シンジをとことん甘やかしてみる

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1名無しが氏んでも代わりはいるもの
スレ立ったらネタ考えてみるよ。

姉妹スレ

エヴァでシンジ以外甘えん坊だったら
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1168266428/l50
2名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 14:24:46 ID:KQwnPEXJ
2ゲト
3名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 14:38:28 ID:???
よーしよしシンジ君いい子だ、よしよしよしよし可愛いなぁよーしよしよしよしよし
4名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 14:47:47 ID:???
シンちゃーん、料理も掃除も私がしてあげるからー
5名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 14:50:28 ID:???
よしよしリーチですよぉ〜
6名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 15:25:41 ID:???
嫌だったら乗らないでもいいんだぜ!
7名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 16:18:32 ID:???
シンちゃん学校行きたくなかったら行かなくていいわよ?
何か欲しい物あったら言ってちょうだいダッシュで買ってくるから!
8名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 18:14:02 ID:JhLzeTO7
>>1
9名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 18:22:20 ID:???
>>3ムツゴロウっぽい
10畑 正憲さん:2007/01/30(火) 19:34:26 ID:8HCnQjyy
よーしよしよしよし ぁしぁしあしぁしぁしよしぁし
これはですね! シンジきゅんといいまして、ぁしぁし、
よーしよしよしよしよしよしよしぁしよ

シンジ「前歯全部折る」             ベキィ!!!!


…ぁしぁしょしよし よーしよしよしよし
         ぁしぁしあしぁしぁしよしぁし(ry
11>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/01/30(火) 19:50:35 ID:No/xuNox
どこにこれだけの人が居たのか、などと言いたくなるほどの観衆が見守るなか、
歓迎パレードは大歓声の中で盛大に取り行われた。
バトントワラーが華やかな舞い、そして鼓笛隊の堂々たる演奏と共に、
ある一台のリムジンカーが戦自の誇る戦車部隊に守られながら、
歓迎式典までの道のりを人々の喝采を受けながらゆっくりと進み、遂に歓迎式典へと到着する。
そして、NERV作戦部長たる葛城ミサトのうやうやしい対応を受けてリムジンから降り立ったのは、
どこから見ても男子中学生にしか見えない只一人の少年、碇シンジである。

第三東京市市長、および来賓のゼーレ議長キールの祝福の言葉を受け、
科学の街らしくスーパーコンピュータであるMAGIによる前代未聞の開催宣言が行われた後に、
ついに碇シンジが観衆の前へと姿を現す。
飛び交う歓声、黄色い声援、そして万雷の拍手。
彼の登場と共に、「ゆけゆけ碇シンジ」などというテーマソングを歌っているのは、
一体どうやって調べたのだろうか、シンジがこよなく愛しS-DATで聞いている有名アーティストその人である。
その、どんな国賓クラスでもロックスターでも味わったことのない歓迎を受けて、
彼は目を白黒させてその場の状況を受け入れられずにいる。
いや、実のところは呼ばれた理由すらわかっていないのだ。
そして式典の中央にある巨大な代物。それこそは人型決戦兵器エヴァンゲリオン初号機。
碇シンジはやっとの思いで口を開き、側に立っている実の父親にしてNERV総司令碇ゲンドウに向き直る。
「父さん、これに乗れっていうの?見たことも聞いたこともないのに出来るわけがないよッ!」
「何も心配いらない。ややこしい説明なんぞ聞く必要もないのだ息子よ。」
「ただ、座っていればいいだけです。さ、エントリープラグはこちらですよ。」
父に続いて丁寧に、そしてにこやかに案内した女性はNERV技術部に所属する赤城リツコ博士である。
12>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/01/30(火) 19:52:32 ID:No/xuNox
そしてシンジは訳も判らぬまま手渡されたハサミで紙テープを切り、
ミス第三東京市より歓迎の花束と祝福のキスを受けエントリープラグに搭乗する。
くす玉が華々しく割られ、初号機には幾本ものドンペリが叩き付けられ、いよいよ起動開始である。
伊吹マヤのアナウンスと共に巨大パネルに表示される彼のシンクロ率、その素晴らしい数値に観衆は大爆発だ。
そして使徒が現れる。
あらかじめ用意されたポジションに間違えようもなく降り立ったのは第三使徒サキエル。
毒々しい姿ではあるが、おとなしく初号機が来るのを待っている。そう、碇シンジに倒されるのを待っているのだ。
弱点であるはずの胸部に赤々と輝くコアを隠そうともしないのが何よりの証拠。

そして赤城博士はシンジに指示をする。
「まず、歩くことだけを考えて。」
「あ、歩く……?」
そう彼がつぶやくが早いか、初号機がゆっくりと使徒に向かって歩き出した。
またもシンジの名を讃え喝采する人々。
実のところ、NERV技術部スタッフがリモコンのレバーを握りしめていたのだが、それは内緒の話だ。
「ではシンジ君。使徒をやっつけてしまいましょう!」
声高らかに作戦指示をだす葛城ミサト。その傍らで伊吹マヤが暴走ボタンのスイッチを押す。
「え……倒すって……どうやって……」
などとシンジが考え悩む暇も与えず、初号機は使徒に突進して輝くコアにストレートパンチを一閃。
割れるコア、吹き飛ぶ使徒、それを見て群衆の歓声は大爆発する。

こうして碇シンジの使徒との戦いが幕を開けた。
ここまで、シンジは何もしていないように見えるが、それは気のせいだ。
13名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 20:12:50 ID:EIngJz8B
シンジきゅん・・・僕のチムポ舐めてw
14名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 20:15:29 ID:???
しゃぶれだぁ?



しゃぶるよ!
15名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 20:18:42 ID:???
>>11-12
バロス
ほとんど詐欺にあっているような気がw
16>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/01/30(火) 20:49:30 ID:No/xuNox
14歳男子中学生。言わずと知れた青い性に悩む年代である。
勿論、NERV本部は万全な対策を敷き、彼の欲望を満足させるべく勤めている。

「さあ、今日は射撃訓練です。よろしくお願いします。」
そう言って、またしてもシンジをボディラインもあらわな服装でリムジンから案内するのは、
作戦部長にして豪邸に住む碇シンジをメイド達と共に世話を焼く葛城ミサトである。
NERV本部の内部では、徹底的にシンジの視界から男という男が排除され、
エヴァの女性整備士ですら容姿のチェックが厳しく行われている有様だ。
そんな中を碇シンジ専属オペレーター伊吹マヤが、
ほらこれがおっぱいですよ触ってくださいとでも言うようにぴったり横に付き添い、
説明、というよりも観光でもするかのようにシンジの手を引き案内する。
そして、いざ初号機に搭乗する段にいたっては、
先行してテストパイロットを務めていた美少女綾波レイが、
一緒にLCLの液体に浸かり、手取り足取り操縦を教える。
その様は、次はマット洗いですかと聞きたくなる所だが、経験不足のシンジにはその発想はない。
そんな彼女たちが万一に備えて勝負下着を身につけているのはまだ内緒の話。
そんなこんなで、シンジの股間は万国びっくり博覧会のようなそりゃあもう大変な騒ぎで、
トイレの個室に籠もりきりになることは一日に一度や二度ではない。
彼が気の抜けたような顔つきでNERVスタッフに引きずり回されているのはその為である。

さて、いよいよ射撃訓練である。そこでは赤城博士がにこやかに指示をだす。
「標準は自動で合いますから引き金を引いてください。」
シンジはレイに手を添えられながら引き金を引く。ターゲットが吹き飛ぶ。拍手喝采。
いったい何の訓練か。人差し指の筋トレ?そう言いたかったが何だか怖くてシンジには口に出せずじまいだ。
で、訓練が終わりシャワーを浴びて家に帰れば、食べきれないほどの豪華な食事が待っている。
そんな生活が続くなか、訳のわからない恐怖に駆られて自室で腕立て伏せに精を出す碇シンジであった。
17名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 21:00:03 ID:???
wktk
18名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 21:37:12 ID:???
周りがアレなんで、シンジがしっかり者になるのか
19名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 22:33:59 ID:???
これは間違いなく神
20名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/30(火) 23:07:42 ID:???
内緒の話ワラタw
21名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 03:10:42 ID:???
ちょwww
これは間違いなく良スレwwww
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 12:12:06 ID:???
シンジ以外甘えん坊のほうもそうなんだけどさ
甘えすぎ甘やかしすぎって、逆にシンジの逃げ場が
なくなっていっちゃうみたいに思えるね
23名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 13:27:59 ID:???
なんだこのスレと思ったが不覚にもワロタ
24>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/01/31(水) 17:09:27 ID:vtauMUZT
しかし、シンジを嫌う者が居なかった訳ではない。

何と言ってもシンジは男子中学生である。
第三東京市にある中学校に転入され、普段はそこへ通うことになった。
「面倒なら通わなくて良いのよ」とミサトから言われたが、逃げるようにしてシンジは学校に向かう。
流石にそこではNERVの方策が届いては居なかったのだが、なんといっても有名人シンジである。
最初の朝礼で校長に紹介されて熱烈な歓迎を受け、
彼の周りには生徒達が群がるほどに大変な人気者となり、
昼休みには女子の手作り弁当が山と積み上げられた。
彼女が欲しいと思えば選り取り見取りで選べる状態で、
今の彼なら女子更衣室で着替えることも可能だろう。
そんな彼を快く思わない者が一人。そう、鈴原トウジである。
ぶん殴る算段で校舎裏までシンジを連れて行く、そんなけんか腰の険悪なトウジであったが、
もしかしたら喧嘩の末に友達になれるのでは?という淡い期待がシンジの胸中に沸く。
「わいは殴らなあかん。お前を殴らなあかんのや。」
実のところ、別に彼の妹は使徒との戦闘に巻き込まれた訳ではない。
当たり前だ。まるで設えられたような戦闘だったのだ。要するにシンジの人気に対するやっかみである。
で、殴ろうとしたのだが、その人気者シンジをかばうものが居ないはずはない。
かばうどころか、トウジはシンジファンの女子生徒に徹底的にボコられ、
監視していたNERV諜報部にこっそり病院送りにされてしまった。
「お兄ちゃんが独りぼっちになるから。」と見舞いに通うけなげな妹の姿があったことだけは、
余談ではあるのだが書き加えて置きたい。

学校にも逃げ場のないシンジ。節操のない女ったらしなら天国だが、
内気な彼には絶え間ない性欲地獄に落とされ、とろ火で延々と炙られている状態なのだ。
まさに人前で縛られてAVを見せられるようなもので、思春期でなくとも耐えられる男は居ない。
またしても「引き金を引くだけ」で倒せるはずの第4使徒シャムシエルの戦闘で、
もやもやした悩みを抱えたシンジがプログナイフで滅多刺しした様子から、
どうやら彼に精神汚染が始まっていることが判り始めた。
25>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/01/31(水) 17:12:46 ID:vtauMUZT
で、家出した。
書き置きを置いて街から去るシンジ。
街をさまよえる訳がない。なんといっても有名人なのだから。
ようやく人気のないところに出て変装を解き、ほっと一息をつくシンジ。
緑なす深い山々、空を赤く染める夕日を眺めながらシンジは考える。
これからどうやって生きていこう。既に自分は有名人だ。
お金の使える場所では必ずつきまとわれてちやほやされる。
もう嫌だ。あんな目に遭うのはこりごりだ。
そんな彼に声をかける者が一人。だれだろう。
それは、山ごもりまでして一人ミリタリーゲームにいそしむ同級生の相田ケンスケであった。

二人で焚き火を囲み、ケンスケの手持ちの食料を分けて貰って、ようやくシンジは心を落ち着けた。
みんなのようにちやほやしないケンスケ。どうやら彼なら良い友達に慣れそうだ。
だが、ちやほやしない理由はちゃんとある。
そう、トウジと同じく心の奥底でシンジをやっかんでいるのだ。
そして、ついそれを口に出してしまった。シンジが逃げてきた理由を聞いて、つい腹が立ったのだろう。
「俺はお前にあこがれて居るんだ。うらやましいよ、あんなにちやほや……ぐはっ」
どうやら付けてきていたNERV諜報部が手を下したらしい。
銃のグリップで殴られ倒れるケンスケの姿を見ながら、シンジは薬を嗅がされて意識を失う。

再び目を覚ますと、シンジは病院で手厚い看護を受けていた。
「ほら、スッキリしたでしょう?」と言いつつ彼の体を拭いているのは、
別の部分までスッキリさせかねない美人ぞろいの看護婦達である。
もう諦めきってうつろな目つきで看護を受けつつ、
しかし息子よ静まれと精神を集中するシンジであった。
26名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 17:16:19 ID:???
この世界のエヴァはやたら高性能なのか…シンジの歓迎っぷりから、レイでは不便なのだろうが
27名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 20:12:57 ID:???
シンジwwww
なんか、あまやかしすぎっていうのも可哀想な話だな
28名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 20:50:10 ID:???
>>25
おもしろいなwww
29名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 21:00:31 ID:???
このスレワロタが、続けられるのかこんな話?w
30名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/31(水) 23:44:48 ID:???
っていうかどんな街だよwwwww
31名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 00:10:23 ID:???
>>24-25
甘やかし精神汚染wwwwww
32>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/01(木) 00:21:22 ID:sCEOW8ij
シンジには大事を取って数日間の休暇が与えられた。だが、これはシンジにとって良い迷惑なのだ。
休暇となると、色気を発散し続けるミサトに加えて、
選りすぐりのメイド達が世話を焼く豪邸の中で過ごすのだ。
内気で純真なシンジにとって、とても心休まる生活空間ではないらしく、
据え膳喰わぬは……という言葉通りに、さっさと好みの子に手を付けてしまえば良いものを、
ますます悶々とした思いに悩まされ、それを処理するためにトイレの中で引きこもり、
むしゃくしゃした頭を抱えて地獄のような筋トレを己の肉体に課す。これでは心も体も休まらない。

そんな遠慮深いシンジであったが、ただ一点、食事についてはあれこれと注文を付けた。
むろん贅沢が引き起こす肉体の変化に恐怖していることもあるのだが、
やはり日々の生活から肉体が欲求するらしい。
日々、数多く廃棄しなければならない息子達を大量生産するためと、
どこに役立てるのか判らない筋トレのために、
良質の高タンパク食品を中心としたヘルシーなメニューを切望した。
せっかくの彼のリクエストである。専属の栄養士とコック達は喜々として腕をふるい、
彼の健康管理のために、トイレにおける息子達の廃棄量まで推算しているらしいMAGIをも駆使して、
精神面はともかく肉体面は完全にバランスのとることに成功している。
お陰で彼の体は引き締まり、目つきは鋭く病的な表情を浮かべるストイックな彼を見て、
半ば職業的にチヤホヤしていた女達は、本気で半狂乱となって彼に媚を売り始め、
彼の寝込みを襲いかねない戦々恐々とした日々が続いている。
しかし、シンジは誰かを手を付けたりはせず、あいかわらず悶々とした日々を送り続ける。
正に天晴れと言いたくなる硬派なシンジの姿だが、やはりNERVから受けた贅沢が背景にあるので、
それほど褒められたものではない。

NERV本部は彼のそんな観察報告を受け、この上は強攻策に踏み切ることを決定した。
33>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/01(木) 00:22:43 ID:sCEOW8ij
強攻策。むろんシンジの性欲面でのフォローについてである。
なんだか、NERVはシンジの性欲対策以外の仕事をしていないように見えるが、その通りなのだからしょうがない。
食事や通常の生活に関してはシンジの欲求を引き出し、それに応えることに成功しつつあるのだが、
これまで選りすぐりの女性達を配置していながらも、食指をのばさないシンジの様子を見て、
押しの一手を打つことが決定したのだ。
当初は経験豊富な葛城ミサトが先陣を切ることを検討されていたのだが、
シンジが大人の色気に嫌悪感を感じる可能性が浮上したのだ。
恐らくトイレに籠もるタイミングや外見から計算した膨張率などをMAGIに計算させたのだろう。
作戦部長たるミサトはしぶしぶ計画を立て直し、同年代のレイに一番手をゆずる案を打ち立てた。

「えーと、シンジ君。これが新しいカードです……あら、これはレイのだわ。」
「ああ、それなら僕から渡しておくよ。」
「あら、そうですか。お手数をかけます。」
計画通りだ。むろん、第2、第3の手は用意していたらしく、
このやり取りの直後に、シンジの通り道に置かれた数十枚のカードが一斉に片付けられた。
シンジに直接、レイに渡してくださいと言えばいいのだが、
彼に頼み事をするなど許されていない行為だから仕方がない。
で、シンジはいつもの通りにリムジンでNERV本部に向かう途中で、
回り道してレイのマンションへとカードを届ける算段だ。
彼のリムジンを見送ったメイドは、ひそかに出発したことを通報し、
緊張した面持ちで連絡を受けたレイがマンションでシャワーを浴び始めた。

次の手筈はこうである。
部屋の中にシンジの注意を引く物を置いておく。いろいろ検討されたが眼鏡に決定した。
普段眼鏡をかけないレイにはありえない、そしてさりげないアイテムである。
それをシンジが手にしたときに、「偶然に」シャワーを浴び終えた裸のレイが、
取り返そうとしてシンジともみ合い、そのまま押し倒す。
見事な計画である。押し倒した後、どうするつもりなのかは少々疑問ではあるのだが。
34>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/01(木) 00:23:43 ID:sCEOW8ij
で、シンジが到着した。
こんなことはミサトにでも言いつければ良いものを、彼は自分の足でレイの部屋まで向かうようで、
これもシンジの内気で真面目な性格を計算した上である。既にシンジは罠に落ちた訳だ。
普段は何くれと世話を焼く護衛達が誰も「私が行きます」と言い出さない点に不振に思うべきなのだが、
やはりシンジは純真なのだろう。疑う様子もなくレイが住む部屋と駆けていった。

ドアをノックする音。鍵は開けたままだ。
シンジの呼ぶ声がするのだが、シャワーの音で聞こえないふりをして返事はしない。
そして彼が眼鏡を手にするのを待つ。ここまでは計画通りだ。
しかし、その時である。

「へくちっ」
「……?」
どうやらシャワーを浴びていた時間が長すぎたらしい。
シンジが驚いて振り向くと、タオル一枚で鼻をすするレイの姿がそこにあった。
妙なタイミングでくしゃみをしてしまったレイは完全に襲いかかる隙を逃してしまったのだ。
裸のレイにシンジは正直とまどったのだが、風邪を引かせては大変だと彼は必死になっていた。
「おーい、今すぐこっちに来てくれー。」
と、マンションの下で待たせているリムジンに呼びかけ、彼専属の看護婦に彼女の体調を見させる。
そして着衣をさせて、持ってきたカードを手渡した。
なんだか人助けをしたようなシンジは大満足なのだが、もちろん計画は丸つぶれだ。

しかし上機嫌な彼の様子を見て、ミサトの首はかろうじて繋がったのだが、
またしても新たな手段を講じなければならない。直接、彼女が押し倒してもかまわないと思うのだが。
この後、まるで止めていた発注を再開したかのように使徒が現れるのは、もうまもなくのことである。
35>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/01(木) 00:25:00 ID:sCEOW8ij
で、やってきた使徒は相変わらずである。
幾何学的な格好の青く輝く美しい第5使徒ラミエルの登場だ。
「さあ、シンジ様!宜しくお願いします。」
そう指示を受けてシンジは引き金に指をかける。
すると見ていたかのようにラミエルはパカパカ体を開いてコアをむき出しにする。
それがどんな姿かは想像しがたいところだが、ダーツの的のような姿とでも考えればいいだろう。
で、引き金を引く。使徒が吹っ飛ぶ。それをお茶の間のTVで見ていた観衆は大喝采だ。
え?停電?日本中の電力を?それは一体何の話だろうか。

正直、このバカバカしい作業になんの意味があるのか。シンジ少々疑問に思い始める。
なんだか判らない巨大人型兵器エヴァンゲリオン。
使徒のATフィールドを突破するために必要な兵器なのだと説明を受けたが、本当にそうなのだろうか。
そんなフィールドなど使徒は一度も展開したことが無いんじゃないか?
シンジにはそう感じられてならないのだが(実は言うとその通りの話なのだが)、
とりあえず周囲の者はシンジをなだめるために、
彼の力でATフィールドの展開を封じている、と説明してなんとかごまかした。
しかし、何も破壊活動を行わずなすがままに倒される使徒達に対する不信感はいっそうつのり、
シンジは無抵抗に股を開く淫乱な女達を想像してしまい、突然に嘔吐する事件が巻き起こった。
それはもう周囲の者共は大変な慌て振りで、大騒ぎした挙げ句にシンジを担ぎ上げて病院に放り込む。
これでは精神汚染はもちろんのこと、やがてシンジのリビドーは完全に破壊されてしまうだろう。

そんな彼を理解できないままに、NERV本部はさらなる強行手段を打とうとしていた。
そう、NERVドイツ支部の虎の子、惣流アスカ・ラングレーが投入されようとしているのだ。
36名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 01:12:23 ID:???
ついにアスカ来日かw期待ww
37名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 04:53:27 ID:???
ゲンパパ「シンジや、お菓子買ってあげるからロボに乗っとくれ」
38名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 05:39:41 ID:WjDYQEF6
これは凄い!人間の想像力には感心させられるな。すでに限界まで掘られたと思っていたエヴァネタだがこんな発想をかます奴がいたとは。
39名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 06:31:49 ID:???
シンジカワイソス
40名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 06:45:38 ID:???
シンジを甘やかすなら、何故トウジとケンスケは甘やかさないんだよ
41名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 08:53:19 ID:???
使徒までシンジを甘やかしている・・・
42名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 09:07:07 ID:???
>>40
まー世界が全てって設定じゃないんだろう。
話に波が必要だし。
43名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 10:41:06 ID:???
アスカ来日wktk
44名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 11:31:25 ID:???
ここしばらく見たエヴァFFの中では、これが一番面白いわ。
すげぇ変則的なシンジハーレムものだなw
45名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 12:53:04 ID:???
同意
クソオモシロス
46名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 13:01:36 ID:???
アスカが来たらどうなるんだろう
47名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 13:41:23 ID:???
シンジのために必死になって今流行のツンデレ気質を身につけるアスカ
48名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 13:41:53 ID:???
某SS書き糞コテだが、ここは凄いと思った。
作者のセンスに嫉妬すら感じたよ(´・ω・`)
49名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 14:05:01 ID:???
病んだロック・スターみたいだなw
壊れっぷりにも期待
50名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 14:16:39 ID:???
最初の発想は良いというかあまりにもぶっとんでて面白いと思ったが
こういう話ってちゃんと展開していけるもんなんだろうか
51名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 14:46:17 ID:???
>>48
まぁ、コテなんてそんなモン

にしてもこの甘やかし加減は凄いね
逆にシンジの心労が募るとは・・・
52名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 17:50:00 ID:???
意外と良スレな件について
53名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 19:29:26 ID:???
すごすぎる
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 19:53:30 ID:???
シンジ君が悶々と筋トレしすぎてマッチョにならないか不安な件について
55名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 19:54:24 ID:???
wktk
56名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/01(木) 20:17:28 ID:???
ついに我々はネ申を手に入れたようだ
57名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/02(金) 16:29:03 ID:???
左様
58名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/02(金) 21:05:44 ID:???
右様
59>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/02(金) 21:48:59 ID:5qbxs3Kx
エヴァ弐号機とセカンドチルドレンの引き渡しのため、国連軍の空母艦隊へと訪れたシンジ一行は、
艦橋に訪れ書類諸々の手続きを受けて、いよいよ引き渡し物品とのご対面へと手筈は進む。
そして彼らを待ち受けていたのは、パンチラも眩しいサマードレスに身を包んだ一人の少女。
彼女こそドイツ支部からやってきた惣流アスカ・ラングレーその人である。

「はーい♪私を歓迎してくれるのですネ!きゃー、その凛々しいお顔にアスカ惚れちゃいそうデース!」
この第一声に共に熱烈な抱擁、これではどっちが歓迎してるのか判らない。それに加えて、
「こら!相手と舌をからめなければキスとは言えませんよ!もう少し口を開けなサーイ!」
いや、お嬢さん。キスをするには話が早すぎるのだが。
「あー、今わたしのパンツ見ましたネ?他の所も見せますので、こっちに着てクダサーイ!」
いったい、ドイツでどんな教育を受けてきたのか。
どう考えても情熱の南国でしかあり得ないラテン系のノリだ。いや、それを通り越してお下劣だ。
こんな直球どころか核弾頭の剛速球を喰らったシンジは、欲情するどころか嫌悪感すら抱いたようだ。
「あ、どこに行くのですか!シンジ、待ちなサーイ!」
逃げ場のない空母の中で、もはや駆け足で逃げるシンジ。それを必死で追いかけるアスカ。
搭乗している海軍兵士達はそれを笑って眺めていたが、ミサトは眉をしかめて何やら考え込んでいる。
シンジ自身が望まない限り直接行動を禁じられているミサトにとって正直うらやましい光景なのだが、
そんな思いとは別に何やら疑問を抱いて頭を悩ませているようだ。
シンジに対する優遇ぶりが何もかも強烈すぎる。
彼のために用意されたシンジ・ハーレムと言うべき豪邸とネルフ本部。それに加えてアスカのこの有様。
それがシンジに対して悪影響を及ぼしているのではないかと、今更ながらに感づき始めたのである。
しかしミサトにはどうして良いか判らない。彼女もまた、シンジに与えられた手駒の一つなのだから。

さて、二人の追っかけっこが一段落したその折りに、お待ちかねの使徒の登場である。
シンジは九死に一生を得た思いで、この緊急事態の状況を把握しようと甲板へと躍り出た。
60>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/02(金) 21:51:31 ID:5qbxs3Kx
現れた使徒は、魚類の風貌をした第6使徒ギガエルである。
それほど破壊活動を行ってはいないのだが、イルカのようにピチピチと元気に跳ね回り、
国連軍艦隊は引っかき回され右往左往している状態だ。
これまでの経緯からしてほったらかしも構わないと思われたが、
しかしアスカによる訳の分からない危険から身を(貞操を)守らねばならない情況だ。
彼は率先して弐号機に向かい起動しようとする。が、それをアスカが呼び止める。
「使徒を退治するのですネ?流石はサードチルドレン!使命遂行に燃える姿が格好いいデス!」
「あー、私も一緒に乗りたいデース!シンジと一緒にLCLに浸かりたいデース!」
「シィット!プラグスーツがありませーん!こうなったら裸で乗るしかないですネー!」
一体どこの国から来たのか。ドイツ育ちならドイツ語使えと言いたいのだが、そんなことはどうでもいい。
もうシンジはアスカを蹴っ飛ばすようにして陰に隠したプラグスーツを奪い取り、
着替えようとしたその時、事件が起こった。

使徒が大きく跳ねて空母が揺らぎ、シンジがフラフラとよろめいたその時である。
ガシッと力強い腕がシンジを支えて、そして鋭い声が彼を叱りつけたのだ。
「ヘイ、ボーイ!この程度でフラついてどうするのだ!しっかりしないか!」
ひさしくNERVで甘やかされて聞くことがなかった、鋭く、そして嫌みのない神仏の鼓のような叱責。
彼の腕を掴んだのは一人の男性、サングラスが渋い光を放つ長身の海軍将校であったのだ。
シンジは面食らった。
これまで女性ばかりに囲まれてきた彼には、久方ぶりの同性とのコミュニケーションだったのだから。
「あ……」
「ほう?意外と鍛えているな。しかし筋肉だけでは男は成り立たんぞ。男は仕事で上げるものだ!」
「あ……あ……」
「そうか、貴様がエヴァパイロットだな。しっかりやれよ。貴様は世界を守れる唯一の人材なのだからな!」
「……はいッ!」
61>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/02(金) 21:52:49 ID:5qbxs3Kx
そういうのが早いか、颯爽と弐号機に飛び乗るシンジ。もうアスカなんぞは遠くに置き去りである。
プログナイフを片手に艦隊を足がかりにして飛び回る弐号機の勇ましい姿は、
これまでの戦闘から考えられない光景だ。
アスカに調整されているはずの弐号機にも関わらず、この日のシンクロ値は最高記録をマークした。

そして、今回の戦闘もまた、これまでとは違うものとなった。
近接戦闘にして、水中でもみあう大混戦となったのだ。
必死の思いで使徒に食らいつく弐号機。
それを逆手に巨大な口を開けて弐号機を飲み込もうとする使徒。
あわや飲み込まれたかに見えた末に、シンジは内部から使徒の息の根を止めることに成功したのだ。
実に危機一髪のエキサイティングな戦闘に、ミサトやシンジの取り巻き達は失神寸前まで陥り、
生還した彼の姿を見ては大粒の涙を流して天地に感謝し、シンジの勝利に狂喜した。

……が、それは実のところは見せかけだけと言えなくもない。
実は使徒の弱点である赤いコアは口の内部にあり、
「さあ、これがコアです。宜しくお願いします。」と言わんばかりに、あえて弐号機を飲み込んだ、
というのが正しい見方かもしれないのだが。

さて、何のために来たのかすっかり忘れてしまい、戦闘結果に大満足したシンジ一行は、
アスカをほとんど置き去りにして帰途についたことは良いとして、
シンジに新たな不安要素が芽生えていることに、ミサトは未だ気付いていないようであった。
62名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/02(金) 22:04:05 ID:???
アスカ、もちっとガンガレw
63名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/02(金) 22:25:50 ID:???
ちょ、シンジまさかお前…
64名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/02(金) 23:49:02 ID:???
うほっ
65名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/03(土) 02:02:49 ID:???
アッー!
66名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/03(土) 02:02:58 ID:???
何かオオタコーチがとっさに浮かんだ
67名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/03(土) 02:57:59 ID:???
ここで浮かびあがったシンジに対するひとつの疑惑
68名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/03(土) 03:46:12 ID:???
gj!
69名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/03(土) 08:30:32 ID:???
おおーメチャメチャ面白い!ラテン系なアスカもナイス!
そして海軍将校に感動した。
期待してます!
70>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:45:27 ID:a930ppIx
さて、第7使徒イスラフェルとの対決だ。なんと、今回はシンジ達の完全な敗北となってしまったのだ。
「さあ、標準が合いましたので引き金を……」と、いつものようにコアを破壊したのはいいのだが、
なんと(周知の通り)今度の使徒は二つのコアを所持しており、片方を壊せば残りのコアがそれを修復してしまう。
で、そちらを壊せば逆のコアが……と、完全な永久機関となってしまったのだ。
誰かが「約束が違う」などと言い出しかねない展開だ。いったいどうしたことだろう。
仕舞いには二つに分離し、さんざんシンジを翻弄した挙げ句にどこかへと消え去ってしまった。
あいかわらず何も破壊せず去っていったことだけは幸いだが、NERV本部は驚きを隠せないようだ。
もしかしたら、これまで安直な戦いに嫌気がさしたシンジを楽しませるために込み入った戦闘をサービスした、
というところだろうか。まったくもって使徒達の意図は分からない。

この敗北を経て、NERV本部は初めてと言っても良い対策会議を開かざる終えなくなった。
使徒を倒す方法はただ一つ。二つのコアを完全に同時に破壊することだけ。
となると、シンジが乗る初号機とは別に、もう一台のエヴァ機を出動させる必要がある。
そこまでの課題が参加メンバーに説明された直後に、アスカが元気いっぱいに挙手して発言する。
来日当時に完全に放置された恨みを忘れてしまったように彼女は上機嫌だ。
「そうすると二人の息のあったコンビネーションが必要ですネ♪それじゃ私はシンジと一緒に寝泊まり……」
「2体のエヴァ機による高出力ライフルの同時射撃、これがもっとも安全確実な作戦かと思いますが。」
そんなふうにシンジに擦り寄ろうとするアスカの発言を封じてしまったのはミサトであった。
「それぞれ別のコアに標準を合わせ、シンジ様の操作によって二丁のライフルを同時発射……いかがでしょう?」
71>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:46:44 ID:a930ppIx
「そ、そうだね。それが一番確実だね。」
鬼のような形相でミサトを睨むアスカ。そんな彼女を意識しながらもシンジは同意を示し、会議は幕を閉じた。
ミサトの言うことはまったく間違いではない。
が、意図的にアスカをシンジから遠ざけようとしているのは明白である。
むろん、それには理由があった。アスカを迎えに行ったその日からのシンジの変化が彼女には恐ろしくて仕方がなく、
彼に対する刺激を極力おさえたかったのである。

アスカを迎えて数日後、シンジ低での出来事である。
どうもシンジの様子がおかしい。何やら夢うつつの表情で何やらブツブツつぶやいている。
体調も悪くない。むしろ良好だ。筋トレの熱の入りようにも相変わらずだ。いや、いっそう熱が入っている。
そんなシンジにミサトは首を傾げていると、メイドの一人が側により、顔面蒼白で耳打ちした。
そのメイドは諜報部出身で、シンジの微かな唇の動きを読んだ、と言うのだ。

『ああ……あの将校の人……格好良かったなぁ……また会いたいなぁ……』

ミサトの表情もまた凍り付いた……何故?それは後述するが、これは大変な事態なのだ。
そして更に、珍しくもシンジが出したリクエストに大きく戸惑う。
パソコンを一台、そしてネットに接続が出来る環境が欲しいと言い出したのだ。
むろん躊躇している暇はない。シンジの出した要望は直ちに聞き届けられなくてはならない。
それがミサトに課せられた鉄則なのである。
72>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:47:52 ID:a930ppIx
本当は今すぐにでもシンジに提供できる簡単なことではあったが、
「工事が必要となりますので今しばらくお待ち下さい。」と何とか押し止め、
セキュリティーソフトを活用した制限付きのネット環境を大急ぎで準備した。
そしてモニタリング出来るように「枝」のついたパソコンをシンジに差し出す。
本当はMAGIでそれを行うのが一番楽なのだが、この事態は上層部に知られたくなかったのだ。
というわけで、シンジは早速、ネットの閲覧を開始する。それをミサトは別室でモニタを始める。
結果は……恐れていたとおりであった。

検索しているキーワードは案の定である。「海軍」「将校」「士官」等々……
検索結果に表れたのは通常のミリタリー関連サイトばかりであるが、
それをミサトは規制されていない本物のネットで検索すると、怪しげなサイトが続々と姿を現す。
申し訳程度に制服をひっかけた半裸状態の男達、自動小銃片手に結合する男達、男、男、男……
そう、恐れていた事態とはシンジが同性愛に目覚めることだったのである。

思えば考えられる事態である。もはや彼を取り囲む女性達にシンジは嫌悪感すら示し始めている現状で、
シンジの性の対象が男に向けられたとしても無理からぬこと話だ。
実はミサトは知らないのだが、あの空母の中でなんらかの出会いがあった可能性が十分考えられる。
73>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:48:56 ID:a930ppIx
が、しかしである。だからといって別に問題が有るわけではないのだ。
NERVはシンジが望むであろうものを与えることに終始している。シンジの満足さえ得られればそれでいいのだ。
今は、通常の男が望むと考えられるものをシンジに「とりあえず」与えられているだけであって、
好みがそうと判れば、家事に堪能な幼女のメイド達でも、勇猛果敢な老婆で構成する警備隊でも、
どのようなことでもNERVはシンジが望むままに取り揃える。
ミサトはそんなNERVの恐ろしさを十分に知っている。彼女もまた、そうして準備された「物」なのだから。
じゃあ、何がミサトにとって問題なのか。
確かに自らの保身が危ぶまれる訳ではあるのだが、女としてのプライド、という問題もある。
シンジのために準備された「物」として、この自体を安閑と見過ごす訳にはいかない。

……と、ミサトが苦悶に陥っていると、意外にもシンジ自身が彼女に光明をもたらた。
海軍遊覧も一段落した後、シンジは有名な女性アイドルなどの名を検索欄にタイプし始めたのだ。
そして表示される彼女たちの画像。輝く笑顔とささやかな胸のふくらみが画面に踊る。
比較的に着衣や水着のものが多く、せいぜいヘアヌード止まりの健全なエロサイトばかりだ。
ミサトは胸をなで下ろした。もしかしたら、自分の取り越し苦労だったのかもしれない、と。
しかも、画像をねぶるようなシンジの閲覧時間からして、かなり楽しんでいるようだ。
考えてみれば、あの国連軍艦隊でどんな出会いがあろうとも、
そう簡単に同性愛に墜ちるものではない。男が男に尊敬してあこがれる、ただそれだけのことなのだ。
ウルトラマンや仮面ライダーにあこがれたとしても言って性の対象にする男はそういないだろう。
そんな奴は、もとからそういう趣味だったと言わざるを得ない。
ミサトは気持ちを落ち着け、ずいぶんシンジを色眼鏡を通して見てしまったものだと苦笑した。
74>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:49:53 ID:a930ppIx
もはや、ミサトはコーヒー片手に余裕の態度でシンジがネットサーフィンする様を楽しんだ。
あらあら、こういうのが趣味なのかな、ずいぶん時間を掛けてるわね、さてはこの子で抜く気かな?ウフフ……
などと、まるで息子のエロ本を見つけた母親が、クスクス笑いながら隠し直しているような心境だ。
しかし、それほどのんびりしている暇はない。
シンジの精神が破綻を来しかねない現状ならば、男に走る可能性もゼロとはいえないのだ。
何か手を打たなければ本当にそうなってしまう。しかし自分に出来ることは限られている。
が、やらねばならない。手段が限られているなら、限られていることをするだけだ。
ことが済んだであろうシンジがパソコンの電源を切るところまで見守った後、ミサトは行動を開始した。
ミサトは当直の者に命じて仮眠中のものをも含めて、今シンジ邸にいるメイド全員をかき集める。
事情を説明すると案の定、みな顔面蒼白でミサトが提示するシンジ邸の改革案を熱心に聞き入っている。
これまでシンジ争いにつばぜり合いを演じていた彼女達なのだが、敵の敵は最良の味方、という訳だろう。

シンジが翌日、目を覚ましてみるとメイド達の様子が一変していた。
まず、どこの電気店街に立っているメイドだろうかというミニスカートの制服は改まり、
ロングスカートにしっかりとしたエプロンを着用した慎み深い古風なスタイルにものへと変化している。
改革案とは、メイド達による過剰なセックスアピールを押さえて、シンジ邸内部だけでも正常化することだったのだ。
それぞれ自己主張していた髪型はきっちりと結い上げられ、まとわりつくようなメイド達の態度も改められた。
シンジはとまどい、「どうしたの?」と訪ねるが、メイド達は笑って「衣替えです」とだけ答える。
媚びはしないが、きっちり笑顔で対応する。流石は選り抜きのメイド達である。
75>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/03(土) 22:51:37 ID:a930ppIx
しかし、諜報部出身の者も居たことだし、中にはNERVの監視役が居ることは十分考えられる。
シンジの趣好を矯正するなど許されない行為であり、今回のミサトの行動はぎりぎりの危険なものであるが、
しかし、彼女たちのシンジへの思い入れは本物であることは知っている。
上手くやれば信頼できる組織を構築することが出来るかも知れない。

そして数日後、シンジの表情は目に見えて変わってきた。
目つきは和らぎ、メイド達と談笑するまでになっている。
筋トレの励み具合は相変わらずだが、ネットサーフィンの内容とセルフサービスの頻度は良好である。
NERV本部の過剰な性欲対策からの逃げ場所が成立すれば、アブノーマルな世界に墜ちることはないだろう。
かえってシンジの寵愛を受けやすくなるかも知れない、とメイド達も意気盛んだ。

さて、第7使徒イスラフェルとの対戦は、作戦が見事に図に辺り雪辱をはらすことに成功した。
今後の使徒との対決においても一筋縄ではいかないかも知れない。
以前の安直な戦闘に辟易していたシンジにも緊張感が伺える。
少しずつではあるが良い方向へと物事が進んでいるような、そんなふうに感じる日々が続いていたが……
「あらシンジ様、おはようございます。おつとめご苦労様です。」
ご出勤のシンジを出迎えた息吹マヤを見て驚愕した。どうやらNERV内部でも衣替えが行われたらしい。
横乳が美しいノースリーブへと制服が改められ、スカートの丈もより一層短くなっている。
そんな有様を見て、シンジとミサトはほぼ同時に肩を落としてため息をついた。
76名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 00:20:56 ID:???
これは良スレ。期待してしまう
77名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 00:44:20 ID:???
スレが500を越える頃にはシンジがムキムキだったらスレと合併しそうで不安w
筋トレしすぎだろwww
78名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 02:47:10 ID:???
やべぇ、かなりおもしれぇwww
シンジがマッチョになるには500もいらないんじゃね?
300くらいですでにマッチョだろうよww
79名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 10:44:05 ID:???
wktk
80名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 11:28:24 ID:UaeAK0Ag
わくてか
81名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 13:10:57 ID:???
こういう良スレがあるからエヴァ板は止められない
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 15:10:14 ID:???
こうではない糞スレがあるからエヴァ板は止められる
83名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 16:41:59 ID:???
まちがいなくカヲ×シンオチでFA
84>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:16:19 ID:/sFKG+rU
「シンジィー!一緒に泳ぎに行きましょーっ!」
アスカは相変わらずだ。なかば強引に市内のアスレチックプールへとシンジを引っ張り込んでいく。
「あーん、水着が上手くきれませーん!ちょっとおっぱい持っててクダサーイ!」
「水着ないのですかー?スッポンポンでもいいですよー!私もスッポンポンになるから恥ずかしくありませーん!」
「ほら!シンジも早く脱ぐデス!股間押さえて何処に行くデスカー!」
「ああ、シンジ様。おトイレはこちらですよ。」
力ずくのセックスアピールを続けるアスカのお陰で暴発寸前のシンジを引きはがし、トイレへと伴うミサト。
そしてアスカに水着を付けなおさせ、やれやれと溜息をつく。
しかし、アスカの立場がどんなものなのかがサッパリ判らない。
これほど強引にモーションをかけることなど他の者には許されていないのだ。
プールを手配したのはアスカだが、支払いを見てみると宛名はNERV本部となっている。
つまり、NERV内部でかなりの権限を持っているわけだ。もしかしたらシンジの次ぐらいかもしれない。
(一番わからないのはNERVと、その背後に立つゼーレの意図……シンジ様を一体どうするつもりだろう……)
そんなことを頭に巡らせているミサトに、伊吹マヤが近づいてささやく。
(今、シンジ様が使用しているのは20キロのダンベルです。かなりストレスが溜まっているようですね……)
(そうね……ああ、しゃがんじゃ駄目よ?シンジ様、露骨なパンチラはお好きじゃないみたい。)
(そ、そうなんですか。気を付けます。)
シンジのNERV本部における付き人にして、MAGIのメインオペレーター伊吹マヤ。
ミサトにとって出来れば味方に付けたい人材だ。素朴な雰囲気がシンジの股間にもウケが良い。
しかし、赤城リツコ、司令であるシンジの実父ゲンドウ、そしてゼーレという連なりが気がかりではあるのだが。
85>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:17:09 ID:/sFKG+rU
アスカは尚もシンジに対して強引だ。
「ほら、ダンベルばっかりじゃ筋肉のバランスに悪いですヨー?一緒に泳ぐデース!」
そういってシンジの手を引こうとするアスカ。
上下にきっちりとしたジャージを着込んでいるシンジは、花も恥じらう処女のようだ。
本当は手当たり次第に女達をはべらせることは可能な立場なのに、
彼自身の純真さがそうはさせまいと頑張っているのだろうか。

今度はシンジにどうやって助け船を出せばいいだろう、と悩むミサト。
下手な口出しは禁止事項に抵触する。やりづらさを感じながら周りを見渡していたが……
「あ……」
何故かシンジ一行に付いてきていた綾波レイが、プールサイドでクタクタと崩れるように床に倒れたのだ。
慌ててミサトは側に駆け寄る。そして助け起こそうと彼女の体に手を触れた時、
(……ん?)
ミサトは眉をしかめる。やがて、シンジも駆けつけ、以前と同様に専属の看護婦を呼び寄せる。
そして看護婦もまた気付いたらしく、ミサトだけに聞こえる小声でささやいた。
(ミサトさん……仮病です。)
(判っているわ。この子に調子を合わせて。)
(……はい。)
そしてシンジは、この場を逃れるチャンスとばかりに期待通りの命令を下した。
「綾波、病弱なのかな……よし、今日はお開きにして車で送って行こう。」
86>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:18:36 ID:/sFKG+rU
今日は上手く逃れることが出来たのだが、今後のことを考えると頭が痛む。
シンジの側に使えて作戦部長として使徒との戦いを命じられた葛城ミサト。
しかし、今では何と戦っているのか訳がわからない状態だ。
シンジに対する苛烈な待遇、そのおかげで破綻しかねないシンジの精神と性癖、そして、アスカ。
それらをシンジから守ることを考えると、百万匹の使徒と単身で戦う方がよっぽどましだ。
つかみどころがなく、最終的に何を狙っているのか訳がわからない。
とりあえず、意外にも綾波レイが気遣いを見せてくれたことがミサトにとって心強い限りであった。

シンジ邸へと帰り着き、あいかわらず悩み続けるミサトにメイドの一人が問いかける。
「ミサト様。本部から使徒が発見されたとの報告ですが、シンジ様はトイレでオナニー中です。」
「それじゃシンジ様が達したあと10分後にお茶をお出しして。シンジ様への報告は更に30分後。」
「かしこまりました。」
優秀なメイド達だ。
どんな用件でシンジがトイレに向かったのか、さらに射精するタイミングまで把握していることだろう。
しかし、シンジが気の毒でしかたがない。
これほどの女達に囲まれながら、何が悲しくて自己処理で済ませなければならないのか。
できればトイレに踏み込み手伝ってやりたい思いで一杯だし、メイド達も同じ心境だろう。
しかしミサト達にはシンジが望まない限り許されない行為であり、内気なシンジでは言い出しにくそうだ。
このままでは本当にシンジの性癖がおかしくなってしまう……なおいっそう、ミサトの悩みはつのるばかりだ。
87>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:19:49 ID:/sFKG+rU
さて、使徒戦である。
「はいはーい♪私がマグマに潜るデース!シンジに格好いいとこ見せたいデース!」
と、アスカが張り切って挙手し、初号機のシンジを出すにはあまりに危険との判断もあり、
今度の作戦は弐号機主体で行われることが認められた。
発見されたのは浅間山の火口の中に、局地決戦用に装備された弐号機でさっそうと飛び込むアスカ。
「キーッ!使徒、硬いですぅー!コアってどれなんですかァー!きゃーッ噛みつかれましたァーッ!!」
これまでにない使徒の凶暴ぶりにミサトを含む司令部は騒然とする。
「リツコ……なんだか主人でないと判って牙をむいた飼い犬みたいね。」
「どういう例えなのよ、ミサト……ああっシンジ様!駄目です!いけません!」
アスカの危機と見て、初号機でシンジが飛び込んだのだ。
結果は面倒なので簡単に説明すると、
初号機を見て使徒はアスカを離して小躍り状態、コアを開いて「さあどうぞ」、コアを破壊して使徒殲滅、以上。

「きゃーっシンジありがとォーッ!!お礼は近くの温泉でゆっくり……」
「シンジ様、どうかしましたか?これは大変、すぐに帰って手当をしなければ!誰か車を!」
「え?え?別に僕はそれほど……あの、ちょっと……」
たたみ掛けるようにしてアスカを遮り、シンジを車に引っ張るミサト。
シンジの体調が悪いとなれば、天下御免でシンジ自身の意志を無視できる。
むろん、シンジは怪我一つしていないのだが。
(この手に限る……あんまり繰り返して使えないけれど……)
88>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:23:08 ID:/sFKG+rU
そうやってシンジを車に押し込み、ほっと一息ついたミサトに後ろから声をかける男が一人。
「ハハハ。良い判断だな、ミサト。」
「え……?」
「あの温泉、NERVの発注で混浴風呂へと改造されていたからな。正にシンジ君の貞操の危機だったよ。」
「……なんで、あんたがここにいるのよッ!」
「どうも♪」
ミサトに声をかけたのは、遅ればせながら登場した加持リョウジであった。
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 19:40:52 ID:???
>>1 乙。楽しませて貰ってる。
が、一つだけ指摘させてくれ。

×:標準が合いました
○:照準(しょうじゅん)が合いました
誤変換とかじゃなさそうなんで、一応。
90>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/04(日) 19:49:09 ID:???
>>89
ありがとです。
一応、エディタで作成後にチェックしてるつもりだったんだけど、
他にも文字抜けとかやっちゃってます。ごめんなさいです。
これから気を付けまっす。
91名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 20:10:39 ID:???
>>1 GJ!

アスカがあまりにも別人すぎてセリフのイメージ浮かばないんだがw
92名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 21:52:14 ID:???
ワロタW
93名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 22:06:36 ID:???
アスカのダメっぷりがいい

アラエル戦はどうすんのか見物www
94名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/04(日) 23:41:42 ID:???
>>1あくまで現時点でだけれどこんなにも責任感のあるやつだとは思わなかった
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 00:10:11 ID:???
シンジって、2ch内で一番マスターベーションしている
キャラクターだね。
96名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 01:57:50 ID:???
あのAAの普及っぷりを見る限りでも間違いない
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 02:02:43 ID:TeZxwnXv
10年ほど前、日本中のシンジ君は
「センズリ野郎」と言われていた。
良くても「バカシンジ」。
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 05:11:31 ID:???
20キロのダンベルクリアーか…末恐ろしいな
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 05:33:15 ID:???
>>1 GJ!
ついでながら、エヴァFFにもっとも多く出演するオリキャラ、赤城女史にはご注意召されよ。
でもって、加持リョウジがミサトに呼びかける時は、ファミリーネームの「葛城」ですね。
100名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 05:37:12 ID:???
100
>>1
101>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/05(月) 20:09:06 ID:???
>>99
あ゛……

すみませぬ。ちゃんとチェックしているようで実は作りが甘いようです。
精進します……orz
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 20:48:09 ID:???
>>1
>>99 じゃないけど、もう二つ、「息吹」マヤも時々いるようです。
第六使徒も「ギガエル」(正しくは"ガギエル")になってました。

どっかに転載とかするときには直してあげてください。
103>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:16:20 ID:???
>>102
ありがとです。
今まで、勢いで作って投げ込んじゃってたので、アラが多くなっちゃったかも。
これからは有る程度寝かせてからにしてみようと思うところではありますが、
対して変わってなかったらごめんなさいです……
104>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:17:21 ID:???
(本当にハーレムだな。こりゃまいった。)
NERV本部の中をシンジと共に談笑しながら歩く加持。
どうにも軟派な笑顔が鼻につく男であったが、シンジにはなかなか好印象であるらしい。
「へえ……ミサトさんの知り合いなんですか。」
「ああ、実はね……どう?葛城の悪さは治ってる?」
「え?いや、ミサトさんの寝ているところは見たこと無いので……」
(成る程、ミサトはおろか誰とも寝たりしてないんだろうな。)
「では、起動試験が有りますので。」
そう言って初号機に向かうシンジを見送る加持リョウジ。
そんな彼に後ろからずっと睨んでいたミサトが声をかける。

「この紫禁城に男のあんたが入れるなんて……ちゃんとチンチン切り落として来たんでしょうね?」
「お、恐ろしいことを言うなぁ、葛城は……ほら、シンジ君の父上に貰った正式な辞令だよ。」
「……何しに来たのよ。」
「君の補佐。そしてシンジ君の相談役と監視役。好みを調べて必要なら背中を押せってさ。」
「あのね。下手にシンジ様を刺激して貰っては困るの。あの方、すごく壊れやすくて。」
「しかも内気で純粋で経験不足のウブな少年……おいおい。」
「こら、銃を下ろしなさい……ここでシンジ様を侮辱したら死ぬわよ?」
銃を引き抜いた後ろの部下をたしなめながらも、ミサトは加持に向かってすごむ。
「おお、怖い……」(ちょっと内緒話がある。ちょっとこっちへ。)
105>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:18:31 ID:???
(何よ、いったい……)
(もっと組織作りは慎重に。俺が止めなきゃメイド達は総入れ替えされているところだ。)
(……!?)
(大丈夫、その手の情報は流さないようにしてるよ。ずいぶん前から君たちを監視しているのは俺だ。)
(いったい、あんたたちの狙いはなんなのよ?シンジ様をどう……)
(シンジ様、ね。君たちへの教育は完璧な訳だな。)
(私達をここの売女どもと一緒にしないで。)
(実は俺にもよく判ってないんだよ。ただ……)
(ただ?)
(シンジ君をここの奴らにおぼれさせるな。狙いは判らんが、とにかく連中は彼が墜ちるのを待っている。)
(……)
(見たところ、まるで親父向けの週刊誌のような下品なハーレムに目がくらんでいないみたいだけどね。)
(……でも)
(そうだな。確かにこのままでは時間の問題だ。シンジ君はどうも孤独に悩まされているようだし。)
(孤独?)
(ああ……多分、本人も気付いてないんじゃないかな。それじゃ……)
「あ……」
そこまで言い終えて、加持はミサトの元を離れていった。
106>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:20:05 ID:???
果たして信用して言いものかどうか。
でも、言っていることは腑に落ちることばかりだ。
孤独。これだけの人々に崇め祭られ従えている彼には意外に聞こえる言葉だが、
対等に向き合う人間が一人も居ないのが実情である。
何気ない会話をミサトやメイド達と交わすことは出来ても、
本心から気持ちを伝えられる相手が居なくては、孤独を感じるのも無理はない。
もしかしたら、加持がそうした相手となり得るかもしれないのだが……
しかし、制約された中でもシンジのために心を砕いてきたミサトにとって、
シンジが孤独に落ちているという結果が、そして自分のふがいなさが呪わしいばかりであった。


話は変わって、碇シンジの朝。
シンジ邸の朝は早い。シンジは午前5時に目覚め、洗顔の後に特設のアスレチックルームに向かう。
悶々とした股間を抱えたまま、腕立て伏せやスクワット、腹筋などの朝の軽いメニューをこなすシンジ。
もやもやした感情を沈めるために始めた筋トレだが、どうやら最近では逆に利用しているらしい。
それが終わればシャワーを浴びつつ、そこでやっと自己処理を済ませるのが日課だ。
そのとき、何を脳裏に描きつつ自分を慰めているのか、それを知るものは誰もいない。
その後、柔らかいバスローブに身を包み食卓に向かえば、
タイミングよく朝食の準備を終えたメイド達が一斉に挨拶する、という訳だ。
107>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:21:39 ID:???
シンジが朝食をしたためていると、既に制服を着込んだミサトが現れる。
その様子はまるで、参謀長官が朝の挨拶に伺う大統領の食卓のようだ。
「お早うございます、シンジ様。」
「ミサトさん、お早う……あれ?ミサトさん、綾波が何でここにいるの?」
「実は、今日からここにお預かりすることをシンジ様にお願いに上がったのです。レイ?ご挨拶を。」
「……お早うごさいます。」
「あ、あのね?レイ。なんていうかその……もっとハキハキとした……」
「ああ、いいんだよミサトさん。でも、今まで住んでいた所はどうしたの?」
「同じエヴァパイロットですし、一人で住むよりもこちらで面倒を見た方がよろしいかと。」
「う、うん……空いてる部屋は幾らでもあるし、みんなの手間じゃないんなら……」
「よろしいのですか?ありがとうございます。ほら、レイもお礼を。」
「……ありがとう。」
「あのねぇ……レイ……」
「いや、いいんだってば……ごちそうさま。ん?何かな?」
シンジが食事を終えた所を見計らい、メイドの一人が割り込んできた。
「シンジ様、レイ様、お話の所を失礼いたします。シンジ様?そろそろ足の爪を切らなくては……」
「ああ、いいよ。自分でやるから……え?ちょっと、綾波?」
「メイドさん……私にやらせて……」
「いや、いいんだってば……あ。」
「ここに足を乗せて……」
108>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:23:30 ID:???
シンジの足からスリッパを脱がせて、レイは自分の膝に乗せる。
「あの……綾波……その……」
思わずうめき声を上げるシンジ。しかし、レイは構わず爪を切りヤスリをかける。
そして、レイがその仕事を終えるのが早いか、シンジはいそいそと立ち上がる。
「あ、ありがと……ちょっとごめんね。トイレに……」
「はい。」
そんな彼を笑顔で見送ったミサトは、思わず声を潜めてメイドにささやく。
(意外とツボだったみたいね。)
(ですね……シンジ様、朝は必ずお抜きになるのに、二度目とは……)
(本当ね。もし、膝枕で耳かきなんかやったら大変なことになってしまうのかな。)
(あたし、それ狙ってたんですが……駄目ですか?やっぱり。)
(止めた方が良いわね。片方の耳が終わらないうちにシンジ様が暴発しても知らないから。)
(そ、そうですか……不思議ですね。本部であれほど刺激を受けておいでなのに。)
(フェチズムは難しいわよ?単なる素っ裸だけじゃ面白みが……)「何?騒がしいわね。」
「はッ!本部の伊吹マヤが緊急につき、今すぐシンジ様にお伺いしたいとのことです。」
「こら、あんたは今はメイドよ?軍隊口調は止めなさい……すぐ、お通しして。」
「はッ!……じゃなくて、えーと、かしこまり……」
「失礼します!伊吹です!ああ、ミサトさん、シンジ様は?」
「マヤも皆も静かにして。今、シンジ様はオナニー中よ?」
「え?え?あの、その……」
109>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:24:48 ID:???
聞き慣れない言葉を聞いて、顔を真っ赤にしながら謝罪するマヤ。
そんな彼女を横目にメイドの一人がさらりと言う。
「シンジ様が達するまで、あと2、3分というところです、ミサト様。」
「そう……二度目だからそんなところね。で、マヤ。いったいどうしたの?」
「はい、あの……使徒が現れたのです。発見は午前4時なのですが。」
「えー?今まで、こっちに連絡もしないで何やってたのよ。」
「それが、本部だけでなく第三東京市で全面的な停電が発生して……」
「ああ、ここは自家発電だから判らなかったのね。」
「で、アスカさんを叩き起こして現在交戦中ですが、かなり手こずっているという次第でして。」
「当然よ。今までの経緯からシンジ様じゃないと倒せないことぐらい判ってるはずよ?」
「はい、そう言うわけで初号機をここまで持ってきました。弐号機がもうすぐここに引きつけて……」
「だからぁ、シンジ様はお忙しいっていってるでしょ?まったく……アスカと通信できる?」
「はい、これで……あの、ちょっと……」
(ガガッ)「アスカ、聞こえる?ちょっと時間を稼いでくれないかしら。」
「ちょ、ちょっとミサトさん。それは無茶……」
(ガガッ)「ほら、ゴチャゴチャ言ってないで、浅間山にデンしてから戻ってきて。それじゃ。」(ブチッ)
「ミサトさん、無茶ですよ……バッテリーがそこまで持ちません……」
「なーに言ってるの。使徒なんかにシンジ様のオナニーの邪魔をさせてたまるもんですか!」
「ちょ、ちょっとミサトさんの方が声が大きい……ああッ!来ますッ!」
「こっちに来るの?この屋敷を壊すつもりじゃ……」
110>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/06(火) 22:25:51 ID:???
しばらくして、遠方から物凄い絶叫が聞こえてきた。

「…………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッ!!」

弐号機の内部から響き渡るほどにすさまじい悲鳴。
その雄叫びから如何にアスカが大変な目に遭っているかがよく判る。それもそのはずである。
その弐号機の上を、使徒がボタボタと溶解液をまき散らしながら凄まじい勢いで追いかけて来たのだ。
弐号機はシンジ邸をややかすめるほどの距離を通り過ぎたのだが、
やけに足の長い巨大な使徒は、まるで「シンジ邸を踏まないように」走っているかのようだ。

「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

一応、ミサトの命令を守っているらしく、ドップラー効果を加えながら弐号機は去っていく。

さて、事を済ませたシンジが使徒の出現を聞いたのはそれから10分後。
彼が朝食後の軽い運動として使徒を打ち抜いた時には、
せっせと使徒が溶解液を注ぐ中で、すでに機能停止した弐号機が半壊状態になっている所だった。
危うく死にかけるほどに戦ったアスカの労をねぎらいながらも、
近いというのに絶対にシンジ邸に招き、休ませようとはしないミサトであった。
111名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/06(火) 22:32:43 ID:???
>「ああ、ここは自家発電だから判らなかったのね。」

シンジのことかと思ったぜ
112名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/06(火) 22:39:24 ID:???
シンちゃん・・・・・・早いのね。
113名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 00:04:30 ID:0VZPX+ay
アスカがけなげだ…。
114名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 01:05:35 ID:???
>「…………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッ!!」


シンジ様が達したのかと思ったぜ
115名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 01:37:53 ID:???
シンジ様甘やかされすぎwwwwwww
116名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 02:27:50 ID:???
意外にもネタだけじゃなくてストーリーがあるのなw
117名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 20:49:01 ID:???
ところで現時点でのシンジの体型はどれ位なんだろう
もうトウジくらいとならガチで殴り合っても勝てそうだ
118名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/07(水) 23:38:49 ID:???
>シンジ様、朝は必ずお抜きになるのに、二度目とは……

アンタほんとにオモロイなwww
119名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 02:31:15 ID:Nytxq7EI
メイドさん・・・あくまでも静観ですかw
120名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 14:13:21 ID:???
>>117
身体能力なら漫画版アスカ以上では?

続きwktk(・∀・)
121>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:17:00 ID:???
「キーッ!なんなのこの配置!ミサトは私を殺ス気デスカー!?」
「これが最良の布陣よ。シンジ様に危ない橋を渡れと言うつもり?」
確かに死ねというような配置だ。
大気圏外に現れた巨大な使徒サハクィエルの推定落下位置には弐号機。
初号機と零号機は、そこから幾らか離れた場所に配置されている。
「……じゃあ、なぜファーストは初号機の側なんですカァー?」
「シンジ様の追加バッテリーを持たせるからしょうがないの。それ以上の仕事は零号機には無理。」
「ぶぅー……」
むくれっつらのアスカ。そんな彼女を一応なだめようとシンジは口を出す。
「あのぅ……やっぱり、その役は僕が……」
「失礼ながら、シンジ様には囮ではなく使徒をしとめる役に着いていただかないと。」
「でも……」
そんなふうにシンジとミサトがやりとりしていると、アスカは業を煮やして、
「アーッ!もういいデース。その代わりにシンジには私と食事して頂きマース!」
「え、あの……食事?」
「そうデース!とびきりぶ厚いステーキ奢ってもらいマース!いいですネ!」
シンジの返事を禄に聞かずに、アスカはものすごい音を立ててドアを閉めて去っていった。
「僕は……魚のほうがいいなぁ……」
「あたし、お肉嫌い……」
「まったく、ドイツ育ちのくせに考えがアメリカンなんだから……」
122>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:18:41 ID:???
で、作戦開始。
「ミサトさん!使徒が地面に着弾してしまいますよ!発射の合図はまだ出さないんですか!」
絶叫するマヤ。しかし、もはや目を血走らせているミサトには通じない。
「そうよ!着弾してからじゃないと正確な狙いが付けられないわ!」
「で、でも、それではアスカさんが!アスカさんを殺す気ですか!」
「そう簡単に弐号機は壊れやしないわ。ダメならアスカには死んで貰うしかないわね。」
「そ、そんな……ミサトさーんッ!」
「シンジ様に、二度打ちの手間なんてさせるもんですか!」
この日、極限に達したアスカの恐怖により初めてのATフィールドが展開されたという。
むろんシンジが見事に使徒を打ち抜き、使徒殲滅を達成したことは言うまでもない。

で、シンジはアスカを伴い市内のレストランへと向かう。
ミサトはすっぽかせば良い、アスカの約束を承認したわけではない、と引き留めたのだが、
よせばいいのに、酷い仕打ちを受けているアスカが流石に気の毒になったらしい。
そのおかげか、あと一歩で死ぬところだったはずのアスカは上機嫌だ。
「美味しいですゥー!シンジがおごってくれたお肉は最高ですゥー!」
「そ、そう……よかったね……」
リクエスト通りにアスカに特大のステーキを注文し、
自分はといえば、お相伴程度に野菜のソテーとパンを頼んでつつき回した。
アスカも有る程度はNERVの予算を使い込める立場にある。
食べたいなら幾らでも食べれるはずなのだが、とにかくシンジから何かをして貰いたかったのだろう。
123>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:20:20 ID:???
何故かは判らないが、いつもの破廉恥なノリは今日のアスカからは見られない。
せっかくのデートだから、とシンジが逃げ出さないよう押さえているのだろうか。
デートとはいえ、店の出入り口付近では怖い顔をしたミサトが見張っているのだが。

ある時、尚も肉を頬張りながらアスカはシンジに訪ねる。
「シンジ……」
「え?」
「シンジは……私のこと、スキですカ?」
「……あ、あの。」
「じゃ、キライですカ?」
「うーん、その……キライじゃないよ。うん。その……」
「スキなんですネ?それじゃワタシとセックスしまショウ!」
「いいぃ!何でそうなるんだよ!?」
「ダメですカ?オトコはスキじゃない女でもチンチンは立つって聞いてマース。」
「あのねぇ……」
「じゃ、良いデース。お別れにキスしてくれたら今日は勘弁してあげマース。」
「……」
「舌を入れろなんて言いまセーン。」
「……」
「……シンジ?」
124>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:22:04 ID:???
「アスカ。僕は特別な相手とじゃなければ、そういうことは出来ない。好きとかいうレベルではなく。」
「……」
「男は確かに女を見て、そ、その、チンチンは立つけど、僕はだからといってそういうことはしない。」
「……」
アスカはナイフとフォークをテーブルに置いて、シンジに向き直った。
「じゃ、ワタシはシンジにとって特別な相手じゃナイ?」
「……悪いけど。」
「……」
「……あの。」
「ナンデスカ?」
「この次に使徒が来たら、僕が先行して戦う。約束する。」
「借りは返すって訳デスカ?」
「そんなんじゃない。その次も僕が前に出る。もうアスカには危ない目には遭わせない。」
「でも、特別ジャナイ?」
「……そう。」
「……」
「……」
「……Danke」
そう言ってアスカは席を立ち、シンジと食べかけの肉を残して去っていった。
125>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:23:47 ID:???
「へぇ〜、そんなやりとりがあったんですか。」
ここはNERV本部での実験作業中、せっせとMAGIの端末を操作するマヤは、
ミサトからデートの結果報告を受けていた。
「ええ……シンジ様、潔癖性かもね。それではあれだけ奮い立ってるチンチンが可哀想。」
「ま、まあ……大人しい14歳の男の子じゃ仕方ないですよ。」
「……それにしても、あんたのその格好なに?まるでレースクィーンじゃないの。」
「仕方ないですよ。なんか、どんどん制服が過激になって行くんです。」
「一体、衣替えにどれほどお金をかけてるのかしら。この間はチャイナドレスだったし。」
「なんか、あっちの方が恥ずかしかったです。腰までスリットが入ってて常に下着が見えそうで。」
「あれはまだシンジ様の股間には好評だったけど……」
「そ、そんなことまで判るんですか?」
「シンジ邸じゃ常識よ。あんたも好い加減ウチにいらっしゃいな。」
「え……シンジ様のお宅に、ですか?」
「そ。あんたのメイド服姿ならシンジ様よろこぶかもよ?」
「で、でも……オペレーターが手不足になっちゃうし。」
「そういえば、管制塔でMAGIを操作してるのあんたとリツコだけね。」
「最初は男性の方が二人いたんですけど、男子禁制になってから首になっちゃって。」
「ありゃま。」
「パターン青のアナウンスとか、エアギターなんて訳分かんないことまで私に引き継いで去っていきました。」
「あ、あはは……」
126>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:25:14 ID:???
そんな会話をしていたミサトは、ふと何かに気付く。
「あれ何?ほら、あの風呂のカビみたいなの。」
「ああ、あの変質している壁ですか?。なんか使徒が浸食してるみたいです。」
「いいぃっ!ちょっと、警報ぐらいならしなさいよ。」
「いや、作業員がこそぎ落とそうとしたけど、どうにもならなくて。もしやと思ってセンサー向けたら……」
「パターン青だったって?」
「はい。恐らくシンジ様じゃなきゃ無理だろうってことになって、この次に来られたついでに落として頂こうかと。」
「ついでにって……ほっといて良いの?MAGIをハッキングして本部を破壊しようとしたりとか……」
「まさかそんなぁ……変な映画やアニメでも見過ぎですか?ミサトさん。」
「そんな言い方しなくても……それにしても、使徒って一体何しに来てるのかしら。」
「さぁ……私も最近よく判りません。本当にサードインパクトなんて起こるんでしょうか?」
「このハーレムの存在意義もね。シンジ様、可哀想。こっちが手出しして良いなら幾らでもお慰めするんだけど。」
「そ、そうですねぇ……でも、こちらからの働きかけは絶対禁止だし。」
「奥手の14歳にゃ無理よ。一言でも『したい』って言ってくれりゃあ、その場で押し倒してガッツンガッツン……」
「ミサトさん、こんなところで変なこと言わないでくださいよ……それにシンジ様の好みに合わなきゃ……」
「だからウチにおいでって。だいぶ、シンジ様の好みが判ってきたし。」
「え、あの、でも……」
「メイドやれなんて言わないわよ。むしろ、うちのメイドに世話させてあげる。」
「はぁ……考えておきます。」
「……あんた。」
127>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:27:08 ID:???
「え?なんです?」
「本当はシンジ様としたくないんじゃないでしょうねぇ……?」
「そ、そんなことないですよ。シンジ様がお求めなら私だって幾らでも……」
「命令だから?」
「何いってんですか!シンジ様のためなら私は肉便器にでもなってみせますッ!」
「……そ、そんなことを大声で言わないでよ。ほら、みんな引いちゃってるわよ。」
「え、あ、ごめんなさい……でも、NERVで伊達にシンジ様にお仕えしている訳では……」
「判ったわよ。ごめんね……」
(かといって、どこまで本気かしらね……)

実のところ、マヤはもちろん本気だろう。
彼女を含むNERV職員に課せられた教育は完全だ。ミサト自身もそうなのだ。
NERVに対し疑問視するミサトは、もしかしたらその教育が行き過ぎた結果、と言えなくもない。
しかし、本当に使徒との対戦を目的とした組織なのだろうか。
自らもこのエロゲのような世界を構成する因子でありながら、
それらを否定的に捉え始めているミサトであった。
128>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/08(木) 22:31:55 ID:qgY8b/7h
皆様、私のくだらないネタに付き合っていただいてありがとです。
スレを自ら立てておいて、こんなことを言うのもなんなんで有りますが、
話の流れを作ってしまっている以上、最後には終結させねばなりますまい。
そーなると、甘やかし要素が少なくなったり、
結末とかチープなものになってしまったりしそうで不安で一杯です。
つまらなくなってしまったら申し訳ないです...
129名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 22:46:08 ID:qDnVHLyx
ここは今から>>1をとことん甘やかしてみるスレになりました
130名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 22:47:26 ID:???
>>128
いや、なんつかね。
もう鉱脈はあらかた掘り尽くされたとか他ジャンルからは言われるエヴァ二次創作だけど、
まだまだ新しい切り口ってのはあるんだなぁと思いながら読んでるよ。
とにかく乙。
今後も楽しみにしてます。
131名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 23:07:48 ID:???
俺はこれがスゲー楽しみなんだ。どんな形でもいいから最後までやってくれ。
つ まごころ
132名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 23:09:54 ID:???
おいはEOEよりもセカチュウで終わらせて欲しい
最後にシンジ様が誰かを襲った瞬間に皆でオメデトウとか
133名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/08(木) 23:50:24 ID:???
誰も何も言わないが、青葉と日向の冥福を祈るよ
134名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 02:19:21 ID:EP7Efgny
バルディエル戦を甘やかすのは難しそうだな。
135名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 02:35:46 ID:???
マヤ「>>1様の肉便器にだってなります!」

さぁ皆もっと>>1様を甘やかせ
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 02:47:34 ID:???
ユイ「>>1様のあむ・・・ぁっ・・・ちゅぱ・・・とってもおいひぃでふ・・・」
137ライ ◆FcqEpew8s6 :2007/02/09(金) 06:05:07 ID:iONg2g7N
劇場版の碇シンジくん! わたしの勘違いでなければ、病室であなた何してるの?
こんな男の子は、甘やかすと何するか分かんないから、甘やかすのはダメです!
138名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 09:04:44 ID:???
折角の名スレなのに変な糞コテが沸いてきたな(´・ω・`)
139名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 10:15:11 ID:???
気長に1を待とうか。投下できる準備できたらいつでもいいから。
そして人がいる時間帯は基本sageで。
140>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:28:19 ID:???
「じゃ、綾波はここで待ってて。」
「はい……」
綾波を置いて、軍用のVTOL輸送機から降り立ったのはシンジただ一人。
そこは広大な共同墓地である。
セカンドインパクトの折、あまりにも多くの死者が発生したため、
墓標の形状は全て規格化され、決められた間隔を開けて無機質な行列を作っている。
シンジは教えられた座標を辿り、ある一つの墓の前に立つ。
その墓の名は碇ユイ。シンジが幼少の頃にこの世を去った母親である。
そこに現れたもう一人の男。NERV司令にしてシンジの父、碇ゲンドウであった。
「やあ、父さん。」
「……」
シンジが第三東京市に迎えられて以来の対面だ。
「ねぇ……母さんって、どんな人だったの。」
「鏡を見ることだ。お前はユイに良く似ている。」
「へえ……そうなんだ……」
あまり顔を合わすことの無かった親子である。会話を弾ませることなど無理というものだ。
ぼそり、ぼそりとシンジが話しかけ、ゲンドウはそれに答えるだけだ。
実は誘ったのはシンジの方である。そうでもなかったらゲンドウはここに来なかったかも知れない。
「それじゃ……」
「ああ……」
141>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:29:05 ID:???
シンジが帰るそぶりを見せたと同時に、背後の輸送機がエンジンを起動させる。
その窓からチラリと見える綾波レイの顔。
それをゲンドウは見逃さなかった。
「会えてよかったよ。それじゃ……」
そんなおざなりの社交辞令を残してシンジは乗り込む。
ただ一度だけ輸送機を振り返った後、ゲンドウはトボトボと歩いて帰途についた。

「それでは、こちらで今しばらくお待ち下さい。」
「はい……」
応接室に案内された洞木ヒカリは、出された紅茶とケーキを目の前にして大人しく待っていた。
豪華な調度品。壁には教科書で見覚えのある絵画が並ぶ。
どの程度、使用されているか判らない応接室の金のかかりようは半端ではない。
「……」
落ち着かない様子で10分程まっていただろうか。ようやくシンジが姿を現した。
「えーと……洞木さん、だっけ。ごめんなさい、学校には一度しか行かなかったから。」
「ううん、いいの。なんか……雰囲気変わったわね。その、精悍になったというか。」
「はは……」
その印象の変化は筋トレの成果だろう。
しかし本当の所は、シンジの暗い目つきの方が気になって仕方がなかった。
142>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:29:58 ID:???
ヒカリはくつろげない様子で、ケーキはおろか紅茶にも手を付けては居なかった。
「ああ、この家のパティシエが焼いたんだって。遠慮しないで食べてよ。」
「そう……でも、プリント届けに来ただけだから……」
自分ち、とは言わずに「この家」と称するところから、シンジの心情が伺える。
自分の居場所、つまり気持ちの落ち着けどころがない、と言ったところか。
「なんなら、後で包ませるから……学校はどう?」
「なんか変なの……生徒がどんどん転校していっちゃって。」
「そ、そうなんだ。使徒襲来の影響で逃げちゃったのかな。」
「でもね。時折、女の子が転入してくるの。変だと思わない?」
「……」
「で、妙な人がうろうろしていて、何やら生徒たちをチェックしているの。」
「……そうなんだ。」
「私はギリギリ合格なんだって。何だか気味が悪い。」
「……」
「えっと……それじゃ、私は帰るね。」
「あ、ああ、今日はありがとう。」
「いいの。委員長としての公務だし……でも、もう会えないかもね。」
「え?」
「私も引っ越すことにしたの。お姉ちゃん達と相談してね。なんだか、この街に居たくないって……」
「……」
143>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:31:08 ID:???
そしてヒカリは席を立ち、シンジは玄関口まで見送った。
「遠慮しないで車で送ってもらってね。」
「ありがとう。あの……碇君?」
「え?」
「このまま、学校に来ない方がいいかもしれない。そして……」
スッとヒカリはシンジに近づき、ささやいた。
「ここから逃げた方が良いと思う……多少の無理をしてでも。」
そう言い終えると、ヒカリはリムジンに乗せられ去っていった。

当然、ミサトはこのやり取りを聞いていた。
「優しい子ね。一度ぐらいしかシンジ様に会ったことが無いというのに。」
そんなミサトの呟きを聞いて、側にいたメイドは答える。
「素朴で真面目そうな良い子ですね。ああいう子がシンジ様の側に……」
「ダメよ。あの子を巻き込んだら、シンジ様はきっとお怒りになるわ。」
「そ、そうですね。失礼しました。」
(ロクに通っても居ない学校にまで手を入れ始めた……いったい連中はどこまで……)
「ん?あれは……」
ふと、ミサトは耳を澄ました。ゆるやかな低い音色がシンジ邸に響き渡る。
「シンジ様がチェロを奏でておいでのようです。」
「筋トレ好きのシンジ様には意外な特技ね……せっかくだから、このまま鑑賞させて頂きますか。」
「はい。それじゃお茶をお入れしますね。」
144>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:32:14 ID:???
ゼーレ最高幹部会議。それはコンピュータにより作成された疑似空間で行われる。
そこに遠隔地に点在する幹部のメンバーが通信により集結する、と言うわけだ。
キール議長を中心に取り囲まれるようにして審議を受けているのは、NERV司令たる碇ゲンドウ。
「あまり成果は上がっておらぬようだな?碇ゲンドウ。」
「しかし、使徒の殲滅は確実に行っております。問題はありません。」
「そちらのシナリオなど問題ではない。あの碇シンジのことだ。」
「は……」
「一向に我々の餌に食らい付こうとはせんではないか。」
キール議長に続いて、幹部の面々達は次々とゲンドウを責め立てる。
「これまで君の息子に与えた莫大な女の数と予算の出費、大変な損害だよ。」
「全ての使徒が倒されたとき、碇シンジがあのままでは意味が無いのだ。」
「自分の息子の趣味ぐらい把握できんのかね?ゲンドウ。」
が、ゲンドウは済まして言う。
「言うまでもなく、シンジは実の息子では無いのですが?」
「ふん……」
「そしてこれを……これもある種の趣向と言っても良いかと。」
幹部各員に転送される資料。それは日々のシンジの自慰回数の累計を示すグラフであった。
それを見てキール議長は言い放つ。
「成る程。よかろう、碇ゲンドウ。しかし、それではまだ足らぬことは判っておろうな?」
「は……」
「それについては、こちらで一考しよう。碇、ご苦労だった。」
145>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:33:12 ID:???
シンジの居間。
机に向かい、カチカチとマウスを操作しながらパソコンに向かうシンジが一人。
ある時、誰かがドアをノックする。
「は、はい!誰?」
そう言いながら、そんなに慌てなくても良いのにガタガタと騒々しく操作して開いていたブラウザを閉じた。
「碇君……お茶……」
そう言って入ってきたのはレイだった。
トレイ片手の無表情なレイはシンジの机に向かい、お茶のセットを並べた。が……
「……」
「あ、あの……レイ、何かな?」
シンジの様子が落ち着かない。股間がお祭り中の男が落ち着ける訳がない。
そんなシンジを見て、レイは一言。
「……する?」
「え!?な、何を……」
「……しないの?」
「な、何いってるのさ、レイ。あはは……」
「そう……それじゃ……」
「あ……」
部屋から出るレイ。シンジは何だか、釣れた魚を何故リリースしてしまったのか判らないような心境だ。
手を出す勇気が無いなら自分でしたら?と冷たく突き放されたような気分だが、
それでもやっぱりトイレに向かい、ほっとしたように握りしめるシンジであった。
146>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/09(金) 19:35:50 ID:???
あ、シンジ→レイの呼称は綾波だった。嗚呼...orz
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 20:32:07 ID:???
>>146乙カレー('∀≦*)~☆
ヒカリも出てきたしゼーレのシンジに対する思惑が気になる…!!
148名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 21:03:50 ID:???
GJ!
しかしヒカリが萌えるんだが、もう退場?
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 23:07:39 ID:???
>>141
ちょwwwシンジとゲンドウ逆wwwwww
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 23:48:27 ID:???
>>1さん乙!
ゼーレの目的は原作とは違う方向からの補完だろうが
これからそれぞれの人間模様がどこに向かうか楽しみだ。
151名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 23:58:48 ID:???
おいらの股間もお祭り中www
152名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 01:19:00 ID:???
面白いっすよ〜
153名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 13:32:32 ID:???
乙だす!
154>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:16:45 ID:???
「戦いは男の仕事!」
ビシッとポーズを決めて、出撃するシンジ。さて、いよいよ第12使徒レリエルとの対戦である。
中空に浮かぶ不気味な姿で得体の知れない所はあるが、
アスカとの最前の約束もある。壁のシミのような第12使徒イロウルとの戦いも正直言って肩すかしだった。
だからこそ、空元気にも見えるシンジの意気込みようも無理はない。
その勇み足の結果は、とてつもない危機的状況へと陥った。
使徒の影と思われていた地面の暗黒へと、初号機が取り込まれてしまったのだ。

(なんとしてでも、お止めするべきだった。作戦部長失格ね……これじゃ……)
ミサトの後悔は遅すぎた。これまでの使徒の傾向からして、このような展開になるとは考えても見なかった。
絶叫するミサト。迷走するアスカの弐号機。混乱するNERV司令部。
そんな中で、何故か綾波レイだけは落ち着き払っていた。

現場に緊急の司令部が設置され、主だった者達が集められる。
ホワイトボードに複雑な数式と図式を描き、解説とは言えない推論ばかりを並べているのは、
NERV技術部の第一人者、赤城リツコである。
「あの中空に浮び、使徒と思われていたゼブラの球体。あれが使徒の影でしかないと言えるかも知れません。」
「言えるかも?知れません?……それじゃ、シンジ様を取り込んだ地面の黒い影こそ本体ってこと?」
いらだっているミサトがズケズケとした調子でリツコに食いつく。何かアラが有れば殴りかかりそうな状態だ。
「そう考える他はないわね。あの、極薄の黒い影……別の宇宙空間に繋がっているのじゃないかしら。」
「聞いたこともないわね!そんなSF科学小説なんて!」
155>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:17:47 ID:???
リツコも負けじと怒鳴り返す。
「考えられることを答えているだけよ!聞きたくないならいいわ。唯一、初号機を救出する方法は一つだけ。」
「……何よ。」
「現存するエヴァ2体のATフィールドを1000分の1秒だけ干渉させ、全てのN2爆雷をその瞬間に……」
つまり、考えられる限りの破壊力を全て注ぎ込む訳だ。
「何ですってッ……!」
思わずミサトはリツコの胸ぐらを掴む。
「何よそれッ!そんなことをしたら、シンジ様がどうなるか……」
「いえ……シンジ様のことは、自らを滅ぼしてでも使徒が守るわ。それが狙い……」
「……え!?」
ミサトはリツコのその言葉に驚きを隠せない。
きょとんとした表情で、リツコを掴んでいた手をゆるめる。
「どういうこと……ねぇ!使徒って何なの!?そしてシンジ様は一体……」
「あなたに渡した資料が全てよ!ミサト……私を信じて……」
「……」
ほぼ街全体を包み込むかのような地面の黒い影。そして中空に浮かぶ不気味なゼブラの球体。
地上ではNERV職員が奔走し、上空では戦略自衛隊の航空隊が結集しつつある。
これまでの楽天的な使徒との戦闘が一変して、正に総力戦と姿を変えつつあった。

そして使徒内部の初号機と、シンジである。
156>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:18:44 ID:???
「生命維持モードに切り替えてから10時間……僕の命もあと数時間、か……」
生命維持モード。それは、まさか使うことになろうとは思っても見なかった初号機の機能だ。
「でも……何故だろう。あたたかい……いや……懐かしい……?」
何故かシンジは苦痛を感じることなく……むしろ、表情が和らいでいた。
「そうだ……何故か懐かしい……この感覚……そうだ……」
それは、シンジがすっかり忘れていた母ユイとの記憶であった。

「今帰ったわよシンジ!待たせちゃってごめんね!」
「あー、ママ!おかえりなさーい!」
「ごめんなさい。お腹がすいちゃったでしょ?」
科学者としての仕事を終え、預けていたシンジの元に帰り着いたユイ。
四六時中、一緒にいられないだけに互いの思いはひとしおだろう。

「シンジ、体を洗うからこっちにいらっしゃい。ほら、おちんちんもちゃんと洗わなくっちゃ。」
「きゃはは、ママやだ、くすぐったいよぅ」
「ウフフ……あらヤダ、そんなにママのおっぱい見つめちゃ恥ずかしいわ。」
「ねぇママ……おっぱい吸ってもいーい?」
「もう……赤ちゃんじゃないのよ?……ううん、いいのよシンジ……好きなだけ吸って……」
「ありがと、ママ……だいすき……」
「私もよ、可愛いシンジ……」
157>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:19:40 ID:???
ユイはシンジを思う様に溺愛し、シンジもまた自分の気持ちの全てをユイにぶつけた。
何時までも続くかに見えた、とろけるように甘い日々。
だが、終わりは必ず来る。ユイは母親ではあるが科学者でもあり、そして女でもある。

「何だ?扉が開いてるぞ?」
「ねむれないよぅママ……あれ?このひとだれ?ねぇ!ママとなにやってるの!?」
「おい、なんとかしてくれよ。ユイ……」
「ご免なさい……ほら、シンジ?もう遅いから寝ましょうね……」
「ねぇママ、だれなの?ママとはだかでなにやってたの?」
「ほら、この間言ったでしょ?あの人がシンジのパパよ。」
「ぱぱ?なにそれ。ねえ、あのひととなにしてたの?」
そんな風にユイを困らせたこともあった。
(そうだ……思い出した……あの時の男こそゲンドウ……僕の父さん……)
初号機の中で夢うつつだったシンジの顔が、次第に苦痛で歪み始める。

「また、このおじさんがママをつれていくの?やだよママ、いっちゃやだ!」
「シンジ君……俺は君のパパなんだよ。な?パパを信じてくれ。」
「そうよ、シンジ。ここでおとなしく待っててね。」
「では、いいか?ユイ。」
「はい、やります。シンジの為に……そして、世界の為に……」
158>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:20:57 ID:???
そして……初号機の起動試験が終わり……
「ねぇ!ママはいつになったらかえってくるの?ねぇ!ママをどこにつれていっちゃったの?」
「シンジ。もう、ママは帰ってこないんだよ。」
「うるさい!おまえなんてしらない!ママをかえして!ねぇ、ママはどこなの!」
「ママはちょっと遠くに行ったんだよ。ほら、新しいオモチャを買って来たよ。これなんか……」
「ぼくを……ぼくを……」
脳裏に蘇る記憶の映像がシンジを怒りの頂点へといざなった、その時。

(あれは!?)
全天真っ白だったレーダーに何か写っている。
赤く輝く球体。言わずと知れた使徒のコア。
さあ、これが出口ですよ、と言わんばかりの。

「ぼくを…………ぼくを………………僕をバカにするなァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

激怒したシンジに呼応して初号機が吠え猛り、何もない虚無空間に鋭い爪をかけ、
そして!
159>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:22:38 ID:???
「あれは……?」
浮かんでいた球体に突然の異変が起こり、ミサトやリツコが驚愕の声を上げる。
「そんな……何もしていないはずよ……?」
「まさか、シンジ様が……」
「そんな馬鹿な!初号機のエネルギーはゼロなのよ!?」

バリバリと使徒は引き裂かれ、その裂け目から姿を現す初号機。
その血しぶきを上げる使徒の姿は、うかつにもシンジの記憶を呼び覚まし、その逆鱗に触れた結果だろうか。
いや、あえてシンジを怒りの頂点へといざなうことが使徒の意図であった、とも……

虚無とも影とも言われた球体の使徒を粉々に砕き、すさまじい轟音と共に初号機は地上に降り立つ。
吠える初号機。その姿に驚愕し、恐怖するNERVスタッフ。
リツコも又、恐怖に顔をゆがませながら思わずつぶやく。
「なんてこと……これがエヴァの力……いや、これが碇シンジの……」
「……」
そんなリツコを怪しげに見つめながらも己の職務に立ち返り、シンジの保護のため奔走するミサト。
こじ開けられるエントリープラグ。病院へと担ぎ込まれるシンジの体。
その彼の尚も強ばり続ける怒りの表情のため、指を触れることもためらうミサト。
しかし、母に対するシンジの思いは誰も知らない。
160>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:23:59 ID:???
「う……くッ……」
ベッドの上で苦悶の表情を続けるシンジ。そんな彼を見舞う二人の少女。
アスカと綾波レイである。
譫言とも言えない苦痛を漏らしながら悶えるシンジを見つめていたレイは、ふとアスカに振り返る。
「ご免なさい……少し席を外して……」
「えぇ!?」
アスカは不審がったが、しかし以前よりシンジに対する横暴は和らいでいる。
ふっと肩をすくめて、意外にも素直に病室から去っていった。

アスカがドアを閉めたのを見越して、はたして何を思ったのか。
突然に服を脱ぎ、胸をはだけて苦しむシンジに寄り添ったのだ。
「ん……んん……」
そして、未だ幼い自分の乳房をシンジに含ませる。夢うつつのシンジはそれに夢中でむしゃぶりついた。
そのレイの表情……あいかわらずの無表情だが、仕草だけはこよなく優しかった。
(ああ、ママ……やっと帰ってきたんだね……ママ……)
やがてシンジの表情は和らぎ、そして深い眠りにつく。
そんな彼を見て、レイは服を直して病室を出た。

(私には……シンジ様のお相手は無理かもね……とても、あの子の様に母親代わりには……)
シンジの思いを知ってか知らずか。
そんなことを考えながら、ミサトはシンジの病室にある監視モニタを停止させ、立ち去っていった。
161>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/10(土) 22:28:41 ID:???
今日はここまでっす。
162名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 22:51:08 ID:???
モツカレー様です
163名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 01:10:41 ID:???
シリアスなのも面白いな 乙
164名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 14:57:03 ID:???
乙ですな
165>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:30:37 ID:???
さて、引っ越しを終えた洞木ヒカリは台所で牛乳を飲みつつ、慌ただしい朝食の準備をしている。
まだまだ開けていない段ボール箱で一杯だ。今日も片付けに丸一日費やさなくてはならないだろう。
ふと振り返ってみると、妹のノゾミがTVのリモコンを片手に電源を入れている。
そして映し出された画面を見て、ヒカルは思わず口に含んだ牛乳をブッと吹き出してしまった。

『シンジ・アルバム』

見れば、冴えない顔をしたシンジ様で画面が一杯だ。
『本日、開催されたアジア陸上競技大会にシンジ様はご出席され……』
チャンネルをひねってみれば、これまたシンジ様のご登場。
『ここはシンジ様が幼少の頃すごされたこともあり、もっともシンジ様に近い街として……』
『エヴァパイロット・碇シンジの朝は一杯の果物ジュースで始まる。』
『ええ……健康には気を遣って……』
ハッとなって飲んでいた牛乳瓶を見てみると、愛想笑い満面のシンジ様の顔がそこにある。
実を言えば、これがNERV広報部の仕事であり、その手を日本中いや世界中に伸ばしつつあったのだ。

あ、シンジ様だ、と画面にかじりつくノゾミ。
これでは引っ越しした意味がない、と悪態をつきながら、TVのスイッチを乱暴に切る姉コダマ。
驚愕と恐怖に歪ませていたヒカリの顔は、次第に悲しい表情を浮かべてつつあった。
(逃げて、碇君……なんとしてでも……どんなことをしてでも……)
166>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:31:55 ID:???
「シンジ様、こちらになります。」
机上のシンジに向かい、机の上に書類を置くマヤ。
が、マヤはその書類から手を離そうとはせず、何故か動きを止めている。
「あ……ご、ごめんなさい。」
思わず赤面しながら、横を向いてマヤから視線を外すシンジ。
マヤはシンジの視線が自分の胸に注がれていることに気づき、彼のために動かずにいたのである。
「い、いえ……いいんですよシンジ様……その……幾らでも……」
下手に誘い文句になってしまうと禁止事項に抵触する。
ましてや、ミサトから忠告を受けている。露骨に媚を売られることはシンジ様はお嫌いになる、と。
慌ててマヤは口ごもり、彼女もまた、顔を真っ赤にして部屋を立ち去る。
やっと一人になったことを確認したシンジは、
何故こんなに自分の執務室が広いのかと悪態を付きながら、トイレへと駆け込んでいった。

(シンジ様の様子が変わった……変、というか……肩の力が抜けた、というか。)
そんなことを思いながらNERV本部を歩くマヤ。先程のエピソードについて考えていたのだろう。
(でも、最近は夢見がちな様子もあるし……すこし、気を抜いておられただけかな……)
そのように、遠慮がちに自分をなだめようとする。自分に魅力を感じたわけではないのだろう、と。
しかし、実のところシンジの白羽の矢が立つのはマヤ、というのがもっぱらの噂が立っている。
マヤ自身もそれを耳にしている。しかし、それはシンジと共に行動することが多いだけの話で……
そんな、どうどう巡りの思いの果てに、マヤは大きな溜息をついた。
167>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:33:08 ID:???
そんなマヤを察したのか。
ある男がマヤに声をかけてきた。本部内に居る男性は極めて限られている。
シンジでも司令のゲンドウでもなければ残るは一人、加持リョウジである。
冬月?まあ、日本のどこかでモグリの医者を続けていると考えて頂ければいいだろう。

「あいかわらず、ここの制服は男を楽しませてくれるね。」
「ああ、加持さん。お疲れ様……ちょっと、そんなにジロジロ見ないでください。」
抱えた書類で隠そうとするが、胸を隠してなんとやら、だ。
どんどん過激になるNERVの制服。この次にはビキニしかないだろうという有様である。
「私だって恥ずかしいんです。」
「つれないねぇ……でも、相手にしてくれてないんだろう?お堅いシンジ様は……」
「あの、止めてください。ホントに……ミサトさんに言いつけますよ?言いつけたら……」
「殺される……か?その前に君の……あ。」
トイレから出てきたらしいシンジの姿がそこにあった。
「し、シンジ様。参りましょう。さ、こちらに……」
慌ててシンジをなだめるのように腕を取るマヤ……が、ギロリとシンジは加持を睨んだままだ。
「やあ、シンジ君。えーと、どうだい?お茶でも。」
「……僕をバカにするんですか。」
その一言だけを残して、シンジはマヤを伴い去っていった。
168>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:34:35 ID:???
(やれやれ。さてと……パスワードは……)
個室でMAGIの端末に向かい、何かを調べている加持。
実は、マヤですら許されていない権限をも彼には与えられている。
シンジに対する傾向と対策のために彼が赴任してきたのだから、当然と言えば当然だ。
そして画面に踊る画像の数々。それはシンジが自宅で閲覧しているお気に入りのものである。
(ふーん……あまり過激なものは好みではないんだな……)
実は、以前にミサトがモニタリングしたものとほぼ同じ内容なのだが、やはり男の見る目とは違いがある。
加持の頭の中で次第に集約され、そして行き着いた先。
(ん……そうだ、確か……)
全く別の画像を巨大なデータベースから引きずり出す。
それは幼いシンジと共に写る母である碇ユイの画像であった。
(なるほどね……それでかな?シンジ君の側にいることが多いのはショートカットの綾波レイ、そして……)
思わず頭をかく加持リョウジ。
(マヤちゃんにちょっかい出したのはまずかったかな……)
「あー、何エッチな画像見てるんですカー?」
何時の間にやら背後に立っていたのは、惣流アスカ・ラングレーであった。
「こ、こら!子供が見るもんじゃない!」

「それじゃ、しばらく留守にします。」
そういって、荷物を片手にシンジに挨拶するミサト。
169>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:36:13 ID:???
保護者役のミサトが側を離れるのも珍しいが、前回の件を経て使徒との戦いが困難なものと成りつつある。
新たな戦略を組むために、作戦部長たるミサトは様々な活動を行わなければならないのだろう。
向かう先は松代の第2実験場。そして、その内容は?
「エヴァ参号機!?」
驚くシンジ。そんな彼を落ち着かせようとミサトはシンジに説明する。
「はい。戦力強化のためにアメリカで建造されていた参号機をこちらで引き取ることになったのです。」
「……」
「心配は要りません。私の留守の間は……」
その時、玄関からバタバタという足音が聞こえてきた。
「お、おはようございます!あ、あの……」
現れたのは、手荷物片手のマヤであった。
「……彼女がお世話をさせて頂きます。マヤ?よろしくね。」
ニッコリとミサトがマヤに微笑みかける。
「なんなら、荷物をまとめて引っ越してくれば良かったのに。手配しようか?」
「いえ、そんな、あの……よろしくお願いします。」
口ごもり、赤面しながらもシンジ向かい慌ただしいお辞儀をするマヤ。
とはいえ、お世話するといっても大したことがある訳ではない。生活面はメイド達がまかなっている。
あるといえば、NERV本部との連絡係ぐらいなのだが。

シンジと言えば、訳の分からぬ状態で頭をかくばかりである。
170>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/11(日) 22:37:21 ID:???
今日はここまでっすー
171名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 23:05:30 ID:???
ヒカリキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
172名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 23:20:38 ID:55DFzkG+
冬月・・・w
173名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 23:21:54 ID:???
参号機誰が乗るんだろ・・・
174名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 23:29:03 ID:???
流れ的にはヒカリじゃね?





おっと言い忘れた。相変わらずGJ!!
175名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 08:18:17 ID:???
なるほど。
つまり危機に陥ったところを救われて惚れてしまうことで、まともな感性でシンジを気遣っていたヒカリが死んでしまうと言うことか。
勿論登場時に薬物誘導やら催眠やら何やら掛けられて戦場に出たときにはとっくにお亡くなりになっているんだがなw
176名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 10:13:40 ID:???
アンソロ本でヒカリがエヴァに騎乗するのがあったの思い出しわ
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 11:08:54 ID:???
??日本語でおk
178>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:54:19 ID:???
 クルナ 
 
 …… ニ チカヅクナ
 
 オマエ ハ ジャアク
 
 オマエ ガ …… ヲ クルシメル
 
 オマエ ガ …… ヲ オトシメル
 
 クルナ
 
 チカヅクナ
 
 サモナクバ……
179>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:55:18 ID:???
「遅いわね。」
松代に到着し、参号機を待つミサト。
「そうね……何か有ったのかしら……」
その傍らで、リツコは落ち着き払ってノートPCに向かい、コーヒー片手にタイプを続けている。
その片手でフルキーボードをタッチタイプする様は実に年季が入ったものだ。
「ところで、リツコ。この松代で行う起動試験って……パイロットを使うの?」
「当然よ。パイロット無しではエヴァは動かないわ。」
「でも、シンジ様も居ないし、レイやアスカも連れてきていないわよ?」
「……あなた、何にも知らないでここまできたの?参号機に向けて新たにパイロットが選定されたわ。」
「では、4人目?」
「第4位は残念ながらボツ。ほら、シンジ様の学校で病院送りにされた子よ。」
「ああ……諜報部も酷いことしたわね。名前は……なんていったっけな。」
「聞いた話では大怪我をさせたのはシンジ様のファン達らしいわ。左足を切断するほどの複雑骨折。」
「嘘……そんな……」
「シンジ様への信仰心だから咎めるのも心苦しい、というわけで諜報部がしたことにしたんですって。」
(異常だわ……本当に、この連中はシンジ様をどうするつもりなのかしら……)
そんなことをミサトは考えていたが、気を取り直してリツコに訪ねる。
「で、リツコ。新しいパイロットって……」
リツコは一枚の資料をミサトに示した。
「参号機と一緒に輸送機でこちらに向かっているはずよ。名前は……」
180>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:56:09 ID:???
シンジ邸。
「シンジ様が、差し支えなければ夕食をご一緒に、と申しております。」
マヤが与えられた部屋にメイドの一人が訪れ、礼儀正しく応対する。
「そうですか……何時から?」
「よろしければ7時に食堂へお越し下さい。献立はこちらになりますが、お嫌いな物があれば……」
「いえ……好き嫌いはありません。」
「そうですか。何かご用件がありましたら鈴を鳴らしてください。では、失礼いたします。」
マヤはシンジの世話役の代理としてやってきたのだが、完全にお客様扱いだ。

そして、マヤを迎えての夕食となる。
細長いテーブルの上座には当然シンジが座る。その両サイドにはレイとマヤ。
「……やっぱり、そういう服の方がいいな。マヤさんは。」
「そ、そうですか。ありがとう御座います……」
その日のマヤは、白いブラウスにパンツをはいたシンプルなものである。
女性らしいスタイルが映えるが、肌の露出は実に少ない。
やはりシンジは、本部の乱痴気ぶりに呆れていたのだろう。
(NERV職員を辞めて、本当にここでメイドをしたくなっちゃうな……)
見ていると、料理を運んでくるメイド達に対し、シンジは微笑みさえ浮かべて接している。
さっきのように服装に関して褒められたのも(今までの制服のセンスはともかくとして)初めてのことだ。
何だか、心の中にグラリと揺らぐものを感じて仕方がない。
181>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:56:58 ID:???
しかし、その傍らでお相伴程度にお皿を突いている綾波レイは、相変わらずの無表情ぶりだ。
シンジがたまに話しかけるが、軽く頷き返すだけなのだが……
(あ……)
その瞬間、マヤは思わず声を上げそうになった。
ある時、レイがナプキンを手に取り、シンジの口元を拭いた。
それに対してシンジは言う。なんだか母親に拭いて貰ったみたいだ、と。
するとレイは微かに赤面して、しどろもどろに席に戻った。
実に微笑ましい光景である。マヤはそんな様を見て、ふっと溜息混じりの苦笑いを浮かべていた。

自室へ戻り、持ち込んだノートPCに向かい一仕事を終えた後、
マヤはシャワーを浴びて柔らかい部屋着に着替え、パタンとベッドに体を投げだす。
言いつければどんな飲み物でも持ってこさせる、という。
しかし初日から遠慮がちなマヤではなかなか言い出しづらい。
あらかじめ部屋に置いてある水を飲んで一息ついた。
なんだか水まで物が違うんだな、などと感じながら。
(でも……コンビニで自分で買ってきたペットボトルの方が気安くていいなぁ……)
シンジ様も、慣れないうちはこんな心境だったのだろうか、と考えていた時のこと。

(とんとん……)
誰かがドアをノックする。出てみると、そこに居たのはレイであった。
182>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:58:00 ID:???
「レイ、どうしたの……え、あの、ちょっと……」
レイはマヤの手を取り、どこかに引っ張っていこうとする。そして一言。
「碇君、うなされているみたい。」
「え……でも、それが……」
マヤは何か言おうとするが、レイは取り合おうとしない。
ある扉の前に来るとノックもせずにドアをあけ、薄暗い部屋の中をどんどん進んでいく。
(あ、ここは……シンジ様の寝室?)
(入って……)
(ええ!?)
レイはシンジが潜り込んでいる毛布をめくり、指し示した。
ベッド上では、シンジは胎児の格好でうずくまっていた。
(入って……)
半ば押し込むようにして、レイはマヤを強引にシンジのベットへといざなった。
(あ……)
そして、レイは毛布をかけ直して扉から閉めて去っていった。

マヤは硬直して動けない。今の状態、シンジを背中から抱きしめるような格好になっている。
緊張のあまり、自分の脈が耳に響き渡たる中、ふと、微かな声を耳にした。
(ママ……)
急速に静まりかえるマヤの心。思わずシンジに身を寄せて、改めて後ろから抱きしめた。
183>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 12:59:05 ID:???
やがて、穏やかな寝息が聞こえてくる。どうやら、より深い眠りへと入ったのだろう。
(もう、いいかな……)
そう考えたマヤはベッドを抜け出し、そっと部屋から出て行った。

何故、レイは自分にこの役を与えたのだろう。
実を言うと、病室でレイがシンジを慰めていた一件をミサトから聞いていた。
レイこそがシンジと連れ合う相手で、彼女もそれを望んでいるのだろう、と思っていたが……
(つまり、シンジ様をいたわることさえ出来るなら、どうでもいいのかな?……)
でも、何か腑に落ちない感じがする。

部屋へ戻り、何気なくノートPCを開く。
いつもの癖でMAGIに接続し、各部署の状況にざっと目を通した。
が、驚いて目を見開き、モニタを見直す。
「え……使徒!?」

「使徒ですってッ!?」
驚いたミサトはリツコに聞き直す。
「間違いないわ。パターン青……参号機とほぼ同じ座標ね。状況は?」
すると、輸送機に搭乗しているパイロットと思われる声が無線機のスピーカーから聞こえてくる。
『それが……(ガガッ)……機体が言うことを聞かな……(ガガッ)……あああッ』(ブチッ)
184>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 13:00:10 ID:???
松代の司令部が沈黙に沈み込む。
もはや無線機からは、ザーッという音しか聞こえてこない。
「やられた……?」
そう言うミサトにリツコは冷たく答える。
「まだ、輸送機は飛行中だけど……恐らくは、ね。」
「こうなっては、ここに到着させる訳にはいかないわね。輸送機が操られている可能性がある。」
ミサトは苦悶の表情を浮かべていたが、意を決して指示を下す。
「参号機、およびその輸送機を破棄します。戦自の航空隊に連絡、空中にてN2爆雷の……」
その時、沈黙していたかに見えた無線機から、先程とは全く別の声が聞こえてきた。
『それは待ってくれないか。一つだけ試したいことがある。』
どうやらマイクのスイッチが入りっぱなしで、ミサトの声が聞こえていたらしい。
こんな状況だというのに落ち着き払った涼やかな声。
「誰……?」
尋ね返すミサト。だが、無線機はもう答えない。
しばらくして、リツコが言う。
「……レーダーから使徒の反応が消失。もしや……殲滅した?」
「ええ!?」

やがて、輸送機の姿が肉眼でも見え始めた。
使徒の反応が消えたとはいえ油断は出来ない。試験場に緊張が走る。
185>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 13:01:39 ID:???
既に試験場は戦自の戦車隊で一杯である。
上空にも航空隊が飛来してきている。最悪の場合、試験場ごと使徒を吹き飛ばす算段だ。
現れた輸送機に釣り下げられている参号機……いや、違う。
既に参号機は稼働している。そして体を揺すり、輸送機の翼を操っている様子が見て取れたのだ。
まるでメーヴェを操る某アニメキャラと同じ要領で輸送機を操作し、
凄まじい轟音と共に見事に着地する参号機。
幾分、滑走路を掘り下げる結果になってしまったが。
「使徒の反応無し……でも、輸送機は半壊状態ね。」
ミサトに向かってリツコが言う。未だ緊張状態のミサトは何も答えない。
やがて、参号機はその場にひざまづき、エントリープラグが排出される。
扉が開き、吹き出すLCLと共に現れたのは一人の少年。
「いや、危なかったよ。あと少し放電が必要だったら、もう参号機は動かせなくなっていたところだ。」
そう言って、作業員の助けを借りて地上に降り立つ。
微妙な表情のミサトに対して、ニヒルな笑顔を浮かべて彼は軽やかに挨拶をした。
「渚カヲルです。よろしく。」

これが、フォースチルドレンが使えなくなったため見事に繰り上げ当選となった、
フィフスチルドレンたる渚カヲルの早すぎる登場である。
186>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/12(月) 13:03:12 ID:Nk/4KO9w
つーわけで、そろそろまとめにかかります。
といっても、こっからの量も多くなるかも知れませぬ。
こっからさき、さらに甘やかしとお笑いが少なくなってしまいそうですが、
そうなったらすんませーん。
187名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 13:18:34 ID:???
すまなくないGJ
188名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 13:37:20 ID:???
GJです

カヲルキュンktkrww

189名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 14:53:18 ID:???
ペースが早くて素晴らしいです
乙!
190名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 18:14:30 ID:???
>>188
腐女子乙

>>1
GJ!
191名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 20:18:12 ID:???
>>186
トウジカワイソス

カヲルが来たって事はやっぱり






うほっ
192名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 20:20:21 ID:???
>左足を切断するほどの複雑骨折
ちょwwwwwトウジの見せ場なのにシンジ様のファンのせいかよwwwww

しかしGJ!!
本当ペース早いな
193名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/12(月) 20:21:23 ID:???
>>191
あえてそれはないんじゃないかと言ってみる
194名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 03:05:19 ID:???
>>1様を甘やかしてみたくなるほどGJです
195名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 09:12:20 ID:???
しかし、男性のサブキャラにはホント容赦ねーなw
196名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 13:57:14 ID:???
レイがどうゆう風に動いていくのかが楽しみだな。
197>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:14:25 ID:???
「ようこそ、NERVへ!」

歓迎式典、というほどでもないが、その場に居合わせた職員達の拍手によって、渚カヲルは迎え入れられた。
その中で、私の時はこんなに歓迎してくれなかったと、愚痴るアスカのことはまあいいだろう。
歓迎する職員の中央に碇シンジの姿がある。カヲルはシンジにまっすぐに向かい握手を求めた。
「君が碇シンジ君だね?僕はカヲル。渚カヲル。」
「あ、ああ、よろしく。渚く……」
「カヲルでいいよ。碇シンジ君?」
「ああ……僕も、えーと、シンジでいいよ。」
シンジに親しもうと柔らかい笑顔で接するカヲル、しかし何故かシンジの顔は引きつっている。
「それでは、NERV本部をご案内いたします。こちらへ……」
マヤがカヲルを連れてNERV観光へと向かおうとしたところ、
「……マヤ。所用があるから誰かに代わって貰って。」
そう言ったのは、しかめっ面でカヲルを睨んでいたミサトであった。
そしてマヤの側に近づき、耳元でささやく。
(なんか、嫌な予感がするの。マヤはシンジ様の付き人として離れてはダメ。)
(え……はぁ……)
(それから、やっぱりウチに引っ越しなさい。命令よ。とにかくシンジ様から離れないで。)
(……はい。)
カヲルはご機嫌な様子で手を振ると、花のように色めき崩れる女性職員達。
彼はなかなかの美貌の持ち主だし、無理からぬことではある、が……
198>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:16:17 ID:???
(おかしい。シンジハーレムと呼ばれているこの本部がこんなに沸き立つなんて。)
怪しむミサト。なかなか具体的に判っていることはないが、嫌な予感がしてならないようだ。
(先の使徒の件。輸送機に残っていた乗組員も全員感電死していた。)
つまり、松代に無事に到着したのはカヲル一人だけだったのだ。
到着後にカヲルはその事実を知ったのだが、それでも平然としている性格が気にくわない。
(確かにあの状況下では、ああするしかなかったけれど……)
そう頭を悩ませていたミサトは、ふっとシンジの方を見る。
カヲルから離れた後、表情からは笑みが消え手に握ったボールで握力を鍛え続けるシンジ。
どうやら、以前に性のうっぷんで悶々としていた時とは別の何かが、彼をそうさせているらしい。
(下ごしらえが済んだから……鍋を火にかけたって所ね……)
しかし、具体的なことは何も判っていない。少々、焦りを感じ始めているミサトであった。

(ダメだな……やはり、碇ユイの記録はほとんど残っていない。)
鍵がそこにあるらしい、と巨大なMAGIのデータベースを虱潰しに探りを入れる加持リョウジ。
改めて、ユイの画像を見直す。シンジと共に笑顔で移る母、ユイ。
残っている物と言えばそれくらいである。
(……ん?)
何を思ったのか、別の画像を画面に開く。それはNERV司令、碇ゲンドウのものであった。
(……)
その3枚の画像を並べて何かを考えていた加持であったが、立ち上がって誰かを捜し出した。
199>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:17:03 ID:???
「えーと、つまりDNA情報のコンペア……ですか?」
やっとマヤを捕まえた加持。
最近ではシンジにくっついていることが多く、一人で居るところを捕まえるのにかなり苦労をさせられた。
「ああ、そんな感じかな。頼めるかな……俺には難しくて。」
「簡単ですよ。フリーソフトでも探せば……ああ、この二つですね。」
「うん……」
しばらくして答えが出たようだ。画面の表示を見てマヤは加持に結果を告げる。
「赤の他人のようですね。」
「肉親では無い?」
「はい。肉親ならおおよその等親数が出るのですが……誰のです?」
「いや、判ったよ。ありがとう。」
そして、部屋からマヤとともに出る。
(だからといって……なんの足しにもならんかな……あ。)
またしても、である。
丁度シンジが通りかかり、二人が部屋から出てきたところを鉢合わせになってしまった。
それも、以前よりも怖い目つきだ。病的、と言っても良かった。
「何してたの?」
シンジはマヤに訪ねる。加持には挨拶もしなかった。
「い、いえ……加持さんにパソコンの操作のことで……いや、ホントです……」
そんな二人を見送りながら加持は考える。
(やはり、碇ゲンドウとシンジ君は肉親ではなかったのか。母親の物も手に入れたいところだが……)
200>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:18:11 ID:???
その一件をミサトに告げた加持であったが、大して興味を示さなかったようだ。
「それがどうしたって言うの?」
「いや……葛城。何を調べても大した答えが出ない時には、こうしてパズルのピースを集めるしかない。」
「まだ、成果はそれだけ?」
「いや……セカンドインパクト、ゼーレ、NERV、シンジ君の両親、使徒、エヴァ、そして渚カヲル……」
「……?」
「それぞれを掘り下げれば、一つの線に繋がると思う。ゼーレの目的は一つだろう。」
「訳が判らないわよ。探偵さん。」
「あせっても仕方がない。が……急いだ方が良い。シンジ君がどうも気がかりだ。」
「……判ってるわよ。」

エヴァの格納庫。
そこを二人の少年が歩いている。それは勿論、シンジとカヲル。
その少し後ろにマヤがついてきていた。警告は受けていたものの、カヲルを咎める理由は見つからない。
「エヴァンゲリオン参号機……近接戦闘において、従来型を上回る強化がなされているらしい、が……」
虫も殺さないような笑顔でカヲルはシンジに話す。
シンジは笑って請け合っているが、なんとも微妙な苦笑いだ。
「僕自身は何だって出来そうな気がするよ。この参号機は最高だ。」
そう言ってシンジに微笑みかけるカヲル。
「僕は君の忠実なナイトとして敵から守る盾となるよ。安心してくれ、シンジ君。」
その時、カヲルは何を聞き取ったのか。シッと唇に指をあて、静かに、というアクションをして見せた。
201>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:19:02 ID:???
しばらくして、本部内にサイレンが鳴り響く。
「どうやら、使徒が現れたようだ。行ってくるよ。」
そういって駆け出すカヲル。
「君は着替えずに司令部で見ていてくれ。」

騒然とする司令部。ミサトは必死であちこちに指示を飛ばし、司令塔のスタッフはかけずり回る。
「エヴァ機は全て起動準備!パイロットの搭乗準備、急いで!」
「まっすぐにこちらを目指しています!ああッ!第1から18装甲まで損壊!」
「馬鹿な!一撃で!?」
巨大な人型の第14使徒ゼルエルの姿がモニタに映し出される。
無駄なことは一切せず、必要に応じて目と思われる部分から閃光を放ち、邪魔な物は全て吹き飛ばす。
そして直進する先、すでにジオ・フロント内に侵入し目指すはNERV本部。

「焦っているのかな。さあ、来るが良い……目当ては僕なんだろ?」
そんなことをつぶやきながら、通信モニタのスイッチを入れるカヲル。
すると、司令部の混乱ぶりが伝わってくる。

「エヴァの発進準備はまだなの?アスカは?シンジ様は?」
「セカンドチルドレンは、いま本部に到着しました。シンジ様は……」
『僕なら準備OKだよ。』
202>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:20:29 ID:???
スピーカーから聞こえるカヲルの声。既にプラグスーツに身を包んで、エントリープラグの中だ。
「……いけるの?すぐに初号機、弐号機も出撃させてバックアップするわ。」
『その必要はないんじゃないかな?ま、とりあえず見ていてよ。』
「ちょっと……」
そのカヲルの台詞、新参のパイロットが作戦部長に対して、とても叩けるものではない。
何て言って良いか判らなくなっているミサトを置いてきぼりにして、参号機は出撃する。
『多分、5分とかからないよ。行ってきます。』
そういって、邪魔なアンビリカルケーブルを外して出撃した。
そして、マイクには届かないほどの微かな声でつぶやいた。
「行くよ……人間というのが如何なるものか、見せてあげるよ。」

格納庫の扉が開き、まっしぐらに使徒へと突進する参号機。
武器は何も持っていない。プラグナイフすら抜こうとしない。
そのまま強烈な頭突きを喰らわし、使徒は吹っ飛ぶ。そして、
「腕が……伸びた……!?」
驚愕するミサト、そしてNERV司令部。
参号機の腕が無機物のように伸びて、使徒の肩と思われる部分を掴み強引に引き寄せつつ、
そして自らも再び突進し、更に強烈な頭突きが使徒の胸部、赤いコアへと襲った。
「……む?」
凄まじい衝撃と耳を突き破るほどの轟音の中でカヲルは眉をしかめる。
203>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:21:58 ID:???
参号機が衝突する瞬間、コアの瞼が閉じて破壊されるのを防いだのである。
衝撃で再び倒れる使徒。しかし、よろめきながらも立ち上がる。
「なかなかやるね……シンジ君なら閉じようとはしなかったのかな?」
ニタリと笑うカヲル。それはもはや、シンジと話していた時の天使のような笑顔ではない。

再度、使徒を捕まえて腕と思われる部分を引きちぎる。
どのような生物にもない悲鳴を上げる使徒。構わず襲いかかる参号機。
コアが破壊できないなら構わない、というかのように徹底的に使徒を破壊しにかかった。
使徒の体を掴み、爪を食い込ませ、青い血しぶきを撒き散らせながら使徒を引き裂く。
「や、やめ……」
いつの間にか司令部に来ていたシンジは思わず叫ぶ。
使徒がもはや抵抗する力も無くしたように力を落とし、
参号機の目がスッと細められたように感じた、その時。

「使徒を……喰ってる……!?」
使徒の肉を食いちぎり、ズルズルと何かをすすり込み、グチャグチャとかみ砕く。
「うえぇッ!」
思わずシンジがえづいてうずくまった。
助け起こそうとするミサトもまた塩の塊にかぶりついたような顔をしている。
204>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:22:51 ID:???
そんな機能が参号機のどこに有していたのか。
そんな疑問が浮かぶ中、それに答えるかのようにミサトは知っていることを唱え直す。
「エヴァンゲリオン……最初の使徒と呼ばれるアダムをコピーした……」
「参号機は制御を失っています!暴走状態です!」
モニタを眺めるマヤが叫ぶ。
もはやNERV司令部は何をしてよいのか、どう判断していいのか判らず固まってしまった。

「クックックッ……」
エントリープラグの中で笑うカヲル。
まるで部下に女を犯させて眺めている上官のようである。
さんざん使徒を食い散らかして悠然と格納庫に戻ってくるまでの時間は、
出撃から3分とかかっておらず、予備バッテリーを使う必要すらなかった。

「ねぇ……あのカヲルって何者なの?エヴァって一体……」
「……」
知ってるのか知っていないのか。ミサトの問いかけにリツコは何も答えなかった。
205>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/13(火) 19:34:21 ID:wv6C0uRO
とりあえず、ここまでー
206名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 20:21:14 ID:???
イイヨーイイヨー(・∀・)
207名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 21:06:05 ID:???
>>1
ちょwww
だんだん路線がずれてる気もするがGJ!
208名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 21:19:00 ID:???
3号機→S2機関取得?

まぁGJ
209名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 21:25:43 ID:???
なんだこれは……普通に面白え……
210名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 22:04:28 ID:???
GJ!!!!
楽しみだ!!
211名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 23:08:25 ID:???
ここまで考えて書いてるとは思わなかったよ。
ただのハーレムかと思ってた。
212名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 00:34:06 ID:???
乙!!
213名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 04:56:16 ID:???
普通に良作。
おもしれー。
214>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:24:36 ID:???
「ああ、そうだね。そういう感じが良いかな。」
格納庫で整備士達に指示を出すカヲル。もうすっかり司令部ではいい顔になっている。
勿論、カヲルは専門的な知識を持ち合わせているわけではないが、
参号機の改修や装備のコンセプトで、どちらでも良い、という部分について彼が選択しているらしい。
パイロットだから当然と言えば当然なのだが、新参者にしては手慣れた様子だ。
恐らく、アメリカで鍛えられていたのだろうか。
「でも、アメリカ支部での活動経緯なんてまったく聞いてないんだけど?」
そう言って首をひねるミサト。そして、傍らにいるリツコは答える。
「情報は何も入ってこないの。かなり前から、彼は活動していたのかも。それにしても……」
「何?」
「使徒の捕食により、これまでにない機能が参号機に備わったらしいわね。研究中であったS2機関が。」
「あの……事実上、不可能と言われた永久機関の……」
「コアが破壊されない限り、自身で修復可能となる機能。これで……」
「これで?」
「開発中であった量産型への搭載が可能になるかも知れないわね。」
「……」
話には聞いていたミサトであったが、何やらゾクッとするものを感じて身を震わせた。
(使徒殲滅にこれ以上の戦力が必要だというの……一体何を考えて……)
カヲルはあいかわらず周囲に愛想を振りまきつつ本部内を闊歩している。
正に、シンジハーレムを我が物顔で、と言いたい有様だ。
215>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:26:28 ID:???
「フゥ……」
思わず溜息をつくアスカ。現在、住んでいるマンションに帰る途中である。
最近の彼女は自分の居場所が無いように思えて仕方がない。
シンジに手を振り払われ、使徒との戦いにおいても出番がない。
これでは何しに日本へ来たのか判らない、というところだろう。
そんなアスカが憂鬱な顔をして駅のプラットホームに立っていると、車のクラクションが聞こえてくる。
「あれは……」

「あれは……アスカ?」
本部からの帰り道。リムジンに乗せられていたシンジであったが、
信号待ちの折でアスカの姿を見つけたらしい。
「……」
以前の経緯もある。同乗しているミサトは何も言わなかったが、
「……乗せてあげようか。運転手さん?」
「はっ」
シンジが命じたのをミサトは止めようというそぶりを見せたが、もう遅かった。
しばらくして誰かが凄い勢いで車の方に駆け寄ってくる。
「シンジィー!!嬉しいデェース!私をシンジんちに泊めてくれるのデスネー!?」
駅のプラットフォームに居たはずなのに凄まじい勢いである。
「あ、いや、あのそこまでは……」
うろたえるシンジ。思わず顔に手を当てて眉をしかめるミサト。しかしもう遅かった。
216>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:27:34 ID:???
で、招かれざる、というか、そこまで招いてない客は上機嫌で食卓に着いた。
ナイフ、フォークを両手にチャキチャキならして、シンジ邸の料理に舌鼓をするアスカ。
ミサトは渋い顔をしていたが、お人好しのマヤはクスクス笑う。
で、無表情のレイは相変わらずの無表情。
「ま、まあいいじゃないか。一晩ぐらい……」
そんなふうにシンジが頼りなさげな主人ぶりを見せていたとき、
「シンジ様。加持という方がお届け物をしたいとお越しに……」
メイドの一人がシンジに近づき、告げる。
「ハイハーイ!私が出迎えマース!」
もう調子に乗ってるアスカは玄関口へと走り出す。
「ちょっと、アスカ?勝手にそんな……」
ミサトはそう言うが、もうアスカはかまってやしない。
やがて、アスカにズルズルと手を引かれて現れた加持。
「や、やあ、どうも皆さん……いや、すぐに帰るよ……」
シンジの機嫌を取るつもりか、手にぶら下げているのは4つものスイカ。もちろん入手元は内緒の話。
「ほらほら、突っ立ってないで座りなサーイ!メイドサン!もう一人前追加デース!」
断っておくが、ここは居酒屋ではないのだよ、アスカ。
「それじゃ、冷やしてデザートにいたしますね。」
メイドの一人がそう言ってスイカを下げようとしたが、アスカはその内の一つを取り上げて、
「こういうのは、こうやって食べるのが一番デェース!おりゃぁぁぁぁッ!!」
アスカの手刀一閃!そして!
217>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:29:06 ID:???
「あいたたたたた……」
これには流石のミサトもブッと吹き出して笑う。
「ああ……それじゃ僕が……」
ここまで黙っていたシンジが前に進み出た。そして軽く両腕の親指を突き刺し、パカッ……
「おお!?凄いじゃないか、シンジ君!」
「見事デェース!無駄に鍛えてはいませんネー!」
「あ、あのねぇ……無駄っていうことは……」
大勢の人でこれほど笑いに包まれるシンジ邸の食卓は恐らく始めての、そして最後のことだろう。

やがて宴も果て、皆それぞれの部屋へと戻り、加持もまた帰宅する。
アスカも空き部屋に案内されようとしたときに、ミサトに一言。
「心配いりまセン。今夜一晩で帰りマス。」
「……ありがと、アスカ。」
ちょっぴり大人の空気をみせたアスカをミサトは黙って見送った。

(フヘヘヘヘ……ここに入ってしまえばコッチのものデェース……)
実はまったくもって大人げないアスカであった。まあ、14歳ではあるのだが。
間違いなく夜ばいをかけるつもりである。足跡を忍ばせ向かう先はシンジの部屋。
曲がり角から左右を見渡し、一気に突撃を開始する……はずだったのだが。
誰かが現れた。マヤである。
218>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:30:01 ID:???
嫌な予感は的中する物である。
マヤがシンジの部屋に立ち、ノックする。扉が開いて、やがて招き入れられる。
(……)
しばらく呆然とその様を見ていたアスカであったが、
やがて大きな溜息をつき、背を向けてその場から立ち去った。
既に所用のために訪問する時間ではない。そこまでアスカは勘の鈍い訳ではない。
(まあ……当然と言えば当然デス……流石のシンジも……いつまでも一人で居るはずも……)

果たして、どのような経緯を経たのだろうか。
恐らく、最初にレイに押し込まれて以来、添い寝に通っていた挙げ句、という訳だろうか。
そのような細かい話はどうでもいいことである。
かといって、二人は男女の行為に及んでいた訳ではなかった。
黙ってシンジはマヤの手を引き、マヤはそれに従ってベッドに向かう。
二人は着衣のままである。
シンジはマヤに寄り添い、自分の胸にうずめるようにしてシンジを抱きしめるマヤ。
そうしてマヤは震えるシンジの体を沈めて一夜を明かすのである。
そのシンジを悩ませているもの。過去の記憶か、それとも未だ見えぬ明日への不安か。

そして、翌朝。シンジ邸は大変な騒ぎとなった。
「シンジ様が……シンジ様が目を覚まさないんです!」
219>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/14(水) 12:31:14 ID:SkwvjPIj
ひとまずここまでっすー。うーむ、終わらせるのにかなりかかりそう……
220名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 12:44:14 ID:???
「哀れね…」の数日後

アスカ「シンジ、まだ怒ってる?」
シンジ「…」
アスカ「ゴメンね。私、どうかしてたわ。」
シンジ「…」
アスカ「それに誰をおかずにしてもあんたのプライベートだもんね。」
シンジ「…」
アスカ「見て、漁港の市場のオジサンみたいなエプロンでしょ?」
シンジ「?」
アスカ「シャンプーしてあげる。おいで、シンジ」
221名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 12:47:41 ID:???
乙!
222名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 13:37:04 ID:???
シンジの腕力はかなりのものになってきたみたいだなw
乙!
223名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 17:20:50 ID:???
らんまの爆砕点穴みてえだなwwwwww
224名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 19:35:13 ID:???
……オチがアンチェインなシンジによる筋肉理論に拠っての救済だったりしたら嫌だなあ……
225名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 20:03:47 ID:???
鍛えすぎだろシンジw
226名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 22:18:07 ID:???
アスカおもしれーw
227名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/15(木) 00:06:00 ID:???
このアスカはかなりいい
228名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/15(木) 00:18:07 ID:???
アスカ壊れすぎwwwwwwww
229>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:24:56 ID:???
「目標は衛生軌道上からピクリとも動きません!」
「まいったわね……シンジ様が大変だと言う時に……」
巨大な使徒の姿がモニタに映し出される。
光り輝く翼を広げ、天空に立つ使徒の姿。それは正に……
(正に天使の降臨……これを見て昔の人が天使の似姿を描いたと言っても間違いではない。)
そう考えたのはミサトだけではないだろう。
(私達は……この戦いは本当に正しいのかしら……)
が、ミサトのやることは一つだ。
「ポジトロンライフルの最大出力で超々距離射撃!これしかないわ!」

別室で使徒の姿を見ているカヲル。すでにプラグスーツを着用している。
そして、その背後に立っている男、碇ゲンドウである。
その後ろのゲンドウに対して振り向かず、カヲルは独り言のようにつぶやく。
「もう物理的な破壊は無理だと判っているはず。となると……」
「となると?」
「狙いは僕自身に標準を合わせるでしょうね。さて、どんな手かな……」
「槍を使うか?」
「多分いりませんし、後で必要になるでしょ?今の参号機ならやれますよ。きっとね。」
そういって、カヲルは部屋を出た。
230>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:32:45 ID:???
出撃したカヲルの参号機は巨大な砲座に立ち、ライフルに指をかける。
長距離からの射撃はこれまでシンジが勤めてきた役目である。
が、それがシンジの特技というわけではない。標準を合わせて引き金を引くだけだったのだから。
「さて……ん?来たか!」
突然に使徒から放たれる光線に包まれる参号機。
その狙いは参号機ではなく、自分で予想した通りにカヲル目掛けての物だった。が、
「あの光線は……!?敵の指向性兵器?」
「しかし、参号機、およびパイロットに影響は有りません!」
「熱エネルギーはありません。ATフィールドの可視波長と似ていますが。」
「どういうこと?いったい使徒は何を……」

エントリープラグ内のカヲル。
攻撃されているはずなのに、ゆったりと座席に座り笑みさえ浮かべている。
まったく使徒の攻撃は効いていないのか?いや、そうではなかった。
使徒の光を浴びたカヲルの脳裏に、怒濤の如く何かが駆けめぐっている。
それはカヲルの思いを、行いを、欲望を、その全てを暴き立て、見せつける光であったのだ。
それは目も背けたくなるほどの凄まじい過去であった。
哀願する者とそれを噛み砕く牙、血塗れの手を嘗める舌、自らを切り裂く刃の狂喜、
犯し犯されるおぞましい痴態、等々……

正に、ありとある禁忌と冒涜と、そして悪徳と……それこそがカヲルの本性であったのだ。
231>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:35:04 ID:???
「成る程。自らの姿を見せつける精神の拷問、と言うわけだな。」
そう言いながらカヲルはニタリと笑う。
「ご苦労だったな。これで、その手の攻撃は僕に効かないことが判っただろう?」
そして、ゆっくりと引き金に指をかけた。
「その自分の姿、大いに満足しているよ……では、消えて貰おうか?」

(君は……誰?)
そうだな。誰と言われても困るよ、碇シンジ。
(誰……誰なんだ?)
そろそろ君と話がしたいと思ってね。今、君の中にいる。
(え……君は……)
これまで、我々は君がしたいと思った通りに、君に倒されてきた。
だが、君はそれが不満らしくてね。いろいろ手を加えては見たんだが。
(使徒!?)
そう君たちは呼んでいる。あるいは天使とも。
(何故、君たちは……その……)
君の望みを叶えるために来ているんだよ。君の望むことはなんなりと。
(そんな馬鹿な……君たちは僕たちを……滅ぼすために……)
君が望まない限り、我々はそんなことをするつもりはない。君の願いを聞きに来たんだよ。
君にはどのようなことでも与えてきた。我々自らの死でも。これまでのように。
232>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:36:10 ID:???
(判らない……一体、君は何を言っているの?)
君の前の者がそれを望んだからだよ。
彼は自らを、そして彼を取り巻く環境を、その全ての消滅を願った。
その望みのままに、それに従った。
(……セカンド・インパクトのこと?)
そうだね。それでは君は何を願うの?
我々はそんなことをしに来たのではない、といったら何を願うの?
(……何故、僕の願いを?)
本当はね。君にこれを話すべきでは無いことなのだ。
君が我々の破滅を望むならそれを叶える。
でも、我々のことを話したおかげで、今まさに既に君の心が変わってしまった。
だから、本当は話すべきことではなかったのだよ。
(……教えてよ。何故、僕の願いを?)
この世界で生きている君が何を望むのか。
その望みに答えることが我々の為すべきことだ。
この世に投げ落とされ、この世界で生きてきた君の願いそのままに。
(……僕は。)
ん?
(僕はただ、使徒を倒さなければ世界が滅びると聞いたから……)
そして選んだのは君だ。そうすると決めたのは君自身なのだよ。
233>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:37:29 ID:???
(誰かが望んだからと言って、なぜセカンド・インパクトを起こしたり、君たちが倒されたり……)
人に何かを与えるには、いろいろな形がある。
その人の幸せを願い与える場合と、その人を自分が望む通りにするために与える場合。
女性に花を贈り、友人に金を与え、あるいは親の労をねぎらう。
これらは全て与える側が満足をするために行うことだ。如何に相手のためのように見えてもね。
受け取った側は喜びを得ることは多いが、的が外れることが多い。
相手の意志を無視しているからね。これらは与える側の自己満足に過ぎないのだよ。
また、そして子供を叱り、道しるべを立て、生き方を説く。
時として怒りを買うことは多いが、全て受け取る側が生きていくために必要なことだ。
あるいは、望むままに誰かを殺し、あるいは望むままに自らを滅ぼす。
これは盲目的であり、時として破滅に及ぶが、それは相手の望みのまま叶えた結果だ。
(……判らない……判るようで……それがなんなの?)
君の疑問に対する答えだよ。
一番最後の答えが間違いのように聞こえるが、相手がもっとも必要としているものを与えることになる。
君たち人間は生きることを欲する存在だ。それは当然だよ。そう作られたのだから。
しかし、それを超えた選択を取らなければならないときに、君たちには困難な課題だ。
時には神の声を欲する者も居たが、君の前の者は破滅を願い、その結果がセカンド・インパクトとなった。
世界の破滅を望むように考えるならば、その世界は破滅させるべき世界なのだよ。
(……)
君は確かに我々の消滅を願ったのだ。言われるがままの選択ではなかった。
君は、時として大いなる破滅を及ぼす我々だからこそ、その消滅を願ったのだよ。
234>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:38:33 ID:???
(君たちはそれでも構わないの?)
生と死は等価値なのだよ。我々にとってはね。
生きることを欲して、あらゆる手を尽くすように作られたリリンには理解できないことだろう。
僕たちが消え去るべき存在であるならば、それが正しいことであり、我々はそれに従う。
(リリン……?)
ああ、ごめんね。君たち人間のことだよ。
さて……君は、君自身が望むべきことを見失いかけているね。
君はかつて、他の人間達と同様に生きるべく行動をしていた。
そして、そのために我々の消滅を願った。そう願うならそれも構わないことなのだよ。
その願いを叶えるべく、君の前に姿を現した我々に疑問を抱き始めた。
次第に君は自分を見失い、望むべきことが何かを見失い始めたのだ。
そして、その君の意識は過去の甘い記憶へと向けられた。
(過去……)
君はもう覚えていないだろうね。君が見た過去の記憶は再び沈められたのだから。
甘い記憶、しかし苦痛の種子でもある。
君が望むままに甘い記憶を蘇らせたが、それは君にとって大いなる苦痛となったのだ。
今はまた深く沈められたが、君に大きな傷跡を残してしまった。
甘い記憶、それは君の失われた母との切ない思い出。
苦痛であるのは、それは失われたためではなく、決して戻らない過去であるからだ。
過去は既に存在せず、存在したという事実だけが残り、それが戻らないことを君は知っている。
だからこそ、大いなる苦痛となるのだよ。
235>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:39:24 ID:???
(判らない……何も覚えていない……判らない……)
君は知らずして似姿を引き寄せ、自らをごまかし、癒してきた。
そして普段は心の奥底に沈み込ませ、心の平穏を保とうとしている。
(……僕の母って……昔に死んだとしか聞いてない……)
君の心の奥底にしまい込まれた、君自身が見ることが出来ない記憶だよ。
何人たりとも侵されざる聖なる領域。実はこれが君たちが呼ぶATフィールドの本性なんだけどね。
しかし、最初は我々の手でこじ開けられ、時として繰り返して蘇り、そして君を苦しめてきた。
(AT……判らない……一体……)
あの者が君に近づいている。
あの者は我々のことを知っている。
あの者は何故、我々が君の元に訪れるのか知っている。
そして、あの者を生み出した者共が、我々を利用しようとしている。
あの者共が我々を利用することを、君を利用することを欲している。
それは我々の破滅よりも許されないことだ。この世界の破滅よりも。
既に君の心は折れて、何を望むべきか見失いかけている。
もはや時間がない。
さあ、再び君の心の領域を、ATフィールドを解き放て。
その過去の苦しみの、その更に奥にある君の望みを見せてくれ。
君が何を願うのか。その成就によって、この世界の補完が……ああ!貴様はッ!!
「え……!?」
236>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:40:17 ID:???
「出ました!使徒です!」
「急げ!早く、シンジ様から引きはがせ!」
「レーザー照射します!出力最大!」

気が付くと、シンジは数多くのライトに照らされて、数多くのNERV技術者に囲まれていた。
眩しくて何が何だか判らない状態が続いていたが、
どうやら手術台のような所で寝ていることにシンジは気付く。
しばらくしてシンジはえづき、むせかえる。
どうやってか判らないが、口から何かを吐き出したらしい。
しばらくすると、強烈な熱気が体に襲いかかる。
それは口から吐き出した何かにレーザーが放射され、その照り返しであったらしいのだ。
「シンジ様……大丈夫ですか!シンジ様!」
涙ながらにシンジにすがりつくミサト。その近くでリツコは冷静に計器を読み上げる。
「脈拍、血圧、脳波正常……まったく寝起きのような状態ね。どこも異常は認めず。」
その場に居合わせているマヤが歓喜の声を上げた。
「ああ……奇跡です!」
「本当ね。まさか、使徒が自分から姿を見せるなんて。」
どうにかしてシンジは体を起こすと、ベッド横の床に焼けこげた何かがあるのを見つけた。
螺旋状の蛇のような物体。それこそが第16使徒アルミサエルであったのだ。
237>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:41:46 ID:???
ゆっくりとシンジは周りを見渡した。
シンジの無事を喜び歓喜する者、使徒の処理に追われ右往左往する者、そして……
(こいつが……)
すぐ側に渚カヲルが居ることに気が付いた。
手にゴム手袋を着用してすぐ側に立っていたのだ。
一体、シンジに何を施したのか。それを考えるだけでもおぞましい限りだ。
(そうだ。間違いない。こいつが……僕を……)
そのシンジの心を理解しているのか、カヲルはこのうえなく優しくシンジに微笑みかけていた。
238>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/15(木) 14:45:53 ID:???
そのうち、次書きまーす
239名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/15(木) 20:31:31 ID:wbMBvnsB
GJ!!!!


wktk
240名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/15(木) 21:17:20 ID:bKQPOqSj
何かすげぇよ
GJ
241名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 00:57:23 ID:???
gj
242名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 02:02:20 ID:???
GJ!!
243>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:27:51 ID:???
o nein, dieses nicht, etwas anderes gefalliges ist es was ich fordere
(いや、これではいけない、もう少し違ったものを、快いものだ、私の求めているのは)

auch dieses nich, ist nicht besser, sondern nur etwas heiterer
(これもだめだ、良くはなっていない、ただいくらか晴れやかなだけだ)

auch deises es ist zu zartl. etwas aufgewecktes muss man suchen ……
(これも甘美に過ぎる。何か目を覚まさせるものを探さねば……)

Nein diese …… erinnern an unsre Verzweifl.
(いや、この …… はわれらの絶望を想い出させる)

Ha dieses ist es! Es ist nun gefunden!
(ハハハ、これだ!ついに見つけたぞ!)

(注)
ベートーベン交響曲 第9番第4楽章 バリトンのソロパートより抜粋(やや改変)
シラーの詩に入る前にベートーベンが加えた歌詞。
244>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:28:49 ID:???
海岸を一人歩くアスカ。手には鞄が提げられている。
向かう先は港。出航まではまだ時間がある。
恐らく、傷心を抱えてのドイツへの帰途、というわけだろう。
(さて……帰りますか。もはや、私の居るべき場所はここには無い。)
(船の長旅もいいでしょう。帰りつくまで、たっぷりと泣きの涙を楽しめる。)
(笑うのはそれからでいいよ、アスカ……ん?)

「♪Freude, schoner Gotterfunken, Tochter aus Elysium ……」
アスカが振り返ると、首を失った巨像に一人の少年が座り、そして歌っていた。
「歌はいいねぇ……そう思わないかい?惣流アスカ・ラングレー。」
「あんたがドイツ語を話せるとはね、渚カヲル。」
「いや、英語のほうが好きだけどね。日本語よりも楽だ。」
「そう……何か用?」
「見送りだよ。迷惑だったかな?」
「迷惑千万、大きなお世話よ。あんたに見送られるなんて最上級の皮肉だわ。」
「そう……それじゃシンジ君ならどうだい?」
「……ここに?」
「さ、こっちにおいで。」
「あ……」
もはや是非もなく、カヲルの後に続くアスカであった。が……
245>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:29:37 ID:???
NERV本部。
「重体!?アスカが?」
驚愕するミサトに、部下の一人が言いにくそうに報告する。
「はい……何者かに暴行を加えられて……その……」
「どうしたというの?」
「何者かに犯されたらしい跡が……」
「……一体、何者が。」
「それが、諜報部が発見した時には、その……」
「一体、諜報部は何をやってたのかしら……あ。」
シンジがいつの間にか側に来ていた。
「今のを……聞いておられたんですか。」
「それは本当なの?アスカが……そんな……」
ショックを受けるシンジを覆い被せるように、ミサトは言う。
「シンジ様、何やら悪い予感がします。今すぐご自宅へお戻り下さい。」
「え……でも。」
「構いません。使徒が現れても、渚カヲルが居ることですし。マヤ?」
「はい、あの……ミサトさん。」
「……なによ。」
「レイが居なくなったんです。本部に来てから行方が……」
「なんですって?」
246>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:33:00 ID:???
薄暗い部屋に立つ碇ゲンドウ。そして、もう一人。
「カヲル。」
「……ここに。」
「手筈は?」
「上々ですよ。綾波レイは既に捕らえて処置を施してあります。」
「そうか。しかし、アスカをああまでする必要は……」
「いいでしょ?こういうスパイスも必要だよ。」
「まあいい……では、時が来た。」
「はい、それでは……」

「さ、急ぎましょう。」
そういってシンジの手を引くマヤ。とにかく本部にいては何が起こるか判らない。
レイのことはともかく、とにかくシンジ邸に急ぐこととなったのだ。
あそこなら、まだミサトの信頼できる者達が居る。
「……シンジ様?お早く。」
「え?ああ、うん……」
何かに心をとらわれているようなシンジ。そんな彼の様子を見てマヤは尚更あせる。
(使徒が現れても、渚カヲルが居ることですし……)
(渚カヲルが居ればそれでいい……)
(カヲルが……カヲルが……カヲルが……)
そんな言葉ばかりがシンジの脳裏を支配していた。そして、
247>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:34:14 ID:???
「う……うう……」
「し、シンジ様!?」
思わず、その場にうずくまるシンジ。もう自分が何を考えているか判らなくなっている。
ズルリ、ズルリと音を立てて、これまでにない思惑が禍々しく頭の中でとぐろを巻いている。
その時である。
「あ、マヤさん。カヲル様をお見かけしませんでしか?」
「え?いえ……」
「そうですか。それでは……」
マヤに声をかけてきた一人の女性職員は、シンジ様がうずくまっているというのに構わず去っていった。
(あ……あ……あ……ああ……ああああッ!!)
思わず声を上げて、己の狂気をまき散らそうとした、その時。

「シンジ様、私が居ます。」
そういって、マヤはシンジの手を取る。
どの程度、シンジの心情を察したのかは判らない。
が、あっぱれとも言うべき勘の良さでシンジの思いを感じ取り、抱きしめるマヤ。
「私がついています。私はシンジ様から離れません。さ、お早く。」
「う、うん……」
ようやく正気を取り戻して歩き出すシンジ。しかし、行く先に待ちかまえていた者が一人。
渚カヲルである。
248>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:35:17 ID:???
「あ……」
思わず声を上げたマヤ。その顔に緊張と恐怖が走る。
「シンジ君……大丈夫?顔色が悪いよ?」
虫も殺さぬ天使の笑顔で話しかけるカヲル。
「はい……あの、今すぐお連れして休ませようと……」
「そうだね、急いだ方が良い。大丈夫、後は僕に任せてくれ。シンジ君」
(あ……ああ……)
シンジの肩を抱き、大急ぎで立ち去ろうとするマヤ。
もしかしたら、そのまま行けばやり過ごせたかも知れない。
しかし、カヲルは見事な追い打ちを仕掛けた。
「うらやましいね……こんな可愛い人について貰えるなんて。さ、急ぎたまえ。」
普段ならお愛想混じりの社交辞令でしかない、さりげない台詞。
しかし、シンジの心は音を立てて壊れ始めた。
(お前がアスカを……そして……綾波も……まさか、マヤさんまでも……)
疑念と、嫉妬と、妬みと、恐怖と、怒りと……そして狂気が、シンジを突き動かす。
「し、シンジ様!?お止め下さい!シンジ様!」
(貴様が……貴様が……僕の……)
シンジはカヲルに掴みかかり、そして首に手をかける。
カヲルは抵抗をしない。尚も柔らかい笑顔でシンジに微笑みかける。
(貴様が……貴様が……)
249>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:36:46 ID:???
カヲルの首を絞めるシンジ……いや、違う。
首に指を食い込ませている。その指は既にのど笛を突き破り、
既にシンジの顔は返り血を浴び始め、カヲルの首は血潮の噴水と化していた。
「貴様が……貴様が……貴様が……僕の……ッ!!」
もはやシンジは声に出していた。それでも、それでもカヲルは笑みを絶やさない。
むしろカヲルは悦楽の境地へと達していた。そして……

   ゴキッ……

食い破ったシンジの指が直接に頸椎を掴み、
これまで鍛え上げてきた恐るべき腕力がそれをへし折っていた。

ある森の中の小さな空き地。
そこには小さな小屋が建てられ、ささやかな畑が耕されている。
植えられているのはスイカ。そこで鼻歌交じりに水をまく一人の男。
加持リョウジである。
せっせと畑仕事に精を出すように見えて……その視線は別に注がれていた。
大きな切り株の上に乗せられた一台のノートPC。
それは地下にあるNERV本部の情報ケーブルに接続され、
物理的に情報を傍受し、画面に膨大なログを流し続けていたのである。
250>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:38:20 ID:???
(やはり、暗号解析が甘いな……しかし、最近になって量が増えているのが問題だ。)
(使徒殲滅もいよいよ終焉に近づこうとしている。そうなると、はたして増えるものなのかどうか。)
(気になるのは、時々現れるこの文句……『処刑』……?)
カチリ……と、銃を握り直す音が背後から聞こえる。
「えーと、誰かな?困るよ、人の秘密の花園に勝手に踏み込まれては。」
「見事なスイカね。あなたにこんな趣味があったなんて。」
ここで後ろを振り向く加持。後ろに居たのは赤城リツコ博士だ。
「なんだ、リッちゃんか。久しぶりだな。」
「謎はとけて?」
「いや、さっぱりだ。人の秘密を知ったんだから、引き替えに教えて欲しいな。」
「そうね。死ぬ前に何が聞きたいの?」
「では……シンジ君の父親は?」
「もう知って居るんでしょ?『存在しない』が正解。」
「やはり……」
「そうした者が何百年か何十年かごとに生まれてくる。有名な人では二千年程前に生まれた、あのお方。」
「ああ……では、特務機関ネルフ、そしてゼーレはそうした者を追い求めていた、と。」
「ゼーレが結成される以前からそうした組織が存在していたの。あのお方が十字架に駆けられて以来。」
「……」
「そうした者……無原罪の御宿り、なんていう言葉があるわね。姦淫の原罪を知らず生まれたため……」
「それが聖なる証というわけか。シンジ君もその一人、と。」
251>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:39:49 ID:???
「そう。しかし、原罪がどうの、というより誰が何の意図で産み落とさせたのかが問題。」
「ふむ……その結果が使徒の襲来?」
「これまでの歴史の中で、どのような形で使徒、つまり天使達が降臨してきたのかを彼らは追い求めてきた。」
「……」
「そして、それは何のためか。世界中を股にかけて数百年にわたり僅かばかりの情報をかき集めた結果。」
「それは?」
「その者に、こう尋ねるというの。『この世界で生きてきたお前が何を望むのか?』……と。」
「つまり天から派遣され、この世を目にした調査員に結果報告させてるって訳か。これは傑作だ。」
「彼らはそれに目を付けた。やがて世界は情報化が進み、そうした人物を捜し出すのが容易となり……」
「それを意図的に操作するのか。では、あのセカンド・インパクトは?」
「強烈なしっぺ返しを喰らった結果らしいわね。当時の組織の大半を滅ぼすために天使の力が使われた。」
「……」
「しかし、その後に奇跡が起きた。次に何時生まれてくるか判らない神の子が、その後にすぐ現れた。」
「……それが、シンジ君か。」
「今度は上手くやらなければならない。しかし、その神の子は世の常の子供とは違い、実に動かしがたい。」
「それで、あの巨大なハーレムを創設し、シンジ君に劇薬を投じた訳か。成る程ね。」
「幸い、壊滅の折りに共に倒れた使徒アダムの遺体が残され、ことを成し遂げるための用意は調えられた。」
「それを元に作られたのが使徒殲滅のためのエヴァンゲリオンか。しかし、どうして?」
「そうね。使徒が居なくなっては、その力を利用することができなくなる。」
「……」
「もはや通常の物欲といった単純な欲望などは彼らにはない。彼らがやろうとしていることは処刑。」
252>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:41:15 ID:???
「何!?」
「彼らは、二千年前に行われた処刑をもう一度やり直そうとしている。この世界の有り様を変えるために。」
ここまで話していた彼らから、幾分はなれた所から騒々しい物音が聞こえてきた。
「あれは……戦自のジープか。装甲車、それに戦車まで……」
「それじゃ、お話はここまでよ。あなたに邪魔されては困るの。」
そうして銃を構え直すリツコ。
しばらくして、パンッ……という乾いた銃声が森の中をこだました。
253>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 10:42:02 ID:???
まずここまでー。もう自分の立てたスレタイから遠く離れてるっぽいけど、ごめんねー。
254名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 11:06:01 ID:yVOvSeF/
GJ
255名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 14:45:48 ID:???
GJ!
256名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 16:28:35 ID:???
おーい、この話はどこまで逝ってしまうんだよwすげぇなwww
257名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 17:21:24 ID:???
>>253
気にすんな。ちゃんと風呂敷回収してくれるなら余程じゃない限り職人さんについてくぜ
258名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 20:25:53 ID:???
しかし、シンジの筋トレは恐ろしい形で成果を出したなあ
259名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/16(金) 20:53:07 ID:???
首の皮突き破って骨折ったからな……
それにアスカも犯されたし…
痛がり怖がりな俺としては
今回ちょっとキツかったな…
もっと軽いスレだと思ってたから
260>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/16(金) 23:59:10 ID:???
「シンジ様ッ!!」
マヤに体を揺さぶられ、ようやく正気を取り戻してカヲルの首から手を離した。
ドサリ、と投げ出されるカヲルの遺体。
「あ……ああ……」
うめくシンジ。その後ろから静かで、そして恐ろしい声が彼を呼ぶ。
「シンジ。」
「あ、ああッ!!」
驚き振り返るシンジ。その顔はすでに蒼白である。
「お前は何をしたんだ、シンジ。」
そう尋ねたのは司令にしてシンジの『父』、碇ゲンドウである。

「あ……あの……」
ようやく言葉になりかけてきたシンジの声。
「あの……その……使徒……」
「使徒だと?」
「そ、そう……そうだ!使徒だ!カヲルは、カヲルは使徒だったんだ!」
「お前は……渚カヲルが使徒だと言い張るつもりなのか?」
「そうだ!使徒だったんだ!だから殺したんだ!そうしなければ、皆が死んじゃう……だから……」
あからさまな嘘を叫び、既に邪悪な形相で歪むシンジの顔。
殺人という破壊、虚偽、ずるがしさ、愚かしさなど、有りとある罪が既にシンジの体を支配し始めていた。
261>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:00:09 ID:???
側に居たマヤはもう声も出せずにシンジの有様におののいていた。
(シンジ様……そんな……カヲルは人間だったのに……完全なただの人だったのに……)
(そんな見え透いた嘘を……この先、最後の使徒が現れたら……)
(ああ、助けて!お願いだから誰かシンジ様を助けて!)

「そうか……では、我々の念願は成就された訳だな。」
「え……?」
キョトンとしてゲンドウを見るマヤ。
「来い、シンジ。使徒を殲滅したからには、しなければならない仕事がある。」
「あ、あの……」
すでに引きずられるようにしてゲンドウに連れて行かれるシンジ。
その二人を、固まっていた体がようやく動き始めたマヤが追いすがる。
「あのッ!待ってください!シンジ様をどうする……」
そんな彼女を重装備の男達が立ちふさがる。
それは完全武装の戦略自衛隊の隊員だった。

リツコが引き金を引く少し前。
「じゃあね、探偵さん……」
そうして銃の狙いを定めようとしたその時、急激に絞られた視界が全て塞がれてしまった。
「す……スイカ!?」
262>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:01:42 ID:???
彼女の動体視力は確かである。間違いなく飛んできたものはスイカであった。
引き金を引きスイカを見事に砕いたが、別の方角から強烈なタックルを受けて倒されてしまう。
「う……クッ……」
思わずうめき、起きあがろうとするリツコであったが、すでに加持は馬乗りで封じてしまった。
「ごめんね、リッちゃん。」
そう言いながら高々と振り上げられ、リツコの頭に振り下ろされたもの。
それもまた、当然ながらスイカであった。

気絶したリツコを縛り上げる加持。死んではいなかった。
「やーれやれ。可愛い子ちゃん達を二人も犠牲にしてしまったよ。」
そういいながら携帯電話を広げる。
「葛城?俺だよ。」
「何?……ちょっと待って。声のマスク化してくれない?傍受されるわ。」
「ああ、例の暗号でいいかな?……よし、聞こえているか?」
「OKよ……シンジ様ね?」
「いろいろなことが判ったんだが、とにかくシンジ君が危ない。とりあえず保護をして、話はそれからだ。」
「やはり……戦自が動き出したみたいね。」
「ああ、そちらに向かっている。何かをやらかすのかまでは見当も付かないが。」
「悪いけど、もう私はNERV本部じゃないの。今はシンジ邸よ。」
「なんだって……ではシンジ君は?」
263>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:03:05 ID:???
「既に司令のゲンドウに連れて行かれたの。あんたの警告、今更だったわね。」
「そうか……では、助けに?勝ち目はないぞ?」
「私達に他にすることがあるとでもいうの?大丈夫、あんたに手伝えなんて言わないから。」
「……死ぬぞ?下手をすると世界中を相手にすることになるぞ。」
「上等よ。そのつもりでシンジ様に仕えてきたのだから。」
「葛城。」
「何?」
「もし、生きて再び出会えたら……8年前に言えなかった言葉を……」
「バァーカ!」
「え!?」
「もし無事だったら、シンジ様を皆で廻す祝賀会開くつもりなんだから、あんたとヨリを戻す余地は無いわよ。」
「ちょ……おい、葛城!」

パチンと携帯を閉じるミサト。側にいたメイドの一人がクスクス笑う。
「本当にそんなパーティー開くつもりなんですか?」
「あったりまえじゃない♪これまでの報酬はたっぷりノシを付けてシンジ様に払って貰うわよ。」
「ウフフ……そうですね。」
「楽しみにしてらっしゃい……ところで、今日の下着の色は?」
メイドはニヤリと笑ってスカートを引き上げた。
その下から覗かせたもの。それは、純白の愛らしくも艶めかしいパンティーとガーターベルト。
そして美麗な太ももに釣り下げられた短銃が一丁。
264>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:04:36 ID:???
「なかなかセクシーじゃないの。でも、もう少しコーディネイトさせて貰うわよ。ほら!」
そう言ってミサトは自動小銃を投げつけた。
「似合わないなんて文句を言わないでね。さぁ、本部の大掃除を始めるから、全員招集!」

「さあ、来るんだ。」
そう言って、よろよろと歩くシンジを伴うゲンドウ。
連れて行かれた場所は広く薄暗い所であった。
そして、ゲンドウはどこかしらに合図を出す。一斉にライトが照らされ、映し出されたもの。
「エヴァンゲリオン初号機……」
「乗れ。おい!」
「ハッ」
自衛隊員の二人がシンジを両脇から抱えて連れて行く。
シンジはやや抵抗するそぶりを見せたが、しかし意気傷心した彼では力も入らない。
無駄に鍛えた筋肉では役に立たず、使い方もロクに知らない彼では為す術もなかった。
「う、うう……」
エントリープラグに押し込められ、慣れているはずなのにLCLにむせ返るシンジ。
そんな彼にゲンドウは容赦がない。
「シンジ……もう、判り切った嘘をつくのは止めろ。渚カヲルは使徒ではない。」
「……」
「が、それはいい。お前の言うとおりに世間に公表してやろう。辻褄は合わせてやる。」
265>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:05:59 ID:???
「あ、あの……でも……」
「心配は要らん。最後の使徒は既に捉えてある。後は、ここで密かにお前が始末するだけだ。」
「あ……あれは!」
更に、ライトがあるものを照らし出す。
それは、巨大な試験管のようなカプセル。その中に一人の全裸の少女が浮かんでいた。
「あ、綾波!」
「これが……お前に近づき、取り入ろうとしてたらしい第17使徒、タブリスだ。」
あるNERVスタッフが計器を操作する。
そしてパネルに表示される文字。

           『 Blood Type Blue ・・・ 17th Angel 』

「あ……綾波が……」
「さあ、お前の手で倒すのだ。シンジ、それでお前は救われるのだ。」
そして、スタッフが言う。
「標準は既に合わせています。では……引き金を引いてください。」
その言葉。使徒との戦いを始めて以来、何度も従ってきたシンジへの命令。
(撃てば……僕は救われる……それで……僕は……)

シンジは取り付かれたように引き金に指をかけた。
266>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:07:04 ID:???
とあるNERV本部の入り口。
既にシャッターが閉じられ、戦自の陸軍隊員が一人で銃を片手に警備をしていた。
その前に、ふと現れたのは一人の女性。
「……め、メイド!?」
場違いの登場に驚く隊員。そんな彼にメイドはニッコリ微笑みかけ、そして相手の口をふさぎ、
ドスッ……と何かを突き立てた。
「う……うう……」
うめきながら血を吹き出して倒れる隊員。メイドが手にしているのは血塗れの卓上ナイフである。
彼女は遺体を冷たく見下ろし、シャッターの開閉ボタンを操作する。
開らかれるシャッター。そして、その向こう側に現れたのは、
清楚な制服の上からマシンガン、バズーカーなどを背負った、完全武装のメイド達が数十人。
その中央に立つのは隊長の葛城ミサト。
「さあ、行くわよ!シンジ様のために!」
267>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 00:08:23 ID:pMYaChze
皆さんどうもですー。続きが出来たら次を貼りまーす。
268名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 00:17:48 ID:???
wktk
269名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 00:53:23 ID:???
予想外です
そうくるか
wktk
270名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 01:07:16 ID:???
スイカあなどれねぇwwwwww
271名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 12:41:47 ID:???
wktk
272名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 13:02:02 ID:???
GJGJGJGJGK!!
273名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 13:57:06 ID:???
>>263の祝賀会で「廻す」は「輪姦す」ってことか?そりゃ楽しみだw
274名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 14:08:31 ID:???
まさか綾波とは思いませんでした
275>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:50:42 ID:???
(撃てば、僕は救われる……綾波を撃てば……僕は……)

(いや、ダメだ……撃ってはいけない……使徒は僕達を滅ぼしに来た訳じゃない……)

(でも……撃たなければ……撃たなければ……僕は……)

ドクン……ドクン……ドクン……ドクン……

もはやシンジの耳が引き裂かれるほどに響き渡る、彼の心臓の音。
引き金を指にかけたまま、動かない指。
しかし、ゲンドウは確信していた。シンジがレイを撃つことを。
NERV、そしてゼーレという巨大組織が、さりげなく、そして長年にわたり教育した碇シンジ。
エヴァンゲリオンの存在は知らせずとも、必ず使徒を殲滅しなければならない、と教えこまれたシンジ。
そして、もはやボロボロに汚された彼の心。
(勝ったな……)
その思いにゲンドウはニヤリと笑う。

その時、今まで閉じられていた使徒タブリスの……綾波レイの目が開かれた。
そして、モニタ越しにシンジと視線を絡め合う。
いくつもの壁を隔てて、交わされる声なき会話。
そして、その末にシンジは。
276>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:51:57 ID:???
次第に戦場と変わりつつあるNERV本部。
今のところは、隠密行動のスタイルで進むミサト達。
(3人ね……よし!)
ミサトが首を掻き切るアクションをしてみせると、進み出て始末するメイド達。
自衛隊員にとても勝ち目はない。
彼らの役目は警備であり、メイド達の目的は殺戮であるのだから。
が、それも長くは続かない。

『警報!警報!本部内に武装集団が侵入!』
『各員、ただちに戦闘態勢に入れ!敵は全て女性の模様!』
『見つけ次第の射殺を許可する!繰り返す!見つけ次第……』

(チッ……お忍びもここまでのようね……ん?)
ミサトの携帯がブルブルと震えている。それは加持からの連絡だった。
「葛城?俺だ。」
「何よ、この忙しいときに!」
「戦自が増援が来るぞ。戦車からヘリまで続々とそちらに押し寄せている。」
「でしょうね。連中、こちらがエヴァを繰り出すことを想定しているでしょうし。」
「そして……それだけじゃない。怪しげな巨大輸送機が9機。」
「エヴァシリーズ?」
277>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:53:03 ID:???
「恐らくそうだろう。あれが来たらもう手に負えない。いや、手遅れになるぞ。」
「……判ったわ。ありがと。」
「死ぬなよ、葛城。難しいが、退路を確保しておくよ。それじゃ。」
その言葉を聞いて、ミサトは加持との電話を切る。
そして、別の番号を呼び出し始めた。
「マヤ?いける?」

その頃、司令部ではマヤが一人で端末に向かい、必死で操作していた。
通常なら複数人で操作しなければいけないところを、
コマ付きの椅子をガラガラと転がしながら、鬼のような早さでキーボードを叩いて回る。
周囲には幾人もの死体が蹴り転がしている。が、それをしたのはマヤではない。
銃を片手に背後を守る職員が数名。恐らく、ミサトが目を付けていた仲間だろう。
そして、ドライブモードにしてあった机上の携帯からのミサトの声に、マヤは答えた。
「はいッ!発進準備オーケーです!アスカさん?」
そして、モニタに一人の女性が映し出された。それは包帯姿も痛々しいアスカであった。
エヴァの操作は神経接続によって行われる。重傷で体が動かなくとも操作は可能だ。
そして、モニタの向こうのアスカは弱々しく腕を上げて、親指を立ててポーズを決めた。
「……ハイル、シンジ!」
それを見たマヤは苦笑しつつも、端末を操作し絶叫する。
「エヴァンゲリオン弐号機、発進!」
278>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:54:10 ID:???
その声を聞いたミサトは携帯を閉じてメイド達に振り返る。
「皆、こっから先はこちらにも死人が出るわよ。覚悟は良いわね?」
すると、メイド達は口々に答える。
「ご心配なく。まだ、私達も本気を出してはいません。」
「私達が本気を出したら、目を背けたくなる地獄のような光景になりますが……構いませんね?」
「ミサトさんこそ、ご覚悟を。」
頼もしい限りの花のような女達。いや、少女と言ってもいい者も居た。
一体どんな教育を施されたのだろう。
底知れぬシンジハーレムの恐ろしさにミサトは思わず体を震わせた。
「すごいわね。それでは、たっぷり拝見させて頂きますか。その地獄とやらを。」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」
快進撃を続ける弐号機。
戦車達を踏みつぶし、戦闘ヘリを振り回し、破壊のかぎりを尽くすアスカ。
もはや戦自の増援は壊滅状態であった。
アスカは、怪我人とはとても言えない形相で弐号機を操作し、尚も殺戮を繰り返す。
「クッ……あれが、エヴァンゲリオン……」
「まさに悪魔だ……む、あれは?」
アスカの暴れっぷりに驚愕していた自衛隊員が、ふと上空を見上げた。
「あの攻撃機は……まさか!?我々を巻き添えにして……?」
279>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:55:41 ID:???
そして、弐号機を中心に凄まじい衝撃と轟音が響き渡る。
攻撃機から投下されたN2爆雷は正確にアスカの弐号機へと着弾したのだ。しかし、
「無駄と言ってるデショ?弐号機には数千枚の特殊装甲と、ATフィールドがあるのデェース!」
もはや高笑いのアスカ。弐号機には傷一つついていない。
NERV本部は有る程度の距離を置いていたため巻き添えしなかったのだが、
周辺にいた自衛隊員は一人残らず消滅してしまった。
これで戦闘が終わったかに見えた……が、新たな敵が上空から現れる。

「それは……量産型のエヴァシリーズね。」
そう、アスカに教えたのはミサトである。
(S2機関搭載のエヴァシリーズ……とても、弐号機などに勝ち目はない……)
たとえそうであっても、引くわけにも行かない。
ミサトはそれが死刑宣告だと知りつつ、アスカに告げる。
「……全て倒しなさい。いいわね、アスカ。」
『判ったワ。ミサトもシッカリやるデスヨー!』
「あはは♪こっちは余裕よ、余裕。」

まさしくミサトの言うとおり、メイド達もまた快進撃を続けていた。
メイド達は有言実行し、圧倒的な強さで敵、戦自の隊員達を翻弄する。
280>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:57:06 ID:???
「ルームサービスは如何っスかぁ?」などと言いながら隊員の居室に火炎放射を見舞うメイド。
「ワタクシが切り分けて差し上げますね。」といって首をナイフでかき切るメイド。
手榴弾を容赦なく投げつけ、降伏する者の頭を吹き飛ばし、みるも無惨な虐殺を繰り返す。
戦闘のプロであるはずの戦自相手に、子供を踏みにじるような大人げない戦闘ぶりを見せていた。
「あんた達、いい加減になさい!先へ急ぐわよ。私達は……」
「はいはい、シンジ様の救出ですよね。」
もうメイド達の統制などあったものではない。
残虐な彼女たちを叱り飛ばしつつ進むミサトであったが、彼女も然り。
「ほら、邪魔よ。悪く思わないでね。」
命乞いをさせる余裕も与えず、ミサトは突きつけた銃で相手の喉笛を吹き飛ばすのであった。

(ああ……撃ってしまった……僕は……綾波を撃ってしまった……)
初号機のライフルで撃ち抜かれたレイの体は、
もはや形を止めず、溶け出してジュクジュクと床に流れていく。
(これで……本当によかったのだろうか……本当に……え!?)

ガキッと何かが初号機を羽交い締めにした。
それは初号機とほぼ同じ全長を持つ、操縦できるパイロットが居ないはずの参号機であった。
その参号機には通常とは異なるエントリープラグが接続されている。
それは、エヴァシリーズにも搭載されている渚カヲルを模倣したダミープラグであった。
281>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:58:05 ID:???
「ご苦労だったな、碇ゲンドウ。」
その場にホログラフが立ち上がる。それはゼーレのキール議長であった。
「さて、儀式を始めるとしよう。程なく、エヴァシリーズが到着する。」
彼らが居た巨大な空間。その天井が、ゴゥッ……という物音を立てて大きく開く。
そして差し込む光。はるか頭上は澄み切った美しい青空。
「では、始めるぞ。我らが二千年に及ぶ大いなる復讐を……」

「なんで……なんで倒れないんですカ!?」
その首をちぎり落としても、胴体を真っ二つに切り裂いても、
すぐさま体を修復して立ち上がり、弐号機に襲いかかるエヴァシリーズ。
もはや弐号機のアンビリカルケーブルは千切られて、バッテリーは底を突きかけていた。
「それでも……それでも!ここは通しまセンッ!!うおおおあああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
最後の力を振り絞り突撃する弐号機。
しかし、エヴァシリーズは翼を広げて上空高く舞い上がり、一斉に手にしていた武器を投げ下ろした。
それは、イエス・キリストの処刑に用いられたというロンギヌスの槍のレプリカであったのだ。

こうしてエヴァシリーズは弐号機にとどめを刺し、向かう先はNERV本部上空。
「来たか。それでは初号機を、碇シンジを曳航せよ。」
バサバサと翼を羽ばたかせて舞い降りる、その禍々しいまでに白いエヴァシリーズの姿は、
まるで飛来する怪しいハゲタカの様であった。
282>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 20:58:59 ID:???
初号機の両腕、両足、胴体、首などに喰らいつき、そして天高く舞い上がる。
こうして初号機を引き渡した参号機は、あるものを手にしていた。
それはエヴァシリーズが持っていたレプリカとは異なる、真性のロンギヌスの槍であった。

「ああッ!!遅かったか!」
ようやく、ゲンドウ達が居る空間へと辿り着いたミサト達。
ミサトはゲンドウの姿を見つけて銃を構える。
「降ろしなさい!早くシンジ様を地上に降ろして!」
「無駄だ。もう既に儀式は始まっている。」
そう言って、ミサトに振り向くゲンドウ。
「この大事において俺の命など何ほどのことがあるものか。撃ちたければ撃て。」
「クッ……」
ミサトは周りを見渡す。恐らく参号機が儀式を司る中心となるだろう。それを破壊するのも手だ。
しかし、S2機関を宿した参号機を倒す方法など有るはずもない。

そんな中、朗々としたキール議長の声が響き渡る。
「数千年来、我ら人類を支配し続けた大いなる矛盾……」
「殺戮が罪であり、男女の交わりが淫らであり、獲物に食らい付き蝕となすことが強欲であり……」
「人が生きるための術が全て悪徳であり、罪なる行為とした大いなる矛盾、天の教え……」
「我らは、この全てを変える。この儀式を経て人類は生きるためにこれらを覆す。」
「全ては我らが生きるために。全ては我が人類が生き続けるために。」
283>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 21:00:52 ID:???
「個を滅して群れを尊び、無用に生きる全てを廃し、」
「地上の、天の、全ての万物を我らが掴む。それは全て生きるが為。」
「生物として生まれ出でたはずの我々にとり、天にねじ曲げられた真理を、我らは取り戻す。」
「我らはその全てを正す。我らが新たなる真理を掲げる。」

尚も高く、初号機が天へと登る。
それを見上げ続けているミサトが驚愕の声を上げる。
「あれは!?」
「あれこそが生命の樹。それを守る使徒を全て倒して、我らが目指した到達地点。」
そう答えたのはゲンドウである。

エヴァシリーズからアンチATフィールドが展開され、上空に不可思議な文様が展開される。
それはキリストが磔に用いられたという一説がある生命の樹。
その姿を現したという、太古の錬金術師ロバート・フラッドにより描かれた聖なる魔方陣であった。

ゲンドウはミサトに言う。
「お前達のお陰で最高の舞台となるだろう。我々の思惑通り、お前達によって流された血によって。」
ミサトはキッとゲンドウを睨み、改めて銃を向ける。
しかし、ミサトは撃たない。ゲンドウを撃ったところで、もはや何の意味もない。
それに、ゲンドウは自分が裁くべきではない、と感じたからでもある。
284>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 21:02:47 ID:???
なおもキール議長の詠唱は続く。
「さて、碇シンジよ。世界の富の上に胡座をかき、欲しいままに性と蝕を貪りし者。」
「処刑される貴様の姿が、不浄と呼ばれる人の真の姿である貴様の姿が象徴となり、世界を支配するだろう。」
槍の投擲体勢を取る参号機。標的は上空の初号機である。
「現れ出でよ、生命の樹。不浄にして真実なる人の血で、その天界の御柱を砕き……」

何が起こったのか。ここでキール議長の言葉は突然に途切れた。
285>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/17(土) 21:07:41 ID:???
ここまでっすー。結末まであともう少しー。
286名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 22:30:30 ID:???
いちおつがんばって
287名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 22:38:57 ID:???
スゴイとしか言いようの無い・・・
1の脳内はどうなっているのか
288名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 22:56:44 ID:???
↑どっちの意味で?
289名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 23:35:49 ID:???
最近の分を一気に読んだ。
NERV施設内の女たちのシンジへの媚は、あくまでゲンドウらの指示で上辺だけだったのか。
なんでマヤだけ違ったんだ?
290名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 02:22:16 ID:???
すげぇな
ただその一言に尽きる

ちゅーか博識だな
291名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 04:28:52 ID:???
アスカがDIO化したのはワロタwwwwww
292名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 08:03:24 ID:???
GJ!
293名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 10:31:49 ID:???
最初はシンジの回りにいる人が皆過保護なくらいちやほやするギャグ話かと思って読んでたけど…
ちゃんとシリアスな部分も混じっててよく考えてるなって思った。

>>1の文才に(´Д`)ハァハァ
294名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 11:52:47 ID:???
それだけに、"照準"がことごとく"標準"なのが……
295名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 12:08:44 ID:???
>>288
いい意味で
296名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 16:17:55 ID:???
>>1の文才は凄いと思うだけに、誤字が気になる。
297名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 18:57:56 ID:???
なんだかわからなくなってきたから誰か説明しt
298名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 22:21:50 ID:???
補完計画の設定を>>1が根底から覆したんだよ
299>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 22:54:06 ID:???
ドンッ

「うわああああぁぁぁぁぁぁ……」

そこに居た全ての者は、何が起こったのか訳が判らなかった。
突然、ゲンドウの足下に暗黒の空間が開き、彼を深い奈落へといざなったのである。
「な、何事だ。一体!?」
おののくキール議長。しかし、彼の内側から容赦ない声が響き渡る。

(だ、誰だ?お前は!?)
滑稽だな。そんなことで生命の樹が姿を現すとでも思っていたのか。
(……!)
17の使徒を倒せば樹が姿を現す?ハッ!貴様らが細々と伝承してきた天使の数など氷山の一角。
天界の楽園には数千の守護天使が常に羽ばたき、かの樹を守っているのだぞ。
仮に、それらを全て除いたところで全能なる父が許すと思ったか?愚か者め。
(お前は……お前は……)
お前達は我をこう呼んでいるな。第16使徒アルミサエルと。
(馬鹿な……貴様は我らが倒し……)
碇シンジが願わなければ我らを滅することなど出来ん。
例えアダムの形骸を用いて、この姿を滅ぼしたとしても。
300名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 22:55:40 ID:???
つまり、近年稀にみる優スレってことさ
301>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 22:56:13 ID:???
(そんな……馬鹿な……)
我は存在であり、肉体を滅しようとも精神が砕かれようと、例え虚無に帰しても尚も存在する者。
如何に千年も朽ちぬ肉体を有しても、存在無くして肉体は虚無に等しく意味を為さぬ。
物質世界でしか生きられぬ貴様らが、物理的な破壊を用いて我らを滅することなど根底から可笑しい話だ。
こんな時はどんな顔をすればいい。笑えばいいのか?貴様らを。
(うう……ううう……)
さて、語るも飽いたな。我々を利用し、冒涜を語り、碇シンジを辱めた代償は払って貰おう。
地獄の底で悟りを開くがいい。その時間は数千年からたっぷりあるぞ。
さて……後始末だな。ゼルエルにここを清めさせ、碇シンジの世話は引き続きタブリスに。
お前の始末は、あの悪戯小僧がやってくれるだろう。
あの者、既に自分が好ましい闇の底へと招待されたようだな。それとも元々の住処だったのか。
では、達者でな。

キールは、遠く離れた箇所から通信により指揮をとっていたのだが、
距離など天使の御手には無意味の様だ。
そこまで語り終えたアルミサエルの意識がキール議長から離れた瞬間、
彼の足下にも、ドンッ……と巨大な暗黒の深淵が広がる。
「あああッ!貴様は……貴様は……」
その暗黒から現れたもの、それは青白く血にまみれた渚カヲルの顔であった。
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
そして墜ちてゆく。深く暗い闇の底へと。
302>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 22:57:26 ID:???
やがて、天空にある初号機から光が放たれ、幾枚もの巨大な羽根が開かれる。
バカンッ……と、初号機を構成していた拘束具が飛び散り、使徒アダムの巨体が姿を現す。
そして胸元に掲げられた手の中に、碇シンジの姿があった。
そして、そこにもう一人居る……それは第17使徒タブリス、綾波レイである。

慌てふためくエヴァシリーズ。もはや統制を失い、初号機の周囲を乱れ飛んでいた。
が、それらを滅するのは初号機の仕事ではない。
地上では参号機が苦悶に陥っていた。
もがき苦しみ、頭を抱え、挙げ句の果てには爪を立てて自らを真っ二つに引き裂いてしまった。
そこから現れた者、それは参号機に食い散らされたはずのゼルエルである。
次々と閃光を放ち、エヴァシリーズを殲滅していく。
搭載されているはずのS2機関は何の意味も為さず、全て空中において蒸発していった。
そんな中を初号機はゆっくりと地上へ降りていく。

(綾波……いや、その、なんていったっけ。)
(ううん、綾波でいい……元々、名前というものは無いのだから……)
(うん……)
(怖がらなくていい……何も不安に思うことはない……あなたは何の罪も、汚れもない……)
(でも……)
(ん?)
(僕は綾波を……)
303>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 22:58:11 ID:???
(私を撃っても私は死なない……あなたが願った通りに死なずにすんだ……だから……)
(……)
(だから、あなたは私を殺さなかったのと同じ……あなたが私を撃ったことなど無意味……)
(でも、僕は……)
(もう何も不安に思うことはない……あなたを悩ませていたことは、既に消え去った遠い過去……)
(……)
(さあ……あなたは何を願うの?……ただ、想うだけでいい……何を願うの?)
そして、シンジはスッと目を閉じた、その瞬間。

(あなたの願いは聞き届けられました……)

レイはそう言って優しく微笑み、姿を消した。
それは綾波レイが初めて見せた笑顔であった。

気が付くと、シンジは涙ながらのミサトやメイド達に取り囲まれていた。
ここは元のNERV本部。既にボロボロの瓦礫と化していた。
既に戦闘は終わっている。彼らを攻撃する敵など全て消え去っていた。
ミサト達は傷つきながらも全員無事である。はたして、これも使徒の計らいだろうか。
そこに今更、退路を確保した、などという加持リョウジが滑稽な姿を見せる。
ミサト達はそれを笑いながらも、あまりにもあっけない事態の収束を感じ始めていた。
304>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 22:59:02 ID:???
一応、付け加えで無事だったもう一人のことを。
エヴァシリーズに嬲られ、投げ落とされた弐号機の残骸。
もはや肉塊でしかない弐号機からモゾモゾと這い出てきた者。
ズボッと天に向かって腕を突き出して立ち上がり、そして一喝。

「惣流アスカ・ラングレー!華麗にふッかぁぁぁぁつ!!」

しかし、そこは深い森の中。その復活を見届けた者は誰もいない。

「む、空しいデェース……」
305>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/18(日) 23:01:16 ID:???
ううう、まだまだ誤字脱字をチェックできてないみたい。私の目は節穴ですorz
勢いで書いちゃってるので、などという言い訳などいいですね……
次でさいしゅーかーい。
306名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:28:30 ID:???
乙!
原作よりこっちのほうがスッキリするな
307名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 00:51:45 ID:???
面白いな!
作者の>>1さん乙カレー
308名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 06:09:10 ID:???
原作を見たことがないのでこの話が俺にとってのエヴァになりそうだW
309>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:05:04 ID:???
エピローグ

巨大なベッドで、スルスルと白いシーツの上を滑らせる艶めかしい両脚。
そして、これ見よがしに豊かな胸を揺らして仰向けになったのは葛城ミサトであった。
「んふふふふー♪初めてにしては、なかなか良かったわよ?」
「そ、そうですか……どうも……」
顔を真っ赤にして横に寝ているのは、見事に童貞を奪われてしまった碇シンジであった。
事を済ませて一息尽くためか、ミサトは咥えた煙草に火を付ける。
「あ、ごめんね。済んだ後に必ず吸いたくなっちゃうのよ。シンちゃんケムイ?」
「いえ……どうぞ。あの、灰皿。」
「ん、アリガト。」
NERVは既に崩壊したためか、様も付けずに親しげに接するミサトであった。
「それにしてもさぁ、シンちゃん?不思議というかなんというか……」
「え?」
「神様や天使様って……私達の想像できる範囲を遙かに超えているのかもね……」
「そうです……ね……」
「まだ、現れるの?シンちゃんの所に。」
「えっと……その……もう……」
「そっかぁ……なんか寂しいね。それも。」
「そうですね……」
310>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:05:50 ID:???
ふと、シンジの方を向いたミサトは、突然にシンジをグイッと引き寄せる。
「ほらほら、指咥えて見てないで遠慮無くさわんなさいって。好きでしょ?おっぱい。」
「え、いや、あの」
「一回やっちゃった相手に遠慮してどーすんの。これから毎晩おっぱい枕してもいいのよ?」
「え……あ……あの……」
「ンもう、まだまだウブいわねぇ。これから先、そう言うところも鍛えなきゃ……所でさ。」
「え?」
「天使様に何てお願いしたの?」
「あ、ああ……その……」
「うんうん、何て?」
顔を尚も赤らめながら、シンジは言う。
「共に生きる喜びを……全てのものへ……」
「……ふむ?」
「……」
「……成る程ね。悪くないわよ、それ。」
「そ、そうですか?」
「よし、ご褒美を上げよう……おー、まだまだ元気じゃない♪物足りないなら早く言ってよ。」
「あの……ああッ……そんなとこ、触らないで……」
「こーら!人のを触っておいて、触るな、は無いっしょ?よーし、いいこと思いついた。」
「え?」
311>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:07:06 ID:???
「メイドのコを一人呼んであげる。大半が未経験だし、初心者に処女のお相手大変よ?手伝ったげる。」
「え……あの……ちょっ……」
「んーと、それともマヤがいい?あ、そうそう、腕を怪我しちゃったあのコが良いわね。」
「あ、あのねぇ……ミサトさん……」
「きっとシャワーはおろか、服脱ぐだけでも大変よ。よしよし、内線で……」
「ちょっと、ミサトさん!僕は女の人を手当たり次第になんて……」
「……シンジ君?」
「え?」
「あんたの為に命がけで戦ったあのコたちの想い……受け止めてあげて欲しいのよ……」
「あ……」
「みんなNERVに洗脳されてたのよ?もう、他の男は愛せないかも……」
「……」
「死んでいったコが他のみんなに託していったの。私の分までって……」
「……」
「……OK?」
「あ……はい、あの……あれ?」
「みんなにタダ働きさせようなんて、ぜっっったいに許さないから。もしもし?えっとね……」
「あの、ミサトさん……そう言えば、だーれも死んでないって自慢してたはずじゃ……」
「あれれ?シンちゃんってば更に元気になっちゃって……この子はヤル気まんまんじゃないのさ!」
「いや、あの、その、」
「しょーがないわねぇ……もしもーし!今言ったコに加えて2人前ほど追加ね!大至急!」
312>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:07:53 ID:???
そんな訳で、NERV崩壊後の今になってシンジハーレムは本格始動した訳である。

それから先の数ヶ月。
各国政府や国連までも交えて大変な大騒ぎとなり、NERVおよびゼーレ崩壊の後始末が繰り広げられた。
世界の富を自由に操ってきた連中であったが、怪しい儀式のために注ぎ込んでいたことが露見され、
世界中が互いに攻撃と言い訳の押収でごった返すこととなった。

そんな騒ぎがようやく終息し始めた頃。
碇シンジのハーレム生活が遂に幕を閉じることとなる。
これから大人になろうという男に、何時までもそのような生活をさせておくわけにはいかない。
実は言うと、NERV崩壊後の数ヶ月はそのための準備期間でもあった訳である。

ミサトが運転する一台の車に乗せられていくシンジ。
シンジは後部座席に、そしてミサトの隣の助手席にはマヤが座っている。
最後の時には泣きの涙で大変な騒ぎとなる……かと思いきや、意外とさっぱりした別れであった。
「これが全員の連絡先です。したくなったら何時でも呼んでくださいね♪」
そんな言葉と共にシンジに住所録が手渡され、笑いの渦でシンジハーレムは閉幕。
シンジは全員にバースデーカードを送ることを約束し、シンジ邸を後にした。
「で……これから、僕はどうなるんです?」
そういう聞き方も無理はない。何故なら世界規模の重要参考人であるのだから。
「うん、最後には名前も変えて、まったくの別人として生きていくことになるかもね。」
313>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:08:58 ID:???
「そうですね……すっかり有名人になっちゃってますし。」
「でも、人里離れたところで生きて幾分には問題ないかも。」
「あの……僕はこれからそういう所に行くんですか?」
「そーよ。あら?言ってなかったっけ。」
「はい……で、住むところは?」
「はい、これが住所と地図。」
「あれ……あの……この名前……」
「そ。これからシンちゃんは洞木さんちのお世話になるのよ。」
「えぇ!?でも、僕は2、3回しか会ったことがなくて……」
「心配ないわ。私も話したけど、とってもいいコよ?それにシンちゃんのこと、ずっと心配してたみたい。」
「そ、そうなんですか。」
「んフフ、シンちゃん……ダメよ?いきなり餌食にしちゃ……」
「そ、そんなことしませんッてば!」
「そーね、もう散々やりたおしたし、溜まりっぱなしだったシンちゃんもスッキリしたでしょ?」
「もう、ミサトさん……」

やがて、付いた先は港であった。
「あの船よ。出航は一時間後。」
「はい……」
「それじゃね……ほら、マヤ!お別れのキスぐらいしてあげなきゃ!」
「え、そんな、ミサトさん……」
314>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:10:05 ID:???
顔を真っ赤にしてうろたえるマヤであったが、
「当分会えないのよ?」
「……はい、あの……いい?シンジ君。」
ミサトに促されて、照れながらも済ませたマヤ。その後にミサトも続く。
「……ん……んんん?……ぷっはぁ……」
「この大人のキス……好きなコが出来たら、してあげなさいね。」
「……はい……今まで、有り難うございました。」

そうして船が出航するのを見送る二人。
「ミサトさん……シンジ君、上手くやっていけるでしょうか……」
「もう大丈夫っしょ!あんだけ皆に鍛えられたんだし。」
「そうですね。メイドのみんなに炊事洗濯、家事全般をみっちり仕込まれてましたし。」
「……まさか自分の送別会の料理を自分で作らされるとは思ってなかったみたい。」
「誰も思いませんよ。でも……」
「何?」
「いくらなんでも、銃火器の扱いから格闘技まで仕込むのはやり過ぎだったんじゃないですか?」
「そうねぇ……戦車やヘリの操縦よりも乗用車の方が役に立ったかも。」
「あの最後の遠足、あれは非道いですよ。ナイフ一本で山に放り込むだなんて。」
「あー、あれね。流石のシンちゃんも参ってたわね。蛇が不味くて嫌になったとか言って。」
「お塩ぐらい持たせてあげればよかったのに……」
315>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:11:18 ID:???
「まーいいじゃないの。これでシンちゃん、世界中のどこでも生きていけるわ。そう言うあんたも……」
「え?な、なんですか?」
「あんなにスパルタで勉強おしえるこたぁないじゃないの。怒鳴り声が屋敷中ひびいてたわよ?」
「だ、だって、シンジ君めちゃくちゃ勉強が遅れちゃってたし……その……」
「で?その後でちゃんとお慰めした訳ね?シンちゃんの慰みものになっちゃって。」
「あ、あの……その……いいじゃないですか、せっかく二人きりだったし……」
「結局、マヤが一番だったのかな?あーあ……ま、いいわ。貰うもん貰ったし。」
そう言って自分のお腹をなでるミサト。
「あの、まさか……ミサトさんも?」
「ちょっと!『も』ってどういう意味?こら、そのお腹見せなさい!」
「ちょ、ちょっと、止めてください!流れちゃったらどうすんですか!」
「呆れた。私一人の大当たりだと思ってたのに。」
「他のコ達も居るから沢山出来ないし、ゴム無しの方がシンジ君気持ちいいだろうと思って……その……」
「で、貰っちゃった訳ね。まさか、狙い撃ち?」
「いや、私は偶然なんですけど、メイドのコ達は体温計片手にシフト調整したりして……」
「げーっ!!まさか、みぃーんなお持ち帰り?とんだ夜勤調整だった訳ね。」
「みたいです……最後まで外れたコは、無理矢理もう一回のお願いしに行ったらしくて。」
「ホントに!?」
「シンジ君に理由は内緒だから大変だったみたいです。それでも絶対に貰いたいって。」
「やーれやれ、十ヶ月後にはボコボコとシンちゃんジュニアが誕生する訳か。」
316>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:12:35 ID:???
「で、ミサトさん。このことはシンジ君には?」
「言うわけ無いでしょ。あんたもメイドのコ達も漏らしてないわよね?」
「も、勿論ですよ!シンジ君の人生を私達で閉ざすなんて出来ません!」
「でもねぇ……大変よ?シングルマザーなんてさ。みんな本気で生む気かな?」
「それでも……」
「それでも?」
「私達のシンジ君への呪縛を解くには、これが一番じゃないですか?」
「……そうね。洗脳されちゃってる私達には、これしかないわね、やっぱり。」
「私、頑張ります!シンジ君から授かった子供は立派に育てて見せます!」
「……無理しないでね、協力するから。なんなら一緒に育てましょ?」
「ああ、それはいいですね……あら?」
「ん?」
「鳥か何かが空を飛んでいったような……」
「この夜に?ありえないっしょ。」
マヤの見間違いではなく、確かに何かが天空を飛来していた。
それこそ大いなる翼の持ち主、第15使徒アラエルの姿であったのだ。

シンジ。
(ん……あ、はい、アルミサエルさん。)
いよいよ、新しい生活が始まる訳だな。どうだ?気分は。
(何とも言えません。不安というか、なんというか……)
317>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:14:05 ID:???
これまで、たびたび君と話を交わしてきたが、そろそろお別れをしようと思う。
(……そうですか。少し寂しくなります。)
そうだろう。君は本当に寂しがり屋だ。ま、私も話し好きではあるがな。
(あの……)
何かな。
(僕は本当にこれから上手くやっていけるのでしょうか……)
君がタブリスに告げた望み。あれは本当に悪くなかった。
(え、はい、いや、あの……)
いや、君の不安に答えるつもりで話しているのだ。君は、あのキールなどより遙かに高尚だよ。
あのキールの行っていた言葉。あまりの愚かしさのため忘れられないぐらいだ。
殺戮が罪と思わぬなら、自らが死滅しても構わぬ訳か?
個を滅して群れを尊ぶ?群れは何で出来ているのか判らぬというつもりか。
その後になって、人が生きるためだ、などと抜かす。矛盾があるのは貴様の方だ。
人も獣も、そして草木や花も、互いの存在無くしては成り立たぬ表裏に等しく、
(あ、あの……アルミサエルさん、ちょっと待っ)
自らの周囲にある者共を全て滅して喰らい尽くすことを欲するなど、己の尾に噛みつく畜生同然。
この天地に属していることを人が未だに解せぬと知れば、さぞや我が父が嘆くことだろう。
その真理を表したものこそ君の言葉と言うわけだ。「全てのもの」が天地自然の全てを指すならば。
下手な聖書や教典などを積み上げるより、君の望みが遙かに簡単明瞭で役に立つ。
泥をこねて塔を建て、石をもってそれを壊すことなど知恵などと誰も呼ばぬ。
そんなことのために、人は知恵の果実を盗み出したと我が父が知れば、さぞ……ああ、すまぬ。何かな?
318>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:16:22 ID:???
(あの、なんだか話がずれてませんか?それに、全然判りません……)
君たちを罰するのは我々ではなく天地であり、そのために警告を送り、恐れよと言っているのだ。
君の不安、恐れ、それは当然のことだ。それでいい。それを抱く君は純真無垢より遙かに清らかだ。
ならば、周囲に溶けて親しみ、楽しめばいい。時には痛みを受けて苦しむこともあるだろう。
その時こそ、共に生きる喜びを求め、楽しめばいい。君自身の望み通りに。判るか?
(まったく判りません……そんな複雑なことを考えて言った覚えはないんですが……)
恐らく、寂しがり屋な君の心がそう言わせたのだろう。
君の望みは確かに聞き届けられたが、具体的な物事が存在せず、あまりにも範囲が広すぎる。
正直、何をすればよいのか、よく判らないのだ。
(あの……いいですか?ずいぶん、ミサトさん達や、そして僕も人を殺し……)
だからね。処罰というのは私達は行わない。ほっておいても天地自然が結果を出すだろう。
その摂理は……まあ、理解できなければ、なんとなく感じ取ればいい。
キール共を我々が闇に堕としたのは、それが処罰ではなく我々の対処と報復であったからだ。
君たちの言う神が存在するとすれば、それは我々を指している訳ではない、と言ったら驚くか?
我々も、そして我が父ですら大宇宙に属する君達と同様に一つの因子でしかないのだから。
(うう、やっぱり訳がわかんない……あと、一つだけ。)
なんだ?
(僕ってずいぶん沢山の女の人と、そのう……淫らというか……)
ああ……その……なんだ……そうだな……
(……?)
まあ、いいじゃないか。誰も不満に思う人がおらず、みな幸せそうだったじゃないか。
319>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:17:59 ID:???
めずらしくも口ごもった彼であったが、再びアルミサエルは別れを告げた。
実は言うと、シンジが思い描いた願いを拡大解釈すると、
「全ての女の人を僕が妊娠させちゃっても大丈夫なようにしてください」と聞こえなくもない訳で、
そんなふうにタブリスが勘違いしたのでは、と感じ始めていたアルミサエルであったが……
シンジの周囲の女達の心情を察して、注意深く言わずにおいた彼であった。

船上のシンジは甲板で海をみていたが、あるとき鞄から何かを取り出した。
それは、ロボットを模した超合金。なんとなくエヴァンゲリオン初号機に似ていなくもない。
シンジは様々な思いを込めてそれを見つめていたが、最後には海へ投げ捨ててしまった。
そのオモチャこそ、母の死後に父を名乗ったゲンドウが買い与えたものであったのだ。
(さよなら、母さん。さよなら……父さん……)
たまにしか顔をあわすことがなく、『父』を名乗りシンジを利用しようとしたゲンドウ。
その父にどんな思いがあったのか。シンジ自身すら知らずして、思わず別れを告げたのである。

そして船は港に到着し、さらに教えられた住所へ向かうシンジ。
判りにくい田舎町を通り抜け、更に小さな村へと辿り着く。
僅かばかりの小さな土地に、数えるほどの家々。
そこがシンジの新しい生活の場所であった。やがてシンジは一軒の家に到着する。
ベルを鳴らすと、パタパタと軽い足音が聞こえくる。
そして出迎えたのはお下げ髪の女の子、洞木ヒカルである。
学校帰りで、着替える暇も惜しんで夕餉の支度をしていたらしく、制服の上にエプロンの姿だ。
320>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:19:20 ID:???
「あ、あの……」
「碇君、やっと来たのね!さ、入って!」
「はい、あの……お邪魔します。」
「こらっ……今日からここはあなたの家なのよ?」
「え……その……」
やがてシンジは、はにかんだ笑みと共に言い直した。
「……ただいま。」
「ウン、お帰りなさい!」
そしてシンジが迎えられ、扉が閉じられた。

こうして歓迎されてもシンジはまだまだ不安だろう。しかし、
「それでは、行くわよッ!家事当番争奪!ジャンケンたいかーいっ!!」
家から響き渡る声。それとともに聞こえてくる姉妹達の拍手。どうやら、楽しくやっているようだ。
姉妹で下手にシンジを取り合うようなことにならなければ良いのだが……

時は流れて、シンジに大勢の人から頼りが届く。
まず、メイド達。どのコからも手紙には赤ん坊と一緒の写真。何も知らない単純なシンジは大喜びだ。
シンジはせっせと祝福の返事を送ったが、勘の鈍い彼には何一つ気付かないでいる。
ミサトとマヤは協力しあい、エヴァンゲリオン開発の基礎理論を切り売りして荒稼ぎをしている。
むろん、彼女たちも赤ん坊片手だ。好い加減に気付けよシンジ。
321>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:20:20 ID:???
そして、ドイツからのエアメールの到着である。
その手紙にシンジは驚く。そこにはアスカと加持リョウジが腕を組んだ写真が同封されていたからだ。
どうやらアスカにつきまとわれ、同棲生活を余儀なくされたらしい。
アスカからは幸せ一杯の手紙が、そして、こっそり出されたらしい愚痴っぽい加持の手紙が一通。
最近ではジャガイモ作りに精を出しているらしい。
手紙に書かれていないが箱で届けられたため、それが判った。

さて、生き残った使徒達である。
実は言うと、アルミサエルは今だにシンジの中に居た。
どうやら居心地がいいらしい。もうシンジに語りかけることは無かったが、じっとシンジを見守り続ける。
地上に生きる人々の行く末を見定めようというのか、アラエルは相も変わらず天空を飛び続ける。
相変わらず人々の目にとまり天使の降臨と驚かせているのだろうか。あるいはそれを楽しんでいるのか。

さて、物理攻撃最強と唱われたゼルエルは?
もし一朝事あらば大魔神気取りで姿を現すつもりか、彼もまた人々の間で生きている。
この前に設立された「使徒襲来記念館」に置かれた似姿が、
実は体を縮小した本物が入れ替わっている、と判れば世間は大騒ぎすることだろう。
こうして「共に生きる喜び」を自ら実践しているわけだが、果たしてどれほど役に立つことなのか。
322>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:21:10 ID:???
他にも戦いの末に生き残っている使徒は居たのだが、タブリスの話で幕を閉じる。
今だに彼女は姿を見せないのだが、果たして何をするつもりなのか。
実を言うと、登校するシンジをトースト咥えて狙い撃ちする魂胆なのだが、それはまだ内緒の話。
あれだけの女とやり倒した彼だが、そこは神の子シンジである。
ぱんつ一枚で彼の股間は確変確定の大フィーバー間違い無しだ。

果たしてシンジは誰に落ち着くのか。
まだまだ彼を甘やかす女達は後を絶たないようである。
このエロゲのような話は尽きそうもないが、とりあえずはこの辺でお開きとさせて頂きたい。

〜 Fin 〜
323>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/19(月) 12:23:09 ID:gZBxyHc+
これでもって最終回にします。
読んでくれた皆様。レスを付けていただいた皆様。
叩こうと思えばいくらでも叩けるはずなのに、皆様にとことん甘やかして頂いたからこそ、
ここまでこぎつけたのだということは疑いの余地もありませぬ。
皆々様方、本当に有り難うございました。

一応、申し上げておきますと、いろいろと使徒アルミサエルに小難しいことを言わせておりますが、
なんというか、それっぽいことを言わせたかったので適当に言葉を組み合わせただけであって、
決して、俺様の持論を聞けとか、こういう主張をしたかったとか、
まったくもってそういう訳じゃございませんので、くれぐれも適当にざっと流して頂けると幸いです。
ゼーレとかNERVがやろうとしたことも、つまるところシンジハーレムの始末をつけるためのこじつけであって、
簡単に言えば、宗教が造った道徳や社会の常識を都合の良いように書き換えようというのが主旨なんですが、
それもこれもこじつけるための適当なものでしかなく、ツッコミどころ満載であろう事は重々覚悟いたしております。
>>297様が理解できなくとも全然問題ないし重要でも無いのでお気楽に。
んーと、それから>>289様の仰るマヤについてなんですが、
最後の最後で裏切らせようとか色々考えてましたが、徐々にミサトが味方にひっぱりこんだと思って頂ければ、と。
まー、それも流れと勢いで成り行き任せで最後まで進めてしまったので、
マヤについても含めて、ろいろ整合性がとれていないところがありそうで、正直言って怖い限りであります。
その他、幾たびも指摘を頂いた誤字やら脱字が満載で本当に申し訳ありませぬ。
また、並びに作家気取りでこんな後書きっぽいものまで書いちゃったりして恥ずかしく思う次第でありますが、
とりあえずは、まとめ、ということで。それでは皆さん、どーも、ありあとやんしたー。
324名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 12:25:57 ID:???
325名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 12:41:15 ID:???
乙! また気が向いたら他のも書いてよね
326名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 12:48:23 ID:6pOkVmw0
おつー
半勃起で読みますた
327名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 12:59:27 ID:???
レイは結局、原作のような化け物・人外の者として終わる事になるのかなぁ…と心配していただけに、最後のオチでホッとしました。

とにかく乙!
そしてGJ!
328名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 13:16:48 ID:???
>>312アゲアシだけれども

×攻撃と言い訳の押収→〜の応酬○
329名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 13:20:25 ID:???
アスカはシンジの周りからは除外されちゃったか。
アホキャラで面白かっただけにちょっと残念だった。

でもGJ!
330名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 13:28:10 ID:???
アスカの「デェース!」は案外壷だった
331名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 14:26:02 ID:???
やっぱり最後は童貞奪われて終わるんだな。

あれだけ女に手だせなかったシンジが補完直後(?)既にセックル済なのに呆気にとられた。

個人的にはレイと初セックルして欲しかったなあ…
カジはミサトとくっつかないのかw
332名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 14:37:22 ID:???
うわあああああああ!!!

なんかすごいよかったぞ!!
333名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 15:03:07 ID:???
個人的には妊娠Endなのがよかった
334名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 15:37:05 ID:???
この終わり方好きだわ

>>1
GJGJ
335七号機 ◆9Vhhtv.dG6 :2007/02/19(月) 17:50:24 ID:???
>>1を尊敬する
この一言に尽きる
336名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 19:15:27 ID:???
だれかまとめないか?
とりあいず>>1乙!!!!!!!!!

結構楽しかったし、新しい職人さんでも待ちます・・・

>>1のGHな文章を誰かm
337名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 20:38:30 ID:???
シンジが異様に逞しくなったみたいだから
近々空母の軍人さんと再会することもあり得るのか?

兎に角GJ!
338名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 21:21:30 ID:???
なんだこのご都合主義の展開の連続は!


と思った方はスレタイを見ていただくと、納得していただけると思います。
339名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 21:41:06 ID:???
そうかそうか、最後は皆妊娠か、いいな( ̄ー ̄)ニヤニヤ
340名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 22:15:17 ID:???
しかし、なぜにアスカだけシンジとの関係から排除されてるんだ?
341名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 22:19:58 ID:???
>>340
あまり、そういうことは気にするな
342名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 23:15:09 ID:???
GJ、一気に完結させた作者の力量に拍手。
343名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 23:19:57 ID:???
―完結おめでとう―
344名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 23:27:19 ID:???
よかった!GJ!
完結おめでとう
345名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 23:37:12 ID:???
>>1さん、楽しませていただきました。
ありがとう。
346名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/20(火) 00:18:56 ID:???
>>1GJ
まだまだ甘やかすぜぇ!
347名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/20(火) 00:51:12 ID:???
GJ!マジGJ!
348名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/20(火) 12:07:26 ID:???
ところでリツコはどうなったんだろ?
他の生き残ったゼーレやネルフ関係者と共に牢獄行きか、
それともゲンドウやキール議長のように虚無空間逝きかな。
(本編同様に計画に深く関わっていたなら、使徒達の怒りを買いそうだし。)
349名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/20(火) 21:05:34 ID:???
もう何だか>>1の人気に嫉妬
350名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 00:46:50 ID:???
で、このスレこれからどうすんの?
351名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 03:28:27 ID:???
この落ち着いた流れは維持したいな。
352名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 07:44:06 ID:???
お前らさ、サラッと流してるけど

ハーレムから外れるのには触れても

アスカがレイプされたことには1レスしか触れないんだな
353名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 07:53:50 ID:4TnT3o4z
>>1
カヲルは人間だったってことで桶?
354名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 18:35:40 ID:???
>>352
シリアスパートに入っても扱いが悪かったから
これは殺されるんじゃないかと思ってたし
355名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 20:10:01 ID:???
>>352
ここハーレムスレじゃないしぃ
シンジがちやほやさえされてたら無問題だろ
356名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 20:23:18 ID:???
いやレイプは普通にいらんかったと思ったが
357名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 20:32:54 ID:???
残忍さとかあるだろ。
358名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 20:34:38 ID:???
しかし、新しいタイプのSSだったな
その上、面白かったし完結したしいいもん見たな
359名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 20:41:38 ID:???
>>357
色んな感想があるだろ。

いちいちマンセー以外には絡む→なにがどうダメだったかより長文な反論来る→また反論→はい議論沸騰。荒れ。

↑このパターンを望んでるのか?
360名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 21:35:15 ID:???
面白くて一気に読めちゃったよ
最後の見事なハッピーエンドにも安心した。
361>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/02/21(水) 23:34:17 ID:vZtq42TI
みなさん、こんばんわー。読んでいただいて大変有り難く思ってます。
えーと、いろいろとご指摘を頂いてるアスカとかリツコも含めて、
フォローというか、成り行きも作っておこうと思ったり考えたので、後日談を書いてみますた。
ただ、ダラダラと適当に作ってたら長くなっちゃったので、ここには貼りません。
あと、その他で指摘を頂いた誤字やなんかの補正もしたかったので、
以下にまとめてあります。

http://www28.atwiki.jp/ripa_ns/

思えば、本当に思ったまんまに書いちゃってるので、
恐らく、私の中でアスカやリツコ、そして男性キャラがどうでもいいキャラらしく、
成り行きとかを適当にしちゃったのでしょう。
で、しかも結末がLRS風味なのも私の好みなのかなぁ、というのが否めません。
ということは、カヲルを私は悪魔のように見ているのでしょうか?自分でも不思議な感じです。
で、カヲルのレイプについてですが、
私の中で「男が女に乱暴する」となるとレイプしかないと思ってしまっているようです。
特にカヲルを残忍なキャラに追いやってしまったので、そういうことをさせてしまいました。というわけで……

ここまで話を広げてしまったので、恐らく私からはもう粉も出ないでしょう。
誤字脱字程度の補正はするかもしれませんが、これについてはもう終わりとします。
このスレは自由に新ネタの展開や再利用にお使い下さい。どうも、ありあとやんしたー。
362名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 23:49:20 ID:???
シリアス展開でのレイプ自体がダメつーより、この話でのアスカにそこまで押し付けんなよ的な指摘かと。でラストがあれだからね。
ぶっちゃけ、アスカ以外だったらあまり言われなかったかも。
まぁこのスレではマターリとマンセーが基本になってるから、あんまし詳しく書かないけど、万一気になるならハーレムスレとかに行ってみては。

とにかく乙。神作品だったのは間違いないです。
次作がんがって。
363名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 00:18:11 ID:???
俺も大体>>362と同意見。でも、ここまでの分量を一気に投下できたのは
素直に凄いと思うし内容もオモロイから、また気が向いたらなんか投下してね〜
364名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 00:42:30 ID:???
一気に書いた&完結させたところが一番凄い
365名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 02:26:15 ID:???
まとめサイトをお気に入りに登録しますた!!


作者さん。マジで乙でした!!
366名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/02/22(木) 09:49:20 ID:???
スゲェェェェェ
作者様乙でした!!
中盤からの流れが神
Sカヲルもまたよし。
367名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 10:55:30 ID:???
名作でした!!また機会があれば書いてほしいです
368名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 18:48:53 ID:???
>>1

次のを待ってるお
369名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 20:56:25 ID:???
>>1
遅くなったがGJ!!
370名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 22:45:14 ID:???
おっきした
371名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/23(金) 06:04:44 ID:???
ほしゆ
372名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/23(金) 20:08:25 ID:???
>>1
乙乙乙乙乙乙
    乙
   乙
 乙乙
乙乙
乙乙    乙
 乙乙乙乙乙
373名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 21:22:39 ID:???
一気に過疎スレと化したなwww
374名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 22:52:21 ID:???
だって、>>1が自分の作品宣伝するために新スレまで立てたってスレだろここ。
それが終わったらやる事ない。
375名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 23:05:18 ID:DLjiXUGK
次スレ

シンジをほどよく虐待してみる
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1172407005/
376名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 23:34:42 ID:???
>>374
いまだかつてないバカシンジと同じ手法か
377名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 01:48:43 ID:???
誰かが新たにネタ書けばいいのさ
378名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 10:48:28 ID:???
どうせ仕事終わったらいつも暇なんで>>1には及ばないが、
ちょっと違った観点で書いてみる。

今日の夜くらいからやるんでつまんなかったらスルーしてくれ。
379名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 14:08:40 ID:???
勇者現る
応援するぜ
380名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 22:23:27 ID:???
>>378
普通に詰まらない程度以上の出来なら誉めて使わす(ォィ
381378:2007/02/27(火) 23:18:36 ID:???
それはこの話の主人公の元に届いた分厚い封筒が届いた時から始まった。
主人公シンジの元に届いた一通の封筒。中身は父であるゲンドウの筆跡でただ
”何もしないから”とだけ書かれた意味不明な手紙と金額欄に何も書いてない
小切手が一冊入っていただけだった。

               〜第一話   来てちょうだい〜

目的地の第三新東京市で彼を出迎えたのは人っ子一人いない閑散極まり無い
街だった。どうやら非常召集が出されているらしく、公衆電話も繋がらない。受話器を
置こうとした時、彼は柔らかい視線を感じる。その視線の方に目をやると一人の少女と
目が合った。その少女は徐に、どこからともなく伸びている紐を引くと発砲音に似た
音が響いたと思うとシンジの頭上にある玖珠球が割れ
”碇シンジ様  ようこそ第三新東京市へ”
と書かれた垂れ幕が彼に覆い被さった。
歓迎されるのは別段悪い気はしない。だが、この街の有様には疑問と不快感を感じる。
そんな事をぼんやり考えていると、その玖珠球の少女の姿を見失ってしまった。不思議に
思いながらも、とにかく今はこの街の状況を把握する事が先決であろう。彼は街の
中心部に向かい歩き出していた。
しばらく歩いただろうか、先の公衆電話のあった駅から曲がり角一つ曲がったところに
猛スピードで掛けて来る黒塗りのロールスロイスがある。その車はシンジの傍に寸分の
狂いも無く停車し、中から一人の女性が降りてきた。
「大変お待たせしました、シンジ様。貴方様の父上であるゲンドウ氏の代理としてお伺い
させていただきました葛木ミサトと申します」
一目で軍人とわかる出で立ちで現れたその女性ははっきりとした口調で丁寧な敬語を
流暢に使いこなしシンジの前で背筋を伸ばした。



これじゃあ内容は>>1氏と同じだなorz
382名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 23:32:38 ID:???
いいよ〜
これから>>378を甘やかそうwww
383名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/01(木) 00:06:46 ID:???
>>381
酉付けるといいお(^ω^)
384名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/01(木) 00:07:41 ID:???
>>378 乙。
出だしが似るのは許容範囲かと。
今後の展開に期待です。

で、以下は重箱の隅

>主人公の元に届いた分厚い封筒が届いた時から始まった。
正答例:主人公の元に届いた分厚い封筒から始まった。
ともかく、"届いた"はひとつで良いです。

>非常召集
非常事態宣言のことかな?

>玖珠球
"薬玉"もしくは"くす玉":辞書調べ
ネット上には、同ネタが多数あることは確認しましたが、多分、当て字です。
玖珠は町の名前でしかないようですので。

>葛木ミサトと申します
"葛城ミサト"です。
385名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/01(木) 09:45:03 ID:???
赤城リツコさんと並ぶ二大オリキャラ出現かw
386名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/02(金) 22:11:52 ID:???
なんだかすごい>>384にムカついてきたぞ
387名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/02(金) 23:27:27 ID:???
まあモチつけ
こうやって失敗を正していきながら職人が磨かれていくんだから
388378:2007/03/03(土) 00:19:56 ID:???
すんません、今続き練ってる所デス


>>384
すばらしいご指摘ありがとうございます。
煽りじゃなくて、こんなレスが実は1番嬉しかったりします。
特に文法の間違いとかの指摘は本当に役にたちますし。
またアドバイス貰えたら、と思ってますよ。

>>1氏みたくハイペースでは無理ですが、なるべく急いで
続き書きますんで、他の皆様もお付き合いください。
389名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/03(土) 01:00:21 ID:???
>>387
ヒント:スレタイ
390>>1 ◆LRvRIPAn.s :2007/03/04(日) 23:36:06 ID:???
>>378様、乙です。

偉そうなことをいうために出張って来た訳ではないのですが、
確かに>>378様の言う通り、こういう指摘って本当に有り難いんですよ。
自分ではちゃんとチェックしているようでも、自分の書いたものに対して盲目だったりするんですよね。
照準を“標準”で正しいんだと、ずっと思いこんでしまっていたり。
何かを作る場合、他人の全く違う目でチェックすることが本当に重要なのですが、
ここに貼り付ける際は完全個人作業だし、貼ってしまえばハイそれで終わり。難しいものです。
ましてや、>>384様のようにチェックして頂く側も大変。
指摘内容が間違っていたらそれこそ赤っ恥になっちゃうからです。

「くすだま」をどう書くべきかなんてのも難しい限りです。たしかに「薬玉」と書くのも正しいみたいだけど、
むしろ無理に漢字で書かずにひらがなで「くす玉」と書いた方が読みやすい気もします。
更に例えば「今同じ事を」よりも「いま同じ事を」と書いた方が判りやすいかも。
長文を貼るとなると、読みづらくなってしまうと誰も読んでくれそうもなくて怖いです。
他にも句読点の区切りとか沢山入れすぎてもダメっぽいし、まったく入れないのもマズイし、
さらに、2chに貼る場合には一行100〜120文字で押さえないと読みづらくなるし、
かといって、適当な箇所で改行すると読みにくいので単語や句点単位で行替えしたいし、
台詞となると、出来れば一行で納めたい。台詞と言えば、上手く書かないと誰が言っているのか判らなくなるし。
そんなことを考えていると、どんどん行数が増えてしまう。そして1レス20行程度の枠に入らなくなってしまったり。
まー勝手に貼っている側が苦労話をまき散らすのもなんなんでありますが、
とにかく>>378様、頑張ってくださいねー
391名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 20:36:19 ID:???
作家さんも指摘が嬉しいと言うなら気づいたら言っていってもいいかもな
あくまで指摘の範囲内であって欲しいけど。
392378:2007/03/05(月) 22:13:58 ID:???
>>381続き

随分と乗り心地のいい車に揺られ、行き先もわからぬままただぼんやりと車窓を眺める。
そのエンジン音すら聞こえない車内でのシンジに対する対応はは、まさに圧巻の一言
だった。どこに収納していたのか不思議に思う量のケーキ・ローストターキーetc・・・。
豪華賢覧な料理が次々と出されてくる。挙句の果てには、先の葛城氏が
「ドンペリがよく冷えてますよ?失礼しました・・・ワインの方がお好みでしたか?」
と、14歳の少年に飲酒を勧める始末。流石の鈍感男碇シンジもここまでの待遇には
疑問と不信を抱かざるを得なかった。

シンジの腹も満たされた頃、一行は恐らく目的地であろう建物に到着していた。車は
リフトに収納され長い専用エレベーターを下っていく。辺りを包むのは漆黒の闇と静寂。
シンジの食後の満腹感を察知した葛城氏はマッチを取り出し
「お煙草は?」
の言葉と共にシンジの目前で火をともす。マッチの優しい灯りに照らされた葛城氏の
顔は、確かに初対面でも充分に美貌は感じられたが、そのか弱くも確かな光を放つ炎に
照らされた瞳は怪しくも淫靡に満ちた微笑を浮かべていた。その吸い込まれそうに
なる瞳を見詰めるシンジの前で、炎は終局を迎える。
「あら・・・」
ミサトは新たなマッチに火をつけ、自分で煙草を咥え火をつける。そして、シンジの口元に
差出しシンジに咥えさせた。
初めての煙草にむせ返るシンジを優しく笑うミサト。シンジが手にした煙草に目をやると
うっすらとフィルターが口紅で紅く染まっていた。それに気付きやたらと恥かしくなるのは
14歳にしては仕方ない事なのかもしれない。ミサトと視線が合うと余計に恥かしくなり、
下を向いて強がって煙草の煙を肺に入れた。
そして、エレベーターが動きを止め、眩い光にあたりは包まれた。



どんどん指摘、突っ込みヨロ
393名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:24:09 ID:???
>>392
ぐはw14歳に酒と煙草とはwww

2行目 はは
3行目 豪華絢爛
394378:2007/03/05(月) 22:50:10 ID:???
光に目が慣れると徐々に辺りの様子が見えてきた。
シンジが車を降りるなり鳴らされる大量のクラッカー。吊るされた横断幕には
”おめでとうございます、貴方がネルフ訪問者第一号です”
とでかでかと書かれていた。一人の小柄な女性が
「では、碇シンジ様に誠意を込めまして、記念品授与式に参りたいと思います」
その言葉を皮切りに人ゴミがさっと割れ、白衣がこれ以上似合う人は他にいないだろうと
思える程の女性がシンジに近づき、何かを手渡す。その物が何であるかの説明もないまま
持ちきれない程の花束と記念品を手に、別室に案内される。その部屋には巨大なロボット
が鎮座していた。
「これも・・・父の仕事ですか?」
シンジは何かを悟ったかのように横にいるミサトとリツコに問いただした。その言葉を
待っていたかのように、高台から彼の父であるゲンドウがガラス越しに現れた。
「そうだよ、シンちゃんの為に国家予算以上に経費使って造ったんだよ〜」
シンジは絶句していた。見た目は変わっていないものの、かっての父の雰囲気はなく、
やや目尻の垂れ下がった男がそこに立っていた。自分を捨てた男がまた自分を呼び戻し、
しかも、やけに優しい。かっての父なら”シンちゃん”なんて呼ぶはずがない。
「無理だよ、こんなの・・・乗れるはずがないよ!」
シンジは半狂乱気味に肩を震わせ叫ぶ。横にいる女性二人に関してはおろおろをシンジと
ゲンドウに、交互に目線を送る始末。
「せっかくシンちゃんの為に造ったのにぃ・・・それに授与式もさっき終わったのにぃ・・・」
いい年した親父が暫く口を尖がらせ小石を蹴る真似をする。
ちらちらをシンジを見ながらどうにも頭を縦に振りそうも無いシンジを諦め、ミニター越しに
誰かに話し掛ける。
「こうなったらレイを起こせ」
モニターの向こうの冬月の不安も他所に、ボディラインのはっきりわかる白い水着のような
物を着た少女がシンジに近づいてくる。辺りの電飾はピンクに照らされ、レイはシンジの
肩に手を回し
「碇君・・・海・・・行きたい?」
上目遣いに、こんな格好でこんなこと言われて頭を横に振る男性がいようものか。
シンジとて例外ではなく、鼻息も荒々しく頭を縦に振る。
「じゃ、これに乗れたら・・・ね」
シンジはそのまま頭を縦に振るしかなかった。
395名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 01:09:46 ID:???
ゲンドウwww
396名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 02:38:34 ID:???
>>1さん、アンタこそこの2007年に降臨した『ネ申』だ。

>>378さん、相手は神だ。「無茶しやがry」なんてことにならない程度に
がんばってくれ。待ってるんだぜ?
397名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 04:46:12 ID:???
いや、コレは……>>378さんはどうやらチェーンソーを持っているようだぞ?
これは期待が持てるかもっ
398名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 13:45:50 ID:eGqNCsgH
職人降臨期待あげ
399名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 13:48:31 ID:???
甘やかされてるwウハウハ
400名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 14:19:37 ID:???
書き方が官能小説っぽくてワロタwww
401名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 15:45:59 ID:MnVehdX6
お、鬼だ・・・

篭絡されて乗る羽目になろうとは。
テラカワイソウス。
402378:2007/03/07(水) 16:43:15 ID:???
>>397
チェーンソー?

>>400
そんなに変かな?(´・ω・)
403名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 18:02:30 ID:???
ヒント→ かみ は バラバラ に なった
404名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 18:51:49 ID:???
どっちかつーとこのスレは、「シンジをとことん騙してみる」だと思う
405378:2007/03/07(水) 23:59:27 ID:???
チェーンソーの意味がまだ理解できないが・・・

>>394続き
流れと空気に逆らえなかったシンジは着の身着のまま木の実ナナ。学生服のまま
エントリープラグの中に腰掛けた。説明を聞くのも程ほどに、取り合えず様々な計器類を
触ってみる。その直後、触り所が悪かったのか、どこからともなく液体がシンジの周りを
みたしていく。
「な、何ですか?これ!」
溺れそうになっている人間の極当たり前な反応である。ミサトがマイク越しに説明しようと
している横からマイクを取り上げ、
「をおおぉぉぉ、シンちゃん!?大丈夫か!?怖くないか!?」
と、絶叫。くるりと赤木博士の方を向き
「いかん、このままではいかん。今すぐLCLを注入中止、ファンタグレープに変更」
とものすごい取り乱し様と訳のわからない親ばか振りを見せるゲンドウ。周りの
スタッフ達の懸命の説明とシンジの
「本当にファンタなんか入れられたら溺死確定だよ。それに炭酸キライだし」
の一言で”新発売イチゴ味LCL”で妥協する形に落ち着いた。

ミサトの合図で地上に射出されるエヴァ初号機。強烈なGを身体に受ける。リフトから
放たれ、力なくだらりとその姿勢を保つのみのシンジを乗せた初号機。そして、彼の
視線の範囲内まで目標である使途は近づいている。
「歩く事だけを考えてください!」
指令所からのミサトの声。しかし、説明は受けたものの、歩くだけをイメージするなんて
土台無茶な話。仮に歩くだけをイメージしてうまくいったにしろ、その後の戦いを彼女らは
どう応戦するつもりなのか。
自分の身体に集中するシンジ。それに反応したように右足を一歩踏み出す初号機。
司令室のスタッフ達は約一名を除いて歓喜とも驚きとも言えぬ声をあげる。一方、その
約一名に該当するゲンドウは、ただただ、司令室を右往左往と走り回り、かわいい
我が子の身を案ずるだけであった。
406名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/08(木) 15:47:27 ID:???
木の実ナナ
牛丼噴いたw
407名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/09(金) 16:07:23 ID:???
ゲンドウオモシロスwww
408名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/09(金) 21:20:29 ID:???
なにこの司令wwwwww
409378:2007/03/09(金) 22:33:47 ID:???
シンジ虐待スレおもしれぇ、ありゃまさしく神だわ

>>405続き

歩く事に集中するシンジ。しかし、ゲンドウの耳障りな雄叫びのおかげで集中力は下がる
一方。目を瞑って右足を前に出すイメージするも、モニターから聞こえる
「をぉぉぉ、シンちゃん!大丈夫かっ!パパりんがっ!パパりんが見ててやるからなぁ」
の言葉に気を散らされる。しまいには
「赤木博士!ダミープラグは?ダミープラグに切り替えちゃえ!え?まだ出来てない?」
「葛城君!アスカは?アスカはまだ来てないのか?」
とのネタバエレ必須の意味不明の言葉を羅列する。しかも、初号機が躓き転んだ時には
卓袱台でもひっくり返したような騒ぎ様。スタッフの中には”指令に名が聞いて呆れる”
と、失笑する者まで出ていた。
しかし、使途はそんなシンジを放っておいてくれる程お人よしではないらしく、倒れている
初号機に飛び掛り、ぐいと掴んだ右手を捻りこんでいる。司令室に響き渡るシンジの
悲痛の雄叫び。
「幻痛よ、実際のシンジ君の手ではn・・・グヘッ」
と言いかけるミサトの右頬にねじ込まれる鋭いキレの右ストレート。
「幻痛でもシンちゃんが痛がってんだよぉぉぉぉ」
既に枯れた喉から声を絞り出すゲンドウ。周りのスタッフ達は次々と各数値が危険領域に
突入していく事を読み上げていく。そして、初号機は静かに活動を停止し、その瞳から
光が失われていくかのように見えた。
しかし、ふいにその目をかっと開くかのように、活動を再開する初号機。
「目覚めたのね、かのj・・・ガフッ」
と、言いかける赤木博士のわき腹に突き刺さる地龍の如き左ショートアッパー。
「人の嫁さんを彼女呼ばわりすんじゃねぇぇっぇえっっ、ユイちゃん、うほほーい」
と諸手を上げて走り回るゲンドウ。
十三年ぶりの使途は敢無く撃沈。当事者のシンジも無事救出され、大喜びのほくほく顔の
ゲンドウ、右頬を押さえるミサト。そして、暫くの間、見事なショートアッパーのお蔭で血尿に
悩まされる赤木博士であった。
410名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/09(金) 22:58:03 ID:???
甘やかすとかじゃなくてゲンドウが壊れてるだけじゃねーかwwwww
411378:2007/03/09(金) 23:10:46 ID:???
すまん

むしゃむしゃしてやった
草なら何でもよかった
412名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/10(土) 00:01:05 ID:???
こりゃ面白いw
ドンドン壊せwww
413名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/10(土) 20:09:18 ID:???
ゲンドウ、バカすぎwwwwww
どんどん続けてくれ
414378:2007/03/11(日) 23:00:34 ID:???
>>410続き

ミサトから鍵を手渡されるシンジ。まだ真新しく黄金色に輝く鍵が彼の手のひらにしかと握り
締められていた。

時は半日程前に遡る。シンジが目を覚ましたのは限りなく純白に近い白の世界。そして、
ツンと鼻につく消毒液の匂い。彼は先の使途戦により、ネルフ施設内の病院に搬送されて
いた。病室の外に出るとどこまでも続いていそうな錯覚に見舞われそうな程に長い廊下。
しかし、その広さに反比例して人の気配は全くしない。どうする訳でもなく、ただ彼はじっと
時が過ぎるのを待つしかなかった。
日も暮れそうな頃、廊下から規則正しいリズムで刻む足音が聞こえ、その足音はシンジの
病室の前で聞こえなくなり、一度だけ踵を床に力強く打ち付けるとドアをノックする。その
いかにも訓練された軍人らしい足音の持ち主はやはりミサトしか思いつくはずも無い。
部屋に入ってくるなり、別段にシンジの領域に入り過ぎず、かと言って離れ過ぎずの
心地よい距離を保った挨拶も済ませ本題に入る。
「ここを退院後の貴方には三つの選択肢があります。1、一人で暮らす。2、保護者としての
私と生活を共にする。3、碇指令・・・」
ここでミサトは”指令”の言葉を選んだ事を後悔したように軽く咳払いし、また続ける。
「失礼、貴方の父との同居も可能ですが・・・勿論、どの選択肢をお選び頂いてもシンジ様の
ご自由ですし、最大限のバックアップと補助はいたします」
シンジは軽く考え、上目遣いでゆっくりと人差し指だけをミサトに向ける。しかし、彼には先
から気がかりな点が一つだけあった。病室のドアが開きっぱなしなのである。ここまで訓練
と作法が行き届いた軍人が開けたドアを閉め忘れるような事があるものだろうか。ドアの
方に目を凝らすとドアの陰に隠れ、星飛雄馬を見守る明子の様な姿のゲンドウが中の
様子をじっと見守っている。ミサトはやれやれといった面持ちで深い溜息をつき
「申請さえすれば一緒に住む事もできますが?」
とチラリと声を掛ける。その声に反応したようににんまりと表情を緩ませるが、シンジの
猛反対によりゲンドウの意見は却下された。
415名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/11(日) 23:44:21 ID:???
3!3!ここは絶対3で!
416378:2007/03/12(月) 00:19:34 ID:???
>>415ご要望にお答えして・・・書き直さなきゃならんが(´・ω・`)

>>414続き
退院の手続きも無事済ませ、右手にしかと握りしめた自由への切符。しかし、その切符は
同時に不自由への片道切符であることも重々承知していた。
病院での通路にて心配性を如何なく発揮するミサト。心配性というよりもシンジの観察人
としての責任感とも言えるだろうか、彼女は口々に
”一人で夜は大丈夫ですか?””炊事洗濯は?”
と病室とは正反対の厚手がましい気配りを見せ付け、シンジも
”ネルフの人間はどいつもこう厚手がましいのか?”
と、幸先不安になっていた。シンジは多少遠慮したように”一人は慣れてますから”と
両手を振ったが、この発言がまずかったらしい。ミサトはシンジから鍵を引っ手繰り
「観察者及び保護者としての責任が私にもあります。シンジ様に何不自由なく生活して
いただく事が第一ですので」
と、半ば強制的に選択肢を1番に書き直した。また、シンジの方も満更ではなく、年頃の
青(性)少年としては、年上美人女性との甘い同居生活は内心には願ったり叶ったり
だったりもする訳で・・・。
ミサトの責任感に負けたという公的事実も出来上がり、二人の同居生活の場である葛城邸
へと車を走らせる。ミサトの
「明日には執事や家政婦も手配しますので」
との理由で本日のシンジの歓迎会はミサトの手料理。これはこれでパラレルワールド(?)
とは違い、念には念の入った味も極上のミサトの手料理にシンジは舌鼓を打った。しかし、
事件は起こった。歓迎会と銘打った食事も終わり、マンションの一室とは思えない程の
風呂にシンジが入ろうとした時だった。リビングでビールを傾け寛いでいるミサトの前に
着衣も忘れたシンジが慌しく駆け寄ってくる。
「ミ、ミ、ミ、ミサトさん!風呂場に父さんがいます!しかも、裸エプロンにシャンプーハット
って変な井出達で!」
ミサトが駆けつけると、そこにはシンジの言う通りの格好で風呂桶で股間を隠し照れ臭そう
にはにかみながら
「シンちゃんの頭洗ってあげようと思って・・・来ちゃった」
ともじもじするゲンドウが立っていた。
417名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 00:48:06 ID:???
投下途中に感想すまんがゲンドウの親バカが凄まじいなw
これからもパパりん大暴走に期待してるぜ
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 21:14:57 ID:???
「・・・来ちゃった」
って言っていいのはかわいい女の子だけだああぁぁ
想像して精神汚染されちまった、洗浄してくれ
419名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 21:26:30 ID:???
ゲンドウ最高だな
てかすごく面白いな
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 22:39:29 ID:???
水差して悪いが、

>半ば強制的に選択肢を1番に書き直した。
ミサトとの同居は
>2、保護者としての私と生活を共にする。
なのでは?

×:使途
○:使徒

×:(碇)指令
○:(碇)司令

発令所が司令室になってるのは、わざとなら別に良いんだけど、ゲンドウの
執務室とはきちんと分けて書かないと、どっちに居るのか判らなくなるかも。


それはそうと、このままだと、シンジ、ミサト、ゲンドウの三人(或いは、
レイも加えた四人)+使用人十数名との暮らしなのかな?

このゲンドウだとリツコに手を出してはいなさそうだから、リツコがどうのは
なさそうだけど……大丈夫なのか(特にミサト)?w
421378:2007/03/12(月) 22:55:43 ID:???
覗いて見たら色々感動貰えてて嬉しいなっと

>>420
どんどん水差してくれ
全部素間違えてた、d
422378:2007/03/12(月) 23:28:08 ID:???
>>416続き
洗面所で立ち尽くす三人。無言の冷たい空気が流れる中、シンジの視線に気付いたミサト
は明後日の方を見るような顔をして
「いや、私も給料取りの身分ですから上司の命令には逆らえなくて・・・」
と、ミサト自らがゲンドウに家の鍵を渡した事を暴露する。上司と部下の関係、いや一応
にも彼らも軍人であることは変わりはない。上官をと部下の関係ならば、余計に上の
命令は絶対であろう。
その横で腕を組み、うんうんと頷くゲンドウに蹴りを入れたい衝動を抑えるのに必死の
シンジ。一方、ゲンドウは
「鍵を持ってるって事は・・・毎日でも来るの?」
のシンジの問いに光り輝く前歯を見せ、眩しい笑顔で無言で親指を立てた。

シンジは脱力を尽くした様子で歌っていた。
”ある晴れた昼下がり、市場へ続く道〜・・・かわいい孔子売られて行くよ・・・”
車のドアに力なく凭れ掛り、ただぼんやりと流れる街頭を眺めていた。ハンドルを握る
ゲンドウはシンジの心境を知ってか知らずか、その歌に合わせ
「ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ♪はい、もういっちょ♪」
とのりのりの様子でリズミカルにシンジに合わせる。事の経緯は以下の通り。
葛城宅の風呂場で三人は立ち尽くしていた。無言の空気の流れる中、シンジの問いに
満面の笑みで答えるゲンドウ。その後に付け加えられる言葉。
「シンちゃんが望むならいつでもOK牧場」
その言葉と共にプイッと尻をシンジに向け、割れ目を両手で隠すゲンドウ。いや、望んで
ないから、誰も望んでないから。
「まぁ、それは冗談として、シンちゃんに変な虫が付かないようにするのが親としての役目」
と、言いながらミサトに目線をやる。付け加え
「変な虫が付かないように毎日監視に来るつもりだっ」
と、大きく声をあげ、ツンと突き出した人指し指をミサトに向ける。ミサトの舌打ちがシンジ
には聞こえた気がしたが、
「毎日来るのか・・・逃げちゃダメだ・・・×12。暮らします、父さんと暮らします」
と、この世の終わりでも迎えたような溜息と共に肩を沈ませゲンドウに答えた。
423名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 00:01:21 ID:???
378氏乙……アッー!
424名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 03:08:14 ID:???
>>415だけど、ノリで書いただけだから!
俺ごときの意見に従わなくていいよ!
作者の好きに書いて〜!
425名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 19:23:35 ID:???
どこに飛んでいくのか訳が判らない壊れっぷりが最高w
もう誤字脱字なんて気にすんな。ガンガン行け。

孔子様を叩きうる市場があってもいいじゃないかw
426378(三点リーダー使ってみます):2007/03/13(火) 22:50:04 ID:???
>>422続き
彼は雲一つない晴れ空の中を歩く。学校が楽しみで仕方なかった。学友達と過ごせる時間
が唯一の肩の力を抜ける時間になっていた。父ゲンドウから逃げ出せる時間だから…。
               〜第参話  鳴りまくる電話〜
シンジはここに来てから夜明けと共に目覚める事が日課になっていた。と、言うのも
引っ越してきてからの初めての朝、彼は夢うつつに自分を呼ぶ声に気付く。輪郭のみで
はっきりと覚えていない優しい母の面影。
「母さん…母さんなの?…何か…もじゃもじゃくすぐったいよ………何?髭っ!!??」
目を覚まし、開けた目蓋の先には
「シンちゃん…シンちゃん、朝ですよ〜」
と、甘く囁きかけるギンドウの唇が飛び込んできた。
2日目には参じた執事たちに夜の警護を頼むも、彼らにとっては
ゲンドウ>>>シンジ
であるらしく、その包囲網は翌朝にはいとも簡単に破られていた。それ以来、ここでは父
より早起きしようと意気込んで日の出と共に目覚める日々。お蔭で新聞配達に汗を流す
同い年の少年と仲良くなれた得点は付いた訳ではあるが。
転入の手続きも終わり、彼は学校へと通い始めた訳だが、そこでの彼の人気も絶大な物
だった。元々、女顔であった彼が嫌われる訳でもなく、また不可抗力とはいえ街を守った
英雄として祭り上げられる。通学途中で彼の周りに人だかりが絶える事無く、学校に
着いたら着いたで靴箱の中には溢れんばかりの恋文の数々。マメな性格である彼が
合間を縫って返事を絶やさない筈もなく、彼の睡眠時間は悉く削られる一方だった。
いつもの様に退屈な老教師の授業、眠気を誘う思い出話。絶える事無くメール受信を
知らせるパソコンと携帯。そんな中、乱暴に開かれる教室のドア。ぶっきらぼうに入ってくる
生徒と目が合った瞬間、シンジとその生徒は声を上げた。
「新聞配達のお兄さん…」
「おぉ、早起きの兄ちゃん!」
二人の間に回りの視線が集まり、授業中であるにも関わらずできる人だかり。その
人だかりはシンジばかりか彼、鈴原トウジにまで及び”どこで知り合ったのか”の話題で
持ちきりの授業中となった。
427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/14(水) 02:52:34 ID:???
ギンドウてwww ツボッたwwwwwwwww
428名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/14(水) 22:32:38 ID:???
 トウジに脂肪フラグ? ここの親父だったらやりかねないんじゃ?
しっとマスクと化して。
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/14(水) 23:02:59 ID:???
「ほどよく〜」は暗くて、その物語に引き込まれていくが
こっちの物語は気楽に読めて助かる・・・
430378:2007/03/15(木) 00:05:59 ID:???
>>429俺も引き込まれてるwありゃすごいな

>>426続き
終業の鐘が鳴る放課後。シンジは体育館裏で地べたに大の字になり青空を見詰めていた。
時間は遡る事数刻前、彼は体育館裏に呼び出されていた。一人の女生徒から手紙を
渡される。その手紙を見ると封筒の止め口にはハートマークのシールで封印してあった。
手紙を渡し、走り去っていく女生徒。呆気に取られその子の背中を見詰めるだけのシンジ。
ふと自分を見詰める視線に気が付くと綾波レイがじっと歯軋りをしながら立っていた。
「あああ、綾波!?違うんだよ、コレはその…」
なぜか後ろめたい事がある訳でもないのに言い訳がましいシンジ。レイは目にうっすらと涙
を溜め、肩を震わせている。その瞬間、シンジの左頬に直撃するレイの右ストレート。
「非常召集…先行くから…………もう海一緒に行ってあげない…」
そう言い残し駆け足で去って行った。
既にネルフ本部は蜂の巣をひっくり返した様な大騒ぎだった。マギの端末を処理する
オペレーター、エヴァの出撃準備で右往左往のスタッフ達、日の丸の入った扇子を両手に、
スタッフ達に声援の踊りを披露するゲンドウ。到着したシンジの姿を見つけるなり、
「待ってました、大統領!ささっ、既にエヴァの準備はできておりますぞ」
とシンジの顔を扇子で仰ぐ。シンジはゲンドウにだけはレイに殴られた跡だけは見させまいと
左頬を必死に隠しなんとかエヴァに乗り込んだ。
さて、今回の使徒はスルメにするとうまそうな第四使徒。街は避難勧告がしかれ生徒達は
避難所へと集まっていた。そんな中、”どうしてもシンジに声援を送りたい”との欲求に
狩られた鈴原トウジの姿があった。彼は相棒のケンスケを誘い避難所からの脱走を
試みていた。
「委員長、便所や」
その言葉を残し、トイレから脱走を図る二人。なんとか外には出られたものの、もっと近くで
応援したい。そこで二人は裏山の神社に場所を変え声援を送る。
「シンジー!!そいつに勝ったら新聞タダにしたるからなぁー!!」
トウジがそう叫んだのもつかの間、エヴァは裏山の神社にまでその巨体を吹き飛ばされて
いた。
431名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/15(木) 10:34:04 ID:???
>>428
>脂肪フラグ

それはトウジがキモジの側に行くという事かね?w
432名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/15(木) 19:38:09 ID:???
>>428
 いや、親父がトウジに嫉妬すんじゃね? って話です。
壊れすぎて、シンジに近づく奴は全て……! とかは
ならないか、流石に。
433378:2007/03/17(土) 05:31:40 ID:???
>>430続き
「うひゃぁぁぁぁぁ…」
ケンスケとトウジの絶叫がシンクロしていくに合わせて、小さく遠くに見えていたエヴァの
巨体が大きくなっていく。
シンジが衝撃により背中に感じる鈍い痛みから目を覚ますと、モニターに映る恐怖により
震える少年二人の姿に気が付いた。コレが漫画なら確実に目が飛び出した挿絵を一枚
入れてもおかしくない程に驚くシンジ。発令所に状況を伝えようとするも、驚きで声が出ずに
ただ口をぱくぱくと動かしだけ。状況をいち早く察知したミサトは回りの制止も振り切り
「シンジ様!その二人をエントリープラグの中に!」
と、恐らくその場で取れる最善であろう命令をシンジにくだした。
その間も、手を休める事無く襲い掛かってくる使徒。その攻撃を凌ぎきり二人をエントリー
プラグの中へと誘う。操縦者以外の異物が紛れ込み、不調を来す操縦室。ノイズを含んだ
モニター越しに
「シンジ様、ここは一度撤退を…」
とミサトは指示をくだしたのだが、シンジは俯いたまま、その場に硬直してしまった。
「逃げてたまるかぁぁぁぁっっぅ!!!」
その言葉を叫び、使徒の腹部に蹴りを入れ、距離を保つ。プログナイフを片手に取り、使徒
目掛けて突進していく。切れたアンビリカルケーブルを引きずりながら、使徒の触手を潜り
抜け、ナイフでコアを一突きする。エヴァの活動停止と共に使徒の瞳も輝きを失った。
エヴァを降りたシンジは命令違反の名目で独房に入っていた。光の差し込まない闇の中。
ノックの音と共に一筋の光が差し込んでくる。その光の中に、いつもと違い神妙な面持ちで
ゲンドウが直立で立っていた。彼は静かな口調で語尾を荒げるでもなく言葉を並べた。
「なぜ命令に従わなかった…あの場での葛城三佐の判断は正しかった。命令違反の
結果として使徒は倒せた。だが、結果だけが全てじゃない。かと言って途中経過を評価、
例えば頑張りや根性論なんてものを諭すつもりもない。」
見下したような目線で立ったままのゲンドウの目前に立ち、シンジは返した。
「勝ったんだからいいじゃないか!父さんは最高の結果と最高の方法を取れと言うの!?」
興奮気味に言葉荒げた様子でそう言い放つシンジ。ゲンドウは無言のままに目前の我が
子の頬に一発の平手打ちを打った。
434378:2007/03/17(土) 05:50:58 ID:???
打たれた頬を抑え、目線を伏せるシンジに語りかける。
「おまえ一人の我侭で周りの皆を危険に晒す事だってある。それに葛城三佐にしても、
勿論私だってお前がかわいいから、危険に晒したくないから最も安全な手段を嵩じた
んではないのか?」
そう言いながら振るった右手をポケットに仕舞う。くるりと背中を向け
「…お前には失望した…」
それだけ言い残し独房を去って行った。シンジはぶたれたままの格好で俯いたまま空ろな
目線で、そこに何かあるかのように部屋の隅を見詰めていた。
数日も過ぎ、シンジはゲンドウの家に戻ってきていた。ただ、以前とは違ったのは二人の
間に会話はなく、シンジは自室に篭り己の世界の住人となっていた。
不甲斐ない我が子を見かねた父親は、とある朝にシンジの部屋の襖を開ける。そこには
丁寧に畳まれた布団の上に置手紙あり、その手紙には
”危険に合わせないって言うなら、あんな物に乗せるな!馬鹿親父!”
とだけ書かれていた。
「家出…か。ちょっときつく当たられたくらいで…。あの甘えん坊め!」

所変わって葛城邸。ミサトが少し豪華目なディナーに舌鼓を打とうとしていた頃、玄関の
チャイムがなる。覗き窓に目をやると、そこには大きな目玉が映ってある。驚きの奇声と
共に玄関に倒れこむミサト。玄関に入り込んで倒れたミサトに差し伸べられた手は雨に
濡れたカバン一つ抱えたシンジだの手だった。
「家飛び出して来ちゃいました。暫く厄介になります」
そう言いながらずけずけと上がりこむシンジ。
「あの親父ったら信じられないんです、家にいる時はいつも裸エプロンで…」
などと親子二人の赤裸々な日常生活を暴露しながら。
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/17(土) 16:36:57 ID:???
乙。しかし、そんな早朝にネタ投下して大丈夫?
436名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/17(土) 21:41:29 ID:???
毎度(・・)/
×:葛城三佐
○:葛城一尉
一応、原作通りなら、ミサトが三佐になるのは第10使徒(サハクィエル)戦の前です。


>ゲンドウは無言のままに目前の我が子の頬に一発の平手打ちを打った。
ここで、
「親父にも打たれたことないのにっ!!」
ってセリフを期待したのは、俺だけでしょうか?w

でもって、家出にかこつけて、ゲンドウとの別居を強行?
そのまま、葛城家に居候?
それとも連れ帰らされる?

所在がハッキリしているから、黒服に連行されるって事はないでしょうが……。
437名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/18(日) 20:18:09 ID:???
あれだ、このゲンドウはパプワのマジック総帥思い出すwww
438378:2007/03/18(日) 23:36:34 ID:???
>>434続き
「えぇ、わかっております…はい、失礼します」
そう言いながらミサトは相手が電話を切った事を確認し、静かに受話器を置いた。
時はその日の正午にまで遡る。ミサトがたまの休暇を楽しんでいると、玄関のチャイムが
鳴る。このビールに明け暮れるせっかくの休日を邪魔する無粋者は誰だろう?と少々
ご機嫌斜めに玄関を開けるとそこには大きなカバンを両手にしたシンジがはにかみながら
立っていた。招かれざる客とまではいかないものの、今のミサトの状態では招き入れる客
ではない事は確かだ。しかし、シンジはそんなミサトの内心を知る由もなく、
「家飛び出して来ちゃいました。暫く厄介になります」
の言葉と共に葛城宅にずかずかと上がりこんでいった。
投げつけられるように置かれる荷物。落ちるように床に腰掛けるシンジ。状況が把握
できないミサト。しかし、理由を聞くまでもなく、シンジは自らここに来た理由を話し始めた。
かっての父の印象、ここに来てからの父の印象、家での変態極まり無い父の行為。恐らく
某オペレーターがこの場にいたなら嘔吐する事は間違いない。
そんな赤裸々な日常行為を聞かされるも、”あの司令が…”の考えが頭から離れなかった。
シンジを疑う訳ではないが、ミサトの中の”上官である司令”は冷静沈着、命令絶対。この
数日の彼がまるでかっての司令ではないような変わりように戸惑いを感じていたのも事実
だった。逆に言えば、シンジがここに来る前の碇ゲンドウのイメージと言えば、司令室に篭り、
自分が司令室に赴いても机に肘をつき、一言二言静かに指示を下す物静かな男…そんな
上官とはかくあるべき的な印象を持っていたからだ。
そんな彼ら親子の赤裸々な日常生活を肴にビールを傾けていると、電話の呼び鈴が部屋に
響く。ミサトが受話器を上げると、彼女の知っているゲンドウの声で
「私だ…息子は、シンジがそちらに行っていないか?」
の声が聞こえてきた。シンジの意思を彼に伝えると共にぼそりと
「司令も大変ですね、ご子息を毎朝裸エプロンで起こしたり…」
と赤裸々な日常の断片を窺わせると、彼は電話越しに動揺を隠せない様子で
「うぐぅ…ま、まぁ、暫く息子の世話を頼む」
とだけ残し静かに受話器を置いた。ミサトの横では声を殺して笑うシンジの姿があった。
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 21:50:49 ID:???
この後、綾波やアスカがどう絡んでくるのか楽しみ
440378:2007/03/19(月) 21:53:40 ID:???
虐待スレが完結したな
あの人はすごいわ、発想がすごい
441名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 22:37:42 ID:???
EVA板の歴史に残る傑作でしたね。もちろん全話保存しましたけど。
378さんもぼちぼちでいいのでがんばってください。
442378:2007/03/19(月) 22:58:23 ID:???
>>437続き

「センセ、朝でっせ〜」
今日も朝から陽気な関西弁で目覚める。シンジはここ葛城邸に引っ越してからというもの
実に自堕落な生活を送っていた。朝の目覚めは誰かが起こしてくれる。朝食はミサトか
執事が極上の朝食を用意してくれている。炊事洗濯何でもござれ、彼の身の回りの世話は
全て誰かが行ってくれていた。
小鳥たちの囀りの中、学校へと続く道。幾多もの朝の挨拶に応えながらいつもの三人で
歩く道。そして、学校へと着くなり、手紙に埋め尽くされた下駄箱を処理するのが彼の日課
となっていた。それらを丁寧にたたみ、カバンの中へと仕舞う。ここへ来た当初は回りの
視線が気になっていたものの、馴れとは怖いものだ、それがさも当たり前であるかの様に
なっていた。
「センセもマメやな〜、いちいち返事なんか返さんでもええのに」
皮肉とも羨望とも取れるトウジの言葉ににっこりと笑顔で応え、教室へと足を進ませるシンジ。
残された二人はただただ深い溜息を付くしかなかった。
昼食も終わり体育に勤しむ中、ふとフェンス越しのレイの姿に目を奪われる。
「おや、センセ?溢れるラブレターを蔑ろにして綾波でっか?」
いつもの二人がシンジにちゃちを入れようと身を乗り出してきた所をレイもシンジの視線に
気付く。そして、シンジと目線が合うと頬を染め俯いてしまうレイ。
その様子を目の当たりにしたトウジとケンスケは
「センセには敵いませんわ…」
とだけ言い残し、またも深い溜息をついた。
443名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 23:19:38 ID:???
お、甘やかされ分が回復した。トウジで始まる朝はどうかと思うけど。
しかし、ここのトウジ見てると、どうもアッー! な展開を期待してしまうorz
444441です:2007/03/19(月) 23:32:59 ID:???
はやっ!!
ぼちぼちでいいっていたのにwww!!
当て付け?w
445名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 23:49:47 ID:???
>シンジにちゃちを入れようと
×:ちゃち
○:ちゃちゃ(茶々)

次は、レイの部屋にカードをお届けか。
レイの部屋がどんな具合なのか、そこで何が起きるのか?
否が応でも期待が膨らみますな。
446378:2007/03/20(火) 00:00:26 ID:???
スマソ、
>ちゃちを入れる
方言なんかな?それとも茶々を入れるの間違った訛りなんかな、
日常会話で普通に使ってたorz

適当に書いてるだけだから当て付けとかじゃないすよ、逆になかなか書かなかったり
するしwww

トウシンは無い、絶対にないwwwスマヌ、おいはホモネタ無理なんだorz

しかし、虐待の人すげぇな、文章が簡潔でしつこくないからサクサク読める。
逆においのは状況説明がしつこ過ぎて読みにくいと自分でも思いますorz=3
ようは簡潔な文章でも読み手に状況を想像させられる才能だよなぁ…

スレチ&雑レススマソ
447名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 02:28:09 ID:???
>378
アンタはすげえよ。あんな訳わかんないヒトのスレを引き継いで書いてんだから。
シリアルなのも良いが、二次創作はもう分かりやすく直球でいいと思っているおれに
とっては期待の物語だぜ!細かいとこなんか気にせずガンガレ!!
448名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 19:24:38 ID:???
シリアル食ったあとの残りの牛乳おいしくね?
449名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 01:03:19 ID:???
保守
450名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/02(月) 00:48:09 ID:???
保守&378氏ガンガレ
451名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/04(水) 11:54:46 ID:???
まだかな、まだかな?
452378:2007/04/04(水) 19:38:20 ID:???
スマンコってす
今週中には続き書きます

公私供に中々忙しくて…
投下時間が空いたからってクオリティ上がった訳ではありませんのでOrz
453名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/05(木) 21:37:52 ID:???
まぁ、この時期は何かと忙しいからな・・・
落ちるわけでもないし、気長に待ってます。
けど、貞コミック11巻が出る前には新ネタ投下してね♪(ブラックジョーク)
454名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/10(火) 00:15:30 ID:???
保守&378氏ガンガレ
455名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/15(日) 22:52:25 ID:???
保守しときます。
456名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/18(水) 07:36:43 ID:???
ほへへ
457378:2007/04/18(水) 22:40:29 ID:???
>>442続き

そんな事があった夕刻、ネルフの廊下を一人歩く赤木博士。両手に山の様な書類を手に
自室の研究室へと向かう最中、ふと白衣の裾を引っ張られた感覚に襲われる。
後ろを向くも、誰も見当たらない…。気のせいか、と思いまた前を向くと、またも誰かに裾を
引っ張られている事に気付く。しかし、やはり誰もいない。
「この近代科学の世の中に幽霊なんて…ねぇ」
冷や汗を数滴垂らしながら口元を引きつらせていると、今度は
「…せ…かせ……博士…」
とすすり泣くような声を背後から感じる。立て付けの悪い襖の様に首を回転させると、そこ
には頬を紅潮させ、リツコの裾を力なく引っ張り
「赤木博士…相談が………何故悲鳴をあげているんですか?」
と俯き加減の上目遣いで見詰めるレイの姿があった。

彼女の話はこうだった。最近、体調がおかしい。脈拍もおかしな程あがり、動悸がする。
故に睡眠不足、食欲不振などを引き起こしている。
その相談にリツコは微笑ましくも笑い、
「それはシンジ君の事を考えたりした時になるんじゃない?」
との問いにレイは顔をより紅潮させ、俯いたままちいさく頷いた。
「じゃあ、今晩、ミサトの家に晩御飯をお呼ばれしてるから、いい解決案を教えてあげる」
と老婆心からか、はたまた悪戯心からか、不適な笑みと共に、ファウストに囁きかける
メフィストのごとくレイに話を持ちかけた。

なんとかしてシンジを振り向かせたい。
458名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/18(水) 23:29:09 ID:???
新作、乙です。
リツコが何考えてるか大体わかるけど
ガンバレ! 綾波! シンジに甘えるんだ!
459名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/23(月) 18:23:03 ID:???
ぼえー
460名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/01(火) 22:52:11 ID:???
気長に待ってます
461名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/06(日) 03:59:35 ID:/5lR19N9
いかん!あげるぞ
462名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/14(月) 20:04:55 ID:UfnAnGpa
アッガーレ
463名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/24(木) 15:07:33 ID:???
ほす
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/04(月) 13:54:06 ID:???
ほす
465名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 16:56:27 ID:rnwoOiHs
やる気あんのか(#゜Д゜)ゴルァ!!
466名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/13(水) 13:27:52 ID:BwmIlUgy
やる気あんのか(#゜Д゜)ゴルァ!!
467きも澤ほも直:2007/06/13(水) 13:48:12 ID:???
ギャグボール付けて手首と足首に鎖つけて磔にするの
手術用の薄いゴム手袋に温感ローションをたっぷり塗ったら
シンジ君のお尻に中指を優しく出し入れするの
耳元で「お尻の力抜いて」とか「おっきくなってきたね、お尻気持ちいいの?」
とか言うの
シンジ君のおちんちんが大きくなったら首筋の動脈に麻薬を注射するの
十分に薬がシンジ君の中に廻ったら耳元でこう囁くの
「お前は要らない子」
「君に母親が居ないのは君がダメな子だからだよ」
「こんな事されて勃起するなんて最低」
シンジ君が泣き出したら激しいフェラチオで一気に絶頂へ誘う
口の中で発射を確認したらすかさず二回目のフェラチオ開始
今度はお尻も刺激しながらのフェラチオでイカせてあげるの
白目剥いて気絶するまでイクまで許してあげないんだからね
468名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/27(水) 15:28:01 ID:???
やる気あんのか(#゜Д゜)ゴルァ!!
469名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/07(土) 22:44:10 ID:???
ねーよ(#゜Д゜)ゴルァ!!
470名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/14(土) 18:37:47 ID:???
>>457待ち
471名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/14(土) 22:06:44 ID:???
期待wktk
472名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 15:11:55 ID:us4125O5
墜ちろ
473名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/12(日) 12:29:08 ID:???
>>457はもう来ないのかな?
474ケンスケ:2007/08/14(火) 11:51:07 ID:???
(*´Д`)ハァハァ
475名無しが氏んでも代わりはいるもの
待ち