■川柳に380句 車内で紹介 運転手と乗客の思い結ぶ
長野市内のタクシー会社が、利用客などから募った「タクシー川柳」の入賞作品をタクシー内で
紹介している。乗客とのやりとりからにじみ出る運転手の思いや、タクシーに乗り込んだ乗客の
態度など、何げないやりとりから両者の胸の内が垣間見える。応募件数は予想を上回る380件に
達した。同社は「苦言も含め、タクシーに対する思いが込められている」と受け止めている。
作品はいずれも利用客から寄せられたものの、運転手からと利用者からの双方からの視点で
詠まれている。
「行き先を告げると笑顔で動きだす」−。運転手にとっては遠方まで利用してくれる乗客が
ありがたい。そんな本音が表情に出たようと同社はみている。
乗客の態度を詠んだ作品としては、「タクシーを呼ぶとき急に社長声」。運転手などに対して、
乗客側が急に強い口調となった様子をとらえたようだ。
作品は昨年11月中旬から、タクシーの車内に応募はがきを置いて募集。1月末の締め切り
までに長野市内を中心に180人から計380句が寄せられた。社内に全作品を張り出し、運転手
約100人が1人3句ずつ選んだ上で、優秀賞5点と、佳作11点を決めた。
同社の担当者によると、日ごろ利用客が何を求めているのか把握するのは意外と難しいという。
川柳の形をとったことで、幅広い声を寄せてもらえたとみている。
世相を表した「上司より先に乗り込む新人類」の作品や、「善光寺知ってるつもりが教えられ」と
プロの運転手ぶりを詠んだ句もある。
同社は、作品全般を通じて、乗客と会話を楽しむなど、もっとコミュニケーションが必要だと感じた
という。サービス向上の参考にするためにも、柳沢社長は「川柳の募集は今後も続けたい」と
話している。
■ソース
http://www.shinmai.co.jp/news/20060328/KT060324FSI090008000022.htm ■画像
http://www.shinmai.co.jp/news-image/KT060324FSI0900080000221.jpg