シンジが出した白いものは何?

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76考察:『碇』シンジ
>>75

これはネタではありません。私は本気でこういう解釈をしています。
45と49と52と57と60と61と64と66もネタではありません。


それでは新作を


あの白い液体は、生命の源である。そして、白とは綾波のメタファーである。傍らで死
んだように眠るアスカのイメージカラーは赤であり、赤とは流れる血のイメージであり、
その意味するものは死である。そして碇シンジの意味するものは、船の碇である。彼が
「最低だ」といったのは、碇が最低(海底)まで降ろされて船が動かないという意味なのだ。

そして、このシーンと対になるゲンドウとレイのシーンを考えてみよう。

ゲンドウの右手にあるアダムが白い液体と対になる生命の源であることは、以前示した
とおりだが、ここでゲンドウは「ユイの元へ旅立とう」と、船出の合図をしている。こ
の時『碇』シンジがエヴァに乗って空中にいるのは決して偶然ではない。これは碇を上
げて新しい世界へ旅立とうという意味なのだ。そしてこの場面には死を意味するアスカ
(弐号機)が八つ裂きにされている。ここでレイがシンジの元に向かうのは、船出のた
めに最初のシーンを反復するためだ。ここでゲンドウにとって不運だったのは、撃ち殺
したリツコが赤い服を着ていなかったことだ。こうして『碇』ゲンドウは上がることな
く旧世界に取り残されることになる。
そして碇を上げた人類は、新しい世界へと旅立つことになるのだ。
そこ(レイ(過剰なる生命)の中)にあるのは、永遠の世界であるが、ここに異物が紛
れ込む。言うまでもなく、死のイメージとしてのアスカだ。おそらくもう片方の碇であ
るゲンドウが上がることなく残ってしまったため、碇をつたって船の中に入り込んだの
であろう。碇でもあるが、この物語のヒーローでもあるシンジは、当然アスカを追い出
さなければならない。補完世界の言い争いは、世界を破滅させるアスカとシンジの戦い
なのだ。
そしてシンジとアスカは相打ちとなり、永遠に生命が約束された世界からはじき出され
る。外が赤い死の世界であるのも当然のことだ。
最後の戦いが始まり、シンジはアスカにとどめを刺す。
こうしてシンジの活躍により、永遠の世界は守られたのだ。