ss創作スレ

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 父さんと母さんが離婚して4年。僕は16歳になった。
 離婚の原因は父さんの浮気。同じ職場の赤木ナオコさん・リツコさん親子と不倫し
ていた。よりにもよって親子丼なんて最低だよ。同情の余地無し。
 そんなわけで今は母さんと二人暮らしをしている。
 初めは少し寂しかったけど、もう慣れてしまった。
 また、春から第壱高等学校にも進学して、それなりに学校生活を過ごしていた。
 こんな僕にも彼女がいる。
 綾波レイ。彼女は少しエキセントリックな感じのする女の子だけど、とっても可愛い。
 いつもは無表情に近いが、ほんの時々僕に見せる笑顔がすごくきれいなんだ。
 なんだかんだ言っても、今の僕は幸せなのかもしれない。
 だけど、時たま思い出すことがある。
 3年前に外国へ引っ越してしまった幼なじみの少女のことを。

 蝉の鳴き声がうるさく聞こえる夏の日。
 夏休みもあと僅か。綾波と最後にどこか行こうかなと考えながら僕は歩いていた。
 行き先はとある喫茶店。そこには父さんが待っているはずだった。
 ろくでなしの父さんだけど、僕のことは気に掛けているみたいで、月に2回ほど会う約束を
離婚調停でしていた。もっとも、ここ2年ほど父さんはドイツに転勤していて、ほとんど会え
なかったけど。今日は約半年ぶりの再会だった。
 クラシック音楽が流れる静かな店内に僕は入った。
 落ち着いた雰囲気のするこの喫茶店はコーヒーもデザートもすごく美味しく、時々、学校
帰りに綾波とお茶するのに使ってもいた。
 店内を見回すとまだ父さんの姿はなく、僕は待っていようと窓側の席に向かったが、

「シンジー、こっち、こっち」

 と聞き覚えのある声に呼びかけられた。
 僕はその方へ顔を向け、

「あ、アスカ?」

 と思わず声を上げた。
 あまりにも意外な人がそこにいて、僕は暫し固まってしまったが、

「早くこっちに来なさいよ」

 との彼女の声に引っ張られるように脚を運んだ。
 僕はアスカの向かい側に腰を下ろし、

「どうしてアスカがここにいるの?」
「あー、日本に帰ってきたのよ。こっちの学校に通うと思ってね」
「連絡ぐらいしてくれてもいいの」
「アンタをビックリさせようと思ってね」
「あはは、ホント、驚いたよ」

 その僕の言葉にアスカは口もとをにんまりさせた。

「でも、偶然だね。この喫茶店で会うなんて」
「そう?」

 と、彼女はとぼけたように言った。

「アスカ。久しぶりに会ったのに悪いんだけど、これから父さんと会うんだ。だから、
ちょっと今は都合が悪くて。ケータイの番号かなんかを教えてよ。あとで連絡するから」
「んー、そんな必要は無いわよ」
「どうして?」
「だって、アタシもシンジのお父さんに会うんだから」
「えっ??」

 僕は何がなんだかわからなく、ただ彼女を見つめるしかなかった。
非常に読みやすい
 その後、アスカにいくつか質問をしたが、のらりくらりと逃げられること十数分。テーブルに置い
てあるアイスコーヒーの氷もだいぶ小さくなってきた頃、僕の後ろから大きな影が射し掛かった。

「久しぶりだな。シンジ」
「あっ、父さん」

 この暑い中、黒い長袖のジャケットを着た父さんだった。
 父さんはさも自然なようにアスカの隣に腰を下ろす。

「元気だったか?」
「うん。母さんも相変わらず研究で忙しいけど、元気だよ」
「うむ。」

 と、父さんは言葉短く相づちを打った。
 その時、ウェイトレスの人が注文を取りにやって来たが、アスカが一瞬父さんの顔を見てから、

「フルーツパフェを一つ。あっ、スプーンは2つね」

 と言った。このことに僕は違和感を感じ、先ほどからの疑問を父さんに訊ねることにした。

「あのさ、父さん。どうして、アスカがここにいるの?」

 父さんはテーブルに両肘をつき、口もとで両手を組むと、

「うむ、私は今度、日本で司令職に就くことになった」
「そうなんだ。出世したんだよね。おめでとう。……それで?」
「それでだ。この度、ここにいるアスカ君と再婚したんだ」
「えっ、」
「シンジ。これからよろしくね。アタシがあなたのママよ」
「えええーーー!!!」

 僕はうれしそうに微笑むアスカと恥ずかしそうに顔を赤くしている父さんを呆然と見つめていた。
うほっw予想しない展開wwww
ところでLRSでいいのかな、これは
LAGキターwww
それは読んでからのお楽しみという事で!…といいつつLASになりそうな予感も…。
予想しない展開で面白そうなので続きをまったりとお待ちしてます。
同じネタあったな・・・ただし汁にw
やばいなーコレ、オラわくわくしてきたぞw
>>256
 夏休み最後の金曜日。僕は綾波とプールへ泳ぎに来ていた。
 と言っても、泳げない僕は浅いところで水に浸かっているだけなんだけど。
 プールサイドで足先を水の中に入れながらボンヤリとしていた僕へ

「碇君、どうかした?」

 と顔をのぞき込むように寄せた綾波が声を掛けてきた。僕は力無い笑顔を作って、

「何でもないよ」

 と答えたが、何でもなくはなかった。
 父さんとアスカと会った先日の光景がまだ瞼の奥に残っている。
 あの後、一つのフルーツパフェを二人は食べ合っていたのである。それもお互いに
スプーンを相手の口に運んで。
 どう見ても、馬鹿ップル。しかも、ロリコン中年オヤジと女子高生のカップルだ。
 淫行で警察に捕まってもおかしくないと思う。
 でも、二人はマジなようで、アスカなんて父さんを『ゲンちゃん』と呼んでいた。
 悪夢のような光景で、あれが自分の父親と2年前まで隣に住んでいた幼なじみとは
思いたくもなかったが、やはり現実で、僕はとても落ち込んでいた。
 そんな僕の様子が綾波を不安させたのだろう。

「ひとりで悩まないで」

 と彼女は言うと、僕の左手をそっと握った。
 その柔らかい感触に刺激されて僕は彼女の身体を改めて視界に入れた。
 髪の色と同じ淡いブルーのビキニを着た彼女は普通の人より線は細かったが、それでいて
出るところはじゅうぶんに出ている女らしい身体だった。
 僕はさっと頬を赤くしてしまう。まだ、キスもしていないのに、アレなことを想像してしまった。
 でも、仕方ないよねと思った次の瞬間、父さんとアスカがアレなことをしている絵を考えてし
まった。すごい鬱。
 でも、顔色を更に悪化させた僕の左手を、更に強く握った彼女に愛おしさを感じてもいた。
GJ!LRSイイネー続きヨロピコ
油断させておいてLRGになると見た。
LAG&LRGの外道一人勝ち…

いっそのことマヤとミサトとヒカリとオペレーター三人娘もいれてハーレムにしちおうぜ。
>>262
 僕は一呼吸してから喉の奥につまったものを吐き出すように声を出した。

「アスカ、知っているよね? 彼女が日本に帰ってきたんだ」

 彼女の名前を出した瞬間、綾波は微かに眉をひそめた。
 綾波がここ第3新東京市に引っ越してきたのが中学2年の春。アスカがドイツに
行った夏までの間、綾波と彼女は同じクラスだった。その時のことはあまり思い出し
たくない。とにかく二人の仲は最悪と言えるものであったのだ。

「そう。彼女が帰ってきたの」

 と、綾波は呟くように言った。その声は夏なのに氷の冷たさを伴っていた。
 僕は背中に嫌な汗が流れるのを感じながら、

「それでさ、これから話すことは内緒にして欲しいんだけど」
「……内緒?」
「うん。二人だけの秘密」
「……秘密。わかったわ」

 なぜだか彼女は僅かに頬を赤く染めながら答えた。

「離婚した僕の父さんも日本に帰ってきたんだけど、そのさ……」
「……」
「……」
「……?」
「もう言っちゃうけど、アスカと再婚するんだって」
「……えっ、うそ?」

 と、綾波が小さく訊き返してきた。その赤い眼を大きくさせて驚いた顔をしている。
 僕はそんな彼女の表情を初めて見たので、ちょっと新鮮な印象を持った。

 夏休みも終わり、今日から二学期が始まる。軽く学校をサボりたい病気に
かかっていたが、母さんに家から追い出されるようにして登校した。
 このところはだいぶ落ち着いてきたが、母さんの機嫌はかなり悪かった。
その原因が父さんにあることは明らかで、ホント何とかして欲しかった。母さんと
してはもう父さんに未練は全く無いようだったけど、自分より早く再婚して、しかも
その相手が16歳のアスカなら話はまた違ってくるのだろう。
 しかし、僕の親の職場はいったい何なんだろう。離婚した夫婦に、その原因と
なった赤木さん親子が一緒に働いている。そういうことがあっても職場の中では
平然と保つのが大人の態度なんだろうけど、なんか想像したらすごく鬱になった。

 教室に入ると、久しぶりにみんなが揃ったせいか雑然とした空気に場が包まれ
ていた。
 あちこちでお喋りをしているクラスメイトたちの様子が見える。
 そんな中、僕は自分の席へまっすぐに行き、腰を下ろした。
 窓側の方へ視線を向けると、同じように席に座っていた綾波と目が合った。
 彼女は軽く微笑むと小さく口を動かす。
 声は聞こえなくても『おはよう』と言っていることがわかり、僕も小さく口を開き、
挨拶を返した。
 綾波にもそれがわかったのだろう。彼女はまた僕に微笑みを送った。
 そんな僕たちのやり取りを見ていたのか。ケンスケとトウジが僕のところにやっ
て来て、

「おー、先生。朝から熱々やなあ」
「な、なんだよ。トウジ」
「まあ、まあ、碇。もてない男のひがみなんだから大目に見ろよ」
「そうやで、先生。ワイらみたいな彼女がいないもんにはもう羨ましゅうてドツキた
くなるわ」

 と言って、トウジは僕の頭を拳でグリグリ押す。
「トウジ、痛いって」
「まあ、トウジもその辺にしとけよ。ところでだ、俺はある情報を入手した」
「なんや? 戦自のことなら、ワイは興味ないで」
「それもあるけど、今回は別のことさ。なんと、我がクラスに転校生が来るらしい」
「ホンマか!? 女なんやろな?」

 トウジは半ば興奮気味に大声で言うが、僕は嫌な予感を持った。
 こういう予感はよく当たる。
 僕はこれから起こることを考え、ため息を一つ吐いた。

「ああ、間違いない。女だ。これは非公式情報なんだが、めちゃくちゃ可愛いらしいぞ」
「うっ、なんやごっつう燃えてきた」

 と、その時、なにやらドスのきいた声で、

「す〜ず〜は〜ら」

 との言葉と共に、小さな手がトウジの耳を引っ張る。
 いつの間にか委員長こと洞木さんがトウジの後ろに来ていた。

「いててて! いきなり何するんや? イインチョ!」
「鈴原こそ朝っぱらから何バカなこと言ってんのよ」
 その後、委員長とトウジはいつもの夫婦漫才を続けた。
 こうして見ていると、二人は良いカップルだと思うけど、付き合っているというわけ
でもないらしい。うーん、不思議だ。
 そんなこんなで、ショートホームルームの時間になった。
 教室の前のドアが勢いよく開き、

「みんな、おっはよー。元気だったー」

 と、ミサト先生がもう元気はつらつといった感じで現れた。
 ミサト先生は出席簿を教卓の上に置き、

「夏休みはどうだった? 一夏の恋なんてしたかなー?」

 と相変わらずおちゃらけながら話をする。

「では、出席を取る前に、重大発表がありまーす。よろこべ男子。今日は噂の転校生を
紹介する。さあ、入っていいわよ」

 その声の後、ドアが開き、ひとりの少女が教室に入ってきた。

「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしく」

 とびっきりの笑顔で挨拶をするアスカにクラス中の男は魂を抜かれたようになって
いたが、僕はかなり憂鬱だった。あー、やっぱりね、という感じで。
 そんな僕をアスカは見つけ、一瞬、口もとをニヤリとさせた。
 父さんと同じニヤリ笑い。
 僕はますます鬱になっていった。

 あっという間に放課後となった。
 今日一日、アスカはクラスの中心にいた。同じ中学の同級生が何人かいたため
クラスに溶け込むのも早く、以前からの親友である委員長たちとは年月を感じさせ
ないほど仲が良かった。
 僕はそんなアスカを遠くから眺めていた。
 頼むから余計なことは言わないでくれと祈りながら。
 アスカが僕の願いを聞いてくれたのかはわからないが、何事もなく今日という日が
終わったことに、僕は心から感謝していた。

 僕は鞄を持ち、オーケストラ部の練習へ行こうと席を立った。
 同じ部の綾波が一緒に行こうと僕のところにやって来たが、

「シンジ!」

 と、アスカが僕の前に立って、そう言い放った。
 これまで一言も話さなかったのにどうしてと僕は思ったが、

「惣流さん。邪魔しないで」

 と、綾波が静かに声を出した。
 彼女は鋭い目でアスカへ視線を向けている。
 だが、アスカはそれに全く動じることなく、
「シンジ、今日これからアタシに付き合いなさい」
「僕、これからオケの練習があるんだけど」
「そう。碇君はあなたにかまう時間なんて一秒もないわ」

 だが、アスカはぼそっと呟くように声を出した。

「ゲンちゃん」
「あー、行く。僕、アスカに付き合うよ」

 僕は大慌てでアスカの声を遮り、綾波へ顔を向けると、

「綾波、その、家庭の事情で、わかるよね? 今日は休むと部長に言っておいて」
「……わかったわ」

 と、渋々ながら綾波は了解の返事をした。
 目の前でお腹を抱えながら笑っているアスカを見て、僕は溜め息を吐くことしか
できなかった。
 僕の家とは反対の方角を歩いていた。
 閑静な住宅街。
 道路を通る車も少なく、街路樹には緑が溢れていた。

「ねえ、アスカ。そろそろ、どこに向かっているのか教えてくれないかな」
「ん、アタシの家よ。一度、アンタを招きたいと思っていたのよ」
「えっ、父さんの家?」
「そうよ。アタシとゲンちゃんの家」
「……アスカ。僕は父さんと約束の日以外に会っては駄目なんだ」
「そのことなら聞いているわよ。でも、大丈夫。いつも帰りは遅いから」
「そうなんだ」

 僕は少しホッとすると同時に、心の中にモヤモヤするものを感じていた。
 4年の歳月が僕から父さんを遠ざけていた。諦めとも言える。
 でも、それとは別に、やっぱりアスカは父さんと暮らしているんだよなあと。
 アスカと父さんはまだ正式に結婚していない。なぜなら、アスカはまだ15歳だか
らだ。12月の誕生日に籍を入れるらしい。よく結婚をアスカのお母さんが許したと
思ったけど、そうなるまでいろいろとあったらしい。
 と、そんなこと今はどうでもいい。問題は僕自身だ。
 こうしてアスカと二人で歩いていると昔の甘酸っぱい想いが甦ってくるようだった。
 たぶん僕の初恋はアスカだったと思う。それとはっきり自覚したことは無かったけど
今になって思い返せば、そうだと言える。自惚れじゃないけど、アスカも僕を好きだった
はずなんだ。そうでなければ、毎朝、僕を起こしに来たり、綾波と仲が悪かったりしない。
 だから、どうして父さんなんだとの思いが僕の頭の中をグルグルと駆け巡っていた。

「アスカ?」
「ん、なに?」
「……父さんのどこがいいの?」
「そうね。かわいいところかな」
「えっ、」

 そう言って頬を赤く染めるアスカを見て、僕は質問したことをひどく後悔した。

「適当に座ってよ」

 とのアスカの声に、僕はリビングの中で腰を下ろした。
 招かれたのは普通の一軒家。
 てっきり高級マンションとかを想像していただけに、ちょっと意表をつかれた。
 部屋の中はけっこう清潔感に満ちてきて、散らかっているということはなかった。
 しばらくして、アスカがコーヒーカップを2つ持って現れた。

「はい、」

 と言って、彼女はカップを僕の前に置く。
 それからもう一度キッチンへ戻ると、アスカはクッキーが盛られた皿を持ってきた。
 彼女は僕の向かい側に座り、

「シンジと二人でお茶するのも久しぶりね」

 と言った。

「そうかな」
「そうよ。アタシがママとドイツに行ったのも突然だったしね」
「アスカのお母さんはまだドイツにいるの?」
「向こうで研究に没頭してるわ。まあ、アタシより研究の方が大事なのよね」

 と、アスカは寂しそうに笑う。
 僕は胸が締め付けられるのを感じていた。
 それからどうってことのない会話を僕たちは続けた。
 僕は父さんのことを避けていたけど、アスカの口からはどうしても出てしまう。
 それを聞くたびに、父さんとアスカは一緒に暮らしているんだと思い知らされて、
僕は曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。
 だいたい、幼なじみとしてずっと一緒にいた女の子が自分の父親の再婚相手な
んて、悪夢としか言いようがない。幼い頃は一緒にアスカとお風呂にも入ったし、
学校でも家でも二人でいることが多かった。それなのに、……恨むよ、父さん。

「もう一杯、コーヒー飲む?」

 と、アスカが訊いていた。
 妙に喉が渇いていた僕は肯き、

「うん。じゃあ、いただこうかな」
「待ってて。お湯、沸かしてくるから」

 と言い、アスカは腰を上げた。
 そして、僕の横を通り、キッチンへ行こうとしたが、

「あっ、」

 と、テーブルの脚につま先をぶつけ、彼女は倒れ込んだ。
 僕は咄嗟にアスカを受けるように下へ身体を置いた。

「……」
「……」

 僕は自分の上にいるアスカをいつしか抱き締めていた。
 見つめ合う僕たち。
 だけど、
「身体、離して」

 と、アスカは静かに言った。
 その言葉で自分がしていることを思い知らされて、僕は顔を横に背けた。
 しかし、目に入ったのはコンドームの箱だった。
 倒れた衝撃でどこかから落ちてきたのだろう。
 刹那、僕の頭の中が真っ白になり、気がついたら、身体の上下を逆にさせ、
アスカを押し倒していた。
 彼女は大声を上げることもなく、僕をまっすぐに見つめていた。その青い目は
僕の心を射抜くようで、なぜか負けたくなかった僕は彼女の胸に手を伸ばした。
 そして、その胸に触れようとする直前、

「シンジ、止めるなら今よ」

 と、凍えるような声でアスカは言った。

「もし、これ以上するなら、もうアタシはシンジのママじゃなくなるわ。赤の他人よ」
「なっ、初めからアスカは僕の母さんじゃないよ」
「あー、それもそうね。戸籍上ではシンジのママじゃないし。六分儀になるのよね。
あっ、でも、アンタのお父さんと結婚するんだから、ママと言えなくもないような」
「……もう、いいよ」

 なんだか気を殺がれてしまった僕はアスカから離れ、やるせない息をひとつ吐いた。
 そう言えば、アスカに子供が生まれたら、僕の弟か妹になるんだよなあと思いながら。



つづく、かも
俺個人としての意見ね。


是非続けていただきたい。
先生!LASもLAGも受け入れますからLRSだけは必ずいれてください!
僕はもう早く続きが読みたくてたまりません!
LAS以外なら何でもいいよ。
むしろLASでいいよ。
こういった作品を投下するにはぴったりなスレだな
うげ〜またLAS〜?
LASスレなどのカプスレでなく、ここへ投下したことを考えれば(ry
LASがいいんだが。
俺が昔、「アスカが義母でシンジが子どもな状態での健全なラブコメLASが見たい」
って汁スレに書き込んだのを採用してくれたものだと信じたい。
近親相姦LAS→清純LRSへ移行 と予想。
カプスレじゃないからどうなるか判らない所が面白い。
普通の漫画の連載読んでこの2人くっつけばいいな〜と思いながら読んでる感じです。
個人的な希望はあるけど完結するまで楽しみにしてます。
と、いうわけで続き希望!!
カプスレじゃないから怖くて見れない。
完結してLASになるのであれば読もっと。
>>284
むしろ
シンジ、LRSに逃げる+鬼畜ゲンドウLAG→何だかんだで結局LASに
と予想。
それじゃあれとおなじじゃん。俺はLRS希望。
じゃあオレはLARS ゲンドウ断罪で
作者さん
トリと、出来たらHNを入れて欲しいです。
ゲンドウの浮気相手候補>>ナオコ(再)、リツコ(再)、レイ(新規)
ゲンレイはやめてくれー
いやだー死んでしまうー
最後LAS、LRSどちらになるにしろ、ここが投下先としては妥当だろうね
続きまってるよ
LASではありません。
続きません。
最近はこーいうシンちゃんが流行り?
ある意味貞シン寄りだよね。

>>293
同意。正しいスレの選び方って感じだw
どういう結末にせよ、是非最後までガンガッテ欲しいです<作者さん
学園物のシンジだからねえ。
26話のシンジは負の部分が無い場合を表しているんでしょ。
ググったけど親の再婚相手って法的には完全にアカの他人なんだな、初めて知った。
再婚相手の連れ子も同じ。
是非続けてください先生
>>298
は?
301第2話目よん:05/02/21 12:24:00 ID:???
>>274
 先日の一件、いくら我を忘れていたとしてもアスカを押し倒してしまったことで、
僕は暫く鬱状態が続いていた。幼なじみで初恋の人とはいえ今は父さんの婚約
者なわけで、アスカは全く気にしていないみたいに接してくれるけど、僕は気まず
さでいっぱいだった。
 それは綾波に対しても同じで、後ろめたさがある僕は知らずに彼女を遠ざけていた。

 日曜日、僕と綾波はいつものようにデートをしていた。
 芦ノ湖で彼女が作ってくれたサンドイッチを食べながら釣り糸を垂らす。のんびりと
した一日を一緒にすごすことがとても楽しかったはずなんだけど、今日は違った。
 口べたな僕たちはいつも会話は少ない方だったが、ほとんどゼロと言えるほど何も
話さなかった。と言うより、僕が話し掛けることは全く無く、無口な彼女は時折なにか
もの言いたげに視線を向けていたが、それを無視してしまっていた。
 アスカとのことが心苦しく、彼女の眼を正視できない。
 綾波を好きだとはっきり言える。
 言えるけど、今は頭の中がごちゃごちゃして何がなんだかわからなくなっていた。

 陽は傾き、向こうに見える富士の山に重なろうとしていた頃、僕たちは帰路についていた。
 バスを降り、綾波の住むアパートのエレベーターに乗った。
 ここまで会話はほとんど無く、今も口は閉ざしたまま。
 籠が上昇する機械音だけが僕の耳へと入り込む。
 その後、やはり無言のまま僕たちは彼女の部屋の前まで足を運んだ。
 綾波はドアを開けて入ることもなく俯きながら立ち続けた。
 彼女の様子に違和感を持ったが、僕はこの場から逃げるように、

「じゃあ、また明日」

 と言って、歩き出した。
 しかし、刹那、僕は動きを止めた。
 綾波が僕のTシャツの裾を右手で掴んでいたのである。
 思いの外、強く握られていたそれは決して彼女の手から離れないように見えた。
「綾波、どうしたの?」
「……部屋に上がって」

 小さく呟くような彼女の声だった。

「でも、家で母さんが夕食を作って待っているから」
「……少しでいいの」
「だけど……」

 ひとり暮らしをしている綾波の部屋に今は入りたくなかった。
 アスカとのことが尾を引いていたからだ。

「今日は帰るよ」

 そう短く告げた。
 でも、綾波の手がシャツから離れることはなく、僕は途方に暮れてしまった。

「綾波、」

 と言って、僕はシャツを握っている彼女の右手に触れた。
 その瞬間、小さく息を呑んだ。
 彼女の手が細かく震えていたのである。

「碇君、」

 綾波は俯かせていた顔を上げた。
 彼女の瞳は更に赤みを増し、今にもこぼれ落ちそうなほど涙を溜めていた。

「私を嫌いになったら、そう言って。……私、もう碇君に近づかないから」
「えっ、な、なに言ってんの?」
「惣流さんのこと、今も好きなんでしょ?」
 彼女の頬を一粒の涙が流れ落ちた。
 自分が綾波をこんなにも不安にさせたことを思い知らされて、頭を金槌で打た
れるような衝撃を受けた。
 僕は叫ぶように大声を上げた。

「違うよ!」
「……うそ」
「本当だよ。僕は、僕は綾波だけが好きなんだ」

 彼女は僕から眼を逸らし、

「信じられない。……碇君、惣流さんといる時、楽しそうだもの」
「綾波、信じてよ。本当に、もうアスカとは終わったんだ」

 しかし、綾波は何も答えてくれない。
 どうすればいいかわからない僕は衝動的に彼女を抱き締めていた。
 綾波はその小さな身体を固くさせたままだったが、僕は諦めずに声を出した。

「今、僕にとって一番大切な人は綾波なんだ。信じてほしい」
「……碇君、」

 綾波は身体の強張りを解き、僕の眼を見つめた。

「信じていいの?」
「うん。綾波を悲しませて、本当にごめん。でも、これが僕の気持ちだから」
「碇君、」

 綾波は僕の背に両腕を回して、きつく抱き返してきた。
 そして、見つめ合う僕たち。
 重ね合うくちびる。
 これが僕たちのファーストキスだった。

 オレンジ色の空の下、僕は商店街を歩いていた。
 家に帰る途中、ちょっと買い物をしようと考えたからだ。
 綾波を泣かせてしまったので、おわびに何かプレゼントしようと思った。
 今、僕の頬はかなりだらしなく緩んでいるだろう。
 いろいろあったけど、僕と綾波の絆は更に強いものへとなった。
 結果オーライと言えよう。
 初めてキスもできたし。
 今もまだ胸がドキドキしている。
 綾波の柔らかいくちびるを思いだし、また僕はふにゃぁと笑みを浮かべた。
 しかし、良いことばかりが続くはずもない。
 夕暮れの繁華街。その人混みの中に、異彩を放つ一組のカップルを見つけてしまった。

「うわっ、」

 と思わず声を上げた後、僕は物陰に身体を隠した。
 僕の視線の先にいるのは父さん。そして、アスカ。彼女は父さんの腕にべったりと抱き
つきながら、楽しそうに話し掛けていた。
 綾波とのことがあったばかりで、今ふたりには出来ることなら会いたくない。
 僕は父さんたちが通り過ぎるのをじっと待った。
 しかし、ウィンドーショッピングをしている二人の歩みはカタツムリのように遅い。

── 頼むから早く行ってよ。

 と心の中で呟かざるを得なかった。
 それにしてもあの二人、よく警官に職務質問されないよなと僕は思った。
 もしかして周りからは仲のいい親子に見えているのだろうか。
 いや、でも、なあ。
 そんなことを考えながら、じれったく見ていたが、二人に近づこうとしている人影に気付いた。
「リツコさん?」

 紺色のタイトスーツを着ている女性は明らかにリツコさんだった。
 幼い頃、家族ぐるみの付き合いをしていたリツコさんに僕はよく遊んでもらっていた。
そんな彼女だけでなく、母親のナオコさんとも浮気していた父さんはやっぱり最低だ。

── リツコさん、もしかして……

 と、僕は嫌な予感を持った。
 遠目からも彼女が思い詰めた表情をしていることがわかる。
 そして、父さんたちまで後10メートルほどにせまった時、彼女はハンドバックから
銃のようなものを取り出した。
 モデルガン?と一瞬、僕は思ったが、

「わー!!」

 と声を出しながら、リツコさんへ急いで駆け寄った。
 そして、後ろから彼女を羽交い締めにする。

「リツコさん、落ち着いて」
「あなた、誰? 離して。離しなさい」

 彼女は女性とは思えないほどの力で僕を振り払おうとした。

「僕です。シンジです。落ち着いてください。リツコさん」
「シンジ君なの?」
「はい、」

 リツコさんは顔を後ろに回し、僕を確かめた。
「シンジ君、お願いだから見逃して」
「何をしようとしているんです!?」
「死ぬの」
「えっ?」

 小さな声で告白した彼女は急に全身から力を消した。

「シンジ君、わかるでしょ?」
「な、なにをです?」
「私の司令に対する思いをよ」
「はあ。でも、死ぬなんて……」
「もう私にはこれしか道は残されていないの。あんな小娘に取られるくらいなら、
司令を殺して私も死ぬわ」
「わー、わー、な、なんてこと言うんです」
「私、もう耐えられないの」

 リツコさんは膝を落とし、道路に座り込むと手で顔を覆った。
 その指の間から涙が流れ落ちている。
 僕はどうしたいいかわからず、ただリツコさんを見ているしかなかった。
 と、その時、

「シンジ、何をしているんだ」

 と後ろから、声を掛けられた。
 振り向くと父さんたちで、二人は驚いたように僕とリツコさんを見ていた。
 父さんの声が聞こえたのだろう。リツコさんは立ち上がると、銃を向けた。
「司令、私と死んでください」
「な、赤木君!」
「リツコさん!」

 僕と父さんは同時に声を上げた。
 しかし、リツコさんの前を白い脚が跳ね上がるのが見え、靴のつま先に当たった銃が
宙を飛んだ。それは、アスカが咄嗟に蹴り上げた結果だった。
 僕は地面に落ちた銃を素早く取り上げ、バックの中に隠す。
 それを見てアスカは僕に眼で肯くと、リツコさんの前に立った。

「リツコ、アタシのゲンちゃんに何すんのよ!?」
「げ、ゲンちゃんですって」

 声をわななかせながらリツコさんは言った。

「そうよ。アンタなんかお呼びじゃないの。バアさんは用済みなのよ」
「バ、バアさん。あなた、言ってはならないことを言ったわね」

 そう言って、リツコさんはハンドバックに手を伸ばした。
 瞬間、僕は危険なものを感じ、リツコさんからバックを奪う。

「シンジ君、返して」
「駄目です」
「今、この小娘を殺らなきゃならないのよ」
「駄目、絶対に駄目」
「シンジ、返してあげなさいよ。アタシがこんなオバさんに負けるはずがないでしょ」
「なんですってー!」
「アスカ、お願いだから黙っていてよ」

 僕は助けを求めようと父さんを見る。
 だが、父さんは素知らぬふりで腕を組んでいるだけだった。サングラスに眼は隠れて
いて、表情はよくわからないが、きっと平然としているのだろう。
 ……いや、訂正。視線を下にすると、父さんの脚が微かに震えているのがわかった。
 この駄目オヤジ、と心の中で呟く。
 とにかく未だ危険な状態のリツコさんをまずは取り押さえようと、後ろから抱き締めた。

「シンジ君、離して」
「落ち着いて、リツコさん」

 もう周りには僕たちを見る人で溢れていた。
 お願いだから警察沙汰にはならないでと祈らずにはいられない。
 と、その時、

「あなたたち、何しているの?」

 と知っている声が掛かった。
 僕たち4人は同時にその方向へ視線を向ける。

「母さん、」

 と、僕は安心した声を出した。
 そこには母さんが怒った眼で僕たちを睨んでいたが、なんとか事態を収拾してくれる
だろうと僕はホッとした。
 しかし、ここに何もわかっていないオヤジがひとり。

「ユ、ユイ〜」

 もう喜色溢れんばかりの声を父さんは出した。
 その刹那、アスカとリツコさんからはそれだけで威圧できるような殺気が飛ぶ。
 もう勘弁してよ〜。
 僕はすぐにも走ってこの場から逃げたい気分に駆られた。


つづく、のかな?
このゲンドウ超萌えるんだけどw
ダメ親父マンセーw
DQNがDQNのまま平然と周囲に許容されてる話は嫌いだから、
この先ゲンドウには納得のいく扱いかフォローをしてほしい、と言ってみる。
今の所コメディ?っぽいから、そこまで気になるものでもないけど。
コメディでそれ気にする人ってホント珍しいよーな・・・
コメディーだから気になるって場合もあるな、俺は。
シリアスより実は作者の思想がでてしまうからな。
俺はゲンドウよりもLRSに萌えた。
急展開でいきなりコメディになっててワロスw
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
新鮮でいい感じ!!
続きを期待!!
なんだかんだで未だユイが一番好きなゲンドウ…

やっぱこいつにはアスカなんかよりユイだね!
んで結局シンジは綾波だけが好きなのに、仲裁してるうちに
ゲンドウのオフル女性軍にいつのまにか付きまとわれるようになって…
シンジとゲンドウの立場が逆転しそう
シンジよ、ゲンドウの魔の手からアスカを取り戻せ。
というかこの際シンジとレイもゲンドウの愛人にすr(ry
シンジ×ユイを希望
シンジ×レイだろやっぱ
ユイ×ゲンドウ
シンジ×アスカ×レイ
アスカはいらない。
そういやこの手のコメディ系でガチでゲンドウを嫌いになったユイってどれくらいいるんだろう。
なんだかんだでゲンドウ→ユイなとこがいいw
ゲンドウは一人断罪。
ユイ、リツコ、アスカはゲンドウを見限り、
最後はLASになるってのが一番有り得そうな雰囲気。
あーーーーーそれ、あ り え な い か ら
最終的にシンジ×レイになるのが一番
やっぱりカプ的展開を期待する人が多いのね
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
>>329
カプ的な話だろ最初から
シンジに押し倒された時のアスカの反応を見ると、もうゲンドウとやっちゃってますね
ロリから熟女まで幅広くこなすオールマイティな男ゲンドウ
>>331
うむ、その通りだ
>>332
限りなくどーでもいい。
つか、その手のはN3の小説で十分。
ねちねち執着するより、ばっさりきりすてろや。
ってことで、

アスカ→ふーん、あっそ。父さんと仲良くね。わかったからどっかいって。
    視界に入んないで。→山もなくEND
レイ→これからよろしく。
ユイその他→好きにすれば?

な感じがいいなー。

↑の人たちが語ってる展開ばっかでいい加減あきました。新味がないっす。

…一応当方LAS人だけど、ぐだぐだすんならこれでいい。
まぁ決めるのは作者さんだ
>>335
うん…そうなんだけどね。
もうウン年ネットの海に潜ってFF漁ってるけど、
そういう展開のお話には巡り合わんのよ
適当に自己完結してるみたいな話とか中途半端にごまかしてる話ばっかでさ。
EVAFFも、もう10年ぐらいたってるんだぜ?断罪系とかそういうのには反応するのに、
この流れがちっとも変わらんのについ、ね…
ごめんなさい>作者&ALL

できれば、どっかでめぐり合いたいなぁ、そんな小説。長文スマソ、チラシの裏に書くわ。
337332:05/02/22 02:49:36 ID:???
>>334
スマソ
なんというか、「アスカたんはロリじゃないよ!!」的なレスを期待してた
アスカがどうこうとか他意は無い
まぁLRSの俺としてはまたLAS盛り上がらせる為に綾波利用するなんてことだけは勘弁して欲しい。
でも激しくそうなりそうで怖い
n3レイは二作共シンジに弄ばれてアスカに見下されてるからな
あんなの見た後ではレイの幸せを願ってしまうよ
アスカに見下されてた描写は無いと思うが
というか今作も、弄ばれたのはどっちか謎
今作のアスカは本人の気持ちはどうであれ、
シンジにしてみれば、嫌がらせ以外のなにものでもなかろー。
せっかく、うまくいってたのに、
忘れかけてた人間二人がスクラムくんで、視界に入り込んでくるんだから
うざったくて仕方あるまい。
シンジの平穏を破壊するのはいつもゲンドウとアスカ
だがそれがいい
341>
だったら思わせぶりな行動するなって話しなんだよ。
どっちみちいいように利用したのは確かだろうが。
それくらい常識でわかれよ。
つまり好きでもないなら恋の駆け引きに
自分を想ってる子を出すなって話だ。
まぁ、ここであの話するのはやめようぜ。
大人しく続き待ってます。
オッテュ
347第3話目よん♪:05/02/22 14:32:37 ID:???
>>308
「おはよう、シンちゃん」

 と言って、眼を擦りながら母さんがダイニングキッチンに入ってきた。
 それを見て、僕はご飯茶碗を取り出しながら、

「母さん、おはよう」

 と挨拶を返した。
 母子家庭で母さんは仕事に忙しいので、平日の食事は僕が作ることになっている。
 初めの頃は面倒で嫌だったけど、今は手を抜くところも覚えたし、自分でも料理の
腕はけっこう上がっているんじゃないかなと自負していた。

「今日は、ハムエッグね。美味しそう」

 そう言うと、母さんは洗面所へ行った。
 声も柔らかで母さんの機嫌は上々のように見え、僕はホッとした。昨夜、母さんは
ちょっと荒れ気味だったのである。
 それにしても昨日の出来事は最悪だった。あれから警察の人が来て、僕たち5人
は交番に連れて行かれた。でも、なぜかすぐに帰っていいと言われたけど。所持品
検査をされていたら、完全にアウトだったはずだ。それはともかく、あの後、僕たちは
すぐに別れたけど、雰囲気は一触即発な感じだった。よく刀傷沙汰にならなかったと
今でも身震いする。
 ただ、今でも父さんは母さんに未練たらたらなのがわかった。同時にいくつもの好
きを持てる父さんには呆れるしかない。僕には考えられないことだ。第一、母さんに
その気は全く無いのに。
 あんな駄目なオヤジでも、女の人にモテモテなのは不思議だ。謎。
 いつの日か父さんが刺されても僕はそんなに驚かないと思う。

 残暑の厳しさを予感させる朝陽の下、僕は学校への道を歩いていた。
 ゆっくり歩いて約30分ほどのところに校舎がある。自転車通学が許可される距離に
100メートルほど足りないのが恨めしいところだ。
 学校に近づくにつれ生徒の数が増え、道路に様々な音が雑然と交差する。そんな中、
後方からガタガタという音が聞こえてきた。少し気になった僕は後ろを振り返る。
 すると、そこには車輪のついた大きな旅行用のスーツケースを引きずりながら歩くアス
カの姿が見えた。その表情は不機嫌さで満ち溢れている。
 僕はあまり関わりたくないと思ったが、無視するわけにもいかず、足を止めて待った。

「おはよう」
「ぐっと・もーにんぐ」

 と、アスカは低い声で言う。
 日本語でも慣れ親しんだドイツ語でもなく、ひらなが英語での挨拶だった。
 うわー、めちゃくちゃ機嫌が悪そうだよと思った僕は無難な話題として、

「今日は天気がよくなりそうだね」
「そう? アタシが暑いのダイッ嫌いなんだけど」
「ははは、そうだね」

 僕は乾いた笑いを返すしかなかった。
 そして、彼女の旅行カバンが目に入らないように真っ直ぐ前を向いて歩く。
 でも、やっかいごとは自分へ全て来るようになっているんだよなと確信していた。
 案の定、アスカから話を振ってきた。

「別居よ。別居」
「へっ、?」
「家を出てきたと言ってんの」
「そ、そう」
 僕はもはや走って逃げたくなったけど、そういうわけにもいかず、

「あの馬鹿ゲンドウ、今もまだユイさんに未練を残してんのよ。あったまに来る」
「……」
「だいたい、何? アタシを愛しているんじゃないの?」
「……」
「シンジ、黙ってないで何か言いなさいよ」
「い、いや、僕からは何とも。あまり恋愛経験も豊富じゃないし」

 一度、アスカは僕の顔を見てから、

「まあ、それもそうね。でも、アンタの父親でしょ。少しは責任を感じなさいよ」
「……ごめん」
「男って、そんなに昔の女を忘れられないわけ?」
「どうなんだろう? 僕は父さんじゃないからちょっと」
「アタシはアタシだけを愛してほしいの」
「……本当に、ごめん」

 と僕が謝った後、アスカは小さな溜め息を吐いた。

「結婚なんて、しない方がいいのかな。もし、アタシがドイツに……」

 その小さな呟きは途中で雑踏の中に消えていった。
 瞬間、彼女の言葉が僕の胸へトゲのように刺さる。
 僕はアスカが何を言おうとしたのか訊こうかどうか迷ったが、
「碇君、おはよう」

 と言った綾波の声が、そのことを霧消させた。
 僕は横の方へ振り向き、

「あ、おはよう。綾波」

 と、彼女へ微笑みを送った。
 僕の隣にアスカがいることで不機嫌な顔をしていた綾波だったが、少し表情を崩した。
 そして、綾波は再び顔を厳しくするとアスカへ向かって、

「そのバック、なに?」
「ん、家出してきたのよ。馬鹿ゲンドウとケンカしたから」
「……ケンカ?」
「そうよ。しばらく家になんて帰ってやらないんだから」
「そう。……今夜はどうするの?」

 綾波がこんなにもアスカに関心を寄せていることが意外で、僕は二人の会話を黙って
聞いていた。

「ヒカリの家にでも泊めてもらうわよ。ちょっと迷惑かけちゃうけど」
「……そう、」

 綾波は眉間を微かに寄せて暫し考えるように口をつぐんでいたが、

「なら、私のところにくればいい。ひとり暮らしだから、誰にも迷惑はかからないわ」
「「えっ!!」」
 僕とアスカは同時に驚きの声を上げた。
 中学時代の二人は犬猿の仲だったので、綾波がそんなことを言うとは
考えもしなかった。
 それはアスカも同じだったようで、

「アンタ、いいの? アタシのことが嫌いだったんじゃ」
「いい。碇君が私を好きでいてくれるから、あなたを嫌う理由は何も無いわ」
「ふふ〜ん。そういうこと」
「あ、綾波〜」

 人前でそういうことを言われることに慣れていないので、僕は頬を真っ赤に
してしまった。
 更に、綾波はもう一つ爆弾を落とした。

「それに、あなたは私の姑になるから。嫁姑の関係は良好な方がいい」
「ほほ〜。シ〜ン〜ジ、アンタ、愛されちゃってるわね」
「……」

 僕はもう黙って俯いているしかなかった。
 おそらく完熟トマトより僕の顔は赤くなっているだろうと感じながら。


 昼休み、僕は耳にヘッドフォンを付けて音楽を聴いていた。
 S&Gやニール・ヤングなど前世紀70年代の洋楽がここ最近のお気に入りだった。
 少し眠気を感じながらまどろんでいたが、僕の机をトントンと叩く小さな指が目に入った。
 僕はヘッドフォンを取り、顔を上げる。

「あ、碇君。邪魔しちゃった?」
「ううん。そんなことないよ。それで、何か用? 委員長」

 洞木さんはちょっと口籠もるようにした後、おずおずと声を出した。

「アスカから聞いたんだけど、今夜、綾波さんの部屋にアスカが泊まるって本当なの?」
「うん、本当」
「……あの二人、大丈夫なのかな」

 アスカの親友である洞木さん。と同時に、綾波にとって数少ない女性の友達でもあった。
 極端に人付き合いの悪い綾波が何とか学校生活を送れているのも彼女のおかげだ。
 でも、中学の頃、アスカと綾波に挟まれる洞木さんは相当な苦労をしていた。
 本当に彼女には感謝している。

「う〜ん、たぶん、大丈夫、かもしれない」
「碇君も自信ないのね?」
「うん、ちょっとね。でも、このことは綾波から言い出したんだ。だから、たぶん」
「そうよね。それには、わたしもちょっとびっくりしちゃった」
「あはは、僕も」
「もしあれだったら、わたしの家に泊めてもいいと思っていたけど、綾波さんに任せちゃっても
いいのかな。アスカ、家族の人と派手にケンカしたみたいで、心配だけど」
 洞木さんはアスカと父さんが一緒に住んでいることを知らない。
 アスカだったら気にせずにみんなへ言うと思っていたが、まだ秘密にしていた。
アスカが僕に気を遣ってくれているということなのだろうか。

「とにかく様子を見ようよ。案外、上手くいくかもしれないし」
「そうね。そうするしかないよね」

 と言ってから、洞木さんは小さく笑った。

「ふふっ、碇君も大変ね。ヤキモチ焼きの彼女がいると」
「えっ、あ、うん」

 僕は頬を染めてしまう。
 やっぱり他人からそういうことを言われるのには慣れていない。特に、女の子には。

「あ〜あ、わたしも早くカレシがほしいな」
「委員長なら大丈夫だよ。すぐにいい人ができるんじゃないかな」
「ホント〜?」

 そう言って、洞木さんは僕の顔をのぞき込んだ。
 不意の彼女の動きに僕はびっくりして、椅子をガタンとさせて身体を後ろにさせた。
 一瞬、床へ倒れ落ちそうになり、必死に両手で踏ん張る。
 洞木さんはそれを見て、おかしそうに笑い声を上げた。

「ふふっ、碇君って、おもしろいね」
「そ、そうかな。僕よりトウジの方がおもしろいと思うけど」
 体勢を立て直しながら僕はそう返した。
 洞木さんは窓際でケンスケとじゃれ合っているトウジを横目で見ると、少し寂し
そうな笑みを口もとに浮かべた。

「わたしもそう思う。だけど、鈴原は……、ううん、何でもない」
「……?」

 洞木さんが何を言おうとしたのか少し気になったが、自分が触れていいことでは
無いように思えて、僕は話題を変えようと口を開いた。
 朝、僕の胸に刺さった小さなトゲはまだ取れていなかったのだ。

「委員長、少し相談があるんだけど」
「なに? わたしにできることなら何でも言って」

 相談できるような女の子は、自分には綾波とアスカと洞木さんしかいない。
 より一般的な答えを得たいのなら誰に訊くかは一目瞭然であろう。
 僕はかなり恥ずかしかったが、どうしても知りたい思いに駆られた。

「あ、あのさ、女の人って、昔、好きだった人をいつまでも想っているものなのかな?」
「……アスカ?」

 洞木さんは僕を睨むように見つめた。
「いや、違うよ。一般論として、どうなのかなって。ほら、僕んち、親が離婚しているでしょ。
それで、最近、ドイツに行っていた父さんが日本に戻ってきたから、どうなのかなって」
「あ、そういうことね」

 と言って、洞木さんは表情から険しいものを消した。
 まるっきり嘘ではない言い訳だったけど、ちょっと心苦しい。本当はアスカのことだから。

「そうね。嫌いで別れたのなら、もう駄目よね。当たり前だけど」
「やっぱり。じゃあ、そうでない場合は?」
「……わたしの場合でいい?」
「うん、」
「今、好きな人がいるなら、前の人は普通の友達として見れると思う」
「……」
「好きな人がいない時、そして、昔の人と別れたくないのに別れてしまった場合や告白も
できずに終わった場合は、またその人に恋してしまうこともあるかもしれない」
「……そうなんだ?」
「わたしは、だけどね。と言っても、そんな恋をしたこと無いからよくわからないけど」

 洞木さんは恥ずかしそうに頬を染めていた。
 僕も女の子へ恋の話をしてしまったことに気づき急に照れてしまい、小さな声で、

「あ、ありがと」
「うん、」

 と返事をすると、洞木さんは小走りで自分の席に戻っていった。
 僕は熱く感じる頬に右手を当てて頬杖する。
 そして、何やらトウジとケンカを始めたアスカをぼんやりと眺め続けた。

 翌朝、教室に入ると、アスカが僕を待ちかまえていた。彼女の机の横には昨日と
同じ旅行バックが置いてある。
 アスカは僕へ腕を伸ばし、ビシッと人差し指を向けると、

「シンジ! アンタ、レイにどういう教育をしているのよ」
「ええっ、どういうこと?」
「どういうことじゃないわよ! あの女、食事に肉を食べさせてくれないわ、テレビを
見るのも駄目、音楽も駄目。ベッドには裸で一緒に寝ようとするし、なんなのよ?」
「えっ、僕にそんなことを言われても」
「カレシであるアンタの責任でしょ」
「そうなの?」
「そうよ! もっと一般常識というものをレイに教えなさい。あんなところ、居られたもん
じゃないわ。もう、今日からはヒカリの家に泊めてもらうからいいわよ」

 アスカに常識云々など言われたくもないと思ったけど、確かに綾波にはそういうと
ころがあって、時々僕も困っていたことは事実であった。

「う、うん、」

 僕は小さく肯いて返事をした。
 と、その時、綾波がそばにやって来て、

「惣流さん。あなた、ワガママ。それに、寝言もうるさい」
「なんですってー!」

 そのまま二人のケンカが終わることはなく、SHRでミサト先生が来るまで続いていた。
 しかし、以前のように険悪な感じは二人に少しも無く、子供がじゃれ合うようなものであった。
 頬を緩めながら僕はそんな二人を見ていた。


つづきは未定
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
作者さん、乙ですた。
>>344
>>345
いや、俺が言ってるのはそっちじゃなくて
こっちのアスカとゲンの字のこと。
今更、うまくいってるとこに割り込んで…とおもったからそう書いたんだが。
…なんか変につたわってるなぁ。
>「まあ、それもそうね。でも、アンタの父親でしょ。少しは責任を感じなさいよ」
>「……ごめん」

自分勝手に浮気して出てった父親失格の赤の他人に、責任って…
そして謝るなよ、怒れよシンジ。。どう考えても理不尽じゃん。。
…OTL

ひょっとしてトウジはアスカに惚れているのか?それともいいんちょの勘違いなのか。。
ここのシンジは不憫なシンジですね・゚・(ノω;`)・゚・
不憫じゃないシンジはスーパーシンジ!
>359
まぁそれは俺も思ったが。
シンジを捨てたも同然の男と婚約してたら、普通シンジには引け目を感じるよなぁ。
それが、その男の落ち度でシンジを責めるって・・・

なーんてシリアスなら言うところだが、これって今のとこコメディだと思ってるので、気にしなーい。
理不尽に謝るのも、ある種のシンジらしさだしさ。
>>363
コメディかね?
俺からは真面目な作品っぽく見えるんだが。
それだけにちょっと痛いわ。
本編ですぐに謝るのは、本気じゃなくて、とりあえずそう言えばいいみたいな逃げなんだよな
アスカのセリフがあるから勘違いしやすいけど
そもそも本編ですぐ謝るようなシーンってほとんどないんだよな
基本的にシンジって一言言われたら一言言い返すキャラ
弁当事件の時だって謝らずに弱々しいながらも反論してるし
そう?
第4使徒戦後のミサトに叱られていたじゃん。適当に人に合わせているんじゃないって
ありゃ「なんでもいーや知らねーよもう」状態だったからまた別の話かと
まあ、相手の怒り具合で対応変えてるってところだろうな。
反論しても大丈夫そうなら反論する、反論すると厄介なことになりそうだったらとりあえず謝る。
誰でも普通にやってる処世術だな。むしろできないヤツは社会生活営めないだろ。
シンジがすぐ謝るようなヤツじゃないってのは俺も同意だけど。意外と勝ち気だよね、シンちゃん。
貞のシンジは以外とよく謝る。
でも勝ち気シンちゃんより、オドオドシンちゃんの方がいいなあ
勝気すぎんのもオドオドしすぎてんのもやだな
ちょっと弱気だけどナマイキな中学生ってのがシンちゃんらしいと思う
まあ、本編の印象的な部分を使ってデフォルメし、キャラを特徴的にさせるのが
二次創作の常套手段だしね。
アニメと違って、文章のみでキャラを区別させないとならないし。
FFのアスカなんて、アスカなんて、アスカなんて
美化しすぎ
375名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/23 14:54:23 ID:X6U/CLif
美化ってどのレスに言ってんだ?
たぶん、こう続いているんじゃないかな。

FFのアスカなんて、アスカなんて、アスカなんて

美化しすぎ
ああ、なるほど。
しかしありゃー美化なのか?w
>>366
アスカの台詞は四六時中一緒に暮らしてての感想だし、他の人に比べてシンジにそーいう傾向があるってのは合ってそうだけど。
直に謝ってるシーンが少なくても、あの台詞に違和感を感じないような印象は持たせてあるし。

それだけのキャラじゃないのはハゲドゥー。が、すぐ謝るって認識自体が間違いってこともないと思う。
あれと言うか、アスカが美化されてるFFも多いって話だろ。絶世の美少女だとか。
アスカに限った話でも無いが。
アニメの美少女キャラ(エヴァ内じゃ一番明確)なんだから、その程度の描写でガタガタ言うのも名ー。
と思ってしまいますが。
スレ違いか・・・
一応、本編でも凶悪なほどの美少女という設定なのかな
シンジと顔が同じという設定です
周りが騒ぎ立てるレベルの美少女ではあるな
写真が売れる、
同級生の姉という無理目なつてを頼ってでもデートに持ち込もうとする男がいる
猫も杓子もアスカ、アスカか・・・
>>378
「簡単に謝んないでよ、前みたいにもっと突っかかってきてよ、あたしの相手をしてよ!」って
意味だと初見のときから信じて疑ってなかった俺は紛う方なきLAS厨
>>386
だったら、浮気して出てっただめ親父に引っ付いて日本に来るなんて
面倒事以外のなにもんでもないこと持ち込んでくるなよ。
もまえは、『渡る世間は鬼ばかり』娘連中か!

…といってみるテスト。
普通にくりゃいいのに。変なオプションつきでくんな。
つか、親父とくっついた時点でドイツからでてくんな。
物語にかかわるな。
そんな漏れはシンジ擁護派。
レイも最初は下駄箱にラブレターとか貰ってたんだろうか、
それとも顔は普通という設定なんだろうか
包帯まみれで、顔立ちが分からなかったのだ。
欠席も多いし危ない奴では?と引かれてしまい、美少女だと分かった頃には近づき難くなっていたのだ。
>>356
 父さんとケンカして家を出たアスカは5日間ほど洞木さんのところに泊まり、
その後、自宅へ帰っていった。その間、アスカや父さんと関わるようなことは
無かったけど、彼女を心配する気持ちが僕にはあった。

 土曜の夜、クラスの担任であるミサト先生と加持さんが僕の家に来て、夕食
を共にした。
 加持さんは母さんの同僚で、リツコさんのように僕は小さい頃によく遊んで
もらっていた。また、加持さんとミサトさんは恋人同士で、同様に彼女とも十分
すぎるほど顔見知りだった。壱高に入った時、やっぱりというか仕組まれたと
いうか、ミサトさんが担任となってしまった。案の定、僕はミサトさんに学校で
からかわれ続けている。
 ちなみにアスカのママと僕の母さんも同僚で、僕の知り合いはみんな狭い
フィールドの中にいる。だから、父さんのしていることはもうメチャクチャ。上は
40代後半のナオコさんから下は15歳のアスカまで老若男女、見境無し。まだ
男の浮気相手がいないだけマシかもしれないが、この人と自分の血が繋がっ
ているかと思うと絶望したくなってくる。
 まあ、それは置いといて、ミサトさんたちとの夕食は宴会と化していた。ミサト
さんは大のお酒好きで、ビールならいくらでも飲んでしまう。母さんも意外に酒が
飲める方で、僕は甘めの白ワインをグラスでちびちびと口にしながら、ご飯を食
べていた。
 母さんの作ってくれた料理を無くなっても酒盛りは続く。ミサトさんはどんどん
ハイテンションになっていき、母さんと何やら妖しい話に華を咲かせていた。
 僕は身の危険を感じ、ダイニングから避難してリビングに行き、テレビを見始めた。
 それから暫くして、加持さんが缶ビールとブルーチーズを持って僕のところに来た。

「女の人同士の会話はどうもきつくて困る。……シンジ君もどうだい?」

 と言って、加持さんは缶ビールを見せる。
 僕は苦笑いをしながら、
「未成年ですよ。僕は」
「俺が君くらい頃は、隠れて飲んでいたもんだがな」
「でも、僕はあまりお酒が好きじゃないですから。ワインやシャンパンなら
少しは飲めるんですけど。ビールなんて苦いだけじゃないですか」
「まあ、シンジ君の歳ならそうかもしれないな。だがな、そのうちにビールが
美味しく思うようになる。その時が、大人になったということさ」
「ホントですか〜?」
「はは、まあ、他にもいろいろと大人になる方法もあるけどな」

 加持さんは缶のプルタブを開け、ゴクゴクとビールを飲んだ。
 そして、ブルーチーズを少しかじる。
 チーズ独特の強烈な匂いが漂い、僕はちょっと顔をしかめた。

「加持さん、よくブルーチーズなんて食べれますね?」
「まあ、大人だからな」
「大人ですか」
「ところで、シンジ君は大人になったかい?」
「はい?」

 加持さんは顔をにやけさせ、

「レイちゃんとのことさ。もうアレはしているんだろ?」
「ぶっ!! な、な、何を言うんですか」

 ちょうど食べていたスイカを僕は口から吐き出してしまった。
「どうなんだい? シンジ君」
「そ、そんなこと言えません」
「どうやら、その様子ではまだのようだ。奥手のシンジ君らしいな」

 加持さんはまた笑ってから、ビールを口に含んだ。

「いいじゃないですか。別に、」
「でも、キスくらいはしているんだろ? ここは男同士だ。秘密は守る」

 しばし、僕は言うかどうか迷ったが、小さな声で

「最近、初めてしました」
「そうか。そりゃあ、めでたい。シンジ君、おめでとう」
「……は、はあ」
「けど、レイちゃんと出会って2年以上だろ。ずいぶんノンビリしていたんだな」
「綾波と付き合うようになったのは中3の時ですから」

 進路を決めなくてはならない中3の冬。綾波と別々の高校になるかもしれないと
思った僕は、思い切って告白した。結果、今の関係に至るようになったのだ。

「それでもずいぶんと遅いと思うぞ」
「そうなんですか?」
「ああ、俺と葛城なんて大学で知り合って数日後、もうやることやっていたからな」
「えっ!」
「あの時は、一週間ぐらいずっと二人きりで部屋の中にいたなあ」
「そんなに……」
「まあ、運命的な出会いというやつかもしれんな。それから、アイツとの腐れ縁が
こうして続いているわけだ」
「加持さんたちはもう10年くらいになりますよね。どうして結婚しないんですか?」
 僅かに愁いを含むような目で加持さんは、

「まあ、いろいろとあるのさ。俺とアイツには」

 と呟き、缶に残ったビールを飲み干した。
 僕は黙っていたが、加持さんは再び口もとに笑みを戻し、

「ところで、シンジ君も大変だな」
「……?」
「司令とアスカのこと、頭が痛いだろ?」
「あっ、」
「仕事柄、俺のところにいろいろと話が伝わってきてな。まあ、なんだ、頑張れ」
「はあ、」

 僕は疲れたような返事をするのが精一杯だった。

「しかし、シンジ君も複雑だろ。父親と幼なじみが再婚するなんて」
「まあ、」
「俺がシンジ君だったら、やっぱり戸惑うしかないだろうな。例えば、俺の弟と葛城が
結婚するようになったら、どう対応していいか…」
「……」
「いやはや、まいったな。シンジ君、とにかく頑張れ」
「はあ〜」

 加持さんに励まされても僕の気が晴れることはやっぱりなかった。

 翌日の日曜、オーケストラ部の練習で僕は学校に向かっていた。
 午後2時に集合だったが、CDショップに寄って行きたかったので早めに家を出た。
 目的のCDを買い終わり、僕は学校へと急ぐ。
 だが、途中、スーツケースを引きずりながら歩く向日葵色のワンピースを着た少女の
後ろ背が視界に入った。見たことのあるカバンに亜麻色の髪。
 僕は無視することが出来ず、彼女へ駆け寄った。
 彼女まで後3メートルほどのところで声を掛ける。

「アスカ、」

 彼女は足を止め、僕の方へ振り向いた。

「あ、シンジ」

 すぐ目の前まで来たとき、僕は弾んだ息を整えることも忘れ、彼女の顔を見入ってしまった。
 アスカの眼は泣き腫らしたように赤くなっていたのである。

「アタシ、もう駄目みたい」

 と涙に濡れた声でアスカは小さく言った。

「家、出てきたんだ」
「……また父さんとケンカしたの?」

 アスカは僅かに頭を縦に振り、

「ドイツにいた頃は上手くいっていたのよ。ユイさんやリツコのことは忘れて、アタシだけを
愛してくれていると思った」
「……」
「でも、違った。あのヒト、まだユイさんを愛しているのよ」
「……アスカ、」
 僕はただ立ち尽くし、彼女の名前を小さく呟くしかなかった。

「アタシさ、小さい頃に両親が離婚してずっとパパがいなかったでしょ」
「うん、」
「ママも研究だけを見ていて、アタシをかまってくれることなんてなかった。
ヒトに愛された記憶がほとんど無いのよ。だから、アタシだけを愛してくれ
る人がずっとほしかった」
「……」
「でも、駄目ね。結局、誰もアタシを見てくれない」
「……」

 僕には彼女を慰める言葉は無く、代わりに、

「また委員長のところに行くの?」
「ううん。ヒカリには迷惑かけたばっかりだからちょっとね」
「じゃあ、どうするの?」
「他にも泊めてくれる友達はいるわよ」
「そう、」

 アスカは哀しそうな笑みを口もとに浮かべて、

「じゃあ、シンジ。またね」

 と言って、立ち去ろうと足を踏み出した。
 だが、僕は咄嗟に彼女の手首を掴み、強く抱き締めた。
 アスカは抵抗もせず、ただ身体を真っ直ぐにさせるだけ。
 2年前は同じくらいだった身長はいつしか僕の方が頭一つほど高くなり、強く
逞しく感じていた彼女の身体は折れそうなほど細かった。
 僕は彼女の耳元に口を寄せ、
「父さんとは別れた方がいい。そして、僕の家にくればいいよ。母さんは
僕が説得するから」
「……」
「アスカは父さんなんかと一緒にいちゃ駄目なんだ」
「シンジ、」

 と、アスカは小さな声を出した。
 そして、彼女の右手からスーツケースが離れ、大きな音を立てて地面に落ちた。

「アタシのことはほっといてよ。シンジには関係無いんだから」
「ほっとけないよ!」

 そう大声で言い返し、僕はアスカの顔を真正面に見た。

「アスカが心配なんだ。アスカはもっと幸せにならなくちゃならないんだ」
「……」
「だから、僕がアスカを守るよ」
「……レイはどうするの?」
「あ、綾波は……」
 僕は暫し口を閉ざした後、

「よくわからない。でも、今はアスカが一番心配なんだ」
「レイが好きなんでしょ?」
「……」

 綾波は好きだけど、今それをアスカに告げることは出来なかった。

「シンジはアタシが好きなの?」
「……そうかもしれない」
「でも、レイも好きなんだ?」
「……」

 再び僕は沈黙する。
 と、突然、アスカは僕を両手で突き飛ばし、

「シンジ! アンタ、ゲンドウと同じじゃない。アタシはそんなの絶対にイヤ!」

 と叫びんだ。
 そして、スーツケースを拾うと、アスカは駆け出していった。
 僕は彼女の言葉を頭の中でリフレインさせながら、そこに立ち続けた。

 その後、オケの練習は全く身に入らず、僕は何度も先輩に注意された。
 また、同じく練習に出ていた綾波の顔を見ることも、会話をすることも出来なかった。
 僕はあの父さんと同じことをアスカにしようとしていたのだろうか。
 それだけをずっと考えていた。
 練習が終わった後、みんなと繁華街まで出て、ご飯を食べた。
 それから、いつもは綾波を部屋まで送っていくのだが、体調が悪いからと言って別れ
た。別れ際に、彼女が僕をとても心配していたことが心苦しくて、泣きそうになった。

 雲一つ無い夜空の下、ひとり繁華街の中を僕は歩く。
 鮮やかなネオンに照らされる幸せそうなカップルがいくつも目に入った。

「ふーっ」

 と、僕は重い息を吐く。
 僕はアスカを傷つけてしまった。そして、綾波を裏切ろうとした。
 結局、僕は父さんの子供なのだろう。
 自分のバカさ加減がつくづく嫌になる。

「ホント、どうしようもないな。僕は」

 と独り言を吐いた。
 そして、僕は俯き、地面を見るようにして歩いた。
 すぐにでも一人になりたくて、できるだけ視界には何も入れたくない。
 しかし、そんなふうに歩くと、人とぶつかるのも当然で、

「あ、すみません」
「……シンジ」
「えっ!」

 顔を上げると、そこにはアスカと彼女の肩を抱いている加持さんがいた。
 二人とも僕を驚いた眼で見ている。

「どうして、加持さんとアスカが?」
「あ、ああ、アスカをホテルにな……」

 その言葉で、僕はそばにある建物を見上げた。
 シティーホテルの入り口前だった。
 これから二人はホテルに入って……、それとも出てきた後なのだろうか。

「あはははは、はは、は、」

 もはや僕は笑い続けるしかなかった。



つづく?
キタワァ
複雑やねぇ(;´Д`)
燃える展開ですな
LRS人な俺としてはちと心苦しいが、おもしろいっす
こんな加持はいやだなあ・・・
加持とアスカはお約束的展開で、シンジが勘違いしているだけじゃないかな
LAS人にもLRS人にも心苦しい展開ですが、SS創作スレなのでたぶん大丈夫
続きキボンヌ
そうであって欲しいと切に願う。
いやむしろドロドロ展開を希望
それにしても最近アスカの肉体的価値が薄まるSSが目に留まるな
>>389
乙!!続きが楽しみな展開になってましたね?
>>406
逆に言うと処女至上主義な作品は過去に書かれまくってるからね。
その場面の模写さえなければ俺は一向に構わん。もちろん最後にLASになることが前提だが。
LAS厨は巣に(・∀・)カエレ!
あほか、シンジ。
ほっときゃいいのに、自分からどつぼにはまるな。
つか、どういう展開…
アンチLASも帰れ
みんな、そうカリカリしないで。
どうせ昼ドラ風味のラブコメなんだし。
マターリ
>>411
アンチLASでわなく、LAS人だが。
最近のFFの地雷女と化したアスカと無理にくっつかんでいいよ派です。
作者さんもまためんど臭いオプションをシンジにつけるなぁ…
どうしても、こういう展開が最近のはやりなんだろか。orz

何はともあれ、執筆乙ですた。
おもしろければよし!
この話はおもろい、それでよか
>>414
俺は別に地雷女だろうがなんだろうが別に気にしないよ。
むしろ、この展開でごく普通にLRSで終わらせちゃう方がシチュを生かしきれてなくて勿体ない。
この展開でLASになる方がありふれててつまんないよ。
LRSならフラフラしちゃったけどやっぱり一番はレイだよ見たいな感じで、
ゲンドウもユイを一番愛してる…もう浮気はしないで一件落着か?
フラフラしていいのは女だけっていう展開でなければ気にしない
男だってフラフラするのさ
LRSじゃ真っ当過ぎてつまんね
もっとドロドロした展開をキボンヌ
>>421
そこでミサト×加持の全面戦争勃発ですよw
>>421
お、同志がいた。
ドロドロ最高!!
極限までドロドロした後にLASキボンヌ
極限までドロドロしたら最後はミサシンだろ
LAS厨は巣に(・∀・)カエレ!
いや、別にLASがいいわけじゃないんだけどね
LRSだとスッキリ収まっちゃうからやだってだけで
あっちもこっちも手を出し出されでハァハァハァ…
>>426>>423
加持も頑張れって言ってくれてるんだからかまわず周りの女とヤリまくればいいのに。
加持がアスカに手ぇ出したんならシンジはミサトに行けば良いのよ。
そしてLMSでマジ恋になる展開を期待。
ナンかレイばっか割食うよなー
正直アスカだとこんな感じの一途な女を当て嵌められないからだろうけど
それにしてもこの頃のレイはかわいそうだ
シンジがものすごく誠実になる展開を希望したいね
カップリングに拘らないはずだけど、最近のLASへの反動が今私の中にある
個人的にはレイの方が男受け容れるのに抵抗なさそうなイメージなんだよな。
「みんなで幸せになろうよ」を標榜する漏れはLARS派(笑)
レイにシンジの件が伝わる→ゲンの字がレイに『ユイ…』→セクース
→シンジ妖精化&お預けくらった犬状態

…もっと変わった展開キボンヌ!
↑最近のFF展開こればっかっす(TT)
>>433
ゲンレイはやめてくれぇ
ゲンドウはもっといい男だと思うんだけどね
なんだかんだで一途だし。
まぁ、赤木親子はかわいそうだったけど。リツコには同情できても
ナオコは同情できないんで…
まあ、煩悩即菩提って言葉もあるしな
ゲンドウはゲンドウで彼にしか辿り着けない境地に至ってはいたのだと思う
カヲル君登場キボン
>>436
本編だよね?
ナオコもすごくかわいそうだと思うけどなあ。
嫉妬した幼児に男が悪口言っていたと言われたくらいで
その子供を殺す人間に対して
憐憫の情は殆ど沸いてはこないのです。せめて男に怒ろうよって思うだけで。
しかし、こういうことは個人差ですから仕様がないですね。
リツコだって似たようなもんだと思うが。
自分の妻を取り返すためには全人類巻き添えに滅ぼしてもイイ!! なんてーのを境地などと呼ばんよ
そーゆーのは狂気というのだ
>436
一途ってなあ……そのために自分の息子を捨て駒にするようなのを一途の一言で済ますなよ?
悪人には甘く善人には辛いのが世の常。。
つーか、ゲンドウってそこまで突き抜けてるわけでもないんだよな。
結局シンジにも未練を残してるし、リツコのこともあの男なりに愛してたわけだし。
>>445
そうなの?
シンジに未練がってのは結局ユイとの子供であったからで、
リツコを愛したってのは方便だと思っていたが。
とりあえず浮気モンは戸板にくくりつけて川に流すってことでFA。
…男女の別なく。
浮気くらい普通にしてるよ
>>446
ユイとの子供ってだけならシンジと向き合うことに怖がることも最後に謝ることもないでしょ。
シンジと一緒だよ。好きだから傷つけたくない、傷つけられたくない、だったら何もしないほうがいいという。
リツコにも「君には失望した」と言っているが、あれもストレートに言葉の通りの意味でしょ。
リツコだけは自分の味方だと信じてたのに裏切られたから失望した、と。
当然ながらリツコにはまったく通じてなかったがw
>>445
シンジに未練つっても、勝手に自己完結して終わってるし駄目じゃん。
十分突き抜けてるよ。
そっかあ?
結局この世にユイ以外の心残りを作ってる時点で突き抜けてないと思うぞ。
駄目なヤツなのは否定しないけど。
>>448
一緒にすんねい!
まっとうに生きてるヤツは生きてます。
最近は寝取られがブームなんですか?
妖精シンジがブームですw
二枚舌外道シンジも名
大体は外道未遂だがなw
>>398
 夜、ホテルの前でアスカと加持さんに会ってしまった僕は軽い錯乱状態に陥ってしまった。
 でも、加持さんの話をちゃんと聞いた後、僕は恥ずかしくて穴に入りたくなった。
 全ては僕の豊かな妄想力が生んだ誤解だったのだ。
 真相は、行くところがなく途方に暮れていたアスカを見つけた加持さんが、自分の部屋に
泊めるわけにもいかず、それでホテルへ送ったというだけであった。
 ホテルの部屋を取った後、一階のロビーで僕と加持さんはアスカと別れることになったが、
彼女を傷つけたことに対して何か言わなければならないと思い、

「昼に会った時のことなんだけど、僕は……」
「アタシは昼にシンジと会ってなんていないわ。今が初めてよ。だから、アンタとアタシの間には
何も無かったし、アンタとレイもこれまで通り何も変わらない」
「……」
「わかった?」

 と言って、アスカは僕に微笑んだ。

「でも、……」
「デモもカシコもないわよ。とにかくそういうこと。あんだーすたん?」

 僕は暫し黙って彼女を見ていたが、深く頭を下げて、

「ごめん。……ありがとう」

 と言った。
 アスカはそれを見て笑みを深めた後、加持さんにペコリと頭を小さく下げ、

「加持さん、今日はありがとうございました」
「これくらい何でもないさ。また何かあったら俺に遠慮無く言ってくれ」
「はい、そうさせてもらいます。……じゃあ、シンジ。また明日、学校でね」

 彼女は手をひらひらと振りながら、エレベーターの中へと消えていった。

 それから数日後、アスカは引っ越しをした。
 綾波の住むアパートに。
 以前、綾波のところに泊まった時、一階に空き部屋があったのをアスカは覚えて
いたらしい。ちなみに、綾波の部屋は5階の一番奥である。
 高校生が一人暮らしできる物件なんて少ないからというのもあるのだろうけど、
よりにもよって綾波と同じアパートに引っ越さなくてもと、僕は思った。
 アスカが何を考えているのか正直わからない。
 でも、僕が彼女にしてやれることは何も無いし、そもそも自分は不器用な人間だ。
 ならば、今、僕が一番好きな人を大切にしよう。
 そう僕は思った。

 9月も半ばになり、陽が落ちるのも早くなった夕暮れ時、僕は綾波と一緒に歩いていた。
 クラブ活動が終わった後、いつものように彼女と帰路を共にする。
 僕たちの間に会話は少ないけど、そばにいれば心が通い合うような感覚に包まれる。
 やっぱり僕は綾波が好きなんだと改めて実感していた。
 しばらくして、いつもの分かれ道にさしかかった。
 普段なら僕と綾波はここで立ち止まることなく別れるのだけど、

「綾波。今日、時間ある?」
「大丈夫よ。でも、なぜ?」
「あのさ、今夜、ウチでご飯を食べていかない? 綾波の好きなものをごちそうするからさ」
「……いいの?」
「うん。……僕たちがちゃんと付き合うようになってから、綾波はまだ僕の家に来たこと
無いでしょ。そのさ、綾波のこと、母さんにきちんと紹介したいんだ」
「碇君、」

 綾波は夕陽に照らされた頬を更に赤く染めると、指を絡めるように僕の手を握った。
 そして、僕たちはまた歩き出した。
 夕食の献立を綾波と相談しながらスーパーへと向かっていた。

 日曜日、父さんと会う約束の日。
 はっきり言って父さんの顔は見たくなく、すっぽかそうとも考えたけど、これは決まり事
だったし、文句の一つも言いたかったので、僕は時間通りに例の喫茶店へ行った。
 昼下がりの店内は客も少なく、ゆったりと流れるピアノ曲が空間を埋めている。
 僕と父さんが奥の席に向かい合って座ること十数分。一言も会話は無かった。
 父さんはお決まりの口もとで両手を組むポーズをとり続け、僕はアイスコーヒーを
飲むか、窓の外に見える人の流れを眺めていた。
 不意に、父さんが声を出した。

「シンジ、」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「なんだよ」

 沈黙を守り続ける我慢比べは僕の負けだった。

「アスカ君は元気か?」
「なっ、アスカを迎えにも行ってないの?」
「会ってくれんのでな」
「……当然だよ」

 僕はふっと溜め息をついてから、静かに口を開いた。
「父さんはこれからアスカとどうしたいの? よりを戻したいの?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「黙ってないで、答えてよ」
「……」
「……」
「……」
「……」
「全ては心の中だ。今は、それでいい」
「いいわけないじゃないか! なんだよ、それ。わけわかんないよ」

 と大声を上げ、思わず僕は椅子から立ち上がった。
 周囲の目が僕に集まったが、頭に血が上った僕は恥ずかしさを忘れていた。
 乱暴に腰を下ろし、

「アスカの友達として言うけど」
「……」
「父さん、アスカとは別れてほしい。父さんにアスカは幸せにできないよ」
「……」
「聞いているの?」
「シンジ、オマエごときに指図される覚えはない」

 表情一つ変えずに父さんは答えた。
「僕だって、こんなこと言いたくないんだ。でも、あんなアスカは見てられない」
「……」
「……」
「オマエがアスカ君を幸せにすると言うのか?」

 暫し、僕は口を閉ざした後、

「僕には出来ない。綾波がいるから」
「なら、口出しは無用だ。これは私とアスカ君の問題なのだ」
「だけど、アスカは父さんと一緒にならない方がいい」
「……」
「……」
「シンジ、言いたいことはそれだけか?」

 僕はサングラスに隠れた父さんの目を睨みながら、

「他にもたくさんあったけど、もういいよ。頭の中から吹き飛んじゃったし」
「そうか。ならば、帰れ。オマエと会うことも、もうあるまい」
「僕だって、父さんなんかに会いたくないよ」

 僕の中で何かが終わったような音が聞こえた。
 一つの絆が今、明らかに切れた。
 だが、

「シンジ、次は3週間後の土曜だ。時間に遅れることは許さんぞ」
「なっ、たった今、父さんから会わないって言い出したんじゃないか」
「全ては心の中だ。今は、それでいい」
「また、それだ。もう、いい加減してよ」

 疲れがどっと僕の全身に押し寄せた。

「もう、いいよ。疲れた。じゃあ、僕は帰るから」
「うむ」

 僕は立ち上がり2歩ほど脚を進めたが、このまま帰るのも悔しく、
父さんへ振り返った。

「あ、父さん。わかっていると思うけど、母さんに父さんとヨリを戻す気は
これっぽちも無いよ。期待しても無駄だから」

 その瞬間、テーブルについていた父さんの肘が滑り、髭もじゃの顎を
ぶつけたのが見えた。
 僕は少しだけ胸がスッキリするのを感じた。


 瞬く間に一週間が過ぎ、今日は土曜日。
 僕は市立音楽堂に来ていた。オーケストラ部の合同演奏会のためである。まあ、
もっとも僕が演奏することはなく、先輩たちのお手伝いで雑用係をしているんだけど。
 ちなみに、ここ第3新東京市にはトップを争う進学校が2つある。僕の通う公立の
壱高と私立の新東京学園だ。この街は研究都市として発展し、次期遷都が決まって
いるので急激に人口が増えており、またアカデミックに溢れた空気が流れている。
そのため壱高と学園は第2東京大学への入学者数がトップにあった。
 それで、今回の合同演奏会の相手は学園のオーケストラ部であった。
 この演奏会にはプロの人も多く聴きに来ていて、聴衆が会場の全ての席を埋めていた。
 数時間が過ぎ、演奏は大成功のうちに終わった。そして、後片づけをした後、大きな
ミーティングルームの中で打ち上げが行われた。
 数人の教官の他はほとんどが高校生なのでアルコールの類は無いが、大いに
盛り上がった。
 少し時間が経った後、ちょっと疲れを感じた僕は壁に背中を寄り掛けながらコーラを
飲んでいたが、

「やあ、シンジ君。元気だったかい?」

 と声を掛けられた。
 渚カヲル君。中学校の頃、同じクラスだった僕の友達だった。
 親友と呼べるほど仲がよかったけど、カヲル君は学園の方に進学してしまい、今は
疎遠になってしまった。でも、カヲル君も同じオーケストラ部で今回のように会うことが
何回かはある。また、カヲル君はバイオリン奏者で、その腕前はもの凄く、しばしば海外
からも演奏に招かれていた。

「う〜ん、どうかな。元気と言えば元気だったかな」
「ふふっ、シンジ君は相変わらず表情に気持ちが表れるね」
「そうかな?」
「そうさ。ボクはキミのそういうところが好きだよ」
「あ、ありがとう。でも、ちょっと照れるなあ」
 カヲル君はとてもきれいな笑みを浮かべると、

「ボクはシンジ君が一番好きさ。それは昔も今も、未来永劫に変わらないよ」
「ちょ、ちょっと冗談が過ぎるよ」
「ふふっ、ボクは大いに本気さ」
「そんなこと言わない方が……。ほら、カヲル君のファンの人がたくさんいるんだから」
「気にすることはないさ。ボクにはシンジ君だけがいればいいんだよ」
「は、は、は、」

 僕は乾いた笑いを返すしかなかった。

「ところで、シンジ君。今日はどうして演奏メンバーに入っていなかったんだい?」
「僕のレベルではまだまだ。もっと上手くならないと」
「ふーむ、ボクにはシンジ君のチェロが一番美しく思えるんだけどね」
「ありがとう。カヲル君にそう言ってもらえてうれしいよ」
「そうだ。今度、ボクと欧州に行かないかい。そこでなら、キミの実力を発揮できるよ」
「えっ、い、いいよ。僕はまだ実力不足だから。こんなんで行ったら、笑われちゃうし」
「そうかな。シンジ君はもっと自信を持った方がいい」
「……」
「とにかく、ボクは諦めないよ」
「はは、は、は、」

 やっぱり僕は小さく笑うしかなかった。

「まあ、それはそれとして、シンジ君はまだ綾波さんと付き合っているのかい?」
「まだって……、」

 僕はふっと息を吐く。
 カヲル君のこういうところは変わらない。
 そして、カヲル君と綾波の仲はとても悪く、僕はいつも気を減らしてしまっていた。
「どうだい? そろそろ綾波さんとは別れて、ボクと一時的接触を
する間柄になろう」

 と言って、カヲル君は僕の腕を取り、それを自身の胸に押しつけた。
 アスカに負けずとも劣らない豊かな胸の弾力が腕から伝わってくる。
 そして、カヲル君は更に僕へ密着してきた。
 ほとんど抱きついているのと変わらない。
 僕は逃げようとしたけど、どうしても頬の緩みは押さえられなかった。
 と、突然、カヲル君の身体が僕から離れた。
 それは、綾波がカヲル君を背後から強引に引き離したからだった。

「渚さん。あなたが碇君に触れるのは許さない。碇君に触れていいのは私だけ。
私に触れていいのも碇君だけ。それを何度言えば理解してくれるの?」
「ボクは誰にも縛られない。気持ちの赴くまま、自由にシンジ君と触れ合うのさ」
「そんなこと絶対にさせない。それに、あなた、ボクと言うのは止めなさい。
気持ち悪いわ」
「それこそ、ボクの自由さ」
 そう、カヲル君は女性なのに自分を『ボク』と言う、ボクッ娘だった。また、
僕が渚さんと呼ぶのを強引に止めさせ、『カヲル君』と言わせていた。
 さらに、いつも僕にベタベタとくっついてくるし。……ちょっとはうれしいけど。
なんたって、並のアイドルでは太刀打ちできないような超美人な女の子な
のだ。かなり言動が変なのは目をつぶるとして。

「碇君も迷惑しているわ。あなた、邪魔」

 綾波は常人だったらそれだけで気絶するような鋭い目線をカヲル君に向けた。

「そうなのかい? シンジ君」
「えっ、あ、いや、その…」
「碇君、本当のことを言っていいのよ」
「シンジ君、素直な気持ちを綾波さんに伝えた方がいい。迷惑じゃないってね」

 と言い、カヲル君は流し目を僕に送る。

「えーと、綾波もカヲル君も仲良くしようよ。いつもケンカばかりしないでさ」
「碇君、」

 カヲル君は妖艶な笑みを浮かべると、

「ふふっ、そうだね。もっとボクたちは親密になるべきだよ」

 と言って、一瞬にして僕との距離を詰めた。
 そして、僕のくちびるにカヲル君は自身のそれを重ねた。
 時間にすれば数秒間だが、僕のくちびるをカヲル君が舌で舐めるのがわかった。

「ふふっ、ボクたちのファーストキスだね」

 カヲル君の笑みは妖艶さをいっそう深めた。
 一瞬、僕はキスされたことでボーっとしていたが、すぐに綾波へ顔を向け、

「あ、綾波。これは違うんだ。これは事故というか、されちゃったというか、
とにかく、とにかく違うから」

 と必死に言い訳をしたけど、綾波は顔を俯かせ、肩をぷるぷると震わせる
だけだった。

「あ、あやなみ」

 もう一度、僕は彼女に声を掛ける
 そして、綾波の肩に手を触れようとした時、さっと彼女の右手が高く上がった。
 刹那、パチーンといい音を鳴らして、綾波の手が僕の頬が打った。

「碇君なんて、ダイキライ」

 と大きな声で綾波は言うと、走って僕から遠ざかっていった。
 怒りに燃えている彼女の顔を初めて見た僕は、追い掛けることも出来ずに
呆然としていた。



つづく、??
さぁ、盛り上がってまいりました
真のヒロインキターw
外道2世コースへ前進だねー
ホテルのくだりは多分いらんかったやろ
ゲンドウに萌えますたw
作者さん、乙ですた。

ゲンドウとの対決はシンジGJ!
あそこまで言ってくれるとは思わんかったんで溜飲がだいぶ下がった。
が、浮気はいかんよ?

普段はLASが好きだけど今回は綾波を応援したいなぁ。。このままなら。
カヲルが女である必要はあるのか?もしやセクースの伏線なのか?((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
面白い!これからどうなるのか予想できない所が。
是非つづいて欲しい!
>>474
単純に、801が嫌だからでは
これだけ綾波に愛されながらアスカだのカヲル子だのにうつつを抜かし気味の
シンジが本気でむかついてくる。
レイ一筋のシンジなんてこのスレでやる意味ないし、つまらんから今の路線でいいよ。
女カヲルこそ最強。作者さんGood Job !!!
>>477
そういうのは、作者さんにいってくれろ。
シンジにゃー罪はにゃい…とおもふ。

ぶっちゃけアスカやらゲンの字が最低ぎりぎりライン突っ走ってるから
つりあい取らしてるだけのような希ガス<シンジふらふら
シンジと仲の良いカヲルが出てきた瞬間に、LRK or LAKの予感がした
カヲル女かYOヒャァハ
これ収拾つくんかw
女カヲル嫌い
レイ大嫌い
青葉ゼルエルの話、ぶっちゃけ綾波育成系だよな
しまった。誤爆した。
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/24 21:25:51 ID:LQlev787
LRSLAK大嫌い
LASLRK大嫌いな人間もいるよ
やはりLK(女カヲル)Sがイイ。
この話は基本的にシンジ・アスカ・レイの三角関係ラブコメだと思うよ
八角関係ぐらいいってますが
少なくともこの作品のゲンドウは
今まで俺が読んできた小説の中でも(汁系統やイタモノは除く)かなり外道な方だな。
子供、しかも息子の幼馴染みに手を出すってのは・・・
アスカ氏ねよ
>>492
でもなんかカワイイから不快には感じないよ、このゲンドウ
「しょーがねーなあこのダメ親父」って苦笑いする感じ
これがギャグで終わればね…
「親父がライバル」の息子視点版とでも考えれば良いから。あっちのシンジ方
が鬼畜かもしれないし
これがもしシリアス方面になったら、とてもじゃないが許せないだろうな
アスカは処女だと信じている
ありえない
ちゃんとゴム使ってるからいいじゃん♪

初膣出しは俺が頂く
アスカのおまんこイラネ
>>498
残念、あのゴムには俺が穴を開けておいた
っていうか、もうコンドーム要らないわよ。ゲンちゃんのかわいい子供
が居るのよ!
おめでとうアスカ。ゲンちゃんと幸せになれよーw
そうか、じゃー親父連れて独逸にカエレ!
おまいと親父が消えれば、へいわになるY。
家庭崩壊を助長スンナ!
すごい良スレに進化してるな
職人乙
>>467
 綾波と初めてのケンカをした翌日、僕は激しく憂鬱な気分で学校に行った。
 ケンカと言っても僕が一方的に嫌われただけなのがなおさら痛い。
 トボトボと学校の廊下を歩き、教室の後ろにあるドアを開けた。SHRが始まるまで
時間はまだまだあり、クラスメイトは半分くらいしか来てなかった。今の僕にとって
少しうるさく感じる教室の雰囲気の中、窓際の席に座る綾波の姿が視界に入る。
 逃げちゃ駄目だ、と心の中で何回も唱えてから、僕は彼女のところへ行った。

「綾波、おはよう」

 と、僕は朝の挨拶をする。
 しかし、彼女は読みかけの文庫本をパタッと閉じて、机の中に入れると、席を立ち
上がり、僕を一瞥することもなく廊下へ出てしまった。
 ガクッと肩を落として右手を机の上についた僕へトウジが声を掛けてきた。

「なんや、シンジ。綾波とケンカでもしたんか?」
「おはよう。トウジ」
「ああ、おはようさん」

 僕はカバンを置くために自分の席へトウジと共に行く。
 同時に綾波とのことから話題を変えるべく、

「あれ、ケンスケはまだ来ていないの?」
「新横須賀。今日も戦艦の追っかけや。明光とか言うんが入港しとるんやと。まあ、
ワイにはさっぱり理解できん趣味やな。あんなん見て何がおもろいんやろ」
「ホント、そうだね。僕も全然わからないよ」
「で、シンジ。綾波とのケンカは何が原因や?」
「うっ、」
 会話を逸らすことは無理だったようで、

「……ちょっと、ね」
「ちょっとやない。綾波のやつがシンジにあんな冷たい態度を取るんは初めてやろ。
はよー、謝った方がいいと思うで」
「う、うん。そうなんだけど。綾波が聞いてくれないんだ」
「つーことは、シンジが悪いんやな?」
「うっ、」

 今日のトウジは鋭い。今ならツッコミ5段を取得できるくらいだ。
 いつもはアスカたちからニブイと言われているのに、どうして?

「そうなんだけど、昨日から綾波に電話しても切られちゃうし、メールも返信して
くれないんだ。トウジ、どうしたらいいと思う?」
「ワイに訊かれてもなあ。まずはケンカの原因がわからんと、何も言えんわ」
「う〜ん、」

 昨日の出来事は恥ずかしいし情けないし、出来ることなら誰にも言いたくない。

「シンジ、ワイに言うてみ。相談に乗ってやるから」
「でも……」
「シンジみたいに恋愛経験豊富やないけど、一緒に考えてやることくらい出来るで」

 本気で心配してくれているようなトウジの表情に、僕は胸が暖かくなるのを感じた。

「あのさ、昨日、オケの合同演奏会があったんだ。その時に、カヲル君に会ってさ」
「カヲルって、渚かいな? 中学ん時、同じクラスやった?」
「うん、」
「そりゃあ、あかん。あかんで、シンジ。綾波と渚はごっつう仲が悪かったやろ。
それに、渚のヤツ、えろうシンジにご執心やったからなあ」
「あ、ははは、は、」
 僕は乾いた笑いをするしかなかった。
 トウジは昔を思い出すような目で、

「綾波と渚はあれやな。大阪のお好み焼きと広島風お好み焼きや」
「へっ?」
「似ているようで全く違うっちゅーことや」
「トウジ、僕には君の言っていることがよくわからないよ」
「なに!? わからへんのか? ワイが詳しゅう説明したる。いいか、耳かっぽじいて
聞けよ、シンジ。大阪のお好み焼きっちゅーのはな」
「トウジ、お好み焼きは後でいいから」

 なにやらトウジの話がとてつもなく長くなりそうで、僕は口を挟んだ。

「あー、そやな。今はシンジが綾波とどうやって仲直りするかが重要や。それで、あれ
やろ。また、渚のヤツが綾波の目の前でシンジにちょっかいかけたんやろ?」
「まあ、そんなところかな。カヲル君は冗談でしたんだろうと思うけど」
「シンジ。まだ、そないなこと言うんか? いい加減、気付け。ボケ」
「な、なんだよ、それ。ボケはないだろ」
「ボケはボケや。いいか、よく聞け。渚はシンジに惚れているんや」
「だから、それは違うって。僕をからかっているだけなんだよ」
「いいや、違わん」
「違う」

 いつしか激高していた僕たちは、おでこがくっつきそうなほど顔を近づけていた。
 その様子を見ていたクラスメイトの一人が、

『おまえら、男同士でキスするのは止めろよ』

 と笑うように言い、僕たちはようやく今の状況を理解した。
 僕たちはプッと軽く笑い合い、落ち着きを取り戻す。
「まあ、なんや。そのことは今は取り敢えず横に置いとこかあ」
「う、うん」
「で、何が原因なんや?」
「そのさ、綾波の前でカヲル君が──」

 頬を真っ赤にして僕は小声で言ったが、

「シンジ、もうちょい声出さなあ聞こえんわ」
「う、うん。だから、綾波の前でカヲル君にキスされたんだ」
「なにーーー!!!」

 もう教室中に響き渡るような声をトウジはあげた。
 一瞬にして、クラスメイト全員の目が僕たちに集まる。
 僕は声を潜めて、

「トウジ、大声を出さないでよ」
「そやけど、これが驚かんでいられるかいな」
「そうだけど……」
「なあ、シンジ。渚にキスされたいうんはホンマか?」
「う、うん。ほんとう」

 降伏のバンザイをするように、トウジは両手を上げて、

「あかん。もう、終わりや、シンジ。諦めるしかない」
「そんなあ〜」
「せやけど、自分のカレシが目の前でキスされて怒らん女なんかいないで」
「そうだけどさ……、何か良い方法を考えてよ。相談に乗るって言ったじゃないか」
「無理なもんは無理や。まあ、綾波が許してくれるのを待つしかないやろ」
「……許してくれなかったら?」
「そん時はアレや。破局っちゅーやつや」
「……」
 声もなく僕はうなだれた。

「けど、シンジが悪いんやで。渚がアレやいうても、シンジに隙があったんやろ?」
「そうかもしれない」
「う〜ん、そうやなあ。ここは男らしゅう綾波の前で土下座するしかないやろ」
「土下座?」
「それで許してもらえたら万々歳やな」
「……土下座かぁ」

 と僕が呟くように言った後、トウジは一転して瞳をピンク色に変えた。

「ところで、シンジ。渚のヤツ、さらに成長しとったか?」
「卒業式の時より、ちょっと背が伸びていたかなあ」

 高校が別れてしまった渚君とトウジは約半年前から会っていない。
 トウジは自分の胸へ両手を持っていき、

「そっちやのうて、乳や、乳」
「へっ?」
「あの乳がさらに大きゅうなっていたんか?」
「あっ、ああ、」

 カヲル君に押しつけられた胸の感触を思い出し、僕は顔を赤くした。

「よくわからないけど、それなりに大きくなったんじゃないかな」
「ホンマかあ? どれくらいや? 惣流より大きいんか?」

 ドイツ人の血を持つアスカはクラスの女子の中でも抜群のプロポーションを
誇っている。
 また、カオル君も同じくクオーターなので、日本人離れした容姿なのだ。
「たぶん、見た目ではアスカと同じくらいだと思う」
「さよか。くー、うらやましゅうて、シンジを殴りたくなってくるわ」
「な、なんだよ」
「そやかて、渚は性格がごっつう変やけど、美人やないかあ。その渚にキス
されたんやで。普通なら、みんなに自慢するところや」
「……」

 僕は黙る。何か言うと、さらに悪化しそうに思ったからだ。

「シンジ、おまえ、かなりモテすぎや。1人ぐらいワイにまわせや」
「何を言うんだよ。トウジ」
「ホンマのことやないか。綾波やろ、渚やろ、惣流やろ、みんな、ごっつう
美人ばかりや」
「だから、カヲル君は違うって。アスカも違うし」
「じゃあ、そうやな。惣流をワイに紹介せえや」
「紹介って、そこにいるじゃない」

 と少し離れたところで洞木さんとお喋りしているアスカを、僕は眼で指した。

「でもさ、トウジはアスカが好きなの?」
「いんや、好きやない」

 トウジは腕組みをしながら首を大きく横に振った。
「じゃあ、なんで?」
「アレな性格に目を瞑ればや、惣流はナイスバディやで。ぼん、きゅっ、ばん、や」

 と両手を胸・横腹・腰と順に下げながらトウジは言った。
 そして、スケベそうに目じりを垂れさせて、

「あのデッカイ胸を揉んだら、どんなんやろなあ」

 と、その時、ぶ厚い現国の教科書の角がトウジの頭に勢いよく下ろされていった。
 ゴンと鈍い音が聞こえ、トウジは咄嗟に両手で頭を押さた。

「痛いやないか! ドアホー!」

 と言って立ち上がり、後ろを振り返った。
 そこには両手を腰上に当てて仁王立ちしているアスカがいた。
 彼女の青い眼は欄と輝き、怒りを露わにしている。

「鈴原! アンタの淫ら妄想によくもアタシを使ってくれたわねぇ。汚らわしいのよ」
「うっさい。ボケっ。何を想像しようがワイのかってや」
「肖像権の侵害なのよ! アンタの汚い眼でアタシのきれいな身体を見るんじゃないの」
「なんやとー。もう我慢ならん。この腐れアマの性根を叩き直してくれるわ」

 その後はもう見慣れてしまったケンカが繰り広げられていった。
 まあ、最後はいつもアスカの腕力にトウジは負けてしまうんだけど。なんだかんだ
言っても、女の子のアスカにトウジは本気で暴力を振るうわけではない。
 と、ここで僕はふっと思った。
 そう言えば、この頃はトウジと洞木さんの夫婦げんかをほとんど見ていないなあと。


 昼休みになり、僕はお弁当箱を持って綾波のところに行った。
 いつもはトウジやケンスケたちと、綾波は洞木さんたちとお昼を共にしているけど、
仲直りの切っ掛けを作りたかったので、

「ねえ、綾波。今日は一緒にお弁当を食べない?」

 と、僕は声を掛けた。
 でも、やっぱり綾波は僕を見ることも口をきいてくれることもなかった。そして、机の
横にあるバックから小さなお弁当箱を取り出すと、小走りで洞木さんの方に行った。
 僕はまたしても肩を落とし、うなだれてしまう。
 そんな僕の肩に後ろから手が乗せられた。

「ホンマに土下座した方がいいんやないか」
「トウジ、」

 本当に土下座しようかなと考えながら僕はトウジの方へ振り返った。

「まあ、しゃあないな。センセ、飯にしようや」
「うん、」

 そして、僕とトウジはお昼を取り始めた。
 普段はここにケンスケもいるのだが、今はいないので二人だけだ。
 自分で作った弁当のおかずを口に頬張りながら、僕は考えていた。
 綾波のことは当然として、もう一つ。トウジと洞木さんのことである。
 アスカにニブイと言われている僕だが、さすがに中学校から同じだったので
洞木さんの気持ちには気付いていた。洞木さんはトウジが好きなのだ。
 そもそも洞木さんのトウジに対する態度はわかりやすく、クラス全員が彼女の
気持ちに気付いている。わかっていないのは当の本人であるトウジくらいだ。
 今まで僕は他人の恋愛ごとに口を出さないでいたけど、ここ最近、父さんたちの
ことなどでそういう関わり合いが多くなり、ちょっと言ってみようかなという気持ちに
なっていた。
「トウジ、」
「ん、なんや?」

 口いっぱいにしてクリームパンを食べながらトウジは返事をした。

「最近、トウジと委員長、あまりケンカしてないよね。というより、話しとかしてる?」
「そうやな〜。言われてみれば、この頃イインチョと話しとらんな」
「そうなんだ。やっぱり」
「シンジ。なんで、そないなことを訊くんや?」
「別に……、ただちょっと気になっただけ」
「さよかぁ」

 僕は手に持っていたハシを弁当箱の上に置いてから、

「ねえ、トウジ。今、好きな人はいるの?」
「ぶっ!」

 口の中にクリームパンを詰め込んでいたトウジは喉を詰まらせてしまい、慌てて
紙パックの牛乳を飲み始めた。
 そして、少し落ち着いてからトウジは、

「シンジ、いきなり何を言うんや?」
「朝、ちょっとそういう話になったよね。だから、本当のところはどうなのかなって」
「あー、そういうことかいな」
「それで、どうなの?」
「……秘密や」
「秘密って、教えてくれてもいいじゃないか。僕のことは知っているんだからさ」
「そないなこと男がぺらぺら言うもんやない」

 と言って、トウジは胸の前で腕組みしながら肯く。
 案外照れ屋なトウジらしいなと思いながら、僕はもうちょっと粘ることにした。

「じゃあさ、このクラスに好きな人いる?」
「……」
「それくらい教えてくれても」
「いんや、言わん」
「じゃあ、佐藤さんは?」

 とワンクッションを入れる。
 ちなみに佐藤さんはクラスの中でも人気が高い女の子だ。
 けど、トウジはノーリアクション。
 ならば、次が本命の

「じゃあさ、委員長は?」
「へっ、なんでインチョが出てくるんや?」

 と、トウジは不思議そうな顔で訊いてきた。

「委員長って、けっこう人気あるよ。優しいし、可愛いし」
「イインチョのどこが優しいんや? ワイはいつも叱られてばかりやぞ」
「……」

 それは単に照れ隠しというか、素直になれないというか。
 でも、実際にそうなので、僕は言い返すことが出来なかった。
 まさか、洞木さんの気持ちを僕が言うわけにもいかないし。
「でも、女の子の中では委員長と仲が一番いいよね?」
「せやな〜、そうかもしれんなあ。けど、それだけや」
「そうなんだ?」
「そうや」

 ごめん、洞木さん。と、僕は心の中で謝る。
 今のトウジの顔を見ると、洞木さんには全くその気がないように見えた。
 このことは誰にも言えないと胸の中で誓った。
 しかし、それとは別に、朝のことで気になっていることがあった。

「トウジ。それなら、アスカのことはどう思っているの? 朝は、あー言っていたけど」
「惣流か? また、きっついところを持ってきたなあ」

 僕は嫌な予感を胸にしながら更に訊いた。

「けど、本当のところはどうなの?」
「まあ、嫌いっちゅーわけやないな。惣流のきつい性格も、けっこうおもろいし」
「……」
「あの女、ホンマ、おもろいで」

 と言って、ガハハハとトウジは笑った。
 はっきりとはわからないけど、これはもしかすると、もしかしそうな雰囲気だ。
 惣流さんちの家庭の事情をトウジが知ったらどうなるのだろう。
 僕は急に胃が痛くなるのを感じた。


 結局、綾波には一言も口をきいてもらえずに一日が終わった。
 クラブ活動後も彼女は僕を置いて、ひとりで帰ってしまった。
 僕がトボトボと校門を出て家路につこうとした時、

「シ〜ンジ、」

 と声を掛けられた。
 僕はその方向へを身体を向けると、アスカが走ってくるのが見えた。
 ここ最近は父さんとのことでアスカと関わることもなくなっていたが、トウジの
ことがあり、僕は少し気まずさを感じながら口を開いた。

「アスカも今、終わったの?」
「そうよ」

 と、彼女は僕の横を歩きながら答えた。
 最近、アスカはソフトボール部に入ったのである。身体能力が抜群の彼女は
入部したてにもかかわらずレギュラーの座を得ていた。
 こういうところはさすがと言わざるを得ない。

「シ〜ンジ、知っているわよ」

 アスカは顔をニヤニヤさせながら言った。

「レイとケンカしているんだってね」
「綾波から何か聞いてる?」

 そう僕がおそるおそる訊くと、アスカはいっそうニヤニヤしながら、
「もっち。アンタ、渚のヤツとキスしたそうじゃん」
「違うって。したんじゃなくて、されたんだよ」
「でも、したのは事実なんでしょ?」
「うっ、うん」

 僕は力無く首を縦に振った。

「じゃあ、言い訳できないわね」
「……」
「レイ、かなり怒っているわよ」
「本当?」
「もうカンカン。しばらく口きいてやらないって言ってた」
「……」

 右手に持ったカバンがやけに重く感じた。
 僕はもう駄目かもしれない。

「レイって、本気で怒ると怖いわね。アタシ、初めて見たわ」
「僕も……」
「ふふ〜ん、自業自得ね」
「……」
「だいたいさ、シンジは隙が多すぎるのよ」
「……?」
「それに、妙にからかいたくなるのよね」
「……それはアスカだけだろ」
 とぼけたような口調でアスカは、

「そうかしら」
「……」
「レイも不安なのよ」

 一転して真面目な口調に変えてアスカは言った。

「シンジ、自分からレイに触れようとしないでしょ?」
「……触れるって、」
「別にキスやセックスをしろって言っているわけじゃないのよ」
「アスカ、あまり道の真ん中でそういう言葉は……」

 そう言いながら、僕は周りへ視線を巡らす。
 幸いにも、住宅地の中の道路に人はいなかった。
 アスカはそんな僕の注意を気にすることもなく話を続けた。

「そりゃあね。セックスは一番深い愛の形だけど、愛が無くてもできちゃうでしょ?」
「……」
「特に、男なんかはさ」
「……」
「だから、女は相手に好きって言ってもらいたいのよ。愛しているって」
「でも、それだって本当かどうかわからないじゃないか」
「そうよ。でも、それでも言ってほしいの。いつもいつも言ってほしいの。そうすれば
自分が相手に愛されているんだなあと思えるのよ」
「……」
「シンジ、あんだーすたん?」
「何となくわかった」

 と、僕は小さく答えた。
「なら、よし。次に、アンタ、自分からレイに触れたりしていないんだって?」
「……」
「自分から手を握ったりしないそうじゃん」
「……」
「身体だけ求められるのは嫌だけど、ぜんぜん求められないっていうのは、かなり
寂しいことのよ。それ、わかってる? アンタにも性欲っていうもんがあるんでしょ?」
「う、うるさいなあ。アスカにそんなことを言われたくないよ」

 少し前にあったアスカとのことを思い出し、僕はなぜだか無性に反発したくなった。
 だが、アスカは僕の傷を更にえぐるように、

「まあ、あるわよね。なんたって、アタシを押し倒すぐらいだもん」

 と言った。
 瞬間、僕は足を止め、アスカへ体全体を向けた。

「そのことは謝るけど、アスカだって悪いんだ」
「アタシのどこが悪いっていうのよ!?」

 と、アスカも大声で言い返す。
 頭に血が上った僕はもはや自分を制御できなくなっていた。

「だって、そうだろ。勝手にドイツに行っちゃってさ。あの時、僕がどれだけ寂し
かったかアスカは知らないじゃないか」
「……」
「それにさ、なんだよ。今度は日本に帰ってきたかと思えば、父さんと結婚す
るって。それを聞かされた時の僕の気持ち、アスカは考えたことある?」
「……シンジ、」
「僕はさ、アスカがいなくなってから忘れよう忘れようと努力したんだ。そして、
やっとの思いで忘れることが出来て、綾波を好きになったのに……」
「……」
「どうして日本に帰ってきたんだよ。どうして父さんなんだよ。わけわかんないよ」
 目を大きくさせて黙って聞いていたアスカは顔を僅かに俯かせた。

「アタシだって、日本を離れたくなかったわよ。でも、シンジ、アンタはレイに心が移り
かけていたじゃない。シンジをずっと見ていたアタシには、それがわかったわ」
「えっ、」
「だから、アタシはママについてドイツへ行ったのよ。自分の居場所が無くなる前に、
自分から出て行こうと思って」
「アスカ、」

 彼女は微かに涙を声に含ませながら言葉を続けた。

「でも、ドイツでシンジのお父さんと出会って、優しくされて、愛されていると感じて、
自分の居場所をようやく見つけたと思ったわ」
「……」
「だけど、それも錯覚だったのよね」
「……」
「アタシ、馬鹿みたい。ホント、馬鹿よね」

 アスカは僕に背中を向けて、

「シンジ、ごめんね。いっぱい迷惑かけちゃって。レイと幸せになりなさいよ」

 と言い、走り去った。
 その瞬間、彼女が立っていた場所では、夕陽の色をした光の粒がキラキラと輝きな
がら地面へ流れ落ちていった。
 僕の心は再び迷宮の中を彷徨い始めていた



つづく、???
作者さん乙ー。
アスカVSシンジ終了。
あとは、レイとの仲直り…かな。
うまくいくと良いけど。。
いやLASでいい
キャー
ドロドロダワー
トウジ×アスカも告白までいって欲しいと思ってしまうドロドロ願望の俺
正直最初は読む価値あるのだろうかと思ってたけど、
加速度的に面白くなっていく。
続き楽しみにしてますね。
LARSはやめてね。
正直LAT希望
LAGマンセー。
LASがいい
アスカもレイもどうでもいい。カヲル子の今後の活躍に期待。
再登場があるのかどうかもわからんけど。
LKSで頼みます
LARKSでヨロシク
どろどろ…イラネ
そんなん、汁やら某スレやらで使い古してらぁ
他をみてくりゃ腐るほどある罠。
LAS以外やだ
LAS以外ならいい。
カプリングは何でも良いけど、悪いのは全部シンジの所為っていう理不尽系は勘弁な。
最後は年表エンドで
LASは巣にカエレ
NTR厨はカエレ
LASがいいいとか言ってる奴超うざいんですけど。
そっち系は他スレにいっぱいあるよ。そっち逝けよバーカ。
ここまで漏れのジエン。
LTSとかその他のやつ氏ね
↑は?
LAS厨マジキモイ
うーん。。。
トウジ×シンジのことか、それとも[R]と[T]を押し間違えたのか。。。
ばーーーーーーーーーーか。あせって押し間違えてやんのw
アホLAS厨氏ね。
みんな、仲良く
これは釣りなんだろうか。幾らなんでも
こんなあからさまな釣りに引っかかるほど
エヴァ板住人はクオリティ低くないはず、
なんたって裸ネクタイの紳士が集まる社交場だからな。

…とりあえず、荒らし氏ね
作者はマトモだが住人がカスだな
ツラも見れなくらい醜いよ、お前ら運命に笑える
今からアルファベット使うの禁止!
はーーいわかりました先生。
552550:05/02/25 22:56:28 ID:???
Å$キボン
ゲンドウ×アスカきぼん。
レイ×シンジでヨロシク
気持ち悪いよお前ら!息すんな
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
>>549
×ツラも見れなくらい→○ツラも見れな【い】くらい(脱字)
×お前ら【運命に】笑える→○お前ら笑える(意味不明。こう言いたいのだろうか )

荒らしやるにしても推敲くらいしろ、
>>549自身が自分を馬鹿におもっちゃうだろ?
そうなったら、年食ってから恥ずかしさ倍増。

人を釣りたいのなら、文章はわかりやすく、きれいに、簡潔に。
そして人の心を鷲掴みにしてスルーできんようにせにゃいかんよ。

2chは投稿したら修正できないんだから、見直しは10回はやれ。

半年ROMり、修行を積め。
厨になるのにも、最低限の常識が必要だぜ。

…ピッチャーデニー
実はトウジも女でシンジに惚れているという超展開キボン


するわけがない
アスカ×シンジキボン
559きもいっつってんだろ!マジキモイ氏ね!
561山部:05/02/25 23:55:27 ID:???
ピッチャーデニーって何?
はっきりいって作者が決める事だろ。
自分の好きなカプだからっていちいち注文つけてんじゃねーよ。
LASスレなら他にもうじゃうじゃあるだろーが。見たけりゃ
そっち移れ。ちっとは人の迷惑考えろ
つーか、単に祭り好きが騒いでるだけでガチで言ってんのはほぼ皆無だと思われ
は〜?祭りがなんだって〜?
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) はやくぅ〜
特定のキャラに不都合全部押しつけてあとはみんなハッピーみたいな展開にならなければ
どんなカプでも(もちろんくっつかなくても)かまわない。
ラストは男シンジ×女シンジになる超展開で
>>566
禿同。キャラ扱い不平等は勘弁。
カプは正直今回どうでもいい。
まぁ、一言で言うと
面白ければカップリングはどうでも良い
ってこと。
LASの人の多くがこの辺りを分かってないように思える。
まぁ、何だかんだ実際のところ、マジになって言ってる奴なんていないって。
俺は一応LAS人で、まぁ、確かにこの話がLASになって欲しいとは思ってはいるが、
話自体が良作で有ればどうでもいい。
むしろ、LASにすることでつまらなくなるのであれば別カプでいいよ。
同意。
>>569
そりゃ非カプ厨にとってはだろ。
カプ厨にとってカプが至上なのは当然。
クマー
>>569
多くじゃないよ。一部だよ。他属性でも分かってない奴はいるよ。
LASは最大勢力だから厨の絶対数が多くなっちゃうだけで、割合は他属性と変わらないよ。
あ、この台詞を言うべきときかな?

>>574必死だな(藁
正直LASは既に最大勢力とかいえるほど多くは無いんだよ
ごめん、>>574LASスレとLRSスレ見比べたら
君の言うような割合の問題だとは全く思えないんだ…
君を信じられない私を許して…
LASこそ真理!絶対真理!
>>577
「わかっていない」とかじゃなくて単に尺度の違いだろ。
押し付けるなよ。
579は何が言いたいのかサッパリ
>>580
それが理解できてない人は、もう一度読み直すことを進めます。
まあ、LASスレは純粋なLAS厨・人以外の人もたくさんいるから。
尺度が叩かれてんだろ?
マジで579は何が言いたいんだ?
あー、わかった。
579の>>577は間違いで、本当は>>574なんだ。
これだと話が繋がってくる。
何でもいいが、職人さんにプレッシャーをかけるような言い争いはやめろ。
この雰囲気だと仮にLASにしようと考えていたとしても投下しづらいだろ。
荒らしに反応する人も荒らしです。
LASこそ真理!絶対真理!
言論統制反対!
貴様、政府の犬だな!?
LASにしたけりゃ最初からLASスレの方に投下してんだろ
でも、LASスレに投下したら荒らし扱いされるような話かもしれない
N3に続いてまたLAS的にイタモノっぽいのを投下されたらねぇ。
本当にあのスレはイタモノに占領されちまうから。
それにこのスレにLASを投下してはいけないって決まりもないし。
問題はLASだと言っておいても話の途中で
文句を言う人達だと思うのですが
自分がLASだと思わないものは作者がLASだと思ってても叩く
それがLAS厨クオリティ
       -‐''''"´ ̄``ヽ、              ____
       /     _     ヽ        //´   __,,>、
     /        ̄ ̄   {        /::/ / ̄:::::::::::::::\
      l _ィニニア二二二ニヽ、j._      /::::l/::::::::::::::::::::::::::::::::l
     | 0Lj/-‐-レノ ノ_ヽ:::`ヽ     l:::::::::::/l/lノノ/_イ:::::l
     レ:r、/ イ゚テ   ピト`|::|      l:::::::::/ rtテ、  .ィtq l::::::|
      l:lヘ  '"   ,j  '"/ノ      |::lヘ!j  ´  ,j   !;:::/
     ヽヽ、   r‐-,   /'         レリー 、    ,....,  lノ/
        lヽ、  ̄ /         `ヽ、lヽ 、  ̄ /´
     _,r┴‐-`v´-‐j-、__   , -‐-、_r┴─'ー‐チト       ならばよし!!
  / ̄/:.:.:.:| ̄ ̄`T ̄´|:.:.:.:l´ `ヽ /    ヽ ̄`ー-‐'´`''''⌒ヽ
/   ,':.:.:.:.:.l    l   l:.:.:.l    \  _r‐、-、-、r,    、   ',
     |:.:.:.:.:.:.!     !   !:.:.l   ,. -‐ゝ/// 〉 〉 〉 〉 〉    !   ',
    l:.:.:.:.:.:.l     |   l:.:.:l  /  人〈〈〈〈 ' ' ' /っ   l    l
    l:.:.:.:.:.:.!     !   l:.:.:.ト/   /  ```´-ァ‐'''"     /   l
、__/:.:.:.:.:.:l     |    |:.:.:ヽヘ  l    //         / _ ィノ
    /:.:.:.:.:.:.:!    l   |:.:.:.:.:l `ーヽ、_ノ´l、______/lニ二」
>>593
LAS厨に限ったことではないが。
>>595
詳しく
なにがLASだよ。只の荒らしだろ?巣に帰れ。
>>597
LAS人のみんながみんなあんなだと誤解しないで欲しい。
荒れる原因になる奴は大体LAS厨じゃなくてただスレが荒れるのを楽しんでる奴らだから。
なんかここまで来ると、荒らしも荒らしの相手をするのも、みんな自演のような気がしてきた
必死こいてカプ押しつけてるんじゃね―よ。うざってぇ。ここはお前等だけのスレじゃね―んだよ。
疑わしい奴が疑われるのは当然の事だお
>>598は根拠が無い上に、最近それを言い訳に使う奴がぞろぞろ出てきてとても見苦しい。
荒らしてる奴の中には荒らしてるつもりじゃない奴もいるんじゃないか?
というか、意見としては真っ当なものでもアンチや別カプ厨が過剰反応し杉で荒れてるだけって場合だってあるし。
仮にそうだとしても荒れる原因作ってるのはLAS厨だろ―が。何言っても説得力ねぇんだよ。
LAS厨はアスカとシンジにスポットが当たると
何でもLASだと勘違いしLAS展開を要求しちゃうんだな、
もうちょっと頭使って生きたほうが良いと思うよ。いやマジで。
LASこそ真理、絶対真理。異端者、不信心者に天誅を!
↑ほら見ろよ。荒らしじゃん。
>>605
あんたがLAS人じゃないことだけは確かだなw
もうそろそろみんなカプの話は止めよーや。
職人さんも気まずくなるだろうしさ
そもそもここはLASスレじゃないがナー
LRSスレでもハーレムスレでもないからカプの話はもうやめようぜってことだ。
だけど、話自体が恋愛物なんだからカプについて話題になるのは自然なことだと思うよ
どれが良いかを押し付けるなと言うことでしょう
今気付いたが、>>595はやっぱりLAS以外の
例を見つけられなかったんだろうな…
あるにはあるだろうけどすぐにパッと見つけられないよなー、やっぱり
>>612
単純に落ちただけだと思うが。時間的にも。
LAS厨よりLRS厨が必死に見えるな
LRSは書く人少ないから希望の持てそうなのを取り込もうとするのはわかるが
見苦しいから騒ぐのやめれ
どっちに転ぶかは作者に任せて見守っていれば良いんだよ
うるせーこちとら飢えてんだよ!
LRS!LRS!LRS!
うるせーこちとら飢えてんだよ!
LAS!LAS!LAS!

LASは沢山あるんだからこれぐらい譲ってくれてもいいじゃないか
と思う俺はLRS厨
LRSが無いならLASを読めば良いじゃない byマリー
そうか、LASをイタLRSとして読めばいいんだね!?
これは目から鱗だよ!ヽ(`Д´)ノ
頼むからLRSのフリしないでよ。また荒れるからさ
もし本当にLRSの人であったとしてももうカップル
についてどうこう言うのはやめようよ
LRSキターと思ってたら微妙な展開でちと(´・ω・`)だったのでな
荒れるのは望まないので大人しくしてるよ
ここSS投下スレでしょ? ちょっとした感想や雑談ならともかく
なにを糞くだらないことで100レスも使ってんだ?
>>622
同意。どっちでもいいし、無理に○○にせーなんていう権利ない。
ここは、カプスレじゃなくて、SS創作スレ…
エヴァFFならジャンルは問わないってことだから。
とりあえず、またーりしる。
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) はやくぅ〜
要するに、ラストはアスカとレイとでシンジを取り合う・・・という
学園物での王道ラストが一番ベスト、というわけですな。
それが一番かどうかはしらないけど、俺としては早く続きが読みたい。
>>622
雑談じゃ無かったのか
は〜・・また来たよ・・・
投下まだかにゃー(´・ω・`)ウズウズ
>59 名前:ヽゝ*゚ー゚νさん 投稿日:05/02/27 18:05:12 ID:???
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1087585663/253-

>自分は上のスレにゲンアスで始まる話を書き込んでいた人なんですが、2cnの書き
>込み規制に巻き込まれてしまいました。解除される見込みは全く無いのが現状です。
>元々、一発ネタを勢いで続けていたので、なんか気が抜けちゃいました。
>どうしましょう?
>長く続ける話でもないので、9話ぐらい終わらせようかなとは思っていたのですが、
>このまま止めてもいいかなあ、なんて思っていたりしてます。

第二創作スレより
投稿スレだった
なんだってー!
ふざけんニャ―!ヽ(`Д´)ノ
続き書いてくれる気は有るみたいだよ。
よかった。
本当に?正直荒れたから気まずくなってもう来なくなったのかと…
よかったー!!続き待ってるぜ作者さん
早くしないと奴が来るぞ
奴って誰??
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) 続きまだぁ?
事情が事情なんだからおとなしく待とうよ
きっと待った分だけ良い作品が読めるさ
ところで、まだ、こういうFFが読んでみたい、見たいなスレ残ってる?
ここの住人やってたら、行きたくなったんだが。
いや、ないんならいいんだ。スマソ
>>640
こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたい!!11
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1105677532/
dクス。まだあったのか。
マジでありがとう。
643520:05/02/28 22:12:02 ID:???
p2というのを使えば、書き込めるんですね。そういうわけで、
>>520
 次の日、学校へ行くとアスカの姿は無かった。ミサト先生の話では風邪で
休んでいるとのことであった。その日ずっと僕は主がいない彼女の席へ
ボンヤリと視線を向けていた。

 その翌日、学校の教室に入ると、アスカはまだ学校に来ていなかった。
いつもなら彼女は既に登校していて洞木さんとおしゃべりしているはずである。
 僕は自分の席に座り、ぼうっとアスカの机の辺りを眺めていた。
 そんなに風邪が酷いのだろうかと思いながら。
 と、その時である。
 僕の視界が制服の布地の色で埋まった。
 机の前に立っている人へ僕は顔を見上げた。

「綾波、」

 と、僕は思わず声を出していた。
 彼女が黙って僕を見下ろしていたのである。
 その表情には険しさと微かな哀しさが含まれているように感じた。
 僕はかたい笑顔を作って、

「おはよう」

 と挨拶をした。
 だが、綾波は口を閉ざしたまま僕を見つめているだけだった。
 僕は無言でいることに耐えられず、また仲直りの切っ掛けを求めて、

「綾波。この前のカヲル君とのことなんだけど、あれは……あっ、」

 瞬間、スカートの裾を翻して、綾波は僕からスタスタと離れていった。
 僕は溜め息を吐いたが、ハッと思い当たった。
 一昨日にアスカと別れて家へ帰ってから綾波に電話もメールしていないし、
昨日なんて学校で彼女へ話し掛けようともしなかった。
 僕は急いで綾波を追い掛け、彼女の手首を取った。

「待って、綾波。僕は、その、いろいろあって。でも、綾波と……」

 だが、僕が言い終わる前に、綾波は強引に手を振り解いた。
 そして、彼女は小走りで廊下へと行ってしまった。
 僕は綾波が出て行った教室の後ろにあるドアを呆然と見ながら、

「いったい、僕は何をしているんだ」

 と呟いていた。

 午前の退屈な授業が進む中、僕は二つの席を交互に見ていた。
 一つは綾波を。
 けれど、彼女は決して僕へ視線を向けることはなく、先生と黒板をずっと見ていた。
 そして、もう一つはアスカの席だった。
 綾波とは仲直りしたい。
 それは本心だけど、どうしても別れ際に見たアスカの涙が僕の心から離れなかった。
 アスカが心配で放っておけない気持ちはある。
 でも、それは好きということなのだろうか。
 もう自分でもよくわからなくなっていた。

 昼休み。僕はお弁当を食べる前に手を洗おうと教室を出た。
 だが、途中、階段の踊り場へ足の向きを変えた。
 そして、ズボンのポケットから携帯電話を取り出し、メモリーから番号を呼び出す。
 通話ボタンを押し、呼び出し音が長く続いた後、

『現在、電源が入っていない……』

 とのメッセージが流れた。
 アスカのケータイに繋がらなかったのである。
 彼女は今どうしているんだろう。一人暮らしをしていて苦労していないだろうか。
 そんなことを僕は考えていたが、心の隅にあった不安が膨らむのを感じていた。
 一昨日のアスカの言葉が胸に刺さっている。
 それは2年前と同じ感じがした。
 はっと僕は息を呑んだ。

「まさか、」

 と僕は声を出し、教室に急いで戻る。
 そして、カバンを手に取って、きびすを返した。
 途中の廊下で洞木さんに出会い、

「碇君、どこ行くの?」
「先生に聞かれたら早退したって言ってくれないかな。お願い」

 と答え、彼女の返事も聞かずに廊下を後にした。
 僕が感じた不安。
 それはまたアスカがひとりでどこか遠くに行ってしまうというもの。
 2年前に彼女がドイツへ行く前と同じ気配を僕は感じていた。
 あの時も彼女は黙って行ってしまったのだ。
 靴を履き替えるのにも僕はもどかしさを感じながら、昇降口を出ようとしたが、

「シンジ君、どこに行くの?」

 と声を掛けられた。
 僕が振り返ると、そこにはミサト先生が手に教科書などを持って立っていた。
 下唇を僅かに噛んだ後、

「早退します」

 とだけ告げて、僕はきびすを返そうとした。
 しかし、ミサト先生にそれで通じるわけはなく、

「理由は何なの? 場合によっては許可してあげてもいいわよ」
「……」
「ねえ、言ってみなさい。私とシンちゃんの仲じゃない」

 と柔らかい声で彼女は言った。
 学校の外での呼び名を使うミサトさんに僕は心が落ち着くのを感じ、

「アスカのところへ行ってみようかと」
「ん、アスカは風邪で休んでいるのよね?」
「はい、」
「シンジ君が行ってどうするの?」
「……」
「教えて、シンちゃん」
「……不安なんです。アスカがいなくなりそうで。……ケータイにも繋がらないし」

 と、僕は呟くように答えた。
 ミサトさんは僕をジッと見つめた後、小さく息を吐いて、

「駄目って言っても、シンちゃんは行くんでしょ?」

 僕は黙って肯いた。
 すると、ミサトさんはからかうような眼で、

「わかったわ。じゃあ、私もアスカのところ行くから」
「えっ!」
「家庭訪問も教師の仕事よん。あー、でも、シンちゃんは早退扱いだからね」

 そう言って、ミサトさんは僕へ笑いかけた。


 ミサトさんのアルピーヌ・ルノーA310に乗せてもらい、アスカの住むアパート
へ行った。
 徒歩なら30分くらいのところを10分と掛からずに到着する。
 まだ昼の1時前。
 部屋のドアの前でアスカのケータイに電話したが、やはり繋がらなかった。

「いないのかしら?」

 と、ミサトさんは言う。
 僕はケータイを鞄の中に仕舞いながら、

「でも、もしかすると、ここは電波が弱いところかもしれないし」
「レイの携帯には繋がるんでしょ?」
「あっ、はい」

 同じアパートの5階に住む綾波の部屋では問題無くケータイが繋がる。
 だとしたら、アスカはいないのだろうか。
 僕は不安を大きくさせて、

「とにかく、チャイムを押してみましょう」

 とミサトさんへ言った。
 彼女はその言葉に軽く肯くと、インターホンを人差し指で押した。
 ピンポーンと部屋の中から小さな音が漏れてくる。
 しかし、何も変化はなかった。
 もう一度、ミサトさんはボタンを押した。
 やはり、誰かが出てくる気配はない。
 ミサトさんは首を小さく捻り、

「アスカ、いないのかしら」

 と言って、またインターホンのボタンを押した。
 1秒、2秒と時間は過ぎ、1分以上が経っても変化は無い。
 僕は不安げにミサトさんへ顔を向け、

「アスカはいないんでしょうか?」
「うーん、おかしいわねえ。とにかく、ここにいても仕方ないわ。学校に戻りましょう」
「でも、……」

 この場を去りがたく、僕は二の足を踏む。
 と、その時、部屋のドアがスーッと開いた。
 パジャマ姿のアスカが目を擦りながら顔を出したのである。

「アンタたち、こんなとこで何してんの?」

 と、アスカは眠そうな顔で言った。


 アスカの大丈夫そうな顔を見た僕たちはそのまま帰ろうとしたが、半ば強引に
部屋の中へ招き入れられた。彼女のケータイに繋がらなかったのは、単に眠り
を邪魔されたくなく電源を切っていただけであった。
 がらーんとした何も無い部屋。テレビと小さな丸テーブルに衣装ケースが一つ。
それとベッドだけ。後は、物が乱雑に散らかっていた。
 アスカは少し恥ずかしそうに、

「引っ越したばかりで、風邪を引いたから」

 と言い訳をした。
 ミサトさんはキッチンで勝手に冷蔵庫のドアを開けると、

「何も食べ物が入ってないじゃない。アスカ、ちゃんと食べてるの?」

 と訊いた。
 アスカはぶっきらぼうに、

「食べてるわよ」

 と言い返したが、ゴミ箱はカップラーメンの空き容器で溢れかえっていた。
 ミサトさんは呆れたように息を吐いてから、

「まあ、いいわ。私が何とかしてあげる。アスカ、シンジ君。ちょっと、近くの
スーパーまで買い出しに行ってくるから。何か欲しい物ある?」
「いいんですか?」
「もっちOKよ。私に任せない。それにアンタたち、私の前では話せないような
こともあるでしょ?」
「えっ!」

 僕は驚いて目を大きくさせた。
 ミサトさんはニッと笑い、手をひらひらさせながら玄関へ向かったが、アスカが
その背中へ声を掛け、

「ミサト、グレープフルーツを頼むわ」
「あん、わかった」

 と返事をしてミサトさんは部屋を出て行った。
 その後、僕は軽く部屋を片づけて、キッチン周りをきれいに掃除した。
 暫くして、アスカが身体を横にしているベッドの脇で、僕は椅子に腰掛けていた。
 風邪の方は良くなったのか彼女の顔色はいつもの輝きを放っている。
 だが、アスカは恥ずかしがるように顔を反対側に背け、

「そんなにジッと見つめないでよ。化粧もしてないんだから」
「アスカって、いつも化粧しているの?」
「してないけど、そういう心構えってもんがあるでしょ。髪も梳かしていないし」
「あっ、そんなことか。僕は全然気にしてないから」

 と僕は言ったが、アスカは、

「バカ、」

 と呟いて、毛布の中に頭まで入り込むんだ。
 暫し、僕はそんな彼女をぼうっと見守っていたが、不意に毛布の中からグーッ
というお腹の鳴る音が聞こえた。

「アスカ、お腹が空いているの?」

 と僕は訊く。
 すると、毛布の中から少し怒ったようなアスカの声が聞こえた。

「バカっ、女の子にそんなことを訊くんじゃないの」

 その様子がおかしくて、僕はクスッと笑いながら、

「ごめん、」
「シンジ、笑うな」

 とアスカは言ったけど、僕は笑い声を止めることができなかった。
 少しの後、僕は自分のバックを膝の上に乗せて、

「アスカ。僕のお弁当があるんだけど食べる?」

 と訊いた。
 アスカは被っていた毛布から顔を出し、

「いいの?」
「うん、いいよ。あまりお腹が空いてなかったら、食べなかったんだ」
「仕方がないわねえ。アンタの残飯処理を手伝ってあげるわよ」

 そう言って、アスカは嬉々とベッドから起き上がった。
 僕は鞄の中から弁当箱を取りだし、彼女に渡す。
 その時に触れた彼女の手が温かかった。

 テーブルに向かい合いながら座った僕たちに会話は無かった。
 なぜなら、アスカはお弁当を食べるのに夢中だったからだ。
 まだ残暑が厳しい9月下旬とはいえ、身体を冷やさないように彼女はパジャマ姿
にサマーセーターを羽織っている。
 本当に美味しそうな顔で僕が作ったお弁当を食べるアスカに、僕は頬を緩めた。
 なんだか昔に戻ったような、あの幼い頃の日々がまた自分たちに訪れたような、
そんな感覚に僕は包まれていた。
 やがて、アスカはお弁当を食べ終えると、スポーツドリンクのペットボトルを口へ
運んだ。
 一口、二口とドリンクを喉の奥に流し込んでから、

「う〜ん、お腹いっぱい。シンジ、ありがと」
「いや、いいよ。本当に、残り物だから」
「そうよねえ。食べてやったんだから、シンジから感謝されるべきよね」

 と言って、アスカはお弁当のふたを閉めた。

「でも、ホント、美味しかったわよ」
「ありがとう」
「……シンジの料理を食べたのも久しぶりねえ」

 どこか懐かしいものを見るような目でアスカは言った。
 僕は忘れたようなふりをして、

「そうかな?」
「そうよ。ほら、昔はアタシのママもシンジの親も仕事で帰ってくるのが遅かったじゃない。
そんな時、いつも二人で夕ご飯を食べていたわね」
「そう言えば、そうだったかな。でも、いつも料理は僕が作っていたけどね」
「ふふーん、本当はアタシも料理ができるんだけど、アンタに譲ってやったのよ」
「ほんとう?」
「ホントよ。シンジの数少ない取り柄を発揮させようとね」
 アスカは顔を横に向け、とぼけたような表情をした。
 僕はそんな彼女がおかしくもあり、またホッとしたものを胸に持ちながら、

「だけど、よかった」
「ん? 何がよ?」

 アスカは顔を戻し、僕に視線を向けた。
 僕は彼女の眼から逃げるようにテーブルの上へ置いた自身の両手を見つめながら、

「また、アスカが黙って行ってしまったのかと思った」
「……?」
「2年前のことを思い出したんだ。アスカ、あの時と似ていたから」
「バ、バカねえ。なに考えてんのよ? シンジは」

 と、アスカは驚いたような声を出した。

「でも、不安だったんだ。もし、アスカがまたいなくなったら僕は……」
「バカ。ホント、シンジはバカよ」
「そんなに馬鹿って、言わなくてもいいだろ」
「バカよ、アンタは。アタシがそんな簡単にドイツへ戻るわけないでしょ」
「そうなの?」

 アスカは少しつらそうに口を開いた。

「ママの反対を押し切って日本に来たから、アタシにも意地ってもんがあるのよ」
「そうなんだ?」
「そうよ」

 僕は呼吸の乱れを感じながらアスカに訊いた。
「じゃあ、アスカはこれから父さんとどうするの?」
「……別れたわよ」

 ポツンと呟くようにアスカは答えた。
 僕は驚きで目を大きく見開いた。

「うそ?」
「本当よ。この前、シンジと別れてから、そのままゲンドウさんのところへ行ったわ。
そして、別れたい、結婚は止めたいと言ったの」
「父さんは、いいって言ったの?」
「ええ、言ったわ。アタシの自由でいいってね。所詮、あのヒトにとって、アタシはそ
れくらいの価値しかなかったのよね」

 アスカは自嘲するように薄く口許を緩めた。
 父さんに対する怒りが湧き上がるの押さえきれなく、僕は血が滲むほどきつく拳を
握りしめていた。しかし、心のどこかでホッとするものがあった。
 僕は声を微かに震わせながら、

「どうするの? これから」
「ん、どうもしないわよ。これからも日本にいるわ。ママも仕送りは送ってくれるって
言っていたし、ひとりでもやっていけるわよ」
「ドイツのお母さんに連絡したんだ?」
「まあね。結婚が駄目になったって言ったら、ママは喜んでいたのが悔しいけどね」
「……」

 僕は何も言えず、ただ黙っているしかなかった。
 その後、暫くしてからミサトさんが両手にたくさんの食料品が入ったビニール袋を
持って帰ってきた。アスカひとりでは一週間ぐらい保ちそうなほどの量である。
 アスカは苦笑しながら、

「余りそうになったらレイに上げるわよ」

 と言った。
 それから、僕とミサトさんはアスカと一緒にオレンジジュースを飲みながら少しの
時間を過ごした。ミサトさんは担任の先生らしくアスカの相談に乗ったり、学校の
ことを言ったりと、ちゃんと家庭訪問をしていた。
 そして、長居してアスカの風邪を悪化させないよう僕たちは彼女の部屋を出た。
 午後の授業はもう終わっている時間であったが、クラブ活動へ出るためにミサト
さんと一緒に僕は学校へ戻った。
 途中、ミサトさんの車の中で、

「シンジ君。よかったわね」
「何がです?」
「心配事が一つ減ったことよ」

 とハンドルを握りながらミサトさんは言った。
 僕はフロントガラスの向こうにある風景を見ながら、

「アスカのことですか?」
「そっ、いろいろとね」
「はあ、」
「シンジ君、」

 ミサトさんは声色を真剣なものに染めて、

「あなたはまだ若いから、わからないかもしれないけど、」
「……?」
「ヒトの縁というのは意外と簡単に切れてしまうものなのよ」
「どういうことですか?」
「シンジ君。今、レイとケンカしているでしょ?」
「あっ、」
「アスカのことを気にするのはいいわよ。でも、ちゃんとレイにもフォローしてあげ
ないと駄目。後で気付いてからでは遅いのよ」
「……」
「これはシンジ君の担任としてではなく、大人の女性としての忠告よ」

 僕はレイやアスカのことを言われたのに反発を感じてしまい、

「ミサト先生も昔、そんなことがあったんですか?」
「私も、もうすぐ30だからいろいろあったわよ」
「加持さんともですか?」
「……まあ、いろいろとね」

 そう呟いたミサトさんの横顔が酷く哀しげで、僕は訊ねたことを後悔していた。



つづく、   7/9
>>658
一言言いたい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんた神じゃね?GJ!
面白かったです。
しかし、やっぱりシンジはゲンドウの子供だねー
外道二世か…
GJ!

>サービス、なんてしたくないから

山岸さん。。。懐かしいナ
作者さん乙!!それにしてもミサトさん…あんたエエ女やなぁ
あと2話っすか。
カヲル子はやっぱりチョイ役だったか…
私は平気よ。

たとえ唇すら許してない惣流さんに碇君を奪われても。
碇君がそう望んだのなら仕方がないわ。
私は平気……




……何故?何故涙が溢れてくるの?
私……悲しいの?
これからどうなるんだー!!!GJ!!
GJ!!

独特の文章だね。
台詞の後に 「と言った。」系の言い回しが多いのがちょっと気になったかな。
667第8話よん♪:05/03/01 14:55:54 ID:???
>>658
 アスカの風邪が治ってから数日、僕はまだ綾波と仲直り出来ないでいた。
 綾波へ話し掛けても口をきいてもらえないし、すぐに僕から離れていってしまう。
 しかし、それでも少しずつ変化はあった。
 時々、綾波が何かもの言いたげに僕を見つめているのである。そんな時、僕は
彼女のところへ行って話し掛けてみるけど、やはり相手にしてもらえなかった。
 でも、なんとなく近いうちに仲直りできそうな雰囲気を感じていた。

 放課後になり、僕はオーケストラ部の練習に行こうと教室を出た。
 いつもなら同じ部に入っている綾波と一緒に行くのだが、ここ最近はずっと
ひとりだった。
 けれど、廊下へ出ると、そこに綾波がカバンを両手に持って立っていた。
 僕は彼女の前へ進み、

「僕を待っていてくれたんだ?」

 と訊いた。
 その問いに対して、綾波は肯くことも声を出すこともない。
 彼女は僕の眼をジッと見つめた後、歩き出した。
 僕は彼女の隣を一緒に進む。
 しかし、綾波は僕を置いて駆け出すこともなく、歩調を合わせてくれていた。
 廊下の曲がり角に差し掛かった時、

「ついて来て」

 と、綾波は小さく言った。
 そして、部室とは逆の方へ足を向ける。
 僕はどこへ行くのだろうと思いながら彼女の後を追った。

 学校の外へ出ること数十分。
 その間、僕たちに会話は一つも無かった。いや、僕は話し掛けてみるのだが、
綾波から言葉が返ってくることはなかったのだ。
 正直、綾波の考えていることはわからない。
 僕に対して怒っていることは間違いないけど、それだけでは無いような気もした。
 でも、今まで僕を無視していたのだから事態は好転しているのかもしれない。
 やがて、高台の公園に着いた。
 眼下に広がる第3新東京市の街並み。そのビルの窓ガラスが陽光で輝いていた。
周りにある砂場やブランコなどで遊ぶ子供たちと、その子たちを見守るお母さんたち
の楽しそうな声が耳に届く。
 僕は知らずに頬を緩めていた。
 この公園は僕と綾波にとって思い出の場所であったからだ。
 去年の12月の暖かな午後、僕はここで綾波に好きと告白した。その言葉に驚い
たような表情をした後、とてもきれいな笑顔で綾波は返事をしてくれた。あの時の
彼女の笑みは今も僕の心にはっきりと残っている。
 だから、ベンチに座って街並みを見つめている綾波の隣に僕は腰掛けて、

「僕は綾波と仲直りしたい」

 と言った。
 彼女は視線を動かすことなく、真っ直ぐに街の風景を見続けている。
 僕も彼女の横顔から街並みへと目を移し、

「カヲル君とは本当に何でもないんだ」
「……」
「その、キ、キスはされちゃったけど、女の子としてカヲル君が好きとか、そういう
ことはないから。本当に、カヲル君とは仲のいい友達でしかないから」
「……」
「そのことだけは信じてほしい」
「……」
 なおも綾波は口を閉ざしたままだった。
 何も答えてくれない彼女に僕は不安を大きくさせたが、なけなしの勇気を振り
絞ってベンチの上に置かれている綾波の左手を握った。
 彼女はその手を振り払うこともなく、ただそのままにしている。
 暫く、僕たちは体温を共有していたが、不意に彼女が口を開いた。

「碇君、」
「なに?」
「私、本当はずっとわかっていた。碇君が渚さんに恋愛感情は抱いていないことを」
「……」
「ただのヤキモチなの。渚さんが碇君に口づけしたことが悔しかっただけ」
「ごめん」
「でも、それはもういい」
「……?」

 僕はヤキモチを焼かれていたことがちょっとうれしく、でも彼女の顔色がいっこうに
厳しいことへ不安を募らせていた。

「碇君、」

 綾波は顔を横に向け、僕の瞳に視線を合わせる。
 そして、彼女の薄い桜色のくちびるが小さく動いた。

「惣流さんのことは、どう思っているの?」
「えっ、……どうしてアスカが、」

 僕は思ってもいなかったことを訊かれて、激しく動揺していた。

「碇君は惣流さんを見ている」
「そんなこと……」
「無いと言える? 私、ずっと碇君を見ていたから、それくらいわかる」
 今まで無視されていたと思っていたのに、綾波は僕を絶えず気に掛けていた
なんて。自分のうかつさと無神経さを思い知らされ、僕は何も言えなかった。

「私は我がまま」
「……?」
「碇君に嫌われたら黙って消えようと、これまで思っていた。でも、今は違う。
碇君に私を好きでいてもらいたい。ずっとずっと好きでいて欲しい」
「……」
「私は碇君に抱かれたい。……でも、駄目」
「……どうして?」

 と、僕は呟くように訊いた。
 綾波は僕が握っていた手を解き、立ち上がると、

「私だけを好きになってもらいたい。他の誰よりも私が碇君の一番になりたいの」
「……」
「でも、碇君は惣流さんに心を残している。だから、駄目」

 綾波は僕に背中を向け、

「明日から話し掛けてこないで」

 と言って、そのまま公園の外へ歩き出した。
 僕は彼女の言葉に胸を刺されたような痛みを感じ、綾波を追い掛けることが
できなかった。
 綾波が言ったように僕はまだアスカが好きだ。
 だけど、綾波も僕は好きで、

「ははっ、これじゃ父さんと同じだ」

 と自嘲するように呟いていた。

 それから数日、僕と綾波はあのままであった。
 もう彼女とは駄目かもしれないと諦めを感じつつある。
 それにアスカへ心が動くのを自覚してもいて、

「僕は馬鹿だ」

 と屋上の鉄柵に上半身をもたれさせながら呟いた。
 放課後、人のいない学校の屋上。僕は誰にも聞かれていないと思っていたが、

「アンタ。今頃、気付いたの?」

 と声を掛けられて、慌てて後ろへ振り返った。
 そこには僕を笑いながら見ているアスカが立っていた。

「どうして、アスカがここに?」
「シンジの後ろ姿がしょぼくれてたから、ちょっと追い掛けてみたのよ」
「……」
「案の定、こんなところで黄昏れているし」
「……心配してくれたんだ?」

 僕は少し胸が温かくなるのを感じていた。
 一方、アスカは照れるように頬を赤らめて、

「そんなんじゃないわよ。シンジを笑ってやろうと思っただけ」
「……ありがとう」
「ば、ばか」

 さらにアスカは顔を赤くしたが、僕の隣に来て鉄柵に背中を寄り掛けた。
「ねえ、シンジ。何を悩んでいるの? アタシが相談に乗ってやるわよ」
「アスカが?」
「そっ。アンタにはいろいろと世話になったでしょ。少しくらいアタシにも何かさせてよ」

 僕はアスカと同じように鉄柵へ寄り掛かりながら空を見上げた。
 暫し、雲がゆっくりと流れていく様を眺めていたが、

「綾波とは、もう駄目かもしれない」
「……うそ?」
「ううん、本当」
「どうして?」

 と訊いて、アスカは僕へ身体を向けた。

「もしかして、アタシが原因?」
「……」
「そういえば、最近レイ、アタシに冷たいのよね。そっけないし」
「アスカが悪いわけじゃ……」

 無いと、僕は最後まで言えなかった。
 でも、もっと悪いのは優柔不断な僕自身で、

「僕はさ、結局、父さんと同じだったんだ」
「……?」
「心がふらふらしていて……。あんなに嫌いだった父さんと同じなんて笑っちゃうだろ」
「シンジは同じなんかじゃない」
「同じだよ」
「違うわよ! シンジは本気でアタシを心配してくれていた。アタシは本当にうれしかった」
「アスカ、僕は父さんと同じなんだ」
 僕は静かに淡々と告げた。

「だって、今もまだアスカが好きなんだから」
「……えっ、」

 遅れて返ってきた彼女の声は驚きに満ちたものだった。

「そのことを綾波に言われてさ、僕は何も言い返せなかった」
「……シンジ、」
「軽蔑してくれていいよ。僕はこういう人間なんだ」

 しかし、アスカは優しげな笑みを浮かべると、僕に顔をそっと寄せてキスをした。
 それは一瞬の出来事で、僕はただ為すがままになっていた。
 アスカが離れた後、人差し指をくちびるに触れさせると、そこにはまだ彼女の
体温が残っているのを感じられる。
 暫し、僕らは無言で見つめ合い、

「アタシはうれしかった。シンジに好きって言ってもらえて」
「……アスカ、」
「キスしちゃったね」
「うん、」
「ねえ、シンジ」

 アスカは僕の心の奥を見通すような眼を向けながら、

「レイを忘れられる? アタシだけを愛してくれる?」
「……」
「もしシンジにそれができるなら、アタシはその分、いっぱい、いっぱい愛してあげ
るわよ。シンジのしたいことは何でもしてあげる」
「……」
「その代わり、アタシだけを愛して」
 僕は急激にアスカへの愛おしさを感じ、無意識に口を開いていた。

「僕は、アスカだけを好きでいるよ」
「本当?」
「嘘じゃない。本当の気持ちだ」
「なら、証拠を見せて」

 暫し、僕は目を瞑り考え込んだが、結論はあっけなく出た。

「わかった。僕は綾波と別れる」
「……信じてあげる」

 アスカはそう言って微笑むと、再び僕へ触れるだけのキスをした。
 その後、僕らはきつく抱き締め合う。
 彼女は僕の胸に顔を埋めながら小さく声を出した。

「ねえ、シンジ」
「……なに?」
「今度の3連休、ひま?」
「暇だと思う」
「じゃあ、旅行に行かない?」
「……旅行に?」
「そっ、」

 と言って、アスカは顔を上げた。

「二人だけで遠いところへ行くのよ。そして、思い出をたくさん作るの」
「それって、その、つまり、そういうこと?」

 顔を真っ赤にして訊く僕の心に気付いたのか、アスカも頬を染め、
「ば、ばか。なに考えてんのよ?」
「ごめん」
「いいわよ。謝らなくて、……もうホントにバカなんだから」

 そして、アスカは僕からそっと離れると、照れるように俯いた。

「じゃあ、アタシが計画を立てておくから」
「アスカが?」
「そうよ。まさか、嫌って言うんじゃないでしょうね?」
「ううん、そんなじゃないよ」
「なら、よし。じゃあ、詳しいことは後で連絡するから」
「わかった」
「じゃあ、アタシ、ソフトの練習に行くわ」

 そう言って、アスカは走り去っていった。
 僕は暫し屋上に残って遠くの山々を眺めながら、今の出来事を思い返していた。

「アスカと旅行かあ」

 自然と顔がにやけてくる。
 どんな旅になるんだろう。きっと楽しくて一生の思い出になると思う。
 だが、唐突に、胸の奥が痛んだ。

「あれ、」

 と呟き、僕は右手で胸を押さえた。
 身体的なものというより、心の痛みのように感じる。
 その痛みは更に大きくなり、僕は立っていられなくなった。
 しゃがみ込み、眼を閉じる。そして、瞼の奥に見えたのは、綾波の哀しげな顔であった。


次回、最終話。  サービス、なんてしたくないから
真中シンジと西野アスカキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
痛い痛い心が痛いぃぃぃぃぃ寂しい切ないぃぃぃ
結末が気になるがしばらく立ち直れない…
いちご100%のSSがあると聞いてdできました
このシンジぬっ頃したい。レイ…
LAS人だけどレイに同情しますた。
でも、どんな意見が出ても考えている結末は変えないで欲しい。
でも、ってなんだよ。でも、って。
個人的にLRSにして欲しいが、って事なんじゃね?
俺もいちご100%連想した
アスカ好きのさつき好きだから複雑な気分・・・
お疲れ様です。

こういう流れとは…
……
………

アヒャ
やっぱり外道コース…
最近レイちゃんはかわいそうな子一直線だねー
愛されてるってことさ
あーあ。またこんな展開だよ。
所詮赤毛猿が存命する限りは人形さんには幸せは来ないんだね(´-`)




外道シンジもろとも九話で車にひかれて氏ね。
旅行先で殺人事件に巻き込まれろ。
>>687
暴言を吐くなよ
LRS人だが、この作品はおもしろい
確かに展開的にキツイ部分あるけど、それ自体は個人の好き嫌い
作品自体のおもしろさに関係はない
>>675
 学校の屋上でアスカと会ってから幾日か過ぎた。
 僕は未だに綾波へ別れを告げることができずにいる。
 そもそも彼女に何と言っていいのかもわからない。
 あの時、ほとんど勢いで別れると口走っていたが、冷静になった今、それで
よかったのかという思いが僕の胸を占めていた。
 また、アスカへも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
 自分だけを愛して欲しいと言ったアスカに、僕は応えられるのだろうか。
 いつしか僕はアスカへも距離を置いていたが、彼女はそのことに気付いてい
ないのか普段通りに接してくれていた。
 僕はそんな彼女の青い瞳をまっすぐに見ることはできなかった。


 木曜日の夜、僕は母さんと食卓を囲んでいた。
 8時過ぎの遅い夕ご飯。しかし、これはいつものことだった。
 仕事が忙しい母さんは定時で帰ってこれることがほとんど無く、深夜になること
もしばしばである。でも、その分、週末はきっちりと休みを入れているので、母さん
とは一緒に遊びへ出かけることができた。
 僕はご飯茶碗を持ちながらボンヤリとしていた。
 平日はいつも自分が料理当番で、今日も僕の作った品々が食卓を埋めている。
 しかし、右手に持ったハシはカタツムリのように動くのが遅かった。
 母さんはニコニコとしながらご飯を食べていて、

「シンちゃん。このサンマ、美味しいわね」

 と声を掛けてきた。
 僕はハッとしたように母さんへ目を向けて、

「あ、うん。特売で安かったんだ」
「サンマは今が旬だものね」
 母さんはサンマの塩焼きをきれいにほぐし、大根おろしをちょこっと乗せた。
 そして、パクッと口の中に入れる。

「ホント、美味しい」

 次に母さんは白いご飯を口へ運び、モグモグさせた。
 僕は暫しそんな母さんの様子を見ていたが、

「母さん、今週の3連休に友達と旅行へ行く約束をしているんだ」
「10月の9・10・11日?」
「うん、」
「どこに行く予定なの?」
「長野の方。第2新東京や上高地に行こうって話なんだ」

 母さんは頬をにんまりとさせて、

「ねえ、シンちゃん。誰と行くの?」
「トウジたちと」

 咄嗟に、僕は嘘をついていた。
 とはいえ、トウジとケンスケに口裏を合わせてもらうように頼んではあるのだが。
 しかし、母さんは疑うような眼で、

「ふ〜ん、鈴原君たちとかぁ」
「な、なんだよ。反対するの?」
「違うわよ。母さん、シンジはレイちゃんと一緒に行くのかなと思ったの」
「えっ、綾波と!?」

 僕は驚いて、右手に持っていたハシを落としてしまっていた。
 母さんはそんな僕を笑うと、
「ふふっ、だって、レイちゃんはシンジの恋人でしょ?」
「えっ、あっ、うっ、」
「でも、本当に鈴原君たちとなの?」
「本当だよ。僕が母さんに嘘を言うはず無いだろ」
「ふふっ、そういうことにしといてあげる」
「なっ、母さん」

 と僕は大声を上げたが、母さんは素知らぬ顔できんぴらゴボウを口に
入れていた。そして、また一口、ご飯を食べてから、

「シンジも男の子だもんね。そういうことは親に隠したい年頃なのか。母さん、
ちょっと寂しいなあ」

 と拗ねた様子を見せた。
 母さんはもうすぐ40歳になるというのに、そういう仕草をするとまだ20代に
見えるから不思議だ。それに、どことなく顔が綾波に似ている。

「でもね、シンジ。私もシンジの気持ちはわかるわよ」
「……?」
「母さんもシンジくらいの頃は、親に隠れて男の子とデーとしたもの」
「……そうなの?」
「そっ。一緒にライブへ行ったり、映画を見たりね。でも、シンジみたいにお泊ま
りはしなかったけどね」
「母さん! だから、それは違うって」
「はい、はい」

 僕の必死の言葉も母さんはさらりと流す。

「だけどね、シンジ。母さんは高校生の頃、とってもモテたのよ。もうラブレター
なんて毎日もらったわ。デートのお誘いもひっきりなしだったし」
「そうだったんだ」
 自分の母親ながら美人で可愛いと常日頃おもっていたので、僕は納得していた。
 そして、もう少し詳しく訊いてみようと思い立ち、

「じゃあさ、父さんともそうだったの?」
「あのヒト?」

 一転して母さんは不機嫌さを表情に出して、ぶっきらぼうに声を出した。

「あの人と会ったのは、大学の頃よ」
「そ、そう、」

 触れてはいけないことを訊いてしまったのかと、僕は微かに冷や汗を流した。
 しかし、母さんはすぐに笑顔を取り戻し、

「ねえ、シンちゃん。綾波さんを大切にしなさいよ」
「……」
「アスカちゃんがドイツに行った時、落ち込んでいたシンジを綾波さんは支えて
いてくれたわ」
「……」
「ううん、それだけじゃない。いつもいつも綾波さんはシンジに寄り添ってくれていた。
あんないい子は世界中を探してもいないわ。そのことをちゃんとわかってる?」
「……うん、」

 その一言だけしか僕は口に出せなかった。

 食事も終わり、後片づけをしてから、僕は宿題をすると言って自分の
部屋に戻った。
 しかし、僕は机に向かうこともなく、ベッドに寝ころんだ。
 両目を瞑り、さっき母さんに言われたことを思い返す。
 2年前、アスカがいなくなって僕は失意に暮れていた。そんな僕を支えてくれ
たのは綾波だった。他にも、たくさんある。僕が挫けそうになった時は励まして
くれたり、気弱な僕の尻を叩いて送り出してくれたりもした。それは強く激しいも
のではなかったけど、静かに心を温めてくれるようなものであった。
 気付けば、綾波はいつも僕のそばにいた。
 彼女は僕の心の一部になっていた。
 僕はベッドから起き上がり、押し入れの中にある化粧ケースを開く。
 そして、彼女の髪と同じ色をしたブルーのマフラーを見つけた。
 去年のクリスマスにもらった綾波からのプレゼント。市販品のように上手に作り
込んではいないけど、彼女の想いがそこに編み込んであるようだった。
 僕はベッドの上に腰掛けて、マフラーを両手に乗せた。
 長い間、それをジッと見つめ、

「これを編んでいる時、綾波は何を考えていたのかな」

 と呟いた。
 少し冷え込んできた秋の空気が部屋の中を埋めていたが、マフラーに触れてい
る僕の両手はとても暖かかった。

 土曜日の朝、訝しむような眼をした母さんに見送られて、僕は駅へ行った。
 アスカとの待ち合わせ時間まで余裕はある。
 しかし、僕は駆け足で向かっていた。
 桃源台駅も土曜は通勤客が少なく、わりと人の波も穏やかである。
 僕は駅のコンコースを見渡し、アスカが来ているかどうか確認した。
 すると、フードのついたベージュのシャツにジーンズ姿のアスカが隅の方で壁に
背中を寄り掛けながら立っているのが見えた。彼女の足下には大きなスポーツ
バックが置いてある。
 僕は急いで彼女の前に行った。
 アスカは小首を傾げながら、

「シンジ、おはよう」
「うん、」
「で、アンタ、荷物は?」

 そう、僕はここへ手ぶらで来たのだった。
 バックパック一つ持ってきていない。
 僕はアスカから視線を外すと、両手両膝を床につき、土下座した。
 おそらく周りの注目を浴びているだろう。
 アスカも驚いているのか声を出すこともなかった。
 しかし、僕はずっと額を床にくっつけ続けた。

「アスカ、ごめん。一緒に行けない」

 僕は土下座しながら声を出した。
 しばらくアスカからは何の反応も無かったが、

「どういうことよ? シンジ」

 と微かに声を震わせた。
 たぶん、彼女は怒りを抑えられなくなっているのだろう。
 既に覚悟を決めていた僕は思いの全てを彼女へ伝えることにした。

「僕は綾波が好きなんだ。一番、好きなんだ。だから、一緒に行けない」
「アンタ、あの時の言葉は嘘だったの?」
「……嘘じゃないけど、僕はアスカに嘘をついていた」
「どういうこと。ちゃんと説明しなさいよ」
「僕にもよくわからない。でも、あの時の気持ちは本当だった。それしか僕
には言えない」

 暫し、アスカは黙っていたが、

「シンジ、立ちなさい。アタシの目を見て、話しなさないよ」
「……」

 ゆっくりと僕は床から立ち上がった。
 僕たちを囲むような人の輪は無かったけど、遠巻きに多くの目が注がれ
ている。
 しかし、僕にはそんな視線を気にする余裕など無く、ただ言われた通りに
アスカの瞳へ目を合わせた。
 そして、僕は静かに口を開いた。

「アスカの気持ちを踏みにじるようなことをして、どう謝ればいいのかわからない。
でも、今は綾波が僕にとって一番大切な人なんだ」
「……シンジにとってアタシはどうでもいいっていうの?」
「そんなことは無いけど、そうかもしれない。今はただ綾波だけなんだ」
「……そう、」

 アスカは両手を腰横に置いて、疲れたように小さく息を吐いた。
「わかったわ」
「……ごめん」
「シンジ、アタシの願いを一つ聞いてくれる? それくらい、いいでしょ?」
「わかった。何でも言って」
「じゃあ、目を瞑って」

 僕はアスカに言われた通り両目を閉じた。
 すると、続いて彼女の言葉が現れ、

「シンジ。しっかり歯を食いしばりなさい」

 直後、僕の左頬を途轍もない衝撃が襲った。
 僕は後方2メートルほど飛ばされて、床に頭を打つ。
 その強い打撃で軽い脳震とうになり、暫く立ち上がることができなかった。
 やがて、ふらふらと立ち上がり、僕はよろめく足取りでアスカの前に戻った。
 彼女は僕にポケットティッシュを渡し、

「鼻から血が出ているわよ」
「あっ、うん」

 ポタポタと鼻から血が流れ出し、床に赤い模様をいくつも作っていた。
 僕は両方の鼻の穴にティッシュを詰め、それから床の血を拭いた。
 そして、ゴミを捨ててから再び戻ってきた僕へアスカは、

「まだ頭にきているけど、これで許してあげる」
「……ごめん」

 僕はそう小さく謝って、頭を深く下げた。
「だけど、アンタ、これからどうするの?」
「……」
「レイは鋭いわよ。たぶん、アタシたちのことにも気付いている」
「それは知ってる」
「じゃあ、どうするつもりよ?」
「……綾波に謝って、謝って、謝るしかないと思う」

 鼻からティッシュを出している情けない顔で僕は答えた。
 しかし、そんな僕を笑うこともなくアスカは更に訊いていた。

「謝っても許してもらえない時は?」
「許してもらえるまで謝る」
「それでも駄目な時はどうするのよ?」
「……諦めるしかないかな」

 アスカは睨むような鋭い視線を向けながら、

「アタシが残っているなんて思わないでよ」
「それはわかっている。ケジメなんだ。綾波やアスカを傷つけてきたことに対しての」
「……」
「僕がふられても、綾波が幸せになるならそれでいいと思っている」
「……そう。まあ、無駄な努力になるかもしれないけど、頑張りなさいよ」
「ありがと、アスカ」

 彼女はニッと笑った後、照れるように頬を軽く小指で掻いた。
「シンジにアリガトなんて言われたくないわよ。これでもまだ怒っているんだから」
「ごめん、」
「まあ、結局、アタシたちの時間は巻き戻せなかったのよね」
「……?」
「2年間、アタシたちが別々に歩んだ時間はそれほど大きかったのよ。」
「……」
「そして、新しく始めることも無理だった。まあ、なんとなくわかっていたけど」
「……アスカ、ごめん」
「シンジ、もう謝るのは無し。アタシ、ウジウジしているのがダイッ嫌いなのよ」
「わかった」

 一瞬、アスカは寂しげな笑みを浮かべた。
 それは僕たちの間にあった男女の関係がはっきりと終わったことを伝えるものであった。
 アスカは床に置いてあったスポーツバックを手に取り、

「じゃあ、アタシ、行くね」

 と言った。
 僕は慌てて声を出し、

「行くって。ひとりで旅行に?」
「ふふっ、バカねえ。いくら何でもアタシはひとりで旅行なんてしないわよ」

 悪巧みが成功したような笑みをアスカは浮かべて、

「本当はね、これからソフトボール部の遠征があるの」
「えっ、うそ?」
「ホントよ。ほらっ」

 と言って、アスカは遠くにいる女子高生の一団に手を振った。
 すると、彼女たちも手を振り返してきて、僕はガクッと肩を落とした。
 今さらだけど、この一部始終を見られていたわけで、アスカに騙されていたことに
対する怒りよりも週明けの学校を考え激しく鬱になった。
 僕は力無く呟くように、

「アスカ、酷いよ。僕を騙すなんて」
「酷いのはシンジの方でしょうが。アタシを好きだと言っていたのに」
「うっ、」
「でもね、アタシにはわかっていたの。シンジはレイを一番好きなことが」
「……」
「だから、ほら、レイ。もう出てきてもいいわよ」

 アスカは数メートルほど離れたところにある大きな柱の影に向かって声を出した。
 と、そこから白いワンピースを身に纏った少女が現れた。
 その水色の髪を僕は忘れるはずもなく、

「綾波、いつからそこにいたの?」
「……初めからずっと。惣流さんにここへ来るように言われて」

 僕は綾波からアスカへ視線を移し、

「ええっ!?」
「ま、そういうこと」

 と言って、アスカは笑みを大きくさせる。
 そして、くるっと身体を回して僕たちに背中を向けた。
 だが、その瞬間にアスカの青い瞳から流れた一しずくの涙が、僕の網膜に
はっきりと焼き付いていた。

「じゃあ、シンジ、レイ、バイバイ」

 アスカは手をヒラヒラとさせながらソフト部の仲間の方へ歩いていった。
 僕と綾波は彼女がグループの中に溶け込むまで黙って見送り、その後、

「惣流さん。泣いていたわ」
「……うん、」

 とだけ会話を交わした。
 それから僕らは大勢の視線から逃れるためにそこから離れ、外の駅前広場に出た。
 秋の陽射しが地上に降り注ぎ、その眩しさに僕は目を細める。
 自分の頬と鼻がズキズキと痛んだが、僕はそこへ手を当てることはしなかった。
 その痛み以上にアスカの心は傷ついていることを知っていたから。
 また、綾波にも。
 僕と綾波は噴水の縁に腰を下ろし、人の流れを黙って見続けていた。
 どれくらい過ぎただろう。ふと、僕は彼女に話し掛けた。

「綾波、僕を殴ってくれないか?」
「……?」
「ケジメをつけたいんだ」

 綾波は小さく首を横に振った。
 それを見て、僕は彼女に愛想を尽かされたと思ったが、

「今、殴ったら、碇君は入院するわ。……だから、あとで」
「あっ、うん」
 僕がホッとしながら返事をすると、綾波は僕の顔へ手を伸ばしてきた。

「ジッとしていて」

 そして、彼女は僕の鼻から血で真っ赤になったティッシュを取り、新しく詰め直した。
 僕は綾波に激しい愛おしさを感じて抱き締めたくなったが、それをグッとこらえた。
 腰を回転させ彼女へ身体を向けて、僕は頭を深く下げた。

「綾波、今さら都合のいいことを言っているのはわかっているけど、許して欲しいんだ」
「……」
「綾波を傷つけてしまって、本当にごめん」
「……もう私に嘘はつかない? 何でも言ってくれる?」

 と、彼女は小さく言った。
 僕は顔を上げてから大きく肯き、

「約束する。もう絶対に嘘をついたり隠し事はしない」
「……」

 しかし、綾波は口を閉ざしたまま何も答えてくれなかった。
 僕はただ彼女の言葉を待ち続け、長い長い時が過ぎた後、

「いや、許さない」

 と、綾波は冷たい声で答えた。
 僕は絶句して、ただ彼女の顔を見つめるしかなかったが、不意に綾波は口を開き、

「私は一生、碇君を許してあげない」

 と微笑みを浮かべた。
 その声にさっきまでの冷たさはなく、むしろ僕をからかうようなものであった。
「これから碇君には私のそばにいてもらうわ」
「……」
「いつまでもずっとよ。そうしてくれるなら、いつか許してあげる」
「綾波、」

 僕はあまりのうれしさに涙を流さずにはいられなかった。
 止めどなく涙が溢れ出し、僕は右腕で目を覆う。ティッシュで詰まった鼻からは
鼻水が喉に逆流して苦しかったけど、それでも僕は泣き続けた。
 綾波は暫しそんな僕を黙って見ていたが、やがて僕の頭を自身の胸に抱えた。
 僕は彼女の胸の温かさと柔らかさを感じながら、いつまでも泣いていた。



 3連休が終わり、僕は学校へ行った。
 案の定、土曜日の駅でのことが話題になっていて、みんなにからかわれ続けた。
 とても恥ずかしかったけど、不思議と逃げたい気持ちはない。
 昼休み、どこか他人事のように、

「アンタも大変ね」

 と言うアスカに、僕は苦笑を送りながら、

「まあね。自分の蒔いた種だから仕方ないよ」

 と答えた。
 僕は胸の中で彼女へ何回も感謝の言葉を送っていた。
 そして、放課後になり僕はクラブ活動へ行こうと席を立った。
 目の前では綾波が待ってくれている。

「綾波、行こう」

 そう声を掛け、僕は綾波の手をそっと握った。
 クラスメイトたちの目が気になってはいたけど、それでも手を離すことはなかった。
 綾波は軽く頭を上げて僕の眼を見つめると、

「こっちの方がいいわ」

 と言って、僕の腕に彼女自身のそれを絡めた。
 腕から伝わる胸の膨らみ。
 頬を真っ赤にさせた僕へ綾波は不安げな瞳で、

「碇君、いや?」

 と訊いてきたが、僕に嫌と言えるわけもなく、ただ首を大きく横に振った。
 僕たちはそのまま廊下へ出て、部室へ向かって歩く。
 目的の場所はすぐ近くだった。時間にすれば数分もないだろう。
 でも、僕たちの絡んだ腕はいつまでも触れ合ったままだった。




おしまい
来たっ……!
705703:05/03/01 21:18:34 ID:???
初めは一発ネタで書き込んだ話に長々と付き合っていただき、ありがとうございます。
テーマとして、毎回ゲストを1人出そうと決めてました。
そのため、回収されない伏線は数知れず。本当に、ごめんなさい。
そして、楽しかったです。さようなら。
むう、綺麗に纏めちまったのか
もっとドロドロを期待していたのだが
ゲンアスの設定が意味無かった気がする

しかしなにはともあれ乙
結局最初の方とは比べ物にならないぐらい構成がストレートになっちゃいましたな。
リツコやゲンドウの複線が消化しきれなかったのはテンションが乗らなかったんだろうから
しょうがないけど、ちょっと物足りない感じが残ってしまった。

とにかく乙彼。
乙!
いやぁ…よかったわ、ココノたんのとこあたりに投稿して保存してもらったら?
それぐらいいい、最高ですた
>>705
あんたGJ!よかったぞ!今回はLRSだったか
また書いてくれ。次は総合スレ来てシリアスLAS書いてほしい
あそこ荒れてないし、新人大歓迎だから。
>>706
俺が気になってたセリフ後の言い回しが確かに似てるな。
あれ?ラブラブ・ゲンちゃん・アスカは?
出だしは良かったんだけどね。
最後が平凡な落ちになってしまいましたな・・・
最高というほどではないでしょ
作者自身も惰性になった事を悔やんでるんだから
でも面白いと感じた部分があったのは事実、次回があれば是非頑張ってくれ
せっかく冒頭がああだったんだから、ゲンドウをもうちょっと使ってあげてほしかったかな
ともあれ乙でした
乙でした。
色々楽しめる設定だったのに勿体無いなぁというのが正直なところの感想です。
でも毎回楽しみにしてましたよ。
また投下してくださいね。
作者さんの許可いるけど、この設定でアナザーストーリーとか
物語の裏で起こってたことを書くのもありだな
おつ〜。
ゲンアス見たかったなー。
こーんな優柔不断男はノシつけてファーストにくれてやるわよっ!
ま、どーせ長続きしないに決まってるけど。

ってうちのアスカがゆってた。
ゲンドウやり逃げかーいいなー
>>720
間違い無く一番得してる。
ユイ、リツコ、アスカと色んな年齢味わいまくり。
アスカと付き合うことになったトウジが、アスカとゲンドウとの関係を知って鬱になる話マダー?
はっきり言って支離滅裂だよこれ
>>723
否定はしない。
作者も分かってると思われ。
ただ、想像力はあると思うので最初から長編にする気で
ちゃんと書けば面白いモノは書けると思う。
>>722
イタイ…
このトウジは結構、豪放磊落なキャラ作りながらも
しっかりアスカに惚れてそうだからなー
シンジとレイが付き合いだして、フリーになったアスカ
喧嘩友達として慰めてるうちに、やがて恋仲へと…というお決まりの展開。
そこで明かされる、ドイツでシンジのオヤジとやりまくってました。という事実
こりゃあ、たまりませんよ。
やっぱLASにならないと否定意見多くなるな。

ところで今更だけど、>>256でゲンドウの
「それでだ。この度、ここにいるアスカ君と再婚したんだ」
の台詞は無かったことにされてるの?
これは『もう結婚した』というニュアンスにしか取れないんだけど。
16歳という年齢にしてるのも、最初はそのつもりだったからと推測。
LASスレはただでさえ乱立してるので、思い切って次スレからLAS禁止にしない?
>>726
>やっぱLASにならないと否定意見多くなるな。
本気で言ってるのか?
どう考えてもカプ云々じゃなく、ストーリー自体が破綻しかけてるだろ。
それでも次回作を望む声がちゃんと出てるじゃないか。
ちなみに俺はLRS人だが。

>>727
そういう荒れる事は言わない方が良いかと。
安心して読みたいのなら、LRSレスにいけばいい
ここは読まないとLASかLRSか判らないほうがいい

限定しないレスが1つくらいあってもいいじゃない
また、極端な意見だなw
なんでもありだから良いんじゃねーか。
俺は凄くよかったよ思うよ!!作者さん乙!!
LAS人のオレは、噂になったんで読みに来てそれなりに楽しめた。
ちょっと切なかったけどな。
ま、LAS禁止にしたら俺はチェックしなくなるだけだけど、間口狭くすることもないんでない?
レイが幸せになってくれてホッとした。
作者さんありがとな。
しかしまぁ、個人的に最低なシンジキュンだったな。
個人的には途中最低最後最高なシンジキュンだったよ
うーん、LAS禁止というかLASスレが多いので「できればLASネタは専用スレにどうぞ」という誘導が
テンプレにあったほうがバランスとれていいかなと。
GJ!!俺からもありがとうと言いたい!!
綾波を幸せにしてくれてありがとう作者さん!!つД`)・゚・。・゚゚・*:.。。・゚
>>737
そういうのは嫌だな
某スレの「イタモノはイタモノスレの方が無難です」みたいな感じで荒れる原因になりそう
まぁ一切縛りが無いスレがあっても良いんじゃないかと思うので、このままを推す
LASの人達来てもいいけどさ、LAS押しつけんのだけは
勘弁して欲しい。投下したくてもLASにならないと叩かれそう。
したらまた荒れるし。
でもはっきりいって来て欲しくないよ俺は。
LAS投下スレみたけどさ、ここの住人の事考えもなしに
N3に次の投下場所はここにしろって勝手に決めつけてた奴らだぞ?
結局来なかったから良かったけど。
う〜ん、レイにもアスカにも同情したくなるわ、この展開だと。
だからまぁ、個人的にはLARS、もしくは二人で取り合いのラストが一番だったな。
結局、シンジが最低な男だったって事しか頭に残らなかった。
>>740
それはさすがにないと思いたい。
今回色々言われてんのは、ゲンドウやユイ、カヲルといった
消化し切れなかったキャラがたくさん出てるからでしょう。
特にゲンドウは何のために最初アスカと婚約という設定だったのか、よくわからん。
>>742
むしろ、二人ともに振られるのが一番。
>>743
それはLAS人に対する地雷じゃないの?
俺も初めはLASのつもりで読んでたし。
作者氏乙!!!俺は楽しんで読めた!!!
最後も凄く良かったと思うよ。GJ!!!
>741
それ本当?だとしたら許せないんだけど・・・なんでここに?
>747
ここは何でもOKだからじゃない。
彼らの望むLASとちがうから、って意見も有ったな。
>>741
スマン、それを言い出したのは俺。
あのスレでN3の馬鹿が出て行くことに決まったときイタモノじゃ嫌とか言い出したのよ。
で他にはss創作スレしか思いつかなかったもんで。
たぶん、それに反発した人が専用スレをたてて誘導したんだと思う(実質は隔離)

でも、このスレの人がLAS占領に反感を持ってるのを知ってたら
もちろん基地を誘導なんかしなかったよ。すまん。
こんどはss創作スレが空爆されるのか。まあ住人じゃないからいい気味だけどな(藁
あそこの連中は臭くて前から気に入らなかった。ヒヒヒ

N3閣下にぜひ暴れてもらいたい。


219 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :05/02/28 06:52:40 ID:???
確かにss創作はスレタイも無難だしなんでもありだし、OKじゃない?
いくら長くなっても良いから続けて欲しいよ?


220 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :05/02/28 06:57:29 ID:???
つかー、ss創作は、こういう連中の巣だからな。かなりむかつかない?

618 名無しが氏んでも代わりはいるもの05/02/26 04:38:17 ID:???
LRSが無いならLASを読めば良いじゃない byマリー



N3に核攻撃されて全滅するのを期待。



何がOKなんだよ?
ここは何でもありが売りのスレ
個別スレにはローカルルールが色々あるから
何処に行けばいいのか微妙だなと思えば迷わずここを選べばいい
>>750
お前も隔離スレの住人なんだから出てこないでいいよ
はあ?自分らがいらなくなったから追い出しといてなんなんだよ。
言っとくがなんでもありだから何してもいいってわけじゃねぇんだ。
そこんとこきちんとわかれよ。
>754
つーか最初からいらなかったんだが。
>>745
作者が一発ネタで伏線未消化って言ってんだからそれでいいんだよ
無理に整合性を合わせる必要なんて無い
>>755
そんな事情どうでもいいからLAS厨は来ないでくれるかな
落ちLASはイタ禁止だったし(今は投下場所できたが)
ハーレムでも処女縛りがあるし
ここはそういったスレルールに触れて行き場所を失った作品の投下場所だから
作品毎にスレを立てるわけにもいくまいて
次のテンプレで「作者にLASを強要するのはやめましょう」というのはどうかな。
>>754
いらなくなったじゃなくてスレ違いだったんだよ
お前は一々専用スレ立てろというのかw
>>>>アスカと付き合うことになったトウジが、アスカとゲンドウとの関係を知って鬱になる話

マジで上のやつで誰か外伝頼む!!
何でもいいけど、このスレは縛り無し。
それだけは確定してんだから無理に括るな。
この場所はさ、LASの人達のモノだけじゃないんだよ。
色んな人達がいるんだ。もちろんLAS人だっていてもいい。
他人に迷惑さえかけなけりゃな。只こちらの住人の事も
少しは考えてくれよ。
エヴァじゃなくてもいいのか?
>>755
悪いけど、こっちから見ればどっちも同じ穴の狢なんですよ
クズはクズ同士隔離スレで憎しみあっててくださいよ
てめえらのいざこざこっちのスレにまで持ち込むなクソが
結局LAS嫌いなやつがヒスおこしてるだけじゃないか
ここは自由なスレなんだから縛ろうとするな
自分の居心地の良いスレが欲しければそれこそ一人でやってろ
規制が一切無い投下スレがあっても良いと思うよ
ここが規制作っても、どうせ誰かが規制無しのスレ立てちゃうと思うし
このままで良いんじゃない
荒れ気味の雑談を呼んだ一番余計な一言。>>727
LRS好きだが、正直迷惑。
誰も求めてないのに>>750が「俺はまともなLAS人なんだよ」みたいなツラして
しゃあしゃあと詳細説明しはじめたから荒れてんだよ
別にLAS投下自体は好きにすればいいよ
ただし繰り返すがLASスレのいざこざを持ち込むな
そろそろ止めとけよ、くだらねぇ
どっかのクソスレみたいじゃねぇか
というか、カプ小説は専用の投下場所がいくらでもあるんだから
ここは投下場所のないカプモノやカプ小説ではない小説の投下場所にしたら?
荒れる原因がLASだっていうのわかる気がする。
754の言ってる事わかってる?
>>769
それ、発端は別の奴じゃん
N3の話題(LASスレの話題)を出した
>>741の責任だわ
こいつが余計な事いうから荒れるんだよ
だからルール作ろうとすんな!空気嫁よ!
荒らしたいだけか?
>>774
ルールがないのにLASはウザイから来るなとか言い出す奴らがいるから荒れるんだよ。
全てを受け入れるスレじゃねーのここは
議論おわろー
LAS人さんら、765の言ってる事も理解しろよ
他スレの話題は禁止だ
何がどこから持ち込まれようがこのスレはその総てを受け入れる
それがLASだろうがLRSだろうがLARSだろうがハーレムだろうがエロだろうが総べてだ
一々文句を言うな
そういう事だ
分かった!もう分かったから皆で止めよ!
いっせーのーせ!で、皆で雑談止めよ!

いっせーのーせっ!
>>776で議論終了。
LAS人はLASLAS騒がないように。
アンチLASも嫌ならスルーするように。
えらそうに言うなよ。火種はおめーらだろうが。
>>773
そのレスの発端はさらに突き詰めれば別スレでの>>750なんだろ?
火種>>727
>>782
別スレの話題を持ち込むな
持ち込んだのが>>741
火種も悪けりゃそれに過剰反応してるアンチも悪い。
アンチはこの状況がN3がどうのこうので荒れていたLAS投下スレの状況と酷似していることを理解しろ。
ホントおめーら舐めてんの?
「なんでもあり」を楽しみに見てんだよ!
他スレの話も制限の話も流してくれ!これは命令じゃない、お願いだ!
アンチだからLAS投下スレの状況なんて推し量る術もない
火種LAS人
なんでもありのはずのスレにLASでないと許容できない、もしくは
LASが許せないという奴らが来ていること自体がそもそも間違ってる。
>>761
 次 回 予 告

落ち込むトウジを慰めようと自らの身体を捧げるヒカリ。
それでもトウジはヒカリをフィルターにしてアスカしか見ていなかった。
幼さ故の残酷さ。
どうにもならない現実を知らされたヒカリの心の内に一つの闇が生まれる。

次回新世紀エヴァンゲリオン another episode
【絶望という名のナイフ】

この次もォ……君は時の涙を見る。(池田)
LASスレヲチみたいな流れだったところにヲチ対象の本人が
「いや違うんだ、俺たちは悪くないんだ」みたいなレスしたんだから
荒れるのは当然なんだよな。

まあ、以下何事もなかったかのようにマターリと(´∀`)
は〜い(´∀`) ノ
LASスレヲチ自体このスレでやる事じゃないけどな
他のスレの動向に構うなって事だ

まあ、以下何事もなかったかのようにマターリと(´∀`)
は〜い(´∀`) ノ
んじゃあ、ssについて書いてみるか。
レイと付き合ってる→アスカ押し倒す→カヲルとキッス→レイと不仲に→アスカに告白→やっぱりレイがいいや
シンジキュン、外道二世の名を冠するにふさわしい最低ぶりだな。
羅列すると凄いな
未だかつて学園系の話でここまで外道なシンジは見たことがない。
外道というよりただ主体性がないだけのような。
この話の中で一番被害被ってるのはアスカだろうな。
ゲンドウに振られて、傷心の所にシンジが「アスカだけを好きでいる」って告白したから受け入れたのに、
「やっぱり綾波が一番好きだ」でまた振られて・・・。
男性不信になっていないことを祈ります。
そもそもゲンドウに走った理由だって、
ずっと見つめてたシンジがレイに惚れはじめたからだろ?
どれだけシンジに人生振り回されてんのこの子……。
アスカと付き合っていたわけじゃないし、誰に惚れようがシンジの勝手じゃないの。


そこで戦わなかったアスカが悪い
>>801
誰に惚れようが勝手だけど、告白して即振るのは勝手じゃないわな
それは外道と呼ばれる者でしょう
とりあえずいちご100%風味が出てるのはあると思う
心に留めておく分には勝手だったんだけどね。
巻き込んでしまったから勝手じゃすまなくなった。
806801:05/03/02 02:32:57 ID:???
>803
中学2年の時の事について言ってるんだけどね。
現在と過去を混同しないで。
告白して即振ったのはシンジが悪いと思うよ。


押し倒して告白して振って・・・
ここまでくるといくら恋愛は自由と言えど、さすがに非道いだろ。
>>806
ああ、直前のレスだけに返してたのか
全体的な流れで見て誤解してたよ
すまんかった
まぁ、子供が居るのに浮気しまくってたあなたの父親と結婚しました。
幸せです。
なんて事をわざわざシンジに教えるアスカもかなりのもんだと思うよ。
悩んでたの知ってたろうに、せめて申し訳なさそうに言うもんだと思うけど
だから整合性は無いんだYO
辻褄に話を持っていっても仕方ないんだYO
多くを衝動的な行動でジャンプさせているから
漏れはゲンドウかアスカどっちか(もしくはどっちも)死ぬんじゃないかと思ってた
シンジかユイが殺しちゃうかも、と
そしたらリツコが登場しますたがw
ライブ感覚だYO!
シンジとゲンドウ、似たもの親子だなぁw
最低なのはアスカじゃん。いくら好きだったて言われたからって
ゲンドウに振られた直後、友達の彼氏奪おうとするなんてさ。
シンジは最低だったけど最後いい選択したって思ってるよ俺は。
逆にシンジがレイを振ってアスカと付き合うようになったら
俺は本当どうしようもない最低男だって思うけどな。
ともあれ作者さん乙!!良かったよ!!
まぁ最後のアスカはいいやつだったと思うよ。
潔く身を引いてたしね。
シンジも悩みに悩んだ上自分の気持ちがわかったわけだし。
綾波も最後まで健気だったし。良かった!GJ!!
シンジと周りが派手に動いて、あまりレイは動かん話だったな。
レイは拗ねてただけみたいな…
レイだって怒る時ぐらいあるさ。あのシンジじゃ…
『嫌わないで私を捨てないで…悪いのは私…』みたいなのよりは
全然現実味があっていい。他のssじゃそーゆーのが多い中
このレイは俺好みだった。ただもうちょっとレイの心理描写が
欲しかったかも…
もっとヤキモチやくレイタンが見たかったよ・・・(´・ω・`)
 僕は今、上司のお姉さん?であるミサトさんの家でお世話になっている。
いろいろと事情があってそうなったんだけど、もうひとり同級生の女の子も
同居していた。
 彼女、アスカと一緒に生活を共にするようになった初めの頃はいつもドキ
ドキだった。お風呂上がりの彼女は妙に恥じらいがあって、なんというか色気
があった。他にも一緒に暮らしているといろいろあるわけで、タンクトップの
脇の隙間から胸の膨らみがちょこっと見えただけでも僕の心臓がバクバク
鳴っていた。
 まあ、それも最初の頃だけだったんだけどね。
 その後、アスカの生活態度はどんどんミサトさん化していった。
 初めは分担してくれた食事や掃除も僕任せになり、今では下着の洗濯
さえもやらされている。アスカのパンツにドキドキしていたのも最初だけで、
今では単に汚い下着にしか見えない。
 さらにアスカのミサトさん化はそれだけに留まらず、部屋の中にいる時は
平気で下着姿になっていた。ノーブラにTシャツやタンクトップのことも多い。
昔は、一分の隙もなく部屋着をちゃんと身に纏っていたのに。
 更に更に、ブラもしなないで上半身裸のままのことも多い。初めてアスカの
乳首を見た時なんてすごい興奮で眠れなかったけど、やはり慣れというもの
があって、今ではピクリともアレが反応しなくなった。まあ、触れれば別なん
だろうけど。

 今夜もやっぱりアスカは同じだった。
 お風呂上がりの彼女はパンツ一枚だけを身に着けて、冷蔵庫の前で牛乳を
パックごとラッパ飲みしていた。ご丁寧に、首にハンドタオルをかけて、左手を
腰横に置いたあのポーズをとっている。もちろん彼女の胸は丸出しだ。
 今さらアスカの乳を見て興奮することもないけど、僕もやっぱり中学生で女の
子に幻想みたいなものを持っていたわけで、それを壊してくれた彼女に文句の
一つも言いたくなった。
「アスカ。いつも裸でいるけど、止めてくれないかな」
「なんでよ?」
 ドスッと牛乳の1リットルパックをテーブルに置き、アスカは小首をかしげた。
 本当に彼女はわからないのだろうかと僕は溜め息をつき、
「あのさ、僕だって男だよ。アスカは恥ずかしくないの?」
「へー、シンジもそんなこと言うんだ?」
「そりゃそうだろ。だいたい、男の前でそんな恰好をしていたら、襲われても
文句は言えないよ」
 アスカは僕を小馬鹿にするように鼻で笑った後、
「ふ〜ん、アンタにそんな度胸なんて無いくせに」
「な、なんだって!」
「悔しかったらアタシを襲ってみなさいよ。まあ、シンジがアタシに腕力でかな
うわけ無いけどね」
「……」
 その言葉は真実で、僕は一度たりとも格闘技訓練でアスカに勝ったことはない。
 でも、彼女の僕をバカにした態度が頭にキていて、
「わかった。アスカが家の中でそういう恰好をするなら、僕もそうするから」
 と言って、僕はTシャツを脱いだ。
 そして、ズボンとパンツへ一緒に手を掛けて、勢いよく下ろした。
 当然、フルチン。
 僕は堂々とアスカにそれを見せつけた。
 でも、アスカは余裕の笑みを浮かべると、
「ふふ〜ん、ジャージのよりも粗末じゃん」
 と言い残し、自分の部屋に戻っていった。
 僕は急に恥ずかしくなって下げていたパンツとズボンを元に戻した。
── だけど、アスカはどうしてトウジのを知っているんだろう。
 ふと、そう思った。
 けれど、そう言えばオーバーザレインボーでアスカは見ているんだよなと
合点した。
「うん、うん。そうだよなあ」
 と独り言をして何度も肯いていた僕へ部屋から戻ってきたアスカが、
「アンタ、裸でいるの止めたんだ?」
 と訊いてきた。
 僕は顔を赤くしながら、
「い、いいだろ、別に。僕はアスカとは違うんだ。デリケートなんだよ」
「はい、はい、わかりました」
 アスカは馬鹿にするような返事をしてから、今度はアイスバーを食べ始めた。
 僕はその様子を呆れたように見ていたが、ふと彼女がブラをつけてTシャツを
着ていることに気付いた。

 その後、アスカの生活態度がちょこっと変わった。
 少なくとも僕の前で裸になることはなかったのである。最低限、ブラとパンツは
ちゃんと身に着けている。ほとんどはTシャツなどを上に着ていた。まあ、下はパ
ンツだけのことが多いけど。
「〜ということがあったんだ」
 ネルフ本部の休憩ルームで、僕は綾波にこれまでのあらましを語った。
 長椅子に座って缶ジュースを飲んでいた僕たちは訓練までの空き時間を潰して
いたのだ。
 綾波は黙って僕の話を聞いていたが、
「それで、碇君は私に何を訊きたいの?」
 と静かに問い掛けてきた。
 僕は顔を赤らめて僅かに俯いた後、
「えーと、前に綾波の裸を僕が見ちゃったことがあったよね?」
「ええ、あったわ」
「あの時さ、綾波は恥ずかしくなかったの?」
「……」
 綾波は何も答えずに俯いてしまった。
 僕はどうしたんだろうと思いながら彼女を見ていた。
 あの時、彼女は恥ずかしがることもなく、僕が押し倒した時も無表情だったのに。
「綾波?」
「……」
「どうしたの?」
「……いじわる言わないで」
「へっ?」
 明らかに恥ずかしがるよう声で綾波が答えたことに、僕は激しく当惑した。
「ええっ、」
「……碇君のバカ」
「えっ、でも、あの時、綾波の胸を触ったのに何も言わなかったじゃないか」
「どいて、と言ったわ」
「あ、そうだけど、ええっ、!」
 僕は知らないうちに大声を出していた。
 そして、周りのことなんて目に入らないくらい意識を綾波に向けていたのが悪かった。
「ほほー、無敵のシンジ様はファーストの裸を見たわけですか? 触っちゃったと?」
 背後からアスカの低い声が聞こえた。
 僕はギギギっとぎこちなく首を後ろに回すと、そこには両腕を君で睨んでいるアスカが
立っていた。僕は震える声で、
「ア、アスカ。いつから聞いていたの?」
「んー、ファーストの裸を見たってところからよ」
 と言って、アスカはニコッと笑った。
 でも、彼女の青い目は据わっていて、僕は原初の恐怖を感じていた。
「お、落ち着いて、アスカ。僕はアスカの裸も見ているし、も、問題無いよ〜な、あるような」
「アタシは落ち着いているわよ。で、言いたいことはそれだけ?」
「え、えーと、綾波〜」
 僕は助けを求めようと綾波へ目を向けたが、彼女は頬に両手を当てて恥ずかしがっていた。
 綾波に何とかしてもらうことは諦めるしかなく、
「アスカ、落ち着こうよ。ほら、僕はアスカを押し倒していないし、何もしていないでしょ」
「ふ〜ん、言い訳するの? アタシを押し倒してないから関係無いって?」
「う、うん、」
「それがムカつくっていうのよ!」
 と叫んだ直後、アスカは僕に脳天踵落としを食らわせた。
 薄れゆく意識の中で、僕は女の子って不思議だなあとノンキなことを考えていた。


オチが無いけど、おわりです
やっぱ、恥じらいはあった方がいいよな・・・乙
うは、
「碇君・・・ポッ」がキター!!
アスカの裸を見慣れすぎて何も感じない…って羨ましいを通り越して哀れだ。
なんだこのバカ話w
禿藁たよ
いいよいいよ、こーゆうの大好きw
もっと書いてくれ
なんかおもろかったw
いいね、こういうの。続きキボンヌ(;´Д`)ハァハァ
シンジのフルチンが意外とアスカに衝撃を与えたのですかねw
誘惑を気付かれずエスカレートしていったアスカが哀れ…
結局シンジはレイの新たな魅力に気付いただけだしなぁ。
頑張れアスカ!
フッ、アスカは分かってないな。
男というものは本格的に見えちまうより
見えるか見えないか微妙なチラリズムの方が興奮するってもんだ。
そこでチラリズムに目覚めるも、
パンチラ→裸エプロン→結局裸
なアスカ
>>831
狂おしいほど同意
トウジのチンチンが気になる
835名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/03/03 01:16:13 ID:9ZijYjs8
>>790
ナレーションは小杉十郎太ですから、残念!
君は、刻の涙を見る・・・斬り!
トウジによる寝取りかと期待してしまったのは
俺だけじゃないはずだ
これはイカリクンポじゃないけどイカリクンポですね
乙!
今日はひな祭りですよ!時事行事読み切りщ(゚д゚щ)カモーン
やっべ、ひな祭り忘れてた
俺も。。
1週間前まで覚えてたのにちょっと長めのSS書いてたらすっかり忘れた。
トリックを見て、文字には不思議な力がある思い込んだアスカさん
というわけで、ノートにシンジは恋人と書こうと思いたったが、漢字がよくわからないアスカさん
案の定、「シンジは変人」とずっと書き続けてしまいました

1年後、シンジ君は立派な変態さんになりましたとさ
スレ間違えすぎ
清々しい誤爆でワロタw
もうすぐホワイトデーですよ、皆さん。
845名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/21(月) 10:28:37 ID:???
終わりましたよ、みなさん
846名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 01:29:08 ID:???
もうすぐエイプリルフールですよ、皆さん
847名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 02:04:12 ID:???
終わりましたよ、みなさん
848名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 03:12:12 ID:???
>>846
嘘つけ
849名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 16:46:54 ID:???
卒業とか入学とか、出会いとか別れネタの季節ですよ、皆さん
850名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 17:50:11 ID:???
ネタだけかよ
851名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 21:36:09 ID:???
>>848
素朴な疑問。
>>847に対してのレスじゃないのか?
852名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/26(土) 23:47:14 ID:???
>>851
>>848>>846に向かって
エイプリルフールネタのSSでも投下せんかーい!!
と強要しておるのですよ
853名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/27(日) 00:03:13 ID:???
なるほど!そういう事だったのかw
854名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/30(水) 22:13:34 ID:???
あと2時間で綾波の誕生日が終わっちゃいますよ、皆さん。
855名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 00:04:07 ID:???
終りましたよ、みなさん
856名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 02:18:14 ID:???
ついさっき、稲妻の様にLASネタが脳裏に閃いたのだが。
…LASワールドではエイプリル・フールにシンジとアスカが一緒に生活しているのはOKなんですか?
本編でアスカが登場したのは夏以降なんですが…。
そんなのは関係なし?
いやここに投下するネタではないんですが、四月バカの話題があったものですからw
857名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 02:23:04 ID:???
本編エヴァ世界はたしか夏から翌年の春頃までの話だった気がする。
そのへんのタイムスケジュールを追っかけたHPがどっかにあったと思うけど
思い出せん。

まあでもLAS世界だから、でいい気もするけどね。同居。
858名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 02:36:41 ID:???
>>857
素早い回答ありがとうございました。
やはりそうなんでしょうね。
LASワールド…あるいは学園ワールドはある程度の遊びが許されている、つー事で自己完結しますw
859名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 03:09:41 ID:???
ぶっちゃけSSはある意味異世界だから、作者さん次第でなんでもありでいい気もする
860名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/31(木) 03:13:15 ID:???
エイプリルフールネタ書いて

「本編でアスカとシンジが4/1を迎えていたという根拠はドコだよ」

とか言われたらイヤだよなw
861名無しが氏んでも代わりはいるもの:皇紀2665/04/01(金) 01:27:02 ID:???
>>860でエイプリルフールを思い出したので書いてみたよ。
862ショートストーリー@アスカの場合:皇紀2665/04/01(金) 01:27:45 ID:???
「シンジ、アタシ結婚する事にしたの」

「……………………え?……なに?」

「日本の法律だと女の子は16歳で結婚できるでしょ、だから」

「………え?…………………なに?」

「………Ich verbinde.」

「だ、誰と?」

「(なんでドイツ語だと通じるのよ、どんな動揺の仕方だっつーの……)
  前から『好きだ』って言ってくれてた人が居てね、アタシを中心に考えてくれるの。
  歳は多少離れてるけど、大した問題じゃないわ。アタシは大学卒業レベルの学力もあるし」

ガシャ

部屋の入り口から話しかけてくるアスカの方に顔だけ向けて応対していたシンジは、
洗い途中の食器を落とす。派手な音がしたのだが、気付く様子も無い。

「ベタなリアクションね」
「ア、アスカ?」
「なによ?」

「エイプリルフールは明日だよ?」
「だから今日言ったんじゃない、明日話したら嘘だと思われるでしょ」
「じゃ、じゃあホントに?」
「まぁね。それより“家族”の幸せを祝福してくれないわけ?薄情な男…」
863ショートストーリー@アスカの場合:皇紀2665/04/01(金) 01:28:37 ID:???
「ほ、ホントにホントなの?」
「しつこいわね、アンタも早く良い人探しなさいよ。ミサトとでも結婚するつもり?」
「僕の事はいいよ!相手は誰なのさ!僕の知ってる人?」
「知るわけないじゃない。まぁでもそのうち紹介するわ」

「なんでさ!いつの間にそんな事になってるのさ!」
「なに泣いてんのよ、娘を嫁に出す父親の気分にでもなったの?」
「そうじゃない!………そうじゃないんだ……………」
「もしかしてアンタ、アタシの事好きだったの?」

「……………………………分からない」
「はぁ?仮にも“家族”なんだから『分からない』ってのはないでしょ」
「す、好きだよ。……でもそれは“家族”としての気持ちなのかどうか………」
「シンジはアタシの事を“女”として見てないわ。見てたとしても、それは身体だけ。
 今の彼氏がアタシを想う気持ちとは違うもの、仲良しを取られたくないだけなのよ」

「…………………………」
「ほら、何も言えないじゃない。まぁ結婚式の準備は手伝ってもらうわよ」
「…………………イヤだ」
「なにワガママ言ってんのよ、手伝えるのはアンタとミサトぐらいでしょ」
「………イヤだ…………渡したくない……アスカを他の男なんかに渡したくない!」

取り乱すシンジにアスカは一瞬驚いた表情を浮かべるが、スグに冷静な表情に戻して
子供を諭すように優しく話しかける。

「馬鹿ね、別に縁が切れるわけじゃないのよ。アタシ達はいつまでも“家族”でしょ」
「……………………」
「アンタはここ2年で随分と良い男になったわよ、きっと素敵な女の子が見つかる。
 今はただ数少ない異性が離れていく事に戸惑っているだけよ」
「……………………」
「アタシは恋愛対象としての異性じゃないわ、アンタにも本当に好きな子が出来たら分かるわよ」
864ショートストーリー@アスカの場合:皇紀2665/04/01(金) 01:29:18 ID:???
「……………………」
「聞いてんの?」
「………………………愛してる…………」
「は?」
「愛してるんだ、アスカを……………一生大切にする!だからドコにも行かないで!」

「…………あのね、アンタがアタシに一生付き合えるわけないじゃない。
 家事も炊事もアンタより出来なくて、生意気で自分勝手なアタシに疲れてるでしょ?」
「関係無い!そんな事よりも一緒に居たいだけなんだ!僕よりアスカを好きな男なんて居るはずないんだ!」
「…………シンジ、エイプリルフールは明日よ」
「嘘じゃないんだよ!アスカが結婚するって言うなら僕は………………アスカを…………」
「怖いわね」
「………………………本気さ…………」




「殺されたくないからやめとくわ」
「…………………………え?………」

「撮れた?」
「んー、バッチリね」
「………………ミサト………さん?……アスカ?」
865ショートストーリー@アスカの場合:ときに2015/04/01(金) 01:29:54 ID:???
アスカの作戦は単純だった、だからこそ確実性が高かったのだ。
4/1に嘘をつけば、俄かには信じてもらえない。しかし、その“前日”であれば信憑性は普段より高くなる。
『だから今日言ったんじゃない、明日話したら嘘だと思われるでしょ』これこそが最高のスパイスである。

普段からシンジをからかっているアスカにしてみれば、4/1以外に嘘を付くなんて造作も無い事。
『自分はシンジに愛されている』と微塵も疑っていなかったアスカは、ミサトの提案にアッサリ乗ったのだ。

「え?やめるって…………結婚を?」
「結婚っていうか、誰なのよ、その『歳の多少離れた彼氏』って」
「アスカが自分で……………」
「オレオレ詐欺に気を付けるのよ」
「………はあ」

「んじゃ、一生よろしく!」
「だ、だってエイプリルフールは明日でしょ!?」
「だからでしょ、明日言ったら信じてもらえないじゃん。それともさっきのセリフは嘘なの?」
「う、嘘じゃないよ!………けど………………………ヒドイ…………」

「そうね、でも『そんな事よりも一緒に居たい』んでしょ?」
「………………も、もうアスカがイヤだって言っても別れてなんかあげないからね!」
「なに開き直ってんのよ、最初からアンタにアタシから離れる権利なんて無いのよ」


「シンちゃん、おめでと。言ったとおりだったでしょ」
「えぇ、いつも最後は上手くはぐらかされてましたからね。ありがとうございますミサトさん」



「………………へ?……………」
866ショートショート:皇紀2665/04/01(金) 01:30:38 ID:???
ここからは超短編集

867ショートショート@ミサトの場合:ときに2015/04/01(金) 01:31:10 ID:???

「……はぁっ……ぅんっ…………んっ………あぁっ………ダメ…もう………あんっ……」

「うっ………ミサト………さん………もう……イキそう……………です……」

「……はぁっ……中で…………いい………わよ…………んっ……」

「……………大丈夫……なん………ですか……?……はぁっ……う……」

「安全日…………だから……………ぁんっ……」

「………………………………」

「…きて…………ナカに……………………シンちゃん……」




ドクッ  びゅっ  びゅびゅっ

「あーーーーー!なんで外に出しちゃうのよぅ!」

「日付………変わってましたから……………4/1に」

「チッ、鋭くなったわね」




「………愛してますよ、ミサトさん」

「(4/1に言うか…………ちょっと開発し過ぎたわね……)」
868ショートショート@ヒカリの場合:ときに2015/04/01(金) 01:31:56 ID:???
「鈴原……今日ってエイプリルフールよね」

「あぁ、そういえばそやな。なんや、嘘でも付くんか?こんなトコ呼び出して」

「あのね……………私……鈴原の事、、好きなの」

「こりゃまた分かり易い嘘やなぁ」

「…………ホントなの……好き………………」

「なに言ってんねんー(棒読み)」 ズビシッ  「こんなんでええか?」

「………………………好きなの……………」

「い、イインチョ?……」

「好き……………」

「…………………………」

「……付き合って………………」

「…………………………本気なんか?」

「本気よ…………ずっと好きだった……………」

「……イインチョ……………」   ぎゅっ



「アレってなんかズルくない?ねぇシンジ」
「覗きはよくないよアスカ、それより全校放送で僕の子供を身篭ったとか、やめてくれないかな」
869ショートショート@ケンスケの場合:ときに2015/04/01(金) 01:32:31 ID:???
「シンジー、面白い写真が撮れたから見てくれよ」
「いいけど………ってコレ!僕が初めて初号機に乗った時の写真!?」

「こんなのもあるぜ、綾波の『涙』だ」
「す、凄い……………しかもこっちはリリス化した綾波!?(どこから撮ってるんだ!?)」

「惣流が夜の甲板で加持さんに迫った写真もあるぜ」
「これってアスカが来る前じゃないの!?」

「極めつけはコレだ!『碇シンジ、惣流アスカを殺人未遂!』、ベストショットだな」
「な!なんでこんなのが!?ケンスケってあの時溶けてなかったの!?」

「あー、こっちも良いな。『碇シンジ、病室でアスカを目の前に自慰!』」
「うわー!!やめて!返してよ!なんでこんなの持ってるのさ!?」

「あぁ、実は写真じゃなくてDVDからキャプったんだよ」
「でぃ、DVD!?」

「………はははっ、今日はエイプリルフールだぜシンジ。嘘だよ、う ・ そ」
「え!?………なんだぁ、ビックリした。。驚かせ過ぎだよケンスケ」






「って事があってさー、全くケンスケは嘘にも気合が入ってるよね」
「………………嘘?だったら何で真実を相田が知ってるのよ」


「……………………………あ……………………」
870ショートショート@レイの場合:ときに2015/04/01(金) 01:33:04 ID:???
「綾波はエイプリルフールって知ってる?」
「知らないわ」

「今日がその日でさ、『嘘を付いても許される日』なんだよ」
「そう……嫌な日ね」

「人を喜ばせる嘘なら良いんだよ、綾波も誰かに嘘を付いてみたら?」
「喜んでくれるか分からないもの……」

「そんなに考えなくても大丈夫だよ、気軽に言っちゃっても良いんだ」

「そう……………碇君…」

「なに?何か思いついた?」
「碇君と私の子供が出来ないの」

「…………………え?」
「病院に行ってないの、検査でも出来てないって、2人の子供が出来てないのよ」

「あ、綾波?」
「嘘なの、ホントは妊娠してるわ」

「え!?だ、だって僕たち………
「やっぱり喜んではくれない………」

「ちょ、ちょっと待ってよ綾……」
「碇君、エイプリルフールって知ってる?」



「………………『知らないわ』から嘘か…………」
871ショートショート@リツコの場合:ときに2015/04/01(金) 01:33:58 ID:???
「マヤ、今から2つ話があるわ。1つは嘘、1つは真実よ」
「え?…………せ、先輩?」

「碇司令を殺したの。もう都合の良い女はやってられない。
 ちなみに捕まりたくないからダミーを作成したわ」
「!!……………………も、もう1つは…?」

「私はレズよ」
「……………そ、それで私はどっちかを見破るんですか?」

「MAGIを使って良いわよ、ダミーかどうか見破ってみなさい」



「………確かめる必要はありません、碇司令は死んでいない」


「………どうして?」
「2番目が真実だからです。そうすると1番目は必然的に嘘となります」

「……………………残念ね、1番目が真実よ。と、いうよりも私を変態扱いしないで欲しいわ」
「なるほど、『1つは嘘、1つは真実』これがそもそも嘘だったんですね」

「…………マヤ?」
「人を喜ばせる嘘なら大歓迎ですよ先輩」
「何故脱いでるの?」

「真実を確かめるだけですから」
「……う、嘘よねマヤ」

「それはこれから確かめてください」
「い、、いやぁぁぁー!!やめて!やめなさいマゃ……あんっ!…………いやっ………………ぁぁぁぁ…」
872ショートショート@ゲンドウの場合:ときに2015/04/01(金) 01:35:14 ID:???
「冬月、ユイのサルベージに成功した」
「………碇、それは随分と自虐的な嘘だな」

「本当だ。たまたま今日成功しただけで、日付は関係無い」
「では、見せてもらおうか」

「ユイ、入っていいぞ」



「冬月先生、お久し振りです」
「……………何のマネだ碇、レイの髪を染めただけではないか」

「魂はユイだ、髪も染めてなどいない。『4人目』の身体だけ使用したらしい」
「ば、バカな……本当なのか?本当にユイ君なのか?」

「冬月先生、お歳を召されましたね」
「ゆ、ユイ君……………あれから15年だからな、私も老いるさ」

「今日は家でユイが手作り料理を振舞ってくれる。招待させて頂きたい、冬月先生」
「い、碇…………私は……私は…………………ありがとう、是非招待させてもらう」


「ユイ、何故全て野菜なのだ」
「いいではないか碇、この老体を気遣ってくれているんだろう」

「肉………嫌いだもの」



「ユイ?」
「ユイ君?」
873ショートショート:ときに2015/04/01(金) 01:36:51 ID:???
終わり。


エヴァ板の日付が変わっタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━!!!
874名無しが氏んでも代わりはいるもの:ときに2015/04/01(金) 01:50:03 ID:???
>>873
レベル高いSSをありがとう、この気持ちは嘘じゃないぞ?w
875名無しが氏んでも代わりはいるもの:ときに2015/04/01(金) 02:06:19 ID:???
GJ!
ミサトをシンジと絡ませる辺り、あの人じゃないかと予想してみるw
876名無しが氏んでも代わりはいるもの:ときに2015/04/01(金) 02:13:29 ID:???
よくやった、イベントネタはやっぱり面白い。
877名無しが氏んでも代わりはいるもの:ときに2015/04/01(金) 03:20:09 ID:???
あー、これ(ショートショート)4コマ漫画で読みてぇー

作者乙
878名無しが氏んでも代わりはいるもの:時に、西暦2015-10/04/01(金) 12:10:18 ID:???
オッテュ
879名無しが氏んでも代わりはいるもの:時に、西暦2015-10/04/01(金) 23:43:41 ID:???
>>877
書いてみたw
下手でスマソ
880879:時に、西暦2015-10/04/01(金) 23:44:36 ID:???
881名無しが氏んでも代わりはいるもの:時に、西暦2015-10/04/02(土) 02:17:21 ID:hqnppzMA
気付かなかったー
ひま氏GJ!
882名無しが氏んでも代わりはいるもの:時に、西暦2015-10/04/02(土) 02:17:55 ID:???
sageチェック外れてたごめん…
883名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/07(木) 12:53:18 ID:???
問題ない
884全板人気トナメ@エヴァ板支援SS:2005/04/13(水) 13:34:51 ID:???
「第2回全板人気トーナメント?」


「そうだよ、まさか知らないの?アスカ」
「(知ってるに決まってんじゃない……誰が散々サービスして盛り上げてきたと思ってんのよ…)
 ……よくは知らないわね。で、それがどうかしたの?」

「エヴァ板も残ってるんだよ、今日がその投票日だから……」
「だから?」

「ア、アスカにも投票して欲しくって、、それで……」
「(アタシはラシに合わせて投票したいのよねー)
 ア、アタシはいいわよ。そんな低俗そうな事には興味ないもの」

「お願いだよ、そんなに難しくないからさ。僕でも出来たんだし」
「ま、まさかアンタうちのPCから投票したの!?」

「え?そ、そうだけど」
「ふざけないでよ!ちゃんとシステムを理解しなさいよね!
 IPからコード取ってきてるんだからアンタと被って無効票になっちゃうじゃない!」

「ご、ごめん!……でもアスカ詳しい…」
「うるっさーい!もうこのバカ!バカシンジ!
 これでエヴァ板が通過しなかったら別れるからね!」



「………嘘だよアスカ、ラシの時間に頑張ってね」


「…………………………コロス……」(真っ赤)
885全板人気トナメ@エヴァ板支援SS02:2005/04/13(水) 13:35:23 ID:???
「司令、いよいよエヴァ板の投票日ですが本当に実行なさるつもりですか?」

「あぁ、問題無い」
「(このオヤジこればっかなのよね…)
 では、MAGIを使っての多重IP獲得と分速500投稿を指示してきます」

「赤木リツコ博士、勝算はどれぐらいかね」
「(…分速500なのよ、勝つに決まってるじゃない…)
 おそらく勝ち抜けるかと思いますわ」

「そうか、くれぐれも慎重にな」
「(…まぁ確かに無効票扱いされる危険性は高いわね)
 はい、分かっております」


「レイ、聞いていたか?今回こそエヴァ板が優勝できる」
「……………………」

「どうした、嬉しくないのか?」
「……………ルール違反………」

「我々がルールだ、邪魔者は排除すればいい」
「………私は排除される………」

「何を言っている………邪魔をするつもりなのか?」
「ルールを破って勝っても、碇君は喜ばない……」


「…………………では、後に居るたくさんのお前は何なのだ?」


「………1人1票だから………………」
886全板人気トナメ@エヴァ板支援SS03:2005/04/13(水) 13:35:56 ID:???
「マヤちゃん、キミも投票するのかい?」
「あ、加持さん。 はい、お祭ですからね。やっぱりエヴァ板に勝ち残って欲しいですし」

「そうか、実は俺が調べたところではカナリの強敵揃いだ。なかなか難しいだろうな」
「そうなんですか………でも……例え勝ち残れなくても投票する事に意味があると思うんです」

「いいね、キミは純粋だ。俺がキミの為にエヴァ板を勝ち残らせてやる」
「え!? どうするんですか?」

「なに、簡単な事さ。部下をちょっとトーナメント運営本部へ走らせていてね、
 凶暴な奴だから今頃は話をつけていると思うよ。
 それより、無事に通過した暁には俺とのデート、考えてくれるかい?」
「え……あ、あの………………もしかしてその『部下』って………後にいる……」

「かぁ〜じぃ〜!!」
「げっ!葛城!」

「なぁにが『敵対勢力』よ!私を騙して職員をナンパしてるなんて良い度胸じゃない!」
「お、落ち着け葛城、お前だってエヴァ板に勝ち残って欲しいだろ?」

「こんなやり方で勝ち残っても嬉しくないわよ!真剣にやって、それで負けたら諦めるわよ」
「そりゃあそうなんだが………」
「………あ、あの……加持さん、葛城さん……アレは…?」

「うわ!」
「な!なによあの大量のレイは!?
  ちょっと!レイ!?」



「………1人1票だから………………」
887全板人気トナメ@エヴァ板支援SS04:2005/04/13(水) 13:36:28 ID:???
「だからアタシは言ったのよ、ファーストは独裁者タイプだって」
「い、いやこれはきっと父さんに騙されてるんだよ、綾波がこんな事するはずないよ」
「なによアンタ、まさかアタシよりファーストを信じるの?」
「そういう問題じゃなくてさ、これは余りにも常軌を逸してるから……」

「2人とも、さっきから何を話しているの?」
「う、ううん!何でもないよ綾波」
「……で、アンタは何を考えてそんなに増えてるわけ?」

「………1人1票だから………………」
「あんたバカぁ!?いくら何でもやりすぎなのよ!」
「綾波……そういうのは良くないと思うよ?」

「どうして?何も悪い事はしてないわ」
「…はぁ……いい?普通は増殖する事なんて出来ないのよ、
 アンタだけ増殖が可能なら、それは不公平ってもんなのよ!」

「……わからない…………悔しいの?」
「な、なぁんでアタシが悔しがらないといけないのよ!アタシはアタシ1人で十分よ!」

「綾波…………なんでそこまで人気トーナメントにこだわるのさ」





「……私には、これしかないもの」


「「んなこたない」」
888全板人気トナメ@エヴァ板支援SS05:2005/04/13(水) 13:37:02 ID:???
「鈴原、今日の全板人気トーナメントの事だけど……」
「わかっとる、エヴァ板に投票すればええんやろ?」

「うん………お願いね」
「心配性だなぁ委員長は、大丈夫さ、トウジも俺も投票するし、惣流や碇も入れるって言ってたじゃないか」

「そうなんだけど、不安なのよ………相田は本当に良いの?『めがね』や『軍事』に入れなくて………」
「あ、あのな……俺だってエヴァが好きなんだぜ?(…くぅ〜、投票日が被ってなければ(泣)」

「ご、ごめん………鈴原は『葉書』や『さくら』が好きだって言ってたし……」
「言っとらんわ!誤解や誤解!(……コイツ、何で知っとんのや…)」

「碇君だって本当は『葉書』に入れたいと思うの……エヴァ板への投票は私が勝手にお願いしたから……」
「あ、アホな事言うなや!確かに魅力的な板が揃っとる、だけどワシらは『エヴァ』に入れるしかないやろ!」
「そうさ、好きな板が幾つかある事はしょうがないぜ、でもやっぱり『エヴァ』に入れないとな」

「ありがとう2人とも!2次予選を通過したら私の手料理をご馳走するから!」
「ほんまか!委員長の手料理はなかなか上手かったし、こりゃ楽しみやで」
「ん?なんで知ってるんだよトウジ」

「あ、あの、、ほ、ほら!帰りのHR始まっちゃうよ!」
「ん〜?怪しいなぁ、どうなんだよトウジ」
「ま、まぁ良いやないか、それより根府川センセも来たし、静かにせんと」

「え〜、皆さん、本日は全板人気トーナメントですね」
「(へー、やっぱり先生も入れるんだ……普段はどんな板を見てるんだろ)」


「『既婚女性』板を宜しくお願いしますよ」


「「「帰れネカマ」」」
889全板人気トナメ@エヴァ板支援SS06:2005/04/13(水) 13:37:36 ID:???
「お疲れ様リツコ、エヴァ板はどんな感じ?」
「キツイわね、MAGIも大量のレイも禁止されたわ。まぁ当然だけど」

「楽しめば良いのよ、負けてもエヴァ板が無くなる訳じゃないわ」
「分かってるわ……アナタは好きな板に入れても良いのよ、技術部以外には強制してないし」

「……ううん……………エヴァに入れるわ。作戦部長だもんね、好きなのよ、、エヴァが…」
「ま、アナタも私も『既婚女性』にはまだ入れられない」

「ま、まぁね〜……でも、もしかしたら結婚するかも………」
「あら、相手は加持くん?」

「あ、あはははー……アイツさ、『エヴァ板が本戦まで行ったら結婚しよう』って……ほんとキザな奴よねー」
「そう、おめでとう」

「まだ勝ち抜けるか分からないわよ、キツイんでしょ?」
「えぇ、でも障害は大きい方が燃えるんじゃないの?」

「……そうね!よーし、ちょっと宣伝してくるわね!」
「ミサト、本当に加持くんで良いの?」

「え?……………………うん……私みたいなの貰ってくれる男なんて、アイツぐらいだもんね」
「そう、ごちそうさま」

「リツコも早く相手を見つけなさいよ、勿体無いわよ美人なんだから」
「そうね、、嘘をつかない男が良いわね。加持くんと違って」

「……へ?………」



「加持くんさっき『CCさくら』に入れてたわよ」
890全板人気トナメ@エヴァ板支援SS:2005/04/13(水) 13:39:55 ID:???
繋がってそうで、別々の話っぽくて、みたいな感じです。
負けたら終わり、記念でも構わないので投票しましょー。

↓ここで別の人がまた違うショートショートを投下(期待
891名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/13(水) 13:58:31 ID:???
>>890
おってゅ、レイと先生にワロスw

>よく分からない人
全板人気トナメについては↓を参考に。

【4/13】第2回全板人気トナメ選対11【本日決戦】
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1113323624/
2ちゃんねる全板人気トーナメントッッ!!
http://plum.s56.xrea.com/2ch.html

エヴァ板対策支部
http://nnstf.s81.xrea.com/tournament.html
892名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/17(日) 14:57:02 ID:???
893全板人気トナメ本戦一回戦突破SS:2005/04/19(火) 23:14:42 ID:???
「……涙………?わたし、、泣いてるの…?」

「バカねぇファースト、こういう時は笑えば良いのよ!」

「そう………じゃあ、なんでアナタも泣いてるの…?」

「な、な、泣いてなんかないわよっ!」

「アスカ……嬉しかったんだ?」

「うるさいわねバカシンジっ!アンタは嬉しくなかったっていうの!?
 ぼけーっとしちゃってさ、感情が無いんじゃないの?」

「そんな事ないわ、碇君は途中で画面を見てられなくなってトイレで泣いてたもの」

「あ、綾波やめてよ!…………………………………でも、、嬉しかったんだ。
 僕たちの心が一つになっただけじゃない、他の板の人たちも投票してくれた……
 その結果がラシにも結びついた、そう考えたら嬉しくて…………」

「ば、バッカじゃないの!そんな事分かってるわよ!
 アタシだって……………他の板が応援してくれて嬉しかったんだから……………」

「アスカ………」
「バカシンジ…………」

「……………ここでキスはしないで」

「「!!!」」

「そ、そんなんじゃないわよ!なに言ってんのよファースト!
 シンジも赤くなってないでなんか言いなさいよね!」
894全板人気トナメ本戦一回戦突破SS:2005/04/19(火) 23:15:22 ID:???
「ご、ごめん………
 …………あのさ、アスカも綾波も、お疲れ様」

「はぁ?なに言い出すのよ」
「碇君、それ………どういう意味?」

「2人ともすごく楽しみにして頑張ってたから、勝っても負けても言ってあげたかったんだ……」

「そう………ありがとう。 碇君も、お疲れ様。
 セカンドは………………もっと頑張って」

「な!アタシは頑張ったわよ!無表情で票を集めるアンタに言われたくないわ!」

「アナタは碇君に『お疲れ様』を言わないの?」

「言うわよっ!…………………………………
 ……ま、まぁシンジにしては頑張ったわね…………おつかれ……」

「ありがと、アスカ。………おめでとう、良かったね」









「セカンドは簡単に泣くのね」
895名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/22(金) 20:43:00 ID:???
いいですなぁ
次回もよろ
896名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/25(月) 22:52:08 ID:???
オッテュ
897名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/30(土) 00:21:13 ID:???
898名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/03(火) 08:19:41 ID:???
オツ
899全板人気トナメお疲れ様SS:2005/05/06(金) 23:09:36 ID:???

「……………………………………………」

「……………………………………………」

「………アスカ…」
「…………………」

「楽しかったよね」
「……………………あったりまえじゃない!」

「僕さ、ホントは怖かったんだ。トーナメントなんて、見ないようにしようって。
 ……今さら僕たちの事を覚えてる人なんか居ないって思ってた。
 その現実を見せつけられるのが怖くて……」
「……………アンタらしいわ……」

「でも今は、、やってみて良かったと思ってる………」

「アンタ馬鹿ぁ!?
 誰が忘れようと関係無いのよ!
 アタシ達が覚えてるって事、投票してくれた人数に関係無く、『その人』が覚えてくれてたって事。
 それが大事なのよ!それだけで良いの!」

「……………そうだね、その通りだよ」

「ま、そりゃあさ、アタシだってこんな多くの票が入るとは思ってなかったわよ。
 ……ここまで勝ち上がってこれたのも、信じられなかったし……」

「でもそれは現実」

「綾波は……楽しかった?」
900全板人気トナメお疲れ様SS:2005/05/06(金) 23:10:24 ID:???
「楽しい……………よく分からないわ」
「じゃ、なんで参加してたのよ」

「絆………だったから」
「悔しいとか思わなかったわけ?」

「悔しい?何故?さっきセカンドは自分で言ってた……『人数は関係無い』って」
「そうだけど!そうだけどさ………」

「セカンドは悔しそう………………でもそれで良いと思う。
 私には……そういうの無いもの」

「………アンタだって頑張ってたじゃない」

「碇君が…………」

「僕が、なに?」

「……『一番嫌いなアニメキャラクター』で1位……」

「………………………………………………………ゴメン…………」

「なに言ってんのよファースト!アンタやっぱり悔しいんじゃない!
 シンジ!そこで謝ってるから1位になんのよ!」

「ご、ごめん……」

「あー もう!」

「……………楽しい………楽しい?これが?」

「知らないわよ!自分の感情を他人に聞いてどうすんのよ」
901全板人気トナメお疲れ様SS:2005/05/06(金) 23:11:02 ID:???
「よく分からない………碇君、気にしないで」
「う、うん………(絶対気にしてるんだろうな、綾波)」

「さーて、投票してくれた板に挨拶したらご飯でも食べに行こ!」
「そうだね、ミサトさん達は?」

「三佐は、赤木博士と飲みに行くって………」
「きっとミサトも悔しかったのよ、あんなにハシャいでたんだから」
「うん………奇跡は起こらなかったけど、今回は遺書なんて必要無い作戦だったからミサトさんも楽しんでた」

「………なみ…だ………?」
「ちょっとファースト!泣いてんの!?」

「分からない…………何故泣いてるの?私」
「…………人形じゃない証拠でしょ」

「アスカ…………」
「なによ!シンジまで泣きそうになってんじゃないわよ!
 とにかく、泣いてばっかりじゃしょうがないから、こういう時は笑えば良いのよ!分かった?」

「そうだね………」
「………そうなの?」

「そうなの!!
 ほら、なに食べに行こうか決めましょ!」

「綾波は、何か食べたいものある?」

「…………………肉はイヤ……」

「「知ってる」」
902全板人気トナメお疲れ様SS:2005/05/06(金) 23:12:24 ID:???
トナメに関わった皆さん、お疲れ様でした。
903名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 23:15:32 ID:???
お疲れ様でした!お疲れSSも乙です。
904名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 23:20:38 ID:???
オチュ
905名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 23:31:43 ID:???
おつ。
色々思い出したよ。
906名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/07(土) 01:29:16 ID:???
なんかほろりときた。
みんなお疲れ。
907School Evanble:2005/05/07(土) 09:54:07 ID:???
# 1 Interpersonal encounter   ,ASUKA

「ふわぁ〜ぁ」


空は青い。
雲は白い。

つまり良い天気ってわけ、欠伸も出るわよ。

アタシは窓際最後尾の席から外を眺める。
入学初日は晴天で、校庭には多分上級生であろう男子達が所狭しと身体を動かしていた。
バカみたいに広い校庭、そりゃ土地は余ってるからねぇ。

入学式後の簡単なHRも終わり、クラスでは各々が帰り支度をし、
何人かは友達作りを行っているようだった。

第三新東京市立泉桜(いずみさくら)高校(略すと「ミサクラ」らしい)の1年C組がアタシのクラス。
去年設立されたこの高校には、遷都されてから大量の生徒が入学してきている。
生徒人数が多いのも、ここを志望校にした理由の1つだ。

マンモス高であればアタシの存在なんてちっぽけになり、目立つ事から逃げられるだろう、と。
(ちなみにアタシの学年はK組まで、400人以上になる)

サードインパクトの後は世界各地で様々な小規模事件が頻発し、
ネルフやチルドレンなんて表舞台から見えなくなった。
まぁネルフは裏舞台で随分活躍したみたいだけど。
908School Evanble:2005/05/07(土) 09:54:39 ID:???
少しずつ忘れられていく『チルドレン』という存在。
それで良かったし、それが良かった。
もう、大勢からの注目はいらない。

中学校の同級生達もアタシ達のそんな空気を察してくれたのか、
『チルドレン』という言葉を口に出す人は減った。

それでも少しは身構えてた。
きっとアタシは目立ってしまう、赤い髪に青い目で、盗撮されるぐらいには可愛いみたいだから、と。

でも拍子抜け、なんだか知らないけどこのクラスには目立つ子が多い。
入学式から数時間経った今も、視線が集まってるのはアタシだけじゃない。
特に金髪でブラウンの瞳をした女の子は、アタシから見ても相当美人。
昔なら嫉妬してるトコね。…………今もちょっとはしてるけど…

でも、それも好都合。
『チルドレン』なんていらないし、『目立つ惣流=アスカ=ラングレー』とか必要無い。
高校進学はシンジとヒカリ、この2人と一緒に普通の学生をやりたかったから。

別々のクラスになっちゃったけど、シンジは『それも普通の高校生活だよ』とアッサリ言った。
まぁいい、それも一理あるし、シンジがこのクラスだったらアタシは心配したかもしれない。
浮気はダメ。
909School Evanble:2005/05/07(土) 09:55:10 ID:???
「ねぇ、惣流さん…でいいのかな?」

気が付くと男女合わせて6人ぐらいがアタシの机を取り囲んでる。
噂には聞いてた、これがイジメ?財布には余り入っていない。出すつもりも無いけど。

「これからさ、何人かでカラオケ行こうって話してたんだ、みんな初対面だし、“親睦会”って感じ?」

……どうやらイジメではないみたい。
誘われてる……ちょっと嬉しい、、けど、今日はシンジ達と帰る約束なのよね。

「ゴメンね、約束があるの」
「そうなんだ、残念。 私『城戸(きど)マドカ』、これからよろしくね」
「うん、よろしく。『アスカ』でいいわよ」
「分かった。私は『マドカ』ね。じゃあまた明日ね、アスカ」

これまた可愛い子だった。
他の子たちも名前を言ってたけど、まぁこの辺は覚えてない。
シンジに会ったら誘われた事を自慢してやろう。

「アスカ!」

マドカ達が教室から出て行こうというまさにその時、聞き覚えのある声がする。
教室内のほぼ全員がアタシとシンジを交互に見やり、マドカに至っては驚いた表情の後に
ちょっと茶化した感じで片目を瞑ってきた。声が大きいのよバカシンジ。

「アスカ、一番後ろの窓際?ムリヤリ奪い取ったわけじゃないよね?」

近づいてきて第一声がそれか、アタシの印象を悪くして何がしたいんだアンタは。
シンジは物怖じしなくなった。エヴァでの経験もあったし、アタシやミサトと行動してれば
周りの目なんか気にならなくなる、らしい。
910School Evanble:2005/05/07(土) 09:55:43 ID:???
何よりアタシの彼氏になったのが大きいとヒカリは言う。
自信が付いたんだとか、アタシを守る為に強くなってるとか。。
そうは感じないんだけどなぁ、ただ単に『麻痺』してきたんじゃないだろうか。

「ようシンジ、このC組に何の用だい?なーんてな」

そうそう、何故か3馬鹿の1人とは同じクラスになった。
さっきからずーっと(怪しく)話し込んでた新しい友達らしき男子を連れている。
まぁ、同じメガネだし良いんじゃないの。

「コイツ、『冬木タケイチ』。写真の話で盛り上がってさー、映像部を作ろうかって言ってたんだよ」
「よろしく、惣流さんに、、えーっと……」
「あ、碇シンジ。僕はD組で、ケンスケとアスカとは中学が一緒なんだ。『シンジ』でいいよ」
「じゃあ俺は『タケ』で。よろしく、シンジ」

驚いた。
『シンジでいいよ』なんてドコで覚えたんだろう。
ホント、変わったかもね。

「俺たちさ、これから各クラスを見てから帰るからトウジと委員長にはそう言っておいてくれよ」
「分かった、また明日ねケンスケ」

2人でカメラを抱えてクラス廻り?怪しさ満載だけど気にしないでおく。
とりあえずアタシはもう撮られてるだろうし、あの金髪の可愛い子も済んでるだろう。
911School Evanble:2005/05/07(土) 09:56:15 ID:???
「ねぇ、あの金髪の子、ハーフかな?」

早速そうきたか。

「知らないわよ、聞いてみれば?」
「え?なんかイキナリ怒ってる?アスカ」
「そりゃ迎えに来て最初の会話が違う女の話じゃねぇ」
「ゴメン、、でもアスカの方が可愛いから大丈夫だよ」

………色んな場所から視線が刺さった気がする。
そういう意味じゃないでしょ、いや、そういう意味なのか。
でも『大丈夫』って何よ、アタシより可愛い子だったら大丈夫じゃないのかアンタは。

「バカな事言ってないで帰るわよ、ヒカリは?」
「あ、さっき会ったけどトウジと帰るって言ってたよ」

気を利かせてるのか、単に彼氏と帰りたかっただけなのか、
その辺は詮索しないであげるわよ、ヒカリ。

「そ、んじゃ帰りましょ」
「うん。晩御飯どうする?僕が作るなら材料買うから付き合ってよ。それとも外食にする?」

間違いなく視線が刺さってる。
コイツは強くなったんじゃない、『鈍く』なったんだ。
入学初日から同棲してるなんて噂が飛んだらどうしてくれるのよ。
まぁ真実だから別に構わないけど、、、でも言い寄ってくる男が減って楽かな?
912School Evanble:2005/05/07(土) 09:56:47 ID:???
「………外食で」
「そう、分かった」

流石にこの後スーパーで一緒に買い物してる姿を見られるのもどうかと思ったので、
小声で応えながら教室を出る。 何やら出て行った後の教室内が騒がしいが、キニシナイ。



「だからー、どの子が可愛かったか聞いてんじゃない」
「ホントに全然見てないって、あの金髪の子は目立ってただけで。。
 それに僕がしっかり見てたらアスカが怒るじゃないか」

「なぁんでアタシが怒らないといけないのよ!
 …そんな事で怒ったりしないわよ、丸くなったんでしょ?アタシ」
「自分で言う事じゃないと思うけど……
 それにアスカが『丸くなった』のは女の子が絡まないときでしょ。
 僕が誰かを可愛いだなんて言おうものなら口を聞いてくれなくなるじゃないか」

「う……今回は許すから!
 だって見たでしょ?ホントに可愛い子が多いのよ。
 アタシをカラオケに誘ってくれたマドカだって相当可愛いのに、一番じゃないわ。
 女のアタシでも自慢したくなるようなクラスね」
「………ケンスケは喜びそうだね」

「まぁ変な事したらアイツの趣味をクラスにブチ撒けて晒し者にしてやるわよ」
「はは……大丈夫だと思うよ。ああ見えてケンスケは人の心を本気で傷つける事はしないよ」
「盗撮は心を傷つけないっての?」
「あれはアスカだからでしょ、『本気で』は傷つかないだろうし、内心嬉しかったんじゃないの?」
913School Evanble:2005/05/07(土) 09:57:18 ID:???
「へぇー、随分と生意気な口を聞くようになったわね、シンジ。
 流石はアタシの盗撮された写真をオカズに使用してただけはあるわ」
「や、やめてよアスカ!人が居るんだから!」

ふむ、一応羞恥心は残っているらしい。
そうか、こういう事の繰り返しがコイツを鈍くさせるのかもしれない。

「ところで…どうする?そろそろ9時だけど、出る?」
「ミサトは……居ないんだっけ?」
「うん、今日は加持さんのトコだって」

「2人っきりってわけね………」
「そんな意味深に言わなくても、、いつもの事でしょ」
「する?今日」
「アスカ……そんな事ここで」
「しない?」
「…………………したい」
「うわ、変態がいる」
「(はぁ……)はいはい」

「そんじゃ、帰ろっか」
「うん、美味しかったね」

ちょっと前に出来たという品の良い中華料理店を出るとき、
店内に見覚えのあるサングラスにヒゲの制服姿が酔っ払ってるのを見た。
連れの女の人がムチャクチャ綺麗。その女の人と目が合って、意味ありげに微笑まれた。
………あのグラサン、誰だっけな。
914School Evanble:2005/05/07(土) 09:57:51 ID:???


「……はぁっ……はぁっ……アスカ…………アスカ………………」
「んっ  んっ  んっ  シンジ…………もぅ………」



────── シンジが2回目の絶頂を迎えて、本日は終了。
やっぱりシンジとのエッチは最高にキモチイイ。といっても他の男を知らないけど。
時間は……そろそろ0時、か。明日は6時半に起床、お風呂入らなきゃ……

「シンジ、明日の朝絶対に起こしてよ?」
「………うん、アスカは今からお風呂?」
「そうだけど、『アスカは』って、アンタまた入らないの?」
「僕は朝シャワーするから」
「ダメよ!汗かいたままのアンタの横で寝るアタシの身になってみなさいよ!」

「……疲れてるんだよ」
「なぁ〜に倦怠期の夫婦みたいな事言ってんのよ!洗ったげるから来なさい!」
「……どこで覚えるのさ、そんな言葉………」

結局シンジは洗ってあげてる最中に盛り上がってバスルームで3回目。
時間は2時過ぎてたかも、入学2日目で遅刻はしたくないなぁ。

でも、ちょっと楽しみな高校生活になりそう。
誘ってくれたマドカ、金髪の……確か沢近さん?背の高いグラマーな……周防さん、だっけな?
ヒカリ以外にも新しい友達が出来るだろうか。
アタシ達の複雑な過去を知っても、素のままで接してくれるような友達が……


あ、そういえばあのグラサン、隣の席でずーっと寝てたヤツだったような。
915School Evanble:2005/05/07(土) 09:59:01 ID:???
----------------------------------------------------------------

と、第一回はこれで終わりです。

このFFは、とあるLASFFの続きといえば続きです(物語の時間は1年ほど進んでますが)。
なのでアスカとシンジは既にエッチ経験済みですし、付き合ってます。
でもこのFFだけでも読める感じにしようかな、と(正式な続き物ではないし)。

ゴールがあるわけではなく、今のところただ淡々と不定期に続いていく予定です。
彼ら(彼女ら)とエヴァキャラを絡ませたいという、それだけの作品です。

アスカもシンジもちょっとだけ大人になっていますが、
1年も付き合ってれば色々あったみたいです。

どのスレに落としていこうか迷ったので、この場を拝借。
スクランを知らない人はゴメンナサイ。

スクランとエヴァのクロスオーバーFFを知っている人がいれば教えて欲しいです。
(まだ一度も出会った事が無いので読んでみたい)
916名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/07(土) 14:09:06 ID:???
iiyo-
917名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/07(土) 22:06:12 ID:???
沢近だったのか。
で、前作はどこにあるんスか?
918名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/08(日) 05:26:41 ID:???
スクラン好きの俺は
>「そうなんだ、残念。 私『城戸(きど)マドカ』、これからよろしくね」
ここで「もしかして」と思い

>「コイツ、『冬木タケイチ』。写真の話で盛り上がってさー
これでキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!になった

GJ
919名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/11(水) 04:05:17 ID:???
オッテュ

某転載板の意味がわかりましたww
920名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/13(金) 16:50:19 ID:???
スレ違いでスマンが、全板人気トナメって、各キャラ投票もやったん?
>>900読んでちょい疑問だったので。
単に、米でのことを持ち出しただけ?
921名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/13(金) 18:15:04 ID:???
>>920
今回の2ch全板人気トナメではやってないよ
例の海外でのやつでしょ
922名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 07:05:57 ID:???
乙です

続きまってます。
923名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 23:01:57 ID:???
オッチュ
924名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/28(土) 21:39:45 ID:???
続きまだかなぁ
925名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/09(木) 17:12:50 ID:???
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926名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/11(土) 00:10:23 ID:???
    |┃三    ,ィ, (fー--─‐- 、、
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927名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/20(月) 23:50:07 ID:???
作品こないね。
928名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 21:42:08 ID:???
 高校生3年生になったアスカさん。
 その可愛らしさは更に磨きがかかり、もう世界一と言ってもいいくらい。
 でも、そんな彼女にも悩みがありました。

 体育の授業のため、更衣室で着替えるアスカはじっとみんなを見つめていた。
 相変わらず、ヒカリやレイとは同じクラス。二人はいそいそと着替えているが、
アスカは依然として制服に手を掛けたまま。
 そんなに彼女の様子に気付いたヒカリが、体操着を着てやって来た。

「ねえ、アスカ。早くしないと遅れちゃうよ」

 しかし、アスカは黙ったまま動かない。
 いや、目線だけが下の方に移っていた。
 そして、溜め息が一つ。

「ふーっ、」
「どうしたの? 溜め息なんかついて?」
「……ヒカリはいいわよね」
「??? 何が?」

 ヒカリは顔に疑問符を浮かべたまま訊くが、アスカはもう一つ溜息をつくだけだった。

「ねえ、アスカ。本当にどうしたのよ?」
「……昨日、シンジがテレビを見ていたのよ」
「それで?」
「……」
「キャッ」

 突然、ヒカリが悲鳴を上げた。
 あまりの声に更衣室の中の視線が二人に集まる。
929名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 21:53:42 ID:???
「な、何するのよ!? アスカ」

 と、ヒカリは叫ぶように言う。
 だが、アスカはヒカリの胸を体操着の上から鷲掴みにしたまま手を離さなかった。
 そして、モミモミ。

「や、やめてぇ。イヤぁん」

 ヒカリの声に甘いものが混ざり始める。
 しかし、アスカは更に揉み続ける。

「ふーっ、」

 再びアスカは溜め息を吐くと、ヒカリの胸からようやく手を離した。
 顔を真っ赤にしたヒカリは、

「アスカ! ふざけるのもいい加減にして!」
「ヒカリはいいわよ」

 アスカは憂鬱な表情で小さく呟いた。

「胸が大きくてさ」
「えっ。って、また、その話?」
「そうよ。アタシはどうせ胸が小さいわよ」

 と、アスカは叫んだ。
 そう彼女の胸は小さかった。Bカップだったのだ。
 中学時代は妙に胸だけ発育がよかったアスカだったが、それもそこでストップ。
 その後は身長が伸び続け今や170後半の長身となったが、胸の成長は皆無。
 一見、スパーモデルのようにだが、胸が小さくては女子の陸上選手のようでしかなかった。
930名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 22:06:52 ID:???
 それに対して、ヒカリは女性らしい体型で胸もそれなりにある。
 レイに至ってはもう何か淫靡なものを感じさせるほどになっていた。

「アタシもいろいろ試したのよ。でも、どれも無駄に終わったわ」
「はいはい。その話は後でね。今は早く着替えなさい」
「だけど、さあ。シンジが〜」

 泣きつくようにアスカはヒカリへ抱きついた。
 これはいつもの漫才なのか、二人を無視するようにクラスメイト達は次々と
グランドへ出て行った。
 ヒカリは顔をアスカから逸らして小さく溜め息を吐くと、

「碇くんがどうしたの?」

 と諦め声で言った。
 もう遅刻は覚悟したのだろう。
 一方、アスカはそんなことに気付くはずもなく、

「シンジが牛のようにでかい乳の女を鼻の下のばしながら見ていたのよー」
「いいじゃない。それくらい」
「だって、だって、それって、アタシへの当てつけじゃない」
「碇くんはそんなこと思ってないよ」
「だけどー」
「あー、うるさい」

 遂に堪忍袋の緒が切れたのか、ヒカリはアスカヲ身体から突き放して、

「じゃあ、どうしたいのよ!?」
「だから、どうすれば胸が大きくなるのかなって」
「それは今までたくさん試したでしょ。私も無理矢理付き合わされたおかげで
ほら、こんなになっちゃったし」
931名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 22:17:14 ID:???
 と言って、ヒカリは胸を突き出す。
 それを見て、アスカは指をくわえながらウーっと唸った。

「あと、試してないのは碇くんに胸を揉んでもらうことくらいじゃないの」
「えーっ! そんなこと出来るわけ無いじゃない」

 アスカは頬を真っ赤にして勢いよく左右に首を振った。

「アスカは碇くんと付き合っているんでしょ? そのくらいしてもらえばいいじゃない」
「……」

 その途端、アスカは俯いて黙り込んでしまった。
 ヒカリは少し心配そうに、

「まだ、なの?」
「……うん」
「もう、あれから3年よね。そろそろはっきりさせた方がいいよ」
「だけど、」

 不安そうな女の子の顔をしているアスカを見て、ヒカリは、

── 碇くんの前でも今の顔を見せればいいのに。素直じゃないんだから

 と胸の中で呟いた。
 ヒカリはアスカを元気づけるように肩を抱くと、

「ねえ、アスカ。他に何か試してみようか?」
「えっ! 何かいい方法があるの?」
932名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 22:30:25 ID:???
 目を嬉々と輝かせながらアスカはそう訊いた。
 ヒカリは少し考え込むように目を瞑ってから、

「うーん、ここは方向を変えて、パッドを入れるとか、寄せて上げるブラを使うとか」
「いや、絶対にイヤ。アタシは作り物じゃなく本物を目指すのよ」
「でも、いい方法なんて無いよ」
「そんなこと言わないで、何か教えてよ。ヒカリー」
「じゃあ、そうね」

 と言ってから、ヒカリはアスカに見えないようにニヤリと笑った。そして、

「一つだけ胸を大きくする方法があるわよ」
「なに!? 教えて、今すぐ教えて」

 アスカは顔をくっつけるかのように寄せる。

「んーとね。碇くんとの子供を作ればいいのよ」
「えっ!?」
「そうすれば、自然と胸が大きくなるわよ。それに、アスカの嫌いな生理痛も無くなるし、
全て解決じゃない」

 ヒカリはちょっと身構える。
 アスカの照れによる攻撃を見通してのことだ。
 しかし、アスカは口を閉ざしたまま考え込んでいた。

「えーと、アスカ? 聞いてる? 今のは冗談だから」
「……」
「ア、アスカ?」
「シンジとアタシの子供かぁ……。ふふっ。今すぐ作らないと」

 と呟くと、アスカは走って更衣室を出て行った。
 残されたヒカリは顔を真っ青にして、これから起こる出来事を思い描いていた。
933名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 23:19:00 ID:???
LAS!
934名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 23:29:09 ID:???
solanさん?
935名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/22(水) 23:33:28 ID:???
936名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 00:03:59 ID:???
>>935
天狗のつづら ASUKA TRIAL
937名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 08:50:35 ID:???
あえてこのスレを選んだってことは、普通にLASってわけじゃーないのではと予想。
いや別にLASでもOKだが。
938名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 20:27:08 ID:???
このスレはLASやLRSとかのカプ物は駄目なの?
939名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 20:32:02 ID:???
非推奨
940名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 22:57:06 ID:???
天狗のつづらはLASの同人のサークルです
ttp://age.tubo.maido3.com/age01/img-box/img20050624235633.jpg
これと同じ人。
(ちなみにこっちはYAMMY?って同人誌)
941名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 23:58:16 ID:???
>>940
ぐはぁ・・・ヤラレタ
942名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/24(金) 23:59:37 ID:???
☆☆好きなエヴァ同人誌・作家 Part3☆☆
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1112546082/
すれちがいいどうしる
943名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 01:21:41 ID:???
ここはえろあり? ありならどのあたりまで?
944名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 01:23:54 ID:???
禁止というLRがないからいいんじゃね
945名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 01:38:20 ID:???
どのあなあたりまで?
946名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 07:59:14 ID:???
そろそろ埋めるか
947名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 10:12:36 ID:???
>>944
>禁止というLRがないからいいんじゃね

ちょwwwwwwwwおまwwwwwwwwwww
>六.エロネタは基本的に禁止。原則として「えっちねた」「エロパロ」でやるコト!
948名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 10:29:21 ID:???
 既に授業が始まり静まりかえった校内の廊下を、アスカは全速力で駆け抜けていった。
 目指すはシンジのいる3-Bの教室。
 アスカとは理系と文系で分かれ、別々のクラスになったのだが、その時の騒動は
もう大変なものであった。今でもアスカはこのことでシンジを責めるくらいに。
 3階への階段を上がりきり、アスカはコーナーをノンブレーキで曲がる。
 そして、少し行ったところで急停止した。
 中で授業をしていようがお構いなし。アスカはバタンッ!と大きな音を立ててドアを開けた。
 一斉に彼女を見る視線。
 しかし、アスカは全く気にすることもなく、スタスタとシンジの前へ歩いていった。
 あれだけ走ったというのにアスカの息は上がっていない。

「アスカ、どうしたの? 今、授業中なんだけど」

 と、机に座ったままのシンジは驚きで目を丸くさせながら言った。
 アスカの奇行は今に始まったことではないが、やはり今回のことはかなりのものであった。
 対して、アスカは黙ったまま。
 さっきまでの勢いは全く感じられない。

「アスカ?」

 今度は、少し心配そうな声色でシンジは言った。
 だが、やはりアスカは口を閉ざしたままである。
 と、その時、彼女の背後から、

「君、今は授業中なんだがね」

 白髪で初老を感じさせる男性教師がゆっくりと訊ねた。
 彼女は授業妨害の行為をしていると言ってもいいのだが、全くおっとりとしたものだった。
 しかし、アスカはキッとなって振り向くと、
949名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 10:41:09 ID:???
「授業なんてどうでもいいでしょ! 今はそれどころじゃないのよっ!!」
「……だがね、私も教師なんだよ」
「アタシは女よ。今は、アタシにとって重大な局面なのよ。全てに優先するくらいなの」
「……ふむ、そういうことなら仕方がない。ならべく早く終わらせなさい」
「わかってるわよ。で、シンジ!」
「はい」

 思わずシンジはそう返事をした。
 おまけに背筋も真っ直ぐに伸びている。

「アンタ、今すぐアタシについて来なさい」
「ええっ、今は授業中だよ」
「そんなこと、どうでもいいって言ってるでしょ」
「だけどさぁ、……じゃあ、どこに行くのか教えてよ」
「どこって…」

 その瞬間、アスカの顔全体がトマトのように赤く茹で上がった。

「あ、そ、それは……、その、あの、……」
「どこ?」
「って、そんなこと、どうでもいいでしょ!」

 そう叫ぶと、アスカは彼の机をバシッと右手で叩いた。
 シンジはビクンと肩をすくめ、クラス中の生徒はもう囁き合うことも止めて見入っている。

「シンジは黙ってついてくればいいの。わかった? あんだーすたん?」
「でもさ、……ホント、どういう用件なの?」
「だから、そ、それは……」

 アスカは口籠もってしまう。
 そして、もう爆発するのではないかというくらい顔を真っ赤に染めて俯いてしまった。
950名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 10:52:07 ID:???
 彼女の肩がプルプルと震えている。

「アタシ、その、シンジと……」
「えっ!? 僕となに?」
「……あーっ、もうダメッ!」

 そう叫ぶや否や、アスカはくるっと背中を翻して、再び駆け出す。
 数秒とかからずに来た道をそのまま通り、教室を出て行ってしまった。
 後に残ったシンジとクラスメイト達は呆然とそれを見送っていたが、

「えー、それでは授業を再開しましょうか」

 と落ち着いた老教師の声が教室中に響き渡ったのだった。



「で、アスカ。そのバックは何?

 と、ヒカリは少し睨みをきかせながら聞いた。
 自分の部屋のベッドに腰掛けている彼女は腕組みして、カーペットに正座しているアスカを見る。
 アスカは恥ずかしそうに頬を指先で掻きながら、

「今夜、泊めてくれない?」
「どうしてよ? 碇くんとア、アレをするんじゃなかったの?」

 訊く方も恥ずかしいのか、ヒカリは頬を僅かに染めた。
 しかし、アスカはもっと顔を赤くして、

「アレは無し」
「無し?」
「……うん」
951名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 19:56:19 ID:???
ここって露骨なカップリングものいいのか?LAS小説なら別の場所の方が作者にとっても
いいと思うんだけど。あっちの方が感想多いだろうしさ。
952名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 20:18:24 ID:???
埋めるか
953名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 20:36:09 ID:???
>>951
さくしゃのかってだうせろじちちゅう
954名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 22:08:33 ID:???
>>980
次スレよろしく。
>>953
>>951の言う通り、LASのスレの方が受けはいいと思う。そんなにカッカせず
のんびーりいこうぜ
955名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/30(木) 18:34:30 ID:ngP5ORK5
埋め
956名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/30(木) 22:05:33 ID:wt7wUamc
aeg
957名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/01(金) 22:45:26 ID:???
>954
でも、953の言うとおり、スレ違いでないのだから作者の勝手。
規定がないのが特徴のスレなんだから。
>>939>>951は、何か勘違いしてるのでは。

ただのカプFFでも「終わるまではどうなるか分からない」状態で読めるので、ここならではの利点もあるしね。
958名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/02(土) 06:46:03 ID:???
次スレは?
959名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/02(土) 06:52:49 ID:???
960名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/05(火) 05:45:12 ID:???
sss
961名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/06(水) 01:28:51 ID:???
まだできてないんだけど、LASでもLRSでもないのは>959じゃなきゃ駄目?
別にそこでも良いけど。
962名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/11(月) 00:04:20 ID:???
続きマダカナー
963銀色スプーン:2005/07/18(月) 02:17:47 ID:???
渚カヲルは暗闇の中にいた。しかし、それは与えられる闇ではなく、
自ら望んで、浸る闇だった。
カヲルは暗闇の中で誰かに自分の頭を優しく撫でられているのを感じていた。
彼は目を閉じながら、自分の銀色の髪を指で梳くような指遣いに身を委ねる。
頬には柔らかな感触。きっと誰かの膝枕だ。
一体、誰が自分の頭を撫でているのか?
カヲルは想像をめぐらせた。
匂いがする。包むような甘い匂いが。
その匂いが彼の鼻腔を通り、肺を満たした。
それは懐かしい香りだった。
ずっと前に、彼が子供の頃に嗅いだことのある。
自分の心臓がドキドキと大きく鼓動し始めるのがわかった。
その手の平の動きには母性を感じた。
匂いには懐かしさを感じた。
母さん?
カヲルは幼少時に他界した母親の姿を想像した。
今、自分の頭を撫でてくれているのは母さんなのだろうか?
でも、既に母さんはこの世にはいない。
だとしたら、これは。
カヲルはゆっくりと瞳を開けようとした。
うっすらと開かれた後、カヲルはやはり止めるべきだと思い、
目を閉じ直す。きっと目を開けてしまったならば、
この感触は消えてしまう。彼にはその予感があった。
964銀色スプーン:2005/07/18(月) 02:18:27 ID:???
自分が存在を確認し、触ってしまうと、
溶けてしまいそうな儚さが彼女にはあった。
いないはずの母親の存在が側にある。
だとしたら、これは夢なのだ。
夢ならば、もう少し、この感触を味わっていたい、とカヲルは思った。
普段は中学校でクラスメイトと一線をかすように大人ぶっていても、
やはりというべきか、彼はまだ子供なのだ。
母親がいない現実を夢の中であっても埋め合わせたいという気持ちが彼にはあった。
カヲルの頭を撫でる手は変わらずに優しい。
彼は気持ち良さそうに口端を緩め、身体をくの字に折り曲げ、
もっと撫でて欲しそうに体を僅かにくねらせる。

「ふふ、甘えん坊さんね?」

頭を撫でていた誰かがカヲルに向かって言う。
カヲルの想像通り、声は女性の物だった。
しかし、カヲルはその声に身を強張らせた。
その女性の声にカヲルは聞き覚えがあったのだ。
それも、幼少時にではなく、ごく最近に。
カヲルの心臓は早鐘する。
喉が渇いていくのを感じる。
まさかと思いつつも、その人物の名を口にしてみる。

「ユイさん・・・?」

カヲルは渇き始めた自分の唇を舐める。
女性は何も言わずにカヲルの頭を優しく撫で続けた。
カヲルは彼女の姿を確認するため、瞳を開けようとした。



965銀色スプーン:2005/07/18(月) 02:19:33 ID:???
カヲルの夢はそこで終わってしまった。
ガヤガヤという周りの喧騒の中、彼は目を覚ました。
周りの人間は全員、制服を着ていた。
彼はここが自分の教室であることと、
クラスのうるささから昼休みである事をすぐに理解した。
カヲルは落ち着いて様子で、頬に与えられた太ももの感触を確かめるように撫でてみた。
しかし、そこには何も残ってはいなかった。
ただ、自分の肌があるだけだった。
カヲルは溜息を付く。
彼の心の中には、夢の中で登場したユイを憂う気持ちが存在していた。
それは認めたくはない、いや、認めてはならない感情であった。
彼は眉間に指を置き、もう一度溜息をついた。

「大丈夫? カヲル君」

そんな様子のカヲルに心配そうに声をかける一人の少年がいた。

「大丈夫だよ、シンジ君。今、変な夢を観てたんだ。
 だから、ちょっとだけ気分が優れなかっただけさ」
「あ、やっぱり、寝てたんだ。カヲル君、こう腕を交差させて
 少しだけ俯いてたから、寝てるように見えなかったよ」

シンジはカヲルが寝ていた体勢を真似し、少し笑う。
966銀色スプーン
「はは、そうなんだ。いつの間にか寝てたから、判らないな・・・」

カヲルもシンジに合わせるように笑う。
しかし、彼の心中は笑っていなかった。
今、目の前にいる碇シンジは渚カヲルの友人である。
中学に入学時、弦楽器を弾くという共通した話題からたちまち仲良くなり、
今では碇シンジはカヲルの一番の親友となっていた。
でも最近ではカヲルには彼に対して後ろめたさが募ってきていた。
理由は先ほどの夢に出てきた、女性にある。
カヲルが『ユイさん』と呼んだ、その人物。
彼はやれやれとシンジに気付かれないぐらいの大きさで首を左右に振った。
なんだって初めて恋した女性が親友の母親なのだろう、
屈託もなく笑う親友の前でカヲルは自分自身に毒づいた。