.V.三>
    ‖   。○ ( 太陽の光に絆された洗濯物は良い子供! )
 、、、‖、、、
789名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/31(日) 17:25:24 ID:WgZHXanl
ワクテカ
790名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/07/31(日) 17:36:45 ID:qyhFR+F7
キタコレw
初っぱなから魔王戦!?
791名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/01(月) 02:19:16 ID:tUaNRszp
この物語の大ファンなのですが、携帯からの為、前スレを読むことが出来ません
何か方法はないでしょうか?
792名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/01(月) 09:22:00 ID:7t+xQwrb
ttp://yotsuba.saiin.net/~1001ya/alflailawalaila/log/1078721055.html
オレも最近読んで好きになった!
とっとと読んで追いついておいで^^
793名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/01(月) 10:09:29 ID:tUaNRszp
>>792
ありがとう
でも、携帯からだから最大サイズ越えちゃってやっぱり見れない…
(´・ω・)はぐりーん
794名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/02(火) 00:56:39 ID:kWfW2A+O
何この物語wwwww


















書き手天才だろ
超おもしろいじゃん
これ本とか漫画で出してみ?
友達に薦めまくっちゃうし
795名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/02(火) 05:32:08 ID:JsmATooF
まとめサイトがそろそろ欲しいねえ
携帯で見れるサイト
796名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/02(火) 23:18:39 ID:DyZ7xkOb
>>714
サルファ発売記念に突っ込んどく。
 お ま え P と P L A を 混 合 し て る だ ろ
こうしとけ。メラも追加。ないとバブルスライム後半まで呪文なしになる。

【種別】【武器名称】     【属性】【威力】【射程】【消費】【気力】【命中】【CT率】【備考】
 呪文 メラ               1000  1-3P  MP5       +50
 物理 格闘              1400  1-1P  MP0       +20  +20 
 呪文 ベギラマ            1600  1-4  MP5       +20
 呪文 イオラ         ALL   1800  1-5  MP10      +20
 物理 炎のブーメラン        2500  3-7  MP0
 呪文 ベギラゴン           2600  1-4  MP20      +20
 呪文 イオナズン      ALL  2800  1-5  MP40      +20
 呪文 零距離イオナズン      3500  1-1P MP40  120   +40
 呪文 連続ベギラゴン        3800  1-4  MP80  120   +30  +10
797名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/04(木) 15:08:04 ID:p6uAbUuw
スラングsugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!
798書き手  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:29:58 ID:e3a/cpA4
突然ですが、明日から謎合宿に行ってきます。
土日までには帰ってこないので、今週はお休みさせてください。
その代わり久しぶりに番外編を投下します。

・・・夏ということで。
799はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:31:00 ID:e3a/cpA4
番外編 〜花火〜

夏といえば花火だ。
はぐりんが花火を見に行く・・・そんな話も面白い。
はぐりんが花火を見れば、喜びたまげることだろう。
しかし今回は少し趣向を変えてみたい。

Case:もしもはぐりんが花火だったら・・・!

ズドーン!ズドーン!

職人さんA「良し。次ははぐりん星を上げるぞ!」
職人さんB「ああ!あの先月完成した奴ですね。」
職人さんA「おう。初めて作ったタイプの花火だ。みんなたまげるぞ!」
職人さんB「やってやりましょうよ!」

はぐりん星(とうとう・・・!とうとう打ち上げる日がきたんだ!)

職人さんB「こいつですね!」

はぐりん星(怖いけど・・・僕はこの日のために生まれてきたんだ!絶対輝いてやるぞ!)

ズコッ!

はぐりん星(つっ・・・筒の中だ。)

職人さんA「準備はいいな。良し。耳を塞げ。」

ジジジ・・・。

はぐりん星(あっあっ!・・・来る!来る!?)
800はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:32:46 ID:e3a/cpA4
ジジジ・・・。

・・・ドックン!
・・・ドックン!
・・・ドックン!
・・・ドックン!

ズドーン!

はぐりん星(点いた!?飛んでる!?僕、今!打ち上がってるぅ!!!)

ヒュゥゥゥゥゥゥ!

はぐりん星(うわああああああああああああーーーーーー!)

はぐりん星「たーーーーーーーーーまやーーーーーーーーーーーー!!!」

バーーーン!

子供A「見て!お母さん!はぐれメタル!」
子供B「うん!だって輝いてるもの!」
村人(母)A「あらあら。ほんと。」
村人(娘)A「良かったわねっ。坊やたち。」

戦士A「うおおおおおお!経験値よこせええええええ!!!」
僧侶A「あーあ。あれは花火よ。これだから賢さが低い人は・・・。」
魔法使いA「うっほほっほほほーい!経験値をおくれー!わしに経験値をーーー!」
勇者A「みんなー!騙されるなーーー!あれはバブルスライムだー!」
僧侶A「・・・・・・・・・。」
801はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:35:14 ID:e3a/cpA4
マグマスライムA「いいなあ。俺も花火になりたい。」
ホイミスライムA「いいですねえ。風流ですよ。」
はぐれメタルA「すっごぉぉぉい!僕もいつかなれるかな?」
はぐれメタルB「いつかなれるかもしれないよ〜。でも僕は怖いから今のままでいいな〜。」
はぐれメタルA「ああっそっか。これでさよならなんだ・・・。」
スライムファングA「くだらねえ。はぐれメタルの花火なんてイラネーよ!」
スライムナイトA「素直に自分の花火も欲しいというべきさ・・・私は欲しいぞ!」
メタルスライムA「うんうん。」
スライムベホマズンA「うんうん。」
グランスライムA「うんうん。」

サターンヘルムA「おおっ。我々を祈るかのような花火が上がりましたぞ!」
はぐれメタルC「・・・かっこいいな。」
シュプリンガーA「まさかご自身が花火になりたかったなどと思ってないでしような。」
はぐれメタルC「・・・・・・・・・。」

夜空の星が一つ輝く。

はぐりん花火(ああ・・・みんな・・・ありがとう・・・。)

〜スタッフロール〜

はぐりん星 はぐりん

職人さんA 村人(老人)A
職人さんB 村人(男)A

子供A 子供A
子供B 子供B
村人(母)A 村人(母)A
村人(娘)A 村人(娘)A
802はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:36:01 ID:e3a/cpA4
戦士A 村人(男)B
僧侶A 村人(娘)B
魔法使いA 村人(老人)B
勇者A 偽勇者A

マグマスライムA マグマン

その他 エキセトラ

脚本 マグマン
効果音 マグマン
映像 マグマン

監督 マグマン

制作 スクウェアエニックス

803はぐりん  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:36:47 ID:e3a/cpA4
・・・・・・・・・。
・・・・・・。
・・・。

マグマン「っていうのをやってみたいんだけどどう?」

はぐりん「・・・・・・・・・。」

マグマン「はぐりんは主役だよ!」

はぐりん「・・・・・・・・・。」

マグマン「ほら!その辺の銅にくるまってさ!」

はぐりん「・・・・・・・・・。」

マグマン「打ち上がったらイオナズンを唱えるんだ!!!」

はぐりん「・・・・・・・・・。」

マグマン「メタル族なら怪我もしないよ!・・・駄目?」

はぐりん「・・・イオナズン!」

マグマン「のわーーーーーーーーー!?」

とある熱い夏の話だった。

おしまい。
804書き手  ◆F/WveZadCU :2005/08/04(木) 21:46:50 ID:e3a/cpA4
というわけで相変わらず訳の分からん番外編でした。

それではまた来週の土日に・・・の前に一つ問題がありましたね。
ラトームさんが作ってくださった過去ログ、携帯からじゃ見れないんですよね。
原因は知らなかったけど、量が多すぎるのが原因だったのか。
ラトームさん忙し過ぎるみたいで、行方不明だからなあ。

携帯から見れるアプロダを探して分割して貼ればいいのかな?
とりあえず帰ってきたらなんとかしたいのですが・・・うーん。
なにか良い案はないでしょうか?

>>794
お褒めありがとです(*´▽`)


 <三.V.三>
    ‖   。○ ( 今年花火まだ見てない! )
 、、、‖、、、
805名前が無い@だだの名無しのようだ:2005/08/04(木) 23:49:02 ID:K8AeFkMU
新天地に出てくるモンスターにYを思い出しました
806名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/08(月) 00:05:59 ID:bIxtYUet
保守代わり。
武装が減ってしまった・・・。
ビックバンを物理扱いにすると使いづらい。

名前:スタスタ サイズ:SS 剣:無 盾:無
HP:50 MP:240 運動性:150 装甲:10000
移動力:12 移動タイプ:陸 地形適応:空- 陸A 海D 宇-
スロット:4 コスト:1.0
特殊能力:呪文無効化

【種別】【武器名称】     【属性】【威力】【射程】【消費】【気力】【命中】【CT率】【備考】
 物理 格闘              1200  1-1P  MP0       +20  +20 
 呪文 ベギラマ            1600  1-4  MP5       +20
 呪文 イオラ         ALL   1800  1-5  MP10      +20
 呪文 ベギラゴン           2600  1-4  MP20      +20
 呪文 イオナズン      ALL  2800  1-5  MP40      +20
 物理 ビックバン      MAP  4000  1-6  MP120 110  +60  +10 マイクロ型

名前:スタスタ 性格:弱気
物理:115 呪文:165 回避:210 命中:160 防御:180 技量:165 SP:55
精神コマンド:加速(1) 信頼(1) 幸運(14) 激励(26) 覚醒(33) 奇襲(38)
特殊技能:天才
小隊長能力:小隊移動力+1
807名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/08(月) 01:01:11 ID:bIxtYUet
続妄想中。修理装置の書き方に迷う。
サイズはドラクエっぽく修正した方がいいんじゃない?

LL=20M以上 L=5〜20M M=2〜5M S=0.5〜2M SS = 0.5M以下

名前:ピエール サイズ:M 剣:有 盾:有
HP:2800 MP:100 運動性:135 装甲:800
移動力:6 移動タイプ:陸 地形適応:空- 陸A 海B(C?) 宇-
スロット:2 コスト:1.5
特殊能力:修理装置(ベホイミ) HP回復(中)※1

【種別】【武器名称】     【属性】【威力】【射程】【消費】【気力】【命中】【CT率】【備考】
 物理 格闘              1800  1-1P  MP0       +20  +20 
 呪文 イオラ         ALL   1800  1-5  MP10      +20
 物理 空高く舞い上がる       2200  1-3P  MP0           +30 
 物理 隼の剣             3600  1-1P  MP0       +20  +20 
 物理 隼の連続攻撃         4400  1-3P  MP10  120  +30  +30  ※2
 物理 合体攻撃            5200  1-1P  MP30  130  +20  +40  ※3

※1 神秘の鎧入手後に追加
※2 空高く飛び上がる→イオラ→二回攻撃
※3 アーサーとの合体攻撃

名前:ピエール 性格:強気
物理:170 呪文:125 回避:140 命中:155 防御:100 技量:165 SP:75
精神コマンド:熱血(1) 気合(1) 集中(13) 直撃(24) 脱力(35) 魂(45)
特殊技能:切り払い(Lv9) シールド防御(Lv9)
小隊長能力:クリティカル率+20%

名前:サスケ 性格:普通
精神コマンド:加速(1) 努力(1) 信頼(14) ひらめき(20) 絆(33) 復活(55)
808名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/08(月) 20:40:35 ID:Sf1NGCq6
シックス関係?ぶちスライムマダー?チンチン(AA略
ゲーム化の妄想さあつまらない訳じゃないけどどうせならSRCやRPGツクールで実現してくれよー
809807:2005/08/08(月) 22:47:15 ID:bIxtYUet
そんな技術はないのよorz
つまらないよね。頻繁に書かないようにする。
うざければ言ってくれ。止める。
810名前が無い@ただの名無しのようだ:2005/08/10(水) 14:50:10 ID:MYlPXo7u
>>809
いやおもしろいお。人いないんだしもっとやってよ
811名前が無い@ただの名無しのようだ
書かれて困ることではない
やりたい人がやればいい
人いないかな?
やることがないだけで見てる人は多いかと思ってたよ
AA職人や絵師でもいればまた違う?