455 :
華龍光臨:04/08/30 11:38 ID:uhoQf+xt
「敵の数は?」
「二百ほどです。」
報告を受けた趙雲が考え込む。雨で多少確認がし辛かったがおおよその数はこれくらいだろう。とのこと。攻城兵器はなし、らしい。
こちらは一般市民含めた戦力ならばたとえからくりの兵といえども軽くあしらえる。
含めなくとも勝利は可能だ。
五百かそれ以上の兵力なら…危ないことだろう。
アルスたちもなれない連弩を構える。
アルスたち射手は敵が城に近づくまで射続け、劉備たちは白兵戦を行う。
後は城壁に取り付いたり城門に迫ろうとする敵を撃破していくとのことだ。
「…引っかかりますな。ここを落とせば敵対勢力はなくなるとはいえ、敗色濃厚な戦をするものであろうか。」
「単にいたぶるのがやつらのやり方、というのもあるだろうな。」
「それはあるな。絶望のうちに滅ぼす。恐らくは。」
絶望、そして恐慌、混乱。恐らく相手の狙いはこのようなものだろう。
こちらがもし勝ったとしても絶望的に士気を萎えさせる…
もう逃げる場所はない。
やるしかない。
「連弩射手!斉射の構えだ!射よ!」
趙雲の号令が響く。
闇夜に矢が放たれていく。
456 :
華龍光臨:04/08/30 11:39 ID:uhoQf+xt
「…?どうした、兵の様子が変だ。」
明らかに動揺している。
先ほどまで整然としていたが突如陣が乱れ始めた。
撹乱を喰らったか?
「アルス!一体どうしたというのだ!」
劉備が大声を上げる。
城壁右翼からアルスが顔を出す。
「相手は…!」
くっと唇をかむ。
「相手は奪っていった死体を怪物として繰り出してきたのです!」
アルスは個人の判断で連弩を扱えないガボに偵察に向かわせた。
それで判明したのだ。
腐った死体たちの軍勢が迫る。
今まで共に戦ってきた仲間、生活してきた家族、結婚の約束をしていた恋人が敵として襲い掛かる。
城は大恐慌に陥った。
なんだか切ない展開ですね…
続きがものすごく気になります。頑張ってください!
クソコテ死ね
459 :
クソコテ撲滅委員会:04/09/05 07:06 ID:lWBoVg+k
クソコテ死ね
460 :
華龍光臨:04/09/08 12:20 ID:Rxn0QvR/
迷いはない。
剣を振るい、矢を放つ。
一月前親しくしていたものが敵味方に分かれて剣を交える。
悲しいことだがよくあることであった。
だが、これとはわけが違う。
守るべき人を守って戦った人が、守るべき人に襲い掛かるのだ。
一般民はもちろん、鍛え抜かれた兵士でさえ動揺してしまう。
それでも、剣を振るう。
…こんなこと望んでもいないことだろうから。
武器なぞ持っていない。若い兵士の腐った死体を斬る。
「雲長は戦ったことがあるのか。」
「はい。兄者。新野を攻めたときに。」
「…そうか。すまなかった。」
辛かったことだろう。兵士も、自身も。
恐慌が恐慌を呼び城中がパニックに陥る。
城門は開きっぱなしで中に腐った死体たちが雪崩れ込む。
一部は城壁に上ってしまい、武器を持てない女性や子供たちが逃げ惑っている。
「…兄者。打開策はございますぞ。」
「何?雲長。何かいい案はあるのか?」
「新野を攻め取ったとき、しかとこの目で見ましたぞ。」
461 :
華龍光臨:04/09/08 12:22 ID:Rxn0QvR/
戦場から離れたところ。
四つの影が遠目からフォロッドを眺めていた。
「うひょひょ。多少梃子摺ったが結局勝ち戦じゃな。」
「この姿になってからは毎日が勝ち戦。全く、ハーゴン様様だな。」
腐った死体ではあるだろうが何か様子が異なる。
「ある程度知恵があったようだが、無限に繰り出される兵の前では勝ち目はないわ。」
「わしらが出て行ってもよさそうだったな。」
見覚えがある服。この世界の物ではない。
「何者か!御主等があの軍勢の武将であるか!」
怒声が響く。
そこの腐った死体四人は声の主を見る。
「そうだとも、我が名は金旋。」
「余は趙範よ。」
「ワシ、韓玄だけど。」
「そして俺は劉度様だ。」
知る人ぞ知る。
泣く子も笑う、荊州弱四英傑のなれの果ての姿だった。
462 :
華龍光臨:04/09/08 12:23 ID:Rxn0QvR/
「…金旋、韓玄、劉度、趙範…死道について、人の道を外したか。」
「ひょうえ?聞き覚えのある声!」
「な、何者だ!」
四人の背後からさらに大きな影が。
「おい!お前らがあれを操ってるんだな?」
「そ、それがなんだ?おまえらごとき、この金旋様が…」
「ほう、御主等ごときが某を討てるとでも思ったのか。」
最後に現れた巨漢。
その姿に思わず韓玄はしりもちはついた。
その姿と声はいかに腐った脳みそであっても見覚えはあった。
「げぇっ!!関羽!」
「な、何でこんなところに…」
関羽がずいっと前に出る。
「我ら兄弟、世の民の平穏を脅かすものあれば何処にも現れる。桃園の誓い、たとえ死を以てしても、断ち切るなどできはしまい。」
「へ?」
間抜けな声が重なる。
「ということは…もしかして。」
きゅるっと四人は振り返る。
463 :
華龍光臨:04/09/08 12:29 ID:Rxn0QvR/
「この張飛様に勝てるなぞ思っているのか?」
指をバキボキ鳴らし四人に迫る。
「ひ、ひええ、もしかして!」
最初の声の主を見る。
「劉元徳。ここにあり。覚悟されよ。」
剣を構えて突き出す。
「人の道に背いた罪、地の底で悔いるがいい。」
「へへ、こいつらをぶっ飛ばせばフォロッドは収まるわけだな。しかし、こんな奴らがこんなことができるとは思えねぇが。」
「大方、やり方だけを教えてもらっただけだろう。だが、それもここまで、ということだ。」
三人で囲いその輪を縮める。
数で勝っている韓玄たちではあるが実力が雲泥の差。月と鼈。ピンクパールと馬の糞。
いや、馬の糞に失礼だろう。
「操られているものたちのためにも手早く倒す。」
「覚悟はよいな!」
戦場に四人の弱弱しい叫び声が響き渡った。
もちろん、フォロッドの戦闘の音にすべてはかき消されてしまった。
フォロッドを襲っていた腐った死体の軍団が動かなくなったのはそれからしばらくした後のことだった。
464 :
クソコテ撲滅委員会:04/09/11 07:56:28 ID:O3GU6GKl
クソコテ死ね
465 :
一之瀬:04/09/11 09:17:15 ID:gc6l3FuL
その後の世界
神をも超えたミルドラースを倒し世界は平和を取り戻したかの様に見えた・・・・
しかし、平和は2年余りしか続かなかった・・・
ラインハット兵[大変です!ヘンリー様]
ヘンリー[ん?どうした?]
大慌てで兵が謁見の間に駆け込んで来た
ラインハット兵[神聖サンタローズ軍と名乗る武装団体が領内のオラクベリーを襲撃しているとの事です]
ヘンリー[サンタローズ・・・・確か焼き払われた・・・あそこか・・・・]
ラインハット兵[・・・10数年前・・・命令により我々が焼き払いました・・・]
ヘンリーは深刻そうな感じでうつむいた
ヘンリー[・・・・その生き残り・・・か、しかしなぜ今頃?]
ラインハット兵[魔物が消滅したため容易に移動ができるようになったためでしょう。]
ヘンリー[・・・我々にも責任がある、何か要求があれば答えるしかないだろう・・・]
ラインハット兵[要求は・・・王の首と国民全員の命・・・と]
ヘンリー[何だその要求は!]
無差別虐殺が要求と知ったヘンリーは本当に人の仕業か疑わしくなった
ラインハット兵[いかがなさいましょう・・・]
ヘンリー[沈静部隊を結成した後オラクベリーに突撃させろ!]
ラインハット兵[ハッ!かしこまりました。]
ラインハット兵は、また駆け出して行った
466 :
一之瀬:04/09/11 09:30:37 ID:gc6l3FuL
オラクベリー戦
沈静部隊結成後、カジノで有名な娯楽都市オラクベリー周辺にテントを
作った・・・
ラインハット兵[失礼します]
指揮官[入りたまえ]
ラインハット兵[では・・・敵総数は50人・・その中にはメラミを使える者もいると・・・]
指揮官[なるほどそれなりの強さのようだな]
ラインハット兵[どう攻めましょう?]
指揮官[うむ、あの町は後ろにも出入り口がある・・・そこから一気に押せ]
ラインハット兵[殺さずにとの事ですかが・・・]
指揮官[・・・気にするな、死体は森にでも捨てておけ]
ラインハット兵[かしこまりました]
467 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:04/09/14 16:59:05 ID:1BgFxFqP
このスレの奴ら、キモスギー
小説家になれない落ちこぼれどもめー。
自殺したほうがいいと思うよ。
保守します!
469 :
クソコテ撲滅委員会:04/09/18 13:05:46 ID:l8QhqTKP
クソコテ死ね
470 :
クソコテ撲滅委員会:04/09/20 02:43:00 ID:rGwW+tiU
クソコテ死ね
小説書くのは、本職ではなく副業が基本。
>>467 このスレで小説家めざしている人なんていないと思うよ
473 :
クソコテ撲滅委員会:04/09/26 12:45:59 ID:dHtSzf7V
クソコテ死ね
僕の名前はユーシャ。勇者だからユーシャ。安直だ。
それは、僕が16歳になる誕生日の出来事だった。
眠っている僕を、母が優しく起こしてくれた。
おかしいな、普段だったら「いつまで寝てんだよ、このボンクラがッ!」
ぐらいの勢いで、枕を顔に押し付けられるのに・・・。
まあ、いいや。今日は何かいいことが起きそうな予感だよ。
「今日はとても大切な日、ユーシャが初めてお城に行く日だったでしょ」
「え、聞いてないよ。お城なんかより、僕、学校に行きたいなぁ・・・」
「そ、それはね、お前の頭が・・・ゴホゴホッ、と、とにかくいいのよ」
え、僕の頭がどうしたの?
僕は普通の男の子と違うの!?
立派なお城だ。
きっと市民の血税が惜しみなく使われているのだろう。
玉座に座った王様が、進み来る僕を見つける。
「誰?」
おいおい、話が違うぞ。
しばらく噛み合わない会話をした挙句、父の名前を出したらやっと思い出してくれた。
「ああ、オクデラの息子ね」
「オルテガです」
「そうそう、オクラホマ」
もういいや。『オ』しか合ってねぇし。
「君のおとーさんは、大ナメクジとの激戦の末、肥溜めに落ちて亡くなったそうだね」
初耳だよ。だとしたら我が家の恥だ。『父さんはお星様になった』って母さんは言ってたのに。
「父の仇を討つため、大ナメクジ退治に出たいそーだね」
何ですか、その地味なクエストは。僕、そんな事、一言も言ってないんですが。
「まあ、頑張れや」
投げやりですね。
僕は旅の仲間を探すため、ルイーダの酒場へと入った。
薄暗い店内はガランとして人気はなく、カウンターにただ一人、厚化粧のオバさんが立っている。
「あら、珍しいわね」と、彼女は僕を見てタバコをふかす。
「すみません、友達が欲しいんですが・・・」
「・・・ハァ?」
いけない、いけない、つい本音が出てしまった。
「ごめんなさい、仲間です。仲間が欲しいんです」
「今さらDQVかい、やめときな。住人の連中に馬鹿にされるよ」
すみません、僕もやりたいワケじゃないんです。
「昔は繁盛してたんだけどねぇ、今じゃこの通りさ。
PS2でリメイクでもされれば、いくらか活気も出るんだろうけど・・・」
何を言ってるんですか、この人は。僕、16歳なのでわかりません。
「まあいいさ、久しぶりの仕事さね。どんな仲間が欲しいんだい?」
「そうですね、強い人がいいでしょうか」
「それなら空手3級の、元気のいい遊び人がいるよ」
「・・・・・・」
「や、やっぱり、魔法の使える人が・・・」
「魔法使いになるのを断念した、ちょっと内気な遊び人なんかどうだい?」
「・・・・・・」
「商売の上手な人・・・」
「結婚詐欺から足を洗った、ちょっとキザな遊び人」
「・・・・・・」
・・・遊び人しかいないんですね。
続き期待保守
僕は仕方なく、遊び人を仲間に加えることにした。
「ミネア、マーニャ。お仕事よぉ〜!」
「はぁ〜い」という声がし、ギシギシと階段を鳴らしながら、例のコスプレをした中年女が2人現れた。
・・・勘弁してくれ。
「やめます」という僕に、2人は「ええー!」と非難の声を浴びせる。
若干太り気味のマーニャが言った。
「坊や初めてなんでしょ、それなら経験豊かなお姉さんがいいと思うけどなぁ〜」
黙れ。僕が頼んでるのは、そーいう仕事じゃない。
そもそも、お前は『お姉さん』という呼称が通用する年齢なのかと小一時間(ry
ルイーダに聞いたところ、僕と同年代の奴は一人しかいないということだった。
「アムロちゃん、いらっしゃ〜い」
そのネーミングに、僕は再び寒いものを感じる。
降りてきたのは、想像通りのチャパツ、ルーズソックスのアムラー女だった。
「アムロ、18歳でぇ〜っす!」
いや、明らかに違うから。少なくとも20代後半なのはわかってるから。
でも、仕方なく彼女を仲間に加える。
「あー、コムロファミリー入りてー」
背後でしたその声に、僕は若干の殺意を抱いた。
ああ、そのファミリーなら、もう崩壊してますよ。
日が暮れてきたので、僕は実家へと帰る。
アムロを連れた僕を見て、母さんは顔面蒼白になった。
「ユーシャが、ユーシャが生まれて初めて、家に友達を連れて来たわっ!」
うるさい、黙ってください。この小屋、放火しますよ。
その夜、食卓に出された豪華な食事に、アムロは明らかに引いていた。
食卓には僕とアムロ、母さん、そしておじいちゃんが座っていた。
おじいちゃんは点滴をつけながら、プルプルと体を震わせている。
母さん、いくら歓迎してるからって、家族総出というのはどうなんでしょう?
よだれ垂れ流しのおじいちゃんは、どう考えても逆効果だと思うんですが。
「嬉しいわぁ、やっとユーシャにも友達ができたのね。しかも女の子だなんて!」
引きつった笑いを浮かべたアムロは、明らかにそれを否定している。
「そうよね、おじいちゃん」
おじいちゃんはプルプル震えながら、「かッ・・・!」と詰まるような声を出す。
そして、ひと呼吸置き、高々と叫んだ。
「看護婦しゃァァ〜〜〜ん!!!」
そして倒れた。
家の前に止まる救急車。
何事かと、次々に集まってくる野次馬。
おじいちゃんを乗せた救急車は、サイレンを鳴らしながら走り去った。
野次馬で混雑する中、アムロが僕に告げる。
「ごめん、もう、限界だから」
アムロがパーティーから外れました。
すまん、ここまでが限界だ。
この先はストーリーがわからん。
幸薄いユーシャと、もはや存在自体を忘れられている大ナメクジに乾杯!
はーい、今日はお疲れでした!
またよろしくね。それではっ(^_^)/~
送信ボタンを押して、ベットに寝転がる。
今日の合コンは最悪だった。
いくら行き遅れのあたしでも、あんな連中と付き合う気はない。
手を伸ばして、留守電をチェックする。1件。
『姉さん、どうしてるの? たまには連絡してよ。
ちゃんとご飯食べてる? 部屋の掃除もちゃんとしなくちゃ・・・』
ブチッと再生を停止させた。
うるさいなぁ、わかってるよ。そんなの。
妹のミネアは、5年前に結婚した。
今は一児の母。子育ては大変だっていつもぼやいてる。
旦那はマイナーな占い師。
夫婦そろって占いマニアか。おめでてーな。
一方のあたしといえば・・・、聞くなよ。
ええ、そうです。いまだに独身でございますよ。
はいはい、今年で三十路に入りますが、何か?
あたしの名前はマーニャ。
かつて一世を風靡したDQWの、導かれし者たちのひとりだ。
あの頃は楽しかった。
あたしは人気者だったし、何より若かった。
今ではとてもじゃないけど、あんな水着みたいな服は着れない。
いや、プロポーションが崩れたワケじゃないのよ。
その辺は努力してるから。でも、ちょっと横腹のお肉が気になるかな。
最近、DQWがリメイクされたけど、あれに出てるのはあたしじゃない。
新しいマーニャ。いわゆる2代目のマーニャちゃんだ。
確かに可愛い娘だけど、当時のあたしほどじゃないね。
鏡を見ながら、口紅を塗る。
今日はエンドールで同窓会。
初代FCの、導かれし者たちの同窓会だ。
みんな元気かな?
あれからどれくらいたったのだろう。
ふと、あたしは勇者のことを思い出した。
エメラルド色の綺麗な髪と、キラキラとした希望に満ちた目。
ちょっと、好きだったよ。
クリア後の打ち上げで、そっと電話番号を渡したけど、あなたは連絡してくれなかったね。
ちょっと胸が痛んだ。これが、ときめきってやつだったっけ?
ときめきがどんなものだったかなんて、もう、忘れちゃったよ。
よし、決まった!
口紅を置き、鏡の前で、思いっきりの笑顔を作る。
まだまだ衰えてない。可愛いよ、マーニャ。
あたしは外に出て、キメラの翼を大きく空に投げ上げた。
エンドールの酒場の2階。そこを貸し切って同窓会はおこなわれた。
ちょっと緊張しながら扉を開けると、そこにはミネアとトルネコさんの姿。
トルネコさんの髪や髭には、若干白いものが混ざっている。老けたねぇ・・・。
トルネコさんはメンバーの中でも、一番の出世頭だ。
何てったって、『トルネコの大冒険』でソロデビュー。しかもそれが大当たりしたんだから。
この会を開いてくれたのもトルネコさん。メンバーとの連絡も、マメに取っているらしい。
「おお、マーニャ。久しぶりだねぇ」
「はい、お久しぶりです」
「珍しい、遅刻しなかったのね」
「うっさいよ、ミネア!」
ミネアはちょっと太っていた。
幸せ太りってやつかしら。ちくしょう。
それからしばらくは、メンバーの話題で盛り上がる。
「ええっ、アリーナとクリフトは来ないの?」
「ああ、あの二人は離婚調停中だからね・・・、いろいろと忙しいようだよ」
原因はクリフトの浮気らしい。
当時はアリーナにぞっこんで、浮気なんてしなさそうに見えたけど・・・。
まあ、結婚すると変わるものなのね。
そこで扉が開き、小太りの男性が入ってきた。
まるで見覚えがない。部屋でも間違えたのかしら?
「どちら様で?」トルネコさんが聞くと、彼はペコリと礼をして答えた。
「僕、ホイミンです」
「ああ、ライアンの・・・」
そういえば、ライアンの仲間でホイミスライムがいたっけ。
人間になれたのよね、確か。
「ライアンさんが来れなくなってしまったので、僕が代理で来たんですが」
「おや、ライアンはどうしたんだい。病気かね?」
「いえ・・・」
ホイミンはしばらく沈黙し、覚悟を決めたように言った。
「ライアンさんは・・・、幼女に悪戯をしようとしちゃいまして、今、服役中なんです・・・」
部屋の空気が白くなり、しばし一同は固まった。
情けない。導かれし者たちの中から、犯罪者が出るとは・・・。
ホイミンを加え、あたしたちはしばし語らった。
すると突然、扉が開く。勇者かしら、と期待したが、入ってきたのは酒場の主人。
主人は抱えたテレビモニターを机に置き、その電源を入れる。
そこに映ったのは、ベットに横たわるブライさんだった。
「すまんのぅ、入院中なもんで、こういった形で参加させてもらうわい」
鼻に管を通したブライさんが、モニターの向こうで言った。
「それは初耳ですな。大丈夫なのですか?」
「ふむ、昨日急に倒れてしまってのう、年は取りたくないもんじゃて・・・」
「お年なんですから、体は大事にしませんと」
「そうなんじゃ、そうなんじゃが・・・」
ブライさんの額に血管が走る。
「あのクリフトめがッ、姫様を裏切るような真似をしくさってからに。
どれだけワシが苦労して、二人の結婚を取り持っ・・・もッ、も、もおおぉぁおぁぁッ!!」
モニターの奥から『ブライさん、落ち着いて!』『誰か先生を!』という声が聞こえた。
そしてモニターがプツリと消える。
大丈夫かしら、天国に導かれることがなければいいけど・・・。
騒然とする中で、再び扉が開いた。
店員のようなので、あたしは彼にお酒の注文をする。
すると彼は慌てた様子で言った。
「やだなぁ、マーニャ、僕だよ。僕、勇者」
髪の色は確かにエメラルド。でも、その頭頂部はかなり薄い。
牛乳ビンの底のようなメガネをかけている。
何より、体重が倍増したかのように太っていた。
「えーと、ビール4本と・・・、あと、サラダを・・・」
「だから僕だって、勇者だよっ!」
すみません、言っている意味が理解できません。
「ああ、勇者じゃないか。久しぶりだね、こっちにどうぞ」
トルネコさんが彼を招き入れ、その勇者は椅子に座った。
「いや〜ごめんなさい。仕事があって遅れちゃって・・・」
ハンカチを取り出し、勇者は脂ぎった額の汗を拭い始める。
やめてくれ、あたしの思い出を汚さないでくれ・・・。
出席者もそろい、乾杯の音頭がとられた。
みんなそれぞれ、思い思いの話を始める。
そんな中、あたしはいたってローテンションだった。
気をつかったのか、ミネアが話し掛けてきた。
「姉さん、どうしたのよ?」
「別に・・・」
「期待してたの? 勇者に」
「べ、別に・・・」
「まあ、何と言うか、アレじゃあね・・・」
アレ言うなよ。確かにアレだけど。
「でも、性格は変わってなさそうよね。純粋そうだし」
「・・・・・・」
あたしはホイミンと楽しそうに会話する勇者を横目で見た。
確かに、素振りや仕草は変わっていない・・・ような気がする。
それに素材はいいのだ。痩せたら男前なのだ。
頭頂部だって、マープすればどうにか・・・なる。
ならば、あたしがダイエットさせてやる。地獄のスペシャルメニューで。
てか、あの状態で生き長らえるくらいなら、いっそのことあたしが殺す。
死んでくれ、あたしの美しい思い出のために!
会話に入り込むきっかけを掴もうと、二人の会話に聞き耳を立てた。
「勇者さんは今、何されてるんですか?」
「ああ、フリーターだよ」
フリーター・・・、ま、まあいい。まだ若いんだし。
「休みとかは何やってるんですかー?」
「う〜ん、外にはあんまり出ないよね。部屋でゲームとか?」
・・・ギ、ギリギリだな。ここはインドア派ってことにしとこう。
「どんなゲームですか?」
「エロゲー」
・・・・・・。
二人は同趣味らしく、以後は大いに盛り上がっていた。
○○タソとか、萌えーという単語が盛り込まれた会話は、正直読解できない。
ねえ、君たち、何を言っているの?
わかんない、わかんないよ。
君たちは、どこに導かれてしまったの?
あたしは脳内のお花畑で、そこを飛ぶちょうちょをひたすら追いかけた。
「きゃあぁー、姉さん、姉さん、どうしたの!?」
いつの間にか、あたしは倒れていたらしい。
涙が頬を伝っている。
誰か、あたしの心臓を止めてくれ。
楽しいす、続きカモン
492 :
華龍光臨:04/10/05 17:35:16 ID:w2kfS7bY
悲惨な状態だった。
何処からかすすり泣く声が聞こえる。
─戦いは終わった。
残ったのは操り糸が切れた腐った死体。
皆、疲れ果てていた。
だが、操られた死体を葬ろうと次々と動き出した。城の目に届く場所に所に葬れば、二度と同じ事態にはなるまい。
個々の墓を作る時間はない。
共同墓地として、葬られるはず…だった。
唯、一つを除いては。
「ん?」
「どうかしましたか?劉備殿。」
「いや、あの墓は誰のもの、かと思ってな。」
共同墓地の隣に個別の墓が立てられた。
アルファベットで名前が書かれており、劉備たちには読むことができない。
凝った物であるが恐らく、この墓石は戦闘前に作ったものではないだろうか?
ただ、どちらにしろ、この状況でこの待遇。
普通の身分の人間ではないということが推測できる。
民に慕われた為政者か将軍…といったところか。
「誰かは存じておりませぬがこの御方は海岸側に墓があったと聞いています。民に慕われ、善政を心がけたと。」
「ふむ…」
魔物によって利用されたのだろう。
劉備たちは墓の前に跪き祈りを捧げた。
493 :
華龍光臨:04/10/05 17:37:38 ID:w2kfS7bY
「限界が近い。」
「悔しいけど、な。」
張飛も少し暗い顔をする。
兵士たちに士気の欠片もない。
城門を守るはずの兵士もいない。
王の間に怪我人全員が集められ、入りきらない者たちは通路に眠る。
望みは今いないトラッドとゼボット。
彼らの切り札を信じて待つほかない。
劉備たちは兵士の代わりに城門に立ち警備の任についた。
今日はこれ以上の敵襲はなかった。
翌日。
雨は止み、まぶしい限りの日の光が地面を照らす。
張飛は偵察に行っている。関羽は兵の鍛錬中。
そして自分は趙雲と二人で来る時を控えての罠の作成。
──最も、人手が圧倒的に足りないためと遅々して進まないわけではあるが。
日が頂点に達した頃張飛が戻ってきた。
…からくりの兵が集結している。
日が頂点に達する頃にはここにやってくることだろう。
その知らせを聞いて城中が震え上がる。
もう防げない。
もう駄目だと言う声も上がる。
「待つしかない。ゼボット殿が来るまで…」
「…そうですな。どれほどの兵力を投入してくるかわからない以上こちらも迂闊には動けないですな。」
今度は紛れもない、からくりの兵。攻城兵器は一切ないと張飛から聞いた。
もはや正攻法で押しつぶせるだろうとわかっているのだろう。
「正門を死守する。趙雲にそう伝えてくれ。」
「わかりました。兄者。」
>>483-490 ハゲワロタ。
パラレル(・∀・)イイ!!
マーニャに幸あれ…続き読みたい。
495 :
クソコテ撲滅委員会:04/10/05 20:52:44 ID:8GasEFPL
いい加減首吊って死ね
>>474-490の続き
どこからか、ロマンスの神様が聞こえる。
・・・ってか、あたしの着メロだな、これは。
目を開けると、頭痛がした。
いつの間に帰ってきたんだ?
ちゅーか記憶ねぇや。昨日の。
今、血まみれの勇者のビジョンが浮かんだけど、どーでもいいよね。
何か血痕のついたバットが部屋の隅に転がってるけど、見なかったことにしてね。
あたしはとりあえず電話に出てみた。
「はーい」
『すみません〜、こちら、ルビス人材派遣会社ですが〜』
「ハァ?」
『マーニャさん、また冒険に出る気ないですかぁ?』
「冒険・・・、ですか・・・」
もう、そういう年じゃないのよね。
そういう世界に出るのは、現実逃避なのよね。
わかってる、わかってるけど・・・
あたしは断れなかった。
『仲間を作れない勇者がいまして〜、良かったらマーニャさんにお願いしようかと』
「はい・・・、う〜ん、でもねぇ・・・」
『お願いしますよ〜。あ、ちなみに世界はVなんですが』
Vかよ!
あれって、3秒で仲間が作れるやつじゃなかったっけ?
どんな奴なんだ、そこの勇者は!?
ひょっとして、営業不振で潰れたか? ルイーダの酒場。
「考えておきます。はい・・・後日連絡を」
あたしは電話を切る。
そして、ぼんやりする世界の中で考えた。
とりあえず、埋めとこう。あのバット・・・
こんにちは、勇者のユーシャです。
王様に会ってから、1ヶ月がたちました。
ええ、冒険になんか出てません。大ナメクジって何ですか?
こないだ、ルビス様って人から電話がありました。
『いい加減、ストーリー進ませてくださいよ』って言ってましたが、
僕は『うんこ』と言って切ろうとしました。
そしたら『仲間を派遣する』とか言うんです。しかもWのマーニャちゃんらしいんです。
あのエロカワイイ人ですよね、水着みたいな服着た。僕は即OKしちゃいました。
で、今僕の目の前にいる人がマーニャちゃんらしいんですが。
面影はあるけど明らかに年増なんです。
水着じゃなくて、ローブに三角帽子の魔法使いルックなんです。
はっきり言って、年齢的にその魔法使いルックも痛いです。
そのお姉さんは、僕を見て言いました。
「ねえ、この家にユーシャさんって人いるかな?」
「僕ですが」
「えーとね、君の仲間になるように言われて来たんだけど」
「チェンジ」
僕はドアを閉めました。
すぐさまドアが蹴破られました。
そんなわけで、僕は正座してます。
目の前には、腕組みをしたマーニャさんが立ってます。
「あたしね、OL辞めて来たのよ。もう戻れないワケよ。
大人しく冒険に出てくんないかなぁ〜? そうするとお姉さん嬉しいんだけど」
「その年で冒険か。おめでてーな」
マーニャさんのハイヒールが、僕の顔面を踏みつけました。
「どう、冒険に出る気になった?」
「はい、前向きに善処していきたい今日この頃です」
「もう一発喰らっとく?」
「出ます」
僕は引きずられるようにして、外へと連れ出されます。
これって拉致ですよね?
誰か、ポリスメン呼んでください。
GBのDQV探してるけど、どこにも売ってない・・・
どっかにストーリーのわかるサイトってないですかね?
>>492-493 三国志ですか。意外な発想ですね。
暇を見つけて読んでみますねー。
僕たちはアリアハンの町から外に出ました。
そういえば、町の外を歩くなんて何年ぶりのことでしょう?
普段、家からすら滅多に出ない僕にとっては、少々レベルの高い行為です。
でも、マーニャさんはさすがですね。
出現するスライムをずんずんと踏み潰して進んでいきます。
さすがはレベル50だけのことはあります。
「でも君、根暗そうだよねー。彼女とかいないでしょ」
「僕、16歳ですから」
「何言ってんのよ。最近の子供は進んでるのよ。
童貞が許されるのは小学生までよね。キモーイ、キャハハハ」
「未婚が許されるのは25歳までらしいですね。あはははは」
「メラゾーマ!」
僕は豪快に炎上しました。
目を開けると神父さんの顔が見えました。
「おお、ユーシャよ。死んでしまうとは情けない・・・」
はい、僕もまさか仲間に殺されるとは思いませんでしたよ。
ネットカフェから出てきたマーニャさんが言いました。
「ユーシャくん、すごい情報よ!」
「何ですか?」
「ナジミの塔にね、盗賊の鍵があるんだって。
それを取ると、扉が開けられるようになるらしいのよ!」
オバサン、どっかの攻略ページ見ましたね。
僕たちは情報収集しました。
「ああ、ナジミの塔なら数年前に取り壊されて、
今はナジミランドっちゅー遊園地になっとりますがのぅ」
「・・・・・・」
僕たちはアリアハン観光委員会事務局で、パンフレットを貰いました。
どうやら、アリアハン付近の波止場から、船で10分程度らしいです。
で、到着したんですが・・・、折りしも今日は日曜日。
ナジミランドはお客でごった返していました。
僕たちは風に吹かれながら、その光景を呆然と見守ります。
しばらくして、マーニャさんが言いました。
「・・・ねえ、ユーシャくん」
「はい?」
「あの群集の中に、メラゾーマ打ち込んでいいかな?」
「やめてください。捕まりますよ」
「お姉さんね、幸せそうな家族やカップルって、だいっ嫌い」
「不本意ながら、僕も同意見です」
僕たちは付近の売店で、盗賊の鍵を買って帰りました。
ちょっと虚しかったです。
盗賊の鍵を手に入れた僕たちは、レーベの村を目指しました。
ここに魔法の玉を持つ人がいるらしいんです。
あ、あの家みたいですね。
確かにドアには鍵がかかってます。
僕はポケットから盗賊の鍵を出そうとしたんですが・・・
マーニャさんは針金を使って鍵穴をガチャガチャし始めます。
「開いたわ」
アジア系窃盗団も真っ青な腕前ですね。
考えてみれば、盗賊の鍵も似たようなもんだし、ノープロブレム。
僕たちはその家にお邪魔しました。
どうやら留守のようです。
あ、マーニャさん、勝手にあちこち物色するのはやめた方が・・・
何か僕たち本物の窃盗団みたいですよ。
「ちっ、しけてやがんなぁ」
札束を数えるマーニャさんは、もはや盗っ人モード全開です。
本職の人ですか、あなたは。
僕はタンスの中から、それっぽい玉を見つけました。
「マーニャさん、これじゃないですか?」
「ああ、いいんじゃね、それで」
適当だな、オイ。
「じゃ、ずらかりましょう」
マーニャさん、専門用語はやめてください。
僕たちは、いざないの洞窟という場所にいます。
ここからアリアハンの外に出られるらしいんですが、
何か壁が邪魔して先に進めないんです。
あ、ここで魔法の玉を使うんですね。
でも、どうやって使うんでしょう。この玉。
僕は思い切って玉を壁に投げつけたら、玉は粉々に砕け散りました。
マーニャさんと僕は、しばらくその場に固まります。
「しょうがないわね」
そう言うと、マーニャさんは壁に近付き、何かを仕掛けました。
「ほら、離れて離れて!」
数秒後、凄まじい爆発とともに、壁は崩れ落ちました。
「マ、マーニャさん、それは・・・?」
「ネットで調べた」
いつか捕まるぞ、あんた。