FFDQバトルロワイアル2ndEdition PART2
1 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員には、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
また、ランダムで選ばれた<武器>が1つ、渡される。
<ザック>は特殊なモノで、参加者以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る
(FFUのポシェポケみたいなものです)
・最後の生存者のみが、安全に帰宅することができる。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。
+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・過度の衝撃や手順通りでない分解等で爆発する
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・定期放送時に発表される『禁止技』を使ってしまうと、爆発する。
+魔法・技に関して+
・初期で禁止されている魔法・特技は以下の通り↓
復活系、移動系、広範囲にわたる天候・時間操作系
及び、メテオ、クエイクのような地形が変わるほどの大規模魔法
・全体攻撃の範囲は「攻撃側から見えていて、なおかつ敵と判断した相手全て」
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは人が近くにいないときにできる。
そのときにになんらかのアビリティをつけることができる。
・ジョブ特性は、ダメージ回避、落とし穴回避、まほうバリア、薬の知識のみ備わっている
+戦場となる舞台について+
ttp://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/up/source5/No_0006.jpg 島の東西南北に位置する祠はスタート後に爆発して無くなっています。
他にも色々あるので詳細は前スレを確認してください。
+召喚について+
・召還士は単独で、魔石、マテリアを使えば誰でも召還可能
・魔石は一日一回。
・召還士の通常召還、マテリアのみだと消費MPが馬鹿でかく、一日二回が限度
また召喚直後は完全に無防備であり、連続しての召喚は不可能
・召還士+マテリアor魔石だと消費MPが下がる
・ユウナの出しっぱなし召還もMPを消費させる
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。
・出来れば話にはタイトルをつけてください。
現在の生存者一覧
FF2(1人):レオンハルト(ダークナイト)
FF4(4人):セシル カイン ルビカンテ エッジ
FF5(6人):バッツ ファリス クルル ミド ギルガメッシュ レナ
FF6(5人):リルム シャドウ ティナ セリス ロック
FF7(9人):ケット・シー ダイン レノ スカーレット ヴィンセント
エアリス ティファ クラウド ユフィ
FF8(3人):アーヴァイン セルフィ サイファー
FF9(4人):ジタン スタイナー ベアトリクス サラマンダー
FF10(4人):ティーダ ユウナ アーロン ルールー
DQ2(3人):リンダ(ムーンブルク) クッキー(サマルトリア) マイヤー(ローレシア)
DQ3(5人):アルス(男勇者) ターシャ(女僧侶) まりりん(女賢者)
レオナ(女武闘家) サマンサ(女魔法使い)
DQ4(5人):ミネア マーニャ アリーナ クリフト バコタ
DQ5(3人):リュカ(主人公・青年) プックル(キラーパンサー) クーパー(王子)
DQ6(1人):ミレーユ
ジタン達の後姿を見送って、クラウドはクリフトを見た。
説得してみるとは言ったものの、ジャンキー相手の説得など初めてだ。
それに変に刺激して、アリーナを危険な目に会わせるわけにはいかない。
「……とりあえず、こいつが起きるまで待つか」
瓦礫で頭を打って気絶したということは、おそらく脳震盪を起こしたのだろう。
あまり医療には詳しくないが、軽度の脳震盪なら数分ほどで勝手に治るはずだ。
そんなクラウドの読み通り、10分ほどでクリフトは目を覚ました。
「ん……あれ? ここは? レオナさんとルビカンテさんは……?」
意識がはっきりしない様子で、ぼんやりと辺りを見まわす。
「しっかりしろ。寝ぼけてる場合じゃない」
クラウドは、クリフトに今までのことを簡単に説明した。
といっても、彼とてマイヤーの動機までは知らないので、その部分には多少の推測を交えたが。
しかし殆どは、元々クリフトが知っていたことなのでさほど苦労はしなかった。
そして一通り話し終えた時、クリフトは青ざめた顔で、呆然と酒場の方を見つめた。
一方、マイヤーは妙にとろんとした目つきで、気絶したアリーナを見ていた。
いや。彼が見ているのは、アリーナではない。
「リンダ……リンダ、リンダぁ……」
マイヤーの目の前で、かつて共に旅した少女が優しげに微笑んでいる。
それは麻薬と、マイヤー自身が心の奥に秘めていた願望が作り出した幻覚だ。
リンダをこの手で抱きたいという、恋心と本能が混ざった欲望。
それを叶えるために、幻影の少女は誘うように手を伸ばす。
不幸なことに、今のアリーナには抵抗する意志も力も残されていなかった。
そしてマイヤーには一片の理性も残っていなかった。
マイヤーはリンダの――アリーナの胸元に手をかけ、一気に引き摺り下ろす。
丈夫な革のドレスは、拍子抜けするほど簡単に、音を立てながら破けた。
「今の……音は……?」
酒場の中から聞こえた、布地が破ける音。考えたくもない想像が二人の頭を過ぎる。
クラウドはクリフトを押し止めて、酒場の戸口へ走った。
「!!」
――そして思わず目を背ける。
想像通りの……いや、想像をはるかに超えた光景がそこにあった。
立ちすくむクラウドの後ろから、クリフトが駆け寄ってくる
「姫様!!」
「来るな!」
だが、クラウドの制止は一瞬遅く。クリフトの視界に、それははっきりと映ってしまった。
一匹の獣に思うがままに蹂躙され、陵辱を受けるアリーナの姿が。
二人の存在にようやく気付いたのか、マイヤーは顔を上げた。
「何だよお前ら……薬を持ってきたのか?」
「貴様……」
クラウドは怒りのあまり、拳を固く握り締める。このまま、この獣を縊り殺してやりたかった。
しかしアリーナの命はこいつに握られているも同然なのだ。
歯噛みするクラウドの前に、すっとクリフトが歩み出た。
その顔には何故か微笑が浮かんでいた。神官らしく、慈悲深い微笑が。
「……薬ですね、持ってますよ。ほら」
マイヤーの目の前で、ガラスの小瓶を振る。液体が中で音を立てる。
「よこせっ!」
マイヤーはクリフトの手から小瓶をひったくり、震える手つきで注射器に中身を移した。
アリーナへの注意が逸れたことに気付いたクラウドは、そっと彼女に近付こうとした。
けれどクリフトの手が、彼を止める。
「離せ。今なら、助けられるかもしれない」
クラウドの言葉に、クリフトは首を振った。
「大丈夫ですよ。そんなことをしなくても、姫様は助かります。
見てください。あの男は偽の薬に気を取られて、すっかり油断してる。
ああいう相手にこそ、良く効くんです。私が一番得意な呪文はね……」
おだやかな笑顔で言う彼に、クラウドは思わず寒気を感じた。
「ザキ」
クリフトが小声で呟いた。同時に、マイヤーの身体がびくん、と痙攣した。
「がっ……あ、うぐ……ぁああ」
身体が強張る。血液が固まり、細胞が死んでいくのが感覚として脳に伝わる。
忘れていた苦痛が蘇り、死の恐怖が襲ってくる。
のたうつことも出来ずに苦しんでいるマイヤーの傍を、クリフトは悠々と通り過ぎた。
「ベホマ」
気絶しているアリーナに癒しの呪文を掛けてから、彼はすぐ近くの床に落ちていた剣を拾い上げる。
「――楽には死なせませんからね」
その言葉通り、マイヤーの命は未だ消えずにいた。
本来、ザキ系の呪文は成功すると同時に相手の命を吹き消す。
しかしクリフトは、そうさせなかった。
末端部分から徐々に体液を凝固させ、できる限りゆっくりと、死の呪いに身体を侵食させる。
生と死の呪文のエキスパートであるクリフトだからこそ、成せた技だ。
マイヤーは恐怖に目を見開かせ、助けを求めるようにクラウドを見上げる。
狂気の影が薄れ、わずかに少年らしさを取り戻した表情には幾ばくかの同情を覚えたが、
やはり助けようという気は起こらなかった。
そしてクリフトの振りかざした剣が閃く。
「――!!」
マイヤーの、言葉にならない悲鳴が、長々と空気を震わせた。
――アリーナは、ベッドの上で目を覚ました。
「あれ? 私、外にいたんじゃ……」
記憶の糸を手繰ってみるが、マイヤーに腕を潰されたところでぷっつりと途切れている。
そして当のマイヤーも、近くにいたはずのクラウドの姿もない。
「そういえば、私の腕!……って痛くない?」
誰かが回復してくれたのか。破裂したはずの右腕が、元の形を取り戻していた。
さすがに完全には治りきらなかったらしく、力を込めても思い通りには動かなくなっていたが。
首を傾げるアリーナ。その時、かちゃりとドアが開いて、見覚えのある人物が入ってきた。
「クリフト!」
「姫様! お目覚めになられたのですか」
クリフトは安心したように胸を撫で下ろす。それから急に、慌てたように手を振った。
「す、すみません。血で汚れていたので、お召し物を勝手に替えさせていただいたんです!
失礼とは思ったんですが……いえ、そんなやましいことなんて、何一つ!」
そういえば、愛用の革製ドレスが、木綿のワンピースに変わっている。
口ぶりからして、クリフトがやったのか。……その場面を想像するとちょっと恥ずかしい。
しかしアリーナには、服なんかよりも気にかかることがあった。
「ねぇ、私、なんでこんな部屋で寝てたの? あの男はどうしたの?」
――アリーナは気付かなかった。クリフトの表情がわずかに陰ったことに。
「いいんですよ、姫様。もう、全部終わったんです。
今はゆっくり、身を休めていてください」
クリフトは微笑んだ。……それはとてもぎこちない微笑だったが、仕方なかっただろう。
【クリフト:所持武器/魔法の聖水×2本 バリアブルソード:現在位置/S−16(民家) 】
第一行動方針:アリーナを守る
【アリーナ(右手使用不能) 所持武器:カイザーナックル 現在位置:S−16(民家)】
第一行動方針:仲間を探す
【クラウド 所持武器;集合ラッパ 現在位置:S−16】
第一行動方針:仲間を探す
(集合ラッパは自分を中心に半径6HEX内にいる全ての参加者を瞬間移動させて引き寄せるもの、一回きり)
【マイヤー 死亡】(残り 52人)
11 :
修正:03/07/20 16:11 ID:0LcCxnIY
クリフト・アリーナ・クラウドの現在位置を修正します
×誤【S−16】→○正【S−17】です
ご迷惑をおかけしました。
ケット・シーと別れて数時間。アーロンは街に向かって歩きつづけていた。
毒の沼地に近寄ったが、これを通過するのはさすがに危険と考え迂回をする事にしたのだ。
その為、予想以上に時間が掛かってしまい、やっと前方に橋が見えてきたというところである。
橋の前にある木陰にザックを置き、腰を降ろす。
軽く食事を取りながら袋の中身、というより大剣をじっと見つめる。
「コイツを少し試してみるか」
大剣の切れ味を確かめようと、ゆっくりと立ち上がり木々の前に近づいた。
ここでこの剣を手に取らなければ彼の運命は変わったかもしれない。
最も、そのうち剣を使う機会は出てくるだろうから変わらぬことかも知れないが…。
ケット・シーと交換した大剣を手に取り、近くに生えている木に向かって剣を振るう。
それなりに太かった木を一振りで両断。その後、辺りに響き渡る轟音。
「かなりの代物だな。だが、何だ?この感じは…」
気付いた時には既に手遅れだった。
大剣から怪しい力を感じたアーロンは剣から手を離そうとする。しかし、何故か剣は離れない。
まるで強大な力で吸い付けられているかのように。
目の前が暗くなる。次第に意識が薄れてゆく。
気を確かに持とうとするが、剣から放たれる妖気は彼を侵食し続ける。
「………」
およそ3分後、彼が目を開けたときには、既に魔剣に意識を奪われていた。
サングラスに隠れた瞳が怪しく光る。
「……斬る」
男はそう呟くと、ゆっくりと街に向かって歩きだした。
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:P-17から街へ】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識は完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
「ほう、なかなか良い景色ですね」
サマンサは小高い山の上から麓の平原を見つめていた。
「それにしても我ながらなかなかのペースで歩いたものです」
地図を眺め、自分の歩いてきた道筋を指でなぞる。
確かに、サマンサは人間の感覚で見れば、かなりのハイペースで歩いてきたのだろう。
だが、それは『人間』の常識内でのことである。
その男は人間の常識を超えたスピードで、島の最北端から移動してきたのだ。
サマンサの歩いた道のりの2倍近い距離を半分の時間で。
パラパラ、と小さな石や土が降ってくるのとほぼ、同時だった。
サマンサがとっさに身を引いてその場を離れる。
ドフッ、と曇った音と、土埃に紛れて赤いマントの男が降り立った。
敵意を剥き出しにさせ、銃を構えながら無機質な表情でサマンサを見据えている。
(このままでは、勝機はありませんね――)
サマンサはどうしようか、と考える。
「女、すまないがお前には死んでもらう」
不意に声をかけられる。
「だがせめてもの情けだ。抵抗しないなら、頭を撃ち抜いて楽に殺してやろう」
サマンサは心の中で毒づいた。
(そんな申し出に乗る者なんているわけがありませんよ!)
そして、ヴィンセントを騙そうと手を上げる振りをする。
「――なかなか潔いな」
ヴィンセントがそう言い終わる直前、サマンサは手を振り下ろしていた。
「メラミ!」
サマンサの腕から真紅の炎が舞い上がり、ヴィンセントの身体を包み込む。
「せっかくの申し出ですが、私には殺さなければ行けない男がいるのですよ」
そう言うや否やサマンサはボミオスをヴィンセントにかけ、脱兎の如く南へ駆け出した。
「くっ…甘く見ていたか」
なんとか炎を振り払い、サマンサの後を追おうとする。
しかし、なぜか全力で走る事が出来ない。
「まあいい。この程度のスピードでも追いつくのは簡単だろう」
呪われた力も、こういう時には頼もしいものだ――。
そう思いながらヴィンセントも、サマンサの後を追い始めた。
一方、すっかり距離を置いて安心したサマンサは笑みを浮かべていた。
(フフ、上手くいったみたいですね)
山道を走りながらサマンサは、見事にヴィンセントを出し抜いた事を喜ぶ。
だが、後ろを振り返ると――。
「逃がさんぞ!私を貶めたことは誉めてやるが、身体能力の差は考えていなかったようだな」
ヴィンセントが、徐々に距離を詰めているのだ。
(そんな――ボミオスがかかっていて、この速さというのですか?)
サマンサはなんとか策を考えようと必死に頭を動かす。
ドン、ドンドン。
乾いた銃声が、鳴り響いた。
「はあ はあ…なんとか追い払えましたか…」
岩にもたれかかって血が滴り落ちる腕を押さえながらサマンサは独り言を漏らした。
そして、やや左の方に伸びている山道を覗き込む。
続いて自分の上に続く崖を見上げた。
「僧侶の修業も無駄ではなかったということですか」
ついさっきまで驚異的な速さで自分を追いかけて来たヴィンセントの顔を思い浮かべる。
「ピオリム!」
サマンサが僧侶時代に会得した呪文を自分に放つ。
「何っ!?またスピードが上がった?」
ヴィンセントも必死で走るが、呪文による速さはどうにもならない。
銃を撃って動きを止めようとするが、肩に1発当たっただけで、残りは当たらなかった。
そして、急カーブに差し掛かったところでサマンサが振り向き、後方に呪文を撃ち込む。
「ベギラマ!」
サマンサは迷わず崖を飛び降り、ヴィンセントの追撃を避けることが出来た。
つい先ほどまでの激戦を思い返し、また独り言を口にする。
「相当な使い手でしたね」
銃弾が当たり、破裂したため、機能を破壊された肩を見る。
さっきから回復魔法をかけ続けるが、治るのは当分先か――もしくは、もう二度と治らないか。
「治らなくても良いでしょう。どうせ肉弾戦は不得意ですしね。
呪文を唱える分には差し支えもなさそうです」
そう言ってサマンサは、しばらく休憩を取ることにした。
【ヴィンセント 所持武器:魔法のカギ メイジマッシャー
神羅甲式防具改(効果半減) 太刀(両手持ち)コルトパイソン(弾丸なし) 山彦の盾 力の盾
ハイブロウST 黒胡椒 スコールの首輪 現在位置:F-12 山道 】
第一行動方針:『魔法のカギ』を使って、南の塔でアイテム取得
最終行動方針:勝利し、過去を改変する
ステータス:HP半減。
(仲間に出会った場合、1度目は見逃します)
【サマンサ 所持武器:リボン 現在位置:E-12 崖下
ステータス:MP減少 左肩損傷】
第一行動方針:回復
第二行動方針:アルスを殺す
風の無い浜辺で、ミネアとレオンハルトは砂浜に座りこみ海の彼方を見つめていた。
レオンハルトは寄せては返す波をただ眺めているだけだが、ミネアの方はまたトランプを並べて占いを、
行っている。
結果が出たのだろう…ミネアの顔に安堵の表情が浮かぶ。
「私の仲間が一人危機を脱したと出ました…これで一安心です」
「それは良かったな…だが仲間の居場所とかはわからんのか?」
レオンハルトの言葉に残念そうに応じるミネア。
「他者の命運は占う者に近ければ近いほど見えにくくなります、光り輝く月も近づけば。
ただの岩石の塊にしか見えぬのと同じです」
「それに、本来占いとは星々の加護が得られる夜にこそ行うもの、昼間は太陽の光が
人々の運命を覆ってしまうのです」
と、いいつつもミネアは占いの手を休めない、と、何か出たのだろうか?
ミネアの手がせわしなく動きはじめる、レオンハルトも海を眺めるのはやめて、ミネアに注目する。
そして、ミネアの手がやがて止まる。
「風が変わります…風とはすなわち運命」
「お前たち占い師の言う事は遠まわしでいけないな、要するに何か大きな事が起きるのだろう?」
ミネアはレオンハルトの言葉に頷く。
「それが何かはわかりませんが、ともかくこの島にいる全ての人々の運命を大きく左右する出来事が
もうすぐ起こる、と出ています」
そこまで話し終わると、ミネアはトランプを片付けて、ごろりと砂浜に寝転がり雲一つない空を眺めるのだった
そして、そこからかなり離れた森の中では、ついに修理が完了した飛空挺に乗り込む、
エッジたちの姿があった。
「よし!それじゃあ早速出発といくか!」
「おーっ」
得意げに操縦桿を握るエッジ、元気良く答えるクルル。
「動力部も正常に稼動しています、気流もフライトには絶好です」
計器の数値を確認しながらミドが答える。
「いよいよ、これが飛ぶのね…楽しみ」
ルールーも期待に胸を膨らませているようだ。
「皆しっかりどっかに捕まってろよ、少し揺れるぜ!」
注意の言葉と同時にエッジは足元のペダルを踏み、操縦桿を手前に倒す。
と、彼らの足元から何やら浮かび上がるような奇妙な浮遊感がしたかと思うと、
飛空挺は勢いよく、森の中から垂直に空へと浮かびあがった。
「見てみて!浮かんだ、浮かんでるよ!」
窓から外を見ながらはしゃぐクルル、笑顔でその様子を見ているルールー。
「数値全て正常、このまま一気に上昇してください」
ミドの声にエッジはさらに景気良くペダルを踏みこむ、見る見るうちに下の地面が遠ざかっていく。
「上昇はもういいです、これから移動してください…まずは」
その時だった。彼らの耳に、いや全ての人々の耳にあのいやらしい笑い声が聞こえたのは。
「ひょひょひょ、そんなものを直して何処にいくのかなぁ」
島中にケフカの笑い声が響く、そして空に浮かぶ飛空挺の姿もまた島中に大きく映し出される。
「言ったはずだよ、君たちに逃げる術はないと、それに死ぬか最後まで生き残る以外に自由を掴む
方法もないと」
「だから、勝手にそんなことをする奴らはエイ!だ」
ケフカの掛け声が終わるか終わらないかの間に、飛空挺はどこからともなく放たれた謎の光線によって
貫かれ、そして炎に包まれ爆発を繰りかえす。
そして無論その無残な様は、島の上空に大きく映し出されているのであった。
コントロールを失った飛空挺は、猛スピードで上空を迷走していた。
そしてコクピットの中は大火災が起きていた。
炎に巻かれながらも必死で機体をコントロールしようとするミドとエッジ。
「聞こえるか!確かそこのトランクにパラシュートがあったはずだ!」
エッジの叫び声に、ルールーはトランクを開く、確かにそこにはパラシュートが入っていた。
「クルル!ルールー、早く飛び降りるんだ…もう機体が保たねぇ!」
「そんな…あんたたちはどうすんのよ!」
「うるせえ!女子供を置いて先に逃げられるか!早く逃げろ!」
「逃げるなら一緒だよっ!」
「そんなわけに行くか!お前らが早く逃げないと、俺が逃げられないだろうが!行けよ!」
「わかったわよ…でも死ぬんじゃないわよ!」
まずはクルルが目をつぶって飛空挺から飛び降りる、それから少し遅れてルールーがアンジェロを抱いて飛び降りる。
気流に巻かれ、島の左右に大きく引き離されながらも無事にパラシュートが開いたのを確認し、
エッジはほっと息を吐く。
「さあミド、次はお前だ、早く逃げろよ」
しかしミドは計器にしがみついたまま離れようとしない。
「僕のせいだ…もう少し考えれば罠だって分かったはずなのに」
ミドは悔やんでも悔やみきれないといった表情で、涙を浮かべている。
「エッジさん、先に逃げてください…僕の責任です、だから」
ミドの言葉は途中で中断された、エッジが当身を食らわせたのだ。
「ガキが…男が責任云々言うのは下の毛が生え揃ってからの話だぜ」
エッジはミドの身体を炎のマントで包み、その上にパラシュートを背負わせ飛空挺から落とす。
はるか下方でパラシュートの花が開くのを見て、エッジは安堵の溜息をつく。
「俺だって、無事なら逃げたいところなんだけどな」
エッジは自分の腹部を見る、鉄の破片が突き刺さりそこから大量の血が溢れ、しかも内臓がはみ出している。
「これじゃ流石にもう助からねぇからな…だがよ」
エッジはまたコクピットに戻る、すでに炎はコクピットのみならず、飛空挺全体を包み込んでいた。
そしてエッジの身体もまた、炎に焼かれつつあった。
しかし、それでもエッジは何とか機体を安定させると、そのまま飛空挺を上昇させていく。
「ただじゃ死なねえぜ!俺はしつこい男なんだ!」
再びケフカの声が響く。
「命が惜しくは無いのかねえ、ひょひょひょ」
「聞こえねえよ…」
エッジはケフカの声は無視して、さらに上昇を続ける。
「そうか、ならばお前はバカだ、大バカ者だ、ひょひょひょひょひょ」
さらに続くケフカの嘲りの言葉には構わず、エッジは放送用のマイクのスイッチを入れ、音量を最大に上げる。
「なあ?皆聞こえてるか…俺の声が、俺はもうここで終わっちまうみてえだ…だから最後に言いたい事を言わせてくれ
やめにしようぜ…こんなことはもう、殺しあって何になるんだ、こんな気狂いピエロを喜ばせて何になる
だからよう…もう少し皆で考えてくれ、俺たちは失敗したけど、きっと方法はあるはずなんだ…だから」
しかし、エッジの言葉は最後まで話されることはなかった。
何故ならば再び放たれた光線が、今度こそエッジもろとも飛空挺を焼き尽くしてしまったからだ。
だがもし、空を飛ぶ鳥の瞳を持つ者がいれば、きっと知ることが出来ただろう、
エッジの最期の顔は無念とは程遠い、穏やかな顔をしていたということを・・・・。
そして大爆発からやや遅れてケフカの声が再び響く。
「ひょひょひょ、これで分かったかな?もう君たちに残された選択肢は一つしかないってことを
これからもこんな真似をした人は(裁きの光)で御仕置きしちゃうからねえ〜」
こうして放送はケフカによって締めくくられ終了した。
そう、全てがケフカの思惑通りに言ったと思われた、しかし要塞では。
「ばか者!何故許可無く射ったのだ!」
ケフカは副官を呼びつけ叱責する。
「しかし…あのままでは要塞に直撃する恐れがあったので…」
ケフカは副官の言い訳を聞きながらも、今後のことを考える。
(余計な早とちりのせいであの男を殉教者にしてしまったわ…さて、これから奴らどう動く…)
ケフカは苛立ちを隠そうともせず、手にした杖で床をつつき、かつかつと打ち鳴らしていた。
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:L-03】
第一行動方針:?
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:L-03】
第一行動方針:レオンハルトについていく
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【クルル(ジョブ:時魔道士 アビリティ:白魔法) 支給品:? 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
【ルールー:所持品:アンジェロ 炎のマントの切れ端 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
【ミド 所持品:?+炎のマント 現在位置:P-12 飛空挺内部】
第一行動方針:?
第二行動方針:?
【エッジ:死亡】
(残り51人)
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:L-03】
第一行動方針:?
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:L-03】
第一行動方針:レオンハルトについていく
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【クルル(ジョブ:時魔道士 アビリティ:白魔法) 支給品:? 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
【ルールー:所持品:アンジェロ 炎のマントの切れ端 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
【ミド 所持品:?+炎のマント 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:?
24 :
町への帰還:03/07/21 22:01 ID:eho7o6yF
海辺の茂みから2人の男女が姿を現した。
ルビカンテとレオナである。
「思ったより手間取ってしまったな」
鎮静薬や薬草になる材料と、そうでないモノとの選別に時間を食ってしまった。
「――それにしても、アタシ達もあの道化に監視されてるんですかねえ」
先ほどの飛行船が天から放たれた白い光で消滅するのを、2人は見ていた。
「大丈夫だ。あれほど大がかりな行動を起こさない限りはアイツらに知られることはないだろう」
そう答えはしたが、ルビカンテは内心冷や汗を流している。
(あいつらはどこまで知っているんだ。どこまで干渉できるんだ…)
すぐにルビカンテはその考えを振り払う。
(表立って反抗しない限りはああいうことにはならないだろう。大丈夫だ)
そう自分に言い聞かせて
「さあ、あの少年が気がかりだ。――行くぞ」
2人は町に向かって歩き出した。
「で、師匠。一体鎮静薬以外にどんな薬を作るんですか?」
レオナは自分の持つ大量の葉を覗きながら言った。
「効果は薄いが薬草みたいなものだ。毒やマヒの魔法を使う参加者もいるかもしれんからな」
「それにしても、師匠って薬も作れるんですね〜。ますます尊敬しちゃいますよ」
そう言いながらにっこりとした顔を作って見せた。
「お世辞を言っても何も出ないぞ」
ルビカンテは平然と足を動かし続ける。
25 :
町への帰還:03/07/21 22:01 ID:eho7o6yF
「――それに、効果も市販の回復薬よりは劣るぞ。昔に少し、かじったことがあるだけだからな」
しかし、レオナは
「それでもスゴいですよ。さすがアタシの師匠です!」
と、ルビカンテを絶賛した。
「仮にもお前の師匠を引き受けた身だからな。ちゃんとお前にも調合の方法を教えてやる」
その言葉にレオナがこれ以上ない、と言うぐらいの満面の笑みを浮かべる。
「本当ですか?やった〜!!」
その反応にルビカンテは苦笑した。
(面白いヤツだな。まるで仔犬のようだ)
「それにしてもあの民家までたどりつけますかねえ。あの町、迷路みたいだったし」
「大丈夫だ。道順ぐらいは覚えているさ」
そして、レオナに前を見させる。
「さあ、もう町についたぞ」
そう言って2人は町の中に入っていった。
【ルビカンテ 所持品:調合材料(袋いっぱい) 現在位置:S−17 町の東部入口
第一行動方針:薬草調合
第二行動方針:マント(出来れば炎のマント)を探す
第三行動方針:ゲームの目的を知る】
【レオナ 所持品:缶詰(残り90個)と缶切り2つ 現在位置:S−17 町の東部入口
第一行動方針:ルビカンテの手伝い 】
「ふーん、すげぇ武器だな。ありがたく使わせてもらうよ」
バッツはミレーユから受け取ったアウトサイダーをしげしげと眺める。
「ええ、私は使わないし…これもあるしね」
そう言ってバリア・ポイントのスイッチを見せた。
バッツが前を向くと橋が見える。
「あの橋を渡れば、町まであと少しだな」
バッツは隣にいるミレーユに同意を求め、ミレーユも小さく頷いた。
「オイオイ、早くしろよ〜!お前ら歩くの遅くないか?」
先を歩くギルガメッシュが2人を急かす。
「お前が早すぎるん――」
そこまで言って、バッツは声を止めた。
「うおおお、おぬしたちに頼みたいことがあるのだ!」
眼の前を変なオッサンが走ってくる。
「あ…ありゃあ敵じゃなさそうだけどよ…どうする、バッツ?」
「取り合えず話を聞いてやろうぜ。オレ達に何か用かい?」
その男はバッツの眼の前まで走ってきて、用件を伝えようとした。
「自分はスタイナーというのである!頼みを聞いていただ――ム!」
スタイナーはそこで言葉を切る。
「失敬。ちょっとまってもらいたい!」
2〜3分ほどなにやら資料を眺めていたスタイナーは、その資料をザックに戻して3人に向き直る。
「なるほど。おぬし達は怪しいものではなさそうであるな!」
その言葉にギルガメッシュが反応した。
「当然だろ!オレ達、怪しいところなんてどこにもねえよ!」
「いや、まこと、失礼したっ!ギルガメッシュ殿!それより頼みを聞いてくれないであろうか?」
スタイナーはマイヤーの事を、熱心に説明し始めた。
「――そこでこの参加者の資料を持ってその少年をどうにかできる者を探しているのである!」
3人はすぐに話を飲み込んだ。今まで黙っていたミレーユが口をはさむ。
「でも、私たち…麻薬なんて持ってないわよ?」
ミレーユの言葉に、ずっと参加者資料を見ていたギルガメッシュが反応した。
「何人か仲間もいるんだろ?とりあえずそいつらにも会ってみないか?」
「ああ、心強い仲間が増えるかもしれないからな」
バッツもそれに賛成する。
「本当であるか?」
スタイナーはバッツの手を強く握った。
「あ、ああ…」
思わずたじろぐバッツ。
「それよりさ、その町にファリスやレナやクルルって名前のヤツも一緒だったか?」
「ちょっと待つのである!」
そう言ってスタイナーはまた、参加者リストを見回す。
「――いや、そんな名前ではなかったのだ」
バッツは少し落胆した表情になるが、すぐ笑顔に戻り、言った。
「いいぜ。協力してやるよ。2人ともいいよな?」
ギルガメッシュもミレーユも、当然、といったように頷いた。
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 現在位置:P−17 橋】
第一行動方針:マイヤーをどうにかする
【バッツ/ギルガメッシュ 所持品:鋼鉄の剣 アウトサイダー 現在位置:P−17 橋】
第一行動方針:スタイナーに協力
第二行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフとの合流
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル(
>>26)ルビーの涙
現在位置:P−17 橋】
第一行動方針:スタイナーに協力
29 :
27修正:03/07/22 20:04 ID:cbfMSINu
「――そこでこの参加者の資料を持ってその少年をどうにかできる者を探しているのである!」
3人はすぐに話を飲み込んだ。今まで黙っていたミレーユが口をはさむ。
「う〜ん…困っている人をほっとけないわよね。どうしましょう?」
ミレーユの言葉に、ずっと参加者資料を見ていたギルガメッシュが反応した。
「何人か仲間もいるんだろ?とりあえずそいつらにも会ってみないか?」
「ああ、心強い仲間が増えるかもしれないからな」
バッツもそれに賛成する。
「本当であるか?」
スタイナーはバッツの手を強く握った。
「あ、ああ…」
思わずたじろぐバッツ。
「それよりさ、その町にファリスやレナやクルルって名前のヤツも一緒だったか?」
「ちょっと待つのである!」
そう言ってスタイナーはまた、参加者リストを見回す。
「――いや、そんな名前ではなかったのだ」
バッツは少し落胆した表情になるが、すぐ笑顔に戻り、言った。
「いいぜ。協力してやるよ。2人ともいいよな?」
ギルガメッシュもミレーユも、当然、といったように頷いた。
「エッジ…」
ようやく祠跡についたセシルとバコタだが、セシルはうつむき、暗い表情をしていた。
飛行船が炎上する光景を見せられてから、ずっとこの調子だ。
「セシルさん、そう落ち込まれずに…」
とはいえ、バコタもその事に関しては、いささか残念でもあった。
(あれほどの技術を持つ者なら、脱出を考えていたのなら、良い協力者になってくれたでしょうに)
セシルとは違う理由ではあるが、とにかくバコタも彼等の失敗を見て、残念に思っていた。
(まあ良い教訓になりましたね。目立たない方法でこっそりとやらないと――ああなるわけですか)
バコタは一人でしきりに頷いている。
「セシルさん。落ち込むのもわかりますが今は気持ちを切り替えていただけないでしょうか」
「…あなたは、あんな光景を見せられて何とも思わないんですか?」
少し語気が荒いでいる。
「滅相もない!私だって悲しんでいますよ」
言い聞かせるように優しい表情をつくった。
「しかし今はそんな場合ではないでしょう。泣いたりするのは、この殺し合いを抜けた後にゆっくりすればいい」
セシルもその言葉に心打たれたのか「そうですね」と呟いた。
「僕が甘すぎたんでしょうか。悲しんでいる場合じゃないことはわかっているのに」
「その優しさは大切です。さ、もう祠跡が見えてきましたよ」
そう言ってバコタは先に歩き出す。
セシルはその背中を見ながら思った。
(なんだろう、イヤな感じだ…カインと出会った時もこんなことを言ってた…)
バコタに従い歩きながらも、さらに思考をめぐらせる。
(正しいことを言っているのはわかる。ちゃんと僕の仲間の死に悲しんでくれている)
頭がくらくらしていた。
(でも、表面上は悲しんでいるけど、実はそれほど感情を持っていない…?)
現実的過ぎる、と思った。
「セシルさん」
セシルは思わず肩を跳ね上げる。
「どうしました?考え事に熱中して樹にぶつからないように注意して下さいよ」
「はあ、すみません…」
「まあ良いでしょう。ほら、見てごらんなさい」
バコタはセシルに前を向かせた。
平原の一部にぽっかりと草が焼けて赤茶けた土が覗いている場所があった。
ここが祠の跡に間違いない。
「さて、情報収集にとりかかりますか」
【セシル: 所持アイテム:ディフェンダー ?(セシルの道具) 現在位置:J-3 祠の跡
第一行動方針:バコタに協力する(不信感)
第二行動方針:カインと洞窟で再び会う
根本行動方針:決めかねているが、ゲームに乗る気はない】
【バコタ: 所持アイテム:アイスブランド キスティスの首輪 ?(アニーの道具)
現在位置:J-3 祠の跡
第一行動方針:祠跡を調査・情報収集
第二行動方針:協力者を集める
根本行動方針:首輪を外し、ゲームを破壊する】
32 :
殺人者志願:03/07/24 20:43 ID:92Oo4gnr
「あああ…」
飛空挺の無残な末路を目の当たりにし、クリフトは喘ぐ。
そのパイロットらしき男の声は風向きの行為もあって、ほとんど聞き取る事ができなかったが、
ああいう時、何を叫ぶものかは大方想像がつく。
身体の震えが止まらない……。
クリフトは気持ちを落ち着けるべく深呼吸を試みるが、それすらままならない。
きっとあのパイロットもそうだったのだろう…、だが、それでも。
クリフトは自分の傍らのベッドで眠るアリーナの顔を見る。
「姫様さえ…無事ならば」
そう思うと不思議と恐怖が消えていくのであった。
クリフトは考える、この寝顔を最後まで守り通すにはどうすればいいのかを…。
空を飛ぶのも駄目、ルーラもリレミトも駄目、恐らく海にも罠が仕掛けられているのだろう、
だとすれば…。
「戦うしかないのか」
そうだ、守りつづけるだけでは駄目だ、戦わなければ…そして一人でも彼女の敵を倒さなければ、
実際はもっと他にやりようもあるとは思うのだが、小心者ゆえに考えが極端から極端に走ってしまうのだ。
だが…この決意をアリーナに知られるわけにはいかない、彼女のことだ、例え生き残るためとはいえ、
人を殺めることになるのを彼女が許すはずも無い、それに…。
「汚れるのは私だけで構わない…」
幸い、もうすぐルビカンテたちも戻ってくるだろうし、あの金髪の青年も信頼できる人物のようだ。
アリーナの処遇について心配することはないだろう。
33 :
殺人者志願:03/07/24 20:46 ID:92Oo4gnr
無論、出来る事ならば自分がずっとそばに居て、守りつづけていたい…そして願わくば。
いや、所詮身分違いの恋だ。
妄想の中では毎日のようにアリーナと結婚式を挙げ、めくるめく初夜の悦びにひたり続けているのだが、
実際の自分は彼女の手すら握る事が出来ないでいる。
(こんな臆病で弱気な私なんて……)
と、そこにクラウドが入ってくる。
慌てて立ちあがるクリフトだが、自分の下半身の異変に気がつき、思わず屈んでしまう。
「おい、なんで前屈みなんだよ…」
「な!何でもないです、ちょっと……そ、そうだ!」
「姫様も落ちついたようですし、私は他の仲間を探しに行ってきます…もうすぐさっき話した人たちが
戻ってくると思うので、事情の方は机の上の手紙を添えて、説明しておいてください」
と、一方的にまくしたてると、クリフトはそのまま建物の外へと出ていった。
その瞳の奥にアリーナの顔をしっかりと焼きつけて…ただし前屈みのままだったが。
【クリフト:所持武器/魔法の聖水×2本 バリアブルソード:現在位置/S−17から街の外へ 】
第一行動方針:結果的にアリーナを守るために殺人を犯す…予定
【アリーナ(右手使用不能 睡眠中) 所持武器:カイザーナックル 現在位置:S−17(民家)】
第一行動方針:仲間を探す
【クラウド 所持武器;集合ラッパ 現在位置:S−17】
第一行動方針:仲間を探す
(集合ラッパは自分を中心に半径6HEX内にいる全ての参加者を瞬間移動させて引き寄せるもの、一回きり)
「どうしよう?どうしよう?どうしよう?…どうしたらいいの?」
ユフィは茂みの中でぶるぶると震えていた。
飛空挺でもあれば、ラクに脱出できるのになーと考えていた矢先の大惨事である。
その頭の中はパニック状態だった。
しかし、そんな中でも忍者の本能か、自分の方へと近づいて来る何者かの足音だけは、しっかりと感知していた。
「誰?だれなのよう!?」
ユフィはそう叫んだつもりだったが、かすれて声が出ない、足音はさらに近づいてくる。
そして、茂みの影から赤い何かが見えたとき、ユフィの緊張の糸は切れた。
「わあああああああああっ!」
ユフィは、もはやなりふり構わず火炎放射器を持つとそのまま人影めがけ発射する。
人影は突然の攻撃に成すすべなく、炎に包まれ谷底の方へとゆっくりと滑り落ちていった。
人影が見えなくなってから、ようやくユフィは火炎放射器のトリガーを外し、一息つく。
「な、なんだ簡単じゃん…は…はははは…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
だが、ユフィは一旦落ちついたかに思えたが、また再び叫びを上げてその場から走り去る。
そう、今の彼女を支配していたのは、もはや逃げられないという恐怖だけではなく、
ついに殺人を犯してしまったのだという、恐怖と後悔も加わっていたのだった。
そしてその頃、崖下では。
「ふぅ…」
炎に包まれ、常識的に考えれば焼死しているであろうはずの男、いや少年が額の汗をぬぐっていた。
「すごいマントだなあ」
その少年、ミドは自分の身体を守ってくれたマントを興味深く見つめる。
マントは未だにくすぶってはいたが、実際は焦げはおろか、ほころび一つ出来ていない。
「このマントがあれば、少なくとも炎については心配ないということですね」
(エッジさん…また助けられてしまいました)
ミドは雲一つない空を見つめる、その目からはまた涙が溢れてくる。
やはりあの時死ぬのは自分であるべきだった、という思いは未だに消える事はない。
だが、それでも生き残ってしまったからには、何かをしなければならないのだ、
でなければ、文字通りエッジは犬死になってしまう。
「ぽくだって子供だけど男なんだ…だから」
と、そこで崖の上から声が聞こえる、男女2人組のようだ。
オイルの匂いがする、多分この近くに…追いかけて、などと、どうも会話が不穏な感じがする。
彼らには接触しないほうがいいだろう。
ともかくミドはひとまずその場を離れた。
【ユフィ(錯乱状態) 所持武器:困ったときの巻物×3 火炎放射器 現在位置:K−10から移動】
第一行動方針:不明
(ピンクのレオタード(ミネア用) クッキーとリンダのザックはその場に放置)
【クッキー 所持武器:なし 現在位置:K−10付近
第一行動方針:リンダを勝ち残らせ、その後自殺 】
【リンダ:所持アイテム:なし 現在位置:K−10付近
第一行動方針:勝利する】
(作中には登場してませんが、レノも追尾中です)
【ミド 所持品:?+炎のマント 現在位置:K−09】
第一行動方針:エッジの意志を継ぐ
第二行動方針:?
36 :
鬼神:03/07/26 22:03 ID:R34GoSVO
「くそぉっ!くそぉっ!」
ギルガメッシュは拳を地面に何度も叩きつけ、悔し涙を流す。
スタイナーはただ、神妙な面持ちで高々と空に敬礼をし。
バッツとミレーユは彼の言葉の重みを抱えていこうと決心をした。
「行こう、あいつの言葉通り、無駄な争いは止めなきゃいけない。」
バッツの静かな、それでいて重みのある言葉を聞いて三人は頷いた。
「へへっ、そうだな。」
ギルガメッシュはそう言うとあからさまに胸を張って歩き出す。
その後にスタイナー、ミレーユと続き、バッツもそれに続いた。
「うぉっぷ!」
不意に立ち止まったギルガメッシュの背にスタイナーがぶつかる。
スタイナーが何があったのかと顔を顰めるが、ギルガメッシュはただ、黙ってその剣を抜いた。
見ると目の前にはサングラスをつけた一人の男がいた。
慌ててスタイナーが参加者名簿をめくる、最初のほうにあった。
「待つのである! その人はアーロン殿、悪人ではないのである!」
安堵の空気がバッツ達を包んだ。
37 :
鬼神:03/07/26 22:04 ID:R34GoSVO
しかし、一瞬のうちにアーロンは間合いを詰め、その剣を振るった。
油断していたギルガメッシュは無防備な背中を曝け出し、その剣を受けた。
倒れこむギルガメッシュ、同時に弾かれるようにバッツ達が飛び出した。
ギルガメッシュの剣を借り、スタイナーがアーロンへと詰め寄る。
横からはバッツがアウトサイダーを使い、アーロンを狙うが、中々照準が定まらない。
ミレーユは重症を負ったギルガメッシュに必死に回復魔法をかけていた。
「駄目である! こやつには疲れが全く見えんのである!」
肩で息をしながら、スタイナーがそう言う。
確かにアーロンは少しも疲れを見せていない。
「くそっ!ここは一旦引こう!」
「ヒャド!」
バッツの声と同時にミレーユがアーロンの足を氷で固める。
バッツはギルガメッシュを担ぐと、街とは逆方向の西へと向かった。
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 鋼鉄の剣 現在位置:P−17から西へ】
第一行動方針:アーロンから逃げる
【バッツ/ギルガメッシュ(重症) 所持品:アウトサイダー 現在位置:P−17から西へ】
第一行動方針:アーロンから逃げる
第二行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフとの合流
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル(
>>26)ルビーの涙
現在位置:P−17から西へ】
第一行動方針:アーロンから逃げる
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:P-17から西へ】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識は完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
サングラスの男、アーロンの追撃から逃れるべく、必死で逃げるバッツたち一行。
しかし恐るべきスピードでアーロンはこちらへと迫っている。
怪我人を抱えているために、戦うこともままならない、しかしこのままではいずれ捕捉される。
焦るバッツの耳に、ミレーユの声が届く。
「バッツさん、逃げ足には自身がありますか?」
「ああ」
「なら、私が合図をしたらそのまま一目散に逃げてください、決して振り向かないように
スタイナーさんも早く行ってください」
ミレーユはバッツたちを先行させると、アーロンに向かい、素早く印を切る。
(通じるかは分かりませんが…これしか方法が無い以上やるしかない!)
印を切り終わると同時に強烈な光が周囲を覆っていった。
「今です!逃げますよ!」
ミレーユの声と同時に『とんずら』を行おうとするバッツ。
だが、その瞬間バッツの手が血で滑り、ギルガメッシュの身体が地面に落ちる。
「!!」
あわてて振り向いてしまったバッツの目に、まばゆい光が直撃する。
目が眩んでしまい、何も見えない…バッツは地面に倒れている誰かの手をつかむと、
そのまま『とんずら』で西の方角へと逃げていくしか方法は無かった。
どれくらい走っただろうか?
バッツはようやく平原のど真ん中で一息つく。
「ふう…どうやら逃げきったらしいぜ」
「そのようであるな」
その古風かつ重厚な言葉使いに、ぎょっとして思わず振り向くバッツ、そう、彼が握っていたのは、
ギルガメッシュではなくスタイナーの手だったのである。
そしてそのギルガメッシュはというと。
「気がつきましたか?」
ミレーユの呼びかけにきょとんと目を開くギルガメッシュ、見ると自分は身体を包帯で巻かれて、
木陰に寝かされている、それを上からミレーユが覗きこんでいる、そんな状況だ。
「そうだ…バッツ、あいたたた」
立ちあがろうとするギルガメッシュだったが、傷の痛みに耐えかねてへたり込んでしまう。
「無理は駄目ですよ、傷もふさがったばかりですし」
ミレーユは、はやるギルガメッシュをやんわりとなだめていく。
「バッツさんなら大丈夫です、方向は分かりませんが少なくとも私たちより先行してるはずですから」
「そうだよな…あいつが俺より先に死ぬわけがないよな」
引き続きミレーユはギルガメッシュの傷の様子を確認する、ベホイミで塞いだはずの傷口から、
うっすらと血が滲み出している、どうやらアーロンが持っていた剣には何らかの呪いがかかっていたのだろう、
それならばあの行動にも納得がいく。
「呪いの行為で傷が治りにくくなっています、しばらくここで動かない方がいいでしょうね」
「みたいだな…ちくしょうめ」
実際はそこまで余裕があるわけでもないが、仕方が無い。
「少しお話しませんか」
ともかくここは、少し張り詰めた気分を和らげた方がいい、そうでもしないとお互い不安で押しつぶされそうだ。
「へへへ、俺の武勇伝を聞きたいのか?ちと長くなるぜ」
ギルガメッシュも同じ気分だったようだ、威勢のいい言葉とは裏腹に、声はやや震えていた。
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 鋼鉄の剣 現在位置:M−17】
第一行動方針:?
【バッツ(シーフ) 所持品:アウトサイダー 現在位置:M−17】
第一行動方針:?
第二行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフとの合流
【ギルガメッシュ(軽傷) 所持品:なし 現在位置:O−15】
第一行動方針:傷を癒す
第二行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフとの合流
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル(
>>26)ルビーの涙
現在位置:O−15】
第一行動方針:休息
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:P−16】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識は完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:O−17】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識は完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
42 :
再考:03/07/28 14:34 ID:CvZjhxEg
空中から放り出されたその身体を、風がさらってゆく。
パラシュートがついているため、流されやすい。
ルールーは風に乗りながら湖に落ちた。
「どこも、ケガはないみたいね」
なんとか重い衣装を引きずって陸にあがる。
もちろん、アンジェロも無事だった。
「ファイア」
薪を集めて、火をつける。
服を乾かすために裸になるのは気がひけたが、どうせこんな場所に誰か通るはずもない。
仕方なくルールーは服を脱いで焚き火の前に広げた。
「あんな作戦に、乗るんじゃなかったわ」
怒気をこめた声で吐き捨てた。
彼女の瞳から希望が消えている。
――脱出なんて、できない。
「考えたら…殺しあうしかないんだから、それに乗ってあげるしかないようにも思えるわね」
ニヤッと、ルールーは笑った。
そんな笑い方をしたのは、産まれて初めてかもしれない。
それを見たアンジェロが、ルールーの手から逃れようと暴れ出す。
「大丈夫よ、あなたは参加者じゃないもの。殺さないわ」
しかし、アンジェロはおとなしくならない、なりふりかまわずに吠え続ける。
それを見てルールーの表情が少し、変わった。
43 :
再考:03/07/28 14:34 ID:CvZjhxEg
「私は、もう人を殺した。あなたを殺してしまうこともわけないのよ?」
目を細めてアンジェロを睨みつける。
「それがわかったら黙ってちょうだい」
アンジェロはおとなしくルールーの手の中で黙った。
「でも、自分から誰か殺しにいくほど、私は堕ちていないわ」
自分に言い聞かせるかのようにそう呟いて、そこに座り込む。
「服が乾くまでは動けないわね…」
【ルールー:所持品:アンジェロ 炎のマントの切れ端 現在位置:L−12 湖畔】
第一行動方針:ゲームに乗る(消極的)
第二行動方針:生き残る
「なぜ逃げ回っている?抵抗する気が無いならおとなしく斬られたらどうだ?」
サイファーはそう言いながら古代の剣を横に振る。
その斬撃をベアトリクスは体を屈めて紙一重でかわし、逃げ続ける。
この状態が数分続いているにもかかわらず、サイファーの動きは衰えることが無い。
人間ならたとえ相当に鍛えていたとしても重い剣を振り回すという激しい運動を
疲れることなく継続することは非常に難しい、いや、無理のはずだ。
(こいつ、本当に人間か!?)
ベアトリクスはそう思った。
実際、ベアトリクスの体には相当な疲労がたまってきていた。
このままではバンガローにたどり着く前にやられてしまうだろう。
しかし、ベアトリクスは既にこの男の斬り方の習性に気づいていた。
さきほどから、なにかと頭部を集中して狙ってきているのだ。
ならば、対策が無いわけではない。
ベアトリクスはその時を待った。
そこへ、サイファーのさらなる頭部への一撃が来た。
――今だ!
ベアトリクスは姿勢を低くし、サイファーへと突っ込んだ。
獲物を見失った剣は空を切る。
すかさずベアトリクスはサイファーの足を払った。
予期していなかった反撃にサイファーの体はなす術も無く宙に浮く。
ベアトリクスは即座に立ち上がり、サイファーには目もくれずに駆け出した。
衝撃で剣を手放してくれるかとも考えたが、より確率の低い策に賭けることはできなかった。
サイファーは背中から地面に落ち、それからゆっくりと起き上がった。
その目には怒りの炎が湧き上がっていた。
「貴様…よくもこの選ばれし魔女の騎士に無様な格好をさせたな…貴様は肉片一つとしてこの世に残さん!」
ベアトリクスはなんとかバンガローにたどり着いた。
先ほどの足止めでサイファーとの距離は少し離れ、攻撃を喰らうことはなくなったが逃げ切れる距離では無かった。
無駄だとは思うが、一応鍵をかけておいた。
(何か武器の代わりになりそうなものは…)
ベアトリクスは周りを見渡した。
すると、鍵をかけたドアからバキバキと音が聞こえた。
ベアトリクスが音のする方を向くと、サイファーが剣でドアを破壊していた。
サイファーは大きな穴の開いたドアを蹴り倒し、剣先をベアトリクスに向け不敵に笑った。
「終わりだ。逃げ場は無い。あきらめろ」
そう言い、ベアトリクスに向かって斬りかかった。
(まずい、早く武器を見つけないと…この狭い空間では攻撃をかわしきれない!)
ベアトリクスはなんとか攻撃をかわしていたものの、閉じられた空間という慣れない場所のためかそれ以上の行動に至ることができない。
対するサイファーはまるで周りに何も無いかのように剣をブンブン振り回している。
おかげで壁はところどころが傷つき、床は一部穴が開いている。
それはモンスターの仕業と言っても良い破壊状態だった。
そんな周りの状態に構うことなくサイファーは勢い良く剣を振り下ろした。
しかし、狙った場所にベアトリクスの姿は無い。あったのはテーブルだった。
テーブルは真っ二つに折れ飛んだ。
ベアトリクスは体勢を立て直し、サイファーを見据えようとした。
だが、その視界はテーブルの破片によって遮られた。
そして次の瞬間、目の前に突如剣が現れた。
戦闘の天才、ベアトリクスといえども避けるにはあまりにも時間が短すぎた。
サイファーの一撃はベアトリクスの胸部を横に裂いた。
傷口から大量の血が飛び出す。
ベアトリクスは斬られた勢いのまま床に倒れた。
すると手元にデッキブラシが転がっているのが目に入った。
(致命傷、か…だが、私を殺すのは楽ではないぞ…)
ベアトリクスは震える右手でなんとかデッキブラシをつかんだ。
サイファーはうつ伏せに倒れているベアトリクスへとゆっくり歩み寄り、剣先を顔の前に突きつけた。
その顔には満足そうな笑みが浮かんでいた。
「この魔女の騎士に倒されるんだ、ありがたく思うんだな」
サイファーは剣をゆっくりと振りかぶり、そして振り下ろした。
だが、サイファーの一撃は床に命中した。
サイファーが右の方へ目をやると、ベアトリクスが攻撃態勢に入っていた。
「貴様、その傷でまだ動け…」
「ショック!」
ベアトリクス最強の聖剣技が発動し、辺りを閃光が包んだ。
そして、バンガローは衝撃で完全に破壊された。
ベアトリクスは衝撃でバンガローごと断崖へ吹っ飛ばされた。
もはや体に感覚は無く、自分が落下していることもわからなかった。
サイファーはどこに吹き飛ばされたのだろうか、姿が見えない。
ベアトリクスは薄れ行く意識の中で思った。
(スタイナー…すまぬ、もうそなたには会えそうに無い…私の分までも…どうか…生き延びて…く…れ……)
その表情はこの状況では考えられないほど安らかなものだった。
そして、ベアトリクスの意識は消えた。
バンガローの爆発から一、二分たったころに、断崖から一本の手が現れた。
そして、徐々に姿を現していく。
サイファーは生きていた。
「思わぬ反撃を食らったが、魔女の騎士であるこの俺には通用しない」
サイファーは崖下を見下ろした。
五メートルほど下の岩盤には、自分が持っていた古代の剣が突き刺さっている。
ベアトリクスの体力が無く、武器もままならない状態だったことが幸いし、サイファーは軽傷ですんだ。
また、上空に吹き飛ばされた分、対応する時間の余裕があった。
サイファーは崖を落ちていく途中でそのエネルギーを利用し剣を岩に突き刺し、それをブレーキとして落下をまぬがれた。
普通の人間ならば落下の衝撃に握力が耐え切れずにそのまま滑り落ちてしまう。
しかし、サイファーの精神はすでに人間のものではなく、それに肉体も同調していた。
強烈な勢いで突き刺したためもう古代の剣は抜けそうに無かったが。
サイファーはコートの汚れを軽く手で払い、近くに転がっていた自分の背丈ほどの丸太を拾い上げた。
「こんな武器では物足りない、魔女の騎士には剣が必要だ…」
そう言い、サイファーはその場を後にした。
【サイファー:所持武器:長さ二メートルほどの丸太 現在位置:J−2】
第一行動方針:魔女の騎士にふさわしい剣を探す
根本行動方針:魔女の意思に従いゲームを進行させる
【ベアトリクス:死亡】
(残り50人)
まばゆい光に灼かれた目で、ふらふらとさまようアーロン。
ようやく視力が戻ったのだろう、その足取りが軽くなる、ただし相変わらず瞳の焦点は虚ろなままだったが。
しかし、そんなアーロンの身体が突如として小刻みに震え出す、まるで熱病を発した患者のように。
「ウウウウ」
そんなうめき声が一瞬聞こえ、アーロンの身体ががくりと膝をついた刹那、また異変が起こる。
「ククク…見つけた、ついに見つけたぞ」
アーロンの口から謎の呟きが漏れる、ただしその声はアーロンの本人の声ではなく、
まるで棺桶に片足を突っ込んだような老人のしわがれた声だった。
破壊の剣…その由来は遥か昔に実在した一人の剣士の愛剣だった。
だが、その剣士の名前は歴史には記されてはいない、何故ならば彼はあまりにも強く、そして残忍だったからだ。
彼は文字通り殺して殺して殺しまくった、魔物も戦士も子供も老人も分け隔てなく。
彼の行状が唯一記された古文書には、彼に殺された人々の名前を記すだけで数十頁をも費やしているほどだ。
だが、そんな彼にも最期の時がやってきた、いかに鬼神の強さを誇っても人である以上、老いには逆らえない。
だが、彼の殺戮に対する執着は天寿すらをも上回ったのだ。
そう、禁断の秘術によって、彼は肉体が滅びる寸前、自らの精神を剣に封じ込め、それを他人に振るわせる事で
永遠に殺戮の快楽に浸ろうとし、そしてそれは成功したのだ。
しかし、剣に宿った彼のあくなき執念と殺意は常人に受けとめる事はきわめて困難で、幾多の剣士が彼を手にしたが、
そのほとんどが剣を抜くと同時に金縛りにあい、使いこなすには至らず手放される事が繰り返された。
だが、その屈辱にまみれた日々ももう終わる。
「なじむ、なじむぞッ!クククク、感謝するぞアーロンとやら」
これほど条件にかなった肉体を入手できたのは幾百年ぶりであろうか、アーロン、いや破壊の剣はアーロンの顔で
満足げに微笑む。
そう、彼はもはやアーロンであってアーロンではない。
彼は意識はおろか精神、知識、そして肉体すらも破壊の剣によって支配されてしまったのだった。
「まずはティーダとかいうガキをたたっ斬ってやろうかのう、クククク
ユウナとかいう娘もなかなか殺しがいがありそうじゃて」
アーロン、もとい破壊の剣はその場に佇んだままぶつぶつと不穏な囁きを続けるのであった。
ちなみに破壊の剣そのものを記録した古文書には、こう書かれていることを付け加えておく。
『破壊の剣あれど案ずるなかれ、XX(解読不能)剣あらば邪悪は封じられ、真の剛剣産まれん』
ここで場面は変わる。
「えーと、破壊時点での推定高度がだいたいこれくらいで、それから風向きとその風速は…」
ミドは凄まじい速度で地面に数字を刻んでいく。
飛空挺そのものは粉々に吹き飛んだとはいえ、だが尾翼に設置されていた予備動力部分についてはほとんど無傷のまま
墜落していったのは映像の中で確認している、なんとしても動力機構だけでも回収したいところだ。
問題はその落下地点だったが、いかに天才少年といえども、これを割り出すのには複雑かつ、
難解な計算を要する事になる。
すでに彼の足元数十メートルにわたって、計算式がずらりと地面に記されている。
「あーあ、こんな剣より算盤がほしいですね、僕には数字を書く以外使い道がないですし」
まだまだ計算には時間がかかりそうだ、ミドは先程まで手にしていた剣を地面に突き刺し、
ごろりと地面に寝転がる。
地面に突き刺さったその剣は長く立派な刀身だったが、まるで羽のように軽かった。
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:P−16】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識はおろか肉体・知識・精神までも完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
【ミド 所持品:隼の剣・炎のマント 現在位置:K−09】
第一行動方針:飛空挺の墜落地点を割り出す。
第二行動方針:エッジの意志を継ぐ 。
ミネアとレオンハルトは一言もなく、死の中継が終わった後の大空を見上げていた。
(確かに…これを見れば皆何らかの行動に出るはず…)
ミネアは絶望の中にも妙な納得感があった。
一方のレオンハルトだが、先程から一層深刻な表情で何か考え事をしているようだ。
「レオンハルトさん…?」
心配そうに彼の顔を覗きこむミネア、その時レオンハルトの頭の中を駆け巡っていたのは在りし日の情景。
そこにはガイが、マリアがそしてフリオニールがいた。
(フリオニール…俺はどうすればいい?)
だが、レオンハルトの中のフリオニールは当たり前だが答えるはずもない、だがしかし。
『答えはお前の中にもうあるはずだ、思い出すんだ、俺たちは元々何と戦うため、そして何を成し遂げるために
戦っていたかを』
聞こえた、確かに聞こえた…2度と耳にするはずのない親友の声を。
レオンハルトは驚愕の表情で、闇の中に去っていこうとするフリオニールを追いかけようとする。
だが、フリオニールは微笑みながら手を振り、消えていった。
「待ってくれ!まだ話は…!?」
「どうしたんですか?」
ミネアの声にレオンハルトは、わけがわからず周囲を見渡す、そこは何の変哲も無い浜辺でしかない。
(戻ってきてくれたんだな…こんな情けない俺のために)
レオンハルトはキッと眦を上げて、ミネアを見据える、その眼差しは先程までとは違い、自信と確信に満ちていた。
「決めたぞ、俺はフリオニールの遺志を継ぐ…あいつもきっとあの男と同じ事を思っていたはずだ
だから俺はあいつのやりたかったであろうことを、上手くやれるかは分からないがやってみるつもりだ」
「レオンハルトさんはレオンハルトさんですよ、あなたなりのやり方でいいのではないでしょうか」
ミネアの言葉にレオンハルトは、はにかみながら言葉を返す。
「俺は俺なりに、か」
そんな彼の仕草を見ながらミネアは空の彼方へと思いをはせる。
(あなたの死は無駄ではありませんでした…ですがまたあらぬ方向に運命を乱された人もいるはず…
本当に困難なのはこれから…)
そして島の南部に広がる沼地の中でも、あえて困難に立ち向かおうとする者がいた。
リディアは恐る恐るながらも、沼から草原へと足を踏み入れて行く。
その瞳には、恐れはあれどそれに立ち向かおうとする強い光があった。
そう、エッジの命を賭けたメッセージを無駄にするわけにはいかない、ここで諦めれば、
誰が彼の遺志を継ぐというのだ。
それにあのメッセージを送ったのがエッジだったから、という思いもリディアにはある。
見知らぬ他の誰かなら、やはり沼地の真ん中で怯えつづける自分がいただろう。
「逃げてばかりじゃいられないものね…だからエッジ、私を見守っていて」
こうして沼地から出て、ひとまず西へ向かったリディアだったが、歩いてすぐにこちらに向かう人影を見つけた。
距離はまだかなりあるが、晴天で見とおしもいいので、相手の姿がはっきりと見える。
踊り子風の女性のようだった。
その踊り子風の女性、言わずと知れたマーニャもリディアの姿をすでに確認していた。
マーニャは探知装置の液晶画面を見る。
(今のところこの近辺に他の参加者はいないわね)
なら、とりあえず目の前の緑の女性に専念できるわけだが……。
マーニャもまた、あの爆発を目の当たりにし、仲間の安否を心配している者の一人だ。
出来るなら無用のトラブルは避けたいところだが、目の前の火の粉は払わねばならぬ。
2人とも、そろそろと歩きながら距離を詰めていく、その距離は約数十メートル、
これ以上進めば攻撃呪文のレンジに入る。
さて、どうする?
2人は決断を迫られていた。
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:L-03】
第一行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:L-03】
第一行動方針:レオンハルトについていく
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【マーニャ 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:J-18
第一行動方針:とりあえず頼れそうな誰かを探す 】
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)
【リディア 所持武器:ウイングシューズ 現在位置:J-18
第一行動方針:エッジの遺志を継ぐ 】
54 :
52修正:03/07/31 22:02 ID:d3cJzVZI
そのころ山岳地帯を隔てた島の南部では。
「当然の結果ですね」
サマンサは空を見上げて冷笑する、どこのバカだか知らないが、あんな目立つ真似をして、
相手が黙っているはずが無い。
それに、そう易々と脱出されても困る。
「アルスが死ぬのを確認するまでは、ゲームを終わらせるわけにはいきませんからね…ふふふ」
そう、千載一隅のこの機会を逃すわけにはいかない。
「勇者殺しの汚名を着るわけにはいきませんし」
あれでもアルスは人々の絶大な支持と期待を背負う勇者様で、救世主としてあがめられている。
故に、元の世界では手を出すことが出来ない、そんなことをすれば、
例え本懐を遂げようとも、彼女はたちまち世界の敵となってしまうだろう。
あんな下らない人間と刺し違えるつもりはない…。
だが、ここでは違う、ここならば、そしてこの状況ならば誰にも咎められる心配は無いのだ。
だから、少なくともその時まで、このゲームが続いてくれない事には彼女にとっては不都合なのだ。
しかしサマンサにゲームに乗る意志があるかというとそれも違う。
もちろん襲われれば戦うのだが、それでも相手は出来る限り生かしておきたい。
そうすることで、アルスの死の可能性がわずかでも増えるのならば。
だが、自分一人ではアルスを倒すのは不可能ではないせよ、確実ではないし、
それに出来る事ならば自分の手を汚したくは無い。
出来れば都合のいい誰かに人殺しになってもらいたいところだ、そして無事帰還したサマンサは、
涙ながらに人々に述べるのだ。
「アルス殿は立派な最期を遂げられました、あれこそ勇者の鑑!」と。
55 :
52修正:03/07/31 22:03 ID:d3cJzVZI
こうしてそんなことを考えながらも、とりあえず下山するサマンサだったが、
歩いてすぐにこちらに向かう人影を見つけた。
距離はまだかなりあるが、晴天で見とおしもいいので、相手の姿がはっきりと見える。
踊り子風の女性のようだった。
その踊り子風の女性、言わずと知れたマーニャもリディアの姿をすでに確認していた。
マーニャは探知装置の液晶画面を見る。
(今のところこの近辺に他の参加者はいないわね)
なら、とりあえず目の前の女性に専念できるわけだが……。
マーニャもまた、あの爆発を目の当たりにし、仲間の安否を心配している者の一人だ。
出来るなら無用のトラブルは避けたいところだが、目の前の火の粉は払わねばならぬ。
2人とも、そろそろと歩きながら距離を詰めていく、その距離は約数十メートル、
これ以上進めば攻撃呪文のレンジに入る。
さて、どうする?
2人は決断を迫られていた。
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:L-03】
第一行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:L-03】
第一行動方針:レオンハルトについていく
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
56 :
52修正:03/07/31 22:03 ID:d3cJzVZI
【マーニャ 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:F-13
第一行動方針:とりあえず頼れそうな誰かを探す 】
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)
【サマンサ 所持武器:リボン 現在位置:F-13
ステータス:MP減少 左肩損傷】
第一行動方針:アルスを殺す。
57 :
街の中で:03/08/01 00:51 ID:j33FFTgR
「そうか、あの少年は死んだのか…」
「薬草取りに行ったのに無駄になっちゃいましたね…」
クラウドは街に戻ってきたルビカンテとレオナに手紙を渡し、自分の知っている事情を説明した。
マイヤーが再び暴れ始めたこと。アリーナに危機が迫ったこと。クリフトがマイヤーを殺したこと…
その後しばらく沈黙が続いたが、ルビカンテが口を開いた。
「レオナ、行くぞ」
「え?どこにですか、師匠?」
レオナが不思議そうに尋ねる。
「薬の調合に決まっているだろう」
「でも彼は…」
「調合の方法を教えると約束しただろう。それに薬草なら持ってても損は無いはずだ」
次にルビカンテはクラウドの方を振り向き、クラウドに尋ねる。
「私は赤いマントを探しているのだが、何か知らないだろうか?」
「悪いが、心当たりは無いな…」
「そうか、では失礼する。」
そう言うとルビカンテとレオナは魔法の研究設備がある家に向かって歩いていった。
58 :
街の中で:03/08/01 00:53 ID:j33FFTgR
【ルビカンテ 所持品:調合材料(袋いっぱい) 現在位置:S−17(ベネットじいさんの家)】
第一行動方針:薬草調合
第二行動方針:マント(出来れば炎のマント)を探す
第三行動方針:ゲームの目的を知る
【レオナ 所持品:缶詰(残り90個)と缶切り2つ 現在位置:S−17(ベネットじいさんの家)】
第一行動方針:ルビカンテの手伝い
【クラウド 所持武器;集合ラッパ 現在位置:S−17】
第一行動方針:アリーナが目覚めるのを待つ
第二行動方針:仲間を探す
(集合ラッパは自分を中心に半径6HEX内にいる全ての参加者を瞬間移動させて引き寄せるもの、一回きり)
【アリーナ(右手使用不能 睡眠中) 所持武器:カイザーナックル 現在位置:S−17(民家)】
第一行動方針:仲間を探す
59 :
街の南で:03/08/01 00:54 ID:j33FFTgR
「オジ…、ロックさ〜ん、まだ着かないの〜?」
「少しは静かにしろよ。もうじきだ」
ずっと走り続けていた為、アーヴァインにはかなりの疲労が見える。
また、先ほど見た空中での爆発が2人の不安感を高めていた。
何事も無く街に着ければ、と思っていたが…
「早々上手くはいかないか…」
そう呟くと、ロックは前方から来る人影に目をやった。
ロックとアーヴァインの目の前に現れたのは神官風の姿をした男。手には剣を持っている。
「あんたは殺し合いに乗ってるのか?」
「これから乗るところです。既に一人殺してしまいましたが…」
「俺達を見逃してくれないか?街に行きたいんだ」
「すみませんが、そういう訳にはいきません。彼女のためにも僕は戦う」
ロックの問いに答えるクリフト。
戦うしかない。と感じたロックはザックの中にトーマスを入れると、アーヴァインに耳打ちする。
(俺があいつの注意を引き付ける。その隙にお前が……)
(え〜!無理だよ。そんなの絶対上手くいかないって!)
(それしか方法が無いだろ。あの時と同じようにやればいいんだ)
(う、うん…)
60 :
街の南で:03/08/01 00:58 ID:j33FFTgR
「何を話し合っているのですか?いきますよ!」
クリフトはバリアブルソードを構え、少しずつ2人に近づく。
「今だ!」
「ヘイスト!」
ロックの掛け声と共にアーヴァインはロックからドローした魔法を自分に放ち、そのまま走り出した。
「なるほど、仲間を逃がして一対一で戦う気ですか」
クリフトはそう言うと、その場に残ったロックに向けて剣を振るう。
しかし、ロックは天性の素早さでクリフトの動きをかく乱し、斬撃を紙一重で避ける。
なかなか攻撃が当たらず、焦り始めるクリフト。
(効かないかもしれないけど、こうなったらザラキを…)
クリフトは少し離れ、死の呪文を詠唱しようとする。だがそこに隙が生じてしまった。
離れていたところで様子を窺っていたアーヴァインが、クリフトの後ろに高速で近寄る。
「ザラ…「命が惜しければ動くな」
ドスを聞かせた声で脅しをかけるアーヴァインのプラカードがクリフトを捕らえた。
61 :
街の南で:03/08/01 00:59 ID:j33FFTgR
【アーヴァイン(疲労) 所持品:プラカードと赤ヘルメット 現在位置:S−18】
第一行動方針:クリフトを倒す
第二行動方針:ロックについていく
根本行動方針:仲間と合流する、マトモな武器の入手
【ロック(少し疲労+MP減少) 所持品:トーマス 現在位置:S−18】
第一行動方針:クリフトを倒す
第二行動方針:街へ向かう
根本行動方針:仲間と合流する、自衛以外の戦闘は避ける
【クリフト(MP減少) 所持品:魔法の聖水×2本、バリアブルソード 現在位置:S−18】
第一行動方針:ロックとアーヴァインを殺す
第二行動方針:結果的にアリーナを守るために殺人を犯す
「えーっと、助け助けっと」
ジタンはきょろきょろと周囲を見渡しながら橋を渡る。
あれからジタンは何とか協力者をつのろうと、それなりに動き回っていたのだが、
やはり誰も見つけることは出来なかったのだ。
それでひとまず街に戻ろうとしているのだが、当然足取りは重い、
元はといえば、自分の早とちりのせいなのだ、だからせめて一人でも誰か連れて戻らないことには、
申し訳が立たない。
そう思っていた所、ジタンの目に人影が飛び込んでくる、剣を持った巨漢だ。
「やっと見つけたぜ!」
ジタンは大急ぎで男の方へと駆け寄る、今の彼の脳裏にはやっと人間と出会えたと思う気持ちで一杯だった。
したがって彼は、もっとも気をつけねばならないことを忘れてしまっていたのだ…そう、
この地においては、戦いこそが唯一のルールであるということを。
そしてそのツケは即座に支払われることになる…ジタンが男に接触しようとした瞬間だった。
男はジタンへとすれ違い様に手に持った刃を振るう。
そしてジタンは成す術もなく、その体を斬り裂かれ、地に倒れ伏した…だが。
「いてぇな!何しやがるんだ!」
パワー・スピード、共に申し分の無い一撃だったはず…、男は戸惑いながら手に持った剣を一瞥する。
「タイミングがずれたか、なるほどのう…この男の身体でも駄目か」
破壊の剣(便宜上、これ以降はアーロンと表記する)は不機嫌そうに呟く。
その身体には軽い痺れが走っている、そう、アーロンほどの屈強な肉体を持ってしても、
破壊の剣のもつ能力を全て引き出すことは不可能に近いのだ。
「7割…いや6割5分かのう」
傷つきながらも、じっとこちらを見据えているジタンには構わず、アーロンは考えごとを続ける。
丸腰で、しかもろくに警戒心すらなく近寄ってきた相手を仕留めることが出来ないとは何たる不覚だ。
いずれにせよ6割の力しか出せぬのであるならば、それなりのやり方を考えねばなるまい。
「小僧、命拾いしたのう…くくく」
そう不機嫌に告げると、アーロンはまた北の方角に向かいゆっくりと歩き去って行った。
彼には止めをささずに苦しむ相手を眺めて悦に入るような趣味はない。
そう、一撃必殺こそが彼の信念、これまで無数に繰り返してきた殺人遍歴も、
それを追い求めた末の産物なのかもしれない。
で、後に残されたジタンだが。
「何が命拾いだ…いててて」
とりあえず近くの茂みの中まで転がりこんで、自分の身体の状態を調べる、
傷口自体は浅いが、かといって軽傷ではないといったところか。
このままでもすぐには死なないが、放っておかれればいずれ死ぬ…そんなレベルの傷だ。
とりあえず起きあがろうとしたが、上手く動けない…腹筋をやられたようだ。
それでもジタンは立ち去るアーロンの背中めがけ、ガントレットを構えるが、
ガントレットからは頼りなげな光が、わずかに輝いただけですぐに消えてしまった。
「なるほど…使用者のコンディションに左右されるってか」
「これじゃミイラ取りがミイラだよなあ」
自分の血の匂いを嗅ぎながら、ぼんやりと呟くジタン、その口調には達観した何かを感じさせた。
こうなった以上、ここまでの自分の運の強さに賭けるしかない。
「ビビ…敵取れないかもしれねえ、ああでもお前はそんなこと最初から望まないよなあ…でも
このままじゃあ俺の気がおさまらないからな、あの飛空挺の奴にも負けたくないし」
とりあえずジタンは腹を括って、助けがくるのに賭けた。
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:S−15から北へ】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識はおろか肉体・知識・精神までも完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
【ジタン(重傷):所持武器 コッズガントレット:現在位置 S−15】
第一行動方針:助けが来るのを待つ
(ゴッズガントレットは使用者のHPが60%以下だと発動しません)
漁師小屋の中でスカーレットは、何やら作業をしている。
やたらとハイテンションで高飛車な彼女にしては珍しく、真剣な表情でゆっくりとポリ容器の中に、
手に持った黒い粉を注いでいく。
「ふぅ〜」
粉が完全に容器に入ったのを確認すると、ようやくスカーレットは安堵の溜息をつく。
そして最後に余った粉を小さ目の容器に入れ、先端部分に針金を刺しこむと、彼女はそれを外へと放リ投げた。
ボン!
地面に落ちた容器は、小さな爆発音を立てて弾け飛ぶ、その音を聞いてようやくスカーレットの顔に笑顔が浮かんだ。
「上手く出来たようね」
マイヤーを見送ってから考えたのだが、やはり彼一人でどれほどの人間を殺せるというのだろうか?
それに薬も残りはあと2回分だ、操り人形は作れてあと1人…少し厳しいように思えた。
ならば、戦う手段をそれなりに講じるしかないだろう…自分の手を汚すのは正直、気は進まないが。
と、言うわけで、彼女が作っていたのは見ての通りの手製の爆弾だったのである。
兵器開発主任としてのマネジメント能力のみが注目されている彼女であるが、専門技術者には劣るとしても、
無論、それなりの知識は備えている。
必要な材料は幸運にも小屋と、そのとなりの納屋、それからすこし陸に入ったところの物置で、
全て入手する事が出来た。
まあ、それでも彼女の作っている爆弾は中学生レベルの知識があれば作れる単純な構造ではあるが。
だが構造が単純とはいえ、破壊力は決して侮れない。
こうして作成された爆弾の数は4つ、そのうち1つをスカーレットは小屋の中央の座椅子の下に隠し、
起爆装置にかけた糸をドアのノブに仕掛ける。
こうしておけば、誰かがドアを開けた途端に、起爆装置が稼動し、小屋もろともそいつは御陀仏である。
事実彼女の作った爆弾は、小屋の一つ二つならば、吹き飛ばせるだけの破壊力は備えている。
「キャハハハハ、その様子を見れないのが残念だわ」
いつもの調子を取り戻し、高飛車に笑うスカーレットだが、その声にはわずかに震えがある。
そう、いつも彼女は安全な場所で高みの見物を決めこみ、自分の残虐さを満足させていた。
こうして自分が矢面に立つ事など想像もつかないし、最初からありえない話だと思いつづけていた。
だが…。
こうして小屋を後にしたのは2時間ほど前だろうか、すでに太陽は天頂に達しつつあり、
そして彼女の眼前には、広々とした森が広がっていた。
【スカーレット 所持武器:麻薬(残り2回) 現在位置:R-10
第一行動方針:利用できる誰かを探す(基本的に戦うのは最後の手段) 】
修正
【スカーレット 所持武器:麻薬(残り2回) 手製爆弾3個 現在位置:R-10
第一行動方針:利用できる誰かを探す(基本的に戦うのは最後の手段) 】
U-09の漁師小屋には爆弾が仕掛けられています
68 :
意志と意思:03/08/05 10:53 ID:ux4Lbzk4
「…だから、オレはあいつとは一緒に行動したくないッス!あんなこと言うような奴がおとなしく仲間になるとも思えないッスよ!」
「じゃあほっとけっていうのか、オレは人を見殺しにするようなことはしたくないんだよ!」
アルスの対処をめぐって、ティーダとファリスは激しく言い争っている。
そんな二人とは対照的に、サラマンダーはその横で両腕を頭の後ろに組んで何も言わずただ寝転がっている。
どうやら、まだ盲目状態から回復していないようだ。
シャドウはそんな三人の様子をしばらく黙って見ていたが、やがて口を開いた。
「まあ、落ち着け。感情論では答えは出てこないぞ」
その言葉で、ティーダとファリスの議論はピタリと止まった。
二人はシャドウの方に体を向けた。
「要するに、お前たちの言い分は何だ?」
「オレは人を殺すようなことはしたくない、直接だろうと間接だろうと」
ファリスはシャドウを見据え、はっきりと言った。
「オレは…これ以上やつには関わりたくないッスね。できれば目の前からいなくなってほしいッス」
ティーダはややぶっきらぼうに答えた。
「それで、あんたはどうなんだ?」
ファリスは寝ているサラマンダーの体を軽く叩いた。
「俺は…もう奴はどうでもいい…好きにしてくれ」
「そうか、ならば結論はこれしかないな」
「何だ!?」
「何ッスか!?」
ファリスとティーダは身を乗り出し、同時に言葉を発した。
「俺があいつを連れて行く」
「……え?」
ティーダとファリスは呆気に取られた。
69 :
意志と意思:03/08/05 10:55 ID:ux4Lbzk4
「お前たち二人の欲求を満たすにはこれしか手段が無いだろう?」
「たしかにそうッスけど、なんか押し付けてるみたいで悪いッス、それに危険ッスよ」
「もともとあんたはあいつに関係ないわけだし、そこまでしなくても…」
シャドウはサラマンダーに視線を向けた。
「こいつと同じ矢を射られた以上、あいつも目が見えないのだろう。それが治るまでは俺があいつの面倒を見る。
そのかわりお前たちにはこいつを頼むぞ」
ファリスは考え事をしているのかしばらく目を閉じていたが、やがてこう言った。
「…わかった、あいつはあんたに任せた。ただ、殺さないって約束は守ってくれよ」
「わかっている、心配するな……さて、もうそろそろ俺は行くぞ」
シャドウは立ち上がった。
「…また会えるといいッスね」
ティーダは残念そうにつぶやいた。
シャドウはザックからダガーと首輪を取り出し、サラマンダーの手の上に置いた。
「…いいのか?」
「これはもともとお前の武器だろう?俺はもう十分だ」
「…感謝する」
シャドウがアルスに向かって歩き出すと、ファリスが大きな声で言った。
「おっさん、死ぬなよ!」
「お前たちもな」
シャドウは振り返りそうつぶやいた。
シャドウはアルスを背負った。
(お人よしだな、俺も…俺は独りにはなれない宿命なのかもしれないな…)
シャドウは後ろを振り向かずに駆け出した。
70 :
意志と意思:03/08/05 10:56 ID:ux4Lbzk4
【シャドウ 支給品:氷の刃 M3ショットガン 現在位置:P-10(森林) 】
第一行動方針:アルスのために白魔導師を探す
根本行動方針:インターセプター及び、リルムを見つける
【アルス 所持アイテム:ルーンブレイド 円月輪 現在位置:P-10(森林)】
第一行動方針:気絶中(目覚めた後は盲目状態からの回復)
根本行動方針:邪悪の殲滅(主催者打倒) ※彼に同調しない者は全て『邪悪』とみなす
ステータス:MP少量減少 HP大幅減少 盲目 気絶
【ティーダ 所持武器:サバイバルナイフ 位置:P-10(森林) 】
第一行動方針:サラマンダーのために白魔導師を探す
根本行動方針:元の仲間と合流
【ファリス(狩人・非マスター) アビリティ:白黒魔(中級までの白魔法・黒魔法を行使可能)
所持武器:盲目の弓 S&W M29(残弾5発) 現在位置:P-10(森林) 】
第一行動方針:サラマンダーのために白魔導師を探す
根本行動方針:ゲームを止める、人を殺さない&殺させない
【サラマンダー 所持品:ダガー ロザリーの首輪 442G 現在位置:P-10(森林)】
第一行動方針:盲目状態からの回復
第二行動方針:ティーダ、ファリスに同行する
根本行動方針:ジタンを探す
ステータス:盲目
※盲目状態からは簡単には回復しません。
71 :
本来の目的:03/08/06 17:17 ID:gccufG7x
アーロンから逃げ切り、バッツとスタイナーは沼のほとりに座り込んでいた。
「おかしいのである!」
「何がだよ」
いきなり声を張り上げたスタイナーに、バッツはぞんざいな言葉を返す。
「この資料によると――ほら、アーロンという男は悪人ではないのである」
アーロンの資料が書かれたページを開けてバッツに手渡した。
「…となると、あのオッサンは自分の意志で俺達を襲ったわけじゃないのかもな」
「??? どういうことであるか?」
疑問符を頭に浮かべるスタイナーに、バッツは先刻、ギルガメッシュが魔法で我を失ったことを話した。
「まあ、その腕ももう治ったけどな」
その時に斬り落とされた右腕をスタイナーの眼の前に持ち上げてみせる。
「ふむ…それではアーロン殿は何者かの術にかかっているのであるか?」
「わかんないけどさ、その可能性もあるってことだよ」
そこでバッツは暗い顔をしてうつむいた。
はあ、と小さくため息。
「ギルガメッシュ、あいつは無事だろうか…」
「バッツ殿。ギルガメッシュ殿はあの程度ではやられはしないのだ!」
真剣な表情で語るスタイナーを見て、思わずバッツは吹き出した。
「そうだな…!あいつもきっと無事だよな!」
そう言って勢い良く立ち上がる。
「よし、街に向かおうぜ」
「え?し、しかしあっちの方角にはアーロン殿が…」
しかし、バッツはスタイナーの言葉も聞かずに歩き出す。
72 :
本来の目的:03/08/06 17:17 ID:gccufG7x
「大丈夫さ。いつまでも同じ場所にはいないだろ。街に行けばアンタの仲間もいるんだろ?」
「そうであるが…見つかってしまっては…」
まごまごとそこから動こうとしないスタイナーにバッツは言う。
「それにその、マイヤーってヤツを止めなきゃな。アンタもそのためにここまで来たんだろ?」
スタイナーはポン、と手を打った。
「そういえばそうだったのである。いや、よくぞ思い出してくれたのだ!」
バッツは、呆れてただ苦笑するしかなかった。
「ギルガメッシュ達とはまた会えることを祈るしかないな」
小さな声で、そう呟いてバッツは再び歩き出す。
スタイナーもそれに続き、東の街を目指した。
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 鋼鉄の剣 現在位置:M−17】
第一行動方針:街へ戻ってマイヤーをどうにかする
【バッツ(シーフ) 所持品:アウトサイダー 現在位置:M−17】
第一行動方針:スタイナーに協力
第二行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフ、ギルガメッシュとの合流
ぴちゃりと顔にかかった雫の冷たさにクルルは覚醒した。
「うーん…ここは」
どうやら助かったらしい、まずはクルルは自分の頬を打った雫をぬぐってみる、何やら妙な手触り。
「うわっ!汚い…鳥の糞だよ…顔洗わないと」
慌てて1歩を踏み出そうとしたクルルだが、足元の感覚が無い事に気がつく。
そう、そこは地上数十メートルはあるであろう崖の中腹で、彼女の背中のパラシュートは崖から生えた木の枝に、
引っ掛かっていたのである。
「わわわわっ」
てっきり地上だと勘違いしていたクルルは、すんでの所でそれに気がついたのだが、それでも荷物は間に合わず。
次々と下に落ちていく。
「わっわっ」
かろうじていくつかの品はキャッチできたが、残りはすべて崖の下に落ちていってしまった。
「あーあ、もったいないな、後で拾えるものは拾わないと」
とにかくかろうじて助かった品をチェックするクルルだったが
「?」
その中に厳重に封をされた小さな箱がある、クルルは構わず封を破る…、
箱そのものは丈夫で分厚かったが、鍵のようなものはかかってはいなかった。
その中身は、光輝く金色の円盤が2枚入っていた。
「これなんだろ、宝物?じゃないなあ」
金色に輝いているとはいえ、その輝きは本物の金とは比べ物にならないのは明白だった。
ならば何故、これほど厳重に封印されていたのだろうか?
「まあ、細かいことは後で考えるとして、まずは降りないとね」
クルルは尺取虫のように身体をくねらせてバランスをとり、岸壁を少しずつ下り始めて行った。
ミネアとレオンハルトは海岸線を時計回りに進んでいた、ヘイストの効果でその足取りは軽い。
が、ふらりとミネアの身体がよろめく、それをあわてて支えるレオンハルト。
「大丈夫か?」
「ええ…少し明るい場所は苦手なもので」
「まあ、随分距離を稼いだ、少し休むか」
本当は魔法の効果がある間にもう少し進みたい所だったが、レオンハルトはあえて休息することにした。
そしてまた2人はぼんやりと海を眺める、彼らの右手には小島が見える。
と、そこでミネアが思いも寄らぬ提案をした。
「あの島に渡りませんか、気になることがあるんです」
「ほう、今度は占いの結果というわけではなさそうだな」
「見てください…あの森を、この島に生えている植物は大部分が温帯性の広葉樹でした、ですが
あそこに生えているのは、全部北方系の針葉樹のように見えます…おかしいとは思いませんか」
「なるほどな…」
レオンハルトは正直舌を巻いた、さすが占い師だけあって見事な観察力と洞察力を持っている。
自分一人ならば、気がつくことはなかっただろうし、例え気がついても調べようと思うことなど、
なかったはずだ。
「なら行くか…ちょうど引き潮のようだしな」
確かにちょうど彼らの目の前の海からは水が引き、島までは何とか歩いて渡れるくらいの水深になっている。
ただ、この付近の海域は干満の差がかなり激しいようだ、岩に刻まれた水面のラインがそれを物語っている、
手早く済まさねば取り残されてしまう可能性が高い。
ともかく2人は休息を打ち切ると、即座に島へと渡った。
島に入るとひんやりとした、本島とは違う空気が彼らをつつむ。
それに森の木々が整然と一定間隔で植えられているのも気になる、やはりここには何かある……。
と、そこで先行していたミネアの呼ぶ声がする。
声の元に向かうレオンハルト、と、そこには森の中で1本だけ明らかに異なる種類の大木がそそり立っていた。
「なるほど…どうやらここらしいな…」
ミネアはレオンハルトの声に頷くと、両手に折り曲げた針金(例のバンガローで回収した)を持ち、
ゆっくりとその付近を歩き回る。
結果はすぐに出た、数歩歩いた時点で、ミネアの手の針金が大きく左右に開いたのだ。
「ここですね」
レオンハルトはミネアをどかせると、その場所に剣を突きたてる、乾いた音を立てて剣は刎ね返された。
なるほど…、レオンハルトとミネアは、今度は2人でその付近の地面を掘り返していく、と
そこには、直径1メートルほどの鉄のフタがあり、それを開くとその下にはハシゴ段が続いていた。
ゆっくりと下へと降りていく、レオンハルトとミネア。
階段や扉の材質、そしてその構造、それらが自分たちの知っている世界の物とは、
あまりにもかけ離れたものであることは明白だった。
「レオンハルトさん、上みちゃだめですよ」
レオンハルトのすぐ上でミネアの声がする。
「ほざくな」
「そうやって即答されるのも気に入りませんね…」
「難しい女だな…お前は」
そんなこんなで2人は階段を降り、暗闇の中を進もうとしたのだが、通路に1歩足を踏み入れた途端、
天井の電灯が2人の歩みに合わせ、まるで導くかのように次々と点灯していく。
それに従い彼らは進んでいく、通路はそれほど長くなく、せいぜい50メートルほど進んだところで、
行き止まりになっていた。
行き止まりといっても壁ではなく、分厚いシャッターが降りている。
2人は何とか開かないものかと、色々と調べてみたが、シャッターには鍵穴のようなものは何も見当たらなかった。
2人は進むのをあきらめ、今度は通路の途中にあった管理室と書かれた部屋に入る。
「何だ何だ?」
管理室の光景を見て、レオンハルトは戸惑いの声を出す。
そこは彼らの今まで見た事も無いような機械類で埋まっていたのだ、しかもその機械は全て同じ物のように
レオンハルトには見えた。
ずらりと十数台の機械が、それも寸分違うことなく同じ物、それは我々の世界で言うところの、
PCと呼ばれるものの酷似していた、が、それぞれの机の上にきっちりと乗っている。
その異様な眺めにレオンハルトは数歩後ろ去ってしまう、だがミネアは違ったようだ。
彼女は臆することなく、その機械の部屋へと進んでいく、
暗いところが好きなのか、ミネアの表情は太陽の下よりも生き生きとしているように見えた。
ミネアは機械をでたらめに押したり、叩いたりしていたが、するとその中の一台が唸りを上げて、起動を開始する。
『アクセスナンバーを入力してください』
「え、え!?」
突然機械に口を聞かれ明らかに狼狽するミネア、そこにレオンハルトが助け舟を出す。
「これじゃないのか?、そこの壁にかけてあったぞ」
レオンハルトは1枚の紙をミネアに見せる、それにはアクセスコード一覧と書いてあり、
さらに彼は操作マニュアルと書かれた冊子を机の上に置く。
ミネアはコード表の中から適当なものを選んで、マニュアルに従い、キーボードで入力していった。
『アクセス承認しました…これよりこの基地内の説明と目的を表示いたします、この基地は先制攻撃を想定した…』
どうやら読みは当たったらしい、二人の目の前の画面に次々と説明文と写真が表示されていく。
2人が目を白黒している間にも、次々と画面は切り替わり、そして一方的にそれは終了した。
暫しの沈黙の後、レオンハルトがぽつりと呟く。
「ミサイル…か」
説明によると、ここにはミサイルといわれる兵器を何発か配備しているという
その原理とかは、ちんぷんかんぷんだったが、それでも凄まじい速度で空を飛び、
目標を粉砕する様を見せられた以上、それが自分たちの想像を超えた恐るべき兵器だということは理解できた。
「起動用ディスクが必要だと言っていたな」
「ディスクとは何でしょうか?」
「入力ではなく挿入してくれと言っていたな…挿入ということはこれではないのか?」
レオンハルトは机の上に無造作に置かれていた金色の円盤を両手で弄びながら答える。
確かに目の前の機械の中に入りそうなものは、それ以外には考えられなかった。
こうして2人はてあたり次第に、部屋の中を調べ、ディスクを見つけては、マニュアル片手に操作したが
どうやらここに目的の物はないようだった。
「ミネア、頼む」
レオンハルトの言葉に、待っていましたとばかりにミネアはトランプを広げる。
結果はすぐに出たようだ。
「誰かは分かりません、ですが誰かが確実に持っていると出ました…とにかく出来る限り多くの人と接触して
この事を…」
「いや、この事はなるだけ俺たちだけの秘密にしておいた方がいいだろうな、とは言っても俺たちだけでは
無理だろうがな」
怪訝な表情でレオンハルトを見るミネア。
「これは罠でなければ、間違い無く切り札になる…だからこそだ、俺たち以外の誰かがこれを知って良からぬことに
使われるくらいなら、ギリギリまで秘密にしておいた方がいいだろう」
「それにこれが奴らの罠ならば、死ぬのは俺だけでいい」
そこで言葉を切ってレオンハルトはミネアの顔を見つめる。
「世話になったな…もうこれ以上頼るつもりはない、ここから先は俺の戦いだ、だから今度は…」
「いいえ、ここまで来た以上は行けるところまでは付き合います、占いは別としてもあなたは危なっかしい」
「そうか、なら最後まで付き合ってもらうぞ…バカな女だ」
そんなことを話ながら地上に出ると、もう島の海岸線に潮が満ち始めている。
「思ったよりも早いですね、戻らないと」
帰りを促すミネアに従い、足を進ませるレオンハルト、ふと空を見上げると雲の隙間に巨大な城が小さく見えている。
「フリオニール…正直俺も上手くやれる自信は無い、だがそれでもせめてあの城を叩き落とすくらいのことは
やってみせる、でないとあの世でお前やあの男に会わせる顔がないからな」
【クルル(ジョブ:時魔道士 アビリティ:白魔法) 支給品:CD2枚 現在位置:H-10】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:T-03】
基本行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
第一行動方針:ミサイルの封印を解き、天空城撃墜
(基地から何冊か書物を持ち出しています)
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:T-03】
第一行動方針:レオンハルトに協力
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
>76
その原理とかは、ちんぷんかんぷんだったが、それでも凄まじい速度で空を飛び、
目標を粉砕する様を見せられた以上、それが自分たちの想像を超えた恐るべき兵器だということは理解できた。
を
その原理とかは、ちんぷんかんぷんだったが、それでも凄まじい速度で空を飛び、
目標を粉砕する映像を見せつけられた以上、それが自分たちの想像を超えた恐るべき兵器だということは理解できた。
に修正
>>77 「いや、この事はなるだけ俺たちだけの秘密にしておいた方がいいだろうな、とは言っても俺たちだけでは
無理だろうがな」
を
「いや、この事はなるだけ俺たちだけの秘密にしておいた方がいいだろうな、とは言っても俺たちだけでは
こいつをマトモに動かすのは無理だろうが、いずれにせよ、だれかメカに詳しい人間を見付けなければ」
に修正
80 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/08/08 23:00 ID:ZeNhQMXx
保守
しばらくの間、手分けして灯台を探索していたユウナは
最初、自分達が灯台に入ってきた窓のある部屋に戻ってきた。
「あ、お帰り。ユウナお姉ちゃん」
階段を上ってきたユウナをクーパーが出迎える。
「ただいま」
そう答えて、すぐ床に座り込む。
「お姉ちゃんは何か見つけた?僕、いいもの見つけたよ!」
ユウナの前にちょこんと座り、自分の見つけた小ビンを取り出した。
「これは――なんだろ…?」
ユウナはビンの中身がわからないようだ。
その様子を見たクーパーが得意そうに腕を組む。
「僕ね、それがなんだかわかるよ」
それは、クーパーの世界にあったものだったから。
小ビンの中身は、魔法の聖水だった。
「………で、少しだけだけど魔法力を回復できるんだ。お姉ちゃんにあげるよ」
「あ、ありがとう」
ユウナはさっそくそれをザックに放り込む。
「じゃあ、わたしもキミにこれをあげるよ」
そう言って自分が見つけたクロスボウを手渡す。
「ええ、僕が使っていいの?」
「うん、私が使うよりキミが使ったほうがいいよ、きっと」
「ありがとう、お姉ちゃん!」
さっそくクロスボウをいろいろいじっている。
とにかく、これで2人は一応、身を守る武器を手に入れたのだった。
――ちなみに2人は支給された武器をまだ確認していなかった。
その頃、未だに灯台に入れずに苦戦しているターシャは、辺りを見回し、凍りついた。
西の方角から人が歩いてきているからだった。
「これはヤバいですねえ…どこかに隠れてアレをしないと」
そう言いながら建物の影に飛び込む。
そして、歩いてくる奴がどんな奴か確認しようと、顔を出した。
(むむ…あの人は、きっとアレです、ヘンタイですね…)
その人影、ヴィンセントは赤いマントを羽織り、全身黒ずくめだった。
ヴィンセントは真っ直ぐに灯台に向かってきている。
幸いターシャは気付かれていないが、隠れていなければ見つかってしまうだろう。
ターシャはヴィンセントに見つからないように、祈りながら、手に持った魔石を握り締めた。
【ユウナ(MP減少)/クーパー 所持武器:不明 魔法の聖水 クロスボウ 現在位置:H−23(大灯台4F)】
第一行動方針:休憩&灯台探索
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
【ターシャ 所持武器:魔石ケーツハリー 現在位置:H−23(大灯台入口付近)】
第一行動方針:ヴィンセントに見つからないように隠れる
第二行動方針:灯台内部に入る
第三行動方針:?
【ヴィンセント 所持武器:魔法のカギ メイジマッシャー
神羅甲式防具改(効果半減) 太刀(両手持ち)コルトパイソン(弾丸なし) 山彦の盾 力の盾
ハイブロウST 黒胡椒 スコールの首輪 現在位置:G−23】
第一行動方針:『魔法のカギ』を使って、灯台でアイテム取得
最終行動方針:勝利し、過去を改変する
ステータス:HP半減。
(仲間に出会った場合、1度目は見逃します)
ファリス一行は南の街に向かう橋へと差しかかっていた、とりあえず街に行けば誰かしら出会えるかもしれない、
という判断のもとだ。
ともかくサラマンダーの目を治せる人間を探さねば…。
と、その時先頭を行くティーダが誰かを見つけたようだ、ファリスたちに合図を送るとそのまま、
ゆっくりと橋の方へと近づいていく、すると橋げたにもたれ、佇んでいる巨漢の姿が見える。
その姿を確認したティーダの口から安堵の溜息が漏れる。
「アーロン、無事だったんスね」
「アーロン?仲間か?」
ファリスの言葉に力強く答えるティーダ。
「仲間というか…まあ俺の保護者みたいなもんっスよ、ともかくこれで一安心っス」
アーロンの方も彼らに気がついたようだった、手を振って彼らの方へ近づいてくる。
それに応じてファリスたちもアーロンの元へと向かう。
そしてその距離がわずか数メートルまで縮んだ時だった。
先程から何やら考え事をしている風に、浮かぬ表情をしていたティーダがアーロンの目を見るなり、
叫び声を上げた。
「違う!アーロンじゃ無いッスね、アンタ!」
やはり長年の付き合いはごまかす事は出来ない、
ティーダはアーロンに取りついた禍禍しい何かの影を、敏感に察知したのであった。
叫びと同時にティーダが身を翻すのと、アーロン…もとい破壊の剣が刃を閃かせるのとはほぼ同時、
しかしわずかにアーロンの方が早かったようだ。
「ぐっ!」
飛び散る鮮血と同時に、肩を押さえてうずくまるティーダ、この程度の傷で済んだのは、
ティーダの並外れたスピードあってのものだった、これが並みの戦士ならば肩から股下まで、
袈裟懸けにされていただろう。
「まだ踏みこみが甘いか…なるほどのう」
アーロンは無感動にまじまじと手に持った剣を見つめながら呟く。
「舐めるんじゃ無いぜ!」
相手の油断を見て取ったファリスが素早く弓を引き放つ、しかしそれはアーロンの元に届く前に、
全て払い落とされてしまっていた。
「飛び道具か…並みの腕ではワシには通じないぞ」
剣を構えたままじりじりと前進するアーロン、ファリスは自分の傍らのティーダの様子を見る。
傷もそうだが、知人の変貌による精神的な動揺がかなり大きいように見受けられる、これでは戦えない。
と、その時だった。
彼女らの背後から飛び出した影が、疾風の速さでアーロンへと回し蹴りを放つ。
その一撃は軽々と防がれたものの、それはファリスたちに後退の余裕を与えるには充分だった。
「ここは俺が引きうけた!早く行け!」
「おい、テメェ目が見えないんだろうが!」
ファリスの言葉に乱暴に言い返すサラマンダー。
「だからだ!俺は戦う事はできても、そいつを引っ張っては逃げられん!お前が行くしかないんだ」
その言葉を聞いたファリスの顔に苦い後悔の色が浮かぶが、すぐに気分を切り換えて叫ぶ。
「分かった!だが無理はするんじゃねーぞ!」
そう言い残すとファリスはティーダを背負い、そのまま元来た道を引き返していった。
そして後に残ったのはサラマンダーとアーロンの2人。
2人はそのまま距離を置いてにらみ合いを続ける…どれくらい経過しただろうか?
まずは口で先制攻撃を仕掛けるアーロン。
「盲目ではやりにくろう?ワシは斬れればそれでかまわんが」
「確かにな…だが俺とて裏社会では知られた男、月すら見えぬ闇夜と思えば、別段大したことはない」
余裕の口調で切り返すサラマンダーだったが、その胸中ではすでに自分の死を悟っていた。
五体満足でも互角かそれ以上の相手に、盲目の身でどうやって立ち向かえばいいというのだ?だが、それでも。
(俺もついに年貢の納め時か…相手の顔が見れないのが心残りだが、だが最後にふさわしい戦いを見せてやる)
「はああああっ!」
気合と同時にアーロンへと躍り掛かるサラマンダー、その両腕が彼の気を受けて赤く輝く。
アーロンもまた剣を構え迎撃する、相手の攻撃は何のひねりも無い単純な突撃に過ぎない、殺れる。
アーロンは自分の勝利を確信していた、そしてその通り、彼の放った一撃は見事にサラマンダーの身体を貫く。
しかし…。
「貴様…狙っておったな」
苦々しい憎悪の声を上げるアーロン。
そう、サラマンダーは破壊の剣に貫かれながらも、アーロンの左腕をしっかりとロックしていたのである。
彼が選んだのは戦士としての名誉ではなく、仲間のために捨石になること。
だから彼はいちかばちかの一発勝負ではなく、自分を犠牲にしてでも相手の力を少しでも削ぐことを選んだのだ。
アーロンの左腕がギシギシと音を立てて軋み、やがてぼきりと乾いた音を立てる、と同時に
破壊の剣が閃き、サラマンダーの身体は真っ二つになった。
「この目が見えさえすれば、貴様ごときに遅れは……」
やはり彼も人の子であった、最期の最期で口から出た言葉は決して言うまいと思っていた、敗北の言い訳であった。
だがそれでも、サラマンダーの表情は満足気であった、そう彼は満足していた…彼自身心の奥底で願っていた、
戦場での最期を遂げることができるのだから。
そう、自分はやれることはやれた、後の事は生き残っている奴らに任せよう。
ああ、でもどんな面の男が俺を殺したのか、それだけが心残りだな・・・・。
そんなことをぼんやりと考えながら、孤高の戦士サラマンダーは永遠の眠りについた。
「無駄なことを…」
しかしアーロンはサラマンダーの遺体に向かって吐き捨てるように言い放つ。
彼の本体は剣なのである、かりそめの容れ物がいくら傷つこうとも、本体が無事ならば何の支障も無い。
不幸にもサラマンダーはそのことを知らなかった。
それに…
「自分が盲目だから敗れたと言い訳がたつと思っていたのかの?」
もう一つサラマンダーが知らなかった事実が明らかになる、実は彼は戦いの最中、すっと目を閉じていたのだった。
ただしそれは対等な勝負云々などというものではなく、強者の驕りから来る傲慢な行為でしかなかったが。
ともかくサラマンダーはやはり幸せだったのかもしれない、自分の完全な敗北を知ることなく、
プライドを保ったまま安らかに逝くことができたのだから。
【ティーダ(負傷・精神的に動揺) 所持武器:サバイバルナイフ 位置:T-14(逃走中) 】
第一行動方針:アーロンから逃げる
根本行動方針:元の仲間と合流
【ファリス(狩人・非マスター) アビリティ:白黒魔(中級までの白魔法・黒魔法を行使可能)
所持武器:盲目の弓 S&W M29(残弾5発) 現在位置:T-14(逃走中) 】
第一行動方針:アーロンから逃げる
根本行動方針:ゲームを止める、人を殺さない&殺させない
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:T−14】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識はおろか肉体・知識・精神までも完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
【サラマンダー:死亡】
(残り49人)
「頼む…怖いんだ…行かないで、行かないでくれよう」
リュカはエアリスを押し倒し、マウントポジションのように馬乗りになると
相変わらずワケの分からない言葉を発しながらエアリスに哀願する。
「何か応えてよ、頼むよう」
ぽたぽたとエアリスの顔にリュカの涙が零れ落ちる。
気持ち悪いから向こうに行ってとエアリスは言いたかったが、言えなかった、相手の膝が胸を圧迫してるので、
声が出ないのだ。
しかし、そんな中でも頭脳だけは何とか反撃は出来ないものかと冷静に機会を伺っていた。
この状況でリミット技は使えそうにない…しかし幸いにも両手は塞がっていない…なら。
エアリスはリュカに気付かれないようにそっと両手を構え、拍手の要領で相手の耳を両方同時に思いきり叩いた。
その瞬間、リュカの甲高い悲鳴が周囲に響いた。
そう、たったそれだけでリュカの両耳の鼓膜は破れ、その耳からは血が吹き出していたのだった。
「あーっ!」
耳を押さえて苦しむリュカ、しかし彼には自分の発した凄まじい悲鳴も聞こえていまい、
さらに痛みに加えて脳に与えられた衝撃も、相当なものになっている。
それでも彼はかろうじて踏みとどまっていたが、もしアリーナやティファのそれをまともに受ければ、
瞬時にして彼は脳震盪で気絶していただろう。
そしてそのスキを見逃すエアリスではなかった。
もがき苦しむリュカの身体の下からするりと脱出すると、近くに落ちていた石を両手で持ち。
それをリュカの頭に振り下ろす。
鈍い音がしたかと思うと、リュカは地面に倒れ伏しそのまま動かなくなった。
恐る恐るエアリスはリュカの様子を確認する…まだ息はあるようだ。
「よかった…」
エアリスはふうと息を吐き、崩れるようにへたりこむ。
その「よかった」の意味はリュカの命が助かったことに対してなのか、それとも人殺しにならずに済んだから、
なのか、それは彼女にもわからなかったが…。
とにかくこの場は離れた方がいい、それに今夜は色々なことがありすぎた…もう限界だ、
エアリスは足を引きずりながら、ふらふらとまた西の方へと歩き出す。
どこか休める場所は無いかと思いながら。
【リュカ(気絶・聴覚消失) 所持品:パパスの剣 ?(ビアンカの支給品) 位置:J-07(崖下)】
第一行動方針:不明(放心状態)
最終行動方針:クーパーを見つけ、守る
【エアリス(負傷) 所持品:手裏剣×16 現在位置:J-07から西に 】
第一行動方針:休息できる場所を探す
第二行動方針:かつての仲間たちとの合流
ほしゅ
あぼーん
92 :
山崎:03/08/15 11:35 ID:pR9fxCBK
山崎保守
ほす
94 :
孤島の対峙:03/08/17 22:09 ID:WtFT+Gc3
周囲の背景がぐにゃりと歪み、宙に浮かぶような感覚が身体中を巡る。
「うう…何べん通っても慣れへんなあ」
セルフィはケット・シーとの情報交換を終え、もとの祠に戻ってきていた。
「情報交換って言うても、たいしたことはわからんかったしなー」
そう、お互いにほとんど有益な情報はなかったと言ってもいい。
結局安全だという事で少し休息を取り、すぐに別れてしまったのだ。
(…誰もこの島には来てへんよな)
まさかこの島に誰かがいるとは思わなかったが、用心の為に祠から外の様子をうかがう。
「ふう、大丈夫みたいやな」
安堵のため息とともに軽い足取りで祠から足を踏み出した、その時だった。
「動くな」
不意に喉元に剣を当てられる。
――こ、こいつ、どこから…!?
確かに周囲には誰かがいる気配はなかったはずだ。
前方にある回りとは明らかに異なった樹の下から別の人影が飛び出した。
「ミネア、お前のせいだぞ。荷物を置き忘れるなどと…」
そう言って後ろの男が声を出す。
「まあまあ、誰にでもうっかりすることはありますよ」
ミネアと呼ばれた女がセルフィの目の前に歩み寄った。
「あなた、持っているものを見せてくれないでしょうか」
意外なほど低姿勢でセルフィに話し掛けた。
しかし、剣を喉元に突きつけられてはまともな頼みとは思えない。
顔を引きつらせるセルフィに気付いて、ミネアが手でレオンハルトの剣を押さえた。
95 :
孤島の対峙:03/08/17 22:09 ID:WtFT+Gc3
「レオンハルトさん、この人は安全です。剣を収めてください」
レオンハルトは少し躊躇ったが、ミネアの言う事に間違いはなかったのだし、言う事を信じることにする。
ようやく剣の脅威がなくなったセルフィは、その場にへたり込んだ。
しかし、態度だけは大きくなる。
「…何か言う事は?」
冷ややかな視線をセルフィに向けられ、レオンハルトはたじろぎ、渋々頭を下げる。
「すまなかった、オレ達は別にやる気じゃないんだ」
「………」
セルフィのザックを見ても、ディスクらしきものはみあたらなかった。
「あ…!」
一緒に荷物を見ていたミネアが声をあげる。
「どうしたんだ?」
「い、いえ…。気にしないで下さい…」
ミネアはピンクのレオタードの刺繍を見て、すぐにそれをザックに押し込んだ。
(アリーナのだわ…)
やはり、自分のものも誰かが持っているのだ…。
そう思うとミネアの顔は自然に紅潮していた。
数分後、セルフィはザックを受け取り、顔を膨らませる。
「だからないって言ったでしょ!」
「すまない、だがそれと気付かず持っている可能性も…」
うろたえているレオンハルトを、ミネアが横から突っつく。
96 :
孤島の対峙:03/08/17 22:09 ID:WtFT+Gc3
「レオンハルトさん、早くしなければ潮が満ちてしまいますよ」
反対の指は海岸の方を指している。
「そうだった。早くしなければ!」
「セルフィさん、お時間をとってすみませんでした」
ミネアは小さく頭を下げて、先を行くレオンハルトの後を追った。
セルフィはしばらくその場に立ち尽くしていたが、すぐに2人が引き返してくる。
「――また、会ったな」
レオンハルトの話によると海岸線はすっかり潮が満ちて通れなかったのだと言う。
(う〜ん、悪い人やなさそうやけど…)
2人は祠を見てみたのだが、中には何もなかったと言っていた。
祠の事を教えてやるべきか…
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:T-03】
基本行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
第一行動方針:島から出る
第二行動方針:ミサイルの封印を解き、天空城撃墜
(基地から何冊か書物を持ち出しています)
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:T-03】
第一行動方針:レオンハルトに協力
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【セルフィ 所持武器:ピンクのレオタード(アリーナ用) 現在位置:I−23 海岸の洞窟】
第一行動方針:2人に祠のワープ装置の事を教える(か、どうか悩んでいる)
第二行動方針:戦闘回避
保守
98 :
難関突破:03/08/20 17:57 ID:/VaPPy9V
「うっ…。逃げてはいなかったのですね…」
まさか自分を牽制しているものがプラカードとは知らず、クリフトは狼狽した表情になった。
「無駄口を叩くな」
アーヴァインはクリフトに自分の絶対的優位を示すように間髪いれずに口を開く。
「さあ、どうすっかな」
ロックがクリフトの持つ剣を取ろうと手を伸ばす。
思わず手を引っ込めるクリフトだったが、またアーヴァインが低い声で言った。
「抵抗するんじゃない」
渋々剣をロックに渡す。
「ゲームに乗ろうとした先からこんな失敗をするとはな」
そう言ってロックはクリフトの顔を覗き込んだ。
苦渋に満ちた表情の中に憎しみの色がありありと伺える。
「殺すのは、気が引けるな」
そう言ったロックは、魔法の詠唱を始めた。
クリフトは聞きなれぬ言葉を前に、無防備に呆けている。
「悪いな、…スリプル!」
不意にクリフトの身体中から力が抜け、身体が崩れ落ちた。
「うまくいったな」
ニヤリと白い歯を見せてロックが笑った。
「…殺さなくていいの?」
「武器は手に入ったんだし、大丈夫だろう。…お前が殺してくれるのなら構わないけどよ」
「そ、そんな〜。僕も人殺しは嫌だよう」
アーヴァインは首をぶんぶんと振って否定する。
99 :
難関突破:03/08/20 17:57 ID:/VaPPy9V
「だろ?わざわざ殺しちまうことはねーって」
納得したのかアーヴァインもクリフトから視線を外した。
「まあ、誰かに襲われるかもしれないけど、自業自得だろ」
しれっとそんなことを口に出してロックはさっさとその場を立ち去る。
アーヴァインも最後にちらっとクリフトを見て、踵を返した。
【アーヴァイン(疲労) 所持品:プラカードと赤ヘルメット 現在位置:S−18】
第一行動方針:ロックについていく
根本行動方針:仲間と合流する、マトモな武器の入手
【ロック(少し疲労+MP減少) 所持品:トーマス バリアブルソード 現在位置:S−18】
第一行動方針:街へ向かう
根本行動方針:仲間と合流する、自衛以外の戦闘は避ける
【クリフト(MP減少+睡眠) 所持品:魔法の聖水×2本、現在位置:S−18】
行動方針:結果的にアリーナを守るために殺人を犯す
「………」
灯台の門の前で、ヴィンセントは扉を押したり引いたりしてみるが、開かない。
「フッ、予測していた事ではあるがな」
腰に引っ掛けている魔法のカギを鍵穴に差し込むと、ガチャリという音とともにカギが崩れ去った。
「壊れてしまったか…。まだ利用価値はあると思ったのだが」
さほど気にする素振りも見せずに扉に手をかけ、開く。
重い鉄の扉は開くだけで大きな音を立てる。
ガサッ。扉の放つ音に紛れてかすかに草がすれるような音を聞きつける。
ヴィンセントはゆっくりと、その音に向かって身体を回した。
草むらのターシャと、門の前のヴィンセントは互いに眼を合わせて動こうとしない。
――奇妙な沈黙。
それを破ったのはヴィンセントだった。
無言でターシャのいる方向に飛び掛ると同時に銃を抜いて草むらに銃弾を撃ち込む。
「ひっ!」
距離があったためか、ヴィンセントが無理な姿勢で撃ったためか、とにかく銃弾はターシャには当たらない。
「どうすれば、どうすれば…アルスさんはどこ…!」
錯乱し、身を隠そうともせずに慌てふためく。
しかしヴィンセントは容赦なくもう1発、さらに1発と引き金を引いた。
ターシャの身体は抵抗もせずに弾を飲み込んでゆく。
痛い、痛い、痛い!
無意識の内に草むらを抜け出したターシャはヴィンセントを見る。
このゲームで始めての、痛みを覚えたターシャの思考はこのゲームに参加するはるか前、
ゾーマを倒す旅の最中まで巻き戻されていた。
人を駒としてしか見ないアルス。
心の底では恐怖や軽蔑などの感情が渦巻いているが、
結論は封じられ、ただ肯定する。
『ターシャ、コイツはどうも勇者に協力する気がないみたいだよ』
もちろん、覚えている次の言葉。
『すなわち悪ってことだよ。正義に反する今のうちに殺してしまうべきだよね』
わかっていた。些細なことで仲間を殺してしまうアルスが間違っていることは。
しかし、自分には『イエス』と答えるしかなかった。
――怖かったのだ。
『ノー』と答えると次は自分の番になってしまうことが。
また1発の銃弾がターシャの思考を引き戻す。
我に帰ったターシャはヴィンセントを睨んだ。
――不当に人の命を奪う者。
すでに致命傷ともいえるダメージを負ったターシャだったが、
その痛みがターシャの心に秘めるものを爆発させた。
アルスと同じ、人を人と思わない者。
やらなきゃ、やられる。
「うああああああ!」
叫びながらヴィンセントに突進するターシャに、手に持つ魔石が反応する。
魔石が光り、巨大な怪鳥が出現する。
その怪鳥は瞬時にターシャを上空まで運び、ヴィンセントの真上まで浮上した。
「どこだ!どこにいる!?」
今まで能面のような顔をしていたヴィンセントの表情が変わる。
空中から落下するターシャは、血を撒き散らしながらも標的を見据え、手を広げた。
「バギマッ!」
突如現れた真空の渦がヴィンセントを不意に飲み込み、ズタズタにする。
しかし、その不意打ちによってターシャの居場所が悟られる。
神羅甲式防具をつけたヴィンセントに大きなダメージはなく、簡単に真空の渦を抜け出すと
銃を構え、空中で身動きが出来ないターシャの胸を、正確に、撃ち抜いた。
高所から無防備に落下したターシャの身体は不自然に曲がっている。
そんなターシャの懐から魔石を取り出すと、ヴィンセントは灯台の中に足を踏み入れた。
【ヴィンセント 所持武器:メイジマッシャー 神羅甲式防具改(効果半減) 太刀(両手持ち)
コルトパイソン(弾丸なし) 山彦の盾 力の盾 魔石ケーツハリー
ハイブロウST 黒胡椒 スコールの首輪 現在位置:H−23】
第一行動方針:灯台でアイテム取得
最終行動方針:勝利し、過去を改変する
ステータス:HP半減。
(仲間に出会った場合、1度目は見逃します)
【ターシャ 死亡】
(残り48人)
「ふう。なんもめぼしいもんがなかったなぁ」
ケット・シーはセルフィと別れた後、一通り洞窟の内部を調べていたのだが
ワープ床以外に怪しいモノは見つけられなかったのだ。
「あの塔の中に入れる何かがあるとおもったんやけどな」
ケット・シーはいままで入っていた洞窟の入り口を見上げると軽く溜め息をついた。
塔に入るのはあきらめて、このまま北に行こうか。
もともと入れないのなら誰もあの中にいないのではないか?
そんな事を考えていたケット・シーの思考は、
灯台の方から聞こえてくるいくつもの銃声によってかき消された。
小さくなった体を慎重に草陰に隠しつつ、ケット・シーは塔に近づいていく。
そして塔まで百数メートルまで近づいた時、
塔の麓に赤と青の奇妙な物体が落ちているのを発見した。
色濃く香る死臭と負の瘴気。
ソレがこのゲームでケット・シーが最初に見た死体となった。
「いまさらやけど、こんなゲームにのった奴がおるんか…」
ケット・シーは胸に沸き起こるはずも無い吐き気を感じながらこの女性の遺体を調べ始めた。
「…アーロンさんの言ってた人とはちゃうみたいやな。しかし…」
いくつも体に刻まれた銃痕と、どこか高所から落ちたのだろう
不自然に折れ曲がった体と辺りに飛び散った血と臓器。
致命傷になったのはおそらく右胸に受けた銃弾だろう。
塔の上階で戦闘していて、死んだ後にそこから落とされたのだろうか?
それにしては塔から大分離れているように感じるが…。
これ以上遺体を調べていてもしょうがないと思ったケット・シーは
辺りを警戒しつ塔の扉に近づいていった。
仮にさっきの死体が塔から落とされたモノだとしたら、
彼女等はおそらく唯一の入り口であろうここから塔の中に入っていったのだろう。
ケット・シーは塔の扉の前に立つと両手で扉を押した。
以前とはうってかわり金属の軋む音と共にゆっくりと扉が開き始めた。
「やっぱり僕の後に来た人が扉を開けたんやな」
ケット・シーは扉の中を警戒しつつ魔法で小さくなった体をすばやく
僅かに開いた扉の隙間に滑り込ませた。
そのまま目に入った柱の影に滑り込み、息を潜めた。
10秒…20秒…30秒…。
どうやら塔の外で死んでいた彼女を殺した誰かはこの場にはいなかったようだ。
ケット・シーはほっと胸をなでおろし…
「きゃーーーーーーー!!!」
塔の上階から聞こえてきた悲鳴と数発の銃声に
ケット・シーは頭の中を戦闘モードに切り替えた。
「ミニマム!」
ぬいぐるみ大の大きさになっていたケット・シーの体が元の巨体を取り戻した。
【ケット・シー 現在位置:H-23 灯台1F】
所持品:レッドメガホン(あやつり、へんしん)
第一行動方針:襲われている誰かを助ける
第二行動方針:自分とアーロンの仲間を探す
ヴィンセントとユウナ・クーパーが交戦中
町の民家の中で缶詰を食べながらクラウドの話を聞いた二人は脱力した。
「なんてことであるか!バッツ殿には悪いことをしてしまったのだ」
スタイナーが空を仰いだ。
クラウドの話が正しければ、マイヤーをなんとかするためにここまで来たバッツは、完全に無駄足だった事になる。
「まあまあ…別に気にしてないからさ。どっちにしろこの町に寄る気だったんだし」
バッツは苦笑いを浮かべている。
「ところでそのアリーナってお嬢さんは大丈夫なのか?」
「…まだ目覚めていない」
クラウドは憂鬱そうな顔をあげて答える。
「そうか…まあ、命に別状はなさそうだったし、じきに目が覚めるさ」
クラウドの肩に手を置き、立ち上がる。
「さて、それじゃあオレはそろそろ出発するとするか…」
「も、もう行ってしまうのであるか?」
バッツは肩をすくめた。
「ああ、オレには探さないといけないヤツがいるからな」
スタイナーは何か言いたそうにうろたえている。
「どうしたんだい、オッサン」
スタイナーが重い口を開いた。
「ど、どこに向うのであるか…?」
「さあな、ギルガメッシュ達はきっと大丈夫なはずだから、北に向かうか」
それを聞いてクラウドも口をはさむ。
「アンタ、1人で大丈夫なのか?」
「大丈夫、コイツもあるし、自分の身ぐらいは守れるさ」
アウトサイダーをクルクルと回してみせた。
「じゃ、ご馳走さん。美味かったよ」
そう言ってドアに手をかける。
「気をつけてな」
「バッツ殿、また会えることを祈っていますぞ!」
民家の外に出たバッツは中にいる2人を窓から覗き込んだ。
「…また会えると、いいな」
北を目指して歩き出した。
【クラウド 所持武器;集合ラッパ 現在位置:S−17】
第一行動方針:アリーナが目覚めるのを待つ
第二行動方針:仲間を探す
(集合ラッパは自分を中心に半径6HEX内にいる全ての参加者を瞬間移動させて引き寄せるもの、一回きり)
【アリーナ(右手使用不能 睡眠中) 所持武器:カイザーナックル 現在位置:S−17(民家)】
第一行動方針:仲間を探す
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 鋼鉄の剣 現在位置:S−17】
第一行動方針:ジタンが戻るのを待つ
【バッツ(シーフ) 所持品:アウトサイダー 現在位置:S−17】
第一行動方針:ファリス、レナ、クルル、ガラフを探す
第二行動方針:ギルガメッシュと再び合流
「なんてことを…」
うめくようにクーパーが呟く、ユウナは顔をそむけ外を見ないようにしている。
そう、つい今しがたついに彼らの目の前で惨劇は起こったのである。
そしてその演出を担当した張本人たる黒髪の男は、悠然と塔の中へと入っていこうとしていた。
男が一旦彼らの視界から消えたのを見て、ようやくユウナが一息をつく、早く逃げなければ…
幸い逃げる手段はある、それに扉は閉まっているし、たとえ扉が開いてもここまで来るには時間がかかるはず、
だがしかし。
「嘘!」
何かの気配に振り向いたユウナの目に映ったもの、それは空高く舞いあがる男の姿だった。
そして男の手に握られた銃から火花が散ったかと思えば、次の瞬間、反撃を考える暇もなくユウナは倒れる。
その脇腹を弾丸が抉っていた、クーパーはみるみる間に床に溢れだす血を見ても何も出来ない。
あまりにも鮮やか過ぎる奇襲の前に、我を失ってしまっているのだ。
そして男はそんなクーパーの眉間へと照準を合わせる、その時だった。
男はクーパーから銃口を離し、自分の右手の方へと銃を向ける。
「ヴィンセントはん!なんでや」
そこには巨大なぬいぐるみに乗った、奇妙な猫が姿を見せていたのであった。
「リープ、お前もいたとはな」
ヴィンセントは表情を変えることなく、銃の照準を改めて構えなおす。
一方のケット・シーは明らかに動揺を隠せず、がたがたと身震いしながら後去る。
そして必死に考える、分からない…あのヴィンセントがどうして…殺しが楽しくなったのか?
それとも命が惜しいのか……。
いや、違う……ヴィンセントの目は仲間だったころと同じ、決して狂気や恐怖に囚われた瞳ではない、
だとすると、そういえばこの瞳は何処かで見たような……。
「ルクレツィアはんのためか?」
ケット・シーの言葉にヴィンセントは頷く。そしてそれから何故それを、とケット・シーに聞く。
「なあ、憶えとるか、まだボクはぺーぺーのエンジニアで、アンタもタークスやったころの話や、
あんたは少し恥ずかしそうに でも悲しそうにあの女の人の話を聞かせてくれた、
その時の目にそっくりやと、今気がついたんや」
「憶えていないな」
「そやろうな、あんたはベロベロやったし。もう10年も前の話やし」
そこで初めてヴィンセントは微笑む、その微笑みは仲間だったころと何ら変わりは無い。
「早く行け…私はお前たちに限っては最初だけは見逃すことにしている、行け」
ケット・シーは考える…ここで戦っても勝ち目は薄い、それ以前に自分にヴィンセントを倒せるとは思えない。
マテリアがあるにはあるが、それでも4分6分といったところか…。
それに倒れている少女の様態は一刻を争う…。
考えた末にケット・シーは搾り出すように言葉を吐き出す。
「ほんまやったらボクは君を止めなあかん、でも今のボクは何もでけへん…でもなあ、
それでも自分だけ逃げるわけにはいかんわ、ついでにこの2人も、見逃してくれるわけには
いかんのやろか?」
「いいだろう、早く連れていけ、女の方は重傷だ」
ケット・シーは傷ついたユウナを抱え、急激な展開について行けないクーパーの手を引き、階段を降りていく。
その背中にヴィンセントの声が響く。
「だが、次は殺す…例えお前でも」
「ボクは…ボクは…」
その続きの言葉は出て来なかった。
こうして塔を出た彼らは重い足取りで洞窟を目指す。
「いいやつやってんや…いや、今でもいいやつやねん、あいつはな」
ケット・シーは何度も何度も2人に詫びるように呟いていた。
ともかく3人は洞窟へ辿りつくと、早速タイルの上に飛び乗ったのだが、何も反応しない。
どうやら3人以上だと発動しないようだ。
ならば仕方なしに、先にユウナを寝かせる。
ユウナの身体が光に包まれたかと思うと、その姿はかき消えていた。
「あの娘が回復魔法を使えるかは分からんけど…今はもうあの娘しか頼れん」
そして次はクーパーとケット・シーがタイルの上に乗る、そして光が彼らを包み込む
しかし2人を包んだのは、ユウナの時とは違う色の光だった…果たして彼らの行き先は?
その頃、北東の島ではレオンハルトらと別れたセルフィが、本土へと戻ろうとしていた。
「悪い人らやないんやろうけど、1度相談せんとな」
そうぶつぶつと独り言を言いながら祠の扉をあけるセルフィだったが、祠の中をみた途端凍りつく。
なんと祠の中には血に塗れた少女が、はぁはぁと喘ぎながら横たわっていたのだ。
そのあまりにも予想外かつシュールな光景に一旦腰を抜かしかけたセルフィだったが、
それでも次の瞬間には大声を出しながら、元来た道をまた駆け戻っていったのだった。
「大変や!誰か死にかけとる!大変や!」
【ケット・シー 現在位置:? 所持品:レッドメガホン(あやつり、へんしん)
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:自分とアーロンの仲間を探す】
【クーパー 所持武器:不明 クロスボウ 現在位置:?】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
【ヴィンセント 所持武器:メイジマッシャー 神羅甲式防具改(効果半減) 太刀(両手持ち)
コルトパイソン(弾丸なし) 山彦の盾 力の盾 魔石ケーツハリー
ハイブロウST 黒胡椒 スコールの首輪 現在位置:H−23 灯台4F】
第一行動方針:灯台でアイテム取得
最終行動方針:勝利し、過去を改変する
ステータス:HP半減。
(仲間に出会った場合、1度目は見逃します)
【ユウナ(MP減少 重傷) 所持武器:不明 魔法の聖水 現在位置:T−03 祠】
第一行動方針:?
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
【セルフィ 所持武器:ピンクのレオタード(アリーナ用) 現在位置:T−03 祠】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:戦闘回避
両手を挙げる、無抵抗のサイン。
サマンサは離れた場所で自分を睨む踊り子に、敵意は無い事を見せる。
「私に敵意はありません。このまま行かせてもらえないでしょうか」
必死に自分を観察する視線を感じる。
――戦闘能力はどうあれ、場数を踏んでいるのは私のようですね。
心の中で相手を見下して、笑った。
「…アタシも危害を加えるつもりはないわ」
踊り子風の女は神経を緩めて自分に近づいた。
「こんな状況だから仕方がないとはいえ、毎回誰かに会うたびにこんなことをしなければいけないというのでしょうか…」
今回は大丈夫だったが、次はどうなるかわからない。
そんな不安を感じ、一刻も早くアルスを始末せねば、と決意する。
「ところで、あなたの名前は?」
苦笑いをしている女に、尋ねた。
「アタシ、マーニャ。あなたはなんていうのよ?」
「私はサマンサといいます」
話を聞いてみたところ、マーニャは攻撃呪文がかなり得意だという事がわかった。
(攻撃面だけで言えば、私よりも上…ですか)
だが、使えるかもしれない。
「あなたの肩、大丈夫?かなりひどいみたいだけど…?」
「これでもかなり回復したほうです」
それを聞いたマーニャが、尊敬するような目に変わる。
「あ、あなた、回復呪文も使えるの?」
回復呪文を使える者が珍しいのでしょうか?
「もちろんです。これでも昔は僧侶でしたからね」
「へえ、すごいわね。アタシなんか、回復呪文はさっぱりよ」
つまりは破壊専門ということですね、という言葉を何とか飲み込む。
「その分攻撃呪文は相当なものなのでしょう?」
マーニャが少し、自慢げな態度を見せる。
「これでもイオナズンが使えるのよ」
「それは素晴らしい」
それは想像以上だった。サマンサはまだ覚えていない。
「ね、ね、アタシ一人で心細かったのよ。しばらく一緒に行動してみない?」
願ってもない申し出だ。
自分に協力する者なら喜んで迎え入れよう。
そう、自分に協力する者なら。
「ともに行動ですか。しかし私にはやることがあるのですよ」
「協力するわよー!その代わり、アタシのこと、守ってよね」
しかし、自分の目的を話せばどうなるか――。
それでもともに闘ってくれるだろうか。
恐怖の目で自分を見るだろうか。――アリーナの時のように。
「私の目的は――」
【マーニャ 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:F-13
行動方針:とりあえず頼れそうな誰かを探す 】
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)
【サマンサ 所持武器:リボン 現在位置:F-13
ステータス:MP減少 左肩損傷】
行動方針:アルスを殺す。
114 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/08/28 23:14 ID:RsfG4fWT
age
「あつう…」
まりりんは木陰で丸くなり、足元の泉に足を浸したまま、動こうとはしない。
あれから、反復横飛びなど色々と無い頭を絞って色々やっていた彼女だったが、結局の結論は
普通に歩くのが1番、というものだった。
だから彼女は歩いた、ただひたすら自分の足元を見つめながら、そのせいだろうか、
何時の間にか砂漠に足を踏み入れていたことに、彼女は気がつかなかった、
そして日の出と同時に凄まじい猛暑が彼女の身体を包んだのである。
しかも暑さに耐えかねてローブを脱ぎ、バニースーツ姿になったのがいけなかった。
砂漠の太陽は容赦無く少女の肌を焼いていく、そのため現在まりりんの身体はまるで火傷のように、
真っ赤になってしまっている。
水に浸かりたいところだったが、それも出来ない。
実際、なんとかオアシスに辿りつき、衣服を脱ぎ捨て泉にダイブした彼女を待っていたのは強烈な痛みだった。
もはや少女の肌は泉の冷水にすら耐えられぬほど、荒れてしまっていたのだ。
「ルイーダさん、まりりんはまるで因幡の白ウサギ…」
靴を履いていたおかげで、唯一太陽の洗礼を逃れた足元のみを水に浸し、
すっぽんぽんのまま、木陰でただただ日が暮れるのを待つまりりんだった。
そういえばなんでこんな中途半端な時間に自分は目覚めたのだろう?日が暮れるまで昼寝を決めこむはずだったのに、
何か頭の上で誰かがしゃべっていたような…。
首をかしげながら空を見上げるまりりん、その視界に映ったのは煙をくすぶらせこちらへと、
飛来する巨大な何かの姿。
その非常識な光景に一瞬呆気に取られたまりりん、だがそれにはかまわずその何かはやがて
地表に激突し、ズズンと地響きを上げてその場に停止した。
「むむむ…事件の予感」
元遊び人の所以か、彼女は好奇心…いや野次馬根性がかなり旺盛だった。
家政婦をしている母の影響かもしれない、いやそれは関係無いか・・・
ともかく何か…が落ちた場所からここまで大体数百メートルくらいだろうか、
全力ダッシュならすぐに行って戻れる。
まりりんは泉の水に浸しておいたバニースーツとローブ、マントを装着し、ピオリムを唱えると、
そのまままっすぐ(何か)へと向かった。
【女賢者まりりんLv12 所持武器:しあわせのくつ 現在位置:G-06 オアシス
第一行動方針:何かが何なのか確かめる
第二行動方針:コソコソ歩き回ってひたすらレベルアップ 】
(何かとはもちろん飛空挺です、墜落地点はF-06)
117 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/08/31 22:16 ID:LuVm16hB
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
夏休み終了マンセー\(^o^)/
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
削除人、無駄な抵抗はおやめなさいませ。ホホホホホ・・・・・
これはコピペ荒らしではなく、リピートでございます。
お耳の悪い2チャンに絶対音感のある人はほとんどいないみたい。
オタクと実力の伴わないプライドだけの人達の集合体ですね。
まともな人達は、下記URLの私のホームページにいらっしゃい。
きっと私の美しい自作で心が癒されることでしょう。
私にでも簡単に書けるわ、と思う方、そのような感想を述べる暇が
あったら、ホームページ冒頭BGMの私の自作「朝の海」以上の曲を作曲して聴かせて下さい。
音楽に対決するのは音楽でどうぞ。言葉の批評ほど簡単なものはありませんから。
「K.OKADAワールド」(URL;
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/5933/)
また、私の書く美しい文章は、何回リピート(音楽用語ではコピペとは言いません)
しても美しく素晴らしいものなのです。これは、フランス近代音楽の基本姿勢です。
発展も展開もない美しいリピートに浸って下さいませ。
保守!職人さん、帰ってきてくれ・・・
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
「ううっ…なんだ…」
「やっと目覚めたか、ここまでおぶるのは大変だったぞ」
アルスは目覚め、目を開けるものの暗闇は消えない。
「どうしたんだ、何も見えないっ!」
シャドウは、はあっとため息をついた。
「お前が射られた矢は特殊なものだ。視力を奪うらしい」
「くそっ…あの女…邪悪な武器を使う…正義である僕に逆らうなんて」
シャドウはファリスを邪悪扱いするアルスに、悪態をついた。
アルスが何も見えないのをいいことに。
「おぶってくれたってことは、あなたが僕を助けてくれたの?」
「まあな」
アルスは微妙に間違った方向を見ながらシャドウに例を言った。
(こうやって見ると…ただの少年なんだがな)
アルスに食事を渡してやる。
2人で昼食を摂ることにしたのだ。
「とりあえず、その目を治せる者を探すぞ。わかったか?」
アルスはギリッと歯軋りをして、シャドウを睨んだ(見えてはいないが)
「僕に指図しないでくれるかな」
アルスの高圧的な態度が姿を見せたらしい。
「助けてくれたことには感謝するけど、勇者は僕なんだ。それを忘れないでくれ」
「そうかい、だがそれじゃあ何もできんだろう」
視力のことを指摘され、わずかにたじろぐ。
「視力を戻すまでは俺に従ってもらおう」
シャドウ 支給品:氷の刃 M3ショットガン 現在位置:N-9(森林) 】
第一行動方針:アルスのために白魔導師を探す
根本行動方針:インターセプター及び、リルムを見つける
【アルス 所持アイテム:ルーンブレイド 円月輪 現在位置:N-9(森林)】
第一行動方針:目覚めた後は盲目状態からの回復
根本行動方針:邪悪の殲滅(主催者打倒) ※彼に同調しない者は全て『邪悪』とみなす
ステータス:MP少量減少 HP大幅減少 盲目
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山和歌山
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
わかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやまわかやま
161 :
山崎:03/09/10 20:33 ID:wLHfgDxj
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
マンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセーマンセー
162 :
護りの衣:03/09/13 18:49 ID:+AKolB+0
「キキッ」
ネズミのような動物が倒れているリュカを心配そうに見ている。
その音を聞いたからか、リュカは不意に目を覚ました。
「う…ここは…?」
相変わらずその瞳は虚ろだが、その動物に愛される雰囲気は消えていなかった。
ネズミが肩に飛び乗ってきた。
「そうだ、アニー…ビアンカ。ピエール?クーパー…父さん!」
何も理解できない、といった様子でふらふらと歩き出す。
しかし、その歩みはすぐに止まった。
「ピエール…どうしたんだい?」
木の側で倒れているピエールに話し掛ける。
返事はない。
「…死んだ?誰が……怖かった?」
ぼそぼそと独り言を発し続ける。
「殺された…?誰かに。僕もそうなる…?」
自分がピエールを殺したとは思っていないようだ。
「次は僕?…イヤだ。死にたくない!!!!」
ゴオオオオッ、という轟音とともにリュカの周りを竜巻が包んだ。
リュカの本気のバギクロスだろう。
ピエールも、周辺の樹も、容赦なく切り刻まれてゆく。
163 :
護りの衣:03/09/13 18:50 ID:+AKolB+0
ようやく竜巻がおさまり、リュカは呆然としたまま呟く。
「誰か僕を、守ってくれ…」
西に向ってふらふらと歩き出した。
リュカがその場を離れたと同時に、真空の渦に上空まで吹き飛ばされたモノが落ちてきた。
人懐っこく動き回っていたネズミも、抵抗もせずに地面に叩きつけられた。
【リュカ(聴覚消失) 所持品:パパスの剣 ?(ビアンカの支給品) 位置:J-07(崖下)から東へ】
第一行動方針:誰かに守ってもらう。
最終行動方針:死なない。
※聴覚は失っていますが、死への恐怖から、危険に敏感です。
164 :
最高☆:03/09/15 19:54 ID:ERFTKwRX
最高!!
リルムは怯えきっていた。
カインを追って地図も持たずに北東の森の洞窟を飛び出し5時間余り。
探せども探せども金髪長身の龍騎士は見つからず、
それどころか誰一人として出会う事無く。
エッジの無残な最期でこの島の現実を叩き付けられ。
さ迷い、疲れ果て。
いかに勝気なリルムとて、そろそろ精神的に限界に差し掛かっていた。
堪えきれず体積を増す涙腺と押さえきれずひくつく鼻の奥。
泣き声を張り上げようと大きく息を吸い込んだその時、リルムは見つけたのだ。
南の岩陰に、人の姿を。
リルムにとっては殺されるという恐怖よりも、独りで居るという不安の方が大きかった。
ゆえに―――
数時間ぶりに見かけた人影に、警戒心を抱く事無く歩み寄ってしまったのだ。
キョロキョロと辺りを見回しながらコソコソと物陰から物陰へ移動する挙動不審な相手に。
独りで居たくない、誰かと喋りたい。
その欲求に、自らの置かれている危機的立場を忘れて。
ほんの少し観察すれば、相手の細い目や歪んだ口元に邪悪な意志を感じられるというのに。
決して声をかけてはいけない人物に、声をかけてしまったのだ。
「やほ!」
女狐、スカーレットに。
実戦経験の少ないスカーレットは周囲の気配を探ることが出来ない。
また、視覚や聴覚も研ぎ澄まされていない。
だから、小さなピクトマンサーの接近にまるで気付いていなかったのだ。
心臓が飛び出そうなほどの動揺をとっさのポーカーフェイスで隠しつつ、
万一に備えての手製爆弾を後ろ手に隠して、スカーレットは振り返った。
「こんにちは、お嬢ちゃん」
「安心して。リルム戦う子じゃないから」
「私もそうよ」
スカーレットの目に入ったのは小柄な少女だった。
いや、少女ではなく、幼女といっていいほど幼なかった。
平然とした言葉と裏腹に、落ち着かない目線と震える膝が、
リルムの不安感を如実に物語っていた。
今や完全に落ち着きを取り戻したスカーレットは、自分の立場の有利さを把握し、
余裕を持ってリルムとの接触を開始する。
「どうしたのかな、お嬢ちゃん。 私に何かご用かな?」
「おばちゃんさぁ、カインっていう金髪男見なかった? ちょっとカッコマンの」
「お、おばちゃ……!?」
「見た? 見なかった? どっち?」
「さぁ〜〜。 残念だけど『お姉さん』知らないわ」
「じゃあじゃあ、おばちゃん、ティーダっていうカッペな少年は? っスって言う人。
それとかリュカっていうターバン男とか」
「ゴメンねぇ。『お姉さん』ここに来てずっと独りだったから」
スカーレットの女のプライドは痛く傷ついた。
子宮の底から怒りがふつふつと湧き上がってくるが、それを腹の底に沈め、
リルムの矢継ぎ早の問いに答える。
笑顔で「おばちゃん」を「お姉さん」と訂正するのも忘れない。
また、その裏で油断なくリルムを観察し、値踏みし、背後関係を推し量ってもいた。
小さい体に徒手。積極的かつ友好的な態度。
爆弾を使う必要はなさそうだが、利用価値も低そうなので、第二のポチにするまでもない。
連れ歩く利点とリスクを天秤にかけると―――
「おばちゃんもひとりなんだ……
だったらさ、これからリルムとパーティー組まない?」
リルムを放置する方向で胸が決まりかけていたスカーレットは、
彼女の正反対の勧誘に思わず渋い表情を見せた。
それを目ざとく察知したリルムは、大声で怒鳴った。
言葉こそ乱暴だったが、つぶらな瞳に大粒の涙を浮かべてのそれは、
誰の目にも判る、「捨てないで」という彼女なりの必死な訴えだった。
「あー、リルム様のこと役立たずと思ってるなこのババア!
子供だからって子供扱いしてると、足の怪我治してあげないよ!
ばい菌入ったら死んじゃうぞ、それでもいいのか!」
「バ、ババ……」
なんて……なんてムカツク発言っ!!
ババア呼ばわりで血が上ったスカーレットは、この場でこのクソガキを絞めたい衝動に駆られた。
しかし、リルムの言葉の後半、『怪我治して』の部分が耳に残ったので、
彼女が指差す自分の左足に目をやると、いつの間に擦り剥いたのか、膝に血が滲み出ていた。
スカーレットは怒りを腹に沈め、額に青筋の残るぎこちない笑みでリルムに訊ねる。
「リ、リルムちゃんはもしかして、ケアルとか使えるのかな?」
「ケアルどころかラもガもいけるよ。なんてったって『ラクシュミ』持ってるからね!」
スカーレットにはラクシュミ云々の部分は判らなかったが、
この年端も行かぬ幼女がケアルガをも使えることに、素直に感嘆した。
リルムはそんなスカーレットの心を表情から読み取ったのだろう。
得意げな顔でケアルを唱え、スカーレットの挫いた足を治した。
スカーレットは、リルムの涙を優しくその手で拭い、そのまま彼女を柔らかく抱きしめた。
「あ……」
「ありがとうね、リルムちゃん」
えへへ。
スカーレット腕の中から、くすぐったそうな、幸せそうな、照れ笑いが聞こえた。
(妙齢の私をババア呼ばわりしたこのクソガキ、ギッタンギッタンにしてやりたいけど……
でも、ガマンガマン。それは最後の最後の楽しみとして取っておくわ。
性格はともかく、薬箱としては使えるし、万一の時の弾除けくらいにはなるしね。
それに、龍騎士カインを始めとするこの子の知り合い、この子をテコに利用できそうだもの。
上手くすればお注射も爆弾も使わずにコトを運べるかも?
キャハハ!
夢が膨らむわね、スカーレット!)
【スカーレット 所持アイテム:麻薬(残り2回) 手製爆弾3個 現在位置:O-08 】
第一行動方針:リルムを利用 第二行動方針:利用できる戦闘要員を探す
根本行動方針:勝ち残り(基本的に戦うのは最後の手段)
【リルム 所持アイテム:魔石ラクシュミ 現在位置:O-08 】
第一行動方針:スカーレットから離れない 第二行動方針:カイン及びかつての仲間を探す
根本行動方針:独りはイヤ
みんな頑張ってくれ。
俺ももう少ししたら復帰できるかもしれんから・・・・
山頂は明らかに人の手によって整地されていた。
そこは魔法陣と思しき巨大な地上絵が描かれており
真上に浮かぶ天空上の影にすっぽりと包まれていた。
その東の端に、エアリスが憔悴した様子でしゃがみ込んでいる。
息は荒く、所々に擦り傷切り傷が見て取れる。
「これだけ離れれば、もうリュカさんも追って来ないと思うけど……」
呟きながら自分が登って来た東の登山道を見やるエアリス。
その背中に、唐突に声がかけられた。
「エアリスー! 会いたかったよー、怖かったよー!」
「ユフィ!」
エアリスが振り返ると、かつての戦友ユフィが手を振り駆け寄ってきた。
敵意も悪意も、微塵も感じられず、エアリスはほっと胸を撫で下ろす。
自分の手を取ってぴょんぴょん飛び跳ねているユフィを見て、エアリスは思う。
ユフィは、わたしと合流できたことを喜んでくれている。
わたしが見た夢は杞憂でしかなかったのだ。
そんな夢で疑念を持ってしまった自分は、なんと愚かなんだろう。
不安なのは、自分だけじゃなかったのに。
仲間って、こんなに暖かいのに。
「ごめんね…… もしかしたらユフィたちに受け容れてもらえないかもって、
ひょっとしたら誰かが殺す側に回ってるかもしれないって、ちょっと疑ってた」
「えー、そんなはずないじゃん。仲間だよ、わたしたち」
鼻の下を人差し指で数度擦り、にっこりと笑うユフィ。
エアリスはありがとうと答え、微笑みを返した。
暫くの間、殺伐とした現状に不釣合いな、明るい笑い声が辺りに響いていた。
2人が腰を落ち着け、食事を取りながらたわいのない思い出話に興じたからだ。
ユフィは饒舌だった。
もとより元気で、茶目っ気たっぷりな彼女ではあったが、
それにしてもハイテンションに過ぎた。
エアリスは持て余し気味に相槌を打ちながら、レーションを咀嚼している。
やがて食事が終わった。
エアリスはそろそろ今後の為の情報交換や方針会議に入りたいと思ったのだが、
ユフィのトークは益々ヒートアップし、終息する気配を見せない。
エアリスはその必死さに痛々しさを感じた。
エアリスは思う。
きっとユフィもわたしのように、想像を絶する恐怖と苦難を味わったのだろう。
それを思い出したくない、楽しかったあの頃が懐かしい。
その気持ちはよくわかる。
でも、現実に立ち返らなくてはならない。生きるためには。
このままでは、埒があかない。
そう判断したエアリスは、申し訳無さそうな顔で切り出した。
「それでね、これからのことなんだけど―――」
「でもさ、こっからが面白いところなんだよ?」
「ユフィ。気持ちはわかるけど―――」
「えー、興味無しー? しかたないなぁ、じゃあ取っておきの情報だ。
エアリスの知らないクラウドの秘密、こっそり教えてあげるよ」
「ユフィだってわかっているでしょ?」
「……」
エアリスの口調にやり過ごせない真剣さを感じたのか、ユフィは口を閉じた。
彼女にもわかっていたのだ。
笑顔もテンションも、ゲームの恐怖からの逃避行為に過ぎないことに。
エアリスは沈んだ表情で押し黙ったユフィに話を切り出す。
「いろいろ考えなくちゃいけないこと、決めなくちゃいけないことがあるけど……
まずは忘れないうちに、これ渡しとくね。わたしでは使えないから」
「あ、手裏剣だ。サンキュ。じゃあわたしの方も……」
エアリスから手裏剣を受け取ったユフィは、何を渡すつもりなのか、
自分のバックパックをごそごそやりだした。
待ちの間、手持ち無沙汰だったエアリスは何とは無しに南方を見下ろす。
その視界の端、西南西の遠くに、動くものの姿があった。
「あ、あそこ。 下のほうで何か動いてる。 あれ人かな、ユフィ?」
蠢く影から目を反らさずに、エアリスがユフィに小声で問う。
考え込んでいるのか、ユフィから返事は返ってこない。
「やっぱり人だ。 2人いるね。 男の子と女の子…… かな?」
「……」
「気付いてるのかな、私たちのこと?」
「……」
「あ、こっち見た。 あの人たちもこっちを指してるよ」
「……」
「手、振ってみる? それとも、逃げる?」
「……」
「こっち来る、こっち来るよユフィ。 どうする? このまま待機でいい? ねえ?」
「……」
問い掛けても問い掛けても、ユフィからの返事はない。
流石にここまで沈黙を保たれて不安になったエアリスは、
ユフィの立ち位置、自分の斜め後ろを振り返る。
「……え?」
―――そこに、ユフィの姿は無かった。
「ごめんねエアリス、ごめんねぇ……」
ユフィは置き去りにした仲間に何度も謝りながら、山を駆け降りている。
エアリスが指差した影が、2時間ほど前に自分を殺そうと攻撃を仕掛けてきた
クッキーとリンダだとわかったから。
死にたくない。
ただその一念に突き動かされて、今、彼女はひたすら逃げている。
自分でも余りにも身勝手で突発的な行動だと理解している。
自分が言った「仲間だよ、わたしたち」という台詞も覚えている。
エアリスは私を信頼して手裏剣を託した。彼女の手に武器は無い。マテリアも。
全部判っている。
判っているが、理性が恐怖心に寄り切られ、逃げる足が止まらない。
「ベギラマ」
無感情な少年の声が聞こえた。背後で発生した閃光が、一瞬ユフィの影を伸ばした。
「ユフィ、ユフィ!」
エアリスがユフィの名を呼んだ。その声はとても悲痛だった。
「イオナズン」
涼やかな少女の声が聞こえた。続いて轟音。爆風の余韻がユフィの頬を撫でる。
「ユフィ、ユフィ!!!」
エアリスがユフィの名を叫んだ。その声は涙に滲んでいた。
ユフィは震える両腕で耳を塞ぐ。
「わたしは卑怯者…… 裏切り者だよぉ……」
泣きながら己を罵倒する。
しかし罵倒しながらも、決して足を止めようとも、振り返ろうともしなかった。
【ユフィ 所持品:手裏剣×16 困ったときの巻物×3 火炎放射器 現在位置:K-09 → K-08】
第一行動方針:山脈内潜伏、逃走
根本行動方針:死にたくない
ステータス:恐慌
【エアリス 所持品:なし 現在位置:K-09 天空上の真下】
対処行動方針:戦闘回避、逃走
根本行動方針:仲間と合流。ゲームに乗る気は無し
ステータス:HP半減
【クッキー 所持品:なし 現在位置:K-09 天空上の真下】
対処行動方針:エアリス殺害
根本行動方針:リンダを勝ち残らせ、その後自殺
ステータス:MP4/5
【リンダ 所持品:なし 現在位置:K-09 天空上の真下】
対処行動方針:エアリス殺害
根本行動方針:勝ち残り
ステータス:MP2/3
(レノも近場に潜伏中)
北の祠と北東の洞窟の間に位置する磯に、半裸の男が2人、肩を並べていた。
両者とも海水でずぶ濡れになった着衣を絞っていた。
そのやや後方に座り込んでいる青年は、手元の小さな機械を操作している。
「世話になったな」
「お礼なら、彼に言ってあげてください」
「お気になさらず。 こんな状況下こそ助け合いが大切ですからね。」
壮年の男・ダインが、絞りきった己の上着を羽織りながらぶっきらぼうに述べ、
銀髪の男・セシルが、後ろの細面の青年・バコタを振り返った。
バコタは、飄々とした態度で軽く手を振り、手元の小さな黒い機械に目線を戻す。
この状況に至るまでの顛末はこうだ。
祠の焼け跡の慎重な探索の結果、
幾つかの「フレッシュなサイン」を手に入れたセシルとバコタは、
カインの薦め通り、進路を北東の森の洞窟へ向かっていた。
取得品の調査は、そこで腰を落ち着けてから開始する腹づもりだ。
その途上でバコタが、溺れてかけているダインを発見した。
彼はすぐさまセシルにそれを告げ、それを受けたセシルは海へと飛び込んだ。
が、引き上げたダインは呼吸が止まってしまっていた。
狼狽するセシル。
そこでバコタが冷静に諭し、的確な蘇生の指示を与えたのだ。
バコタが人工呼吸。セシルが心臓マッサージ。
この連携が見事決まり、ダインの蘇生が成った。
またこの件で、セシルのバコタに対する疑念が、多少上方修正されたようだった。
ダインがヴィンセントに受けた銃創は、セシルのケアルラにより完治している。
肩をこきこきと回しながら、彼がセシルとカインに尋ねた。
「スカーレットを見なかったか? 長い金髪をアップにした、赤いドレスの派手な女だ」
「すみませんが、僕は見ていません」
「残念ながら」
「そうか…… それではな」
「行かれるのですか? もし宜しければ僕達と行動を共にしませんか?」
「すまないがそれは出来ない。 俺には俺の目的があるのでな」
よほど強固な意志があるのだろう。
ダインの目は静かに硬く、セシルは説得が不可能な相手だと直感的に悟る。
バコタの意志を確認すべく目をやると、彼は軽く頷いた。
思いは同じらしい。
「判りました。 残念ですが、仕方ありませんね。 お気をつけて」
「目的を達するまでは死なんさ。
それから―――俺の腕を撃ったのはヴィンセントという男だ。
黒い長髪に緋のマント。 幽霊のような顔色の男。 銃を持っている。
この男はゲームに積極的だ。 気をつけろ」
そう告げると、ダインは微塵の躊躇いも見せず背を向け、南東へと進んでゆく。
背中越しにダインはもう一言残した。
「……あの女は絶対に信用するな」
あの女。スカーレット。
セシルの目には、そう口にしたダインの背に、薄暗い炎が揺らめいたように見えた。
ダインの目的とはおそらく―――
「止められませんよ、彼は」
逡巡の末、ダインを止めるべく手を伸ばしかけたセシルだったが、
絶妙なタイミングでバコタが待ったをかけた。
「しかし……」
「わかります、わかります。 皆まで言わないで下さいセシルさん。
私とて思うところは同じです。 余裕があればダイン氏を止めたいところです。
しかし―――お客さんが近づいてきているのですよ。
それも、あまり性質のよろしく無さそうな輩が」
「なんですって!?」
バコタは手元の機械―――携帯モニターに目をやったまま、セシルを手招いた。
このモニター及び5基の小型カメラが、アニーのザックから回収した配布品だった。
バコタはダイン水揚げの折り、周囲の警戒のために
このカメラをそれぞれ警戒ポイントに設置し、絶えずモニタリングしていたのだ。
その一つに、どうやら人が映っているらしい。
セシルはモニターを覗き込んだ。
液晶には、巨大な丸太を担いだ白いマントの男が映っていた。
そのマントに、生々しい血痕が大量に付着している。
男の額には傷痕。大きく見開かれた瞳孔が明らかに彼の狂気を告げている。
音声こそ拾えないものの、口が絶えず動いているのも危険さに拍車をかける。
「ま、よ、の、い、し、を、す、い、こ、う、す、る…… ですかね」
唇の動きを読んだのか、バコタがぼそりと呟やく。
しばし沈黙。それを破り、バコタがセシルに意志の決定を促す。
「さて、逃げようと思えば十分逃げられる距離にありますが、どうしましょうか?」
「一応、接触を図ってみましょう」
セシルは緊張した面持ちでそう答え―――ディフェンダーを握った。
【バコタ 所持品:アイスブランド 携帯モニター&小型カメラ×5 キスティスの首輪 フレッシュなサイン数点 現在位置:L-04 磯】
対処行動:サイファーと接触を図る
第一行動:ゲーム破壊のための情報収集 第二行動:協力者を集める
根本行動:首輪を外し、ゲームを破壊する
【セシル 所持品:ディフェンダー ?(セシルの道具) 現在位置:L-04 磯】
対処行動:サイファーと接触を図る
第ー行動:バコタに協力(やや不信感)
根本行動:決めかねているが、ゲームに乗る気はない
【サイファー 所持品:長さ二メートルほどの丸太 現在位置:K-04 → L-04】
第一行動:魔女の騎士にふさわしい剣を探す
根本行動:魔女の意思に従いゲームを進行させる
【ダイン 所持品:ハードバルカン(先制攻撃) 現在位置:L-04 → 南東】
第一行動:スカーレット捜索
最終行動:スカーレット殺害後、エレノアの所へ逝く
179 :
修正:03/09/21 01:38 ID:8MDPP+T8
>>176 2行目
× 肩をこきこきと回しながら、彼がセシルとカインに尋ねた。
○ 肩をこきこきと回しながら、彼がセシルとバコタに尋ねた。
これはまだ太陽が中天に昇る前の―――飛空艇の撃墜に関連する2.3の話。
飛空艇の撃墜。盟友エドワードの死。
それは龍騎士カインを大いに悲しませた。
しかし、それ以上に彼を驚かせたのは、
エッジの死の直前に落下傘で脱出した人物たちだった。
はっきりと見えたわけではない。
何としても行方不明のリルムを見つけたいという願いが見せた幻覚かもしれない。
だが、非空艇から飛び降りた3人のうち2人が、子供のサイズに見えたのだ。
いかなる経緯であの飛空艇にリルムと思しき子供が乗船することになったのかはわからない。
しかし、現状でリルムの足跡が全くつかめていない現状では、
勘違いであっても、可能性を信じて進むしか道は無い。
非空艇の撃墜は天空城近辺で発生した。
ならば、あの子供のようなシルエットの2人も、山岳周辺に落下したはずだ。
(俺が迂闊だったのだ。
いくら気丈にふるまっていても、リルムは10にも満たない子供に過ぎない。
剣呑な死のいきれが立ち込める暗黒の島に1人放置される不安感を考えてやるべきだった。
じっとしていろと言い含めたとて、恐怖感に抗えるわけがない。
最悪、捨てられたと勘違いしてしまうかもしれん。
すまなかった、リルム。 どうか無事でいてくれ……)
岩から岩、そしてまた岩。
カインは龍騎士のジャンプ力を存分に活かし、山を駆け登る。
【カイン 所持武器:なし 位置:K-05 平原】
第一行動:落下した子供(リルムだと思い込んでいる)救出
行動理念:仲間を増やす。ゲームには乗らない
これはまだ太陽が中天に昇る前の―――飛空艇の撃墜に関連する2.3の話。
パジャマにナイトキャップというこの島に相応しくない出で立ちで、
西の森から中央の山脈に足を踏み入れようとしている少女がいた。
ナイトキャップの下からは香り立つような桃色の髪が覗いているが、
その下の素顔は真っ黒で、瞳だけが爛々と黄色く発光していた。
彼女は軽快なメロディを口ずさみながら、意外なほどのスピードで移動している。
ジョブに風水師を、アビリティにうたうを選択したレナである。
口ずさんでいるのは当然、素早さの歌だ。
彼女もまた、飛空艇の落下者救出のために行動していた。
かつての冒険の仲間クルルと、技術面をサポートしてくれたミド。
その2人の姿を見とめたからだ。
(わたし…… とても恥ずかしい。
クルルもミドも、まだほんの子供よ。私たちが保護しなくちゃいけないくらいの。
そんな子供たちが、恐怖をこらえ、現実と向き合い、手段を講じて……
結果は実らなかったけど、果敢に挑戦したのに。ゲームの拒否をその身で訴えたのに。
それなのに私、自分のことばかり考えてた。
心に整理をつけられず、醜い感情で管を巻き、うじうじと答えのない問いに悩んで。
教会に引きこもって現実から目を背けて……
でも、あなたたちのお陰で目が覚めたわ、クルル、ミド。
もう、迷わない。余計なことは、考えない。
今はあなたたちを救出することだけ考える。)
根こぶ、腐葉土、叢。
不安定な足下であるにもかかわらず、レナは平地を駆けるが如く、駆ける。
地形を知り尽くした風水師の面目が、ここに躍如していた。
【レナ(風水師)アビリティ:うたう 所持品:?(配布物) 現在位置:D-14 → 中央山脈】
第一行動:クルル、ミドを救出する
行動理念:決めかねているが、ゲームには乗らない。
これはまだ太陽が中天に昇る前の―――飛空艇の撃墜に関連する2.3の話。
「……あなた、悪い人だったんですね」
ギルガメッシュの「武勇伝」を3つほど聞いたミレーユが、感想を述べた。
くすりと品のある微笑。批難している様子は感じられない。
「まあ、俺ってのはそんなかんじだ。 あの頃から今に至るまで。
変わった事と言やあ、エクスデス軍が壊滅した事と、バッツと和解したって事だけだ」
ギルガメッシュが照れながら、少し自慢げに応えた。
最初の印象とは違い、ミレーユはとても話しやすい女性だった。
彼女に話をしていると、とても気分がいい。聞き上手なのだろう。
表情には乏しいが、包み込む空気になんともいえない柔らかさがある。
厳しい宗教系の保母を髣髴とさせるような物腰で、清楚。それでいて芯は強い。
ギルガメッシュはそんな風に感じた。
「こんどはあんたの話をしてくれよ。 俺は話し疲れちまったぜ」
「私の…… ですか? 面白い話は出来ませんよ」
何を思い出したのか、ミレーユの眉根が数ミリ寄せられ、瞳が僅かに曇った。
その変化は、注意深く見ていなければ気付かないようなほんの少しの変化だった。
だが、そのほんの少しの憂い顔がギルガメッシュの琴線を爪弾いてしまった。
(あ…… ヤベ)
彼は赤くなった顔を見られるのを恥ずかしく思い、ミレーユから目を背ける。
その目の先、上空に、ケフカの顔が大写しされていた。
ギルガメッシュの火照っていた顔から、一気に血の気が引く。
「おい、姉ちゃん、あれ……」
そして、かれらもまたショーの観客となった。
飛空艇の炎上を。悲鳴を。脱出する3人を。ケフカの笑い声を。エッジの遺言を。
助けることも中断することもできないで、ただ拳を握り締め、眺めた。
暫くの間、2人を重苦しい沈黙が包んでいた。
と、時魔法ストップの効果が切れたかのように唐突に、ギルガメッシュが叫んだ。
「おいおいおいおい!! さっきの、クルルじゃなかったか!?」
「知り合いですか?」
「バッツの仲間さ。爺さん思いのかわいい子だぜ。
もう1人の眼鏡のガキも見覚えがある。 ありゃあ、確かバッツの知り合いだ」
「安否が気遣われますね……」
ギルガメッシュは一つ伸びをした。それから肩を回し、腰を回した。
「よし」
気合の入った声を出し、立ち上がる。
「無理しないで下さいギルガメッシュさん。 あなたはまだ十分回復できていないはずです」
「大丈夫大丈夫。 さっきも言ったけどよ、俺、こう見えても中ボスだぜ?
体力腕力ともバッツやあんたの比じゃねえって」
カカカカと軽く笑い、ミレーユの肩を3つ叩き。
ギルガメッシュは歩き出した。北へ。
足取りはしっかりしているとは言い難いが、ふらつくこともない微妙な物だった。
「ギルガメッシュさん? 町は南東になりますが」
「あー、ちょっと町って気分じゃなくなったからな。
クルルと眼鏡ボーズ拾いに行ってくるぜ。
あんたは町に入って、バッツにそう伝えといてくれ」
「ギルガメッシュさん……」
「あ、あと、ありがとな、手当てしてくれて。 それと、一緒にいてくれて」
ギルガメッシュは照れたのか、あらぬ方向を向きながらミレーユに礼を述べる。
ミレーユは「どういたしまして」と答えて、ギルガメッシュの横に立った。
「あんた、ついて来る気か?」
「ついていく、というのは少し違います。 私も、あの人たちを心配しているのです」
「考えることは一緒ってことか」
「そのようですね」
ミレーユはそういうと、ギルガメッシュの瞳を見つめた。
整った眉が少しだけ弧を描き、瞼がほんの少し細められ、唇がわずかに膨らむ。
乏しい表情なりの、精一杯の微笑みだった。
ギルガメッシュは一瞬の沈黙の後、顔を反らす。
真っ赤になった自分の顔を、ミレーユに見られたくなかったから。
(バッツ…… やっぱ俺、美人は苦手だわ)
ギルガメッシュ、なかなかに純情だと判明した。
【ギルガメッシュ(軽傷) 所持品:なし 現在位置:O-15 → 中央山脈】
第一行動:クルル、ミドの救出 第二行動:その他の仲間との合流
行動理念:ゲームには乗らない
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル ルビーの涙 現在位置:O-15 → 中央山脈】
第一行動:クルル、ミドの救出
行動理念:ゲームには乗らない
※訂正
>>181 タイトル
× 山岳救助隊 part1
○ 山岳救助隊 part2
(わたしも、このゲームに麻痺してきているのかな……)
ティファは、横たわるキングレオの死体から爪を毟り取りながら
死体を漁っている自分は浅ましさな、と、ぼんやり考える。
なぜ、東に向かったはずのティファが、今ここにいるのか。
それは、ヴィンセントとの別れの直後に飛び込んできた、一通のメールのためだった。
『お告げ〜♪ 方角は南、位置は高めが吉〜♪ 得意な爪系の武器、ゲットだゼ?』
暫くはそのメッセージをいぶかしんだ彼女だったが、
結局他に明確な指針がある訳ではない。
それで、ティファは流されるように南下し、山道に入り。
キングレオとパパスの死体を発見したのだった。
太陽が空の一番高いところに昇った頃、ティファは爪の回収を終えた。
彼女はパパスのベルトとターバンの生地を加工し、それを土台に爪を括り付け、
バグ・ナウのような形状の武器を二組、作り上げた。
自前の穴明きグローブにそれを仕込み、何度か握り込んで手に慣らす。
手製だけあって不恰好で安定感が悪いが、
下手な市販ナックルより、よほど攻撃力がありそうだ。
また、余った2本の爪は、ナイフ代わりに懐に仕舞っておくことにした。
(さて、と…… どうしようか)
武器は手に入れたものの、次の指針は無い。
かつての仲間と合流するという大まかな目的はあるものの、
それも数時間前のヴィンセントとの邂逅で揺らいできている。
(それに、仲間と合流できたとして、それから?
主催者と戦う? 逃げる? 手段は? 奴らの目的は?
大体主催者ってどこの連中? リーダーはケフカ? その上にいるのは誰?)
指針を決めようと考えれば考えるほど思考の糸は絡まり、
彼女の頭の中はクエスチョンマークで覆い尽くされる。
(ワカラナイ……)
ヴヴヴヴヴ……
思考の泥濘に沈むティファを現実に戻したのは、腰で微振動を始めた通信機だった。
彼女はベルトからそれを外し、赤いボタンを押す。
新たなメッセージが届いていた。
『ウーウーウー!! 獣警報発令!! 獣警報発令!! 言葉なんて通じないよ!!』
ティファは慌てて左右を確認するが、近くに動くものは無い。
(まだそいつの射程外っていうことか。
今なら逃げられるってことだろうけど、方向は?)
ティファはメッセージの情報を鵜呑みにした。
獣あるいはそう例えられる人間がいないのでは、という疑問を持たなかった。
メッセージには続きがあるらしく、ページ送りを促す黒塗りナブラが点滅している。
ティファはページめくりボタンを押した。
『ところが、虎穴に入らずんば虎児を得ず、って格言もあったりする♪
方角は南。 どうするどうする?』
ティファは1分近く悩んだ。
しかし、先ほどまでの迷宮状態にはならず、しっかりと結論を出すことができた。
「逃げたら、また次の行動に迷うことになるよね、きっと。
だったら…… 虎児ってやつを取りに行こう」
口に出して反芻し、ティファは南に進路を取った。
ティファは、歩き出してすぐに、これと思われる人物の姿を発見した。
南、数百M。
その人物は山道から少し離れた足場の悪そうな斜面を、危なげな足取りで歩いていた。
遠すぎて性別は見分けられないが、どうやらターバンを巻いているようだ。
(あれが獣……? 言葉なんて通じない、って話しだけど……)
ティファはメッセージを思い出し、その意味するところを探る。
(もう少しヒントが欲しいな……)
彼女は無意識のうちに―――
誰が出しているとも知れぬメッセージに頼りだしていた。
ひょひょひょひょ……
聞いているほうの気がどうにかなってしまいそうなケフカのヒステリックな哄笑が、
天空城の監視ルームに響き渡った。
現在のところ、モニタにはケフカの喜びそうな映像は映っていない。
不思議に思った副官が、ケフカにそれとなく尋ねる。
「ご機嫌ですな、長官。 どうされました?」
「メル友のリアクションが面白くってね♪」
「長官はお若いですなぁ。 私、携帯と言えば通話機能しか使えませんのです。
どうもこう、最近とみに物覚えが悪くなって来まして」
「そんなんだと、女の子にもてないぞー、副官♪」
「ということは、長官のメル友は女性ですか。 いやはや全く羨ましい限りで」
「ひょひょひょひょ♪ しかも巨乳ちゃんだよーん♪」
副官は納得がいったらしく、通常任務に戻った。
その様子を注意深く確認してから、ケフカは手にしている携帯のボタンを素早く押し。
『手懐ければ吉、戦えば大凶。 ラッキーワードは「母性本能」♪』
―――送信。
【ティファ 持ち物:ライオンクロー×2 変な通信機 キングレオの爪×2 ?マテリア×2 現在位置:K-05 → K-06 中央山脈北東部】
対処行動:泣き声の元へ向かう
行動原理:ワカラナイ が、ゲームに乗りたくはない
【リュカ 所持品:パパスの剣 ?(ビアンカの支給品) 位置:K-06 中央山脈北東部】
第一行動:誰かに守ってもらう
行動原理:死にたくない、頼りたい
ステータス:聴覚喪失(死への恐怖から、危険に敏感)
188 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/09/22 02:43 ID:Sk/XlWSe
sagarisugi age
189 :
無効宣言:03/09/22 21:33 ID:vx8QODNT
>>182-184 「山岳救助隊 part3」
既出の作品との矛盾及び時間の逆行を理由に、無効とします。
ご迷惑お掛けしました。
190 :
彼もまた:03/09/22 22:42 ID:vx8QODNT
(―――困ったぞ、と)
山頂からやや西南西に離れた地点で、レノがある判断を迫られていた。
尾行対象であるクッキーとリンダに、さらに近づくか、ここで待機するか。
今、彼が身を隠している地点は、今までリンダと開けてきた間隔に比して
実に3倍近く離れている。
と、いうのも、山頂近辺は余りにも見通しが良すぎるからだ。
山を上るにつれ植物の数は減り、ここら辺りには全くと言っていいほど生えていない。
あとは岩だが、これも数は多くない。
さらに困ったことには、山頂がどうやら整地されているらしいのだ。
今レノのいる地点はそれなりの勾配を持つ斜面。
頂上の西と南の端の方はスコープを用いればなんとか視界に入るが、
角度の関係でそれより奥は見ることが出来ない。
つまり、現在の彼にクッキーとリンダの姿は見えていない。
頂上で閃光が迸った。
クッキーがベギラマを唱えたのだろう。
レノはちらりと上方を見やる。
目測、頂上から30Mあたりの距離にある大岩。ここから約80M。
(あそこまで行けばなんとかあいつらを目視できるが、移動中に
発見されるリスクは低くない……
かといってこのままでは、あいつらをロストする可能性が高い、と)
今度はリンダのイオナズンか。爆発音が響く。
彼らの交戦相手は無抵抗なのか既に死に体なのか、
反撃の音や気配が伝わってこない。
決着がつくのも間近だろう。
(たまにはスリルを味わうことにするぞ、と)
移動を決意し、レノは窪みから身を乗り出した。
191 :
彼もまた:03/09/22 22:46 ID:vx8QODNT
レノが山肌を静かに駆け登る。
今回のターゲットは結構な魔法防御力の持ち主のようだ。
頂上ではまだなぶり殺しが続いている。
無事に大岩にたどり着きたいレノにとっては、ターゲットの粘りは有り難かった。
(目測、あと15M。いけるぞ、と)
4発目のイオナズンがは山頂の南端で爆発した。
礫岩を砕き発生した土煙が、レノをもすっぽりと包み込む。
視界ゼロ。しかし、大岩の位置はわかっている。
立ち止まる事無く足を進めるレノだったが、すぐに柔らかいものに躓いた。
少しずつ土煙が収まってきた。
(ここに障害物などなかったはずだぞ、と!)
体勢を立て直したレノが足下を注視すると、
そこには血に染まり、火傷に肌が爛れた女がいた。
イオナズンで吹き飛ばされたクッキーたちの獲物だと思われる。
不用意に注いでいたレノの目線に、その女の目線が重なった。
「―――古代種!?」
レノはあまりにも意外な邂逅に、思わず呟いた。
一瞬の交錯でしかなかったが、彼にはそれが永遠の長さにすら感じられた。
「レノ……」
今にも死にそうなエアリスのかすれた声に名を呼ばれ、はっと我に返るレノ。
土煙の向こうに、クッキーとリンダの足音が聞こえた。
エアリスが助を求めて縋りつく。その手を、レノは無情にも払い除けた。
「恨むなよ、と」
彼は逆の手で懐から消え去り草を取り出し、一気に嚥下。
「ああ……」
霧のように消えてゆくレノを呆然と見つめながら、エアリスは絶望の溜息を漏らした。
192 :
彼もまた:03/09/22 22:47 ID:vx8QODNT
(痛い出費だったぞ、と)
目標地点の大岩にたどり着いたレノが、呼吸を整える。
こと尾行においては、M17以上の虎の子ともいえる消え去り草。
それをここで消費してしまったのは痛かったが、用途は間違っていない。
あのタイミングで使用しなければ、クッキーに見つかっていた。
しかし、これで保険が無くなってしまったのも事実だ。
名状定かならぬ苛立ちを抱えながら、レノは尾行対象の姿を探す。
礫岩の煙幕は晴れていた。
エアリスが膝をついていた。
レノに手を払われたそのままの場所で。
レノに手を払われたそのままの恰好で。
もともと透けるように白かった肌を、蝋のような白さに変えて。
優しさを湛えたブラウンの瞳の色を失って。
まるで、抜け殻の様に。
思えばタークス時代、エアリス捕獲の任についていた頃から、
対立するもの同士の奇妙な親近感と信頼感が、確かにあった。
彼女の境遇に対する憐憫の情も感じていた。
このような状況でなければ、あの手を握り返したことだろうが……
苦い思いがレノの胸中に満ちる。
エアリスの背後からリンダが歩み寄る。
その脇に侍るクッキーの両手に、光が収束している。
エアリスは微動だにしない。
レノは堪えきれず、目を反らす。
レノが、私の手を払った。
体中の力が全て抜けた。もう動けない。
糸の切れたマリオネットって、きっとこんな感じだね。
やっぱりね。
こうなるって予感してたよ。夢で見たもの。
わたしは弱いから、捨てられるって。
わかってたんだけど…… 凄く痛いよ。
でも、わたしなんてまだましかな。ビアンカさんに比べれば。
やっと出会えた愛する人に、裏切られたんだもの。
ピエールの話だと、そのまま殺されたみたいだし。
忘れられないよ、出会いざまにバギクロスを受けたときの、ビアンカさんの顔。
あの顔が、きっと本当の絶望なんだ。
ひどいよね。
あんまりだよね。
「ベギラマ!」
男の子の声。背中に衝撃。
あははー。もう、熱さも感じないや。
……あれ?
それなのに、今。胸の奥に火が点ったよ。なんでだろ?
ああ、リミットゲージが溜まったんだ。
癒しの嵐で回復して、ここから逃げる?
邪気封印でこの子たち止めて、逃げる?
どっちをえらんでも、きっと成功する。
この子達、わたしに対抗手段がないって油断しきってるから。
どっちにしたらいいと思う、クラウド?
クラウド、か―――
もし、わたしがここから逃げて、きみと再会できたら……
きみは、どうするのかな?
あの頃みたいに、私を守ってくれるのかな。
ユフィやレノみたいに、私を捨てちゃうのかな。
それともリュカがビアンカさんにしたみたいに、私を殺しちゃうのかな。
わたし、きみを信じたい。
だけど…… ごめんね。
今の私には、もうきみのことすら信じきれないよ。
どこかで裏切られるんじゃないかって、
怖い顔で私を殺そうとするんじゃないかって、
そんな恐怖で一杯だよ。
……やっぱりいいや。リミットブレイク、やーめた。
もしここで生き延びて、きみに会えたとして。
きみが酷い人になってたら、わたしはきっと生きてること後悔するから。
ビアンカさんみたいな顔、しちゃうから。
変わったきみだけは、絶対見たくないよ。
そんなの、死ぬことよりずっとずっと残酷だよ。
きみにはいつまでも、不器用で優しいわたしのナイトさんでいて欲しいよ。
ピエールさん、ごめんね。
折角あなたに助けてもらった命だけど、もう自分ひとりじゃ支えきれないから……
「……イオナズン」
【クッキー 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:リンダを勝ち残らせ、その後自殺
ステータス:MP1/2
【リンダ 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:勝ち残り
ステータス:MP1/3
【レノ:所持品:多目的ゴーグル MP5サブマシンガン(弾切れ) M79グレネードランチャー バックラー 現在位置:K-09 山頂付近】
第一行動:リンダたちを追尾する
行動理念:漁夫の利でラストマン・スタンディング
【エアリス 死亡】 ―――残り47人。
何もない暗闇から景色が構築されてゆく。
やがて全面が景色にかわり、床のパネルが最後に怪しく光った。
「こ、ここはどこや?」
そう、ケット・シーとクーパーが移動してきた場所は、先ほどとは全く違った場所だった。
枯れ木が規則的に並んだ奇妙な場所。
一見迷路のようにも思える。
そして見渡す限りあたり一面が、砂漠なのだ。
「やけに暑いね…」
「そら砂漠やからなあ。それにしてもなんでこないな場所に…」
パネルに乗る人数?時間?回数?
今のところ、何が原因だかはわからない。
枯れ木の迷路を抜けると、砂漠は途切れていた。
と、するとここは砂漠の北端、ということになる。
「地図を貸してくれへんか」
クーパーが慌てて地図を取り出し、それを渡す。
「ここ、どのへんだかわかる?」
「―――このあたりやろな」
そして灯台のあたりと砂漠の北端と、北東の孤島を線で結んだ。
「ユウナお姉ちゃん、大丈夫かなあ…」
クーパーが心配そうな顔をしている。
「まあ、あの娘がなんとかしてくれるやろけど…」
それでもうつむいているクーパーを元気付けるために、2人は先ほどの場所に戻ってきていた。
「とりあえず、もう一回乗ってみれば戻れるかもしれへんな〜」
そう言ってクーパーの肩を押して一緒にパネルの上に乗る。
また、背景が歪み始めた。
【ケット・シー 現在位置:? 所持品:レッドメガホン(あやつり、へんしん)】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:自分とアーロンの仲間を探す
第三行動方針:ワープ装置の調査
【クーパー 所持武器:不明 クロスボウ 現在位置:?】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
※C-4にある魔法陣状の迷路の真ん中にもワープパネルがあります。移動条件は不明です。
198 :
ザキ:03/09/23 21:17 ID:LCZiIXcM
空は雲ひとつ無い快晴だった。クリフトの心をあざ笑うかのように。
彼はあてもなく歩いている。肩を落とし、背中を丸め、とぼとぼと。
唯でさえ若年寄風情のあるこの青年だが、今の彼はさらに老け込んで見えた。
(どうしましょうか……)
クリフトは殺人者としての意志をまだ持っている。
しかし、得物の一つも無い今の状態は余りにも心許ない。
かといって武器になるものを手に入れるべく町へ戻りたくても、
ロックたちが向かった以上、自分の変心は町の人に伝わっているだろう。
下手をすれば返り討ちにすら遭いかねない。
そしてなにより、それがアリーナにも伝わっているであろうこと。
それがクリフトの最たる煩悶の原因だった。
(姫様はこんな私を軽蔑なさるでしょう…… 君臣の縁をお切りになるでしょう。
なぜ私がこのような変心をしたか、聞く耳をもって頂けないでしょう……)
主君アリーナは一本気の正義漢(漢ではないのだが便宜上)だ。
クリフトは彼女のそういう性質をよく理解し、好ましく思っていたが、
よく理解しているが故に、自分の絶望的な予想の正しさも判ってしまう。
(どうしましょうか……)
今のクリフトはあまりに上の空、あまりに無防備。
自分がどこを歩いているのか、どのくらい歩いたのか、全くわかっていない。
その彼に、どこからか苦しげな声がかけられた。
「ぼーっとしてると…… ざっくり…… やられちまう…… ぜ」
199 :
ザキ:03/09/23 21:19 ID:LCZiIXcM
我に返ったクリフトは、慌てて周囲を見回す。
彼の足下には血痕があった。
点々と続くそれが10Mほど続き、その終点にジタンがいた。
ジタンは腰を下ろし、青い顔で荒い息をしている。
腹に深手を負い、足下には血溜まりが出来ていた。
虫の息だった。
「ジタンさん!」
あまりの痛々しさに、思わず回復魔法を唱えそうになったクリフトだが、
寸での処で思い止まり、言葉を飲み込む。
頼れる仲間だったジタンだが、今では葬り去るべき標的なのだ。
「見てのとおりだ…… 頼む…… 回復を……」
途切れそうになる意識を気合いで繋ぎ、ジタンが声を引き絞る。
クリフトの顔色は、ジタンより青いものになっていた。
ごくり。クリフトはカラカラになった喉に、唾液を送る。
(迷ってはなりません、躊躇ってはなりません。
ジタンさんの手を見なさい。 コッズガントレットがあるではありませんか。
これは正に、天の与うる機なのです。
この武具を奪い戦いを続けよと、見えざる手に導かれたのです!)
クリフトはいかにも神官らしい理由をつけて、己を鼓舞する。
「わかりました。 目を閉じて、肩の力を抜いて。 私に全てを委ねて下さい」
ジタンはクリフトの言うとおりにした。
クリフトの声は震えていた。不自然に力が篭っていた。
あからさまな緊張感と怪しさを撒き散らしていた。
しかし、意識を繋ぐことに必死なジタンには、それがわからない。
(ごめんなさい、ジタンさん)
クリフトは、そっと唱えた。ザキ、と。
200 :
ザキ:03/09/23 21:20 ID:LCZiIXcM
数分後―――ジタンとクリフトは肩を並べて食事を取っていた。
怪我がすっかり癒えた様子のジタンの尻尾は全開フリフリだ。
「って訳でヤバイんだよ、その大剣の男は」
「なるほど。 それほどの遣い手なのですか」
あの時、クリフトはザキの成功を確信していた。
ジタンは回避や防御のできる状態では無かったし、
なによりクリフトに警戒心を持っていなかった。
確率にして95%以上―――
その必殺のザキが空振りに終わったのは、よほどジタンが強運なのか、
それともクリフトが余りに不運なのか。
(……いいえ、きっと幸運だったのですよ、私は)
あれこそが本当の天啓だったのだと、クリフトは思った。
(あのザキは、ジタンさんではなく、己に巣食った邪悪な心を凍らせ、砕いたのです。
お前は、邪悪にはなれない。あるべき姿に戻りなさい。
神が私に、やり直す機会と慈悲をお与え下さったのです)
「はははははは……」
「ん? なんか面白いモンでもあったか、クリフト」
「いえ、そういうのではありません。
やはり私は神官なのだなと、改めて気付いただけですよ」
「アイデンティティって奴か? 坊主ってのは難しいこと考えてんな」
理解不能といった表情でクリフトの顔を眺めるジタン。
クリフトはとてもすっきりとした表情で、空を見上げている。
空は雲ひとつ無い快晴だった。クリフトの心を映しているかのように。
201 :
ザキ:03/09/23 21:22 ID:LCZiIXcM
【ジタン 所持品:コッズガントレット 位置:T-14】
第一行動:同志を探す
行動理念:団結 ゲームには乗らない
【クリフト 所持品:魔法の聖水×2 位置:T-14】
第一行動:アリーナを守る 第二行動:ジタンと行動を共にする
行動理念:全ては姫様の為に
ステータス:MP5/8
(コッズガントレットは使用者のHPが60%以下だと発動しません)
「んでなぁ、そいつが言いよってん、優勝したら堀に飛びこむって」
「それで?それからどうしたの?」
ひんやりとした空気が漂う森の中でにぎやかに談笑するセルフィとユウナ、
ユウナの脇腹には包帯が巻かれているが、すでに傷は完治しつつある。
セルフィが血まみれのユウナを抱えてこちらにやってきたときは、レオンハルトも、
一瞬ぎょっとした(傷のせいだけではなく、ユウナのあまりの美しさに驚いた)が、
傍らにいたミネアが物怖じせずに進み出て、手早く回復魔法を唱えたおかげで、
虫の息だったユウナもこうしておしゃべりに花を咲かせることが出来るくらいに回復していた。
しかしそんな中、レオンハルトはどうも話の輪には加わり辛そうに、少し木の幹に持たれかかり、
ぼんやりと彼女らの会話を耳にしていた。
無論レオンハルトもそれなりの女性経験は持ち合わせてはいるのだが、基本的に堅物である彼には、
やはりこの状況はやや自分にはふさわしくないと感じているようだ。
で、彼の見た感じ、男性に1番人気がありそうなのは意外にもセルフィのように思えた。
もちろん初めて見たときのユウナの美しさには、自分も一瞬息を呑んでしまったが、
見なれてしまえば、その美貌はどこか人を寄せ付けないように思える、
いわゆる美しさ故に彼氏には逆に縁が無いタイプだ…実際は美貌に似合わぬフランクな性格のようだが、
しかし話を聞く限り彼女には恋人がいるようだ。
(機会があれば逢ってみたいな…果たして彼女が選んだのはどんな男なのか)
などと考え事をしていたレオンハルトの耳元でいきなり声が聞こえた。
「楽しそうですね?」
「あ…まぁ女性同士だと気も合うのだろう」
レオンハルトはいつの間にか自分の背後にいたミネアに、動揺を隠せずにやっとの思いで返事を返す。
「いえ、あなたがですよ」
しかしミネアは全てお見通しのようだった。
「お前は加わらないのか?」
レオンハルトの言葉に自嘲気味にミネアは笑う。
「私もああいう華やいだ雰囲気は苦手なもので、それに私には似合いません」
「そうかな?」
もちろんレオンハルトから見てもミネアは充分に魅力的だ、
その容姿はエキゾチックとでも表現すればいいのだろうか?単純に言葉では現せない不思議な美しさだ。
これでもう少し性格が明るくなれば、文句なしなのだが…。
どうも彼女からはその年にそぐわ無い苦労人のオーラがこれでもかとにじみ出ているように、
レオンハルトには思えて仕方が無かった。
そんなレオンハルトの胸中とは関係無く、ミネアはミネアで何か考えていることがあるようだ。
(今まで出会った人々の言葉から推測するに、どうやらここには大きく分けて2つの世界体系が存在しているみたい)
一方は自分たちの所属する世界、そしてもう1つはレオンハルトやセルフィたちが属する世界だ。
もっとも世界といっても同一の物ではない、物理法則等や魔法体系が同一なだけで、
そう、例えるならば大きな大木があったとして、世界はその無数に伸びる枝葉の中の1つ1つに過ぎない。
そしてここまで彼女の出会った人物の中で、彼女と同じ軸の世界に所属している者は、
残念ながら存在していないように思えた、強いて言うなら入り江で出会ったあの青年くらいか?
早く自分たちの世界の住人たちと逢いたいとの思いは、否応なしにミネアの心の中で大きくなっていった。
「おい…それで相談なんだか」
と、そこで今度はレオンハルトの声にミネアが慌てて覚醒する。
「あの2人を例の施設に案内してみようと思う、何もわからなければそれでよし、もし何か知ってれば
俺たちの目的が1歩前進するだろうし」
ミネアは微笑み、即答する。
「占うまでもありません、彼女らは大丈夫です」
占いの基本は精緻な人間観察だということは、レオンハルトも承知している、
そのエキスパートたるミネアの言葉は、例え彼女がその神懸り的な力を行使せずとも、
充分に信じることが出来た。
そのセルフィたちは相変わらずぺちゃくちゃと会話を続けている、どうやら話のネタは、
セルフィが持っているレオタードの様だった。
「それにしても恥ずかしいレオタードやなぁ…後ろはTバックやし、前もこんなに喰いこんで」
「でも強い加護の力を感じる、これはかなり優れた防具ね」
「でもなぁ、こんなんを防具にしてしまうセンスに疑いを感じるで、ほんまに」
2人の会話を聞いて何故か赤面しているミネアの前にずいと進み出て、レオンハルトは言葉を切り出す。
「2人とも…見せたいものがあるんだが」
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:T-03】
基本行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
第一行動方針:ユウナとセルフィを地下基地に案内
第二行動方針:ミサイルの封印を解き、天空城撃墜
(基地から何冊か書物を持ち出しています)
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:T-03】
第一行動方針:レオンハルトに協力
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【ユウナ 所持武器:不明 魔法の聖水 現在位置:T−03】
第一行動方針:?
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
【セルフィ 所持武器:ピンクのレオタード(アリーナ用) 現在位置:T−03 祠】
第一行動方針:?
第二行動方針:戦闘回避
場は重く、町組の一同は沈み込んでいた。
新たな仲間、ロックとアーヴァインがもたらした情報の衝撃によって。
スタイナーが、信じられないといった風に頭を振る。
クラウドが、目を閉じ腕を組んでいる。
このニューカマーたちから話を聞くべく、薬草調合を中断してきた
ルビカンテとレオナが、深い溜息をつく。
アリーナは、まだ眠っている。
伝えられたのは、クリフトの変心だった。
最初に口を開いたのはルビカンテだった。
「思えば…… 彼は多少結論を急ぎすぎるきらいがあった」
クリフトがマイヤーとの第一ラウンドでザキを放とうとしたことを思い出したのだ。
「だからといって、敬愛する主君を捨てるのであるか!?」
スタイナーが憤慨した。一同の目線がアリーナに集中する。
「たぶん、このお嬢さんがいるからじゃないかな。
大切に思う余り、目が曇っちまうことがある」
何か過去に思い当たることがあるのだろう。苦々しい顔でロックが呟く。
「大事なのは、敵がまた1人増えたということだ。
そして、こちらは貴重な癒し手を失ったということ。
今後は無茶な戦い方ができなくなったな」
敵の心境などどうでもいいのだという顔をして、クラウドが総括する。
「可愛い寝顔してるよねー」
アーヴァインがぽそりと呟く。
「目が覚めたら、アリーナにも伝えなきゃいけないよね、このこと」
レオナの声は誰より沈んでいる。
そんな衆人環視の中―――
渦中の人・アリーナが目を覚ました。
目覚めたアリーナは、まず鼻を鳴らした。
「あれ…… なんか臭いね、この部屋」
くんくん。くんくん。しきりに臭いを嗅いでいる。
「そうか?」
一同、そろってくんくん。言われて見れば汗臭さが充満している。
「そっかー、僕たちずっとマラソンしてたからねー」
アーヴァインの言葉に、ロックが軽く頭を下げた。
しかし、アリーナは不服そうだ。
「汗の臭いじゃないわ。もっと別の…… イヤなニオイよ」
何をそんなに執着しているのか、執拗に嗅ぎつづけるアリーナ。
「あ、わかった。 臭いのは私ね」
暫く鼻を鳴らし続けていたアリーナが、やっと得心行ったように指を鳴らした。
彼女は毒の沼地で立ち往生していたという。
海岸で汚れは落としたらしいが、その悪臭が残っていたのだろう。
この話を知っている幾人かが、それで納得した。
しかし、問題はそんな簡単なものではなかった。
「ほら、見て」
アリーナが突然前をはだけ、恥ずかしげもなくまだ未成熟な乳房をさらした。
思わず目を背ける男性一同。ただ1人目を見開くアーヴァイン。
「君、身を乗り出さない!」
レオナがアーヴァインに空手チョップ。首筋を押さえて蹲る魔弾の射手。
そんなレオナの気配りなどまるで意に介さず、アリーナは続けた。
「ここ。ここから臭いニオイがするの」
アリーナが指差すそこには、赤い染みのようなものがあった。
それは、陵辱の証。理性を失ったマイヤーの唇が刻み付けた烙印。
記憶は改竄されていても、体に爪跡は残り、心はゆっくりと蝕まれていたのだ。
「あ、ここだけじゃない!?」
アリーナが悲鳴をあげた。
「ここも、ここも、ここもここも!! やだぁ、こんなにあるわ!!」
その大きな瞳が落ち着きを失い、ぐるぐる回りだす。
アリーナの辛い過去を知る者たちの間に緊張が走る。
「んー、それってもしかして、キスマ…… へぶっ!!」
レオナがアーヴァインに本気の地獄突き。
「君は黙ってて!」
アーヴァインは喉を押さえてむーむーと悶絶。
軽率な発言ではあったが、マイヤー事件を知らぬ彼には少々酷な罰と言えよう。
「大丈夫、臭くない、臭くなんかないから、ね、気にしないで」
レオナはアリーナの手を取り、優しく諭した。
「あなた鼻がおかしいのよ。 どうして耐えられるのかしら、こんなに臭いのに。
窓を開けてくださいな。 吐き気がするわ、ほんとうにイヤなニオイね!!」
アリーナが、胸の刻印を手で擦り始めた。
こし。
こし。
こし。
くんくん。
こし。
こし。
こし。
くんくん。
一心不乱に、アリーナが擦る。手を止め、臭いを嗅ぎ、また擦る。
鬼気迫る光景だった。
彼女以外の全ての人間の時が止まっていた。
こしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこし……
「もういい、やめて、アリーナ!」
いち早く時の戻ったレオナが、アリーナの手を押さえつけた。
「放しなさい!! 臭いのよ!?」
アリーナの怒号。
同時に雷光の速さで放たれた膝が、レオナの水月に命中。
レオナはくの字に折れ曲がり、吐瀉物を宙に撒き散らして倒れた。
こしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこし。
倒したレオナに注意を向ける事無く、アリーナは再び胸を擦り始めた。
「おかしいな…… ニオイが消えないわね」
アリーナは首を傾げ、はたと手の動きを止めた。
これで落ち着くか―――
一同がそう期待した矢先に、アリーナの指が曲がった。
曲げまま、胸へと持っていった。
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ。
爪が、皮膚を容赦なく削ぎ始めた。
飛び散る鮮血。
皮膚を突き破り、肉をも引き裂く。容赦ない力を込めて。
ベッドが朱に染まる。
相手が半裸の少女と言うことで、今まで手出しできなかった男性陣だが、
流石にここにまできて紳士然とはしていられない。
誰からとも無くアリーナに殺到して、自傷行為を止めにかかった。
「やめなさいよ! ジャマしないでよ!」
アリーナがベッドの上で、半身の構えを取った。
10分後―――
アリーナはベッドに縛り付けられていた。
その胸には包帯。
ルビカンテが調合した傷薬が塗り込まれている。
この天才格闘少女を傷つけず取り押さえるのは骨の折れる作業だったようで
男どももまた、1人残らずルビカンテの塗り薬の世話になっていた。
今、部屋にはアリーナとレオナしかいない。
問題が非常にデリケートであるため、男性は近づかないほうがよいという
レオナの主張を、皆が受け容れたからだ。
また、同じ理由から、クリフトの変心についても伏せておくことに決まっていた。
ルビカンテはベネット爺さんの家へ戻り、薬草の調合を再開した。
多少薬草知識のあるロックがその手伝いを申し出た。
スタイナーとクラウドは町の歩哨任務に就き、
アリーナに(というかレオナに)手ひどくやられたアーヴァインは体力回復に専念している。
「どう、落ち着いた?」
いまだジンジンと痛む腹部を押さえながら、レオナがアリーナに声をかけた。
「ええ、落ち着いてきたわ。 ごめんなさいね、あんなことしちゃって」
その言葉に、レオナはほっと胸を撫で下ろす。
「落ち着いたけど、でもね」
「でも?」
一呼吸置いたあと、アリーナが続けた。
「……臭いよ?」
【ルビカンテ 所持品:調合材料(袋半分) 位置:S-17 ベネット爺さんの家】
第一行動:薬草調合 第二行動:マント(出来れば炎のマント)を探す
第三行動:ゲームの目的を知る
行動理念:ゲームには乗らない 今は準備の時
ステータス:HP7/8
【ロック 所持品:トーマス バリアブルソード 現在位置:S-17 ベネット爺さんの家】
第一行動:薬草調合 第二行動:同志を増やす
行動理念:ゲームには乗らない 戦闘回避
ステータス:HP6/8 MP微減少
【スタイナー 所持品:参加者詳細資料 鋼鉄の剣 位置:S-17 町周辺】
第一行動:歩哨 第二行動:ジタンが戻るのを待つ 第三行動:同志を増やす
行動理念:ゲームには乗らない
ステータス:HP7/8
【クラウド 所持品;集合ラッパ 位置:S-17 町周辺】
第一行動:歩哨 第二行動:同志を増やす
行動理念:ゲームには乗らない
ステータス:HP7/8
(集合ラッパは自分を中心に半径6HEX内にいる全ての参加者を瞬間移動させて引き寄せるもの、一回きり)
【アーヴァイン 所持品:プラカード 赤ヘルメット 位置:S-17 民家その2】
第一行動:体を休める 第二行動:同志を増やす
行動理念:ゲームには乗らない
ステータス:HP5/8
【レオナ 所持品:缶詰×90 缶切り×2 位置:S-17 民家その1】
第一行動:アリーナの看護
行動理念:師匠にお供致しますッ!
ステータス:HP6/8
【アリーナ 所持武器:カイザーナックル 現在位置:S-17 民家その1】
行動理念:臭いを消す
ステータス:重度の幻臭神経症 右手使用不能 HP7/8 移動不能(ベッドに縛り付けられている)
※全員塗り薬を塗っています。
※塗り薬の効果は、通常で2時間、体を休めた状態で1時間毎にHP1/8回復を想定しています。
「…私は…何をしているのでしょうか」
サマンサは一人ため息をついた。
こんな状況におかれてまで、本当にアルスを殺したいのか。
自問自答しながらも答えは見つからない。
「あの時――」
サマンサは目を閉じてマーニャと対峙した時の自分を回想した。
「――私のターゲットはアルスただ一人です。ご協力、お願いできますか?」
マーニャはただ凍りついている。無理もない。
普通の人にすれば、サマンサのやろうとしていることは異常でしかないだろう。
「ア、アタシに、そんなこと…!」
マーニャはすっかり顔を青くしている。
「そ、そんなこと…協力できるわけ――」
やっぱり、断わられましたか…。
サマンサもわかっていた。
自分の話を聞いてくれる者で、すぐに協力してくれるような者は少ないという事は。
「…行きなさい」
「えっ!?」
マーニャは青ざめた顔をあげる。
「私は貴女と闘いたくはありません」
サマンサの拳に火球が灯る。
「しかし、私はあなたを殺してしまうかもしれない」
その火球はさらに大きくなる。
「…アタシ、協力は出来ないけど…」
「行きなさい」
今度はさっきよりも数段強い声で。
そして火球をあさっての方向に投げつける。
遠くの岩に触れ、岩が爆発した。
――メラミの火球。
「アルスを殺した暁には、またこうして出会いたいものです」
走り去るマーニャを見つめ、サマンサは自嘲気味に笑った。
「アルスを殺しても、この地獄からは抜けられないのでしょうか…」
サマンサの頭の大半を占めていた復讐の念も下火になり、
このゲームからの脱出についての不安を抱き始めるサマンサであった。
【マーニャ 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:F-15】
行動方針:とりあえず頼れそうな誰かを探す
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)
【サマンサ 所持武器:リボン 現在位置:E-12
ステータス:MP減少 左肩損傷】
第一行動方針:アルスを殺す
第二行動方針:ゲームからの脱出
くばられたごはんはマズい。
とう明なふくろをギュッておすと、中からドロドロがにゅうって出てくる。
味は肉っぽいおかゆみたい。それをちゅーちゅーする。
でもおばちゃんは、「このレーションのえいよう分ちゅう出ぎじゅつはすごい」
ってよろこんでた。よくわかんないけど。
あ、そういえば、おばちゃんにはリルムのお絵かきを見せてなかったな。
よーし、ちょっとびっくりさせちゃおっと!
「ね、おばちゃん、その手ちょうとボールペン、かして」
「いいわよ、はい、『お姉さん』が貸してあげる」
何をかこうかな?
そうだ、おばちゃんをかいちゃおう!
ふんふんふーん♪ さっさかさー♪ よし、かーけたっ!!
「かけたよおばちゃん、見て見て」
「もう描けたの? あら、これは私ね。 凄く上手よ。
……でもリルムちゃん、わたしこんなところにシワなんてないんだけど」
にしししし、おどろくのはこれからだよ。
よっく見てて、動くから。おばちゃんそっくりに。
「え、なにちょっとこの絵。 飛び出してきたわ!?」
「キャハハハハ!」
「なに、なに? この小さい私、笑ってる、下品な声で!?」
下品な声って…… それ、おばちゃんの地だよ。
わたしのお絵かきはコピーなんだから。
「ね、すごいでしょ、リルムのお絵かき」
ぼくが気絶している間の出来事を教えてくれ、と奴がしつこくせがむので、
俺は仕方無しに飛空艇の撃墜とエッジの遺言の件を話してやったのだが……
「愛の忍者エッジ…… 君の優しさと勇気、ぼくは忘れないよ」
泣きながら鼻水をすするアルス。聞いていた話と少々違うな。
「許さないぞ、『邪悪』め!!
エッジの死を糧に成長したぼくらが、必ず殲滅してみせる!!」
悲しみから怒りに転じたらしいアルスが俺の手を力強く握る。
どうやら俺も「ぼくら」の勘定に入っているらしい。
正直なところ、俺はこのゲームに対して悲観的だ。
他の連中でも、仲間を集める、ゲームに乗らない、逃げ出す、に留まっている。
ところが、こいつと来たらどこまでも挑戦的だ。
「邪悪を殲滅する」と終始一貫して言い切っている。
サラマンダーに痛めつけられ、ファリスに盲目にされても、
自分に対する自信と正義の勝利とやらを微塵も疑っていない。
「そういう試練だよ」の一言でさらっと片付けてしまう。
ずうずうしい程に蒙昧。屈託のない覇気。
信じるものは救われるを体現したこの性格、羨ましくすらある。
そのアルスが俺の袖を引っ張り、人物の発見を告げた。
「シャドウ、北の方から声が聞こえる。 争ってる感じじゃないね」
俺の耳にも確かに聞こえた。女の声。
そして……幼い娘の声。
忘れるものか。聞き間違えるものか。
この声こそ!!
「ねえシャドウ! なんでぼくを置いて走るのさ!」
背後でアルスが何か言っていた。
死ぬ直前に人生がプレイバックされるとよくいわれるが、あれは本当だ。
体験者がいうんだから間違いないさ。
崖から飛び降り地面に衝突する、ほんの束の間に、俺はそれを味わったんだよ。
貧しくも誇りある鉱夫の仕事。
友と酌み交わした酒の美味さ。
エレノアと育んだ愛。
マリンを始めてこの手に抱いた感動。
狂気の殺戮に溺れた日々。
しゃぼんの泡のように、膨らんでは浮かびあがり、弾けて消える記憶。
少しずつ解けてゆく感情。闇に溶けてゆく五感。
俺を構成する要素が拡散の果てに無へと至り―――そして死ぬ。
そう思っていたんだ。
俺はな…… 飛び降りる時には、納得していたんだ。
もういい、ここで終わらせよう。そう覚悟を決めて飛び降りたんだ。
執着など全て失った。そのつもりだったんだ。
だけどなぁ、違っていたんだよ。
どうしても消えないものが、一つだけあったんだよ。
キャハハハハ!!
お前のあの癇に障るけたたましい笑い声。
それだけがいつまでも響き続けていたのさ。
だからな。
忘れるはず無いんだよ。聞き間違える訳が無いんだよ。聞き漏らすことは無いんだよ。
お前のその笑い声を。
―――追いついたぞ、スカーレット。
ムっ、ムカツクっ!!
すごくムカツクわ、ちっちゃい私!
なに、キャハハって? 私、あんな下品な笑い方しないわよ!
ムカツクけど―――
でも、使えるわね。このクソガキの特技。
ちゃんとした絵画用具があれば、敵の攻撃をそっくりそのままコピーできるらしいし。
前に爆弾を仕掛けた小屋に、絵の具とかあったかしら?
町まで行けば多分見つかると思うけど、人間も集まってそうよね。
壊れたポチが襲ってきても怖いし……
「リルム!!」
はっ、南から接近者!?
全身黒ずくめ、いかにも裏稼業ってスタイルの男が向かってくる!
こいつ、クソガキの仲間? それとも敵?
「スカーレット!!」
え、北からも!?
腕にバルカンを仕込んだ細身の男が向かってくる!
誰、あんた? なんで私のこと知ってるわけ?
ちょっとちょっと、挟み撃ちなんて聞いてないわ!!
逃げるに逃げられないじゃないの!!
……って、深呼吸深呼吸。こういう時こそ焦っちゃダメ、スカーレット。
大事なのは笑顔笑顔。
敵意の欠片もありません。か弱いただの美人です。
状況の把握が難しい時は、しおらしい振りして出方を伺うのが最良の選択だもの。
でも、とりあえず爆弾はこっそり用意しておかなきゃ……
【スカーレット 所持品:麻薬(残り2回) 手製爆弾3個 位置:N-08 中央山脈裾野】
対処行動:様子見 第一行動:リルムを利用 第二行動:利用できる戦闘要員を探す
行動理念:勝ち残り(基本的に戦うのは最後の手段)
【リルム 所持品:魔石ラクシュミ 手帳 ボールペン 位置:N-08 中央山脈裾野】
対処行動:シャドウとおはなし
第一行動:スカーレットから離れない 第二行動:カイン及びかつての仲間を探す
行動理念:独りはイヤ
【ダイン 所持品:ハードバルカン(先制攻撃) 現在位置:N-08 中央山脈裾野】
対処行動:今こそ復讐遂行の時!
行動理念:スカーレット殺害後、エレノアの所へ逝く
【シャドウ 所持品:氷の刃 M3ショットガン 位置:N-08 中央山脈裾野】
対処行動:リルムとおはなし
第一行動:アルスのために白魔導師を探す 第二行動:インターセプターを探す
行動理念:ゲームには乗らない リルム及びインターセプターとの合流
【アルス 所持品:ルーンブレイド 円月輪 位置:N-08 中央山脈裾野】
対処行動:シャドウどこ〜? 第一行動:盲目の回復
行動理念:邪悪の殲滅(主催者打倒) ※彼に同調しない者は全て『邪悪』とみなす
ステータス:盲目 MP5/8
※アルスのHPは自己のベホマで回復済み
エアリスの無残な屍を前にリンダとクッキーは黙して語らない。
その雰囲気は殺人者とは思えぬほど悲痛かつ荘厳なものであった。
やがて呟きと共にリンダの頬を一筋の涙が伝う。
「ムーンブルクの人々のためです…許してください」
生きて玉座に返り咲く、これはムーンブルク王家唯一の生き残りである自分に課せられた宿命だ。
だからそのためには、泥をすすってでも生き残らなければならない。
「私が生きて戻れた暁には、ムーンブルクの民を誰一人として不幸にはさせません、約束します
こんなことで罪滅ぼしになるとは思えませんけど…せめて」
そう考えてしまうのが、自分の弱さなのかもしれないとリンダは思う。
今は情を捨て、ただ生きることのみを考え無ければならないと言うのに。
膝をつき、静かに嗚咽を続けるリンダの肩にそっとクッキーは手をやる。
「まずは生き残らないと…生きて帰れなきゃ罪も償えないよ」
「そうよね、ここで死んだら私たちは只の殺人者だし」
そう言って微笑むリンダの顔は、あのころと…邪教の使徒たちとの戦いの日々の中で見せてくれたものと、
何ひとつ変わりはしない、とクッキーは思う。
この微笑みのためなら今の自分は神が相手でも戦える、だがそれでも…クッキーは考える。
自分は本当に正しいのだろうか?リンダのためなら地獄に堕ちる決意は揺るぐ事は無い。
しかし、だからと言って愛する者に鬼畜道を歩ませてもいいのだろうか?
と、その時だった、リンダの様子がおかしい事にクッキーはようやく気がつく。
凍りついたように動かないリンダの視線の先には、黒い猟犬が佇んでいた…そして。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!いぬいぬいぬいぬいぬいぬぅぅぅぅぅ!!」
恐怖が臨界点に達したその時、リンダは凄まじい叫びを上げて猟犬めがけ呪文を連発し始める。
それはイオナズンもあればベホマもバギもという文字通りの乱発だった。
その様子を見ながらクッキーはあることを思い出していた、そういえば重臣の一人が言っていた。
(リンダ王女…いや女王が軍に奇妙な命令を出したそうじゃ…領内全ての犬を殺せと…)
その時はただの噂でしかないと一笑に付したのだが、やはり噂は本当だった、
あれからそれなりに時も流れたというのに、リンダの犬に対するトラウマは未だに消えてなかったのである。
自分の残り魔力も忘れ、強大な魔法を連発するリンダ、やがて猟犬は土ぼこりと共に崖下に落ちていく。
「もういいよリンダ、もうあの犬は死んじゃったよ…多分」
一段落したのを見て、リンダをなだめるクッキーだったが。
「本当!?うそじゃないわよね!!じゃあ見てきてよ!!あの犬が本当に死んだのかどうか!!」
未だ半狂乱で泣き叫ぶリンダを納得させるため、急勾配の岩場を滑り降りることになるのであった。
その頃。
「うーん、空気抵抗の数値がこれくらいだとして…」
ミドは未だに計算を続けていた、すでに地面は数式で埋め尽くされ、さらに岩にまで数式がびっしりと刻まれている。
常人なら数十人がかりで数日かかるであろう計算を、たった一人でここまでやってしまうのが、
天才の所以という奴だろうか?
しかし天才特有の異常なまでの集中力が災いしたか、そのため彼は気がつかなかった、
自分のすぐ近くで恐るべき戦いが繰り広げられていたことを。
「わん」
「…重力を計算に入れた場合の公式は…」
「わんわん」
「分かった、これで8割ってところかな」
「わんわんわんわん」
「ああ、煩いな…もう少しで…って」
ようやくミドは何時の間にか自分の傍らにいた猟犬の存在に気がつく、その首輪にはインターセプターと、
名前が記されていた、そしてその身体は傷だらけだった。
「君は?」
猟犬は傷ついた身体をものともせず、ミドの袖口を引っ張る、その仕草はまるでその場から離れるようにと、
訴えているかのようだった。
ミドもはっと気がつく、そうだのんきに計算なんかしている場合じゃない、今の状況をすっかり忘れていた。
慌ててその場を離れ、茂みに身を隠すミド、それを確認するとインターセプターは、
(そこから動くな)と言わんばかりにミドを睨みつけ、逆の方向へと走っていった。
「何でこんなところに」
びっしりと記された数式を見て、顔をしかめるクッキー、こういう類のものを見ると妹のことを思い出してしまう。
妹は兄の自分から見てもまさに秀才だった…そんな妹を彼も誇りに思っていた、あの日までは。
あの日…高熱を出して、数日床に伏せていた彼はようやく気分が良くなったのを受けて、
内緒でベッドを抜け出して、外の空気を吸おうとしたのだ。
臣下たちにこっそりと廊下を進むクッキー…そしてそこで彼は聞いてしまったのだ、彼の運命を変える言葉を。
『クッキー様のご病状はいかがなものか?』
『しかし死んでくだされば、それはそれで万万歳なのではないか?』
『言われて見れば…クッキー様は残念ながら王の器ではないと国王自らが漏らしておるしの』
『王妃様も生まれる順番が逆なら良かったとおっしゃられておったなあ』
ぐらぐらと身体が揺れるのを感じる、まだ熱が引いていなかったのか?
さらに耳の中に数々の言葉が飛び込んでくる、そのどれもが妹を誉え、自分を罵倒する言葉だった。
(僕はいらない人間なんだ…そうなんだ)
そこで彼の意識は途絶えた。
それから数日後、病気の癒えた彼は、自ら邪教の軍勢と戦うと宣言したのであった。
もしかしたら引きとめてくれるかも…という淡い希望と共に。
だが、彼を待っていたのは両親である国王夫婦からの形式ばった激励と、臣下たちのおべんちゃらだけだった。
そして生きて帰ってきた彼を出迎えたのはやはり、なんだ戻ってきたのか?という両親の冷たい瞳だった。
(そうさ…僕は必要無い人間なんだ、だからせめてリンダのために)
本来の目的を忘れ、とぼとぼと引き返すクッキー、その瞳には暗い炎が宿りつつあった。
追っ手らしき少年が去ったのを見て、ようやくミドは一息つく。
「あぶないあぶない」
自分には大事な目的がある、こんなところで命を落とすわけにはいかない。
「そうでしょ?エッジさん…って、え!?」
背後の気配に振り向くミド、そこには自分と反対方向に行ったはずのインターセプターがいた。
本来忍犬であるインターセプターにとって傷ついているとはいえ、
追っ手の目をくらますことなど、造作も無いことなのだろう。
「君は利口だなぁ」
インターセプターの意図を悟ったミドは、その頭を撫でようとするが、唸り声を聞いて、
素早く手を引っ込める。
飼い主、いや主人以外には決して心を開かない、確かにそうでなければ猟犬は勤まらない。
それがここまで徹底しているとは…よほどの信頼関係で結ばれているのだろう。
「いいよ、そのままで…でもとりあえず手当てはしないと…薬草がこの近くに生えてたと思うし
それだけの間は待ってて欲しいな」
ミドはそう言い残し、ゆっくりと茂みを抜け出して行った。
【クッキー 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:リンダを勝ち残らせ、その後自殺
ステータス:MP1/2
【リンダ 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:勝ち残り
ステータス:MP1/4
【ミド 所持品:隼の剣・炎のマント 現在位置:K-09麓】
基本行動方針:エッジの意志を継ぐ
第一行動方針:インターセプターの治療&安全地帯への移動
第二行動方針:飛空挺の墜落地点を割り出す。
(インターセプターはとりあえずその場で待機、HP1/3減)
「……あなた、悪い人だったんですね」
ギルガメッシュの「武勇伝」を3つほど聞いたミレーユが、感想を述べた。
くすり、と上品な笑い声。批難している様子は感じられない。
「まあ、俺ってのはそんな感じだ。 あの頃から今に至るまで。
変わった事と言やあ、エクスデス軍が壊滅した事と、バッツと和解したって事だけだ」
ギルガメッシュが照れながら、少し自慢げに応えた。
ギルガメッシュの最初の印象とは違い、ミレーユはとても話しやすい女性だった。
彼女に話をしていると、とても気分がいい。聞き上手なのだろう。
表情には乏しいが、包み込む空気になんともいえない柔らかさがある。
厳しい宗教系の保母を髣髴とさせるような物腰で、清楚。それでいて芯は強い。
彼ははそんな風にミレーユの評価を改めていた。
「こんどはあんたの話をしてくれよ。 俺は話し疲れちまったぜ」
「私の…… ですか? 面白い話は出来ませんよ」
何を思い出したのだろう。
ミレーユの眉根が数ミリ寄せられ、瞳が僅かに曇る。
その変化は、注意深く見ていなければ気付かない程の、微少な変化だった。
だが、そのほんの少しの憂い顔がギルガメッシュの琴線を爪弾いた。
(あ…… ヤベ)
ギルガメッシュは火照る顔を背け、誤魔化すように一つ伸びをする。
ミレーユはそんな彼に気を遣ったのか、自分の話をしないで済ませたいのか、
「もう怪我も治る頃かと思いますが、いかがですか?」
ギルガメッシュに経過を訊ねた。
ギルガメッシュは確かめるように肩を回し、腰を回した。
動きは軽く、痛みは無い。
「ありがとな、姉ちゃん。 ギルガメッシュ様完全復活だぜ」
2人が立ち上がろうとしたとき、一匹の中型犬が駆けてきた。
Sシープドッグとボーダーコリィを掛け合わせたような外見の、利発そうな犬だ。
「お、かわいーなー、お前。 1人か? ご主人様はどーした?」
ギルガメッシュが目尻を下げ、でれっとした声でその犬に問う。
もとより答えを得ようとしての質問ではなかった。
しかし、その問いにミレーユが答えた。
「たぶん、あの辺りですね。 あそこの藪からこの子が飛び出てきましたから」
距離にして100M。方角は北西。
がさり。ミレーユが指差したその藪が不自然に揺れた。
凝視したギルガメッシュの目に、ふわりとした青い布のようなものが捉えられる。
「おーい、そこのー。
見てのとおりこっちにゃやる気はねーんだが、どうするよ?」
ギルガメッシュが大声を上げ、藪の向こうの人物の行動を促す。
と、同時に一歩前へ進み、半身。左手を斜め下に伸ばし、ミレーユを庇う体勢をとる。
「……まず、これを見てもらえる?」
暫くの沈黙の後、藪の向こうから返答が帰ってきた。声は女性のものだった。
そこからばさりと、大きなクリーム色の布が投げ出される。
「見てもらえばわかると思うけど、これ、パラシュート。
私、飛空艇に乗っていたの。 そこから脱出した、その証明。
つまり、私もゲームに乗っていないっていう証明」
えらく慎重な物言いで、その女は自分の立場を伝える。
しかし、姿は現さない。
「心配はいりません。ギルガメッシュさんは見た目とは違って怖くありませんよ」
ミレーユが優しい口調で、女の歩み寄りを促す。
その言葉にようやく決意をしたのか、がさがさと茂みが割れ、
青いドレスの大柄な美女、ルールーが姿を現した。
ギルガメッシュは、しょぼーんと肩を落としていた。
ううううぅぅぅ……
それまで機嫌よくギルガメッシュの足にじゃれついていた犬が、
急に毛を逆立て、威嚇の唸り声をあげた。
視線は、明らかにルールーに向けられている。
「おいおいどうしたどうした? あれはお前のご主人さまじゃねーのか?」
「彼、バックの中に入ってたの。名前はアンジェロ。
私の性格が猫っぽいから相性悪いみたいね。 淋しいけど」
肩を竦めて溜息をつくルールーが、さらに続ける。
「よかったらあんたにあげるよ。
なついてるみたいだし、その方がアンジェロも嬉しいだろ?」
「マジか! 遠慮なく頂くぜ!!
よーしアンジェロ、今日から俺とおめーは兄弟だ。
毎日散歩に連れてってやっからな!」
子供のようにはしゃぎ、アンジェロを撫でくり回すギルガメッシュ。
そんな彼を母親か保母のような眼差しで見つめるミレーユ。
その後ろで、ルールーが薄く笑った。
わん、わん、わん、わん!!
その時、アンジェロがギルガメッシュに向かって吠え立てた。
彼の首がギルガメッシュとルールーを行き来し、盛んに何かを訴える。
しかし、犬と人間(人型モンスター?)の言語の壁は厚かったようで、
ギルガメッシュには彼の言わんとしているところはわからなかった。
わん、わん、わん、わん!!
どこか必死さを感じる眼差しで、アンジェロは吠えつづける。
「どーしたアンジェロ、腹ぁ減ってるのか?
よしよし、今アンちゃんが食いモンやっからな」
くぅん……
目の前に搾り出されるレーションを見て、アンジェロは諦めたように項垂れた。
その間、女達は現実的な話をしていた。
「ところであんたたちは、どこに向かっているの?」
「町へ向かっています。 ギルガメッシュさんの仲間が先行していますし、
他にも不戦派が集まっているらしいのです」
「ふーん、そうなんだ。 じゃあ私もあんたたちに就いて行っていい?」
「こちらもそのつもりで声をお掛けしました」
「それじゃ、よろしくね」
【ギルガメッシュ 所持品:アンジェロ 位置:O-15 → ルラフェンの町】
第一行動:ルラフェンの町へ移動 第二行動:かつての仲間たちとの合流
行動理念:ゲームには乗らない
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル ルビーの涙 位置:O-15 → ルラフェンの町】
第一行動:ルラフェンの町へ移動
行動理念:ゲームには乗らない
【ルールー:所持品:炎のマントの切れ端 位置:O-15 → ルラフェンの町】
第一行動:ルラフェンの町へ移動 第二行動:とりあえず町組の信頼を得ておく
行動理念:生き残る 殺しも必要悪
「セリス、そっちはダメ。その沼は――」
毒沼に向かって軽やかにステップを踏むセリスをティナが引き戻した。
「あら、でも、この沼の反対側にバッツ様がいるかもしれないじゃない?」
口を尖らせるセリスを見て、盛大なため息をついてみせる。
「ねえ、沼の反対側はさっき見てきたところじゃない!」
そう、2人と、後ろでごろごろと転がっているプックルの3人は、
セリスの気の向くままに移動したために、毒沼の南側を抜けて歩いていたのだ。
――しかし、進む事が出来なくなり、引き返してきた、というわけである。
「だからセリスの探している人は別の所にいるのよ」
「すっかり忘れてたわ!ああ、バッツ様…ドジなセリスを嫌わないで下さい、およよよよ…」
顔を手で覆い、崩れ落ちる。
「え…っと…」
ティナの視線が宙を泳ぎ、そしてプックルに振り返る。
(どうしよう…)
プックルは低く唸って顔をそむけた。
(俺はこういう話には疎いんだ)
「はあぁ…」
再びティナがため息をついたとき、セリスがいきなり飛び上がった。
そして両手を広げて、叫ぶ。
「心配するな、セリス。オレはお前を嫌ったりなんてしないさ!」
今度は手を組んで『コイスルオトメ』のポーズをとる。
「ああ、バッツ様!バッツ様の優しさに、セリスは感動しました!」
言うが早いか猛ダッシュで駆け出した。
「今、参りますわ〜!待っててくださいね〜!!」
「………」
どんどん過激になっていくセリスの妄想に、思わず立ち尽くす二人。
「…あっ、追いかけなくちゃ!」
我に帰ったティナが走り出す。
それに答えるように、プックルが唸る。背中に乗れ、と言うように。
「待って〜っ!!」
プックルの上にしがみついたティナが叫ぶ。
【ティナ 所持品:アルテマウェポン 位置:L-17】
第一行動方針:セリスに付いていく
第二行動方針:セリスにかけられた魔法?を解く
最終行動方針:ケフカを倒す
【プックル 所持品:なし 位置:L-17】
第一行動方針:ティナについていく
第二行動方針:リュカを探す
【セリス 所持品:ヒールロッド、エンハンスソード 現在位置:L-17 海岸】
第一行動方針:バッツを探す
230 :
蟲毒:03/09/27 16:48 ID:Ei74O1uG
「軍事基地かぁ…色々とあるもんやな」
レオンハルトらに案内されて地下施設へと入ったセルフィとユウナ。
傭兵であるセルフィはずらりとならんだ機器類を見てもそれほど驚かない、任務でもっと大規模な基地に
赴任していたこともあるからだ。
「ユウナん、わかるか?」
ただ、それでも机に設置されたPCについては、やや戸惑い気味にユウナに尋ねる。
「私の従兄弟にこんな機械に詳しい子がいるんだけど、私にはちょっと」
「そっか、多分ガーデンにあったんと、基本的には同じやと思うんやけど…」
セルフィは慣れた手つきで次々と管理室の機械を操作していく。
それにあわせ、先程レオンハルトらが操作したのとは比べ物にならないほどのスムーズさで、
次々と機械の画面が切り替わっていく…そしてどれくらいの時間が経過しただろうか?
作業が一段落したセルフィがゆっくりとレオンハルトらの方に振り返る。
「とりあえず必要なのはまずこの基地そのものの機能を回復させる起動ディスク、それから
ミサイルの操作を行うための設定ディスクや」
「それがあれば撃てるのか?」
「いいや、それだけやあかん、例えるなら船を水に受かべる事が出来たちゅう程度やな
つまりそこからちゃんと航海に乗り出せるかは、また別の話ということや」
「動くようになっただけでは駄目だ、ということか?」
「そやな、こういった分野に詳しい技術者か、そうでなければ…」
セルフィは技術書を満載した書架を指差す。
「あれ全部を理解できる人間でなければ不可能や」
それからセルフィは基地の概要・機能についてかいつまんで説明していく。
その中にはここのミサイルが、ピンポイント式の拠点攻撃用だということや、
それからミサイルが合計で五発しか搭載されていないことも含まれていた。
231 :
蟲毒:03/09/27 16:50 ID:wN90ldtU
「ここまでに何か質問は?」
まるで先生きどりのセルフィに付き合って、レオンハルトが苦笑まじりに挙手する。
「これがあの飛空挺みたいに罠である可能性は無いだろうか?」
「罠の可能性は低いと思うんや、なあ、あの飛空挺が何故撃墜されたのか分かるか?」
「そりゃあ、見せしめのためだろう」
「そうやな、でも見せしめっていうのは目立ってこそ意味があるもんや、
こんな地面の下を爆破したところで何の見せしめにもならん、うちらが生き埋めになるだけや」
ユウナも同意見のようだった。
「私、ずっと考えていたんだけど、このゲームの目的ってあくまでも私たちを戦わせるのが、
目的のような気がするの、殺すためだけなら、多分こんな手間がかかることはしないはずだよ」
と、そこで今まで黙っていたミネアがぽつりと呟く。
「コドク…」
ミネアの呟きに敏感に反応する、ユウナとレオンハルト。
「あ…」
「そうか蟲毒か…考えて見ればそれがあったな」
「なんやなんや…うちだけ除け者にせんといてや」
「蟲毒とは…」
早速、解説を始めようとしたミネアをユウナの声が遮る。
「蟲毒っていうのはね、密閉した甕の中に無数の毒虫たちを入れて、共食いをおこさせて、
そして最後に残った一匹を、呪いの道具にするっていう呪術の一種だよ」
「……呪術の中でも外法に位置する邪法中の邪法ですね」
言いたかったセリフを取られ、やや不満そうにミネアが解説を締めくくる。
そんなミネアの肩に手をやり、レオンハルトが続ける。
「だとすれば最後に生き残っても、結局ロクでも無いことになりそうだな」
232 :
蟲毒:03/09/27 16:51 ID:wN90ldtU
「あのケフカという男、かなり虚栄心の強い男だと見ました…彼はもうすでにあのホールで一人
そして飛空挺でも何人かを自らの手で処分しています、あの時彼が口を滑らせた「あのお方」の目的が、
いわば蟲毒にあるというのならば、彼の性格から言って、これ以上の表立った介入は出来ないはずです」
アクの強い人間ほど、その内面は脆い。
あの僅かな説明時間の中で、ケフカが影の主催者に対して強い畏怖の感情を抱いていることをミネアは悟っていた。
ただ彼自身がいつ、内なる狂気に完全に蝕まれ暴走を始めるか、その可能性が無いわけでもないが。
(未だに運命は混沌の中を抜けてはいない…破滅か生か)
【レオンハルト:所持アイテム:ディフェンダー 現在位置:T-03施設内】
基本行動方針:フリオニール(エッジ)の遺志を継ぐ
第一行動方針:?
第二行動方針:ミサイルの封印を解き、天空城撃墜
(基地から何冊か書物を持ち出しています)
【ミネア:所持アイテム:プラチナソード 現在位置:T-03施設内】
第一行動方針:レオンハルトに協力
第二行動方針:戦いを止める
第三行動方針:自分のレオタードを探す
【ユウナ 所持武器:不明 魔法の聖水 現在位置:T−03施設内】
第一行動方針:?
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
【セルフィ 所持武器:ピンクのレオタード(アリーナ用) 現在位置:T−03施設内 】
第一行動方針:?
第二行動方針:戦闘回避
保守
保守
235 :
山崎:03/10/05 21:28 ID:+3pzVPP5
・迎wUEカ@ネ駲ニ8・閊?ェ・ B! j## 4・\オエノホ~gソヤcキ茶6FPQΚ$ンムロカ
ヌWK@myゥテミv渺ァサクsホZU{モヨ麭・y讙ェYs~s~sホコnc�ン}7\キアg・7\ラ゚ロ゚ラs・=A)ワ&ツ
;ホ^dユヌヨ・焚?l S蘯p娟マgマウ v・ワ?鬚・コTゥ\w-郤サ{ラ6l・゚:キ迸ス;ッ�Y
ヘ�=廐邂リレ・・・ヨ゚s_�オ・�サa�ニオロカ_゚ワキzキ�・・ュン゙モーq[マ旛� G
オラnX{w述些~・學ッNル゙・xkヨo霓;ッ�YC�レm`亜ュロrヌ継-・~uテuwツ゚lリ゙;
リsスqテ�コnm4イョ9妙ル匁_ロgk?サA�yC0.[ψチ`kkミ2ォf゙(ナヲ Oーgルナ尢タマ崢$�号9
粍_uンオko・オ|Kキ\ン諠?oタ鋲・ーelヨvMク,XヘNア*{・lナ司[磁驂3bjX・
サタ&ル\・アsヒ6カャa若ェqtンw ;ヌツモ饐8;_゙セ・ン コ+ュャZ Ω�サa趣*ネ・Y射イ゙
テd五%$ 8ロケ・・Gモと俑テG3苗チ喙免ヌr~゙6ォテtX`・bゥ・!h4ー@奔 ロラ<・
nmbB~
保守
237 :
山崎:03/10/12 20:55 ID:+2cFegc2
【クッキー 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:リンダを勝ち残らせ、その後自殺
ステータス:MP1/2
【リンダ 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動:サーチ&デストロイ
行動理念:勝ち残り
ステータス:MP1/3
【レノ:所持品:多目的ゴーグル MP5サブマシンガン(弾切れ) M79グレネードランチャー バックラー 現在位置:K-09 山頂付近】
第一行動:リンダたちを追尾する
行動理念:漁夫の利でラストマン・スタンディング
【山崎 死亡】 ―――残り47人。
ぜんぜん書き込みが無いのでage
保守…
山崎死亡age
「山崎」って参加してたんだー!?
242 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/10/28 23:20 ID:zJJO9XjG
1ヶ月停滞記念age
島の最南端。潮の香りの満ちる洞窟の奥深く。
そこに据えられた祭壇の上には血塗られた不可思議な文様が刻まれていた。
静かに、そして唐突にその文様から淡い光が溢れ出した。
光はやがて渦になり、それが天井近くまで上り詰めると、
光はその渦の中心に確かな形を作り始めた。
巨大なモーグリの形と、一人の少年の姿を。
「…なんや戻ってきてしもおたようやな」
光はすぐに闇に解け、モーグリのぬいぐるみに乗った猫の人形は
カンテラを取り出し辺りを見渡すとそう呟いた。
「どうしてユウナお姉ちゃんと別の所へ飛ばされちゃうんだろう」
疲れきった表情でクーパーは呟いた。
この洞窟に戻ってきてから数度、条件を変えながら転送方陣に入ってみてはしたが、
行き着く場所はいつも砂漠のど真ん中だった。
「人数、持ち物、いろいろ試したけど、もう考えられるのは一つだけやな」
ケット・シーは体に付いた砂を払いながら答えた。
「僕が灯台に着いたのは大体10時位ってとこやな
で、この洞窟に来て、また灯台に戻ったのが11時半。
そして君とユウナさんを連れてここに戻って着たのが12時ぐらいやろ」
ケット・シーの説明にクーパーはいちいち首を振って相槌をうった。
「もしこの転送装置が時間によって行き先を変えるとしたら。
確証は無いけど、どんだけ試しても同じ場所にしか行けんのか説明できるやろ」
ケット・シーは話しをそうまとめると、時計を取り出し時間を確認した。
「あと30分で二時になるな。
行先変更が何時間置きに変わるかわからんけど、とりあえずそれでやってみよ」
「なら僕は砂漠側で二時になるのを待つよ。転送先がいくつあるかわかんないんだし、
だったら少しでもお姉ちゃんの所へ行ける確立を増やした方がいいと思うんだ」
クーパーはそう言うと、荷物を持って立ち上がった。
「…そうやな。だけど、気をつけるんやで。まだこの装置について
知らない部分も多いんやし、転送先にどんな奴がいるかわからないんやから」
「うん、大丈夫。それじゃ、北東の島で会おうね」
クーパーはケット・シーに軽く手を振り、転送陣に足を踏み入れた。
再び魔方陣から光があふれ、クーパーの姿をかき消していった。
【ケット・シー 現在位置:I-23 所持品:レッドメガホン(あやつり、へんしん)】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:自分とアーロンの仲間を探す
第三行動方針:ワープ装置の調査
【クーパー 所持武器:不明 クロスボウ 現在位置:C-4】
第一行動方針:ユウナを助ける
第二行動方針:アニー、リュカ、ティーダ、アーロン、ルールーを探す
保守カキコ。
hosyu
247 :
名前が無い@ただの名無しのようだ:03/11/22 01:34 ID:+GJ+ReGA
「ミド?」
ルールーの話を聞いているギルガメッシュが聞き覚えのあるフレーズを繰り返した。
「ええ、小さな少年だったわ。…知ってるの?」
「バッツが前に話してやがったぜ。すっげえ頭の良いガキだ、ってな」
そう、ギルガメッシュ自身が会ったことはなかったが、バッツの知り合いだと、前に聞いた。
「そうね、私たちよりよっぽど賢いわ。その子が―――」
そこでふと、ルールーは言葉を止めた。
「どうしたの?」前を歩くミレーユが振り返った。
「何か聞こえない?」2人に同意を求めるが、2人は無反応だ。
「………人の声のような…『バッツサマ』って言ってるのかしらね」
そして、言うが早いかルールーは後方をにらみつけた。
「誰か来る」ギルガメッシュの眉が動く。
「マジかよっ」アンジェロを地面に下ろして警戒態勢をとる。
ミレーユもカチリ、とバリア・ポイントのスイッチをいれた。
ギルガメッシュの視力は人間のそれよりも少し性能が良い。
だから彼はすぐに確認する事が出来た。
緑の髪の少女を乗せて走る、見慣れない獣を。
そして、自分にバーサクの魔法をかけた、そして今はバッツの虜となっている金髪の女性。
――セリスを。
【ギルガメッシュ 所持品:アンジェロ 位置:P-17】
第一行動方針:セリスをどうにかする。
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
第三行動方針:かつての仲間たちとの合流
行動理念:ゲームには乗らない
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル ルビーの涙 位置:P-17】
第一行動方針:ティナ達三人の正体を見極めた上で…?
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
行動理念:ゲームには乗らない
【ルールー:所持品:炎のマントの切れ端 位置:P-17】
第一行動方針:ティナ達三人の正体を見極めた上で…?
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
第三行動方針:とりあえず町組の信頼を得ておく
行動理念:生き残る 殺しも必要悪
【ティナ 所持品:アルテマウェポン 位置:P-17】
第一行動方針:セリスに付いていく
第二行動方針:セリスにかけられた魔法?を解く
最終行動方針:ケフカを倒す
【プックル 所持品:なし 位置:P-17】
第一行動方針:ティナについていく
第二行動方針:リュカを探す
【セリス 所持品:ヒールロッド、エンハンスソード 現在位置:P-17 海岸】
第一行動方針:バッツを探す
※ティナ達はまだミレーユ達に気付いていません。
また、ルールーもミレーユも敵の姿はまだ見えていません。
竜騎士は常人よりも目が格段に良い。
高い所から遠くの小さなものでも見なくてはならない場合が多いからだ。
竜騎士であるカインは、所々で停止しながら、
その目標を確認しつつ、それに近づいていった。
たどりついたカインはもはや墜落してしまったそれへ目掛け、降りた。
パラシュートをはだける。
リルムでは無かった。
それは、リルムとは違う少女。
三角帽子と奇妙な服を着ている事から魔術師のようだとカインは推測した。
墜落したショックか、気を失っているようである。
溜息をつくとカインは少女を抱え、また飛んだ。
(……幼子を一人にするのは、可哀想なものだからな。)
ふと微笑を浮かべる。
ミストの村へ討伐へと赴いた時は、彼女はセシルに任せていた。
この殺し合いの舞台へ上がってはじめて出会ったリルムも、
自分の不注意でまた一人きりにしてしまった。
(……この子も、リルムも、俺が守ってみせる……)
少し頬が赤らんだ。
【カイン 所持武器:なし 位置:I-09 平原】
第一行動:リルムを探す。
第二行動:クルルを守る。
行動理念:仲間を増やす。ゲームには乗らない
【クルル(ジョブ:時魔道士 アビリティ:白魔法) 支給品:? 現在位置:?】
第一行動方針:?
第二行動方針:本来の仲間を探す
※クルルは気絶中
252 :
照準:03/12/01 14:44 ID:4DyqXo5C
「うん、そこを降りた所に犬の下半身が落ちていたよ、ホントだって」
犬の確認を忘れていたクッキーはとっさに嘘をついてしまった。
「そ、そう…ありがとう…」
未だにカタカタと震えながらその場にへたり込むリンダ。
「ああ、そういえば地面にビッシリと数式が書かれていたな」
自分が目にした、自身のトラウマの焔を再燃させた数式の事を思い出す。
彼は優しい少年であったし、リンダに余計な心配はかけさせまいとその妹への劣等感はその欠片もない素振りをする。
(僕も嘘を吐くのがうまくなったものだなあ)心の中で苦笑した。
「数式?誰か隠れていたのかしら」
話題が犬から離れ、顔色が幾分回復したリンダがおずおずと聞き返した。
「そうかもしれない。僕にはさっぱりだったけど、距離を計算しているようだった」
「この辺りにまだいるかもしれないわ」
「――探すかい?2人だから、負けはしないだろうけど」
そう、2人は2人とも攻撃呪文の使い手だし、体力もないほうではあるまい。
「そうね…そうしましょうか…でも」
リンダが少し、口ごもる。
「何?」
「そこの道は避けて行きましょう…?」
犬がいる(と、思い込んでいる)ため、リンダは急勾配の荒れ道を見ようともしない。
「わかったわかった、じゃあ行こうか」
その言い草は、まるで散歩でも誘うような感じだった。(ねえねえ、ちょっとローレシアまで散歩しない?)
253 :
照準:03/12/01 14:45 ID:4DyqXo5C
彼女はその2人の会話を、巨岩の上で聞いた。
(あの人達…この殺し合いに、乗っている!)
唾をゴクリと飲み下し、身をより一層縮める。
目立つ色のパジャマを着た少女、レナだった。
しかも、彼らが話していた人物というのは、もしかして…いや、十中八九、ミドのことだ。
クッキーと呼ばれる少年がわからないほどの数式を作る事のできるのは、彼ぐらいのものだろう。
(早く助けて逃げ出さないと…)
レナは巨岩の先に立っていたその身を翻した
一刻も早くミドを見つけなければ、恐らく彼は殺されてしまう。
2人が他愛もない雑談をしているのを確認し、慎重にその場を離れた。
誰にも、見咎められてはいないはずだった。
ただ一人、クッキー達の後方の岩陰に潜伏しているレノを除いては。
(あの女…放っておいても大丈夫なものかな、と)
クッキー達はレナに(そしてレノにも)気付いていないようだが、レナがやる気になっているかどうかは定かではない。
(もしあの女がやる気だとしたら、あの2人は不意打ちを受ける恐れがあるぞ、と)
しかし自分自身が始末しに行くのもどうか。自分の身を危険にさらすことになる。
(さて、早く決めなければ女に逃げられてしまうぞ、と)
254 :
照準:03/12/01 14:47 ID:4DyqXo5C
【レナ(風水師)アビリティ:うたう 所持品:?(配布物) 現在位置:K-9】
第一行動方針:クルル、ミドを救出する。
第二行動方針:クッキー達から離れる。
行動理念:決めかねているが、ゲームには乗らない。
【クッキー 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動方針:サーチ&デストロイ(とりあえず、周辺探索)
行動理念:リンダを勝ち残らせ、その後自殺
ステータス:MP1/2
【リンダ 所持品:なし 現在位置:K-09 山頂魔法陣】
第一行動方針:サーチ&デストロイ(とりあえず、周辺探索)
行動理念:勝ち残り
ステータス:MP1/4
【レノ:所持品:多目的ゴーグル MP5サブマシンガン(弾切れ) M79グレネードランチャー バックラー 現在位置:K-09 山頂付近】
第一行動方針:レナを始末しに行くか、それとも見逃すか。
基本行動方針:リンダたちを追尾する
行動理念:漁夫の利でラストマン・スタンディング
岩肌を飛びつづけるカイン……
その振動のせいか、クルルは目覚めた。
「えっ!?えっ!?……あれっ!?」
「起きたか……喋るな、舌を噛む。」
慌てるクルルをカインは不器用ながらも言い包め、
すぐ近くの木へと降り立ち、そのまま地面へと降り立った。
「あの……あなたは?」
「俺はカイン、お前が倒れていて……それで連れてきた。」
説明不足。
言葉足らず。
「私はクルル、あの……助けてくれたんですよね?」
少し上目遣いで聞く。
「さぁな」
そういうカインの頬は赤かった。
クルルがクスッと笑う。
「クルル、お前はあの飛行船に乗っていたんだな?」
「はい。」
「………お前と共に行動をしていたエドワード――
エッジは俺の仲間だ。
その仲間がお前を守っていた、行動を共にしていた――お前を俺は守る。
いいか?」
風が吹き、カインの髪が靡いた。
クルルは照れたように、手を差し伸べた。
「私も……よろしくお願いします。
あの、カインさんは竜騎士なんですよね?」
「そうだが?」
「……ちょっと向こうを向いていてくれますか?」
言われるままにカインは後ろを向く。
背後では何も殺気は感じなかった。
何かゴソゴソいっているような気がしたが、刃物を持っているような気もしない。
「いいですよー。」
振り向いたカインが見たものは、
少し照れくさそうにはにかんだ、竜騎士ルックのクルルだった。
「私も竜騎士になれるんですよー!」
両手いっぱいに広げて主張するクルルを見て、カインは苦笑をした。
「リルムちゃん?」
「そうだ、心当たりは無いか?」
「ううん、私が会ったのは本当に少ない……
ルールーさん、アンジェロ、ミド、エッジさん……」
その言葉を聞いてカインは溜息をついた。
矢張り知っているはずが無い。
「しかし、リルムもまだ幼い……
体力的に見てもそうあの洞窟から離れたとも思えん……」
クルルが飛んだ。
適当な岩を見つけるとそれに降り、また飛ぶ。
「見つけに行きましょう、カインさん。
リルムちゃんが一人だとしたら、大変です。」
苦笑する。
そう歳も変わらないだろうに……
それに、行動するという事は自分の危険性を高めているようなものだ。
それを、簡単にしようというのだから。
「ついてこれるか?」
あっという間にクルルに追いつく。
「大丈夫ですよ!」
二人の竜騎士はそのまま洞窟の方向へと向かっていった。
【カイン 所持武器:なし 位置:L-07 平原】
第一行動:リルムを探す。
第二行動:クルルを守る。
行動理念:仲間を増やす。ゲームには乗らない
【クルル(ジョブ:竜騎士) 支給品:CD2枚 現在位置:L-07】
第一行動方針:カインについていく。
第二行動方針:本来の仲間を探す
保守
ギルガメッシュがセリス達の存在に気づいた頃、
セリス達の方にも動きがあった。
「グルルルルル………」
唸りを上げるプックル。
毛は逆立ち、目はギラギラと燃え上がる。
その様子を見たティナは意味をすぐに察知した。
―人がいる―
ならば、さっきから『バッツサマ バッツサマ』と繰り返し言っているセリスの声に、
相手は気づいているはずだ。
「待って!セリス、そっちは……」
「なぁに?」
トロンと垂れた目、いつもの鋭い眼差しとはかけはなれた目でセリスは振り向いた。
(街に行くにはこの橋を渡る必要があるけど、
向こう側には人がいる……)
「ティナ?」
ここで安全をとり、回り道をするか。
危険を顧みず、突っ切るか。
ティナは決断をする。
【ギルガメッシュ 所持品:アンジェロ 位置:P-17】
第一行動方針:セリスをどうにかする。
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
第三行動方針:かつての仲間たちとの合流
行動理念:ゲームには乗らない
【ミレーユ 所持品:強打の腕輪 バリア・ポイント かいふくのマテリア うらミサイル ルビーの涙 位置:P-17】
第一行動方針:ティナ達三人の正体を見極めた上で…?
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
行動理念:ゲームには乗らない
【ルールー:所持品:炎のマントの切れ端 位置:P-17】
第一行動方針:ティナ達三人の正体を見極めた上で…?
第二行動方針:ルラフェンの町へ移動
第三行動方針:とりあえず町組の信頼を得ておく
行動理念:生き残る 殺しも必要悪
【ティナ 所持品:アルテマウェポン 位置:P-17】
第一行動方針:決断
第ニ行動方針:セリスに付いていく
第三行動方針:セリスにかけられた魔法?を解く
最終行動方針:ケフカを倒す
【プックル 所持品:なし 位置:P-17】
第一行動方針:ティナについていく
第二行動方針:リュカを探す
【セリス 所持品:ヒールロッド、エンハンスソード 現在位置:P-17 海岸】
第一行動方針:バッツを探す
※ティナ達は敵の姿を確認できていません。
また、ルールーもミレーユも敵の姿はまだ見えていません。
261 :
風と炎:03/12/05 20:25 ID:f4FAOQzB
ファリスは解っていた。
サラマンダーが最初から死ぬつもりだった事を。
そして、それを止める事が出来なかった自分を恥じた。
泣きはしなかった。
自分たちを逃がしてくれたサラマンダーの分も、自分は生き。
そして、誰も殺しはしない事を再度想った。
ティーダは解った。
あの『アーロン』は『アーロン』ではないと。
そして、解った時、ティーダに怒りの炎が燃え上がった。
吼えた。
アーロンを正気に戻し。
そして、またみんなと再会する事を願った。
アーロン……今は破壊の剣は、追った。
ティーダとファリスを。
彼の目に映るもの、それ全てを破壊する。
それが彼の全てだった。
262 :
風と炎:03/12/05 20:26 ID:f4FAOQzB
「くそっ!もう追いついてきやがった……」
ファリスが振り返ったとき、平原の遠く、
アーロンの姿が見えた。
その速度は、常人とは比べ物にならず……
傷を負ったティーダを連れているファリス達には到底逃げられるものでは無かった。
「やっぱり、ファリスだけでも逃げるッス!
アーロンなら、俺がなんとかするッスから。」
「馬鹿野郎!怪我してる奴にあんな化け物任せられるか!
………絶対助けてやる、俺が……。」
アーロンとファリス達の距離が近づく中、
その様子に気づいた者がいた。
その者はそれに気づいた瞬間、走り出していた。
反射的に。
その者の名……
風に選ばれし戦士――バッツ
263 :
風と炎:03/12/05 20:28 ID:f4FAOQzB
【ティーダ(負傷・精神的に動揺) 所持武器:サバイバルナイフ 位置:T-16(逃走中) 】
第一行動方針:アーロンから逃げる
根本行動方針:元の仲間と合流
【ファリス(狩人・非マスター) アビリティ:白黒魔(中級までの白魔法・黒魔法を行使可能)
所持武器:盲目の弓 S&W M29(残弾5発) 現在位置:T-16(逃走中) 】
第一行動方針:アーロンから逃げる
根本行動方針:ゲームを止める、人を殺さない&殺させない
【バッツ(シーフ) 所持品:アウトサイダー 現在位置:T-16】
第一行動方針:ファリスとティーダを救出
第ニ行動方針:レナ、クルル、ガラフを探す
第三行動方針:ギルガメッシュと再び合流
【アーロン 所持武器:破壊の剣 現在位置:T-16】
行動方針:斬る
※破壊の剣の呪いに掛かり、意識はおろか肉体・知識・精神までも完全に剣に乗っ取られています。
※破壊の剣以外のアイテムはザックごとP-17に放置されています。
マーニャは、首輪探知システムのピッ、という電子音で足を止めた。
灯台に向かう細い半島の途中だった。
画面の1つの点が真っ直ぐこちらに向かってきている。
――彼(彼女かもしれない。どっちでもいい)は大丈夫なのか?
自分を殺す気なのか、それとも仲間になってくれそうな者なのか…。
マーニャにそれを知る術はなかったが、とりあえず姿が見えるまでは大丈夫だ。
確証のない確信だった。
しかしとりあえず、外見である程度判断してしまおう。
そう思いながら画面上を動く人物が見えるのを待つことにした。
「そろそろ肉眼でも見えるかな…」
一人呟きながら顔をあげるマーニャ。
彼女の視線の果てにはおぼろげだが、人影が映った。
もう少し、もう少しでどんな人物かがわかる…。
瞬間、彼女の耳にパン、という音が響いた。
続いてそのコンマ1秒ほどの後にマーニャの身体が前のめりに倒れた。
「!!!」
顔に泥の化粧をタップリつけながら彼女は感じた。今のは何者かの自分に対する攻撃なのだと。
そして血がとめどなく溢れ出る脚にムチを打って立ち上がった。
近づいてくるこの人物は、やる気だ。
血の匂いに顔をしかめながら、彼女は呪文の詠唱を始めた。
ジェノバ細胞がヴィンセントに与えた呪いは、彼の肉体を人間をはるかに超越したものに変えた。
そしてその能力は、視力も例外ではなかった。
彼は超遠距離からコルトパイソンを放った。
命中させる自信はあった。事実、彼の放った銃弾は見事マーニャの脚を撃ち抜いた。
ヴィンセントが標的に選んだ踊り子風の女性は立つのがやっと、という感じだった。
逃げられはしまい、と彼はゆっくりと彼女に近づいた。
【ヴィンセント 所持武器:メイジマッシャー 神羅甲式防具改(効果半減) 太刀(両手持ち)
コルトパイソン 山彦の盾 力の盾 魔石ケーツハリー
ハイブロウST 黒胡椒 スコールの首輪 現在位置:D−21 灯台4F】
行動方針:勝利し、過去を改変する
ステータス:HP半減。
(仲間に出会った場合、1度目は見逃します)
【マーニャ(左脚負傷) 所持武器:回転ノコギリ 首輪探知システム 現在位置:D-21】
第一行動方針:ヴィンセント撃退。
第二行動方針:とりあえず頼れそうな誰かを探す
(探知可能範囲は自分を中心とした最大半径3HEXの円内です、縮尺は1HEX 2HEXの3段階に
切り換え可能、ただし探知範囲が広ければその分精度はダウンします
また位置はわかってもそれが誰なのかはわかりません)
266 :
HELP:03/12/06 21:39 ID:xUoYfGPs
「うあぁぁあ……」
何も解らない。
僕は何も解らない……
誰か、何か教えて……父さん、サンチョ、プックル……
アニー、クーパー、ビアンカァ……
どうして、どうして誰も助けてくれないんだよぅ。
僕は、僕はどうしたらいいのさ。
あ、あぁっ!
女の……人?
「た、すけ……てぇ……」
やっと、助けてくれる人が来てくれたよぉ。
もう、怖いのはやだ……
何でもするから……守って……
僕を守って、助けて……
【ティファ 持ち物:ライオンクロー×2 変な通信機 キングレオの爪×2 ?マテリア×2 現在位置: K-06 中央山脈北東部】
対処行動:泣き声の元へ向かう
行動原理:ワカラナイ が、ゲームに乗りたくはない
【リュカ 所持品:パパスの剣 ?(ビアンカの支給品) 位置:K-06 中央山脈北東部】
第一行動:誰かに守ってもらう
行動原理:死にたくない、頼りたい
ステータス:聴覚喪失(死への恐怖から、危険に敏感) 幼児退行
保守
ほしゅ。
保守!!!
hosyu!