はぐれメタルは冒険に出かけました
↓
はぐれメタルは仲間にめぐり合い、めぐれメタルになりましたとさ
めでたしめでたし
はぐれメタルが現れた
旅の戦士に目を付けられ魔人斬りがHITし、戦士は経験地10000を手に入れ
レベルうpし。はぐれメタルは死にますた。
はい終了。
なんとはぐれメタルは起き上がりこちらを見ている!!
はい再開
旅の戦士ははぐれメタルにトドメをさした!
はぐれメタルは2度死ぬ編 〜完〜
仲間にしますか? はい
→いいえ ピッ!
はぐれメタルは寂しそうに去っていった。
はい終了。
旅の戦士の前に再びはぐれメタルがあらわれた!!
▽
はぐれメタルのこうげき!!!旅の戦士に19のダメージをあたえた!
9 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 14:09 ID:wpSz5rMB
なんと旅の戦士は起き上がり仲間にして欲しそうにこちらを見ている
仲間にしますか?
→ はい
いいえ
なんか即効で終わらそうとしている空気にワロタ
11 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 14:20 ID:87O7c330
はぐれメタルAが現れた!
はぐれメタルBが現れた!
はぐれメタルCが現れた!
はぐれメタルDが現れた!
みんな兄弟だった!
12 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 14:22 ID:wpSz5rMB
皆でめぐりメタルになった。
めでたしめでたし
13 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 14:33 ID:bhlC/7f8
2get
15 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 15:46 ID:wpSz5rMB
16 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 15:49 ID:t77yRIIp
ワレタ
17 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 16:12 ID:87O7c330
コアラ
はぐれコアラが現れた
よく見たらスレタイが、めぐれだぁぁぁぁぁぁぁ!
これに気づいた俺 頭良いね
20 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 17:26 ID:87O7c330
はぐれメタルが現れた!
はぐれメタルが表れた!
はぐれメタルが洗われた!
はぐれメタルって、いつ・どこで・誰とはぐれたんだろう。
もしかしたら、hugれメタル (抱きつけスライム) だったりするのだろうか。
23 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 18:27 ID:vXjjDa/2
>>21 「メタルスライムの群れからはぐれた」ってどっかで見た
はぐれメタルが萌えた
25 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/08 18:41 ID:rg6jPF50
はぐれメタルが…、あら? 割れた!!
というか正直このスレ開いたときは期待して開いた。
はぐれメタルの冒険・・・結構面白いかも?って。
でも1が盛り上げないことには盛り上がりようがないな。
このスレを1000まで盛り上がらせる神は現れないのか?
ああ哀れすぎる・・・。(このスレが)
僕はぐれメタルのはぐりん。
逃げ足の速さと体の丈夫さが自慢さ。
お母さん、こんな体に生んでくれてありがとう。
でも僕、仲間のメタルスライムたちとは違ってなんか体がおかしいんだ。
どろろっしてて波打ってる。バブルスライム君たちみたい。
病気なのかな・・・。
仲間からは体質のせいで煙たがれるし、
お母さんはこの間、自称勇者の上半身裸のパンツ被った変態に殺されっちゃったんだ。
その変態に限らず、人間は僕らを見ると血眼になって襲ってくるんだよね。
なんでだろう?
ぼくらは何も悪いことしてないのに・・・。
その変態のことは許せないんだけど、お母さんが死に際に「元気に生きろ」って言ってくれたから
思い切って旅に出ようと思うんだ。
どこか僕を迎えてくれるところはあるだろうか。
僕、体の割りに臆病者だから外に出るのも怖いんだけど、がんばって進んでいくよ!
ここは1〜2日に1レス僕の冒険日記を書くのに使ってもいいかな?
目暮目樽の冒険
GO
メメの奇妙な冒険
34 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/09 02:52 ID:iVKS3ARx
メメの初めてのお使い
.,,......、 ..,, ,,,,,_ ....,,_
`゙ヽ `'i ゙l `', `l `'j 、 ゙l l
.,! .! ,‐.., / ,/ .!\ ,,、 l /ゞ`'i ! .l-、 ._
.,! ゙'" l .ト.. -'''゛ ._,、`'、ヽ.\ _, ヽ ̄ ._..-'゙ __. .l゙''''″ .,/r'" . \
! ,i--'"゛ .ヽ .,,、 ./ | │..l l i、._.. ‐''",゙......,.`''、, `''フ /゛.,./ "゛ .`l, .ゝ v '"./⌒';; .l
! .! ゛/ / | .l | │ヽ ,/ `i. .l ./ / '゙‐'' フ_.-‐′ ./ ./ .! .!
_,,,,,,,) | / / .l゙ l゙゙ヽ, .| `" .! ! / ! .,、″ / .| │ !
/..,,,,,_. `''-、 / i,゙ ./ ! ゝヾ / l ./ ,! /.! / .i | / ̄`" /
| .'(__./ .,、 `'、 / / ゙i`" / _/ ./ i′ l゙ | ゙―-‐⌒゙' l、 .ヘ´ ,!| 〈,゙> `、
.ヽ,、 _./ `'-、,,ノ .ヽノ .! ,./ _,;;;;' ,-‐´ .l ./ ヽ、 _ノ.″ ! ./ ヽ、 _..-、 ノ
. ̄´ ´  ̄ `゛ .`゙゙゙゙゙゙´ `´  ̄ `゛
二日目。今日家を出たよ。
昔から住んでる小さいだけの洞穴だけど
色々思い出があったなあ。
いざ離れるとなると悲しい物だね。
とりあえず宛てはないけどぶらぶらしてみる事にする。
・・・と、どうやらスライム君たちの縄張りに足を踏み入れてしまったみたい。
いきり立ってるスライム君たち三匹に囲まれちゃった・・・。こわぃよぉ。
ごめんなさい出て行きますといっても聞きつけてくれない。
お母さんがスライムは一番弱いって言ってたけど僕じゃ十分殺されちゃうよ。
そのうち真ん中の一匹が体当たりしてきた!
痛っ!ぐっぐすっ。やっやられる?
逃げなくっちゃ!
しかし、回り込まれてしまったみたい・・・。
三匹に次々と体当たりを食らわされる。
平気な物もあれば痛い物も・・・。
やばい。このままじゃほんとうに殺されちゃう。
戦わなくっちゃ。
でも・・・どうしよう。いつもはお母さんが傍らにいたけど今は僕だけだ。
ボーっとしてる間にまた袋叩き。痛い!
こうなったらあれだ。僕が使える数少ない呪文。あれを使うしかない。
怖いけど・・・今は目をそらしちゃだめだ!
敵の一体、右端に狙いをつけて呪文を唱える・・・。
「メラ!」
何とか当たったみたいでスライム君が焦げて倒れちゃった。
でも他の二匹はまだ戦うみたい。
スライム君たちの攻撃をかわしつつメラを唱える。
真ん中のスライムの迫力にビビリながらも最後の一匹に「メラ!」
なんとか勝利することが出来たみたいだ。
周りを見渡せばハンモックがある。
今日はここで眠らせてもらうことにする。
明日はどうなるんだろう。友達できるかなあ?
・・・zzZ
38 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/10 00:22 ID:ryL+7cSI
めぐりん'`ァ(*´Д`)'`ァ
39 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/10 01:55 ID:VWGurBDg
めぐれ警部!
zzz・・・
・・・・実はだまってたけどアンタはメタルスライムだったんだよ
その証拠に・・・・
41 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/10 03:40 ID:kQ0WV+ZQ
井出らっきょより足が速い!
42 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/10 06:20 ID:9/YsVogS
ポカーン(゚Д゚)
いまだ3げっと!!!
はぐれメタルの使う魔法ってギラじゃなかったけ?
45 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/10 19:43 ID:/K7QR572
続編期待age
47 :
メメたん:04/03/10 20:18 ID:SiKqOdu2
メメたんは人間になりたいはぐれメタルなの♪
ずっと昔に人間と旅をして、人間になったホイミスライムがいたんだ♪
だから人間になるためにメメたん、人間と旅をしたいんだけど…
メメたんすぐに逃げ出しちゃうの♪
てへっ♪
三日目。目が覚めたので更に進んでいくことに。
無事外を出て初めての夜を過ごせました。
でも目的地がないのは寂しい・・・。
木の枝を放り投げて出た方向に向かうことにする。
西の方向を指してくれた。
家の方向でなくてよかった。ありがとう枝君。
少し歩くとおおガラス君やスライム君たちに囲まれた。
でも昨日の事もあってビビリながらも積極的に攻撃してみることにする。
迫り来る彼らをかわしつつ、「メラ!メラ!メラ!」
昨日と違ってほとんど無傷で勝利することが出来た。
もしかして僕、ちょっと強いかも♪
調子に乗ってスライム君達を倒しつつ更に進んでいく。
もちろん話しかけるんだけど相手にされない。
そんなに僕って変わり者なのかなあ。
だいぶ歩いたところ少し大きな森が見えた。
うーん。ここなら僕を受け入れてくれるモンスターがいるかもしれない。
ぶ〜ん。うん?何か羽音のような音がする。
ぶ〜ん。ぶ〜ん。ぶ〜ん。
うわっ、リザードフライの集団だ!
母さんから聞いた話だと、その昔勇者を幾度となく恐怖に陥れたというモンスター!
さっと物陰に隠れる。
しかし既に遅かったようだ。覚悟を決めて話しかける。
「こっこんにちは。」
「その名声は僕の家にまで響き渡ってますよ。」
「えへへっ。そんな怖い顔しないでくださいよ。いやだなあ。」
・・・へんじがない。ただのしかばねか?彼らは。
などと思っているうちにまたまた囲まれてしまった。
うぅ。戦うしかないのかぁ。
一匹のリザードフライが片手を挙げた!
うわあぁぁぁぁ!やられるぅ!
「ギラ!」
呪文の声と共に閃熱が掛かってくる。
えっギラ?僕の体にはギラなんて効かないよ〜。
しかし彼らはギラばかり連発して唱えてくる。
これしか攻撃手段がないのかな?
やられるわけには行かないので今のうちにちびちびと攻撃していく。
今まで温存していたギラですら、こちらも唱える!
・・・時間が掛かったが、なんとか追い払うことが出来たようだ。
もう夜だ。20発はギラを受けたかもしれない。
うーん、なんで昔の勇者はあんまり強くない彼らに苦戦したんだろう?
ああ、今日はいっぱい魔法を使ったせいか大分疲れてきちゃったな。
しかし今まで見た事がなかったモンスターを見ることが出来たんだ。
もしかしたら・・・もしかしたら、ここには僕のようなモンスターもいるかもしれない!
自然と期待が高まる。ドキドキ。
何か見落としている物はないかと周りを見渡す。
しかし残念ながら樹木と毒の沼があるだけ・・・。
あとは土や岩が転がっているだけだ。
あえて言うなら普通の森よりも毒の沼が多い気がする。
もう夜中・・・。いつもならもう眠っている頃だけど・・・
心臓の高鳴りが押さえきれず、暗くてジメジメしてる、
でも一方で一筋の光でも見えているかのような、そんな森の奥深くへと僕は進んで行く決意をした。
巡り会い宇宙メタル
次回ついにはぐりんの秘密が明らかに
「これは・・・いったい僕は何者なんだ。そんな・・・」
次回予告「僕は下痢」
こう、ご期待
>> はぐりん ◆F/WveZadCU
イイヨイイヨー(・∀・)
四日目。
暗闇の中だけど少しずつ目が慣れてきたみたい。
森の入り口に比べて同じ夜でも闇が全然深い・・・やっぱりこわい。
「キィィャアォ!!!」
わけの分からない生き物の叫び声が聞こてくる。
怒涛の声なのか、断末魔なのか・・・。
毒の沼を避けて奥へ奥へ歩いていく。
体力のない自分には毒の沼は危険極まりない。
そろそろ森の奥へ近づいたかなあ?
とそう思ったとき大きな毒の沼に出た!
毒の沼・・・毒の沼といえば・・・もしかして・・・。
どうやら予想通りのようだ、緑色の物体に周りを囲まれてしまった!
自分のような液状の体、つぶらな瞳、間違いない!
バブルスライム君たちだ!
彼らなら僕を受け入れてくれるかもしれない!
恐る恐る話し掛けてみることにする。
「こんばんわ。夜分遅くすみません。」
・・・返事がない。
「僕、もしかしたら皆さんの仲間かもしれないんです・・・。」
やっぱり返事がない・・・とそう思ったとき、
正面のバブルスライムが口を開いた。
「色が違うよ。」
僕、「でも液状だし・・・、元々一緒だったらメタルスライム君たちには仲間じゃないって言われるし・・・。」
「何よりこんな体の作りしているのは皆さんくらいしか・・・。」
バブルスライム「君は毒攻撃なんて出来ないだろう?違うよ。」
他のバブル君たちも口々に話し出す。
「出て行け!」「こいつも我々を襲うに違いない!」「外の者は出て行け!」
痛い!しゃべり出したとほとんど同時に僕に襲い掛かってきた。
うぅ。彼らも僕と友達になってはくれないのか・・・。
更にバブル君達の攻撃が続く!
痛い!それにまずい!
もしこんなところで毒を受けたら・・・死ぬしかない。
とりあえず戦わなくっちゃ!
「ギラ!」
バブル君たちの一グループが蒸発する。
他のバブルスライム君たちが戸惑いを見せる。
僕も旅に出てから何人もの難敵と戦ってきたんだ!
簡単にやられてたまるかぁ!
「ギラ!」「ギラァ!」
戦いが始まってしばらくするとバブルスライム君たちがぴーぴー言い出した。
なんだろう?
んー?あっ、まった!わかった!
ここに大きな毒の沼がある・・・。
もしかしてここ・・・彼らの巣なんじゃあ?
まずい!今敵が増えたら・・・本当にやられる!
戦うのを止めて逃げることにする。
しかし周りを既に囲まれていて逃げられない!
仕方ない。入り口の方に居るバブル君達を倒して逃げよう!
「ギラ!」
あれ・・・何もおきない?
「ギラ!・・・うぅギラ!・・・ギラァァァ!」
そういえば脱力感が・・・。昼間、調子に乗って魔法を使いすぎたのか!?
しかも今日は一睡もしてない・・・。
魔法が使えないことに気づいたのかバブル君達が距離を縮めてくる。
一斉攻撃をするつもりか?
多少攻撃を受けても仕方ない、強引抜けるしかない。
しかし、逃げようとして背中を向けたのがまずかった・・・みたい。
バブルスライムの一撃を背中に受ける・・・そして徐々に体に痺れが・・・。
毒を受けてしまったようだ。
自分の息が荒くなっていくのが分かる。
しかも次々と攻撃を受けていく・・・。
にげないと・・・早くにげないと・・・。
しかもバブルの仲間達がやってきてしまったようだ。
やばい。ここ・・・を・・・はなれない・・・と。
しかし執拗な攻撃を受け体はほとんど動かない・・・。
意識も遠のいていく。
死ぬ・・・。殺される・・・。いやだ。
死にたくないよ・・・。うぅ、やだ。友達も居ないまま死ぬなんて・・・。
こんな最後なんて・・・。やだ。やめて、もうゆるして・・・。もう来ないから。だから。
はぁはぁ、痛い!その痛みも徐々に感じなくなっていく。
謝る声すらもう声にならない。
しかしバブル君たちの攻撃はやまない・・・。
「や・てあげ・!」
何だろう?叫び声が聞こえる。新しく来たバブル君達のほうからだ・・・。
「侵・・・者だぞ!」
意識がはっきりしなくてなんていっているのかうまく聞き取れない。
「前い・てた人はこ・・・なんだ。」
・・・だめだ。もう・・・限界だ・・・。
乙
誤字スマソ
元々一緒だったらメタルスライム君たちには仲間じゃないって
↓
元々一緒だった、メタルスライム君たちには仲間じゃないって
(;・∀・)ドキドキ…
はぐれメタルってHP少ないから毒受けるとすぐ死ぬよね・・・・大変だ!!
(ノД`)ノシ)Д`)バシバシ
真っ暗だ。
何も見えないし、何も聞こえない。
いや、どこからかズズズーズズズーと鈍い這いずり回るような音が聞こえる。
音のするほうを振り向くと・・・うわっ!
山のように大きなバブルスライムが僕を踏み潰そうとしている!
急いで逃げるが引き離せない。
しかも正面からも大きなバブルスライムが・・・いや、左右にも居る!
逃げ場がない!踏まれる!踏まれる!
うわあぁぁぁ!
額から汗が流れる。叫び声と共に目が覚める。
どうやら夢を見ていたみたい。
まだ少し頭が痛い。気だるさも残っている。
草の布団の中に居る自分に気づく。
声を聞きつけたのか一匹のバブルスライムが近寄ってくる。
「こんにちは。大丈夫ですか?」
「僕です。バブすけです。何時ぞやはありがとうございました。」
「他のみんなはあなた様の姿を知りませんからあんなことになってしまいました。」
「許して上げてください。」
怒涛のように話しかけてくる。
しかしどうも話が分からない。恐る恐る聞いてみる。
「あの・・・すみません。他の方と間違われていませんか?」
バブすけ「えっ、でもそんな姿のモンスターは他に居ないって聞いて・・・」
「もっもしかして、僕のようなモンスターを見た事があるんですか!?」
・・・ここまで言ってまずいことに気が付いた。
彼の僕を見る目が疑いのまなざしになっている。
きっと彼が僕をかばってくれたんだろう。そうでなければ死んでいたに違いない。
しかし僕が彼の知り合い出なければ、僕はただの侵入者でしかない。
「あの、僕悪いスライムじゃないから。変なことはしないから。」
「たまたまこの森に来ただけなんです。自分のような仲間を探して。」
「今すぐ出て行きますから、見逃してください。」
今度は僕が怒涛のように話しかける・・・いや話しかけるというよりは懇願する。
バブすけは少し考えた後、
「いいよ。気にしないでもう少し寝てなよ。あの人と同じ種族ならきっとみんなも大丈夫と考えるよ・・・。」
バブすけはここまで言って大きなため息をついた。
僕が期待していた人とは違ってショックを隠せないみたい。
そうだよね。
一生懸命かばう程の人・・・そんな大切な人に会えたと思ったのに、
それが僕のような友達すらいない・・・価値のないメタルスライムだったんだもの・・・。
沈黙が流れる。
僕が意を決して尋ねてみる。
「その・・・僕に似た人とはどういう関係なの?」
質問をしたとたんバブすけの目が輝いた。
「僕の命の恩人だよ!とっても強いんだ!」
「実はこの森には大分前から人間が来るんだ。それもとっても悪い二人組みが。」
「そいつらに片っ端から仲間がやられて・・・僕が襲われたときにその人が助けてくれたんだ!」
「ベギラゴンを使ったんだよ!初めて見た。身震いしたよ!」
「その人のおかげでその人間達は来なくなったんだ!」
「みんな大喜びだよ!僕はうちに来てくれって言ったけど急いでるって言って寄ってくれなかったんだ。」
「でも、最近になってまた人間が来はじめてさ・・・それでみんな外敵に敏感になってるんだ。」
「人間の一人が魔物使いだからさ。あいつの手下かと思っちゃうんだよ。」
「そうだとは知らず、近づいてごめんなさい。」
僕は謝ると同時に情けなくなってきた。
自分と同じ境遇のはずなのにこんなに尊敬されている人が居るなんて・・・。
バブスケが続ける。
「とりあえずみんなには内緒にしておくから、明日の朝早くにでも出てってもらっていいかな?」
「仲間の中には君にやられた奴の家族も居るから・・・。」
「あっ、もちろん掛かっていったのはこっちだから気にしなくていいよ」
そこまでしゃべるとバブすけは食べ物を持ってきてくれた。
「ありがとう。」
そういえば昨日から何も食べてない。
おいしい。心が温まる。しかしやっぱり情けなさだけは消えてくれない。
「バブすけ、その人起きたの?」
奥から声が聞こえる。
「ううん、ママ。死んだように眠ってるよ。」
「じゃあね。」
バブすけが居なくなってから・・・僕は小声で泣いた。
ある程度泣いたら、それでも自分のようなメタルスライムが
他に居るということを考えて少し嬉しくなった。
泣きつかれたのか、昨日の戦いの疲れが残っていたのか、僕はまた眠った。
今日は五日目だ。
おうえんするぞ
六日目。
朝早くにバブすけに起こしてもらう。
まだ薄暗い。
他のバブルスライム君たちを起こさないように音を立てず洞穴から出る。
大きな毒の沼を横切り、森の出口の方へ歩いていく。
ありがとうバブすけ君。九死に一生を得たよ。今度会った時は友達になれたらいいなあ。
森の中腹に差し掛かる頃には太陽が真上に昇っていた。
昼間は森の中でも明るいみたい。
のんびりゆっくりと歩いていく。
とその時、来た道の方からぴーぴーと叫び声が上がる。
叫び声というよりは断末魔に近い。
続けて上がる叫び声。
何かあったのだろうか?
いや、考えられることといえば一つしかない。
人間達が来たのだ!
自然と体が大毒沼の方へ向く。
しかし自分の体が歩き出すことはない。
こわい。
ぽつりと口から言葉が漏れる。
体が震える。
自分をぼろぼろにしたバブルスライム君たち。
しかし人間はそんなバブルスライム君たちが力を合わせても勝てないのだ。
僕に何が出来るだろうか。
・・・自分の情けなさに涙がこぼれる。
どうしよう・・・・・・・・・。
どうしよう・・・・・・。
どうしよう・・・。
どうしよう!?
答えは分かっているのだ。しかし体が動いてくれない。
ふとバブすけの顔が浮かぶ。
彼は無事だろうか。
彼は必死に僕をかばってくれた。家族に嘘をついてまで守ってくれた。
そんな彼は無事だろうか?
今度は震えが止まらない。
涙がかれることもない。
しかし今度は体が自然と前に進んでいる。
自問自答する。
行っても足手まといになるだけだ。
自分に聞く。
次こそ死ぬかもしれないぞ。
自分が間違ってると言い聞かせる。
もうあんな気持ちはしたくないだろう?
自分に命令する。
動くな。
その時、またぴーぴーという叫び声が聞こえる。
心なしかバブすけの声に似ていた。
もう既に体は止まらなかった。
毒の沼を避ける事よりも近道を選択する。
自分の数少ない長所の早足を限界まで走らせる。
怖さも震えも実感できるのに痛みを感じない。
その間にも聞こえるぴーぴーという声。
急ぐんだ、僕。
やっと自分を激励できた。
大毒沼に近づいてきた。
何歩毒の沼に突っ込んだか分からない。
居た。バブルスライムたちだ。
反対側に居るのは・・・。
モヒカン頭の戦士風の男と、メガネをかけた男。
モヒカンの男がしゃべる。
「いつまでこいつら狩ってるつもりだ?」
メガネの男が返す。
「毒々しいバブルスライム。僕達の手下にはぴったりじゃないか。」
「早く僕に忠誠を誓えばいい物を。」
モヒカン
「そうは言ってももう100匹は狩ったぜ。もう普通のスライムでいいじゃねぇかよ。」
メガネ
「スライムは一度試しに連れてみたけど、あっさりボロ雑巾になっちまったじゃないか。」
「お前のいじめに耐えれるくらいは強い魔物でないとな。ははは。」
「さあさっさと僕の手下になれ。雑魚ども。」
メガネの男が鞭を振るい、数匹のバブルスライム君たちが無残な姿になる。
こんな奴らの味方なんか、バブルスライム君達でなくともなりたくないよ!
息を呑む。震える体を抑えながら、前に出て叫ぶ。
「おっ・・・んぐ、お前ら!まだ居やがったのか!」
・・・内心びくびくしながらも啖呵を切る。
モヒカン
「この間の奴か!もう居ないと思ったのに!」
メガネ
「あれ以降見ないから今日は秘密兵器を忘れてきてしまいましたね。」
僕は続ける!
「で、出て行け!十秒数える間に出てかなきゃベギラゴンを食らわすぞ!」
「ベギラゴンだぞ!ベギラゴン!はぁはぁ。唱えるぞ!撃つぞ!ベギラゴン!」
「お前ら使えんのか使えるのか!?ベギラコン!俺は使えな、いやなんでもない!」
もちろん。ハッタリだ。慣れない言葉使いで舌を噛みそうになる。
お願いこれで・・・。
モヒカン
「ちっ、仕方ねぇ。出直しだ。」
メガネ
「明日、全て終わりにしてやる。お前もバブルスライムもだ!」
「一匹だけ息のいいのを選んどけ!そいつだけ生かしてやる!」
男達は走り去っていった。
冷や汗が流れ腰が砕ける。
歩けそうもない。
ふと気づけばバブルスライム君たちに囲まれている。
長いの沈黙を打ち破るように一匹のバブルスライムがくっついてきた。
バブすけだ。
と堰を切ったように他の者たちにもくっつかれる。
混乱して訳が分からないが、どうやらお礼を言われてるみたいだとわかった。
一時的に難は逃れたけど・・・。
問題は明日だ。
74 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/14 00:48 ID:TIfMB9HK
はぐりんがんがれ
r' ̄i
, - 、 ゙‐- '
{ } r'⌒',
`‐-‐' r'⌒', !、_丿
◯ ヽ-‐' ___
r'⌒', ,,r-‐' `''ヽ、 ○
`‐-' / \
, 、 ,,/ (○) (○) '─--、,,
,,r-─(_) \___/ i⌒) `,
( \/  ̄ ,r‐ はぐれメタルだよ
 ̄つ '⌒' ,r─‐‐''
(´ ,r──'
 ̄ ゙̄'───--------‐'
ベギラコンは演出でしか
頑張って
77 :
めぐれメタル警部:04/03/14 02:16 ID:TZ9Rhmq8
んあぁ?毛利くん、“はぐれ”の間違いじゃないのかね?
はぐれメタルは急にメラを覚えてしまった
メタルスライムはギラを覚えていた
81 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/14 22:30 ID:11oTaqb7
七日目。冒険に出て一週間目の朝だ。
バブすけに起こしてもらう。
昨日の夜はバブルスライム君たちと作戦会議をしたよ。
こんなに魔物としゃべったのは久しぶりかもしれない。
正直に「以前のメタルではなくメラとギラしか使えません」と言っちゃった。
みんながっかりしてたけど、一緒にがんばろうといってくれたんだ。
とにかく戦士がヤバイらしい。
そこで僕と何体かのバブルスライム君達で戦士と戦い、他のみんなで魔物使いと戦ってもらうことになった。
起きてからはバブすけと話をしながら時間を潰す。
大分仲良くなれたかもしれない。
そしてあっという間に昼過ぎになった。
そして、奴らは来た!
戦士が手に何か大きな武器を持っている。
二人を分かれさせるために戦士を挑発する。
そして逃げる。
大分距離を離れさせた。このくらいあればいいはずだ。
モヒカン「随分と手こずらせてくれたじゃねぇか。」
「だが、こいつでお前もお終いよ。」
「魔人の金槌・・・これならお前も粉砕することが出来るだろう。」
「毎回持つたびに協会へ行ってお布施を払わなくちゃいけないのがばかばかしいんだがな。」
「それも今日で最後だ。」
そこまでいうとモヒカンは大きな金槌をもちあげ振り回してきた!
さっと身をかわす。
少し前に自分のいた場所が土ぼこりを上げて粉砕される!
これで叩かれたらメタルスライムといえど絶命するしかない。
距離をとる。やられない間合い・・・。
絶対にあれに当たってはいけない。
「ギラ!」
閃熱がモヒカンを焦がす!
「あつ、ちぃっ。だが、ベギラゴンはどうした?」
「俺はお前を倒すためにベギラゴンに耐えれる体を作ってきたんだぜ?」
僕に使えるわけがない・・・。
「ギラ!ギラ!」
ギラで応戦する!
モヒカン「糞スライムが。まあいい、使わなかったことを後悔させてやるぜ。」
そういうとモヒカンがかなづちを振り回す。
危ない!
ギリギリの所でよける。
「ギラ!」
多少のダメージはあるようだがまるで効かない。
モヒカンに予想以上の体力が有るのだ。
そのときバブルスライムたちが背後から数匹モヒカンに絡みつく!
毒攻撃だ。
「ちぃぃ!邪魔だ!」
難なくモヒカンに弾き飛ばされる。毒も受けてない。
「ギラ!」
その隙にギラを唱えるが戦況は変わらない・・・。
だめだ。他の呪文を撃つしかない。
ベギラゴンは無理だけど・・・旅に出てから僕もある程度経験をつんだんだ。
あの呪文くらいなら!
考えているうちにモヒカンが金槌を振り回す!
またかわす。しかしタイミングは少しずつあって来ている。
余裕は・・・ない!
「ベギラマァ!」
声を絞り出すかのように呪文を唱える。
しかし無常にも何も起こらない。
モヒカンは一瞬驚くがにやりと笑う。
「おいおい、本当にギラしか使えないのかよ!つまんねぇな。」
メラも使えるよ!そう突っ込もうと思ったが止めた。そんな時間が有るなら攻撃しなくては。
「ベギラマ!」
しかし声が響くだけ・・・。
モヒカンが金槌を振るう。頭のすれすれを轟音が襲う。
なんとかかわすことが出来たようだ。
しかしこちらにはもう戦う手段がない。
僕もバブスライム君たちももう諦めかけた時、緑色の物体が宙を浮いた。
だれかがモヒカンに向かって特攻したのだ。
モヒカンの左手を交わし首筋に巻きつく。
あれは・・・紛れもない、バブすけだ!
そして毒攻撃!成功したようだ!
しかしあの状態はまずい。
なんとかしなくっちゃ。なんとかしなくっちゃ。
モヒカンが左手でバブすけをつかむ。
その目は怒りに満ちている。
「バブルスライムの分際でえぇぇぇぇぇぇ!俺様に何をしたぁ!」
「ギラ!ギラ!」
ギラを唱えるも相手にされない。
「そうだ。お前に俺の得意中の得意技を見せてやるよ。正拳突きっていうんだ。かっこいいだろう?」
バブすけが殺される・・・。
あんなに僕によくしてくれたバブすけが。
モヒカンは腰を下ろし、右手を構えた。
左手でバブすけを前放り投げる。
あきめちゃだめだ!
あきめちゃだめ!
あきめちゃ・・・。
あきめたら・・・友達が・・・死んじゃうんだぞ。
僕なんかの話に付き合ってくれた彼が。
今度は、自然に・・・しかし今までで一番大きな声で呪文を唱える。
「ベギラマ!」
ギラとは比べ物にならない閃熱がモヒカンに向かってゆく!
放り投げられたバブすけの下を通り一直線に!
一瞬何が起こったのか自分でも理解できなかった。
モヒカンが大きな炎に包まれ吹っ飛んでいく。
ベギラマが・・・使えた。
バブルスライムたちが近寄ってくる。
しかしぬか喜びしている暇はなかった。
モヒカンがすぐに立ち上がったのだ。
「熱い・・・熱いぞ畜生!コケにしていやがったな!」
モヒカンが金槌を振り上げて突っ込んでくる。
バブルスライム数匹が足に絡みつく。
すんでのところで金槌をかわす。
バブルスライム君達がいなければ僕はぺちゃんこになっていただろう。
「ベギラマ!」
再び、ベギラマを唱える!
今度も無事使えたようで再びモヒカンが炎に包まれ吹っ飛んでいく。
しかしモヒカンはすぐに立ち上がる。
「くっさすがにやばいな。」
そうつぶやくとモヒカンはポケットから何かを取り出す。
アモールの水・・・。まずい!回復される!
僕が動き出す前にバブルスライム数体が絡みつく!
しかしモヒカンは気にせずにビンの栓を抜く。
その瞬間バブすけが顔めがけて飛びつく!
目を覆って毒を出す。
今しかない!
「メラ!」
アモールの水を叩き壊す!
モヒカンの体がわなわな震え、怒りをあらわにする。
「糞スライムどもがぁぁぁ!」
バブすけを掴み引き剥がそうとする。
バブすけを離した刹那の瞬間。
一瞬のとき。僕自身もなんでこんなにうまく行動できたのか分からない。
次の瞬間バブすけを離してモヒカンが見た物は
緑あふれる木々でもなく、毒々しい沼の背景でもなく、遠くにいる僕でもなく、僕の顔だった。
モヒカンの間合い。耐えられたら確実に殺される決死の間合い。
しかし最大の攻撃のチャンス!
「ベギラマ!」
モヒカンの顔面めがけて閃熱がほとばしる!
いままでで一番モヒカンが吹っ飛ぶ。
可哀想な事に自慢のモヒカンはちりちりになって彼の顔は見るも無残なものになってしまった。
きっと今後女の子と仲良くできることはないだろう。
一瞬モヒカンが立ち上がる。
しかしそのまま倒れこんでしまった。
僕達は勝った!
しかし喜んでいる暇はない。敵はもう一人要るのだ。
少し脱力感を感じるがそんなことに構っている暇はない。
魔物使いの方に行くと、既に約半数ものバブルスライムが動けなくなっていた。
生き残ってる者もまるで戦う精気が見えない。
バブルスライム君たちでは奴らに決定的な一撃を与えられないのだ。
メガネ「まっまさか、あいつがやられたのか。・・・まあいい。お前も俺の手下にしてやろう。」
そこまでいうと鞭を俺を打って来た。
しかしさっきの相手に比べれば大したことがない。
彼もまた僕に決定打を与えることなど出来ないのだから。
「ベギラマ!」
奴のメガネが吹っ飛ぶ。間髪入れずもう一発!
「ベギラマ!」
更に吹っ飛んでいく。どうだ!メガネなし君!
しかし、驚いたことに奴は立ち上がった。
「はあはあ、俺は戦士上がりの魔物使いなんだ。こんな物でやられるか。」
しかしさっきの相手ほどの体力はないはずだ!
「ベギラマ!」
しかし魔法が放たれない。
どうやら使いすぎてしまったようだ。
そういえば脱力感がすごい。
「はっはっは、形勢逆転だな。はあはあ。バブルスライムなんざもういい。お前ら全員殺してやる。」
「まずは貴様だ。」
そういうと元メガネは長い針の付いたきりに持ち替えた。
まずい・・・。相手を即死させるという毒針だ。
残り少ない魔力で奴を倒すしかない。
こちらから相手に近寄り、毒針を交わす。
さっきの要領だ!
顔面に向かう。今だ!
「ギラ!」
しかし閃熱は元メガネの顔には当たらなかった。
奴の左手で僕ははじかれ、奴の複を少し焦がしただけだ。
力が湧かずもう動けないかもしれない。
奴が近づいてくる。
もうだめだ・・・と思ったその瞬間!
残りのバブルスライムがいっせいに魔物使いに絡みつく!
ある者は足を狙い!有る者は毒針を奪う!
そして誰かが顔面を覆う!毒を出す!
紛れもない!バブすけだ!
「うぁあぁぁぁぁぁ!ああっぅうあ・・・か。」
目を毒でやられた元メガネは力なさげに地面に倒れこむ。
最後はバブルスライム君たちが止めを刺しちゃった。
うーん、役に立たないメタルスライムだなあ。ぼくは。
そこまで考えてほっとすると僕はすぐに気絶した。
91 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/15 16:54 ID:V3T9A84n
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨・・・・
┣¨┣¨┣¨┣
94 :
あらくれ:04/03/16 01:42 ID:iYu9i+Dt
95 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/16 23:48 ID:WxQ30L7C
はぐりん来なかったな…
明日に期待age
九日目。どうやら一日以上気を失っていたみたい。
目を覚ますと心配そうにバブすけや他のバブルスライムたちが覗き込んできた。
またバブすけに看病させてしまったようだ。
バブすけに聞いた話だと高熱を出していたらしく、八日目には眠りながらふらふらと歩き出そうとしていたらしい。
全く記憶にないんだけどね。
しかも色々と変な言葉をつぶやいていたらしい。う〜ん。恥ずかしいなあ。
まさか、あんなことやあんなことまで!?
まだ頭が痛いので今日はバブすけの家で休ませてもらうことになった。
今日は一日をほとんどバブすけと話して過ごしてしまった。
それだけでなく色々なバブルスライムが訪ねにきてくれたよ。
お礼を言ってもらえて嬉しかったけど最後は足を引っ張ったからまだまだ僕はだめだと思う。
バブすけによるとベギラゴンの流動型メタルスライムは更に西の大きな山に向かって行ったらしい。
こうなったら僕も一刻も早く体を治して追いかけなくっちゃ。
そうそう例の人間二人組みはどうやら命まではとられなかったみたい。
しかしボロボロになって怯えながら帰っていったとのことだからひとまず安心していいと思う。
明日になったらみんなとはお別れになるのか・・・。
そう考えると悲しくて涙が出そうになる。
こうやって別れのごとに泣いていたら水分がなくなってしぼんじゃう。
もっと強くならなくっちゃ。
明日は早いしもう寝よう。お休みなさい。
おわっと、良スレハケーン!!
ガンバーレはぐりん!!
実際はぐりんてこんな感じじゃない?悪そうな子には見えないよ。
98 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/17 21:10 ID:HU+QYlFk
ルビス様からもろた幸せの靴を守ってるとかなんとか…
エエ子(*´Д`*)
99 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/17 22:24 ID:D7MEJlRS
どうなるのかなぁ・・・はぐりん
100 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/17 22:25 ID:gJxtxvtn
(・∀・) ヒャクゥー
朝になり目が覚める。荷造りの準備をはじめる。
バブすけがやってきて今日は早いねーと言われる。
続いて体は大丈夫と聞かれたので、大丈夫と答える。
実際、体はかなり回復したみたい。
これなら十分旅を続けることが出来ると思う。
朝ごはんをご馳走になり、バブすけやみんなと少し遊ぶ。
そしてその時は来た。
別れの時間だ。
バブすけがまた遊ぼうと言ってくれる。
お世話になったバブすけのお母さんにお礼を言ったら笑っていた。
他のバブルスライム君たちも口々にまた来いよとかありがとうを言ってくれた。
正直、ここを離れたくない。
しかし僕は自分の正体を知りたい。
そして同じ境遇の仲間達に会いたいのだ。
踏ん切りが付くうちに行ってしまおうと思う。
しかしいざ行こうとすると足が止まり涙が出てくる。
昨日泣きつくしたバスなのに変なの・・・。
いつまでもめそめそしてるわけには行かない!
そう自分に言い聞かせる。
一度振り返りバブルスライム君たちにまた会おうと大声で告げ、猛スピードで西に向かって走り出した。
森を完全に抜けたら歩き出すことにする。
空を見上げると雲一点すら見えない晴天だ。
僕の旅が再び始まる。
ダンスニードルやドラゴンキッズに出会う。
交渉は聞かない。久しぶりの戦闘だ。
誘われてつい踊ってしまったが、無事勝利することが出来た。
火の息が地味に痛かった。
大分歩いた。もう日がくれる。近くに池があるので今日はそこで一休みすることにする。
待ってろ!まだ見ぬメタルスライムたち!
日にちカウント忘れた(;´Д`)
十日目・・・と。
そして最近忙しくなってきたので書き込む頻度が減りそうです。
最低週に1、2回は書き込みたいと思うのですがどうなるか分かりません。
突然で申し訳ないです。
そのため一日の行動が途切れる日も来るかもしれません。
ゆっくりでも構わないという方だけ今後も読んでやってください。
それじゃあまずいという方はとりあえず上記でキリがいいところまで書けたので、ここで終わりということにしてください。
中途半端ですみません。
文章なんてそんな簡単に書ける物ではないと思うし
はぐりんさんのペースでいいとおもいます。
無理しないでいいから、また来てねはぐりん。
のんびり待ってるからさ。
マターリ楽しみにさせていただいてもす
応援sage
>102 はぐりん
3行目:昨日泣きつくしたはずなのに
4行目:いつまでもめそめそしてるわけにはいかない!
11行目:交渉は利かない(効かない)
やっぱり忙しさと疲れが出てきたのかな?
ゆっくりでもいいんでじっくりと時間をかけて考えてください
細かい指摘ばかりですんません
108 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/18 01:56 ID:1gnnT3Xg
はぐりんってヤローつまんねぇからマジで、デブヲタヒキははよシネや
お前のレスよりは百倍面白いよ。
110 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/18 08:27 ID:1gnnT3Xg
はぐりんつまらねぇよつまらねぇよはよ気付よはよ気付よ反吐がでるマジで
>>111 まあまあ、そんな奴にレス返さなくても良いから〜
十一日目。
朝目がさめたら、喉が乾いていたので池の水を飲む。
うん、おいしい♪
スライムには水分が大切だなあ。水を飲むだけで幸せな気分になれる。
次に顔を洗おうとすると、水面がごぼごぼと音を立てる。
あれ、何か居る?
水しぶきと一緒に姿を現したのは、スライム族のように見えてスライム族じゃない、しびれくらげ君だ。
彼は僕らの仲間じゃないのかなあ。よくわからない。
んー、でもしびれくらげは海に住むと聞いたけど・・・でも目の前に居る・・・。
とにかく話しかけてみることにする。
「こんにちは。僕メタルスライムのはぐリンです。」
しびれくらげ「・・・。」
「勝手に水飲んでごめんなさい。」
しびれくらげ「前と大分口調が違うな。」
「おちょくっているのか?」
「それとも僕のことは忘れたというのかい。失礼な。」
インテリ風にしゃべりだす彼はまるで僕の事を知っているかのようだ。
「他の方と間違えてませんか?他に僕のようなメタルスライムに会った事があるんですか!?」
しびれくらげ「君で三匹目だよ。泣き虫な奴と威張り散らしてる奴と・・・今度は丁寧な子供か。」
「彼らはどちらも西の山に向かって行ったよ。」
「あの山で何かあるのかい?」
「ありがとうございます。やっぱりこっちであってるんだ。僕は他の仲間を探しているんです。」
「それに、一匹じゃなくてもう一匹居るなんて!」
しびれくらげ「そうかい。まあがんばりたまえ。」
「・・・ふん。前の奴だったらしびれさせてやったものを。」
そこまでいうとしびれくらげ君は関心なさそうにぶくぶくと沈んでいった。
偉そうだけど話の分かるモンスターでよかった。
そしてこれで確証を得られたぞ!
このまま西に向かっていこう。
襲ってくるダンスニードルやドラゴンキッズを倒しながら前に進んでいく。
夕方になり日が暮れてきた頃には、「西の山」が見えてきた。
今日はここらで休むことにする。明日には着くだろう。
しかし・・・なんというべきだろうか・・・一言で言うなら・・・大きい山だ。
あの広大な山でメタルスライムたちを見つけることが出来るだろうか。
いや、見つけなくては。
色々と応援ありがとうございます(ノД`)
とりあえずマイペースで書かせていただきます。
それと誤字の注意もありがとうございます。
最近忙しいこともあるのですが、昔から誤字脱字は多い方の人間なので見つけたら遠慮なく言って下さい。
否定的な意見も甘んじて受けますのでどうぞ。
自分でハッとする様な意見は参考にさせていただきます。
あと最初の頃のメール欄にも書きましたが、DQ4のはぐれメタルはメラ使ったりします。
5,6の仲間時だけじゃすぐに呪文が切れそうなので使えそうなものは使おうと考えてます。
まぁ適当に頑張ってくれ。漏れも適当に応援してるから。
そうだね、期待かけすぎるのも作者さんに酷。
適当に、自分のイイ感じで書いて頂戴>作者さん。
はぐりんってはぐれメタル?
それともメタルスライム?
まさかめぐれメタル?
120 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/03/22 17:31 ID:+bqm6TSd
自分をメタルスライムと思い込んでるはぐれメタルの話?まさか混血?
ワクワク...
十二日目。昼にやっと山に着く。
木々が多く、一部紅葉もしているようで気分が良くなる山だ。
しかし遠くから見たときに思ったとおりなんとも広大だ!
この中にメタルスライムたちが居るのだろうか。
まずは情報収集しなくては。
山を歩いているとドラゴンキッズに出会う。
戦闘になるかと思いきや僕を見てなんとも驚いた顔をしている。
「はじめまして。」
黙ったままというのも気まずいので声をかけてみる。
「からかってるのか?」
「たった今山の奥へ向かって行ったばかりだろう。」
まるでしびれくらげに会ったときの様な事を言われる・・・しかし!
「たった今ですか!?」
「僕その人たちを探しているんです。」
「別の奴か・・・。確かにあいつにそんな丁寧な話は出来ないだろうねぇ。」
「お前達の異常な強さは知ってるさ。さっさと行くといいよ。」
やはりこの山に居るみたい。
実際に会えるかもしれないと思うと嬉しさと共に不安がやってくる。
彼らは僕を受け入れてくるだろうか。
早足で奥を目指しているとイエティの集団に会う。
でかい!
しかし雪が無いこんなところで彼らは生活できているのだろうか。
話しかけようとした矢先にその中の一匹がおたけびを上げた。
びっくりして僕はすくみ上がってしまう。
その隙に残りのイエティたちが襲い掛かってくる!
思いっきり殴ってくる者も居れば、冷たい息を吐いてくる者もいる。
痛い思いをしながらも間合いを取り呪文を唱える!
が唱えようとした瞬間またおたけびを上げられる!
二度目ではあるがやっぱりこわい。
こっちは叫び声を上げてしまう。
更に叩かれて吹っ飛ばされる。
これでは反撃する前にやられてしまう!
こわくない、こわくないぞっ!
自分にそう言い聞かせる。
しかしやっぱりすくみ上ってしまう。何度聞いてもこわいものはこわい。
おたけびを上げていたイエティがこちらの様子を覗っている。
よし、こうなったら・・・。
僕は力尽きたかのように倒れこんで見せる。
おたけびを上げていたイエティが止めとばかりに突っ込んできた。
チャンスだ!
「ベギラマ!」
イエティたちが炎に包まれる。
しかし体力があるみたいでまだこちらに向かってくる。
「ベギラマ!」
更にもう一発唱えることで何とか倒すことが出来たようだ。
こんな変わった攻撃をしてくるモンスターも居るなんて・・・。
彼らの戦い方を見て僕はこの山に少し不気味さを感じてしまった。
戦いが長引いたため日が暮れてきた。
しかも歩けど歩けど登っている気がしない。
暗さも相まって迷ってしまったようだ。
悔しいが今夜はここで眠ろう。
ずっと書いてなくてスマソ。
またしばらく書けないかもしれないっす。
あとばくりんは旅に出るまでは
ほとんど自分の知ってる世界にしか居なかったのではぐれメタルという種族を知らないという設定のつもりです。
直接的にはそう書いてないので分かりづらくて申し訳ないです。
はぐれメタルはメタルスライムの突然変異で生まれるという話を聞いたことがあるのでその設定を使っています。
126 :
107:04/03/27 01:44 ID:VOt6Qew1
>>125 ばくりんになってるよ
時間なんか気にせずにゆっくりと書いてください
みんな応援してますよ!!age
荒らし防止の為にさげましょう
はぐりん(*´Д`)ハァハァスキヨ
だから仲間になってくれ…(DQ5
ばぶすけ...!!
頑張れ〜!
田淵〜!
十三日目。
朝日が目に入りぼやけた頭を起こす。
太陽の光で辺りが照らされ道が分かりやすくなってる!
これなら登れるかもしれない。
ゆっくりとだが確実に歩みを進めていく。
山を登るに連れて胸の鼓動が高まってくのが分かる。
不安と期待の混じった不思議な気持ち。
ドキドキ。
途中でイエティたちにまた襲われるも無事追い払う。
つづけて空を浮かんでいる一つ目の植物に出会う。
うろ覚えだがふゆうじゅというモンスターだろうか。
空に持ち上げられて落とされたときはびっくりしたが冷静に対処すれば何とか逃げることに成功した。
ここらでは今まで見なかったモンスターを見るなあ。
その後も複数のモンスターと戦ったが無事頂上付近に出ることが出来た。
しかし自分のようなモンスターは愚か固形のメタルスライムすら見ていない。
ぐすん。もしかして担がれていたのだろうか。
しかし諦めるのはまだ早い!
仲間に会いたくてここまで来たのだ。
簡単に諦めるなんて愚か者のすることだ。
そう自分に叱咤すると付近を探索することにする。
すると大きな洞穴を見つけることが出来た!
奥が深いようだ。
怖かったけれど意を決して乗り込むことにする。
そうだ。一応声をかけたほうがいいに違いない。
「こんにちは。お邪魔します。」
返事は無い。いや、奥のほうで何か声が聞こえた気がする。
勘違いだろうか。いや、やはり何か聞こえる。
その方向へ走ってく。
もしかして、だれか、だれか呼びかけに応じてくれたのだろうか!?
音のした方に行って見ると・・・
なんだ。川と滝が有るだけだ。
滝の音を声だと勘違いしたのだ。
涙が出そうになる。しかし頭を振り、探索を続けようと気を取り直す。
その時!後ろで何かが動く音がした!
ハッとして僕は後ろを振り返る!
僕は一瞬叫び声を挙げそうになってしまった。
目の前には一匹僕のようなモンスターがこちらを覗っていたからだ!
すみません。最初にトリップ付け忘れてしまいました。
そしてとても申し訳ないことなのですが、今日は中途半端なところで終わりです。
続きはまた後日。
135 :
107:04/04/01 02:09 ID:/aRh8RjT
今回はミスがなかったようです
喜ばしい限りですね
続きが気になるその終わり方がドラマっぽくて良い
でも急がず焦らず自分のペースでやって下さい
十三日午後。
どっどうしよう。どきどき。
とりあえず声を掛けてみないことには始まらない。
「こっこんにちは。僕はぐりんといいます。」
・・・へんじがない。小刻みに震えている。
体の調子が悪いのだろうか。いや、これは、なんというか、まるで、その・・・殺気に満ちた目をしている。
にっこりと笑い返そうとしたその時、
「やっと会えたな。まさかお前の方からやって来てくれるとは。意外だよ。」
どこからか緑色の物体を二つ出す。大き目のピアスだろうか。
「ここに探し物があるのかい?それとも俺やスタスタと決着を付けにきてくれたのかい?」
まるでナイフを扱うように両側に持つ。
「そんなことはどうだっていいんだよ。なあ、ゆうぅぅぅぼぉぉおおおおお!」
そこまでいうと彼は素早くこちらに襲い掛かってくる!
何が何だか分からない。
しかしはっきりと言える事は彼が敵意を持っているということだ。
はやい!僕より一段ははやい!
仕方ない!
「ベギラマァァ!」
閃熱がメタルスライムを襲う!
しかし、しまった。彼もやはり僕のように魔法が効かない体質なのだ。
何もなかったかのように彼は僕の目の前に現れる。
攻撃をかわそうとしたその瞬間、強烈な一撃を左側から入れられる!
やはり彼の方が早い!
しかも僕が体制を整える前に右側から追撃が!
痛みはそこまででは無いものの思いっきり吹っ飛ばされてしまう。
立ち上がり、彼の方を見ると・・・既にいないっ!
左側から彼が迫ってくる!
「待ってください。待って・・・。」
「呪文を使うならこうだろ?」
そういうと彼は大きな輝きを見せる。
これは・・・まさか、そんな、いや僕には魔法は効かない。安心して大丈夫だ!
「イオナズン!」
!!!・・・どうなった!?
ダメージは無いが、身動きが取れない。
そうか、空中に吹っ飛ばされたんだ。
洞窟の一部が崩れる。地響きがやまない。こんな呪文を持ってるなんて!
しかもただ撃つのではなく、下に向かって撃つことで僕をふっ飛ばしたんだ。
・・・僕とは実力が違いすぎる。
勢いが強く、思いっきり天井に叩き付けられる!いたい!
しかしそんなことは言ってられない。彼は何処に!?
・・・!
真下だ!真下から飛び上がって来た・・・。
このままじゃ間違いなくやられる!
相手を吹っ飛ばせれば何とかなるかもしれない。
「イオラ!」
何もおきない。
「くっイオォ!」
彼の前方で爆発が起こる。
軌道をずらしたおかげで右の一撃は受けたものの左の一撃は受けないで済んだみたい。
でも・・・もうまずい。よろける。
彼が更に向かってくる。
「お願いです!もうやめてください!」
ぼくはそういうと身を固めて目を閉じ、顔を下にやった。
緑色の物体が情け容赦なく襲い掛かってくる。
一撃打たれる。
もう一撃が来る!そう思った。
しかし何もおきない。そっと顔を上げて目を開ける。
彼は鬼のような形相で僕を睨んでいる。振り上げられた拳は僕の頭3pのところで止まっている。
まじかで見て気づいたが、彼は僕と似ているものの顔は少し違う。
まるで大きな修羅場を何度も潜り抜けてきたみたいだ。
「・・・止めをさす前に話ぐらいは聞いてやる。」
「いつものおまえにしては弱すぎる。探し物が見つかったから死んでも満足なのか。」
僕は慎重に言葉を選ぶ。
「僕ははぐりんです。誰かと間違えていませ・・・いらっしゃいませんか?」
彼の顔がますます酷くなる。怒りが爆発しそうな感じだ。
「俺をおちょくって死ぬか。それもいい。バカが。声も顔も体格も・・・瓜二つだぜ。」
彼の手が震えている。よほど逆鱗に触れてしまったらしい。
「そうやって他人の振りをして俺を背後から刺す気か?」
なにか・・・なにか言わないと。
「信じられないかもしれませんが。僕は本当に別人なんです。」
「敵意なんてありません。うっ、えっと、・・・。」
「もういいだろう。さよならだ。」
彼はそういって拳を高く振り上げる。
「そうだ!ぼく、バブすけを知ってますよ!」
彼の動きが止まる。
「バブすけと森で会いました。友達になったんです。一緒に人間を追い払いました。」
「ベギラゴンで彼を助けたのはあなた様ですよね?」
彼はまだ、疑いのまなざしをしている。
しかしその目に先程までの殺気は無い。
あくまで先程までの・・・だけど。
「ゆうぼうなら・・・そのことを知るはずがねぇ。」
「そういえばイオラを撃てなかったな。本当にあいつじゃないのか。」
「はい、そうです!」
「くそ、あいつにはそんな丁寧な言葉遣いも、輝いた目も出来ないだろうな。」
そういうと彼は薬草を出してくれた。
「すまない。早とちりしていたようだ。」
「しかしそれだけではおまえがあいつではない証拠にはならねぇ。」
「まだ疑わせてもらうぜ。」
「その・・・似た人とと何かあったんですか?」
僕は薬草をむさぼりながら聞く。
「・・・あまり巻き込みたくは無いが、襲った以上は説明する義務は・・・あるか。」
彼は続けてしゃべろうとしたが、次の瞬間起きたことが彼の口を黙らせてしまった。
洞窟の外で大きな爆発音が聞こえる!
続けざまに燃え上がるような音!
更にもう一回!
「あの馬鹿・・・。まさか。」
彼はそういって洞窟の外に走り出した。
スマソ。また途中です。
まったり読んでいただければ幸いです。
それと俺はまだやってないのですが、リメイク5でははぐれメタルが強化されたらしいですね。
素晴らしい。
仲間にならんくて泣きそうだよはぐりん
はぐりんが強化されすぎたのか俺のリアルラックがなさ杉るのか
後者だろうな('A`)
>>142 今回長かったね、乙カレーション。今回も面白かったよ。楽しかった。
あと
>>137 >これは・・・まさか、そんな、いや僕には魔法は効かない。
魔法→呪文だよね?
>>144 それって3の魔法使いを呪文使いって言ってる様なもの。
そんなところまで気にする必要ないと思われ。
あと107の小ミス(変換ミスとか文法ミス)の仕方は明らかに見下してるような感じで指摘してて読んでて萎える。
お前は何様なんだ、はぐりんはお前の為にSS書いてるんじゃないんだぞ、と言いたい。
146 :
107:04/04/11 19:50 ID:BG7umcfi
御指摘どうも
見下してはいない(つもり)だけど荒らすような奴にツッコまれるよりも
先に注意しておき以後のレスで生かしてもらいたい訳だ
まぁ俺が荒れる元になってもしょうがないのでこれからはやめますよ
°+
。゜〜⌒ーっ ニゲルノマンドクセ
こ 'A` _つ
こ__⊃
やる気ないはぐりんなんぞいらん!!!
°+
。゜〜⌒ーっ ニゲルイイ!
こ ・∀・ _つ
こ__⊃
>>145 なるほど、確かに魔法使いだもんな。
いや、
DQ=呪文
FF=魔法
ってずっと思ってたもんで。
彼の後に続いて洞窟を出る。
遠くで煙の上がっているのでそこまで走る。
さっきのメタルスライムを見つけた。・・・震えている?
するとそこには鳥肌の立つような後景が広がっていた。
大きくえぐり取られたような大地。
一部の木々は根元から折れて倒れており、また一部の木々は炎を上げて燃えていた。
そして無残にも積み重ねられたイエティの死体が木々の代わりに辺りに影を作っていたのである。
10匹・・・いや20匹は居ようか。
僕はあまりの惨劇に口が開いて動けない。
するとその影から震えながら何かがやってくる。
僕と同じくらいの大きさだ。
えっ・・・
そう。そこに居たのも流動型のメタルスライムであったのである。
顔は少し細長く目は怯えている。
さっきのメタルスライムの方が話しかける。いや、怒鳴りかける。
「なんでいつもこうなんだ!」
「自分の家の近くのモンスターまで怖がってるんじゃない!」
「自分の力を良く考えろ!帰るところがなくなるぞ!」
もう一体のメタルスライムは泣きながら答える。
「だって、だって・・・。僕は止めてって言ったんだよ。」
「何度も謝ったんだよ。」
「何十体のモンスターに囲まれて怖くて仕方なかったんだよ。」
「あのおたけびは怖いよ。酷いよ。止めないんだよ。」
そこまでいうと彼は顔を伏せて泣き出してしまった。
彼がこの惨劇を起こしたのだろうか。そうには見えないがそう考えるしかない。
しかし彼の気持ちは分かる。僕もここのイエティには手を焼かされたし、怖かった。
慰めようと近づいて話しかける。
「あのおたけびは怖いよね。仕方ないよ。」
「でも次からやり過ぎないように気をつけるといいと思うよ。」
話しかけた僕を見てもう一体のメタルスライムが「あっ」て顔をする。
僕の言葉を聞いて彼が顔を上げる。輝いたつぶらな瞳だ。
が、その瞳が一瞬で凍る。
そしてその瞬間辺りに響き渡る大きな悲鳴。
そして更に次の瞬間、彼は大声でこう叫んだ。
「ぁぁぁあああ。消えろぉぉ。ベギラゴォォォン!」
次の瞬間吹っ飛ぶ僕。
飛びながら、うかつだったなあと反省する。
ゴォンと大きな音を立てて木にぶつかる。痛い。
大きなたんこぶが出来たみたい。
もう一体のメタルスライムの声が響き渡る。
「バカやろう。あれはゆうぼうじゃない。よく見てみろ!」
「たぶん・・・な。」
自己弁護する前に弁解してくれてありがとう。
でも貴方様もほんの十分程前まで信じてくれなかったよね。
よく見てくれてなかったよね。なんだか涙が出てくるよ。
しかしそんなことを思っている暇は無いことに気が付いた。
今の閃熱が周りの木々に飛び火したのだ。
数本が大きく燃え上がっている。
小さく燃えていたほかの木とは違う。まずい。これは山火事になるかも・・・。
二人もそのことに気づいたみたいでこちらに駆け寄ってくる。
「まったく。今日は厄日だぜ。」
「あの、ごっごめんなさい。でも、本当にゆうぼうじゃないの?そっくり・・・。」
「これはまずいな。川は遠いし、もし近くにあったとしても俺らだけじゃどうしようもないぞ。」
「僕の家が。育った山が〜。」
そこまでいうとまた一匹が泣き出してしまった。
どうしよう。彼らの言うとおり僕らに出来ることといったら呪文を唱えることくらい。
かといって水を出すことは出来ない。
メタルスライムが水を操るなんて聞いたことが無い。
とうすればいい。僕は考えながら歩き出す。
そのうちにも炎は次々と移っていく。
「仕方ない。逃げるぞ。酸素がなくなったらおしまいだ。」
と一匹が言う。
冷静な判断だ。僕らは炎にはやられないが、息が出来なくなっても生きているとは限らない。
ここにとどまるのは危険が大きい。
せめて火が移るのを止めれたら。
しかし水は扱えないし、同様に木々を操る呪文なんてのも聞いたことが無い。
いや・・・まてよ。
僕はそこまで考えて閃いた。
木々を操る必要なんて無い。木々を消してしまえばいいのだ。一部ごっそりと。
僕は燃えている木の周り、つまり燃えて無い木に向かって呪文を唱える。
「イオ!」
爆発が起こり、木の一部が欠ける。焦げ目こそつくものの爆発なら炎までは出ない!
「イオ!イオ!」
三発目でやっと一本の木を倒すことが出来た。
更に「イオ!」と唱え木を一メートルほど飛ばす。
考えは悪くないのだが今ひとつ効率が悪い。
とその様子を見てたメタルスライムが話しかけてくる。
「それだ。いいとこに気が付くな。どいてな。おいお前もやるんだ。」
そういうと彼らは炎を中心に散って口々に呪文を唱えた。
「イオナズン!」
大きな爆発音と共に燃えてる木の周りが見事に吹っ飛ぶ。
これなら火が広がることは無い。燃え移ることは無いのだから。
ただ、その、言うべきか迷うけど、この威力だったら燃えてる木に撃っても良かったんじゃあ・・・。
うーん。燃えたまま散らばったかなあ。爆風で炎自体が消えそうなのだけど。
そう思ったが口にしないことにした。
考えているうちに顔の細いメタルスライムがやってくる。
「ありがとう。おかげで大切な山が救われたよ!」
「僕の名前はスタスタ。よろしくね。」
そこまでいうと彼はまた泣き出してしまった。
僕より泣き虫かもしれない。えへへ。
「俺ははぐメタだ。よろしくな。」
そういってもう一体のメタルスライムも声を掛けてくる。
どうやら少しは僕のことを認めてもらえたみたい。
しかし今日は疲れた一日だったなあ。
でもこれ以上無いほどの収穫があった一日だった。
>>144-146 まずは訂正ありがとです。
魔法でなくて呪文ですね。
ドラクエだとやっぱりそっちの方がしっくり来ると思います。
ただ、確かに職業では魔法使い(w
あとフォローもありがとうございます。
SSと呼べるほどのものではないですが、やっぱり多くの人に読んでもらえると嬉しいです。
ただ、先に書いたように自分で誤字脱字が多いのを自認していますので見つけたら細かいことでも教えていただけると助かります。
口調もそんなに気にならなかったので遠慮なくどうぞです。
誤字なんて別に2chならにちじょうちゃはんじ(←何故かry)だろ?
気にするな
159 :
107:04/04/15 00:15 ID:tig6+bRF
>>158 にちじょうさはんじ(日常茶飯事)
もう誤字注意はやめます
良スレ発見!
はぐりん ◆F/WveZadCU さん頑張ってください
最下層なんでageさせてもらいますね
mata-ri sage
162 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/04/15 21:32 ID:ogYqC05M
ぼくは昔メタルライダーを乗せたたメタルスライムだったんだ。
あいつの重みで潰れてはぐれメタルになったんだ!(・Д・)bイェーィ
なんか面白いぞ
>>162 それでは固体→液体の説明がつかないではないか。
>>164 プッチンプリンだよ、プリン。
外は堅いが、中はふにゃふにゃ
しゃくれメタル
659からage
固体→液体保守
はぐりん大好き!作者マッターリ頑張れ!
作者さん来ないね...(´・ω・`)ショボーン
もう飽きちゃったの?
はぐりんの冒険を書かせてもらっている者です。
どうもアク禁に巻き込まれてしまったようです。
執筆を諦めたわけではないです。
正直なことを言うと忙しくてあまり書いてないのですが、1回分書いて投稿しようとしたらアク禁orz
コツコツ書いて解けたら張りますので。
心配かけてすみません。それと保守して下さってる方々ありがとうございます。
やふーのイケズ(;´Д`)
こちらもマターリ覗きに来るからマターリ書いて。ばぶすけ大好き。
>>171 いやいや普通につまんないから
氏んでいいよ
おぉ〜 作者様が降臨なさってる!
ヽ(´ー`)ノ マターリ行きましょうね〜
はぐりんマイペースでがんがってください
落ちない程度に保守します
DQ5のドクオとかDQ3のぶっ壊れ小説スレを支持しまくってたけど、...なんだよこれ...こっちのほうがいいな...。
ドクオタンもはぐりんタンもどっちも(゚∀゚)イイ!!
とにかくマタ〜リ頑張れ〜
>DQ3のぶっ壊れ小説スレ
DQ3持ってないので見てない・・・(アンタに聞いてないって
179 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/04/28 23:20 ID:tC8NUKQM
>DQ5のドクオとかDQ3のぶっ壊れ小説スレ
聞いたことナイです。何処でしょうか?
>>178 DQ3やってなくても笑えるよっ。読んでるこっちもぶっ壊れます。はぐりんで中和しつつ読んでみて欲しいな。
>>180 知らなくても笑えるのか・・・
そのスレ逝ってくる。
>>179 ドクオは、「逆DQ5五流作家ですよ」とかいうスレ。ぶっ壊れ小説は「俺がDQ3の主人公だったら」みたいなスレ。お年頃の少女等が読むと引くかも...「普通」に飽きた大人向けかな。どちらも笑えますぜ。
>>181で既に的確な説明されてるし(゚Α゚)ハズッ
tanasinn
誤爆。はぐりんごめんなさい
はぐれあい・宇宙
昨日はみんな疲れてすぐに眠っちゃった。
僕は緊張して眠れないと思ってたんだけど予想に反してすぐに眠ってしまったみたい。
お互いに聞きたい事はいっぱいあったけど、今日ご飯を食べながら話すことになったんだ!
そう今日は十四日目。
「おはよー。」と声を掛けてきたのはスタスタ君だ。
眠たそうに目をこすっている。
僕もおはようと挨拶を返す。
果物を取りに行くのを手伝って欲しいらしい。
うん!もちろん喜んでついていくよ!
誘ってもらえたことで同じタイプの仲間に出会えたんだと実感できて来たみたい。
スタスタ君はここが故郷なだけあって大分山に詳しいみたい。
しかし、ここでは他にスライム族を全く見ない。どうしてなんだろうか。
家族は居ないのかと尋ねたところ、後で話すねと笑顔で答えられてしまった。う〜ん。
果物を取っているとイエティたち数匹に出会ったが昨日のスタスタ君の強さを見て取ってたのか向こうから逃げて行ってしまった。
りんご、ぶどう、いちご、それに果物ではないが芋も手に入った。
僕の故郷ではりんごと芋くらいしか取れないのに・・・。ちょっと悔しい。
それを言ったら「食べ物だけはいっぱい取れるんだよ〜。他には何も無いんだよ〜。」と笑って返された。
洞窟に帰って果物を並べていると、はぐメタさんが大きな木の実の皮に水を入れて持って来た。
見ないと思ったら洞窟内の川から水を汲んでいたらしい。ってあの激流の中を!?
「おう。はぐりん。傷は癒えたか?」と聞かれたので大丈夫ですと答えて挨拶を返す。
実際一晩寝てほとんど傷は癒えている。
ご飯を食べながらお互いの境遇について話す。
まずは僕からだ。
母が亡くなった機会に思い切って旅に出たこと、そしてこれは言うべきか迷ったけど、故郷じゃ友達が出来なかったことも話した。
「俺たち、変わったメタルスライムはみんなそうさ。大概は周りに煙たがられて生きていくことになる。中には外見を気にせず付き合ってくれる奴らも居るけどな。」
とはぐメタさんが返す。
続けてバブルスライム君達に会ったときの詳細を伝える。バブすけ君が感謝していたことも伝える。
「俺の代わりに蹴りをつけてくれたみたいでありがとよ。あれだけで懲りたとは思ってなかったから心配してたんだ。」
ぶっきら棒なはぐメタさんに頭を下げられて、僕はつい照れてしまう。やっぱりお礼を言われると嬉しい。
その後ここに辿り着いたことを伝え、疑問に思っていたことを聞くことにする。
「何であの森に寄られたんですか?」
「それもはぐメタさん一人で。」
それを聞くと心なしかはぐメタさんの目が怖くなる。おっ、怒ってる!?
「・・・どこぞのな。弱虫がな。逃げたんだ。目を話したスキに叫び声を上げてよ。」
「・・・俺は、いや俺たちは東を目指してたんだ。沼の森も最初はスルーしてたんだ。そしたらその弱虫はな。」
「・・・あろうことかな、逆走しやがった。西へ西へと走っていきやがった。しかも弱虫なくせに俺より早いときやがる。」
震えながらはぐメタさんがそこまでいうとカッと目を見開き、スタスタ君を睨む。
スタスタ君はもう泣き出しそうだ。
「ごめんよぉ。ごめんよぉ。もうはぐメタを置いて逃げたりしないよぉ。」
「でも化け物に会っちゃったんだよ!この世の物とは思えなかったんだよ!」
「それで・・・気が付いたらここに居て・・・うっ、うわぁぁぁーーーん。ごめんよぉお。」
泣き出したスタスタ君を見かねたのか、はぐメタさんが慰める。
「もう怒ってないから気にするな。そのおかげではぐりんに会えたんだしな。」
「・・・山火事も起きたがね。」
ぐすんとスタスタ君が鼻を鳴らす。
「沼の森で一通り探してみたが見つからないし、情報も聞けない。もっと先かと思って砂漠に戻ったらしびれくらげに出会ってな。やっと手がかりが手に入った訳だ。」
「そんでこいつの家の中かと思って探していたら、はぐりんに会ったってコトさ。」
「なるほど。そうだったんですか。ところでなんで東に向かってたんですか?」
この質問をしたとき、一瞬二人の顔が曇る。しかし間髪居れずにはぐメタが口を開く。
「東に向かっていたというよりは宛もなく噂を頼りに旅をしていたというところかな。」
「僕たちの旅の目的は二つあるんだ。」とこれはスタスタ君。
「一つはスライムの中の神様。長老というべきかも知れないけど。」
「グランスライムというおじいさんを探しているんだ。」
「色々な英雄伝が残ってるスライム様でまさに生きた伝説っやつなんだ。」
「どこに居るのかは分からないけど、全盛期のその力は伝説の勇者にだって匹敵してたらしいよ。」
「年をとってもその魔力と高潔さは変わりないらしい。」
「グランスライム様なら僕たちの呪われた様なこの体を他のメタルスライムたちのように戻せるかもしれない。」
この話を聞いたとき、僕は目を点にして驚いた。
まさかこの体が固形になる日が来るかもしれないなんて思っても居なかったからだ。
固形のスライムになったらきっと故郷のみんなも温かく迎えてくれるに違いない。
みんなで集まって「メタルキングごっこ」が出来るかもしれない。
みんなと仲良く話したり、一緒に働いたり出来るかもしれない。いや、一緒にずっと暮らしていけるはずだ!
僕はつい興奮して有頂天になってしまった。
どのくらい興奮したかというとその伝説の数々や有力な情報の有無を二人に尋ねた程だ。
このとき、僕はバブルスライム君たちと仲良くなったり、この二人と出会ったときと同じくらい喜んでいたことだろう。
しかしこの喜びは太陽が落ちる頃にはもうどこか遠くへ飛んでいってしまった。
つまり、このとき僕はこの後の「もう一つの探し物」を聞いてあんなに後悔することになるだろうとは思ってなかったんだ。
今日はここまでです。
アク禁解けました。
またまったりペースで書かせていただきます。
改めて保守や心配ありがとうございました。
はぐりんタン夜中にキタ―――(゚∀゚)―――!!!
GJ!まじG・J!
またマターリペースでガンバレ!
いつでも待ってるぞ。
はぐりんさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
お久しぶりですねぇ
時間があるときで良いですから 続きをよろしくお願いします
ヽ(´ー`)ノ マターリ行きましょうね
195 :
179:04/04/29 20:43 ID:1B7XU0rv
「もう一つの目的って何なんですか?」
自分でも分かるくらい僕の息は荒い。
僕はてっきりもう一つの目的も僕らにとって有益な物なんだと決め付けていた。
しかし僕の期待とは裏腹に二人の顔は暗い。
二人の顔が曇っているのを見て僕も少しおかしいことに気づいた。
「あまりいいことじゃないんですか?」
シーンと場が静まる。はぐメタさんが水を飲み、重い口を開いた。
「・・・俺たちは・・・とあるスライムを殺さなきゃいけないんだ。」
「正確には止めたいんだが、きっとあいつは死なない限りもう止まることは無いだろう・・・。」
話の内容よりもはぐメタさんの神妙な顔を見て、僕は事の重大さが分かってきた。
はぐメタさんが話を続ける。
「順を追って話そう。俺はもっと西に住んで居たんだ。峡谷・・・というべきかな。水がキレイで風が気持ちいいところだった。」
「ところどころ緑もあってな。俺はそこに普通のメタルスライムやそう・・・俺と同じ境遇のスライムたちと暮らして居たんだ。」
「俺たちのようなメタルスライムはめったに現れないはずなんだが、俺の住んでたところじゃ三匹の流動型メタルスライムが居た。」
「まあそれでもよく普通のメタルスライムには煙たがられたし、他のモンスターたちにも好かれてた訳ではなかったんだ。」
「でも同じ境遇の奴が他に二匹も居たおかげか、それなりに幸せに暮らせていたよ。」
「それに俺の両親は既に他界してたが他二人の両親は普通のメタルスライムだったが俺たちにも優しくしてくれた。ゆうぼうって奴には普通のメタルスライムの兄弟も居たしな。」
ゆうぼう・・・どこかで聞いた気がする。
そうだ!僕にそっくりだというメタルスライムだ。
「そのまま、日常が過ぎていってくれれば良かったんだ。そのまま微かでも幸せを感じながら、年を取って死んでいけたら良かったんだ。」
「でも二年ほど前に嫌な噂が流れたんだ。そして事件が起こってしまった・・・。それも二つもね。」
「片方だけならまだ良かったんだ。しかし最悪な事件が最悪なタイミングで重なってしまった。」
ここまで言ってはぐメタさんは黙ってしまった。代わりに話そうかとスタスタ君が聞くがそれを断る。
「噂って言うのはありふれた物でな。俺たちの体が変なのは呪われて生を受けたからだって話だよ。」
「そして俺たち得意な体を持つ者が住んでいる地域は呪いで滅びるしかない・・・子供が考えたような他愛の無い噂話さ。」
「だけど、その噂は何故か峡谷全体に広がっていったんだ。旅の者から聞いたという者も居た。」
「もっとも大抵の者は特に気にしてなかったよ。俺たちが生まれて何年も経ったが峡谷は平穏だったからな。」
「しかし間の悪いことにその年、食料の収穫が乏しかったんだ。次の年も不作だったら餓死者が出かねないほどだった。」
「そんな不作は今までなかったと聞いたよ。すると、噂を聞いた者の中には少数だがそれを信じてしまう馬鹿が出ちまったんだ。」
「その中でも特に過激な奴らが居た。案の定、俺たちを殺そうとしてきた。」
はぐメタさんは溜息をついて水を飲んだ。そういえば食べ物はもう食べきってしまった。水も少ない。
スタスタ君が水を汲みに行く。
「俺やゆうぼうは強かったし、三匹はよく一緒にいたからいつも追い払うことが出来た。」
「けど・・・それが良くなかったのかね。なまじ俺たちが強いせいで三歳小さかったもう一匹が集中的に狙われてしまったんだ。」
「それはよく晴れた暖かい日だった。俺はそう仲の悪くなかったメタルスライムに手紙で呼び出されたんだ。後で聞いた話だとゆうぼうも別のところに呼び出されたらしい。」
「そんな時勢だったから今思えば無視してしまえばよかったんだ。しかし後悔したらキリが無いが俺は森の外の泉に出かけてしまった。」
「待ち合わせの時間になっても相手は現れず、これはおかしいと思って急いで家に戻ったんだ。」
「家に戻ってから俺は嫌な予感がして他の二人のスライムのところに行ってみた。」
「ナンナンと言ったんだが、その流動型メタルスライムは。」
「そいつの家に行ったら両親が森のはずれに遊びに行ったというので俺はその後を追っていった。」
「森のはずれに付いたとき、俺は悲鳴を上げてしまったよ。もしかしたら錯乱していたかもしれない。」
「そこにあったのは息の無いメタルスライムが6、7匹。ボロボロになって泣き崩れていたゆうぼう。」
「そしてバラバラになりもはや原形をとどめていないメタルスライムのような残骸だったんだ。」
「俺は混乱しながらもゆうぼうに何があったのか聞いた。ゆうぼうも途切れ途切れながら答えてくれたよ。」
「彼は俺よりも早く異変に気づいてナンナンの後を追っていたそうなんだ。」
「彼が辿り着いたとき、ナンナンは大勢に襲われ虫の息だったそうだ。」
「彼はとめに入ったが何匹かのメタルスライムに邪魔をされて救えなかったらしい。」
「今思うと俺と彼の差はもしかしたらあの時、目の前でナンナンの死を見たかどうかの時点で徐々に出来て行ったのかもしれない。」
「俺たちは事情をナンナンの両親に話して手厚く葬ったよ。両親はショックで動揺が隠せてなかった。当然だよな。」
「俺たちを呼び出したメタルスライムは脅されてやらざるを得なかったらしい。仕方ない話さ。」
「俺もゆうぼうもどうしようもない悲しみに暮れちまったが、泣くことしか出来なかった。」
「そしてそれ以上に最悪なことが起きちまったんだ。」
スタスタ君が水を持ってきてくれて無言で置く。
僕とはぐメタさんはそれを無言で飲む。
「その日から一週間ほど経ったある日、峡谷に見慣れぬ一団がやってきたんだ。」
「メタルスライムやメタルライダーを中心にホイミスライムやスライムツリーを引き連れたスライム族の一団。」
「先頭のメタルライダーが言った。『旅の者に聞いた。この中に呪われた魔物が居ると!』」
「『我々は呪われた哀れなスライムを天に送る旅の団。今までも多くの森や山を救ってきた。』」
「『この峡谷も多くの不幸に見舞われたことだろう。安心するといい。明日からは平和な日々が送れることになる。』」
「『呪われた子羊たちよ。この峡谷のことを思うなら出てくるといい!』」
「ただのバカ集団さ。みんな引いてたよ。俺たちを嫌ってこそいたものの引き渡そうとした奴は居ない。あんな集団を信用するバカは居なかったのさ。」
「でもそのうち、あいつらここに俺たちが居ることはわかってるから家捜しをすると言い出したんだ。」
「俺たちは他の者に迷惑が掛かったら更に住みにくくなると思ってしぶしぶ出ていったんだ。」
「いざとなれば追い払ってやればいいと思ってね。」
「彼らと対面したとき、まずはゆうぼうが一言いったんだ。『変わった形のスライムなんていくらでも居る。何で俺たちが呪われていると言えるんだい?』ってね。」
「すると奴らは『親と同じ形に生まれなかったのが何よりもの証拠だ。』といいやがった。悔しいことにゆうぼうも俺も言い返せなかった。」
「今思うとそれも呪われているという証拠にはなり得ないんだがな。だが、その時はそこまで言えなかった。」
「俺がこの峡谷から出て行けばそれでいいかと俺が念のため聞いたら『ほとぼりが冷めたらどうせ戻ってくる。死あるのみ。』と言い切りやがった。」
「実力で追い払うしかなくなっちまったんだが、戦いを仕掛ける前に問題が起きたんだ。」
「ゆうぼうの家族が止めてくれと前に出て一団に交渉しに行ったんだ。」
「何を言っても首を横に振るメタルライダー。ゆうぼうの両親は俺たちに向かって逃げなさいといった。」
「そしたらメタルライダーはこう言った。『呪われた魔物をかばうとはあなた達も狂ってしまわれたようですね。』てね。」
「次の瞬間、俺は気を失いそうになった。メタルライダーの奴、あろうことかゆうぼうの家族に手を出したんだ。」
「俺たちが動こうとしたときには手遅れだった。メタルライダーの剣がゆうぼうの母を貫き。父の呪文を受けつつも切り返したんだ。」
「メタルライダーが掛け声を掛けると一斉に一団のメタルスライムがゆうぼうの弟に襲い掛かった。」
「ゆうぼうはメタルスライムの集団に向かっていったが弟がどうなってもいいのかと言われ、逆にメタルライダーに深く刻まれてしまった。」
「俺は兄弟を助けるためにメタルライダーと戦いを始めた。体の硬い俺たちなら人質といえどすぐに倒すことは出来ないと踏んでね。」
「しかしゆうぼうの父が俺とメタルライダーの間に割って入ってこう言ったんだ。」
「『はぐメタ君達は逃げなさい!』ってね。確かに逃げるしかなかった。俺はともかくこのままではゆうぼうまでやられてしまう。」
「メタルライダーを父に任せてゆうぼうに歩み寄ろうとする・・・がさっきまで居たところにゆうぼうはいなかった。と、共に前方で大きな爆発音。ゆうぼうは怪我を負いながらもメタルスライムたちに突っ込んで居たんだ。」
「俺も覚悟を決めてメタルスライムに突っ込んだ。奴らを弾き飛ばし、ゆうぼうに近寄る。更に一緒に弟の方へ向かう。俺が弟を背負い、ゆうぼうはイオナズンで地面ごとメタルスライムを吹き飛ばす。」
「しかしそのとき、『ゆうぼう』という声が聞こえた。砕け散っているゆうぼうの父。こっちをみて大声で笑っているメタルライダー。」
「怒り狂うゆうぼうを抑えつつ、住処を出ようとした。しかし今まで静観していた他のメタルライダー達が襲い掛かってくる。」
「メタルライダーたちに逆に襲い掛かる者達がいた。ナンナンの両親だった。」
「それでも脇を抜けて襲ってくるメタルライダーを呪文で追い払いながら命からがら俺たちは住処から逃げれたんだ。」
ここまでしゃべるとはぐメタさんは水を飲んだ。スタスタ君も飲む。
「随分歩き、見つけた河原で俺たちは足を止めた。」
「怪我をした二人に水を飲ませてあげようと弟を下ろして二人に声を掛けた。」
「しかしゆうぼうの弟は体がところどころ潰れていてゆうぼうの名前をおぼろげに繰り返すだけだった。」
「水こそ飲ませてあげたが、手当てをしてあげることも出来ない。周りには薬草すら生えてなかった。」
「ゆうぼうが必死に声を掛け続けるもむなしく、数時間後に息を引き取ってしまった。」
「あの時のゆうぼうの顔は忘れられない。」
「泣き続けるゆうぼうに俺はとりあえず休もう、体が治らないと仇すら取れないと言った。それしか言えなかった。」
「ゆうぼうがこういったのを覚えている。許せないと。」
「俺も奴らは許せないといった。しかしゆうぼうは更に言った。峡谷のメタルスライムたちも許せないと。」
「俺たちに手を貸さないのは分かるが、普段みんなに優しかった同族すらも助けなかったは許せないと。」
「俺はそれも分かるがとにかく休もうと言った。」
「ゆうぼうが戻らないようにゆうぼうが眠るまで僕は起き続けた。そして疲れが溜まったためか俺も眠ってしまった。」
「朝、目が覚めるとそこにゆうぼうの姿はなかった。そして峡谷の方から大きな炎が上がっていた。」
「俺はその時人生で一番後悔した。なんで眠ってしまったんだと自分に言い聞かせた。自分さえ寝なければ助けられた命じゃないのか。」
「一時的な疲れのために大切な仲間を見捨てるなんてメタルスライムたちと代わらないじゃないか。」
「峡谷に着くと、その惨状は想像を絶した。木々という木々は燃え続け、灰と崩れた岩場が河を黒く染めていた。」
「積み上げられたモンスターの数々。住処側、一団側と区別なく潰れているメタルスライムたち。逃げ遅れ煙でやられたであろうモンスター。黒焦げのホイミスライムにスライムツリー。」
「死んだ後も散々魔法を受けたのだろうか最初は何だか判別できなかったメタルライダーたち。異臭が辺りいっぱいに立ちこんでいた。」
「ナンナンの死に様を見ても気分を害さなかった俺だったがこのときだけは吐き気がした。」
「そして峡谷の奥でとうとう俺は発見した。傷だらけでボロボロだがおそらく最後の一匹であろうメタルスライムを追い詰めているゆうぼうを。」
「俺はゆうぼうに叫んだ。やめろと。そのメタルスライムは以前脅されて手紙を書いたメタルスライムだった。」
「俺たちに普通に接していた数少ないメタルスライムだ。手を出すな。俺は更に叫んだ。」
「ゆうぼうが悲しそうな目でこっちを見た後、大きく振りかぶりメタルスライムに一撃を降ろそうとした。」
「しかし、幸か不幸かゆうぼうに剣が飛んできた。ひらりとかわすゆうぼう。」
「投げ手の方向に立っていたのはメタルライダーだった。そう、ゆうぼうの家族に襲い掛かったあのメタルライダーだ。」
「ゆうぼうはメタルライダーの懐にかいくぐった。メタルライダーの最後の一言は『悪魔め・・・。』だった気がする。」
「巨大な爆発音と共に吹っ飛ぶメタルライダー。しかしゆうぼうの手は止まらない。次々に呪文を唱えていく。」
「そのスキにメタルスライムは逃げて行った。はあはあと息を切らしているゆうぼうに俺は近づく。」
「俺は嬉しさと悲しさのどん底に居た。敵を討てたことは素直に嬉しかった。最後のメタルライダーの死に様を見たときはすっきりした程だ。」
「しかし、あたりに転がっている『普通に俺たちと接してくれていたメタルスライム』の死体を見て俺は悲しくなった。」
「俺は言った。『生きてくれて良かった。これで・・・満足か?』」
「ゆうぼうは返した。『いや、悲しくて仕方ない。』」
「俺は言う。『これからどうするつもりなんだ?』」
「ゆうぼうは返す。『・・・もうこんな悲しいことはたくさんだ。』」
「『二人で旅にでも出るか。こんな惨劇をもう起こさせないための旅を。仲間を助けるための旅を。』」
「『それもいいな。でもわかったんだ。もっといい方法がある。』」
「間を置いて俺は訪ねた。『なんなんだい?』」
「間を置いてゆうぼうが答える。『スライム族なんて・・・いや、生き物なんて居なくなればいい。』」
「『全てのスライムを殺すのか?俺たちに出来ると思うのか?』」
「『昔旅人に聞いただろう。封印されたスライムの伝説を。スライムの・・・王の中の王の話を。』」
「俺は聞いた。『封印を解いても思い通りにはならないぞ。童話でその手の解放者がどうなるかは知ってるだろう?』」
「ゆうぼうは聞き返した。『世界が終わればそれでいいさ。一緒に来てくれないか?』」
「『・・・断る。俺はもう俺の人生に誰も巻き込みたくない。それにお前は行かせない。』」
「『はぐメタなら分かってくれると思ったのにね。くだらない奴らなんて居なくなればいいんだ。俺は止められないよ。』」
「確かに俺はあいつを止めれなかった。あいつは重症だったんだ。去って行く背後から刺せば殺すことなんて簡単だった。」
「俺にはあいつの気持ちが痛いほど分かったんだ。あいつは俺よりも悲しみに沈んでいたのも分かった。」
「今思えばあの時あいつを刺しておくべきだったんだ。俺のもう一つの目的はあいつを刺し違えてでも止めることだ。」
僕は何もいえなかった。ただ、水を飲むことしか出来なかった。
気の聞いたセリフも言えなかった。
「あいつの悪行は・・・スタスタに聞いてくれ。」
そしてスタスタ君の話が始まった。
「僕も二人と境遇に違いはなかったよ。煙たがられてたし、弱虫だったから余計イタズラされてた。」
「でも母さんは元気だったし、ここは自然が多くて心が和んだから幸せに暮らして居たんだ。」
「父さんはずっと昔に亡くなっちゃってたけどね。」
「でも一年ほど前にあいつがやってきたんだ。」
「僕は自分と似た姿の彼を見て最初は喜んだよ。でも少し様子がおかしかった。」
「洞窟が無いかと聞かれたからここに案内してあげたんだ。」
「でもここを隅々まで調べて彼は言ったんだ。『ここも違ったか。』て。」
「そして外に出た彼は本性を表したんだ。」
「僕は怯えて終始震えていたのを覚えてるよ。」
「彼は次々にメタルスライムを狩りだしたんだ。イエティやドラゴンキッズもお構いなしだった。」
「あの強さはまるで鬼神の様だったよ。」
「当然、他のメタルスライムを助けるために母さんも出ていった。」
「心配になって怯えながらも僕も遅れて出て行った。でも・・・そこで見た物は・・・。」
ここまでしゃべってスタスタ君は泣き出しそうになった。
「ぐすっ、僕は始めてキレたよ。怒ったんじゃなくて『キレた』んだ。」
「震えながら向かって行ったよ。戦闘に出るのは初めてだったからいい様に遊ばれてたんだけど、僕がイオナズンを使ったら彼の目の色が変わった。」
「実はその時、僕は呪文なんて全然知らなかったから、破れかぶれにあいつが使ってた呪文を唱えたんだけども。」
「あいつが本気になってもうだめだと思ったとき、はぐメタがやってきたんだ。」
「はぐメタが来たのを見て、あいつは『ラッキーだったな。俺は行かなくちゃならない。いや、ラッキーなのは俺の方か。お前には恐ろしい力を感じる。』て言って去って行ったんだ。」
「はぐメタに事情を聞いた僕は、昔僕が母親から聞いたグランスライム様の話を伝えたんだ。」
「そしてここを拠点に北へ南へ探し回ったんだ。どちらも有益な情報は得られなかったけどね。」
「はぐメタがきたのが西からだったから東に長い旅に出ようとして・・・後は今に至るってわけです。」
・・・。
日が暮れた。
あの後、二人の年を聞いたり、強さを聞いたりした。
はぐメタさんは強力な呪文を使える上に力が強い。体力もある。年は予想してたけど僕より少し上だ。好物はイチゴ。
スタスタ君は天才なのかもしれない。素早い上にはぐメタさんでも使えないような呪文や特技を持っているらしい。
年は同い年だった。好物はキレイな水。
僕が何度もはぐメタさんに『さん付け』していたせいかどちらも呼び捨てにしてくれと頼まれた。
よく見たら照れくさがっていたようにも見える。
だから今後ははぐメタさん・・・じゃないや、はぐメタもスタスタも呼び捨てにすることにする。
僕が弱いことを告げたら、僕は賢いし、力なんて徐々に付いていくから気にするなと言われちゃった。
賢いなんて言われていつもだったら照れてるところだけど今日はそういう気分になれない。
気になったのはスタスタく・・・スタスタの大逆走の原因になった化け物を見たって話。
何とも言い表せない恐ろしい化け物だったそうだ。
はぐメタは岩か何かを見間違えたんだろうといってたけど。
はぐメタに今日の話を聞いても無理についてくる必要は無いといわれた。
巻き込みたくないんだそうだ。スタスタもゆうぼうに因縁がなければ連れて行きたくはなかったみたい。
明日旅に出るから朝返事をくれと言われた。
僕の答えは決まっている。
グランスライム様の話も興味深かったけど、何よりも僕自身もゆうぼうになる可能性があったんじゃないかと思ったからだ。
一歩間違えていたら僕も同じ考えを持っていた気がするんだ。
僕に何か出来るかといわれたら何も出来ないし、足手まといになるかも知れない。
でも何もしないくらいならゆうぼうを止める努力をすべきだと思ったんだ。
だから僕も一緒に旅に出る。
今日はここまでです。
なんか暗い話でスマソ。
今後はまた明るい話に戻ると思います。
が、実はGW中は家に居ません。そのためGW中は書き込めません(;´Д`)ノ
今日地味に長いのはそのためです。
それでは良い連休を・・・です。
いい話だ・・・。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
はぐれメタルって薄幸な生き物なんですね
GW明けに帰ってくるのを 楽しみにしてます
好物はうんたら〜、ってなんかカワイイなw
DQ7にもこういうやるせない話が多かったよなぁ(;´д⊂ヽヒックヒック
保守ですよ(・∀・)
211 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/05 02:03 ID:MkA/1RCq
いやいやつまんねーから
勘違い野郎はシンデネ
213 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/05 03:19 ID:hVrVJUaJ
>>91 最初に言っておくと、全世界フィールド画面の7割くらいは雪国。普通の草原とかは本当に少ない。
まずスタート地点の山奥の雪の村あるだろ
そこで村人の話を聞いてイベントすすめると村を追放されるから
左下の村の出口から外に出る。するとフィールド画面になるけど、
そのまま岩山沿いに左に進んでいくと氷の彫刻の森ってダンジョンに入る
あと、村から直接いける冬霊の山は慣れ用の雑魚敵と帽子が入った宝箱があるだけなんでいかなくてもいい。
行って経験値と金と帽子を回収したほうが良いけどな
ちょっと複雑だけど。氷の彫刻の森は特別な仕掛けもボス戦もないから進め。宝箱は回収しろ。スチール製ナイフがある
スチール製ナイフ取っておかないとここの雑魚敵でちょっと苦戦するからな(スノーラビットがちょっと強い)
森の途中ででかい氷の塊で通れない通路があると思うが、今は気にせず先へ進め
そのまま森を出るとまたフィールド画面になるが、フィールドに出たら今度は南下しろ
凍れる大河っていうダンジョンに入るから、そこに入ってガケの穴にいるじいさんに話しかけてイベント進めろ
イベント終わってまた話し掛けると、凍れる大河を越える方法を教えてもらえるので
その通りに進んでいく(東は湖が凍ってるだけなので西を目指す方向)
途中で洞窟入ったりガケ上り下りしたりするけど基本は河沿いに進んでいく。ここは雑魚敵は出ない。bossもなし。
凍れる大河を抜けるとまたフィールドに出る。かなり遠いけどフィールドの雪原を更に南下しろ
森っぽいとこが見えてきたら今度はちょい東に進むと城下町があるんで、そこで人と話して氷の洞窟の話を聞け
そのあと城に行ってイベント見てから西の氷の洞窟に行く。ここはボスいるから装備は最良のものを買うべき
氷の洞窟のボスは一度目は勝たないといけないけど直後のイベント戦では絶対勝てないので
回復アイテムとか使わないでわざとすぐに負けろ(コールドスリープが強いので一発で負けると思うが)
イベント後、城下町に戻ると東の山の塔の話を聞けるので、南東に行く。山の近くの海に港町があるので
しばらくここでレベル上げと金稼ぎしろ
214 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/05 03:33 ID:MkA/1RCq
誤爆もクソもこんな駄文読む価値ねーだろ
つまんねーから、マジ氏んでね
港町のイベントで地下牢獄にぶちこまれて脱獄する
地下迷宮は雑魚敵も出るしボスもいるから注意、一応回復ポイントはある
ボスのアンデッドカーカスを倒したら町の宿屋の庭に出てイベント、雑魚敵と戦闘のあと疑いが晴れる
翌日になって宿屋の主人の妻から話を聞いて港の船員に話かけてイベント
このあと氷の洞窟に再び行き、アイスドラゴンと再戦、港町で手に入れたアイテム使って今度は完全に勝つ(負けると全滅
アイスドラゴンに勝つとアイスドラゴンが頂きの塔に乗せていってくれる
頂きの塔の仕掛けは特に難しくは無いので省く、床の紋章と岩の色を見ればすぐ分かる
長めのダンジョンで回復ポイントもないからきついだろうから回復アイテムは用意しとけ
注意点として、19階のテラスから落ちると塔からはおろか、山からも落ちて即死(ゲームオーバー)するので注意して歩く
22階で2回のボス戦、勝つと氷のペンダントと赤い宝石のはめられたカギが手に入る
城下町に戻るとアイスドラゴンは帰っていく、ここで塔で戦ったボスが3度目の戦いを挑んでくる
かなり強い、メタトロントーメント連発されるとあっと言う間に全滅する恐れもある
撃破後、イベント見て南東の港町へいき、港の船員から話を聞いて山奥の雪の村の秘密を知る
山奥の雪の村まで戻り、自宅の壺が並んでる部屋のロウソクの立ってる壁を調べると隠し階段が見つかるので降りる
ずっと降りていくと本棚のある部屋へ、本棚を調べて日記を読み、永久水晶の秘密と、世界が氷の世界になったことの理由を知る
机の上にあるメモの通りにアイテムを使い、再度机の上を調べると氷のペンダントが輝きを取り戻す
本棚の横の宝箱は赤い宝石のはめられたカギで開く、中身は大氷河の地図
氷の彫刻の森へ行き氷塊が道を遮ってるところへ行く、イベント後氷塊が消えて先へ進めるようになる
森をしばらく進むとフィールドに出る。北へ北へ進んでいくと大氷河へ入る。
かなりの難問ダンジョン。敵が強い、ボス戦闘が多い、めちゃくちゃ広い、迷いやすい。
大氷河の地図を見ながら、なるべく全エリアを探索し、経験値をためつつ宝箱を回収していく
とにかく大氷河は広く、時間がかなりかかるので詳しくは省く
ここは一気にクリアしようとは思わず、じっくり腰をすえてやるつもりで
どんなに早くてもここのクリアは一週間近くはかかる
大氷河を抜けるとフィールド画面へ。北へ進むと北の最果ての海に入る
海岸まで来たらうまく流氷を渡ったり流氷に乗りながら沖を目指していく(宝箱とかはない)
ここの敵は大氷河の敵よりも強いので注意、あと流氷から足を踏み外して海に落ちるとゲームオーバーなので注意
流氷づたいにずっと沖を目指すと吹雪が強くなる、さらにずっと進んでいくと島が見えてくる
北へ進んでいくとフィールド画面に出る、小さな島に上陸してるのでそのまま島の中央に進むと
最果ての洞窟に入る、道のりは長いが地下深く潜っていくと永久水晶があるので、それを入手
ボス戦のあと、カエストスが現れて魔法をかけられる。魔法で飛ばされて別の大陸の南端に飛ばされる。
ここでようやく雪原エリアじゃないフィールドを歩けるようになる
少し北に進むとテント村がある、ここで一人目の仲間キャラが仲間になる
ついでにレアメタルメイルももらえる
↑なんのコピペか知らんが
たしかにこの長文は読む気がしないな
誤爆?
良スレsage
219 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/06 03:09 ID:pr8BaaPm
大氷河クリアできねー;;
220 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/06 13:03 ID:0fQKCYqv
良スレハケーン!
自分の中では、ドグオに匹敵するSSだ。
保守
十五日目。
僕は二人に付いて行くことを告げた。
二人は大手を振って歓迎してくれたので嬉しい。
はぐメタに何か言われると思ってたけど、どうやら照れててそれどこらじゃないみたい。
三人で話し合い目的地を決める。
調べ足りなかった東の方を見に行くということで意見は一致、拠点として僕の家へ向かうことにする。
それにしても仲間と旅をするというのはとても楽しい。
今までの一人旅と違って明るく進んでいける。
まさかこんな日が来るとは思ってなかったなあ。
しかし一つだけ焦った事があった。
それは彼らの強さだ。
戦闘に入ると、ドラゴンキッズであろうとダンスニードルであろうと逃げ出すか一瞬でやられてしまうかのどちらかだったからだ。
イオラを疲れもせず唱えまくるスタスタ。
はぐメタは敵陣に突っ込んで行き、例の緑色の武器で敵一匹を葬ったかと思えば、戻ってくる際にもう一匹倒している。
僕はと言うと戦闘で役に立った記憶が無い。
たま〜にイオを唱えるけれど全滅させるには至らない。
そしてもう一度唱えようとしたときには敵は既に見えなかったりする。
はぐメタが僕はまだまだ成長途中だからあせらずじっくり戦えばいいと言ってくれたけどそうとも言ってられない。
せめてイオラを使えるように今日から練習しようと思う。
更に進んで行き、砂漠に入る。
今日のところはしびれくらげ君の居たオアシスまで歩いて行き、そこで休もうという事になった。
砂漠を少し歩いたところでぐんたいガニに出会う。
仲間を呼んだときにはびっくりしたが無常にもスタスタのイオラで仲間もろともやられてしまった。
やられたとはいえ、ピンチのときに駆けつけてくれる仲間が居るなんてうらやましい限りだ。
夜になった頃にしびれくらげ君の居たオアシスに着いた。
・・・が少し様子がおかしい。
しびれくらげ君がオアシスのとなりでボロボロになって倒れている。
不幸中の幸いかまだ干からびてはいないようだ。
駆けつける僕らにしびれくらげ君が「い・・・いつぞやのメタルスライム君たちかね。」
どうやら息はあるようだ。
「あいつを止めてくれないか。このままでは僕は帰れなくなって干からびてしまう。」
「ふざけてしびれさせてみたんだがここまで怒るとは思わなかったのだよ。」
「長い間付きまとわれてやられそうになった手前、ここに飛び出したんだ。」
「根はいい奴だからね。死なせたら承知しないからね。」
そこまでいうとしびれくらげ君はガクッと気絶してしまった。
はぐメタが「相変わらず偉そうな奴だ。」とぼそりという。
はぐメタが言っても説得力が無い。
突然滝のような水しぶきの音が聞こえて
「うわぁぁぁーーー。」
とスタスタの悲鳴が上がる。
オアシスの方を見ると・・・身の丈何メートルもある大きな竜のような、シャチのようなモンスターがこちらを睨んでいた。
「しんかいりゅうか!なんでこんなところに!?」
はぐメタは見た事があるようだ。
「しびれくらげを渡しちまえば帰ってくれないもんかね。」
とはぐメタが続けて言う。
「昔、海で見た事がある。体が盛り上がったら力をためた証拠だ。気をつけろ。」
そうこう言ってる内にしんかいりゅうが攻撃してくる。
体当たり・・・というよりはのし上がりに近い。
みんなかわしたものの地面がえぐれる。
しびれくらげ君をはぐメタが抱えて遠くへポイっと放り投げる。
続けて首を振ってくる。これははぐメタに向けてだ。
案の定かわして逆に一撃を与える・・・がそのまま首を振られてはぐメタが吹っ飛ばされてしまう。
僕がベギラマで、スタスタがイオナズンで攻撃する。
これは効果が有ったようで大分弱ったようだ。
しんかいりゅうの体が盛り上がってくる。
今のスキに攻撃すればいいのかもしれないがへたをしたら死なせてしまう。
向こうが全力になったところで、はぐメタが戻ってくる。
「これをかわしたらいっせいに素手で攻撃するぞ。狙いは頭だ。」
しんかいりゅうの標的はスタスタに定まったようだ。
持ち前の速さでかく乱するスタスタ。
しんかいりゅうが首を伸ばし狙いを定める。
僕とはぐメタは首が下がるのを待つ。
しんかいりゅうの攻撃をスタスタがかわす。
僕とはぐメタは一気に首を駆け上がり頭の上に。
なんと驚くことにスタスタもかわしがてらにひょいっと登ってきた。
しんかいりゅうが頭を振るがへばりついて離れないようにする。
頭を数発叩いたところ気を失ったみたいでどうぅぅんと音を立ててしんかいりゅうが転がる。
どうやら無事勝てたようだ。
しびれくらげ君に水を飲ませる。
気が付いたしびれくらげ君はしんかいりゅうに水を飲ませて気が戻ったところをひたすら謝る。
一度気を失って興奮が冷めたためか、しんかいりゅうは魚をご馳走するという約束で矛を収めたようだ。
最初からその約束を試せばよかった気がしないでも無い。
しんかいりゅうがざぶんとオアシスに戻っていき、しびれくらげ君がこちらにやってくる。
「いやあ、ありがとう。助かったよ。君たち。」
「お礼といっては何だが、ここを一晩の宿として使ってもらって結構だ。」
「それと面白い話を聞かせてあげよう。」
「面白い話?いってみろ、しびれくらげ。」
とはぐメタが返す。
「呼び捨てにするとは失礼な。それに僕にはしびれんというちゃんとした名前があるんだぞ。」
「へいへい。わかったよ。しびれん様。でなんなんだい?」
「君たちの神様とも言うべき伝説のグランスライムの住処を旅の者に聞いたのさ。」
「なんでもここから北にある大河を渡った先の森にいるらしい。」
「真贋の程は不明だがね。」
「予想以上にいい話じゃないか。でかしたぜ、くらげ野郎。」
と口調とは裏腹にニヤリ顔ではぐメタが返す。
僕とスタスタも続いてお礼を言う。
「その旅の者って言うのはどんなモンスターだったの?」
とスタスタが聞く。
「うーん、フードを被っていたから何ともいえないが、形から見るにスライム族だったね。」
としびれん君。
「僕も気になっていたことがあります。海の生き物なのになんでこんなオアシスにいるんですか?」
と僕もずっと気になってたことを聞く。
「ああ、この泉、底は深い上に広くてね。ずっと奥の方で海にもつながっているんだよ。」
「僕も出来れば海に住みたいけど、しんかいりゅうならまだしも、グロンデプスなんざに出会った日にはすぐさまエサになっちまう。」
「あいつらは獲物がなくならない限り、居心地の悪いこっちに来ようとしないだろう。」
「僕も海の方が居心地はいいけれど、ここでも暮らしていけるから安全を取ってここに居るって訳さ」
へー。海の世界でも苛烈な競争があるんだなあと僕は感心してしまった。
僕らは話し合った結果、東も気になるけれどゆうぼうの手がかりが無い以上、先に北に向かってみることにした。
はぐメタが言うに、ゆうぼうが全てのモンスターを倒そうとしている以上、遅かれ早かれ彼もグランスライムを探すに違いないらしい。
それなら先に僕らが会って危険を伝えた方がいいということだ。
オアシスの水を飲んで砂の上に転がる。
こうして僕の仲間との一日目の旅は幕を閉じた。
ご無沙汰しています。
GW後に反応がなくって申し訳ないです。
無事帰ってきてはいたのですが、今日まで続きを書くほどの余裕が取れませんでした。
それではまた後日。
しびれんが想像してた性格とは正反対でなんか新鮮だ
えらそうなしびれん(*´Д`)ハァハァ
いつもながらGJ
時々煽りとかも来てるけど気にせずマターリがむばってちょ。
>>228 おかえりなさい
いつも読ませていただいてます
それぞれのキャラの個性がはっきり出ていて面白いですね
続きがとても楽しみです
時間のあるときで良いので よろしくお願いします
スライムベスの出現まだ〜??(AA略
突っ込みたいのだが
そのオアシスは海水なのかい?
234 :
書き手:04/05/09 22:02 ID:s1Wlx4Wy
オアシス及びその下の広い部分→泉
海とはつながっているが、細ーい川のような地下水でつながっている。
現実にも大きな泉と海がそういう風につながってるのってありますよね?
なかったら自分の勉強不足ということで(;´д`)マズイ
というかそんなの無かったらすみません。
細い川でつながってるってしびれんのセリフの中に入れればよかったですね。
そういうの勝手にイメージしてたのですが、説明不足で申し訳ないです。
というわけで海水ではないです。
しびれんの性格がイメージと違うのは全員イメージどおりにすると同じ性格で固まってしまいそうだったのでこうしてみました。
個人的にホイミスライムとかと違ってしびれさせるところが何となく穏やかに見えてむしろ冷静そうというか抜け目なさそうというかそんなイメージもあったからです。
俺は読んでて普通につながってるってなんとなく想像できたよ
/・∀・\スライム〜 /・∀・\とろろ〜ん
ドクオが終わっちゃったので、
はぐりん一筋で生きます。
十六日目。
しびれん君に別れを告げて一路北を向けて歩き出す。
北にある大河とはどのくらいの広さなのだろう。
大きな川は見た事が無いので見るのが楽しみだ♪
見るのが楽しみというのはなんだか旅の原点に戻ったみたいでうきうきする。
ただ、そんな大きな河って渡れるのかなあ。
それにやっと会えるグランスライム様とはどの様な方なのだろうか。
「グランスライム様ってどんな方なのかな〜?」
と二人に話しかける。
「すっごく優しい人らしいよぉ。どんなモンスターも大切に扱ってくれるらしい。僕にも優しくしてくれるといいなぁ。」
これはスタスタ。
「権力握って、保身しか考えない嫌な爺さんになってなきゃいいがな。」
これははぐメタ。
「そんなネガティブに考えちゃだめだよ〜。様々な伝説が残ってるくらいだよ。それもほとんどが優しいって謡ってる。」
スタスタが興奮気味に返す。
「そう言うように権力を傘に押し付けて回ったって可能性もあるがな。」
はぐメタが冷静に言い返す。
「いいもん。いいもん。はぐメタはそうやってなんにでも疑い続けてればいいんだよ。ふんだ。・・・ぐすん。」
とスタスタが怒る。
「きっといいモンスターだと僕も思うよ。そういえばどんな伝説があるのかもっと教えておくれよー。前聞いたときはあらすじだけだったし、少しだけだったし。」
と僕が泣く前に聞いてみる。
この後はスタスタから『勇者と旅をしたグランスライム様』の物語を聞く。
感情豊かに話してくれたスタスタのおかげも有ってかとても楽しく聞くことが出来た。
次は『グランスライム様と四人の王』という話をしてくれるそうだ。
しかし僕とスタスタが愉快なのに対してはぐメタは気分がすぐれないみたい。
いや、正確にはスタスタも僕に比べると喜んでない気がする。
「はぐメタはなにか不安なことでもあるんですか?せっかくグランスライム様の住処が分かったのに。」
とつい聞く僕。
「う・・・む。長い旅の中で何度もガセネタを掴まされた事が有ったからさ。」
「今回は河を渡らなくちゃならないし、ガセネタだったらロスが大きいと思ってな。」
とはぐメタ。
確かに。そこまで僕には頭が回ってなかった。鵜呑みにして期待しすぎると嘘だったときのショックが大きい。
二人は今まで何度かこういう話を聞いたことがあったのだろう。
「でも、・・・明るく行きましょうよ!」
「嘘だったらまた探せばいいじゃないですか。せっかくの旅なんですから暗い気持ちで歩いたら損ですよ。」
と返す僕。
「はぐりんの言うとおりだよ〜。もう慣れっこじゃないか。」
と同調してくれるスタスタ。
「うん。まあそうだな。よし、昼も過ぎたしどこかにイチゴは落ちてないか。」
少し笑いながらはぐメタが返す。
・・・!
その時、ぼとっぼとっと何かが落ちてくる音が聞こえた。
目の前に現れたのは・・・ナス!
ナスナスナスナスナス!
ナスの大集団!
これが俗に言うナスビナーラだろうか。
まだまだ落ちてくる。うーん、ぼとっ。ぼとぼと。
スタスタとはぐメタがあっけに取られているので僕がベギラマで一グループを攻撃する。
はぐメタはよだれが垂れてた気がするが見なかったことにしよう(食べれそうだったら何でもいいのかなあ?)。
しかし、これは・・・いや、認めたくないが、こんがり焼けて・・・いい匂いだ。
スタスタが行動を起こそうとしたとき、一匹のナスビナーラが踊り始める。
最初は何がはじまったかと思ったが何だか楽しそうだ。
スタスタがつられて踊ってしまってる。
でも、こっ、こここここれは!たっ楽しそうーーー!
僕の目の前のナスビナーラも踊り始める。
これは僕も踊るしかない!
得意のぷよよんダンスで魅了してやる。
踊ってるナスビナーラが踊って無いナスビナーラに視線を送る。
おおっ、彼らは何か大きな曲芸でもしてくれるのだろうか!
僕は・・・愚かだった。本当に愚かだった。
イエティで懲りていたのではなかったのだろうか。
あれと本質的には一緒ではなかったのだろうか。
穴があったら入りたい。
もちろんスタスタも道連れにして・・・だ!
次の瞬間ナスビナーラたちの集団が一斉に襲い掛かってきたのだ。
踊っていた僕達は反応が遅れてしまう。
が、不幸中の幸いか僕らの中には踊りなんかには目もくれない英雄がいたのだ。
僕は今日ほど彼に感謝した日は無い。
「イオナズン!」
大声と共に大爆発が起こる。
まるで僕らに対して怒っているかのように、爆風は僕らをも吹き飛ばす。
煙が晴れるとそこにあったのは、折れた大木とたんこぶの出来たスタスタ、鬼の様な形相でこちらを見ていたはぐメタだった。
僕も頭をぶつけて痛い。
危うく「はぐメタも踊れば楽しかったのに!」とか「はぐメタもよだれ垂らしてたのみたよ!」と冗談を言いそうになったが、先にスタスタが言ったため僕は不幸を免れた。
怒ったはぐメタに追われるスタスタ、それを見て焦ってなだめる僕。
最後はみんなで目を合わせて笑ってしまった。
久しぶりの御馳走を食べてたら既に夜になってたのと踊りつかれたこともあって今日はここで休むことになった。
あっ、もちろん食べ物はあの後ちゃんと探したんだからね。
はぐメタが食い足りないって言ってたのが気になるけど。
大河まで半分くらいは歩いたかなあ。
やっぱり旅は楽しい。それも仲間がいる旅ならそれは格別だ。
241 :
書き手:04/05/11 00:34 ID:wMEdP6GN
ドクオスレ自分も今更でしたが、初めて読んできました。
大変面白かったです。
あのギャグセンスは自分には無いなあと痛感しました。
単純に読者として続きが読めないと思うと残念で仕方ないです。
リアルでもがんばって欲しいです。と・・・自分もがんばらなくては。
やる気をもらった気分ですね。
242 :
書き手:04/05/11 00:35 ID:wMEdP6GN
追記
ラストの連続書き込みの量はすごいですね。
最初は面白さにびびっ他のですが、冷静になって思うとあの量でまたびっくりしました。
ではまた。
243 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/05/12 14:26 ID:6T6dWV+A
age
ドクオスレ読みたいのに見つからない
あんがと。みつけた
>書き手たん
今更ながら乙&GJですた!
保しぃゆ
ほっしゅ
はぐりんタン待ちsage
ミ・д・ミホッシュ
252 :
書き手:04/05/17 01:56 ID:2KobabPT
最近反応無くてすみません。
少しリアルで忙しくなったので書くペース落ちてます。
来週にはまた三日に一回は書けるようになると思います。
保守ありがとです。
>>252 がんがれよ
あわてなくていいから
じっくりと書いていけば全然OKだから
だけどたまには顔見せてね
>>252 時間のあるときでいいですから
ヽ(´ー`)ノ マターリいきましょうね
↓にメラゾーマ!
↑ヽ(`Д´)ノ 熱いよヴォケ
↑(゚ρ゚)ホイミ
今のはメラゾーマではない…メラだ
バーンかよ
↓にルカニ!
↑ヽ(`Д´)ノ 守備力下げんなヴォケ
↑(゚ρ゚)ホイミ
ぶっちゃけメタル系はホイミ唱えれば倒せない
十七日目。
みんなで朝ごはんを食べたら、北に向けて出発を始める。
今日は風が強い。びゅうびゅうっ。
ナスビナーラやオニムカデなどのモンスターが襲い掛かってくるものの、僕たちはもう誘う踊りには惑わされない。
冷静になって戦うと、案外彼らは弱く僕らの実力が分かると逃げていくことも少なくない。
順調に進んでいたところ、何者かの声が聞いた気がする。
「やはり現地の・・スターでは・・・」とか「もう様子見は・・・」と言った感じだ。
よく聞きとれないし、すぐに聞こえなくなってしまった。
はぐメタやスタスタに言ってみたところ、聞こえなかったと言われる。
僕の勘違いだろうか。
もしかしたら風の音を話し声と聞き間違えたのかもしれない。
今日は数多くモンスターと戦ったものの、特に苦労することはなく、夜にはひろーい大河に辿り着いた。
大河は河原との繋ぎ目の土が、堤防が張られているかのように盛り上がっている。
見ようによっては人工的に作られたように見えなくも無い。洪水対策だろうか。
暗闇も手伝ってたか、向こう側は全く見えない。これは予想以上に広い河の様だ。
どうやって向こう側に渡ればいいんだろう?
明るくならないと対策の仕様が無い。
三人で河の水を飲み、食事を取る。
食後にはぐメタが周りを見て来ると言い、僕はスタスタと河の浅い部分で水遊びをすることにした。
「うわっ、冷たい!」
河に入った僕の第一声だ。
僕たちの様な特別な体質の者か、元々水中にすんでいる者で無ければ耐えられないかもしれない。
そして正面を見てびっくりした。遠くまでは見えないが、この暗さでも河の流れは分かる。もちろん見える範囲は全て水だ。
何よりもその河の流れを自分で感じている。
そこまで強い河の流れではない。
僕は初めてのただっこの河の大きさに感動を禁じえない。
今まで見てきた川とは段違いだ。
これは明るくなれば、海で見れるという水平線とやらが見れるかもしれない。
僕がぼっーとしていたらスタスタが水を掛けて来た。
僕が冷たいと言ったら入るのを躊躇ったくせに、いつの間に!
僕も精一杯に「お礼」をする。
精一杯に、精一杯に、だ。
バシャバシャ!
「やるな〜。これならどうだ!イオ!」
スタスタが唱えると同時に小さな水柱が立つ。そして水しぶきが僕に掛かる。
「負ける物か。イオ!イオ!」
二連発だ。しかもスタスタはモロに水柱を受けている。
「あはははは!」
僕は面白くなって笑った。
「く、えぇい!イオラ!」
えっ、イオラ!?
大きな水柱が上がる。1秒、2秒、・・・5秒!
なんと5秒も柱が立ち続けた!
そして僕はそのまま5秒もの間水を浴び続けてしまった。
スタスタが笑い転げている。
くそ〜、悔しいけど、これ以上は反撃できないようだ。
いつか僕がイオナズンを覚えたら復讐してやる!
と決意したのも束の間、スタスタが転げ続けて口を水中に入れてしまった。
あろうことか、足の付くところでおぼれている!
「あははははははははは!」
今度は僕が笑い転げる番だ!
大きな水柱を見かけたのか、はぐメタがやってくる。
「何やってるんだ!水辺のモンスターが寝てたら迷惑だろう!第一にこんな夜に二人して・・・」
僕とスタスタは二人ではぐメタの説教を聞くハメとなってしまった。
うう。ごめんなさい。つい夢中になってしまったよー。
説教は全然覚えて無いけど、はぐメタの戻り際の一言は印象に残った。
「しかし、これだけ大きな河ならば明日の朝はきれいな朝焼けが見れるだろうな。」
うわぁっ、それは見てみたい!
暗くて怖かったし、叱られちゃったけど、楽しかった。砂漠を歩いたホコリも取れたし。明日もやろうっと。
はぐメタも帰ってきたので今日はもう休もうということになった。
長く歩いたから・・・というよりも遊び疲れたからか、僕もスタスタもすぐに熟睡してしまった。
前回の話から一週間も経ってしまった(;´д`)
応援&保守ありがとです。
マイペースでがんばらさせていただきます。
おお初めてリアルタイムで読めた
保守は名無しに任せてマターリ書いて下され
リアルタイムで読んでいただけましたか。
なんとなく恥ずかしいっす(*´д`)
おそレスですが応援ありがとです。
支援sage
降臨待ちsage
がんばれsage
あげsage
下痢便保守sage
275 :
274:04/05/24 23:34 ID:N9CDTC0Y
誤爆ったけどまあ、いいか(・∀・)
↓にドラゴラム
↑ヽ(`Д´)ノ 勝手に竜にすんなヴォケ
↑(゚ρ゚)シャナク
↑ヽ(`Д´)ノ 凍てつく波動だろヴォケ
(・∀・)パ・ル・プ・ン・テ
(゚∀゚)ギニャアアアアア!!!
↓にマホステ
俺はマホカンタ
そろそろやめようよ
↑にバイキルト
ほぐれホタル
テレレレ テッテッテェ〜♪
↓が4レベルになった。
十八日目。
朝方、まだ薄暗い時間にはぐメタに起こされる。
僕はぶつぶつと文句を言って眠ろうと試みる。
「まだ夜だよ。もっと眠ろうよ。明るくならないと河なんて渡れないよ。ほーら河見てみてよ。朝日も出てないよ。」
ごろんと河の方向に顔を向けて、河の方向に指をさす。
風が生暖かくってぬるいものの気温自体は肌寒い。
僕は一応目をこするが、そう簡単に起きれる物じゃない。
再び僕は眠ったっぽいぞ、はぐメタ様。本人が思うのだから間違いない。
同じく起こされているスタスタも泣き声だ。
「ねむいよー。ねむいよー。ああ、そんな怖い顔で睨まないでよー。なんでーおこすのぉ。」
まったく。なんでだろう。こんな夜更けに。朝日も射していないのに。
・・・朝日?
はぐメタがふうっと一息ついてから、低い声で喋り掛ける。
「・・・朝日が見たいんじゃなかったのか?」
そうだ・・・朝日だ!
僕は「朝日」という言葉を聞いて、眠気が一気に吹き飛んだ。
バッと体を起こし、河の方向を見つめなおす。
少しずつ河の水平線の先が明るくなっていく。
雲が黒に近い灰色から白に近い灰色に変わっていく・・・。
「スタスタ、起きろ!!見なきゃ損だよ!」
「起きろー!起きろー!」
僕はスタスタにそういうと体当たりをぶちかます。
「朝日なんだよー!今見ないともう見れないよ!」
大声で叫ぶとスタスタも事態を察したのかむくっと起き上がる。
ますます水平線の辺りは明るくなっていく。
もうそろそろお日様が登場してくれてもいいはずだ。
僕達は三人並んで、息を呑んで見守った。
お日様が少し顔を出す。
少し上の部分、本の一部分だけど見えてきた。
光が河に反射する。流れが光を河に散らばめる。
更にお日様が顔を出す。
ゆっくり、しかし確実に太陽は姿を現していく。
雲は光に照らされてもうほとんど白に近い。
僕は初めて水平線に昇る太陽というものを見た。
見ている間は二人に話しかけることも出来なかった。
太陽が完全に姿を示すまで僕はじっと見つめているだけだった。
他の二人はどうしているのだろうと見てみると、はぐメタは「何度見てもいいものだな」と言わんばかりにニヤリとしている。
スタスタは目を輝かせてはしゃいでいる。
僕もこんな目をしていたのかな?
朝日を見るのに夢中でスタスタが声を上げているのにも気づかなかった。
「起こしてくれてありがとう。」
僕は今更ながらはぐメタにお礼を言った。
「見れてよかったろう。」
はぐメタは照れながらそう答えた。
∧_∧ ミツケチャッタヨ!!
( ,,・∀・)
と ) | | ガッ
Y /ノ | |
/ ) .人
_/し' < >_∧∩
(_フ彡 V`Д´)/
/ ←
>>288
朝日を見終わったら、僕たちは果物を探して朝ごはんを取った。
太陽を見ながらの朝ごはんだ。
こんなおいしい朝ごはんは、滅多に食べれる物じゃないっ!
「どうやって海を渡るものかな。」
「向こう岸が見えないほど、広い河だったとはな。」
「この広さなら所々に渡し舟が置いてあってもおかしくは無いのだが。」
はぐメタが渡船方法について話し出す。
確かにあたり一面を見渡しても、とても船が置いてあるようには見えない。
はぐメタが更に続ける。
「昨日見て歩いた分にも見つからなかった。」
「仕方ない。手分けして探すか。はぐメタとスタスタは左に沿って下流を歩いてみてくれ。」
「俺は右に沿って探してみる。」
「昼になったらここに集合だ。」
僕たちはそう決めるとすぐに行動を開始した。
しかし歩けど歩けど船は見つからない。
もう随分歩いたはずだ。
「見つからないねー。」
スタスタが話しかける。
「うん。みんなどうやって渡っているんだろう。」
僕はこう答えてから、本当にそう思った。
一体どうやって、人間や他のモンスターはここを渡っているんだろう?
「疲れてきたし、ちょっと休もうか。」
僕はそうスタスタに尋ねる。
「そうだね、のども渇いたし。」
二人で河の水を飲みにいく。ああ、ウマイ。
のどが癒えたので隣は・・・と見てみるとスタスタはまだ飲んでいる。
昨日の復讐のチャンスだ。
えいっ!
僕は思いっきりスタスタを河に押し込んだ。
「うわっぷ!」
スタスタはそういうとやったなという顔でこっちを睨む。
僕も河に飛び込んだ。その拍子に水しぶきが飛ぶ。
河は夜と違って程よく冷たくて気持ちいい。
第二ラウンドの開始だ。
僕もスタスタも昨日の反省から魔法は使わない。
互角の勝負だ。
魔法なしなら体力の無いスタスタに負けるわけには行かない!
がっ!
僕が大きな水しぶきを飛ばそうと後ろに一端下がったときだ。
なんと足場が無い!
正確には僕が下がった一部分だけ「深い」のだ。
僕は音もなく、河に飲まれてしまう。
河の流れは強く、僕は抵抗することが出来ない!
うぅ!体がぐるぐる回る!
息が出来ない!苦しい!
僕は更に流されていく。
気を失なったその時、僕は誰かに抱き上げられた気がした。
「はぐりん!はぐりーん!」
スタスタの呼ぶ声が聞こえる。
目を開けるとそこには泣き顔のスタスタと、変な貝殻を被ったスライム、同じく貝殻を被ったおじいさんが居た。
うーん。ここが天国なのだろうか。
さしずめ貝殻スライムが天使で、貝殻おじいさんは・・・女神?
うわっ、僕はそう思うと一気に目が覚めた。
ボーっとしているとスタスタが抱きついてくる。
そうだ。スタスタがいるということは僕はまだ死んでないに違いない。
「河で遊ぶときは足元に気をつけないといかんのう。この子が君たちをたまたま見かけていなければ、君は助からんところじゃった。」
貝殻を被ったおじいさんがやさしい笑顔で話しかけてくる。
「はぐりん、死んじゃったかと思ったよ!いきなり川に流されておぼれるんだもん!」
「このおじいさんが助けてくれなきゃ・・・うう。」
そうスタスタが説明してくれる。
僕は流されたんだった。意識がはっきりしてくる。
「心配かけてごめん、スタスタ。おじいさん、助けてくださってありがとうございます。」
おじいさんが僕の目を見て答える。
「気にしなくともよいぞい。ゆっくりと休んでなされ。」
「わしはネーレウスのネレウスという者じゃ。よろしくのう。」
「この子はスライムつむりのつむりんという。」
僕が挨拶をしようとしたら、貝殻を被ったスライムはおじいさんの足の後ろに隠れてしまった。
顔が真っ赤だ。
目が合ったらぺこりと頭を下げてくれた。シャイな子みたい。
おじいさんをよく見てみると、貝殻を被っていて高貴な着物を着ていて、恩人にこういうのは何だけど珍しいファッションだ。
これが水に住む者のファッションなのだろうか。
「君たちは、この辺りではとんと見かけないモンスターじゃが、このあたりに何か用かのう?」
おじいさんがスタスタに対して尋ねる。
「僕たちは、グランスライム様を探して北上してきたんです。この河はどうやって渡ればいいのでしょうか。」
スタタスが答えると、おじいさんは一瞬曇った顔をした。
「うーむ。わし個人としては、今河を渡るのはお勧めできんのう。」
「グロンテプスというモンスターはご存知かな?」
「極一部の海域にしか住まない海のモンスターでありながら、海底で最強の座を保つモンスターの種族じゃ。」
「本来はこのあたりに住むモンスターではないが、昔から一匹だけ住んでおる。」
「今まで他のモンスターと交流することなく孤独にも皆に恐れられてきた、この河の主だといってもいいじゃろう。」
「そのグロンテプスが理由はわからんのじゃが、ここ一ヶ月ほど暴れまわっておる。」
「人間やモンスターが船で渡ろうとすれば船ごと覆され、水のモンスターが近づけば尾で叩き付けられる。」
「今海を渡るのは危険なのじゃ。」
その話を聞いて僕がつぶやく。
「そんな・・・。せっかくここまできたのに。」
渡し舟が次々と覆されているのなら、この辺りに船が見つからないのも納得できる。
しかし、僕たちが渡れないのは納得する訳にはいかない。
「ふーむ。そうじゃのう。わしも実際に自分の目で見たわけではないが、向こう岸には不思議な森やスライム族の住む集落があると聞いておる。」
「渡してあげたいのは山々じゃが、一度船を護衛をしたこともある。その時は奴の炎を防ぐだけで精一杯で、結局尾で払われる前に逃げ帰ってしまった。」
「昨日もどこかの一団が船で渡っていったようじゃが、大きな炎が上がったのが見えた。おそらく一人として助かって居るまい。」
そこまで聞いて僕たちは肩を落とした。
そんな怪物が暴れまわっているなんて。
「げっ元気・・・元気を出しな。きっと・・・何か手がある、あるある。」
つむりん君がおじいさんの足に隠れながら励ましてくれる。
「もう少し話を聞かせてもらっても構いませんか?」
「上流の方でもう一人仲間が待っているんです。」
僕たちははぐメタのことを話して、おじいさんたちに来てもらうことにした。
今日は中途半端ですが、以上っす。
なんか一週間も空いちゃって申し訳ないです。
しかもレベル4アップも踏んじゃったみたいで('A`)
・・・レベルうぷ(・∀・)イイ!
やっとレベルが1から上がったヨー!
そしてあっさりばれとる(;´Д`)
>>290 なんだか、板の投稿規制がきびしくなりましたね。
何度も連続規制に引っかかってしまいました。
・・・やっぱりヤフーだからですか、神様?
この辺が一番だれそうな気がするので出来る限りだれないようにしたいです。
連続投稿はヤフーとか関係ないですよ
板の中で書き込みが少ないと起きやすいです
>>290 つっこみたいきもわかるがうpしおわるまでまったほうがよかったんじゃ・・・・
そうなのですか。勉強になりました。
ありがとうございます。
ばぶすけ(; ´Д`)
300 :
290:04/06/01 17:32 ID:yC88IVHb
空気読めなくて悪かった。
ガッ!出来るならいつでもいいと思った。
今は反省している。
気にするな
なんか作者以外のやつが過剰に取り仕切ってるよなー最近
期待age
急浮上しててびっくり
名探偵ドリスのキャラだろ?
めぐれメタルって?部下に気の弱そうなのや変な髪型のがいる太った人
茶色い服着てて
ほっしゅ
306 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/06/06 11:54 ID:+AEkxodP
ほっほっほっしゅーーー
イイYO!
テレレレ テッテッテェ〜♪
↓が5レベルになった。
レベル5デス
↓
↑ヽ(`Д´)ノ 氏んじゃったじゃねーかヴォケ
311 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/06/10 16:15 ID:SQrdJ6zx
無駄レスで消費される名スレage
十八日目午後。
スタスタやネーレウスのおじいさんたちと待ち合わせの場所へ行くと、はぐメタが遅いと言いたそうな顔で待っていた。
「遅れちゃったよ。ごめんなさい。」
「こちらはネーレウスのネレウスさんとスライムつむりのつむりん君。」
「ネレウスさん、こちらははぐメタと言います。」
はぐメタに遅刻を謝りつつ二人を紹介する。
お腹がすいたので食事を取りながら、おじいさんに聞いたグロンテプスのことをはぐメタに話す。
「ふむ。そういうことだったのか。ちょっとばっかり厄介だな。」
「一つ気になるんだが、俺は姿形を知らない。しかしそのモンスターはもしかして黄色い深海竜の様なモンスターかい?」
はぐメタがおじいさんに聞く。
「ええ、そうですじゃ。激しい炎を吐く凶悪なモンスターですわい。」
「やっぱり。俺が上流を見に行ったときそんなモンスターが川辺で寝っころがっているのを見たんだ。」
はぐメタがそういうとおじいさんが驚いた顔で聞き返す。
「本当ですかのう。今までグロンテプスが陸地に上がっていたなどという話は聞いた事がなかったのじゃが。」
「ああ、本当さ。それじゃあ食後はそれを見に行くことにしよう。」
はぐメタの提案で僕たちは上流の方へ行って見ることとなった。
本当にグロンテプスとやらが寝っころがっているのだろうか。
寝っころがっているとしたら何故だろう。
日向ぼっこでもしているのだろうか。
少しばかり歩いたところで何かが寝っころがっているのが見えてきた。
以前戦った深海竜の様な黄色いモンスターが目を閉じて眠っている。
似ているといってもふた回りはこっちの方が体が大きい。
その姿を見ておじいさんとつむりん君が驚きを隠せないようだ。
「ほっほんもの・・・ほんもののぐっ・・・グロンテプスだーーー。」
つむりん君はそういうとまたおじいさんの影に隠れてしまった。
おじいさんも冷や汗を流している。
しかし・・・よく見ると何だか様子がおかしい。
みんなで音を立てずにゆっくりと近づいていく。距離にして10歩ほどのところまで近づいた。
グロンテプスと呼ばれたモンスターには覇気が感じられず、ところどころに切り傷や火傷の跡がありむしろボロボロのように見える。
「むう。何故、あれほどの傷を負っているのじゃ。グロンテプスは並みの者ではかすり傷すら負わせれない海の王のはずなんじゃがのう。」
おじいさんが不思議そうに喋っている。
とその時!
突然そのグロンテプスが両目をバッと見開いた!
僕らが近づいたことに気づいたようだ。
その目はとても冷たく・・・とても鋭い。
グロンテプスは億劫そうに首を持ち上げてこちらを睨みつけている。
グオォォォと大声を上げたかと思うと口から激しい炎を吐いてきた!
「マヒャド!」
おじいさんが呪文を唱える。
すごい。こんな冷気は見たことが無い。この呪文の威力なら僕らメタルスライムも一瞬ぐらいは凍るかもしれない。
激しい炎と猛吹雪・氷の刃がぶつかって水蒸気が上がっていく。
炎を防ぐとはこういうことだったのか。
「いい加減、むやみやたらに暴れるのは止めたらどうかのう。一体何があったのじゃ。」
おじいさんはグロンテプスに声を掛けるが、グロンテプスは大声を上げて再び炎を吐くだけだ。
そのうち尾を振り回し始める。
こうなったら手のつけようが無い。
僕らは尾を避けながら二人に下がるように言う。
僕らならばあの炎を受けても差ほど大きなダメージは受けないからだ。
グロンテプスがはぐメタたちに尾を振り回し、大口を開けて僕に炎を吐く!
熱い!
が、やはり耐えられないほどではない。
もっともこの熱さならば、きっと鉄をも軽く溶かしてしまうだろう。
僕が攻撃しようとしたとき、突然つむりん君が駆け寄ってくる。
「くち・・・くち・・・。」
くち?
僕は自分の口を大きく開けて見せるが、つむりん君はそっちじゃないという。
僕じゃ無いとしたら・・・グロンテプスのことだろうか。
僕はじっくりとグロンテプスの顔を見つめてみる。
しかしじっと見ている僕に気が付いたのか、グロンテプスは再び大口を開けて炎を吐いてくる。
しまった。ここにはつむりん君がいるのだった!
つむりん君は逃げようとするがもう遅い。炎はもう目の前だ!
つむりん君!と僕が叫ぼうとしたとき、おじいさんが颯爽と現れてマヒャドを唱え、つむりん君を運び去った。
僕は胸をなでおろしたが、ほっとしている暇は無い。
なぜなら、僕は見てしまったからだ。
グロンテプスが炎を吐こうとした瞬間、口の奥で何かが光ったのを。
つむりん君はこれにいち早く気づいて伝えに来たのに違いない。
イオナズンを唱えようとしている二人を止めて囮になってもらう。
はぐメタとスタスタがグロンテプスを挑発し、何度も攻撃させる。
炎を吐く際に狙いをつけようとグロンテプスの頭が下がる。
はぐメタが遠くへ遠くへ逃げていく。
グロンテプスは炎を遠くへ届けようと更に頭を下げる。
いまだ!
僕はグロンテプスの炎に飛び込み、そのまま口の中に入っていく。
熱い!・・・熱い!熱い!
なんでグロンテプスはこんな物を吐いて平気なのだろうか。
奥で光っている何かを見つける。
それは巨大な釣り針だった。僕よりも大きい釣り針だ。
いやっ、釣り針ではない、似ているが何か違う。
とにかくこの鉄の塊がグロンテプスの喉に深く引っかかっていたのだ。
僕は優しくそれを抜いて、口をこじ開け、外に持ち去るのに成功した。
グロンテプスは喉のつっかえが取れて安心したのか、それともボロボロだったからか、すぐに眠ってしまった。
きっと一月近くこれが喉に突っかかってご飯も食べれなかったのだろう。
狂いそうになっても仕方が無い。
おじいさんによると、この釣り針みたいな物は船のイカリだそうだ。
こんな物、もう二度と口にしては駄目だよ、グロンテプスさん。
夜になってグロンテプスさんが目をさますとおじいさんが話し合いを始めた。
自分も悪いことをしたと思っているのかグロンテプスさんも謝りながら聞いている。
おじいさんによると今後はグロンテプスさんも他のモンスターと困ったときには助け合うという約束をしてくれたそうだ。
他のモンスターと交流を持つ機会がなかったグロンテプスさんにはいい話なのかもしれない。
しかし、一つだけ疑問が残った。
なぜ、あんなにボロボロだったのかだ。
おじいさんが聞いたところ、実は昨夜グロンテプスさんがいつものように船を沈めようとしたところ、返り討ちにあってしまったらしい。
10人以上のモンスターの団体で、悪魔の様な攻撃力を持っていたという。
そして命からがら陸地へ逃げていき、傷を癒すために寝っころがっていたのだ。
おじいさんは「てっきり沈められていたと思ったのにのう」と開いた口が塞がらない様子だった。
新しい船は四日ほどあれば出来るという。
四日の足止めは痛いが仕方ない。
三人でそう嘆いたところ、グロンテプスさんが「今日は体がボロボロで無理だが、明日の夜なら乗せて運んで行ってもいい」と言ってくれた。
イカリを取ってくれた僕らへのせめてものお礼だそうだ。
僕たちは喜んでお願いをした。
十九日目。
日が出ているうちはスタスタやつむりん君と遊んだり呪文の練習をしたりした。
しかし、やっぱり僕はまだイオラが使えない。
散々練習したのになぁ。
しくしくしく・・・。
夜になってとうとう河を渡るときが来た。
この巨大な河の向こうはどうなっているのだろう。
僕は初めての船旅(船じゃないけどね)、未開の地へと期待がいっぱいだった。
スタスタも船旅は初めてのようで緊張している。
はぐメタはやっぱり慣れている様子だったけど、新たな大地に行くこと自体には喜んでるみたい。
おじいさんやつむりん君とはここでお別れだ。
短い間だったけど二人に会えてよかった。
つむりん君は最後までシャイだったけど、仲良くなれた・・・と思う。
グロンテプスさんの背中に乗り、二人に別れを告げる。
「また・・・また、今度・・・今度遊びに来てね!」
おじいさんの前に立ってつむりん君が呼びかける。
僕はもちろんだよと大声で叫び、手を振った。
グロンテプスさんはとっても早く、夜風が気持ちいい。
潮の匂いが辺りに微かにただよっている。いい匂いだ。
とうとう前の大陸すら見えなくなってしまった。
それでも向こう岸が見えない。
なんという広大な河だろう。
僕たちはこの船旅とはいえない船旅をしばしの間満喫した。
グロンテプスさんの「ここで三人を落としたらどうなるのかな?」という冗談が冗談に聞こえなくって怖かった。
しかし落とされることも無く、無事向こう岸が見えてきた。
そして、到着!
僕は新たな大地への第一歩をしっかりと踏み出した。
ここでグロンテプスさんともお別れだ。
お礼を言ってさよならを言う。
姿が見えなくなるまで見送った。
今日はもう遅いのでここで眠ることにした。
おやすみ、みんな。
今日はここまでっす。
なんかまた間が開いて申し訳ないです。
スライムつむりですが、前回書き忘れたのですが、公式の名前はスラのすけらしいんですよね。
何のスライムか分からなくなりそうだったのでつむりんにしましたが、良かったのだろうか疑問。
次は早ければ火曜くらい、遅ければ一週間後くらいに。
では。
キタ━━━(゚ε(○=(゚Д(○=(゚∀゚)=○)゚Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)=○)з゚)━━━!!!!
グッジョブです
名前は全然違和感ないしいいと思いますよ
∩
( ⌒) ∩_ _
/,. ノ i .,,E)
./ /" / /" .
_n グッジョブ!! ./ /_、_ / ノ'
( l _、_ / / ,_ノ` )/ /_、_ グッジョブ!!
\ \ ( <_,` )( /( ,_ノ` ) n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽフ / ヽ ヽ_//
公式ってなんのだろう?
ともかく大量投下おつかれっす
おっ!続きキタ!!
お疲れ様っす!!
オツカレ ケーキドゾー
/⌒ヽ
/( )ヽ
/ ー‐'´ `、
∠_______i
|_______|_
/ |::o::ヌ:::::::ル::::o:::ポ:::| \
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>>325 おまえのほうがかわいい
>>324 /⌒ヽ
/( )ヽ
/ ー‐'´ `、
∠_______i
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\_________/
二十日目。
朝になって、大河を渡ったことを実感する。
向こう側が見えない。つむりん君たちはこんなにも遠くに居るのか。
彼らの住処は向こう岸付近らしいので向こうに帰るまではもう会えない。
彼らとまた会えるといいな。
グランスライム様の住処を目指して、僕らは歩き出す。
はぐメタやスタスタと初めての船旅について語りながら北へと歩く。
それが終われば次の話題は、新しい大地の予想と期待についてだ。
はぐメタは何か問題がなければいいがと言ううし、スタスタはおいしい食べ物があって欲しいという。
僕はやっぱり新しい友達や見たことの無い風景に出会ってみたいといったが、二人には生意気言うなと突付かれてしまった。
大分歩いたところで、岩場の多い地域に出る。
しかし、岩のほかは何も無く殺風景で何とも不気味だ。
まるで僕らがこの大地に足を踏み入れるのを拒んでいるかのようだ。
もう一時間以上は歩いたのに魔物に一匹も出会っていないというのも何とも気味が悪い。
本来ならばもうこの地のモンスターと遭遇していてもいいはずなんだけど。
もっとも、そんなことを考えていた折、今までと毛色の違うモンスター二匹に出会う。
はぐメタの言うところ、ドラゴンマッドとパオームというらしい。
おかしな顔のドラゴン族と巨大な象のようなモンスターだ。
・・・が!
なにか様子がおかしい。二匹とも異常に興奮している!
まるで混乱しているみたいだ。
そしておそらくは、この辺りに住んでいたのであろうモンスターの屍骸の数々。
それが辺りに散乱していた。
どれも新しい・・・。
なんども踏み潰されたのか、噛み付かれたのか、原形をとどめないほどボロボロにされている!
「気を付けろ。様子がおかしいぞ。それに以前見た奴らより体がでかい上、古傷も多い!それなりに経験をつんでるはずだ!」
とはぐメタが叫ぶ。
はぐメタが言い終わるか、終わらないかの内にパオームが突っ込んでくる。
「パォォォォォォォォォォオオオオオ!!!」
こっこれは!
まるで『捨て身の特攻』だ!
我が身を省みず、捨て身で突っ込んできているとしか思えない。
こんな勢いで押しつぶされたら例え僕らでも潰れてしまう。
僕がベギラマを、はぐメタとスタスタがイオナズンを唱える。
パオームが勢いよく突っ込んできたためか、全て直撃だ。
しかし、・・・止まらない!これだけの攻撃をあんな勢いで受けたはずなのに!
むしろ、どんどんスピードが増している!
パオームの目は光を失うことなく僕らを見つめている。
威圧感!
僕がこのパオームを見て素直に感じた感想だった・・・。
「二人とも下がってろ!」
はぐメタが、例の緑色の武器を出しながら僕らに注意を呼びかける。
そして更に呪文を唱える!
「ベギラゴン!」
この距離ではもう『ただ』では避けれない。
呪文で倒してもその後が問題だ。
この勢いでは倒してもそのままぶつかってくるかもしれない。
二人が逃げて一人が潰される前に仕留める。それが一番安全なのかもしれない。
へたに残ると助かるものも助からない。
僕とスタスタはほとんど同時に左右に分かれた。
それは一瞬だった。
僕らが避けた次の瞬間に爆炎の中から巨大な塊が姿を現した。
はぐメタは戸惑うことなくパオームの頭めがけて飛び掛る!
僕は確かに見た。例の緑色の武器で、はぐメタがパオームの首を貫くのを!
しかしパオームの勢いは止まらない。
はぐメタが逃げるまもなく、岩場に次々と突っ込んでいく。
パオームの巨体十体分は走っただろうか。
徐々にスピードが落ちていき、どおーんと大きな音を立てて倒れこだ。
パオームが暴れまわったおかげで、あたり一面に砂煙が立ってしまった。
「はぐメタぁ!」
スタスタが泣きながら駆け寄っていく。
僕も後から付いていこうとしたが、自分の影が他の何か巨大な影に飲まれていることに気がついた。
砂煙のせいで接近に気づかなかったのだ!
避けようとしたが、一足遅かった。
ドラゴンマッドによって僕の体はわしづかみされてしまい、思いっきり締め付けられたのだ。
痛い!こんなに思いっきり締め付けられたのは初めてだ。
こんな力で締められたら僕なんかすぐに砕け散ってしまう。
僕は必死で抜け出そうとするが、とても逃げられない。
「ベギラマ!」
ドラゴンマッドは至近距離でベギラマを受けたと言うのに怯まない。
ますます力が込められて行く。
「うわぁぁぁぁ!ベギラマ!ベギラマぁ!」
僕は悲鳴を上げてながら呪文を唱える。
ドラゴンマッドは更に力を込めながら僕の顔を覗き込む。
目が合ったとき、僕はぎょっとした。
目の焦点が合っていない。やっぱり狂っているのだろうか・・・。
ドラゴンマッドの口からよだれが垂れてくる。
まさか・・・そんな・・・僕は、僕はおいしくない!
僕の思いとは裏腹に、ドラゴンマッドに思いっきり噛み付かれる!
痛い!痛いなんて物じゃない!
噛み切られてこそいない物の、体を締める力はエスカレートし、噛み付いたまま離そうともしない。
このままじゃ意識を失ってしまいそうだ!
僕がもう一度ベギラマを唱えようとしたとき、イオナズンを唱える声が聞こえた。
巨大な爆発と共に僕はやっと地獄から解放された。
近寄ってくるのはスタスタだ。
「はぐりん、大丈夫!?」
「はぐメタは意識を失っちゃったけど、命に別状は無いよっ!」
スタスタが声を掛けてくる。
助かった!僕は涙が出てきそうになった。
はぐメタも無事ならなおさらだ。
僕は体を起こし、ドラゴンマッドと向かい合う。
巨大な体、今までとは明らかに異なる別物の様な様態。
僕は何ともいえない感情に包まれた。
あのドラゴンマッドの目が忘れられない。
恐怖に似た感情・・・。
いや、正確にはあの目には怖いというよりは、わからない、そんな不気味さを感じたのかもしれない。
さっきのパオームも遠くから見ると目が光っているように見えたが、もしかすると近くで見ればあんな目をしていたのだろうか。
ドラゴンマッドは大きく息を吸い込んだ。
息!?
僕とスタスタは急いで距離をとる。
ドラゴン族の息だ!
鉄をも溶かす激しい炎か。はたまた、草木を凍らせるこおりの息か。
ドラゴンマッドは口を大きく開き、ゆっくりと何かを吐き出す。
おかしい。息攻撃にしては勢いが無い。
なにやら紫色の霧の様なものがゆっくりと広がっていく。
ゆっくりと言ってもそんなに遅いわけでもない。
スタスタが、「まるで毒の沼みたいな色だ・・・。」
とつぶやく。
毒!?
そういえば、世の中には毒の息を吐くモンスターもいると聞いたことがある。
「イオ!」
僕は爆風で吹き飛ばそうとするが、紫色の霧は止まることなく僕らに向かってくる。
しかし、僕のやりたいことを分かってくれたのか、スタスタがイオナズンを唱えてくれる!
紫色の霧は爆風と共に薄れていく!
しかし、安心するのは早かった!
いつの間にかドラゴンマッドが僕との距離を詰めて、更に息を吐こうとしていたからだ。
今度は茶色の息だ!さっきよりも早い!
スタスタが僕とドラゴンマッドの間に入って、イオナズンを唱える!
息は薄れていき、今度はドラゴンマッドも爆風に巻き込まれたみたいだ!
よっぽど効いたらしく、のたれうち回っている。
僕はほっとしたが・・・スタスタの様子がおかしい。
スタスタが震えている!
「す・・・すこしだけ、霧を吸っちゃったみたい・・・。」
「体がしびれる・・・。麻痺攻撃だったみたいだよ。茶色はね・・・。」
「僕のことは気にしないで・・・あいつを倒すんだ。」
「今やら無いと・・・次はかわせない。」
僕はドラゴンマッドが体制を整える前に飛び掛った。
わしづかみにされようとも、噛み付かれようともベギラマを唱え続けた!
数分後、やっとドラゴンマッドは息絶えた。
僕は離れ離れの二人を引っ張って来てから呆然とした。
まさか、新しい大陸に渡ってすぐにこんな目に遭うとは思っていなかったからだ。
ボロボロのはぐメタ、震えているスタスタ。
そして僕自身も無数の切り傷に覆われていた。
僕は泣きたくてたまらなかったが泣いてるわけには行かない。
手ごろな岩場を探して二人を休ませた。
他のモンスターに見つからない、巨大な岩に囲まれたところだ。
今日はもう明日に備えて休むしかない。
二人の回復を待つしかないのだ。
僕は今まで今日ほど自分の力不足を嘆いた日は無かった。
もちろん、浮かれていたせいもあったかもしれない。
普段見ないような風景を見て、楽しい船旅をして、グランスライム様に会うための第一歩を踏んで。
何かあっても、はぐメタやスタスタがいれば大丈夫だと思っていた。
しかし、僕がお荷物じゃなかったら二人は怪我しなかったかもしれない。
はぐメタはともかく、スタスタは僕を庇ってこうなったのだ。
僕がイオラを使えれば自力であの息を消せたかもしれない。
悔しくて悔しくて眠れなかった。
無力で・・・それが嫌で仕方なかったのだった。
この大地に降り立って、「最初の歓迎」は生暖かい物ではなかった。
しかし、これは「大歓迎」の・・・始まりでしかなかったのだった。
応援ありがとです。
なんとか火曜の夜中には間に合ったりと。
次はいつになるか分かりませんが、そんなに間が空かなければと思ってます。
>>324 ケーキありがとです。
ご馳走様ガッ
お疲れ様でした
リアルタイム(*´Д`)ハァハァ
本気で手に汗握った
支援sage
よーし 支援しちゃうぞーsage
338 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/06/20 14:57 ID:zVzggkdW
不定期保守
定期ageじゃなくても保守はできるよ
dat落ちは最終書き込みのみで決まるよ
わかった。ありがとう。
保守
だいぶ下がったね
343 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/06/26 21:47 ID:7KtP1I+v
↓にメダパニ
↑ヽ(`Д´)ノ くぁwセdrftgyふじこlp;@:「」ヴォケ
とりあえずageるなと・・・
やっと追いついたー
つむりん可愛いなあ
最近書き込みが無くて申し訳ないです。
もう数日すればまたかけるようになると思いますのでまったりと待っていただければ助かります。
待ちますとも
マターリ待ちますよヽ(´ー`)ノ マターリ
(・∀・)まだぁ〜?
テス
ほっほっほっしゅ
うははは
保守しちゃおっかな〜
↓保守禁止マホトーン
↑ヽ(`Д´)ノ
二十二日目。
ザーーー。
雨の音で目が覚める。
ゴォォォォォ。
雨というよりは嵐に近い。少し風が吹いている。
昨日二十一日目は体力を取り戻すために休まざるを得なかった。
はぐメタはまだボロボロだが、元気を装っている。
スタスタは意識が戻ったが顔色が良くない。
もう一日くらい休もうと二人に尋ねたけれど、二人とも苦しそうに大丈夫だと答えた。
本当に大丈夫なのかと再度尋ねるも、一日休んだのだからこれ以上は休めないといわれてしまい、旅立つことにする。
僕らは重い足取りで北に向かって歩き出した。
雨風は大して気にはならないけど、自然と歩みは遅くなってしまう。
今のところモンスターには出会っていない。
今出会ったら二人の分も僕ががんばらなくては。
午前中は特に問題なく進めている。
しかししっかり歩みを進められているものの僕達の間に会話は少ない。
冗談を言う余裕も無いのだ。
雨風が少し弱くなってきたころに一昨日とは違ったモンスターに出会う。
雲の様なモンスターと雲と人が合体したようなモンスター達だ。
真ん中に後者がいてそれを取り巻くように二匹のチビが控えている。
特に混乱している様子は無い。
はぐメタがベビークラウドと雲の大王だとつぶやく。
話によるとなかなかヤバイ相手らしい。
二人にチビの相手をしてもらい、僕は単身雲の大王に突っ込んで行く。
ベビークラウドのうちの一匹がラリホーを、もう片方がバギマを唱えてくるが僕達には効果が無い。
僕は雲の大王に対してベギラマを唱える!
至近距離で一撃加えることに成功。雲の大王に尻餅をつかせてやった。
雲の大王がのそりと起き上がりながら、何かの呪文を唱える。
「・・・マジックバリア。」
声が小さかったが確かにそういったのが聞こえた。
それと同時に光の衣の様なものが雲の大王を包んでしまう。
遅れてはぐメタとスタスタがイオラを同時に唱える!
大きな爆発音と共にベビークラウドを消し去るが、雲の大王にはあまり効果が無かったようだ!
予想以上に魔法が抑えられている!
しかしマジックバリアを唱えられた時はびっくりしたが、これで一対三。僕達が俄然と有利になる。
もっともそんな考えは甘かった。
雲の大王が指をピンッと弾くと上空の雲からベビークラウドの応援が駆けつけてきてしまったのだ!
「仲間を呼べるのか!」
僕はつい叫んでしまった。雲の大王はニヤリと笑っている。
疲労の多い二人を出来る限り戦わせるわけにはいかない。
チビたちを消しつつ、相手にもダメージを与えねば!
こんな戦局を打倒するにはあの呪文しかない!
「イオラ!」
しかし・・・予想通りだったが、いまだ唱えることが出来ない。
昨日もあんなに練習をしたと言うのに!
僕は悔しくて顔が曲がってしまう。
「ベギラマぁ!」
狙いは雲の大王ではない、子分どもだ。
しかしチビたちを一掃するも、雲の大王が再び指を弾いてしまう。
これではイタチごっこだ。
それどころかいずれ僕の方が疲れ果ててしまう。
僕は覚悟を決めた。
二人に下がってもらう。
先に『あいつ』を倒すしかない!
僕は再び突っ込んでベギラマを唱える!
狙いは『あいつ』だ!
雲の大王は閃熱に焼かれるも光の衣のおかげで大したダメージを受けていない!
しかし、多少の焦げ目をつけるくらいには効いている!
僕が体勢を整えようとすると相手三匹から一斉攻撃を受けてしまう。
しかし、雲の大王の一撃以外は気にならない。
こうなったらあいつと僕のどちらが先に倒れるかの勝負だ。
僕のベギラマと三匹の攻撃が飛び交う!
直接殴ってきたり、雲を伸ばしてぶつけてきたり僕は後退してしまうが、相手も大分焦げてきている。
五分ほど戦って僕がベギラマを唱えようとした時、「あっ!」とつい呪文を止めてしまった!
いつの間にかはぐメタとスタスタが『あいつ』の後ろに立っているではないか。
「そろそろ切れるころだよな・・・。」
億劫そうな声ではぐメタが問いかける。
雲の大王が振り返ろうとするが遅い!よく見ると光の衣が消えかけているではないか!
「ああ、くそ。めんどい。わたあめにして食うぞ。雲野郎が。」
「がんばってるのにごめんね。僕達、どうしても見てるだけと言うのは性に合わないみたい。」
僕がしゃべる間もなく、雲の大王がマジックバリアを唱え直す間もなく、三匹は二人の唱えたイオナズンの爆発に巻き込まれて消えてしまった!
「ああ。うーん、そうだな。いい陽動作戦だったよ。はぐりん。」
はぐメタがあくびをしながら、言い捨てた。
僕は文句を言いたいような、感謝を言いたいような複雑な気分になってしまった。
しかし、僕は持つべき気持ちは後者のみだと悟った。
はぐメタはいい加減そうなことを言っているが、よく見ると息が荒いし、スタスタはふらふらしているからだ。
そして考えなくてはいけないのは文句や感謝ではない。再びイオラを唱えれなかった自分自身の実力の方だ。
二人には休んでもらって昼ごはんの果物を探しに行く。
二人を気遣ったからだけではない。
無理をする二人を見ると自分の不甲斐なさと二人の気持ちに泣いてしまいそうになったからだ。
昼ごはんを食べ終わったころには嘘のように雨が引いて太陽が顔を出していた。
歩くのに必死になっていたが、どうもいつの間にか岩場を抜けていたようだ。
本当ならば昼ごはんを探しに言ったときに気づくべきだったのだけど、その時はそこまで頭が働かなかったみたい。
所々に草が生えている。
そして歩き出して少し立ったとき、僕らはあっ・・・と声を上げた。
大きな大きな森が遠くにだが見えてきたからだ。
「あれがグランスライム様の住処かな?」
僕が気持ちを声に出すと、はぐメタが笑って答えた。
「そうかもな。だったら嬉しいんが。」
そういえばはぐメタが笑ったのは気絶して以来だ。
「グランスライム様に会えたら、直に英雄伝を聞かせてもらおう!」
スタスタが明るい声を出す。
僕達は森に向かって歩いていく。花カワセミと言うモンスターの集団やベビーゴイルというモンスターに出会うが実力行使で蹴散らしていく。
もちろん交渉もするけど大抵は聞いてもらえないのだ。
そして夕方には森の前に僕達は立つ事が出来た。
近くに来てみると今まで見たことの無い神秘的な森だ。
辺りは暗くなってきていると言うのに森の中はどこか明るい。
まるで敵意の無いかの様に木々が立っている。
日が沈むに連れて森の木々は牙を剥くものなのにこれはどういうことだろうか。
僕らは誘われるように森の中に入っていった。
森の中は細かく分かれていて、僕らは枝を放り投げていく先を決めていく。
?・・・随分と歩いたようだが、なんだか違和感を感じる。
同じ風景を何度か見た気がするのだ。
一瞬迷ったのかと思ったのだが、それとも違う。
なぜなら後ろを振り向けば遠くに出口がちゃんとあるからだ。
「おかしい・・・。」
はぐメタが止まる様に指示する。
「必ず迷っている分けではないが、明らかに同じ道も通っている・・・。」
「あの枝は明らかにさっき投げた枝だ。」
「どうしよう。一度戻ろうか。」
僕がはぐメタに尋ねる。
「いや、進んでいこう。聞いたことがあるんだ。」
「ここが世界に稀に見られると言われている『迷いの森』の一つに違いない。」
「迷いの森?」
僕が尋ねる前にスタスタがはぐメタに聞く。
「大切な何かを隠すために、魔法が掛けられた森さ。正しい順序を踏まなければゴールには辿り着けないはずだ。」
「・・・案外本当にアタリなのかもしれん。邪悪な者にはこんな美しい森は作れないと聞く。」
「問題はどうやって道を進むかだね。」
スタスタが悩んだ顔を見せる。
「そのとーり。ここが迷いの森さっ。」
何処からか声が聞こえてくる。
「まったくー。おまいらみたいに迷い込んでくる奴らがいるから困るんだっ。」
「さっさと逃げ出さないと痛い目を見るぞっ。」
「前回はうちのリーダーが痛い目を見たんですけどね。」
「あいつらは別格さ。オイラがよわいんじゃあない。」
「なにが一騎打ちならまかせろ・・・っだって?はずかしいったらありゃしないぜっ。」
「まあ、彼らもあそこから先には進めないからいいですけどね。」
「まじめにやってくれんかの?」
「あっ、えーオホン。オレたちにボコボコにされたくなかったら今すぐ逃げ出せ!」
「今なら見逃すということですよ。」
「あーーー、オイラのセリフを!」
「たまには言わせてくれてもいいじゃないですか。」
「こうやってお前らがふざけてるからいつも逃げてくれないんだよっ。」
「リーダーがだろ!」
「練習が足りんのじゃ。後で練習しておくことじゃよ。」
「これでもがんばってるんだけどねー。」
「しょうがない。実力行使ですね。」
「・・・・・・・・・。」
僕もスタスタも声が出ない。閉口しているのかもしれない。
聞いているこっちが恥ずかしくなってくる。
「姿を見せろ。これ以上ふざけてると森を焼き尽くすぞ。」
はぐメタがすごい目であたりを睨みつけている。やりかねない。
後ろのほうでガサガサと音がしたかと思うと、ちいさな小人の様なモンスターが現れた。
それぞれが戦士や魔法使いの格好をしており、僕達の方を睨みつけている。
「オイラは勇者 だよっ。」
「オレは 戦士だぜっ。」
「わたしは 僧侶です。」
「わしは 魔法使いじゃ。」
「プチット族か。」
はぐメタが大きなため息をついている。
「遊んでる暇は無いんだ。消えてくれ。いや、道を教えろ。」
「まあまあ、はぐメタ。僕達は大事な用が有ってここに来たんです。」
「この先にグランスライム様がいるんだよね。」
スタスタが優しく問い直す。
「グランスライムさまだとっ。ここにはそんな方はいない!」
勇者の姿をしたプチット族が答える。
アタリなのか、ハズレなのかわかりづらい反応だ。
「ここは神聖な森なのじゃ。わるいが、諦めてくださらんか。」
魔法使い風のプチット族がそう答える。
「いや、押し通る!」
はぐメタが睨みつける。
「大呪文で苦しみながら死ぬことになりますよ。」
僧侶風のプチット族が忠告する。
「はぐりんのように・・・口で言うことしかできないクセにふざけるな!」
そういってはぐメタが飛び掛る。
ひどいよ・・・はぐメタ。
「バギクロス!」
「イオナズン!」
「スクルトォ!」
神聖な森だと言ってたのに自分達から!
はぐメタが攻撃する前に敵の総攻撃が始まった!
しかも・・・ちゃんと唱えられているじゃないか!
僕とは大違いだ。
嵐と爆発の中で飛ばされながら僕はそんなことを考えていた。
「バギクロス!」
「イオナズン!」
「マホカンタァ!」
こちらに攻撃する隙を与えずに呪文を唱えまくっている。
やっと嵐の様な攻撃が終わったようだ。
しかし不思議なことに森は傷ついていない。
「はっはっは。まいったか。この総攻撃には耐えられまい。」
「もし耐えれたとしても準備はばんたんだ。」
勇者のプチット族が満足そうに笑っている。
嵐と爆発で巻き上がった砂が薄れていく。
隣にいるはぐメタの不気味な笑顔を見て僕はとっても嫌な予感がした。
怪我しているのも忘れているかのよう顔だ。
「そっそんな。無傷だなんて!」
勇者のプチット族が泣きそうな声を出している。
「ちゃんと唱えられるじゃないか。見直したぞ。」
「さて、次はこっちの番だな。」
はぐメタが今にも笑い出しそうだ。
しかし僕は次の瞬間驚いてしまった。
「まいった。降参だ!」
はぐメタが飛びかかろうとした瞬間、勇者のプチット族が武器を投げ捨て、手を地面につき、頭を下げたのだ。
「いやあ、まさか無傷だなんてねぇ。かてない、かてない。はっはっは。」
はぐメタは固まっている。傷が悪化しないか心配だ。
「強き、戦士たちよ。広場まで出る道を教えよう。しかし今日はもう遅い。明日になったら教えよう。」
「オイラを信用したまえ。君ここで暴れられてはかなわないからな。にげたりはしないさっ。」
はぐメタは固まったまま動かない。
プチット族たちはこの森に暮らしており、この森に魔法をかけたある者とお互い助け合っているそうだ。
しかしそのある者が何なのかは教えてくれなかった。
しかし・・・今日は疲れた。明日も早い。
もう寝よう。
なんだか、緊張していた雰囲気があの四人のせいで脆くも崩れ去ってしまった。
でも戦士の人・・・可哀想だったなあ。
続きはまた後日っす。
長く書き込みが無くってすみませんでした。
保守してくださった方ありがとうございます。
それと亀レスですみませんが、
>>322 衝撃のしっぽ団てゲームで、いくつかのスライムの名前が出てたらしいのでそれを参考にしました。
バブすけなんかもそこからです。
プレイしたこと自体は無いので本来の性格と違っていたらもうしわけないのです。
前までドラクエ関連のゲーム全てのモンスター画像を名前付きで公開してくれてたサイトが実はありました。
非常に参考になって助かっていたのですが、残念ながら最近閉鎖されてしまったようです。
で、外伝扱いだと思いますが、本来のシリーズで名前が出るまではそれが公式と考えていいだろうと思って上記の様な書き方になりました。
>>366 お疲れ様でした
こちらも気長に待っていますので
保守は任せてください
>>366 毎回お疲れです
356 名前:はぐりん ◆F/WveZadCU 投稿日:04/07/03 01:38 ID:2PcZWS22
二十二日目。
22日目にIDに22。なかなかやりますな
乙乙乙乙!!
ほしゅぅ
保守
スレタイマジ笑ったw
そろそろですかね?
374 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/12 18:47 ID:9SD8ADdi
ここまで発展するなんて…!
呪文成功しまくりのプチット族(・∀・)イイ!
二十三日目。
プチット族に朝ごはんをご馳走になる。
まだ僕らに気は許していないみたいだし、口は生意気なのだけど、なんだかんだ言って優しくしてくれるので憎めない。
朝ごはんを食べ終えたころには感謝の気持ちでいっぱいになってしまった。
はぐメタとスタスタは大分体調がよくなってきたみたいだけど、今ひとつ顔色は優れない。
朝ごはんを食べて少し休憩したらプチット族に広場に案内してもらう。
道中、グランスライム様について聞いてみたが、知らぬ存ぜぬの一点張りだ。案外口が堅いみたい。
はぐメタの無言の圧迫にも屈しないは感心してしまう。
その代わり、このあたりの地理について教えてもらう。
この辺りにはスライム族の住処が数多くあるらしい。
河から見て下流の方、つまり東の方へ行けば最も多くスライム族が住んでいる住処があるし、反対に西の方に三日程歩けば人の住んでいない古城があってそこにはスライムナイトたちが住んでいるらしい。
しかし最近この辺りでいくつかの住処が襲われている噂があると言う。
それを聞いてはぐメタが大声で話す!
「それだ!ゆうぼうに違いない!スライムの神も狙われているかもしれないんだぞ!俺達はそのことについて忠告がしたいんだ!」
「そのスライムは徒党を組むのかのう?噂では団体におそわれたらしいがのう。」
魔法使い風のプチット族が答える。
この言葉にははぐメタも黙ってしまった。ゆうぼうは一人で行動しているはずなのだ。
しかし本当に一人で行動をしているのかと考えると疑問が生じる余地もある。
「それに失礼ですが、あなた方こそ、もしかしたらその団体の一員である可能性もあるのです。信用できるまで私達からここの主にはあわせる事ができません。」
「広場で何らかのことをすれば先に進めます。その先で主に認められればあうこともできるでしょう。」
「これが今私達ができる精一杯のことです。」
僧侶風のプチット族が言う。
「広場には・・・もしかしたら怖い一団がいるかもしれないぜっ。」
「もしいたら、オイラ達は悪いけど逃げるからなっ。」
「もう痛いのはごめんなんだっ。」
勇者風のプチット族がつぶやく。
そうこう話しているうちに広場とやらにもう着くようだ。
何度分かれ道を通ったか分からない。
案内が無ければ到底通れなかっただろう。
不思議のことに後ろを振り返れば出口があるのが何とも悔しい。
先に様子を見に行くと勇者風のプチット族が歩いていった。
数分立つと大汗をかいて息を切らして走ってくる。
「やっやつら、やっぱりいやがったぜっ。オイラ達は退散するからなっ。お前達も逃げた方がいい。」
そういってせっせとプチット族は帰っていってしまった。
「道案内ありがとー!」
スタスタがお礼を言う。
「何が居るって言うんだろう・・・。」
僕はつばを飲む。
「行ってみれば分かるさ。」
そういってはぐメタは先頭を歩き出す。
広場に出た僕らの目の前にいたのは五匹のモンスターたちだ。
広場自体はとても広く、空は晴天だ。
広場と言っても殺風景で何も無い。
モンスターたちに会って僕達は二回驚いた。
一つは両端に居るモンスターは僕らがこの大陸に上陸してから始めて戦った、ドラゴンや象と同種のモンスターだったからだ。
そしてもう一つはそいつらがまるで他のモンスターに従っているかのように鎖につながれていたことだった。
真ん中の三匹の姿は・・・一匹は聞いたことがある。さまよう鎧というモンスターだ。
残る二匹は、真っ赤な牛の様なモンスターと変なパンツを被った変態の様なモンスターだ。
さまよう鎧はとっても軽そうな騎士剣を。
真っ赤な牛は禍々しい一振りの槍を。
パンツ姿の変態は巨大な大斧を。
それぞれが持っている。
パンツ姿の変態・・・こいつは僕の母親を殺した奴に似ている・・・。
肌の色が違うことから他人だと分かるが、頭では分かっていても怒りが湧いてきてしまう!
もし彼らと戦うならばこいつとは戦ってはいけない。
実力の無い僕が、その上頭すら回らなくなってしまうことは確実だ。
真ん中の赤い牛の様なモンスターが口を開く。
「待っていた。お前達を倒せば今回の仕事は終わりだ。」
「以前、マッドドラゴンやパオームと戦っている姿は見させてもらった。」
「念には念を。再びコイツらでその力を検分するとしよう・・・。」
「見ていただって?」
僕はつい質問してしまう。
そして以前、風の中で聞こえた声の主、そしてグロンテプスさんを倒した主は彼らでは無いかという気がしてきた。
赤い牛の様なモンスターは僕の問を無視して不思議な粉の様なものをマッドドラゴンとパオームに振りかけた。
みるみる二匹の顔が変貌していく!
以前戦った二匹のようにあの不気味な目で見つめてくる!
「あの粉で仲間に混乱を!?」
スタスタが驚きの様な、どこか怒りを感じている様な声を出した。
マッドドラゴンとパオームが不気味な咆哮を上げ始める!
はぐメタが一歩前に出た。
「さまよう鎧に、メッサーラに、エリミネータか。なぜ俺達を付け狙う?」
「倒すだけならば、ここで待っていた理由は何だ?来なきゃどうしてた?」
はぐメタは静かに、しかし重い声で問いだした。
「悪いが 話は 後にしてくれ。」
メッサーラはそういうと二匹の鎖を槍でたたっ切った。
中途半端ですが、今日はここまでっす。
後日いつになるか分かりませんがまた続きを書きます。
>>368 完全にまぐれっす(w
今回も保守ありがとうございました。
おもしろいじゃないか
ほっしゅ ほっしゅ
384 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/07/19 23:57 ID:pJ53vHLr
age
はぐはぐりん
今日もほしゅるぜ!
期待sage
保守
以前と同じように・・・。
まるで過去に戻ったかのようにパオームが突っ込んでくる。
前闘った一体に勝るとも劣らない迫力。その雄叫び。
しかし僕らも何も考えていなかったわけじゃない。
再び、パオームやドラゴンマッドに出会った時のために作戦を考えていた。
二人が寝込んでいた岩場で僕は一人黙々と考えていた。
二人が起きてからは三人で考えた。
森を目指す間もよりいい作戦を考えた。
今、それを実行しなくては。
僕ははぐメタとスタスタに目線を送る。
僕と目が合うと二人はばっと左右に離れだした。
僕が頂点の二等辺三角形を作ったと言ってもよい。要はばらけたのだ。
パオームが誰に向かってくるかは分からない。
しかしきっとこのまま僕の方に向かってくるだろう。
狙われた者は逃げに専念する。他二人は呪文を唱える。簡単な話だ。
みるみる内にパオームが迫ってくる。
「ベギラマ!」
僕はベギラマを唱えると一気に後方に走り出した。
はぐメタとスタスタが両脇からベギラゴンを唱える。
当然、これだけでは倒れない。
しかし、以前と違って三人とも狙われているわけじゃない。
そして僕には逃げる余裕があった。
僕はパオームを引き付けたままユーターンをする。
小回りが聞くメタルスライムの特権だ。
パオームも恐ろしいほど早いが、このユーターンには付いて来れず、脇を通る僕を踏めずに、そのまま大きく曲がって僕の後を付いて来た。
僕ははぐメタとスタスタの間を通る。
パオームが僕の跡を継いで二人の間に入った。
二人は再びベギラゴンを。
・・・パオームは大きな断末魔と共に地に伏せた。
そのパオームの走った砂煙にまぎれてドラゴンマッドが襲い掛かってくる。
何から何まで一緒だ。
理性が吹っ飛んで、本能のみが残ったら・・・みんな同じ行動を取る物なのだろうか。
僕達は息攻撃とわしづかみに気をつけて呪文を浴びせた。
以前と違い三人だということは大きい。
ドラゴンマッドは僕達に一度も触れることなく、地に伏せた。
「素晴らしい。以前闘ったことがあるというだけでここまで違う物なのか。全くの無傷とは。」
僕達に向かって拍手をしながら、メッサーラが語りかけてくる。
爽快で軽い拍手の音とは裏腹に彼の目は重く、鋭い。
「だから言ったでしょ〜。あのボロボロの時に倒すべきだったんだってぇ。ねぇー?」
エミリネータが気色の悪い口調でメッサーラに問いかけている。
そういえばそうだ。僕達を殺すのが仕事ならば、あのボロボロの時、襲い掛かって来れば良かったのだ。
「自分達の仕事を忘れてはいけない。万が一、負けてもあるいは逃げられても行けないのだよ。」
「もちろん、殺せれば一番いいのだが・・・。本当に仕事を遂げるということは・・・例え自分が死んでも・・・引き受けた仕事は完成させるということだ。」
「彼らがここに来た時点で私達の仕事は半分完成している。後は殺すか、半日は逃がさないだけさ。」
メッサーラが気取った口調でしゃべる。
しかしその物腰は滑らかで落ち着いている。
「何か隠しているな?」
はぐメタがキツイ口調で問いかける。
「詮索は無用だ。そのまま君たちがこの槍で貫かれてくれればそれでいい。」
「サイモン、エミリー・・・やはり一騎打ちで戦おう。」
「俺たちが連携を取れないことよりも、奴らに連携を取らせることの方が問題が大きいようだ。」
「ふふふ。そして一番脅し文句が効いている君、病み上がりで魔法を使い過ぎたせいか、顔色が優れて無いぞ。」
そこまでメッサーラが言うとエミリネータが大斧を抱えて僕に襲い掛かってきた。
「でも、サーラちゃん!最初に殺るべきは!あのか〜わいい、かわいい!よっわい、よわい!僕ちゃんでしょおぉぉ!?」
僕の中で何か嫌な音がはじける。
むわむわとして何だか熱い。
僕はいつの間にか大声を上げていた!
そして僕がベギラマを唱えようとしたその瞬間!
エミリネータにはぐメタが例の武器で襲い掛かる。
森への道中、やっと名前の聞けた武器、キラーピアスだ。
エミリネータは二回切られた挙句、イオラで吹っ飛ばされてしまった。
僕が何か言おうとしたら、その前にはぐメタが喋り始める。
「あいつを見るお前の目は異常だ・・・。そういえばお前の親を殺した奴はあんな変態だったらしいな。」
「あいつは俺に任せろ。それに何より・・・」
はぐメタが言い終わる前にエミリネータががばっと起き上がる。
「へっへっへ 何か用ですかい?」
「俺はあのガキと遊ぼうと思ったんですぜ。あのガキと・・・。」
「・・・!!」
「ああっ、私としたことが、いけない!汚い言葉遣いを!」
「そ・・・それに何より・・・何よりも・・・!」
エミリネータは両腕で自分の体を抱きしめている!
「痛いぃぃぃ!!!よくも、美しい、私の美しい体をぉぉぉ!!!」
「殺す!殺すぅぅ!薄汚いキュルキュルのはぐれメタルがぁぁぁ!!!」
驚いたことにほとんど無傷ではないか。
はぐメタが冷や汗を出して変態を見ている・・・。
それに、今、聞きなれない単語が出てきたような気が・・・!?
僕の疑問を遮るかのようにはぐメタが喋り出す。
「見ただろう。あの呪文への耐性を。」
「あの三匹の中では・・・そうだな、さまよう鎧を除けば、俺たちの使う呪文は効果が薄い。」
「俺やスタスタならば確実にさまよう鎧を倒せるだろう。しかし相手の体力がある分時間が掛かる。倒した時にはきっとお前はやられちゃてるぜ。」
「お前はさまよう鎧をやれ。あの変態は俺がやる。」
「メッサーラは僕だね。」
スタスタがうなづきながら相槌を打つ。
そして今にも襲い掛かってきそうなエミリネータにメッサーラが声を掛ける。
「一人で突っ込んでどうするつもりだ。また体に傷が残るぞ。」
「だが、その憎ったらしいスライムはお前がやるといい。」
「相手に合わせよう。地力は俺たちの方が上だ。元々そうする予定だったしな。」
僕達は自然とばらけた。
はぐメタの前には変態が。
スタスタの前にはメッサーラが。
そして僕の前にはさまよう鎧が居る。
今まで一言も喋っていないさまよう鎧が口を開く。
「たたかいの前の きんちょう感は たまらんね。」
「そうだね!」
僕は相手のしみじみとした声を聞いて、つい素っ頓狂な明るい声で答えてしまった。
「強い者と闘えるのが、この仕事を引き受けた理由。私の個人的な・・・理由だが。」
「私の名前は、さまよう鎧のサイモン。正々堂々と闘おう。」
そういうとサイモンは騎士剣を構え、僕にしっかりと狙いを定めた。
今日はここまでっす。
今月中にもう一回書く予定ですが、もしかしたら書けないかもしれません。
たぶん八月中旬〜下旬に実家に帰るので、そのときにやることが無くて、毎日書くかも・・・です。
キター!
連続でカキコご苦労様でつ―――!!
どうもっす。
そしてしまった。
何かし忘れているかと思ったら!?を全角に置換するのを忘れてた(゚Д゚;)
毎度乙でっす。
エリミネータをエミリネータとしているのは・・・仕様?
そんな細かいところ忘れろって
面白いからいいじゃないか
ああっ誤字です。
大事なところで誤字をしてしまったorz
教えてくださってありがとうございます。
次から気をつけます。
細かいミスでも教えていただけると助かりますんで今後もありましたらお願いします。
>>398 フォローありがとうっす。
でも誤字脱字は指摘していただいて全然構いませんので、もしありましたら教える方向でお願いします。
今日書く予定でしたが、書けませんでした。
明日から用事があるので数日後にまた描きます。
がんがれよ
いつもでも松から
402 :
書き手:04/08/02 22:56 ID:p+oAE45p
すみません。インターネットのモデムが故障してしまいましたorz
数日でつなげれるようになればいいのですが。
携帯なのでトリップなしで失礼します。
403 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/04 04:01 ID:HNl+D+ZO
age
サイモンの剣は軽く、それでいて鋭かった。
ひとたび剣を振り上げれば、またたく間に僕の体を切り裂き、返す刃でもう一度切った。
軽いといっても、それは素早いという意味で、切りつける動作一つ一つが力強く、その正確さは僕がたったの一度交わす事すら許してくれなかった。
既に八回は切られただろうか。その都度に確実に体力が削られていく。
もちろん、その間僕だって何もしていなかったわけじゃない。
ベギラマを五発はぶち当ててやったはずだ。
サイモンの表面は既に黒焦げており、確かに呪文は効いている。
しかしながら、彼の体力は衰えを見せず、むしろどんどん力強くなっていく。
「ベギラマじゃだめだ・・・。」
僕はつい思っていたことを口走ってしまった。
「その通りだ。この呪文では私の息の根を止めるのは難しかろう。」
「私を倒すには二十発を超えても足りまい。」
「私の刃を交わせない限り、このままでは君に勝機はあるまい。」
「しかし私は手を抜くということはしない。このままじりじりと削られていってもらおう。」
そういうとサイモンは細かく丁寧に剣で突いてきた。
僕は交わそうとするが、サイモンの刃は狙った獲物を逃がさない。
二度突かれ、そのたびに僕の体から銀色の飛沫が飛び散る!
このままでは本当にジリ貧だ。
サイモンを倒すにはベギラマ以上の呪文を唱えるか、はぐメタかスタスタに協力してもらう他は無い。
僕の気持ちを見抜いているかのようにサイモンが遠くを指差す。
その先ではスタスタとメッサーラが戦っていた。
スタスタも随分槍で突かれたのだろうか。
生傷があるのが遠目で見ても分かる。
しかし対してメッサーラは少々傷ついているものの、ほとんど無傷に近い。
おかしい。
いくら呪文が効き辛いと言ってもベギラゴンやイオナズンを食らえばあんなもので済むはずが無い。
スタスタが攻撃していないというのも考えづらい。
そう考えているうちにスタスタがベギラゴンを唱える!
巨大な閃熱がメッサーラを襲う。
しかし、閃熱が届く前にメッサーラが大きな口を開けて息を吸い込んだようだ。
何か息を吐くつもりだろうか?
あれは・・・凍える吹雪だ!
もちろん、凍える吹雪でベギラゴンに対抗できるはずは無い!
しかし閃熱は確実に相殺され、その大きさはベギラマと大差ないように見える。
メッサーラの体質ならばベギラマ程度ならば大したダメージを受けないのだろう。
スタスタが続けてイオナズンを唱える!
そうだ!
イオナズンならば凍える吹雪で対抗は出来まい!
現にメッサーラも大きく後ろに退いている。
もう爆発するぞ!
しかし次にメッサーラは左手を前に突き出し、何かを唱えた!
爆発が起こる瞬間にパオームほどの大きさの巨大な火の玉がその手から放たれた。
爆発はまずその炎をかき消し、その後にメッサーラを襲う。
閃熱に吹雪をぶつけるような確実な効果は無い。
しかし確かに炎にぶつかり、イオナズンの威力は削がれていた。
それに加えてメッサーラの体質・・・。
メッサーラはそのままスタスタに槍で一突き浴びせる。
このままではスタスタもジリ貧になってしまうに違いない!
「分かったか。」
サイモンがどっしりと構えた声で喋る。
仲間に頼っていられない。
二人も自分のことでいっぱいいっぱいのはずなのだ。
そうだ。・・・僕は上陸早々に二人の足を引っ張ってしまった!
こんな、古びた鎧野郎何か、自力で片付けなくては!
「君は僕が倒さなくっちゃいけないみたい。」
僕は愛嬌のある声でそうサイモンに言うとしっかりと睨み付けた。
「では、再び参る。」
サイモンはそう返すと、全力で僕に迫ってきた。
サイモンに呪文は無い。僕が距離をとれば絶対に突っ込んでこなくてはならない。
それが彼の弱点だ!
呪文を直撃で、それもカウンター気味に食らうことになる!
僕はサイモンを引きつけて、今までもっとも力を込めた声で呪文を唱えた!
「イオラッ!イオラーーー!」
僕の気持ちはとても奮いだっていた。
もし実力が足りていれば、これで呪文が唱えられないはずは無い!
それだけの感情を込めたのだ!
大きな爆発・・・それが起きるはずだった。
しかし現実は非情だった。
逆にサイモンの全力の一撃が、僕の体を貫いた!
・・・そのころ、はぐメタはエリミネータと戦っていた。
エリミネータは大斧を、はぐメタはキラーピアスを携えている。
エリミネータの一撃は交わしやすいものの、はぐメタの呪文も効き目が薄い。
数回を斧を振り回した後、エリミネータが息絶え絶えに話しかける。
「はあはあっ。いやあねぇ!ちょっ、ちょこまかと動いて!」
「ゼエゼエ。っもう、私ったら怒るわよ!」
エリミネータの気持ちの悪い口調にも余裕が無い。
「動くなって言ってるでしょぉぉぉ!」
しかしエリミネータの攻撃はむなしく空を切るばかりではぐメタには当たらない。
「イオナズン!」
はぐメタの声と共にエリミネータは大爆発に巻き込まれる。
はぐメタが無傷なのに対し、エリミネータはダメージこそ少ないものの、衣装はボロボロで、自慢の肌は砂で汚れていた。
「うぅぅ。もう許せない。」
「・・・あのね、お兄さん。わたしね。腹が立つと、見栄がなくなって口調が悪くなっちゃうのよぉぉぉ!」
「悪いことは言わないわ。そろそろ一撃貰っといた方が身のためよ。ね?」
エリミネータはそういうと、大斧を再び持ち上げて、思いっきり振り下ろした!
しかし今度もはぐメタはたやすく交わしてしまう。
「悪いことは言わんからそのまま死んでろ。気持ち悪い変態が。」
はぐメタはそういうとイオナズンを叩き込む!
エリミネータは両手を握り締めると、大声で叫びだした!
「もう!もう!ゆるさねーぞ!薄汚いスライムがぁぁぁ!」
「この痛みも、今のキタネェ言葉も許せねぇ!」
「はあはあ、うぅ。もう限界ダゼェ!頭が飛ぶ!てめえは死ね!死んでつぐなえぇぇ!」
エリミネータの筋肉が見る見るうちに盛り上がる!
大斧を持ち上げて振り回す!
振り回す!
振り回す!
当たった岩が粉々にはじけ飛ぶ!
その速さは今までの鈍重な一撃とは比べ物にならないほど早い!
思いっきり地面に叩きつければ、地割れがおきそうな勢いだ!
余裕の顔をしていたはぐメタに初めて不安の色がよぎる。
交わす自信が無いのだ。それほど早い一撃だった。
「いぁぁぁぁぉぉおおおおおふふふふふふぅぅぅぅうのぉぉ!」
奇声に近い雄叫びと共に全身全霊を込めてエリミネータが斧を振り下ろし、切り裂いた!
大斧は深く体を傷つけ、血飛沫を大量に噴出させた!
なんと、エリミネータが切ったのはエリミネータ自身だった!
「いぃぃぃ、痛いぃぃ!ううっ!よくも!よくもぉ!」
「私はね、いきり立つとね!敵も味方も分からなくなって何かを切らないと気が済まないのよ!」
「大抵はね。最初に味方を切っちゃうのよ。本当はね、あのパオームとかは私が切るために持ってきたのよ。」
「しかし、これほど!これほど、痛いものだったなんて!自分を切ったのは初めてよ!あんたに、あんたに切られたようなもんだわぁ!ねぇ!お兄さん!」
「何だか、話してたら、また腹が立ってきたぜ!」
「許さねぇ!許さねぇぞ!このドロドロとした銀色のガラクタがぁ!」
「てめえはぶっ殺した後、溶かして俺の弁当箱にしてやるぜ!」
そういうと、再びエリミネータは大斧を振り回し、いきり立ってはぐメタに襲い掛かってきた!
はぐメタはとっさに飛びのいた!
しかし、一歩遅く、交わすことはかなわなかった。
早いのだ。見えないほどに。
ズシイィィィィィン!!!
大きな音と共にはぐメタの体は切り裂かれた!
その体の一部ははじけ飛び、血の様に体液が流れ出た!
まさに痛恨の一撃・・・そう言うしかなかった。
「っ!!イオナズン!」
はぐメタは歯を食いしばりながら抵抗する。
「〜っ!」
「体力のある者じゃなければ死んでいた。俺が当たって正解だった。」
はぐメタはゴホゴホと大きく咳をして呟いた。
「まさか、こんなにダメージを追うとはな。褒めてやる。」
「だが、今の一撃で仕留められなかった代償は大きいぞ。」
吹き飛ばされて立ち上がっているエリミネータにはぐメタが声を掛ける。
口調こそ強気だが、今の一撃は確実にはぐメタの体を蝕んでいた。
いつもよりも声が小さく、覇気が無い。
エリミネータが再三大斧を振り回す!
「しつこいんだよ!」
はぐメタはイオナズンを唱えるとキラーピアスを持ってエリミネータに突っ込んだ。
エリミネータは歯を噛み締めて、目を閉じ、大爆発に備えた!
耐え切った!
エリミネータは大斧を持ち上げる!
次の瞬間エリミネータが見たものは、銀色の液体だった。
エリミネータが身を引く前に、はぐメタがキラーピアスで左右から狙いをつける!
大斧を持ち上げているエリミネータに交わす術は無い。
キラーピアスが深々とエリミネータの首に突き刺さる!
そのままはぐメタはイオナズンを唱えた。
エリミネータは大斧と共に大きな音を立てて倒れこんだ。
「スタスタ・・・いや、はぐりんは無事か。」
「向かうならば、はぐりんだな。スタスタはその気になれば負けんはずだ。」
そう呟くとはぐメタは深呼吸をし、回りを見渡した。
少しはなれたところで二人が戦っている。
そして、まさにはぐりんが倒れこんでいるところだった。
いかん!
そう思ったはぐメタは思い体を引きずって歩き出した。
しかし、はぐメタは一瞬の違和感を見逃さなかった。
自分に掛かる視線、何ともいえない重い雰囲気、いや足音と影!
はぐメタが後ろを振り返ると同時に大斧が振り下ろされた。
「あぁぁぁぁぁ、あああああああ、ああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
僕は声にならない悲鳴を上げていた。
サイモンの手前であろうと気にしてられない。
敵への恥など気に出来るレベルの痛みではなかった。
こんな苦痛は初めてだ。
何か大切な物を持っていかれたような感じだった。
僕はどうすればいいのか分からなかった。
ただ、悲鳴を上げるしかない僕に再びサイモンの一撃が襲う!
意識がはっきりしない。
しかし、悲鳴を上げる中、一つだけ分かっていることがある。
このままではまずいということだ。
この苦しみの中でもそれだけは痛感できた。
「ベッベギラマーーー!」
僕は声にならない声でベギラマを唱えた!
サイモンが炎に包まれて吹っ飛んでいくのが分かる。
僕は逃げ出した。
ガタガタの体でまっすぐ後ろに走り出した。
後ろを振り返るとサイモンが立ち上がるのが見える!
僕は更にベギラマを唱えた。
足の遅いサイモンにはこの距離でも間に合う。
しかし、サイモンがどっしり構えると、飛ばされることは無くその場に押しとどまった。
距離があったからかダメージはほとんど受けていないみたいだ。
そして僕に向かって全力で走ってくる。
覚悟を決めなきゃ・・・。
押し寄せてくる恐怖の中で僕はふとそんなことを思った。
逃げてもきっと殺される。
戦わなくっちゃ勝てるものも勝てなくなる!
「イオラ!」
何を思っても一緒だった。
今の僕では足りないのだ。
「ベギラマ!」
サイモンが剣で切りつけようとしたギリギリに呪文が間に合う!
しかし、サイモンは吹き飛ばされないように再びこらえていた。
そして呪文が終わると同時に突きの構えを取った!
万策尽きた・・・。
僕は負けを、死を覚悟した。
「イオナズン!」
聞き慣れた声と共にサイモンと僕は大爆発に巻き込まれた!
「よう!いい子にしていたか?」
大爆発と共に現れたのははぐメタだった。
「はっ、はぐメタぁぁ〜。」
僕はとっても情けない声で泣いていたんだと思う。
しかし、はぐメタはそんな僕を笑ってみている。
「よく耐えたな。お前とあいつらじゃ実力の桁が違う。俺やスタスタが加勢に来るまで生き延びてただけでも、大した物だ。」
「最初はお前がやれといったが・・・俺も相手を甘く見ていたよ。」
よく見るとはぐメタもボロボロだ。
僕よりも怪我が酷いのではないだろうか。
「一度ぶっ倒したんだがな、あの変態起き上がりやがった。」
「ギリギリで最後の攻撃を交わして止めを刺してきてやったよ。」
「さまよう鎧・・・コイツは二人でやるぞ。」
「無理・・・しないでね。あいつの相手は僕なんだ。」
僕はその怪我で無理をしそうな、はぐめたに釘を刺した。
僕達の話が終わった頃には、サイモンは既に立ち上がっており、剣を地面に突き刺し、柄に手を置いて僕達の話が終わるのを待っていた。
よく見れば彼もボロボロだというのに・・・。
戦いの最中に話を始めた僕達が悪いというのに・・・。
相手の隙を突くなんて当たり前のことなのに・・・。
なんとどこまで・・・いや、きっと彼はどこまでも正々堂々とした男なんだろう。
僕は逃げ出したのが恥ずかしくなってしまった。
「ごめん、はぐメタ。本当にごめん。」
「正々堂々一対一で勝負だ!サイモンさん!」
今日はここまでです。
長いこと空いてしまって申し訳ないです。
ちなみにインターネットは直りました。
モデムに水が掛かってしまったのですが、あっさりと壊れる物なのですね(;´Д`)
やっぱり機械に水は敵。
弁当箱ワラタ
保守
エミリー保守
良スレの誕生はどうなるか誰にも予想できないなぁ…
良スレ保守!
IDがBka保守!
不定期age
保守るぜ
423 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/08/22 01:20 ID:2T3bmhjT
定期age
保守sage
「イオナズン!」
爆風に包まれて吹き飛んでいくサイモン君!
僕は耳を疑った。
呪文を唱えたはぐメタは一点の曇りも無い顔でこっちを見ている。
「僕一人で十分だよ!」
怒ったわけじゃない。
ボロボロにもかかわらず駆けつけてきてくれたはぐメタを怒れるわけ無いし、僕達は出来るだけ早く、より安全にサイモン君を倒さなければいけないのも分かっている。
しかし、僕は一人で彼を倒せなくてはならないのだ。
彼の堂々さに応えるためもある。
しかしドラゴンマッドたちと戦った時のように、また迷惑を掛けるならば、また戦力にならないのならば、僕は二人にとってただの荷物にしかなれない。
そう、例え実力が上の相手でも自分の特質と頭を使って切り抜けれなくてはいけないはずなんだ。
「いい機会だから僕の実力を試しておくれ、はぐメタ!」
「我侭なのも、助けに来てくれたはぐメタに悪いのも分かってる!」
「でも、一人で戦う理由は正々堂々だけじゃない!」
「きっかけは彼が堂々として心が打たれたからだけど・・・彼を一人で倒す実力がなければ、僕は今後荷物になるだけだよ!」
僕は普段見せたことないほどに力のこもった口調ではぐメタをまくし立てた。
「危なそうだったら勝手に攻撃する。時間の掛かるようなら同じく攻撃する。」
「さっきまで泣きそうな顔で逃げていたというのに・・・がんばれよ。」
はぐメタはそう言うと数歩下がって戦いを見守り始めた。
「ありがとう、はぐメタ!」
「感謝する。私も君と決着をつけたかった。」
そう言ったのは、いつの間にか起き上がって剣を構えていたサイモン君だった。
負けられない。
いざとなるとはぐメタが助けてくれるなんて思っちゃいけない。
むしろそれまでに決着をつけなくちゃいけないんだ。
劣勢も、長時間の戦いさえもダメ。
考えるんだ。サイモン君の弱点と、自分の逃げた理由を!
僕もサイモン君もお互いの攻撃は効果がある。
なら、何故、僕に勝ち目がなかったか。
生命を削り合えば僕がジリ貧になるからだ。
それを補うためには、より強い攻撃を加えるかしかない。
しかしそれは出来なかった。だから逃げたんだ。
!!
サイモン君が動き出した!
どうしよう!?
いや、何かを見落としているはずなんだ!
・・・そうだ!
サイモン君が大きく振りかぶって剣を切りつける。
僕は・・・その大振りを逃さず、大きく後ろに下がった!
「ベギラマ!」
サイモン君は後ろに飛んでいく。
剣は僕の体をかすったが傷をつけるほどではなかった。
お互いの攻撃が効くのはお互い避けていないからだ!
もちろん、今大振りが出たのはずっと避けない僕に彼が油断していたからに違いない。
今の僕にサイモン君の正確な攻撃を避ける実力は無い。
しかし、素早さはどうか。
彼は遅い。僕は早い。
そして何より彼の攻撃は剣。近づかないと意味が無い。
僕の攻撃は呪文。さっきも遠くまで届いた。
逃げたときには二回も攻撃する機会があった。
あれを繰り返せばどうか。
正々堂々では無いかもしれない。
しかし、これが今の僕に出来る精一杯だ。
体が痛い。心はこの戦いの中で一番前向きになった。
しかし、このガクガクの体は。彼の堅実一撃を幾度ともらったこの体はどこまでもつか。
それこそが僕と彼の本当の勝負だ。
「ベギラマ!」
僕は起き上がりこちらを見つめた彼に呪文を唱える!
そしてそれと同時に大きく距離をとるために下がり始める!
全力で走ると、体に響く、しかしそれは彼も一緒だ。
彼が全力で駆けてくる。
遅いものの、その歩みは直線的で効率がよく、そしておそらく僕の呪文では、耐えようとした彼を後退させることは出来ないだろう。
どうでもいい時は吹き飛んでくれるのに、大事な時は吹き飛ぶ気配がまるで無いのだ。
僕は攻撃する度にどうしても鈍くなり、その間にサイモン君が間近に迫ってくる。
遅いといっても、僕から見れば遅いだけで、油断すれば追いつかれてしまう。
サイモン君の剣が数センチ前で振られるときがある。
一度切られて動きが止まってしまえばおしまいだ。
最初の乱戦と一緒になる。
そうなったらもう二度とこんな形で戦えまい。
仕切りなおした上で彼の攻撃を一度かわせたからこそ、この戦い方が出来るのだ。
「ベギラマ!」
僕の大声とサイモン君の剣の空振りがむなしく響く。
それを何度も繰り返す。
僕のスピードは徐々に遅くなり、サイモン君は衰えを知らない。
サイモン君の剣がかすり始める!
体が悲鳴をあげる。切られて痛いからではない。
全力の走りに体がついて来れなくなったのだ。
「ベギラマ!」
とうとう一撃切られると同時に僕が呪文を唱える。
僕は痛みで動きが止まるが、サイモン君は吹き飛んでしまい追撃が出来なかった。
サイモン君がゆっくりと起き上がろうとする。
僕はすかさずベギラマを唱えた。
更にサイモン君が吹っ飛ぶ。
僕は更にベギラマを。
何度か繰り返すととうとうサイモン君は立ち上がれなくなってしまった。
いや、ゆっくりと、本当にゆっくりとだが立ち上がろうとする。
きっと・・・勝負はついたのだ。
「正々堂々としたサイモン君にこんな戦い方で・・・」
僕はつい、口を開いたが、言葉が続かなかった。
僕に実力があれば、同じ勝利でも、もっと違った勝利が出来ただろう。
なにより、この作戦も運がなければ取れなかった。
また、イオラを覚えるという前進を諦めなれば取れなかったのだ。
何よりはぐメタがこなければもっと先に負けていた。
はぐメタによるダメージがなければあのまま切られていたはずだった。
サイモン君は僕の方をじっと見て、鎧の中から何かを取り出した。
煙草だ。
片手で器用に火をつけている。
動かしている手から装飾品が欠ける。
よく見ると全身ヒビだらけだ。
「たたかいの後の いっぷくは たまらんね。」
「本来は勝利の美酒でも送りたいところだが、こんなものしか持っとらん。」
「ふふふ。君は煙草は吸わないか。」
そういうと僕に煙草を投げてよこした。
僕は煙草を手にしてサイモン君の前に立つ。
サイモン君は少しずつ体が崩れていく。
「あれも作戦の内だな。君は実に正々堂々だった。」
「その煙草のお礼は、きちんとした決着で返してもらおう。」
「土に還るのもいいが、この重たい体だ、風に乗ってみるのもいいかもしれん。」
「早く楽になりたいといったら失礼かね・・・。」
そこまで喋るとサイモン君は黙ってしまった。
「ありがとう。さようなら・・・。」
「イオ!」
僕は取るべき行為をとってから、後ろを向いたら一度も振り返らなかった。
敵を相手に泣くなんてしたくなかったからだ。
粉々になった体は彼の魂と一緒に爆風に乗って、風に乗って還るべきところに帰るだろう。
はぐメタが遅いといわんばかりの顔でこっちを見ている。
つい泣きそうな顔をしたら、似合わないことに作り笑いをしてくれた。
「行こう!スタスタのところに!」
二人で全力で走っていくとスタスタがメッサーラと戦い続けていた。
強い。他の二人も強かったが、このメッサーラは格別だ。
早さ。サイモン君に無かったものを兼ね揃え、その槍裁きはスタスタでさえ避けれていない。
しかもほとんど傷を負っていない。
いや、多少の火傷は負っている。しかし致命傷がないのだ。
スタスタはだいぶ槍で突かれた様で、全身傷だらけだ。
しかしスタスタもまだ致命傷には至ってないみたいだ。
むしろ僕達よりも傷が浅い。
僕達に気づいてメッサーラが口を開く。
「はじめてだ。このデーモンスピアの攻撃をここまで急所に当てさせない相手は。」
「メタル族は十分に戦った経験があったつもりだったのだが。」
「そして他の二人がやれるとはね・・・。」
「彼らは仕事のパートナーとして大切な仲間だった。残念でしかたがない。」
「しかし、くっきりと傷跡は残してくれたようだ。」
「君たちの実力を認めよう。しかし三人まとめて掛かっても自分には勝てまい。」
「スタスタ一人で十分さ。」
はぐメタが重い声で言う。
「スタスタは待っていたんだよ。俺が来るのを。」
「お前に聞きたいことがあるからな。」
メッサーラがはぐメタには視線を向けずに答える。
「俺を倒せば答えてやってもいい。」
「だめだ。お前は強い。スタスタがお前に勝つときは手加減の出来ない時だ。」
「何を企んでいるのか話せ。」
「何故、俺たちを狙う?」
「何故、ここに誘い込んだ?」
「何故、時間を稼げばそれでいいんだ?」
「そしてこの仕事、誰に頼まれた?」
メッサーラは大きくため息をしてからはぐメタを見つめた。
「話してやる義理は無い。むしろ仕事のことを秘密にするのは当然のことだ。」
「だが、そこまで言うなら話してやろう。いやいや、実は話すのも仕事のうちでね。」
「何より、もう仕事の大半は成功している。」
「自分達はいわゆる囮だ。」
「この辺りにスライム族の住処が多いことは知っておろう。」
「その住処の悉く、いやこの付近のモンスターの悉くが数時間後には消滅する。」
「今頃、仕事の依頼主たちが大河の堤防を切って、地面に大穴を明けているところだ。」
「あの河の堤防はな、とーっても丈夫なんだ。壊すのに一週間は掛かる。」
「付近のモンスターはいくらでも追い払えるが、はぐメタ君、君が危険だったと判断されたみたいだね。」
「自分たちの仕事は君達を監視し、この計画に気づけば囮になって時間を稼ぎ、時間を稼げれば隙を見て殺すことだ。」
「最も実際が順番が狂ったがね。計画に気づかなくとも完成間近には相手をする予定だった。」
「万が一ここで自分を殺せても、そのボロボロの体で奴らと戦うのは不可能だ。」
「依頼主は自分達よりも強いぞ。」
「スタスターーー!」
はぐメタが大声で叫んだ!
そして僕にすぐに後ろに下がれという。
メッサーラが襲い掛かってくる!
僕達は一気に出口付近にまで下がった。
これでも本来はまだ足りないという。
スタスタは一人でメッサーラの攻撃を受けている!
そのうちスタスタが輝いていくのが分かった。
大声で何かを言ったのが聞こえる。
「ビッグ!」
背景がねじれた気がした。
メッサーラを中心にどんどんねじれていく。
まるで潰されていっているようだ。
メッサーラが距離をとってはぐメタにメラゾーマを撃つ!
「伏せろーーー!」
はぐメタが僕に大声で言う!
次の瞬間、メッサーラのメラゾーマは意味を成さなかった。
それよりも大きな爆炎が広場いったいを包んでしまったからだ!
ねじれた空間の中心から大爆発が起きたのだ。
爆発というよりは炎が一瞬で燃え広がったといっていい。
とても熱い熱風が僕らに押し寄せる。
伏せていなければ今頃飛ばされていたに違いない。
僕達はスタスタに急いで駆けつけた。
スタスタはとってもぐったりしている。
メッサーラは・・・可哀想なことに影すら残って居なかった。
辺り一面焼け野原だ。
一瞬で全てが燃えるから炎すら残っていない。
スタスタが喋りだす。
「ははは。体調が悪かったからか、いつも以上に疲れちゃったよ。」
「いつもなら、一回位じゃへこたれないのにねー。」
「ごめん、はぐメタ、はぐりん。悔しいけど、今日はもう動けないみたいだ。」
はぐメタが頭を下げる。
「いや、あいつは強かった。早く決着をつけるにはスタスタに無理をさせるしかなかった。すまない。」
はぐメタが珍しくスタスタに謝っている。
それだけ浪費の激しい、呪文か特技なのだろう。
全く見たことも聞いた事もなかった。
「がんばってこの辺りのスライムを守ってね。」
スタスタはそういうと意識を失ってしまった。
僕達はスタスタを連れて出口に向かって行った。
するとプチット族が構えていた。
「話は聞こえていたぞい。」
魔法使い風のプチット族が話しかける。
「決して怖くって行かなかったんじゃ無いからな。オイラ達はあくまで中立じゃなくっちゃいけないからだぞっ!」
勇者風のプチット族が必死に弁明する。
「これを使え。オレ達はお前達を信用してはいけないけど、その上で出来る最低限の好意だぜ。」
戦士風のプチット族が薬草と水、食べ物を少量放り投げてくれる。
「その人は私が預かりましょう。ここで回復呪文による治療を続けておきます。」
僧侶風のプチット族がスタスタを担ぎ上げた。
「ここから大河まではオイラ達の足じゃ間に合わない。」
「その代わり、付近のモンスターたちには呼びかけて避難させるからなっ!」
勇者風のプチット族がそういうと、僧侶風のプチット族を残してプチット族は走って行ってしまった。
「スタスタを頼む。はぐりん、好意に甘えよう。」
はぐメタはそういうと水を取って飲み始めた。
僕は薬草だ。あい変わらず苦い。
しかし、これだけあれば全快とまでは行かなくとも半快は出来るはずだ。
僧侶風のプチット族もスタスタを抱えて森の奥に行ってしまった。
数分後、一休み取った僕達は森を出て全力で走り出した。
今日はここまでです。
長い間、音沙汰がなくてすみません。
保守してくださった方ありがとうございます。
実際に書くまではさまよう鎧戦を短くしてメッサーラ戦を長くする予定だったのですが、書いてみたら逆になってしまいました。
両方長くなるよりはいいかなと考えてメッサーラ戦の無意味な小競り合いは削ってみました。
結果的にはこっちの方がすっきりまとまった気もします。
また後日続きを書きます。
名前変えるの忘れましたorz
毎度お疲れ様でございます。
漢気溢れるサイモンに合掌・・・
超乙
おつかれー!!
めったんこカコイイなw
スタスタが最強だということか
意外(・∀・)イイ!
もうね・・・イイ!!
はあはあ・・・。
もう一時間も走っただろうか。
大河まで半分以上は走ったはずだ。
今日は走りっぱなしだ。自分の息が荒いのが分かる。
もちろん弱音を吐きたいわけじゃない。
しかしこんなボロボロの体、そして走る疲れまで加わってまともに戦えるものなのか不安で仕方ない。
何より僕ですらこの辛さなのだ。
最初から本調子でないはぐメタはどれだけ辛いのだろうか。
チラッとはぐメタの方を見ると、今まで見たことないほどの怖い目で前方を見つめている。
走り出してからずっとこんな様子だ。一言も喋らない。
仕方ない。
もしかしたら長年探し続けた『友達』に会えるかも知れないんだ。
もしかしたら『友達』ではなくて『宿敵』なのかも知れないけど。
殺したくない相手を殺さなくちゃいけない気持ちとは一体どんなものなんだろうか。
僕には考えても考えても分からない。
「はぐりん・・・止まろう。」
そんな悩んでる僕に不意にはぐメタが呼びかける。
僕は一瞬耳を疑った。
急げならともかく止まれなんて。
しかし僕は言われたままに止まることにする。
「休みながら作戦を立てよう。」
「今の状態で敵に突っ込んでも返り討ちに会うのがオチだ。」
はぐメタは僕が思っていたよりもずっと冷静みたいだ。
何だか、ほっとした。
もしかしたら捨て身で敵に突っ込んでいくんじゃないかと思ったからだ。
しかし、僕はこっちを見るはぐメタの目を見て考えを改めた。
直視することが出来ないほど、恐ろしい目・・・。
きっと薄暗い森の中で、今のはぐメタに会ってしまったら必死で命乞いしてしまうに違いない。
はぐメタは携帯していた水を少し飲んで僕に渡す。
プチット族がくれた水の残りだ。
それを飲んで作戦タイムに入る。
「はぐりん、問題は敵がどこで堤防を壊そうとしているか分からないということだ。」
「じゃあ、河に沿って手分けして探してみるというのはどう?」
「時間が有ればそうしたいんだがな。一人では危険な上に落ち合う時間がほとんどない。それに狼煙でも上げようものなら・・・敵に塩送るようなもんだ。」
「どうしよう?」
「山を張ろう。しかしただ勘で選ぶんじゃない。プチット族の話を覚えているか。東の方にもっとも大きな集落があると言っていた。」
「僕が敵だったら絶対に外せないね。」
「その通りだ、はぐりん。まず大河にぶつかるまで歩いて、東の方に向かっていこう。それで無理なら・・・集落に告げに回っているというプチット族を信じるしかない。」
僕はこの作戦を聞いた時、何かしこりの様なものが残るような気がした。
しかしこの作戦しかないのだ。
「ふふっ、しかしあいつがいたら俺は間違えてお前を切っちまわないか心配でならないよ。」
はぐメタが不吉なことを言う。
そういえば僕は彼にとっても似ているとは聞いていた・・・。
「でも、そこまでは似てないでしょ?」
「いーや、姿かたち、体色、声色までそっくりだぜ。」
「だが、今のあいつにはそんないい笑顔は逆立ちしても作れまい。」
「わかった!はぐメタ!やっぱり二手に分かれよう!」
「相手は集団なんだ。ましてや堤防を壊すには大人数が必要なはずだ。僕はその彼に成りすますよ!」
「敵を見つけたら、少しはなれたところで狼煙を上げる!」
「その後ははぐメタは戦いながら時間を稼ぐ!僕は隠れながらごまかして時間を稼ぐよ!」
「そんな生兵法の効く相手ではないぞ!ましてや追っ手にあいつ自身が出て着たらどうする気だ?」
「それにメッサーラたちはお前を見ても驚かなかった。お前の情報は既に行っているかも知れん。」
はぐメタが少し怖い顔をする。
「その時はその時さ。ゼロか全てかなんて賭けよりずっといいよ!」
「僕を信じて!はぐメタ!」
「わかった。そうしよう。確かにどちらかに山を張るなんてバカな考えだったかもしれん。」
「じゃあ、その彼の喋り方を教えてよ!」
「よし。移動しながら話そう。しかし、あいつのまねをするのは至難だぜ。」
そういうとはぐメタは大声で笑い出した。なんだか、久々にはぐメタの笑い声を聞いた気がする。
僕もつい笑ってしまった。
僕達はさらに移動してとうとう大河についた。
ここから覚悟して進まなきゃいけない。
モンスターと出会っても出来る限り争う訳にはいかないのだ。
何より時間が無い。
数時間というのは多く見積もっても四、五時間程度だ。
既にメッサーラを倒してから二時間は経過している。
「はぐりん!絶対に無理はするな!」
「はぐメタこそ、冷静さを見失ったらいけないからね!」
僕は西に。はぐメタは東に向かう。
僕はただ走った。
考えるネタはいくつもあった。
物真似の推敲。はぐメタの心配。こんなバカをする奴らへの怒り。例の彼・・・ゆうぼうへの興味・・・。
しかし何も考えないと決めたのだ。
今はこの暴挙を止めるためだけに走る。
もう三十分は走っただろうか。東からの狼煙は無い。
!
どういうことだろう。こっちは西だよ!?
なにか遠くに即席で立てられた小屋の様な物と大量の土砂が山のように積みあがっているのが見える。
そして空を飛んでいるであろうモンスターが数匹。
周りを見渡せば、付近のモンスターと思われる死体が無数に転がっている。
間違いない。あの先に奴らはいる!
しかし残念なことに僕の周りには隠れられそうな物がない。岩一つ見当たらないのだ。
それならやることは一つだけだ。
周りに枝こそ無いものの、草ならある。
それをむしって一つに集める。
最後にベギラマだ。
もくもくと煙が上がる。
はぐメタが来るまでどのくらい掛かるだろうか。
今すぐ気づいても五十分から一時間は掛かるだろう。
奴らが来たら、演技だ。
奴らがゆうぼうに命令されて来たならば、あるいは本人が自ら来たならば、その時点でアウトだ。
追っ手が自己判断で来たならばいくらか誤魔化せる。
ばれれば・・・実力行使だ。
狼煙が上がってすぐに向こうから二体の影が飛んでくる。
空飛ぶモンスター・・・何が来るのだろうか。
しかしこっちに来るには十分は掛かるだろう。
それまでは休憩だ。
十分経った。
バサッ バサッ!
僕の上空から二体のモンスターが舞い降りてくる。
二匹とも似ているがどこか違う。
この魔族の様な体、悪魔の様な顔、大きな羽、携える騎士剣。
ガーゴイルとホークマンに違いない。
青い服を好む方がホークマンと聞いたことがある。
僕を見て驚いている。その驚きは何なのか。
こういうときは先に喋ってはダメだ。
「お久しぶりです。何故、こちらへ?」
ホークマンが喋る。
どういうことだ?
ゆうぼうはこっちに居ないのだろうか。
「こっちの様子が気になってな。」
出来る限りそっけなく答える。
「炎が上がっていたようですが。」
今度はガーゴイルだ。
「くだらん屑がまとわりついてきてな。草のモンスターだ。燃やしてやった。」
「そうですか。それは災難でして。」
ホークマンが笑顔もなく答える。
「あとどのくらいで壊せそうなんだ?」
これは僕だ。
「あと一時間というところです。」
ガーゴイルが飛び上がりながら答える。どうやら予想よりも疑われては無いらしい。
しかし・・・一時間・・・。このままでははぐメタが来るとほぼ同時に堤防が壊されてしまう。
奴らのところに行って時間を稼ぐしかない。
「案内しろ。」
僕はそういって歩き出す。
「しかし、私は嬉しくて仕方ありません。やっとこの世界が壊れてくれるのです。」
ホークマンが初めて笑顔を見せる。
まるで何かに取り付かれたような、禍々しい笑顔だった。
目が歪んでいる。その瞳の置くには一体何があるのだろうか。
「これはまだまだ序曲だぞ。」
僕は適当に答える。何も答えないわけには行かない。
さしあたりのない答え、分からない質問への答え方、走ってる間にはぐメタと考えたものの一つだ。
「まったく。その通りです。あとは探し物が揃うのみです。」
「しかし、貴方様は意地が悪い。一部の者にしかその真価を教えてくれぬですから。」
ガーゴイルが残念そうな声で相槌を打つ。
「いずれおまえらにも教えてやるさ。」
僕はこの言葉を最後に極力喋らないようにした。
そろそろミスを犯しそうな気がしたからだ。
奴らの本拠地とも言うべき、堤防に着く。
そこにはホークマンとガーゴイルが先ほどの者も合わせて五匹ずつ。
アンクルホーンとサターンヘルムが一匹。
そして周りに指揮を出している者が僕に気づいた。
シュプリンガーが一匹だ。
今これほどのモンスターに襲われたら一溜まりもないだろう。
他の者は作業を続け、シュプリンガーが僕に話しかける。
「何か急変でも?」
どう答えるべきだろうか。
『様子を見に来た』では、作業が止まらない。
「一旦作業を止めろ。俺の宿敵が来るから必ず殺せ。」
これしかなかった・・・。
「ほう。そうですか。ホークマン達、少し遠くへ飛んで様子を見て来い。」
「アンクルとヘルムも見張りに行ってくれ。」
残念ながらガーゴイル達は作業を続けた。これには文句が言えない。
しかしこれなら時間が倍は掛かるはずだ。
シュプリンガーが話しかけてくる。
「しかし、そのくらいのことで来られるとは。貴方様らしくないですな。」
このボスも騙せているという事は僕のことは知られてなかったようだ。
この点がずっと不安だったが、もしかしたらメッサーラ達もスタスタとはぐメタしか居ないものだと思っていたのかもしれない。
「何かがしこりのように残ってな。奴は目の前で消しておきたいのさ。」
「貴方様でもそのようなことがあるのですね。」
シュプリンガーがニヤリと笑う。
「しかし、何故来ると分かったのですか。」
「見かけたんだ。その場で殺してもよかったんだが、どうせならここでやった方がいい。」
「何でも屋達ではダメだったということですか。」
「ああ。奴らも強かったが、絶対というものは無いのだろう。」
僕がここまで応答したとき、シュプリンガーの顔が一瞬固まった気がした。
「なぜ彼らのことを知っているのです?」
「私の独断で依頼したので、貴方様とは面識が無いはずなのですが。」
しまった!
そういうことだったんだ。メッサーラたちが僕を見て驚かなかったのは二人だと思ってたからじゃない!
ゆうぼうを知らなかったからなんだ。
「あっ、ああ。たまたま戦っているところを見かけたのだ。」
「不思議の森まで何の御用で?」
「いや、大河近くで戦ってたぞ。」
「失礼ですが、合言葉を確認します。山といえば?」
うっ、その手には乗らないっ。
「ふざけたことを言うな。そんなものはない。」
「ふむ。では、私の名前は?」
「・・・・・・!」
「答えられませんか、残念です。リンガーというのですよ。偽者君。」
そういうとシュプリンガーは何か粉の様なものを僕に振り掛けた。
僕はそれをすって意識を失ってしまった。
・・・・・・。
どれだけ経っただろうか。
僕は目が覚めた。しかし頭が痛い。
ああ!
僕は何か網の様な物に入れられて、堤防にぶら下げられて居る。
正確には網の上にロープが張ってあり、それをシュプリンガーが片手で持っていて僕を吊るし上げているのだ!
シュプリンガーは堤防のギリギリに立っており、片手は余裕で河の上に伸ばされている。
下は激流の河だ。
しかし堤防はまだ壊されていないようだ。
それどころか、誰も働いていない。
いや、それどころか、僕の周りにホークマンを除く全員がおぞましい顔をして立っているではないか。
僕は網から抜け出そうとするが、鋼で出来ているのか引きちぎれない。
そんな僕を見てリンガーが僕をロープごと振り回す。
「いつでも河に捨てれるぞ。まあ見ていろ。」
「さっきの粉は毒蛾の粉と毒草を調合したものだ。といっても作り方は教えてもらったものだがね。」
「分量で本能以外消してしまうことも出来るし、今のように意識を飛ばさせることも出来る。」
「もう一時間も寝ていたのだよ。」
「君と君の親友のために予定を変更してやった。」
「君は大〜切な、大〜切な人質だ。」
シュプリンガーがそう言ったかと思うと、遠くの方で火の手が二つ上がった。
「ふん。二体やられたか。」
更に二つの火の手が上がる。さっきよりもずっと近い。
「早い。皆油断するな。」
シュプリンガーが火の手を見ながら注意する。
・・・最悪だ。
僕は最悪な失敗をしてしまった。
唯一の救いは作業が後回しになったことくらいだ。
今はぐメタが来たら、絶対に殺される!
「来ちゃーーーダメだーーー!はぐメターーー!」
「彼が来なければ君が死ぬことになる。そして堤防は壊されることになるが、いいのかね?」
そうだ。僕の命だけならまだいい。
しかし堤防は譲れない・・・。
僕は悔しくて涙が出てしまった。
そして・・・とうとう、はぐメタがやって来てしまった。
「有能な部下を四人もやられるとは悔しいものだ。」
「しかし、その分のお返しは出来そうだよ。」
「そうだなー、君の友人の名誉のために言っておくと・・・悪い演技ではなかった。」
「少し、調査不足だったがね。」
「はぐメタァ、僕はいいからぁぁぁ!」
僕は泣きながらそう叫ぶ!
「ふふふ。動くな。少しでも抵抗すればこいつは激流に飲まれることになる。」
はぐメタがゆっくりと口を開く。
「分かってる。しかし、いくつか質問させてくれ。」
「何かね?答えれる範囲で答えてやろう。」
「何故、ここにゆうぼうが居ない?」
「それに、何故、東ではなく西なのだ。」
「ふふふ。囮の隠していたものが必ずしも本当の目的とは限らんのだよ。」
「メッサーラ達が囮ならば、我々もまた囮なのだ。」
「今頃、あのお方は探し物を手に入れてられる!」
「それこそが本当の目的!」
「二つの宝物。扉と鍵に例えるならば、鍵の方が手に入るのだ。」
「ついでにおまけもついてくるらしい。場所がやっと分かったのだよ。」
「君たちが一度近づいたにもかかわらず、逃げ出した場所だ。」
「ほら、もう一人の親友が『とてつもなく恐ろしいもの』に会っただろう。」
「あの時は危なかった。仲間の機転と呪文で隠し通すことが出来た。」
「当然もう手遅れだ。」
「ここを選んだのは、あそこからより遠いことが一つ。そして勘違いしてもらっては困るが上流で堤防が壊れれば下流にも影響が出る。ここでも十分東の集落が沈むのだ。」
はぐメタが悔しそうな顔でシュプリンガーを睨んでいる。
「もう一つ。何故、お前達はゆうぼうと組んでいる?」
「いや、何故あいつが他の者と組む?」
「私も初めてあの方に会った時は死を覚悟した。いや、以前の私は死んだも当然だった。」
「しかし、あの方の境遇は私と似ていた。あの方の闘う理由を聞いて、私は命乞いと懇願をしたのだ。」
「あのときの私の姿はなんと惨めだったことだろうな。しかし、その姿があの方の信と今の生きている実感を与えてくれた。」
「私はあの方の計画が成功するためにならば捨て駒になっても構わない。」
「ここに居る者達はそういう者を私が集めて組織化したのだ。」
「満足したかね?」
はぐメタがこっちを見る。
怒っているようには見えない。
それが逆に僕には辛かった。
「俺が死んだらあいつは見逃してくれるか?」
「あんな小物、いくらでも見逃してやるさ。その代わり楽には死ねんぞ。」
「やれぃ!」
シュプリンガーがあのおぞましい笑顔を見せる。ホークマンと同じあの顔だ。
いや、他のモンスターも同じ表情をしている!
「はぐメタ!ダメだ!逃げて!戦ってぇ!」
僕は必死に声を出したが、無意味だった。
はぐメタは僕が捕まっている限り動こうとはしないのだ。
はぐメタは敵に囲まれたまま無抵抗で殴られている。
僕はシュプリンガー懇願するように頼んだ。
「死ぬなら僕だ。僕を殺せ。頼む。僕を殺してくれ。」
「価値が全然違うな。認めんよ。」
「もちろん逃げようとしても無駄だ。この網は鋼で出来ている。並みの呪文では破けんのだ。」
「大人しく見ていろ!」
僕ははぐメタの方を見る。
はぐメタと目が合った。
こんな時だと言うのに笑顔で笑って見せた。
僕も・・・笑って見せないと。
だめだ。僕は笑えない。
最後まで足を引っ張ってばっかりだ。
何のためにここに来たんだ。
はぐメタを殺すためか。
はぐメタのように笑う資格なんか・・・無い。
そして僕は確信した。
僕のためにこんな大事な人を死なせてはいけない。
「リンガーーー!」
「はぐメタは人質なんか居なかったら、絶対にーーーぜぇったいにぃぃぃーーーお前らなんかには負けないんだからなーーー!!!」
「はぐメタァ!」
「・・・今までありがとう。」
シュプリンガーが険悪な表情をしてこっちを見る。
「止めろ!」
はぐメタがそう言った気がする。
だけど、あの人のことだ。
もしかしたら『やれ』と言ったのかもしれない。
今こそ・・・あの呪文を。
何度も失敗したあの呪文を。
もう失敗することの許されないあの呪文を!
「イオラ!」
大爆発と共にシュプリンガーや他のモンスター達が吹き飛ぶ。
無防備に当たったのだ。
そして僕は大爆発で彼らとは反対側に吹っ飛んだ。
そう。大河の方だ。
僕は網に掛かっている上に泳げない。
この河の辺りには知り合いも居ない。
僕は死ぬしか無いだろう。
はぐメタと目が合った。
僕は笑っていれただろうか?
ザパーン!
思ったよりも豪快な音で河に沈む。
その代わりなんとも平凡な音だ。
激流にもまれ、何度も岩にぶつかっていく。
そしていつしか・・・意識を失った。
FIN
今日はこれまでです。
キター!
…けど一瞬 FIN に驚いた…¥¥;
完結しちゃったと思ってビビったぞ。
そして
>>500ゲット保守〜♪
あと500(内感想や保守有り)の中で書ききれるのかなぁ…
誤爆した。
>>460じゃん。 ∧ || ∧ プラーソ
バブルスライムがあらわれた
463 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/03 19:44 ID:IdjD/fEQ
FINにまじびびった。
きれいに釣られちゃったよ〜ん♪
やっちまった・・・スマンコ orz
やりやがったな!!
オーノー
保守れ、保守るんだ。
↓ルカニ
↑マホカンタ
何もない。
何も感じない。
遥か彼方先まで真っ暗で一筋の光も無い。
これが死んだと言うことなのだろうか。
体は動いてくれず、心は凍るように冷たい。
思ってたよりも僕の気持ちは怖いと告げてないみたいだ。
いや、何か聞こえた気がする。
まるでお祭りで騒いでいるかのよう・・・。
遠くで、遥か遠くで何かが聞こえる。
少しずつ声が近づいてくる。
人間の声だろうか。
いや、声だけでは無い。
耳を澄ませば河のせせらぎが聞こえる。
このまま眠り続けたい・・・。
しかし、少しだけ目が開く。
眩しい。
どうやら昼のようだ。
僕は一度目を閉じた。
深呼吸して再び目を開けた。
体がすごく痛い。
まるで動かない。
少しずつ、少しずつ体を回す。
どうやら、生き延びたようだ。
付近には河があるが、見たことのない景色だ。
頭が痛い。どうしてもぼーっとしてしまう。
大分流されたのだろうか。上流を先まで見てみても何も見当たらない。
流された・・・何で流されたんだっけ・・・。
そうだ!
こんな所でじっとしている時間なんてない!
早く戻らなくては!
しかし気持ちとは裏腹に体はゆっくりにしか動かない。
どうやら、体中をぶつけ続け、瀕死の怪我を負ってしまったようだ。
僕はまず河に近づいて水を飲んだ。
一瞬近づくのが怖かったが気にしなかった。
喉が酷く渇いていたのだ。
溺れていたんだから水は随分と飲んだはずなのに・・・全くおかしな話だ。
水を飲んで気を落ち着かせると何かが喋りながら近づいてきていることに気づいた。
どうやら人間達のようだ。
付近には大きな森があり、そっちの方から聞こえてくる。
きっとこの騒がしい声で目が覚めたに違いない。
声がどんどん大きくなっていく。
走っているのだろうか。
一瞬感謝の気持ちが出来たけど、今人間と出会っていいことは無いだろう。
僕は少しずつ動いて声から離れようと勤めた。
声から離れるように森に入っていく。
森に入っていくのは危険だ。
人間ともモンスターとも今の状態で戦闘になったら勝ち目が無い。
しかし、もしかしたらスライム族のモンスターに会えれば助けてもらえるかもしれない。
人間が近づいてくる以上ここに居るわけには行かない。
五分は経った。
距離から見て人間達が河に着いた頃だろう。
きっとそこで小休憩するに違いない。
しかし、僕の考えは外れたようで、人間達は再び森に入ったようだ。
それどころか僕の方に向かって走ってくる。
まずい。
しかし僕は走るわけには行かない。
いや、走ることが出来ないのだ。
目が覚めたときに比べて体が動くようになったが、それでも一歩ずつ何とか歩いているという感じだ。
人間達が走ってくる。
こうなったら、隠れるしかない。
僕は近くの大きな木の裏に隠れた。
人間達が来た。
一人だけ目立った格好をしており、他は近くの村の村人と言った様子だ。
青い帽子に青い服。剣士風の男で中々の美形だ。帽子の下には金髪が覗いている。
これは勘だが、キザで意地悪な気がする。
村人達が周りを探している。
剣士が化け物退治を依頼されて討伐をしに来たという所だろうか。
会話から、「何処に行った」「バトルレックス」という単語が聞こえる。
ここにはモンスターがいないと確信したのか、集まって走ろうとしている。
しかし青い剣士が他の者を止めている。
何か居たのだろうか?
「そこに隠れているモンスターよ。出て来い。」
僕の方を見てそんな台詞を吐きつけた。
片方の手で剣を抜き、片方の手で髪を撫でている。
「フン・・・このオレ位の実力者になれば、モンスターの気配などすぐに分かるんだ!」
「出てこないのであればこっちから行くぞ・・・。」
キザな顔が意地悪そうに笑っている。
話が通じるかは分からないが、出てみるしかない。
僕は人間の言葉は話せないから、相手がモンスターと話せることを祈るしかない。
「こんにちは・・・。君たちに危害は加えないよ。」
しかし僕の姿見てその男が舌なめずりしたのを見逃さなかった。
「はっはっはっ。まさかこんなところではぐれメタルに出会えるとは!」
「危害を加えないだと〜。俺はこう見えても魔物使いをやってた経験があるんだ。」
「お前の目は邪悪な魔物そのものだ!」
「人間に害を加えないはずがないだろう!」
ダメだ。珍しく話の出来る人間のようだが、話の通じる人間ではないようだ。
しかし何て失礼な奴だ。
クールな気がしたが、もしかしたら喋り出したら止まらないタイプかもしれない。
それでも・・・聞きたいことがある。
「はぐれメタルって何かわかりますか?」
聞いてしまった。
本能が逃げろと言っているのだが、今を逃したら知る機会が無くなるかもしれない。
「はっはっはっ。お前はバカか?」
「お前の様なメタルスライム崩れをそう呼ぶんだよ!」
「まあいい。教えてやろう。」
「はぐれメタルとはメタルスラムの突然変異によって出来たモンスターだ。」
「あらゆるモンスターに忌み嫌われ、その倒し辛さから多くの人間の練習相手に使われる、孤独なモンスターさ。」
「モンスターには一緒に居ると不吉になると信じられている。ドロドロで気持ち悪い上に、実際に人間に四六時中追われるんだ。一緒に居るものは辛くて溜まらないだろうな。」
「さっき・・・倒し辛いと言ったが、大抵は弱いからな。人間には御馳走と変わらん。」
「いっつも群れずに生きている。群れる仲間すら作れないんだよ。」
「なんと言っても『はぐれているメタルスライム』だからな。」
「フン・・・いやいや、案外嫌われてるのは性格が悪いからかもしれないなー。」
「世界中の生き物がお前を嫌ってるんだ。わかるか?」
「お前は生きてる価値のないモンスターなんだよ!」
「母親がそう教えてくれなかったか?」
「いや、嫌われすぎて母親にも捨てられたか?」
僕は何だか分からないが、聞いてはいけないことを聞いてしまった気がした。
めまいがする。
世界が音を立てて崩れていく・・・。
「くず鉄が。お礼も言えないか。」
「まあいい。どうせ死んでも悲しんでくれる者も居ないんだろう?」
「どうした・・・震えているぞ。邪悪な目がますます邪悪になっている。はっはっはっ!」
「お前を倒せば・・・オレは更に強くなれる。」
そう言い放つと剣士はこっちに向かってゆっくり歩いてくる。
「イオラ!」
僕はそう唱えると後ろに走り出した。
体が軋みをあげるが、もう構っていられなかった。
後ろで村人達の叫び声が聞こえる。
剣士はともかく、村人は遠くに居たから大した被害は無かったはずだ。
僕は自然と涙が出てきた。
僕は・・・僕達は嫌われ者だったのだろうか。
剣士のヒステリックな喚き声が聞こえる。
探せと指示を出している。
あんな奴に・・・殺されて溜まるか。
・・・胸が痛い。
涙。
あんな奴の言ってることなんて嘘に決まってる!
はぐメタだ・・・はぐメタに確かめよう。
そういや、はぐメタは無事なのか?
スタスタは?
あの二人が死んだら孤独になってしまう。
独り・・・考えたくも無い。
故郷のメタルスライムたちの意地悪な笑顔が頭によぎる。
あんなところ・・・二度と戻って溜まるか。
どんどん胸の鼓動が大きくなる。
体と頭の痛みが止まらない。
もうダメだ。
何も考えることが出来ない。
僕は目の前が真っ暗になった。
今日は中途半端ですが、ここまでです。
キター!
頑張ってください!
保守保守♪
↓ドラゴラム
↑アストロン
>>はぐりん
毎度お疲れ様でっす
超乙
↓パルプンテ
巨人に殴られた。 ↑黒い霧
まだかな〜。
↓ザメハ
寝てねーよヽ(`Д´)ノウワァン!!
↑
ラリホーマ
↓
│ PASSさ……
│ ≡ ('('('('A` )
│≡ 〜( ( ( ( 〜)
│ ≡ ノノノノ ノ
↓
│Д゚)ソォー。○(そろそろ誰か掛かってるだろうニヤニヤ)
│Д゚;)!
>>486 │_-)zZZ
そろそろ保守
僕ははっと目を覚ました。
こんなところで寝ていてはいけないと思ったのだ!
あの剣士にやられてしまう。
しかし目の前はもう既に森の中ではなかった。
寝ボケているのだろうか。
倒れてから五分も経っていないはずだ。
目を瞑り大きく息を吸って吐く。
寝ぼけているならばこれで意思がしっかりするはずだ。
しかし目の前はやはり森の中ではなかった。
木製の小屋の一室と言うところだろうか。
床には干し草が敷き詰められており、気持ちがいい。
体は大分回復したのだろうか、随分軽い。
よく自分の体を見ると包帯が巻かれている。
誰かが助けてくれたのだろうか。
まさかあの剣士が僕を助けるとは思えない。
自分の状況が分からず悩んでいると部屋のドアがギィーと開いた。
やって来たのは小さな少女だ。
手には包帯と薬を持っている。
僕の方を見て驚いたようなホッとした様な顔をしている。
「あっ、起きたんだ。ケガは大丈夫?」
少女は少し不安そうに僕に話しかけた。
しかし何故、こんな小さな子が僕の怪我を見ているのだろうか。
僕の知り合いに居ないことは確かなのだけど。
「助けてくださったんですね。ありがとうございます。」
僕はとりあえずお礼を言った。
もしこの子が助けてくれてなかったら今頃どうなっていたか分からない。
「お礼を言ってくれたの・・・かな。ごめんね。私、君たちの言葉少ししか分からないんだ。」
「スラりん、スーラ!目が覚めたよー!」
少女がそういうと二体のスライムが部屋に詰め込んできた。
一体は青い元気そうなスライム。はたまたもう一体は赤い、これまた元気そうなスライムベス。
スラりんと呼ばれたスライムが声を掛けてくる。
「やあ!目が覚めたかい。僕は悪いスライムじゃないよ!」
「ぼっ僕も悪いスライムじゃないよ!」
僕は釣られて繰り返してしまった。
「そうか。それならよかったよ。そうじゃなかったらこの家から追い払わなくちゃならないところだった!」
スラりんはそう言うとピキー!!と鳴き声を出した。
人間の少女が笑っている。
「森を倒れているところを私達が見つけたの。酷い怪我だから助からないじゃないかと思ったわ。」
スーラと呼ばれたスライムベスが代わりに話しかけてくる。
「彼女は人間の子供だけど、親子揃ってモンスターに優しいの。私達友達なんだ。彼女に感謝してね。」
「貴方が悪さをしないなら、傷が言えるまでここで休ませてもらうといいわよ。お礼は・・・そうね、彼女と遊んであげること。この村は人口が少ないから人間の子供が彼女しか居ないのよ。」
スーラはそう言うとくるっと回って見せた。
人間の少女もまねてくるっと回って見せる。
「うん!僕、悪さしないよ。助けてくれてありがとう。彼女に僕がお礼を言っていたって伝えてもらえないかな。」
僕は改めてお礼を言った。
「いいわよ。それと無理はしちゃだめよ。」
「まだ傷も癒えてないし・・・三日間も寝ていたんだから。」
「三日間も!」
僕つい驚いて大声を出してしまった。
人間の少女がびくっとして一歩後ずざる。
スラりんが人間の少女に話しかけている。
どうやら、彼女に分かる言葉で僕の安全性を伝えてくれているらしい。
僕はてっきり五分ほどしか気を失っていないと思ってた。
それどころか、三日間も眠っていたなんて!
川に流されてからどれくらい経っているんだろうか。
彼女たちに会えたのは幸運だ。
覚悟して聞かなくっちゃいけない。
「最近、この辺りで洪水なんてありませんでしたか?」
スラりんとスーラの顔が暗くなる。
僕は嫌な予感がしてきた。
「六日前の夕方だったかしら。この辺り、いえ遥か上流の方から全てのモンスターが山の方に避難を始めたの。」
「見たこともない大軍勢だったわ。村のお年寄りなんか、それを見て魔王の再来だってお祈りまで始めちゃって・・・。」
「そしてこの村にも一匹のモンスターが使いに来たの。プチファイターだった。プチット族はこの辺じゃ精霊の使いと言われてたから、人間たちも素直に忠告を聞いたわ。」
「洪水が起こるかもしれないからすぐに逃げてくれって。」
スーラが息継ぎをする。ところが続きはスラりんが話し始めた。
「僕たちも高い所に素直に逃げ出したんだ。」
「そしてその日の間は何も起こらなかった。」
「でも・・・次の日の朝だった。大きな洪水が起きて多くの魔物の住処や森、人間の村々が河の水に襲われたんだ。」
「この村は大丈夫だったんだけど、上流の方の村は家が軒並み壊されて、田畑も荒れてしまったんだって。」
「この家のお父さんも遠くの村の再興工事を手伝いに行ったんだ。」
「不幸中の幸いは忠告が有ったおかげでも死者が少なかったことかな。」
「それでも人間が100人は行方不明らしい。モンスターも含めたら一体どれだけの生き物が・・・」
僕はそれを聞いてガクッと肩が落ちたのが分かった。
僕達の抵抗が失敗して、その上多大な被害が起きてしまったからだ。
いや・・・そうじゃない。
洪水が起きたと言うことは・・・一人抵抗を続けた一匹のスライムが・・・。
僕はそこから頭が回らなくなった。
考えるのを何かが止めさせようとしているかのようだった。
スラりんがまだ何か言っているがうまく聞こえない。
どうやら、どれだけの被害があったか教えてくれているらしい。
僕の様子がおかしいのにスーラが気づいたようだ。
食事はいつでもしていいからゆっくり休んでねとのことらしい。
人間の少女が僕の包帯を変えてくれている。
何か言ってくれたが、分からない。励ましてくれた気がする。
僕は何をすればいいのか分からなくなった。
・・・とりあえず目を閉じることにした。
真っ暗だ。目の前も夢の中さえも。
・・・夜になったのだろうか。
僕はお腹が空いて目が覚めた。
そういえば六日間も何も食べていないのだった。
僕は何か夢を見たのだろうか。
しっかりとは思い出せないが、はぐメタやスタスタに会った気がする。
僕は部屋を出た。
少女の笑い声がする。
食べ物のいい匂いも・・・。
僕は彼女たちのところへ行って再三お礼をいい、久しぶりの食事にありついた。
野菜のスープは傷ついた体を癒してくれた。
人間の少女とも、スラりんとも、スーラとも仲良く話せた。
彼女達との会話は僕の心を少しだけ癒してくれた。
そういえば、僕はこんなに人間とモンスターが仲良くしているところなんて見たことが無かった。
人間なんて例の剣士や何時ぞやのバブすけの天敵みたいな奴らばかりなんだと思っていた。
それどころか『嫌われ者』の僕とすら明るく接してくれている。
全ての人間とモンスターがこんなに仲良く過ごせたら、争いなんてなくなってしまうかもしれない。
僕も・・・ここに住ませて貰おうかな・・・。
親愛なる友が居なければあの敵たちには勝ち目が無いし・・・僕が『嫌われ者』である以上旅の先も暗い・・・。
その日は少女が休んだ後もスラりんやスーラと話し続けた。
洪水の他にもこの村には災難があったらしい。
本来はこの辺りには生息していない凶暴なモンスターが森に住み着いてしまったそうだ。
バトルレックスという大斧を振り回す竜族だ。
僕の会った青い剣士は雇われた討伐屋さんで、二人も嫌な奴だと息巻いている。
しかしこのバトルレックス、巨体の割には素早いのか、同時刻に別々の遭遇報告上がっているという。
そしてこの家の母親は病気らしい。
液状の薬が有ったらしいが、誤って落としてしまったそうだ。
いつもは父親が薬のもとの薬草を森に摘みに行っているが今は居ない。
父親に関わらず村の男はほとんどが再興のボランティアに行っている。
残ったやや年寄りの男達も剣士に付き添って森の中に入ってしまっているとのこと。
仕方なく、少女とスラりんたちが森に摘みに行ったらしい、その途中で僕を拾ったらしい。
スーラはバトルレックスが討伐されるまでは森に行くべきじゃないというが、明日にもまた薬が切れてしまうらしい。
再び森に行くとのことなので僕も連れて行ってもらうことにした。
僕がここに住みたいといったら、畑仕事を手伝えるなら歓迎すると言われた。
夜遅くになって僕は部屋に戻って干し草の上に寝転がった。
本当にここに居ついちゃおうか。
どうせ世界が滅びるのならば最後は幸せに過ごすのもいいかもしれない。
「起きろー。ご飯よ。ご飯ご飯。」
朝になって食事だとスーラに起こされる。
実は昨日食べた分だけでは足りなかったので、急いでテーブルに向かった。
少女やスラりんに会っておはようを告げる。
こんなに楽しい気分で食事をしたのは久しぶりだ。
森に行くためにみんなで準備をする。
僕たちスライムもスライム型のカゴを背負う。
三日前には思いつかなかったのだが、スラりんの提案で少女が作ったのだそうだ。
これならたくさんの薬草を持ち帰ることが出来るだろう。
僕達は家を出た。
太陽がまぶしく暖かい。
二十三・・・プラス・・・六・・・プラス・・・一・・・。
今日で三十日目。
久しく数えてなかった日にちを数える。
旅に出て一月で幸せな場所に辿り着けたのかもしれない。
太陽が祝福してくれている。
森に入った。
キャタピラーやおばけありくい、キラービーと数回出会ったが僕らの相手ではなかった。
スラりんがスクルトを唱えて少女の前に立ち、僕が呪文で、スーラが体当たりで戦った。
驚くべきはスラりんの魔法よりも、スーラの体当たりだった。
恐るべき怪力で巨体のおばけありくいをやすやすと吹き飛ばしてしまったのだ。
彼女とケンカをしてはいけないだろうと心に刻みこんだ。
そうやって歩き渡り薬草を探してはカゴの中に放り込む。
時には少女と遊び、スラりん達と笑いあう。
しかし、そうこうしている間に一人の人物と出会ってしまった。
例の青い剣士だ。
森の地形をもう覚えたのだろうか、村人が周りに居ない。
僕を見て何とも嬉しそうな顔をする。
まるで長年追いかけた宿敵に出会ったかのような笑顔だ。
「『嫌われ者』のはぐれメタルがこんな所で何をしている!」
それを聞いてスラりんがきょっとした顔で僕を見る。
知られてしまった!
「おっと、失礼!はっはっはっ。知られていなかったのか。」
「よく覚えておくといい。この気持ちの悪いメタルスライム崩れがはぐれメタルというモンスターだ!」
「はっはっはっ。そこのお嬢ちゃん、今この森は危険ですよ。」
「入ってはいけないと言われているでしょう。」
「このモンスターはオレが倒しておくから森から出て行きなさい。」
そういうと剣士は剣を抜いて一直線に切りかかってきた。
嫌味な口とは裏腹に鋭く正確な剣筋だ!
僕はそれをかわして間合いを取る。
スラりん達はどうしたらいいのか迷っているようだ。
僕もどうすればいいのか分からない。
この憎い剣士を倒してしまえば村に居ることは不可能だろう。
しかし、もう知られてしまったのだ。
その恨みは晴らしておくべきだろうか。
何度か剣をかわす内にとうとう剣士の一撃が当たってしまう。
しかし、どうも剣が良くないのか、ほとんど痛くない。
僕のぽかーんとした顔を見て剣士が舌打ちする。
「やはり、このなまくら刀ではだめか。はがねの剣といえど使い続ければ痛んでしまう。」
そう言ったかと思うと剣士は剣を鞘にしまった。
剣士は良く見るともう一本の剣を持っている。
そっちを使うつもりだろうか。
そうかと思いきや、なんと道具袋に手を突っ込んだではないだろうか。
何を取り出すつもりだろう。
出てきたのはなんとはがねの牙だ。
それを剣士は口にくわえてしまう。
「お前に新品の剣などもったいない。こいつで十分だ。」
「じわじわと噛み砕いてやるぜ!」
牙を口に挟んだ剣士なんて聞いたことがない!
しかし、腐っても新品のはがねの牙。
以前ドラゴンマッドに噛まれた事があるが、あのくらいの痛みは覚悟した方がいいだろう。
剣士の両手をかわし、後ろを振り向く。
倒すべきか、否か。
突然少女の悲鳴が聞こえる。
僕はそっちに顔を向けてしまい、両手に捕まってしまった。
そして僕が見た先には・・・なんとも巨大な竜の姿!
両手で大きな斧を持っている!
少女の前によだれをたらして立ちふさがって居る。
そして巨大な咆哮!
剣士が噛み付いてくる!
痛い!
だが、それどころではない!
「離れるんだ!みんな!」
スラりんが少女を連れて離れる。
バトルレックスが追いかけようとする!
「イオラ!」
僕は間一髪でバトルレックスに呪文を当てることが出来た。
剣士が僕を地面に叩きつけて牙を口からはずす。
そして余興は終わりだと言わんばかりに新品の剣を抜いた。
僕は三人に逃げるように言ってバトルレックスの前に立ちふさがった。
三人は走って駆けて行く。
「二匹まとめて退治してやる!」
「まずはでっかい方からだ。お前はその後切り刻んでやるからまっていろ!手出しは無用だ!」
「わからずや!」
僕は大声で怒鳴った。
剣士がバトルレックスに切りかかる。
バトルレックスが僕に大斧を振り下ろす。
僕はそれをかわす。
攻撃の対象を変え、戦いが続く。
三つ巴になってしまったか・・・そう思ったときに又もや戦いが中断された。
遠くから少女の悲鳴が聞こえたからだ!
そして遠くでも又もや巨大な咆哮!
剣士が冷静な顔でつぶやく。
「フン・・・やはり二匹いたか。報告を聞いたときからそう思っていた。」
「少女を見殺しにするのは体裁が悪いな。」
剣士はそういうと声の聞こえた方に走り出した。
しかしそれをバトルレックスの尾が捕まえてしまう!
「フン!時間さえあればお前など!」
セリフとは逆に剣士の顔が冷や汗にまみれている。
少女が危ないと予見しているんだろう。
「僕が行く!」
僕はそう言い放った!
許されなくても無視していくつもりだった。
しかし剣士の言葉は予想とは違っていた。
「・・・ひっこんでいろ。といいたいところだが、どこぞの『嫌われ者』は足が速いらしい。」
「さっきお前は俺から逃げることよりも、少女を救うことを優先した。」
「その点だけは信用してやる。」
剣士は持っている剣でバトルレックスの尾を切り裂き始めた。
「俺が行くまででいい。持ちこたえて見せろ!」
僕はその言葉を聞いた瞬間に走り出した。
あんないい人たちを、モンスターと人間の親しい大切な関係を奪われて溜まるか!
少女の元についたときには、スラりんはボロボロで、スーラが必死に二人の前で戦っていた!
少女は泣いてしまっている!
あんなに優しい子供を!
僕は威勢良くイオラをバトルレックスにぶち当てた!
バトルレックスがよろけながらも大斧を振り回す!
僕は少女の前で身を固めた!
二度切られたが、敵は時機に転んでしまった。
スーラがバトルレックスの片足に体当たりを食らわせたのだ。
スラりんがボロボロの体でスクルトを唱える。
きっとさっきから唱え続けているのだろう。
バトルレックスの大斧はたいした威力だったので二発でも堪えてしまったが、まだまだ戦える。
さらにイオラを当てる!
スーラには下がって少女を守ってもらう。
スラりんがさらにスクルトを!
バトルレックスが起き上がって大斧を振り下ろしたが、もはや痛くはない。
しかし安心したのも束の間、バトルレックスが息を吸い込む。
この位置での息攻撃は危険だ!
少女に当たってしまう!
しかし僕が攻撃するよりも早く、スラりんがメダパニを唱える!
混乱呪文だ。
バトルレックスは見事に混乱して踊りだしてしまった。
炎は曲芸のように天に向かって吐き出している!
僕はイオラをさらに数発唱える!
バトルレックスはとうとう伸びてしまった。
僕達は肩を抱き合って喜んだ。
少女が泣き止むように三人で笑いかける。
しかしスラりんはボロボロなので痛いしかった。
少女はこんなときに笑って居られなかったのだろうが、流石に賢い。
泣き止んでにっこり笑ってお礼を言ってくれた。
スラりんが言う。
「さっきは驚いた顔をしてごめんね。はぐりんが何であろうと、はぐりんははぐりんだよ。」
「ありがとう。ゆるしてくれるかい?」
僕は当然だと答えた。
しばらくすると幾らか傷ついた剣士がやってきた。
美形な顔にも残念ながら血がついている。
バトルレックスの血を被ったのかもしれない。
「はっはっはっ。完璧にマスターしたぜ。ドラゴン切り。」
「次はメタル切りでもマスターするかな?」
少女が嫌な顔をして剣士を眺める。
「冗談さ。小さなお嬢ちゃんを泣かせるほど俺はバカじゃない。」
「それと・・・はぐれメタル、お前は思っていたよりもずっといいモンスターだった。」
「こんなことは言いたくないが・・・俺に見る目が無かった。許せ。」
「余計なお世話かもしれないが、一言いっておくよ。」
「残念ながらお前が忌み嫌われているというのは事実だ。その辛さに耐えられないようならここに永住しちまった方がいい。」
そう言うと、剣士はもう一体のバトルレックスに止めを刺し、去って行った。
僕たちは再び薬草を摘んで家に帰った。
家に帰ったらスラりんの手当てをして、少女の薬作りと食事作りを手伝った。
またおいしいごはんだった。
また居心地の良い会話をした。
でも僕は・・・明日になったらここを出ることを告げた。
今日の出来事が僕に一つの決心をくれたからだ。
僕は今日、みんなに死んで欲しくなかったから必死だった。
その死んで欲しくないって気持ちは飾りっけのない素直な気持ちだった。
あいつらを・・・ゆうぼうを放って置いたらいずれここも襲われてしまうかもしれない。
現に被害が無かったけれど洪水は起きてしまった。
このままではみんな死んでしまう。
そう思うと、不思議と今まで出会った大切な仲間の顔が次々と浮かび上がった。
スタスタはきっと僕を信じて待っていてくれている。
はぐメタだって死んだとは限らない。
例え悲しい結果が待っていようとも、僕一人でも抵抗してやる。
そう決心した。
僕はここに来れて本当に良かった。
旅先ではいつもそう思うんだけどね・・・。
眠った。
次の日になった。
三十一日目の朝だ。
川に流されてから既に一週間が過ぎている。
家を出る僕に少女が何かをくれた。
スーラが言うには彼女の宝物だそうだ。
丸い水晶の様な石。それに紐を通して作ったネックレス。
ちょっと僕には大きいがそれを首に掛けた。
怪我をおしてスラりんが声を掛けてくれる。
「また来るんだよ!」
そしてピキーという鳴き声。
僕も真似てみた。キュルっと言う鳴き声になっちゃったけど。
スーラが笑ってさよならを言った。
「短い間だったけど楽しかった。」
そしてぐるっと回って見せる。
僕も真似てみた。回るのはちゃんとできたみたいだ。
少女が泣きながら手を振って見送ってくれた。
僕はこんなにいい人間が居るとは思って居なかった。
つい涙がこぼれてしまった。
「さようなら!」
僕はそういって走り出した。
僕は何度か後ろを振り向いた。
とうとう彼女たちも見えなくなった。
今日はここまでです。
最近時間が空いて長文投下という形になってきてるので、次からは短めの間隔で短文投下になるかもしれません。
どっちの方がいいのだろうか。
結局自分の都合で不定期的に書くことには代わりないのですが。
俺は時間が空いて長文のほうが好き
だけど作者さんの好きにしていいと思いますよ
青い剣士がテリーにしか見えません。
牙を口になんて挟むから(w
俺もテリ(ryにしか見えない
むしろテリ(ryだろw
キタっ!
むしろ、いつの間にか更新されるから、どうかな〜とのぞいてみたらキター!
って流れがいい。
スレッドランキングも、結構時間空いて長文だから下のほうだし。
とにかく乙カレー!
↓凍てつく波動保守
どちらでもいい。書いてさえくれるなら。
しかしいい話やなあ。
でら乙
いい感じ〜
ほす
めぐれハタルの冒険
保守保守。
↓疾風突き
↑疾風好き
同時にやったらどうなるんだ?
517 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/25 00:31:18 ID:5T87smR9
ほするか
三十二日目。
昨日はずっと上流の方に向かって歩いた。
つまり西の方へ向かったのだ。
夜には野宿をした。周りにモンスターの住処がなかったから野宿するしかなかったのだ。
地面が所々濡れていて、洪水の影響がこの辺りまであったということを示していた。
そろそろどこかモンスターの住処を訪ねてみたい。
洪水の被害が実際どれだけあったのかを知りたいのと、自分の正確な位置、迷いの森の正確な位置を聞きたいからだ。
幸か不幸か歩いていもモンスターに出会わない。
もしかしたら住処の復興で忙しいのかもしれない。
一時間ほど歩いたところで、北に向かうことにする。
河の上流の先の方を見渡しても住処らしきものが見えないからだ。
迷いの森も北の方にあることだし悪い選択ではないはずだ。
案の定三十分ほど歩いたら、大きな森が見つかった。
迷いの森よりもでかい。
ここならモンスターが居るだろう。友好的なモンスターが居てくれれば助かる。
友好的なスライムならばなお大歓迎だ!
・・・自分は歓迎される方だけどね。
歓迎してもらえるといいなあ。
森の中へ歩いていく。
地面が濡れていて泥の様になっている。
少し進みづらいが動きが取れないと言うほどでもない。
よく周りを見渡せば木々の中には倒れている物もある。
更に歩いていく。
葉もいくらか散っているようであたりは明るい。
大きな広場に出た。
やった!モンスターたちが居る!それも溢れるほどにだ!
モンスターたちが協力して倒れた木を運んでいるみたいだ。
赤いホイミスライムの様なモンスター。ベホマスライムだろうか。
メタルスライムの様なモンスターも遠くに一匹居る。
スライムに乗った剣を携えた騎士。スライムナイトが二匹。
青色や赤色のスライムたち。
バブルスライムまで。
パタパタ飛んでいるのははねスライムだろう。
一部熱気が漂っているのはマグマスライムが居るからだろうか。
スライムが多い!
しかしスライムだけではない。
軍隊ありやオーク、グレムリンが多く働いている。
近くに居るはねスライムに話を聞いてみる。
「復興作業中ですか。」
「ええっ。パタパタ。木も家も随分と流されてしまいましたから。パタパタ。」
「ここはまだいい方ですよ。パタパタ。オークさんやグレムリンさんなんかはもう住処自体が流されてしまって復興しようがないらしいんです。パタパタ。」
「ここに住めばよいと皆言っているんですがね。パタパタ。本来はここはスライム族しか居なかったんです。パタパタ。」
「ここは元々大陸一大きな住処でしたから、洪水以前も何らかの理由でここに来る人は多いんです。パタパタ。幸か不幸か皆慣れているんですよ。パタパタ。」
「貴方も住処を失った口ですか。パタパタ。」
はねスライムが小さな石を運びながら飛んでいるので、横を歩きながら応答する。
「失ったというよりは旅の者というところです。」
「迷いの森というところを探していて・・・。」
「迷いの森ですか。ここから二日ほど西に歩けばつくでしょう。パタパタ。メタルスライム族の方ならば一日も掛からないかもしれませんね。パタパタ。」
「目指す所があると言うことはいいことですよ。パタパタ。向こうのスライムナイトさんたちは帰る所もなくって。パタパタ。」
「旅の方は分からないか知れませんが、このところ物騒なんですよ。パタパタ。連絡の取れなくなった住処がいくつかありまして。パタパタ。彼らの住処の古城はここから四日ほど西に歩いたところにあるのですが、なんでも二人を除いて全滅したそうですよ。パタパタ。」
「そうなんですか。そういえば少し聞いたことがありました。」
「色々と詳しく教えてくださってありがとうございます。」
僕はぺこりと頭を下げた。
「まあ、一連の物騒な事件についてはスライムナイトさんたちに聞いた方がいい情報が得られると思います。パタパタ。」
はねスライムは僕に羽を振ってスライムナイトの方を指し、石を探して飛んでいってしまった。
指して貰った先の方を見る。スライムナイトが二人、朽木を運んでいる。
じっと見ていると二人のうち一人もこっちを向く。
気が付いたようだ。彼と目が合う。
スライムナイトは何だか信じられないといった顔をする。
どうしたというのだろうか。
スライムナイトが一直線に走ってくる。
もう一人のスライムナイトが急に手を離されて木を持ったままよろよろと倒れこんでしまった。
「アーサー!」
走ってくるスライムナイトが相方の方に手招きをする。
その相方さんの方はオークとメタルスライムに救出してもらっている途中だ。
うーん。そんなに急いで駆け付けてくれるなんて♪
スライムナイトの知り合いは居ないはずなんだけど。
そうこう思っているうちにスライムナイトが近くにやってきた。
基本はまずは挨拶だ。
「こんにちは!」
僕はしっかりと挨拶をした。
二重丸をもらえるくらいの挨拶だ。
「よくもぬけぬけとっ!」
うう!
スライムナイトは剣を抜いたかと思ったら思いっきり切りかかってきたのだ!
あっ挨拶はーーー!?
僕は一歩下がって何故こんなことをするのかと質問する。
「我々にあれだけのことをして、良くもそんなことを言えたものだ!」
以前こんなことが会った気がする・・・。
「人違いじゃありませんか?」
「問答無用!」
「うりゃ!」
スライムナイトはスライムをクッションにして空高く舞い上がった。
そのままの勢いで切りつけて来る!
逃げようとした僕に下のスライムが抱きついてくる。
「そりゃ!」
スライムナイトはスライムに着地!
それと同時に僕に切りつけた!
痛い!
侮れない切れ味だ。
しかし完全に誤解されているに違いない!
二回目だからすぐに分かる。
「話を聞いてください!」
「話を聞いてくれないと僕も攻撃しなくっちゃならなくなる!」
しかしスライムナイトは僕の話を全然聞こうとしない。
周りに何があったのかとモンスターたちが集まってくる。
スライムナイトの手が光っている!
「イオラ!」
しかしそのイオラは僕に向けられたものではなく、地面に向けられた物だった。
泥がはじけて僕に覆いかぶさる。
「お前に呪文が聞かないのは知っている。」
そういって泥をぬぐっている僕に激しく切りつけて来た。
僕は何度か切られながらもスライムナイトの間合いから逃げ出した。
「止めてくれ!きっとゆうぼうって奴と間違えているんだよ!」
僕は誤解を解くのにがんばるしかなかった。
もし攻撃を加えたら信じてもらえる物も信じてもらえなくなるからだ。
「名前など知らん!顔だけで十分だ!」
スライムナイトが再三切りかかってくる!
しかし、火の玉が間に入りスライムナイトの動きが止まった!
僕が唱えた物でもなければスライムナイトの唱えた物でもない。
火の玉の放たれた方向を見ると一匹のメタルスライムが立っていた。
「以前聞いた。えっと、その・・・ピエール君の話だけど、きっと犯人は僕の住処を壊した奴と同じなんだと思うけど。へへへ。」
「そいつではないと思うよ。うん。」
「似ているけど違う。」
「あいつが相手ならばきっと今頃は君が黒焦げだよ。」
「僕はあいつに詳しいーんだ。へへへ。」
「演技かもしれない!」
ピエールと呼ばれたスライムナイトが言い返す。
「あいつは演技なんてしないよー。必要があればするかもしれないけど、ここでは必要ないよ。」
「君の古城のスライムナイトを悉く殺した化け物なんだよ。必要が無いじゃないか。」
「それに一人で乗り込んできたのではなかったんだろう。」
僕もチャンスだとばかりに口を出す。
「僕は君の住処を襲ったモンスターじゃないよ。」
「僕はしばらく前まで仲間と行動を共にしていたし、数日前は東の住処に居た。君の仇の仲間と戦ったこともあるんだ。迷いの森まで来てくれればきっとプチット族が証明してくれる。」
僕が喋っていると、もう一体のスライムナイトが遅れてやってきた。
「ああ。ひどいよ、ピエール。」
「僕の美しい顔に傷が付くところだったじゃないか。オーク君が助けてくれなかったら、今頃君世界中の僕のファンが泣いているところだったぞ。」
「むむっ!そこにいるのは我らが仇か!?」
「ふっ。(髪を書き上げる描写・・・ただし兜か邪魔で中途半端に。)」
「僕は決してそこの彼の様な争いを好む醜い男ではないが、仲間の仇が目の前に居るとあれば仕様がない。」
「ああ、我が胸の中で朽ちていった幼き少女。我が瞳に今でも焼き付けられた少年の死に顔。子供達を生かすために散っていった仲間達。」
「その雪辱、その悲しみ、その恨み、その全てを今ここで『愛スライム』ドゥン・スタリオンと共に晴らして見せよう!」
そういうとスライムナイトは華麗に剣を抜いた。
周りからおおっという声がほんのちょっとだけ上がる。
『愛スライム』ドゥン・スタリオンは恥ずかしそうに目をつぶって顔を伏せている。
「・・・どうやら、別人のようだよ。アーサー。」
ピエールと呼ばれた方のスライムナイトが少し不服そうにそう言った。
「・・・ふっ。ならば仕方ない。無駄な争いは好まない物だ。私の様な美しい男は。」
アーサーと呼ばれた方のスライムナイトはそういって剣を収めた。
「完全に信用したわけではないが、実害が出るまでは矛を収めよう。私はピエール。そっちはアーサー。間に入ってくれたのはメタリンだ。」
「僕ははぐりんです。よろしくお願いします。」
アーサーさんとピエールさんは再び朽木を運びに行った。
他のモンスターも自分の持ち場へ戻っていく。
メタリンがそそっと僕に近づいてくる。
「どうしてゆうぼうの名前を知っているんだい?」
「はぐメタって仲間が教えてくれたんです。今は離れ離れになったけど、また会ってゆうぼうを止めるのが僕たちの旅の目的です。」
「はぐメタか。そうか。なるほどなるほど。」
「はぐメタを知っているんですか!?」
「ああ。同郷だからね。へへへ。あそこから生き延びたのは僕と彼だけだろうと思うよ。」
「僕もはぐメタが居なきゃ今頃ここにいなかったけどね。いつか会ってお礼が言いたいね。」
「細かいところまで話を聞いてるか分からないが、ゆうぼうに追い詰められた時、はぐメタが来たおかげで逃げる機会を得たメタルスライムが僕なんだよ。」
「そのまま流れに流れて住処を転々としてきたのさ。」
「スライムナイトたちは最近ここに来たんだ。三日前くらいにね。」
「なんでもゆうぼうと見たことのないスライムたちに襲われたとかどうとか。」
「しかし変なことにスライムナイトたち以外で住処を襲われた者は、ホークマンやアンクルホーンに襲われたと言うんだ。真相はどうなのやら。」
見たこともないようなスライム。一体どのようなスライムなんだろう。
僕がメタリンさんに分かる範囲で返事をする。
「多分どっちも正しいんだと思います。僕たちも少し前にアンクルホーンたちと戦ったことがあって、その時はゆうぼうの探し物の時間稼ぎをしているといってましたから。」
「洪水の後にゆうぼうが何かを見つけちゃったんだと思います。」
僕は洪水の件に関してメタリンさんに話した。
メッサーラのこと、シュプリンガーのこと。
するとメタリンさんが意外なことを言った。
「僕も連れて行ってもらってもいいかな。ゆうぼうにもはぐメタにもそれぞれに言いたいことがあるんだ。」
「えっ、連れて行く?」
僕はつい繰り返してしまった。
まさか、旅に加わろうというスライムが現れるとは思わなかったからだ。
「不思議そうな顔をしてるね。ダメかな?」
「この付近でも襲われるということは、もう逃げる場所もなくなってきたということなんだ。」
「それならば一緒に行った方がずっといい。」
「あの、はぐメタがいいと言えばもちろん。それまではとりあえずって形なら。」
僕がそう応えると、意外なところから返事が聞こえてきた。
「それじゃあ、僕も連れて行ってもらおうかな?」
背後にアーサーさんが立っている。
話すのに夢中で近づいていたのに気づかなかったらしい。
「ここでボーっとしてるよりも君と一緒に居た方があいつの後を追えそうだ。」
「もし、君が嘘吐きで本物の仇だったならば、その時君を討てばいい。」
「どっちにしろ、付いていった方がいいってことになる。」
「ふっ。なにより旅をすれば、僕の美しい顔をより多くの人に見せることが出来るからね。」
「ピエールも誘えば付いてくるぞ。」
「メタリンが良くて、僕とピエールがダメということはないよな?」
僕が返事をしようとしたら、ピエールさんが走ってやってきた。
「森の入り口が騒がしい!」
「何人か襲われたそうだ。もしかしたら奴らかもしれない!」
僕たちは森の入り口に走っていった!
今日はここまでです。
色々とアドバイスありがとです。
とりあえず今後も長文の周期で行こうと思います。
それではまた。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
お疲れさんです
毎度お疲れ様でっす。
↓ぎんのタロット
↑させるかっ!される前にメガンテだぁ!
ハッ
いや〜、お疲れ様です。
いい展開ですね〜!正直某ハリポタより(ry
うりゃそりゃのピエールとナルシストのアーサー。
起き上がった時に仲間にするならどちらだろうか。
ほす
保守…
僕たちは村の入り口に向かって走っていく。
住処に襲い掛かってきたモンスターとはどの様なモンスターなのだろうか。
しかしピエールさん、いやピエールさんの愛スライムはとても早い!
僕やメタリンさんに劣らないスピードだ。
そう思って走りながらピエールさんの方を見ていると、突然ピエールさんもこっちを振り返った。
いきなりのことでびっくりした僕にそのまま手を伸ばしてくる。
「ベホイミ。」
僕の体の傷が癒えていく。
そういえばピエールさんとの戦いで傷が付いていたことを忘れていた。
余り痛くなかった上に、はぐメタと知り合いで旅に連れて行けというメタリンさん、同じく同行するというアーサーさん、そしてこの襲来とびっくりすることが多くて忘れていたのだ。
ピエールさんが恥ずかしそうに喋る。
「私が間違えてつけた傷だからな。完全に信用したわけではないし、これで水に流してくれというつもりでもないがせめて回復させてくれ。」
「ううん。ありがとう!」
僕はしっかりとお礼を言った。
ピエールさんはどこか照れくさそうだ。
自然と足にも力が入る。
しかし力いっぱいに走っていると後ろの方から声がした。アーサーさんだ。
「みんな早過ぎる。僕のスタリオンはピエールのサスケ君とは違って足が遅いんだ。」
「申し訳ないが、少しスピードを下ろしてくれまいか。これでは私の美しいスタリオンが戦う前にへばってしまう!」
確かにスタリオン君は全力で走ってくれている様なのだが、僕達と比べて徐々に後退して行ってしまっている。
「仕方ないだろう!相手はもしかしたらあいつらかもしれないんだぞ。出来るだけ急がなくては!」
ピエールさんが振り返って大声で返す。
確かに早く行きたい。
しかし強敵相手に体調を考えずに進むのは良くないかもしれない。
僕はその理由を上げて二人にスピードを下げるように頼んだ。
「ああ、申し訳ない。この汚名は戦いで晴らして見せよう。」
そういうとアーサーさんは剣を少し柄から出してチャインと鳴らした。
「そうそうピエール。はぐりん君はあいつらの行方に多少の当てがあるようだ。」
「ふっ。僕はさっきメタリン君と一緒に旅の同行を申し出たところだった。君も来るといい。」
「もっとも僕もまだ答えはもらってないんだがね。」
そういえばその話がうやむやになっていた。
「当てがあるというか僕もあいつらを追っているという程度です。でも迷いの森に行ったら何か分かるかもしれません。」
僕が答える。
ピエールさんが口を開く。
「なるほど。ここでボーっとしているよりはいいかも知れんな。」
「おっと。ピエール。がさつな君が僕と同じような答え方をしないでもらいたい。」
アーサーさんがすかさず口を挟む。
「うるさい。私はがさつではない!」
「ふむ。私もこいつも余り遠くに出たことがなかったからそれも面白いかも知れんな。」
「我々の中には一人前になると傭兵になる者も居るし、大抵の者は外に出るのだが、私達は少し前まで半人前だったのでね。歩き回ったのは古城の周りくらいだった。」
「外の世界は面白いですよ。色々な新しいものに出会えて。僕も旅を始めてそんなに時間がたっていませんが旅は楽しいです。」
「おおっ。やる気が出ることを言ってくれる!」
「では私も連れて行ってもらおうか。・・・して私達への返事は?」
願ってもいない話だった。まさか三人も付いてきてくれることになろうとは。
しかし僕が返事をする前にメタリンさんが小さな声を出す。
「へへへっ。その話はまた後でだね。どうやら入り口の方に来たようだよ。モンスターたちの声が聞こえる。」
本当だ。
スライムたちの鳴き声や話し声、そしてその他のモンスターの声が聞こえてくる。
僕達は入り口に到着した。
そこにあったのは何体かのスライム族の遺体と住処の仲間たち、そしてニ十体以上のトロールだった。
その中でも極めて大きなトロールがいる。
あれが俗にいうボストロールかもしれない。巨大な棍棒を持っている。
一体のマグマスライムが何体かのトロールと奮闘している。
マグマスライムが声を出して怒るたびに場の温度が上がっていっている。
彼の通った先には火がつくほどだ。
他のスライムの中にも戦おうとしている者が居るし、声を出して出て行けと叫んでいる者も居る。
あるいは木の隅で隠れている者、逃げている者、仲間を集めている者、遺体を運んでいる者など様々だ。
僕が最初に話しかけたはねスライムも空から石を投げつけている。
すばしっこくてトロールの反撃の石つぶては当たらない。
「よかった。あの手のモンスターなら逃げる必要がないや。」
メタリンがぽつんと呟く。
ピエールが大声でボスと思われるトロールに怒鳴りつける。
「ここに何のようだ!」
ボストロールが口を開く。
「へへっええはあ。おめえぃらがよぉ。じゃまあでよぉ。えへっ。でていってほしんだあーーーあ。」
「ここいらあよぉ。あれてぇなくていぃぃい。おいらたちのぉすみかにするとぉきめたんだぜぇえ。」
「おれらぁのすみかぁもうありゃゃゃあもうぅすぅめねぇぇ。」
「すむのはぁおいらたちだけだあぁ。おまえぃらぁでてぃくかぁおれらのぅうひひ。しょくりょうにでもなってくれれれぇやあ。」
アーサーが口を開き返す。
「それで住んでいる者を攻撃したのだな。容姿が美しくないならば、せめて心は美しくすれば良いものを!」
「ここには災害を受けた者を受け入れる用意がある!」
「しかし、ここには侵略者や心の美しくないものを受け入れる用意はない!」
「ふっ。君たちには剣の楔にしてやる価値もない。さっさと立ち去れば命だけは助けてやろう。」
「おめぇむかつくやつぅだぁ。ころしてやるだぁよぉお。おらぁおめぃらえんりょすることぁねえ!ぜんぶころせぇ!うばええっ!」
ボストロールの掛け声にあわせて敵が押し寄せてくる。
マグマスライムが一時撤退を決めたようだ。ベギラマを放って僕達の方に下がってくる。
「君、いいこというね。俺はマグマンだ。あいつらなんぞ入れてやる必要は無い!」
「君。君。君もよろしくな!」
はねスライムも降りてきた。
「やあ、久方ぶり。パタパタ。頭悪いのに体力だけはあるみたいなんですよ。パタパタ。申し遅れましたね。パタパタ。私ははねぼうです。パタパタ。あんなやつら、さっさと追い出しちゃってやりましょう。パタパタ。」
他にも色々なスライムたちが近づいてきた。みんな戦いに参加するようだ。
オークやグレムリンの姿もある。住処の半数のモンスターは集まってきているだろう。
トロールの強烈な攻撃が何匹かのモンスターに当たってしまう。
スライムなどは残酷なことに一撃でやられてしまう。
しかし好き勝手にさせてる訳ではない。
マグマンさんたちマグマスライムのメラミが飛び交う。
メタリンさんもメラミかと思いきやなんとザキを唱えているではないか。
ピエールさんとアーサーさんは剣で相手を寄せ付けない。
特にアーサーさんの剣はとても華麗だ。その上スタリオン君にジャンプ力があるようで一度飛び上がれば誰もかわせない。
バブルスライムは毒攻撃だ。懐かしい。
オーク達はトロールとの力比べに負けていないし、グレムリン達は空から攻撃している。
はねぼうさんはなんとかまいたちを起こしている。
僕も負けじとベギラマで攻撃だ。
多くのトロールたちが倒れていく。
しかし、その中に攻撃をいくら受けても暴れまわるトロールが居た。ボストロールだ。
巨大な棍棒で周りのモンスターをどんどんなぎ払っていく。
あいつを何とかしなくては!
「なさぁけぇぇねぇぞぉぉお。おめえぃらぁ。やられっぱなしでねぇぇぇかあぁぁああ。」
「こいつもぉこいつもぉおただのざこだぁ。くずなぁちびどもだぁ。うへへへへぇえ。」
そういっては周りに居るモンスターを吹き飛ばす。
ボストロールから逃げ出す仲間たちまで出てきてしまう。
「僕が相手だ!イオラ!」
僕はそういってボストロールの前に立ちはだかった。イオラのおまけ付だ。
しかしボストロールはきょとんとしている。体がそこまで丈夫なのか、それとも鈍感なのか。
「へへへぇ。いたくぅないぞぉ。ちびぃ。」
そういってぼりぼり腹をかく。
「おまえらぁ。みなごろしだぁ。みなごろしぃぃ。ぜんぶころすぅぅぜんぶぅ。がきもぉおじぃじぃいもぉぜぇえんぶだぁ。」
「ここはぁおれらぁのもんだぁ。うひうひひひぃへへへぇははははっは!?」
ボストロールが突然黙ってしまう。
攻撃でも受けたのだろうか。
しかし正面から見た限りでは何が起こったか分からない。
そしてゆっくりとボストロールが前倒しに倒れてくる!
僕はボストロールを大きく避けた。
ドンッッッ!
まるで地震でも起きたかのように地面が揺れる。
僕は何が起こったのか確かめようとした。
・・・!
ボストロールの頭に剣が突き刺さっている。
僕は周りを見渡した。
剣といえばスライムナイトだ。
しかしピエールさんもアーサーさんも剣を持ったまま、何が起きたのか確かめようとこっちを見ている。
他のモンスターたちも一緒だ。
トロールたちだけがボスをなくして一目散に住処から逃げ出している。
空から剣でも降ってきたのだろうか。
しかし、それにしても・・・ボストロールの首に突き刺さっている剣はとても邪悪な物に見えた。
まるでこの世に生を受けた物は触ってはいけないかのように禍々しい剣だ。
僕達があっけに取られているとボストロールの頭上に何かがゆっくりと降りてきた。
片手を胸に当て。まるで貴婦人に出会ったときの騎士のように静かに佇んでいる。
そして深々とお辞儀をした。
青と黒の騎士・・・。
しかしただの騎士ではない。邪悪な兜を被り、スライムナイトと同じくスライムに乗っている・・・。
そしてそのスライムの姿もまた、まるで悪魔の様な邪悪な佇まいをしていた・・・。
敵のだろうか、味方なのだろうか・・・。見たことも聞いたこともないモンスターだ・・・。
騎士は剣に手を掛けてゆっくりと引き抜いた・・・。
はねぼうさんがどちら様ですかと聞きに近づいた。
ピエールとアーサーが同時に声を上げて「近づくなっ!」と叫んだ!
それを拍子に僕達は我に帰った。
はねぼうさんは次の瞬間には真っ二つに切り捨てられていた。
「はねぼうさーん!」
僕の声とは裏腹に、更に次の瞬間には一体のグレムリンが切り捨てられた。
動き出した騎士はまるで悪魔のように次々とみんなを切っていく。
オーク、スライム、スライムベス、またもやグレムリン、バブルスライムを二体、マグマスライムを三体、ついにはピエールの方に向かっていく。
ピエールはギリギリのところで刃を受け止める。
しかしピエールがイオラを唱えたときには既に別のところでオークを二体切っていた。
目で追えない早さだった。
僕はもう何が何だか分からなかった。
邪悪な姿とはいえ、話もせずにいきなり襲い掛かってくるとは思わなかったからだ。
僕のように戸惑ったモンスターが逃げ出していく。
しかし騎士は逃げ出したモンスターから順に切り捨てていくので一匹も逃げ切れなかった。
ピエールが何か叫んでいるが僕には分からなかった。
そこまで頭が追いつかなかったのだ。
誰かが「助けてくれ!」か、あるいは「なぜこんなことを!?」と言った気がしたが、同じ声色は二度と聞こえてこなかった。
一分も経つ頃には死体の山が築かれてしまった。
返り血を幾度と浴びたはずの騎士は、まるで何も起こらなかったかのように気にせず切り続けている。
絶望的な気持ちになった僕に更に嫌な物が聞こえてきた。
こういう時は何も聞こえなくなる。
そのくせになんでより嫌な物は聞こえてしまうのだろう?
それはトロールたちの断末魔だった。
そしてトロールたちの逃げ出した方角から更にもう一体の騎士がゆっくりと歩いて来たではないか。
騎士だけではない。
邪悪な姿をしたスライムが更にニ匹空から舞い降りてきた。
トロールたちがやられたことで僕は目が覚めた。
こいつらはどちらかの敵とかどちらかの味方とかいう枠に当てはまる物ではなかったのだ。
全てを襲う物だったのだ。
そして僕の頭がしっかりしたときには周りには十体に満たない仲間しか残されていなかった。
散々仲間を切った邪悪な騎士は僕の方を見た。
そして音もなく僕に切りかかって来た。
今日はここまでです。
続きはまた後日に。
少し間が開いてて申し訳なかったです。
保守ありがとうでした。
キター!W!!
やっぱり凄いなぁ。。。
続きが楽しみです、けどマターリ待ちます。
お早い反応が。応援ありがとです。
今見直したらちょっとミスがありますね。
大事な場面で頭→首とか。
いつの間に剣が移動したのかと自分自身に小一時間(ry
一応一度通して見直しているのですがチェックが甘かったですね。
以後気をつけます。
仰られるとおりまったり待ってくださると助かります。
それではまた。
547 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:
追悼〜はねぼう〜