奈良市の西大寺旧境内で、クリやカブなど季節の食材名や産地を記した
10世紀末ごろの木簡が見つかり、奈良文化財研究所が20日、発表した。
ウメ、クルミ、トウガンなど植物の種子も大量に出土。
僧侶に酒を支給した記録もあり、同研究所は
「仕事を終えた後、僧たちも酒をたしなんだのでは」と話している。
確認された木簡は約60点。1点は越前(福井県)にあった西大寺の荘園から
届いた黒米に付けたとみられる荷札で、裏面に「正暦二(991)年」と記されていた。
いずれも奈良ー平安時代にかけて約200年間使われていた井戸の底に土器などとともに埋まっていた。
酒の支給記録とみられるのは「浄酒二升□□□(政所?)料又酒」と書かれた木簡。
庶務などをつかさどる政所勤務の僧に、浄酒として酒2升(現在の8合)を配ったらしい。
別の木簡には「飯壱升 伊賀栗拾使□(間?)食料」とあり、
伊賀国名張郡(三重県名張市)にあった西大寺のクリ林へクリ拾いに行った使者に、
飯1升(現在の4合)を支給したことが分かる。
西大寺の菜園からウリやナスが届いたり、カブを洗って漬けた人物に米を支給したりした記録もあった。
精製した塩を詰めて運んだ土器が大量に出土しており、みそや漬物を手作りしていた様子がうかがえるという。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006112000126&genre=M2&area=N10 西大寺旧境内の井戸跡から出土した木簡。「飯壱升 伊賀栗拾使□(間?)食料」の文字が読み取れる
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2006/11/20/P2006112000126.jpg ※依頼スレでご依頼いただきました。