【機械化】サイボーグ娘!十七人目【義体化】

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1名無しさん@ピンキー
サイボーグ娘に萌えるスレです。 
人工皮膚系・金属外骨格系どちらも(それ以外も)OKです。 
事故や病気で体を失って機械化した娘、特殊な作業に特化した体を得る為に機械化した娘、萌えるじゃないですか! 
無理やり機械の体に改造されてしまった娘も、自分の機械の体で悩む娘も、能天気な機械化娘も、萌えるじゃないですか! 
そんな趣旨のスレです。 

アンドロイド娘とはかなり方向性が異なるので別スレにしてみました。 
アンドロイド娘は完全人工な娘、サイボーグ娘は生身だったのを機械に改造した娘です。 
区別の目安としては、脳味噌が生身か造り物か、という事になります。 

前スレ
【機械化】サイボーグ娘!十六人目【義体化】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1183074136/

前々スレ 
【機械化】サイボーグ娘!十五人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1178520627/ 

前々々スレ 
【機械化】サイボーグ娘!十四人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1167154785/ 
2名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 15:36:13 ID:z1vYqsTI0
【機械化】サイボーグ娘!十三人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1162439193/ 
【機械化】サイボーグ娘!十二人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1159573979/ 
【機械化】サイボーグ娘!十一人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1156433128/ 
【機械化】サイボーグ娘!十人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1151160523/ 
【機械化】サイボーグ娘!九人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1144849034/ 
【機械化】サイボーグ娘!八人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1134767816/ 
【機械化】サイボーグ娘!六人目【義体化】 (実質七人目) 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1126369982/ 
【機械化】サイボーグ娘!六人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1120438550/ 
【機械化】サイボーグ娘!五人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1115785525/ 
【機械化】サイボーグ娘!四人目【義体化】 
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1109861097/ 
【機械化】サイボーグ娘!三つめのパーツ【義体化】 
http://pie.bbspink.com/feti/kako/1082/10828/1082827604.html 
【機械化】サイボーグ娘!二回目の手術【義体化】 
http://pie.bbspink.com/feti/kako/1064/10645/1064515330.html 
【機械化】サイボーグ娘!【義体化】 
http://wow.bbspink.com/feti/kako/1062/10626/1062698217.html 
サイボーグ娘スレッドSS保管庫 
http://www.geocities.jp/hokuman_hailaer/hokanko/ 
3名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:38:45 ID:aCWTSSHJ0
乙〜

もう17スレ目かよ…と感慨に耽ってみるテスト
4名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 19:53:03 ID:mOPmZgXU0
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
             / /" `ヽ ヽ  \
         //, '/     ヽハ  、 ヽ
         〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|
         レ!小l●    ● 从 |、i|
          ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ >>1さん乙です 保守を兼ねてage
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
.        /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
       `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

5manplus:2007/09/27(木) 23:30:37 ID:j1BOIdbU0
セ:「瞳ちゃん、その通りなんだ。ミンメイは、瞳ちゃんのように、他のドライバーが尊敬して距離を置く存在ではないし、
瞳ちゃんのように生物学的な感性でも卓越したセンスがあるわけでもない。より機械に近い精神構造を
持っているだけなんだ。だから、最初から、瞳ちゃんのようにフロントローやセカンドローからのスタートと
いうわけにもいかないだろうし、中盤から動物的なカンによるスタートを切ることもできないはずだ。
中盤で、瞳ちゃんと同じようなライン取りをしたとしたら、中盤を混乱させるだけだ。でも、ミンメイは、
自分がとったコースが、機械的に理想であるから、それが正しいとして譲らないだろう。そうなったら、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの間から排斥されてしまう。だから、その時、瞳ちゃんにミンメイの
言葉と他のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの言葉を翻訳してやって欲しいんだ。ミンメイは、
瞳ちゃんを愛しているから、瞳ちゃんの言うことなら聞くと思うし、他のドライバーだって、瞳ちゃんの言うことに納得して、
変な誤解や争いごとにならないと思うんだ。」

ヒ:「そうだね。」

セ:「それに、瞳ちゃんと一緒にいれば、マリアやジャンヌやエマも自然とミンメイの力になってくれると思うんだ。」

ヒ:「パパ、それはもちろんだと思う。今の女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは結束しているからね。
ミンメイちゃんを快く受け入れてくれると思うし、マリアだって私以上に力になってくれると思うんだ。」

セ:「マリアがか?」

ヒ:「マリアは、姉御肌のところがあるからね。ミンメイちゃんを本気でしかってくれると思うし、ある意味で、
私が人に対して甘いところを補完してくれているのがマリアなんだよ。マリアと私がセットでいるから、
女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのまとまりが最高に好いんだ。」

セ:「そうだね。そのチームワークの中にミンメイを入れて欲しいんだ。ミンメイは、特殊なフェチで人間と
交わることもある意味で下手だから、瞳ちゃんから、うまく引き回してもらおうと思ってね。」

6manplus:2007/09/27(木) 23:31:21 ID:j1BOIdbU0
ヒ:「了解、パパ。きっと、つぐみさんも、サポートスタッフで連携をとって、ミンメイちゃんをスーパーF1の世界に
溶け込ませるようにしてくれるはずだよ。」

セ:「つぐみちゃんも味方だから、助かるよ。」

ツ:「美濃田監督。そのようなことは当たり前です。ミンメイさんは、ご主人様の大事な恋人なんですよ。」

セ:「そうだったよね。恵美さんに言われて、“将を射んと欲すればまず馬を射よ”を実行してよかった。」

ツ:「わっ、私が馬ですか?」

セ:「つぐみちゃん、ものの例えさ。」

ツ:「そうですか・・・。」

ミ:「つぐみ様、それに、私は、瞳様に愛してもらっていると同時に、つぐみ様にも愛を受けているんですよ。
瞳様だけのものじゃないんです。」

ツ:「しっ、失礼しました、ミンメイさん。私はそんなつもりでいったわけじゃなくて・・・。ただ、ご主人様の・・・。」

ヒ:「つぐみさん、みんな解っているよ。でも、ミンメイちゃんは、私とつぐみさんの二人のものになりたいんだよ。」

ツ:「そうですか・・・。ありがとうございます。でも、そうなると、ご主人様だけでなく、
ミンメイさんのレースまで見ていられなくなってしまう・・・。」

7manplus:2007/09/27(木) 23:32:02 ID:j1BOIdbU0
セ:「つぐみちゃん、大丈夫だよ。瞳ちゃんとミンメイは一緒のコースで同時にレースをするのだから、
いつも通りにピットの片隅で丸くなっていれば好いんだよ。」

ヒ:「ちょっとっ!パパっ!そんなの全然フォローになっていないよっ!」

セ:「そうか・・・、ごめんごめん。」

ツ:「美濃田監督、好いのですよ。その通りです。でも、二人のことを心配するなんて、初めてかも・・・。
私の心が持つかしら・・・。」

ミ:「つぐみ様、大丈夫です。私も、瞳様も危ないことなんてしませんから。」

ヒ:「そうだよ、つぐみさん、大丈夫だよ。私たちは不死身だもん。」

ツ:「ご主人様っ!その過信が事故に繋がるんですっ!だから、私が見ていられないんじゃないですかっ!」

セ:「つぐみちゃんの言うとおり。瞳ちゃん、過信はいけないよ。」

ヒ:「・・・。」

セ:「まあいいや。今日は、みんなに宿を取っておいたから、二人は、そっちへ送らせるよ。
移動で疲れただろうからしばらくゆっくりしていてくれるかい?」

ヒ:「名古屋に泊まるの?恵美さん、心配しないかな?」

セ:「恵美さんには、俺からいってあるから大丈夫だよ。」

ヒ:「ホント!?パパ、ありがとう!」

8manplus:2007/09/27(木) 23:41:03 ID:j1BOIdbU0
セ:「俺とミンメイは、ミンメイと契約条項を打ち合わせするからね。二人はホテルに行って待っていてよ。
それから、食事おごるから、あとでミンメイと一緒にホテルに行くから。」

ヒ:「解った。」

ヒ:「ホテルはどこ?名駅のパークロイヤルの最上階のスイートをとってあるから・・・。」

ヒ:「本当?!!私、一度、泊まってみたかったんだ。」

ツ:「美濃田監督、いいんですか?」

セ:「つぐみちゃん、心配することはないよ。トミタが“プリンセスヒトミ”と“伝説のサポートスタッフ”にお願いをするために、
正式な来賓として名古屋本社に招いているんだ。カンダと瞳ちゃんの契約条項に準拠するのは当たり前だからね。」

ツ:「ありがとうございます。それじゃ、ご主人様、いきましょう。」

ヒ:「うん。」

ミ:「美濃田監督、私もご一緒してもいいんですか?」

セ:「ミンメイも、一緒に泊まっていいんだよ。契約の件が済んだら、俺と一緒に行こう。」

ミ:「はい。瞳様とつぐみ様と別れることになったらどうしようって、思っちゃいました。」

セ:「俺が、そんな野暮なことはしないよ。食事はルームサービスを手配してあるから、その時間までにそっちへ行くよ。」

ヒ:「パパ、了解です。ミンメイちゃん、ホテルで待っているね。」

ミ:「はい。瞳様、つぐみ様。」
9manplus:2007/09/27(木) 23:41:45 ID:j1BOIdbU0
 瞳と森田が、パークロイヤルに到着してから、小一時間後、美濃田とミンメイが部屋に到着した。
早速、瞳の宿泊するスイートに夕食が運ばれてきた。
美濃田は、瞳が日本に帰国したことを実感し、一番ホッとするだろうと思い、日本食を用意していたのだ。

ヒ:「パパ、ありがとう。日本食を食べたいなって思っていたんだ。」

セ:「そうだろうと思っていたよ。つぐみちゃんは、カロリーのことを気にして、日本食でも、心を鬼にして、
質素なものしか出さないだろうから、日本食のフルコースがいいと思ったんだ。」

ツ:「美濃田監督のお心遣いが嬉しいですね。」

ヒ:「つぐみさん、そうだよね。つぐみさんの料理は美味しいんだけれど、二人の夕食の時は、
私のことを気にかけすぎるくらいだから、みそ汁とご飯とお新香とおかず2品ぐらいだもん。」

ツ:「私は、ご主人様のことを考えて・・・。」

ヒ:「つぐみさんを責めているわけじゃないもの。感謝しているんだよ。
だから、たまには豪華夕食も好いかなっていっているんだよ。」

ツ:「そうでしたか・・・、ちょっと誤解を・・・。」

ミ:「つぐみ様が、瞳様のことを苛めているなんて誰も思ってはいません。
つぐみ様の瞳様への献身を誰もが知っています。」

セ:「そうだよ、つぐみちゃん。つぐみちゃんが誰よりも瞳ちゃんのことを思っているのは、誰もが知っていることだよ。
だから、瞳ちゃんとつぐみちゃんに他のプロが作った久方ぶりの日本料理を満喫してもらおうと思っただけだよ。」

10manplus:2007/09/27(木) 23:42:27 ID:j1BOIdbU0
ツ:「美濃田監督ありがとうございます。そういうことなら、満喫させていただます。」

セ:「ただし、少し、お腹に余裕を持たせておいてくれよ。」

ヒ:「パパ、どうして?」

セ:「瞳ちゃんは飲み足りないだろうから、日本酒や焼酎が豊富で落ち着いて飲める店を見つけておいたから、
食事が終わったら、名古屋の街に繰り出そうと思ってさ。それから、飲み終わったら、つぐみちゃんの好物の
みそ煮込みうどんのとびっきりな店も押さえておいたから、夜食まで付き合ってもらおうと思ってね。」

ツ:「美濃田監督、最高です。でも・・・、あまり遅くなると・・・。」

セ:「つぐみちゃんが心配なのは、瞳ちゃんの体調だよね。それは、俺も、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
預かる身として、他のワークスのドライバーを、それもエースドライバーをそんな夜遅くまで連れ回したりしないよ。
つぐみちゃん、安心してくれ。」

ツ:「それを聞いてホッとしています。でも、それに、みそ煮込みうどん、魅力かも・・・。」

ヒ:「つぐみさんの好物だもんね。」

11manplus:2007/09/27(木) 23:53:00 ID:j1BOIdbU0
 森田の心配を美濃田はきっちりと理解していた。そんな会話をよそにミンメイが宿泊する部屋の作りに驚いて、

ミ:「やっぱり、最高級ホテルの一番高いスイートは違いますね。こんなところにいつも泊まれるなんてスーパーF1の
ドライバーは違いますね。」

セ:「ミンメイ、瞳ちゃんだからだよ。」

ミ:「瞳様だからですか?」

セ:「そうだよ。瞳ちゃんやマリア、ルカ、ミラーと言った、スーパーF1のドライバーでも、ごく一握りのトップクラスの
ドライバーにならないと、ここまでのことは、どこのワークスもしないんだよ。スーパーF1の普通のドライバーは、
せいぜいセミスイートどまりかな。それにしても、すごいことだと思うがね。」

ミ:「セミスイートに泊まれるだけでも、私たちF2ドライバーにとっては夢みたいです。」

セ:「ミンメイにとってはそうかも知れないけれど、ミンメイも瞳ちゃんぐらいのトップドライバーに
なるように頑張らないといけないよ。」

ミ:「はい、頑張ります。でも、瞳様はすごいな。これだけのところにワークス持ちで泊まれるんだから。」

セ:「ミンメイ、当たり前さ。それだけの実力を持っているドライバーなんだからね。
カンダの契約条項だとこれ並みかこれ以上の部屋にしか瞳ちゃんを泊めちゃいけないんだからね。
でも、うちは、もっといい条件だったのにな・・・。」

ヒ:「パパ、ぼやかないの。私は、カンダに育ててもらったんだよ。カンダがシートを用意して待っていてくれるなら、
当然、その用意してくれたシートに座らなくちゃいけないじゃない。それが筋というものだよ。」

12manplus:2007/09/27(木) 23:53:43 ID:j1BOIdbU0
セ:「瞳ちゃんのそういうところがみんなから好かれる理由かも知れないけれど、
瞳ちゃんがF1のシーズンを送っている時から、カンダに対する義理はもう無いと思ったんだけれどな・・・。」

ヒ:「そんなことないよ。私は、レーサーでいる限り、カンダに忠誠を誓うって決めたんだからね。」

ミ:「瞳様のそういうところが素敵なんですよね。亡きセナとダブるところなんですよね。」

セ:「そうなんだよな。セナのホンダへの忠誠と共通するものをオールドファンは感じているから、
瞳ちゃんが偉大なレーサーと言われて、君臨している理由のひとつになるんだもんな。」

ヒ:「私は、偉大なレーサーじゃないよ。アイルトンの足下にも届かないよ。」

ミ:「瞳様、そんなことないです。F1であのセナやミハシュー、それにハミルトン、アロンソもなしえなかったことを
平気でやられたんですよ。そんな方が、皇帝や貴公子に肩を並べられないわけはないのです。」

セ:「そうだよ。瞳ちゃんしか、F1サーカスの完全制覇を達成していないんだからね。
セナプロでさえも経験がないことをあっさりやってしまうんだからすごいよ。」

セ:「でも、瞳ちゃんは、日本のモータースポーツ界の至宝なんだよ。カンダだけのものじゃないと言うことも理解して欲しいな。」

ヒ:「それは、解っているつもりだよ。でも、パパ。パパの部屋のあの写真は・・・、恥ずかしいよ。」

セ:「瞳ちゃん、恥ずかしがることないじゃないか。あのモンテの写真のことだろ?」

ヒ:「うん。だって、WRCの正規ドライバーに悪いよ。」

セ:「そんなことないさ。WRCのユンクネンやレロイも、瞳ちゃんがスーパF1マシンを降りたら、
また一緒にラリーを出来ないかっていっていたよ。」

13manplus:2007/09/27(木) 23:54:24 ID:j1BOIdbU0
ヒ:「何か照れちゃうよ。あれは、バイトだから・・・。」

セ:「それでも、あの時は、うちのワークスの正規ドライバーに変わりないんだから照れること無いじゃないか。」

ミ:「そうですよ。瞳様の才能が非凡な証拠ですもの。私も美濃田監督の部屋に行くとあの写真に見とれてしまいます。
ミシェル=ミッコラ以来の女性ドライバーのWRCモンテカルロラリーの総合優勝ですもの。」

セ:「瞳ちゃんは、マシンを操るために生まれてきたんだと思っているよ。でも、ミンメイも、俺は、
そんな才能がある女の子だと思っているんだ。だから、瞳ちゃんとつぐみちゃんの側に置きたいと思っているんだ。」

ヒ:「パパ、解っているよ。ミンメイちゃんを大事にするからね。」

ツ:「ご主人様。大事にするの意味が違うって思われますよ。だって、彼女の股間には、
性管理用貞操ショーツまで嵌めてしまっていますし・・・。」

ヒ:「そうしようって言ったのはつぐみさんだし・・・、これを作ったのは石坂ドクターだもの・・・。」

ツ:「ご主人様、お一人だけ責任逃れをしないで下さいませんか?」

セ:「そうだったのか・・・。こんなもの作ったのは喜美香だったのか・・・。あいつ、
閑をもてあますとろくな物作らないからな・・・。」

ミ:「私、この様な物で私の貞操を管理していただけるのが嬉しくて・・・。」

ヒ:「パパ、ミンメイちゃんも充分に変態だから大丈夫だよ。」

セ:「・・・。」
14manplus:2007/09/28(金) 00:02:54 ID:j1BOIdbU0
美濃田がその場で頭を抱えてうずくまる姿がそこにあった。
自分が見いだしたミンメイが、予想されたことではあるが、完全にヒトミワールドの中の住人になってしまっていたのである。
望んだこととはいえ、ヒトミの世界に捕まったミンメイのこれからを思うとスーパーF1界にもう一人の魔女の卵が
産まれたようで頭がクラクラしてきたのである。
さらに、その誕生に、いくらやむにやまれぬ事情とはいえ、荷担してしまった自分の愚かさに自暴自棄になるのであった。
それに、ミンメイをもっと変態にするのに荷担したのが、カンダのチームドクターなのだという事実に、
自分の宝物を自分が愛する妻川に裏切られたやるせない感情が芽生える美濃田であった。

セ:「セレブのやることは解らん・・・。瞳ちゃんと言い、喜美香と言い、つぐみちゃんと言い・・・。」

ツ:「何を言っているのですか、私はセレブなんかじゃ・・・。」

セ:「つぐみちゃん、それは謙遜とは言わないんだよ。カンダから年俸を
五億ももらっている人間が一般人と言えるかっ!?」

ミ:「えっ!!つぐみ様、そんなに年俸もらっているんですか?!?」

ツ:「はい・・・。恥ずかしいんですが・・・、自分の分不相応にいただいています。」

セ:「つぐみちゃん、そんなことないよ。つぐみちゃんは、この我が儘な瞳ちゃんをサポートするサポートスタッフとして、
これくらいはもらって当然なんだ。だが、自分がセレブだと言うことを自覚しないと嫌みになることもあるって
言いたかったんだ。奥ゆかしいのは構わないけれどね。」

ヒ:「ゴホッゴホッ!パパ、いくらお酒に酔ったからって、私のこと我が儘だって言うのはないでしょ!」

セ:「ハッハッ・・・!ごめん。でも、瞳ちゃんが我が儘じゃないって言い切れるかな?」

15manplus:2007/09/28(金) 00:03:37 ID:j1BOIdbU0
ヒ:「・・・・・・。パパに核心をつかれると何にも言えないけれど、つぐみさんに関しては、私からしても、
いろんなことをしてもらっていて、これだけの年俸でも少ないくらいだって思うんだ。」

ミ:「でも、つぐみ様の年俸、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーでも、
かなわないドライバーもかなりいるんじゃないですか?」

セ:「ああ、ミンメイに提示した年俸もかなり下だったよな。」

ミ:「はい。でも、私などは下っ端だから仕方ないですが・・・。」

セ:「そんなことないよ、ミンメイ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの三分の一は、
つぐみちゃんより年俸が下なんだよ。つぐみちゃんは、サポートスタッフでは、別格なんだよ。
それだけ、つぐみちゃんの仕事はすごいと言うことなんだ。」

ミ:「やっぱりそうなんですか。つぐみ様の仕事ぶりも、瞳様との関係も最高でした。
私もこのようなつぐみ様のようなサポートスタッフについて欲しいです。」

セ:「つぐみちゃんとまではいかないかも知れないけれど、ミンメイに相性のあったサポートスタッフを用意するつもりだよ。」

ミ:「私、瞳様とつぐみ様の管理を仲介してくれるようなサポートスタッフがいいな。」

ヒ:「ミンメイちゃん、大丈夫だよ。パパが必ずいい人を付けてくれるよ。」

ミ:「でも、その人も可愛いサイボーグ娘じゃないとイヤですよね。」

セ:「そこがミンメイの性癖からして頭の痛いところなんだ。」

16manplus:2007/09/28(金) 00:04:23 ID:j1BOIdbU0
ヒ:「でも、ミンメイちゃんとの契約が済んだんでしょ。」

セ:「それが・・・。」

ツ:「えっ、ミンメイさんとの契約が済んでいないんですか?」

セ:「実は、そうなんだよ。来期の東南アジアF2のシートに座ることは契約書を交わしたんだけれど、
来々期のスーパーF1デビューの契約が保留になってしまったんだよ。」

ヒ:「だって、ミンメイちゃんだって、スーパーF1デビューをしたいんじゃないの?」

ミ:「そうなんですが、ちょっと事情があったみたいで・・・。」

ツ:「ミンメイさんが、あったと言うことは、トミタの問題なんですね。」

セ:「つぐみちゃんの言うことは、少しあたっているけれど・・・。」

ヒ:「パパ、はっきりしたことを教えてよ。」

セ:「実は、ミンメイの出した条件を国際自動車連盟が審査しているんだ。その結果待ちなんだけれど、
昨日のうちに連絡が、うちにくるはずが、医療理事とルール審査会が会長判断を仰ぐことで、
理事会ではなく会長判断に委ねると言うことにしてしまったため、、ロイド会長の判断待ちになってしまったんだ。
だから、日本時間の明日の早朝に国際自動車連盟の裁定が降りるんだ。その裁定を待っての契約と言うことになるんだ。」

ヒ:「そうなんだ・・・。ミンメイちゃんの要望ってなんなの?それに、どうしてこんなに速く契約しなくちゃいけないの?」

17manplus:2007/09/28(金) 00:13:37 ID:6OwVQVKy0
セ:「いくら瞳ちゃんでも、今は詳しく教えられないけれど、ミンメイの契約条項の中で、
医学的なレギュレーションに関して、国際自動車連盟に裁定を仰がないといけないことがあってね。」

ミ:「瞳様、私、完全な機械との融合体に形も性能なりたかったものですから。」

ヒ:「そうか、ミンメイちゃんのサイボーグに対する仕様の問題か・・・。」

セ:「ああ、それに、サポートスタッフに関する要望も難題でね。」

ヒ:「でも、候補者が見つかって、その仕様的な問題で、国際自動車連盟からの裁定連絡が、
これも明日早朝にはいるから、明日は契約できると思うんだけど・・・」

セ:「そうなんだけれどね。でも、サポートスタッフの候補者は見つかっていないんだ。頭が痛いよ。」

ヒ:「そうなんだ。」

瞳が森田にデザートの柚子風味のシャーベットサンデーを口に入れてもらいながら気のない返事をする。

セ:「瞳ちゃん、気のない返事だね。」

ヒ:「だって、ミンメイちゃんがどの様な姿になってもミンメイちゃんだし、ミンメイちゃんのフェチが
望む改造手術をしてもらいたいもん。」

ツ:「そうですよ。ミンメイさんが望む姿と、望む理想のサポートスタッフをつけてあげたいですもの。
それを美濃田監督は実現してくれると信じていますものね。」

ヒ:「そうだよ。私たちは、パパを信頼しているもの。」

セ:「それはありがたいけれど・・・。後は、国際自動車連盟の裁定がどうなるかだからね。“俎板の上の鯉”の心境だよ。」

18manplus:2007/09/28(金) 00:15:13 ID:6OwVQVKy0
ツ:「そうですよね。私もです。」

セ:「どうなるか解らないが、明日は、ミンメイは、9時までにトミタ本社に来てくれ。
瞳ちゃんとつぐみちゃんは、9時半に迎えの車をホテルに着けるよ。」

ヒ:「だって、私たちは、勝手に鈴鹿に行けばいいんじゃないの?」

セ:「ミンメイを連れて行って欲しいんだ。」

ヒ:「いいの?ミンメイちゃんを連れ回して?」

セ:「いいよ。ミンメイは契約が済めば、モデルの仕事もないみたいだし、鈴鹿のレースを見てから
シンガポールに帰ればいいから、瞳ちゃんも、つぐみちゃんもしばらくミンメイに付き合ってやってくれ。」

ヒ:「うん。喜んで。ねっ、つぐみさん。」

ツ:「はい。」

セ:「それに、瞳ちゃんとつぐみちゃんに渡すものがあるんだ。」

ヒ:「なんなの?パパ。」

セ:「それは、来てからのお楽しみ。」

ヒ:「パパのケチッ!ちょっとぐらい教えてくれてもいいじゃないっ!」

セ:「だめっ!さあ、二次会行くぞっ!」

四人は、名古屋の夜のまちに繰り出すのであった。
19manplus:2007/09/28(金) 00:17:02 ID:6OwVQVKy0
今日は、ここまでです。

>>1さん、スレ立て乙です。
20名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:50:42 ID:FvwVfLka0
>1さん乙です

>前スレ448〜現スレ19 manplus氏
F1やラリーの雰囲気がちりばめられていますね。
ディベロップメントドライバーとしてミンメイさんやつぐみさんが入っているというのも
ありかもしれません。セナがホンダF1に乗っているとき、セナは少々変なセッティング
でも、乗りこなしてしまうので、調整ミスがあっても気づかず、中島や星野が調整を
やっていたという話があります。
21manplus:2007/09/29(土) 18:07:54 ID:Wyin1iaf0
>>20さん、ありがとうございます。

確かにつぐみとミンメイのデベロップメントドライバーというのはアイデアとしてありかと思います。
モチーフとして、取り入れさせてもらうかも知れません。

しかし、瞳のマシンのデベロップメントドライバーという設定は無理があるかも・・・。
瞳は、設定上、セナとは違った感性を持つドライバーとなっています。瞳のエピソードとして、
F2時代にメカニックも気がつかなかったビス一本の違和感を感じ取ってしまう感性を持つ
と言う設定になっています。瞳は、セナのように何でも気にせず乗りこなしてしまうタイプの
ドライバーではなく、細かなセッティングにまで気がついてしまい、セッティングを自分で
作り込んでいくタイプの天才肌のドライバーという設定になっています。
ただし、シューマッハのように、例えどんなトラブル抱えようとも誰よりも速く走らせてしまう
ドライバーの設定になっています。瞳の強さは、マシンに完全に同調できるドライバーとして
描いているつもりです。マシンと対話でき、その詳細をメカニックに詳しく伝えられるという点では、
佐藤琢磨タイプなのかも知れません。

つぐみは、前の担当ドライバーの時代の、ミンメイは、トミタのF1のデベロップメントドライバー
としての設定が面白いかも知れませんね。ただ、つぐみのドライビングのテクニックの確かさが
レーサーの確かさではないという設定が、このあと描こうと思っています。もう少しお待ち下さい。

サイボーグフェチスレの投稿内容ではないかも知れませんが、セナというドライバーは、
本当に天才だったんでしょうね。どんなマシンでも本当に自分の手脚に出来るだけの
感性があると言うことですよね。あんなドライバーは、詣でてこないかも知れませんよね。
セナの走る姿が、懐かしいですし、もう一度見れるものなら見てみたいです。

明日は、日本グランプリ決勝ですね。ひょっとして、ハミルトンが、セナタイプの天才ではないかと
私は思っているのですが、>>20さんは、どの様にお感じになりますか?
2220:2007/10/01(月) 18:12:56 ID:b2z9ndBN0
ハミルトン優勝ですね。セナとプロストのような時代を彷彿とさせますが、
これはマクラーレンのチーム運営方針なのでしょうか。
年齢的には今から伸びてくる人材でしょう。アロンソとの仲があまりよくないようですが
まだアロンソから吸収できるものは多いのではないかと思います。
この大雨でコントロールできるだけの技量は、今後の伸び方によってはシューマッハ型になる
かもしれません。雨の中抑えながらコントロールするためには、車との会話がより必要になるの
ではないでしょうか。プロストも雨に強いドライバーでしたね。

ここで強引にサイボーグの話に戻します(笑)
機械を使うときに、機械の状況関係なく操作してしまう人と、機械の状況を思いやって操作してしまう
人がいます。たとえば、車を運転しているときに、道の状態に関係なく運転して、車から異音が出ても
平気な人と、異音がするとしまった!やりすぎたかなと感じる人がいるようです。
サイボーグ娘が日常的に扱っている義体のちょっとした負担が積み重なることで、人によって義体の痛み具合が
違ってくるような気がします。こういうのを機械と会話できると言うのかもしれませんね。

ヤギーワールドの古堅部長の義体は、普段はほとんど痛まないくせに、開発のためと称して限界にわざと挑戦して
いためてしまったりしたりして、なんて妄想してしまいました。



23名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:00:21 ID:Ue/Forn50
パワポケ9の広川武美って既出?
24名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:26:28 ID:vYf08Wx/0
>>22
>ヤギーワールドの古堅部長の義体は、普段はほとんど痛まないくせに、開発のためと称して限界にわざと挑戦して
>いためてしまったりしたりして、なんて妄想してしまいました。

「全身義体の俺がジャッキーの物真似に挑戦してみる」
とかいってニコニコ動画に投稿してる古堅部長の姿が思い浮かんでしまいました。
25manplus:2007/10/03(水) 23:37:11 ID:WVaH/Ppc0
美濃田誠一郎(以降、セ):「ママ、連れてきたぞ。」

結城央子(以降、ユ):「美濃田さん、待っていたわ。奥の小上がりでいいのかしら?」

美濃田が瞳たちを連れてきたのは、こぎれいな感じのするカウンターと奥に座敷があるだけの割烹居酒屋だった。

速水瞳(以降、ヒ):「お邪魔します。」

瞳が挨拶すると、美濃田がママと言っていた店の女将が、

ユ:「美濃田さん、本当に連れてきたんだ。速水瞳。」

セ:「そうだよ。冗談だと思っていた?」

ユ:「そうじゃないけれど、メグのチームのエースドライバーでしょ。美濃田さんが一緒にいてもいいの?」

セ:「今日は特別だよ。恵美さんも公認みたいなものだからね。」

ユ:「そう。だったらゆっくりしていって。美濃田さんが重要なお客様を同伴するって聞いて、
貸し切りにしちゃったから、何をしても大丈夫よ。」

セ:「オイオイ、ママ。瞳ちゃんに何をしても大丈夫って言うと、とんでも無いことしでかすから、
店を壊されたくなかったら、そんなこと言っちゃいけないよ。」

ヒ:「ブ〜〜〜〜ッ!パパ、非道いよ。私はそんな暴れん坊じゃないよ。」

森田つぐみ(以降、ツ):「どうでしょうか?マリアさんと二人で今まで世界中に
何十件のお出入り禁止のお店を作っているんですか?」

26manplus:2007/10/03(水) 23:37:54 ID:WVaH/Ppc0
ヒ:「・・・。つぐみさんだって、片棒担ぐこともあるじゃない・・・。お出入り禁止になった店の6割は、
つぐみさんとアンネの奇行が原因なんだからね。」

ツ:「私とアンネはそんな奇行なんてしていませんっ!」

ユ:「まあまあ、お二人とも、うちは大丈夫ですから、暴れるだけ暴れても、
美濃田さんとメグが払ってくれますから大丈夫ですよ。」

セ:「おいっ!ママッ!俺たちが瞳ちゃんの尻ぬぐいをするのか?
この二人は、俺たちの何千倍も給料もらっているんだぞっ!」

ユ:「でも、やっぱり、ご紹介いただいた方から頂くのが店のしきたりです。」

セ:「・・・。」

ユ:「こちらが森田つぐみさんでしょ。速水さんも、森田さんも綺麗でかわいいわね。
こんな美人の有名人がうちの店に来てくれるなんて夢みたい。こちらのお嬢さんは?
お二人に負けないくらい、綺麗よね。でも、日本人じゃないわよね。」

セ:「この娘が、よく言っているハイデン=羹=ミンメイ。日本人と中国華僑とオランダ人のクオーターだよ。」

ユ:「ああ、このお嬢さんね。トミタの期待の星というのは?」

セ:「そういうこと。」

ヒ:「パパ、ここの女将とどういう関係なの?」

セ:「まあ、ゆっくり説明するから、まず座って一杯喉に入れよう。ここはありとあらゆる日本酒と焼酎が置いてあるから、
好きな銘柄を頼んでみるといいよ。」

27manplus:2007/10/03(水) 23:38:59 ID:WVaH/Ppc0
ユ:「今日は、私もじっくり飲んじゃうから、楽しんでいってね。」

美濃田とつぐみが瞳をこの店の小上がりに、このような少し狭い場所で瞳たち
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを置くための省スペース型の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用スタンドに瞳を移しかえ、
瞳が邪魔にならないように小上がりの奥に瞳を設置した。
そして、その横に、介護が出来るように森田が陣取った。

ヒ:「パパ、綺麗な人だね。」

セ:「ああ。彼女は、ここの女将で、央子ママだ。」

美濃田がそこまで話したときに、彼女が小上がりにお通しとビールを持って戻ってきた。

ユ:「初めまして。私、ここの女将をしております。結城央子と言います。よろしくお願いします。」

と挨拶をして、グラスに冷えたビールを注いで回った。

ユ:「まずは、美濃田さん、ビールで乾杯しましょう。」

セ:「ママ、そうだね。それでは、瞳ちゃんの鈴鹿での優勝を祈念して乾杯と言うことにしようか?」

ユ:「美濃田さん、それでいいの?自分のチームが負けても?」

セ:「瞳ちゃんじゃ仕方ないからね。瞳ちゃんがフロントローに付いたら、まず、誰も敵わないもの。」

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「瞳様の走りがまた見られる。そう思うとワクワクします。」

ユ:「そうなの。それじゃ、速水選手の健闘を祈って乾杯!」

28manplus:2007/10/03(水) 23:51:05 ID:WVaH/Ppc0
10月とはいえ、まだ夏のけだるさが残る日もある秋の夜に冷えたビールは格別のものがある。
瞳たち全員が美味しくビールを飲み干した。

ユ:「日本酒か焼酎でお好みがあれば言って?うちにありますかどうか?運試しみたいなものよ。」

ヒ:「私、小出の“緑川”がいいな?」

ユ:「速水選手、さすがね。あるわよ。純米吟醸が在庫してあるわ。」

ミ:「すっご〜〜いっ!」

セ:「瞳ちゃんが真っ先に注文する酒、俺も飲むことにしよう。」

ユ:「それじゃ、持ってくるわね。」

ヒ:「パパ、こんなところで浮気しているんだ。恵美さんに言いつけちゃうよ。」

セ:「大丈夫だよ、瞳ちゃん。ここに来たことは、ママから恵美さんには常に報告されているからね。」

ヒ:「えっ!?」

瞳が指定した日本酒とグラスを持って央子が戻ってきた。

ユ:「だって、私とメグは、高校の同級生だもの。まさか、メグを美濃田さんが自分の特別な人だと言って
連れていらっしゃるとは思いもよらなかったわ。」

ヒ:「そうだったんだ・・・。」

29manplus:2007/10/03(水) 23:51:47 ID:WVaH/Ppc0
ユ:「高校以来、ず〜〜っと、会ってなくて、手紙だけのやりとりになっていたから、嬉しかったわ。
高校の時は、メグとは大親友だったんだから。」

ヒ:「そうなんですか?恵美さんの親友なんだ。」

セ:「そうだったんだよ。恵美さんを連れてこなければ好かったと思っちゃったよ。」

ツ:「美濃田監督、妻川監督に聞かれたら拙い一言でしたね。」

セ:「つぐみちゃん、勘弁してくれ、恵美さんには黙っていてくれよ。」

ツ:「はい。もちろんです。」

ユ:「でも、みんな綺麗ね。特に速水選手なんか、テレビで見るときのキリリと締まった表情も綺麗だけれど、
こうしてプライベートで見ると、美人で、かわいらしくて、清楚なお嬢様よね。森田さんも、噂は聞いていたけれど、
可愛くて、しかも影を感じる美しさを併せ持っていて素敵だわ。」

セ:「清楚なお嬢様だってさ。そのお嬢様がサーキットの上では手が付けられない
最強のドライバーになっちまうんだもんな。やりきれないよ。トミタにも少し勝利を分けて欲しいよ。
正直、事故に巻き込まれてリタイヤしてくれって祈ったことも何度かあるもんな。」

ヒ:「パパッ!なんて事言うの?私に逆らう気っ?」

ツ:「そうですよ。美濃田監督、ご主人様のご機嫌を損ねると名古屋の街が破壊されますから、止めてください。」

セ:「そうだったね。」

30manplus:2007/10/03(水) 23:52:29 ID:WVaH/Ppc0
ヒ:「私を怪獣扱いしないでちょうだいッ!」

ミ:「美濃田監督もつぐみ様もいいんですか?瞳様、怒っていますよ。」

セ・ツ:『くわばら、くわばら。』

ユ:「いやね。美濃田さんも森田さんも。」

セ:「ママは、瞳ちゃんの本当の恐ろしさを知らないから・・・。怒らせると、
恵美さんや貴美香なんて比べものにならない暴れ方をするんだからね。」

ユ:「石坂先生よりも?」

ツ:「だって、石坂ドクターが暴れ方を教わったのは、ご主人様からなんですよ。
ご主人様のルートで武器も密輸しているみたいだし・・・。」

ヒ:「つぐみさんっ!私はテロリストじゃないんだよっ!」

ミ:「瞳様、何を言っているんですか?単独治外法権と呼ばれている人が、何を言っているんですか?」

ヒ:「みっ、ミンメイちゃんまで・・・。」

ユ:「速水選手の負けね。でも、速水選手の様なセレブのすることって凄いのね。」

セ:「セレブらしく、お淑やかならいいんだがな・・・。ミンメイがどういう性格にされるのかが、心配だ・・・。」

ユ:「美濃田さん、仕方ないでしょ。速水選手に秘蔵っ子を守ってもらうんだから。
それに、速水選手のそんなじゃじゃ馬なところが可愛いんでしょ?」

31manplus:2007/10/04(木) 00:04:42 ID:6ARETUKP0
セ:「まあね。」

ユ:「それで、このお嬢さんがミンメイさんね。またまた、彼女も綺麗だこと・・・。
3人とも、女の私が見ても惚れてしまうほどの美人だものね。言い寄る男も多いでしょうね?」

セ:「ところが、瞳ちゃん以外は、男に興味がないんだから嫌になるよ。」

ユ:「それじゃ、仕事一直線で、男に見向きもしないんだ。」

セ:「ママ、カマトトぶらなくてもいいよ・・・。こいつらはどいつもこいつも、女にしか興味がないんだ。
それに、ミンメイに至っては、瞳ちゃんやつぐみちゃんみたいなサイボーグにしか興味ないんだから、頭が痛いよ。」

ユ:「・・・と言うことは・・・。瞳ちゃんがノーマルで、後の二人がレズなんだ・・・。」

セ:「ママ、違うよ。瞳ちゃんは両刀遣い。」

ユ:「・・・。」

さすがの央子が呆れて言葉を失ってしまった。

ヒ:「ママ、私は、最初はノーマルだったんだけれど、つぐみさんに開発されてしまったの。
ここにいる二人とも、私のスティディーなんだよ。」

ユ:「速水選手の・・・?」

ヒ:「ママ、瞳でいいよ。」

32manplus:2007/10/04(木) 00:05:38 ID:WVaH/Ppc0
ユ:「それじゃ、瞳ちゃんの・・・?」

ヒ:「うん。そうだよ。」

セ:「頭が痛いだろ?恵美さんなんて、いつも頭を抱えているよ。」

ユ:「メグのチームは、女性ばかりだから、そんな世界になるのは覚悟していると言っていたけれど本当だったんだ・・・。」

セ:「それも、エースドライバーが、セカンドドライバーとそのサポートスタッフまでくっちまっているんだから、
恵美さんも頭が痛いはずだよ。」

ユ:「ドライバー同士が恋人・・・?!エースドライバーがセカンドドライバーに手を付けた・・・!?」

ヒ:「手を付けたんじゃなくて、向こうから言い寄られたんだよ。」

ユ:「・・・・・・。メグが女だけのレーシングチームを作るから・・・。」

セ:「まあ、そういうことかな。」

ユ:「でも、カンダのメグのチームは、みんな仲がいいのよね。結束力があるんだよね。」

結城が思い直したように話す。

セ:「それは、恵美さんの力じゃなくて、瞳ちゃんの力なんだよ。瞳ちゃんのレースにかける直向きさや、
絶対に譲らないところと、間違いを認める素直さにチームの誰もが魅せられて、一丸になる強さだよね。」

33manplus:2007/10/04(木) 00:06:20 ID:6ARETUKP0
ユ:「瞳ちゃんに、私もそんなことを感じたわ。それに、つぐみちゃんの瞳ちゃんを思いやる心がいじらしいわね。」

セ:「ああ、だから、瞳ちゃんにうちのミンメイを食ってもらったんだ。瞳ちゃんのいいところを学ばせようと思ってね。」

ユ:「いいところを学ばせるために、恋愛関係を作らせたの?」

ヒ:「そうなんだよ、央子ママ。パパは、私にミンメイちゃんの恋人になって欲しくて、画策したんだよ。
結果的には、つぐみさんの恋人にもなっちゃったけれどね。」

ユ:「・・・。どうしてなの?普通に師弟関係じゃいけなかったの?」

セ:「ああ、ミンメイの性癖を満たせるのが瞳ちゃんとつぐみちゃんだったんだ。
どうせ、ミンメイは、まともに人間を愛せることはないから、二人に委せるには、
身も心も捧げるような関係を結ぶことぐらいでちょうどいいんだ。」

ユ:「そんな・・・。トミタの幹部に怒られなかったの?」

セ:「俺だって役員だよ。自分のしたことの責任は自分で取れるさ。」

ミ:「美濃田監督、格好いいです。美濃田監督がサイボーグの女性だったら、惚れていたかも・・・。」

セ:「央子ママ、この娘は、こういう恋愛対象なんだよ。」

ユ:「なるほどね。ところで、つぐみちゃん、さっきから、本当にタイミング良く瞳ちゃんの口にお酒を運んでいるわよね。
まるで、瞳ちゃんの手みたい。」

ツ:「これがスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのサポートスタッフの本当の役割ですから。
ご主人様が、この状態の身体でいる限り、私は、ご主人様の手脚であり続けるのです。
それが、サポートスタッフの役割なのです。」

34manplus:2007/10/04(木) 00:14:52 ID:6ARETUKP0
ユ:「本当に特別な関係なのね。でも、瞳ちゃん、手脚が無くて不便と思ったことは無いの?」

セ:「ママ、その話は・・・。」

ヒ:「パパ、いいんだよ。初めて私の姿を見る央子ママにとっては聞きたいことだもん。」

ユ:「ゴメン、いけなかったかしら?」

ミ:「私も、本音は聞きたいもの。」

セ:「ミンメイまでなんだッ!」

ヒ:「パパ、いいんだよ。手脚の無い、何も自分一人じゃ出来ない身体になっての生活というのは、
どの様なものかは聞いてみたいとみんなが思うの解るんだ。私がミンメイちゃんや央子ママだったら、
同じ事言うと思うもん。」

ツ:「ご主人様、いいのですか?ご主人様は、こう見えて、結構傷つきやすくて、繊細で、
二人になると落ち込むんですから・・・。」

ヒ:「つぐみさん、大丈夫だよ。今日は、いつもより近くにつぐみさんもいるし、ミンメイちゃんもいてくれる。
それに、央子ママとミンメイちゃんには、私の気持ちを知っていてもらいたいからね。」

ヒ:「解りました。」

ユ:「瞳ちゃん、私がつまらないこと言ったから・・・。無理しなくていいのよ。」

35manplus:2007/10/04(木) 00:15:33 ID:6ARETUKP0
ヒ:「そんなことないよ。央子ママ。私は、この身体に望んでなったんだもの。
確かに、スーパーF1にステップアップするときにこの身体にならないといけないと言うことを聞いていたから、
すっごく迷ったんだ。でも、スーパーF1マシンの異次元のスピードに魅せられて、あのマシンに乗ってみたい、
あのマシンを意のままに動かしてみたいという気持の方が強かったの。ミンメイちゃんも同じだと思うんだ。」

ミ:「はい。でも、私は、サイボーグに自分がなりたい、改造手術を受けて機械と電子機器による身体を
得た超人になりたいという特殊な願望もありましたが、瞳様のようなレーサーとしての純粋な願望は強いです。」

ユ:「美濃田さん、レーサーのスピードを自分のものにしたいという願望なのかしらね。
私は、自分の生身の身体を目一杯に弄られるなんて耐えられないけれど、瞳ちゃんやミンメイちゃんの目には、
何かそんなことを越えた意志を感じるわ。」

セ:「そうだよね。」

ヒ:「央子ママ、私の目も、スーパーF1マシンのスピードの中でも、充分な視界を発揮できるようにするために、
実を言うと人工視覚なの。瞳に見せかけてあるけれど人工眼球で、世間的に言う、
超高性能ハイスピード対応デジタルカメラなんだよ。」

ユ:「そうなんだ・・・。でも、いくら人工のものになっても、表情を作れるじゃない。その表情から来るものが、
目に現れる意志みたいなものになるのは、サイボーグだって変わらないのよ。生身の身体の時のように現れているわ。」

ヒ:「ありがとう、央子ママ。」

ユ:「瞳ちゃん、素直なんだね。」

セ:「そうだろ。いい娘だろ?俺がいつも言っているじゃないか?」

ユ:「そうね。美濃田さんも、メグも、瞳ちゃんのことを話すときは、いつも、自慢するように話すものね。」

36manplus:2007/10/04(木) 00:19:22 ID:6ARETUKP0
ヒ:「パパ、恥ずかしいよ。でも、ママ。正直に言うと、いくら覚悟していたからと言っても、手術が成功して、
意識が回復したとき、手を動かそうとしても、足を動かそうとしても、その反応に応えるように手脚が動かない感覚って、
本当に凹むんだから。そして、そのことで、手脚を切除されていることを自認するんだけれど、
その時のショックは凄かったよ。覚悟していたことなんだけれど、今まであったはずのところに手も脚もない姿を
実際に視覚で見てしまったときのショックは、この身体になる手術を受けたものしか解らないと思う。
その上、ベットに横たえられているダルマのような物体にコードやホースがたっくさん繋げられている姿の
全身映像を見せられたとき、自分のレプリカのアンドロイドがどこかで作られているんだって思うようにしようって
思うんだけれど、手と脚があったときの感覚を完全に排除して、幻視を見ないようにするためのプログラムを
体内の補助コンピューターにプログラムされているから、おまえには手脚がもう無いから、
これが現実の姿なのだという人工感覚信号が、コンピューターから神経細胞を通じて生体脳に送られてくるときの
絶望感になれるまでに結構、気持ちを整理する時間が掛かったんだ。
37manplus:2007/10/04(木) 00:27:47 ID:6ARETUKP0
それに、ベッドサイドのものをとろうと思ったとき、
手を伸ばせば取れるはずのものが取れなくて、その手を伸ばそうとする感覚を打ち消すために神経組織に
サブコンピューターから送られる人工感覚と闘う生体神経組織の感覚と、“手を伸ばそうと思ってはいけない、
サポートスタッフを呼びなさい。”というアラームが人工視覚に流れて、人工聴覚から伝わるアラーム音が、
今の身体に改造された状態を素体が感覚として受け入れるまで流れるんだけれど、そのことが、
いくら自分のためとはいえ、その無味乾燥で無慈悲な文字が目に浮かんで、それをさらにだめ押しするように
自分にしか聞こえないアラーム音が流れたときの屈辱感や無力感は、想像を絶するものだったんだ。
その精神的苦痛には、たぶん、一人では耐えられなかったかもしれない。手脚を事故や病気で
切除された人の苦しみが本当に理解できたもん。でも、手脚を事故や病気で失った人には、今は、
サイボーグ手術により、人工四肢を取り付けることが一般的なんだけれど、私たちは、
スーパーF1マシンに乗るためにわざわざダルマのような身体になったんだから、レースを引退するまで、
疑似身体障害者でいなくちゃいけないことの辛さは相当なものだった。」

ユ:「そうでしょうね。」

 央子は、若い娘が手足を失ったフリークスの身体になることを選ぶという選択の壮絶さを想い目頭に熱い物を感じていた。

ヒ:「それに、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンという自動車の制御装置であるために、
スーパーF1マシンに乗るというのではなく、セッティングされるという感覚なのが戸惑ったんだ。私たちは、
本来的には、スーパーF1マシンに常時セッティングされ続けているのが本来の姿であって、
スーパーF1マシンからはずされるのは、走行データーをチームが取得するためにスーパーF1マシンの
ボディーからはずして、チームのホストコンピューターに接続するためだけとスーパーF1マシンの中で
一番大事な制御システムのメンテナンスのためでしかないんだよ。そんな、制御装置でしかない自分が
嫌になることだってあるよね。いくら望んでいたこととはいえ、いざ、機械装置という立場に自分が
置かれてしまうのは辛い思いを持つしかないんだ。」

38manplus:2007/10/04(木) 00:28:32 ID:6ARETUKP0
ユ:「つらいね・・・。瞳ちゃん。」

ヒ:「うん。最初の頃はね。それに、最初の頃は、サポートスタッフに全て自分の日常生活でしたいことを
声を出して頼むのが嫌だった。日常生活の全てをサポートスタッフに委ねなくてはいけないことが
屈辱でしかなかったの。そんな日常生活を送るくらいなら、スーパーF1マシンにセッティングされ続けている方が
よっぽどマシだとも考えてしまったぐらいなんだよ。」

ユ:「そうよね。だって、おトイレだってサポートスタッフがいなかったらできないんでしょ。」

ヒ:「そうだよ、央子ママ。おトイレだって、大の方は、私たちの肛門は特殊カプラーバルブ式の人工肛門だから、
朝一度だけ、腸内を洗浄するための洗浄液が出るホースを人工肛門に取り付けての腸洗浄で、
サポートスタッフが付きっきりで作業してもらわなくちゃならないの、そのホースを取り付けなくちゃ、
排便行為を行おうと思っても出来ないし、オシッコだって後始末の関係で、監視されたような状態でしなきゃいけないし、
セックスだって、体位を変えるのにサポートスタッフが必要だし、相手の膚の感触を得るために、
サポートスタッフの手の感触をサポートスタッフと感覚データー交換用ケーブルで接続してもらって、
得るようなシステムだから、必ず、セックスにもサポートスタッフが立ち会うことになるし、寝るのも、
こうして食事もお酒もサポートスタッフの手伝いを受けなくちゃならなくて、私一人じゃ何も出来ないし、
生きていくことができない身体になってしまって、プライベートがないように思えちゃった時期もあるんだよ。」

ツ:「ご主人様もそうなんですが、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの方は、皆さん、必ず一度は、
サポートスタッフが、常にいる生活を監視付きだというように思って悩まれるんです。」

39manplus:2007/10/04(木) 00:30:03 ID:6ARETUKP0
ヒ:「つぐみさんの言うとおりなんだ。でも、サポートスタッフと話し合うことによって、サポートスタッフは、
私たちの手脚であり、第2の感覚システムであると言うことを悟ったときから、サポートスタッフが自分の身体として、
そして、周囲に自然にある私の付属品として思えるようになるんだよ。サポートスタッフに
遠慮しなくちゃいけないという感覚が消え去る時なんだ。そうなったとき、初めて、サポートスタッフの本当の役割を
知ることができて、自分とサポートスタッフの二人だけでいることが私たちにとってのプライベートだと思うようになるんだ。
そうなったら、サポートスタッフは、自分の身体だから、いることが当たり前で、いてもいなくても関係ないし、
本当の意味で、この身体で落ち着いていられるようになるの。そして、今は、つぐみさんは、私の身体の一部であり、
当然、恋人以上の存在なんだよ。だって、私の異性のパートナーの性的な癖まで私以上に知っているんだもの。
それに、私のベットでの癖まで何んでも知っていて、私がこうしたいという事を先回りして動いてくれる、
本当の私の身体の一部なの。だから、今の身体になっていても、今は不自由がないんだよ。もし、現役を引退して、
手脚のある身体に戻ったとしても、つぐみさんは永遠に私の手脚であり続けてくれないと、私は、たぶん、
気が狂っちゃうだろうね。私のもとから、つぐみさんがいなくなる事なんて考えられないことなんだ。」

そういって、瞳は安心しきったような瞳を森田に向けて、にっこりと微笑んだ。

ツ:「わっ、私は、ご主人様の下に一生いさせてもらって、ご主人様の第2の身体で居続けるんです。
ご主人様が嫌だと言っても・・・。私には、もうそれ以外に生きることはできないんです。」

森田がちょっと照れて困ったような表情で、恥ずかしそうに瞳の言葉を受けた。

ユ:「信頼関係という以上の関係なのね・・・、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとサポートスタッフの関係って。
私も、こんなスティディーの可愛い女性が欲しくなっちゃった。」

40manplus:2007/10/04(木) 00:40:38 ID:6ARETUKP0
森田が、瞳の身体に抱きついて小刻みに身体を震わせている。瞳を誰にも渡さない。
そんな思い詰めた背中を結城は感じるのだった。
結城には、姉を誰にも取られたくないと駄々をこねる妹のように森田が映った。

ユ:「瞳ちゃんに抱きつくつぐみちゃんは、ちょうど恐がりの妹みたいだね。二人はまるで姉妹みたい。」

ミ:“央子ママ。違うの。”

ミンメイが小声で結城に囁く。結城もつられて小声でミンメイに聞き返した。

ユ:“何が?”

ミ:“つぐみ様はね、瞳様よりも年上なの。”

ユ:「えっ!」

ミ:“央子ママ、声が大きいよ。”

ユ:“あっ、ごめんなさい。だって意外だったものだから・・・。”

ミ:“ああ見えても、実年齢はつぐみ様が一番年上なの。”

ユ:“だって、見かけは、ミンメイちゃんよりも年下に見えるよ。”

ミ:“その可愛いところがつぐみ様のいいところなんだけれどね。
それに、瞳様は、サイボーグ化手術の時に外見の修正処置で、
本人の18歳の時の姿を忠実に再現する整形手術が施されているんだよ。”

41manplus:2007/10/04(木) 00:41:20 ID:6ARETUKP0
ユ:「えっ!」

ミ:“央子ママ、声が大きいよ。”

ユ:“ごめん。だって・・・。瞳ちゃんは、18歳の外観にしてあんなに大人の完成された美人だったなんて信じられないわ。
それも、可愛いところは可愛くて・・・。とても18歳の外観には見えない・・・。”

セ:“つぐみちゃんは、瞳ちゃんのサポートスタッフに付ける時にその時点の実年齢の23歳よりも
三歳若い20歳の外観を再現されているんだ。”

ユ:“瞳ちゃんの方が外見上もつぐみちゃんより2つも若いなんて・・・。瞳ちゃんのあの美貌に嫉妬しちゃう。
天はなんで二物以上のものを一人の女に与えるんでしょうね。”

セ:“オイオイ、ママ。いくらママでも、俺の可愛い瞳ちゃんに嫉妬したら怒るぞっ!”

ユ:“ダメよ。そんなの。美濃田さんに怒られちゃったら、メグも怒るもの。”

ヒ:「みんなで何を話しているの?」

ツ:「そうですよ。私とご主人様が聞いたらまずい話ですか?実際に、人工聴覚のボリュームを
通常生活では絞っていますが、私とご主人様にとって聞かれたくない話なら、もっと、遠くで話してもらわないと・・・。」

ヒ:「そうだよ。特に、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの人工聴覚はボリュームを
上げるとどんな遠くの小さな音も聞こえるからね。」

ミ:「瞳様とつぐみ様に聞かれてはいけない話をしていたわけではないのですが・・・。
お二人の年齢の話をしていたんです。」

42manplus:2007/10/04(木) 00:42:02 ID:6ARETUKP0
ヒ:「ミンメイちゃん。私、歳の話は、サイボーグへの改造手術を受けた時に忘れちゃったし、
気にしなくてもよくなったんだから、私たちの前で歳の話はやめてよ。」

ミ:「羨ましいです。私も少し若く外観を再建して欲しいです。」

セ:「かっ、考えておくよ・・・。」

ミ:「本当ですか?美濃田監督っ!嬉しいですっ!」

ユ:「私も、サイボーグに改造してくれないかしら?」

セ:「ママまでっ!」

ユ:「冗談だったらっ!瞳ちゃんみたいに強い心を持てないもの。瞳ちゃんは、本当に強いんだね。愛おしくなっちゃう。」

結城は、そういうと瞳の飲み干したグラスに日本酒を注ぎながら、瞳の身体を抱いた。

ユ:「瞳ちゃんの身体って、暖かくて女の子の優しさに溢れているんだね。サイボーグの身体だって関係ないんだから・・・。」

ヒ:「央子ママの匂い、お姉ちゃんみたい・・・。いい匂いだね。」

ユ:「瞳ちゃん、ありがとう。ところで、さっき、つぐみちゃんの外観を20歳の時に再現したと言っていたけれど、
つぐみちゃんもサイボーグなの?」

ミ:「央子ママ、そうなんですよ。つぐみ様もサイボーグなんです。それも瞳様と違った意味で
私の理想のスーパーヒロインなんです。」

セ:「何せ、ミンメイが恋に落ちちゃうくらいだから、生身の人間のわけがないんだ。」
43manplus:2007/10/04(木) 00:51:03 ID:6ARETUKP0
ユ:「でも、つぐみちゃんは、外見上も普通の人間とまるで変わらないけれど・・・。」

ヒ:「どうせ、私はダルマ娘ですよ。」

セ:「瞳ちゃん、場違いの拗ね方はしないようにね。」

ヒ:「ははっ・・。そうか・・・。」

ツ:「ご主人様、得意の『笑って誤魔化す作戦』はいけませんよ。」

ヒ:「つぐみさんに怒られた・・・。」

ツ:「もう・・・。ご主人様ったら・・・。でも、央子ママ。実は私もサイボーグなんです。」

セ:「つぐみちゃんも辛かったら、いいんだぞ、しゃべらなくても・・・。」

ツ:「美濃田監督、いいんです。こんな美味しいお酒をいただいているのですから、
ちょっと気分がいいから喋っちゃいます。それに、央子ママとは、ご主人様、
共々に悩みを聞いていただくような関係になりそうな気がしますので、聞いていただいていた方がいいと思うのです。」

ヒ:「つぐみさんの予感はあたるからなぁ・・・。私も、央子ママにはいろんな意味でお世話になるような気がするんだ。」

ユ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、ありがとう。」

44manplus:2007/10/04(木) 00:51:54 ID:6ARETUKP0
ツ:「央子ママ、基本的には、サポートスタッフもサイボーグなんです。サイボーグといっても、
体内の感覚組織で私たちが感じたものを電気信号に変換したり、私たちの感覚データーを
蓄積したりといった感覚組織を生体脳と共に管理するための機械が搭載されているのです。
そして、サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの手足となるときの感覚や
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとサポートスタッフが感覚を共有したいときにおへその部分や
首筋のコネクターから、有線で、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと接続されることにより、
私たちの感じたことの全てをスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと共有するため、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの手脚に完全になり切るために、
私たちの感じたことがサポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに感覚データーとして
吸い上げられたときにスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに感覚の違いによる違和感を与えないように、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの身体データーや考え方や感覚データーや
生体データーなどの生体データーの全てを保存して、そのデーターに基づいて、
サポートしているスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの感覚器官に完全になり切れるようになっているのです。
そして、そのためのサポートコンピューターはここに納められているのです。」

森田が自分の下腹部を指さした。

ユ:「お腹に?」

45manplus:2007/10/04(木) 00:53:22 ID:6ARETUKP0
ツ:「はい。だから、一般的なサポートスタッフは、体内コンピューターのスペースを空けるために、
内臓組織の中で小腸と大腸と胃が切除され、人工消化器官という箱が納められていて、
食道と人工消化器官と直腸が繋げられ、機械的に栄養の消化吸収と排泄物の生成を行っているのです。
それに、腎臓と膀胱も一体型の人工腎臓システムという小さな箱と尿を蓄積する圧縮タンクの人工膀胱に置換されて、
体内コンピューターのスペースを確保されています。大きな改造はそのぐらいで、生体脳とコンピューターを
リンクさせるために生体脳に電極が埋め込まれていたり、神経組織がデジタルハイウェイで補強されていたり、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを介護するために、主要な関節にサーボモーターを取り付けて、
大きな負荷にも対応できるように取り付けられているような特別な補強がされていたり、体内の機械システムへの
エネルギー供給のために、食べた物から電気エネルギーを作り出して体内蓄電池に電力を供給するシステムが
取り付けられているぐらいだと思います。基本的に、サポートスタッフは、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
代用感覚器官であることを目的に設計され、改造されているのです。」

ユ:「でも、重いものが持てたりするんだ。なんかサイボーグといった感じに・・・。」

ツ:「何トンも持ち上げるなんてできませんよ。でも、ご主人様は、意外と重いものですから・・・。」

ヒ:「つぐみさん、私が内緒デブだと誤解されるから、その言い方はやめてよ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、みんな重いんだよ。央子ママ、絶対に誤解しないでね。」

セ:「ママ、そうなんだ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンの制御システムとして
開発されているから、身体の大部分が、コンピューターやハードディスクなどの電子機器で構成されているから、
なるべく軽量部材を使用しているけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという完成体になると
どうしても自重が重くなってしまうんだよ。」

46manplus:2007/10/04(木) 01:01:53 ID:6ARETUKP0
ヒ:「みんなで、私を物扱いだもんね。」

ミ:「その物にになっている瞳様が素敵なんです。人間であって、機械でもあるという、
そのアンバランスさがたまりません。萌え対象です。」

ユ:「まっ、まあ、ミンメイちゃんの嗜好は良いとして・・・。瞳ちゃんがデブだなんて思ってもいないし、
人間じゃないとなんて想っていないから大丈夫よ。」

ヒ:「好かった。」

ツ:「ご主人様、不適切な言葉をお許しください。でも、サポートスタッフが普通の肉体なら、
すぐに腰を痛めたりしてしまうほどの重量なんです。だから、そうならないように一般のサポートスタッフの
関節にパワーアシストが付いているのです。」

ユ:「でも、つぐみちゃん、普通のサポートスタッフって言ったわよね。つぐみちゃんは違うの?」

ツ:「はい。実は・・・。ご主人様の前に二人ほど、別のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのお世話を
していたのです。その時のことで色々な事情がありまして・・・。」

ユ:「二人って、普通は生涯で一人のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに寄り添うんじゃなかったの?」

ツ:「普通はそうなのですが・・・。」

セ:「つぐみちゃん、俺が説明するから・・・。」

ツ:「美濃田監督、大丈夫です。」

セ:「そうか?つぐみちゃん。でも、いいよ。俺がそこは話す。」

47manplus:2007/10/04(木) 01:02:54 ID:6ARETUKP0
ヒ:「パパ、私が話すよ。」

セ:「瞳ちゃんも無理するな。ここは、俺が話す。」

ヒ・ツ:『解りました。お願いします。』

セ:「つぐみちゃんはね、ママ。過去に、フランツ=クリアノフとレミ=ネミドリノフという二人の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの担当をしていたことがあるんだ。つまり、瞳ちゃんで3人目なんだ。」

ユ:「3人って、過去の二人はどうしたの?」

セ:「死んだ。」

美濃田は短くそれだけ言った。

ユ:「死んだ?」

ユ:「レース中の事故か何かで?」

セ:「そんな偶発的なものじゃないんだ・・・。それに、スーパーF1マシンはドライバーに対してそんな偶発的な事故で
命を落とすようなレギュレーションになっていないんだ。」

ユ:「だったら、どういうことなの?」

48manplus:2007/10/04(木) 01:03:37 ID:6ARETUKP0
ツ:「美濃田監督、私に気にしないでください・・・。央子ママには真実を知っておいてもらっても好いんだと思います。」

セ:「つぐみちゃん、いいのか?」

ツ:「はい。」

森田は、そういいながら、瞳の身体を強く抱きしめていた。

ヒ:「つぐみさん、いいの?」

ツ:「はい。その代わり、ご主人様の温もりを感じていていいですか?」

ヒ:「いいよ。」

セ:「ママ、悪いけれど、泡盛の古酒の強いやつをストレートで持ってきてくれないか?」

ユ:「いいけど?美濃田さん、そんなの飲んで大丈夫なの?」

セ:「つぐみちゃんのこの話をするときは、強い酒をあおらないと出来ないんだ。」

結城は、美濃田の思いを察したかのように答えた。

ユ:「解ったわ。」

結城は、普段は楽しく酒を飲むタイプの美濃田が強い酒を求めるのに何かただならぬものを感じた。
森田の話がよっぽどの話なのだろう事も容易に理解できるのであった。

49manplus:2007/10/04(木) 01:17:11 ID:6ARETUKP0
 しばらくして、結城は、美濃田のもとに泡盛の古酒で店で一番強いものをチェーサーと一緒に運んできた。

ユ:「こんなのを一気に飲んじゃ、身体に悪いんだからね。」

セ:「いいんだ。つぐみちゃんの過去を話すと酔いたくても酔えないからね。」

美濃田は泡盛を一気に口の中に押し込んだ。

セ:「さて、この話は、スーパーF1界で最悪の悪夢なんだ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが、
何故、現役の間、国際自動車連盟がこんな不自由な身体で生活させているのかということにも関係があるんだ。
つまり、手脚を付けたりはずしたりを頻繁にすると、自分の身体の使用条件が急激に変化するために
精神崩壊を起こして廃人になっちまうんだ。スーパーF1マシンとスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
システムを開発したとき、カンダとうちは、そのことに気がついて、国際自動車連盟のレギュレーションで今のように、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに担当のサポートスタッフをつけて暮らさせるように、
サポートスタッフというサイボーグシステムまで開発して、この大問題を解決しようとして国際自動車連盟と協議して、
レギュレーションを確立させたんだ。そのレギュレーションの深刻さに気がつかないヨーロッパの一部のチームが、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの強い要求に屈して、手脚の付け外しをやっちまったんだ。
それも、週末だけ手脚をはずして、レースが終わると手脚を取り付けるということを頻繁にというか、毎週、
決まって行うような事例でね。」

ユ:「でも、どうして、自分の身に危険があることを解っていながら、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの人は、
そんな要求をしたの?それに、何故、そんな要求をチームも危険だと解りながら認めるの?」

50manplus:2007/10/04(木) 01:18:03 ID:6ARETUKP0
セ:「瞳ちゃんを見て解るとおり、この身体では、何も出来ないんだ。自分の身体がたとえ痒くても、
掻くことも出来ない。いくら信頼しているサポートスタッフとはいえ、やっぱり他人なんだ。
ヨーロッパの個人主義が確立している社会に暮らしてきた人間は、食事やトイレまで監視付きの生活に
耐えられなかったんだ。たまには本当の一人になるための、自分自身だけの自由が欲しかった。
そして、そのことをチームに要求した。チームは、非人間的なサイボーグ手術を契約ドライバーに施したという負い目が
あって、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの要求をのむことになった。
それも、ヨーロッパの数チームが闇カルテルの密約まで結んでね。お互いにレギュレーションを
組織的に破ることを黙認し合って、お互いに他言はしないってね。」

ユ:「当然、そのドライバーたちは廃人よね。」

セ:「そうだ・・・。」

ユ:「廃人のまま、生きているドライバーもいるの?」

セ:「違う、ほとんど全員が死んだ・・・。」

ユ:「どうして?廃人になっても、精神病院で生きていてもいいんじゃないの?」

セ:「証拠を隠すために、チームが処分するために殺したんだ・・・。」

ユ:「殺した・・・!?」

51manplus:2007/10/04(木) 01:18:51 ID:6ARETUKP0
セ:「そうだ。安楽死させて、自分たちがレギュレーションに違反したことを隠したんだ。
移動中やテスト中の事故を装ったりしてね。さらに、担当したサポートスタッフの体内コンピューターから、
サポートスタッフの生体脳の記憶領域にまで踏み込んで、全ての証拠になるデーターをデリートしたんだ。」

ユ:「それじゃ、サポートスタッフの人も精神が持たないわよね?」

セ:「ああ、一部のサポートスタッフは精神障害を起こして引退した。しかし、一部のサポートスタッフは、
他のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに新たに担当として付くことになったんだ。」

ユ:「それじゃ、つぐみちゃんは、その担当として付いた二人ともが廃人になって、殺されてしまったって事?」

セ:「誰かに殺されたんじゃない。事もあろうに、つぐみちゃんが、自分の手で殺したんだ。」

ユ:「えっ!!!?美濃田さん、どういうことなの?」

セ:「だから、最大にして最悪の汚点なんだ。それに、つぐみちゃんにとっても話したくもなければ、
思い出したくもない悪夢なんだ。」

美濃田の話が佳境にはいると森田の身体は小刻みの震え、
その過去の恐怖の記憶に怯えきっているのが結城の目にも簡単に解った。

52manplus:2007/10/04(木) 01:57:02 ID:6ARETUKP0
セ:「チームによっては、サポートスタッフにその担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
処分させたんだ。そのやり口は狡猾にして卑劣を極めるもので、サポートスタッフを精神的に追い込んだ上で、
自分がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの為に、愛するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを
楽にさせてやらなくてはいけないという精神状態に追い込んでしまった上に、薬物投与やサポートコンピューターの
プログラムを弄ってまでして、命令を忠実にこなすアンドロイドと同じような状態にした上、自分が何をしたのかは
認識できるような状態にワザとして、担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのもとに送り込んだんだ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを殺すための殺人ようアンドロイドにしてね。」

ツ:「自分が・・・、何を・・・しているのか・・・解っていながら・・・、自分の・・・していることを・・・制御できない・・・状態で・・・、
勝手に・・・、手が動いて・・・、自分の・・・担当する・・・ドライバーの・・・首筋の・・・薬物注入用バルブに・・・
薬物注入用シリンダーで・・・殺害用の薬物を・・・注入している自分の手の姿と・・・、その時の感触が・・・・・・・・・・。
自分で・・・、自分の手を・・・止めることが・・・出来ない・・・。わっ、私、人殺しなんです・・・。ごめんなさい・・・。
ごっ・・・、ごめんなさい・・・。私の愛した人を・・・自ら・・・殺した罪は・・・、一生消えない・・・。」

森田は瞳の胸で震えながら言葉を絞り出した。

ユ:「普通は、そんな状況におかれたら、廃人になるか、精神的ショックで死んでしまうんじゃないの・・・?!
つぐみちゃんは、本当に心が強いんだね・・・。」

ツ:「違います・・・。私は・・・、鈍感なだけなんです・・・。」

ミ:「つぐみ様、そんなことないです。スーパーF1界の最大の汚点というのはそういうことだったんですね。
私が知っている知識とつぐみ様からお聞きした情報では、つぐみ様が最悪の事件にの渦中に巻き込まれたけれど、
強い精神力とサポートスタッフとしての責任感で精神的な崩壊を免れて今があると聞いています。」

53manplus:2007/10/04(木) 01:57:44 ID:6ARETUKP0
セ:「つぐみちゃんは、そういう人間だと思う。それに、つぐみちゃんの意志で行った行為ではないんだ。」

ヒ:「そうだよ。パパの言うとおりだよ。つぐみさんは悪くない。それにつぐみさんは遺族に誠心誠意尽くしているから、
遺族もつぐみさんのよき理解者になってくれているじゃないの。」

ツ:「ご主人様・・・も含めて・・・、お慈悲にすがっているだけです・・・。」

セ:「つぐみちゃん、そんなことないよ。あの時、つぐみちゃんがいたチームは人として、チームとして、
絶対にしてはいけないことをしていただけだよ。」

ヒ:「だから、つぐみさんは無罪になったんだ。」

ツ:「ご主人様・・・。」

ユ:「無罪って?」

セ:「事件が発覚して、国際司法裁判所に事件の全てを国際自動車連盟が告発したんだ。
ヨーロッパの数チームの行動に不信感を持った貴美香が、事件の仕様サイを調べ上げた末報告書を
理事会に提出しての結論としてね。だから、つぐみちゃんも、実際に手を下した事に対しての殺人罪に問われたんだ。
でも、結果的にその時のつぐみちゃんの状況を考慮して無罪が確定したんだけれどね。」

ミ:「その時の裁判なんですね。サイボーグというものが精神的にコントロールされ、
自我を失ったときに犯した犯罪は誰の責任なのかを裁いた判例として有名な裁判ですよね。
公判自体の詳しい話は、事態の大きさ、微妙さから議事録さえも非公開で大まかな事件の概要だけが
記された判決文だけが公開されているだけですが、サイボーグのシステムを悪用した事例の
司法判断が明確にされていますよね。」

54manplus:2007/10/04(木) 01:59:06 ID:6ARETUKP0
セ:「さすがにミンメイは詳しいな。」

ミ:「詳しい内容自体を、今日初めて知って、その深刻さに改めて驚きました。サイボーグという機械体が
自分の生体脳の支配から、身体が切り離されて、自分の意志が身体に反映しないような状況におかれて、
自分の生体脳が、自分の身体がおこしてしまう事態を何も出来ずに見つめているだけの状態のサイボーグに
対しての犯罪責任の有無という、微妙な問題は、もの凄く深刻な問題なのですよね。」

セ:「ミンメイのいうとおりだ。だから、個人のプライバシーの問題もある、それに、サイボーグという人為的に
作りかえられて生かされている人間の尊厳という問題もあるから、国際自動車連盟が非公開を望んだんだ。
その要望を国際司法裁判所は受け入れたんだ。判決では、つぐみちゃんが担当する
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの殺害を実行したときの責任能力と強要し、事実上、
つぐみちゃんのサイボーグ体を乗っ取る形を取り、犯行を実行させたチームの幹部の直接責任が問われたんだ。
サイボーグというハイブリッドな新人類は、人間が作りだしたものであり、作り出した人間たちの操作により、
意のままに操られるロボットになり得る可能性がある存在として、どの様に人権を守るのかや、
身体のコントロールを第三者に握られたときの犯罪責任について、明確な判例を出しているんだ。」

ユ:「だって、第三者にコントロールされている場合は、普通の人間でも犯罪責任が問われないわよね。
それと同じじゃないの?」

55manplus:2007/10/04(木) 02:07:51 ID:6ARETUKP0
ミ:「央子ママ、それが違うのよ。サイボーグの場合は、事情が少し違うのよ。
その時のサイボーグが完全に生体脳の意識まで奪われた、完全なロボット状態ならそうかもしれないけれど、
そうなったら、ロボットという機械と認定されて、犯罪責任は消えるけれど、この時のつぐみ様には、
意識があって自分が罪を犯しているという判断は出来た訳なの。それに、殺人を犯したことは記憶に残ってしまった。
でも、自我があっても、身体がいうことを効かない、精神的な感覚も薬物によって制御されていて、
視覚や聴覚から生体脳に入ってきた情報を認識は出来るけれど、行動司令を生体脳が身体の各部位に送れない
状況下だったの。その状況下でサイボーグが犯罪に荷担したときに、そのサイボーグ本体を犯罪に問うのかという事なの。
ロボットと違うのは、身体の操作権は第三者に握られているけれど、サイボーグはあくまでも、
傍観者のように生体脳が置かれていたとしても、自我が、反抗の時点であるということなの。」

セ:「ミンメイの言うとおりなんだよ。意識があって殺人をしたという認識ができるのに、
そのような人間を身体が勝手に人を殺してしまったという理由で無罪に出来るのかと言うことなんだ。
でも、結果的に、身体の全てを操られて自分の意志が身体に届かない状態は、殺人にも、
殺人幇助にも当たらないという判決に落ち着いたんだけれどね。でも、我々は、
サイボーグの人権を遵守することを改めて約束しなくちゃいけないんだと固く再認識する事件になったんだよ。」

ユ:「自分の意志で身体が動かないか・・・。何者かが勝手に自分の身体を動かしているのに、
それに抗うことが出来ないなんて・・・。」

やっと、少し落ち着きを取り戻した森田がつぶやくように結城の言葉に答える。

ツ:「はい。自分自身が愛する人を殺しているのを間近で見ているのに、それを止めることが出来ず、
息を引き取るのを見ているのがどれほどの地獄か・・・。その間の時間の経過がどんなに長く感じられたことか・・・。
このまま、自分は気がふれてしまえば、何も解らなくなる、そうすれば、この地獄から出ることが出来るのにと思いました。
でも、神様は、私にそのようなことをお許しにならなかったんです。」

56manplus:2007/10/04(木) 02:08:34 ID:6ARETUKP0
ユ:「つぐみちゃんは辛い思いをしたのね。」

セ:「ああ、実際に、ほとんどのサポートスタッフは、精神的なショックで一人を殺したところで廃人になってしまった。
だから、サポートスタッフでデーターの再インストールにより、新しい担当の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに付けられたのはほんの数人だった。
そして、その彼らも、その二人目のドライバーを手にかけた時点で、つぐみちゃん以外のサポートスタッフは、
廃人となっちまったんだ。みんな、サポートスタッフとしては、超がつくほど優秀なスタッフばかりだったんだ。
その職業意識が何とか、この悲劇を後世に伝えようとして、精神の崩壊をギリギリのところで食い止めたのだと思う。
でも、さすがに二人目を殺した時には、精神的に崩壊する自分を食い止めることが出来なかったんだ。
いくら、生体脳の記憶領域まで強引にデリートをかけたとしても、人間の生体脳は、そんな単純じゃないから、
潜在意識に恐怖や屈辱の体験が残っていたんだ。だから、二人目を殺すという時に、過去の自分の悲劇が蘇って、
ダブルの精神的打撃を結果的に与えることになったんだ。でも、つぐみちゃんは、
精神が崩壊するのをギリギリのところで踏みとどまっていたんだ。でも、喜美香が、
そのチームの秘密収容所でつぐみちゃんを発見した時、つぐみちゃんは、精神的な消耗が激しくて、
見るも無惨なほどに憔悴しきって、若さすら吸い取られてしまい、老婆の姿になっていたらしいんだ。
だから、通常のサポートスタッフのようなサイボーグ体の再改造以上の処置を行ったんだ。
老化した姿になってしまったサイボーグ体を元のような姿に戻すことや、薬物でボロボロになった組織を
電子機器に置き換えること、身体組織でガタが来ている組織を人工器官へ交換する手術を行った結果、
サポートスタッフとしては、異例なのだけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー並みか
それ以上の改造化率を持ち、機械と電子機器がほとんどのサイボーグ体に生まれ変わったんだ。」

ミ:「つぐみ様は、簡易宇宙服で宇宙空間に出ても生命維持が可能なほどのサイボーグ体なんですよ。」

ユ:「そうなんだ・・・。」

57manplus:2007/10/04(木) 02:09:15 ID:6ARETUKP0
セ:「それに、過去の記憶が蘇ってしまって、瞳ちゃんのデーターをサポートコンピューターに入れても、
過去の二人の記憶も併存する形になっているから、サポートスタッフとしては異例なんだが、
過去の二人の記憶を残したまま、瞳ちゃんをサポートしているんだ。そうしないと、つぐみちゃんの
心が壊れてしまうから仕方のないことなんだけれどね。」

ユ:「つぐみちゃんは、悲しい思いを一杯したんだね。」

結城は、瞳の身体にすがりついている森田の身体をそっと抱き寄せた。

ツ:「央子ママ、本当にお姉様みたいです。」

結城が森田をさらに強く抱きかかえた。

セ:「トミタとカンダがもっと強く忠告をしていれば好かったんだ。
もっと強い心でヨーロッパチームを押さえれば好かったんだ。」

ヒ:「パパが、後悔することはないよ。いつかは誰かが起こす可能性のある事件だったんだ。
だから、今後、二度とこんな悲劇を起こさないようにチーム全体もスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーも
強い心で律して行かなきゃいけないんだ。」

ユ:「瞳ちゃん、強いんだね。」

ミ:「瞳様のその強さが、私は大好きです。つぐみ様の強い忍耐力も大好きです。」

セ:「ミンメイらしいな。瞳ちゃんだけじゃなく、つぐみちゃんにまで恋しちゃったんだから・・・。」

ユ:「でも、つぐみちゃんは、何でサポートスタッフになろうとしたの?」

58manplus:2007/10/04(木) 02:20:51 ID:6ARETUKP0
ツ:「私、もともと、モータースポーツを観戦するのが好きだったんです。それで、いつかは、
モータースポーツ界に関わる仕事がしたいと思っていたんです。でも、運動神経が好いわけじゃないから、
ドライバーにはなれないし、機械音痴だからメカニックなんて絶対無理。でも、どうしても関わりたいと思っていたら、
スーパーF1というカテゴリーが出来て、サポートスタッフという職業があるということを聞いたもので応募したんです。
人のお世話をするのなら、私の得意分野ですし、女性のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに付くことが
出来たら、ひょっとしたら恋が芽生えるかもしれないなんて言う甘い考えもあったりして・・・。」

セ:「確かに、つぐみちゃんがドライバーなんて、実感はないよな。公道上でも、うちで言ったら、
スーパーSP7に乗っている姿は想像できないけれど、メロディアやフローラに乗っている姿は容易に想像できるものな。」

ツ:「放っておいてください。どうせ私は、運動音痴ですよっ!
でも、まさか、自分もサイボーグにならなきゃいけないなんて思ってもみなかったんです。
でも、自分の運動能力や機械に対する知識が、サイボーグ体の機械システムや
電子機器によって向上したのがラッキーかなって思っています。」

ミ:「つぐみ様ったら、可愛いんだから・・・。それに、才能がないなんて言わないでください。
そんな人が、A級ライセンスなんて持っていません。」

59manplus:2007/10/04(木) 02:22:14 ID:6ARETUKP0
ツ:「ミンメイさん、ありがとう。でも、まさか、最初に担当したスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが
男だったのはショックでした。今まで、男は汚らわしい存在でしかなかったから、触ることも出来ないんじゃないかと
思ったんです。でも、フランツは違いました。紳士で、物静かで、しかも中性的なところもあったから、
フランツとうまくいくことが出来たんです。そして、二人目が女性だったんです。レミに付いたときは、
私、本当に嬉しかった。レミも私の気持ちを理解してくれて、あんな事にならなければ、レミが引退したら、
結婚しようねって言っていたんです。レミの心が壊れる前の日は、チェコグランプリの決勝の前日で、決勝が終わったら、
レミのご両親に婚約者として紹介してくれることになっていたんです。でも、決勝レースの途中で、
レミの心が壊れてしまった・・・。私とデートがしたくて、腕を組んで歩きたいがために、レースのない日に手脚を
付けることをレミは望んだんです。わたしが、レミを追い込んだも同然なんです・・・。
だから、レミにも、レミのご両親にも申し訳なくて・・・。そして、3人目が、今のご主人様である速水瞳という
ドライバーなんです。私、ご主人様を担当することが決まったとき、正直言って逃げてしまいたかった。
だって、私のような者が、モータースポーツ界の至宝とまで言われる方のサポートスタッフになって好いのかと
思ったんです。はっきり言って、ご主人様のF1での最終戦をスタンドから見せていただいたとき、
こんな凄いドライバーはいないって思いました。本当に女王陛下なんですよ。ギアが途中から2速から4速まで入らなくて、
一速と5速、6速と7速だけで誰よりも速く走るドライバーなんてみたことがなかったものですから。
でも、フランツを女性にしたようで、しかもレミのように明るくて人気者なご主人様に惹かれていく自分がいたんです。
だから、ご主人様のサポートスタッフになれば、自分も何かが変わるんじゃないかって思えたんです。」

ユ:「それで、どうだったの?」

森田は、ちょっとはにかんだように微笑んで、

60manplus:2007/10/04(木) 02:22:55 ID:6ARETUKP0
ツ:「私、変われた気がしています。それに、ご主人様は、フランツともレミとも違うことが解りました。
ご主人様は、決して周囲を責めない、だから、チームでの信頼感が抜群なんです。だから、
女王陛下と呼ばれるに相応しいんです。まさに、“プリンセスヒトミ”なんです。そして、
本当は寂しがりで独りぼっちを嫌うところが可愛いんです。」

ミ:「瞳様は、本当は他人に気を使われる繊細な方ですよね。」

ヒ:「ミンメイちゃんも、やめてよ。私はそんな繊細じゃないよ。」

ツ:「そんなことないですよ。でもね、ご主人様がレミやフランツと決定的に違うところは、魔法が使えるんですよ。」

セ:「まさか・・・。つぐみちゃんまで瞳ワールドに感染しちゃったか?」

ツ:「美濃田監督、本当ですよ。ご主人様は、魔法使いです。だって、ご主人様の胸の谷間に顔を埋めて、
ご主人様を抱きしめると悲しみが消えるんですよ。」

セ:「そういうことか・・・。瞳ちゃんの胸は、つぐみちゃんの指定席だもんな。」

ユ:「そうか、つぐみちゃん、幸せなのね。」

ツ:「はい。」

森田は、結城の言葉に短く答えると、本当に幸せそうな笑顔を作った。
その笑顔から、森田の今の気持ちを結城は容易に察することが出来たのだ。
森田の笑顔を羨ましく思っていた結城に美濃田が話しかけた。

61manplus:2007/10/04(木) 02:32:59 ID:6ARETUKP0
セ:「あっ、そうだ。ママ、あれを作ってくれないか?」

ユ:「美濃田さん、そうだったわね。作ってくるわ。ちょっと待っていてね。」

結城が美濃田に言われて厨房に入っていった。



ミ:「美濃田監督。私、つぐみ様のようなサポートスタッフが、本当に欲しいです。」

セ:「大丈夫だよと言いたいけれど、ミンメイのリクエストがきつくてね。」

ヒ:「ミンメイちゃんのリクエストって?」

ツ:「ご主人様、ミンメイさんの性癖ですもの・・・。そんな特殊な性癖の人はなかなかいませんもの。」

セ:「つぐみちゃん、そうなんだよ。なかなか、ミンメイに合うようなサポートスタッフ候補が見つからなくてね。」

ヒ:「それに、ミンメイちゃんみたいに自ら進んでサイボーグになるというか、
サイボーグになることが嬉しいという人間がいるのかなあ・・・?」

ミ:「そんなことありませんッ!瞳様だって、つぐみ様だって、望んで改造手術を受けているじゃありませんか?」

ツ:「そういわれれば・・・、そうとも言えますが・・・、ミンメイさんの希望をかなえるとなると・・・、相当な覚悟が・・・。」

62manplus:2007/10/04(木) 02:33:41 ID:6ARETUKP0
セ:「俺も、つぐみちゃんの考えなんだ・・・。というか、現実に、ミンメイの望むサイボーグの仕様が、
国際自動車連盟の仕様をかなり拡大解釈する必要があるものだから、審議の対象になっているんだよ。
もちろん、自分自身の仕様もだが、サポートスタッフの仕様に関してもなんだ。
もちろん、サポートスタッフに関する限り、国際自動車連盟が許可を出しても、
その改造手術を受け入れてくれるサポートスタッフ候補がいるかが問題なんだ。」

ヒ:「そうか・・・。パパが言っていることも、つぐみさんの心配も、そこの部分か・・・。」

ミ:「きっ、きっと、私にあったサポートスタッフ候補が見つかるはずです。瞳様もつぐみ様も協力してください。」

ヒ:「探し出せる確率から言えば、タスマニアタイガーか日本狼クラスかなあ・・・?」

ツ:「ご主人様、まだ考えが甘いと思います。たぶん、火星の生物・・・といったところかも・・・。」

ミ:「ウェ〜〜〜〜ン!そんなこと言わずに、お二人とも、情報提供をお願いします・・・。
私の理想の人を探してくださいッ!」

セ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、本当に誰か心当たりはいないかな?」

ヒ・ツ:『・・・。』



63manplus:2007/10/04(木) 02:34:23 ID:6ARETUKP0
3人の会話を中断するように、結城がみそ煮込みうどんを持って厨房から戻ってきた。

ユ:「さあ、出来たわよ。名古屋一美味しい味噌煮込みうどんが。」

ツ:「美濃田監督、味噌煮込みうどんの美味しいお店って、ここだったんですか?」

セ:「そうだよ。つぐみちゃんの舌にも、絶対に合格すると思うんだ。」

ヒ:「つぐみさん、美味しそうな匂いだよ。」

ツ:「本当だっ!!」

ユ:「みんな、熱いから気を付けてね。昼間は暑いけれど、夜になると冷え込むし、お酒の後はこれが一番よ。」

ヒ・ツ・ミ・セ:『いただきま〜〜〜す。』

みんなが声を揃えた。森田は、まず瞳の口にうどんを一口持っていった。

ヒ:「あっ、熱い・・・ッ!でも、美味しいよ。」

ツ:「ご主人様、ごめんなさい。充分に冷ましたつもりなんですが・・・。」

ユ:「大好物を目の前にしても、つぐみちゃんは、瞳ちゃんへの献身が優先なのね。」

セ:「サポートスタッフの業務を忠実にこなすつぐみちゃんは、やっぱり、サポートスタッフの鏡だな。」

ミ:「でも、それだけじゃなく、つぐみ様の瞳様への愛情から来る献身も感じられます。」

ユ:「そうね。つぐみちゃんは、本当に瞳ちゃんを愛しているのね。・・・なんか、見ていると妬けちゃうな・・・。」

64manplus:2007/10/04(木) 02:42:49 ID:6ARETUKP0
結城が、瞳と自分の口に交互にうどんを運ぶ、森田をみて呟いた。

ツ:「本当に、美味しいです。今まで、色々なお店で、味噌煮込みうどを食べましたが、
央子ママの作った味噌煮込みうどんが一番です。」

ユ:「つぐみちゃん、満足してくれた?」

ツ:「はい。もちろんです。」

 全員の煮込み鍋がほぼ空になったところで、美濃田がみんなに声をかけた。

セ:「さて、そろそろ帰ろうか?ミンメイ、明日は9時に待っているよ。
他のお二人さんは、9時半に迎えが行くから、いいね。」

ミ:「はい。」

ユ:「瞳ちゃん、つぐみちゃん、ミンメイちゃん、これが私の連絡先よ。何かあったら連絡してね。
美濃田さんにも言えないことや、メグにも言えないことがあったら、私が相談に乗るからね。」

ヒ:「央子ママ、ありがとう。名古屋に来たら、また寄ってもいいかな?」

ユ:「瞳ちゃん、もちろんよ。」

ヒ:「ありがとう。今週末は頑張るからね。絶対レース観てね。」

ユ:「うん。」

セ:「俺としては、程程に頑張ってくれるくらいが丁度好いんだけれどなあ・・・。」

美濃田のぼやきが名古屋の街にむなしく響くのであった。
65manplus:2007/10/04(木) 02:58:34 ID:6ARETUKP0
今日はここまでです。
ここのところ、少しまとめて書くことが出来ましたので、精力的に投稿しました。

今回は、美濃田の視点からのつぐみの過去。
瞳がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになって、最初はどの様に感じたのか。
サイボーグの身体が他人の意志で動かされた時、意識だけある時にやったことは、
一体どうなるのだろうかということを考えてみました。

>>20さん、ハミルトンとアロンソの関係、奇しくも、瞳と鈴木エマの関係ということで、
本編で同じような状況をふれています。

機械の身体を酷使するのは、ヤギーワールドだと、古堅部長だけではなく、深町さんも
パラリンピックに出るためや仕事のために酷使していそうですね。
メンテが普通の人より頻繁に入れないといけないのかも・・・。

前スレ>>467さん
特殊な作業用の身体のため、その作業時以外は、生命維持装置に繋がれていないと、
生きていけないようになっているというシチュエーションは萌えます。
普段は、外部生命維持装置が装備された部屋で、その装置から延びる沢山のコードや
ホースを引きずりながら生活しなくてはいけなくて、任務の時だけ、それらを外して、
活動することが許されるような娘の登場するSSの設定も考えて、いつか投稿してみたいと
思っています。
66名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 20:56:28 ID:EGIgQAM60
緻密な設定を組んでる人だからこそ気になってしまったんだが。

プロストは雨は超苦手だったはずだぞ…。
セナは「嫌い」とは言ってたが速かった。
67名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 22:41:46 ID:n2JALsIM0
手足に内臓されたバッテリ、経年劣化で容量低下
処分時にリサイクル料金を取られる法律成立
施行前に手足ごとポイ
胴体内の小さなバッテリを充電するため、ダルマ状態で繋がれっぱなし

という性奴隷サイボーグのSSを作りかけたけど未完放置のまま。

>>66
そこでアレジ登場ですよ。
68名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 23:02:31 ID:fND4SKsY0
記憶では雨でもどんな条件でも完走して、なぜか最後には表彰台に立っているという
印象が強かったので、WikiPediaで調べてみました。

プロストは雨が嫌い?

という項目がありましてなかなか興味深いエピソードがありますね
69名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 01:51:25 ID:MLO2MzjM0
>>67
久しぶりに来てみたら、67さんが萌えるアイデアを出しているではないか。そういうかわいそうなサイボーグに萌え!!
期待しております!!
70名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 07:41:06 ID:f0ohnElQ0
「手足なんて飾りです 偉い人にはそれがわからんのですよ」
って感じですか(´・ω・`)
71名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 21:39:03 ID:hdC4sVEd0
ダルマでは全く動けないのでせめてハイハイできる程度の手足と
バッテリー内蔵型だと発熱が問題なので大半の電力は
コンセントからだと動ける範囲が狭くて性奴隷サイボーグ向けっぽいな
72manplus:2007/10/08(月) 16:48:54 ID:wlNYNE+S0
 翌日の朝、ミンメイは、瞳たちより一足先にトミタ本社に着いて、美濃田と契約書を交わしていた。
国際自動車連盟からの裁定は、条件付きながら、ミンメイが望む、身体変更処置を認める内容であったため、
契約はスムースに進んだのである。

美濃田誠一郎(以降、セ):「これで、ミンメイも来々期は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、
スーパーF1に参戦することになるんだよ。」

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「はい。夢のようです。」

セ:「ミンメイの所属事務所とは、俺の方から連絡を取ってある。来年の8月一杯での、
一時的契約停止ということで了解を取ってある。後は、ミンメイ自身が直接、事務所に行って、
ドライバーの現役引退時点までの芸能活動停止の契約書に署名するだけにしてある。」

ミ:「ありがとうございます。来年の今頃は、サイボーグ体の慣熟訓練中なんでしょうね・・・。」

セ:「ああ、でも、その前に、東南アジアF2での最終年、気合いを入れてくれよ!速水瞳とまではいかないが、
ミンメイも、通常のドライバーとしての最後の年に活躍することを忘れないでくれ。」

ミ:「はい。もちろんです。でも、瞳様のように、シーズン完全制覇までは・・・。」

セ:「ああ、瞳ちゃんは化、け物だからね。無理に追いつこうとしなくて好いよ。でも、彼女の好いところは、見習って、
徐々に、瞳ちゃんに追いつくように努力して欲しいんだ。いっぺんに、瞳ちゃんに追いつこうとしても、さすがのミンメイでも、
消化不良の心配があるからね。」

ミ:「はい。よく解っています。」

セ:「それじゃあ、瞳ちゃんと、つぐみちゃんが、もうすぐ着くから、二人と一緒に鈴鹿に行ってくれ。
東アジアグランプリを観てから、帰国するように航空券やスケジュールの手配をしてあるからね。」

73manplus:2007/10/08(月) 16:49:36 ID:wlNYNE+S0
ミンメイとかわした契約書の束をひとまとめに整えながら美濃田がミンメイに指示を出した。
もう少しの間、瞳と森田と一緒にいれると言うこと、そして、東アジアグランプリが見られると言うことで、
高鳴る胸の鼓動を押さえきれないほどの興奮を覚えるミンメイが、興奮気味に美濃田の指示を聞き返した。

ミ:「本当ですか?東アジアグランプリも観戦して好いんですか?」

セ:「ああ、もちろんだとも。東アジアグランプリでスーパーF1のトップドライバーたちのレースを見るのも
勉強のうちだからね。それから、東アジアグランプリの間も、瞳ちゃんたちと一緒にいて好いよ。
グランプリの翌日の関空からの飛行機でシンガポールに帰国してもらうようにしてあるからね。
日本にいる間は、二人と一緒にいてもいいよ。」

ミ:「本当ですか・・・。感激です。」

セ:「ミンメイは、瞳ちゃんのレーサーとしての好いところ、そして、瞳ちゃんとつぐみちゃんの女性としてのすばらしさに
出来る限り接していて、その好さを自分のものとして吸収して欲しいんだ。それに、いずれにしても、
二人にはしばらく会えなくなるから、二人との世界を充分に楽しんでくれ。」



74manplus:2007/10/08(月) 16:50:31 ID:wlNYNE+S0
美濃田の部屋をノックする音が聞こえた。

セ:「入っていいよ。」

美濃田が返事をするとドアが開き、森田に押されてスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用移動用台車に
固定された瞳が入ってきた。

速水瞳(以降、ヒ):「パパ、ミンメイちゃんとの契約は今度こそ済んだの?」

セ:「ああ、瞳ちゃんとつぐみちゃんにも心配かけたけれど、何とか国際自動車連盟からの裁定も降りたし、
それがミンメイにとって歓迎できるラインの裁定だったから、無事にミンメイを来々期、
トミタのスーパーF1チームに繋ぎ止めることが出来たよ。」

セ:「瞳ちゃんの良きライバルが一人増えたと思ってくれよ。」

ヒ:「うん。ミンメイちゃん、よろしくね。来々期、カンガルーリンクの初戦で待っているからね。」

ミ:「よろしくお願いします。瞳様。」

森田つぐみ(以降、ツ):「美濃田監督、昨日言っていたミンメイさんのサポートスタッフの件ですが、
そちらの方で目処は立つのですか?」

セ:「それが問題なんだよ。ちょっと頭が痛いんだ。」

ヒ:「ミンメイちゃんと同様の極度のサイボーグフェチということが条件だもんね。それも女性か・・・。」

ツ:「ご主人様、性別は関係ありませんわ。男性でも、女性のサイボーグ体にしてしまった上で、
女性としてのデーターを体内サブコンピューターにインプットして、生体脳の男性であったという意識を
コントロールしてしまえば、完全な女性サイボーグが完成しますもの。どうせ、ミンメイさんのサポートスタッフにするには、
サイボーグ改造手術の改造度合は、私ぐらいかそれ以上のものになるのですから、素体の性別は関係なくなるはずです。」

75manplus:2007/10/08(月) 16:59:28 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさんと同じかそれ以上というと、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー並みかそれ以上の
改造手術ということだものね。完全にメスを入れていない部位は無いというぐらいのサイボーグ手術ということか・・・。」

ツ:「そういうことです。そういう条件下でなら、ある程度の女性への変身願望を潜在的に持つ男性素体なら、
女性よりも女性らしい女性サイボーグになるはずですし、潜在的な男の部分から来る判断力などで、
きっと優れたサポートスタッフになるはずなんです。」

セ:「つぐみちゃんの言うとおりなんだよな。男性素体でも、男性として生きてきた記憶も支配するようにして、
自分がもともと女性であったように精神コントロールを出来るだけの改造比率になると思うから、
潜在的な部分でしか男性だった記憶は残らない。だから、女性でも惚れ惚れするような
女性サイボーグになるはずなんだ。それに、もともと、優秀なサポートスタッフは、
男性部分と女性部分の両方を潜在的に持っているからね。つぐみちゃんだって、
潜在的に男性的な部分を持っているから、瞬時の判断が出来たりするんだよ。
だから、“伝説のサポートスタッフ”と言われるだけのスキルがあるんだ。」

ヒ:「なるほどね。」

ツ:「美濃田監督そんなことないです。私は、ピュアな純度を誇る女性です。
男性が潜在的に自分の中にいるなんて事実は、絶対的にあり得ませんっ!!
自分がそんな存在である事態になったのなら、今日、今にでも、
自動自殺システムを作動させて死んでしまいます。なんという汚らわしさっ!自分が汚れていることを恥じなくては・・・。」

セ:「ちょ、ちょっと、つぐみちゃんっ!何もそこまで思い詰めなくても・・・。」

ヒ:「パパ、つぐみさんにとっては、自分の中に男性がいることなんて許せないことなんだよ。
つぐみさんにとっては、男性という性は存在しないに等しいんだよ。」

76manplus:2007/10/08(月) 17:00:34 ID:wlNYNE+S0
セ:「そんなこと言っても、俺は男だよ。」

ヒ:「パパは、別格なの。パパのような優しさを持つ男性が近くにいても問題はないの。つぐみさんだって、
本当のお父さんまで否定しないもの。そうじゃなくて、男性が恋愛や好意の対象としては、
つぐみさんの場合は存在しないと言うことなの。」

ミ:「美濃田監督、そういうことなんですよ。極度のビアンであるセパレイティストというものは、
そういう感性を持っているのです。」

セ:「俺には解らないが・・・。つぐみちゃん、俺は、つぐみちゃんの判断力を褒める意味で・・・。」

ツ:「美濃田監督、ありがとうございます。でも、判断力が男性だけのものではなく、女性にもあるのです。
そして、私は、ピュアな女性なのです。それを理解して欲しいのです。」

セ:「つぐみちゃん、解った。俺の表現が悪かった。」

ツ:「解ってくだされば、嬉しいです。」

瞳とミンメイの顔に安堵の表情が広がった。二人にとっては、森田が性癖からくる不快感を引きずられると、
この後に響くことへの恐怖感があったのである。
二人にしてみれば、森田の女性らしさからくる不機嫌さや精神的な不安定さが、後々、
自分たちに影響を及ぼすことが怖かったのである。
だから、美濃田の謝罪にあっさりと森田が従ってくれたことによる安堵感からの表情なのである。

ツ:「美濃田監督の言われることは理解できますが、私の概念の中に男性は存在しないだけなのです。
それを理解してくださればいいのです。」

77manplus:2007/10/08(月) 17:01:16 ID:wlNYNE+S0
セ:「そうか・・・。」

美濃田は、森田の念押しの言葉に改めて溜息をついた。

ツ:「ところで、美濃田監督、私、ミンメイさんの性癖に合う人をと思って、昨日の夜、一生懸命考えたのですが、
その結果、私の知る限りで候補者が何人かいるのですが、クリアしないといけない問題があるんです。
それを解決すれば、この中で最低一人は、ミンメイさんのお眼鏡に叶うサポートスタッフになると思うのです。」

ミ:「つぐみ様の思いつく人って、どなたですか?」

セ:「つぐみちゃん、教えてくれるかい?」

ツ:「はい。実は、ローミーのサイボーグ調整技師のメカニックの娘で、メカが好きで、
サイボーグヒロインが大好きな娘がいました。それから、サイボーグヒロインに子どもの頃憧れて、
今でも携帯の待ち受けがサイボーグヒロインという男の子が、これも、ローミーのデーター分析メカニックにいました。
この男の子は、自分が男であるということに納得のいかないみたいなことを言っていたと思います。」

ヒ:「つぐみさん、いつ、そんなこと知ったの?」

「二人とも、練習走行の間、吸い上げるデーターがないので、暇で“カンダスーパーガールズ”のガレージの前を
歩いていたところ、私がガレージの奥でうずくまっているのを不審に思って声をかけてきてくれたのです。」

ミ:「まあ、つぐみ様のように、ガレージの奥の角でうずくまって震えているスタッフなんて、
スーパーF1界でつぐみ様だけですものね。」

ツ:「はあ・・・、以前から、カンダスーパーガールズのガレージでうずくまっている私を見て、気にしていたのだそうです。」

78manplus:2007/10/08(月) 17:12:20 ID:wlNYNE+S0
セ:「そうだよな。誰が見ても、つぐみちゃんの姿は異常だもの。」

ミ:「私たちの世界では、それが可愛いと評判なのですが・・・。」

ツ:「そうなんだそうですね。サイボーグヒロインらしからぬ姿がサイボーグフェチにはたまらないと二人も言っていました。
二人も、前から声をかけたかったそうなんですが、あまりに怖がっている姿に、遠慮して、遠巻きにしていたのだそうです。
それに、男の子の方は、自分が声をかけたら不機嫌になるだけだという理由で遠慮していたそうです。」

ヒ:「大体、つぐみさんの震える姿が可愛いとか何とか言っているけれど、私には信じられないんだよ。
だって、私の前では、つぐみさんは、いつも可愛くて明るいし、仕事はてきぱきとこなしているし、
私のことを誰よりも思ってくれているし、もしもの時は、私に勇気を与えてくれる存在なのに、
そのつぐみさんがそんなに怖がって震える姿なんて信じられないんだよ。」

セ:「瞳ちゃんはそうだろうね。瞳ちゃんに何かあるといけないから、それが怖くて、瞳ちゃんがマシンの中にいる間、
つぐみちゃんは瞳ちゃんのマシンを心配で見ることが出来ないんだからね。」

ツ:「だって、ご主人差に何かのことがあったらと思うと・・・。だって、時速800キロの世界ですよ。
少しでも操作を誤ったら・・・。」

ヒ:「つぐみさん、大丈夫だよ。私は、事故を起こすようなヘマはやらないよ。」

ツ:「ご主人様のドライブは信じています。でも、貰い事故ということだってあるのですから・・・。
バックマーカーの複数台を抜くとき、その集団が熾烈な順位争いをしていて、その中で誰かがミスをしたら、
ご主人様がその時、その複数台を一気に抜いている最中だとすれば、万が一のことだってあるんですよ。」

ヒ:「つぐみさんは、心配性なんだから・・・。」

79manplus:2007/10/08(月) 17:13:01 ID:wlNYNE+S0
ミ:「でも、瞳様、気を付けてくださいよ。アンコントローラブルなマシンに遭遇するケースだってあるんですよ。
そんなとき、アンウィルフルな事故に遭遇することは考えられます。過信は禁物です。」

ヒ:「ミンメイちゃんも心配すること無いって。私には、大体予測できるから大丈夫だよ。
ドライバーの経験値とか、路面状況も含めてね。」

セ:「瞳ちゃん、それでも気を付けることだよ。ルカやミラーやマリアだって、
アンウィルフルアクシデントの原因になり得る確率もあるんだからね。
瞳ちゃんのように全てを予測して確率的な処理をして、全ての偶然を排除できるドライバーなんて、
モータースポーツ界の歴史の中でも、せいぜい、瞳ちゃんとセナとミハエル、それに、フェルナンド、
ハミルトンくらいのものだと思うよ。それも、瞳ちゃんのレベルは桁が違うからね。」

ヒ:「みんなが心配してくれるのは嬉しいけれど、そんなことを言っていたら、レースにならないもの。」

ミ:「まあ、瞳様のいうとおりなのですが・・・。瞳様の技術は飛び抜けているだけに、かえって心配です・・・。」

ツ:「ミンメイさんも、そう思うでしょ。」

ミ:「でも、つぐみ様のように、練習走行すら怖くて見られないというのも極端だと思うのですが・・・。」

ツ:「だって、心配なんだもの。私は、もう、このご主人様しか生涯添い遂げるお方はいないと思っているでしょ。
だから、余計に怖いのよ。」

セ:「つぐみちゃんの過去のトラウマかもな・・・。」

ツ:「最後の人なんだと思うと・・・、思えば思うほど、ご主人様が大事に思えて、そうすると心配になって・・・、
見ていられなくなるのです。フランツやレミの時はここまで心配をすることはなかったんですよ。
でも、ご主人様にお仕えするようになって、自分の中の心配性な心が激しくなったんです。
ご主人様が、フランツやレミとは比べものにならないほどの偉大なドライバーなんだと思うと余計心配になるのです。」

80manplus:2007/10/08(月) 17:13:56 ID:wlNYNE+S0
ミ:「そういうものかもしれませんね。偉大なドライバーの方がギリギリのところで勝負している、
そのギリギリが、私たち一般的なドライバーとは比べものにならないぐらいのギリギリなのですからね。」

セ:「そうだな。ミンメイの言う通りかもな。」

ヒ:「そうだね。私は、みんなが言うほど偉大な存在じゃないけれど、つぐみさんを悲しませないように細心の注意を
払うから・・・、だから、つぐみさん、一度でいいから、私のレースを見てよね。私がトップでチェッカーを受けるところを
誰よりも、つぐみさんに見て欲しいんだもの。」

ツ:「解りました。努力してみます。」

“努力する。”と瞳の前では、空元気を出した森田であったが、実は、この後も、
瞳の走る姿を瞳が現役を引退するまで森田は見ることはなく、ガレージの奥の角の指定席でうずくまり、
ただ耳と目を一生懸命ふさぎ震えているだけであった。
そして、その森田の姿が、今後とも、スーパーF1の風物詩の一つであり続けるのであり、レース中継で、
テレビクルーが、レース中にコース上の映像やピットの監督の映像と共に、
森田の姿を中継映像として世界に配信するまでになったのであった。

ツ:「それで、話を戻すんですが・・・、その時も、私が必死で耳と目を押さえていると、
私をのぞき込む影が二つあったのです。二人は、“速水選手に間違いはないから、
事故を起こすことはないよ”といって、私を勇気づけてくださいました。
そして、“怖いと思ったら私たちが勇気をあげに来ます”といって励ましてくださったんです。
それ以来、ご主人様がマシンの中に設置されているとき以外で、私の手が空いているときに、
お二人とは、色々なことを話すようになったのです。」

ヒ:「そういうことなんだ。つぐみさんがナンパされたという訳か・・・。」

ツ:「違いますッ!!私はご主人様以外の方には・・・。」

81manplus:2007/10/08(月) 17:25:13 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさん、いいんだよ。つぐみさんを大事に思ってくれる人は、私にとっても大事な人なんだ。
つぐみさんにそんな友達がいることが私は嬉しいんだ。」

ツ:「ご主人様、ありがとうございます。」

セ:「それで、その二人の名前は?」

ツ:「女性の方が、ルミ子=ショッテンハイマーといって、ベルギー人と日本人のハーフだといっていました。
男性の方が、ハイド=アルベルトといって、ユダヤ系ドイツ人だといっていました。お二人とも、確か、
ミンメイさんと同い年だと思います。それに、ルミ子も美形だし、ハイドも男生徒は思えないほどの素晴らしい美形なんです。」

森田の話を聞いて、美濃田は溜息をついて、遠くを見つめた。

セ:「そうか・・・、ミンメイにピッタリかもな・・・。でも、ローミーというのがなあ・・・。キンバリーか・・・。」

ミ:「美濃田監督どうしたんですか?キンバリー監督と何か?」

ヒ:「ミンメイちゃん、パパとキンバリーとの関係は最悪なんだ。恵美さんがらみの事件で、
昔は仲がもの凄く良かったんだけれど、今は最悪の関係になったんだよ。」

セ:「瞳ちゃんも当事者の一人だろ?マリアと一緒に・・・。」

ミ:「えっ?!瞳様とリネカー選手も絡んでいるんですか?」

ヒ:「まっ、まあね・・・。でも、恵美さんが無茶しなければ、こんなことにならなかったんだよね。」

セ:「まあね。恵美さんも、さすがに瞳ちゃんの師匠だけのことはあるからなあ・・・。
でも、そもそもの原因を作ったのは、瞳ちゃんとマリアだし・・・。」

瞳が得意の“笑って誤魔化し攻撃”に移ろうとしていた。

82manplus:2007/10/08(月) 17:26:39 ID:wlNYNE+S0
ミ:「かなり、ハチャメチャな状況の修羅場だったんでしょうね。」

ヒ:「ヘッヘッヘッ。ミンメイちゃん、この話は、詳しく語れないけれど、パパは悪くはないんだけれど・・・、
この時のことが原因で、キンバリーはフェラーリを追われて、ローミーに拾われたんだ。
だから、パパや私に対しては逆恨みに近いんだけれど、恵美さんとパパ、私、マリア、そして、
カンダとトミタ、フェラーリに異常なほどの復讐心を抱いているんだよ。」

セ:「瞳ちゃんやマリアと俺の立場はまた違うぞっ!一緒にするなっ!!」

ヒ:「まあまあ、恨まれているのは一緒なんだからさ。」

セ:「瞳ちゃんも、相変わらず強引にこじつけるからなあ・・・。でも、今回のサポートスタッフの件は、
どうしても二人と会いたいし・・・。そうだっ!つぐみちゃん。俺が直接でるわけにはいかないから、
二人を誘い出してくれないかなあ?」

ツ:「いいですよ。東京グランプリの時だったら、ローミーはレースに参加出来ないはずですから、
二人はギャラリーとして観戦するはずです。その時に、私に会いに来てくれるはずですから、
食事の約束でも取り付けて誘い出します。」

セ:「つぐみちゃん、頼んだよ。でも、うちだって、下手をするとレースに参加できないかもしれないもんな・・・。
リカルドですらポイントランキングでギリギリだもんなあ・・・。
本社で、俺が書類の整理で缶詰だったら目も当てられないよ・・・。瞳ちゃん、東アジアか日本あたりで、
リカルドか信次に優勝を譲ってくれないかなあ?」

ミ:「美濃田監督、ちょっと虫が良すぎるんじゃないでしょうか?」
セ:「なんとしても、東京グランプリに出場しないといけないからな。賄賂でも何でも使うさ。」

ヒ:「パパ、そんなことしなくたって、リカルドは、東京グランプリへの出場権は絶対に取れるよ。
それに、そんな八百長に私が荷担すると本気で思うの?」

83manplus:2007/10/08(月) 17:27:24 ID:wlNYNE+S0
セ:「・・・。」

ツ:「そうですよ。ご主人様が不正に対して厳しいのは、美濃田監督もよくご存知のはずじゃないですか?」

セ:「・・・、そうだよな。冗談だよ。でも、賄賂は本当なんだ。」

ヒ:「えっ!!?パパ、どういうことなの?」

セ:「実は、瞳ちゃんにプレゼントがあるんだ。」

ヒ:「えっ?!!」

セ:「そのプレゼントで、鈴鹿に入ってもらおうと思って、今日は本社にわざわざ来てもらったんだ。
これが、そのプレゼントのキー。」

ヒ:「えっ?!!パパ、これってトミタの自動車のキーじゃない。私、もらえないよ。カンダに何と言えばいいのか・・・。」

セ:「直子さんには、許可を得てある。」

ヒ:「車種は?」

セ:「それは、ご対面してからのお楽しみ。」

ヒ:「でも、やっぱりもらえない・・・。だって、私だけ好い思いして、つぐみさんはいつも・・・。」

ツ:「ご主人様、私だったら好いんですよ。私は、ご主人様の喜ぶ顔が最高のプレゼントなんですから。」

セ:「さすがにつぐみちゃん。でも、今回は、つぐみちゃんにも、これッ。」

ツ:「えっ!!?私にもトミタの自動車のキーをいただけるんですか・・・?」

84manplus:2007/10/08(月) 17:40:27 ID:wlNYNE+S0
セ:「ああ、今回は、二人にプレゼントだよ。」

ヒ:「でも、やっぱりもらえないよ。」

ツ:「そうですよ。」

セ:「好いんだよ。是非もらって欲しいんだ。これは、俺から、ミンメイを可愛がってくれるっていってくれた瞳ちゃんと
つぐみちゃんへの感謝の気持ちなんだから。」

ヒ・ツ:『・・・。』

セ:「遠慮しないでくれ。もちろん、各大陸にも用意させているから、瞳ちゃんのコレクションに加えてくれ。
それに、つぐみちゃんのアシとして可愛がってくれ。」

ツ:「ホントに、ミンメイさんを心配されているんですね。ご主人様、ここは、大切に使わせてもらいましょうよ。」

ヒ:「そうだね。その代わりとして、ミンメイちゃんのことは、私とつぐみさんにまかせてね。
でも、私たちが高価と思っても、パパにとっては始末書と決裁書で済むんじゃ・・・。」

ツ:「ご主人様っ!!それを言ったらいけませんっ!!」

セ:「まったくっ!カンダの女どもはっ!恵美さんも直子さんも、瞳ちゃんと同じことを言うんだからな・・・。嫌になるよ・・・。」

ミ:「でも、美濃田監督、お二人とも、嬉しそうですよ。」

セ:「二人が喜んでいるのなら好いとしようか・・・。」

美濃田はそう言うと深い溜息をついた。ミンメイがそれを見て微笑んでいるのだった。



85manplus:2007/10/08(月) 17:41:11 ID:wlNYNE+S0
トミタ本社の地下にある駐車場に移動した4人の前には、瞳と森田に対する美濃田のプレゼントが並んでいた。

ヒ:「ねえ、パパ。これって、もしかして、スーパーSP7?それも、私の欲しかったダークレッドメタリックだよ。」

セ:「北米トミタにはミッドナイトブルーメタリック、ヨーロッパトミタにはフォレストグリーンメタリック、
オセアニアトミタにはデザートイエローが瞳ちゃん仕様で置いてあるから、
いつでも自分のガレージに持っていっても好いよ。」

ヒ:「パパ、感激だよっ!!!こんな凄いプレゼント、本当にもらっちゃって好いの?」

セ:「もちろんだよ。うちの将来のエースドライバーの保護者になってくれるんだから奮発したんだ。」

ミ:「美濃田監督、頬が引きつっていませんか?それに、あっちでつぐみ様が車に頬ずりしていますが・・・。」

ヒ:「つぐみさんも、喜んでいるんだよ。前々から、メロディアに乗りたいっていっていたんだもん。」

ツ:「信じられません。私がメロディアに乗れるなんて・・・。それも、一番欲しかったパステルサーモンピンクですもの。
カンダの関係者として一生を暮らす関係上、どんなに欲しくっても、一生無理だと諦めていたんですもの。」

ミ:「つぐみ様、大袈裟すぎませんか?」

ヒ:「つぐみさんの考えだと、そうなるんだよ。私のサポートスタッフでいる以上、
生涯カンダ一筋ということを心に決めているからね。それくらい、つぐみさんは真面目なんだよ。
つぐみさんは、うちのファミリーカーのミントしか持っていないもの。」

ミ:「さすがつぐみ様、律儀すぎます・・・。」

86manplus:2007/10/08(月) 17:41:53 ID:wlNYNE+S0
セ:「本当だよな。つぐみちゃんの年収なら、好きな車を買えるのに・・・。」

ツ:「だって、カンダの社員として扱っていただいていて、しかも、ご主人様が生涯にわたってカンダに
忠誠を誓われている以上、私が、カンダに対して、裏切るような行為は出来ませんもの。」

セ:「つぐみちゃんらしいよ。」

ツ:「これで、ご主人様と一緒に街に、私の運転で出かけるときの選択肢が増えました。水素イオンエンジンだから、
環境にも優しいし、静粛性もトミタのエンジンは静かだから、どんなに夜遅くマンションに戻っても、気兼ねがいらないし、
いうこと無しです。ミントと一緒に大事にさせていただきます。」

セ:「気に入ってもらえて嬉しいよ。つぐみちゃん用のメロディアも北米トミタにアイスドールホワイト、
ヨーロッパトミタにエコライトグリーン、オセアニアトミタにパステルスカイブルーを用意してあるから、
瞳ちゃんと一緒に取りに行くといいよ。」

ツ:「本当ですか?みんな、私が欲しかったカラーリングです。ありがとうございます。」

セ:「その代わり、うちのミンメイを大事にしてくれよ。」

ツ:「解っています。委せてください。それでは、美濃田監督、一足お先に鈴鹿に行っています。
ミンメイさん、私のメロディアに乗ってね。」

ミ:「つぐみ様とご一緒ですか?」

ツ:「はい。ご主人様と一緒が、ミンメイさんとしては好いのでしょうけれど、鈴鹿に着いたとき、ミンメイさんが、
ご主人様のSP7の助手席に乗っていると、パパラッチの絶好の餌食になります。」

87manplus:2007/10/08(月) 17:51:21 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさん、私なら大丈夫だよ。」

ツ:「いいえ、今回は、ご主人様の心配ではなく、ミンメイさんの心配をしているのです。ミンメイさんも、ある程度、
パパラッチには免疫があるとはいえ、ご主人様のプライベートを狙うパパラッチの量には、さすがに戸惑うと思いますし、
もし、ご主人様と一緒のところをとられたら、トミタに対して迷惑がかかります。」

ヒ:「そうか・・・。確かに、つぐみさんの言うとおりだよ。今日は、つぐみさんの車に乗っていった方が好いよ。」

セ:「さすがにつぐみちゃんだ。ミンメイ、そうしなさい。つぐみちゃんと一緒がいやなのか?」

ミ:「いいえ、私にとっては、瞳様と一緒でも、つぐみ様と一緒でも、どちらかの隣に座っているだけで嬉しいのですが、
やっぱり、瞳様の運転でのライン取りとかをもっと見て参考にしたいと思ったものですから・・・。
鈴鹿までだと、山道もあるのでライン取りが参考になるのかなと思って・・・。」

ツ:「ミンメイさん、そうだよね。でも、楽しくいこうよ。」

ミ:「はっ、はい・・・、つぐみ様・・・。」

セ:「ミンメイ、つぐみちゃんは、あんな事いっているけれど、つぐみちゃんの運転も参考になるぞ。」

ミ:「どういうことですか?」

セ:「瞳ちゃんとは違った意味で、つぐみちゃんの運転はプロ中のプロの運転なんだ。」

ツ:「えっ!?」

88manplus:2007/10/08(月) 17:52:05 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「そうなんだよ。私たちレーサーの運転は、車をより速く走らせるかを考える運転。
その上で確実性が求められるんだけれど、つぐみさんの運転は、サポートスタッフとして、
乗せているものをより安全・確実に目的地に送れるかを考える運転なの。その上で、より速くを考えるんだ。
つまり、タクシーとかバスのプロドライバーの運転なんだよ。だから、サポートスタッフのドライビングテクニックは、
プロのタクシーやバスのベテランドライバー以上の運転技術を持っているんだよ。その中でも、
つぐみさんのテクニックは、もちろん、ピカイチなんだよ。ドライビングテクニックでは、
安全を考えながらの運転をしながらでも、言い方は悪いけれど、F3000でも充分に勝てるぐらい、
ラリーやジムカーナでもそこそこの成績を残せるくらいの技術を持っているから、きっと、
ミンメイちゃんも勉強になると思うよ。私なんかよりも、基本に本当に忠実なドライビングをするからね。
運転の教科書みたいな運転なんだよ。」

セ:「俺も、つぐみちゃんの車に乗ったことが何度かあるけれど、本当に安心して乗っていられるんだ。
トラブルがあっても、冷静に対処できるスキルは凄いぞ。瞳ちゃんの運転よりある意味で、疲れないよ。」

ヒ:「ちょっと、パパの最後の言葉が気になる・・・。でも、本当だよ。警察の安全運転競技会なんかにも、
カンダの代表として出場して、優勝の常連なんだよ。警察から技能インストラクターの特別講師の資格も
与えてもらっている位なんだもの。」

ミ:「そうなんですか・・・。サポートスタッフって、何でも出来るんですね。」

セ:「そうだよ、つぐみちゃんは特別だけれど、サポートスタッフは、とにかく、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという世界一高価な荷物を、
移動の時に運ばなくちゃいけないから、どんな時にも安全が求められるしね。」

ツ:「ご主人様も美濃田監督も褒めすぎです。私だって間違いはあります。それに、性格が慎重なだけで、
運転が上手いなんてことはないと思います。それに、移動は、ご主人様の車で、
ご主人様の横に座っているだけのことが多いし・・・。」

89manplus:2007/10/08(月) 17:52:48 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「つぐみさん、謙遜しているけれど、ドイツ基準の旅客運搬免許の国際ライセンスを持っているんだよ。もちろん、
日本の大型特殊二種免許も持っているしね。」

ミ:「えっ!!?ドイツ基準の旅客運搬免許の国際ライセンスって、旅客運搬のプロドライバーの
3%しか持っていないという難関中の難関の国際免許ですよ。」

ヒ:「そう。それを持っているんだよ。つぐみさんは・・・。」

セ:「それに、つぐみちゃんは、公道上でも凄いけれど、レースでも、瞳ちゃんほどじゃないけれど、
つぐみちゃんもうちのラリードライバーをアルバイトでやってもらったことがあるくらい、レースの腕もあるんだ。」

ミ:「結果はどうだったんですか?」

ツ:「恥ずかしながら・・・。」

ミ:「いいんですよ、つぐみ様。つぐみ様はレーサーじゃないのですから・・・。」

ミンメイは、ツグミを励まそうとした。しかし、この後、ツグミの口から出た言葉は、ミンメイの耳を疑うようなものであった。

セ:「ミンメイ、つぐみちゃんの話を最後まで聞け。つぐみちゃん、いいよ。話を続けて。」

ツ:「はい。実は、恥ずかしいのですが・・・、ラリージャパンで小型量産車部門で優勝してしまいました。
美濃田監督に、ご主人様のサポートスタッフになる直前に、リハビリの意味で、
サイボーグ体の改変に伴う慣熟訓練の一環で出てみろといわれて・・・、恥ずかしいです・・・。」

ミ:「つぐみ様、何が恥ずかしいんですか。小型量産車部門のワークスで勝つほどの実力を持っているなんて凄いです。」

ツ:「はあ・・・、人生の汚点です・・・。」

90manplus:2007/10/08(月) 18:04:04 ID:wlNYNE+S0
セ:「まあ、つぐみちゃんにとってはそうかもしれないけれど、うちとしては、
つぐみちゃんもスカウトしたい逸材だと思っているんだが・・・。
つぐみちゃんも、瞳ちゃん同様に本人にその気がないからなあ・・・。」

ヒ:「確かにね。つぐみさんは、サポートスタッフとして、プロ中のプロというだけで、それ以外に興味はないんだものね。」

ツ:「はい。」

セ:「というわけで、ミンメイ、安心して、つぐみちゃんの車に乗って、安全に早くというテクニックとはどういうことかを
見てくるんだよ。きっと、ミンメイにとってプラスになること間違い無しだから。」

ミ:「はい。美濃田監督。」

ツ:「さて、そろそろ、出発しましょうよ。ミンメイさん、ご主人様を新車のドライビングシートに設置するのを
手伝ってくださいませんか?」

ミ:「あっ、はいっ!お手伝いします。」

ツ:「今回は、官能感受速度でプラグを差し込んじゃいけませんよ。ご主人様に感じられて
失神されたら出発が遅れちゃいますからね。向こうで妻川監督に怒られちゃいますから。
今日の夕方までに、鈴鹿に入らないと、カンダ主催のレセプションパーティーに間に合いませんからね。」

ミ:「はい。」

森田は、ミンメイに指示を出した上で、瞳をスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用移動用台車から丁寧に
抱きかかえて、真新しいまっ赤なトミタSP7のドライバーシートに瞳を置き、瞳の身体をシートベルトで慎重に固定した。
森田とミンメイは、瞳の四肢の切断面に運転席の脇の自動車制御用プラグ収納ボックスの
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとマシンの接続用プラグを取り出して、
それを一本ずつ丁寧に接続していった。

91manplus:2007/10/08(月) 18:04:47 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「自動車の一部になるのって、複雑な心境なんだよね。」

ミ:「人間が機械と繋がる感覚って、どんなものなんですか?私も、機械と繋がれる人間になりたいのです。」

ヒ:「ミンメイちゃんらしいけれど、自分の感覚が自動車の中に伸びていくような何とも言えない感覚だよ。
自分の手脚が自動車になったというか、私自身が自動車の一部になる感覚なんだよ。ちょっとした恍惚感なんだよね。」

ミ:「ワクワクします。瞳様、素敵・・・。また、あそこが濡れてしまいそうです・・・。」

ツ:「ミンメイさん、そんなところで感じちゃっていないで、私たちも車に乗りますよ。」

ミ:「でも、ドアを閉めてあげないで好いんですか?」

セ:「ミンメイ、大丈夫だよ。SP7は、もうドアの開閉まで含めて瞳ちゃんの制御下にはいっているんだよ。
だから、瞳ちゃんは、自分の意志でドアを開閉することなんて簡単にできるんだ。」

ヒ:「そうだよ。もうこの車は、私の身体の一部になったんだ。ドアが閉まるから、少し離れていてね。」

森田とミンメイが、ヒトミが取り付けられた車からすこし離れると、運転席側のドアが独りでに閉まっていった。

ミ:「SP7もスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー仕様になると凄いんですね。」

セ:「ああ、でも、その第一号の納車が、ライバルチームのエースドライバーになるとは思わなかったけれどね。」

ミ:「あっ、エンジンが掛かった。水素イオンエンジンのエンジンサウンドって、ソプラノ歌手が歌っているみたいですね。
ウットリしちゃいます・・・。」

92manplus:2007/10/08(月) 18:05:28 ID:wlNYNE+S0
ツ:「私たちも出発よ、ミンメイさん。美濃田監督、鈴鹿で待っています。」

セ:「つぐみちゃんも気を付けるんだよ。」

ツ:「はい。」

 森田は、ミンメイを自分がもらったメロディアを助手席に座らせるように誘うと、自分もコックピットに収まった。
森田がキーを回すと量産型の水素イオンエンジンに火が入った。
そのエンジンサウンドは、瞳が駆るSP7の水素イオンエンジンのような大音量ではなく、
高級大衆車用にチューンナップされているため、静粛性を重視したものになっている。

ミ:「つぐみ様、この車も水素イオンエンジンなのに、静かなんですね。囁くように歌っているみたい。」

ツ:「そうね。この車は、高級大衆車だから、静かさを優先しているのよ。
でも、性能は水素イオンエンジンのパワーを持っているのよ。」

ミ:「昔の車で、“羊の皮をかぶった狼”というキャッチフレーズの車があったそうですが、
この車は、“ウサギの格好をしたライオン”というところですよね。」

ツ:「そうかもね。ミンメイさんの表現が合っているかもね。ご主人様から、出発するっていう連絡が入ったわ。
いざ、鈴鹿へ出発よ。」

ミ:「はい。」

瞳と森田が駆る二台のトミタの車が、トミタ本社の地下駐車場を出ていく、美濃田は、
その二台が駐車場の出口のスロープにかかるのを見送って、自分も東アジアグランプリへ出発する仕度を
するために駐車場を後にするのであった。



93manplus:2007/10/08(月) 18:16:43 ID:wlNYNE+S0
柴田美由(※1)(以降、シ):「妻川監督、瞳さんが到着したみたいです。」

※1:柴田美由…カンダスーパーガールズのチーフメカニック。チーム全体の技術統括責任者。

妻川恵美(以降、メ):「美由、あいつ、やっと来たか。」

シ:「つぐみちゃんと一緒じゃないみたいですね。車二台ですよ。それも、二人ともトミタの車に乗って・・・。」

メ:「ああ、知っているわ。」

シ:「妻川監督、ご存知だったんですか?」

メ:「ええ。」

シ:「じゃ、つぐみちゃんが新しい彼女連れてくることも?」

メ:「えっ!!?」

シ:「だって、助手席に東洋系の美女が乗ってますよ。それにしても、
つぐみちゃんらしいカラーリングのメロディアだこと・・・。」

メ:「ああ、あれは、この前シンガポールで瞳が手に掛けたレースクイーンの娘よ。
つぐみは、瞳がマスコミに見つかって大騒ぎにならないように自分の車に乗せてきたのよ。」

シ:「監督、なんでそこまで冷静なんですか?瞳さんとつぐみさんが二人とも、トミタの新車に乗ってきて、
しかも彼女同伴なのに。」

メ:「いっ、いつもの瞳のことだから、しっ、心配していないのよ・・・。」

シ:「監督、何か知っていますね。」

94manplus:2007/10/08(月) 18:17:25 ID:wlNYNE+S0
メ:「そっ、そんなことないわよ。美由、瞳が来たんでしょ、さっ、マシンの調整をお願いね。
さっ、さあ、鈴鹿はホームグランプリだから、気合いを入れなきゃね・・・。」

柴田はいぶかしげな表情を浮かべながらもマシンの調整のためにピットに戻っていった。

石坂貴美香(以降、イ)「妻川監督、見事に美濃田先輩とお二人が引いた策略の設計図通りに事が運んだようですねと、
言いたいところですが、結果は、巡らした策略以上の展開になったようですね。」

メ:「いっ、石坂ドクター・・・、また一人、厄介なヤツが・・・。」

イ:「監督、何か言いましたか?」

メ:「いっ、いえ・・・。そんなことより、石坂ドクター、エマの調整は終わったの?」

イ:「はい、もうとっくに終わっています。午前中に報告したじゃないですか?もうお忘れになったんですか?」

メ:「じゃ、じゃあ、瞳の調整の用意は出来たの?」

イ:「それも、午前中にご報告しました。速水選手の到着待ちです。もう、お年なのでしょうか・・・?
最近は物忘れが激しいようですが・・・、監督も、最新の生体脳改造をお受けになりますか?
記憶領域を全てサポートコンピューターに移行して、生体脳は、嗜好と感覚受領、行動管理に特化させた上で、
生体脳の脳細胞活性再生システムを埋め込むのですが、それの手術を行えば、ある程度の老化の進行が抑えられ、
老衰で息を引き取るまで、ぼけることなく、快適な生活が送れるようになりますよ。速水選手や森田さん、リネカー選手、
シュタイフさんたちのお仲間は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの現役引退時に皆さん、
この手術をお受けになるようですよ。私も、サイボーグ化手術の際、自分にも、このシステムを埋め込む予定です。
人間、呆けて、惨めな姿をさらして死を迎えるのはいやですからね。」

メ:「え〜〜〜いっ!五月蠅いッ!この、マッドサイエンティストがッ!!」

95manplus:2007/10/08(月) 18:18:07 ID:wlNYNE+S0
イ:「監督、私には、怒って話をはぐらかすことは無理ですよ。色々な筋から、速水選手の新しい彼女の
情報が入ってきています。その彼女にするまでの経緯の詳細もね・・・。」

メ:「どっ、どうして、石坂ドクターのところに情報が集まるんだ???!」

イ:「私は、速水選手と森田さんの担当ドクターですしね・・・。それに、あの、ハイデン選手でしたよね・・・、彼女・・・。
そのハイデン選手の手術は、私が立ち会って、指揮を執ることになっていますし、サポートスタッフの手術でも、
私が立ち会うことになっているのですからね。たぶん、ハイデン選手とそのサポートスタッフの手術も実質上は、
私が執刀しなくてはいけないと思いますからね・・・。その要請を頂いているので、彼女関係の情報も頂いていますから。」

メ:「国際自動車連盟・・・。そっちのラインか・・・。マッドサイエンティストに情報を筒抜けにするなんて・・・、
会長のラインなのか、それとも、トミタサイドか・・・。」

イ:「溝口社長ということもありますしね。」

メ:「・・・、直子も、意外と石坂ドクターには、口が軽いからあり得る・・・。誠ちゃんも口が軽いし・・・。
待てよ・・・、ロイド会長も石坂ドクターにはメロメロだからな・・・。」

イ:「私は、監督の協力者ですよ。それに、ハイデン選手の性癖からくるサイボーグに適した素体としての
すばらしさには興味を持っていますからね。」

メ:「・・・。まったくッ!ドクター、あまり、口外しないでよ。」

イ:「私を信用してくださらないのなら、私は、非常手段を使うしか・・・。」

メ:「しっ、信用していないわけないでしょっ!」

イ:「それなら好いのですが、もし、妻川監督が信用してくださらなくて、私を邪魔者にして、葬ろうとするなら、
私も対抗策を考えなくてはと思いまして・・・。」

96manplus:2007/10/08(月) 18:27:12 ID:wlNYNE+S0
メ:「どうせ、火星に飛ばすとか何か言うんだろうがッ!」

イ:「いえ、最近のトレンドは、内惑星探査用サイボーグなのです。
知らぬうちに金星探査用サイボーグに監督をしてしまおうかと・・・。
金星探査用サイボーグなら、帰還の確率が低いですから、監督を合法的に葬れるかと・・・。」

メ:「何がッ、合法的なものかっ!ドクターも、お願いだから、静かにしていてッ!」

イ:「解っているのですが、私に構っていていいのでしょうか?速く助けてあげないと、森田さんが、
マスコミとファンの餌食になっていますよ。」

メ:「あっ、あっ、大変だっ!」

イ:「最近は、森田さんも、モータースポーツファンやサイボーグフェチの間では、速水選手並みか、
それ以上に人気があるのですが、本人にその自覚がないから、あのような無防備なことになるのです。
監督、マスコミとファンの男どもに囲まれて、みるみるうちに森田さんの口元が釣り上がっていますよ。
森田さんの機嫌が悪くなると、みんなでなだめるのに苦労しますよ・・・。」

メ:「香織(※2)ッ!つぐみのフォローに回ってッ!レミ(※3)ッ!マスコミとファンの整理はどうしたんだっ!!」


※2:香織…山口香織、カンダスーパーガールズのアシスタントチーフメカニック。瞳担当の責任者
※3:レミ…坂下レミ、カンダスーパーガールズのチームマネージャー兼広報責任者。チーム全体のマネージメントを行うと共に、マスコミやファンへの対応の全てを担当している。もちろん、選手やサポートスタッフのスケジュール管理も担当している。


妻川が慌てて、チームマネージャーの坂下レミとメカニックの山口香織に怒鳴った。

97manplus:2007/10/08(月) 18:36:33 ID:wlNYNE+S0
メ:「速く、つぐみのサポートに回ってくれッ!それから、絶対に同伴の女の子の写真を撮らせるなっ!」

山口・坂下:『はいッ!』

山口と坂下が慌ててファンを制し、スーパーF1関係者の駐車場に森田とミンメイの乗った車と
瞳の運転する車を逃がすことが出来た。
森田は駐車場に着くとすぐにミンメイと共に、瞳をスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用移動用台車に
据え付けて、妻川たちのいるカンダスーパーガールズのモーターホームまでやってきた。
その間も、森田は、瞳以上のギャラリーを引き連れての移動になっていた。
坂下と山口、柴田が必死にそのギャラリーを制する中を逃げるように、モーターホームの中に逃げ込んだのである。

ヒ:「つぐみさん、ゴメンね。嫌な思いさせちゃって・・・。」

さかんに瞳が恐縮している。

ツ:「ご主人様が謝る必要はないんですよ。」

しかし、その森田の口調は、明らかにご機嫌斜めなのが、関係者には解るのだった。

ミ:「つぐみ様の人気は、凄いんですね。」

ミンメイが無邪気に森田の人気が凄いことを喜んでいるのだが、カンダスーパーガールズのスタッフは、
森田の機嫌の悪くなったときの静かな見えない怒りに戦々恐々といったところなのである。

ツ:「まったくっ!なんであんなに、男どもは無遠慮なのでしょう?デリカシーというものがないのでしょうか・・・?」

メ:「つぐみ、あんまし、怒らない方がいいよ。」

98manplus:2007/10/08(月) 18:37:14 ID:wlNYNE+S0
イ:「そうよ。監督の言う通りよ。これも、森田さんの人気が高いからなのよ。」

坂下:「そうですよ、森田さん。瞳さん並みの人気をもっているなんて素晴らしいわ。」

ツ:「よしてください。石坂ドクターも、レミさんも・・・。サポートスタッフが
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー並みの人気があってどうするのですか?
私たちは、決して、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのお邪魔をしてはいけないのですよ。
それに、あんな輩に囲まれたら、仕事にも何もならないじゃないですかっ!」

メ:「それは、解るが、チームとして、瞳やエマ以外に人気があるキャラがいるのは好いことだと思わないか?」

ツ:「思いませんっ!!!監督まで何をとぼけたことをおっしゃっているのですかっ!
人気があるのは、ご主人様とエマさんだけで充分ですっ!」

シ:「おっ、こわ〜〜〜・・・。」

ツ:「美由さんも茶化さないでくださいッ!」

そんなやりとりを聞いていたミンメイが、小声で瞳に質問した。

ヒ:「つぐみ様のご機嫌直りませんね。」

ヒ:「うん、男の人に囲まれると、怖がっちゃって、いつもああなるんだ。」

ミ:「さすがにセパレーティング・・・、男が怖いなんて・・・。でも、仕方ないんじゃないですか?
つぐみ様の人気は、かなり凄いんですよ。あの可愛さですから人気が出るのは仕方ないんですがね・・・。」

99manplus:2007/10/08(月) 18:37:57 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「それを自覚していないし、男が近寄ることに対する嫌悪感と恐怖心があるから、手を焼くんだよ。
最後は、石坂ドクターが精神制御剤を首筋の薬物注入弁を開けて注入して、外部システムの精神制御システムで
つぐみさんの精神状態を安定するようにコントロールしなくちゃいけなくなることもあるんだよ。今日も、たぶん、
その最悪のシナリオになるような気がするんだよね・・・。」

ミ:「そうなんですか・・・。」

ヒ:「うん。そうなったら、私、しばらくなんにも出来ないんだよね・・・。
つぐみさん、小一時間は意識を失うことになるんだから・・・。」

イ:「速水選手。今日の興奮状態だと、たぶん、その最悪のシナリオになるはずです。」

ヒ:「ドクター・・・。涼しい顔で脅かすんだから・・・。」

イ:「いいえ、私は、森田さんの担当ドクターとしての冷静な見解を述べているんです。」

メ:「このマッドサイエンティストの言う通りよ。でも、その間、横にいるミンメイ嬢にお世話してもらえるから、
今日は好いじゃない。」

ヒ:「恵美さんまで〜〜〜っ!」

イ:「監督のおっしゃるとおりです。でも、監督、マッドサイエンティスト呼ばわりするのはやめてください。」

メ:「本当のことよ。」

イ:「ちょっと監督の言葉も気になりますが、まず、興奮した子リスを退治してきますから・・・。」

石坂は、そう言うと、森田の不意を突いて、森田の首筋に薬物を注入し、森田の首筋に外部システムからのコードを
差し込み、外部装置のスイッチをオンにした。その瞬間、森田は気を失い、崩れ落ちるようにその場に倒れ込んだ。

100manplus:2007/10/08(月) 18:50:18 ID:wlNYNE+S0
イ:「サイボーグを拉致するのは意外と簡単なんですよ。こうすれば、抵抗できないんですものね。
このまま、どこか別の世界に送ってしまいましょうか?」

ヒ:「石坂ドクターっ!そんなことやめてよ〜〜〜ッ!私からつぐみさんを取り上げないでよ〜〜〜〜ッ!」

イ:「ホッホッホッ!ほんの冗談ですよ。速水選手と森田さんを引き裂くなんて考えもしませんよ。」

ヒ:「石坂ドクターが言うと、冗談に聞こえないよ。」

メ:「まったくッ!うちのチームドクターは・・・、何を考えているのか解らん。」

ミ:「あのぅ・・・。瞳さん、この方が石坂ドクターなのですか?」

ヒ:「そうだよ。本当の悪魔みたいでしょ。」

イ:「速水選手。あなたも魔女の癖をして、よく言いますね。」

メ:「まあ、二人とも、人類に災難をもたらすことでは似たり寄ったりだな。」

ヒ・イ:『妻川監督(恵美さん)に言われたくありませんっ!』

ミンメイが3人の会話を聞いて微笑んだ。

ヒ:「何がおかしいの?ミンメイちゃん。」

ミ:「だって、カンダスーパーガールズのスタッフは仲がいいんですもの。レース前にこんなばかげた会話が
飛び交うスーパーF1チームは、他に見たことありません。他のチームも、笑いがあるんですが、
こんなに緊張感がないっていうか、リラックスしているチームって他にないですよね。
しかも、この雰囲気で、コンストラクターズポイントはダントツのトップなんですから。」

101manplus:2007/10/08(月) 18:51:01 ID:wlNYNE+S0
ヒ:「ミンメイちゃん・・・。」

メ:「ミンメイに核心をつかれちまったな。」

イ:「この娘がハイデンさんね。トミタと来々期の契約をもう結んだの?」

ミ:「はい。今朝、国際自動車連盟の裁定が来たので契約しました。」

イ:「そう。おめでとうございます。ハイデンさんにとっては、初めましてよね。私が石坂貴美香です。
あなたのリクエストに関して、国際自動車連盟本部に医学的アドバイスを出しました。
私の所見のままで裁定が降りているとしたら、ハイデンさんの要望にほぼ合った契約が出来たんじゃないかしら。」

ミ:「はい。」

イ:「秋になって、トミタメディカルセンターで手術を受けるとき、私も立ち会うことになるからよろしくね。」

ミ:「よろしくお願いします。」

イ:「サイボーグフェチか・・・。あなたがそうなのね。私も、素体として興味深い事例になるから、楽しみにしているわ。
それから、これからも速水選手と森田さんに可愛がってもらうのよ。」

ミ:「はい。」

イ:「それから、性管理用貞操ブラとショーツの着心地はどう?速水選手、あんまり無茶な使い方はしないのよ。」

ミ:「私が付けているものを開発されたんですか?」

イ:「そうよ。」

102manplus:2007/10/08(月) 18:59:27 ID:wlNYNE+S0
ミ:「とっても興奮しています。いつも瞳様とつぐみ様に管理していただいている精神的安心感がとっても嬉しいです。」

イ:「そう。好かったわ。」

メ:「ドクター、ミンメイに何をしたんだ?」

イ:「監督、勘違いしないでください。私は、速水選手と森田さんに道具をプレゼントしただけです。
なんにもしていません。さて、森田さんの調整をしなくちゃね。その次は、速水選手の調整をしなくちゃね。
ハイデンさん、速水選手を連れて一緒にいらっしゃい。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと
サポートスタッフの調整を見せてあげるわ。」

ミ:「あっ、ありがとうございますッ!」

石坂が、瞳とミンメイを連れて、メディカルエリアに移動しようとした。

メ:「ドクター、ちょ、ちょっと・・・。」

イ:「監督、何か?」

メ:「いえ・・・。」

イ:「今日のパーティーまでには、速水選手の一次調整を完了しておきます。ご安心下さい。」

そして、妻川だけが一人、モーターホームに残されるのであった。
103manplus:2007/10/08(月) 19:04:00 ID:wlNYNE+S0
今日はここまでです。
連休中書きためたものなので、間をおかずににもう少し投稿できると思います。

はいはいできる程度に手脚を切断した姿、
萌です。

その断端は、ロケットがついていて飛ぶことも出来たりして・・・。
104名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 02:09:49 ID:SWEVbyj00
フトモモまでしかない脚
その丸くなった「断端」には反重力装置が内蔵されていて、宙に浮いて移動することができる。
ただし、壁に埋蔵する形で設置された装置とペアで動作するタイプのため、その建物内しか動き回れない。
(リニアモーターカーがレール側の磁石とセットでないと動けないのと同じようなイメージで)
どうせ内蔵生命維持装置が長時間連続使用できないので外を出歩くのは元々難しいのでこのような設計。
105名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 06:58:49 ID:DPNxC4Oe0
>>104乙です。

そのシチュエーションは萌です。
内蔵生命維持装置よりも外部生命維持装置で生かされているので、
ホースやコードをひものように引きずっての移動なんてどうでしょう?
外に出る時は、外部生命維持装置がある仕事をする場所にしか、
移動を許されない。しかも、体内の生命維持装置では、少しの時間しか
生きられないので、移動するための特別なカプセルで運ばれるとか。
106名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 01:57:42 ID:uhg/RF+e0
>>105
そういうの萌える。
107名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 02:35:07 ID:OL7x4NUY0
電源とか生命維持装置が外付けだからケーブル引きずりって、原点はネオ君(ナディアのお兄さん)の気がする。少なくとも自分の場合は。
ネオ君がナディアのお兄さんじゃなくてお姉さんだったらどんなに良かった事か…と何度思った事かorz
108名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 21:47:50 ID:Pn3tt/VW0
>>107
アンビリカルケーブルが抜かれても動き続けるネオには萌えたなぁ。
109名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:36:29 ID:1eoXBrNk0
ttp://img.gurochan.net/f/src/1191845673033.jpg

拾い物なんだけど、出典どこだろう?
110名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:54:50 ID:gYg+UhTK0
111名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 15:42:13 ID:uMblyzIV0
>>110
上 苦しそうに悶えてたらもっと萌えたんだがw

下 なるほど。今までサイボーグで検索かけてたから画像が余り見つからなかったんだが、アンドロイドで検索して脳内変換すればいいんだな。
さらわれて無理矢理改造された少女サイボーグなんだってww
112manplus:2007/10/14(日) 15:47:27 ID:bcnY1w/Y0
 ピットの後ろにある医療施設に移動中、ミンメイに瞳が語りかける。

速見瞳(以降、ヒ):「ミンメイちゃん、つぐみさんの運転はどうだった?」

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「瞳様や美濃田監督のおっしゃるとおり、本当に上手かったです。
常に安全を考えながら、無茶とも思えるほど、限界ギリギリで車を走らせる瞳様の車から離れないなんて、
どれほどのテクニックなのかと思いました。」

ヒ:「ミンメイちゃんの無茶とかいう言葉が気になるけれど、つぐみさんの運転は一級品だよ。
でも、つぐみさんは、完璧主義だから、自分の運転は決して上手くないと思っているんだ。
だから、決して過信がないんだ。」

石坂貴美香(以降、イ):「速水選手。それがサポートスタッフとして、彼女が超一流であるということの裏付けなんです。
でも、完璧な同性愛者と言うのがね・・・。」

ミ:「石坂ドクターも、つぐみ様の才能を認めているんだ。」

イ:「ハイデンさん、その通りよ。潔癖なまでのセパレーティングのビアンという以外はね。
森田さんほどのサポートスタッフは、もういないかもね・・・。」

ミ:「でも、悲しい思いをいくつもしたって聞きました。」

イ:「速水選手、彼女に森田さんのこと話したの。」

ヒ:「うん。ミンメイちゃんは、私とつぐみさんの二人のスティディーですから、つぐみさんのこと、
そして、私との出会いのことを話しました。もっとも、酔っぱらって、パパが余計なことまで喋っちゃったけれどね。」

ミ:「つぐみ様、石坂ドクターが、自分を救ってくれたって言っていました。」

113manplus:2007/10/14(日) 15:48:08 ID:bcnY1w/Y0
イ:「まったく・・・。美濃田先輩は何を考えているのか・・・。でも、ハイデンさん、そんなことないわ。
今の森田さんがあるのは、彼女の強い職業意識と速水選手の包み込むような愛の結果よ。
私は、立ち直らせるための再改造手術と生体脳とサポートコンピューターの調整をしてあげただけ。
あの時、廃人にならなかったのは、彼女が、自分の受けた悲劇をもう誰も味わって欲しくない、
そのことを語れる証人は自分だけなのだから、自分はなんとしても精神が崩壊しないようにしよう
という強い心があったからなのよ。」

ヒ:「つぐみさんは、優しさや可愛さの中に強さがあるもんね。私は、何度も何度も助けられたもの。
ミンメイちゃんもきっと、つぐみさんに助けられることがあると思うよ。」

ミ:「はい。つぐみ様・・・。」

イ:「さて、速水選手。鈴鹿用のスペックへの調整作業を開始したいのですが。」

ヒ:「準備は出来ています。でも、恥ずかしいな・・・。」

イ:「何がですか?」

ヒ:「ドクター、だってね、ミンメイちゃんが見ているんですもの。」

イ:「恥ずかしがること無いじゃないですか。もう、肉体関係は出来上がっているのだし、
性的な管理もしている可愛い愛奴なのでしょう?」

ヒ:「まあ、そうなんですが・・・。」

瞳が尻込みしていると、ミンメイが瞳に近寄ってきて、瞳の服を脱がせ始めた。

114manplus:2007/10/14(日) 15:48:56 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「なっ、何をするの、ミンメイちゃん。」

ミ:「ここは、つぐみ様がいないのですから、私がお世話をしないと・・・。」

イ:「さすがに積極的ね。この積極性に速水選手が、嵌った訳ね。」

石坂が感心している間に瞳は服を脱がされ全裸の状態になってしまった。

ミ:「ドクター、この後どうしたらいいのですか?」

イ:「本当は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの調整用の服を着せるんだけれど、ハイデンさんは、
速水選手の調整されている姿を見たいんだものね。全裸で官能的な姿で調整台に固定してくれるかしら?」

ミ:「はい。」

ヒ:「ドクター、恥ずかしいよ〜〜〜〜ッ!」

イ:「速水選手、我慢しなさい。愛する僕が喜ぶのだから、その位のサービスはしてあげなさい。」

イ:「裏切り者〜〜〜ッ!」

イ:「お黙りなさいっ!どこか知らない星系に旅をしたいのなら、それも止めないけれど・・・。」

ヒ:「このマッドサイエンティストがっ!」

イ:「ハイデンさん、重いから気を付けて、調整台にスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用移動用台車から
抱き上げて移してあげて。」

115manplus:2007/10/14(日) 16:01:51 ID:bcnY1w/Y0
瞳の罵りの言葉など、まったく聞いていないかのように、石坂は、ミンメイに指示を出し、
その指示に何事もないかのように従うミンメイであった。

ヒ:「ミンメイちゃんも、実はサドなんじゃないか〜〜〜〜ッ!」

瞳の、その恨みの言葉は、二人に無視され、淡々と作業が進んでいった。
瞳は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用調整台に雁字搦めに縛り付けられ固定された。

ミ:「ドクター、次は?」

イ:「ハイデンさんは、好い娘ね。それじゃ、おへそのコネクターと手脚の
切断面のインターフェースにコードを差し込んでもらえるかしら?」

ミ:「はい。ダルマ人形で調整台に縛り付けられている瞳様の姿、悪の組織にとらわれてピンチを
迎えているサイボーグヒロインそのもので、私、感じちゃいます。私と石坂ドクターが悪の首領で、
これから、ヒロインに対して拷問を加えるシチュエーションみたいで、最高ですっ!」

イ:「ハイデンさん。このシチュエーションの良さが解るなんてさすがね。本当に好い娘だわ。
プラグを繋げることもさせてあげるわ。官能感受速度って知っている?」

ミ:「はい、つぐみ様に教えてもらいました。実際に引き抜くときと差し込むときのお手伝いもさせてもらっています。」

イ:「そう。それなら、話が速いわね。速水選手を官能の世界にいってもらいましょうね。」

ミ:「はい。ドクター。」

悪のマッドサイエンティストの手下気分のミンメイの魔の手が瞳に迫った。

116manplus:2007/10/14(日) 16:02:33 ID:bcnY1w/Y0
ヒ:「やめてくれ〜〜〜〜〜ッ!このマッドサイエンティストとマッドサイエンティストの手下がっ!」

イ:「あらあら、正義のサイボーグヒロインのピンチを辛くも救う正義の脇役も、私たちの手に落ちているし・・・。」

石坂とミンメイの目が悪戯っぽく、不気味に光るのを瞳が見た瞬間、瞳の身体に快感が走って、
瞳は官能の世界に引きずり込まれ、意識が飛んでしまうのであった。
ミンメイが瞳の脚の断体面のインターフェースに指定のプラグをもっとも瞳が感じる速度で差し込んだのである。
その手際の好さと飲み込みの良さは見事なものといえるものだった。

ヒ:「やめてくれ・・・。ああ〜〜〜〜〜んッ!!!」
瞳は、ただ、よがり声を上げるしかなかった。そして、瞳はその言葉を残して意識を失った。

イ:「ハイデンさん、さすが、サイボーグフェチね。一撃で感じてしまう速度を僅か数回で体得してしまうんだもの。
どう?本当に私の助手にならない?きっと楽しいわよ。」

石坂の瞳も機器とした光を放っている。

ミ:「考えてみたいのですが、トミタと契約をしてしまったし、私も、この瞳様と同じような身体が欲しいですもの。
それに、私は瞳様とつぐみ様の僕ですから・・・。」

イ:「そうか・・・。ハイデンさんは、自分の身体がサイボーグになるという、そっちの方が魅力だったわね。残念ね・・・。」

ミ:「はい。実際に機械と電子機器の身体で、しかも、自分では何一つ出来なくて、
サポートスタッフという存在に頼らなくては日常生活を送れない不便さと、
マシンの制御システムになったときのマシンと一体化して自分の思うような機械制御が
出来る快感のギャップを味わってみたいのです。」

117manplus:2007/10/14(日) 16:03:15 ID:bcnY1w/Y0
イ:「そうね。きっと、あなたなら、速水選手みたいに、官能感受速度も体験できると思うわ。
この秋に、あなたが後悔しないような最高のサイボーグにしてあげるわね。」

ミ:「うわっ!感激です・・・。ありがとうございます。」

石坂と、そのような会話をしている最中でも、ミンメイは手を休めることなく、最適の官能感受速度で、
瞳の身体にプラグを差し込み続けていった。
瞳の身体は、ミンメイがプラグを差し込んでいく度に、官能のため、痙攣し続けているのであった。

ミ:「ドクター、終わりました。瞳様の今の姿、感じちゃうほどセクシーです。」

イ:「本当よね。サイボーグが外部機械に繋がれている姿ほど美しいものはないわよね。」

ミ:「はい。最高ですっ!それも、全裸なんて・・・。瞳様の上に乗って全身で愛撫したくなっちゃいます。
性管理用貞操ショーツを取り付けられていて、アヌスとヴァギナやクリトリスに性的刺激を
加えることの出来ない状態になっているのに、視覚的な刺激で濡れちゃっています。
専用ショーツ型おむつがグチャグチャで気持ち悪いくらいです。」

イ:「私も、かなりの変態だけれど、ハイデンさんも変態ね。
私も、速水選手の姿を見て、股間がグチュグチュよ。触ってごらんなさい。」

石坂は、いきなりミンメイの右手首を掴むと自分のクリトリスとヴァギナにミンメイの手を持っていき、自慰行為を開始した。

イ:「ア〜〜アン!好いわ。そこが感じるのっ!」

118manplus:2007/10/14(日) 16:12:29 ID:bcnY1w/Y0
石坂は一人、瞳が囚われのサイボーグヒロインに成り果てている官能的な姿の余韻を楽しんでいた。
ミンメイは、自分の手に伝わる石坂の性器の感触を感じて、自分自身も自慰行為にふけりたい欲求に嘖まれるのであった。
ミンメイは、自分の性感帯は全て触ることが出来ないようにされているため、
自分の中に湧き上がる性的興奮のはけ口がない自分に対しての無力感に股間をさらに濡らすのであった。
その自分では解決することのない、そして、解決してくれる手段を持つ瞳と森田という存在が
囚われてしまっている状況に対する絶望感に対して、さらに、萌えるものを感じて、
欲求不満の中で狂ってしまいたい自分を感じていたのだ。
そして、気がつくと、石坂は、ミンメイの右手を股間からはずし、消毒用アルコールで丁寧に拭いてくれているのであった。

イ:「ああっ!気持ちよかった。サイボーグ医学の医師は、こんな姿のサイボーグをいつも見られるから役得よね。
それに、今日は、ハイデンさんのやり場のない性的欲求に押しつぶされる姿も見られたから、最高の気分だったわ。」

ミ:「ドクター、私へのイジメもあったんですね。」

イ:「そうよ。当然でしょ。私はどSだもの。でも、ハイデンさんも、性を管理されている屈辱感とか無力感で、
速水選手の姿との相乗効果で萌えたんじゃないの?」

ミ:「はい。図星です。何とも言えない官能の世界を感じて、最高に気分が高揚してしまいました。」

イ:「そう。好かったわ。二人で気持ちよくなったところで、スーパーヒロインの手下を
こっちのサポートスタッフ専用調整台に移しましょうか?こっちの悲劇のヒロインも
コードだらけにしたのを見たら、ハイデンさんは、もっと萌えちゃうわよ。
あっ!そうだ。こっちのコードだらけのスーパーヒロインに排泄物強制処理装置を繋がなきゃ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー調整台の速水選手の股のところに、
調整台の脇に見えるカップの付いたホースを取り付けてくれない?」

119manplus:2007/10/14(日) 16:13:11 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「はい。」

ミンメイは言われたとおりに瞳の股間にホースから繋がったカップを取り付けた。
石坂が、操作機械を弄ると瞳の身体が軽く痙攣した。

ミ:「瞳様どうしちゃったんですか?カップ内のカテーテルが自動的に尿道口と
肛門に差し込まれて強制排便と強制排尿を開始したの。」

ミ:「なんで、強制的に尿と便を排出しなくちゃいけないのですか?」

イ:「ハイデンさんも、レースの時、チームに体重を申告するでしょ。」

ミ:「はい。私の体重も含めて燃費計算やマシンの挙動を計算しますから。」

イ:「スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーだって同じよ。
スーパーF1マシンの燃費やマシンの挙動を算出するのに、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの重量は必要だからね。」

ミ:「でも、当日の体重計測じゃいけないのですか?」

イ:「だって、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンの一部なのよ。
全ての内容物が空の状態での重量を測定して、スーパーF1マシンの総重量に加えるの。
それが、スーパーF1マシンの公表されている総重量なのは知っているでしょ。」

ミ:「はい、だから、各マシンによって、微妙な重量の違いが出ることも知っていたのですが、
ここまでシビアに重量測定をされなくちゃいけないなんて知りませんでした。」

120manplus:2007/10/14(日) 16:14:17 ID:bcnY1w/Y0
イ:「だって、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、スーパーF1マシンの制御システムのコア部分の
電子機器の固まりだから、正確な重量計算が必要なの。マシンの重量配分も変わってくるし・・・。
サイボーグ体だから、どんなに軽量化を進めたサイボーグボディーといっても、ハイデンさんたちのような、
標準人体のドライバーなんかより重いからね。」

ミ:「そう言うことか・・・。でも、予選や決勝当日までに食べ物を食べたり、排泄したりもするから、
当然重量は変化しますよね。」

イ:「だから、一次調整の段階で完全に内容物を空にして重量や体積を量っておくの。そして、今から、
日曜日のレース直前までにスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが口に入れたものと汗や尿や便、
更には、性的興奮により分泌されたものなど、どんな少量でも体外に排出されたものの全ての重量を管理されるのよ。
その管理データーは、サポートスタッフによって検量され、体内のサポートコンピューターに蓄積されるのと同時に、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー自身の体内のサポートコンピューターでも、
自動検量データーが蓄積されていて、公式練習や、予選、決勝などで、チームが、
そのふたつのデーターを照らし合わせてマシンのセッティングデーターとして使用するの。
もちろん、オンタイムのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの重量は、
サポートコンピューターにデーター蓄積されているから、そのまま使うことも可能なんだけれど、
スーパーF1マシンは、デリケートなセッティングを要求されるから、ひとまず、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの純粋な単体重量が必要なのよ。」

ミ:「本当にここまでのことをされると物になるという感じですね。」

121manplus:2007/10/14(日) 16:31:43 ID:bcnY1w/Y0
イ:「そうかもね。だから、サイボーグになることをどこまで許容しているか、サイボーグという、
マシンに近い存在になることを本人が受認することがどこまで出来るかを示す指標である
サイボーグ適応化率がある程度高くないと、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、
スーパーF1マシンの一部としての電子機器という存在に本人の感情が耐えられないから、
一定以上のサイボーグ適応化率が、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに改造手術を
行うときに必要な条件になっているの。速水選手のように98%の適応化率を誇ると、この作業に対して、
なんの困惑もないということなのよね。自分が機械システムの一部という現実を当然と受け止めることが
出来るんだからね。90%以上なら、問題なく、この状況でも、コンプレックスを感じることはないわ。
ちなみに、ハイデンさんの場合は、たぶん、速水選手と同じ状態に自分がなったら、喜びや性的興奮を感じるはずね。
何せサイボーグ適応化率が限りなく100%に近い99.7%の素体なんだものね。」

ミ:「はい。実は、瞳様のあたかもスーパーF1マシンの制御システムの機械として管理されるこの数日の
状態が自分だったらと思って興奮しています。私だったら、完全に機械システムの一部として管理されて欲しいです。
その状態で自分が人間なんだと心の中で叫びながらも、サイボーグの機械部分が優先される状態を
受け入れなくてはならないジレンマに実際のおかれてみたいのです。
私、たぶん、もの凄く感じちゃうんじゃないかと思います。」

イ:「本当にハイデンさんは変態よね。」

石坂は、笑いながらミンメイのフェ知性の強さを口に出した。ミンメイの心の中の特殊な性癖を羨ましく思ってのことである。

ミ:「だって、自分がサイボーグに改造されるチャンスが巡ってきたんですよ。
人間でも機械でもない曖昧な立場におかれた自分の姿と心に萌えてしまうと思うんです。
他の人の姿を見て感じていましたけれど、それが自分自身で体験できるなんて、
サイボーグフェミニストとしては最高ですもの。」

122manplus:2007/10/14(日) 16:32:24 ID:bcnY1w/Y0
イ:「サイボーグフェチの考えそうなことね。」

ミ:「でも、石坂ドクターも実は、サイボーグフェチだったりするんじゃないですか?そうじゃなかったら、
私の要望を理解してくださらないですよね。だから、私の心が解って下さっていると思っているんですが・・・。」

ミンメイは、石坂が、自分と同じような性癖を持っている同志だと直感的に感じているのである。

イ:「ハイデンさんほどの極度のサイボーグフェチじゃないけれど、人間をサイボーグにするのに抵抗はないし、
自分が必要ならば、サイボーグ体の身体を持つことにも抵抗はないわね。サイボーグ医療に対することだったら、
いくらでもアイデアが湧くしね。そう言う意味では、私もサイボーグフェチかもね。」

ミ:「マッドサイエンティストは、ある意味フェチですもの。」

イ:「マッドサイエンティストという称号は気に入らないけれどね・・・。
外部調整装置による速水選手の調整作業が始まったようだから、
魔女の手先の調整を始めましょうか?彼女は重いから、二人で持たないといけないわよ。」

石坂はミンメイの手助けを求めて、森田の身体をサイボーグ調整用の寝台に横たえた。

ミ:「つぐみ様も機械や電子機器のシステムがたくさん詰まっているから自重が重いんですよね。」

イ:「そうよ。かなり軽量化されたシステムを使用しているんだけれどね。
内緒デブみたいだといって、本人は悩んでいたけれどね。」

ミ:「でも、仕方ないですよね。ただ、つぐみ様らしい悩みですけれど・・・。
つぐみ様は、本当の意味で、可愛い女の子ですものね。」

123manplus:2007/10/14(日) 16:33:19 ID:bcnY1w/Y0
イ:「そうなんだけれどね。森田さんも、そういう意味では、自分が高度改造手術を受けた
スーパーサイボーグだという自覚がないからね。ハイデンさん、彼女の首筋とへそと脚の付け根、
それから、腕の付け根、脇腹の外部システム接続用コネクターを人工皮膚カバーを開けて露出させるから、
外部システムからのコードを差し込んでくれる?」

ミ:「はい、解りました。でも、間違えたら怖いです。」

イ:「大丈夫よ。全部形状が違うから絶対に間違って接続することは出来ないわ。」

ミ:「でも、どうして、つぐみ様の調整もするんですか?」

イ:「森田さんはね、普段は、速水選手の世話にかまけていて、なかなかメンテナンスに来ないのよ。
仕事熱心なのは好いんだけれど、自分も速水選手同様の精密機械システムだという自覚がないの。
改造率の高いサイボーグほど頻繁にメンテナンスが必要なんだということが解っていないんじゃないかと思うくらいにね。
だから、こういう機会に意識を奪って、徹底的にメンテナンスを行っておいた方がいいのよ。」

ミ:「なるほど。それでは、石坂ドクターは、睡らせる必要はなかったつぐみ様を
メンテナンスを受けさせるためにワザと睡らせたというわけですね。」

イ:「ハイデンさん、さすがに察しがいいわね。その通りよ。でも、森田さんも機嫌が悪くなると愚図ることがあるから、
睡らせて記憶を飛ばした方がいい場合があるのよ。」

石坂とミンメイは、会話をしながらも作業を続け、森田の身体も瞳と同様にたくさんのコードで
外部機械と接続された状態となった。
石坂は、森田の身体へのコードの接続状態を確認して、外部検査システムのスイッチをオンにした。

124manplus:2007/10/14(日) 16:43:55 ID:bcnY1w/Y0
イ:「これでよしッと。ハイデンさん、しばらくは、この二人の素晴らしい姿を見ながら休憩にしましょう。
コーヒーでいい?カンダのモーターホームのシェフが作ったケーキがあるから一緒に食べましょう。
サイボーグ2体のコードに繋がれた姿を見ながら食べるケーキは最高よ。」

ミ:「はい、喜んで。全裸にされた2体のサイボーグのスーパーヒロインがマッドサイエンティストに
囚われて横たえられているのをお茶をしながら眺められるなんて最高のシチュエーションですよね。
もう完全にオナニーものなんですけれど、それが出来ない自分の惨めさも手伝ってあそこが濡れ濡れなんです。
さっき、ドクターにも、もてあそばれたので相乗効果なんです。」

イ:「あらあら・・・、しょうがない子ね。あなたの管理者のどちらかが目覚めたら、
性管理用貞操ショーツをはずして局部洗浄をしてもらいましょうね。」

ミ:「はい。ところでドクター、瞳様の第一次調整なんですが、天候データーも入れるんですか?」

イ:「ええ、そのつもりだけれど・・・。それが?」

ミ:「台風のデーターは入れないんですか?」

イ:「なんで?今度の台風15号は、南の海上を通過するみたいだから、鈴鹿には影響がないみたいよ。」

ミ:「でも、偏西風帯が、昨日から北上しているから、予選で台風対策のデーターが必要になってくるような気がするんです。」

イ:「そうかしら、気象データーだとギリギリ掛からないという予報が出ているんだけれどね。
念のため、もう一度調べてみるか・・・?」

125manplus:2007/10/14(日) 16:44:40 ID:bcnY1w/Y0
石坂がパソコンで天候情報を調べると、ミンメイが言うような事態が確かに、1万分の1の確率だが、
起こりうる事実として最新情報のデーターの中にはあるのを石坂は発見したのだ。

イ:「1万分の1の確率か・・・。でも起こる可能性があるんだよね・・・。」

ミ:「ドクター、台風の場合、偏西風帯に突入すると東に流されるものですから、確率は上がると私は読んでいます。
瞳様の一次調整のデーターに台風のデーターと豪雨の時及び、強風時のデーターを追加しておいてあげてください。
どんな低い確率でも、起こる可能性があるものは潰しておくことが必要だと思うんです。
瞳様の体内サポートコンピューターの容量的な問題であれば仕方ないのですが、容量に問題がなければ、
起こりうる現象の全てを入れておいた方が、ドライバーにもメカニックにも負担が掛からないと思います。」

イ:「容量的には、まったく全然問題ないから、ハイデンさんの意見を採用するか・・・。
レースキャンセルにならない状態も考えられるものね。私は、台風ならレースキャンセルの
確率も考えると確率がゼロに無限大に近いと思っていたのよ。」

ミ:「私も、そう思います。でも、主催者側の思惑も合わせて考えた方がいいのではないか思ったのです。」

イ:「解ったわ。でも、トミタを裏切ることになるかもよ。」

ミ:「そんなことありません。今は、オフですから瞳様の僕です。瞳様の利益を考えることが最優先です。」

イ:「そうか・・・。でも、ハイデンさんは慎重ね。こんな小さな確率まで潰せというのは・・・。
来年にあなたのサイボーグ手術を執刀するのがますます楽しみになったわ。
きっと、速水選手に匹敵するくらい凄いスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが
誕生する場所に立ち会えるものね。」

126manplus:2007/10/14(日) 16:45:24 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「ありがとうございます。でも、石坂ドクターは私のことを買いかぶりすぎです。」

イ:「そんなことはないわ。サイボーグ適応化率も速水選手よりも高いし、ドライビングテクニックだって、
速水選手の若い頃を彷彿させるっていうふれ込みだもの。それに、レースに対する緻密さは、速水選手以上だもの。」

ミ:「石坂ドクター、嬉しいです。目標とする瞳様に匹敵するなんていわれるのが嬉しいのです。
私も、サーキット上では、瞳様と一緒に走ってみたいのです。そして、少しでも早く、瞳様な近づきたいのです。
でも、瞳様のドライビングテクニックは、追いつけないものがあるんじゃないかと思っています。
何と言っても、豪雨でも物ともしないテクニックなんて、私が盗みたいテクの一つなんですもの。」

イ:「ハイデンさんなら、絶対出来る。私はそう信じているわ。さてと、そろそろお姫様と、
その侍従長の調整が完了するわね。そうなったら、また、うるさくなるわよ。」

ミ:「はい。楽しみです。コードに繋がれて、意識のある囚われのサイボーグも見られるんですもの。」

イ:「確かに・・・。ハイデンさんの愛情の対象が・・・。私も解らないではないけれど、頭が・・・。」

どこまでも、サイボーグに対して目に?マークがともっていそうなほどの熱の容れようのミンメイに、
石坂が微笑ましい想いで、見つめているのであった。




127manplus:2007/10/14(日) 17:01:00 ID:bcnY1w/Y0
 この年の東アジアグランプリは、予選の最終ラウンドで、ミンメイの予想通り、台風15号の影響を受けて、
強風と雨の中でのタイムアタックとなった。
瞳は、一次調整の段階から大雨と強風による気象データーと路面データーを用意されていたため、
持ち前のテクニックと合わせてのドライビングで、難なくポールポジションに座ることが出来たのであった。
 翌日の決勝は、スタート直後まで雨が残る天候の中での開催となり、各ドライバーは、3周目に降り止んだ雨に対して、
何週目でドライタイヤにタイヤ交換のためのピットインをするかの戦略勝負のレースになったのであった。
瞳は、ポールポジションでスタートしたにもかかわらず、誰よりも先にピットインし、
ドライタイヤに履き替えるという勝負に出た。
 瞳は、ウェットコンディションでのドライビングの卓越した技術を武器に、その勝負をまんまと自分のものにして、
カンダのホームグランプリとしての東アジアグランプリを制し、女王としての面目を躍如するのであった。
このグランプリでは、鈴木エマが、初の表彰台をゲットするという、
カンダスーパーガールズにとってこの上ない歓喜に包まれてのレースを終了することになったのであった。



 翌日、北京に移動のため、関西空港に向かう、ダークレッドメタリックのトミタSP7と
パステルサーモンピンクのトミタメロディアの姿があった。
この移動では、ミンメイは、瞳の運転するSP7の助手席に座ることになったのである。

ミ:「昨日は、つぐみ様の助手席に乗せていただいて、今日は、瞳様の助手席に乗せていただけるなんて夢みたいです。」

ヒ:「ミンメイちゃんの仕事の関係と、私たちのスケジュールの関係で、しばらく会うことが出来ないことを
つぐみさんが知って、気を使ってくれたんだよ。」

128manplus:2007/10/14(日) 17:01:44 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「つぐみ様の気配りって凄いんですね。サポートスタッフの担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに
対する気の使い方に感心してしまいます。」

ヒ:「そうだよね。でも、つぐみさんの気遣いはその中でも最高なんだよ。
私の自慢できることの一つがつぐみさんという超一流のサポートスタッフが側にいてくれているということなんだよ。」

ミ:「解る気がします。私もつぐみ様のような方が側にいてくれたらなあ〜〜〜と思うんです。運転も上手いし・・・。」

ヒ:「私の運転とどっちが上手い?」

ミ:「う〜〜〜ん・・・。悩んでしまいます。つぐみ様の公道上での運転の確かさと、瞳様の総合的で、
サーキット上のテクニックの凄さは、比較の対象になりません。どちらも、私にとっては、お手本のような運転なのです。」

ヒ:「ミンメイちゃん、上手く逃げたよね。」

ミ:「へへっ。だって、瞳様もつぐみ様も裏切るわけにはいかないですもの。」

ヒ:「そうか。」

ミ:「でも、つぐみ様の運転のうまさには感心しました。あれほどのテクニックなら、F1だって、WRCだって、
そこそこの成績を収められるんじゃないかと思いますよ。」

ヒ:「でも、レースに関心がないんだよね。あるのは同乗者をいかに安全に運ぶかだけだものね。
つぐみさんのサポートスタッフとしての職業意識の強さは、感心してしまうんだよね。
それに、つぐみさんは、人に接するのが大好きなんだよ。私たちのように、メカと向き合って、
メカと会話することよりも、人と会話することを好む人なんだよ。」

129manplus:2007/10/14(日) 17:02:26 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「そうかもしれませんね、つぐみ様は・・・。特に瞳様と向き合っているのが大好きなんでしょうね。
瞳様を世話しているときのつぐみ様の表情は至福の幸せを掴んだという表情ですよね。」

ヒ:「そうかもね。ところで、シンガポールに戻ったら、ミンメイちゃんはどうするの?」

ミ:「私ですか?しばらくの間は、芸能活動をしていると思います。」

ヒ:「そうか・・・。芸能活動も順調になり始めたのに一時休止なんて、よく事務所が了承したよね。」

ミ:「私の場合は、レースが優先だと言うことをあらかじめ事務所に伝えてありますし、
そのような契約を結んでいますから大丈夫です。」

ヒ:「それならいいよね。私の場合は、自動車が好きだということは、事務所の社長も知っていたけれど、まさか、
レースドライバーにスカウトされるなんて、自分自身も思ってもいないことだったから、カンダにスカウトされたとき
結構大変だったもんね。事務所の社長と恵美さんや溝口社長が親しい間柄じゃなかったら、
この世界に来られなかったかもね。」

130manplus:2007/10/14(日) 17:13:04 ID:bcnY1w/Y0
ミ:「そうかもしれませんね・・・。でも、そうなったら、“プリンセスヒトミ”は、この世に存在していなかったということですよね。
そんなの、私には考えられません。“プリンセスヒトミ”のいない世界なんて、とてもじゃないけれど信じられません。」

ヒ:「ミンメイちゃん、ありがとう。でも、そうなんだよね・・・。」

瞳が遠くを見つめるような仕草で呟いた。

ミ:「瞳様、今度、日本に来たとき、『リンデンバーム』に連れて行ってくださいませんか?マスターにお会いしてみたいです。」

ヒ:「うん、いいよ。マスターも、ミンメイちゃんのようなサイボーグフェチの娘にあったら驚くかもね。
そうだ、その時、亜稀社長も交えて食事でもしようよ。」

ミ:「いいんですか?」

ヒ:「うん、大丈夫だと思うんだ・・・。約束するね。」

ミ:「ありがとうございます。」

しかし、この約束は、ミンメイがスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになるまで、
ミンメイのスケジュールと瞳のスケジュールが合わずに実現することはなかったのだった。
131manplus:2007/10/14(日) 17:17:07 ID:bcnY1w/Y0
今日はここまで。
書き上がった分をアップします。

>>110>>111
なるほど。
アンドロイドを脳内変換ですね。
画像、楽しませていただきました。
132名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 13:02:54 ID:2F+Sfr110
先生 質問です。過去に出てるかもしれないですが・・・・・。

事故などで脳がダメになったので頭部を機械化し、首から腕、足腰などが生身の場合 っていうのは有りですか?
頭には通信機能と小型のコンピュータ、電源、などが入っていて
どこかに人間の脳ど同性能のコンピュータが置いてあって常に通信しています。

または、ハコ ( 魍魎の匣?) 型生命維持装置に無理やり押し込まれた状況とかはどうでしょう。
頭から胸位までが入るくらいの大きさの匣(ハコ)に入れてあって、誰かが持ち運ぶ感じです。
胸から足や、腕の肘から指などは切り離されて有りません。
133名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 14:22:36 ID:RMdXNFhz0
>>132
>事故などで脳がダメになったので頭部を機械化し、首から腕、足腰などが生身
それってどちらかと言うと、生体部品を使ったアンドロイドなんじゃないか?
てか、そもそもサイボーグの前提として、脳=自己の記憶やアイデンティティを司る最重要部品は無事てのがあるから、
その脳が逝っちゃった段階で既にサイボーグの体(てい)を成していないんじゃないか、と。
もっとも、コンピュータに生前の記憶などが移植されている、というエイトマン方式なら別ですが。

それならむしろ、機械の肉体はコミュニケーション用の人型端末と割り切り、
据え置き型の生命維持装置に固定された脳と常時通信とした方が。
で、中には複数の端末を同時操作していたり、
凄いのになると女型と男型の端末を使って色々とお楽しみ頂いている方がいらっしゃったり、とか。
134名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 16:51:10 ID:N4rNQ0/c0
>>132 柴田昌弘の「フェザータッチ・オペレーション」
そう言えばこのスレでは昔から見かけない。
エイトマン方式ならサイバロイド美由紀があったね。
胸像型もスレ未出。MLP内で1体だけ登場してたな。
135名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 21:53:27 ID:oazzMUhA0
>>132
>区別の目安としては、脳味噌が生身か造り物か、という事になります。

質問の前に>1位読もうな
136名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:32:34 ID:ry3EVKUA0
137名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 02:16:05 ID:PhE1o28j0
>>132
>または、ハコ型生命維持装置に無理やり押し込まれた状況とかはどうでしょう。

脳みそだけならキャプテンヒューチャーのサイモン教授だな。
こういう趣味なんだから、古典SFくらい読んでおこうよ。
138名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 07:48:17 ID:IRWDmZDc0
SF=すこしふしぎ

ゴメン俺まだ30代なんだ
139137:2007/10/19(金) 18:45:20 ID:N3lKlwq60
SF=Science fiction

ゴメン俺もう30代なんだ
140名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 01:13:57 ID:l/ogIT7x0
さいぼーぐ
「さいばねてぃくす おーがにずむ」で良いのですか?
だったら「体が生身で頭脳は機械」でもOKですよ。ね?
141名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 01:34:20 ID:8Zpy1+sL0
>>140
やっぱり、頭脳が機械ということは、脳が人間固有の
人格を持つと考えれば、そのコピーをプログラムされていると
いうことで、サイボーグではなく、アンドロイドだと思う。

身体が機械でも、脳は生身がサイボーグの最低限の
定義のように思える。
142名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 02:31:22 ID:l/ogIT7x0
アンドロイドは、体も頭も脳も含めて全身機械出出来ているの「人間の男型」で男の変わりに動く装置です。女型で女の代わりは「ガイノイド」

体が生身で頭脳が機械の場合なら、「人体と機械の組み合わせ」なのでアンドロイドでは有りませんよ?。
しかも、体積的には生身の部分が大多数ですよ。
143名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 10:18:41 ID:x8Cc3gtI0
理屈で言ったらサイボーグというのは生体部と人工部の混成だから、
脳だけ機械化というのもありえるだろうが、要はそんなの萌えるか?という問題。

具体的には「銃夢」に出てきた脳をICチップに置換えている奴らとか。

私は141の意見を指示したい。
144名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 10:49:35 ID:bYII1Lvl0
>>142
>体も頭も脳も含めて全身機械出出来ているの
ここが間違い。アンドロイドは機械である必要は無い。

まあ、どっちにしても>1にあるように、このスレでは人工知能はスレ違いなんで他所でやってくれ。
145名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 10:52:49 ID:8Zpy1+sL0
いくら体積的に生身の部分が大多数であっても、脳が生体でないものは、
少なくとも、サイボーグの範疇には入らないと思う。

脳が自前の生体のもので、そのほかを機械にされて、生身だった頃の自分との
ギャップに悩んだり、機械の身体でも生きていこうとする姿勢に萌えるのだと思う。
生体の記憶を転写されていたとしても、脳を機械に置き換えられているというのは、
少なくとも、自分の中では、生体ロボットのようなものであって、サイボーグではないし、
萌えの対象からは外れてしまうな。

生体の記憶を転写されても、その後、電子頭脳で考えることは、間違いなく、
自分の今までの考えとは違うことを考えていく可能性が高いので、
自意識を持つということとは、脳を機械にすると違ってくるのだと思う。
それは、もう、サイボーグとは言えないと思っている。

ただし、脳の一部を機械の身体の機能を補助するために電子機器を
組み込むというのは許せるけれどね。
146名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 11:49:58 ID:hM+PY01D0
>>142

残念だが、ガイノイドはマイナーすぎて伝わらないからまだまだ使えない。

もともと、昔から「男女まとめて言う場合は男性側でまとめる」、という風潮があったから、
「女性型アンドロイド」でもなんら問題はないわけで。
逆に、フェミニズム全盛の今からキャンペーンでも打てば、ガイノイドという言葉も市民権を得るかもしれんが。

スレ違いなので離脱〜
147名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 11:53:42 ID:hM+PY01D0
ごめん、離脱とは言ったけど今度はスレに即した話題で。

あと、これはあくまで主観なんだけど、
サイボーグは「一度でも人間として自然に生まれた」というのを定義においてはどうか、と思う。

脳が機械になってしまえば、体が人間でもアンドロイド。
脳まで生身であっても、その脳が一から構築されたものであれば人間ではない(「バイオロイド」とでも呼ぶか?)

「元は人間だったが、改造されて人間でなくなってしまった」
というのが、サイボーグとして重要なんじゃないかと。
区分としてもそうだし、特にメンタリティの部分で。
148名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:41:35 ID:LP2Y20/40
どのくらいの機械化率が萌え?
@義手、義足レベル
A主要臓器も機械化
B首から下は全て機械
C脳以外は機械
D脳も大部分が機械化
149名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 07:15:10 ID:8OlTBmY20
やっぱりCでしょ。生身の部分がここしか残ってないというのに萌える。
ただし自我意識は持っている事。
Dになると単なる部品の一つに成り果てて、この自我意識が消失しているのではないか
と思えて逆に萎える。
150名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 09:24:31 ID:JJYMIz6Z0
Cまでが萌える許容範囲。
でも、機械化率と同時に俺の場合、シチュエーションも大事。
特殊な職業とか、特殊な環境で活躍する姿にも萌えの要素があると思う。
151名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 18:33:58 ID:HDdkF+0+0
銃夢のザレム人は全員アンドロイドつー事になるのかね。
自分的にはそれは違うと思うが。
152名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 01:58:32 ID:XY3K5Lpq0
では、脳は安全だと思われる場所に保存ざれていて
完全な機械人形を遠隔操作してる場合は?

しかし、その脳は遠隔操作とは思っていない。
その機械の頭として一体化されてると信じている。
そして、なぜ体が機械なのかが、悩みの種。
意思とは関係なく、手入れをされたり、無理なことをさせられている。

153名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 09:27:14 ID:xaoZwN6d0
>>152
> では、脳は安全だと思われる場所に保存ざれていて
> 完全な機械人形を遠隔操作してる場合は?
それは普通にサイボーグ。

> しかし、その脳は遠隔操作とは思っていない。
> その機械の頭として一体化されてると信じている。
これは斬新なシチュエーションで、物語のオチとして使えそう。

自分がエスパーで特定の場所に瞬間移動できると信じ込んでいたら、
実はいろんな場所におかれた義体に乗り換えているだけ
とか
目が覚めたら闘技場うの中で、相手に散々いたぶられたあげくに殺され
たかと思いきや、また別の体を与えられて闘技場の中で目覚める無限ループ
とか
154137:2007/10/23(火) 23:55:09 ID:WXZwGW/f0
>では、脳は安全だと思われる場所に保存ざれていて
>完全な機械人形を遠隔操作してる場合は?

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「接続された女」とか?
(実際は脳みそじゃなくて、電極まみれで接続されちゃうんだけどね)
この手の話が好きなら、古典SFくらい・・・。(以下略)

>>153氏くらい捻りを効かせると面白そう。
155名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 00:31:42 ID:pu3Sjy8K0
なんか落ちてたので貼り
ttp://moe2.homelinux.net/src/200710/20071024948177.jpg

メカに萌えな人には意味ねーなこれw
156名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 20:23:47 ID:2LQEtFWF0
これはいいTSFですねぇ・・・。
・・・板違いじゃねぇのか??
157名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 12:55:52 ID:QQu6qgpm0
かわはらしん先生の「メタモルフォーゼ」ですね。
義体への脳移植なんでスレ的にはOKかと思いますけど、TSF系の人向きかな〜。

興味ある方は「夢色シスターズ」でamazon検索。
158名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 21:28:13 ID:Up9IHIS+0
ソフトバンクの宣伝見てたらサイボーグ家族というのを思いついた。
父親は攻殻に出てきたジェムスンが最もおもしろそうだ。
娘はきっと最新型の義体となりそうだ。
159名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:32:20 ID:fPLl3Hkr0
>>148
漏れは、部分的に生身の器官が残されているが、部分的に機械にかえられてるのが萌える。腹部は金属製の機械なのに乳房は生身とか。
そういう惨めな姿に無理矢理改造された幼女や少女に萌え。
160manplus:2007/10/30(火) 22:29:28 ID:nSit7Xa80
 次の年の秋、ミンメイは、石坂と美濃田の後について、トミタモータースポーツメディカルセンターの
建物の中に入っていった。
ミンメイは、ここに来るまで、ここの建物は、病院のようなものであろうというイメージを持ってやってきたのであるが、
実際のトミタモータースポーツメディカルセンターの建物の中は違っていた。

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「まるで高級リゾートホテルみたいですね・・・。
サロンがあったり、通路も広いし・・・、想像していた病院のイメージとは全然違うんですが・・・?」

石坂貴美香(以降、イ):「ハイデンさん、ここは、病院じゃないのよ。
ここは、スーパーF1に参戦するドライバーをスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに改造したり、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの精密点検・修理を行ったり、
スーパーF1を引退したスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのアフターケアをしたり、
サポートスタッフへの改造手術やメンテナンスをしたり、トミタとしてのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーや
サポートスタッフの研究開発をしていくための施設なのよ。だから、この施設で施術を受けるのは数人だけ、
そして、その数人の医療のためだけの施設と言うことなの。しかも、その数人というのは、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーもサポートスタッフも自らの身体を犠牲にして、
モータースポーツのために特別な身体になって生きることを決断して、
そのために莫大な報酬を受けている人間とその世話をするために常人よりも多くの報酬を
受けることになった人間の事なんだから、普通の病院のように誰でも入るところじゃないし、
入ることも出来ないの。だから、サイボーグになったり、そのサイボーグになった素体が快適に
施術を受けられるような施設になっているの。ハイデンさんもその仲間入りをするというわけなのよ。
だって、この施設での滞在時間は、改造手術を受けた直後や、事故などで再改造補修手術を受けた後は
機能回復訓練などを受けるから滞在時間が長くなるでしょ。だから、滞在中も、普段の生活と変わらないようなレベルに
施設が維持されていなくてはいけないの。」

161manplus:2007/10/30(火) 22:30:09 ID:nSit7Xa80
ミンメイは、石坂の説明を聞いていて、自分が、別の次元の生活の入り口に来ていることをヒシヒシと感じるのであった。
自分が手脚を切除されて、身体に電子機器を埋め込まれ、その電子機器を維持するための機械システムを
取り付けられた生体機械システムに生まれ変わる代わりに手にする生活の凄さを実感するのだった。

ミ:「瞳様とつぐみ様の世界にやっと、自分も仲間入りできるのですね。」

美濃田誠一郎(以降、セ):「そうだよ、ミンメイ。」

イ:「正確に言うと、速水選手や森田さんの生活レベルのツーランクぐらい下のレベルかも知れないけれどね。」

セ:「貴美香、そんな確信を突かなくったっていいだろ。」

イ:「美濃田先輩、そうかも知れないですね。でも、速水選手は、別格中の別格なんですから・・・、
リネカー選手やロッキネン選手たち超が付く一流スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
上のレベルなんですからね。それから、森田さんだって、スーパーF1界のサポートスタッフとしては、
超がつく一流のシュタイフさんたちでも足元にも及ばないレベルのサポートスタッフなんですからね。
だから、カンダのモータースポーツメディカルセンターは、速水選手と森田さんだけの専用のフロアを
作っているくらいなんですよ。」

セ:「それは知っているけれど、カンダは、瞳ちゃんとつぐみちゃんを特別扱いしすぎなんじゃないのか?」

ミ:「美濃田監督、それは違うと思います。瞳様とつぐみ様は、別格中の別格でいいんだと思います。」

イ:「そうだと思うわ。彼女たちは別格でいいのです。」

セ:「・・・、まあそうかも知れないな。しかし、カンダが瞳ちゃんを大事にしているのが解るようだよな。
だから、どこも引き抜けないんだからな・・・。つぐみちゃんにまで手を回しているみたいだし・・・。」

162manplus:2007/10/30(火) 22:30:50 ID:nSit7Xa80
イ:「でも、森田さんの特別扱いを認めるように助言したのは、トミタじゃありませんか。
ご自分が、速水選手と森田さんをセットで別格で考えた方がいいって妻川監督に
ご助言されたんじゃなかったでしたっけっ?」

セ:「・・・・・・。」

ミ:「美濃田監督、私、瞳様にすこしでも近づけるように、いいえ・・・、すこしでも早く追い越せるようになります。」

セ:「ああ、頼むよ、ミンメイ。その為に、トミタは、ミンメイとスーパーF1契約をしたんだ。期待しているよ。」

ミ:「はい。」

ミンメイは、トミタの期待の大きさに押しつぶされまいと必死に、そして、短く答えた。
実際、美濃田は、この時、ミンメイが瞳を越えられる逸材だと信じて、
ミンメイに全てをかけることを心に固く決めていたのだ。



イ:「ハイデンさん、ここがあなたがしばらく暮らして、そして、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに
なるための処置とその後の訓練を受ける場所よ。」

 石坂がミンメイを案内した部屋は、ホテルのスイートルームのような豪華な部屋だった。
そして、その奥には、処置室と書かれた部屋があり、中央のベッドと壁際に並ぶたくさんの機械類が
ミンメイの目に飛び込んできた。

163manplus:2007/10/30(火) 22:45:44 ID:nSit7Xa80
ミ:「石坂ドクター、私・・・、あの部屋で・・・。」

イ:「そうよ。待ちに待った、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへの変身のための手術を受けるのよ。
手術は、ハイデンさんに対するたくさんの検査を行って、問題がなければ、来週早々にサイボーグ手術を
受けてもらうことになるわ。」

ミ:「いよいよなんですね・・・。」

ミンメイは、感慨深げに石坂の言葉に応えた。

イ:「そうよ。だから、最後の人間としての一週間を満喫して、悔いの無いようにしておくのよ。
といっても、ハイデンさんの場合は、悔いが残ることはないわよね、だって、サイボーグになることが夢なんだものね。」

ミ:「はい。」

セ:「でも、ミンメイ、お前のようにスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになる者にとって、
サイボーグになってからの機能テストや試験から始まって、マシンコントロールシュミレーションや
実車に搭載されての走行試験など、サイボーグ手術を受けてからが目が回るほど忙しくなるから、
この一週間で、外界から隔離された状態で心身ともにリラックスしておく必要があるんだよ。だから、
この一週間で充分に休日を楽しんでおくこと。いいね、ミンメイ。」

ミ:「はい。ところで美濃田監督、私のサポートスタッフは?」

セ:「ああ、ちゃんと決まっているよ。もうすでにこの施設の別のフロアで、一足先にサポートスタッフとしての
サイボーグ手術を受けるための準備をした後、サイボーグ手術を受けて、サポートスタッフとしての訓練をうけている。
そして、ミンメイのサポートを開始するのを待っているところだよ。ミンメイの手術が終われば、ミンメイにすぐに
引き合わせてあげるよ。」

164manplus:2007/10/30(火) 22:46:25 ID:nSit7Xa80
ミンメイは、すこしほっとしたように表情をして、

ミ:「私にあった人が見つかったんですね・・・。好かった・・・。」

と呟くように言った。

イ:「それも、ハイデンさんの希望通りの姿になってくれるほど、サイボーグに対する憧れが強い素体だったわ。
きっと、ハイデンさんも、気に入って、仲良くなれるはずよ。」

ミ:「そうですか・・・。会うのが楽しみです。」

セ:「さてと・・・、ミンメイ。リビングのテレビ電話の受話器を取ってくれるか?」

ミンメイは、美濃田に言われて、リビングのテレビ電話の前に行き、美濃田に差し出された受話器を持った。
ミンメイの持った受話器の向こう側からは、聞き慣れた懐かしくも思えるけれど、呑気な声が聞こえてきた。

森田つぐみ(以降、ツ):“ご主人様、この電話、おかしいですよ。向こうに誰も映っていません。ただ、
部屋の写真があるだけです。まやかし物かもしれません。”

速水瞳(以降、ヒ):“でも、さっき、パパが出たんでしょ?”

ツ:“はい。でも、すぐに画面から消えちゃって・・・。このまま待っていてくれと言われて、
10分ぐらい経つのですが・・・。壊れていませんか?”

ヒ:“まさかそんなことはないでしょ・・・。つぐみさんの考えすぎだよ。”

165manplus:2007/10/30(火) 22:47:27 ID:nSit7Xa80
ツ:“そうでしょうか?このようなカラクリというものは、私は、どうしても信じられないのです。”

ミンメイが、すぐ脇にいる美濃田を見ると頭を抱えている。

セ:「瞳ちゃんもつぐみちゃんも、相変わらず馬鹿だよな・・・。何がカラクリだ・・・。
自分たちの身体だって、そのカラクリというヤツで出来ているんだぞっ!!」

ミンメイは、その美濃田の姿を見て思わずクスリと笑うと同時に、
瞳と森田のいつも通りの無邪気さに安心感を覚えたのであった。

ミ:「瞳様、つぐみ様、まやかしなんかじゃありませんよ。」

ミンメイがテレビ電話の上に付いているカメラに向かって顔を近づけた。

ツ:“あっ、ご主人様っ!ミンメイさんが映りましたッ!”

森田がカメラに目一杯近づき、Vサインを振りかざしている。

ヒ:“つぐみさん、あんまり近寄ると、私が映んなくなっちゃうじゃない。”

ツ:“ああッ、そうでした。でも、こうやって確認しないと、ミンメイさんがまたどこかに行ってしまうのではないかと思って・・・。”

ヒ:“あっ!そうか・・・、つぐみさんの言うとおりだよね。お〜〜〜いっ!ミンメイちゃん、聞こえるか〜〜〜っ!
もう消えるんじゃないよ〜〜〜ッ!”

ツ:“ご主人様、この位の策を講じておけば大丈夫です。ミンメイさんをどこかにテレビ電話がさらうことはないと思います。”

ヒ:“そうだね。私たちの恐ろしさをコイツも思い知るはずだよね。”

166manplus:2007/10/30(火) 22:56:46 ID:nSit7Xa80
ミンメイの脇で美濃田が、手で頭を抱えながら、うめくように呟く、

セ:「あれで、本当にスーパーAランクプラスのサポートスタッフなのか・・・?まるで馬鹿としか・・・。
それに・・・、その隣は・・・、本当にスーパーF1の伝説上のドライバーなのか・・・?」

ツ:“ご主人様、私、誰かに馬鹿と言われました。神様が馬鹿と言っていらっしゃるんでしょうか?”

ヒ:“つぐみさん、私も気のせいか、馬鹿娘呼ばわりされたような・・・。”

美濃田が堪らず、受話器に向かって怒鳴った。

セ:「こらッ!つぐみちゃん、神様が馬鹿というわけないだろッ!言ったのは俺だっ!」

ツ:“あっ!その声は美濃田監督・・・。あまりにも、そちらが無反応だったもので、壊れてしまったのかと・・・。
どうも機械は苦手で・・・。”

ヒ:“そうだよね。機械なんて、信じらんないもんね。”

セ:「おいっ!瞳ちゃんも、つぐみちゃんも、いい加減にしてくれよ・・・!??自分たちの身体だって機械じゃないかっ!」

ツ:“・・・、そう言えば・・・。さて、ご主人様、ミンメイさんが電話に現れましたので、お話をしないと・・・。”

セ:「つぐみちゃん、誤魔化すんじゃないっ!」

ミ:「美濃田監督、お二人に何を言っても無駄ですよ。あのお二人は、天然ボケなんですから・・・。
それを監督はよくご存知じゃないですか。」

167manplus:2007/10/30(火) 22:57:28 ID:nSit7Xa80
イ:「そうよ。美濃田先輩、あの二人と来たら、シャッキッとしているときは、さすがに超一流のサイボーグだと思うけれど、
ボケ出しちゃうと、この二人を改造した費用と時間が無駄だって思う時があるのは、美濃田先輩も知っているじゃないですか?
妻川監督だって、いつも頭を抱えていますよね。」

セ:「貴美香まで何を言っているんだ・・・。でも、そうだよな。」

ミ:「そんなことより、お二人と、早くお話しさせてくれませんか?」

セ:「ああ、そうだったね。ゴメン。」

美濃田は、気づいたように、ミンメイに受話器を渡した。

ミ:「瞳様、つぐみ様。私、いよいよ・・・。」

ヒ:“ミンメイちゃんの希望が叶うときが来たよね。”

ツ:“今の気分はいかがですか?”

ミ:「瞳様、つぐみ様、私の今の気分はバッチリです。」

ヒ:“そうか・・・・。好かった。でもね、サイボーグになると今までの感覚では計り知れないような違和感に
襲われるときが最初のうちはあるから、手術後の身体になれる訓練と、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、スーパーF1マシンと接続されて実際に操縦するときの
何とも言えない違和感を克服するのは大変だから、希望が叶ったと言って喜んでばかりはいられないよ。”

168manplus:2007/10/30(火) 22:58:05 ID:nSit7Xa80
ツ:“でも、ミンメイさんは、ご主人様や私と違って、サイボーグになることを、そして、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになることを一つの目標にしていたし、
今までの人生で、生体の素体でいることを仮の姿だと思っているくらいだから、きっと、
なんの苦労もなく、サイボーグ体のご自分の姿を受け入れられるはずです。頑張ってください。
それに、きっと、ミンメイさんにとって、最高のサポートスタッフがついて、一緒に歩んでくれるはずですから、
何も心配は要りませんよ。”

ミ:「ありがとうございます。でも、もしも、何か、私の新しい身体のことで、解らないことがあったら、
お二人はご相談に乗っていただけるんですか?」

ヒ:“ミンメイちゃん、もちろんだよ。ミンメイちゃんが、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになっても、
ミンメイちゃんは、私とつぐみさんの永遠の愛奴だよ。”

ツ:“そうですよ。ミンメイさんは、どんな身体になろうと、私たちのものなんです。
いつでも相談にも乗りますし、愛し合うことだって出来るんですよ。こうしてね・・・。”

森田は、そう言うと、瞳の唇に自分の唇を重ね、瞳の形のいい胸を着ている服の上から揉みしだくのであった。

ヒ:“あっ、あ〜〜〜ん・・・。つぐみさん、最高に感じちゃうよ〜〜〜ッ!”

瞳が官能の表情を浮かべて苦悶する姿と、森田の官能のためにトロンとしてしまった表情が
テレビ電話の画面に大きく映し出され、それを見ていたミンメイが、自分の性管理用貞操ショーツと
性管理用貞操ブラのうえに左右の手を置き、必死に自慰をしようとして、性器に拒絶されてやり場のない欲求に
苦悶している姿がそこにあった。

イ:「この娘たち・・・。私も自分が常識とは違う面を持っているとは思っていたけれど、
上には上がいることを痛感してしまう・・・。」

石坂が、半ば呆れて呟くのを聞き、美濃田が悲鳴を上げる。

169manplus:2007/10/30(火) 23:11:05 ID:nSit7Xa80
セ:「貴美香、頼む、止めてくれ・・・。気がおかしくなりそうだ。瞳ちゃんも、つぐみちゃんも、
人目を気にしないんだからな・・・。そう言えば、つぐみちゃんが公然と嫌らしくなるのは、
かなり酒を飲んでいるときだったっけ・・・?」

イ:「美濃田先輩、それです。彼女たち、飲んでますよ、絶対ッ!速水選手も森田さんも、
ハイデンさんの欲求が爆発してしまうから、すこし考えて頂戴ねッ!」

ヒ:“つっ、つぐみさん、今は、ミンメイちゃんと話をしないと・・・。”

瞳が先に官能の深淵からはい上がり、我に返った。続いて、森田が、こちらの世界に戻ってきた。

ツ:“あっ、あっ!そうでしたね。ミンメイさんの欲求が爆発しますよね。でも、ご主人様とミンメイさんがダブってしまって、
急に、誰かを官能の深みに引きずり込みたくなったものですから・・・。”

イ:「あのねぇ・・・。二人とも、かなり飲んでいるんでしょ?」

ヒ:“石坂ドクター、そんなことないよ。祝勝会で、シャンパンを二人で4本飲んで、部屋に帰ってきてから、
つぐみさんの手作りのおつまみで、スコッチをボトル4本飲んだだけだよ。”

セ:「このウワバミどもめっ!でも、祝勝会と言うことは、ケープタウンは、瞳ちゃんが勝ったんだね?」

ミ:「瞳様、おめでとうございます。」

ヒ:“ありがとう。ミンメイちゃん、パパ。今日も悪いけれど、リカルドも、信次も相手にならなかったよ。”

ツ:“私は、気がついたら、ご主人様が、また、ポデュームの真ん中に置かれていて・・・。”

ミ:「つぐみ様、相変わらずなんですね。」

170manplus:2007/10/30(火) 23:11:57 ID:nSit7Xa80
ヒ:“うん。今日も、つぐみさんは、私のレースをなんにも見ていなかったみたい。”

ツ:“だって・・・、ご主人様に何かのことがあったら・・・。”

セ:「そこがつぐみちゃんの理解できないところだよな、何かあったときに真っ先に飛んでいかないといけないから、
しっかりと見ておく必要があるんじゃないかと思うんだがな・・・。」

ミ:「美濃田監督、そこが、つぐみ様の永遠に変わらぬ乙女心のなせる業なんですよ。」

セ:「そう言うものかな?でも、瞳ちゃんにトミタの総監督としては、一矢報いたいんだけれどなあ・・・。」

イ:「美濃田先輩、そのうちにハイデンさんが、速水選手を脅かす存在になってくれますよ。」

ヒ:“そうだよ、パパ、ミンメイちゃんは、その位の才能があるもの。”

セ:「敵に塩をおくられちまったよ・・・。しかしなあ、ミンメイが、超一流に育つまで何年の間、
恵美さんの嫌みな高笑いを聞かなきゃいけないかと思うと・・・。」

ツ:“美濃田監督、そんなこと言っていて好いのですか?もし、そんなことを美濃田監督が仰ったなどということが、
妻川監督の耳にでも入ったら・・・。”

ヒ:“そうだよ、パパ、つぐみさんの言うとおりだよ。嫌みな高笑いなんて言ったことを恵美さんが知ったら、
どんな仕打ちをされちゃうんだろうね・・・?”

セ:「瞳ちゃんもつぐみちゃんも絶対に言っちゃダメだよ。」

ヒ:“私とつぐみさんは、パパを裏切るようなことはしないよ。”

171manplus:2007/10/30(火) 23:12:44 ID:nSit7Xa80
ツ:“ただし、口止め料が高いだけで・・・。”

セ:「つぐみちゃん、よしてくれよ。この前、SP−7とメロディアをプレゼントしたばかりじゃないか?」

ツ:“冗談ですよ、美濃田監督。でも、もっと口の軽い方がいらっしゃるのでは?”

セ:「あっ!貴美香か・・・。お前、喋るんじゃないぞっ!」

イ:「私が、美濃田先輩のことを、妻川監督に売るなんて・・・。」

ヒ:“でも、石坂ドクターは、自分の幸福よりも、他人の不幸の方がはるかに楽しいんですよね。”

イ:「速水選手、私がそんな女に見えますか?」

ヒ・ツ:““はいっ!!””

イ:「電話の向こうで、声を揃えないでよ。」

セ:「貴美香、絶対に言うんじゃないぞっ!俺は、恵美さんに捨てられたら、この年になってどうしたらいいんだ。」

ミ:「美濃田監督は、妻川監督にぞっこんなんですものね。」

ヒ:“そうだよ、ミンメイちゃん、パパは、恵美さんに捨てられたら、生きていけないかもよ。それくらい、パパにとって、
恵美さんは大切なんだよ。”

ツ:“でも・・・、でも・・・、妻川監督も美濃田監督のことを無くてはならない人だと思っていますから、
美濃田監督が一方的に捨てられることはないですもんね。”

172manplus:2007/10/30(火) 23:23:59 ID:nSit7Xa80
イ:「でも、捨てられない代わりに、美濃田先輩の周りで、もの凄い暴風雨が吹き荒れますものね。
捨てられた方が先輩は気楽なんじゃないかと思うぐらいですもの。」

ヒ:“そうだよね。でも、離れられないんだから、波風を立てないようにしなくちゃいけないんだから、難しいんだよね。”

イ:「速水選手の言うとおりですよね。だから、暴風雨が吹き荒れる中をさまよう難破船のようになりたくなかったら、
私にも、口止め料を下さいよ、美濃田先輩。」

セ:「貴美香まで、何を言うんだっ!」

イ:「だって、速水選手と森田さんにだけ、いい思いをさせて、私には何にもしてくれないんですか?
そんなの不公平ですよ。」

セ:「貴美香・・・。あのねぇ・・・。」

ミ:「皆さん、ハゲタカの集団のようです・・・。」

ツ:“ミンメイさんっ!そんな・・・、私たちのどこがハゲタカなのですか?
せめて、タスマニアデビルぐらいの可愛いのにしておいてください。”

ヒ:“そうだよ。ミンメイちゃん、私も可愛いのがいいな。”

セ:「意味が違うぞっ!瞳ちゃんもつぐみちゃんも・・・。」

ミ:「まあ、いずれにしても、肉食で死骸にまでむしゃぶりつくことには変わりないんですから・・・。」

173manplus:2007/10/30(火) 23:24:43 ID:nSit7Xa80
セ:「カンダは、一体、どういうスタッフを抱えているんだ。つぐみちゃんまで最近、Sに目覚めちゃったもんな。」

ツ:“そんなことありません、私は、そんな底意地が悪いなんて言うことは・・・。”

イ:「美濃田先輩、そこまでにしないと、森田さん、泣き出しちゃいますよ。私にだけ口止め料を払えばいいものが、
電話の向こうの極悪コンビにも搾り取られるような口実を与えてしまいますよ。」

ヒ:“あのねぇ・・・、石坂ドクター・・・。私とつぐみさんのどこが、極悪コンビなのよ。お聞きしたいのですが・・・、
マッドサイエンティスト・さ・ま。”

イ:「今度の完全オーバーホールの時、二人の体内のマイクロチップに不良品を使ってやるからねっ!」

ミ:「石坂ドクター、そんなことをしたら、瞳様とつぐみ様が故障してしまいます・・・。
お願いですから、そのような早まったことをなさらないでください。」

イ:「ここにも、シンパがいるのを忘れていた・・・。大丈夫よ、ハイデンさん。
そんなことをしたら、瞳ファンとつぐみファンに、この世の中から、私が、抹殺されかねないもの。」

セ:「そうだよ、貴美香。たぶん、間違いなく、殺される。しかも、瞬時にね。」

ミ:「そうかもしれません、瞳様とつぐみ様のお二人のファンは、年を追うごとに熱狂的になってきていますもの。
最近では、【瞳スト】と【つぐみスト】という呼称で、お二人の熱狂的なファンを呼ぶようになっているくらいですから・・・。」

イ:「そうすると、森田さんの口元が微妙に釣り上がりっぱなしになって、
感情がサポートコンピューターでも生体脳でもコントロールをしきれなくなって、
暴走する機会が増えちゃうんだよね・・・。」

174manplus:2007/10/30(火) 23:25:29 ID:nSit7Xa80
ヒ:“確かに、石坂ドクターの言うとおりだね。”

ツ:“私のどこが暴走するというのですか・・・。私は、暴走したことなんて・・・。”

イ:「サイボーグなのに、サポートコンピューターにも、データーが何故か残らないような暴走の仕方をするんだから・・・。
生体脳にも記憶がないし・・・。困ったものです。」

ヒ:“つぐみさんが暴走するときと、酔っぱらったときの記憶が不思議と無いのは、石坂ドクターが、
そのような設計をしたのかと思っていた。”

イ:「速水選手、そうじゃないのよ。速水選手仕様への再改造手術で、森田つぐみを作り上げたとき、
そんな設計はしていないんだけれど、何故か、記憶が飛ぶ現象が起こるようになっちゃったの。
過去のことが原因なのかなあ・・・。」

ツ:“人のことを冷静に分析しないでください。”

ヒ:“さすが、マッドサイエンティスト・・・。”

イ:「あのねえ・・・。ところで、こっちもそろそろ作業を開始したいので、性管理用貞操ショーツと
ブラを外してくれないかなあ・・・?」

セ:「そうだよ、瞳ちゃん、つぐみちゃん、お願いだ。」

ミ:「早く、サイボーグになりたいよ〜〜〜ッ!それで、サイボーグ同士にしかできない、
メカニカルセックスを瞳様とつぐみ様にお相手していただきたいよ〜〜〜っ。」

イ:「さすがにサイボーグフェね。それから、美濃田先輩、忘れてしまわないうちに言っておきますが、
口止め料のリストを今度お渡ししますから、よろしくお願いしますね。」

セ:「貴美香は、しっかり覚えていたのか・・・。」

175manplus:2007/10/30(火) 23:36:38 ID:nSit7Xa80
ヒ・ツ:““ドクターは、蛇のように執念深いもの。””

イ:「電話の向こうッ!!早く作業をしてっ!!」

ミ:「ドクター、コワッ!」

ヒ:“はいはい・・。それじゃ、ミンメイちゃんの股間と胸を一時的に自由にしてあげますか・・・。”

ツ:“でも、ミンメイさん、約束してくださいね。サイボーグになるための検査で興奮して、オナッちゃダメですよ。
完全なサイボーグになって、新鮮な気持ちでエッチをするときに新鮮みがなくなっちゃいますからね。”

イ:「大丈夫よ。ハイデンさんの性は、こちらで責任をもって管理してあげるから。」

石坂は、そう言うと、ハイデンの両手にボール型の拘束用グローブをはめて、
グローブの付け根にある固定用の鍵をかけて、ミンメイがグローブを外せないようにして、
両手の指が使えないようにし、グローブを付けたことを、瞳と森田に見せるため、ミンメイの腕をとり、
カメラの前に掲げて見せた。

イ:「普段は、こうして、お手々が使えないようにしておくし、股間と胸には、特殊樹脂のプロテクター付きアンダーウェアを
着せておくし、検査の時やシャワーの時、それに、ベッドに横たえておくときは、手足を固定して動けないようにしておくからね。
お二人とも、ご安心下さい。」

セ:「でも、貴美香、ミンメイがサイボーグになったら、瞳ちゃんとつぐみちゃんが貞操管理を、ミンメイに対して、
サイボーグ体の構造上では、行うことが出来ないんじゃないのか?」

176manplus:2007/10/30(火) 23:37:21 ID:nSit7Xa80
イ:「美濃田先輩、何を言っているのですか?何故、私が直接執刀することにしたと思っているのですか?」

セ:「えっ!!?」

イ:「速水選手と森田さんからの要請を受けて、彼女たちが性管理できるようなタイプにハイデンさんの人工性器や
人工性感帯を設計しておいたんですよ。だから、そんな手術は、私ぐらいしかできないので、直接執刀に
踏み切ったのです。」

セ:「いっ、いつの間に・・・。この3人に掛かると何が起こるか・・・。」

ヒ:“恵美さんも了解済みだし・・・、”

ミ:「もちろん、私もドクターや瞳様、つぐみ様の提案を喜んで了承しています。」

イ:「サポートスタッフも、速水選手と森田さんからの性管理をハイデンさんが受けられるように設計してありますし、
サポートスタッフ自身の管理も二人が出来るような設計になっています。ちゃんと、国際自動車連盟の認定も
受けています。」

セ:「・・・。知らないのは、俺だけか・・・。」

ヒ:“だって、パパが知ったら、その分、改造手術の費用がかさむから、怒るだろうって、みんなで話して、
黙っていたんだ。”

セ:「ミンメイまでグルか・・・。当たり前だっ、そんな細かなところまで、改造する費用をトミタの社長に
決済を頼むことはできんぞっ!」

177manplus:2007/10/30(火) 23:38:22 ID:nSit7Xa80
イ:「大丈夫です。美濃田先輩。その費用なら、速水選手と森田さんが全て補填してくれています。」

セ:「二人とも、そこまでして・・・。呆れてものが言えん。」

ミ:「美濃田監督、この件は、私の我が儘を聞いていただいたのです。私がどの様な立場になっても、
お二人とは絶対に繋がっていたいのです。性の管理は、その為の絆の具現化なのです。」

セ:「そこまで、瞳ちゃんとつぐみちゃんに惚れちまっているのか・・・?!」

ミ:「はい。」

ヒ:“だから、パパ、いいでしょ?ミンメイちゃんの気持ちを大切にしてあげたいの。”

セ:「瞳ちゃんたちの気持は理解した。でも、ミンメイ、お前のサイボーグ改造手術のスペック全体が
イレギュラーなのに、さらにイレギュラーなことをしてしまって、それをずっと生体脳の生命反応が
停止するまで引きずることになってもいいのか?」

ミ:「はい、覚悟できています。」

イ:「美濃田先輩、ハイデンさんの思いは、純粋で強いものだと、私も判断して、サイボーグ体の設計を
変更したつもりです。」

セ:「解った。その設計変更を認めよう。その代わり、瞳ちゃん、つぐみちゃん、ミンメイを絶対に捨てないでくれ。
お願いするよ。二人と一緒に生涯歩かせて欲しい。」

ヒ:“パパ、解っているよ。トミタの、そして、パパの大事なミンメイちゃんを私とつぐみさんは、守っていくつもりだよ。
それに、ミンメイちゃんのサポートスタッフもね。”

178manplus:2007/10/30(火) 23:50:20 ID:nSit7Xa80
ツ:“はい、私も誓います。私にできることがなんなのか、探し続ける毎日かもしれませんが、
ミンメイさんとそのサポートスタッフをいろんな意味で守っていくつもりです。美濃田監督安心してください。
いろんな画策をされたみたいですけれど、ご主人様とミンメイさんが出会って、こういう関係になることは、
神様が下さった必然なんですから・・・。ご主人様は、神様が選ばれた人間のうちの一人なんです。
だって、ご主人様が、スーパーF1で初勝利を手にしたのは、チェコなんですよ。
そんな出来事を神様が簡単にくださるのは、ご主人様のような選ばれた方なんです。
そのような方が大事にするようにと、出会いを神様がくださったのですから、美濃田監督、心配しないでください。”

セ:「ありがとう。瞳ちゃん、つぐみちゃん・・・。」

イ:「美濃田先輩、本当にハイデンさんが可愛くて仕方ないんですね。でも、森田さんには、全てバレていますよ。」

セ:「あっ、ああ・・・。さすがに、スーパーAランクのサポートスタッフは違うよ・・・。」

ミ:「それに、つぐみ様、本当に敬虔なクリスチャンだということも、本当に理解できますよね。
チェコが瞳様にとっての必然の場所だなんて・・・。」

ツ:“あっ、そうです。ミンメイさん、今、性管理用貞操ショーツとブラを外しますね。”
森田が思い出したように言うと同時に、
【ガシャッ!】
と言う音が二回聞こえ、ミンメイの股間と胸から、ミンメイの自由を管理していたものが床に落ちていった。
ミンメイは、股間と胸に久しぶりの外気を感じるのであった。

ミ:「瞳様、つぐみ様、ありがとうございます。」

ヒ:“ミンメイちゃん、頑張るんだよ。何か困ったことがあったら、いつでも電話するんだよ。
手術が成功することを祈っているよ。新しい身体のミンメイちゃんに会うことを楽しみにしているね。”

179manplus:2007/10/30(火) 23:51:05 ID:nSit7Xa80
ツ:“ミンメイさん、頑張ってくださいね。また、楽しいことが出来ることを思い描いて、
辛いことを乗り越えてくださいね。”

ヒ:“それじゃあね、ミンメイちゃん。あっ、あっ・・・、つぐみさん、ダメだよっ・・・。
電話がまだ切れていないんだから・・・。”

ツ:“いいじゃないですか・・・。”

森田のこの言葉を最後に電話が切れてしまった。

ミ:「瞳様とつぐみ様らしい切れ方ですね・・・。」

イ:「えっ、ええ・・・。森田さんの酔いが急に回ったのかしら・・・。酔っぱらうと急にイヤらしくなるんだからね・・・。
ある意味で、酒癖が悪いというか・・・。」

セ:「いいや、完全に酒癖は最悪だよな・・・。つぐみちゃんの普段の冷静さが嘘みたいだ・・・。」

3人が呆れて唖然とする姿のままで映像が切れたテレビの画面を見つめたままで固まっているのであった。



180manplus:2007/10/30(火) 23:51:59 ID:nSit7Xa80
 この一週間、ミンメイにとっては忙しい日々が続いた。ホテルのスイートルームのような部屋に滞在しているとはいえ、
ミンメイは、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへの改造手術を受ける被験者という身の上が
変わるものでもなく、準備のための検査や体力測定などのプログラムが、秒刻みで組まれ、
落ち着いている余裕など1秒たりとも無い日々を過ごしていたのである。

イ:「ハイデンさん、検査の結果が出たわ。何の問題もなく、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへの処置に、
明日からはいることが出来るわよ。」

ミ:「石坂ドクター、本当ですか?」

イ:「ええ、いよいよ、あなたもサイボーグの仲間入りが出来るのよ。」

ミ:「嬉しいです。」

イ:「本当に、人間であることへの未練はないのね?」

ミ:「もちろんです。」

イ:「そう・・・。でも、今日は、固形食をとってもらって、人間としての最後の食事を楽しんでもらうからね。」

ミンメイは、この一週間、口からの栄養補給という作業をさせてもらっていないことを思い出した。

イ:「ハイデンさん、何が食べたい?」

ミ:「う〜〜〜ん・・・。急に言われてもね・・・。困っちゃいます。でも・・・、強いてリクエストするなら、
つぐみ様の手料理を人間としての最後の食事に選びたいのですが・・・。」

イ:「そう言うと思った。」

181manplus:2007/10/31(水) 00:00:50 ID:nSit7Xa80
ミ:「でも、我が儘ですよね。今は、アフリカのナイロビですものね・・・。」

イ:「それが、森田さんがね、昨日、電話をかけてきて、人間としての最後の食事に自分の手料理を
食べさせてあげて欲しいって言って、食料保存パックに森田さんの手作り食事を入れて、
昨日の航空便でナイロビから送ってくれたのよ。彼女の心遣いには頭が下がるわよね。
ハイデンさんの心理を読んでいるんだものね。」

ミ:「うわ〜〜〜っ!感激ですっ!つぐみ様の手料理を食べられるのなら、もう、この先、
経口固形食を完全に摂取できなくなっても、私、後悔しません。」

イ:「そこまで感激するのか・・・?!さすがに、速水選手と、森田さんの僕よね。でも、ハイデンさんは、
経口摂取固形食を摂れないような身体になりたいかもしれないけれど、それは、無理だからね。
普段は、サイボーグらしく、専用液状食を摂取用弁から摂取するか、呼吸液に混入しての摂取でも
好いようにしておくけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、
公式行事の晩餐会などに出席しなくちゃいけないから、人間の栄養摂取形態は残しておかないといけないんだからね。」

ミ:「そうですよね・・・。公式の晩餐会で、自分はなにも食べないというのは、主催者に失礼ですものね。」

イ:「そうよ。ハイデンさんの気持ちは解るけれどね。そこは、我慢してね。それに、口からの摂取方法と
味覚検知システムを残しておけば、森田さんの手料理もスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに
なってからも楽しめるじゃないの。」

ミ:「そう言われればそうでしたね。つぐみ様の手料理がサイボーグに
なっても変わらずに楽しめるというメリットを忘れていました。
サイボーグフェチの私にとっては、完璧な機械体の中で生きることの喜びだけに目が行ってしまいました。」

182manplus:2007/10/31(水) 00:01:36 ID:nSit7Xa80
イ:「ハイデンさんらしいわね。でも、私も、ハイデンさんの気持ちは、痛いほどわかるわよ。思考が同じだから、
話がしやすいわよね。」

ミ:「でも、私のサポートスタッフになってくれる方と、ドクターのように通じ合えるかが心配です。」

イ:「ハイデンさん、それは大丈夫よ。ちゃんと、素晴らしいサイボーグフェチを美濃田先輩が見つけたからね。
期待に添えると思うわ。でも、彼女にも、通常の生体と同じような栄養摂取形態は残してあるから、
ハイデンさんの理想を完全に具現化するまでにいってはいないけれどね。でも、これも仕方ないのよ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、ホームパーティーなどを開くときに、
サポートスタッフが森田さんのように全ての料理を作るのだから、その料理の味覚がとんでもないものだと困るでしょ。
全て、自分の世界で完結する職業とは違うものなのよ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、
国際自動車連盟と所属チームの生かされている広告塔の役目をするのだし、そのサポートスタッフは、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの身体の一部として、
対外活動に協力していかなくちゃいけないんだからね。だから、その中には、
森田さんやシュタイフさんのようなスーパーアイドル並みの扱いを受けるサポートスタッフも出てくるという訳なの。」

ミ:「理解しています。ドクター。でも、つぐみ様やシュタイフさんの人気は、ちょっと異常ですよね。」

イ:「そうよね。彼女たち二人は、特殊なケースかな。でも、彼女たち二人は、芸能界にいても、
当たり前のように人気が出ていたと思うけれどね。ただし、あの二人が担当する
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが、超一流の女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーで、
活動的な女性サイボーグのイメージがあるから、二人とも、耐える女、待つ女としての、
可愛いイメージが倍加されちゃったところはあるんだけれどね。」

ミ:「確かに・・・。」

183manplus:2007/10/31(水) 00:02:17 ID:M1330KjZ0
ミンメイは、森田の瞳と向き合うときの献身的な行動や、普段のしぐさの可愛さ、そして、
申し分のないルックスを思い出していた。そして、彼女の担当するスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーである
瞳の行動的で、陽気で、誰にでも明るさと暖かさを与える存在に対して、森田の優しく、思慮深い、
心の安らぎを与える存在を考え、お互いの関係を例えるのであれば、まさに、太陽と月の関係のように思えるのだった。

ミ:「太陽と月ですよね。」

イ:「そうよね。あの二人はまさにそうかもね。不必要に明るい速水選手と安らぎを与える適度な
明るさの森田さんの真ん中にいると、お互いからの影響を受ける地球になった気分になるという表現が正しいものね。」

ミ:「確かにそうですよね。もう一組のカップルのリネカー選手とシュタイフさんの関係は、
ちょっと違うんじゃないでしょうか?」

イ:「そうだね。彼女たちの関係は、太陽と木星の関係かな?」

ミ:「太陽と木星?」

イ:「そうよ。太陽になれた太陽と、太陽になり損なった木星の関係。シュタイフさんも、ゲルマン民族らしく、
自己主張をはっきりするところがあるじゃないの。そのくせ、女性特有の可愛さや依存心を持っている。
太陽のお世話になんてならなくても生きていけたんだと言いながらも、太陽であるリネカー選手の
周りを回っている惑星の存在として満足しているし、リネカー選手だって、火の玉のように強がりながら、
木星なんていつでも太陽系から離脱してくれて好いのよみたいに言っていながら、
木星であるシュタイフさんがいなくなるのは絶対に困るのよ。シュタイフさんが自分の周りにいなくなることが、
リネカー選手の心にどれだけのダメージを与えるのかを自分自身がよく理解している。そんな関係だと思うのよ。」

184manplus:2007/10/31(水) 00:12:43 ID:M1330KjZ0
ミ:「確かに・・・。つぐみ様と同じように可愛い女性の代名詞のようにシュタイフさんは言われていますけれど、
ドクターの言われるように、シュタイフさんには、民族性からくる強烈な独立心や自己主張をする部分がありますからね。
でも、つぐみ様同様に、あのロリータ系の顔立ちと抜群のプロポーション、それに、根の部分にある女性本来の
可愛らしさが人気なんですよね。でも、シュタイフさんは、人工皮膚組織を持っていないから、
どんどんと生物学的な老化が進みますよね。そうすると、国際自動車連盟としては、広告塔が
賞味期限切れになって困ると思うのですが・・・?」

イ:「そのあたりは、国際自動車連盟も考えていて、フェラーリに申し入れて、確か、
今年のシーズンオフにシュタイフさんの皮膚組織を人工皮膚に張り替えると共に、
生体筋肉に人工筋肉を鋤込む改造手術を行なうはずよ。それに伴って、
肥満の原因になるような余剰の栄養分を摂れないようにするための栄養摂取制御システムと
生体消化器官の一部を人工消化器官へ置きかえて、適正なカロリー以外が
身体に入り込まないようにするような改造手術を受けているはずなの。
内臓年齢の衰えの抑制と皮下脂肪層のコントロールと余剰皮下脂肪を機械部分の
動力エネルギーへ転換するシステムも取り付けられたはずだし、人工皮膚の改造手術の際に、
リネカー選手と同じく、22歳の時の生体外見情報の再現をおこなっているから、彼女も、
永遠の美貌がそのままに保たれるどころか、若返っているはずよ。もともと、リネカー選手と同い年だったから、
外見上で、自分だけが年老いていくことにシュタイフさんは、コンプレックスを持っていたらしいから、
国際自動車連盟の申し出をとっても喜んで受け入れたみたいよ。」

ミ:「シュタイフさんの美貌も、つぐみ様と同じように国際自動車連盟の重要な資源ですものね。
それが保全されたことは、サイボーグフェチにとって、喜ばしいことですよね。」

185manplus:2007/10/31(水) 00:13:25 ID:M1330KjZ0
イ:「それに、同じビアンのネコでも、森田さんみたいに、セパレーティングの思想を持っていないから、
一般の男性ファンだって近づきやすい存在のシュタイフさんの美貌に磨きが掛かるのは、喜ばしいことなんじゃないの?」

ミ:「確かに、そうですよね。女の子としては、つぐみ様もシュタイフさんもとっても近づきやすい存在なのですが、
男性ファンにとっては、何となく、つぐみ様は敷居が高く感じちゃうようですよね。
それに比べてシュタイフさんの方が近づきやすいのは事実ですものね。でも、その、ちょっと気高く感じるところが、
つぐみ様に群がる男性ファンは堪らないみたいですけれどね。」

イ:「本当に、男どもの考えることときたら・・・。」

石坂はため息をついた。

ミ:「私のサポートスタッフは、どんな活躍をするのでしょうね・・・。今から会うのが楽しみです。
でも、どこまでサイボーグフェチなんでしょうか?」

イ:「ハイデンさん、大丈夫よ。絶対に気に入ってくれるわ。それに、ハイデンさんとそのサポートスタッフは、
サイボーグフェチだけではなく、アンドロイドフェチにも人気が出るはずだもの。」

ミ:「そうだといいんですが・・・。」

石坂が、時計を見て、

イ:「そろそろ、食事の時間ね。ベッドをおこすわよ。」

186manplus:2007/10/31(水) 00:14:06 ID:M1330KjZ0
ミンメイは、この一週間の間、身体がまったく動かせない状態で大の字の形にベッドに拘束されているのであった。
そのままの状態であらゆる検査を受けていたのだ。
ミンメイにとって、その改造手術前の自分のおかれた状態は、サイボーグに無理矢理改造されるための恐怖を
味わうヒロインのような状態であり、サイボーグフェチとしては、
おきまりのシチュエーションでのこの体験は最高の体験であった。

イ:「ハイデンさん、楽しそうね。普通の素体なら、この状態でいることに対して、かなりのストレスを感じるはずだし、
精神安定剤を投与しなくてはいけないのだけれど、あなたに限っては、それは必要ないようね。
普通の素体なら、どんなに覚悟を決めていても、機械の身体に置き換えられるカウントダウンが
自分ではどうすることも出来ずに進んでいる事への失望や恐怖心があるのだけれど、
精神・心理データーを見る限り、性的興奮の兆候が出ているくらいだものね。さすがにサイボーグフェチだわ。」

ミ:「ドクター、私、サイボーグにされるための検査を受けている自分の置かれた立場に酔っちゃっています。
でも、生体からのサイボーグ改造手術は、一度だけの思い出だから、ゆっくりと、
しっかりと噛みしめながら毎日を過ごしていたんですよ。」

イ:「そうだよね。だから、人間としての最後の食事、それも固形物の受容というのも、最高の気分に感じるはずよ。
それも、森田さんの手料理なんて最高よね。」

ミ:「はい。この一度しかない“最後の晩餐”、しっかりと心に刻むつもりですし、
その感覚から来る高揚感を噛みしめるつもりです。」

イ:「解ったわ。でも、あんまり、股間を濡らしっぱなしにしちゃダメよ。興奮しすぎると神経コントロールシステムを
繋げなくなっちゃうからね。興奮もほどほどにしてね。この感覚を長く味わえるように、あなたがこの部屋に
入れられてからの全ての映像を記録媒体で残しておくから、その映像のコピーをあとで渡すわね。
自分がサイボーグにされる姿をいつでも望む時に思い出す事が出来るようにしておくわ。」

187manplus:2007/10/31(水) 01:01:31 ID:M1330KjZ0
ミ:「ドクター、ありがとうございます。」

イ:「本当に、変な娘ね。」

ミ:「ドクターに言われたくないです。“隠れ”だけれど、石坂ドクターは、私と同じ嗜好を持っているじゃないですか。」

イ:「まあね。将来、私も機械の身体になる事があれば、その時は、ハイデンさんみたいに興奮しちゃうんだろうな。」

ミ:「私、自分が手術台の上で機械の身体に変わっていく姿を何度も見ちゃうんでしょうね。
一度しかない貴重な体験を何度でも楽しみたいんですもの。」

イ:「そうだよね。でも、何人ものサイボーグを作ってきた私だけれど、サイボーグになることをこんなに
楽しみにされたのは、あなたが始めてかも・・・。」

ミ:「瞳様でも、興奮しなかったんですか?」

イ:「速水選手は、サイボーグになることを完璧に受け入れてはいたけれど、
サイボーグになることをこれだけ気持ちよく受け入れて、心待ちにして、
自分の身体が機械になることに快感を感じはしなかったわ。そんな変態は、ハイデンさんが初めてよ。」

ミ:「私だけが理解できる快感なんですね。」

イ:「そうね。ハイデンさんだけではなく、私とハイデンさんの二人だけと言ったところかな。あっ、もう一人、
ハイデンさんのサポートスタッフになる人と3人よ。でも、私とあなたほどの快感は、
その人も感じなかったみたいだけれどね。さあ、食事にしましょう。“最後の晩餐”よ。」


188manplus:2007/10/31(水) 01:02:14 ID:M1330KjZ0
 ミンメイの前に運ばれた食事に、ミンメイは見覚えがあった。それは、メインがポトフと
牛肉のハラミのステーキに簡単な岩塩と胡椒で味付けしてあるステーキ、
醤油風味の焼きそばがはさんであるパンがサイドディッシュに付いていて、
デザートは、ジェラート風のアイスクリームであった。
その食事は、まさに、初めて、去年のシンガポールで、ミンメイが、瞳と森田と一夜を共にしたときに、
ミンメイが美味しいと言っていた料理なのであった。
森田は、その時のメニューでミンメイが美味しいと言っていたものを完璧に覚えていたのだ。

ミ:「つぐみ様の手料理です・・・。それも、あの記念すべき初夜の時にご馳走になったもの、そのままです・・・。
しかも、私が気に入ったものばかり・・・。」

イ:「ミンメイさん、好かったわね。それにしても・・・、あの二人、自分の大事にする人に対しての
プレゼントに労を惜しまないんだから・・・。たいしたものだわ。ミンメイさんの料理のために、
瞬間冷凍航空貨物便を仕立てたんだからね・・・。呆れるとしか言いようが・・・。」

ミ:「瞳様・・・、つぐみ様。・・・。」

イ:「あら、あら・・・。涙目になっちゃって・・・。」

ミ:「だって、石坂ドクター、人間としての最後の食事が想い出のつぐみ様の手料理で、
しかも、お二人に最初に出会ったときの想い出の料理なんて感激です。」

ミンメイは感激に咽んでいたが、よく考えれば、森田もサポートスタッフとしては、
最大規模の体内サポートコンピューターを持っているのだ。
1年やそこいらの料理のレシピをデーター化して保存しておくことなど容易いことなのだ。
でも、そこまでのデーターを保存管理しておくスキルの凄さには、
さすがの石坂も森田に対して舌を巻くのではあるのだが・・・。
それに、二人の用意周到さは、ただ、料理だけを送るだけではなく、
DVDによる二人のビデオレターが同封されていることと、
料理の解凍方法などが詳細に森田の手書きの手紙が、指示書として同封されていることなのであった。

189manplus:2007/10/31(水) 01:02:58 ID:M1330KjZ0
イ:「ミンメイさん、食べる前に、これを見てくれって・・・。」

石坂は、同封されているDVDをデッキに入れて再生を開始した。

速見瞳(以降、ヒ):“ミンメイちゃ〜〜〜ん。元気してるっ?!いよいよだよね。
生身の身体での最後の食事に、きっと、つぐみさんの手料理って言うと思っていたよ。
サイボーグになっても、つぐみさんの料理は食べることが出来るけれど、
いくら、ミンメイさんでも、最後の食事となれば、想い出に残したいと思うに違いないと、つぐみさんと話をしていたんだ。”

森田つぐみ(以降、ツ):“ご主人様とのお話の中で、きっと、ミンメイさんがそう思うだろうと思って、
ご主人様と私との出会いの日とその翌日のブランチの中から、想い出に残る食事のメニューを
選んでそっちに送ってみました。このレターを見ていると言うことは、私たちの想い出の食事を“最後の晩餐”に
選んでくれていることと思います。サイボーグになるということは、特別なことではないとミンメイさんは
思うかもしれないけれど、サイボーグに実際になってしまうと、そのシステム上での人間との違いに戸惑いを
覚えることもかなりあると思います。その一つが味覚だと思います。人工味覚感知システムが、
いかに精巧になったとはいえ、生体時に感じた味覚とのギャップとその修正に私もご主人様もかなりの
苦労をした覚えがあります。だから、想い出の味そのままを素直に味わえるうちにもう一度だけ、
私の味覚を食べてもらって、覚えてもらおうと思ったのです。”

ヒ:“でも、サイボーグになるのは、悪いことばっかりじゃないし、その身体のすばらしさにミンメイちゃんは、
憧れていて、長い間の想いを実現するんだよね。サイボーグになったミンメイちゃんに会えることを楽しみに待っているよ。”

ツ:“辛いこともあると思いますが、笑顔のミンメイさんにまたお会いできることを待っています。”

ヒ:“それじゃあね、ミンメイちゃん。”

ツ:“私の手料理堪能してくださいね、ミンメイさん。”

190manplus:2007/10/31(水) 01:13:38 ID:M1330KjZ0
DVDの映像を見て、ミンメイは、再び涙目になっていた。

イ:「マメだよね、あの二人・・・。でも、ハイデンさんの選択は正解だったよね。あの二人の僕になるのは、
私の僕になるのの次に正解だよ。」

ミ:「石坂ドクターったら・・・。」

イ:「さあ、私が食べさせてあげるね。今日は、想い出にひたるんだよ。」

石坂は、そういうと、ミンメイのベッドをもう一段起こした。
ミンメイは、万が一に暴れ出したりすることを防ぐために、
検査用ベッドにて脚まで完全に動けないように固定されているので、
誰かに介助してもらわないと食事を取ることすら出来ないのだ。
普段は、特殊な液体栄養を心臓静脈に直接注入されているので、経口食を摂る必要もないし、
排泄も自動排泄処理システムで処理されているので、
介助の必要は身体が痒いとかという生理現象以外に必要はないのだ。
しかし、経口食を摂取するとなれば介助が必要になってくるのであった。
ミンメイの場合、サイボーグになりたくて仕方がないので、逃げたり暴れたりすることはないのだが、
このようなシチュエーションをミンメイが楽しみたいと言うことで全身を拘束しての検査の日々を送っていたのである。
石坂は、そんなミンメイを愛おしく想い、自分の妹のように介助していたのであった。
石坂が、まず、ポトフをミンメイの口に充分に冷ましてから運んであげた。

ミ:「何か、涙が混じって、つぐみ様のポトフが塩辛く感じます・・・。」

イ:「あらあら、味が台無しね。」

ミ:「でも、お二人の気持ちが嬉しくて・・・。」

191manplus:2007/10/31(水) 01:14:20 ID:M1330KjZ0
イ:「速水選手はね、私同様に、自分の愛する奴隷の管理には手を抜かないのよ。
でも、それは、森田さんのご主人様に対しての理想の女王様になるための教育が良いからなんだけれどね。
そういう意味でも、あの二人は、ベストカップルだよね。」

ミ:「確かに・・・。ところで、瞳様の“最後の晩餐”はどんな食事だったんですか?」

イ:「ハイデンさん、知りたい?」

ミ:「はい。是非。」

イ:「速水選手の“最後の晩餐”はね、やっぱり、森田さんの手料理だったのよ。」

ミ:「えっ?!?だって、サポートスタッフは、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが、
手術を受けて、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーというサイボーグの身体にならないと
会うことが出来ないんじゃないんですか?」

イ:「二人に聞いていなかった?」

ミ:「ええ・・・、たぶん・・・。」

イ:「そうなんだ・・・。あの二人の出会いは、国際自動車連盟とトミタ、フェラーリがグルになって狡をしたのよ。」

ミ:「どういうことですか?」

イ:「聞いていると思うけれど、速水選手も森田さんも国際自動車連盟にとっては、特別な存在なのよ。
だから、相性がデーター的に合っていても、そのカップリングに関しては、絶対に失敗は許されなかったの。
だから、二人は、速水選手のF1の最終戦の直後に引き合わせられたのよ。」

192manplus:2007/10/31(水) 01:15:02 ID:M1330KjZ0
ミ:「そうなんですか・・・。」

イ:「それも、お互いにちょっとでも気に入らなければ、話を白紙に戻すことをカンダが条件にしての出会いだったの。
速水選手のサポートスタッフ候補は、その時、既に、10人くらいの予備候補がピックアップされていたの。」

ミ:「瞳様に対する待遇は、全てが、破格なんですね。」

イ:「そうなんだよね。でも、仕方ないでしょ。もうその時は、既に、セナやプロスト、シューマッハ以上の伝説上の
ドライバーになっていたんだからね。」

ミ:「確かにそうですよね。その年は、ドライバーズタイトルを完全制覇で勝ち取った年ですものね。」

イ:「ええ、F1タイトルの完全制覇なんて、誰も達成できないと思っていたのをいとも簡単にやってのけちゃうんだものね。
国際自動車連盟として、カンダとして、敬意を払わなくちゃならなかった。それに、もう一人の森田さんも、破格だったのよ。
彼女が仕える予定のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーも予備候補は10人以上いたのよ。」

ミ:「つぐみ様にもですか?」

イ:「もちろんよ。彼女も、ご存知の通り、スーパーAランクプラスのサポートスタッフだからね。
それも、伝説のサポートスタッフ・・・。さらに、あの不幸な過去を考えたら、今度こそは、
幸せな世界をロイド会長は約束してあげたかったらしいのよ。」

ミ:「確かに・・・。」

193manplus:2007/10/31(水) 01:23:57 ID:M1330KjZ0
イ:「だから、二人の出会いをみんなが万全にしたかったから、事前に2人を会わせるようにセッティングしたのよ。
でも、カンダが望んでセッティングしたのではなく、トミタとフェラーリが森田さんのことを考えて、
半ば強引にセッティングしたの。だから、森田さんは、ブラジルのサンパウロまで押しかけていった。
そして、押しかけサポートスタッフになっちゃったんだけれどね。でも、サンパウロで二人は一目会ったときから、
お互いが強く引かれ合う存在になったの。私たちが思ったとおりになったのよ。」

ミ:「そうなんですか・・・。だから、速水選手が生体の時から色々な世話を森田さんは焼いていたの。
でも、速水選手にとっては、それが迷惑なことじゃなかったの。だから、当然のことながら、“最後の晩餐”は、
速水選手は、森田さんの手料理を疑いもなくリクエストしたという訳なの。」

ミ:「いい話ですよね。」

「でも、美濃田先輩は、この時もかなりの出費をトミタにさせたはずよ。妻川監督という悪魔が、
トミタとフェラーリに出費の全てをおわせたからね。」

ミ:「美濃田監督らしいですね。」

イ:「まあね。」

ミ:「でも、本当に瞳様とつぐみ様の仲の良さを物語る話ですよね。」

イ:「まあね。確か、その時も、ポトフが出たわ。森田さんは、大事な仲間以外には、
ポトフを出さないのよ。ハイデンさんは、最初から、速水選手にとって大事な存在だと確信していたんだよね。」

ミ:「うっ、嬉しいです・・・。」

ミンメイは、さらにしょっぱいポトフを啜り、この日の最後の晩餐が進むのであった。
194manplus:2007/10/31(水) 01:28:32 ID:M1330KjZ0
今日はここまでです。
次回は、いよいよ、ミンメイの改造手術が始まります。

>>148さん
私の場合は、どこまでが機械かというよりも、サイボーグにされた時の感覚の違いで
戸惑う姿とか、自分の身体が今までと違うことの悩みという、主人公の感情に萌です。
195架瑠魔:2007/11/03(土) 19:44:37 ID:rQLW6mHf0
かなりお久しぶりです、架瑠魔です。
今更ですがDark Matereをブログにて保管することとしました。
これから断片的にチマチマ続きを書いてまとめて載せようと思っております。
よろしくお願いします…とです。
196架瑠魔:2007/11/05(月) 17:26:03 ID:E5bCylTd0
アドレスを書き忘れていました。
ttp://darkmater.blog.shinobi.jp/
197名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:39:31 ID:Zl6Ml8oB0
オトメディウスのオペレッタさんは頭から太いケーブルがたくさん生えてるけど
サイボーグ娘なんだろうか。そうだと期待したい。
198名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:49:54 ID:RqxkVUEe0
オトメディウスって?kwsk!!
199名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:26:08 ID:xdTbVWuo0
>>198
萌え劣化グラディウス。コナミのHPに行ってみな。
てか、ググれ。
200ぬこぬく:2007/11/10(土) 16:28:43 ID:HYBinTCQ0
ttp://nijibox.dyndns.dk/magical/futaba/ms-girls/src/1194679138178.jpg
また描いてみた。少しは見れる絵になったかな…
201名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 06:00:25 ID:PwOdskDR0
>>200
GJ!
202名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 13:40:31 ID:PMKl93ky0
>ぬこぬく様
綺麗に描かれてますね。欲を言えばもっと派手に壊して欲しかった。
これじゃ普通の人間なのかサイボーグなのかよく解らない。
203ぬこぬく:2007/11/11(日) 14:40:53 ID:TQ8968sn0
すまん。なにぶん機械を描くのが苦手なもので…
少し修行してくる。
204名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 14:59:28 ID:vJLQXuXp0
そろそろmanplus氏以外の作品が読みたいな♪
205名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 20:15:19 ID:m8P1Bw5d0
>>200
ぬこぬく様GJ!

この絵の娘が持ってる「廃棄処分 2015.12」と書かれた紙が気になります。
この娘が廃棄処分になったのが2015年12月なのか、
それとも、2015年12月に廃棄処分されたものを探していてこうなったのか。
そんな妄想が浮かんでくる絵ですね。
206名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:57:35 ID:Tm1o56X/0
207adjust:2007/11/16(金) 20:31:45 ID:9QWsiMU50
お久しぶりです。adjustです。
もうスレッドも変わって、完全に遅すぎで申し訳ありませんが、以前に書いた
自衛隊ネタの続きを投下させていただきます。

あ、はじめてですが、題名をかんがえました
題名は 「効率の限界」 です。よろしくお願いします。

前回の自衛隊ネタ、高須恵美の続きの話です。

208adjust:2007/11/16(金) 20:32:24 ID:9QWsiMU50
 橋本和美は防衛省技術研究部のゲートをくぐった。受付にあらかじめ与えられたIDカードを渡す。作業服を着た受
付嬢は、そのナンバーをPCに打ち込んで、担当者を呼び出す。
 「へー、はじめて来たけど、こんなふうになってるんだね」
 橋本は受付のあるロビーを見回した。ロビーから外に面するガラスは何気に厚さ10cm近い防弾ガラスになっている。
さらに今くぐってきたゲートには鉄の壁がスイッチ一発で降りてこられるように構えている。
 「テロ対策なんでしょうかね」
 一緒についてきた三沢も興味深そうに壁のガラスをコンコンとたたいてみたりなんかする。
 2人のよそものがものめずらしそうにそこらを見物しているところへ、技術研究部の研究官、中川一尉が現れる。
 「やあ、どーもどーも、わざわざ、すみませんね」
 「ああ、中川さん、こんにちはー」
 中川一尉は受付にOKのサインを出し、橋本と三沢に握手を求める。
 「中川です。よろしく。いやー今日道混んでますからねえ。もっとかかるかと思ってました。ここまでは、電車で?」
 「はい、なんとか間違わずに来ましたねー」
 「そうですか、お疲れ様です。じゃちょっと上でお茶でも、うちの者にも紹介しますので」
 「あ、はい」
 中川の案内で研究官の研究室に移動する。IDカードの必要なゲートをとおり、どんな構造がよくわからない部屋をい
くつか通ると、そこが中川の仕事場であった。
 「すんませーん、コーヒー三つお願いしまーす」
 研究室付きの事務員に飲み物を頼むと、二人にいすを勧め、電話をかけた。やがて、一人の男が現れる。
 「ああ、岡野さん、こちらがイソジマインターリンクをやっていただく橋本さんです」
 岡野と呼ばれた男は笑いを浮かべながら、橋本たちに挨拶する。
 「はじめまして、岡野です。このたびはわざわざすみませんでした。」
 「我々の上司で、広域通信チームのチームリーダーをしている岡野三佐です。」
 「NTL.ED第4開発室の橋本です。よろしくお願いします。えー、こちらが、同じく第4開発室の三沢です」
 お互いに頭を下げあっているところへ、中川が飲み物を薦めた。
 「さ、どーぞどーぞ、さめないうちに、急ぎませんのでゆっくりやりましょう」
209adjust:2007/11/16(金) 20:34:12 ID:9QWsiMU50
 「はい、失礼します」
 落ち着いた橋本は、三沢と共に改めて部屋の中を見回した。橋本にとっては社交辞令をやっているよりは、技術話を
やっていたほうがよほど落ち着く。しばらく、静かにコーヒーをすすりながら、話を切り出すタイミングをうかがう。
 「中川さんはずっと通信関係をされているんですか?」
 「うーん、いやー通信関係はここ2年くらいですかねえ。もともとは電子装備を長くやってました。」
 「あー、彼はね、もともと火気管制装置だったよね」
 岡野が補足する。
 「おー、さすが防衛省、防衛省らしいことをされてたんですね。」
 「うーん、そうなのかなあ、まあ、いまはギガテックスのミリタリーネットワークに付きっ切りなんでね」
 「今度はイソジマインターリンクということですか?」
 「そうですねえ、イソジマさんにコンタクトしたら、古堅さんからそちらを紹介されたんで、ご連絡を差し上げたわ
けです」
 ギガテックスミリタリーネットワークは、自衛隊が多く抱える完全義体者の通信システムのひとつである。完全義体
者はその義体の強度と出力から、大型の携帯火器を装備することで、装甲戦闘車両並みの火力を保有することが出来る。
もちろん防御力は装甲車にはかなわないが、人とほぼ同等の大きさであることから隠蔽が容易であり、山岳地などを走
破する能力は車両よりも優れている。また、一般の歩兵と違い射撃の精度も人よりはるかに正確である。そのため、ゲ
リラ戦や乱戦の際の高火力歩兵として特殊普通科部隊が編成されている。
 
210adjust:2007/11/16(金) 20:36:04 ID:9QWsiMU50
 ギガテックスミリタリーネットワークは特殊普通科用の通信ネットワークである。特殊普通科歩兵はそれぞれが強力
な火力を保有することから、個人が分散して運用することが想定されている。つまり、個人がひとつの分隊級の火力と
同等とみなされる。しかし、遠距離の通信システムを維持するためにはそれなりの大きさの機材とアンテナを必要とす
る。大きいほど通信能力は向上するが、当然ながら戦闘には邪魔になることも多い。そこで、邪魔にならない程度の中
距離通信システムを完全義体に内蔵し、通信が出来ない遠距離の場合には、互いに他の義体通信システムで中継すると
いう仕組みを持つのが、ギガテックスミリタリーネットワークである。このアイデア自体はギガテックスが自衛隊用の
完全義体を手がけ始めた頃からあったが、刻々と変わる経路の設定や通信回線の切断、復旧など解決しなければならな
い問題も多く、実用化したのはつい最近のことである。
 自衛隊の完全義体者はほとんどがギガテックス製であったため、これを実現することで、通信の問題はほぼ解決した。
しかし、イソジマ電工も特殊公務員向け義体に参入してきたため、イソジマ電工義体用の同様の通信システムが必要と
なってきたのである。当初は自衛隊向けに限って同じギガテックスミリタリーネットワークを搭載する予定であったが、
やはりうまく搭載できないことと、サポートコンピュータのフォーマットに合わせるのが難しいことから、イソジマ電
工義体向けの通信システムを開発することが必要であった。そのイソジマ電工義体用通信システムとしてイソジマ電工
開発部か提案してきたのが、イソジマインターリンクである。この通信システムは、あくまでも既存の義体を大幅に拡
張することなく使用できることを想定されている。
 「えーっと、以前資料を送らせていただいたと思いますが、ざっと説明しておきますね。内部説明会の流用で申し訳
ないですけど...」
 
211adjust:2007/11/16(金) 20:36:55 ID:9QWsiMU50
 中川一尉はプロジェクターの電源を入れた。
 「イソジマさんからの提案とNTLさんのサポートコンピュータ改修案をこちらで吟味させていただいたものがこれに
なります。もともとはイソジマさんの緊急通報システムの通信機をベースにして通信プロトコルを改良したものになり
ますが、バーストパケット転送方式をA案、スペクトラム拡散定常パケット方式をB案としました」
 ふんふんと橋本がうなずいた。三沢はノートにメモをしている。中川は審議の過程を説明し、その中で起こった議論
をかいつまんで伝えた。
 「最終的には大日本電気さんに手を加えていただいて、戦場多重交換システム、リンク40と接続します」
 橋本はボールペンの端を軽く噛んで、くるくるとボールペンを上下に動かしたあと、口を開いた。
 「んー、リンク40に接続した後はデコードされて司令部に送られると解釈していいですか?」
 「それでよいかと思います。実際にはデコードされたデータは独自に暗号化されますが、それは自衛隊内の通常回線
ですので、考えなくていいです」
 「わかりました。それでしたら通信機の若干の強化と通信プロトコルの拡張だけで済みますね」
 「はい、そうだと思います。イソジマさんの緊急通報システムはそれ自体で4キロの通信距離を持っていますから、
これをほんのちょっと強化していただいて、所定のプロトコルを扱えるようにすればインターリンクシステムが成立し
ます」
 「わかりました。うちのほうも検討させていただいて、できるだけ早く納入できるようにしたいと思います」
 「だいたい、そんなとこですかね。契約のほうは稟議が通り次第NTLさんとイソジマさんにご連絡を差し上げますの
でよろしくお願いします」
 「わかりました」
 橋本は頭を下げた。
 「じゃ、どうしましょうか?、もしお時間があるようでしたらすこし見学していかれますか?」
 「うわあ!」(はあと)
 中川1尉が笑いかける。横で聞いていた岡野3佐もうなずいた。
 「ぜひお願いしますっ!」
212adjust:2007/11/16(金) 20:38:26 ID:9QWsiMU50
 そのまま、戦闘機や兵器の研究現場を見学する橋本と三沢、それはもう、ものすっごく興味深い代物であったが、メ
モや携帯などの記録機器を丁重かつ完全に取り上げられたため、とてもくやしい見学でもあったと出張報告書に書くこ
とになる。


 
 連隊駐屯地に設置された集中指揮通信所では、コンピュータと通信機器が低いうなり声を上げている。高須恵美はそ
の指揮所に納まり、5名の補助操作員も、演習の開始を待っていた。
 今回の大規模演習は集中指揮システムを評価するための実戦を模した演習である。本来の総指揮官の山本和正1佐は
高須の後ろに立ち、指揮の様子を見守っている。また、集中指揮システムの開発にかかわった防衛省技術研究部の研究
官も補助操作員の周りで状況を見守っていた。
 今回指揮するのは高須の所属する普通科連隊を中心とする普通科戦闘団。普通科連隊を中心にして特科中隊、戦車中
隊、通信隊、補給隊などを編成した部隊である。
 山本1佐は静かに時計を見た。照明の落とされた指揮通信所を見渡し、松岡3佐に目配せをする。
 「時間だ、はじめよう」
 松岡3佐はマイクのスイッチを入れた。
 「状況開始」
 「状況開始」
 あちこちで松岡の声が復唱される。止められていたデータリンクが起動し、指揮通信システムの統合情報パネルが激
しく動き始める。
 高須の脳に直接つながれたデータリンクは、はじめはゆっくりと、しかしだんだんと激しく大量のデータを送り込み
始めた。補助操作員はデータリンクの状況を報告する。
 「普通科第1、第2中隊、リンク確立、戦車中隊、特科中隊接続中」
 報告を受けて高須が口を開いた。
 「普通科全中隊情報把握、通信隊と補給隊の接続を急げ」
 「了解、データリンク状況を確認します」
213adjust:2007/11/16(金) 20:41:13 ID:9QWsiMU50
 「普通科第1中隊はポイント32へ移動後展開せよ、第2中隊はポイント40へ移動後同じく展開」
 高須の指示は補助操作員のパネルに直接送られてくる。それを見て補助操作員は担当の部隊へ指示を出す。データリ
ンク機能を持っている戦車隊や特科隊へは高須から直接指示が飛ぶこともある。むしろ、全ての部隊に対して直接指示
を送るのが理想だが、普通科の各中隊や小隊にはまだそのような体制にはなっていない。普通科の指示は各部隊長を通
して音声で行うことになる。それを行うのが補助操作員の役目である。
 特別の場合を除いて高須はもう声を出すことは無い。復唱の声が響くのはパネルで指示を受けた補助操作員の声であ
る。
 「第3、第4中隊はそのまま前進、特科中隊はポイント20で展開」
 第2中隊の動きが止まった。移動や展開の指示を出しても、それが都合よく進むとは限らない。地形や道の問題でな
かなか移動できない部隊も出てくる。
 「第2中隊へ状況を問い合わせます」
 進みの遅い部隊は何らかの問題が発生した場合が多い。リアルタイムに高須の脳に送られる位置情報により、移動の
遅い部隊への問い合わせが指示された。それを受けて補助操作員が該当する部隊へ問い合わせをおこなう。
 「第2中隊、道路陥没により輸送車両の移動困難、道路修復作業中、20分で移動再開可能」
 「はい、修復作業続行を指示します」
 「第3中隊より敵痕跡発見、現在確認中」
 「特科中隊へ、展開完了時刻送れ」
 「第3中隊より報告、敵部隊西の方向へ移動の痕跡あり、周囲敵状況を確認」
 「通信隊はポイント18へ多重通信基地局を設営せよ」
 矢継ぎ早に指示が飛ぶ。普通科が要所に歩兵を配置しながら戦線を進めていき、その戦線を常に範囲に治めながら火
力支援を行う野戦特科部隊が自走砲を配備していく。またそれらの部隊を網羅するように通信隊が通信網を設営する。
しかしこの程度ならば通常の指揮の範囲内であり、集中指揮システムでなくても十分に処理できる範囲である。
214adjust:2007/11/16(金) 20:42:35 ID:9QWsiMU50
 しばらくの間、粛々と戦線を進める。なかなか敵発見の一報が入らない。はじめの緊張感が薄れていくところへ補助
操作員に連絡が入る。その連絡を受けた補助操作員は「優先」と書かれた赤いボタンを押して連絡を伝えた。
 「空自から連絡、仮想敵をポイント12で視認との情報、約100名」
 「視認情報、了解......」
 高須が口を開いた。その声は全ての補助操作員に伝わる。
 「第4中隊は移動先変更、ポイント15へ到着しだい展開」
 「第3中隊より仮想敵視認、現在確認中」
 「第3中隊へ、詳細位置送れ」
 発見の連絡と同時に、高須の脳内に映し出されている戦場情報が書き換わった。危険度を示すレッドのエリアが加え
られ、周辺部隊へ対処のための指示が高須から送られていく。
 

 山本1佐は松岡3佐に声をかけた。
 「ここまで何分かかったか」
 「9分30秒です」
 「最初の接敵まで9分か、たしかに速いな」
 横で聞いていた研究官はそれをきいてほっとしたような表情を見せる。
 「しかし、敵発見を優先して、部隊が分散していますからある意味当然でしょう。問題は見つけた敵部隊に対して火
力をどのようにまとめるか、それにまだ発見していない敵部隊を見つけることができるか...」
 「そうだね」
 発見していない敵部隊を考慮せず、発見した敵部隊に対して猪突猛進で対応すれば、思わぬところから攻撃を受けか
ねない。奇襲を受けた場合、戦車隊や普通科隊ならば対処できるだろうが、特科隊や補給隊、通信隊などが奇襲を受け
ればその被害は大きい。
215adjust:2007/11/16(金) 20:43:48 ID:9QWsiMU50
 「あたらしい敵の情報はまだ入っていません」
 高須は第1中隊へ敵の情報を問い合わせた。補助操作員はその回答を受け取る。
 戦場の状況は刻々と塗り重ねられている。しかし確認できているところと出来ていない場所がある。第1中隊を置い
て、奇襲に備えさせているものの、敵がいるとしてもその規模が分からないため、捜索は危険である。高須はその未確
認の空白が気になっていた。
 「第3中隊、交戦中、第2中隊を応援にまわします」
 「ポイント32、索敵始め、え、はい、わかりました、特殊普通科小隊へギガテックスミリタリーネットワーク接続
します」
 特殊普通科小隊、これは全身義体者を集めた部隊である。主にギガテックス義体者を中心とした小隊である。彼らは
生身の歩兵に比べて、大型の兵器を保持し高い移動速度を維持できる。出来るだけ待遇を良くして、特殊公務員装備を
生かした自衛隊に入ってもらおうと努力しているが、高価な義体で高額な維持費が必要なのにもかかわらず、義体者の
3割程度しか自衛隊に入ってはもらえない。半数は警察や消防に行き残りは民間へ、そしていくらかの義体者は行方を
くらましてしまう。そのため高須の所属する普通科戦闘団でも1小隊を編成するのがせいぜいである。
 「通信隊より連絡、ギガテックスミリタリーネットワーク運用開始しました。特殊普通科小隊、全員が通常リンクで
接続確認です」
 高須はうなずくと、特殊普通科小隊の指揮権を普通科中隊から中央指揮所に切り替える。それと同時に機動普通科小
隊の各隊員が見た視覚画像と現在位置、それに画像を分析したオブジェクトが戦域情報システムにマッピングされ始め
る。
 「指揮官の高須です。機動普通科小隊全員とリンク中です。ポイント33の索敵を行います。よろしくお願いします」
 「小隊長の中井です。よろしく。 指示を送ってください」
 「了解、全ての指示はこれ以降サイドコードで送ります」
 「機動普通科小隊、了解」
 特殊普通科小隊の10名全員が高須と直接接続した。高須は地形を考慮し、10人全員に索敵地域を網羅するように
移動を命じた。
216adjust:2007/11/16(金) 20:48:54 ID:9QWsiMU50


 10名のギガテックス製完全機体、特殊普通科小隊の隊員は高須からの通信にうなずいた。そのしぐさを見て中井2
尉小隊長は小隊の隊員を集めた。
 「今から索敵を開始する。それぞれの索敵範囲と経路は司令部の指示に従う。現在異常があるものは申し出よ」
 特に返事は無い。義体の異常であれば同時に司令部でも把握できる。
 「いつものように慎重にやってくれ。いいな、それでは状況開始」
 「はっ」
 全員が敬礼をするとそれぞれがばらばらに散らばっていく。地形と移動速度、万一の狙撃の可能性を小さくするため
に、お互いが視界から離れないように着かず離れず適切な距離を保って進んでいく。
 「ぴっ」
 小隊員、山田の視界に指示が表示される。左の隊員を先に行かせ、左の隊員が小山の死角を確認した後で進むように
矢印と時刻で指示された。その左の隊員に対して支援に入るようにオレンジ表示される。
 山田隊員は左の隊員を中心として銃を構えた。森の中に狙撃兵がいないかを義体に内蔵された赤外線アイカメラやレ
ーダーで注意深く調べる。
 もし狙撃兵が隠れていたとしても、そう簡単に見つかるはずは無い。各種センサでスキャンされることは分かってい
るため、岩に隠れたり、赤外線や電波を隠蔽するシートなどを使って隠れていることも考えられるからである。まして、
演習の敵役は普段彼らを教えている教官たちである。義体の各種センサ程度は彼ら自身より熟知している。分かるとす
れば、狙撃の銃を構えたときくらいだろうか。
 「ふう」
 深呼吸して、しばらく息を止め、森の奥をゆっくりと赤外線カメラでスキャンしていく。暗く写る赤外線画像の中で、
人が発生させる白い赤外線を探す。
 肩に担いでいるマルチスキャンレーダーは森を透過して、金属物体などを探す。義体の動作に連動して小さな平面ア
ンテナが上下左右に動いている。
 じっと周りを監視している山田の視界で何かが動いた。
 「うわあっ」
 山田の意識より先に訓練を積み重ねられている体が動き、草むらに飛び込んだ。若干の遅れの後、敵の攻撃であるこ
とを認識する。
217adjust:2007/11/16(金) 20:50:05 ID:9QWsiMU50
 「状況、敵!」
 その声を聞いて、他の隊員も身を隠せるところに移動する。
 たしかに今のは敵の狙撃サイン代わりのレーザー光だった。敵の存在を告げ草むらに伏せる。ちらっとみえたレーザ
ー光から考えられる敵の位置を推測する。予測される方向を慎重にスキャンするが、それらしいものは見えない。
 「5番吉野、やられました、狙撃により重症判定、現在位置で待機します」
 頭を上げて、周りを見ようとしていたが、同僚の被弾報告であわてて頭を下げる。
 「どこだ...」
 ぴったりと地面に身をつけ、敵の狙撃から身を隠す。そこへ高須の指示が入る。
 「2番、体を低くして前進せよ。北東に狙撃兵の可能性あり、敵の死角に入るはずです。同じく3番は2番を援護し
て少しはなれて進め、北西方向にも敵兵の可能性、6番は大きく西に回れ、」
 指示に従って山田は慎重に頭を上げる。北に進んでいた方向を西へ変更し、盛り上がった丘を廻るように進んでいく。
 「4番大野、敵攻撃受けました、被害無し」
 「見えたっ!」
 不意に高須の肉声が入る。
 「位置特定、司令部より特殊普通科小隊全員に告げる。敵位置を予測した。全員にデータマップを送ります」
 その言葉と同時に山田の視界の横に戦域地図が表示された。赤い点で隠れている分隊2つが表示されている。
 「各員指示に従って前進せよ、攻撃開始」
 敵の2つの分隊に、生き残った特殊普通科小隊が殺到する。位置を特定されたのに気づいて、敵役の教官は撤退を始
めた。
 「9番、10番は北側へ進め。敵の退路を断て」
 「了解」
 「敵発見、交戦中」
 敵の分隊のひとつが戦いを始め、もうひとつの分隊は待ち伏せを食らって動けなくなる。包囲されるのも時間の問題
であった。


218adjust:2007/11/16(金) 20:51:33 ID:9QWsiMU50
 「ポイント32での戦闘終了」
 「第3中隊、残存敵索敵に入りました」
 確認できた敵との戦闘は終わりに近づいていた。敵の数は知らされていないからこれが全てとは言い切れないが、戦
域情報システムでは決められた演習場のほとんど全域にわたって索敵を完了している。もちろん戦闘中に刻々と位置を
変えているはずだから、索敵済みの地域に戻っている可能性はあるが、主要な移動経路は各小隊や分隊で封鎖している
ため、そう大規模な人数が隠れている可能性は低い。
 「はあ」
 高須は小さく息をつき、戦闘後の処理の様子を見守っていた。部隊への指示もピークを過ぎ、かなり余裕のあるペー
スとなっている。その情報量をモニターしていた原田明子2尉もほっと一息ついた。
 「はむ」
 原田はポケットに入れていた飴を口に放り込んで、脳波表示にモニターを切り替える。
 「あれ?」
 みなれない脳波が流れていこうとしている。その脳波が画面外に消える寸前に原田は異常に気づいた。
 「なにこれ」
 あわてて脳波記録を操作し、脳波を見直してみる。通常のα波やβ波に混じって、表示領域いっぱいまで波打つ激し
い脳波が現れている。
 「あ、また」
 激しい脳波がしばらく現れ消える。原田は指揮所の高須を見上げた。
 「!」
 一見すると落ち着いて指揮をとっているように見えるが、機械の間から見える手足がわずかに痙攣している。モニタ
ーの異常な脳波に合わせて足や手がぶるぶると震えていた。
 「え、えーっ」
 絶対にこんな状態は正常ではありえない。一瞬どうすればよいのかわからなくなり、原田はパニックになる。
 しばらくあわてたあと、原田は真剣な顔でマイクを握った。
 「医務官より連絡」
219adjust:2007/11/16(金) 20:54:59 ID:9QWsiMU50
 補助操作員や指揮所の上官が何事かと一斉に目を向ける。少し興奮気味の原田は勤めて冷静になろうと、静かに高須
に伝えた。
 「集中指揮官、高須准尉の脳波に異常が見られます。体調はよろしいでしょうか、体調を教えてください」
 「若干疲労していますが、大丈夫です」
 「脳波が異常です。手足の震えなどはありませんか」
 「多少あります。作戦は続行できます」
 そのやり取りを聞いて、集中指揮システムの研究官が原田に周りに集まる。そのときにまた発生した異常な脳波は研
究官たちを驚かせた。
 「医務官から具申します。危険な兆候です。指揮を中止するよう要望します」
 「もうすこしですから、大丈夫です」
 「......」
 原田の頭に血が上った。司令部にいることを忘れて思わず大声を上げる。
 「このままだと危ないのっ、即刻指揮を中止してください」
 いまにも高須の席まで駆け上ろうとする原田、それをみて集中指揮システム運用リーダーの河本博之1尉は、原田の
肩をぽんと叩いた。
 「ちょっとマイクを」
 そういうと総指揮官の山本和正1佐に向き直る。
 「集中指揮システム責任者の河本です。山本1佐に上申します。集中指揮システム指揮官の高須准尉に異常が見られ
ました。集中指揮システム運用部の責任として、高須准尉の指揮を外していただくようお願いします」
 「高須准尉の体調不良で指揮続行不可能ということでよろしいですか」
 「それでよいと思います。よろしくおねがいします」
 山本和正1佐は高須に視線をむけてうなずき、指揮所のスタッフに指令した。
 「高須准尉に変わって松岡3佐が指揮を執る。各員冷静に作戦を続行せよ」
 作戦の指揮権は、通常の作戦と同じ司令部のスタッフに引き継がれた。それを確認すると原田は高須のいる指揮所に
駆け上がった。
220adjust:2007/11/16(金) 20:56:32 ID:9QWsiMU50
 「恵美ちゃん、大丈夫?」
 いくつもの配線が高須の体に繋がっている。少し遅れてきた研究官らと手分けして配線を外し、シートから降ろすが、
高須はほとんど力も無く、ゴトンと重い音を響かせてそのまま棒のように倒れた。
 「医療班呼んで、完全義体者の治療で」
 「了解」
 全身義体者は普通の人間より重い。4人がかりで高須を抱えると、そろそろと指揮所を降りていく。ときおり痙攣が
手足を震わせるなか、原田は高須に話しかける。
 「恵美ちゃん、返事できる、恵美ちゃん」
 「う、うう」
 「大丈夫よ、すぐ治療するからね」
 「...ごめんなさい」
 「なにいってんの、これはあなたのせいじゃないよ、がんばって」
 「う、う」
 高須はもう言葉を出せなかった。そこにあるのは涙を流せない完全義体者の泣き声であった
 時々の震えと嗚咽のような声は、医療班に運ばれるまで長く続いた。

221adjust:2007/11/16(金) 20:59:18 ID:9QWsiMU50
今回はここまでです。
ありがとうございました。

続きはもしよろしければ近いうちに投下させていただきますので
よろしくお願いします。
222名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 04:03:37 ID:+M+pRpzR0
>>221
そりゃそうだよね。
高須さんも入りたくて自衛隊に入ったわけじゃないだろうし、しかも与えら
れた任務はいかに効率よく人殺しをするか、だもんね。しかも自分がミスを
しようものなら大勢の味方が死んでしまう、決して失敗の許されない任務ときたもんだ。
いかに適正があるとはいっても彼女にかかるプレッシャーは相当のモノのはず。
これでは誰でも神経がまいってしまいます。
彼女ももし生身の体であれば、ごく普通の企業に就職して、ごく普通に恋愛して
ごく普通に結婚して幸せな家庭を築いていたのかもしれない。
でも、全身義体になってしまったばっかりに…。
義体の人が生きていくことの厳しさをひしひし感じる話ですね。
願わくば橋本女史が、彼女にほんのちょっぴりでも幸せを与えられる助けになる
ことを期待します。
223名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 15:18:46 ID:rkueRFHe0
adjust様GJです。
毎度ながら現場のリアルな描写には感服します。
まだ橋本女史らイソジマ側との関係が希薄ですが、今後ギガテックス側と
それこそどの様にリンクしていくのか? ヒロインの高須さんの動向共々
続きを楽しみにしています。
224adjust:2007/11/19(月) 20:45:27 ID:tP6QnRXb0
>222、>223
感想ありがとうございます。
唯一与えられた義体としての自分を、前向きに捉えることの出来る仕事であり
唯一最後のよりどころになっている部分でもあります。

自衛隊自体が社会的には後ろ向きに捕らえられがちな状況の中で、表面的な
評価だけでなく、本質として前向きに考えることは出来ないのだろうか、とマスコミの
表面的なものの見方を見ながら思ってしまいます。
そのため、当方は一般的には日のあたらない、どちらかといえば見えない部分を書
いてしまう傾向にあるようです。当然厳しい世界もありますが、そのなかに埋もれてしまう
情景を書けたらいいなと思います。エンジニアも含めて、そのような裾野を支える人たちで
社会は成立していると考え、その裾野を表現したいものです。そんななかで普通の幸せを
与えてみたいですね。もっともそれを表現するのに、文章力がちょっと...ですが。orz...




225名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 02:39:08 ID:5t3Q7HwO0
(´-`).。oO(舞台をパラレルワールドにしたら「国防軍」や「平和維持軍」にできたのに…
226名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 07:25:13 ID:knRLELCk0
もともと軍隊なんて存在するために存在する以上のものではないからね。
他の誰も軍隊を持ってなければ自国も軍隊を持つ理由が無い訳で。
その意味で根本的に何一つ生産的でない物だったりする。
227名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 11:17:29 ID:a6IdoX4J0
極論すれば政治の道具とも言えるが、
このスレとも関わりの深いSFの中では重要な役割を果たすのは確か
そもそも軍=悪という考え方も日本だけが特に強いだけだろう
228名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 00:40:44 ID:aFiGiuaa0
そうかもな。
でも軍は人や命を殺す、あらゆるものを破壊する装置であるという本質はやはり好かん。
ちなみにやたら軍が出て来るSF(特にアニメ)もチンプでくだらないと思う。
229名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 00:52:38 ID:sL4rtn0X0
日本だけがことさらに強い事は無いはず
アメリカがやたら国策として軍事中心の政策を取っていて
日本の一部軍事推進家がそれを「普通の国」と称してるだけでは?

日常的に地球の裏側の国まで滅ぼしに行く様な国は世界二百ヶ国中アメリカくらいなもんなんだけど
それを「普通の国」と称されても…
230名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 01:03:06 ID:sL4rtn0X0
>>228
そもそも日本のアニメがやたらめったら軍事物が多いのは
アメリカのハリウッド映画にどっぷり影響されまくってるからだからなぁ…
ハリウッド映画なんてほとんど全部ドンパチ&セックス、そしてアメリカの国家賛美
「国家主義に基づく暴力は全面的に正義」という印象を植え付けるようなシーンは本当に多い。
車を強奪して、車の持ち主からの抗議を「国家の危機だ」の一言でねじ伏せるシーンなど
「敵」以外への暴力さえも全面肯定すること多数。
客観的に見れば「打倒韓国!」とかやってる北朝鮮のプロパガンダ映画と内容に差は無い

他国の政府のプロパガンダ映画を好き好んで大喜びで観る人が大勢ってのも
考えてみれば変な話なんですが…
231名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 01:10:19 ID:8S9Qr44O0
いや、それ以上はいい加減スレ違いだ

しかし、軍事は医学と同じで技術の最前線をひた走っている
全身サイボーグ化なんて軍事か医療以外の分野が最初に実現なんてまず無いだろう
そう考えると、このジャンルとは切り離すのは難しい
2323の444:2007/11/23(金) 02:09:20 ID:D6EDVTFN0
http://www.geocities.jp/hokuman_hailaer/hokanko/index.htm
保管庫更新しました。
今後ともごひいきに。
233名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 10:23:40 ID:AdyyZVDw0
>3-444 更新乙!
234名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 13:49:19 ID:DuigiByD0
フェチに正義は必要ないので、サイボーグ軍事帝国とかもテーマとしてはありかもしれん
兵器の擬人化なんてジャンルもあるし
235名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 14:13:59 ID:S0mW335h0
2007年の夏、ボーカロイド製品の最新作として発売されたそのソフトは、瞬く間にネット上で無数の分身を生み
出した。『初音ミク』という名前と何枚かのCG。たったそれだけで、彼女はネットに住む人々の心の中に確たる
キャラクターを築き上げた。葱を手に耳慣れない外国語の歌を口ずさむ滑稽な彼女の姿も。美麗なCGとともに
切々と恋歌を紡ぐ儚げな彼女の姿も。全てはネット住人の想像力が生み出したものだ。だが、その姿を見て
いると、そこに確かに『初音ミク』が存在していることが感じられた。

その後、そのシリーズからは何人もの妹が生まれ、他のメーカーも同種のソフトを販売し始め、ボーカロイドは
一つのジャンルを築き上げた。

もともとバーチャルアイドルという企画はそれ以前にも存在していた。同じように固有名を与えられたCGキャラ
クターを大々的に売り出した会社もあった。映画の中でも、特に危険が伴うシーンではスタントマンではなくCG
で合成されたキャラクターが使われるようになっていた。それらは、結局のところ単なる映像の域を出ることが
できなかった。人々が、そこに何らかの存在感を見出すことはなかった。

初音ミクは、それとは逆に映像性には乏しい存在だ。歌うことはそこそこ上手だが、喋るのはどちらかといえば
ヘタな方。創られた存在でありながら完璧には程遠い。時に音程を外して顔を赤らめ、照れ隠しに舌足らずな語
りをする。人々の想像の中にしかないことではあっても、それが「初音ミク」の存在感を作り出していた。

やがてロボット技術が発達し、外見上は人間と見分けがつかない物が作られるようになると、ボーカロイドという
言葉は、「歌うロボット」達を指すようになった。想像力で補わねばならない部分が減り熱狂的な扱われ方こそ
されなくなったものの、ボーカロイドが人間の歌手と同じ地位を得たことに違いはなかった。

そして、いつしか映像メディアの世界では、生身の人間とボーカロイドのアイドル達の熾烈な争いが繰り広げ
られるようになっていった。
236名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 14:15:22 ID:S0mW335h0
生身の人間はロボットの完成された容姿や歌声に敵うはずがない。どれほど技術が発達しようとも人の心を持て
ないロボットのAIが、心のこもった歌を歌えるようにはならないだろう。

どちらも、その出自からくる長所を持ちながら、相手を圧倒する決定打を欠いたまま、争いは長期戦の様相を示し
始めていた。そんな中で、ニホンでも最大手のプロデュース会社が、一つの解を見出した。

「両方の長所だけを組み合わせればいい」

人間の豊かな感性と、ロボットの計算し尽くされた理想的な容姿と歌声。

もし仮に、その二つを併せ持ったアイドルが存在すれば……。

大抵の人は、そんなものはありえない、ただの夢想と笑うだろう。だが、そこから生み出されるはずの莫大な利益
を考えた時、夢想の実現を阻む障壁を力ずくで乗り越えようと思う者がいても不思議ではない。欲望に突き動かさ
れた亡者達は、時にはとんでもない事を考え出す。そして、ごくまれにそれが世界を大きく動かすきっかけになる
こともある。

全身義体。サイボーグ。今まで、無数の創作物の中で描かれてきた、脳以外の全てを機械化した存在。現実の物
として人々の前に初めて姿を現したそれは、身長2メートルの鋼の身体を持った不死身の兵士でもなく、事故や
病気で身体を失ってもなお健気に生きる少女でもなかった。そこにいたのは、愛らしい姿と甘い歌声で人々の心
を虜にする歌姫。奇しくもその名前は……初音ミク。

長い時を経て、伝説の歌姫は、再び我々の前に、その姿を現したのだった。
237名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 19:55:42 ID:HBSF3kKq0
>>230
だとしても日本の糞アニメや漫画、ましてや素人どもの同人が描く軍が浅はかでしらけるのは確かだ。
軍とか「戦闘」無しで面白い作品を見たいものだ
238名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 21:50:38 ID:uPHYqvPJ0
ニコ動でミク聴いて爆笑した直後だったからタイムリーだったよ。
プロットとしても結構いいんじゃない?
乙。
239名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 22:15:26 ID:DQX1X0+10
たしかに時事ネタを盛り込んだあたりは良いですね。
でも、そのミクたんの脳みそは何処から持ってきたの?
元がいい歳のバアさんだったら萎えるよ。
240名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 00:09:08 ID:1kT7y/bV0
藤田咲の脳だったりしてなw
241名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 03:42:17 ID:8NgWptYD0
>>235関連ってことで。
ttp://ts.novels.jp/novel/200709/03194739/koru_title.htm
なかなかイイ線行ってると思われるので紹介。
惜しむらくは・・・。このCGを何とかして欲しいな。w
242名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 09:12:15 ID:M33eag310
散々既出やん
まとめサイトから飛べるってば
243名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 13:54:34 ID:OqijmcDp0
某御大のページに従姉はサイボーグだったかそういうのが再アップされてるな・・・・
http://www1.atwiki.jp/tokiwa/pages/78.html

サクラ投稿だったのか・・・・・
244名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 21:55:17 ID:JSMBOJ1S0
「放置すると、日韓関係にヒビ」
外国人参政権付与、成立への流れ加速も…公明に各党同調、自民反対派は沈黙、首相次第か
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/071127/stt0711271001000-n1.htm
245名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 21:11:32 ID:983Q6Zv10
いちお保守
246名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 14:17:24 ID:14CHRHmp0
ときわ氏の新作告知age
ttp://www1.atwiki.jp/tokiwa/pages/79.html
247pinksaturn:2007/12/04(火) 00:02:05 ID:lqjGRGTz0
ちょっと妄想。
リエがモーターショウでバイトしてた。
http://pinksaturn.fc2web.com/tanpatuneta/cutmodel.htm
変な寄り道ばかりで恒星間飛行計画が進捗しないorz。
248名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 14:51:35 ID:t0CxH8p00
来年から「ターミネーター」新シリーズがテレビで放送開始だそうなので、
2008年は人型メカや人とメカの融合が注目されるかも
249名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:25:50 ID:6GDcMf1a0
ターミネーター3て見所ある?
サイボーグであるという脳内補完前提で。
250名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:56:55 ID:dzNY8Bsy0
>>246
有料となると、読む気しないな
251名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 14:46:25 ID:+lrXilre0
同意。金の亡者氏ね。
252名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 19:22:39 ID:uoDKl4le0
そうだね。金取るなんて、あんた何様のつもり?と思う。
だから過疎って自演する事になるんだよ!

>>249
質問の意味が解らない。敵方のTXをサイボーグに置き換えるの?
ターミネーター3は最後がヘボい。愚作。
253名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 22:29:51 ID:bntlwYji0
>>252
質問の意味はわかるけど!?
254名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:31:41 ID:gkvSI2RY0
かつてはメカギャル掲示板がここより盛り上がりそうだと感じたが、
やはり金儲け主義のせいで過疎になった。テーマはよくても方向性が悪い

このスレはSS投下が大半なので、メカギャル談義を中心にできる板の需要はあると思う。

ターミネーター3の存在意義は低い。ただし、設定を補完する役割は果たせてる。
255名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:05:19 ID:OBNSwDuc0
漏れててきにはここはSSに話をぶった切られるので、談義しにくいのが難点。
2ちゃんの形式だと文章を読みにくいから、ここ何年か漏れはSSを全くスルーw。
256名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 03:49:29 ID:kSBRXDr80
>>255
禿同w
掲示板は掲示板として使うべき・・・・

SSについては書きたい人が自分でサイトを運営すべき。
サイトの宣伝する程度はOKだが、某氏みたいにプロでも無いのに金取るのは論外。
257名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 09:30:16 ID:cHI3P4ax0
>プロでも無いのに金取るのは論外
こう言っちゃうと同人の大部分アウトになっちまわね?
普通に同人作品として考えれば、金儲け主義というよか
当たり前なことだと思うが
258名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 10:22:05 ID:C+SejxUQ0
>>257
fembot centralみたいにサイト運営をキッチリ行うべきだったのに・・・・
自作第一で金儲けしてるから皆怒ってるんだろ?
259名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 14:08:34 ID:2gdH8jLq0
小説は絵と違って評価が難しいと思う。
文章力、世界観、設定が余程突出していないと。
だから巷のラノベは絵で釣っている訳でw

フリーで発表していたのをまとめて製本してコミケなんかで売るというのは
許せると思う。ヤギー関係なんてそれで読んでみたいよ。
でも、某氏みたいにあからさまに金を取る事を念頭にWEB上で発表するというのは
反感買うだけだろう。特に優れたところもないし。

談義だけで掲示板を維持出来るの? ここの掲示板て何日書込み無いと消滅なの?
もっとも現在投下されてるSSは、作者が自慰ってるだけで第三者はほとんど
スルーだけどなw
260名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 14:56:04 ID:dCpOhzov0
SS楽しみに待ってる俺は少数派か…。
261名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 16:23:52 ID:6GgJJzKv0
自分でページ持つとなると面倒だろうし、掲示板にSSを気軽に投下できるのはいいことだと思うんだが。
敷居は低くあるべきだ。

金取ってる某氏については特に問題とは思わんがなあ。
作者が「皆の反感を買うというリスクを負ってでも金というリターンが欲しい」という選択をしただけのことで、
結果として困ってる(かどうかは知らんが)のは本人だし、他人からしたらどうでもいいことだな。
262名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 16:37:04 ID:kixblc+o0
>>259
ゲームとかマンガならともかく、オリジナル小説を有料でWEB販売してる奴なんて他に聞いた事無いしな・・・・・
WEB小説なんて無料で読めてなんぼだろ。
つーかpdfなら誰かどこかにうpればそれで終わりじゃねえ?

>>261
数年前ならともかく、誰でもBLOG作れる今の時代に敷居が低いもクソも無いだろ。
263名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 17:20:42 ID:E2+rXYrY0
>>260
内容については言及しないが、少なくとも掲示板でSSを読むのは面倒。
自分のBLOGに書いてリンク貼れば良いだけ。
某氏については擁護意見が一切無い所から見て金払ってまで読んでる奴居ないんだろうから無視すれば消える。

SSとか金の亡者の同人屋は排除してサイボーグ娘について、きちんとした談義が出来るスレにすべき。
264名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 17:47:43 ID:/UuwqO6u0
>>263
禿同。
映画とかゲームとかアニメとか、マンガや小説でもきちんと商業ルートで発表されている作品で、
サイボーグ娘が登場している物をチェックし、それについて語るスレにすべきだと私も思う。
265名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 18:12:11 ID:QQAoqGnw0
素人オナニー厨は氏ね←結論
266名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 19:59:16 ID:k+qcqbh70
サイボーグ談義が純粋にできる板があればよさそうだけど、
漏れが立ち上げて運営する板はどれも激しく過疎(´・ω・`)
267名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 20:32:03 ID:wt6UgNay0
サイボーク談義だけではそう長くは続かないと思います。なんだかんだ言ってSSが定期投入されてきたから続いて
きたのではないかと...
談義の邪魔になって仕方が無ければSS過剰投入が問題になるでしょうけど、いまのペースなら問題ないのではないでしょうか
268名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:49:13 ID:QQAoqGnw0
>>266
金に汚いからだろ
269名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:59:16 ID:voOmfFgD0
特定のSSだけが過剰投入されているのはいかがなものかとは思う
270名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 21:59:50 ID:A08tR/ED0
>>266

>サイボーグ談義が純粋にできる板があればよさそうだけど

ここがまさにそれだよ!w

今時自サイトを持つのはめしより簡単。ブログで画像まで入れられる。
俺はSSは完全スルーしてるが、自サイトで書いてくれればこれからは見るかも。
2ちゃんではあまりに読みにくい。

それと有料にしたければすればいいと思う。出会い系じゃあるまいし、なんの問題も無い。制作した作品に対価を求めるのは当然。
ただし誰かも言ってるようにネットって無料でナンボの性格があるから、よほどの価値が無い限り、ほとんどの人は金払ってまで読まないだろうけど。
271名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:11:57 ID:pMJRR4dv0
>>262
小説のWEB販売用会社があったり世の中は広いのだよ
君が知らないだけさ

まあ、SSも短いものならいいが
何スレにも渡ってやる位なら自サイト立ち上げたら?と思わんでもない
272名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:15:15 ID:oS88y4IK0
で、欲を言えばBlogの小説とかはまとめサイトが欲しいね。正直Blogだけでやってる小説サイトってさ、すげー読みづらいんだよな。話を1から読もうとするとタグがぐちゃぐちゃだったりする所も多くてorz。
RSSがまともに動いてない所は論外として。
某ヤギーの人がこのスレをまとめてくれてるのは非常にありがたい。
273名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:19:38 ID:3M+IGkcR0
誰かWiki形式のとこ借りてくれれば良いと思うんだが・・・・
274名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 00:08:30 ID:EmPvkMYp0
>>272
まあ2ちゃんに書かれるよりは1000倍読みやすいけどw
確かにできれば普通のサイトの形式が一番読みやすいな。
275名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 01:54:31 ID:ytC8b4RU0
>>268
金を取ろうと考えたことなどない。
むしろメカギャル板のそういうところが嫌で最初はカキコしたけどすぐに去った。
ただ、漏れが立てたテーマがマイナーだし知名度が低くて人が来ない('A`)
サイボーグ談義用の板を立てるなら、18禁も視野に入れたいけど、
案外そういうスレは見たいものの、盛り上がらないかも
276名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 03:40:43 ID:KD+V/AWP0
いや、だからここが本来談義用のスレなんだって。
277名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 04:32:48 ID:ZqxjV8Rw0
Blogは文章が散らばるからな…表示順も新しい順からだったりして、続き物を読むときにかなり見づらい。
横幅が無駄に狭く設定されてるのもスクロール量が増えて面倒。
278名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 08:58:35 ID:VNEaen4O0
談義専用スレにしてSS追放の意見が主流の様だが、それでは問題あるだろう。
談義だけで成立つのか?というのが一つ。
それから、投下していたSS作家が活躍の場を失うという問題。
書いた作品を自分のサイトなりブログで発表すればいいというけれど、これでは創作意欲が湧かないだろう。
人に晒して読んでもらうというのを何らかの創作意欲の糧にしているはずだから。
それ以前にサイトやブログの開設が面倒だったり、維持が大変で筆を折ってしまうかもしれない。
それにここなら書く方も読んで感想を言う方も匿名で気楽に出来るという利点もあるかもしれない。
潰れても屁でもない作品もあるが、一部の良作やスポット的に入る作品が失われるのは辛いな。
279名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:01:36 ID:DY22Ltv5O
俺は、SSも楽しみにしている。
だから、俺としては、この板は、今のままでいいと思っている。
280名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:05:44 ID:STsfjemM0
談義専用スレもいらないが
事実上一部のSS書き専用になっていたのはどうなんだかと思う
281名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:19:54 ID:7PN69tlK0
>>276
1スレ目から見てるが、サイボーグ娘に関する話なら何でもOKのスレだぞ
勝手に決めないでくれ
282名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 09:53:24 ID:fn4Cao7i0
SSスレでSS書いてる俺が来ましたよ。

普通は
短いSS→感想→それをネタに談義→アイデアを拾って新SS
という良循環をするものだけど、ここはSSがやたらと大ボリュームなのと
感想がほとんどつかないから回らないというのが問題点なんだと思う。
SS書いてくれてる人には申し訳ないけど。
283名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 10:17:21 ID:HdLOlgiy0
大ボリュームだったらSSでは無い気がします。
Short Storyの略だし。
284名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 10:53:23 ID:Lv+kQdVn0
SSが多いんじゃない。
談義が少ないんだ。
そして絵は皆無。w

マイノリティなフェチのスレとしては至って普通の光景。
どうせなるようにしかならん。
このまま神の見えざる手に委ねておけばおk。
285名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 11:31:28 ID:pRDawbbe0
一応、Wiki借りておきました。
http://www31.atwiki.jp/cyborg_ss/

user:cyborg
pass:cyborg

外部まとめサイト使うって流れになったらどうぞー。
286名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:26:40 ID:VO+Fz6Nw0
もしもの話だけど、攻殻の二次創作とかもサイボーグ小説に含まれるのか?
それとも完全オリジナルのみか?
287名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:30:14 ID:Wl0Kce2A0
俺的にはうえるかむ!
問題なし
2883の444:2007/12/08(土) 12:36:32 ID:grBRn1PZ0
SS投下は、かつてにくらべたら全然少ないよ。私は毎日投下してたときとかあったし。
その頃にくらべたら談義がSSで中断されることなんか、滅多にないはずなんだけどね。
現にあんたら今、十分に談義できてるじゃんか。
その調子でサイボーグ談義すればいいだけの話だろ。わけわからん。

内容うんぬんではなく、スレに投下されるSSは見づらいから読まないですと?
だから見やすくするためにまとめサイトを作っているのですが何か?
別に頼んでやってもらってるわけじゃない。あんたが勝手にやってるだけだろ。何を偉そうに。
と思うかもしれないけど、ここまで存在を否定されるとさすがに悲しくなります。
289名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 13:34:34 ID:pRDawbbe0
>>288
いつもお疲れ様です。
ちょっと個人叩き酷いよね(´・ω・`)
ある程度、プロからの供給があるロボットものと違って、サイボーグものは本当に少ないから、
創作してる人のやる気を削ぐような最近の流れはちょっと(´・ω・`)

っていうか、文句言ってる人は自分でサイト立ち上げるなりすればいいじゃない。
私だって、とりあえずWiki借りてみたけど簡単だったよ。
290名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 14:20:04 ID:9tggV0c70
291名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 14:23:43 ID:9tggV0c70
>>288
あなたには誰も文句言っていないし、皆賞賛しています。
気にしないで下さい。

某T氏がA級戦犯でしょう。
本来コミュニティサイトをきちんと運営する立場にあるべきなのに自己の利益に走る金の亡者降りが見苦しい。
292名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 14:45:20 ID:vRmG5OkC0
>>288 いつもお疲れ様です。まとめサイト巡回してますよー。

この談義の発端て、某氏が有料で作品を販売してる、ってことだよね?
それってそんなに問題な事なのかねぇ。
「無料で読めるようにするのが当たり前」ってのもおかしいんじゃね?
サイト運営についちゃ、サクラ投稿してたとか、いきなり掲示板消えちまった
とか、ほめられたもんじゃないけど(サクラ投稿すんならキッチリ自作ですと
書いてアップしたほうが評価よかっただろうに・・・)
「金に汚い」とか「金儲け主義だから」とかってのは的外れな気がするんだよね。

上の方で自作第一で金儲けしてるから、って書かれていたけど
製作物に対価求めちゃダメなのかい?某氏の物に限らず、同人作品
全部否定しちまうのかい?同人やってる人たちのサイト行けば
「今度、こんな作品作りました。DL販売しますー」ってのは普通に
やってることだし
金払ってもいいから買う
金払って買う気まではないからイラン
各々が判断すればいいっしょ。

皆、某氏のサイトとココを一体のものと考えてない?
ココはココ、某氏の個人サイトは個人サイト、それでいいじゃん。
別に某氏がウチラのリーダーで、全部取りまとめる立場だって訳でもないんだし。
293名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 15:32:46 ID:N4o8vMrr0
禿同!
金をとることに何も文句はない。作品を作ったりサイトを運営する手間ひまや労力の分の対価を求めることは、本来は当然。
ただ俺は金払ってまで読まないけど。だからと言っておれらに非難する権利は無い。

SSのせいで談義が中断されるのは否めないけど、そのせいで議論が鈍ってるというほどの害も無いと思う。今回の議論で創作意欲を失ったらかわいそう。
ただ自分のサイト作ってくれたら俺も読むのに、とは思う。今の2ちゃん投稿方式では全く読む気はしないけど。

4の333さんには俺も、おそらくほとんどの人も、ご苦労さん乙かれとは思っていても、不満は持ってないと思うよ。あなたを責めてはいないし、感謝してる。これからもあなたのサイトをがんばって続けてほしい。
この関係のサイトのなかであれだけリンクが充実してるものは他に無い。
294名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 16:30:54 ID:ihkwyECK0
外部で有名なところが有料作品のサイトしかないのが不幸だ。
外部に無料で自由に語ったり投稿できるサイボーグ総合サイトがあればいい
ここはフェチ板のスレだから女サイボーグとエロがテーマでよさそうだ
295名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 17:43:08 ID:rSwAstdT0
>>291
的外れな個人中傷はyamere!

>>294
言われてみればそうだね。フェチ板だもんね。
296名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 20:39:02 ID:ThV0w02f0
次スレからはテンプレに
「2chフェチ板サイボーグ娘スレ用 SS投下Wiki 」を加えるべきだろう
297名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 23:35:48 ID:VNEaen4O0
>>273 >>285 >>289 >>296
同一の方かな?
自分はWikiって解らないんだ。
そこまで執着するのなら、自作品を投下して見本を示してほしい。
でもって素人考えで悪いんだけど、投下された作品が勝手に改竄とかされないのかな?
298名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 23:49:57 ID:i4h+GS730
>>297

俺も使い方は分からないけど、執着と言う言葉はイクナイ

299名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 03:09:36 ID:Ngwbgau40
296だけど、個人的にはWikiよりツリー型の板のほうがいいと思ってる。
ただ、wikiと同じところで借りれる2ch風の板はアダルト系がダメなので、
サイボーグ娘がテーマである以上はエロ系の話題やネタも自然と出るだろうから断念した。
それにジャンルをどこにするかでも悩んだ。
そういえばwikiを一度も編集したことがないな
300名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:02:41 ID:11Me40ML0
>>296
2ちゃんのスレのまとめをウィキでやるのはフツーだろ・・・
どんだけゆとりなんだよ・・・
301名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 16:03:37 ID:11Me40ML0
>>297の間違いスマソ
302名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 17:43:33 ID:IbXO50Fq0
>>299
あの手の規定って出会い系を規制してるだけだから、書込みの一部にある程度は問題視されない。
2ch風の板借りてくれるなら俺は使わせて貰う。

>>300
Wikiが使えるくらいのスキルがあるなら、そもそも某氏のサイトが使われてただろ。
303名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 00:07:44 ID:gL9EbPOcO
wikiは第三者により作品が編集される可能性があるから掲示板の方が良いと思うのだが。
304名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 21:40:36 ID:xi4R98i00
WEBはタダ。有料は悪。そういう考えでいくつ優良コンテンツを潰せば気が付くのかな?
受益者負担は資本主義の基本だろ?(公の場に自作を発表できた作者も『受益者』なんだけどね)
一方で購買層の購入意欲を満たさないと銭の回収が出来ないのも資本主義なんだな。
305名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 22:42:50 ID:TROpWOoB0
全くだ。タダで読めないからって叩くなんて、金に汚な杉。ケチにもほどがある。金の亡者だかw
306名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 23:50:47 ID:/USxOiOP0
アンドロイドかもしれんが。
ttp://img.gurochan.net/f/res/27656.html
307名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:19:46 ID:LwKRJXLL0
>>306
メカ少女全般だから、混ざってるね
向こうの人には区別がついてないってのもあるだろうし

しかし、グロちゃんのフリークスには定期的にメカ少女スレが立つが
あっちでは壊れて無くてもグロ扱いなのかねぇ?
308名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:45:20 ID:H7163OZW0
>>307
サンクス!
強制改造されたサイボーグと脳内変換するからオケー

ところでこのサイトは何!?kwsk!!
309名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 22:58:04 ID:EbFFFmWL0
GUROchanで検索すれば見つかるよ
310名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:06:53 ID:2b5Le2KUO
311名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 01:23:20 ID:7pZVyUc00
ごく最初の方だけ読んだ。戯曲形式って好かんのですぐ読むの止めたが。
内容に付いては、なんだか古い知識で書いてるなw
なんて思ったら、1999頃の作品なんだな。この手の設定って、すぐに古くなってしまうな。
3123の444:2007/12/13(木) 03:36:10 ID:iWUkqYP10
>>310
下のやつについて気合で調べてみた。
女性でオールサイバーっていうのは末尾の数字がこれ。
039,059,062,073,104,128,167,185,207,216,228,236,239,248,251
257,275,280,290,296,364,367,380,410,450,473,499,514,536,539
559,583,603,609,633,649,663,674,676,707,716,773,780,791,794
804
こんなにあるにもかかわらず設定だけ、とか絵だけ(それも属性なし)みたいなのが多くて、
属性的に読む価値があるのは
167,410,473,633,794
こんなものかな。やはり保管済みだけど410が断トツでいい。
あと633がらみのこの絵とか。
ttp://omc.terranetz.jp/pdview/view.cgi?GMID=PM01&ORDERNUMBER=2005031500166567
男性サイドの話に収録されているけど473がらみのこの話とか。
ttp://omc.terranetz.jp/pdview/view.cgi?GMID=PM01&ORDERNUMBER=2004112600143520
313名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 19:51:53 ID:KJ+Ns7m50
アク禁になってる間にサイボーグ雑談の板が必要かの議論は
終ってたなw
314名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 20:57:41 ID:vnLjZVxk0
>>313
アクキンくらってたのか!?w
315名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 00:28:03 ID:q1lmnoBC0
地域ローカルのプロバイダの割に最近はけっこうよくアク禁になる('A`)
人多杉は専ブラで回避できてもカキコはできない。
外部に2ちゃん風サイボーグ板があればアク禁も怖くないのにと思った。
316名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 12:30:35 ID:+xiZ1t3j0
ttp://rinrin.saiin.net/~kageya/dojin/
これ見たいんだが金払うのもイヤだし、誰かうpしてくれ!
317名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 15:45:13 ID:Gi10lUNx0
>>316
ボケか
318304:2007/12/15(土) 21:39:37 ID:dE8G89Wa0
>>316
5日前の話題も覚えてないのか・・・って釣りだよな。
319名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 21:57:11 ID:CZOToFlW0
微妙に話が違うと思う。こないだは、金を取ることを批難するのは間違いという話だろ?
ただで見たいという欲求があるのもまた事実。
320名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 22:04:40 ID:NHqy/J7t0
金を取ることが悪いとまでは言わないけど

もともとタダが原則だったネットで金を取るというからには
それなりの出来ってもんがあるだろうという話であり

さらに有償にすることが文化を育てるという意識はいいが
文化に値しない粗悪なものは駆逐されるべきであろうという話でもあり

タダより高いものもないって話でもあり
321名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 00:46:45 ID:7Fm32ftQ0
とにかくできればタダで316を見てみたい
322名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 01:45:08 ID:iRYl+PVI0
>>321
金無いならDLsiteのサンプルで我慢しろよ
323名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 03:11:28 ID:hJ8FscBe0
>>320
無償でも駆逐されずにオナニーで存続できるのもまたネットならではだなw
324名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 04:20:56 ID:iFyVJ3It0
こういうのってサンプル見ながら買うかどうか迷っている内が一番楽しくて
実際に買ってみると大して良くなかったりするのが常だよな。
325名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 11:22:23 ID:rVwC4A+x0
なるほど。一番いい作品をサンプルにしてるだろうから、他はこれ以下ってことだもんな
326名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 14:18:24 ID:UEsyt+k20
有料ばかりが有名なのは無料でいいコンテンツが育ってないせいもあるだろう
ファンに優しくないとアンドロイドに流れてしまうという危機感がない
327名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 15:24:24 ID:4bCN2U+h0
危機感ってww
328名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 21:58:30 ID:lRjvYXS90
メカ系で一番人気はそもそもメイドロボだし
329名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 22:29:40 ID:eKN/3u2r0
>>326
危機感持ってるおまいはどう貢献してるの?
330名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 22:55:53 ID:tKAohys50
ホワイト・オペラ
331名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 22:57:23 ID:tKAohys50
ごめん、誤爆した。
332名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:34:32 ID:EE0rykO30
>>331
改造の刑
333名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 16:35:01 ID:Kflko6/I0
正直素人の有料には興味ない
銃夢や攻殻がある
334名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 02:08:58 ID:rpEImInl0
銃夢や攻殻は萌え以外の要素が多過ぎて漏れには無駄が大杉。
アニメやSFには全く興味無い。
あくまでフェチ的性欲を満たすサイボーグものでないと漏れにとっては不要。
335名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 09:25:13 ID:gGps2Ppv0
>>334
そういうのは商業だと成り立たないよね。
336名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 21:10:18 ID:wX813IYY0
戦闘は殺伐としてるが、サイボーグの人間離れした能力を示す
絶好の機会である。
むしろエロやフェチだけで商業的に成功するのは難しい。
少なくともこれまでに不動の地位を築いた作品を知らない。
337名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 19:55:46 ID:WSYGx8A30
ttp://www.pendragonpictures.com/Chromepic3.html
これが気になるけど製作が途中で止まったんだろうか?
338名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 20:47:45 ID:NvyAbBzV0
…英語か…orz
だが
339名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 20:51:36 ID:KMjLMw3f0
今月のウルトラジャンプは表紙のガリィで買ってしまった。
340manplus:2007/12/19(水) 23:36:20 ID:mWaPgipc0
やっとアクセス規制が解除になったようです。
SSといいながら長くなってしまって心苦しいのですが、
続きをそろそろ投下してもいいでしょうか?

少し、SS投稿不要論が意見としてあって、
投下をためらっております。
341名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 00:25:11 ID:9oxVD9QB0
ttp://ayotak.web.fc2.com/syou/sion/index.htm
女科学者が重傷おってライバル科学者の旧技術により改造されてしまう話。
342名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 02:01:39 ID:hv9A9d1q0
>>341
改造ものはやはり、無理矢理改造されて悲しむというシチュが萌えるよな(;´Д`)ハァハァ
343名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 02:32:08 ID:9oxVD9QB0
改造後の初登場シーンはマントを自ら脱いで
「お前のせいでこんな姿になったんだ」
とサイボーグ姿を主人公に晒して恨み言を言ってくれます。
もう、このシーンでどんだけ自分が・・・・だったかわかりません(;´Д`)ハァハァ
344名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 09:56:03 ID:CBdfv9qp0
>>340
続きを読みたいので是非お願いしたいところですが。
345名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 18:55:10 ID:TWU45/ga0
>>340
いらっしゃい、ぜひ期待しています

>>341
”旧”技術って真空管とかブリキとかじゃないよね
そんなんだったら悲しむだろうなあ
346名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 20:56:52 ID:/XPoZE0o0
モスピーダでインビットに体の半分を改造された男がいたな。
最後は反抗してあぼーんされてた。
347名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 21:52:39 ID:or2FUO3o0
>>343
サイボーグ化された自分を悲しむなんて、、萌えさせてくれますね!

>>346
それも萌えますね!kwsk!!
348名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 02:00:35 ID:KgPurOMP0
>”旧”技術って真空管とかブリキとか

そういう粗悪な改造されて苦しむサイボーグに、禿萌え(;´Д`)ハァハァ
349名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 10:52:09 ID:/6Q2/2is0
メタル紫苑ってネーミングもいいよね
誰かSS書いてくれないかな?途中死んじゃうけど、
実はさらに改造されて完全に戦闘用とか愛玩用とかにされて
幹部の優秀な科学者だったのがだんだん下級サイボーグにされていくような
350名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 21:21:49 ID:gCE4TBbD0
戦闘で死なずに爆風でどこかに吹き飛ばされ、記憶喪失になったところを
メカフェチの男に引き取られて愛玩用に改造されるとか
351名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 21:33:25 ID:pCP6JFMZ0
352名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 23:53:24 ID:/6Q2/2is0
ああ、おれTSは全然ダメだあ
でもけっこうネットじゃ多いよね
353名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 02:06:45 ID:iVPyCZ8/0
>>340、350
どんどいん下級扱いにおとしめられていく話は萌えるよね(;´Д`)ハァハァ
354名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 11:24:50 ID:OARetfHL0
>>350
いい話だが、記憶は残ってて屈辱感を味わわせた方が萌えるな漏れは
355名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 13:01:52 ID:8xWiraz80
>>354
記憶が残ってるなら、機械の部分がかなり破損していて
逃げたり逆らえない状態で、しかも拾った男がかなりサイバー工学に
長けてないと性奴隷化は無理だろう
356名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 14:48:09 ID:GpYlgShE0
細かいことはどうでもいいよw
とにかく記憶はそのままで苦しむのが萌える
357名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 03:37:29 ID:rdQFIGt+0
潜在的なプログラミングとか洗脳で記憶はそのままだけど逆らえなく
されるとかがいいなあ
358名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 09:52:02 ID:vI37PlAG0
うんそういうのが萌えるね
359名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 15:00:15 ID:enOkjLqP0
どうせなら部屋から出ると機能が停止する手足とか
360名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 16:23:15 ID:ctLfJBqE0
それもいいな。とらわれた部屋から出られないように改造されてるわけだ
361名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 20:05:26 ID:t9W5MMq30
基本姿勢は四つんばいで手足の機能もシンプルで指などはなくて移動に
最低限必要な電動のキャスターだけなら、
サイバー家畜になるだろう。
食事はどうするべきか考えたけど、ロボコップにベビーフードが出てきたので、
そういうのなら犬みたいに簡単な食器で食わせれそうだ。
362名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 04:50:00 ID:5lmXBge+0
スバロボに長らく忘れ去られた状態になってたファイターロアの妹、エミィが登場するらしい
しかも洗脳された状態で
363名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 02:41:05 ID:F+yuJp6n0
洗脳(;´Д`)ハァハァ
364adjust:2007/12/26(水) 20:30:10 ID:jEFHp0FP0
SSじゃなくて、LSかもしれませんが、議論のペースが落ちたようですので
空気読めないまま、続き投下しまーす
問題があるようなら、一時的にHPつくるほうがいいのかな

自衛隊ネタ高須恵美の続きです
効率の限界 第3ブロックです。第5ブロックくらいまで続くかも

365adjust:2007/12/26(水) 20:31:15 ID:jEFHp0FP0
 防衛医科大、脳神経学教室、義体情報研究室、ここは高須恵美の脳改造に伴う情報システムの設計を行ったところで
ある。通常の義体では視神経や聴覚神経、脳幹が電気的に接合され、サポートコンピュータとの通信を行う。これは、
目や耳、体性感覚を機械が受け持ち、正常な身体の代わりをするものとして構成されている。この接続手法は多くの全
身義体者が存在することもあり、技術としてはかなり安定的に確立されている。
 しかし、彼女の場合、通信システムの情報を視覚や聴覚を介することなく直接認識するために、後頭葉や大脳基底核
に直接電極が差し込まれている。後頭葉は視覚の認識、大脳基底核のうちの線条体は判断や意思決定、海馬は短期記憶
に関係する部分である。通信システムの情報を直接これらの部分に流し込むために、電極の配置や電極の信号の大きさ、
パルス密度の設計を行ったのがこの研究室の三田教授を中心とするグループであった。
 原田明子2尉はその三田教授を尋ね、高須恵美の状態を伝えた。高須恵美は自衛隊内の病院で治療を受けており、異
常な脳波はほとんど見られなくなっている。2日の休息で彼女の意識は正常に戻ったが、彼女自身の精神的ダメージは
かなり大きく、集中指揮官としての継続はまだ不透明な状況である。
 「事実上原因の特定は不可能...」
 原田は三田研究室を後にするとため息をついた。高須恵美の脳には通常の義体の接合部に加えて、集中指揮用の通信
電極が1200本差し込まれている。これは脳幹や視神経などの外部に露出している神経束に接続しているものとは別に、
直接脳に差し込まれている電極である。
 高須恵美の異常脳波の原因は二つ考えられる。ひとつは純粋に彼女の極度の緊張によるもの、もうひとつは通信電極
の設計ミスもしくは手術の不具合である。またそれらの複合的な理由も考えられる。しかし、今まではそのような事例
はなかったし、少なくとも集中指揮システムの通信路は、彼女が異常脳波を発生させたときでさえ正常に作動していた。
また彼女の過去のカルテにも過去にそのような事例は記載されていない。
366adjust:2007/12/26(水) 20:32:51 ID:jEFHp0FP0
 「1200本の電極の全ての組み合わせを刺激して調べてみる...ばかげてる...そんなことをしたら発狂してしまう」
 全ての組み合わせを調べる。仮にそれが可能だとしても、その組み合わせは単純に刺激の有無で行うとすれば、個別
で1200回、2本の組み合わせを試すとして1200の2乗、その一回ごとに彼女は本来はありえない不自然な信号を受け
ることになる。
 確認しなければならない電極は、記憶や判断に関係する重要な部分に接続されている。そのようなところへ1200回、
あるいはそれ以上の異常な刺激を与え続けたとき、脳にどのような影響があるかを判断するのは事実上不可能であった。
 
 原田明子2尉は河本1尉と相談し、集中指揮システム運用グループ全員で、解決方法を模索していた。その過程での
有望と思われる方法として、数学的なアプローチからの可能性にたどり着く。そこで調査を依頼されたのが砲術散布界
の専門家であり数理統計学や確率論を得意とする現通信チームリーダーの岡野3佐。さらにつてをたどり、体性神経網、
性感神経網のマッピングおよび信号合成技術をもつNTL.ED第4開発室の橋本和美、そしてデータマイニングによる大量
データからの情報抽出技術を持つ清水谷電子AI研究室、田中瑞香両名とコンタクトがとられた。ここまでこぎつけるた
めには原田の奮闘によるものが大であったが、長くなるため省略させていただく。また橋本和美と田中瑞香は大学院時
代の同級生であり、協力して研究を仕上げたライバル的存在である。ハードウェアの橋本とソフトウエアの田中という
竜虎の対決についてもいくつかのエピソードがあるが、その内容についても別の機会とさせていただくことにする。

 
 原田は高須が入院している自衛隊病院を訪れていた。原田が病院の敷地内に入ると、紅葉した楓の下でベンチに佇ん
でいる高須の姿が目に入る。さくさくと枯葉を踏みしめる音に気づいたのか、高須が原田に目を向けた。そのまま静か
に会釈する。
 「や、もういいの?」
 こくりとうなずき、小さく口を開く。
 「脳波に関してはもう異常は見られないそうです。しばらく経過監視で何も無ければ退院ということになりそうです」
 「それは良かった。あのままの状態が続いたらどうしようかと思ったわ」
367adjust:2007/12/26(水) 20:33:55 ID:jEFHp0FP0
 原田は抱えているファイルケースをベンチに立てかけ、高須の横に腰掛ける。晩秋の冷えた空気が落ち葉を運び、原
田と高須の周りを舞った。
 「恵美ちゃん、いま、あなたの病気の話しをしていいかしら」
 「かまいませんよ」
 ほとんど身動きせず、小さく答える。あまり表情を表に出すことは無いが、今の彼女は特に静かである。
 原田は彼女の表情をしばらくじっと見つめ、そっと視線を外して口を開いた。
 「いま、あなたの病状について、うちのグループみんなで調べています」
 高須は小さくうなずく。
 「データログを調べた結果、集中指揮を行うとまた再発する可能性が高いことも分かりました」
 「......」
 「高須さん」
 「はい」
 「もし...もし良かったらなんだけど、もしこの仕事を続けるつもりがあるのなら...」
 原田は言葉を選ぼうとして口ごもる。しばらくの沈黙の後、高須がちいさく口を開いた。
 「もう、この仕事できませんよね」
 「え、?」
 「やはり、私には荷が重かったのではないかと思います」
 「あ、いや、」
 高須は何度も心の中で繰り返した言葉を淡々と紡ぎ出す。
 「このお話を受けたときは、陸士長からやっと曹官に上がった一般隊員でした。女性で前線には向かないということ
で、通信科にやっと拾ってもらいました。本来であれば貴重な完全義体者で、最前線を守るはずだったのですが役立た
ずですね、その程度の人間が付け焼刃で大隊を指揮するなんて、無理がありますよね」
 「い、いや、そんなことを言っているんじゃなくて...」
 原田はあわてた。高須恵美は自分の価値についての自信を失っている。。
 「脳改造をやれば、皆さんの役に立てるかとうぬぼれていましたが、しょせんただの小娘ですから大事なところで役
立たずでした」
368adjust:2007/12/26(水) 20:35:00 ID:jEFHp0FP0
 「そんな、そんなことないよ」
 「でも事実ですよね、私はもう...」
 「すとおおっぷ!!」
 原田が大声を上げて、高須の言葉を遮った。高須の前に立ち、目をしっかりと見つめる。
 「高須准尉」
 「......」
 「今の現状を言うわね」
 「......」
 下を向く高須に対して原田はやさしく、そして毅然と説明する
 「私たち、少なくとも集中指揮システム運用部はまだあきらめていません。というよりこれは開発中の良くあるトラ
ブルのひとつに過ぎません。いま、あなたの脳改造が適切であったかどうかを調査中です。前回の演習データログから
あなたの異常の原因を探すための努力が行われている。あなたの脳に埋め込まれた電極が原因である可能性もかなりあ
るの。精神的な原因の可能性ももちろんあるけれど、脳改造に問題があるのならば、それは我々の責任です」
 「はい...」
 「それで、その脳改造に不具合が見つかれば、それを治療してまた続けたいと思っています、まずここまでは基本方
針、いい?」
 こくりとうなずく。そんな高須の頭に原田は手をそっと載せた」
 「でね、ここからが本題なの」
 あきらめたように、視線をむける高須を見て、原田は話し始めた。
 「まだ脳改造による不具合の結論は出ていないけど、不具合がはっきりすれば、再度脳改造をするかもしれません。
しかし、あなたがもうこれ以上この仕事を続けていけない、やめたいと思っているならば、それを無理に止める権利は
私たちにはない。それを決めるのは恵美ちゃん、あなた自身です。そんなことをいう理由は分かっていると思うけど、
再度の脳改造がそれなりに危険なものになるかもしれないからです」
 こくり、高須は原田の目を見ながら小さくうなずく。
 「どのくらい危険なんですか」
 「ごめんなさい、運用部のみんなが専門家も呼んで調べていますが、まだ結論はでていません。でも、何らかの不具
合があるらしいことは分かっています。その不具合によって、どのような脳改造になるかはまだ分かりません」
 「はい」
369adjust:2007/12/26(水) 20:36:07 ID:jEFHp0FP0
 「まだ早く決める必要はないけど、結論がでたら脳改造を受けるかどうか決める必要があるわ。それで、脳改造を受
けたくないならばそういってください。無理に勧めたりはしません」
 「その場合、わたしはどうなるの、もう続けられませんよね」
 「ん、今までのような集中指揮システムは計画変更ということになるわね。そのまま司令部に情報参謀としてつくこ
とになるか、それとも通信隊に復帰するか、いくつか選択肢があるでしょう、これについては人事の問題だから即断は
出来ないけど、でも、今までの勉強は無駄にはならないとおもう」
 「そうでしょうか...」
 高須は、下を向いて足元の枯葉に目をやる。
 「わたしの居場所は...あるんでしょうか」
 そのまま座り込んで、枯葉を手に取り、くるくると回した。
 原田はそれをじっと見つめる。
 「あ、聞いていいですか」
 「何?」
 「退院した後で、お休みって取れますか」
 原田は、頭の中でスケジュールを考える。脳改造を行うためには徹底的に不具合場所を調べて、間違いないと結論が
でなければならない。そしてその調査は全力を傾けているとはいえ、なかなか進まない。高須がいたほうが細かい調査
が出来るが、彼女自身の調査はある程度、対象が絞り込まれてからでもかまわないと判断する。それに、万一の可能性
がある脳改造の前に、いくらかの休暇を与えるのは、当然の措置であるともいえる。
 「たぶん大丈夫よ、出なければ私が上申してもいい」
 「来週の土日、間に合うかな」
 ちいさくつぶやく、原田はその声を聞き取った。
 「なにかあるの?」
 高須は目を上げてほんのわずか微笑んだ。
 「祖父の田舎でお祭りなんです。去年はいけなかったけど、家族もその時期には祖父の田舎に帰るので」
 「そう...なんだ、帰るのもいいかもしれないね」
 「あ、」
 高須が今初めて気づいたように小さな声を上げた。
370adjust:2007/12/26(水) 20:36:55 ID:jEFHp0FP0
 「なに?」
 「え、えーと」
 「どうしたの?」
 高須はしばらく迷いながら、ゆっくりと口に出す。
 「できれば、できればでいいんですが、あの、原田2尉も一緒に行きませんか?」
 「私?」
 思わず自分を指差し、間の抜けた声で返事をする。
 「はい、お祭りの時期はいい季節なんです。一度ぜひ見せたいなと思って...」
 「うーん」
 高須が休みをとるのは問題ない。しかし原田は高須の病気に関する責任者でもある。運用部で全力を尽くしていると
ころを抜けるのはかなり問題がありそうな気がする。
 「考えてみる。河本1尉に相談して、大丈夫だったら...ね」
 「はい」
 高須は少しぎこちない微笑を浮かべてうなずいた。
 原田が河本1尉に相談したところ、あっさりOKが出た。原田の仕事は人としての高須恵美のサポートをすることだと
いうのがその理由であった。データ処理には役に立たないということを遠まわしに言われたような気がして、少し含む
ところはあったが、変に突っ込んで取り消されても困るから、それ以上突っ込まないことにした。
 
 
 そのころ、
 岡野3佐と田中瑞香は高須恵美の脳波と電極通信信号の莫大なデータログから、1200本の電極と脳波の相関関係を導
き出そうとしていた。一般的なデータマイニングはデジタルを代表する離散値ベースで行われることが多いが、脳波に
せよ電極信号のパルス密度にせよ、情報量としてはアナログに近い。防衛省技術研究部の研究所に直談判して高速な計
算機を数台奪い取り、橋本と中川1尉がサポートをしながら、相関係数を導き出していく。計算手法については省略す
るが、橋本と中川が下請け計算機整備屋と成り下がり、コーヒーとタバコの買出し係となっていたことを記しておく。
371adjust:2007/12/26(水) 20:37:47 ID:jEFHp0FP0
 
 
 山の間を縫うように進む一本のローカル線。大きなスポーツバッグを抱えた原田と高須は磨り減った石造りのホーム
に降り立った。二人の背後ではエンジンを吹かせながら、2両編成のキハ52ディーゼル車が動き出す。
 朝の日差しが高くなり、もうじき昼となる時間帯、この時期としてはやや遅い紅葉が、日陰に残る霜の化粧を残して
鮮やかに山を染めている。
 「わあ、いいところよねえ」
 街中では少し大げさすぎる防寒装備、しかし刈り取られた田畑の広がる風除けのない場所で、朝の寒さを防ぐための
必須装備である。そんな服装に身を固めた原田は、傾いた日の光に照らされた紅葉の山々をみて、顔を綻ばす。
 「いい具合に紅葉してますね」
 何度も通った祖父の家に向かう道、原田を案内しながら高須は山を見渡した。その山の中腹に何かの建物が立ってい
る。その建物を指差して、高須は原田に言った。
 「あの神社がお祭りのところです。案内します」
 高須は先に立ち、静かに歩いていく。他に音を立てるものもない田舎の一本道に原田のブーツがかすかな音を立てた。
 「恵美ちゃんのご親戚のお家は近いの?」
 「近いというか...あの神社ですから」
 「あ、じゃ恵美ちゃんのおじいさんって神社の関係者なのかな」
 「あ、はい、祖父は神職で神主です」
 「えー、神主さんなんだ、なんていう神社なの?」
 「高祖(たかす)神社といいます。由来は余り知りませんけど」
 「ほー、じゃ、先祖代々、高須一族なの?」
 「名前から見て関係はありそうですが、余り知りません。そういうことも聞いておけば良かったですね」
 高須は原田の方を振り向いてにこりと笑った。その笑顔は以前に見た笑顔と違い、自然な笑顔に見えた。しかし原田
の頭の中では、最新式の完全義体、通信技術を駆使した集中指揮官としての高須の落差が大きく、そのイメージがなか
なか繋がらない。
 そういえば、とふと思った。人待ち姿の高須は巫女のような雰囲気を漂わせていた。そのルーツは間違いなくここだ
なと、自分を納得させる原田であった。
372adjust:2007/12/26(水) 20:38:40 ID:jEFHp0FP0

 
 高須の祖父に挨拶して、何度も何度も恵美を頼みますと頭を下げられ、自分の無力を痛感させられた後、高須の案内
で近所の散策に出た二人である。神社は中腹にあり、その東側は数十メートルの絶壁になっている。その絶壁の端に小
さな祠があり、その祠の前にたつと、眼下に広がる景色が良く見える。
 「わあ、」
 「余りそっちにいくと、その、危ないですよ」
 原田は、体を乗り出して、絶壁から下を見ようとする。
 「わあ、こりゃすごいねえ、はるか向こうの海まで見えそうね」
 「空気がきれいなときは海まで見えますよ、いまはすこしもやがかかっていますけど」
 「ほんと、この絶景なら、昔の人も神様を信じそうな気がする。大地の神様ありがとうてな感じで」
 「そうですね、だから、ここに祠を作ったのかもしれませんね」
 絶景を前にしてうーんと伸びをする原田を見ながら、高須は祠の縁側にちょこんと座った。原田の姿に対して、高須
の顔色はさえない。
 「ん、どうしたの、体調良くない?」
 気づいて原田が高須を見るが、高須は首を振る。
 「いえ、体調は問題ありませんが、下を見ると余りいい気分じゃないので」
 「ああ、そうよね、下を見ると吸い込まれそうな感じ、落ちたらひとたまりもないよね」
 「はい」
 うなずいたままじっとしている高須、穏やかな表情を浮かべながら、原田をじっと観察している。
 「いいところよね、ここ」
 原田が絶壁から戻り、高須の横に座る。
 「え、ええ、まあそうですね、でも」
 煮え切らない返事に原田は高須の言葉を待つ。
 「余りいい思い出がないので」
 「悪い思い出?」
 高須の表情がゆがんでいる。
 「すこし、お話していいですが」
 「もちろんよ」
 原田が即答する。もう医師としての顔となり、高須をじっと見つめた。
 「ここは、初めてふられた場所なんですよ、あこがれてた人に...」
 「うん」
373adjust:2007/12/26(水) 20:40:30 ID:jEFHp0FP0
 高須は何かを吐き出そうとしている。原田はとくになにも言わず、次の言葉を待つ。
 「高校の同級生にあこがれていました。とても頭がいい人だったので、レベルの高い大学を受けることを聞いていま
した。」
 「うん」
 「お友達として、いろいろと一緒だったんですが、恋人になって、とだけはいえませんでした」
 「......」
 「それで、一緒の大学にいこうとして、勉強しました。でも不合格でした」
 高須がすっと立ち上がる。
 「あきらめ切れなかった私は、ここへ彼を連れてきました。そして、初めて告白しましたが、ごめんなって言われて
しまいました...あは、ははは」
 高須は震える笑い声を上げる。
 「迷惑でしたよね、こんなとこまで無理やり連れてきて告白されてもね、卑怯だったと思いますよ、私って」
 「恵美ちゃん?」
 「あは、それからですね、気が抜けちゃいました。なにか今までがんばってきたのがうそみたいだったから、あはは
はは」
 高須は祠の前に立つ。その表情は笑っていない。祠の影が高須を覆い、高須の目だけが鋭く光を放つ。その姿をみた
原田は背筋にぞくりとしたものを感じた。
 「大丈夫?、どうしたの恵美ちゃん?」
 原田が高須に近づこうとする。それをくるりと避け、絶壁の端に立った。
 「それでですね、彼が帰ったあと、わたしはしばらくここにいて、日が沈んだ後で...」
 高須の口元がにやりと曲がった。足が小さく後ろに下がる。
 「!!!」
 「ここから...そう、ちょうどここから...飛び降りたんですよ!」
 「恵美ちゃん!!」
 「うふふ、そのまま、おしまいになるはずでした。でも、また目を覚ましてしまったんです。ここだけになって」
 高須は、自分の頭を指差す。笑わない目と不自然に曲がった口元が、狂気を映し出している。
 「もう、戻れない。こんなことまでして、脳改造までして、でも何も出来ない役立たず、ふふ、ふふ」
 「恵美ちゃん、落ち着いて、こっちに来て」
 一歩、一歩後ろに下がる高須、ふっと顔つきが、もとの素直で自然な表情にもどり、悲しげに頭を振った。
 「いえ、原田先生、もういいです。わたしは...わたしはいらない子なんです。見ていてくれて、あ り が と う...」
 
374adjust:2007/12/26(水) 20:41:37 ID:jEFHp0FP0
 「ばかっ」
 その言葉を聞いたと同時に原田は高須に飛びついた。腕力ではもちろん高須にかなうはずもないが、不意を突かれた
高須は、バランスを崩し膝をつく。
 「ざりっ」
 そのまま、原田は何回か地面を転がると、またすばやい勢いで駆け寄り、高須の頬を力いっぱい叩いた。
 「ぱしーん」
 相手は完全義体者である。全力で叩いても効くかどうかは分からない。それでももう一度、大きく振りかぶって全力
でひっぱたいた。
 「はあっ、はあっ、はあっ」
 原田の手は感覚がなくなっている。それほどに全力で叩いても姿勢は変わらない。高須は俯いたまま動かない。
 「はあっ、はあ、は、し、正気に戻れ、ばかっ、ばかあーっ」
 「......」
 原田は火照る手を押さえながら、目に涙を貯めて、俯いて返事をしない高須をにらみつける。
 「い、いっとくけどね」
 原田は荒い呼吸の間から声を絞り出す。
 「恵美、あんたね、完全義体者が大変なのは承知してる。けどね、少なくとも...少なくともできる範囲で幸せにな
らなきゃ承知しない。いや、許さないからね」
 「......」
 「ちょっとだけ、言いたいこと言うよ。私の覚悟言うよ。もしあなたが、もし、もし、脳改造の結果壊れたり、亡く
なったりしたらそのときは、私も後を追う覚悟だった。なぜかわかる?、わかるっ?」
 原田は涙声になっていた。
 「あんなにがんばっている子がくだらない実験で死んだらかわいそうじゃない...くっだらない実験であなたが一人
ぼっちで天国の階段上っていくなんて耐えられない。馬鹿な行為というのは百も承知しているけど、天国の階段上るな
ら、わたしも付き添う。それが、一人の人間の命をもてあそんだ責任、だから絶対に付き添うつもりだった」
 高須が静かに顔を上げた。くしゃくしゃの顔のまま原田に目を合わせる。
 「そんなこと、だめです」
 「なにがだめなの、軍隊ってそういうとこよ、命のリスクが常にあるところだからこそ、無意味に部下を死地に送る
ことは許されない。少なくとも全力で部下を生還させる手立てを考える...そして、万一のことがあれば責任を取る。
これが本当の指揮官」
375adjust:2007/12/26(水) 20:42:23 ID:jEFHp0FP0
 「はい」
 高須は弱弱しく立ち上がる。原田は高須の手を取り、祠の縁側まで連れて行く。ゆっくりだが、もう高須は原田を避
けることは無かった。
 「今やっている集中指揮システムの構築は恵美ちゃんに大きい犠牲を強いることで成立している。そして、その犠牲
は強制でなされてはならない。我々は恵美ちゃんにお願いすることしか出来ない。あなたはそれを拒否する権利がある。
それを留める権利はわたしたちにはない。」
 こくり、何度か聞かされた言葉に高須がうなずく。
 「恵美ちゃんが危険と判断すれば、これ以上無理にすることは出来ない。無理やりやらせればそれは特攻と同じ。一
人の人間に無理やり犠牲を強いることなどあってはならない」
 原田は遠くの山々に視線をむける。そのまま力を込めてつぶやき続ける。
 「恵美ちゃん、あなたの選択肢は3つ、1.自衛隊を辞めて、穏やかな人生を送る、2.一般隊員として平常の勤務
に就く、3、脳改造を受けて集中指揮官としてわたしたちと仕事を続ける。そしてそのどれもが不幸になることは許さ
ない。ここで自殺をするなどという選択肢はない。そんな選択肢は絶対にありえないのっ!!」
 高須は下を向いて、震えていた。原田はその背に近づき、そっと抱きしめる。
 「だからね、そんなこと考えないで、生きよ、ね」
 「...はい...」
 二人はそのまま動かない。やがて日が傾き始め、祭りの気配が近づいてくる。少し離れた境内では夜店や舞台の準備
が始まった。冷たい風が次第に原田の体温を奪っていく。それに気づいて大きくくしゃみをするまで、二人はずっと佇
んでいた。
 
 
 原田は舞台の前に置かれたテントの中に陣取っていた。高須の祖父から頂いた何本かのお神酒と、そこらの夜店で買
ったビールを並べ、テーブルにおいてあるつまみをかじりながら、舞台の子供たちの踊りを鑑賞する。踊りが終わり、
子供たちがご褒美のお菓子の詰め合わせをもらうと、舞台衣装のまま三々五々、親の待つテント席へ散らばっていく。
 お神酒(といってもただの地酒のカップ酒だが)のふたをとり、きゅうっと一息に流し込むと、喉から下がぽーっと
熱くなっていく。舞台では次の演目が始まるのか、音曲の雰囲気が変わる。
 「あっ」
376adjust:2007/12/26(水) 20:43:05 ID:jEFHp0FP0
 落ち着いた音曲の中、静々とでてきたのが、高須恵美の巫女姿、飾り物をつけた鮮やかな巫女衣装は、彼女自身のか
わいらしさを加えることで、独特の美しさを紡ぎだす。
 演目はこの神社に伝わる神々の旅立ちの物語。暖かい神々のおわすこの土地から旅立ち、土地の荒ぶる神々を鎮めて
いく女神、高磯比盗_(たかすひめのかみ)の物語である。
 「なんだかなー、完璧にはまり役よね、名前そのまんまだし」
 すでにいい気分になっている原田に、高須の祖父が会釈をしながら近づいてきた。
 「あ、どうも、お世話になっています」
 「どうですか、楽しまれていますかな」
 「あ、はい、いま踊っているのは恵美ちゃんですよね」
 「恵美です。この子は小さいときから何度もこの演目をやってもらってました。最近はなかなか出来なかったんです
が、今日は自分からやってくれると言い出しましたので、あわてて衣装を引っ張り出しまして」
 「そうだったんですか」
 カップ酒を傾けながら、高須の舞を見守る。知らなければほとんど分からないが、かすかに義体のモーター音が聞こ
えてくることがある。
 高須の祖父は神主の衣装のまま、原田の横に腰掛ける。烏帽子の下から除く白い髪と深いしわがその人生を思わせる。
 「あの子はね」
 舞台の上で静々と舞う巫女姿を見ながら、老人が静かに話し出す。
 「よく努力をする子でした。なにかやらなきゃならないことがあると、そのときは知らん顔しているんですよ。そし
て、誰も見ていないところで練習して、親やわたしたちが知らないうちにがんばって、気がついたら出来るようになっ
ている。それをわたしたちに見せて、にこりと笑うんです」
 「判る気がします」
 「子供のときは、あの舞も嫌がりましてね、まあ、無理にさせることもないとほっぽっていたんですが、祭りの前に
“じいちゃん、みて”って来て、ぎこちない姿で舞を舞って見せてくれました。」
 「なるほど」
 「それからは、毎年こっちで舞を舞ってくれていました。ああ、あのことが起こる前まで」
 「あのことって...がけから落ちたこと...」
377adjust:2007/12/26(水) 20:44:12 ID:jEFHp0FP0
 祖父は思い出したくないとばかりに何度も頭を振った。
 「彼氏に振られたとかで、気が動転していたのでしょう。そこの崖から落ちて大怪我したんです。先生は恵美のご担
当ということなので、お分かりのことだと思いますが、瀕死の重態でした。」
 「それが、義体化の理由になっているのは知っています」
 「それから、機械の体になって一命を取り留めました。一年間はリハビリで消えて、義体の人に有利ということで自
衛隊に入ったんです。それで、先生」
 「はい」
 「あの子は自衛隊でうまくやっていけてますか。大丈夫ですか?」
 「はい、いろいろありますが、おおむね他の人とはうまくやっていけていると思います。がんばりやさんですからみ
んな頼もしく思っていますよ」
 「そうですか、ありがとうございます」
 祖父は、目を細めて笑った。原田は舞台に視線を移す。
 高須恵美は目の前にいるであろう荒ぶる神々の前で、両手を広げる。多くの民をかばい、水と風、そして雷を両手い
っぱいに受け入れる。
 「天と地の神々よ、神の子である無辜の民を守りたまえ。働く神の子へ多くの恵みを与えたまえ」
 たん、たたん、と高須の足音が響く。音曲の変わると同時に民と神が力をあわせて、多くの恵みを生み出していく。
 共に働く力を知った神々は、陰に陽に民と共に荒ぶる神々を押さえ、そして荒ぶる神々を善神へと変えていく。
 「我は神々と共にあり、民の働きは神の恵みぞ、我は常に民の傍に佇んでおる」
 最後に高磯比盗_は天地の神々と共に消えていく。そこで照明が小さくなり、高須恵美は舞台から消えた。舞台から
消える前、高磯比盗_はこちらを見たような気がした。そしてそのとき口が動いたのを原田は見逃さなかった。 また
やります、ありがとう と。
 
378adjust:2007/12/26(水) 20:46:46 ID:jEFHp0FP0
今回は以上です。ありがとうございました。
議論の邪魔になるという話があるようですが、議論の行方
注意深く見守っていますのでよろしくお願いします。
379名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 08:36:47 ID:xlJxl/z40
乙。

フィクションだからいいけど、実際の軍隊はこんな綺麗事では動かないと思う。
日本でも第二次世界大戦のとき実際に
「お前等は玉砕しなさい。俺は報告のために戻る。」
などと言って隊の全員を見捨てて自分だけ逃げる上官が当たり前に居た。
米軍も湾岸戦争の時に米兵のみならずその子供も催畸性を調べる人体実験に使った。
先天的異常で軍病院に送られた子供が一切治療されず、麻酔すらされずに調査のためだけに切開されたりもしていた。
こういう場合、人体実験の被験体に直接ふれる医者は本当に優しい場合もあるだろうが、被験体に選択肢を与えるような真似は上層部が絶対にさせないだろう。
380adjust:2007/12/27(木) 18:47:42 ID:WHgihF1j0
>379
下3行の件で米軍が米兵を人体実験に使ったというのは初耳です。
できれば情報源を教えていただければありがたいです。

まず、全体的に軍隊での考え方が奇麗事だという指摘というのは正しいと思います。
当方も、実際に戦闘が起こった場合こんな甘いことが出来るとは考えていません。
一応文中では、戦闘状態ではないことを前提にしていること。そして、高須恵美の任務が
高須恵美自身の意思による作戦運用を目的にしているため、モチベーションが下がった
状態では使えないという理由があります。

指揮官のあり方、考え方については、第2次世界大戦当時、そのような上官が多くいた
ことは事実です。鹵獲した米軍兵器を日本に運ぶため、輸送機を仕立てたら、前線の
将校がいろいろと理由をつけて乗り込んで、肝心の米軍兵器を輸送できなかったという
ひどい話もあります。しかし、率先して、最後まで踏みとどまった将校もいることも事実です。

文中の自衛隊も実戦らしい実戦を経験していないため、実際の戦闘でどのようになるの
かはわかりません。しかし、少なくとも教育としては(奇麗事であるにせよ)見捨てて逃げる
ようなことは教えていないと思います。

薄っぺらい教育を受けて、原田が、あんなえらそうなことを言っていますが、実際に高須に
なにかあったとき、本当に後を追うことが意思の力だけで出来るのかは疑問です。
おそらくそんなことになれば、猛烈に苦しんで自殺未遂まではいくかもしれませんが、
その後は長い間後悔することになるでしょう。そんな結末も候補のひとつに入れていました。
その結末は没にしましたが。

そのようなところまで考えると、苦しいですがそれなりに話に深みが出てきます。
辛口の感想でしたが、重要で避けては通れない指摘だと思います。ありがとうございました。
よろしければ、またお願いします。


381名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 19:02:13 ID:JGoERj6l0
その手の人体実験とかの話は本当かわからないから真に受けちゃいけない
382名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 22:47:21 ID:NMVdebnZ0
よくある陰謀話だな。軍が人体実験で兵器開発を〜みたいなやつ。
数えられる程度の人数を分解した程度で成果が出るほど人体は甘くないし、
セキュリティレベルの高い最新設備を備えた施設に生きた検体を
秘密裏かつ大量に搬入すること自体が現実的ではない。
逆にそこら辺でできる程度の人体実験をそんな手間と経費を費やしてまで
組織的にやるメリットも薄い。昔はともかく、今はね。
まあ趣味でやってる輩ならいるだろうけど。
383adjust:2007/12/27(木) 23:28:43 ID:5BiHbkf70
人体実験するにしても、そのレベルにたどり着くまでが大変ですね。
人体実験する前に各種文献を調べて、必要な情報を整理し、予測、計画
をたてる。のが正攻法での流れでしょう。
しかし、医者って人種は少し特殊な例があるとすぐ論文を書こうとしますので
莫大な文献が溢れています。おそらくはその文献だけで、必要な情報の大部分は
手に入りますし、人体実験が必要なのは、最後の臨床確認だけということに
なりかねません。調べてみればわかりますが、web上に上げられている文献だけでも
テーマによっては、溺れて死ねます。

一例として、googleで 脳、電気刺激、PDFファイルのみで検索した結果です

脳 "電気刺激 " filetype:pdf の検索結果 約 4,290 件中 1 - 100 件目 (0.54 秒)

人体実験も必要な場合はあるでしょうけど、大部分は文献調査だけで何とかなりそうな
感じですね。
384名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:14:24 ID:lJA5GapV0
ならばソケット兵をどう思うかお聞きしたい。
385名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:00:20 ID:fbtS/xu00
>下3行の件で米軍が米兵を人体実験に使ったというのは初耳です。
>できれば情報源を教えていただければありがたいです。

情報源はテレビ番組。その事件だけを扱った特別番組。
お笑い芸人などが司会をするようなおちゃらけた番組では無くて、真面目な番組だった。
チャンネルは失念したけれど、確かNHK・朝日・フジでは無かったと思う。
録画したと思うがVHS数百本の山から発掘するのは不可能…。

殺虫剤ディートとある種の薬が両方体内に入った時に強い催畸性を呈するという実験。
「ある種」が何だったかは失念したが、心臓の薬だったかもしれない。
サリンの解毒にも効くとして、「サリンが使用された際の予防」と称して軍隊命令で飲ませていたとのこと。

>>382
広島や長崎に落とされた原爆が、人体への放射線の影響を調査する人体実験を兼ねていた事は、周知の事実ですが。
386名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:20:15 ID:mz5vYS+I0
>>385
いい加減、スレ違いだと気づけ。
米軍がサイボーグの人体実験してたとかならともかく
その手の議論はこのスレの趣旨に全く合わない

>>383
相手も調子に乗るから、コテ付けてるやつが相手にするな
387名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:32:37 ID:pora2zPn0
>>385
荒 ら し う ぜ ぇ よ

お前のような左翼は北チョンに帰れや
388名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:39:49 ID:ANk0epJm0
サヨクの連中ってどうしてこうも斜め上理論なんだろうな
ア メ リ カ が そ ん な こ と す る わ け な い だ ろ wwwww
脳内番組を吹聴してまわるなよな

バカ降臨age(藁
389名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:43:44 ID:upuSh/Vr0
なんだ、やっぱり脳内番組だったのか
どうりで……ワロス
390名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:48:20 ID:wkNIoBUW0
どんな偏向教育をうけたら>>385みたいな異常思想が染み付くんだろうなw
親戚全員と教師全員がバリバリ真っ赤っ赤の共産主義者にちがいないwww
おまけに性格までむちゃきもいwwwww
391名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:57:06 ID:cmD2qB4m0
得するわけじゃないしね
392名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:57:49 ID:FuKI6CTq0
>>385
TBSなら、得意の捏造かもしれんね……
393名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:02:01 ID:s2DZbw2i0
産経と読売以外は全部敵対国の諜報員の捏造メディア
朝日と毎日とNHKの言うことは一切耳を貸してはいけない
こんなの日本国民の大常識
394名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:04:40 ID:zGYXaUV10
>>385
事実に反する虚構を並べ立て、いわれのない日本軍・自衛隊叩きをするのを即刻やめよ。
そして今すぐ天皇陛下と日本軍・自衛隊関係者と遺族に謝罪せよ。
玉砕命令を出して逃げた上官の話は左翼が扇動のために生み出したデマであり、全くの事実無根である。
日本のために命をかけて戦っている日本軍と自衛隊を侮辱する輩は絶対に許されない。
395名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:08:35 ID:CxVp1sHO0
無駄無駄
特亜在日>>385に何言っても無駄だろwwwwww
396名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:10:15 ID:RubYeLp20
確か2年半くらい前にも同じような虫が湧いてたなw
実に懐かしい。元気にしてたかい?
397名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:10:40 ID:tLNVroK70
つーか>>385って「3の444」とか名乗ってる痛い香具師だろ?
特亜人って時点でバレバレなんですけどwwwwwwww
キモス
398名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:15:44 ID:zjxm5zkH0
>>396
左厨はちょっと目を離すとすぐに涌くからな
399名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:19:01 ID:RubYeLp20
>>398
わざわざID変えて書き込まなくてもいいんだよ。
虫君。
400名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:22:56 ID:W4GbWOnp0
常識が欠落した奴は本当に始末におえんな。
日本軍や自衛隊は国民を守るためにあるんだから、国民を害したり部下を裏切ったりするなんてことは絶対にありえない。
アメリカは人権の最先進国で民主主義国家なんだから、人体実験するなんてことは絶対にありえない。
そんなこと常識で考えれば分るだろと言いたい。
401名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:28:52 ID:aa6Lc3mT0
まあなんだ、ようするにまとめると

全 部 >>385 の 妄 想 で し た

ってことでFAなんだな?
402名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:35:28 ID:kioLpwMs0
>>401
それでおk
たぶん
403名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:41:14 ID:waqL5eGt0
〜 ま と め 〜

>>379=>>385=特定アジア人。
>>385=「3の444」=「adjust」
>>379の書いた反日反米反資発言は全部妄想。
● 特定アジアの中の人、自演乙。
404名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:45:47 ID:sahXVybD0
>>379
シナやキムチの土人共と一緒にすんなカス
405名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:50:12 ID:qbNZxncC0
どっちが虫かわかってないアホ>>399記念age(プ
406名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:52:54 ID:tMHvJ1Cn0
adjustも同一人物だったのか‥‥‥
どうりで‥‥‥
407名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:56:48 ID:+1n8qZvj0
まあなんだ、これだけは言えるな。

>>385=adjust=444は二度と来るな」
408名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:00:57 ID:RubYeLp20
虫に何を言われても当人たちは痛くも痒くもないと思うけどね。
409名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:05:20 ID:KKi6rFoT0
>RubYeLp20
なんだまだ居たのかww
悪いけど多勢に無勢、何をわめいても逆効果になるだけだと思うよ?ww
410名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:11:02 ID:co3HDa+Z0
日本軍や日本政府を貶めるような反社会的な行為は叩かれるってことですねww
411名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:11:18 ID:RubYeLp20
ひとつ聞かせてほしいんだけど虫君はサイボーグ娘は好き?
もしサイボーグ娘がサヨだったらどうする?
412名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:13:45 ID:N05DUVJ10
>>RubYeLp20
粘着neetキモッ
413名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:19:26 ID:7OcssjuE0
アカは死ななきゃ直らないてかww
共産どもは害虫だから駆除できるように法律に明記してほしいもんだ
414名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:20:09 ID:RubYeLp20
少しは会話が成り立つかと思ったけど無駄だったか…
あとは好きなようにさえずってていいよ。おやすみ。
415名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:21:37 ID:1l7gA8880
>>414
あちゃーw
416名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:23:54 ID:1IVlMLTj0
>>RubYeLp20
香ばしいな、お前www
417名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:27:53 ID:GPrxvPTs0
今後は米軍や日本軍や自衛隊を侮辱する反社会的な奴を出入り禁止にする方向で。
418名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 05:04:25 ID:pqSUtZVA0
何をやってんだか……
419名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 11:29:37 ID:a0+/G1Pi0
のびてるから、投稿着たのかと思ってみりゃ
なんなんだよ、これ・・・
420名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 20:02:11 ID:7OKcOKdp0
とりあえず変なのはスルーすれば問題にならないと思う。

ところでこのスレにSSの投稿はあった方がいいと思うが
場合によっては連続投稿になってアク禁になる原因なっているのでは?
421名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 20:52:51 ID:FtTVaS9o0
>>420
書き込めない時の早見表
http://info.2ch.net/wiki/index.php?%BD%F1%A4%AD%B9%FE%A4%E1%A4%CA%A4%A4%BB%FE%A4%CE%C1%E1%B8%AB%C9%BD

SSの連投で引っかかる可能性があるのは、バーボンハウスとバイバイさるさん
http://info.2ch.net/wiki/index.php?%A4%C8%A4%AB%A4%B2%A4%CE%BF%AC%C8%F8%C0%DA%A4%EA%A1%A6%A5%D0%A1%BC%A5%DC%A5%F3%A5%CF%A5%A6%A5%B9
http://info.2ch.net/wiki/index.php?Good-By_Monkey
いずれも、串を使うなどの怪しいことをしていなければ、規制されても最悪数時間程度で自動解除
されるので、SSの連投が規制情報板に載るような規制につながることはまずない

あと、2ch・BBSPINKでは書き込み規制はされてもアクセス規制(閲覧まで規制)までされることは
めったにない
過去にプロバイダ単位でアクセス規制になったケースは以下が唯一だと思う
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/19/8470.html
http://web.archive.org/web/20060902234419/http://info.2ch.net/wiki/pukiwiki.php?OCN%C1%B4%A5%B5%A1%BC%A5%D0(aa5%BD%FC%A4%AF)%B5%AC%C0%A9%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6
422名無し@ピンキー:2007/12/28(金) 21:27:36 ID:w6YFH5UI0
SS新投稿は当分お預けですね。。。
423pinksaturn:2007/12/28(金) 21:41:21 ID:kKQscigj0
424名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 21:58:35 ID:9K2lqbpV0
右翼の荒しが湧いてるな。頭悪過ぎてワラタ

特に> 産経と読売以外は全部敵対国の諜報員の捏造メディア
の下りww

右翼はまず社会や歴史を勉強してから出直して来い。
425名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:15:13 ID:ZJ0C+d380
ここで右とか左とか言うのはいいかげんやめろよ
426名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 00:22:11 ID:s3KPISei0
俺は adjustも 3−444も知らないし興味ない。
どこの馬の骨が右に曲がろうが左に曲がろうが知ったことではない。

でも、八木千秋は知ってるし、今後の彼女の活躍を期待し続けている。
最終的に、作家と作品は別物ってことでOK。

数年前にも戦争ネタを導入してオカシクなったことがあったよな?
日々の生活の中で、けなげに生きるサイボーグ娘でいいんじゃあるまいか?
サイボーグ娘にプロパガンダ性は要らないよ。


427名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 00:28:14 ID:q9I7pSRq0
ムッツリ左右は2chばっか見てないで外へ出ろ。w
428名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 00:30:05 ID:vdJgi8GB0
>>426
八木千秋って誰?
429名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:14:09 ID:31FClSB40
俺は adjustも 3−444も八木千秋も知らないし全く興味ない。萌えるサイボーグ少女が好きなのでここに来ただけだ。
それに右でも左でも無いけど、ただ、上の方の執拗な右翼的書き込みは、かなり不愉快。同一人物の荒しか!?
素朴な疑問なんだが、なんで2ちゃんって右翼が多いの?右翼が宣伝に利用してるのかな?
430名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:18:20 ID:ymLcIr7D0
どっちにしろ気持ち悪いんだよ
431名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:46:40 ID:J1OlqPR10
まああれだろ?日本軍を正当化してるくらいだから、ネタだろ?もしくは真性の無知かw
スルーすればオケーだよ
432名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:58:24 ID:WaHdpg9+0
えりゅ氏よ…
普段あれだけ韓国や中国を差別する発言しまくってて、こんなときだけ良い子ぶっててもちっとも説得力ないよ…。
下手すりゃ今回の犯人があんただって疑われてもしかたがない言動を普段から行ってるんだからさ。
漏れの個人的な見解としては、多分えりゅ氏が犯人ではないと思うが。
433名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 03:18:47 ID:c1TlbZTf0
上のほうにある害宣右翼は健全中道の敵だ
本来健全であるべき自衛隊や警察、政府を貶めている敵だ
巧妙に軍に対する味方を装っておきながら嫌悪感を誘い、
軍崩壊をたくらむ左翼に過ぎない。

よく考えてみよ。2CHの外では軍や警察、政府を敵視する左翼的思想が
普通に蔓延している。本来であれば、少なくとも今の自衛隊においては
日本国民の最後の生存権を確保する存在である。また、警察や政府は
反社会的行為をとらなければ、普通に国民のために国の秩序を守り、国民の
生活を支えている存在である。それらの存在を悪として国民を洗脳し続けて
きたのが、マスコミと日教組である。それらの対策として教育基本法を改正し
放送法を改正しようとして、マスコミの総攻撃を受け、つぶされたのが安倍首相だ。

これらの洗脳は、ある程度ちゃんとした思考力があれば、すぐに解ける程度のお粗末な
内容に過ぎない。しかし、ゆとり教育など教育レベルを下げることにより、だんだん
洗脳が解けにくくなっているのが現状。

ちゃんとした思考力があれば、害宣右翼的書き込みが、左翼に有利になるように
仕組まれていることがわかるであろう。その現状が理解できる人たちが
すこしでも増えることを祈っている、それでは
434名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 03:32:15 ID:c1TlbZTf0
>432
は典型的な内部崩壊や離反を誘うテクニックである
不自然な場所で、コテハン名を出し、無意味な疑心暗鬼を誘い
崩壊に導いていくテクニックである

これも思考力のある人はよく考えてみるがいい
3-444、adjust、そしてえりゅ、これらの名前は
特に必然的な理由もなく、唐突に表れている。
無理に彼らを攻撃対象にしたいことは明白であろう
435名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:35:29 ID:iOpVUQ7V0
>>433=>>434
まだつづきをしたいのかよ
いいかげんにしろよ

つーかどうみてもお前がこの前のと同一人物な件について
436名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:14:53 ID:uGLC11xXO
確かにこの流れでは右翼に反感を抱くかざるをえないもんな おっと吊られた 藁
437名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:24:10 ID:k2wRSw8W0
>>433=えりゅさん(違ってたらスマン
わざわざそういう事を書いて一層疑われる様な事をしなくても…。
わざわざ心配してくれてる(のかな?)人まで敵視するのもどうかと思いますが。
申し訳ないですけど、右翼じゃない身にはあなたの言う事は「上のほうにある害宣右翼」と変わらないようにしか見えないです。
438名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:54:37 ID:JSckCHtS0
よそでやれよ…
439名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 14:04:16 ID:e3236nY50
>>438
同感。
ここは、サイボーグ娘に萌えるスレなんだから・・・。
それを純粋に楽しみたい。
440えりゅ:2007/12/29(土) 14:20:28 ID:Nlykw/7O0
憶測だけで渦中の人物に仕立て上げられるのも癪に障るので書いておく。
自分が今回の件でカキコをするのは、後にも先にもこの1回だけ。
当然>>433および>>434も自分じゃない。
ただ、>>434で言われている事は納得するところ。
自分の名前なんて、いきなり>>432で現れているもんね。

八木千秋・・・笑わせてくれるよw
441名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 17:24:31 ID:43A14yua0
久々に「ヤギーどうなったかなー」と思いながら覗いたら、なにやら思想面で揉め事があったみたいだな。
SS書いてるとどうしても自分の思想が現れるから、仕方ないのかもしれんけど……なんだかもったいないな。
442名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 17:43:23 ID:ZsdmwCAE0
初期にアンドロイドスレの住人が乗り込んできたこと思い出したわ・・・

あん時はアンドロイドスレでサイボーグ萌えが拒否されてスレ立って
その後、アンドロイドスレにこっちからの干渉とかしてた訳でもないのに、
それでもアンドロイドスレ住人のうち、サイボーグ絶対拒否な香具師が
乗り込んできてグダグダになったっけなぁ・・・
443名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 17:46:20 ID:ZsdmwCAE0
追記

アンドロイドスレを攻撃してるわけじゃないし、一連の流れが
アンドロイドスレ住人のせいだ、と言ってる訳でもないぞ。
単純にモレが思い出したってだけだからな、勘違いしないでくれよ。
444名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 18:27:01 ID:igwI9ZK20
なぜいちいち空想の産物にソースやプロパガンダを求めるんだ?
話題になってたメタル紫苑をモチーフにしたら受けたのに、
adjustって空気読めないんだな
SSが仮に文学と呼べても、フェチ板だろ?
エロければいいんだよ
445名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:12:23 ID:s9opJqrG0
あらしや変なのはスルーしてそれがいなくなるのを待つそれで問題ない
446名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:08:48 ID:rxCdYimc0
それにしても3-444氏のまとめBBSでの発言も軽はずみすぎるよ…。
正直、あんな発言を読んでいい気分はしないわな。
2ちゃん(系)BBSの発言としちゃめずらしくはないけれど…。
もちろん荒らした奴が一番悪いのは変わらないけど。
わざわざ荒らしを煽ってどうするっちゅーの。
447pinksaturn:2007/12/30(日) 00:41:13 ID:atpm4ohp0
こういう状況になると、荒らしのエネルギーが噴出しきるまではどうせ治まらないからあえて刺激してみる。
トップに、○「フェティシズム」は百人いれば百人のこだわりがあります。 とある。
おそらくフェチ板では、誰が何を書いても愉快に思う人より不快に思う人の方が多くて当然。

まず自分のこだわり
脳摘出や四肢切断には本能的興奮を憶える。
エロとは言えないだろうがフェチには該当すると思う。
但し、単なる猟奇犯罪は萎える。意味づけの可能な行為を想定したい。
サイボーグ娘はそれにうってつけ。
いくら空想の産物でも、既知の事実と矛盾するのは興ざめしてしまう。
だから設定については出来る限り根拠を求める。
サイボーグは高コストだから国家の支援がない悪の秘密結社が密かに作るのは難しい。
では合法的に国家が推進するとしたらいかなる条件でか?。
最近の健保財政悪化・医療崩壊は先進国共通の現象で、医療だけのために全身義体は厳しい。
量産を前提にしないと手首だけで1000万もしてしまう。
量産すれば安くなるけど、それは結局需要を軍事に求めることに行き着く。
だから自分には政治抜きでサイボーグを語ることは出来ない。

SS(LS)について
掲示板が最適なメディアだとは思わない。連投規制がある2ch系は尚更。
とは言うものの、wikiは性に合わないので全く参加する気になれない。
wikiのテンプレートはどうしても好きになれない。
また、自分は8ビット時代にパソコンを覚えた世代なので編集はもっぱらテキストエディタ。
ワープロやビルダの吐くHTMLは不用意に個人情報がアップされるリスクがあるので絶対に使わない。
だからWebサイトでは長文になると改行がしんどい。
それよりは掲示板の方がまだやりやすい。
2chであまり風当たりが強いようなら、続きはblogにしようか迷っているところ。
談義派とSS派で別々にスレ立てて互いに妨害しないでやっていけるのが最良と思う。

自分はこのスレには商業作品が規制されて出来ない部分を期待してきた。
規制というのはエロ、グロだけでなく政治的なものに対するのもひっくるめて。
だから、商業作品に関する談義のスレならたまに斜め読みする程度で書き込みは滅多にしなくなると思う。
448名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 02:20:25 ID:mNC7d7lr0
内容がおもしろいSSなら多少クセがきつくても許される場合もある
しかし、空気を読まなかったり鬱エンドでは嫌がられて当然
フィクションが当然のこのジャンルで多少無茶を大目に見ないのも大人気ない
設定まで思いつかないけど、とりあえず書きたければ二次創作でもいいはずだ
449名無し@ピンキー:2007/12/30(日) 08:55:05 ID:1qsTH2bl0
あの、場読まないレスでスミマセン。いつも読んでいます、有難う御座います。
ところでプロレタリア・さいぼーぐSSモノなんて有りますか?SF全般では何点か
存じますが。

冗談はさておき、創作者の長所を引き出せない批判は傾聴に値しないと思います。
早くsagaって新投稿読みたいものです。
作品内容次第ですし、公開方法手段はいつでも変更できるものですから。
夏廚冬厨ですね。
季節の流感、それは論破など無関係。


↓古い絵作品ですがいつまでも気に入り
ttp://nijibox.dyndns.dk/magical/futaba/ms-girls/src/1188367360084.jpg
450名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 13:18:27 ID:63o9ZNi20
プロレタリアという響きがアカっぽいけど、
苛酷な環境でこき使われるというのはSMにも通じそうなのでありかも。
もし鉱山とかなら肘から先がドリルで、それに萌えるヤシも出てくるだろう。
451名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 13:38:01 ID:iVxEOMuG0
>>449
この絵ってよく見かけるけど原典は何なの?
452名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:26:13 ID:2W82IEjC0
アメリカ軍の人体実験ってアメリカ本国では訴訟沙汰になってるじゃん。
453名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:28:30 ID:t0zNylAU0
ぶっちゃけロシアとか中国のほうが説得力がある
454名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:11:22 ID:qJnZwEu30
人体実験フェチなんてあるのか?
455名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 02:34:18 ID:ePSpJnfF0
人体改造フェチがいるんだから、人体実験フェチもいるわな。

456名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 15:01:20 ID:Om4xir8r0
>>451
ヤンジャンの漫革だったかに載ってたカラー4ページくらいのJAPAN2000とかいうレースの漫画だったような
貞本義行氏の画集にも載っていますよ
457451:2007/12/31(月) 17:25:16 ID:9rkqiBWe0
>>456
ありがとう。一枚絵だと思ったら漫画だったのね。
この絵だとアンドロイドかサイボーグかはっきりしないけど、彼女サイボーグなのかな?
458名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 18:21:11 ID:ID2XdM0w0
貞本だからデザインがプラグスーツみたいだったんだな
459名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 14:51:26 ID:C77ohdRa0
あけましておめでとうございます!

新春特集号として、豪華特大っぽい読みきりSSの一挙投稿とか・・・。
あると良いな。あったら良いな。ねぇねぇ、なんかありません?^^;;
460名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 14:22:52 ID:WaB3MtdO0
>>459
ないよ。
あんたが書けばべつだけど。
461manplus:2008/01/04(金) 18:24:32 ID:vDyRTWHt0
 翌日、石坂は、ミンメイの自動排便システムに強力なグリセリンのと排便促進剤の混合液を注入した。
ミンメイの腸の中で、その特殊な薬剤が暴れ回った。
しかし、その液体による便意を自分の意志で排出することが出来ずに、
悶絶に耐えなくてはいけない時間が数十分にもわたって続くのであった。

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):「石坂ドクター・・・、お願いです・・・、排便させて・・・ください・・・。」

石坂貴美香(以降、イ):「ダメよ?!内臓の中の物を全て出さないと手術できないでしょ。
ハイデンさんは、内臓の全てをいじられる処置を受けるんですものね。」

ミ:「でも・・・、楽しそう・・・ですよね・・・。石坂・・・ドクター・・・。」

イ:「あったり前でしょ。人の苦しい姿を見るのは楽しいものよ。」

ミ:「やっぱり・・・、サド・・・・なんですね・・・、石坂・・・ドクターは・・・。」

イ:「当たり前じゃないの。でも、ハイデンさんだって、この位の仕打ちは、森田さんにやられていたんでしょ?」

ミ:「ええ・・・、でも・・・、濃度が・・・半端じゃない・・・気がします・・・。」

イ:「そう?苦痛の時間をもう少し短縮したいと思うんだったら、私の僕になると約束しない?
そうすれば、すこし時間を短くしてあげるわよ。」

ミンメイは、その石坂の誘惑を明確に否定した。

ミ:「嫌です。私は、瞳様とつぐみ様の僕です。いくら、石坂ドクターとの思考が一致していたとしても、
瞳様とつぐみ様を裏切る気はありませんっ!うっ・・・、苦しい・・・、腸が壊れちゃいそう・・・。」

イ:「そっか・・・。結構、強情なんだね。速水選手と森田さんに対する忠誠心は強いのね。仕方ない・・・、諦めるか・・・。
こんなに凄く思考が一致する娘はいないと思ったんだけれどな。」

462manplus:2008/01/04(金) 18:25:22 ID:vDyRTWHt0
ミ:「あの・・・。石坂・・・ドクター・・・。」

イ:「はっはっ、ごめん。ほんの冗談よ。忘れてね、今のこと・・・。」

ミンメイには解っていた。自分のようなサイボーグフェチのサイボーグを側に置くことは、
石坂ドクターと言えども、そう簡単に巡ってくるチャンスではない。
だから、半分以上本気で言っていることなのだと、ミンメイは感じていたのだ。

イ:「さて、時間か・・・。」

石坂は、何事もなかったように、そう呟くと壁の機械のスイッチをひねった。
するとミンメイのお腹の中の液体が体外に一気に排出していき、腹部の苦痛が急になくなるのであった。
そんなことを何度か繰り返して、ミンメイの内臓に残っていた残留物質が全て空になったのだ。
ミンメイの内臓の中が空になったことを断層スキャナーで確かめると、石坂は、
ミンメイの腕に全身弛緩剤の入った注射器を突き立てた。
 石坂は、全身の力を失い動くことの出来ない全裸の美しく、みずみずしいミンメイの身体を軽く愛撫した。

ミ:“石坂ドクター感じちゃいます。”

ミンメイはそういいたかったのだが、筋肉弛緩剤のために、言葉を発することが出来なかった。
石坂は、すかさず、ミンメイの喉に移動用強制呼吸システムを押し込んだ。

イ:「この手術が終わったら、ハイデンさんは、完璧なサイボーグ、それも、レース中は、
スーパーF1マシンに支配され、私生活は、速水選手と森田さんに支配されるような身体になっているんだよね。
でも、私も速水選手と森田さんと一緒に遊ぶ許可を二人からもらっているんだよ。ハイデンさん、よ・ろ・し・く・ね。」

石坂は、再度、嬉しそうにミンメイの身体を愛撫し、その後、看護師を呼び、ミンメイを手術用のベッドに運ぶため、
ストレッチャーに移し、ミンメイを拘束していたコード類や自動排泄管理システムのホースなどを外していった。
463manplus:2008/01/04(金) 18:26:04 ID:vDyRTWHt0
 ミンメイを乗せたストレッチャーは、処置室の別のドアを通り、専用の手術室に繋がる通路を通って、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへのサイボーグ改造手術専用に作られた手術室に運び込まれた。
 手術室の中央には、特撮映画でおきまりのような人が一人、大の字で縛り付けられて横たえられるように
出来ている大の字の人型に作られた手術用のベッドが設置されていた。
ミンメイは、そのベッドに自分が縛り付けられて、石坂に身体の全てを弄くり回されて、切り刻まれ、
機械の身体に置きかえられている自分を想像し、股間に熱いものが走るのを感じていた。

イ:「ハイデンさん、何を想像しているの?股間がぐちょぐちょじゃない。本当に変態よね。
自分が機械の身体に無理矢理作り変えられている手術シーンを思い浮かべて濡れちゃうんだもんね。
でも、仕方ないか・・・。サイボーグフェチだもんね・・・。
ハイデンさんだから告白しちゃうけれど、私は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと
サポートスタッフのサイボーグ手術を執刀するときやメンテナンスをするときは、
いつもあそこがぐちょぐちょになるほど濡れているのよ。
手術などの処置は手が離せない状態が長時間続いて、おトイレもままならないから、
その場で排泄できるようにするという理由もあるんだけれど、股間が濡れちゃって収拾がつかなくなるときもあるから、
手術の時は、こうして、おむつを愛用しているのよ。
あっ、今度はおむつに反応したな、また、嫌らしい汁がいっぱいたれているものね。」

464manplus:2008/01/04(金) 18:43:17 ID:vDyRTWHt0
石坂は、自分の股間を被うおむつを手術着をめくってミンメイに見せびらかしながら告白するのだった。
そして、ミンメイの股間を、ミンメイが興奮するようにワザと丁寧に拭くのであった。
石坂にとっては、共通の性的嗜好を持つ人間を手術できるまたとないチャンスを二度も与えられ、
二度目に当たる今回は、その集大成とばかりに萌えに萌えていたのである。
ミンメイにしても、自分の思考を理解してくれていて、しかも、自分がどの様に興奮するのかのツボを掴んでいる石坂には、
全幅の信頼を置いていたのである。
その石坂の執刀を受けることに、ミンメイは満足していたのであった。
 石坂は、助手の看護師と、補助に当たるトミタの専属医師に指示を出し、ミンメイをストレッチャーから、
手術用寝台に移した。手術用寝台に移したミンメイの身体に石坂は手際よく、身体固定用のベルトを手、脚、
二の腕、膝、腰、首、頭部の順番で締めていった。
ミンメイに身体は、弛緩剤が切れても自由に動かすことの出来ない状態で、
手術用寝台の形通りに大の字に固定されたのである。
ミンメイの身体に力が戻ってきた。筋肉弛緩剤は効力の持続が短いタイプを石坂は使用していたのだ。
移動時のストレスをミンメイに与えないようにするための石坂の配慮なのであった。

イ:「ハイデンさん、いよいよ手術を始めるんだけれど、意識を全てブラックアウトにした状態で手術を受ける?
どうせ、後で映像を見られるのだし・・・。どうする?」

ミ:「石坂ドクターの意地悪ッ!!私、自分の手足が切断されて、
身体の器官が人工器官に置き換えられるところをライブで見たいに決まっているじゃないですかッ!」

イ:「そうよね。でも、私はマッドサイエンティストなのよ。この位の意地悪はしないとね。
でも、かなりの長い時間の手術になるから、意識があるとかなり辛いけれども、それでもいいの?」

ミ:「はい。覚悟しています。生体から機械との共生体への変換手術は生涯でこの一度だけですから、
どんなに辛くてもしっかりと見ていたいのです。
再改造手術だって機械との共生体から機械との共生体を強化する手術ですし、
生体を機械に置きかえるところを見られるのは今回だけですもの。石坂ドクター、お願いします。」

465manplus:2008/01/04(金) 18:44:43 ID:vDyRTWHt0
イ:「解ったわ。でも、医者として、ハイデンさんの身体に過度の負担が掛かると判断したら、
完全に意識をブラックアウトするからね。
ハイデンさんが、安全にスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになることを優先したいの。いいわね。」

ミ:「はい。それは承知しています。」

イ:「好かったわ。ハイデンさんが聞き分けてくれて。それじゃあ、始めるわよ。」

ミ:「はい。」

イ:「身体外部制御システムとハイデンさんの接続作業を開始して。」

助手が壁の機械から伸びるコードを持って、石坂の傍らで待機している。
石坂は、助手の看護師に指示を出し、ミンメイの鎖骨の付近に局部麻酔を打たせた。
石坂は、ミンメイの鎖骨付近の感覚が無くなっていることを確認して、小さくメスを入れ、出血をレーザーで止めた後、
助手の医師が持つコードをミンメイの体内の神経組織に接続した。

イ:「これで、ハイデンさんの身体の神経組織や脳を自由に制御できるようになったわ。
全身麻酔を使用するよりも、長時間にわたり、被験者の意識や感覚をコントロールできるから、
被験者を安全な状態で手術できるのよ。どうしても、サイボーグ改造手術の場合は、
長時間の細かくておおがかりなオペになるから、全身麻酔の場合だと、術後に意識が戻らなかったり、
いたずらに被験者の体力を奪っちゃう欠点があったんだけれど、このシステムに繋げておけば、
身体機能を落とさないで意識や感覚だけを安全に奪うことや身体の動きを抑制することが可能だから、
本当に寝ている間に手術が済むという感覚を被験者に与えられるのよ。
さらに、特定の感覚だけを活かしておくことも可能だから、ハイデンさんのようなリクエストには最適なの。
さて、視覚と聴覚だけを残しておけばいいわよね。」
466manplus:2008/01/04(金) 18:45:41 ID:vDyRTWHt0
ミ:「はい。」

イ:「よろしい。そうさせてもらうわ。ハイデンさんの場合、余計な神経システムを活かしておくと、
手術中に股間が潮を吹きっぱなしになって、看護師が拭くのが大変になるものね。
それに、声を残しておくと感激のあまり、五月蠅くて手術にならない可能性があるものね。」

いつもは、クールな美女と言った印象のある石坂が楽しそうにミンメイに意味ありげに微笑みかけた

ミ:「石坂ドクターの意地悪っ。私、そんな変態じゃ・・・。」

イ:「無いって言えるの?今だって、看護師が殺菌ティッシュで股間を拭きっぱなしなのよ。」

ミ:「・・・。そっ、それは、殺菌ティッシュで拭かれる感触が気持ちいいから・・・。」

イ:「嘘を言わないの。このシチュエーションが堪らないと白状しなさい。変態娘さ・ん・・・。」

ミ:「はい・・・。」

イ:「そうでしょ。私だって、手術の度に股間が濡れているんだもの。
私なんかよりも強度のサイボーグフェチのハイデンさんが、感じないわけはないでしょ。」

ミ:「そうですよね。石坂ドクターには、バレバレですよね。」

イ:「当たり前よ。私だって、自分が今のミンメイさんの状態なら、股間が濡れっぱなしになっているはずだもの。
サイボーグに手術で改造される恐怖心や感触、緊張感は堪らないでしょう?
いつも被験者を見ているとその奥に潜む性的快感を思っちゃって、被験者が羨ましくて仕方ないんだもの。
手術する側の快感も凄いけれど、される側の快感はもっと凄いんだって思うと羨ましいもの。」

467manplus:2008/01/04(金) 18:57:01 ID:vDyRTWHt0
ミ:「石坂ドクター、やっぱり、変態なんですよね。」

イ:「そうだよね。でも、こんなこと言えるのは、ハイデンさんのような特別なフェチを持つ少人数の人にしか言えないもの。」

ミ:「そうですね。」

イ:「さてと、無駄話はこの位にして、手術にはいるわよ。」

ミ:「はい。お願いします・・・。」

ミンメイが、言い終わるか言い終わらないうちに、ミンメイの声が出なくなった。
そして、身体が自分のものではないかのような感覚におちいった。
それは、石坂がミンメイの身体とコードで繋がっている機械のモニターを見ながら、何かの操作をしたためであった。
ミンメイは、もう一度、自分の身体が自分の意志で動くかどうかを試してみたが、それは徒労に終わった。
身体の全てが自分の言うことを聞かなくなったのだ。
僅かに残された自分の意志で動かすことの出来る器官は目と耳だけとなったのである。
視覚と聴覚は、石坂が言うとおりに確保されていた。

イ:「ハイデンさん、今、あなたの身体は、マシンで言うならアイドリング状態になっているのよ。
この機械の操作で、再び元通りにハイデンさんが身体を動かすことが出来るようになるのだけれど、
手術が終わるまでは、ハイデンさんの身体の全てはアイドリング状態を持続して、自分の意志では動かせないし、
感覚もまったく生体脳に届かない状態になっているのよ。」

石坂は、話をしながら、ミンメイの頬をつねった。

ミ:“痛ッ!”

ミンメイはとっさにそう思ったが、それは、視覚が反応しただけであり、実際の痛みをミンメイは感じることはなかった。

468manplus:2008/01/04(金) 18:57:44 ID:vDyRTWHt0
イ:「どう?今のハイデンさんの状態をあらわす全てよ。視覚と聴覚だけは残してあるから、
視覚と聴覚に入ってくる外部刺激を経験則的に生体脳が判断するだけで、実際の感覚は、
視覚と聴覚以外には生体脳への情報として入ることはないのよ。」

ミンメイは、その新鮮な感覚に酔ってしまったが、いつものように股間から分泌液が
放たれるような感覚が生体脳に伝わってこないことに気がついていた。
自分の身体を石坂たち医療チームに奪われてしまったと言うことであった。
しかし、ミンメイは、ある不都合に気がついていた。
それは、首すら動かせないと言うことは、視覚に死角が生まれると言うことであった。
それも、壁の機械を石坂が操作するところは見えても、肝心の自分の身体に加えられる人間であることを
放棄するための処置を見ることは出来なかったのであった。

イ:「ハイデンさん、自分の身体がどうなっていくか見られないと思っているのでしょう?」

ミンメイは瞬きをして、意思を石坂に伝えようとした。

イ:「大丈夫よ。これから、目と耳の仮の手術を手早くしちゃうからね。」

石坂のメスが、石坂の言葉を待たずにミンメイの目に迫ってくるのが分かった。
石坂は、ミンメイの片方の眼球を素早く眼窩から取り外し、視神経と眼球を分離し、
分離した視神経の断端を天井から垂らされた人工神経のコードと接続した。
その手術は、ものの数分で終わり、ミンメイの片方の視界が蘇った。その視界は奇妙なもので、
ミンメイの全身を上から見つめるような視界となってミンメイの生体脳に視覚信号を与え、
その視覚が情報として生体脳に飛び込んできた。
さらに、石坂は、もう片方の目の取り出しにかかり、視神経を同じように天井から伸びている人工神経コードに接続した。
ミンメイの視線は、片方が天井を見つめ、片方が自分の全身を天井から見つめているような視界から、一転して、
完全に天井から、自分の身体を俯瞰している視界に切り替わったのだ。

469manplus:2008/01/04(金) 18:59:10 ID:vDyRTWHt0
イ:「どう?これなら、自分がどうなっていくのかが見えるでしょ?
ハイデンさんが、自分の手術の場所を大きく見たいと思えば、私の胸元のカメラに切り替えられるし、
私が、ハイデンさんによく見せたいと思ったりすれば、今のあなたの視覚を色々な角度から撮影しているカメラに
切り替えることも出来るのよ。スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになってからの人工視覚の
馴化訓練だと思って、視覚の切り替えを楽しんでね。
聴覚の方も、私の胸に取り付けてあるピンマイクからの音声と外部集音機の音声を聞けるようにしておけば、
聴覚の手術の時に、音声の中断も最小限に食い止められるから退屈しないはずよ。さて、
今、私の声を聞いているのが、生体聴覚で聞く最後の音声になるからね。」

470manplus:2008/01/04(金) 19:09:18 ID:vDyRTWHt0
ミンメイは外耳のすぐ後ろで、
“ズブッ!”
と言う鈍い音を聞いたように感じた。
しかし、それは錯覚ではなく、現実の音であり、その音は、石坂が、
内耳と中耳を傷つけないように耳の奥にある聴覚神経を取り出すためにメスを入れた音であった。
しばらくするとミンメイは、ノイズのような音を何度も聞くのだった。
それらの石坂の一連のオペをミンメイは、人工視覚の映像を石坂の胸元に付けられた高性能カメラに
切り替えて見守っていたのだった。
ミンメイは、自分の視覚が人工器官になっていることを楽しむために、カメラの映像の切り替えを試していた。
ミンメイは、一瞬にして人工視覚映像の切り替え方のコツをつかみ、数分にして、左の視神経からの映像は、
全身を映す上方カメラ、右の視神経からの映像は、石坂の胸の近接映像といった特殊な切り替えテクニックも
自分のものにしていたのだ。
今は、外部装置を介しての仮設だが、体内にサポートコンピューターが入れば、
体内サポートコンピューターのアシストにより、このような視覚操作はもちろん、
解析映像への人工視覚の切り替えや多段超望遠及び広角ズーム、
視覚映像のグラフィック化といった特殊なシステムもスムースに使えるようになると石坂から聞いていた。
ミンメイは、そんなメカニックな視覚を持つサイボーグ体の自分になることを想像して、
ワクワクする気持ちを抑えられないでいた。
突然、右の耳から石坂のクリアで大きな声が聞こえ、左耳にこの手術室内の機械の作動音や、
手術器具を置く音が鮮明で大きく聞こえてきているのに気がついた。

イ:「聴覚神経をコントロールユニット経由で外部集音装置や私の胸のピンマイクの音をひろうようにつなぎ替えたわ。
視覚と聴覚が一足お先にサイボーグになったのよ。ご感想はどうかしらね。
身体データーからすると大変満足しているようね。好かったわ。」

471manplus:2008/01/04(金) 19:10:01 ID:vDyRTWHt0
石坂は、満足そうに術式をミンメイに語りかけた。
ミンメイは、石坂のメス裁きの確かさ、速さが噂以上であることにも感激していたのだ。
しかし、何故、このように丁寧にメスを入れるのかが理解できずにいた。
何故なら、ミンメイの身体はほとんど全てが人工器官に置き換えられることになっていたからである。
ミンメイは、何もそんなに丁寧に手術して切除した器官の状態をよくたもたなくても好いのではと思っていた。
しかし、その疑問は、石坂の次の言葉で解決するのであった。

イ:「ハイデンさんの生体器官は、出来る限り傷を付けないように切除することになっているの。理由は簡単よ。
ハイデンさんの生体器官は、宗教上の理由や人工器官に対して嫌悪感を抱くような身体損傷患者や臓器移植を
待っている患者のために使われるのよ。ハイデンさんのように機械の身体に抵抗感が無くて、それに憧れる人もいれば、
人間の生身の身体に機械や電子機器を埋め込むことに嫌悪感を感じる人もいるってことなのよ。」

ミンメイは、なるほどと思った。人間の思考は千人いれば千種類あるのだ。
それが当たり前のことなのである。
だから、自分の眼球も丁寧に保存液の入った容器に沈められていたのだということもすんなりと理解することが出来た。

イ:「さてと、ハイデンさんがゆっくりと自分の身体を切り刻まれるのを見学できるようにしたから、
これから、ハイデンさんをスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのミンメイ=羹=ハイデンにしてあげるからね。
楽しみにしているのよ。」

石坂は、嬉しそうな笑顔を浮かべながらミンメイに胸の集音マイクに口を近づけて語りかけた。
ミンメイは、石坂のその笑顔を見て、石坂が、さすがにマッドサイエンティストの本省を発揮したなと感じるのだった。

イ:「手術は長丁場だから、排泄物の処理装置をまず取り付けるね。」

472manplus:2008/01/04(金) 19:10:43 ID:vDyRTWHt0
ミンメイの股間に尿の排泄処理機械と排便の自動排泄処理機に繋がっている手術台のちょうど股間の位置に
付けられているホースとカテーテルをミンメイの尿道と肛門に差し込んでいった。
さらに、大静脈に高濃度栄養液供給装置から伸びているカテーテルを手術台の下から引き出しミンメイの身体に
突き刺すのだった。
その手際の良さに、トミタのチームドクターや看護師は、どの様に手出しをしていいのか分からずにおろおろしている姿が、
ミンメイの視覚であるカメラから読み取れて、ミンメイは面白かった。
実際に、トミタのチームドクターにとっては、石坂のオペは魔法のように思えるものだったのである。
うろたえているトミタのチームドクターに石坂の指示が鋭く響く。

イ:「関節切断用の人体切断用のソウを用意してっ!ソウの歯は、一番細かいものを用意してっ!」

トミタのチームドクターの一人が、石坂の叱責に気押されるように弾けるように動き出し、石坂に切断用ののこぎりを渡す。
すかさず、石坂の叱責が再び飛ぶ。

イ:「歯が違うッ!いつもこんな粗い歯を使用しているのっ?普通の四肢切断ならいいけれど、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの断端は、神経組織や筋肉断面を再利用しなくちゃいけないのよっ!
こんなに粗かったら、神経組織の断端が潰れちゃうじゃないのっ!
あなた、国際自動車連盟の医学研修で何を学んできたのっ!やり直しッ!!」

若手医師(以降、若):「すっ、すみませんっ・・・。急だったもので、
通常の四肢切断患者と勘違いしてしまいましたっ・・・!」

イ:「勘違いしたじゃすまないのよッ!私たちは、ロボットを作ったり修理したりしている訳じゃないし、
普通の事故や病気で四肢を失う患者を相手にしている訳じゃないのっ!!
特別な適性を持った貴重な生身の人間と超精密機械の複合体を相手にしているのよッ!ボーッとしていたらだめっ!
それに、こんなことは、切断患者のサイボーグ脚の取り付け手術では基本中の基本じゃないのっ!!
一体、どこでサイボーグ医学を学んできたのっ!!」

473manplus:2008/01/04(金) 19:50:27 ID:vDyRTWHt0
さすがに、そのトミタのチームドクターは、自尊心を傷つけられたようで反論を試みた。

若:「私は、東京大学の医学部を首席で卒業して、ドイツのシュバイツァー財団病院で人工器官医学を実践してきました。」

ちょっと、ムッとして険悪な口調になった。年嵩の方のトミタのチームドクターが慌てて、彼を制止しようとしながら、石坂に

年配医師(以降、ベ):「すみません、石坂ドクター。彼は、若いものですから・・・、血気盛んで・・・。」

石坂に噛みついたトミタのチームドクターは、まだ収まらない様子で、

若:「でも・・・。」

と反論を試みようとした。

イ:「私の後輩に君のような医者はいないわ。どこの灯台?それとも、東大に忠類医学部でもあったのかしら?」

石坂は、容赦なく嫌みたっぷりの言葉を浴びせかけた。

若:「・・・。」

トミタのチームドクターは、完全に戦意を喪失してしまった。しかし、石坂は、攻撃の手を弛めることはしなかった。

イ:「そんな口答えをしている暇があるなら、さっさと身体を動かしたらどうなのッ!
私たちは、生身の人間の全身を切り刻む手術をしているのよっ!
グズグズしていたら素体の体力が落ちて、手術中に絶命することだって考えられるのよっ!!
マゴマゴしているんじゃないよっ!ついでにお前もサイボーグにして火星にでも送り込めるような身体をくれてやろうかっ!!」

474manplus:2008/01/04(金) 19:51:09 ID:vDyRTWHt0
さすがの血気盛んな若手のドクターもすごすごと切断用のソウのブレードの交換に走った。
そのソウを石坂は受け取ると動作の確認を行った後、看護士に人工血液の輸血を指示し、
看護士によって輸血のカテーテルがミンメイの頸静脈に差し込まれたのを確認して、右腕、左腕の順番で、
肩関節の部分で正確に両腕を切断して、左脚、右脚の順に股関節の真上で正確に両脚の切断を完了し、
さらに断端の血管、神経、筋繊維などの処理を行う。
その速さは、切断面から出血が最小限にとどめられるほどに素早かった。
血管は、動脈と静脈の太い血管を血液が循環するように断端同士が正確に接続されていった。
さらに、断端には、一時的に断端面の保護を行う生体融合型の密閉プレートが取り付けられた。
その手際の良さと正確さ、速さに、さっきは石坂に噛みついた若いトミタのチームドクターも、さすがにその戦意を喪失し、
呆然と見守るだけであった。
その光景を見ていた年嵩のドクターが、若い医師に、石坂の実力の凄さを諭すように説明している姿があった。
手術室の外で、手術を見守っている美濃田がすかさずフォローにはいる。

美濃田誠一郎(以降、セ):「貴美香、うちの前途有望な若手ドクターをいじめないでくれ。
やつは、まだ若いから自分の自信がちょっと過信になっただけなんだ。許してやってくれ。」

イ:「美濃田先輩、甘やかすのは好くないわ。彼が有能なら有能なだけ、謙虚さを学ばせるべきよ。
過信で有能なドライバーを殺してしまったら、あの悪夢の再来になる。
もう、ファクトリーのご都合や医師の身勝手で、有能なドライバーが殺されるなんて真っ平よ。
そんな不幸な加害者になって、先輩も含めた3人が被告人席に着くなんて光景を見たくないもの。
それに、私だって犯罪に荷担したくないもの。」

セ:「・・・。」

475manplus:2008/01/04(金) 19:51:51 ID:vDyRTWHt0
ミンメイには、森田の巻き込まれた事件のことを石坂が言っているのが理解できた。
一方の若いドクターは、その高慢な鼻をへし折られてシュンとしょげているのが分かる。
石坂といい、瞳といい、マリアといい、スーパーF1に関わる女性は強すぎるんだと美濃田は思い、
ちょっと苦笑いしたい気分になった。
美濃田本人にしても、強い女性から離れたいと思っているに違いなかった。
しかし、美濃田は、妻川から離れることは出来ない運命にあるし、
石坂には慕われているのがミンメイにとってはおかしい光景に思えるのであった。
 石坂は、手術室の男連中を黙らせると、ミンメイの呼吸システムの手術に取りかかった。

イ:「ちょっとっ!みんなッ!ボーッとしていないで、サイバーヒューマン社の万能体内完全収納型閉鎖呼吸システムの
人工臓器のキットが入った箱を探して持ってきてッ!それから、灯台卒の僕ッ!肋骨切断用のソウを用意してっ!
断端組織損失率を低くするから、さっきみたいに粗い歯を持ってこないでね。」

若いトミタのチームドクターは、気を取り直して、

若:「はいッ!」

と若いトミタのチームドクターは短く答えて、石坂の手にソウを手渡し、
石坂の目の前の手術台の上に骨組織接合用接着剤を置いた。
石坂は、ミスには厳しいが、逆に手柄には寛大なのである。

イ:「よしっ!灯台卒、よくやった。上出来よっ!よく気がついたわね。私も忘れるところだったわ。
ありがとう。開胸用のメスも用意して。」

若いトミタのチームドクターは、ほっとしたような表情の中に、サイボーグ医学分野で
ダントツの最高峰の技術を欲しいままにしている石坂に褒められたことに対する喜びをかみしめている表情が
浮かんでいた。
看護士が、石坂に開胸用のメスを渡し、ソウを代わりに受け取った。石坂の右手がミンメイの首もとから、
下腹部までを一閃した。
石坂は素早く止血剤を切断部に塗った上で、固定具を使い、ミンメイの身体の全ての内臓が見えるような状態にした。

476manplus:2008/01/04(金) 20:04:01 ID:vDyRTWHt0
イ:「ハイデンさん、いよいよだよ。」

石坂は、ミンメイに諭すように話しかけた。その声は、頑張れのエールがこもっているようにミンメイには聞こえるのだった。
ミンメイは、石坂のエールが嬉しかった。

ミンメイの胸部は、手術をし易いように肋骨のほぼ全てを切り取られ、開胸機で押し広げられた状態になった。
 石坂は、肺と心臓を切除するために心臓につながる動脈と静脈を素早く心臓の根本で
切断し外部設置型人工心肺装置に接続した。ミンメイの身体を流れる生体血液は、人工心肺装置で排出され、
輸血用の血液として使用され、その代わりに、栄養液と酸素を豊富に含み、人工白血球や人工血小板などの人間の
血液成分を模した人工物質を含んだ人工血液である特殊フルオロカーボン液に置きかえられていくのであった。
石坂は、ミンメイの心臓と肺を丁寧に切除し、各々を保存液の入ったカプセルに保存をした。
ミンメイの身体には、その代替器官として、心臓の代わりをする小さくて高性能で信頼性のあるロータリーポンプと
人工血液に酸素を供給し、呼吸液から二酸化炭素を除去するシステム、深海での作業や宇宙空間に
長期間滞在したり、大気圧の異なる惑星での作業のために呼吸液の加減圧の調整を行うシステム、
口腔や鼻孔から取り入れた酸素を圧縮して蓄積し、素体を120時間の間、
外部からのガス補給無しで生存させることの出来るタンクユニット、除去した二酸化炭素を炭素エネルギーと酸素に
分離再生するシステムユニット、再生され供給された酸素や素体が自分の口と気道を通して取り入れた空気から
酸素を抽出し、圧縮して貯蔵タンクに送るシステムが納められた。
これらの装置により、ミンメイは、宇宙空間や深海作業を行うサイボーグと同様の呼吸システムを
持つことになったのである。
ミンメイの呼吸システムは、酸素保存タンクの120時間の余力の他に、自分が吐いた呼気の二酸化炭素から、
酸素を分解再生するシステムにより、さらに120時間の酸素タンク無しの閉鎖呼吸が可能なシステムを
生命維持システムとして持つことになったのである。
477manplus:2008/01/04(金) 20:04:46 ID:vDyRTWHt0
 さらに、ミンメイの喉の部分から気道と食道、声帯などが取り去られ、人工の気道管、人工食道、
人工音声発生システムが取り付けられた。
人工気管は、空気の吸入排出を個別に専用でおこなう専用管により行うダブル気管システムで真空中や
海中など呼吸が出来ない時に自動的に弁が閉じて内部閉鎖呼吸に切り替わるようになっている。
さらに気体圧縮装置が組み込まれていて、通常人体の4倍の酸素を外部から取り入れることが可能となったのだ。
石坂は、ミンメイの胸部の手術を終えると、切り取った肋骨を生体融合型急速乾燥接着剤で元通りにつなぎ合わせた。

 次に、石坂は、ミンメイの首の部分に、生体脳とサポートコンピューターやマシンのコンピューターを
直結するためのコード類を通すガイドチューブを挿入した。
ミンメイのほっそりした首は、これらの管や装置で目一杯に詰まった状態となったのである。

 続いて、石坂は、ミンメイの腹部の改造手術に取りかかった。石坂はミンメイの直腸と結腸、子宮、
膣を除いた全ての内臓を取り出し、ミンメイの身体の腹部に大きな空隙を作った。
そして、あらかじめ、ミンメイの身体に合わせてユニット化しておいた消化システムと肝臓や胆嚢、膵臓の役割を
果たす人工内臓器官の合わさった機械器官ユニットにミンメイの成体肝細胞などの機械では代替できない器官を
そのユニットの移植用スペースに移植し、腹部に納め、血管や直腸をつなぎ込む作業を行った。
消化器官ユニットは、ミンメイの胃があった位置に固定されており、その大きさは、ミンメイの胃の二倍くらいの
大きさしかないので、直腸を接続するのに、延長用の管が中継ぎに必要となった。
さらに、腎臓と膀胱に代わる排尿器官ユニットが、消化器官ユニットのすぐ下に固定された。
このユニットは、膀胱一個分の大きさしかないのだ。これら二つのユニットにより、ミンメイは、
口から受け入れた全ての固形物や半固形物、液体を生体部分のエネルギーと機械部分の
電子エネルギーにほぼ全てを変換し、人工血液に生体専用エネルギーを融解し、
機械装置用の電子エネルギーをユニット内にある蓄電ユニットに一時保管し、
機械部分に動力エネルギーとして送り出すようになっている。
478manplus:2008/01/04(金) 20:06:51 ID:vDyRTWHt0
また、肝臓システムなどで、人工血液を再生処理を行う機能ももっているのだ。
さらに、排泄ユニットでは、人工血液の浄化を行う人工腎臓とその排出液をためる人工膀胱が納められているのだ。
しかし、これらの人工器官ユニットから廃棄物質として排出される物質の量は、廃棄物をエネルギーに
再変換したりするシステムも内蔵されているため、ユニットから排出される、生体の尿に当たる廃棄液と機械部分の
廃棄液体を合わせてもミンメイが人間だった頃に比べてはるかに少なく、二日か三日ぐらいで一度程度の
排出の必要があるぐらいしか人工膀胱には、液体が貯まることはなかったし、
消化器官ユニットから排出される生体の大便に当たる固形排泄物も一週間に一度程度の排泄で
充分な量しか生成されないし、結腸及び直腸と消化器ユニットの間に取り付けられた蓄便システムにより、
直腸には、ミンメイの排泄物が貯まることは、排便行為の直前までないのであった。
つまり、ミンメイの直腸は、常に空の状態が保たれているのであった。
ミンメイの消化器官や内臓も、惑星探査サイボーグのレベルまでの機械化が行われているのである。
これにより、ミンメイの肛門と直腸は、性器を受け入れるため、そして、
性的快楽を受け入れるためだけの存在になったのである。
このような処置をおこなうことが、石坂が、マッドサイエンティストと言われる所以である、
被験者の性快楽に対する満足度を増すため、直腸は、浣腸を受ければ、
それなりの苦痛と快楽を生体脳にサポートコンピューターを通じてフィードバックすると共に、
蓄便システムにためられた廃棄物質が軟便となって、肛門から排泄されるようになるシステムと
そのシステムの制御と性的快楽をコントロールする装置が直腸近くに取り付けられたのだ。
その上、性的快楽をコントロールする装置は、ミンメイのクリトリスとヴァギナ、子宮にも接続され、
ミンメイが今まで感じたことのないような性的興奮を前からも後ろからも得られるような処置が施されたのである。
479manplus:2008/01/04(金) 20:19:01 ID:vDyRTWHt0
ちなみに、ミンメイの女性器は全て残されているので、ミンメイは、快楽だけではなく、実際に受精卵を宿し、
出産することも理論的には可能なようになっていた。ここで、理論的という言葉を使ったのは、ミンメイ自身が、
男性器を受け入れることは、性的嗜好上、全くないと言うことと、胎児が5ヶ月以上になったときに、
その胎児の体積を許容するだけの拡張性が、ミンメイがリクエストした人工皮膚には持つことが
出来ないという理由からなのである。
ミンメイが、もし、自身の子孫を残したいと考えれば、体外受精と代理母胎などの方法に頼るしかないと考えられるのだ。
さらに、ミンメイの性器には、生理を制御するシステムが接続され、生理という女性ドライバーにとっては厄介なものを
自由な間隔に調整することが可能なのである。
瞳たち、女性スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、この生理の制御システムにより、オフシーズンに一度と、
夏休み期間に一度の年間2回ぐらいしか生理が来ないようにコントロールしているのが普通なのである。
石坂は、手術の内容を逐一、ミンメイに説明しながら手術を行っていてくれた。ミンメイは、その石坂の体力に、
ただただ、敬意を表するのみだったのである。
しかし、ミンメイは、自分の性器もサポートコンピューターやコントロールシステムにより、
機械の干渉を受ける存在となったことに、自分の望んだ理想の肉体、
いや、機械の身体になっていく快感を覚えているのであった。
さらに、性感が、機械システムによって自在に快楽を操れるようになったことも素敵だと思った。
そして、何よりも、ミンメイが素敵だと思ったのは、性的快感コントロールシステムは、
瞳と森田が制御の主導権を握っていて、ミンメイの性感の全てを二人が管理することになるというシステムを
石坂が取り付けてくれたことだった。
480manplus:2008/01/04(金) 20:19:46 ID:vDyRTWHt0
このシステムにより、瞳と森田がミンメイがアナルやヴァギナで感じる性的快感を全く無くすことも、
今まで生体の時には味わったことがないような強い快感を味わえるようにすることも出来るのだが、
ミンメイには、その権限がなく、二人の許可がないと持ち得ないと言うこともミンメイを興奮させることであった。
“これで、私の性器は、自分のものではなく、完全にお二人のものになったんだ。”
その強い思いから来る満足感にミンメイは酔いしれる気分であった。その陶酔感を素早く石坂が察知して、

イ:「ハイデンさんは、本当に変態だこと・・・。自分の性器が、
他人に許しを請わないと性的感覚すらなくなるって言うのにそれがいいんだものね・・・。
私の僕に本当にしたい逸材だわね。でも、それが機械の身体になるということの快楽の一つだものね。
サイボーグ体に憧れ続けたハイデンさんの気持ちの具現化だものね。よく理解できる。
さて、股間の残りの処置は、人工皮膚と一緒だから、股間の処置はひとまずここまでね。
これから、いよいよ、ハイデンさんの身体の感覚の全てを生体脳の補助機関として司るサポートコンピューターの
設置処置に移るからね。」

ミンメイは、いよいよ、本格的に自分の身体が、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという、
スーパーF1マシンを制御するための専用の身体にされるための核心のシステムを取り付けられることに
身震いがする思いだった。
勿論、身体の全てをアイドリング状態にされているミンメイが、身体を生体脳の指示で
震わすことは実際には不可能なのであるが、生体脳の中の意識の世界では、
その確かな興奮で身体が震える感覚があるのだ。
ミンメイは、人の感覚は、いい加減だと思い、可笑しくなってしまった。
だから、自分が、人間の身体を捨てたいというのではないのだが、
機械の正確さと人間の感覚の曖昧さを併せ持つサイボーグという存在に憧れ続けた理由が
ここなのだろうとミンメイには思えるのであった。


481manplus:2008/01/04(金) 20:21:12 ID:vDyRTWHt0
 ミンメイが、そんな陶酔した世界に浸っている間にも、石坂によるミンメイに対する手術は進み。
ミンメイにはいやに大きく見える体内内蔵型サポートコンピューターを石坂が、
ミンメイの下腹部に納める作業を始めていた。
このスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのサポートコンピューターは、
通常の特殊用途サイボーグ体のサポートコンピューターより、はるかに重要な存在になっている。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのサポートコンピューターは、通常の特殊用途サイボーグのそれのように、
内蔵されている電子機器と生体脳の調整役や生体が得た情報をデジタル化して保存する一般的な機能の他に、
スーパーF1マシン専用の制御システムであるスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとしての本来の
機能である生体脳をスーパーF1マシンの制御用コンピューターと接続し、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー自体をスーパーF1マシンの制御システムにしてしまうための
生体脳とスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーにとっての第2の身体であるスーパーF1マシンの
感覚の調整システムなのである。
スーパーF1マシンから得られる情報を手脚の切断面に作られたインターフェースコネクターを介して、
サポートコンピューターに一旦入れて、その個体の生体脳が処理できるスピードと情報量に調整し、生体脳に送り出し、
その情報を受けた生体脳からのスーパーF1マシンに対する指示を今度は、スーパーF1マシンが
必要とする付加情報も付加し、スーパーF1マシンの電気信号と同じスピードに調整して、
手脚のインターフェースコネクターを介して、スーパーF1マシンの制御コンピューターに送り返す機能と
スーパーF1マシンの情報の全てを一時保管したり、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー側の
運転中の身体データー保管し、レース後やレース中に、チームのメカニックとチームドクターにレースの資料として、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとスーパーF1マシンのバージョンアップと開発のために提供する役割や
レース中のピットインの時のスーパーF1マシンの調整のための情報を提供するための役割を担っているのである。
482manplus:2008/01/04(金) 20:36:55 ID:vDyRTWHt0
このシステムのお陰で通常のサイボーグ体に比べて、サポートコンピューターの演算システムも
高性能高速ですこし大型のものになるし、大容量のハードウェアが必要になってくるし、外部機械システムと生体脳の
仲介システムという体内の機械にプラスされた余計な調整システムが必要となってくるため、
通常のサイボーグに比べて大きなスペースが、サポートコンピューターの設置空間として体内に必要となるのである。
さらに、ハードウェアに貯められたデーターをレース中や練習中に常時、ピット内のホストコンピューターに
電送するシステムやチームラジオやサポートスタッフとの専用通信システム、ドライバー同士の個別回線システム、
外部の電話回線に繋げるような通信システムなどの様々な通信システムやインターネットの回線システムなどとの
情報交換システムもスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーにとっては必要なシステムであり、
それらもサポートコンピューターと一緒に体内に納められるのである。だから、特殊用途サイボーグの中でも
最大のスペースを体内に作る必要があるのだ。

スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを設計開発したのは、実は石坂なのである。
石坂が、カンダとトミタの資金援助を受けて、国際自動車連盟の施設を使い、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーというものを設計開発したのである。
スーパーF1マシンという、人間の能力の限界を超えてしまうようなマシンを人間がコントロールしてレースを
行うという矛盾を解決するためには、サイボーグという人間と機械の複合体にマシンを操縦させるしかないのであった。
それも、そのサイボーグというものでさえ、通常のサイボーグのように、手脚がある人型をしていて、
その手脚を使いスーパーF1マシンを操作するのでは、サイボーグという存在が生身の
人間と比して超人となっているにしても、感覚器官が反応できない事態が起こることが想定されるのであった。
石坂は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの生身の人間としての人格や人権から来る尊厳と、
理論的に限界以上のものを操作する時の機能性の両立に悩み、熟考を重ねた末に
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの形態に一つの結論を出したのであった。
483manplus:2008/01/04(金) 20:37:38 ID:vDyRTWHt0
その結論こそが、今のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの形態である手脚を取り除いた特殊な形態の
サイボーグ体にあるのだ。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、手脚を根本から切除し、その神経組織をコネクターソケットに接続し、
サポートコンピューターからの人工神経ケーブルも含めて、手脚の断端部に取り付けられるようにして、
そのコネクターユニットにスーパーF1マシンからのケーブルを接続することで、スーパーF1マシンの制御系と
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを一つの制御システムとしてしまうことで、
生体脳の判断を出来る限り迅速にスーパーF1マシンに伝え、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという人間の
改良増補版が、スーパーF1マシンという途方もないモンスターマシンを安全に容易く操縦できるように人間の形態を
改造することなのであった。
 生体脳を直接スーパーF1マシンに搭載するという方法も石坂は検討したのだが、
人間が制御することを協調するためとサイボーグの人としての尊厳を守るため、胴体と頭部が残され、
最低限の人間としての形態を保持しているのだ。
さらに、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの形態をこのような形に決定したもう一つの理由は、
宇宙船操縦用サイボーグや特殊AI戦闘機に制御システムとして搭載される専用サイボーグもそうであるが、
生体脳だけの存在になると人間としての人格を失うような精神的なダメージを素体が受けることを防ぐため、
出来る限りの生体の形態を残すようにしているのだ。
それに、サポートコンピューターシステムも生体脳と常に一緒にしておく方が都合が好いことが多いというデーターを
継承したのであった。
そして、その制御システム型の特殊公務員用のサイボーグシステムを石坂の天才的な閃きと技術情報の
確かさによりカスタマイズしたものがスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーなのである。

484manplus:2008/01/04(金) 20:38:30 ID:vDyRTWHt0
 しかし、石坂の設計図によって、本当に苦労したのは、義体の制作を担当した義体開発メーカーの大手三社であった。
国際自動車メーカーからの依頼を受けて、石坂の設計図と仕様書通りの部品を開発することは、
いかに世界の義体市場を独占する三社の開発陣といえどもかなりの苦労がつきまとうものなのであった。
何故なら、石坂が書いた設計図の部品は、今までの常識が通用しないほど画期的なものであったのだ。
 もともと、宇宙船操縦や軍用機の操縦、艦船や戦車の操縦を目的としたスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと
同様の手術を加えられ、手と脚を根本から切断され、その切断面を操縦する機械システムと接続するための
インターフェースコネクターにされた状態の特殊用途サイボーグは、長期間の機械システムとの一体化を
優先しているために固形食を経口で摂取する必要も、普通の人間のように性器を残す必要もなく、
特殊呼吸液に酸素と高濃度栄養液を混入して体内に運んでおくだけでよく、それらも体外に突きだしたバックパック型の
スペースに生命維持システムを内臓しておくことにより、体内は人工心臓も含めた全ての臓器を取り除いて、
制御用の電子機器のスペースにあてられるので、空間的な制約はあまりなく、ある程度大きなシステムの集合体を
搭載することが必要であっても、軽量化が考慮されていれば、見てくれよりも機能を優先させることが出来るのであり、
技術者にとっても楽に開発を行うことが出来たのであるが、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに関しては少し事情が違った。

 最初に、石坂からの設計図を見せられた各社の技術者たちは、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという
特異な制御システム型のサイボーグ体の設計図に目をむくほどに驚き、その与えられたテーマの難しさに
頭を抱えるのであった。
 今まで、自分たちが開発競争に躍起になってきた機械制御システム系のサイボーグは、極端な話が、
生体脳と神経システムと肝臓などの特殊臓器、生体部分を維持するエネルギー供給システムだけが
サイボーグシステムのどこかに残っていれば好かった。
しかし、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの開発コンセプトは、全く違うのであった。 
485manplus:2008/01/04(金) 20:53:13 ID:vDyRTWHt0
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、手脚のない以外の身体の形態は、生体時と同じ姿に温存され、
人間と同じように物を食べ、排泄行為を行い、サイボーグの人工システムだと解らないように喋り、感情の表現を行い、
さらに、セックスの楽しみを残すどころか、生殖機能を残し、子供を作ることも可能なように
男女ともしておくことが求められた上に、通常の機械制御系サイボーグと同様の機械操作性能と情報処理能力を
求められたのである。
しかも、そのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが機械装置の一部として機能する部分の性能は、
これまでのどの機械制御系サイボーグよりも上のレベルを維持しなくてはならない上、
人間の三大欲求を人間だった頃より鋭敏に享受できるようにしろという石坂の趣味から来ると思われるほどの注文が、
技術者たちをさらに苦しめる結果となったのだ。
 さらに、技術者たちをもっと苦しめたのは、機械の手脚ではあるが、現役引退後の生活を生体時と
同じ状態に戻すために、再度取り付けることを前提とした断端の設計がされていることであった。
これも、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーがスターであり、手脚の付いた姿で現役を
引退後にタレントとして活動するために必要なことなのであるが、機械制御系サイボーグの従来の考え方は、
所謂、ダルマ状態のサイボーグへの手術を受け入れた後は、生体脳が機能停止するまで、
ダルマのような姿で過ごすことを前提にしているために、再び、手脚のある生活を行うためのシステムや
隠しソフトの開発が技術者たちにとっては経験のないものであったのだ。
 このような、理不尽とも思える困難な要求は、いかに研究熱心な義体メーカーの技術者といえども、
普通なら受け入れることは、絶対にしなかったであろし、技術者がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
部品開発に掛かり切りになることの弊害を予想して、サイバーヒューマン社、イソジマ電工、ギガテックス社の
三大メーカーは、会社として開発の協力要請を受け入れることはなかったであろう。
486manplus:2008/01/04(金) 20:54:37 ID:vDyRTWHt0
しかし、マンマシンシステムによる人に優しい車の安全技術の自動車への導入で、トミタとカンダの
世界的メーカー2社を先頭にした世界の主要自動車メーカーのモータースポーツ部門の連合体である
国際自動車連盟からの要請を義体メーカーが断ることは出来なかったのである。
その理由は、いかに義体生産企業が、医療用分野や特殊公務員分野で大きな収入をあげているとはいえ、
自動車メーカーに対してのマンマシンインターフェース部品の納入という、売り上げのかなりの多くを占める取引先の
連合体を怒らせることは、義体メーカーの経営に対しての大きな打撃になるという事実は否定出来ないものであった。
更に最悪なのは、もしも、この協力要請を義体メーカーが断れば、国際自動車連盟は、その技術力と資本力を背景に、
義体メーカーから納入されていた人車一体の安全技術思想によるシステムの部品を業界内で開発して、
義体メーカーの部品を自動車業界から排除しさえする可能性もあるのだ。
 義体メーカー各社は半ば、自動車業界という世界最大にして伝統のある産業界に屈する形で、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの共同開発を受け入れたのである。
 しかし、会社が受け入れるまで、その受け入れに難色を示していた技術開発陣の反応は、
会社の幹部が厄介なものを引き受けてしまったという感覚とは、いささか違う反応を示していた。
それは、技術者特有の困難ではあるが、人類の明日を豊かにするかも知れない技術開発に、
真っ向から立ち向かおうとしたことであった。
そして、技術陣は、石坂が示した設計図をもとに部品を開発生産するのには、
巨大義体メーカー三社も含めて全ての義体メーカーが、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーというサイボーグに提供する部品やその周辺技術を各社独自に
開発しないで、共同で研究・開発を行うことを各社の首脳部に要求したことである。
487manplus:2008/01/04(金) 20:55:18 ID:vDyRTWHt0
義体メーカー各社の技術者は、石坂というサイボーグ医学のトップを走る第一人者の実力を十分に理解していたし、
尊敬と敬意を持って接していたので、彼女が開発したスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという
サイボーグシステムを実現するには、各社が覇を競うようなことをしていては、
その独創的な理論による特殊なサイボーグを完成し得ないことを理解していたのだ。
それだけ、石坂の考え方とそれを裏打ちしている理論の高さは、この業界で群を抜いていたのだ。
この業界では、

「人間らしいスーパーサイボーグを作り出したい。」

という理由で、国際自動車連盟のような民間財団機関に籍を置く石坂を奇異の目でみているものが
ほとんどだったからである。
 何故なら、石坂が望めば、国家予算の数分の一にも及ぶ多額な報酬を国家の威信を懸けた事業や軍事技術開発の
開発部門のトップとして迎え入れたいと考える国からのオファーは後を絶たず。
それを、石坂は全て断り続けている事実は有名だからである。
 それほど石坂のサイボーグ理論、医学技術やその他の医学理論は卓越していた。
そして、その石坂の理論を生で触れることの出来るチャンスがあるこの国際自動車連盟の依頼を技術者は
均等に分け合いたいと思ったし、絶対にふれてみたいと思ったのだ。
 そして、石坂と一緒なら、自分たちの義体技術の目標である普通の人間と代わらない感覚を持ちながら、
スーパーヒューマンとしての人生を歩むような、20世紀の特撮番組のヒーローを本当に作り出せるかも知れないし、
今の義体使用者のように人間としての体裁を整えてはいるが、食べられる物は専用の栄養液やエネルギー液であり、
自重も重くて、とても人間の形はしているものの、人間とは言えない機械仕掛けの人形のような身体を劇的に
人間に近づけることが出来る可能性を持つ開発が可能になると信じていたし、それが、
完全義体に換装しなくてはいけない病気や事故を抱えた患者の明るい未来に繋がるものだという理想を
実現することと理解をしていたのである。
488manplus:2008/01/04(金) 21:09:16 ID:vDyRTWHt0

「患者に希望と勇気を与える技術を独り占めにしてはいけない。」

そのような技術者特有のヒロイズムが、共同開発への空気を加速させていったのである。

 義体メーカー各社の幹部も、技術者の提案を素直に受け入れ、義体メーカーの全ての技術陣が参加する
大規模なプロジェクトチームが結成されて、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの開発が開始されたのである。
ちなみに、その時の義体メーカーのプロジェクトリーダーは、サイバーヒューマン社の谷本とイソジマ電工の古堅が
指名され、石坂との共同作業が開始された。
紆余曲折の末、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーという手脚のないことを除けば、
人間とまったく変わらない生活を送ることができ、しかも、外見上、人間とまったく変わらない姿をしていながら、
超人的な存在で極限状態のカーレースという仕事に耐えうるまったく新しいコンセプトのサイボーグが開発されたのである。
しかも、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、全くの民間使用のサイボーグであり、
国家機密などを気にすることなく、義体メーカーが簡単に技術転用できる画期的なサイボーグ技術なのであった。
同時に義体メーカーの技術者は、石坂と組むことの優位性も目の当たりにした。それは、石坂の要求であれば、
そして、トミタとカンダの要求であれば、どの様な国家機密に類するサイボーグ技術も各国が開示するという恩恵であった。
そして、今では、スーパーF1の持つスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの技術が、
国家機密で保有するサイボーグ体の技術よりも進んでいるようになってしまったのである。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの前では、どんな国が開発したサイボーグ兵士も、
宇宙開発用サイボーグも、サイボーグエージェントも汎用品でしかないのだった。
そのような、義体を作り出したのも、石坂の卓越したサイボーグ医学者としての技術力と
開発・設計能力がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーを進化させ続けているからに他ならないし、
それをサポートする義体メーカーの部品開発力によるものであった。
489manplus:2008/01/04(金) 21:09:58 ID:vDyRTWHt0
義体メーカーにとって、新製品の開発フィールドとして、臨床試験の場として、スーパーF1は、
欠かすことの出来ないものとなったのである。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの技術を進歩させたもうひとつの要因は、
やはり、“速水瞳”がスーパーF1に参戦することになったことである。
瞳に対して、石坂が行った検査結果を見て、義体メーカーの技術者はその身体能力に唖然とする意外になかった。
瞳のデーターは、瞳が全身をサイボーグ化するために生まれてきたかのように機械や電子機器に対する生体の相性が
群を抜いて高かったからである。生体が機械の身体に適応する潜在能力をサイボーグ適応化率とこの頃の業界は
呼んでいたのだが、その適応化率が、瞳の場合においては98%だったからなのだ。
98%という数字は人間としての意思や思考を持つ余力を残していなくては、サイボーグになっても、
全くの感情も何も持たないロボットと一緒の存在になるため、精神的の余力としての2%を考えての適応化率で
最高の値なのだ。
義体メーカーとしても、今までにそのような素体が現れたことはなかったから、戸惑いを隠せなかった。
さらに、義体メーカーを驚かせた瞳の基礎データーは、瞳の神経信号の伝達速度が、
電気信号がケーブルにより伝達される速度よりも速いと言うことであさった。
伝達速度の問題は、生体制御型の戦闘機に搭乗させるために改造された合衆国空軍のエースパイロットや
日本の航空自衛隊のエースパイロットに何例かの事例があるので、さほど驚くほどではないのだが、
瞳の神経の情報伝達速度は、その前例になっているサイボーグたちなど比べものにならないほど速かったのである。
技術者たちは、瞳が、圧倒的な操作技術を持つ自動車レース界の女王であり、
現役でありながら“伝説のドライバー”という呼称を欲しいままにしている理由が納得できたのだ。
そして、最先端と考えて技術開発を行ってきたスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのシステムを
根底から開発し直さなくてはならないことを理解するに至ったのである。
490manplus:2008/01/04(金) 21:10:40 ID:vDyRTWHt0
このスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー第2世代とも言えるスーパーガールの登場が、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの技術を、さらにはサイボーグ医療の技術を
更なる高みへと押し上げる効果があったのである。
さらに、この時、不幸なことなのか幸いなことなのかは別として、森田つぐみという、
サイボーグ体も精神状態もボロボロになったサイボーグを再生するという作業も同時並行して行われ、
サイボーグ再生医療における未知の分野の研究開発を同時並行して行うことになり、
義体メーカーと石坂は、スーパーF1のもつ民間技術の粋を集めることにより、この難題を切り抜けると共に、
民間機関のサイボーグ医療が、国家の利害が絡む、何かと機密が多い、軍用や宇宙開発、海洋開発分野の
サイボーグ医療の技術を抜き去った確信を持つに至ったのである。
 そのように、自信に満ちたスーパーF1に関与する義体メーカーの開発チームの面々も、
ミンメイの改造手術に関してはさらに苦悩することとなる。ミンメイのサイボーグ適応化率は、
99.7%。つまり、身も心も機械になってしまいたいという特殊な精神世界を持ち得ないとあり得ない数字の
素体が現れたからなのだ。
理論上は、偏愛主義が強度に機械やサイボーグに注がれた人間のサンプルが
被験対象素体になったという理解ならば可能なのだが、そのような偏愛主義自体が希有の思考なので、
現れることはないと思われていた。しかし、それが現実に技術者たちの目の前に現れたことになるのだ。
そのような素体であるミンメイからの改造注文を受けての石坂からの指示に技術者たちは
戸惑ったことは言うまでもないのだ。
491manplus:2008/01/04(金) 21:21:23 ID:vDyRTWHt0
ミンメイのために、高性能の異世界に適応するような特殊な呼吸システムや視覚システム、聴覚システム、
そして、全てのサイボーグ体に使用される特殊な部品をスーパーF1のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
レギュレーションに準拠した性能にスペックをワザと落としたり、リミッターをかけたり、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーならではの機能を付け加えたりした、
まったく新しい設計の部品の開発が要求されたのだ。
しかし、義体メーカーのプロジェクトチームの面々は、その難解なオーダーに見事に対応してくれたのである。
石坂と共に開発作業をこなしてきた義体メーカーの開発チームは、自信を持って、
ミンメイの身体の部品を作ってきてくれたのである。
石坂と、義体メーカーの開発チームの苦労してきたがゆえの結束の硬さが、
ミンメイの身体とミンメイのサポートスタッフであるルミ子=ショッテンハイマーに活かされていくのである。
ここで、ミンメイのサポートスタッフの名前が出てきたのは、ミンメイのサポートスタッフである
ルミ子=ショッテンハイマーもサイボーグに対する極度の偏愛主義の持ち主であり、
その為のサイボーグ改造手術を受けるときの自身のサイボーグ体に対する要求が特殊なものであったからである。
 石坂は、そのようなスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの開発経緯を思い出し、
ミンメイの身体の部品を手にとって、義体メーカーの開発チームとの信頼関係の頼もしさと、
ここまでにスーパーF1のもつ民間技術が到達したことへの感慨をかみしめていたのである。

イ:「さてと、サポートコンピューターなどの電子機器に異常はないわね?」

石坂は、自分の頭の中の感傷を追い払うかのようにトミタのチームドクターに訊ねた。

ベ:「はい。異常は見当たりません。しかし、リカルドや八重山たちに使用したタイプとは
桁違いに性能がアップしていますね。」

年上の方のトミタのチームドクターは、リカルド=ポンテや八重山信次の
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへの改造手術を執刀した経験から石坂に訊ねた。

492manplus:2008/01/04(金) 21:22:12 ID:vDyRTWHt0
イ:「サイボーグ体に組み上がったときのパフォーマンスはあまり変わらないんだけれど、
ハードウェアの容量が増えたことと、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーと
スーパーF1マシンのインターフェイスの通信速度のコントロールユニットが違うぐらいだと思います。
ドクターが執刀された頃から、レギュレーションの変更はないですから、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに使用される通常のサポートコンピューター自体は変わっていないんですよ。
でも、このシステムは、ハイデンさんの素体自体の特殊性により使用される特別なものなんです。」

べ:「今回、彼女に使用されるのが初めてなのですか?今まで見たこともない高性能のサポートコンピューターですよね。」

イ:「いいえ、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとしては、彼女に使用するのが、これで2体目です。」

ベ:「それでは、以前に使用したスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーがいるのですか?
連盟本部に深く関与されている石坂ドクターからの情報でしか、自分自身が執刀したドライバー以外の情報は
伝わってこないものですから・・・。」

イ:「確かにそうですね。でも、私だって、カンダのカンダスーパーガールズの専任医師という立場が本来の位置ですから、
赤羽ドクターとあまり変わりはありませんよ。報告書のデーターが、
国際自動車連盟のスーパーF1運営医師団の長としてくるくらいの違いでしかありませんから。
このタイプの特殊なサポートコンピューターを中に入れた素体の情報だって、
報告書だけでは記憶にも留めていないはずですもの。」

ベ:「そういうものですか・・・。でも、石坂ドクターは2体目と即座に仰いましたが・・・?」

イ:「赤羽ドクター、私が実際にハイデンさんも含めて、このタイプを体内に納めた素体を2体とも執刀したから、
即座に答えられただけのことです。」

ベ:「と、いうことは・・・。」

イ:「そう、速水選手と同タイプのサポートコンピューターなものですから・・・。」

493manplus:2008/01/04(金) 21:23:34 ID:vDyRTWHt0
ベ:「それだけ、この娘の素質があるということなんですね。」

イ:「まあ・・・、素質というのでしょうか・・・?」

ベ:「そういうことなんじゃないですか?」

イ:「そうかも知れませんね。」

石坂は、赤羽と呼ばれるトミタのチームドクターの言葉に気のないような口調で答えた。
一般的なドライバーとの比較における素質でいえば、確かにミンメイの素質は図抜けたものがあった。
しかし、ミンメイほどの素質であれば、エマにしても、ジャンヌにしても同じぐらいのものであったし、素質からいえば、
八重山やポンテの方が上という見方もあるだろう。
さらに、瞳の素質といえば、そんな比ではないのである。
ただ、ミンメイに瞳と同じサポートコンピューターのシステムを埋め込む理由は、機械との同化率が高く、
他のドライバーに比べて、生体神経の信号伝達速度が、機械ケーブルの信号伝達速度よりも速いことであった。
それが瞳との共通点であり、瞳と同じ人工神経システムとサポートコンピューターを使用する理由なのである。
それも、瞳の生体神経の方がはるかに処理速度が速いのであった。
ミンメイほどの速さになると瞳と同じシステムが必要なのであった。
しかし、そのようなことを赤羽は知るよしもなく、そのことを赤羽に話しても理解できないだろうと石坂は判断していたのだ。
何故なら、このようなレギュレーション外の人工器官を使用してのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー改造手術は、
その場での対応が必要であるため、石坂の天才的な技術に委されることが多かったのである。
だから、通常のチームの専属ドクターは、マニュアル通りの手術が可能な
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー以外は、その難しさ故に、触らないようにしているのだった。
494manplus:2008/01/04(金) 21:36:19 ID:vDyRTWHt0
特に、瞳以上のサイボーグへの適応化率を誇るミンメイの手術で、しかも、
特殊な仕様がミンメイがスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになる条件となれば、
石坂以外に手術を出来る医師は、国際自動車連盟の中でもいないのが実情であったし、
そのような事情を石坂以外が理解することは難しかったのである。。さらにいうならば、
瞳やミンメイ、ミンメイのサポートスタッフとなるルミ子=ショッテンハイマーの手術や
森田を今の状態にもどした手術が出来るサイボーグ医療関係者は、間違いなく、石坂だけなのである。
そういう意味で、石坂は、“マッドサイエンティスト”という称号を欲しいままにしている理由なのである。
そして、赤羽たち、この手術室にいるメンバーで、瞳と同じタイプのサポートコンピューターを使わなくてはいけない理由を
正確に知っているのは、もちろん、石坂以外には、手術を受けている当の本人であるミンメイの二人だけなのであった。
石坂は、手術室の中の雰囲気が何故か可笑しく感じられて、胸元のマイクに口元を近づけ、

イ:「ハイデンさん、あなたの身体に使う機材の使用理由は、あなたの方が知っているなんて愉快でしょ。」

と囁いた。ミンメイは、今までのやりとりを聞いていたので、石坂の囁きが可笑しくて堪らなかったのであった。
そして、ミンメイの精神状態のモニターを見ていた石坂が、ミンメイが喜んでいることを確認し、
ミンメイの視覚になっているカメラに向かって、二本指を立て、二人にしか解らない秘密を共有したことを確認したのだった。
石坂は、ミンメイの身体にトミタのチームドクターが調整を終えたサポートコンピューター、
機械システム駆動用のバッテリーと水素イオン動力炉などのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
第2の心臓部といわれる制御システムを所定の位置に押し込んだ。
さらに、消化システムからの電力供給用ケーブルや生体脳との連絡用ケーブルなどのミンメイが
機械装置になるためのシステムを生体システムなどと接続していった。
495manplus:2008/01/04(金) 21:37:02 ID:vDyRTWHt0
 さらに、サポートコンピューターから伸びる人工神経システムケーブルや生体脳からの神経節を
機械的電気信号に変換する装置を介した状態の生体神経を腕の付け根や脚の付け根に固定する
インターフェースシステムに手慣れた様子で接続し、ミンメイの手足を切断した断端に
インターフェースシステムを固定した。
さらに、外部設置型の人工心肺システムに繋がれてい血管が、ミンメイの新しい心臓である高性能の
ロータリーポンプにつなぎ替えられ、ミンメイの生命維持が全て機械システムに置きかえられるのであった。
 ミンメイの胴体部におけるスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーになるための処置が、これで完了した。
しかし、ミンメイの腹部は、これで閉じられることはなかった。まだ、筋肉や骨に対する処置が残されていたからである。
しかし、この日のミンメイの手術は、26時間にも及ぶものになっていたため、
ミンメイの体力にも配慮しなくてはならない状態になり、石坂は、手術の中断を宣言し、
5時間後の再開をトミタのチームドクターやスタッフに指示を出した。
 もっとも、データー的には、ミンメイは、自分がサイボーグになるということに対する好奇心のため、
その記念すべき行事を漏らさず見ていようとしているために、体力や気力は落ちていないし、石坂にしても、
人間をサイボーグにする手術に対しては、3日や4日の徹夜による施術もいっこうに平気だったのだが、
トミタのチームドクターや医療スタッフの体力が限界に達していたのだった。
ミンメイはというと、“だらしがない。”という感情をトミタのチームドクターに対して持っていることが、
精神データーから読み取れるほどなのである。

イ:「ハイデンさん、こいつらは、私たちとは別の次元にいる奴らだから我慢してね。
手術を受けるものがストレスをためては、手術が続行できなくなるからね。それに、
5時間のうち、生体脳を全てアイドリング状態にする3時間以外の2時間は、ハイデンさんは、
じっくり自分の人口器官が動いているのが見えるんだからね。まだ外部電力での起動になるけれどね。
感慨に浸る時間があってもいいでしょ。」

496manplus:2008/01/04(金) 21:38:26 ID:vDyRTWHt0
石坂は、ミンメイが自分の身体を見ることが出来るというアメを咥えさせて、ミンメイのストレスを和らげるのであった。
もちろん、ミンメイも、手術が終われば見ることがままならなくなる人口器官の稼働している姿を
見ることが出来るというアメを甘んじて舐めることに同意したようであった。
石坂は、ミンメイが落ち着いたことに安堵し、手術中断用の保存液をミンメイの身体にかけて、その場を離れた。
 その場には、身体を開けられ、開放された解剖実験のカエルのごとき状態のミンメイだけが残されたのだ。
しかし、ミンメイは、天井のカメラになってしまった自分の視覚を十二分に動かして、
自分の今の姿を喜々として観察しているのであった。



 石坂は、数時間の仮眠後、体力を回復していた。
体力的には、石坂も、自分のフェチの対象を追いかけているため、
精神的な充実により体力を補うことで、まったく問題がなかったのだ。

美濃田誠一郎(以降、セ):「貴美香の体力は相変わらず化け物だな。」

石坂の傍らに美濃田が立っていた。

イ:「美濃田先輩、いつ帰っていらっしゃったんですか?」

セ:「ああ、早朝成田着のロンドンからの便が取れたんでね。」

イ:「先輩、レースの方はいいんですか?監督不在なんていけないんじゃないかと思うんですが・・・?」

セ:「ミンメイの手術の成功を見届けたら、リオに発つ予定だよ。」

イ:「先輩、歳なんですから、そんな強行軍は・・・。」

497manplus:2008/01/04(金) 21:39:53 ID:vDyRTWHt0
セ:「うるさいッ!貴美香といくつも離れていないじゃないかっ!!」

イ:「そうか・・・。すみません・・・。」

石坂が、マッドサイエンティストという称号には似合わないほど悪戯っぽく可愛い笑顔を浮かべた。

セ:「貴美香が我々を年寄り扱いしたなんて知ったら、恵美さんと直子さんがカンカンに怒るぞっ!それでもいいのか?」

イ:「妻川監督のお守りは、先輩にまかせるとしても、溝口社長をなだめるのは一苦労だからな・・・。」

セ:「おいっ!自分が蒔いた種を俺に尻ぬぐいさせるのかっ!?恵美さんの攻撃も貴美香が自分で受けるんだっ!
俺は、これ以上ボコボコになりたくないっ!」

イ:「大丈夫ですよ、先輩。先輩が危機に陥ったら、速水選手と森田さんが助けに来てくれますって。
彼女たち2人は正義のヒロインですもの。」

セ:「瞳ちゃんも、つぐみちゃんもイマイチ、信用できんからな・・・。すぐに寝返るから・・・。」

イ:「それは、先輩の二人への賄賂が足りないからじゃないんですか?」

セ:「これ以上の賄賂は送れん・・・。お手上げだ・・・。」

イ:「そうかも知れませんね。そういえば、森田さんに、速水選手の長距離搬送用に“プリンセス”の新車を
プレゼントしたみたいですね。それも、注文生産の水素イオンエンジン仕様の車を・・・。」

セ:「さすがに耳が早いな。」

イ:「森田さんが、嬉しそうに言ってましたもの。カンダの“ヒトミ”(※注)と交互に使うからってね。」


498manplus:2008/01/04(金) 21:57:48 ID:vDyRTWHt0
※注:カンダは、瞳が初優勝したことを記念して、それまで不得手とされてきた超高級車を注文生産車として発売した。
そのネーミングには、ずばり、瞳に敬意を表する意味で、“ヒトミ”とネーミングされたのだ。
スペックは、水素イオンエンジンを搭載し、公道では不必要と思われる350qオーバーの最高速度と静粛性を
実現した高級サルーンに仕上げている。
勿論、第1号車から第10号車までは、ヒトミの各大陸における移動用として、森田が運転する仕様にして、
ヒトミに送られたのであった。


セ:「“SP−7”といい、“メロディア”といい、始末書を書くので指が腱鞘炎になっちまったよ。」

イ:「合計2000枚くらいですか?」

セ:「そんなところかな・・・。ところで、ミンメイの方はどうなんだ?」

イ:「ええ、順調ですと言いたいんですが、体力の関係で、胴体部分の改造手術が終了した時点で、
中断せざるを得なくて・・・。」

セ:「ミンメイの体力が追いつかないのか?」

美濃田が思わず眉をひそめると石坂はニヤリと笑いながら、

イ:「彼女は、体力充分ですし、身体コントロールシステムで手術中の身体の
制御していますから問題が起こるはずもないのですが・・・。それに私自身も充実しています。」

セ:「確かに・・・、貴美香にしても、他人をサイボーグにするんだから、楽しみを一気にやりたいものな・・・。
でも、もしかして、歳で体力が続かないとか・・・。」

499manplus:2008/01/04(金) 21:59:16 ID:vDyRTWHt0
イ:「先輩、止めてください。私がそんな状態になるわけ無いじゃないですか。
それに、ハイデンさんも含めて、厄介なメンテナンスが必要なスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが2体と
サポートスタッフが2体・・・、それを私が抱えることになるんですよ。
体力が持たなくなるようになれるわけ無いじゃないですか。」

セ:「確かに・・・。それじゃあ、もしかして・・・。」

イ:「そのもしかです。トミタのチームドクターと医療スタッフの体力が持たないのです。」

美濃田は、石坂の言葉を聞いて、額に手を当てるポーズ作った。困ったという美濃田独特の表現なのだ。

セ:「そうか・・・。」

イ:「赤羽ドクターも、あの若造も、体力なさ過ぎですっ!!」

セ:「まあ、あれが一般的な体力なんだから、我慢してくれ・・・。」

イ:「でも・・・、これからが本番なんですからね。しっかりしてもらわないと・・・。」

セ:「たしかに・・・。」

イ:「先輩、あれで、よく、私の後輩だなんて言えますよね、あの若造は・・・。」

500manplus:2008/01/04(金) 22:00:07 ID:vDyRTWHt0
セ:「まあ、そう言うなって。あいつも優秀なんだよ。経験を積めば一流のサイボーグ医師になれると思うんだ。
貴美香と比べられたら、あいつが可哀想だよ。」

イ:「そうですか・・・。確かに、素質はあると思いますし、素直で可愛いところもありますね。私がノーマルだったら、
僕にして、徹底的に教育してあげるんですが・・・。いっそのこと、完全性転換手術をして私の愛奴にしようかな・・・。」

セ:「やめてくれッ!お前のノーマルというのは、世間的には、アブノーマルだし・・・、
女にするのではなく、ふたなりのサイボーグにされちゃ敵わんッ!」

イ:「美濃田先輩。鋭いですね。」

セ:「やっぱり・・・。」

美濃田が、再び額に手を当てているのを無視して石坂は、

501manplus:2008/01/04(金) 22:10:37 ID:vDyRTWHt0
イ:「さてと、みんなを起こして、手術を再開しないと、先輩がリオに発つまでに彼女の手術が終わらなくなっちゃいます。
先輩は、経過観察室で見学していてください。今日は、頭部の処置と、骨の成分変換処置と筋肉と関節の
処置をおこなうことになります。明日中に人工皮膚の貼り付けまで終えたいですからね。」

セ:「解った。よろしく頼む。」

美濃田は、ミンメイの手術が、トミタのチームドクターと医療スタッフのへばりで予定より遅れているものの、
順調に行われていることに安堵し、処置室が見渡せる経過処置室に入り、ミンメイの手術を
観察しながら仮眠をとろうとして移動していった。
何しろ、美濃田は実のところはまる四日間の間、マシンのの調整作業の監督とレースの指揮、
移動で眠っていないのである。
石坂は、その後ろ姿を見つめながら、

イ:「本当にタフなのは、先輩だよね・・・。それに、ハイデンさんを何より可愛がっているのもね・・・。
本当に過保護だよ・・・。」

と呟き、溜息をつくのであった。
502manplus:2008/01/04(金) 22:35:29 ID:vDyRTWHt0
皆さん、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

SS投下問題やら何やらの論争が落ち着いたようなので、久しぶりにSSを投下致しました。

>>459さん
大量投下とまではいきませんが、ご要望にお応えして、レーシングガール外伝−スーパールーキーの
続きを投下させていただきました。
サイボーグ改造手術を書くことで当初話題を呼んだ私のSSなのですが、その特徴?を捨ててSSを投下
し続けてきたようで、サイボーグ改造手術のシーンを書くのは、瞳の改造手術シーン以来なので、1年半
ぶりと言うことになってしまいました。そこで、新年特集と言うことで、今回と次回の二回に分けて改造手術
シーンをお届けしようと思っています。
手術シーンに萌えを感じるご同類のかた、思う存分お楽しみ下さい。私も書きながら楽しんでいます。

503manplus:2008/01/04(金) 22:36:11 ID:vDyRTWHt0
(続き)

ところで、ここのところ、投稿が雰囲気的に出来ないような状態だったのを好いことに、そして、規制が
掛かっていたのも悪用して、サイトを立ち上げる作業をしていました。
サイトと言っても、過去の作品を加筆修正して再公開するためのサイトなのですが・・・。
ただし、このスレでは、若干の場違いを感じるような作品や、気まぐれで、連載作品投下中の
期間に、発作的に書きたくなった作品を公開する場をこのサイトにすることにしました。
それから、サイトの感想等を書いていただく掲示板と、スレが規制で使えなくなった時や、
このスレでは書けないようなことがある場合に議論して頂いたり、画像やSSを発表していただく場としての
掲示板の二つの掲示板を用意しました。自由に使用していただければ幸いです。
私自身も規制がかかって半月以上、スレに投稿できなかった苦い経験から、この様な場を誰かが
提供することは必要と思って急遽自分のサイトに掲示板を二つ作ることにしました。
よろしくお願いします。

>>459の要望からではないですが、サイトの方にまったく新しい作品を公開しています。
そちらの方もお楽しみ下さい。
なにぶん、自分も楽しみで開いたサイトですから、議論にあったような有料化などと言うことは、
まるっきり考えていません。自分の趣味にお付き合いしてくださる方がいらっしゃれば、
いつでも、サイトを訪問して、足跡を残してください。お待ちしています。
URLですが、下記しておきます。

URL:http://space.geocities.jp/cyborggirlhitomi/index.html
504hatsuseno:2008/01/06(日) 18:30:17 ID:zC2FCBtT0
505名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:59:54 ID:eu+loA5x0
ぎょうしゃおつ
506名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 01:42:46 ID:iM4Wj6Yw0
>>504
サンクス!サイボーグの掲示板を探してたんだよ。
507名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:23:03 ID:jLq3oAyy0
あいかわらず過疎ってるなw
やはりサイボーグ萌えは少数派なんだなorz
508名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 07:39:37 ID:M/ngfkun0
SS投下用サイトみたいになったからなぁ
投下されて、それに対して乙とかgjとか批判とかして、そして鎮静化のループ
509名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 08:56:16 ID:ejA9zfQG0
なんせ、自家生産と過去作品を振り返る以外ネタが無い
この手のネタは自称人権派のカス共が叩いたから、国内じゃほとんど取り扱わないし
海外は男ばっかだし
510名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 21:48:15 ID:mCO3fzAk0
>>509
>自称人権派のカス共が叩いた

そういうこと言う人もいるが、具体的にどういうふうに叩かれたの?
511adjust:2008/01/10(木) 20:09:48 ID:H2J6Ep/10
過疎っているので一発ネタ
つまらないときはスルーの方向でよろしく

 我輩はサポコンである。名前はSC-20とか000367などとついている。そのほかにもIDなんぞがあり、
もはや我輩にもどれが名前なのかはよくわからぬ。どこで生まれたのかはデータベースにはいっておる。
イソジマ電工H工場というところらしい。生まれてからは、エージング処理や動作確認で動いていたはず
だが、そこではまだ目も耳も持たず、どんなところであったかの記憶はもたぬ。
 我輩が始めて人間というものを知ったのは府南病院というところであった。ここで、全身義体などとい
うものに組み込まれたのである。我輩はもともと機械を制御するために作られたものであり、やれやれ、
やっと本来の仕事が出来ると安堵したところへ、突然降ってわいたように現れたのが、ある人物の脳みそ
であった。
 この脳みそという奴、これは厄介なものである。実際のところ、シリコンチップに接続された神経束か
ら、いろいろな信号が送られてくるわけだが、シグナルアンプを働かせなければ取れないほどの弱い信号
しか送ってこない。そのくせ体が重いとか思うように動かないとかいつも不平ばかりいうのである。
 挙句の果ては涙がでないとか、物が食えないなどとわがままを言う。後で聞くと、そのわがままはこの
脳みそだけではないようで、以前にみかけた深町とか西田という義体のサポコンも、脳みその無理難題に
は困り果てているふうであった。深町とか申すものは義体を酷使することこの上ないそうであり、サポコ
ンが無理をせぬように押さえているにもかかわらず、たびたび技師の厄介になっていると聞いた。また西
田殿はサポコンの言うことを全く聞かぬばかりか、我輩と同類であるサポコンのソフトそのものを書き換
えてしまうという悪癖があるそうである。なんという悪辣な所業であろうか。
512adjust:2008/01/10(木) 20:10:38 ID:H2J6Ep/10
 さて、我輩の主人のこともすこし話しておかねばならぬ。我輩の主人は八木橋優子という女である。初
めて我輩のもとへ現れたときは16〜7歳位であったと記憶している。我輩の記憶もそこから始まっている。
彼女は今では大学生というものになっておるらしい。毎朝、時間ぎりぎりに起き、飽きもせずに時計を見
ては叫ぶことが日課となっている。大体のところ、我輩には適正なる時間に目を覚ます機能が用意されて
いるのである。それを使わず、毎朝飽きもせずに泣き叫ぶ仕儀に至っては、彼女の不可解なる趣味である
としか言いようはあるまい。
 彼女は大学生というものであるので、必ず大学とやらへ行かねばならぬ義務がある。そのため必ず駅ま
で歩いて電車に乗らなければならぬ。しかし、最近は電車に乗る理由がそれだけではないことに気づいた。
彼女が大学に行くには自転車を使うこともあるのである。しかしながら、ここ最近はなけなしのバイト代
を使って電車を利用することが多くなった。
 彼女が駅を利用すると何回かにいっぺんはある駅員と合うのである。彼女はその駅員を見つけるや否や、
義眼カメラの方向は駅員に釘付けとなる。我輩がすでにきちんと焦点をあわせよく見えるように調節して
いるにもかかわらず、何度も何度も焦点をあわせなおすのである。時と場合によっては厄介なことにズー
ム機能まで使うこともある。
 しかし、それも離れているときだけのことである。近づいてよく見れば、よりよく見えるはずであるが、
不可解なことに駅員に切符を渡す際には必ず下を向いている。これから考えると、彼女は駅員を監視して
いるとしか考えられぬのである。気づかれぬほど離れたところから駅員を監視して、切符を渡すときには
目を合わせない。もし駅員に気づかれてしまっては多大なる危険があるに違いない。実際、彼女が駅員に
切符を渡して通るときは非常な緊張状態を有することが多い。以前に彼女は件の駅員から金をかりたこと
があり、それが何かの理由になっていると思われる。全く、借金などというものはしないに越したことは
ないと思い知ったことであった。

以上です。
513名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:36:24 ID:M2uC16qf0
サポコンの中の人も大変だ。
514名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:00:12 ID:1ApzUfYf0
サポコンは萌えるなぁww
515名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:32:43 ID:MRILr/pW0
そのサポコンは最後、泥酔して水瓶に落ちるのかな?
GJっした。
516名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 02:17:53 ID:KYrz2F/y0
>>510
おれも知りたい。どんな議論があってサイボーグネタがタブーになったの?
517名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 02:22:42 ID:MRILr/pW0
>>516

サイボーグであることの悲哀を描くことが、サイボーグ状態の人(人工関節使用者とか)への偏見につながる、とか
そんなだったと思う。

当事者がというより、クレームで一儲けをたくらむ人権ゴロがそこに噛み付いたって感じだったかと。
518pinksaturn:2008/01/11(金) 17:22:54 ID:iVa84Bbn0
>>515 法案主旨 「義体危険運転致死罪」の新設について
近年、呼気検査が不可能であることを悪用し、多量のアルコール入り栄養カプセルを服用した全身義体者が公道を通行し公衆に危険をおよぼす事案が多発している。
かかる行為については厳罰化が当然である。なお、取り締まりを可能とするためサポコンには義体主の泥酔行動について通報義務を課す。
不正のプログラムを用いて義体者の泥酔を容認または助長し、あるいは通報義務を破ったサポコンは物理フォーマット処分とする。
519adjust:2008/01/11(金) 19:50:46 ID:eDIsFBeJ0
>515
>518
原作のエンディングですね。
猫がびいるをなめて、泥酔して水がめに落ちてしまうことで、元の話は終わりになりますが、
サポコンのぱあいはどのような終わり方になるんでしょうかね

軽い気持ちで書いてみましたが、やっぱり原作のテンポのよさ、生き生きとした
動きはさすがに真似できませんね。細かい動きが書かれているわけでもないのに
マクロに描写して、それで生き生きと動いている。
さすが文豪だということを思い知らされました。

読んでいただいた皆さんへ どうもありがとうございました。

このネタ、水がめに落ちるまでは続けられそうな気がします。
機会があれば、別のエピソード書いてみる人はいませんか?
別の人のサポコンでもいいですしね
520名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 22:26:35 ID:euVOnkt60
>>517
サンクス!よりkwsk!!
521名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 01:57:12 ID:XWw4F9AK0
>>517
そうなのか。しかしサイボーグ物の醍醐味は改造された体を悲しむ哀れみにあるからなあ。悲しんでなくて元気だと萎えてしまう。
522名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:57:17 ID:N2s4PjI10
ここではガンスリとシリウスの痕ではどっちが人気だ?
523名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:47:58 ID:nGVi0a+4O
シリは強制改造(拉致、強要)じゃないのが俺的マイナスかも。
首から下がモロメカ丸出しな一巻、二巻はかなり萌えますがな。
ガンスリは読んでないからわからん。
5243の444:2008/01/12(土) 17:45:44 ID:TJ393USl0
保管庫更新しました。
http://www.geocities.jp/hokuman_hailaer/hokanko/index.htm

manplusさん
なぜか弊サイトの掲示板が見れないため(というか全てのteacup掲示板がここ
一週間ほど見れず。何があったんだ?)こっちに書いておきます。
サイト開設おめでとうございます。過去の作品は加筆の上サイトに掲載されて
いるようですが、自サイト掲載作品について保管庫に保管を続けておく必要は
ありますでしょうか?

adjustさん
ヤギーには補助AIなんて設定がありましたが、役に立たない主人になりかわって
一生懸命本人を真似て頑張る我輩なんてどうでしょうね?

>>517
そういうことだとヤギーは完全にアウトだ。

>>522
ガンスリの義体ってたんなる強化人間みたいで機械っぽさが全然ないよね。
だから萌えない。シリウスのほうがいいな。
525名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:51:46 ID:N2s4PjI10
シリウスは脱走や後半では話が変になったけど、
猟犬として戦い続けてたらここの住人に好かれたかもしれない
526adjust:2008/01/12(土) 22:42:18 ID:05yZh/Mf0
>524  3の444 様
保管庫更新お疲れ様です
当方からはteacup掲示板は見えております。
特につながらなかったという経験もありません
teacupまたは3の444様使用のプロバイダでIP制限がかかっている
可能性があります。
取り急ぎ報告です
527manplus:2008/01/12(土) 23:25:01 ID:JECqC8vg0
大変申し訳ないのですが、連絡掲示板として使用させていただきます。

3の444様
ありがとうございます。
私としては、出来る限り多くの方に本スレの投稿作品は見ていただきたいので、
保管庫での保管は引き続きお願い致します。

自サイト上での加筆修正版は、閲覧していただくとお判りのように、
別作品ではと思う加筆の箇所もあるので、オリジナルとの比較を楽しんでいただく意味でも、
保管庫での保管は続けていただきたいと想っております。
わがままなお願いなのですが、よろしくお願いします。

teacup掲示板の件。私のサイトもteacup掲示板を使用していますが、
問題なく使っております。adjustの指摘されている問題を疑われた方が
好いと思います。

>>522
私も、絶対にシリウスが好いと思っています。
ガンスリは、義体じゃないように想えてしまいます。

adjust様
サポコンも大変なんだなあとadjust様の作品を読ませていただいて感じてしまいました。
ヤギーなどのサポコンも酷使されているのかも知れませんが、
そういう意味では、瞳のサポコンは、むごすぎる酷使をしているということになるかも・・・。
サポコンを労るような作品を書きたいなどとも想ってしまいました。
サイトの方のご意見もお待ちしています。

以上、連絡に使用してすみませんでした。
528名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:04:37 ID:A0JriluD0
>>3の444
テラワロスwwwwwwww
きちんと徹底的に隅々まで情報統制の行き届いた清く正しいお国にお住まいでいらっしゃいますね(プ
情報統制・報道隠蔽・捏造報道あたりまえで狂惨党独裁政権の反日土人国家はこれだからスゲえなwww
諸君、これが情報隠蔽・捏造国家名物の「ネット封鎖」というものですよ!wwwwwwww

日本を捨てて反日国家に逃亡したお前はほう日本民族ではない。
もう日本はお前の故郷ではないし、今さら日本にやってきてもお前に居場所は無い。
敵国厨国人のお前がやってきても、日本人はみなお前をスパイとしか見ない。
それでも日本に侵入するなら、お前は祖国を裏切り捨てる事の意味を思い知ることになるぞ。
これは脅迫ではない。お前への忠告だ。
529名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:13:09 ID:e5cUnSbU0
あ。電波・・・。
530名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:25:50 ID:qxR1Kpfm0
>>522,523
漏れもシリってのを知らないんだが、拉致&強制改造じゃないというのは残念だなたしかに。
531名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:28:06 ID:qxR1Kpfm0
よく見たらまた無学無教養が湧いてるなww
こいつリアル右翼ぽくて笑えるww
532pinksaturn:2008/01/13(日) 09:58:54 ID:zb3bBVlO0
ミキの肩改造手術萌え
http://pinksaturn.fc2web.com/figure20072008.htm#mikinokatayousyuuri
ガラス(グラスファイバー?)→チタンボルト4本
ボディフレーム大修理ハァハァ
重量増加しても4回転は可能だろうか。
533名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 11:09:45 ID:e5cUnSbU0
サイボーグ名作劇場 その2「銀髪のアン」
(あらすじ)
 農業用機械を欲しがっていたカスバート家に、待望の『荷物』が届いた。
マシューは駅まで荷受に行くが、待っていたのは少女型サイボーグだった。
「マシュー・カスパートさんですね。私、サイボーグ協会から派遣されたアンシャーリーです。
アンドロイドのアンじゃなくて、anneのアン。アンドロイドとサイボーグを間違える人がいますけど、
Mr.マシューは間違えないでくださるわよね。でも、なんて素敵な駅なんでしょう!・・・・」

 マシューは愕然とした。欲しがっていたのは農業用ロボットで、こんなおしゃべりな少女型サイボーグじゃない。
(以下略)
534あらすじ師:2008/01/13(日) 11:30:32 ID:e5cUnSbU0
サイボーグ名作劇場 その3「あしながおじさん」

(あらすじ)
 孤児院で暮らすジョージル・ロボットに引き取り手が現れた。
名前はジョン・スミス。条件は毎週改造手術を受けることと
その様子と感想を手紙で知らせること。

 他に行くアテもないジルーシアは生きていくため、
St.ワシントン記念病院の長期入院病棟に入ったのだった。

『親愛なるジョン・スミス様

 はじめまして。私はジョージル・ロボットです。
 最初、院長先生からお話を聞いたときは冗談だと思いました。
私を選んでくださった理由が、苗字が『ロボット』だったからなんて!
院長先生が私の名前をつけるときに使ったタウンページの開いた先が
偶然、産業用ロボットだったと聞いたときは耳を疑いましたが、それ
以上に驚いています。(ハローページを使っていたらこんなことには…)

 さて。
 孤児院から追い出されそうな私を救い出してサイボーグにしようなんて、
変態・・・じゃなくてお優しい方なんですね。
 親さえない私が生身の身体さえ奪れるなんて悪夢・・・じゃなくて、
身寄りのない私が高価な改造手術が受けられるなんて夢のようです。』
(以下略)

535名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 18:19:30 ID:tYv6kT9x0
>>534
面白いです。
小公女セーラはどんな感じ?
536名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 19:56:45 ID:F2x9TRZk0
>>533 サイボーグのアン、なんかイイ
537名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:09:09 ID:Xfq8URHl0
な、なんか新しいジャンルが生まれる?
とても新鮮な気がする。
期待していいのだろうか(ドキドキ)

538名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:10:32 ID:iU1RFMbC0
>>535
出たなロリww
539ぬこぬく:2008/01/13(日) 22:34:43 ID:qjP4CBiC0
俺も好きなアニメとかを脳内で勝手に改変して妄想してしまうことが
多々あるんだが、
やっぱ同じよーなこと考える人っているんだなw
安心した。
540あらすじ師:2008/01/14(月) 03:16:45 ID:2ovii3JI0
旧名「14-244」でございます。御声援ありがとうございます。^^;
前回もプロットだけで逃げました。(人格付与型のサポコンの話だっけかな?)

今回も書き逃げ。しかも原典読み返さずにノリだけで書き散らしてます。
申し訳ありませんが続きは期待しないでください。ごめんなさい。
541あらすじ師:2008/01/14(月) 03:24:39 ID:2ovii3JI0
「アン」の創作ノート的メモ。

ギルバートと喧嘩して石板で殴るシーンとロボット三原則をどう絡めるかとか、
アンがダイアナに葡萄ジュースと間違えて燃料を飲ませちゃう話にしようとか、
高熱を出したダイアナの妹を助けるシーンも使えそうだなーとか。

『サイボーグは人間。ロボットじゃないの!』って叫びを横糸として織り込むと、
面白い作品に持っていけるかも知れませんね。^^;
542あらすじ師:2008/01/14(月) 03:30:27 ID:2ovii3JI0
「あしながおじさん」の創作ノート的メモ。

改造内容を本人から報告させるって感じで、鬼畜系の王道で書き始めました。
このまま行くと原作からの乖離が激しすぎてパロディーとして体裁が保てなく
なること必至。
ストーリー上一気に手術するわけには行かないのに、小まめに改造する理由付けが
弱くなりそうなので、書き辛そうな雰囲気濃厚です。^^;;
543pinksaturn:2008/01/14(月) 09:10:18 ID:DgnCLwky0
>542 スミスって鍛冶屋じゃん。
自宅工房でジョージルに贈るパーツをせっせと製作するジョン・スミス氏を想像してしまったよ。
「両足首が出来たから早速贈ってやろう。初めてでも足首切断くらいなら必ず成功するよね。
これだけだと電源が無くて歩きにくいから、早く膝下まで作ってあげなくちゃ可哀想だな。
チタンの板金はしんどいけど頑張るぞぉ。」
544名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 10:09:54 ID:hVLBNXRj0
あしながおじさんはpinksaturn氏でしたか
って冒頭でいきなり正体をばらすとわ
贈るものによってはホラー方向に脱線しそうな予感
545名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 15:25:43 ID:kSxlX0Ry0
>>543
「どろろ」の百鬼丸(正確にはその養父となった爺さん)だな。こうなると。
546Dear Sisters(架琉魔):2008/01/14(月) 18:08:24 ID:x/k2S1660
act1:助け出された少女

深夜…ある山脈の奥深く、自然に包まれた山中に明らかに異質な建造物が建っていた。
パイプで表面を覆われたそれはまるで何かの工場だった。
それを見おろす位置に立つ二人の女性。
いずれも流れるような長髪に赤いアンテナが二本、頭部から生えている。
方や全身を多い隠す裾の長いコートを羽織った女。
方や動きやすそうなタンクトップにジーパンを履いた女
「ここが、あの子のいるプラントね…」
「ニュースから半年もかかっちまったな…
生きてたとしても多分、もう…」
タンクトップの女が言いかけたのをコートの女が制止する。
「生きていたら、それで良いの。
私たちだってそうでしょう?」
コートの女が優しく微笑むと、銀色のポニーテールがサラリと揺れた。
「じゃあ、行こっか。」
二人は森の中に消えた。

(…揺れてる…。)
建物の奥底で少女は不意に襲う不快感に目を覚ました。
少女は不定型な椅子に座らされ、体の至る孔にチューブを挿れられれる
定期的に点滴を刺し、また定期的に身体能力をを測定される。
その間彼女は遠くの振動を感知できるようになっていた。
それを半年間繰り返されていた彼女は今日も考えるのを辞めた。
547Dear Sistrs(架琉魔):2008/01/14(月) 18:09:02 ID:x/k2S1660
重い金属の扉を開ける音がする。
暗い部屋で明かりを灯したのは二人の女。
そして不定型な椅子とつながった少女を見て
コートの女は顔をしかめ、タンクトップの女は口元を押さえた。
「これは、何の為にこんな事…」
「ひでぇ事をしやがる、生かして吊るすべきだった…!」
タンクトップの女が舌打ちして壁に拳を叩きつける。
コートの女は少女につながったチューブを一つ一つ抜き取る。
そして目隠しを取ると、そこには青とオレンジの、光を反射しない瞳が二つあった。
「遅すぎた…っ!!!」
コートの女は悔やむように俯いた。
548Dear Sisters(架琉魔):2008/01/15(火) 17:56:29 ID:Zj5SNC2n0
間が抜けましたスマソ
(2/3)

建物の廊下に視点は変わり、血塗れの男が壁に叩き付けられる。
男が睨んだ先にはコートの女。
「ぐふぅっ!!…貴様、何者だ…」
「聞いているのは私の方。
半年前、貴方たちが誘拐した子は何処にいる?」
男は口を噤み離そうとしない。
コートの女は落ちている無線を拾い上げスイッチを入れた。
『司令室、司令室!!!こちら第四防衛ライン!!!
現在所属不明の戦力と交戦中!!!
至急増援を、繰り返す至急増援を!!!』
答えようとする男の口を手で塞ぎ、コートの女が答えた。
男と全く同じ声で。
「『実験体の処分を優先する。増援は、その後だ。』」
『そんな、地下37階だぞ!?
片道だけでどれだけかかると思っているんだ!!!
時間がない、間違いなくあれはNo.4…』ブツッ
不快な音を立てて通信が途絶えた。
おそらく、連絡を入れていた無線が壊れたのだろう。
男は無線から聞こえた『No.4』という単語を思い出して顔を青くした。
「No.4は死んだはず…まさか…まさか貴様等…!!!」
「…ここで灰になるのと、組織本部に逃げ帰って実験体に降格するのと、どちらを選ぶ?」
男は完全に答えることができなくなった…。
無線から、タンクトップの女の声が聞こえる。
『あ〜もしもし、こっちの連中は灰を選んだみたいだぜ。』
549架琉魔:2008/01/15(火) 18:27:20 ID:Zj5SNC2n0
挨拶代わりでミスをする、架琉魔です。
DarkMaterの続きが浮かばず、溜まってきた改造衝動を放出するため
全く別のシリーズを始めてみましたとです。

>>545
生き残って息子への仕送りチックにスペア義肢を届ける養父さんを想像して不覚にも萌えました。
最近出てきたどろろ凡も、原作レイプ気味に思えますがサイボーグ娘なので良しとしてます。
550Dear Sisters(架琉魔):2008/01/15(火) 19:16:06 ID:Zj5SNC2n0

壁を破壊し、何者かが暗い部屋へと侵入する。
それはグロテスクな肉塊をあちこちに貼り付けたようなロボットだった。
「さしずめ本部から支給されて来た安物の防衛システムって所か。」
タンクトップの女が左腕に力をこめる。
左手の皮膚が分解し、内部から出てきたパーツと入れ替わる。
それは銀色の手甲のような物だった。
「変っ身!」
タンクトップの女が掛け声を上げると、四肢の皮膚が分解。
内部から出てきたパーツと入れ替わる。
赤いアンテナに耳のようなパーツが被さり銀のヘルメットと漆黒のバイザーが頭を覆う。
同時にタンクトップの上を銀の甲冑が覆う。
その姿は、正に狼を擬人化したようにも見えた。
551Dear Sisters(架琉魔):2008/01/15(火) 19:46:40 ID:Zj5SNC2n0
No.4たる姿を明かしたタンクトップの女が体格差のあるロボットを一撃で蹴り飛ばす。
それによってロボットが塞いでいた部屋の出口への道が開いた。
「今だ、壱織姉!!その子を連れて早くエレベーターに!!」
壱織(いおり)と呼ばれたコートの女は頷いて少女を抱え出口へ向かう。
ロボットがそれを静止しようと立ち上がるが、その眼前にNo.4が立ちはだかる。
握った拳に電流が走る。
「邪魔を…すんなぁ!!!」
まるで巨大な鉄塊に鉄穿弾を打ち込んだような轟音を立てて
拳をロボットの腹部に刺し込む。
そしてロボットの内部で拳を開き、掌を高速振動させてその巨体を弾き飛ばす。
「早く!!」
上昇中の簡易エレベーターの上から壱織が手を差し出した。
No. 4は跳躍し、手を掴む。
「よいしょお!!!!」
壱織が力いっぱいにNo.4を引き寄せる。
コートの袖と黒い手袋の隙間から緑色の装甲が見えた。

3人が山頂に辿り着いたその時、建物は大爆発を起こした。
「はぁ、はぁ、はぁ…助かったぁ。」
息を切らしているNo.4.
「後は、この子をどうするかだね。」
少女を担ぎながらも少しも息を切らさない壱織。
山中の道路に出たところで車のライトが3人を照らす。
眩しさに光を映さない目を顰める少女。
「おぅい、もういいのか〜?」
車の中から渋い年輩の男の声が聞こえる。
壱織とNo.4は微笑み、応えた。
「「ただいま。」」

Act1…Fin
552Dear Sisters(架琉魔):2008/01/16(水) 21:55:26 ID:MHM3gGyP0
act2:改造された少女達

夜の山動を黄色い車が走る。
運転をしているのは大柄な巻毛の中年。
「そいつが、半年前の被害者か。
髪の色まで変わっちまってるじゃねぇか。」
少女の髪は淡いクリーム色、日本人にはあり得ない色をしていた。
そして頭に生えた二本の白いアンテナは
少女が不可逆なまでに改造を受けた証だった。
何にも反応しない少女の目を見ても、少女の今後が絶望的に思えた。
それを鏡で覗いた中年は少女を哀れんだ。
「せめて日常生活を送れるほど、組織の技術が進んでいることを祈るしかねえな。」
中年が言うと壱織が心配そうに言った。
「大家さん、もし…駄目だったときは…」
「いいさ、変な住人にはお前等で慣れてるよ。
それよりは受け入れられる事を願えよ。」
大家さんと呼ばれた中年は壱織を見た。
そしてある事に気付く。
「おい、その子最初からそんな蒼かったか?」
「ふぇ?そういえばさっきから小刻みに震えてるような…」
壱織の返答を聞いて大家さんの予感は確信へと変わった。
少女は涙目で何かに耐えていた。
「………………うぇっ………」
車は急ブレーキした。
553DearSisters(架琉魔):2008/01/16(水) 22:18:34 ID:MHM3gGyP0
突然の急ブレーキで、今まで熟睡していたNo.4は目を覚ました。
「ぷぁっ!?なんだ何だぁ!!?」
「紅葉!!!そのガキ連れて早く道際に行け!!!!」
「ひゃいっ!!!」
大家さんの怒号に驚いたNo.4は言われるがままに車を出た。
紅葉(もみじ)とはNo.4の人間としての呼び名らしい。
「よし、そのままその子の背中をさすれ。
優しくだぞ。」
「???」
寝起きの紅葉はそのまま少女の背中をさすった。
「う…うえぇっ…」
それを車から見ていた大家さんは…
「…生身と変わりないみたいだな。」
と暢気なため息をこぼし、壱織は少女の吐いた物体を見ていた。
クリーム色のゲル状の物体。
建物の地下で、少女が絶えず注入されていたものだった。
「ファウスト…っ!!!」
壱織は、少女を非道な器具に繋ぎ自分達を人外へと改造した組織の名を憎々しげに呟いた。
554名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 00:31:50 ID:4Ofp4hAx0
ttp://www.asahi.com/science/update/0115/OSK200801150077.html
万能細胞実用化でサイボーグ、特に医療福祉用みたいなのはもうないかな
と思っていましたが、どっこい実現は近いのではないかと。
脳据え置き型サイボーグとかできそう。
555名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 09:08:27 ID:+G/brz9i0
>>554
身長155cmって…チェン氏どんだけ小さいんだよw
556manplus:2008/01/17(木) 18:24:54 ID:Z3++SvTM0
架琉魔さん。

久しぶりの作品楽しみには意見しています。
サイボーグも車酔いをする可能性があるんですね。確かにその通りなのですが・・・。
やられました・・・。
少女は建物の地下でどの様な行為をされたのか先が楽しみです。
557Dear Sisters(架琉魔):2008/01/17(木) 20:28:44 ID:xA6GGhIX0
夜明け、車はとあるアパートの前に止まった。
「他の住人が寝てるから静かに帰れよ。」
「「はぁぃ。」」
二人は小声で返事すると、少女を壱織が担ぎ鉄の階段をそっと上って行った。
それを確認した大家さんは安心のため息をこぼし、自分の部屋へと帰っていった。
菅原 大樹(すがわら だいき)37歳独身は生身の一般人である。
この中年が何故、彼女達非日常の存在と関わるようになったのかを語るのは
まだ遠い先のことである。

「はいよ手を上げな。」
紅葉は少女と一緒に風呂場の前で服を脱いでいた。
少女も、紅葉の言うままに今や服とは言えない布切れを脱いだ。
「言ってることは解るみたいだなぁ。」
生まれたままの姿(?)となった二人は遠目にみると生身の人間に見える。
だが、紅葉の横顔には耳がなかった。
代わりにあるのは銀色のアンテナ。
頭部の赤いアンテナこそが彼女の耳なのだ。
しかし…
「この子には…耳があるな…。
一体どんな改造を受けたんだ?」
558Dear Sisters(架琉魔):2008/01/17(木) 21:31:26 ID:xA6GGhIX0
壱織は二人が風呂に入っている間テレビでニュースを見ることにした。
壱織はあの二人とは根本的に仕様が違うのだ。
風呂には浸かれるが、浸かる意味がない。
『昨日午前8:45に、近隣住民の通報により
東京都杉並区在中の…さんがロストしていたことが判明しました。
付近の皆さんは戸締まりに細心の注意を払って下さい。』
「またか…。」
ロストとは、近年発生し続けている連続誘拐事件の総称である。
一般には、そう語られているが
実際、その現象の正体は秘密組織『ファウスト機関』のヒューマン・ミューティレーションである。
壱織は悔やんだ。
ロストした人間をどれだけ探しても見つけるには何ヶ月もかかり、その度間に合わなかった。
その様はまるでイタチごっこなのだ。
559Dear Sisters(架琉魔):2008/01/17(木) 22:10:27 ID:xA6GGhIX0
一緒に風呂に入りながら、紅葉と少女は黙っていた。
「………なぁ、なにか話せるか?」
先に口を開いたのは紅葉だった。
性格上、紅葉にはこの静寂は耐え難いらしい。
「ん〜と、名前は…」「りさ…五花 梨沙。(いつか りさ)」
少女、梨沙は消えそうな声で答えた。
それを聞いた紅葉は嬉しくなって続けた。
「梨沙ちゃん…か、良い名前だ。
あたしは四季 紅葉で、もう一人は桜 壱織、それで…」
「…次はいつチューブを挿し込むの…?」
「……っ!!!」
紅葉が梨沙の方を見ると、梨沙は泣いていた。
梨沙が地下で受けた非道、大小不気味なクリーム色のゲルを絶えず吐き出すチューブを
口・鼻・耳・菊穴・そして幼い秘所…体中の穴という穴に深く挿し込まれ
ゲルを体内に吐き出される度、それが体中の細胞を蹂躙する。
暗い闇の中ただ自分が書き換えられる恐怖におびえる毎日。
「…梨沙ちゃん、あたし達はあいつ等とは違う。
もう君は自由なんだ、あんな酷いこともうされないで良いんだよ。」
「…同じことをしてた…。
聞こえた、怖い声を出して逃げる人達を、潰して、潰して、潰して…」
紅葉の表情に旋律が走る。
「あの人達がパパとママを殺したみたいに…。
560架琉魔:2008/01/17(木) 22:29:54 ID:xA6GGhIX0
実はロリの気まである、架琉魔です。

manplusさん
有り難う御座います、期待に添えられるようがんばりますとです。
女医もそうですが、薬品やナノマシン等の代謝を利用した機械化はサイボーグたり得るのか不安だったりします。
少女梨沙が酔ったのは彼女が限りなく人間に近くそれでも感覚機関が発達してるからです。
次は王道サイボーグである紅葉の苦悩や壱織の変身を書こうと思います。
561Dear Sisters(架琉魔):2008/01/18(金) 22:30:24 ID:4Xlkdmue0
その言葉が、紅葉にどれだけ重くのしかかっただろう。
紅葉本人も、自覚はしていた。
建物に進入する際、どれだけ多くの戦闘員を殺したか…
(久々の狩りだ…遠慮できる訳がない…)
「…っ!!!」
心のどこかで囁いた紅葉は両手で自らの顔をバチバチ叩いた。
紅葉はこの程度の衝撃で痛みを感じることはない。
これは紅葉なりの気付けだった。
「…確かに、私は汚れてる。
だから梨沙ちゃんだけは綺麗に日常に返してやりたいんだ。」
ニッと作り笑いをする。
「………。」
「信じてくれなくて…結構だけどさ。」
結局、梨沙は紅葉に気を許さなかった。
それでもいい、梨沙は明後日には親族に会わせる予定だ。
梨沙を受け入れて貰えるために綺麗にする。
汚れた自分は受け入れて貰えなかったのだから…
562Dear Sisters(架琉魔):2008/01/18(金) 22:31:32 ID:4Xlkdmue0
夢とは眠っている間に記憶をリフレインさせる作業であるという説がある。
その晩、紅葉は過去の夢を見た。
『やだぁっ!!やめて!!助けて!!
機械の体なんかなりたくない!!!』
紅葉もまた、ロストの被害者として
ファウスト機関に誘拐された実験体だった。
『おぉ、今回の実験体は元気なお嬢さんじゃないか。』
『ひっ……。』
機関の幹部らしき男が生身の紅葉の顔を覗きこむ。
そして手に持ったナイフを左手首に深く突き刺した。
『ぎゃいっ…あぁ…いあぁぁあああっ!!!?!!』
ナイフを捻り込まれる激痛に紅葉は悲鳴と言うにはあまりに本能的な叫びをあげる。
『手術を受けなければ痛みに解放されず死ぬ。
受けたいだろう?』
…頷かざるを得なかった。

狼のような体と最新の変身機構を与えられた紅葉は組織の暗殺班に道具として使われた。
消去対象は組織をおうあらゆる政府機関の長達。
対象を補足する度に首輪のような受信機構から衝動を送り込まれる。
最初は必死で抵抗する、しかし勝てたことはなかった。
(殺せ!!狩れ!!喰らいつけ!!!!)
(やだ…あたしは人間だ…犬じゃない…骨を折る感覚も、肉を喰いちぎる感覚も…気持ち良くなんか…なんか…)
563Dear Sisters(架琉魔):2008/01/18(金) 23:03:03 ID:4Xlkdmue0
どれだけ言い訳を考えても、その感覚を思い出す度に
全身を催すような感覚が沸き身を捩らせる。
人間形態で苦しむ私を心配し、対象が紅葉の肩を叩く。
『うぁ…あああぁぁぁあああっ!!!』
その瞬間、紅葉の脳の奥底が爆ぜた。
肩を叩いた手を握りつぶす。
肘で胴体の内蔵を押しつぶす。
頭を掴み体から引き離す。
まるで鬱憤が溜まった状態でぬいぐるみの手足をもぐ様な、それを何倍にも凝縮したような快感が両手を襲う。
『はっ…はっ…もう終わり?
周りの護衛でヤってもいいの?』
死体の肋骨を踏み折りながら先ほどまでの紅葉とは全く違う
快感に酔った声で首輪への送信者へ問う。
答えは、更なる衝動。
『ひはっ…いっぱい…殺せるぅ…vv』
パブロフの犬、それは当時の紅葉をもっとも正確に表せる言葉だった。
564Dear Sisters(架琉魔):2008/01/19(土) 04:55:41 ID:tTkud0580
『はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…あは…』
理性と記憶は虐殺が終わって余額に浸っている間に帰ってくる
(もう少しこの快感に浸っていたい…)
そう思った時点で、紅葉はもう後戻りができないことを悟った。

それから数週間後の事だった、桜 壱織の抹殺指令が出たのは…
最初は、ただつまらなく感じた。
(なんだ…たった人間一人、快感に酔いきることもできない。
せめて人間としての後悔が残らないように殺そう…)
『君…名前は?』
『うん?』
突然話しかけられる。
『人間だった頃の名前。』
…ファウストのかなり深い所まで知っているようだ。
抹殺指令が出るのも当然、なら隠す必要もない。
衝動に任せて変身する。
『四季 紅葉、今はもうパブロフの犬。』
紅葉の返事を聞くと壱織はくすすと笑った。
『よかった、君はまだ答えられるんだね。』
言いたいことは解る。
私の他にも、改造を受けた仲間は沢山居た。
彼らは快感に完全に溺れきっていた。
『だからなんだ。』
『君を…助けられるかもしれない。』
紅葉は鼻で笑った。
『はっ、できるものなら!!』
右手に放電した電気が走る、そして拳を振り下ろす。
『助けてよ!!!!』
565Dear Sisters(架琉魔):2008/01/19(土) 05:56:11 ID:tTkud0580
自分の為にせめて一瞬で殺そう、そう思っての電磁加速ブロウだった。
しかし、拳は壱織にあっけなく掴み取られる。
黒い手袋に放電した電流が逃げていくのが見て解る。
紅葉は動揺した。
『な…何で…?』
丸く優しそうな壱織の目が一瞬で鋭くなる。
『その首輪か……』
紅葉の手を振り払い、バックステップで大きく下がる壱織。
裾の長いコートを翻し、頭を隠す帽子を脱ぎ捨てた壱織を見て紅葉は確信した。
赤いアンテナ、胴回りの変身機構…
彼女もまたファウストのサイボーグだった。
だが壱織は顔を除いて殆ど機械の体を晒した状態だったのだが…
『変身!!!!』
壱織がコートを脱ぎ捨てて叫ぶ。
変身機構のバックルが唸り、壱織から発された熱風が辺りを覆う。
人工皮膚の周りを甲冑が包み込む。
頭部を緑のヘルメットと漆黒のバイザーが覆い
ヘルメットに束ねられた髪は熱を持って発光する。
それはまるでヒーローの出で立ちだった。
『あんたもサイボーグ…それも…』
『スプレーがないと肌も偽れない旧式よ。』
壱織は人間の常識を無視した加速で紅葉に積め寄る。
それが紅葉に恐怖を与える。
『う、うあああぁぁっ!!!』
紅葉は全力で壱織の全身を蹴りあげた。
566Dear Sisters(架琉魔):2008/01/19(土) 06:37:57 ID:tTkud0580
壱織の体が宙に舞う。
しかしすぐに体制を正し落下してくる。
『ふぅっ…んぁ…あぁっ…』
それを待っている間首輪から激しい衝動が送り込まれ
紅葉は呻き声をあげて立ち眩みを起こす。
(何故狩れない!!殺す!!割る!!砕く!!従う!!)
『もう…嫌だあああぁぁっ!!!!』
高速振動と高電磁、二つを兼ね備えた凶器の拳を落下先に振る。
しかしその直前に壱織は空気を蹴った。
完全に振り上げた拳は戻せない。
反射的に蹴り上げようと片足を動かすと反対の足を払われバランスを大きく崩す。
そして顎に掌打を叩きつけられる。
『ぎゃんっ!!?』
脳を大きく揺さぶられ、暗転。
首元を引きちぎられた感覚の後、紅葉は思考を手放した。

どうやら組織では死んだという事にされていたらしい。
首輪を外されれば、変身機構の調整ができなくなり
暴走して死に至るからだ。
しかし、改造を受けた際、生命維持のため最も重傷を負っていた左手首が変身の要となっていた私は奇跡的に、助かった。
567Dear Sisters(架琉魔):2008/01/19(土) 07:26:05 ID:tTkud0580
目覚めが近いらしい、夢は段々短い映像がフラッシュバックするようななってくる。
『そんな汚らしい人形が私の娘なものか!!
侮辱も対外にしろ!!!』
紅葉はその後家族の元に送られた。
改造前の記憶の大半を〈調教〉によって埋められていた紅葉は自分が良家の生まれだったことに驚いた。
しかし、紅葉の父は紅葉を頑なに拒絶した。
紅葉にはもう帰る場所がなかった。

『ねぇ、良かったら一緒に住まない?』
『へ?』

「…懐かしい夢を見たな…。」
時計を見ると午前11時、随分長い間寝ていた…
「…ん? どした?」
横にはおびえきった顔で正座する梨沙。その前に置かれた置き手紙を読む。
「え〜なになに?
梨沙ちゃんの服を買ってきます。
大家さんには見つからないようにして下さい。
あの人のことだから「服買う金があるなら家賃払えよ。」と言いそうですから…」
…あれ?おかしいな、今声がかさなったぞ?
後ろを向くと、そこには鬼が居た。
「そりゃないよ壱織姉ぇ…」
紅葉は現在の驚異を相手に通用する言い訳を考えた。
568架琉魔:2008/01/19(土) 07:35:57 ID:tTkud0580
思ったより回想が長くなりました、架琉魔です。
微妙に人間の外見が残ってるとサイボーグの精神負担は大きい気がするんですよ。
精神浸食も薄目が好きな私は薄味派でしょうか?
プライドと衝動の狭間萌えとです。
569ヒロイン紹介1(架琉魔):2008/01/22(火) 18:47:26 ID:vXuVRAnv0
せめて562>567の改装シーンの視点は統一した方だったかも、架琉魔です。
登場人物の設定をまとめます。

桜 壱織:
秘密組織ファウスト機関に立ち向かう最初のサイボーグ。
人命を尊重し、助けられるのであればいかなる強敵であろうと全力で助けようとする。
医者か科学者だったらしく戦いながら紅葉の調教首輪の不調に気付くが改造前の経歴は明かされていない。
一方でファウストに所属する人間や手遅れなまでに洗脳・調教されたサイボーグには冷酷な扱いをする。
敵との性能差も大きく覆すほど冷静で人生経験も豊富だが
安心すると部屋の鍵や財布を忘れるなどうっかりしたミスを連発する難癖あり。

四季 紅葉:一年前壱織に助けられた戦闘用サイボーグ。
昔は良家から拉致された令嬢で手術に抵抗した際
幹部らしき男に重傷を負わされ受けることをを余儀なくされた。
ファウストでは殺人衝動を植え付ける調教首輪をつけた上で要人暗殺・要組織破壊を強要されていた。
それ故か首輪を外された今でも本人が抑えられる程度であれ殺人衝動が出ることがある。
明るく気丈に振る舞うが本能と理性の狭間で絶えず苦しんでいる。
570名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 04:23:32 ID:mieJtodz0
>>148
遅レスだが、機械化率は少ないけど、人間の姿形が残ってないのとほぼ見た目はほぼ人間だが中身はほとんど機械に改造されているのってどっちが萌えるかな?
自分は両方好きだが
571名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 08:26:29 ID:LAiWT83D0
俺的にも、生体脳や自我が残っていれば両方ストライク。
572架琉魔:2008/01/23(水) 14:52:06 ID:Yd1TtSZW0
私も脳と自我が残ってれば両方壺とです。
人形化は少し苦手とです。

原型とどめてないので一番好きなのは某絵板保管庫の仮面ライダーモトカノですね。
水溜まりが嫌で急ブレーキするバイクが可愛い。
573Dear Sisters(架琉魔):2008/01/23(水) 21:35:23 ID:aSzldW1E0
act3:野菜スープと恐い顔

東京の込み入った車群の隙間を緑色のバイクが走り抜ける。
「〜♪」
鼻歌を歌いながら梨沙の服を買いに走る壱織は
部屋の鍵を閉め忘れていたことに未だ気付いていない

一方、壱織達の住むアパートの一室に硬直した空気が立ちこめる。
その原因はアパートの主である菅原 大樹…大家さんの恐面だろう。
昨夜巨大組織の一端と戦い、勝利した紅葉でさえまるで蛇に睨まれた蛙のように動けない。
彼女相手に生身でこれだけの迫力が出せるこの男は
壱織に三ヶ月分の家賃をごまかされている。
置き手紙にあった内容も今知られただろう。
紅葉達サイボーグも、ヘルメットに守られていない時に鈍器で殴られれば疑似的な痛みが脳に警告を発するようになっている。
かつてうけた大家さんの拳骨は鈍器の域に達していることも紅葉は知っている。
一触即発、梨沙にいたっては顔だけで涙目になってしまっている。
涙腺があれば、恐らく紅葉もそうなっている。
しかし、静寂は突然中断された。
きゅうぅ…
梨沙のお腹が鳴ってしまった。
梨沙も先ほど起床したばかりだった。
「ふうぅ…。」
胡座をかいていた大家さんはため息をつきながら立ち上がった。
574Dear Sisters(架琉魔):2008/01/23(水) 21:36:49 ID:aSzldW1E0
生理的なものであれ、この空間に動きを与えてしまった事を理解した梨沙は必死で首を横に振る。
しかし大家さんは梨沙に向かって歩を進める。
足音が凄く重く聞こえるのは幻聴なのだろうか。
大家さんの手が梨沙の頭に延びる。
梨沙は反射的に目をつむった。
しかし大家さんの手は梨沙の頭をくしゃくしゃと撫で回しただけだった。
やがて大家さんは台所を向いて言った。
「飯作ってやる、食えるか?」

食卓に出されたのは三杯の野菜スープ。
普通に見て美味しそうな見事な作りである。
しかし梨沙はそれを前にしても匙を持とうとしない。
半年間得体のしれない物体を飲まされ続けた梨沙は何かを口に入れる事が恐怖になっているのかもしれない。
大家さんは腕を組んで見ている。
「なかなか食わねぇな…」
紅葉は一口掬ってのんでみせた。
「ほら、飲んでも大丈夫だから。」
と言っても紅葉には味覚は無く、成分表示と保有アミノ酸量表示が視界に映るだけであるが
暖かいと言うことだけは理解できた。
それを見て、梨沙はやっと恐る恐るスープを口に運ぶ。
大家さんが息を飲む。
「………!!」
梨沙の瞳が一瞬ではあるが初めて光を映した。
そして次々と匙が進むようになる。
575Dear Sisters(架琉魔):2008/01/23(水) 21:38:10 ID:aSzldW1E0
大家さんはその様子を見て嬉しそうに岩のような顔を綻ばせた。
「おぉ食った食った、旨いか?」
…………こくり。
梨沙は小さく頷いた。
紅葉がこのアパートに来て一年、度々見かける大家さんの優しい笑顔は時に壱織を思い起こさせる。
彼がどのような形で自分達に関ったのか謎ではあるが
どんなに恐い顔で乱暴だろうと
彼は基本的に善人であると言う認識を紅葉は再確認した。
「家賃の話は、財布持ってる壱織が帰ってからだからな。」
…………。

スーパーで壱織が選んだのはオレンジ色のセーターと赤いチェックのスカート。
それらを持ってレジへ向かう。
「2800円になります。」
そう言われてコートのポケットを探ると、壱織は気付いた。
「す…すいません!
財布を忘れてしまったので、取ってきます!」
そう言って走っていった壱織を見送り、店員は預かった服をとりあえず袋に積めて次の客を招いた。
576名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 02:21:46 ID:oeec9Xz90
>>572
>絵板保管庫の仮面ライダーモトカノ
kwsk!!
577名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 07:48:41 ID:HhpZyXeO0
>>576
とりあえずぐぐってみたら?
同じのかどうかわからないけどそれっぽいのは出てきたよ
578名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 23:05:13 ID:KFZr8ffG0
普通に見つかったよ。
モトカノをバイクに改造しちゃうってどーよ?w
579名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:12:34 ID:+/MKT08Z0
MOTO彼女、ってことだろうな
580名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:26:20 ID:CNxkTWoQ0
バイク型サイボーグ娘は、顔だけは残ってる方が好きだな。
もき氏が描いた絵で、バイク娘(顔はある)に女子高生(?)が乗ってるのがあった。
あれがバイク型に改造されたサイボーグ娘だったら…と補完してた。
一応人間型形態に変形できる設定みたいだけど、バイク型はバイク型だけの方が好み。
でもちゃんと人間扱いされてて人間として暮らしてるのが好き。

そういえば昔、某サイボーグ娘CGサイト(3DCG系、Poser系じゃないアニメ調の体型)で
バイク形態になるサイボーグ少女のCGがあった。
どうも手足を取り外してバイク形態になってるようで、それが萌えた。
581名無し@ピンキー:2008/01/26(土) 09:04:13 ID:v+KTqugO0
>バイク型サイボーグ娘
破李拳竜御大作品にもありましたね。
582名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 10:06:01 ID:2ggu2Asm0
>>577
ぐぐって線画は見つかったが、萌えるようなものは見当たらなかったよ
違うサイトだったのかな?
583名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 12:05:41 ID:QtYSQpDN0
線画から脳内補完で萌えられませんか?
584名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 12:27:55 ID:k0h98EBl0
すいません萌えられませんでした
585名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 11:32:59 ID:I4zDtKAg0
586名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 19:27:24 ID:3hzvbRe30
保守
587名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:09:39 ID:hxXGCssB0
588名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 02:42:50 ID:kRFcSyuM0
いちいち保守らなくていいよ
せっかくレス付いてると思って見たら「保守」だとますますウザイ
589名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 07:50:55 ID:kZzjoMD10
VIPPERなどには信じられないかもしれないが
1週間レスがなくてもデータ落ちしないんだぜ
590名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 10:11:28 ID:xLwGrY8g0
SS書いたりしてる人のモチベーションを下げようとする同人妬み厨を装ったり、ウヨサヨ論争を装った工作でスレが埋まるよりは書込み無いほうがマシだしな・・・・・
591名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 01:02:21 ID:+B7/a9EI0
お前のそのレスが、まさに無いほうがマシだww
592名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 01:58:26 ID:muPT+94n0
特撮!板の改造スレに、サイボーグ改造SSの良品が投下されたもよう
http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1201519674/164-181
593名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 09:35:51 ID:tgBkqqIO0
>>592
重要情報サンクス!
594名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 15:28:41 ID:6fPnewqZ0
595名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 22:42:02 ID:yzxkRq+p0
話の内容は全然面白くないね。
でも着眼点がメチャクチャ面白い。

名刺の裏に連載書かれたら迷惑だよ!w
596名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 02:51:16 ID:aoNB+9ta0
594のこと?
黒背景に濃紺フォントでとても読めたもんじゃない orz
2行で止めた
597名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 11:19:49 ID:C3a3b0te0
サイボーグ009はほとんど見たことないんだが、萌え視点的にはどうなの?
598名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 12:47:40 ID:wEPZGyhI0
単なるSFやアクションには興味湧かないもんな。モッキするかどうかだよな。
拉致されて無理矢理改造されたそうだけど、そういうシーン多い?
599名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 20:22:34 ID:uxBVPymW0
>>597
自分の娘を助けるために義理の娘の体をこっそり機械化して、取り出した
内臓を自分の娘に移植していく。でも機械化率が高くなるごとに義理の娘に
麻酔が効かなくなってしまい、とうとう…
なんて話なかったっけ。あれはかなり萌えた。
600名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 22:03:39 ID:HNo+I5du0
>>599
なに!?それは石の森らしい鬼畜な話だなww
強制改造シーン多い?
601名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 11:32:02 ID:dDwCjiBj0
藻前等的には萌えなサイボーグものは何よ?
602名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 19:38:02 ID:xIPkU8ar0
薄幸モノ萌え。ブルーソネットとか。ヤギーとか。
苦悩系も良いね。009のギルモア博士とか。
603名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 20:27:30 ID:uZMsxL9Q0
シリウスの痕はあと一人くらい主要キャラにサイボーグがいればよかったんだけどな。
銃夢は個人的に絵が好きになれん…
漫画では他になんかある?
604manplus:2008/02/17(日) 20:39:15 ID:0TBHbZQe0
 ミンメイの手術の第2日目は、開腹したままの胴体をそのままにして、頭部の処置に移った。
 まず、石坂はミンメイの口腔部と鼻孔部の手術を開始した。
ミンメイの鼻や口は、基本的には生体のままで残されるのであるが、
味覚や嗅覚の感度をミンメイが自動的に調整できるようするシステムや音声発生器で作られるミンメイに
新しい肉声を外部に拡声するためのスピーカーや無線などによるコミュニケーションシステムが取り付けられていった。
しかし、ミンメイ自身は、機械の身体になったことを普段の生活で実感したいために、
宇宙開発用とや平気型サイボーグなどの特殊用途サイボーグが一般的に径口するサイボーグ専用生体部分用の
栄養液しか口にしなくなることを石坂は理解しているのだが・・・。
口腔部の手術の後は、視覚の手術がミンメイを待っていた。
ミンメイの視覚は、高感度でしかも超高倍率のズーム、赤外線暗視システムの補助による超高感度映像補足システムや
視覚データー解析システム、データーマウントディスプレイシステムなどの機能を内蔵している高性能、
高解像度デジタルカメラ視覚システムに置きかえられた。
ミンメイの視覚システムは、ヒトミに試されて搭載された、外部カメラからの視覚データー受け入れシステムも
取り付けられ、外部カメラによる視覚データーを自分の視覚に出来るように首筋に視覚データー取得用
コネクターソケットが取り付けられた。
このシステムにより、瞳は、森田との視覚データーの交換を瞬時に行うことを楽しんでいるのだ。
瞳は、森田とミンメイ、そして、ルミ子=ショッテンハイマーの4人で、視覚を交換したいという要望を石坂に伝えていたし、
ミンメイが、マシンと視覚も一体化したいという可能性が高いことから、石坂が配慮して、取り付けたものであった。
605manplus:2008/02/17(日) 20:39:57 ID:0TBHbZQe0
石坂は、ミンメイのこの新しく付けられたコネクターに外部カメラからのケーブルを接続し直して、
手術中の自分の姿を引き続き見られるような配慮をミンメイに対して行うのであった。さらに、
ミンメイの聴覚も高性能集音マイクと外部コミュニケーションシステムに置きかえられ、さらに、
視覚同様に外部集音装置からの音声データーを取得できるような処置が施され、
手術中の聴覚も石坂は確保してくれたのであった。石坂の配慮に、ミンメイは感謝したのは言うまでもないことであった。

 石坂は、あらかじめ手術の準備として綺麗に剃毛していたミンメイの頭部を輪切りにするように頭蓋骨も含めて開き、
生体脳が完全に露出するようにして、手際よく、生体脳にケーブルから伸びいる電極を差し込んでいった。
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの場合、人工器官やサポートコンピューターと生体脳の情報交換は、
生体神経とその生体神経と平行に独立配線された人工神経ケーブルで行われる。
その独立的に配されている人工神経を生体脳の関連部位に差し込むことにより、
生体神経で伝えきれない情報を人工神経が伝えたり、人工神経により生体脳の情報をバイパスして
人工器官やサポートコンピューターに伝達することが出来るようになっているし、人工神経がセンサーの役割も果たし、
生体脳が情報量のオーバーフローを起こしそうになると、人工神経がそれを察知し、
サポートコンピューターが生体脳への情報をコントロールすることが出来るようになっているのである。
また、生体神経と人工神経は、サポートコンピューターとの接続以外に手脚の切断面のインターフェースに
直結している神経組織も存在し、サポートコンピューター経由でのスーパーF1マシンとの情報交換では間に
合わないような瞬時の判断が必要な場合、スーパーF1マシンが生体脳の直接の判断を求めるために生体脳と
直接リンクして、情報交換が出来る独立回線の人工神経も生体脳に電極として差し込まれているのである。
606manplus:2008/02/17(日) 20:40:37 ID:0TBHbZQe0
 石坂は、人工神経の電極のつなぎ間違えがないことをチェックし、生体脳の上に丁寧に脳膜を戻し、
その上に切り取った頭蓋骨をかぶせ、生体接着剤を使い固定し、さらに、頭皮と頭蓋骨の間に、
強化可とう性合成金属の頭部保護素材をはめ込み頭皮をもとのように縫合した。
頭部に石坂が入れた保護材により、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーであるミンメイの生体脳は、
かなりの強い衝撃からも保護されるのである。
 ここまでの処置により、ミンメイにおける生体脳も含めた臓器や感覚器官のサイボーグ化処置が
全て成功裏に終了したのであった。

 ミンメイのスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーへの改造手術は、ここからが本番のようなものであった。
ミンメイの手術では、ここから先の皮膚組織の手術がスーパーF1におけるレギュレーションを
拡大解釈した特殊なものになるはずなのである。
ここから先の骨格、筋肉、皮膚に施す処置は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
隅々まで知り尽くしていて、その上、宇宙開発サイボーグや軍用サイボーグに関しても完璧に
精通している石坂にしかできない、石坂の独壇場といっても過言ではない手術なのである。

石坂貴美香(以降、イ):「ハイデンさん、覚悟はいいよね。ある意味、これからが、あなたの夢を実現する本番だよ、
しっかりと官能の世界に浸ってね。でも、これからの処置は単調でありながら、被験者の体力を確実に奪う
危険なものだから覚悟してね。ハイデンさんは、知識としては、十分に知っていると思うけれど、実際に手術を
受ける立場になると、感覚を閉ざしている身体でも感じるほどにジリジリと体力を奪われていく感覚に地獄の
苦しみを感じるはずよ。覚悟してね。特に、ハイデンさんの場合は、皮膚も特殊な人工皮膚での処置だから、
その辛さは格別だと思う。頑張るんだよ。手術する方だって、体力勝負みたいな時間を過ごすことになるんだから、
被験者のあなたと、医師の私の勝負と思ってね。」

607manplus:2008/02/17(日) 20:50:57 ID:0TBHbZQe0
石坂が、ミンメイのサイボーグフェチとしての感性を刺激するような刺激的な言葉で、ミンメイに優しく語りかけた。
石坂としてのミンメイに対する精一杯の激励なのだ。
更に石坂は、ミンメイに対してとも、自分に対してとも、はたまた、トミタの医療スタッフに対してとも取れるように術式の
説明を行なうのだった。
イ:「骨格組織の組成変換処置をおこないます。カルシウムが主成分の生体骨組織の組成をチタンと
耐熱ポリエチレンの複合素材のセラミック分子成分への変換です。」

石坂は、ミンメイに説明するふりをしながら、術式を唱えることで、自分の昂ぶる心を落ち着けようと思ったのである。
 石坂は、ミンメイの脊椎の造骨組織に骨格組成変換器から伸びるケーブルの先端の針を差し込むと、
機械のスイッチを入れた。骨組成変換器が不気味な音を立てて稼働し始めた。
骨髄の造骨組織の髄液の変換が始まったのだ。これから時間をかけて、ミンメイの骨組織は、
金属セラミックを主成分とした強固でしなやかな骨組織へと変換されていくのである。
感覚が遮断されているとはいえ、その異様な感覚が伝わるのを本能的にミンメイの生体脳が感じたのだろうか、
ミンメイの体調を管理している機械の脳波が、身体から来るストレスを感じて、ストレスがかかっていることを
示す数値が大きく跳ね上がり、警告灯が一斉に点った。

イ:「さすがに、ハイデンさんの生体脳も悲鳴を上げているわね。この処置の時に生体脳が
アイドリング状態に出来なかったら、今まで一人もスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーや
宇宙開発サイボーグなんて出来ていなかったものね。
適応化率が99.7%の素体でさえこれなのか・・・。でも、ハイデンさんが、ロボットじゃなく、
人間だと言うことの証明だもの、安心したわ・・・。」

608manplus:2008/02/17(日) 20:51:39 ID:0TBHbZQe0
石坂は、ホッとしたように呟いた。ミンメイが、機械の身体に憧れることの前に、
人の心を持っていると言うことが証明されたようで、ミンメイが人間であるという当たり前であることを改めて感じて、
石坂は安堵したのだ。昔のアニメで、機械の身体を手に入れたいと願っている少年の物語のラストシーンで、
少年を世話する謎のヒロインが、少年に人間の心を見つけて安堵するシーンを石坂は思い浮かべるのだった。
 骨組織の組成を変更する。つまり、生体神経や脊髄内部の機能を温存しながら、骨の組成を宇宙空間で体外に
喪失しやすいカルシウムという金属を別の金属に変換することで、宇宙開発サイボーグが、長い間宇宙空間で
任務を遂行した後、地球に帰還しても、サイボーグ体に異変が起きないようにするために
開発された骨組織変更システムをスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーのように、事故などにより、
骨折することによる致命傷を回避するために採用した処置なのである。
この処置により、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、事故でも骨折しにくく、しかも、
しなりのある骨組織を手に入れることが出来るのだ。
そして、手脚を取り去り、骨の金属組成を変えることにより、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの軽量化を
計ることも可能となるのだ。
 この処置が終わるまで、約10時間、その間、石坂は、トミタのチームドクターと一緒にミンメイの
身体データーの表示されたモニターとにらみ合いを続け、必要に応じて、ミンメイの首筋にある薬物供給口を通じて、
カンフル剤などの薬物を投入して、ミンメイの体力を適性に保つ処置をおこなうのである。

イ:「骨組織組成変換処置を終えたら、仮眠をとりましようか・・・。お二人も、他のスタッフも疲れているようだし・・・。」

石坂は、トミタのスタッフが疲労しているのを確認して、トミタのチームドクターである赤羽に語りかけた。
その横で、石坂に“灯台くん”といじめられている若手医師が、精も根も尽き果てた表情をしている。
それを認めた赤羽が、

609manplus:2008/02/17(日) 20:52:20 ID:0TBHbZQe0
トミタのチームドクターの赤羽(以降、ア):「石川君、これくらいのことでバテていたら、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの実際の手術の執刀は委せられんな。」

トミタの若手医師の石坂(以降、ワ):「・・・。」

赤羽根のきつい一言で、石川と呼ばれた若手医師は、完全に沈黙してしまっている。
しかし、そんな若手医師に対しても、石坂は容赦しないのだ。というか、弱った獲物に対して、
嬲るようにしとめていくことが、石坂のSとしての本性から来る喜びなのである。

イ:「灯台くん。相手は人間なのよ。それも、私たちなんかよりもはるかにプライオリティーが高くて、
貴重なスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの手術なの。この素体を一体失うことは、
あなたの命をいくつ捧げても、チームに対して償うことは出来ないのよ。
あなたが一生かけても稼げないくらいのギャラをこの素体たちは手にするの。
チームにとって、それだけの投資を行うに充分な才能の命を預かる身が、
たった二日ぐらいの徹夜で集中力が途切れるようでは、サイボーグ医療に携わるものとして失格よ。
特に、スーパーF1の世界では、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの調整だって、
毎週のように私たちは、三日三晩寝ないで行うことだってざらなのよっ!紙を持っておいでッ!
今、私と赤羽ドクターが見ていてあげるから、辞表をお書きなさいッ!
ちょうど、トミタのチーム総監督も見えているから、楽に辞められるわよッ!さあっ!紙とペンを持っておいでっ!!」

若手の有望株の医師も、石坂というこの世界で最高の権威を持つ医師とトミタで長く
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに関わってきたベテラン医師の赤羽の2人にこうまで詰め寄られては、
言葉を発することも出来ずに只々、沈黙をしたままで、首をうなだれることしかできないのだ。
本来は助け船を出すはずの赤羽も、石坂の手前、助け船の出しようがなく、
石坂と一緒に石川を攻め立てる事しかできないでいるのだった。
 その光景を見ていた美濃田が、堪らずにインターホンで助け船を出した。
610manplus:2008/02/17(日) 21:04:45 ID:0TBHbZQe0
美濃田誠一郎(以降、セ):「貴美香・・・。すこしは疲れが癒えたかい?坊やを虐めて快感を得るのもいいけれど、
もうこれ位にしてやらないと、石川の坊や自体が使い物にならなくなっちまうぞっ!
そうなったら、ネコの手も借りたいスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの改造手術の“貴重なネコの手”が
一つ無くなっちまうんだぞっ!」

先輩として、石坂の性格を読み切った美濃田の助け船だった。

イ:「先輩。絶妙な仲裁ですね。悔しいけれど、虐めは終了します。安心してください。」

しかし、実は、石川にとって、美濃田の言葉の方がカウンターとしては効いているのだった。
そして、美濃田の次の一言で、石川は、結果的にノックアウトを喰らうのであった。

セ:「貴美香、安心したよ。ここで、ミンメイを失うことは、トミタモータースポーツを危機に陥れることだからな。
貴美香ほどの医者は別として、医者の代わりはいくらでもいるが、ミンメイの代わりとなると、絶対にいるわけがないんだ。
貴重なドライバーを失いたくないからな。頼んだよ。」

イ:「了解。でも、先輩の言葉の方が傷ついたみたいなんですけれど、灯台くんには・・・。」

石坂の言葉を物語るように、美濃田が発した言葉に石川のプライドがずたずたにされ、石川は、その後、
美濃田の顔を見つけると、とたんにソワソワし出して、仕事にならない状況が、この日の後もしばらく続くのだった。

 骨組織組成変換処置の永遠とも思えるような緊張感のある10時間が過ぎ去り、骨組織組成変換処置の装置が、
処置の終了を告げるようにアラーム音を発した。

イ:「やっと終わった・・・。ハイデンさん、よく頑張ったね。今日の手術はここまでよ。
みんなは、四時間の仮眠をとってちょうだい。」

石坂は、この処置が終了したことを宣言し、四時間の休息をとるようにスタッフに命じた。

611manplus:2008/02/17(日) 21:05:26 ID:0TBHbZQe0
ア:「石坂ドクターは、休息をとられないのですか?」

赤羽が、石坂を気遣って声をかけてくれた。

ア:「素体の経過の管理なら、私が行いますから、ドクターは仮眠をとってください。
これからの処置もドクターがいなくては無理なものばかりです。ドクターに倒れられたら・・・。」

石坂は、赤羽の気遣いに感謝しつつ、丁重に赤羽の申し出を断った。

イ:「赤羽ドクター、お気遣い感謝します。でも、私は平気ですし、先輩を差し置いて、仮眠は出来ません。
それに、私、彼女の身体を見ていたいものですから・・・。」

ア:「でも・・・。」

赤羽が当惑したように口籠もる。

セ:「赤羽ドクター、貴美香は、特殊な性癖を持っているんですよ。自分の作品を眺めさせてあげてくれませんか?」

美濃田が、インターホンで赤羽に語りかけた。

イ:「ちょ、ちょっと・・・、先輩・・・。」

セ:「貴美香、図星だろ・・・。お前の作り上げた傑作のサイボーグを観察していたいんだろ?
それに、ミンメイに語りかけていたいんだろ?」

石坂は、美濃田の問いかけに素直に頭を縦に振った。

イ:「はい。」

セ:「そういう理由なので、赤羽ドクター、ここを貴美香に委せて、赤羽根ドクターは仮眠をとってください。」

612manplus:2008/02/17(日) 21:06:08 ID:0TBHbZQe0
ア:「監督、解りました。それでは、お言葉に甘えます。石坂ドクター、でも、その疲労をものともしない熱意、
私にも欲しかったです・・・。技術もさることながら、サイボーグ医療に対する石坂ドクターの姿勢を見られただけでも
勉強になります・・・。」

赤羽はそう言うと仮眠施設に向かって歩き出すのであった。

セ:「貴美香、本当に大丈夫なのか?」

イ:「先輩、何がですか?」

セ:「貴美香の体力だよ。」

イ:「美濃田先輩の体力には負けますが、私はまだ大丈夫ですよ。ハイデンさんの身体に取り入れるシステムのことで、
彼女と感動を共有していたいんですもの。」

セ:「まあ、ディープな思考のサイボーグフェチたちの考えることは俺には解らん。
でも、瞳ちゃんとエマちゃんのメンテナンスは、貴美香がいなくても大丈夫なのか?」

イ:「ええ、大丈夫です。柴田チーフエンジニアもいますし、山口さんたちメカニックもしっかりしていますからね。
カンダスーパーガールズは、それだけしっかりとしたチームになっていますから。
それに、何よりも、森田さんと立川さんの二人のサポートスタッフが優秀ですからね・・・、
普通のレース前の速水選手と鈴木選手のメンテナンスやレース用の調整なら、私がいなくても、
1ヶ月くらいは、森田さんと立川さんにまかせていても大丈夫です。もし、万が一のことがあれば、
森田さんや立川さんのサポートコンピューターにインターネット経由でアクセスして指示すれば、
私が必要な処置も、彼女たちの身体で行うことが出来るから大丈夫です。」

セ:「つぐみちゃんと真理子ちゃんを信頼しているんだな・・・。」

613manplus:2008/02/17(日) 21:20:40 ID:0TBHbZQe0
イ:「はい。あの二人なら、下手なサイボーグ医療関係の医師よりもよっぽどしっかりしていますもの。
医師免許を持っていないだけのことで、他チームのチームドクターなんかよりも優秀ですから。
もちろん、トミタの医療スタッフでも彼女たちにはかなわないと思いますよ。」

セ:「貴美香、えらい自信だな・・・。しかし、実際問題として、二人が医師免許を持ったら、
他チームから引く手数多ということだよな・・・。」

イ:「はい。今シーズンが終了したら、経験値による特別認定の方法で、医師免許を申請させようと思っているのよ。
2人なら、医師免許なんて簡単に取れるわ。」

セ:「カンダが羨ましいよ。」

イ:「そんなことありません。ルミ子=ショッテンハイマーさんも優秀です。
立川さんくらいの能力はすぐに持つことが出来ますから期待していてもいいんじゃないですか?
最終的には、立川さんよりも能力は上のランクになるんじゃないかと思います・・・。」

セ:「そうか、ルミ子も、貴美香の太鼓判なら安心だよ。」

イ:「でも、速水選手以上に精密なシステムをもつハイデンさんですから、ルミ子=ショッテンハイマーさんには、
森田さんぐらいのレベルになってもらわないとね・・・。」

セ:「つぐみちゃんのレベルか・・・。そこまで到達するのは、至難の業だな。」

イ:「全てとは言いません。サイボーグ医療のスキルだけでもいいんですから。」

セ:「まあ、それでも、数年は楽にかかるな。焦らずに育てていくから、貴美香も面倒を見てくれ。頼む。」

イ:「いいですよ。でも、高いですよ。」

614manplus:2008/02/17(日) 21:21:22 ID:0TBHbZQe0
セ:「貴美香までおねだりか・・・。まったくっ!!カンダの女性陣はみんな最後はこう言うんだから嫌になる・・・。」

イ:「“地獄の沙汰も金次第”と言いますからね、先輩。」

セ:「貴美香は何を狙っているんだ?」

イ:「速水選手と色違いのSP−7がいいな。」

セ:「人の弱みにつけこみやがって・・・。仕方ない・・・、考えておくよ・・・。」

イ:「やった〜〜〜っ!!」

石坂は、子どものような笑顔を浮かべて喜んで、はしゃいでいた。美濃田は、その光景を観察窓越しに見て、
観察室で頭を抱えて頭を振り、そして、うめいた。

セ:「ミンメイは、カンダの連中のように即物主義にはしないぞ・・・ッ。」

しかし、ミンメイが、美濃田の恐れていた性格を身につけるのに時間はかからなかった。
それは、ミンメイの最大の庇護者となる瞳の影響力なのであり、美濃田をして後に、

セ:“瞳ちゃんの即物主義は、感染力の高い伝染病のようなものだ・・・。”

といって、頭を抱えさせることになるのであった。



615manplus:2008/02/17(日) 21:22:04 ID:0TBHbZQe0
 石坂は、ミンメイの骨の組織に施している化学的処置のデーターをモニタースクリーンで管理しながら、
ミンメイの本体を満足げに見つめていた。さらに、ミンメイの生体脳が、ミンメイの視覚から入ってくる自分の
身体の映像データーに酔いしれていることを確認していた。

イ:「ハイデンさん、今までは、自分自身の手術に満足しているんだよね。でも、これから、もっと、
嬉しくなるような処置を受けることになるんだからね・・・。それが、今日、あなたに行われる処置なのよ。
ワクワクするでしょ?」

石坂の言葉に、ミンメイの生体脳が反応する。彼女の生体脳は、自分がサイボーグへと改造されることによる満足感を
性的興奮に変化させていたのだ。しかし、ミンメイの頭の中に浮かんだ性的快感は、すぐにおさまってしまった。
ミンメイは、改造手術の最中にそのような快感の満ち引きを繰り返していた。
今までのように、性的快感が無限とも言える絶頂へとしぼむことなく続くという感覚が、手術を受けて、
下半身の改造処置が終了したあたりから、このような感覚の状態に変わっていたのだ。
石坂は、モニターで、ミンメイの生体脳の状態を確認し、性的興奮が、湧いては消えていることを確認すると、
満足げな笑みを浮かべ、いつもの“スーパーF1界のマッドサイエンティスト”の冷酷な顔に戻って、
ミンメイを見つめると、静かに、ミンメイが感じる違和感に答えるのであった。

イ:「性的快感が絶頂の手前で消えてしまう感覚をハイデンさんは、不思議に思っているのでしょう?」

ミンメイの生体脳のデーターが、核心を突かれたことの戸惑いの感情を示した。
ミンメイは、いまだに視覚と聴覚を外部機器により確保されているだけの状態で、
会話をするような状態にはされていないのだ。

616manplus:2008/02/17(日) 21:40:51 ID:0TBHbZQe0
イ:「図星だよね・・・。生体脳のデーターが示しているもの。何で、そうなるのか教えてあげる。ハイデンさんは、
生体脳が性的な快感を感じることまで制御される身体になったということなの。性器や性感帯に、
生体脳への性的快感を性器や性感帯から与えることをコントロールするシステムを取り付けているの。
つまり、精神的な部分での目に見えない貞操帯を取り付けられているようなものね。
そして、ミンメイさんの性感覚を制御が出来るのは速水選手と森田さんだけ。
それも、二人のサポートコンピューターが直接、通信回線で制御を行うから、
あの二人以外はハイデンさんの性の感情を支配できないのよ。
勿論、メンテナンスのための特別なコントロールは、私のアクセス権で出来るけれど、
速水選手と森田さんの二人の電子的承認がないと、私でも触ることが出来ないシステムなの。
ミンメイさんは、速水選手と森田さんの完全なる性的奴隷となってしまったという訳なの。
今は手術中だから、手術室の壁にあるハイデンさんの外部生命維持システムで制御しているんだけれどね・・・。
このシステムを付けられているから、あなたは、自分がサイボーグにされているという、
フェチとしての最大の快感の感覚データーを生体脳に送られても、精神的に絶頂感を味わうすこし手前で、
感覚が沈静化するように制御されているの。制御システムのパターンを変えれば、性的な快感を感じても、
一切、快感を感じることも、今のように上り詰めていく段階の感覚を感じることも出来なくなるし、
逆に、何をされても、性的快感に感じてすぐに絶頂感で逝ってしまうような身体になっているの。
何度もいうけれど、それを制御して、自分たちの僕にどの様な仕打ちを行うかを決定して実行できるマスターが
速水選手と森田さんという訳なの。勿論、レギュレーション通りに、スーパーF1マシンの制御システムになっているときは、
性的感覚は全てカットされるようになっているけれどね。どう?ハイデンさん、素敵な身体になっているでしょ?」

617manplus:2008/02/17(日) 21:41:32 ID:0TBHbZQe0
石坂は、ミンメイが快感を覚え、その快感で上り詰める一歩手前でしぼんでしまう冷酷な感覚を受けるように
もてあそぶ意味で、あえて、冷徹な口調でミンメイに話しかけているのだ。
あたかも、石坂が、組織を支配するマッドサイエンティストで、組織につかまったミンメイを
もてあそぶというシチュエーションを二人で楽しむためのようなものなのである。
ミンメイは、勿論、石坂のこの配慮を感謝していたし、最高に萌えているのだ。
しかし、そんなミンメイに石坂は、

イ:「他人に性的快楽の全てまで管理されることを望むなんて、マゾの考えることって解らない・・・。」

と呟いた。完璧なSの石坂の素朴な疑問なのだった。



 石坂は、ミンメイの骨の組織に対する化学的処置が完了したことを外部機械により確認すると、
仮眠中の医療スタッフに手術を再開するために招集をかけたのである。
 この日、ミンメイに施される処置は、サイボーグ医療の医師にとって、単調で根気の要る処置であり、
被験者にとっては、体力をさらに削がれていく処置なのである。
 石坂は、自分の気を引き締めるためもあるのか、ミンメイに術式の説明を行った。

イ:「ハイデンさん、今日で、あなたへの手術は全て完了します。今日は、筋肉の処置と皮膚の処置です。
今日で、解剖用のモデルからも卒業よ。手術後に髪の毛の再生などの特殊整形処置を行います。
そこまでの処置で、ハイデンさんは立派なスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに生まれ変わるというわけ。
でも、今日も、昨日と同じく体力を吸い取られることの多い作業が続くから、私たちも気を抜かないつもりでいるけれど、
ハイデンさんも、頑張るのよ。」

618manplus:2008/02/17(日) 21:42:15 ID:0TBHbZQe0
石坂は、最後はミンメイを優しく勇気づけることも忘れなかったのである。
サイボーグフェチとしての気遣いと言えるものだった。

イ:「さてと、それでは、筋肉繊維の合成処置を開始しましょう。」

石坂がトミタのチームドクターや医療スタッフに声をかける。この日の作業は、生体筋肉繊維を間引きし、
その間引きした隙間に人工筋肉繊維を編み込む処置なのである。
生体筋肉繊維と人工筋肉繊維を1対1の割合で交互に編み込み、
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの新しい筋肉繊維にしていく作業が最初の作業なのである。
 この筋肉繊維の再構成処置により、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、
伸縮性のある金属繊維と弾力性のある強化樹脂の複合体である強靱な人工筋肉繊維により、
時速800キロの世界でも安全に身体内部が守られると同時に、生体筋肉を残されることにより、
トレーニングによる身体強化とスーパーF1マシン専用サイボーグドライバー自体の個体ごとの個体差と
トレーニングによる個体間の違いを持つことが出来るのである。
全てを人工筋肉に取り換えてしまえば、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの個体差が出ず、
画一化されて、個体間での体力差のない超人となってしまう。
しかし、国際自動車連盟は、サイボーグであるスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーといえども、
モータースポーツにかかわるドライバー、それも、最上級カテゴリーのモンスターマシンを
操るドライバーというアスリートとして、判断力や反射神経などの内面の鍛錬と同時に
スーパーF1マシンに搭乗するための強靱な肉体を作り出すトレーニングの余地を
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーにも残したのである。
いくら、超人にチューンナップした肉体を持っていようとも、さらに上を目指すトレーニングを行わないと
頂点に立つことは出来ないようなレギュレーションを設定しているのである。
国際自動車連盟は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーにアスリートとしての努力を怠らせないことで、
スポーツとしての醍醐味を見るものが味わうことが出来る術を残しているのだ。
619manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:06:09 ID:0TBHbZQe0
 勿論、トレーニングといっても、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの身体に付けられているコネクターに
筋肉繊維を強制的に動かすための電極を差し込み、生体筋肉繊維を強制的に伸縮させるというシステムであるEMSの
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバー専用タイプのトレーニングシステムに全身を繋げられて行う、
端から見ていると拷問を受けているようにも見える状態でのトレーニングなのだが、このトレーニングを
いかにストイックに行ったか否かで、身体にかかるGに対する耐力の違いがうまれ、コーナーを
どこまで厳しく攻められるかのドライバーの個人の能力差が生まれてくるし、レース中のドライバーの体力差や、
精神力の違いが生まれるのである。
現在のスーパーF1界において、その限界能力が際だって高いのは、もちろん瞳である。
瞳は、その突出した資質もさることながら、この拷問にも思えるトレーニングに身を任せることの量と質を
惜しまないストイックさでもスーパーF1界では突出していた。
さらに、内面的な鍛錬である判断速度の向上訓練や反射能力の向上訓練を誰よりも多くの量と質で行っているのである。
その、サディスティックとも言えるほどのストイックさのため、瞳がスーパーF1界の伝説のドライバーの
称号を恣にしているのであるのは言うまでもないことなのであった。



620manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:07:20 ID:0TBHbZQe0
 石坂は、ミンメイの身体の筋肉の処置に全てのスタッフが取り組んでいることを確認し、自分自身は、
ミンメイの骨の残された稼働部位に人工筋肉を使用するための補強処置である超小型サーボモーターの
組み込み作業を開始した。
このサーボモーターにより、骨の稼働力をアシストすることで、ミンメイたち
スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが僅かに動かすことの出来る首などの関節の動きを
スムースにすると共に、鍛え上げた人工筋肉と関節部位や骨の継ぎ目が、
協調的に動くことをアシストするようになっているのである。
そのサーボモーターは、手脚の切断面の内部に将来、現役を引退したときに再び二本の足で立ち、
二本の腕を動かすようになるときのために温存されている股関節と肩の関節にも取り付けられるのである。
このサーボモーターの働きにより、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが
超人的な運動能力を持つことが出来るのである。
石坂が、たくさんのサーボモーターを取り付ける作業とスタッフの筋肉の編み込み作業は、長時間に及んだ。
そして、その全員の作業は、ほぼ同時に終了した。

ア:「石坂ドクター、こちらの作業は終了しました。」

赤羽が、石坂に作業の終了を報告する。

イ:「みんな、ご苦労様。お疲れのところ悪いけれど、もう一息頑張りましょう。」

石坂は、スタッフの根気を労いながらも、まだ気を抜くなと言う意思をスタッフに伝えた。
赤羽は、心得たようにスタッフに次の作業を石坂に代わって指示した。

ア:「みんな、次は、人工皮膚の貼り付けだ。人工皮膚に異常がないかチェックをしてくれッ!
この作業が、全ての成功を意味しているから、気を引き締めてくれッ!最後の締めの作業だから、気を抜くなっ!」

621manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:08:01 ID:0TBHbZQe0
赤羽の指示に、トミタのチームドクターや医療スタッフの全員が、ルーペ付きのゴーグルを着用して、
ミンメイに取り付けられる予定の人工皮膚が培養液に浸されて入っているカプセル越しにミンメイ用の
人工皮膚に異常がないかのチェックを開始した。
石坂は、スタッフの作業状況を確認すると、ミンメイの身体を閉じる作業に取りかかるのだった。
 ここで、石坂は気まぐれを起こしたと言ったように再度メスを握った。

イ:「ちょっと、予定を変更するわよ。」

ミンメイの目となっている胸元のカメラに悪戯っぽく微笑むと、トミタの医療スタッフに向かって、

イ:「そこの箱を開けて、こっちに箱の中のカプセルを渡してくれる?」

と指示を出した。
その箱には、

“石坂以外開封厳禁”

という文字が記入されている。
明らかに石坂が、何らかの処置に使おうとして持ち込んだものであった。
トミタの医療スタッフは、石坂に言われたとおり、箱を開封し、中の機械の入ったカプセルを石坂の手元の処置用の
器具が並べられた台の上に置いた。
622manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:20:44 ID:0TBHbZQe0
石坂は、それを見て、納得したように小さく頷くと、カプセルを開け、メスで、ミンメイの尿管を尿道口の手前で切断し、
鉗子で尿管を止めると、尿道口を縫合して塞いだ。
さらに、人工の排便管をカプセルから取り出した電磁弁に接続し、排便管に設けられた分岐管のカバーフランジを外し、
尿管をその先端に長さを調節して取り付けた。
さらに、小さな制御装置を排便管の所定の位置に取り付けると排便管の先端の電磁弁をミンメイの股間の性器の前側で、
へそのした10pのところに取り付け固定を行った。
ちょうどデルタ部分の直上にミンメイは新たな人工的なバルブが取り付けられ、
これがミンメイから排泄される全ての排泄物のための排泄口として新たに機能することになるのであった。
さらに、石坂は、排便管を切り離した直腸の断面に新たな装置を取り付け、
その装置にミンメイの下部大静脈の血管を取り付けた。
 ミンメイの血管は、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーが、サイボーグという超人の肉体を
手に入れたのに動脈硬化や血管の破裂といった病気や事故で再手術を受けたり、生体部分の壊滅的な
ダメージを被ることがないように形質変更システムにより、摩擦係数が生体血管よりもはるかに低く、タンパク質などが
付着しにくい特殊な生体親和型の樹脂と生体の融合した新しい素材に変更されているのである。
その為、ミンメイに、石坂がこの処置を施しているときの血管の状態は、ぷよぷよの生体血管の面影はなく、
樹脂製の管を切ったり繋いだりしているような質感に変わっているのだった。
石坂の処置は更に続き、その装置と動力ユニットを繋ぐと、ミンメイの身体の人工器官の動力ユニットと
生体部分の生命維持システムのメインスイッチをオンにして、ミンメイの身体に取り付けられた生命維持システムの管や
コードを全てを体内から外し、ミンメイの新しい身体のシステムが正常に作動しているのを確かめて、
ミンメイの新たな筋肉システムをミンメイの身体を覆う鎧のように体内が見えないような状態に戻すと、
ミンメイの切開された腹部などを元通りにして、生体融合型接着剤で皮膚を縫合し、ミンメイの身体を元通りに戻した。
623manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:21:26 ID:0TBHbZQe0
 ミンメイは、自分の本来の皮膚のままで手足のない身体の中に機械や電子機器が存在し、そのシステムによって、
今の自分が生かされているサイボーグという存在に、自分自身がなったことに満足感を持って、
自分の身体を外部視覚システムから見つめていた。しかし、石坂が最後に取り付けた装置は何なのかが、
ミンメイにとっては興味津々だったのである。
それは、周りにいたトミタの医療スタッフや別室で観察していた美濃田にとっても同じことであった。
石坂の天才的な閃きによって取り付けられた機械がどの様な役割を果たすのか、手術室の全ての人間が、
石坂の説明を待っていたのだ。
石坂は、ミンメイに向けるように説明を始めた。
しかし、石坂の言葉に手術室の石坂を見つめていた全てのスタッフが聞き耳を立てるのであった。

イ:「ハイデンさん、最後に取り付けたのは、私からのあなたへのプレゼントよ。」

石坂が話し始めたミンメイに取り付けた最後のシステムに一同は唖然とすることになる。

イ:「まず、ハイデンさんの排泄システムを股間の上部で腹部下の部分に移動して、排泄用の電磁弁を取り付けたわ。
この弁に排泄処理機のホースのノズルを接続することで、便も尿も機械的排出物も廃液もすべてをこの電磁弁だけで
体外に出すことが出来るの。ハイデンさんは1日に何度も排尿や排泄をする必要はなくて、二日か三日に
一度しか排泄器官の使用が必要なくなるからすべての排泄器官をまとめて一つのポートで済ませた訳なの。
それも、身体の前側にあった方が、サポートスタッフも補助しやすいからね。しかも、この排泄弁もマスター認証信号が
送られてこないと開閉しないのよ。その暗号信号は、速水選手と森田さんのサポートコンピューターからしか
発信できないの。だから、こんな機械的な排泄システムもハイデンさん自身の意思では動かすことが出来ないのよ。
凄いでしょ。」

ミンメイは、下半身のすべてを瞳と森田に管理してもらうことを望んでいたので、とても嬉しく思った。
しかし、トミタの関係者は、戸惑いを隠すことはできなかった。

624manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:22:12 ID:0TBHbZQe0
セ:「オイッ!貴美香、それじゃ、レースの時はどうするんだ?万一の時のために排泄弁を開放するんだぞ。」

イ:「美濃田先輩、大丈夫です。その時のために、速水選手と森田さんが、期間を設定しての認証信号でも
開放できるようにする許可信号を送れば、ショッテンハイマーさんのサポートコンピューターからの信号で弁が
開くようになっているのです。でも、速水選手と森田さんからの代理処理の許可信号を受けられるのは、
ショッテンハイマーさんだけなの。」

セ:「貴・・・美・・・香・・・。お前・・・、手の込んだことしやがって・・・。ミンメイの身体で遊びやがったなッ!」

美濃田が呆れて言葉を絞り出した。しかし、美濃田たちが呆れるのはそれだけでは済まなかった。

625manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:32:26 ID:0TBHbZQe0
イ:「それから、生体の直腸とすこしの距離だけ残した大腸に接続したのは、人工血液のガス交換システムと
腸壁からの栄養摂取を制御するシステムなのよ。大腸を少し残したのは、アナルからの浣腸プレイをするときに
ハイデンさんが苦しまないと、速水選手と森田さんが面白くないって言うから・・・、直腸と結腸だけ残せば、
アナルセックスは出来るんだけれどねぇ・・・。ハイデンさんが喜ぶだけじゃ、彼女たちは面白くないからっていうからね・・・。
私も、一緒に遊ぶとき、ハイデンさんの苦痛にゆがむ唯一の人間仕様の人工皮膚の顔面がみたいもんね。
でも、お遊びだけのために無駄な部分をつけておく必要がないから、腸壁の物質透過性に優れていることを利用して、
腸管呼吸システムという新しい概念を具現化するためのシステムを取り付けておいたというわけ。
腸管で、栄養分と一緒にガス交換も出来るようにすると言うものなんだけれど、腸は、肺と同じくらい血管が密集していて、
栄養分を吸収するような器官だから、理論的には、呼吸ということも可能なのよ。
626manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:33:52 ID:0TBHbZQe0
しかし、内臓だし、肛門で閉鎖されているから、実際に気体の交換はしていないだけなの。でも、ここ数年の研究成果で、
肺の代わりに大腸、結腸、直腸で呼吸を行わせて、肺の欠陥を補うという呼吸システムの研究が完成して、
腸壁からのガス交換とそれを補い、直接、腸に入った気体で血液のガス交換を行い、全体の必要酸素量を
確保するための装置が開発されたのよ。さらに、浣腸が苦痛なのは、腸管が余計な水分を
吸収しようとして腸としての運動をイレギュラーにしてしまうために、排便行為を促進するからなんだけれど、
その、腸壁の吸収性の良さを利用して、直接、高濃度栄養液を腸壁から血液に直接吸収することで、生命維持や
人工器官維持のために必要なエネルギーをすべて賄うことが出来るようにする人工器官も開発されたの。
この人工器官は、宇宙開発サイボーグで凝縮された使用量のエネルギーを体内に入れることで、
宇宙飛行士型サイボーグの生命維持にかかる物資のスペースを少量化するために開発された技術なの。
627manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:34:41 ID:0TBHbZQe0
エネルギー液の吸収効率が一番いいのは、腸なので、腸に直接エネルギー液を送ることで、
胃や小腸などの余分な内臓が必要なくなり、宇宙飛行士の小型軽量化にも役立つという画期的な技術のために
作られた装置なの。本来、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーには不要なんだけれど、もしも、事故で、
上半身が潰されてしまったときに、肛門に専用のガス交換とエネルギー液供給のための装置の専用ホースを
取り付ければ、生命維持がとりあえず可能な状態にしてあるというわけなの。ハイデンさんは、
恒星間探査用宇宙開発サイボーグと同じ機能をお尻にも取り付けられて、お尻からも呼吸できるようになっちゃった
というわけ。でも、このシステムは、緊急時にしか使えないようになっているけれど、直腸からの浣腸液に微量の
栄養素を混ぜておくことでの栄養補給は出来るし、アルコール浣腸の時に酔うこと、それも、
今までの身体のようにアルコール浣腸の濃度に気を使わなくても、ウイスキーを原液のままで浣腸したとしても、
システムが、人工血液に送り出すアルコール濃度を自動調節して、適度の酩酊状態を素体に維持させることが
出来るから、お口からお酒を飲むよりも気持ちよく酔えるようになっているわ。それから、空気浣腸の時なら、
そのままガス交換を行ってくれるから、浣腸が無駄なものじゃなくなるのよ。まさに趣味と実益を兼ねられるというわけね。」

ミンメイは、石坂の取り付けた最先端医療技術が、例え、恥ずかしいようなものであっても、
サイボーグとしての自分が最先端医療技術の固まりの機械システムになったことに満足感を感じていた。

628manplus ◆luN7z/2xAk :2008/02/17(日) 22:44:48 ID:0TBHbZQe0
イ:「このシステムも、速水選手や森田さんの身体にも取り付けてあるし、ショッテンハイマーさんにも採用しておいたわ。
そして、その入り口である肛門は、収縮閉鎖型のバルブに変更してあって、括約筋と同じようになっているから、
アナルセックスの時に今までのようにアナルセックスの気持ちよさを堪能できるようになっているし、
その外側に門扉型開閉弁を付けてあって、そっちは、管理者である速水選手と森田さんのサポートコンピューターの
認証信号でしか開閉が出来ないから、今まで通りお尻も管理された状態が続くようになっているの。」

そこまでの説明で石坂が一息付けると、その時とばかりに、美濃田の恨み節がスピーカーから響いてきた。

セ:「貴美香ッ!勝手にミンメイの身体であそぴやがってッ!!貴美香も、瞳ちゃんも、つぐみちゃんもだっ!
ミンメイは、オモチャじゃないんだぞっ!」

イ:「美濃田先輩、何を言っているんですかっ!?ハイデンさんは、速水選手と森田さんのオモチャであることを
望んでいるんですよ。それに、その状態であることが精神的に安定しているし、何より、そのような状態にハイデンさんを
おとしめた張本人は誰なんですか?」

石坂が意味ありげに笑う姿を美濃田はモニターで見て、二の句が継げなくなってしまうのだった。

セ:「・・・。確かにそうだが・・・。」

イ:「だったら、美濃田先輩は、ハイデンさんが一番希望するようなサイボーグになることを黙ってみていてくださいっ!!
それに、このシステム自体は、将来的にスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーに標準的に使用されることが
決まっていて、胸の人工生命維持システムが壊れても、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの生命維持が
可能なようにするための予備システムなんですから、そのデーターを取るためにハイデンさんに取り付けているのです。
正規の国際自動車連盟のスーパーF1運営医師団の活動なんです。だから、ハイデンさんとハイデンさんの
管理者というか、もう、所有者という表現になるけれど、速水選手と森田さんの了解のもとにおこなわれる処置なのです。」

629manplus ◆WVcHD2IaJ. :2008/02/17(日) 23:00:38 ID:0TBHbZQe0
セ:「・・・。」

石坂が、美濃田を逆にやりこめてしまう。その光景をミンメイは楽しく感じて聞いていたのだった。

ミンメイ=羹=ハイデン(以降、ミ):“サイボーグになっても、瞳様とつぐみ様に管理していただける・・・。
私のマスターに変わらずに愛していただけるのだ・・・。”

ミンメイはそう思うと性的興奮を感じずにはいられなかった。
しかし、その脳波のモニターを見て、石坂がすかさずたしなめるのであった。

イ:「ハイデンさん、聞いていたのね。気持ちは解るけれど、感じてちゃダメよ。我慢してね。
それに、ハイデンさんの身体は、どのみち絶頂に達することが出来ないけれどね・・・。」

石坂には、すべてを見通されてしまう。
でも、機械的に身体データーが取られ、サイボーグの集中管理ホストコンピューターで確認すれば、
今後は、精神状態はいつでも、チームドクターや医療スタッフ、メカニックにまでバレてしまうことになるだろう。
それがサイボーグの宿命なのだともミンメイは思っていたのだ。そして、それがミンメイにとっては堪らない快感に感じるのだ。
自分の身体でありながら、機械的に管理されてしまうというサイボーグにしか分からない悲劇的な感情が、
ミンメイにとっては、萌えの対象なのだ。

イ:「さて、最後にヴァギナとクリトリスのカバーをつければ、あとは人工皮膚を貼り付けて、
ハイデンさんの処置は終了ね。」

石坂は、ミンメイに状況を説明しながらも、手を休めずに、ミンメイの一番敏感な部分の処置を行っていた。

630manplus ◆WVcHD2IaJ. :2008/02/17(日) 23:01:19 ID:0TBHbZQe0
イ:「これでよしッと。ハイデンさんのヴァギナとクリトリスは、縦長で前の部分の方が少し広いドーム型のカップで
被ったわ。このカップは、事故などの衝撃でもこわれることのない透明な特殊強化樹脂製の素材で、
ハイデンさんがセックスで使用するときは、ドームの頂点から二つに分かれて開き、股間の中に
収納されるようになっているの。普通のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、自分の意志で
開閉が出来るけれど、ハイデンさんは、大好きな速水選手と森田さんからの許可信号を受けた上で、
サポートスタッフか森田さんの持つ開閉キーを使用して、初めて開けることが出来るし、閉めることも二人の許可信号と、
開閉キーが必要なの。性感全体に関しても、性感を感じて興奮する脳の部位の神経信号の制御システムも
ハイデンさんが最終調整を完了したときは、その制御は、全てが速水選手と森田さんからの制御信号で完全に
制御されることになるのよ。ハイデンさんは、速水選手と森田さんの二人がハイデンさんのすべての性感を
管理するようになるわ。だから、速水選手と森田さんが許可しない限り、ハイデンさんは、乳首を愛撫されようが、
フェラチオをしたとしても何も性的興奮を感じることはなくなるのよ。長期に宇宙空間で活動するサイボーグや
軍事用サイボーグ、海洋開発専用サイボーグなどには、当たり前のように装備されている性欲を
制御するシステムなので、実績的にはまったく問題ないけれど、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーで、
このシステムで性を管理されるのは、ミンメイさんが初めてだと思う。ミンメイさんは、これで完全に速水選手と
森田さんの奴隷という事ね。」

セ:「貴美香・・・、お前らは、悪魔だな。」

イ:「何を言っているんですか、美濃田先輩。性欲が無くなると言うことは、
それだけレースに集中できるような精神状態になるんですよ。レースで頑張ったご褒美として、
速水選手と森田さんに可愛がってもらう以外は、レースのことしかハイデンさんは考えないと思いますし、
二人にかまってもらうために頑張るから、チームとしては、ハイデンさんを最高の
スーパーF1マシン専用の制御システムにしておくことが出来るんですよ。素晴らしいことじゃないですか。」

631manplus ◆WVcHD2IaJ. :2008/02/17(日) 23:02:03 ID:0TBHbZQe0
セ:「でも、ミンメイが、まるでもののように思えて・・・。」

イ:「何を同情しているんですか、所詮、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーなんて、
スーパーF1マシンの制御システムにしか過ぎないんですよ。制御機器という物でしかないのです。
感覚や感性という、人間の持つ曖昧な部分がスーパーF1マシンの制御には必要だから、
人間の脳とコンピューターの共生体であるサイボーグという仕様に制御機器をしているだけなんですよ。
制御システムとして完璧な方がいいに決まっているじゃないですか。」

セ:「それはそうだが・・・。それじゃ、俺は、その管理システム機器である瞳ちゃんに好いように扱われている物以下の
存在なのか・・・?」

イ:「先輩の存在は、ある意味そうかも知れませんよ。」

石坂は、美濃田との会話で、ミンメイが機械の身体になったこと、特別な用途としてしか
生きていけないサイボーグになったことを協調することで、ミンメイの感性が高まり、
精神的に高揚することを考えて、ワザと冷徹な表現を使ったのだ。
美濃田も、会話の途中で、石坂のサイボーグを人間として見つめたいという信念とは相反することを
いっていることに気がつき、ミンメイのためのリップサービスを感じて、言葉を合わせることにしたのだった。
しかし、美濃田にとっては、自分が物以下といわれたことに対するショックは相当な物であったことも事実なのだ。
一方のミンメイは、二人の思惑通り、精神的に感じることにより、精神的な高揚感と安定を得るのであった。



632manplus ◆WVcHD2IaJ. :2008/02/17(日) 23:14:02 ID:0TBHbZQe0
 石坂は、ミンメイが精神的に再び安定し、高揚感を持つことで気力が蘇ったことをモニターで確認し、
最後の大仕事である人工皮膚の貼り付け処置に取りかかった。
 ミンメイの人工皮膚は、この人工皮膚の材質がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとしての
スーパーF1のレギュレーションに抵触するのかを検討されたものであった。
ミンメイの人工皮膚は、太陽光線を宇宙空間で受ける可能性の高い、宇宙空間作業用サイボーグや
核戦争用サイボーグに装着されるために開発されたものを、石坂が、スーパーF1用にさらに、
素肌に近いように改良を加えたものであった。
 その為、この人工皮膚は、銀色の金属光沢に輝き、これを全身に織り込まれたとき、素体の身体は、
アンドロイドを思わせるメタリックな風貌に変わってしまうものであり、その人工皮膚自体のスペックは、
対光線、対放射能、対熱、対衝撃、対荷重等にも優れたものであり、すべての核戦争の戦場や
宇宙空間の過酷な環境からサイボーグ体の身体を守る性能を有しているが、この人工皮膚を
身にまとわせたサイボーグたちは、自分がロボットに近い存在になったことを自覚して精神的に
悩んでしまうような心理的効果を与える代物であり、使用するときは、極限環境に送り込まれる素体であることを
素体に覚悟させた上でしか、軍や宇宙開発当局であっても使用しない規定になっている人工皮膚なのである。
 しかし、ミンメイとショッテンハイマーは、この人工皮膚に身体全体を包まれることを熱望したのである。
もっとも、ミンメイにおいては、自分がスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーとして、
スーパーF1契約を結ぶときの条件で、自分の人工皮膚と同じ人工皮膚で全身を覆うことを
良しとする素体のサポートスタッフをつけて欲しいと言うことを契約条項にいれているのだ。
 しかし、人間らしい姿からかけ離れた形状になることがスーパーF1のスーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの
レギュレーションに抵触するのであった。
633manplus ◆WVcHD2IaJ. :2008/02/17(日) 23:16:04 ID:0TBHbZQe0
当初、国際自動車連盟へトミタからの事前の打診を受けて、石坂が、ミンメイの要望を極力受け入れられるように
検討した結果として、首から下の部分に、この人工皮膚の使用を限定し、頭部は、生体時のドライバーの要望を
維持したものにすると言うことでこの人工皮膚のオリジナルなものの使用が認められたのだが、石坂は、
瞳や森田がミンメイとショッテンハイマーとの愛を確かめ合うときのためには、このロボットのような硬質で
無機質な冷たい人工皮膚では、ミンメイの心やショッテンハイマーの心は充足しても、瞳たちの心は満足しないであろうと、
自分の思いから推測し、金属質なこのタイプの人工皮膚に、人の肌のような弾力性や温度を保てるように
改良したのである。
すなわち、ミンメイとショッテンハイマーの首から下は、ロボットのような無機質感を持ちながらも、
人間らしい感触を持ち合わせるような人工皮膚となったのだ。
従って、従来の宇宙空間作業用サイボーグや核戦争用サイボーグのような映画に出てくる人型ロボットのような
身体システムではなく、たとえて言うなら、銀箔の塗料を首から下に塗ったアンドロイドの特殊メークを
施した人間のような皮膚構造になるのだ。
つまり、人間の肌触りと感触をもつ金属分子含有人工皮膚という、特別な人工皮膚なのである。
石坂は、瞳と森田の改造手術の時と同じように、ミンメイとショッテンハイマーの改造手術により、
民間のサイボーグ医療技術が、国家の威信を懸けたサイボーグ技術をさらにリードしたという満足感を味わっていた。
しかし、このたぐいまれなほどに独創的な人工皮膚の開発で、実際に涙したのは、
義体メーカーの開発担当者なのであるが・・・。



 石坂は、その金属光沢を持つ人工皮膚を丁寧にミンメイの身体に、生体融合型接着剤を使用して貼り付けていった。
先に取り付けられている性器カバーや肛門閉鎖バルブ、排泄物排出バルブ、手脚の付け根の部分が
作り変えられたスーパーF1マシンとの接続用インターフェース。
634manplus ◆WVcHD2IaJ.
へその部分や下腹部、胸の膨らみの下に目立たないように作られた情報交換用インターフェースコネクターポート、
鎖骨や首筋に作られたインターフェースコネクターポート、へその部分の電力供給用コネクターポートなどの多くの
金属のカバーなどの金属部分のまわりが同じ材質感を持つ人工皮膚で覆われていき、ミンメイの身体は、
本当のアンドロイドのような状態に変わっていった。
そして、ミンメイが唯一動かせる首の部分は、フレキシブルな動きが出来るようなイメージの
デザインの人工皮膚が貼り付けられた。
実際にフレキシブルに見える蛇腹形状の人工皮膚はデザインであり、人工皮膚自体は、
生体皮膚と同じような可とう性や弾力を持っているため、形状に関係なく動かせるのであるが、
ミンメイの嗜好を考えての石坂のデザインなのである。さらに顎から上の頭部には、
首から下に織り込まれた人工皮膚と性能は同じだが、ミンメイの皮膚色を忠実に再現した人工皮膚が張られていった。
ミンメイの頭部がアンドロイドのような姿になれなかった理由は、画一的で作業環境での
性能を重視するサイボーグではなく、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーは、あくまでも、
ドライバーの個性をファンが追求する人気商売なので、その個体が誰なのかをすぐに認識するために、
顔という個性が表れる部分だけは、生体時のものを使うようにして欲しいという国際自動車連盟からの指示に
従ったものである。
もっとも、スーパーF1マシン専用サイボーグドライバーの中で、現在のところ、メタリックな身体を
熱望しているのはミンメイだけなので全身が金属光沢に輝く素体は、逆に目立つとは思うのだが・・・。
だが、将来的にミンメイのような願望を持つドライバーが現れる可能性も考慮し、
個体の判別が容易に可能なようにしておく必要があったからなのである。
もちろん、ショッテンハイマーに関しても、ミンメイと同じ理由で頭部は生体時の姿を残すことになったのである。
サポートスタッフも、近年は、森田やシュタイフのように絶大な支持をファンから受けるようになったための
裁定と言えるのである。