くっついた奴らのカプスレがないのもあれだから
恋人たちの夜にせめて立ててみる
2
3 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 00:16:42 ID:yo4rfIMg
3
4 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 00:17:45 ID:fP1adtgl
4sama
画像orSS職人さん来い!
6 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 19:17:54 ID:swPCTHfp
好きなんですが、ダメですか?
クリスマスでしたが、お夕食は吉野家でした。
あんな電波馬はいやですな
9 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/25 23:07:54 ID:IKEPCpvl
いたストでククールが
勇者といえば、あいつ今頃姫とよろしくやってんのかな
なんて言葉を吐いていた。
だからいたスト出なかったのかyo!
お似合いだと思う。
俺は好き
>>5 ところでこのSS職人って、Short Story職人のことかい?
この二人好きだ
幼馴染みなら、幼い頃の二人とかも見たかった。
14 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 15:55:12 ID:ct++yhxo
誰か描いて
幼い頃のSS
よし、書いちゃおっかな〜
昼下がりのトロデーン城はピアノの時間だ。
「・・・・」
城の庭を掃除しながらエイトは耳を澄ます。曲の名前も何も分からないが、とにかくきれいだと思った。
誰が弾いているのか、と気さくな兵士に聞いたら「姫様が弾いているのさ」と教えてくれた。
きっときれいな姫様なんだろうな、とエイトは考える。
エイトはミーティア姫を見たことがない。自分と同じ年頃の姫で、トロデ王が可愛がっている話は何度も聞いた。
それに、可愛らしい姫だという話も。
一目見てみたいと思う気持ちもあるが、小間使いの自分には過ぎた思いだろうなぁ、と箒で砂埃をと共にその考えを掃く。
身寄りも記憶もない自分が今無事に生きていることすら幸運なのだ。
ピアノの音を聴けることなどこの上のない幸運なのだから、とエイトは美しい旋律に合わせて箒を動かす。
「・・・ねぇ、あの男の子は誰?」
ピアノを弾き終えて、窓の外を眺めながらミーティアは
庭の砂埃をせっせと掃いて掃除をしている同じ年頃の少年のことを尋ねた。
少し前に貴族の紹介で雇われた小間使いです、と側で茶を淹れていたメイドは答える。
「・・・・あの子ね、ミーティアがピアノを弾く時間と同じ時間にお庭をお掃除するのよ」
「まぁ、それは掃く音がピアノの音に障るのではありませんか?」
「ううん、そんなことないんだけど」ミーティアは窓の外、せっせと掃除する少年を目で追う。
今日は、今朝吹いた強い風のお陰でいつもより掃除が大変らしい。
いつもはピアノが終わる頃には終わっている掃除も、今日はまだ終わらないようだ。
「・・・・・・ミーティア、もう少しピアノ弾くわ」
「姫様?」
「あの子がお掃除し終わるまでミーティアもピアノを弾くから、お茶はもう少し後にするわ」
程なく途絶えていたピアノの音がまたトロデーン城の庭に響き出して、エイトはふと顔を上げた。
額に浮いた汗を袖で拭って、ピアノの音が聞こえてくる窓を見上げる。
「頑張ろう」
そうつぶやいて少年はまたピアノの音に合わせて箒を動かし始めた。
美しい音色を掻き消さないように。
17 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 22:22:32 ID:DGpA+Yqn
>>16 う〜ん、いいねぇこのミーティア。世間知らずで純粋っぽくて。
「パンが無ければケーキを(ry」言いそうだけど。
トリップつけてみた
>>17 まだ子どもだからね>ミーティア
しかし、ありがちじゃないの・・・とか考えて書いてたらキャラ薄くなっちまった・・・
19 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/26 22:59:15 ID:jORs4yVz
職人さんキター!
ほのぼのしててかわいいです。
つづきマダー?マチクタビレタ
>>20 一話完結で申し訳ない、長いのは推敲が必要なんだ・・・
あー、鳥忘れてた
また描いてください!
24 :
一:04/12/27 01:13:04 ID:pfN7nOd1
ベッタベタな話だけど主人公のモノローグ風で↓
「バザーを見に行かない?」
机で本を読んでいたらうしろから突然声を掛けられた。
ここは近衛兵士が詰める兵舎だ。以前より1階級上の兵舎に移ってもう1年になる。
振り返ると、ずっとここで世話係をしている小間使いの女の子が微笑んでいた。
「…無理だよ、今日は城下のバザーのおかげで城内が手薄なんだ。これから警備があるし…」
小間使いの女の子は「ふーん」と、さして残念そうに見えない感じで言うと
「姫様のお部屋の警備ね。相変わらず真面目だこと!
…でもどうせ、姫様から誘われたら断れないんでしょ?」
嫌味混じりに少し笑いながら女の子は部屋から出て行った。
とりあえず「ごめん」とだけ謝っておいたけど、実際、気が気じゃなかった。
我らがミーティア姫様はお美しいだけじゃなく、やたらと好奇心が旺盛だ。
きっと「バザーに行きたい」と仰るだろう。
昔から言い出したら聞かないお方だったし、何より一緒に来いと言われたら断れるはずが無い。
25 :
二:04/12/27 01:14:24 ID:IMiYoMBq
そろそろ警備へ向かおうと、本を置いて装備に手を掛けたとき
「こんにちは」
…姫様…
「ミーティア姫様!いけません、姫様がこのような場所へ…。ドレスにホコリが」
「そんなことはどうでも良いでしょう?さ、早くバザーへ連れて行ってくださいな、近衛兵さん」
姫様の中ではバザーへ行くことは既に決定事項だったようだ。
陛下のご了承は…とか、城下は危険ですから…とかはもう、
姫様には馬の耳にねんぶつ状態だということを僕はこの10年の付き合いでよく分かっていた。
「姫様、せめて、お着替えください。城下でそのお姿は余りに目立ちますゆえ」
この事には納得して下さったようで、とりあえず姫様の変装≠ェ終わるのを部屋の外で待った。
城下に出ると、バザーで人がごった返していた。姫に怪我をさせないよう、細心の注意を配る。
はっきり言うと、僕は姫様が大好きだった。
8歳の時、身寄りの無い僕を庇って城に置いてくださったトロデ王様とミーティア姫。
姫様とは年が同じだったこともあって、
兵士になる13歳までの間は本当に兄妹のように仲良く過ごした。
でもだんだんと城の内情が分かる歳になってくると、姫様とは本来、
対等に話などしてはいけない御方なんだと認識し始める。
そこで嫌というほど自らの身分を思い知った。
それからは自分の想いを断ち切るために姫様との距離を置くようになった。
その余所余所しい態度に姫様は怒って文句を言ってきたが、
僕はただ「申し訳ございません」としか言えなかった。
その時の姫様の落胆した表情は、今でも忘れられない。
26 :
三:04/12/27 01:16:04 ID:IMiYoMBq
それでも今、こうして隣ではしゃいでいる姫様を眺めて胸が熱くなるのは
自分に修行が足りてないからだと心の中で言い訳をする。
「…ねえ?」
「…え、何でしょうか、姫様」
急に少し悲しい顔になった姫様を不思議に思って訊ねた。
「いい加減にして。私が言わなかったら直さないつもり?…その話し方」
「・・・・・・・」
「二人でいる時は、昔のようにしてって、ずっと言っているのに」
ハの字眉で頬を膨らませて呟く姫があまりに可愛らしいのと、
国宝ともいえる笑顔を曇らせたことに酷く罪悪感を感じて、僕は観念した。
「…わかったよ、ミーティア」
「よろしいっ(ニッコリ)」
トロデーンと友好関係にあるサザンビーク王国で毎年行われているというこのバザー。
今回トロデーンの城下で開かれているのは、姫様の婚約が決まった祝いも兼ねてのことだった。
27 :
四:04/12/27 01:17:14 ID:IMiYoMBq
サザンビーク王子との結婚が決まったと聞いたとき、自分でも驚くほど冷静に受け止められた。
これで姫様に対する気持ちを完全に断ち切れると思った。
あとは王子が姫様を、ミーティアを幸せにしてくれれば、それで良い。
「素敵な帽子があるわ!あんなの見たこと無い。どこの地方から来たのかしら?」
「見て、あんなに沢山の珍しい薬草!育てた方はとても大変だったでしょうね」
「あっちで皆が聴いてるのは異国の楽器と唄よ。私達も近くで聴きましょう?」
こうしてミーティアと楽しく過ごせるのもあと少しなんだなぁ、と
少し寂しい気持ちになんかなってしまったので顔を背けると、装飾品を売る露店が目に入った。
そこで立ち止まった僕は、一つの宝石に釘付けになった。
とても深い赤。
特別キラキラしてる訳でもないのに、その色≠ノ激しく魅せられている自分がいた。
何故だか分からないけど「懐かしい」とすら思わせる安価の宝石から、目が離せない。
「どうしたの?…まあ、綺麗な石ね!ネックレスにすればきっと素敵よ」
ボーっと石を眺める僕を尻目に「おいくら?」と店員に尋ねるミーティア。
その声にハッとして、「あ、じゃあ僕が…」と切り出した。
「あなたがプレゼントしてくれるの?本当に?嬉しいわ!」
嫁入り目前の姫にプレゼントを贈るなんてとも思ったが、
せめて最後くらい神も許してくれるだろう。
28 :
五:04/12/27 01:18:22 ID:IMiYoMBq
「ありがとう!これは、ミーティアの一生の宝物にします」
「え?そんな安物のただの石なのに、宝物なんて…」
何だか姫に失礼なことをしてしまった、と後悔した。
「何言ってるの。その物の価値は、値段で決まるのではないわ。
その物に、どれだけの想いが込められているかが大事なの。
この石は、紛れも無くミーティアの宝物です」
いつか、本物を渡したかった。
この石と同じような、美しい赤の宝石を。
満面の笑みで「早く早く」と急かすミーティアに引かれて、
唄と楽器を披露する一団のところへ行った。
そこには不思議な格好をした道化師もいて、人々の笑いを誘っている。
バザーでは誰もが笑い声を発し、楽しく駆け回っていた。
ミーティアはこんな民を眺めているだけで幸せなんだろうな、と思った。
「ミーティア、もう日が暮れる。城の者が探すといけないから、戻ろう」
「え?…もう日暮れなの?残念ね、もっと沢山遊びたかったわ…」
「お部屋まで、お送りいたします」
「……ええ…」
そしてその数日後、トロデーン城と僕達は運命の日を迎える。
(・∀・)イイ!! 萌えた
小間使いの女の子もいい味だしている。
職人さん乙!
gj!幼馴染いいわ〜
ここは妄想しどころだよな〜
>>16の続き
(雨の日は、ピアノもつまらないわ)
ミーティアは雨の打ちつける窓の外を恨めしそうに眺めた。
午後から降り出した雨で、庭掃除はお休みなのだ。
ピアノのリズムに合わせて聞こえてくる箒を掃く音がないとピアノを弾くのもつまらないわ、
と幼い姫は不満そうに溜め息をついた。
雨の音がざぁざぁと心なしかいつもより大きく感じる。
彼女はピアノを弾く気を完全に失って楽譜を抱きかかえたままベッドに倒れこんだ。
「・・・こういうときに、お友達がいれば、退屈しないのに」
お父様はミーティアのお願いを忘れていらっしゃるのかしら?
友達が欲しい、と父王に訴えたのは一年も前のことである。
優しい父は「すぐに用意させよう」と言ったけれど、お父様のすぐっていつかしら?とミーティアは不思議に思う。
・・・余談であるが、トロデ王はちゃんと娘の友達役を探している。
慎重になりすぎて駄目出しばかりしているため娘に合わせていないだけである。
お友達がいればこんな雨の日も一緒にピアノを弾いたり、お歌を歌ったりできるのに、と想像は膨らむばかりだ。
何かしたい、といえば侍女が飛んできてくれるだろう。しかし彼女が望むのはそういう存在ではなかった。
ピアノの曲を聴いてくれて褒めるばかりではなくて、リズムを取って手を叩いてくれる、そんな存在が欲しかった。
(せっかく午前中もいっぱい練習して、弾けるようになったのに)
楽譜を眺める。あの男の子に聴いて欲しかったのに、と思うととても残念だった。
(今はどこでお掃除してるのかしら)
(城のどこかにはいるかしら・・・・・・・・・・・・・・・)
(小間使いだもの、きっとどこかにいるはず)
「・・・・・・」
楽譜をそっとテーブルにのせ、ドレスの裾が床につかないように持ち上げる。
そして音が出ないように扉を開けてそっと部屋の外に出た。誰にも気が付かれない様に。
33 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/27 19:08:17 ID:pYj+xwtE
ドキがムネムネ(*゚∀゚)=3
ミーティアが最近可愛く思えてきました
大いに期待ワクワク
35 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/27 23:50:28 ID:w518uSgo
ここのミーティア萌える
良スレ発見記念ぱぴこ
37 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/28 17:06:31 ID:2VTnxlMS
ミーティアは可愛いと思う
38 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/28 17:13:56 ID:Js2kKvoQ
スゴクイイ・・!
・・・続きは明日、とかいっておいて、今日はもう駄目だ・・・明日書きます
ドキがM・U・N・E!M・U・N・E!
41 :
24:04/12/29 00:09:42 ID:BeiKVaHE
感想レス書いてくれた方々ありがとうございました!m(__)m
ニノのおっさんもいいけど、ククールに祝福してもらうのも悪くないなー。
主人公×ゼシカも好きだが主人公×ミーティアもいいな、とこのスレ見て思った。
45 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/29 18:11:52 ID:1np5OG3C
誰かssキボン
同人女ってのはどうして801に走るんだろう・・・_| ̄|○
>>42のサイトに載ってるDQ8漫画見ての感想でつ・・・
>>48 ああ、そうなのか。見てないから分からないけど、なんとなく想像はついた。
まぁ、仕方ないことだね。かんばれ。
まぁ、直接的な描写(接合とか挿入とか)はない分まだマシだけどな。
ネタとしてみるならおもろかったし。
>>32の続き
(雨は嫌だな)
詰所前の廊下の窓ガラスを拭きながらエイトは思う。
雨のお陰でいつもの庭掃除は窓拭きに変更となった。
いつもあのピアノが楽しみだったのに、と憂鬱そうに曇天の空を見上げる。
曲のリズムに合わせていると掃除もはかどるし、色々な曲が聴けて楽しいのに。
それに、庭掃除の時間だけは、姫様と少しだけ同じ時間を過ごせるような、
そんな気分になれるのだ。友達のいないエイトには大切な時間だった。
(せめてピアノの音がここにも届けばいいのに)
そんな事を思いながら彼はせっせと窓を拭く。一人ぼっちで掃除するのは寂しかった。
それに雨が降ると記憶の最初の日を思い出す。一人でふらふら彷徨っていた時のことを。
あの時も冷たい雨が降っていた。トーポが教会まで連れて行ってくれなかったら、
今頃自分は死んでいたかもしれない。一人は嫌だな、と雑巾を絞った。
詰所前の廊下はそれほど長くない。せっせと掃除するとあっという間に終わってしまった。
汚れたバケツの水を取り替えるために水汲み場まで場までバケツを運ぶ。
次は食堂の窓を拭かなければならない。ノルマを達成しないと夕食抜きになってしまう。
ふと、ポケットの中のトーポが動いたのに気付いてエイトはポケットを触ると、暖かい感触が消えていた。
「トーポ?」
視界の端に茶色いねずみが廊下を走っていくのが引っかかる。
トーポの突然の行動に呆然としていると、廊下の曲がり角辺りで「きゃ!」という短い悲鳴が聞こえた。
(わっ)
メイドにでもぶつかったのだろうか?とにかくまずい、と思いエイトはトーポの後を追った。
53 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/29 23:27:00 ID:aLzFhLmd
スレッド遮ってすいません。SSです。
『月とベッドと白い肌』
ミーティアをベッドに横たわらせた。
「はふっ……恥かしいです」
窓越しに月明かりが差し込んできている。
柔らかな光。
エイトとミーティア――それは何も語ることなく二人を優しく包み込む。
「僕に見られるのは恥かしいの?」
「……はい」
一呼吸おき、小さく頷いた。
「恥かしいよ、僕だって……でも」
「……でも?」
10代の少女特有の不安と希望を浮かべた瞳でエイトを見つめ。
「君の事を知りたいから、本当の気持ちを、本当の心を、本当の想いを……」
「僕で本当によかったの?」
「エイトは……どうおもっているのですか? この結婚の事」
「嬉しいと思っている、好きな人と――初恋の人と結ばれる事が出来るんだから
僕は本当に幸せだと思っているよ。ミーティアはどうなの?」
そしてエイトは横たわるミーティアの髪の毛を優しく撫でてあげる。
「……です」
「聞こえないよ」
「私も……同じです、嬉しい」
54 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/29 23:40:01 ID:UtjxYe9m
ssキタ!
55 :
ガボ:04/12/29 23:40:40 ID:KK9JJV7v
ひきさけ!
昔のことは、あまり思い出せない。
このトロデ城に身を寄せることになる前のことは。
覚えているのは、真っ暗な闇。
寒さと空腹。身体に染み込んでくるような不安。
独りぼっちだった。限りなく。
泣いても、誰も来てくれなかった。
だから僕は、いつの間にか泣くのをやめていた。
僕を知る人は言う。
「最初は、無表情で無愛想だった」と。
いつから、そんな僕は変わっていったのだろう?
そんな僕の心に、血の通った温かさを与えてくれたのは、
……彼女かもしれない。
僕は、家族を知らない
わからない。家族というものが。
自分には与えられなかったのだから。わかりようがない。
彼女を見ていると……
彼女と、その両親であるトロデ王や王妃様を見ていると、
『これが、家族なんだろうな』と思う。
『これが、親子なんだろうな』と感じる。
僕には、一生、わからないと思えるもの。
頭でわかったつもりにはなれても、
決して本当には、わからないもの。
いくら手を伸ばしても、自分には届かないもの。
僕は、それを見守っていたい。
彼女と、その周りの人達の照らす温かな灯火が、僕は好きだ。
僕はただ、それを守りたいと思った。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃カップル萌えスレのお約束です
┃1.常時sage進行。この板は下からdat落ちすることはありません。
┃2.煽り・荒らしは放置。特に他カプ萌え派を装うヲチ厨に注意!
┃3.他スレで萌えキャラが貶されていても一切無視しましょう。
┃4.SS投稿するときはできるだけトリップをつけてください。
┃5.エロSSや画像をうpする時は注意書きをしてください。
┃ ∧ノ~ 21禁以上のエログロ汚物系はピンク鯖で投下してね。
┃ ミ| ・ \
┃ ミ| ... '_). /
┗ ミ| (| ゚ヮ゚ノ! / ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| (ノ 姫.|つ
|~ ̄] ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ∧ ∧ ∧ ∧
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (゚ ) (゚ )
| | | =====⊂ ヽ==⊂ ヽ======
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||──( ノ〜─( ノ〜─||
|| ┏━━━━━━━━┓ ||
うまぐるみ姫かわいいよ姫
マルククのマルって誰のこと言ってんの?
…マルク?
>>60 なんだその新境地('A`)
団長だよ団長
あーマルチェロかw
なるほど…。思いつかんかった
63 :
24:04/12/30 03:33:36 ID:w14Z2Nym
またベタな話だけど…↓
年月が経つのはとても早いもので、僕はもうすっかり大人になった。
「おいおい、おめぇもう兵法書なんて読んでやがるのか?」
「いいじゃないですか、勉強も大事なんですから」
未だに子供扱いしてくる料理長を上目遣いで軽く睨んで、兵法書を持って調理場のテーブルから席を立った。
そこへちょうどドアをノックする音が聞こえて、ミーティアが入ってきた。
「そろそろ休憩時間かなと思って。遊びましょ!」
僕らが調理場から出て行った後、料理長とお手伝いのおばさんはこんな事を言ってたらしい。
「あいつ…最近すっかり大人びてきたなあ。言うことが全然違う」
「12歳になったんだってね。12歳っていったら丁度、自分が大人になった気になる年頃だね」
「そういやミーティア姫も近頃見る度に綺麗になってるな。まぁ本人達が一番自覚してるんだろうがね」
ミーティアは最近急に綺麗になった。
なんだか良い匂いがするし、髪が腰の辺りまで伸びて、風にふわりと揺れる様に思わず見惚れてしまう。
そういう僕はというと、思うところあって仕事の合間に図書室まで通って兵法書などを読むようになった。
64 :
二:04/12/30 03:35:06 ID:w14Z2Nym
中庭に面した広いバルコニーへやってきた僕達は、石造りのベンチに座った。
「? なあに?その分厚い本」
「ああこれ?トロデーン兵法書だよ」「トロデーン…なに?」「戦い方とか、いろいろ書いてある本だよ」
「……どうしてそんな物読むの?」
僕は近い将来トロデーン城の兵士になるつもりだ。
そのために、調理場の仕事の合間を縫って密かに剣術の稽古もしている。
「ねぇ、どうして戦わなきゃいけないの?」
ミーティアは何故か悲しそうな顔をしている。
「どうしてって…」「トロデーンは平和よ!あなたが戦わなきゃならない理由なんて、無いわ!」
突然立ち上がって叫んだミーティアに、僕は唖然とした。
「ミーティア…」
気のせいかミーティアがちょっと涙目になってる。
「戦ったら、死ぬかもしれないのよ。傷ついて…痛くって、苦しいのよ」
言いながらミーティアは泣き出してしまった。
「ひっく、ダメよ、絶対!ミーティアは嫌よ!」
「平気だよ、ミーティアを守るためだから」
「えっ???」
驚いて涙が止まったミーティアに僕はニッコリ笑って告げた。
「大切なものを守るにはどうすれば良いか考えたら、強くなるしかないと思ったんだ。
僕はトロデーン城の皆が大好きだし、トロデ様もミーティアも大好きだ。だから守りたいんだよ。
……それでも、だめ?」
65 :
三:04/12/30 03:36:47 ID:w14Z2Nym
「 ! え、えっと」
泣き止んだミーティアは下を向いて「うーん」と考え込んでしまった。
「ミーティアは僕に守って欲しくないのか?」「…う〜…」
涙目のまま悩む姿も可愛い。
「守って欲しいけど、あなたが傷つくのはイヤだし…」
「大丈夫だよ、トロデーンは平和なんだろ?」
もちろん、ずっと平和が続くとは限らないって事は分かってる。
もう子供じゃないんだから、自分がこれから何をするべきかよく考えた末の結論だ。
この場はミーティアを納得させるために、とりあえず安心させておこう。
そして今からちゃんと勉強して体も鍛えておこう。
いつか本当にミーティアに魔の手が伸びてきた時に、ちゃんとしっかり守れるように。
しかし事件時は近衛兵のくせに違うところにいた現実
67 :
56:04/12/30 07:57:55 ID:1KqEYljo
>>60 どもっす。
しばらく書き物から遠ざかってたのですが、
こちらの書き手さん達の文章読んで刺激されてしまい、
衝動的に書いて投稿してしまいました。すみません。
一番気になっていたのは、
「なぜ、主人公はトロデ王とミーティアにこれほど尽くすのだろう?」
という疑問でした。彼らを見捨てないのは、どうしてだろう?と。
考えているうちに、
『彼らにあって、主人公にないもの』は、家族の絆なのではと。
友人が半年前に結婚したのですが、彼が相手の女性を選んだ理由を
話してくれた時のことを思い出しました。
「父親や母親とすごく仲が良くて、そういう所に惹かれたのかもしれない」
彼の両親は、バラバラなのです。
家族でどこかへ出かけた記憶があまりないとの事。
自分には与えられなかったものを、自然にしっかりと持っている相手を
彼は一生側で支えつづける覚悟をしていました。
それがどこか、主人公の立場と重なるものを感じた次第です。
>>67 ププ。
単に嫁がSEXウマかったんだろ。
お前の友人がカッコイイこと言ってるだけw
ミーティア萌え
「主人公は好きな女の子を救うついでに世界を救うくらいがいい」て誰の言葉だっけ…
俺にとっての8はまるっきりそんなカンジの物語だな。
>>72 どこかで聞いたことあるなぁ、それ。
思わず、姫(馬)にブラシをかけながら「絶対元に戻して差し上げますから・・・」
みたいなことを一人で決意している主人公を妄想しちまった・・・・
で、姫(馬)が主人公に擦り寄るような仕草みせるの。
あ、獣姦じゃないからね?
>>72 モンスリー ラナ コナン
↓ ↓ ↓ ダイス
、 ヽヾ./; ∧ノ~ _ ↓ ,
,>., '. ̄ ヽ .ミ| ・ \. ,'´ .__ _ヽ |>-∧,、 / ヽ
. > i. /~(ヾ.! ミ| ... '_) i /メ))ヘゝ <Z△,(7ヾ> /\ :|
´バ.!|`-´ノi! ミ| (| ゚ヮ゚ノ! .(ソゞ(, ゚.ー゚ノ . (゚C_,:゚メ`6ノ / | ./
./.リ_X_)づ. | (ノ |) .K゙ヽY/ス とi!::::i¥il:::::《つ 〆
じ〉-vキ .| 姫 | U〉-l=ト!J i!;;:;!≡il;;;;;;/i
. く/-/┤ゝ 人.._,,,ノ /エ_iイi_〉 . (iWi(iW.!)
. し'`J し'J |-/|-| . 〉ニ.〉ニ!
 ̄  ̄
>>74 そのヒントでちょっと思い出したような・・・
紅の豚?
・・・・・・・・・・・・・って、未来少年コナンだよ・・・ぼかぁ一体何をしてるんでしょう OTL
ああー、そうだそうだ。カントクだ。
>>73 毛づくろいのおかえしにと、主人公の髪をバリッと噛み千切っちゃう姫(馬)。
逆らいがたきは馬の習性。
あのバンダナの下は結構ひどいことになってる主人公。でもそれなりに幸せ。
>>77 ・・・ここが虹板なら速攻でその絵図がうpされそうなネタだなw
79 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/30 21:09:48 ID:3nUG9W8R
>>77 大丈夫、きっと反ロリ運動家で、その資料だったんだよ。そう、思っとけ。
その友達の親父さんのおかげで、児ポ法が成立した様なもんだと、思っとけ。
主人公にとってはミーティアはお姫様で妹で恋愛対象とは思ってなかったのだろうか
それとも・・・
81 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/12/31 21:21:07 ID:yZvKTvgy
妹属性
>>80 アルゴンリングとって出直していらっしゃい召せコノヤロー
アルゴンリングがここにあるゴン
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
なにやってんですかオディロ院長
ミーたんあけおめ!
88 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 00:28:09 ID:0FdOr3jZ
主人公ともう少しエピソードがあればなぁ...。
いろいろ愚痴ったけど、ふっきれて今年からこの二人を応援します!
主×ミー萌え!
90 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 00:32:15 ID:5HkOA3ad
今年の運勢
◇時刻の秒1桁目
[1] 大凶
[2] 末凶
[3] 吉
[4] 凶
[5] 末吉
[6] 小吉
[7] 中吉
[8] 凶
[9] 大凶
[0] 大吉
91 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 00:43:56 ID:D5zsXDR+
ミーティアたんあけましておめでとう!!!!!!!!!
加えまして、主人公(つまりプレーヤー=俺)とのご結婚おめでとう御座います!!!!!!!!
いま自分は最高に幸せの頂点有頂天日曜五時半は笑点でーーーーーす!!!!!
主人公との将来=そんなこと
>>92 トロで王、呪い解けてないだろ!と思ってしまった
>>92 このまえタイミングずれて撮れんかったとこだぁぁぁ!
ちょうどまた挑戦しようと思ってたとこなんだよ。
ありがとう!いただきました。
99 :
【ぴょん吉】 :05/01/01 02:45:01 ID:nd+WGiPF
>>92 名シーンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
さりげなくおっさんも可愛い
100 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 02:50:38 ID:oF+3wcH4
>>92 これ見るとミーティアって本当に貧乳なんだな
着痩せするタイプとか言ってた厨は言い訳聞かせろやwww
103 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 06:35:39 ID:i7+8cEx+
>>92 (;´Д`)ハァハァ
貧乳(;´Д`)ハァハァ
でもな…一言言わせてくれ。
5の時もそうだったが…
服 位 着 替 え ろ よ 。
バンタナ巻いて結婚式するか?普通。
104 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 13:21:31 ID:g6gTxEYm
>>92 そうか、自分はこのエンディング見た時、竜神の装備一式だったので気付かなかったが、
普通のコスチュームだとトーポが覗いてるのね。
こっちの方がいいな。
106 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 13:28:22 ID:g6gTxEYm
>>105 いや、メタキンのやりか英雄のやりでは。
107 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 13:33:54 ID:g6gTxEYm
>>63>>64 個人的に思うことだが、如何に幼馴染みとはいえ一介の兵士に過ぎない主人公が姫君に
ためぐちきいてるような描写は世界観無視な感じで萎え萎え。
>>107 そうか? ものすごいありえるシチュエーションだろ。
いや、むしろ、使い古されている王道的なシチュエーションのひとつだと思うが。
110 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/01 14:01:37 ID:KMXEM4xv
その前にいつ主人公が姫にタメ口きいたんだ?
おいおい、タメ口だろうと何だろうといいじゃないか。萎えたなら脳内変換でもしておけ。
皆さんあけましてオメデトウ御座います
EDの眉毛がハの字になったミーティアたんの画像キボンヌ
絵板のヨパラーイミーたん萌え
114 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/02 14:05:44 ID:22i5oXPc
続編だな
ミーティアは眼鏡をかけ
主人公はバンダナをはずして
隠密新婚旅行
懐かしい仲間との再会
新しい出会い
そして・・・
ドルマゲス。
ドラゴンクエスト8‐2
そしてドルマゲスへ…
ゼシカ18禁絵板
実は酒豪なミーたん
>>108 つまりこんな感じか。
「姫様。本日はご機嫌うるわしく…」
「もうっふたりっきりの時は子供のころみたいに普通に話してっていってるでしょ?」
「しかし私は一介の兵士でありまして、姫君とは身分が…」
「ダメ!命令よ。」
「……わかったよ、ミーティア。」
「よろしいっ」
うむ王道的かつ黄金パターン。
>>120 それはアレか、途中までふくれっ面だった姫様が
最後の行で満面の笑みを浮かべるパターンだな!
(;´Д`)クッハァ
>120
不覚にも
モエタ(´∀`*)
>>120 私にも言わせてくだされ。
禿萌え!!黄金パターン最高!
ゲーム中では主人公が全然しゃべらないから、妄想のしがいがあるな。
ドラクエ4コママンガでは各作者はどういう風に主人公ミーティア関係を持っていくかな?
黄金パターンで行くのか、それとも・・・
よしっ、ミーティアゲットだぞ
ゼシカの立場なし!
サー兄とクックルがいるよ
>>129 ごめん、テストさえなけりゃ書くんだけどね・・・
待っててくれてありがとさん。
主人公って設定ではミーティアのことをどう思ってるのかな?
EDでサッヴェラ大聖堂に護衛についていく日に
机のところでボケーっとしてたんでよく分かりません。
やっぱりこういう王道カップル最高だ。萌える
EDと言えば眉下がってる困った顔がいいってば
>>131 >机のところでボケーっと
エイトoO○(チャゴスを如何に自然に事故死に見せかけられるかが最大の難所だな)
>>136 キタワァ━(n‘∀‘)η━!!!!!
ミーティアを覗き込むエイトもいい(*´Д`)
茶ゴスがさらに憎たらしいがw
SHTのぱふぱふワラタ
>>136の2コマ目のあと、プイッてするのが可愛い。
そのあと船の上でもちょっと主人公を避けてるし。
「行くな」って言って欲しかったんだろうね。
>>136 ゼシカオチかよ
見ないように努めるククールにワロタw
SHT状態のハッスルダンスも中々怖いぞw
>>136 ミーティアタン(;´Д`)ハァハァ
ミーティアタンと主人公はお似合いだよ。
チャゴスとはバランスが悪い。
>>141の2行目のコメントにはワロタ。
今気付いた。
花嫁みーたんのティアラはタイトルロゴのバックのアレと同じデザインだった!
静かな夜であった。
二階のテラスにトロデーンの王女が一人佇み、空を眺めていた。
「王女様」
ふと、背後から声がかかった。
「そろそろ風が冷たくなって参りました。部屋にお戻りになられた方がよろしいかと」
声の主はよく知っている人。星を見るのではなくて、本当はこの人に逢いたくてここで待っていた近衛兵だった。
「ありがとう、エイト。これから見張りなの?」
「はい」
「そう…もう少ししたら部屋へ戻ります。それまで一緒にいてもいいかしら?」
最大の努力を払って最後の一言を付け加えたが、若き近衛兵はただ黙って一礼を返しただけだった。
「あの、…少しお話したいのだけど」
「はい、何でしょうか、王女様」
「今は二人しかおりません。ミーティアと呼んでください」
「はい、ではミーティア様」
いつの頃からか決して名前では呼んでくれなくなってしまった大事な幼馴染み。かつては共に野原を駆け、時にはこっそりトラペッタの街へ遊びに出かけた二人だったのに、どこかぎくしゃくとした空気が二人の間に流れるようになっていた。
ミーティアは一つため息を落とし、続けた。
「どうしてもミーティアの口から伝えなければと思っていたことがあるの」
「何でしょうか」
ミーティアは改めて幼馴染みの顔を見つめた。が、彼の顔は尖塔の影になって表情は窺えなかった。
「サザンピークへの輿入れが決まったの。来年の春には式を挙げると」
一瞬語尾が震えたが最後まで言い切った。
「先日王様から直々に伺いました。心からお祝い申し上げます」
彼の返事は淡々としていて、何の感情も読み取ることはできなかった。
「あの…一緒にサザンピークに行っていただけませんか」
自分でも何とばかなことを言っているのかと泣きたくなった。こんな願いが聞き届けられようはずがないのに。
「今までのように一緒に」
「恐れながら、」
突然激しい口調でエイトはミーティアの言葉を遮った。
「僕の役目はこのトロデーン国の皆様の警護です。これから先、ミーティア様お守りするのはご夫君様、サザンピークのチャゴス様でございます」
分かっていたことだった。ちゃんと理解していたことだったが、改めて彼の口から聞くと死の宣告のように彼女の心に響いた。ミーティアは身を震わせ、顔を背けた。
「…御前、失礼いたします」
「待って」
踵を返し、立ち去りかけたその背にミーティアは叫んだ。
「それがエイトの本心なの?顔も知らないどこぞの王子と結婚することがめでたいことなの?」
怒りと悲しみに声を抑えることもできず、ミーティアは激しい口調で問い掛けた。
「ミーティア様、」
月光のなか、振り返ったエイトは初めて見る厳しい顔つきだった。
「ミーティア様はトロデーンの王女様でいらっしゃいます。この僕がどんなに…」
エイトはそこまで言いかけて一瞬躊躇い、言い直した。
「僕はただ、ミーティア様を全力でお守りするだけです」
その声はごく静かだった。にもかかわらずミーティアの心には大きく響いた。だが、何か伝えたいと思いつつも何も言うことができず、もどかしい思いでエイトに手を伸ばした瞬間、
「…姫や、どこにおるのかね。姫や…」
城内から切れ切れに自分を呼ぶ父の声が聞こえてきた。
エイトもまた、最近では見たこともないほど優しく、真剣な表情をしていたが、その声を聞いた途端にいつもの近衛兵の顔となり、
「御前、失礼いたします」
と身を翻して階段を駆け下り、図書館の中へと入っていってしまった。
ほとんど入れ違いにテラスにいそいそと父王が出てきた。
「姫や、星を見るのもいいが外は冷える。そろそろ部屋にもどって休んではどうじゃ?」
「ええ、お父様。今、まいりますわ」
そう答える自分の声が自分のものではないような気がしたが、彼女は何とか平静を装ってそう言うと父王に促されて城内へと入っていった。
その夜、トロデーン城は一瞬にして茨に覆われ、滅び去った。城の人々は呪いにかけられて生きながら茨と化していたが、王と王女、そして一人の近衛兵の行方は杳として知れない。
イイヨイイヨー
あぁぁぁぁぁぁっ!! 俺も書きてぇぇぇぇぇぇっ!!
でも時間を湯水の如く使える身分にあらず・・・
くぁw瀬drftgyふじこlp;@:「
154 :
145:05/01/05 23:10:48 ID:QBdT3QUK
ども。喜んでもらえたようでうれしいっす。
ところでトロデーン城到着時の回想シーンでミーティアが立っているのってどこ?
背景などから二階正面の両側に階段のついたテラス(トロデーン城地図宝箱のところ)かなと思ったんだが
教えてエロい人
157 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/05 23:43:43 ID:zIth73hP
モップワロタw
でも実際前髪短くしたらかなり可愛いんだろうな
アーロンにワキ毛生えてる画像思い出した
159 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/05 23:48:58 ID:fKDevM56
ミーティアが人間に戻るより
主人公が尾花栗毛の馬になって幸せな2頭の方が感動しないかい?
ドラゴンクエスト[−2
見どころ
ミーティアと主人公の濡れ場
ククールとゼシカの濡れ場
ヤンガスとトロデ王のやらないか
232万本しか売れなかったFF10でも続編できたんだから作れるだろww
161 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 00:16:36 ID:Ih6aHJor
ミーティアをベッドに横たわらせた。
「はふっ……恥かしいです」
窓越しに月明かりが差し込んできている。
柔らかな光。
エイトとミーティア――それは何も語ることなく二人を優しく包み込む。
「僕に見られるのは恥かしいの?」
「……はい」
一呼吸おき、小さく頷いた。
「恥かしいよ、僕だって」
「……でも?」
10代の少女特有の不安と希望を浮かべた瞳でエイトを見つめ。
「君の事を知りたいから、本当の気持ちを、本当の心を、本当の想いを……」
「僕で本当によかったの?」
「エイトは……どうおもっているの? この結婚の事」
「僕? ぼくは君と――ミーティアと結ばれる事が出来て本当に嬉しいよ」
「ミーティア……嬉しい。本当に」
腕をエイトの首に回し、唇を重ねる。
「……好き。エイトの事、私大好き」
162 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 00:20:31 ID:yu4mY8Qs
初夜ssキター!
163 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 00:20:49 ID:lIterC1s
ぬるぽ
165 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/06 04:34:18 ID:66OSaLf9
エーこのたび、公営ギャンブルをどのように廃止するかという問題につきまして、
慎重に検討を重ねてまいりました結果、
本日の第4レース本命はチャゴスオージ、
穴馬はアッと驚く大三元という結論に達したのであります。
各馬ゲートインからいっせいにスタート!!
第2コーナーをまわったところで先頭は予想どおりチャゴスオージ!!
さらに各馬一団となって、トロデオー、シュジンコー、ヤンガス、ゼシカ、ククール、ドルマゲス、ラプソーン、ミーティアヒメとつづいております!
さて今、第3コーナーをまわって第4コーナーにかかったところで先頭は予想どおりチャゴスオージ!!
期待のミーティアヒメは大きく遅れて第10位というところであります。
さあ、最後の直線コースに入った!
ああ!ミーティアヒメがでてきた!
ミーティアヒメ速い!!
ミーティアヒメ速い!!!
トップのチャゴスオージが逃げきるか!!!
ミーティアヒメかチャゴスオージ、チャゴスオージかマドノユキ、ミーティアチャゴスは別れゆく!!!!
166 :
1/2:05/01/06 11:04:19 ID:XdYtTui2
「そろそろ交代の時間だけど、まだこないな、あいつ」
西側三階のテラスで見張りをしていた兵士が相棒に話し掛けた。
「ああ、エイトか。さっき宿舎のドアから出てきたぞ。図書館の方から廻ってくるんじゃ…ん?」
話し掛けられたもう一人は身を乗り出して下のテラスを見た。つられて最初の兵士も下を覗き込む。
「あっ、エイト、何姫様と話しているんだろ?」
「…バカだな、あいつ。必死になって姫様を避けていたのによりによってこんな晩に会っちまうなんて」
「避けてるって?姫様を?」
「避けているだろ、どう考えても。わざわざ『王女様』と呼んでみたり、仕事作って護衛につかないようにしているじゃないか」
階下のテラスでは何やら深刻そうな会話が交わされているようだったが、こちらまでは聞こえてこない。
「でもあいつ、姫様のこと好きなんじゃ…」
「おまえ、好きになったってどうしようもない相手だぞ。それが誰かと結婚するとなったらどうする」
「…だな」
「あいつは何にも言ってはくれないが、夜どうし寝返りうってはため息ついているよ」
167 :
2/2:05/01/06 11:05:16 ID:XdYtTui2
「…気の毒に」
「全くだ」
「待って」
階下からトロデーン王女の声が小さく聞こえた。二人は何ごとかと耳を澄ませ、より胸壁から身を乗り出した。
「それが…本心…どこぞ…結婚…」
「ミーティア様!…この僕がどんなに…」
二人は顔を見合わせ、体を胸壁上からひっこめた。
「…気の毒になあ」
「全くだよ」
「何とかしてやりたいけどこればっかりはなあ」
二人揃って「はぁ」と大きなため息を漏らした時、西塔のドアが開いた。
「遅くなってごめん。何か異変はなかった?」
「お、おうエイト。遅かったな。異変はない。このまま見張りを続けてくれ」
そう言うと最初に話し掛けた兵士は塔内の詰め所へ入っていった。
「今晩もよろしく」
「お、おう」
残された兵士はまさか立ち聞きしてしまったとは言えず、何とも気まずい思いをしたとかしなかったとか。
しかしその直後に城は災厄に見舞われ、この件はうやむやになってしまったのであった。
>>166 >>145の番外編?ミーたんのことを考えて夜も眠れないエイトという設定に萌えますた( ゜∀゜)=3 ムッハー
なんだか最近SS職人タンが頻繁に現れてうれしい事だ。
この流れに乗じて幼い頃の2人の話を|∀・) コソーリ待とう。
>>169 俺も、幼い頃の2人の話を|∀・) コソーリ待とう。
よーし、じゃあパパ予告しちゃうぞー
>>52の続きを明日夜に投下いたします。
他のSSに( ゜∀゜)=3 ムッハー を充電させていただきますた。
みんな神だ!GJ!
174 :
1/2:05/01/07 15:39:49 ID:1uVsnmql
トロデーン城の厨房は今日も大忙し。城で働く人々のために料理の準備に余念がありません。あちらではごうごうと火を焚き、こちらではパン種の仕込みをしています。部屋の隅では少年が器用にイモの皮を剥いていました。
「こんにちはっ。いつもおいしい料理を作ってくれてどうもありがとう」
そこへこの国のお姫様、ことし十歳になるミーティア姫が入ってきました。
「まあまあ姫様、喜んでいただけてとても光栄でございますよ。」
パン種をこねていたおばさんがうれしそうに答えました。
「あのね、お願いがあるんだけど…」
「何でございますか?姫様」
「今日エイトを借りてもいいかしら?お父様にクッキーを焼いて差し上げたいんだけど、ミーティア一人ではうまく作れるか心配なの」
「よござんすよ。エイト、エイトや!」
心配そうにしている姫様ににっこり笑うと、おばさんは部屋の隅に呼び掛けました。
「はーい、何ですか?」
最後の一個を手早く剥ききると籠のなかに放り込み、少年─エイトはおばさんのところに駆けてきました。
「姫様のクッキー作りの手伝いをしておあげ。小麦粉も卵も自由につかっていいからね。そこの隅をきれいにして姫様に使わせておあげ」
「はいっ。」
エイトは元気よくそう答えて隅のテーブルを片付け始めました。
「ミーティアも手伝うわ」
楽しそうにお菓子づくりを始める二人を見ながらおばさんは料理人に話し掛けました。
175 :
2/2:05/01/07 15:40:43 ID:1uVsnmql
「姫様も友達ができてよかったねぇ。この城には同じ年頃の子供がいなかったから、うれしいんだろうねぇ」
「そうだな。エイトは友達にしてはちょっと活発かもしれんが今まで城の中でばかり遊んでいた姫様にはちょうどいいのかもな」
* * *
「できたわ!」
二人とも粉だらけになって作った甲斐があって、竈の中から取り出されたクッキーはとてもおいしそうに湯気をたてていました。
「うん、よかったね、うまくできて」
エイトも嬉しそうです。熱い天板から慎重に出来上がったクッキーを取り出しながらそう答えました。
「手伝ってくれてどうもありがとう。はい、これ半分こ」
ミーティア姫はにっこり笑って一番大きなクッキーを半分に割ってエイトに渡しました。
「ありがとう…おいしいよ」
「ほんと?よかった。みんなエイトのおかげね」
二人で作ったクッキーは甘くてとてもおいしかったそうです。でもこのクッキーを大量に食べることになったトロデ王は
「とてもうまいが虫歯に滲みるのう」
とこぼしていたとか。
トロデーン城は今日も平和です。
145=166=174を書いた者です。
シリアスな話書いてて疲れたので明るい話を書いてみました。
>>52氏の続きを待つ間のおつまみにドゾー
GJ!
ほんわかして微笑ましい感じがいいね。
>>176 カワ(・∀・)イイ!!
あなたの作品の2人の話し方がイメージピッタリでつ。
>>52降臨マダ〜?(*´∀`)
のほほんω
無粋なツッコミだけど、エイトの幼少期は、記憶がなかったせいか
口数が少ない、少し暗い感じがするとのことで、活発ってのは…
とは言え、面白かったです。
>>180 俺も幼少期のエイト(もうこの名前がデフォなのなw)そんな感じで捉えてる<口数少ない云々
しかし、カエルを捕まえてきてミーティアを困らせるような、好きな子を困らせたいを地でゆく活発なエイトも悪くない。
182 :
176:05/01/07 23:09:41 ID:OceaINoX
IDは違うけど176です
確かに指摘はもっとも。エンディングでそんな会話があったし
ただ、泉のイベント(チャゴス王子に会う前)で「活発でミーティアはついて行くのが大変だった」みたいなことを言ってたような
なのでもしかしたら一緒にカエル取りしたりしたかもしれない
そこは初め城に来た時は暗かったが、ミーティアとの出会いで明るく活発に
という妄想ポインツ。
夜投下するって言ったのまだかよ
できもしないことを予告するなハゲ
>182
活発な〜って言ってたね。
ちょっと意外だったけど>183も書いてるが
ミーティアとの出会いで変わっていったんだとオモ。
トコロデSSハマダカナ−
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
>>52の続き
ところが、エイトの予想とは裏腹に、トーポを追いかけた廊下の先でしりもちをついていたのはメイドではなく、可愛らしい少女だった。
彼女は薄暗い廊下には不似合いな白いワンピースを着ている。
少女の着る服装にエイトは驚き、「トーポ、駄目だよ!」とトーポを呼んだ。
トーポはまるでその言葉を待っていたかのようにエイトの体をよじ登り、ポケットに収まる。
そして呆然と座り込む少女にエイトは慌てて膝を折った。
「あ・・・あの、大丈夫ですか?」
本当なら手の一つでも差し出さなければいけなかったが、汚れた手で高貴な身分の人の手を取るのはご法度である。
エイトには少女が何者かは分からなかったが、身形を見れば貴族かそれ以上の身分の娘であることは明らかだ。
「・・・・え、うん、大丈夫です」少女は我に帰ったかのようにそう答えると、意外にも自らの足で立ち上がった。
「驚いてしまったわ。・・・その、ねずみはあなたのなの?」
「トーポは僕の友達で・・・」
「ねずみがお友達なの?」
人間以外の生き物とも友達になれるのね、と少女はポケットから顔を覗かせるトーポを見て呟く。
彼女がスカートの埃を払うとトーポは顔を引っ込めてしまった。
少女の黒い瞳がエイトの顔を映す。暫くの間見つめたかと思うと、少女は唐突に訊ねた。
「あなた・・・いつもお庭の掃除している小間使いの人?」
「・・・え、あ、はい。僕が毎日掃除をしています」
「お掃除しながら、ピアノを聴いている?」
「え?どうしてそれを・・・」
思わず漏れたエイトの驚きの言葉に、少女はパッと顔を輝かせた。
「やっぱり!聴いてくれているのだなってずっと思っていたのよ。ね、お名前はなんて言うの?」
「え・・・エイトです」
「エイトね、初めまして。私はミーティアというの。あなたが毎日聴いていたピアノは私が弾いていたのよ」
あっけらかんとミーティアが名乗ると、エイトの表情が一瞬呆然となり、次の瞬間には驚きの表情のまま固まった。
ミーティアはそんなエイトの状態などお構い無しにの手をとって微笑みかけた。
「ね、新しい曲が弾けるようになったの。聴いてほしいから、ミーティアのお部屋に一緒にいきましょう」
・・・・次回は日曜〜月曜の深夜
初体験…じゃなかった初対面シーンキタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)━━━━━━!!!!!
夜は辛い季節ですががんばってください!
乙です!うぉーこいつら可愛いすぎ
職人さん方、乙です!
個人的にシチュはあるけど文章書けない自分が嘆かわしいっす
ED後の新婚旅行ネタとか、両親の形見(アルゴンリング)の語り合いとか
素敵なお話だけど一つだけつっこませて。
姫の瞳って黒じゃなくて緑じゃなかったっけ?
>>192 ナイスツッコミだ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・申し訳御座いません、完全に勘違い・・
194 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/08 22:32:01 ID:v0fpjO+O
レス版800番台。
一応あげとく
(あの頃…)
よく晴れた朝、エイトは歩哨の当番のため、図書館前に一人立っていた。昨夜の雨に木々の緑が一層鮮やかに目に染みた。
(こんな朝、二人でこっそり遊びに出かけたんだった…)
* * *
「まあ、なんて綺麗なの!この白珠のようなものは何かしら?」
朝日に煌めく白露を初めて見たミーティアは歓声を上げた。
「これは朝露だよ。昨日夜寒かっただろ?そういう晩に下りるんだって庭師のおじさんが言ってたよ」
何がそんなに珍しいのかと思いながらエイトは答えた。
「まあ、これが朝露なのね、初めて見たわ。エイトとお出かけするといろんなことが分かって嬉しいわ」
エイトは照れ臭くなってちょっと目を逸らした。
「お城ではあまり外に出ることがなかったから…ご本で読んだだけだったの。」
ミーティアはかがんで足元の花に着いた露をうっとりと見つめた。そんな姿を見ているうちにむらむらと悪戯心の湧いたエイトは、手近の露のたっぷり着いた草を折取ると「そらっ」とミーティアに投げた。
「きゃっ、冷たい!」
「はははっ、ぼんやりしているからだよー!悔しかったらここまでおいでーだ」
言うより早く駆け出すエイト。朝の空気が心地よく体を包む。
「もう!エイトったら!」
ミーティアも始めは怒っていたが追い掛けているうちに可笑しくなったのか笑いながら駆けて来る。
「あっ」
「どうしたの?」
前を行くエイトが急に立ち止まり、前方の草むらを覗き込んだのでミーティアも一緒に覗き込んだ。
「おっきいカエルがいる!」
「カエル?」
目を輝かせて指差すエイトに怪訝そうに問うミーティアだった。
「カエル見たことない?…待ってて、今捕まえて来るから」
エイトはミーティアの「待って」という言葉も聞かず草むらの中に分け入った。
ややあって、満足した顔でエイトは草むらから出て来た。手には大きなカエルを掴んでいる。
「ほら、カエルだよ。でっかいだろ!」
ミーティアは恐る恐るカエルの顔を覗き込んだ。エイトの両手で掴まれたカエルは以外にのほほんとした顔つきをしている。
「ミーティアにも捕まえられるかな?」
「やってみる?」
「うん!」
* * *
(あの後散々カエル取りして二人とも泥だらけで城に帰ったっけ。随分怒られたよなあ)
すぐ横の溝からあの時のカエルにも匹敵するような大きなカエルが顔を出した。
(まさかカエル取りしちゃうとはね。)
でももうそんなことはないのだ、とエイトは唇を噛んだ。
(僕たちはもう子供じゃない。あの頃のように無心ではいられない。それに…)
数日前、サザンピークからの使者が来たのだから。
輝くばかりのミーティアの花嫁姿を見ていることしかできないのだから。
カエルはエイトの足元をゆっくり跳びはねて噴水の方へ向かった。何気なくその様子を見ていたエイトは
(ん?人面!?)
と慌てて目をこすって見直した。
(何だ、背中の模様か。そうだよな、背中に人面があったら化け物だよな)
エイトは城の三階を振り仰いだ。
(なるべく顔を合わせないようにしよう…)
そう心に誓うと剣の柄を握りしめた。そうでもしないと泣いてしまいそうだったから。
176です
自分で「カエル取りしたかも」と書いた後、こういったこともあったかもしれないと書いてみました
夜食にドゾー
・子供の頃、町?へ遊びに出かけ、帰り道がわからなくなったが
トーポを追いかけてたら、城に戻れた。
・主人公は、子供の頃に「竜が一杯いる洞窟で独りぼっちで怖かった」
夢を見た、という話をミーティアに打ち明けている。
とかが、泉のイベントで得られる情報としてあるけど、
過去の出来事としてどんな感じだったのか、少し気になってます。
職人サマ、気が向いたらお願い致します…
199 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 00:38:46 ID:D3LFawQk
月夜に響く、ピアノの音色。
悲しく、沈痛なメロディ。
「……はぁ」
音の主であるミーティアはピアノをため息を吐きながら、演奏をしていた。
長い黒髪に、細く整った顔立ち。
優しげで知性を感じさせる瞳。
曲目は星の在り処。
帝国で数年ほど前に大衆の間で好んで演奏されていたもので、現在でも
地方の都市や町で聞くことが出来る。
大国の王女と一平卒の兵士との悲哀を描いた曲。
しかし、この国でも――いや、世界中を探しても知っているものは二〜三人程度だろう。
演奏も終わり、ミーティアは鍵盤にカバーを被せ、蓋を閉じた。
曲が弾き終わることを待っていたかのように、扉がノックされる。
「エイトですか?」
ミーティアは後ろを振り返らずにその相手に聞く。
「……はい、エイトです」
予想すらしていなかった。
「こんな時間にエイト、一体どうしたの?」
小さく首をかしげてミーティアは聞いた。
城の中でも地位の高い近衛隊士、規律も厳しいはず。
200 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/09 00:40:11 ID:D3LFawQk
「今夜は私が宿直で姫の護衛を」
「そうですか……エイト、ミーティアの部屋にきませんか?」
「えっと」
エイトは困ったように頬を掻く。
「美味しい焼き菓子を作りましたの、ですから味見をしていただけません」
「はい、わかりました」
「エイト……今は私と君以外誰もいないのだから、昔みたいに気軽に話しましょうよ」
「は……うん、そうだね」
「ふふふっ」
「はははっ」
ミーティアは口に人差し指をあて、控えめな笑い声を上げた。
「ミーティア?」
よくよく見るといつものドレス姿ではなく、ネグリジェ――それもシルクなどで織られ
た上物のやつ。
胸も、ヘソも、もっと下の茂りも生地自体が薄地のため、生まれたままの姿のようにそ
のまま見えた。
恥かしくなり、エイトは思わず視線を逸らす。
その視線に気が付いたのか、胸元を手で隠し。
「見ていたでしょう。私の体を」
小さく呟いた。
そ、空の軌跡…?
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
>>176タンいつも乙です。
しかしミーティア、カエルにビビりもしないとは…この頃から馬並に鈍いんだろうか(*´Д`*)
>>200 ほんのりエロ??続きキボンヌ!
>>202 ググってみたけど、ヨシュアってキャラがちょっとエイトに似てるね。
207 :
176:05/01/09 08:11:45 ID:SyT3/Vw0
それ迷ったんだよね。本当にお姫様育ちの人がそういう生き物を初めて見た時どういう反応するか、下々の者には分からないw
最初にそんなに嫌な思いをしなければ「まあ、変わった生き物ね」程度なんじゃ?
今回伊/勢/物/語の芥/川を参考にしました。あの時代のお姫様は外に出ないので何でも珍しかったようです
書くとは言ったものの・・・延期いたします・・・
>>205 以前、空の軌跡用に書いたエロ文章のDQ改変版です。
「うん、綺麗だったから」
「別に良いよ、見ても……エイトならもっと恥かしい姿を見せても」
「ミーティアの事、大好きだよ」
「私も――君のエイトの優しいところが大好き」
月明かりに照らされたエイトとミーティア。
見詰め合う二人。
エイトに見つめられ、自然と瞳を閉じるミーティア。
お互いの顔が近づき、唇が触れる。
小鳥が啄ばむかのような軽いキス。
ミーティアは顔をほんの少しだけ離し。
「初めてのキスです」
と言った。
「僕もだよ」
エイトは少女の体を抱きしめる。
「あっ……」
「いい匂い、それに柔らかい、ミーティアの体」
「エイト? どうしたの」
「わからない。けど、君とキスしたらドキドキして、我慢できなくなったんだ」
エイトはミーティアの首筋に、頬に、そして……唇に味わうような濃厚なキスをした。
「私も……です」
煌々とした表情で次々と体中から吹き荒れる快楽を貪り、再びキスを求めるようにミーティアは瞳を閉じる。
「王女の身分なのに誰にでも優しく、綺麗な君が大好きだよ」
「私もあなたの……エイトの事がはじめて出会ったときから好きでした、強くて勇気がある貴方の事を。
そして優しい声が」
「ミーティア、もう一度キスをしていいかな?」
エイトはミーティアの耳元で囁いた。
「はい」
昔から一緒に過ごしてきた青年に言い寄られて断る女性は滅多にいないだろう。
唇を再び味わう。
今度は口の中に舌を割り込ませて。
少女の全てを味わうとするかのように。
わざとクチャクチャと卑猥な音を立てながら。
白色のショーツの中に手を入れ、少女の性器を隠している全てを取り去る。
そして無毛の恥丘に手をあてがう。
若々しい少女の肌。
「……はず……かしいです」
俯いて一言。
ミーティアの白い肌が耳まで赤く染まっていた。
「僕だって恥かしいけど、君の事が好きだから……駄目かな?」
「優しくしてくれると約束してくれますか」
「ああ、もちろんだよ」
「不束者ですがよろしくお願いします」
ミーティアは身に付いていたネックレスを外した。
生まれたままの姿。
真面目な女ほど、夜は大胆になるものなのだ。
「ミーティア。大好きだよ」
少女の首筋に、頬に、腕に、そしておへそに。
そして未成熟な一筋の割れ目に濃厚な愛撫をエイトはミーティアに見えるようにした。
夜はまだ始まったばかり、二人の痴態は続く。
ミーティアがチャゴスとの結婚を嫌がったのは、次のどっちだ?
1.主人公以外の男と結婚するのが嫌だった
2.チャゴスと結婚するのが嫌だった
両方
ミーティアは主人公のこといつくらいから男として意識し始めたんだろう
主人公もそうだけど
ミーティアタンにチャゴスのチンポが突っ込まれるなんて
想像したくもない
困った…ミータソに魔法のビキニ着せて南の島でラブラブ、というネタを思いついたんだが、主人公は何着せたらいいんだ。
なんかエリミネーターのぴっちりビキニパンツは違う気がする。
どうしよう
ふ…ふんどし!
ま、まじっすか>ふんどし
どうするか心の整理がついたら書きます
くそぅ、九々だったらビキニパンツ一択なのにw
竜神のよろいがあんなだし、「男の水着といえばこの『竜神のふんどし』でキマリじゃ」とか
じーさんが調達してくれそうな気がしたモンでw
皮の腰巻きとか。
いろいろ意見を出して頂いてありがとうございました。
が、今回は彼の水着が主眼ではないので詳しく書かないことにします。
主人公がいきなりふんどしだともうそれだけでウホッになってせっかくのミータソが霞んでしまいそうだし
ミーティアは実は脱いだら凄い・・・わけはないか
だっ、ダメだーーーー書いてて単なるバカポー惚気話にしかならねーーーー
そのうえ長いし
それでもいいですか
はい
いいえ
→はい
いいえ
楽しみに待ってるよ!
いいじゃないか、馬カップル上等!
ありがd
バカポー色を薄めるため今晩努力します
明日中にはうp予定
日付跨いでんのになんでID変わってねーの?
ドルマゲスの仕業
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) 今宵が楽しみでつ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
エロなしなのに結局バカポー炸裂な話になってしまったorz
最初地の文でも一人称がミーティアだったんだが、ほんとにバカポー話にしかならないので「私」を使ってます
トロデーンを遠く離れて私たちは古代船の甲板で潮風を受けていた。
「もうすぐ着くよ」
へさきで舵をとるエイトの声も弾んでいる。
冒険の間何度も繰り返された光景、でも大きな違い。私は呪いの解けた人の姿で、そして私たち二人きりの船旅。
「本当に地図に載ってないのね。そんな島があったなんて」
「そう。だから僕たち二人の島だよ」
振り返るあの人の顔は嬉しそう。
「小さな砂浜があったんだ。泳げないミーティアのために特訓するからね」
そう悪戯っぽく笑うと、「さあ、早く着替えて」と急かす。
「あっ、あれを着るの?」
「もちろんだよ。ドレス汚れちゃうよ」
昨日の夜遅く、こっそり部屋に持ってきてくれた包みの中には魔法のビキニが入っていた。そういえば冒険中にゼシカさんも着ていたような。それで思いついたのかしら。
「でもミーティアは」
「絶対かわいいよ、着てね。着替え終わったら見せてね」
…押し切られてしまった。
仕方なく船室に入ってビキニを着てみたけど…んんん、何かが足りない。せっかく瞳の色に合わせてくれたみたいなのに、胸元のボリュームが…それにこのパレオ何でこんなに短いのかしら…もう少し長かったらいいのに…
これは…出ていったらがっかりするんじゃないかしら?でも代わりになるような服は持ってきていないし…
「島に着いたよー。早くおいでよー!」
甲板からの呼び声に促され恐る恐る甲板への扉を開き、顔を出した。
「あっ、着てくれたんだね。見せて見せて」
そう言うと無理矢理外に引き出されてしまった。
「よかった、すごくかわいいよ」
よかった、とても嬉しそうな顔をしている。でも改めて彼の前に立つと水着の大きさがとても頼りない。
「ほんと?」
「うん、とってもかわいい。…」
「どうしたの?」
首を傾げたエイトの様子にまた不安が湧き上がる。
「ちょっと目をつぶってて」
何かしら、とどきどきしながら目をつぶると、耳元に何かいい匂いのものが差し込まれた。
「…花?」
「うん。これで完璧」
そうにっこり笑いかけられ、「着替えて来るから先に浜辺に降りていて」と言い残して船室の扉が閉った。
私は耳元の花に触れながら砂浜へと降りた。裸足で踏む砂は温かで、とても心地よい。波打ち際に立つと波に足を掠われそうな気がした。波は穏やかに打ち寄せ、南国の陽光がきらきらと反射した。
「お待たせ」
振り返るとエイトも水着で立っていた。
「あっ、あのね、向こうの方で何かが光ったの」
「魚かな?見にいってみようか」
「ええ」
本当は光ったものはいなかった。ただ、細身だと思っていたエイトが意外にがっちりしていて、その鎖骨から胸板につながるあたりを見た時、どきどきして何か自分が恥ずかしくなってしまって、話を逸らしてしまっただけ。
「最初は水に顔をつけて目を開けるところからね。」
こちらのどきどきに気付いたのか気付かないのか楽しそうにエイトは話す。一緒について行くと水は腰のあたりまでの深さになった。
「痛くないかしら」
「全然。海の中がみえてとってもきれいだよ」
本当かしら?そう思いながら息を詰め、顔を水につけて恐る恐る目を開くと──
「!」
目の前にはお城の宝物庫で見たアクアマリンのように青く透明な世界が広がっていた。足下を小魚たちがすり抜けていく。真っ白な砂の向こうには岩場が始まっていて、色鮮やかな珊瑚と、魚たちの泳ぐ姿が見えた。
「きれいだろ?」
これを見せたかったんだ、というエイトの言葉に心から頷いた。
「早く泳げるようになりたいわ。あの珊瑚の中を泳げたらどんなにすてきでしょう」
顔を上げてそう言うとエイトは笑った。
「僕もそう思ったんだ。ミーティアと一緒にこの海を泳げたらどんなに楽しいかって」
* * *
日が傾き空は茜色に染まる。泳ぎ疲れた私たちは二人並んで砂浜に座っていた。なぜかしら今日はエイトがいつもより近くに座っているような気がして恥ずかしいようなそれでいて離れがたいような気持ちがした。
「きれいな夕日ね。こんな風にエイトと過ごせる日が来るなんて思ってなかったわ」
「…うん。」
何か言いた気な様子だったので次の言葉を待った。
「もしあの時…僕が傍にいたらって旅の間考えていたんだ。旅を続ける中で、僕には呪いがかからないって知って、僕が盾になっていればミーティアも王様も呪いにかからずに済んだだろうって」
辛そうにそう言うと、私の顔を覗き込んだ。真剣な眼差しだった。
「サヴェッラでの夜に気付いたんだ。もう二度とミーティアを失いたくないって。…ミーティア、僕と一緒に生きてくださいますか」
幸せな感覚が身の内を駆け巡る。あまりに幸せ過ぎて涙が一粒、こぼれた。
「…待っていたの、ずっと。その言葉が聞きたかったの。…一緒に歩いていくわ。だってエイトが一緒なんですもの」
「ミーティア…」
あの人の右腕が肩にまわる。引き寄せられるのを感じて私は瞳を閉じ──
昼と夜の狭間で、私たちは覚え立ての子供のように何度もくちづけを交わしあった。
JG!
他の奴らがいたストに出てあくせくやってる間に
南の島でマターリハネムーンな感じやね
「えーい、まだエイトと姫の行方が分からんのか!」
トロデーン城にトロデ王の怒声が響く。夜明け前からこうして怒鳴っていたのか若干声は掠れ気味だが。
「ククールやヤンガスにはまだ連絡取れんのか?全く冷たい奴らじゃのう」
「はあ、サヴェッラからの足取りは全く知られておりませんで。噂では怪し気な頭部の薄い中年男性と何やら話し込んでいたということですが」
「そんな情報はいらんわい!」
側近を一喝するとトロデ王はいらいらと廊下を歩いた。
「あやつらときたら、父親であるワシに一言の断りもなくどこかへ出かけてしまうとは、全くいい度胸しておるわい。トーボまで置いていきよった」
「はあ」
側近も下手に相槌を打ってはとばっちりを食らうのであいまいな返事にとどめた。
「数日前から何やらこそこそ相談しているようだったもんで、姫の部屋の前で見張っておったんじゃ」
「おっ、お疲れ様でございます」
「そうしたら今朝、夜も明けないうちに姫の手を引いて部屋から出てきたと思ったらそこのテラスからルーラで逃げよったんじゃ!」
その時の怒りを思い出したのか地団駄を踏む王。
「でっ、でも王様、姫の婿にエイトを迎えようとおっしゃっておいででは…」
「それとこれとは別問題じゃ!」
トロデ王の雷に側近は首を竦めた。
「サヴェッラで式を挙げたとはいえワシゃ正式には認めとらんぞ!大体ワシは『お姫様をください』の一言も聞いとらん!」
「お、王様、どうか興奮なさらず。血圧に障ります」
「血圧なんぞどうでもいいわい!」
そういうと王は側近に向き直った。
「あやつら、今夜帰ってこんかったら問答無用で即結婚式じゃから、お主らもそのつもりでいるのだぞ!」
「ひぃ〜、王様、お考え直しを〜」
235 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/11 18:05:13 ID:Oozjcaja
頭部の薄い老人?
おそらくモリー
激しくGJ!です!!!
ハネムーンなふたりが
可愛いったら可愛いよ〜(つ∀`)
良かったらまた書いてくださいv
喜んで貰って嬉しいっす。
今後も精進します。
|∀・)他の職人様の御光臨マダー?
乙!面白かった
ちなみに234のハゲの人はいたスト出演交渉人で、モリーじゃないよ
ニューカマーです。今後よろ。
姫×近衛兵という設定に燃えました。しかし少数派だということを知りガックリ…
そんな時にこのスレを知り、すごく嬉しかったです。
自分も書いてみたいのですが、
>>57のカップル萌えスレのお約束でちょっと
分からないことがあるので教えてください。(カップル萌えスレなるものが
あることも始めて知ったので…)(;´Д`)
・SSというのは小説のことですか?
・板のルールとしては自作SSをスレに書き込んだりするのは大丈夫?
よろしくお願いします。
>SSというのは小説のことですか?
SSはショートストーリーの略、小説でイミはあってるね。
>板のルールとしては自作SSをスレに書き込んだりするのは大丈夫?
ちょっと上に掲載されてるモノが見えませんかw
ガシガシやっちゃってください!
>>243 いえ、あの、スレとしてはOKでも板としてはどうなのかなと(;´Д`)
でもいいや、探しても禁止とは書いてないw
どもです!心置きなくやっちゃいます。
書き手がでしゃばりすぎるのは正直よくないよ
>>239 >他の職人様の御光臨マダー?
1個落としたくらいでもう職人気取り?
つーか職人だなんだなんて他が言うものであって自分で言うな
みっともない
(((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブル
主人公×ミーティア好きって少数派なのか・・・
知らなかったよorz
姫自体嫌われてるしなー。
正直他のスレなんか見れたもんじゃない。
でも好きな人結構多いと思うんだが…。
別に主ゼシのほうが多いってワケじゃないんだろうけど…
ゼシカ単品萌えの人はそりゃ多いだろうな。
>>245は素直にお礼も言えん捻くれ者だ。脳内あぼん汁。
>>230-234 GJ。主人公とミーティアはエロ抜きで(*´Д`)ハァハァだから、エロなしなのは俺にはかえって好都合だった。
ただ、一つだけ指摘させてくれ。
トーボじゃなくてトーポなんだ(つД`)
>>245 でしゃばりはおまえだろw
話を待ってる住人が多いのに
これで投下してくれる人がいなくなったらどうしてくれるんだ。
自分が言いたい事を勝手に吐き出して
スレの空気を悪くした罪で逝ってくれ
おまいら色々無駄な事を考えてきた
真エンドのことなのだがサザンビーク王はエイトが兄の息子だと言う事を知って
ミーティアの婿にすることで王位継承権を放棄させてチャゴスに継がせるための
行動だったと予測してみる
∧_∧
(´・ω・`)<茶でも飲んでまたーり
( つ旦O
〜( ̄ )
U  ̄U U
>>253 実は俺も同じ事考えてた。
密かにクラビウス策士だな、と。
176さん、
>>245なんて気にせず、また素敵なお話を読ませてね。
私たち 極悪非道のDQ幼馴染みカルテット
スレの空気を一気に浄化します!
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
'´ ⌒ ヽ. _ + _ _. ;.'ニニヽ +
+ ' /ノノ`ヾ ,'´;.ニニ`; ,'´==、ヽ. ハ( )从ハ
((∩゚.ヮ^ノ .lイァ"~ヾi!. 〈リノハヾi l (’ヮ’*リノ +
sage (y)゙-と) . .|∩^ヮ゚ノ 从゚ヮ^.iフ八. 《つ:l(づ ))
(y)__ヾゝ. |ヾiトー')⊃⊂(ニ゙(つ / ,_|;|_ヽ sage
+ 〈_バ_) .ノリ~/iヾl! . Li__.ヾつ .~じ'l_ノ~
んレ';_!,_リ l.ノ +
クラビウスは主人公=エルトリオの息子・ミーティアの婿として認めただけであって、王位継承者とは認めないって言ったじゃん
だから式の後にトロデーンに帰ったと思われる。
つまり、
「ミーティアはくれてやるからチャゴスに王位継承権譲ってください(´Д`;)タノンマス」
ってことか
主人公もサザンピーク王位には興味ないんじゃないかな。
ていうかトロデーンの王にもならないような気がする。
ミーたんが女王で、それの補佐役とか騎士団長とか、なんかそのへんに収まってそう。
>259
補佐役…騎士団長…
萌えるかも(;´Д`)
261 :
主人公:05/01/12 01:11:21 ID:L1frDMq3
まあ、あれだ。
こっちはチャゴスの代わりにミーティアとラブラブな生活を送ってやっからよ
お前はせいぜいおーさまになって一人で国民に威張り散らしてるこったな。わっはっはっ
と、敢えてチャゴス的な話し方をしてみるテスト
一度ウィニアのためにエルトリオが捨てた王家を手に入れようとは考えたく無かったのでゎ。
本気でミーティアと結婚しようと思ってたならEDの「数ヶ月」の間にサザンピーク行ってるしな。
ちょっと待ってくれ。
サザンピークじゃなくてサザンビークじゃないか?
>>247 以外とそうでもないぞ。
同盟見たらそんな数ではないが、それ以外のDQサイト巡りしたらプレイして主姫萌えたって声も結構あった。
いまだにクリアしていない超スロープレイヤーだけど、
ミーティア可愛いと思うよ。天然っぽいとことか。
早くエンディング見たいな。
昨夜は早く休んでしまったのでこんなことになっていたとは
漏れの不注意な一言でスレを荒らしてしまって本当に申し訳ない
そのうえサザン「ビ」ーク、トー「ポ」だったorz
逝ってきます
擁護レスカモーン↓
僕たちは今、トロデーン城で暮らしている。幼い日にともに暮らしたように、いや、それ以上に幸せな日々を送っている。
そんなある日、僕たちの元へ不思議な珠が届いた。ゼシカの字で『光に透かして覗いてね』とある。
「何かしら?初めて見るわ」
ミーティアも怪訝そうだ。
「二人で見てみようか?」
「ええ」
そんな会話を交わして光に珠をかざした。
* * *
『兄貴〜』
『エイト』
『ミーティア姫』
不思議な珠の中から仲間たちが手を振る。あまりにびっくりして珠を落としそうになりながら、隣のミーティアと顔を見合わせ、再び覗き込んだ。
『今、私たちいただきストリートっていうゲームをしているのよ』
『サヴェッラでおまえたちを見送っていたら変なオッサンに声かけられてさ。いや、新手のナンパかとどっきりしたね』
『そしたらいろんな人が集まってゲームするから参加しないか、ってことだったから、出てみることにしたのよ』
『本当は兄貴の側にいたかったでがすよ。でも人の恋路を邪魔するなってことで、こっちでお宝ゲットするでがす』
『これ、すごく不思議でしょ。一緒にゲームしている女の子三人組からもらったの。スフィアって言うんだって』
スフィアね。何だか変な物だと思ったらどこか別の世界の物だとは。スフィアの中でヤンガスがしゃべっている。
『馬ひ…ミーティア姫様とはうまくやってるでがすか?あっしは一人寂しくゲームしているでがすよ』
ゼシカとククールが同時に『ゲルダさんは?』と言うのが聞こえた。隣でくすりと笑う気配がした。
『うっ、うるさいでげす!…兄貴にいっぱいお宝を持って帰るでがすから、楽しみにしてるでがすよ』
「ふふ、楽しみだわ」とミーティアが呟く。
「うん、そうだね」と僕が答え、二人で微笑み交わす。
『まあおまえたちがよろしくやっている間、俺たちもこっちで楽しんでいるってことだ。こっちも中々だぜ。きれいな姫がたくさんいて目移りしてして困っ…!』
突然視界一杯に炎が広がった。と、次に何事もなかったかのようにゼシカの顔が現れた。
『ということだから、お土産楽しみにしていてね。えっ、ククール?さあ、何か用事を思い出したみたいよ』
そういうゼシカの後ろに焦げ焦げの赤い服が見えるんだけど。ミーティアも気付いたらしく、肩を震わせている。込み上げる笑いを抑えているようだ。
『それじゃあまたね!』
こちらに向かって手を振る二人の後ろで『メラミなんてひど過ぎる…』という声がして、ククールの手だけ見え、そして消えた。
「エイトも出てみたかった?」
ようやく笑いの収まったミーティアがちょっと拗ねたように問い掛ける。
「何?僕に出て欲しかったの?」
悪戯心からそう問い返すと、ミーティアは困ったように答えた。
「違うわ。…仲間と一緒に出てみたかったんじゃないかと思っただけなの」
「それって、ヤキモチ?」ますます意地悪な気持ちになってそういうと、彼女はぷいっとそっぽを向いた。
「…冗談だよ。僕たち一緒に暮らしてこんなに幸せじゃないか。今更僕一人でどこか行こうなんて思わないよ」
「…本当に?」
「本当に。」
まだちょっと不安げなミーティアの頬に優しく唇を寄せた。そしてほんのり頬を染めた彼女に囁いた。
「楽しみに待っていようね」
「ええ、そうね」
まっすぐ見返すミーティアの眼は優しかった。
乙。えーいこのバカップルめ。
>>271-272 激しくGJ!!
エイトから僅かにフェイトのニオイを感じる・・・のは俺の気のせいだな、うん。失礼つかまつった。
>275
フェイトって?
金髪の魔法少女
クロノクロスのラスボス
ところで、モンスターチームに主姫系の恥ずかしい名前つけた人いる?
俺はまぁ…軽めに「ときめきトロデーン」とかなんだけど。
ときめきトロデーンワロタw
ところでED、でミーティアがピアノを弾いていた部屋はどこだったのかな、と探しに行ったところ、
ピアノ発見。ピアノの前に立ったらトロデ王がしゃべった。これ見てなかったよ。よかた〜
282 :
275:05/01/13 00:16:16 ID:UR/UtC8m
>>276-277 同じエニックス販売(製作は違うけど)のRPG3作目の主人公のフェイト君の事ですよ
でも反応からして対して似てなかったって事だなorz
あんなんと一緒にしないで頂きたい
284 :
242:05/01/13 01:58:35 ID:ofsIpv0E
なんんんかむちゃ長くなってしまいそうなんですけど、
スレ的にはどれくらいが許容範囲なんですかね。
てかもう、みんな寝てるよね('A`)
俺は長くてもあんまり気にしないけど
自分が気にするor気になる人がいるとかなら
txtでもhtmlでもなんでもいいからそれをうpろだにあげるという手もある。
>>285 レスサンクスです。
気になる方がいらっしゃれば、そうしますね。
カプ萌えスレ初心者なので結構慎重です。
姫と二人で旅行中、宿屋に止まるわけだよな。
「御休憩ですか?お泊りですか?」って毎回聞かれるのか。
世界中の宿がラブホ状態だなハァハァ
「そんな、ひどい…」が復活したんだから
「ゆうべは よく おたの(ry もやってほしかったハァハァ
>>59 のWEB漫画に主姫漫画が追加されてます。
クク主に気をつけて拝見なさってください。
>287
こんな感じ?
僕たちは二人であの冒険の旅で歩いた道を旅している。昨夜も宿屋に泊まってさて出発、という時…
「ゆうべはお楽しみでしたね」
なっ、なんてことを言うんだこの宿屋の亭主は!でもミーティアはよく意味が掴めなかったのか怪訝な顔をした。が、次の瞬間ばばっと頬を染めた。
「なっ…!だって…あれはエイトが」
「何言ってるの?だってミーティアがあんまりかわいいからだよ」
「もう、エイトったら!」
ますます頬を紅く染めるミーティア。この顔がまたかわいいんだよね。
「ほら、その顔がかわいいよ。もっと拗ねて見せて」
「…エイトったら、もう、仕方のない人ね」
ミーティアが僕をぶつふりをした時、亭主が渋い顔でこう言った。
「…お客さん、店先でいちゃつくの止めてもらえませんかね」
>>280 「トロデーンヒーロー」と「ミーティアラブ」と付けた orz
「ミーティアラブ」でSクリア。
>>289 ワラタヨ
>>「ゆうべはお楽しみでしたね」
この内容もよろしく(w
個人サイトはあまり貼らん方がいいんじゃ…
てーかアルスって誰?
なぜアルス?
ロト紋かよ
7の主人公もそんな名前だったな
泣けた(つД`)
エイトじゃダサいからでは?
俺は主人公の名前はデフォで付けるタイプだが、8はアルスにしてしまったし。
デフォ名は「えにくす」でいいのに
すくえあ にするか えにくす にするか揉めたからだったりして。
「姫や、気分はどうじゃ?」
父は城に戻ってからずっとふさぎ込んでいた私を気分転換にと城の外へ連れ出してくれた。
「ありがとう、お父様。気を遣っていただいて。とても楽しいわ」
強いてにこやかに隣の父にそう答える。けれど、城が元の姿を取り戻し、かつての生活に戻っていくにつれ、私の前に避け難い運命がのしかかってくるのを感じていた。
「そうか、ならばよかったのう。いや、どうも最近元気がないように思えての。もしやあの…」
「お父様」
考えまいと思っていることに話が及ぼうとしていることに気付いて、きっぱりと遮った。
「その話はもう決まったことですわ。私はトロデーンの王女ですもの、王族の義務は心得ております。それにお祖母様の御遺志なのでしょう?」
「…そうじゃったの」
父はそう言うと、馬車の窓から外を見やった。たくさんの女官たち、護衛の兵士たちの中にあの人はいた。
今は近衛連隊長の、私の呪いを解いてくれたあの人。皮肉にも呪いが解かれたことで王族の義務として愛してもいない人との結婚が目前に迫っていた。あのまま呪いが解けなければ、しなくともよかった結婚が。
馬車は海辺に建つトロデーン西教会の近くで止まった。
「この辺りは昔からわしのお気に入りの場所じゃった。…少し降りてみるかの」「はい、お父様」
私も大好きな場所だった。エイトと二人城を抜け出してここまで遊びに来た、そんな日があったのに。
「エイト、姫の手を支えるように」
「はい」
身を乗り出して言う父の言葉に心が震えた。馬車の扉が開かれ、父は跳びはねるように降りていく。
「おお、よい景色じゃ。姫も早く降りておいで」
父の言葉に震える手を差し出す。一瞬エイトと視線が絡み合い、私の指は温かな手に包まれた。
出来る限り−不審に思われないようにしないとと思いつつも−エイトの手に包まれその温もりを感じながらゆっくりと馬車から降りた。
「ありがとう」と言わないと、でも言ってしまえばこの手は離されてしまう。でも人目が、お父様に気付かれてしまう、早く手を離さなければ、そう思いつつもう一度エイトの眼を見、絞り出すように、
「ありがとう」
と口にした。彼は一礼して手を離す。暖かな日であったのに離された手に風が冷たかった。
「お父様」
涙を見せてはいけない。ここで泣いたらエイトに迷惑がかかってしまう。
「…私もこの場所が大好きでしたわ。お父様と今日、ここに来ることができて、嬉しいです。ありがとう、お父様」
婚礼の日まで後数日。その日が来たら私の心はきっと…
>>302 イイヨイイヨー
婚礼の日の一日もお願い
>>302 乙。エイトの心境も読んでみたいかも。
ところでおまいらはどっちのEDの主姫好きですか?
真EDは確かに萌えなんだが普通の方も萌える(´∀`*)
「宮廷音楽家かく語りき」
その夜、私は森の中で馬車を走らせていた。既に日は落ち、辺りはすっかり暗くなってしまっている。
こんなことならば、泊まっていけという誘いを断るのではなかった。まさか道を誤り、迷ってしまうとは。
ランプの光が、あまりにも頼りなく心細い。この程度の火では、魔物は怖がりもしないだろう。
そしてすっかり暗闇につつまれた頃、案の定、衝撃とともに馬が啼きめちゃくちゃに暴れ始めた。
唸り声と肉を引き裂く音。さらなる馬の悲鳴。魔物の群れに襲われたのだ。
すさまじい揺れによって馬車は横転してしまった。
幸運にも私は御者台から馬車の内側へと転げ落ちていた。夢中で手綱を放り出し、扉をきつく閉める。
馬一頭分の肉はかなり多い。それで満足して引き上げてくれると助かるのだが。
しかし、ついにガリガリと木材を噛み砕く音が聞こえた時、次は自分が食われる番なのだと覚悟を決めた。
と、その時だ。辺りに巨大な炎の塊が落ちてきたような閃光が走り、続いて魔物がするどい悲鳴をあげた。
それも次々と。6つまで数えた後、扉が外から開けられた。
「こっち!」
子供の声だった。助けなのか、それとも夢なのか。差し出された手を掴むと問答無用で引っ張り出され
そのまま手を引かれるまま、走り続けた。彼が持っているたいまつはその子の後姿を浮かび上がらせていたが
やはり幼い子供であることを確認できただけであった。
着いた先は小さな狩猟小屋だった。緊急時や休みをとるために、森の中にはこういった小屋が点在する。
大体の場所は分かった。やはり街道からかなり外れていたらしい。息を切らしながら命の恩人に礼を言った。
「…あ、ありがとう、本当に助かったよ…」声がひどく震えているのは寒さのせいだけではない。
少年は無表情な一瞥をくれたが、それはまるで『情けない声を聞いて怒る気も失せた』と言っているようだった。
目で座るように促す。私はそれに従った。
少年も囲炉裏のそばに座り、それから小さく燃えている火に、持っていたひのきの棒をさし入れた。
それは真っ二つに折れ、血がついているように見えた。
「怪我しているの?」 問いかけには応えずに、壺に汲んであった水を小さな木製のコップでくみ出し汚れた
手をゴシゴシと洗う。もしかしたら口がきけないのだろうか。先ほど確かに声聞いた気がしたのだが。
それにしても、この小さな手がこの棒切れ一つで魔物の群れを倒したというのだろうか。
信じられない思いだった。見たところ、まだ7つか8つほどの年頃なのだ。
呆然と見守る私に対して、「かまれたわけじゃないから」 と、私を安心させる為なのか、微笑んでみせた。
それから、ふくろから古びた布切れを取り出し、ナイフで大事にさいていく。その布をさっさと手に巻き、
手当ては終わったらしかった。手伝わなければ、と思ったときは全て終わっていて私は少々落ち込んだ。
ここに住んでいるわけではなさそうだ。一見して持ち込まれているものは何もない。
傍らにある小さなふくろだけが少年の全ての持ち物であるらしい。
名前を尋ねると、「エイト」と答えた。思い切って「親御さんは?」と尋ねてみた。かぶりを振った。
また沈黙が訪れる。聞きたいことは山ほどあったのだが、少年の醸し出す雰囲気が、興味をむき出しにする
行為を無意識に禁じていた。額に汗が浮かんできた。こういう空気には弱い。
「そ、それにしても強いんだねぇ。おじさん腕っ節は全然だめだから、すくみ上がって何も出来なかったよ。
見ず知らずの人間を助けるために魔物の群れに突っ込んでくるなんて、エイトくんみたいな勇敢な少年は
見たことがないよ」 結局私は、まるで愛想笑いのようなニヤニヤ笑いを浮かべて、素直に少年の強さと
勇敢さを褒め称えることしか出来なかった。このニヤニヤ笑いは、緊張した時の私の癖だ。
エイトはそんな私の顔をしげしげと見つめた。私はハッとした。もしかして気を悪くしたのか?
しかしエイトはすぐに目をそらし、話題を変えた。「おなかすいています?」
「あ、ああ。でも…」
「じゃあちょっとまっていてください」
>304
最初のEDの方が好きだな。姫逃げるしw
トロデも戦うしww
トロデーン城に戻って来たときの
トロデの台詞とかいいし。
助けに飛び出す直前、恐らく食事の準備をしていたのだろう。すぐに大きな何かモモ肉のようなものを
火にかざし焼き始めた。しばらくするとジュージューと油をとばし始め、香ばしい匂いが小屋の中に充満した。
その間にふくろからパンを取り出し、こちらに切って渡した。そしてチーズまで。
「すまないね、何からなにまで」
それから彼は、チーズをもう一人分余計に切り出し、「トーポ」と呼んだ。
するとエイトのポケットから一匹のねずみが這い出してきて、そのチーズを食べ始めたではないか。
あっけに取られる私にお構いなく「どうぞ」と肉を渡してくれる。私は肉にかぶり付いた。
「う、ウマイ!」 塩を振っただけの味付けだったが、本当に美味かった。
「ウマイよ、これ。何の肉だい?」
するとエイトはおかしくてたまらないという顔でこういってのけた。「それ、さっきのやつですよ」。
「本当に!?」と真っ青になった私をみて、さらにニヤニヤとした笑い(どこか覚えのあるような)を浮かべた。
恐らく私の反応は彼の想像したとおりだったのだろう。
「ま、魔物の肉…?」と言いよどむ私に対し、「だいじょうぶですよ」とさらりと言って、自分もほお張った。
「…そうなの…」
しかし、無表情で無口な少年だと思っていたら、さっきみたいな笑顔も出来るのだ。もっとも、その笑顔は
彼にはあまり似合っていなかったが。彼が風のように爽やかな笑顔を浮かべたら、どんなに似合うことだろう。
それにしても、笑ったその顔が誰かによく似ている気がして、つい口にでた。
「もしかしてきみのお父さん…」と言いかけたが、思わず口をつぐんだ。
誰に似ていると思ったのかを、思い出したからだ。
慌てて少し付け足した。「昔ピアノを教えていた子に似ている気がしたんだ」
「へぇ、ピアノを教えてるんだ。すごいな」
エイトが言ったのはそれだけだった。お父さんという言葉を不用意にだしてしまったことを、私は内心後悔していた。
どんな事情があるのかは分からないが、今この子には父母と呼べる人はいないのだ。
笑顔を見たことで図々しくなっていた私は、エイトから多少強引に話を聞きだした。
聞けばエイトは魔物を倒してゴールドを得て、時々街へと降りチーズやパンを買い、森の中を転々として暮らして
いるのだという。魔物は宝物やゴールドを持っていることがあり、倒してそれを手に入れる魔物狩りを生業に
している者も世の中にはいないこともない。しかしこの子は剣も持てない幼い子供なのだ。それは宮廷で
音楽家として生きる私などには想像を絶する暮らしであった。
私はその頃には、猛烈にこの少年のことが好きになってしまっていて、とても放っては置けない気持ちになっていた。
「エイトくん。明日、よかったら家まで送ってもらえないだろうか。おじさん一人じゃ心細いし、きみにお礼が
したいんだが」
「お礼なんていりません。それに昼間は魔物の心配もないし」エイトは強い言葉で私の言葉を退けた。
「火はぼくがみていますから、もうねむってください」 しかしそう言って、一つしかない毛布を私に渡したりするのだ。
(放っておけるはずがないじゃないか)
そしてエイトは、折ってしまったひのきの棒の代わりにするのか、大きな木の枝の表面をナイフで丁寧に削り始めた。
エイトは真剣だった。それは棒きれ一つで身を護り、生活の糧を得る少年の、日常の一つなのだろう。
私は規則的に聞こえてくるその音に耳を傾けながら、眠りに落ちていった。
(続)
エイトは城に来る前、サバイバルしていたという解釈で書きました。
続いてすみません。
まとめサイト作るネ申は降臨しないのだろうか・・・
もうすぐその日がやってくる。
長い旅路の末、トロデーン城が元の姿を取り戻した時、僕は小さな期待を抱いていた。もしかしたらあの方と結ばれることができるのでは、と。
でも現実は甘くはなかった。僕は近衛連隊長として付き従う方は、古くからの国同士の約束に従ってもうすぐ嫁いで行ってしまう。
今日は遠国に嫁いでいくその娘のため王様が計画したトロデーン西教会の方への遠出だった。
同僚や姫様付きの女官たちに囲まれながらも、僕はただあの方のことばかりを想っていた。
旅をする中で僕は父がサザンビーク第一王子、エルトリオであることを知った。父は僕の母との仲を引き裂かれ、王位継承権を棄てて母を追う途中、命を落としたのだ、と。
でもこの事実を明らかにしてもどうしようもないと思う。王族の結婚は国と国との問題で、個人の意思とは全く関係ないのだから。
馬車が止まった。僕は馬車に近寄り、扉を開いた。中から上機嫌の王様が姿を現した。
「エイト、姫の手を支えるように」
そう命じられた僕は震えた。この機会を逃せばもう二度とあの方の手に触れることは叶わないかもしれない、と。そして手を取ったらそのままどこかに連れ去ってしまうかもしれない、と。
車内から姿を現したミーティアと視線が絡み合う。どうかそんなに見詰めないで、僕にはあなたから視線を外すことなどできないのだから。
僕に向かって手が差し出された。その手はあまりにひんやりとか細く、思わず僕はただ支えるだけのはずだった手をしっかりと包み込んだ。
柔らかなあの方の指の感触を忘れることは決してないだろう。そして涙を堪えていた彼女の「ありがとう」も。
彼女の側にいることは身を斬られるような辛さだった。けれど僕は強く心に決めていた。
彼女が僕を必要とする限り、僕は彼女の盾となって守り続けようと。
>>304 実はまだ真ED見てないよ(;´Д`) ネタバレは見まくっているけれど。
姫が自分で逃げてきたのとトロデ王のウィンクが飛んできたので
通常EDはすごい好きです。
>>312 式直前まではそう思ってただろうね。
ラスト、城で姫を探す時、エイトたんの気持ちを思うと泣きそうだったよ…。
>>304 シチュエーション的には最初のEDのが好きなんだが、式から逃げ出した理由が
チャゴスとの結婚が嫌>主人公への愛というように思えてしまい、そこが少し引っかかってしまうのが残念。
トロデーン帰ってからの「結婚式を逃げ出すような(ry)嫁に貰ってくれる男がおるかのう」みたいなセリフに対しても、
はっきりとした言及はされていないし・・・
といっても、実は俺も真ED見てないので(暴走竜神王を死者出さずに倒すの無理ポ(つД`)
そっちの方がどうなるのか気になるところだ。
>>314 漏れも真ED見てない。
EDであの後のエイトとミーティアの進展が見たい。真EDとは別で(´゚ω゚`)
巨竜じゃない龍神王(竜)は弱いだろ
アルゴンリングを装備してなかったら通常EDが見られるとかなら良かったのに
>>317 いや……通常EDと裏EDちゃんと選べるし……。
ククールとの会話でいいえ選択だと通常EDじゃなかった?
ただ、ククールの台詞が一部聞けなくなるけどな。
「昨日オレが言った事、覚えてるか?」って…
言ってないよ、言ってないよククール…
>>318 驚愕。そんな機能があるとは知らなかった。
指輪を渡さなかったら通常EDじゃなかったっけ??
グラビウス王に指輪をみせますか?の はい・いいえ
>>316 戦闘で誰かが死亡したら、称号にひびくかなと思ってさ。
倒す事だけを考えて戦えば、必ず倒す自信はあるんだけどねえ。
>>324 実際称号がどうなるかは知らないが、
気になるならとりあえず挑んでみて、死んだらリセットしてみたら?
鈴虫の鳴き声が僅かな窓の隙間から聞こえてくる。
夜は更けた頃。
エイトは特に理由もなく目を覚ました。
結婚式を終えて、つつがなく夜の勤めも終えた。
時計を見る――針は短針と長針が十二を指している。
まだ先ほどの行為が終わってから、一〜二時間ほどしか経過していない。
俺は何となく、となりで眠る妻の。
ミーティアの唇を奪う。
普段、飽きるほどキスをしているのに、今は背徳的な後ろめたさで
いつもとは違う本能に直接響くような痺れる感覚に俺は酔いしれる。
「ううぅん……」
ミーティアはむず痒そうに一度口を拭き、再び先ほどと同じ寝息を立てた。
「かわいいな」
俺は悪戯をしたくなり、彼女の着ているパジャマのボタンを外す。
苦労することなく全てがはずれ、豊満なミーティアがいつも自慢している
胸が露になる。
俺は躊躇うことなく、口を使い乳首を中心に愛撫をした。
>304
通常エンディングですねぇ。
ごめんなさい、実は主×ミーティアというより、
主←ミーティアが好きなやつなんです。
他に考える事が多すぎて恋愛まで手が回らない主人公と、
好き好きオーラを出しまくってるのに気付いてもらえなくて、
時々すねて頬をふくらませたりするミーティアなんて妄想が……。
>314
物語的に、通常エンディング時点ではまだお互いに恋ではないのかも。
もしくは気付いていないか。
なにせ、姫は自由な恋愛が望めないことを、幼少時から知ってるわけですし。
恋愛なんてしちゃいけない、と自分に枷をはめていたのでは。
エンディング後にようやく姫は自由な恋愛ができるようになった、と。
だからあのエンディングを迎えた後に、二人は恋をしてゆくのですよ。
故に、裏エンドの結婚は、なんか性急すぎるなぁ、なんて感じてまいます。
うん。やっぱり裏よりも通常ですね、私が好きなのは。
ミーティアって貧乳じゃ…
貧乳言うなや!
微乳と言えハァハァ
いや、あれは美乳
美乳イイ!
>>309の続き
結局エイトは、「どうしても怖いのでついて来て欲しい」という私の嘆願を聞き入れてくれた。
馬がいれば1時間ほどの道のりであったろうが、早朝出発したにも関わらずトロデーン城についたのは
お昼をとうに過ぎた時間であった。裏門の衛兵が目を丸くして私を迎える。
「先生、昨夜はどうされたんですか。魔物にでも食われたのかと思いましたよ」
全く冗談ではない。
「いやぁ、危うくそうなるところをこの子が助けてくれたんだよ」
「へっ?この子が?」 その時エイトは目を丸くしてポカーンと城を見上げていた。
「馬は食われてしまってね。どうにも怖くてこの子に送ってもらったんだ」
「はぁ、そうですか。そりゃ災難でしたね」
「それで彼、どうも身寄りがないらしくてさ。どうだろう、ちょっと兵士長に頼んでみてもらえないかな」 と、
衛兵に耳打ちする。
「はぁ、分かりました。ちょっと待っていて下さい」
国王の住まわれる城とはいえ、兵士やメイドの他、多種多様な人々が出入りしているので、門をくぐるのに
必ずしも国王の許しが必要なわけではない。ここで入城が許されても立ち入られる範囲は極限られている。
王族のおられる場所は王宮の奥深く、近衛兵たちによって固く守られているのだ。
「ね。お昼ごはんだけでも食べていってよ。昨日の夕食と今朝の朝食のお返しだと思って、ね?ね?」
力いっぱいお願いしたら、エイトは仕方なしにコクンと頷いてくれた。
333 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/15 14:24:24 ID:m5QvRhC5
|ヽ ,,|,~'i、 .,_ ,ri、 .l゙‐'"'i、 ,, ,i、 ,、 vi、
| k, ヽ广 | | 'l''゙l┘ .`'グ/ |゙l.,ィ |.| )゙l /'゙l″、 r-,、 、 .:c、、
ッ┘`,l゙ ,ノ ヽ ,,,,,`'′ .,/,,,!‐'', ,ノ う゜.| | .,ノ ヽ ,,,,,`'′ |゙l ゙l,ヽ .|゙l ヾi、
゙i、/゙,-'''i、 .く, .,巛 ‘r\ /.'゚_ / ./‐I / | | .〈、,l]゙l `',\ | | ,。 .,i´゙l | | . il゙ ゙l
l゙.l゙ ゙lッ'" ././ | | .,,) ゙l .!/]/ 丿 | .l゙.|、 /丿| | .,,〉.) | ゙l .,リ .`-" .l゙ | .,l〕 .ヽ"
/.l゙ j,i´ l゙,E.,l゙.| `'''′ l゙{ /,,| | ゙l,ヽ .゙l,d,,l゙ | `'''゙ ゙l ゙‐'| ゙l ゙‐'|
/ l゙ ゙l,~゙'''i、 .゙l´丿 | ゙l, '(/|゜| .゙-゙l .゙l`丿 \.,} \.,}
∨ `''ー" ゙'" ヽ ゙l ヽ} `" `
兵舎の食堂のおばさんはただのおばさんのように見えて実はメイド長なのである。結構偉い人なのだ。
「あら先生、その子どうしたんだい」
「ちょっと事情がありまして、預かっていまして…」 私は真実を言うことが躊躇われて言葉を濁した。
「ふぅん…。どう、美味しいかい?坊や」
「はい」 礼儀正しく答えたこの少年が、魔物を狩って暮らしているなど誰が信じてくれるだろう。
「そうかい、そりゃよかった」 おばさんはニッコリ笑ってむこうにいってしまった。
私はエイトにひそひそと耳打ちした。
「どうだろう。エイトくん、ここで働いてみる気はない?」
「はたらくって…。ぼくまだ子供ですよ」 エイトもひそひそと返す。
「大丈夫、街にはキミくらいの子供でも働いている子はいるんだよ。僕が今のおばさんに頼んでみるから。
それに、今夜はここに泊まらせてもらおう」
エイトは困った顔をした。しかし嫌だとは言わなかった。『働く』という言葉が彼の気を引いたのかもしれない。
食事が終わった後、エイトは自らおばさんに申し出て皿洗いを手伝った。
私はその間に、昨夜帰城できなかったことと、お借りした馬車を失ったことを陛下へ報告するために、
王宮の奥へと出向いた。
戻った時、すでに厨房は夕食の準備に追われていた。大臣などごく一部の側近を除き、兵士、メイド、
文官など城に勤めるすべての人間が同じ場所で、交代で食事を摂るため、食事の準備となると
目の回るような忙しさとなる。エイトを探すと、隅で山のようなジャガイモの皮を懸命に剥いている。
よしよし。ここまではこれでいい。作戦通りだ。
それから次々に入れ替わりでやってくる者たちへの食事の給仕、自分の食事、皆が食べ終ったら
後片付け、明日の朝食の仕込み、と怒濤のように時間は過ぎ、律儀にもそれら全て付き合ったエイトは
ジャガイモを剥いていたのと同じ場所でぐったりと腰を下ろしていた。
「やあ、どうだい」 と声をかけると、ちょっと恨めしそうな視線が返って来た。
「まものかってる方がマシだよ…」
私は苦笑した。
「陛下にキミのことをお話したんだ。キミにその気があるなら、会って下さるそうだよ」
通常、城の人事はそれそれの部門の長に委ねられており、国王が直接お会いになることはない。
しかし幼い子供を小間使いとして城に置くとなると話は別だ。その子の将来のこと、教育のこと、全てに
おいて城の中で決定していくことになる。
と、そこに兵士長がやってきた。文字通り城の兵士を束ねる兵士の長であり、側近中の側近でもある。
「先生、門番から話は聞いているぜ。その子がそうかい」 見た目も言葉も無骨だが、面倒見のいい男だ。
「はい、あの、兵舎のベッドが一つ空いていると聞きましたので、この子のことお願いしてもよろしいで
しょうか」
「ああ、構わねぇよ。それで今後のことはどうするつもりなんだい?」
「ハァ。とりあえず明日陛下には会っていただくようにお願いはしております。…エイトくん考えておいてね」
エイトは小さく頷いた。
兵士長は小さい子供に誰もがやるように、エイトの手を握った。
その時、エイトは一瞬びっくりしたような表情を浮かべた。そして無言のまま寝床に連れられていった。
(続)
もう一回続きます。長すぎだよ('A`) ゴメン
いっかくウサギとかチキンドラゴとかは、普通においしそう。
続きを激しく期待!
もうすぐ姫登場ですか?(゚∀゚)
>336
イイヨー
こんなん読んでみたかった。
>336
楽しみに待ってるよ
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) 続きが気になるウヒョー!
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
いやいや、今週の種デスはなかなか面白かった。
>342
スレ違い、と書こうと思ったが
結婚式から逃げるシーン?見て通常ED思い出したw
セイバーじゃなかったのが惜しかったが…ああ、後で引き渡せばいいのか。
どうせならミーティアも背負ってくればネタ的によりグッドだったw
345 :
1/2:05/01/15 21:10:42 ID:HbHb9TzK
私はトロデーン国の王女様でいらっしゃるミーティア様にお仕えするメイドでございます。
姫様にお仕えしてはや十年、姫様は私どものような下々の者にも大層よくして下さり、様々なことをご相談くださいました。
お母上を早くに亡くされてしまわれた姫様を王様は大層慈しまれておいででした。出来る限り姫様のお相手をなさっておいででしたが、一国を預かる身ではそうそう時間もございません。
私もお相手するように申し遣っておりましたが、メイドとしての仕事もございましたので、姫様はいつもお一人でピアノを弾いていらっしゃるばかりでございました。
そんなお淋しい日々を過ごされておいでの姫様でございましたが、お城に同じ年頃の少年が働くようになってからはすっかり変わられました。
子供同士のこと、あっという間に仲良くなられて毎日姫様の輝くような笑い声が城内に響くようになったのでございます。城の者もお二方をほほえましく見守っておりました。
ですがそのような日々は長くは続きません。姫様が十二歳を過ぎた辺りから、その少年−エイトと遊ばぬよう、教育係が眼を光らせるようになったのでございます。
何と言っても姫様は許婚者がいらっしゃる身、間違いの起こらぬようにという配慮だったのでございましょう。ですがそのような隔てを置くことがお二方に自分の気持ちを気付かせることになったのは皮肉なことでございました。
ある時、エイトが兵士として働くべく訓練を受けていると聞き及んだ姫様は、すぐに王様にエイトを近衛兵にして欲しいと願い出られました。
姫様を掌中の珠のように慈しまれておいでの王様でございましたが、さすがにこの願いを叶えることは躊躇なさいました。近衛兵は貴族の子弟がなるもの、身寄りのないエイトでは、とお考えになったのでございます。
ですが姫様も根気よくご説得を繰り返され、ついに十五歳の時エイトは近衛兵として召し上げられたのでございます。
346 :
2/2:05/01/15 21:12:16 ID:HbHb9TzK
近衛兵として働くことになったその日、エイトは謁見の間で王様と姫様にご挨拶申し上げることになっておりました。私も僭越ながら姫様付きとして側に従っておりました。
姫様が玉座に着かれた時、「はっ」と息を飲む気配が感じられました。いつも粗末な服だったエイトが近衛兵の甲冑を身に纏い、控えていたのでございます。
凛々しいその姿から気品すら感じられ、私ですらふと見とれてしまうほどでございましたので、姫様にはいかほどでございましたでしょう。姫様の頬がほんのり染まったように感じられました。
エイトは顔を上げ、王様と姫様に挨拶申し上げます。が、何としたことでございましょう、その視線は姫様に真っ直ぐに注がれておりました。
「…王様と姫様をこの身に換えてもお守り申し上げます」
エイトの言葉は明らかに姫様ただ一人に向けられておりました。姫様も気付かれて、「ありがとう、よろしくお願いします」という言葉が震えておいででございました。
その日から姫様の外出時には必ずエイトが付き従うようになったのでございます。かつてのようにとまではいかなくとも、お二方は行動を共にされるようになられたのでした。
先日ついにサザンビークから姫様へ正式なご結婚の申し込みがございました。
姫様は意外なほど冷静にその話を伺っておいででございましたが、その頃から元気を無くされたように思われます。外出時もエイトの都合が合わないとかで一緒に出かけることも叶わなくなってしまわれました。
時々姫様は部屋の前のテラスから庭を見ていらっしゃいます。せめて遠目なりとエイトの姿を追っていらっしゃるのでしょう。
部屋に戻られた姫様は、ため息をつかれて物悲しいご様子なので
「もうご覧にならない方がよろしいのでは」
と申し上げたのでございますが
「でも見ずにはいられないのよ」
とのお返事でございました。
今宵、星を見るために部屋をお出でになられた折、サザンビークから届いた婚約者の肖像に目を遣り、低く呟かれたのを耳にしました。
「…この方がエイトだったらよかったのに」
…おいたわしいことでございます。
>>345>>346 イイヨイイヨー
こういう時期があるからこそ
ED後に萌えるんだよね
また何か書いて
できれば結婚後の二人など(w
>いつも粗末な服だったエイトが近衛兵の甲冑を身に纏い、控えていたのでございます。
だめだ。漏れはこういうのにめちゃくちゃ弱いんだよ。萌え殺す気か!ハァハァ
励みになります。どうもありがとう。
>>346 >婚約者の肖像ってやっぱアレか。アレだろうな。
>>353 もちろんこれだよな。
________
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| / ̄ ̄ ヽ, |
| / ', |
| {0} /¨`ヽ {0}, !
|.l ヽ._.ノ ', |
リ `ー'′ ',|
| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
サザンビーク王子
チャゴス和尚
>354
糞ワロス。
ここに貼るなよw
僕の真実の姿に決まっている(僕を醜く歪めて描いた画家は処刑したぞ)
byチャゴス
>その視線は姫様に真っ直ぐに注がれておりました。
>「…王様と姫様をこの身に換えてもお守り申し上げます」
>エイトの言葉は明らかに姫様ただ一人に向けられておりました。
こういうことするタイプには思えんけどな。
自分の立場を考えてトロデ王に気がつかれないように振る舞ってる方が
個人的に萌えるってだけだけど。
>>335の続き
翌朝食堂に行くと、エイトはこざっぱりとした服に着替え、食事を摂っていた。
私を見つけたメイド長のおばさんが近づいてくる。
「おはようございます」と挨拶する私を、「ちょっと来ておくれ」と引っ張っていく。
そして「あの子、一体どういう子なんだい」と眉をひそめて私に耳打ちする。何かやらかしたのだろうか。
「何かありましたか?」
「いやね。いろいろ仕事を手伝ってもらっていたんだけど、よく見たら手を怪我しているじゃないか。
言ってくれたらいいのにさぁ。それで包帯を替えてあげたらかわいそうなくらい恐縮しちまうし。それでね、
風呂に入れて服を着替えさせたんだけど、着ていた服もボロボロだし、体を見たらあざや傷だらけで、
一体どういう暮らしをしていたんだろうって思っちまってさ」と一気にまくし立てる。それで私は
エイトのこと――身寄りがないらしく一人で暮らしていることや、昨夜助けてもらったことなどを話した。
おばさんはすっかりエイトの境遇に同情してしまったようで、目頭を押さえて涙をぬぐった。
「そうかい、あんなに小さな子がねぇ…」
「どうでしょうか、あの子。小さいけど何でもできると思うんです。それに勇敢だし優しいところもあるし。
将来きっとこの城のために役立ってくれるんじゃないかって」
「私からも陛下に頼んでみるよ」 おばさんは大きく頷いた。
「私もなんだかあの子が気に入っちまったんだよ」
それから私はエイトを中庭に呼び出して二人で話をした。傍らではやっと出してもらったらしいトーポが
美味しそうにチーズを食べている。
エイトはまだ子供なのだから、大人の保護のもとで生活した方がいいということや、大きくなって他の
仕事がしたいと思ったなら、その時には城をでても構わないのだということを話した。
「でももしエイトがそのうちに、王様に忠誠を誓えるって思ったら、将来は兵士になったりしてもいいと思うよ」
「ちゅうせい…?」
「ちょっと難しい言い方だったかな。…そうだな。王様やお姫様のことを一生お守りしたいとかそういう
気持ちのこと。僕は剣なんて全然振るえないけど、音楽で心をお慰めしたり、音楽をお教えしたり、
演奏会を開いて国の方々に喜んで頂いたり、ね。そういうことでお役に立てることがとっても嬉しいんだ」
「………」
「やっぱりちょっと難しかったかな」 私は頭をかいた。今まで人との関係を極力断って生きてきたエイトには
まだ理解できなくても仕方がないと思った。
その時、微かにピアノの旋律が響いてきた。ミーティア様の朝のレッスンをもう2日もすっぽかしているが、
ミーティア様はお一人で時間通りに練習をされているのだ。まだたどたどしいが、一生懸命なご様子が
目に浮かぶようだ。エイトも音のする方へ耳を傾けている。
「ミーティア様がピアノの練習をされているんだよ。王女様…って分かる?」
「お姫さま」
「そう。お父様が王様なんだ。お気の毒にお母様であるお妃様は去年お亡くなりになってしまわれたんだよ」
「………」 エイトはピアノの音色が聞こえてくる方向を、じっとみつめたままだ。
「時間だよ。そろそろ行こう」 私はエイトを促して、王のおわす王宮の奥へと向かった。
謁見の間に到着すると、すでにそこには、トロデ王と大臣、数名の近衛兵、それから兵士長、メイド長の
面々が揃って待ち構えていた。
「その子が昨日申していたエイト、であるな」
「はっ」
私は跪き、エイトもそれに従った。教えたとおりに行儀良く振舞っていてくれれば、慈悲深い王のこと、
何も問題ないはずだ。
「知人から預かっている子であるが、なかなか見所があるのでこの城で働かせてみてもらえないか、
とのことであったな?」
「はっ」
「ほう…。ところでこの兵士長が今朝ワシに話をしてきたんじゃが、音楽家の先生が魔物に襲われた
ところを助けに入った身寄りのない少年がいて、腕も立つようだしなかなか見所があるのでこの城で
兵士の見習いとしておいてやってくれないか、との申し出があったのじゃが、これはどういうことかのう」
明らかに怒気を含んだお声で、トロデ王はそうおっしゃった。
『…まずい…』
兵士長は私を申し訳なさそうに見ている。私達は気まずい視線を交し合った。
「どちらかがワシに嘘をついた、ということになるが…?」
「も、申し訳ございませぬ…」 私は平身低頭で頭を下げた。
「そのほうは、このワシが、この子の身寄りがあるなしで対応を変える、そのように考えたのだと。こういうこと
で間違いあるまいな?」 おっしゃりながら、王はますますお怒りが増しておられるようであった。
「め、滅相もございません」 冷や汗が滝のように流れた。
「ならばなぜそのような嘘を申したのじゃ!」
エイトは身じろぎもせず、王が私を叱責される様子をじっと見つめていた。
これほど王を怒らせてしまっては、たとえまとまる話でももうだめかも知れない。
私はエイトに申し訳なくて仕方がなかった。ほとんど無理矢理のようにこの城に連れて来て、その気に
させるようなことを言っておきながら、私のついた浅はかな嘘が王の激昂を招いてしまったのだ。
「こ、この子は確かに身寄りのない少年ではありますが、わ、私が後見人となるつもりで、はい…」
「そのようなことを申しておるのではないわ!」王は椅子から立ち上がられて、私を怒鳴りつけた。
その剣幕たるや、集まった一同全てが震え上がるほどだった。
呼吸を整えて、王はエイトに話しかけた。
「エイトとやら、一人で暮らしているということだが、ご両親はどうしたんだね?」
エイトはしばらく黙っていた。質問の意味は分かっても、どう答えていいのか分からなかったのだ。
――最初の記憶。腹を空かせて森を彷徨っていた。魔物に追われ、走りに走った。そしてトーポが現われて
火を吹いて追い払った。そんな風に始まった二人だけの生活。
「おぼえておりません」 エイトは静かにそういった。
「何も、覚えておらんというのか」
王はそう言って、溜息をついた。そして少年の、何の感情も含んでいない澄んだ目を見つめた。
エイトとは対照的に、深い悲しみを湛えたそのお顔をみて、私は王のお心を悟った。
王はエイトの前へと歩みを進めた。
「…ミーティアは…、わしのたった一人の娘のことじゃが…、昨年母親を亡くしてのう。わしはあの子が
ワシをも亡くして、ひとりぼっちになってしまったと考えただけで、胸が張り裂けそうになるのじゃ…」
王の目から涙が溢れ出した。やがてそれは嗚咽に変わり、王はエイトの小さな体を胸に抱きしめた。
「家族もなく…、たった一人でよくぞ…よくぞこれまで生きてまいったのう……ウッ…ウウーッ…!」
エイトは王に抱かれながら、戸惑っていた。
―――家族。自分にはいないもの。父や母はいないのかと問われても、それがなんなのか分からない。
父親とは心細い時に手を引いてくれた兵士長のような人のことなのか。母親とはお腹が空いている時に
ごはんを食べさせてくれたおばさんのような人のことなのか。自分にはトーポがいるだけだった。
力を合わせて魔物を倒し、寒い夜にはその小さな温もりが懐に入り暖めてくれた。二人だけで生きてきた。
『でも、トーポがいなかったら…?』 そう思って、背筋が凍る思いがした。トーポがいなかったら、どんなに
寂しかっただろう?もしもトーポが目の前からいなくなってしまったら?考えただけでゾッとする。
そしてふいに理解したのだ。
急に目の奥が熱くなってきて、喉に大きな塊が出来た。どんなに歯を食いしばっても唇がわなわなと震えた。
トーポがポケットから顔を出した。トロデ王は優しく言った。
「そうか…一人ではなかったんじゃな」
「はい」 そう言ったエイトの目から、ぽろぽろと涙が溢れ落ちた。
「おお、そうか、悲しいのう…悲しいのう…」
『…かなしい…かなしい…』
エイトは心の中でその言葉を繰り返した。そしてその言葉の意味を知った。自分が囚われているこの
息苦しさ。喉の奥の塊。その名前。急に悲しくなった。吐き出してしまいたくなった。
そう、自分はもう悲しい時にはどうしたらいいのか、知っている。エイトはトロデ王の胸で声を上げて泣いた。
しばらくしたいようにさせてから、王は言った。
「エイトよ。今日からはこの城の皆がお前の家族じゃ。ワシのために力を貸してくれるな?」
エイトは改めて膝をつき、涙で濡れてはいるが晴れがましい顔できっぱりとこう答えた。
「一生お守りいたします」
大人たちがどうしたらこの小さな子供を守れるのかと首を揃えて思案していた時に、一生王を守ると
誓いを立てた少年は、その通りのことをした。
エイトは教えられたことを喜んでやり、なんでもすぐに上達した。彼の成長が嬉しくて、誰もが彼に
教えたがった。そして10になる頃には剣を教えられ、13の頃には兵士の見習いとなった。15の頃には
城では剣術で右にでるものはいないと言われた。そして18の頃には王と姫と城の皆を救うために旅立ち、
旅先で得た心強いお仲間達とともに、復活した暗黒神まで倒してしまった。
そして、エイトは、…いや、エイト様は、ミーティア様とご結婚なされ、正式にトロデ王のご子息となった後も
城の皆に愛された。相変わらずおばさんには頭が上がらなかったし、自分の剣を仕込んだのは
兵士長殿だといって、彼を喜ばせた。
ただ一つ残念なことがある。それはピアノを弾くことだけは全く興味を持ってくれなかったことだ。
だが、それも今にして思うと、やはりお父上譲りだったのだ。だから私にはそれが嬉しくもある。
そして今日もミーティア様と愛娘様のピアノの音色に耳を傾けながら、こんなことを言って私をからかうのだ。
「先生、この子のピアノの才能が僕に似なくて、ホッとしてるでしょ」
そう、どこで覚えたものか、彼には全く似合っていないあのニヤニヤ笑いを私に投げかけながら。
(完)
やっと終わった…orz 長々と読んで下さった方、ありがとうございました。
でも、ミーティアコネ━━━━━('A`)━━━━━!! でごめんなさい。
>366
乙。ええ話や。ちょっと泣いた。
鳥後の泉の会話を思い出したよ
>>367-366 ありがとうございます。
[をやり始めた当初、おっさんの言うことを聞くのが嫌で嫌で、
滅んだ城の聞いた時も主人公がいた城のことだとピンとこなかったし、
全然感情移入できなかったんだよね。ひとごとって感じで。
2週目の方が断然面白いってレスをどっかで見たけど、本当にそうだろうなと思う。
×滅んだ城の聞いた時も
→滅んだ城の話を聞いた時も
>368 優しい愛情物語でいいyo ゲームしてたときの
エイトがただトロデ王やミーティア姫が雇い主だから助けているから
愛情をもって仕えているから救いたいに印象が変わったよ
あちこちのサイトで主姫の画像とかWEB漫画が増えてきて萌え萌え(*´Д`)
そろそろネタバレ解禁の時期になってきたのかもしれんな。
これからドンドン主姫ネタが増えてくる事を希望しよう。
>>366 乗り遅れたが名作だ。ツボだ。
主姫は名もない城の人々の視点から色々描けるからいいよね。
宮廷音楽家の視点ってのはちょい新鮮!
>>345>>346のメイド視点てのも萌え!
主姫はいいんだけどな〜。
ククゼシが気に喰わんのだよなぁ……
……ごめん、微妙にずれてるね、話題。
376 :
◆OxD7MVR0TQ :05/01/16 23:09:43 ID:jGNhbsDN
>>375 微妙どころかスレ違いもいいとこじゃ。
あー、まとめサイトつくるか?
主姫とククゼシはセットで扱ってるサイトが多いよね。
ククゼシも嫌いじゃないけど、主ゼシが駄目。
トロデーン城のロリメイド × 姫
で是非
>>378 まああのEDの手前、どうしてもミーたんをフッちゃう話になるからね。
でも、主姫も主ゼシも両方扱ってるサイトもあるので、毛嫌いは損だと思います。
と言ってる漏れはもちろん両方好き……スミマセン。
>>379 ミーたん萌えスレへどうぞ。ここではスレ違い。
382 :
◆OxD7MVR0TQ :05/01/16 23:25:25 ID:jGNhbsDN
あー、じゃあ、明日あたりかりてくる・・・
383 :
379:05/01/16 23:29:36 ID:9KyUgdvs
>>372-373 思わず検索してしまた…
>主姫 の検索結果 約 340,000 件中 1 - 10 件目 (0.08 秒)
>主ゼシ の検索結果 約 84 件中 1 - 10 件目 (0.12 秒)
>>371,374
日付が変わる前にありがとう(つД`)
なんか燃え尽きて会社で鼻血がでたけどスゲー嬉しいです。
385 :
375:05/01/17 00:15:16 ID:mABz9gIj
>376
ごめん。
主姫サイトって大概ククゼシと同時展開だから、ちょっとぼやきたくなった。
姫×主←ゼシカで、姫にやきもち焼かせたいと思うのは少数派かな?
最近どうもツイていない。
サヴェッラであいつら二人を見送った後、俺たち三人は「いただきストリート」なる物に参加している。
ゲームは楽しいし、一緒に参加している姫たちはみな美人揃いで目移りするよ。まああんまりデレデレしていたらゼシカにメラミぶちかまされたけどな。
実は最近問題が…
エイトやミーティア様とは、一緒に参加している三人組のレディーたちからもらったスフィアでよくやりとりしているんだが、その内容が何とも…
何っつーか、ほとんど惚気話なんだよな。
この前のミーティア様からのスフィアなんて当てられっぱなしだった。
『ククールさん、お元気ですか?トロデーンは今、とてもいい季節ですのよ。
そうそう、ククールさんならお分かりになるかしら…最近エイトが意地悪なんですの。意地悪を言って、私が困った顔をすると「その顔が見たかった」なんて言うんですのよ。
何でそんなことをするのかしら…ひどいと思いません?ただ仲良くしていたいのに…』
…惚気話もほどほどにな。
つーか結婚して余裕出来たからって何だよその上級技は。ウブい奴だと思っていたんだがなあ。
おまけにエイトの奴こんなこと言ってよこしやがった。
『この前ミーティアと宿に泊まったら朝に「昨日はお楽しみでしたね」と言われてしまったよ。見てたのかな?』
…どう返事しろと。
もう勘弁してくれ、何で俺なんだ。もう二人の世界から出てくんな。
>386
ワロス
こういうのも面白くていい。
バカポーネタ、イイ!!
ククールって何気にそんな役回りだなw
ククールっていいヤツだよねー。
いたストやったことないんで、ネタはよく分からんけど。
>>386 ワロタ、GJ
ククール何気に苦労人だなw
俺敵にパーティメンバーの組み合わせはこうだと思う。
主姫
ククゼシ
ヤンゲル
>>385 同志よ。うむ、妬かせてみたいもんだ、ヤキモチ。
ところで主×姫も主×姫←ゼシカも姫→主←ゼシカも
好物だったりする俺は異端でしょうか?
>>392 異端かどうか以前にお前の文章が意味不明
自分も姫⇔主←ゼシカ萌え。
まーこのスレは主人公×ミーティアを応援するスレってことで、主姫
以外の部分に関しては訪れる人それぞれっぽい。
>>365 最近で一番感動した!
トロデ王いいやつじゃん…ゲーム中では
ただのわがままおやじだったのに!
ありがとう!泣ける〜
最終的には主姫ハッピーエンドが好きだけど、
主とゼシカにヤキモチ妬くミーたんも萌え。
後半のゼシカの主人公に対する言動は、結構微妙なものがあるから、
ミーたんが妬く要素は十分にあるよな。
ちえぞうさんのプレイ日記でキタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)━━━━━━!!!!!
>389
ゴメソ。補足します。
スフィア:FF10、10-2で出てくる、映像などを記録出来る玉。その正体は水と、それに溶け込んだ幻光虫(らしい)
三人組のレディー:FF10-2の主要登場人物、ユウナ、リュック、パイン。いたスト出演中。
ククールは女性キャラと一緒だと色男ぶりを発揮しています。
バカポー話は書いていて楽しい。笑ってもらえて嬉しいです。
ちえぞう氏、今度はウエディングドレス姿のミータンも描いて欲しいもんだな。
ドレスのデザイン、俺的に滅茶苦茶ツボだったし。
追記。
ドレス姿のミータンもいいけど、タキシード姿の主人公も見てみたいな。
普通の姿だとちょっと釣り合わないし、竜神装備だと物々しすぎるし(w
402 :
1/2:05/01/17 21:50:22 ID:UAD1E9SL
私はトロデーン国の王女様でいらっしゃるミーティア様にお仕えしておりますメイドでございます。
恐ろしい災厄に見舞われた城もエイト−いえ、これからはエイト様でいらっしゃいます−のご活躍によって元の威容を取り戻し、めでたく今日という日を迎えることが出来たのでございます。
姫様は朝からそわそわなさっておいででございます。
鏡に向かわれては何度も
「おかしくないかしら?」
とドレスを気になさったり、ティアラを直そうとなさいます。
「姫様、大層お美しゅうございますよ。そのようにティアラに触られてはお式の最中に落ちてしまいます」
と申し上げましても
「でも何だか変な気がしますわ…エイトは変に思わないかしら?」
と気になさるご様子。
私のような者があれこれ申し上げることは憚られますが、姫様はエイト様とのご結婚が決まられてからそれはもう輝くばかりのお美しさでございます。
お仕えする私どもにまでこぼれるような笑顔を振りまかれるお姿をお見申し上げるにつけ、エイト様とご結婚なさることになられて本当によかったと思うのでございました。
先触れがございまして、王様が部屋においでになられました。
「おお、姫や、…」
「お父様!」
姫様のお姿をご覧になられ、胸に迫るものがございましたのでしょう、言葉に詰まられた王様に姫様は向き直られ、腰をかがめられました。
「今日という日まで私を育てて下さってこと、心から感謝申し上げます。お父様から受けた愛を、決して忘れません。ありがとう、お父様」
姫様の眼から一粒の涙が零れ落ちました。
「姫や…よかったの。今度こそ幸せになるのじゃぞ」
「はい、お父様」
何と申してもこの世でただお二方の肉親でいらっしゃいます。姫様も王様もただただ涙を拭っていらっしゃいました。
403 :
2/2:05/01/17 21:52:34 ID:UAD1E9SL
式の刻限が迫って参りました。
羽根のように薄いヴェールを王様に差し上げると、王様は椅子の上から姫様の頭に被せられ、
「さあ、参ろうかの。これからはエイトが姫の手を導いていくのじゃから」
と仰せになりました。
姫様も先程とは変わられて、しっかりと
「はい、お父様」
とお答えになられ、王様に手を取られ部屋をご出発なさいました。
私もヴェールを捧げ持つためお供申し上げます。静々と城内を通り、一旦外に出て城正面の扉の前に到着致しました。
式はトロデーン城でお世話になった方々、旅の途中お世話になった方々に参列して欲しいという姫様とエイト様の願いを王様も尤となされ、玉座の間を設えて行われます。
扉の前に立たれた姫様は緊張なさっておいでのようでございましたが、扉がさっと開かれますとしっかりとした足取りで王様と歩を進められました。
広い玉座の間もたくさんの人々で埋め尽くされ、通常玉座の置かれる場所には旅の途中、お世話になったという新教皇様が立たれ、直々にお二方を祝福なさいます。
そしてその手前にエイト様が−白の礼服を召され−姫様を見守っていらっしゃいました。
思えばかつてこの玉座の間で震えながら視線を交わすお二方に、私は心を痛めるばかりでございました。ですが、幼い日からの長い想いを叶える今日という日が来たことを僭越ながら神に感謝申し上げます。
祝宴も果て、姫様は部屋に戻っていらっしゃいました。間もなくエイト様もこちらにいらっしゃるはず。
願わくばお二方の行く末に幸多からんことを。
>>403 乙です。
エイトたんが出て来ないところが萌える(;´Д`)ナゼダ
誤爆・・・?
405、406は同人物なので…
409 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/18 15:17:00 ID:4idqxBP7
いやそれはわかってるんだけど、誤爆って違う場所に間違ってレスしてしまったことを言うもんだとばかり・・・
誤爆という意味を履き違えてますよ。
恐ろしい事実に気が付いた。
エルトリオがそのままサザンビーク王になってたら我らがエイトタンも問答無用でああいう服着るんだよね。
襞襟の王子様ブラウスに白タイツにちょうちんブルマーみたいなの穿いちゃったりするんだろうか。
…正直微妙〜。
ぶっちゃけエルトリオパパと全く変わらないとオモ
413 :
411:05/01/19 00:02:43 ID:BmQKYuh4
そうだね。また超父親似だし>主人公
エルトリオはそんなに変じゃなかったし、思ったほど変じゃないのかも
>>410 誤爆って
>>409の意味だろ?目的のスレにカキコしたんなら誤爆とは言わないと思うんだが
まあどうでもいいか。
違うレスに間違ってレスした場合も誤爆って言うぞ。アンカー誤爆。
まぁどうでもいいけど
主姫のバカポーじゃないラブラブ話を書いてみたんだけど問題発生。
・>57の5に抵触する可能性あり
・エイトタン暴走気味
それでもいいでしょうか
はい
いいえ
>>417 YE------ d(゚∀゚)b ------S!!
>>416 上のミーたんマジ美しいかわいい
オールバックもいいな
>>417 → はい
いいえ
楽しみに待ってるよん
421 :
410:05/01/19 21:13:52 ID:1ZcjPXXC
422 :
1/2:05/01/19 22:29:37 ID:2HfcENIk
人によってはちょっと、と言う方もあると思います。お許しください。
白々とした朝の光の中、ミーティアはうっとりと目を開いた。
見開かれた瞳にぼんやりと天葢が映る。いつもと変わらぬ朝の光。昨夜のことが儚い夢幻のように思えたが、身の内に残る鈍い痛みとすぐ隣から聞こえる微かな寝息が、確かな現実だったことを知らせてくれる。
何年も想い続け、昨日漸く結ばれた人、エイトが隣で眠っていた。
身に纏わりつく腕は自分の物なのか相手の物なのか定かではない。眠るエイトを起こさぬよう、気遣いながら頭を廻らせると、黒髪もさらさらと身に添って流れた。
エイトはこちらに顔を向けて眠っていた。無防備なその寝顔をミーティアはしげしげと見つめた。こんなにも間近で彼の顔を見るのは初めてだった。知り合ってもう十年になるというのに。
眉の生え際の清々しさ、きりりと引き締まった頬、衾から覗く剥き出しの肩は意外にがっちりして、細身であってもエイトは武官であることを思い知らされる。ふと触れてみたくなったミーティアは絡み合う腕をそっと引き抜き、指で眉をなぞった。
どうやらくすぐったかったらしい。エイトは目を閉じたまま、ミーティアの手を探るとその手を唇に当てた。「ミーティア」と呟きながら。
「エイト?」
エイトは再び寝入ってしまったようだ。ミーティアは静かに身を起こし−身体が離れたところに朝の空気が冷たかった−そっと夫となった人の唇に口づけた。エイトに触れている部分だけが温かで、なぜか涙が零れた。
「ん…ミーティア?」
「あっ…エイト?」
今の口づけで目を覚ましてしまったのか、エイトがうっすら目を開いた。慌てて涙を拭いて「おはよう」と言おうとしたその瞬間、
423 :
2/2:05/01/19 22:31:16 ID:2HfcENIk
「…!」
いきなりその胸に抱きしめられ、唇を奪われた。
眩暈するほど長く激しい口づけの後、エイトはにっこり微笑んで囁いた。
「どうして泣いていたの?」
そう言いながらエイトはミーティアの涙を拭った指を捉らえ、涙を吸う。初めての感触に再び眩暈する。
「…」
ミーティアは何とか答えを探そうとしたが、言葉となる前にみな心から零れ落ちてしまった。きっととても大切なことだった筈なのに。
「…ごめん、もしかして…辛くした?」
ミーティアが沈黙している理由を勘違いしたのか、エイトは微笑みを収め、心配そうに尋ねた。
「違うわ」
思わぬエイトの言葉にミーティアは強く頭を振った。
「…ただ、あまりに幸せで…失うことが怖いの」
漸く見出だした答えに改めて震えた。昨夜はただ恋の叶う喜びばかりで全く気付かなかった深淵を今、意識してしまった。
「ミーティア」
身体に廻されているエイトの腕に力が入るのを感じる。
「これからはいつも僕たち一緒だよ。喜びも、悲しみもいつまでも分かち合って行こうね。」
エイトの胸は広く、温かだった。どんなに恐ろしいことがあっても、この先ずっとこの人を頼っていってよいのだ、と思うとまた涙が溢れそうになった。
「ええ、そうね、エイト…」
名前を呼ぶことがこんなに愛おしい。祈りを捧げるようにその名を呼ぶ。
「愛してるわ…エイト…」「僕もだよ、ミーティア」
愛する人の唇から呼ばれる自分の名前がこんなにも愛おしい。愛する人の腕に抱かれる自分の身体が愛おしい。愛する人に愛されている自分という存在が愛おしい。そして強く思った。自分という存在で生きていて本当によかった、と。
もう一度、今度は優しく長い口づけを交わす。唇を離した時、自然に微笑みが零れた。
「おはよう、エイト」
「おはよう、ミーティア」
朝の光が二人を優しく包む。新しい二人の日々が始まっていた。
さっきちょっと気になってトロデーン城をさ迷ってみたら、ミータンの部屋って窓がない。
あの朝の光は一体どこから…orz
お許しください。
>>424 心配すんな。
オレの脳内設定では、トロデーン城には城下町もあることになってるから
426 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/19 23:15:56 ID:Mk6BLArl
GJ!
はぢめての朝キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
>425
ありがd。いやもうトロデーン城は音楽は物悲しいし、迷うし、怖いしであまり足を向けなくない場所なんですよね。
EDでもおもいっきり迷ったしw
うろ覚えでものを書いてはいけないと悟りました。
あっ、感想どうもありがとうございます。
エイトは暴走するしキャラ違くなるしで悶死しそうでした。
>>423,422
>眉の生え際の清々しさ、
>細身であってもエイトは武官であることを思い知らされる。
この辺がグッとキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
ドキドキしちゃったYO!
武官という言葉にどきどき…
>>422 gj!とうとう一線超えた主姫、可愛過ぎる…
あ、あとふと思ったがまとめはどうなったかな
>>422 激しくGJ!!
読みながら胸がドキドキしたYO
そこはかとなくエロ系の空気は漂っているのかもしれんが、文章に品のある感じで、嫌らしさは全く感じられなかった。
こういうのなら多分お約束の5番目には引っかからないと思うし、むしろ大歓迎だよ(*´Д`)ハァハァ
この2人だとエロいとこも爽やか青春て感じですね
たくさんの感想どうもありがとうございます。
とても励みになります。
あくまで個人的にですが、二人のあからさまなことは書きにくいし、お約束に触れるようなことはしたくない。
ある程度のリアリティは欲しいけど生々しさはまずい、とこんなに苦労したのは南の島ラブラブ篇以来かも。
今後ともよろしく御教授ください。
ちえぞうさんのプレイ日記で裏EDキタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)━━━━━━!!!!!
ミーたんかと思ったらへちま売りかよ
いちいちここで言うことか
>>437 悪かったな。昨日ネットできなかったんだ
南の島ラブラブカポーを書かれた方だったんですね!
(雰囲気全然違うお話だったので、別の方かと思ってました。)
今回のお話も素敵でした〜。
次回も楽しみにしております。
ところでこのスレ、何人くらいの職人さんがいらっしゃるのかな。
ここで言うくらいだからミーたんのウェディングドレス姿でも描いたのかと思って見に行ったらへちま売りだったこの悲しさ
お前にわかるか
>>440 へちまうりから下にスクロールしろよ・・・お前の望むものがあるから
…まぁなんだ。へちま売りからもう少し下にスクロールしてみたらどうかと…。
いや、それを踏まえて言ってるんだったらすまない。聞き流してくれ。
早漏ですいません
( ´,_ゝ`)
>>439 あの後不注意な一言で場の空気を悪くしてしまったので無記名で書いておりました。
このスレの読んで下さる皆様に感謝しております。
>>443 ?
結局どっちだったんだ
にしてもこのスレ、古参の人けっこういるんだな
>>445 匿名掲示板なんだから過去の不行跡をいちいち明かさんでもいい
ついでに。SS投稿時はトリップ推奨だが、はじめのうちは毎回同じトリップつける必要はないぞ
よ、よし人生初トリップ付けてみますた。
時節柄ラブコメバレンタインネタいいですか?
はい
いいえ
449 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/21 10:16:05 ID:iLadXfkz
>>448 是非お願いします。
(そういやバレンタイン近かったのね、忘れてたよorz)
素敵なお話期待してます。
DQ世界にバレンタインなんてイベントは(多分)ありませんから!
残念!!
DQは過去ルーズソックスが存在したこともあるんだ
多分バレンタインもある。間違いない
448>>
お願いします。
しかしバレンタインという言葉はDQ世界では似つかわしくないです。
せめて「聖夜祭」「聖誕祭」とか言葉を置き換え希望で
多分バレンタインデーという言葉は使わないで済むと思います。
少しずつうpしますのでお付き合い下さい。
ミーティアの様子が変だ。
急に部屋に入ると、びくっとして何かを隠す。夜中に僕の隣からこっそり起き出してどこかへ行き、しばらくすると満足した顔で戻ってくる。
あまり気になるのでこの前夜中にこっそり後をつけてみたんだけど、途中の扉で鍵を掛けられてしまった。
近くに前の同僚がいたので聞いてみたんだけど、
「見てない聞いてない見てない聞いてない…」
…絶対何か隠している。
メイドさんにも探りを入れてみたんだけど、
「エイト様、それはお気のせいですわ。本当にお二方の仲がよろしくて羨ましい限りでございます。ホホホ」
…かわされた。
この人はミーティアに仕えて十年以上になる。篤い忠誠をミーティアに捧げていて、僕がちょっと探りを入れたところで主の秘密を話してはくれないだろう。
これはアレなんだろうか、いわゆる、う、浮気とかいうもの?でも早過ぎなんじゃないだろうか?僕たち結婚してまだ二ヶ月も経ってないのに。
いつも一緒にいて仲良くしているし、僕はミーティア一筋だぞ。昨夜だってあんなに…
…あれ、おかしいな。ミーティアが何か隠しているっていうこと以外はいつもと何も変わらないんだよね。朝起きるととっても嬉しそうに「おはよう」って言ってキスしてくれるし、僕の武術の稽古の時は冷たい物を用意して見守っていてくれる。
ミーティアのダンスの稽古に付き合わされるのも、渋面作っているけど本当はすごく嬉しい。
トロデーン国を治めていくために必要なことを学ぶ講議を一緒に受けたり、一緒に本を読んだり、後でそういったことについて意見を交換したり、毎日とても新鮮だ。いちゃついているだけじゃなくてちゃんと有意義な日々を送っている。
もしかしてあれかな?最近ミーティアの困り顔がすごくかわいいということに気が付いて、あれこれ知恵を絞って困らせているんだけど、ちょっとやり過ぎた?
まてよ、困らせ始めた最初の頃は何もなかったな。新年を迎えた頃もだ。
ミーティアはククールに「エイトが意地悪するので困る」なんて伝言していたぐらいだ。
あっ、その後だ。ゼシカが城に遊びにきて、「女同士で話があるから」って言われて閉め出された時からだ。お茶持っていくふりして話を聞こうとしたんだけど、
「悪いけど女同士の話だからエイトは遠慮してね」
「ごめんなさい、エイト。後で話しますわ」
と追い出されてしまった。
そう言えばその時の話の内容聞いてない。あれ、何だったのかな。後で聞いたんだけど
「女同士ですもの、男の方には知られたくない話もありますわ。ふふふ」
とはぐらかされたんだった。
あの時もっと聞いておけばよかった。思えば隠し事はその後からなんだし。
でもしつこく問いつめたらきっとすごく嫌がったかも。いつもミーティアを困らせているけど、本当に困らせるのは嫌なんだ。あの美しい碧の瞳を涙で曇らせるなんてとても僕にはできない。
それにしてもミーティアは一体何を隠しているんだろう?ももももし本当に浮気だったらどうしよう。
(続く)
>>455-456 乙です!
ミーティア愛の主人公(*´Д`)ハァハァ
以後の展開、お待ちしています!
ぶつ切りじゃなくて遅れても一気投下のほうがいいのですが
感想どうもありがとうございます
今ちょっと環境が良くなくてぼちぼちとしかうpできません。
ご不便お許しください
まとめサイトが出来たら絵板借りてこようかなと
言ってみるテスト。
描いてくれる人いればの話だが…。
かっ、神キタァ!!
未熟者なりに描かせて頂きます!
ミーたん萌ゆるよミーたん
466 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/22 21:00:55 ID:+H2Xr7+v
あのう初心者なんですが、スレの雰囲気は壊さないつもりなので
SSをカキコしてもよろしいでしょうか。それから、特に、ルール
があれば、教えてください。
>466
ぜひともおながいします。
すみません、エイトタンまたも大暴走のため、今夜はうpできそうにありません。
本当にごめんなさい。
>>467 ありがとうございます。これからsage進行で行きます。
それでは、お目汚しかも知れませんが、よろしくお願いいたします。
「花嫁略奪騒動」からしばらく後のこと。ここトロデーン城の1室で
トロデ王、大臣、エイト近衛隊長が密談をしている。
「う〜む。サザンビークの情勢はそれほど悪化しているのか」
「はい。遠隔地での出来事ゆえ正確な情報が伝わらず、国民は、
花嫁を奪われたのは国辱とチャゴス王子に同情し、クラビウス
王に非難が集中しております」
大臣が答えた。
「なんとバカなことか」
「そのため、反国王派が、クラビウス王の廃位とチャゴス王子擁立を
狙ったクーデターを仕掛け、もはや内戦寸前とか」
「何!、それなら、クラビウス王支援のため兵を出せねばなるまい」
「お、お待ち下さい。トロデ王様」
たまらず、エイトが口をはさんだ。
「しかし、サザンビークは、お主にとっても父の故郷。捨てはおけまい」
「ですが、兵を出しては、トロデーンとサザンビークという二大強国の
全面対立になりかねません。何か対策を考えます。一晩時間を下さい」
「分かった、分かった。お前に少々時間をやるから、怒るな」
エイトのあまりの気迫に押され、トロデ王はこう答えざるを得なかった。
そして、次の朝。
「た、大変でございます」
大臣が玉座の間に駆け込んできた。
「何じゃ、朝から騒々しい」
「エイト近衛隊長が、このような手紙を残し姿を消しました」
「な、何じゃと!!」
トロデ王は、大臣の手から手紙をひったくると、慌てて手紙を読み始め
た。その手紙の内容は、
「私は、近衛隊長の職を辞し、姿を隠します。外には、『花嫁略奪騒動』
を起こした咎により、近衛隊長の地位を奪い、国外追放の刑に処したと
してください。そうすれば、サザンビークの国民の怒りも和らぎ、
クラビウス王も助かると思います」
というものであった。それを読んだトロデ王は、手紙を握りつぶして
叫んだ。
「エイト、お前はそれでいいかも知れん。しかし、お前を愛している
ミーティアはどうなるんだ!!!」
トロデ王が心配した通り、その日からトロデーン城のミーティア姫の
部屋からピアノの音がぷっつり途絶えた。
トロデ王は、エイトの献策に従い、エイトの国外追放を発表した。
しかし、サザンビークの情勢は好転しないばかりか、益々悪化の一途を
たどっているようであった。
そして、エイトが姿を消してから約1週間が過ぎたある夜のこと。
「ドカ〜ン、バリバリバリ」
大音響とともに、巨大な斧か、ハンマーのようなものでトロデーン城の
正門が打ち破られた。そして、
「やい、トロデ王、いくら自分の身がかわいいかといって、エイトを犠牲に
するとは絶対に許せん。さっさと出てこないと、バギクロスで城ごと
吹き飛ばすぞ!!」
「それとも、メラゾーマで黒焦げになりたいの」
城中が大騒ぎになった。
「大臣、何事じゃ」
「な、何者かが、城に侵入しました」
「こら、おっさん、さっさと出て来いでガス」
「ン?あの声は、ヤンガスか。あいつら何しに来たんじゃ?騒々しい」
トロデ王が、顔をのぞかせると、ククールが叫んだ。
「出たな、よくもエイトを追放したな。覚悟はいいな」
「わ〜、誤解じゃ。わしの話を聞いてくれ!!」
そして、翌朝。
「そうか、エイトが、自分で追放されたことにしろといったわけか。なんだ
そうだったのか」
ククールが笑い出した。
「当たり前じゃ、わしが、そんなバカなことをするはずがあるか」
「おっさん、すまんでガス」
ヤンガスも笑い出した。しかし、ゼシカは、心配そうにたずねた。
「ミーティア姫は大丈夫なの?」
「それが、エイトが姿を消してから、部屋にこもって姿を見せん。ピアノの
音も聞こえんし、わしは心配で心配で」
それを聞いたゼシカは、スッと立ち上がり、ミーティア姫の部屋に
向かった。そして、部屋の前で、
「ミーティア姫、聞いてる?泣いていても、エイトは戻ってこないわ。
元気を出して。私たちとエイトを探しに行こう」
後から来たククールとヤンガスも口々に言った。
「エイトを探しに行こう」
すると、ドアが開きミーティアが現れた。その姿を見た3人は、ハッと
息を呑んだ。長く美しかった黒髪は、短く切られ、腰には短剣を帯びた
凛々しい姿のミーティアが立っていたのだ。
「覚悟は出来ています。皆さんよろしくお願いします」
「みんな行くでガス」
「すまん。皆、ミーティアをよろしく頼む」
4人の姿を見送るトロデ王の後ろ姿が妙にさびしげであった。
(続く)
初心者の悲しさで、どんどん話が長くなるし、エイトとミーティアの2人の話は
どこへ行った状態です。続きの構想はあるのですが続けてよろしいでしょうか?
>>470>>472 いや〜良かったヨ
凛々しいミーティアを見たエイトの反応が楽しみ〜♪
続きがんがって
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
>「ドカ〜ン、バリバリバリ」
力ぬけた
>>469-472 なんか、すごいワクワクしたよw
こういうのは見たことない。めっさ新鮮だよ。
あれ?さっきVIII全クリしたからこの板巡回していて、ここに来たわけなんだけど
この板じゃ主人公×ミーティアは多数派じゃないのか?
俺はED見てて、主人公×ミーティアが多数派とばかり思っていた。
Vでのフローラ派になった気分だよorz
多数派かどうかなんてどうでもいいじゃない。
多数派でも少数派でもいいけど、姫の悪口をみるのはツライぞ…。
よく知らないけど、2ちゃん以外じゃ多数派じゃないの?
主人公×姫。
>>478 当板のスレの勢い比較
ゼシカ単体>>主人公(エイト)単体>女体ククール=主姫
>女体主人公(エイト)>ククール単体>主ゼシ>姫単体
>ユッケ>ヤンガス>ユリマ>ゲルダ=主クク>ククゼシ=マルクク
DQトラベラーズ(DQ専用検索エンジン)
主x姫 38件
ククxゼシ 33件
主xゼシ 17件
ヤンxゲル 3件
ククx主 141件
主xクク 40件
マルxクク 49件
ククxマル 12件
何が何やら……。
クク主ダントツだな。
主姫は大差でフォモに負けてるのか・・・orz
トラベラーズ調べたついでにサイト見て回ったらWEB漫画見つけて余は満足じゃ。
ウホッ が流行してるのか。
>>484 喜びは共有するのが仲間ってもんだよなw
ご感想ありがとうございます。469〜472です。どうもこれまでとは
雰囲気が違うものだったので、少々ビクビクしていました。また、
続けさせていただければと思います。それから、トリップを付け
ました。よろしくお願いします。つまらんという方は、スルーして
下さい。
いや、面白い。期待してるよ
甘いのもいいがああいうのも好きなんだ
がんばって
>488様
続き楽しみにしています
MS ◆yGUnQdhyV2 様
◆JSHQKXZ7pE 様
お二人とも頑張ってください。
続き楽しみにしております。
ちょっとした提案なんだけど、トリつけるのは
SS投下の時だけにしたらどうだろうか。
自己顕示欲の強い人なのかも
>>469-472続き
トローデン城を出発した4人は、その晩、トローデン城南の湖のほとりで
野営をすることにした。焚き火を囲んだ4人。ククールが口火を切った。
「エイトを探すといっても、あいつは一体どこに行ったんだ?」
「竜神族の里かしら。エイトの故郷だし」
とゼシカが応えた。
「いや、あっしなら故郷のパルミドに戻りやすが、兄貴は、どうでしょう。
兄貴にとって故郷は、竜神族の里よりトロデーンだと思いやすが・・・」
一瞬沈黙が辺りを支配した。
「あのう・・・」
それまで沈黙していたミーティアが話し始めた。
「エイトはサザンビークに向かっていると思うんです」
「どうして?」
3人が同時に尋ねた。
「私もエイトもクラビウス王に大変感謝していました。あんなことをして
チャゴス王子に恥をかかしてしまった私たちを認めてくれたのですから。
それで、エイトはきっとグラビウス王を助けに行ったのではないかと
思うのです」
「なるほど、国外追放の身なら、万一捕らえられてもトロデーンに迷惑は
かからないということか」
ククールがつぶやいた。
「じゃあ、明日からサザンビークに向かうでガス」
「でも、今、サザンビークは混乱しているから、直接国内に入ると
危険だわ。ベルガラックから情報を集めながら行きましょう」
「よし、今日は、これで休もう」
その頃、サザンビークでは、チャゴス王子を擁立した反乱軍が戦いを
優勢に進め、クラビウス国王派は、サザンビーク城を追われ、サザン湖の
辺まで追い詰められていた。そして、クラビウス王自ら剣をとって
戦わざるを得ないまでの窮地に陥っていた。
「ムム、もはやこれまでか」
クラビウス王は身に幾筋かの刀傷を受け大木の根元で意識を失い
かかっていた。そこに何者かが現れた。それは10代と思われる若者
だった。
「貴様、チャゴスの手の者か?」
その若者は、首を横に振るとクラビウス王にべホマをかけ、軽々と担ぎ
上げた。
クラビウス王は若者に背負われながら夢を見た。それは、幼き日に、兄
エルトリオにふざけて背負われたときの夢だった。
間もなく、クラビウス王は目を覚ました。そこは、味方の陣営だった。
「王様目覚められましたか?」
「私は夢を見ていたのか?兄の夢を。あの若者は?私を助けてくれた
若者はどこだ?」
しかし兵士の中に、その若者を見たものはなかった
すみません。まだ終わりません。続きます・・・・。
>>492 皆さんでルールをお決めになったら、それに従います。
>>496 めちゃカッコイイ!!胸がわくわくしたYO!
>チャゴス王子を擁立した反乱軍
しかし頭の片隅でここだけは有り得ないと思って笑えてしまう漏れ…
>>487 なんか腐女子っぽい絵柄だなと思ったら、案の定一部主クク成分が入ってたか・・・('A`)
>>487 個人サイト晒すと怒られるんで敢えて貼らなかったのに。
ところでURLを削ってみると……。
そんなことはさておき、職人さん、期待!
>>497 同意w
>>496 乙です!
チャゴスが擁護されるようなカリスマがあり得ない風で(笑)
かなりワクワクな展開なので、楽しみにしてます!
>>497 担ぎ上げる看板は、馬鹿なほど良いもんだよ。
カリスマなんていらない。
血筋さえ正統なら問題ナシ。
大義名分が出来て、利用しやすいから。
邪魔になってきたら、簡単に暗殺できるし。
反乱起こす勢力から見たら、チャゴスは理想的。
クラビウスのような胆力のある人物だと、
後で自分達の利益に都合の良いシステムが作れなくなる。
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
>>494-495続き
ベルガラックの辺りでは、まだ、サザンビーク内戦の余波はないようで
あった。しかし、ベルガラックからサザンビークへ向かう途中にある商人
のテントの辺りから徐々に影響が見られ、国外に脱出しようとする難民の
姿を見かけるようになった。
「せっかく両手に花の旅なのに、この辺りから、段々やばくなってくるな」
ククールがつぶやく。
「あれ?姫様はどこでガス」
どうも、ミーティアの姿が見えないようだ。
「おい、それはまずいぞ」
ククールが顔色を変えた。
「ククール、ヤンガス、こっちに来て」
ゼシカの呼ぶ声が聞こえる。
「姫様になんか、あったんじゃないだろうな」
二人は、慌てて、ゼシカの声のする方に駆け出した。
ミーティアとゼシカは、子供を抱いていた。
「何だよ、その子は」
ククールは、あきれた様子で聞いた。
「この子達の足をみて」
ひどい怪我だった。ククールはべホマをとなえた。
「これで、しばらく安静にしていれば大丈夫だ。さあ、姫、行きましょう」
「でも、あちらの方には、けが人がたくさんいます。このままにしては
おけません」
「けが人は美女に限るんだがな」
ククールは、ぶつぶついいながら、けが人に次から次へとべホマをかけて
回っていた。ヤンガスは斧でまき割りをしながらお湯を沸かし、ゼシカは
けが人や病人のために粥を作っている。ミーティアけが人の包帯をを取り
替えたり、忙しく立ち働いている。
「なんか、予定と違うんでガス」
「仕方がない、姫様のご希望だ」
「いつになったら、兄貴を探しに行くんでガス?」
「俺に聞くなよ。べホマで忙しい」
「しかたないでガス。ラプソーンをとしたはおうの斧でまき割りでもする
でガス」
その頃、サザンビーク城では、
「これで、父上も僕の強さが分かったよな」
チャゴス王子はご機嫌の様子で、ニタニタ笑っている。
「ミーティア姫も僕のもんだな。ムフフフフ」
「まったく、チャゴス様は大変な名君でいらっしゃいます」
怪しげな兵士が相槌を打っている。
「バカは扱いやすいな」
「全くだ。ちょっとほめれば、その気になる。女をあてがっておけば
うつつをぬかす」
「シー、聞こえるぞ」
「大丈夫。骨のありそうなやつはすべて粛清してある。あのバカ王子の
おかげでな」
「ハハハ。違いない」
すみません。まだ、続いてしまいます・・・・。
敢えてベホマよりはベホイミのほうが良いと言ってみる。
頑張って!楽しみにしています。
+ +
+ + + +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) +
やばい。
マジで面白い。
(・∀・)イイ!!
>>507 漏れのククールはべホマ100発以上撃てるぜ
>>504-505続き
「やれやれ、今日は疲れたぜ。これほどMPを使ったのは、竜神王の試練
以来だぜ」
ククールがぼやいている。
「皆さん、ご苦労様でした。それで、難民の方たちとお話をしていて分かった
ことがあるので、ご相談したいことがあります」
いつも、真面目なミーティアが、さらにかしこまって話を切り出したので
皆がに緊張した。
「姫様。何でガス?」
「皆さんも、お気づきになったかもしれませんが、サザンビークには、先日の
結婚式のことが正確に伝わっていません。まるで、クラビウス王が、私の父
トロデ王に 屈服して、自分の身を守るためにチャゴス王子を犠牲にしたか
のような話になっています」
「確かにそうね。エルトリオ王子のことを懐かしむ人は多かったけれど、
エイトがエルトリオ王子の遺児だったということを知っている人は誰も
いなかったわ」
ゼシカもうなずいている。
「組織的な情報操作が行われたってことか」
ククールがつぶやいた。
「そうです。ですから、逆に、こちらから正しい情報を流せば情勢が逆転
するのではと・・・」
「ヒュウ。姫様、さすが。伊達に馬になって苦労していないね」
「それで、皆さん。耳を貸してください」
ひとしきりひそひそ話がなされた後
「それがいいわ」
「分かったでガス」
「また、べホマの嵐か。美女限定って言うわけにはいかんのか。男は、
ヤンガスに任せるぞ」
それから、数日後、サザンビーク国領・西で、難民救援を目的とする
「エルトリオ救国隊」を名乗る組織が旗揚げをした。もちろん、対外的
には秘密だが、命名者はミーティア姫だった。この名なら、父の名である
なら、必ず、エイトが気づいてくれると信じて名づけたのであった。
「進め。敵はひるんでいるぞ」
クラビウス王が先頭に立って叫ぶと、チャゴス王子派の軍勢は総崩れに
なって退却していく。
「今日も同じだな・・・」
クラビウス王がつぶやいている。あの若者に救われた日からだった。
チャゴス王子派の軍勢と戦っていると、敵は突然もろく崩れて撤退して
いく。そのためクラビウス王派は、労せずして勢力を拡大することが
出来たのである。
これは、「彼」のおかげなのか。しかし、その後、「彼」の姿は見え
ない。兵士達のなかに「彼」を見たものもいなかった。
「一体何が おきたのだ???」
チャゴス王子派の司令官がわめいている。
「すさまじい落雷で混乱しています。内部で同士討ちも起きている模様です」
伝令の兵士が叫んだ。
「バカな。こんなに晴れているのに、なぜ、雷が落ちるんだ???」
「分かりませン。私にも分かりません!!???」
+ +
+ + + +
∧_∧ +
(0゜´∀`) ハヤクハヤクー
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) +
すみません。日曜日で時間があったため、調子に乗ってしまいました。
まだ、続いてしまいます。すみません。
そんな殺生な(;´Д`)ウワワン
>517
GJ!
もっともっともっともっともっと調子に乗って
どんどん続きをうpしてください。
おながいします。
楽しみなのは分かるし、俺もSSを心待ちにしている一人だが、
しかしあんまり急かすと作者にとってはプレッシャーになってしまうだろう。急いては事を仕損じるとも言うしな。
つーわけで程々にガンガリなさい(*´∀`)
>520
> しかしあんまり急かすと作者にとってはプレッシャーになってしまうだろう。急いては事を仕損じるとも言うしな。
ごめんなさい。
>>518 お前の気持ちはよーーーくわかるww
俺もだ。でもせかしてもなんにもならんからな・・・
応援してます!
>>517 一気に読ませてもらいました。凄い面白い!
なんかFEみたいで大好きだ
MS ◆yGUnQdhyV2 さん
◆JSHQKXZ7pE さん
のSSを待つ間に、一本投下してみてもいいですか?
どんどん投下しちゃってください(´∀`*)
>これほどMPを使ったのは〜
…せめて魔力か魔法力にしようよ。ギャグだったらともかくシリアスなんだしさ。
>>525 ありがとうございます。
何も考えずに、頭ん中からっぽにして読んで下さい。
つい先日、ミーティアは18歳になりました。
でも、せっかくの誕生日のお夕食は雑草でした…。
はぁ、とエイトがため息をつく。これで幾度目になるだろう。
その足取りも頼りなく、皆の後ろをうつむき加減でとぼとぼ歩いている。
「さっきから元気ねぇなぁ、兄貴。ちょっと心配になってきちまった」
ヤンガスがちらちら振り向きながら呟く。その横をククールが訳知り顔で頷きながら、
「無理もないって。大切なお姫様の誕生日をころっと忘れてたんだぜ。幼馴染みとしても近衛兵としてもそりゃヘコんじまうさ。
しかも記念すべき日の晩餐は雑草。悲劇だ」
「だけど、私たちのやってる事といったら、毎日毎日、戦いと探索ばっかりじゃない。日付の感覚なんてなくなっちゃうわよ。
それに、可哀相だけど今のミーティア姫は馬が口にするものしか受け付けないじゃない」
現実的なゼシカである。彼女はエイトに歩み寄り、その背中を励ますように叩いて、
「ねぇエイト。落ち込む気持ちも分かるけど、もういい加減に浮上してよ。ミーティア姫だって怒ってなかったでしょ。
っていうかさ、正直鬱陶しいわけ」
「うわ、言っちゃったよゼシカ。この俺でさえ遠慮して言えなかったことを」
「うっさいククール」
そんな二人をずいとヤンガスが押しのけて、
「ほら兄貴、おっさんを見るでがす。一番落ち込まなきゃならねえのはあっちなのに、あんなに元気だ。だから気にする
ことないでげすよ」
その通り。トロデ王は大事な娘の誕生日を忘れていたにもかかわらず、平然と手綱を握っている。
「ミーティアにはちゃあんと謝ったわい。もし忘れていなかったとしても、今は呪われた身。魔物や馬の姿ではどうしようもない。
わしらが晴れて元の姿に戻るまで宴会はお預けじゃ。そして見事目的を果たしたら、そのときは国を挙げて盛大に祝ってやるわい」
「盛大にお祝い!いいわねぇ。わたしパーティって大好き」
「アッシは思う存分食いたいや」
「俺は飲めればそれでいい。ところでトロデーンの酒はうまいのか?」
「……パーティ」
ククールがエイトをのぞき込んだとき、ぼそりと彼が呟いた。
ん?何か言ったか」
「パーティできなかった…」
「「「「は?」」」」四人の声が重なる。
「毎年、楽しみにしていたのに…」
「おおエイトよ。お前、そんなにミーティアの誕生日が嬉しかったのか」
しかしエイトは主君の言葉にふるふると首を振り、
「いえ、姫と僕の誕生日です」
「「「「え?」」」」
「同い年なんだから一緒の日に誕生日を祝おうって、毎年、姫の誕生パーティが終わった後で二人きりのお祝いをしていたんです」
「なんじゃとっ!わしは知らんぞ、そんな話」
「だから二人きりのお祝いなんです。夜中の図書室なんて誰も来ないから、そこでケーキを食べて」
「わしの目を盗んで二人でいちゃいちゃしとったんか!」
「いえ、ケーキを食べて、その後で誕生日おめでとうを言ってお互いの……あ」
しまった、と言う顔で口を押さえる。おそるおそる顔を上げると、今では呪いによって白馬に姿を変えられたミーティア姫がじっとりと
こちらを振り向いている。
二人だけの秘密だったのに、話してしまいましたわね、エイト
いつもなら翡翠を思わせる可愛らしい緑色の瞳が、今では瑪瑙のように冷えて固くなっている。エイトの背中に冷たい汗が流れた。
「こらっ!エイト!ケーキを食べた後に何をしたのか早く言わんかっ!」
ものすごい勢いでトロデ王が御者台から飛び降り、対照的にククールが気のない声で片手を上げた。
「俺はでこチューにふしぎなタンバリンを賭けてみる」
「わたし、ほっぺチューにマダムの指輪ね」
「んじゃアッシは大穴ってとこで、口に秘蔵のキングアックスを。……ねぇ兄貴、ほんとのところ、どうなんでげす?」
薄情な三人の後ろで、トロデ王の号令のもとに集まった謎のおっさん達の攻撃をエイトは大ぼうぎょで必死に耐えながら、
「いやだなぁ、プレゼント交換に決まってるじゃないか」
はい、ここまでです。
時系列が変とか、何でこんなアイテム持ってるのとか言わないでおくんなまし。
>>529 おもろいやないかい!
やっぱりククールがタンバリン係なんだw
しかし、このエイト(;´Д`)カワエエ
MS ◆yGUnQdhyV2 さん
◆nw3zSJjQag さん
乙でした〜
素敵なSSがたくさん読めて今日はいい1日だった。
お互いのなんなんだよ
乙 ワクワク
>>515 落雷は分かるが同士討ちってのはなんなんだろう
主人公にはそれを誘発させるような呪文や特技は無かったと思うけど
兵士の服を奪って着てたのかね。
三国志の昔から、軍隊に混乱が起きれば、たいてい同士討ちが始まるというのは、セオリーと思いますが。
>>533 砂塵のヤリ(追加効果:マヌーサ)とか。
密集状態なら同士打ちになる…か?
>>521 亀レスだが、謝れとまでは言ってないよ。ってか見てもらえたら別にするーでも構わなかったんだけどな。
ぶっちゃけ、俺も凄い楽しみだから、実は人の子と言えないんだわな、これがヽ(´ー`)ノ
>>529 乙GJ!所々に散りばめられた笑いのお陰でかなり読みやすかったよ。
翡翠と瑪瑙の表現が気に入ったな。そしてキングアックスワロタw
>>533 まどろみの剣を振りかざしたかおかしな薬をばら撒いたと無理矢理に解釈してみるテスツ
>秘蔵のキングアックス
このヤンガスは、貴重な素材を惜しげもなく使った挙句に
店で売られているのを見て絶望したことがありますか?
別に詮索するつもりはないんですが、MS ◆yGUnQdhyV2 さんは、意外と年上
のような気がする。それに、三国志とか、そういった戦記物もよく読んでいる気
がする。SSも、ドラクエ8外伝か、続編という感じがするし。どうでもいいことだ
けれどもね。なんとなく感じたもので。失礼。
俺にはまったく知識がないように思えるけど
主人公がサザンビークに行くなんてなにトチ狂ってんだって感じ
_ ∩
( ゚∀゚)彡 キングアックス! キングアックス!
( ⊂彡
| |
し ⌒J
>>540 僕は三国志やFEも好きなんだけれどね、反乱軍が不満タラタラのチャゴス王子をかつぎ出したり、
情報操作が行われて味方が窮地に陥るところなんか、そうした話の影響を感じるんだよね。
何もわからない君の方こそ、全然知識がないんじゃない?
ここでやりあわないでくれ。
>>543 すまん。反省してる。MS ◆yGUnQdhyV2 さんがこなくったら大変だもんな。
ところで、同士討ちは、ジゴスパークによって大混乱が起きたというのでどうかな。
一体こういうことは誰に相談すればいいんだろう。
ヤンガスだと…違うかな。兄貴兄貴と慕ってくれているけど、こういうことを相談するのは何だか照れ臭い。
ゼシカは絶対話してくれないだろうな。どうやら何か企んでいるのは彼女みたいだし。そうでなかったら頼りになるんだけどなあ。
やっぱりククールかなあ?あれくらい豊富な人生経験ならきっといいアドバイスしてくれるかも。そういえばこの前、
「おまえらいい加減にしろ」
とだけ返事来たんだけど僕たち何かしたかなあ。近況を話しただけだったんだけど。
うんそうだ、ククールに相談してみよう。
* * *
「うっ、浮気?!」
「シーっシーっ」
「ああ、悪い悪い。ちょっとびっくりしたもんで。で、証拠はあるのか?」
あまり気になるので結局ククールに城まで来てもらった。
「確証はないんだけど…」
かくかくしかじか、と情況を説明すると、なぜかククールの顔にニヤニヤ笑いが広がった。
「ふうん、そうなのか。ま、もうちょっと様子見てみたら。俺のカンだとそれは浮気じゃないぜ」
「そうかな…ミーティアが隠し事するなんて何だかショックで」
はぁ、とため息をついたのにフンとばかりにあしらわれた。
「惚気るのも大概にしろよ」
「のっ、惚気てなんかないよ!僕は真剣に」
「あーハイハイ、ごちそうさまでした。…ま、そのうち分かるって。あまり気にすんな」
ポンと一つ肩を叩くと
「じゃあな」
と手を振って帰ってしまった。はあ、ククールでも駄目か…
ん?「そのうち分かる」?
もしかしてあいつもグルかー!
うう、兄貴に申し訳ないでがす。
ゼシカの姉ちゃんとククールの野郎が兄貴に隠し事しているらしいんでがす〜。なのにアッシには何も教えてくれないんでげすよ。
どうやらその隠し事ってのが馬ひ…いやミーティア様に関わることらしいんで、兄貴がえらく心配しているでがす。
アッシもかなりしつこく聞いてみたんでがすがねぇ、あいつら口が固いでげすよ。
最初は
「何のことかしら?何も隠し事なんてしてないわよ」
「気のせいだって。何で俺たちがヤンガスに隠し事するんだよ」
…アッシの眼は節穴ではないでがす。明らかに二人とも眼が泳いでいるでがすよ。
それでしつっこく聞いてみたんでがす。そしたら、
「知らない方が身のためよ〜」
「大体ヤンガスはエイトのことになると目の色変わり過ぎだって」
「そうそう、別にたいしたことじゃないんだし、気にしないでよ」
たいしたことないんだったら教えてくれてもいいんじゃねえかと思うんでげすがねえ。
「残念だがレディーの秘密は教えられないね」
「ヤンガスには教えられないわ。聞いたら絶対エイトに話しちゃうもの。だから知らない方がいいのよ」
うう、隠し事されている兄貴が可哀相でがすよ〜。でも結局何も聞き出せないでしまったんでげす。
なのにある日トロデーンに呼ばれてしまったんでがす。きっとあのことでげすよ。どうしやしょう。
「ミーティアが隠し事しているみたいなんだ」
…やっぱりその話でげすね。
「どうもククールやゼシカもグルみたいだし、ヤンガスは何か聞いてない?」
ちゃんと聞いてない、だから全然知らないって言ったんでがす。なのに兄貴ったらひどいんでげすよ〜。
「本当に何も知らないの?あいつらと何か企んでいるんじゃない?」
アッシが兄貴に隠し事する訳ねえでがす!それが男の友情ってやつでげす!知っていたら全部包み隠さず伝えるに決まっているでがす。
結局兄貴には疑われたままでがす。あいつらひどいでげす。それにミーティア様もアッシの大切な兄貴に何隠し事しているんでがすか。ミーティア様ならばとお任せしたのに兄貴に心配かけるなんてひど過ぎでげす!
(続く)
今夜はもう少しうpできそうなのでちょっと区切り悪いですが。
どうも心配だ。
ククールからの助言に従ってミーティアの隠し事には気付かないふりをしている。どうやら浮気ってことではなさそうだし。
夜中に僕の隣から起き出してどこかヘ行くのは変わらない。それどころか抜け出している時間が長くなっているようだ。以前と違って疲れ切った様子で戻って来るミーティアを見ると、ヤキモチだの心配だのということはすっかり忘れて労って遣りたくなる。
最初の頃の満足した様子ならば何の心配もない、いや、それはそれで心配かな、でもこんなに疲れ切ったミーティアを見るのはとても辛い。
一生懸命微笑みを絶やさないようにしているけど、頬が蒼ざめている。明らかに睡眠時間が足りないんだ。
昨夜も戻って来たのは夜明け近くだった。身体の芯まで冷え切って戻って来たミーティアがあまりにも可哀相で、寝ぼけたふりして抱きしめたんだ。
はっと身を硬くしたミーティアの肌の冷たさに思わずしっかりと抱きしめてしまった。気付いている、もう一人でどこかへ行くな、と言ってやりたかった。
無言のまま時が過ぎるうち(僕は寝息を装っていたつもりだった)、腕の中で囁きが聞こえた。
「ごめんなさい、エイト。…もうすぐ終わるから」
僕が起きていることに気付いていたとは思えない。それは多分眠る僕に対する囁きだったんだと思う。
それでもちょっと気が楽になって、凍えるミーティアの肌に温もりを分けてあげたくてただ抱きしめていた。僕の熱なんていくらでも奪って構わない、いつも、いつまでも守っているから、と。
寒さに震えていたミーティアも少しずつ落ち着いていき、
「ありがとう…」
の囁きとともに眠りに落ちていった。
(続く)
>>542 クーデターなんつー題材を持ってきたからには戦ってそれで終わりじゃないんだぞ。
むしろそのあとが重要になってくる。
どちらが勝つにせよ首謀者はただですむはずがない。
エイトはクラビウスに味方してるみたいだからチャゴスが負けるんだろうけど、その場合チャゴスは当然処刑だろ。
祭り上げられただけだから許されるなんてそんな理屈が通用するわけないってことはわかるよな。
いや、エイトこそ真のサザンビーク王だと言って立ち上がる勢力が出てくるかもしれない。
結婚式にはサザンビークの重鎮も参加してただろうからエイトの存在は知れてるだろうし。
クラビウス、チャゴス、エイトの勢力で三つ巴の泥沼化する可能性だってあるだろう。
情報操作や同士討ち? そんな小さな話してるんじゃないよ。
なるほど戦術的な知識はあるのかも知れんけど戦略的な知識はないんじゃないのか。
繰り返すけど、戦ってどちらかが勝ってそれで終わりじゃないんだぞ。
その後の政治的な問題をどうするんだよ。
クーデターなんて起こしておいてクラビウスもチャゴスも無事で、チャゴスは王子の地位を保ったままなんてありえると思うか?
チャゴスは担がれただけで罪はないんですなんて言えると思うかよ。
国民からすれば“チャゴス”がクーデターを起こしたって認識なわけだし。
仮に真実を伝えたとしてもそんなの納得するはずがないだろ。
MS ◆yGUnQdhyV2もMS ◆yGUnQdhyV2の描くエイトもそういうマクロな視点まで考えが及んでないように思える。
そういう意味での
>>540発言だったんだけど。
クーデターなんつー題材を扱うからには双方丸く収まってめでたしめでたしなんてご都合主義な結末は俺は認めんぞ。
つーか、こっからどうやって主姫に持っていくのかっていうのは楽しみではあるけど。
>>548 もっと気楽に楽しめよ。ラノベ感覚でさ〜
MS ◆yGUnQdhyV2氏がss投下し辛くなるじゃないか
本日のNGワード WW1TltFf
◆JSHQKXZ7pEさん 乙です!
早く続きがヨミタイナー(・∀・)
ところで>548
そんな長文カキコする暇があるなら、
SSの一つでも投下してくれ・・・
>>547 おおう萌えましたでがすよ。(´∀`*)
結末が楽しみです。
>>548 そうだよ。おまいのそのこだわりで
何か一本描いてみてくれよ。
>>548 確かに現実世界とかFFみたいなリアル志向の世界なら納得できるんだが・・・
これはドラクエなんだぜ?剣と魔法とラブ&ピースのファンタジー世界だぜ?
そんなに現実感を求めて頑なにならずに、気楽な気持ちで読もうじゃないか( ´∀`)
このスレでの最優先事項は、主人公とミーティアのラブ+幾分かのミーたんハァハァなのだしな。
>>513-515続き
それから間もなく、サザンビーク国領内では、いくつもの噂が流れはじめ
た。
その1つは、エルトリオ王子は生きていて、弟のクラビウス王の危機を救う
ため義勇軍を率いて西からやってくる、いや、エルトリオ王子は亡くなった
が、その忘れ形見である遺児が義勇軍を率いている、という噂であった。
また、同時にチャゴス王子にまつわる噂も流れ出した。あの巨大なアルゴン
ハートは、闇商人から買ったものだ、いや、旅人の助けを借りてやっと手に
入れたものだ、という噂であった。
こうした噂は、ほとんど西から流れてきた。そして、こうした噂が広がる
に連れて、国民の間にあったチャゴス王子に対する同情論は急速に薄れて
いった。
「これで、エイトが出てくれば、噂も本当になるんだがな」
「兄貴はどこに行ったでガス」
「いい加減に出てくればいいのにね」
「でも、きっとエイトは出てきてはくれないと思います」
「なぜ?」「どうして?」
3人が一斉にたずねた。
「エイトは、そういう人です。サザンビークの内乱を自分のせいだと思って
います。責任を感じている以上、自ら先頭に立とうとすることはないと思
います」
「姫様の言うことは正しいな。しかし、それでは解決にはならないんだが」
ククールがため息をついた。
一方、サザンビーク城では、怪しげな会議が開かれている。チャゴス王子
は・・・・、もちろん参加していない。
「まずいですな」
「まずい噂を広げているのは、エルトリオ救国隊を名乗る連中か」
「元々、チャゴスのボンクラには国民の人気はなかったからな」
「いつまで利用できるのか。そろそろ始末しないといかんかな」
「いやいや、なんだかんだ言っても、クラビウスの一人息子だ、いざという
時には、まだ役に立つ。情け深いクラビウス王のことだ、息子は見捨ん
だろう」
「そうか、それなら、もうしばらくは楽しい夢を見させてやるか」
その頃、急速に勢力を回復しつつあったクラビウス王派は、サザンビーク城に
迫りつつあった。クラビウス王は、決戦に備えて寝室で体を横たえ休息をとって
いた。
「そこにいるのは?」
クラビウス王は、枕元に人の気配を感じた。そこには、一つの影があった。
しかし、答えはなかった。
「おぬしは、エイトだな。分かっておる。あの時、気を失ったわしを助けた
のも、ここのところチャゴスの軍勢を蹴散らしているのもおぬしだな」
影はうなずいた。
「なぜ、出てこない。おぬしが、エルトリオの遺児と名乗りを上げるのは
たやすいことではないか?」
影は答えない。
「まあよい。わしも。お前とゆっくり話したいのだが、助けてくれた礼も
言っておらんし・・・」
人の気配が消えた。
「行ってしまったか。その気遣いが、かえって、人を不幸にしているのだが、
ここに姿を見せたということで、その過ちに気づきつつあればよいのだ
が・・。このままでは、ミーティア姫が不幸になる」
>>526 ご指摘、了解しました。
「同士討ちに」ついては、ほぼ535さんのご指摘のようにかなり単純に
考えていました。
このSSは、書き始めたときから、結末は決めています。エイトと
ミーティアの2人はもちろんハッピーエンドですが、その他の登場人物
については、色々とあります。
何か、スレの主題から離れつつあるようですみません。次回には
本筋に戻したいです。
+ +
+ + +
+ + + +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキハラハラワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) + + +
同士討ちに関しては勝手に妄想していたんだけどさ、ちょっと聞いてくれる?
「エルトリオ様」
老兵の一人が声を上げた。
その視線の先にはサザンビーク王家の者だけが身に着ける
深緑色の服を身に着けたエイトがいた。
なんちってな。
>>559 それイイ!
DQ6思い出した。あっちはホンモノだけど。
>>557 イイヨイイヨー。無理にもどさんでいいからこれからもまたーりと投下してけれ!
今日のSSはまだかな・・・・・・・・・・・。
期待してマターリと待ちましょう…
(´・ω・`)<マダー?
とろとろとした寝覚めの中、僕は何だか熱い物を抱き抱えているような感じがした。何だか分からないけど熱くて重みのある柔らかい…ん?熱い?
はっと目を開くと、腕の中にはミーティアが眠っていてほっとした。が、普段より熱い気がする。
「あ…おはよう…エイト…」
目覚めたミーティアの声もいつもと違う。額を合わせると明らかに熱い。
「どうかしたのかしら?何だか身体が変な感じだわ…」
眠そうに起き上がろうとするので慌ててミーティアを抑え、衾をかけ直した。
「駄目だよ、寝てなきゃ。具合悪いんだろ?熱があるみたいだよ」
「熱なんてないわ…大丈夫…」
「大丈夫じゃないって!いいから寝ててよ」
これはもう典医さんを呼ぶしかない。僕は急いで服を着て呼びに走った。
* * *
ミーティアの発熱は疲れによるものだと典医さんは断言してくれた。
「今日一日ゆっくりお休みになるように」という指示をもらってミーティアの枕元に戻ると、ミーティアがうっすらと目を開いた。
「ごめんなさい、エイト…」
「気にしないで今日一日ゆっくり休んで」
額に手をやると、いつもはひんやりしているのに今日は熱くて、何だか泣きそうな気持ちになった。
「エイトの手、冷たくて気持ちいいわ…」
いつもは「温かい」って言うのに。
今日一日ずっと側にいてあげたい、そう思ったのに、
「こちらは私どもにお任せを」
とメイドさんたちに追い出されてしまった。
仕方なく一人で日課をこなしたけど、何だか気が乗らない。ミーティアが心配だし、張り合いがない。
それでも淡々と日課をこなし−お義父上には「もっと姫を大事にせんかい!」どやされ−夜になった。
夕餉の後ミーティアの様子を見に部屋へ行ったら、大分顔色が良くなっていた。よかった、でもまだちょっと熱があるらしい。
今夜はミーティアと一緒にいられない。自分に与えられている部屋に久々に戻る。
結婚してから初めてじゃないのかな、自分の部屋で眠るのは。朝も夜もずっと一緒だったから…
よそよそしささえ感じる自分の部屋で、さっさと夜着に着替えると寝台に潜り込み、目をつぶった。
…いつの間にか眠っていたようだ。ふと気が付くと月光が西の窓から差し込んでいた。
ああもう真夜中も過ぎたんだな、とおぼろ気に思った時、枕元に誰かいることに気が付いた。
ミーティアだった。
真っ白なガウンを夜着の上に羽織っただけのミーティアが差し込む月光の中に黙然と立っている様はまるで月の精のようだった。
「どうしたの?具合は?」
あまりの神々しさに気後れしつつも、何か言わないと、と問い掛けた。
「もう大丈夫よ」
「本当に?」
そう聞きながら額を合わせたのは、熱を計ったんじゃなくて本当にミーティアがそこにいることを確かめたかったからだった。
「よかった、熱は下がったみたいだね。…でもどうしたの?まだ無理はいけないよ」
本物のミーティアだ、と分かってホッとしたけど何で夜中に僕の部屋に来たのが分からない。
「ただエイトの顔が見たかっただけなの…もう戻るわ」
そう答えると身を翻して出て行こうとするので
「待って、すっかり冷え切っているじゃないか。今夜はここにいたら?」
そう言うと、ミーティアは一瞬ためらったけど、
「ありがとう」
と小さく呟いてガウンだけ脱いで僕の隣に滑り込んできた。
腕を廻すと滑らかな絹の手触りの内側にミーティアの身体を確かに感じた。冷たい絹の手触りとそれに包まれている身体の微かな温もりを。
「ミーティア」
「なあに?」
「キスしたい」
ミーティアは何も言わず目を閉じたので、そっと口づけを交わした。
「今夜はこのままでいよう…」
そっと唇を離し囁くと僕の胸の中で頷く気配がした。
「ミーティア」
「なあに?」
「来てくれてありがとう。会いたかった」
僕たちはとても安らかな気持ちで二人同時に眠りに落ちていった。互いの鼓動を感じながら。
明け方、ミーティアは僕の隣を抜け出し、自分の部屋へ戻っていった。
本当はずっと一緒にいたかったけど、それはあまり誉められたものではないということを僕は知っている。色々な都合があるから、本来なら僕も、ミーティアの部屋ではなくていつも自分の部屋で一人で目覚めたことにしなければならないということも。
* * *
隣の空白を感じつつ夜明けまでまどろんで、朝一番にミーティアのもとへ向かった。
「おはよう、エイト」
「おはよう、ミーティア。身体の具合はどう?」
部屋で出迎えてくれたミーティアの頬は昨日までと違ってふっくらと薄紅に色付いていてすっかり元気になったことを伝えてくる。
「ええ、もう大丈夫。心配かけてごめんなさい」
「よかった。でもまだ無理しないで」
この騒ぎですっかり忘れていたんだけど、夜中に抜け出して熱を出したんだよね。そして抜け出す理由は未だに分からないんだった。そういう意味も込めてそう言うと、
「ありがとう」
にっこりしてミーティアはそう言った後、
「…もう大丈夫…」
と小さく呟いた。
『もう大丈夫?』
何だろう。でもミーティアはにこにこしているし、何となく追求するのも悪いかな。
僕は黙って見守ることにした。ただ、夜中に出かけようとしたら今度は起きて止めようと心に決めたけど。
でもその夜からミーティアが夜中に出かけていくことはなくなった。いつも通りの毎日が続いていく。
ただ、変といえば変なのはミーティアが何だかとってもご機嫌なんだよね。いや、ミーティアの笑顔を見るのは嬉しいからいいんだけど。
何ていうか、こっそり城を抜け出してトラペッタに遊びにいくために計画を練っていた時の感じに似ている。あの時はお弁当持って、変装までして遊びに行ったんだっけ。
こっそり出かける上、変装するというのが楽しかったのか、あの時もすごくご機嫌だった。あまりのご機嫌ぶりにばれてしまうんじゃないかと不安になるくらい。
きっと何か楽しい企み事をしているんだろう。僕が仲間はずれなのは癪にさわるけどね。
(続く)
あと一回で終わります。
>>564>>567 GJ!!!
更新を楽しみにしていたんだよー!がんがって!!
ところで
>>本来なら僕も、ミーティアの部屋ではなくていつも自分の部屋で一人で目覚めたことにしなければならないということも。
ってどういう事かな?まだ二人は正式に結婚してないの?
色々ヨーロッパの王族生活を調べると、どうも夫婦といえど個室持ちらしいんだよね。DQ8でも各地のお城では個室持ちっぽいし。アスカンタでは「王妃様のお部屋をそのままに〜」って言ってるし
でもよく考えたらドラクエ世界なんだった。
ラブラブ夫婦なら同室にしとけばよかった。ごめんなさい。
>>572 そういうスタンスでリアリティを出そうとするのは、好きだよ。
続きを楽しみにしています。
>>555-556続き
「エルトリオ救国隊」などの活動で、クラビウス王派は急速に国民の支持を回復し、
ほとんどサザンビーク城を包囲するまでになった。
「いよいよまずくなってきたな」
「やむおえん。バカ王子に最後のひと働きをしてもらうか」
「そうせざるをえんかな」
その頃、チャゴス王子は、自室でよだれをたらしながら惰眠を貪っていた。
「グフフ。怖がらなくても大丈夫だからね。ボクに任せておきな」
どうも未だにミーティア姫との××を夢に見ているらしい。
その時、ドアを蹴破って多くの兵士が部屋に乱入してきた。
「チャゴス王子、反乱計画の疑いで拘束します」
「???????」
チャゴス王子は、全く事態を把握できなかった。兵士たちはかまわず、チャゴス王子を
捕らえ、地下牢にぶち込んだ。
「何だ。どうしたんだ。出せ、僕を出せ、出さないと後でひどいぞ。父上に言い
つけてやる」
チャゴスおうじは泣き叫んだ。しかし、誰も、牢番の兵士さえ相手にするものは
いなかった「
「そろそろ総攻撃の時期が近いかもしれないな」
ククールが情勢を検討している。
「それじゃグズグズしていられないわ」
「そうでガス。いいかげん、はおうの斧でまき割りをするのはあきたでガス」
「わかりました。もうここは、難民の皆さんの自警団に任せるコ世ができると
思います。私たちはサザンビーク城に向けて出発しましょう・・・・」
一瞬、ミーティア姫が沈黙した。3人は????? ミーティア姫は少しだけ頬を赤らめ
ると
「きっと、エイトにあえますね」
とつぶやいた。
いよいよ総攻撃を控えて、クラビウス王は、サザンビーク城を臨む小高い丘の上に
立っていた。脳裏には、小さかった頃のチャゴス王子の様子が浮かんでは消えていた。
「馬鹿な話だ。あれもこれもみな間違っていたというのか・・・」
クラビウス王の頬を一筋の涙が流れ落ちた。
「後はせめて武人として・・・・・」
その時兵士の声がした。
「国王陛下。作戦会議の時間でございます」
「うむ、わかったすぐに行く」
クラビウス王は、もう1度だけサザンビーク城を振り返ると、ゆっくりと丘を降りて
いった。
>>559 それとってもいいです。
◆JSHQKXZ7pE さん、お疲れ様です。いつも楽しく読ませてもらっています。
ところで、どうもすみません。次回には、本筋に戻りたいです。
サザンビークに地下牢なんてあったっけ?
宝箱置いてあったところか?
それと半角なのはわざとやってんの?
厨臭さが増すからやめたほうがいいと思う
>MS◆yGUnQdhyV2様
いつも楽しみにしています。どんな結末になるのか楽しみです。
個人的には誤字の少ない状態で読めればもっといいのに、と思います。
おまいの方が厨くさいのは確かだ。
ところでトリップの件だけど、やっぱりある程度暗黙の了解程度でもあったほうがいいと思う。
トリつけたままレスしてると無用の叩きが生じやすいし、気楽に発言も出来ないと思う。
>>577 今サザンビーク行ってきたけど地下牢なんてなかった。
>>578 >個人的には誤字の少ない状態で読めればもっといいのに、と思います。
お恥ずかしいです。以後よく気をつけて推敲したいと思います。
>>577 >>580 おまいらな、別に、反乱軍が反対派を入れるために作ったてんでいいじゃないか。
そんなこと言い出したら、ミータンの部屋には窓はないし、重箱の隅をつつくような
ことはするなよ。それとも577=580か?
一緒にしないでよ。
ちょっと確かめに行っただけじゃない。
そんなに責めるなよ(つд`)
>>583 そりゃあ、すまんかった。ゴメン、ゴメン。個人的にはMS◆yGUnQdhyV2さんのファンなもんで、
嫌気をさして、投下してくれなくなったら困るもんで。許しておくれ。
585 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/26 00:47:49 ID:9dlC8CzM
マターリあげv
◆JSHQKXZ7pE氏よ、できたらコテハンかタイトルをつけたり、
投下前に「
>>1-10の続き」みたいに書いてくれないか?
五行くらい読み進めないと、誰が書いているのかわからない……。
覚えやすいトリップならいいんだが、そうでもないので一瞬新規が投下してるのかと思う。
>>574-575続き
クラビウス王派の陣営では、サザンビーク城攻略のための作戦会議が開かれて
いた。そこへ、伝令の兵士が駆け込んで来た。
「国王陛下にご報告です」
「許す。こちらへ参れ」
伝令の兵士は、クラビウス王にメモらしきものを渡した。クラビウス王は、その
メモを見ると、
「ムム・・」
と唸るなり沈黙してしまった。
「国王陛下、いかがなさいましたか?」
たまらず、司令官の一人が聞いた。
「チャゴスが幽閉された・・・」
会議場がどよめいた。クラビウス王はどよめきを制するように大声で言った。
「敵に内紛が起きるということは、我々にとって有利なことであろう。動揺する
必要はない」
「しかし・・・・」
「言いたいことはわかっておる。しかし、今のチャゴスは敵の頭目だ。このまま
会議を続けよ」
その頃、地下牢は静かになっていた。チャゴス王子は・・・・泣き疲れて寝てし
まったようだ。牢番の兵士もうつらうつらしている。その時、突然、地下牢の前の床
が盛り上がったかと思うと、大きな穴が開き、ラモッチを先頭に「いたずらもぐら」
の大群が現れた。
「うわあ、何だこれは」
牢番の兵士は助けを呼ぶ間もなくラモッチに倒された。続いて穴から人が現れた。
それは、エイトであった。エイトは倒れている牢番の兵士から地下牢の鍵を奪って
牢屋の鍵を開け、中に入った。そして、寝ているチャゴス王子を揺すぶって
「チャゴス王子!チャゴス王子!助けに来ました。起きてください」
と起こそうとした。すると、チャゴス王子は目を覚ますなり
「×○△〒●!?&@!!??。助けて、殺さないで!!!??」
と喚き始めた。エイトは焦った。
「静かに!兵士たちに気づかれます」
それでもチャゴス王子は静かにならない。
「ええい、やむを得ない」
ボカ!エイトは、チャゴス王子を殴って失神させた。そして、持ってきた巨大な
ずだ袋にチャゴス王子を入れてかつぎ上げた。
「うう、重いな」
エイトは牢屋の外に出た。ラモッチたちが整列している。
「助けてくれてありがとう」
「いえ。チャンピオンのお役に立てて光栄です」
ラモッチたちは、一斉にお辞儀をした。そして、エイトは、もと来た「モグラの
穴」から脱出した。
中々、本筋に戻らなくてすみません。次回こそ、戻るつもり・・・・・です。
地下牢の件はすみません。ご容赦を・・・。
590 :
559:05/01/26 22:29:12 ID:JNCbCKOK
>589
乙です。
エイト登場シーンは漏れの想像とは大分違ったけど、
チャゴスにもちゃんと敬語を使ってるエイトたんと、
↓ここに萌えました。
>「ええい、やむを得ない」
> ボカ!
まさにドラクエ的表現だ
>>589 乙!そろそろ決着がつくのかな?楽しみです
長々と続けてきた話、ラストを投下します。
>>564-
>>567続き
そんな二月のある日、僕はトラペッタの街へ行く用事があって、一人で─まだ外の風は冷たいからミーティアは城に居てもらって─出かけた。
城と街の間には深い谷があって長い吊り橋が架かっていたんだけど、ヤンガスと知り合った時に落ちてしまったんだよね。
今はあまりに不便なので仮の吊り橋を架けているけど、将来的にはちゃんとした落ちない橋にしようとしているんだ。それでリブルアーチの石工さんたちに協力してもらって、その準備のためにトラペッタの街に集まってもらっている。
今日はその進捗状況を見るために馬でトラペッタへと向かった。
計画は順調に進んでいて、何の問題もなかった。これなら春になればすぐにでも着工できるだろう。
会合は予定よりも早く終わったので、少し遠回りして城に帰ることにした。
かつて二人で遊んだ草原、暗くなって道を見失った僕たちが怯えながら通った森、仲間たちと遠い目標に向かって出発した道…
ふと、日だまりの中に白い花が群がって咲いているのに気付いた。春に先駆けて咲く、スノードロップだった。
ああ、もうすぐ春なんだな、と思った時、幼い日の思い出が鮮やかに蘇った。
遠い記憶の中からミーティアが真剣な眼差しで僕に話し掛ける。
『お父様にお花を差し上げたいの。お父様は「冬は嫌じゃ、神経痛がひどくてかなわん。早く春にならんかのう」とずっとおっしゃっていて、とても可哀想。お花を持っていったら、もしかしたら元気を出してくださるかもしれないわ。
お願い、エイト、一緒にお花を探して欲しいの』
あの日、まだ寒いなかを一生懸命探し回って漸くこの花を見つけた。ほの暗い森の中、ぽっかりと開いた日だまりの中に真っ白なこの花がたくさん咲いていて二人して歓声を上げたんだった。
この花をミーティアに見せてあげたい。今日は一緒に来れなくてここで見る事ができなかったから少し持っていってあげよう、といくつか手折って花束を作った。
『ミーティア、スノードロップが大好きよ。だって春一番に咲くんですもの。花言葉はね…』
そう、僕もこの花が好きだった。一緒に摘んだ思い出があったから特に。
帰り道は冷たい風が吹き付けてきたが、花を懐に抱き明るい気持ちで城へと馬を向けた。
城に戻るとミーティアが出迎えてくれた。
「おかえりなさい、エイト。待ってたわ」
何だか楽しそうだ。そしてとても甘い香りがミーティアからするような…
「あのね、ちょっと目をつぶっていて欲しいの」
えっ、何だろう。不審に思いながらも目をつぶるといきなり目隠しされた。
「ごめんなさい、エイト。途中で目を開けたら嫌だから、目隠しさせてね」
多分ミーティアのハンカチかな、ここからも甘い香り─お菓子の香りかな─がした。
そのまま手を引かれて廊下を歩き、階段を昇り、多分ミーティアの部屋かな、という部屋に入った。目隠しされていたんだけど、ミーティアから漂う甘い香りのせいか不思議と不安感はなかった。
「はいっ、到着よ。口を開けて」
目隠ししたままそう言われてさすがに不安になり、
「な、なんで」
と言いかけた時、蕩けるように甘く、少しほろ苦く、温かく香ばしい舌触りとちょっと熱い蕩けたものが口の中に押し込まれた。
いきなりだったので
「うわっ!?」
と思わず叫んでしまったけど、よく味わってみると
「…すごく美味しい」
これ何だったっけ、と思いながら口を動かしていると目隠しが外された。
「びっくりさせてしまったかしら?ミーティアからのプレゼントよ」
目の前の丸テーブルの上には濃い茶色のお菓子が香ばしい香りを放っている。中からとろりとショコラが溢れるフォンダンショコラだった。
「うん、すごく美味しいよ。これ、もしかしてミーティアが作ったの?」
そう言うと、ミーティアはとても嬉しそうに
「今日エイトが出かけることは分かっていたから、その間に作ったのよ。」
と答えた。
「異国では、恋人たちが想いを込めて贈り物をしあう日があるんですって。ある国では女の方から男の方へ甘いお菓子を贈るのだそうよ。ゼシカさんから聞いて、ミーティアも真似してみようと思ったの。
それでゼシカさんからお菓子のご本を貸してもらって、夜中にこっそり作り方の練習していたのよ」
やっぱりゼシカだったんだな。
「でもどうして秘密にしていたの?」
これだけは聞いておきたくて訊ねると、
「ごめんなさい、どうしてもびっくりさせたかったの。でもエイトとはいつも一緒だし、内緒で準備するには夜中しかなくて」
ちょっとしょんぼりしたように答えるミーティアにそっと腕を廻した。
「ありがとう、とっても嬉しいよ。でも心配したんだ。僕のために無理しないで」
ごめんなさい、という小さな声がして僕の頬に唇がよせられる。
「もういいんだ。たいしたことは起こらなかったんだし」
そのまましばらくお互いの身体に腕を廻し、無言のまま抱き合っていたが、ふとミーティアが顔をあげ、にっこりして囁いた。
「もしかしてミーティアはエイトを困らせたのかしら?」
ちょっとだけ悪戯な微笑みを浮かべるミーティアの顔は初めて見た。でも何だかとってもかわいいらしい。こういうことだったらたまには困らせられるのもいいかな。
「うん、とっても困った」
「でもエイトはいつもミーティアを困らせているんですもの、おあいこよ」
ふふ、と微笑むミーティアに小鳥が啄むように口づけする。
「ミーティアにだったらいくら困らせられてもいいかな」
「もう、エイトったら」
そうだ、と思い出して懐から花を取り出す。
「僕からもプレゼント。たいしたものでなくてごめんね」
その花をみた瞬間、ミーティアの顔がぱっと輝いたように思えた。
「ありがとう、エイト。…もしかしてあの時を覚えていたの?」
「うん。それで」
僕たちのささやかな、でも大切な思い出の一つ。
「いつまでも忘れないさ。大切なものの一つなんだから」
きっと忘れることはないだろう。二人で互いを想い合いながら生きていく限り。
そう、スノードロップの花言葉は「希望」。僕たちの進んでいく道筋の一歩先に必ず咲き続けていてくれるだろう。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
やってしまった…
何だかとてもかわいいらしい→何だかとてもかわいらしい
です。申し訳ないorz
端から見ると近づきたくないほどのバカポーだが
そ れ が い い !
◆JSHQKXZ7pE氏乙彼&GJ
>>596 ドンマイ!乙でした。
「異国では」ってのはいい言い回しでしたね。
そういえばチーム名を「ときめきトロデーンにし」たって人がいたなw
599 :
598:05/01/26 23:56:11 ID:JNCbCKOK
ドンマイとかいってるうちにおれもやらかしてる…
訂正:そういえばチーム名を「ときめきトロデーンにした」って人がいたなw
「ときめきトロデーン」ほんとは使いたかったw
人のネタなので悪いと思ったので映画のインチキ邦題風にしたけど
>>JSHQKXZ7pE氏
乙カレー&ありがd
すんごい甘甘で顔がにやけまくりだよ
JSHQKXZ7pE氏の文体は大好きなので
また何か書いてください!
◆JSHQKXZ7pE さん、ありがとう&ごくろうさま。
甘くて甘くて甘くて甘くて甘くて甘くて、もうたまらないです。
本当は、すぐに次の作品を読みたいけれど、あまり急かすといけないので、
しばらく充電したらまた書いて下さい、といっておきます(w
よろしくお願いします。
◆JSHQKXZ7pEさん 長編乙でした!!!
最高でした!!!
ラストも素敵。
甘々バカポーバンザイ!
604 :
586:05/01/27 01:30:34 ID:7z5SKtKt
>>◆JSHQKXZ7pE氏
GJ!そして乙でした。
二人とも可愛らしかったし、ほのぼのしててすごく良かった!
そしてワガママを聞いてくれてありがとう。
また投下してくださるのを待っております……!
>>596 GJ!!!楽しめたよ!偉くバカップルで背中が痒くなる思いだった(藁
ククールが文句をいうのもわかる希ガス。長いこと乙。
>>597-
>>605 感想どうもありがとうございます。
書いているこっちも痒くなるような話に長々とお付き合い下さり感謝しています。
>>587-588続き
クラビウス王派の陣営では、依然として作戦会議が続いていた。既に辺りには夕闇が
迫りつつあった。その時、警備の兵士たちから叫び声が上がった。
「お前、何者だ」
「おのれ、待て。待つんだ」
「何事だ」
クラビウス王が立ち上がった。その瞬間、王の前に一人の若者が現れ、ひざまず
いた。
「クラビウス国王陛下、お久しゅうございます」
それは、エイトであった。クラビウス王は、一瞬、唖然としたが、次の瞬間、
気を取り直し、
「おぬしは、エイトか。して、何しに参った」
と尋ねた。
「チャゴス様をお連れいたしました」
「?????」
さすがのクラビウス王も、わけが分からず沈黙した。すると、エイトは、肩に
かけて来た巨大なずた袋を降ろした。中から、目を回して気絶しているチャゴス
王子が転がり出てきた。
「チャゴスか?本物のチャゴスか?」
クラビウス王は、チャゴス王子を抱き上げようとして、ふと動きを止めた。今、
チャゴス王子は敵なのだ。
「誰か、この者を運び去れ、意識が戻ったら、城内の様子を尋問せよ」
「はい」
兵士たちが、チャゴス王子を運び去った。クラビウス王はエイトの方に顔を
向けた。
「これは、礼を言わねばなるまい。いかに、今は敵といえども、息子を助けてもらった
のであるからな」
エイトは、敢えて、クラビウス王の言葉を無視したようであった。
「国王陛下に申し上げます。サザンビーク城内は、ほとんどの住民は避難し、残るは
反乱軍のみと思われます」
「そうか。それより、おぬしは、これから、わしの下に来ないか?話をしなくては
ならぬことも多くある。共に、戦ってくれぬか。もはや、サザンビーク王国の
後継者はおぬしかおらんのだ」
クラビウス王の思わぬ言葉に、会議場内に大きなどよめきが起こった。
「それはできかねます。私は、これで失礼させていただきます」
エイトは立ち上がり、王の前から立ち去ろうとした。すると、クラビウス王は
周囲の兵士に命じた。
「ええい、エイトを止めよ。兄エルトリオの忘れ形見を立ち去らせるな」
エイトの周囲に兵士が殺到しようとした瞬間、
「ルーラ」
エイトは消え去った。
しばらくざわめきが残り、やがて辺りを沈黙が支配した。クラビウス王はしばらく
愕然とした様子であったが、気を取り直し、顔を上げ、命じた。
「敵の頭目チャゴスは逃亡を計り失敗し、わが軍に捕らえられたと発表せよ。敵の
士気を挫き、明日から総攻撃を開始する」
チャゴス王子が城外に脱出したことを知り、サザンビーク城内の反乱軍は大きく
動揺した。
「切り札に逃げられるとは・・」
「万事休すだ」
「この上は城に火を放ち、夜陰にまぎれて脱出するしかあるまい」
その夜、サザンビーク城は、紅蓮の炎を上げた。エイトは、小高い丘の上に立ち
炎上するサザンビーク城と町を眺めていた。エイトの顔を赤い炎が照らす。ああ、
救えなかった。自分は、この町と城を救えなかった。エイトは自らの無力さに憔然
となっていた。
その時、背後から、女性の声が聞こえた。
「エイト?エイトですね?」
エイトは振り返った。
「ミ、ミ−ティア姫?」
そうそこに立っていたのは、ミーティアだった。肌は日に焼けてたくましくなり、
髪を短く切って、魔法の法衣を身にまとい、手には復活の杖を携えていたが、
それは紛れもなくミーティアだった。
(続く)
サザンビーク燃えちゃった(´・ω・`)
ごめんなさい。ごめんなさい。明日こそ、本筋に戻します。
>>610 乙です。ラモッチがでてきた時はどうなることかと思ったけど、
シリアス路線に戻っててよかった。カコイイです。
ところでMS ◆yGUnQdhyV2さんも、タイトルつけられませんか?
613 :
612:05/01/27 22:00:36 ID:phBOeIT+
引用まちがった。自分にレスしてどうするorz
>>611へでした。
+ + + + + + +
+ + + + + +
+ + + + +
∧_∧ + +
(0゜・∀・) ドキドキハラハラワクワクピカピカテッカテカ
(0゜∪ ∪ + + +
と__)__) + + +
>>611 gj!サザンピークやらチャゴスやらがどうなるのか気になる…
続き楽しみに待ってます
616 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/28 00:01:19 ID:ka/lH3IO
MSとか言うヘタレは中学生だなぁ。
間違いない!文章下手過ぎw
617 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/28 00:07:56 ID:e0VJ7iro
毎日トロデ王のいる部屋のとなりでミーテアをMにひらいて突いてる主人公
コソーリマターリ楽しんでるんだからageてくれるなよ('A`)
>>619 それらが同一人物かは分からないけど自分もMSさんはこうゆう複雑で重い文はあまり上手くないとは思うよ。
結構シリアスな文にボカッとか擬音をそのまま入れたりしちゃって、ちょっと飲み込みにくい。
多分話自体はイイ物なのに表現の仕方が上手くないんだと思う
てか、今朝エイトたんが初めて夢に出てくれたんだけど、その内容が
「サザンビーク内戦でトロデーン城から姿を消した件で説明責任を果たす」 という旨で
報道ステーションにエイトたんが出演している夢だった…orz
フツーにあの服で出ていて古館から紹介を受けていた。
それだけインパクトを残してくれたんだろうなぁ。凄いことだと思う。
俺はMSさんのSSをいつも楽しみにしてるよ
>>620 >結構シリアスな文にボカッとか擬音をそのまま入れたりしちゃって
そこが個人的にドラクエらしい感じがして、好き
つかMSさんはこの板の他カプスレで、
文章力のあるなしより、話の展開でssの面白さって決まるんだな
などとそこの住人に言わしめ、とても絶賛されていた、
あのお人のような気がしてならない
>他カプスレで絶賛
ちょっと考えようや。こういうことを書かれたらいい気分はしないよ。
肯定派も否定派も、過剰に反応するのやめろ。
三国志厨が戦略がどうのといいだした頃からすげー荒れてる。
本人が気の毒だよ。
まずはMS氏がどう結末をつけるのかみたい。未完はイヤソ
MS氏自身初心者と自称してたし、文章力云々はこの際置いといて、
先ず何よりも、ここまでの大作を載せ続けてくれているという行為に賞賛をおくりたいな、俺は。
肝心な事書き忘れてた。
MS氏、最後までガンガレ。
MS氏のSSは、なにか惹かれる
応援してるんでがんばってください。
私の文書力の無さで論争を巻き起こしてしまい申し訳ありません。本人もこうした物語的な
文章が如何に難しいものか痛感しています。それで、言い訳がましくて申し訳ありませんが、
私自身は文学とは全く無縁の世界に生きています。専門書はともかくいわゆる文芸書は何年も
読んだことが無い有様です。そのような私の拙いSSにいろいろと感想を寄せていただけて
大変感謝しています。
私は、SSを投下するのは今回が初めてです。
>>623氏が指摘された他のスレの方とは同一
人物ではありません。
あと、1回か2回で完結予定です。何とか、完結させたいと追っています。
タイトルは、上記のようにしたいと思います。大げさとか、どこかで聞いたことがあると
言うようなご批判があれば甘受しますが、ご容赦ください。
SSの続きは夜の予定です。
>私自身は文学とは全く無縁の世界に生きています。
有名な、あるいは高名な作家でももともとは文学出身ではないひとも結構いるよ。
いかに読み手を納得させるかが問題なのであってそれ以外は全く関係ない。
己の(*´Д`) モエを他人に伝えるのは意外にものすごく難しいよ。
冷静に振り返りつつ進まないと読み手がおいてけぼりになってしまう。
ずいぶん厳しいことを書いてしまったけどMS氏の話は毎晩楽しみにしているので、
最後まで頑張ってください。
誰かミーたんエロSSキボンヌ
>>607-609続き
エイトは、わが目を疑った。確かに、「エルトリオ救国隊」の噂は聞いていた。
それで、もしやとも思ってはいた。それに、愛するミーティアのことは片時も忘れた
ことなどなかった。しかし、今ここにミーティアが現れるとは、思ってもいなかった。
「やっと会えましたね」
「お、お久しぶりです・・・・」
エイトは、こう答えるのがやっとだった。
「どうして、私に黙ってトロデーン城から姿を消したの?」
「いや・・、それは・・」
「エイトはいつもかっこいい人だからね」
「?????」
エイトは、ミーティアの言うことの意味が分からなかった。
「いつも自分一人で責任を負って、どこかに行ってしまう」
心なしか、ミーティアの声が震えている。
「今度も、きっとそうするつもりね」
エイトには、返す言葉がなかった。ミーティアの言うとおり、このまま一人で
贖罪の旅に出るつもりだった。
「でも、残された人の気持ちは分からない。あなたを必要とする人たちの気持ちは
分からない」
もう、ミーティアは涙声になりつつあった。そして、ミーティアの頬に一筋の涙が流れた。
「内戦で家や家族を失い傷ついた人たちの声はあなたには聞こえない。そして、
私の声も・・」
ついに、ミーティアは泣き崩れた。
「ミーティア!」
エイトは助け起こそうとした。
「触らないで!」
ミーティアは、エイトの手を振り払った。
「あなたは、自分のしなくてはいけないことがわからない。卑怯者よ。すぐに逃げる。
逃げちゃだめ。あなたを必要としている人は、ここにいくらでもいるのに。あなたの
すべきことは、サザンビークの民と共に泥まみれになって働くこと。私だって・・・・」
エイトは、これほど激しいミーティアを見たことがなかった。エイトはつぶやいた。
「クラビウス王も同じことを言った・・・・」
「???」
サザンビークの空を焦がす炎がひときわ大きくなり二人の姿を照らした。
「分かった」
エイトはミーティアの手を取った。今度は、ミーティアも拒まない。ミーティアは
立ち上がった。顔は涙で一杯だった。
「でも、その道はつらくて苦しい。もう1度聞きたい。姫、いやミーティアは、ずっと
僕と一緒に歩んでくれるかい?
「そんなの当たり前じゃない!!」
サザンビークの空を焦す炎に照らされて2つの影が1つになった。
・・・それから半年が過ぎた・・・・
続きます。少し時間をください。
やっと仮復興がなったサザンビーク城。外では、国民の歓声が聞こえる。城の奥深く
トロデ王とクラビウス王が何か話しているようである。
トロデ王が言った。
「しかし、よく承知をしたものだ」
「ミーティア姫のおかげとのことだ」
「ほう、どうして」
「お前の仕事はサザンビークの民と泥まみれになって働くことだといったらしい」
「わしのかわいいミーティアもたくましくなったものだ」
トロデ王は、目を細めた。
「ミーティアは、わしにも言いおった。若い者に譲らんと、トロデーンは断絶すると
脅しおった」
「そうか。立派になられたな・・・。さて、わしは、そろそろ行かねばならない」
「クラビウス王よ。本当に行ってしまわれるのか」
「トロデ王よ。約束を違えることは許されん」
「しかし・・・・」
「わしは、国王として、多くの過ちを重ねた」
しばらく沈黙が続いた。
「まず、チャゴスの育て方を誤った。次に、前の晩に事情を知った以上、あの結婚式
は一度中止すべきだった」
「しかし、それは無理なことであろう」
「いや、式が始まってから、花嫁を取り上げるなど、本来できるはずがないことだった。
しかし、わしは、あの時考えた。誰がどう見ても、チャゴスが勝るところはない。
だから、ミーティア姫とのことは認めるから、王位継承権はあきらめてもらおうとな」
「それは、エイトもよく分かっておったはずじゃ」
「しかし、チャゴスは違った。花嫁を奪われ、次には王位も奪われると恐れた。その挙句
反乱軍の口車の乗りおった。それが、この内乱だ。国民は塗炭の苦しみを舐めた」
また、しばらく沈黙が続いた。
「そして、最後に、わしは国王として絶対にしてはならぬ過ちを犯した。こともあろうに
反乱軍の頭目チャゴスの命乞いをしたのだ。ハハハハ」
クラビウス王は半ば笑い、半ば泣いているようであった。
「それは、親としてはもっともなことではないか」
「確かに、親としてはな。しかし、チャゴスは当然死刑だ。そうでなければ誰も納得する
はずがない。それを国王の地位も父祖の国も捨てるからと命乞いをした国王がいたの
だ。これがおかしくなくて、なにがおかしいことがあるのか。トロデ王よ」
もはや、トロデ王にも言うべき言葉がなかった。
「父や母、子供を失った国民にどの面を見せろというのだ」
クラビウス王は立ち上がった。
「さらばだ。二度と会うこともなかろう」
クラビウス王は部屋からでた。ドアが閉まると同時に、クラビウス王の声が聞こえた。
「行くぞ。馬鹿息子。今日からわしらは。王でも王子でもない」
「はい、父上・・・」
チャゴスの声だった。それ以降、クラビウス王親子の姿を見たものはいない。
「では、わしも新国王陛下のお顔を拝見しに行くとするか」
トロデ王も立ち上がった。
サザンビーク城前の広場はもちろん城中が、国民や他国からの使者、見物人でごった返していた。
今しがた即位した「トロデ−ン=サザンビーク統一王国」初代国王エイト1世とミーティア王妃の
姿を一目見ようというのだ。
・・・・その後、エイト1世を祖とするトロデーン=サザンビーク統一王国は永きに渡って栄え「千年王国」と呼ばれたという・・・
(完)
最後は駆け足になってしまいましたが、拙い文章をお読みいただきありがとうございました。
MS氏乙!GJでした。
長い話をよくここまでまとめ決着をつけたなあと感心しますた。
GJ!ヽ(´ー`)ノ>MS氏
毎回楽しませてもらいました。
>>638 お 疲 れ さ ま っ し た ーーー っ!
_
. ,〃彡ミヽ ,'^y'⌒⌒ヾヽ _ _. ,'´ .__ _ヽ |>-∧,、
〈(((/(~ヾ》 ))! .八~゙リ))( ,'´,. -、ヽ i /メ))ヘゝ <Z△,(7ヾ>
. ヾ巛^ー゚ノ" (.(ヾ(!^ヮ゚ノ! )). 川--'ー!|(ソゞ(.^ヮ^ノ . (゚C_,:゚メ6ノ, , ,
/~'i':=:゙iヽ ゙ /ヽ、)ノ)づ |!(|^ヮ^ノl K゙ヽY/ス /i!::::i¥il:::::ハ. iア_ー_´,マ
. ん、」"Yヾlノ . U曰ニ〈 と)|ト-チiつU〉-l=ト!J. じi!;;:;!≡il;;;じ' (.,___、.ン
. i†=|=|ノ .// ,!@. ソリ゙/iヾi! /エ_iイi_〉 (iWi(iW.!) 〈i!__ハ_>
. |ー |-| .ん、_!__!,ゝ んレ';_!_リゝ |-/|-| 〉ニ.〉ニl .゙L;,i__,,;_,ゞ
 ̄  ̄  ̄  ̄
うーん……これ、もっと長く、スレ1つくらい使って書かなければいけない、長編向きの話でしたね。
書きたいことはたくさんあるけど、次回作に期待!
MS氏さんおつでした
いやーえがったえがった
>>637 お疲れ様でした!!
タイトルが終盤でば〜んとでるのもカッコイイものですね。
最初に出てたらネタバレになってたw
トロデーン=サザンビーク統一王国
何事もなければミーティアと結婚したチャゴスが祖になっていたのかもな・・・
と思うとちょっとゾッとした。そしてリアリティを感じた。
怪しげなやつらはどうなったのだろう?
逃げたのかつかまって処刑されたのか?
皆さん、たくさんの感想をありがとうございます。ところで
>>645さん、
逃げた奴もいれば、捕まって処刑された奴もいるということでどうでしょう。
実は、当初の構想では、「怪しげな奴ら」=「反乱軍」の黒幕として、
マルチェロを持ってくる予定でした。ただ、そうすると、ククールとの絡みも
書かなくてはならず、このスレの主題から益々外れてしまうし、私自身には
そこまで書ききる力量はないと思い断念しました。
さらに申し上げますと、このSSは、どうしてもドラクエ8の結末に不満だった
ことから、私が脳内で繰り広げたドラクエ8のその後に関する「妄想」の一部
なのです。
どうも、血筋からしたって主人公には、世界の覇者になってほしい。そうなると、
世界はもう1度動乱に巻き込まれないとだめか、いっそラプソーンを復活させて、
でも単に復活させてもつまらないから、ラプソーンの魂が7つ(賢者の数と同じ)
に分裂したことにして世界中に散らばったと、それが、チャゴスとかマルチェロに
取り付いて悪さをする。後は、誰に取り付くことにしたらいいかな、ゲルダに
取り付かせてヤンガスが救えばここもハッピーエンド゙だとか。アスカンタ王に
取り付かせて、キラに活躍してもらい、大活躍のキラがアスカンタ王妃になるとか、
いずれにせよ主人公たちが1つ1つ倒すが、倒しきれず、ラプソーン再復活、
それを倒して、大陸全体の覇者になり千年王国を築く、などということを妄想して
いました。
ここでは、そのうちのチャゴスがらみのところを書かせてもらいました。
拙い文章にお付き合いいただきましてありがとうございました。
MS氏、SSたいへんおもろかったです。
こうゆうの好きなんで今度他の書いたらまた載せて下さいm(__)m
MS氏乙でした!
長くてたくさんの登場人物を操作しきったこと、感心いたします。
ところでサヴェッラでの話を書いたのですが、暗い重い長いの三重苦になってしまいました。
辛い話がいやな方、お許しください。
月明かりの夜だったように思う。
その光も入らぬ奥まった一室に一人、私はいる。
「お早くお休みになられませ」
という言葉に従って寝台に横たわったものの、眠りが訪れることはきっとないだろう。
トロデーンから付いてきてくれたメイドたちとも明日でお別れ。この先はサザンビークの人たちに囲まれて生活することになる。
ずっとお世話してくれた人々は皆、トロデーンに。少しでも多く、懐かしい人々の消息を伝えて欲しかったから。もしかしたらあの人の─エイトの─消息をいささかなりとも聞くことができるかもしれないから。
エイトからの手紙はきっと来ない。そして私から手紙を出すことも叶わない。身分という鉄の壁の前に手紙を交わすことは許されないと、私は分かっている。
それに何を書くというの?サザンビークでの生活を─自分の気持ちを書くことは思いもよらない─書いたところであの人の心を徒に掻きむしるだけなのに。
遂に本当の想いを口にすることなくここまで来てしまった。人目を恐れ打ち明けられず、この先も決して打ち明けられることのない私たちの想い。何年も想い合って、でも一言も口には出せなかった。
もしかしたら、あの旅によって何かが変わるかもしれないと淡い期待を抱いていた。この縁談は破談になってエイトと結ばれることができるかもしれないと。
長い旅の間、私の視線はただエイトの背中だけに注がれていた。初めて他人の目を憚ることなくエイトだけを見つめていた。他の誰でもない、あなただけを。
魔物を薙ぎ払い、技を放ち、仲間を癒し、傷つき倒れそうになっても前に進んでいくあなただけを見つめていた。
時々振り返り、
「最後までお守りいたします」
と囁いてくれるその声を聞いていた。ほんの一時、泉で元に戻るその時よりもずっと長く。
呪いは辛かったけれど、馬車を引くことであなたの力になれて嬉しかったのよ。
でも何も変わりはしなかった。
昼間私の手を取ってくれたあなたの手は冷たかった。いつもは温かいのに。あれが最後なのね。
「エイト…」
あなたの名を呼ばずにはいられない。あなたの手の温もりを思い我が手を胸に抱きしめながら。
呼んでは駄目と分かっているの。でも呼ばずにはいられない。
一度呼べばもっと呼びたくなってしまうと分かっていたはずなのに。自分の心がもっと強いものだと信じていたのに。私の心がこんなにも弱かったなんて。
ふと衝立の向こうから密やかな足音が聞こえた。何か話声がして、そして出ていった。エイトの靴音に、そしてエイトの声のように思えたけど、それはきっと気のせいね。
チャゴス様が嫌なのではないの。エイト以外の男の方では駄目なの。私が心を捧げる男の方はエイトただ一人。この先も決して変わらない、変えることはできないと分かっている。
でもお父様を裏切れない。たった一人で私を育ててくれた大切なお父様。私に期待をかけてくださった、今は亡きお祖母様。そしてこの結婚に心血を注いでくれた家臣たち。両国の民。そして旅の途中で見た見渡す限りの美しい風景。
それらを無用な戦渦の中に陥れることはできない。私が黙ってサザンビークに嫁ぎさえすればこの平和は続いていくのだから。
分かっているの。それが王族の務め。私は頭を上げて歩いていかなければ。
でもエイトの気持ちは?路傍の草のように踏み付けにされてしまうエイトの想いはどうなってしまうの?
その傷口に一筋の癒しも与えることもできずに行かなければならないなんて。
あなたの名を呼んで泣くことができたらどんなにいいか。でも泣くことは許されない。胸の中の熱く重い何かが私の心を抑えつけて、一粒の涙さえ流せない。
この熱い重みにいつまでも耐えていかなけばならないのね。命の尽きるその時まで。それは、後何年先なの…?
明日私たちは全く別の道を歩いていって…エイトはきっと他の誰かと結婚してしまうのね。
あなたのその広い胸に抱かれる方はどんな方?あなたはどのように『愛している』と言うのかしら?それを思うだけで胸が焼け付きそう。
でも私にはそれを言う資格はないの。あんなに過酷な旅を強いて、ただあなたの心を踏みにじることしかできない私。
なんてひどい、ずるい女なの。
どうかお願い、こんなひどい私を忘れて、幸せになって。
私はあなたを忘れることはないけれど、エイトは私を忘れて。
そしてその相手の人に伝えて。
あなたはこの世で最も幸せな人なのよ、と。
この想いに焼き尽くされてしまえば、死ぬまで続くエイトのいない日々を過ごしていくことができるのかしら。心を持たない石になってしまえば。
ふしぎな泉と夢の中でのミーティア発言がまとめてあるサイトとかあります?
あったよ。
サーチかなんかからいけた。
探してくれ。
>>654 最高です。ハートをわしづかみされますた。
この切ない二人の関係が、自分的には主姫の最大の萌えどころだと
思っております。ホント最高でした。
>>653 いくつかのキーワードでググってみたが見つからないよ…・゚・(つД`)・゚・
誰か知ってる人はアドレス教えてほしい。
実はもう一回聞きたいセリフがあるんだよね。泉だったか夢だったか
忘れたけど、ミーティアがトロデも自分と二人の時には、本当は主人公を
こんな旅に付き合わせているのが申し訳ない…みたいな発言があったかと。
でミーティアも「あなたにはあなたの人生があるから、つらかったらもう
私達の事はいいから自由に生きて…」とかなんとか発言したと思うんだけど。
…そんな風に言われたら、男だったら絶対に逃げ出せない罠w
>>657 もう一度ジャミラスもどきを倒さなければいけないのか…。
おk。もう一回手前からやり直してみる。
>>655 読んでいただきありがとうございます。
主姫の萌えポイント全くもって同感です。
でも今回ミータンのテーマ(この想いをハープにのせて)聞きながら書いてたら感情移入し過ぎて大変だったw
真EDでクラビウスに指輪を渡すバージョンと渡さないバージョンを両方見てみたけど、
前者では馬車で去るラストでトーポがトロデ王の横にいて、後者ではいないのを発見してワロタ。
>>659がどっちの立場に感情移入していたのか気になると言ってみるテスト
今回はミータン側です。基本的に文中の語り手側で見ているので。
できる限り冷静に構成しようと努力しましたが、乱れている部分をお許しください。
>>662 今回はって事はエイト側から見たストーリーも有るのですね。
期待して待ってます(w
>>664 残念ながらミーティアの発言は記載されていないみたいですね。
でもわざわざありがとう。
666 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/30 01:59:56 ID:az0qWPOT
>>656 神鳥ゲットした後の泉での会話。
なんだか 人の姿に 戻ったのは ずいぶん ひさしぶりな気がします。
ありがとう エイト。
わたしと お父様の呪いを解くため 大変な旅を 続けてくれて……。
大丈夫ですか? 疲れ果てていませんか?
もし そうなら もう 旅をやめても いいのよ。
お父様が ひとり言のように このミーティアに 話しかけました。
エイトには エイトの 人生がある。いつまでも わしらに
つきあわせられないのお……って。
ねえ エイト あなたは あなたの道をいっても いいのよ。
名前の部分はあえて「エイト」にしてみました。
ここは泣き所だよな〜。
ああ、だからこう答えるのさ。
「俺の人生はあなたを護るためにある。10年前から、ずっと。
好きでやっているんです。嫌だと言われても、お供しますよ」
その会話、好きだな。
ミーたんの芯の強さが感じられて。
そして
>>668さん(・∀・)イイ!
670 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/01/30 12:51:45 ID:lktRFLQX
エイトは無言で背中を向けて、ちょっとだけ泣いた。
漏れの妄想ではそんな感じ。
671 :
656:05/01/30 13:53:33 ID:k+qGu1uc
>>666 空前絶後センキュー
そのセリフ見るには、ちょうどいいセーブデータがなかったんだ…。
ほんと助かりました。次の同人のネタとしていろいろ集めていたんですが、
このセリフがゲーム中一番感動したんだよね。
>672
GJ!
誰か、まとめのサイトを作ってくれないかな。
自分では作れないもので申し訳ない。主ゼシの方では
あるみたいだし・・・・。
朝の気配が窓のないこの部屋の中へも忍び込む。
冷たく澄んだ空気に動き始めた人々の気配が混じる。
結局まんじりともせずこの朝を迎えてしまった。思い疲れたまま身を起こす。
「おはようございます、姫様。どうぞ手水をお使いくださいませ」
「ありがとう」
遠いことのようにメイドの言葉に答える。泣いては駄目エイトを想っては駄目泣いては…
「…姫様いかがなされました?」
メイドの言葉にはっと我に返った。
「いいえ、何でもないわ…いい朝ですね」
努めてにこやかに話しかける。そう、せめて周りの人々には優しく穏やかに接していかないと。
「早速ではございますが、お支度に取り掛からせていただきます。朝餉はその後でよろしゅうございますか」
「そう…よろしくお願いします。それから朝食は要りません」
「かしこまりました」
隣室から他のメイドたちも呼ばれ、支度が始まった。
髪が梳かれ、白粉が叩かれ、紅が注される。夜着は脱がされ、コルセットが私の身体を締め上げる。いつもは辛いことなのに今朝はもう何も感じない。
眼前に純白の衣裳が用意された。
「許婚者」が何を意味することか知らない頃、これを着ることが夢だった。これを着てエイトの隣に立つのと心に決めていたのに。
知らなければよかった。あのまま時が止まってしまえばよかった。もう戻れない、私たちの大切な日々…
いつの間にかそのドレスを身に纏わされていた。何の感慨も湧かないけれど、花嫁衣裳を着るってこんな気持ちなのね。あの頃は早く大人になって着てみたかったけれど…
ティアラが被せられ、ヴェールが被せられた。時のたつのがなんて早いの。もはや式の刻限が来てしまった。
「支度はできたかの…参ろうか」
お父様が迎えに来てくださった。
「おめでとうございます、姫様」
という声を背に館を出て、お父様に手を取られ昇降機に乗る。
透明な通路の外に抜けるような青空が眼下に広がっていた。まばゆい朝の光が私たちを包む。
「…わしはな、確かにトロデーンの王として姫の結婚を決めた」
下界に向かって降りていく中、お父様が呟いた。
「じゃがな、親として子供の不幸は望んでおらん」
そう言うとお父様は私に向き直った。
「姫や、今ならまだ間に合うぞ。エイトが」
「お父様っ!」
突然出たあなたの名に戦きながら私は言葉を遮った。
「…もう決まってしまったことですわ。両国の争いの火種にはなりたくありません。それに…エイトは関係ありません」
心の震えを悟られぬよう、ゆっくり強く答える。
「気付いておらんとでも思うておったか」
長い下界への通路が早く終わればいいのに。これ以上私の心を揺るがせないで。
「何度でも言うぞ。わしは姫の不幸を見過ごしにはできん。」
「でも両国の民は?」
私の小さな呟きにお父様は押し黙った。
「お父様はおっしゃいましたわ。王者は我が身を無にして民の幸せに尽くせと。そして王者たるには先ず自らの王であれと。
私はもう決めております。両国の安寧のためにあろうと」
自分で自分の心の処刑を行わなければならないなんて。でも私のようなずるい女には相応しいことなのかもしれない。
「…馬鹿なことを教えてしもうたわい。王者は孤高の道を行き、人としての幸せは求めるべきではない。かわいい姫にその道を行かせねばならんとは」
「お父様…」
「許しておくれ、姫や」
「いいの、お父様。これで全てが収まるべきところに収まるんですもの」
そう、私の心は昨日の夜のうちに燃え尽きてしまった。きっと過ごして行ける、これからを。でもエイトは…
許して、エイト。辛い思いしかさせなかった私を許して。
「参ろうかの」
いつの間にか昇降機は下に着いていた。扉の向こうで衛兵が私たちを待っている。
外はいい天気だったように思う。全く気付かなかったけれど。私はただ目の前の地面ばかりを見ていたから…
ゆっくりと大聖堂の正面に廻る。もしかしたらエイトの姿があるかもしれないと無駄な−それも抱いてはいけない−期待をしたけれど、その姿はちらとも見えなかった。
人波の向こうからゼシカさんやヤンガスさん、ククールさんが何事か叫んでいた。けれど、喧騒に阻まれはっきりと聞き取ることはできなかった。
エイトの姿を見ることができなくて悲しいようなほっとしたような気持ちで、震える自分を抑え、人々に向かって会釈し、大聖堂の扉へ向き直った。
扉がゆっくりと開く。私もお父様も内陣の人々に向かって頭を下げつつ数歩前へ進み出た。
内陣の暗さに目が慣れても、私には頭を上げる勇気はなかった。ここに来てなぜ震えるの。震えまいと決めたのではなかったの?
その時、私の手を取るお父様の息を呑んだ気配を感じた。でももう何があっても動揺しない。ただ前だけを見て行くと決めたのだから。
さあ、頭を上げて自分の進むべき道を行くのよ。それが例え死ぬまで続くエイトのいない日々であっても!
心の声に従って私はゆっくりと頭を上げ、伏せていた眼を開く−
「月光」の続きです。
アルゴンリング渡したとして読んでいただけるとありがたいです。
今回もエイト登場できず…
>>663 エイトの立場は可哀相過ぎて書けません…ごめんなさい。
少し時間がかかっていいなら作るけど?
>679
おながいします。
>>◆JSHQKXZ7pEさま
今回の薔光も胸にズンと響きますね。これは続きがまだあるのですよね?
>死ぬまで続くエイトのいない日々
このフレーズは身に堪えます。ミーティアからしてみれば
気が狂いそうでしょう(泣
月光〜薔光、裏(エイト)バージョンが有ると思っていたので
ちょっと残念です。可愛そうなエイトが見たかった(w
いつも素敵なSSありがとうです!
>682
いえ、ほら、あの直後ミータンが眼を開くとエイトがいてエンディングになるんですよ。
エイトバージョンはどうも可哀相で、というもあります。
が、実際書いていて夜にミータンの寝室で制止された揚げ句、大暴走し始めて話があさってになってしまったために止めたんです。
684 :
674:05/01/30 23:26:09 ID:xUXgFVEX
>>678 泣けます。真EDで大聖堂に入場するの時のミーティア姫の様子が目に浮かびます。
>>679 どうかよろしくお願いします。
>>682 ミーテイアが目を開くとエンディングというのは分かってんですが
◆JSHQKXZ7pEさまの描かれる文章で読みたいのです(w
>>夜にミータンの寝室で制止された揚げ句、大暴走し始めて話があさってになってしまったために止めたんです。
↑↑↑これすんごい読みたい・・・m(_ _)m
686 :
679:05/01/31 00:05:48 ID:RzJwidG7
|∀`)ノ では早ければ来週末くらいにはUP出来るようにしておきます
679さん、楽しみに待っています
確かに◆JSHQKXZ7pE氏の文章は綺麗な印象だから、真EDと同じシーンであっも、また違った感慨深さがありそうだ。
我侭である事は百も承知であるけれど、ここはひとつ、どうか続きをおながいします>>◆JSHQKXZ7pE氏
>>679氏のまとめサイトも楽しみにしてます。この際時間は気にせずがんがって下さい。
私も、柄にもなく真EDのシーンを書いてみようと思ったのですが、
>>夜にミータンの寝室で制止された
となると、もはやこれまで、ということで、ミータンをさらって逃げる以外の
展開がありえないように思えてくるんです。しかし、それでは、真EDとは
全然違う展開になってしまうんです。◆JSHQKXZ7pEさんの仰るエイトの暴走
とは違うかもしれませんが、エイトの立場から、このシーンを描くのはとても
大変なことと思いました。
>>679さんよろしくお願いします。
なんか主ゼシスレの二の舞になりそうな悪寒
そんな綺麗にまとめようとしなくていいんだよ
主姫バカポー話をもっとくれ
読んでいただけて感謝しております。
せっかく真EDのリク頂いたのですが…ごめんなさい、無理っす。役者不足で書けないっす。
エイト目線の方も、ゲームをした人それぞれなのでは?と思い、
遠慮いたしました。暴走しそうになったというのもあったけど。
>>689氏の言う通りルーラ駆け落ちしようとしたり、さらには主人公らしからぬ台詞と行為
に及ぼうとした時点でリセットいたしました。
なるべく甘々でせつない主姫であるよう、今後も努力したいと思います。
>自分で自分の心の処刑を行わなければならないなんて。
この表現はいきすぎではないだろうか。仮にも一国の姫君。
>692
そうかな?好きな人がいるのに他の人と結婚しなければならなかったら、自分の心を抑えていかなければならんだろ。
自分の気持ちを知られてしまわないように、自分の心が死んでしまえばいいのにと思ったんじゃないか。
このスレでの約束ごととして、EDはそのままにしておかなくてはということがあるのですか?
ED自体を変更してもよいのでしょうか?
>>694 EDの変更は有りだと思う。約束事とかも特にないし。
ただスレタイにあるように二人を「応援」してくれ。
もうすぐバレンタインデーだなぁ。
タイミングがあえばだけど、次スレでもまた>1のように
「恋人たちの夜にせめて立ててみる」って書いてほしいなぁ。
この言い回しは秀逸だよ。
>>594 異国とかある国って具体的にどこ?
トロデーンではないだろうし、サザンビーク?それともアスカンタ?
DQ8の世界にはこの3つの国しかないわけだからどっちの風習か教えてよ
つーか捏造設定作ってんじゃねえよ
ただの二次創作に何故そこまでリアリティを追求するのかね
>>698 しーっ、いつもいちゃもんつけるだけの香具師だよ。
目を合わせちゃだめw
>>697 いたストに出演したゼシカが他の出演者から聞いたんだろうと言ってみる
>>701様
◆JSHQKXZ7pEです。まとめサイトお疲れさまです。
>>422-423、及び176名義で書いていたの、それとご指摘のssは漏れです。
ご迷惑おかけして大変申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
>>702 了解です。
トリップの付いていない
>24=63 >53 >56 >161
>199 >300 >312 >326
の作品のなかで後からトリップを付けられた方がいましたら報告ください。
そうなると◆JSHQKXZ7pE氏が病気で倒れたりすると、このスレはどうなってしまうんだろう。
>>704 縁起悪いこと言わんでくれ。大ファンなんだから。
>>703 乙です。楽しみにしています。
それにしても、今更だけど
あれもこれも◆JSHQKXZ7pEさんだったのかという驚きが。
バカポー話から切なぁいのまでスゴイ。
今日一日で一通りまとめ終わったので
>>703を金曜くらいまで待って特に変更がなさそうならUPします。
>>708 ご苦労様です。よろしくお願いいたします。
709は708より立場的に上の人なのか?
目上の人には「お疲れ様」
「ご苦労様」と言ってはいけない
同列の人には?
重ね重ね。
わ〜ん、ごめんなさあ〜い。
>>707・714
いえいえどういたしまして(w
少しミータンを彷彿させるところが有りますね可愛いです・・テンネ・・・orz(w
>>708様
大変な作業、お疲れ様です。よろしくお願いいたします。
それにしてもずいぶん色々書いたもんだ。こんなにカプ萌えしたのは主姫が初めてで、勢いの止まらないのも初めてだw
読んでいただいて下さる方々、いつも感想ありがとうございます
>>708 タイミングが悪くて申し訳ない(´人`) ちょっと長いけど一気に投下します。
422-423の「ミーティアの涙の訳」 そんな感じで読んでくだされば幸いです。
ノックの音がした。
返事はしなかったが、彼は「失礼します」と声をかけて入ってきた。昼間つけていたバンダナは
もう外してある。上から見下ろすと、髪にクセがついていて、こんな時なのに『かわいい…』
なんて思ってしまった。
彼――エイトは、うやうやしく私の前に膝をつき、「姫様、今日は本当にお疲れ様でした」と声を
かけてくれたが、そういう彼の方がよっぽど疲れているように見えた。
あの恐ろしい夜が明けぬうちに、とるものもとりあえず私達は城を脱出し、また夜が訪れよう
としている。エイトはその間一人で戦い魔物たちから私と父を守り続けてくれたのだ。
エイトは背負っていた剣を外し足元に置いた。
武器を取り扱うたったそれだけの所作が、街人の格好をしている今においてもまるっきり
訓練を積んだ者のそれで、まだ年若い彼が兵士であることを何よりも体現していた。
「お体をお清めいたします」
エイトはそういって、私の足と蹄を一本ずつ洗ってくれた。それからどこかで調達してきたのか、
新品の馬用のブラシを取り出し、私の体に丁寧に掛けてくれた。そして布を固く絞って、私の
体の隅々まで拭きあげていく。それらのことを、深刻な顔をして、一言も喋らず淡々とこなして
いくエイトの顔をみながら、死にたいような気持ちになった。疲れているだろうに、早く横になり
たいだろうに、こんな余計な仕事までさせてしまって、ごめんなさい…。
エイトは全て終わると一礼して、「それではお休みなさいませ」と言って、出て行ってしまい、
私は仕方がないけれど真っ暗な馬小屋に一人で残されてしまった。
エイトは私の幼なじみだ。彼は、私が8歳の頃に城にやってきた。私の背丈とあまり変わらな
かったので、彼も8歳ということになった。本当のところは分からない。
幼い頃、私達は大の仲良しだった。エイトには仕事があったので、私は彼の仕事が終わる
時間を、いつも心待ちにしていた。
けれど、幸せな日々はいつもまでも続かない。
まだあどけない顔で初めて歩哨に立ったエイトが、私のいる窓に得意気に手を振ってくれた日
から5年が経った。いつの頃からか彼は、私が手を振っても、微笑んで会釈を返すだけになった。
会話を交わすことも稀になり、顔を合わす機会も減った。
そして、生まれた時から決まっていた私の結婚が正式に婚約という形になった時、エイトは表情
も変えずに祝意を述べた。残りの日々を少しでも彼の近くで過ごしたいという私の気持ちを、
父が酌んでくれて、彼が近衛兵として仕えることになった日に―――。
次の日も私達はトラペッタを目指して歩き続けた。そしてまた日が傾き、エイトは昨日と同じ
ように近くの民家に泊めてもらえるよう頼んでくれた。
馬小屋に入り馬装を解き、私にほし草と水をたっぷり与えてくれると、エイトはまた昨日と同じ
ように一旦父の元へと向かった。
そしてしばらくして、「失礼します」といって、またエイトは馬小屋に入ってきた。
昨日と同じように、難しい顔をして、淡々と作業を行う。それはまるで「これも任務ですから」と
でもいいたげな顔にも見え、私は悲しくなった。
『他の子の時はあんなに楽しそうにやっていたじゃない…』
エイトは本当に楽しそうに馬の世話をする。話しかけたり、顔を撫でてあげたり、体をさすって
あげたり、見ている私が思わず嫉妬してしまったほどだった。
なのに今はどうだろう?まるで窓でも拭くように、それは「作業」なのだ。
私はエイトと仲良しだった昔のことを思い、泣きたい気持ちになった。
3日目の夜、エイトは同じように私の元へとやってきた。いつもと同じように、むっつりと黙り
こくって、深刻そうな顔で私の体を拭いている。
私はなんだか意地悪したくなって、体をちょっと動かした。
「うわ!」
すると中腰だったエイトは私の横腹に顔をぶつけて、思わずよろめいてそのまま尻もちをついた。
今の私ときたらエイトを跳ね飛ばしてしまうほどの巨体であることをすっかり忘れてしまっていた。
「ごめんなさい」といったつもりだったが、「ヒヒン」と声がでただけだった。
するとエイトは飛び上がってそこに控えた。さっきまでのすました顔がまるで嘘のように、取り
乱した様子で。
「す、すみま…あ、いや…申し訳ございません」 うつむいたまま私に謝る。
「どうしてあなたが謝るの?悪いのは私なのに」 と言いたかったけれど言えなかった。
というよりも、私はなんだか腹が立ってきてしまってヒンヒン鳴いてエイトにあたってしまったのだ。
エイトはうつむいたまま黙って聞いている。しかしよく見るとその顔は真っ赤になっていて、
私は驚いて鳴くのをやめた。
エイトはしばらくうつむいたままでいたが、落ち着いたのかようやく口を開いた。
「本当に申し訳ございませんでした。明後日にはトラペッタへ到着いたします。どうかもう暫く…
ご辛抱くださいませ」
少し早口でそういった後、エイトはさっさと出て行ってしまった。
残された私は考えた
そういえば今の私は、掛け布をとってもらったら、いわば全裸のようなものなのだ。
恐ろしいことだが、私はいつのまにか馬でいることに多少慣れてしまっていた。
それでそんなことは全然気にしていなかったけれど、エイトはそうではなかったのかも知れない。
生真面目な彼は、確かにこれも任務だと思い私の世話をしたのだろう。
この馬はミーティアであるという考えを捨てきれないままに。
『それであんなに赤くなっていたの…?』
今にしてはっきりと分かる。確かにエイトは、自分の手指が触れぬよう、細心の注意を払い
ながら私の体を拭いていたのだ。
私は突然、取り返しのつかないことをして、とてつもなくエイトを傷つけてしまったのだという
思いに至った。私がエイトに意地悪をしなければ、彼は何事もなくこの「任務」を終えることが
出来ただろう。彼にしてみたら恐らくは魔物と戦うよりも厄介な仕事を背負い込んでしまった
のに、それでも一人残された近衛兵として最後まで完璧に振舞おうとしていたエイトが、私の
前でまるで叱られた子供のようにうつむいて赤くなるなんて、それは彼にどれほどの屈辱を
与えたことだろう。
私は一つの決心をした。もし明日、エイトが来てくれても、もう私の世話はやってもらうまいと。
最初からそうすればよかったのだ。別にどうってことない。エイトの辛そうな顔はもう見たくない。
壁の方を向いて立っていよう。もしも後ろから近づいてきたら、この足で蹴飛ばそう。
エイトは私が馬房で壁を向いて立っているのを見て、暫くその場に立ち尽くした後、いつも通り
剣を地面においた。私はエイトの方に顔も向けずに、そのままでいた。
エイトは腰を落としたまま私を待っていたが、馬に後ろから近づくような愚かなことはしなかった。
「…姫様、まだ怒っています…?」
不意にそう問われ、私は面食らった。別に怒っているからこうしている訳ではないのだ。
「…当然ですよね。俺の態度、ヒドかったから…」 少しくだけた言い方で彼はそう言った。
エイトが自分のことを「俺」というのを、私は初めて耳にした。
「…どうしても、意識せずにはいられなくて、どんな顔をしていたらいいのか…。でもあんな
仏頂面でやっていたら、姫様お辛かったですよね」
私の寂しさはエイトに伝わっていたのだ。
私がこんな風にお尻を向けているのも、エイトのためなんかではなく、ただ拗ねているだけだと
いうことも、彼にはお見通しなのだ。
「…本当は俺、姫様のお世話をさせて頂いて、嬉しかったんです」
私は自分の気持ちが見抜かれていたことに対しての恥ずかしさと、私の気持ちを知っていて
あんな顔をしていたというエイトの告白に対してのいささかの怒りを、感じずにはいられなかった。
でも、それにも増して私の心を支配していたのは、懐かしさと嬉しさだった。
今、私の後ろにいるのは、紛れもなくエイトだった。
大好きだったエイト。いつのまにか私の前からいなくなってしまっていた幼なじみのエイト。
振り返ったらまた彼がいなくなってしまう気がして、私は身動きすらできなかった。
エイトは言った。
「…今夜が最後だと思ったら、どうしても謝っておきたくて…」
それからエイトはまた黙り、少しだけ時間が流れた。
私は勇気をだして、顔を少しだけ向けてエイトを見た。
エイトは私の顔を見て安心したのか、ほんの僅かに笑みを浮かべた。
そしてさっき置いた剣をまた手に取って言った。
「もう戻ります」
『やっぱり見るんじゃなかった…』
私は堪らない気持ちになった。それでつい、エイトの方に突進してしまっていた。
エイトは私が駆け寄るのを見て、ぎょっとして剣を遠くへ放った。恐らくは、ぶつかる弾みで私を
傷つけてしまってはいけないという配慮から。
私はちょっとだけ転びそうになったけれど、上手にエイトの直前で止まった。
そして私は、長い顔を何度も何度もエイトの頬にすりつけた。加減が分からなかったので、
もしかしたらエイトは少し痛かったかもしれない。
エイトは躊躇いがちにではあるが、手を伸ばし、私の首を優しく撫でてくれた。
トラペッタで、ヤンガス氏を加え一人増えた私達一行を待っていたのは、呪いを解く手掛かり
を持っているはずだったマスター・ライラスが殺害されたという知らせと、魔物の姿をしている
父に対しての投石だった。私達の旅は本当の意味でトラペッタから始まったのだ。
そして旅の途中でさらに同行して下さる仲間が増え、魔物と戦うエイトの負担は減っていった。
けれども、エイトは決して私の世話を自分以外の人間にさせようとはしなかった。
私と父は街に入れないことが多かったので、馬小屋に泊まれないことがほとんどだったけれど、
そんな時は草原で、海岸で、森で、エイトは私を連れ出して、二人だけの時間を作ってくれた。
結局幼なじみのエイトが現われてくれたのはあの晩だけで、今は無口な近衛兵に戻って
しまってはいたけれど、私はそれでも幸せだった。だって、エイトは本当に楽しそうだったから。
エイトは私が甘えた声で名前を呼ぶと「はぁい?」とか「なんですか?」とか答えてくれて、
私の顔を撫でてくれた。相変わらず私の体には極力触れないようにしていたけれど、
顔だけは大丈夫らしかった。私が何度も呼ぶので、エイトの仕事はなかなか捗らない。
どうせ伝わらないから、こんなことも聞ける。
「私に触れないのは、私のため?父のため?それとも…チャゴス様のため?」
エイトはそれには答えずに、ちょっと困ったように微笑んで、私の目と目の間を撫でた。
私は「美しい馬」という誉め言葉を聞くことに無上の喜びを感じた。それは人間だった時に
聞いたどんな誉め言葉よりも、私の心を躍らせた。
「エイトがしてくれているの」 大声でそう言ってみたりもした。
私はいつしか、呪いの解ける日のことを考えると、心が悲しみの淵に沈むようになっていた。
その日私は、エイトがくれる優しく流れるこの時間を、永遠に失ってしまうのだ。
そして夫となった人の腕に抱かれる時、私はどんな風に泣くのだろう。
私に触れることさえ怖がっていた、エイトを思い出して―――。
(終)
724 :
718:05/02/02 02:44:06 ID:p7wihxJj
とりあえずツッコミどころを自己申告しておきます。
・トラペッタはそんなに遠いか?
→吟遊詩人があいまいなことを言ってるので、そんなに近くでもなさそう。
トロデーン領というわけでもなさげ。という解釈です。
・エイトはミーティアにひざまずいたりするか?
→捏造(;´Д`) 単なる好みです。失礼しますた。
>>718-723いやいやよかったよ、つっこみどころはそんなにないと思う
まあ、あえて言うならヤンガス氏ではなく、ヤンガスさんなんじゃないかとおもた
726 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/02 03:37:52 ID:92qHeol6
>>718-723 乙でした!
一人称、[私]ってのがいいですね〜。
馬時代設定が何だか新鮮。
ミーティアの一人称、人前では名前だけど
心の中では[私]って呼んでそうだったのでSSイメージぴったりでした!
◆JSHQKXZ7pEさんて一体何者なんだろうか?と思う今日この頃です。
あ、これは、単なる独り言ですので、お気になさないで無視してください。
>718
も、萌えた…'`ァ,、ァ(*´д`) '`ァ,、ァ
姫かわいいよ姫
エイトかわええよエイト
730 :
718:05/02/02 21:10:26 ID:p7wihxJj
コメント下さった方ありがとうございました。
>>726 「ヤンガス氏」はなるだけ硬めに書こうとしていてああなってしまいましたが、
やっぱり変ですね。指摘いただいてそのあたりを読み返すと
「ヤンガスうじ〜!!○○でござるよ、ニンニン」なセリフが浮かんできて(誰のだorz)
笑えてしまいました。
>>726 そう言って頂けると、馬姫視点で書いてよかったです。
最初はエイト視点で考えてたんですけど、悶々とした妄想が炸裂…
って感じの別の意味で可哀相なキャラになってしまってやめましたw
>>718氏
GJです!とてもいい話ですね。
ただ一言申し上げますと、朝の話でのミーティアの涙は文中で書いた「手に入れた幸せを失うことが怖い」のつもりだったんです。
エイトはこんなに近くにいるのに身体を離した時の寒さに一人ぼっちになる怖さを感じて、というつもりだったんですが、分かりにくい書き方をしてしまって申し訳ありません。
でも718氏のもいいかな。
ところでミータン12歳の時の話、投下いたします。
まとめ作って下さっている方、ごめんなさい。
それとゲーム内で出てない場所(水場=泉)をださざるを得ませんでした。ごめんなさい。
それは、穏やかなある春の日のこと。
私は新たに呼ばれた、お年を召された先生の元、昼下がりの図書室で授業を受けていた。
図書室の外から、物音が微かに聞こえてくる。どこかでエイトが剣術の稽古を受けているのか、かん高い刃鳴りの音と共に喊声が聞こえた。
後で薬を持っていってあげよう。いつも打ち身や擦り傷をたくさん作って大変そうなんですもの。
でも絶対弱音を吐かないエイト。『あの教官オニだよ』とは言うけれど、辞めたいとは決して言わないエイト。
『お城の皆様のために役に立ちたいんだ』
あなたの気持ちを知っているから私は応援したい。そして少しでも力になってあげたい。私たち友達ですもの。
「うぉっほん」
大きな咳払いにはっとすると、老先生はじろりと私を一瞥した。
「只今は授業中でございますぞ。何事も集中してなさいますよう」
「はい。失礼いたしました。えっと、どこからでしょう」
と答えたその時、外から
「うわっ!」
という叫び声が響いてきた。あの声は…
「エイト!」
私は思わず立ち上がったけれど、止められた。
「姫様、授業中でございます。お座りください」
「でも今の声はエイトだわ。何かあったのでは」
「姫様」
それでもエイトのところへ行こうとした私に、先生は厳しい調子で仰った。
「姫様が下々の者に目をかけ、親切になさることは大変喜ばしいことにございます。
ですが限度というものがございますぞ。エイトと申す者、唯の城の下働きで正規の兵士ですらありません。一国の姫君と軽々しく口をきける身分ではないことをお忘れなく」
「でもエイトはミーティアの」
「姫様、御自分のことは『わたくし』と仰いますよう」
先生の指摘に気勢をそがれつつも一生懸命冷静に反論しようとした。
「あのような声がしては私は心配です。大好きな人を気遣ってはいけませんの?」
何心なく言ったつもりだったのに、返ってきた言葉は予想外のものだった。
「何たることか。ご夫君がおありも同然の姫様なのに城の下働きに恋されるとは」
「ちっ、違いますわ!」
言い訳しようとして裏返ってしまった声に戸惑った。
恋ってどういうこと?ただエイトが好きなだけなのに…私が、恋…?
「お兄様のように大切に思っていて、ずっと一緒にいたいと思っているだけです。それに夫ってどなたです?ミ…私はまだ結婚なんてしておりませんわ」
先生は大きくため息を吐くと「お座りください」と席を指差した。有無を言わせぬ様子に、外が心配だったけれど私は渋々席に着いた。
「かようなお気持ちを世間一般では恋と申すのでございます。姫様は御結婚なされているも同然の身。結婚している者が他の者を恋い慕うなどということは恥ずべきことでございます。
今後はこのようなことのないよう、エイトと二人きりで御会いしてはなりませんぞ」
「そんな」
「御存じなかったのでございますか?『許嫁者』とは結婚の約束を交わし合った方のこと。その御方こそサザンビークのチャゴス様でございます」
初めて知る事実に目を見張るばかりの私を後目に先生は続ける。
「私がここでこうして姫様にお教えいたすことはサザンビークの地誌と歴史でございます。嫁がれる国の事情を知ることは大切なことだと、忝なくもトロデ王様直々に御指名くださったのでございます。
姫様もどうか、王様の御期待に添える様授業に集中なさいませ」
「い…嫌…そんな…」
なんということを知ってしまったの。私『許嫁者』ってそんな意味だなんて知らなかった。ずいぶん前にトロデーン西教会で結婚式を挙げている人たちを見かけてからずっと、私もああいうドレスを着てエイトと結婚するの、って思っていたのに。
「今は授業を」
「嫌です、そんな…」
「姫様、どうかお静まりを」
「嫌なの、そんなの嫌」
「誰か、姫様が!」
もう何も聞きたくない。ただもう嫌々という言葉ばかりが口をついて出た。目の前の物全てが疎ましくて涙を零すばかりだった。
結局その後は授業にならなくて、私は部屋に戻された。
典医に気静めのハーブティーをたくさん飲まされ、ようやく解放されたのは午後も遅くだった。打ち身の薬を持って早くエイトの元へ行かなければ。
先程の物音が心配だったから…どこか怪我していないかしら?
そういえば許嫁者の意味を知った衝撃ですっかり忘れていたけれど、先生は私がエイトに会ってはならないと仰った?恋したりしないように。
違うもの、エイトはただ大切で大好きなんだもの、恋じゃないもの…
けれどもそうやって否定しようとすればする程自分の言う「好き」という気持ちがあやふやなことに気付いてしまう。
『世間一般では恋というもの』
そんなのではないの、ただ好きなの。
『そんなことは恥ずべきこと』
疚しいことなんて何もしてない。ずっと一緒にいたいだけなの。それは、いけないこと?
湧き上がる先生の言葉を一生懸命否定しつつ、この時間ならいつもいる厨房へ行った。
「まあ姫様、お加減はもうよろしいのでございますか。先程泣いていらっしゃったので心配申し上げていたんですよ」
料理番のおばさんにそんなことを言われてしまい、私は先程のことがとても恥ずかしくなった。そういえば図書室から部屋までずっと泣いていたような気がする。今更ながらいくらなんでも子供っぽい行為だった。
「エイトなら水場ですよ。昼に剣の稽古で打ち身を作ってまだ痛むんだとか」
やっぱりそうだったんだわ。早く薬を持っていってあげよう。
私は急いで水場へ向かった。水場は城の外れにあって昼間は洗濯や水汲みの人たちで込み合っているけれど、この時間は誰もいなかった。
茜の空の下、泉の横にうずくまる人影が一つあった。あれはきっと…
でもエイト、と呼んで駆け寄ろうとしたのに、動けなかった。声すら出せなかった。
どうして動けないの?ただ薬を渡すだけなのに。
薬を握りしめ立ち尽くすばかりの私に、ふとエイトが振り返った。
稽古で痛めたのか左肩を押さえ、辛そうに顔を歪めていたけれどちょっと嬉しそうに
「どうしたの?」
と話し掛けてくれた。でもどうして私の心臓はこんなに早く強く打っているの?
「エイト…昼間怪我したんじゃないかと思って。薬を持ってきたの」
「大丈夫だよ」
つい先程までと違ってぶっきらぼうにそう言うと、エイトは顔をまた顰めた。
「どこが大丈夫なの!痛そうにしているじゃない」
こんなところで意地を張らないで。そんな辛そうな顔は見たくないの。
私は薬を塗ってあげようと無理矢理エイトのチュニックを脱がそうとした。
「いいって、いいってば!」
「よくないわ!怪我なら治さないと」
力だけなら絶対エイトの方が強い。でも今はエイトは痛めた肩を庇っていて、しばらくもみ合ううちにチュニックの胸紐が解けて大きな青痣のできた左肩が露になった。
「こんなにひどいのにどうして…」
肩で息をしながら片膝をついているエイトに薬を塗ろうとして、はたと手が動かなくなった。以前のようにエイトの肩に触れられない…
しばらく見ないうちにエイトの肩はがっちりして、彫刻刀できりりと彫り出されたような鎖骨から繋がる胸元にうっすらつき始めた筋肉が、何だか私の知っているエイトではないような気がしたから…
「ごめんなさい…ただ無理してほしくなかっただけなの…」
肩から手を離し、漸くそれだけを言って薬を差し出した。
「うん…意地張ってごめん。薬、どうもありがとう」
エイトは薬を受け取ってくれたけれど、目を合わせてくれなかったのは気のせい?
「あの…エイト?」
気のせいじゃない、今も目を合わせてはくれない。
「本当にごめんなさい。嫌な思いをさせてしまって」
「いいよ」
エイトは手早く薬を塗り込むと襟を直し、立ち上がった。
「じゃ、これで。薬どうもありがとう」
そのまま立ち去ろうとしたので私は思わず叫んでしまった。
「行かないで!」
私に背を向けたままエイトは立ち止まった。
「どうして目を合わせてくれないの?お願い、ミーティアを見て」
エイトはのろのろと振り返り、顔を上げた。エイト見ていた私の視線とエイトの視線がぶつかった瞬間、何かが私の心に落ちた。
エイトが好き。今まで思っていた好きじゃないの。見つめるだけで身の震えるような、でも見つめずにはいられない、そんな気持ち。恋がどんな物なのか知らないけれど、もしかしてこんな気持ちなの?
「ごめんなさい、エイト。昼間からずっと心配していたの」
強くて身の内から揺さぶられるような想い。知られたくない、でも知ってほしい。
「ありがとう。…ごめん、心配かけて」
エイトの眼の中にいつもと違う、私の知らない表情が覘いていた。知らなくて不安なはずなのに、いつまでもこうして見つめていたい。エイトの手が私に向かって伸ばされ…
でも次の瞬間それは消え去った。
「御迷惑お掛けしたことをお詫び申し上げます、ミーティア…様」
初めて見る激しい表情がエイトの眼の中に閃いたけれど、それは覆い隠され、よそよそしい程の礼で私を置き去りにした。
私を「ミーティア様」と呼んだのは初めてのこと。あんなによそよそしくされたのも。
身分の隔たりってこういうことなの?友達─私にとっては好きな人─とお話したり一緒にいたりできないなんて。
ひどいわ、何も知らなかった昨日に戻りたい!
でももう戻れない。戻りたくない。もうエイトが好きって気付いてしまった。この想いを手放したくないの。
「エイト…」
名前を呼ぶだけでどうしてこんなに震えてしまうの。なのにどうして呼ばずにはいられないの?
明日からは私はエイトの姿を追わずにはいられないわ、きっと…
切ないですね。ミーティアが、初めてエイトへの思いに気がつくと同時に
越えられない身分の差を思い知らされたということでしょうか。
まとめのサイトを作成されている方には申し訳ないのですが、私も1つ投下
させていただきます。EDを変えてしまいますが、そこから話が始まります。
「そうか、だめか。しかし、エイト、だからといって、あきらめるつもりか」
ククールは噛み付かんばかりの形相でエイトに迫った。明日はいよいよ
ミーティア姫とチャゴス王子の結婚式の日。ククールに励まされたエイトは、
両親の形見であるアルゴンリングをクラビウス王に見せ、事情を説明した。
しかし、結婚式自体を阻止することは出来ず、すごすごと宿屋に戻ってきた
のだ。
「それはそうだけど・・・・」
エイトは、沈痛な面持ちで下を向いている。
「おい、エイト、このまま指をくわえて見ている気か?」
「しかし・・・。どうしたら・・・」
「そうだ。さらっちまえ。姫をさらって遠くに逃げちまえ」
さすがに、エイトは驚いた。
「いくらなんでも、それはだめだ。国王陛下のも大変な迷惑がかかるし・・・」
「そんなこと言ってたら、本当にあのチャゴスに姫を取られるぞ」
「そうよ。そうよ。いつまでぐずぐずしているの」
柱の後ろから、ゼシカが現れた。
「わっ!!ゼシカいたのか?」
「あっしもいるでガス」
今度は、ヤンガスが現れた。
「み、みんな。そこにいたのか?」
「そうよ、全くエイトはこういうことは奥手で困るんだから」
「兄貴!ここは一番男になるところでガス」
「でも、姫が・・・ミーティアがなんていうか・・」
「ああ、じれったい。このまま、明日になったら、姫とチャゴスは結婚して、
あんなことしたり、こんなことしたり、ううん、口では言えない、あんなこと
とか・・」
「ああ、もう、やめてくれよ!!!!」
エイトは立ち上がって思い切りテーブルを叩いた。テーブルが真っ二つに
割れた。
「あああ、どうしよう」
エイトはうろたえた。
「行くしかないわよ」
「やるでガス」
「でも、どうやって・・・」
「よし、やっとやる気になったな。それじゃあみんな、耳を貸しな」
4人が額をつき合わせた。ひそひそひそ。ふむふむふむ。
「でも、ミーティアが嫌だといったら・・・・」
「も〜う、エイトが行って、姫様が嫌だと言うわけないだろ、当たって砕けろ、
さっさと行け!」
エイトは、ククールに突き出されるように外に出た。手には、ククールから
渡された包みを持っている。
「よ〜し。われらも行くぞ」
一体何をしようというのか?ククールの掛け声で3人も外へ飛び出した。
(続く)
テーブル真っ二つになるんだ。ワロタヨ
包みって何かな?ワクワク
>>731 (=ω=。)ごめんなさい。決して分かりにくくはなかったんですよ。
でもなんとなく、あの涙は、エイト以外の人と結婚しなければならない運命にあった頃の自分と
引き比べて ああなんて今は幸せなんだろう って意味だと思ってしまいました。
仲良しから姫と兵士という関係になる年頃というのは、これもまた萌えどころですよねー(*´Д`)
>>732 「わたくし」ってのは間違った上品言葉です
水場がどうの以前にそこのところを配慮してほしかった
己の無知っぷりを晒してしまいましたね
>742
後学のために出典を教えていただけませんかね。
某出版社刊の辞典では自分を指す言葉として出ているんですが
>>743 ただの粘着なんだから無視よろ。
こういうレスを見たらこれ↓を読むと気持ちが休まりますよ。
ttp://www.blwisdom.com/psy/09/ >>732 でもちょっと説明や流れの独り善がりな部分が気になります。
ダラッと書き流さず、パラグラフの概念を考えながら書いてみてください。
そして、お手間でも、書いたものは一度いや何度でも、音読してみることをオススメします。
続き期待!
>>739 テーブルが割れたのには、おいおい、と思ったけど、考えてみれば割れますよねきゃつらの力なら……w
続き期待してます。
うーん、色々ぐぐって見たけど分からないや。
ちなみに 「私」の読み方は 「わたくし」 か 「し」 (わたしは認められていない) が正しい。
http://www.tjf.or.jp/hidamari/4_mondou/mondou02_02.htm 丁寧語としては間違っていないことは確かだけど、ひょっとしたら
おほやけ である王族が用いる一人称として わたくし ってのは誤りだろってことなのかな。
王や天皇の一人称では「余」とか「朕」が知られているけど、王女はなんとおっしゃるのが
正しいのかな。現代日本の皇族の方々は わたくし とおっしゃっているような気がするが。
しかし真EDのアレはなー。結婚するってEDは最高だけど、
両親の形見をとられてすごすご帰るなよオイ!と焦りますた。
個人的には「渡しますか?」で渡さないEDが結構好き。
その場では打ち明けなくても、いつか話して…とか考えると
それもドラマチックだなと思う。
ここのSS見てるとチャゴスへの殺意が増すんですが、
これは効用ですか?副作用ですか?
>>739 「も〜う」って、このククールワロスw
EDがどう変わるのか、ワクワクしつつ待ってます。
751 :
ゆーりん:05/02/03 18:36:07 ID:gxNyDPBm
駄文だけど絶対読んでねv
私、ミーティア。
チャゴスとの結婚式の時、もうだめって思ってたけど
カインが私をさらってくれましたv
それで、私はカインとキスまで。。。///
馬車の中。。。
「ミーティア。」
「えっ、カイン、何っ。。。?///」
「僕達、これからずっと一緒だね。」
「そうね。。。///」
私が照れてると、カインが私にキスしようとしてきた。。。
どうしよう///
この馬車を運転してるのはお父様なのに!
「カイン、お父様が。。。」
「ミーティア、照れてるの?カワイイね。」
「そんな。。。///」
カワイイっていわれて、私はますます赤くなってしまいました///
それで私は、カインとずっと一緒に暮らしましたv
いたストを通してFF4の奴が出てきたか
釣られてみるけど
SSに////とかの記号入ったのは
読む気がおこらんな。
>>738-739続き
エイトは大聖堂から昇降台に向かった。見張りの兵士たちは寝ている。ククールが
ラリホーを唱えて眠らせたのだ。しかし、ミーティアを眠らせるわけにはいかないから、
館の方まではその効力は及んでいない。エイトは足がガクガクと震えていた。ラプソーンと
戦った時も竜神王と戦ったときもこれほど緊張したことはなかった。昇降台から館に
向かうときも足の震えは止まらない。
「しっかりしろエイト。負けるなエイト」
エイトは必死に自分を叱咤激励した。震える足を何度もこぶしで叩いた。
何とか、足の振るえが止まった。
館では、聖堂騎士団のメンバーが警備をしている。エイトは、会釈をして
その脇を通りすぎた。相手も会釈を返してきた。エイトの身なりからトロデーンの
警護の兵士と思ったようである。階上に上がりミーティアが眠る部屋に急ぐ。
そこには、メイドが一人いた。エイトは、後ろからメイドの口を塞ぎ気を失わせた。
「誰です。そこにいるのは」
衝立の向こうからミーティアの声が聞こえた。人の気配に気づいたようだ。
「わ、私です。エ、エイトです」
エイトは震える声で告げた。
「ほ、本当ですか?早くこちらへ」
エイトは衝立の内側に入った。ミーティアは、夜着のままベッドの上に起き
上がっていた。
「本当に、エイトなんですね。どうしてここへ?それから、メイドは?」
「すみません。メイドさんには眠ってもらいました」
「え?」
ミーティアは、一瞬不安そうな顔をした。
「大丈夫です。朝には目覚めるはずです」
「そうですか。それならよいのですが」
ミーティアはほっとしたようであった。
「そ、それで、エイトは何をしに来たのですか」
エイトは気がつかなかったが、ミーティアの声は、期待でかすかに震えていた。
「ミ、ミーティア様」
エイトは、ミーティアの両手を取った。そして、渾身の勇気を振り絞って言った。
「わ、私と一緒に逃げてください。私は、姫がチャゴス王子と結婚するのは耐え
られません」
「うれしい!!きっと、エイトが来てくれると信じていました。私はエイトに
ついていきます」
ミーティアは、エイトの抱きついた。うれし泣きなのか、ミーティアの頬を
涙が伝う。エイトはうろたえた。
「わ、わ、わ、ひ、姫様、お、お静かに、ひ、人が来ます」
「ご、ごめんなさい」
ミーティアは、自分の行動のあまりの大胆さに驚き、エイトから離れると
真っ赤になって下を向いてしまった。
「このままでは、外に出られません。これに着替えて下さい」
エイトはミーティアにククールから渡された包みを渡した。ミーティアは
包みを開けた。ところが、しばらくじっと動かない。
「あの、エイト・・」
「何でしょうか」
「いくらエイトでも、じっと見つめられていたら、恥ずかしくて着替えられないん
だけれど・・・・」
「あわわわ、すみません」
エイトは慌てて、後ろを向いた。服の生地のすれる音がいやに大きく聞こえる。
実際にはほんの数分だったが、エイトにとってこれほど長く感じられた時間はなかった。
「お待ちどうさま。もうこちらを向いていいわよ」
(続く)
+ +
+ + + +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) +
すみません訂正です。
×ククールがラりホーを唱えて眠らせたのだ
○ゼシカがラりホーマを唱えて眠らせたのだ
ククールのことばかり気にしていて間違えてしまいました。すみません。
>759
>751もちゃんと載せてある……!
なんつーか……。
ホント、乙です。
>759
乙です!
>>759 私たち 極悪非道のDQプリンセスシスターズ
ネタはないのだけど
>>759さんお疲れ様です
+ ∞ノ))).o sage  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /ハ.
川゚ヮ゚)/ . __△__ + . _ __ sage . _ + . ,.-‐- _ + / i!|
ノノ;_;_;ゞ + . ヽ___/ ,'´,. -、ヽ ;'´;.(Ω)ヽ /. ,_丞ヽ /ニニヽ|!l
*ノノハヽ ,,-,,/ノノハ)),, -,, 川―゚ー!| . i. jii^iii^jji / /ノノノ))〉. ir―-、_i.!l
|||(*゚ヮ゚=@ ;;, ,,ミ^ヮ^ノミ,, ,;; |∩^ヮ゚ノl ,ノ (!’ヮ^ノ、 .( (,’ヮ^∩ li、ー^∩ハi〉 +
. /(つミ》O (,/"ヾ,)~二)/)" |iヾーと) ハ⊂{i゙ー')つ/ .(((ゾ{iつゞlソ (⊃スソゝ
+ ./::/÷|ヽ ん'vく/_ゝ + ソリ゙/iヾi! ~^</~i゚~ヾ> + ./ ,ノ . ハ ハ sage
∨し'U. 〈_バ_) . んレ';_!_リゝ //.ハヾゝ ん__,___,_ゝ + 〈i;;i;;;;,ゝ
. `~^~~^´
きもちわりぃスレだな。
あんな電波垂れ流し糞小娘が好きな奴は精神障害者。
>764
そのきもちわりぃスレをわざわざ覗いてレスする
喪前のほうがキモイ
>>759 (*^ー゚)b グッジョブ!! 乙!
>>759 乙です。乙です。ホント〜に乙です。自分の書いたもの載っているのを見ると、なんだか、
は、恥ずかしい??です。
>>759様
遅レスながらまとめサイトGJ!乙です。
色々お手数おかけしてすみませんでした。
主姫バカポー話でおひとつドゾー。
前半エイトがくだらない事故?に遭いますが、宴会の王様ゲームみたいなものなので余り気にせず読んでいただけるとありがたいです
「恋人たちのトロデーン城」の後ぐらいの話です。
ある日僕はトロデーン城の自室で一人、本を読んでいた。今日は久々に仲間が来るっていうのにお義父様からどっさり宿題を出されてしまって、急いで片付けなければいけないためだ。
でも二時間ぶっ通しで本を読み続けてさすがに眼が疲れたので本を閉じ、椅子に寄り掛かって目をつぶった。
せっかく仲間と会えるのに何で今日に限って…おかげでミーティアが一人で準備することになってしまったじゃないか。早く終わらせないとみんなが来てしまう。
でもこの椅子は座り心地がよくて何だかとても気持ちいいな。もうちょっとだけこうして…
そんなことを思っていたらそのまま眠り込んでしまったらしい。うっすら眠りから覚めてきた時、意識の遠くで部屋の扉が開く気配がした。
誰だろ、ミーティアかな?とぼんやり思っていたら誰かの手が僕の目を覆った。
「だーれだ?」
低い声色使ったって誰かは分かっているよ。
「声変えたって分かるよ」
そう言って目隠ししている手をたどって腕を背後に廻し、その頭を搦め寄せて、
「悪戯者のミーティアにお仕置き」
と言いつつ口づけした。
いつも何だかんだ理由を付けて口づけするミーティアの唇…ん?あれ、なんかいつもと違う?それに僕の顔にかかる髪もミーティアにしては短いぞ。でもこんなことするのはミーティアしかいないし、声はミーティアのものだし…
僕は思い切って廻していた腕を外し、恐る恐る目を開いた。
「いきなりチューでお出迎えかよ」
「うわっ!」
ミーティアだとばかり思っていたのに目の前にあった顔は何とククールのものだった。
「ななな何でククールがここに」
「びっくりさせてやろうと思って声だけ姫様に頼んで目隠ししたのにオレの方がびっくりだぜ。まさかお前に唇を奪われるとはな」
「いやーすごい見物だったでがすよ」
「いつもこんな感じなの?ほーんとラブラブなのね。うらやましいわ」
振り返るとヤンガスやゼシカもそこにいてにやにや笑いを浮かべていた。それに一緒になって笑っているミーティア、ってミーティアもグルか!
「まさかエイトがククールとキスするなんて思ってもみませんでしたわ。もしかしてエイトは男の方のほうがよろしいのかしら?」
ひどいよ、ミーティア!誰が好き好んで男とキスするんだよ。僕がキスするのはミーティアと、この先いつかきっと生まれてくるだろう僕たちの子供だけ、って決めていたのに。
なのに何で男と、と思ったら急に吐き気が…
「おっ、おええええええ」
「おえーとは何だ、自分からチューしておいて失礼な」
ククールがどうこうじゃなくて、恋人だと思っていたのが男だったら誰だっておえーだよ。
「…ま、お前まあまあ上手かったぞ。精進するんだな」
上手いってなんだよ、そういう問題じゃない。うう、何とも嫌な感触だ。これがミーティアなら嬉しかったのに。
「あちらの部屋にお茶の準備ができておりますわ。ゼシカさんにお借りしたご本に、とても美味しそうなお菓子がありましたの。ぜひみなさんに召し上がっていただきたくって」
「そいつは楽しみでがす。アッシは甘い物も結構いけるでがすよ」
「あの本、役に立っているみたいでよかったわ。私料理ってちょっと苦手で、あの本今まで使ってなかったのよ」
「姫様の手作り菓子を食べられるとはうれしいね。エイトもいつも食べているんだろ?」
僕を無視して話を進めるな!それにあんなことするようなお前らにミーティアの手作り菓子なんか食わせるものか!
「ひ、ひどい…」
怒りのあまり声もでない僕を後目にゼシカは薄情にも、
「さっ、行きましょ。エイトも早く来ないと私たちで全部食べちゃうわよ」
と言うと三人連れ立って部屋を出て行ってしまった。
「ごめんなさい、エイト」
三人がいなくなるとミーティアが申し訳なさそうな顔で謝ってきた。フンだ。この傷ついた男心をどうしてくれる。ちょっと謝られたぐらいでは許さないぞ。
僕が黙っていると、ミーティアはますます困った顔になった。まずい、その表情をされるとつい何でも許したくなってしまう。すごくかわいいんだもの。
「…いいよ、もう。やっちゃったことはどうしようもないし」
とぶっきらぼうに言った後、ふといいことを思い付いた。
「ミーティアがキスしてくれたら許してもいいかな」
「エイトったらいつもそればっかり!」
とミーティアは言ったものの、腕を僕の身体に廻すと頬に唇を寄せてくれた。
「…あれ、口にはしてくれないの?」
とちょっと意地悪言ってみたんだけど、
「それはまた今度。さっ、一緒に行きましょう」
とあっさり切り返されてしまった。ちょっと残念。
でも今度っていうことは次があるんだね。その時を楽しみにして、今日のところは負けておくよ。
(おしまい)
でーんぱみーんぞく
主姫バカポー(・∀・)イイ!!
エイトが振り返るとそこにはメイドさんの服を着たかわいいミーティアが立っていた。
メイドなら、館にいてもおかしくない。ミーティアの顔を知っている者は少ないから、
メイド姿ならミーティアと気づかれることはないはずだ、というのが、ククールの説明
だった
「か、かわいい・・・」
エイトはしばらく見とれていた。
「恥ずかしいから。そんなに見つめないで下さい」
ミーティアは、また、もじもじしながら下を向いてしまった。エイトは慌てた。
「すみません。早く行きましょう」
「はい」
ミーティアはうなずいた。建物内ではルーラは使えない。エイトは、メイド姿の
ミーティアの手を引いて部屋を出た。その時、ふと、疑問が湧いた。なぜ、ククールは
メイドの服を持っていたのだろう。自分の袋の中にそんなものは入っていなかったはずだ。
ゼシカにコスプレをさせたのだろうか?まあ、そんなことを考えても仕方がない、
ククールなら女性用のどんな服を持っていても不思議はないだろうと思い直した。
エイトは、ミーティアの手を引いて階下に降りた。そして、聖堂騎士団員の死角から
外へ出ようとした。その時、後ろから男の声がした。
「おい、お前ら、そこで何をしている」
しまった、見つかった。もちろん、いかに聖堂騎士団員といえども、まともに戦えば
エイトの敵ではない。しかし、人が集まってきたらまずい。エイトは振り返り身構えた。
ミーティアは、エイトの後ろに隠れた。男はニヤニヤ笑っている。
「お前、中々手が早いな。さっそくメイドさんと深夜の逢引か。いいよなもてる奴は」
「???」
エイトは一瞬わけが分からなかった。男は続けた。
「そんな怖い顔をするなよ。俺は口が堅いんだ。でもおしゃべりになることもあるんだな」
男は手を出した。
「よろしく」
エイトはあっけにとられた。なんだ口止め料が欲しいのか。仕方がない。エイトは、
半ばあきれ、半ばほっとして小銭の入った袋を投げた。
「分かったよ。これでいいか?」
「ありがとうよ。お前みたいないい奴はきっと出世するぜ。しっかり見張っといてやるから
ゆっくり楽しんでこいよ」
男はニコニコしながら、手を振った。困ったものである。しかし、さすがククールの読み
は鋭い。メイド姿がこれほど役に立つとは・・・・。
「聖堂騎士団にも色々な方がいるのですね」
ミーティアが感心したようにつぶやく。
「はあ」
エイトはなんと答えてよいか迷って、あいまいな返事をした。
「さあ、乗りましょう」
二人は、昇降台に乗って大聖堂に降りていった。大聖堂より下では、すべての人間が眠り
についている。人間だけではない、動物たちも植物さえ寝ているようであった。エイトは、
改めてゼシカの魔法力の強大さに感心した。確かにこれなら、あえてルーラを使う必要は
ないかもしれない。それにしても、ククールは、どうして2人で大聖堂の正門の前まで来い
というのだろうか。
2人は手に手を取り合って、大聖堂から正門に向かった。今日は新月で月はでていない。
2人を照らすのは無数の星の光だけだった。ほどなく、正門に着いた。エイトが正門を開けると、
なんと馬車が置いてあるではないか。
(続く)
すみません。書き忘れてしまいました。
>>755-756の続きです。
>>759様、まとめサイト乙です。お手数おかけしました。かなり
誤字があるみたいで汗顔です。今後、気をつけます。
それから、題をつけるのを忘れていました。これから考えます。
すみません。
+ +
+ + + +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) +
>>759 遅ればせながら激乙です!
それにしてもこれだけSSの連投があるとすぐに流れてしまって
個別にレスするのも困難になるな…。
贅沢な悩みかもしれんが、もうちょっとスレの流れとか考えて
投下して欲しいと思うのはおれだけ?
>780
すみませんでした。
>780
> 贅沢な悩みかもしれんが、もうちょっとスレの流れとか考えて
> 投下して欲しいと思うのはおれだけ?
はい、贅沢過ぎです。
個別にレスするのが云々言うぐらいなら、
無理にレスしなくたっていいじゃんか。
>>780 個別にレスとか言ってマトモな感想つけてるわけじゃねーじゃん
乙だけならどんだけ流れようと関係ねーだろ
どういうことだ?エイトは訝しげに首をかしげた。すると、御者の席からヤンガスが
顔をのぞかせた。
「兄貴。姫様。乗るでガス。あっしがちょいと借りてきたんでガス」
借りてきた?盗んできたのとどこが違うんだ?
「大丈夫でガス、後でちゃんと返しておくでガス」
ククールとゼシカも顔を見せる。
「ううむ。思った通りだ」
ククールが感動の面持ちのようだ。
「??????」
2人は首をかしげた。
「メイド姿のミーティア姫はなお一層お美しい。いやあ、実にお似合いだ」
ン?実は、ククールは、単にミーティアのメイド姿を見たかっただけなのか?
いやいや、メイド姿のおかげで聖堂騎士団と戦わなくてすんだのは間違いない。
「さあ早く、兄貴も姫様も馬車に乗るガス」
「乗った。乗った。早く船までいきましょう」
皆に押されて、2人は馬車に乗った。
「行くでガス」
ヤンガスがムチを振るうと馬車が走り出した。
「これからどこへ行きますか?」
多少落ち着いたためか、ミーティアはこれからのことが少し不安になってきた
ようだ。
「しばらくは、身を隠した方がいいんじゃないか」
ククールが窓から顔をのぞかせた。馬車の屋根の上に乗って上から覗き込んだ
ようだ。
「うわ!!」
「そんなに驚くな。いずれにせよ明日の朝は大騒ぎになるだろう。それが一段落
するまでは、あまりその辺をうろうろしない方がいいと思うが」
「そうだね。それでどこに身を隠そうか」
「リーザス村にお出でよ」
今度はゼシカが顔をのぞかせた。
「うわ、ゼシカまで」
「でも、そうしたら、ゼシカに迷惑がかかるかもしれないし」
「気にしない、気にしない」
「まあ。真面目な話、町や村でうろうろするのはどうかと思う。そうだな、
トラペッタのそばの竜神族のおじさんの小屋を借りよう」
「え?山頂の小屋のこと?そんなこと言ったって・・・」
「エイト、トーポを借りるぜ。ゼシカ行こう」
「は〜い」
ククールは、ゼシカとトーポを連れて、ルーラでどこかに飛んでいってしまった。
「大丈夫でしょうか」
ミーティアが心配そうにたずねた。
「大丈夫。ミーティアのことは、何があっても僕が守るから」
「エイト、ありがとう」
ミーティアは、エイトにそっと寄りそった。と、その時、馬車が止まった。
「お二人さん。ついたでガス」
ヤンガスが馬車の出入り口を開けた。
「船で、しばらく旅をしても、ルーラでトラペッタまで飛んで小屋まで歩いても、
お好きなようにでガス」
馬車から降りるとミーティアが、そっとエイトの腕をとった。
「ありがとう。ヤンガス」
「あっしは、馬車を戻してきヤス。また、そのうちにでガス」
こうして、ミーティア姫は、チャゴス王子との結婚式の前の夜に姿を消して
しまったのである。
またやってしまった。
>>775-776の続きです。後1回で前編が終わる予定です。
もう少しお付き合いいただければ幸いです。タイトルは、今、悩んでいます。
前編、後編を通じたよいタイトルが思い浮かばないのです。いっそう、完全に
分けて別の話にしようかとも悩んでいます。
>>780 うまく、他の方が投下しないときに合わせられればよりよいと思いますが、
中々、そうは行かなくて申し訳ありません。
+
+ +
+ + + + +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ドキドキワクワクテッカテカ
(0゜∪ ∪ + +
と__)__) + +
ミーティア絵板にエイトがいるけど
エイトも描きこみOKなんすか?
このスレ的に主姫絵なら良いんじゃないかと。
>789
ほかの人は知らんけど、
自分は「馬姫×主」のカップリングに萌えだから大歓迎。
自分は管理人じゃないけどな。
792 :
780:05/02/07 00:29:44 ID:mjOMSbbi
>>781 >>786 せっかく書いてくださってるんだから、こちらもちゃんと感想書きたいなと思った訳なんです。
書き手さんから謝られてしまったら立場ないッス…。こちらこそ余計なことを言ってすみません。
9歳の誕生日プレゼントは 何気なく右頬に
10歳の誕生日プレゼントは ピンクに染まった左頬に
11歳の誕生日プレゼントは ティアラで飾られたおでこに
12歳の誕生日プレゼントは 形の良い鼻に
13歳の誕生日プレゼントは 長いまつ毛の上に
14歳の誕生日プレゼントは 可愛く閉じられた瞼に
15歳の誕生日プレゼントは 細い小指につけられた指輪に
16歳の誕生日プレゼントは 白く美しい左手に
17歳の誕生日プレゼントは ためらいながらも首筋に
エイトは年々、姫にキスを贈ることにためらいを覚えていた
しかし姫は他に何も要らないと言う
「来年は、きっと今までで一番素敵なプレゼントになるような気がするわ」
その言葉の意味をエイトは理解できないふりをしてやりすごし、
ただ兵士としての立場と姫に対する想いとの中で葛藤した
「今日は嬉しいお知らせがあります
ミーティアは先日18歳になりました」
姫の誕生日を忘れるほど自分は疲れ果てていた、というのは言い訳以外の何物でもない
夜中、町の外で眠る馬の姿をした姫の側に寄り膝をついた
「次のプレゼントこそは」
そう心の中で姫に約束をし、綺麗に整えられたタテガミを一束手に取り
18歳の誕生日プレゼントを贈った
>>784-785続き
結局、エイトとミーティアは、ルーラでトラペッタまで飛び、山頂の小屋に向かうことにした。
ところが、途中で雨が降ってきた。
「きゃあ、濡れてしまいます」
「大丈夫、さあ急ごう」
エイトは、ミーティアの手を引いて山を登った。雨が益々ひどくなる。小屋に着く頃には、
2人はびしょ濡れになってしまった。エイトは、小屋に着くとトントンと戸を叩いた。しかし、
返事はない。
「誰もいないのでしょうか?」
ミーティアは寒さに震えている。エイトはミーティアの震える肩を抱いた。
「仕方がない。入ってみよう」
2人は、ドアを開けた。すると、あの狭くてむさくるしかった部屋の様子は一変していた。
雑然と放置されていた荷物はきれいに片付けられ、部屋中に掃除が行き届いていた。テーブル
には、小ぎれいなテーブルクラスがかけられ、ベッドメイクまでされていた。ふと、テーブル
の上を見ると、トーポがちょこんと座っている。口には何かをくわえている。折りたたまれた
紙のようだ。トーポは、エイトを見つけると小走りでエイトの元にやってきた。エイトは
トーポが口にくわえていた紙をとると中を見た。それは、ククールとゼシカからの手紙だった。
「竜神族のおじさんには、トーポ(グルーノさん)から話をしてもらいました。しばらくこの
小屋を使わせてもらえます。あのままでは、住みにくいと思ったので少しきれいにしておき
ました。 byゼシカ
ムフフフフ、○○よろしく頑張れよ。特に、エイトしっかり姫をリードしろよ。せっかく
苦労して2人きりになったんだからな。 byククール」
ありがとう、ククール、ゼシカ。2人は心から感謝した。しかし、そうこうしているうち
にも、どんどん寒さが募ってくる。ミーティア寒さにガタガタ震え始めた。
「火をつけよう」
エイトは暖炉にくべてあるまきにギラで火をつけた。
「濡れた服は脱いで乾かさないと・・・・」
着替えはない!辺りを見回しても、ベッドの上にはわざとらしく大きな毛布が1枚あるだけだ。
「ミーティア。あの・・・」
「はい。もちろんそのつもりです。不束者ですがよろしくお願いいたします」
暖炉の火が二人を照らす。濡れた服は暖炉の前に乾された。そして・・・
2人はベッドで冷え切った身体を温めあう・・・・。
翌朝、大聖堂は大混乱に陥った。どこを探してもミーティア姫がいない。そういえば、
近衛隊長のエイトの姿も見えない。
「ええい。一体どこに行った。探せ、探せ、ミーティアを探せ」
トロデ王は真っ青になって部下を怒鳴りつけている。そこへクラビウス王が現れた。
「トロデ王よ、話がある」
「おおすまぬ。もう少し待ってはくれぬか」
「いやもうよいのだ。わしにはわかっておる。昨晩、決断できなかったわしが悪いのだ」
まもなく、花嫁が急病で倒れたことを理由に結婚式が延期されるとの発表がなされた。しかし、
ミーティア姫が失踪したとことは、もはや公然の事実であった。
それから数週間後、トロデーン城より、ミーティア姫の王族としての地位を奪い庶民に落とす
こと、また、エイトを近衛隊長から罷免することが発表された。
ここはリーザス村。ククール、ゼシカ、ヤンガスの3人がなにやら話をしている。
「随分な話ね」
ゼシカがプンプン怒っている。
「姫様の王族としての地位を奪うなんて、トロデのおっさんもやきが回ったでガス」
ヤンガスが同意する。
「そんなことはないだろ」
ククールが冷静に答える。
「どうしてよ」
ゼシカは怒りが治まらない。
「考えてみろよ。王族でないということは姫でもないということだ。それなら、チャゴスと結婚
する必要はないだろ」
「ああ!!」
ゼシカとヤンガスは顔を見合わせた。
「エイトも近衛隊長でなけりゃ自由の身だ。重く見せる処分でクラビウス王の面子を立て、その実、
2人が結婚する障害を取り除いた。トロデ王も中々老獪だ。クラビウス王も一枚噛んでいそうだ
がな」
「それなら、良しとしなくちゃね」
「ただ、これで、トロデーン王国は後継者を失った。それが、今後、どんな影響を与える
のか、それだけが心配だ」
ククールはため息をついた。
(一応 完)
「前編」は終わりです。後編は、ククールの心配が現実化してくる話にしたいと
思っています。ただ、実際に書けるのは、いつのことになるやら。タイトルは、
自分に独創性がないことを如実に示すようで恥ずかしいです。どうもありがとう
ございます。
MS氏乙です!
だけどちょっと待て!トーポは、トーポは二人を見てたんかい!
おじいちゃんに見られててもいいのかエイトw
お気づきになられましたか。でも、ちゃんと毛布でかくしてました??
>800
いやでも物音とかw
…そうだな、文字通り
>冷え切った身体を温めあう・・・・。
だけかもしれんしな。絶対それはないと思うけどw
真面目な話、トーポはどこかに身を隠した方がよかったでしょうか。どうも、
トーポは、ネズミなんでその辺りをうろうろしていてもよいんじゃないかという気が
するんですが、正体が分かってしまった以上、違和感がありますか?
>802
あまり深く気になさらず…
なんつーかそういうシーンの時のトーポの扱いって苦労するよ。
「見せ付けてやろうぜ」じゃまずいしw
きっとエイトはミーティアと冷えた身体を温めあっている間、エッチなもうそうと戦っていたのですよ(w
>>794 詩的な表現にすごくグッときたよ。
>>802 昼ドラ風タイトルうけました。
トーポはおれだったら外に追い出しまつ…。
>>804 ところでそのID変わってるね。
MSからは改名的ななにかを感じる…
ぶっちゃけ専用スレ立ててそっちでやってほしい
>806
なんで?
独自の設定でDQの世界観から逸脱した話を書いてるって意味でさ
このスレって主姫がメインじゃなくて一部でも主姫が入ってればそれでいいの?
>808
ああ、もっとDQの世界観に忠実で、
主姫が出ずっぱりの話が読みたいってこと?
自分は大満足してるけどなあ。
バカップル話は他に書いてくれる人いるしね。色んな切り口の主姫があっていいと思う。
つーか職人さんがいるってだけでありがたいよ俺は
>>732-736「春宵」の続き、というかエイトタンバージョン投下いたします。
本当はあの後すぐに書きたかったのですが、しばらくミータン目線で書いてたせいか、12歳エイトタンが書けなくてバカポー話を入れさせていただきました。
文中エイトが爽やか主人公らしからぬ思いを抱いたことをお詫び申し上げます。
最近ミーティアを前にするとなぜか気持ちが落ち着かなくなる。いつものように仲良くして
いたいのに、つい意地を張ったり、意地悪なことを言ったりしてしまう。
そうやってミーティアを悲しそうな顔で俯かせてしまうたび、
「なんで意地悪してしまうんだろう。本当は仲良くしたいのに」
と思って落ち込んでしまう。
でもなぜかミーティアに
「エイト」
と呼ばれるとむずむずするようなくすぐったい感触がして、それがなんだか恥ずかしい。ど
うして恥ずかしいなんて思うのか分からないんだけど。
そうやって僕が心の中でもじもじしているのにミーティアが平気な顔で近寄ってきて話し掛
けてきたり手を繋ごうとするので狼狽えてしまう。そして狼狽えているっていうことを知ら
れたくないからつい不愛想な態度を取ってしまうんだ。多分。
僕はここに来るまでの記憶がない。トロデーンに来てしばらくは人に話し掛けられることが
嫌で、随分「不愛想だ」と言われてしまった。だけど記憶がなくて色々聞かれてもそのほと
んどに答えることができなかったから、とても誰かと話す気にはなれなかったんだ。
でもミーティアと知り合って友達になってからようやく人と話せるようになった。一緒に何
かすることでどんどん新しい記憶ができていったから…字を教えてもらったり、本を貸して
もらったり、こっそり城のそとへ遊びに行ったりして広がった世界を他の人に話すのはとて
も楽しかった。ミーティアと友達にならなかったらきっとこんなに楽しく生活できなかった
と思う。
なのにどうして意地を張ってしまうんだろう。次会う時は絶対仲良くしようと思うのにどう
して意地悪してしまうんだろう。
稽古中だというのにそんな雑念が入ったせいか先生の斬撃をかわしそこねてしまった。
もちろん僕も先生も真剣は使ってない。練習用の木刀と盾なんだけど、先生の斬撃は重く、
まともに受けたら腕が折れてしまうだろう。先生もちゃんと分かっていて、攻撃は受け流す
ように言われている。それすら僕にはかなり難しいんだけどね。
だから雑念を抱く余裕なんてないのに、ミーティアのことなんか考えていたせいでついかわ
しそこねて左肩に思いきり先生の剣を受けてしまった。
「お前稽古中に余計なことを考えていたな?大方姫様のことでも考えていたんだろ?」
先生にはっきり指摘され、僕は顔から火が出そうになった。
「違います!」
否定したものの、ちょっとむきになり過ぎたような気がする。
「…まあいい。誰を好きになろうと俺は知らん。稽古中に余計なことを考えて怪我するのもお前の勝手だ」
先生はにやりとしてそう言った後、真面目な顔でこう付け加えた。
「だが姫様はこの国の王女様だ。そのことを忘れるな。自分を制御できるようになれよ。
今日の稽古は終わりだ。打ったところはよく冷やしておけ」
そう言って立ち去ろうとしたので、僕は慌てて
「ありがとうございましたっ」
と勢いよく頭を下げた。その途端、また肩がずきりと痛んだ。
「痛ってぇ…」
それにしても何でミーティアのことなんか考えてしまったんだろう?
結局、夕方の仕事は休ませてもらって水場で怪我を冷やすことにした。
明日も仕事と稽古がある。今日の内に痛みだけでも抑えておきたかった。でもかなり強く打
ったらしく、ずきずきと脈打つような痛みはいくら冷やしても中々引いてはくれなかった。
痛みをこらえ水場の石畳にうずくまっているうち、ふと「ミーティアと僕とは身分違いだ」
という言葉を思い出した。最近よくこの言葉を聞かされる。そして「あまり親しくしないほ
うがいいよ。後で辛い思いをするから」と続く。
身分が違うということは分かっているけど、辛い思いってなんのことだろう。ミーティアと
仲良くしているのはずっと前からなのになぜ急にそんなことを言われるようになったのかさ
っぱり分からない。
一つ、ため息を落とすと痛がっていると思ったのかトーポが僕の膝に乗り、心配そうな眼で
僕を見上げた。
「ごめんねトーポ、心配かけて。後で厨房からチーズ貰ってきてやるから」
そう言ってやると僕の言葉が分かるかのように、トーポは小さく鳴いてポケットの中に戻っ
た。そう、いつまでもここにこうしてはいられない、早く厨房に戻らないと。この時間はす
ごく忙しいのに今日は休んでしまったからその分働かなければ。
そう思い痛む肩を庇って立ち上がろうとした時、誰かの気配を感じた。
ミーティアだった。金色の夕日をいっぱいに受けながら心配そうに僕を見つめていた。
もうそんな時間だったんだ。多少痛くても戻らないと。でもどうしてミーティアがここに?
会えてちょっと嬉しいけど。
「どうしたの」
「エイト…昼間怪我したんじゃないかと思って。薬を持ってきたの」
そう言ってミーティアは薬壷を差し出した。そのトロデーンの紋章入りの銀製の壷を見た途
端、なぜか「身分違い」の言葉が頭を過った。
「大丈夫だよ」
心配してくれるのは嬉しいんだけど、ちょっと恥ずかしい。それを隠そうと思ったらずいぶ
ん素っ気無い言い方になってしまった。それにこんな怪我ぐらいで(特にミーティアに)あ
れこれ言われるのは嫌だったし。
でもミーティアには通じなかった。
「どこが大丈夫なの!痛そうにしているじゃない」
そう言うなり襟に手をかけようとした。でも青痣なんて見せたくなかったし、同情されたく
なかったから抵抗したかったんだけど、できなかった。
肩が痛かったこともあった。ミーティア相手に本気で掴み合うこともできないし。でもそれ
以上にミーティアが僕に向かって腕を伸ばした時の二の腕が、何て言うのか…とにかく見た
時すごくどきどきしてしまって、振り払うことができなかった。
その途端痛めた肩を捻ってしまい、片膝をついてしまった。襟もはだけて肩が剥き出しにな
り、ミーティアの手がかかって、ああこれは薬を塗られてしまう、と思ったけどミーティア
の手は動かなかった。そんなにひどい怪我だったかな、でもそれにしては様子が変だ。肩に
置かれた手が震えているし、何よりミーティアの頬が赤い…?
「ごめんなさい…ただ無理してほしくなかっただけなの…」
ミーティアはようやくそう言って手を離してくれた。でもその声は今までと違っていて、さ
っきの頬の赤らみと合わせて僕を不安定な気持ちにさせた。
何とか
「うん…意地張ってごめん。薬、どうもありがとう」
とだけ言って薬を受け取ったけど、もうミーティアの顔を見ることはできなかった。見てし
まったら、どうなるのか自分でも自信が持てなかったから。できるだけ目を合わせないよう
にしながらただただ早く立ち去ろうと─どうしてそんなことを考えるのか分からなかったけ
ど─した。
そんな僕の様子を変に思ったらしい。背を向けた僕にミーティアが叫んできた。
「行かないで!どうして目を合わせてくれないの?お願い、ミーティアを見て」
そのまま立ち去ればよかった。目を合わせたらどうなるか分からないのに。でも僕は振り返
り、恐る恐る顔を上げた。
金色の夕日に照らされたミーティアと目が合った瞬間、僕は動けなくなってしまった。この
ままずっとミーティアだけを見つめていたい。でも同時に得体の知れない感情−ミーティア
のもっと近くに寄りたい−が込み上げ、どうすればいいのか分からなくなった。
「ごめんなさい、エイト。昼間からずっと心配していたの」
そう言うミーティアの声もいつもと違って聞こえる。
「ありがとう。…ごめん、心配かけて」
掠れないように、震えないように、何より自分でも抑え切れない行動にでないようにゆっく
りと答える。でもそう答えた瞬間、ミーティアの顔がぱっと輝いた。その様子があまりにも
かわいらしくて僕は思わず手を伸ばしかけた。手を伸ばして、そして…
何を考えているんだ、僕は!今ミーティアに何をしようとした?自分で自分の気持ちを制御
できないなんて!こんな気持ちを抱いているなんて知られたくない。城のお姫様なのだから、
そして、そう、大切な人だから…。
「御迷惑お掛けしたことをお詫び申し上げます、ミーティア…様」
動揺を押し隠し、一語一語自分の心に打ち付けるように言い、踵を返した。無謀な行動をし
てはいけないと戒めるために。甘えてしまわないように。身分が違うということを忘れぬよ
うに。
すっかり忘れていた肩の痛みがぶり返す。でもそれ以上にミーティアを置き去りにして立ち
去ることの方が辛かった。だけどあれ以上あの場にいたら自分が何をしてしまったか分から
ない。抗うことができないほど強い感情に揺り動かされて、きっとミーティアを傷つけるよ
うなことをしてしまっただろう。
ポケットからトーポが顔をのぞかせたが、いつものように話し掛けてやることができなかっ
た。ただ頭を一つ撫でてやり、僕は一人城へ戻った。振り返ってミーティアの側へ駆け寄り
たいという衝動を抑えつつ。
◆JSHQKXZ7pE さんって一体何者、と思ってしまう。もしかして、名のある作家の
先生の仮の姿?
>>806 読みたい人もいるんだし、MSさんだって分かるんだから、いやなら読まなきゃ
いいんじゃない?別のところへ言ってくれというのは、どうかと思うけれど。
>>◆JSHQKXZ7pE さん
乙です。いつもありがとうです。
エイトの初々しい初恋に萌えでつ。
トーポがいい味出してますね。
バカポーもドラマも同じくらい好き。
759氏含め、いつも萌えをくれる職人さん達に感謝の気持ちを込めてミーたん絵を描いてみますた。
自分の中のイメージに任せて描いたらティアラとか髪形が全然違っちゃいましたがorz
(それと、さりげなく前髪作ってみますた。でもやっぱりデコミーティアが好き。)
萌カプな上にここは質の高い作品イパーイで自分にとっては本当に良スレでつ。
自分は◆sVVR0Q7eM2氏の隠れ大ファンです。これからも頑張って下さい。応援してます!
職人さんたちにお返しが出来れば幸いです(*´д`)気に入らなかったらスマソです。
ttp://www.uploda.org/file/uporg41158.jpg
読んで下さってどうもありがとうございました。
>>817 すみません、主姫萌えの一名無しです。
>>819 うわー。ビックリした。
お言葉めっちゃ嬉しいです。思わずホローリしてしまいました(つд`)
そして美しいミーたんでモチベーションも限りなくアップしました!
名前入れてませんでしたが、821=◆sVVR0Q7eM2です。
ところで、ドラクエの食玩がでているらしいんですが、買った人います?
ここのところ毎日のように違うコンビニやスーパーに通ってるけど
それらしきものがないよう(;_;)
エイトタン萌え燃えでも話題になってたね>食玩
田舎住まいのせいか漏れも見たことないけど、Vジャンで見るとエイトは地図を見てるのと構えてるのの二つだ
色付きとシルバーがあるらしい
>>824 情報THX!
くそー絶対ほしーい。見つけたら箱で買いますよまじで。
ああ、あのシークレットがドルマゲスで俺の心を打ち砕いたアレか。
ふつう姫だろふつう!
ヤンガスとゼシカとおっさんが出たところで買うの止めたな…
そろそろダブりそうだったし、1個500円は安くないし。
500円もするのか(゚Д゚)
箱買いは出来んな…。
ほんとにね。何でよりによってjかね。
せっかくなんだからウェディングミータンにしてくれたらよかったのに
要望を出すんだ
少々長いので分割して投下します。連休中に終わることを目指します。
“エイトから 愛するミーティアへ”
そこにいる先客を見て、兵士長は驚いた。
寝酒を拝借しようと深夜の食堂に忍び足でやってきたところ、そこには思いがけない人物が
いたのだ。
『何時だと思っているんだ』 『規律違反だぞ』 『明日は早朝勤務だろう』
彼を目の前にすると、つい条件反射で言うべき小言を考えてしまう。
だが、その男の飲めない酒をあおってむせ込んでいる姿があまりにも痛々しかったので、今夜
ばかりは小言を言う気にはならなかった。
「酷い話だな、エイトよ。俺はお前が酒を飲めるようになったことを知らなかったぞ」
そう声をかけられたエイトは、兵士長に体を向けて申し訳なさそうに答えた。
「すみません」
恐らくそれは兵士長が考えていた小言すべてに対する侘びの言葉なのだろう。
それ以上何も言わずに兵士長は椅子を一つ空けて隣に座り、エイトの前にある酒瓶から
自分の器に酒を注ぎ、一気に飲み干した。エイトは黙って酒の入った器を握り締めている。
兵士長は、幼い頃に城へやってきたエイトの剣術の師であり、今は上司でもあった。
彼はエイトの小さな手を引いて歩いて以来、身寄りのないエイトの父親代わりを務めようと密か
に決意していたので、エイトが幼いうちからよく小言を言った。エイトは努力家で優秀な生徒
だった上に、一度言われたことはちゃんと守ったので、彼は何年もせずに小言のネタに困る
ようになった。
沈黙に耐えられず、兵士長はつい聞いてしまった。
「ちゃんとご挨拶できたか?」
「………」
その問いに答えることが出来ずに、エイトは二度三度と小刻みに頷いた。
それを合図にしたかのように、目から涙が溢れ、頬を伝う。
慌てて手の甲で涙を拭ったが、後から後から流れてくるので、片手で目の下を覆ってしまった。
そんなエイトをみて、兵士長は天を仰いだ。だから俺は反対だったのだ。
エイトはその過酷な生い立ちのせいもあるのか、誰よりも忍耐強い。不平不満など一切口に
しない。愚痴も言わない。泣き顔を見たのも一回きりだ。
その彼をもってしても、今夜ばかりは飲めない酒をあおって涙を押し出さなければ、眠りにつく
ことさえ出来ないでいるのだ。
エイトは近衛兵として仕えることになった。下級兵士からの叩き上げとしては異例の出世で
あったし、規定の年齢にも達していない。しかし、彼にはすでにそれだけの力量があり、
人望もあったので誰も反対しなかった。
だが、と兵士長は思う。
ミーティア様が望んだとはいえ、酷なことをされるものだ。ご結婚までの数ヶ月、エイトが近衛兵
として傍らに仕えたからといって、それで誰が救われるのだ。エイトでさえこんな有様なのだから
ミーティア様だってどれほど傷ついていることか。
エイトは誰に言われるまでもなく、仲の良かった幼なじみのミーティア姫と少しずつ距離をとった。
おかげで二人の関係は、時を待たずして幼なじみから姫と兵士という関係に問題なく変貌を
遂げた。心のうちはどうであれ、少なくとも彼はそのように振舞っていた。
エイトはしばらく無言で涙を流していたが、ついに喉が耐え切れなくなったのか、大げさに溜息を
ついて、ちょっとおどけてこういった。
「はぁーーー……知らなかった。俺って飲むと泣き上戸になるんだ」
そして服の袖で涙を拭いて、鼻水をすすり上げた。
「まぁ、飲みすぎだな」
兵士長は肩をすくめてそう言ったが、酒瓶の酒もエイトの器の酒もさっぱり減っていないのは
知っていた。そして 「明日早いのでお先に失礼します」 と、戻っていくエイトの後姿を見て、
まだ華奢なエイトには近衛兵の鎧は重かろうな、と思わずにはいられなかった。
兵士長が心配した通り、その頃ミーティアもまた、枕に顔を押し付けて枯れることのない涙に
暮れていた。
婚約が決まった時心は乱れたが、自分の本意ではない相手と結婚するのも王族としての義務
なのだと早々に割り切った。ただ、幼い頃から仲良しだったエイトの近くで城での最後の日々を
過ごしたいとの思いだけは消せなかった。ここ数年は彼と話をする機会など皆無に等しかったし、
顔を見ることすらままならない。それでも目にする度に少しずつ成長していく彼の姿を見るだけで
ミーティアは鼓動の高まりを抑えられないでいた。
その日、エイトはトロデ王とミーティア姫のもとを訪れ、新しく近衛兵として勤めることになった
ことの挨拶を行った。それは儀礼的なものであり時間的にも短いもので、特に晴れの舞台
というものでもない。それでもミーティアはその日を心待ちにしていた。
近衛兵に先導され、鎧を身に着けたエイトが謁見の間に入ってきた。少々緊張し、表情は硬い。
久しぶりに目にするエイトの姿にミーティアの心は躍り、思わず笑みがこぼれる。
『大きな槍を持っている姿も可愛かったけれど、剣も素敵ね…』そんな呑気なことを考えた。
ほんの一瞬、エイトと目線を交わすが、エイトの表情は変わらなかった。
彼はうやうやしく王の前に跪き、口上を述べた。
「エイトにございます。この度近衛兵という栄誉ある任務につきますこと、我が至上の喜びであり、
陛下と殿下を命に代えてもお守り致しますこと、ここに改めてお誓い申し上げます」
「うむ。よう言うたな、エイトよ。お前の成長はワシにとっても誇りである。心して励めよ」
「ありがたきお言葉でございます」
「ところでミーティアの結婚の件はもう聞いておるな?」
「…伺っております。殿下におかれましては、ご幼少のみぎりより、わたくしのようなものにお目を
かけて下さり、感謝の言葉もございません。お幸せなご結婚をされるとのこと、わたくしに
とりましても望外の喜びでございます」
エイトの言葉を聞きながら、ミーティアは自分の顔から血の気が引いていくのが分かった。
ミーティアは泣きながら、自分たち二人はもう、幼なじみという関係ではないのだと思い知った。
エイトは立派に成長し、真摯な眼差しで自らの決意と祝いの言葉を述べた。
ただそれだけのことだ。何が悲しいのか。彼を間近で見ることは、自分が望んだことではないか。
まるで人形を着せ替えて楽しむように、エイトの鎧姿を眺めた。…まだ重そうだった。
ごめんなさい…!
だって、もう見られなくなるもの。あなたの姿。だからちゃんと見ておきたかったの。
あなたが知ったら、私を軽蔑するかしら。
(続く)
おお、起きてきたら素敵ssのヨカーン
楽しみにしています。
◆sVVR0Q7eM2さんの切ない系のお話が大好きです。
(もちろんバカポーネタも好きですが)
書き方がお上手なせいか、ミーたんの気持ちもエイトの気持ちも
切ないくらいに伝わってきます。
いつも乙です。
続き楽しみにしております。
◆sVVR0Q7eM2さんの書くキャラって、一人一人が生き生きとしてて
オリジナル(?)のキャラが出てきても、不思議と不自然さをまったく感じない…
上に同じく、続き楽しみです!
ところで陛下と殿下の違いって、陛下→王様,殿下→王族でいいのでしょうか?
無知ですみません。
書き手に媚びる読み手ってなんかもにょる
もにょって発音てなんか好き
>838
自分もそう思った。
誉めるのはいいいけど、「本当は作家なんじゃないか」とか
必要以上に持ち上げすぎ。
折角投下してくれるSS読んで幸せな気分になっても
過剰な持ち上げレスに萎える。
841 :
831:05/02/11 22:29:02 ID:N5Egk9g0
どんなレスでも、頂くと元気がでますよー(;´Д`) ありがとうございます。
自己申告させてもらいますと、兵士長ってDQ世界にもありな役職名なんですが、
多分、「近衛隊長」とかの方がぜんっぜん偉いんじゃないかなーと思います。
陛下は国王とか天皇とかとその奥様ですね。殿下はそれ以外の王族・皇族ということです。
例)天皇陛下 皇后陛下 皇太后陛下
皇太子殿下 皇太子妃殿下 愛子内親王殿下
DQ世界ではミーティア姫が正しいと思いますが、
ここではあえてミーティア王女殿下!でいかせてもらいました。
自分も何度か感想レスさせてもらったけど、
好きなものを好きといって何が悪いの?
「良い物を読ませてくれてありがとう」って思ったら
自然と感想書きたくなるものだと思うけど・・・
書き手さんに媚びてるつもりは全くありません。
感想レス読んで萎えるのは勝手だが
いちいち書き込むほどのことか?
書いている立場としては感想をいただくことは大変励みになります。
正直に言って苦労したssに感想いただくとものすごくうれしいです。
様々な指摘も大変参考になっています。
読んでいる立場としてはよかったと思えば感想を書きたくなります。
いいssを読んだらまた次が読みたくなるのは人情というものでは?
でもごめんなさい、過剰な持ち上げはものすごく恥ずかしいです。
エイトにガーターベルト見つけられてしまったクラスの恥ずかしさです。
844 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/12 00:16:15 ID:dLzRxHw8
>>843 ごめん、最後一行ワロてもた。
そりゃ恥ずかしいよなー。
ageちまった、スマソorz
悲しい話やねぇ、涙が出てきそうだ
>>831-834 翌朝、エイトは早朝からまだ誰もいない食事の間の警護についた。厨房では支度がもう始まって
いてその喧騒がかすかに聞こえてくる。食事の間では食卓の準備がなされる前から、
王を守るための警備は始まる。
たったお二人だけのお寂しい食卓。それはもう10年以上続いている。そして近いうちに王は
お一人でここでのお食事をされることになるのだ。
さぞかしお寂しいだろうな、とエイトは思う。
そのうちに、メイドが忙しく出入りするようになり、王とミーティアが揃って部屋に入ってきた。
「おはようございます」
「おう、おはよう」
ミーティアは答えなかった。エイトにはその目が真っ赤に充血しているのが見て取れて、昨日
出来たばかりの胸の傷をさらにえぐる。
温かく注がれる自分への眼差しを、何度はねつけて来ただろう。昨日のように。
何もあんな風に言わなくてもよかった。そんな思いが心を駆け巡る。
ミーティアは、エイトの顔が見られずにいた。昨日とは違って、心配そうに自分を見守ってくれて
いるらしいエイトの目線と目を合わすことは、何か罪のような気がした。
食欲もなく、手をつけず早々に食卓を後にする。
王はそんなミーティアの様子をみても、何も気付かない。
「なんじゃいあいつ。そうじゃ、エイトお前朝食まだじゃろう。そこに座って一緒に食べんか」
子供の頃から見知っている気安さからか、王はそんなことを言った。
エイトはもちろん辞退したが、王が寂しそうな顔をされたので、何か悪いことをしたような気がした。
それからの日々を、エイトは自分でも驚くほどに落ち着いた気持ちで過ごした。
警護の持ち場は日によって変わったし、幸か不幸か、思っていたほどにはミーティア姫との
接点はなかった。時折あいさつ程度の言葉を交わすこともあったが、ただそれだけだ。
お美しくなられた姫。もう間近でお目にかかることもないと思っていたのに、今このような機会を
与えられ、ご成婚までの間お傍近くにお仕えすることができることは、幸運なことなのだと
自分に言い聞かせた。そしてご結婚されるその時まで、全力でお守りしようと決意を新たにした。
ミーティアもまた、あの日散々泣いた後は、心を乱すこともあまりなかった。
ただエイトの姿を目にすると、時折どうしようもなく胸が苦しくなってしまうだけだ。
そしてそんな時に、あの恐ろしい出来事がトロデーン城を襲った。
兵士長を含め城の者は皆、城が呪われていた間に王と姫とエイトがどんな風に旅をしたのか
知る由もない。なのでエイトとその仲間の者たちが、復活した暗黒神を倒したから城の呪いが
解けたのだ、などと王からお話があった時も、大半のものはピンとこずにいた。いくつかの事、
王家の宝の杖がなくなっていること、半年ほどの時間がいつの間にか流れていること、そして
この間上がったばかりのエイトの階級がさらに上がったこと、そのようなことだけが、確かに
そんな大事件があったのだという証になっていた。
だから、城の呪いが解けた今、ミーティア姫の結婚の準備が以前に引き続いて進められること
について疑問を持つものはいなかったし、憂慮するべきことがなくなったにも関わらず、
トロデ王が浮かない顔をされ、時折不機嫌でおられる理由について理解できる者も皆無だった。
ただ一人エイトを除いては。
兵士長はエイトの変化に気付いていた。本を読んでいるかと思うと急に閉じて物思いにふけったり、
ぽけっと空を見つめたり、明らかに心ここにあらずといった風で、以前のはつらつとした彼とは
明らかに様子が違っている。きっとミーティア様のご結婚の日が近づいているのが辛いのだろう
と思い、深夜に酒でもあおっているだろうかと食堂を覗きにいってみたりもしたが、そこで彼に
出会うことは、ついぞなかった。
「チャゴスの奴め!何様のつもりだ!」
トロデ王はサザンビークからの使者が持参した親書を粉々に破り、吐き捨てるように言った。
全くあいつはそもそも礼儀がなっとらん。ワシやミーティアに対する態度も酷かった。
魔物や馬の姿をしていたからなど言い訳にもならん。エイトであれば馬に、いや生き物に対して
の優しさなどごく当たり前、魔物ですら尊敬の念を抱いたりするんじゃぞ。ワシの命令に背いて
まで山賊を助けたりもするんじゃぞ。それにあれが散々世話になった者に対しての態度か!
エイトであれば特に用がなくともはるばる遠くまで心配して様子を見に行ったりするんじゃぞ。
それにあの勇気のなさはなんじゃ。金や権力にまかせて人がいいなりになると思っておる。
エイトを見よ。しょうもない、下級兵士に配られる安物の剣一つで城を旅立ったりしても平気の
平左なんじゃぞ! エイトであれば…。 エイトであれば…。
チャゴスのことを考えると、決まってエイトのことが浮かんできてしまい、トロデ王は沈んだ。
チャゴスはサザンビークの王子というだけで、かわいいミーティアを妻にする。
エイトには一体何をしてやっただろう。言葉では言い尽くせないほど世話になった。
ワシもミーティアもエイトがいなければ野垂れ死んでいただろう。そのエイトに何も報いて
やれないばかりか、あの阿呆は結婚式の席にエイトの席はないなどと言ってきよった。
なんという情けないことか。これが、ワシがミーティアの夫に選んだ男なのか…。
婚礼の日も近づいたある日、トロデ王は近衛隊長となったエイトを呼んだ。
「エイトよ、ミーティアの結婚式に警護で同行してもらうことは聞いておるな」
「は。伺っておりますが」
「ゼシカやヤンガス、ククールも呼んでおる」
「左様でございますか」
最近いたって元気のなかったエイトの顔がほころんで、トロデ王はホッとしたが、同時に
つらい言葉を告げなければならなかった。
「本来ならワシもミーティアも、お前たち4人ともに参列してもらうつもりじゃった。じゃが
チャゴスのやつが、兵や平民の席はないなどと言ってきよってのう…」
「チャゴス…様がですか…」
「本当に申し訳ないことじゃと思っておるよ」
「いえ、わたくしの席のことなど…」
「せめて遠くからでも一目ミーティアを見てやってくれるか」
「…無論そのつもりですが、ミーティア様は…?」
「まだ言っとらんよ。可哀想で言えんわい。そんなこと」
全くどうしようもないやつだ。エイトは絶望的な気持ちになった。自分達の席がないということ
よりも、そんなことですら王や姫の意向を汲んでやってはくれないのかと。
「ところで、エイトよ」
トロデ王は咳払いして言った。
「先の件ではお前さんには本当に世話になった。なんぞ褒美をと思っておるのだが、どうじゃ?
欲しいものをなんでも言ってみよ」
「褒美でしたら、もう頂きましたが」
「近衛隊長の件なら、それはお前の望みではない。ワシが望んだものじゃ。なんぞ望みでも
あるじゃろう?のう?エイトよ」
「…ミーティア様…」
「ふむ!」
「…のお幸せだけを…」
トロデ王は思わずつんのめりそうになった。
「そうか。お前の気持ちはよく分かった。もうよい。下がってよい!」
今のはまずかったな…。エイトは持ち場に戻りながら少し落ち込んだ。
うっかりミーティア様をと言いそうになった。言ったらどうなるだろう。城を追い出されるだろうか。
あの日、ご結婚の日まで全力でお守りすると決意したのに、その決意は無残にも、粉々に
打ち砕かれてしまっていた。
何よりも、旅の間にチャゴス王子その人に会ってしまったことによって。
両親の形見の指輪を見せて、自分もまたサザンビークの王家の血をひく者だと言ってみたら
どうかとも考えた。だがしかし、誰がそんな話を信じるだろうか?頭のおかしな者だと思われる
だろう。それに…。
サザンビークでのことはエイトを傷つけていた。チャゴスが自分の親戚なのだと思うとなおさら
王や姫に対する仕打ちを許せなくなった。王や姫がたとえ忘れたとしても、自分は許せない。
何か適当に言えばよかった。なんでもいいではないか。それで王が満足されるのなら。
望みはミーティア様のお幸せだという気持ちに偽りはない。だがその実、主君の娘に恋焦がれ、
彼女を幸せに出来るのは自分のほかはないと二人の将来について夢想したりする。
結婚の日が間近に迫っているこの期に及んで。
自分がそんな薄気味悪い男であることを、なんとしても知られる訳にはいかないのだ。
(続く)
エイトーーーーーっ!!
切なすぎて泣きそうでつ(つД`)
状況はわかるけどいまいちエイトの心情が伝わってないような
三人称じゃなくてエイトの一人称だったらもっとよくなったとオモ
>>847-851の続き
エイトが去った後、トロデ王は考え込んだ。
どうあってもミーティアもエイトも、結婚をとりやめにしてくれとは言わないつもりらしい。
どちらからでもいい。一言そう言ってくれれば、それでクラビウス王への面子も立つ。
いくら親の代に交わされた約束ごととはいえ、好き合っている仲の二人を引き裂いてまで
というのは彼だって本意ではないだろう。このまま結婚ということになれば―――。
二人はどんなにワシを恨むだろう。ミーティアが嫁いでしまった後、エイトはこの国に残って
くれるだろうか。もう幼かったエイトとは違う。今の彼ならばこの国をでてもなんでも出来るだろう。
望みさえすれば、一人でどこかの国を攻め滅ぼし自分が王となって恐怖と力で国を治めること
さえ可能であろう。…もっともそんなことは望まないのが、エイトのエイトたる所以なのだが。
ミーティアもエイトも城からいなくなってしまう、そんなことを考えると寂しさがどっと込み上げた。
チャゴスと結婚してもミーティアは幸せにはなれない。
望めばなんでも出来るエイトはなぜミーティアを望むと言ってはくれないのだろう。
―――ワシのためか?ワシへの忠義のためか?
トロデ王は自分の導き出した答えに愕然としつつも、それはいかにもあのエイトの考えそうな
ことだと深い溜息をついた。
サヴェッラ大聖堂に向かう船の上、ミーティア姫は船の下で白い波が寄せては消えていくのを
じっと眺めている。
ついにこの日が来てしまった。本当の思いを誰にも打ち明けられないまま。
もしもこの船の上から身を投げたら、エイトは私のために泣いてくれるかしら。
お父様は私のお墓をトロデーンに作ってくれるかしら。
そしたらエイトは毎日私のお墓にお花を手向けてくれるかしら。
そんな取りとめのないことを考えていると、それはチャゴス王子と結婚することよりも、
なんだかとても素敵なことに思えてくる。
「殿下…?」
いつの間にか後ろに来たエイトから声をかけられ、ミーティアは我に返った。
「…なんでもないわ」
心配そうな顔をしないで。そんなこと出来るはずがない。きっとあなたが責められるもの。
でも…。
ねぇ、エイト。もしも私が結婚式から逃げ出したら、あなたは私を連れて逃げてくれる?
そしたら私、あなたについてどこへでも行くわ。
<終章>
エイトはサザンビークの王家の山を訪れている。
自分はサザンビークの人間ではなかったが、ここに来ることが、両王家のご先祖様への手向け
になるかも知れないと思ったので。
そして何より、エルトリオがウィニアを想って歩いた道を、もう一度歩いてみたかった。
あの日、エイトが大聖堂にミーティアをさらう為に乗り込んだ時、すでにミーティアは逃げ出した
後だった。王はお怒りにもならず、それどころか率先して二人を逃がす手助けをした。
そして存外上機嫌で二人を馬車に乗せてサヴェッラを後にした。
その馬車の中で、エイトとミーティアは初めて接吻し、将来を誓い合ったのだ。
求婚した時のことを思い出すと、思わず赤面してしまう。
「で、殿下、わたくしとけ、けけ結婚してください!」
ミーティアは笑っていった。
「お祝いの言葉はあんなにすらすら言えたのに」
「…あれは必死で練習したんですよ…」
「そうだったんだ」
そしてもう一度くちづけを交わす。
「陛下はお許しくださいますかね…」
「大丈夫よ。お父様ったらいつも、エイトが自分の息子だったらのぉって言ってたんだから…」
「本当ですか…」
「うん……あっ…」
「これこれこれー!!そこまでじゃこの馬鹿者どもがー!!」
トロデ王は窓からこっそり後ろの二人の様子を見ていたが、見るに見かねてそう怒鳴った。
試練の山とはいうが、強くなりすぎた今の自分にとっては、試練でもなんでもなかったな、
とエイトは少し寂しくなった。無闇に傷つけたくなかったので脅かしてみたら、アルゴンリザードは
美しい宝石を落として逃げてしまった。あの時はチャゴスに同情してしまうほど苦労したのに。
それでもこの真紅の宝石を見ていると、感慨が沸いてくる。
渡す時にはミーティアになんと言おう。今度こそちゃんと練習しておかないと。
ミーティアはどんな顔をするかな。
ふいにエイトの心にミーティアへの想いが溢れ出す。
幼い時、仲良しだった頃のこと。わざと冷たくして泣かせてしまった時。旅の途中。
ミーティアのことで心がいっぱいになって、胸が熱くなった。
もっと早くここに来ていたら、もっと早く彼女の元へ向かえたかも知れない。何も考えず一直線に。
「…父さん、あなたもこんな気持ちだったの…?」
初めて「父さん」と呼んでみて、涙が零れた。
エイトは誰もいない山の中で、子供のように泣いた。
エイトとミーティアの結婚式は、二人のたっての希望でトロデーン城で行われた。
愛するお城の人たち皆に祝って欲しかったので。
トロデ王は満面の笑みを浮かべている。
二人に祝福を授けるのはククール。ゼシカとヤンガス。大切な仲間達。
そしてお世話になった方達も招待した。
大富豪のモリーさん。アスカンタの国王陛下は婚約者を連れて。トラペッタの占い師は娘さんを
連れて。ベルガラックのギャリング御兄弟。ちょっと複雑な顔をしたサザンビークの国王陛下。
泉のおじいさん。ハワードさん。グラッドさん。川沿いの教会のシスター。メダル王とメダル王女。
ニノ法王も招かれたが法王ではなく、どうみても破戒僧にしか見えない彼が祝福を行う
のでみんなびっくりした。それから女海賊も仲間を引き連れて来てくれた。
両親の形見の指輪は懐に。
ミーティアへ贈る指輪は、今この右手の中に。
指輪の文字はこんな風に刻んだ。
"エイトから 愛するミーティアへ"
ミーティア、いつか君に話すよ。この指輪の由来を―――。
(完)
↑クラビウスに指輪を渡さないEDでここまで妄想してみるテスト
>>850 エイトがミーティアのことを言うには、もうちょっとトロデ王とフランクに話せる状況にしたほうがいいかも。
トロデ王に「今は二人っきりだし、とりあえずそんなに堅くしないでよいぞ」とか言わせて。
そうすれば自然になるかも。
そうするなら
「…ミーティア…」「…様のお幸せだけを」とエイトに言わせたほうがいいかなぁ。
ということで今後もよろしくおながいしまふ。
>>860 中編完結お疲れです!
場面の移り変わりの1コマ1コマで逐一感動があって、素晴らしかったっす。
次の作品もお待ちしております。
1日遅れですが、
ちえぞうさんのバレンタイン企画でキタ━━━━━━ヽ(≧∇≦)━━━━━━!!!!!
わざわざここで言うくらいだからミーたんが真っ赤になって
エイトにチョコ渡してるでも描いたのかと思って見に行ったらヤンゲルだったこの悲しさ
お前にわかるか
それとDQ世界にバレンタインなんてありませんから
残念!
話は良いんだけど、何だか誰視点でのSSなのかイマイチ分かりづらかった。
辛口でゴメン。俺が文盲なだけかもしれんが・・・・別にダメと言ってるわけじゃない。
ちえぞうって誰さ
>>863 更新履歴チェックしてみ?
企画初日分な。
>>861 早朝からレスありがとうございます。
どうも私の書くエイトは堅物過ぎて(ムッツリ助平)ちょっと不自然でしたね。
ホントはあそこで 「 『ところでエイトよ…。もうちょっとこっちに来て座れ!違う、ここじゃ!』
エイトは仕方なくトロデ王の横に膝を立てて座った。」
というようなのを入れてたんですが、削りました。さすがなご指摘だと思いました。
てか、痛恨のミス oez ラストシーンでトーポたん書き忘れました・゚・(つД`)・゚・
あと誰視点というのは今回特にないです。色んな人の心情の交錯…みたいなテーマでやってみました。
誰もいないようなのでコソーリと
私はトロデーン西教会で働いているシスターでございます。最近、こちらの教会へ派遣され
て参りました。
この世界には街中の教会の他、辺境の地にも教会がいくつかあります。それらは本来旅人た
ちのために建てられたものですが、時々訳ありの人々がやってきては懺悔をしたり、こっそ
り結婚式を挙げたりしています。
こういった辺境の教会はいわゆる出世コースから外れた人が派遣されると言われていますが、
私は出世には全く興味がなかった上、そういった人生模様を垣間見たかったのでこちらの教
会を選びました。
少し歩けばトロデーン城がありますが辺りに集落はなく、これはのんびりとできるかな、と
思っていたのですが意外にも人はたくさんやってきました。猟に出て毒を受けた狩人や、怪
し気な物を拾って呪われてしまった人など、教会を訪れる人が途絶えることはありません。
新米の私と、年老いた神父様の二人しかそういった治療はできないので、割合忙しい日々を
送っています。でも期待していた駆け落ちカップル二人きりの結婚式という状況には未だ行
き当たらず、ちょっと残念な気もしていました。
ところがある朝のこと、ついに期待していたことが起こったのです。人目を忍ぶように一組
の男女が入ってきて、神父様に式を挙げてくれるよう頼みました。神父様は一つ二つ二人に
確認をとると式を挙げることを承諾し、私にブーケを作ってあげるよう命じました。
私は事の成りゆきにすっかりわくわくしながら花を摘もうと外に出ました。急いで野に咲く
雛菊や野ばら、きんぽうげなどを集めていると、子供たちが駆け寄ってきました。
「お姉さん、教会の方?」
碧色の瞳が印象的な女の子が話し掛けて来ました。すると
「しーっ、シスターさんって呼ぶんだよ」
しっかりした感じの連れの男の子が注意しました。
「あっ、そうだったわ。ごめんなさい、シスターさん」
「いいのよ、好きなように呼んでくださいな。ところで何かご用かしら?」
そう言うと女の子の方がにっこりして手に持っていた花束を差し出しました。
「もしよかったらこれを使ってください。シスターさんお花を集めているみたいだったから」
ここに来るまで集めたのかとても色鮮やかな花束でした。
「まあ、どうもありがとう。この花束を持つ人もきっと喜んでくれるでしょう」
お礼を言うと二人は顔を見合わせました。
「誰かにあげるの?教会に飾るんだと思ってた」
「これから教会で結婚式を挙げる人たちがいるのよ。これは花嫁さんが持つブーケなの
あなたたちもよかったら教会でお祝いしてあげて」
そう言うと女の子の方がぱっと嬉しそうな顔になりました。
「ほんと?ねえエイト、見に行ってもいいでしょう?」
「うん、いいよ」
エイトと呼ばれた男の子が頷くと、女の子は小さく手を打ち合わせ、
「結婚式を見るのは初めてよ。わくわくするわ」
「わくわくしてもいいけど教会の中では静かにしててよ。この前みたいにきょろきょろして
ると変だよ」
「ひどいわ、きょろきょろしていたのはエイトじゃない。何を見ているのか気になったんで
すもの」
兄妹かしら?仲良しの幼馴染ってところかしら?男の子の方がお兄さんかな?二人のやり取
りを聞きながら私は急いでブーケを作って
「さっ、できた。二人とも、式を見たかったら一緒にいらっしゃいな」
と、教会へ二人を連れて行きました。
式の準備は調っているようでした。教会の扉の前に新郎と何とか持ち出したらしい白いドレ
スに着替えた花嫁が待っていましたので、ブーケを渡し、
「この子供たちも式に参列してもいいでしょうか」
と言いますと
「まあ、可愛い子供たちですこと。私たちの結婚を祝ってくれる人などいないと思っており
ましたのに、本当に嬉しいですわ」
と言ってちょっとだけ涙ぐんでいました。
「花嫁さんが泣いてはいけませんよ。扉が開いたらまっすぐに祭壇へ進まれて、後は神父様
の問いにはっきりとお答えください。
私たちは一足お先に入らせていただきます。」
是非一度言ってみたかった台詞が言えて若干興奮気味な私と、さっきまで口げんかしていた
けれどここにきて急に神妙な顔になった二人の子供は先に教会の中へ入りました。子供たち
は後ろの方に腰掛け、私は式の補助のため内陣へ入ります。神父様は私に頷きかけると、扉
を開けるよう指示して式を始めました。
式は恙無く進み、子供たちも見守るなか、二人は指輪を交換して誓いの口付けを交わします。
「二人の行く末に神のご加護のあらんことを」
神父様の祝福を受け、二人は一礼して式は終わりました。華やかなことは何もないひっそり
とした式でしたが、夫婦になったばかりの二人はとても幸せそうでした。神父様、宿屋のお
かみ、子供たち、そして私に見送られ、新婚の二人は教会を出て行きます。去り際にブーケ
を女の子に手渡して。そして扉を出たところで花婿が
「皆さん本当にありがとうございました」
と一礼すると花嫁を抱き寄せ、ルーラでいずことも知れず去っていったのでした。
なんだかいいことをしたような気持ちで、教会の外で二人の去った空を見送っていると裾を
引く者があります。見るとさっきの女の子が私を見上げていました。屈み込んで
「どうしたの」
と聞いてみました。
「あのねシスターさん、ミーティアたちも結婚したいの」
「えっ」
ちょっとびっくりしたけれどそれは子供の言うこと。きっとさっきの式を見て自分たちもし
てみたくなったのでしょう。まだ結婚の意味も知らない子供ですし。
「あのね、結婚は大人にならないとできないのよ」
がっかりさせないよう優しく言った後で、これならいいかな?ということを思いつきました。
「そうね、今すぐ結婚はできないけれど結婚のお約束ならできるかな。どうする?」
「本当?!」
「でも結婚って二人がしたいって思わないとできないのよ。二人ともいいの?」
男の子の方はそっぽを向いています。女の子−ミーティアって言ったかしら?−が
「いいわよね、エイト?」
と顔を覗き込むと、ますますそっぽを向きましたが、
「う、うん」
と顔を赤くして頷きました。
「お約束ってどうするの?」
「さっきの結婚式みたいなことするんでしょう。でも僕たち指輪なんて持ってないよ」
「うーん、じゃ何か代わりになるもの、例えばこのお花なんていいんじゃない?」
ことの成り行きがすっかり面白くなった私がそう言うと女の子が手を叩きました。
「あっ、いいことを思いついたわ」
と、駆け出していきました。しばらくして戻ってきたその手にはシロツメクサが握られてい
ます。
「これで指輪を作るわ。いいかしら?」
そう言うと花を絡めて指輪を作り始めました。私は男の子と顔を見合わせその様子を見守り
ます。男の子は渋々といった顔を作っていましたけれど、口の端が笑っていましたとも。
「シスターさん、あのね、この指輪でいいかしら?ちゃんとお約束できる?」
女の子はとても真剣な眼差しで私にそう聞いてきます。その横で男の子も真面目な顔で私を
窺っていました。あまり真剣なのでちょっと可笑しかったのですが、笑っては可哀相なので
「いいですとも。約束しますって誓った印ですもの」
真面目に答えてあげると二人の顔がぱっと輝きました。嬉しそうな顔を見ると幸せな気持ち
になれます。そう言えばさっきの二人もそうでした。
今日はいい日だわ、と思いながら、
「ではエイトくん、あなたは将来この人と結婚すると誓いますか?」
と問い掛けると、さっきまでもじもじしていたはずの男の子は女の子の顔を見てしっかりと
「はい、誓います」
と答えました。
「ミーティアちゃん、あなたは将来この人と結婚すると誓いますか?」
女の子も男の子に向かってにっこりして
「はい、誓います」
とはっきり答えました。あまりにかわいらしい様子に口が綻びながらも厳かに
「お約束の印に指輪の交換を」
と言いますと二人ともさっきのシロツメクサの指輪をお互いの薬指に嵌めあいました。
「僕の気持ちです」
「ミーティアの気持ちです」
と言いあいながら。
「では誓いの口付けを」
さてこの子たちはどうするのかな?きっとほっぺにするのよね、と思いながら見ていると、
もじもじと見合っていたと思ったら男の子が手を取ったかと思うといきなり唇に接吻したの
です。さすがに女の子もびっくりしたらしく一瞬目を見開きましたがそのまま瞳を閉じて誓
いの口付け−ままごとみたいなものですけれど−を受けていました。
時間にすれば大して長くはありませんが唇を離した時、女の子の方は頬を染め、男の子の方
はにこにこ顔で
「将来お嫁さんになってね」
と言ったものでした。最近の子供ってませているわね、と見ていると女の子も
「絶対ミーティアをお嫁さんにしてね」
と答えたのでした。
「大人になったらいらっしゃい。その時は本当の結婚式をしてあげる」
「はい」
幼いながら、いえ、幼いからこそまっすぐに好きな気持ちを示せる二人を羨ましく思いなが
らそう言うと、二人は深く頷いたのでした。
あれから十年近い年月が過ぎました。あの時の子供たちは時々教会に遊びに来ては
「もう結婚してもいい?」
と聞いてきたものですが、ここ数年はぱったりと姿を見掛けなくなりました。それもそうか
もしれません。きっとあの時の子供たちも今では年頃になっているでしょう。幼い日の約束
を忘れ別の道を歩いているのかもしれません。それもまた世の常です。それに納得がいかず
神職の道を選んだ私ですが…これは個人的なことでしたね。
そのようにかつてに思いを馳せつつ日々の勤めを果たしていましたが、ある日トロデーン城
に恐ろしい災厄が降り懸かり城は一夜にして滅び去りました。人々の往来も途絶え、教会は
すっかり淋しくなってしまいました。城の様子を窺いたくとも強い魔物が城内に溢れ無事に
帰ることすら覚束ない有様。
そんなこんなで城の人々を案じていたある日、一組の旅人たちが教会を訪れました。先頭に
立っていた男性には見覚えがあります。背も伸びて凛々しい様子でしたが、あの時の男の子
でした。連れの中にあの時の女の子は…いませんでした。やはり時の流れに負けてしまった
のねと見ていると、こちらに気付いた様です。
「ご無沙汰していました、シスターさん」
すっかり大人びた様子でした。
「これからトロデーン城へ行くんです」
「まあ、魔物が徘徊して危険なのに。悪いことは言いません、止めた方がいいのでは」
私は引き止めましたが彼はきっぱり
「いいんです。何としても行かなくては」
そう言った後、小さく
「あの日の約束の為にも…」
と呟いたような。いえ、気のせいということにしておきましょう。忘れていなかったという
ことになぜか泣きたくなるのでした。人ごとなんですが。
「旅の平安をお祈りいたしましょう」
「ありがとうございます、シスターさん…また来ます」
そう答えて彼らはトロデーン城へ向かいます。戸口で見送りながら私は心から旅の無事を祈
ったのでした。
>869-875
かわええ(´∀`*)
>>869-875 追加補足します。
この話は「月光」「薔光」のなかでミータンが回想していた「かつて見た結婚式」の話です。
エイトタンミータン初チッスは大聖堂で派の方、ごめんなさい。
ところで…
バカポーとかわいいカポーの違いってどこにあるんだろう。
今回書いていてこの二人既にバカポーの素質充分だと思ったんだがw
とりあえずノロケてクックルにため息つかれるのはバカポー
>879
…納得。すげー説得力だw
>>877 自分は初キッスは馬車の中で激烈派 なんすが(w
仲良しの子供の頃はもう何しててもオッケーって感じですよ(;´Д`)
大人エイトもカッコいいです。私がシスターなら惚れます。
バカポーは馬鹿に見えるカップル、かわいいカポーはかわいく見えるカップル。そんな感じですかね。
お人少ないようですし、たまには雑談しましょうかw
最近、エイト視点の方がよかった、誰視点か分かりづらかった、というご意見を頂いたのですが、
どうも自分がエイト視点を考えると主人公スレのエイトみたいになるんですよ。うはwwww みたいな。
んで結局エイト一人称やらないまま「切ない二人」は完結してしまったんですけどね。
>877さんはエイト含め色んな視点から書かれているんで、スゴイなーと思います。
>881
かつては漏れもエイト視点できないと思い込んでました。
でもミーティア視点だと思考がぐるぐる回った揚句、どこかに飛躍してしまうのに対し、エイト視点はわりに筋道があるので書いてて以外に楽でした。
妄想モード入ってしまったら、その時は文には書かず勝手に妄想させておきますw
約束の話は後で仲間に話して「ガキの頃のキスなんて犬とするようなものだ」と言われへこんでたりしてw
いろんな人の視点で主姫を書くことで自分の中のバランスを取っているのかもしれません。
>882
なるほどー。私は逆にミーティア視点は割りと一本道な感じでした。一方エイトの思考は全然つかめません。
多分、自分自身がエイト萌え寄りなんで、エイトに萌えるミーティアの気持ちに入り込みやすいのかもw
しかし妄想モードも困りものですよね。これが結構不眠の原因になったりして。
あー、またやっちゃったって感じですよ。>882さんてタフだなぁとビックリします。
ミーティア視点とエイト視点、う〜ん、そういったことをほとんど意識していませんでした。場面によって
エイト視点になったり、ミーティア視点になったり、はたまた、ククール視点になったり、トロデ視点に
なったり、このように、視点が場面によって変わってしまうと読みにくいのでしょうか。
妄想モードに入ると、気がついたら、夜が白々明けていたこともありました。翌日の仕事、死にました。
エイト萌えで行きたい時はミーティア視点、ミーティア萌えで行きたい時はエイト視点ですかね。
バカポー時はククールでw
>妄想モード
結構しょっちゅう入ってますよ。はっきり書いてないだけで。
「夕陽」なら「手を伸ばして、そして…」のくだりとか。
最初はもっと踏み込んだ内容でしたが、削除しています。
>>884 ですよね。言わば神の視点というかw 作者視点というか。
誰視点だ?と聞かれて正直、えー…。
私も3連休で逆に消耗して今日からキツイなーって感じでした。
>>885 もしもし?w
妄想モードって別にそういうコト限定で言ってないんですけどwww
言わば頭の中で文章を練る というかそういう意味で使ってまつ。
>884
読んでいる側としては急に変わると?となるかもしれません。
一行空けるとかはどうでしょうか
>886
あ、これは失礼。
妄想するのは自分でしたか。
…実はそれってないんです。
まあ実際考えているのは自分ですが、自分の思考を超えて勝手な行動をすることはよくあります。
これ一番困るんですがどうしたものでしょう。
>>888 >自分の思考を超えて勝手な行動
それはちょっと、自分にはないですね。というかネタに困らなさそうで羨ましいというか。
想像力がたくましいんでしょうね。中々あそこの教会のシスター視点で書こうとか考えつかないですよw
自分はどちらかというと文章の響きとして美しいかとか、改行のタイミングで字数が収まるように
言葉を工夫しようとかそういうのばっかり気にしてる気がします。
>889
いや、実際なると全部破棄しなければならない程の破壊力を発揮したりするんで困るんです。
子供時代については、主姫を見守ってきた人々が必ず何人かいたでしょう、と思い教会のシスターを選びました。
主姫に対し適当な距離が欲しかったので。
>>868 むっはー、乙ですた!いいねぇ、こういうのは。
馬鹿ポーの素質はあるけど、子供のやることだし…ということで
ほのぼのと読めましたよ。
シスターの私情が時折垣間見えたりするのもいいかんじ。
妄想をSSで垂れ流し=「ネ申」
俺の妄想は大抵18禁方向へ進んで行っちまう・・・自分の発想の貧しさに鬱。
スレの内容と全く関係無い事で悪いが
>>886氏よ、
「w」の多用は相手を小馬鹿にしているようで悪い印象を与えかねんから、使用を控える事をお勧めするな。
私の妄想は、既存の枠組みをを勝手に突破して、元の話はなんだったけ?ということになりかねないのです。
それで、こちらのスレで投下してよいかわからない話になってしまうんです。続きどうしよう・・・・。
MSか?
だから、改名みたいに専用スレ立ててそこでやったほうがいいって言ったでしょ
改名さんは、あの年を追うごとに難解になっていった文体と、
批判を受け入れない投下とコメントのイタタタさがあったからだけど……。
MSさんの作品は萌えスレに投下するSSとしては普通だと思う。むろんコメントも。
ひとつ書いておくと、
独自設定を入れずに本編そのままを文章に起こしただけのゲームノベライズなぞ、読む価値はない。
誰もが答えのわかっている問題の模範解答みたいなもので、楽しいのは書いた本人だけ。
だいたい、ゲーム本編から逸脱することと世界観から外れることはまったくの別問題で、
もしその二つが同じというなら、
スクエニから出版されてる小説も漫画もすべてDQの世界を舞台にしてはいないということになる。
当然ながらその逸脱の程度にもよっては「こんなのDQじゃねえよ」ということになるわけだが、
書きながら「この世界は書いてる自分だけでない、みんなのDQなんだ!」と何度も思い直せば、
よほどのことがない限り世界観からはズレないはず。
ついでに書いておくと、バレンタインなどのこちらの世界のイベントを持ち込むことについては、
世界観そのものが味である長編などにおいては不可だが、
キャラクターやシチュエーションを描く短編、それにユーモアの分野においてはとくに問題はない。
その世界にそんなイベントが「ない」とは、誰も断言できないのだから。
もちろん、何でもかんでもいいわけでも、好き勝手書けばいいわけでもなく、
それにも限度ってものがあるわけですけど……。
独自設定いれるなと言われると辛いっす。結構本編にないネタ入れているので。
自分は毎回「状況Aの時二人はどうリアクションするか」というのを主眼にしています。
なのでバレンタインネタの時もミーティアが聞いたらどうしようとするか、それに対するエイトは?というのが目的でした。
現実を入れて欲しくない人もいることを忘れている訳では決してないです。
>>894 続き読みたいと言ってみるテスト
898 :
886:05/02/15 20:19:52 ID:wWyepNOt
>>893 いや、全くその通りです。いくら直前に主人公スレを見ていたからといって、
突然奇妙なテンションでw連発なレスを連発…。お恥ずかしい限りです(>_<,)
読まれていて不快に思われた方、申し訳ございませんでした。
>>885 そういう意図はまったくありませんでした。お話伺って大変参考になりました。
体力的な限界を感じていたりして、正直今後続けるかどうかも含め結構悩んでいたんですけど、
またいつか違う切り口語り口で別のエイトとミーティアを書けたらいいな、と思えるいいきっかけを
頂いたように思います。それと、何よりレスの応酬がとても楽しかったです(^-^)
ありがとうございました。
改名さんって誰のこと?
>899
自分も最初から過去レス読んだけどわからなかった。
スレ立った直後から張り付いてたんだけどな。
ということで、改名さんって誰?
というか、改名さんて人の名前だと知ってホッとした。
「改名的な何かを感じる」
というあのフレーズがなんかカッコよくて頭に残ってたんだけど、
全然意味が分からなくて色々考えますた。
言ってもいいのかな…
>改名氏
ssの書き手さんです。ある意味有名?
漏れは付いていけなくて読んでないのでコメント致しません。
更新しました。
756-875までの6作品を保管
・MS ◆yGUnQdhyV2氏 愛の逃亡者03〜05
・◆JSHQKXZ7pE氏 バカポーネタ第五弾 , 夕陽 , シロツメクサの約束
・794氏 無題
・◆sVVR0Q7eM2氏 エイトから 愛するミーティアへ
まだDQ8の作品は保管されてませんが千一夜へのリンクも貼っておきました
間違いなどがあれば連絡ください
http://www.geocities.jp/eight_meteor/
>>903 乙です。ありがとうございます。うれしいです。
>>902 今、改名さんという方が、どこにいるかだけでも教えていただけませんか。
>>884=
>>886=
>>898 >>893がwの多用で言ってるけど
加えて、その2ちゃんじゃないAAも控えた方がいいと思うよ。
このスレでは大丈夫だと思うけど、他で使うと煽られたり
荒れる原因にもなりかねないし…もしかして初心者?
>>903 いつもありがとうございます。
結構増えましたね。管理して頂いて有難いです。
>>903 乙です。いつもありがとうございます。
>>905 ごめんなさい、わからないです。 作品自体は千一夜で読めるかと。
>>906 いや、ゴメン…恥ずかしながら2chは全然初心者じゃないっす。
ぶっちゃけ、この板は初心者だけど。
2chぽくない顔文字はちょっとわざと使ったけど、そんなに変でしたかね?
煽られたり荒れたりは、使ってる文脈にもよると思いますが。
>>895 一人で宇座杉。おまえぷぎゃだろ。
>>894 貼っていただいてかまいません。すくなくとも漏れのきもちはキボンヌです。
911 :
909:05/02/16 00:32:27 ID:wOViDdTE
>>906 いや、やっぱり変だと思うわ。
てか漏れはこのスレでは変になるんだ。
自分でも分かってる。皆さん指摘サンクス。orz
きっとタンバリン打ち鳴らされていてテンション上がってるんでしょう。
双竜打ち、ジゴスパ、ギガブレなど思う様ぶちかましてくださいw
うん、ありがとう(つД`)
>913
充電してまた書いてください。
雑談楽しかったです。
915 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:05/02/17 16:59:29 ID:BYAwVQX0
底辺が見えるほど沈んできたのでage
悪天候が続く今日この頃、ミーティアの散歩は中止になっている。毎朝の散歩にはいつも僕
が付いていたが、先日
「別の近衛兵をお連れになっては」
と進言したところすっかりふさぎ込んでしまって、その後は天気の悪さもあって一度も会っ
ていない。ちょっと言い過ぎたかな、と思っていたある日、姫付きのメイドさ
んが僕のと
ころへやって来た。
「『前に話した本、とても面白かったから是非エイトにも読んで欲しくって』とおっしゃっ
ておいででしたわ。散歩の時にでも返して下さればいいそうです」
そう言うと本を置いていった。
確かにかつてこの本の話をしたことがあった。でも随分前の話だ。よく覚えていたな、と思
いながらページを繰っていくと栞が挟まれてあった。薄く鞣した革に金箔でトロデーンの紋
章が刻まれたもの、そう、ミーティアの物だ。どうしてここにミーティアの栞が?と思いつ
つそのページを読んだ途端、僕は息が止まりそうになった。
会わないでいよう とあなたは言う
でも どうしてそれに 従えましょう
干潟に育つ葦の その節ほどの
ごくわずかな時の中でしか 私たちは会うことができないのに
ミーティア…どうしてそんなことを言うんだ。いつか必ず会えなくなる日が来るって分かっ
ているのに。その日への覚悟をするために避けているのに。今でさえ僕は気持ちを抑えるこ
とに苦労しているのに、二人で会って話してしまったらもう我慢できないに違いない。ミー
ティアへの気持ちが何物であるか気付いた頃はまだ抑えることができた。でももうその気持
ちは大きく育ってしまって、いっそどこかへ攫ってしまいたいと思う程自分の中で暴れている。
だからこそ、別の近衛兵を、と言ったのに。輝くような笑顔を僕に向けてくれる度、僕は自
分の中の焼け付くような思いと戦わなければならないから。その笑顔に負けてしまえたらど
んなに幸せだろうと何度思ったか。負けてはならないはずなのに。
そうやって笑顔を避けようと顔を背ける度に悲しそうな顔をさせてしまう。見ていて切なく
なってしまう程悲し気で、つい手を伸ばして慰めてあげたくなる。でも触れることはできな
い。どうなってしまうのか自分でも分からないから。そんな自分に負けてしまう前にあの人
を思い切ってしまいたいと何度思ったことだろう。
だから、最初は別のページに栞を挟んだ。「直接会って話せるならば話してしまいたい。思
い切れるならば思い切ってしまいたいと」という内容のところに。
でもよく考えたらこんなことを改めて言う必要なんてない。分かり過ぎる程分かり切ってい
ることで、今はそれを見ないようにしているだけなんだから。
自分の気持ちをぶつけて悲しませるよりは些かの希望でも持たせてあげたい。一番大切なこ
とはあの人の気持ちで、僕がどうこうということではないはず。
僕は恐る恐る栞を取り出し、別のページに移動させた。
本当にこの通りになればいいのに。儚い願いだとは分かっているけど。
栞を挟んだ本を渡してから数日後、朝の散歩の時に本が返ってきた。
「どうもありがとうございました、姫様」
という素っ気無いほどの言葉とともに。エイトの様子はいつもと全く変わりなく、期待しな
いようにしていて、その実何か起こることを期待していた私はちょっとがっかりした。その
上エイトは、
「僕はこれから歩哨の仕事があるので失礼いたします」
とあっさり踵を返して行ってしまった。気付かなかったのか、それとも気付いたけれど私を
主としか見ていないのであのような態度だったのか分からない。きっとエイトから何か反応
が─それもいい反応が─あると思い込んでいた自分が恥ずかしい。あんなことしなければよ
かった。何を期待していたの、馬鹿なミーティア。
でもふと本に目を遣ると栞の位置が移動していることに気付いた。確かもっと前の方に栞を
差していたはず。でも今はずっと後ろの方に挟まれている。これは、もしかして…?
高鳴る鼓動を抑え、心は急いで、でもそうは見えないようにゆっくりと部屋に戻る。緊張の
あまり脚が震え、息も乱れて部屋に辿り着いた時にはふらふらになってしまった。椅子に倒
れ込むようにして座ると、覚束ない手でページを繰る。早く早く、と思っても思うように動
かない自分の手がもどかしい。
漸く見つけた栞のページにはこう書かれてあった。
岩に割かれた 急流も
その流れは いつか必ずめぐりあう
今は人目に引き離されても 本当の思いならばまた会えるように
だから忘れないで 再び会えるその日が来ることを
信じているから その日が来ることを
…そうね、そうかもしれないわよね。先の事は分からないんですもの。希望だけは大切にと
っておきましょう。ありがとう、エイト。もしかしたらたまたまここに栞が挟んであっただ
けかもしれないけれど、ちょっとだけ楽になったような気がするわ。
そしてごめんなさい。あなたの気持ちは分かっていたつもりだったのにあんなことを言って
しまって。でも側にいられる限りずっと側にいたいの。だってそうでしょう?会えなくなっ
てしまったら、会うことができた日々を思い返すことしかできないのよ。わがままだとは分
かっているけれど、今だけは側にいたいの、エイト。
…今だけは先のことに目をつぶって、希望だけを持っていましょう。再び会えるその日があ
るって。
きっとあるわよね、エイト…
ミータン正式婚約のちょっと前ぐらいの話です。
以前「言葉に出しては伝えられなかった」と書いてしまった手前、このような回りくどい方法を取らせてしまいました。
文中のヘボポエムは元ネタがあります。
ミーティアが選んだものは「小倉百人一首 19番 伊勢」の
難波潟短き葦の節の間もあはでこのよを過ぐしてよとや
エイトは「同 77番 崇徳院」の
瀬を早み岩にせかるる滝川の割れても末にあはんとぞ思ふ
を使わせていただきました。
外国詩の方がよかったんですが、翻訳する力はないし、不都合が起こるとまずいので。
通説に従いましたが、ちょっと意訳してるので試験では使わない方がいいかも。
エイトが最初に選んで栞を挟んだのも「同 63番 左京大夫道雅」の
今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならでいふよしもがな
です。こちらの方がよりエイトの気持ちに近いんじゃないかと思うんですが、敢えて別のものを選ばせていただきました。
いきなり視点が変わると驚くので
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
↑みたいなの入れるとベター
>921
あっ、忘れてた!
orz
いいねー。この切なさたまらないッス。
しかし小倉百人一首ときましたか。
「久方の光のどけき春の日に」「しのぶれど 色に出でにけりわが恋は 」
の2首くらいだな。覚えてるのは。
手紙出したり言葉に出せないといった状況ならどうするか、と思って。
さらにあからさまに「恋」と入っているものもまずいし(なので『忍ぶれど』は使えませんでした)、となってかなり悩みました。
自分で作るのは論外だったし。
>>920 こういうの大好き!!!乙!乙!乙!乙!乙!
>>924 しず心無く花の散るらん
千早ぶる神代も知らず龍田川唐紅に水くくるとは
天津風天の通い路吹き閉じよ乙女の姿しばしとどめん
名にしおわばいざこと問わん都鳥我が思う人はありやなしやと
見渡せば花ももみじもなかりけりしぎたつ沢の秋の夕暮れ
心無き身にも哀れは知られけり浦のとまやの秋の夕暮れ。
うろ覚えの短歌です。舞い上がって見苦しかったらスマソ×100
そういや、この二人には筒井筒もいい感じだなー。
筒井筒井筒にかけしまろがたけおいにけらしな妹見ざる間に
筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざる間に
だった。失礼。
でも筒井筒の夫のほうは倦怠期だかで浮気しちゃうわけで。けっきょくは妻のもとに帰るけど。
僕の髪が肩まで伸びて〜君と同じに〜……なるまで待ってたら大変だな。
歌だけね。
今日は公式ガイドブック発売日ですな。
姫の絵が載ってるみたいだが高いので迷い中w
ガイドブックネットの本屋さんで予約したんだけど、
昨日の晩「出荷完了」のメールが来たよ。
今日中に届くかなあ……。
たくさんの感想ありがとうございました。
昨日は寝不足で早寝してしまって、直に読めなくて残念です。
ネタとしてはずいぶん長く温めていたんですが、ためらっているうち機会を逸していたものです。
小道具の本は想いを仮託するだけのものなので深く追求しないで頂けるとありがたいです。
公式本発売記念でssいってみようかな…
夜にでも。
袋とじはやめて!!
931ですが姫の絵載ってないそうですね、スマンカッタ。
どこかで載ってるって見かけたけど馬絵なのか…。゚・(ノД`)・゚・。
キミが謝ることはないよ。
ホントひどい話だよねぇ。楽しみにしてたのにさあ(つД`)
うう、何だよ、袋綴じなんてあるからてっきり姫だと思ったのに。
いや、
>>931を責めている訳では決してないから。
スクエニにやり切れない怒りを向けつつss投下します。
が、お約束に抵触していとは思いますが若干そういう内容を含むのでご注意ください。
眠りに落ちるまでのわずかな時間、私たちはちょっとだけ話をする。
昼間あったことや城の人々のこと、子供の時のこと、旅の時のこと。色々話すうちにもう一
度愛を交わし合うことも。
その夜も私たちは寝台の中でちょっとだけのつもりで話をしていた。今夜は旅の時の話だっ
た。あの頃は呪われていたけれど自由に外を歩くことができて楽しかった、というようなこ
とを話しているうち、エイトが
「明日は何の予定もないし、真夜中の散歩に行かない?風もなくて穏やかな天気だし」
と言い出した。
「でも大丈夫かしら?明日の朝私たちがいなかったら大騒ぎになるんじゃ…」
「大丈夫。ルーラで行ってすぐ帰ってこられるとこだから。ねえ、行こうよ」
近頃見ない程嬉しそうな顔のエイトを見ているうち、「行ってもいいかな?」という気持ち
になった。
「ええ、行くわ。じゃあ服を出さないと…」
「着替えなくていいよ、人のいないところに行くから。それに服なんか出してたら他の人を
起こしちゃうよ」
ますますにこにこ顔でそんなことを言う。でも夜着は薄手だし、ガウンはもう少し厚みはあっ
て透けないけれど、でもとても外を歩けるような物ではないのに。それに大体エイトなんて
ガウンしかないのにどこへ行くの。人のいないところってもしかして、ど、洞窟かしら?そ
んなところ、いくらエイトと一緒でもちょっと怖いわ。
「早く行こうよ。もうすぐ歩哨の交替時間でどさくさに紛れて外に出られるから」
エイトはそう言いながら寝台から滑り降りてガウンを羽織り、剣を背負う。私も仕方なく夜
着とガウンを着た。でもこんな格好で外に出るなんて…誰もいなくてルーラで行けるところ
なんて、洞窟しかなかったと思うんだけど、でも洞窟はちょっと…
「じゃ、行こうか」
そう言って私と手を繋ぐと音を立てないように部屋を出る。早速封印の間への扉の前に衛兵
がいたけれど、エイトが話しかけて気を逸らしている隙に私がそっと通り抜けるという方法
でかわし、城の東翼のテラスに出た。
「僕にしっかり掴まってて」
そう言うエイトの身体に腕を廻すと、エイトも私を抱き寄せルーラを唱えた。
風を切って着いた先は、
「…ふしぎな泉」
「うん。夜だし誰も来ないよ」
ちょっと南へ来ただけなのに夜風は暖かく、夜露もなくて薄着でも平気だった。私たちは並
んで泉のほとりに腰をおろした。
不思議な色合いの光を孕んで泉は輝いている。旅の途中、エイトは何度もこの泉へ足を運ん
でくれた。ほんの一時、私の姿を戻してくれるために。
「ありがとう」
「ん?どうしたの、急に」
エイトへの感謝の気持ちが込み上げて言った私の言葉は唐突に聞こえたらしい。不思議そう
な顔で私を見返した。
「あの旅の途中、何度もこの泉に足を運んでくれて、本当に嬉しかったの。わざわざ歩いて
くれて…」
そう言うと、エイトは照れ臭そうに笑った。
「あの時は宝箱を探していたんだし、それに回復するのにちょうど良かったから」
ちょっとぶっきらぼうな言い方に自然と微笑みが溢れた。旅の終わりの方は船も神鳥の助け
もあったから、歩かなくてもよかったはずなのに。
「でもああやって話すことができて嬉しかったわ。もう何年も色々な話をすることなんてで
きなかったから」
「…うん、そうだったね」
腕が私の肩に廻される。私もエイトの肩に頭をもたせかけた。
「前はただ怯えていたの。トロデーンを永遠に去って結婚しなければならないこととか、
…エイトとお別れしなければならないこととか」
今も思い出す度に身体が震える。エイトの腕に力が込められてより強く私の肩を抱いてくれ
た。
「じゃあ今は?」
低く優しい声が耳許で囁く。
「今は怖くないわ。…いいえ、たった一つだけ怖いものがあるの」
ふと思い至った私は腕を外して向き直った。
「何よりも怖いのはエイトを失ってしまうこと」
「ミーティア!」
その瞬間、私はエイトに激しく抱き締められた。骨も折れんばかりに強く。
「そんな悲しいことなんて考えないで。僕はミーティアの悲しみを無くしたいのに、ミーテ
ィアがそんなこと考えていたら、僕はどうしたらいいの?」
予想外の激しさに何も言えず、ただ為すがままになっているといよいよ強く抱き締められた。
「結婚式の時の『汝のものを我がものとし』という誓いは何だと思っていたの。物だけじゃ
なくてお互いの喜びや悲しみを共有していこうということじゃなかったの?
ミーティア、言って。僕はその怖れに対してどうしたらいい。僕には何ができる?」
「エイト、ごめんなさい…」
あまりに強く抱き締められて息をすることすら辛い中、ようやくそう呟いた。薄い衣を通し
てエイトの心臓が激しく鼓動しているのを感じる。こんなに興奮させてしまってごめんなさ
い。そんなつもりではなかったのに。
「ただ、側にいて。こうして抱き締めてくれるだけでいいの…」
そのまましばらく無言のまま抱き合っていた。心から愛している人の腕の中で互いの鼓動を
感じられる幸せを噛み締めながら。
「このまま…死んでしまいたい。一番幸せなこの瞬間に」
小さく呟くとちょっと笑った気配がした。
「駄目だよ、そんなの。ミーティアは僕と一緒に生きていくの」
そうね、そうだったわ。結婚するってそういうことなのよね。私は黙って頷くと、エイトも
頷き返した。
「そろそろ戻ろうか」
「ええ。帰る前に泉の水飲んでもいいかしら?今夜の夢でエイトに会えるかもしれないし」
「いいけど…まだ逢い足りないの?」
「そうじゃなくて。夢を見るならエイトの夢がいいなって」
そんな会話をしながら二人で泉のほとりにかがみ、水面を覗き込む。何となくエイトが水を
掬って飲んでいる様子を見ていたら、エイトがこちらを向いた。腕が廻されたかと思うと優
しい眼差しが近付いてきて、私は瞳を閉じる。ひんやりとした泉の水が熱いエイトの唇から
流れ込み、なぜか強いお酒でも飲まされたようにくらくらした。この泉の水ってこんなに甘
く強い味だったかしら?…このまま崩折れ溶け合ってエイトでも私でもない一つのものにな
ってしまいたいと思うのはなぜ?
「直に飲んではいけないんでしょ、お姫様」
ようやく唇を離してくれたエイトが私の心を見透かしたかのように悪戯っぽく笑う。
「夢の続きはトロデーンで」
なんつーか、腎虚で死にそうなエイトタンで申し訳ありません。
姫絵のない怒り、これで少しは癒されるでしょうか。
ムホーーーーーーー━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━ーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!
GJGJGJGJGJ!!!
興奮した!
>「じゃあ今は?」
>低く優しい声が耳許で囁く。
この辺はグッときた!
>ミーティア、言って。僕はその怖れに対してどうしたらいい。僕には何ができる?
ここらへんのエイトはちょっと微妙かな…。
それにしても、題材や内容が幅広くていつも感心します。
◆JSHQKXZ7pE です。
>>944氏のご指摘ですが、その台詞についてはかなり迷いました。
今まで書いてきたミータンLoveな主人公に合わないような気がして。
ただ、気弱なミータンに対する喝、というか甘々だけじゃないという態度を取らせたかったんです。
話自体が甘々ということもあったので。
お気に召さない部分、ごめんなさい。
ところで…
そろそろ次スレの季節だと思うのですが、どうしましょう。
>>941 馬鹿ポーだな…だが、それがいい!乙ですた!
保守がてらss投下したかったんだけど体力的にもう限界…
ネタは色々あるんだけど。ハァ
>>948 無理しるな、きがむいたときにうpしてください。
>>946 次のSSが始まる前に次スレに行くか、最後のひとつぐらいならいけるか…。
>950
(・∀・)ィィョィィョー!!!!
>>950 イイ!この切なさが主姫萌えの元だよね。
>>949 ありがとう(つД`)
つい愚痴ってしまったよ。スマソ
短いのだったらいけるかな?
>>953 まじであんまり無理されないようにして下さい。
次のスレタイはなにがいいかな?
>>955 「主人公×ミーティアを応援してみるスレ part2」ではまずいの?
うん、あまり奇をてらわない方が好きかも。
>恋人たちの夜にせめて立ててみる
の一文はアレンジして使えたらいいね。
「恋人たちのためにせめて立ててみる」とか。
第2章 vol2 2枚目 2冊目 その2 NO2 好きなやつをどうぞ。
>>957 1の文は生かして欲しいの同意です。
「恋人たちのためにせめて立ててみる」主人公×ミーティアを応援してみるスレ part2
では、長すぎるような気がしますが・・・。うまく短くまとめられるでしょうか。
>>959 いや、それは
>>1の文をちょっと改変するって話で、スレタイに入れるわけじゃないですよ多分。
「主人公×ミーティアを応援してみるスレ part2」 でいいと思います。
>959
スレタイにじゃなく、このスレの
>>1みたいにって事かと。
テンプレとかは特にいらないのかな。
>960
リロしてなかったスマソ。
主人公×ミーティアを応援してみるスレ part2 ←スレタイ
それで>1は、こんな感じ↓でいかがでしょうか
「恋人たちのためにせめて立ててみる」
前スレ↓
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1103901272/l50 まとめサイト↓
http://www.geocities.jp/eight_meteor/ お約束↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃カップル萌えスレのお約束です
┃1.常時sage進行。この板は下からdat落ちすることはありません。
┃2.煽り・荒らしは放置。特に他カプ萌え派を装うヲチ厨に注意!
┃3.他スレで萌えキャラが貶されていても一切無視しましょう。
┃4.SS投稿するときはできるだけトリップをつけてください。
┃5.エロ \
┃ ミ| ... '_). /
┗ ミ| (| ゚ヮ゚ノ! / ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| (ノ 姫.|つ
|~ ̄] ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ∧ ∧ ∧ ∧
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (゚ ) (゚ )
| | | =====⊂ ヽ==⊂ ヽ======
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||──( ノ〜─( ノ〜─||
|| ┏━━━━━━━━┓ ||
お約束が少しおかしくなっていました。すみません。↓これのつもりです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃カップル萌えスレのお約束です
┃1.常時sage進行。この板は下からdat落ちすることはありません。
┃2.煽り・荒らしは放置。特に他カプ萌え派を装うヲチ厨に注意!
┃3.他スレで萌えキャラが貶されていても一切無視しましょう。
┃4.SS投稿するときはできるだけトリップをつけてください。
┃5.エロSSや画像をうpする時は注意書きをしてください。
┃ ∧ノ~ 21禁以上のエログロ汚物系はピンク鯖で投下してね。
┃ ミ| ・ \
┃ ミ| ... '_). /
┗ ミ| (| ゚ヮ゚ノ! / ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
| (ノ 姫.|つ
|~ ̄] ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ∧ ∧ ∧ ∧
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| (゚ ) (゚ )
| | | =====⊂ ヽ==⊂ ヽ======
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||──( ノ〜─( ノ〜─||
|| ┏━━━━━━━━┓ ||
恋人たちのためにせめて立ててみる ←カッコはなしでよろしくお願いしまつ
966 :
963=964:05/02/21 00:04:25 ID:ZPFVB7Om
ガ〜ン。規制にかかっていて、新スレ立てられません。どなたか、よろしくお願い
します。、
すみません。あせってsage忘れてしまいました。重ね重ねすみません。
>>968 スレ立て乙です。お手数おかけしました。
スレ立てありがとう。
でもずっと見てきた1に愛着持ったらおかしいのかな?
なんで自演と思ったのか知らないけど、言い回しがいいと思ったからそう書いただけのにな。
スレ立てて下さった方、1のてんぷれ作って下さった方、乙彼&ありがとうございました。
|∀・)そう言えば人生初自作自演疑いかけられちゃった。
絶妙なタイミングでレス付いたからかな。
972 :
1:05/02/21 19:04:52 ID:X0sGxpk3
>>968 乙です。
なんか自演の疑い掛けられてるみたいなんで、一応違うと言っときます。
昨日は義経見たあとすぐ寝てたんで、ネットしてませんよ。
あ、それとコメントの一部気に入ってくれたって人、ありがとうございます。
2ちゃんでスレ立ててここまで優しくされたの初めて。
なにげにこのスレ住人多いんだろうか。
素晴らしい萌えを貰ったのでスレ立ててくれた>1さんに感謝です。
>1さんと新スレを立ててくれた>968さんに感謝です。
>>973 同じこと思った。
住人いなさそうで結構いるのかな?
本当に二人への萌えを書き綴ることができるこのスレを立ててくれた
>>1に感謝!
>973
普段書き込みしないだけで見てる人って多いかも。
なんかあると一気に書き込み増えるし。
梅
ssはもう新スレの方いいかな。
まとめ作って下さっている方にdat落ちだので迷惑かけては申し訳ないし。
こちらはまったり萌え語りでいく、というのでどうでしょうか。
これから8に関する出版物が出るだろうなあ。
個人的に小説が楽しみだけどちょっと不安。
萌え語りでなくてスマソ。
>980
そうだね。そして主人公の名前はどうなるんだろう。
もはや「エイト」以外受け付けない自分がいるよ。
適当に名付けた自分の主人公が誰ですか状態だよorz
俺は自分で付けた主人公の名前にもそれなりに愛着あるけど、SSなんかでは「エイト」じゃないと違和感あるな。
小説で全然関係ない名前になってたら少し困惑すると思う。
小説やゲームブック出て、恐らくエイトじゃない名前になるんだろうね。
その時ssはどうしていけばいいものか。
最初は「ええー」な名前だったけど今ではそれ以外考えられないよ。
ホント、その時SSはどうなるんだろう…。
もう脳内ではエイトで固定されちゃってるよ。
そろそろ埋めますか
あの…
親(エルトリオとウィニア)の話はここじゃまずいですかね。
千一夜の方がいいのかな。
ウ〜ン。ミータンが出てこないとなるとちょっとスレ違いかな。
最終的に主姫萌えにもっていくのならアリかも。
989 :
986:05/02/24 21:00:56 ID:E9SAej09
やっぱりそうか…
いや、ちょっと別のものも書いてみようと思っただけ。
主姫出演は力技使わないと難しいので別のスレに書くことにしよう。
このスレもそろそろ終わるので一言。
このスレの住人みな親切だー!
皆様方のために新スレでも頑張ってss書いていけるよう努力いたします。
今後ともよろしくご指導ください。
ス、スランプです・・・・・・。
>991氏 マターリしてみ
梅
⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡
>>991氏
お待ちしております。
どうぞゆったりした気持ちで書いて下さい。
なにこの馴れ合い
馴れ合いでいいじゃないか。
共に主姫を語ろうじゃないか。
996!!
1997 1月31日 FF7発売
。* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ
999(σ・∀・)σゲッツ!!
ダリルの墓
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
【お知らせ】
現在、FF・DQ板内の1001表示に関する議論を行っております。
詳しくは「1001表示」でスレ内検索して、当該スレまでお越し下さい。
多くの方からの御意見をお待ちしております。
FF&ドラクエだけの話題@フェレットは好きですか?