>>534 >彼はマランダ出身でドマ城攻略作戦の最中に脱走し、傷を負ったのだという。
これって本編にありましたっけ?よく覚えてなくてスマソ
(ドリルさんのオリジなる設定だとしてもとても納得はいきます。
地理的な問題から考えたら多分そうだと思うし)
彼とカイエンって、ちょっとタイミングずれてたら殺し合いしてたのか、と
思うと、カイエンの鳩イベントがまた一段と深いものになりますね。
これ以上泣かせるな、ヤモメ侍…゚・(ノД`)・゚・
537 :
懸想人5:03/06/07 00:00 ID:kZi+ivMi
祖国ドマを発って三つ目の街――そこは冷たい雪に閉ざされた炭鉱都市ナルシェ。
豊富な資源に支えられ、故に帝国やリターナーには属さずに自国の力のみで流転
する世界の中に立つ自治都市だ。
周囲と必要以上の交流を閉ざし、孤立するその姿はまるで今のカイエンのようで。
「何処ぞで見た顔と思いきや……ガウ殿、どきなされ!」
眼前の少女を瞥見する彼の瞳は、氷の様に冷ややかだった。
しかし、それを溶かす――憎悪という名の――熱が己の内より沸き出てくる事
に気付く。徐々に心の中を満たしていく熱に、抗える術はなかった。
「マランダ国を滅ぼした悪名高いセリス将軍……この帝国のイヌめ!」
その熱に任せて暴言を吐く。ロックやエドガーの制止を振り切り、脇に携える
刀を引き抜くと、さらに声をあげた。
「そこになおれ!」
――目の前にいる『将軍』は、年端もいかぬ小娘ではないか――そんな理性の
声も、今の彼には届かない。
「成敗してくれよう!!」
――今こそ、仇を!――
「待ってくれ!!」
その身を挺して女を庇おうと、目の前に現れる青年の叫びに、カイエンは我に返る。
カイエンを止めるべく青年は必死に経緯を説明していた。帝国を抜け出し、リターナーに
協力すると言っている。しかし、そんな事はどうでも良いのだ。
ただ。
「俺はこいつを守ると約束した。俺は一度守るといった女を、けっして見捨てたりしない!!」
「…………」
一人の人間を守るというのが、どれだけ大変な事なのか――この青年は本当に
その意味を理解して言っているのだろうか? 覚悟の上で言っているのだろうか?
ふと、そんな愚問が頭をよぎる。
538 :
懸想人6:03/06/07 00:02 ID:kZi+ivMi
「帝国は悪だ。だが、そこにいた者すべてが悪とは限らない」
フィガロ国王というこの男の主張も分からなくはない。けれど、祖国を滅ぼさ
れ、愛する家族を失った人間にとって。
既に、善悪など存在しないのだ。
それでも、彼らと共に戦いの地へ赴こうと思ったのは……。
彼らの瞳に宿る何かを見出したからなのかも知れない。
小さいが、確かにある強い意志を。
「忘れるな! お主の全てを信頼したわけではないぞ」
「良いだろう。私が敵か味方か、その目で確かめろ!」
剣を携えた金髪の少女と、刀を脇に抱えた黒髪の老侍が、道を同じくして歩む。
ケフカという同じ敵を目指して……。
「ドマの民の仇……必ずとる!」
この刃に懸けて、今は世界を――この奥に眠る氷の幻獣とやらを――守る事が
己の使命なのだと信じていた。
――この世に残された拙者が、果たさねばならない役目なのだと。
これまでの説明文ちっくな文体を変えてみようとしましたが…改行っていうか、
なんかオカシイYO!!・゚・(ノД`)・゚・ 慣れない事はするもんじゃないって事か?(w
>>536 漏れは自分のオリジナル設定って作れないんです。(妄想力がショボくてスマソ)
ローラの彼氏(?)の件も、モブリズで床に伏す彼に話しかけると、確か本人が
ご丁寧に解説していた筈……(と、言って今必死に台詞集を漁っている漏れ。w)、
そこが根拠で書いています。>文中の記述
> 彼とカイエンって、ちょっとタイミングずれてたら殺し合いしてたのか、と 思うと、
ソレダYO!! 初プレイで漏れがカイエンばっかり連れ回した理由は、モブリズでの鳩
イベントでこの背後関係に気付いて以来です。ドマ城陥落〜魔列車〜伝書鳩〜
世界崩壊〜アレクソウル戦〜正宗(?)入手の一連のイベントは、目立たないが
泣けるよな!!(なんで必死に力説してるんだろう……でも嬉しいんだ!!ありがd!)
漏れのマイ設定が作れないので、文中のセリフ(魔法詠唱も含めて)は本編中
から抜粋している物ばっかりだったりするんだ…(詠唱はFFTで。w)要修行だ…。
ドリルさん、いつも名無しの思ってる感想をそのまま書いてくれてありがd。
感想はいつも禿げしくイイんだが、
その粘着っぷりが名無したちを寄せ付けずにこのスレを同人臭くしてはいまいか。
こんなこと書くと荒れる原因にもなりかねないが、ここ最近の痛いっぷりは
>>312-314 のようなツッコミされそうな予感が禿げしくするので言わせてもらった。
>>540 職人同士でレスをつけた事が原因で名無しさんが書き込みしにくい
雰囲気になってしまったのなら書き込みした一人としてお詫びします。
しかし、特定の職人さんを名指しするのはどうかなと思います。
このスレの場合、スレタイのせいで削除依頼が出たので
早く消費しようとして感想をせっせと書き込みしていたような感も
ありますので、希望というか、要望を書かれれば皆、それなりに
対処するとは思うのですが少々書き方がきついのではないかと思います。
実際、職人がマターリと会話しているのってどうなんでしょう?
読者さん的にはまずいんですかね?
(他の板の常駐スレがコテだらけなのでそのへんよくわかりません)
職人として言わせてもらえば、内容が重複してようが
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!のAAだけでも読み手からの
リアクションがあるとうれしいのですが。
それすらも書き込みにくいっていう事なんでしょうか?だったらカナシイ…。
これ読んで不快な思いをされた方がいたらごめんなさい。&長文スマソ。
キスティス先生の鞭に巻かれて逝って来ます…。
ドリルさん
カイエンローラキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
セリスを斬ろうと逆上するカイエンと、庇う国王。
どっちも行動が大人で、余計切ないであります。ガンガってください。
>>540 横レスすみません。
ドリルさんの温かいコメントが嬉しくて、此処に投下させて頂いている
人間としてはショボーン( ´・ω・`)でありまつ。
ドリルさんの作品はめったに出会えない、良質の物語です。
丁寧ではあっても、決して粘着な方では無いっす。
コメント→作品の順にうpされるだけでも、多少は
名無しさんが書き込み易くなる。とは思うのですが…。
煽りを掘り返すのはイクナイ!(・A・)
姐さん
私も、「名無しさんが書き込みにくい空気」を作っていたならお詫び致します。
本当に驚異のスレ消費スピードですよね。
姐様や職人の皆さまに足向けて眠れません。(ー人ー)ナムー
コメントは、本当に張り合いになって嬉しいです。
マターリは心配りから生まれる訳で、いけないことなんでしょうか…。
■今迄の粗筋■
「なんでも屋だ。俺達はなんでも屋をやるんだ」
「…ふむ。興味深い。神に乗って空中遊覧。
大サービス特価、10分5万ギルで受け負おう。クックックッ」
「Σ( ̄Д ̄|||)何で?!き、興味ねぇし!」
前話は
>>530-532です。。。
イヴァリースの幻想。夢現に閃く、騎乗の叙事詩。
「ラムザ…」
「え?」
「ラムザ!うしろ後ろ−!…キョウミナイネ(´ _ `*」
一体どんな夢を見ているのか。クラウドは魘される事が多かった。
「酷い顔色じゃん!大丈夫?ティファ」
「クラウドが良くならないの……」
ティファの髪が艶を失い、唇は割れ、乾いている。
「────おう。ちょいと茶ァ煎れてくれっか?そうだ。すまねぇな」
飛空艇が空を滑る。携帯に呼ばれ、1人の人物が駆け寄って来た。
南の島に、金色の優しい冷茶が振る舞われる。
「飲めないなら、残して良いですよ?無理はなさらずに…」
「クラウドが死んじゃったら、どうしよう」
シエラの手が、ティファの手を握る。
「私、彼の傍に居たくて…旅に出たのに」
旅に出ませんが、私も同じです。とシエラが応える。
「艇長は、テストパイロットです。いつ事故があってもおかしく無い。
でも。それは誰であれ同じ事ですよね?」
「シエラさんは冒険者が家族で…辛く無いの?待てる?」
シエラは目を瞑り、首を横に振った。
「待てません。だから、艇長のロケットを整備するんです。
貴方と同じように、好きな人に無事でいて欲しいから」
「好きな人に、無事に…」
ティファの目に、力がこもった。
「きっと良くなりますよ。ティファさん。今は、そう信じましょう」
南風が吹き抜けるハンモックに、ティファが眠る。
明日の英気を養う為に。
【暴走列車、コレルへ。】に興味なく続きます。。。
■次号予告■
「ケット・シーはいつか人間になるのが夢なのニャ!」
「(;´Д`)ハァハァ/lア/lア/ヽァ/ヽァ き、興味無いね…」
次回「人間になってないやん!」「ネコのまま此処に居て」の2本です。
さて……。随分前にかなり端折ってマジレスしたつもりですが、いい機会なので漏れの“掲示板への文章投下”について、私見を書いておきます。
【作品への感想レス】
長いというご指摘はごもっともです。(w
ただ、漏れとしては中途半端に作品を読んでいる訳ではありません。書き込む
「感想」は読み手としての物ですが、書き手として他の方の作品から学ぶべき
箇所・美点なんかは吸収しようとして読んでいるつもりですから、それなりの
量になってしまうのはやむを得ないのです。この辺はご了承頂きたい所ですが。
それをわざわざ書くな、と言われる様ならば漏れは充分「書き込む自由」の範
囲内だと思います。
ついでに、感想に「既出」はありません。文章だけに留まらず、何らかの作品
を見て抱いた感想は、似通っていても二つとして同じ物はないはずですから。
加えて名無しであるか否かに拘る理由もないかと。(たまたま漏れはここで
『ドリル装備の名無し』と名乗っていますが、他スレでは名無しでも自由に
書かせてもらってますしw)
【馴れ合い】
果たしてどういう了見をもって「馴れ合い」という言葉を使われているのかは
分かりません。感じたままをレスしているだけですが、それに対して馴れ合い
と言う様であれば、漏れはそれを悪とは感じません。
もとい、感じたことをリアルタイムで返せるのが掲示板の魅力だと思っていま
すから、そこが抜ければ掲示板に書き込んでいる意味はナイと思いますが如何
でしょう?
どういう理由でそれを不快と捉えるのか、できれば明示して頂きたいなとも。
【このスレについて】
削除されるならそれは運命でしょう。(w
当初漏れは廃スレ利用の意図で書き込んでいますが、「スレを浪費」しようと
書き込んだレスは一回もありません。
上記の通り、感想はありのまま思った事を、思った時に書き込んでいますから
決してこのスレを早く1000に到達させようと思っての行為ではないのですが。
>>312-314の様なレスを書こうとなさる方は一度
>>546を参照して欲しい。という事で。
>>540 その上でどうして「痛いっぷり」なのかを教えて下さい。
…恥ずかしながら漏れとしてはどこがどう痛いのか、分からないもので。
>>541 リアクションの取りづらい環境になってしまっているのなら、考え物ですね…。
漏れは上記の通り「感想に既出はない」と思っているので、他レスでも
「禿同」とかそれなりに思ったことを文章化するんですが……漏れの基準で
考えすぎって事ですかね、この点は反省しなきゃイカンなと思います。
>>542 > コメント→作品の順にうp
…いつも逆ですね。作品→コメントですた(w。
レスアンカーあった方が、後から来た人が見やすいかな? とか勝手に思っていたんですが。
>>544 メカニックシエラタン萌え〜。
それぞれの武器、戦い方、があるって言う彼女の主張がもの凄く心にしみる良い話で
ロケット村の大ファンな漏れはカナーリ嬉しい。(村のファンなのか?)
ドリルさん、言葉足らずで不快な思いをさせてしまったみたいですね、
ごめんなさい。
>>546 スレ消費のために感想……は私に関してです。
以前の官スレに初投稿した辺りから、作品だけで
常軌を逸した量の投稿をしていたため、私の書き込みだらけ
だったので他の方への感想の投稿は最小限でした。
(一気書きしていたので心に余裕もなかったのですが)
なのでスニフを投稿して以降は感想の頻度もちょっと
減らそうかな、と思っていましたがスレタイの事も
あったのでちまちまと感想にもなっていない
思った(気が付いた)事を書かせてもらってます。
正直、毎回きちんとした感想をいただいているのに
私はそこまで読み込んだ事を書けなくて申し訳なく思っているのも事実です。
感想に関してはROMしている人の視点から書いている感じなので
御理解いただけるとありがたいかと。
(どさくさに紛れて、最近思っていた事をお詫びしてみたり)
横レス&自分語りスマソ
今スレは作者さん方が深い感想を
たくさん書いておられるので、
たかだか一介のrom専が薄っぺらい
感想を投稿するのははずかしいなあと
いうのはありますねー
とはいえ続きをめちゃくちゃ楽しみに、
毎日チェックしてるんですよー
特に不快感を抱いた訳ではないんですが、改めて読み返すと546-547の文体は少し
カタイですか!? 気をつけます…。(ここは考察・議論系スレじゃないってw)
>>548 547で「漏れの基準で考えすぎ」と反省したのはこの為なんです。気になさらないで下さい。
漏れはただ読んで感じた事をストレートに書いているだけですが、環境・都合・考えなどで
それは誰もが同じ様にできる事ではないと、書き込む前に考慮すべきだったんです。
感想を強要する事はもちろんしませんし、漏れ自身強要されるのはイヤン…。(w
なので申し訳なく思う必要はありませんし、お詫びなんて以ての外。
未プレイ作品のSSに付き合って頂けているという時点で、姐さんのお心遣いにはむしろ
こちらが感謝したいと言う本音もあり。。。(まとまりませんねスマソ)
>>549 偶然みつけた良作に出会った時、その感動を伝えるべく感想をしたためても、けっきょく表現
できるのは1/10にも満たない事に歯がゆさを感じます。伝えられないもどかしさというか。
ですが、「見たよ」の一言が作り手にはとても嬉しいものなんだなと、自分がこのスレで文章
書かせてもらって身に沁みて分かった様な気がしてるんです。
…言ってる事が何か矛盾してますね。(w
551 :
懸想人7:03/06/09 01:06 ID:5hJW87pd
引き裂かれた大地は神の産声。数えきれぬ生け贄をもって今世に甦った三つの
神は、世界中の嘆きが集まった瓦礫の奥に住まい、力に取り憑かれてしまった哀
れな傀儡と、地上で怯える人々を見下ろしていた。
あれからおよそ半年。
離ればなれになった仲間達の消息も分からぬまま、カイエンは一人絶望の中を
さまよい歩く。
「拙者……は、また。生き延びて……?」
生気を失いただ延々と続く荒涼とした大地の上を、今いる場所もこれから目指
す場所も分からぬまま、それでも歩みを止める事はできなかった。
「……あれは……」
そんな彼の前に光が射す――しかしそれは希望ではなく、裁きという名の破壊
の閃光。
「……いかん!!」
恐ろしいまでの美しさと共に、臙脂色の空を一瞬だけ明るく照らし出す光珠が
視界に広がる。やがて暫しの静寂を経て、地響きと轟音が海を越えてこの地に到
達する頃には、既に手遅れだと言う事をこの世界に生き残った誰もが知っていた。
もちろん、カイエンも。
(拙者は……進まねばならぬ……!)
何かに追い詰められている様に、ただひたすらに前へ向かって歩き始めた。
その光が到達した地点がモブリズだと言うことを、この後訪れたコーリンゲン
の村で人づてに聞いて知る事となった。
モブリズ。その名を聞いた瞬間から、彼の足はある町へ向かっていた――マラ
ンダ――故国ドマと同じく、帝国によって滅ぼされた国。
そして半年前にモブリズで出会った、傷付いた脱走兵の懸想人が暮らす町。
彼女は無事だろうか?
顔も知らぬ女性への想いが、彼の背を押していた。
姐さん
…変な書き方してごめんなさい。以前、タイトルだけでスレ削除依頼が出た時
姐さんが「このスレを潰したく無い」と仰ってくださり、嬉しかったです。
綺麗で、繊細で詳細かつリアルで前向きなSSを、一気に投下して下さって
「すごいな!続きが愉しみだー!なんてありがたい方なんだろう…!」と
禿如く思いますた。上手に言えないのですが…とても感謝してますです。
FF8のイメージが、瀟洒で温かい、良い感じの物になったです。
その後、他のスレでも大活躍なさってるのを知り、驚きました。
せめてお礼に肩が揉めたら…と思いつつも、何もできなくて申し訳ないです。
姐さんからは、お優しくて嬉しいコメントを頂けて幸せであります!
他所の話ですが、或るスレの方が
「レス飛ばしても良いから、ゆっくりついて来て」と言った事があるです。
私もそれで良いと思うです。
第一の目的は、己の情熱に従ってSS投下!であって、他の方への
レスは「オハヨ−元気?」とかでも、別に良いのでは無いかと。。。
と、読み込んだ感想が書けない、そんな自分へ言い訳してみるテスト。スイマセン
>>549 ありがとうございます。m(_ _)m
たかだか一介のrom専だなんて、とんでもないです!ヾ(>д<。)シ
たった1人の方でも、読んで下されば至福でありまつ。
2chに来なかったら、このスレに遊びに来てなかったら
オイラの話は永遠にチラシ裏の落描きのままです。(その方が良かった悪寒)
「(・∀・)ニヤニヤ見〜た〜よ〜」とでも言って頂けたら泣いて喜びます…。
ドリルさん
乙華麗さまです。カイエン切ないっす。。・゜゜・(>_<)・゜゜・。
辛いだろうけど、目的地に向かってガンがれカイエン!
■今迄の粗筋■
神羅軍士官学校。今その内に禁断の愛が花咲こうとしている。
「(*´Д`)ハァハァこれが噂のシスター・レイ…」
「大砲フェチかよ!」
「興味ないね。ハーディ・デイトナたん(←バイク)ハァハァ」
大丈夫か神羅軍。
前話は
>>543-545です。。。
神羅ビル66階。スカーレットが口紅を塗っている。
すらりとした足が、ドレスの下で組み直される。
「メテオに、ヒュ−ジマテリアをぶつける?」
「そうよ。星を救うならそのぐらいやらなきゃ」
「ヒュ−ジマテリアは魔晄炉があれば、いずれ又生成される。
リーブ。お前はクラウド達の動向を探ってくれ!」
「わ、分った…」
ケット・シーの説明にバレットが憤った。
「神羅が、魔晄炉に来るってこと?」
「でも…ヒュ−ジマテリアはいずれ、オイラ達に必要になるはずだよ」
勇者パーティ、神羅阻止決定です。
もはや、どっちが星を救うのか良く分りません。
青空の広がるワールドマップに、シドが走る。
「出た親父走り!」
「腹が出ているな…」
「て、てやんでぃ!そこのソルジャー哥さん!コレル行った事あるかい?」
「もっちろん!実家に近いし美人揃いだから、しょっちゅう出掛けた」
「案内頼むぜ。俺様コレルは初めてでぃ」
「え?(・∀・;)」
唸り、傾ぐコレル魔晄炉。その内から現れる
「汽車━━━━━━(゚Д゚;)━━━━━━ !!!!!な、何であんな物が?!」
「ふむ。巻き尺の如く、魔晄炉に仕舞ってあるんだろう…多分」
「巻き尺かよ!取り敢えず飛び移るぜ!」
くるくる回るガスダクターを躱し、ウルフラマイタ−の巨体を撃破し
イーグルガンからウオーリアバングルを盗み(重要)
神羅兵士を簀巻きにすると。……なんて言うかコレルは目前でした。
「列車加速暴走してるし!」
「ブレーキを頼む。リーダーさん」
「よっしゃ!…むう……………逆だったようでぃ」
「!!!!!」
車輪と線路が身を削りあい、火花を散らす。
轟音がコレルの大地に反響する。乾き切った大地に車両が止まった。
「いやー無事止まって良かったじゃん!は、はは…ガクガクブルブル」
「シド…もう列車の操作はするな…」
ひっくり返りながら、ヴィンセントさん、怒ってます。
「こまけぇこたぁ気にするな!(←気にしろ)次はコンドルフォートでぃ!」
ふと。子供が駆け寄り、バレットのボケットに宝珠を入れた。
「列車止めてくれてありがとう。これ、父ちゃん達から!」
コンドルフォート。魔晄炉へ巨大なコンドルが止まる場所。
住人達はコンドルの卵を護り、慈しんで来た。
その場所を、神羅軍が蹂躙する。
「神羅軍が来たぞ!」
「罠を仕掛け、入り口をアタッカーで封鎖しろ!」
── 糸冬 了 ──
「興味深い。いやにあっさり片付いたな…」
「実はこのバトル、竜巻の迷宮のど真ん中でもこっちに戻らないと
全戦闘が味わえない。って所がポイントかも( ´Д⊂ヽ」
んで。飛空艇に戻ったパーティ達が、会議室に集う。
「ヒュ−ジマテリア2個とアルテマが手に入ったよー」
「クラウドはどうしてるんでぃ?」
「そうだな。…アイツが人形でも構わん。会いに行こうぜ、シド」
「おろ〜?バレット御機嫌だね。どうしたの?」
「へっ」
バレットは、コレルの住人から渡されたマテリアを握る。
それは、長い不和の解けた証でもある。
【君はそこに居る】に興味なく続きます。。。
■次号予告■
神羅軍は、新規特殊部隊の検討を始めた。
「どこにでも潜入出来、なおかつ美しい部隊
つまり、くノ一部隊です!」
「ならイリ−ナタンに、ぶかぶかハイデッガーの制服を!」
「す、スカーレットタンにソルジャーの格好キボンヌ!」
「…ドレスマテリアって作れますか?宝条博士」
「アイドルを作って、どうしようと言うのかね…」
次回「変身アイドル部隊誕生?!」「イリ−ナが逃げた!」の二本です。
に、逃げたのかーーーーーΣ(゜Д゜)
興味ないねスレから白さんの誘導でお引越し。
これからは他のコテハンさんのSSも楽しみにして通います。ガンガレー
>>557 有難うございますです。・゚・(つД`*)・゚・ウレシイ…
なんて良い人なんだろう…。。。
此処がお引っ越しになったら、向うに又リンクしても良いですか?
宜しかったら、これからも構って下さいませ。○| ̄|_
…自分の名前を忘れました。ウボァー(゚Д゚)スイマセン
色々、ともすると誤解を招くような書き込みもしてご迷惑をおかけしましたが、
> 第一の目的は、己の情熱に従ってSS投下!
……ソレダ!!
と、言うわけでまたマターリと宜しくお願いします。
※色んな面でツッコミは遠慮なくお願いします。漏れが無意識にやってる事でも
指摘してくれる事は有り難い事なので…。
>>554-555 「イーグルガンからウオーリアバングルを盗む」事が重要だったなんて初めて知りますた。(w
時間制限イベントだと焦ってそんな余裕は無く…ひたすらレバー上げ下げするどこかの
シドは小心者?(w
そして、むしろコンドルフォートのシュミレーションバトルでは経費節減の為に一体もユニットを配置せず、
そ の ま ま 迎 撃 させてるケチ親父なシドがいたり。
……読みながら自分の初プレイ時を思いだし、+バレットの様子が涙を誘います・゚・(ノД`)・゚・
この流れで行くと、人質犬質も読めるのか…?(w
561 :
懸想人8:03/06/10 22:47 ID:WJiFHzk2
実際にマランダの地を踏んだカイエンが、初対面だったはずのローラと出会う
までにそれ程の時間は要さなかった。
無言のまま力無く空を見上げ、届くはずのない手紙をひたすら送り続ける彼女
の姿は、誰の目にも痛々しい。
ローラは初めて会う女性なのに、なぜだか良く知る人の様に近しく感じた。
(……拙者は何もしてやれないでござるか……?)
手を差し伸べてやりたい。カイエンは心の底からそう思った。
たとえそれが、届かない所にある想いだとしても。
……間違った想いの形だとしても。
彼女の姿を一目見たら、すぐにここを発とうとカイエンは決めていた。
しかしそれは偶然か、必然か。
「ござる! ござる!!」
耳慣れた声に呼ばれて振り返ると、そこに立つ懐かしい少年の姿に思わず感嘆
を漏らす。
「……ガウ殿! 無事であったか」
嬉しかった。ガウが無事だったと言う事ももちろんだが、仲間達の安否を確認
できず、てっきり自分だけがこの世界に生き残ってしまったのかと思っていたか
ら、ガウとの再会を果たせた喜びは一際大きく感じられたのだった。
けれど。
「ケフカを倒すためにつよくなる!! ござるもつよくなる!!」
真っ直ぐで純粋な少年の瞳に、今の自分では応えられないとカイエンは彼の申
し出を拒んだ。
「ござる?」
不思議そうな表情で見つめるガウの視線を背に受けながら、まるで逃げる様に
してカイエンは町を後にした。
>>562 初心者の館が引っ越してるので、URLを直してくださいー。
FFDQ初心者の館 別館
http://m-ragon.cool.ne.jp/2ch/FFDQ/yakata/ あと、アグスレを載せるのは…どうなんだろうか。確かにアグリアスのカップルSSが
多いんですが、基本的にはアグ単体萌えな人が集まっている場所なので、どうかなあと。
確かに、カップリングじゃないと言い切れないというのは的を射た表現なんですがね。
カップリングばかりを語る人が突然登場しても、冷たくあしらわれるとも思いませんが
でも微妙な気持ちでっす。
次スレたてるのは900〜950ぐらいで平気じゃないかな? と言ってみたり。
キャラ単体でたてられてるスレは漏れも控えた方がいいと思う。確かに中身はカップルネタ多いかも知れないけど、基本的に違うだろうし‥。
目立たなくてもマターリ続く良スレであってホスィーから思わず口はさんでスマソ
>564
マターリな御意見ありがとうございます。ウレシイ!(・∀・)
そうですね。単体スレは外しマスです。
引っ越しは…私も950とかにしたいのですが、如何せん容量が(w
SS一話で10KB位使うみたいなので、そろそろかなぁと。
多分、500KBで完走の筈なのですよ。
(515KB表示は、500超えると自動的に出る模様)
>563
そうでしたΣ(゚Д゚;)初心者の館別館、お引っ越しでしたねー。
御指摘有難うございます。○| ̄|_
スレ立て乙です! ……この板、レス数だけじゃなくバイト数も関係してるんでつね。。。
知りませんでした。(w
アグスレはカップリングというよりSSの宝庫という感じがしますね。萌えながらも勉強に
なるところです。
カップリングはあれなんですが、文章の可能性をとことん追及してるスレだな〜と思った
【マジかよ‥】FF都市伝説【怖〜〜】
http://game2.2ch.net/test/read.cgi/ff/1051088516/ テンプレに加える加えないという訳ではなく、この板のネタスレというか、みんな発想が
面白いなと思った。(w
569 :
懸想人9:03/06/12 00:56 ID:xNwU5Phm
あれから更に半年の月日が流れた。いつしか気が付けば、人目をは憚るように
この洞窟に居着いていた。大地から緑の失われた世界を慰めるかの様に、所狭し
と並べられる造花に囲まれながら、何通目になるか分からないローラ宛ての手紙
をしたためていた。
ローラへ
これまで、うそを書き続けてきた儂を許してほしい。
もう真実から目をそらすのは終わらせなければならぬと思い
今は、筆を執っている。
モブリズのあの若者はもう、この世にいない。
拙者が代わりに手紙を書いていたのだ。すまない…。
過ぎ去ったことに縛られ、未来の時間を無駄にすることは容易い。
だが、それは何も生み出さぬ。前に進むことができぬ。
もう一度、前を見ることを思い出してほしい…。
カイエン
この手紙を書き上げてから、幾度と無く出そうと試みた。
けれど、いつも出せずにまた机の上に戻って来てしまう。
(拙者の弱さ……だろうか)
机上に置かれた手紙を見下ろすと、声には出さず苦笑を浮かべた。
送った手紙に返事が来るようになっておよそ半年が経つ。いつしか気が付けば
笑顔の失われたローラの心を慰めるかの様に、所狭しと並べられる造花に囲まれ
ながら、何通目になるか分からない彼に宛てた手紙をしたためていた。
名前も知らない誰かへ
これまで、うそを書き続けてきた私を許して下さい。
もう真実から目を逸らすのはやめようと思い、
今、こうして筆を執っています。
モブリズは裁きの光に襲われたという事を、本当は知っていました。
そして、あなたが代わりに手紙を書いていてくれた事も…。
ごめんなさい…。
過ぎ去った日々に囚われ、未来の時間を無駄にするのは簡単です。
けれど、待っているだけでは何も生まれませんし、前にも進めません。
私の事なら大丈夫です。
どうぞもう一度、あなたはご自身の道を歩んで下さい。
ローラ
この手紙を書き上げてから、何度も出そうと思っていた。
思っているだけで、実際にはずっと引き出しの中にしまわれた手紙を見ながら
ローラは複雑な笑みを浮かべた。
「それでも私、嬉しかった……」
――この手紙の主は誰かは分からない。けれどこの人は、私やモブリズにいた
彼の事を良く知っている――文面から伝わる温もりと優しさに、この人の心遣い
を感じずにはいられなかった。
「……いつか、会ってみたい」
それは彼女の中に生まれた小さな希望だった。
>>569に一行付け加えて下さい‥
> もう一度、前を見ることを思い出してほしい…。
愛するという事を、思い出して欲しい‥。
お手数をおかけします。
ドリルさん
ありがとうです。予告もせずいきなりですみません。(;´Д`)
多分立てられないと思って、確認と冗談でやってみたら(以下略)でした。
都市伝説リンクしますた!アグスレは憧れがありますです。
カイエンとローラの手紙が、良い意味で大人で切ないです。。。
そして、影の立て役者雨の日も風の日もガンがれ鳩さん!
■今迄の粗筋■
村立神羅中学校。1年桃組のクラウドは幸せだった。
「パラレルだと、戦闘とか無くていいなぁ!」
「テストがあるぞー」
「……き、興味…無い…ね」
ザックスの突っ込みにクラウド、号泣です。
前話は
>>553-556です。。。
飛空艇のデッキに、バレットが佇む。影の内の反射光が揺れ、扉が開いた。
「お、ここに居たのか、バレット」
呑むかい?と聞きながら、艇長が冷えたエールを投げた。
それは、指を滑り、突風に浮き上がり、けたたましく壁面に激突する。
「……今呑んだら爆発する、よな?」
バレットは破顔一笑。興味ねぇ!とばかりに缶を開ける。
其処をヴィンセントが覗き込んだ。
「賑やかだと思ったら…飲んでいるのか?」
「おう。俺様ァ水だがな」
「水かよ!」
「艇長が酔ってどうすんでぃ!」そう云ってシドが笑う。
ヴィンセントもどうだ?との問い掛けに
「火を貸してくれ」と応える。
濃密な煙が、硝煙の匂いと混じり合う。
「コレでクラウドが無事なら、一安心だ」
「俺はリーダーに向いて無かったんだな」
「あん?おかしな事云うない。バレット。
俺は、アバランチの大将に任せるつもりで居たぜ」
「…クラウドは。卑屈ではなく、上に立とうともしなかった。
だから。リーダーだった…」
吹き抜ける風が柔らかい。南の海に近付いているようだ。
「クラウド以外で本当に向いてんのは、都市部門総括…ゲフン
いやいや。ケット・シーだと思うぜ。
でなきゃ年嵩で人情家のヴィンセントだぁな」
「私は……激情に流される」
「そこが良い。それは俺にも分る!」
バレットに背を叩かれ、ヴィンセントが微笑む。
シドがふと、空を仰いだ。
「俺ぁよ。一つだけ後悔してることがあるんでい」
「……?」
「戸棚の饅頭を喰わずにカビさせたかぁ?」
「そうでぃ!って違うぞ!ヽ(`Д´)ノウワァァァァン」
「何時の間に饅頭を……」
ひゅうっ、と。耳元で風が唸る。
「ユフィの事だ。
俺は、ウータイに空爆してた事が有る。そいつが
年端もいかねぇウータイの嬢ちゃんに、戦闘させちまってる」
「────!」
「赦される事じゃ、ねぇ」
その時。ずるりと
「う。う、う、う。ぎぼじ?hぁるい…」
船酔いのユフィが這い出してきた。
キャ━━━━━━━━Σ( ̄◇ ̄|||)━━━━━━━━ !!!!
「な、なんか…シドつまんナイ事云いっこなしだよ…ウプッ」
「だだだ大丈夫かよ、おい!」
青ざめ、ヨレヨレのユフィが、バレットからビールをひったくった。
「あ」
一気に頬が赤らみ目が座る。
「いい?シド。アタシはウータイの事、確かに忘れないよ!
でも…後悔してるなら、反省してるなら良いよ。それなら許すよ。
アタシは自分で望んで旅してるんだから、良いのっ!」
バタン。そのままユフィがひっくり返った。
親父三匹が、大急ぎで救護室に担ぎこむ。
ユフィの頭を撫でながら。
■次号予告■
神羅軍は、しつこく新規特殊部隊の検討をしていた。
ソルジャーや兵士達は、米つきバッタの様に頭を下げまくる。
「お願いです!くノ一部隊に入って下さい!」
「えーんえーん。・゚・(ノД`)・゚・。イリ−ナタソ〜」
「いやよ!貴方達、ハァハァするじゃない!」
「…………」
つかつかとルードが駆け寄る。
手際よくイリ−ナを逃がすと、ピンクの忍者服を身に纏い
『さあ(*´Д`)ハァハァしなさい』とばかりにポーズをとるルードだった。
次回は「では俺もくノ一部隊に!」「レノキタ━!!」の2本です。
(゚Д゚≡゚Д゚)新スレ立ってる?
どっちにうpすりゃええんだヽ(`Д´)ノウワァァァァン
しかもちと荒れ気味?
あわてんな。( ゚Д゚)y-~~~~ マターリマターリ
【君はそこに居る】
オヤジ北━━━━━━(;´Д`)━━━━━━ !!!!!
なんだか最近ヴィンネタ書いていたらヴィンにはまり出してしまいますたので
奴の登場禿しく嬉しいのです。
【懸想人】
そのイベント…思い出しました。
ドリルさんのカイエン読んで、やっぱ奴ぁサムライなんだなと。
何だか思い詰めて割腹しそうなサムライに…(ノД`)ハァハァしる。
しまっつ!!名前残ってた?( 爆 発
前は
>>520です。
−−−−−−−−−− キリトリ −−−−−−−−−−−
中間達の集う遠くの焚き火で、ようやく顔が見える明るさの中、隣に座る娘
を、まるで妹のように感じていた。
「……星…綺麗だね」
「……ああ」
もし、もしも自分に娘がいたら…この位の歳になっていたかも知れない。
娘の頭を、なんとなく撫でたくなった。
栗色の髪は柔らかで、子供のようだった。
参ったな……。本当に、可愛い。
しかしその瞳の色は、愛しいあの女の瞳の色を思い出させる。
ヴィンセントはその手を娘の肩に伸ばした。
普通に、抱き寄せようとしていた。
肩に触れる寸前、それは違うような気がして。
拳を握って、止めた。
気付かれないように力を抜いて、そっ、と手を下ろし。
二人は木の上で並んで、しばらく満天の夜空を静けさと共に眺めていた。
銀粉を散りばめた空は、二人の頭上で、ゆっくりと回転していた。
それから間も無くして、娘は帰らぬ人となってしまった。
一緒に星を見たあの日、
…あの日も、静かな夜だった。
そして娘がいなくなった今日も、星座は輝く。
今も昔も変わらず、ゆっくりと回転している。
男は一人、悲しみの闇空を見上げてたたずんでいた。
力なく垂れた彼の利き手には、拳銃が握られている。
娘の笑顔が、消えてしまった。
消したのは自分だ。
あの実験を止められなかった。
だから、こんな事になってしまった。
ガストが望んだ古代種の誕生はジェノバプロジェクトの失敗に終り、彼の
愛娘は皮肉にも彼が望んだ真実の古代種で、彼の犯した最大の罪(実験の産物)
によって、殺されたのだ。
こんな事になってしまった。
自分が、あの実験を止められなかったばっかりに。
悲劇は、遠いあの日から始まっていたというのか。
ヴィンセントの記憶は、また過去へと遡(サカノボ)る。
ズバ抜けた記憶力と分析力、それは、最も優れたタークスといえよう。
が、その能力は過去の傷をほじくり、記憶の強靭な縄が彼を縛る。
もともと、人体実験の発案者は宝条だった。
卵子を取り出し、DNAを抜き取った精子にジェノバのDNA情報を乗せ
て受精させ、再び母親の胎内に戻して着床させる。
ガスト博士も、宝条の熱意だけは認ていたが、当初は首をかしげていた。
しかし許可を待たずにプロジェクトを開始した宝条に、最終的には実験を
許可したのだ。
だが、宝条のした事は違った。
腹の中の胎児に直接ジェノバ細胞を打ち込んだのだ。
そして、セフィロスが生まれた。
自分だけが、あのプロジェクトを止められたと、今でも信じている。
宝条に撃たれた時……何故あの時、撃ち返さなかった?
撃ち返すだけの余力も技も自分にはあった。
彼を殺っていれば、間違えなくルクレツィアは我が子を抱く事が出来た。
セフィロスは正しい母親を知り、彼女に育てられたハズだ。
このまま宝条がルクレツィアに赤ん坊を抱かせないなんて、ありえないと
思っていた。
そう、どこかであの宝条を信じていたのだ。
何故?
何故撃たなかった?
彼女の夫だから?
そうだ、宝条が死ねば、彼女が悲しむ。
……ダメだ。やっぱり、出来ない。
「…君は甘い。タークスとは思えない。優しい、哀れな男だよ」
意識を手放す間際、宝条の高笑いを聞いた気がした。
再び目を覚ますと、そこは闇だった。
右を見ても左を見ても、闇はどこまでも続いているようだった。
闇の中横たわっていた自分は、なぜか両手が胸の上で祈るように組まれて
いることに一瞬首をかしげる。
体を動かしてみる。かなり狭い。
(……ここは…どこだ?)
体を起こそうと膝を立てると、すぐに低い天井にぶつかった。
組んでいた手を解き、手の平を上に押し当ててみる。
身の回りに起きている異状に、不安になる。
自分の身が閉じられた空間に置かれている事を確認できたからだ。
まさか、と思い、天井を叩く。
木板を叩いたような、くもった音が跳ね返る。
何度か天井を叩くと、重い蓋が持ち上がった。
差し込んだ光は薄暗かったが、目を射るには十分だった。
棺の中だった。
宝条に体を改造された後、体の異常に目覚めた感触は覚えている。
……その後、覚えていない。
(そうか、私は死んだのか…)
暫らく放心状態が続いた。
(では、何故…今、生きているのだ?)
582 :
作者:03/06/12 21:53 ID:ma3gmZGv
疑問に応える声は、無かった。
−−−−−−−−−− キリトリ −−−−−−−−−−−
おおっと!
サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。
表示出てしまいましたね!
本日はこのへんで。
あと16KBって……!? 漏れはどっちに書いた方がいいんでつか!?(汗)
慣例からいくと、このスレ全うさせてから次スレ移行って方がいいのかな?
>>573-576 そのまま潜水艦イベントに話が進むのかと予想していたのですが、良い意味でそ
れを裏切ってくれて(゚д゚)ウマー!!
漏れ、ユフィに関してまるで考察を巡らす事はなかったんですが、ウータイ戦争
ってあったんですよね。ゴトーとの戦いで少し触れられる程度ですが、白さんの
作品で描かれるユフィはとても好き〜。マテリアハンター(?)は伊達じゃない
ですね。
というか、空軍パイロットとしてそれに参加していたシドの独白が…さらに(゚д゚)ウマー!!!
>>578-582 寡黙…というよりむしろ暗過ぎるほどという印象だったヴィンセント、彼の心の
葛藤が見事に表現されていてこれまた(゚д゚)ウマー!! そりゃ無口にもなりたくなる
よね…と、さらに。
「宝条の非を咎めなかったのではなく、ルクレルィアの悲しむ姿を見たくなかった。」
そんな自責と後悔の念が、神羅ビル宝条戦前のヴィンセントの台詞なんだな〜! と
本編のイベントの意味を今更ながら噛みしめております。ありがd
性懲りもなくまた長文感想書いてスマソ。。。でも、このスレのSSの影響でFF7熱が再燃しそうな悪寒…。
幸か不幸か、これまでずっと出しそびれていたローラへの手紙を読んだのは、
カイエンを追ってゾゾの山奥まで辿り着いた仲間達だった。
「……これは」
「やっぱり……あれはカイエンだったのね」
マランダで、ローラという女性から見せてもらったあの手紙が、彼の居場所を
突き止める最初の手掛かりになった。
あの日、孤島でセリスを救ってくれた一羽の鳥が、マッシュやエドガー達の所
へ導いてくれた様に、今は手紙を運ぶ鳥がカイエンの居所を教えてくれていた。
(きっと、ロックにも会える日が来るわ)
――だから諦めない、諦めるわけにはいかない――セリスは決意を新たにした
のだった。
「……心の迷い、か」
横にいたマッシュは珍しく神妙な面もちで小さな呟きを漏らす。マランダで出
会った老人の言葉を思い出していたのだ。
『以前ここを訪れた剣士…なかなかの腕前じゃった。だが心に迷いがある。迷い
がなくなったその時きっと、最強の必殺剣をあみだすじゃろう!』
マッシュの拳術の師ダンカン――彼の消息は今もって不明のままである。彼な
らきっと生きている。そう信じてはいるけれど、それでも心配なのは仕方がない。
それに……。
いくら成り行きとは言え、師の実子であり兄弟子バルガスをこの手にかけた事
への罪悪感が、全くなかった訳ではない。
(おっしょうさまの事、大丈夫だ!)
大きく頭を振って、心の内に巣くう迷いを払おうとするマッシュの姿に、この
時誰も気付いてはいなかった。
――壊滅直前の世界。
だが夜明けの光は変わらぬ
人の心も、決して変わらぬ……。
「皆……無事であったか!!」
心からの安堵と、喜びに満ちたカイエンの声。かつて故郷を滅ぼされた自分を
救い、そして共に戦った仲間達との再会。
「……でもどうして、ここが……? ま、まさか、わしの書いた手紙を読んだで
ござるか?!」
喜びの波が過ぎたあと、理性が冷静な回答をもたらす。
慌てて手紙や造花をしまうカイエンの仕草が、とても人間らしいと感じながら。
「カイエン。この造花、けっこう上手いよ」
「むむっ、おぬしらー!!」
そんな誉め言葉をもらって照れる一方、やっぱり嬉しかったりするのである。
「……ほんとでござるか?」
全員ではないものの、かつて打倒帝国の名の下に共に戦った仲間達の顔がそこ
にある。三闘神の封印解放から世界崩壊――絶望に満ちたこの世の中で、それは
小さくも確かな光明を見出したような気がした。
人の心は変わらない。迷いが完全に無くなった訳でもない。
けれど、だからこそ前を向いて一歩を踏み出せるのだ。
今こそ出立の時なのだと。
前から来る、光へ向かって……。
『心の迷い』。
それは自分の過去にあるものだ、と旅の途中に町で出会った名もない女性は言っ
ていた。恋人、家族、あるいは故郷、そんな物にあるのだと。
「拙者、一つお頼み申したいことがあるのでござるが」
この船に集う仲間達に、カイエンは願い出た。彼には三闘神とケフカのいる瓦礫の塔へ
赴く前に、訪れなければならない場所がある。
そして、決着をつけなければならない――憎悪と、過去に捕らわれた己の心と――。