渚カヲルの日記

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933名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/05(土) 22:04:53 ID:???
ホッシュ
934渚くん(5連目):2007/05/07(月) 01:51:10 ID:???
9日目

僕達は、アキトシさんの師匠の厚意で、道場を宿として提供して貰った。
が、その代わりとして、道場の掃除やら、洗濯やら、稽古やらに付き合うハメに。
これなら普通に宿屋に泊まればよかったな、と、ちょっと後悔。

そんな雑用の内の一つ、便所掃除をヒュウガさんに任せて、僕とシンジ君は
昼食のオカズとなる魚を釣るべく、海へと出かけようとした、そんな時だった。

「おーい、クニアキ爺さんが帰って来たって!」
道場から数件離れた民家の前で、アキトシさんが、こちらに向かって手を振っている。
僕達はアキトシさんの方へと駆け寄った。勿論、ヒュウガさんには声を掛けていない。

アキトシさんに先導され、僕達がその家の扉をくぐると、入ってすぐの部屋の中央に、
初老の男が膝にトラ猫を乗せた状態で、椅子に腰掛けている。
彼がクニアキ爺さんか。トラ猫と戯れるとは、さすがは元祖・虎ハンター。あれ?

「クニアキ爺さん、あんたにお客さんが来てるって!」
アキトシさんが声を掛けると、クニアキ爺さんは、猫に遣っていた目線をこちらに移した。
僕達を見るその瞳からは、どこと無く警戒の意思が感じられた。

僕は単刀直入に用件を伝える。ゼーレや使徒について知っている事を教えて欲しい、と。
「やめた方がいいって!知らない方が幸せだって事ですよ!」
クニアキ爺さんは、鼻で笑うばかりで、僕の問いかけには取り合ってくれない。

「知らない方が幸せ」と「知ると不幸」が等号で結べる事は容易に察しがつくので、
僕としては、このまま知らずにいたい気もする。クニアキ爺さんも話したくないみたいだし。
でも、そこまで口を閉ざすって事は、やっぱりヤバい事を知ってるのかなあ?

と、今まで黙って話を聞いていたシンジ君が、クニアキ爺さんに対し、ある物を提示した。
首から下げていたペンダント。なんか、変な葉っぱのレリーフが付いている。
935渚くん(5連目):2007/05/07(月) 01:52:46 ID:???
「この紋章は・・・、あんた、王族に連なる者って事ですか・・・?」
「僕は、この国の王、イカリ・ネルフシレー・ゲンドゥの嫡子、シンジです。
 今、この世界に起ころうとしている危機を回避すべく、情報を求めているんです。」

クニアキ爺さんは、しばらく何事か考えていたようだったが、やがて、意を決したように
「国家が動き出したのであれば、知る限りの事は話さねばなるまい・・・。」
そう発した、その語尾からは「〜って」が消えていた。マジモードか?

「ワシがゼーレに就職したのは、今から30年程前の事だった。この小さな島に
 閉じ篭っているのが嫌になってな、広き世界を目指し、求人に応募したのだ。」
・・・ゼーレって、求人広告出してたのかよ・・・。

「大っぴらに求人広告を打つぐらいだから、と、ワシは何も怪しむ事などせず、
 王都での面接に向かった。だが、面接が済むと、ワシらは別室へと通され、
 そこで何やら・・・今思えば睡眠薬を飲まされたのだろう、気付いた時には
 見知らぬ場所へとつれて来られていた。まあ、そこが職場だったんだが・・・。」

・・・って、それほとんど拉致じゃないか!じゃ、もしかして、ゼーレの所在地については・・・?
「・・・・・・知らん!」
クニアキ爺さん、ひょっとして、今までの登場人物の例に漏れず、役立たず?

「そんな訳で、ワシは清掃員としてゼーレに就職したのだが、特に出世するでも無く、
 年を重ねた。それでも勤続は力なり、とでも言おうか、組織のお偉いさん達とも
 顔見知りになり、気さくに飲みに誘ってくれたりもしたものだ・・・。」
なんか、ゼーレの人達って、いい人っぽい気もしてきたな・・・。

「だが、ある時、そんな飲みの席で聞いてしまったのだ、ゼーレという組織の真の目的が、
 人類を人工進化させるという、馬鹿げた計画であるという事を・・・。」
話が突飛過ぎて、全く理解できないが、そりゃあ大変だ!・・・たぶん・・・。
「ゼーレは、その計画を遂行する為に、人類とは起源を異とする生命体を利用する事を
 考え出した。それが『使徒』と呼ばれる者たちだ・・・。」
936名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/07(月) 03:49:27 ID:???
最後の二行だけ見るとすげーシリアスだねw
937名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/07(月) 11:24:06 ID:???
ちょwww話が90°ターンした

渚くん乙
938Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/05/07(月) 20:56:38 ID:???
乙〜
> そう発した、その語尾からは「〜って」が消えていた。
これは一大事w

清掃員に補完計画バラしてしまうとは、
ゼーレのお偉いさんも案外脇が甘いねw
939渚くん(5連目):2007/05/08(火) 01:41:58 ID:???
10日目

クニアキ爺さんの話によれば、ゼーレという組織は実在するものであって、
表向きは何をしているか知らないが、陰では人類を人工進化させる計画を進めているようだ。

ただ、その計画が遂行された暁には、個体人類としての存在は失われる・・・って、
そんな話、急に聞かされても、今ひとつ理解に苦しむけれど、まあ、想像するに、
人間としての原型を留めていない、って事なのかな。それが進化と言えるのかどうか。
少なくとも、今の自分の感覚で言えば、それはむしろ「人としての滅亡」の方に近いと思うし、
ゲンドウ王もそう感じているからこそ、勇者である僕に命を下したのだろう。

それともう一つ。使徒というのは、人類とは全く別の起源から発生した生命体らしい。
それがどういう理由をもって、ゼーレに組しているのかは分からないが、
何がしか、利害の一致するところがあったのだろう。

その使徒について、興味深い話を聞かせてもらった。
今まで何体かの使徒と戦闘を行ってきた僕達には、信じ難い事ではあるが、
クニアキ爺さんの話によると、使徒に対しては、通常兵器による攻撃は通用しないと言う。
何でも、使徒には「ATフィールド」という、バリア能力が備わっているらしい。
とは言え、僕達は現実に何体かの使徒を倒しているのだが・・・。また謎が増えたorz

で、だ。クニアキ爺さんと、その息子さんは、万一の使徒との対決に備え、
使徒に対し有効となる兵器、要するに「通常じゃない兵器」の研究、開発を進めているという。
今日は、その研究施設に連れて行かれ・・・見せてもらえる事になった。

集落から少し東に行った場所にある洞窟、研究はそこで行われていた。
普通、そんな場所は、悪の組織がアジトに使いそうなものだけれど、まあ、ゼーレからしてみれば、
クニアキ爺さんも立派な悪者という事になるので、無理矢理納得してみる。

たいまつの明かりを頼りに洞窟を奥へと進んでいくと、先にかがり火が見えてきた。
どうやら、そこが「研究室」となっているようだ。
940渚くん(5連目):2007/05/08(火) 01:43:45 ID:???
「シロウ、王都からの客人が見えたぞ。」
クニアキ爺さんが声を掛ける。どうやらその「シロウさん」というのが息子さんらしい。

が、このシロウさん、伝統衣装の白の袴に上半身裸という奇妙ないでたち。
とてもじゃないが、兵器を開発しているような科学者には見えない。
シロウさんは呼び掛けに応え、僕達に歩み寄って来たけれど、急に立ち止まると
いきなり反転してヒップアタック。餌食はもちろんヒュウガさん。

クニアキ爺さんが、「客人に対して失礼だ」とシロウさんを責めると、
「これがこの島の挨拶だって!郷に入っては郷に従え、って事ですよ!」
・・・言ってる事は、あながち間違いじゃないんだけど、また変わり者かよ・・・。

それはそうと、早速、その使徒に対抗できるという「通常じゃない兵器」を見せてくださいな。
「これだって!目ん玉ひん剥いて良く見とけって!俺が造ったんだって!」
え?どれどれ?・・・・・・まさか、ここにある、うすらデカい人形の事?

「人形じゃないって!汎用人型からくり兵器『じゃ』って事ですよ!」
からくり兵器?それじゃ、この人形は操作して動かせるのかな?
「当たり前だって!遠隔操作して、接近戦を行うんだって!」
へえ、それじゃあ、当然、格闘用の武器なんかも開発してるんですよね?
「武器は・・・・・・・・・・・・ケツだって!」

想像通り、と言うか、ある意味、期待通りの答えが返ってきた。
やっぱり「じゃ」もアテになりそうにない。何だよ、「武器はケツ」って!
大体、ホントに動くのかどうかさえ怪しいのに。

ハナから疑っていた僕とは違うシンジ君も、「武器はケツ」発言に落胆の色を隠せない。
開発者二人と、何故かヒュウガさんが嬉々としている、異様な空間。
そんな所へ、誰かが外から息を切らして駆け込んで来た。アキトシさんだ。
「た、大変だ、海に出ていた漁師の網に掛かった、巨大なタカアシガニのバケモノが
 水揚げした途端、暴れ出して、今、集落を襲ってるって!」   (つづく)
941名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/11(金) 01:11:21 ID:???
遅くなったけど、乙!
942名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/11(金) 09:55:20 ID:???
「じゃ」ワロスw
943渚くん(5連目):2007/05/14(月) 00:23:24 ID:???
タカアシガニのバケモノ?何か嫌な予感がするなあ、この間はイカのバケモノに遭遇したし。
だが、集落が襲われていると聞いては、放って置く訳にもいかない。
早く戻って、カニシャブにありつく、いや、集落の人々を助けなければ。

「ちょっと待てって!ここは俺と『じゃ』に任せろって!」
敵が使徒とは断定できないが、シロウさんは「じゃ」を実戦に投入するつもりらしい。
不謹慎ではあるが、面白そうなので、お手並み拝見といきますか。

「発進準備だって!第一ロックボルト外せって!」
シロウさんの号令が飛ぶ。クニアキ爺さんがドライバー片手に作業に移る。勿論、手動で。
「解除確認、アンビリカルブリッジ移動開始。」
第一ロックボルトを外したクニアキ爺さんが、次工程に移る。勿論、手動で。

この後、発進までに幾つかの過程を挟んだのだが(勿論、手動で)、その当たりは割愛。
「発進だって!」
シロウさんが手に持った制御装置を作動させると、「じゃ」が動き出した。
おおっ!すげえ♪こいつはイケるかも!と思ったが、シロウさんが「じゃ」を追って走り出す。
「せ、制御装置のデムパは、10mしか届かないんだって!」

走り出した「じゃ」の後を、皆で追いかける。
洞窟の中は、視界が悪くて出口までの移動も一苦労だったけど、外にさえ出てしまえば、
ほら、あっという間に集落、そしてカニのバケモノが見えてきた。

ところが、「じゃ」は、一向に止まる気配が無い。・・・シロウさん?
「止まらないって!・・・・・・制御できないって事ですよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

「じゃ」は、集落へと入ったものの、そのままカニのバケモノの横を、華麗にスルー。
・・・ちょっと待ってよ!「じゃ」って、一応は兵器なんでしょ?
そんなもの野放しにしておいたら危ないじゃないか!
という訳で、カニのバケモノはひとまず置いといて、「じゃ」の追跡を続行する。
944渚くん(5連目):2007/05/14(月) 00:25:45 ID:???
先頭を暴走する「じゃ」、その直後にシロウさん、ヒュウガさん、僕、アキトシさん、
シンジ君、クニアキ爺さん、という隊列で後を追う。あと、どういう訳か、
集落を襲っていたカニのバケモノも、僕達の後に付いて来ているみたいだ。

そんなこんなで、もう浜辺まで来てしまった。シロウさんが声を荒げる。
「メガネの兄ちゃん、『じゃ』を止めてくれって!」
「え・・・でも、どうやって?」
「人力に決まってるって!奇跡を待つより捨て身の努力だって!」

シロウさんの檄に応え、ヒュウガさんは全力で走り、「じゃ」の進路の前に出た。
そして「じゃ」の進行を止めようと、前から両腕の力で押さえつける。
あ・・・・・・ヒュウガさんが「じゃ」に轢かれた・・・・・・。
そして「じゃ」はヒュウガさんに躓き転倒。やったねヒュウガさん、止まったじゃん♪

安堵も束の間、今度はカニのバケモノが、ヒュウガさんと「じゃ」に迫っている。
うつ伏せに倒れこんだ「じゃ」の下から、ヒュウガさんは脱出したものの、
「じゃ」の背中には、遥か未来目指す、じゃなくって、カニのバケモノが乗りかかっている。

「大丈夫だって!男は黙って背中で勝負だって!」
「じゃ」のピンチにもシロウさんは自信満々だ。・・・・・・けど・・・・・・。
「ああ見えても『じゃ』はSSTOのお下がりでできてるんだって!」

・・・でも、カニのバケモノが垂らしている、ヨダレみたいなので溶けてるよ、「じゃ」。
「デモもストライキも無いって!・・・・・・17秒しか持たないって・・・・・・。」
ちょっと!装甲が17秒しか持たないって事?何がSSTOのお下がりだよ!
「スーパー・スペース・トルネード・オガワ・・・・・・らしいって・・・・・・!」
・・・・・・シロウさん騙されたな、材料屋に。

「動けって!動けって!今動かなきゃ、何にもならないんだって!だから、動けって!」
シロウさんの悲痛な叫びが響く。「動けって!」と言われるまでもなく、「じゃ」は
動いている。うつ伏せに倒れたまま、なお歩行動作を繰り返しているだけだけど。
945渚くん(5連目):2007/05/14(月) 00:28:06 ID:???
機体融解の危機は、あっという間に過ぎた。17秒って、そんなに長くないよ。
クニアキ爺さんが弱音を漏らす。彼らにとって「じゃ」は、唯一の希望だったようだ。
「あ奴はカニなどではない!おそらく、マトリエルと呼ばれる使徒だろう。
 ・・・終わりだ、『じゃ』がああなっては、ワシら、死ぬかも知れん・・・。」

「どうしてそういう事言うんだって!アンタは死なないって!俺が守るって事ですよ!」
シロウさんは諦めない。でも、マトリエルとやらは、ヨダレを撒き散らしていて、近付けそうも無い。
「作戦はあるって!お前らが奴を引き付けておけば、俺が取っておきの爆弾をお見舞いしてやるって!」

ここはひとつ、シロウさんの作戦に乗ることに。僕、シンジ君、ヒュウガさんで
マトリエルの注意を引きつつ、シロウさんは敵の死角に回る。
体を張ってマトリエルを引き付けたヒュウガさんのお尻を、敵のヨダレがかすめた。
倒れこむヒュウガさん。ヤバい!シロウさん早く!!

敵の死角を突いて、シロウさんが全力で突進して行く。
「シロウ!・・・・・・自爆する気?」
「・・・・・・俺が死んでも小原がいるって!」

一瞬、悲壮感が漂ったんだけど、シロウさんが繰り出したのは「K2爆弾」。
それはつまり、ヒップアタックに値するよ、「ケツ」って事さ。
おまけに、もうひとつの爆弾「パワーボム」までを、なんとも器用にお見舞い。さすがシロウさん。

シロウさんは両手を天に突き上げ、勝ち誇っている。が、マトリエルは
パワーボムを食らって裏返しの状態ではあるが、まだシロウさんの足元でもがいている。
あ、苦し紛れにヨダレを放った!危ない、シロウさん!!

「熱いって!熱いって!」
ヨダレを食らったシロウさんは、のたうち回っている。何てこった!優位に立っていたのに・・・。
今度こそ、もうダメなのか・・・・・・あ、あれ?今度はマトリエルが溶けてるぞ。
まさか、自分のヨダレで?考える間もなく、マトリエルはヨダレの分泌線を残して消滅した・・・。
よし、使徒殲滅?リアル「天に向かって唾を吐く」をラーニングしたよ。
946Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/05/14(月) 00:44:45 ID:???
乙!

> 早く戻って、カニシャブにありつく、
マトリエルって、まずそう。
ガギエルはわさび醤油で食べると美味しそうだけどw

オチはお見事。
947名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/17(木) 21:58:37 ID:???
元ネタわからないとこあるけど面白いって!
渚くんの力量だって!
これからも続き楽しみにヒップアタック!
948名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/26(土) 17:50:53 ID:fGirkJGg
>>94
ワロタ
949渚くん(5連目):2007/05/31(木) 01:27:33 ID:???
11日目

朝一番でコシナカ島を後にする。次の目的地?さあ、どこなんだろう?
ただ、クニアキ爺さんに聞いた話の中に、興味深い話があった。
「遥か東方に三賢者あり」。とりあえず、そこを目指して、更なる情報を得ようと思う。

僕たちを乗せた、イカリ王国本土へ向かう船が、コシナカ島を離れる。
桟橋ではアキトシさんが、中央にデカデカ「覇」と書かれた旗を振って見送ってくれている。

「次に帰る時は、故郷に錦を飾るって!」
え???シ、シロウさん、船に乗り込んでいたの?
「当たり前だって!『じゃ』を開発した技術力を、王国のために活かすって!」
・・・なんて事だ、やっと「越中スレ」みたいな状況から抜け出せると思ってたのに・・・。

ツキージの港に戻り、船を降りると、丁度そこに一羽の鳥が飛来した。
あれは以前、城に向けて放った伝書鳩だ。足に返書が結えつけてある。
「近々、他国との連携に動きがある模様。早い時期に一度戻られたし。ミサト」

・・・やだ。多分、パターンBな僕は、東に向かうと決めたなら、それを貫く。
王都に戻るのはその後でいいや。でも、この手紙をシンジ君に見せたら、一度王都に
戻りたがるだろうなあ。よし、見られる前にヒュウガさんに食べさせちゃえ。
今日は使徒は殲滅してないけど、証拠は隠滅する事に成功したぞ。楽勝!

さて、本土に戻った僕達は、東を目指す・・・んだけど、現在地の真東は
海なので、それを迂回するように北に進路を向ける。

東に移動できるようになった地点から、ひたすら東へ東へと歩いて行くと、
なんか、醤油工場のいっぱいある街、「チョーシュ」に辿り着いた。
「チョーシュ、何か嫌な町だって!」
え?ツキージに劣らぬいい街じゃないか。何が嫌なの、シロウさん?
「・・・・・・なまえ・・・・・・って!」
950渚くん(5連目):2007/05/31(木) 01:29:06 ID:???
全く関係ないけど、シロウさんは昔、「チョーシューさん」という人に
酷い目に遭わされた事があるらしい。それで「チョーシュ」という地名に
嫌悪感を抱いたみたい。・・・やべ、どうでもいい事に三行も使ってしまった。

チョーシュの東はまたしても海。これ以上東に行く手立ても無いので、
海岸線を北上することにする。すぐにぶつかった「トニー川」という大きな川を
渡り、「カマシ港」「オオワライ港」という、王国でも有数の大港を通過。

・・・・・・行けど行けど、道はただ北に延びるばかり。失敗したかな?
「ねえ、私達、正しいわよね?」
何故かヒュウガさんが、女性的な口調で尋ねてくる。さすがは変態。
気持ち悪いので「わかるもんか!」と、冷たくあしらっておく。

はあ、今、一体、何処にいるんだろう。来たのはいいけど、帰るのも面倒だ。
周りには海と畑しか見えない。賢者の話は、あくまで噂だったのかな。

呆然と立ち尽くしていると、畑で作業をしていた人が、こっちに向かって凄い勢いで走って来る。
「おめたち、こんただ所突っ立ってっと、雨さ濡れっぞ。」
まっさかあ♪こんなに晴れ渡っているというのに?

「ったく、わがんねえアンちゃんだなあ!」
その人は、僕の手を引いて走り出す。ワケもわからず、シンジ君達が跡をつけてくる。
辿り着いた先は、どうやらその人の家のよう。中には、二人の男の人が見える。
何なんだよ、もう!と思う間も無く外から凄い音。ホントに雨が降ってきたみたいだ。

農作業をする人にとって、空模様を見る事など、容易い事かもしれない。
それでも、それなりの知識と経験は必要なものだ。ちょっと感心したよ。
まあ、せっかくの縁なので、お互いに自己紹介。その家の主の三人は兄弟で、
それぞれ、嘉介(カスケ)・治太(ハルタ)・留貴夫(ルキオ)と名乗った。

あれ?その名前、クニアキ爺さんに聞いてきた、賢者の話に出てきたような・・・・・・。
951渚くん(5連目):2007/05/31(木) 01:30:42 ID:???
クニアキ爺さんから聞いた話は、おおよそ次のようなもの。
ただし、この話が現在の話か、それとも単なる昔話なのかは、分からないらしい。


人並み外れた知恵を持つ三人の賢者は、その力を利用されることを恐れ、
それぞれ、人から賢者であることを悟られないような職業に就いた。

その一人、カスケは音楽家を目指した。そこでも一応の成功を収めたが、ある時、
自分のお笑い芸人としての才能に目覚め、転身をはかる。芸名は「いかりや嘉介」。

カスケの名を広めたのは、ジャンケンのコントだった。
「最初はグー、またまたグー、いかりやカースケ頭はパー。」
このジャンケンの掛け声の、「カースケ頭はパー」略して「カスパー」が、彼の代名詞となる。

ハルタは飽きっぽい性格で、町工場から始まり、いろいろな職業を転々としたが、
どれ一つ長続きしなかった。ハルタが職を辞す度、同僚達は言った。「ハルタ去〜る」。

ルキオは庭師に弟子入りした。勤勉で実直なルキオは、親方からも目をかけられていたが、
ある時、親方に付いて行った仕事先で、大失態を犯してしまう。
庭木の手入れをしている途中、何かの拍子で、客の大事にしている盆栽を落としてしまったのだ。

盆に異常は無かったが、肝心の栽の方が、形を崩してしまった。
一緒に謝ってくれると思っていた親方は、客に向かって言い放った。「芽、ルキオ折る!」

紆余曲折を経た三人が、結局、辿り着いた先は「実家の農業」だった。
古の名軍師、諸葛孔明に倣い、晴耕雨読の日々を送っているという。


まさかなあ・・・。この人達、どう見ても「賢者」ってカンジじゃないし。
一応、確認のため、この家の表札を見に行くと、そこに記されていたのは「真樹」!!!
僕は、この人達を、王都に強制連行する決心をした。
952名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/31(木) 01:51:31 ID:???
乙〜♪
カヲル君ダジャレ好きやなぁw
953渚くん(5連目):2007/06/16(土) 02:02:57 ID:???
12日目

三人の賢者(?)と、シロウさんを引き連れ、僕達は久々に王都へと帰ってきた。
今までの戦果の報告と、伝書鳩で伝えられた、ミサトさんの帰国要請に応じる為だ。

登城の前に、ちょっと僕の家に寄らせてもらって、この間、母さんへのお土産として
銚子・・・じゃなくて「チョーシュ」の街で購入した醤油を届ける。

僕は、調味料マニアではないので、「チョーシュ」産の醤油に、
どれ程の価値があるのか知らないが、可愛い息子からの土産だ、喜んでくれるだろう。

「あらあ、お醤油なんか買ってきたの?ここんとこ、家に母さん一人でしょ、
 去年、お歳暮で貰った醤油が、使い切れず、いっぱい余っちゃってるのよねえ・・・。」
・・・・・・もういいや・・・・・・。

なんか、先に家に寄った事に後悔の念を感じつつも、
気を取り直して、今度こそ城へと向かう。

僕達が王都へ戻るという情報は、既に城に伝わっていたようで、
城兵達も、すんなりと僕達を城中へと通してくれた。
イカリ王国の情報網は、僕が思っていた以上に発達しているようだ。

ゲンドウ王とフユツキ大臣は、所用の為に城を空けており、その護衛として従う
ミサトさんも不在、という訳で、リツコさんが僕達の応対をしてくれた。

まずは、コシナカ島のシロウさんを、リツコさんに紹介する。
「大体の話は聞いているわ。変なからくり人形を造った、エセ科学者でしょ?」
「エ、エセとは何だって!『じゃ』は、立派な対・使徒用兵器だって!」
「制御できない兵器なんてナンセンスだわ。体力が知力に勝る、自称・科学者と同じね。」
「ううっ、そう言われてしまうと、何も返せないって!」
ああっ、シロウさんから空気が抜けていく・・・・・・。
954渚くん(5連目):2007/06/16(土) 02:04:41 ID:???
口では歯が立たないシロウさんだったが、リツコさんの判断で、本人の希望通り、
その「力」を王国の為に活かす事が出来るようになった。ただし、「腕力」ね。

お尻を抱えて悩んでいるシロウさんを脇目に、次は賢者について紹介。
クニアキ爺さんに聞いた賢者の話に、条件的に合致する三人の説明をすると、
「私もそんなような話は聞いたことがあるわ。東方より来たりし三賢者の話ね。」

・・・僕が聞いた話には、「東方より来たりし三賢者」なんてフレーズは
出て来なかったけど、まあ、言い伝えなんて、地方によって多少、違いがあるものだし、
何より、三人が「真樹」姓を名乗っているんだから、きっと・・・ねえ・・・。

「もしそうだとすれば、この三人を連れて来れたのは、大きな収穫ね。」
リツコさんは喜色を浮かべるが、その腰を折るように、カスケさんがつぶやく。
「何こそこそ言ってるだ、オラ達は『東北より来たりし三兄弟』だ。」

え?だって、あなた達、「カスケ」「ハルタ」「ルキオ」の三賢者じゃないの?
「バカこくでねえ、そんなもん、オラ達の親が、三賢者とやらに肖って命名しただけだ。」
期待を一瞬で砕かれたリツコさんが、三人に冷たく言い放った。
「・・・・・・帰ってよし!」


そういえば、僕達に帰国要請が出たのは、一体どういう事?
「それについては、王やミサト達が戻ってから説明するわ。
 それより、アンタ達がツキージで殲滅した使徒のサンプルを研究して、彼らの
 固有波形パターンの信号の配置と座標は、人間の遺伝子と酷似している事が分かったの。」
・・・僕には、よく分かんないけど、アサリとハマグリみたいなモンかな。

話のついでとして、僕は、クニアキ爺さんから聞かされた使徒の話・・・
ATフィールド、ゼーレ、通常兵器が効かない事などを、リツコさんに話してあげた。
「アンタ達、どうせなら、そのクニアキさんって方をお連れするべきだったんじゃないの?」
・・・あれ?・・・そうかなあ・・・?
955Adrienne ◆HI8ebVe8lo :2007/06/16(土) 09:40:32 ID:???
乙〜♪

> 「チョーシュ」産の醤油
ミオツクーシw
956名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/20(水) 23:58:17 ID:???

私の中の910も喜んでおります



母さんヒドスw
でもカヲルの母さんって誰だ?


・・・個人的にシゲルをいじってほしい
957カヲル:2007/06/21(木) 05:09:05 ID:Gq3mWGVC
■ジッパーフィギュア■渚カヲル
http://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n56844418
958名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 08:01:16 ID:???
【アニメ速報】新劇場版ヱヴァンゲリヲン,庵野監督「戦闘は黒人が肉食ってる感じでやります」【バキッ・・ボキ】
http://food8.2ch.net/test/read.cgi/jnoodle/1181711675/
959名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 08:02:10 ID:???
赤土さんって、ブーン小説作家さん?雰囲気がすごく似てる人がいる。
960名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/28(木) 20:15:39 ID:???
961名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/06(金) 04:41:17 ID:LUeYFZQp
962名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/11(水) 10:40:18 ID:???
ほっ
963名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/19(木) 00:38:44 ID:???

 し
  ゅ
964名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/27(金) 10:17:08 ID:???
ho
965名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 02:34:28 ID:???
mo
966名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/12(日) 00:29:22 ID:???
967名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/14(火) 01:25:00 ID:3f5Rq9NT
968名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/15(水) 09:58:31 ID:B1JAmb5R
969名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/15(水) 10:04:24 ID:???
>>968
キィィィメェェエェ
970タブリス ◆No.17.exe. :2007/08/18(土) 04:35:38 ID:???
てす
971名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/19(日) 13:27:30 ID:yDQYjJdN
シンジ×ダミーカヲル
972渚くん(5連目):2007/08/23(木) 01:21:50 ID:???
13日目

イカリ王国から海を隔てた遥か西方に、「ガームーン王国」という国がある。
そのガームーン国王の、今は亡き前妻は、イカリ王国人の血を引く女性で、
この事からも分かるように、大層に親・イカリ寄りな国家となっている。

今回の世界の危機に臨み、ゲンドウ王が各国に飛ばした檄に対し、
いち早く呼応して見せたのが、このガームーンの王女、アスカ姫だった。
アスカ姫は、イカリ王国軍と共に世界の脅威と戦うため、自ら来碇するという。

「・・・・・てなワケでさあ、アスカを迎えに行くことになったのよ。
 んで、王女を迎えるにあたり、ここはやっぱり、ウチの王子である
 シンちゃんにも行ってもらうべきだって事になって、アンタ達を呼び戻したってわけ。」

ミサトさん、他国の王女をつかまえて、「アスカ」なんて敬称略でいいんですか?
「いーのいーの、知らない仲じゃないんだしぃ、結構長い付き合いだしぃ。」
・・・そういう問題ですかそうですか・・・。

このアスカ姫、母国ガームーンでは、絶大な支持を得ているらしい。
と、言うのも、現ガームーン王、つまりアスカ姫の父君は、かつては拳王・・・じゃなくて
賢王と呼ばれていたものの、王妃を失って以来、女色に溺れてしまっているのだ。

アスカ姫の母君、キョウコ様は、王を上回る程に国民からの人気の高い方だったので、
現在の堕落した王に対する支持が低下すると共に、キョウコ様の面影を残す
アスカ姫に対する期待が、爆発的に高まっているという訳だ。
王もそれを悟ってか、最近では国政をアスカ姫とその側近に委ねているようだ。

アスカ姫はガームーンを発って、陸路を東へと移動、現在は海を挟んだ
イカリ王国の隣国「クォリア」に滞在している。
僕達の任務は、ミサトさんと共に船を使って海を渡り、クォリアでアスカ姫と
合流して、再びこのイカリ王城までアスカ姫を案内兼護衛する事だ。
973渚くん(5連目):2007/08/23(木) 01:23:50 ID:???
「ミサトさん、アスカに限って言えば、護衛なんて必要ないんじゃないですか?」
「んー、まあ、そうだけど、一応、国家の体裁ってモンが・・・ね。」
クォリアへと向かう船中、浮かない表情のシンジ君が、ミサトさんにこぼしている。

さすがに他国の王女を迎えるのに、護衛が必要ないという感覚は理解しかねるので、
その辺りをシンジ君に尋ねてみると、何でもアスカ姫は、14歳にして
ガームーン王立魔法大学を首席で卒業した天才魔術士で、その秘めたる魔力は
あのリツコさんに匹敵するとも言われており、更には召喚術「こっくりさん」
を駆使して、自分に仇なす者には、容赦なく不幸を辿らせるのだそうだ。
・・・・・・確かに護衛なんて、いらないかも。

クォリアの港へと到着。慣れない船旅で、船酔いを起こしてしまった僕が、
自分の体内で醸造された有機飼料を近海魚達に与えていると、
一人の男が、停泊中の僕達の船、イカリ王国の誇る最新式戦艦「蒼龍」に、
ずけずけと乗り込んで来た。

「よう、遅かったじゃないか。アスカは待ちくたびれて、ふて寝してるぜ。」
男は親しげに、ミサトさんに話しかけた。
「ぬ、ぬゎんでアンタが居んのよう!!!」
「いや、本国から帰国命令が下ってね。アスカのお供をして来た訳さ。」

何か急にピリピリし始めたミサトさんを尻目に、男は僕に歩み寄って来た。
「君がナギサカヲル君かい?噂は聞いている。俺は、カジ。カジリョウジだ。
 今迄、イカリ王国の大使として、ガームーンに滞在していたんだが、
 この度、帰国の運びとなってね。ま、よろしく頼むよ。」
は、はあ、こちらこそ・・・・・・。

カジさんの案内で、アスカ姫がふて寝、いやいや、休憩している部屋を訪ねる。
部屋の隅で、美少女が心地よさ気に立てている寝息を、シンジ君が遮る。
「・・・ねえ、アスカ、起きてよ!ねえ、アスカってば・・・。」
「ん・・・・・・あ、シンジ?・・・・・・ぐーてんもるげん。」
974渚くん(5連目):2007/08/23(木) 01:25:44 ID:???
眠そうに目をこすりながら、アスカ姫が体を起こす。
「・・・・・・あら、ミサトまで来てたの?ちょっと大袈裟じゃない?」
「何言ってんのよう、激務の合間を縫って、迎えに来てやったんじゃない♪」

出発前のミサトさんの言葉通り、僕を除く他の面々は、深く知った仲のようで、
和気藹々と会話を弾ませている。そんな中、浮いた存在の僕に、アスカ姫が目を向けた。
「こいつ・・・・・・誰?」

さすがに「勇者です」とは自己紹介し辛く、戸惑っていると、
僕に代わってシンジ君が、「僕がここにいる理由」をアスカ姫に簡単に説明してくれた。
「・・・で、カヲル君は、アダムの血を引く勇者なんだ。」
「え〜!こいつが勇者?・・・・・・冴えないコねえ・・・・・・。」

アスカ姫、「冴えない」はちょっとヒドいなあ。それでも平静を装いつつ、
皆に倣って、フレンドリーに挨拶してみた。「よろしくね、アスカ」。

「はあ?あんた誰に向かって口利いてんの?これでも私は王女なんだから、
 ちゃんとアスカ様、って呼びなさいよ、図々しいわねえ!」
アスカ様・・・。同じ王族でも、シンジ君とはエラい違いだなあ。
でも、そう言われると、なんか僕は前世でもアスカ様の下僕だったような気がしてきたぞ。

「お前さん達、積もる話も分かるが、ここはイカリ王国へと急がないか?
 ゲンドウ王も心配しているだろう。話す時間は、船に乗ったらたっぷりあるさ。」
カジさんの提案に、僕を除く全員が賛成。僕はと言うと、さっきの船酔いで、
まだ気分が優れないんですけど・・・・・・はいはい、無視ですね♪

う〜・・・・・・げろげろげろげろげろげろ〜
出航して間もなく。当然のように酔いのぶり返しに見舞われた僕は、
自分の体内で醸造された有機飼料を近海魚達にry・・・・・・。
「ちょっとあんた!キッタナイわねえ、こんなとこで餌付けしてんじゃないわよ!」
アスカ様の優しい言葉に見舞われた僕は、更に、自分の体内でry・・・・・・。
975渚くん(5連目):2007/08/23(木) 01:27:44 ID:???
僕が与えていた有機飼料は、余程、海洋生物にとって魅力的なのか、
魚ばかりか、白くて大きなクジラのような生物までも引き寄せた。
みんな〜、来て来て〜!なんだか変わった生き物が寄ってきたよ♪

「ミサトさん!あれって、使徒じゃないですか?」
「・・・・・・使徒みたいねえ・・・・・・。」
「あんたバカぁ?ヘンなモン、おびき寄せてんじゃないわよ!!!」
僕の所為か・・・・・・まあ、間接的に僕の所為だな・・・・・・。

従順に餌付けされていた使徒だったが、ふと我に返ったのか、
一旦、蒼龍から距離をとると、今度はこっちに向かって突進してきた。
水面でジャンプして、蒼龍の甲板を飛び越えて行くなど、やけに挑発的だ。

さあ困った。敵は水中か空中高くを移動している。僕やシンジ君の剣は届かない。
だが、その様子を見て、アスカ様は一人、ニヤニヤしている。
「チャ〜ンス♪」

アスカ様は、使徒が甲板上を飛び越えるタイミングを捉えるべく、身構えた。
「い〜い?私の実力をよ〜く見てなさいよ!・・・・・・ギガデイン!!!」
アスカ様の唱えた電撃の呪文は、甲板の真上で使徒を襲った。
使徒は体表に水分を帯びているので、さぞかし電気の通りが良いに違いない。

呪文の直撃を受けた使徒は、轟音と共に甲板上に墜落した。
よし!これなら剣による物理的な攻撃を加える事ができる。

・・・・・・と、思ったんだけど、何だか使徒の様子の変だ。
最初は甲板を壊す勢いで暴れていたのが、段々とその勢いを弱めている。
海中と違い、思うように動けないのか・・・あ、まさか、エラ呼吸してたんじゃ・・・?

完全に動きの止まった使徒を確認し、アスカ様が勝ち誇る。
「どう?見た?戦いは、常に無駄無く美しく、よ!」
余りに情けない使徒のサンプルを乗せ、船はツキージの港へと船足を速めるのだった・・・。
976名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 07:06:31 ID:???
久しぶりにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
乙乙
977名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 09:02:32 ID:???
きたーーーーーーーーー!
渚くんは僕らを見捨てていなかった
978名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 10:33:33 ID:???
使徒呼び寄せるってwwww
GJ
979名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 21:04:33 ID:???
980名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 21:05:54 ID:???
キター
981名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 21:08:19 ID:???
すげえな。各キャラ総なめか。
982名無しが氏んでも代わりはいるもの
船釣りに行った人から聞いたことがある
本当にゲロに魚が寄ってくると…
撒き餌状態だそうだ…