2ゲット?
>1鰈
乙一
乙!
7 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/24(土) 21:22:23 ID:nGT13IZ3
前スレ埋まったな。
職人さん帰ってkパシャ
8 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/25(日) 01:33:47 ID:c912882V
前スレ1000……
1000:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/02/24(土) 20:37:04 ID:??? [age]
1000ならマヤさんはシンジの子を妊娠
なんてこった!!
同居しているしなぁ
しかしどこにでも埋め荒らしは現れるな
でも知らない内に1000間近でdat落ちもなぁ…
一日に一書き込みあれば落ちないよ
From:☆★シンジ君☆★
題名:お仕事中すいません
━━━━━━━━━━━あの…来週から…保護者
面談なんです…でも父さ
んに連絡したらマヤさん
に一任してあるって言わ
れたんですが…(・_・;)出
られそうですか?
…でも無理なら大丈夫で
すよ(^-^)
先生にもそう伝えておき
ますから
━━━━━━━━━━━
From:マヤさん♪
題名:了解(^∇^)>
━━━━━━━━━━━
お父さんから話は聞いて
るよ♪
ちゃんと先輩に早退の許
可もらったから心配ご無
用っ!!\(*^∇^)/
━━━━━━━━━━━
「マヤ…仕事中に私用のメールとは…関心しないわね」
「違いますよ〜シンジ君の保護者面談の件です」
「その割には、嬉々として液晶に見入っていたようだけど?」
「えっ?そんなぁ〜気のせいですよセンパイっ♪」
活性化age
漏れもメールネタ参加したいけど、
女の子とメールしたことないから顔文字とかわかんないよマヤたん…
二十台も半ばなんだから、そんなやたらめったらは使わないでしょ
そうでもないぞ?
ウチの姉貴なんか俺相手に絵文字ゴテゴテ付けて送ってきやがる
たしか今年で27だ
マヤさんは意外にも気合いれたメールを書いてそう
顔文字とか何をどのタイミングで使うかわかんね。
登録の仕方もわかんね。
時代に乗り遅れまいと、顔文字多用して変な目でりっちゃんに見られるマヤさん
カワユス
職人街
マヤさん可愛いのに…
需要ないのかね…?
需要はある。供給が不足しているだけ。
ほす
hosu
ホス
ホスホファチジル硫酸ナトリウム
前スレ何処で見れる?
ホシ
ホウアシオ(化蛇)
ホウアシオ(化蛇)
34 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/16(金) 01:47:55 ID:Ykz0j2VO
うーん…
家で二人でご飯食べてる時
ピリリ〜。マヤさんの携帯が鳴る
━━━━━━━━━━━━From:シンジくん♪
Title:無題
本文:確か今日誕生日でしたよね、おめでとうございます。
マヤ「もう‥シンジくんたら。直接口で言えばいいじゃない(グスッ
‥‥ぎゅっ‥‥
>>35 それ以前に、それは、7/11(マヤの誕生日)にやるべき。
そこまでまてなかったんじゃない?
スロットの「シンクロ率が400%を超えました!」は激アツ保守
レバオン「パターンレインボー!」は小役ナビに過ぎない保守
41 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/20(火) 23:27:02 ID:qfYRhVJU
あげてみる
42 :
ポカリシンジ:2007/03/21(水) 00:12:25 ID:???
----もう私、3日も寝てません・・・
既に徹夜続きのネルフ技術部。灯りに点いていない研究室を探す方が困難な程だった。
かく言うマヤも目の下のクマを大事に育て上げ、まるで別人の様な顔で赤木博士に亡霊の
様に近寄る。 この様子ではこれからの実験に支障をきたす恐れもあると判断したリツコは
徹夜続きの職員達に特別休暇を取らせる事にした。
電車の中でうつらうつらと居眠りを始め隣の人に迷惑をかける事数回、そのまま寝過ごして
降りるはずの駅を乗り過ごす事二回。内一回は折り返しの電車で終点のジオフロント入り口
まで寝過ごしてしまう始末。貴重な休暇を無駄な時間で大半を過ごしながらも、何とか自宅
まで帰り着く事に成功した。
〜春眠暁を覚えず〜
故人はうまい事を言ったものだ。使徒戦争後、四季を取り戻したここ第三新東京市も3月末
ともなれば、桜もつぼみから花びらへと変化を遂げ、淡いピンクへと風を色染めていた。
マヤが思い肩で玄関をくぐるとシンジが自室の扉を開けたまま夢の世界を満喫していた。
ふっと肩の力を抜き、少し困った様な微笑で彼のベッドの傍らに腰掛ける。夢の世界から
彼を引き戻さぬように、そっと優しく布団を掛け直そうとした瞬間、シンジは寝返りを打ち、
そのあどけない寝顔をマヤに向けていた。
マヤは少し驚いた後、
----この頼りない少年が世界を救ったなんて誰も信じないでしょうね・・・
優しい笑顔で彼を見詰める。なぜか高鳴るマヤの鼓動。15歳といえど、彼もまた不潔な
男性のはずなのに、その線の細さからか、または柔らかな目尻と女性でさえ羨む程に
しなやかに伸びた睫毛からか、男独特の”野生”が感じられない。
マヤは唇をそっとシンジの頬に近づけ優しくキスをした。
---あぁ〜、センパーイ!!私汚されちゃいましたぁ〜♪♪
シンジを起こさないように、どたどたと跳ねるのをぐっと我慢し自室に駆け込むマヤ。彼女も
無駄な休暇を過ごさずによかったんじゃないかな、と思う。
こんなSS読みたいんだけど、このスレにある?
44 :
ポカリシンジ:2007/03/21(水) 00:39:47 ID:???
バーローwwwww
期待age
46 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/21(水) 13:15:22 ID:nt54nyh6
しっかり書いてそれから聞きなさい、ポカリシンジ君
47 :
碇ゲンドウ:2007/03/21(水) 23:16:38 ID:???
シンジ書け、書かないなら・・・。
というより書いてください!!
49 :
ポカリシンジ:2007/03/22(木) 00:08:36 ID:???
梅雨終わりて、かくも遠き夏の訪れ
空には雲一つ無い晴れ空に覆われていた。どこまでも続きそうな青空。宇宙の真理を今
垣間見たような気分にさえさせられる。
使徒戦争終結後、シンジはマヤと暮らしていた。ミサトの家に転がり込んできた、ご都合主義で
生きていた加持とミサトとの新婚生活?を邪魔するわけにもいかず(アスカに関してはかなり
不満爆発だったが、何故かレイの家に引っ越した)、新居を探しているところに何故か伊吹マヤが
諸手を上げて新同居人を立候補してきた。
シンジはゆとりある生活を満喫していた。かっての同居人である某氏の様にずぼらな同居人
でなく、互いの意見を尊重でいるせいかつスタイルを送れていたから。家事炊事は全て分担制。
互いの生活に支障をきたさない程度のスケジュール。方や家主のマヤは”新世界再建”との
役割を担っているネルフスタッフであるが故、当番を急遽シンジと変わってもらう事もしばしば
あったが、そこは某氏ち違い常識人。次のシンジの当番の日には当番を代わるという心遣いも
忘れる事はなかった。
そんなとあるマヤの休日。前日の夜にはしっかりとシンジに借りは無い事を確認し布団に
入るマヤ。翌朝の当番もしっかりと自分でない事を確認し床につく。明日は昼まで寝よう、
睡眠を貪り休日を謳歌しよう、そう言うば冷蔵庫にまだプリンがあったハズ、それをおやつに
目覚めよう・・・そんな休日謳歌計画をたてて夢の世界のドアをノックした。
翌朝、どうも様子がおかしい。いつもなら夢うつつにも台所から味噌汁の匂いがする時間、
それなのに今日は鍋が煮える音の一つもしてこない・・・不安になたマヤはシンジの部屋を
覗くと顔を紅くさせ、うんうんと魘されている。額に手を当てると、今にも茶でも沸きそうな勢いで
高熱が感じられる。
マヤは迅速に学校へと連絡し(迎えに来たアスカとレイには丁重に断りを入れた)、手際よく
おかゆと身の回りの世話をする。シンジの
----すいません、折角の休日なのに・・・
の言葉にもにっこりと微笑み、額のタオルを取り替える。
50 :
碇スエット:2007/03/22(木) 00:09:53 ID:???
ポカリが書けよ早く
51 :
ポカリシンジ:2007/03/22(木) 00:12:17 ID:???
ただ、彼女は一つの決断を迫られていた。冷蔵庫の前で苦悩の表情を浮かべるマヤ。
----風邪の時は冷たくて喉を通り易い物がいいわよね・・・プリン・・・か・・・
じっと冷蔵庫と睨めっこ。急に耳に入ってきたシンジの寝返りをうつ音にはっと我に帰り意を
決した様子でマヤはプリンを握り締め、シンジのベッドへと向かった。
放課後を迎えたアスカとレイが、そんなマヤの苦悩を知ってか知らずか、お見舞いと称して
大量のプリンを持参したのはどうでもいい話。
って、こんな感じの話ないですか?ってビデオ店の親父に聞いたら変な顔された。
このスレはじまったな。
僕がネルフと学校と、そしてマヤさんのアパートの行き来にようやく慣れてきた頃の話です。
「どおう? シンジ君、憧れの新婚生活は」
話しかけてきた声の主はミサトさんだった。正直苦手だ。
ただアパートの間借りをさせてもらってるだけだってのに、新婚生活だなんて。
マヤさんから聞いた話だけど、当初僕はミサトさんと同居する予定になっていたらしい。
衛生的な理由を元に、マヤさんが間を割って立候補してくれたそうだが。
「べ、別にどうってこともありませんよ」
嘘だった。トウジたちには三度以上自慢している。エヴァのパイロットであること以上の誇らしい事実だ。
「ふーん、でもねえシンジ君、マヤちゃんがいくら可愛いからって手だしちゃダメよん」
「そんなことするわけないじゃないですか」
もちろんそんなことするわけがない。頭の中以外では。
「冗談じゃなくてね、あの子本当に潔癖症で男嫌いなみたいなのよ」
おちゃらけた表情から、ミサトさんの表情が真剣になる。
「シンジ君なら大丈夫だと思うけど、一応ね。お互いにいい人間関係のリハビリになるといいわね」
部屋の明かりを消し、ベッドに寝転びイヤホンを耳につける。
憂鬱だった、久々に憂鬱だった。まさかマヤさんが男嫌いだったなんて。
衛生的な理由から割り込んだ、なんて笑顔で話していたのも実は嘘で、職務命令で嫌々僕を引き取っているんじゃないだろうか。
マヤさんとの同居生活をはじめてから、昇り調子だった僕のテンションが、いつものネガティブゾーンに下降していく。
聞いていた曲がループしたところで、玄関の方から物音が聞こえてきた。ベッドに入ってからもう二時間も時間が経っていた。
「ただいま、あれ? シンジ君まだ帰ってないのかな?」
声に気づいてはいたが、なんだか起きる気力がなかった。
僕の部屋のドアが開き、背中にマヤさんの気配を感じる。
部屋に入ったマヤさんが一歩、また一歩近づく。
どうしたんだろうと体の向きを変え振り返ると、目の前にマヤさんの顔があった。
「起こしちゃった?」
「いえ、起きてましたから」
「もうダメよ、ちゃんと電気つけないと、ね」
すらりとした腕がスイッチに向かい、部屋に明かりが灯る。
「ご飯作るから待っててね」
「はい」
蛍光灯の光で照らされてちらついた目をこすりながら、僕は部屋をでていくマヤさんの後ろ姿を見ていた。
「今日はちょっと頑張ったのよ、美味しい?」
「美味しいです」
自分でもわかるほど沈んだ声で僕は答えた。もう十一時を回っている。
同居生活をはじめた最初の日の夕食もこんな時間だった。
いつも一人だった僕にとって視線を僕に向けてくれる人と会話しながら取る食事は新鮮で
年甲斐もなく(というほどの年齢ではないけど)僕は喜んだ。表情に出していたかはわからないが。
こんな時間にしか帰って来れないから食事は別々にする?というマヤさんの質問にも
一緒に食べたいですと答えた。マヤさんはそうだよね、と微笑んだけれど
今思えばそれは僕のわがままで、マヤさんにとってはただの負担だったのかもしれない。
「シンジ君」
マヤさんの声色がネルフにいる時のものになる。
「はい」
「どこか気分悪いの? もっと軽いものの方がよかったかしら」
「違うんです」
この同居はまやかしなんだろうか。このマヤさんの気遣いも、笑顔も。
それを聞いてみたかったが、いくつも年も違うお姉さんにそんなことを聞けるはずもない。
年齢ってそういえばマヤさんは何歳なんだろう、僕はマヤさんの年齢すら知らなかった。
「あの、マヤさん」
「なぁに?」
「マヤさんって……」
マヤさんは箸を置き、真剣な眼差しで僕を見つめる。
「何歳ですか?」
がちゃがちゃと音をたて箸がテーブルの上から転げ落ちる。
「ごめんなさいね」
笑いながらマヤさんは箸を拾った。
「なによシンジ君、どうしていきなりそんなこと」
どこがツボに入ったのかは知らないがマヤさんはお腹をおさえている。
その姿を見ていると真剣に考えていた僕も馬鹿らしくなり、言おうと思っていたことが波のようにでてきた。
「ミサトさんから聞いたんですよ、マヤさんが潔癖症で男嫌いだって
だから僕のことを引き取ったのも嫌々で、仕事上仕方がなくなのかなって思って
でもマヤさんは僕よりずっと年上だし聞きずらくて」
マヤさんの笑顔は次第に収まっていった。
「葛城さんの話だけど、私も初耳よ。私ってそういう風にみられてたのね。
確かに、不誠実って意味での不潔なことは私は嫌いよ、でも潔癖症ってほどでもないの、見てみて?」
マヤさんは台所を指差す。
まな板の上には野菜の不要な部分や肉の切れ端がそのまま置いてあった。
「意外とずぼらで、無神経なところもあるのよ。シンジ君が来るまでは疲れたぁって制服でそのまま寝ることもあったくらい」
「やっぱり僕がいると負担ですか」
「もう、なんでそういうこと言うのシンジ君、逆にシンジ君は私みたいな十歳年上と一緒じゃ嫌?」
「嫌じゃないです!」
本音と本心で返答がオーバーになった。マヤさんって二十四だったんだ。
わっふるわっふる
分かったからあげないで
やっぱマヤさんは萌えキャラだよな
シンジきゅんをフォローするためにわざとずぼらなフリまでしてくれるマヤさん…(*´Д`)
いいねぇ
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
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66 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/02(月) 02:06:09 ID:D0LfqHGN
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とんでもない過疎ぶりだな
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いってきます、マヤさん
いってらっしゃい、シンジ君
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少年体型なんて自分で謙遜しているマヤさんだが
風呂場でばったり見てしまったマヤさんの裸体は(省略されました
92 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/23(月) 00:40:44 ID:qU/mEPn4
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
わっふるわっふる
何時もの時間、何時もの目覚まし。
自分は結構寝起きが良い方だ。でも、朝の雰囲気、起きた時のまどろみは味わいたい。
それを数分楽しんでから起きだす。
大きく背伸びをして、固まった体をゆっくりとほぐす。
頭に酸素が回ってきたのを確認して、一息吐いたら次の行動に移る。
部屋を出るとすぐに洗面所へ向かう。さっぱりとした感覚を得る為に。
[ガラッ]
いつもの光景とは違う…朝日を浴び、白く透き通るような曲線が目に飛び込む。
「綺麗だ…」
つい、そう口走りそうになったが、振り返ったマヤと目が合う。
「…」
「…」
二人共、脳に信号が行ってないのか、かなりの時間を見つめ合っていた。
「き、き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
先に信号が届いたのはマヤ。その場にしゃがみ込む。
シンジも神経の全回線を繋ぎ、持てる反応速度を注ぎ込んで一気にその場を離れる。
湧き上がる羞恥心に動揺を隠せないマヤ。
「み、見られちゃったかな…」
とりあえず、バスタオルを体に巻き廊下に顔を出してみる。
シンジは廊下で深呼吸をしていた。
マヤはシンジにそっと尋ねてみる。
「み、見た?」
「…み、見てません!見てませんよ!」
「…本当に?」
顔を逸らした状態で「見てません」を繰り返すシンジ。
そんな光景を見ていたら、マヤは急に可笑しくなって来た。先程までの羞恥心は何処へやら。
「なんだ、シンジ君なら見ても良かったのに…」
そんなマヤの言葉に反応して、振り向く。そこには、舌を出しながら優しく笑うマヤが居た。
書きたくて書いた。反省はしていない。
95 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/23(月) 09:27:04 ID:JKZX0dOQ
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
保守は2,3日に1回でいいんじゃ
保守スレみたいになっとる
俺は荒らしだと思っていた……。
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
>>98-99 次から2,3日に一遍にします……
本当にすいませんでした。
ぶっちゃけこの板なら週1で十分。
マヤさんとシンちゃんでお買い物、そこをトウジたちに目撃されて(以下
104 :
マヤが好き男:2007/05/04(金) 12:48:59 ID:jU+yPzKZ
飛び入り参加ありか?
深夜2時、その日はマヤが巡回する日だった。
基地の中は明かりが点いているとはいえ薄暗く。
辺りに人がいる気配はもうない。
自分の歩く音だけが妙に大きく聞き取れる。
ましてこの広大な基地、すぐ見てハイ終わりというわけにもいかない。
いつもの学生寮のような食堂を一通り見終わった後
マヤは何もないことにほっとしながらも、早く巡回を終わらせようと若干早足で歩きだす。
いつまでも続くかのような長い廊下、孤独という不安がだんだんと大きくなってゆく。
それでもマヤは従順に決められた仕事をこなしていった。
ミサトの事務部屋前、これを見終われば一通り巡回したということになる。
マヤが近づくと扉は自動で開き。
これで自分の仕事は終わりだと、ほっと肩をなでおろすマヤ
すると、誰もいないハズの部屋から物音が聞こえてきた。
マヤはハッとして恐る恐るミサトの机に近づき警告する
「誰なの、誰かそこにいるの!いるのならでてきなさい。
人を呼ぶわよ!」
するとでてきたのはいつも見かける少年だった。
「い、碇く」
マヤの言葉はそこで終わった、目の前が暗くなる…
少年の声が、意識の朦朧とするなか静かに響く。
「あ〜ぁ、せっかく・・・の・・を調べてたのに。」
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
最近は使徒の襲来もなく、平穏な毎日が過ぎていた。
私は仕事の量も落ち着いてきたこともあり、今取り逃したらいつ使えるのかわからない有給を取ることにした。
日頃なかなかやるにやれない細部までの掃除や、丁度帰宅が早いシンジ君とどこかへ出かけるのもいいだろう、と思ってのことだった。
「私一人なら、なんとなくでいいけどシンジ君にはいい環境で過ごしてもらわなくっちゃ」
パイロットだからではなく、それにはそぐわない感情も芽生えているような気がした。
「でも十歳差かぁ、お母さんと子どもよね。それか姉弟か」
念入りに雑巾をかけながらひとりごちた。
「よし、これであとは…」
シンジ君の部屋を残しての掃除は終った。
「でも一応、プライバシーとかあるわよね」
マヤはここで同僚の言葉を思い出した。
「シンジ君も思春期だからね、その、なんていうか一人の時間や一人の空間ってのが必要だと思うぜ」
「みられたくないものとかありますからねぇ、ま、マヤちゃん自身も気をつけてね」
と日向と青葉がにたにたと話しきたのを思い出して、少し鳥肌が立った。
「シンジ君はあんな不潔なのとは違うのよ、だってまだ十四歳よ」
というよりマヤ自身、一瞬として危険や視線を感じたことがないのだ。
一人暮らしの時の名残で、タオル一枚で風呂場からでてきたときも、シンジ君は見回すでもなく
「あっ」と言ってすぐ部屋に戻って行ったし、その後も気まずい空気もなかった。
意外とそういう視線に気づくだけの勘は優れているつもりだ。葛城さんや先輩の胸元を見る同僚の目にはすぐ気が付く。
「少しでもシンジ君の助けにならなくっちゃ、ただでさえ普通の中学生にはないシンクロテストや、受ける理由のない怪我や拘束で時間が少ないんだから」
私はシンジ君の部屋に入った。
シンジ君を呼びにいくときに入ったりはするが、こうじっくり立ち止まって見回すことはなかった。
とりあえずマヤは、テーブルやCDコンポなどを移動し掃除機をかけた。
殺風景でほとんど何もない部屋なので苦労なく掃除は進んだ。
「こういうものなのかしら、男の子の部屋って」
自慢じゃないがシンジ君の部屋を除いて、一度も男の人の部屋に入ったことはない。
「あとはこれで」
きつく絞った雑巾で部屋の隅々を拭いていく。
机の上に置かれた鏡に自分の姿が映る。
手ぬぐいを巻いた頭に、少し埃のついた前掛け。
「やだ、なんかおばさんみたい、シンジ君が来るまで終らせなくっちゃ」
もともと汚れているわけではなかったが、目に見えて部屋が綺麗になっていくのがわかって笑みがこぼれた。
「喜んでくれるわよね」
身をかがめベッドの下を拭いていると手に何かがあたった。
「ビデオテープ?」
取り出して確認すると「巨乳※%$#%$」読み上げられません!
玄関の方でドアノブを回す音がした。あわててそれを、元あったところあたりに滑り込ませると、足早に部屋をでていった。
「あれ?なんか家中がピカピカだ。マヤさんがやってくれたんですか?」
「え、ええ」
なにやら気まずい。
「そ、それじゃあちょっとシャワー浴びてくるわね」
「はい」
シャワーを身体に浴びながらため息をついた。
「あったわ……でもそれって普通のことなのよね、でも……」
視点を胸にうつしてまたため息。
「はぁ……」
シャワーを浴び終わり下着をつけるとき、無理やり寄せてあげた。
「はぁ……」
居間に戻るとシンジ君の態度がどこかよそよそしい。
「ぼ、僕の部屋も掃除してくれたんですね」
少しの沈黙。
「シンジ君!」
怒られると思ったのかシンジ君は身を竦ませた。
「ち、違うんですマヤさん、あれは、そのトウジが無理やり」
「シンジ君も、おっきいのが好きなの?」
少し涙声になっていた。
「へ?」
「そ、そんなことないですよ、マヤさんくらいスレンダーなのが一番です」
「ほんとに?」
「本当です」
「お寿司でも食べいこっか」
人差し指で涙粒を払うと私はシンジ君に抱きついた。
109 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/10(木) 03:04:01 ID:vSIJviAI
そうだよ!ビデオはトウジが無理矢理に貸してきたんです!
マヤさん、誤解しないでください!
>>106 あんな不潔なの、ってマヤちゃんヒドスwwwww
>104
イイヨイイヨ〜♪
>103
いつも乙です
保守・アスカ・ラングレィです!よろしくぅ!
ほ
115 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/25(金) 15:17:00 ID:4mLb1xu3
ほ
イイヨー(´Д`*)アウアウ
>おっきいのが好きなの?
小さいのをコンプレックスにしてるのってなんか可愛いw
118 :
トウジ:2007/05/27(日) 06:16:22 ID:???
乳首チュウチュウチュウ
119 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/28(月) 18:06:28 ID:/Zxg76gK
あげ
120 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 17:08:28 ID:v776g9yw
∩(゜∀゜∩)アゲ
121 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 18:16:12 ID:t+oCTIHz
今考えると、別にミサトじゃなくてマヤでもよかったね
マヤだと、マヤ側の葛藤もいろいろ描かれて良かったかも
ミサトは謎解き専門で立ち位置が分かりやすくなっただろうし
ミサト「あ、そうそう、これお願いね」
マヤ「はい。……サードチルドレン監督日誌?」
ミサト「そう。レイはほぼ完全に把握できてるけど、シンジ君はわからないことだらけでしょ。いきなり暴走だし。少しでもデータが欲しいの」
マヤ「だ、駄目です。私…」
ミサト「これは作戦部からの正式な依頼です、伊吹二尉」
マヤ「そんな」
ミサト「彼の精神状態のためでもあるのよ。 ……じゃお願いね♪」
マヤ「…こんなの…まるで監視してるみたい」
シンジ「おかえりなさい、マヤさん」
マヤ「きゃっ」
シンジ「どうしたんですか、びっくりして」
マヤ「う、ううん、なんでもないの…(ごめんねシンジ君、ごめんね…)」
マヤ………マヤさ………
意識が朧げで思考が定まらない、どうやら肩を揺さぶられているようだ。
こうやって人から起こされるのは、一人暮らしを始める前以来だろうか。
目覚ましも鳴っていないし。どうしたことだろう。
ひらひらと右手をあげ、左手で目元をこすりながら起き上がる。
右手と頭が何かにあたり、げほげほと咳き込む声が聞こえた。
私は徐々に開けていくを右に左に動かしたが、何も見当たらない。
まだ血が体全体に回りきっていないのか、ふらふらしたが、ベットから立ち上がった。
また何かを踏みつけ、ぎゃっと声がした。
そして声のした方へ視線を向けると、鼻血を出したシンジ君が居た。目が覚めた。
「ちょ、ちょっとどうしたのよシンジ君」
言ったすぐ傍にわかった。多分、私の薄着のはだけた胸元をみて、ということでは悲しいけれどなくて
当たってしまったのだろう、頭か、それか握った拳のどちらかが。
幸い、なのかはわからないが足は今シンジ君の手を踏みつけている。あわてて退けた。
大丈夫ですよ、とシンジ君は笑ったが、血まみれの鼻と口元で言われるとそれはもはやホラーだった。
「あっあっ、どうしよう、どうしよう」
ざっざっとティッシュを何枚も何枚も取り出し、シンジ君の血をぬぐった。
本当に凄い量がでていて、ぬぐう最中も私の手や衣服に飛び散った。
「ごめんね、本当にごめんなさい」
何故か私の方が泣いてしまっていた。
私が落ち着くと、食事作っておきましたからというシンジ君に連れられ、食卓へ向かった。
「いつも私、目覚ましで起きてるから、起こされることに慣れてなくてごめんね」
慣れればああいう事態にならないのかはよくわからなかったけれど。
「ええと、今日昼前に、一緒に買出しに行くっていってたから」
時計を見ると十一時をさしていた。よくよく考えて見ると私の休日というものは
平日の過労を取るための休息日でしかなく、特にこれと言って行動をおこす曜日ではなかった。
そのため、いつも前日に仕事の進み具合やらを考慮して、10分単位で目覚ましの時刻をいじることも休日前にはせず、寝たいだけ寝ていた。
「ほんと、ごめんねシンジ君、大急ぎで支度するから」
あわてて私はシャワーを浴び、髪を梳かし、着替えに向かった。
時刻はもう正午になろうとしていた。
少しは頑張ってみようと、かけられた服に目を動かすも、実用的で動きやすい服しかなく
こういう時があれば着ようと思われていたものは、すぐ手の届く範囲には見当たらなかった。
部屋をひっくり返して探せばあるのかもしれないが、その時間はない。
結局、黄色のTシャツと適当なズボンという、あのコインランドリーの時の服装になってしまった。
「おまたせ」
と沈んだ声で私は言った。待たせてこれか、と自分でも思い更に沈んだ。
特にシンジ君は何も言わなかったが、がっかりしているに違いない。
「じゃあ行きましょう、何買いましょう」
「鉄分の多い食べ物とか…」
何気なく言った言葉にシンジ君は大笑いした。
どちらからともなく、自然に手を繋いで私たちは町へ出た。
マヤさんと同居してえー
シンジともな
続き期待
「なぁシンジ」
弁当を広げ腰を下ろすと、トウジとケンスケがどちらともなく口を開いた。
トウジの方は目尻が下がりにやにやとし、ケンスケは何かを言いたそうにこちらを見つめている。
「なんだよ」
あまりいい予感がしなかった。
「もうすぐ期末試験やなぁ、はかどっとるか?勉強」
多分、本題ではない。いつもであれば、そんな話はでてこない。
「別に、いつもと一緒だよ」
とりあえず赤点を取らないようにと少し机に向かうだけで、特に何もしてはいなかった。
「ええよなぁシンジは、家に理知的で美人な家庭教師がおって」
「ダメよシンジ君、それはまだ教えられないわ、なーんてな」
と二人はおどけてみせた。
「マヤさんはマヤさんで忙しいから、そんな暇なんてないよ」
本当はマヤさんの方から、勉強をみてあげようか?とは言われているが、手間になるのも悪いので断っていた。
「まぁそれもそっか、ウチのオヤジも似たような感じだしな。んで、本題だけど次のテストで賭けしないか?」
「賭け?」
「そうや、賭けや、ギャンブルは男の浪漫やでシンジ」
「でも賭けっていっても何を賭けるんだよ」
「俺たちが勝ったらな、シンジにはマヤさんの生写真を持ってきてもらう」
トウジが僕の肩をがっしと掴んで言った。
「な、そんなのダメだよ」
「まぁまぁ焦るなって」
ケンスケはカバンをごそごそとあさり2枚のチケットを取り出した。
「じゃん、近場の水族館のチケット2枚、シンジが勝ったらこれをやるよ」
「と、とにかくそんなのダメダメ、だいたい僕は水族館なんて行きたくもないし」
「おいおい、つれないなぁシンジ、この水族館結構20台のOLに人気なんだぜ、たまには同居人孝行もしておかないとマヤさんに捨てられちゃうぜ」
僕が伸ばした箸が、卵焼きに触れた。お弁当はマヤさんが毎朝作ってくれている。
冷凍食品の詰め合わせでごめんね、といいつつも一品は手料理を入れてくれている。
僕としては全部冷凍食品でも、逆に市販の弁当でも負担が減るならと言っているのだが
早起きする理由にもなってるからいいのいいのと毎朝かかさず台所に立っている。
「わかった、でも写真っていっても変なのはダメだからな」
「流石センセ、話がわかる」
テストの2週間前に不幸にもネルフでのシンクロテストなどが重なったが、空き時間はなるべく机に向かった。
「あら、シンジ君、なんだかこの頃頑張ってるわね」
青の水玉模様のパジャマ姿でマヤさんが部屋を訪れた。
僕がネルフに拘束されている時は、当然マヤさんの仕事も増えるらしく、僕より疲れているように見えた。
「別にそんなことないです、いつも通りですよ」
「私ももう2時間くらいは起きてるから、わからないことがあったら聞きにきてね、それじゃ」
マヤさんはひらひらと手を振ると部屋から去った。
頑張らなければ、マヤさんのために。
流石に法に触れるレベルのものは頼んではこないだろうけれど、着替えシーンを激写しろだの、胸元をとれだの何を言われるかわかったものではない。
「おっはよ、シンジ。昨日のシンクロテストどんな感じだった?」
今日は期末試験だというのに、そっちのテスト結果にしかアスカは興味がないようだった。
「どんな感じかって、データがでるのは数日後だろ?わかりっこないよ」
「バカねぇ、なんかこう感じでわかるものがあるじゃない」
「そんなことは別にいいけど」
僕は視線と指先をトウジと委員長、ケンスケに向けた。
「昨日もあんな感じだったの?」
トウジは頭にハチマキまでして、目を血走らせて参考書に向かっている。
「昨日どころかずっとみたいよ、なんかヒカリが鈴原にどうしてもって頼み込まれたみたいで、アンタたち何やってんのよ」
「ま、まぁ色々と……」
「まぁた私の写真でも賭けてやってんじゃないでしょうね」
「はは、それなら別にいいんだけどさ」
殴られた。
「ま、せいぜい頑張んなさいよ」
いちいち示し合わせるとつまらないということで、全ての答案が手元に戻ってから点数を合計し勝負を付けることになっていた。
「まず俺からな、512点、シンジはどう?」
ケンスケが言った。
「僕は546点」
「ちくしょー、負けた」
残るはトウジのみ。
僕たち三人で比べる場合、僕とケンスケが上だったり下だったりでトウジはいつも頭一つ下だった。
「シンジ」
「な、なんだよトウジ、ルール変更とかはナシだからな」
「約束は絶対やで、わいは548点や、マヤさんの生写真はわいのもんや!」
「おいおい、『俺たち』だろ」とケンスケとトウジは抱き合った。
「う、嘘だろ、全部の答案見せてよ」
1,2,3,4……全ての教科を何度足しても548点だった。
「んじゃ、4日後くらいまでによろしくな」
ケンスケから手渡されたカメラを受け取り僕は絶望した。
「できるだけ色っぽくな」
「ちくしょう」
何か別のものを被写体にしているふり、をしながらマヤさんの後姿を少しいれスイッチ
などという小細工をしたものなら、二人の怒りすさまじいものになるだろうし。
「やっぱり正面から撮らないといけないよな」
マヤさんの色っぽい写真が欲しいってトウジが、と言ったら最後
不潔の一言とビンタ一つくらいは飛んでくるかもしれない。
それで済めばいいが、最悪マヤさんと僕が永久鎖国してしまう。マヤさんとの関係を良好にするために頑張ったってのに。
「はぁ……」
「シンジ君、はいるわよ。あらどうしたの、そのカメラ」
マヤさんが物珍しそうに、カメラを手に取った。
「課題で使う写真を撮るためケンスケに借りたんです、でも少しフィルムが余っちゃったからマヤさん写ってみませんか?」
自然な建前がでてきた。
「可愛く撮って頂戴ね」とマヤさんは微笑んだ。
「あ、やっぱりちょっと待って、お化粧してくるから」
「そんな気をつかわなくてもいいですよ」
「でも写真はその人の手元にずっと残るものでしょう?どうせなら満足のいく形で残しておきたいじゃない」
「ですよね、じゃあ待ってます」
手元に残らないから、マヤさんが魅力的に写れば写るほど負けた気分になりそうだった。
何より、嬉しそうにしているマヤさんを見ると多少の罪悪感が心に過ぎる。
戻ってきたマヤさんの写真を数枚撮った。
マヤさんの笑顔を見ていたら、罰ゲームのことも忘れてシャッターを押していた。
「二人で一緒に写った写真も欲しいね、明日シンクロテストの結果がでるから
その時ネルフへ来ないといけないわよね?その時先輩にでもシャッター押してもらいましょ、それじゃおやすみなさい」
「せんぱーい、シャッターお願いします」
リツコさんにカメラを渡すと、マヤさんは僕が並んだ。正直僕は写真が嫌いだった。写真というものはマヤさんの言うように残る。その時の思いをのせて。
残しておきたくもない、振り返りたくもない日々を過ごしていた僕が、写真に写りたいと思うわけはなかった、だけど。
「もうちょっと寄ったらどう?」
リツコさんは寄って寄ってと、手を振った。
「こうかしら」
マヤさんは僕の後ろに回ると、首元に顔を寄せ後ろから抱き寄せた。
マヤさんが密着する。
「はい、チーズ」
リツコさんの合図と共に、カシャとシャッター音が鳴った。
「お似合いだったわよ」
リツコさんはカメラを僕に渡しながら言った。
「先輩ったらもう」
幸せそうにマヤさんとリツコさんは笑いあっている、そして多分写真の中の僕たちも。
PS:その後通路であったミサトさんに、ミサトさんの色っぽい写真をトウジ達が欲しいと頼んだ所
あっさりOKされ、その写真をトウジたちに渡し事態は解決しました。
完
ミサトさんwwww
ミサトwww
シンジ君やるね
やはりあれかw
「胸の谷間に注目!」
二人から鼻血
オチがよかったw
捕手
シンジ「誕生日おめでとうございます。」
マヤ「ありがとう。」
リツコ「おめでとう。」
冬月「おめでとう。」
ゲンドウ「おめでとう。」
ミサト「おめでとう。」
加持「おめでとう。」
ペンペン「クワックワッ!!」
アスカ「おめでとう。」
レイ「おめでとうございます。」
時田「おめでとう。」
日向「おめでとう。」
ケンスケ「おめでとう。」
トウジ「おめでとさん。」
委員長「おめでとう。」
カヲル「おめでとう。」
マヤ「皆ありがとう。」
その後皆で楽しく誕生日を祝いました。
byマヤ
ロンゲ「あれ?みんなどこだ?俺一人かよ!」
左様「左様。」
キール「運が悪かったんだよ、君はな。」
140 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/18(水) 01:00:23 ID:XFP4+wEU
ほ
ケンスケ「おめでとう」→「めでたいなぁ」
「(性的な意味で)おめでとう」
おめでとう。全裸で。
そうか濱中アイっぽいのか
>142
そして全てのスレ住人におめでとう
どこを見渡しても人、人、人、想像以上の人の波に僕は酔っていた。
それもそうだ。なんせここは。
「遊園地なんて久しぶり」
燦燦と照る太陽を腕で遮りながら、隣を歩くマヤは言った。
多少無理をして笑顔を作っているようだ。
「せ、先輩がね、シンジ君と行って来たらってこれを」
歯切れが悪くそう言うと、マヤさんは遊園地のチケットを見せた。
その遊園地は最近オープンしたばかりで、TVでもやたらと特集を組んでいる所だった。
「へぇ、そうなんですか」
「で、でね今度の日曜日……」
そこでマヤさんは沈黙した。僕も沈黙した。
こんなに日が長くなっているというのに僕もマヤさんの肌も真っ白だ。そう、僕たちは生粋のインドア派なのだ。
できることなら、行きたくない、多分マヤさんもそう思っている。
ただ、僕が行きたいと言ったらマヤさんは断らないだろうし、マヤさんが行こうと言ったら僕も断らない。
遊園地なんてものは、つまらない日常生活に刺激が欲しい人が息抜きにいく場所じゃないか。
僕はこの同居生活のお陰で毎日楽しく過ごせている。別に、そんなところになんて、と言えるはずもなく。
「いいですね、やった遊園地だ」
「そうね、私もいつ以来かしら」
僕とマヤさんの声のトーンは明らかに落ちていた。
雑談、足音、絶叫、耳障りな音楽が止まることなく響いていた。
ここにマヤさんがいなかったら、僕は即座に逃げ出しているだろう。もしかしたらエヴァに乗ることからすらも。
「TVでも見たけど、すごいわね」
ため息混じりに、絶叫マシーンを指差しマヤさんは言った。
地面に叩きつけるように落下するフリーフォール、見ているだけで目の回るくらい回転するジェットコースター。
照りつける日射のせいか、はたまた絶叫マシーンの威圧感のせいかマヤさんは気持ちの悪そうに胸元をさすった。
「大丈夫ですか?」
「ううん、平気」
「僕もちょっと疲れたから休憩しましょう」
マヤさんの手をひき、手近にあったカフェに入った。
僕も疲れていたのは事実だが、まだ入場して、園内を軽く歩いただけで何もしていない。
「マヤさん」
「シンジ君」
ほぼ同時に僕等は口を開いた。
「あの」
「その」
「帰りましょっか」
「あれ、エントリープラグの中より揺れそうですもん」
「そうよね、絶対そうだわ」
会計を済ますと僕たちは遊園地を出た。
さっき手を引いて歩いたせいか、自然とマヤさんは僕の手を握った。
遊園地、来てよかったのかもしれない。
149 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/24(火) 15:30:19 ID:l3DJ5RBN
海でマヤさんの水着がポロりという展開希望
身体に纏わりつく普段と違う布ざわりを意識しながら身を起こすと、そこは病室のようだった。
どうやらあの出来事は、夢や幻ではなかったらしい。
巨大なロボットに乗り、化け物と戦ったこと。
「なんだって僕がこんな目にあわなきゃいけないんだ……」
ずきずきと痛む左腕。
次に父さんに会ったら、言ってやる。
もう利用されたりなんてしない、僕のことはもう放って置いてくれと。
「シンジ君、こっちよ」
ミサトさんが僕を手招きする。エレベーターが開く。
うおあっ。開かれた扉の中には無言でこちらを見る父さんが居た。
そしてドア閉じた。
「彼の個室はこの先の第六ブロックになる、問題はなかろう」
「そんな、勝手に呼び出して、勝手に利用して拘束して」
僕はすかさず反論した。ここで流されたら、また酷い目にあう。
「一人でですか?司令、同居なさらないんですか?」
ミサトさんにも僕にも、父さんは返答しなかった。
「ごめんねぇシンジ君、いきなりこんなことになって。やっぱり一人じゃ大変よね、まだ14歳だし」
何故かもう僕は、エヴァのパイロットとして見られているらしい。
「あの、そういうことじゃなくて」
「ちょっち待ってて」
言わなければ、逃げなければ。
ミサトさんが電話に向かって何か叫んでいる。
「だぁかぁらぁ…シンジ君は…………ことにしたから、大丈夫ちゃんと許可も取ったし、それにあの子なら子どもに手だしたり」
「あたり前じゃないの!まったく何考えてるのあなたは!」
あまりに大声に、手から離れた受話器がウナギのように地面で踊っている。
「というわけで、おっ、ちょうどきたわね」
「あの、ミサトさん、僕は何を言われても」
「このお姉さんが、貴方の同居人よん」
ミサトさんの指差す先には、ファイルを左腕でかかえた、ショートのお姉さんがいた。
「よろしく」
とそのお姉さんは清楚な笑みを浮かべながら、僕に細い手を差し出した。
「で、シンジ君どうしたの?」
「僕は」
「僕は」
「エヴァンゲリオン初号機パイロット碇シンジです!」
そう宣言しお姉さんの手を両手で握った。
最低だ、俺って。
155 :
シンジ:2007/08/03(金) 23:37:46 ID:???
(*´Д`)ハァハァ
俺の造った作品!
ぼくシンジ、夜寝てたんだ。そしたらマヤさんがいつのまにか隣りにいてちんこ!握ってきたぁ、オッキした速出た。そのあと棍棒で殴り倒した失神したマヤさんのマ☆コに腐れチンポ入れた
そしたら暖かいのでたくさん出た。翌日妊娠してたよマヤ。で明後日に子供生まれた!マヤは一生俺のもの!
保守
>>153 続きまだ?続き気になって眠れないじゃないか
あっ、と驚きの声をあげ、そのお姉さんは僕の手を振りほどこうとした。
「ちょっとマヤちゃん、手差出したのはアンタでしょうが」
とやや呆れたようにミサトさんは言った。
「す、すいません! いきなりだったもので」
そのマヤちゃんと呼ばれたお姉さんは、45度のお辞儀で謝っていた。
手に持ったファイルをばたばたと落としながら。
「私に言っても仕方がないでしょ」
ミサトさんはマヤさんの肩を持つと、身体の向きを僕の方へ向け
「マヤお姉さんの言うことちゃんと聞くのよ」
それじゃ、とミサトさんは足早に立ち去っていった。
ミサトさんが立ち去った後、少しの間の後ようやくマヤさんが口を開く。
「さっきはごめんね、大丈夫?」
「いえ」
「あらためてよろしく」
まるで早口言葉を話すように、一気にマヤさんは言った。
「はい、よろしくお願いします」
僕も一応深々とお辞儀をした。
「そ、そんなにかしこまらなくったっていいのよ、同居、同居人なんだから」
清楚な微笑みが徐々に歪み、頬に涙が伝う。
「どうしてこうなんだろ」
自問するようにマヤさんはそう言うと、涙を拭いながら落ちた書類を拾い始めた。
僕も腰をかがめ、マヤさんの手に触れないよう書類を拾った。
これからどうなるんだろうか。
さきほどの高ぶった気持ちはなりを潜め、少しの不安が広がった。
GJ!続きは?
マヤさんはじまりすぎだろ…常識的に考えて
マヤさんに少し待っていて、と言われたので僕はベンチに腰を降ろして待っていた。
振りほどかれた手を見つめると、色々なことが頭を巡った。
どうせ、結局、ここでも僕は一人なんだ。
無音の廊下にカツカツと靴音が響く。
「シンジ君、施設を案内するから」
落ち着きを取り戻したマヤさんが僕を手招きする。
迷路のように入り組んだ通路を、迷うことなくマヤさんは進んでいく。
その後ろをつかず離れずの距離で僕は追いかける。
要所要所でマヤさんはその場所の説明を僕にしてくれた。
「ここはシンクロテストの時に使う所よ」
「ここは〜」
「ここは〜」
「ここは〜」
それ以外に会話はなかったが、一筆で効率よく回っているせいか、入り組んでいる割には歩いている距離は短いように感じた。
「そしてここは普段私が……」
そう口に出すか出さないかその時。
「マヤ!」
と甲高い声が響いた。
その声の主は金髪で白衣を身に纏った、いかにも科学者、な人だった。
「マヤ、目立った外傷はないとはいえ、シンジ君は先の戦闘で身体にダメージを受けているのよ。
本来なら安静にしていなければいけないところを、どうして連れまわしたり……
どれだけチルドレンが大切か、貴方がわからないわけじゃないでしょう」
「先輩、すいません、すいません」
またしてもマヤさんは涙を零した。
それでも先輩と呼ばれた科学者風の女性の口は閉じようとしない。
「やはり司令の言ったとおり、シンジ君はネルフの管理下に」
「すいません、僕がマヤさんに言ったんです。こんな場所見たの、当然だけど初めてで、どういう所か見ておきたいって」
「まーまーシンジ君もこう言ってるし、マヤちゃんも悪気があって案内したわけじゃないでしょ
リツコこそ、病み上がりのシンジ君の前で怒鳴らないでもっと笑顔でね、空気は伝染するものよ」
仲裁に入ったミサトさんが、相手役を引きうけ僕等はその場を後にした。
時間が時間なせいか、もしくはあんなことがあった後だからか、周りに人は一人も居らず
僕とマヤさんだけしかいなかった。
「ごめんね、シンジ君。私のせいで嫌な思いさせちゃって」
「いえ」
「私がネルフに始めて来た時、広さに圧倒されて、数週間は通路を間違えて遅刻したりで大変だったの
だからシンジ君に早く慣れてもらおうと思って……だけど先輩の言うとおり
結局私は他人のことをちゃんと見れてない、だからこうやって迷惑ばかり……」
他人のこと。
僕がパイロットから逃げれば、僕より酷い怪我を負っていたあの青い髪の子がまた搭乗させられることになるのだろうか。
それがダメだったらこの街はどうなっていたんだろう。
マヤさんの足が止まった。
「やっぱり私が同居人じゃ……」
「僕はもっと最低です、人のことすら考えずに逃げようとしてたんですから」
「でも、この人が同居人なら頑張ろうって、そう思って。
だからそんな悲しいこと言わないで下さい」
「シンジ君は嘘が上手なのね」
とマヤさんは声をあげて笑った。
重かった足取りが嘘のように軽くなり、同居先までの距離が縮まっていく。
この街を、同居生活を守りきれたら、この人との距離も縮んでいくんだろうか。
マヤさんの横顔を見つめながら僕は歩いていった。
乙!続きは?
殻の閉じこもり具合が何とも言えないコンビが大好物な俺ガイル
まさにマヤとシンジはうってつけのコンビ
殻の中の小鳥
170 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/25(土) 03:33:59 ID:FDMl34SE
あげ
hosyu
溜まりに溜まった仕事が片付き、ようやく落ちついて腰を降ろせる。
そう思ったのは間違いのようで、同じく仕事にひと段落ついた同僚が歩み寄ってきた。
「よぉ、マヤちゃんも仕事片付いたの?」
ロンゲの五月蝿い同僚の青葉さんが、馴れ馴れしく近づく。
少し苦手だ。
「え、えぇまぁ」
多少広い空間ではあるけれど、やはり仕切られている重苦しさがあり、長い時間仕事をしていると、無性に息苦しくなるのはわかる。
そして近場にいる異性が私だけというのもわかる。
でもでも、でもでもでも、少しそっとして置いて欲しいのだ。
連日連夜の残業、通常業務、報告書の作成。
そして
「で、マヤちゃん同居生活はどうなの?」
「あ、ちょっとコーヒー買ってきますね」
同居生活が始まる前は守られていた私のプライベートな話題。
パターン赤!侵食されています!
「じゃあついでに俺のも、俺はコーラね」
はぁ……と最近多いため息をもらしながら、とぼとぼと自販機に向かう。
私はコーヒーと、普段青葉さんが飲んでいるコーラの種類と違うメーカーのコーラを買い、来た道を戻った。
意外と自分はなんだってそれなりにできると思っていたけれど、ネルフに入るためにそれ相応の対価を払っていたようだ。
それがため息の原因だった。
持ち場に戻ると、青葉さんに加え日向さんが増えていた。
「はい」
コーラを置き、足早に離れようとしたが、すぐさま呼び止められた。
「丁度マヤちゃんのこと話してたんだよ」
「そうそう、で、マヤちゃん同居生活はどうなの?」
二度目だ。流石にもう避けられない。
「ええと、普通ですよ普通」
「あぁいいなぁシンジ君は、俺もマヤちゃんの手料理くいてぇなぁ」
本当に残念そうに青葉さんが口にだす。
「僕なんて、毎日弁当ですからね、社内食堂で唯一昼は免れてるけど、朝夜は弁当」
続けて日向さんも愚痴を漏らす。
「ははは」
だいたいは私の口にしているものと一緒。笑うしかない。
「さてと、私はもう少し仕事が残ってるので」
「さっき赤木博士が、マヤちゃんは最近やらなくてもいい仕事まで抱え込んでるって言ってたけど
少し頑張りすぎじゃないか?ちょうどシンジ君も模擬戦闘を終えて戻ってくる頃だし、それまでならいいじゃないか」
そう言われると、断る文句も浮かばず、十五分くらい延々と話題をかわし耐えていた。
「これはちょっと、シンジ君にも聞いてみないとな、羨ましいやつめ」
「いくらチルドレン特権とはいえ、許せないですね」
「い、いやそんなことはない、んじゃないかな」
と私が口を挟んでもそれは聞こえていないようだった。
切り上げるタイミングを見失っていたところに、とうとうシンジ君が来てしまった。
シリアス系もいいなぁ。
アアアア〜気になるところで切るなぁ
「よっ、この幸せもの」
わけのわからない出迎えに戸惑っているのか、シンジ君は私に視線を向けた。
葛城さんのひょんな提案から、私たちの同居生活がはじまった。
「綺麗なアパートじゃな〜い」
シャンプー、シンジ君の着替えなどの日用品を入れた小袋を腕に下げながら葛城さんは言った。
「いえ、そんな」
お世辞でも、褒められることは嬉しい。
私の性分や、仕事の忙しさもあって自分のアパートに人を招き入れることはほとんどなかった。
気心の知れた数少ない友達を年に数度いれるかいれないか、というくらいだ。
和気藹々とした雰囲気から少し遠ざかったところから、シンジ君が続く。
私たちが片手で持てる、スーパーの小袋を持っているのに対し
シンジ君はぎゅうぎゅうに詰まった袋を二つ無理やり腕に引っ掛けながら、米まで持っている。
「シンジ君、ちょっとペース遅れてるわよ、男なんだからファイトファイト」
のそのそと進むシンジ君に、軽い口調で葛城さんは言った。
「そんな、無茶苦茶な、どうして僕が……」
もっともだ。それもこれも私が手伝いに行くと申し出てくれた青葉さんと日向さんの誘いを断ったのが原因であるから、シンジ君には本当に申し訳ない。
「エヴァーとのシンクロ率をあげるには心技体の鍛錬がかかせないのよ、ほらほら弱音を吐かない、何事も修行修行よ」
「念じるだけで動くのに、それ、本当ですかミサトさん」
そんな話、私も聞いた事がない。
「シンジ君大丈夫?やっぱり私少し持つわ」
「大丈夫です、雑用は男の仕事ですから」
私には気を使っているのかシンジ君は敬語でそう言った。
シンジ君の限界が来る前に、どうにか私の部屋に着いた。
「どうぞ、あがっていってください」
「そう?じゃあお邪魔させてもらうわ」
期待sage
178 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 04:54:45 ID:CqDDg/2K
じゃあ俺はage
179 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 18:28:31 ID:QQBUqLY3
マヤが好きすぎるから死亡覚悟で投下
「ハァ…」
「何溜息ついてんのよ、ミサト」
リツコがミサトの隣に腰掛ける。
「碇司令がね……シンジ君と同居する気、ないらしいの。」
「まだ14歳じゃあね、いきなり1人では苦しいでしょうね。」
しばしの沈黙
そしてミサトがつぶやいた。
「私が…一緒に暮らすか…」
「何言ってるの!あなたの部屋なんてまるでごみ箱よ!それにこんなズボラ女と
一緒なんて………」
「ちょっとリツコ〜そこまで言う〜?」
「ええ、あなたみたいな人と暮らしたら、シンジ君がかわいそうだわ。」
「…………いいわよ…預かってくれる人さがすから……」
ミサトは指令所へ向かった。
「ね〜ちょっと日向くん〜」
「はい、なんでしょう葛城一尉。」
「シンジ君と同居してくれる人探してんだけど〜。」
「同居………ですか」
青葉が言った
「俺のアパートは部屋1つだしなぁ…マヤちゃんはどうなの?」
「私…ですか?別にいいですけど?」
ここはどこだろう?
知らない天井が見える。
僕は何をしていたんだろうか?
「目が覚めたかしら?シンジ君?」
そうだった、僕は父さんにロボットに乗れと言われて……
そうか…夢じゃなかったのか。
頭が痛い。
「動けるかしら?」
「あの……赤木さん…ここは…」
「リツコでいいわ、ここは病院よ。食事…持ってきたから。食べれるかしら?」
「あなた…使徒との戦いで倒れてしまったのよ。外傷はないわ。」
僕は体を起こそうとした。
「イタッ……!!」
「どうしたの?」
「左手が…痛むんです…」
「見せて。」
僕は左手をリツコさんに差し出した。
「どこにも変わった所はないわ、気のせいよ、すぐおさまるわ。」「はい……」
「もう少ししたら、ミサトが来ると思うから待ってて頂戴。」
「はい……」
「食事、食べてね」
笑顔でそう言ってリツコさんは病室を出た。
僕は…どうなるんだろう
どうにもならないさ
「どうしたの、シンジ君」
靴をばらばらに脱ぎ捨て、既に中にはいっていった葛城さんを尻目にシンジ君は立ち尽くしたままだった。
「なんか、女の人の家にはいるのは、はじめてだから、照れくさくって」
そんな風に言われると、自分もなんだか恥ずかしい。
動揺を声に出さないように、少し大目に息を吸った。
「ここはもう、シンジ君の家でもあるのよ、だから何も遠慮なんてしなくていいの」
「そ、それじゃあ……ただいま」
「おかえりなさい、シンジ君」
荷物を玄関先におき、リビングへ二人を案内する。
リビングからシンジ君と葛城さんの笑い声が響く。
私はそれを背中に聞きながら、お茶を淹れに台所に向かう。
ただ他人がいる、それだけなはずなのに、本当にここが自分だけの家ではなくなったようだ。
こうやって安らげた休日が最近あっただろうか。
談笑が止み、足音が近づく。
「ちょっと、マヤちゃん、これ」
使い古された大学ノートを手渡された。
「これは?」
「中見てみなさい」
「はい」
うながされるまま、ぱらぱらとめくってみると、それはどうやら料理のレシピのようだった。
「これ、葛城さんが?」
「まさかぁ、私じゃないわよ、リツコよリツコ。花嫁修業だと思って頑張りなさいって」
「先輩……」
「感動してるところ悪いけど、マヤちゃんは見た目からは想像できないだろうけど無精だから、とも言ってたわよ」
「そんな」
と言ってはみたけれど、エプロンは台所のイスにだらしなくかかったままで、着けたのはいつが最後だろうという感じだし。
事実料理のレシピを渡されても私には……。
「可愛い後輩には、自分みたいになって欲しくないのかもね。ちょっちそれは考えすぎかもしれないけど」
独り言を言うように葛城さんは呟いた。
おぉ!GJ
賑ってきましたね
この賑わいがいつまでも…
「綺麗な部屋ね、でもちょっち殺風景な気もしないでもないけど」
シンジ君に案内するついでに、自分にも案内してくれと葛城さんが言った。
どちらかというと、シンジ君にという部分は口実で、自分がという部分が本題のようだった。
「不必要なものがあっても、あとで捨てるだけですし、それなら最初から無い方がいいかなと思って」
「無駄は大切よ、無駄が無ければ人生楽しくないじゃない」
先輩に認められるため、ネルフに入るために勉強し
その道を最短コースで歩んできた私には無駄の大切さというものがいまいちわからない。
「でもなんか僕は落ち着きます、こう雑念が入らないっていうか。なんだかよくわからないですけど」
シンジ君は淡々と言った。
自分のことを棚にあげていうのはなんだけれど、なんだかシンジ君が可哀想に見えた。
この子も自分が捨ててしまうこと、捨てられてしまうことが怖いんだ。
「それじゃ、そろそろおいとまさせてもらうわ」
葛城さんはお茶を飲んですぐ、そう言った。
もしかすると私とは違って、葛城さんはまだまだ忙しいのかもしれない。
「すみません、手伝ってもらって」
「いいのいいの、元はといえば私が提案したことだから、でも正解だったようね」
柔和な笑みを浮かべ、シンジ君と私をみつめながら葛城さんは言った。
「正解?」
「ちょっち思っただけよ、気にしないで、マヤちゃん、それじゃあまた明日。
シンジ君も近々ね。」
私たちは葛城さんを見送った。
いいねいいね
続きをwktkしながら正座して待ってます
葛城さんが家を出てから、ぱたりと会話が止んだ。
何か喋らなければ、リードして雰囲気を作らなければと思うのだが、何も頭に浮かばなかった。
じっとその場に止まっていると、次々にネガティブな考えが浮かぶ。
さっきみたいに、和気藹々と話せる葛城さんが、シンジ君と同居した方がよかったんじゃないかとか
今後ちゃんと距離を狭められるのだろうかと、きりがないほどに。
もう合いの手を差し伸べてくれる人はここにはいない。
自分がしっかりしなければ。
「疲れてるところ申し訳ないけど、荷物をシンジ君の部屋にうつしましょ」
「僕の部屋ですか?」
「そう、シンジ君の部屋よ。ほんの少しだけだけど部屋をいじってみたの、気に入るかどうかはわからないけど」
そう言って私は扉を開けた。
シンジ君はゆっくり首を動かし、部屋全体を見渡した。
「あのね、あまり専門外のことはわからないんだけど、ベージュは心を落ち着かせて睡眠に良いらしいから」
多分これから更に、非日常なことが起こる。
私は後方のオペレーターだけれど、シンジ君は直にそれと対峙しなければならない。
心も身体もこんな小手先の、リラックス法で癒されるとは思わないけれど。
だけど、できる限りのことはしてあげたい。
「なんだか」
シンジ君が呟く。
「地味かしら?センス悪いかしら?」
「嬉しいのに、上手に言葉にできなくて」
困ったようにシンジ君が言う。
私もどう返せばいいのかわからなかったが、やってよかったと心から思った。
GJ!!
あげます
荷物もあらかた整理し終わり、夜の8時を回った。
「それじゃあ時間も時間だし、夕食にしましょう」
葛城さんが、同居祝いということで買ってきてくれた弁当を開ける。
一目でみてわかるくらい、肉肉肉の肉ずくし、ステーキ、から揚げ
トンカツとそんなものばかりが押し込められた弁当だった。
スペシャルスタミナ弁当……。
あまり重いものが好きではない私は、見ただけで少し胃にすっぱいものを感じた。
「僕、ちょっと食欲ないんで、今日の夕食はいいです」
確かに、それもわからなくもない。
「でも何かは食べなくちゃ、身体が持たないわ,私が何か軽いもの作るからそれを食べて
素麺とかサラダくらいならなんとか食べられるわよね」
「はい、それなら」
「それじゃあ、待っててね」
シンジ君を部屋に残し台所に向かう。
先輩がくれたレシピを参考にしたいところだけれど、あいにく一朝一夕でできるものではなさそうだった。
「これくらいの料理は、私くらいの年齢の女なら作れるのかしら」
少し自己嫌悪してしまう。
「でも素麺くらいなら、茹でるだけだし大丈夫よね」
私はエプロンを着けた。
きっと待っている人はたくさんいるはず・・・!
たとえ大勢居なくても
俺とお前が居る
俺もいるぞ
お中元で貰った、素麺を茹で、その間に野菜をきざむ。
たまにTVで見る料理番組ではトントンと上下に包丁を動かすだけに見えた簡単な動作もなかなかうまくいかない。
押せば切れるのか引けば切れるのか、中途半端に切られ引きずられ、無残な姿に分けられた野菜の塊ができる。
どう見てもボロか生ゴミのような見栄えだった。
そうして必死になって野菜と格闘しているうちに、素麺を茹でる時間をセットしたタイマーを起動するのを忘れていたことに気づく。
「だ、だいたい時間よね。」
箸でつつくと、ほぐれていたので多分大丈夫だろう。
袋に書いてあった通り、麺を水で引き締め盛り付ける。
だいたいは手順どおりにやったのだから、多分、きっと大丈夫だろう。
「さぁ食べて、シンジ君」
「マヤさん、ありがとうございます」
シンジ君は盛り付けられた素麺に箸を伸ばし、すくい、そして口に運ぶ。
私は箸も持たずに、それを目で追った。
「どう?」
「あ、美味しいです」
シンジ君の眉が少し動いた気がした。
「本当?よかった、もしこれで不味いって言われたらどうしようかと思った」
私も安心して箸を伸ばす。
口に麺がはいるとずるりと、気持ちの悪い崩れ方をした。
「なにこれ、伸びてる」
酷い不味さだった。
「シンジ君、ちゃんと言っていいのよ、正直に、ね」
かすれて最後までいえなかった。
悔しくてなのか申し訳なくてなのか、涙が溢れた。
このスレ見てマヤさん好きになっちゃいました
ファン層のシェア拡大を狙い、age
ミサトじゃなくてマヤたんと同居してた方が幸せだったかも
やべぇ…
このスレ最高!職人さん達、あんたら天才だな!
楽しみにしてるので、これからもよろしくお願いします。
ファン層のシェア拡大を狙い、age
なんか来てた
スロ奇跡の価値はで出番少ないね
”パターンブルーっ!!”
はいはい、リプレイリプレイ・・・
家庭的じゃないマヤとは珍しい設定でいいな
目が覚めるとそこはベッドの上だった。
あの後私は、部屋に篭り、そのまま寝てしまっていたようだった。
「初日なのに……」
自分勝手に振舞って、そのまま逃げて。
「最悪じゃないの」
とりあえず、気持ちを切り替えてシンジ君に謝ろうと思い切り部屋のドアを開けた。
そして思い切り鈍い音がした。
「ちょ、ちょっと、なんで」
なにがなんだかわからなかった。
「だ、大丈夫ですから」
シンジ君は倒れたまま答えた。
傷口を冷やしながら、私は言った。
「タイミング悪かったみたいでごめんね」
「いえ、起こしちゃ悪いと思って部屋の前で待ってた自分が悪いんです、それに勝手に開けたら迷惑だと思って」
あわてていたので気づかなかったが、そういえば下着姿だった。
「どれくらい待ってたの?」
気を使ってくれるのは嬉しいが、それだけ距離があるということでもある。
「三十分、くらいかな」
視線を私とよそとをふらふらさせながらシンジ君は言った。
急に自分の姿に恥ずかしくなったきたが、平静を装って言った。
「ノックした後なら、部屋に入ってきてもいいわ」
幸い風呂場でのハプニングじゃなくてよかったと胸を撫で下ろす。
「はい、わかりました」
昨日の食事のことについて話そうと、頭でどう切り出そうと考えていると、テーブルが目に入った。
サラダと素麺が綺麗になくなっていて、残っていたのはお皿だけだった。
どうして、と聞く前にシンジ君が口を開く。
「サラダは美味しかったです、それを言いたくて」
「もう」
まだ同居ははじまったばかりなのだから、至らない部分は少しずつ直していこう。
「あっ、もうこんな時間、シンジ君も学校遅れるわよ」
あわてて、それぞれ支度をした。
私の方は出勤時間が少し遅いせいもあってか、準備は全然だったが、まずはシンジ君を送り出さなければ。
「忘れ物ない?ちゃんと道は分かる?車通り多いから気をつけてね」
矢継ぎ早に質問をすると、シンジ君はそれに答えた。
「多分、大丈夫です。でもなんか、あまり母さんの記憶とかないんだけど
お母さんってこんな感じなのかなって少し思いました」
まだそんな年齢じゃないのに、という気持ちをこめて、遅れるわよ、と私はシンジ君の背中を軽く押した。
「いってきますマヤさん」
「いってらっしゃい、明日からは一緒に行きましょう」
私はシンジ君に手を振り、見えなくなるまで見送った。
うはwGJ!
マヤさんって、その…ミサトさんより、けっこう控えめなんですね…
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↑これイイ!!
タイムリーGJ!
>>202さんのせいでこのスレは俺の中で伝説化していく…
あげれば続き、書いてくれますか
ヽ(´ー`)ノGJ!
多分終わりじゃね
211 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/09(日) 00:53:46 ID:GoABqE8l
たまらない
たまらん
)、._人_人__,.イ.、._人_人_人
<´ たまらーーーーーーーん!!!!!!!>
⌒ v'⌒ヽr -、_ ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: < _,ノ`' 、ヽ、_ ノ ;;;ヽ //
///// /:::: (y○')`ヽ) ( ´(y○') ;;| /
// //,|::: ( ( / ヽ) )+ ;| /
/ // |::: + ) )|~ ̄ ̄~.|( ( ;;;|// ////
/// :|:: ( (||||! i: |||! !| |) ) ;;;|// ///
////|:::: + U | |||| !! !!||| :U ;;; ;;;| ///
////|::::: | |!!||l ll|| !! !!| | ;;;;;;| ////
// / ヽ::::: | ! || | ||!!| ;;;;;;/// //
// // ゝ:::::::: : | `ー----−' |__////
「よっ、この幸せもの」
日向さん達わけのわからない出迎えに戸惑っているのか、シンジ君は私に視線を向けた。
「マヤちゃんとはどうなんだ?」
青葉さんが身を乗り出す。
「ええと」
困ったようにシンジ君は口を篭らせる。
日向さんと青葉さんが私の手前に構えるようにしているため、シンジ君は見動きできないようだった。
「模擬戦闘で疲れてるんですよ、そうやってシンジ君に変な気苦労させないでください」
私は二人の間に身体を挟み、シンジ君を引寄せた。
「訓練お疲れ様、どう?少しは慣れてきた?」
私はシンジ君を隣に腰掛けさせた。
「思い違いかもしれないけど、少しずつスムーズに動かせるようになってきた気がします」
訓練で怪我をすることはない。
次の使徒を想定した訓練ができるわけでもない。
今はこうやって笑っていられるけれど、もしかしたらそう近くない未来にこの日常が壊れるのではないか、そんなことを考えてしまう。
「シンクロ率も高い水準をキープしてるし、これからもきっと上手くいくわ」
シンジ君は照れたように笑った。
「はい、コーヒー」
質問を避けるのに精一杯で飲んでなかった缶コーヒーを渡す。
「マヤちゃん飲んでなかったっけ?」
青葉さんが突っ込みにシンジ君の視線が缶に向く。
「変なこと言わないで下さい! プルタブもちゃんと付いてます」
回し飲みを見ると、不潔に見えていた自分だが、仮に今口を付けて飲んでいたものをシンジ君に渡したとしても
そう驚いたり、非難めいたりすることでもないような気がするのは心境の変化だろうか。
にょほw待ってました!
216 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/12(水) 20:15:30 ID:T5sJ6Wue
>>214 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 待ってましたよ。今回もGJ
217 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/12(水) 21:45:04 ID:mifdzA2s
GJ
「お仕事の邪魔してもいけませんから、そろそろ帰宅の準備してきます」
「うん、それじゃあね」
居心地が微妙なせいか、シンジ君はその場をあとにした。
会話が途切れ、沈黙が訪れる。
「それにしても」
シンジ君がでていったドアを見つめ、青葉さんが言う。
「変わったな、シンジ君も」
「ですね」
「そうですね」
日向さんと私はほぼ同時に相槌をうった。
多分、あの時のシンジ君はこうして訓練が終った後ここに顔見せの挨拶に来ることもなかったろうし
そもそも誰とも交流を図ろうとはしない雰囲気がした。
ほぼ絶縁状態の父親に、急に呼び戻され、こんなことに巻き込まれたのだから。
今でこそ私もこういう考えができるが、あの時はまだ違った。
エヴァとまともにシンクロできる適合者、そして来襲する使徒の存在。
話のスケールが大きすぎる。
そうなってくるともう彼の意思とは関係なく、それはもうやらなければいけないことなのではないか
と碇シンジではなく、サードチルドレンという存在でみて、そして考えていた。
彼だって普通の中学生で、まだ子供だというのに。
初めての戦闘を終えてシンジ君の意識が戻った後、葛城さんに同居のことを打診された。
私もこういう性格だから、すぐには答えかねるけれど考えてみます、とやんわり言うのが精一杯で断ることも、決めることもできなかった。
しかし葛城さんの方は、それを前向きに考えると取ったようで準備はちゃくちゃくと進んでいるようだった。
決定までの日取りが進む中、私は考えた。
本当に私と同居することが適確なのだろうか、そもそも他人との同居という不安定なスタイルを取ることで
パイロットの彼に悪影響を及ぼさないのだろうかと。
答えはでなかった。
そんな折、ネルフ内でシンジ君を見かけた。
面識もなく、そもそも話しかける理由もないのだが私は声をかけた。
「こんばんは」
私との同居のことは決定事項でないため伝えられていないと聞いているが、それでも何か気恥ずかしかった。
「こんばんは」
他人行儀でそっけない感じのする返答だった。
「体調はどう?」
そのまま挨拶だけですれ違ってもよかったのだが、私は聞いた。
「別に関係ないじゃないですかそんなこと」
明らかな拒絶。
「でも関係なくもないか……、あの変なロボットは操縦者の精神と身体とシンクロして動くんですもんね」
自嘲するようにシンジ君は続けた。
「違うの、そういう意味で言ったわけじゃ」
「どいてください、疲れてるんです」
そういって私の顔をみることなく、シンジ君は薄暗い通路の奥へ消えて行った。
おぉ!相変わらずGJ!
「よっ」
いきなり後ろから肩を叩かれる。
振り向くと、そこには青葉さんがいた。
あわてて私は距離を取った。
「マヤちゃんも、振られちゃったのか。こりゃあ老若男女問わず、彼には近づけないのかね」
「青葉さんも?」
「まぁ、立場は違えど一応は同じ仲間だろう、ちょっとコミュニュケーションをと思って話しかけたらさっきの調子さ
だからマヤちゃんもそんな泣くことはないって」
「泣くってそんな、泣いてなんかいません」
反射的に目元を拭うと、確かに少し濡れていた。
なんで私は泣いたんだろう。
強く拒絶されたから?それは違う気がする。
この出来事は、それから数日尾を引いた。
これからマヤと少しずつ打ち解けていくシンジにwktk
イヤッホウッ!!ナイスですわい!!
「マヤ、今日からサードチルドレンのシンクロテストを行っていくわ、貴方も時間通りに配置につくように」
そういって、先輩は予定表を私に渡した。
「あの、先輩これは」
朝の九時から夜中の十時まで、休憩は途中途中で入るもののびっしりパイロットの予定が入っていた。
模擬訓練から、使徒来襲時の本部へ向かうルートの確認、シンクロテスト、基礎知識の講義
兵装ビルの位置の暗記など、どうみても無理があるスケジュールだった。
「仕方がないのよ、次に使徒が現れるのは明日、いや今日かもしれない。
次もあんなイレギュラーな事態が起きてくれるとも限らないし、一刻も早く彼には慣れてもらわないと」
「そう、ですね……」
それは彼の意思ではなく、こちらの都合だと思った。
「あの、先輩、彼しか居ないんですか?」
「レイもまだ動ける状態じゃないし、今は彼に頼るしかないのよ」
私は、シンジ君はパイロットに向いていないと思った。気弱で、逃げてはダメだと自分を奮い立たせ、それでどうにかやっとエヴァに乗った彼。
あの時は多少なりと彼の意思のようなものがあったのかもしれないが、今はどうだろう。
これではまるで大人の都合に付き合わされ、いいように使われているモノではないか。
先輩の言い分は確かに正論だが、これではまるで軟禁だ。
mayatan
すごく楽しみにしています。がんばってください!
「シンクロスタートします」
頭では、シンジ君に同情していても、私も決められた通り配置につき、彼と同じく命令に従っている。
私にできることなんて……、ないのだろうか、本当に。
「終了します」
「全然ダメね、数値がどんどん落ちてるわ、このままじゃまともにシンクロできるのかも怪しくなってくるわね」
先輩の言葉が呪詛のように響く。
「あの、すいません」
私はその場にいることができなくなって、部屋をでた。
丁度着替えを済ませたシンジ君がベンチに腰掛けているのが見えた。
視線を感じたのか、シンジ君はゆっくり腰をあげ、立ち去ろうとした。
何か声をかけよう。そう思って足早に彼に近づく。
「あの」
お疲れ様?そんなことが言いたいわけじゃない。
そんな他人行儀な扱いは、皆に受けているはずだ。
では、私は何を言えばいいのだろう。
そのまま私を無視してシンジ君は立ち上がる。
また、拒絶される。
でも、このままの状況でいて欲しくない。
伝えたい言葉が浮かばず、でも何かしないとと思った私は、無意識のうちにシンジ君の手を握っていた。
シンジ君は振りほどこうと手を動かす。
私は必死に手を握る。
一応彼も男の子で、私も力には全然自信がない。
本気で振りほどこうと思えばできるはずだ。
諦めたのか、シンジ君は振りほどこうとする動作をやめた。
手を握ったまま私はベンチに腰を降ろした、するとシンジ君も続いて腰を降ろした。
「ここでの生活、楽しくないわよね」
声には出さず、シンジ君は頷いた。
「そうよね」
毎日このくらいの時間にこのスレ見るのが最近の日課だす(・∀・)
同意されたからか、シンジ君の顔から警戒の色が少し消えた。
「でも、わかっちゃいるんです。仕方の無いことだって。
ただ、父さんが僕を呼んでだのがこんなことだけのためなのかって思うと、少しでも期待した自分がバカみたいで」
私はシンジ君を抱きしめて泣いた。
どうしていいのか、わからなかった。
「大丈夫、大丈夫よ」
子供をあやすようにシンジ君の頭を撫でる。
「こんなに頑張ってる君のことを、お父さんもみんなも悪く思ってなんかいないわ」
そう思いたい。そうであって欲しい。
「でも、そんなこと僕にはわからないよ」
「少なくとも私は」
はっとした表情でシンジ君が見つめる。
「それじゃあまたね」
「あ、また」
私はシンジ君に手を振った。
彼もぎこちなくだが手を振りかえした。
たまらん
翌日の仕事が終った後、私は葛城さんに同居を申し出た。
上手く行くかはわからない、マイナスの方向へいくかもしれない。
でもこのままここに居たって、シンジ君にとってプラスになるとは思えない。
「あの、この前の件ですが、やらせていただけないでしょうか?」
「そう言ってくれて助かるわ、面目上一人で外に置いておくわけにも行かないし、ここじゃ流石にちょっち息がつまるしね」
本部に朝から晩まで閉じこもっているのは職員の私でも気が滅入る。
場所が場所なだけに仕方がないのだが、機械に溢れ、職員の言い争いや
自分を見る特別な視線に四六時中晒されていては心も休まらないだろう。
「でもね、シンジ君がシンクロ率や模擬戦のことでガミガミ言われてあんまり落ち込んじゃってるもんだから
先に来週からあのお姉さんと同居よってモニタの前に座ってるマヤちゃんを指差して言っちゃってたのよね」
バツの悪そうに葛城さんが言った。
「ま、まぁ結果オーライってことでいいわよね。それに何故かシンジ君すっごい喜んでたわよ
マヤちゃんやっぱり可愛いから嬉しかったんじゃないかしら」
「そういうわけじゃないと思いますけど……」
でも、良かった嫌われていなくて。
「シンジ君のこと、頼むわね」
真剣な表情で葛城さんが言う。
「はい」
私は力強く返事をした。
頑張れ!マヤちゃん
シンジ 「うぎゃーうわーぐぁー」
びぃーびぃーびぃー
「使徒エヴァ一号機の左腕に攻撃を集中してます、駄目です左腕が持ちません!!
ミサト「左腕の神経接続切って!!早く!!」
マヤ「ハイ!!」
リツコ「マヤ、小指だけ繋がってるけど」
マヤ「あっ、いえ、その、すぐに切ります」
リツコ「シンジ君ね、何かあったの?」
マヤ「昨日、シンジ君、私のパンツ……」
リツコ「しょうがないわね、じゃあ左腕の神経接続を5%で」
シンジ 「うぎゃーうわーぐぁーきゃーきゃーきゃーげうぁあsfadjfajfhakjhkaf」
マヤ「痛がってますね」
リツコ「相当痛いみたいね」
マヤ「後1%上げて良いですか」
シンジ 「あっくぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
マヤ「声も出なくなりましたね」
リツコ「しょうがないわよ、1%でも人間が耐えられる限界越えてるんだもの」
ミサト「なにやってんの、二人とも!!シンジ君が苦しんでるじゃない」
碇「いや、このままでいい。最近生意気だあいつ。」
マヤ「じゃあ、じゃあ、後3%やってみましょうか?使徒が別のところも攻撃してくれないかなぁ」
リツコ「痛みだけで人は死ぬものかしらね。」
マヤ「あっシンジ君が、プルプル震えだしました。おもしろーい」
(・∀・)wktk
サディストのマヤって実際にいたらマジにコワイだろうけど、それだけに魅力的すぎる
マヤ新世紀到来だな(隠れたヒロイン的な意味で)
翌日仕事が終った後、私は葛城さんに同居を申し出た。
上手く行くかはわからない、マイナスの方向へいくかもしれない。
でもこのままここに居たって、シンジ君にとってプラスになるとは思えない。
「あの、この前の件ですが、やらせていただけないでしょうか?」
「そう言ってくれて助かるわ、面目上一人で外に置いておくわけにも行かないし、ここじゃ流石にちょっち息がつまるしね」
本部に朝から晩まで閉じこもっているのは職員の私でも気が滅入る。
場所が場所なだけに仕方がないのだが、機械に溢れ、職員の言い争いや
自分を見る特別な視線に四六時中晒されていては心も休まらないだろう。
「でもね、シンジ君がシンクロ率や模擬戦のことでガミガミ言われてあんまり落ち込んじゃってるもんだから
先に来週からあのお姉さんと同居よってモニタの前に座ってるマヤちゃんを指差して言っちゃってたのよね」
バツの悪そうに葛城さんが言った。
「ま、まぁ結果オーライってことでいいわよね。それに何故かシンジ君すっごい喜んでたわよ
マヤちゃんが可愛いから嬉しかったんじゃないかしら」
「そういうわけじゃないと思いますけど……」
でも、良かった嫌われていなくて。
「シンジ君のこと、頼むわね」
真剣な表情で葛城さんが言う。
葛城さんが話を通しておいてくれたとはいえ、自分の口からも伝えたかった私は、シンジ君の部屋に向かった。
シンジ君は私の顔をみると「あ」と表情を明るくした。
「こんばんは、シンジ君」
「あ、こんばんは」
どう話を切り出そうか少し悩んでいるとシンジ君が先に口を開いた。
「あの、そういえば名前、まだ」
「そうだったわね、私は伊吹マヤ。オペレーターとしてネルフに勤務しているわ」
「伊吹さん、あの、ミサトさんから来週から伊吹さんのところでお世話になるって聞いたんですけど」
少しずつ区切りながら、恥ずかしそうにシンジ君が言う。
「一緒に暮らすんだから、マヤでいいわよ」
「はい、マヤさん」
「最初はね、断ろうと思ってたの」
「えっ」
シンジ君の表情が曇る。
「最初、失礼なこと言っちゃったからですか?」
「ううん、違うの、私にそんなことできるのかなって思って、あと言われてみればその時に嫌われちゃったとも思っていたからなお更ね」
「すいません」
ここに来てからの連続した出来事で、情緒が不安定になるのは仕方がない。
「もし、私がシンジ君の立場だったら寂しいなって思ったの。私は普通に学校に行って
多くはないけど友達もいて、両親も普通に傍にいたから。
私がその代わりになれるかはわからないけれど、シンジ君がもし嫌じゃなかったら、私を傍にいさせてくれない?」
「ぼ、僕の方こそ、僕がいても邪魔じゃなかったらお願いします」
「そんな言い方しないの」
私はシンジ君の頭を撫でた。
GGGJJJ!!!
いつも楽しみにしています!
いつもながらいい仕事をありがとう!!
なんだか意外にファン多い…
頭なでられ(゚Д゚)TEEEEEE
いいコンビだな
シンジ君は徐々に変わっていっている。
「さてと、それじゃあ」
私は思い切り背伸びした。
「早めに残りの仕事片付けます」
そう二人に断り、席に戻った。
直接的には関係ないのかもしれないが、私たちのバックアップが整っていれば、万が一の時円滑に対応できる。
「マヤちゃん頑張るなぁ」
「僕たちも、もう少し休んだらもう一仕事しますか」
もう少し休むか、と言った感じで腰を降ろしていた二人に、棒状に丸められた書類が頭に飛ぶ。
「貴方たちは休んでるほど暇じゃないでしょ」
先輩が激を飛ばす。
それにしてもいつの間に。
「す、すいません」
椅子の方向をゆっくりとデスクの方へ戻し、二人はあくせくと動き出した。
「マヤ」
先輩がゆっくり近づく。
「もう、一つの山場は超えたんだから、そんなに無理しなくてもいいのよ。」
「ほら、シンジ君が挨拶に来てるわ、一緒に帰りなさい」
「いいのよ、あの二人マヤの3分の1くらいしか仕事を片付けてないんだから、残った分は二人に振り分けておくわ」
「それは二人に悪いです、一応私が受けたことですから」
「俺たちのことならいいって、いっちょ気合入れてやりますか」
「でも……」
gj!いつもお疲れ様です
同居生活が本格的に始まる前にひとまずあげ
「あの、いいんです、家に戻ればまた会えるし、先に帰ってます」
「ごめんなさい、シンジ君」
誠実さ、というものはなんなのだろう。
正しいか正しくないか、綺麗か汚いか、そういう体裁のようなものばかり気にしていて。
一人だった時はそれで楽だったけれども、最近はそれが辛い。
思うように動きたいし、そうなれてきていると感じていたけれど。
「いえ、それじゃあお疲れ様でした」
シンジ君が廊下の角から消える。
「それじゃあマヤ、今日はここで切り上げて帰宅なさい。これは命令よ。
パイロットのメンタル面の安定には貴方が必要よ。
事実貴方と暮らすようになってからシンクロ率も安定してきているし、こう言えばいいのかしら」
先輩が微笑む。
「すみません、ありがとうございます先輩」
私は急いでシンジ君を追いかけた。
「それにしてもマヤちゃんも変わりましたね」
青葉が口を開く。
「表情が明るくなったっていうか、女の子らしくなったっていうか」
日向が続く。
「あーあ、俺マヤちゃん狙ってたのになー、俺たちの線は薄くなったな」
青葉がため息をつく。
「自分は元々葛城さん一筋ですから」
日向の表情からは少し動揺が見える。
「本当かぁ?」
「喋ってないで、手を動かしなさい」
「でも赤木博士も寂しいんじゃないですか?」
おどけたように青葉が言う。
ふふっと、リツコは笑った。
「バカおっしゃい」
その表情は少し寂しげであったが、子をみる母のようにもみえた。
GJっす!
(´д`;)ハゥハゥ
同校の生徒が目に入る大通りにつくまで、僕とマヤさんは並んで学校に向かっている。
本当は時間も僕の学校へ行く時間の方が早いし、ネルフの方向とは少し逆なのでマヤさんが無理をしている格好だ。
最初はなんだか気恥ずかしかったけど、気にしているのは僕だけのようで、それを言うとマヤさんに悪いと思い、言っていない。
それに、こういう生活をするまで思うことはなかったけど、やはり一人よりは誰かと一緒の方がいい。
「あ」
隣にいる、マヤさんの息遣いを感じながら、ゆっくりと流れる朝の時間を過ごしていると視線にトウジ達が入った。
「お友達?」
反応した僕にマヤさんが聞く。
「えっと、そ、そうなのかな。それじゃもうそろそろ」
「え?うん、いってらっしゃい、シンジ君」
ともかく、マヤさんと一緒に居る所を見られてはまずい気がした。
それを論理立てて考えるのは後回しにし、早足に、そしてなるべく自然にトウジ達の横へつける。
「おはようさん」
「おはよ」
「おはよう」
今日もかったるいなぁだの、宿題は終らせたかだの他愛も無い会話が続く。
話題がマヤさんのことへ飛びそうもないのはわかっていたが、少し駆け足で移動した程度にそぐわないほど心臓が脈打っていた。
しかしその心配も杞憂だったようで、学校につくまでも、そして着いてからも話題にのぼることはなかった。
口を開けば胸だの太ももだの、写真撮影だの言う二人にマヤさんを近づけてはいけない気がしたが、マヤさんの部分部分を想像してしまった。
gj!!!!
だんだんキタコレ(゚∀゚)
昼休み。
普段は購買で、パンなんかを買って屋上で食べるのだが
その日はちょうど少し自信がついたというマヤさんの手作りの弁当を持参していた。
とはいえ意外と時間がかかったようで、半分は冷凍食品なんかを無理やりつめてスペースを埋めたようなのだが
それでも嬉しい。
ただ、容器がなくて、マヤさんの昔使っていたという、ピンクの兎の弁当箱につめられているのは少々恥ずかしいけれど。
「なんやその弁当箱、えらいかわいらしいなぁ」
「これしか無かったんだよ」
適当に受け流しながら、型崩れした卵焼きを口に運ぶ。
「なぁシンジ、その弁当って、朝いたお姉さんにでも作ってもらったのか?」
ノドに卵焼きが詰まる。あわててお茶で流し込んだが、それも変なところにはいったらしく激しく咳き込んだ。
「な、何だよそれ、違うって」
「じゃああの朝一緒にいたショートのお姉さんは誰なんだ?」
ケンスケが追求する。
「そういやちょっと気になっとったんや、偉い美人のお姉さんやなて、なんか見るとこ見れば似てるような気したしな」
今後もマヤさんと一緒に朝行く以上他人とは言えないし
ましてや実の姉というわけでもないし、同居というのは流石に。
「ネ、ネルフのスタッフの人だよ」
マヤさんはOLの格好で朝は通勤している。
ネルフの制服の丈が短いからなのか、と僕は思っているけれど
そんなことを聞いて軽蔑されるのも心苦しいので、これも聞いていない。
「でもすごい親しげな雰囲気だったけどなぁ、お前って意外と心開かないタイプだろ?」
「そんなことないよ」
そういえば、そうかもしれない、あのマヤさんにだって最初は……。
うらやましいぜ
いいですね〜。
実に良い展開だ。
先が楽しみでしょうがない。
ネルフ制服はズボンですけれどね。
素晴らしいです!
続き期待してますね。
>>255 ネルフの制服、男性はズボンで女性は短いスカート(?)に白いタイツみたいなのじゃなかったっけ?
間違えてたらゴメン。
んー、やっぱり2ちゃんねるは才能の宝庫だわ(・∀・)
「んじゃあ」
と二人はにやついて言った。
「俺たち友達だよな」
「え、うん、まぁ、そうなんじゃないかな」
面と向かっていわれると、答えづらい。
「なら、今度シンジんち遊びいってもええか?」
「でもうち、何もないしさ、つまらないと思うよ」
「そないなこと言って、あのお姉さんに俺ら近づけたくないだけと違うか?」
トウジが肩を小突く。
事実そうだったのだが、もう言い訳するのも、強情に押し通すのも疲れると判断した僕は早々に折れた。
「わかった、わかったよ、本当のこと言うからさ。
あのトウジ達が見た人は、ネルフの人で、僕の保護者役を引き受けてくれてて、えっと、まぁ同居人なんだ」
『同居』の部分で、僕の方へ二人の顔が、大きく近づく。
「同居って、一緒に住んでるのか?」
「言葉通りそうだけど」
「で、ちょっと気難しい人だから、他人を突然家にあげるっていうのはちょっと」
僕自身気難しいとは思っていないが、よくマヤさんは自分はそうみられると口に漏らしていたのでそう言ってみた。
ここまで言えば、そう強引にはこないと思ったが。
「他人って酷いなぁセンセ、そうやってわいらを遠ざけて一人であのお姉さんといちゃいちゃしとるわけや」
そんなことはないようだった。
「いちゃいちゃってなんだよ、それ」
僕とマヤさんの関係なんて、まだ他人行儀もいいところな気がする。
そういう言い方はしないの、とは言われているが、どこか自分は厄介になっているという意識が抜けない。
「わいら、シンジのため思うて、今日ガッコ終ったら御守買い行こう言うてたのに」
にやにやしながら言われても、説得力というものがない。
「でもこればかりは僕だけで決められることじゃないしさ」
僕は居候の身なのだから、マヤさんに迷惑はかけられない。
「御守いらないのか?」
「特別欲しいとは思わないよ」
「お前はそうかもしれないけど、そのお姉さんはって言ったらどうだ?ネルフに勤めてるんだろ?」
ケンスケが揺さぶりをかけるように言う。
言われてみればそうだった。
成り行きで乗せられた当時は、危険な目にあっているのは僕で、どうせ他のみんなは傍観しているだけだ、そう思っていた。
だけど、それは違う。使徒は本部を目指して攻めてきている。
僕がもし逃げ出したり、初号機が行動不能になったらまず間違いなく本部は滅茶苦茶にされる。
逆に本部が潰されて、全体状況がわからないまま取り残されたら僕一人では到底対処できない。
それに、マヤさんがそんなことになるのは絶対に嫌だ。
「な、なら一度だけならって掛け合ってみるよ」
「ほんなら任せとき、忙しいセンセに代わってわいらが、抜群に効果のある御守買うてきたる!」
「それともう一つお願いがあるんだけど」
ケンスケが今度は、腰の低そうな態度で言う。
「その、気難しい人なんだろ?なら俺たちが押しかけるってんじゃなくて、お前が呼んだことにしてくれないか?
ほらいきなり押しかけるのは失礼だろ?」
ケンスケは失礼だろ、ということをしようとしているのに、しれっと言った。
「わかったよ、じゃあ」
「今週か?」
自分としては、話すタイミングというものもあるし、できれば来週再来週と日時を置いて欲しかったが
丁度空いているのは今週の休日だったので、なんだか少し悔しかったがそう答えた。
wktk
このスレほんとに良スレだわ
雰囲気がよろしw
そして応援したくなります!!!
続きが気になるわ
264 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 05:51:41 ID:UVztCdNX
マヤ「シンジくんは、女の子とエッチするのって初めてなのかな」
シンジ「「え、、あ、そ、そうです。。。ごめんなさいっ!」
マヤ「シンジくん、そんな謝らなくていいのよ。わたし、そういうの気にしないから♪」
>264ねーよW
ふwけwつwすwぎwるw
>>266 潔癖性の人間は、その強すぎる自制心が解放されれば、普通の人間
よりも、すごいことになるよ。ガツガツしちゃうよ。
>>267 じゃあ、マヤさんのリミッターが外れたらシンジが大変なことになるな。勿論性的な意味(ry
マヤさんの場合、TVで加持さんに口説かれて流されて身体を許したら自己嫌悪に陥りそうだが
自分から行った場合は潔癖リミッター外れて性にアグレシッブになる気がする。想像しただけでエロイ。
マヤさんってなんとなく
「中に出しちゃらめえぇぇ!」とか言いながら
蟹ばさみでがっちりホールドしてきそうなイメージ
そういや「マヤが痴女だったら」スレ落ちてたな・・・
けっこう好きだったのに
休日までの日時はそうなかった。
しかし、話を切り出すタイミングが見つからない。
朝起きてから通学途中では、話もまとまらず尻切れトンボになりそうだし
片や帰宅途中のマヤさんは疲れているようでどうにも言いづらい。
家に帰ってからではなお更だ。
街灯が光る夜道を、そんなことを考えながら進む。
当然マヤさんの話は話半分にしか聞こえていなかった。
既にもう御守は受け取っている。
言うしかないのだけれど。
あの日の翌日、トウジ達は御守を僕に手渡した。
「ほら、シンジ、わいは約束守ったで」
「わかったよ、ちゃんと頼んでみる」
そう答え、手渡された御守の入っている袋を受け取った。
「何か変なもの入れてないだろうな?」
「そんなことせんって」
一応御守サイズの袋に入っており、きちんと封はされているのだが怪しい。
スカートめくりやら、ボディタッチ、ちょっとしたイタズラ。
同級生の女の子への前科が、トウジ達への視線をキツくする。
ケンスケ達の条件を飲む代わり、これは一応僕がマヤさんのために買ったもの
ということになっている。冗談や笑い事ではすまされない。
普段はニコニコと微笑んでいるマヤさんだが
一度納得できない出来事に遭遇すると、その顔は軽蔑と拒絶に満ちた表情になる。
幸いあの表情が僕に向いたことは今のところ一度もない。
「じゃあ一応確認するけど」
僕は封に手を伸ばした。
「自分で買うたもん開けてどないすんねん。女性いうのは、そういうとこに敏感なもんな
んやで。一度シンジが、ガールフレンドやなんかに開けて送り返されたもんを、厄介払い
にあげたと思われたらどうすんのや。」
とトウジがまくしたてる。
「そうそ、そのお姉さん気難しくて几帳面なんだろ?例え理由に行き着かなくてもきっと引っかかると思うぜ、そういうの」
言われてみればそうかもしれない。
「そんなに怪しい思うなら、手でこすって形確かめてみればええねん」
とトウジは言った。
確かに指を押し付け、形を確認すると御守のようだった。
「疑って悪かったよ、これありがとう」
「無くしても悪いし、ちゃっちゃと渡したってや」
「で、俺たちのことちゃんと頼むな」
安産か子宝とベタ予想
ベタな展開は大好きだが
御守を入れた袋はポケットに入っている。
歩く度に包まれている袋がガサガサと音をたて、何か急かされている気になる。
「あの、マヤさん今度の休日」
「休日どうかしたの?」
マヤさんの声のトーンがあがる。
ここの所忙しく、満足に睡眠時間も確保できていないようで
僕の目からみても明らかにマヤさんは疲れていた。
休日が待ち遠しいのだろう。罪悪感が心を差す。
「友達、呼んでもいいですか」
後になるほど声は萎んでいった。
マヤさんはちょっとだけ残念そうな表情をしたが、すぐにそんなことを感じさせない声で許してくれた。
「そう、それじゃお菓子とか準備しないとね」
なんだか申し訳なく思えた。
「シンジ君も友達と遊びたい年頃よね」
独り言を呟くようにマヤさんが言う。
「あ、あの家に帰ったら受け取って欲しいものがあるんです」
「なにかしら?」
マヤさんが身を乗り出し顔を近づける。
どうやら機嫌は治ったようだった。
家に戻り一息付いてから、僕はマヤさんに御守を渡した。
マヤさんは袋から取り出すと、視線を御守と僕の顔と交互に動かした。
自分で買ったわけではなかったが、少しでもマヤさんに恩返しができたと
僕はいつになく何かいいことをした気分になった。
「やっぱり、こういう立場上何があるかわかりませんから」
と力強く言った。
マヤさんは視点を定めることなく動かし、動揺しているように見えた。
「そ、そんなことはないと思うけど。」
マヤさんの声は少し震えていた。
「備えあればっていうじゃないですか。もしマヤさんに万が一のことがあったら」
「き、気持ちは嬉しいけど」
なんだかいつもよりマヤさんの距離が少し遠いように思えた。
お守りを見せてもらおうと、立ち上がりマヤさんい近づくと、マヤさんは反応して後ずさる。
「あの、お守り……」
「ダメよシンジ君。」
マヤさんは頑なな態度を取る。
「少しだけでいいですから」
「ダメ!」
と叫び御守を放り出しマヤさんは自分の部屋に入っていった。
放り出されたその御守をみるとをみると、中央にでかでかと安産御守の文字があった。
僕は呆れや、怒りを通り越して、すぐにでも誤解を解こうとマヤさんの部屋の前まで走った。
「あの違うんです、マヤさん」
僕がどう呼びかけてもマヤさんは子供を諭すように、もう遅いから明日にしましょうという一点張りだった。
翌朝、顔を会わせた時のマヤさんの格好は普段の少し色っぽい寝巻きではなく
これでもかというほど丈の長いダボダボなピンクのパジャマだった。
信頼ばかりか目の保養先まで奪われた僕は、果たして約束を守る必要があるのだろうか。
>>274 ひねりが足りませんでしt
また続きが思い浮かんだら書きに来ます
良いと思うよ?いかにもトウジ達がやりそうだし
>277
続きも楽しみにしてます。
マヤ様最高です
「ん・・・」
自室のベッドの中で目を覚ました私は目を瞑ったまま時計を手繰り寄せ、いつものように時間を確認した。
時計の針が指すのはいつもどおり時刻。
出勤するだけなら余裕はあるが、今日も朝御飯はコンビニで買ってネルフ本部でとることになりそうだ。
わたしはのそのそと起き上がり、カーテンを開けて室内に朝の光を取り込むと、「うーん」と背を伸ばした。
昨夜は緊張のためか、なかなか寝付けず、少し寝たりない。
うん? 何か忘れているような・・・
わたしは首を捻りながら部屋のドアをあけ、
「あっ!」
リビングのほうから聞こえてくる音に昨日あった全てを思い出した。
「シンジくん!」
そうだった。昨日からシンジくんがここで一緒に住むことになっていたんだ。
わたしは寝ていたままの姿ということも失念して、リビングに急いだ。
育ち盛りのシンジくんに朝ごはんも食べさせずに学校に送り出すなんて。保護者代理として初日から大失態だ。
ところがリビングに着てみると、テーブルの上には魔法のように二人分の朝ごはんが用意されているではないか。
わたしは少しの間、その現実に我を忘れて固まってしまった。
「マヤさん? おはようございます」
キッチンの奥にある冷蔵庫で何か作業していたシンジくんが、その手を止めずに挨拶してきた。
「お、おはよう。これ、シンジくんが?」
「はい。お世話になるからこれくらいしないととおもっ・・・」
「いいのよ。こんなことしてくれなくて・・・って、寝坊したわたしが言うことじゃないか」
こちらにふり返りながら、妙なところで言葉を切ったシンジくんを疑問に思いながら、わたしは言葉の最後で舌を出した。
「あの・・・」
「うん? どうかした?」
「いえ、その・・・」
チラチラとこちらを窺ってくるシンジくん。その視線が私の胸の上をいったりきたり・・・って、しまった!
タンクトップにノーブラのまま部屋を出てきちゃった!
「ご、ごめんなさい!」
私は急いで部屋に着換えに戻った。
同居するってことは、こういうことなのよね。これからは気をつけないと。
「いただきまーす」
着換えをすますと、私とシンジくんはテーブルを挟み、向かい合うように朝食を開始する。
わたしも時間があれば自分で作るようにしているが、シンジくんのはその程度では足下にも及ばないほどの料理の腕前だった。
わたしが美味しいと伝えると彼はホッとしたように口元をほころばせる。その笑顔にちょっと胸がキュンとした。って、わたしは何を考えている!
「シンジくんて、こちらに来る前も自炊してたの?」
「あっ、はい。お世話になっていた人に教えてもらいました」
「その人も料理はお上手だったのね」
久しぶりに誰かと会話しながら食べた朝食は、わたしに少し大目の御飯を食べさせた。
食事が終わると出勤と通学の時間だ。
「本当に送っていかなくて良いの?」
「はい。場所は分かりますから」
遠慮してるいるのがまる分かりだ。でも仕方ないか。わたしも人見知りするほうだったから分かる。シンジくんのような子には時間が必要なのだ。
今日のところは好きにさせよう。でも今度からは容赦しないからね。
「じゃあ先に行くわね。渡した鍵は忘れないように持っていくこと。それと・・・」
とりあえず思いつく注意事項を述べて、わたしはマンションを後にした。
シンジくんのお陰で今日はいつもに増してやる気が漲っている。
「よし。頑張るか」
とりあえず駅まで走ろう。
食べ過ぎた朝食が気になるところだし。
先に言っておきます。
>>277さん応援SSですので続きはないです。
先に言っておきます。って、
なんか、生意気な書き方になってしまった・・・時間を戻したい
訂正します
>>277さん応援SSなので続きはないです。ごめんなさい。
です
皆GJ!!
息子がマヤと同じ誕生日である事を誇りに思う。
>285ww
部屋の前に居たシンジ君の気配が消え、高鳴っていた鼓動が少しずつ収まる。
冷静になって考えて見ると、シンジ君があんな御守を私に嬉々として渡すわけがない。
そう否定する反面、頭の片隅ではシンジ君がハタチの時、自分は三十路か、などと考えていた。何故かため息がでた。
「違うんですって、そんなに強く否定しなくてもいいのに」
消え入りそうな声で呟く。
頭の中をぐるぐると考えが巡る。
何を考えたいのかはよくわからない。
時計を見ると時刻はもう0時を回っていた。
「もうこんな時間、早く寝ないと」
ベッドから身を起こし、ネグリジェを引き出す。
当然透けこそしないが、自分の目から見ても色っぽいデザインだ。
「そういえば」
目の高さまでネグリジェを引き上げ思い出す。
私も人並みに可愛らしい洋服等には興味があるつもりだったが、着る機会も見せる人もいないということで
元々無駄が嫌いな性分だったから最低限の洋服以外は一切買っていなかったし、買っても機能的なものばかりで見栄えはほとんど度外視だった。
そうして衣服を着こなすことから離れれば離れるほど、どうせ自分には似合わないからと自分から理由をつけ
いつの間にか着るものまでも感情を挟まず事務的に選んでいた。
しかし同居人がいるとなれば話は違う。
一緒に歩いているシンジ君が変に思われてはいけない、シンジ君も地味な服装の同居人は嫌だろうと、またしても勝手に理由をつけ、私はそれまで着たかったものを買った。
そして気合を入れた日には、シンジ君はお世辞かもしれないけれど、その服似合ってますねと褒めてくれた。
私はシンジ君をいい方向へと導こうとしていたはずが、逆にシンジ君に導かれているような気すらしてくる。
(ありがとう、シンジ君)
「でも私は保護者なんだから」
そう再確認し、ネグリジェをしまった。
いいね
職人様達本当にありがとう
293 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/28(金) 09:33:41 ID:1uvCjtaP
癒された・・・荒らそうとしてた自分に嫌気が。
マヤ「シンジ!あたしのプリン食べたでしょ!」
>>295 「・・・ミサトさん?やっぱムリありますよ、その・・・肌とか」
マヤさんのタイピング教室はXPではやらないのかな・・・
>288続きは休み明け頃にできたら投下したいなと思っています。
間隔が不定期ですみません。
マヤの板はここ以外に探すとどのくらいあるのか気になる。
2ちゃん内だと今はここくらいだな
この板内には三つスレがあったが増えているかもしれん
>>298 wktkして待ってるんで慌てず自分のペースで書いてくださいな
「シンジ君、宿題みてあげようか・・・」
「だ、大丈夫ですよ。
休日ぐらいゆっくりして下さい、マヤさん」
何か違和感を感じた。変わったのは服装だけではない、どこかが違う。
あまりにも昨日の取り乱した様子が見えないのも不自然だった。
そこでまだ、誤解を解いていないことに気づいた。
「あのマヤさん、昨日のことなんですが」
マヤさんとしては夢か幻かといった感じで、もう早々と記憶の隅に追いやっているのかもしれない。
わざわざ掘り起こして、また気にでも障ったらどうしようとびくびくしながら言った。
「ああ、あの御守驚いたわよ」
マヤさんが答える。作り物の平静な気がした。
「友達に、お世話になってる同居人に渡したらって言われて、その……」
今更マヤさんのことが心配で、マヤさんに何かお返しをしたくてという自分の気持ちを挟む気にはなれなかった。
それは本心なのだが、言い訳に取られたくない。
「そうよね、そんなことだと思った」
なんだ、そうだったのかという風に、あっさりとマヤさんは納得した。
「それよりシンジ君、イジメ、とかじゃないわよね」
「そういうんじゃないです、あいつ等クラスメイトにもしょっちゅうこんなことやってるんですよ」
「そういう年頃なのよ」
とマヤさんは笑った。
意外にすんなりと、解決してしまい僕は拍子抜けした。
「あの、またこんなことがあってもいけないし、休日のこと断っておきます」
「そんな気なんて使わなくていいからいいから、それに、ちょっと困ったけどシンジ君からのプレゼントも貰えたしね、大事にしまっておくわ」
そう言ってくれたのは嬉しかったが、なんだかマヤさんらしくない、そう思った。
学校へ向かう時も、なんだか少しギクシャクした。
正体のわからない違和感に戸惑って、主に僕が勝手にだけれど。
そんなことを考えていると、角から見計らったようにトウジ達が飛び出してきた。
二本も三本も、トウジ達の大通りにでてくる道は先のはずなのに。
「よう、シンジおはようさん」
「シンジ、おはよう」
「なんや奇遇やな、あ、シンジ君からお話は聞いてます、わい鈴原トウジいいます」
トウジは僕への挨拶などまるで前振りというように、マヤさんに近づいた。
幸い、握手もボディタッチの手も出さなかったようでホッとした。
握手であれば、多分手に取るまで間があり、トウジが傷つくだろうし
ボディタッチなどした日には、どんな展開になるかは想像もしたくない。
「こんにちは」
御守の件の犯人は、この二人だとわかるようには言っていないせいか、それとも知っていてかはわからないがマヤさんは普通に挨拶を交わした。
ただ勘もするどく頭もいいマヤさんは、僕が多くの友人を作れないタイプともわかってはいるだろうし、気がついているように思えた。
マヤさんは少し身をのりだし二人に向かい、仲良くしてあげてねと囁いた。
オペレートしている時の、叫ぶような声とはうって変わって
マヤさんは日常生活では喉をいたわってかそれとも癖なのか、顔を近づけて囁くようにして話す時がある。
本人は意識しているのかわからないが、とてもやわらかく色っぽい。
内心、あんな真似をしたのはトウジ達なのになんで、と少し嫉妬した。
「はい、いざとなったら、わいがシンジ君の盾になります」
などと興奮したトウジはわけのわからないことを言った。
ケンスケもケンスケで
「シンジ君のことは任せてください」
と言っている。
恥ずかしくて居た堪れなくなったのかトウジ達は僕の手を無理やり引き駆け出した。
職人乙です。(・∀・)イイヨイイヨ!
しっかし、よく考えつくよな。
俺が投稿しようと思ったら、恥ずかしくてようやれんもん。
>>306 頼むからシモの話やのうてキスまでの話キボンヌ
おつかれっ
>>308 普通にこの板で18禁な内容はダメだろw
キスのどこが十八金なのか(ry
そんなシモまでいかないだろうって思ってw
リレー小説みたいなかんじでとかいいのですか?
僕を強引に近くのコンビニまで連れ込んだトウジ達が立ち止まる。
「痛いなぁ、急にどうしたんだよトウジ」
引っ張られて赤くなった手を摩りながら不満をぶつくさいうシンジ
「オマエ、ホンマにあんなん美人で可愛いお姉さんと同居してんか?」
急にトウジが話を振る、するとケンスケが突然嘆いてきた
「あ〜、エヴァにお姉さんになんでお前ばかり・・・うらやましすぎる〜〜」
好き勝手にあることないこと想像して喋る二人は拳に力を込めて喋る
あ〜あこうなるからこの二人とは合わせたくなかったんだと今更ながら後悔の念にかられた。
とはいっても今更もう手遅れなのだが。
「それにしてもあんさんも淡白やな〜、綾波の水着姿の次はアスカは…論外やな。
く〜若い二人の男女が一つ屋根の下、やがて二人は・・・」
続いてケンスケが
「シンジ君、夜の訓練はまだまだこれからよ・・・なんてさ〜」
二人はこの後、日が暮れるまで好き勝手喋りながら帰っていった。
この後、学校でこのことが噂になっていた。
続く????
313 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 23:36:09 ID:Ix0B8xJK
マヤ「ごめんシンジくん、ちょっといいかしら?」
ネルフから家に帰ろうとするシンジを呼び止めたマヤ。起動実験に時間がかかり既に深夜になっている。
シンジ「な、なんですかマヤさん。」
マヤ「もしかしたらシンジくん・・・・」
シンジ「はぁ・・・」
マヤ「私とは男の戦いの冒頭でしか、会話したことなかったわよね」
シンジ「そ、そうだったかな。??え、えーっと。。。」考え込むシンジ。確かにマヤと直接会話した記憶がなかった。
マヤ「ごめんなさい。そりゃ仕方ないわよね。シンジくんは葛城先輩や赤城先輩から指示を仰ぐんだから私とは話す機会、ないものね」
膝を折り曲げ、シンジの顔を覗き込むように、上目でじっと見つめてくるマヤ。
シンジ「な、な、なんですか!そんなじっと見ないでくださいよ」てれて顔を背けてしまう。
マヤ「あーっシンジくん、顔まっかになっちゃってる。かわいぃ♪わたしみたいな年上じゃ、シンジくんからしてみたら、おばさんかな?」
シンジ「そ、そ、そんなことあるわけないじゃないですか!ど、ど、ど、どっちかって、て、ていうと、お、おねえさんですよ」
「あぁやっぱええなぁ、大人のお姉さんいうのは」
「何歳なんだ?すごい若くみえるけど」
先ほどのマヤさんの声と笑顔を頭で反芻しているのか、トウジ達は終始にやけ顔だった。
「24って聞いてるけど」
「もっと若く見えるな」
僕もネルフで仕事をしている時以外のマヤさんは、年齢より若くみえると思っていた。
「ただ大人の色香いうんはあるよなぁ」
さきほどから何かが引っかかっていた。
昼休みまで僕の頭もやは晴れなかった。
授業もトウジ達の話も、話半分どころか三割もはいっている気がしない。
トウジ達が購買でパンなんかを買っている間、弁当持参の僕は暇を持て余している。
屋上の手すりに体を預け、何の気なしに運動場をみつめる。
焦点はあっていないはずなのだが、どうしてもショートの子に目がいってしまう。
ため息がでた。
まるで気が抜け切っている所に後ろから肩を叩かれ、心臓が飛び出しそうになった。
「おどかすなよ、いきなり」
「ん?ドア開けてすぐ、なにぼーっとしてんだって声かけても気がつかなかったからさ」
ケンスケの声が耳にはいった覚えはなかった。
ただ事実そう言ったのだろう。
「なんやセンセ、あのお姉さんみたいなショートの子みてたんやろ」
「みてないよ」
見透かされているようで恥ずかしかった。
「ま、ええわ、そういやあの御守どないした?」
そういえば、どうして自分もそのことを言わなかったのだろうと、言われてから気づく。
「散々だったよ」
怒ろうと思っていたのだが、何故かそこまで感情は高ぶらなかった。
それでも、何かを感じ取ったのかケンスケが心配そうに言う。
「なんかあったのか?」
「何かマヤさん変なんだよ」
「マヤさんってあのお姉さんのことか?」
僕は頷いた。
「最初は取り乱して怒ってたというか慌ててたんだけど、朝起きて顔を合わせたら妙に落ち着いてて、それでなんだか余所余所しいっていうか」
「そういやこの前見たときよか、お姉さんもお前も表情少し硬かったな、距離も言われてみれば少し離れてた気がするし」
自分はともかくとして、マヤさんの表情も硬くみえたのはどうやら僕だけの思い違いではないようだった。
それはそれとして、原因はお前達だろうと喉元まででかかった。
「そないな大げさなことなるとは思ってもみいひんかったからなぁ」
「冗談に取られなかったのか?」
反省はしているようだった。
「それでだけど、休日来てもいいってさ」
「な、なんか悪いな、今度なんか埋め合わせするからさ」
バツの悪そうにケンスケは言った。
そして少し間がありケンスケは続けた。
「今、怒ってないのは嵐の前の静けさってことはないよな?
尋ねていって早々説教っていうのは流石に綺麗なお姉さんでも勘弁だぜ」
「わいはそれでも、なかなかええかもしれんな、あの聖母か菩薩いう笑顔が崩れるとこもみてみたいっちゅーか
厳しい目付きも素敵そうや」
実際目にしてないから、そんなことが言えるのだろう。
マヤさんは激昂すると、劣等感や、不誠実さなどを一突きにするような目で人を睨む。
トウジの妄言は取り合えず無視してケンスケに答える。
「ただ、それは無いと思うよ、子供に対して大人げないことはしないと思う」
と自分の口からでた言葉で気づく。
そうだ、当たり前でわかりきっていたことだけれど、マヤさんは僕とは年齢の違う大人なんだ、ということに。
>>312 頼むから自重してくれ
混ざって読みづらくなるし
>>316 投下乙です
トウジはMだなw
まぁ各個人個人で作品投下してもらえばいいな
GJです
>>312 リレーっぽくするなら構わないがせめてコテハンつけるか題名つけてくれよ。
本筋書いてる職人が区別できなくなっちゃうからさ。
悩むシンジ。どうしても気になることがあった・・・
シンジ「ミサトさんやアスカのパンツって、いつも汚れてるけど、マヤさんも一日はいたらオリモノで汚いのかなぁ。。」
>>320 そのパスならこう返す。
「ゴメンね、今日は帰れそうにないから夕飯は一人で食べて。」
マヤさんにそういわれて一人岐路に着く。そして、ふと思いついた事があった。
「確か洗濯物がたまってたな。よし、天気もいいみたいだし洗って干しておこう。」
もちろん悪気などない、しかしないからこそ後の惨劇を呼ぶきっかけとなったのであった。
「えーっと、色物はほとんどないな、マヤさんの下着とかも白が多いし一緒に洗っちゃえ。」
音を立てて回転する洗濯機、当然のようにシンジは自分の洗物も一緒に入れていた。
「ミサトさんの所だと部屋に下着を脱ぎっぱなしで探さなきゃいけなかったけど、マヤさんはそんな人じゃないし
こういうところも楽でいいな。」
などと一人ごちているが、同居を始めてからは洗濯はマヤが取り仕切ることになっていた。
それがどういう意味を持つのか既に感覚が麻痺しきっているシンジには理解できず、やさしい人としか
思っていなかった。
そして夜9時、洗濯も終わり一枚づつ脱水された衣服を広げて干しにかかるシンジの耳に
「ただいまー、思ったより早く仕事が片付いたよ♪」っと同居人の声が入る。
「おかえりなさいマヤさん、今洗濯物を洗って干していた所ですけど、夕食の準備しますね。」
「うんうん、食事は済ませてきたから、それよりも洗濯ありがと・・・え!洗濯って!!」
「もう済みましたし、後は干すだけですから僕がやってしまいますよ。」
あわてて駆け寄ってくるマヤが目にしたのは、女性物の下着を特に意識する様子もなく手に取っているシンジだった。
「・・・それ、きっ、きっ、キャーーーー!!!!」
突然の悲鳴に目を丸くするシンジ、訳も解らぬまま下着を手にしたまま駆け寄る。
「どっ、どうしたんですかマヤさん、そんな悲鳴だなんて。」
「それ、わたしの、ダメー!さわっちゃだめーー!!」
ますます泥沼にはまる中、騒ぎもようやく一段落して落ち着きを取り戻したマヤはこう言った。
「あのね、シンジ君、女の人にとって下着を見られるなんてとても恥ずかしい事なの、それに世の中には下着泥棒
なんていう変態もいるくらいなんだから勝手に触っちゃダメ!いい約束よ!」
始まって間もない同居生活であるが、初めて怒られたのがこの時であった。
本編の生活を思うと不憫すぎる仕打ちだな。
>感覚が麻痺
シンジかわいそす(´・ω・`)
>>319 それはすまん。
もしかして・・・今までの作品全てが
同一人物のもんだったんすか?だとしたらすげぇ・・・
ここの板勘違いしてた。sage
チャイムが鳴った。
「こ、こんにちは、本日はお日柄もよく……」
トウジとケンスケは、覗き込むようにして僕を見た。
「なんやシンジかいな」
「悪かったな」
まったく何が目的で来たのやら。
わかりきったことを僕は思った。
「あ、マヤさーん」
僕は確認の意味でマヤさんを呼んだ。
奥の方から「あがってもらってー」とマヤさんの返事がきた。
マヤさんの声が届くと同時に、トウジ達の背筋がピンと伸びた。
そそくさと靴を脱いであがったケンスケとは対称的に
トウジは、そこで立ち尽くしていた。
「どうしたんだよ」
「わい、なんかちょっと感動してしまって」
「はいはい」
「置いてくぞ」
僕とケンスケは気にも留めずに中へ入った。
「ちょっとまってや」
>>324 172から話の繋がりとして繋がってるのは自分が書きました。
トリップ付けてないため混乱させて申し訳ない。
あと4,5日分くらい投下したら終る予定です。
なんだか長々と申し訳ない。
「こんにちは、マヤさん」
「こんにちは、えっと」
「トウジです」
「ケンスケです」
力強く自己紹介するトウジ達に、マヤさんはどう反応していいものか引き気味だった。
腰を降ろして、少しするとマヤさんがお茶を持ってきてくれた。
トウジ達は気づいていないようだったが、マヤさんは緊張しているようだった。
表情や動作の端々がぎこちない。
「どうぞ、ごゆっくり」
「あ、お気遣いなく」
僕はこの異種混合にどういう立ち位置で接すればいいのかいまいちわからず。
お茶をすすりながら、眺めていた。
マヤさんも、居心地が悪いのかそそくさと離れようとするが、その気配を察知してかトウジ達が話を振った。
「いやぁー最初マヤさんとシンジが並んで登校してるとこみたら
まるで姉弟やな思ったんですけど、まさかシンジの同居人とは思いませんでした」
「あら?姉弟にみえた?」
過去僕がお母さんみたい、と言ったのを気にしてかマヤさんは喜びを露にした。
「俺は最初から気がついてたぜ、シンジにはない品がマヤさんにはあったし」
「もう上手なんだから、二人ともケーキ食べる?」
「はい、食べます!」
トウジ達もトウジ達なら、マヤさんもマヤさんだった。
ただ楽しそうにしているみんなをみていると自分も何故か幸せだった。
「シンジ君は学校でどう?」
「仲良くしてあげてね」
マヤさんはやっぱり母親のような視点だった。
そういう時のマヤさんを見ているとなんだか心がもやもやした。
そうこうしている間に、あっという間に時間は過ぎていった。
「それじゃあお邪魔しました」
「はい、また機会があったらどうぞ。
シンジ君途中まで見送っていってあげたら?その間に夕飯の準備しておくから」
「はい」
何故か僕はぶっきらぼうに答えた。
提案っすけど、書いたSSを投稿し終えたら>>でこの番号が自分の作品
てな感じでまとめたらいかがでやんすか?
>>329の続き考えたんですけど
「ほな、また学校でな〜せんせ」
「じゃ、シンジま〜たあ〜した〜〜〜」
僕はまだ、安産祈願のお守りのことを根にもっていた
>>275-276参照
ぶすっとした顔で二人を見送る僕は、以前ミサトさんと眺めたことのある。
第三新東京市が眺められる丘に、なぜだか足を運んでいた。
陽の光に照らされている広大なビル、それが何本も何本もでてきては消える。
そんな不思議な光景を眺めているうちに、気づけば辺りは夕焼けになっていた。
「そろそろマヤさんがご飯を作っている頃だ」
僕が帰ろうとすると、そこにはマヤさんがいた。
だれかリレーっぽく続けてくれたら嬉しい。
>>334 ここはリレー小説スレじゃないから、他人の投下中の話に勝手に続けるのは控えてくれ。
どうしてもやりたいんならおまいさんの頭の中だけでな。
連載中の他人の作品ではなくオリジナル(のパロディ)をつくろうよ。
勘違いしてもしょうがなくね?
共同生活だけじゃ、いまいち伝わらん。
SS投稿スレとか、それらしいこと書いてんなら別だけど。
たまには見るだけじゃなくて、参加することも大切だと思うよ。
SS職人ワンマンスレになっちしまってるし。
空気のいれかえもいいと思うのは俺だけなのかなぁ?
名前欄にリレー1とか書いて、リレー用のを新たに繋げていくとかすればいいんじゃないか?
参加するなっていうわけじゃなくて、参加してくれるのは読む方としては嬉しい限りだが
他人の投下中のを勝手にというのは失礼な気がする。
間に挟まってるのが問題じゃなくて、繋げてるのが問題。
数少なくはないマヤたん好き同士仲良くしようぜ
>>338 いやそうするとますます混乱すると思うよ。見辛い
もうリレーでもマトモなのなら良いってことにしない?
初めて来た人でもある程度ルール緩めれば楽しんで参加できるし。
それにここ、もともとがSS投下板じゃないし。
もう仲良くしよ、友達だ皆 俺が言う筋合いじゃないか?
マヤさ〜ん
>>340 >もうリレーでもマトモなのなら良いってことにしない?
せめて現在の連載が完結してからにしないか?
なんでそんなに自己正当化したがるのか全然分からん。
モンゴルだかアンゴラだか知らんが乗っかってきた輩よ
リレー小説スレでもないのに人のSSに乗っかるのはナシだろ
4〜5行の会話ネタに便乗するのとはワケが違うんだから
まあ、みんなほどほどにしようぜ。俺はここの職人の投稿を毎日楽しみにしてるんだ。
ここを見て荒れてたら職人さんが悲しい顔するから楽しくやろうぜ。
全くだ
アホが勝手に続きと称するものを書き込んでもスルーすれば良い話。
そのうち飽きて出て行くだろ。
お前等親切すぎ。
346 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/04(木) 14:50:08 ID:DLWUb5p6
ごめん、なんだか軽々しく書き込んだら大変なことになってた。
もう俺ここには来れなくなるけど、頑張って活動してくれ。
>>282の続き
続きは書かないと思ってたんですが、気がつくと書いてましたw
勿体無いので投下します
「〜〜♪」
「おっ? マヤちゃんご機嫌だね。鼻歌なんて歌って」
司令室のいつもの席に座ってキーボードを叩いていると、オペレーター仲間の青葉さんがそう指摘してきた。
わたしはそれに驚いてふり返り、
「えっ? わたし、鼻歌なんて歌ってました?」
「ははは。意識してなかったのかい? 機嫌良く歌ってたよ」
改めて言われ、そういえばそうだったかもしれないと記憶を辿り、顔が熱くなる。
「す、すいません」
別に悪いことをしたわけでもないのに反射的に謝ってしまった。
「いや、責めてるわけじゃないから。シンジくんとの生活はそんなに楽しいのかなと思って」
「べ、別にそんなんじゃ・・・」
ますます赤くなる。
「でもシンジくんと暮らすようになって、マヤちゃん明るくなったよね」
わたしたちの会話にそれまで黙っていたオペレーター三人組の最後の一人、日向さんまで加わってきた。
「も、もう! 日向さんまで! からかわないでください!」
「いや、ほんとほんと。前はもっと線を引かれてた感じがしてたから。なあ?」
「そうそう。それに明るくなったなら良いことじゃないか」
「知りません!」
わたしはもうその会話は打ち切りですという意思をこめて二人を睨みつけた。
二人は頬を膨らませるわたしを見て「ははははは」と笑ったが、
先輩や葛城さんほど人は悪くないので、それ以上は追求してくることなく、それぞれの仕事に戻っていった。
正直、助かった。ワキの下とか背中にイヤな汗が流れてる。ううっ。ちょっと気持ち悪い。
本部でのやりとりはそれで終わった。
そしてその日の帰り道。
「うーん。わたしってそんなに明るくなったのかな?」
日も沈んだ暗い夜道を歩きながら、一人物思いに耽る。
自分で自覚はないが、本部でも隣り合って仕事をしている青葉さんや日向さんがそういうのだから、そうなのだろう。
「シンジくんのおかげ?」
そういえば最近、ようやく彼もわたしに慣れてきたようで、学校であったこととかを話してくれるようになった。
それを嬉しいと思ってる自分がいるのは確かだ。
「べつに人とのコミュニケーションに餓えてるつもりはなかったんだけどなあ」
それとも相手がシンジくんだから?
「ないない。シンジくんは14才なのよ? わたしとは10才も歳が違うんだから」
・・・・・・そういえば先日買った本が、年下の学生とOLが同居生活するのをキッカケに恋に落ちていくというものだった。
いや、偶然だからね。同僚に面白いよと勧められたから買っただけで。
それに話の主人公はシンジくんとは正反対の人懐っこいタイプだったから、今の今までまったく意識してなかったし。
でも良く考えてみればシチュエーションは自分たちにそっくりだ。
そして、わたしはその小説を最後は上手くいってほしいと思いながら読んでいるわけで・・・
いや、だからといってシンジくんを意識してるわけじゃなくて。
「・・・・・・ダメだ。考えがドツボにはまっていってる気がする」
わたしは頭を振ってシンジくんのことをそこから追い出した。
そして今日の晩御飯は何かなあとシンジくんが作ってくれる料理に思いを馳せて帰ることに・・・って、あれ?
やっぱりシンジくんのこと考えてるじゃない。
「えーっと・・・」
別のこと。別のこと。
「あれ? あれあれ?」
困った。別のことを考えようとしても、登場人物のなかに必ずシンジくんが出てきてしまう。
それだけ彼と時間を共有する割合が増えてきたってことなんだろうけど。
何かシンジくんとは関係のない話・・・関係のない話・・・関係のない話・・・
結局、登場人物の必要ない計算式を頭の中で繰り返しながら帰ってきてしまった。
「はあ・・・なにやってんだろ・・・」
溜め息つきながら反省してドアノブを開ける。
「ただいまー」
我ながら疲れきった声だと思う。
それを聞いてリビングからシンジくんがパタパタとスリッパの音をたてながらやってきた。
「おかえりなさい。すぐに御飯を食べますか? あっ、お風呂も沸かしてありますけど」
結婚したばかりの新妻みたいなことを言うし。ドキっとしたじゃない。
ダメだ。思った以上に意識してるらしい。
「ご、ご、ご、御飯で」
どもって、しかも声が裏返った。最低だ。恥ずかしすぎて死にたい。
シンジくんもきょとんとした顔でこっちを見ている。
でもすぐに笑顔になって、
「わかりました。それじゃあ温めておきますんで、着換えてきてください」
今のわたしにその笑顔は眩しすぎるよ。
ぼーっとしてたのだろう。靴を脱いで廊下に上がろうとして、
「きゃっ」
段差のところで蹴躓いてしまった。
そして勢いあまってキッチンに帰ろうとしていたシンジくんの背中から抱きついてしまう。
わたしってヤツはどこまで!
「ご、ご、ごめんなさい!」
「い、いえ! こちらこそ!」
「着換えてくるから!」
わたしはシンジくんから逃げるように自分の部屋へ走っていった。
それからの食事はお互いにギクシャクしてしまって、まるでシンジくんと同居生活を開始した初日に逆戻りしたみたい。
「はあ・・・本当になにやってんだろ・・・」
湯船につかりながら、無意識に玄関前でつぶやいたセリフをもう一度漏らしていた。
「だいたいシンジくんが迷惑するじゃない」
14才の彼から見ればわたしなんてオバさんだろうし・・・かと言って大人の女性の魅力もない。胸だってそんなに大きくないし。
「ブクブクブクブク・・・」
考えれば考えるほど落ち込んで湯船の底にに沈んでいきたくなる。
でもエラ呼吸できない人間はいつか地上に戻るしかないわけで・・・そこにはシンジくんというわたしを悩ませる男の子がいるのだ。
「プハー! ああもう! やめやめ! どうしてわたしがこんなことで悩まなきゃいけないのよ!」
わたしは湯船に立ち上がると、そのままの勢いでお風呂を出た。
そうだ。悩む必要なんてない。普段どおりに接すれば良いのだ。
とりあえず「お風呂空いたわよ」、それこから始めよう。うん。
わたしは手早く着換えると、バスタオルを頭に巻いたままシンジくんがテレビを見ているはずのリビングへと向かった。
目標確認。作戦開始。
「シ、シ、シ、シンジくん! お、お、お風呂!」
「あっ、はい・・・」
作戦失敗。自室へ撤退。
「わたしはバカか!」
自分に腹が立ってタオルを力任せに壁に向かって投げつけて、ベッドに身を投げ出すように倒れこんだ。
「すごい呆然とした眼で見てた」
そりゃあ当然だ。あんなのおかしすぎる。
全てを忘れて寝てしまおうか。明日になれば上手くやれるかもしれないし。
「って、ダメに決まってるわよね。先伸ばしにすると事態を余計にややこしくしかねないし」
シンジくんじゃないけど・・・逃げちゃダメ
「よし!」
わたしは意を決してベッドから身を起こすと、キッチンへと向かった。
「はあ、サッパリした」
シンジくんの満足げな声が廊下の向こうから聞こえてくる。
「それにしても今日のマヤさんどうしたんだろ? 妙にぎこちなかったけど・・・うわっ!」
わたしへの不審を口にしながら風呂上りのジュースを飲もうとキッチンにやってきた彼は、
隣接するリビングにわたしがいるのを見て驚きの声をあげた。
いつもわたしはこの時間は部屋にいるので、こんなところにいるとは思っていなかったのだろう。
それに加えて・・・
「ど、どうしたんです!? そんなベロンベロンに酔っ払って!」
結局、シンジくんを待ってる間、景気づけのつもりで飲んだワインに見事に逃げ込んでしまった。
「シンジく〜ん! わたしって最低の大人なのよ!」
「泣き上戸!」
泣きながら抱きつきに行くわたしを、どうして良いか分からずに受け止めて、そのまま背中を撫でさすってくれる。
「んふふ。シンジくん優しい」
わたしはそのまま彼に頬ずりした。
「次は甘え上戸? どうしたんです? ネルフで何かあったんですか?」
なにかあったんですか? そりゃありましたとも。だからこんなに困ってるんだから。
それというのもシンジくんが・・・そうよ! わたしがこんなに困ってるのはキミのせいなんだから!
「シンジくん! ちょっとそこに座りなさい!」
わたしは彼から離れると、ソファー・・・ではなく、その正面の床を指差した。
「今度は怒り上戸ですか・・・」
小憎らしいわたしの同居人は諦めたようにそこに正座した。そしてわたしも彼の横に正座する。
「ソファーに座るわけじゃないんだ」
なにか呆れた声で言ってるが無視。
「良い? わたしがこんなに困ってるのはキミのせいなんだからね」
「はあ。すいません」
「すいませんじゃないの! ちゃんと反省しなさい!」
「その・・・ボクがいるとやっぱり邪魔ですか? だからそんなに・・・」
上目遣いになって、本当にすまなそうに言うシンジくんにわたしは悲しくなる。
「どうしてそんなこと言うの?」
本当に涙がこぼれそうになった。その姿にシンジくんも慌てる。
「えっ? いや・・・でも・・・ボクが困らせてるんですよね?」
「そうよ!」
わたしをこんな気持ちにさせた彼に再び怒りが湧いてくる。
「キミのせいよ! キミのことが気になって気になって、上手く会話できなかったんだから! どうしてくれるの!」
「えっ? それって・・・」
「反省しなさい!」
「は、はい!」
わたしの剣幕に押さえ込まれるようにシンジくんが慌てて頭をさげる。
だからわたしには彼が本当に嬉しそうに笑う顔を見ることができなかった。
それから小一時間、わたしの説教は続くことになる。
だって、シンジくんたらずっとニコニコしてるんだもん。反省が足りないわ!
「うー・・・頭痛い」
朝、目が覚めると謎の頭痛に襲われた。
えっと、どこに頭ぶつけた? でもこの痛みはそんな表面的なものじゃなく、頭の奥から来る感じだ。
「あっ、そうか。昨日、お酒を飲んで・・・」
ぼんやりと憶えてる記憶を掘り起こす。そうか。これが二日酔いというヤツか。
「それから、えーっと・・・・・・どうしたんだっけ?」
もそもそと起き上がって、ちゃんと着換えてリビングに向かう。
そこではすでにシンジくんが朝食の準備を終えていた。
「あっ、おはようございます。マヤさん」
「おはよう・・・」
とりあえず水を一杯もらい、あらためてテーブルの上に置かれた朝食を見る。
「どうしたの? 今日なにかあったっけ?」
昨日あれだけ意識してたのがバカみたいに、すんなりと言葉が出てきた。
はっきり言って頭痛でそれどころじゃないというのもある。うん。作戦どおりね。
「少し嬉しいことがあって・・・作りすぎちゃいました」
「ふーん」
嬉しいこと? なんだろう?
「残ったらお昼のお弁当にしますんで。多かったら残してください」
「そう?」
わたしは不審に思いながら、用意された食事の前に座り込む。
「それじゃあいただきます」
「いただきます」
自分の作った御飯を楽しそうにたいらげていく10才年下の男の子。
ほんと、いったい何があったんだろう?
「まっ、良いか」
その疑問が解けることなく、わたしは彼が作ってくれた味噌汁に口をつけたのだった。
うん。今日も美味しいね、シンジくん。
長々となってしまいましたが、
一服の清涼剤としてお使いいただければ幸いです
ドジッ子マヤさん(・∀・)イイ!!
おおGJです
「なんだよシンジ、やけに暗いな」
今のトウジ達と比べれば相対的に、誰だって暗くみえると思った。
「別に」
「なんやシンジ、わいらにマヤさん取られてすねてるんやろ」
別にトウジ達とマヤさんが仲良く談笑していたから、というわけではなかった。
「そんなことないよ」
「お前さ、マヤさんに子ども扱いされるのが嫌なんじゃないか?
マヤさんが俺らに学校でのこと聞いてるときとか、お前不機嫌そうだったぜ」
図星のような気がして、僕は黙った。
「ほ、ほら、長い間一緒にいると情が湧いてくるだろ?
だからマヤさんも距離を取ってああなったんじゃないと思うぜ。
この前いってたマヤさんが変っていうのも思い過ごしだって」
押し黙った僕をなぐさめるように、あわててケンスケが言う。
逆の経験。
長い間離れていた父は家族と思おうとしても思えない。思ってもくれていない。
そしてマヤさんは母親の代わりになれるわけもなく
対等の付き合いをすることも叶わない。
「そうそう、思い過ごしや思い過ごし。
義理と人情だけで他人と一緒に住むなんてできるもんやないで」
「そうかもしれないけど……」
マヤさんのことは誰よりも信用できるし、本当によくしてくれていると思う。
それでもマヤさんと僕は保護者役と、子どもの関係でしかない。
それは当然のことだけれど、マヤさんにもっと近づきたい
振り向いて欲しいという気持ちがある。
「そんじゃわいはここで、シンジ、ケンスケまたな」
見送りというには、大分距離を歩いていた。
トウジと別れてからも、僕は何を喋るでもなくケンスケの横を歩いた。
夜も更け、街灯が灯る。
「なぁ、シンジ。ちゃんと俺らを招いてくれたお礼にアドバイスしてやろうか?」
「アドバイス?」
「一度離れ離れになれば、マヤさんもお前のこと気にかけてくれるかもな」
「そんなむちゃくちゃな、逃げ出したりなんかすれば、監視員に確保されるよ。」
ただ、ネルフの中に居た時に感じた視線はもう感じなかった。
あの頃僕が逃げ出そうとしていたのは、傍から見え見えだったのかもしれない。
「まー落ち着けって、ほら、ちょっとした家出くらいだよ家出」
そのちょっとした家出すらもできそうになかった。
「無理だよ、迷惑がかかるし」
「でもさ、学校にいってる最中やら、こうやって遊んでる最中にあの化け物が来ることも無きにしもだろ?」
「そりゃあ訓練で、最短距離でネルフへ向かうルートを叩き込まれてるから」
「ならさ、家よりネルフに近いところにいりゃあいいんじゃないか?」
事も無げにケンスケは言った。
「流石に学校にも行かないでってのは不味いだろうし、来週の3連休にでも実行してみろよ」
「このままじゃ嫌なんだろ」
というケンスケの言葉に僕は浅く頷いた。
>>259 ちくしょーいいところでw 次回投稿期待してます(*´д`*)ハァハァ
O2
「あら、シンジ君ちょっと遅かったわね」
マヤさんがエプロン姿で玄関先に顔をだす。
「ちょっと話込んじゃって」
テーブルにはもう、料理が一通り並んでいた。
マヤさんの料理の上達は目の見張るものがあった。
元々マヤさんは多才で、積極的にやれば、なんでもこなせるのかもしれない。
マヤさんのこういった成長を目の当たりにすると、初めの頃色々なことに悪戦苦闘してドジを踏んでいた時の方が
マヤさんとの距離が近かったように思える。
こんな卑屈な考えをする自分が嫌だった。
「そういえば、マヤさんは休日、人を招いたりしないんですか?」
「あんまり私友達いないから…、それに仕事も忙しいし
こうして土日に普通に休めるのも落ち着いてるときだけだから、なかなかね」
「つ、付き合ってる人とかはいないんですか?」
「い、いないわよ。ってシンジ君なんだか変じゃない?急にそんなこと言いだして」
いない、ではなく、そういった人を作れないのではないかと僕は思った。
僕なんかの御守りをしていなければ、もっと自由に時間を使えたのかもしれない。
「別に、なんでもないです」
自分の声が冷たく聞こえる気がした。
マヤさんは何も追及せず、話題を変えた。
「今日は本当に楽し──」
「すいません、なんだかもう眠いので寝ます」
マヤさんの言葉を遮り僕は言った。
「そうね、ちょっと今日ははしゃいで疲れたわよね」
「おやすみなさい」
そうマヤさんに言い部屋のベッドに体を沈める。
頭にチラついた考えがやけに残る。
この生活は本当は嘘なんじゃないかという疑念。
一旦離れてみれば、というケンスケの言葉が頭に響く。
僕自身が離れてみなければ冷静になれない、そう思った。
マヤさんへの感情、この生活のこと、それは言葉に出したら全て崩れてしまいそうなことだった。
「家出か……」
半ば冗談で話した会話が現実味を帯びてくる。
このなんの進展もない日常に、僕自身が耐え切れなくなっているのかもしれない。
4,5回分で終るつもりがもうちょっと伸びるかもです。
伸ばそうと思ってやっているわけではないのですが、すみません。
>>364 投下乙です
マヤとシンジの関係がどう変わっていくのかにwktkしてます
回数とかは拘らずに職人さんの納得の行く形で完結させるのが一番だと思いますよ
長くなる分にはかまわないと思うw
家出をするかしないかの結論を先送りにしたまま日々を過ごした。
自分でも、ささくれ立っているのがわかった。
いつもなら何とも思わないことを、全てマイナスに取ってしまう。
時には構わないでください、と声にまで出る時もあった。
話をすると、そんな態度を取ってしまう自分が嫌で、極力僕は自室で過ごした。
マヤさんは、理不尽な態度を取っている僕に一切反論しなかった。
僕がどんな態度だとしても、マヤさんは常に優しい。
「ちくしょう」
何の意味もなく口からでた言葉。
考えることが嫌になって、僕は眠りに落ちた。
浮遊した意識の中、僕は僕に問いかけられる。
「寂しいんだ」
「違う、寂しくなんてない」
「構うなって言ってはいるけど、気持ちはその逆なんでしょ」
「そんなことない」
「マヤさんが優しいのは、僕が他人だから、そしてエヴァのパイロットだからだよ」
「違う違う違う」
僕は頭を振った。
「この嘘の生活はいつかは終るよ」
「嘘なんかじゃない」
「また捨てられる、僕がドジを踏むか、時が来れば」
「やめてよ、そんなこと言わないでよ」
容易に行き着くそんな仮定。
到達することから、逃げてきた思考。
「うう」
気がつくと僕は目覚めていた。
ドアの向こうから生活音が聞こえ安心する。
「ここはネルフの中じゃないんだ」
嘘じゃないと証明するために、家を出ようと思った。
気がつけばもう水曜だった。
金曜の夜家をでるとすると、明日にはもう準備をしないといけない。
その裏で、マヤさんと過ごせるのは明日が最後なんだ、という思いが浮かんでは消えた。
「この前の休日、シンジ君の友達を家に招いたんですよ」
ええっ、と大げさなリアクションを青葉さんがとった。
青葉さんは少し離れたところにいる日向さんを手招きし、耳元で何かを囁く。
すると日向さんも似たようなリアクションだった。
「なんでそんなに驚いてるんですか?」
「なにもかにも、いかもえびも、以前のマヤちゃんからは考えられないよ」
青葉さんは早口で言う。
「じゃあ、今度の休日僕も招いてくれないかな」
「それは、ちょっと……」
日向さんが肩を落とす。
「ま、まぁこうやって俺達とマヤちゃんの絆も徐々に深まって──」
さりげなく肩に置こうとする手を私は払った。
「セクハラですよ、それ」
まったく、と思いながらシンジ君の友達の二人も成長すればこうなるのかしら、などと考えた。
「なになにー、楽しそうじゃない」
談笑を嗅ぎつけた葛城さんも話に加わる。
「最近シンジ君ちょっと変なんです、気のせいかもしれないけど部屋に篭りがちで」
「マヤちゃんシンジ君の見られたくないものでも見たんじゃないか?」
「それってなんです?」
見られたくないもの、ここ一週間くらいのことを頭に思い浮かべる。
「ほら、エロ本とかエロビとか」
「はい?」
考えることに集中し、気が抜けていた私は聞き返した。
何を言っているのか思い当たるより先に、葛城さんの手が青葉さんの頭にぴしゃりと当たった。
「いてて、冗談ですよ冗談」
「でも昨日は、普通に明るかったんですよ。だから気のせいかもしれないです」
「色々大変な年頃だからなぁ……」
「ですね」
「そうだな」
「そうよねぇ」
それだけは満場一致のようだった。
私も子供の頃わけもなく不安になったり、親に当たったりしたことがあった。
一過性のものだといいのだけれど……。
ただ、最初にシンジ君と話した時に見た、孤独な目。
最近それに近い表情を時折見せる気がした。
「ほーら、その顔よ、その顔」
葛城さんが私に言った。
「マヤちゃん疲れた顔してるから、辛気臭いのがシンジ君に移っちゃったんじゃないの?」
こうやって、と葛城さんは私の両唇の端を人差し指で引き上げた。
「笑顔で接すればいいのよ」
「あ、赤木博士」
日向さんが、ドアの方へ目を向けた。
「へんぱい?」
吊り上げられた唇から、間の抜けた声がでて恥ずかしかった。
「賑やかね」
と先輩は言った。
葛城さんは私の唇を吊り上げたまま、私の顔を先輩へ向ける。
「どう?これならイチコロじゃない?」
「うーん」
先輩が真剣な目つめる。
「どうかしらね」
と先輩は笑った。
「そんな……」
そしてみんなも笑った。
GJです
>371氏の作品は台詞が自然だな。
俺は結構エヴァは何回も見たからキャラの口調とかに目がいっちゃうんだが、
この人のは違和感を感じさせない。
おつ
隠れた名スレですね
職人さん乙です
お2
「それにしても遅くなりましたねー」
と日向さんが言った。
「シンジ君も待ちあぐねているんじゃないか?」
「ちゃんと言ってありますから食事とかは大丈夫だと思います」
「違う違う、マヤちゃんのことだよ」
青葉さんがからかうように言った。
「えっ」
顔がかーっと赤くなった気がした。
「ほらほら、あんまりマヤちゃんのこといじめない、それじゃ今日はこれくらいで」
「はい、お疲れ様でした」
「お疲れさん」
「お疲れ様」
「はぁ、私も早く帰りたいわ」
と葛城さんがぼやいた。
話が弾んだせいか、気持ちが晴れ晴れとしていた。
自然と帰宅の足取りも早くなる。
「あら」
家の電気が全て消えていた。
遅くなったとはいえ、まだいつも寝るような時間でもない。
もし寝ていたら脅かして起こそうかな、などと私は考えた。
思い切って体ごとぶつかっていけばシンジ君も笑顔になるかもしれない。
みんなと話をしていたら、距離を取って、なるようになると流されていてはダメなんだと思った。
ドアノブを引くと鍵がかかっていた。
「戸締りもちゃんとできてて、偉い偉い」
私は鍵を使って、ドアを開ける。
小さな灯り一つ点いていなかった。
私はスイッチのあるだいたいの位置に指を這わせながら靴を脱いだ。
そしてバランスを崩し尻餅をついた。
「いたた」
スカートを掃いながら立ち上がる。
気づいてくれてもいいのにと、寝ているであろうシンジ君を思った。
でも笑い話ができたと、次々と照明のスイッチをONに倒した。
玄関から順に灯りが灯っていく。
「さっきのは取り消しかな」
タンスが開けっ放しになっており衣服が散乱していた。
私は足音を潜ませ、シンジ君の部屋の前まで行った。
ノックしようかと思ったが、それで気づかれても面白くない。
私は悪いと思いつつ、ドアを開けた。
ベッドに近づき、枕元に顔を寄せる。
しかしそこにはシンジ君の姿はなかった。
キテター!
ドキドキワクワク
待ってた展開来てwktkしているが同時にマヤさんの悲しむ姿がorz
風呂場、リビング、そしてまさかとは思ったが私の部屋。
どこにもシンジ君の姿はなかった。
灯りを付けて周りを確認していくと、トランクがなくなっていることに気づいた。
「どうして……」
持ち出された衣服と、ちょっとした食料。
嫌な予感が頭を過ぎる。
涙がこみ上げて来た。
しかし泣いてはダメだと思った。
「言ってくれなかったのは悲しいけど、明日からは休みだし、友達のところへ行ってるのかも」
ありえなくはない仮定。
そうとわかればと、私は電話に手を伸ばした。
「はい、相田です」
「夜遅くにごめんなさいね」
「いえ」
「シンジ君のこと知らない?」
私はトランクを持っていなくなったことは言わなかった。
それを口にしてしまうと、本当にシンジ君が逃げてしまったように思える。
「えっ、あっ、アイツどうかしたんですか?」
受話器を持つ手が震えた。
「まだ帰らないから、ケンスケ君かトウジ君のところにいってるんじゃないかと思って」
「すいません、俺はわからないです」
「そうよね、何か気がついたことあったら連絡お願いできる?」
「わかりました」
トウジ君の方も、まったくわからないということだった。
どうしようもなくなった私は本部へ連絡を入れることにした。
「すいません、シンジ君が……」
「あらら、喧嘩でもしちゃった? それにしてもか弱い女の子を泣かせるなんて
シンジ君にはちょっとガツンと言ってやらないといけないわね」
冗談めかして葛城さんは言った。
「違うんです、シンジ君がいなくて、トランクが無くなってて」
うまく話せない。動転しているのが自分でもわかった。
「友達のとこへ泊まりにいったとかじゃないの?」
「私もそう思って、電話してみたんですが、まったく知らないみたいで」
「ちょっち、不味いわね」
「やっぱり、私なんかじゃ」
涙が頬に、受話器にと流れ放題だった。
私は立っていることもできず、その場にしゃがみ込んだ。
「マヤちゃんでダメなら、誰がやってもダメだったのよ。いい、もう夜も遅いし危ないから
マヤちゃんは家でそのまま待機。シンジ君の確保……いいえ、シンジ君は責任を持って私達が探して連れて行くから、ね」
「でも危ないのはシンジ君も一緒です」
「男の子だし、ちょっとくらい大丈夫よ。マヤちゃんに何かあったらシンジ君が悲しむわ。いい、そのまま待機よ」
葛城さんの話は最後まで耳にはいってはいなかった。
乙です。
続きが気になりますね(´∀`)
384 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 01:13:18 ID:N+3bGsoH
マヤさん・・・(´・ω・`)
本当にキャラの口調や台詞回しに違和感を感じない。
レベルの高い作品だなぁ
GJ!
隠れた良作だ
「よし、と」
トランクに入用のものを詰め、ガスの元栓など一通りをチェックした。
洋服がタンスから、はみだしており散らかっている。
片付けなくてはと僕は、衣服を手に取った。
引き伸ばし折りたたもうとしたその時、僕はこの散らかった部分が片付いた時のことを想像した。
気づいてくれるだろうか、僕がいなくなった事に。
なんだか、衣服を整理して綺麗に片付けたら
僕がいなかった頃のマヤさんの生活がそのまま戻ってくるだけのような気がした。
僕は折りたたもうとした衣服を乱雑に投げ打った。
「ちくしょう」
僕は鍵をかけ部屋を後にした。
結局、覚悟も何もない家出ごっこのようなものだった。
マヤさんが探してくれなかったらどうしよう、という迷いが歩を遅らせていた。
楽しそうに母親と話す子供、手を繋いで買い物をする子ども、夕焼けの中、多分その子達は家に帰る。
僕は体格に不釣合いなトランクを引き、家から離れる。
気がつけば大通りを避け、人気の無い道を進んでいた。
話し声も、足音も聞こえなくなった。
自分から避けて選んだ道なのに、更に心寂しくなった。
大きなバッグを背負ったケンスケがそこに待っていた。
「よお、シンジ」
「あ、ケンスケ」
「ここなら遠すぎず近すぎずって感じだろ」
ネルフへの距離的には、そんな感じだった。
「おい、ぼーっとしてないで手伝えよ」
ケンスケはバッグを地に下ろした。
「あ、うん。でも勝手にいいのかな」
「まぁ、キャンプ場ってわけじゃないけど、立地もいいし中々穴場なんだよ」
テキパキとテントを組み立てながらケンスケは言った。
「オレも結構来るしさ」
「ふうん。それにしても、静かだね」
「まーな、なんかめんどくせーってなったらこういうとこでぼーっと一晩過ごすのが一番なんだよ。
何も、考えずに、すむから、なっと。よしできた」
テントが完成した。
何も考えずにすむ、というのは性分の問題なのかもしれない、と思った。
こうやって体を動かしていても、まったく別の場所に行っても、頭は何か答えを探している。
「それじゃ、何かあったら連絡くれよ」
「えっ……ケンスケはもう行くの?」
「俺が居なかったら、俺と一緒に何処かへ行ったって思われるかもしれないし
そうなると口が軽いトウジは話してないだけに、この場所のことポロっと言いそうだしさ」
「そうだね、そうかもしれない」
「ま、クドくない程度にうまくやっとくよ」
「ありがとう」
「じゃあな」
周りから完全に人気が消えた。
更新来てる!
続きにwktk
ケンスケいい味出してるな
やつは最初からいいやつだもんな。
いや最初は逆恨みのトウジより微妙な奴だろw
『ごめんね。この間の騒ぎであいつの妹、怪我しちゃったんだ^^』
僕は暗いテントの中、横になっていた。
木々が風で揺れる音がする以外は、家に居る時とほとんど変らないような気がした。
ただ、暗い部屋の向こうにマヤさんがいないことは確かだ。
「探してくれるかな」
テントの入り口を開け、マヤさんが入ってくるところを想像しようとしても中々それができない。
ネルフの黒服が連行しに来るだけなんじゃないか、という思いが頭から離れなかった。
「僕がパイロットだから……」
誰かは探しに来るだろう。
マヤさんが探しに来てくれるかもしれないが、探す理由は黒服の人達と同じかもしれない。
僕にとってのマヤさんは、大勢のネルフの職員とは確実に一線を引く存在だ。
でもマヤさんに取っての僕は?
イヤホンから音が途切れた。
ウォークマンの電池が切れたようだった。
初めに声をかけてくれた時から、マヤさんはずっと優しかった。
最初はその優しさが、立場上のものでも、嘘でもいいと思っていた。
すぐに逃げ出して、文句ばかりの最低な僕には、本当に勿体の無い同居人。
マヤさんが傍にいるだけで、救われる気持ちだった。
僕を見てくれていること。
僕に向ける笑顔。
今はそれが嘘や演技だったらどうすればいいんだと、そう考えてしまう。
対等の関係。約束された関係。
そんな手の届かないものは、望んじゃいけないんだろうか。
息苦しくなってきた僕はテントの外へ出た。
規則的に吹いていた風を、轟音が切り裂いた。
「戦闘機?」
嫌な予感がした。
考えていなかったことじゃないけれど。
僕は林を抜け、町中を目指した。
町ではサイレンが鳴り響き、避難を促していた。
ビルが沈み、人々の波が避難所を目指して流れる。
早く進みなさいよ、邪魔だよ、どうなってんだよと、人々の罵声が耳に突き刺さった。
遠くで眺めている僕に向けられているはずは無かったが、サイレンの音と罵声と
非日常な形へ姿を変えていく町が視覚と聴覚を揺さぶり、どんどん気持ちが悪くなっていった。
「早く行かないと」
人波をかきわけ僕はネルフへの道を走った。
肩がぶつかり僕は人波の中、倒れるように転んだ。
人波は僕を気にかけずに流れる。
僕はなんのために、人波を逆走しているんだろう、ふとそんなことを思った。
あああああ、せつねぇ〜。シンジがマヤさんに任務じゃない愛情を
求めてるのが(・∀・)イイ!!
職人乙
文章読みやすいなあ
本当にGJ
GJです!
続きが気になりますなぁ。
それはエヴァに乗るためじゃないか。
エヴァに乗って、そして……、そして使徒から町を……町を?。
僕が守りたいものは町、なんだろうか。
町のことがどうでもいいというわけではない、でもそれはエヴァのパイロットとしての使命だ。
僕個人の乗るための意思、乗らなければいけない理由。
それは町なんていう漠然なものじゃなくて、トウジやケンスケ、そしてマヤさんのために行かなくちゃいけない、逃げちゃいけない。
僕は立ち上がった。
しかし、足はまだ動かず、頭に意識がいっていた。
もしマヤさんが自分を探していたら……。
「ちくしょう」
どうする、どうする、どうすればいい。
迎撃ビルからミサイルが放たれていた。
少しの間があり爆音が響いた。
通常兵器ではまったく歯が立たないのよ、というリツコさんの言葉が響いた。
自分がいなければエヴァは動かない。
僕はまた走り出した、そして、どうか自分を探さないでいてくださいとマヤさんのことを祈った。
僕は走った。
「くそっ、くそっ、くそっ」
ネルフ付近へ近づいた頃、無線機を持ったネルフ職員が僕の前に立ちふさがった。
「こちらパイロットを確保」
そう無線に応答していた。
手を伸ばしてきた職員に、僕は答える。
「大丈夫です、行きます」
目と目があい、少しの間がある。
「頼んだぞ」
そういい、その人は僕を見送った。
「早く、早く乗せてください」
「シンジ君!?どうして」
ミサトさんの声が響いた。
「すみません、それより早く」
「大丈夫、焦らなくていいわ、避難はもうほぼすんでるから」
LCLの中に身体が沈められていく、もう何度もやった訓練と同じだ。
「マヤさんは?」
いつもの声が聞こえなかった。
「マヤちゃんは、えっと…」
代わりを担当しているらしい青葉さんが口ごもった。
初号機は地上へ向けて上昇する。
「今は目の前の敵に集中して、シンジ君」
確認が取れていれば、ミサトさんはそんな曖昧な言い方はしないはずだ。
「集中しろだなんて」
地上に射出され、視界に町が広がる。
先ほどみた変わり果てた町が、更に変容している。
触手が戦闘機をなぎ払い、爆音が響く。
前進を妨げるもの、自分に向かってくるものを容赦なく薙ぎ払い使徒は進む。
ビルが倒壊し、効くはずのない兵器の音がむなしく響く。
「これ以上好き勝手」
僕は暴れ狂うビーム状の触手に突っ込み、それを両の手で押さえつける。
「ううう」
両手が徐々に溶ける感覚と、焼かれるような痛みが走る。
「そのままじゃ拉致があかないわ」
「それじゃあどうしろっていうんですか」
両手に収まっている触手は物凄い力で、それを振りほどこうとしている。
「コアを破壊すれば使徒の活動は止まるわ、ナイフでコアを狙って」
触手が解き放たれ、ビルをなぎ払い、そのビルがマヤさんを押しつぶす。
そんなことが頭をちらついた。
「このままじゃ初号機の両手が持たないわ、シンジ君早く」
急かすようにミサトが言う。
「ちくしょう、ちくしょう」
右手を離し、左肩のナイフに手を伸ばす。
それを瞬時に察知した触手がナイフを弾き、そのまま左腕にフリーになった触手が絡みついた。
使徒は手繰り寄せるように、触手に力をかける。
「うっ」
宙を浮く感覚。
バランスを失った初号機がビルへ叩きつけられた。
「くそっ、動かない」
右半身がビルに深く沈みこんでいるため、まったく身動きが取れない。
使徒は、こちらを無視し、触手で障害を破壊しながらネルフ方面へ移動した。
「もうやめろ!」
左腕でビルを打ち付ける。
「ちくしょう、こっちを見ろ、お願いだから……」
いくら音を立てても、使徒はこちらには向き直らなかった。
僕は、初号機は左腕を使徒の方へ伸ばす。
距離がありすぎる、それは決して届かない。
いや、諦めちゃダメだ、逃げちゃダメだ。
ビルに亀裂が入り、徐々に、体の自由が戻る。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
残ったナイフを抜き、背を向けた使徒に僕は駆けた。
「シンジ君」
マヤさんの声がした。
使徒が振り向いた。
僕はコアにナイフを突き立てた。
「使徒の沈黙を確認」
マヤさんが息切れながらそう言ったことは覚えている。
強張っていた身体から気が抜けていく。
それから、エントリープラグから降りるまでのことはよく覚えていなかった。
なんかかっこいい!
日常系の台詞回しの上手さだけじゃなく、戦闘もスピード感あって(・∀・)イイ!!
GGGGGJっす!
実にすばらしい、テンポも非常によい。
これでもう一回読み直してから上げていただければ最高だった。
戦闘が終わると、私は葛城さんに呼び出された。
イスとテーブルしかない簡素な部屋。
冷たい鉄の色が、否応なく気持ちを引き締めさせる。
「マヤちゃん、パイロットの捜索は貴方の仕事じゃないわ、それはわかってるわね」
「はい、わかっています」
「貴方も、特にシンジ君がネルフを不信に思ってるのはわかる、それは仕方がないわ
ただ普通に生活するだけなら、監視と拘束なんて苦痛でしかないもの
でもね、シンジ君から信じてもらえなくても、私達はシンジ君を信じなくちゃいけない
そして私達は私達を信じなくちゃ、やっていけないのよ」
葛城さんの一言一言が胸にささる。
「でも、ま結果オーライよ。今日は保護責任の延長ってことにしておくわ」
「それは……」
葛城さんなりの厚意だとはわかる。
「保護責任から、私はシンジ君を探しにいったわけじゃないです。
……完全な私情です」
「そう思ってくれる人があの子には必要よ
ただ、いい? 今度はもうシンジ君が逃げ出さないようちゃんと見ててあげなさい」
「じゃあ」
「今後ともシンジ君をよろしく頼むわね」
あと2回ほどで完です
>>405 ご指摘ありがとうございます。
読み直してみると敬称がなかったり、ちと足りないところがありました。
「すいません、逃げ出したりなんかして」
ふとした衝動から、周りに迷惑をかけてしまったことを僕は悔いた。
「本気でマヤちゃんの所から逃げたわけじゃないんでしょ?」
「はい……」
「そうよね」
とミサトさんは僕の頭を軽く叩いた。
「幸いすぐにシンジ君が来てくれたお陰で、被害も想定内に収まったわ」
「だけど」
結果的にマヤさんも無事で、使徒も撃退できたけれど
マヤさんを危険にさらし、不要な手間をかけさせてしまった。
でもね、とミサトさんは続けた。
「人と向き合うことから逃げちゃダメよ、シンジ君」
「向き合うことですか?」
「エヴァに乗ること、使徒を倒すことだけが逃げないことじゃないわ
ちょっち、難しいかしらね」
「じ、自己完結するなってことですか?」
「上出来、ま、そういうことよ、ほら、マヤちゃんが待ってるわよ」
とドア越しに見えるマヤさんの影を指差しミサトさんは部屋をでた。
時計の秒針の音だけが響く。
早く外で待っているマヤさんに顔をださなければと思うのだが
どういう顔をして出て行けばいいのかわからない。
心音が外に聞こえそうなくらい響く。
気がつけばミサトさんがいなくなって5分も沈黙していた。
僕は立ち上がり、ドアの目の前に向かった。
すりガラスがマヤさんの顔を隠している。
僕は恐る恐るドアノブに手を伸ばす。
どうか、何もなかったようにマヤさんと触れ合えるように、と。
握って捻ったドアノブが手の中で反対方向へ回転している。
「ふふっ」
とマヤさんが笑った。
マヤさんがドアノブから手を離したようだった、マヤさんの笑い声に安心した僕はドアを開ける。
「あ」
笑い声とは裏腹に、マヤさんは泣き腫らした顔をしていた。
驚きその顔をみつめていると、視界からマヤさんの顔が消えた。
「マ、マヤさん?」
どうやら僕はマヤさんに抱き寄せられたようだった。
僕は突然のことであわてて体を引き離そうとしたが、更に強く抱きしめられる。
「シンジ君、突然いなくなっちゃってたから」
とマヤさんは言った。
家出した時、もしマヤさんが僕を探しに来てくれたら
僕がパイロットだから探しに来てくれたんですか?そんなことを言おうと思っていた。
マヤさんが大人である以上に、僕は子供だった。
「もう理由も告げずにいなくなったりしないで」
と落ち着きを取り戻した声でマヤさんは言った。
「ごめんなさい」
マヤさんの胸で声をあげて僕は泣いた。
たった半日と少し離れていただけの家が、とてもかけがえのないものに思えた。
「あの、まだ僕はここにいても……」
部屋まで続く階段を上がる途中、僕は立ち止まって言った。
ぶつくさと文句を言いながら、荷物を運んでここへ来たあの時、僕の胸は希望で溢れていた。
その希望の灯が、「僕」の言った通り、僕のドジで消えてしまう。
マヤさんは何も言わずに僕の手を引き、玄関の中へ引き入れた。
マヤさんも靴を脱ごうとしなかった。
「も、もうシンジ君がいなくならないようにするおまじない
ちょっと目を瞑ってて」
言われるままに目を閉じた僕は、顔に近づく何かを感じた。
どうしても、唇に意識が集中してしまう。
マヤさんの唇が触れる、僕の唇をすり抜け、唇の下に。
目を開けるとそこには顔を真っ赤にしたマヤさんがみえた。
「瞑っててって言ったのに」
一度離れたマヤさんの唇が、今度は唇に交わった。
「は、はいっ、おしまい」
恥ずかしさを紛らわすように、歯切れよく笑顔のマヤさんは言った。
「これからずっと」
僕の、声として発されたか定かではない言葉。
それはマヤさんには聞こえていないようだった。
マヤさんは、僕の手を離すまいとしっかり握っている。
いつかは終ってしまうかもしれないこの日常、でも今はそれでいい。
マヤさんが傍にいるだけでいい。
(完)
乙です!
いいもん読ませてもらいました
>>410 こんな事書くと嘘っぽくなるが感動して心が温かくなりました。いやマジで。
マヤさんはじまったな
よかった、本当によかった。
そして久しぶりに終わってしまったのが残念な作品だった。
マヤメインの創作では一番よかった。
欲望丸だしの単なるエロとは違い、
どことなく原作の深みを少し持っているのが素晴らしい!
ありがとう!作者!
感動した。本気でGJ。
おつ
418 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 22:14:45 ID:9EDFx1bB
あ
やっぱここすげぇなw
乙!
>>353と同じ流れの作品です
都合により、音声のみでお楽しみください。
「シ、シンジくん・・・」
「マヤさん・・・」
「やっぱりダメよ。わたしなんて・・・」
「どうしてですか!? 約束したじゃないですか!」
「だってわたし・・・恥ずかしいし・・・わたしじゃキミが気の毒だわ」
「そんなことないです! ボクはマヤさんが良いんです!」
「そんなこと言われても・・・やっぱりダメ。分かって。ね?」
「分かりません。見てください。ぼくのほうはもう準備できてるんですから」
「そ、そんな・・・」
「お願いします、マヤさん」
「・・・でも・・・わたし上手くできるか自信ないから」
「大丈夫です。ボクなんて経験自体ないんですから」
「本当? 本当に初めて?」
「本当です」
「・・・ふう・・・分かったわ。もう。しょうがない子ね」
「すいません。我が侭言って・・・でもボク、どうしてもマヤさんと・・・」
「ううん。それに、ちょっと嬉しいかも。わたしも機会があればキミとこういうこと・・・
その・・・してみたかったし」
「マヤさん・・・」
「もう! なに恥ずかしいこと言わせてるのよ!」
「マヤさん!」
「こらこら。そんな急かさないの。こっちにも準備ってものがあるんだから。ちょっと待ってて。
そのかわり、お姉さんが優しく教えてあげる・・・なんてね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「本当に初めてなのね。気持ち悪い?」
「いえ、そんなことは」
「無理しなくて良いよ。でもそれが当然のことだから、慣れなきゃね」
「そうなんですか?」
「ええ。それにしてもシンジくん上手ね。手つきで分かるわ。才能あると思う」
「そ、そんな・・・」
「クスクス。照れてる。可愛い」
「もう。からかわないで下さいよ」
「ごめんごめん。でも才能あるかもっていうのは本当。だから自信もって」
「はい!」
「うん。良い返事。それじゃあ次ね。次はこんなふうにするの。ほら触ってみて」
「うわ。すごく柔らかいです」
「それに大きさや形もちょうど良い感じでしょ? これには自信あるんだ。
あっ、もう。そんな風に強く押さないで。潰れちゃう」
>>421の続きはこっちです。投下順間違えました・・・
「それじゃあ良い? まずはコネまわすようにして」
「は・・・はい・・・」
「もう。そんな躊躇わないで。じゃないと、こっちまで緊張しちゃうじゃない」
「わかりました。それじゃあ思いきっていきますよ」
「うん」
「こ・・・これで・・・」
「あんもう、思いきっていくって言ったくせに。そんなおそるおそる触ってちゃダメ。男でしょ」
「じ、じゃあ・・・こうですか?」
「もっと強く」
「こうかな?」
「そう。その調子よ」
「ああ、なんだか指がどこまで入っていくみたいです」
「絡み付いてくるみたいでしょ?」
「はい。それになにかネチネチしてます」
「本当に初めてなのね。気持ち悪い?」
「いえ、そんなことは」
「無理しなくて良いよ。でもそれが当然のことだから、慣れなきゃね」
「そうなんですか?」
「ええ。それにしてもシンジくん上手ね。手つきで分かるわ。才能あると思う」
「そ、そんな・・・」
「クスクス。照れてる。可愛い」
「もう。からかわないで下さいよ」
「ごめんごめん。でも才能あるかもっていうのは本当。だから自信もって」
「はい!」
「うん。良い返事。それじゃあ次ね。次はこんなふうにするの。ほら触ってみて」
「うわ。すごく柔らかいです」
「それに大きさや形もちょうど良い感じでしょ? これには自信あるんだ。
あっ、もう。そんな風に強く押さないで。潰れちゃう」
「す、すいません」
「ううん。わたしは大丈夫だから。あまり気にしないでね。
それよりここはもっと・・・」
「優しくですね」
「ふふ。分かってきたじゃない。そう。良い感じよ、シンジくん。なら、いよいよ・・・」
「あれですか? なんだか緊張します」
「男の子なんだから大丈夫よ。さあ、してみて」
「それじゃあ・・・」
「あん、そうじゃなくて・・・」
「あれ? あれ? 上手くいかない」
「シンジくん・・・」
「待ってください。すぐに・・・」
「そんな泣きそうな顔しないの」
「でも・・・」
「初めては、みんなそんなものよ。ほら、お姉さんが手伝ってあげるから。こうして・・・」
「あっ」
「ね? できたでしょ?」
「は、はい!」
「今度は一人でやってみようか?」
「はい・・・・・・こうかな?」
「もっとリズミカルに動かして」
「こんな感じですか?」
「そうそう。その調子よ」
「あっ、なんとなくコツが分かってきたかもしれません」
「ああ、どうしよう・・・こんなに早く上達されると、教えてるわたしのほうが困る」
「慣れるとこんなにパンパンて音が鳴るもんなんですね。ボク、初めて知りました」
「そんな・・・シンジくん、とっても速い。凄いわ」
「いえ・・・ボクなんてまだまだですよ。マヤさんの教え方が良いんです」
「またそんな謙遜して。でも大切なのはここからよ。気を抜いちゃダメだからね」
「は、はい。でも・・・もうそろそろ」
「こら、少し気が早いぞ。まだもう少し待って」
「わ、わかりました・・・」
「ふふ。そんな困った顔して。でも仕方ないか。シンジくん、初めてだもんね。
それじゃあ、まずはキミのタイミングでいってみて」
「でも・・・良いんですか?」
「うん。後はこっちで合わせるから」
「それじゃあマヤさんが大変なんじゃ」
「わたしのことは気にしなくて良いの。それにもう熱くなってるじゃない」
「マヤさん・・・」
「ハンバーグは火加減が命よ。火が強いとすぐ焦げちゃうから」
「まずはフライパンを良く熱して、弱火にしてからハンバークを置くんですね」
「そう。でないと中まで火が通らないの。肉汁も中に閉じ込められるしね
でも意外だったわ。シンジくんがハンバークを作ったことなかったなんて」
「ボクに教えてくれた人は和食だけの人でしたから。今日はありがとうございました」
「ううん。わたしもシンジくんと一緒にお料理とかしてみたかったし。
でも、本当はわたしが教えてもらおうと思ってたのに。
シンジくんたら強引なんだもん。料理の上手な人に料理を教えるのは緊張するんだから」
「マヤさんも十分上手だと思いますけど」
「シンジくんに比べたら全然ダメよ。空気抜きとか簡単にやっちゃうし」
「あれはマヤさんが後ろから手を重ねてタイミングを教えてくれたから」
「ふふっ。久しぶりに自分のレシピノート読み返しちゃった。あっ、そろそろ引っくり返しちゃって」
こうしてシンジくんが初めて作ったハンバーグが完成した。
それらは今日の晩御飯のオカズとして美味しくわたしたちの胃袋に納められたのでした。
二週目には会話の詳細が分かる仕様になっています
>>422を飛ばしてお楽しみください・・・orz
俺のバカー!!!!
おっきした
パンかうどんでも作ってるかと思ったけどハンバーグだったかw
/ヽァ/ヽァ
まるで一人目隠しプレイのようですね!GJ!
俺もマヤさんとパンパンしたい…
漏れもー
されたい
したい
実際にこんな会話がなされてたらとてもじゃないが
ハンバーグ作りになんか集中できないな。
変なほうに想像が行っちまうよ!
それにしてもハンバーグの前のssいい仕事してた。
本当にありがとう!
動きがないので
>>321の以前の話。
「サードチルドレンの生活改善及び転居を要求します。」
突然といえば突然の一言に場は一瞬凍りついた。
「なによー人聞きの悪い!私の所じゃなにか問題アリとでも言うわけ!」
当然の様に怒りを顕にする葛城ミサト、難癖を付けられて貴重な家政夫を失う訳には行かない。
当然その程度の事は赤木リツコにとっては予測済みの事だ。
「最近一週間の彼の生活ぶりは諜報部によって把握済みです。それにより面白いことが解りました。」
いやな予感がミサトに襲い掛かる、もしやあの事まで調べられているのでは・・・
「まずはパイロットとしてですがシンクロ率については顕著な差はありません。が、戦闘訓練等に意識の散漫さが
見て取れます。次に本部内の彼の行動には以前にも増して覇気が無くなっております。」
「そんなのただの主観じゃない!そんな事を理由に・・・」しかし口を挟むことは許されない。
「続いて学校生活ですが授業中の居眠り、体育での転倒による怪我等学校生活にも支障をきたしている様子です。」
「ぐぅ」っと声を漏らすミサト、まさかそんな事になっているとは、思ってみないでもあった。
「さらに、」まだあるの!っと目を見開く。ここから先は本当に保護者という立場上知られてはマズイ。
「日常生活用品の買出し、葛城家での家事、炊事、洗濯等すべて彼に押し付けている事が確認済みです。」
「それはーべつに押し付けている訳じゃなくって、シンジ君が自主的にやってくれているというか、・・・」
「あら、そういうことなの。でもここから先はそんな言い訳は通用しないわよ。」
背筋が凍りつく、ここから先ということは確実にあのことがばれている、しかし逃げ出したい気分をぐっと堪える。
「セカンド、サード両チルドレンの銀行口座をチェックしたところ面白い結果が分かりました。」
もうだめだ、そこを押さえられてしまっては逃げてもどうしようもない。
「両名共に口座残高はゼロ。その割に本人たちが現金を使用した形跡はほとんど見られません。使用実態は
”保護者”たる人物が流用している事は明白です。」
わざとらしく”保護者”と強調しているあたりに悪意を感じるが、事実なのでどうしようもない。
以下へ続く
「以上の結果から本来ならば両チルドレンの転居が妥当かと思われましたが、生活環境自体は劣悪ではなく、
セカンドチルドレン自体には悪影響が見られないことから今回はサードチルドレンのみの転居が妥当と思われます。」
言ってくれる!、っと心の中で舌打ちをするミサト。今の生活でシンジを失うという事は生活自体が破綻しかねない
事を分かった上での提案である事はみえみえだ。しかし何を言っても後の祭りであることは変わらない。
「しかし転居といってもいったいどこに住まわせるつもりなのかね?」
当然の疑問が冬月の口から漏れる。
「そーよ、一人暮らしでもさせる気?そんなのあぶないでしょ!」っと最後の気力を絞っての一言だが
「現実にファーストチルドレンはひとりで生活し、学校生活も問題ありません。」
そうだ、既に前例がいるのだ。しかしそれを保持する為には実は膨大な労力が伴っているのだった。
口には出さないものの、もう一人保護対象が増える事は好ましくはない。それを見越したように言葉が続く。
「ですが今回におきましてはネルフオペレーターとの同居が妥当であると思われます。」
はぁ?っと毒気を抜かれるミサト、そして
「ネルフ本部と学校への通学距離、生活環境や衛生面などを考慮した結果、伊吹マヤ二尉との同居が
妥当と思われます。」
「なっ、ちょっとそれ本気で言ってるの!シンジ君ああ見えて男よ!何が起こるか・・・」
「サードチルドレンは現状で既に女性と同居しています。確かに同じ女性とはいえ違いがあることは認めますが、
間違いが起こる事は考えにくいと思われます。」
チクリと女の尊厳を傷つけられたが、まだミサトは納得した訳ではない。
「そういうことじゃなくって、えーっとあれよ、むこうも同意したの?」
「現時点ではまだ双方共に通達していませんが、おそらく了解してくれるはずです。」
「おそらくじゃダメでしょ、そんな不確かな事。いいからシンジ君は私が面倒見て・・・」
「面倒見てもらって、の間違いじゃない?それにあなたは横領の事実があるのよ。」
それを言われると弱い。そして一瞬の沈黙の後
「分かった。その手筈で進めてくれ」っと指令の一言が響く。
こうして本人たちの知らぬ間に同居の段取りは進むのであった。
更に続く。
「そんな、男の子と一緒に住むなんて私出来ません!」
ある意味予想通りの答えにリツコは微笑ましささえ覚えた。だがここはあえて厳しく
「いい、シンジ君は私たちにとって重要人物なのよ、その保護は絶対に必要なの。」
「それならなおさら私じゃなくったっていいじゃないですか。」
「今回の転居に関しては立地条件や保安目的だけじゃないのよ。保護する人物に誠実さが求められるの。
それに生活に関する負担をかけないという当たり前の条件もね。」
キッチリと前任者の悪口を言っているあたりに説得する側に余裕が伺える。もちろん前任者に聞こえる様に。
「たしかに僕たちの場合、場所的な問題はありますがそれほどでもないんじゃ?」
日向の言うことも最もだ。遠いと言っても第三東京市内には違いない。電車やバスを使えば学校にも行ける。
「さっきも話したけどシンジ君には生活面での負担はかけさせたくないの。二人とも自信あるかしら?」
う〜ん、っと唸りを上げる二人。気にしているとはいえ所詮男所帯。自信を持って「ハイ」と言えるほどではない。
「シンジ君に家政夫さんをやってもらう訳には行かないの。目的は負担軽減と健全な生活よ。」
本来ならここでミサトから文句の一言も出そうな口ぶりだが、当の本人はコメカミをヒクつかせながらも黙っている。
「それでも、私、その、やっぱり、」
大分押しが利いて来たようだ、はっきりとした否定が出来なくなっている。後はやさしい一言をかければオチる。
「ねぇマヤ、これはあなたの為にもなるのよ、それにあなたじゃなきゃダメだと私が判断したの、間違ってるかしら?」
そう言いつつ顔を近づけて行く。近づくにつれて顔が赤くなるのが見て取れる。これが最後の一押しだ。
「そんな事ありません!ただ急だったし相手がアスカじゃなくてシンジ君だったから戸惑っただけです。」
ここまで言わせればもう後はなし崩しだ。やはり今までの経験通りオチた。
「そう、解ってくれてうれしいわ、それじゃあ後はシンジ君ね。断る理由なんて無いと思うけど一応、ね。」
「ハイ・・・」
心ここにあらずという返事をしながら今後の事を考えるマヤ。しかし心に浮かぶ同居相手がリツコであることは
言うまでもない。
あと少し続く。
「それじゃ後は二人で色々話し合ってくれればいいわ、じゃあ私はこれで。」
そう言ってリツコは去って行った。思っていた以上にスムーズに事が進んで少し上機嫌だ。
一方、二人きりになってなかなか最初の一言が切り出せなかった二人も徐々に話は進んで行く。
「そうよ、葛城さんのマンションからも近いし、学校はちょうど東西を挟んで真ん中の位置にあるの。」
「引越しがちょっと大変かもね、あんまり大きな部屋じゃないから荷物はどうしよっか?あ、でも部屋は一つ空いてる
から心配しないでね。」
具体的な内容が話されている中”あの”話題に触れる。
「お小遣いは今までどうしてたの?」
「え、っと毎月一万円ミサトさんからもらっていました。」
その中からも日用品などを買わされていたのだがそこは伏せていた。
「そっかー、そうだよね、いくらお給料をもらっているからって全部自分でって訳には行かないしね。
それじゃそのくらいにしとこっか。」
「え、給料?」
初耳だった。自分に給料が出ていたなんて。興味本位でどのくらい出ていたのか聞いて見る。
「それはちょっと解らないわ。でも通帳を見てみれば解る事だし、あんまりお金を持ちすぎるのも良くないわ。」
こうして転居に関する話は終わり、後は引っ越した後の手続きだけすれば良い状況になった。
その中で当然の様にシンジの給料のことが明るみになり、本人に無断で使い込みをした人物はしばらくの間
同居人に口やかましく追及され、同僚たちからは冷ややかな目で見られることとなるのであった。
おしまい
440 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 23:31:16 ID:4PCpto52
これはageなければ!!
GGGGGGJっす!
>>321も気付かなかったから読んでなかったが面白かった。GJ!
それはそうと今回の
>>438の
> やはり今までの経験通りオチた。
今までナニをしたんだリッちゃん・・・
ミサトがダメ人間すぎてワロタw
性格にホレた弱みで押しに極めて弱いな
前の人はセリフに違和感がなくって良かったが、今回の人は状況説明とかセリフ以外のところが良いな。
はて
ほしゅ
ほ
し
ミサトがもはや悪人wwww
451 :
321:2007/11/24(土) 03:17:08 ID:???
割と反響があって驚いています。書き手の趣味でしょうけれども、始めから同居は話が作れなくて、
葛城家から救出されての同居というパターンでしか数がこなせない(以前HPでSS公開していた)のです。
新たな保護者として学校に来るマヤさん、一緒にお買い物で必要以上に意識する二人なんかが得意分野です。
当然二人では話が進まないので狂言回しが必要なんですが、今回投下した場合では、その役どころをミサトに、
そして今回実は主人公はリツコなんですね。
それはそうとちょっと訂正と言うか裏話。
> 「そう、解ってくれてうれしいわ、それじゃあ後はシンジ君ね。断る理由なんて無いと思うけど一応、ね。」
> 「ハイ・・・」
本来はこの間に そういってやさしくマヤの手を取る。手中に収めたとはこの事だ。 という一文があったのですが、
文字数制限のせいでカットしました。結果無い方がスッキリしているようにも見えます。
一から長い話を作るというのが苦手なタイプなので、何かお題を出してもらえると返せるかもしれません。
時系列が合わないとかのツッコミを受け流せる方、何かシチュエーションが思い浮かんだ方。
パスを出してくれれば、拾える話題なら形にしていきます。もちろん好みの問題もあるのでヤメロという声も
あるでしょうし、拾えない話題もありますがネタお持ちの方どうぞ。っというのが本音です。
もちろん他の方のSSも楽しみにしています。
乙でつ。悶え苦しんでまつ
>>451 心から乙です。
僭越ながら、お題
同居人の留守中に自宅の大掃除を決行するシンジ(もしくはマヤ)、
一通り掃除を終えた後、同居人の部屋の掃除に乗り出した所で
部屋の置き物から、同居人の自分の知らない一面を垣間見る…
ではこんな感じのお題で
オペレータ以外の同僚
いいんちょ
意識
455 :
321:2007/11/24(土) 21:41:57 ID:???
>>453 以前洗濯NGの話をしたので掃除もマヤがやってる設定でいってみます。
「なんだか殺風景なのよね・・・」
休日出勤の代休により一日暇が出来たマヤは久しぶりの掃除に手を突けた。
元々は女性の一人暮らし、今は同居人が居るとは言えそんなに大きな部屋ではない。
意外とあっさりと片付いてしまい、あとは彼の部屋を残すのみとなってしまった。
ここは彼のプライベートな場所でもあるので、出すぎたマネはするつもりではなかったが、意を決して入ってみる。
自分の同居人は思春期の少年。多少の事は目をつぶる覚悟で入ってみたもののでてきた感想はこれである。
「まだ遠慮してるのかなぁ、自分の部屋だから好きにしてもいいのに。」
引越しのときに分かっていた事だが、私物と呼べるものはほとんどない。本人が学校なので部屋は本当にガランと
していた。これが自分と同じ女性の部屋ならば、花瓶の一つでも置いてあげたいところだが異性となると本当に
勝手が分からない。それにマメに掃除もしているのかゴミクズなども見当たらない。
「うう、どうしようこのままほっといていいのかな。」
手を突けるところがないなら出て行けばよいものを、入室時に余計な気合を入れていただけに出て行きづらい。
そうしているうちに数少ない私物の机に目が向く。置いてあるのは教科書などであるが何気に手に取る。
「私のときとは違うのかな?ちょっと見てもいいよね、教科書だもん。」
っと始めはちょっと見るつもりだったがだんだんある違いに気が付いてくる。
「ノートって取ってないのかしら、一冊も見当たらない。もしかして本当に勉強に手がついてないんじゃ・・・」
十年一昔とは言うが、マヤの時代はまだノートに手書きだったが、今はデスクにPC内臓である。
メモリーを取って自分の家でもPCで予習、復習するのが当たり前の時代だが、マヤにとってはまだ学生時代は
身近な思い出なのでそこまで劇的な変化があったことは、ニュースなどで耳にした事はあっても目の当たりに
するのはこれが初めてであった。しかもシンジは自分用のPCを持っていない。家での勉強は教科書のみでしていた。
「どうしよう、あんまり成績が悪いのも良くないし、もうちょっとだけ探してみても・・・」
そう思い机の引き出しを思い切って開けてみる。そこにはプリントに混ざって一通の便箋が入っていた。
456 :
321:2007/11/24(土) 22:17:45 ID:???
「あれ、これは」
手にとって見たのはかわいらしい縁取りの便箋である。表にはキャラクターの絵があり、裏にはハートマークの
シールが封として貼られていて、差出人らしき名前もいかにも女の子の文字だ。
「これは、うそ。ええーやっぱり!」
いかにも”ラブレターです”と言わんばかりの便箋を手にとって顔を赤くしてしまうマヤ。そして一息ついて、
「そうよね、学校の皆もシンジ君がどんな事してるか知ってることだし、こういうこともあるよね。」
なぜだか知らないがなんとなく気落ちしてしまうマヤ。冷静に考えれば彼はこの第三東京市を守る英雄だ。
クラスの人気者などとは訳が違う。当然女の子の興味を引いてしまうのも当たり前だ。
「見ちゃいけなかった・・・よね。」
そっと元の場所に戻し、部屋をあとにするマヤ。その姿はどことなく落ち込んでいるように見える。
その後も彼が帰ってくるまでなんとなく胸がモヤモヤして落ち着かなかった。
「ただいま帰りました。」
シンジが帰宅する。今日はネルフにも用事はないため学校から直接帰宅したのでまだ時間は早い。
「お帰りなさい、早かったのね。」いつもより元気がないのが自分でも分かる声のトーンだった。
「え、あの、どうかしたんですか?元気ないみたいですけど。」当然シンジにも様子がおかしいのが見て取れた。
「べつになんでもないの。あそうそうシンジ君に聞かなきゃいけないことがあるの。」幾分声を張って話し始める。
「今日お掃除しようと思ってシンジ君の部屋に入ったの、それでね、」ラブレターを見つけたとはいえない。
ほんの少し間を置いて
「そしたら、あの、ノートとか見つからなかったけどどうして?勉強嫌いなの?」っと切り出してみる。
すると申し訳なさそうにシンジは答える。
「ごめんなさい。隠すつもりはなかったんだけど今までうまくやってこれたから言えなかったんです。」
「それでどうする気なの?ここに引っ越してきたのもそういう問題も解消する為だったでしょう。」と語りかけるマヤ。
「分かりました、じゃあ、その、古いのでもいいんですパソコン買わせてください。」
あらゆる予想から外れた彼の返事についていけないマヤ。しばしポカンとしていたが言葉は続く。
457 :
321:2007/11/24(土) 22:53:18 ID:???
「授業でデータを取ってもウチじゃ見れなかったんです。でも催促するのも悪いかなって、それにアスカもウチで
勉強なんかするタイプじゃなかったし・・・」
ふふ、あはははは。っと笑い声がでた。自分の心配は杞憂だったのだ。冷静になると色々耳にした事を思い出す。
「あ、あの、マヤさん、そんなにおかしかったですか?それともやっぱりダメですか?」っと事情を知らぬシンジ。
「うんうん、そうじゃないのちょっと考えても見なかったことだから。そう、そうだったのね。」一つの問題は解決した。
「そんなの遠慮する事じゃないのよ。もし気になるなら自分のお給料からお金を出せばいいじゃない。」
そう、彼が引っ越してきた理由の最たるものの一つに、元保護責任者の金銭横領があったのだ。しかし彼は返済を
求める事はせず、今後は新設した口座に振り込まれる事になっていた。その一月の額もマヤを上回っている。
「そうですよね、そうか、そうだったんだ。」
「そうよ、じゃあ今度一緒に選びにいこっか。最高のを選んであげるわよ。」っとイタズラっぽく言うマヤ。
「シンジ君のお給料に見合うスペックだと、今買える最高性能のが3台は買えるわよ。」
「もう、冗談は止めてください。それでなくても学校でからかわれてるんですから。」っと聞き捨てならないことを言う。
「からかわれてってどういう意味、何か心配事、そういえば以前友達に殴られたとかって。」
「そんなんじゃないんです。あの、今学校で手書きの手紙を渡すのがはやってて、ほら、字を書くことないですから。
それでこないだなんかクラスの女の子たちから封筒に入った手紙をもらったんですけど、それが恥ずかしくって。」
ハッと気が付く。多分今日引き出しの中で見つけたアレの事だ。
「それでトウジやケンスケにもからかわれるし、アスカも機嫌悪くするしで大変だったんですから。」
なんだ、そういうことだったのか。確かに自分も同じ状況に置かれると仲間に入ってしまうかもしれない。
「へぇーそうだったんだ。でも中身はどうだったの?読んだんでしょ?本当にラブレターだったりして。」
完全に自分を取り戻したマヤはイジワルをしたくてしようが無かった。
「違いますよ、普段どうしてるのとか、引っ越したんだねとか、えっと、新しい保護者はどんな人かってそういう内容
です。変な事はかかれてません。」
458 :
321:2007/11/24(土) 23:20:51 ID:???
「そう、でも安心したわ。からかわれてなんて言うから『付き合ってください』とか書かれているのかと思ったわ。」
「そんなこと、ボク学校じゃあんまり目立つ方じゃないし、そういう事言われるタイプじゃありません。」
「そうなんだ。だったらいいよね、じゃあ見せてくれる?そのラブレター。」
「ダメです!恥ずかしい・・・」
「冗談よ、でもシンジ君ちゃんと返事は書いたの?」
「返事って、そういうのって書かなきゃだめですか?
「当然よ、相手の子達もきっと待ってるわ、シンジ君もやさしいとこ見せてあげなくっちゃ。」
「そうですよね、でも苦手なんだよなぁ、そういうの、何書いていいかわかんなくなっちゃうんだよな。」
ちょっと悩んでいるシンジを横目に胸をなでおろすマヤ。この子なりにうまくやっているみたいだ。
「どうしてもって言うんならアドバイスしてあげてもいいわよ。『君たちのことが好きだよ』とか書いてあげたら?」
「ちょっ、何言ってるんですか、それじゃミサトさんと変わらないですよ!」
「へぇ、前にももらった事があるんだ。目立たないとか言って実はモテてるんじゃないの?」
結局自分の心配は取り越し苦労だった。とは言え、一通の手紙にあれほどまでに心動かされるとは思っても
見なかったマヤにとって、実はこの同居人は自分が今思っている以上に大切な存在になりつつあるのではないかと
思わされた一日となった。
いや、シンジの返事が書き終わるまでは今日は終わらせない。ただの保護者で終わりたくないと思うマヤであった。
おしまい。
お題ありがとうございました。こういう形でよければ投下していきますよ。
>>454氏、私のスタイルではちょっと拾いにくいですね。他の方に期待、もしくは時間を空けて挑戦してみます。
459 :
453:2007/11/25(日) 01:20:33 ID:???
やべえwwダメもとでお題出してみたら、もう作品が投下されてるww
落ち込んだり、ただの思い過ごしだったと分かるやいなや饒舌になったり
表情がコロコロ変わるマヤさんが(・∀・)ステキ!
これは本当に乙です。
意地悪になったり、ちょっとした嫉妬感じたり
どえりゃあかわいいですなマヤさん。乙でした
461 :
172:2007/11/25(日) 04:54:09 ID:???
「先輩先輩先輩」
よほど親しくなくては、同じ場所にいて口を開かなくても大丈夫というわけにはいかない。
居心地が悪い。手持ち無沙汰だ。
しかし、窓の外をみると、生憎のところ空は曇り模様。
これが晴天であればいい天気ね、雨が降っていれば、雨って嫌ねと話の切り口が生まれるのだが。
私は黙々と箸を動かすシンジ君を見た。
顔はうつむき加減で、表情も乏しい。
私の方はというと、何を話そうかと、箸でお味噌汁をぐるぐる、頭の中もぐるぐるである。
共通の話題。そう、共通の話題。
「え、エヴァ…」
私が口を開くとシンジ君の身体がびくっと反応した。
暗い表情が更に深く沈んでいくのが見て取れた。
慌てて私は軌道修正をした。
「エヴァって大きいわよねー」
「は、はぁ……、そうですね」
何がなにやらだ。
しかし私も私だが、シンジ君もシンジ君だ。
もうちょっと明るくしてくれてもいいんじゃないか、普通年上の異性と一緒になったら
もっと嬉し恥ずかしで、あたふたしてしまうものなんじゃないか。
やっぱり魅力がないからかしら…、先輩みたいに私も。
異性ではないが、魅力的な先輩を前にした私はいつも何やらドキドキして落ち着かず
良い意味で(なのだろうか)、気持ちがうわずってしまう。
「はぁ…先輩」
どうしたらいいのだろう。
「先輩?」
シンジ君がきょとんとした表情で私に聞く。
「え?」
知らぬ間に思っていることを口に出していたのだろうか、顔がかーっと熱くなった。
「えっとね、先輩はとっても凄い人なの、普通の人なら数日かかることをあっという間に片付けちゃうし
それに人としても尊敬できるわ、私も先輩と、いや先輩みたいに……」
「日が浅いから、誰のことだかわからないけど、凄い人なんですね」
「シンジ君も、もう会ってる人よ、私の言ってる先輩が先輩とわからないなんて。
シンジ君もうちょっとネルフにいるときは集中して話を聞きなさい」
「すみません」
条件反射のようにシンジ君は謝る。
シンジ君はどうでもいい芸能人の話を聞くような感じで、興味がなさそうだったが
私の方はそれに気づけず、いや少しは気づいていたのかもしれないが無理やり続けた。
「先輩は科学者として優れているだけじゃなくて、ちょっとした気配りもできる出来た人なの。
近寄りがたい雰囲気を持ってるけど、ネコが好きで、それで………」
「もしかしてリツコさんのことですか?」
科学者、のところでピンと来たのだろうかシンジ君は言った。
私の喋った量の割には淡々とした返事だった。
その冷静な返答が私を現実に引き戻した。
「え、ええ、そうよ。と、ともかくシンジ君もいい先輩を持ちなさい」
少し無理やりすぎないか、とも思ったが私はこの機会を逃すまいと続ける。
「でも、あまり他の学年の人とふれあう機会もなくて」
「ぶ、部活に入ってみたらどう?」
「ちょっと面倒くさそうで……」
「若いうちは何事もチャレンジよ」
と机にかじりついて特別新しいことをするわけでもない自分を棚に上げて私は言った。
まだ、若いわよね?と自問しながら。
「でも……」
「シンジ君何か、部活動とか今までやってなかったの?」
「ええ、特には」
また箸が止まり、シンジ君は俯いた。
「でも、チェロなら少し……」
遠慮がちにシンジ君は口を開いた。
「チェロが弾けるの!? 凄いじゃない。
私もピアノとか弾けたらなってずっと思ってたけど手が追いつかなくて」
女の子らしくあれ、という意味で通わされたピアノ教室は何故だか私には合わなかった。
だから素直にシンジ君のことを尊敬できた。
「いや、少しですよ、ほんの」
ふと目に入った壁掛け時計が11時をさしていた。
「いけない、もうこんな時間。早く食べて片付けちゃいましょ」
「はい」
あわてて私達は食事をすませた。
「それじゃ、おやすみなさい」
「あの……なんだか楽しいですね、こういうの」
シンジ君は私の顔をみて、そう言った。
「そうね、そうよね」
シンジ君の表情が私の思い込みかもしれないが、私の目には柔らかく映った。
「おやすみなさい、マヤさん」
「おやすみ、シンジ君」
部屋に戻り私は大きなぬいぐるみを抱いた。
「結果オーライですよね、先輩……」
私は私をダメだと思った。
こんな時間に投下来るとはw
乙です
おつ
話はシンジがネルフに来た直後、ミサトが預かると言い出すところから始まります…。
「だ〜か〜ら〜シンジ君は私が引き取ることにしたから。」
「何ですって!あなたあの家にサードチルドレンを住まわすっていうの!?少しは考えなさい。今の我々にとってサードチルドレンは最重要人物なのよ。」
「分かってるわよ。私が責任をもって預かるから任せてちょーだい!」
「いいえ、断じて認められません!サードチルドレンの住居については司令や副司令とも相談した上で決定します。」
目の前で電話するミサトとリツコの会話を漏れ聞くシンジ
「みんな僕の事はエヴァに乗れるから大事にしてくれるのか…」
分かっていたことだった。
自分には元々何の取り柄もないんだから、エヴァに乗れるという偶然的な能力がなければあっさり捨てられてしまうということ。
そんな能力なんかちっとも嬉しくない。
でもネルフを追い出されたらもう先生のところにも戻れない。
直接そう言われたわけじゃないけど、そんな気がした。
だから僕はネルフにいるしかない。
でもそれ以上の事はどうでもよかった。
どこに住むかなんて、誰と住むかなんて事も。
司令室
「碇、サードチルドレンをどこに住まわせるかについて赤城博士から会議の要請が来ているぞ。」
「赤城博士に一任すると伝えてくれ。」
「それではまとまらないから要請が来たのだろう。それに…」
「何だ。」
「一緒に住まなくていいのか。少しは父親の真似事でも…」
「誰と住もうがエヴァとのシンクロには問題ない。必要なら会議は任せる。」
やれやれと言った表情を見せる冬月だが口には出さない。
「分かった。」
なんとリアルタイムで職人が!wktk
「以上が葛城一尉の住居並びに生活状況です。とても貴重なサードチルドレンを住まわせるのに適当とは考えられません。」
リツコによる報告を聞いてその場に居合わせたメンバーは皆寒い目でミサトを見ている。
「私だってやる時はやるんだから!シンジ君を立派に育ててみせるわよ!」
「一人でも満足に生活出来ないのに、無理よ。それに、サードチルドレンは内向的性格との分析結果が出ています。あなたみたいなタイプの人とうまくやっていける可能性は心理学的に見ても低いです。」
「だが、安全上の面から考えて一人で住まわせるわけにはいくまい。しかしそうするとネルフの関係者で適切な住環境を有しなおかつ、彼の心的ケアまで手が回る様な人間がいるとは思えんが…」
冬月の反論はもっともである。
そもそも使徒の侵攻が開始された今、このネルフで暇な人間など誰一人としていない。
「そこまで言うからには赤城博士、代案はあるんだろうね?」
「勿論です。私としては伊吹二尉との同居を提案します。」
驚いたのはマヤだった。正直言ってこの会議に出席していたものの、自分にはあまり関係ないと思っていたからだ。
「そ、そんな先輩、無理です急に…」
「そうよ!マヤちゃんはまだ24なのよ。それにシンジ君も一応男の子だし。」
「そういう点で見れば葛城一尉の方が危険性はあります。」
「そりゃまぁマヤちゃんよりは色気あるけどさ…」
「逆よ。あなたが襲う方の危険性よ。」
自分だけ先に30の大台になったためかやけに自分に手厳しいリツコに内心怒りつつも腹に堪えて答える。
「何言ってんのよ!しないわよ中学生を襲ったりなんか!」
「とにかく私としてはサードチルドレンの安全上、衛生上、健康上の面を考慮した上での提案です。」
「あ、あの先輩…」
「ちょっとリツコ!」
「伊吹二尉への負担が増す事に関して技術部としては特に問題ないんだね?」
「ありません。青葉二尉に発令所付きオペレーターから技術部へ転属してもらうことで対処します。」
「え!?聞いてないですよ!」
「さっき決めたのよ。」
「あの…先ぱ」
「分かった。ではその案でいこう。必要な手続きは私がやっておく。」
そう言って冬月は会議室を出ていった。
自分の意見は聞いてもらえず勝手に話を決められてしまったマヤ。
次回リツコにによる説得を経て、いよいよシンジと対面する。
…と初めて書いたクソ小説ですが、もしよければ投下します…
でも自分みたいな素人カス小説要らないですよね…
>>471 いやいやいや乙乙
激しく投下待ち&wktkです
なかなかいいと思われますよ
しかし平行して同じシチュに特化した話が続いているから混乱するな(そういうスレなんだけど)
475 :
471:2007/11/27(火) 16:54:02 ID:qHUao1IE
やっぱり自分に書くのは無理がありますね。
魔が差したのが災い・・とりあえず投下しますが、
ウザくなったら遠慮なく言ってください。そこでやめます、はい。
476 :
471:2007/11/27(火) 16:57:02 ID:qHUao1IE
「先輩、私、無理です…サードチルドレンを預かるなんて…私には身が重すぎます…。」
「でも誰かがやらなければならないの。これも立派な任務よ。それに、あなたが無理だという理由は他にあるでしょう。」
「……」
「14才とはいえ男の子を住まわせるのが嫌なんでしょう?でも駄目よマヤ、そんなことでは。私はあなたに強くなってほしいの。
これからの使徒との戦いがどんなに激しく過酷なものになるか誰にも想像できない。でも私達に代わりはいないのよ。サードチルドレンにも、あなたにもね。」
「でも…」
「ねえマヤ、あなた何のためにネルフに入ったの。この組織が生易しいものではないって事はあなたも分かってるはずよ。」
確かに自分はネルフに入る時、人類の平和のために力を尽くすと誓った。
それは例え大仰なものに聞こえても、セカンドインパクトを思春期の少女として過ごしたマヤにとって平和の価値はとても大きなものだったからだ。
でもだからと言ってこれだけは勘弁して欲しいというのがマヤの本音だった。自分の男への苦手意識は並大抵のものではない。
けれどもこれまでそれと向き合うことから逃げてきたのも事実だ。
迷った挙げ句マヤは答える。
「…分かりました…頑張ってみます…」
「よく言ったわ。じゃああなたは今日は帰りなさい。引っ越しなりなんなりの準備は明日からにしましょう。」
そう言ってリツコは会議室を出ていった。
「とほほ、技術部に転属になるなんて…(その上マヤちゃんはシンジ君と同居だなんて…)」
「赤城博士は人使い荒いからな〜」
凹む青葉とマコトも軽口を叩きながら退室していった。
「マヤちゃん…」
部屋にはミサトとマヤの二人しかいない。
「色々大変だとは思うけど、シンジ君もきっと悪い子じゃないわ。私には何も出来ないかもしれないけど、何かあったらいつでも相談して。」
「はい…。」
「もう、そんな落ち込まないの!そうだ、これからシンジ君に会いに行きましょう。今日は個室に泊まることになるからそこにいると思うから。」
「今から、ですか?」
「一緒に住むって決めた以上、早くお互いの事知った方がいいでしょう?」
「それはそうですけど…」
「じゃあ行きましょう。」
二人は会議室を出た。
477 :
471:2007/11/27(火) 17:00:01 ID:qHUao1IE
ピンポーン
シンジの個室のチャイムがなった。
「はい。」
中から出てきたシンジはいかにも無機質な対応で、不安になるマヤだったがミサトが話を切りだした。
「シンジ君、あなたの住まいが決まったわ。」
「別にこの部屋でいいです。」
「そういうわけにはいかないの。あなたは明日からこのお姉さんの家に住むことになったから。」
「い、伊吹マヤです。宜しくシンジ君。」
「宜しくお願いします。」
全く目を合わせずに交わされた挨拶にマヤは益々不安を募らせていった。
一方シンジは自分が誰と住もうが気にしていないので何も感じない。例えこれがリツコでも同じ対応をしただろう。
「じゃあシンジ君、引っ越しは明日になるから一応準備だけはしといてね。それじゃあマヤお姉さんと仲良くね〜ん」
「あ、葛城さん…」そう言うとミサトはマヤをシンジの個室玄関に置いていってしまった。
478 :
471:2007/11/27(火) 17:01:22 ID:qHUao1IE
「…」
「………」
何を話せばいいか分からず沈黙があたりを包む。何も言わずに立っているマヤを見てシンジが言う。
「どうぞ。」
「え、ああ、うん、お邪魔します・。」
中に入るとそこは全く私物のない無機質空間だった。いくらネルフに来て何日も経ってないとはいえ、もう少し何かあってもいいものである。
「前に住んでたお部屋はどんなだったの?」
「別に。普通の部屋です。ただ広かったです。」
「いいお部屋をもらえたのね。」
「でも僕の部屋があるたけの小屋です。」
「え…?」
「庭にあったんですよ、僕の部屋。」
「家族の人は…?」
「もう一つの家の方です。それに家族じゃないです。先生です。」
マヤは愕然とした。そんな寂しい状況で生活していたら自分なら耐えられないだろう。人は物理的な孤独よりも精神的な孤独の方が堪えるものだ。
家族と呼べるものはなく、人が近くにいるのに隔絶された孤独な部屋…
「…寂しくなかったの…?」
「別に…どこに住んでも同じですから。誰と住んでも…。」
このネルフで、もしこの少年が個室に住むことになったら、皆が家路につく中でこの子だけがこの無機質な部屋に戻っていくのだろうか。
そう考えているととてもいたたまれない気持ちになると同時に、何とかしてあげなければいけないという気持ちにもなった。そして…
「今日、私の家に来ない…?」
GJ!
でもsage忘れちゃ駄目だってヴぁ
GJ このスレがグイグイ上がっておりますw
481 :
471:2007/11/27(火) 19:02:09 ID:???
>>479>>480ごめんなさい・・・
あ、あと他にネタがある方も僕の話は気にせず投下してください。
その場合も止めますんで。
僕のは当面のネタがないよりはマシかなくらいの位置づけで・・
471君、貴方はエヴァヲタに誇れることをしたのよ。自信を持ちなさい
>>478乙!
>「今日、私の家に来ない…?」
えろいな
471GJ!
別に他の職人さんがきても無理にやめんでいいからw
お題
「ゴキブリ騒動」
「怖くてシンジに抱きつきっぱなしのマヤ」
「平静を装って、ゴキブリ退治に挑むシンジ」
お題らしくないか……
486 :
321:2007/11/28(水) 12:16:19 ID:???
>>485時間無いんで短めに。
その日は食後の洗物をシンジが担当していた。その目の前の壁に蠢く黒い物体。
「あ、あれ?ゴ・・・ゴキブリ!!」
家庭環境を清潔にしているとは言え夏場には当たり前のように出没するアレが出た。
「わ、わわわ。やっぱりボクがやらないと・・・」
シンジは正直に言って苦手である。以前住んでいた葛城家では家主の性格もあり頻繁に目にしていたが、
それを処理するのもお付き合いの長い家主の数少ない担当であった。
「シンジ君!なに!ゴキブリ!」
っと言いながら既に殺虫剤と数枚のティッシュを持ってスタンバイしているマヤが台所にやってくる。
「動かないでね、そーっと、そーっと、えい!」
至近距離から噴霧される薬液、哀れにも正に虫の息となったゴキブリをいともたやすく数枚のティッシュにくるみ
ギュッと押しつぶしトドメをさすマヤ。シンジにとっては予想外の光景だ。
「やっぱい夏場になると出ちゃうのよね。綺麗にしてるつもりなのに。」
手馴れた様子で明日の朝出す予定だった燃えるゴミの袋の奥にソレを押し込んで行く。
「マヤさん、ゴキブリ平気なんですか?」以外だった。どちらかと言うと悲鳴を上げるイメージがあったからだ。
「もう、平気なわけないでしょう。気持ちの悪い。」
「でもすごく手馴れてたじゃないですか、もっと怖がるかと思ってました。」
「イヤだけど別に毒があるわけじゃないし、ほっておいたら逃げ回っちゃうでしょ。見つけたら即退治しないと。」
「以外です。もっとこう怖がるイメージがあったから。」っと正直な感想を述べるシンジに対して、
「あなたと一緒に住むまではちょっとの間とはいえ一人で住んでいたのよ。何でも出来ないと。」
意外なたくましさを見せてちょっと誇らしげなマヤ。これでは男としての面目丸つぶれだ。
「殺虫剤はそこの棚に置いてあるから今度からはお願いね。男の子なんだから。」
さりげなくイヤな仕事を押し付けられた気はしたが、次こそはやってやろうと小さく心に誓うシンジであった。
逆方向でゴメンなさい。でもこっちのほうがありそうなのでカンベンしてくださいw
>>486 ありがとう。
他の職人さんもお願いしますぅ〜。
489 :
471:2007/11/28(水) 22:15:41 ID:???
突然のマヤの申し出に一瞬間を置くシンジ。
「明日からじゃないんですか?」
「うん。ネルフの決定ではそうなんだけどね…」
「じゃあどうしてですか?」
「…私がそうしたいと思ったから…じゃダメかな…?」
自分でも驚きだった。
14才とはいえ“男”に対してこんな事を言ったことは今まで一度もなかったのだ。
「……」
「荷物の用意してくれる…?」
「…はい。」
490 :
471:2007/11/28(水) 22:16:56 ID:???
車は郊外にあるマヤのマンションに向かっている。
ネルフの職員でもある程度の立場にある人間は安全上の理由から郊外のマンションが住居として割り当てられるのだ。
後部座席にはシンジの荷物。元々私物も殆どないので、荷物と言っても服と身の回り品だけであり車一台で十分運べる量だ。
運転席のマヤは助手席から窓の外をじっと見つめているシンジを横目で見た。
外はもう夕日がビルにかかっている。
「…ちょっと寄り道していくね。」
そう言うと、マヤはシンジを第三新東京市を見下ろせる丘の上に連れてきた。
「ここは?」
「使徒迎撃用要塞都市、第三新東京市よ。シンジ君の守った町…」
「…」
「…ねえシンジ君。突然呼び出されて得体の知れない怪物と戦わせてしまって本当にごめんなさい…。でも私は、ううん、私も含めこの町のみんなはシンジ君に凄く感謝してるわ。
そしてあなたは一人じゃないの。ネルフのみんなが全力て支えるから。…それに、わ、私はシンジ君の味方だから…」
肝心なところでどもってしまう自分に内心凹みつつもマヤは続ける。
「…だから…一人で住むなんて、どこに住んでも同じだなんて悲しいこと言わないで。」
それはマヤ自身に向けられた言葉だったかもしれない。
両親も他界し、友人もいないこの人工都市で、ネルフという世間から見ればエリートの集まる巨大組織の一員として任務に追われる日々。
それに不満があるわけではない。
でもどんなに職場で尊敬する先輩ができても、仲のよいオペレーター仲間ができても、誰もいない家に帰る寂しさはどうにもならなかった。
しかしシンジ同様、マヤも、住むところなんか関係ない、一人でも寂しくないと言い聞かせてきたのだ。
だから、ネルフの個室で前の住まいについて話すシンジの寂しそうな姿に自分を重ねたのだった。
「シンジ君、焦らなくていいから、少しずつ始めましょう。」
そう言ってシンジの肩に手を置く。
シンジがかすかに頷いたような気がした。
「帰ろっか?」
そう言ってシンジの肩を持ちながら車に向かう。
なんだかプロポーズみたいだったなと思って顔が赤くなる気がした。
しかし夕日のせいで確かかは分からなかった。
491 :
471:2007/11/28(水) 22:25:03 ID:???
すいません・・次からどこからの続きか分るように前回のレスに安価つけますね・
おっちゅ。続きヨロ
493 :
471:2007/11/30(金) 19:31:39 ID:???
>>490の続き
車がマンションに着いた時、時刻は夜の8時になろうとしていた。
「シンジ君、少し待っててくれる?」
そういうとマヤは先に家に入り簡単に片付けをする。
誰かと違って家事は出来るのでさっさと片付けるだけで十分だ。
「お待たせ。じゃあ、その、お、お帰りなさい…。」
「お邪魔します。」
“ただいま”と言ってくれなかったシンジとの間にはまだ距離があるものの、いつか言ってくれるかな、などと考えるマヤ。
494 :
471:2007/11/30(金) 19:32:30 ID:???
プルルルル
急に電話が鳴った。
「はい伊吹です。」
「マヤ?」
電話はリツコからだった。
「どうしたんですか?」
「どうしたじゃないわよ。あなたサードチルドレンを連れて帰ったんですって?」
「あ、はい。」
「そういうことは私かミサトに一言報告を入れてくれないと。
諜報部から聞いて知っていたんじゃいざという時困るでしょう。」
「すみません…」
「それにしても、あなたって子は…」
「分かってます。決定では明日なのに勝手な事をしてすみません。でも私、シンジ君を引き取る以上頑張ろうって決めたんです。
それに、シンジ君をあんなに寂しい個室に置いておく事なんて…だからお願いします先輩、許可して下さい!」
数時間前とは全く違うマヤの発言に怪訝に思うリツコであったが、彼女が問題にしているのは許可云々ではなかった。
「マヤ、あなたの気持ちはよく分かったわ。無断でサードチルドレンを連れ帰ったことはいいのよ。ただ・・」
「あの、伊吹さん、この荷物どこに置けばいいんですか?」
マヤが振り返ると荷物をまだ持ったままのシンジが立っていた。
いくら引っ越しにしては荷物が少ないとはいえ、着替えなどが複数あるのだから持ちっぱなしでは大変だ。
「あ、ごめんシンジ君!すいません先輩、ちょっとシンジ君が呼んでるので一旦切りますね。」
「あ、マヤ!待ちなさ・・」
ガチャ
マヤは電話を切るとシンジを空き部屋に案内し、軽めの食事を作って二人で食べた。
その後マヤはお風呂の用意をし、シンジに先に入るよう勧めたのだが、シンジがマヤが先に入るよう譲らないためマヤが先に入ることになった。
495 :
471:2007/11/30(金) 19:33:41 ID:???
「ふぅ。」
シンジはリビングのソファに座って一息をつく。
頭の中ではあの丘の上での事を思い出していた。
“私はシンジ君の味方だから”そう言われた事が頭から離れない。
確かにネルフにとってエヴァに乗れる自分は貴重な存在であり、大事にしてくれても不思議はない。
そしてそれはエヴァに乗れなければ無くなってしまうものだ。そんなのは分かっている。
だけどマヤのあの言葉からはそれとは違う感じがした。
自分が人から必要とされた経験が記憶にある限り殆どないシンジにはそれがうまく理解できないのだ。
「どうしてだろう…」
それはマヤの言葉に対してと、その事で悩む自分に対しての両方に向けられた言葉だった。
「シンジく〜ん。お風呂空いたからどうぞ〜」
マヤがあがってきたようだ。
「じゃあお言葉に甘えて…」
優しい感じのする薄いエメラルドグリーンのパジャマを着たマヤにそう言うと、シンジはお風呂へと向かっていった。
「さて、と。お布団の用意しないと。」
そう言った途端マヤは重大な事に気づいた。
乙。重大なことdkdk
うーん
>471まぁないよりはいいが正直微妙だな。
ないよりはいいは魔法の合言葉〜
>>471続き求む
電話してね〜
502 :
471:2007/12/03(月) 01:20:21 ID:???
送れてスイマセン・・昨日はPC使う暇すらなくて・・
>>495の続き
一人暮らしで友人もいないマヤの家には客用布団など無いのだ。
つまりマヤが使っているベッドがあるだけである。
ちなみに先程リツコが伝えたかったのはこのことだった。
「ど、どうしよう…」
とはいえ方法は一つしかない。
「私がソファで寝るかな…。」
自分でシンジを連れてきておいてこのザマでは何とも格好が悪い、などと考えつつソファに寝る準備をしているとシンジがあがってきた。
「お風呂あがりまし・・って、どうしたんですか?」
「あ、シンジ君。ごめんなさい、私の家お客さん用の布団無かったのすっかり忘れてて…」
「いいですよ、僕はソファで。」
「ううん、ソファには私が寝るからシンジ君は、わ、私のベッド使って。」
「え?いや大丈夫です本当に。伊吹さんは自分のベッドで寝て下さい…」
「ダメよそんなの。私がシンジ君を無理やり連れてきたのに…」
「でも僕の方も伊吹さんをソファに寝させて自分だけベッドを使うなんて出来ないんですけど…」
ひねくれた感情表現しか出来なかったり素っ気ない対応しか出来なくても根は優しいシンジである。
家主のマヤを差し置いて自分がベッドを使うなど出来ないというのは当然である。
503 :
471:2007/12/03(月) 01:20:56 ID:???
「えっと…どうしよう、か……?」
「あ、やっぱり僕、ネルフの個室に泊まります。」
「そんな、ダメよ!こんな時間からネルフに戻るなんて。」
「まだ電車はあるから大丈夫です。」
「でももし何かあったら…」
マヤは決断を迫られていた。
シンジを帰さずにこの家に泊めるには最後の手段しかない。
当初は選択肢に上がらなかったが、今は既にその選択肢を見つけている。
「…じゃ、じゃあ、その、ふ、二人でベッド使うとか…?」
「え…?」
シンジは自分の耳を疑った。
マヤもマヤでもはや自分が何を言ってるのか理解出来ないほど混乱していた。
「いや、それは…あの、やっぱりいいですから!今日はネルフに戻ります!」
そう言って玄関に向かおうとするシンジをマヤが手を取って引き留める。
「待って!!」
「!」
「あ、ごめんなさい…あの、とにかく今日はうちに泊まっていって。…それとも、私と同じ布団じゃ嫌、かな……?」
「べ、別に嫌というわけでは…」
これはシンジの本音だった。
しかし一方で今日初めて話したばかりの人間の家に泊まり、あろうことか同じ布団で寝るのは道徳的にどうなのだという疑問、そして何より他人と接点を持ちたがらないシンジには警戒しないではいられない。
「じゃ、じゃあ、ね…?今日はうちに…」
「…」
マヤは悪い人間ではない。いや少なくとも今の時点では悪い人間には思えない。
確かに今からネルフに戻っていてはいくら電車がまだあるとはいえ、かなり時間がかかってしまう。
それにマヤもこれが多分に問題があることだと分かった上で提案してきているのだ。
それを無下に断ってネルフに帰るなどとこれ以上言うことも出来ない…。
自分の中で必死に正当化してシンジは答えた。
「…はい」
おつ
早く続きを!
まだ〜?
乙
もしかして職人はOCNで、規制に巻き込まれてる?
ありそうだね。年末までは解除長いらしい?
ふ
け
つ
アイシンカクラ
514 :
321:2007/12/14(金) 00:53:51 ID:???
それでは時間つぶしに
>>455-458の続きを。
「返事渡しましたけど、なんかちょっと・・・」少し困った様子のシンジに対して、
「うん?どうかしたの?折角一生懸命考えたんだから私も気になるな。」とちょっと真剣なマヤ。
「ボクが返事を書くのが以外だったらしくって一騒動起こりましたよ。あやうくカップルにされる所でした。」
以前渡された手紙の返事を代表者だった同じクラスの女子に渡すとクラスは大騒ぎになった。
「碇君がそんなことするなんて以外。」「もしかして彼は本気なの?」「まちがっとる!世の中不公平や!!」
「たかだか手紙一つで舞い上がってんじゃないわよ!この大バカ!!」などなど大騒ぎだったらしい。
「でもシンジ君、皆が見てる前で渡したのね。そのほうがかえって誤解がなくてよかったと私は思うわよ。」
「そんな事言ったって本当に大変だったんですから。ただの返事だって信じてくれないし。」
「でも女のこの代表だった子に渡したんでしょ?月曜には皆に行き渡ってるはずよ。そんなに心配しない。」
「う〜、ほんとにだいじょうぶかなー。」と心配するシンジに対し、
「こっそり二人っきりのときに渡していたらもっと大変なことになってたかも・・・キャッ!」
「マヤさん!からかうのはその辺にしてください!」少しだけ怒りを顕にするシンジ、この生活に馴染んできた証拠だ。
「うっふふーん、ゴメンね、でも心配しているような事にはならないわよ。内容は私もチェックしたんだし。」
「そうだといいんですけどね。あー月曜まで不安だな。」っと若干ゲンナリした様子のシンジに対して、
「それじゃ罪滅ぼしに、明日はシンジ君に特製のパソコンを選んであげるわね。」と返すマヤ。
「あ、そうかそれもありましたね、何時ぐらいに行きましょうか?」
「お店は10時には開いているから、それぐらいに出て、途中でお昼にしましょう。多分色々揃えないといけない
ものがあるから。」
「え?何か他のものも買うんですか?」
「違うわよ、OSとか、アプリケーションソフトとか学校で使ってるのと同じじゃないと困るでしょ。だから見て回るの。」
「はぁ、分かりましたじゃあ明日はお願いします。」
「うん、任せて、じゃあ今日はちょっと早いけど寝ちゃおっか、興奮すると眠れないでしょ。」
「それはマヤさんのことじゃ・・・」
515 :
321:2007/12/14(金) 01:28:46 ID:???
小声で一言言ったシンジに対して、マヤは気が付いていない様子だ。
「それじゃ、歯を磨いて寝ましょう。シンジ君もちゃんと歯磨きするのよ。」こういう所は保護者だった。
そして翌朝、朝食を済ませ、少しテレビを見ながら時間をつぶしている間に予定の時間が来た。
「それじゃ、そろそろ出かけましょうか、電車で行くからカード忘れないでね。あ、後、大きめのリュックサックも。」
休日で道路が混雑するので電車で行くのは納得できるが、リュックサックが要るとは思えない。
「配達してもらうんじゃないんですか?」っとたずねるシンジに対し、マヤはにこやかな笑顔を向けるだけだった。
「とりあえずOSやソフトから揃えておきましょう。ゲームも買っていいわよ。」大型量販店についてメモを確かめる。
「はい、えっとアレとコレと、これだけですね。ゲームはまた今度にしておきます。」
「シンジ君、別に遠慮しなくてもいいのに、ちょっと位は遊びがなくっちゃつまらないわよ。」
「そのへんはよくわかんないんで、また次の機会にします。」
「そう、それがいいかもね・・・一応言っておくけど一人で来てもHなのは買えないわよ。」
「な、なにを言うんですか!そんなつもりありません」その手の商品は個人情報カードの提出が義務付けられている。
つまり購入する事自体が不可能なのだがマヤは一応クギを刺しておいた。
そうこうしているうちに目的の物がそろって行くがふと気になることがあった。
「マヤさん、パソコンコーナーには行かないんですか?それに友達からOSやソフトとかは買った時についてるって
聞いたんですけど?」
「うふふふふ〜ん、心配しない、”特製”を選んであげるって言ったでしょう。ここは任せて、ねっ!」
そう言うマヤにしたがってこの店での買い物は終了した。内容は予定通りOSや学校で使う予定のソフト類だ。
「支払いはカードで、あ、ポイントカードもあります。今回は加算でお願いしますね。」レジでマヤはそういった。
「それじゃ配達は今日の5時ぐらいで、住所はポイントカードに登録している所です。」あれ?っとシンジは思った。
「マヤさん、お金は僕が出しますよ、それにパソコン買ってないじゃないですか、しかもこのリュックは何の・・・」
「いいから、これが済んだら次のお店に行くわよ。」とりあえず従うしかないシンジであった。
516 :
321:2007/12/14(金) 02:05:43 ID:???
マヤに連れられてやや本通りとは離れた位置にあるショップにやってきた。店としてはこじんまりとしているが、
何より目を引くのが大きな文字で”自作PCパーツ”と書かれている点だ。
「さぁ、シンジ君いよいよ”特製”を選んであげるわよネルフに置いてあるのよりずっと高性能なのを。」
先ほどの大型量販店で見向きもしなかった理由はこれだったのだ。パーツ単位で選んで組み上げる正に一つだけの
”特製”を選んでくれるらしい。ちなみにこの時代ではノート型の自作も盛んに行われており、外観も凝った物もある。
「先ずは大きさはこの規格で、それにあったマザーボードとCPUは・・・」シンジには口出しできない世界である。
「勉強用だから静かな方がいいわよね、だから電源はこうで、」マヤを見ると必死に選んでくれている様子だ。
「HDDは耐久性と静音性重視、ドライブもこれでよしっと、シンジく〜ん、ちょっとこっちに来て。」
名前をよばれてさほど広くはない店の通路を縫う様に進むシンジ、そこはケースとモニターのコナーだった。
「ここはあなたが決めてね、色の好みとか好きなのを選ぶといいわ。後モニターは2種類候補があるんだけど
一つは目に優しいけど激しい動画だとチラついちゃうのと、動画に強いけど視野角が狭いのとあるけどどうする?」
正直に言って答えに困る質問だ。その手の知識はまったく持ち合わせていない。とは言え答えはなんとなく出た。
「あくまで勉強用なんで目に優しいほうで、ケースはその銀色のやつにします。」
「うん、それがいいわね。このケースもキーボードの評判がいいのよ。じゃあこれで決まりね。」
「あ、終わりですか、それじゃ今度こそボクが」お金を払うつもりだったがマヤはそうさせない。
「それじゃこれだけお願いします。はいカードで、ポイントカードもここに、全ポイント使用でお願いします。
袋はリュックサックがありますからそっちに入れて、あふれた分だけ貰っていきます。」この店は配達サービスは
無いらしい。不自然なリュックはその為だったのだ。
「よーし、買い物終わり!お昼にしましょう。」満足の行く買い物が出来てマヤは上機嫌だ。
こうして大通りに戻りちょっとおしゃれなレストランで昼食、その後すぐに帰宅する事にした。
「さーてシンジ君ここから後もう一がんばりよ。」
517 :
321:2007/12/14(金) 02:39:36 ID:???
割と重い荷物をしょわされているのにまだ何かあるのかと不安になるシンジ。だがマヤの足取りは軽く、ついて
行くのがつらいが文句は言えない。なんせ昼食代も出してもらったのだから立つ瀬が無いのだ。
「ただいまー、っとまだ3時前ね、それじゃとりあえず手を洗って組み立てる準備をしましょうか。」
「ふう、組み立てですか、ボクは見てるだけでいいんですか?」
「何言ってるのよ、あなたが組み立てるのよ、ほら、そんな顔しない、ちゃんと教えてあげるから。」
もう一がんばりと言うのは荷物の重さではなくこのことだったのかと愕然とするシンジ。だが拒否権など無い。
「大丈夫、ちゃんとつながる所以外には合わないようになっているから、落ち着いて、ね。」
「まずはケース上部ににモニターをセットして、ケーブルを出して、下部にマザーボードを取り付けるの。」
「そう、そこよ、ちゃんと抜けないように奥まで入れて、そう上手よ。」
「ダメ、それはまだ早いわ、ちゃんと順番を守ってね。」
細かい作業だがどこをどうすれば良いかは予め決まっているらしい。さして苦も無く完成に近づいて行く。
「さ、あとはACアダプターから電源を通せば完成のはずよ、失敗さえしていなければね。」
「ここに来て不安になるような事言わないでくださいよ。必死だったんですから。」
「よっぽどのことが無い限り大丈夫よ。さ、スイッチ・・・オン」
いつの間にか手を取られて一緒に電源を入れた。何事も無く動き出しマヤは「良かったね」と言っているが手に残る
やわらかい感触に気を取られてぼぅっとしていた。だが違和感を感じる。いつまでたってもこれ以上進む気配が
無いのだ。不安になってマヤに聞いて見ようとしたところに
「こんにちは宅配にあがりました。」っと最初に行った量販店の配達員が荷物を届けにやってきた。時間通りだ。
「はーい、今行きますね、シンジ君そのままにしてちょっと待っててね。」判子を手にマヤが受け取りに行く。
シンジは動きが止まったパソコンを見て呆然と”失敗しちゃったのかな”っと思っていた。が。
「お待たせー。さあ、OSとかインストールして使える状態にしちゃいましょう。」
「失敗した訳じゃなかったんだ。ああー凄く心配しましたよ。」っとシンジは大きくため息をついた。
518 :
321:2007/12/14(金) 03:16:44 ID:???
「インストールには時間がかかるわ、その間に夕飯の仕度とかお風呂の用意とかしておきましょう。」
そういって先ずはOSをインストールし、おのおの家事を進めて行った。およそ一時間後、
「OSの方は終わりね、後のソフトも一気に入れちゃいましょう。」今度はそれほど時間もかからず済んで行く。
「はい、これで世界に一台だけのシンジ君専用のパソコンの完成。本当はもうちょっとソフト面に手を加えた方が
使いやすいんだけどそれは今後私が時間が空いたときに一緒にやろうね。」
「マヤさん、疑問に思ったんですけど、普通に買ってきたほうが楽だったんじゃないんですか?」っと疑問をぶつける。
「確かに楽な事は楽よ、でもこれはいったいどんな仕組みで動いてるんだろう?壊れた時はどうすればいいんだろう
って考えることが大切なのよ。」
「でもそんな事は授業でやらないし・・・」
「授業だけじゃないわ、あなたの乗っているエヴァだって私にも分からない所があるの、でもまかせっきりだとなにも
変わらない。それじゃいけないって事は分かるでしょう。」
言われてみればその通りだ。自分は動かす事のできるパイロットで、それ以上は必要ないと思い込んでいた。
だが動かしている自分が違和感を具体的に伝えられれば整備の手間が大幅に効率化される。
「なんとなくじゃなくって、どうしてなのか分かればそのとき初めて自分の物になるのよ。今日はその第一歩ね。」
「そうですね、ただの勉強の為だけじゃなくって、大事なものにしていきます。」
うんうん、とうなずくマヤ、本当は趣味が入っているのだが本人が納得しているので黙っておく事にする。
なんせ大切な同居人への贈り物だ、少しでも心を込めたかったのである。
「あ!でもマヤさん大事な事を忘れる所でした。その、お金の事なんですけれど・・・」
「気にしなくてもいいって言っても納得できないわよね、いいわ教えてあげる。あのね、実は」何だろうと思うシンジに、
「”重要人物保護監視手当”が出ることになっていたの。それがちょっと凄い金額で今日の買い物分ぐらいあるのよ。」
ガクンと力が抜けるシンジ、自分と同居する事はそんなお金が出るほど大変な事だと思われていたのか。情けない。
と同時に前任の保護監視者はそのお金+彼の給料にまで手をつけていた事実に愕然とした。
おしまい
321はなんて恐ろしいやつなんだ、底が見えねぇぜ!!
えろいな
オモロいけど、マヤさんが秋葉系ってのは……(汗
いや、あたしゃそういう人だとばかり
だってイロウルのときとか
523 :
321:2007/12/14(金) 22:31:17 ID:???
ご批評どうも、前回のを書いた時点からマヤはジサカーにするつもりでした。
秋葉系と言うより職人気質だと思ってあげてください。彼女はその方面のプロフェッショナルですしね。
私もそうでしたが、一度自作に手を染めると既製品は無駄だらけに見えてしまうものなんです。。。
まぁ2014年の時点でノート型PC自作は普及しているかは甚だ疑問ですがねw
あと、今回は一部◆EtcmJTqYfU氏のハンバーグの話を参考にさせていただきました。
理由はお分かりでしょうが、「お前の作品にはエロスが足りない!!」と直接友人に言われた為ですw
しかしやってみると難しいですね、結局それっぽいのは2行だけねじ込めましたが、それが私の限界です。
今後も機会を見て投下していきますよ。予定としてはマヤが保護者として学校に行く話と、葛城家に掃除に行く話。
何より
>>486のつづきですね。
>>485氏のお題「怖くてシンジに抱きつきっぱなしのマヤ」を何とかしてみたいですから。
どれもある程度は骨子ができていますので、後は時間次第です。どうか気長にお待ちを。
>「大丈夫、ちゃんとつながる所以外には合わないようになっているから、落ち着いて、ね。」
>「そう、そこよ、ちゃんと抜けないように奥まで入れて、そう上手よ。」
>「ダメ、それはまだ早いわ、ちゃんと順番を守ってね。」
>手に残るやわらかい感触に気を取られてぼぅっとしていた。
このくだりですか
525 :
321:2007/12/15(土) 18:51:36 ID:???
>>486のつづきできました。
夜10時、マヤは自宅の部屋で仕事を片付けていた。シンジと同居するようになってからは極力定時に帰るように指示
されているからである。結果自宅に仕事を持ち帰ることが増え、同僚等には若干負担増となっていたが仕方が無い。
「さて、これで終わりね。センパイは大丈夫かな・・・」
仕事というのはリアルタイムで増えて行くものである、今現在にも処理しなければいけないものが増えているかも
しれないが、現在の彼女にとって優先すべきは”重要人物の保護監視”であり、赤木博士の片腕としての役目は
二の次という事になっている。
この状況は赤木博士自身が提案したものなのだが、結果としては提案した本人が割を食う事になってしまった。
「最近ずっと泊り込みだって言ってたから心配だな。でも大丈夫だって言ってたし、仕方ないよね・・・」
敬愛する人の心配をしながらゴロリと仰向けに寝そべる。天井に目が行きそこには見慣れた模様と一匹の・・・
「あわ、ああああ!」言葉にならない様子で出口へと仰向けのまま向かい、ドアを開けるとあわてて外へ出た。
そしてドアも閉めずに一目散にシンジの部屋へと向かう。まだ足腰は立たないままだ。
「シンジ君!シンジ君!大変なの、開けて!!」膝立ちでドアを猛打するマヤ。
ただ事ではない声と音を聞いてあわててドアを開けるシンジ、いったい何事なのか。
「マヤさん!何です!どうしたって言うんですか!」顔をあわせてみると彼女が狼狽しているのが見て取れた。
「KU・MO!私の部屋にKU・MOがいるの!!」
(NG「マヤさん落ち着いてください、きちんと変換されてません!?」NG)
「マヤさん落ち着いてください、クモがでたんですか!?」
「そうなの!私の部屋の天井に!お願いなんとかしてっ!」
そう言いながら痛いほどに抱きしめてくる、いや実際に痛い。とりあえず一旦離れてもらう事にした。
「大丈夫です、ボクが追い払ってきますから。マヤさんはそこで待っててください。」そう言うもマヤは離れようとしない。
「ダメ!怖いの、離れないで!」両手でシャツを掴み頭を振る。一緒に行くしかなさそうだ。
「分かりました、とりあえず殺虫剤を取ってきて追い払いましょう。」
こうして一旦台所に行き、殺虫剤を持って二人はマヤの部屋へと向かった。当然ドアは開きっぱなしだ。
526 :
321:2007/12/15(土) 19:34:54 ID:???
シンジ自身始めて目にする彼女の部屋は、キチンと整理がなされている様子だったが今はそれどころではない。
「マヤさん、入りますよ、っでどこにいたんですか?」
「てんじょう、天井におっきなのがいたの」と言われて天井を見るが見当たらない。
「逃げたのかな、とりあえず部屋の奥を見てみましょう。」改めて中に入るが見当たらない。
「どうしよう、開けっ放しにしちゃったから外に出たんじゃ・・・キャッ、いい、いたぁ!」
そう言いながらシンジの左腕に頭を伏せ抱きつくマヤ、シンジも方向を追うと確かにドア側の壁にクモがいた。
一見すると足が長く大きく見えるが胴体は思っていたより小さい。このタイプはよく見た覚えがあった。
「マヤさん、大丈夫ですよ、すぐに捕まえますから。」そう言うと殺虫剤を置きクモに向かって行く。手で捕らえそうだ。
「ダメ!シンジ君!危ないから止めて!」そうマヤが言うものの、シンジは片手で追い払いながらもう一方の手へと
誘導してあっけなく捕らえた。
「捕まえましたよマヤさん。っで、これどうします?」
「捨てて!今すぐ窓から投げ捨てて!!」シンジが言い終わる前に既に言葉を発していた。それに従い窓を開け放ち
できるだけ遠くへ行くように投げ捨てた。
「今捨てましたから、もう安心ですよって、うわっ!」振り向く前に後ろからしがみつかれた。
「よかっった!大丈夫?ありがとう〜!」顔をシンジの肩に乗せ感謝の言葉を口にするマヤ。やがて少し落ち着き
彼を解放して大きく一息ついた。
「シンジ君、ありがとう、でもあんなことすると危ないわよ。噛まれたりしたらどうするの。」
「平気ですって、ミサトさんの所にいた時よく見たやつですし」っと答えるも
「平気じゃないわよ!もし毒があったりしたらどうするの!あんな危ない事はしちゃだめよ!」と言うマヤ。
「毒って、そんなめったにいないですよそんなクモ。」っと言いながらある言葉を思い出す。
『イヤだけど別に毒があるわけじゃないし、ほっておいたら逃げ回っちゃうでしょ。見つけたら即退治しないと。』
確かゴキブリをマヤが退治したときに行ったセリフだ。ようやく妙な違和感から開放される。
「あんなにクモを怖がるなんておかしいなっとは思ったんですけどそういうことだったんですか。」
「おかしくなんて無いわよ!本当に危ないんだから。」
527 :
321:2007/12/15(土) 20:12:09 ID:???
聞けば少女のころにニュースでセアカゴケグモの事を聞き、それ以来、蜘蛛=毒のイメージが離れないらしかった。
「それ以来ずっと苦手なの、他の虫もだけど特にクモだけはだめなの。」
「そうだったんですね、そのクモの名前はボクも聞いた事があります。でもめったにいないんでしょう。」
「だからって油断したらダメよ、新種の毒蜘蛛が出るかもしれないじゃない!」
以前予想を上回る手際のよさでゴキブリを退治した彼女とは思えない狼狽ぶりの正体はそれだった。
「大丈夫です、今度からもボクが退治しますから、安心してください。」
「うん、わかった、頼りにさせてもらうわ、でも素手でつかんじゃダメよ。」
話も一段落しホッと一息ついたところでいまだにシンジの腰のあたりを掴んでいたことに気が付く。
「あ、ご、ごめんね、今日は頼りっぱなしで、ありがとう助かったわ。」と言いながら顔を赤くし離れるマヤ。
シンジも今までの状況を思い出し顔を染めている。
「じ、じゃあ今日はもう寝ましょう、ね、もう遅いし、それじゃありがとう!」ワタワタとしながらそう言うマヤにシンジも
「そ、そうですね、はい、じゃあボクはこれで、部屋に戻ります!」と赤面しながら言った。
こうして各々の部屋で眠りに付いた二人だが、どうにも寝付けない。
「マヤさん、抱きついてきたよな、でも興奮してたからよく覚えてないけど・・・」やわらかくていいにおいがしたような
それに胸などにも触れてしまっていたような気がした。感触などを思い出そうと試みるがやはり覚えていない。
それがなんとなくモヤモヤした気分をよんでスッキリしない。
「私、シンジ君に抱きついたりして、どうしよう、そんなつもりじゃなかったのに・・・」っとこちらも気分は落ち着かない。
何か人として大変な事をしでかしてしまったような気持ちで胸がモヤモヤする。
結局二人ともなかなか眠りにつけない長い夜を同じ様なモヤモヤした気持ちですごしたのであった。
おしまい
>>525 GJ過ぎるっ!!!
素敵な二人をありがとうっ!
もう完全なマヤさん中毒です
>>525 > 「KU・MO!私の部屋にKU・MOがいるの!!」
> (NG「マヤさん落ち着いてください、きちんと変換されてません!?」NG)
ワロタ!GJッス
“着替え中だったので、Tシャツ一枚で抱き付くマヤさん”とか
“必死で蜘蛛を探す振りをしながら腕に当たる胸の感触に集中してるシンジ”とか、
“蜘蛛を取ろうと手を伸ばすと、マヤさんの胸に腕がこすれてしまうので、伸ばすに伸ばせないシンジ”とか
“背中に伝わるマヤの鼓動と息づかいにエバ以上にシンクロするシンジ”とか、
“天井に蜘蛛がいるのに、突然前かがみになってしまうシンジ”とか
そういうシチュやハプニングも欲しかったね(´・ω・`)
えろいな
いや、堪んねーな
お題「風邪」「意地っ張り」
「裸エプロン」
535 :
321:2007/12/19(水) 01:25:27 ID:???
皆さんどうも、いろんな感想ありがたく思います。が、年内のカキコはこれが最後になりそうな予感です。
マヤが保護者として学校に行く話と、葛城家に掃除に行く話は来年に持ち越しという事でご了承ください。
今回のは前回お題に答えきれなかった様子なので考えた挙句、女性が苦手で毒のあるものでクモとしました。
wikiで検索すると、セアカゴケグモが話題になったのは1995年11月、マヤの誕生日が1991年7月11日と使ってくれと
言わんばかりのタイミングだったのでありがたく使わせていただきました。三つ子の魂ってヤツですね。4歳だけど。
ところで
>>523では年代を2014年としましたが、2015年の誤りでした。あわてるとミスしやすいですね、気をつけます。
毒については誤字だらけの
>>486でポロっと言わせたセリフがヒントになりました。理系で合理的な?理由ですねw
KU・MOと言っているのは動転しているのと、口にするのもイヤである事を表現する為です。これもミスの産物ですがw
誤ってカナキーを押したらしく変換されない、でも声は出ているけれども言葉になっていない表現に合いそうだなっと
思い使う事にしました。駄目押しか蛇足かNGシーンまで入れましたが、一人でも笑ってくれれば満足です。
>>531さんの要望は私にはちょっと厳しいですね。ラストが大幅に変わってしまいます。より生々しくなって全年齢に
相応しくない表現まで行くか、シンジをねらってそういう事をするキャラに変更せざるを得なくなります。ショートの投下
とは言えある程度キャラクターに統合性がないと続けられないのでカンベンしてください。特に元々二次創作なので
シンジがそんなにアグレッシブなキャラだと別人になりかねませんしね。
ちなみにもしその要素を入れた場合寝付くシーンがこんな感じになります。怖いもの見たさで。。。
「マヤさん、抱きついてきたよな、胸とかやわらかくていいにおいがして、・・・」
体に残る感触を確かめるように思い出すと、思春期の少年の心は熱くたぎった。そして・・・
こっから先はアブナイのでヤメ!仮にここで単に眠れない夜をすごした。では納得できないのでは?と思います。
まぁこの辺は書き手の趣味や個性の問題ですね、少なくとも私には無理ですゴメンナサイ。
他の方の作品を一緒に期待しましょう。
さて、もう一言つづきを。
536 :
321:2007/12/19(水) 02:07:31 ID:???
>>534さん「裸エプロン」は私には拾えませんw「風邪」「意地っ張り」はこんな形で。
「38度4分。無理ですよマヤさん。仕事に行くなんて。」水と風邪薬を用意してシンジはそう言うが、
「そんな事言ってられない、状況なの、センパイ、ずっと一人で、仕事を、ゴッ、ゴホホ!」と譲らないマヤ。
傍から見ればマヤが仕事のできる状況でないことは一目瞭然だ。それでも彼女の責任感がそれを許さない。
「ダメですよ、そんなんじゃ逆にリツコさんに風邪移しちゃいます!とにかく寝ていてください!!」
「そうで、無くても、このままじゃ、センパイ過労で、倒れちゃうかも、ウッ!ゴンゴン!」
「だったら余計にダメです!リツコさんまでダウンしちゃったらどうしようもないじゃないですか!」
「うう〜、ダメな私でごめんなさい〜。」ようやく観念したのか薬を飲み横たわるマヤ。発汗も見て取れる。
「タオル持ってきますね、その間に着替えた方がいいですよ。」そう言われ服を着替える。確かに汗が凄い。
「じゃあ、行ってきますから。くれぐれもゆっくり寝ていてくださいね、病院に行くならボクにも連絡ください。」
そう言ってシンジは学校へ出かけた。後ろ髪を引かれる思いがあったが休んで看病というわけにもいかない。
「う〜、仕事の残りだけでも片付けて・・・」シンジがいなくなったとたんにマヤは残務処理に向かう。せめて家に
持ち帰った物だけは終わらせたい。だが何分集中力が続かない。予想より長時間かかってやっと終わった。
「これだけでもシンジ君に持っていってもらおう。」っと思った矢先に玄関のドアが開く。
「ただいま帰りましたマヤさん。居ますよね!」シンジの声だ。時刻は3時を過ぎている。
「シンジ君、ちょうど良かった、これ、ネルフッゴッゴホホホ!」
「今日は残り一日マヤさんの看病します。リツコさんにも連絡とって了解済みですから。」
「でも、これ、遅れてるやつなの。早く持って行ったほうがいい、アッ!アア!ゴホッ!」
「それもまだいいからって聞いてます!ほら、ちゃんと横になって、何か欲しいものは無いですか?」
「べつに無い、それより、移っちゃうよ。だから、私の事は気にしないで。」
「いいえ!今日は付っきりで看病します。それが恩返しだからってリツコさんも言ってましたから。」
「センパイが?」いやこれはシンジのウソだ。
537 :
321:2007/12/19(水) 02:44:13 ID:???
「そうです、凄く心配した様子でしたし、看に行きたいけど忙しくて行けないから頼むって、恩返ししろって。」
「センパイ・・・なんだか涙が出てきちゃったよ。」ティッシュを手に取り涙を拭き、思いついたように鼻をかむマヤ。
「だから早く直るようにゆっくりしてくださいね。ボクおかゆ作って持ってきます。」
「うん」それだけ言って横になり目を瞑るマヤ。そして時間は過ぎてゆく。
「あ、目が覚めたんですね、おかゆまだ暖かいですから食べましょう。」少しの間眠ってしまっていたらしい。
「うん、朝よりは食欲もあるみたい。薬が効いてきたのかな。」まだノドは痛いがセキの数が減っている。
「きっとそうですよ、あ、あの食べさせてあげましょうか!?」自然に言うつもりがうっかり声が上ずってしまった。
「へ?え、え〜っと、ひ、ひとりで食べられるから!」こちらも釣られて上ずった。
その後、おかゆを口に運ぶマヤをじっと見ていたシンジだが間が持たないのか食後の薬を取りに立った。
「看病するって言っちゃったけど、具体的にこれ以上どうしたらいいのかな?」っととりあえず薬と水を持って行く。
戻る事にはマヤもおかゆをきれいに平らげていた。どうやら順調に回復しているらしい。
「マヤさん、薬ですよ、ちゃんと飲んでおかないとまたぶり返しちゃいますからね。」
「うん、解ってるわ、今日はありがとう。」悩まされていた頭痛もしない。幾分表情も穏やかになってきている。
ゴクリと薬を飲むがまだなんとなくノドが乾いているような気がする。悪いと思いつつシンジに頼む。
「もちろん、行きます、あ、ペットボトルにまとめて持ってきたほうがいいかな、水分取った方が良いんでしたよね。」
そそくさと要望にこたえるシンジ、ちょっとしたウソをついてまで買って出た看病だ、最後まで見守りたい。
「ありがとう。私また眠くなってきたわ。きっと明日は大丈夫だから、だからシンジ君も。」
「分かりました、僕ももう寝ますね。」見た目からして回復してきている。シンジは満足して部屋を立ち去った。
「ボクにできることはこれで終わりだな。ちょっとでも恩返しできたかな?」そう言って今日は少し早めに眠りについた。
翌朝、すっかり元気を取り戻したマヤに対してシンジは移されてダウン・・・などというお約束も無く元気だった。
「さあ、仕事を巻き返さないとね。」
538 :
321:2007/12/19(水) 03:25:50 ID:???
「マヤさん、良かった、治ったんだ。心配しましたよ。」
「私こそ昨日ので移しちゃたんじゃないかって心配だったわよ。でも、ありがとう。そうだ、センパイにもお礼を言っとか
なきゃね。」その一言にシマッタ!と思うシンジ。
「今忙しいのにシンジ君に看病するようにって、本当はテストとか色々シンジ君が必要な所もあるのに。」
「あ〜、え〜っと、そ、その!」黙っていてはいけない気がして正直に話す。
「看病して来いって言われたっていうのは嘘なんです!ゴメンなさい!!」
「え、嘘?何を言って・・・それじゃ!」
「本当は今忙しいからネルフに来いって言われてたんです。でもボクはマヤさんが心配で、それであんな嘘を・・・」
「大変!わ、私急いで行くから、シンジ君も学校が終わったらすぐに来てね、お願いよ!」あわてて駆け出すマヤ。
「すいません!昨日は本当に、それにシンジ君まで!」リツコの前でひたすら頭を下げるマヤ。それに対して、
「いいのよ、病人に無茶をさせるほど私も愚かじゃないわ。それより本当にもういいのね。」幾分疲れた様子だが怒って
いるわけではないらしい。むしろ心配してくれている。
「ハイ!一生懸命やります!」っと元気よく返事をする。
「そう、頼りにさせてもらうわ、何分予定より遅れが目立つ箇所が増えてきているから、あなたの手が必要なのよ。」
「分かりました、何でも言ってください。」仕事をする気満々のマヤに対してリツコは
「でも昨日のシンジ君凄い剣幕で連絡してきたわよ、いったいいつからそんな仲になったの?」とからかいながら言う。
「そんな!私たちそんなんじゃありません!」と予想通りの事を言われると、
「そうよね、だってあなたは私の大事な・・・」と言いつつ包み込むように抱きしめてくる。
「センパイ・・・私センパイの為なら・・・」みるみる内にマヤの顔は赤くなる。
「あら、あなた顔が赤いわよ、無理して出てきたんじゃないでしょうね?」確信犯的にリツコは言う。
「本当に大丈夫です!顔が赤いのは、その、センパイが・・・」
「大丈夫なら働いてもらうわよ。今は本当に猫の手も借りたいくらいなんだから。」
「分かりました、がんばります!」
「そうね、シンジ君にも昨日の分はこなしてもらわないとね。」
二人はお互いの為にちょっと無茶をした、そんな一日だった。
おしまい
539 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/19(水) 03:49:49 ID:ViSnviWr
>>535 お疲れ様でした。
マヤ中毒になりました
来年楽しみにしてます。
540 :
321:2007/12/19(水) 04:06:33 ID:???
>>535でも言いましたがこれがおそらく私の年内最後のレスです。にしてはまた誤字がありますね。。。
それからお題受付は、私は今後はちょっとお休みということでお願いします。書くべき事が増えましたので。
他の方がきっと形にしてくれるでしょうからそれを楽しみにしましょう。同じお題でも人によって違いが出ますしね。
無論私も楽しみです。がそれでは納得できないと言う方に今後の方向性を披露しておきます。
仕事が忙しくなりストレスを感じるリツコ、同じく家政夫を奪われ生活が苦しいミサト。
そんな中シンジの保護者として勤務時間に面談に行かざるを得ないマヤ。
二人の理不尽な嫉妬に気が付かぬまま学校に向かい注目を集めるマヤは、たった一人で授業参観をする。
騒がしく落ち着かない雰囲気を体験し、いよいよ三者面談へ、そこでマヤからシンジへの思いが語られる。
マヤの気持ちを受け取ったシンジはますます彼女への信頼を厚くする。
一方イライラの収まらない女性二人は葛城家に掃除に行くよう約束を取り付けた。
散乱するゴミ、片付いていない洗濯物をどうにかきれいにして一段落すると、ミサトは一緒になべを食べようと
持ちかける。しかしそこには現場にいないリツコの巧妙ないやがらせ、もとい仕掛けが・・・
果たしてリツコの本意は?二人の同居生活の行方は?来年度公開予定です。気長にお待ちください。
なおこの予告はかなりオーバーな表現が使われております。
実際にはあまり盛り上がらなかったとしてもご了承下さい。
それではまた来年お会いできますように。321でした。
GJ!
待ってる、来年まで裸で正座してミカン食いながら待ってる!
なんという良スレ・・・
引き込まれてしまった
俺もご一緒してよろしいか?
それだけはご勘弁を
マヤさんは処女なのか否か?
前者なら、シンジを起こしに行った時に目撃してしまう男の生理現象を理解できるのか?
それが問題だ。
マヤさんて処女なんだろか?
多分処女では?
>>547 男性経験が無い上にウブだから、
シンジが朝こっそりパンツを洗ってる姿を不信に思って
「シンジ君……何か体調でも悪いの?」
「膿が付着してたの?ちょっとそれ見せなさい!」
とか真顔でいいそうで怖い。
マヤ「あの先輩……」
リツコ「何?」
マヤ「その……お、男の子にも…生理用品みたいなものは必要なんでしょうか…」
リツコ「はぁ?」
マヤ「い、いえ……シンジ君が最近大人になった?みたい……なので」
男の生理現象や習慣を良く知らない女が、成長期の男と同居したら、何かと困ると思う。
マヤ「あ、後それと……シンジ君を起こしに行った時に気づいたんですけど……朝、か、下半身が変化してるのは……別に病気じゃないんですよね……?」
てな感じでいろいろリツコに相談しそう。
いや、幾ら潔癖症でも、そこまでウブじゃないか?
最近の性教育はエグイ。マヤの誕生日が1991年7月11日の設定で現実なら今16歳。
となると授業で教えられているはず。となると
マヤ「おちついて、そうよ以前習ったじゃない。・・・でもこんなに・・・イヤ、何考えてるの私」
と、まぁこんな感じじゃないかな。
>>550 言いたいことは分かるんだが
8〜9歳のときにセカンドインパクトが起きその後N2で東京が吹っ飛ばされてるんで
果たして現実の2007年と同等の教育カリキュラムと同一かどうかなんてわかりゃしない
保健教育まで時間が割かれていたのかどうかぁゃιぃ
だが知識でしか知らなかったものを見て戸惑うマヤってのは萌えるね
552 :
321:2007/12/21(金) 14:01:10 ID:???
代休が取れました。でもこれが今年最後の休みです・・・気を取り直して投下。
「あなた、少し臭うわよ。」不機嫌な様子でリツコは言うと、
「あんただって最近肌荒れが酷いんじゃない。」ブスッとした様子で答えるミサト。
この二人は最近特に機嫌が悪い事が多い。理由は明白、マヤのことについてだ。
「それにしてもあの子、今日は珍しくおめかしなんかしちゃって、化粧も気合入ってたけどなんかあんの?」
「保護者として学校に面談に行ったわよ。まったくこんな事に時間とられるなんて。」
勤務時間のはずなのに椅子がポツンと空いている席に目が行く。無論マヤの席だ。
「ふ〜ん、それで今日も大事な部下を取られてご機嫌ナナメって訳ね。あんた最近怒りっぽいし。」
「ケンカ売ってるの?私はその程度で怒ったりしないわ!」
「その態度!怒ってるんじゃなくて何なのよ!アタマ来た!!」
はぁ〜っとため息を漏らす男が二人。この程度は日常茶飯事だが最近頻度が多い。
「迷惑してんのはあんただけじゃないんだからね!ウチだって!!」
「それはあなたの責任でしょう!勝手な事を言わないで!!」
地位もある二人の女性が臆面も無く言い争う。そんな中”原因”であるマヤは目的地である学校へ辿り着いていた。
「わぁ〜、こんなの久しぶりだなぁ。」学校とは一種独特の雰囲気を持つ。マヤはなんとなく懐かしさを覚えた。
時刻は午後2時、授業が終わるにはまだ時間があるはずなのだが、学校側から指定されたのはその時間だった。
無論、マヤにとっても仕事をしているはずの時間なのだが、許可は取ってある。それが原因で一悶着しているとは
知る由も無い。そそくさと来賓様の入り口から職員室を目指す。
「確か2階に上って右手側だったわね、ふふ、なんか緊張しちゃう。」入り口を前にして一つ息を整え
「失礼します、碇シンジ君の保護者で伊吹と申します。」
「ああ、お待ちしてました、わたしが2年A組の担任の根府川です。今日はご苦労様です。」
老年とも見える一人の教師が挨拶をする。シンジから聞いていた通りの風体だ。
「いいえ、こちらこそ、で、今日は・・・」
「ああ、そのことなんですが、どうせなら授業の風景でも見ていってもらおうかと思いまして、それでこんな時間に。」
553 :
321:2007/12/21(金) 14:02:26 ID:???
「え?ええ、そういうことでしたか、ちょっと早いな、とは思っていたんですが。」
「もうすぐ今の授業も終わり休み時間ですな。それでは案内しましょうか。」
「いいえ、大体の場所は聞いていますからお構いなく。一度見て回りたいと思っていましたので。」
「そうですか、そうしていただきましょうかね、ちょうど次は私の授業なのでどうしようかと思っていたんですよ。」
「お気遣い無く、それでは私は先に教室の方に向かいますね。」と話している間にベルが鳴る。休み時間だ。マヤも
もう一度お辞儀をして職員室を後にする。
廊下では数名の学生とすれ違う。後ろを振り向く子もいた。彼女は異質な存在なのだ。
「ここね、シンジ君いるかな。」程なくして2年A組に辿り着く。ザワザワとしているのが外からも聞こえる。
マヤは窓からシンジの姿を確認してその教室の後ろ側の扉から中に入った。
「あれ?あの人誰?」気の強そうな女のこの声が聞こえるとあたりはザワついてきた。
「先生って訳じゃなさそうだけど誰なのかしら」「おい、かなりの美人だぜ」等遠巻きに聞こえてくる中で、
「マヤさん!どうして今ここに!?」シンジの声だ、それに答えるように手を小さく振る。
「あのね、急に授業参観させてもらうことになったの、あ、皆さんこんにちは、シンジ君の保護者の伊吹です。」
そう答えた途端に教室中が渦を巻いたようなどよめきが起こる。どよめきの中心のマヤは圧倒されている。
「うおおおお!!この人が、この人がそうなんか!?」「すごい、予想以上だ、写真とっていいですか!?」
「へぇーあの人が、かなりかわいいよね」「ほんとに碇君ってあの人と住んでるのかな?」
学生たちのあまりの反応に対処しきれないマヤ、シンジも質問攻めにあっている。そんな中、
「ちょっと、いい加減にしなさい、騒ぎすぎよ!」っと一人の少女が皆に注意する。その姿は初めて会ったのでは無い
ような錯覚を覚えた。きっと彼女が話に聞いた”委員長”なのだろう。注意された所で騒ぎは収まらないが、シンジの
話と記憶が一致していく。
彼がトウジ君にケンスケ君ね、それにあの気の強そうな子がきっと例の手紙の子だわ。あ、アスカもいた、照れてる
のかしら、ソッポ向いてる。あれはレイね、ぜんぜん気にしてないみたい、いつもと一緒ね)
などと思っている間にもアレコレと話しかけられ、バシャバシャとシャッターが切られていく。すると。
「もう!やめてよ、マヤさん困ってるじゃないか!!」
シンジの一言に突然あたりはシーンと静まり返る。あれ?っと思う間も無く先ほど以上のどよめきが起きる。
「センセがこの人をかぼうた!」「碇君が、キャー!!」「やっぱりただの関係じゃないのよ!!」など無責任な声が
飛び交う。もはやどうあっても止められない、そんな中前側のドアがガラリと開く。
「元気がいいな、理由は大体分かるがね。」先生だ。あわてて一人の少女が号令をかける。「起立、礼」とっくに授業
時間が来ていた。まだ余韻を残しながら席に戻って行く学生たち、先生も声をかける。
「今日は碇君の保護者さんに授業の様子を見てもらうことにした。皆はしゃぎ過ぎないように。」
とりあえずほっと一息つけた。これからは授業参観だ、ただしたった一人の。
こうして初めて後ろに立って見ると色々とよく見える。学生の大半は授業を聞く気は無く、こちらを振り向いたりする。
マヤはなんとなく”悪い事をして後ろに立たされている生徒”になったようで落ち着かなかったが授業は続く。
「じゃあここは・・・」シンジもアスカもレイも意図してか当てられて行く。3人とも見事に正解でほっとする。
「それじゃ今日はここまで、HRがすんだらここで三者面談をするから今日は早く帰るように。」
滞りなく授業は終わる。ちょっと騒がしいけど元気があって良いクラスだとマヤは思った。
やがてHRも終わり面談の準備が整えられる。シンジはバンバンと背中を叩かれたりしていた。
「おーい、早く行きなさい。こっちは待ってもらってるんだから。」先生がそう言うと残っていた生徒も散って行く。
「それでは始めましょうかね、なに、大体のことは前の方からも聞いていますから今日は簡単に。」
「分かりました、それでは改めて私がネルフ所属で碇君の保護者の伊吹です。お願いします。」
「いえいえ、そうかしこまらないでください。既に彼とは面談をしていますし、今日は確認ということで。」
「確認・・・ですか。いったい何のことでしょう?」
「いやぁそれが進路の事なんですよ。彼ら3人ともそこがはっきりしなくてねぇ。」
「はぁ」っと返すマヤ。とはいえ話すべきことは決まっていた。
「前にこられた方もはぐらかすような有様で、いったいどうしたいのかだけ聞いておこうと思いまして。」
「その件につきましては。」マヤは幾分かしこまった様子で言葉を続けた。
「現在の第三新東京市が聞き低状況に見舞われているのはご存知かと思います。」なんとなく言葉が事務的だ。
「その上で碇君を含めて現在3名が都市防衛においていかに重要な人物かもお分かりでしょう。」
「事実ネルフでも義務教育でなければ早急に打ち切ってパイロットに専任して欲しいと言う意見もあります。」
シンジにとっては以外だった、いや、今の状況が好ましくないと思われているのはうすうす感じていた。
「要するに進路どころの問題ではないと・・・」っと先生が言うとマヤはこう口を挟んだ。
「しかし、私個人としては彼らに当たり前の生活をして、当たり前の人生を歩んでもらいたいと思っています。」
シンジはハッとした。今までそんな言葉をかけられたのは初めてだった。
「この状況がいつまで続くか分かりません。でもきっと終わる時が来ると信じます。そのとき彼がどんな人生を歩むのか
その手助けになればと思っています。」
シンジはうれしかった。自分のことをこんな風に思ってくれている人がいること、それが身近な人であることが。
「そうですか、いや、まぁ私もそうであればいいとは思いますがね、とりあえず進学か就職かだけでも・・・」
そう言われてマヤは赤面する。今日はそれをはっきりさせるのが目的で決意を知ってもらうのではないのだ。
「あの、それはですね、いつまで続くか分からないので保留という事で、はい、受験もする方向で。」しどろもどろだ。
「そうですな、彼の仕事が忙しいようなら専任するように通達もあるでしょう。とりあえず保留で良しとしましょう。」
うまく落としどころを作ってもらえてほっとする二人。結局以前と何も変わってはいない。
ただ学校を後にしてネルフへと向かう道でシンジはある決意と共にマヤに打ち明けた。
「ボクはエヴァに乗れるだけの人間でそれだけが求められていると思っていました。でも今日マヤさんはボクの事を
本気で考えてくれていた。それだけでうれしいんです。でももっとマヤさんたちの役に立ちたい。だから。」
「うん、がんばろうね。でも悲観する事なんて無いのよ。あなたは・・・大切な人なんだから。」
「マヤさん・・・」
こうして二人はネルフへと到着する。ロッカールームで別れて再び説明の為にオペレーター室に行くと不穏な空気が。
「あら、ようやくお帰りね何かいい事でもあったのかしら?」
「シンジ君もなんか嬉しそうね、それじゃ、いい気分のままテストと行きましょうか!」
上司二人の目線が痛い。また何かあったのは明白だが、知らぬフリをしてそそくさとテスト室へと向かった。
この世界の未来、二人の今後、分からない事は沢山ある。それでも今はきっと幸せなんだ。そう思った二人だった。
おしまい
今回はいつものようなリアルタイムでの投下ではなく、予め書き記しておいたものを確認して投下しました。
書き込み時間を見れば明白ですね。理由はまとまった時間は取れそうに無かったからですが、これはちょっと私は
やりにくさを感じました。さて、今回こそ今年最後です。もう時間は取れません。ちょっと早いですが良いお年を。
321でした。
投下、乙です
マヤさん良い人や
最初の大人気ない三十路二人wが良い感じの対比になっていますな
おおッ!! 321氏GJです!!!!
相変わらず見事ですね。シンジもマヤもイイ感じ〜w
お体に気をつけて良いお年を〜ノシ
マヤ「あ・・・先輩。相談したい事が・・・」
今日一日のマヤは、どこかソワソワと落ち着きがなかった。
休憩中も、リツコに何か言いた気な表情を見せたが、周囲を気にしてか口に出そうとはしなかった。
そのマヤの心情を察したリツコは、退勤時間を見計らって「ちょっと仕事が残ってるのよ。少し手伝ってもらえないかしら」と二人きりになる時間を作ってやった。
すると案の定、マヤは相談を持ちかけてきたのだ。
リツコ「シンジ君の事?」
うなずくマヤ。
リツコ「私に“相談”という形で持ちかけてくるって事は、正規に報告できない内容なのね?」
マヤ「いえ・・・そういう事じゃ。でも、報告するほどの事じゃないかもっていうか・・・私自身よく分からない事なので・・・」
リツコ「何なの?ハッキリなさい」
マヤ「実は・・・」
相談するほどの事かどうか迷っているらしく、マヤは軽く首をかしげながら、昨夜起きた事を話し出した。
昨日の深夜二時頃だ。
マヤは、不審な音に目を覚ました。
マヤ「何・・・?」
ベットから上半身を起こし、聞き耳を立てるマヤ。
それが何か生き物の息遣いに似ている事に気づくのに、マヤは少しばかり時間が掛かった。
マヤ「誰・・・?」
誰といっても、同居人は一人しかいない。マヤはベットから起きると自室からリビングに出た。
シンジの部屋はマヤ部屋の真向かいにある。その部屋から、確かに妙な息遣いが漏れていた。
マヤ「変ね、こんな夜中に・・・運動(ストレッチ)でもしてるのかしら?」
不思議に思ったマヤは、シンジの部屋の扉の前まで行くと、耳に手をかざして中の様子をうかがった。
シンジ「は・・・ふ・・・」
やはりシンジの息遣いが聞こえる。何だか苦しそうだ。胸でもさすっているのか、摩擦音も聞こえてきた。
マヤ「え?苦しんでる」
シンジ「は・・・マヤさん・・・」
マヤの名前を呼ぶかすれた声が聞こえた時、マヤは思わず扉をノックしていた。
マヤ「シンジ君、大丈夫?苦しいの!?」
だが、扉の向こうから返ってきた声は、予想に反して、慌てた声だった。
シンジ「え、え?マ、マヤさん!?」
マヤ「シンジ君、大丈夫?今開けるわね!」
だが、マヤがドアノブに手を掛ける前に、内側からカギを掛ける音がした。
シンジ「今、入らないでください!」
マヤ「どうしたのシンジ君?体調が悪いの?」
シンジ「い、いえ!運動してただけですから・・・本当に大丈夫ですから!」
最後に「お休みなさい」の一言を残して、シンジの部屋から声も物音も聞こえなくなってしまった。
そこまで話したマヤが、
「今朝、何だかシンジ君の様子が変で・・・何だか私を気にしてるみたいな・・・」
と付け加えると、リツコは額を抑えてため息をついた。
リツコ「マヤ・・・あなた処女ね・・・」
マヤ「え・・・」
マヤの両肩をぐっと握るリツコ。
リツコ「男性経験もないわね。そうでしょ!」
マヤ「は・・・はい」
リツコの剣幕におされて、思わず素直にうなずいてしまうマヤ。
リツコ「じゃあミサト・・・後の説明はよろしくね」
いつのまにか傍らで興味深げに聞いていたミサトに話を振ると、リツコはとっとと背を向けた。
リツコ「レイの様子でも見てこようかしら」
首を振りながらため息をつく。
マヤ「あ、あの先輩・・・手伝いは」
リツコ「もういいわ」
ミサト「もういいんだってマヤちゃん」
後を引き取ったミサトが、不適な笑みをうかべていた。
マヤ「ええ・・・不潔です!」
マヤとミサト以外に人気のないオフィスの片隅で、マヤの絶句する声が響いた。
どうやらミサトは、シンジが何をしていたのか、年頃の青少年の性癖について、遠慮なく話してあげたらしい。
ミサト「あら、マヤちゃん。そういうこといっちゃ駄目よ」
顔の前で人差し指を振りながら、ミサトが真剣な眼差しでマヤの引きつった顔を覗き込む。
ミサト「マヤちゃんだって生理があるでしょ。男の子だっておんなじなの。そういうことしなくちゃ、生理機能がおかしくなって・・・」
マヤの耳元で手を当ててささやく。
「下手したら、死んじゃうのよ・・・」
マヤ「ええ・・・そ、そうなんですか」
初心なマヤは間に受けたらしい。
ミサト「いいマヤちゃん。シンジ君の命に関わる事なのよ。だから決して不潔だなんて思っちゃダメよ。これは生理と同じなんだから」
マヤ「はい・・・」
自分自身に言い聞かせるように、マヤはうなずいた。
ミサト「それと、男の子はそういうときになると、一時的に理性が麻痺して、おかしな行動・・・・たとえばマヤちゃんの下着に手を出すとかしちゃうけど、それも黙認してあげなくちゃダメよ」
マヤ「え・・シンジ君がまさか・・・」
ミサト「だ・か・ら、そんなの関係ないの。どんな性格の子でも、一時的に麻痺しちゃうのよ。でも、その分、後で罪悪感を感じて苦しむ事があるから、その辺はちゃんとケアしてあげなくちゃね」
もう一度、マヤはやはり自身に言い聞かせるように大きくうなずいた。
マヤ「で、でも・・・だとすると・・・ミサトさんと同居してた時も・・・そういう事が」
ミサト「そりゃもう・・・」
虚実を混ぜながらマヤを諭したミサトは、大きくウィンクをして
ミサト「大変だったわ」
最後にそうつぶやいて見せたのだった。
それから一週間ばかりの間、何事もなく過ぎた。
ミサトに男の子の生理現象を聞かされてからは、シンジの部屋から声が漏れようが気にすまいと心に決めていたマヤだったが、
不思議とあれ以来、シンジの息遣いに目を覚ますようなことはなかった。
夜中にトイレに起きて、シンジの部屋はシンと静まり返っていた。
マヤ「やっぱり一時的な現象なのね・・・・」
ミサトの虚実を混ぜた話を間に受けているマヤは、そう解釈したが、だがシンジの部屋では、あの晩から激しい葛藤が始まっていた。
マヤにお休みなさいをしたシンジは、ベットに横たわると、必死になって湧き上がる衝動に耐えていた。
一週間ほど前、マヤさんに声を聞かれた時、シンジは慌てた。
シンジ「そうだ・・・ここはミサトさん家じゃないんだ」
ミサトど同居生活していた頃は、シンジは夜中に処理をし、それをトイレに捨てていた。
ミサトさんにはバレていないつもりでいたが、ある日、ミサトさんは事も無げに言ってくれたものだった。
ミサト「そうそうシンちゃん。あれトイレに流すのは止めてね。トイレットペーパーと違って、詰まっちゃうことがあるから」
朝食中にいきなりそんな話を振られたシンジは、飲みかけた牛乳を思わず戻しそうになった。
瞬間的に血圧が上がって顔が真っ赤になる。
ミサト「別にごみ箱に捨ててくれてもいいのよ。私気にしないから」
赤らめた顔を伏せ、激しい動悸を抑えつづけるシンジ。返す言葉もない。
だが、ミサトさんは平気らしく・・・いや、むしろその反応を楽しんでいる様子だった。
ミサト「じゃあ、シンちゃん。私先に出勤するから、またネルフでね」
そして、玄関口で靴を履きながら、まだテーブルで固まっているシンジに投げかける。
ミサト「ちゃんと洗ってくれるんなら、私の下着くらいオカズに使ってくれてもいいわよん」
シンジの石化を砕く一撃。
シンジ「な、何言ってんですか!」
あの時も、恥ずかしくてしばらく我慢する日々が続いた。
でも、結局一週間も持たなかった。
そのときは、いまさら隠れてトイレに流す気にもなれず、堂々とごみ箱に捨てていたものだ。
でも、今の同居人はミサトさんじゃない。潔癖症のマヤさんだ。
もし、自分が何をしているのか気づかれでもしたら、マヤさんは自分を軽蔑するだろう。
それを考えると、じっと耐えるしかなかった・・・。
シンジ「やっちゃダメだ。やっちゃダメだ」
目を閉じながら、ベットの上で自分に言い聞かせ続けるシンジ。
なかなか寝付けない。
ふとベットの上に時計を見ると、すでに夜の一時を回っていた。
シンジ「ダメだ・・・」
14歳・・・。十代前半の男の子に取って、その時期は葛藤の時期でもあった。
今まで無関心だった性への興味が湧き立つ時期。不潔だと顔をそむけていたものが、やがて視界から外せなくなってしまう時期。
ましてや綺麗なお姉さんと同居している身では、夜中におかしな衝動に襲われるのは当然だった。
シンジは長々とため息を付くと、ベットから起き上がった。
シンジ「マヤさん、もう寝たかな・・・・」
別に、マヤさんが寝ているなら安心して・・・という訳じゃない。
でも、なぜか気になった。
シンジ「マヤさん、寝てるよな・・・」
別に深い意味はない。だが、同居人が安らかに眠っているかどうか、確認したくなっただけだ。
シンジはそっと自室の扉を開けると、マヤの部屋に歩み寄った。
足音を忍ばせてリビングを横切るシンジの頬を詰めたい風がなでる。窓が開けっ放しになっていた。
シンジ「あ、閉めとかなくちゃ・・・・」
開け放たれた窓に近づいた時、シンジは、そこで取り入れ忘れた洗濯物が一枚残っている事に気づいた。
シンジは手を伸ばすが、その洗濯物が何であるか気づくと、動きを止めた。
洗濯バサミに挟まれたマヤさんのパンツ・・・。
シンジ「こ、これはこのままで・・・」
風が吹き、偶然にもマヤさんのパンツが洗濯バサミからずり落ち、床に落ちる。
シンジが慌てて拾い上げた時、背後で扉が開く音がした。
マヤ「ん、シンジ君・・・」
眠気まなこをこすりながら、パジャマ姿のマヤが声を掛ける。
マヤ「どうしたのシンジ君?」
シンジは慌てて、拾ったマヤのパンツを後ろに隠した。
シンジ「いえ、ちょっとトイレに。でも、窓が開いてたから・・・」
マヤ「そう。私もトイレに行きたいから、早く済ませてね」
シンジ「は、はい・・・!」
半分寝ぼけながらいうマヤに急かされ、シンジは手の中の物を隠したまま慌ててトイレに駆け込んだ。
シンジ「早く隠さないと」
とりあえず、手にもったマヤのパンツを隠し、後でマヤが寝静まった時に洗濯籠にでも戻そうと思うシンジ。
だが、困ったことに、シンジは短パンとTシャツ一枚の姿だった。隠すべきポケットも何もない。
シンジ「ど、どうしよう・・・」
焦ったシンジは、十数秒後、トイレの水だけを流すと
「じゃ、マヤさん、お休みなさい・・・」
と逃げるように自室に戻った。
いっそパンツを便器に流してしまおうかとも思った。でも、上手く流れそうにない。
だからといって、いつまでたってもトイレの中に篭っている訳にはいかない。
でも、パンツを隠す術がない以上・・・・。
自室の扉を閉じると、シンジはそれに背を預け、胸の動悸を抑えた。
シンジ「仕方なかったんだ・・・」
そう。あの状況からパンツを隠して脱出するには、方法はひとつしかなかった。
シンジはその場にヘたれ込むようにして座った。Tシャツの胸元を掻きむしるように抑え、短パンを握る。
消えたマヤのパンツは、その下にあった。
履くしかなかったのだ・・・。
シンジ「早く脱がないと・・・」
手が震える。
マヤさんへの罪悪感と焦燥感から、手が震える。
だが、慌てて短パンを脱いだ時、その震えが実は別の感情から来ている事に気づいた。
マヤさんのパンツを履いてしまった自分の姿に、胸の動悸がさらに激しくなる。
シンジ「マ、マヤさん・・・」
ダメだ!やっちゃダメだ!やっちゃダメだ!
必死になって理性を呼び起こし、自分の衝動に抗おうとした。だが、その理性に反して、シンジの片腕は暴走を止めようとしなかった。
途中で、その理性すらも消え、ただ興奮の中に没頭する。
数分後、シンジはティッシュ箱に手を伸ばした。だが、なんと言う事だろうか。中は空っぽだった。
シンジ「ダメだ。このままじゃ、マヤさんのを汚しちゃう・・・」
だからといって、一度荒れ狂い出した暴走は止まってはくれない。
シンジがぐったりと頭をもたげて、床に両手を付いた時、そこには穢れてしまったマヤのパンツが横たわっていた。
シンジ「どうしよう・・・マヤさんに嫌われちゃう」
こんな状態では洗濯籠に戻すことはできない。
いっそり窓から捨てようか?いや、ミサトさんみたいに下着のバリエーションも数も少ないマヤさんだ。直ぐに気づくだろう。そして、汚れ捨てられた下着を万が一発見してしまえば、どう思うだろうか?
じゃあ、マヤさんがいない時に洗濯してしまおうか・・・。いや、マヤさんとは毎朝いっしょに家を出ている。自分と同居をはじめてからは、ネルフの仕事も早々に切り上げて、僕が帰宅する時間に合わせてくれている。
マヤさんがいない時なんてない。
正直にマヤさんに言って謝るしかなかった・・・。
でも、潔癖症のマヤさんだ。絶対に許してはくれないだろう。
きっと汚い物を見るような目で軽蔑する事だろう。直ぐにでも追い出されてしまうのは目に見えている。
もう、マヤさんと暮らす事はできない・・・・。
そう思うと、シンジの頬に熱い雫が一筋、また一筋と走り出した。
シンジ「マヤさん、ごめんなさい・・・」
ベットに戻ったマヤは寝付けなかった。
さきほど灯りもつけずにリビングにたたずんでいたシンジ君の姿が脳裏から離れない。
マヤは気づいていた。シンジ君が慌てて何かを背に隠す仕草に。
シンジ君が慌ててトイレに駆け込んだ時、干しっぱなしにしていた下着が消えていた事に。
マヤ「やっぱりミサトさんの言う通りだったんだ・・・」
あくまで一時的な現象。女性の生理と同じようなもの。
そう自分に言い聞かせても、どうしても気になって眠れなかった。
マヤ「え・・・」
マヤは、また声を聞いた。だがそれは一週間前に耳にした息遣いではなく、すすり泣く声だった。
マヤ「シンジ君泣いてる・・・?」
マヤは起き上がると、一週間前のあの時と同じようにシンジの部屋の前で聞き耳を立てた。
何度もマヤに謝る声が、すすり泣きとともに聞こえる。
マヤさん、ごめんなさい・・・マヤさん、ごめんなさい・・・。
ミサトはいった。
「でも、その分、後で罪悪感を感じて苦しむ事があるから、その辺はちゃんとケアしてあげなくちゃね」
今がまさにその時だった。
扉をそっと開ける。汚れた下着を前に、小さな体を震わせ、すすり泣くイタイケな少年。
シンジ「マヤさん、ごめんなさい・・・」
しばらく黙って見つめていたマヤは、やがて手を伸ばすと、背後からそっとシンジを抱きしめた。
シンジ「え、マ、マヤさん!?」
蒼白な顔色になってシンジは、必死で目の前の光景を言い訳しようとする。だが、何もうかばず、ただドモリ、また涙が溢れ出す。
マヤは、シンジを抱きしめる腕に力を込めた。そして、やさしくささやく。
マヤ「いいの・・・全部分かってるから。男の子だもん、仕方のないことよね・・・」
両腕の中でシンジの小さな体が激しく震える。
シンジ「マヤさん・・・離して・・・僕汚い・・・」
マヤは離すどころか、かぶりを振るシンジの頭に頬を当てた。
マヤ「ううん・・・。汚くなんてないよ。だってシンジ君は、自分がやってしまった事に今凄く後悔してるんだもん。それはシンジ君の心が綺麗な証拠だよ」
シンジ「マヤさん・・・・」
マヤ「辛かったでしょう。ごめんね・・・」
またシンジが激しく嗚咽をこぼしだした。
それが羞恥心から出たものなのか、それとも誤解されなかった事に対する安堵感から出たものなのか・・・
それともマヤの優しさに対する返答だったのか、マヤには分からなかった。
だが、それが何であれ、マヤは全て受け止めるつもりだった。マヤは夜が明けるまで、少年の涙が差し込む陽光によって乾かされるまで、優しく抱きしめつづけたのだった。
はい、終わり。
汚れですまん。
ムシャクシャしてた、今は反省してる。
>>570 GJ! このくらいなら問題ないんじゃないかな、シンジの葛藤はイタイ程解るし…。
マヤさん母性的で優しいなぁ(*´д`)
まぁミサトのちょっち偏った性指導とシンジだからこそ許してあげたんだろうけどw
GJ!!
シンジに痛いほど共感してしまったw
>>570 これぐらいならぜんぜんOK。GJだよ。
だけど、これと321氏のと比べてみてやっと気付いた事がある。
セリフの前に人物名入れてないよ321氏w
それでも誰が言ったセリフか分かるのがわざとやってるならスゲエ!
321氏年明けて帰ってきた時はシンジの処理を見つけてしまったマヤさんをお願いします。
そうゆうのは苦手とか言われそうだけどw
>270 あなたが神か
どんなシンジだよWWWW
普通厨房のオナニーでも週1〜2回だろw
我慢しようと思えば2〜3週間はもつ
週1とかどんなED予備軍だよ
>>575 あんた女だろ?
女と違って男は、厨房の頃なら、一日数回はやるよ。
だから男は、それでいろいろ困ってしまった経験を持ってるもんだよ。
週一で済んだって方が信じられん。
VIP板の住人なんか三十代の奴でも毎日やるって言ってたよ。
ああごめん。
別に荒らすつもりとかでは全くなくて、ただふと思ったから書いただけです。
でも俺はマジで週一だったけど…これは俺が異端なのか…
うんうん、しかもマヤさんと同居してんだよ?
健全な男の子なら2〜3週間は無理だと思うけど…
マヤさんと同居していたら・・・2週間〜ものすごく頑張って3週間はオナヌーでなんとかなる
でも絶対下着とかこっそり漁っちゃうだろうな・・・orz
あ〜、471氏の続きも気になる。
同じベットで寝たシンジが、湧き上がる衝動をどうやって抑えるのか、すごく興味深い。
ここの職人さんはなかなかクオリティーが高めな件
>564
>478
オナニーの精子はティッシュじゃなくて
トイレットペーパーに出してその後トイレに流すとバレない。
ティッシュだと詰まることがあるけどトイレットペーパーが詰まることはないから。
今日はクリスマス・イヴだね〜……。
>>587 今日はお爺ちゃんの誕生日の振替休日だが?
まち
続き)
鼻歌を歌いながら、マヤは部屋中のゴミをポリ袋に集めていた。
今日は、燃えるゴミの収集日だ。一週間分のゴミを出勤前に集めておかねばならない。
「マヤさん、それ何の曲ですかー?」
マヤの鼻歌に、台所からシンジの質問が届く。
いま台所では、シンジが朝食を作っていた。
クマさんの絵をあしらったマヤのエプロンを付けて、フライパンを暖めている。
すでに、二つのお皿にはシンジが切ったサラダが盛り付けられていた。
夕食はヤマの担当。でも、朝食はシンジの仕事だ。掃除洗濯は代わりばんこ。
同居生活をはじめた最初の日に、二人で決めたことだ。
マヤは、もともと年上で保護者である自分が全て担当するつもりだった。
でも、「ミサトさんと同居していた時は分担していたから」と手伝いを申し出たシンジと、先輩からの「甘やかすよりは、本人の為になっていいんじゃないからしら」という声に、マヤは従うことにしていた。
マヤ自身、シンジと同じ年齢の頃には、家事を当たり前のようにこなしていたからだ。
「ええと・・・わかんない」
マヤらしい返事に、シンジの苦笑が聞こえる。
マヤは台所を覗き込み、シンジがまだ一生懸命目玉焼きを焼いているのを確認すると、
すばやくシンジの部屋に入った。手早く、ゴミ箱の中のものをポリ袋へと移す。
案の定、ゴミ箱には湿ったティッシュが入っていた。それを躊躇なくつかむマヤ。
男の子の匂いが少し鼻を突く。
昔のマヤなら、顔をしかめてしまっただろう。でも、今は違った。
顔をしかめるどころか、その一つをそっと鼻先へとかざした。
シンジの香りがする。
今のマヤにとって、その香りは、自分の腕の中で震えていた少年のイタイケな心を思い出させるメモリーだった。
一人で罪悪感に苦しみ、無防備な姿でおびえる少年。その少年を背後から抱きしめてあげた時の温もりが・・・・そして、温もりが広がるに連れ、震えが静まりだしたシンジの感触が、マヤの両腕に蘇る。
不思議と、マヤの目が潤んだ。
手にもったものをポリ袋に捨てると、マヤは袖で目元をぬぐう。
(大丈夫だよシンジ君。私は、シンジ君の味方だから・・・)
再びゴミ箱に手を伸ばし、ポリ袋へと移してゆく。
まだゴミ箱の底には、同じメモリーを宿したシンジのものが沢山眠っていた。
「シンジ君、今週も一杯出しちゃったんだね」
それはすでにシンジが、不安に駆られることなく、マヤに心を開いてくれている証拠のように思えたのだった。
その日の夜の事。
ベットの中で、シンジの部屋から漏れる声に耳を傾けていたマヤは、ふと思った。
(そういえば、あれって女の子もするのよね・・・)
潔癖なマヤには、それの経験はなかった。だが、朝のシンジの爽快な顔を思い出すと、興味が湧いた。
(私も、気分が晴れるのかしら・・・)
しばしの躊躇のあと、マヤは目を閉じると、先輩の顔を思い浮かべた。
美人でスタイルがよくて知的な憧れのリツコ先輩。その先輩が、自分の胸元へと手を伸ばす場面を想像する。その想像に従って、マヤはパジャマの胸元に自分の手を入れた。
「せ、先輩・・・・」
心地よい先輩の愛撫。やがて先輩はマヤを抱きしめ、マヤも先輩を抱きしめ返す。
湧き上がる切ない思いと共に、先輩のふくよか胸が薄い胸板へと変わり始める。想像の中で先輩を強く抱きしめ返している内に、先輩の体は縮み、ほっそりとした肢体へと変る。
そして、やさしい先輩の顔が、気づけばシンジの顔に変っていた。
でも、マヤは戸惑わなかった。それが当然であるかのように、強く強くシンジを抱きしめ続けた。
パジャマの胸元に入れた手が、腹部へと移動し、さらにその下へと伝ってゆく。
「はあ・・・ああ・・・」
翌朝、朝食が並んだテーブルに腰掛けたマヤの表情は、晴れ晴れとしていた。何か溜まっていたものを吐き出したかのように、すがすがしかった。
だが、その一方、なぜかシンジは寝不足のようだった。
マヤがシンジと同じ習慣を持ち出してから、少し不思議な変化が訪れた。
毎朝のシンジの顔がうかないのだ。どうやら寝不足のようだった。
「シンジ君、どうしたの?最近、眠れないの?」
マヤが心配して尋ねても、シンジは少し顔を赤らめて
「いえ、別に・・・・」
と素っ気無く答えるだけだった。
その態度にマヤは不安を覚えたが、ネルフでも、帰宅後の自宅でも、シンジは至って普通だった。マヤと打ち解けた様子で、気さくに話を交わしてくれる。
だが、次のゴミ収集日が来た時、マヤはハッキリとシンジの体に異変が起きている事に気づいた。
「すごい・・・」
いつものように、シンジのゴミ箱を片付けようとしたマヤは、息を飲んだ。
ゴミ箱からシンジのものが溢れていた。いつもの三倍もの量だ。
「やっぱり、おかしいわ・・・」
体調がおかしいのか?それとも・・・
(新しい力に目覚め始めている・・・?)
ウブなマヤには、そんな想像しかできなかった。
だが、だからこそ、シンジに問いただしてみなければ、気がすまない衝動に駆られた。
ネルフの年末休みは12月25日からだ。
今日は12月24日。ネルフから帰った後で、シンジと二人っきりでイブをお祝いする約束をしていた。確か、シンジはその後、何とかいうクラスメイトと遊びに行く予定だとか言っていた。
マヤは決意した。
「今夜、機会を見つけて、本人に聞いてみなくちゃ」
パーン!
クラッカーが鳴る。
テーブルの上に乗ったマヤの手作りケーキ。
パーティー用の三角帽をかぶったマヤが、クラッカーを手に、そのテーブルに腰掛けている。
「ハッピーニュー・・・じゃなくて、ハッピバース・・・・じゃなくて、あら?こういう時はなんていうのかしら」
マヤが首をかしげる。
「ジングルベル?・・・あ、清しこの夜!」
「マヤさん、それは歌ですよ」
マヤの向には、シンジが腰掛けている。
クリスマスを他人と祝うのが初めてというシンジは、愛想ではなく、本当に嬉しそうな笑顔を浮かべていた。
「えー、じゃあ何なの?」
「メリークリスマス!」
「あ、それいま言おうと思ってたのに!」
年代が一回りも異なる者同士。でも、マヤさんと一緒なら、シンジは退屈しなかった。
「それじゃあ、プレゼント交換!」
夜空に流れ星が一筋のシズクをたらした頃、マヤさんは初めて飲んだというシャンパンにすっかり酔っていた。
部屋の中は暖房が効き十分に暖かいのに、シンジは受け取った手編みのマフラーを首に巻きつけ、マヤさんの方を心配そうに見つめている。マヤさんの方は、シンジから受け取ったウサギのヌイグルミを抱きしめながら、何か一人でぶつぶついっている。
「恥ずかしがってちゃダメよ・・・マヤ」
「ちゃんと問いだ出さなくちゃ・・・」
さすがに、あれが三倍に増えていたから変だとか、そんな事を簡単に口にできるはずがない。だから慣れない酒の勢いを借りようとしたが、単に思考が定まらなくなっただけだった。
「マヤさん・・・大丈夫ですか?」
「ねえ・・・シンジ君」
「何です?」
「ほら、シンジ君のあれが・・・えーと」
シンジは肩をすくめると、立ち上がってマヤの手を取った。
「マヤさん、もう寝た方がいいですよ」
「寝る・・・・」
とたんに、マヤが両掌をパチンと合わせた。
(そうよ、寝不足の話!)
「コラ!シンジ君!」
人差し指をシンジに突きつける。
「ここの所、ずっと寝不足でしょ?なぜだか知ってるわよ!お姉さんはお見通しなんだから!!」
「え・・・」
シンジは顔を赤らめた。
「困ってる事があるはずでしょ!正直に仰い!」
しばしシンジは沈黙したが、肩をすくめると、元の椅子に腰掛けた。
「言っていいんですか・・・確かに困ってたんです」
「なら、ハッキリと仰い!」
畳み掛けるマヤに、シンジは観念したように、だが、恥ずかしそうに視線をそらしながらつぶやいた。
「こっちの体が持ちそうにないんで・・・その・・・」
「なーに?」
「マヤさん・・・ここのところ毎晩やってるあれ。もう少し声を落として欲しいんです・・・・」
「へ・・・?」
キョトンとするマヤ。
しかし、「マヤさん、最近溜まってるんですか・・・?」
というシンジの声に、ようやく理解できたらしい。
「え・・・もしかして・・・聞こえてた!?」
「丸聞こえです・・・」
すでにシャンパンのせいで紅潮していた顔が、さらに赤くなる。
そう。シンジの寝不足も、あれの量が増えたのも、全てはマヤのせいだったのだ。
「も、もうシンジ君のバカ!どうしてそいう事言っちゃうのよ!」
「え、だってお見通しって・・・はっきり言えって・・・」
ウサギのヌイグルミをシンジに投げつけるマヤ。
「そ、そういうのは私がやった時みたいに、背後からやさしく抱きしめて、諭してくれるべきじゃない!?」
マヤの寝室に忍び込み、憐れもない姿になったマヤを背後から抱きしめろというのだろうか。
「そ、そんなの無理ですよ!」
「もうシンジ君のバーーーーカーーーーー!!」
そのまま顔を伏せて、マヤは自室に閉じこもってしまった。
次の日、マヤは「ごめんなさい酔ってたから、何も覚えてないの」と言い訳をしたが、その日以来、ちゃっかりとマヤの寝室から声が聞こえてくる事はなくなっていた。
以上、誰かが遠まわしに「イブ」を絡めた話を掛けと言ってたので、急遽続きを書きました。
私のPCは2chに書き込めないようにロックされている為、ネカフェから書き込んでいます。
以降、仕事の都合でしばらく書き込みません。
全くお前という奴は…段々このスレのマヤさんの方向性が変わってきたじゃないか…
GJ!
俺はここから動かんぞ!!
>>597 これからもギリギリラインでお願いします
えろいw
でも一線は越えないんだなw
シリーズ化しないといじけるぞ、わしも動かんぞ。
GJ
パート1とパート2のスレは、誰か補完してないの?
正直、股間の紳士がエレクトしたw
同居してるお姉さんが、毎晩そんなことしてたら、そりゃ体がもたんわな。
毎晩って……マヤさんやりすぎw
同居人の綺麗なお姉さんが毎晩隣の部屋でアンアンしてたらそりゃオットセイも頑張りすぎるわw
この調子だと一線越えるのも時間の問題かと
いつかシンジの初号機が覚醒して、マヤのATフィールドが侵食されるのを考えるだけで……
ここから動かんぞ!!
611 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/28(金) 01:05:57 ID:LDPqf3TY
>>609 あくまでギリギリラインだから、一線越える事はないと思われ。
一線越えたとしても朝チュンで誤魔化せ!w
ネカフェに寄る時間ができた為、今年最後の投函。
行っきま〜す!
公園のベンチに腰掛けながら、シンジは冷え切った手に息を吹き掛けて暖めていた。
辺りには雪がチラツキ、人影もまばらだ。公園の時計が、朝の十時を指している。
シンジは、ベンチの横にリュックを下ろし、ケンスケとトウジが来るのを待っていた。
シンジの両手首には、オシャレなバンドが巻かれている。手を暖めながら、シンジはそのバンドをめくり、その下を覗き込む。
バンドの下では、手首が真っ赤にはれ上がっていた。まだジンジンと痛みが走っている。
手首のバンドは、おしゃれの為ではなく、この腫れを隠す為だった。
シンジの手首がここまで腫れたのは、使徒の仕業だ。
ここ一週間ばかりの間、シンジの同居人は使徒と入れ替わっていた。
シンジを衰弱死する為に送り込まれた恐るべき使徒。
シンジは、毎夜、その使途が奏でる旋律に苦しめられていた。
まるでシンジの元に睡魔が訪れる時間を見計らうかのようにして、毎夜奏でられる使徒の歌声。
その怪しい旋律が聞こえ始めると、シンジは両耳をイヤホンでふさぎ、ウォークマンのボリュームを上げた。頭の上に枕をかぶせ、掛け布団をひっかぶる。
(聞いちゃダメだ・・・!聞いちゃダメだ!)
そして、心の中で必死にあらがう。
だが、使途の恐るべき歌声は、シンジのウォークマンと枕と掛け布団の三重のフィールドをたやすく貫き、シンジの五感を侵食するのだった。
使徒の歌声は、アルファベットの「H」と「A」と「N」の単調な繰り返しに過ぎなかった。
しかし、それはシンジの心に張られたATフィールドすら揺さぶり、シンジの本能をたやすく支配した。
HA....A....N....AN..AN.....
(聞いちゃダメだ!聞いちゃダメだ!)
シンジの抵抗も虚しく、シンジの両腕が真っ先に使徒の支配下におかれる。
シンジの意に反して、右手が下腹部へと強制的に誘導され、左手が枕もとのティッシュへと伸びる。
シンジの生命エネルギーが・・・活力と精気が・・・一枚、また一枚とティッシュの中に包み込まれ、ゴミ箱の中に消えて行った。
使徒の攻撃は長いときで三時間にも及んだ。
しかも、ようやく攻撃が終わり、シンジの元に睡魔が復活しても、使徒が最後に発する一言が睡魔を打ち砕いてしまうのだった。
「ああん・・・シンジ君」
この一撃に、いったい何体の睡魔が沈黙したことだろうか。
使徒の攻撃が三日目に及んだ頃、既にシンジの右手首は大きく腫れ上がっていた。
シンジのか細い手首は、毎夜続く使徒の支配に耐え切れなかったのだ。
学校でケンスケに手首の腫れを見られた時は、焦ったものだった。
「シンジ、お前・・・その手首」
だが、
「お前、エヴァの操縦だけじゃなくて、軍事訓練まで受けてるのか・・・」
軍事オタクのケンスケは、違う解釈をしてくれた。
「・・・え?」
驚くシンジにかまわず、ケンスケは眼鏡をつまみ、覗き込むようにしてシンジの手首を観察した。
「拳銃を撃った時の反動で、よく手首を痛めるって聞くけどさ・・・すごいな・・・・」
どうやらケンスケは、射撃訓練のせいで手首を痛めたと思ったらしい。
「この細腕で、拳銃を撃ち続けるなんて大変だろ」
シンジは、それに合わせてうなずいた。少しぎこちなく。
「う、うん・・・そうなんだ。ここの所、発射しぱなっしでさ」
うん。嘘は付いていない。
ただ撃っている場所は、射撃場じゃなくてベットの中だけど。
右手に限界を感じたシンジは、次の晩からは右手を捨て、左手にバトンタッチした。だが、その左手とて、毎夜三時間前後にも及ぶ負荷に耐え続けることはできず、右手首と同じ運命をたどっていた。
ベンチの上で、シゲシゲと自分の手首を眺めながら、シンジはつぶやく。
「昨日、マヤさんに言えて良かった・・・ちょっと恥ずかしいかったけど」
マヤの性格から考えて、もう毎夜続いた歌声は止めてくれる事だろう。
あれだけ恥ずかしがり慌てたんだ。きっと使徒は去り、次の晩からは元のマヤさんに戻ってくれることだろうl。
(これが後一週間続いたら・・・きっと死んじゃってただろうな・・・・)
シンジはもう一度、公園の時計を見上げた。もう時間だが、まだトウジたちの姿はなかった。
冬休みに入る少し前。
教室の椅子に腰掛けるシンジの隣で、ケンスケとトウジが盛り上がっていた。
「男なら!」
「男なら!」
「一生に一度は冒険するべしや!」
「その通り!」
椅子に片足を乗せ、トウジがわめく。
「しかも、誰もが行けるような所やない!」
「そう!冬場のスキーなんて冒険じゃない!」
「山でもない!ましてや海でもない!誰も踏み出したことの無い未知の領域や!」
「冬休みは、その領域を俺たちで征服だ!」
どうやら二人で遠出にでる計画を立てているらしい。
右手で頬を付き、それをボンヤリと眺めていたシンジは少し羨ましく思えた。
(そういえば、僕は友達と遠出なんてした事はなかったな・・・)
「いいな・・・二人は」
思わず、それが口から出る。
途端に、トウジがシンジの肩をつかんだ。
「なに言うとんねや、センセも一緒にきまっとるやろ!」
「え・・・本当?」
「センセがおらな始まらんがな!なあ、ケンスケ!」
「当然だよ。友達だろシンジ」
もう片方の肩をケンスケがガシリとつかんだ。
「一緒に行くよな、シンジ?」
生まれて初めての、友達からの誘い。
「も、もちろんだよ!」
シンジは、思わず席から立ち上がった。
「よっしゃ!三人で冒険や!」
トウジの掛け声に三人は拳を振り上げ、シンジもつられてガッツポーズを決めていた。
トウジたちからは、一泊二日の旅程だという以外は、具体的な話は聞いていない。
行き先すら教えてはもらえなかった。でも、それはそれで楽しみだ。
「よう!センセ待たせたな!」
シンジが振り返ると、旅行鞄を片手にトウジが公園に入ってきた所だった。直ぐ横にはケンスケもいる。
「あ、トウジ、ケンスケ!」
生まれて始めての友達同士の遠出。期待と嬉しさが、シンジの表情にハッキリと溢れている。
シンジは慌ててリュックを肩にかつぐと、トウジらの元に駆け寄った。
「ほな、行くで!シンジ!」
「未知への領域へ出発だ」
「うん!」
「いざや、行かん!」
三人が顔を合わせ、声を合わせる。
「マヤさんの部屋へ!」
「ちょっと待てえ!」
途端にシンジの顔色が変わった。
「待てって、まだここにおるがな」
「そ・う・じゃ・な・く・て!マヤさんの部屋って・・・そんな話聞いてないよ!」
シンジに抗議にトウジとケンスケは、呆れたような様子で顔を見合わせた。
「聞いてないって、そりゃ言うてへんもんな」
「まったくだね」
どおりで、行き先を教えてくれなかった訳だ。
「ダメだよ!マヤの部屋なんて、そんなヨコシマな事・・・」
両拳を握り締めて抗議するシンジに、トウジとケンスケはまた顔を見合わせた。
「おいおい、ケンスケ。センセ何か勘違いしてるみたいやで」
「まったく、シンジも早とちりだな」
予想外の返答に、あっけに取られるシンジ。
「シンジ。俺たちはただマヤさんに試験勉強を手伝って欲しいだけなんだよ」
そういうとケンスケはベンチに腰掛け、鞄からノートパソコンを取り出した。
起動させ、予定表らしきものを表示させる。
「ほら、冬休み明けにテストがあるだろ。それをネルフの優秀なお姉さんに手伝ってもらおうと思ってさ」
どうやらシンジは勘違いしていたらしい。
変な想像をしてしまった自分が恥ずかしかったが、それ以上に、冒険がただの試験勉強だと分って残念な思いが込み上げてきた。
「なんだ、そういう事か・・・でも、冒険っていうから期待してたのに・・・」
ガッカリと肩を落とすシンジに、ケンスケは表示された予定表の一コマを指差した。
「ほら、保険体育のテストがあるだろ。テスト前に、ぜひとも実物のお姉さんで予習しときたくてさ」
「だから、ダメだって言ってるだろ!」
全然、勘違いじゃなかった。こいつらは初めからマヤさんが目当てだったんだ。
「シンジ!」
全力で抗議するシンジに、トウジがガシリと両腕をつかんできた。
「シンジ!俺らは友達やろ!」
「と、友達だからって言っても」
「いや、ただの友達やない!親友や!」
反論しかけるシンジの言葉を打ち消したトウジの目は、真剣だった。
「わいわ、お前に使徒から救われた事を忘れてへんのや!」
トウジの手に力がこもる。
「わいわ、お前とは親友以上の間柄・・・兄弟になりたいんや!」
「きょ、兄弟・・・?」
「そうや、なあ、ケンスケ!」
「うん、いわゆる穴兄弟って奴だけど」
「だから、ダメだって言ってるだろ!」
絶叫に近い抗議の声を上げた後、シンジは小声で付け加えた。
「それに・・・マヤさんとボクはそういう関係じゃないし・・・」
つかまれたトウジの腕を払いのける。
「嘘付け。同棲しとる癖に」
払いのけられた両手を自分の腰に当て、偉そうな姿勢でトウジがいう。
「同棲じゃなくて同居だよ!」
「ケンスケ!同棲と同居の違いはなんや?」
トウジの言葉に、ケンスケはノートパソコンから辞書機能を起こすと、定義をはじき出した。
「同棲。名詞。結婚していないカップルが一緒に暮らす事。同居。名詞・・・一つの家に二人以上の人間が住む事」
ケンスケはパタンとノートパソコンを閉じた。
「確かに、同棲と同居じゃ違うよな・・・」
そういいつつ、立ち上がって眼鏡を引き上げながら続ける。
「ただし、思春期の少年と大人の女性が“同居”する場合は、フラグが内在されるのが普通だよね」
辞書に載っていないケンスケの説明に、トウジはうなずいた。
「なるほど、つまりセンセは、冒険しようにもまだフラグが立ってない訳や。だからワシらにフラグを立てて欲しいと?」
「誰もそんなこと、言って無いだろ!」
「だから遠慮せんでも」
「ダメだよ!」
全く受け付ける様子の無いシンジの態度に、トウジは肩をすくめた。
今度はトウジの方がガッカリした様子で、ベンチに腰掛けた。
「分ったわい。センセがそこまで反対するんやったら止めや・・・せっかくの遠出の計画が、台無しやな」
「遠出じゃなくて、近出じゃないか。それにボクの場合はただの帰宅だし・・・・」
「じゃあさシンジ。代わりに三人で錬金術師ゴッコしないか?」
遠出(シンジに取っては帰宅)の話が消えてしまうと、代わりにケンスケが妙な話を振ってきた。
「錬金術ゴッコ?」
「アニメの“鋼の錬金術師”って知ってるか?」
「一応、知ってるけど・・・」
「じゃあ、等価交換の原則は?」
「知ってるよ」
「なら、話が早いや」
そういうとケンスケは、懐から一枚の写真を取り出した。
「これ、うちの従妹なんだ」
自慢げに差し出すケンスケの写真をシンジは覗き込む。
小学生くらいの綺麗な女の子が、ピースサインをしながらケンスケと一緒に写っていた。
「可愛いだろ」
素直にうなずくシンジ。
「この子をシンジに貸して上げるからさ。明日、マヤさんに錬金して・・・」
「そんな錬金術があるか!」
「おやおや、センセ。マヤさんとケンスケの従妹を独り占めする気か?悪いやっちゃな」
「等価交換の原則を無視しちゃダメだよ、シンジ君」
シンジは溜め息をつくと、軽くかぶりを振った。
どうやら二人は、マヤさんの家に招待してもらう事しか頭にないらしい。でも、シンジは二人を家に呼ぶ気にはなれなかった。
昨晩からマヤさんとは気まずい状態が続いている。そんな中で、余計なイベントを発生させたくはない。
「もう、帰るよ・・・・」
これ以上、トウジたちが絡んでくる前に、シンジは離脱する事にした。
せっかく楽しみにしていたのに、何ともバカバカしい話だ。
帰ったらマヤさんに何ていおうか。
シンジが二人に背を向けると、二人も「俺たちも帰ろうか」とつぶやいて歩き出した。
シンジの後に、二人も続く。
でも、良く考えたらケンスケもトウジも、家は反対方向のはずだ。
シンジは少し早足になった。トウジたちも同じく早足になる。
シンジは少し駆け足をした。トウジたちも同じく駆け足になる。
嫌な予感がする。
シンジは立ち止まると、カッと後ろを振り返った。案の定、二人がニヤニヤしながら付いてきている。
「ぼく、帰るんだけど・・・」
「うん、俺たちもシンジの家に帰るよ」
「センセ、俺の寝る所はソファーでええで」
瞬間、シンジは猛ダッシュした。
着いて来られてたまるか!!
時計の針がお昼を回った頃、シンジは歩道橋の上から、息を切らして周囲を見回していた。
道の並木の陰に、二人が隠れるのが見えた。
全然、振り切れていない。
「地元の人間、なめたらアカンでセンセ」
「しかし、トロイなシンジは」
ケンスケが双眼鏡を取り出して、シンジの様子をうかがっている。
(ダメだ・・・振り切れない。どうしよう・・・)
二人の姿を見据えながら、シンジは考えた。そして、突然、閃く。
ポンと手を叩いたシンジは、鞄から携帯電話を取り出した。
「あ・・・もしもし、ボクです。あの、ちょっとお願いがあって・・・」
二人に見つからないように屈んで歩道橋の手すりに隠れ、シンジは誰かと少し話し込んだ。
「よし!」
シンジは携帯をしまうと、ある場所に向かって駆け出した。
とあるマンションのとある部屋の前。
そこまでたどり着くと、シンジは用心深く辺りをキョロキョロと見回した。
幸いにも、トウジたちの姿は無い。
シンジは安堵すると、
「ただいま!」
の挨拶と共に扉を開けて部屋に入ってしまった。
「あの部屋や・・・」
マンションの向いの建物の陰に隠れながら、シンジの様子をうかがっていた二人。
双眼鏡を片手にケンスケが部屋の標札を確認する。
「伊吹・・・マヤ・・・標札に伊吹マヤって書かれてる!」
「よっしゃ!」
トウジがガッツポーズを決める。
「シンジの友達やいうて、あの部屋に押し掛けるぞ!」
「おう!」
二人はシンジが入った部屋の前まで行くと、改めて表札を確認した。間違いない。マヤさんの家だ。
直ぐにインターホンを鳴らす。
「は〜い、どなた?」
インターホンからお姉さんの声が聞こえた。再びガッツポーズを決める二人。
「あの〜、ボクらシンジ君の友達やねんけど・・・」
トウジが言い終わる前に、
「待ってたわよん。どうぞ入って〜」
てっきりシンジが入れるのを反対すると思っていたのだが、なんと、お姉さんの方から歓迎してくれるではないか。
「はい!喜んで〜」
喜んでケンスケはノブをつかもうとしたが、先に内側から扉は開かれた。
「は〜い、君たちがシンちゃんのお友達ね〜」
出てきたのは、華奢で可愛いマヤさんではなく、マヤさんよりも髪が長く背の高い女性だった。
シンジのかつての同居人、葛城ミサトだ。
「へ、ミサトはん・・・?」
「え、だってここ・・・」
驚いて標札を見直す二人。
ミサトはその標札に手を伸ばすと、ひょいと「伊吹マヤ」の札を外した。下から「葛城ミサト」の名前が表れる。
「シンちゃんから事情は聞いてるわよ。ああ、ちなみにそのシンちゃんは、さっき非常口から出てっちゃったけどね」
まんまとシンジに一杯食わされたらしい。
「す、すみません、ボクら間違えました・・・」
慌てて二人は立ち去ろうとするが、ミサトは素早く二人を両腕に抱えた。
「ちょ〜ど、ちょっち暇だったのよねえ」
「いや、でも」
ミサトの腕から逃れようとするケンスケ。
「いいから、いいから」
二人を両腕にだかえ、ぎゅっと引き寄せるミサト。
ミサトの豊満な胸が二人の背中に当たった。
「ちょっち、付き合ってくれるわよね〜」
背中に触れる感触に、顔を赤らめて抵抗を止めてしまう二人。
「べ、別にいいか・・・トウジ?」
「というか、こっちの方がええかも・・・」
二人は頷き会うと、そのままミサトの部屋へと引きずり込まれたのだった。
以上、ケンスケとトウジが童貞を脱出できた経緯(いきさつ)でした。
前回の投稿で、かなりスレの雰囲気が変わってしまった為、沈静化を目的に今回はエロを排除しました。
(ちなみに、私が目指すギリギリラインとは、“直接的な性的表現無し”“卑猥な用語無し”“本番無し?”です)
では、みなさま、良いお年を。
ちょっち姉さんwwww
二人が食われたwww
GJっす!
630 :
321:2008/01/02(水) 18:52:57 ID:???
皆さん明けましておめでとうございます。予告していた葛城家に掃除に行く話をどうぞ。
「ブザマを通り越して哀れね。」リツコは正直な感想をぶつけると、
「あん?まぁそうね、自分でも自覚してるわ。」予想に反して素直に応じるミサト。
シンジがマヤの所に住む様になり予想はできた事だが生活が苦しい。特に服装の乱れが酷かった。
「服装も皺だらけ、それに前にも言ったけど臭うわ。」
「認めるわ。あ〜もう、アスカもここぞという時にはやってくれると思ってたのに。当てが外れたわ。」
「そうじゃなくてあなたがやればすむ問題だと思うけど、まぁ期待するべくも無いわね。」
「そうよ、あたしには元々無理なの、解っててシンジ君を取り上げたんでしょうが。」
「人聞きが悪いわね、原因を作ったのはあなた。まぁある程度は予想していたけど・・・」
二人の会話は思ったよりも険悪ではない。周囲の男二人も胸をなでおろすが、
「要するにあの子がいけないのよ!」っと突然の大声、またかと思うが
「そうね、私からも始めの内に言っておくべきだったわ。」と同意の声が出て予想外の展開を迎える。
「あなたの生活が破綻する事は目に見えていた。でもそのことはシンジ君には解っていた筈だわ。」
「そうなのよ、それなのに何もしにこないってことはつまり、」
「言いたい事は解るわ、最近あの子機嫌が良いみたいだし、仲も良いみたいだわ。つまり、」
『二人だけで楽しくやっているってこと』「よね」「だわ」」声がハモる。
「気に入らないわ、ウチがあのせいでどれだけ苦しくなったと思ってるの!」
「私だって、予想外に仕事に響いているわ!」二人は同じ意見に達したらしい。矛先は今ここにいない人物に向かう。
「ウチにはご飯を作ってくれる人はいない、掃除も、洗濯も、ゴミ出しだって!それなのに!」
「定時には帰るようになる、残業は命じられない!私の仕事は増える一方!」
『すべてあの子のせいよ!!』再びハモる。それも両者とも自業自得の理不尽な理由で。
そもそも掃除も洗濯も家主のやるべきことのはずだ、それに定時に帰れと辞令を出したのは上司たる人物だ。
「あ〜もう!イライラするわ解ってるならシンジ君も掃除にくらい来れば良いじゃない!」
「まって!それ、それよ。良い事を思いついたわ。フフッ、これで少しは溜飲も下げられそうね。」
ギリギリシリーズ大好きです!
これからも期待期待w
「つまり二人で私の家の掃除の来いっていう訳ね。」うなずきながらミサトは話を聞く。
「そう、私たちが苦しいのもあの子達のせい、それには相応の罰が必要だわ。」目が笑っていないリツコ。
「罰って言うのも聞き捨てなら無いけどまぁいいわそれで、それだけじゃ収まらないわよ。」
「当然私もその程度じゃ収まらないわ、そこでマヤの弱点を付くの。」
「前に言っていた潔癖症だってこと?しっかり掃除してくれそうだけど?」
「あなたの部屋を見れば卒倒ものよ、でもそこじゃないわ、あの子はクモが苦手なのよ。」
「クモ?それぐらいの事で?はぁ〜んなるほど、そこでリアルなオモチャで・・・」
「そんなもの使わなくってもあなたの家には一匹や二匹いるでしょうが、・・・そうじゃないのよ、あのね・・・」
なにやら耳打ちをする二人、明らかなとばっちりを受けている二人を思い哀れむ男どもはあまりに無力だった。
「なるほど!それは知らなかったわ!ソレを買ってきて・・・」
「そう、一緒に食事すれば良いのよ。マヤも知っているはずだけどその時は油断しているわ。」
クックックっと女性から発せられたとは思えない邪悪な笑い声をあげる二人。逆恨みとは恐ろしいものだ。
一方そんなたくらみなど知らぬマヤとシンジは買い物を終えて家に帰宅していた。
「ただいまっと、それじゃ私が冷蔵庫に入れておくからね。」
「あ、じゃあボクちょっとトイレに・・・」そう言って用を足しに行くシンジ。
この家のトイレにはやさしい香りの芳香剤と、やや強めのスプレー型の消臭剤が置いてある。
スプレー型の方は同居後にあることがあってからマヤが買い足してきたものだ。具体的には・・・
「ん、今日も大丈夫ね。」っと用を足したあとのマヤ。彼女は女性にしては通じは良い方で毎日お通じがある。
女性特有のおなかの悩みとは無縁の生活を今まで送ってきたのだが、あるときから別の悩みができた。
それはマヤがトイレから出た直後にシンジが中に入ろうとしたときだった。
「まって!ダメ!今はダメ!」予想もしない一言にシンジは驚いた。
「え、でももれそうなんですけど!」やや切羽詰った様子のシンジだがマヤは譲れない。
「ゴ、ゴメンなさい、それでもあと5分、いえ、3分だけでも待って!」結局3分我慢して用を足したが訳が解らなかった。
消臭剤が置かれたのはその後すぐだった。
633 :
321:2008/01/02(水) 19:55:03 ID:???
後に自分のデリカシーの無さに気が付いたシンジだったがその後は自分も消臭剤を使うようになった。
一事が万事その調子でこの家は清潔さが保たれている。どこかとは大違いなのだが・・・
「そう、もう限界だからあなたたち二人に来てもらいたいのよ〜」愛想笑いのミサト。無論計画を実行する為だ。
特に断る理由も無いので了承した二人は次の休日に掃除に行く事で同意した。
ところが前日にシンジは今までに無い剣幕で分担を言い出した。
「マヤさんにはリビングとアスカの部屋とそのほか気になった所をやってもらいますから!」
「ちょっと待って、それじゃシンジ君の分担が多すぎるでしょ、それに、その・・・」
「正直に言います、ボクの分担先は絶対にマヤさんには見せられない状況になっているはずなんです。」
「で、でも女の人の家よ、そんなに酷くは無いだろうし、第一、え〜っと」
シンジはキッチン、トイレ、バスルーム、それにミサトの部屋をやると言って譲らない。
「あそこは女の人の部屋だとか思っちゃダメです。危ない所はボクがやります。絶対にマヤさんが考えているような
デリケートな問題じゃありませんから。」そこまで言われたら引き下がるしかないが、ちょっと気になるマヤだった。
そして当日、葛城家にやってきた二人は玄関で驚かされる。
家と言うものはそれぞれ独自の匂いを持っているものなのだが、それが明らかに”悪臭”なのだ。
既に青い顔をしているマヤ、前日彼に従って正解だったかもしれない。こうしてそれぞれ掃除に向かう。
なるほど確かに女性の部屋と思うのは間違いだったかもしれないと思うマヤ、一見しただけだがゴミが多い。
とは言え自分の分担は少ない、すぐに手を貸すつもりで掃除し、アスカの部屋をノックした。
「アスカ、いい?入るわよ。」
「いらないわよ!ここは私の部屋なんだから!」っと一悶着あったが結局掃除する。
「見える所だけじゃダメよ。ちゃんとカドの埃も取らないと。女の子なんだから。」やさしく諭すマヤに素直に応じた。
「フン、それくらい気にしないのに、でもいいわ掃除してもらってるのは私なんだし。」素直と言うほどではない・・・か。
手早く自分の分担を終わらせたマヤは手伝うつもりでミサトの部屋へ向かう。そこではシンジが声を上げていた。
634 :
321:2008/01/02(水) 20:20:34 ID:???
「だから下着を脱ぎっぱなしにするのも、服を布団でプレスするのも止めて下さいって言ったじゃないですか!」
普段の彼らしからぬ大声だ。それも内容があまりにもといえばあまりにもだった。
心配になって部屋を見ると、下着などをなんでも無い様に一纏めにするシンジとそれを見守るミサト。
もし自分の家であのようにされたら大声を上げかねないくらいぞんざいに下着を掴み部屋を片付けている。
「ここは近寄らない方がよさそうね・・・」そう思いキッチンへ向かう。ここは最後にする予定だったはずだ。
「・・・これ、なに?・・・」
所狭しと積み上げられたコンビニ弁当の入れ物とビールの空き缶。それに一匹のペンギン。もうどうにでもなれと
いわんばかりの光景、危ない所と言っていた訳が解った気がする。
それでも心を奮い起こして片付けに向かうマヤ、悪臭の根源を立ちたい一心でゴミを袋につめ汚れを落とす。
そうしているうちに大体片付き、シンジとミサトが何か話しながらやってきた。
「それじゃ夕食の買出しはお願いしていいんですね。」
「大丈夫、あ、マヤちゃん居たのね、そう言う訳で買い物にいってくるから。」
そう言い残してミサトは買い物に向かった。あとに残った3人の内アスカは手伝う様子も無く結局残ったバスルームは
二人で掃除した。その後ちょっとお手洗いを借りたマヤだったが彼が頑なに掃除を譲らなかった訳が解った気がした。
「ただいま〜!ジャ〜ン!見て見て、すごいでしょ〜!」
玄関でミサトの声がする。手にしているのは立派なカニだ。
「今日はみんなでお鍋にしましょう!作る方も簡単でいいでしょう。」
二人に気を使ってか簡単な料理を提案してくれた。もちろんもくろみの一環なのだが・・・
他の具材を切り分け用意するマヤとシンジ。ひたすら座って待つアスカ。カニミソにビールを入れる暴挙に出るミサト
それぞれに時間をすごし鍋は完成した。
「それじゃ、きょうはありがとね〜カンパーイ!」と音頭を取るミサト。それぞれにグラスをあわせ食事が始まる。
ミサトの目はマヤに向けられていた。ある程度食事が進みカニも食べている中でついに一言言った。
「そういえばカニとクモって同じ仲間らしいわね〜」語尾がわざとらしいがマヤは固まった。
ここでちょっと時間を空けます。それでは。
635 :
321:2008/01/02(水) 22:38:54 ID:???
>>632に名前を付け忘れていました、失敗失敗。では続き。
「知ってるわそれくらい。でも世の中にはタランチュラを食べる愛好家もいるぐらいだから平気よ。」っとアスカ。
頼んでもいないのに絶妙の追い討ちをかけてくれる。見る見るうちに青くなるマヤ。
「あれ〜どうしたのマヤちゃん?酔っちゃった?」っとわざとらしく心配するフリをするミサト。
しかしこの状況で本当に心配しているのはシンジだった。マヤがクモが苦手な事は良く知っている。
「マヤさん、あの・・・」
「大丈夫、私だってそれくらい知ってるから。カニ美味しいよね。」気丈に振舞うが笑顔がぎこちない。タランチュラが
予想外だったからだ。
「大丈夫なら、さぁ食べて飲んで、今夜は楽しく行きましょう。」作戦通りではしゃぐミサト。
やがて雑炊まで食べ終わり、後片付けをマヤとシンジがし終えると帰るのを見送る事にした。
「今日はご苦労様〜今度はいつ来てもらおっかな〜。なんちって。」ミサトのは冗談に聞こえない。
「掃除ありがと、でも私は自分の部屋くらいは掃除できるんだから。たまたまよ、たまたま。」あくまで強がるアスカ。
「お食事美味しかったです、また大変だったら呼んで下さい。」若干社交辞令の入るマヤ。
「こんな事なら大変になる前に呼んで下さい。初めて来た時と同じくらい酷かったじゃないですか。」これはシンジだ。
「まぁまぁ、だからこうしてお礼を言ってるんじゃない。本当にありがとう。じゃあ気をつけて帰ってね。」
「はい、葛城さんも、それでは失礼します。」こうして帰路に着く二人と見送る二人。
「いやぁ、アスカ!ナイスフォロー!あの一言は効いたわよ。」目論見が成功してゴキゲンなミサトだが、
「はぁ?ミサトなに言ってるの?」気が付いていないアスカに目論見を教えると、
「バカバカしい。そんな事で喜んでるなんてガキよ。大の大人が何考えてんだか。」と言いつつも心が痛む。
気が進まなかったとは言えわざわざ部屋を掃除してくれたのはマヤだったからだ。
「あ〜あ、こんな事ならシンジとあたしが逆だったら良かったのにぃ」聞こえるように言って部屋に帰ろうとすると、
「それはあたしのセリフってヤツよ。あんたも色々してくれれば・・・」とミサトが最後まで言う前にバタンとドアが閉まる。
「ま、今日はこんなとこかしらね。」こちらも部屋に戻る。
636 :
321:2008/01/02(水) 23:09:43 ID:???
一方帰り道の二人はこんな会話をしていた。
「マヤさん、カニの事本当に大丈夫でした?」
「その事なら平気、私だって知ってたって言ったでしょう、でもタランチュラを食べる・・・」また顔色が悪くなる。
「ああ、しっかりして下さい、マヤさんが食べる訳じゃないんですから。」
「そ、そうよね、うん、大丈夫。大丈夫だけど、やっぱり凄かったね。」
「へ?、ああ、ミサトさんの家の事ですか、確かにこの短期間にあれほどまで戻るとは思ってみませんでした。」
「話にはセンパイからも聞いてたのよ、でも誇張されてるとばっかり思っていたわ。まさか本当だったなんて。」
「ボクが居た時も大分苦労したんですけど、でも今日一日で終わってよかったです。」
「フフ、じゃあ定期的に行かないと大変な事になりそうね。」
「アスカがやればいいんですけど、やっぱりボクたちが行かないと、あ、今度からは一人で行きますから。」
「ダーメ、シンジ君葛城さんの部屋で何してたの?ほっとけないなぁ」
「な、なにもやましい事なんてしてませんよ。ミサトさんが服を脱ぎ散らかして・・・」
「下着も触ってたでしょう、やましくないなんて言わせないわよ。」
「勘弁して下さい、本当にそんなんじゃないんですって、見たんなら解るでしょう。」
そう言うシンジにそっと近づき手を取るマヤ。
「それでも、二人一緒に行きましょう・・・」
「マヤさん・・・」
こうして二人は家に着くと、改めて自分たちは清潔にしておいて良かったと思い知った。
そして翌日午後、大成功だったとつたえるミサトにリツコは当然と微笑むが内心は別のことを思っていた。
(シンジ君が性的にガマン強いのか、マヤが鈍感なのか、最初は早々に泣き付いてくると思っていたのに、
あの二人は予想以上に相性が良いのかしらね。でもこれからのトラブルも予想できるわ、その時はどうしましょうか)
フフフ、と笑いながら二人の今後を思うリツコ。この生活を押し付けたのは自分だ。だからこそ最後まで見守り、いつか
本心を打ち明けようと誓うのだった。
おしまい。
637 :
321:2008/01/03(木) 00:03:48 ID:???
皆さん、年末年始はいかがお過ごしでしょうか、私は12月21日以来の休みです。いや忙しかった。
もしかしたらこれを見ている皆さんの内どなたかがお買い物の際に店員として会っているかも知れませんね。
さて、しばらくの間続けてきたショートの投下ですがこれで一段落ついたと言うことでほっとしています。
見れなかった間にギリギリラインさんなど面白い作品を作れる方がいてこれからも楽しみです。
とりあえず私のはこれで完全に終結ですが、ちょっと含みを持たせている所もあるのでそれを説明します。
最後にあるリツコの本心ですが、実は3人で同居するつもりだったというのが真相です。
ここでそれを言う訳は、結局もくろみは外れ、二人は心の距離を縮めながら同居を続けるからです。
これは今の所これ以上形にするつもりは無いので皆さんで思い思いのシチュエーションを浮かべてください。
お題に答えられたのもそうやってこの二人ならどうするか想像した結果に過ぎませんから。
そして、本題のリツコの本心はどうなると読んでいたかというと、
マヤがシンジの自慰を目撃、泣き付いてくるマヤ、リツコがマヤの家に行き3人で一泊、女に走る二人、と来て
シンジにわざと目撃させる、口封じにリツコが相手をする、そのままリツコの家での同居を提案しそれに乗る二人。
結果として、ゲンドウに対する切り札を握り、男女両方の愛人を持ち、都合よく扱われている状況を終わらせるつもりの
一石二鳥どころか三鳥四鳥の計画だったのです。
えらく話が出来てるとお思いの方もいるでしょうが、これが以前
>>451でも言ったHPで公開していたSSの内容です。
なぜ方向転換したような投下ばかりしたかと言うと、ここが全年齢対象の掲示板で、二人の同居スレだからです。
二人は距離を縮めながら同居を続けると言う結果もそれに合わせてのものです。
違うものが出来て私自身はは喜んでますが、納得できない、その話が見たいと言う方もいるかもしれません。
ですが以前公開したものはやはり作り直さないつもりでいます。そのへんはご了承ください。
さて、およそ3ヶ月の間お付き合いくれてありがとうございました。また思いついたときは投下するかもしれません。
それとお題のおかげで作りやすかったと思います。お題を下さった方に感謝します。それでは321でした。
321さん、乙!
短編でいいから、たまに投稿して下さいな。
321さんは店員さんだったのか、年末商戦おつかれさま。
それにしても読み直してみると凄く話とキャラに統合性がありますね、コツがあったら教えて欲しい。
短編でこんなに安定感があるのはめったに読めないので終わりなのは凄く惜しいです。
かんたんなのでいいからできたらまたお願いします。それとすごく乙でした。
>>637 321さん乙!
エロ要素無しでここまで楽しめるのってやっぱ貴重だわ。即復活キボン!
321さん乙!
気分悪くされたら大変申し訳無いのですが、レズだと言われるマヤさんは苦手なので、シンジとほのぼのラストで凄く嬉しかったです。
相性の良い二人カワユスw
また短編期待してます!
642 :
321:2008/01/03(木) 20:58:48 ID:???
う〜ん、一応ハグレ話が2本だけあります、出し惜しみせずに投下しましょうか。
パイロット3人は今日もシンクロテストを行っていた。
「シンクロ率、3人とも安定しています。」っとマヤが言ったとたんにシンジの物だけ少し下がりもどる。
「最近目立つわね、この現象。何か原因が解ればいいのだけど。」リツコも困っている。
「いいんじゃない、ちょこっとだけだし、支障が出る程度じゃないんでしょ?」ミサトは楽観的だ。
「原因が解らないのは危険よ、どんなトラブルが起こるか、楽観は出来ないわ。」
「シンジ君、何か変わった事は無い?」マヤがたずねるとまた少し率が落ちて戻った。
「あれじゃない?二人の仲にエヴァが嫉妬してるとか。」からかうつもりのミサトだが、
「ありうるわ、あなたそういう所はカンが良いわね。」何かを気が付いたようにリツコは言う。
「え?エヴァって女の人なんですか?」調子外れにたずねるマヤにミサトは耐え切れずお腹を抱えながら、
「ちょっと、それは無いんじゃない、いくらなんでもアレは・・・」と言いかけた所にリツコは
「エヴァはMAGIともつながっているわ、元々アレはロボットじゃなくて人造人間、心が芽生えたとしても不思議じゃ無い
それにMAGIは私の母の人格を元にしている。女性と考えるのが自然ね。」サラリと嘘の仮説を唱えた。
「それじゃ本当にマヤちゃんに嫉妬してるって訳!?」
「確かめてみた方がよさそうね、マヤ、シンジ君にだけ聞こえるように何か楽しそうな事を言ってごらんなさい。」
「ええ!?え〜っとそれじゃ、『シンジ君今日の晩御飯は何にしよっか?』」すると過去最高のゆれ幅を見せた。
「どうやら当たりね、この現象はシンジ君の心の揺らぎだわ。」
「そういえば初めてエヴァに乗る事になったとき瓦礫からシンジ君を守ったわね、マヤちゃんヤバイんじゃない?
うっかり近づいたら嫉妬に狂うエヴァがひとりでに動いてプチッと・・・」
「そこ、無駄に不安を煽らない。そんな事は無いわ、でも原因が解ってよかった。」
実際はエヴァのコアたるユイが嫉妬しているのだろうがそこは最高機密だ。
「わ、わたしどうしたら・・・」不安になるマヤだが特にどうするわけでもない。原因も解り現状維持となった。
その後マヤはシンジと一緒にエヴァの前で自己紹介をした。それはまるで交際の許しを請う姿だった。
643 :
321:2008/01/03(木) 21:35:43 ID:???
2本目です。
「マヤさん、ゴメンなさい!!」誤るシンジの手には例の特製PCがあった。
「こうなっちゃったのは仕方が無いけど・・・」どうやらウィルスに感染しデータの一部を消されたらしい。
「”おかず”で検索したら妙な所に飛んで、そのまま止めればよかったのに、その、うっかり」
その間にもマヤはチェックを続けている、もちろんネットの閲覧履歴も。どうやらアダルト向けサイトに飛び、さらに
画像をチェックしようとしてセキュリティを自らはずし感染した様子だ。
「不潔。」シンジはギクリとした。マヤの口癖だとは聞いていたが実際に耳にしたのは初めてだ。
「あ、あのどうしてもその人の画像が見たくなっちゃって、あの・・・」ショートカットで童顔な女性の画像が浮かぶ。
一見すればマヤに似ている。どうやらそこが感染源だった。
「もう!これは私が直しておくから!でもセキュリティはしっかりしていたはずなのに!」
マヤは検索ワードなどにも制限をかけていたが彼女の性知識では実は穴だらけだ。今回のもそうだ。
明らかに怒っている様子のマヤだが、それはシンジに対してではなく、自分の網が破られた悔しさもあった。
翌日、マヤはネルフにPCを持ってきてリツコにお願いをしていた。
「つまりリカバリーにMAGIを使いたいのね。いいわ、10分ぐらいで終わるでしょう。」だが当ては外れる。
10分、20分、30分、1時間・・・2時間でようやく作業は終了した。あきれたのはリツコだ。
「まったく、手を加えるのはいいとしてセキュリティが強力すぎるわ、いったい何のためなの!」
「だって〜センパイ、それでも〜」
「はいはい、言いたい事は解ったわ。でもここまでやれば明らかに使い手の問題ね。」
「シンジ君も自分でセキュリティをはずしたって言ってました。今度こそ自分じゃはずせないように・・・」
「止めなさい、男の子にはよくある事だけど今回のはいい勉強よ、しっかり諭してあげなさい。」
「ハイ!二度とこんなことしないようにしっかり叱っておきます!」若干意思の疎通が出来ていなかった。
「はい、シンジ君データも元通り、だけど二度とあんなことしちゃだめよ!」
「すみません・・・ボクの為にしてくれた事のなのに・・・」反省するシンジに一言
「セキュリティは以前と同じ、でも、解ってるわよね!」あえて強固にはしなかった。
645 :
321:2008/01/03(木) 22:10:57 ID:???
「え、でもそれじゃ・・・」同じ失敗をしてしまうのではと不安になるシンジだがマヤは
「これ以上はあなたの心がけよ、コレを造った時にも言ったよね、どんな仕組みで動いてるんだろう?壊れた時は
どうすればいいんだろうって考えることが大切なのよって、これ以上は自分で管理なさい!」自覚してもらう事にした。
「わ、わかりました二度とこんな事はしません!!」シンジの返答に若干満足を覚えたマヤだがまだ一言あった。
「ゴホン、それはいいんだけど、今日調べてみるとこんなのが出てきたんだけど・・・」フォルダーを開いて行く。
そこにはロックのかかっていたはずのフォルダーが開いていた。中身はミサトやリツコたちから貰ったマヤの様々な
写真であった。制服、私服、水着、リツコと抱き合っているものなどなど・・・シンジは赤くなる。
「ブッ!そ、それは!何で?ロックしてたはずなのに!」あわてるシンジだが、
「私にかかったらこれくらい簡単よ!どういうつもりなのかしっかり聞かせてもらうからね!!」
どうもこうも無い、単に好意からの行動なのだが今日は何を言ってもいい訳だ。ひたすら謝るシンジ。
その姿を見るマヤもどことなく滑稽だと思いつつ、彼が自分に好意を持っていることに気が付き、照れくさかった。
おしまい。
これで完全にストック切れです。この2本は最後に投下した2本と時間軸と合わないので見送ったものです。
本当は間に入れるつもりでしたが私自身が忙しくって・・・まぁ形に出来てよかったと思っています。
さて私の話は以上です。本当はエヴァにはあまり詳しくなくて最低野郎なんですが、
意味が解る人はいるかな?そう言うことで今度こそ最後です。ありがとうございました。
GJです!!
フォルダーの中身を見られた時のシンジの気持ちが痛い程よくわかるww
647 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/04(金) 00:24:54 ID:VmC4KMcS
>>645 最低野郎ってことはボトムズですか?どの話も原作の雰囲気があるからてっきりエヴァファンだとばかり。
どちらにせよ見事でしたGJ!
それにしても
>>631と
>>644はわざと妨害してんじゃねーか?ってくらい邪魔。おまいらあやまっとけ!
>>642 > うっかり近づいたら嫉妬に狂うエヴァがひとりでに動いてプチッと・・・
とか
> その後マヤはシンジと一緒にエヴァの前で自己紹介をした。それはまるで交際の許しを請う姿だった。
とか短い中にもきっちり笑えるポイントがあって好きです。本当に乙でした。
作者語りがなければなおよし
俺は小説とかでもあとがきから読む派なのでそこも楽しみだった。
できれば他の職人もあとがきキボン。
>>647 FF投下中にはよくあることじゃないか。
本人達も悪気は無いんだろうし、マヤたんとシンジきゅんの様な広い心を持とうぜ。
このスレすごくいいけど、各職人さんの投稿が入り混じって、ちょっちみずらい。
こういうのは2chのスレ内で済ませるよりも、職人さんらが個別に投稿・保管できるサイトとかがあればいいんだけどね。
>>651 321さんが怒ってないみたいなのであんたにしたがうよ。
それにしても今後はどうなるんだろ?ほのぼの系に目覚めたのでできればそれ系の話が読みたいでつ。
職人さんできればひとつおねがいします。
ほのぼのいいねぇ
なんだかんだいっても二人はウブで潔癖なキャラだからな
露骨なラブラブやセクースはキャラ壊してる気がして俺苦手かも
655 :
ギリギリラインに挑戦:2008/01/04(金) 18:55:55 ID:O9sfnTI1
>>645 >本当はエヴァにはあまり詳しくなくて最低野郎なんですが、
実は、私もエヴァはあまり詳しくありません。
ユーチューブで断片的にエヴァの内容を見て、たまたまマヤさんの容姿が気に入ってしまいました。
んで、マヤさんで検索してたら、ここにたどり着いた次第です。
エヴァがリアルタイムで放送されていた時期は、私が高校一年くらいの時ですね。
でも、深夜放送だったので見ておりませんでした。(少なくとも私の地域では深夜放送でした)
当時は、私の友人もクラスメイトも周辺の人も、エヴァなんて知りませんでしたね。
放映が終わって一年後くらいに「エヴァ」の存在を知りましたが、
その時も、
“どうやら一年ほど前に「エヴァ」とかいうアニメが放送されてたらしい。しかも中年の人たちに人気らしい”
って程度の認識しかありませんでした。
マヤさんファンになってから、昨年は新劇場版を見てきましたが、
すでに私の年齢と思考が中年に差し掛かっているせいか、それとも断片的にユーチューブで見てたせいか、それほど感心しませんでした。
高校生時代にリアルタイムで見てれば、もっと感動できたんだろと思うと、すごく残念です。
(本当に、子供が見れない、昨今の深夜放送は止めてもらいたいものです)
でも、庵野秀明さんの作品は「ふしぎの海のナディア」ならば毎週欠かさず見ておりました。
ゆえに、次回投稿できる時間が作れた時は、
「ふしぎの海のナデァア」に登場した「サンソン」と「ハンソン」をエヴァの整備士としてゲスト出演させようとか考えていたんですが・・・。
(ストーリーはシリアスなのを)
でも、エヴァの世界観壊しちゃうかも知れないので、ちょっとためらっております。
以上、ネカフェより。
>>655 シリアスじゃなくて、ギリギリネタでお願いします。
(プラスほのぼのなら、なおよし)
前に投稿した事のある人間として言うけどほのぼの路線ってスッゲームズイぞ。それだけは確か。
普通にやったらまず間違いなく駄作になるね。ヤマ無しオチ無し意味無しの昔の意味のヤヲイになっちまう。
321氏が凄いのは短い話なのに’起承転結’がしっかりあること。それも1レスネタにまであるのはある意味異常だと思う。
投稿した事ある人間ならわかると思うが、1レスの文字数に制限があるから話を分けるのがあたりまえで、1レスネタで’起承転結’のある話なんてどんだけ短く作ったつもりでも普通に無理。
>>642なんかは俺が言うのもなんだけど最後はギチギチでちょっとカットしたんじゃないかと思う。違ってたらごめんなさいw
なんにせよ一言いえるのは、’起承転結’は基本だけど短編だと難しいってこと。
だから投稿された作品はありがたく読もうぜ。
オレ的には、
>>471さんがスゴく良かったんだが、もう続きは書いてくれないんだろうか?
深夜は映画のときの再放送で初回は夕方だったんだが放送外地域だったのかな
>>659 テレビ東京系列だったから、放送されなかった地域って結構あったらしいね。
661 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:28:51 ID:xUnvT3ds
ええと、今回はサンソンとハンソンをゲスト出演させる為の“試し投稿”です。
二人を知らない方は、ググって下さい。
あくまで二人を出演させる“切っ掛けを作る為の投稿“である為、今回はマヤさんの出番はありません。(というか、前回もなかったような・・・)
ギリギリネタもありませんが、どうかお許し下さい。
なお、試し投稿ですので、世界観を壊しているという批判があった場合は、以降、二人は登場させません。
でも、評判がよければ、たまに、マヤとシンジのお話に二人を“外野”として登場させようと思います。
では、スタート。
662 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:30:09 ID:xUnvT3ds
「きゃあ、シンジ君?」
「やだ、間近で見ちゃった可愛い〜」
「訓練してたんでしょ?お疲れさま」
エヴァを収納・整備する為の巨大フロア。
エヴァのパイロットが訓練を受ける施設とネルフのオフィスは、ここを挟んで隣接している。
シュミレーション訓練を終え、歩く度にカンカンと音が鳴る金属の通路を渡っていたシンジは、通りかかったネルフのスタッフに囲まれていた。
マヤさんと同じ年頃のお姉さんたちだ。
「シンジ君、私の事覚えてる?ほら、シンジ君が病棟に搬送された時に何度か会ってるんだけど」
髪の長い綺麗なお姉さんが、シンジに顔を近づけウィンクをする。
「名前はイコリーナ。ネフルの医療課だけマヤとは同期よ。よろしくね」
「私も、マヤと同期の・・・」
綺麗なお姉さんたちが、一方的に自己紹介を始める。だが、シンジは恥ずかしさに返事もできず、黙って顔を伏せていた。
可愛い少年パイロット。
ネルフでは、シンジの存在は何かと目立った。ネルフの中を歩いているだけで、スタッフのお姉さんたちが「可愛い」と黄色い声援を浴びせてくれる事も多い。
そんな時は、シンジはいつも赤面した顔を伏せながら、足早に去っていく事しかできなかった。
「あ、あの・・・」
シンジは、伏せていた顔を少し上げると、お姉さんたちを見上げた。
今日はマヤさんを迎えに行く約束だ。こんな所で時間を潰したくはない。
ハッキリと「急いでる」と言わねば。
「ああ、顔真っ赤〜。お姉さんたちが恥ずかしいのかな〜」
見上げた途端、お姉さんに顔を覗き込まれ、それ以上言葉が出せなくなるシンジ。
(う、う・・・どうしよう・・・)
663 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:32:35 ID:xUnvT3ds
「よう、シンジ!」
シンジが困り果てていた時、無機質のフロアに、高い男性の声が響いた。
その声にシンジは振り返る。正確には、その呼び声を口実に、顔を近づけるお姉さんから自分の顔を逸らす。
そして、呼び声と共に飛んできたキャンディーをキャッチした。
「新発売のオレンジ味だ。美味いぜ」
キャンディーを投げてくれたのは、エヴァの整備士やっているサンソンさんだった。
作業着姿に、トレードマークのサングラスを掛けている。
「おいおい、そこの娘さんたち、シンジをからかうのは止めときな。まだ用事があるんだから困ってるだろ」
サンソンさんのかたわらに立つ恰幅の良い人が、女性陣をたしなめる。
サンソンさんの相方、ハンソンさんだ。
「何よ、ちょっとくらいいいじゃないのよ」
女性たちは二人に向かって舌を出したが、彼らの言葉に「じゃあねシンジ君」とウィンクを残して、素直に立ち去ってくれた。
女性陣から解放されたシンジに、サンソンが親指を立てた。
サンソンとハンソン。二人は、シンジがここを通りかかる度に、いつも声を掛けてくれる気さくなお兄さんたちだ。
「シンジ、あの程度で照れてるようじゃまだまだだぜ」
大袈裟なジェスチャーを交えながら、サンソンが親しげに話し始める。
「女なんて惚れさせて何ぼのもんだぜ。オレッチが14歳の頃なんか・・・」
「コラ、サンソン。お前が足止めしてどうするんだよ」
「あ、こりゃすまね」
今度はサンソンさんが、おどけた様子で舌を出した。
「ほら、シンジ。シュミレーションの後は、事務所の方で報告とかあるんだろ。遅れて怒られる前に早くいきな」
「は、はい。あ、それと・・・・有難うございました!」
シンジは、二人に軽く会釈すると、足早に通路を渡って行った。
「しかし、サンソン・・・お前も変わったな」
シンジの姿を見送りながら、ハンソンはサンソンにつぶやいた。
「あん?何が」
「最初の頃は、シンジのこと嫌ってただろお前。シンジのこと、ずっとガキ呼ばわりしてさ」
その言葉に、サンソンは罰が悪そうな顔をした。
「ああ、その事かよ・・・」
664 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:35:45 ID:xUnvT3ds
そう。もともとサンソンはシンジを毛嫌いしていた。
サンソンが始めてシンジに声を掛けたのは、二度目の使徒襲撃の時だった。
無事、使徒を沈黙させてネルフに戻ってきたシンジに、サンソンは今と同じようにキャンディーを投げていた。
ただし、受け取ったシンジに向けた表情は、余りにも険悪なものだった。
「ガキは、飴でもなめてりゃいいんだよ。オレッチがせっかく整備したエヴァを無茶な使い方しやがって・・・」
「え・・・」
ミサトさんの命令を無視し、エヴァを停止にまで追いやってしまったシンジ。ふさぎ込んでいたシンジには、追い討ちだった。
キっとサンソンを一瞥し、小声で反論する。
「ボクだって、乗りたくて乗ってる訳じゃ・・・」
「ああ?」
そのささやきに、サンソンは腰に手を当てて顎を突き出す。
「聞こえねえよ、ガキ。それでも十四か?」
「よせよサンソン。まだ子供の身で重荷を背負わされてるんだ。可愛そうだろ」
サンソンの暴言を止めてくれたのは、相方のハンソンだった。
恰幅の良いハンソンは、シンジに近づくと肩をすくめて、そっとささやいた。
「すまねえな。あいつもともとエヴァのパイロットに憧れてた口でさ、自分が慣れなかったもんだからひがんでんだよ」
そういうと、ハンソンはかばうようにして、シンジを見送ってくれた。
後に知った話だが、サンソンは戦略自衛隊出身で空自の敏腕パイトットだったらしい。
ネルフで人型兵器が搭載されたという話に興味を惹かれ、ネルフに志願したそうだ。
人型の兵器を操縦するという、まるでアニメの主人公のような設定に、童心を激しく揺すぶられたのだという。
でも、エヴァの搭乗資格は、操縦の腕前でも明晰な頭脳でもない。ある条件を満たした少年にのみ限られている。
サンソンは、その条件については教えてもらえなかった。ただ、門前払いを食らっても戦自に戻る気になれず、そのまま整備士として働く道を選んでいた。
665 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:37:07 ID:xUnvT3ds
「あの時はよ。シンジの事を根性のねえ、臆病なガキだと思ってたんだよ」
足早に駆けてゆくシンジの姿を眺めながら、サンソンは苦笑する。
「でも、ヤシマ作戦の時、俺はあいつの根性を見たんだ」
ヤシマ作戦の時、サンソンは、現場でポジトロンライフルの最終整備を行っていた。
急ピッチで組み上げた巨大ライフルは、射撃時の過熱に耐えられるかどうかの保障はない。
だが、それに“腕前”という名の保障を付加するのが整備士の仕事だ。
スパナ片手に、ライフルの電力部から出てきたサンソンは、その小さなハッチを叩き付けるように閉じた。
そして同僚たちに聞こえよがしに叫ぶ。
「どうせ皆死んじまうんだ。せめて最後くらい整備士らしく本分だけはたしてやる!」
内部の最終調整は完璧だという意味だ。ただし、これが使徒を撃退してくれるという期待は込められていなかった。
「大丈夫だよ。あの子が何とかしてくれるさ」
「はあ?来るわけねえだろハンソン!十四のガキが、わざわざ死にに来るか?」
親友の言葉に、サンソンは吐き捨てるようにいう。
サンソンは、初めからシンジは逃げると決め付けていた。だからこの仕事も、自分の最後の仕事になるものだと考えていた。
当然だろう。どこの世界に十四歳の身で、こんな命懸けの作戦の真っ只中に立てる奴がいる?
あれほど、エヴァの搭乗を嫌がっていたんだ。今頃、新東京から脱出しているか、部屋に閉じこもって震えているかのどっちかだろう。
「ああ・・・でも、あの病み上がりの小娘なら来るかもな。もともと精気がねえ面してんだ。自殺するにはちょうどいいんじゃねえか?」
「サンソン!」
「うるせえ!」
溜まりかねてハンソンが叱る。
「サンソン!おま・・・」
だが、ハンソンの言葉は途中で途切れた。
視線をエヴァの方に走らせ、「あれ・・・」とサンソンに分かるように指差す。
666 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:44:05 ID:xUnvT3ds
ハンソンの指差す方向を振り返ったサンソンの目は、大きく見開かれた。
「おいおい・・・マジかよ・・・」
そこにはパイロットスーツに身を包んだ少年の姿があった。
滑り落ちそうになった帽子に手をあて、しばし呆然と眺めるサンソン。彼の視界に写っているのは、紛れも無くあの臆病な少年だった。
(来やがったのか・・・)
沈痛な面持ちでミサトから作戦を聞かされているシンジ。
サンソンは、黙ってその姿を見つめた。だが、シンジがいざ、エヴァに搭乗しようとした時、彼は叫んだ。
「クソがき!」
「あ・・・」
いつもの暴言に、サンソンの存在に気付くシンジ。
「クソがき!」
もう一度サンソンは叫んだ。
「俺はお前が気にいらねえ!」
慌てて止めようとするハンソンを手で制し、サンソンは続ける。
「だがな、良く逃げなかったな!俺が同じ十四だったら、ここにはいなかったろうよ」
サンソンの表情には、いつもの険悪さはなかった。
シンジを真剣な目で見つめ、
「シンジ、今回ばかりは俺たちの命お前に預けたやる!」
そう言い放ち、親指を立てる。
「使徒をぶっ潰せ!」
サンソンの予想もしなかった言葉に、シンジは驚いた。だが直ぐに、サンソンだけではなく、周囲の整備士たちが同じ目でシンジを見つめている事に気づく。そして、すぐ近くで二人の様子を見守っているミサトさんの目も同じである事に・・・。
(そうだ・・・ボク一人じゃなかったんだ・・・・)
押し付けられた使命。自分一人が命を懸けるように要求されている。シンジは、そう思っていた。
だが、サンソンの意外な言葉にシンジは気づかされた。この戦いは自分一人に押し付けられた運命ではなかった事に。
多くの人たちが新東京を守る為に命を懸けている。そして、自分が今、彼らの期待と運命を背負い、その中心に立っている。
シンジは、初めてその事を自覚した。
シンジはサンソンを見つめ返すと、
「はい!」
力強く返事をした。そして、親指を立て返す。
少しサンソンが笑顔を見せたように思えた。
667 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:47:18 ID:xUnvT3ds
「シンジは、見事、使徒を叩き潰しやがった」
腰に手をあて、感心した様子でサンソンはつぶやいた。
「オレッチが同じ十四の時なら、家で布団を引っかぶって震えているところだ。あの時、俺は嫌でも気付かされたんだ。一見、臆病に見えても、俺はシンジには根性じゃ絶対に勝てねえってな・・・」
「なるほど。確かにお前がシンジへの態度を変えたのも、ヤシマ作戦以降だったよな」
サンソンの回顧に、彼がシンジを気に入った理由を知り、納得げにハンソンはうなずく。
「でもよ、ハンソン。根性じゃ俺はシンジに勝てねえが、女に関してはオレッチの方が上だ。後二、三年もすりゃ、シンジにオレッチが女の一人や二人・・・・」
自慢げに言いかけていたサンソンが言葉を途切らせる。代わりに口笛を吹いた。
肘でハンソンを突付き、顎で通路の向こう側を指し示す。
「見ろよハンソン。すげー美人さんのお出ましだぜ」
見れば、通路の向こう側から、ファイルケース片手にしたマヤさんが歩いてきていた。
だが、そのマヤの元にシンジが駆け寄り、親しげに話し始めると驚いたらしい。
「え、シンジと知り合いか?」
「本部オペレーターの伊吹二尉だよ」
幾ら整備室から出る機会が少ないとはいえ、マヤの事を知らないサンソンに、ハンソンは肩をすくめて説明する。
「何でもシンジと同棲してるらしいぜ」
「ええ!?マジかよ!」
驚愕するサンソン。
「シンジもああ見えても結構やり手だぜ。以前は、あの作戦部長の葛城さんとも同棲してたって話だよ」
どうやらスタッフの間では、おかしな誤解が広がっているらしい。だが、それを誤解だと気付かずに、サンソンは自分の後頭部に片手を当てた。
「あちゃー、そっちの方でもシンジに負けちまったかよ・・・」
翌日、シンジが通りかかった時、「兄貴!兄貴!」という呼び声が聞こえた。
その声の主がサンソンである事と、自分の事を指していると気付いたのは、サンソンに突然肩を組まれた時だった。
「え、サンソンさん・・・?」
「よお、兄貴!」
「え、兄貴ってボクの事ですか?」
「兄貴は兄貴だろ?まあ、そう呼ばせてくれよ」
戸惑うシンジに、サンソンは照れくさそうに耳元に口を寄せると、ささやく。
「所で兄貴・・・良かったら、モテル秘訣ってのを教えてもらえると・・・有り難てえんだけどさ・・・」
668 :
ギリギリラインに・・(番外):2008/01/05(土) 13:48:03 ID:xUnvT3ds
以上です。
では、次回、投稿する機会があったら、ちゃんと「ギリギリライン&ほのぼの」を目指してみます。
しかし、一々ネカフェに寄らねばならんのは面倒ですね・・・・。
(2chに書き込めないようにPCをロックといいましたが、どうも私のIP自体が、2chでは規制対象になっている模様)
うわ・・・sage忘れてた・・・。
ああ、ダメだ・・・投稿してみてすごく後悔した。
試し投稿とはいえ、やっぱりスレの趣旨から外れすぎてる・・・OTZ
いや これからの展開によってはありと思いますよ
サンソンの方はオリジナルの味が出ていましたし
あと、上げる前にもう一度読み返すといいように思います
また、いちいちネカフェにいかれるのでしたら、●を買った方が安いかもしれませんね
ギリギリラインに挑戦さん!
素晴らしい作品をありが…………
パシャ……
ムスタファ・パシャ
劇場版
みんな好きなものに抱かれて溶ける
このスレのマヤさんなら補完の時には目の前にシンジが現れそうだな
概ね同意
マヤさんとらぶらぶになってしまったら
あの形での補完になるかどうかはなはだ疑問ではあるが
あのシーンはゴレンジャー・ハリケーンのパロディだからw
>>673 元は「アスカの日記」にて活躍していた職人ホリデイ氏の作品を見た住人が感動のあまり、感想途中で「パシャ」っと補完された為に「パシャ」=「素晴らしい・感動した」を表現する。
だから、良く…………………
パシャ………
ってことは俺の場合補完の時にマヤさんが来るかな
wktkwktk
>>670 乙。
批判はないようだから、これからも登場させていいんでね?
>>682 URLに日付出ちゃってるからなあ
もう少し上手く偽装しようよ
>>683 あ、オレの勘違いか……。
でもvipでも関連スレが立ってたんだけとな……。
その引用元のスレが存在しないと見た
普通リンクするよね
せめてきちんと釣ることが出来る程度には偽装しろw
こっちに持ってきてくれた人は本当に勘違いしたのかもしれないが、元ネタのほうが荒らしだな
みなさん、すみません。
なかなかネカフェに寄る時間が作れませんでした。
今も時間がない為、取りあえず「お正月編」の冒頭だけ投稿します。
>>671 >また、いちいちネカフェにいかれるのでしたら、●を買った方が安いかもしれませんね
PCは弟が管理してるので、余計なもの(特に2ch関係のツール)を勝手に入れたら怒られるんですよ。
大晦日の夜。
台所に一人立つマヤは、“おたま”を片手に首を傾げていた。
「う〜ん・・・」
火を掛けられた鍋は湯立ち、キッチンの上には、味醂と砂糖と醤油が並べられている。そして、パックの鰹節が封を切られて、少し散乱気味におかれていた。
「おソバって・・・つゆが命だっていうけど・・・・」
おたまで鍋からツユをすくい、それを小皿に移して口に含む。
また、マヤは首を傾げた。
「う〜ん・・・どうして違うのかしら・・・」
どうやら、おソバのツユが上手く作れないらしい。マヤはキッチンの柱に掛けた時計を見た。時計の針が十一時を回ろうとしている。
マヤは、チラリとリビングの方を覗き見た。
リビングには、今年の冬に新調した厚手のカーペットが敷かれ、その上にはローテーブル(洋風ちゃぶ台)と二人分のクッションが向かい合う形で並んでいる。
そのクッションを片手に持ち上げながら、今、シンジが掃除機を掛けている。
マヤは、シンジがこちらに気付いていない事を確認すると、
「う〜ん・・・・」
もう一度うなり声を上げつつ流し台の下にしゃがんだ。そして、そっと流し台の戸を開く。
マヤは、シンジに見つからないように注意しながら、戸の奥から何か二袋取り出した。
袋には、“ソバつゆ”という文字が印刷されていた。
マヤは素早く立ち上がると、もう一度シンジの方をチラリと注視してから、素早くお鍋の中のツユを捨てた。代わりに、市販のツユを入れる。
マヤの左足が、密かに隣のゴミ箱のペダルへと伸び、ゴミ箱の蓋が開いて閉じた時、空になったソバツユの袋は、既に流し台の上から消えていた。
「うん。これでよし!」
満足げにうなずくマヤ。
「は〜い。シンジ君お待たせ〜」
お盆におソバを二口乗せて、キッチンからマヤが出てきた。
その声に、シンジは掃除機の手を止め、部屋の隅へ片付ける。
「わあ、有難うございます」
「手製のおツユで作ったおソバよ。召し上がれ〜」
ローテーブルのクッションに、ちょこんと座るシンジ。
マヤがおソバをテーブルの上においた時、マヤのエプロンの胸元から電子音が鳴った。
胸ポケットから携帯を取り出すマヤ。どうやらメールが届いたらしい。
「あ、ソフィアからだ」
シンジの向い側のクッションに腰掛け、メールをチェックするマヤ。
直ぐに返信を打とうとするが、その前にやるべき事を思い出し、携帯をテーブルの上におく。
そして、先に手を合わせる。
「はい、シンジ君。いただきま〜す」
「いただきます」
二人でいただきますをすると、マヤはおソバをすすった。
シンジも「おツユがいい味を出していますね」と満足げにすする。
市販のおツユだとは気づいていないらしい。
除夜の鐘がまだなり三十も響かぬ内に、先にマヤがおソバを食べ終えた。
マヤは箸をおくと、シンジにたずねた。
「ねえ、シンジ君。初詣の予定はあるの?」
その質問に、最後の汁を飲み干そうとしたシンジの動きが止まる。
「やっぱり、例のお友達と行くのかな?」
思わずシンジは吐き出しかけた。
例のお友達とは、もちろんケンスケとトウジだ。
でも、数日前に、騙してミサトさんに押し付けてしまったばかりだ。今頃怒ってるだろう二人と、一緒に初詣なんてとんでもない。
シンジは何とか汁を飲み干した。
「い、いえ、誰とも初詣の約束はしてません」
「じゃあ、私たちと一緒に初詣行く?」
そいうとマヤは、携帯をかざして先ほど届いたメールを見せた。
メールの添付画像に、着物姿の三人の綺麗な女の人たちが写っていた。
というか、以前シンジをからかったお姉さんたちだ。
「綺麗な子でしょ〜。同期の子達なんだけど初詣に行く約束してたの」
ニッコリと微笑み、シンジの顔色を覗き見るマヤ。
「みんなシンジ君のファンだから、来てくれたら喜ぶと思うんだけど」
その言葉にシンジは顔を赤らめた。
綺麗なお姉さん四人に囲まれて初詣。嬉しい気もするが、やはり恥ずかしい。
何よりも、お姉さんたちに以前のようにからかわれるのは目に見えている。
「いや・・・ボクはいいですよ」
シンジの表情に、事情を悟ったマヤは「了解〜」と一言いうと、さっそく返信メールを打ち出した。
だが、送信ボタンを押した後、マヤは意外な言葉をシンジに続けた。
「じゃあ、シンジ君。除夜の鐘が鳴り終わる前に行っちゃおうか?」
「いえ、だからボクは・・・・」
折りたたみ式携帯をパチンと閉じ、ウィンクするマヤ。
「そうじゃなくて・・・・私と二人っきりでね」
何とマヤさんは、恥ずかしがるシンジの為に、同僚との約束を蹴ってくれたのだった。
はいよ。
時間がないので今日はここまで。普通すぎて済みません。
次は、初詣に出かけた所からはじめます。少しエロくします。
って、今週は忙しいので、もし投稿する時間が作れなかったらごめんなさい。
「お正月編」が終わったら、「ミサト」をクローズアップした話も載せる予定です。
(あくまで予定)
では。
すまんが、エヴァの世界に四季はない。年がら年中夏だ。
少なくともセカンドインパクトからサードインパクトまでの間は。
おお、よいですなぁ。
初詣イベントはいつでもわくわくする。
>>693 乙です。
前回の話で何人か補完されたせいか、過疎ってますな。
このスレ見てたら、一番好きなエヴァキャラがマヤさんになってた俺
安心しろ。実を言うとワシもじゃ!
もう一歩もこのスレから動かんぞ!!
はい、続き。
エロくするといいましたが、大してエロくありません。
ほのぼの系という事でご容赦を。
ゴーン、ゴーン・・・。
遠くのお寺から、除夜の鐘の音(ね)が聞こえる。
まだ年が明ける前だというのに、既に神社の中は参拝客で一杯だった。
「うわ、もうこんなに沢山来ちゃってるんだね」
その人ごみの中、シンジとマヤの二人が連れ添って歩いている。
薄手のジャンパーを着込んだシンジと、綺麗なオレンジ色をベースにした今風の着物に身を包んだマヤ。
シンジは歩きながら、ついついマヤの着物姿に見とれてしまっていた。
境内に向かう他の参拝客にぶつからないように気を付けながら、チラチラとマヤの姿を横目にみるシンジ。
だが、うっかり段差のある石畳に足を取られ、転びそうになる。
「ちょっと、シンジ君。大丈夫?」
「ああ、すいません。足元が暗くって・・・」
照れ笑いを浮かべるシンジに、マヤはそっと手を差し出した。
「危ないから、手つなごっか・・・」
マヤのやさしい言葉にシンジは一瞬ちゅうちょしたが、黙って差し出された手を握り返した。
お互いに頷きあい、互いの手をしっかりと握り締める。
恥ずかしくて、シンジはそれっきりマヤの顔を見る事ができなかった。ただ、本殿の方を見据えて歩く。マヤの手が離れないように気を付けながら。
辺りは雪がチラツキ始めていた。
だが、シンジとマヤの体は温かかった。握り締めあった二人の手元から広がる天然のカイロのお陰で。
体よりも頬の方が熱っぽくなるのが、ちょっと困りものだけれども。
階段を上がった本殿の入り口には、一本の綱が渡されていた。近くに白い神子と紺色の警備員が立っている。
警備員が急に無線機で話し始めた。神子も、自分の腕時計をチェックする。
ほんの数秒後、渡されていた綱が外された。
「はい、明けましてオメデトウございます」
神子さんの声を合図に、参拝客が本殿の前に流れ出す。遠くのお寺から百八つ目の最後の鐘の音が聞こえた。
「マヤさん足元気を付けて」
シンジはマヤの手を引くと、お賽銭箱の前にいざなった。
そこで固く握り締めていたマヤの手を離す。手を離すのは少し寂しかったけれど、マヤの温もりは、まだ手にシッカリと残っていた。
マヤが近くにいてくれるだけで、今夜は少しも寒さが気にならない。いや、むしろ暖かい。
二人がお賽銭を投げ入れると、シンジは鈴を鳴らすべく、鈴から伸びる綱に手を伸ばした。
ところがどういう訳か、シンジたちが立った所の綱は少し短かった。
163cmのミサトよりもずっと背の低いシンジは、手を伸ばしただけでは綱をつかむ事ができず、つま先立ちになって、背伸びをする。
(あと、もうちょっと・・・)
「わ!」
突然、シンジの足元が何かに払われた。バランスを崩し、お賽銭箱の中にダイブしてしまいそうになるシンジ。
「危ないシンジ君!」
マヤの声を背中に聞いた時、シンジは寸前の所で転倒をまぬがれていた。
(あ、危なかった・・・・)
だが、ほっと胸をなで下ろすよりも、自分を支えてくれたものの感触に、体が固まってしまう。
自分の胸元に回された二本の腕。それがシンジの体を支えてくれていた。背中に感じる柔らかい二つの感触は、後ろに転倒した時に備えたエアバックだろうか・・・?
いやいや・・・。
マヤに抱きとめられた事に気づくと、シンジはそれっきり動けなくなってしまった。
「大丈夫だった?シンジ君」
シンジの肩に顎を乗せて、耳元でささやくマヤ。
体に残っていたマヤの温もりが全身に蘇り、さらに加熱し、そのままシンジの顔から噴出しそうになる。
「い、いや、その・・・・」
心臓が激しく鼓動し、上手く言葉を探せなくなるシンジ。だが、マヤが次に取った行動に、その言葉すら失ってしまう。
マヤはシンジを抱きとめたまま、何を思ったのか、そのままシンジを持ち上げたのだ。
持ち上げられた瞬間、シンジは背中に触れる柔らかい二つのものが、自分の体重で押しつぶされるのを感じ取った。
思わず、その感触に集中する。
「ちょっと、シンジ君。はやく・・・綱!」
マヤの催促する言葉に、のぼせ掛けていたシンジは我に返った。そう。マヤはシンジに綱をつかませてやる為に、持ち上げてくれたのだ。
「は、はい・・・」
シンジは慌てて綱を取ると鈴を鳴らした。
「シンジ君。もういい?」
「もうちょっと・・・いえ、もういいです!」
思わず本音を言い掛けるが、少年とはいえ男の子の体重を持ち上げるマヤに申し訳がなく、そのまま下ろしてもらうシンジ。
マヤの両腕から解放された瞬間、シンジは直ぐに拍手を打ってうつむいた。火照(ほて)った顔を隠す為に。
(神様、有難うございました!)
いやいや、そうじゃない。ここは願掛けを・・・・。
(神様、またお願いします)
まあ、こういう願掛けでもいいか・・・。
「よし。シンジ君帰ろっか?」
お祈りが済むと、マヤは再びシンジの手を握り、
「それとも出店にでも寄ってく?」
と微笑みかけた。
「いえ、熱いんで、冷えないうちに帰りましょう」
まだシンジの顔は少し火照っていた。
抱きとめられ肩に顎を乗せられた時に、鼻腔に感じたマヤの香り。まだ、嗅覚にハッキリと残っている。
背中からは、あの二つの柔らかい感触が離れずにいる。その背中と再び繋いだ手元が熱い。
この温かみと香りと感触が消える前に、シンジは早く帰宅してベットの中で“あれ”を済ませてしまいたかった。
「え、暑いかしら・・・・?」
シンジの妙な言葉に、マヤは首を傾げて掌を空に向かって差し出した。
真っ白なマヤの掌に、小さな雪の粒が二、三落ちては溶ける。
「大丈夫、シンジ君?」
可愛く首を傾げるマヤ。
その様子が可愛くて、再び頬が熱くなるシンジ。
シンジは顔を伏せると「もう眠いし、帰りましょう!」とマヤの手を引いて駆け出した。
本殿を後にする二人。だが、階段を降りた所で、マヤが悲痛な声を上げた。
「シンジ君!ちょっと待って・・・」
シンジが歩を止めて振り返ると、マヤは蒼白な顔をしていた。
空いている方の手で、自分の腰帯の辺りを抑えている。
「どうしたんですか、マヤさん?」
「ごめんなさい。ちょっと来て!」
マヤはそう言うと、シンジを引っ張り、神社の通りから外れた場所に移動した。そして、人気のない納屋の陰へ隠れる。
「え、え・・・ダメですよ、マヤさん!こんな所で・・・」
慌てるシンジ。だが当のマヤは、シンジの背中を押し
「シンジ君は見張ってて!」
納屋の陰から追い出してしまった。
「ど、どうしたんですか?」
驚くシンジに、マヤは泣きそうな声で答える。
「さっきのせいで、下帯が外れちゃったみたいなの!」
どうやらシンジを持ち上げたせいで、下帯が解けてしまったらしい。
それを結び直す為に、人気のない場所に移動したのだ。
「いい、シンジ君!絶対に振り返っちゃダメだからね」
「は、はい・・・」
マヤの言葉に、緊張した様子で周囲を見張るシンジ。その背後で、下帯を解き始めるマヤ。
かすかに着物がすれる音が聞こえた。
「うわ、長襦袢もずれちゃってる・・・」
再び、マヤが泣きそうな声でシンジに告げる。
「シンジ君、絶対に振り返らないでね・・・」
そして小さな声でポツリと付け足した。
「下着付けてないんだから・・・」
シンジは、自分の真後ろでマヤが着物を脱ぎ出している事を想像すると、あらぬ衝動に駆られた。
ほんの少しだけ、振り返ってみたい。だが、その衝動を必死にこらえる。
今、そんなことをすれば、マヤさんは泣き出してしまうだろう。新年早々、マヤさんの泣き顔なんて見たくはない。
まだ朝日も拝まない内から、マヤさんに嫌われちゃうなんて最悪だ。
するすると下帯を解く音が聞こえた。という事はシンジの後ろでは、今、マヤが長襦袢一枚になっているという事だ。
いや、下帯を解いたせいで、少し肌が見えているかも知れない。
(振り返ったダメだ!振り返っちゃダメだ!)
シンジは生唾を飲み込んだ。
「きゃ!」
突然、マヤが小さく叫んだ。
「どうしたんですか、マヤさん!」
背中を向けたまま、シンジが驚いて問う。
「か、蛙が・・・きゃ!中に入って来ちゃった!」
「ええ?」
どうやらハプニングが起きたらしい。
「きゃ!やだやだ!し、シンジ君助けて!!」
マヤの助けを求める声に、シンジは一瞬だけ強く目を瞑ると、神様に祈った。
(前言撤回!神様、有難うございます!)
もう願いを叶えてくれるとは、何と気の早い神様だろうか?
「大丈夫ですか!」
思い切ってシンジが振り返った時、しかしそこにいたのは、とっくの昔に着付けなおしたマヤの姿だった。ちゃっかり、シンジに向けてアカンベーをしている。
「は〜い。残念でした〜」
どうやら蛙に襲われたというのは、冗談だったらしい。
「な〜んだ・・・」
思わず本音を口にし、ガッカリするシンジ。
「あれ、シンジ君・・・。もしかしてガッカリしちゃった?」
まったくその通りだ。
「そ、そんな事ないですよ」
「ええ〜、本当は振り返りたかったんじゃないの?シンジ君〜」
シンジの顔を覗き込み、からかうようにいうマヤ。
シンジは恥ずかしさの余り「もう帰ります!」とマヤから逃げるようにして、神社の通りに駆けて行ってしまった。
「もう、シンジ君。恥ずかしがらなくてもいいじゃない」
マヤはシンジの後姿を見送ると、神社の方に向かって手を合わせた。そして、本殿の前で祈った時と同じ願いを口にする。
「今年も、シンジ君と仲良く過ごせますように」
マヤの顔に、今年最初の満面の笑顔が浮かんでいた。
シンジは神社の通りまで戻ると、マヤを待とうと立ち止まり掛けた。
途端、タイミング悪く、誰かとぶつかってしまう。
「あ、すいません」
「あ、センセ・・・」
謝った瞬間、ぶつかった相手がトウジだと気付く。
「あれ、シンジか?」
ケンスケも一緒だ。
(うわ、どうしよう・・・)
数日前に、騙してミサトさんに押し付けたっきりだ。怒っているのは分かりきっている。
しかも、直ぐ近くにマヤがいるという最悪の状況だ。
シンジは、マヤが来る前に慌てて二人に頭を下げた。
「ごめん!」
頭を下げた瞬間、二人がシンジの肩をつかんだ。だが、二人から放たれたのは鉄拳ではなく、握手だった。
頭を下げるシンジの上体を起し、二人は左右からシンジの手を握り締めていた。
「センセ!有難うな!」
「シンジ!有難う!」
「ええ!?」
全く予想外の反応。
だが、からかっている訳ではないらしく、二人とも目に涙まで浮かべている。
「ちょっち、そこの二人。早くいくわよ〜」
本殿に向かう階段の所で、二人に声を掛ける女性がいた。
夜中だというのにサングラスを付け、毛皮のジャンバーとマフラーを身にまとっている。
葛城ミサトだ。
「は〜い、今参りま〜す!」
二人は手を上げると、もう一度シンジに有難うを述べて、ミサトの元に駆けていった。
その様子に驚きつつ首を傾げるシンジ。
一体、二人に何があったのだろうか・・・?
はい、終わり。
今回、これだけ書くだけで、四時間くらい掛ってしまいました・・・。
まいど、長くてすみません。
321氏みたいに、“一レス完結”の話も作れるようにがんばってみます。
私個人は、471氏の作品がすごく好きなんですが、続きは書いてもらえないんでしょうかねえ。
>>694 一応、パラレルワールドは四季ありって事で。次回、ミサト編では、パラレルワールドであることを強調するエピソードを入れる予定です。
登場人物らも、この世界がパラレルワールドだと承知しているって設定。
ちなみに、コンビニに出てるエヴァのカード付のお菓子。マヤさんカードほしさに買いまくってますが、カードの中では普通に四季がありました。
では、飯食べに家に帰ります。m(_ _)m
ちょwwwトウジとケンスケwww
GJです!!楽しく読ませてもらいました
乙です!
マヤさんに抱き止められるシンジ、羨ましい(*´д`)
いいですねぇ。
麻耶さんがちょっと積極的で意外。
相当に初心というイメージがあるので。
>>710 ギリギリシリーズでは、既に互いを夜の“オカズ”にしあった仲だからね。
eva2ではマヤ→青葉だった・・・
納得いかねえええ
リツコシナリオでは一線を越えることができると言うのに
>>712 >リツコシナリオ
リツコ婆とマヤさんが結ばれるの?
シンジがリツコに逆レイプされます
スレかなり落ちてるけど、大丈夫かな。
hoshu
―超良スレ―
行き付けのネカフェのホストが、なぜかアク禁になっておりました・・・・
現在、出張先のネカフェからアクセスしております。
ミサト編、一部だけ投稿しておきます。
「いったい、何なんだよ・・・」
ネルフのシュミレーション室。
深夜に呼び出されたシンジは、プラグスーツ姿で眠い目をこすりながら、仮想空間の画面を見つめていた。
ほんの一時間ほど前、ミサトさんから極秘任務があると呼び出されたのだ。だが、慌ててネルフに駆けつけてみれば、司令室にいたのはミサトさん一人だけだった。
何でも、誰にも話せない秘密の訓練を行うのだという。
シンジがボンヤリと画面を見つめていると、仮想空間に第三新東京の風景が映し出された。いつものように、周囲の建物が地下に収納されて行く・・・はずが、なぜか“一部の建物”だけが残された。
広大なグラウンドと化した新東京に、小さな建物が点在する。画面に、それら建物の位置を示す矢印が浮かんだ。
「何だろ、これ・・・・使徒じゃないよな」
シンジが眉をしかめた時、スピーカーからオペレーション室のミサトの声が響いた。
「シンジ君、いい?新東京の地理とその建物の位置をしっかりと頭に叩き込むのよ!」
肉厚の強化ガラスを隔て、高所に設けられたオペレーション室。
そこから見下ろすミサトは、訓練室の片隅にいる手伝いに無理やり呼び出した二人の整備士にも、スピーカー越しに叫ぶ。
「そこのデブとグラサン!今夜の特訓については、絶対に誰にも話すんじゃないわよ!」
なぜ、急にシンジは呼び出されたのか?
一体、何の訓練なのか?
それを話すには、時計の針を夕刻まで戻さねばならない。
夕刻を迎え、退勤時間が過ぎたネルフ。
仕事を終えたマヤは、女子トイレの前で立ち止まると、辺りをキョロキョロと見回していた。
誰にも見られないように気を付けながら女子トイレに足を踏み入れ、速やかに個室の扉を開く。
念の為、扉の隙間から再び周囲を確認した後、
「ふう・・・」
マヤは安心した様子で息を付き、便座に腰をおろした。
近頃マヤは、退社する時は決まってトイレに寄っていた。
用を足す事が目的ではない。それは彼女の手が、ロール紙や便座のコンソールに添えられず、衣服の中に差し込まれている事から明らかだった。
右手を上着の裾から胸に伸ばし、左手をスカートの下の下腹部に差し込んでいる。
シンジに咎められて以来、マヤは自宅での“あれ”を自粛し、ネルフのトイレで済ませるようになっていたのだ。
マヤは目を閉じると、初詣の出来事を思い出した・・・・。
お賽銭箱の前で、爪先立ちになって鈴の綱をつかもうとしていたシンジ君。
その小柄な体を目一杯に伸ばすシンジの姿を見た時、マヤは胸が高鳴るのを感じた。
(シンジ君・・・・可愛い)
マヤは今まで、他人に対して“抱きしめられたい”という妄想を抱いた事があった。特に、その対象はリツコである事が多かった。
右も左も分からない新人の頃、やさしく導いてくれたリツコ先輩。プログラミングの才能を買われてネルフのオペレーターにスカウトされた自分よりも、はるかに優秀で頼りがいのある尊敬すべき人。
その憧れの先輩に、「良くやったわ、マヤ」と認められ、ぎゅっと抱きしめられたいという妄想を幾度も抱いたものだった。
だが、シンジのアドケナイ後姿を見た時、マヤは生まれて初めて自分の方から”抱きしめたい”という衝動に駆られていた。
その衝動に押され、一生懸命に手足を伸ばすシンジの背中に、思わず両手を差し出しかけてしまう。だが、寸前の所で理性がそれを阻んでしまった。
(ダメよ、マヤ・・・あなたは保護者なのよ。抱きしめるなんて許されないわ・・・)
もし、陽気なミサトさんなら、抱きしめても冗談で済ます事ができるだろう。しかし、ウブなマヤには冗談で済ませる自信はなかった。
もし、今ここでシンジを抱きしめてしまえば、保護者としての資格は失われてしまうだろう。シンジもマヤの態度に驚き、拒絶するかも知れない。
(マヤ、手を出しちゃダメ!)
マヤは自分に言い聞かせ、湧き上がる衝動を思いとどめた。背後から差し出しかけた腕を引き、両手を胸元で握り締めて耐える。
保護者たる自分がシンジに手を出す訳にはいかない。それは許されない行為だ。
(でも・・・足ならいいわよね?)
そう思った瞬間、さり気なく差し出されたマヤの片足が、爪先立ちになったシンジの足元を払っていた。
「わ!」
何かに足を払われ、賽銭箱にダイブしそうになるシンジ。
「危ないシンジ君!」
そのシンジを助ける為に、マヤは背後から抱きしめた。
シンジの華奢な体が、自分の両腕の中にスッポリと納まる。シンジのサラサラの髪がマヤの頬に触れる。
思わず強く抱きしめたくなるが、マヤはそれを押しとどめた。そして、自分の行動に内心で言い訳する。
(マヤ、これは許される事なのよ。だって、セカンドチルドレンが危機に陥った時、それを助けるのが保護者の義務なんだもん)
そう。今シンジを抱きしめている自分の行為は、あくまで保護者としての義務だ。
これは許される事だ。マヤは、シンジの背中にピッタリと胸を押し付けながら、そう強く自分に言い聞かせた。
(あの時のシンジ君、可愛かったな・・・・)
シンジの肩に顎を乗せ、耳元で「シンジ君、大丈夫?」と囁いた時のシンジの火照った顔・・・。
マヤは今も忘れる事ができない。
初詣の出来事を思い出している内に、マヤの両手には、シンジと手を繋いだ時の温もりが蘇ってきた。その温もりを宿した両手が、今、自分の胸と下腹部をやさしく愛撫し始めている。
「はあ・・・・あん・・・シンジ君・・・・ダメよ、そんな事しちゃ・・・」
あ、間違えた。
>セカンドチルドレン
じゃなくて、サードチルドレンですね。
小一時間後、マヤはスッキリした顔でトイレを後にした。
「さあ、早く帰ってご飯の支度しなくっちゃ」
帰宅するべく、つかつかとネルフの廊下を歩く。
だが途中、その足音が少し多くなった事にマヤは気付いた。
ふと、背後を振り返る。
「わ、ビックリした・・・」
振り返ったそこにいたのはミサトだった。マヤの直ぐ後ろを歩いていたらしい。
マヤにニコニコした笑顔を向けている。
「ミサトさん残業ですか。ご苦労さまです」
ミサトの笑顔に不自然さを覚えつつも、マヤは笑顔で会釈した。
だが、ミサトはそれには応えずに
「ねえ、マヤちゃん。最近ネルフに妖怪が出るって噂しってるかしら〜」
妙な事を言いながら笑顔を近づけてきた。
「え、妖怪・・・ですか?」
ミサトは「そうなのよ〜」と言いつつ腕組みすると、わざと困ったような顔をして視線をそらした。
「退勤時間がちょっち過ぎた頃に、ネルフの女子トイレに変な妖怪が出るらしいのよねえ・・・」
そう言いながら、視線をマヤの顔に戻す。その目元には、明らかに怪しい笑みが浮かんでいた。
「へえ・・・トイレの妖怪ですか」
嫌な予感がする。
「その妖怪が現れると、誰もいないはずのトイレの個室から、お・か・し・な・声が聞こえてくるらしいのよ・・・」
「そ、それは怖いですね・・・・」
言いながら顔を覗き込んでくるミサトに対し、マヤはとぼけた表情で視線をそらしていた。
胸の動悸を隠すかのように胸元でファイルケースを抱きしめ、平静を装う。
だが、表情をわざと引き締めて人差し指を立てたミサトが、
「しかも、その妖怪が現れた後には、不思議な事に・・・・ショートカットの女の子がトイレから出てくる姿が、決まって見え・・・・あれ、マヤちゃんどうしちゃったの?」
そこまで言いかけた時、すでにマヤは顔を真っ赤にしてその場にうずくまってしまっていた。
赤面した顔を隠すように、頭を抱えている。
「あれ?マヤちゃんってば、どうしちゃったのよ〜」
悪戯な目で見下ろすミサトを、潤んだ目で見上げるマヤ。
「ミサトさん・・・・どうして知ってるんですか・・・」
その声は、消え入りそうなほど弱々しかった。
ええと、番組の途中ですが・・・・。
仕事があるので、とりあえずここまでです。続きは数日後に投稿します。
それまでに行き付けのネカフェのアク禁が解除されりゃいいんです。
ゆえに、PCの前で既に下半身を露出されている方は、速やかにズボンをお上げ下さいますよう。
ではでは。
前記の
>解除されりゃいいんです。
は、「解除されれば良いのですが」の間違い。
GJ
そうか、足ならいいのかw
>>726乙!
>ゆえに、PCの前で既に下半身を露出されている方は、速やかにズボンをお上げ下さいますよう。
ワロタwww
良スレage
マヤさんファンを増やす為さ
放送当時、年上だったマヤさんが、今や年下か……。
おつ
乙乙!
魔が差した、としか言えない。
脱衣所にあった下着を見てしまったからだ。
頭では判っているんだ。勿論。
マヤさんの下着だし、いつもなら何気なくスルーしていたのに…
だが、その白い布は僕を悪魔の道へと誘ってくる。
今日に限って何故…
落ち着こうと思い、大きく息をする。
その瞬間、甘美な匂いが鼻に衝く。頭の機能が一瞬停止した。
この衝動には耐えられなかった。
間が悪かった、としか言えない。
洗濯をしようと脱衣所に向かったのだけど…「ガタッ」っと物音がした。
シンジ君が居るんだとは思ったが、あんな光景を見るなんて。
扉の隙間から中を覗くと、確かにシンジは居た。だが、いつものシンジではなかった。
下半身を露出し、右手で股間の肉塊を擦っている。そして左手には白い布切れを持っていた。
私の下着!
ああ…確か昨日は遅く帰って来て、シャワーを浴びたっけ。
眠気に負けてすぐに寝たのよね…じゃなくて!
シンジはマヤのショーツの匂いを嗅いでた。
淫靡な香りを確かめる様に細かく息をする。
そんなに匂いを嗅いじゃだめぇ!昨日は研究室を行き来していたから汗を掻いて臭いのに…
「マ、マヤさん…」
名前を呼ばれた。そう、シンジ君は私を女として見ていた。そして性欲の対象としても…
そして今度はショーツを裏返し、クロッチの部分を舐め始めた。
そこはマヤの女の部分が当たる所。入念に舌を這わせる。
ダメッ、そんな恥ずかしい所舐めちゃ!
そう思った時、体が変化を起こし、下半身に違和感を覚える。
恐る恐る自分の恥丘に手を伸ばしてみる。
そっと触れたマヤの秘唇は、くちゅくちゅといやらしい音を立てる。
二つの花びらの奥からは淫蜜が滴っていた。
そして、恥肉に触ってしまった手はもはやその場所を離れない。
シンジの手淫に体が反応していた。
ああっ…こんなのって…こんなのって…
頭で駄目だと判っていても、シンジのリビドーを消化する行為から目が離せない。
マヤもリビドーを掻き立てられ、貪る様に膣内を指で刺激する。
そして、シンジの行為はエスカレートする。右手の動きが速くなってきた。
舐める行為を止め、今迄舐めていたショーツを亀頭に宛がう。
肉棒をショーツで覆うと、激しく右手を動かし始めた。
私の下着に射精する気なんだわ…
顔が険しくなってきた、もう射精するのね?良いのよ、思いっきりぶちまけて!
シンジは腰を突き出しショーツを亀頭に密着させると、ザーメンを一気に放出した。
ああっ!出てる!私の下着に射精してる!シンジ君、私もイクっ!
膣内を掻き回していた右手の指を激しく動かし、左手で秘芽の皮を剥き刺激を与える。
快感の波を一気に引き寄せて、体をブルブルと震わせ、頂点へと押し上げた。
その快感に頭が真っ白になる。
やっちゃった…
腰を落として余韻に浸ると、罪悪感が湧き出てくる。
自慰だけでも寂寥感を伴うのに、シンジの自慰行為を見ながら果ててしまう自分に背徳感を覚えた。
その他にも今迄に感じた事の無い感覚が芽生える。だが、それを自覚する前に変化が訪れる。
「ガラッ」
目の前の扉が急に開く。余韻に身を任せ、ボーっとしている所にシンジが現れる。
「…マヤさんっ!」
「シッ!シンジ君!」
魔が差しただけ。反省はしてない。
つまらなかったら終了する。
ここでは18禁ネタは板違い。
ギリギリライン氏ですら、放送禁止用語は使ってないんだからさ……。
書くんだったら15禁くらいにまで下げて。
エロパロでやったら大喜びされる。てか俺がする
742 :
ギリギリラインに挑戦:2008/01/27(日) 22:53:40 ID:avlLUuMm
やっと続きが書き終わった。
後は、どうか規制が解かれていますように・・・。
テスト
>>725の続き(sage忘れてた)
「そりゃ、私も直ぐ隣で・・・じゃなくて、私を誰だと思ってるのよ。ネルフの中の事は全てお見通しよ」
そういうとミサトは、恥じ入るマヤの手を取って立ち上がらせた。
そして妖艶の笑みを浮かべながら、
「もうマヤちゃんてば・・・溜まってるんなら私に言ってくれればいいのに・・・」
マヤの肩に腕を回し、太ももを絡めようとする。
だが、マヤは赤面したまま消え入るような声で
「そ、そんなんじゃないんです。これには深い訳が・・・・」
と、ミサトを軽く押し退けた。
「深い訳って何なのよ?」
「じ、実は・・・・」
説明しかけるが、恥ずかしくて言葉が続かないマヤ。
「実は?」
だが、ミサトが再びマヤの肩に腕を回しながら問いかけると、止むをえず事情を話した。
「カクカク・・・シカジカという訳なんです・・・・」
うつむいたまま、羞恥心に堪えながら事情を説明するマヤ。
「わ、私もう晩御飯の支度しなくちゃいけないので・・・」
そして、これ以上ミサトに絡まれる前に立ち去ろうとするが、その後ろ襟をミサトにムズンとつかまれてしまう。
「いやいやいや、訳分かんないわよ。何よ“カクカクシカジカ”って。新種の鹿の名前?」
上手く誤魔化せると思ったが、どうやらミサトには通用しないらしい。
マヤは溜め息を付くと、正直にクリスマスの出来事を話し出した。
自分の“あれ”のせいで、シンジの夜の仕事が増えてしまった事と寝不足が続いた事を・・・。
話している内にマヤの頬がさらに紅潮し始めるが、それに反して、なぜかミサトの表情からは妖艶さが消え始めた。
代わりに、怪しく細められていた瞼(まぶた)が大きく見開かれる。マヤが話し終えた時には、ミサトは唖然とした表情で立ち尽くしていた。
「ミサトさん・・・?」
返事がない。
「あ・・・本当に晩御飯の支度があるので、失礼します!」
その隙に、マヤは一礼すると、足早に逃げ出してしまった。
その後ろ姿を呆然と見詰めながら、ミサトは喉の奥から絞り出すようにして、独りつぶやいた。
「あんたたちってば・・・もう、そういう会話しあえるくらい親密な仲だった訳・・・?」
どうもミサトは、妙な部分に注目したらしい。
数時間後、既に閉まった食堂のテーブルに突っ伏したミサトの姿があった。
テーブルの上には、なぜか食堂では売られていないはずの缶ビールが数缶転がっている。その缶の一つを握り締めて突っ伏すミサトは、どうやら酔いつぶれているらしい。
近くの別のテーブルには、こちらは残業を帰りの日向マコトが腰掛けている。食堂の自販機で買ったコーヒーを啜りながら、心配にチラチラとミサトの様子を見守っている。
だが、絡まれると困る為、声までは掛けようとしなかった。
テスト
マヤに驚愕の話を聞かされた時、ミサトは大きなショックを受けていた。
(まさか、マヤちゃんに先を越されちゃうなんてねえ・・・・)
酔った頭の中で、恨めしげにつぶやく。
シンジが始めて使徒と戦い、傷付き、病棟に搬送されたあの日。
病室のシンジを迎えにいったミサトは、シンジの憂鬱な様子を見かねると、シンジの精神状態を理由に自分が引き取ると申し出た。
ほっておけないという気持ちがあった。そして、それを口実に穢れの無い少年を食えるかも知れないという期待があった。
だが、同居生活を始めた初日、風呂上りのシンジの裸体を目の当たりにしたミサトは、考えを改めた。
(あと、二、三年は待った方がいいかしら・・・)
その日の内に襲うつもりでいたミサトだったが、まだシンジのそれは幼すぎたのだ。
シンジが育つのを待ちながら同居生活が一ヶ月ほど続いた時、リツコが急に、シンジの保護者をマヤに変更するという提案をした。
ミサトは反対しなかった。
マヤが相手ならば、万が一にも間違いを犯す恐れは無い。それどころか、二、三年後にシンジが異性に目覚めた時、それに興味を持たないマヤと同居していては、彼は欲求不満に駆られてしまう事だろう。
その時、「やっぱりボクは、ミサトさんの方がいいです!」と自分の下に戻ってくるのは目に見えていた。
その瞬間こそが、シンジを頂く時だ。
「でもねえ・・・まさか、二人がそんな仲になってるとはねえ・・・」
元気の無い酔い潰れた声で、ミサトはつぶやいた。
テーブルに突っ伏したまま、ぶつぶつと続ける。
「だってほら・・・マヤちゃんてば、レ・・・何とかじゃない・・・」
「日本語でいう所の・・・お花の名前・・・」
「だから絶対に大丈夫だと思ってたわけよ・・・・それなのにねえ・・・・」
「ああ・・・・マヤちゃんに渡す前に食べとくんだったわ・・・」
酔ったミサトの聴覚に、食堂の冷たい床を誰かが踏む音が消えた。
それが直ぐ近くまで来ると、足音に代わって女性の声がする。
「あら、ミサト。貞子の物真似かしら?」
またビールなんて持ち込んでるのね、と嘆息する息遣いまで聞いた時、ミサトはむっくり頭だけ起した。
視線を見上げ、白衣姿の女性を確認する。
「あら、リッちゃん」
「誰がリッちゃんよ!」
「いいじゃない、リッちゃんで。その代わり、私の事はミッちゃんって呼ばせて上げるからさ」
「結構よ」
「じゃあ、ミサトお姉様」
「私の方が年上でしょうが!」
そういいながらリツコは、ミサトの向い側の席に腰を下ろした。
「どうしたのよ、ミサト。随分とへこんでるみたいだけど」
何でもないわよ〜と、ミサトは再び頭をテーブルに突っ伏したが、ふと思って顔を上げた。
「そういえばリツコ。何でシンジ君の保護者を私からマヤちゃんに変更しちゃったんだっけ?」
そういえば、なぜ変更したのだろうか?
保護者をマヤに変えると聞かされた時、ミサトは二、三年後に舞い戻ってきたシンジを食べる事しか頭になかった為、ちゃんと理由を問わずにいた。
「それはアナタと同居してちゃ、成長期の少年には、いろいろ問題があると思ったからよ」
問題があるとは、どういう事だろうか?自分がズボラな生活を送っているせいで、悪影響を及ぼすという意味だろうか?
「ん〜じゃあ、私が私生活を正せば、もう一度シンジ君の保護者になる事も可能なわけ?」
「そうじゃないわよ・・・」
リツコは嘆息すると、はっきりと言い切った。
「アナタと同居してちゃ、あの子の貞操が危ないと思ったからよ」
「何よ、それ!」
リツコの言葉に、ミサトはガバリと起き上がった。抗議するように拳でテーブルを叩く。
「私が、未成年に手を出すとでも思ってるわけ!?」
既に、シンジの友人二人(未成年)に手を出しているが。
「根拠もなしに、そんな疑いを掛けられてただなんて心外だわ!」
だが、ミサトの抗議にリツコは冷ややかな視線を向けた。
「あら、私が何のリサーチもせずに、そんな判断を下すと思うのかしら?」
「な、何よ。証拠でもある訳・・・?」
ミサトの言葉に、リツコは臨席においた鞄から小型のノートパソコンを取り出した。
それをテーブルの上において起動させる。
「ちょうど、今持ってる所なのよね」
そして、ノートパソコンに続いて、鞄の中から青い包みを取り出す。
青い包みには、“TSUTAYA”というロゴが入っていた。
ミサトは嫌な予感がした。
「確か、第弐拾参話だったかしら・・・」
包みの中から一枚のDVDを取り出すリツコ。
ミサトがギクリとする中、リツコはそれをノートパソコンに入れると、動画を起動させ、ある場面まで早送りする。
ストップを押し、リツコはノートパソコンの画面をミサト側に向けた。
身を乗り出し、「これは何かしら?」と動画を再生させる。
画面には、ベットに寝そべるシンジと横に腰掛けるミサトの姿が映し出されていた。
ノートパソコンのスピーカーから、ミサトの声が響く。
“シンジ君…今の私にできるのは、このくらいしかないわ…”
ミサトの表情が引きつった。一気に酔いが失せてしまったようだ。
「これは・・・何をしようとしてたのかしら?ミサト」
「い、いやあねぇ・・・リツコ」
リツコの冷ややかな質問の声に、ミサトは無理に笑顔を作って片手を振る。
「これは、ほら。落ち込んでるシンジ君に寄り添って上げようとしてただけじゃない・・・ね」
ミサトの言い訳に、リツコは片眉を引き上げた。
「そうかしら?私には、同情する振りをして、少年を食べようとしている場面にしか見えないんだけど?」
「そ、そんなブァカな・・・あははは。それに結局何もしてない訳だし・・・」
しばしリツコは、ミサトを無言で見詰めたが、
「まあ、確かにこれは未遂だわよねぇ・・・」
と告げると席に掛けなおした。だが、ミサトがほっと胸をなで下ろす前に、青い包みの中からDVDをもう一枚取り出した。
「でも、これはどう言い訳するつもりかしら?」
次にリツコが手にしたDVDには、“劇場版Air”という文字が入っていた。
ミサトの表情が強張る。
リツコはDVDを取り替えると、同じ作業を繰り返して、動画を“ある場面”で再生させた。
再びスピーカーからミサトの声が響く。
“大人のキスよ。帰ったら続きをしましょう”
「帰ったら何をするつもりだったのかしら・・・?」
ぐっと顔を寄せ、詰問するような視線を向けるリツコ。
ミサトはというと、ダラダラと汗をかいていた。
「そ・・・それは、ほら。焦ってたから台詞を間違えちゃったのよ・・・」
「へえ、じゃあ何ていうつもりだったのかしら・・・?」
「だからあ・・・帰ったら・・・」
「帰ったら?」
「か、帰ったら・・・」
突然、ミサトは勢い良く立ち上がった。そして、ポーズを取って叫ぶ。
「帰ったら!月に代わっておしおきよ!」
「それはアンタの声優・三石琴乃が、別の番組でやってた台詞でしょうが!」
「説明的な台詞、ありがとリッちゃん」
「リッちゃんじゃないわよ!いいから座んなさい!」
だが、座ったミサトは少しも悪びれていなかった。
「だってしょうがないじゃない。あの状況じゃ、こういうのもありじゃない?」
逆に、リツコにブーたれる。
「じゃあ、これを問題だと思うのは私の偏見かしら?」
「そうよ、リツコだけよ。そんなふうに解釈するのは!普通なら感動すべき場面よ!」
自分の行為を正当化しようとするミサトに、リツコは厳しい視線を向けると、
「メガネ!じゃなくて、日向二尉!今のやり取り聞いてたわよね」
隣の席でコーヒーを啜っていた日向に呼び掛けた。急に名前を呼ばれ、コーヒーにむせる日向。
「は、はい・・・」
「アナタも劇場版くらい見てるわよね?」
「まあ、一応は・・・」
「じゃあ、あの時のミサトの振る舞いはどう思うかしら?」
日向は困ったような表情を見せると、少し間をおいてから、申し訳なさそうな顔をミサトに向けた。
「ミサトさん・・・ありゃ、犯罪でしょ」
メガネにまで指摘され、黙り込んでしまうミサト。
「それにミサト。あ・な・た・・・この台詞をいう前に、これ・・・完全にやっちゃってるわよねえ?」
少し動画を巻き戻し、ミサトが未成年に手を出してしまっている場面を映す。
「“帰ったら続きをしましょう”じゃなくて、“帰ったら私は務所行きよ”の間違いじゃないかしら?」
「う、う・・・」
再び、ミサトの頭がテーブルに突っ伏した。シクシクと泣き出している。
「という訳で、葛城一尉。アナタが再びシンジ君の保護者になる事はありえません」
リツコは、そういうと席から立ち上がった。
「まあ、精々、パクられないように気を付ける事ね」
再び食堂の冷たい床を踏む足音が響き、遠ざかってゆく。
突っ伏すミサトの両手がワナワナと震え出した。
このままでは、シンジを先にマヤに食べられてしまう。
(絶対に・・・絶対に、マヤちゃんからシンジ君を取り返してやるんだから!)
拳を握り締め、ガバっと起き上がる。
「でも、その前にやることがあるわ!」
そして、再び最初の場面(
>>720)。
「ミサトさん!この建物は何なんですか?」
画面に映し出された建物について問いかけるシンジ。
だが、直ぐに建物の位置を指し示す矢印に、それが何であるかを示す文字が表示された。
「え?T・・S、U、T、A、Y、A・・・ツタヤ?」
オペレーション室からミサトの声が大きく響く。
「いい、シンジ君?次に使徒と戦う時は、ドサクサに紛れて新東京中のツタヤを破壊するのよ!これは命令よ!!」
発動したミサトのシンジ君奪回計画。その手始めとして、まずは証拠隠滅から計ろうとするミサトであった。
その様子をボンヤリと眺めている二人の整備士はつぶやいた。
「サンソン、新東京のレンタルビデオ屋ってツタヤだけだっけ?」
「んな訳ねえだろ、ハンソン」
「葛城さんって美人だけど、ちょっと変わってるよな」
「いや、ありゃ変人だろ」
はい終わり。
書いてたらすごく肩凝りました。
プロの作家さんなんて、毎日肩凝り大変でしょうね。
皆様、また長〜い文章ですみません。
今回はエロネタがなかった為、PCの前でズボン下ろしておられた方々は済みません。
時間からは、一レスネタにも挑戦してみます。
では。
誤字発見
>>747 >踏む音が消えた。
は、>踏む音が聞こえた。
です。ツーか、私の文章は誤字が多いですね・・・
ぎりさん乙です。
楽しみにしてます。
悪気はないです。
ただせっかくなのであまりエヴァに詳しくないギリギリさんに失礼ながら指摘したいことが…
日向とマヤは「ミサトさん」とは呼ばず「葛城さん」と呼びます。
緊迫感のある場面では「葛城三佐」です
>「もうマヤちゃんてば・・・溜まってるんなら私に言ってくれればいいのに・・・」
>マヤの肩に腕を回し、太ももを絡めようとする。
ミサトさんは両刀だったのか
このスレでのネルフ女性陣の性欲はほんとに底なしだぜ……
>>756 ずぼらなミサトが、29であそこまで出世できたのは、あのボディのお陰だと思われ。
職人さん超乙!
このスレが神すぎて、いつも見ちゃう
受験に失敗しそうw
まだ人もまばらな早朝のネルフの食堂。
ミサトはコーヒーカップを片手に、テーブルの上に広げた新聞に目を通していた。
その紙面に誰かの影が掛かると、ふと、ミサトは視線を上げた。スーツ姿の男が二人、目の前に立っていた。
「葛城一尉ネルフ作戦本部長ですね?」
「そうだけど?」
男が右手を差し出してきた為、ミサトは立ち上がると反射的に握手する。
「この二人の少年をご存知ですか?」
男は右手でミサトと握手しながら、器用に片手で胸ポケットから一枚の写真を取り出した。写真に写っているのは、ケンスケとトウジだった。
「ええ、知ってるわよ」
ガチャリ。
突然、もう一人の男が、握手で束縛されているミサトの右手に、冷たい金属の輪をはめた。手錠だ。
呆気に取られるミサトに対し、男はおもむろに懐から警察手帳を取り出した。
「葛城一尉、アナタを児童ポルノ法違反の容疑で逮捕します」
驚くミサトを二人の男が連行しようとした時、白衣姿の女性が割り込んできた。リツコだ。
「ちょっと待って!あなた方は誤解しておられます!」
友人の登場に、胸をなでおろすミサト。
「誤解・・・ですと?」
「ええ、彼女は昨日付けでネルフから解雇されています。よって今は民間人であり、ネルフとは何の関係もありません。そこの所は間違えないで下さい!」
「ええ!解雇って何よそれ!?」
「あら、言ってなかったかしら?」
リツコの言葉に二人の男はうなずくと「では、改めて民間人・葛城ミサト。連行します」と、そのままミサトを引きずっていったのだった。
「ちょ、ちょっち待ってよ!これってドッキリ!?それともマジなわけ!?」
「あれ、ミサトさんは?」
その日の午後、ミサトの姿が見当たらないことに気づいたシンジは、近くにいた日向にたずねた。対し、視線をそらし、困った様子で返答する日向。
「し、しばらく出張だってさ・・・」
「出張?どのくらいの期間ですか?」
「さ、さあ・・・運が良ければ十日。でも、普通なら数年かな・・・?」
シンジは首を傾げると、リツコにもたずねる。
「リツコさん、ミサトさんは?」
リツコはコーヒーすすりながら、素っ気無く答えた。
「あら、そんな人、ネルフにいたかしら?」
何とか、一レス投稿に挑戦してみました。
何度か“文字数制限”に引っかかったので、かなり内容を削った為、味気なくなってしまったかも知れませんが。
ちなみに、『シンジ君奪回計画』が続く予定でしたが、肝心のミサトが逮捕された為、いったん中断します。
>>755 EVAの世界を正確に把握する為に、先日から、EVAのビデオをレンタルして視聴している所です。
漫画版の方は、過去に一巻だけ読み、「何、この唐突なストーリー?何、この希薄な心理描写?」と馬鹿にしていたんですが、アニメ版の方はもっと細かくストーリーや心理描写が細かく描かれてたんですね。驚きました。
いやあ、EVA、面白いですね。今ごろになって良さがわかりました。
なぜ、当時、これを全国放送してくれなかったのか!
皆様、しばらくEVAの世界観を勉強する為に、筆を休めます。
ですが、曙がK-1に再戦して優勝するまでには戻って参りますので、しばしお待ちくださいませ。
しかし、読み返してみると、私の文章は変なのが多いですな・・。
>>763 乙!ミサトさんクビwwwひでえwww
年端も行かぬ少年を食べたから仕方ないか(性的な意味で)
>763漫画は対象年齢下げようとして貞本が書いてるかね。
ギリギリさんみたいな社会人の人にはアニメ版の方が適するでしょう。
アニメは対象年齢30才(by庵野)・漫画は対象年齢15才(by貞本)
おお、わかりやすい!
サンキューWWW乙カレーです。WWW
しばらく筆を休めるといいましたが、二編ほど追加投稿しておきます。
「赤木博士、応接室に山田花子さんがいらしています」
「分かったわ。今、行くわ」
ミサトが逮捕されて一週間。
リツコは、ミサトの代わりとなる人物を探すべく、第三新東京中の市民情報を用いて、MAGIシステムに候補者を評決させた。
その時に賛成3の評決で選び出されたのが、山田花子という女性だった。何と、ミサトと全く同じ能力と知力を持つ女性だという。
今日、リツコは、その山田花子を面接する事になっていた。
応接室へ通じる通路を歩きながら、今しがたプリントアウトした山田花子のプロフィールに目を通すリツコ。
「驚いたわね。学歴も身長も体重もミサトと同じなのね・・・」
さすがMAGIが選んだだけあって、彼女のプロフィールは何から何までミサトとソックリだった。
「待たせたわね」
リツコが応接室の扉を開くと、ソファーに腰掛けていた山田花子が立ち上がった。笑顔で挨拶をする。
「初めまして、山田花子です〜」
山田花子の姿を見ると、リツコは目を閉じ、眉間にシワを寄せた。そして、声を絞り出す。
「ミサト・・・何で、アナタがここにいるのかしら・・・・?」
「え、何の事でしょう。私の名前は山田・・」
「アンタは今、拘置所にいるはずでしょうが!!」
リツコの声が応接室に響く。ミサトとソックリなプロフィールを持つ山田花子は、ミサト本人だった。
「そんなの決まってんでしょ。不起訴で保釈よ」
そういいながら山田花子ことミサトは、ソファーに腰を下ろした。
「不起訴って、アナタやましい事はしてなかったの?」
リツコも向かいの席に座る。
「もちよ。私は、あの二人には、ゲッターロボと同じ事をやってただけだもの」
「ゲッターロボがやってた事って?」
人差し指を立て、ミサトは告げる。
「合体よ!」
ミサトの頭をはたく、スパンというよい音が鳴った。
「それでどうして、不起訴処分になるのよ!」
「いや、それがさ」
叩かれた頭をさすりながらミサトは説明した。
「拘置所には、若い不良の女の子が沢山いるわけよ。で、ほら、拘置所の中って寂しいじゃない。だからちょっち手だしちゃったのよ。そしたら刑事さんに“頼むから、もう帰って下さい”って言われちゃって」
「そんな理由で保釈って・・・あきれたド変態ね!」
「しっつれいね!私はいたってノーマルよ。こうみえても哺乳類にしか興味ないんだから」
「それって人類限定じゃないって意味にも取れるんだけど」
「うん、馬でもOKよ」
笑顔で答えるミサト。
リツコは頭を抱えたが、ミサトは構わず「そんな事よりも」と身を乗り出した。
「もち。再雇用してくれるわよね。リツコ?」
そして、ウィンクする。
リツコは額を抑えながら、深々と嘆息した。出来れば雇用したくない。しかし、MAGIですらリツコの代わりはリツコ本人しか選べなかったのだ。
他に代わりがいない以上、仕方がない。
「分かったわ。葛城ミサト・・・アナタを再雇用し、現場復帰を認めます」
「さっすがリツコ!」
「もう問題を起すんじゃないわよ」
「大丈夫よ。次はもっと上手くやってみせるわよ!」
リツコは、もう一度嘆息した。
「ん、ごめんなさいね。今日は帰れないから・・・」
退勤時間が過ぎたネルフのオペレーター室。
左手にクリアファイル、右手に携帯電話を持ったマヤが、シンジと話し込んでいた。
「冷蔵庫に昨日のサラダとマカロニが残ってたはずだから・・?え、コンビニ弁当?ダメよ、そんなの健康に良くないわ」
シンジに独りで夕食を取っておくようにと告げると、
「じゃあね、シンジ君」
マヤは携帯を切り、ミサトのオフィスへと向かった。
マヤは、退勤後にオフィスに来るようにと、ミサトに呼び出されていたのだ。
葛城ミサト・・・。
一週間ほど前に、先輩から「ミサトが、シンジ君の保護者に戻りたがっているみたいなの」と聞かされた時、マヤは不安に駆られた。
もしかすると、シンジ君を取られてしまうかも知れない・・・・と。
だからこそ、その前に先手を打った。
初詣の時に、ミサトが未成年の男の子二人をはべらしていた事を思い出し、警察に通報したのだ。
逮捕の前日には、先輩に密告して事前にミサトを解雇してもらった。だが、うまく行ったかに見えた計画も、一週間で頓挫してしまっていた。
(不起訴の上に、再雇用だなんて・・・計算外だわ)
もっと証拠を集めてから通報すべきだったと後悔しながら、ミサトのオフィスの前で立ち止まる。
マヤは、一度深呼吸をすると
「伊吹二尉、入ります」
ドアのスイッチを押して、ミサトが待つ部屋の中へと足を踏み入れた。
窓から差し込む夕日を背に、まるでゲンドウのようなポーズで、ミサトはディスクに鎮座していた。
「シンジ君の様子はどうかしら?伊吹二尉」
「はい、健康状態は申し分なく、元気です」
「そう・・・」
ミサトは立ち上がった。そして、マヤの間近に歩み寄る。
「今までご苦労だったわね伊吹二尉・・・。これからは、私がシンジ君の面倒を見るわ」
いきなり、マヤが最も恐れていた言葉が放たれた。
両腕を胸元で抑え
「で、でも、それは先輩が・・・・赤木さんが反対すると思います」
抵抗を試みるマヤ。対し、ミサトはマヤの肩に手をおくと、ニッコリと微笑んだ。
「ええ、リツコは反対するでしょうね。だから伊吹二尉・・・」
マヤの耳元に口を近づける。
「あ・な・た・の方から 辞退 するのよ。私には荷が重過ぎます。やっぱり葛城さんの方が適任だと思いますって・・・」
「お断りします!」
ミサトの言葉に、マヤは一瞥(いちべつ)をくれると、はっきりと拒否した。
保護者を替わるようにと言われることは想定していた。だからこそ、事前に覚悟を決めていた。
強気で傲慢な葛城さんを相手にするには、こちらもハッキリとした態度で挑まねばならないと。
いつもは弱気なはずのマヤの態度に、ミサトは内心で舌打ちする。
(やっぱり、この子。シンジ君に気があるのね・・・)
だが、その感情を表に出さず、ミサトは惚けた表情で
「あ〜ら、マヤちゃんにしては強気ねえ〜」
なぶるように言いながらマヤの背に回った。そして、華奢なマヤの両肩をつかむ。力を込めて。
マヤの体が震えた。
「でも、サードチルドレンは、最も優秀な人が面倒を見るべきじゃないかしら?」
さらに両手に力を込めるミサト。
だが、握り締められる肩よりも、ミサトの威圧的な口調がマヤの心を萎縮させる。
(ダメ、挫けちゃいそう・・・)
マヤの体が、心が、さらに震える。
「そう思うでしょ、伊吹二尉。これはシンジ君の為でもあるのよ!」
ミサトに気圧されそうになるマヤ。だが、彼女は以前のような弱い女性ではなかった。
今の自分は、か弱い少年の保護者たる伊吹二尉。シンジ君という一人の少年の脆い心を優しく包み込む事ができる、唯一の女性だ。
ここで引く訳にはいかなかった。
マヤは、ミサトに振り向いた。両肩をつかむミサトの手を振り払う。
「お言葉ですが、私は決して自分を無能だとは思っていません。シンジ君の保護者には、私こそが適任です!」
そして、激しい目でミサトを見返す。
しばし、激しく見詰め合う二人。
だが、やがてミサトの方が肩をすくめると、
「いいわ、マヤちゃん・・・。じゃあ、勝負しましょ」
ミサトは急に威圧感を消し、いつもの笑顔を見せながら、人差し指を立てた。
「・・・勝負?」
「そうよ。これからネルフで手柄を立てる度に一ポイント。先に三ポイント先取した方が勝ち」
そして、直ぐに笑顔を消し、真剣な眼差しをマヤに向ける。
「マヤちゃんが勝てば保護者として認めてあげるわ。でも、私が勝ったら、保護者から辞退なさい」
その言葉にマヤは、右手に持ったクリアファイルを脇に抱え、左手を握り締めガッツポーズのように突き出した。
「分かりました!その勝負受けてたちます!」
かくして、シンジ君を巡る二人の争いは始まったのだった。
執筆を再開する時は、「マヤvsミサト、シンジ君争奪戦」をお送りします。
というか、私の話はだんだんマンネリ化してきている為、
私が筆を休めている間、他の職人の皆様がスレを再活性化して頂ければ幸いです。m(_ _)m
ではでは。
乙です!!
「マヤvsミサト、シンジ君争奪戦」楽しみに待ってます
マヤにメリットがないような。
リツコの代わりはリツコではなくミサトの代わりはミサトでは・・
>>777 ミサトが大人しく手を引くってメリットがあるじゃない。
あげ
あげんなボケ
アンチシンジ死ね
ほす
神はまだかな
おつ
ネルフの司令室。
A級勤務者が勤務するエリアでは、マヤが忙(せわ)しなく、コンソールを操作していた。
今日は、ネルフのスーパーコンピューターMAGIシステムのメンテの日だ。
「さすが、マヤちゃん速いね」
鮮やかなタッチでキーを打つマヤに、同僚の日向が感心した様子で声を掛ける。
「それはもう、先輩の直伝ですから」
「あ、でもマヤちゃん。そこはA8の方が速いよ」
マヤのコンソールに、日向が横から手を伸ばし、片手だけでキーを操作してみせる。
急に、プログラムの処理速度が上がった。
「さすが日向さん・・・・」
マヤは感心した。
「ダメですね、私は。まだまだ日向さんや青葉さんにはかなわないわ」
マヤが嘆息してかぶりを振ると、横から青葉が椅子を寄せて声を掛ける。
「おやおや、マヤちゃん、謙遜のし過ぎだよ。リツコさんに一番信頼されてるのはマヤちゃんじゃないか。なあ、日向?」
青葉の言葉に同意し、日向もマヤを励まそうとした時、突如、警報ブザーが鳴り出した。
「何事だ!?」
慌てて、自分のコンソールの画面を確認する日向。
「メインバンクに・・・・誰かが不正アクセスを掛けてるみたいだな・・・」
「日向・・・ちょっと、これって・・・・」
ディスプレイを見詰める青葉の顔色が変わった。
「そんな・・・・こんな事がありえるのか!?」
驚愕したような表情で、コンソールのマイクのスイッチを入れ、叫ぶ。
「パターン青、使徒です!」
司令室は騒然となった。
突如現れたメインバンクへの侵入者。
何と、それが使徒そのものだというのだ。
情報のみで構成された使徒・イロウル。気付かぬ間にネルフ内部に侵入し、電子情報へと進化し、今まさにメインバンクをクラックしようとしていた。
「そんな・・・情報だけで構成された使徒だなんて・・・」
事態を把握したミサトは、息を飲んだ。
青葉が叫ぶ。
「パスワード捜査中!12桁・・・16桁・・・Dワードクリア!突破されました!」
技術科のスタッフたちが侵入を阻もうと、懸命にキーを打つ。
ある者は擬似エントリーを構築し、ある者はファイアーウォールを立ち上げ遮断を試みる。だが、直ぐに悲鳴に近い声が上がった。
「回避されました!」
「防壁を突破されました!」
幾重にも張り巡らされる防壁。だが、それらを次々に突破する使徒。
「ダメだ!MAGIに侵入するつもりだ!」
青葉が使徒の侵入先を特定した時、黙って様子をうかがっていた総司令が始めて口を開いた。
「I/Oシステムをダウンしろ」
総司令の命令に、青葉と日向がキーを取り出し、MAGIの電源をoffにする。だが、どうした事だろうか?
「そんな・・・電源が切れません!」
司令室のメインモニターにMAGIを構成するメルキオール・バルタザール・カスパーの三対のコンピューターの状態が映し出された。
青く表示されていたメルキオールの各エントリーが、急速に赤い表示変化して行く。
マヤが泣きそうな声で叫んだ。
「使徒、メルキオールに接触!乗っ取られました!」
使徒に乗っ取られたメルキオールが、自立自爆を提訴した時、彼らは使徒の目的を理解した。
「そんな・・・オレたちを吹っ飛ばす気かよ・・・」
日向が額に手を当て、絶句する。
使徒に乗っ取られたメルキオールが、今度はバルタザールをクラッキングし始めた。もはや二台目が乗っ取られるのは時間の問題だった。
それまで一切の支持を出さずに、事の成り行きを見守っていたリツコは、席から立ち上がった。
そして、決意したかのようにマヤに声を掛けた。
「マヤ・・・」
「先輩、このままじゃ、MAGIが乗っ取られちゃいます!」
泣きそうな声で返答するマヤ。
「マヤ・・・」
リツコは、もう一度マヤの名を呼ぶと「もうお芝居はいいわよ」と肩をすくめた。
そして、告げる。
「許可するから・・・本気だしていいわよ、マヤ」
リツコの言葉に、マヤは急に泣き顔を素に戻した。
「え・・・いいんですか・・・・?」
「しょうがないわよ。緊急事態だもの」
「じゃあ・・・遠慮なく」
マヤは、くるりとコンソールに向き直ると、キーを打ち出した。
次の瞬間、スタッフたちから驚嘆の声が上がる。そして、それは直ぐに歓声に変わった。
メインモニターに映し出されたバルタザール。赤く染まりつつあったそれが、マヤがキーを打ち出した途端、元の青い表示に戻り出したのだ。
マヤは信じがたい速度で、使徒の進行を遮断し、乗っ取られた箇所を修復し、どんどん使徒を駆除し始めたのだ。
「ちょっと、一体どういう事よ、リツコ!」
驚き、リツコに問いかけるミサト。
「今まで隠してたけど、これがマヤの本当の実力なのよ。私なんて足元にも及ばないほどよ」
そういいつつ、着席するリツコ。
「今までマヤに“カスパーの代行”させてたから、知られたくなかったのよね・・・」
「カスパーの代行をさせてたって、どういう事よ?」
リツコは、バツが悪そうな顔をすると、カスパーを指差しながら、
「実は、カスパーは・・・」
総司令に聞こえないように声を落とす。
「三年前に私がコーヒーこぼしちゃって以来、壊れてるのよ・・・だから密かにマヤに代行させてたのよ」
「え?じゃあ、今までカスパーがやってた処理って・・・・」
「全部、マヤが手動でやってくれてたのよ」
「マジで!?」
ミサトが絶句した時、メインモニターに映し出されたMAGIの回復速度が急に落ち込んでしまった。
青葉が叫ぶ。
「ダメだ!使徒の奴、また進化してやがる!何て演算速度だ!」
そして、日向を振り返り「このままじゃダメだ。日向!オレたちもマヤちゃんを手伝おう!」と呼びかける。
だが、日向は応える代わりにマヤの方を指差した。
見ればマヤは、左手で神業というべき速度でキーを打ちながら、右手に携帯電話を持って話し込んでいた。
「あ、シンジ君。うん、今夜はコロッケ買って帰るから・・・うん、うん、シンジ君の好きなクリームコロッケだから楽しみにしててね」
日向が、引きつった笑顔を青葉に返した。
「マヤちゃん、まだ片手しか使ってないから・・・大丈夫だと思うよ」
何と、マヤは左手だけでキーを打っていたのだ。
マヤは、パチンと音を立てて携帯を閉じると、ようやく右手をコンソールに添えた。
「さあ、本気だすわよ!」
またしても司令室に歓声が上がる。
「20%回復!30%回復!40%,50%,60%・・・・なんて速度だ!」
青葉が絶叫に近い声を上げた。
余りの出来事に、ミサトはマヤの元に駆け寄った。
「凄いわマヤちゃん!大手柄よ!」
それ対し、マヤはモニターを見詰めながら、ポツリとつぶやいた。
「葛城さん、一ポイント先取です・・・」
「え?」
一瞬、何の事か分からなかったが、直ぐにミサトは「シンジ君争奪戦」を始めていた事を思い出した。
(そ、そういえば、そういう勝負してたんだっけ?)
「総司令!」
「なんだね伊吹二尉」
「MAGIのセキュリティーを向上させる為に、私の自作セキュリティープログラムの導入を検討して頂けないでしょうか?」
「よかろう。この使徒を撃退した暁には採用しよう。ついでに、そこの無能な作戦本部長を降格して、君を作戦部に転属の上、本部長に昇格しよう」
総司令の言葉に、マヤは再びミサトに対してつぶやいた。
「二ポイント目。リーチです」
そして、付け足す。
「それと明日から私の事は、“伊吹さん”か“伊吹作戦本部長”と呼ぶように。分かったわね、葛城」
ミサトは青ざめた。
(ええ!?ちょ、ちょっち待ってよ!このままマヤちゃんにリーチされちゃうわけ!?)
ミサトはあたふたすると、リツコの元に駆け寄った。
「リ、リツコ・・・・要するに使徒は、今、メルキオールの中にいる訳よね!」
「そうだけど」
リツコの返事を聞くやいなや、ミサトはスーパーコンピューター・メルキオールに駆け寄った。
そして、
「おりゃあああああ!」
気合もろとも蹴りを入れる。
メルキオールのフレームが歪んだ。ミサトは、歪んだフレームの隙間に指を突っ込むと、力任せにカバーを引っぺがした。
メルキオールを構築する電子機器がむき出しの状態になる。
「ちょっと!何してるのよミサト!」
驚愕するリツコ。
「決まってんでしょ!この中に侵入してる使徒をぶん殴るのよ!」
「そんな事、出来る訳ないでしょ!」
「そんなの、やってみなきゃ!」
ミサトが拳を振り上げる。
「わっかんないわよ!!」
ミサトの鉄拳が基盤の一つに振り下ろされた。バキっという音と一緒に火花が上がった。
ミサトの行動に、スタッフたちは一瞬沈黙した。余りの事に、あ然としている。だが、直ぐに青葉の声がマイクを通して司令室内に響いた。
「使徒・・・・消滅しました」
「んな、バカな!」
絶句するリツコ。
リツコは、直ぐにマヤを見詰めた。
「マヤ、あなたがやったのよね!?」
だが、マヤはプルプルと首を横に振った。事実、彼女はまだ、プログラムを打っている途中だった。
全員の視線が、一斉にミサトに集まる。
何という事だろうか!?
ミサトは、電子情報と化していた使徒を“素手で仕留めた”のだ。
人類史上、初の快挙だ!
「ま、私の手に掛かれば、こんなもんよ」
ミサトは得意げに胸をそらすと、呆気に取られているマヤにウィンクをした。
(マヤちゃん。この勝負、私が一ポイント先取よ)
さすがは、20代後半の内に作戦本部長にまで上り詰めたミサト。
その実力は侮れなかった・・・。
はい、終わり。ちょっと、オチが弱かったかな。
EVAのアニメ、20話辺りまで視聴し終わった為、いったん、ネタを投下しました。
今回は13話の「使徒、侵入」のエピソードを再現してみました。確か、こういう感じの内容でしたよね?
マヤが、なぜこんな能力を持っているのかについては、先に番外編で説明する予定でしたが、長くなるのでカットしました。
今、脳内で新しいストーリーがどんどん生成されてるんですが、どれから先に書くべきか迷っております。
でも、しばらくはまたアニメを視聴して、世界観を勉強するつもりです。
(一話書く度に激しい肩凝りが・・・)
>>778 ご指摘の通り、書き間違いです。書いた後、読み返すように注意しているんですが、どうしても書き間違えてしまいます。
多分、今後も何度か書き間違いが起きると思われます。
また、注意・指摘をお願いいたします。m(_ _)m
/ / / ト、/ ヽ
' / / | / | , |/ 7 i
! /j,/_>|/ ! / ' | |
| /j/ メ´ r::j` ` 'ヽ! │ |
| / ` r-、‐、ハ, |ヽ!
|., ‐、 | rト / ,
|! rヾ| 、 ` ' // ____ _
|l (._ r / | レ'l/ ○ ヽヽ
r─── ヽ ヽ , ― 、_ ,.ヘ/ | |
○ ヾ`ー ヘ / ∨ / ○ | |
| ○ !. |ヽ ヽ___ j / ○ | |
| | , | 、 イ | |
| ○ レヽ/! | \ / /! __ //
、 | ヽ _ ./|/:::::ヽ ,. ´/  ̄ ̄
\ | __|:::::::::::::ノ //
 ̄ ̄ ヽ / ヽ_ r へ´ \:::/ //
/ / | ! \ r ─ '
/ /__,| ヽ _ `-、
イ ,/ 三三::| \ ´ ` ─r 、__ __
/r ' ∠三三三ヽ `, << < / ` r‐-- 、
∠ / | 「 ̄ ̄// / ヽ /// / ヽ
今起きた
職人さん乙!
乙です
今回もとても楽しく読ませてもらえました
ミサトすげえええええwww
ミサトに対してブラックな笑みを浮かべるマヤさんを想像してしまいました
あとコロッケワロタ
>>791 乙
マヤとミサトの性格の違いが出てて面白い
> 今回は13話の「使徒、侵入」のエピソードを再現してみました。確か、こういう感じの内容でしたよね?
ちっ、ちがう、微妙に違うぞw
MAGIを破壊しちゃダメだろ、破壊しちゃ。
リツ子もミサトもひどいなw
うむ
実によいお話でした
細かいミスはありますが気にすることもないですよ
まとめるときにでも直せば
>>791乙です、投下の順序ですが職人さんのスタイルで構わないと思います、そもそも本編も時系列に従っているとは言い難いですし
次回作も楽しみにしています
おつ
乙
gj
マヤさん、今日はシンジ君との距離を一気に縮める大チャンスですよ!! …後は職人街
>>802 いろいろストーリは作ってあったんですが、バレンタインデーの事をすっかり忘れていました。
つー訳で、今朝から速攻でネカフェに突撃し、慌ててバレンタインデーネタを書き上げました。
慌てて書いたので、つまらんと思いますが、まあ時事ネタとして投下させて頂きます。
2月14日。今日は、マヤの非番だった。
お昼の内に、買い物と掃除を済ませたマヤは、まだ日が暮れない内から台所に立って夕食の準備をしていた。
「ただいま・・・」
おや、学校からシンジが帰ってきたらしい。
シンジも今日は非番だった。非番の日のシンジは、学校帰りにトウジらと寄り道する事が多かったが、今日はまっすぐに帰ってきたようだ。まだ、時計の短針は五時に届いていない。
「あ、お帰りなさい〜」
エプロン姿のまま、シンジを出迎えるマヤ。
「ねえねえ、シンジ君。今日の晩御飯は・・・」
マヤが玄関に顔を出すと、疲れた様子のシンジが靴を脱いでいる所だった。
右手に学校鞄を持ち、左手には家を出たときには持っていなかったはずの紙袋を重たげに下げている。
「シンジ君・・・何それ?」
マヤは、シンジが持つ、膨れ上がった紙袋を覗き込んだ。
「えっと、これは・・・」
シンジが少し恥ずかしそうな顔をすると、マヤは直ぐに理解した。
今日はバレンタインデーだ。
紙袋一杯に詰め込まれていたのは、何と女の子たちからのチョコだった。
「ええ、凄いシンジ君!そんなにもらっちゃったの!?」
リビングのローテーブルに、シンジが持ち帰ったチョコが一杯に並べられた。
マヤが、シンジに見せてくれるようにと、せがんだのだ。
「うわぁ、何この量・・・?シンジ君ってすっごくモテルのね〜」
感心するマヤ。テーブルの上に広げられたチョコの数は、10や20ではなかった。
「いえ、違うんですよ」
シンジはテレながら、沢山のチョコをもらえた訳を説明する。
「ほら、ボクってエヴァのパイロットですから・・・新東京を守ってくれたお礼にって、皆がくれただけなんです・・・・」
そして「全部、お礼で義理なんですよ」と付け足した。
「ええ〜、そんなことないわよ。ほらほら、これ何か手作りじゃない?」
そう。確かに、中には手作りのチョコもかなり混ざっていた。もちろん、義理じゃないのも・・・。
本当の事をいうと、幾つかのチョコには手紙も添えられていた。でも、マヤに見つからないようにと、手紙は鞄の中にしまっていた。
「ねえねえ、シンジ君。全部で幾つあるの?」
「え〜と、三クラスの女の子たちからのお礼だから・・・たぶん・・・40個くらいになるはずですけど」
「うわ、本当!?ねえ、ちょっと数えていい?」
シンジがうなずくと、二人はチョコを数え始めた。
「25・・・26・・・」
普通に数えるシンジ。
「手作りが八つに、九つに・・・。こっちは市販品が十七、十八・・・」
なぜか、手作りと市販品を選り分けながら数えるマヤ。
「41、42・・・と」
全部で42個あった。その数は、三クラスの女の子たち全員の数と一致した。
「シンジ君、凄い・・・43個ももらえちゃうなんて!」
まるで自分の事のように嬉しそうな顔で、パチンと手を合わせるマヤ。
「いえ、あくまでお礼ですから」
シンジはテレたが、でも、嬉しくはなかった。
特に、マヤさんが、自分のチョコの量を見て喜ぶ姿なんて、全然嬉しくない。出来れば、不機嫌な顔をしてくれた方が良かった。
そう。ちょっとくらい嫉妬してくれたっていいのに・・・。
胸の内で溜め息を付くシンジ。
ついでに「でも、42個って数字は、ちょっと縁起が悪いですよね・・・」と遠まわしに、余り自分が喜んでいない事をアピールする。
シンジの言葉に、マヤは首をかしげた。
「え、42個?43個だったと思うけど?」
「いえ、42個ですよ」
確かに42個だった。しかし、マヤはなぜか否定した。
「ちょっと、ちょっとシンジ君。良く数えなくちゃダメよ。43個でしょ!」
「いいえ、間違いなく42個ですよ。三クラスの女の子たち全員合わせても42人だし・・・」
シンジの言葉に、今度はマヤが溜め息を付いた。
「もう、シンジ君!」
そして、不機嫌な顔になる。
「女の子は42人じゃなくて、43人でしょ!」
シンジは意味が分からず、キョトンとした表情でマヤを見返した。
「もうシンジ君てば!」
マヤは、もう一度不機嫌な様子を見せると、
「もしかして、目の前にも女の子がいるのを忘れてるんじゃないの!?」
と、ビシリと人差し指をシンジに付きつけた。
「え?」
シンジが、その言葉の意味を理解する前に、マヤはエプロンの胸ポケットから、
「はい、シンジ君へ」
43個目のチョコを差し出したのだった。
「もちろん、私の手作りだから」
可愛く首をかしげ、ウィンクする。
「あ・・・あ、有難うございます!」
ようやく意味が理解できたシンジは、顔を赤らめると、両手を差し出してマヤのチョコを受け取ったのだった。
学校で女の子たちからもらっても、それほど嬉しいとは思わなかったチョコ。
20個もらっても、30個もらっても、40個もらっても、41個もらっても42個もらっても・・・。
でも、43個目のチョコが、こんなに嬉しくて恥ずかしいものだとは夢にも思わなかった。
その頃、ネルフでは。
ほのぼのとした二人のマンションとは打って変わって、こちらは殺伐とした空気が漂っていた。
「こちら諜報部二課・マツダ。ただいま、葛城三尉が“ホワイトチョコ”と称した固形物を持って、技術局の第三エリアに向かった模様。第三課の人々は警戒されたし!」
技術局の整備室で、無線を受信していたサンソンは、慌てて親友を振り返った。
「おい!ハンソン。やべえぞ、葛城の姉さんがこっちに来るんだってよ!」
そういいつつ、自身は慌てて棚の下に腹ばいになって入り込む。
「早く隠れろハンソン!」
「ちょ、ちょっと、待ってくれよ・・・」
自分もどこかに隠れようと、辺りを見回すハンソン。
だが、隠れ場所を見つける前に、突然、ハンソンの口に何かが飛び込んだ。
棚の下に隠れたサンソンの目の前で、白い固形物を口内に受けたハンソンが、ドサリと仰向けに倒れる。
「ハ・・!」
驚き、思わず叫ぼうとするサンソン。しかし、その倒れた同僚の腹を何者かの足が踏み付けるのを見ると、そのまま声を押し殺してしまった。
ハンソンの腹を踏み付ける黒いブーツ。その上方には、白いストッキングにおおわれた両足の付け根を囲う、赤いスカートが見えた。
(やべえ!葛城の姉さんだ・・・)
ハンソンの腹に片足を乗せながら、ミサトは勝ち誇ったようにいった。
「あらあら、技術局のいつもの”おデブちゃん“じゃない」
そして、上からハンソンの口元を覗き込む。ミサトが投げ付けた白いものが、口内から見えていた。
「むふふふふ、アタシのホワイトチョコ食べたわね〜」
ミサトはメモ帳を取り出すと、
「ええと・・・ホワイトデーは、ビール10ダース希望・・・と」
自分がホワイトデーに欲しい物を書き込んだ。そして、そのページを切り取って、気絶しているハンソンの胸ポケットに入れる。
「食べた以上は、お返しを忘れんじゃないわよ!」
そういい残すと、ミサトは次なる獲物を求めて、疾風の如く駆けていった。
ミサトが立ち去ると、サンソンは慌てて棚の下から這い出した。
そして、同僚の安否を確認する。
「ハンソンしっかりしろ!死ぬんじゃねえ!!」
ハンソンは、白目を向き、口から泡を吹いていた。
「日向、無事か!」
こちらは作戦局第一課のオフィス。
青葉が辺りを警戒しながら、そっと同僚に声を掛けた。青葉の声に、机の間から頭を出す日向。
「何とか、逃げ延びてるよ」
そういいながら嘆息する。
「葛城さんがチョコくれるってのに、喜べないってのは悲しいよな・・・」
2月14日・・・それはミサトがネルフの男性スタッフたちに強制的にチョコを配り歩く日であり、ホワイトデーに配当を受ける為の投資を行う日でもあった。
「全くだ・・・」
日向に近づき、一緒に机の下に隠れながら同意する青葉。
「配るんだったら市販でもいいから、せめて本物のチョコにして欲しいよな」
チョコを強制的に配るといっても、ズボラなミサトは、わざわざカカオを買ってきて自作するとか、市販のチョコを買ってくるとか、そんな面倒なことはしなかった。
彼女は、毎年、“チョコっぽい物”をかき集めては、それをチョコと称して無理やり男性スタッフたちに食べさせて回るのだ。
「去年、葛城さんに食べさせられた板チョコなんか最悪だったな」
日向がうなずく。
「ああ、妙に硬いと思ったら、ただの“カマボコの板”だったもんな」
「“板”の部分しかあってねえ、つーの」
「今年は、何だかホワイトチョコっぽい物を配ってたけど、あ・・・」
急に日向は言葉を切ると、携帯電話を取り出した。
「はい、こちら作戦局第一課の日向・・・あ、技術科のサンソンか?そっちは大丈夫か!」
携帯電話からサンソンの悲痛な声が響く。
「ハンソンがやられた。今、息を引き取った所だ。葛城の姉さんは、今度はそっちに向かったみたいだ気を付けろ!」
日向と青葉の顔が青ざめた。なおも、サンソンの声が続く。
「それと、ハンソンが犠牲になってくれたお陰で、葛城の姉さんが配っていたホワイトチョコの正体が判明した」
携帯に耳を寄せる二人。
「今年は石鹸だ!」
二人は頭を抱えた。
(葛城さん、頼むから・・・せめて食える物を配って下さい・・・!)
はい、一日遅れのバレンタインデーネタでした。
EVAのアニメの方は、時間がないので、まだ最後まで視聴し終わっておりません。
でも、週末か来週明けに時間ができたら、アニメの第7話をベースにした話を一本投下する予定です。
しかし、初めは「うわ、面白いスレだ」と思いながらロムしてた側の人間だったのに、まさか、書く側になるとはねえ・・・。
471氏、早く復活して下さいな。
うお〜
職人さん超乙です!
おつ
職人乙、週末に期待
乙です!!
「・・・ただいま。」
伊吹宅の玄関のドアの開閉音とともにシンジの帰宅を告げる声が聞こえてきた。
いつもなら聞き逃す事は無いのだが、洗濯機が全力運転していたためか
マヤはシンジの帰りに全く気付いていなかった。
よりにもよって今日に限って・・・
「あ!シンジ君・・・?お、おかりなさい!」
マヤが気付いた時、シンジはすでに洗面所を通り過ぎリビングに着いていた。
あわてて後を追う彼女のスリッパのパタパタという音がやけに大きく聞こえる。
「・・・・・。」
リビングに先に着いていたシンジは一点を見つめていた。
その先にあるのはテーブルとその上にある丁寧にラッピングされた小さな箱・・・
「あのこれ―――」
「あ、それはね―――」
シンジとマヤが同時に口を開く。
そして同時に二人ともそこで言葉を止めてしまった。
(ど、どうしよう・・・。)
表面上は平静を装いながらもかなり動揺しているマヤ。
彼女の動揺の根源はテーブルの上に無造作に置かれた小さな箱・・・
「あ、これ。マヤさんのですよね?誰かに・・・あげるんですよね。」
そう語るシンジの声はどことなく羨ましそうなものだった。
一方のマヤも、彼の問いについうっかり「うん」と答えてしまう。
本当に言いたい事はそんな事では無かったのに・・・
「それじゃ、僕・・・着替えてきますね。今日の夕飯は僕の当番ですから・・・」
そう言うとシンジはどことなく気落ちした様な仕草で自分の部屋へと行ってしまった。
そして、そんな彼を見送るマヤも複雑な表情のまま・・・
「はぁ・・・、どうしよう・・・これ。」
テーブルの上の小箱を手に大きくため息をつくマヤ。
今日は2月14日、その意味を知らない人は殆ど居ないだろうと思われる特別な日・・・
(シンジ君・・・、勘違いしちゃってるよね。でも、今から渡しても・・・)
マヤとシンジが同居を始めてから早数ヶ月。
お互いの仕事の性質上、接する機会は多いのだが二人の距離は中々縮まってはいなかった。
最初の頃に比べればこれでもかなり打ち解けてきた方なのだが
シンジがどことなく他人行儀なのは、あまり変わっていない。
今、彼女の手にある小さな箱は、他の誰でもないシンジに渡す為に用意したものなのだが・・・
(う〜ん・・・)
今のこの状況にマヤは本気で悩んでいた。
ただ、チョコを渡すにしても、自分とシンジの立場を考えれば義理と受け取られかねない。
かと言って本命かと言われると・・・マヤ自身、正直なところ首を傾げてしまう。
幾度も死線をくぐり抜けてきた間柄とは言え、彼女も自分の気持ちはよく分かっていないのだ。
あるのはただ・・・、シンジともう少し打ち解けたいという想いだけ・・・
「あ、マヤさん。それじゃ支度しますね。」
「え?あ・・・うん。」
いつの間にか部屋から出ていたシンジはエプロンを付けつつ、マヤに声をかけてきた。
一方、半分自分の考えに没頭していたマヤは、そんな彼に初めて気付き驚きの声で返す。
(・・・・・。)
今、この瞬間チョコを渡す・・・、それは今のマヤには出来ない選択肢だった。
第一、シンジはこのチョコは自分以外のほかの誰かに渡すものと思っている。
そんな状況で渡しても・・・果たして彼は喜ぶだろうか・・・?
逆に、誰かに渡せなかったから自分に渡したものと受け取られかねない。
それでなくてもシンジの年頃は繊細なのだ。今ここで渡したところで逆効果になってしまう可能性すらある。
(MAGIは・・・食事の後が良いって言ってたんだけどね・・・)
今日の仕事の合間、こっそりMAGIに聞いた時は食後に渡すのが最良という判断が返ってきていた。
それに倣って、マヤもその通りに行動するつもりでいたのだ。
つくづく、テーブルの上におきっぱなしにしていた数分前の自分が恨めしく思えてくる。
(あ、そうだ!これなら・・・!)
食事の支度を始めたシンジの後姿を見ていたマヤはある考えを閃いたらしい。
小さな箱を手にしたまま、シンジの傍へと小走りで近づいていく。
「シンジ君、今日の夕飯は私が支度するわ。」
「え?でも、僕の当番ですよ?」
予想すらしていなかったマヤの提案に、
すでにまな板の上で野菜を切り始めていたシンジが意外そうな声で返す。
ジャガイモ、人参、タマネギ・・・それらの殆どが手付かずのまま、
まな板の上に鎮座ましましている。
「いいからいいから。今日はシンジ君はゆっくりしてて。」
そういうとマヤは半ば強引にシンジをダイニングルームから追い出してしまった。
いつもと違い、ダイニングルームとリビングを繋ぐ扉もキッチリ閉め
シンジからは料理をする自分が絶対に見えないようにしてしまっている。
(さてと・・・、これならうまくいくかな・・・?)
マヤは心の中で自問自答気味に呟いた。
それは半ば自分自身を勇気付けるかのように・・・
「ごちそうさまでした・・・。」
リビングにて少し遅めの夕食を終え、ごちそうさまを言うシンジ。
ずいぶん時間がかかっていたせいか、今日のカレーはいつも以上に美味しかった様な気がする。
食器の片付けをしようと彼が立ち上がろうとした時
「あ、今日はまだ終わりじゃないの。ちょっと待ってて。」
そう言うとマヤは自分も先程食べ終えたカレーの皿とシンジの皿を手に
ダイニングルームへ行ってしまった。
そんな彼女の行動にシンジはただただポカンとした表情のまま。
「はい、これ。」
程なくして戻ってきたマヤがテーブルの上に置いたのはガラス製の小さな器と
その器の上に乗るデザートの様な何か・・・
「あの、これは・・・?」
ワケが分からずシンジが思わずマヤに尋ねる。
「これはチョコレート味のプリン。ちょっと形は悪くなっちゃってるんだけど・・・。」
そういうマヤは、ちょっと頬を赤らめながら口元に微笑を浮かべている。
確かに彼女の言うとおり、市販品やプロの作った物と比べると幾分形に不揃い感がある。
ごく自然にプリンに手を付けようとするシンジだったが、ふとある事に気付く。
「あの、マヤさん?これって今日が14日だから・・・?」
「さ、食べましょ。冷えてるうちの方が美味しいから。」
いつの間にかマヤは自分の分のプリンもテーブルに置いている。
こうなってはシンジも食べないわけにはいかない。
なぜなら、日付とチョコレートの因果関係以外はいつもの食事と変わらないからだ。
シンジとしても拒否する理由が見つからない。
「・・・はい。いただきます。」
と、マヤに半ば押し切られる形でシンジはプリンを口に運びはじめた。
同時に口の中に程よい甘さが広がっていく。
「どう?美味しい?」
と、目の前で同じ様にプリンを食べるマヤが尋ねてきた。
美味しそうにプリンを食べる彼女の問いに黙ってうなずくしかないシンジ。
(・・・・・。)
そんな彼の頬はいつもより少しだけ赤く染まっている。
そして、そのデザートの材料にはさっきの小箱の中身が使われていたのだが、
今の彼には知る由も無かった。
勢いで書いてみました。
話は滅茶苦茶ですが、良スレ支援という事で。
支援になってるかな・・・?
822 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/18(月) 01:53:05 ID:Z+460pAa
GJ!また、書いてくれる事を楽しみにしておく。
旧東京にそびえる巨大なドーム。
ミサトが、うち(ネルフ)の利権にあぶれた企業群と揶揄している『日本重化学工業共同体』の施設の一つだ。
この施設の一角で、本日、日本重化学工業共同体が開発した決戦兵器の披露記念会が催されていた。
「本日はお忙しいところ、お越しいただき誠にありがとうございます」
壇上で司会を務めるのは、日本重化学工業共同体代表・時田シロウだ。
会場には、政財界の要人の他、ネルフからもリツコとミサト、そしてマヤが招待されていた。いや、正確には、マヤはリツコにねだって無理に連れてきてもらったのだが。
「皆様、モニターをご覧下さい。これが我が時田重工業が誇るJAの勇姿です」
会場の巨大モニターに、3Dの決戦兵器が映し出された。
3Dの決戦兵器がゆっくりと回転し、その全容を会場の人々に示す。画面の左右の端では、決戦兵器の要所要所が拡大され、解説文が表示される。
会場の人々が感嘆の息を漏らした。
真っ白なボディの巨大な人型ロボット。
左手に赤いシールドを装備し、右手には巨大なライフル型のレーザ砲を握っている。
額には、V字の飾りが金色の光を放って輝いていた。
どうみても、○ンダムだった・・・。
「では、JAについて、簡単な説明をば・・・」
時田シロウが、この決戦兵器について簡単な説明を終えると、
「後ほど、管制室に席を移し実物をご覧頂きますが、ご質問のある方は、この場でどうぞ」と会場に呼びかけた。
「はい」
手を上げたのはリツコだった。
「これはネルフの赤木リツコ博士。お越しいただいて光栄の至りです」
「この陸戦兵器に対し、少し意見を申し上げても良いでしょうか?」
「ええ、ご遠慮なくどうぞ」
「この兵器を使用するのは、大変危険だと思われます」
リツコの主張に、時田は小さく笑うと肩をすくめた。
「ほほう・・・JAが、EVAのように暴走を起すとでも仰るんですか?」
「いいえ」
「では、陸戦兵器にリアクターを内臓している事が危険だと?」
「いいえ」
「では、遠隔操作では緊急対処に問題を起すとでも?」
「いいえ」
「おやおや、何が問題だと仰りたいんですか?赤木博士」
「バンダイから訴えられる危険があるといっているんです」
リツコの言葉に、時田は呆れたような表情を見せた。
「はあ?玩具メーカーが我々を訴えると・・・ははは、何を根拠に」
「だって」
リツコは、モニターに映し出されたJAの3D映像を見上げると、
「これって、どうみたってガンダ・・・」
「わああああああ!!!!」
リツコが言い終わる前に、時田が大声を上げて遮ってしまった。
「な、何を仰るんですか、赤木博士!こ、言葉を謹んで頂きたい!」
「でも、どうみたってこれってガンダ・・・」
「赤木博士!!」
また時田が遮った。
「言いがかりはよして頂きたい!そのガン何とかと、JAのどこが似てると仰るんですか!?」
時田の抗議に、リツコは冷静に酷似点を指摘し始めた。
「例えば」と、JAが左手に持つシールドを指差す。
「あれって、どうみたって某ロボットアニメのシールドと同じでしょ?」
「あれは、ネルフが新劇場版で使った“ESVシールド”を参考に、独自に開発したものです!」
「じゃあ、左手に持ってるのはビームライフルでは?」
「最新のポジトロンライフルです!」
「額の穴、バルカン砲じゃないかしら?」
「あれは唯の通風孔です!」
「それじゃ背中の二対のステック。あれってビームサーベルの柄では?」
「あ、あれは・・・」
時田は、ここで言葉を濁した。
「あれは何よ?」
「あ、あれは唯のアンテナです!」
「あら、何のアンテナかしら?」
「それは右のアンテナでFM放送を、左のアンテナでAM放送を・・・」
「それじゃ、唯のラジオじゃない!」
「世界初、ラジオ一体型・決戦兵器です」
呆れるリツコ。
「何で、ラジオと決戦兵器を一体化する必要があるのかしら?」
「もちろん、素早く使徒の本に行く為、ラジオで道路状況を把握する為です」
「それなら、カーナビ付けた方が速いじゃない?」
「それは予算の都合で無理でした」
「先輩、もうこの辺りで・・・」
かたわらからマヤが心配そうに声を掛けた。だが、リツコはそれを無視すると、
「それじゃ、これはどう説明されるのかしら?」
ツカツカと壇上の時田の元に詰め寄った。そして、日本重化学工業共同体が配布していたパンフを開き、ある箇所を指差す。
「このJAの搭乗資格の所、“ニュータイプ”と書かれていますが?」
「え、そんなこと書いてます?」
リツコの言葉に、時田は驚いたように自分のパンフを覗き込んだ。
そして「あははははは・・・これは唯の印刷ミスですね」と言い訳する。
「印刷ミスですって?じゃあ、本来は何と書かれているんですか?」
「これは、ニュータイプではなく、ニューハーフ・・・」
「何で、搭乗資格がオカマなのよ!」
「それは、JA最大の謎です!」
二人の視線が、激しく中空でブツカリあった。
ネルフの自負と日本重化学工業共同体のプライドが、火花を散らす。
「はあ・・・」と深々と嘆息すると、肩を落として、かぶりを振った。
「では、どうあっても、そちらはあれをオリジナル決戦兵器だと仰るんですね?」
「もちろんです!日本重化学工業共同体の科学が結集した百%オリジナルMSです!」
「今、MSっていったわよね!」
「言ってません!」
「いいえ、確かに聞きました!」
「聞き間違いです!」
「マヤ!バンダイに通報して!」
「警備員!このネルフご一行を控え室にお連れしろ!」
ネルフ一行の三人は、まとめてつまみ出されたのだった。
ネルフ一行に与えられた簡素な控え室。
「先輩、もう横でハラハラしましたよ」
「ごめんなさい。ちょっと大人げなかったかしらね」
両手を握り締めて心配するマヤに、リツコは少し反省した。
控え室のパイプ椅子に腰掛けたまま、リツコはもう一度嘆息する。
そして、「所で、ずっと気になってたんだけど」と、ミサトの方に視線をやった。
「ねえ、ミサト」
「あによ?」
「今日は私もマヤも、正装で着ているわよね」
「うん、リツコもマヤちゃんも似合っているわ」
「会場の人たちも、正装だったわよね」
「うん、高そうな服着てたわ」
「なのに何であんただけ、対放射能スーツを着てるのかしら?」
そう。今日の披露記念会に、なぜかミサトは不恰好な対放射能スーツを着て参加していたのだ。
リツコの問い掛けに、ミサトは「いやねえ、もうリツコったら!」とニコニコ笑いながら手を振った。
「ほら、今回はJAが暴走しちゃって、大変な事態に陥るって話じゃない。そんで、アタシがこれ着て大活躍するんでしょ?ちゃ〜んと、ツタヤでDVD借りて確認済みなんだから」
「だからって、事故が起きる前から着ることはないでしょ?」
「だって着替えるの面倒だもの」
「もしかして、自宅からその格好で来たのかしら?」
「もちろん!」
呆れた様子で頭を抱えるリツコとは裏腹に、マヤはミサトに声援を送った。
「うわあ!今回は、葛城さんが大活躍するんですね!応援してますから、頑張って下さいね!」
意外な反応だった。
「あら、マヤちゃん応援してくれるの?私、今回の活躍で二ポイント目になっちゃうんだけど」
「そんな!葛城さんが活躍されるのに・・・私、そんな心の狭い女じゃありません!」
「ふう〜ん・・・そ、なの・・・」
ミサトが疑い深げな目でマヤを見返した時、突然、警報が鳴り響いた。
「あれ、もう暴走が始まっちゃったの?」
スーツの中でミサトが首を傾げたが、リツコは「待って」と、立ち上がると耳を済ませた。
遠くでガラスが割れる音が響き、続いて怒声と銃声が聞こえた。
「違うわ!襲撃よミサト!」
ズカズカと、複数の人間の足音が近づく。
ミサトたちが詰める控え室の扉を押し開き、三人の正体不明の武装兵が乱入した。
「フリーズ!」
武装兵の一人がリツコに銃を突き付ける。
瞬間、ミサトとリツコは互いにアイコンタクトを交わした。
間髪いれず、リツコの長い足が武装兵の股間をヒットし、ミサトが武装兵の銃を奪おうと素早く飛び掛る。
「葛城さん、危ない!」
ズダーン!
飛び掛る前に、ミサトは盛大に転倒した。
「ちょっと何やってんのよミサト!」
「しゃーないじゃない、このスーツ足上がんないのよ!」
「だからなんで、そんなもの着てくるのよ!」
ミサトが転倒した隙に、股間を蹴られた武装兵に代わって、他の武装兵たちがリツコとミサトに銃を突きつけた。
「大人しくしろ!」
手を上げるリツコ。転倒したミサトもマヤに助け起されてから、二人で手を上げる。
謎の武装兵にうながされて、三人は控え室から出された。そして、銃を突き付けられたまま、どこかに連行される。
「リツコ・・・何なのよ、こいつら?まさか戦自?」
「服装が違うわよ。別の、どっかの企業群の回し者じゃないかしら?」
両手を挙げて歩きながら、囁きあう二人。
と、会場の方から銃声が聞こえた。それに時田の叫び声が続く。
(ヤバイわね!)
瞬間、二人は、またアイコンタクトを交わした。
「ミサト!」
リツコが素早く武装兵の一人に体当たりを食らわし、ミサトも素早く飛び掛る。
「葛城さん、危ない!」
ズダーン!
だがミサトは、またしても転倒してしまった。
「もう何やってんのよ、ミサト!」
怒鳴るリツコ。
「あれ、ちょっちおかしくない」
首を傾げるミサト。
また銃を突き付けなおす武装兵たち。だが、ミサトは立ち上がった途端、
「おりゃああああ!」
こりもせずに、再度、飛び掛った。
そして、「葛城さん、危ない!」という三度目のマヤの声を聞いた瞬間、素早く背後を振り返る。
振り返ったそこには、スカートをたくし上げ、片足を上げて“蹴りを入れる姿勢”を取ったマヤが固まっていた。
「あの・・・マヤちゃん、何をしようとしてるのかしら?」
「え、だから危ないって・・・」
「っていいながら、アタシに蹴りを入れようとしてない?」
マヤは引きつった笑顔を見せた。
「え、そんな・・・誤解です。葛城さん」
ミサトがさっきから転倒していたのは、スーツのせいではなかった。ミサトが飛び掛ろうとする度に、マヤが背後から蹴り倒していたのだ。
「マヤちゃん、そ・こ・ま・で・し・て・・・アタシに手柄を立てさせたくないのかしら?」
「な、何の事でしょう?・・・あはははは」
白々しく笑いながら、視線をそらすマヤ。
ミサトが今回活躍することなど、マヤもDVDを見て確認済みだった。
だからこそ、リツコに同行させてもらったのだ。ミサトの邪魔をする為に。
このような不測の事態が起きようとも、マヤは、ミサトに活躍させる気など全くなかった。
二人の間に、激しい火花が散る。
「あの〜・・・・」
隣から武装兵が咳払いをした。
「もうちょっと、緊迫して頂ければ有り難いのだが・・・・」
「我々は、あなたがたゲストには危害を加えるつもりはない。取り合えず、会場の方に集まって頂きたい」
三人が会場に連行されると、既に時田を初めとする職員たちが、武装兵らに銃を突き付けられた状態で一箇所に集められていた。
ゲストの人々は、二、三人の武装兵に見張られているだけで、危害を加えられてはいなかった。
「貴様らは何者だ!」
武装兵の頭目らしき男に向かって、時田が怒鳴った。
「我々のバックは内務省だぞ!こんな事をして許されると思っているのか!?」
「もちろん、許されるとも」
低い声音で答える頭目。
「むしろ、我々には権利すらある・・・」
頭目の言葉に、急に時田の顔色が変わった。
「ま、まさか・・・まさか貴様らは・・・!」
頭目はおもむろに、身分証明書を取り出した。そして、時田が最も恐れていたそれを眼前に突き付ける。
頭目の身分証明書には、五つのアルファベットが入っていた。
「J」と「I」と「M」と「C」と「A」の五文字。
日本国際映画著作権協会JIMCAだった。
「時田シロウ。貴様らを著作権侵害の疑いで連行する」
時田は愕然とした様子で、その場に膝を付いた。
いずれ訴えられることは薄々気付いていた。だが、まさかこんなに早くとは思わなかった。
「ま、待ってくれ!今、JAの計画を中止されちゃ困るんだ!」
青ざめた顔で、時田はJIMCAの男の足にすがりついた。
「もう少し、もう少し待ってくれ!!」
余りの時田の狼狽振りに、JIMCAの男は眉をしかめた。時田は、懐から一枚のポスターを取り出すと、男に向かって広げて見せた。
ポスターには、JAの勇姿と『機動戦士JA』というロゴが入っていた。
「既にアニメ化が決定してるんだ!」
時田に、蹴りが入った。
「こいつらを連行しろ!」
「ゲーム化の予定もあるんだ!!」
暴れる時田を抑え付けながら、JIMCAの武装兵たちは、重工の職員たちを連行して行ったのだった。
後には、それを唖然の眺めるゲストだけが残された。
しばしの沈黙後、リツコがポツリとつぶやいた。
「さ、帰りましょうか」
そういいつつ腕時計を見やり「マヤ、一緒に夕食の買い物してく?」と後輩に呼びかける。
「はい、先輩!」
横からミサトが顔を出す。
「あの〜リツコ・・・」
「何?」
「アタシの・・・出番は・・・?」
「さあ?」
「葛城さん、残念でした〜!」
「何よ、これ〜!?DVDの内容と違うじゃない!」
一ポイントを逃したミサトであった。
後日談。
再び日本重化学工業共同体の巨大ドーム施設。
この研究室で、JIMCAから解放された職員たちが集まっていた。
「いやあ、この間は酷い目に会いましたね、時田代表」
「ああ、全くだ。また一から決戦兵器の作り直しだ・・・」
そういいつつ、時田は机の上に図面を広げた。
「だが、今度は大丈夫だ。今度こそ、完全オリジナルだからな」
図面には、新たな決戦兵器が詳細に描かれていた。
「今度の決戦兵器は、陸戦・空中戦・宇宙戦対応だ」
「おお!」
時田は、図面のページをめくった。
「しかも、この通り。人型・半人型・戦闘機型の三段階に変形できる優れものだ」
「それは凄い!」
職員たちが感嘆の声を上げる。
「ははは、時田重工完全オリジナル。三形態・決戦兵器、名付けてマクロスだ」
はい、終わり。
相変わらず、長すぎる話ですみません。
本当は、三つのストーリーからなるお話でしたが、面倒なので、一話に割愛・圧縮しました。
今回は、マヤさんもミサトも活躍してないので、面白いかどうかちょっち疑問ですが。
何だか会話中心のグダグダなストーリーになってしまったような・・・。
しかし、もう800レスいっちゃってるんですね。
次のスレが立った時も、連載を続けるべきでしょうか?
でも、ギリギリシリーズは各話が繋がってて、伏線もあるので、
次スレで続きを書いても、後からロムした人には訳分かんなくなると思うんですが。
一応、ギリギリシリーズはクライマックスの話が三篇ほど考えてあります。
マヤとシンジの過去にまで掘り下げるシリアスストーリーが二編?に、さらに、その後日談になる意外な展開が一遍。
前者は、書き上げるのに物凄く時間が掛かると思うので、このレスが終わる前に書くのは無理だと思われます。
後者だけ書き上げて、このスレが終わる前に投稿し、シリーズを完結させときましょうかね?
過去ログも読める人は読めるので続いても問題無し無し
しかしマヤちょん、壊れて来たなー
乙。
話が長い時は、一度に投下せずに、何遍かに分けてもらえると有り難いです。
835 :
834:2008/02/19(火) 08:20:46 ID:???
というか、もっとマヤさんメインの話を。
乙!
話はまとまっているほうがいいなぁ
マヤまち
おつ
「あ、父さん・・・・その・・・」
リビングで受話器を握りながら、シンジは父親に電話を掛けていた。
近くでは、Tシャツに短パンというラフな姿のマヤさんが、ポテチをツマミながら、ノートパソコンをいじっている。
「こ、こんど学校で先生とボクと父さんで、進路について話し合わなくちゃならないらしいんだ」
「ああ、三者面談の事か・・・もうそんな時期か」
「父さん・・・来れる?」
受話器の向こうから、ゲンドウの溜め息が聞こえた。
「そういう事は、保護者の伊吹二尉に任せてある。わざわざ、私に報告するんじゃない」
「あ、それと・・・父さん?」
素っ気無いゲンドウの言葉に、シンジはもう少し話を続けようとしたが、既に受話器からは“ツーツー”という電子音しか聞こえなくなっていた。
シンジは、受話器を耳に当てながら肩を落とした。そして、同居人を振り返る。
「あの、マヤさん」
「うん、な〜に、シンジ君?」
ポテチをくわえながら答えるマヤ。
「今、アメリカの国防省のサイトをハックしてる所だから、忙しいのよ」
答えながらも、マヤの視線と指先は、ノートパソコンに集中したままだった。
少し遠慮がちに、シンジは言葉を続ける。
「今度、ボクの将来について話し合わなくちゃならないんですけど・・・」
「へ?」
マヤは、怪訝な様子で眉を寄せ、ポテチをくわえたままシンジに視線を向けた。
(私とシンジ君の将来について話し合う・・・・? どういう事かしら?)
「普通は、両親が来てくれなくちゃいけないんですけど、今父さんに話したら・・・」
シンジは受話器を示しながら、肩を落として見せた。
「父さんは、ボクのことは、マヤさんに任せてあるからって・・・」
マヤは、自分の耳を疑った。
(シンジ君のお父さんが、シンジ君の将来を私に任せるっですって・・・!?)
「今月の28日になるんです。その日に、話し合わなくちゃならないんです」
マヤの口から、ポロリとポテチが落ちた。
(二人の将来について、話し合いに行く・・・!?)
「そ、それって・・・・」
戸惑うマヤの様子に、シンジは「用事があるなら別にいいんですけど」と申し訳なさそうに付け足した。だが、マヤは激しく首を横に振った。
「も、もちろん。OKよ!」
しかし、胸に手をあて、「で、でも、まだ心の準備が・・・・」と、やはり戸惑う。
「ボクも初めてなんで、ちょっと緊張してるんですけどね」
「も、もちろん、私も初めてよ!」
マヤは、やたらカクカクとうなずいた。
(で、でも、そんな・・・急に・・・)
思い掛けぬ話に、胸を抑えて、思いを巡らせるマヤ。が、直ぐにマヤは、“はっ”とシンジを見上げた。
「あ、あのシンジ君・・・もしかして、式の方も決まってるのかしら・・・・?」
「式ですか?普通に四月からになりますけど・・・」
「ええ!やっぱり、もう決まっちゃってるの!?」
マヤは思わず立ち上がった。その表情は驚愕に引きつっている。
「で、でも、私、何にも聞いてないわよ!」
「そりゃ、マヤさんに話さなくても、初めから決まってる事ですし・・・」
「初めから!?」
唖然とした様子で、マヤはシンジを見詰めた。そして、しばしの沈黙を挟んだ後、マヤはノートパソコンを放り出したまま、自室へと戻ってしまった。まるで放心したかのようなフラフラとした足取りで。
「マヤさん?」
不思議に思い、声を掛けるシンジ。
だが、シンジの声を他所(よそ)に、マヤは自室の扉を閉め、そのまま扉にもたれかかった。そして、両手を胸に重ねて嘆息する。
(そ、そんな、初めから決まってただなんて・・・それじゃ、先輩が同居生活を進めたのは、予行練習みたいなものだったのね・・・!)
その日、マヤさんはOKを出すと、急に口数が少なくなってしまった。しかも、時計の針が夜の九時を少し回っただけで、さっさと就寝してしまった。
「今日は、ボクも早く寝るか・・・」
マヤさんを見習い、少し早めに床についたシンジ。
彼は、その夜、夢を見た。
夢で見たそこは、シンジの部屋の中だった。そして、その夢には、マヤさんが出演していた。
何かがのしかかる重みで、夢の中で目を覚ますシンジ。ふと見上げれば、そこには窓から差し込む月明かりに映し出されたマヤさんの姿があった。
夢の中のマヤさんは、シンジにのしかかると足を絡めながら、顔を近づけようとしていた。
マヤさんの温もりと柔らかな臀部の感触が伝わる。マヤさんの顔が近づくに連れ、マヤさんの良い香りが鼻腔をくすぐった。
随分と、リアルな夢だった。
でも、こんなシチュエーションはありえない事は分かっている。だからシンジは、直ぐに夢だと気付いていた。
「マヤさん・・・」
「シ、シンジ君・・・」
トロンとした目つきで、夢の中のマヤさんは、シンジの頬に手を添えた。
「私たち・・・もう直ぐ一緒になるんだから・・・」
マヤさんの声が震えた。
「い、いいわよね・・・?」
そして、マヤさんの吐息が近づく。
でも、夢だと分かっているシンジは、さほど戸惑わなかった。彼の意識は、まだ眠気の方が多かった。
「一緒にって・・・・何の事です・・・?」
夢うつつに、問い返すシンジ。
「だって・・・私たち四月には式を挙げるんでしょ・・・」
「式・・・?ああ、始業式なら・・・別に保護者は・・・出席にしなくても・・・いいんですよ・・・」
覚めやらぬ意識の中で、シンジがたどたどしく言葉をつむぐと、マヤは動きを止めた。
「え、始業式・・・“式”って始業式の事・・・?」
「はい・・・」
キョトンとするマヤ。
「じゃ、じゃあ、28日に二人の将来について話あうっていうのは?」
「はい・・・先生とマヤさんとボクで・・・進路について話し合うとか・・・」
マヤは驚いた様子で、上半身を起した。そして、「それって三者面談の事!?」とボソリとつぶやく。
「それじゃ、お義父さんが私に、シンジ君の事を任せるって言ってたのは?」
「マヤさんはボクの保護者だから・・・全て一任してあるって・・・父さんがいってました」
惚けていたマヤさんの表情が、こわばった。困った様子で頭をかき始めている。
「それじゃ、私の・・・勘違い?」
「あの・・・マヤさん・・・」
「は、はい、何?」
「ちょっと重いので、どけてもらえますか・・・」
「あ、あ!ご、ごめんなさい!」
慌ててシンジの上からどけるマヤ。
半分瞼を閉じたまま、その様子を見詰めるシンジは、夢の中のマヤさんに分かり切った事をたずねる。
「ねえ、マヤさん・・・これって、夢ですよね・・・?」
「え、夢?」
シンジの言葉に、マヤはうなずいた。
「そ、そうなのよ。これは夢よ、夢!シンジ君が私を思う余り、見ちゃった夢なの!」
そして、無理に笑顔を作る。
「もう、シンジ君たら!私を夢の中にまで登場させるなんて、困ったこね!」
そういうと、マヤはパタパタと手を振りながら、シンジの部屋から抜け出して行ったのだった。
夢の中のマヤさんが、消えると、シンジは何事もなかったかのように寝返りを打ち、そのまま深く眠りについたのだった。
シンジの部屋を抜け出したマヤは、その場にへたり込んだ。
自分の胸を抑え、激しく自分自身を叱り付ける。
(もう!マヤのバカバカバカバカバカバカバカバカ!)
今更ながら、自分の犯した大胆な行動に恥ずかしさが込み上げ、頭を抱えてしまう。
(もう、とんだ勘違いじゃない!)
勘違いの為に、後もう少しで一線を越えてしまう所だった。込み上げる羞恥心には堪えかねたが、途中で誤解に気付いたのは幸いだった。
(シンジ君が・・・夢だと思ってくれて、本当に良かった・・・!)
両手を合わせ、祈るようにその事を感謝する。
だが、
(夢・・・?)
ふとマヤは何かを思い付き、直ぐに素の表情に戻った。
(シンジ君が、夢だと思ってくれているって事は・・・)
スクリと立ち上がるマヤ。
(ちょっとくらい・・・いいわよね?)
何を思ったのか、マヤは再びシンジの寝室に足を忍びいれた。
翌朝、洗面台の前でシンジは首を傾げていた。
不思議そうな顔で、自分の頬を見詰めている。
「シンジ君、おはよ〜」
「あ、おはようございます。マヤさん、ちょっとこれ見てください」
シンジはマヤを振り返ると、自分の頬を指差した。
「何だか、頬に赤いアザが出来てるんです」
一瞬、マヤがドキリとした表情を見せた。だが、直ぐに元に戻る。
「あら、シンジ君。それは床(トコ)ずれの跡よ」
「え、これが床ずれって奴ですか?」
マヤは頷くと、冷蔵庫からアイスノンを取り出して、シンジに手渡した。
「シンジ君。そのタイプの床ずれは、冷やせば直ぐに消えちゃうわよ」
シンジはお礼をいうと、洗面台の前でアイスノンを頬に当てた。が、直ぐに別の異変に気付く。
「あれ?ちょ、マヤさん!こ、これ見てください!」
今度は、自分の首筋を示すシンジ。
「なんでしょう、これ? 変な爪あとみたいなものが、付いてるんです!」
またマヤは一瞬ドキリとしたが「シンジ君、それも床ずれの跡よ」と笑顔で答えた。
「これも、床ずれですか!?」
「そうなのよ。シンジ君の年頃になれば、そういう床ずれの跡が結構できるものなの」
マヤはそういうと、近くの棚から絆創膏を取り出した。そして、シンジの首筋に、その跡を隠すように張って上げる。
「へえ、そうなんですか」
ウブなシンジは、頬のアザがキスマークである事も、首筋の爪あとが歯形である事も、気付かなかったのだった。
そして、その跡を付けた犯人が目の前にいる事も・・・。
「シンジ君。これからも、朝起きたら、そういう跡が付いてる事があると思うけど・・・気にしちゃダメよ?」
はい、終わり。
前回ので反省し、今度は分量を減らしました。
他の職人さんたちみたいに、もっと分量の少ない簡潔な話が作れるようにがんばってみます。
沢山ストーリーが浮かんでるといいましたが、どれもツマンネエので、もうちょっと慎重にストーリーを練ってみます。
>>815-820 すごく読みやすかった良いです。やっぱり、「」や()の前後の行は空けた方がいいのかな。
私の空行は、思いっきり適当なんで。
>>847 投下乙です
マヤさんの大胆さというか壊れ具合が(いい意味で)拍車が掛かってきてるw
つーかネルフ女性陣が全員どっか壊れてるのが面白い
849 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/25(月) 23:49:16 ID:neS3XzT6
いやぁ、毎回かなりギリギリですね!
投下乙です。次回も楽しみで、楽しみで仕方ないです。
「それにしてもあっついわねぇ」
胸元をパタパタとさせながらアスカは言う。
どうしても視線がそこへ向かってしまいそうなので、僕はアスカに背を向けた。
「なによ、アンタ達はこの暑さになんの疑問も持たないわけ」
アスカは両手を挙げ信じらんない、という大げさなジェスチャーをした。
「暑い暑い言っても、涼しくなるわけじゃないし」
このまま黙っていると激が飛びそうなので僕は答えた。
「ファーストの意見は?」
「別に」
綾波も綾波で抑揚の無い返事をした。
「あーもう、ほんと、アンタ達は冷めてるわね……アンタ達と話してると若干体温下がりそ。で今度の休みどうするの?」
「今度の休み?」
「ミサトから聞いてないの?プールよプ、ゥ、ル」
「そういえば、帰る前に立ち寄ってくれっては言われてるけど」
ミサトさんがやけに、にこにこと話しかけてきたのはこのせいだったのだろうか?
「なーんだ、もしかしたら私だけ特別かと思ったのに。まぁいいわ、とりあえず変な目で私のこと見ないでよね」
「み、見ないよ」
少しだけ想像してしまった自分に自己嫌悪しながら、そういえば、と思い立つ。
「そういえば、誰が行くの?」
なるべく自然に聞こえるよう、意識して僕は聞いた。
「えーと、まず主催者のミサトでしょ、あ、なんか自分の水着姿期待しててとか言ってたわね、ミサト。ああいう年増がはしゃぐのって本当に見苦しいわよね」
僕はアスカの後ろでひくついているミサトさんの姿を、見なかったことにしながら続きを促す。
「加持さんは参加できないって。ほんと信じらんない、仕事ってことらしいけど、それもどうだかって感じね、私と加持さんがひっつくのにミサトが嫉妬してるのかも」
綾波は、話を聞いているのかいないのか、それとも今後起こりうる事態を察知してか、席を立ち部屋を出た。
「あとは赤木博士も来るとか来ないとか、えーと、他は忘れちゃったわ、あとはミサトに聞いて頂戴」
「へぇ……」
肝心の所をアスカは覚えていないようだった。
んじゃあ、とアスカが振り上げた右手が何かに当たる。
「ちょっとファースト、ぼさっと突っ立ったたない、もうどんくさいわねぇ」
想像通りのことが想像通りに起こっただけなので割愛する。
「あの、マヤさんはどうするって言ってました?」
「うーん」
ミサトは頭を抱えながら、気難しそうな顔をしている。
「私も当然ね、誘ったのよ、加持君も日向君も青葉君も来ないから〜って。
でも、やっぱりあの子恥ずかしがりやなのか、決めかねてるみたいで
決めかねてるっていうかシンジ君は是非連れて行ってあげてくださいって言ってたからねぇ、自分は行かない心づもりみたいよ」
「あの他には、誰か誘ってるんですか?」
「ヒカリちゃんだっけ?アスカの友達の、あの子とか、あとはシンジ君の友達も誘ってもおっけーよ」
その可能性かもしれない、と僕は少し思った。
考えすぎかもしれないがトウジ達に自分の水着姿を見られるのが嫌でマヤさんは来ないのではないだろうか?。
僕はマヤさんが行くのであれば(マヤさんの水着姿がみられるので)行きたいが、そうでなければ行く価値は半減する。
いざとなったら僕は友人を切る覚悟もできていた。
それ程までに、水着くらいのマヤさんの露出した姿を僕は見たかったし(見たことがなかったし)
同居していても、こんな機会でもなければ見ることはかなわないであろう。
「私もちょっち、マヤちゃんと距離を感じるのよね、こう裸の付き合いでぐぐっと距離を縮められたらなと思うのよ」
「その距離はリツコとミサトの人望の差じゃないの?」
裸じゃないと思うんですが、という突っ込みより先に、アスカが口を出したので僕は黙った。
「なんですって!あーもう話が進まないから、アスカは帰った帰った」
ミサトはしっしっとアスカにでていけと手を振った。
「何よ、私だけ仲間外れってわけ? 面白そうだから、私も混ぜなさいよ。私もマヤの身体に興味がわいて来たわ」
がっしと僕達は手を握り合った。
「マヤさんを、この状況から誘う勝算は?」
「神のみぞ知る、と言ったところかしら」
「態度を変えることができたら、まさに奇跡ですね」
マヤさんは、譲らないところはとことん譲らない性格だ。
「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値がでるものよ」
「つまり、何とかして見せろ、って事?」
「すまないけど、私がこれ以上強く出ることは経験上いい結果を生まないわ」
ミサトはホワイトボードに書いたいくつかの案を指しながら、真面目に言う。
「僕達でなんとかします、やらせてください!」
「やってやろうじゃないの」
ユニゾンの時以上に僕達はシンクロしていた。
カツカツと廊下を歩く足音が響く。
「いい、私の考えた作戦はインパクト勝負のリアクション勝負
悔しいけど私だけじゃ無理。アンタの力が必要だわ」
珍しくアスカが、僕の助けを必要としている。
僕は力強く頷いた。
「で、僕はどうすればいい?」
「私が合図したら、部屋に入ってくればいいだけよ」
「え?それだけ?」
「それ以上は言えないわ、んじゃ丁度、マヤが一人で仕事してるみたいだから
アンタはここで待機、いいわね」
「わかった」
「おつかれさまでーっす」
アスカは先ほどまで話していた声色とは180度違う、明るい声でマヤさんに話しかけた。
「あら、アスカこそお疲れ様」
マヤさんはアスカの方に顔を向けそう言い、また作業に戻ったようだ。
アスカが音もなく、マヤさんに近づき、マヤさんの首元、いや肩に手を添える。
びくっとマヤさんの身体は反応する。
「あー、びっくりした」
「デスクワークって肩凝るでしょ?揉んであげる」
「えっ、ああ、ありがとう?」
顔はうかがい知れないが、声からは、何やら腑に落ちない様子が滲み出ている。
「ねぇ、マヤは今度の休み、プール行くの?」
「私は……遠慮しようかなって」
「えー、なんでなんで」
「やっぱり、その恥ずかしいじゃない、水着って」
肩を揉まれながらなせいか、リラックスした声でマヤさんは言う。
アスカはマヤさんの肩においた手を違和感なくスライドさせる。
「別に恥ずかしいことないと思うけど」
「ちょ、ちょっとアスカ」
あわてて振り向いたマヤさんの胸にアスカの手が沈んでいる。
しかも、本当にどうやったのだろうか、制服がはだけている。
それに気づくのと同時にアスカが僕に向かってアイコンタクトする。
「えっ」
マヤさんは驚きの声をあげた。
僕は言われた通りに歩き、マヤさんの前で対面する。
硬直した時の中、動くものは不規則につぶれるマヤさんの白い胸だけだった。
「水着も下着も同じもんよ、もう見られちゃったんだからいいわよね、行こう、プール」
どういう理屈なのだろう。
「シンジ君、見ないで、お願い」
顔を真っ赤にしたマヤさんはアスカの手を振りほどくと、両肩を抱え地面にうずくまった。
俯いたマヤさんの横顔から涙が零れ落ちた。
「……あ、あとは任せたわ、シンジ」
アスカはバツの悪そうに、部屋を退室した。
今となっては、これがアスカの立てた作戦通りなのかすらもわからない。
沈黙。長い沈黙。
「プールね」
マヤさんはポツポツと呟く。
「トラウマなの」
僕は黙ってマヤさんの話に耳を傾ける。
「昔、友達に、アンタは抵抗少なそうで羨ましいって……、それにみんな、大きい子の胸ばかり不潔な目で見て」
マヤさんは泣きじゃくりながら言った。
「そんなことありません、どれくらいが大きいとか小さいとかはわからないけど、マヤさんはもっと自信を持っていいと思います」
マヤさんは俯いた顔をあげた。
「だから、お願いだから僕にマヤさんの水着を見せてください!」
僕はマヤさんに手を差し出す。
マヤさんは身体を起こし、僕の手を取り立ち上がる。
その時も僕の目線ははだけた胸元に集中してしまう。
この魅力を理解できない人類なんて補完されてしまえばいい。そう思えるほどマヤさんは綺麗だった。
「じゃあ、今度の休みは特別に見せてあげる」
そう微笑んだ時、肩紐がするすると肩先をずり落ちた。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああ」
僕は休日を前にして特別なものを目にした。
ありがとうエヴァンゲリオン、ありがとうアスカ、全ての人達にありがとう。
後日全てを見られてしまったマヤさんは、ふっ切れたのか大胆な水着でプールへ臨み
周囲の注目を予想以上に掻っ攫ってしまい、また新たなトラウマを作ってしまうのでした。
(完)
GJ
いいね〜
大胆な水着ってのがどんなのか書いてないから
逆に妄想できるな〜
乙
乙!
おつ
ギリギリさんまだかな。
せかすわけじゃないけど週末が楽しみ。
酸素
>>862 いや、勝手に週刊連載にしないで下さいな(汗
底辺労働者ですので、週末になってもユックリ書く時間が確保できないんですよ。
でも、文章を磨くよい機会ですので、頑張って続けます。
以前、すでにクライマックスが脳内で出来ていると申しましたが、今回は、ボツにした方のクライマックスネタを投入してみます。
話は、旧劇場版辺りになります。
最後の使徒を倒し、ネルフの役割は終えたかに見えた。
だが、なぜかネルフ本部には、交互の進路を問う評議ではなく、“警戒態勢”がしかれていた
そして、“第一種・警戒態勢”が“第一種・戦闘配置”に変更されるのに、さほどの時間を有しなかった。
××日、8:10分。戦略自衛隊によるネルフへの攻撃開始が開始された。
最初の実行部隊がジオフロントへの地下ゲートに迫った時、彼らは足を止めた。
本来、閉じられているはずのゲートが、なぜか開かれていたのだ。
「よう、久しぶりだな、オメーら」
開かれたゲートの向こうから、作業服にグラサン姿の男が現われた。彼は、片手を挙げて自衛隊員たちを出迎える。
自衛隊員の一人が銃口を向けた。だが、直ぐに銃口を上げると、ゴーグルを外して男の姿を確認した。
「おお、サンソンじゃないか・・・!」
そう。以前もいったが、サンソンは元戦略自衛隊出身であり、自衛隊内では名の知られたパイロットだった。
「お前が、ゲートを開いてくれたのか!」
先発の隊員たちは、銃口を上げると、久方ぶりの友との再会に喜んだ。
「戦略自衛隊に帰ってきてくれるんだな!」
「大歓迎だ!みんな喜ぶぞ!」
だが、サンソンは旧友らの言葉に笑顔を返さなかった。肩をすくめ、告げる。
「残念ながらオレっちは、シンジの兄貴を裏切りたくねえんだ・・・お前らにここを通す訳にはいかねえ」
一瞬、サンソンの意外な言葉に旧友たちは沈黙した。そして、直ぐに銃口を向けなおす。
「だったらサンソン・・・・俺たちはお前を撃たなくちゃならない」
サンソンは、もう一度肩をすくめると、笑顔を浮かべた。
「すまねえな皆・・・・オレッちも一緒にあの世に行ってやっから、勘弁してくれよな」
言うや否や、サンソンは背中に隠し持っていた手榴弾のピンを抜いた。
起爆時間を一秒以下に調整しなおした手榴弾を・・・。
AM8:20分。戦略自衛隊の尖兵部隊全滅。及び、ネルフ技術局のA級勤務者・一人殉職。
AM8:50分。第二、第三、第四、第五の実行部隊投入。
AM10:00分。ネルフ作戦本部司令室に、戦略自衛隊突入。
凄まじい爆発音が司令室に鳴り響いた。
爆破された壁の向こうから、戦略自衛隊員たちが姿を見せる。
彼らは、武器の所持の有無を問わず、本部オペレーターたちを無差別に銃撃し始めた。
拳銃を抜く日向。
青葉も銃を抜くと、一つをコンソールの下でうずくまるマヤに手渡した。
「マヤちゃん、安全装置はずして・・・」
だが、マヤは呆然と手元の銃を見詰めるだけだった。
「私、私・・・てっぽう何て・・・」
「バカ!撃たなきゃ死ぬぞ!」
だが、マヤは激しくかぶりを振った。
「私、てっぽう何て・・・!」
「マヤちゃん!」
「そんな“しょぼい”なもの撃てません!!」
「へ?」
マヤは、銃を捨てると、スクリと立ち上がった。そして、どっから取り出したのか、肩にグレネードランチャーをかつぐ。
「撃つんだったら、これぐらいじゃないと」
そして、コンソールに片足を乗せると、マヤは躊躇(ちゅうちょ)なく自衛隊員目掛けて、引き金を引いた。
凄まじい爆音が鳴り響く。マヤが、迷わず二度目の引き金を引き終わった時には、既に自衛隊員たちは完全に沈黙していた。
立ち込める煙幕の中、マヤは悠然と同僚二人を振り返った。
「こっから一気に巻き返します!」
そして、唖然と見詰め返す二人を激励する。
「日向、青葉、ぬかるんじゃないわよ」
AM10:30分。
マヤ率いる本部スタッフの活躍により、戦略自衛隊・実行部隊全滅。
AM10:50分。
背中に被弾した葛城ミサト。ぶち切れ、単身、戦略自衛隊・本体に突撃。素手にて、本部隊を撃破。
AM11:00分。
葛城ミサト。「シンジ君。大人のキスをしましょう」と、ドサクサに紛れてシンジを強姦。しかし、寸前の所でマヤが放ったグレネードランチャーの一撃を受け、死亡。
そして、PM1:00分。全世界が震撼する事件が発生した。
戦略自衛隊本庁のスーパーコンピューターを始め、世界各国のネルフ支部のMAGI、全世界の国防省のスーパーコンピューター、はては個人のPCに至るまでが、何者かにクラッキングされたのだ。
いかなるセキュリティープログラムも、このクラッキングに気付かなかった。
人々が、既にこの地球上の全てのAT機器が何者かによって支配された事に気づいたのは、クラッカー本人がモニターに姿を現した時だった。
国連本部と各ネルフの司令室のメインモニターから、個人PCのモニターに至るまでもが、一人の少女を映し出す。
「は〜い、世界の皆さん。初めまして伊吹マヤで〜す。全世界のAT機器は、たった今、私がクラッキングしちゃいました〜」
クラッカー・・・マヤは、ニコヤカに微笑みながら挨拶をすると、ハンカチを取り出し、涙をぬぐう仕草を見せた。
「みなさん、今、私の職場のネルフが大変なことになっちゃってます・・・」
モニターが切り替わり、ネルフの惨状が映し出される。
「ここで倒れている女の子、私の同期の子です。可愛いでしょ?・・・でも、死んじゃいました」
モニターに幾人ものネルフ職員の死体が映し出された。
「この子も、こっちの子も、こっちの子も・・・」
再びモニターが切り替わり、マヤの姿を映し出した時、マヤは目に涙を浮かべながら両手を握り締めていた。
「み〜んな、み〜んな、死んじゃいました・・・」
涙をぬぐうマヤ。彼女は、片手を明後日の方に差し出すと「続いてこちらをごらん下さい」と、再びモニターを切り替えた。
今度は世界各地の軍事核施設が映し出される。
「現在、私のクラッキングにより、全世界の軍事核施設及び核兵器が、私の支配下にあります」
マヤの顔がモニターにドアップで映し出される。その顔には円満の笑みがたたえられていた。
「みなさん、私・・・今、すっごく、すっごく、すっごく・・・怒ってます」
次の瞬間、円満の笑みをたたえていたマヤの表情が、正反対のものへと変わった。
そして、全世界の人類に向かって、冷たく言い放つ。
「仕返しに、核撃ってもいいかしら?」
PM2:00分。ゼーレを除く、全世界がマヤに降伏した。
そして、一時間後、ネルフの支配下におかれた国連軍が、世界各国のネルフ支部を包囲していた。
戦略自衛隊の攻撃から破損を免れていた第二司令室。
「ネルフ第二、第三、第四、第五支部。降伏を申し入れてきています」
日向の報告が響く。
「ゼーレのメンバーが、第六支部にかくまわれている事が判明しました。徹底抗戦を続ける模様です」
青葉の報告が続く。
「まさか、こんな形で終わるとはな・・・」
メインモニターに映し出された第六支部と、それを包囲する国連軍を眺めながら、冬月がつぶやいた。
日向がヘッドホンを外すと、ゲンドウを振り返った。
「総攻撃の命令を要請しています」
ゲンドウはうなずくと、総司令席を仰いだ。
「ご命令を。伊吹総司令どの」
総司令席には、先ほど昇格した伊吹マヤが鎮座していた。その横には、マヤの推挙によって副指令に抜擢されたシンジが、冬月よろしく控えている。
マヤは満足げにうなずくと、命令を発した。
「ネルフ第六支部を殲滅せよ!」
ただし、降伏した人、無抵抗な人は撃ったダメよ、と付け足す。
メインモニターに国連軍が進撃する様子が映し出される。
司令室のスタッフが、一斉にメインモニターに注目した時、マヤは傍らのシンジをそっと抱き寄せた。そして、驚くシンジの唇をすばやくふさいでしまう。
みんなに気づかれてしまうと慌てるシンジ。だが、シンジの頭を抱きかかえ、離さないマヤ。
ようやく唇を解放した時、マヤはささやいた。
「シンジ君、大人のキスよ・・・」
そして、シンジの頬にキスをすると、もう一度ささやく。
「帰ったら、結婚しましょうね」
まあ、こんな感じの話です。
>>785-790の『使徒、侵入』の時みたいに、マヤさんがハッカー能力を活かして大逆転してしまうという展開。
でも、もっと良いクライマックスネタが浮かんだ為、ボツにしました。
(採用した方のクライマックスネタを、向後、書く機会があるかどうか分かりませんが)
>>868 誤字発見。
>AT機器
じゃなくて、
>IT機器
サンソンの部分とそれ以降の話のギャップがありすぎる、無駄死にとしか思えねーw
あと仮にも味方殺すなマヤw
今回はいつもにまして誤字が多かったなぁ。
なかなかいい始まりで引き込まれたが、後半どんどん加速してきて
あっという間に終わってしまったのが残念。
ちょっとギリギリが調子扱いてきたな。
さすが底辺。詰まんねー
ならお前が面白いやつ書いてみろっていう話しだよ
とにかく乙!
>>873 ネカフェからユックリ書いてる時間がなかったので、中盤を故意に省略したんですよ。
そもそも没ネタだからいいかと。
>>874 もともと一回きりで済ませるつもりだったんですよ。
でも、喜んでくださる人が何人かいらっしゃったので、じゃあ、もう一回だけ、もう一回だけと投稿を続けている内に、シリーズ化しちゃったんですね。
私は、おおよそのストーリーを考えてから、ネカフェに行って一気に書き上げて投下という手法を取っている為、推敲(すいこう)してない分、確かに不出来なネタも多いんです。あと誤字も。
非難も出てきた事ですから、この辺りで『ギリギリシリーズ』は終わりにしておきます。
それに私ばっか投稿してちゃ、他の職人さんにも迷惑が掛かってしまいますしね。
(特に、321氏が連載中に割り込む形になってしまい、申し訳ないことを致しました)
では、皆さん。三ヶ月余りありがとうございました。
また書きたくなった時は、自分でHP作って、自分の住処で書く事に致します。
ではでは。
しかし、結局、471氏は帰ってきて下さいませんでしたね。あの文章、すごく好きだったんですが。
最後に、今日、投下する予定だった一レスネタを、一本だけ投下しておきます。
<マヤさんからのメールの場合>
--------------------------
From: 伊吹マヤ
Title: シンジ君へ
今日はお仕事で帰れません。
今夜は一人で済ませて下さい。
晩御飯のオカズは、冷蔵庫のタッパの中に入ってます。
残さないでね。
Ps: 明日の日曜の朝には、お土産を持って帰ります。待っててね。
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<ミサトからのメールの場合>(同居時代)
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From: 葛城ミサト
Title: シンちゃんへ
今日は飲むので帰れません。
今夜は一人で処理して下さい。
夜のオカズは、私のタンスの二番目の引出しに入っています。
汚さないでね。
Ps: 明日の日曜の朝には、男を連れて帰ります。早めにどっかに出かけてね。
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では、よい勉強になりました。m(_ _)m
オカズwwwwwwwww
残念だけど、今まで楽しませてくれてありがとう。貴方のSSが大好きでした。
最後ワロタwwwwwww
乙!
しかし、おかしな奴が自演しながら1、2回煽ってきたくらいで、止めるこたあ無いと思うけどねえ……。
うむ
無理やり引きとめようとすることはないんじゃない?
帰ってくるのを待ちましょうや
>>874と
>>883は、同一に見えるな。
ここのギャラリーは数人しかいないから、今までにない口調の奴が現れると、直ぐ分かる。
別人です。
まあ同一人物だと思われてもかまわないけど。
ギリギリラインさん乙です。
変な奴の言うことは気にしないでいいです。
あなたの作品を読むのが楽しみでした。
マヤさんとシンジにこの後何があるのか気になります。
もう読めないのは残念です。
ギリギリの職人さん乙です、投下を楽しみにしておりました。ご自身のHPに連載されるときはどうかこのスレにも投下お願いします。
期待