怪傑!根府川(仮名)先生!

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131根府川(仮名)
>>123続き(1)
2.「エロス」
さて、第二点目が難しい。エロスであります。
日本と称される地域に準じて性格を形作られたわたしたちがもつ「愛」の意味
は西欧のエロス=真善美を求める衝動的な性愛・合一とは相当異なります。

日本語本来の「愛」(名詞での用例少ない)とは「愛し」のように「かわいらしい」
を含意します。動物や子供に対して用いることばですね。
仏教用語では、西欧の愛と近い意味もありますけれども、それはやまとことば
ではなじみのない意味合いですな。
明治初年、キリスト教の宣教師がLOVEを、仏教用語からとって「愛」と訳した
とき、西欧から宗教的愛としてのアガペー、ついでその対抗要素としてエロス
の概念が入ってまいります。
明治期の文学などを読みますと、明治40年くらいまで恋愛のことを文学青年は
「ラヴ」と言っております。柳田国男は「ラヴ」といわず「たわけの神様」なんて
面白いいい方をしてますな。腑抜けになるといった意味でしょう。
ともあれ日本ではしばらく「愛」に性愛や恋愛、もしくはアガペーとしての意味
が定着しなかったんでしょうね。