霧島マナの日記

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14名無しが氏んでも代わりはいるもの
○月×日

今日もネルフ本部へ遊び……スパイへ行った。
最近は、IDカードも貰って出入り自由。
シンジたちとお茶しながらダラダラと暇をつぶす。
ジャンボチョコパフェをシンジと二人で食べさせっこしちゃった。
隣にいたアスカさんはムスッとしていたけど気にしない。
だって、私とシンジは恋人同士なんだもん。
って、日記の中くらい、そう書いてもいいよね。

諜報結果:
お父さん、じゃなくて、ネルフ総司令の首筋にキスマークを発見。
その形状・大きさから葛城三佐のものと思われる。
以上
15名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/10(木) 00:30:50 ID:???
何故そこでミサトなんだ?
16名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/10(木) 22:11:31 ID:???
×月△日

私は今、敵地に潜入中。
ネルフの独立行政市とも言える第3で碇シンジの監視を続行中だ。
なので、いつも一緒にいなければならない。
朝の登校も一緒だし、お昼も一緒に食べてるし、帰りも一緒。
本当は、一緒のベッドで寝たいけど、今はまだダメ。
シンジとはまだキスまで。我慢しなくちゃ。
そんなシンジとのすうぃーとらいふの邪魔をする天敵が私にはいる。
綾波レイ。彼女だ。
今日も一緒に帰ろうと思っていたのに、シンジは先に帰ってしまった。
後で、電話したら、

「えっ、マナが先に綾波と一緒に帰ってて、って電話したじゃない」

と言われてしまった。
どうやら、またもや天敵が私の声色を使ったみたいだ。
私と天敵は声質がうり二つ。
彼女はこの手を今まで何回も使っている。
もう、くやしいー
というわけで、今度は私が天敵の声色でシンジに電話をかけた。


なぜか、ネルフ総司令に説教された。
2時間も正座させられながら。
どうして?
17名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/11(金) 21:40:30 ID:???
保守age〜〜
18名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/11(金) 21:42:51 ID:???

          .'⌒⌒丶  好きよ シンジ
         彡从 从ミ
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ ソゝ^ヮ^v ゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
         ⊂ヽ∀)⊃
          <,/_|」>
           し'i_ノ
19名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/16(水) 12:11:52 ID:1ZaP5nNG
そうか
20名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/16(水) 12:24:13 ID:1dkf4QZ2
ニンテンドーDS トイザらスゴールド 発売決定
http://www.toysrus.co.jp/product/product_detail.aspx?skn=002811&pin=000&top_id=001

PS2:GuitarFreaksV & DrumManiaV(仮)4月頃発売予定みたいです
http://blog.livedoor.jp/od3/archives/50197787.html

第23回次世代ワールドホビーフェアが1月15日の大阪大会を皮切りに全国で開催されます。
http://namco-ch.net/event/2006/wh2006/index.php
21名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 00:55:15 ID:???
もうだめぽだね
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 03:39:24 ID:???
バレバレの諜報活動に目をつぶって貰えなくなったか。使徒でも来たのかね?
23名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 11:55:02 ID:???
△月〒日

学校帰りに、戦自時代の友達だったケイタとムサシ・リー・ストラすはんばーぐ?
と出会ってしまった。
シンジと一緒だったから二人を紹介。
二人から秘密の話があるというので、シンジと泣く泣く別れた。
一緒にカニバーガーを食べに行くはずだったのに。
ちょっと二人にムッときた。
でも、別れ際、シンジが何度も私へ振り返ってくれたのがとってもうれしい。
と、私のはっぴーな気分をぶち壊す話が二人の口から出た。
なんでも、訓練が嫌になって二人は戦自を脱走してきたらしい。
それだけならまだしも、私も一緒に付いてきて欲しいと。
どうして、私が? まさか、イヤらしいことを考えているんじゃ。
私はバタンと勢いよく席を立ち上がって、

「ムサシ、ケイタ! あなた達、ちょっとぐらい訓練が嫌になったからって逃げるの?
そんな弱い人たちだったの? 見損なったわ」

と言ったら、ムサシが、

「マナになんか言われたくないよ。なんだよ。その幸せそうな顔は? そっきからチョコパフェ
やケーキやアイスをパクパク食べて。俺なんて、昨日はアンパンしか食べてないんだぞ」

ムサシの言葉に私はハッとさせられてしまった。
私は二人をおいて喫茶店から出ると、ダッシュで家に戻った。
そして、服を全部脱ぎ、ヘルスメーターの上に乗った。

orz

第三に来る前と比べて、○kgも・・・
とりあえず、夕ご飯は食べないでもう寝ます。
24名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 16:45:05 ID:???
>>23
ぷにマナGJ!
この調子でぜひ続けていってくだされ!
25名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/22(火) 03:06:53 ID:???
ほしゅ
26名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/24(木) 22:46:12 ID:???
△月◆日

昨夜、御殿場の方で巨大ロボットが大暴れしたとかなんとか怪獣映画のような
ことがあったみたいだけど、今の私にとってそんな些細なことはどうでもいい。
問題は、どうやって以前のベスト体重まで戻すか。それだけよ。
とりあえず、ダイエットをしたけど、・・・お腹が空いて死にそうだった。
だから、これは駄目。
シンジにも心配かけちゃったし。
今日、体育の授業で倒れてしまった。
シンジにおんぶで保健室へ連れて行ってもらったのはうれしかったけど、反省。
そんなこんなで放課後、シンジやアスカさんたちと一緒にネルフ本部へ行った。
シンジたちはエヴァの訓練。
私はスパイ仲間の加持さんと本部内のカフェでお茶しながらシンジたちを待っていた。

「加持さん、スイカは食べれられるくらい大きくなりましたか?」
「う〜ん、そうだな。まだまだというところか。まだ、マナちゃんのおっぱいくらいかな。
いや、お腹くらいには育ったか」
「★♂□△◎」
「うっ、げほっ、」

思いっきり加持さんへ顔面パンチを食らわせた。
私はまだ胸が小さいけど、いくらなんでもお腹は酷すぎる。
あんなセクハラ発言は許せない。
でも、お腹の肉は指でつかめちゃうのよね。
ぐすん。

それから加持さんに聞いた話では、昨夜の騒ぎは戦自のトライデントとJAが
格闘戦をしていたみたい。
最後はエヴァ初号機がその二機を木っ端微塵にやっつけたらしいけど。
綾波さん、さすがね。
27名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/24(木) 23:34:51 ID:???
(σ・∀・)σイイヨ-
28名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/26(土) 00:06:36 ID:???
△月♀日

突然だった。
私、霧島マナちゃんは戦自を首にされてしまいました。
じ、えんど
天涯孤独の私は路頭に迷いました。
スパイの報告書が間違いだらけだったそうです。
ほわい? なぜ?
シンジの零号機も写真に撮って送ったのに。
そんなわけで芦ノ湖の畔にある家からも追い出されてしまいました。
なぜか湖の中からトライデントに乗って現れたムサシに逃避行を誘われたけど、
目つきがイヤらしかったら速攻で断った。
その後、夕暮れ時、途方に暮れた私が公園でブランコに乗っていたら、

「マナ、たい焼き食べない?」

と言って、不意に現れたシンジが隣のブランコに座った。
たい焼きはシッポの方まであんこが入っていて、
いつの間にか、シンジが私の右手を握っていた。

「帰ろう。今夜はマナの大好きなカレーなんだ。豚肉と野菜がたくさん入っているから」
「シンジ、わたし・・・」

シンジはニコッと微笑んで、私は何も言えなくなった。
たい焼きの甘さの中に塩辛さが混ざってしまったけど、この美味しさを
私はいつまでも心の中に留めておくだろう。
シンジ、ありがとう。
大好き。
29名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/26(土) 12:49:52 ID:???
>>28
お、オリジナル分岐モノ?
こっからマナもコンフォートの一員となるわけですな。
漏れとしてはひじょーに気になる展開…
続きよろしくおながいしゃす。
30名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/26(土) 16:32:03 ID:???
LMS展開キターー!!
31名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/26(土) 16:45:56 ID:???
>>23

Before
.'⌒⌒丶
彡从 从ミ
ソゝ^ヮ^ν
(ヽ∀/) 
</|__|_> 
し'l_ノ  

After
   .'⌒⌒丶
  彡从 从ミ 
   ソゝ゚∀゚v_
  ⊂| |∀| |⊃
   /___ゝ
   (_)_)
32名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/28(月) 22:53:40 ID:???
△月◎日

私は今、葛城さんの家でお世話になっている。
と言っても、昨日から。
昨夜は訓練でアスカさんがいなく、葛城さんとシンジと3人で過ごした。
そして、今日の昼頃にアスカさんが帰ってきた。
アスカさんは私を邪険にするわけでもなく、

「ミサトから聞いてるわ。あんたも大変ね」

と言って、私がここにいることを認めてくれたようだった。
今までが今までだから、まだアスカさんとはぎこちないけど、近いうちに仲良くな
れそうな気がする。きっと
夕食はすき焼きだった。
アスカさんのリクエストで関西風。
私は関東風の牛鍋が好きなんだけど、今はまだ我慢。
そして、シンジがお風呂に入っている時だった。
アスカさんに右手を引っ張られながら、部屋の中に連れ込まれた。
顔を真っ赤にしながらアスカさんは、

「この家で一番えらいのはアタシよ。わかる?」
「・・・うん」
「この家のものは全部アタシのもの。全部よ、全部。だから、アンタは・・・」
「・・・??」
「アタシのものには絶対に手を出さないでよ!」

と大声で言うと、私を部屋から追い出してしまった。
まさか、昨日、一つだけ残っていたプリンを食べちゃったのがバレたの?
って、そんなことじゃないわよね。
たぶん、きっと、・・・
でも、これだけはアスカさんに譲れないわ。
勝負よ。アスカさん。
33名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/29(火) 01:58:43 ID:???
>>32キタコレ!!!!GJ。
これからのアスカとマナのバトル的展開が楽しみっす。
続き期待しとりやす!

って、マナマナはさりげなく牛鍋食べちゃってだいじょぶ?たいjうゎなにをすtrident亜qwせdrftgひゅじこlp;@
34名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/30(水) 00:40:51 ID:???
シンジが零号機、レイが初号機担当なんだね。
新鮮でいいかも。
35名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/01(木) 22:21:01 ID:???
△月μ日

今日も放課後はシンジたちと一緒にネルフ本部へ遊びに行った。
ホントだったら、シンジたちが訓練している間は、私は本部前の公園とかで
時間をつぶしているんだけど、葛城さんが「見学してみない?」ということで
管制室でみんなを見守っていた。
えんとりーぷらぐ?の中で、みんな目を瞑って集中している。
ハーモニクスとかシンクロとか難しい言葉が飛び交う中、私の意識は一点に
注がれていた。
そう、お父さんに。ひげモジャだけどね。
怖い顔で黙ってシンジたちをお父さんは見つめていた。
でも、私は知っている。
お父さんと葛城さんが時々、目を交わしあっていることを。
二人はデキているのだ。
両方とも独身だから問題ないけど、シンジと結婚したら、葛城さんがお母さんに
なるのだろうか。うーん、複雑。

それはともかく、赤木博士に私はずっと睨まれていた。
もう視線だけで人を殺せるんじゃないかってくらいに
私、赤木博士に何か悪いことをしたのかな?
全然、覚えがない。
困った。

その後、訓練が終わってから、シンジの零号機を見せてもらった。
何度見ても紫色の鬼にしか見えないわよね。
角もあるし。
36名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 01:23:15 ID:???
>>34 よ〜く読んでみ?わかって言ってるんなら(´・ω・`)ヤメテクレヨ
37名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 04:10:56 ID:???
自衛隊が持ってる情報に誤りがあるのか。
だからマナは紫の鬼を零号機と呼んでいるんだな?
38名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 13:56:13 ID:???
単なるマナの勘違いだろ
39名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/03(土) 00:13:52 ID:???
Φ月¥日

それは私が朝のシャワーを浴び終わって、脱衣所に戻った時だった。
ドアがバタッと開き、長い金色の髪が舞った。

「あ、ごめん。気づかなくって」

と、アスカさんは謝った。
けれど、アスカさんは出て行こうとせず、下着姿の私をまじまじと見ている。

「あ、あの。どうかした?」
「んー、あんたさ、初めて会った頃より、身体、丸くなった?」
「……っ☆○!!」
「っていうか、ちょっとは気をつけた方がいいんじゃない」

と言って、哀れみの眼差しで私を見つめた後、ここを出て行った。
わかってる。そんなことはわかっているわよ。
ヘルスメーターは怖くてずっと乗っていなかったけど、鏡の中の姿を見ればわかる。
でも、シンジが悪いの。
だって、ごはんが美味しいんだもん。
ここに来るまではコンビニ弁当ばかりだったから、シンジが私のために作ってくれる料理
だと思うと、涙が出そうになるくらいうれしくって、美味しくって、残すなんてもったいなくて。
せめて、ご飯は茶碗一杯だけにしようと決めた。決めました。
そう思って、朝ご飯は少なくしたのに、

「あれ、マナ、どこか悪いの? それとも、今日の朝食は美味しくない?」

なんてシンジが言うだもん。
だから、ご飯をお代わりしてしまった。orz

この日、私は水泳部に入部した。
40名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/04(日) 13:20:20 ID:???
>>39GJ!!
そして…、
夜、カップルが芦ノ湖周辺を歩いていると
バシャ、、、バシャ、、
女「な、何?」
男「大丈夫だよ、なんも心配すんなよ。」
…マダタリナイ、、、マダニクガ、、、コロシテヤル!!!
カップル「「ぅひゃーーーーーー!!」」(脱兎)

マナ「このお肉をどうにかして殺したいよぉ〜。このままじゃシンジに嫌われちゃう…!」
芦ノ湖でひたすら泳ぐマナマナ。
41名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/05(月) 23:02:12 ID:???
Φ月☆日

今日、クラブ活動が終わって家に戻ると、シンジが夕ご飯の用意をしていた。
アスカさんと葛城さんはまだ戻っていなく、私はキッチンでシンジの手伝いをした。
なんとなくいい雰囲気。
ちょっぴり新婚さん気分を味わいながら、お味噌汁の塩加減を見ていた時だった。

「マナ、水泳部に入ったんだよね」

と、シンジが聞いてきた。私は味見をしていた皿を置くと、

「うん、そうだよ」
「……いいな。僕、泳げないから、水泳が上手な人に憧れているんだ」
「シンジ、泳げないの?」
「はは、情けないよね。中学2年生なのにさ」
「ううん、そんなことない。あっ、そうだ。シンジも一緒に水泳部へ入らない?」
「えっ!!」
「大丈夫。私が手取り足取り教えるよ。それに、私の水着姿も見放題だよ」

そう私が言うと、シンジは顔を真っ赤にして、

「マナとは一緒に温泉に入ったことがあるから」

と言った。アレは初めてのデートでのこと。そして、私たちのファーストキス。
私とシンジはお互いに顔を真っ赤にしながら見つめ合った。くちびるが徐々に近づく。が、

「はーい、そこまで」

と、葛城さんの声がかかった。
ニヤニヤしながら葛城さんは私たちを見て、アスカさんはムスッと頬を膨らましていた。
私とシンジはさっと離れると見つめ合い、そしてクスッと笑い合った。
キスできなくて残念だったけど、今の暮らしはとっても楽しいと私は思った。
42名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 00:42:18 ID:???
あげてしまえ(´・ω・`)
43名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 06:34:44 ID:???
このスレを見ている人って、どれくらいいるんだろう
44名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 21:50:29 ID:???
予想以上に誰もいなかったみたいだ
45名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 22:06:06 ID:ghPh4Wy+
ちゃんとみとるがな
46名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 22:12:32 ID:yr43DwM5
>44 君は一人じゃない
47名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/09(金) 22:01:18 ID:7E1BAJHa
だめスパイなところもよかったが、
今の感じもいいな。
48名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/09(金) 23:43:40 ID:???
おお 良スレだな
お気に入りに登録っと。
49名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/10(土) 01:03:22 ID:???
マナたん(;´Д`)ハァハァ
50名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/12(月) 21:09:53 ID:???
Φ月△日

私は無職の中学生。保護者はいない。
このまま葛城さんの好意に甘えていていいのかなと思っていた。
そんな時、夕食を前にいただきますと言う寸前、葛城さんが、

「マナちゃん。我が家の家訓に『働かざるもの食うべからず』というのがあるの。
シンジ君もアスカも一応、ネルフで働いている身分なのよね」
「・・・そうですよね。私もずっと気になっていました。明日、アルバイトを探します」
「うーん、そのことなんだけどね」
「・・・」
「マナちゃん。ネルフで働いてみない?」
「えっ、エヴァのパイロットですか?」

と、私は目を輝かせたが、

「いや、そうじゃないわよ。まあ、中学生だから、奨学生っていう身分なんだけどね」

一瞬、シンジたちと同じエヴァのパイロットになるのかとすっごく期待したんだけど。
じゃあ、なんなんだろう。私の得意なことと言えば、

「葛城さん、もしかして、戦自へスパイしろって言うんじゃ。私、嫌です。
もう、あんな仕事したくありません」
「いや、誰もマナちゃんにスパイなんて期待してないから。これっぽっちも」

と、とっても嫌そうな顔で葛城さんは言った。
周りを見回すと、なぜかシンジとアスカさんがウンウンと肯いていた。
それはともかく、私の得意なことなんてスパイ家業と食べることくらいだし、
いったい何なんだろう。
う〜ん、謎ね。
51名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/12(月) 21:12:26 ID:???
良スレだな。保守保守
52名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/13(火) 02:00:54 ID:???
イイ!続きが楽しみだ
53名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/14(水) 23:50:03 ID:???
Φ月⊃日

戦自のスパイだったのはもう過去のこと。今の私はネルフの一員。
と言っても、シンジたちみたいなチルドレンではない。
エヴァの訓練や怪獣との戦いなどで忙しいチルドレンをサポートするのが私のお仕事。
例えば、シンジたちが早退したり休んだりした時に授業のノートを取ったり。
今までは、逆にシンジからノートを見せてもらっていたりしたから、けっこう大変。
でも、おかげで勉強がよくわかるようになった。
今日も、シンジたちがネルフ本部で訓練している間に、ウチで家事をしていた。
掃除、洗濯に、お夕食の準備とまるでシンジの奥さんみたい。てへっ☆
ところで、シンジはブリーフ派なのよね。
・・・う〜ん、なんだか頬が火照ってきちゃった。
と、まあ、そんなわけで、みんなが帰ってきてから遅い夕食をとっている時だった。

「マナちゃん、明日、ネルフの仕事で学校を休むことになるけど、いい?」

と、葛城さんが訊いてきた。
私はお味噌汁の塩加減を間違えたかなと考え事をしていたので、まぬけな声で

「ほへっ? 明日ですか? ・・・もしかして、使徒が来たんですか?」
「うーん、ちょっち違うかな。だいたい使徒が来たら、こんな風にのんきにご飯なんて食べてらん
ないわよ。で、実はね。マナちゃん、トライデントって覚えている?」
「・・・あっ、あー。はい、もちろん覚えてますけど」

本当はすっかり忘れていたけど、ムサシの乗ったトライデントがまだ逃亡中だったのを思い出した。

「でも、最近、ニュースであまり聞きませんね。もう1ヶ月くらい前でしたっけ?」
「正確には36日前よ。そのトライデント、今は沖ノ鳥島付近で遭難しているのよね。で、私たち
ネルフがエヴァで助けに行くというわけ。マナちゃんにもちょっち手伝ってもらいたいのよ」

その瞬間、私の灰色の頭脳はもう回転を始めた。水着は何にしよう。お弁当も作った方がいいかな。
なんたって、明日はシンジと南の島で海水浴だもんね。
54名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/17(土) 02:03:00 ID:???
マナたんキター
イイ感じだね
55名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/18(日) 21:21:50 ID:???
Φ月Å日

横須賀から一昼夜かけて、私は今、大海原の上にいる。
空母オーバーザレインボウの甲板は広く、その真ん中にエヴァが横たわっている。
青いエヴァが。

「どうして、あなたがいるの?」

もう何度目かわからないほど、この問いかけを私は綾波さんにされていた。
そんなこと、私の方が言いたいくらい。どうして、シンジじゃなく綾波さんなの?
南の島でのロマンスはどこ?
と、そんなことより私はもっと緊急事態に陥っていた。

・・・「うぷっ、」
「マナちゃん、大丈夫?」
「・・・ちょっとは慣れたけど、まだ少し・・・」
「あんまし揺れていないんだけどねえ。体質かしら」

と葛城さんは言うけど、私は船酔いで大変な状態だった。
シンジもいないし、もう帰りたい。
だいたい、ムサシがいるところまでヘリで来ればよかったのよ。
でも、シンジとずっと一緒だと思ったから来ちゃったのよね。ぐすん
ところで、今どこだろうと思って、私は葛城さんに訊いてみた。

「あの、まだ沖ノ鳥島には着かないんですか?」
「あー、もう着いたわよ」
「えっ、どこ?」
「だから、この真下。セカンドインパクトで海面が上昇したでしょ。で、海の中に
沈んじゃったのよね」

ちなみに、ムサシのトライデントは抵抗することもなくエヴァに捉えられた。
私は出番無し。こんなことなら、シンジとデートしてればよかったよぅ。
56名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/22(木) 04:49:45 ID:???
いいねいいね
マナたんガンガッテね―
57名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:07:51 ID:???
ほしゅ
58名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:32:27 ID:???
12月25日

今日はクリスマス。
昨日はクリスマス・イヴ。
でも、私は今、ひとりでマンションの部屋にいる。
シンジや葛城さん、アスカさんは昨日からネルフ本部へ行っていて、まだ戻ってこない。
葛城さんからの電話では何かトラブルが起こったということで、帰れないとのこと。
事情を聞くために昔のスパイ仲間である加持さんへ電話したら、MAGIが乗っ取られたの
どうのと、とても慌ただしかった。
仕方がないから、私はダイニングのテーブルを前にずっと座っていた。

「お母さん、」

気づいたら、そう呟いていた。
お母さんが元気だった頃のことをふと思い出した。
私は母子家庭の一人っ子で、いつも仕事から帰ってくる母を一人で待っていた。
それはクリスマスイヴの日も同じで、夜遅くまで待つのは毎年のことだった。
なんとなく、今の私はその時の気持ちと同じ。
クスッと、私は小さく笑った。
そんな気持ちになるなんて、みんなが家族になったということなのかなと思った。
なんだか心が温かくなるような。
と、その時、ピンポーンとチャイムが鳴った。
もう昼下がり。
シンジたちが帰って来たと思って、私はスリッパの音を立てながら玄関へ向かった。

「綾波さん、」
「・・・」

玄関の前に立っていたのは綾波さん。
59名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:34:34 ID:???
あまりにも意外な人が来たことに、私は放心状態になっていた。

「どうしたの?」
「あっ、ううん。綾波さん、いらっしゃい。さあ、入って」

と言ったら、綾波さんは私に右手を向けた。

「これ、」
「クリスマスケーキ?」
「そうらしいわね」
「どうして?」
「クリスマスにはケーキを食べるんでしょ?」
「うん、」
「なら、問題無いわ」

綾波さんがケーキを買ってきてくれたことに、私はとってもうれしくなって、

「あ、ありがとう」
「・・・いい、安かったから。半額だもの」

その答えにはちょっとずっこけちゃったけど、やっぱりすっごくうれしかった。
それから綾波さんとふたりでシンジたちを待っていたけど、気まずさはなくて、
ぽつぽつと話しをしたりした。
60名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:36:18 ID:???
「みんな、遅いね」
「そうね。でも、すぐに帰るから、私にここで待っているようにと葛城3佐は言っていたわ」
「ねえ、綾波さん」
「・・・なに?」
「綾波さんはシンジのことが好きなの?」
「碇君は私が守るべき人。司令にも頼まれたもの」
「えーと、なにを?」
「碇君とこれから一生ずっと一緒にいるようにって。孫の顔も見たいと言っていたわ」
「・・・」

あの髭は何を言っているの、と私は頬をピクピクさせていた。

「あ、綾波さん。それって、命令ってこと?」
「命令? そう、そうかもしれない。でも、碇君と一緒にいたいのは私の気持ち」

と言って、綾波さんは頬を薄く染めた。
その恋する少女のような表情に、私は見惚れるのと同時にとっても焦った。
もし、この調子で綾波さんがせまったら、シンジはくらくらっとなっちゃうかもと。
と、その時、

「ただいま〜」

と、玄関から声が聞こえた。
この声はアスカさん。すぐに、そっちの方から足音が聞こえて、リビングで炬燵に
入っている私たちへアスカさんは顔を出した。

「あら、ファースト。もう来てたの?」
「・・・お邪魔してるわ」
61名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:37:54 ID:???

アスカさんと綾波さんは暫しにらみ合うようにしていて、私はハラハラしていた。
しかし、アスカさんはすぐに笑顔を戻すと、

「まあ、いいわ。今日はクリスマスだもんね。アンタとも今日くらいは仲良くして
あげるわ。で、ハイ。ケーキ、買ってきたわよ」
「えっ、!」

アスカさんは炬燵の上にケーキを置いた。それも特大のフルーツケーキ。
ちなみに、綾波さんが買ってきたのはチョコレートケーキだ。

「帰りにケーキ屋さんの前を通ったら、バーゲンセールをしていたのよ」

と言ってアスカさんは微笑むけど、私はちょっと悩んでいた。
でも、今日は綾波さんもいるし、何とかなるかなとも思っていた。
そして、炬燵に入って顔を合わせている私たち3人娘。
やっぱり空気は和やかで、蜜柑を食べていたりしていた。
さっきの綾波さんのこともあり、私はアスカさんに本当の気持ちを訊いてみたくなった。

「アスカさん、」
「あによ?」

と、蜜柑で口をモグモグさせながらアスカさんは私を見る。

「アスカさんはシンジのことが好きなの?」
「ぶっ、」

アスカさんは驚き、吹き出してしまった。
おかげで私の顔には蜜柑の粒がいっぱい。
でも、アスカさんはそんなことに気づく余裕もなく、
62名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:39:57 ID:???

「あ、あ、アタシがバカシンジなんて好きなわけないじゃない」
「碇君は馬鹿じゃないわ」

と、すかさず綾波さんが口を挟む。

「バカよ。それも大バカ。あんなバカ、アタシが好きになるわけ無いじゃない」
「碇君は馬鹿じゃないわ」
「バカって言ってるでしょ」
「アスカさん、綾波さん、ケンカは止めましょう。今日はクリスマスなんだから」
「そうね、」
「・・・」

一瞬、険悪な空気になりかけたけど、それはすぐ元に戻り、でも私はもう一度きいた。

「じゃあ、アスカさんはシンジのことが好きじゃないんだ?」
「そうよ。あったり前じゃない」
「・・・」
「でも、シンジはアタシのものよ。シンジは私の下僕。だから、誰にも渡さないんだから。
いい、アンタたちもそこんとこ、よーく肝に銘じておきなさい」
「いや、」

と、綾波さんが間髪入れずに答えた。

「碇君と一緒にいるのは私。あなたじゃないわ」
「なんですって!」
63名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:42:19 ID:???

それから綾波さんとアスカさんの口論が始まり、でも、それはけして険悪なものでなかった。
なんだか、普通の女の子同士が好きな男の子のことで争っているような。
って、私たちは普通の女の子だよね。
だけど、シンジって、意外にもてるのね。それも美人に。
私もちょっとは可愛い方かなと思っているけど、アスカさんたちはアイドル並みだもんね。
負けちゃいそう。
でも、頑張る。一応、私がシンジの彼女だもん。
・・・そう思って、いいんだよね。
ちょっぴり私の胸が苦しくなって、両手で胸の谷間を押さえた時、

「たっだいまー」

と、元気な葛城さんの声が玄関の方から聞こえた。
そして、葛城さんはリビングに現れて、

「マナちゃん、ひとりで留守番させてゴメンねー。お詫びにハイ、ケーキよ」

と言って、炬燵の上にこれも特大のケーキ箱を置いた。
二人の言い争いも止まり、私とアスカさんは無言で目線を交わしあった。
その後、炬燵に入って顔を向けあっている私たち3人娘+1お姉さん。
炬燵の上には3つのケーキ箱が並んでいる。

「ミサト。どうすんのよ? これ?」
「だって、仕方ないじゃない。安かったんだから。半額よ、半額」
「・・・私も半額で買ったわ」

リビングに嫌な沈黙が流れ、それに耐えられなくなった私は、
64名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 23:44:42 ID:???
「葛城さん、シンジはまだなんですか?」
「あ、うん。シンちゃんは料理の準備をするから、スーパーに寄って行くって」
「・・・ハッ、ミサト! シンジに今すぐ電話!」
「アスカ、どうしたのよ?」
「いいから電話よ!」
「だから、どうして?」
「アンタ、バカぁ? シンジのことだから、絶対ケーキを買ってくるわよ」
「あっ、まずいわ」

と言って、葛城さんがケータイをバックから取り出した時、

「ただいま」

と、シンジの声が玄関から聞こえた。
嫌な汗を額に浮かべて見つめ合う私たち。
そして、

「みんな、待たせて、ごめん。すぐに料理を作るから」

と言いながら、シンジがリビングに現れた。
シンジは顔をニコニコさせながら二つの箱を持った両手を上げて、

「クリスマスケーキを買ってきたよ。昨日、マナには寂しい思いをさせちゃったから
お詫びに大好物のチーズケーキも買ってきたよ」

私はうれしさとうれしさとちょこっとだけ困惑の混ざった涙を目に溜めていた。
その後、クリスマスパーティーが開かれて、ローストチキンなどクリスマスならでは
料理をたくさん食べた。
そして、私たちの前には一人一個のクリスマスケーキが・・・

美味しかったけど、もうしばらくはケーキを見たくもないような。
あと、ヘルスメーターも見たくないよー。
65名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 01:13:57 ID:???
>>58-64
ぷにまなGJ!!
はれむ展開気味でいいよいいよ盛り上がってまいりますた!
つーかマナは、痩せることできるのkうわなにをするくぁwせとぅらいdんと?ふじこlp@;
66名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 09:50:15 ID:???
>>58-65
GJ!!
もっと投下してくだはい。
67名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 22:13:55 ID:???
ほのぼのしてて良いですな。
寒い日もこれで心はあったかぽかぽかです。
68名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 22:50:09 ID:???
           _,,.、 -――- 、__
       _,、‐''´.:.::::::::::::::::::::::::::::.:.`丶、
      /.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:\
   /:.:.:.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.: : : : :ヽ
  /:.:.:::::::::::;イ!|i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.: ::::'、
  / :::::::::::::/ | l l:::::::::::::l|'; ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
  l:::::::::::::||!  ! l l:::::::::::| !';_::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::::',
  |:::::::::::::|!  !  ~´ ̄___ ̄`!::::::::::::::::|::::::::::::::i
  !、::::r'"´_    ‐,ニ-;_ー- 、` l::::::::::::::::| ::::::::::::::l
   ';::::!ニ‐_.、  r'   'ヘメ`!:、ヾl::::::::::::::::!\::::::::::::!
   ';::!', ,ハrY-‐ト、  ‐`┘ j|:::::::::::::::lヘ /:::::::::::l
    ';l: i` '‐リ  ヾ、 _ __,、 '´l:.:.:::::::::::lイ/:::::::::::::::!
     'ゝl -く            l: :.:.:.:.:::::!'´::::::::::::::::::l
     ';:ヽ    _,,.    /: :.:.:.:::::/::::::::::::::::::::::::l
     i: ::\ `¨  ・   /:.:.:.::::::::/ :::::::::::::::::::::::::',
       ! :.:.::::\      /::::::::::::::/|::::i;::::::::::::::::::::::::',
      l:.:.:::::::::::::l'‐-‐ 7:::::::::::::/ |::::l';:::::::::::::::::::::::::',
       !::::::::::::::::l   /::::::::::/‐'" !:::l ';:::::::::::::::::::::::::',
        !::::::::::::::::l/;:、- '´     !:::l ';::::::::::::::::::::::.::',

「私にも出番を下さい (;ω;)」
69名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 00:36:37 ID:???
良スレ発見!!いいなぁここ
70名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 12:09:49 ID:???
>>68
キモス
71名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 20:31:02 ID:???
出てほしい気もするし、下手にキャラ増やしてごちゃごちゃさせてもな、という気もする。
72名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 21:53:15 ID:???
12月ν日

年末の忙しいような気分の時に、シンジのお父さん、ネルフ総司令に呼ばれた。
シンジとスーパーへ買い物に行こうとしていたのに。ぶぅー
そんなわけで、ピラミッドのような本部の最上階へ私は行った。
どう見ても悪趣味なインテリアの部屋で、私とお父さんとあまりよく知らない
お爺ちゃん(副司令らしい)が向かい合っていた。
長い長い沈黙の後、お父さんが口もとで両手を組みながら、

「ストラスバーグ君は、ネルフで預かることになった」
「・・・・・・?」
「向こうも表沙汰にはしたくないらしい」
「・・・・・・あ、あー」

と声を出して、私はポンと掌を叩いた。
ストラスバーグと言うから一瞬、誰だかわからなかった。
っていうか、今まですっかり忘れていた。ごめん、ムサシ。

「暫くしたら、君達と同じように生活できるだろう」
「でも、どうして、そこまでしてくれるんですか? 私だって元スパイなのに」
「人類補完計画。君もスパイとしてネルフを内偵していたのだ。知っているだろう」
「・・・・・・?」
「私はユイの理想を実現させたかった。また、それが再び会うための手段でもあった」
「・・・・・・?」
「だが、しかし、それも儚い希望に過ぎなかった。実現不可能な夢だったのだ」
「・・・・・・?」
「今は、ただ、シンジの未来を守るのみだ。そこで君に戦自との橋渡し役を頼みたい」
「戦自ですか?」
「そうだ。君には表の顔となって、世論を誘導してほしい」

ここで、お爺さんが口を開いた。
73名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 21:55:48 ID:???

「具体的には、君に広報活動をしてもらいたいのだよ。戦自とネルフの友好関係の
証として、君が戦自からネルフへ交換奨学生として活躍しているとね」
「はぁ、」
「委員会とはこれからも化かし合いは続くだろうが、国連上層部へも既に手は打って
ある。山岸博士のネルフ派遣は、その第一歩だよ」
「・・・はぁ」
「私もユイ君の夢を見てみたかったが、無理なものは仕方がない」
「・・・?」
「人類補完計画は必ず防いでみせよう」
「・・・? あのー、少しいいですか?」

どうしてもわからないことを聞いてみようと、私は声を出した。

「人類保管計画って、何ですか?」
「「なにっ!」」

お父さんとお爺さんは驚いたように大声を出した。
濃いサングラスの奥にある目がギョッとしたように大きく見開いたような気がする。

「君は知らないのか?」
「ええ、」
「加持1尉とも懇意なのだろう?」
「はあ、少しは。でも、人類保管計画なんて、いま初めて聞きました」
「「・・・」」

お父さんたちは暫く絶句していた後、二人で何やらひそひそ話を始めた。
そして、見た目には冷静に、でも額には汗の珠が浮かばせながら、
74名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/28(水) 21:57:45 ID:???

「今の話は無しだ」
「へっ、?」
「私は何も話していない。君も何も聞いていない」
「えっ、ええっ!? あ、あの、じゃあ、ムサシは?」
「それは話した」

私はピーンと来た。
たぶん、お父さんたちは超重要機密を私に話してしまったのだ。
だったら、私にも考えがある。私はポツリ呟くように、

「・・・綾波さん、」
「ん、レイがどうした?」
「変なことを綾波さんに吹き込むのは止めてください。孫の顔が見たいとか」
「うっ、」

お父さんは顔を真っ赤にして、隣に立っているお爺さんは笑い出しそうになるのを
必死にこらえていた。

「別に綾波さんへどうこうというわけじゃなく、とにかくよけいな命令はしないでく
ださい。綾波さん、純粋だから、本当にしてしまうかも」
「・・・わかった。善処しよう」
「絶対ですよ」
「・・・うむ、」

私はちょっとだけ頬を緩めた。
これで少なくとも綾波さんとは対等の立場よね。
人類保管計画がなんだかよくわからなかったけど、戦自や国連の方ともネルフは
これから仲良くなるようだし、ムサシもほとんどお咎め無いようだし、ばっちぐーね。
もうすぐお正月。
平和なんだし、みんなで温泉とかに行きたいなぁ。
75名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 08:51:49 ID:???
うううううううううううんこお
76名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 22:27:49 ID:???
>>74
笑った。

でも考えてみたら「人類補完計画」という名前は大層だけど、あの計画って
確かにそんなありがたいものじゃないよな。
77名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/30(金) 04:31:24 ID:???
GJ!
78名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/30(金) 15:15:16 ID:???
職人乙!続き期待sage
79名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 00:26:46 ID:???
12月31日

今日は大晦日。一年で最後の日。そして、明日は新しい一年の始まり。
思えば、今年はいろいろなことがあった。
シンジと出会ったし、この家で新しい家族が出来たし、本当に幸せだった。
・・・戦自は首になっちゃったけどね。
でも、やっぱり今年はいい一年だったと思う。
そんなことを考えながら、みんなで家の中を大掃除して、その後、コタツに入って
私たち女の子3人?はおしゃべりをしていた。
ちなみに、今の日本に冬はないけど、お正月の気分を出すためにコタツを使うと
ミサトさん(まだちょっとこの呼び方は照れるなぁ)は言っていた。
シンジがスーパーで年越しのお買い物へ行っていて、今は私たちだけ。
拳くらいの大きさの温州ミカンを食べながらアスカが言葉を出した。

「シンジって、自分の部屋が無いのをよく我慢してるわねぇ」

そう、私は以前シンジが使っていた部屋を自室にしている。
他に空き部屋がないシンジはリビングに布団を敷いて、毎夜、寝むっていた。

「私の部屋はシンジと一緒でいいのに」

と、私はボソッと言った。
すると、アスカがギロッと私に睨みをきかせて、

「アンタ、バカぁ? 男女5歳にして同衾せずというでしょ。そんなの絶対に駄目」
「う〜、」
「だけど、ホント、シンちゃんはアレをどうしているのかなぁ?」

と、ミサトさんはミカンを口の中いっぱいに頬張りながら言った。
私とアスカは何のことなのかちっともわからなくてキョトンとしていた。
80名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 00:28:32 ID:???
「アレって、何ですか?」

と私が訊くと、ミサトさんはニヤッと嫌らしい笑いを浮かべて、

「そりゃあ、アレと言えばアレよ」

と言って、何かを掴むように右手を握って縦に振り始めた。
その瞬間、私は何のことか理解した。
向かい側に座っているアスカもわかったのか、顔中を真っ赤にしていた。
たぶん、私の顔も桃色に染まっているだろう。

「ミ、ミサト。何バカなこと言ってんのよ」
「でも、アスカ。疑問に思わない? いったい、いつどこでしているのか。
中学生なんて、そりゃあ、ヤりたい盛りのはずよ」
「ミサト、不潔」
「なあに言ってんのよ。アスカだって、もう少しすれば経験するのよ。
もしかすると、大好きになっちゃうかもよ」
「アタシは!、そんな汚らしい大人になんかならないわよ!」

と、アスカは大声を出した。
私は恥ずかしさで何も話せずに、ただ黙って二人のやり取りを聞くだけだった。

「まあ、まあ、アスカ。そんな興奮しないで。話を元に戻すけど、シンちゃんは
毎日、悶々としているはずよ。なんたって、この家には二人の美少女と、この
ナイスバディで絶世の美女である私が住んでいるんですもの」

と私たちへ見せつけるように、ミサトさんは大きな胸を反らした。
私とアスカはそれを唖然としながら見ていたけど、

「でも、シンジはそんなにエッチじゃないと思います」

と、私は小さく反論した。
81名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 00:30:13 ID:???

「そうかなぁ。シンジ君って、けっこうエッチだと思うなぁ。それに、」

とミサトさんは言いかけて、私を嫌らしい目で見つめた。

「最近、マナちゃんは露出が激しいから」
「・・・!」
「前なんて、お風呂から上がった時は、ちゃんと服を着ていたのに、今じゃ、
バスタオルを巻いただけで出てくるんだもんねぇ。下着姿の時もたまにあるし」

その言葉に私は頬をトマトのように赤くさせた。
確かに、ここへ来たばかりの私はもう緊張の連続だった。
大好きなシンジに恥ずかしいところを見られたくなくて、いっつも気を遣っていた。
お風呂から出る時は浴室をチェックしていたし、トイレの時も入念に。
それが今では・・・
このままなら、シンジの前でオナラもするようになるかも。
私はもう恥ずかしくて俯いてしまった。

「まあ、マナちゃんだけでなく私もアスカもけっこう家の中じゃ無防備だから、
シンちゃんも目のやり場に困ることが多いと思うの。だから、おかずには不自由
しないどころか、栄養過多で外に出さないと体が持たないんじゃないのかなあ」

この場はミサトさんの独演会場と化して、私とアスカは黙っているしかなかった。

「きっと、シンちゃんも不自由しているはずよ。こうなったら、もう、お姉さんが
協力してあげるしかないかな。えへへ」
「だ、ダメよ! ミサト!」

と、アスカが大声を出した。
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 00:32:25 ID:???

「んー、何が駄目なのかなあ? アスカ」
「だから、この家でそうゆう淫らなことは、と、とにかくダメなのよ」
「じゃあ、アスカがやってみる? 別に、私は辞退してもいいのよん」
「えっ、あ、アタシはまだ、その、心の準備というか、・・・ダメっ!」

と言うと、アスカは真っ赤な顔を俯かせた。
私はずっと黙っていたけど、やっぱりシンジの恋人ならそういうこともちゃんと
しなきゃならないと思い、

「あ、あのー、私がします」
「えっ、マナちゃんが立候補するの? じゃあ、マナちゃんにお願いしようかしら」
「ダメよ。ダメダメ、ぜーったいにダメよ!」
「私はかまいません」
「ダメって言ってるでしょ。そんなことアタシが許さないわよ」
「どうしてダメなんですか? 私はかまわないと言っているんですけど」
「アンタがよくても、アタシがダメと言っているのよ」
「だから、どうして?」
「どうしてもよっ!!」

アスカと口論になり、私は周りがすっかり見えなくなっていた。

「アスカはいったいシンジのなんなの? いい加減、はっきりさせてください」
「あら、それは私も知りたいわ」
「え、あっ、」

アスカは一瞬にして動揺へ顔色を変えた。

「その、アタシは、・・・、えっと、だから・・・」
「だから、何なんですか?」
「みんな、年越しそばを買ってきたよー」
83名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 00:35:39 ID:???
その声に私たち3人は瞬時に振り返った。
シンジがスーパーの買い物袋を両手に持って立っている。
私は爆発しそうなくらいに頬を赤く染めた。
アスカは恥ずかしいのかさっと立ち上がると、自室へ駆け込んで行った。
そして、ミサトさんはお腹を抱えて大爆笑を始めていた。
そんな中、シンジはわけがわからないのかキョトンと首を傾げていた。
しばらくして、私は小さな声で、

「ねえ、シンジ」
「ん、なに?」
「あ、あのね。シンジは自分の部屋がほしくないの? 私、シンジの部屋をもらっ
ちゃったじゃない。だから、・・・」
「あー、それなら気にしなくてもいいよ。僕、けっこう、このリビングで寝ることが
気に入っているから」
「そうなの?」
「うん。なんか、ここで寝ていると、楽しいんだ。たぶん、ここに来る前は、ずっと
離れの部屋に一人でいたからかも。でも、今はみんなと一緒だから」

そう言うと、シンジは照れるように俯いた。
いつの間にか、ミサトさんはシンジの横に立って、

「シンちゃんはウチの子だもんねー」

と言って、シンジの頭を軽く撫でていた。
そんな二人の様子に私はなんだか心が温かくなって、この家に来て本当によかったと
胸の中で呟いていた。
とてもいろんなことがあった今年もあと少し。
来年もみんなと仲良く暮らしていきたいと、そう私は思った。
そして、来年こそはシンジとちゃんと恋人同士になれますように。
って、きゃー、まだ、中学生の私たちには早いかも。
でも、シンジが望むなら。・・・あー、やっぱり、ダメーかも。
・・・だけど、いつかきっと
84名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 01:19:33 ID:???
年の瀬に和みますた。職人GJ!!
85名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 10:47:48 ID:???
ええ話や畜生。gj!
86 【小吉】 【1395円】 :2006/01/01(日) 15:31:40 ID:???
あけおめ!職人今年もガンガレ!
87名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/05(木) 21:19:29 ID:???
1月Δ日

お正月にはおせちやお雑煮やあんこ餅とかをたくさん食べちゃった。
体重? ti、ti、ti、今の私は大丈夫。水泳少女マナちゃんにはね。
そんなわけで、冬休みの間はよくネルフ本部のプールへシンジと泳ぎに行っていた。
・・・アスカや綾波さんも一緒だけどね。
ここ何回かの練習で、シンジはようやく顔を水につけられるようになった。今はまだ私の手を
掴んでいないと、水に身体を浮かすことが出来ないけど、もう少しすれば一人ででも泳ぐことが
出来るようになれるだろう。それはうれしいけど、ちょっとだけ寂しいような。
シンジとみんなの前で触れ合えなくなっちゃうなぁ。と思っていたところで、

「はいはい、マナ。シンジの手を離して」

と、アスカが言ってきた。
私の手を掴みながらバタ足の練習をしていたシンジは不安そうな目で私を見る。

「まだ、シンジには早いよ」
「あんたがそうやって甘やかすから、泳げないままなのよ」

と言って、アスカは私とシンジの繋がっている手を空手チョップしてきた。
案の定、シンジは藻掻きながら水の中に沈んでいき、

「シンジー! 大丈夫!?」

と叫びながら、私はシンジを担ぎ上げ、プールサイドへ横たえた。
私は仁王立ちになって、アスカへ向かい合うと、

「何するんですか? シンジはまだ泳げないんですよ」
「ごめん。ごめん。アタシが悪かったわ。だけど、ん?・・・アンタ、身体に筋肉つけすぎじゃない?」

私はハッとして自分の身体を見つめた。体重はベストくらいだけど、なんだか、その、
TVで見る競泳選手体型? ええーーっ!! 私、もうダメかもしんない。ぐすん
88名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 00:05:36 ID:???
ここのマナたんいい感じだな
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 20:55:18 ID:???
あまりにもLMS意識し杉で俺はかなり食傷気味。
何でマナの中の人って、LMSばっかりなんだ?
あっちも。そっちも。こっちも。
ていうか、マユミと一緒で誰も性格再現しきれてないよな。

ムサシカワイソス⊃д`)。゜
90名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 21:02:15 ID:???
まあ、鋼鉄ゲームがそんなキャラだから
ラストの方でシンジとマナが再会してから、すっかりムサシは忘れ去られているし
91名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 23:45:12 ID:???
>>89
ヒント 需要と供給
92名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 23:53:12 ID:???
ゲームのシンジ育成もマナは出てくるがムサシとケイタは…
93名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/07(土) 07:05:06 ID:???
ぶっちゃけ、マナ×ムサシの需要なんて3人くらいじゃないかなあ
94名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/07(土) 20:48:59 ID:???
外見は嫌いじゃないがキャラクター性が不明すぎて萌えらんないんだよ・・・>ムサシ
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/07(土) 21:35:32 ID:???
2次創作の余り物カップルとしても
ヘタするとマナ×ムサシよりマナ×ケンスケの方が多いかも知れないくらいだしな
96名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/09(月) 18:50:56 ID:???
1月ф日

時々、戦自時代の夢を見る。
昨夜も見た。
内蔵を痛めつけるほど苦しいトライデントの操縦訓練。
倒れたことは一度や二度ではなかった。でも、仲間がいたから私は生きてこれたんだと思う。
あの頃、仲がよかったムサシやケイタも夢に出てくる。・・・・・顔がぼやけているけどね。
だって、鋼鉄ゲームの中でも二人が出ている絵は2,3枚しかないし、台詞もほとんど無いし。
ケイタなんて、病院で寝ているところしか見ていないよ。
説明書にあるキャラ紹介でも、顔がぼやけているし。
アレ? 私、何を書いているの?
そんなことはともかく、今日はヒカリちゃんと一緒に図書館で勉強をした。
と言っても、ほとんど冬休みの宿題を写させてもらっていたんだけどね。
それが終わってから、マクド(最近、この呼び名が気に入ってまーす)でちょっとおしゃべりした。
いつになくヒカリちゃんは話しをたくさんしていて、私はマックシェイク(チョコ)を飲みながら
それを聞いていた。と、そんな時に、急にヒカリちゃんは声を顰めて、

「マナちゃんは、・・・キスしたことある?」

私はあまりのことにシェイクを気管支の方へ入れてしまい、むせてしまった。

「ゲホッ、ゲホ。急に、なに言い出すのよ?」
「大丈夫? ・・・ただ、霧島さんは経験あるのかなって」
「私、一度だけあるよ」
「それって、相手は碇君よね?」
「・・・うん」
「そうなんだ。やっぱり」
「ねえ? こんなこと聞くなんて、もしかしてそーいうことになりそうなの? 相手、だれ?」

ヒカリちゃんは頬をさくらんぼのように染めると、ふふふっと笑って、ごまかした。
そんな笑顔がとってもかわいい彼女は、私の一番の友達です。
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/09(月) 23:09:10 ID:???
×:内蔵
○:内臓
orz
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/10(火) 13:16:01 ID:???
ヒカリは友達多いな。いいことだ。
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/10(火) 22:56:45 ID:???
1月≧日

今日から3学期。
3年生までの短い間だけど、がんばろう。
と思って、ちょっとだけ早く登校したら、廊下でヒカリちゃんにバッタリあった。
隣には知らない制服を着た女の子がいて、私が興味深そうに見つめていたら

「あっ、マナちゃん、紹介するね。今日からクラスメイトになる山岸マユミさんよ」
「山岸マユミです。よろしくお願いします」

と、その子は小さなか細い声で挨拶してきた。
私は笑顔を作って、

「私、霧島マナ。マナって、呼んでね」

と言ってから、握手しようと右手を出した。
山岸さんは眼鏡の奥にある黒い瞳で私の右手を見つめていたけど、小さく頭を下げて
歩き出してしまった。
ヒカリちゃんと私はちょっと困ったような笑いを浮かべてから、彼女の後を追い掛けた。
私も転校してきた時はかなり緊張したことを思い出したりもした。
あの時はスパイという任務でもあったし、シンジに嫌われたらどうしようとか考えていたのよね。
でも、結果オーライだったかな。
それにしても山岸さんの長い黒髪はきれい。
私なんか茶色い癖っ毛だから、よけいに憧れてしまう。
シンジなんて、授業中に山岸さんを眺めていることが多いし、そりゃあ転校生だから気になる
のはわかるけど、ちょっとは私の気持ちも考えてほしいな。ぷんぷん
そういえば、山岸さんって、ベージュのサマー・ベストを着ているのよね。
けっこう暑いのに。あれって、やっぱり下着が透けて見えないようにということなのかな。
私なんかもう慣れちゃったのに、山岸さんって恥ずかしがり屋さんなのね。


山岸? どこかで聞いたことがあるような。まあ、いいや。
100名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/11(水) 00:10:43 ID:???
職人キター!!

今年もよろしくでつ!!ガンガレェ
101名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/11(水) 23:52:01 ID:???
マターリイイスレだな
続き期待sage
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/12(木) 23:30:21 ID:???
剏祉オ日

最近、気になる人がいる。その人は、山岸マユミちゃん。
友達がほとんどいないマユミちゃんが、シンジとだけは少し仲がいいことに嫉妬を感じる
こともあるのだろうけど、それとは別にやっぱり気になってしまう。マユミちゃんは本が好
きみたい。教室ではいつも本を読んでいるし、よく図書室へ行くのを見かける。
今日の放課後にもマユミちゃんが図書室へ入っていくのを見かけた私は、偶然を装って、
彼女の向かい側の席に腰を下ろした。私たちは言葉を交わすこともなく、でも、マユミちゃん
は私のことが気になっているのかチラチラと盗み見していた。

「ねえ。その本、おもしろい?」

思い切って声をかけた私を、マユミちゃんは困惑の浮かんだ目で見る。
私はニコッと微笑んだが、マユミちゃんは黙って本へ目を戻した。
その後、会話を交わすこともなく、人気の少ない図書室は夕陽の朱に染まっていった。
不意に小さな声が聞こえた。

「どうして、私にかまうんですか?」
「えっ、どうしてって。うーん、やっぱり、友達になりたいからかな」

ちょっと照れ笑いを浮かべながら答えた私をマユミちゃんは驚いたよう表情で見ていた。
けれど、マユミちゃんはすぐに俯いてしまった。そして、

「霧島さんは私のことを何も知らないから。・・・私の友達は本だけでいい」
「どうして? 私のこと、嫌い?」

それからマユミちゃんはずっと黙っていたけど、とてもとても小さな声で、

「霧島さんは人を殺したことありますか?」

と言うと、図書室を出て行った。
私はマユミちゃんの言葉を頭の中で繰り返しながら、ずっと席に座り続けていた。
103名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 01:47:33 ID:???
いまさらだが2ndインプレッション買うかな
マユミがどういうキャラかわからん
104名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 02:17:13 ID:???
105名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 02:35:03 ID:???
>>103
買え。
安いぞ。
俺は100円で買った。
106名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/16(月) 23:14:21 ID:???
107名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/17(火) 00:49:58 ID:3qItDv/g
108名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/17(火) 00:53:26 ID:???
ケツの穴ケツの穴ケツの穴ケツの穴ケツの穴ケツの穴ケツの穴ケツの穴
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109名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/17(火) 00:54:38 ID:???
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110名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/17(火) 18:18:18 ID:???
>>102
GJ!
111名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/17(火) 21:12:14 ID:???
剏祉ツ日

今日は水泳部の練習がお休みで、シンジたちの訓練もなかった。
なので、みんな一緒に学校から帰ることになった。
みんなというのは私とシンジにアスカ、綾波さんとヒカリちゃんの5人。
鈴原君と相田君はゲームセンターに行くとか言って、先に帰ってしまった。
ちなみに、多かれ少なかれ、このメンバーが一緒になることは多い。
学校を出る時は、まあ、ちょっと注目を浴びてしまう。
やっぱり、その、アスカや綾波さんという美少女がいるし、私とヒカリちゃんも
ちょっとは目立つ方だと思うから。
でも、この私たちをシンジ・ハーレムと呼ぶ人たちもいるみたい。
そりゃあ、男の子はシンジだけだけど、ホント失礼しちゃうよね。
一度、そういう声が聞こえた時は文句を言ってやったけど、そういう声は消えないみたい。
なーんか落ち込んじゃうな。
それはともかく、私たち5人は途中でマクドによって、おしゃべりしてた。
シンジはちょっと会話に入れなくて、居心地が悪そうだったけど、そりゃあ、まあね。
で、今夜の夕ご飯は何にしようって話になって、

「ねえ、シンジ。今夜は餃子にしない? もち、ニンニクたっぷりの手作り餃子よ」
「・・・餃子。私も食べに行っていい?」

と、綾波さんがチョコレートシェイクを飲んでたストローからくちびるを離した。
シンジが驚いたような目で、

「餃子には肉が入っているけど、いいの?」
「・・・肉は嫌い。でも、餃子は好き。それにニンニクも入っているもの」

ニンニク臭い息をする綾波さんなんて想像したら、なんだか可笑しくなって
私は笑ってしまった。でも、前よりもずっと綾波さんが身近に感じられた。
で、やっぱり、夕ご飯を食べた後、みんなニンニクの臭いが凄くて、明日、学校で
大変だろうなあと思ったけど、また可笑しくなって、寝るまで私は笑っていた。
112名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/18(水) 21:42:50 ID:S6uKeWTk
>>111

>マクドによって
関西人?
113名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/19(木) 02:41:47 ID:???
114名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/19(木) 16:49:45 ID:lIxsJyn9
>>113

サンクス!
よく読んでるなぁ
115名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/22(日) 22:44:10 ID:???
剏祉ー日

夕食後、みんなでニュースをぼんやりと見ていたら大学センター試験のことが流れていた。
今はまだ大学試験のことなんて実感はないけど、高校受験のことはなんとなく肌身に感じ
るようになってきた。私の成績は悪い方じゃないけど、良いという方でもない。
みんなと同じ高校へ行けるかどうかちょっと不安。と、その時、ミサトさんが、

「センター試験なんて懐かしいわねぇ」

と呟いた。すかさずアスカが、

「ミサト、大学なんて出ていたの?」
「あら、失礼しちゃうわ。私、これでも第2東京大学を出てんのよ。東・京・大・学をね」
「えっ」「えっ!」「ええっ、」
「リツコの1っこ下なのがしゃくなのよね。先輩風をいつも吹かされるし」
「……」
「まあ、ついで言うと加持は2こ上よ」
「しんじらんない」

私が呆然とそう呟くと、ミサトさんはちょっと怒り顔で

「ナニよ、アンタたち。私はね、英語の教員免許も持っていんのよ。ドイツ語もペラペラだし」
「……確かに」

と、アスカが呟いた。ミサトさんは続けて口を開いたけど、ちょっと憂鬱顔で、

「で、再来週の日曜なんだけど、大学の友達の結婚式に行って来るから、アンタたち、よろしくね」
「結婚式ですか?」
「そうなのよ。みんな、30前で駆け込み結婚しちゃって、……裏切り者」

ボソッとミサトさんは呟いた。
それにしてもミサトさんの知られざる一面がかいま見れて、なんというかビックリしちゃった。
116名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/23(月) 10:12:04 ID:???
えっと、どの程度原作準拠?
原作では、一応、ミサト、リツコ、加持は同期なんだけど。
117名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/23(月) 12:33:48 ID:???
留年したんじゃまいか。
118名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/23(月) 19:35:14 ID:???
本編では加持、リツコ、ミサトと年齢が一つずつ違って、リツコはミサトより
一年早くネルフに入っているけど、本編のことは気にしなくてもいいんじゃない
119名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/27(金) 03:57:58 ID:???
加持の年齢って具体的にどっかに載ってたっけ?
リツコとミサトは、確かに一つ違うんだが、結婚式のエピソードで「同期で残ってるのは〜」
発言があるから、少なくとも、この二人は同期のハズなんだよね。

まぁ、本編に拘りすぎる必要は確かにないわな。
120名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 21:45:18 ID:???
剏祉ヲ日

いつものようにシンジたちはネルフ本部で訓練。
私はというとクラブ活動が終わってから、夕食の用意を買いにスーパーへ寄った。
シンジたちが帰ってくるのは9時頃だけど、そんなに余裕はなく、急いで店内を回った。

「……?」

知っている女の子の姿がふと目に留まった。
ヒカリちゃんだ。
すっごく真剣な眼差しで見ているのはチョコレートの山。
なんだか声を掛けづらくて、ちょっとヒカリちゃんの後ろ姿を見つめていたけど、
不意に彼女が周囲へ視線を回し、私と目が合ってしまった。

「……」
「……」

私は思わず困ったような笑みを浮かべ、ヒカリちゃんは顔を真っ赤にして俯いた。
10秒か20秒ほどそのままで、それから私は彼女の方へ歩み寄り、

「もうすぐバレンタインデーだね」
「……うん、」
「チョコレート選んでたんだ?」
「ううん。違うの。私、料理を作っていて、ちょっと買い忘れた物を思い出して、だから……」

恥ずかしそうに俯いていた顔が上がり、ヒカリちゃんは早口でしゃべった。
でも、途中で言葉は止まってしまい、

「……」
「このチョコレート、美味しそう」

私は彼女の横へ行くと、チョコレートを一つ手に取った。
121名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 21:47:00 ID:???
それは一口大のチョコレートが箱に詰まったもので、口の中で溶けそうな感じだった。

「そうでしょ。私もこれがいいかなって」

一瞬にして、ヒカリちゃんの口もとに笑みが浮かんで、私も一緒に微笑んだ。

「ねえ。マナちゃんは碇君にあげるの?」
「うん。あげるよ。そのために私、お小遣いを貯めているんだ」
「手作りじゃないの?」
「私、お菓子とか上手に作れないから。それに私だったら美味しいチョコレートを
もらった方がうれしいから」
「でも、男の子は手作りの方が喜ぶんじゃないかな?」

と、ヒカリちゃんは言った。
やっぱりシンジもそうなのかな?
でも、手作りと言っても型にチョコを流し込むだけだし、それだったら私は美味しい
チョコの方がいいけどなぁ。

「う〜ん、手作りは来年にしようかな。ねえ、ヒカリちゃんは誰かにあげるの?」
「えっ! わ、私はそんな人いないし」
「え〜、あんなに真剣にチョコを見ていたのに?」
「だ、だから、それは……、バレンタインデーに告白なんて恥ずかしくてできないもん」

ヒカリちゃんの性格ならやっぱりそうよね、と私は思った。

「バレンタインデーって、やっぱり恋人がいる人たちのイベントよね」

と私が言ったら、ヒカリちゃんは少し恨めしそうな目で、

「マナちゃんは碇君がいるから」
「シンジはそうだけど、ライバルも多いんだよ。アスカや綾波さんなんて強敵だもん」
122名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 21:48:46 ID:???
自然に私の声も沈んだものになって、暫し私たちの間に沈黙が流れた。
けれど、ヒカリちゃんが少し笑顔になって、

「あっ、でも、恋人がいなくてもバレンタインデーは楽しいよね。友達同士でチョコを
食べたり、学校もなんかいつもと違う感じで楽しいし」
「うん、いつもは買えないような高級なチョコをみんなで食べたりするんだよね」

そして、私たちはまた微笑みを浮かべた。
それからチョコを手に取って、あーだこーだと言い合っていた。
で、次はどれにしようかなとチョコへ手を伸ばしたら、隣の人と肩がぶつかってしまった。

「あ、ごめんなさい」
「私こそ、すいません」
「あっ!」
「えっ、」

聞き覚えのある声は山岸さんのものだった。
彼女もビックリしたみたいで、眼鏡の奥にある瞳が大きく見開いていた。

「あ、あの、私、……」

私は山岸さんへにっこりと笑みを送って、

「山岸さん。バレンタインデーに私たちと一緒にチョコを食べない?」
「えっ、」

ヒカリちゃんへ目を向けると、うんと言うように彼女は小さく肯いた。

「みんなで持ち寄って、いろんなチョコを食べるの。すっごく美味しいと思うよ」
「……。……私も入れてもらっていいんですか?」
123名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/29(日) 21:50:44 ID:???
かろうじて聞き取れるくらい小さな声で山岸さんは訊いてきた。
私は元気いっぱいに、

「うん。もっち、当然よ。ねぇ、ヒカリちゃん?」
「ええ。山岸さんのチョコ、とっても楽しみ」

山岸さんは頬を薄く桃色に染めて俯くと、

「ありがとう」

と小さく答えた。
私は心が楽しくなって、

「もう一年分のチョコを食べちゃおう。みーんな、覚悟しといてね」
「いいけど、マナちゃん。太るよ」

ヒカリちゃんの鋭いツッコミに私は、

「うっ、」

と言葉を失って、手に持っていたチョコを落としてしまった。

「ぷっ、」

小さな笑い声が聞こえた。
見ると、山岸さんが手を口に当てて吹き出しそうになるのを一所懸命にこらえていた。
山岸さんの笑い顔を初めて見たような気がした。
でも、そんな彼女の表情はとってもかわいかった。
いろんな意味でバレンタインデーは今からとっても待ち遠しいなぁ。
124名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 01:27:44 ID:???
2月と言えば、ヒカリの誕生日もたしか2月……18日だっけ?
125名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/31(火) 21:45:16 ID:???
そう。ヒカリは2月18日(例によって岩男潤子と同じ誕生日)。

マナの誕生日は3月30日…じゃなくて4月11日だけど、元ネタはあるのかな?
126名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/06(月) 22:11:46 ID:???
∀月★日

今日の掃除の時間、廊下でアスカとヒカリちゃんがモップを持ちながら、
何か言い争いしているのを見つけてしまった。アスカの「絶対にイヤ」って
いう大声も聞こえる。私は二人に近づいて、

「ねえ、どうしたの? ケンカはよくないよ」
「アンタ、いいところに来たわ。聞いてよ。ヒカリがアタシにデートのお願いをするのよ」
「デ〜ト!?」
「……うん。お姉ちゃんから頼まれて」

と、ヒカリちゃんは申し訳なさそうに言った。

「だいたい、なんでアタシが顔も知らない話したこともないヤツとデーとしなくちゃならないのよ。
最低でも本人がデートの申し込みに来いっつーの」

『うん、うん』と私は思わず心の中で肯いてしまった。

「それにアタシは、今度の日曜は忙しいのよ」
「何か予定あるの?」
「……そ、それは、」

ヒカリちゃんの問いにアスカは頬を真っ赤にして口ごもってしまった。
私はちょっと探るような目で、

「デート? じゃないよね。」
「違うわよ! ア、アタシは、その、準備があるから。……チョコレートを作らなきゃならないの」
「あー、そういうこと」

やっぱり、みんな想いは同じなのよね。私もガンバらなくちゃとちょっと焦ったりもした。
ところで、当初のおマヌケ路線はどうなったんだろう?
マヌー空間はどこへ?
127名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 02:00:37 ID:???
つづきー
128名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 21:58:06 ID:???
∀月☆日

今日は水泳部の練習が遅くまで続いて、夕ご飯の担当をシンジに代わってもらった。
そんなわけでもないけど、久しぶりにシンジの料理が食べられるなぁ〜と思って、家に
帰ったのに、リビングにいたのはアスカだけで、

「ねえ、シンジは?」
「部屋に籠もりっぱなしよ。父親に会うのが嫌みたい。嫌なら嫌って言えばいいのに」

と、アスカは不機嫌そうに答えた。
今度の日曜に、シンジはお母さんのお墓参りにお父さん(司令)と行くみたいで、それでなん
だか悩んでいるみたいだった。両親のいない私にはお父さんがいるだけでも羨ましいけど、
やっぱり親子の間でもいろいろあるから、きっと私にはわからない何かがあるんだろうな。
私は少しでも元気づけたくて、シンジの部屋のふすまをトントンとノックした。

「シンジ、開けるよ」

部屋の中に入ると、シンジはベッドの上で私に背中を向けて寝ていた。
私は声を掛けるのが躊躇われたけど、

「今度の日曜日、お父さんと二人っきりで会うんだよね」
「……」
「美味しいものを食べたりもするんだ? いいなぁ」
「……たぶん、それはないよ」

背中を向けたまま小さな声でシンジはそう答えた。

「父さん、仕事が忙しいから。お墓参りをしたら、すぐに帰るんじゃないかな」
「そうなんだ。なんだか、寂しいね」
「いいよ。僕、父さんが苦手だから。何をしゃべったらいいかもわからないし、その方がいい」
「そんなことないよ。しゃべることなんてたくさんあるよ」
129名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 21:59:31 ID:???
シンジは起き上がって、私の方を向くと、

「じゃあ、例えば?」
「う〜ん、今日、学校であったこととか、家であったこととか、……私とのこととか」

最後のところはほとんど口の中だけで私は言った。

「と、とにかく、司令はシンジの言うことなら何でも聴くと思うよ」
「マナは父さんのこと、よく知ってるんだね」

拗ねるような声で言ったシンジに、ちょっとムカついて、

「どういうこと?」
「いや、ただ綾波とは違うんだなと思っただけだよ」
「……綾波さんにも同じこと聞いたの?」
「うん。綾波は何も教えてくれなかったけど。でも、……」
「でも、?」

シンジはうっすらと頬を染めると、

「少し綾波のことがわかったような気がするんだ。今までよりもずっと」
「……どういうこと?」
「今日、綾波が雑巾を絞っているのを見て、なんだかお母さんのように見えた」
「……」
「そのことを綾波に言ったら、頬を染めて恥ずかしがったんだ。なんか可愛かったなあ」

私はもう我慢が出来なくなって、そばにあったクッションを思いっきりシンジへぶつけてやった。

「シンジのばかぁ! だいっきらい」

そう言って、私は部屋を飛び出ていった。
もうバレンタインにチョコなんてあげないんだから。
130名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/09(木) 17:47:17 ID:???
可愛い…
131名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:00:00 ID:???
∀月△日

今日は日曜日。
ミサトさんは友達の結婚式、アスカはヒカリちゃんの家でチョコレート作りで、
シンジはお母さんの命日でお墓参りに出かけている。
私はと言うと、家でお留守番。アスカと一緒に行ってもよかったんだけど、なん
となくそんな気分でも無かったし、チョコレートは買ってあるし。
でも、このチョコレートは私のお腹の中に入ってしまうかもしれない。
あれからシンジとは口をきいていないし。
そんなわけで、ちょっと鬱りながらサンデーモーニングで張さんの喝ーっを
ぼーっと見ていたら玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けたら、

「私だ、」

と言って、シンジのお父さんが立っていた。
あまりにも意外な人がそこにいて、私はあんぐりと口を開けたまま立ち尽くしてしまった。
それが数十秒間か数分間か続いて、たぶん心配したのだろう。

「君、大丈夫か?」

と、お父さんが声を掛けてきた。
私はハッとして、

「は、はいっ。大丈夫です。とにかく、上がってください」
「いや、ここでいい」
「でも……。わかりました。じゃあ、ここで」
「うむ、そうか。では、上がらせてもらおう」

シンジのお父さんはそう言うと私の横を通り抜け、リビングへずんずんと入っていった。
もしかして、中に入りたかったの?
132名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:01:27 ID:???
まあ、それは置いておいて、リビングのテーブルに向かい合って私たちは緑茶を
飲んでいた。私はとっても気まずくて、でも、お父さんが何をしに来たのか気になって、

「あのぅ、今日はシンジとお墓参りに行くんじゃ?」
「その予定だ」
「じゃあ、どうしてここに?」
「予定では午後一時の待ち合わせだ」
「えっ、だって、シンジは出ちゃいましたよ」
「あれにもいろいろと行くところがあるのだろう」
「はぁ、」

そこで会話は終わってしまい、再び訪れた気まずい雰囲気。
湯飲みのお茶は底をついて、私は逃げるようにお茶の替えをしようと腰を上げたら、

「もう、お茶はいい。美味しかった。ありがとう」

あの碇司令が礼を言うなんて。
私はビックリしちゃってポカーンとしていたら、お父さんが、

「ここでの暮らしはどうだ?」
「あ、はい。楽しいです」
「そうか、」
「……」
「……」
「……?」
「……君は、シンジとは何を話しているんだ?」
「へっ?」

その唐突な質問に私は目を丸くしていた。
133名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:02:50 ID:???
「いつもどんな会話をしている?」
「会話って、普通ですけど。テレビのこととか、学校の噂話とか、美味しいもの
こととか、特に変わった内容ではありません」
「ふむ、」

私の答えにお父さんは何やら考え込むような目をしていた。
濃いサングラスで目はよく見えないけど、多分そうだと思う。
で、私はその様子に数日前のシンジを思い出していた。

「あのー、もしかして、シンジと何を話そうか悩んでいるんですか?」

その問いは図星だったのか、お父さんの肩がビクッと上がった。
同じことを悩んでいるなんて、やっぱり親子なんだなと、私は思わずクスッと
笑ってしまった。

「あ、すいません。別におかしいとかそんなんじゃなく、シンジも同じことで
悩んでいたから、つい」
「……シンジがそう言っていたのか?」
「はい、」
「そうか」
「よけいな口出しかもしれませんけど、シンジとは普通でいいんじゃないでしょうか」
「普通か。今まで私はシンジと同じ時間を過ごしていないからな。わからん」

私はすこし傷口に触れてしまったことに気づいて、

「すいません」
「君が謝る必要は無い」
「だけど……」
134名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:04:31 ID:???
そして、再び繰り返される沈黙。
でも、私はもう一度お節介をしたくなった。

「あのー、」
「なんだ?」
「お墓参りなんだから、シンジのお母さんのことを話せばいいんじゃないんでしょうか」
「……」
「シンジ、お母さんのことを知りたがってました。写真も見たこと無いし、お母さんの顔も
憶えていないって。だから、その……」
「わかった。そうしてみよう」
「えっ、」

その時、シンジのお父さんが小さく笑ったような気がした。
だからかもしれない。私は口を開いていた。

「シンジのお母さんはどういう人だったんですか?」
「……」

長い沈黙の後、お父さんはゆっくりと口を開いた。

「やさしかった。ただ一人、私に優しくしてくれた」
「……」
「だが、」
「……?」
「ユイの考えていることは未だにわからん。私のことを理解してくれていたと
長い間、考えていたが、それも今は自信が無い」
「……」
「人と人が完全に理解し合えることは不可能なことなのだ。そのための人類補完
計画でもあったが、果たしてユイが夢見ていたものであったか。それもわからん」
135名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:06:10 ID:???
なにやら難しい話になってきて、私はついていけなくなってきたけど、

「でも、完全に解り合えなくても、少しでも解り合えればいいんじゃないでしょうか」
「……」
「一緒に笑い合ったり、泣いたり、ケンカしたり、そんなことを繰り返しながら
ちょっとずつ解り合っていくんだと思います」
「……そうかもしれんな」

そう言うと、お父さんは席を立った。
そして、私の方を向くと、

「あれのことを、これからも頼む」
「あっ、はい」

私は知らず大声でそう返事をしていた。
それからお昼が過ぎて夕方前に、スーパーへの買い物から帰ってきたら
チェロの旋律が部屋の中を流れていた。
夕陽が窓から入り込み、シンジの弾くチェロを赤く染めている。
私は思わず拍手をしていた。

「あっ、マナ。帰ってきたんだ」
「シンジ。チェロ、弾けたんだ?」
「5歳の時から始めて、この程度だからね。別に才能なんて無いよ」
「ううん。そんなことない。私、感動しちゃったもん」
「あ、ありがとう」
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:07:24 ID:???
シンジはちょっと恥ずかしそうに頬を染めた。
いい雰囲気の中、私は少しの勇気を出して、

「あのね、シンジ。ごめんね。今まで怒ってて」

私の言葉にシンジは驚いたような顔をしたけど、

「ううん。マナが謝るようなことじゃないよ」
「違う。私が悪いの」
「……」
「でも、私がどうして怒ったのか、わかるのよね?」
「う、うん」

シンジは夕焼けよりも赤く頬を染めると、

「綾波のことでヤキモチを焼いたんだよね?」
「う、うん」

この時、たぶん私の顔も真っ赤になっていたと思う。
そのまま私たちは俯きながら黙り合っていたけど、

「今日、父さんから母さんのことを聞いたんだ。初めてだった」
「そうなの?」

私は顔を上げて、シンジを見た。
シンジは俯いたままで、
137名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 01:09:06 ID:???
「マナ、ありがとう。今日のこと、父さんから聞いたよ」
「あっ、うん」
「本当にありがとう。ほんの数日だったけど、マナとケンカしてわかったんだ。
今までマナがそばにいてくれて、どんなに僕を励ましてくれてたか」
「……」
「僕はこれからもずっとマナと一緒にいたい」
「シンジ、」

シンジも顔を上げて、そして私たちは見つめ合った。
気恥ずかしいのはあったけど、それよりもお互いに見ていたかったんだと思う。
やがて、シンジは小さく口を開き、

「あのさ、マナにちょっとお礼がしたいんだ。今までのお礼。僕にできることなら
何でも言ってよ」
「ほんとうに何でもいいの?」
「僕にできることなら」
「ううん、シンジにしかできないこと」
「僕に?」
「うん、」
「なに?」
「それは……」

私は今ベッドの上でこの日記を書いている。
たぶん、今日のことはずっと一生おぼえていると思う。
初めての時はただ雰囲気に流されただけかもしれない。
でも、2回目の今日は確かに気持ちが通い合っていた。
ふふふっ、
えへへ
我慢してもしきれないというのはこのことね。どうしても笑みがこぼれちゃう。
おかげでアスカには変な目で見られたし。
アスカ、ごめんね。私は友情より恋を選びます。てへっ。
それはともかく、シンジ、バレンタインデーは覚悟していてね。
138名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/13(月) 13:14:51 ID:???
GJだ、こん畜生!!
139名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:16:26 ID:???
∀月▼日

バレンタインデーも過ぎて、今は期末試験直前。
ソワソワしていた教室もピリピリしたものに変わっていて、それは家に
帰ってからも同じだったような、そうでもないような。
そんなわけで今日はみんなで集まって勉強会をすることになった。
場所は私たちの家で、集まった人はアスカと綾波さんに、ヒカリちゃんと
マユミちゃん。マユミちゃんとはバレンタインデーでちょっと仲良くなって、
今回のことに誘ったら来てくれた。
シンジは訓練でミサトさんと一緒にネルフ本部へ行っているから、今日は
家にいるのが全員女の子で、勉強会と言うより遊んでいた時が多かったかも。
ヒカリちゃんは委員長らしくみんなを勉強に向かわせようとしたけど、
ちょっと無理だったみたい。
そして、窓から陽が傾き掛けた頃、シンジとミサトさんが帰ってきて、

「みんなに、おみやげよ〜」

と言って、ミサトさんが石焼きイモをテーブルの上に置いた。
それからテーブルを囲って、お茶を片手にみんなで焼き芋を食べた。

「おイモ、甘〜い」

と、私が言うと、

「そうですね」

と、隣にいるマユミちゃんがニコッとしながら相打ちをしてくれた。
もう一方の隣にいる綾波さんは無言で食べているけど、頬が緩んでいた。
そんな和やかな雰囲気だったのに、

ぷぅ〜
140名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:17:38 ID:???

おならの音が聞こえた。
そして、なぜか一斉にみんなが私の方を見るし。

「えっ、ワタシ?」

と、自分を指差しながら言った。
そうしたらアスカが人差し指を私に向けて、

「アンタ以外に誰がいるのよ。アンタねぇ、ちょっとは我慢しなさいよ」
「だから、私じゃないって」
「って、アンタ以外に誰がいるのよ」
「ホント、本当に違うんだから」

この時、私は少し涙目になっていたかもしれない。
シンジも苦笑しながら私を見ているし。

「本当に私じゃないよ。だって、だって、おならはいつも我慢しているもん。
したくなったらトイレに行っているし、みんなの前でしちゃったことは一度
しかまだないもん。……あっ、」

両手で口を押さえた時にはもう手遅れで、みんなに大笑いされていた。
アスカなんて涙を浮かべるくらい笑っていて、

「わかった、わかった。アンタの自爆に免じて、信じてあげるわ」
「……」
「なら、次に怪しいのはシンジ。アンタね」
「ええっ、僕?」

と、シンジが目をまん丸にさせて驚いていた。
141名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:19:23 ID:???

「そうよ。ここで男なのはシンジだけでしょ。だから、犯人はアンタ」
「そんなぁ〜」
「まあ、それが一番まぁるく収まるのよ。まさかアンタ、女の子にオナラの
罪をなすりつけようと言うの?」
「……わかったよ」

渋々ながらそう答えるシンジはどう見ても犯人ではなくて、

「まあ、誰がオナラをしてもいいんじゃないの。ねぇ?」

と、ミサトさんが助け船を出してきた。

「一緒に住んでいるんだもの。オナラの一つや二つ誰でもするでしょ。
ねぇ、アスカ?」

ニヤッとヤな笑みを浮かべながら、ミサトさんはアスカを見る。
アスカは少し腰を引きながら、

「何よ? アタシを見て」
「んー、別に。ただ、アスカが一番うるさいなーって。得てして、犯人はそう
いう人なのよね。でも、いいわ。アスカもまだ女の子だもんね。そりゃあ、
オナラなんてしたのがバレたら、恥ずかしいわよねえ」
「なっ、アタシだって言うの?」
「あら、違うの?」
「違うわよ。ぜーったいに違う。そ、そうだ。ミサト、アンタでしょ?」
「私?」
「そうよ。アタシ、知っているんだからね。この前、ミサトがビール飲みながら
ゲップとオナラを同時にしたのを」
「な、してないわよ。あれはゲップよ。ゲップ」
「嘘。あれはオナラだったわ」
142名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:20:57 ID:???
「アスカだって、こないだオナラしたじゃない。私、知ってんのよ。プスッっと
すかしたような音も聞こえたし。少し臭ったし」
「ミサト、なに言ってんのよ」

二人の暴露合戦に私たちは唖然として、それを見ていられなくなったヒカリちゃんが、

「二人ともそこまでにしておいた方が……。碇君もいるんだし」
「ヒカリ、妙に黙っていたわよね。もしかしてヒカリじゃないの?」
「わ、わたしなの?」

ヒカリちゃんは顔を真っ赤にして、

「違う。私じゃない。碇君の前でオナラなんてするわけないでしょ」
「ホントかしら?」
「本当よ。そういうアスカがやっぱりしたんじゃないの?」
「だから、アタシじゃなーい」
「怪しいわね。アスカ」

それからはヒカリちゃんも入って、その3人で言い合いが続いていた。
私はただ呆然とその様子を眺めることしかできなくて、隣にいる綾波さんは
焼き芋を食べ終えてお茶を飲み干すと、

「私、帰る」
「綾波、帰るの?」

と、シンジが声を掛けてきた。

「ええ、もう勉強も終わったようだし」
「じゃあさ。ウチでご飯を食べていかない? 帰りは送るからさ」

シンジに他意はないんだろうけど、やっぱり私はヤキモチをしてしまうわけで、
143名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:22:52 ID:???
「シンジ〜」

と、シンジのシャツの裾を引っ張りながら声を掛けたけど、シンジは私に
ニコッと笑みを向けてきて、それだけでもう何も言えなくなった。

「ふー、綾波さん。一緒に夕ご飯、食べましょ?」

綾波さんは少し考えるように小首を傾げてから、

「わかったわ」

と言った。
私は隣のマユミちゃんへ振り向いて、

「ねえ、マユミちゃんも一緒に食べてかない?」
「私もですか?」
「うん。だめぇ? それとも家で家族の人が待ってる?」
「……お父さんは仕事で帰りが遅いですから」
「じゃあ、決まりだ。いいよね? シンジ」

私がそう訊くと、シンジは笑みを浮かべながらコクッと肯いた。

「それじゃあ、みんなで夕ご飯のお買い物に行こうっ」

未だにケンカし合っている3人を置いて、私たち4人は家を出た。
スーパーへ続く道路は夕陽の赤で染まっていて、とてもきれいだった。
私はシンジと手を繋いで歩きたかったけど、綾波さんとマユミちゃんの前で
そんなことができるはずもなく、

「夕陽がきれいだね」

と声を掛けるのが精一杯だった。
144名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:23:54 ID:???
と、その時、

ぷぷっ、

と、オナラの音が小さく聞こえた。
一瞬、ビクッとする私たち。
何となく嫌〜な雰囲気が流れ始めた時、

「あはは、ごめん。僕なんだ」

と、シンジがぺこっと頭を下げて言った。
でも、私は知っている。隣にいるシンジから音はしなかったことを。
そうすると、逆の方にいる綾波さんかマユミちゃん?
だかど、二人とも何も無かったような顔をしている。
う〜ん。ここはどうしよう?
私はシンジへ振り返ると、

「シンジ、」
「……?」
「私の前で我慢しなくてもいいからね」
「えっ、」
「人間だもん。オナラの一つや二つはするよ。ねっ」
「……うん。マナも我慢しないでいいよ」
「わ、私は我慢するもん。シンジの前でなんて死ぬほど恥ずかしいもん」
「何それ?」
「それが女の子なの」

クスッとマユミちゃんの笑い声が聞こえて、綾波さんも目元が緩んでた。
もう犯人が誰かなんてどうでもよくなって、私たちは足取り軽く歩いていた。
145名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/19(日) 22:57:44 ID:???
きたー まってたよ
146名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 02:29:51 ID:???
ほのぼの(*´∀`*)
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 12:57:34 ID:???
実は犯人はペンペン。
148名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 21:59:06 ID:???
マナの誕生日って、いつ?
149名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 23:53:22 ID:???
04/11
一月半ほど先やね。
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 02:43:54 ID:???
39
151名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/25(土) 02:15:16 ID:???
激しく投下街
152名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 22:04:31 ID:???
∠月日

あれから十数年。
使徒との戦いや恋のライバルたちとの戦いの末、今、私はシンジと幸せの中にいます。
いろんなことがあった。
でも、今となってはどれも良い思い出。
みんな、ありがとう。



fin.



153名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 22:05:59 ID:???
えっ




154名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 22:14:24 ID:???
と、そんな夢を見たことをマユミちゃんに話したら、

「霧島さんは本当に碇君が好きなんですね」

と言われた。
私はちょっと顔が赤くなるのを感じながら、

「う、うん」

と答えた。
マユミちゃんはクスッと小さく笑った後、

「でも、好きな人と一緒に住んでいて、その、困ったりすることありませんか?」

と訊いてきた。
私は少し考えてから、

「そりゃあ、まあ。でも、私、お父さんやお母さんがいないから、今の暮らしが
とっても楽しいの。シンジだけじゃなくて、アスカやミサトさんも家族だし」
「……」

マユミちゃんはちょっと俯き加減になって黙っていた。
それから顔を小さく上げると、

「私も両親がいないんです」

と呟くように言った。
私はマユミちゃんのお父さんが国連の研究者ということを知っていたので、
155名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 22:30:27 ID:???
「えっ、でも……」
「今のお父さんは正確に言うと、叔父なんです。両親のいない私を引き取ってくれたんです」
「……そうなんだ」

マユミちゃんは私に小さく微笑むと、

「初めてです。こんなことを話すのは」
「……」
「碇君とは正反対だけど、同じように感じる」

マユミちゃんは図書室の中に音を響かせながらパタンと本を閉じて、

「今度の音楽祭、楽しみですね」
「うん。私のバンドが一番だよ。だって、ヒカリちゃんとマユミちゃんのツインボーカルだもん」

と私が言った時、ヒカリちゃんが図書室に入ってきて、

「あっ、いた、いた。もう、練習を始めるって」
「なーんか、ヒカリちゃん。バンドの練習が始まってから、張りきっちゃってるね」
「だ、だって……」

と言ってから、ヒカリちゃんは頬を桜色に染めて、少し俯いた。私はピーンと来て、

「あー、さては、鈴原君がいるからかな〜」
「……?」

ヒカリちゃんはしばらくなぜか疑問符を浮かべたような表情をした後、

「あっ、いいから、早く行きましょ。遅れちゃうよ」

と言って、図書室を出て行った。
む、む、む。なに? なんなの? なんか、とっても不安。
156名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 01:42:43 ID:???
>>152
夢かよ
まあGJ
157名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 19:17:14 ID:???
∠月K日

今日の放課後、バンドの方向性についてミーティングがあった。
言い出したのはアスカ。

「アンタたち、おかしいと思わないの?」

と、私たち全員に人差し指を向けてアスカは言い放った。
それに答えたのはリーダー格の鈴原君で、

「なんや? 惣流。わけわからへんで」
「もう、アンタたち、本当に何のことかわからないの?」

アスカにそう言われて、お互いに顔を合わせる私たち。
でも、やっぱり誰もわからないみたいで、アスカはイライラを言葉に乗せながら、

「アタシがどうしてギターなのよ?」
「「「「へっ?」」」
「だから、どうしてアタシがギターを弾かなきゃならないのよ?」
「不満なの?」

と、シンジは小首を傾げながら訊いた。

「不満よ。もう大不満」
「なんでやねん。リードギターを譲ってやったやろ。ワイはリズムギターでソロも無いんなやで」
「ジャージは黙ってなさい」
「なんやてー!!」

いきり立つ鈴原君を必死で押さえる相田君はちょっとかわいそうだった。
そんな時、綾波さんが、
158名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 19:32:57 ID:???
「私、コーラスよ」

と小さく呟いた。なんだか綾波さんも不満そうだけど、アスカは全く気にせず、

「ファーストはコーラスでじゅうぶん。文句を言うなんて1000年早いわよ。シンジ、
アンタはキーボードよね。まあ、これはいいわ。相田のドラムもまあよしとして、マナ?」
「私? 私はベースだよ」
「そう。アンタは地味なベースがお似合いね。ふふん」

と鼻で笑ったアスカにちょっとムッと来たけど、私は黙っていた。

「問題は、アンタたち。ヒカリと眼鏡2号」

そう言って、アスカさんは二人を指差した。急に名指しされた二人はビクッとして、

「な、なに? アスカ?」
「アンタたち二人、どうしてヴォーカルなのよ? もっと適任者がいるでしょうが。
美しく、華やかで、人気があってバンドの顔として一番いい人が」
「誰や?」
「アンタ、ホントにバカねえ。ほら、目の前にいるでしょ。このアタシが」

その瞬間、さっとアスカから眼を逸らす私たち全員。その様子に気づいたアスカは、

「なんなのよ? 文句あるの?」
「……」
「なに? 言いたいことがあるならはっきり言いなさい。シンジ、言いなさいよ」

シンジは本当に言うのを躊躇ったが、

「……だって、アスカは……」

その後、アスカが荒れたことは言うまでもなく、もう大変だったよ。
159名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 02:06:33 ID:???
>>158
「何言ってんの、今も昔もこれからも、レッドはリーダーって、相場が決まってんのよ」
って事か...
160名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/02(木) 21:05:04 ID:???
∠月M日

春休みになって水泳部も忙しくないので、今はバンドの練習をがんばっている。
休み中でも、みんなと会えて楽しいから好き。
いろいろあったけど、アスカはヴォーカルを諦めてくれたし、まあ、良しとしましょ。
でも、アスカがちょっと半泣きだったのは可哀想だったかな。
今日は、出来の悪い4人組は居残り練習で、私とヒカリちゃんはスーパーへ寄って
夕ご飯のお買い物をした。
そんな帰り道、夕暮れの中を歩いていたけど、ヒカリちゃんはとってもニコニコしていた。
そう言えば、ヒカリちゃん、この頃はいつも楽しそう。

「バンド、楽しいね?」

と私が言うと、はにかみながらヒカリちゃんは、

「うん。楽しい」
「ヒカリちゃんはヴォーカルだもんね。いいなあ」
「別に、そういうわけじゃなくて。去年のことを思い出して、それでね」
「あ、あー。去年の学園祭でもシンジたちとバンドを組んだんだよね」

以前、シンジに聞いたことを言ったら、ヒカリちゃんは少し俯いて

「うん、」

と言った。なんだか、ヒカリちゃんの頬が夕焼けよりも赤く染まっているように見えて。
ヒカリちゃんはチラチラと私の方を盗み見るような仕草をしてから、

「マナちゃん。……マナちゃんは……」
「……ん?」
「ううん。なんでもない。じゃあ、バイバイ、マナちゃん」

と言って別れたヒカリちゃんの後ろ姿を、私はしばらく見送っていた。