オフィス街のど真ん中、港区虎ノ門に新たな“特産品”が生まれた。ねじの着ぐるみをまとった「ねじキューピー」。地元のねじ屋さんが
考案し、店頭でしか売っていない。一昨年秋の発売以来、一万五千個が売れ「ご当地キューピー」最大級のヒットに。流行語などを集めた
「現代用語の基礎知識」二〇〇九年版にも初登場した。
桜田通り沿いに店を構える「三和鋲螺」。17日、ねじや工具類が並ぶ店頭に約一ヶ月ぶりに、「ねじキューピー発売中!」の手製
看板が掲げられた。ピンク色や青色のねじを手に持った携帯ストラップなど13種類を目当てに、遠くは福岡や北海道からも客が訪れた。
3個購入した女性会社員(23)は「意外性のある組み合わせだけど、ねじもかわいいし集めてしまう。キューピー付きのボールペンは
同期でおそろいで使ってます」と笑顔をみせた。
考案したのは、3代目で営業担当の石井さん(32)。祖父が1954年に創業、現在は石井さん夫婦と、社長の父親、伯母の4人が
働く家族経営の店だ。
日本製のねじのほか、車や飛行機の部品などに使われる米国製の「インチねじ」などさまざまな種類が天井まで整然と並ぶ。
「家、携帯電話、自動車・・・実は人間はねじから1メートル以上離れて暮らせない。大切なものなのに、地味で存在感が薄い」。
ねじに晴れ舞台を用意したいと常々考えていた。妻が地域限定キャラクターを収集していたこともヒントになり、遊び心から思いついた。
一昨日6月、キューピーグッズ販売のオンリーワン(大阪市)に企画を持ち込んだ。「キューピーとねじには接点がない」と戸惑っていた
同社も、交渉を重ねた結果、製作を引き受けてくれた。同年9月に発売。店頭の看板が、近くで働く女性らの目に留まり2ヶ月で
1000個を完売した。雑誌やテレビでも取り上げられ、一時は開店前から行列ができるほど。東急ハンズからも取引申し込みがあったが
断ったという。
ねじキューピーの価格は500円前後。着ぐるみを着た状態で届くキューピーに、店番の傍ら、ねじやナットなど店で売っている商品で
飾り付けをして、袋に詰める。家族総出でやっても1日100個が限度という。石井さんは利益以上に大切にするものがある。
「あまり商売っぽくなると家族がつまらなくなる。ねじ業界のPRになったし、自分たちも楽しんでいるから細く長く続けていければと
思っている」。31日からは赤色と黒色の着ぐるみを着た限定品を約1000個発売する予定だ。
▼東京新聞 【TOKYO発】 2009年1月30日
▼紙面画像(スレ立て依頼者提供)
http://uproda11.2ch-library.com/src/11154066.jpg ▽依頼
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1231030407/124