エヴァ板住民がWizardryを語る

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1トレボー
1 よわきなしょうねん(1)
1 あおかみのしょうじょ(1)
1 ちゃぱつのがいじん(1)
1 ビールをもったとしま(1)
2名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/09 23:27 ID:L8ldfcoN
クリティカルヒットもちは裸族
3:03/12/11 13:09 ID:gqXPfVyl
2ゲットはもう古い。これからの時代は『3ゲット』。
そう。ただ徒に早さのみを競うのではなく、一歩引く事による謙譲の精神を体現し、
かつ正確に3をゲットする事によって己のスキルを誇示する。
今、3ゲットが熱い。
4名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/11 13:21 ID:efyuaUWW
エントリープラグのなかには
?3号機のパイロット
が入っていた

>しきべつ

*しきべつできました*
トウジ

シンジ「うわぁぁぁぁ」
5Lv.1魔法陣:03/12/11 20:34 ID:scZd73v3
ほこりにまみれた床を慎重に探し
ついに君は古代の岩に刻まれた
ペンタグラムを見つけ出した。
そしてその環の中に入らないように
気をつけながら、腕を振り上げ
召還の呪文を高らかに唱えた!

ペンタグラムが妖しく光り、・・・門が開かれた
連れて行くメンバーを選ぶのだ

A)担任    G)冬月
B)綾波    H)MAGI
C)ペンペン  I)ヒカリ
D)養父   J)赤木博士
E)養母   K)青葉
F)ケンスケ  L)伊吹
6名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/11 21:52 ID:b8ToRagB
2ごうき は くび を はねられた
7名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/13 07:14 ID:aI2fEKnj
碇シンジサルベージ計画開始

ささやきーいのりーえいしょうーめざめよ!






リツコ「シンジ君・・・ロストしちゃった・・・。」
8名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/13 08:16 ID:JcJpwtOI
初号機そうび:呪われた錆びたおおきなカッターナイフ
きんぱつそうび:呪われた赤い膨らんだ鎖かたびら
9名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/14 00:30 ID:WBdZ/C7Z
ゆうこうてきな 使途

→たたかう
  たちさる
エヴァのなかにいる
えいぎょうじかんは9じから5じまで

いま ゲンドウはざいしつちゅう
第十四使徒「フラック」
強いし、クリティカル持ってるし・・・
リルガミン城・城外にある宿屋…の馬小屋。
「どうして馬小屋なんかで寝なくちゃいけないのよ!」
「仕方ないだろ、お金が無いんだから」
ふくれっ面のアスカにシンジがごくごく当たり前の理屈を繰り返している。
「有るじゃない」
シンジの荷物から小さな皮袋を取り出すアスカ。
「あっ!ダメだよ、アスカ!そのお金は装備品を買うために貯めているんだから」
「解ってるわよォ、うるさいわね男のクセに」
ぢゃらり、と言う音と共に皮袋がシンジに投げ返される。
その皮袋を荷物の中に戻しながらシンジがぶつぶつ呟く。
「自分こそ、女のクセにロードなんか目指すなよな…」
「何か言った?」
「何も…」
「…あ〜あ、こんなバカと馬小屋でザコ寝するくらいなら、加持さんの部屋に忍び込んじゃおうかなぁ」
「スイートルームは歳を取る速度が異常に早いわ」
馬小屋の隅からレイの声がする。
壁を向いて動かないから、てっきり眠っていると思い込んでいたアスカは不意を突かれた。
「む」
「第一、ニンジャマスターの部屋に忍び込めるレベルじゃないもの、あなた」
と、これもまた当然の事を言う。
「まったく!どーしてアタシってばこんな連中とパーティ組んじゃったのかしら」
反論の余地が無い話題を避けるため、アスカは話をそらそうとした。
「属性の条件、クラスチェンジの要望、冒険の目的…それらを考慮したら、誰もあなたとは組まないと思うわ」
だが、レイの声は容赦無くアスカの現実を浮かび上がらせる。
「だから感謝しろって訳?バッカみたい」
「静かにしてよ!明日もあの地下迷宮に潜らなくちゃならないんだ!休ませてよ!」
シンジが悲鳴を上げる。
彼は「シーフ」つまり盗賊である。
彼の重要な役目は、彼等のパーティが魔物との戦闘によって得た宝箱の鍵を開ける事にある。
彼の能力が低いと、宝箱の中の貴重なアイテムや金貨は手に入らず只働きと同じことになる。
…いや、場合によっては、パーティに重大な危機が訪れる事になるのだ。
>>13
おもしろい。
Wizの雰囲気出てる。

「よーしパパ、ワードナー倒しちゃうぞー」と迷宮に入ったのはいいが
アンデットコボルト小隊に返り討ちにあい、灰になるゲンドウ。
本日のギルガメッシュの酒場
ビール切れにより閉店
「ミサトさん・・・・また?」
冬月ぐらいにまで年をとると宿屋で老衰死もあり得るな。
1713:03/12/25 04:18 ID:loLF6HTF
ガツガツという音が薄暗い空間に響く。
馬小屋の主である馬が蹄を地面に叩きつけているのだ。
小鳥のさえずりが遠くに聞こえている。
極度の緊張のため、泥のような眠りに落ちていたシンジがノロノロと上半身を起こす。
戸口の隙間から差し込む太陽の光が、馬小屋に飛散する塵を浮かび上がらせる。
「また、朝が来ちゃったな…」
膝を抱え込むようにしながらシンジが呟く。
少し離れた場所では藁束をクッション代わりにしたアスカが寝息を立てている。
赤いロングコートにくるまったその姿は「ここ」には似つかわしくないように思えた。
「アスカは、なんだってこんな街に来たんだろう?」
シンジは、この少女と初めてあった時から感じていた疑問を口に出してみる。
「アスカにもボクと同じ様な理由があるのかな…」
シンジにはその理由があった。
シンジの父、碇ゲンドウは流浪の剣術修行者であった。
ゲンドウは、シンジがまだ幼い頃から諸国を経巡り修行に明け暮れていた。
留守を預かっていたシンジの母・ユイが亡くなった時も、遠い異国の地に在った。
母親の葬儀が終わってから二ヶ月後、やっと帰還したゲンドウの行動は周囲の人達を驚かせた。
墓の前にドッカと腰を下ろしたゲンドウは、丸一昼夜無言で酒を飲み続けたのだ。
誰が止めても決して止める事は無かった。
幼いシンジの記憶はおぼろげで、その事を覚えていない。
ゲンドウが母の墓の前で何を考え、何をしたのか、知る者は誰もいない。
そのゲンドウがこの街・リルガミンからの手紙を最後に消息を絶ったのが半年前。
シンジは周囲の反対を押し切って、家出同然でこの街にやってきた。
シンジにはこの世界を一人で生きていく知識も技術も無かった。
だがしかし、この街はリルガミンなのだ。
狂気王・キールが支配する城塞都市・リルガミンに棲み付いた伝説の魔術師・
ワードナが、トレボー王の所持する魔力を秘めた護符を奪い去り、地下迷宮の奥深くに立て篭った。
怒り狂ったキール王は、ワードナから護符を奪い返した者には賞金と親衛隊入隊の栄誉を与えるとの布令を出した。
こうしてリルガミンには様々な腕自慢・魔術自慢が集まって来た。
>>13氏乙!
シンジは修行してないんだ。
ということはLV1でボーナスポイント7ぐらいかな。
ぎゃわー、素早さに振り分けたら力も生命力もだめだめじゃよー。
さらに中立じゃから中立の鎧なんて目立たぬもんしか着れないんじゃよ〜。
>>13氏によるナイスな異世界設定SSが更新されるスレはここですか?
>さらに中立じゃから

この街では知らず知らずのうちに属性が悪に染まっていきます。
中立からも性格チェンジ可能とは恐るべし街!
22名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/25 21:08 ID:a3Z4zfnC
シンジ「初期の頃はマーフィーズゴーストで漬物石だね、
ワードナの魔除けを全員装備したらグレーターデーモン養殖だよ」
青葉「前方より未確認物体接近中!」
日向「これは・・・やばい、パターン青、フラックです!!」
冬月「フラックか・・・まずいぞ、戦うリスクが大きすぎる」
ゲンドウ「セカンドチルドレン・・・出撃」
アスカ「来たわね・・・アンタなんか、このあたしのメイジスタッフでお茶の子さいさいよ!」
24
あなんか死んでも替わりはいるのよ
アスカ「何回も何回も攻撃してるのに・・・何でやられないのよォッ!」
ひたすらマバディを連発する僧侶のアスカ
ミサト「アスカ!フラックにマバディは効かないわ!」
アスカ「もう二度と負けられないのよ、このあたしは・・・」
フラック「・・・・」
アスカ「・・・何?」
フラック「・・・3レベルドレイン・・・」
アスカ「キャアアアアァァァァッ!!・・・くうう、こんちくしょおおおおおッ!」

ズバシュウッ!!!

アスカ は くび を はねられた
ミサト「マロール!早く!」
日向「ダメです、間に合いません!!」
ゲンドウ「・・・ファーストチルドレンを出撃させろ・・・」
ミサト「しかし・・綾波レイは魔術師でLVも低く、MPも残り少なく・・・」
レイ「構いません」
ミサト「レイ!」
レイ「あたしが死んでも、また登録すればいいだけだもの。」
渚カヲル:HUMAN
ボーナスポイント 39

ミサト「ウソでしょ」
リツコ「まさか!」
ミサト「自分のレベルを下げる気!?」
レイ「マ・・・ハ・・・マ・・・ン・・・」

防御力がアップした

レイ「・・・たったそれだけ・・・・」
ズバシュウウッ!
ミサト「レイ!」
シンジ「アスカ・・・レイ・・・」
加持「シンジ君、上級職のいないパーティーがフラックと接触すれば、そのパーティーは全滅すると言われている。
   3レベルドレインとクリティカルヒットによってね。それを防ぐ事が出来るのはパーティーに唯一残っている
   シーフのシンジ君、君だけだ。」
シンジ「加持さん・・・」
加持「シンジ君、俺はここで壁に埋まっていることしかできない。
   だが、君には君にしか出来ない、君になら出来る事があるはずだ。誰も君に強要はしない。
   自分で考え、自分で決めろ。ま・・・後悔のない様にな。」





31名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/25 22:39 ID:XL18HOKV
>>28
最高のボーナスポイントは29だったはず・・・
32名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/25 22:45 ID:GxzTqT+J
PS - SHINJI SUX

>>5
#4かよ!
そういえばReturn Of WERDNAの地下11階にはTree Of Lifeがあったっけ
いちばんエヴァに近いWizardryかも知れないな。
ゲンドウ「新しいパーティを編成、捜索隊を結成しろ、もう一度LV1からやり直せ」
シンジ「やらせてくださぁいっ!僕に、僕にやらせてください!」
ゲンドウ「・・・何故ここにいる」
シンジ「僕は・・・僕は!シーフの、碇シンジです!!」
34名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/25 22:47 ID:GxzTqT+J
>>31
んなこと無い。
シリーズによっては、最高60まで出る。
3513:03/12/25 22:58 ID:s2hKRFvW
皆様、かなり詳しいですね。
この様子ではヘタな複線やあからさまな設定では展開がバレバレになりそうなヨカーン。
…つーか、続けてもよろしいのでしょうか?
3623とか:03/12/25 23:04 ID:mBlCkOLQ
ああ、でしゃばってしまった、スマソ
こっちはもうネタ切れです。
続き楽しみにしてます>>35
3713:03/12/25 23:10 ID:s2hKRFvW
>>36
いえいえ、こちらこそ失礼しました。
…何しろ常日頃から長文の重爆がクセになっておりまして、こんなに賑やかなのは久しぶりです。
私が雰囲気を壊してるんじゃあないかと思うくらい静かなんです。
チョト ウレスィ。
未読が一番多いスレがこことはな。
ちょっと気になったところ。

フラック:不確定名 奇妙な動物
特殊能力は毒、麻痺、石化、クリティカルヒット、ブレス(炎)
呪文無効化能力およびエナジードレイン能力は無し。
ゆえにそのブレスの危険性を減らすためにマバディ(残りHPを1〜8まで吸い取る)のは極めて有効。

エナドレ3LVだとヴァンパイアかな?
AC高いし体力もないからさほど怖い相手でもないけど。
4023とか:03/12/26 12:00 ID:gyGiL470
しまった・・・フラックはエナジードレイン無かったね。なんかめちゃくちゃ嫌な敵っていうイメージだけ先行してた。
アスカのマバディはバディにしといてください・・・
目指せ「ウィザードリィ日記」
追い越せ「隣り合わせの灰と青春」
>>39
VAMPIREはエナドレ2LV(今くらった_| ̄|○)
MAELIFICは3LVだったっけ
間違えてしまったみたいなの。
罰として盗賊の短刀を使ったあとでEDされてくるの。
ペレ。
BUSINゼロはやってみたいYO!
エヴァ2より全然面白いでしょ。
MAGOROKU BLADE !

量産型EVA はなかまをよんだ。

4613:03/12/26 23:37 ID:5j05krBV
かなりの遅レスですが、お二人ともありがとうございます。
>>18
シンジはあちらの世界でもへっぽこぶりを発揮するかも知れません。
でも意外にがんばるかも?
通な方々は、既に展開が読めているのではなかろうか?と言う雰囲気がありますなぁ。
>>19
ナイスかどうかはさいおいて、エヴァとWIZ、どちらの雰囲気も出せたらと考えていますす。
元ネタは20年近く前に書いたWIZ小説。
しかもファミコン必ず勝つ本に応募しようとした恥ずべき過去を持つシロモノでありイロモノ。
…む。今夜は酔っ払っているのでいつもより饒舌。
酔いを醒まして続きを書きます。
「風よ、龍に届いているか」にも触れてくれ。
西から吹く風の弟子はちゃんと活かす風になるの。
そして迷宮の中でアスカを孕ませるの。

でも外壁登りが大変なの。

      友好的なTABRIS
        FIGHT
        LEAVE

SHINJI      L  1 N−BAR HUM
ASUKA     L 24 ASLEEP
TOJI       L  6 DEAD
REI        L 16 LOST
やっとファミコン版じゃない奴が来たか。
リョウ
カルラ
ミリア
エリス
トンビ
アルカード
52 A.Tフィールド:03/12/28 13:08 ID:oL9TKqdq
せんし    L 19 LО 

あぁー、書こうと思ったけど最近やってないから忘れた、、、。
LОってたしか忍者とかに多いんじゃなかったっけ?
えーと、LOはAC-10以下の証なの。
とても堅くて当たりにくいの。
具体的には戦車並み、なの。
>>53
シャーマン戦車と言ってくれ
碇 シンジ N-THI レベル1
装備
暴走の短刀:SP 忍者に転職 ランダムで一時的レベルアップ 
            戦闘終了後 25%の確率で液化
            復帰にはKADORTOの呪文が必要
#6からの新職業も入れればシンジはバードって感じがする

シンジ N−BAR
アスカ E−LOR
レイ  G−PRI
トウジ N−FIG
ケンスケ N−THIかRAN

ミサト N−MAG
リツコ E−ALC

ゲンドウは冒険者ってよりBANE KINGってな感じかな
57名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/12/28 23:03 ID:gr9dBgU+
SHINJIは
RING OF DEATH!を装備した。呪われた。

SHINJIが宝箱を開けた。罠が作動した。
TELEPOTER!石の中に出現した。
5813:03/12/29 04:04 ID:kDqNq6sq
村を飛び出した時、シンジには父親に関する確たる情報もアテも無かった。
思春期特有の、激しい衝動に突き動かされただけなのかも知れない。
だからこの街に辿り着いた時は、安堵するより言い知れぬ不安の方が強かった。
知り合いのいないこの街で、はたして一人で生きていけるのか?
父の手がかりを掴む事が出来るのか?
それが出来たとして、その後は?
その日の夜は、木賃宿の薄っぺらい寝具の中で見知らぬ天井を見上げながらまんじりとも
せずそんな事ばかり考え続けた。
翌朝、シンジの充血した目を目聡く見つけた宿屋の女将さんが声をかけてきた。
「決心はついたのかい?」
「な、何の決心、ですか?」
いきなり声をかけられ、パンを千切る手が止まるシンジ。
「おや?あんた、王様の布令が目当てでこの街に来たんじゃないのかい?」
人の良さそうな女将さんは、事の次第をシンジに話して聞かせた。
シンジの頭の中で幾つかの単語がぼんやりとつながっていく。
腕自慢…賞金…修行…神秘の力…。
「まぁねぇ、あんたみたいな線の細い子には縁の無い話だよねぇ」
そう言うと女将さんは台所に引っ込み洗い物を始める。
シンジは朝食の残りをかき込むようにして済ませると宿を出た。
目指すは冒険者登録所だ。

キール王の布令によって集まった腕自慢達はいわば流れ者である。
中には素性の怪しい者や山賊まがいの者もいた。
得体の知れない者達を無条件で城下に住まわせるほどキール王は寛容ではなかった。
彼等は必ず「冒険者登録所」で姓名・年齢・出身地などを申告しなければならなかった。
そして一定期間「訓錬所」において自分に適した役割と技術を叩き込まれる。
人間相手の武勇伝がいくら有ろうが、地下迷宮に巣食う怪物相手では蟷螂の斧だ。
さらにそこで会得した技術を悪用させない為に、基本的な居住空間を限定される。
一種の全寮制職業訓練校だと考えればいいだろう。
人格を認められた一部の者は街中に出かけることも可能だが、万が一住民とトラブルを起
こしたならば厳しい裁判を受けねばならず、場合によっては死罪もある。
5913:03/12/29 04:05 ID:kDqNq6sq
冒険者になるための資格は無い。
年齢・性別・身分・種族などという浮世での区別差別などとは無縁な世界なのだ。
本人の意志があればそれだけでよい。
未熟な者でも冒険者を自称する事は可能であるし、また地下迷宮への出入りも許可される。
その結果、命を落とす事になろうとも、全ては自己責任という事なのである。
ある時、10才くらいの子供が棒切れを携えて登録所に現れた事があった。
父親が地下迷宮から帰ってこないので探しに行きたいと言うのだ。
登録業務を行っていた初老の男は何も言わずに書類を作成し、そして自ら教官となって厳
しい修行を行わせた。
傷つけば治療系呪文ですぐさま回復させられ、へばってうずくまればすかさず火球が皮膚
を焼いた。
見兼ねた冒険者の一人が、俺達が捜して来てやるよと言うと子供はこう返事した。
「オレの父ちゃんだ。オレが探してやらなくちゃならないんだ」
1か月後、初老の男の木刀を何とかかわせる様になった頃、子供は地下迷宮に潜った。
「よぉ坊主。親父さんの捜索、俺達にも手伝わせてくれないか?」
その日『偶然』ヒマを持て余していた5人のマスタークラスとパーティを組んで。
現在、この子供は父親を蘇生させる為に必要な寄付金を作る為、普通の仕事をしている。

この話を聞いてこう言う者がいる。
「回りくどい事をせずに、こっそり探して来てやりゃあ良いじゃねぇか」
確かに、地下迷宮で行方不明になった冒険者を有償で探索・治療する集団はいる。
だがこの子供は自分の手で探したいと言い、その為の努力を続けたのだ。
だからこそ、すれっからしのひねくれ者達が助力したのだ。
人の善意は貴重なものではあるが、それがいつも期待できると考えるのは間違いであろうし、
単に依存心を強くさせるだけならば有害でさえある。
6013:03/12/29 04:08 ID:kDqNq6sq
シンジが登録所に着いた時、先客が2人いた。
コートのフードを深く被った物静かな少女と、真紅のコートを羽織った金髪の少女である。
「今日は子供の登録者が多いな…」
シンジを一瞥して登録官が呟く。
5分ほどの問診で聴取した情報が書かれた書類を手渡され、訓練所に行くように言われた。
そこで適正検査があるという。
シンジは少し不安になった。
戦うという事が苦手なのだ。

「えぇ〜っ?ロードにはなれないぃ〜!?」
真紅のコートの少女が情けない表情をして担当官と話している。
「残念だが能力が足らない。基本クラスでしばらく経験を積むといい」
「国じゃあ神童と言われたこのアタシが…」
「確かに能力は高い。だがそれは一般社会でのことだ。ここは規格外なんだ」
金髪の少女はブツブツ言いながら魔術師を選択した。
戦士以上の剣術と治療系呪文を駆使するロードになる前に、攻撃系呪文を覚えようと言う
のだろう。
一方、フードの少女は迷う事なく僧侶を選んだ。
治療系呪文を操る、パーティには無くてはならない存在。
イザとなれば、直接戦闘にも加わる事が可能な職種である。

シンジは盗賊を選択した。
戦闘が苦手な事と、手先が器用な事が最大の理由だ。
無論、盗賊とて前衛が戦闘不能になれば短刀を抜いて戦わねばないのだが…。
最大の長所を伸ばすのがここで生き残る手段だと言われたのだ。
腕のよい盗賊は、それだけで重宝される人材である。

職種が決まると3人は早速それぞれの師匠について修行を始めた。
6113:03/12/29 04:14 ID:kDqNq6sq
IDがDQN…。
欝山車能…。
>>61
さらにQがいっぱいでとても突き抜けているの。
ロックでロケットなの。

訓練場の説明が丁寧でうれしいの。
どうやってみんながパーティーくむのかとても楽しみ。
なの。
>>61
イ`
>>61のIDがDQN
>>62のIDがSS
>>63のIDがNN
参連発のすごいIDでつね…。
と思ったら自分にもSSが!
何事?これ、ageちゃあ駄目ですか?
やめとけ禿げ
忍者は「すっぽんぽん」状態が一番強いという・・・
女忍者部隊
アスカ
レイ
ミサト
リツコ
マヤ
ヒカリ
>>67
それでは「忍者部隊・けっこう」になってしまふ…。
そうか、6人だとちょうどそれになってしまうのですね・・気がつかなかった。

ということは、ラスボスも「アダムの爪」
「ロンギヌスの槍は最後の武器だ」の世界・・・WIZじゃない。
7013:04/01/03 23:55 ID:g/jQlLef
「こんな所で話を聞くより、一度地下迷宮に潜った方が勉強にはなるんだが、それじゃあ
ほとんどの奴等が死んじまう」
だからこうやって教えなくちゃあならんのだが、と師匠が笑う。
「俺達『盗賊』の仕事は戦うことじゃない。薄暗い迷宮の中で隠し扉を見つけたり、宝箱
の鍵をこじ開けたりする事が求められる」
場合によっちゃあ地図作りもな、と苦笑いの師匠。
「他の連中も同じ事を聞かされているだろうが、パーティを組んだらそこでの役割分担を
決めろ。そして、それに責任を持て」
シンジは少し驚いていた。
てっきり盗賊としての修行が始まるものだとばかり思っていたのだ。
シンジの表情に気付いた師匠は、ガイロンだガイロンと念押しする。
「どんな連中とパーティを組もうがそれは自由だ。だがな、そこに集まった奴等が好き勝
手に行動していちゃあ…そいつ等はまとめて墓場行きだ」
師匠が両手を組み合わせて祈る仕草して見せる。
「そうなりたくなけりゃあ、そこで自分がすべき事・できる事と、出来ない事をはっきり
させろ。そして補い合うんだ」
だから各職業についての簡単な知識が必要だと言う。
「簡単に言えば剣で直接戦う奴と魔法で戦う奴、魔法で手助けをする奴と技術で手助けす
る奴だ。俺達の役割は?」
「技術で手助けする、ですか?」
「そうだ。魔法は使えないからな。あぁ値は張るが魔法を封じ込めた道具もあるにはある
から、金が貯まったら探すといい。さて…」
一息入れ、腰から小物入れを取り出しシンジの目の前で広げて見せる師匠。
「これが鍵開けに必要な道具だ。本当はもっとあるんだが、まぁ勘弁しろ。なにしろメシ
の種だからな」
意味が解らないシンジ。
「…オレはまだ現役なんでな。手の内を全て明かしたくないんだよ。お前はお前自身で経
験を積んで自分なりのモノを作れ」
「はい…」
シンジの盗賊としての修行はこんな風に始まった。
7113:04/01/03 23:57 ID:g/jQlLef
初日の修行を終えたシンジは冒険者達が集まる酒場へと向かった。
『ギルガメッシュの酒場』と言う名前のその店は、酒や食事はもとより、仮初めの恋人まで備えている。
地下迷宮でくたびれた身体や精神を癒す為には、本能に訴える楽しみが必要なのだ。
美味い物を喰らい美味い酒を飲む。
気に入った相手がいれば、さらに親睦を深める努力を行えば良い。
ルールを守る限りは誰も文句を言わない。
地下迷宮に出入りしている者達は、その多くが「金」を持っている。
技術や情報を金に変える事は簡単であり、その金と「商品」を交換するのはもっと簡単な事だ。
この店にはそうした売り手・買い手が数多く出入りしており、双方の利益を守る為に不文
律がある。
『騒ぎを起こすな・イザコザを持ち込むな・迷惑な呪文使用禁止。
これを破る者にはその行いにふさわしい罰を与える』
何時の頃からかこの様な警句がここに集まる者達の間に広まっていった。

「おや、新入りだね」
シンジが酒場に足を踏み入れると老ウェイターが声をかけてきた。
「は、はい。どうして…」
「解るのさ。足運びから雰囲気まで全てが素人臭い。だが『何か』を教えられている。
…そうだね、盗賊になって間もないって所だね」
シンジは驚いた。
ここに来るのは今日が初めてなのだから新入りだと看破されるのは当然としても、何故盗賊だと
解ったのだろうか?
シンジの顔色を窺っていた老ウェイターは笑いながら答える。
「あの騒ぎからこっち、ずーっと連中を相手にして来たのさ。この商売、相手の素性を嗅ぎ分ける
ハナが利かないといろいろと不便なんでな」
酒場のウェイターでさえこの眼力である。
修羅場をくぐった冒険者の実力とはどれ位のものなのだろうか?
「驚かせた様だな。まぁここの不文律を守って、ガンガン稼いで金を落としてくれよ」
ウェイターは隅っこのテーブルをシンジに勧めた。
7213:04/01/03 23:59 ID:g/jQlLef
「もう一度言ってみなさいよッ!」
聞き覚えのある声が酒場に響く。
シンジが声のする方に振り返ると、訓練場で見た金髪の少女が立ち上がって図体のでかい男と
相対している。
「テメェみてぇなヒヨっ子はいくら修行したって呪文ひとつ覚えられねェ、って言ったのさ」
「言ったわねぇ…。見てなさい!」
大男を睨み付けたまま、金髪の少女が小さく何事かを囁く。
「ダ、ダメだ!」
シンジが少女を制止しようとしたその時、後ろから少女の口を大きな掌が塞ぐ。
「相変わらずオテンバだな、アスカ」
男の右手が少女の肩をポンポンと軽く叩く。
「加持さん…」
「よ、久しぶりだな。すっかり大人っぽくなったじゃないか」
「当ッたり前でしょ?アタシ、14才になったんだから」
「リョウジの知り合いかよ」
舌打ちをしてその場から立ち去ろうとする男にリョウジが声をかける。
「ドラムロ、俺の知り合いが世話になったな。今度修行の相手をしてやろうか?」
リョウジの声に静かな怒気を感じてぎょっとするドラムロ。
ドラムロは未だレベル7の戦士であり、リョウジはマスターレベルを遥かに超えたニンジャなのである。
試合をしたとしても一方的な展開になるであろう。
「ごめんだね」
そう言ってドラムロは酒場を出て行く。
「気をつけろよアスカ。ここにはここのルールがある」
リョウジがアスカにお説教を始める。
「ここにいる皆はそれを知っている。だが君を止めようとした者は一人だけだった」
リョウジの視線が隅っこのテーブルにいるシンジを捉える。
「大切な友達に挨拶をしておこうか」
リョウジに促されてアスカが隅っこのテーブルに近付いて行く。
7313:04/01/04 00:06 ID:GWn7RN1r
皆様、あけましておめでとうございます。
ことしもよろしくオ長居します。

>>62
丁寧なフォロー、ありがとうございます。
いざ書き始めて見ると、話をすっ飛ばす技術が未熟な事に気付かされます。
このスレを使い切ってもまだワードナのところまで行かないかも。
「シンジ達の本当の戦いはこれからなのだ。  第壱部 完」
などという展開にならないようにがんばります。
>>63
はい、ひたすら生き抜きます。
かりそめの恋人ハァハァ
7513:04/01/09 02:36 ID:g1/nuUp4
俯いてスープをすするシンジの視界に人の影が映り込む。
ゆっくりと頭を持ち上げると、そこには腰に手を当てて仁王立ちした金髪の少女がいた。
「や、やぁ」
ぎこちない笑顔を向けるシンジと、無言でシンジを睨みつける少女。
無言の圧力に耐え切れなくなったシンジは、視線を落とし再びスプーンを動かし始める。
思い切りしかめっ面をすると少女は、後ろにいた青年を振り返り言い放つ。
「こんなヤワなヤツじゃ、アタシの仲間にはなれないわ!加持さんの勘違いよ」
「アスカ、挨拶も出来ないのか?…や、すまない。この子も悪気はないんだ」
座って良いかい?と尋ねながら少女を無理矢理に座らせる青年。
「俺は加持リョウジ、御覧の通り同業者だ。この子は忽流・アスカ・ラングレー、君と同
じ新入りだ。2年前に同じ街に住んでいた関係で、この子のこの街での身元引受人をしている」
ウェイターが注文を取りに現れる。
肉料理と酒を注文したリョウジは、シンジの分を自分の勘定に加えさせる。
「さっきのお礼だ、奢らせてもらうよ」
そう言うと食前酒を一気にあおるリョウジ。
「ぼ、僕は、僕は何も…できませんでした。だから…」
スプーンを皿において俯くシンジ。
腕を組んだままシンジを観察しているアスカ。
両者を見比べながら言葉を続けるリョウジ。
「少なくとも君は『ここ』のルールを知っていたし、それを破ろうとしたアスカを止めよ
うとしてくれた。その事に対する礼だ、遠慮はいらない」
「加持さんが教えてくれていたらアタシだってあんなヘマはしなかったわよ」
うんざりした表情でアスカが異議を唱える。
「アスカ。じゃあ俺がいない世界ではどうするつもりだ?」
「え?」
「この街は、いやここの地下迷宮は常に死と隣り合わせだ。俺とて例外じゃあない」
沈黙するアスカに対して真面目な表情のリョウジが言葉を続ける。
「『大人になる』という事は、自分の面倒は自分でみる、という事だ。ハナから俺の力をア
テにしているアスカはまだまだ…」
「解ったわよォもう!加持さんのイジワル…」
7613:04/01/09 02:37 ID:g1/nuUp4
酒場の入り口でシンジ達を見つめている二人連れがいる。
真っ白い法衣をまとった長身の女性とフードを目深に被った小柄な少女である。
「あの二人ね?」
こくり、と頷く少女。
「早速パーティを組む相談かしら。話が早くて助かるわ」
そう言うと長身の女性が静かに隅っこのテーブルに歩を進めて行く。

背後の気配に気付いたリョウジがグラスを掲げて振り返る。
「これはこれは。久しぶり」
小さく右手を上げて応える長身の女性。
「加持君も相変わらず元気そうね。良かったら紹介していただけるかしら」
見知らぬ女性とリョウジと親しげに話しているのが気に入らないアスカ。
「こちら王立魔法技術院・技術局局長の赤木リツコ師。怒らせると怖い」
「子供の前で何言ってるの」
くすくすとリツコが笑い、『子供』と言う言葉でアスカの機嫌が悪くなる。
「この子は忽流・アスカ・ラングレー、プロイセンにいる知人のご息女だ。で…」
しまった、という表情をするリョウジ。
「そういえばまだ名前を聞いてなかったな。君の名前は?」
「シンジ。碇シンジ、です」
リョウジの表情がほんの少しだけ変わる。
いや、リョウジだけではない。
リツコも一瞬驚愕の表情を見せたものの、すぐに表情を整える。
それには気付かないアスカとシンジ。
リツコの白い法衣の影からジッとシンジを見つめている少女。
その視線に気付くシンジ。
「レイ。皆さんにご挨拶しなさい」
シンジとアスカを交互に見やって少女はフードを下ろす。
紅い瞳をしたその少女は、レイと呼ばれていた。
「あ〜〜ッ!ファースト!」
アスカの声が酒場に響く。
7713:04/01/09 02:39 ID:g1/nuUp4
First(第一の、最初の)
アスカは何故レイの事をこう呼ぶのか?
あの日、一番乗りするつもりで出かけたアスカが登録所で見たのがレイなのである。
開門一時間前だと言うのに、レイは既に門の前に立っていたのだ。
プロイセンでは神童ともてはやされ、さらなる栄光を求めてこの街に来たアスカ。
自分の事を誰も知らない新天地で、自分の才能を最大限に活かして1になる。
そのためのささやかな第一歩がもろくも崩れ去った一瞬であった。

「しかしシンジ君、君のお父上はよくこんな町に来る事を承知したな」
五人で夕食を食べながらリョウジが尋ねる。
シンジが静かに経緯を話した。
「なるほどな…」
リョウジの視線が一瞬リツコに注がれる。
「私が知っている事は少しだけ。とても強い剣術家で、魔術に関心があるのでワードナの
魔術を研究したい、とも言っていたわ。そしてある日忽然といなくなったの。行方は誰も知
らない。別の街に行ったとか、迷宮で行方知れずになったとか、噂はいろいろあるけれど」
ワイングラスを弄びながらリツコが話す。
「父さんの、死体…を見た人は、いないんですね…」
シンジの言葉に黙って頷くリツコ。
「生きて…いるかも知れないんですね」
「そうかも知れないし、灰となり塵に還ったのかも知れないわ」
「りっちゃん!」
「重大な事よ。気休めなんか言えないわ」
リョウジの言葉を冷たい視線で跳ね返すリツコ。
「そうだとしても、やります!僕は…僕は父さんを探します」
シンジの言葉を聞いてリツコの唇が微妙に吊り上る。
「そこで提案があるの。ここにいる3人でパーティを組んでみないかしら?」
「この子達だけでか?前衛がいないじゃないか」
驚くリョウジに、意味ありげな笑みを返すリツコ。
「安心して。素敵なプレゼントを用意したわ」
7813:04/01/09 02:40 ID:g1/nuUp4
夜の帳が降りたリルガミン城下を五人の男女が歩いている。
武器・防具を身に着けていないとはいえ、これはどうした事か?
ニンジャや盗賊が夜の街中を歩いているのに、衛兵が咎める素振りさえみせない。
「さすがは赤木リツコ師、威厳があるな。…もうタメ口も利けないか」
冷やかす様な口調のリョウジである。
「加持君だってその気になれば親衛隊の小隊長くらいすぐになれるのに。宮仕えは嫌い?」
「あぁ、もうこりごりだ。俺は、俺の心に素直でありたいね」
「もったいないわね、その力」
リョウジを振り返る事なくリツコが残念そうに呟く。

一行は高い壁に囲まれた建物に着いた。
ばらばらと警備兵が集まり一行の顔をランプで照らし出す。
「局長?こんなお時間にいかがなさいました?」
指揮官らしき男が一行の中にリツコの顔を見つけて思わず叫ぶ。
「夜勤お疲れ様です。こんな時間ですが、被検者を連れて来ました。用意をお願いします」
その言葉を聞いて兵達が慌てて門を開く。
昇降機に乗り込み地下へと降りていく一行。
やがて昇降機は停止し、リツコを先頭に下りていく。
ポツ、ポツ、と灯が灯り周りが見渡せる様になると、シンジ達の眼前に奇怪な物体が現れた。
それは身長が2mを軽く越える武装した巨人達であった。
「リルガミン王立魔法技術局が開発した凡用人型決戦兵器・ホムンクルス『エヴァンゲリオン』よ」
「完成、していたのか…」
リョウジの呟きを無視してリツコがシンジ達に説明する。
「この巨人達は人間の意志を使って制御する事ができます。具体的に言えば、このティア
ラを装着した者の思考を伝える事ができます。貴方達はこれで巨人を操りながら地下迷宮
を探索するのです」
ティアラを手に持ったリツコがシンジ達に近付いてくる。
圧倒的な力を与えてくれるであろうそのティアラにシンジは恐怖した。
7913:04/01/09 02:45 ID:g1/nuUp4
>>74
おや。意外な単語に反応が(w
まーその、あんまりエロは出ないと思いますです…。

やっとエヴァ関係のモノが出て参りました。
楽しんでいただければ幸いです。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
ここでエヴァキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
でもエヴァってモンスターと間違われそーな気が。
リザードマンやドラコンみたいなもんか。
8313:04/01/15 03:01 ID:LjRktPt5
「どの巨人を操るか決めて頂戴」
リツコがシンジ達に告げる。
少し躊躇してアスカが赤揃えの武具に身を包んだ巨人を睨んで言う。
「これにするわ」
「じ、じゃあ僕は、紫の…」
「ではレイの相手は『ゼロ』で決まりね」
リツコの台詞にシンジが意外そうな顔をする。
「名前があるんですか?」
ティアラをそれぞれの頭に取り付けながらリツコが答える。
「当然でしょう?人工的に造られたとはいえ、思考する力もあるんだから。自分が何者で
あるのか、きちんと理解してもらう必要があるもの」
「自分で考えられるなら、アタシ達が制御する必要なんてないじゃない」
「貴方達は安全装置よ。エヴァが完全に覚醒すればこの街…いえ、この大陸さえ無事では
すまないはずだから」
おっかない事言わないでよ、と肩をすくめながらアスカがおどける。
だが、彼女の顔には無限とも思える『力』を手にした恍惚が見て取れる。
「シンジ君の選んだ巨人が『ショゴウキ』、アスカの方は『ツヴァイト』よ」
シンジは『ショゴウキ』を見つめる。
紫色の武具に身をよろった巨人。
兜や肩当から突き出ている突起物は近接戦闘時のためのものなのだろうか?
「オニ…」
ふとシンジは子供の頃に父から聞かされたお伽話を思い出していた。
前頭部に一本あるいは二本の角を生やした、剛力を誇る怪物。
畏れ敬われ、時にはその時代の権力に真っ向から敵対した怪物達…。
何故、巨人から『オニ』を連想したのかシンジには解らなかった。
風貌か雰囲気か、はたまた直感的に感じた『力』のせいか?
巨人はただ静かにシンジを見下ろしている。
8413:04/01/15 03:02 ID:LjRktPt5
「今から制御実験を行うわよ、いいわね?」
準備を終えたリツコが三人に指示を出す。
「今からぁ?」
アスカが顔をしかめて見せる。
既に真夜中と言ってもいい時間なのだ。
訓練所での疲労が睡魔と手を組んでアスカに襲い掛かっている。
「今夜はここに泊まるといいわ。フカフカのベッドを用意させるから」
リツコの提案は、アスカの心をほんの少しだけ揺るがせた。
「…朝食は出るんでしょうね」
「お好みのものを用意させるわ。やってくれるわね?」
「アタシの舌は肥えてるわよ」
遠回しな言葉で同意するアスカ。

「手始めに挨拶を済ませましょう。名前を呼びかけてみて頂戴」
リツコの言葉に従う三人。
「え、っと、その、碇シンジです…よろしく、ショゴウキ」
傍らで頭を抱えるアスカ。
「アンタバカァ?私達はコイツ等に命令する立場なのよ?もっとビシッとしなさいよ」
そう言うとアスカは『ツヴァイト』に歩み寄り、腰に手を当てて胸を張る。
「いい事?ツヴァイト。今日からアタシが貴方の命令者よ。いい仕事を期待しているわよ」
どうだ!とばかりにシンジを振り返るアスカ。
ぽかんと口を開いたシンジの顔を満足そうに眺めてから気になるレイを探す。
レイは、その場から無言でゼロを見つめていた。
シンジ達のように言葉をかけたりはしない。
無表情なままじっとゼロを見つめている。
ゼロの仮面に開いた一文字の隙間に、突然鈍い光が灯る。
「ゼロ、覚醒を確認」
リツコの言葉に、アスカが訝しげな表情を見せる。
「覚醒?アタシ達のエヴァは変化がないわよ?」
「ただ声をかけるだけじゃあダメなの。ティアラを通して思考を伝えなければ、エヴァ達
は反応しないわ」
8513:04/01/15 03:03 ID:LjRktPt5
リツコに促されて再びエヴァの前に立つアスカとシンジ。
集中するために目を閉じて、ゆっくりと一言ずつ声に出して語りかける。
だが、何の変化も見られない。
「本当に生きているんでしょうね、これ?」
あまりの無反応に、アスカが疑問を口にする。
「生きているわよ。ただ深い眠りに落ちているだけ。そこから目覚めさせるのが貴方達の
最初の仕事ね。…レイ、貴方はもういいわ。下がって休みなさい」
「はい」
短く答えると部屋を出て行くレイ。
だが、ドアの前で立ち止まるとシンジ達を一瞥する。
「…エヴァにも『心』があるわ。貴方達も、自分の心を開放して接しなければエヴァは
応えてはくれないわ」
そう言い残して出て行く。
「何よそれ?アタシ達がコイツに気を許して無いって言うの?」
「…かも知れない。だって、僕、このエヴァが怖いもの」
「なッさけ無いわねぇ!こんなのの、どこが怖いって言うのよ」
「なんていうか、その、引きずり込まれそうな感じがするんだ…」
エヴァを見て感じた事を話すシンジ。
「それは一部正しいわね」
リツコがシンジの言葉を引き継ぐ。
「エヴァを制御するために貴方達の思考がエヴァに伝わるのだけれど、逆にエヴァの感じ
た事も貴方達に伝わるの。だから戦いの最中にエヴァが傷つけば、その痛みが貴方達を襲
う事になるわね。当然、エヴァが『考えている事』もね」
今度はアスカが絶句した。
「ちょっと待って!じゃあ私達はその苦痛に耐えながらコイツを操って、しかも呪文を唱
えなくちゃならないの!?」
「えぇそうよ。だけどエヴァが覚醒すればする程能力が高まるから安心して。例えば、エ
ヴァが装備しているのは防具と言うよりも拘束具なの。貴方達が制御し易い様に動きを制
限しているのよ。エヴァが覚醒しても貴方達の制御が完璧なら、これをはずす事で運動性
能が上がるわ」
8613:04/01/15 03:04 ID:LjRktPt5
「でも、それじゃあエヴァの防御力が弱まるんじゃあ…」
もっともな疑問を口にするシンジ。
「エヴァが覚醒すれば能力が上昇すると言ったわよね。エヴァはATフィールドと言う障壁
を発生させる能力があるの。自分の身が危険にさらされた場合にその危険を跳ね返す、ま
さに絶対的空間を作り上げる事ができるのよ」
「絶対的…空間…」
「そう。本来はあらゆるモノが持っていた能力らしいのだけれど、長い年月を経て忘れ去
られていった様ね…。今では、僅かに書き残された魔導書にその名残を見るだけ」
「あらゆるモノが…持っていた、ちから」
「そう。そしてその力を応用して…いえ、これはまだ貴方達には早すぎるわね。とりあえ
ずエヴァを覚醒させる事に専念して頂戴」
リツコがシンジ達にハッパをかける。

結局その日の夜は、ゼロ以外は何の反応も見せなかった。
少しだけプライドを傷付けられたアスカは、用意された寝室に無言で引っ込んだ。
柔らかいベッドに不慣れなシンジは眠る事ができない。
幾度と無く寝返りを打ちながら考える。
僕の心が伝わる、エヴァ。
エヴァの心が伝わる、僕。
エヴァを操る、僕。
だとしたら…エヴァが僕を操る事も有るんだろうか。
そこまで考えて身震いがした.
自分の思考を持ちながら、別の誰かに操られる…。
シンジがシンジのままでいながら、シンジが望まない事をやらされたら…?
嫌だと思うし、その呪縛から逃れたいとも思う。
どうすれば逃れられるのか?
…操っている相手を逆に操れば、いい。
思考が堂々巡りになって行く。
…エヴァにも『心』があるわ…
シンジの脳裏をレイの言葉がよぎっていく。
8713:04/01/15 03:15 ID:LjRktPt5
>>80
お待たせしますた。今宵もコソーリ…。
>>81
そのためのペイントです。問題はありません。
…戦いを挑まれれば、エヴァは逃げません。シンジがどうするかはさておいて。
>>82
もっとタチが悪いかも知れませんねぇ。

今宵はこれまで。私は寝るふ。
裸最強!
いつの間にかキテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
弐号機だけツヴァイトなのね。
おもろいスレハッケソ
Wizはいいねえ。
9113:04/01/21 02:32 ID:0cl4Eh63
リツコの研究室。
椅子に座ったリョウジが左手の酒杯を眺めている。
よく磨かれた純銀製の酒杯の表面は鈍い光沢を放ち、取っ手などには技巧を凝らした彫
刻が施されている。
指で弾き、爪をたて、懐から取り出した金属片で引っ掻く。
そして歯で噛み、舐め、本当の銀製品である事を確認する。
「友人が出す飲み物が信用できないようね」
ワゴンを押して部屋に戻って来たリツコが、リョウジの行動に苦笑しながら近付く。
「意外な事態の進展に臆病風がちょっと、な。…何をやろうとしているんだ?」
悪びれずに答えて立ち上がり、酒盃を掌で撫でつけるリョウジ。
純金・純銀製の食器はある種の毒物に敏感に反応する事から、暗殺を恐れた王侯貴族の間
では贅沢品としてではなく当然の習慣となっていた。
つまり、今夜の一件を体験したリョウジはリツコに対して警戒心を持ったのだ。
椅子に戻ったリョウジに無言でワインボトルを差し出すリツコ。
ボトルも確かめて見たら?と言う意味だ。
地下迷宮での功績を認められ、王立魔法技術局局長に抜擢された大司教・赤木リツコ。
彼女の力をもってすれば、未開封のボトルの中に毒物を混入させる事など簡単な事だが。
恭しくボトルを受け取るとコルク栓やロウをちらりと見ただけでラベルに見入る。
「こりゃあいい酒だ。葛城に話したら悔しがるだろうな」
「ミサトはビール党でしょう?」
「こういうものはまた別腹らしい」
「詳しいのね」
ははは、と笑ってごまかしボトルをリツコに返す。
オープナーを使ってコルク栓を抜くとリョウジに手渡す。
匂いを嗅いでニンマリするリョウジ。
リツコがそれぞれのグラスに中身を注ぎグラスを差し出す。
「友情に」
「信頼を」
かちり、と言う音がしてグラスが合わさる。
二人は同時にグラスの中身を飲んだ。
9213:04/01/21 02:33 ID:0cl4Eh63
「…で、何故シンジ君にあんな事を?」
ボトルの重量が、瓶本来の重さにまで減少した頃リョウジが切り出す。
きらびやかな装飾が為された細長い煙管でタバコをくゆらせていたリツコが答える。
「まだ本当の事を知る時期ではないの。それに上手く行けば自分の手で真実に辿り着くわ」
「何が狙いなんだ?」
「職務上の秘密よ」
これだから宮仕えは…と頭をかくリョウジ。
「他言は無用よ。エヴァがある限りあの子達の安全性は高いから安心して頂戴」
「絶対、ではないだろう?」
「今のこの世で絶対と言える事は一つだけよ」
「それは、何かな?」
「この世に絶対なんて事は『絶対に無い』よ」
苦笑いするリョウジ。
「アスカは知り合いの娘さんなんだ。なるべくなら…」
「それなら地下迷宮なんかに入らせない事ね。もし自分の意思で入るのなら、その責任は
自分で取るべきよ。それがあの地下迷宮のルールではなくて?」
リョウジの言葉をぴしゃりと押さえ込むリツコ。
「そりゃあそうだが…まぁその通りだな。彼女達の健闘を祈るか。…ところで」
リョウジが椅子の上で姿勢を変える。
「あの子…レイはどういう子なんだ?」
「私の秘蔵っ子。それ以外は詮索無用よ」
「隠し子、と言う事はない、よな?」
「誰の?」
リツコの表情が微妙に変化する。
「…いや、何でもない。忘れてくれ。ちょっと酔ったみたいだ。俺の部屋もあるんだろう?」
「部屋はあるけれど、むやみに動き回らない様にして頂戴」
判っているさ、と手を振りながらリョウジが立ち上がるとリツコが部屋まで案内する。
案内されたのは豪奢な調度品の並ぶ贅沢な造りの部屋だった。
鍵穴を確かめてみると開けられないほどの鍵ではないが、ドア越しに複数の気配がする。
「やれやれ。ま、ここはリッちゃんの顔を立てておくか」
不精ヒゲの生えたアゴをひとつ撫でるとリョウジはベッドに潜り込む。
9313:04/01/21 02:34 ID:0cl4Eh63
翌朝、シンジ達は護衛とも監視とも取れる衛兵達に伴われて訓練場に向かった。
「お前、何かしでかしたのか?」
そう尋ねる師匠に、愛想笑いをしてごまかすシンジ。
迷宮に潜り始めるまでの間、エヴァに関しては秘密にしておく様に口止めされているのだ。
それよりもシンジはアスカの態度が気になっていた。
今朝もずっと押し黙ったままなのである。
リョウジによれば「プライドが高いから」という事なのだが、シンジは不安でたまらない。
あれほどの口数がぱったりと途絶え、挨拶に返事も返さない。
かと胃って呆けている訳でもなく、深く静かに考え込んでいる様子なのだ。
天才は脆い。
初めての失敗がどんなに些細な出来事であろうとも、その衝撃は回復不可能な痛手となる。
村の古老が聞かせてくれた話を思い出す。
楽神の申し子と呼ばれていた少年が奉納神楽の演奏をしていた時にミスをした。
以来、少年は楽器を持つと手が震え出し2度と楽器を奏でることができなくなったという。
だから凡人であるお前は失敗を恐れるな、というのだ。
「大丈夫かな」
黒いカーテンが引かれた建物を見やるシンジ。
アスカが魔術師としての修行をしている建物だ。
集中力を高める為に外界からの刺激を徹底的に防いでいる…らしい。
師匠が言うには、そんな環境でも初歩の呪文をモノにできるまでに一週間はかかるそうだ。
「集中力が足らんなぁあ。そんなに気になるか?んん〜ん?」
いつの間にか師匠がシンジの横に来てにやにやしている。
「いっいえ!あの、気になんか、していません」
声が裏返るシンジ。
不意に声をかけられたのにも驚いたが、師匠の気配がまったくしなかった事に唖然としたのだ。
「驚く程の事じゃないだろ。俺は盗賊だぜ?こん位のことが出来なくちゃ仕事にならんさ」
「は、はい」
「これじゃお勉強にはならんな…。簡単な実技をしてみるか」
少し考えてから、師匠が部屋の隅にある木箱を指差す。
「この箱の鍵を開けてみろ。さっき教えた罠のどれかがセットされている」
9413:04/01/21 02:34 ID:0cl4Eh63
「本物、なんですか?」
シンジの咽喉がゴクリと音を立てる。
「当然。緊張感が増すだろ?」
「もし、もし失敗して死んだりしたら…」
「心配ない。墓は立ててやる」
そんな、と言おうとしてシンジは思いとどまる。
いつかはやらねばならない事なのだ。
ここは地上だし、師匠だって見ていてくれる。
「やります」
木箱の前に屈み込んで七つ道具に手を伸ばす。
落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせながら周囲を調べていくシンジ。
蓋にそっと聴診器を当てて中の音を聴く。
蓋の継ぎ目に紙を差し込み感触を確かめる。
薄い鉄板を丁寧に差し込みわずかな隙間を作ると匂いを嗅ぐ。
鏡を使って鍵穴の中を見る。
木箱の外部の変色具合を確かめる。
細長い針金を取り出すと鍵穴に差し込んで嗅ぎの構造を確認する…。
「ん〜良いぞぉ。五感を全て使え。そして考えろ。最後にモノを言うのは勘だぞ」
師匠が楽しそうに激励する。
師匠の能天気な声にシンジの脳細胞が反応する。
そして、師匠が何故平然としているのかを考える。
シンジが失敗すれば巻き添えを食うはずなのだ…何故?。
師匠はダメージを受けない確信がある、とシンジは結論した。
それを前提に罠の種類を推測すると…テレポーターでも爆弾でもガス爆弾でもない。
石弓は複数セットされている場合もあるから、これも違う。
ブラスターと、アラームかスタナー、そして毒針の可能性が高い。
落ち着け落ち着け!どれが当っても死なないんだ!
自分にそう言い聞かせてシンジは木箱の前に横たわり、2本の針金で慎重に鍵を開ける。
指先に手応えがあり、カチャンという金属音が響く。
「開けます」
右手に持った鏡で中を確かめながら、左手に持った棒でゆっくりと蓋を押し上げていく…。
9513:04/01/21 02:59 ID:0cl4Eh63
>>88
これではエヴァはニンジャ+狂戦士ですなぁ。いやはや。
>>89
コソーリ、トウカ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
うんと、序数にしてみたんですが…。もう思いつきなので…はい。
>>90
Wizはサルになりましたからねぇ。
今ではもう無理かも知れません。
お楽しみいただければ幸いです。

投下している最中にいきなりエラー発生しますた。そろそろ危ないのかも。
でわまた。
おっと
MAGE BLASTER
おお、ワナの解除もリアルですね。
昔あったWIZ5の漫画みたい。

それにしても甘いよシンジ君。
レベルがン百逝った冒険者は隣で爆弾が爆発してもノーダメージなものなのさ。


でもワナはあえてWIZ5のカウンターパンチと予想。
>97
否、外伝(GB版)ならLVが100越えると戦士でも罠を外せる
カルフォかけにゃならんけど

アホみたいにHPがあったのデータが懐かしい
>>98
知ってるけど外伝は日本産なので考慮に入れんかった。

どうでもいいけど、アホみたいにHPがあったことはオール27か?
NON、そんな卑怯な手はお遊びキャラでしか使わなかったよ
LVを上げたのさ、ごく普通に1000LVくらいだったと思うけど
さすがに4桁じゃ足らなくなったw
一人旅してたから、ラバディと石化、マヒ、首はねなんかが怖かったね
経験値1億稼いだら戻るとかやってた、やってたのは外伝3ね
スマソ。
ってか外伝3は1000(四桁逝くとL表示が無くなる)でそこまで育つんかい。
漏れは6000強位だった。

どうでもいいけど、外伝3のドラゴンを一人で潜ると事故死が多くない?
信長やヒムズに殴られるとあぼーんの様な……
6000強ですか、やりますな(ニヤリ
信長は賭け、ヒムズはいける。LVがある程度上がると、先制攻撃ばっかになる
そこで叩くんだが、生き残れる職業は限られるな。エクスカリバー装備できないとむりぽ
マウジウツも時々効いてくれるようになるしね
しかしやはり狙いはドラゴンですよ、それ以外は基本的に逃げ
ワイバーンなんか凄まじくカモです。仲間呼ぶし、凶悪なダメージはHP増えれば関係ないし
なるほど、逃げるという思考が欠落していた。
逃げちゃだめだ逃げ(ry

確かに、ドラゴンはカモだね。
ワイバーンのブレスで150ポイント、だから何?って感じだからね。
ドラゴンで意外に嫌なのがウォータードラゴン、毒のダメージがでかいw
ま、あれだ、ディンギルか何かのクリア後ダンジョンよりまし
アンデッドなのにジルワンかけても一発で死なねえし、
ラバディで1800とかって・・・乾いた笑いがでますた

板違いな話題はこれくらいにして、投下を待ちますか
105 ◆GQgggggggg :04/01/28 23:57 ID:xZDGGMuG
test
106名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/01/29 00:28 ID:QJ+SmeE4
ティルトウエイトvsN2地雷
10713:04/01/29 06:23 ID:6n1hzt3z
蓋の縁に毒針らしい物は無い。
不用心に蓋に手をかけて毒針の餌食になる者は意外に多いのだ。
シンジはそろそろと左手の棒を差し上げる。
間口が10cm程開いた所で四角い木片をかませると、空いた左手でランプを持つ。。
そしてゆっくりと左右に動かして見るが、木箱からは何の反応も無い。
光と熱に飯能が無いのなら石弓の可能性も無いはずだ。
宝箱を強奪しようとする者に対して無条件に発動する有効な罠を考える場合、動物の特性
を考える必要がある。
例えば人間は二本足で移動し、体温を一定に保ち、呼吸によって二酸化炭素を吐き出す。
心臓が鼓動する度に血液が全身を駆け巡る。
人間が行動する時には、実に様々な痕跡が周囲に溢れ出ているのだ。
もし、宝箱にそれらを感知するセンサーが備え付けられていたらどうだろう?
熱源が近付けば、その時点で宝箱の罠が起動する。
呼吸を乱して開錠作業に熱中していると、内部の罠が静かに獲物を狙っている。
石畳の床を無遠慮に足音粗く近付いて行くなら、それは自ら標的になろうとしている様なものだ。
薄暗い地下迷宮において宝箱の内部に光が差し込む時とは、何者かが蓋を開けた時に他ならない。
罠を仕掛けようとするなら、これらの現象を利用しないはずがない。
…実際、恐ろしく智恵の回る存在である。
シンジが隙間の前でランプを揺らしたのもこれらを確かめるのが目的で、単に内部を視認
する為だけではなかったのだ。
ランプの位置と鏡の角度を変えて木箱の内部を丹念に調べる。
カラのようだ。
緊張が見る見る弛緩していくシンジ。
「ひどいですよ、師匠」
苦笑いをしながらシンジが蓋を持ち上げる。
この時シンジがもう少し注意深く木箱の内部を観察していれば、木箱とその内部の深さが
異なっている事に気がついたのだが。
10813:04/01/29 06:24 ID:6n1hzt3z
蓋がいきおい良く跳ね上がる。
それと同時に二重底がせり上がり、パキンという乾いた音と共に割れる。
飛び散った木っ端がシンジにも浴びせられる。
「ヒ!」
小さく息を呑むシンジ。
空中で真っ二つに割れた二重底の中には小さな巻物があった。
その巻物がゆっくりと開かれるにつれ、紫煙がゆらゆらと広がっていく。
ゆっくりと  ゆっくりと
まるでシンジを探すかの様にゆらゆらと広がっていく。
シンジの頭の中に何かが聞こえ始めた。
遠くで為される話し声のような、ぼそぼそと呟く声。
幾人もが声を合わせて歌う賛美歌のような、透き通った声。
遥か昔、母親の腕に抱かれて聴いた子守唄のような、柔らかい声。
それらの声が、音が、シンジの脳細胞に染み込んでいく。
シンジは抗う気力も湧かず、ただその心地良い波に全てを預けた。
精神は痺れ、肉体は弛緩し、シンジは眠りに落ちた。
二重底の中には、カティノの呪文が封じ込められていたのだ。

頬に強い痛みを感じてシンジが目を覚ます。
師匠の顔が見える。
「どうだ、気分は」
いかにも面白そうに、にやりと笑う。
数秒後、ゆっくりと上体を起こしながら途切れた記憶を遡るシンジ。
「僕は…そうだ、木箱が壊れて、不思議な声が聞こえて、それから…」
「カティノの呪文でぐっすり、さ」
湯気の立つカップを差し出す師匠。
「カティノ…あれは魔法なんですか」
薬草の様な匂いがするその液体は暖かい。
「香茶だ、飲め。美容・健康から気つけまで、なかなかに重宝する」
10913:04/01/29 06:25 ID:6n1hzt3z
シンジは勧められるままに一口すする。
苦い。
だが、その苦味が脳細胞を活性化させ、眠っていた身体に活力をもたらしていく。
「そうだ。メイジのレベル1呪文・カティノだ。耐性が無いとあっと言う間に眠らされる」
師匠は相変わらずニヤニヤしている。
まるで悪戯が成功した時の子供のようだ。
「罠は本物だって言ったじゃないですか…」
無性に悔しくて、シンジが不満を口にする。
「本当に眠らされただろ?」
「教えられた罠にあんなのはありませんでした」
「教訓その1。今有る事の全てが、未来永劫ずっと有り続けると思うな」
「?」
「俺が教えてやった罠の数々は今まで俺達が出会ったヤツだ。ギルドに所属する仲間が情
報を持ち寄って集めた『現在』のデータだ、解るか?」
師匠の言葉の意味が解らないシンジ。
「情報を持ち帰られるのは生き残ったヤツだけだ。まだ誰も知らない罠に引っかかって死
んで行った仲間がいるかも知れん。俺達はあの地下迷宮の全てを知っている訳じゃ、無い」
師匠の言いたい事がなんとなく解ったシンジ。
「油断するな、って事ですね」
「そうだ。頭を柔らかくして色々な可能性を考えろ。…罠を特定する時、何を考えた?」
シンジは自分の推理を師匠に説明する。
「最初にしちゃあ悪くない。これで最後まで集中してりゃあなぁ」
「す、すみません」
「まぁいい。明日もたっぷりシゴいてやるからな。今日はこれで終わりだ」
「ありがとうございました。…ところで師匠。あの、『ギルド』って何ですか?」
「親睦団体を兼ねた組合だ。俺達に限らずニンジャやサムライにもギルドはあるんだ。各
職業毎に組織を創って仲間を統制したり仕事の斡旋をする。寄らば大樹の陰、だな。ま、
そのお陰で色々な情報が簡単に手に入るんで便利なものさ」
「僕も、ギルドの一員なんですか?」
「違う」
11013:04/01/29 06:26 ID:6n1hzt3z
師匠の説明によれば、シンジ達は見習いだと言う。
ギルドが出資して創られた訓練所に入っているだけなのだ。
この訓練所は無料で技術を教える代わりに、一定期間ギルドの仕事を努めさせる。
「お礼奉公」と言うわけだ。
これによりギルドは若い労働力と次期構成員を獲得し、その勢力を維持できる。
ギルドからの脱退は自由ではあるが、貴重な情報源を失い活動に限界が生じるので脱退者
は少ない。
かくしてギルドは巨大な組織力を背景に表の世界の権力者も無視できない程の組織となった。
「一人でやりゃあコソ泥だが、王様の布令に賛同して集まれば技術者なんだよな。しかも
儲けは比べようもなくでかい」
師匠が真顔で言う。
「でも、危険が大きいんじゃあ…」
「ハイリスク・ハイリターンは望む所だ。問題は…」
「問題は?」
「ここから離れられん、という事さ。あの地下迷宮には何ともいえない魔力がある…」
不可思議な力に魅せられた男がそこに居た。

訓練を終えるとシンジは『ギルガメッシュの酒場』に行ってみた。
アスカやレイはまだ来ていないらしい。
独りで夕食を済ませるとリツコの研究所に向かう。
しばらくの間、昼はシーフの修行で夜はエヴァの制御訓練という日々が続くはずなのだが、
シンジは少し心配になっていた。
昨日はビクリとも反応を示さなかった「ショゴウキ」をどうやって覚醒させるか?
それが出来なければ、あの二人とパーティを組む事はできない。
せっかく掴んだチャンスを何としても活かしたい、と思う。
半人前のシンジとパーティを組む物好きはほとんどいないのだから。
それは、父の消息を探すシンジにとっては大きな障害になるのだ。
今夜こそ、エヴァを動かせるようになる!
そう決心して研究所の門をくぐったシンジは、地下実験室で驚くべき光景を見た。
アスカがツヴァイトを操っていたのだ…。
おお、久々に降臨!
乙であります。
11213:04/01/29 06:41 ID:6n1hzt3z
>>96
なんと自作の罠でした。
>>97-98
おぉ、マニアな方達ですな。
やはりWizは人気があるのですなぁ。
>>105
保守ありがとうございます。
>>106
術者によりダメージが左右されるティルトウエイトの負けでは?
威力は甲乙付け難し。

はぁ、眠い。
寝ながら書いていましたよ私ゃ。
しかし、何時になったら迷宮にモグレフいや潜れるのやら…。
11313:04/01/29 06:45 ID:6n1hzt3z
>>111
しまった!見つかった…。
おはようございます。この時間だと、やはり人はいねのですね。
今回は深夜にコソーリ出来ませんでしたのよ。
とりあえず一週間に一度は書く予定ですので、今後ともよろすく。
キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!


>何時になったら迷宮にモグレフいや潜れるのやら…。
……そんなこと寒い言うヤツには、「速き風よ、光と共に解放されろ!」
ターザンメ
>>115
いきなりターザンメからかいな。
TOで始まるスペルは無かったような……
11713:04/02/07 02:36 ID:modgpFJh
「どうして…昨日は全然ダメだったのに…」
アスカを心配していたシンジは、置いてけぼりを喰らった時の様な寂しさを感じている。
「神童と呼ばれていたと言うのも納得できる潜在能力ね」
いつの間にか後ろに立っていたリツコがシンジに話しかける。
「レイですらあそこまで操れる様になるには7ヶ月かかったのに」
リツコの唇が、ほんの少し歪む。
「7ヶ月…そんなに前から…」
「もっとも、実験体だったから仕方が無かったんだけれど」
そう言うとリツコは長煙管のタバコに火を点けてゆっくりとくゆらせる。
「アスカは…アスカは、どうしてあんな風に簡単に操れるんですか…」
アスカとツヴァイトから視線をそらさずにリツコが答える。
「…何も解っていないわね。いい事?彼女をよく御覧なさい」
言われるままにアスカを眺めるシンジ。
だが、シンジにはリツコが何を言わんとしているのか解らない。
リツコの長煙管がすうっと動き、剣を振るうツブァイトの前に直立しているアスカを指す。
「額に浮かぶ汗、張り付いた前髪、硬く結ばれた唇、握り締められた拳、身締められた両
足、荒い呼吸…アスカは必死よ。それが解らないの?」
突然アスカが崩ず折れ、次いでツヴァイトが糸の切れた操り人形の様に床に倒れる。
「活動限界は1分…この壁を突破するのは容易ではないわね」
腰の帯止めにつけられた時計を眺めてリツコが呟く。
「1分…それでも短いんですか?」
「そうね…せめて3分、可能なら5分は連続稼動させたいわね」
リツコとアスカを交互に見るシンジ。
四つ這いのアスカが拳で床を叩く。
二度程ゆっくりと深呼吸をしてアスカが片膝をつく。
ガクガクと震える膝を手で押さえつけ、上体をいきおい良くのけぞらせる。
長い金髪が緩やかな弧を描く。
その反動を利用して重心移動させ両足を突っ張る。
バランスを崩しながらも、アスカが立ち上がる。
「ツヴァイト!アタシは立ってるわよ。さあ立ちなさい!」
アスカの叱咤にツヴァイトが反応する。
11813:04/02/07 02:37 ID:modgpFJh
引く唸り声を発して四肢に力を入れるツヴァイト。
自分の身体と、アスカから流入してくる動きのイメージが一致していないのだろう。
ギクシャクとした動きで剣を掴み、それを床に突き立てて支えにする。
「構えて」
ツヴァイトが剣を胸の前で立て、ゆっくりと前方に突き出す。
身体を半身にして、後ろ手はゆるやかに頭の後ろで構える。
アスカはツヴァイトにフェンシングを仕込んでいるのだ。
今、ツヴァイトの大脳にはアスカが体得しているフェンシングの動きがダイレクトに
伝えられている。
アスカはツヴァイトとのシンクロ訓練の最中に、ツヴァイトの教育も行っているのだ。
ツヴァイトの持つ剣が仮想敵の剣を受け、払い、弾き飛ばし、あるいは絡め取りそして…。
ツヴァイトが低く素早く跳躍し、右手の剣がまっすぐに突き出される。
「いい感じね。それを覚えておきなさい。さ、もう一度」
汗を滴らせながらもアスカは休もうとはしない。

「や、やぁアスカ。もうエヴァを操れるんだね…。やっぱりアスカは天才なんだね」
ようやく訓練を終えたアスカにシンジが挨拶する。
壁にもたれ、足を投げ出してレモネードを飲んでいたアスカがちらりとシンジを見る。
その眉間にシワがより、瞳が細くなる。
目を閉じてレモネードを一口飲むと、あからさまな嫌悪を押し殺して答える。
「当然じゃない。アンタみたいなデクノボーと一緒にしないでほしいわ」
皮肉の棘が生えた言葉が口から出る。
「ご、ごめん」
「…どうしてアンタと話すとイライラするんだろう?」
「え…」
「…さっさとアンタのエヴァを動かしてみなさいよ。アンタだけよ、動かせていないのは」
「…疲れているんだね、ごめん」
「他人の心配より自分の心配をしたら」
「ご、ごめん」
思わずアスカはシンジの足元にカップを投げつけた。
11913:04/02/07 02:38 ID:modgpFJh
「天才」と言うモノは、何の苦労もせずにあっさりと常人の能力を凌駕するものだとアス
カは考えている。
結果が優れているからといってその人を天才などと軽々しく言ってはならない、とも思う。
郷里で「神童」ともてはやされていた頃、アスカの内面には葛藤が存在していた。

アタシは努力している。
アタシは天才じゃあない。
アタシは努力してその結果「神童」と呼ばれているだけ。
アタシが努力しないでいると、普通の子供になるんだろうか?
アタシが普通の子供になったら、パパやママはどう思うんだろうか?
アタシはずっと「神童」でいなくちゃあならないんだろうか?
アタシはこれからもずっとずっと努力し続けなければならないんだろうか?
アタシが努力し続けても、それは当たり前なの?
他の子供達が努力しなくても、それは当たり前なの?
何でも出来るアタシじゃなくて、なんでも出来る様に努力しているアタシを褒めて…。

アスカは天才だから。
アスカは特別だから。

…そうよ!アタシは特別なのよ!
努力もしないアンタ達とは違うんだから。

「よ、がんばってるなアスカ。だがな、無理はするなよ」
加持リョウジの言葉が、歪になりかけたアスカの心を優しく包む。
「ね、アタシは天才?」
「違うな。アスカはがんばり屋さんだよ」
「天才とがんばり屋さん、どっちが偉いの?」
「どっちも偉いさ。だがな…好きなのは『がんばっているアスカ』だ」
「…アタシ、がんばる!ずーっとがんばる…」
12013:04/02/07 02:40 ID:modgpFJh
アスカから見れば、シンジは努力もせずに他人の結果のみを重視している様に思えたのだ。
天才?ふん。
そうよ、アタシは『努力する天才』だもの。
悔しかったらアタシ以上に努力して見せなさいよ。
ショゴウキの前で立ち尽くすシンジを見ながらアスカは思う。

昨夜からずっと考え続けていたんだから。
どうすればツヴァイトにアタシの考えを伝える事ができるか。
どうすればツヴァイトの感覚をアタシが感じ取れるのか。
…メイジの修行も役に立つもんね。
要は集中力なのよ。
アタシはアタシとして確固たる自我をもってツヴァイトとシンクロする。
アタシの念をツヴァイトに送り込み、ねじ伏せる。
ツヴァイトが感じる事全てを受け取り、修正して送り返す。
ツヴァイトの中に「もう一人のアタシ」を作り出せば自由に操れるはず。
そしてそれは上手く行っている。
残る問題は…ツヴァイトを操りながら呪文を唱えること。
教えられた呪文は長すぎて唱え難い。
術理を理解してアタシなりの呪文を作り出す必要がある。
…どう?努力って言うのはここまでするものなのよ。

相変わらずショゴウキの前でうろうろしているシンジがじれったい。
まったくもう!…ちょっと驚かせてやろう。
アスカはツヴァイトとの距離を測る。
ツヴァイトまで約10mね、届くかしら?
「バカシンジ!もたもたしてんじゃないわよ」
シンジを指差しながら怒鳴ると、ツヴァイトが立ち上がりその剣をシンジに向けて伸ばす。
悲鳴を上げて、シンジが両腕で頭を抑えてしゃがみ込む。
ぐわん!と言う鈍い音が実験室に響き、ツヴァイトの持っていた剣が床に落ちる。
ショゴウキの拳がツヴァイトの剣を叩き落としたのだ。
12113:04/02/07 02:47 ID:modgpFJh
>>114
マタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!
オヤジギャグという名の冷気呪文・ダルトです。
凍えて眠れ…チョト イメージが違う…。
>>115-116
あー、現役を遠ざかってしまい話しについていけない…。
>>121

漫画ネタなので、この板では判る方がおかしいですのでお気になさらずに

一応、

  TIL   -   TO   -    WA   -    IT
ターイラー - ターザンメ - ウォウアリフ - イェーター
  速い  -   風    -    光    -   開放
漫画ネタだったのか。
俺はウィザードリィマガジンで見ただけだった。
>>123
ゴメン、どちらかというとそちらが元ネタ(らしい)。
漏れはウィザードリィマガジンは持ってないのでよくわからんが。
保守
12613:04/02/22 02:23 ID:qwh1Zogk
ツヴァイトの剣を叩き落し、低い唸り声を漏らすショゴウキ。
「ウソぉ!?」
アスカが驚きの声を上げる。
昨夜はぴくりとも動かなかったショゴウキが、私のツヴァイトの剣を叩き落している。
そんな驚きがアスカから滲み出ている。
「アイツ、どんな魔法を使ったの?」
だが、一番驚いているのはそのシンジなのだ。
あれほど必死になっていた時には何の反応もしなかったショゴウキが、動いているのだ。
目の前で低く唸り続けるショゴウキ。
じわり、とツヴァイトとの間合いを詰めて行く。
落ちた剣には手を伸ばさずにそのショゴウキに相対するツヴァイト。
「ふぅん、やる気?」
アスカがショゴウキを睨みつける。
「ちょうどいいわ。このパーティのリーダーをはっきりさせておこうかしら」
アスカが腰を落として身構える。
その動きをトレースするようにツヴァイトが続く。
シンジは…シンジは何もしていない。
だがショゴウキは確実にツヴァイトとの距離を詰めている。
そして…。
高く跳躍したショゴウキは巨体を捻って天井を蹴り、ツヴァイトの背後に回る。
ツヴァイトの右肘が唸りを挙げてショゴウキの顔面に迫る。
さらに腰を落としてその肘撃ちを避けると、低い体勢のままツヴァイトの脚を狙って飛び
込むショゴウキ。
その顔面をツヴァイトの膝が襲う。
ごつん、と言う鈍い音がして一瞬ショゴウキの動きが止まる。
そのショゴウキの後頭部にツヴァイトの右肘が振り下ろされる。
頭部に二つ、すさまじい衝撃を受けて足元がぐらつくショゴウキ。
が、その動きが止まったのは一瞬であった。
這いつくばる程の低い姿勢からツブァイトの腰に手を回すとそのまま持ち上げる。
一声吼えるとそのままツヴァイトを背中から叩きつける。
12713:04/02/22 02:25 ID:???
アスカの全身にその衝撃が伝わる。
アスカはツヴァイトとのシンクロに成功していた。
だからこそ、あのような動きが可能だったのだ。
だがそのためにツヴァイトの感覚がアスカへとダイレクトに伝わったのだ。
ツヴァイトの苦痛がアスカの苦痛となり、その集中力を奪う。
シンクロ率、低下。
それまでアスカが感じていたツヴァイトの感覚が急速に失われ、そして消え去る。
ツヴァイトの瞳から光が消え、全身から力が抜けていく。
ぐったりしたツヴァイトを見下ろしながらショゴウキが馬乗りになる。
そして…握り締めた拳を高く振りかざし、振り下ろす。
ごん、がつん、という耳を塞ぎたくなる様な音が実験場に響く。
「いや、いや、嫌ァーーーッ!」
アスカの絶叫が木霊する。
「危険ね…レイ、止めて頂戴」
リツコが命令するよりも早くレイがティアラを装着する。
立ち上がったゼロがショゴウキの後ろに迫り、ためらう事なく後頭部に蹴りを叩き込む。
つんのめる様にして床に倒れ、ぴくりとも動かなくなる。
「闘争本能だけは合格点ね。だけどこれを制御できるかしら…いえ、させなければね」
呆然とするアスカとシンジを見やりながらリツコが呟く。
とにもかくにも3体の巨人は目覚め、動いたのだ。
計画は動き始めた。
12813:04/02/22 02:27 ID:???
ギルガメッシュの酒場の裏庭に薪を割る小気味良い音が響いている。
手斧を扱うその手際は見事という他は無く、ムダな動きがない。
その人物は女であった。
やや青みがかった長髪を後ろで無造作に束ね、クビには手ぬぐいなぞをかけている。
ふぅ、と一息ついて汗を拭うと納屋の横に積まれた残りの薪を見る。
まだ半分以上もあるのだ。
この世界には「魔法」という全能とも思える力があるが、それは一握りの人達に恩恵をも
たらしているに過ぎない。
術者はその祈りを源として「魔法」を具現化させる。
その作業は延々と続くものであり、庶民がその対価を支払う事は困難となる。
結果、日常において代替えできるものは「魔法」を使わないのが一般的なのだ。
彼女は、ギルガメッシュの酒場において酔っ払った挙句に大立ち回りを演じてしまい、
ギルドの命令でボランティアをさせられているのだ。
ギルドの処罰には金銭による解決、と言う手段もあるのだが、彼女の場合その財産が膨大なため、罰金ははした金でしかない。
冒険者との喧嘩如きで、その財産を没収するというのも度が過ぎる。
かといって処罰なしではギルドの面子が立たない。
そこでこの処罰が為された。
彼女はリルガミンに集まる冒険者の中でも屈指の使い手とされており、また誉れ高いサムライでもある。
カタナを奪われ商人にこき使われる…これなら精神的に堪えるであろうとの判断だった。
彼女は確かに落ち込んだ。
だがそれはギルドの狙いとは少し異なったもので、酒を飲めない生活に落胆しただけだ。
彼女の名誉のために言えば、彼女ほど身分や地位・職業などに無頓着な人間もいない。
その女性の名前は…。

「や、葛城。元気そうだな」
「ん〜?どうしたの、加持君。…あんたもボランティア?」
「いや、君のいない酒場は寂しくてね、顔を見に来たのさ」
「ふぅん…待ってて、これ終わらせちゃうから」
そう言って鮮やかな手際で薪の山を作っていく。
12913:04/02/22 02:28 ID:???
「ボランティアはあと一日、だったな」
納屋の日陰に腰を降ろしたリョウジとミサトが茶を飲んでいる。
リツコから貰ったワインを持ってきていたリョウジだが、処罰中である事を理由にミサト
が固辞したのだ。
「でぇ?ただの顔見世じゃあないんでしょう」
「…葛城。もう一度、俺と組まないか?」
「ナニナニ?まだ私に未練があるワケぇ?」
おちゃらけるミサトとは対照的に、リョウジの表情は硬い。
「正直、未練は大アリさ。だがな、今度の事はそれとは関係ない。…どうだ、やるか?」
「ん〜、どっしょっかなぁ〜」
「…りっちゃんが妙な事を始めている。ゲンドウ隊長の息子さんを巻き込んでな」
リツコは二人の共通の友人だ、引き込むネタとしては悪くない。
しかしミサトが飯能したのはもうひとつのネタである。
「隊長、子供が居たの?…て言うか、奥さん居たの!?」
「どうやら十年程前に亡くなられたらしい…」
「それで、なの?」
ミサトの声が湿り気を帯びる。
「解らん。だがりっちゃんは今やキール国王の重臣だ。何を考えているのか、確かめたい」
「…どっちを?」
「両方、だな」
「確かめたら?」
「場合によっては」
リョウジは言葉を切り、両手で何かを握り潰す真似をする。
「ヘタをすればここを追われる…どうだ、付き合うか?」
声の調子はおどけたものだが、その内容は申告だ。
「どうせ独りでもやる気でしょう?報酬はなに?」。
「まごころを、君に」
一瞬、目をパチクリさせたミサトの肩が震え出す。
「…怒ったか?」
「その話、のった!天下一のニンジャに忠誠を誓われるとは、気持ちがいいわね」
そう言ってミサトは笑った。
13013:04/02/22 02:29 ID:???
いやはや随分遅れてしまいました。陳謝。
保守ありがとうございます。
いやしかしWiz好きはけっこういるもんですね。
我が家のファミコンが壊れてしまいました。
迷宮内にあるメッセージなどの正確性は保障できなくなりました。
ゆるしてくださいませ。
ついでに慌ててageてしまった模様、スマソ…。
>>13
乙ー。ID変更後の最初の投稿ですね。

ここのスレの人たち
「ウィズマターリ−」とかやってそうな気がするな。


>>13
乙です。

>>131
漏れは「無限の迷宮」とか「Wanderers」とかやってました
今はWizardry Collectionがあるので余りしませんが
13313:04/02/22 22:55 ID:???
>>131
ありがとうございます。
昨夜は散々で、ミスが多いこと多いこと。
Wizのゲームを録画していたはずなんですが、見つかりません。
昔、資料として使ったんですが、無理だったか…。
>>132
後少しでシンジ達は修行を終えて地下に潜る事になると思います。
ただ、戦闘ばっかりも大変なのではしょることになると思います。
村正=エヴァ設定にあったマ○ロクブレード
みたいな設定になるんだろうか
プログレッシブシーブズダガー
スマッシュ邪悪の斧
N2ホーリーハンドグレネードオブアウンティオック
カシナートWチェインソー
降臨祈願保守
14013:04/03/07 02:51 ID:???
次の日の夕刻、ギルガメッシュの酒場にビールをぐいぐいと飲み干すミサトの姿があった。
「ぷッはーーーーーッ!やっぱ、コレが無くちゃ、人生楽しくないわぁ!」
久しぶりの咽喉越しにご満悦のミサト。
ウェイトレスも心得ていて、良く冷やしたビール樽をテーブルに運ぶとセルフで好きにさ
せている。
ちなみに樽はダルトの魔法によって一定期間冷気を保っている。
ギルドによる強制労働や、ツケがたまり過ぎてどうにもならなくなった冒険者達がこの様
な形で働かされているのだ。
しばらくするとリョウジがやってくる。
「ゴキゲンだな葛城。ところで他のメンバーはどうした?」
「ん〜チョッチ待って…これを片付けてから」
そう言うと樽を持ち上げて最後の一滴まで飲む。
「…禁酒、そんなに辛かったのか?」
「いやもう2度とごめんだわね…さてと。こっちいらっしゃい」
ミサトが後ろのテーブルに声をかけると三人の男女が立ち上がる。
「加持君、紹介するわ、これが私達の新しい仲間よ。既に貴方の事は話しているから」
「始めまして。加持リョウジです」
立ち上がったリョウジが右手を差し出すと、三人は次々とその手を握る。
「ご高名はかねがねお聞きしています。実力1のニンジャ・マスターと組めて光栄です」
「加持さんもセンパイと組んでいたんでしょう?その時の話、聞かせてくださいね」
「自分は新しい職業を創る事に夢をかけているッす。ニンジャの仕事、参考にさせて頂け
ればありがたいッす」
「え〜と最初の彼氏がマコト君。僧侶からサムライに転職して間も無いのよ。次の娘が
マヤ。なんとリツコを尊敬しちゃってて同じビショップでレベル17。最後はシゲル君…」
「どうした?」
「う〜ん…メイジとしてならマスターレベルを越えたのよ。でもね、新しい職業の開祖に
なりたくていろいろな職業を体験修行中なの」
突然シゲルが話しに割り込んでくる。
「その通りッす!自分は『歌って戦える冒険者』を目指してるッす。ある程度の感触は
あります!あとは自分に実践する才能があれば…」
14113:04/03/07 02:52 ID:???
やや引き気味になりながらもリョウジは彼に応える。
「…そりゃまた豪快な目標だな。がんばってくれ」
「ありがたいッす。特性値が足りなくてニンジャの修行は出来なかったッす」
「…どうでもいいが、オレ達はもう仲間なんだ。…その『ッす』はやめよう。気楽にな」
リョウジの言葉に見る見る緊張が緩むシゲル。
「なんだ、意外に話せる人じゃんか。あ〜良かった。無礼者!とか言われてクビ切られる
かとヒヤヒヤしてたんだ、オレ」
「緩みすぎだよ。…加持さん、コイツも案外良いヤツですから気を悪くしないでください」
マコトがシゲルを嗜める。
「お前こそ、ミサトさんの魅力に惹かれてこの話に乗ったクセに」
「二人共…恥ずかしいからやめてよもぅ…」
マヤが俯いて呟く。
「じゃ、これから私達が何をするのか簡単に教えてくれる?加持君」
「今、キール国王と赤木大司教が何事かを企んでいる。その謎を調べる」
「センパイが?それって…」
リョウジの言葉に、真っ先にマヤが反応する。
「そうだ。キミの敬愛する赤木大司教の秘密をも暴く事になる。いや、場合によっては
助ける事にもなる、かな?」
「何がどうなっているのか、説明して貰えませんか?」
マコトの質問は正論である。
リョウジは、ここしばらく彼が見聞した事と考えた事をミサト達に話した。
「…つまり、加持君はそのエヴァと言うホムンクルスに重大な秘密を感じたのね?」
「そう言う事だ。しかもキール王とりっちゃんとの関係も気になる…りっちゃんは、ただ
命令されて仕事をする様な人間じゃあない。だがあんなものを喜んで創るとも思えん。
アレは…禍々しい存在に思えてならない」
「で、その謎を調べてどうするんです?」
マコトがもっともな質問をする。
そうなのだ。
彼等…冒険者は地位や名誉や金が目的でココにいるのだ。
何の報酬もない出来事に好んで首を突っ込むほど物好きではない。
「あたしはやります!先輩の事を理解する、いい機会ですから」
14213:04/03/07 02:53 ID:???
む、若干1名、例外がいた。
「オレもやるッす。加持さんと一緒に仕事すりゃあニンジャの業を盗めますから」
…もう一人変わり者がいたか。
二人の様子を見たマコトが肩をすくめて言う。
「…やりますよ。どうせ、ロードとは言えレベル1じゃあ中堅グループにも入れないし、
地下で宝探しをしながらレベル上げをしますよ」
リョウジがニヤリと笑う。
「情報の真価は手に入れてみなくちゃあ解らんが、ひょっとするとキール王の護符以上の
価値があるかも知れん」
驚く一同。
「どういうこと?」
皆を代表してミサトがリョウジに尋ねる。
「不思議だとは思わないか?どうして国王はあんなモノを造らせたのか…」
「それは…未だに護符を奪還できずにいるからその為に」
マヤが戸惑いながらリョウジに答える。
「…こんな噂話を知っているか?護符は一度取り戻されてキール王の手に戻ったが、再び
盗み出された…」
「あぁ!聞いた事があります…でも、どうせデマでしょう?」
思い当たるフシがあったのか、シゲルが即座に答える。
「赤木大司教は何故キール王に大抜擢されて王立魔法技術院・技術局局長になれたか?」
「それは…もちろん、優秀だったから…」
マヤがおずおずと答えるが、それには答えず話を続けるリョウジ。
「伝説の剣士・碇ゲンドウが誰とパーティを組んでいたか、知っているか?」
「名前までは知りませんが、確か実力1のニンジャとサムライ、プリーストとビショップ
…それから、ロード?」
「そうだ。最後はキール王自らがご出陣あそばされたのさ」
「またまたァ!見てきた様なホラを吹くなぁこの人はッ!」
リョウジの言葉にシゲル達が大笑いする。
ミサトだけが複雑な表情をしている。
「見てきた様な…?…見て、いた?…まさか、実力1のニンジャとサムライって」
三人は絶句した。
14313:04/03/07 02:54 ID:???
言葉も出ない三人に向かってリョウジがあっさりと答える。
「そうだ。あの時オレ達は確かにワードナを倒して護符をキール王に手渡した…」
それからリョウジの話した事はいささかキール王の威厳を損なうものだった。

結局リョウジ達はワードナ達を倒して護符を取り戻し、キール王に手渡した。
重傷の王はその治療のために王城の奥深くに運ばれ、祝宴は後日とされた。
当然、護符を取り戻したという事実は公表されず、結果として今日の事態を招いたのだが。
王を運び込んだ時点で三人には褒賞を授けられる権利が発生しており、リツコは今の地位
を得た。
リョウジは相応の報奨金を貰って近衛隊への入隊を拒否した。
ミサトは…やはり彼に倣った。
「暴れるのは好きだが、誰かに命令されて戦うのは趣味じゃない」
そう言うリョウジの言葉に共感したようだった。
そして…ゲンドウとコウゾウは忽然と姿を消していた。
そしてその日の深夜、キール王は再び護符を奪われてしまった。
最初に疑われたのはリョウジだった。
護符が王の手元にある事を知っていた数少ない人物であり、それを実行できる技能を持っ
ていたからだ。
だがリョウジはその夜、仲間達とギルガメッシュの酒場でどんちゃん騒ぎをしていた。
もちろんミサトも加わっていたし、多くの者が証言者となってくれたので釈放されたのだ。

「という理由でキール王は未だこの冒険を中止しないでいる」
「じゃあ、一体誰が護符を?」
マヤの言葉にマコトが答える。
「ゲンドウ、かな?」
「…そしてその碇隊長の息子さんがこの街に現れ、りっちゃんの造ったエヴァを操って
地下迷宮の冒険に向かおうとしている…碇隊長に呼ばれて、な」
リョウジの言葉が一同に沈黙を与える。
この地下迷宮で何かが始まろうとしているのを感じさせるには十分だったのだ。
14413:04/03/07 03:08 ID:???
>>134-138
あ〜…Wiz好きの特徴を忘れていました。
そうですよねぇ…やはり多様なアイテムをおろそかにしてはいけませんねぇ…。
全然考えてなかった…。
>>139
週間連載を目指しながらも予定狂い捲りで申し訳ありません。
次回もシンジ達は出番が少ないはずです。

アイテム、どうしましょうかね…エヴァ2はやっていないし、
かと言ってポジトロンライフルなんか出した日にゃあアナタ。
むむ!魔砲使いの黒姫でも出して…ってそれはイカンな…。

それからワードナを倒した時のプリーストはもちろん冬月コウゾウです。
…展開モロバレですな。
日向は侍なのかロードなのか
14613:04/03/08 00:50 ID:???
>>145
ご指摘感謝ッす。
最初はミサトに倣ってサムライを目指す、つー設定でしたが
そのパターンはマヤに使いたいのでロードに変更したのでした。

マコトはロード。皆様、訂正させていただきますです。
…急いだら何かしらミスが増えますね…。
お、おもろいよ!!
おお、いつの間にか降臨していた。
ご苦労さんです。
14913:04/03/17 01:30 ID:???
静まり返った場の雰囲気を和らげるために、リョウジは料理を運ばせる。
「まぁなんにしろ潜ってからの話だ。今夜はたっぷり呑んで食べてくれ、奢るよ」
マコトがオズオズと質問する。
「取り分は等分にするとして、万が一の場合は、どうするんですか?」
「万が一?…ああ、キール王に睨まれたら、か?」
コトがコトだけに危険が伴う。
出来れば保険が欲しい、そんなところなのだ。
「オレ達は最下層に潜るから戦利品はベラボウな額になるが、それでは不満かい?」
「初日に死ぬかもしれませんから…」
「…判った。手付けとして一人5万ゴールド出そう」
シゲルが口笛を吹く。
「うひゃぁ。キール王の報奨金と同額だぜ!…やりますよぉ、オレぁ」
「それはやはりそれなりの危険が伴うと了解していいんですね」
マヤが静かに口を開く。
「無論だ。およそあの地下迷宮に潜って危険が存在しない訳がない。ましてや」
「キール王の秘密に絡むんだから当然ね。どうする、マヤ?」
ミサトの問いに一瞬躊躇したが、マヤは黙って頷いた。
「では改めて乾杯といこうか」
リョウジが酒盃を掲げようとした時、再びマヤが質問する。
「あの、もう一人のメンバーはどこにいるんですか?」
ミサトとリョウジが顔を見合わせて、そしてニヤニヤと笑い出す。
「いやそれはな…いやいい。明日になれば解るさ」
リョウジはそう言って運ばれて来た料理を自分の皿に取り分ける。
3人はそれぞれの思いを抱え込みながらも、料理と酒に舌鼓を打つ。
15013:04/03/17 01:32 ID:???
翌朝、マコト達は声も出なかった。
待ち合わせ場所の地下迷宮入り口にはリョウジとミサトの他には人影が見えず、ヘンな鳥
が一羽いるだけだった。
そしてその鳥こそが六人(?)目だと紹介されたのだ。
「あ!バカにしてるなぁ?カレの名前はペンペン。リツコの手にかかって生み出された
モンスター…の一歩手前の生物なの」
頭頂部のトサカを撫でながらミサトが紹介すると「クゥエ〜」と言うなんとも愛嬌のある声を出す。
「人語を解せど人ならず…っヤツね。知能はケッコー高いわよォ」
マヤが額に手を当てて悩んでいる。
「だーいじょうぶよ、マヤちん!こう見えてもけっこう頼りになるんだから」
ミサトもリョウジも、ペンペンの能力には疑問を持っていない。
だが3人にして見れば、この状況は悪い冗談にしか見えない。

地下迷宮に出入りしている冒険者で動物をパートナーにしている者がいないわけではない。
狩猟犬や闘犬に用いられる大型犬をはじめ、迷宮外に生息する魔物を捕獲して使役させる
者も居るのだ。
彼等は決して地下深くには潜らない。
そこに生息する魔物の強さと自分達の戦闘力を熟知しているからだ。
彼等はせいぜい1〜2階をうろつき、自分より弱いエモノを見つけて小銭を稼ぐのだ。

「とりあえず、日向君にはロードとして前衛をきっちりと務められる技能を身につけて
もらうわ。マヤはマディの呪文を覚えてね」
「…それって、ものすごく時間がかかりますけど」
「だーいじょぉブイッ!その気があるなら一週間だから」
「マジっスか?」
「そぉよぉ。その為には日向君にどーしても前衛でがんばって貰わなけりゃならないケド」
「よしマコト!死ぬ気でがんばれ…骨は拾ってやるからな」
「一週間でのレベルアップ…。まさか、いや、有り得るな」
マコトには心当たりがあった。
15113:04/03/17 01:33 ID:???
「まぁ今日は久々の実戦だ。気楽にやろう」
「じゃあ一階をブラつくの?」
のんびりとした声を出すリョウジを呆れた口調でミサトが尋ねる。
「いや…10階まで降りて三つ目まで行く。出来れば四つ」
地下10階。
そこは迷宮の最下層であり、その最深部にワードナの居室が存在している。
無論、マヤ達はそこまで行った事はない。
いや、地下10階まで潜った事とて3人合わせてもほんの数回である。
彼等3人は元々別のパーティに所属していたのだが、そのパーティに相次いで死者が出て
生き残った3人が後衛組として手を組んだ。
以来あちこちのパーティに人材派遣よろしく出向いて実戦と経験を積んできたのだ。
報酬は3人で山分けし、3人のうち誰かに万が一の事があればお互いが助け合う。
そうして3人はここまで生き延びてきた。

「加持クン、いくら何でもいきなり10階は」
「時間がない。グズグズしてたら間に合わないかも知れないからな」
「でも」
「オレ達のパーティは治療系呪文が弱点だ。マヤちゃんのレベルアッフーには日向君の
レベルアップが不可欠だからな。彼にはタフになってもらわなければならない」
リョウジ達のパーティには治療系呪文のスペシャリストであるプリーストが存在しない。
ロードにクラスチェンジしたマコトはプリースト時代に習得した呪文を扱えるがその使用
回数に厳しい限度がある。
更に前衛として直接戦闘に関わる身では、戦闘中に味方に治療を施しているヒマはない。
ビショップであるマヤも治療系呪文を扱えるのだが、未だレベルが低くマディを会得していない。
地下迷宮を隅から隅まで探索するには治療系呪文が豊富である事は絶対条件なのだ。
「そういうわけだ。早速行ってみよう」
「あたし達、何か騙されてない?」
「ん〜微妙」
5人と1羽は迷宮へと足を踏み入れた。
15213:04/03/17 01:36 ID:???
太陽の光が差し込む事のない地下迷宮。
本来なら視覚なぞ何の役にも立たないはずである。
だが冒険者達には、その床に転がっている石ころや壁のひび割れまで見て取れる。
これは訓練場で夜目を鍛えられたせいでもあるのだが、もうひとつ…。
この地下迷宮の壁にはオレンジ色の光を放つ苔が生えている。
何を養分として生育するのかを考えるとおぞましくもあるのだが、便利な事に違いはない。
そのヒカリ苔がゆっくりと光量を変化させる様は、まるで地下迷宮に生命があり呼吸して
いるようにも思える。
その中を5人と1羽は進む。
「やっぱここはカビ臭いッすねー」
「…余裕があるじゃないか、青葉君」
「まだ1階じゃないッすか。ラクショーッす」
「どれ…お手並み拝見。油断してると首が飛ぶぞ」
「え?」
リョウジの言葉が終わらぬうちに、闇の向こうに殺気が四つ。
背中の直刀を抜き放ち眼前で横一文字に構えるリョウジ。
既にミサトも抜刀し、肩に担いで蜻蛉の構え。名刀・コテツが今日も斬る。
すれ違いざまの一閃で、どう!と倒れる黒い陰。
リョウジ・ミサトの一撃は、未熟なニンジャを斬り伏せる。
残る二つの黒い影ェ、横を掠めて駆け抜けて、マコトの刃をかいくぐり
マヤとシゲルに飛び掛かるゥ  ベンベン♪
斬ったハッタは無縁の世界、マヤとシゲルの首筋にィ、ニンジャのカタナが迫り来る
万事休すと思いきや 黒いペンギン翼を広げ そこに見えるは光る爪
長い鉤爪振り回し ニンジャのカタナを受け流すゥ
見たか聞いたか人間よ たかがトリよと侮るなかれ コイツが噂のペンペンだ!

「ご苦労様、ペンペン。…どう?なかなかやるでしょう」
ペンペンの頭を撫でながらミサトが3人に笑いかける。
「恐れ入りました」
深々と頭を下げるしかない3人だった。
15313:04/03/17 01:40 ID:???
>>147
ありがとうございます。
よーし新規読者見ーっけ♪
>>148
毎度ご贔屓に。
どうも一週間のペースが守れません。いけませんなぁ…などと嘆きつつ、寝るふ。

おお、いつの間にやら

>>よしマコト!死ぬ気でがんばれ…骨は拾ってやるからな
ひでえw
保守
15613:04/03/28 02:45 ID:???
「やはり刃物を使う戦闘には慣れていないようだな」
呆けているマコトを見てリョウジが言葉をかける。
「…そう、ですね。メイスで殴るのとは勝手が違います」
「ま、すぐに慣れるさ…いや、慣れてもらうか…。葛城、寄り道するぞ」
そう言うとリョウジは手近な扉をいきおい良く開ける。
「ご愁傷様」
ミサトがマコトの肩を叩きながら部屋に押し込む。
「何です何です…うわッ!」
マコトが足を踏み入れた途端、室内の空気がざわつく。
見れば10人以上の人間が木箱を取り囲んで集まっている。
その視線がマコトに集中し、人影がゆっくりと動き出す。
歓迎のためでない事は彼らの手にしている武器が証明している。
「がんばってみようか」
背後からリョウジの声がする。
「あの、まさか一人でこれ全部相手にしろ、って言うつもりじゃあ…」
「半分はオレと葛城が片付ける。安心してくれ」
マコトの顔面がすーっと白くなる。
「獅子は可愛い子供の成長を祈って試練を与える。…マコト…見事この試練を乗り越えろ」
シゲルはそう言いながらも笑いを堪えるのに必死だ。
「お前、覚えてろよ!コ・ノ・ウ・ラ・ミ・ハ・ラ・サ・デ」
「来るぞ」
リョウジの言葉と共に男の持った短剣がマコトを襲う。
男はその素早い動きで相手を霍乱させ、短剣で幾度も攻撃を仕掛けてくる。
しかも集団で!
男達は地下迷宮をねぐらにしている野盗・盗賊の類である。
ギルドに属さない単なる犯罪者で、こうして徒党を組んでは弱い獲物に襲い掛かる。
リョウジとミサトはのらりくらりと相手の斬撃を交わしているだけだ。
「あの、私達、何をすれば」
「手出し無用。今はマコトの修行中だ。それにオレ達が強いと解れば奴等は逃げるだろ」
マヤの言葉を受けてシゲルが説明する。
15713:04/03/28 02:47 ID:???
苦しい、とマコトは思った。
かれこれ10分以上身体を動かし続けている。
呼吸は速く小さくなり、深呼吸をして息を整えるヒマさえない。
手にした件が徐々にその重さを増して両手に疲労を与えている。
身体を守ってくれる甲冑は以前身につけていた胴鎧とは比較にならないほど窮屈だ。
次々と襲い掛かって来る盗賊達の短剣を避けつつ反撃するのだが、剣は虚しく空を切る。
プリーストの時に前衛として直接戦闘を経験した事もあるのだがあまりにも勝手が違った。
身体が思う様に動かない。
それは重い鎧や剣だけが原因ではない事を師匠から教えられている。
前面で敵の攻撃に身を晒す恐怖。
その恐怖と戦いながら思い通りに身体を動かすことの困難さ。
鎧や兜などの装備の重さが更に動きを不自由にする。
そして、刃物で相手の生命を奪う事への怖れ。
プリーストであったマコトにはこれが一番影響していた。

本来、大衆の心身を救い正しい道へ導くべきプリーストが殺生をする事は戒律によって
厳しく制限されてきた。
だが歴史の流れの中においては「止むを得ず」戦わねばならない事態もあり、妥協とも
詭弁とも取れる解釈でその場をしのいできた。
「聖戦」と言う言葉もその一つである。
武器の選択も明らかに殺生を想起させる刃物より、相手にダメージを与えて一時的に戦闘
不能にさせる事を目的に「殴る・突く」という方法が選ばれた。
「その為のメイス、スタッフです」
そういいながら、現実には明らかに殺意の込められた「武器」が創案・製作されていった。
杖の先端に鎖分胴を付け、遠心力を利用してダメージを倍加させたモノ。
更にその分胴に突起物を付け、甲冑さえも破壊し得るよう工夫されたモノ。
効果を追求して日々「武器」は進歩していった。
万が一相手が死亡したとてそれも「我等の偉大なる神の御心」である…。
それでも「刃物」はタブーとされてきたのだ。
その心理的プレッシャー故に。
15813:04/03/28 02:49 ID:???
マコトの真新しい鎧に10以上の傷がついている。
いや、甲冑の継ぎ目辺りには三つほど赤い染みも見える。
動きの鈍ったマコトは致命傷こそ受けてはいなかったがボロボロであった。
マヤの治癒呪文が施されてからたった5分、明らかに戦闘能力が低下している。
「ひとまず終了、かな?」
リョウジがそう呟くとミサトがコテツを構えなおす。
「シッ」
小さく息を吐いてミサトのコテツが空を切ると、野盗の一人がばったりと地に伏せる。
残りの野盗に動揺が奔る。
そしてじりじりと後ずさり、そのまま逃げ出していく。
「弱い者イジメしてゴメンねぇー」
ミサトがそう叫ぶと同時に周囲が揺らめく。
そして1個の木箱のみが残された部屋に戻った。
…この地下迷宮で戦闘が始まると異なった空間に運ばれるらしい。
そのため通常空間で使用できる魔法のうちマロールと呼ばれる転移術はその効力が不完全だ。

「青葉君はこういう事にも興味はあるかい?」
木箱の前に屈み込んだリョウジが尋ねる。
開錠の技術について聞いているらしい。
「当然ッす」
シゲルも屈みこむ。
少し離れた場所ではマヤが呪文による治療をマコトに施している。
「大丈夫?」
「…疲れた。ちょっと横になる…」
甲冑をはずして寝転がるとマコトはゆっくりと呼吸を始める。
腹がフイゴの様に上下している。
大きく伸ばされた四肢は弛緩し、呼吸によって取り入れられた酸素をひたすら筋肉に蓄え
ようとしている。
無防備状態にならない様にミサトとペンペンが周囲を見張る…。
15913:04/03/28 02:51 ID:???
「じゃあいよいよエレベーターで降りよう。マヤちゃん、アイテムは持っているかい?」
「はい。ちゃんとあります」
腰につけたバッグからサッと取り出して見せる。
装備品の少ないビショップはキー・アイテムの所有を任される場合が多い。
更にマヤの場合、あちこちのパーティに出向く関係でそれらを常備しているのだ。
簡単に手に入る品物もあるが手間を惜しむパーティは多いし、それを手に入れる実力の
無いパーティには垂涎の的となる。
…もっともそんなパーティと契約をすれば自分自身の生存に危険が生じるので、特別な
場合を除いて契約しないのだが。
「あの、もう少し修行をしてからにしませんか?」
やや自信喪失気味のマコトがおずおずと言う。
「時間が惜しい。それに習うより慣れろ、って言うじゃないか」
「その通りだマコト。苦しめば苦しんだだけ成長する…応援するゼ」
だがシゲルの目は笑っている。
「…お前が転職した時、覚えてろよ」
そしてリョウジたちはダークゾーンへと踏み込んで行く。

5人と一羽はまったくのシロートではない。
光の失われたこの場所も、進むべき道は身体が覚えこんでしまっている。
初めてここに足を踏み入れた者が例外なくぶつかる壁も歩数を数えて回避できる。

やがて闇の中にひとつの光点が見える。
天井につけられたシャンデリアには魔力が封じ込められているらしく、常にエレベーター
内部を照らし続けている。
この技術ひとつをとってもワードナの法力を痛感させられたものだ。
だが、現在この迷宮の主は魔力を持っていないはずだ。
ならばこの魔法技術は創り出した者が消滅しても存在し続けるのだろうか?
謎は迷宮よりも深く、闇よりも暗い。
16013:04/03/28 03:01 ID:???
シンジ達は修行の最中です…。

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┃    |     ヽゝ゚ ‐゚ν  < カルキの呪文を唱えても消毒液臭い…
┃    |      ゚し-J゚     \________
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┃    |     从ノ从 从)   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
┃    |    ハG ゚Д゚ノ、   < アタシのツヴァイトは世界イチィィィィィィッ!
┃    |    从 ゚し-J゚ハ    \______
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16113:04/03/28 03:03 ID:???
>>154
酷いでしょう?でもいつかきっとバチがあたりますから。
具体的には地下10階で…バラしてどうするよ…。
>>155
保守ありがとうございます。

AA、誤爆ったかと思った…はぁあぁぁあ〜、良かった。
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
乙です

レイちゃん、一人なんだからKALKIじゃなくてPORFIC唱えましょうよ……
っていうか匂いってとれるの?
hosyu
保守
16513:04/04/24 02:01 ID:???
リョウジ達一行は最下層に辿り着いていた。
ここに来るまでに既に3回の戦闘をこなしている。
マコトにとっては貴重な経験だったが他の者にはさしたる収穫はない。
「こっから先はマヤちゃんや青葉君にも良い経験が出来るだろう。がんばってくれよ」
「私、2度位しか来た事ありませんけど、大丈夫でしょうか?」
「勝った。オレ三度目」
「生き残っているんだ。自身を持って、な?」
「はい」
5人と一羽はだらだらと続く通路をゆっくり進む。
「とりあえずここでテ食わす相手について説明しておこう。ま、ドラゴンと巨人とヘンな
動物に悪魔、そしてワケの解らないモノがいる。中には呪文がほとんど効かないやつもい
るから注意してくれ。作戦はオレか葛城が出す。遅れるなよ」
「かなりアバウトなブリーフィングですね。大丈夫ですか?」
「イザとなったら逃げるさ。心配するなって」
「魔法の効果がないんじゃあ、オレは高みの見物ッすか?」
「ここ一番!と言う出番があるかも知れないがね」
リョウジが意味ありげにニヤリと笑う。
「さて、ここだ」
一行の前に1枚の扉が見える。
「覚悟は…もう済ませてあるかい?」
扉に手を駆けたリョウジが3人の顔を順番に見る。
右手の親指を立てて見せるシゲル。
黙って頷くマヤ。
剣を抜いて構えるマコト。
ここまで来て逃げ帰るくらいなら、ハナからこの話には乗らない。
ふふん、と満足そうに笑ってリョウジが扉を押し広げる。

室内には何も無かったし何も居なかった。
「あれェ?」
シゲルの拍子抜けした声が木霊する。
「こいつは…運がいい」
リョウジが呟く。
16613:04/04/24 02:02 ID:???
「ここに今から魔物が出現する。出現直後の奴等は周囲を観察するためにしばらく行動
しない。必ず先手が取れるから安心しろ」
視界がぐにゃりと歪み浮遊感が襲ってくる。
次に圧迫感が一行を襲う。
「こいつァ、大物が出たかな?」
リョウジの声にミサトが応える。
「加持君、見て!」
ミサトが指差す空間に現れたモノ…それは全身を蒼い鱗で覆った化け物であった。
「グレーター・デーモン…初っ端からコイツ等が相手か」
「どうする?」
「いや、チャンスだろう。青葉君、ハマンを使ってもらうから準備しといてくり」
「ハ、ハマン、ッすか?」
ハマン。メイジクラス第6レベルの呪文で様々な効用を引き出せる。
ただしその代償として施術者の生体エネルギーを著しく消費させられる。
それゆえ「エナジードレイン」を自らに課すことと同義であり余程の事が無ければ使用
する者はいない。
それを使えとリョウジは言ったのだ。
「そうだ。アイツ等の呪文を無効にしなけりゃあ、危険なんでな」
「しかしぃ、それなら葛城さんの方が…」
「バカ!葛城さんはアイツ等を斬るために全力を出さなきゃならないんだ」
「あ、あぁ」
「頼りにしてるぜ、シゲル君。ひひひひひ」
迷宮に入ってからずっとやられっぱなしだったマコトが人の悪い笑顔を見せる。
「マヤちゃんはバマツで俺達の防御地価にを上げてくれ。日向君はペンペンと交代して
皆の治療に専念してくれ」
「相手は5匹!…ヘマしないでよ」
コテツを抜き放ったミサトがリョウジに囁く。
「了―解」
前衛に出張ったペンペンが甲高い鳴き声を発する。
その声は次第に高まり、やがてリョウジ達には聞こえなくなった。
すさまじい高周波がグレーター・デーモンに襲い掛かる。
16713:04/04/24 02:03 ID:???
一瞬動きの止まったグレーター・デーモンにミサトのコテツとリョウジのニンジャ刀が
襲い掛かる。
2体の魔物が蒼い体液をぶちまけてゆっくりと傾いでいく。
「まず、二匹!」
コテツを大きく振り魔物の血液を振り払いながらミサトが気合を入れる。
三匹の魔物がゆっくりと一行を見やる。
指の先に見える禍々しい爪をゆっくり振り上げると一声、吼える。
空間を振るわせるその咆哮は聞く者に恐怖心を抱かせ、一時的な混乱を引き起こす。
ペンペンの泣き声が物理的攻撃だとしたら、魔物達の咆哮は心理的攻撃である。
「ははは。懐かしいな、この感じ」
「後ろの三人組はそうでもないみたいよ」
見れば3人とも呆然と突っ立っている。
「ちィ」
素早く振り向いたリョウジが眼前で九字を切り一声叫ぶ。
「喝!」
ピクリ、と全身を震わせて正気に戻る3人。
「頼むぞ!」
魔物達と対峙しながらリョウジが怒鳴る。
「は、はい!」
そのリョウジの頭上に魔物の爪が振り下ろされる。
前に走り懐にもぐりこんだリョウジのニンジャ刀が魔物の腕を薙ぎ払う。
ごつ、と言う鈍い音がして弾かれるニンジャ刀。
すかさずリョウジの右手が懐に伸び、苦無を抜き出して放つ。
魔物の顔面に伸びる銀色の筋。
それを魔物のもう一方の腕が振り払う。
そこに死角が生まれた。
魔物の脚を踏み台にして跳躍したリョウジがニンジャ刀を横薙ぎに払う。
魔物の首がゆっくりと床に落ちる。
ニンジャの特技、クビキリである。
16813:04/04/24 02:04 ID:???
大きく脚を開いて腰を落としたミサトがコテツを肩に担いで魔物と対峙している。
どちらも目立った動きはない。
だがしかしジリジリと相手の間合いを計りながらにじり寄る様に移動しているのだ。
特にミサトは独特の歩法を用いている。
脚の指を曲げ伸ばしすることにより微細な動きで移動している。
何かが弾けた。
「おおおぉぉおぉおおおおお!」
ミサトの気合が大気を振るわせる。
それと同時に魔物が咆哮で応え、横殴りに腕を振るう。
一閃。
魔物の腕が真っ二つに裂け、その亀裂がすぅーっと身体にまで伸びていく。
「これで4匹!」
ミサトが大きく肩で息をする。

もう一匹はペンペンと寒々とした戦いを展開していた。
グレーター・デーモンはメイジ系5レベルの呪文を操れる。
その中でもマダルトを使う頻度が高い。
だがペンペンにも寒冷地生まれの特性で冷気のブレスがある。
膠着状態に陥った両者の戦いは魔物の方から放棄した。
不利を見て取るや否や魔物は仲間の召還を始めたのだ。
「よし」
リョウジが呟く。
後はシゲルのハマンが間に合えば…魔力と体力の続く限りグレーター・デーモンを斬り
殺せばいい。
この魔物との戦闘はべらぼうな危険を伴うので並外れた経験を積めるのだ。
代償は大きいがマコトやマヤの急成長には代えられないし、シゲルにとっても損はない。
ハマンの使用で損なわれるエナジーと引き換えに同程度の経験を積めるのだから、結果的
にはレベルが変わらず能力値が上昇する場合が多いのだ。
クラスチェンジを望むシゲルには願っても無いチャンスだ。
「問題は、どこまで踏ん張れるか、だがな」
16913:04/04/24 02:05 ID:???
早朝・地下迷宮の入り口。
夜晩の衛兵がアクビをかみ殺しながら目をしょぼしょぼさせている。
「お疲れさん、交代の時間だ」
「あぁ、ご苦労さん。やっと眠れるかぁ」
「何か変わった事は無かったか?」
「無い無い。…あぁ、そう言ゃああの『リョウジ』が出てきてないな…。新しいパーティ
を組んで入って行ったままだ」
チェックリストを読んでいた衛兵が目を丸くする。
「あいつが?まさか、全滅したのか…?」
「さぁなぁ。何しろマスタークラスに成り立ての奴等との急造パーティだからな…。いや、
女サムライもいたか」
「おいおい。そいつはすごいパーティじゃないか。そうか、あの2人がまたツルんだのか」
「…悪いが、ちょっと手伝ってくれないか?」
急に声をかけられ、慌てた衛兵が声のした方を見ると全身を真っ青に染めた男が2人の男
を引きずっている。
その後ろには女サムライが女を負ぶっているのが見えた。
「リョウジ!無事だったのか!?」
「何とかね。これもオレの善行の賜物だろうさ。それよりこの4人と一羽を宿屋まで運ん
でくれないか?」
「手配してやろう。…それよりその青…まさかあのバケモノと出会ったのか?」
「…50匹までは数えたんだが、後は覚えてない…それより」
「何だ?」
「タバコ、持ってるか?」
衛兵は驚き、次いで苦笑いをしながら巻きタバコを差し出す。
「これはオゴリだ。生還祝いのな」
「はは、悪いな」
歯でタバコの尻を噛み切り、衛兵の差し出す火に近づけて精一杯吸い込む。
「…美味い…。これがオゴリのいい所だよなぁ」
澄み切った空に紫煙が吸い込まれていく。
17013:04/04/24 02:08 ID:???
>>162
しばらくぶりです、またコソーリです。
お待ちいただいて感謝感激雨あられ。
>>163-164
保守ありがとうございます。
まだ終わったわけでも放り投げたわけでもありませんので
たまには覗いてみてください。
お待ちしてました!
お疲れ様です。
17213:04/05/05 06:35 ID:???
帰還してからリョウジは丸1日宿屋で眠った。
そして目覚めた時にはあの独特な感覚に見舞われていた。
「…そうか、俺もレベルアップしたのか…」
久しい感触であった。
ニンジャとなってからのレベルアップは片手の指で数えられる位なのだ。
これはリョウジが不真面目なためではなくニンジャというクラスの持つ特徴だ。
ニンジャのレベルアップに必要な経験値は他のクラスのそれに比べてベラボウに高い。
身体から疲労は抜け切っていない。
だが頭は妙にすっきりとしている。
枕元のテーブルから1枚の紙を取り出したリョウジはそれをおもむろに空中に放り上げる。
ぶ厚いカーテンで太陽光をさえぎられた薄暗い室内をひらひらと舞う白い紙。
一瞬リョウジの右手が閃いた。
その右手をしげしげと見入るリョウジ。
…何も持っていない右手を見つめて、ふんと鼻で笑う。
「こんなことが出来るまでになっちまったか…俺もいよいよバケモノの仲間入りだな…」
……床には、ばらばらに刻まれた紙片が散らばっていた……。

リョウジとは違ってミサトは元気そのものだった。
いつもより余分に睡眠時間を取ったものの、帰還した15時間後にはヤキトリを食べながら
ビールを飲み干していた。
ミサトにもレベルアップは訪れてはいたのだが、彼女にとってはソレに対する感慨よりも
ビールの方が重大だった。
無論この仕事を続けるにしろ新しい仕事をするにしろ「強さ」が必要な事は理解している。
けれど彼女にとって「それ」はひとつの方法であって結果ではない。
「コレよコレ!これがあるからこそ辛い仕事も何とかなるのよねぇ〜♪」
「姐さん!無事お帰りで何よりです。このツマミはオレのお祝いです。食べてやってください」
「じゃあおれはこのエダマメを…」
「姐さ〜ん、10階の様子を教えてくだせぇ」
ほろ酔い気味で良い調子になって来たミサトの周りに人垣が出来る。
17313:04/05/05 06:36 ID:???
この酔っ払いは、常日頃からあれこれとこんな連中の面倒を良くみていた。
金が無いヤツには飯と酒をおごり、剣術の業を磨きたいと言うヤツには手厳しく指導した。
喧嘩があれば仲裁に乗り出し(ミサト自身が大暴れする結果になる事もあったが)悩みを抱
えたヤツの話を根気強く聞いた。
そんなことを繰り返すうちにミサトは一目も二目も置かれる存在になっていた。
いいや、違う。
簡単に言えば、慕われているのだ…。

残りの3人と一羽は未だ休息の最中であった。
ペンペンは宿屋の離れに作られた特別室で休んでいる。
ミサトのマダルトによって氷の部屋と化したそこはペンペンにとっては何処よりも休まる。
3人は…それぞれ個室に放り込まれ泥の様に眠っている。
手間賃をたっぷりもらった客室係が時々覗いては汗を拭いたり頭を冷やしたりしている。
あの蒼い悪魔との闘いは彼等の精神と肉体に計り知れないダメージをもたらしていた。
その恐怖と疲労は一晩眠った程度では決して消えない。
彼等は直接戦闘に加わってはいないが、その場所に居てプレッシャーを存分に体験した。
張り詰める緊張感、悪魔の咆哮で震える空気、無限に襲い来る魔法、断末魔の叫び、
いつ終わるとも知れない試練の時間、そしてどちらが魔物かと思う程の圧倒的な強さを
見せ付ける前衛の闘い振り。
薄暗い迷宮の地下で見たリョウジとミサトの形相が脳裏に浮かぶ度に3人共うなされた。
3人は、ヒトに対して初めて恐怖を感じた。

それからまた1日が過ぎた頃、3人はやっと目覚めた。
記憶が混乱する中、用意されたスープをすすりながら伝言を聞かされる。
『懲りずにオレ達と冒険を続けるつもりなら、武具を整えて3日後に集合』
鉛の様に重い体を引きずり3人は集まって相談をした。
結果は決まっている。
「逃げちゃダメだ!」
17413:04/05/05 06:38 ID:???
マコトは見違える程に剣の扱いが上達していた。
未だ細緻な業を使いこなせてはいないが太刀筋に鋭いものがある。
マヤは呪文の習得が進み目標であるマディまでもう一息と言ったところだ。
シゲルは…ハマンを使用した後遺症から抜け出すのに苦労していたがその甲斐あって能力
が全体的に上昇していた。
「それでもニンジャにはなれないんだけどよ」
苦笑いしながらも目が笑っている。
何かを会得したのだ。
彼の目標としている「新しいクラスの創設者」はかなり近い、らしい。
歌って戦えるクラス…それがシゲルの思い描くモノだ。
「あのペンペンの泣き声とグレーター・デーモンの叫び声な。あれがヒントになったぜぇ」
シゲルはそう言ってニヤリと笑う。
彼等もまた夢を追い求める旅人なのだ…。

一方シンジ達は修行の最終段階に入っていた。
基礎を一通り終えて応用ともいえる段階である。
「応用とは言っても難しく考える必要はないぞぉ。一本のナイフはその使い方次第でイロ
イロなことが出来る。それと同じ事だぁ」
師匠は簡単そうに言うがシンジにはよく理解できない。
「ん〜。短期間での詰め込み教育の弊害だなぁ。最初の頃の方が自由な発想で期待が持て
たんだが…」
師匠がポツリと洩らした一言がシンジに暗い影を落とす。
ある意味でシンジは生真面目である。
教えられた事を必死で憶えようとする。
だがその生真面目さが視野を狭めて柔軟な発想を妨げる。
その結果、教えられた事を踏み外せずに応用の効かない「知識」のみになるのだ。
「知識も大切だが、智恵はもっと大切だぞぉ…」
今のシンジにはそんな師匠の言葉が問答の様に聞こえる。
シンジは壁にぶち当たっていた。
そしてそのまま時間だけが過ぎていった。
17513:04/05/05 06:39 ID:???
エヴァに関しては順調だった。
あれ以来、不思議なことに何とかシンジにも操る事が出来た。
アスカやレイとの模擬戦も可能となるくらい上達した。
リツコはエヴァを使用しての地下迷宮探索をキール王に具申して許可を得ていた。
後はシンジ達の決心次第である。

模擬戦を終えたシンジとアスカが一休みしている。
周りには誰もいないのでシンジはつい本音を口にしてしまう。
「…どうする?」
「どうするって、何を?」
「このまま、地下迷宮に降りてもいいのかな?って…」
「…アンタ、バカぁ?いまさら何言ってんの!」
「だって…だって、今のままじゃあ、僕…きっと2人の脚を引っ張るに決まっている…」
いつに無く真剣なシンジの声だったがアスカはやれやれと言う表情をする。
「そんなの、初めッから解ってた事じゃないの。今頃ナニ言ってんだか」
「そう…なの?」
「当ッたり前じゃない!アタシを誰だと思ってんの?天才の名を欲しいままにして来た
アスカ様なんだから、アンタ如きが脚を引っ張るのは当たり前なの」
「ははは…ずっとそう思ってたんだね…」
力なく下を向くシンジ。
「そ。だからアンタは自分のできる範囲でがんばんなさい。アタシが言ってあげられるの
はそのくらいね…」
その言葉に、オヤ?と言う表情を見せるシンジ。
どうやらいつもの憎まれ口以外のものを感じたのだろう。
言葉を続けるアスカ。
「アンタってば、いつも下ばっか見てるでしょ?それじゃあ視野は広くならないわよ」
「え?」
「たまには胸を張って上を見てごらんなさい…きっと違うものが見えるから」
「…そう、かな?……うん、そうだね。多分、きっと…」
シンジは笑おうと精一杯努力してみた…。
17613:04/05/05 06:40 ID:???
やっと修行編(?)が終わりました。
次回からは地下迷宮編(仮題)です。
未だに戦闘シーンが上手くかけません。これからも必要最小限にしてごまかします。

>>171
ありがとうございます。
おかげさまでなんとかがんばっておりますです。
次回もよろすく。
乙です。
シンジ達もいよいよ地下迷宮入りですね。楽しみにして待つ。
17813:04/05/17 02:07 ID:???
朝靄の立ち込める中を3人の子供達が歩を進めていく。
緊張のためか、誰も口を利かない。
いよいよその時が来たのだ。
それぞれの思いを胸に、ゆっくりと地下迷宮の入り口に向かって歩く。
待ち受けるものは生か死か?
神ならぬ身には知る由もなかった。

「新入りかい?一番乗りとは気合が入っているじゃないか」
迷宮入り口の衛兵が声をかけてくる。
「当然!ここからアタシの伝説が始まるんだから。アナタ達も良ォく憶えておくといいわ。
惣流・アスカ・ラングレーの名前をね」
「こいつァ驚いた!口だけは一人前だぜ」
「いいじゃないか…。それより『遺言状』は書いているだろうね?一応決まりなんでな」
『遺言状』
危険の伴う地下迷宮の探索はあくまでも自由意志に基づく行動であり、キール王及びリル
ガミン市は何も強制しない。成功者に対しては十分な褒賞によって報いるが、不幸にして
途中で息絶えた者には何も与えられない。それを承知してこの冒険に参加するならば自分
の死後について一筆したためておく必要がある。遺品の送り先、財産の処理、ツケの後始末、
恋人への伝言…散文的で諸所雑多な事柄を書き残しておくのだ。そしてそれを酒場の主や
馴染みの女に預けておく。

「そんなモノ書く訳ないじゃない。言ったでしょ?ここで!アタシは!伝説を!創るの!」
自らの実力に何の疑いも持たないアスカにとって「万が一」にも自分が死ぬなどと言うこ
とは考えられないのだ。
シンジは…書いていた。
家出同然で出てきたシンジにとって身内と言えるものはない。
そこでシンジはリルガミンに着いた日に泊まった木賃宿の女将さんに託した。
レイは一言呟いただけである。
「私が死んでも代わりはいるもの」
17913:04/05/17 02:08 ID:???
「よォシンジ、いよいよ初陣だ〜なぁ。おいおいおいおいィ〜両手に花かよオイ?」
師匠がシンジの肩を叩きながら声をかける。
「そッそんなんじゃあ、ありません」
師匠はシンジの返事にはかまわずに辺りを見る。
「で?前衛組はどした?姿が見えないが」
「あの…迷宮内で落ち合う約束なんです」
その言葉を聞き師匠の眉がつり上がる。
「訳アリか…?新人離れしてるな。…まぁムリはすんなよ、命あってのモノ種だ」

通常、地下迷宮へはパーティ全員で入って行く。
その時に衛兵に顔見世を行っておくと何かと都合がいいからだ。
だが諸々の事情でそれをしたくない場合がある。
評判の悪い連中や、戒律の違う者とパーティを組む場合だ。
戒律。
それは個人の思想的分類とも言える。
善・中立・悪の三種類に分けられたソレはそれぞれのクラスにも影響している。
例えばニンジャはその職務の特性から悪の者しかなれない。…通常では。
反対にロードは善なる者しかそのクラスになれない。
そして普通なら戒律の違う者達が行動を共にする事はない。
なんとなれば戒律によって選択枝が限定され、万一の場合には戒律に反する行動をとらな
ければならない時がある。その場合、戒律を破った報いとして精神崩壊を起こしたり装備
していた魔法具の呪いを受けたりする。
人手が足りない場合でもなるべくならこんな危険は冒したくないのだ。

師匠の視線がシンジの後ろに向き、そこで凝固する。
「よ、シンジ君。昨日はきちんと眠れたかい?」
「おッはよ〜。んで、はじめましてぇ」
「リョウジ!…に、姐さん…まさかコイツ等の前衛って…」
師匠の言葉にリョウジはニガ笑いで答える。
「残念ながら違うのさ。ちょっとした知り合いでな」
18013:04/05/17 02:09 ID:???
口笛をひとつ吹くと師匠は天を仰ぎ、芝居っ気たっぷりに嘆いてみせる。
「オレの弟子はなんてェ規格外なんだ!すべてが新人の常識を超えていやがる!」
「もひとつビックリィな情報を教えよッか?シンジ君の名前、知ってる?」
ミサトが悪戯っぽく笑う。
「確か、イカリ……」
「心当たりはないかしら?」
ミサトの言葉に師匠がしばらく考え込み、そして次第に情けない表情になっていく。
「………勘弁してくださいよォ姐さん〜」
どうやら伝説の剣術師の名前に行き着いたようだ。
「…でな、お前さん達に協力して貰いたい事がある。迷宮の、どんな些細な変化でもいい。
気付いた事があったら教えてくれ」
「何か知っているのか?リョウジ」
「何かが始まっている…それだけだ」
リョウジの真剣な眼差しを受けて師匠はシンジの後姿を見た。
衛兵と二言三言言葉を交わしたシンジ達がゆっくりと地下迷宮に消えていく。
まるで吸い込まれる様に、何の違和感も無くその入り口から姿を消した。
そのあまりの存在感の希薄さに、師匠は思わず指を組み合わせて祈りの言葉を口にする。
「…願わくば彼等の前途に神のご加護がありますように…」
「意外に弟子思いなんだな」
「今のアイツ等、妙に影が薄かったからなぁ…あぁ!もっと色々教えてやるんだった」
「ダイジョーブイッ!あの3人、それなりに才能はあると思うわよォ?」
「それならいいんですがねぇ。何しろシンジのヤツは戦闘には向いていないみたいだし…」
「ま、いい。それより弟子思いのマスターに朝飯を奢りたいんだが?」
「そそ。ついでに今後についての話もしなくちゃね」
「じゃあ行こうか」
3人はギルガメッシュの酒場に向かって歩き出した。

「大司教様、操縦者達は指定の場所に到着しました」
「ではエヴァ達の転移を始めます。マロールの詠唱、急いで頂戴」
「了解致しました」
王立魔法技術局の地下施設に転移呪文が響き渡る。
18113:04/05/17 02:11 ID:???
地下迷宮の階段を降りて東に数ブロック移動したシンジ達は奇妙な光景に遭遇していた。
この地下迷宮に、数頭の犬を連れた老人が居たのだ。
「おや…これは驚いた…。近頃じゃあこんな子供まで此処に出入りしているのかね?」
子供、と言う単語に強い反応を示したアスカを制しながらシンジが老人に尋ねる。
「あの、ここで何をしているんですか?」
丁寧な物腰のシンジに対して好奇の視線を向けながら老人は答える。
「ふふふ。この犬達を使って狩りをしておるのじゃ…。ここには小銭を貯め込んだ盗人共
が隠れているでな。そいつ等を退治して上前をハネて生活しておるのよ」
「あの、こんな犬が、ですか?」
「唯の犬ではない。これでも魔物の一種でな、ワシが調教しておとなしくさせておるのよ」
老人が乾いた笑い声を出す。
老人が犬の耳元で何か囁くと、犬の瞳がたちまち紅く変わり口の端から二本の牙が生える。
低い唸り声と共にシンジを見る視線が先程とは異なって凶悪な光を帯びていく。
「ふぁふぁふぁ…如何かな?なかなかのものだろう」
老人がまた犬の耳元で囁くと犬は元のおとなしい姿に戻った。
「すごいですね…」
素直に驚嘆の言葉を洩らすシンジに、老人はまた愉快そうに乾いた笑いを発して忠告する。
「まったく素直な子じゃて。老人からの忠告を憶えておくがいい。油断禁物、じゃぞ」
「は、はい。ありがとうございます」
シンジの言葉にまた笑い声を上げる老人にお辞儀をしてシンジ達は更に東に向かう。

「リツコさんに指定された場所、ここ、だよね?」
行き止まりになった通路の前でシンジは呆然としていた。
隠し扉がある気配もない。
「アンタ、本当に探したの?緊張して見過ごしたんじゃあないんでしょうね!?」
アスカはシンジの能力をあからさまに疑っている。
「来たわ」
レイの声と共に壁がほんのりと明るみ、低い地鳴りと共に壁が競り上がっていく。
闇の向こうから3体のエヴァがゆっくりと近付いてくる。
王立魔法技術局の地下で見慣れたエヴァだが、ここ地下迷宮ではその禍々しさが
更に強調される様に思えた。
18213:04/05/17 02:14 ID:???
>>177
ありがとうございます。
さて、地下迷宮編です。
リョウジ達が先行して迷宮を紹介していますから、シンジ達には
もう少し違ったモノを体験させてみたいものです。
それではおやすみなさい
あおいせいはちめんたい
保守
エヴァのウィズ誰かつくってよ。
18613:04/07/24 04:35 ID:???
「ちょっと言っておきたいコトがあるんだけれど」
ティアラを装備しているシンジ達にアスカが話しかける。
見れば腰に手を当てて精一杯胸を突き出している。
「このパーティのリーダーはアタシ…文句、無いわね?」
一瞬、シンジの動きが止まる。
そう言う事は一切決めないままで地下迷宮に入ってしまった事を思い出したのだ。
訓練期間はずっとリツコの指示に従ってきたが、ここに彼女はいない。
誰かがリーダーにならなければならなかった。
師匠が言っていた言葉を思い出す。
〜パーティを組んだら自分と仲間の技量を確かめて補い合え〜
やれやれと思いながらレイを見やるがその表情からは特に強い不満を持ってはいないようだ。
「はい決まり!では早速あの扉に向かって前進!」
アスカが高らかに宣言する。

扉の前まで来ると、アスカがもう一度確認する。
「いい?扉を開けたら速やかに戦闘体制を取ること。ファーストが左でシンジが右ね。後
は相手の出方次第、って所ね。…質問、ある?」
無言の2人を見てアスカはゆっくりと扉にかける。
「じゃあ行くわよ…う、あれ?…ツヴァイト!」
どうやら扉が重たくて押し開く事が出来ない様だ。
「ちょっと待って」
腰の皮袋から小道具を取り出しながらシンジが扉の前に歩み寄る。
扉の隙間に薄い金属板を差し込み、ごそごそと動かしていたシンジが意外な事を告げる。
「鍵だ…」
「鍵、ですってぇ!?そんな話、聞いてないわよォ!」
「…僕も、初めて聞いた…でも、鍵って言っても…突っかえ棒みたいな…ううん、閂みた
いなものだけど…」
「開けられるんでしょうね」
「うん…でも、音が出ちゃうよ…」
「生ッ意気ィー!どこからそんな知恵が出たのかしら」
18713:04/07/24 04:36 ID:???
「で…どうするのさ」
膝まずいたシンジがアスカを見上げて尋ねる。
「決まってるじゃない!…開けるのよ」
「でも、先手、取られるよ?」
「アンタはそんな事心配しなくてもいいのッ!」
ブツブツと不平を言いながらシンジがショゴウキを呼び寄せる。
細身の刀を抜いたショゴウキがその刀身を扉の隙間にこじ入れ、ぐいっと押し上げる。
ごん…ごごん
扉の向こうで鈍い音が反響する。
「行くわよ!」
そう叫んだアスカとツヴァイトが扉を押し広げて部屋に飛び込んでいく。
やや遅れてレイとゼロが、次いでシンジとショゴウキが左右を固める様に続く。

薄暗い室内には既に殺気が充満している。
侵入者の存在を知ったこの部屋の主達は、既に戦闘準備を整えていたのだ。
先日、リョウジ達に手痛い打撃を受けた盗賊団は復讐(あるいは八当り)に燃えていたのだ。
その素早い体術と多数を頼んだ波状攻撃は、余程の腕自慢でもない限り無傷ではすまない。
見てくれこそ派手だが、動きの鈍い前衛とヒヨッコとさえいえない後衛…。
男達は奇妙な雄叫びを上げながらその風変わりな獲物達に突進して行った。

「ナメんじゃないわよーーーッ!」
アスカの罵声が響く。
後衛の、それもメイジの役割も忘れてツヴァイトのコントロールに没頭しているのだ。
先頭で飛び込んだツヴァイトには四人が交代で攻撃を仕掛けている。
そのコンビネーションは見事という他は無く、逆にその猛攻を捌くアスカをこそ褒めるべきであった。
レイは…ゼロは3m足らずの金属棒を振るってシンジ達の後方に回り込もうとする一団を押し返している。
シンジとショゴウキは…度々その身体に短剣による斬撃を受けていた。
いつしかシンジはその右手に短剣を握り締めていた。
18813:04/07/24 04:37 ID:???
シンジの視界…無論ティアラを通して知覚するショゴウキの視覚なのだが…には様々な角度から繰り出される短剣の煌きが映っていた。
そしてその軌跡が近付くと激痛が走る。
ショゴウキの受けたダメージがティアラを通じてシンジにフィード・バックされるのだ。
リツコから事前に説明を受けていたし、頭では理解できているつもりだった。
だが、いざその時になってみると身体が、精神が勝手に反応してしまう。
自分の肉体には何の損傷もないのだと強く念じても痛みは持続し、流れ落ちる汗が流血を想起させる。
これは汗だ!そう思おうとしても心がそれを認めない。
自然に手が傷口に伸び、じっとりと滲んだ汗の感触が更に流血を想起させる。
恐怖が胸に広がり、ショゴウキとのシンクロが弱まっていく。
その一瞬の隙を突いて盗賊の一人がショゴウキの足元を転がってすり抜ける。
シンジの視覚がスローモーションのようになる。
石畳の床から片膝を付いた男が立ち上がろうとする。
右手にはギラつく短剣が見える。
方向を見誤った盗賊の眼がぎょろりと辺りを見回して…シンジと視線がぶつかり…ニヤリと笑った。
シンジの硬い表情から新米であることを悟ったのだ。
シンジの全身の毛が逆立ち、無意識のうちに身体が動いた。
師匠の元でひたすら繰り返した「殺すための技術」
敵の武器から遠ざかりながら死角に入り素早く短剣を繰り出す。
短剣の切っ先は驚く程滑らかに盗賊の咽喉に突き立ち、そして。
がちりという手応えがあり切っ先の侵入が止まる。
頚椎にぶつかったのだろう。
盗賊の眼が大きく見開かれ、タコの口の様に唇がすぼまる。
「いィ」
言葉にならぬ小さな音を発して盗賊の眼球がぐるりと上方に動き、ゆっくりとその場に
崩れ落ちていく。
硬直したシンジの手は短剣を握り締めたまま離さない。
盗賊の咽喉は、自らの身体の重みによって切り裂かれていった。
18913:04/07/24 04:39 ID:???
絶叫。
返り血を浴びたシンジの声帯が最大の音量で最長の時間震えたのは一瞬後だった。
鼻からは生臭い匂いを感じている。
左手が濡れた顔に触れ、その感触を確かめる。
薄暗い地下迷宮に慣れた眼がその手についた赤いモノを認識する。
そして…足元に崩れ落ちている「物体」を見た。
先程まで殺意を持ってシンジを見ていた盗賊を、シンジが「殺した」のだ。
シンジはパニックに陥っていた。
シンジは元々争い事が嫌いだった。
地下迷宮に挑む事が決まってからも直接戦うことになろうなどとは思っていなかった。
…エヴァがいるじゃないか…
前衛として圧倒的な能力を持つ戦士に戦闘を任せておけば、自分の手で何かを殺す事に
なるとは思ってもみなかったのだ。
だが現実はあっさりと、完璧に、シンジの思惑を裏切った。
ナイフを握り締めた指を必死になって左手で引き剥がすシンジ。
その時、動かなくなったエヴァの横を走り抜けて盗賊の仲間がシンジに迫る。
「シンジッ!」
だがアスカの怒鳴り声も今のシンジには聞こえない。
その時突風がシンジの額をかすめ、皮膚が切り裂かれ一筋の血が流れ落ちる。
鋭い痛みがシンジのパニックを一瞬、止めた。
屈めた上体はそのままで上目使いに前方を見ると人間の足がある。
視線をゆっくりと上方にずらす。
革鎧をつけた胴体が…真っ二つに横断されてゆっくりと倒れていく。
そしてその向こうには、刀を水平に構えたショゴウキがシンジを見据えていた。
紫の兜から覗く双眸が不気味な光を放っている。
それも一瞬のことであった。
ショゴウキは咆哮と共に振返り盗賊達に刃を向けた。
急激な脱力感に襲われたシンジはへなへなとその場にへたり込む。
盗賊達はたちまちに逃走し、シンジ達の「初戦闘」は終わった。
19013:04/07/24 04:45 ID:???
ご無沙汰しております。
こんな内容なので、ほとぼりが醒めるまで待ってみました。

>>183
…思い当たるフシが多すぎてどう反応していいやら…
と思ったらWiz的表現ですね。…でも…あれぇ?感付かれた…?まさかね。
>>184
保守ありがとうございます。
>>185
それはアスキーさんに許可を取らなければ…。

ではまた。
191183:04/07/24 23:44 ID:???
>>190
ぬあ!?なんかネタバレに引っかかってましたか?
ただの保守ついでの不確定名ネタだったのに…
更新おつ!
これでシンちゃんも汚れてしまったのね・・・・・・
19313:04/07/25 00:05 ID:???
>>191
いえいえ、他所のスレでちょっとやっていた話が…モゴモゴ…。
ちょうどタイミングが良かったものですからw

大丈夫です…のはずです。
いや、いっそそっちを選択した方が上手くいくかも?
19413:04/07/25 00:15 ID:???
>>192
「碇、早すぎるのではないか?」
「いつかは通らねばならない道だ。…問題ない」

てな会話があったやも知れません。
でもこういう話はエヴァには似合う、と言うかテーマのひとつですよね。
ずーっと準備中wの「バトロワ」物でもこういうエピソードをじっくりと
掘り下げたいと思います。

ん〜、あまり堅苦しい話を長レスしてもアレですからやめときましょうか。
次回、まだまだシンジの闘いは続きます。
心がばらばらのパーティに降りかかる困難を御覧ください。
能書
19613:04/08/07 23:29 ID:???
「やりィ!」
盗賊達が逃げ出した後、ヘタり込んだシンジを尻目にアスカが喝采を挙げる。
恨めしそうにアスカを見るシンジにレイが近付く。
「治療の必要、ある?」
ショゴウキの斬撃で出来た額の傷口を確認している。
「い、要らない…こんな傷、ケガの内には入らないから…」
そう、とそっけなく答えるとレイはまた距離を置く。
そんな2人のやり取りを横目で見ていたアスカが当然の様な口調で「命令」を出す。
「ほーら、シンジ、アンタの出番よ。さっさとこの箱開けてよね」
その声に逆らうでもなく、モゴモゴと何かを呟きながら木箱の前に進むシンジ。
鼻に付く血の匂いが気になるのか、袖でごしごしと顔を拭う。
「痛ッ」
顔の皮膚が引っ張られて額の傷口が更に広がったのだ。
眉間を血が伝い落ちるのが解る。
腰の道具入れから白い布を引っ張り出して頭に巻きつける。
ふと自分の右手を見てそれを鼻先に持っていく。
「血の匂いだ…」
そう独語するとシンジはズボンの尻に右手を何度もこすりつけた。
やっと安心したのだろう、シンジは深呼吸をひとつして木箱全体を眺めて見る。
湿気を帯びてすっかり変色したそれからはさしたる危険を感じなかった。
無造作に木箱に触れようとしたその時、師匠の言葉がシンジの脳裏に響く。
『一番怖いのはなぁ、慣れだぜ?ある程度の経験を積むと人間て奴は驕りが出ちまうもんだ』
「はい、師匠…」
自分の頭を拳で小さく叩くと、シンジはもう一度丁寧に木箱の観察をやり直した。
基本通りに、慎重に、ひとつひとつの手順を確かめながら罠の確認と開錠作業を続ける。
だがアスカにとってそれは実に緩慢な作業に見えた。
こんな場所でそんなに大層な罠が存在するはずがない、と言うのが彼女の考えだった。
「ちょっとォ!こんな所で時間かけてらンないのよッ!」
苛立ったアスカがつま先でこつんと木箱を蹴る。
19713:04/08/07 23:30 ID:???
「!」
「あ」
「え?」
アスカの行動にレイとシンジが反応し、その空気をアスカが察知したその時。
ごくん、と言う音を立てて木箱の蓋が開き、その隙間から何かが飛び出した。
薄暗い空間の中でシンジがその物体をちゃんと見極められたのかは不明だが、のけぞる様にして回避行動をとる。
驚いた事に、シンジはその物体に視線を向けていた。
のけぞり、身体を捻り、首を倒しながら、シンジは自分に危害を加えるかも知れないその
物体を視界の隅に捉えていた。
これは師匠の元で身につけた技術の一つである。
恐怖で目を閉じてしまっては貴重な視覚情報を失い、かえって危険から脱出できない。
無論、戦闘にも活かせる技術なのだが、シンジはこの教えを十分に発揮できていない。
ごぃん
鈍い音と共にその物体が進路を変えた。
感情の乏しいレイの目が僅かに見開かれ、そして駆け出す。
崩れ落ちるシンジ。
がちん ごん ごろごろ
壁石にぶつかって床に落ちたそれは拳程の大きさの石つぶてだった。
駆け寄ったレイがランタンをかざしてシンジを照らす。
力なくぐったりと床に横たわったシンジの右側頭部がはぜたザクロの様になっている。
出血はもちろんあるが、それよりも頭蓋骨が陥没している事の方が10代である。
シンジの鼻からは、血に混じってなにやら灰色のゼリー状のものが流れ出していた。
シンジの頭部に右手を当てて素早く治癒呪文を唱えるレイ。
「ア、アタシ…」
レイの肩越しにシンジを見ながらアスカが声をかける。
「治療呪文は使い果たしたわ。傷の手当ても応急処置程度。エヴァも二体が活動停止」
アスカが慌ててツヴァイトを振り返る。
自分が招いた危機に動揺したアスカはその思念を制御できなくなっていた。
そのため、一時的にではあるがツヴァイトとのシンクロ率が低下してしまったのだ。
そして主が重傷のショゴウキも…。
19813:04/08/07 23:31 ID:???
「どうするつもり?」
シンジの容態を診ながら再びアスカに問うレイ。
「どう、って…そりゃあ…そうね、撤退しましょう」
感情のこもっていないレイの言葉に気押されたアスカは一瞬躊躇したが賢明な選択をした。
失敗に失敗を重ねる事は単に恥ずべき行動だ。
ポーチから包帯を取れ出したレイがシンジの頭に手際よく巻きつけていく。
だが包帯を巻き終えてもレイはしばらくその場を動かなかった。
そしてもう一度ポーチからハンカチと液体の入った小瓶を取り出す。
「時間がないんじゃないのォ?」
「血で汚れているから」
そう答えたレイがハンカチを小瓶の水でぬらし、シンジの顔や首筋、そして上着を拭く。
「優しいコト…」
腕組みをしていたアスカはそう皮肉ると蓋の開いた木箱に近付く。
何がしかの戦利品を持ち帰ろうというのだ。
「ショゴウキとツヴァイトはゼロが運ぶわ」
木箱の中にあった金貨を数えながら振り返るアスカが怪訝そうな顔をする。
「作業に集中できないから」
だからアスカがシンジを背負わなければならない、と無言で促している。
シンジをキレイにしたのもアスカの服が血で汚れない様にとの配慮なのだ。
レイの中では既に行うべき事項が明確になっている。
そこまで気付いたアスカはフン、と鼻を鳴らす。
「ふーん、何もかも決定済みってワケね」にじゅうに
それに答えることなく立ち上がると、レイはゼロを操ってショゴウキとツヴァイトを運び始める。
「撤収、急いで」
扉を出ようとしたレイが振り返ることなく声をかける。
「やってるわよッ!」
ピクリとも動かないシンジを必死に引き起こしながらアスカが怒鳴る。
少しでも意識があり、協力する気がある相手であればここまで苦労はしない。
死体モドキを運ぶ、というのは大変なことなのだ。
19913:04/08/07 23:32 ID:???
レイがエヴァ達を召還門まで送り届け、その間アスカはシンジを護衛し待機する。
実にシンプルな行動計画であったが、当事者が必ず実行するとは限らない。
2体のエヴァを召還門に担ぎこんだレイがふと振り向く。
薄暗い通路の向こうに意識を集中させて何事かを探っている。
「いけない!」
そう叫ぶと手早く門を閉め、ゼロと共に通路を駆け出す。

「折角の、初陣が、台無し、だわッ!」
息を荒げてアスカが文句を言いながらシンジを引きずっている。
シンジの上体を起こし、脇の下に両手を差し込んで後ろ向きに移動していく。
比較的丁寧な引きずり方はアスカなりの気配りなのだろう。
「おや、もうお帰りかな?」
突然の声かけに一瞬立ちすくむアスカ。
「おぉ、驚かせたようじゃな。すまんすまん」
声の主は犬使いの老人だった。
「あぁ驚いた…まだ居たの?お爺さん」
足を止めてアスカが笑顔で応える。
「獲物が来るまでは動かんよ」
老人が乾いた笑い声を出す。
「今日も手ごろなカモを見つけたから待っておったのじゃ。案の定じゃったわい。それ!」
言うが早いか老人が首輪をはずすと犬達がシンジ達に襲い掛かる。
この老人も「敵」だと悟ったアスカが腰の短剣に手を伸ばしたその時。
ヴん、と言う低い音と共に何かが飛んできた。
それは二頭の犬を貫きながらなおも進み、昇降階段近くの壁に突き刺さった。
ゼロが投擲した金属棒である。
石畳の通路を駆け抜ける足音、ふたつ。
残った二頭の犬がゼロの腕に牙を立て、身体を捻りながら肉を食いちぎろうとする。
意にも介さずその犬達を腕ごと壁に何度も叩きつけるゼロ。
老人の前に立ったレイが非情の棍を振るう。
こうしてアスカたちの危機は救われた。
20013:04/08/07 23:36 ID:???
>>195
こういう地味な場所では能書きでもいれなくちゃあ間が持ちませんw

今回は…もう少し、犬達を丁寧に書きたかったですね。
でも重体のシンジとアスカでは時間をかけた戦闘になると間違いなく
噛み殺されますから、あっさり倒されてもらわねばなりませんでした。

うーん、残念。もちっと工夫したかった…。
ではまた次回。


あ、200げとw
gj
地味に更新待ってます。
お待ちage。
でも、sage。
20313:04/08/24 02:57 ID:???
老人の頭髪と血がへばりついた棍を手に、大きく肩で息をするレイ。
「えぇっとォ…」
バツの悪そうなアスカがどうにか話しかけようと口を開く。
が、それより早くレイの右手がその頬を打つ。
「な、何すンのよッ!」
「どうして勝手に行動したの」
「シンジを早く手当てしようとしただけじゃない!」
「2人共死ぬところだったわ」
「そんなの、結果論よ」
「本当にそう思っているの?」
「…」
正論を前に沈黙するアスカ。
「リーダーを名乗るなら、自分だけの思惑で行動しないで」
そういい捨てるとレイはゼロにシンジを担がせると階段へと歩き始める。
「何さ、いい子ぶっちゃって」
取り残されたアスカはそう毒付くと、遠ざかるゼロの足音を追いかけていく。

「1000ゴールドぉ?」
シンジを診たてた宿屋専属の薬師によれば「いっそ死んでいた方が安上がり」なのだそうな。
死亡した状態であれば、高いお布施を支払えばカント寺院の僧侶による祈祷により蘇生
(失敗することもあるのだが)させる事も出来る。
だが肉体の著しい損傷だけでは、特別な場合を除いて門前払いとなる。
これは他のギルドとの関係を重視した為の措置なのだ。
考えてみればいい。
あの「マディ」というおよそ全ての肉体的・精神的苦痛を全快させる呪文が無条件で使用
されたなら、世の中の医師・薬師達の商売はどうなるだろうか?
否。戒律や布令などと言う厳しくも抗いようの無い制限がなければ、その代価を支払えない
者達の不満はどこに向かえばいいのだろうか?
この不合理も現在のこの世界には必要なのかも知れない…それがずっと続くかどうかは別にして。
20413:04/08/24 02:59 ID:???
「よォ!ねーちゃん!!ビールだよビール!早く持ってきやがれってんだ!」
ギルガメッシュの酒場に怒声が響く。
ドラムロがカラのジョッキを振り回しながら怒鳴っている相手はアスカである。
ギルドの口利きにより、シンジの治療費を稼ぐ為にウェイトレスとして働いているのだ。
「うッさいわね!お客さんはアンタだけじゃないんだからねッ!」
「テメェ、それが客に対する態度かってんだ!」
「悔しかったら好かれる様なカオになってみなさいっての!」
ぽんぽんと捲くし立てるアスカに顔を真っ赤にしたドラムロが罵声を浴びせ、それをまた
何倍にもしてアスカがやり返す。
どっと沸く周囲の客達。
「思わぬ拾物かな…」
そんなアスカを見ながらカウンターで老ウェイターが呟く。
「ま、コキ使ってください。良い勉強にもなるでしょうから」
「そうさせてもらうよ。…ココは活気が無けりゃいけないからね」
グラスの中身を一気にあおるとリョウジは店を後にした。

「それでツヴァイトは活動を停止したのね?意外に脆いのかもね、アスカも」
魔法技術局・地下実験室ではリツコがレイの報告を受けていた。
「碇君は一週間は動けないそうです」
煙管を弄びながらリツコが思案に耽る。
無言で待つ、レイ。
「…計画の遅延は避けなければならない……レイ」
「はい」
「これから仮眠を取りなさい。それからこれをアスカに」
「はい」
リツコの言葉は甚だ説明不足だが、レイにはその意図する所が解っていた。
「また」闇の世界での生活が始まるのだ…。
20513:04/08/24 03:01 ID:???
リツコ大司教の実験の手伝いがあるからしばらく顔を出せない…そう言ってレイがアスカ
に手渡したのは金貨の入った袋だった。
「…何、コレ?」
「実験の手間賃。碇君の治療費の一部に、って大司教が」
「…全額出してくれりゃあいいのに」
「…じゃ、私、行くから」
用件だけ伝えると、ふいっと踵を返して歩き出すレイ。
「ファーーースト!…シンジの様子、どう?」
脚を止めて、だが振り返らずにレイが答える。
「知らない…会ってないもの」
「…意外に冷たいのねぇ」
少し驚いた様なアスカの声。
「碇君は…人間は、あの程度では死なないわ」
そういい残すとレイは歩き出す。
その背中にまたアスカが声をかけたが、レイは2度と振り返らなかった。

「既にツヴァイトはアスカによる干渉が強く刻まれているようね。仕方が無いわね…レイ、
計画を変更するわ」
気の早い年寄り達なら既に寝床に入っている時間。
王立魔法技術局・地下実験室にリツコの声が響く。
「ゼロとショゴウキの同時機動、やれるわね?」
「はい」
「前衛として私も行きます。準備を」
「はい」
感情の無い、抑制された声。
そして急ぐでもなく渋るでもなく、流れるような無駄の無い動作で部屋を出る。
昇降機を降りて与えられた私室に向かう途中、窓から月が見える。
夜空に瞬く星々を圧倒して地上を照らす紅い月。
また、この世界の住民になった…一瞬、レイの表情が曇る。
月は無慈悲な夜の女王なのだ。
20613:04/08/24 03:01 ID:???
レイが装備を整えて地下実験室に戻ると、リツコは既に準備を終えていた。
左手に小さな盾、右手に絡みつく蛇の装飾が施された杖を持っている。
良く見れば指にはいくつもの指輪がきらきらと輝いている。
そして頭部にはちんまりとした兜まで乗せているのだが、異彩を放っているのは…。
純白の法衣は相変わらずだがその下に革製の鎧を着込んでいる。だがしかしその鎧という
のがこれで防具の役割を果たせるのかと疑問に思えるデザインなのだ。胸当ては隆起した
乳房を半分も覆い隠せず、ぴっちりと肉体に密着したシルエットは急所を容易に推測させ
直垂は無いも同然でその白い太腿を露に晒している。足元をみれば、下腿を硬く守っては
いるもののこれで機敏な行動が出来るのかと思われる程に踵が高く細い革製のブーツ。
とても戦いに臨む格好ではない。
だがしかし、これぞ遠く昔に失われた「チャーム」の魔力を秘めた魔法具なのである…。

「行くわよ」
そう言ってリツコは「マロール」の呪文を唱え始める。
自分が現在いる空間と目標とする空間を瞬時に繋げてしまう、究極の移動呪文である。
メイジ7レベル…つまり最上級呪文を惜し気も無く使用する辺り、流石は大司教…と言い
たい処だが、それだけではない。エヴァ3体を転移させた時は魔法技術局の司教達が数人
掛かりで行っていた事を憶えておられるだろうか?エヴァ2体とは言え、リツコはそれを
一人でやってのけるのである。その魔力は計り知れない。

マロールの初体験者によれば、呪文の詠唱が始まると周囲が真っ白い光に包まれ、やがて
その光の中に黒い穴が生じる。そしてその穴が見る間に大きく広がって暗黒に包まれる。
浮遊感と共に身体の裏表がひっくり返る様な感覚が襲い、やがて視界に白く眩しい光が
見えるとそこはもう目的地なのだと言う。
だがレイはいつもの様に無表情のままじっと前方を見つめている。
間違いない…レイは既にコレを体験しているのだ。それも何度となく。
そしてそれはリツコの言葉によって証明された。
「いつもの様にやればいいわ…地下2階の地図は頭に入ってるわね?」
「はい、問題ありません」
レイの視界には見慣れた迷宮が広がっていた…。
20713:04/08/24 03:02 ID:???
>>201
今回は変にウケを狙った箇所があってふいんき(ryを壊しそうになりますたw
いや、壊したか?反省反省。
>>202
2週間で投下できました。この調子でがんばれば「ファミコン必ず勝つ本」ペース…
にはならないなぁ。本当は週刊ペースにしたかったのにw

ではまた自戒いや次回。
おお、朝っぱらから覗いてみれば新レスが来てた。グッジョブ
こっちものんびり見てるから、無理せずにやってくれ。
209名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/09/06 17:24 ID:D9OHnYSr
age
ほしゅほしゅ
やっぱマーフィーズ・ゴーストだろ。
21213:04/09/21 01:33:31 ID:???
>>208
ありがとうございます。
パソコンの調子がもンのすごく悪いのとサイト立ち上げに手間取り遅れております。
もうしばらくお待ちください。
>>209-210
保守、ありがとうございます。
>>211
あぁん、それはまだダメ(w
もうしばらく…と言うか、もっと先です。

以上、保守点検がてら失礼します。
21313:04/09/27 01:59:21 ID:???
地下迷宮2階。
たった一つの階段を降りるだけでその世界は一変する。
例えば『敵』となるモンスター達の出現頻度や特殊攻撃が辛らつになる。
毒や麻痺といった状態は、アイテムや治療呪文が無ければ時間と共に確実に死を招く。
その上出現数が多く、その執拗な攻撃は暴風雨さながらである。

そんな状況の中に、エヴァを伴っているとはいえたった4人で挑もうというのだ。
…おそらくはリツコの攻撃呪文によって手早く叩き潰すのであろう…。
だがそれにしては隊形がおかしい。
リツコが前衛に位置しているのだ。
「レイ。落ち着いてエヴァを操りなさい。雑魚は私が引き受けます」
ラツマピックの呪文を唱え終えるとリツコが声をかける。
「はい」
「行くわよ」
「はい」
一行は静かにフロアを北に進む。

扉を押し開けた一行の前に姿を現したのは、ぶくぶくと泡立った生物と小さな動物だった。
バブリースライムとボーパルバニーである。
バブリースライムは…はっきり言って弱い。
だがボーパルバニーはクリティカル攻撃を有し、一瞬の油断が命に関わる。
可愛らしい外見に騙されてはいけない…。

ずいっ、と前に出るゼロとショゴウキ。
深く膝を曲げた前屈位で諸手に大剣を携えたショゴウキと、金属製の棍棒を半身に構えたゼロ。
じっと睨み合う2グループ、そして。

ぴょん
愛嬌のある動きと共に魔物達が動き出す。
21413:04/09/27 02:00:09 ID:???
総勢8羽のウサギがぴょんぴょんと跳ねながら近付いていく。
単に近付いているのではない。
ゆっくりと間隔を取り、通路一杯に広がっている。
そしてエヴァ達まで後5mと言う所に近付くと、突然その四肢を使って突進を始めた。
強靭な後足が軽量な身体を一気に加速させる。
3羽のウサギがショゴウキに襲いかかろうとしたその時、ショゴウキの剣が左右に振られた。二つの死体が転がる。
だがその間隙を縫って残りの一羽がショゴウキの咽喉笛めがけて突っ込む。
大きく振り切った剣は間に合わない。
寸前、ショゴウキは小さく頚をのけぞらせるとその兜ごと顔面をウサギに叩きつけた。
ぐしゃり
鈍い音を立てて白い身体がゆっくりと床に転がり、じわりと朱に染まる。
一方ゼロはその金棒を前後にしごいて次々にウサギ達を肉塊に変えていく。
その様子を横目で見ながら、リツコは果敢にも杖を振るっている。
マスタークラスともなれば、この程度の相手には攻撃魔法は無用と思ったのだろうか?
2羽目のウサギの咽喉に杖の先端を突き刺しつつ、叫ぶ。
「上!」
レイが頭上を振り仰ぐ。
と同時に暗闇の中から、だらりと何かが落ちて来た。
バブリースライムである。
思えばウサギ達のゆっくりとした前進は、バブリースライム達が獲物の頭上に達するまでの時間稼ぎだったのだ。
もし戦闘中にコイツ等がレイを虜にしていたならば、果たしてエヴァはあの動きが出来たであろうか?
ぶつかった衝撃でスライムの身体は無数の触手を垂れ下がらせている。
そしてその触手をレイの身体に絡ませながらじわじわと締め付ける。
「くっ」
鮮やかな紅色のゼリーに上半身を覆われたレイの呼吸が詰る。
そしてもう一体のスライムが落下してくると、レイは自分の身体を支えきれなかった。
21513:04/09/27 02:01:08 ID:???
落下エネルギーを利用したその攻撃は普通ならどうと言う事もないものである。
だが呼吸を止められた状態が続けばその重みさえ跳ね返すことが困難になる。
そしてそれ以降がこの魔物の本領を発揮する場面なのだ。
床に這いつくばった獲物を締め付けながら、自重によってゼリー状の身体を広げていく。
十分な広がりを待って獲物の全身を包み、そしてゆっくりと消化するのだ。
運の良いモノはその恐怖から逃れることが出来る…窒息死と言う形で。
だが体力のあるモノは、生きたままこの魔物に喰い尽くされるのだ。
自分の肌が解け、肉を抉り取られ、骨をしゃぶられる様を感じながら…。

ショゴウキの切っ先が眼前に迫る。
スライムの身体を切り崩そうというのだ。
だがそれは小刻みに震えている。
操縦者たるレイの意識がおぼろげになり美味く同調できていないのだ。
良くて裂傷、悪くすれば『死』もありえる。
だがレイは決断した。
ショゴウキの剣がゆっくりとスライムの表面に食い込んでいく…。
その時。
「燃やし尽くせや聖なる炎/邪悪なるモノその全て」
メイジ系レベル3の火炎系呪文がスライムを包み、2体のスライムは瞬時に消滅した。
「しっかりしなさい、レイ」
リツコが手を差し伸べる。
起き上がったレイの蒼い頭髪はあちこちが縮れている。
至近距離で発動したマハリトの余波をこうむったのだ。
「キャンプを開きます…しばらく休憩を取りなさい」
「はい…」
壁にもたれて膝を抱え込むレイ。
ポーチから紙片を取り出して先程の戦闘を書き留めるリツコ。
地下迷宮に静寂が戻った。
21613:04/09/27 02:01:42 ID:???
結界に囲まれた場所で休息を取りながら先程の反省点を指摘しているリツコ。
「戦闘に集中するあまり周囲への注意がおろそかになってはダメよ。今回の戦闘での反省点はそこね。貴女の最終的な目標は…」
「来る」
リツコの言葉をさえぎる様に呟いたレイが立ち上がる。
そして通路の奥に視線を向けると棍を手に身構える。
ショゴウキとゼロもゆっくりとした歩調で2人の前に壁を作る。
慌てて結界を解いたリツコの耳に何かを引きずるような音が聞こえた。
ぺたり ずるずる ぺたり ずるり
むおーん もぉーん
この泣き声には聞き覚えがあった。
その外見と相まって、強烈な印象となって脳裏にこびりついているのだ。
だがしかしアレは…。

暗闇の中から姿を見せたその魔物は記憶通りジャイアント・トードだった。
牛ほどもある巨大なカエルのバケモノ。
長い舌をムチの様に使って獲物を捕らえ、大口を開いて人間だろうが魔物だろうがその胃袋に納める食欲の権化。
タチの悪い事に、この魔物は毒まで持っているのだ。
それが5〜6匹も揃ってやって来る。

リツコは杖を壁に立てかけると法衣の中から鞭を取り出した。
ただの鞭ではない。
噂ではキメラの獣皮を原料にさる魔道師が2年かけて魔力を封印したと言われている物だ。
ひゆんひゅんと軽やかに鞭を振り回すリツコの表情は引きつっている。
接近戦はやりたくないのだろう。
ぱちーん、と言う甲高い音が迷宮に響く。
鞭の先端が音速を超えたのだ。
こうなると鞭の先端を視覚で捉える事は困難になる。
顔を引きつらせながらも、リツコは魔物達に鞭を振るった。
更新乙!!
あと少しはリツコとレイ編っぽいですね
アスカもアスカで自主訓練してそうだし、シンジ一人が置いていかれそうな気がしますた
保守
219猪狩シンジ:04/10/12 23:18:00 ID:???
age
ワードナを殺したぞと知人に電話をかけまくったWizマニアの矢野徹氏が亡くなられてしまいました。
合掌

作家の矢野徹さんが死去
http://www.asahi.com/obituaries/update/1013/003.html

書 名 / ウィザードリィ日記 携帯電話でも販売中!
    [著]矢野徹
    [発行]角川書店
価 格 / 599円(税込) 
http://www.papy.co.jp/act/books/1-98
ほす
22213:04/11/01 06:27:49 ID:???
鞭は容赦なく巨大カエルの右目を打ち据えた。
だが巨大カエルは一声呻いただけで前進を止めようとはしない。
見る見る顔が蒼ざめるリツコ。
常に沈着冷静な彼女が珍しく取り乱しているように見えた。
鞭捌きにも余裕が見られない。
再び振るった鞭が巨大カエルの舌と絡まる。
「ふッ」
両足を踏ん張って鞭を引き付けるリツコだが、巨大カエルがぐいぐいと引き寄せていく。
そこにもう一本の舌が跳んでくる。
寸前、ショゴウキの左腕が伸びてその舌を受け止めると右手の剣がそれを断ち切る。
リツコの肩がすとんと落ち、その顔に安堵の色が浮かぶ。
だが。
見る間に腫れ上がっていく左手を押さえてショゴウキが吼える!
たったあれだけの接触で毒に犯されたのだ。
『その身を侵せし毒素/速やかに消し去らん』
プリースト系治癒呪文・レベル4のラツモフィスである。
体内に入った毒素はこれでおおよそ中和できる。
だが傷の回復や麻痺には何の効力もない。
もし毒攻撃と共に麻痺まで発生したなら、より高次の呪文―レベル6・マディが必要となる。
念の為に応急処置のディオスを唱えるとリツコは予定を変更した。
『何者であれ/あまねく眠れ』
メイジ系攻撃呪文・レベル1のカティノを唱える。
これは実に初歩的な呪文ではあるが(事実、大抵の見習いメイジが最初に覚える呪文だ)その効力は強い。
事実、新米のメイジが唱えたこの呪文でマスタークラスのニンジャを眠らせたこともある。
どのような屈強なファイターも寝ている隙を疲れればそのダメージは深刻である。
場合によっては致命傷にもなりかねない。
ましてやそれを唱えるのが大司教であっては、その魔力から逃れられる者は少なかろう。
逃げ足の速さでは定評のある巨大カエルも、瞬く間にその巨体を石畳に転がせた。
そして、2度と目覚めることはなかった。
22319:04/11/01 06:29:01 ID:???
撲殺され、あるいは切り刻まれたカエルの死体を避けるようにしていたリツコがふと脚を止める。
宝箱に視線が行く。
リツコにとって今回の地下探索は金銭やアイテムが目的ではない。
無論、レイもだ。
『其は何者ぞ』
プリースト系呪文・レベル2のカルフォを唱える。
同レベルに対呪封殺呪文のモンティノがある為、この呪文は多用されないが意外に役立つ。
宝箱のワナを識別する確率は実に95%で未熟な盗賊のカンよりも信頼できる。
もっとも唱える者の能力や精神状態によっては常に自分の保身を優先させるのだが…。
「あら、アラームね…開けるわよ」
レイに目配せして杖で蓋を叩く。
通路に鳴り響くけたたましい警報音。
そして暗闇から現れる新手達。
むおーん もぉーん
さっきまで嫌と言う程聞かされた音だ。
なんと言う確率の悪戯!またしてもあの不気味なカエルを相手にしなければならないのだ。
リツコの頬がぴくぴくと震える。
『氷の刃よ/降り注ぐべし』
通路の空気がキンキンと言うカン高い音を立てる。
空気中の水分が氷結し、それらが雨の様にカエルに降り注ぐ。
メイジ系攻撃呪文・レベル4のダルトである。
いくらカエルが火炎呪文に耐性があるとは言え、このレベルの呪文を惜しげもなく使用するとはどうしたことか?
「嫌な事を思い出させてくれるわね」
それはリツコがミサトやリョウジと出会って間もない頃の事だった。
22413:04/11/01 06:30:16 ID:???

「…あら、こんな所で酒盛り?」
地下迷宮に近い野っ原で焚き火を囲んでいるミサトとリョウジにリツコが声をかける。
「やァ、りっちゃんもどうだい?」
「いらっしゃいよぉー、珍味もあるわよン♪」
2人の顔には既に赤みが差しており、相当に酒が進んでいるようだった。
「お邪魔じゃあないのかしら?」
「ナニ言ってんのよこの娘はッ!お酒は大勢のが楽しいのッ!」
お行儀良く座るリツコの背中をバシバシ叩くミサトと、見慣れぬ形の酒瓶を差し出すリョウジ。
「う…何なのコレ?すごい匂い」
「ジパング特製の濁り酒だ。ま、一杯」
「リツコぉ〜ほらぁ、珍味もぉ〜」
小さな骨付き肉を差し出すミサト。
「もぅ、そんなに急かさないでよ…あら、鳥肉?けっこう淡白な味ねぇ…」
そう言って二人を見ると悪魔の様な笑みを浮かべて(リツコにはそう見えた)いた。
「な、何?どうしたの2人共…」
「うひひひひひ、あのねぇ…」
「あー、今りっちゃんが食べたのは…」
「コ・レ!」
そう言ってミサトが差し出したのは一匹の食用ガエルだった。
「!」
バネ仕掛けの人形の様に上体を反り返らせたリツコはそろそろと立ち上がり、足早に歩き出す。
必死に口元を押さえたが、飲み慣れない濁り酒の手伝いもあって一気に気持ちが悪くなる。
慌てて近くの草むらに飛び込んで、吐く。
「ごめんねぇ〜リツコぉ、大丈夫ぅ〜う?」
そう言いながら近付くミサトの手にはまだしっかりと食用ガエルが握られている。
それを見た瞬間、リツコの四肢から急に力が抜けて行き、意識がとんだ。
それ以来、リツコはカエルが苦手になってしまったのだ…。
22513:04/11/01 06:31:22 ID:???
「大司教…」
レイの声で我に返るリツコ。
「大丈夫よ。ちょっと昔のことを思い出していただけ…もう少し、いけるわね?」
黙ってコクリと頷くレイ。
「それじゃあ行くわよ」
2人と2体はさらに歩を進めていく……。

リツコ達が転移呪文によって秘密裏に魔法技術局・地下実験室に戻ったのは夜明け前だった。
シンジが回復するまでの間、昼夜が逆転したこの生活が続く。
リツコには肉体的にも精神的にも辛いが仕方が無い。時間が無いのだ。
レイが報告した現象―シンジの頭部を襲った石飛礫が軌道を変えたーはおそらくA.T.フィ
ールドを展開したものだ、とリツコは結論つけている。本来ならエヴァによって発現され
るはずのA.T.フィールドが何故操縦者たるシンジに備わったのか?
ゲンドウの血統故かはたまた才能か?
まだ意識的にコントロールされてはいないが、もしコントロール可能となれば?
どちらにせよゲンドウの計画は着実に進みリツコが描いている計画に支障が出るやも知れない。
あるいはシンジの協力を得られるかも知れないが、楽観は禁物だ。
そしてキール王の計画も準備を怠るわけにはいかない。
その責任者としての地位を利用しなければリツコの計画は成就しないのだから。
気付け薬代わりのスコッチを嗜みながらため息をひとつ。
「あらゆる魔術を修めても、自分の願いひとつ叶えられないなんてね…」

リツコの許可を得たレイはシンジの部屋を訪ねていた。
残った治療呪文…と言ってもディオスを一度だけ…を施すためだ。
高い治療代を取るだけあって投薬や消毒はきちんとなされている。
枕元にたったレイが傷口に手を乗せる。
『この命を分け与えてこれを癒す』
掌が青白く光り、その光がシンジの身体へと広がっていく。
「また…来るわ」
たった一言だけ言い残すと、振り返ることもなく部屋を出る。
22613:04/11/01 06:32:26 ID:???
「どーしてこの店のメニューはこんなに多いのよーーーッ!」
ギルガメッシュの酒場にアスカの絶叫が木霊する。
無理も無い。
ここには様々な土地から人が集まり、それぞれの土地の料理をメニューに載せることを要求する。
金さえ貰えれば何としてもそれに応えるのがモットーの主は当然それを実行する。
かくてこの店は実に多彩で豊富なメニューを誇ることとなる。
もっとも、カエルのモモ肉なぞを好む人間は少ないので自分で調達せねばならないが。
「一ヶ月もすれば慣れるわよ。がんば!」
ソバカスが愛らしい少女がアスカを励ます。
名前はヒカリ、リルガミン城下に住むごく普通の少女だ。
徴兵された父親の給金だけでは生活が苦しいのでここで働いているのだという。
女給として働きだして既に三ヶ月、現在はアスカの指導役である。
「ギルドとの契約は一週間なんだけどォ…」じゅうに
「そっか、じゃあ飲み物だけでも覚えましょうか」
「はぁーい…」
「まずはソフトドリンク。長ったらしい名前のものがあるけれど、正直に全部憶えなくてもいいのよ」
「ほぇ…」
「コーヒーなんか豆の種類で名前が違うんだけれど、それも省略しちゃうの」
「例えば?」
「んと、キリー・マウンテンはキリマン、ブルー・マンジャロはブルマン。モカ・マターリは…」
「…モカ?」
「当り。…ね?こうやって言葉を短くすれば憶えるのも伝えるのも簡単でしょ?」
「ヒカリ…アンタひょっとして天才?」
「ふふ、まさか…血と汗と涙の結晶よ」
へぇぇ、と言う表情をしたアスカがヒカリの言葉を2〜3度繰り返す。
「短い言葉は憶え易く伝え易い…」
突然アスカの瞳が大きく開かれた。何か大切なことに気付いたらしい。
「…そッか!そうやれば良いんだわ!」
「そうよ、だからがんばりましょう」
にっこりと笑ってヒカリが立ち上がる。
22713:04/11/01 06:33:46 ID:???
リツコがギルガメッシュの酒場に現れたのは宵の刻だった。
大勢が集まった雑多な空間を、ゆっくりと見回して目的の人物を探す。
「加持君、ちょっと良いかしら?」
「よ、珍しいな。あっちの食事に飽きたのかい?」
リョウジが軽口を叩きながら立ち上がり開いている椅子を引く。
ありがとう、と応えて座ったリツコが真剣な表情で一同に尋ねる。
「聞きたい事があるのよ…最近、地下で何か変わった事は無かった?」
「さて?…君達、何かあるか?」
「…僕達もあんまり知りません」
振られた質問の意図を測りかねる様子でマコトが答える。
「何か、あったのぉ?」
「地下2階にジャイアント・トードが出た…らしいの」
ミサトの質問に言葉を濁すリツコ。
「それが、何か?」
マヤは…いや、ここにいる全員がリツコの言いたい事が解らなかった。
「アレは本来地下3階にしか出現しなかったはず…」
あ、という表情になるリョウジ。
「そう言えばこの前…地下1階でニンジャと出くわしたな。アレも確か1階にはいなかったはずだ…」
リョウジは少し考え込み、やがて立ち上がって周りの咳にいる客達に尋ねた。
「すまん、ちょっと聞いてくれ!最近、地下でおかしな事に気付いたヤツはいないか?」
喧騒が一瞬静まり、やがてざわめきに変わっていく。
冒険者達に一目も二目も置かれているリョウジの質問を無視できるものは少ない。
隣り合わせた者達が小さな声で情報のやり取りを始めたのだ。
「何でもかまわない。ここにいる赤木大司教直々のご質問だ。…感謝されるぞ」
どっと笑いが起こる。
リツコの実力とその地位を知る者に取って、彼女に感謝されると言う事がどれ程有益な事か解らぬはずが無い。
たちまちの内に推測とも伝聞とも言えない、事実以下の情報がもたらされた。
だがその中にリツコ達の興味を引くモノがあった。
「…最近、モンスター配備センターを目指したパーティが全滅している…」
22813:04/11/01 06:34:53 ID:???
モンスター配備センター。
地下4階にあるその施設はこの地下迷宮に存在する魔物達を管理・配備していると言う。
常に強力な魔物達が常駐しており、一定レベルのパーティでなければ全滅は免れない。
それは既に十分知られている事であり、むざむざ危険を冒す者はいなくなって久しい。
それなのに、だ。
何故、全滅するパ―ティが続出しているのか?
「ガードマンが代わったのかしら?」
マヤが誰に言うともなく呟く。
「俺の頃はえーと、ニンジャ1人にハイプリースト2人、レベル7ファイターとメイジも2人だったかな?」
「同じだ」
「じゃあやっぱり最近の事なんだわ…」
「問題はどんなヤツがいるか?って事と、どうして配備場所が変わったか?と言う事だな」
「調べてもらえるわね?可及的速やかに」
リツコの申し出に苦笑いで返すリョウジ。
「生憎と別口の仕事が入っていて、な」
「じゃあ、誰か代わりのパーティを紹介して頂戴」
「受けた!」
リツコのセリフが終わるや否や背後からドラムロの声が返ってきた。
「その仕事、是非俺達に」
初めて見る男を一瞥し、次いでリョウジに視線を向ける。
相手の力量を確かめたいのだ。
「猪突猛進型で前衛の損傷率が高い。反面、後衛は実力者揃いでマスタークラスの者も居る」
「貴方、ファイターね。レベルは?」
「ちょうどレベル8になったところで…他の奴はレベル10が1人にレベル9が2人…」
「何ですって?前衛が4人?」
「予備さ。言ったろ、前衛の損傷率が激しいって」
「そこで相談なんですがね、そのレベル10の奴がカント寺院で寝っ転がったままなんでやす…」
だから蘇生術に必要な金を都合して欲しいというのだ。
そしてそれは叶えられた。
22913:04/11/01 06:39:09 ID:???
小鳥のさえずりが聴こえてくる。
板間を叩く靴の音がする。
水の流れる音がする。
子供達の賑やかな笑い声が近付き、遠ざかっていく。
意識が戻ってくるにつれ視覚も回復してくる。
真っ暗だと思われたその空間が、ゆっくりとだが薄日が差しているのが分かる。
ゆっくりと薄目を開けて光の方を見る。
レースのカーテンが強烈な日差しを弱めてくれているのだ。
「生きてる…」
天井に視線を戻したシンジが、か細い声で独言する。
だが口から出たのはその一言だけで、しばらくの間ずっと天井を眺めていた。
どれくらいの時が過ぎたであろうか。
不意にシンジの鼻がひくひくと動く。
視線を巡らせて何かを探している。
やがて自分の右手をふとんから引き出すとその匂いを嗅ぐ。
「取れないや、血の匂い…」
のそり、と起き出したシンジはテーブルに置かれた花瓶を持って窓際に行く。
そして
中の水を手に救っては右手を洗い出した。
何度も何度も…皮膚が赤くなり、血が滲んでも洗い続けた。
23013:04/11/01 06:47:00 ID:???
>>217
はい今回でレイ&リツコ編は終り?嫌なヤツ(かな?)ドラムロチームの登場です。
>>218-219
保守ありがとうございます。
>>220
合掌。
氏の「素手でワードナを殴り倒しに行く」というセンスに脱帽致しました。
でも作家というのはこうして書物を残してくれますからねぇ。
>>221
またまた保守ありがとうございます。

今夜も失敗しちゃったーい。


待ってました。うれしい。
>>223
(・∀・)ニヤニヤ
そうかぁ…アレもそうなのかぁ…
保守
235名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/11/28 00:21:46 ID:7XmCOn0x
ホッシュ
23613:04/12/06 02:38:37 ID:???
「今日も元気に朗らかにィ〜、商売繁盛ありがとさーん♪…ケンスケ、しっかり押せぇ!」
荷車を引いた少年が奇妙な歌を口ずさみながら歩いている。
その荷車を押しながら、もう1人の少年がキョロキョロと辺りを窺いながら呟く。
「恥ずかしいヤツ…」
「何言うとんのや、誰の御蔭でココに出入り出来とると思うてんねん?」
少年の呟きにムキになって反論する少年。
「はいはい、トウジ様の御蔭です」
先を歩く少年の剣幕に辟易しながら投げやりに応える。
「判っとるやないか。ワシがこうしてこの地区にモノ売りに来る。お前はそれをを手伝う代わりに近衛兵
だの親衛隊だのを近くで見物する。お互い、持ちつ持たれつやろ?…アヒャ」
「どうし…うわっ」
少年達が立て続けに奇声を発した。
「何やコレ…雨かいな?」
「…いや、アレだよ」
眼鏡をかけた少年が頭上の窓を指差す。
そこには、ひたすら花瓶の水で手を洗い続けるシンジの姿があった。
「何しとんのやろ、ケッタイな奴っちやな…」
「トウジ、ここ…『冒険者の宿屋』だぜ?」
「あないなんが冒険者かい!ワシ等とたいして変わらんみたいやでぇ?」
頭上の少年と相棒を見比べながらトウジと呼ばれた少年が荷車を止める。
「ハタ迷惑には代わりは無いわい…ちィと注意したろ…おおぃ、そこの!」
2度ほど呼ばわると頭上の少年がその空ろな眼を少年達に向けた。
「どこのどなたサマか知らんが、ここは天下の往来じゃい!ちったぁ下ァ通るモンの事も考えい!」
頭上の少年がのろのろとした動作で少年達を見て、次いで自分の左手の花瓶を見る。
「それや、それそれ!」
頭上の少年の動きは相変わらずのろのろとしている。
口をもぐもぐ動かしながらゆっくりと頭を下げ、そして両開きの窓を閉めた。
「…何か、壊れかけてるよなぁ」
眼鏡を掛けた少年の声に同情の色が滲む。
「要らん時間使ぉたワ…。急ぐデ」
少年達の押す荷車は車輪を軋ませながらギルガメッシュの酒場へと向かった。
23713:04/12/06 02:39:53 ID:???
ドラムロはひどく興奮していたが、それは無理も無い事であった。
かの赤木リツコ大司教から直接に仕事を依頼された…しかも「あの」リョウジ達を差し置いて、だ。
報酬は問題なく高額になるであろうし不払いの心配もない。
何よりキール王の重臣であるリツコの依頼を成功させれば、出世の機会もおのずから広がる。
ドラムロ達は中堅であるが故に機会に飢えていた。
自分達の上にはマスタークラスのメンバーを揃えたグループが沢山いるのだ。
そのグループのどれかがキール王の護符を奪還してしまう…そんな不安がいつも心の奥に存在していた。
モンスター配備センターに居る魔物達がどれ程強敵であっても、これはチャンスなのだ。
そしてドラムロには勝算があった。
ドラムロは急いでメンバーに声をかけると、ギルガメッシュの酒場の3階にある『個室』を借りた。
贅沢な調度品で飾られたその部屋は、本来しごく私的な用途に用いられる空間である。
その為に様々な工夫が為されており、秘め事が露見する心配はない。
そこでドラムロ達は綿密な作戦会議を開いた。

べしょべしょと振り続ける雨の中、地下迷宮入り口にドラムロ達が集まる。
名簿をチェックしながら衛兵が声をかけてくる。
リツコ大司教の仕事を請けた、と言う噂は既に門番の衛兵達にも広まっているらしい。
「お前等も出世したモンだな。ま、上手くやれよ」
ふん、と鼻息も荒く応えると、ドラムロは後ろに並んだ男達を振り返る。
前衛のビランビー(レベル10ファイター、中立)とボゾン(レベル9ファイター、中立)が巨体を並べている。
リョウジが褒めた後衛には、バラウ(レベル10プリースト、悪)ガラバ(レベル10メイジ、中立)ドロ(レベル
14シーフ、中立)が控えている。
3人共それほどの巨体ではないのだが、独特の雰囲気をかもし出している。
一癖も二癖もある連中だが、長い付き合いによる信頼はある。
行くぜェ、と促すと小さく「おぅ」と応える。
一行が地下迷宮に潜ってしばらく後、3人のパーティが門番の前に現れた。
名前をバストール(レベル9ファイター、中立)ズロン(レベル12プリースト、善)ブブリィ(レベル13メイジ、
善)と言うのだが、この3人組を見て門番は意味有り気な笑いを見せて言った。
「こりゃあドラムロの奴も本気だな…栄光か死か、あいつらしいバクチだ」
23813:04/12/06 02:41:40 ID:???
地下1階のエレベーター近くでドラムロ達は後続の三人組を待っていた。
そう、彼等は総勢9人の大所帯なのである。
地下迷宮を冒険する上で、必要以上に徒党を組むメリットは少ない。
戦闘による経験値や金銭は頭数が増えるにつれて均等に割り振られるからだ。
また一時に迷宮に入れる人数も戦闘に参加できる人数も制限されている。
各メンバーの成長速度は遅く、危険に伴う実入りも少なくなる。

そんな状況で敢えて大勢で行動するメリットを探すなら…。
欠員が出た場合のスムーズな冒険の再開とパーティ編成の自由度くらいだろうか?
マコト達の様な「即戦力」としての人材は簡単に見つからないし、成長を待つ程のんびりともしていられない。
このパーティのほとんどのメンバーが、冒険のごく初期にこれらの問題を体験している。
バストールは死体となってカント寺院に安置されていたところをドラムロに拾われた。
仲間が蘇生呪文の対価を払えず、放置されていたのだ。
ビランビーとボゾンは冒険3日目で所属するパーティが全滅し、1ヵ月程無為の時間を過ごした。
バラウとガラバも似た様な経験を持つ。
ドロは…ドラムロとは最初からパーティを組んできた。
血の気の多いドラムロをなだめ嗜めパーティの舵取りを担当している。
温厚な性格とひょうきんなキャラクターがドラムロの毒を中和している。
「ドラムロのパーティが上手く機能しているのはドロの働きが大きい」
そう言う意見に対してドロはかぶりを振って答えた。
「オレには他人を惹き付けるアクの強さがないんだよ。でもドラムロにはそれがあるんだ」
この2人は、自分に足りない物を互いに補い合っているのだ。
23913:04/12/06 02:46:31 ID:???
さて、ズロンとブブリィの場合はいささか複雑な経緯がある。
簡単に言えば、ブブリィをこよなく愛するズロンが「彼女のために」2人まとめて売り込んだのだ。
ズロン。信仰心にあふれ、その愛は戒律の壁をもたやすく踏み越える男。
ブブリィ。快活な乙女の顔と、傲慢な淑女の顔を併せ持つ二重人格者。
メイジとして有能なブブリィは、その病により戒律属性が瞬時にして切り替わるという問題を持つ。
例えば、彼女が善のパーティに所属している時に「悪」としてのブブリィが覚醒した場合…。

「善」の戒律に従うパーティが友好的な魔物と遭遇した場合、戦闘は回避しなければならない。
そうしなければ自分の戒律に背く行為として強制的に属性が変化してしまう。
だがブブリィは「悪」の戒律に従い行動する…すなわち勝手に戦闘を始めてしまうのだ。
その瞬間、運命のサイコロが振られパーティの戒律が決められる。
運が良い者には変化はないが、時々戒律が変わる者もいる。
戒律の変化は瞬時にその影響を現し具現化する。
具体的には、身にまとった魔法具の加護が無くなりその呪いを受けてしまう。
キャリアの長い者やエリート・クラスの冒険者は何がしかの魔法具を身につけておりその様なトラブルを嫌がる。
何しろ魔法具の呪いを解く為にはカント寺院へ高額のお布施をしなければならない。
いやその直後の戦闘に重大な影響を与える事こそ問題か?
日頃から信仰する神の加護を失い、その呪文から魔力が消え去るというもっともらしい噂も聞く。
またプリーストやロードが戒律破りの禁を侵した場合、ギルドから厳罰が下されるとも言われている。
いずれにしても一種のタブーとして進んでその禁を破ろうとする者はいないのだ。

ではブブリィと行動する者がそういう場面に遭遇した場合、どうするか?
彼女を取り押さえようとして「彼女と戦う」事になる。
格闘戦こそ出来ないものの、絶大な魔力を持つ仲間との戦い…これほど無意味で不毛な戦いもない。
実際、彼女は一つのパーティを壊滅寸前にまで追い込んだ事がある。
こうしてブブリィはその高い戦闘力故に敬遠され、ずっと独りでいた。
そこに現れたのがズロンである。
24013:04/12/06 02:50:50 ID:???
彼の深い深い愛は2人のブブリィに絶える事無く注がれ現在に至る。
一度は「悪」の戒律に染まるものの中立メンバーが多いドラムロのパーティで再び「善」に復帰した…。

「遅ぇぞ」
ランプの灯りを背にしたドラムロが怒鳴る。
「やっぱり3人は心細いですね」
「何言いやがる!そっちにゃあブブリィがいるんだ、1階のザコ共なんざぁ、屁でもねェだろうが」
ズロンを睨んでブブリィを見る。
「す、すみません。私が歩くの遅いものですから」
舌打ちをひとつすると再びドラムロが怒鳴る。
「メンバー・チェンジだ、急ぐぞ!」
バラウとガラバが抜けてズロンとブブリィがドラムロ達と合流する。
「お前ぇ達は後から来い、いいな?」じゅう
「あいよ」
作戦は確認済みなので無駄口は必要ない。
ドラムロ達を乗せたエレベーターが静かに地下4階へと降りて行く。じゅうさん
目的の場所まではほんの数ブロック、予想される戦闘は最大でも3度。
ドラムロは短期決戦を予想して最初から攻撃重視のパーティを組んだ。
その中心はブブリィだ。
前衛はブブリィの攻撃呪文が発動するまでの時間稼ぎをする…勝負所での基本方針だ。
この捨て身の戦法によってドラムロ達のパーティは前衛の損傷率が高い。
だが手馴れた闘い方には安心感があり、誰も異議を唱えない。

「こいつァ運がいいや」
エレベーターを降りて最初の扉を開けたビランビーが口笛を吹く。
魔物の姿がなかったのだ。
「だが次は避けられんぞ…そぉれありがたいご忠告だ」
真っ直ぐな通路を進むと立て札が掲げられている。
『関係者以外ノ立チ入リヲ禁ズ』
24113:04/12/06 02:52:16 ID:???
「生憎こちとら関係者でござい…と」
ボゾンがゆっくりと扉を押しやる。
『IDカードを提示してください。NERV』
「毎度の事ながら、最後の文字はなんて読むんだァ?」

「さて…神聖文字でもないし、ゴート文字でもありません」
「博学の僧侶様にも読めねぇのなら、俺達にゃムリだわな」
ドラムロが笑いながら一同を見る。
「さぁこっからだぜ、オニが出るかジャが出るか?」
右手に大剣を構えたドラムロが一歩前に出る。
「…我が警告を無視するは何者ぞ…」
頭上から声がする。
「おいおい…前座試合がコイツ等かよ」
ビランビーがため息をつく。
頭上でさかさまになったままドラムロ達を見据えているのはハイ・ニンジャである。
そして通路の向こうにはレベル7ファイターとレベル7メイジ、ハイ・プリーストが2人ずつ。
「かつてのメインがなぁ」
ボゾンがゆっくりと戦斧を構えなおす。
「ブブリィ、頼んだぜぇ…おらぁ!」
ドラムロの雄叫びが合図となった。
レベル7ファイターに突進するビランビーとボゾンに白刃が襲いかかる。
だがビランビーは左手の盾でがっちりと受け止め、ボゾンは戦斧のひと薙ぎで弾き返す。
大きく体勢を崩したファイター達に今度はビランビーとボゾンの得物が伸びる。
胸を突き刺され、兜ごと頭部を叩き割られた2人のファイターは絶命した。
だが一瞬の間も無くプリーストのモーニング・スターが振り下ろされる。
「仲間を助けなくても良いのか?」
「役割が決まってるからな。俺様はお前のお守りさぁ」
この時ブブリィの呪文が2人のメイジを塵へと変えていた。
呪文の脅威が無くなったビランビーとボゾンは一気にプリーストを追い込む。
24213:04/12/06 02:53:27 ID:???
気配を察したニンジャが苦々しく呟く。
「お主等、初めてではないな?…ぬかったわ」
「おぉよ」
ひらりと舞い降りたニンジャが苦無を構える。
「ならばせめて1人でも道連れにさせて貰おう」
「こきゃあがれ!」
両手に苦無を持ったニンジャがじりじりと間合いを詰め、それをぐるりと取り囲むドラムロ達。
ここまで詰めればブブリィが狙われることもない。
後は油断なくじっくりと攻め立てればハイ・ニンジャと言えども敵ではない。

何度目かの挟撃を避けきれずハイ・ニンジャは絶命した。
そしてドラムロ達はさしたる手傷を負うこともなく目的地へと辿り着いた。
24313:04/12/06 02:57:00 ID:???
その扉を開け放って見ると、そこはがらんとした空間だった。
「…なんでぇ、誰もいねぇいじゃねぇか」
「いえ、居ますよ」
ビランビーの独語をズロンがさえぎる。

ドラムロ達前衛がゆっくりと弧を描く様に進み出る。
ドロが右手からそろそろと壁際を探っていく。
ズロンは左手の空間に意識を集中させる。

「くっさいくさい。たまらないわねまったく」
ブブリィの口調にまずズロンが…そしてドラムロ達が反応した。
「貴女が出て来たという事は、相当な強敵ですね?」
「そ。あの娘じゃ心配だから…ほぉら!出ていらっしゃいな」
かつん、と石畳を杖で軽く叩く。

「失礼致しました。まさか貴女の様な美しい方が此度の刺客とは…運命の悪戯とは言え心が傷みます」
部屋の中央に横たわる黒い影がゆらりと持ち上がり、やがて人の形を成していく。
「おい…こいつァ」
「闇に生まれ闇を生きる、それもまた私の運命。名はヴァンパイア・ロード、お見知りおきください」
身にまとったマントを大げさに広げ恭しく礼をする。
「は!ならばそのまま闇に死ねばいいんだわ」
「これはまた気丈な方だ…出でよ我が下僕達!」

部屋のあちこちにある影からゆらり、ゆらりと人影が現れる。にじゅうろく
みすぼらしいボロをまとった身体は奇妙な程に青白い。
だがその双眸は血の様に赤く、禍々しい光を放っている。
ヴァンパイア…人の生血をすすりその命を喰らう不死の魔物。
ライフ・スティラー…同じく人の生命力を吸い尽くすおぞましい悪霊。
未熟な冒険者などは瞬く間に生きる屍とされてしまう魔物達である。
24413:04/12/06 03:03:04 ID:???
>>231
お待たせ致しました。その分今回は増量です。
話をまとめ切れなかっただけなんですが…。
>>232
あちゃ。バレちゃいましたねぇ…。そうですアレも私です。
>>233-235
保守ありがとうございます。

今年中にドラムロ達の話は終わらせます。
正月も執筆三昧だいw
ではまた。


>>243
何だその「にじゅうろく」てのはw
行数なのねw
それはそれとして、乙!
別パーティー侵入キター!!
更新乙!
にじゅろくはヴァンピーの僕の数と思ってたw
空と海の狭間の人たちですかw
24813:04/12/06 21:02:22 ID:???
ヽ(;´Д`)ノ ハァハァ ヤット ウpデキタゾ…

>>243
>>245
>>246

( ゚д゚) ?
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …?!

    o o
  //!!!!!!!
(  * )


○| ̄|_ セッカク マジメニカイテキタノニ…  ギャグニナッチャッタ…
24913:04/12/06 21:03:02 ID:???
ヽ(;´Д`)ノ ハァハァ ヤット ウpデキタゾ…

>>243
>>245
>>246

( ゚д゚) ?
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚)
 
(つд⊂)ゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …?!

    o o
  //!!!!!!!
(  * )


○| ̄|_ セッカク マジメニカイテキタノニ…  ギャグニナッチャッタ…
25013:04/12/06 21:07:52 ID:???
>>245
30行シバリ対策で原稿に行数を書き込んでいるのですが、チェックが甘かったですぅ。
ちなみに実際の行数とズレがあるのは、途中で「改行エラー」にひっかかった為です。
>>246
下僕がにじゅうろく体も出てきたら、そりゃあ全滅もしますねw
>>247
人達というか モノ達と言うかw

せっかくカッコつけてもこれでは台無し…。
サイトにうpする時じゃなくて良かった。
…いや、気付いたらすぐ書き換えられるそっちの方がマシか。
このスレがある限り永遠に…ヒィィィィィ!

なんだか最低スレからお呼びがかかりそうな話ですこと…

ま!オマケに多重投稿やってるし!
今夜はもう寝ようかな。
ダンバインかよ
謹賀新年、保守
25413:05/01/11 21:35:33 ID:???
およそ多勢を相手にした戦闘ではパーティのコミュニケーションが大切である。
どの敵を誰が倒すのか?どういう作戦で各々がどう動くのか?
これらを瞬時に決定しなければならない。
長い付き合いのパーティであればお互いの実力や性格などを把握しているので短いやりとりでそれが可能となる。
またその経験が豊富であれば敵となる魔物達の情報も多く対策も立てやすい。
取るに足りない相手に全員の攻撃が集中するなどと言う『無駄』は起こり得ないのだ。
ドラムロ達は眼前の敵から視線をはずすことなく意思の統一を図る。
ヴァンパイア・ロードはブブリィが殺る…これは間違いない。
ヴァンパイアとライフ・スティラー、ズロンはどっちをディスペルするだろう?
後方に意識を集中させたドラムロ達にズロンの合図が届く。
ぱん!という乾いた拍手が1回。
数の少ない相手…つまり単体で出現したライフ・スティラーがズロンの担当である。
一定の知能がある魔物との戦闘を経験したドラムロ達は、戦闘時における言葉でのコミュニケーションを最低限にしている。
これで前衛の獲物は決まった。
「…行くぜぇ」
ドラムロが呟きビランビーとボゾンが突進する。
まだ緩慢な動きのヴァンパイア達にそれぞれの得物が襲い掛かる。
左胸に剣を突き立てられ、腕を切り取られ、腹に戦斧の一撃を受けて崩れ落ちる。
だがしかし。
ヴァンパイア達はゆっくりと身をもたげ再び立ち上がって来たのである。
「生憎と私の下僕達は頑丈さが取り得なのです」
ヴァンパイア・ロードの余裕に満ちた声が聞こえる。
「ンな事ァハナっから承知よォ!」
ドラムロが叫びながら四つん這いになって立ち上がろうとしているヴァンパイアの腕を横薙ぎに払う。
支えを失ったヴァンパイアががくん、と突っ伏す。
「コイツ等の爪にゃあ注意しねぇとな…そうだろ?色男さんよ」
「危ねェ!」
ビランビーがドラムロの左手の空間に剣を突き立てる。
そこには右手を大きく振り上げたブァンパイアが居た。
「おや残念」
さして残念そうでもない声でヴァンパイア・ロードが笑う。
25513:05/01/11 21:36:49 ID:???
「なかなかの実力とお褒め致したいのですが、如何されました?美しい方」
ヴァンパイア・ロードの双眸がブブリィに注がれる。
あの威勢はどこに行ったのか、と問うているのだ。
ブブリィはほんの少し唇を歪めて笑い返す。
「では不本意ながらこちらから参らせて戴きます…」
ヴァンパイア・ロードの眼が一層赤く輝き、その口が小さく蠢いて呪文の詠唱を始める。
「ブブリィ!」
「慌てるなぃ!テメェの仕事をこなしてろ!」
悲鳴にも似た叫びをあげるボゾンをドラムロが一喝する。
この時ズロンに動きを封じられていたライフ・スティラーが光に包まれた。
ディスペルに成功したズロンはすぐに新たな呪文を唱え始める。
プリースト系レベル2・モンティノ、対法術封殺の呪文である。
『全能なる主の御名において我ここに命ずる。彼の者の為さんとする邪な術を封じよ』
「要らぬお節介よ」
印を結んだズロンの手をブブリィが押し下げる。
「え?しかし…」
「不死の貴族様は感覚が鈍いのかしらねぇ?自分の身体がどうなっているか解らないの?」
「お戯れを…」
だが言葉はそこで途切れた。
マントの中で組まれた腕が鈍い音を立てて床に落ち、一瞬の後に塵となって跡形も無くなった。
「こ、これは一体…?」
「残念だったわねぇ〜。私のジルワンの方が早かったわねぇ」
勝利を確信したブブリィがころころと笑う。
ジルワン…メイジ系レベル6「灰燼」の呪文はアンデッド系の魔物を一瞬にして破壊する。
「馬鹿な…貴女は呪文の詠唱をしていなかったはず…」
「あらあら、身体だけじゃなくて脳味噌まで腐っていらっしゃるのかしら?」
前衛の戦闘には目もくれず種明かしを続けるブブリィ。
「ご教授して差し上げますわ。私、声に出して呪文を唱えなくても法術を発現できますの」
「…それはまた…なんと」
崩れ行く己が身体を気にもせずヴァンパイア・ロードが驚嘆の声を洩らす。
25613:05/01/11 21:38:04 ID:???
「そんな話は初めて聞きました」
ズロンがやや非難めいた口調で割り込む。
「あら、女には秘密のひとつや二つあるものよ?」
にっこりと微笑んで見せる。
「…ただ美しいだけと侮った己の不明を恥じ入るばかりです。ですが次もこう容易く行く
とはお考えになりませぬ様に…」
風化した岩の様に崩れる身体を一瞥してひと時の別れを惜しむヴァンパイア・ロード。
「せいぜい修行していらっしゃい。また遊んで差し上げてよ?」
「その時には必ずやその美しい首筋に接吻し我が一族にお迎え致しましょう」
「あらァ、ごめんなさいね、先約があるの…美しいのは罪ねぇ…ねぇ?」
傍らにいるズロンを引き寄せると、これ見よがしに引っ付いてみせる。
「とことん相手の神経を逆撫でしますね貴女は」
「ふふふ…だって私は性悪女ですもの…あの娘と違ってね」
「イチャついてないでこっちを手伝え、このバカヤロウ共ッ!」
4体のヴァンパイアと闘いながらドラムロが怒鳴る。
そうして司令塔を失った魔物はあっさりと屠られてしまった。

「やっとオレの出番だな」
木箱を前にしたドロが手揉みしながらしゃがみ込む。
「あれだけの相手だ、罠はいつも以上だと思えよ」
「わーってるって。この間まで初心者に説教タレてたんだ。…予習は完璧、っと」
説明が遅れて申し訳ない、このドロこそシンジの師匠なのである。
ビランビーがカント寺院に運び込まれてからのドラムロ達は中途半端な状況にあった。
ブブリィを使えば攻撃力は高まるが、万一の事があれば前衛に被害が出る。
そうなればこのパーティは活動を中止せざるをえない。
ではビランビーを蘇生させるかといえば、カネが足りない。
地下4階以降の探検にガラバを使うには不安が残る。
かと言って地下1階や2階では実入りが少なく時間の無駄だった。
そこにギルドからの新人育成依頼である。
何はともあれ権力を持つ者とは仲良くしておくのが得策である…ドラムロはそう考えた。
25713:05/01/11 21:41:25 ID:???
手際よく開錠された木箱からは「いつもの」杖と指輪、そして剣が出た。
「おりょりょ?こいつはもしかしてもしかするか?」
「何が出た?」
ドロのおどけた声音に皆がお宝を覗き込む。
全体が錆び付いたその剣は抜くことさえままならないものであった。
だが地下迷宮で見つけられる品々はそのほとんどがこういう状態なのである。
魔物が異世界から持ち込んで来ると考えられているこれらの品は不可思議な力で保護
されており、その力を拭い去れるのは経験を積んだビショップのみである。
故にビショップというクラスはこれらの「お宝」を識別しかつ安全に使用できる様に祈祷し、
場合によってはその呪力を払う。
当然ながらその鑑定・祈祷料金はすこぶる高額で、ボルタック商店の店頭に陳列された
「安全な品物」にはそれらが丸々上乗せされている。
それを嫌う冒険者は自らのパーティにビショップを招へいするか、馴染みのビショップに
手数料を払っている。
場合によってはその手数料は売値の半額にもなった。

25813:05/01/11 21:42:50 ID:???
「コイツは…かなりのモンだ」
「ムラマサ、とか言うヤツか?」
「そんな御大層なシロモンじゃあないなぁ…直刀みたいだし…だがイイ!」
強力な武器は前衛にとって何物にも代え難いもので、自然、熱が入る。
「気持ちはワカるんだけどさァ、さっさと上がらない?あっちも心配だしさ」
退屈そうに腕組みしたブブリィが声をかける。
地下迷宮では魔物の方から攻撃を仕掛けてくる事もあり、待機組の戦力では危険なのだ。
「そうだな…お前、コレな」
ドラムロがビランビーに指輪を渡す。
「…また、かよ」
「仕方ねェだろが!お前ェが一番体力があるんだからよぉ」
ビランビーに渡された指輪…それは持つ者の寿命を吸い取る「呪われた指輪」だ。
その美しい装飾とは裏腹なこの忌まわしい指輪は意外にも高額で取引される。
これを用いて如何なる企みが為されるのか?それは高貴なる人の暗殺に他ならない。
噂では呪いが発現すると指輪から出た一本の芽が体内に喰い込み、短期間で生命を吸い取
るのだと言われている。

順調にブルーリボンを回収して合流地点に出ると、幸いにも待機組は無事であった。
パーティを編成しなおすと一同は地上を目指した…明るい未来を感じながら。
25913:05/01/11 21:44:05 ID:???
約束の刻限にギルガメッシユの酒場に出向いたドラムロはリツコの姿を探す。
彼女を見つけるのは簡単だった。
だがその傍らにリョウジの姿を見つけた時、ドラムロは一瞬だけ躊躇した。
彼が持ち帰った情報はリツコにのみ伝えるべきもので、それだからこそ価値があるのだ。
…いや、ここいらで追う者の実力を教えておくのも悪くはない…ドラムロは胆を決めた。
「大司教、只今帰りましたぜ」
「あら、ご苦労様」
「お、待ち人来る、か。オレは席をはずそうか?」
ちらりとドラムロを見る。
「もう一度説明するのが面倒だから一緒に聞いて頂戴」
へェへェ、と言いながら背もたれに身体を預ける。
「では尋ねます。あそこには何が居て何をしていたの?」
唇を舐めてからドラムロはゆっくりと今日の出来事を話し始めた。

「そう…そういう事なの…並のパーティじゃ全滅するはずね」
煙管に煙草を詰めながらリツコが呟く。
すかさずマッチの火を差し出すリョウジ。
しばしの沈黙。
「アッシ達はこれからどう致しやしょう?」
「…これから毎日あの場所を巡回して頂戴。目的はあの場所の確保」
少しジレたドラムロが誘ってみるとリツコの答えは予想のものだった。
内心ほくそえみながらドラムロがここぞとばかりに切り出す。
「それについてご相談があるんですが…」
「何かしら?」
「相手は不死族とその長で…できれば『破邪の指輪』を三つ、回して貰いてぇんですが…」
アンデッド系の攻撃を半減させると噂のある魔法具を無心したのだ。
アレの市場価格は50万ゴールド、それを前衛3人分とは!
「判りました、すぐに用意しましょう。ただし『死の指輪』三つと交換です」
一瞬、ドラムロの顔色が変わる。
リツコは最低でも三度ヴァンパイア・ロードと戦えと命令したのだ。
26013:05/01/11 21:45:38 ID:???
「…ようがす、やって見せまさァ!ですが折角のお宝が必要経費になったんじゃワリに合わねェ…」
今度はドラムロが褒賞を要求して来た、しかもあからさまに。
「こちらは150万ゴールド相当を先払いするのよ?」
「見くびって貰っちゃあ困りまさぁ…こう見えてもアッシ達ゃプロだ」
任務遂行の可能性を低いと感じたドラムロはそれ故にハイ・リターンを求めた。
命掛けで臨んでも三度目に失敗すれば全てはパァなのだ…ならば…。
逃げるか?ドラムロの脳裏をちらりとそんな考えが掠めた。
破邪の指輪三つなら売っ払えば70万ゴールドを越える。
1人頭8万ゴールド…王侯貴族の様な生活は出来ないが、ひっそりと暮すには充分過ぎる。
そこまで考えて、ふとリツコの視線に気付く。
リツコが唇をほんの少し歪めて笑っている!
ドラムロはやっと気付いた…リツコは最初から彼を信用していなかったのだ。
怒りと、それを上回る不安がドラムロを襲う。
ここでこのチャンスを失ってはならない!
もう一度唇を湿らせるとドラムロはゆっくりと繰り返した。
「こう見えてもアッシ達ゃプロだ…途中で仕事をおっ放り出したりはしねぇ…」
「こうしちゃあどうだ…持ち帰った死の指輪、イロを付けて買い取るってのは?」
リョウジが折衷案を示す。
「いくら?」
「35万。そこから破邪の指輪の代金25万を引く…今日の儲けは10万って事だ」
「まぁ良いでしょう。…良いわね?」
「……へい」
うなだれたドラムロから力の無い返事。
「四つ目からは35万の儲けじゃないか。不満か?」
「…仕官、してェんだ…」
思わず本音が漏れる。
意外そうな顔をしている2人。
「ほかの奴ぁどうなのか知らねぇ…だがオレは…ゼニカネだけじゃあねェんだ…」
再びの沈黙。やがてリツコが煙をひと吐きして告げる。
「望むのなら推薦状も用意しましょう…ただしこの騒動が終わってからよ」
26113:05/01/11 21:46:42 ID:???
「…どう思う?」
「どっち?」
すっかりハイになったドラムロを帰すと、リツコが尋ねる。
「ヴァンパイア・ロードのことよ」
ふむ、と息をついて椅子にもたれるリョウジ。
腕組みをして何度となく身体を揺する。
その度に椅子がぎしぎしと悲鳴を上げる。
「地下10階の最奥にワードナの番犬宜しく鎮座ましましていたアイツがねぇ…」
「何をしていると思う?」
「解らんさ」
「碇隊長…どうしているのかしらね…」
「…さァな」

微妙な空気が漂う。
お互いが相手に隠し事をしている自覚があった。
お互いが相手に問い質したい事があった。
だがそれを口にしてしまえば「あの頃」の様な関係には戻れない予感があった。
「…隊長といえば、彼…シンジ君の様子はどうだい?」
初めての戦闘で重傷を負った事は知っていたが、それ以後を知らない。
話題を逸らせるにはうってつけだった。
「目は醒ましたわ…でも、精神的に参ってるみたい…人を殺した罪悪感が、ね」
ふぅん、と生返事をして再び黙り込むリョウジ。
「…人間相手が苦手なら、アソコに行かせちゃあどうだ?」
「あそこ?…あぁ、あそこ、ね。…そうね、それも良いわね」
あの当時の自分達の姿を思い出したらしいリツコが笑う。
26213:05/01/11 21:47:46 ID:???
三日以内にワードナの玄室を目指す。
翌日リョウジが告げた行動予定はミサト達を驚かせるには充分だった。
皆を代表する形で尋ねるミサトにリョウジが地下4階の異変を話す。
一度は任務遂行に成功したドラムロ達ではあるが次の保証はない。
そもそも「同じ相手」と戦う事など滅多に無いのである。
やがて手の内を全てさらけ出し、奥の手が奥の手たり得ない事態が予想される。
そうなればドラムロ達にとってやや荷が重い相手に思える。
それまでにあの玄室に辿り着き、謎の一端でも解明したい。
例えば、ヴァンパイア・ロードがモンスター配備センターを占拠する理由とか。
…現在の地下迷宮の主に尋ねたい事もある…。


ぐるぐる巻きにされた右手の包帯をぼんやり眺めていたシンジをレイが見舞う。
レイは包帯を一瞥すると冷ややかな口調で話す。
「利き腕を瑣末にするなんて、シーフ失格」
何も言わないシンジ。
「明朝一番で迷宮に入るから。準備、忘れないで」
それだけ言うとくるりとドアに向かうレイ。
「むっ無理だよ!…僕は…僕はもう…人殺しは…」
俯いたままのシンジの声は苦悩に満ちている。
「明日の相手、人間じゃないもの」
「…え?」
レイの言葉に思わず顔を上げるシンジ。
そのシンジを見据えるレイ…そして。
「貴方は、何の為にこの街に来たの?」
それだけ言うとレイは部屋から出て行った。
26313:05/01/11 21:53:30 ID:???
>>251
そうですダ○バインです。
でも「空と海の狭間の人達」という言い方の方がステキw
>>252
まぁそのww
>>253
はいおめ!
保守ありがとうございます。

イロイロとありまして遅れました。
つか、仕事があるのに現実逃避しています。
コレ、確実に自分を苦しめております。
あああ…
更新乙!!
シンジは悩む所だね。アスカは割り切ってそうだけど。
265猪狩シンジ:05/01/29 19:01:55 ID:???
保守
携帯から捕手
目標をセンターに入れて保守…
目標をセンターに入れて保守…
目標をセンターに入れて保守…
ほっしゅ
保守

>作者氏
一ヶ月以上開いてるけど、まだ待ってるよ。
気が向いたら更新キボン。
27013 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:20:21 ID:???
一晩考えた末、シンジは冒険の継続を決めた。
人を殺してしまった事への罪悪感と、それを繰り返してしまうかもしれない恐怖感は拭い切れない。
それでもシンジは探索の継続を決めた。
父・ゲンドウに関する情報をまだ何も?んではいない。
いや違う。それだけではないのだ。
周囲の大人達が止めるのを振り切って田舎を飛び出し、危険を承知で臨んだ地下迷宮の探索では早々につまずいた。
ここで逃げ出してしまったら、シンジは様々なモノに負けてしまう気がしたのだ。

早朝の地下迷宮入り口ではすでにアスカとレイが待っていた。
「遅れて、ごめん…」
つい謝ったしまうシンジと少し困惑の表情を浮かべるアスカ。
「…伝える事があったんじゃないの?」
アスカに囁くレイ。
「止めよ、止め!せっかく謝ろうと思ってたのに何が『ごめん』よ!調子狂っちゃうわね」
「それでいいの?生きて戻れる保障は無いのに?」
「お生憎様。アタシは誰にも負けないの…絶対に」
やや芝居掛かったアスカの台詞を聞き流し、レイが歩き出す。
「じゃあ、行きましょう」
そして再びシンジ達は迷宮へと足を踏み入れた。

薄暗い通路を無言で進む。
「ねぇ、綾波…今度の相手は、人間じゃない、って言うのは本当なの?」
耐え切れなくなったシンジが問う。
「行けば判るから」
「…気に入らないわね。情報は共有すべきだと思うんだけど」
素っ気無い答えに今度はアスカが口を出す。
「…相手は亡霊。目的は私達のスキル・アップ。…転移するわ」
レイの声と共に一瞬視界が歪む。
そして次の瞬間には、がらんとした広間にいた。
地下迷宮の床に仕掛けられた「マロール」の呪文によって異なる場所に運ばれたのである。
27113 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:21:24 ID:???
「な、何?今の」
突然の浮遊感と視界の変化に戸惑うシンジ。
「ふぅん…『マロール』ってこういう使い方もあるんだ…」
メイジとしての修行を終えているアスカは冷静だった。
何れ自分も習得できるはずの呪文の意外な使い方に感心している。
そしてレイを見る。
「それにしても、何でアンタはそう色々と知ってんの?」
「赤木大司教に教えられたから。命令された時に」
「へぇ〜便利ねぇ。ついでにもっと色々教えて貰いたいものね」
「時間がないから」
どこかしら刺々しいアスカの質問をいなして右手の扉に近づく。

「ここの魔物との戦いは逃げ出せないから」
唐突に振り返ったレイが告げる。
「何よ、どうしてアタシが逃げなくちゃならないのよ?」
だがレイの視線はシンジに向けられているのだ。
それに気付いたシンジがやや気負った声で答える。
「解ってる」
そしてショゴウキを扉の前に進ませる。
「行こう」

扉を開けるとそこには一人の初老の男が立っていた。
「おやいらっしゃい…初めて見る顔ですねぇ、新入生ですね?」
にこにこしながらシンジ達を眺めている。
「根府川です。ここで皆さんに色々と教えています」
毒気を抜かれたシンジとアスカが呆然としている。
その頭に何かが飛んできた。
こつん
足元に落ちたそれは白くて細長い棒状のものだった。
「困りましたねぇ…最近の若い人達は自己紹介もできないんですかねぇ…」
27213 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:22:50 ID:???
「あ、あの、すいません、ぼっ僕は碇シンジっていいます…こっちはアスカで、こっちが綾波で」
「あああアンタバカぁ?魔物に自己紹介してどーすんのよッ!」
叫ぶアスカにまたこつん。
「えぇと…姓はなんというんでしょう?」
なにやら巻物を取り出して書き込んでいる。
「こンの野郎ぉぉぉ!」
キレたアスカがツヴァイトにサーベルを抜かせる。
「…やれやれ…人間切羽詰ると礼節が失われてしまいますねぇ…。あの頃…そう、セカン
ド・インパクトの時もそうでした…その頃、私は根府川に住んでいましてね…」
ツヴァイトの連続攻撃をするりするりとかわしながら根府川と名乗る魔物が喋り続ける。
いやかわすだけではなく時々あの白くて細長い物を投げつけたり巻物で叩いたりしている。
その度にアスカのテンションは高まり白い頬が朱に染まっていく。
「左右からの挟撃で援護」
アスカに見惚れているシンジにレイがささやく。
慌ててショゴウキに剣を抜かせると右手から魔物に近づける。
「…世界中が自然災害や戦争により荒廃しそれに比例するようにして人心も麻の如く乱れ
ていきました。ですがまた人類には善を良しとする心もあるのでありまして、この様な状
況になっても輝かしい未来を信じて努力する人々も居たのであります…今の攻撃はよかっ
たですねぇ…」
ショゴウキとゼロの連続攻撃をかわしながら根府川が笑う。
「歯を、見せるなぁッ!!」
ツヴァイトのサーベルが一瞬の間隙を突いて根府川に迫る。
「痛たたた…おっと、少々油断してしまいましたか…それではもう少し真面目に…」
根府川のおしゃべりがまた始まる。
「斯様な状況にあって国連は戦乱の収束とその後の全世界的規模の復興計画を練っており
ました。そして2月14日『バレンタイン休戦臨時条約』が締結されたのであります…」
ゆらゆらと身体を揺らし根府川の声に熱がこもる。
「…あれ、どうしたんだろう…眠くてしかたないゃ…」
「なっまいき!カティノの呪文なの?…こういう時は…」
アスカがベルトに吊るしてあるナイフに手を伸ばす。
眠気覚ましに自らを傷付けるつもりなのか?
27313 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:23:57 ID:???
アスカは一瞬の躊躇の後、そのナイフの切っ先を臀部に突き立てた…ただしシンジの臀部に。
「……!」
口をぱくぱくさせてアスカを睨むシンジ。
「仕方が無いじゃない、アンタが一番眠そうだったんだもの」
「…受験勉強の時にコンパスの針を手に突き立てて睡魔と闘った、という伝説があります
が…いやぁ、それ以上のすごい執念ですねぇ」
「そうよ、こんな所でモタついている暇はないの」
根府川の動きが止まった瞬間、ゼロの棍がその足元を払う。
「ややっ?」
「いただき!」
アスカの叫び声が合図になったのか、ツヴァイトの突きが根府川に決まる。
「う〜ん、初めてにしては優秀ですねぇ…この調子でがんばってくださいねぇ…」
温厚な笑みを浮かべて根府川が姿を消す。じうさん

魔物の居なくなった室内で脱力しているアスカとシンジ。
「…なんなのよ…あの魔物?」
「ここに縛り付けられている呪われた存在…」
「いやそー言うんじゃなくて、何なのあのお説教みたいなシャベリは?」
「生前、学校の先生をしていたらしいの…遠い遠い昔の話…」
「ここに来てまで授業を受けさせられるとは思わなかったわ」
「これを1日最低でも6回、1週間続ける事が赤木大司教の命令よ」
レイの言葉にアスカとシンジはまたヘタり込んだ。
27413 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:25:02 ID:???
一方その頃、リョウジ達は地下10階のダラダラとした通路を進んでいた。
ここまで既に6度の戦闘を経験しながら十分に余力を残している。
「強くなってるよなぁ、オレ等」
「も、全ッ然余裕!ってカンジ?」
マコトとシゲルの軽口も決して大げさではない。
リョウジ1人が冴えない顔をしている。
実際、マコト達のレベルアップは目覚しく地下10階でも戦力としては十分だ。
だがもうしばらくすれば「あの」碇ゲンドウと戦わねばならないかも知れないのだ。
その不安がリョウジにまとわりつく。
リョウジ自身も強くなってはいる。
だが一緒に戦っていた時の事を思い出せば…あの剣技を受ける側に回ったら…そう考えると背筋が寒くなる。
ゲンドウの強さ――それは嫌という程に心と体が憶えている。
稽古相手をして貰った時、一緒に魔物達と戦った時、キール王やその兵達と対峙した時…。
どれ程の修練を積めば、ヒトの肉体はあのような業と力を発揮できるのか?
リョウジにはそれが魔法術を駆使する事よりも困難なものに思えた。
27513 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:26:05 ID:???
「…何、考えてンの?」
耳元でミサトが囁く。
「若いコ達が自信に満ち溢れてるんだから辛気臭い顔しないでよ?」
「…そりゃあ済まなかったな…生憎、年寄りは夢見る余裕が乏しくてな」
「そんなに碇隊長が怖い?」
核心を突く言葉にリョウジは苦笑いする。
「…葛城は、怖くないのか?」
「…て言うか、どうして戦う事を前提に考えるの?」
「そりゃあ…」
当然だろう、と言いかけてリョウジは言葉を飲み込む。
自分が懐疑的過ぎるのか、葛城が楽観的過ぎるのか?
…どうやら思索の迷宮に迷い込んだようだ…。
後少しで「ワードナの玄室」と呼ばれていた場所に着く。
推測が正しければそこで碇隊長と(恐らく、冬月副隊長にも)再会出来るはずだ。
迷いは正確な判断と行動に悪い影響を与える。
リョウジは大きく深呼吸をしてみる。
「止水明鏡、か…」
「そぉよぉ?戦わなきゃならないのなら…その時はその時」
「達観しているんだな」
「ブシドーは死ぬ事と見付けたり」
成程ね、と言いながら肩をすくめて見せるリョウジ。
「…ありがたい説法が済んだ所で感動の再会と行こうか…」
リョウジ達の前に一際大きな扉が現れた。
27613 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:27:06 ID:???
「…あれ?主は不在です、って出てますよ…」
扉を開けようとしていたリョウジの手が止まり、上体を反らして壁際の掲示板を見る。
その掲示板にはあの頃からワードナの予定みたいなものが(律儀にも)書き込まれていた。
一瞬…ほんの一瞬、リョウジは安堵した。
…戦わなくてもいい…
そして愕然とする。
舌の根が乾かぬ内に、なんてこった!
一瞬弛緩した自分の気持ちを引き締めるリョウジ。
「…我々が相手では、隊長が出るまでも無いと思われたかな?」
後ろに控える仲間にいつもの調子で軽口を叩いてみせる。
「ま、いい…各々方、それでは参ろうか?」
芝居がかった台詞を口にして扉を押し開ける。

相変わらず薄暗い室内は静まり返っていた。
「…すみませーーん、誰かいませんかぁ〜?」
「マヤちゃん、御用聞きじゃ…」
マヤを嗜めようとしたマコトの言葉を低い声がさえぎる。
「…誰かね?」
リョウジとミサトがすぃ、と前に出る。
「ん…?君、か…」
声の主はどうやら知り合いのようだ…ならば、やはり。
「…お久しぶりです、冬月大僧正」
ゲンドウの補佐役・冬月コウゾウその人であった。
緊張を解く事無くほんの一歩、歩み寄る。
「ん…君も相変わらずのようだね」
「ワ」の国の伝統衣装に身を包んだ初老の男が振り返る。
色は紫…教団における最高位者にしか許されない色だという。
「早速で失礼ですが…」
「碇ならここには居らんぞ」
リョウジの質問に先回りして答えるコウゾウ。
「用件はそれだけかね?私は忙しいんだがね」
27713 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:28:08 ID:???
「待ってください!…ここにいるはずのヴァンパイアロードが地下4階に居るのは何故で
す?碇隊長のご子息をこの街に呼び寄せた理由は?キール王が造らせたアレは何なんで
す!?」
「せっかちな男だな、君は…ま、いい。座りたまえ」
ソファーを指し示してから自分も対面に腰掛ける。
まずリョウジが、次いでミサトが腰を下ろす。
3人と1羽は立ったまま後ろで控えている。
「…フム、用心深い事だな…茶は出せんぞ」
「相手が相手ですから。…お茶を楽しむ程長居をするつもりはありません」
グイ!と身を乗り出すリョウジ。
動作の全てで話を急がせていするのだ。
「…ヴァンパイアロードには一時的な任務を与えておる」
コウゾウの言葉はヴァンパイアロードが彼(または彼等)の指揮下にある事を認めたものだ。
それはかつてワードナが持っていた迷宮内における権力が継承されている事に他ならない。
「それは一体?」
「エヴァに関しては君達で調べた方が都合が良いだろう」
リョウジの追求を無視してコウゾウは三番目の質問に答える。
あっさり引き下がるリョウジ。
「…赤木大司教が開発責任者です。簡単には…」
「顔見知りではやりにくいかね?……ヌルいな」
ソファーにもたれるとリョウジを見下ろす。
しばらく沈黙が続いたが、リョウジの方が折れた。
「…シンジ君を呼び寄せた理由は?」
「それについては碇から手紙を頼まれている……これだ」
傍にあるサイドテーブルの引き出しから封筒を取り出すとリョウジに放る。
「確かに渡したぞ…必ず、碇の倅に渡してくれ」
「承知しました」
念の為、腰に付けた雑嚢に手紙を仕舞う。
「ではこれで会見は終りだ…ナニ手間は取らせんよ」
数珠を手に印を結んだコウゾウがマントラを唱え始める。
次の瞬間、リョウジ達は次元の壁を突き破っていた。
27813 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:29:46 ID:???
>>264
ん〜ごめんなさい。
あっさり潜っちゃいました。
>>265-268
長い間、保守ありがとうございます。
>>269
保守&お気遣いありがとうございます。
ヨソで開始した連載準備と意外な伏兵にてこずりました。
ま、仕事が忙しかった、てのも原因ですがw
先週の金曜日にウワサの「最終兵器彼女」を一気読みをしますたwww
鬱になったとかでは無いんですが…恥ずかしながらしばらく虚脱。

ではまた。
279名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/03/14 01:14:05 ID:4g5WyjEH
続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
このスレは死なないわ
私が保守るもの
281名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/03/21 01:03:57 ID:uC/jVaWF
あげ忘れたorz
>281が不思議な呪文を唱えると、リョウジ達はスレごと次元の壁を突き破り最上階に放り出されたw
283名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/29(火) 01:13:57 ID:???
  /iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiir、    ,/\,,ヘ/\,/\,/\
   /liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiリiトiiiiiiiハiil iil  liiiハiiiiiiリiiiiiiiiiiiiiiii、  >
  " 'liiiiiiiiiiiiiiiiiii/iリiiiiハ/ lil  il  liii/liiiiトiiiiiiiiiiiiiiiil  
   /iiiiiiiiiiiiiiリii/--トiiii/     i  _lil" liil liiiiiiiiiiiiiiiト > 手滑らせて
  riハiiiiiiiiiiil ii   ,,__"`'r、 ,i i, _,,/,, yrーir、 liハiiiiiiiiii〈   > ロクトフェイトしちまったー!   
  ii liiiiiiiiiil   yr"~~`''y,^",‐` -''r''~,,   "   liiiiiiiirヘ,,  ^
   /,liiiiiiiil        〈l,`            "_,,/~  /  "//ヘ/\,,^\,,/\
  /⌒ヾ,i--l          _,,....,,_         ,./    `r,,‐-、
  ヽ ,  ヘr..,,_     ,,r-_''"- ー--丶、     /         〉
 _,, 」     ヽ、   rl'"      ゝj,    ,/         l'~
l         ヽ、   l"         'l   l    ヽ,,     ヽ,
`''+,         i,  l   ..... ,, ー ,.  l,   l      ヘ  ,r-"
 r"      ,    `、 l /      ヾ,,.l  /      ヽ, l
 ヽ,,_   /     } lrv        l.l  ,r        l/'"
   ,l  /      〈  ヽヽ、_____ ,,,,,....//  l        i,
   ヽ、/       lゝ、 `ー- ,,,...... -ー''" ,,/l        'i
    /       /l `' 、        ,/ / l        ヽ
   /        'ムl   ` 、   ,, ''"  〈_ l       
284名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/03(日) 17:17:44 ID:???
そういや、この間出た監獄はどうなのよ
285名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/19(火) 11:00:42 ID:1gx+qbOy
age
286名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/29(金) 09:33:25 ID:???
287名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/04(水) 21:01:17 ID:???
保守&続き270-278来てたさげ
28813 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:52:18 ID:???
コウゾウの法力によってトバされたリョウジ達はリルガミン城門の前に実体化した。
突然の訪問者に少しばかり驚いていた衛兵もリョウジ達の身なりを見て表情を緩めた。
冒険の最中、罠に引っかかったり座標指定に失敗した冒険者達が地上に出現した事例を思い出したのだ。
「これはこれはご苦労なことだ。テキは手強かったかね?」
思わず駆る愚痴で労ってしまう。
「…火急の報せがあるそうでね…軽くあしらわれちまった」
自嘲気味に答えてリョウジが立ち上がる。
「みんな、怪我はないか…?もう一度行くぞ」
「…今日はもうやめましょう、加持君」
ミサトの言葉を聞いたリョウジが怪訝そうな顔をする。
「まだやれるさ…なぁ?」
シゲル達を振り返って同意を求める。
「ダメよ。既に呪文を半分消費しているわ…もう一度あそこに辿り着くまでにもう半分消耗したとして…」
再びコウゾウと対峙した時に呪文が使えない可能性がある。
そして…万が一その場にゲンドウが居たら?攻撃を仕掛けてこられたら?
不安材料には困らなかった。
ミサトの言葉の裏にあるそれらを理解して、リョウジは前言を撤回する。
「解った…少しばかり焦っていたようだ。皆、今日はゆっくり休んでくれ」
門前で一同を解散させると改めて門番に向き直る。
「赤木大司教にお目通り願いたい。加持が来た、それで判るはずだ」
その言葉を聞いて衛兵はやっと眼前の男の素性を思い出した。
「…しばし待たれよ…お伺い致す」
大振りな手鈴をからんからんと鳴らし、手の開いた衛兵を集めるとリョウジを取り囲む。
「古い友人を訪ねてきた人間に対する態度ではないな」
「お互いの立場を考えられよ」
へぇへぇ、と肩をすくめるリョウジ。
槍や剣を構えた衛兵達の表情が硬い。
「…心配か?オレもバカじゃない。こんな所で暴れたりはしないさ」
「そう願いたい…今しばらくの辛抱なれば」
28913 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:53:20 ID:???
リツコからの返事は書状であった。
『ふさわしき場所にて』
たった一行ではあるがリョウジにはそれで十分だった。
「騒がせたな。やはりこのナリでは登城は無理のようだ」
「ならば早々に引き取られよ。…無礼の数々、失礼致した」
心持ち頭を下げると衛兵達に合図を送る。
衛兵達がきびきびとした動きで刀槍を引き戻し身体の前で垂直に構える。
そんな衛兵達を見てリョウジは…胸に手を当てて恭しくお辞儀をする。
口元にふてぶてしい笑みを浮かべて。

宿屋の自室に戻ったリョウジは雑嚢から手紙を取り出してみる。
中身は硬くやや厚めの紙なのかぽってりとしている。
中央が膨らんでいるのは小物でも入っているためか?
ひっくり返して封印を見る。
たっぷり垂らされた蝋に印が記され…ご丁寧に法術による封印が成されているようだ。
信用がないものだ、そう呟くとベッドに転がって仮眠を取る。

陽が傾きかけた頃に目覚めたリョウジは軽く汗を流してギルガメッシュの酒場に出向く。
ここの3階でリツコと落ち合う手はずなのだ。
…シンジに渡す者もあるし、何より腹が減っていた。
個室に案内されるとリツコを待たずに料理を注文する…酒も、だ。
程なくして料理とワインが運ばれて来る。
血の滴る様な肉をがつがつと喰らい赤ワインで流し込む。
「…珍しいモノが見られたわね。これだけでも価値があるわ」
常日頃から飲み食いの場ではスマートな振る舞いをして来たリョウジには珍しい光景なのだ。
カーテンの向こうからリツコの声がする。
いつの間に…いつからそこに居たのか?
「…何、少しばかり悔しい思いをしたんでね」
「碇隊長に子供扱いされたのかしら?」
「…副隊長に、ガキの使いをさせられた」
無造作にナイフとフォークを放り投げて食事を中断するリョウジ。
29013 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:54:22 ID:???
「碇隊長には会えたの?」
「どこかで何かをしているらしい…りっちゃん」
「何?」
「…高みの見物は面白いか?」
しばし沈黙。
「そんな挑発に乗ると思ってるの?」
リツコの表情には特に変わった色は浮かんでいない。
「…ま、良い、今回のヴァンパイアロードの一件は間違いなく碇隊長の差し金だ…これは
副隊長も認めている」
「目的は?」
テーブルの向かい側に腰を降ろすとリツコがグラスを手にする。
そのグラスにワインを注ぐリョウジ。
「ガキの使いをさせられた、と言ったろ?あっちの言いたい事が終わったらバイバイさ」
「…そう」
「詳しい事はりっちゃんにでも聞け、とも言っていたがな」
くぃっとグラスを傾けるリツコを眺めながら奇襲攻撃に出るリョウジ。
リツコの表情は相変わらず乱れない。
「カマをかけようっての?」
「いや、本当にそう言ったんだぜ?キール王の本当の目的…知ってるんだろ?」
「さぁ、どうかしら?それより、どうしてそんな事を気にするの?」
サラダを口に運びながらリツコが逆に尋ねる。
その問いにリョウジは考え込む。
「…あそこはオレの遊び場みたいなもんだ…そこで誰かが好き勝手をしている…ま、そんなトコかな」
半分は口からでまかせだが、半分は本心だとリョウジは思った。
己の力ひとつであそこを縦横無尽に駆け巡っているリョウジにはそれなりの自負がある。
だが最近自分の関与できないレベルにおいて何者かが「ソコ」に強い影響を及ぼしている。
リョウジの存在を歯牙にもかけず、何事かを推し進めようとしている。
――踊らされてたまるか――
コウゾウに使い走りをさせられた事とも相まってリョウジの血がたぎる。
29113 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:55:25 ID:???
「ドラムロ達はどうしてる?」
シンジ宛に手紙を預かった事には触れないで話題を変える。
「順調よ、良くがんばっているわね」
「正直、前衛が良く太刀打ちできるものだと思うよ」
「メイジが優秀なのよ…今日はティルトウェイト2連発でケリをつけたんですって」
メイジ系7レベルの攻撃呪文であるティルトウェイトはその高熱と風圧で相手を根こそぎ打ち倒す。
「アレはそんなに素早く唱えられる呪文だったか?」
「だから優秀だって言ったのよ…方法については教えて貰えなかったけれど」
その圧倒的なエネルギーを生み出すための祈りには時間がかかり、また少しでも集中力が
途切れればその効果が半減する。
「じゃあ…」
「そう…現在あのパーティの要は彼女ね…そしてそれが相手にも解る頃、かしらね」
正念場なのである。
破邪の指輪を先払いで受け取っているドラムロ達にしてみれば、後一回の戦闘はなんと
しても勝たねばならない。
いや、リツコとは「しばらくの間」と言う曖昧な表現での契約だったはずだ。
ドラムロ達が嫌だと言っても戦わざるを得ない状況なのだ。
無論ドラムロ達が仕官を断念すればそれまでであるが。
「さて、どうなるか?」
「予定通りにやってもらわないと困るんだけど」
「誰の予定だ?」
リョウジの言葉に一瞬キョトンとするリツコ。
やがてその口元に意味ありげな笑みが浮かぶ。
「私、よ」
華やかな照明に彩られた個室にあって、リョウジはその笑顔に深い闇の様なものを感じた。
29213 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:56:34 ID:???
リツコとの会食を終えたリョウジはシンジの姿を求めて1階に下りる。
…視覚で確認するよりも早くリョウジの聴覚がその所在を捉えた。
1階の奥まったテーブル―シンジ達のいつもの席だ―からアスカの怒声がしたのだ。
周囲の客達は「いつもの風景」をニヤニヤ笑いで眺めている。
レイは…どうやら引き上げた後のようだ。
「よ、相変わらず元気だなアスカ。今日は何があったんだ?」
「加持さん!」
リョウジの声に我に帰るとアスカの声音がやや高まる。
「聞いてよモゥ!リツコに言われて一日中地下1階のオバケを相手にしてたんだけど…」
チラリとシンジを見る。
「このヴァカが足引っ張りまくりなのよォ」
「…だからゴメンって言ってるじゃないか…」
「アタシが欲しいのは明日への確約よ」
「そんなの、ムリだよ…」
「ムリだと思った時点で『ソレ』はムリになるの!解った?」
「解ったよ…ウルサイなぁ」
「…ミーティングが終わった所でシンジ君にこれを」
リョウジが例のぽってりと厚い封筒を差し出す。
「誰、からの手紙ですか?」
「碇ゲンドウ」
その名前を聞いて、封筒を受け取ろうと伸ばした手が一瞬止まる。
しばし逡巡した後、おずおずとそれを受け取るシンジ。
封を開けようかどうか迷っているシンジにリョウジが本音を伝える。
「シンジ君、今ここはなにやら雲行きがおかしくなりつつある。その原因は碇隊長…君の
お父上なんだが…差し支えなければ、それに何が書かれているか教えて貰えれば助かる」
困惑顔のシンジ。
その理由は二つ。
ひとつは、自分の父親が何かのトラブルの原因らしいということ。
もうひとつは、筆不精と思われる父の手紙を他人に見せる恥ずかしさだ。
何しろこの街に呼付けられた時の手紙でさえ『来い』の一言だけだった。
29313 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:57:37 ID:???
「いや、差し支えなければ、でいいんだ…無理を言ってすまん」
「判りました…」
そう答えるとシンジは腰に下げた短剣を取り出して封を切る。
中には一枚の羊皮紙と1個の指輪があった。
「うわ…!ねぇシンジ、それちょっと見せて!」
アスカの言葉に熱がこもり興奮しているのがシンジにも解った。
「シンジの許可を待っているアスカ」というのは初めてではないだろうか?
いいよ、と言って指輪を手渡すと手紙に目を落とす。
手紙には…
『指輪はユイの形見だ。これを身につけて私の所まで来い。知りたい事を教えてやろう』
相変わらず用件だけの手紙だな、とシンジは思った。
この前の手紙と異なる点と言えば、母さんについて少し書かれている事か…。
シンジは迷わず手紙をリョウジに差し出す。
「役に立ちますか?」じうし
リョウジは恭しく手紙を受け取ると堅苦しい謝辞を述べた。
この辺りの習慣はどうやら職種に関係する精神性のようだ。
アスカは指輪を丹念に観察しながら何事かぶつぶつ呟いている。
「…そんなに面白いの?それ」
何気ないシンジの言葉に過剰に反応するアスカ。
「…アンタ、バカぁ?これ『ギメル・リング』よ!しかもこんなに手の込んだモノ…」
「へぇ、アスカもこんなモノに興味があるんだ…女の子だね」
どん!と、アスカの拳がテーブルを叩く。
ふらふらと頼りないステップを踏むワイングラス。
「これはねぇ、別名『双子の指輪』とも言われてるの。ここでこう…二つに分かれるはず
なんだけど…だめね、簡単には開かないみたいね…まぁ良いわ。とにかくすごいモノなの
よッ!我がプロイセンの職人が技術の限りを尽くして造った芸術品。これだけ立派なモノ
貴族でさえ簡単には手に入れられないわよ…アンタのお母さん、一体ナニモノ?」
人差し指と親指の間に挟まれた指輪を見ながらシンジはぼーーっとしていた。
指輪の知識もそうだが母親についての知識さえも少ない自分に今更ながら驚いていたのだ。
そして
アスカの指に『コレ』が納まればどんな感じになるんだろう?と考えていた。
29413 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:58:48 ID:???
ギメル・リング
ラテン語の双子を意味するゲメルス(gemellus)に由来し、二重になったベゼルとフープを指す。
本体がゴールドで造られたその指輪は様々な色のエナメルが施されている。
盛り上がったベゼルは二重のボックスになっており、テーブルカット・ダイアモンドと
ルビーが埋め込まれている。
ルビーの紅い色が情熱を、世界で一番硬いダイアモンドが忠誠を表す。
良く見てみれば指輪には切れ目が入っており、名前の由来通り二つに分けることが出来る。
ボックスの中には赤子と骸骨のミニチュアが隠されている。
二つのミニチュア、二つに分かれるリング、二つの宝石。
そしてリングに刻印される言葉
NON SEPARABIT HOMO/QVOD DEVS CONIVNXIT
「主が結び付け給いしものを、人をして離れ離れにさせるなかれ」
二つのものが重なり一つになる…これほど結婚にふさわしい指輪があるだろうか?

「…って言うくらいすごいモノなんだからッ!……あれ?」
「どうしたのさ?」
「これ、刻印の文句が違うわ…ねぇ加持さん、アレ貸して」
二人のやり取りを眺めていたリョウジがすぐさま腰の雑嚢から小さな筒を渡す。
精密な細工品を作るときに用いる特殊なルーペだ。
アスカは右目を大きく見開いてその筒を押し付け、頬の肉と上まぶたで挟み込む。
実に見事な連携に唖然とするシンジ。
「Estoy aqui para ti …イスパニア語ね…君のために、僕はここにいる、かぁ…」
シンジには意味はおろかその言葉が使われている国がどこにあるのかも解らない。
「…どうしてそんな事まで知ってるの?」
自称・天才少女だということは知っていた。
だが返ってきた答えは。
「…社交界デビューして二年、あっちこっちの国の殿方と膝突き合せて話せば、ねぇ」
最後の「ねぇ」はリョウジに向けての言葉だ。
社交界についてならシンジも聞いたことがある。
上流階級の紳士淑女が夜な夜な楽しく遊ぶ(あくまでシンジの聞いた話だw)場所だ。
「…あれ…えぇ?」
29513 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 19:59:51 ID:???
シンジの思考は混乱した。
「アスカって…もしかして『お嬢様』なの?」
アスカはその問いがいかに愚問であるかを強調する様に人差し指を立てて小さく振る。
ちちちちち
「女の子は誰でも『お姫様』よ。ね、加持さん」
「白馬に乗った王子様になるか執事になるかは男の甲斐性次第、ってね。…ところで」
リョウジは頃合いと踏んで話を手紙に戻す。
「碇隊長の手紙はいつもこんなものかい?」
羊皮紙を指でトントンと叩きながら尋ねる。
「はい…そもそも手紙すらあんまり出さなかったと思います」
「しかし最下層に辿り着けるまでに成長するのはごく一部…だが碇隊長には確信がある…」
無精ひげを撫でながら考え込むリョウジ。
暇になったアスカはシンジの左手の上にリングをかざしている。
「な、なに?」
「この指輪を身につけるったってサイズが合うのかなぁ?って思って」
子供の頃から楽器の演奏をしていたシンジの指は細い。
だが骨格は男のものであり、成人女性のそれと同じサイズとは思えなかった。
アスカはひょいとシンジの左手を持ち上げ、その人差し指に指輪を差し入れる。
「やっぱり!ここで止まっちゃうぇえぇッ!?」
横目で見ていたシンジもギョッとした。
指先から二番目の関節で止まっていた指輪がすぅっと動いたのだ。
アスカが力任せに押し込んだのではない。
指には何の圧力もかかっていなかったのだから。
どちらかと言えば…指輪が勝手に指の付け根に納まった、と言う感じだ。
「…どうした?」
アスカの悲鳴にも似た声に現実へと引き戻されたリョウジ。
「加持さん…この指輪、呪われてるのかも…」
「抜けないのか?」
「は、はい…入らないと思っていたら、こう、すぅーっと滑る様に動いて…」
「ボルタックの店に行ってみよう」
29613 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 20:00:52 ID:???
ボルタック商店。
別名「ボッタクル商店」と揶揄される通りそのたくましい商魂によって一代にして事業を
拡張させた名物ドワーフの取り仕切る店である。
各地に出店を構えあらゆる武具を取り揃えている。
ここリルガミンにおいては、キール王の軍隊への納入と冒険者相手の商売と言う正に濡れ
手に粟状態である。
修理・補修はもちろん、素性の解らない物品の鑑別や呪われた品の解呪も引き受ける。
単に商売上手というだけではないのだ。
アフターサービスは元より直接商売に関係ない相談にも答えている。
ウワサでは「クエスト」のアルバイトも紹介しているとか…。

そこに持ち込まれた1個の指輪は…シロだった。
魔力の存在はあるが(今のところ)呪いの類ではないらしい。
指輪がその主と認めた以上無理に引き離すのは困難であり、ロクトフェイトを用いた手法
は無意味だとも付け加えられた。
そして最後に
「困った事態になったら実費で相談にのるぞ?」
と囁かれた。
29713 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 20:01:53 ID:???
シンジは藁のベッドに横たわり自分の左手を眺めていた。
枕元のランプの灯りにさえキラキラと輝いている指輪。
「なーに浸ってんのよ」
ぼすん!と言う音と共にアスカが腰掛ける。
「そんなんじゃないよ…」
「…本当に見事なものよねぇ…ねぇシンジ」
「なに?」
「指ちょん切って指輪抜き取らない?傷ならファーストがすぐに治療してくれるはずだからさ」
「しないわ、そんな事」
馬小屋の隅で向こうを向いたままレイがぽそっと呟く。
「冗談よ、冗談!…寝ているかと思えばしっかり起きてるし、まったく」
「アスカが言うと冗談に聞こえないよ…」
「なァんですってぇ!」
「もう、寝かせてよ…いろいろあって疲れてるんだ。明日、迷惑かけたくないし…」
そういってシンジはコートを頭からかぶる。
ふん、と鼻をならしてアスカが遠ざかる気配がする。
シンジは左手を伸ばしてランプの灯を消した。
人差し指の指輪がガラス筒に触れて、かちりと音を立てた。
29813 ◆gGjVpethkg :2005/05/05(木) 20:02:55 ID:???
>>279
やっと次が来ました、すみません。いつもありがとうございます。
>>280-283
ハゲワラw
つい先日も睡魔に襲われてセーブせずに終了してしまいorz
集中力が無くなるまでしちゃあイカンですな。
>>284
…すみません、新しいのはやってません。
他の方、いかがですか?
PS2では学園Wizという触れ込みのヤツが出ましたが…。
>>285-287
いつもありがとうございます。
だんだんと間隔が開いてしまいもう土下座するしか…orz

先日ぶくおふで「リルガミンサーガ」つー廉価版ソフトを買いました。
も少し早く買ってれば冬月先生には「マピロ マハマ ディロマット」
の呪文を唱えさせてあげられたのにw
手痛い思いもしております。以下参照

オーガロードが現れた♪ いきなりモリト唱えてる
ちょっと待て!ロードちゃうんか? オマエそれメイジ呪文
あーたーまー混乱 操作ミスぅしたぁ
たちまち 減った ヒットポイントォ〜♪  おおお
メイジが死んだぁ シーフも死んだぁ
オーガロード 許さん! オーガロード 殲滅!
アタック×3   オレはガキかぁ?
299283:2005/05/06(金) 16:38:12 ID:???
さらに付け加えるならディンギルでサブウェポンに手裏剣+!をわざと呪われて、
侍に転職したヤツだ。ショックのあまり最初からやり直してる。
300名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 21:13:43 ID:???
300
301名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/07(土) 03:25:44 ID:???
続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!
乙です
302名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/16(月) 20:32:00 ID:???
久しぶりにエヴァ板きたらキテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!

>「役に立ちますか?」じうし
やはりここは突っ込むところですかw
303名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/01(水) 16:46:25 ID:???
30413 ◆gGjVpethkg :2005/06/05(日) 02:46:56 ID:???
地下10階を探索していたパーティが全滅しました。
村正だの回復の指輪だのを装備していたトップチームです。
ボーッとしながらプレイしていた罰ですね。
ちょっとorz

圧縮によるスレ消失…2年前にも投下スレを無くした事があるんですが…。
うーん…さてがんばるか。
305名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/11(土) 17:03:40 ID:???
ならば保守
306名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/13(月) 01:26:26 ID:???
その投下スレの続きも・・・
307名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/15(水) 15:25:30 ID:???
 
308猪狩シンジ:2005/06/16(木) 00:42:18 ID:???
保守
309名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 15:52:00 ID:???
保守
310名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 19:40:36 ID:???
携帯版#1でグレーターデーモン100匹狩った記念保守
311名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/28(火) 02:39:14 ID:???
ここの住人的には#6はどうなんでしょうか?
自分は好きなんですが…
312名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/29(水) 00:15:13 ID:???
#6からは8801mkIIでできなくなったから知らない。
313名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/29(水) 00:35:05 ID:???
#6やると#7がくっついてくるので却下したい俺は
セガサターン派。
314名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/02(土) 15:22:53 ID:???
#7のどこが悪い?
なぜ皆#7には否定的なのだ?
315名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/02(土) 16:03:55 ID:???
PSの#7は?
316名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/09(土) 02:02:00 ID:???
#7は黒歴史の方向で
317名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/16(土) 11:43:42 ID:???
 
318名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/17(日) 02:42:40 ID:???
保守管理点検
319名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 18:16:05 ID:???
スライムみたいになりながら保守
320名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/30(土) 15:52:06 ID:???
保守
321名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 21:25:15 ID:???
甲子園捕手
322名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/16(火) 11:18:39 ID:???
酷暑ですね…
住民の方々、なにかと忙しいかとは思いますが
がんばってくさい
323名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/20(土) 20:22:06 ID:???
では保守
324名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/22(月) 19:07:53 ID:???
【コピペ推奨】
      ___  ________ ____ __ __ ____          __
      |  .| ,,,|   |─ .||─ .|     /  .`"O|    | ─┐    .i─i|  |
  | ̄`''''''  !''~ .|┌i .|=. ||= .|──i l    ┌ 'ニニニニ, |  .|| ̄|   .| ||  .|
  |__    ,.ニイ ~ |フ Γフ r_″  } ,l/!  !, .|   .| | |"   ̄ ̄l ||  .|
    丿 l|  ヽ .|  |/  ̄. _.|  ./ <  'i   ! ──┘| ┌ .┌ ラ | ||  .| ノ|
  ┌ '″ ,i|  it `| Π|  二 二,l. '"   `i  'i  .!__,,ノ  | |  |i~ _ノ .||  '″.|
  |   ノ |  |ヽ .|  |~| .ニ  ニ|  ,人  l  'i  |     丿 .|  ||__|  /|    |
  |_./  |_| ヽ.,_i ̄ |___.|,,/  .ヽ,,|   i__|___,,./  .|_| .|__ノ |_,,='"
         ∧  ρ   ピュッピュッ
         | |  ρ
     ./ ̄  ̄ ̄Y ̄ ̄ ̄\  我々は見た!
    | ○。         .| アマゾン踏破1500km!
    ノノ).            从 幻の低脳珍獣「ダガネ・デンパ・デ・アール」を遂に捕らえた!
   ( i从〓〓      〓〓.从
   .从-= =-      -= =-从  プ〜ン
  从从.        l       从)
  (从.l∴      ∨     ∴从人)
 (人人|∴ ヽ  .ー===-' ./.∴..从人)
 (人人|∴∴!    ̄   !∴∴l从人)
 (人人|∴∴!.       !∴∴l从人)
 (人人|∴∴!.       !∴∴l从人) ̄\
.(人人人_人____人_.人人人)::::::;\
          | |     〉 テ=ー''──┬<
          | |    (  ,/ ;:=-、_.,、_,;=|゙゙ツ
          | |    .;(| ! 'て・ツ'ヾ・j' !/
         (´`0    ! リ  ",;' :、゙ | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         !、__ )    \  r' ゙ー_'ヽノ∠ おっそろしいなあ!
.         (  `i`ー--iiー\、;'^三'^/  | 血清持ってこい!血清!
         !、__, `ー‐┴―'`i ー' ‐'ヽ  \_______
325名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/29(月) 00:51:21 ID:???
保守
326名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 21:27:17 ID:???
なまくらな担当
327名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 21:51:04 ID:???
さわってしまった!
328名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 13:10:44 ID:myWNcS9y
終わったな。。。
329名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/02(金) 23:52:04 ID:???
ここの職人は他スレで一年間投下中断の後、完結させているからなぁ


この程度ではまだまだと思われ
330名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/08(木) 00:48:29 ID:???
奈良保守
331名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 02:07:46 ID:???
カシナートは刃先が回ると聞いたんだが保守
33213 ◆gGjVpethkg :2005/09/11(日) 05:22:25 ID:???
いろいろあって投下できませんですた、ごめんなさい。

>>299
私は最初からやる気がうせてげんなりです…

>>300
オメ!

>>301
まだ待っていてくれているのでしょうか…

>>302
どんどん突っ込んでくだちぃw

>>303.305
保守ありがとうございます。
33313 ◆gGjVpethkg :2005/09/11(日) 05:25:53 ID:???
>>306
無論ですとも。覚えている人がいるかなぁ…完結させてオチたのもあるけれどw
>>307-309
またまた保守ありがとうございます。
>>310
オメ!
>>311-316
やっぱり皆さんやり込んでますよねぇ。
>>317-327
またまたまた保守ありがとうございます。
>>328-329
もちろんですとも!たったの4ヵ月じゃあないですか…orz
>>330-331
保守ありがとうございます。近日中になんとかします。

気がついたら333getしてるし…
たまにあちこちの板をぶらぶらしているとwizスレってあるんですねぇ。
根強い人気にちょっと嬉しい。
さ、がんばりましょう。


…本当にすみません。
334名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/20(火) 04:26:29 ID:???
今回はホントに保守しなくちゃヤバイわけで
335名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/28(水) 02:07:58 ID:???
さげ
336名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/01(土) 20:41:54 ID:???
保守
337名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/08(土) 00:04:20 ID:???
保守と繋ぎを兼ねて一本書こうか?
338名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/08(土) 00:26:04 ID:???
おっ、ありがたい。楽しみにしてますよ。
まぁ焦らず焦らず書くことが負担にならないよう
ほどほどに思いっきりがんばってください
33913 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:04:58 ID:???
翌朝、態勢を整えたリョウジ達は再びコウゾウに謁見すべく地下迷宮へと潜った。
エレベーターを乗り継ぎ地下9階のシュート地点に辿り着くと無造作に歩を進める。
だが何の変化も起こらなかった。
「?」
いつもなら軽い浮遊感と共に一瞬にして最下層へと運ばれるはずだった。
「何これ、どーしちゃったの?」
ミサトが辺りを見渡しながらつぶやく。
突然、眼前の壁に文字が浮かび上がった。
『これより先 印無き者は通過する事を許さず』
その文字を読んだ一行がそれぞれのリアクションでその「現実」を確かめる。
マコトが床をドンドンと踏みつける。
何度も飛び跳ねているマヤ。
文字を食い入る様に見つめるシゲル。
「…他のルートを探す」しばらく押し黙っていたリョウジが口を開く。
「えーと…ここ以外に下へ降りる場所ってあった?」
「オレの知る限り、ない。だがそれは昨日までの話だ」
そんな、と言おうとしてミサトは思い留まる。
昨日とは違う現象が自分達の足元に存在しているのだ。
「…じゃ、行こッか」
出来るだけのんびりとした声でミサトは後衛三人組を促す。

3時間後、地下9階をくまなく歩き回った一行が出した結論は「ルートなし」であった。
転移呪文のマロールが地下10階への侵入を封じられているのは知っていた。
そこで戦闘中にマロールを唱える、と言う「裏ワザ」を試みたがこれも効果がなかった。
この裏ワザは、他の階では1階下に転移されることで有名なものだ。
だがそれも通用しない今、リョウジ達の進む道はなかった。
…少なくとも今のところは。
「…残念だが今日はここまでだ。一旦引き上げる」
振り向いて一同に告げるリョウジの脳裏に昨夜の出来事が蘇る。
「…あれか!」
シンジの人差し指に納まった、あの指輪のことである。
34013 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:05:59 ID:???
一方その頃ドラムロ達は地下4階で奮闘中であった。
いつもの様に二手に別れてからドラムロ達は魔物の襲撃に晒された。
「大将との一戦の前に出来るだけ消耗させようってか!?」
そう毒づきながらモンスター配備センターの前に立つドラムロ。
「今回は油断が出来ないかも知れませんね」
「ブブリィの前じゃあ手も足も出ねェじゃねェかよ」
そういって慎重な物言いをするズロンの背中をどやしつけるビランビー。
「違ぇねぇ」
ニヤリと笑うドラムロ。
だがこの時、既にヴァンパイア・ロードの罠が張り巡らされていた事に気付いた者はいなかった。
ドラムロは件の扉を開いた。

「我が愛しの姫君様には御機嫌麗しく…」
部屋の真ん中で深々と頭を垂れている黒マントの魔物。
「…気色の悪い軽口を」
ブブリィの顔にあからさまな嫌悪の色が広がっていく。
「小細工を弄してみましたが…はてさて効き目は無かったご様子…残念無念」
「あの程度で策を弄したつもりかよォ!」
「これまでの敢闘に免じてその無礼な物言いも赦しましょう」
ドラムロの挑発をさらりと流す…いや、元々歯牙にもかけていないのだろう。
「そっちこそ手下はどうした?昨日のアレで弾切れかぁ?」
じりじりと間合いをつめるドラムロ達前衛組。
既に呪文の詠唱を始めているブブリィを左右から護衛するズロンとドロ。
「ここでの役目が終わりました故、姫にしばしのお別れを伝えに参りました」
「生憎と俺達ゃデリカシーが無くてよォ、二人っきりにゃあさせねェぜ?」
「おお!忠義な供の者よ…我が姫をお守り致せよ?」
「手前ェの小汚ねぇ牙からなッ!」
叫ぶが早いかドラムロの太刀がその胴に突き立てられ、次いで戦斧が、剣が襲う。
それを避けるでもなく抗うでもなく身体に受けるとヴァンパイア・ロードは崩れ落ちた。
奇妙な程あっさりと、だが陰惨な笑みを口元に浮かべて。
34113 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:07:00 ID:???
「…拍子抜けも良いところだなぁ、おい」
「楽して勝てりゃそれに越した事ァねェ」
「バカヤロゥ!オレ達が強くなってるんだよ!」
「油断は禁物です。何か嫌な予感がします」
相変わらず慎重なズロンの言葉に一抹の不安を感じている皆が倣った。
口では大層強気な物言いのドラムロ達ではあったが、相手は伝説の魔物だ。
いつも以上に周囲を警戒しながらドロの開錠作業を待つ。
「あいよ、ノルマ達成!」
慣れた手つきで箱から戦利品を取り出すとビランビーに指輪を放り投げるドロ。
「…また俺かよ」
「頼むぜ体力馬鹿」
「ンだとコラ!」
「やめねェかバカヤロゥ…へっへ、明日からはこの指輪が30万ゴールド…」
「くくくく」
「ひひ」
「ふふ」
「ははははは」
ドラムロの呟きを聞いた一同に笑い虫がついた。
一瞬緊張が緩み、部屋の中に陽気な声が溢れる。
「おいおい、地上に戻るまで油断は出来ねェぞ?…なんてな!」
「早くバストール達にも報せましょう」
「おぅおぅ。今夜は酒盛りでェ」
「今夜『も』の間違いじゃないのォ?」
浮かれた一行は待機組と合流すべく足取りも軽く部屋を出た。
34213 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:08:23 ID:???
浮かれるドラムロ達とは異なり待機組3人の表情は暗い。
「なんでェ、辛気臭い顔しやがって」
ドラムロの言葉に3人が不満を口にする。
「ヴァンパイア・ロード相手に役不足なのは判っちゃいるがぁ…」
「こうして立ちっ放しで待ってるのも退屈なんさぁ」
「…仕事がないとカンも鈍っちまうしぃ」
「仕方ねェだろ、そうやって仕事をこなしてきたんじゃねェかオレ達は」
「だからそれは判ってるってぇ…だがなぁ」
「なんでェ?」
「ストレスが溜まってよぉ…これから3人で1階辺りで暴れてきたいぃ」
バストールの意外な言葉に一瞬怒りを覚えたドラムロだったがそれを押し殺す。
それに考えてみればバストールの言葉も理解は出来る。
何より経験値に差がありすぎるのも問題だ。
「…よッし解った。手前ェ等はこの後自由行動だ」
「そうこなくっちゃぁ」
「ただし!暴れるなら1階でだ。3人じゃ危ねェからな…それとコレを預けとく」
ビランビーを振り返ると指輪を出させる。
「オレ達はもうしばらく4階を見回らなきゃならねェ。コイツは重荷だからな」
バストールに渡すとニヤリと笑う。
「スリル満点だ、ムチャすんなよ?」
「了解ぃ」
バストール達がエレベーターに乗り込むのを見届け、ドラムロ達は再び動き出す。
34313 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:09:24 ID:???
結局、その後ヴァンパイア・ロードは姿を見せなかった。
ドロの腕時計が夕刻を示すとドラムロ達一行は帰路についた。
バカ話に花を咲かせながら地上への階段を目指していると床にへたり込んだ三人組を見付けた。
「何やってンだ、手前ェ等!?」
「面目無ぇ…はしゃぎ過ぎちまったぁ」
「ディアルさえも使い切ってぇ…バストールが動けなくなってなぁ」
間延びした語尾に倦怠感が滲み出ている。
「しようがねェなぁ…おいズロン!」
しかしズロンは呼ばれる前にもう回復呪文を唱えている。
「…あぁ、気分が悪ぃ…」
「しっかりしやがれ、このお調子者ッ!」
のろのろと立ち上がるバストールを怒鳴りつけると念の為指輪を出させる。
「お宝抱いておッ死んじまっちゃ成仏できねェぞ?」
「まったくだぁ…」
「帰ったら飯喰いながら酒盛りだが…どうする?」
「いやぁ、俺達ゃ部屋で食うぅ…疲れちまったからよぉ」
「なんでェなんでェ、付き合い悪ィな…手前ェ等、本当に大丈夫かよ?」
「済まねぇぇ」
そう言うとゆっくりとした動きでバストールは階段へと歩き始めた。
「明日も特訓かねぇ」
「そうかもねぇ…」
なにやら打ちひしがれた雰囲気を漂わせながらバラウとガラバが続く。
「しばらく使い物にならねェかも知れねェな、ありゃ…」
そう呟いたドラムロは心の中で頭を抱えていた。
最大の利点である「交代要員」に不安が生じたからだ。
「仕事が一段落したらあいつ等のレベルアップをしなきゃならねェな…」
指輪のもたらす金銭的余裕があればそれも可能だった。
34413 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:10:25 ID:???
赤木大司教に指輪を届けたドラムロは居合わせたリョウジから地下10階の異変を聞いた。
内心、チャンスだと思った。
リョウジを含めたトップチームがこの異変で足踏みをしてくれればこんなに嬉しい事はない。
その間にレベルを上げ装備を整えれば一気にその差を詰められると考えたからだ。
リョウジの顔色を伺うと明らかに焦燥の色が見える。
大司教は相変わらずのポーカーフェイスでその心底は読めない。
退席しようとした時、ふとヴァンパイア・ロードの言葉を思い出した。
それを伝えると一瞬だが赤木大司教とリョウジの顔色が変わった。
…これは痛快だった。
自分達の行動が着実に重要なものになりつつあるという実感がドラムロに高揚感を与える。
――リョウジ、必ず追いついてやっからな――
ドラムロの野心は確実に大きくなっていく。

リョウジは自分の確信を証明する為にリツコへの協力を要請した。
明日にでもシンジを伴って地下10階に挑もうというのだ。
しばらく考え込むリツコ。
シンジの安全を最優先として極力戦闘行為を避けることを条件に許可が出た。
ただし出発はシンジ達のトレーニング終了後の夕刻である。
何故、と問いかけてリョウジは苦笑してしまう。
シンジがまだ「そこ」にいける実力の無い事に気付いたからである。
今はひたすら鍛錬に励まねばならない時なのだ。

リョウジが退席するとリツコは思考の為の伴侶をワインからコーヒーに切り替えた。
モカ・ノカタマーリという強い酸味が特徴の豆を頼む。
この豆の名前の由来は地名だとか著明な女剣士のイメージだとか諸説様々w
そのアロマをゆっくり吸い込みながらリツコは考える。
一連の出来事はやはり碇隊長が画策したものでありそれは予定通りだ。
だが、急ぎ過ぎている。
「こちら」の準備はまだ万全ではない。
…だからこそ、なのだろうか?
地下迷宮の闇にも似た感情がリツコの胸に広がっていく。
34513 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:12:14 ID:???
「ぼ、僕が、地下10階に行く…んですか?」
リョウジを介してリツコの指示を伝えられたシンジは当然ながら狼狽した。
昨夜突如としてシンジの指に同化した指輪になにやら秘密があるらしい…。
そんなことを言われてもシンジは簡単に承知できない。
無論シンジに選択の余地はないのだが、形式的にでも同意は必要なのだろう。
真剣な顔のリョウジが根気良くシンジを説得している。
隣のテーブルではアスカやミサト達が様々な表情で二人を眺めている。
時折シンジはアスカの表情をちらちらと盗み見る。
時間が経過するにつれてアスカの表情に苛立ちが色濃く現れているのに気付いた。
シンジはそれを自分の優柔不断さに腹を立てているのだと捉えた。
そう思った瞬間、心にさざ波が広がりそれがシンジを急き立てる。
顔を上げるとシンジは強い口調で返事をする。
「判りました、行きます!」

「どうして断んなかったのよ、バッカみたい」
宿屋に戻るや否やアスカが口にした台詞は、シンジにとって意外な言葉だった。
「え…?だって」
怒っていたじゃないか、そう言おうとしてやめた。
「良く考えてみなさいよ。アンタの実力で地下10階を動き回れると思ってんの?」
「…戦闘は加持さん達に任せればいいって…。そもそも目的は調査だし」
「あそこでは何が起こるか解らないのよ?それなのにまったく…」
そこまで一気にまくし立てると急に黙り込む。
「どうしてそんなに怒るのさ」
だが返事はない。
「ひょっとして、加持さんと一緒に行きたかった、とか?」
「アンタ馬鹿ァ!?」
大声で怒鳴ったアスカがシンジを睨む。
怒鳴り声にいつもと違った何かを感じたシンジだがそれが何なのかまでは解らない。
もちろんその理由も。
そしてそれはアスカも同じように見える。
34613 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:13:50 ID:???
困惑するシンジを睨み付けたまま肩で息をしているアスカ。
シンジは何かを言おうと考えるのだがうまく言葉にならない。
…アスカの逆鱗に触れた原因が解らないのだから当然だ。
「…アンタはねぇ…」
肩を上下させながら、ゆっくりと搾り出す様に声を出すアスカ。
「弱っちくて、頼りなくて、マヌケで、半人前のシーフだけど」
「…酷いよ、アスカ…」
あまりにも辛口の評価につい反論してしまうシンジ。
しまった、また怒らせる!そう思った瞬間、意外な言葉が返ってきた。
「それでもアタシのパーティの一員なのよッ!」
虚を衝かれたシンジの思考が一瞬停止する。
「それをよくもッ!あんなに簡単にッ!あっさりと!」
一歩一歩ゆっくりとシンジに近付くアスカ。
「いくら加持さん達のパーティだからって、許さないッ!」
シンジの胸倉を掴むと、ズイッと顔を寄せる。
「いい?ちゃんと還ってこないと、許さないわよ…何があっても、絶対に!」
胸倉を掴むアスカの手がぶるぶると震えている。
見開かれた蒼い瞳はシンジの眼を睨んだまま小揺るぎもしない。
鼻と鼻がくっつきそうな距離である事に気付いたシンジは背中を反らして離れようとする。
だがアスカの腕力は意外なほど強かった。
「や、約束する、から、離して…」
横を向いたシンジの口からはありきたりの言葉しか出ない。
「心配ならそう言えばいいのに」
背中を向けて横たわっているレイが呟く。
シンジから手を離したアスカが叫ぶ。
「心配なんかしてないわよッ!アタシはねぇ、アタシの目的はね!ここでbPになる事な
のよッ!その為にはメンバー交代なんかしてらンないのよッ!」
「?」
「…加持さんを追い抜かなくちゃ、一番にはなれないのよッ!」
アスカはこのメンバーで最強パーティと渡り合うつもりなのだ。
リョウジという存在が、アスカの中で少し複雑なものへ変化していた…。
34713 ◆gGjVpethkg :2005/10/08(土) 04:14:51 ID:???
皆様、ご無沙汰しておりますw
いろいろありましてやっと投下できました。

>>334-336
保守ありがとうございます。最近の圧縮はキツいですねぇ。
>>337
ありがとうございます。楽しみにしてお待ちいたします。
>>338
気力が落ちたのかこういう圧縮の心配は辛いですw
はぁ…
さてもうひとがんばりしますか。

ではまた。
348名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/09(日) 01:18:30 ID:???
書き込みきてたのであげ
349名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/09(日) 01:20:06 ID:???
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350名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/14(金) 19:26:43 ID:???
乙。長い間辛抱した甲斐があった保守
351名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/14(金) 20:11:23 ID:???
>>349
バカヤロウ!ウジウジしてんじゃねえ!!
352名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/31(月) 11:46:14 ID:Nzj+P2pj
マハリト
353名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 00:41:24 ID:???
ロルト
354名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 02:25:44 ID:yDvgIsWu
ロクトフェイト
355名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 03:12:18 ID:???
ティルトウェイト…
356337:2005/11/06(日) 10:13:32 ID:???
カティノ


保守代わりのヤツ出来たんで落としま
推敲はしてない


357337:2005/11/06(日) 11:15:20 ID:???
彼女は、いくつか悩みを抱えていた。一つは、地下4階にウ゛ァンパイアロードが出たという噂だ。
ウ゛ァンパイアロードと言えば、かつてはワードナの玄室で挑戦者を迎え打った魔物。
今のパーティでは2階をうろつくのが精一杯とはいえ、−−−乱暴な考えだが−−−こんな浅い階層でも地下7、8階の魔物と遭遇する可能性はある。
仲間に指示する身としては、あまりいい気はしない。

どこかで、ガサ、という音が聞こえたかと思えば、辺りには小銭が落ちている。
クリーピングコインのようだ。戦う気はないらしい。
358337:2005/11/06(日) 11:16:47 ID:???
血の気にはやる戦士を抑えつつ、通り過ぎようとした。通り過ぎようとして…もう、クリーピングコインの姿が無い事に気付いた。
周りに他の冒険者はいない。幻覚だったか、逃げたのか。私がようやく感じ始めた違和感に気付いて逃げたのだとしたら、余程上位の魔物か、記録に無いナニカか?
悩んでいるときに爪を噛む癖も、彼女の悩みの一つだ。
359337:2005/11/06(日) 11:26:50 ID:???
酒場で見るような踊りを踊る蛙の近くで置物を見つけてから、彼女は従妹の誕生日の事を思い出した。
確か、後一週間となかった筈だ。今から考えれば、去年のようにすっぽかすなんて事にはならない。ボルタック…郊外の園芸店…城近くの路地裏にある服屋…
センスの良い店を思い出しているときに、僧侶に爪を噛んでいることを咎められた。またやってしまった事に対する自己嫌悪を抱きながら、次の部屋へ向かっていった。
360337:2005/11/06(日) 11:36:43 ID:???
入った部屋一帯に、強い腐敗臭が漂っている。
忍者の奇襲にあい、前衛の首がハネられたときのトラウマが自分の身を襲う。
どうやら、忍者ではないようだ。だが、どんな時も油断してはいけない。噂が思考をよぎる。
僧侶は既にマツを唱え終えていて、前衛の3人と盗賊も配置についている。



どうやら、もっとタチの悪イモノノヨウダ。
361337:2005/11/06(日) 11:49:39 ID:???
出会い頭に戦士の1人が、槍のような物で頭を貫かれた。
即死である。
残った2人が攻撃を試みるも、弾かれてしまう。

そうだ、お菓子を焼こう。従妹への贈り物には、それがいい。

メリトを唱えている時に、彼女は唐突に思いついた。
僧侶と盗賊が、アレの目が光った途端に、燃えた。

何がいいだろうか?
バームクーヘン?
ブッシュ・ド・ノエル?
グミを混ぜ込んでカラフルにしたクッキーでもいい。

気付くと、前衛の2人も死んでいる。

そうだ、ハトサブレを焼こう。
まだあの子は、食べた事がなかった筈だ。

そこまで考えて、彼女は自分が燃えていくのを感じていた。
362名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 18:13:13 ID:???
保守保守
363名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 02:06:32 ID:???
保守&乙。一気に読んじまった。
某ゲンドウスレといい此処といい、クソスレと見せかけて意外な作品がある。
ひょっとしてエヴァ板とは、エヴァ好きにとっての迷宮か?
364名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 02:29:20 ID:???
ささやき えいしょう いのり ほしゅ!
365名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 03:03:27 ID:???
*このスレは datおちしました*
366名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/28(月) 11:34:52 ID:???
>>365
吹いたwwwww
367名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/06(火) 10:36:37 ID:???
冗談じゃなく本気でdat落ちしかねんな。
368名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 09:15:04 ID:ZE7TY2m8
カカッとage
369名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/18(日) 08:57:50 ID:???
転職保守
370名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/23(金) 23:00:31 ID:???
770保守
371名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/03(火) 19:19:53 ID:L12jG03w
@@@@
372名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 20:26:50 ID:???
ホッシュ
373名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/16(月) 00:18:12 ID:Oa4ONSa5
保守
374名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/20(金) 08:05:47 ID:???
補修
375名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/22(日) 18:41:36 ID:4l7qSWpB
あげてみる
376名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/28(土) 18:29:12 ID:???
保守
377名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 05:17:02 ID:???
保守
378名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 23:49:18 ID:???
保守
379名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 00:53:47 ID:???
保守
380名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/17(金) 04:07:50 ID:fls73G0P
念のためにage
381名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/24(金) 02:01:56 ID:???
382名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 00:20:17 ID:???
ターボファイル保守
383名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/15(水) 03:14:18 ID:???
天の声U
384名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 06:23:33 ID:???
保守
385名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 23:33:38 ID:???
またまた保守
386名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 02:00:02 ID:eHDbohqe
はいきょうしゃ
387名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 20:30:04 ID:???
転職保守
388名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 21:05:06 ID:???
ウィズ好きにはダンマス好きは多いか?
389名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 21:24:18 ID:???
ボッタクル
390名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 23:14:57 ID:???
おう、ダンスマニア好きだぜ。東芝EMiの。
391名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/29(水) 19:04:23 ID:???
明日キー
392名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 09:31:30 ID:???
h
393名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 00:31:15 ID:???
エヴァの中にいる
394名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/08(土) 05:31:09 ID:???
日々、Wizをこよなく愛するみなさん。これはどうかな?
ウィザードリィ・外伝 〜五つの試練〜 
 このWizは、作成ツールで自分で作れるみたい。どこまで、作りこむ
ことができるのは今のところ定かではないけれど、
 自分たちでオリジナルのWizができたらすごくない?しかも専用サーバー
から、フリーシナリオをダウンロードできるようになるらしい。
 Wiz愛する方々が購入して増えたら、神シナリオやダンジョンがでてくるん
のでは?
395名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/08(土) 10:19:31 ID:???
問題はエディット機能がどれほど充実しているか、という事なのだが。はたして。
396名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/10(月) 21:54:54 ID:???
報酬
397名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 13:46:02 ID:???
ウィザードリィ・外伝 〜五つの試練〜 Five Ordeals
Windows用PCゲームソフト6月8日発売決定!
シナリオ作成ツール「Wiz-Scenario Making Tool Ver.1」
今回の5つのシナリオはこのツールで作成されている可能性は高い
ような気がする。ゲームスタジオも関わってるとかで、ここは、GB版WizT〜V、外伝T。
SFCのWizVI、V、 I・II・III(任天堂パワー)。FCのWiz T〜V。などの作品を作った
老舗だし手堅いもん作るんじゃないかな?5つのうち何個に関わってるのかは
知らないけど。おそらく開発段階のツールを利用して、シナリオを作ったんじゃ
ないの?ベースは前作だろうけど、その失敗?(人によっては)したノウハウも活かし
つつ、今回は安定した作品を出してくれるのでは?と期待してます。
398名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 19:35:29 ID:P0W3QlLE
お気に入りのスレッドが落ちたのは悲しすぎる。ここは落ちて欲しくない。age!
399名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/15(土) 23:15:19 ID:???
保守
400名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/23(日) 12:17:35 ID:???
あげほしゅ-さげほしゅ-チラうら-ぎょうしゃ

スレはほしゅされました
401名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 15:41:14 ID:???
ほしゅ
402名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/30(日) 20:50:25 ID:70DO2OH2
Keep
403名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/04(木) 04:30:21 ID:???
ほ*し*ゅ
404名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/07(日) 22:54:45 ID:???
*おおっと*
405名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/14(日) 21:29:37 ID:???
保守
406名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/17(水) 12:26:20 ID:???
馬小屋で休憩
407名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/17(水) 19:43:16 ID:Jek2+EFr
宿屋の主人「いやなきゃくめ でていけ!」
408名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 10:54:11 ID:???
ボッタクル
409名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/29(月) 22:21:59 ID:???
保守る
410名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/07(水) 03:46:20 ID:???
職人さん、カムバーーーーーック!


…保守
411名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/10(土) 19:51:19 ID:???
保守
412名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/18(日) 19:18:40 ID:???
保全さげ
413名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/26(月) 01:54:28 ID:???
(´・_つ・)
414名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/29(木) 08:19:51 ID:???
調整保守
415名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/04(火) 09:48:30 ID:???
保守
416名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/13(木) 08:41:51 ID:???
ほす
417名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/15(土) 23:35:37 ID:???
保守
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/26(水) 01:59:10 ID:???
保守
419名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/26(水) 03:06:37 ID:???
プリーストブラスター
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/05(土) 12:29:08 ID:???
保守
421名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 00:48:26 ID:???
保全
422名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 08:06:12 ID:???
保守
423名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/26(土) 00:49:50 ID:???
作者さん帰ってきて
424名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 20:06:50 ID:???
 
425名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/28(月) 09:34:58 ID:???
シンジ達の本当の戦いはこれからなのだ。  第壱部 完
426名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/06(水) 23:34:17 ID:???
ほしゅりけん
427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/19(火) 02:40:44 ID:P3HOPcRD
絵本板じゃこれくらい日常茶飯事だぜ!
428名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/25(月) 00:46:59 ID:???
そうなの?
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/26(火) 02:09:00 ID:???
悲しいことにね・・・
430名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 19:58:34 ID:???
もうエヴァ板一番の長寿スレになってもいい気がした。
にしてもウィザードリィTは面白い、レベルドレインうぜぇ
431名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 21:38:56 ID:???
保守
432名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/24(火) 00:26:44 ID:X9I++aHj
保守
433名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/01(水) 08:08:37 ID:???
保守
434名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/14(火) 23:45:57 ID:???
ほす
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 04:15:39 ID:???
hozen
436名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/18(土) 19:40:55 ID:???
保守
437名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/25(土) 18:47:15 ID:???
週刊保守
438名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/26(日) 08:58:43 ID:???
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/04(月) 19:24:14 ID:TK7JovRA
俺以外に何人いるんだ?
440名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/06(水) 13:27:05 ID:zi7D1gqD
良スレ発見(*゚Д゚) ムホムホ
441名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/09(土) 01:12:15 ID:???
>>439
ノシ
442名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/11(月) 01:45:27 ID:???
保守
443名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/12(火) 21:05:55 ID:???
保守
444名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/31(日) 13:12:54 ID:???
年末保守
445名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/11(木) 20:36:45 ID:???
446名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/16(火) 02:50:16 ID:???
447名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/17(水) 15:08:41 ID:???

448ウエポンω二尉 ◆UUseXxeH56 :2007/01/17(水) 15:25:28 ID:3jW9BoZy
(*´ω`)ハアハア
ウィザードりー
(*´ω`)ハアハア
だいふきの
(*´ω`)ハアハア
漏れが
(*´ω`)ハアハア
きますた
(*´ω`)ハアハア
449名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/17(水) 19:58:32 ID:t+P9AGLW
ええい!!漏れがネトハクで良ければ書くぞ
450名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/17(水) 22:43:17 ID:???
もう少しお待ちください
451ウエポンω二尉 ◆UUseXxeH56 :2007/01/18(木) 00:02:26 ID:NKPJr6GJ
(*´ω`)ハアハア
とかげ
(*´ω`)ハアハア
西京
(*´ω`)ハアハア
452名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/20(土) 23:18:18 ID:???
ここまだあったのか……
懐かしいなぁ
453名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/24(水) 00:20:27 ID:???
くるはずのないネタを待って保守る日々さ。
454名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/28(日) 04:09:39 ID:???
>449
よろ
455名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 04:27:08 ID:???
じめっとして何処まで続いているのかも分からない、閉塞された空間を歩いていく。
イエンダーの魔除けを取るというだけの目的で数多くの人がこの迷宮で死んできた。
だが、彼の目的は違った。
その目的はより高次元で崇高だ。
彼、碇ゲンドウは迷宮の奥へとまた一歩足を進めた。
ネットハック外伝〜ネルフ、イエンダーの座〜

迷宮は既に迷宮より脱し、迷宮はよりり複雑なり
『ネルフ設計理念』より
456名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/14(水) 02:27:02 ID:qWlfcwxM
保守
457名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 20:33:17 ID:???
保守
458名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 21:10:07 ID:???
ささやき
459名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:49:03 ID:???
えいしょう
460名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 00:26:27 ID:???
いのり
461名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/21(水) 11:45:52 ID:???
ねのじろ
462名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/22(木) 14:24:45 ID:???
妄想を掻き立てられるテーマのスレ発見
463名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/26(月) 23:09:09 ID:???
ほほほほしゅ
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 18:18:07 ID:???
>>455
そういえばエヴァのローグライクゲームって無いのかな。
465名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 19:30:58 ID:???
おいおい
466名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 19:59:05 ID:???
はあ
467名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/24(土) 11:10:12 ID:???
さすがにこないんじゃないか?
もう一年以上経ってるし…
すげーおもしろかった だからかなしいが
46813 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 01:57:06 ID:???
東の空が白々とし始めた、何の変哲もないもいつもと変わりの無い朝。
ドラムロ達は軽口を叩きながら地下迷宮へと足を運ぶ。
「…しッかし、最近あいつ等は付き合いが悪いねぇ」
「おぉよ。今朝もドアにメモだけ置いて先に潜ってるってのァ…」
「まぁ、仕方ないわな、出番が無ぇんだからよ。焦るな、って方が酷だ」
「しかし3人だけで行動して経験値を稼ぐのは、少し危険なのでは?」
「ガラバはマカニトもマダルトも使えるんだから、心配しなくて良いんじゃない?」
マカニトもマダルトもメイジのレベル5呪文で強い攻撃力を発揮する。
特にマカニトは不死系・レベル8以上の魔物以外を倒せる攻撃呪文であり、地下4階では習得必須とされていた。
ブブリィの派手な実績に隠れてはいるが、ガラバとて相応の力を有しているのだ。
以前の地下4階でなら。

「お、ドラムロ!バストール達はさっさと入っちまったぞー?」
地下迷宮の入り口を固めている衛兵が声をかけてくる。
その声音に好奇心が満ちているのがありありと判る。
戦闘不能などのアクシデントを除き、ドラムロ達のグループが別行動を取る事など今まで数える程しかなかったのだ。
「知ってらァ!ちィと焦ってるようでよぉ」
適当な言い訳であしらいながらリストにサインを済ませる。
「…焦ってるのは、お前の方じゃないのか?」
「ンだとぉ!?」
「赤木大司教の前で大見得を切ったんだってな。…身分相応って言葉、知ってるか?」
衛兵が、にぃっ、と笑う。
「…知ってらぁ…だからこそ、だ!俺達程の力がありゃあ、手前ぇ等なんざすぐにも飛び越してやらァ!」
リストを束ねたボードを机に置き、ゆっくりと衛兵に詰め寄る。
さすがに剣には手をかけないが、拳骨を作っている。
「…よそうや、相棒。地下に潜る度胸も実力も無ぇ奴を相手にリキんでも仕方あンめぇ?」
険悪な雰囲気を察したドロが二人の間に滑り込み、ドラムロの尻をポンと叩く。
衛兵とドロの顔を交互に見やり、舌打ちをひとつくれて大きく息を吸う。
「…ヤロウ共、行くぜ!」
いつもの掛け声を残し、ドラムロ達は迷宮へと消えた。
46913 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 01:58:35 ID:???
結局、その日ドラムロ達はヴァンパイア・ロードと対峙する事はなかったし、代わりの難敵が姿を現す事もなかった。
さしたる苦労も無くモンスター配備センターに辿り着き、危なげなく戦闘を終えて戦利品を入手する。
ズロンのマディを頼りに、ビランビーに指輪を持たせたまま地下4階の哨戒を行う。
いつもの様に地下3階に戻り、階段を使って地下4階の別ブロックを調べていく。
全てが順調であり、拍子抜けする事甚だしい。
だが誰一人として気を緩める者はいない。
これも何かの罠かも知れないと考えたからだ。
多勢に先制攻撃を許した場合は、ティルトウェイトまで使用して切り抜ける。
まさに鉄壁の布陣とも思えた…のだが。
死の指輪による体力の消耗と微かな気配も逃すまいとする緊張感。
そして何より単調な哨戒作業。
それらが何時間にも渡ってドラムロ達の肉体と精神を疲弊させていく。
元々が血の気の多いメンバーを抱えた集団である。
特に前衛の3人は地味な任務より派手な戦闘が性に合っている。
たとえ傷付いたとしても、己が流した血によってより精神が高揚するという者達だ。
そんなメンツがただダラダラと周囲を警戒しながら歩き回る作業は苦行に等しい。
ズロンの治癒呪文も、ドロのジョークも効き目を失いかけたその時に、「それ」は訪れた。

「おぉいぃ、元気だったかぁあ?」
長い廊下を進み地下3階へ昇る階段を目指していたドラムロ達は意外な声を聞いた。
「お前ェ…」
バストールが立っていた。
「あはぁ、やっぱり驚いたぁなぁ」
「…よくもまぁ、無事にここまで降りてこられたなぁ」
「えへぇぇ、だって俺達ぃ、強ぇえからぁ」
バストールの左右にガラバとバラウがのろのろとした足取りで進み出る。
「うぅうふふふふ、そぉ、私達はぁ強ぉいのぉ」
「…お前ぇ等、何か変なモン使ってンのか?」
恐怖や苦痛を和らげる為にある種の薬草や樹脂を吸引・飲用する連中がいるのは知っていた。
だがまさか自分の仲間がそういった「モノ」の手助けを必要としているとは思いもよらなかった。
何しろ自分の血を見ると精神が高揚するという連中なのである。
47013 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:00:01 ID:???
「…よぉし、お前ぇ等が強くなったのは分かった。だがちィと危なっかしいや。…おい」
ビランビーに合図して死の指輪を出させる。
「これ持って先ィ上がってろ」
「いいぃぜぇぇえぇ」
手を伸ばしドラムロの手から指輪をむしり取り無造作にバラウへと放り投げる。
「痛ッ…バカヤロウ!手前ェ、爪ぐらい切りやがれッ!」
だがそれには答えずじっとドラムロを見るバストール。
「俺達ぃぃなぁあぁぁ、強ぉくぅなぁったぁんだぁぁぁ」
「さっきから何度も聞いてるだろがッ!」
間延びしたしゃべり方が妙にカンに触り、つい怒鳴る。
「腕ぇ比ぁべぇ、しよぉぜぇぇえええぇぇ」
ドラムロの顔がゆがみ、ついで紅潮して行く。
「…こ、の、バカヤロウが…ッ!妙なクスリでアタマがおかしくなりやがったか!」
「ビランビーィィ、俺ぇはぁもぉおぉ前ぇよりぃ、強いぃいい」
ドラムロの怒声にも怯まず、澱んだ視線を巨体の戦士に向けるバストール。
「…ヤっちまっても、良い、よなぁ、ドラムロぉ」
歯を剥き出して笑いながら戦斧を構えるビランビー。
「ちょっとぉ、アンタ達…いい加減にしなさいよ?」
「止めんなよブブリィ。俺達ゃ自分の強さ、ってヤツが存在理由なんだ。下がれねぇなぁ」
ボゾンが腕組みをして傍観の意思を表す。
「…バカ共がぁ…死なねェ程度にしとけよ…」
制止を諦めたドラムロの放った言葉が合図となった。
右手だけで構えた戦斧をバストールの脳天に振り下ろすビランビー。
先程までの緩慢な動作のまま、ゆらりと上体を反らしてかわすバストール。
次の瞬間、仰け反った身体がバネ仕掛けの様に屈み、戦斧の横をすり抜けていく。
床石に叩きつけられる寸前で静止した戦斧が豪腕によって引き戻されその動きを追う。
バストールの脚を戦斧の返し刃が切り裂こうとした瞬間!
「なッ!?」
宙を飛んだバストールが2mを越す体躯のビランビーを軽々と飛び越え、空中で剣を抜きボゾンに切りかかる。
素早く腕を解き剣を抜き放つと頭上に構えて斬撃を受けるボゾン。
「節操がないぜぇ、なぁバストールぅ!」
47113 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:00:53 ID:???
「後ろに」
すかさずズロンがブブリィを自分の背中に隠す。
「ぬああああ…ぁあうぅ、ッ」
ボゾンとの鍔迫り合いになったバストールの背中に、雄叫びと共に戦斧を叩きつけようと
したビランビーが胸を抑えて崩れ落ちた。
見る間に顔が蒼白となり口をぱくぱくさせている。
「…バディ!?」
僧侶系レベル5呪文のバディは冠状動脈血栓を引き起こし相手の命を奪う。
簡単に言えば心臓発作を意図的に起こすという、治療者にはあるまじき魔力の使用方法なのである。
思わず叫んだブブリィが躊躇いながら「2人目」を見る。
だらしない笑みを浮かべたバラウが印を結んでいる!
「あんた達……ドラムロ!何やってんのよ、もう止めさせなさいよ!」
だが名前を呼ばれたドラムロは床に突っ臥したままもぞもぞと腰の辺りを弄っているだけだ。
理由は分からないが明らかに様子がおかしい。
突然、大気がキンキンという独特の音を立て始めた。
それが何を意味しているのかブブリィにはすぐに解った。
解ったからと言ってその呪文がもたらす寒気の嵐を防げはしない。
ガラバがマダルトの呪文を発動させたのだ。
耐性の無い者なら体中の水分を凍らされて即死してしまう冷気が一同に襲い掛かる。
やや遅れて危険を察知したズロンが早口でマディの詠唱を始めている。
「…オッケェ〜…」
その理由は不明だが、仲間が自分達を殺そうとしているのは間違いない。
「上等だわあんた達…殺してあげる」
ブブリィの「悪」の資質が、声に、表情に、滲み出る。
そして躊躇う事無くラカニトの呪文を唱えた…しかも奥の手を使って、素早く。
しかしバストール達には何の変化もない。
「ラカニトが効かない?…まさか!?」
決して呪文の発動に失敗したのでは、ない。
相手がラカニトに耐えたのか、あるいは…。
47213 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:04:32 ID:???
再びマダルトの寒気嵐が迷宮に吹き荒れる。
これまでのガラバの能力からすれば信じられない速度の二撃目である。
ブブリィの足首を飾るアンクレットが皮膚に貼り付き、じわじわと肉を壊死させる。
モーニングスターを握ったズロンの左手には氷がへばりついている。
ボゾンの剣は…柄に革紐を巻きつけてあるのでおそらく影響は少ないだろう。
ふとブブリィは自分の身体が深刻なダメージを受けていない事に気付く。
いつもの様にズロンが治療呪文を優先的に使用したのだ。
この行為は、ズロンのブブリィに対する愛情などでは決して無い。
このパーティの明確な基本方針のひとつなのだ。
マスタークラスのブブリィが唱える攻撃呪文への絶大な信頼が根底にある。
事実、そうしてドラムロ達は生き残って来た。
どんな危機的な状況に際しても、彼女が呪文を唱える事が出来れば蘇生すら可能なのだから。
47313 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:05:22 ID:???
モンティノの呪文がズロンの口から紡ぎ出されて行く。
これ以上の攻撃呪文を受けてはボゾンやドラムロと言えど命が危ない。
なにより「殺すつもり」で放ったブブリィのラカニトが失敗した事実がズロンの不安を大きくした。
気配でブブリィの行動を探るが呪文を唱える気配はない。
ズロンは今日の戦闘を順番に思い出し、ブブリィが唱えた攻撃呪文を数える。
そうしてまだ魔力が尽きていない事を確認し安堵する。
しかしそこで新たな疑問が生じる。
何故呪文を唱えないのか?仲間を殺す事に躊躇している?
…否。ラカニトを唱えた時のブブリィは間違いなくガラバ達を敵と見做していた。
そうなった時のブブリィの恐ろしさはズロンが一番知っていた。
――味方殺しの魔女―― 一時期ブブリィに与えられた仇名は伊達や酔狂ではない。
自分に向けられた侮蔑や敵意に対してブブリィは決して寛容ではなかった。
その場で直ちに相手を打ちのめし、場合によっては文字通り生命で贖わせた。
たとえそれが地下迷宮であれギルガメッシュの酒場であれ、必ず。
では何故?…と問い直したズロンの脳裏にひょいと浮かび上がったものがあった。
ティルトウェイトの衝撃で「死の指輪」を破壊しないため?
それは確かにこのパーティの現時点での「お宝」だが納得できないズロンは更に考える。
失敗したラカニトを再び使わないのは解る。だがマダルトであれば破損の心配は要らないはず…。
47413 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:06:30 ID:???
「どぉおぉしたぁぁぁい、ボぉおぉゾぉぉぉンんん」
鍔迫り合いの体勢のままぐいぐいと押され続けたボゾンは地下迷宮の壁に押し付けられている。
「…ちィっと馬鹿力が出せる様になったくらいで、えらく鼻息が荒いじゃねぇか…ッ」
「ひィいィへぇえぇへぇ、なぁあぁらぁぁ、なぁんとぉぉかぁしィてェみぃろぉおぉよぉ」
「言われる、までも、ねぇッ!」
壁に背中を押し付け身体を支えたボゾンが右足を跳ね上げてバストールの股間を狙う。
視界の限られたこの間合いではその攻撃は死角を突く効果的な一手だった。
右足の甲にぐちゃッと言う感触が伝わる。
どんなバケモノじみた人間でも、男である以上はこの攻撃に怯まないヤツはいない。
子供の頃から喧嘩に明け暮れていたボゾンの経験則だ。
「うォォォォォッ!」
雄叫びと共に右足を素早く引き戻したボゾンはその反動を利用してバストールを押し返す。
「どぉしたぁぁぁぁあぁ、ボぉおぉゾぉぉぉンんん」
だがバストールはびくともせずにボゾンを壁に押し付ける。
いや、先の急所攻撃さえも意に介していない風である。
「手前ェッ、やっぱり、妙なクスリを…ッ」
「クぅスぅうぅリぃなぁぁんかぁじゃあぁ、ねぇよォぉ。オぉレぇぇ達ゃぁァなぁあ」
バストールの力が更に強まりボゾンの身体が押し下げられていく。
震える膝が悲鳴を挙げている。
劣勢のボゾンにガラバの発したマダルトの呪文がバストールごと襲い掛かる。
「く…ッ」
「さぁむぅいぃぃのぉおぉかぁよぉ、ボぉおぉゾぉぉぉンん」
「…たりめぇだ、ッ!手前ェこそ、ちッたァ寒がれってンだッ」
半ば中腰になりながらも悪態をつく。
「にィんげぇんはァ、ふぅうぅべェんなモォンだァよぉぉおなぁあぁ」
バストールの吐いた一言がボゾンに衝撃を与えた。
力負けし魔法により体力を消耗していくボゾンを、ではなく「人間」を哀れむ。
いや…蔑んでいるニュアンスを感じ取った。
「手前ェは…手前ェはッ、まさかッ!」
「そぉおぉさぁぁぁ、オぉレぇたぁちゃあぁあぁ『あの御方』にぃいぃぃ」
マダルトの第2波がボゾンを襲う。
47513 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:08:59 ID:???
暗闇の中をひとつの気配が動いた。
戦闘が始まってすぐ、闇に気配を潜ませていたドロである。
マダルトの寒気に耐え、誰知らぬ内にガラバの左後方にまで回り込み機会を窺っていたのだ。
好機到来、ズロンのモンティノが効果を発揮したと知るや懐に飛び込み接近戦を挑む。
ガラバの喉を左手に持った短剣で切り裂きながらバラウにハリトの巻物を投げつける。
バラウの右手が巻物を払い除けたその瞬間、ドロの右腕が懐の指輪を抜き取る。
「盗った!」
後ろへ飛んで逃げようとするドロに向けてバラウの左手が伸びる。
間合いは十分にあった、しかし。
余裕でかわせると油断したのかはたまた消耗した体力のせいか?
ドロの胸にはバラウの左手の「爪」が突き刺さっていた。
その長さおよそ30p…明らかに人間のモノではない…。
「ちィッ」
左手の短剣を振り上げバラウの左手首に切りつける。
必死の反撃を意にも介さず、今度は右手の「爪」がドロの喉笛に突き立てられた。
「か」
声にもならない音をその口から発し、しかしドロは最後の反撃に出る。
自分の兜をひっ掴むと床石に叩き付け、バラウとガラバにしがみ突く。
叩き付けられた兜が光を発し3人をゆっくりと包み、何処かへと消え去った。
転移の呪文「マロール」を封印された魔法具・転移の兜。
職業柄、重装備の出来ない盗賊にとって貴重な防具である転移の兜にはこんな使い方もあるのだ。
47613 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:10:05 ID:???
ブブリィの声が静かにジルワンの呪文を唱える。
「知人」が塵となって崩れ落ちるのを見届けるとその場にへたり込むボゾン。
床石の上に転がる指輪を拾い上げるズロン。
ドラムロの治療さえ後回しにして撤退を強く主張するブブリィ。
ビランビーを引きずるボゾン。
動けないはずのドラムロを縛るズロン。
撤退の準備が整うと、一同は闇の中に視線を彷徨わせ虚空を見据える。

予期せぬ別れに後ろ髪を引かれつつ地下1階へと転移する。
彼等が再び地下迷宮の探索に復帰するには解決すべき問題があまりにも多い。
生き延びた皆が、それをいやと言うほど承知していた。
47713 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:10:52 ID:???
不意に名前を呼ばれた様な気がしてシンジが振り向く。
「どしたのぉ、シンジ君」
「いえっ、何でもないんです…ただ、誰かに呼ばれた様な気がして、それで」
「アスカね?アスカの事が気になるのねッ!?そぉよねぇ、いつもはあの娘とパーティ組んでるんだもんねぇ…ひひひ」
「またやってるよ葛城さん…」
「カタい事言わないのッ!…さ、シンジ君、お姉さんにすっかり喋っちゃいなさい♪」
「葛城、いい加減にしないか…もう着くぞ」
「チッ」
ここは地下9階、エレベータ前の通路で目的とする「シュート地点」へは後一歩の地点だ。
眼前の扉を開けるとその室内に例の文字が浮かぶ壁がある。
「変化は無し、か。シンジ君、この文字が見えるかい?」
振り返ったリョウジが親指で背後の壁を指す。
「はい…えぇと、『これより先 印無き者は通過する事を許さず』です」
大きくうなずくと3mばかり前を示す。
「じゃあここに立ってみてくれないか」
言われるがままにその場所に進む。
「…ふむ、壁の文字に変化は無し、か」
「見込み違いなんじゃないの?」
「いや、しかしな…うん、そうかも知れないが…あまりに符号するもんで、な」
「人はその欲するモノを見る、だっけ?何でも隊長やシンジ君に結びつけちゃうと真実を見逃すわよ?」
「えぇ〜空振りっスかぁ?」
「すまない。今夜はオゴリだ」
シゲルの落胆した声に思わず苦笑いして答える。
「やりィ!」
「葛城は自分で払えよ?…手間を取らせちまったな、済まない、シンジ君」
シンジの肩を叩き皆に歩み寄るリョウジ。
あ、と言うマヤの声に異変を感じたリョウジが振り向くと、そこにシンジの姿はなかった。
慌ててシンジが立っていた場所に駆け寄るがもう何も起こらない。
「しまった…」
壁を叩くリョウジの拳が頼りなげな音を地下迷宮に響かせた。
47813 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:13:08 ID:???
皆様お久しぶりでございます。
保守してくださった皆様、本当にありがとうございました。
私はといえば、仕事がキツくてキツくてとても小説を書いている様な状況ではありませんでしたのよコレが。
二年続けて配置変更ってなに?
過剰なノルマを与えて失敗したら減給とかリストラ、と言うプランだったらヤだなぁ。
…とまぁ口を開けば愚痴になりそうな今日此の頃です。

溜まっている他スレの宿題だとか、サイト立ち上げだとかもう大変。
おまけに圧縮の危機がたびたびだそうで、FFを投下している者としては申し訳なくて涙出てくらァ!てなモンです。
可能な限り関連スレには投下をする予定ですが、万が一の事態に備えて連絡場所をご案内させていただきます。
サイト立ち上げはまだ先ですが…こんなに忙しいんでは管理もムリだわなぁ。
時間とお金が欲しいものです。
ではまた。

ttp://anime.geocities.jp/dai28houchikuiki/
47913 ◆gGjVpethkg :2007/04/01(日) 02:27:05 ID:???
たびたび申し訳ありません。
上記のページを携帯で見るとスンゲー文字化けしています。


orz
480名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/01(日) 15:29:43 ID:???
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
キタ─ ̄─_─ ̄─(゚∀゚)─ ̄─_─ ̄─ !!!!
待ってた甲斐あった━━━━(゚∀゚)━━━━!!
乙乙乙乙乙!

ちなみに上記のページですが、すごく文字化けします…
携帯じゃなくてPCなのに…何故だ…
481480:2007/04/01(日) 15:33:19 ID:???
と、思ったらエンコード設定したらすぐなおった

それにしても仕事大変そうですね
配置変更っていろいろめんどいですよね
482名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/03(火) 01:46:02 ID:lDL4+SEJ
うおっしゃあ!二年間保守を続けたかいがあったあ!!
あなたのおかげでウィザードリィにはまったし大感謝です。
続きを待ってます
483名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/10(火) 01:18:13 ID:???
保守
484名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/10(火) 22:46:56 ID:???
え、この投下、二年ぶりってこと?
485名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/13(金) 02:19:26 ID:???
だな、2chスレでもこうゆうケースは珍しい
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/13(金) 02:52:23 ID:???
もう…あきらめてたのに…
ありがとう!
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/16(月) 14:41:14 ID:???
>溜まっている他スレの宿題
ちょwwちょwwwww
まあともかくまた来てくれて乙!!!待ってたぜ!
488名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/18(水) 01:11:27 ID:???
このスレのおかげでWIZにはまりBUSINやってます。

インキュバスがすげえむかつく
489名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/18(水) 14:17:16 ID:???
結構、見てる人がいるんだな
490名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/01(火) 22:12:53 ID:???
保守
491名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/06(日) 21:10:25 ID:???
職人が帰ってくると保守のしがいもあるもんだ
492名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/19(土) 00:08:39 ID:???
保守
493名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/19(土) 18:14:43 ID:???
だが、何か忘れてないだろうか?
494名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 00:34:26 ID:???
なんか忘れてねぇか?
495名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/28(月) 18:36:54 ID:???
いや、そんなことはない。今や運命は13と共にあるのだ。

496名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 21:26:16 ID:???
保守
497名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 20:20:33 ID:HC21dIxd
おおっと!
498名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/14(木) 01:05:46 ID:???
保守
499名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/14(木) 01:32:48 ID:???


  * * * すれのなかにいる!* * *


500名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/23(土) 13:05:28 ID:Bs4cwsXH
即リセット
501名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/25(月) 10:49:02 ID:???
ちょw、まだ続いてたのココwww
502名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/25(月) 21:00:26 ID:???
久々にね、ふぁみこん出してWIZ1のカードリッジ挿したんですよ
ギルガメッシュに行ったらね
せんし1
せん(ry
とかね、知らないキャラが6人いるんですよ


さて、電池替えるか・・・・・・ orz
503名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 21:22:23 ID:???
>>356-361
手塚一郎のワードナの逆襲ぽいな
504名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/27(水) 23:57:10 ID:???
>>502
今流行の世界樹の迷宮でもやろうぜ
505502:2007/06/28(木) 12:58:46 ID:???
>>504
wizじゃないやんwww
漏れ#1〜#5とGBの外伝しか知らんのだよ・・・
どうせ買うなら監獄あたりが面白そうなんだが

つか、ココは人いるのか?
13氏も来ないようだし、まだ誰か居るなら1本書いてみたい気も。。。
506名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/28(木) 18:04:41 ID:???
507名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/29(金) 19:29:39 ID:???


一週間に一度は覗いているし、自分もうp目指して書いてるぜ
ただし一向にめどは立たない
508502:2007/06/29(金) 20:21:05 ID:???
そうか、んでわ書いてみるか。
エヴァをどう使うかが最大の問題だな。。。
509502=見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/01(日) 23:54:18 ID:???


たった一言「来い」とだけ書かれた手紙。
碇シンジはその手紙を一瞥し片手で丸める。
「しかし・・・相変わらずだな、父さんも」
半ばあきれた口調でそう言い切り、丸めた手紙を後ろへ放り投げた。
足元に見えるジオフロント市、その中央にはネルフ城。
「あれから何年になるかな・・・みんな元気だといいけど」
シンジはやや急ぎ足で市街中心部へと向かった。

その都市の規模にしては閑散とした街並み。
前世紀最大の厄災、セカンドインパクトの後遺症であろうか。
その災厄はわずか数日にして世界の全人口を約半分にまで減らしたと言われている。
シンジは目的地であるネルフ城へは行かず、市街地のほぼ中心部にあるギルガメッシュの酒場に立ち寄った。

入り口には「営業中」と書かれた下げ札と耳の垂れたクリーム色の雑種犬。
「マックス!」シンジがその犬を呼ぶ。
マックスと呼ばれた犬は尻尾を下げ上目遣いでシンジを眺めたが、数秒の後、激しく尾を振りシンジに飛びついていった。
「・・・・・・碇くん?」中からソバカス顔の若い女性が出て来る。
「やぁ、久しぶり」シンジはマックスの頭を撫でながら答えた。

「ヒカリー、誰か来たのー?」
シンジには聞き覚えのある声、と同時に栗色の長い髪の女性が姿を見せる。
「・・・・・・シン、ジ?」
「・・・アスカ・・・・・・元気に、してた?」
510見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/01(日) 23:56:09 ID:???
感動の再開、といきたいところだったがアスカはおもむろにシンジの胸ぐらを掴む。
「なにやってたのよアンタは! 手紙のひとつも寄越さないでどういうつもり!!」
「ちょ、アスカ・・・」
「うるさいッ! アンタの言い訳なんか聞きたくないわよッ!!!」
アスカは既に自分でも何を言っているのかわからないくらい興奮している。
「ア、アスカ、その辺で、ね・・・」ヒカリになだめられ、舌打ちをしてから手を離す。
「相変わらずだなぁ、アスカは」シンジは苦笑いしながらアスカの顔色をうかがった。


先程までの怒りはどこへ行ったのか、アスカの機嫌は今日の雲ひとつない空よりも晴れ渡っていた。
シンジとの会話を楽しむと云うよりは、アスカがひとりで喋りひとりで盛り上がっているような感じになっている。
シンジは相槌を打ち、たまに一言二言会話のつなぎの台詞を出すに過ぎなかった。
四半時もその状態が続いただろうか、いい加減シンジがうんざりし始めた頃、シンジは店の入り口に立っていた人物に気がついた。
シンジが入り口の方を向くとアスカは話すのをやめ同じ方を見る。そこには綾波レイが立っていた。

「セカンド、非常召集、先行くから・・・」レイはそれだけを言うと向こうを向き、入ってきた場所へと進んだ。
「綾波?」シンジの声に反応してかレイはその足を止め、そのまま首だけを回し肩越しにシンジを見た。
「碇くんも、一緒に来て」
「ちょっと、いきなりなんなのよ! 何の用件なのかそれぐらい言ったらどうなのよ!?」
アスカが怒鳴るがレイは何事も無かったかのようにアスカを一瞥しそのまま小走りで店を出て行った。
アスカの機嫌メータの針はまたも不機嫌側に大きく振れていた。
511506:2007/07/02(月) 00:20:41 ID:???
待ってたよ(*´д`*)ハァハァ
512名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/02(月) 01:48:18 ID:???


なかなか面白そう。これは期待
513見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/02(月) 21:47:19 ID:???
>>511>>512
2人は居るようだなwww

しかし文章に悪い癖が出ているな・・・
期待してもらっているところ稚拙な文でスマン。
514見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/02(月) 21:48:06 ID:???
二人が城の入り口にまで来ると、衛兵たちはうやうやしく敬礼しきれいに左右に分かれ道を開けた。
まるで鏡に映したかのような完璧な左右対称の動き、双子でもこうはいくまい。
「さっすが有名人、顔パスでございますわね〜」
「何だよ、アスカだって一緒だろ?」
「あったり前じゃない。アタシを誰だと思ってんのよ?」
そう、この二人 ――正確には6人だが―― はこの街では知らない者がいないくらい有名だった。

数年前、まだこの城がゲヒルンと呼ばれていた頃、ひとりの魔術師が国宝である「魔除け」を盗み姿をくらました。
その魔術師はキールといい、ゼーレと呼ばれる魔術師集団の長であった。
キールは国王である碇ゲンドウとも親交があったと言われているが真偽のほどは定かではない。
その魔術師集団は城の地下に10層にも及ぶ迷宮を作り上げ、その最下層に居を構えた。

碇ゲンドウを総司令とする軍が地下迷宮に攻め込んだが結果は燦々たるものだった。
その狭さゆえ、数を頼みにする軍行動は不向きだった。縦に間延びした布陣は分断され指揮系統が麻痺、ほぼ全滅という悲惨な結果に終わる。
結果、この迷宮を攻略するには前衛3人後衛3人の6人パーティーが最適だということがわかった。
その後ゲンドウはキール抹殺と魔除け奪還の布令を出した。莫大な報奨金と親衛隊への入隊が餌である。

親衛隊の精鋭を減らさずに魔除けと人材を手に入れようとするこの案は、軍副指令の冬月コウゾウが考え出したという。
ジオフロント市内からは勿論、近隣の都市から多数の冒険者たちがこの餌に釣られやって来たのだった。
そしてこの偉業を成し遂げたのがシンジたちのパーティーであった。
碇シンジ、惣流アスカ・ラングレー、鈴原トウジ、綾波レイ、洞木ヒカリ、相田ケンスケ、この6人である。
蛇足ではあるが、魔除け奪還後にゲヒルンはネルフと名を改める。その意図は未だ不明ではあるが。
515名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/03(火) 04:00:40 ID:???
3人目挙手
516見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/03(火) 23:53:28 ID:???
ネルフ城の造りはこの時代の一般的な城の造りとは一線を画している。
普通は上層に王の間があるのが一般的なのだが、この城は地下にそれがあった。
上層は全てフェイク、城の機構は全て地下部分に存在しているのだ。
他国に攻め入られたときを想定して作られているのだが、勿論その秘密を知るものはごくわずかに過ぎなかった。

シンジとアスカは機械仕掛けの昇降機に乗り下へ向かう。
心なしか二人の表情に緊張の色が見える。程なくして昇降機はその目的を果たした。

王の間へ着く。そこには馴染みの顔が勢ぞろいしていた。
椅子に座り両肘を机に乗せ、その手の上に髭だらけの顎を乗せている碇ゲンドウ。
ゲンドウの傍らに立つ冬月コウゾウ。反対側の手前には赤木リツコ博士と葛城ミサト三佐。
レイは入り口近くに立っている。
シンジだけが部屋の中ほどへ進み、アスカはレイの脇へと向かった。
シンジが足を止める前にゲンドウは口を開いた。
「久しぶりだなシンジ、だが時間がない、用件だけ話す」

その内容とはこうだった。
数日前にネルフ城の地下にモンスターとおぼしき物体が現れた。
預言書の裏死海文書によるとそれは使徒と呼ばれる生命体らしい。
使徒は人類を滅ぼし新たなる世界を生み出すのが目的のようで、
十数年前のセカンドインパクトは第一の使徒アダムの覚醒を阻止しようとして起きた悲劇だという。
多大なる損失と引き換えにではあるがアダムを卵にまで還元することができた。
第二の使徒リリスはここネルフ城の地下で発見され、覚醒前にその動きを封じる。
裏死海文書には、第一使徒および第二使徒にほかの使徒が接触するとサードインパクトが起きると示されている。
先日現れたのは第三の使徒でサキエルという。ティルトウェイトの乱撃でその足を止めてはいるが再度侵攻は時間の問題。
ざっとこんなところだ。

「つまり僕たちがその使徒とかいう奴らを撃退してくればいいんだね?」
「そうだ、なんとしてでもサードインパクトの悲劇だけは避けなければならん」
シンジは黙って頷く。
「お前たち三人に補助者として葛城三佐を同行させる、よろしく頼むぞ」
今度は「はい」という返事とともに4人が頷いた。
517見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/03(火) 23:55:37 ID:???
ワケワカメになるから取りあえず設定だけ確立させとく
うざいかも知れんがもうちょっとだけ我慢してくれ
じき地下にもぐれる、筈
518名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/04(水) 23:41:25 ID:???
え、じゃあ、シンジ王子?
519見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/05(木) 22:51:08 ID:???

ここでひとつの疑問が浮かび上がる。
なぜシンジは王子待遇ではないのか、だ。
そもそもこの国ではすべての職業において世襲制が取られていない。
勿論、国王職においてもそれは例外ではない。
そのため「王子」や「王女」「王妃」などといった肩書きは存在しないのである。

力の在る者が国を支配し繁栄させる。これがこの国のルールだ。
そのせいか内紛やクーデターは日常茶飯事であり、力でその座を奪い取ることはなんら問題のない行為である。
ただし、あくまで民衆の支持を得ることは最前提。民を蔑ろにした支配者は直ぐにその座を追われることになる。

実力主義の国家であるためか公僕の階級は軍のそれに酷似する。
国王が総司令であり、将、佐、尉などの階級が与えられている。
また、すべての者が出自や性別に関係なく、その実力において出世できる仕組みである。
とはいえ貧困層では子供に十分な教育を受けさせることが出来ないため、その分不利な立場にあることは否めない。
520見習い職人LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/05(木) 22:53:37 ID:???
閑話休題。

4人と共にリツコも一緒に退席し、準備のために外へ出ることにした。
アスカがレイにだけ聞こえる声でささやく。
「シンジのやつ、変わったと思わない?」
「そう?」
「変わったわよ、以前のシンジだったら絶対断ってたわよ」
「・・・そうね、でも・・・あなたも変わったと思うわ」
確かに以前のアスカだったら自分からレイに話しかけることなんてなかった。
レイからアスカもまた然りではあるが。

「三人とも必要なものがあったら言ってね、予算はた〜っぷり貰ってるから♪」
装備は一通り揃っていたので特に必要なものは無かったが念のためボルタック商店へと足を運んだ。
「へいらっしゃい!」西方訛りの威勢の良い声が響く。
「ってセンセ? 碇やないか! いつ戻ってきたんや! おーいケンスケぇ、碇が帰ってきたで!」
トウジが奥に向かって叫ぶと両手いっぱいの武器を抱えながらケンスケが姿を見せた。

「そうか、また地下に潜るんか・・・ワイも行きたいところやけど、この足じゃなぁ」
そう言いながら左の義足を叩いて笑う。過去の戦いで魔除けと引き換えにトウジの左足は永久に失われた。
シンジの表情が曇る。あの戦いの中、シンジの一瞬の躊躇い、トウジの足はその代償だった。
「なんやセンセ、そんな顔せんでや、何度も言うようにセンセの所為じゃあらへん、それにホレ、走ったりも出来るんやで」
腕や足が無くなるなんて事が日常のこの世界、高性能な義手義足が当たり前のように出来ていた。
「そんなことより碇、その刀、随分くたびれているんじゃないか?」ケンスケがカウンターから身を乗り出す。

結局、シンジの使う刀「村正」と「転移の兜」を購入し店を出た。親子であってもビタ一文まけないこの店、今回も例外ではなかった。

521LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/11(水) 23:31:30 ID:???
「それじゃ作戦会議も兼ねましてー、シンジ君おかえりパーティーといきましょか〜♪」
まだ十分に陽も沈んでいない時刻ではあったが、一行はギルガメッシュへ向かった。
レイは帰ると言い出したが「作戦会議」という名目上、やむなく命令に従うことに。

やはり作戦会議というのは名目だけで、明日の集合時間を決めた途端ただの酒盛りへと移行した。
呑み始めて小一時間と経たないうちにミサトとアスカは出来上がってしまう。
「シンジきゅーん、呑んでりゅぅ〜?」
「アタヒのしゃけが呑めないってゆーの!? このヴァカシンジィ〜♪」

結局、呑みつぶれたミサトをレイが、アスカをシンジが背負い酒場を後にした。
三人が住まう建物へ着く。ミサトとアスカの部屋は2階、隣合っている部屋だ。
ミサト、アスカの順にそれぞれの部屋へ放り込み―― 一応はベッドに寝かせたが ――
レイの部屋がある1階へと階段を下りた。

ちなみにレイがアスカを「セカンド」、アスカがレイのことを「ファースト」と呼び合うのは
それぞれが住んでいる階数を指しているからのようだ。
以前シンジが名前で呼び合うように勧めたが思惑通りにはいかなかった。
互いの腕前は認めているようだがどうにもウマが合わないらしい。

「碇くんはどこに泊まるの?」
「僕はとりあえず冒険者の宿に泊まるよ、今晩は簡易寝台かな」
「そう、じゃあ気をつけて・・・おやすみ」
シンジが休みの挨拶を言う前にレイは部屋の扉を閉めていた。

宿へ向かう夜道、満月の明かりは足元を照らすには十分だった。
心地よい風を受けながらシンジは宿へと向かう。
「・・・綾波が一番呑んでた筈なんだけどなぁ・・・」
独り言をつぶやくなんて僕も随分酔ってるな・・・・・・

522名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/12(木) 00:22:14 ID:???
待ってました!
これからどう話が進むか楽しみだ
523LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/14(土) 22:58:05 ID:???
翌朝、シンジは指定された場所に時間通りに到着する。
既にリツコとレイがそこには居た。
挨拶を済ませたがそれっきり会話は無かった。

「シンジくん、もしかしてあのふたり昨夜はかなり呑んでたの?」
リツコがおもむろに切り出す。
シンジは酔った二人を部屋に運んだことを説明した。

「どうしようもないわね・・・ホント・・・・・・レイ、悪いけど二人を呼んできて」
「いえ、来るわ」
鉄のぶつかる音が聞こえる。鎧を着た者が歩いたときに聞こえる音だ。
間もなくミサトとアスカの二人が姿を現した。

「うー、リツコぉ、お願い、ラツモフィスかけてぇ・・・・・・」
「赤木博士ぇ、アタシにも・・・・・・」
完全に二日酔いである。

「・・・・・・ぶざまね・・・大事な戦いが始まるのよ、少しは自覚してもらわなきゃ困るわ」
文句を言いながらもラツモフィスの呪文を唱え始めるリツコ。
「・・・ラーアリフ・ターウーク・ミームザンメ・フェーイシーン――― 」
リツコの手とミサトの体がわずかに光る。と同時にミサトの体からは一切の毒素が消え去っていた。
続けてアスカにも同じ呪文をかける。

シンジはその様子を眺めながらレイに話しかける。
「綾波はなんともないの? 一番多く呑んでたみたいだけど?」
「店を出る前に、これ、飲んだから」
レイの懐から「毒消し」が姿を覗かせていた。

524名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/15(日) 09:53:39 ID:???
ラツモフィスは便利だな
525LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/16(月) 22:55:50 ID:EEMwjBoi
「それじゃ地下に行ってもらう前にこれを渡しておくわ」
リツコが三人に髪留めの様なものを渡す。
「リツコさん、これは?」
「ヘッドセットよ、地下に潜る際には必ずこれをつけて貰います」
シンジはくすんだ青みのかかった白色、レイは純白、アスカには真紅のものが渡されていた。

「それを装着していれば葛城三佐の首飾りを通して司令室と相互通信ができるの」
「でも、兜が装備できなくなりますよ・・・」
「心配いらないわ、それには半永久的にポーフィックの魔法が掛かっているの」
「これでいい?」レイが早速装備している。

「ねぇねぇ、これってずっと装備していてもいいの?」
アスカはそれを大層気に入ったらしく、どこから出したのか手鏡で装着具合を確かめていた。
「ええ、構わないわよ」
栗色の髪に映える真紅の髪留め、兜を極端に嫌がっていたアスカにとっては正に最高の防具であった。

「それじゃ行きましょか」
ミサトのその声に三人は反応する。表情が一気に引き締まる。
「よろしく頼んだわよ、葛城三佐」

526LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/16(月) 22:57:54 ID:???
4人を乗せた昇降機が地下3階で止まる。
アスカを先頭にシンジ、レイ、ミサトと続いた。
出発前にリツコが唱えたロミルワのお陰で視界はすこぶる良好。
一緒にマポーフィックとラツマピックもかけて貰っていた。

数分も歩いたところでミサトが口を開く。
「使徒について少し説明しておくわ・・・」
三人は歩きながらミサトの言葉に耳を傾けた。

話は使徒の特徴についてだった。
使徒は魔法のような攻撃を仕掛けてくるが、僧侶系魔術師系のどちらにも属さない特殊な攻撃らしい。
寧ろ魔法ではないと割り切ったほうが良いのではないかということだ。

次に驚異的な再生能力。
致命的なダメージを与えても瞬く間に回復してしまう。
完全に息の根を止めるにはコアと呼ばれる部分を破壊しなければならないが、コアがどこにあるかはわからない。

最後に「ATフィールド」というこれまた特殊な防御障壁について。
ATフィールドはアーマークラスや呪文無効化、レジスト能力とは全く違う性質の防御障壁らしい。
それを破るには同等の力 ――つまりATフィールドで互いを中和させるか、
若しくは「貫ける程の物理攻撃」を喰らわせるしかないのだという。

ティルトウェイトの乱撃で息の根を止められないのである。
並みの攻撃ではATフィールドの前に為す術もなく弾かれてしまうのだ。
だがこの三人の攻撃力ならばそれを貫いて直接ダメージを与えられる「可能性」があるのだと。

527LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/16(月) 22:59:16 ID:???
「可能性って、、、ミサト、ホントに大丈夫なんでしょうねぇ?」
アスカは歩きながら顔を半分だけ振り向かせる。
「・・・・・・怖いなら引き返せば、私と碇くんで行くわ」
「っ! ジョーダンじゃないわよ! 私が怖がってるですって!?」
アスカの手が腰のエクスカリバーに掛かった。

「レイ!アスカ!やめなさい!」
ミサトの一喝でアスカは前を向き、ふんと鼻で息を吐くとその足を速めた。
レイは全くの無表情で歩き続けている。
間に挟まれたシンジはと云えば、何も出来ずにただアスカとレイを交互に見るだけだった。

間もなく前方に扉が見える。
「この扉の向こうに第3の使徒、サキエルが居るわ・・・・・・」
空気が瞬時に張りつめる。生と死の狭間の綱渡り、懐かしい空気。

「いい、駄目だと思ったらすぐに逃げて、無理だけはしないでね」
黙って頷く三人。
扉に当てられたアスカの手のひらにはおびただしい汗が浮かんでいた。
各々が武器に手を添える。
「アスカ、行くわよ・・・」

アスカの独り言と共に扉が押し開かれる。
ミサトを残し一行は扉の向こう側へと進んだ。
ぎぃと小さな音を残し閉じられる扉。
「シンジくん、アスカ、レイ・・・頼んだわよ・・・・・・」

528LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/16(月) 23:00:34 ID:???
スマンageてしまった。。。
これじゃ晒しageだ・・・ orz=3
529名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/17(火) 21:19:04 ID:???

ついに使徒登場wktk
530LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/19(木) 22:43:08 ID:???
扉が閉まる。玄室は思いのほか広い。
ロミルワの効果によって玄室の奥まで見渡すことができた。
向こう側の壁の近くに何やら人型の影が見える。

三人はゆっくりとそれに近づく。武器は既に手に握られ、戦闘準備は万全だ。
人型のようだが何かがおかしいことに三人は気づいた。そう、頭部がないのである。
よく見ると胸のあたりに二つの仮面のようなものがある。
おそらくはこれが頭部、顔面なのだろう。

左右に大きく張り出した肩。胸にはむきだしの肋骨のようなものの内側に赤い球体。
細く垂れ下った手には槍状の武器らしきものが握られている。
ところどころ焦げ跡があるのは先の戦闘の名残か。

使徒の右腕が動く。こちらに気づいたようだ。
「どんなものか、お手並み拝見といきますか」
アスカはエクスカリバーを両手に持ち、鎧を身にまとっているとは思えない速さで使徒に切りかかった。
「アスカ! 待って!」シンジの警告はアスカに届かない。
たとえ届いていたとしてもアスカの突進は止まらなかっただろう。

アスカは軽く跳躍すると振り上げた剣を一気に振り下ろす。
(もらった!)
使徒は回避行動を取っていない。
今までの戦闘ではこの攻撃で絶命しない相手はほとんど居なかった。

振り下ろした剣に衝撃が伝わる。
使徒に届いていないにもかかわらず。
アスカと使徒の間に、八角形の結晶状の光の壁が見える。
その壁がアスカの攻撃を阻んだのである。
531LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/19(木) 22:45:25 ID:???
「なに、これ・・・・・・」
使徒は右手に掴んだ槍をテイクバックさせる。
「アスカ!危ないっ!」
シンジが叫ぶとほぼ同時に槍がアスカに向かって放たれた。

アスカを槍が貫通する、筈であった。
が、そのほんの一瞬前にレイがアスカの胴を抱え真横に転がる。
もう一瞬でも遅ければ串刺しになっていただろう。

一呼吸の後、使徒は床に刺さった槍を引き抜こうとしている。
「・・・助けてなんて、言ってないからね・・・・・・」
「わかってる・・・」

直後レイが使徒に向かって何かを放った。苦無(くない)と呼ばれる手裏剣の一種だ。
二本の苦無は確実に二つの顔に向かって飛ぶも、光の壁によっていとも簡単に弾かれてしまった。
「なんなのよ、アイツ」
「恐らくあれがATフィールドね」

使徒は槍を引き抜くと視界にシンジを捕らえた。
目と思しき場所が光る。
使徒の目から放たれた光線がシンジを襲う。

「うああっ!!」
シンジの体は"く"の字型に曲がり、そのまま壁に叩きつけられた。
「シンジ!」「碇くん!」
二人がシンジのもとへ駆け寄る。

幸いなことに次の攻撃を繰り出さず、使徒はゆっくりと近づいてくる。
レイは懐からスクロールを取り出した。
「セカンド、使徒の足を止めて」
言いながらスクロールを広げ魔法を開放させる。
532LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/19(木) 22:47:23 ID:???
使徒の周辺がうっすらと闇に包まれる。ディルトが発動したのだ。
間髪入れずアスカがマニフォを唱える。
ギッと声のような音を発して使途の動きが止まった。

レイはシンジの腕を担ぎアスカに目配せする。
アスカはその意図を理解した。一旦引くのである。

「うああぁああぁあぁあああッ!!!」
シンジが突然咆哮する。驚いたレイはその手を離してしまった。
レイから離れたシンジは刀を両手で持ち中段に構えると何かを呟き出した。

アスカはその発音に聞き覚えがあった。
「・・・・・・エンシェント・・・ルーン・・・?」
シンジが呟いていたのはエンシェントルーン ――"古代語"だった。
「まさか、、、ティルトウェイト!?」

やばい。かなりヤバイ。
「ファースト!伏せてッ!!!」
ごう、と魔法風が吹く。巨大な火球が空間に浮かび上がった。
火球はいったん収縮すると使徒の真上で一気に爆発した。

爆風がレイとアスカを襲う。
立っていたならば間違いなく吹き飛ばされていただろう。
爆炎が収まらぬうちにシンジが使徒へ向かって駆け出すのが見えた。

シンジは刃を上向きにし、下から使徒を斜めに斬り上げる。
腰から肩に掛けて一筋の線が入る。
刹那、ずるりと上半分が滑り落ちた。

胸のコアと思しき部分もきれいに両断されていた。
青い体液を返り血のように浴びたシンジ。
その姿にアスカは戦慄を覚えていた。
533LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/19(木) 22:53:59 ID:???
ちと住人の方々に質問なんですが(つか何人いるんだwww)

いまんとこ出来るだけ余計な贅肉をそぎ落とした文を心がけて書いているのですが
もう少しくどい、っていうか細かい描写があったほうがいいですかね?
さくさく進めるように無駄な表現は控えてるつもりなんです
とくにご意見なければこのままの形で進める予定です

534名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/19(木) 23:30:13 ID:???
多少は細かい描写あっても良いかと
wktkして待ってるよ
535名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/20(金) 00:18:11 ID:???
読んでマース
職人さんの裁量でおkかと
536名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/21(土) 00:11:08 ID:???
これ以上くどくする気かよwwwこのあたりで良い。
537 ◆R134p9X/Go :2007/07/23(月) 23:36:20 ID:???
>>534-536
レスサンクス
とりあえず現状維持で行きます

拙文に付き合っていただいて恐縮この上ありません
必ず完結させるよう書き続けていきますんで
気を長くお付き合いください m(_ _)m
538LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/24(火) 22:35:54 ID:???
僕が使徒を倒したらしいのだが、僕は全くそのことを覚えていなかった―――

―――アスカがもう一度マニフォを唱える。今度はシンジに対してだ。
レイは動きを止められたシンジの胸元に潜り込み、下から肘を跳ね上げる。
肘はシンジのあごを直撃。2mほど飛ばされたシンジは完全に意識を絶たれていた―――

「冗談じゃないわよ、エンシェントルーンでティルトウェイト唱えるバカがどこにいるってのよ!?」
失われし古代の魔法語――エンシェントルーンは普段の呪文詠唱では使わない。
そもそもその言語を知るものはほぼ皆無だったし、なによりも術者による制御が極めて困難だからである。
効果は数倍から約十倍程度になるが攻撃呪文であれば仲間まで巻き込んでしまう。

「とにかく、もう絶対に使わないでよ!エンシェントルーンは」
そんなこと言われても覚えてないんだから仕方がないじゃないか、と言おうとするも
「私も仲間に焼かれるのは御免だわ・・・」
というレイの一言により何も言わずに頷くしかなかったシンジであった。

それから十日ほど何もない穏やかな日が続いた。
とりあえずは哨戒の意味も込めて地下12層まで探索してみたが使徒の現れる気配はなかった。

第3の使徒撃退からちょうど3週間、使徒襲来の知らせがミサトの耳に届く。
「まったく・・・碇司令は留守だってのに冗談じゃないわ・・・
 アポぐらい取りなさいって、そんなんじゃ女性に嫌われるわよ・・・」
三人に非常召集の連絡を遣わし、慌しく司令室へと向かった。

第4の使徒、シャムシエル。
地下に無数に設置された魔法の鏡、それに写っている使途の姿が司令室の水晶球に映し出されている。
「こないだのヤツよりずっと魔物っぽいカッコしてるじゃない」
「遊びじゃないのよ、アスカ」リツコが諭す。

「いますぐ地下へ向かえば恐らく第4層あたりで使途と接触できるわ、シンジくん、アスカ、レイ、準備はいいわね?」
539LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/24(火) 22:37:47 ID:???
先日の戦いがシンジの頭をよぎる。
―――本当に、僕が倒したのだろうか・・・・・・
使途の目から放たれた光線を見たきりそこから先の記憶はない。

目が覚めたときには城内のベッドの上、背中と特にあごの痛みだけが残っていた。
一抹の不安を抱えながら大きな扉の前に到着する。
ミサトの首飾りから何かが聞こえたと同時に空中に立体映像が浮かび上がった。

「その扉の向こうに使途が居るわ」リツコの声にも緊張が感じられる。
「それじゃ、頼んだわよ・・・・・・」

アスカが勢い良く扉を蹴り開けた。一目で異形のモノとわかる姿がある。
三人は予め打ち合わせをしていた通りの戦闘隊形をとる。
シンジが中央、アスカが左、レイが右に散開。

シンジか二人に目で合図をしたのが早かったか、使途の触手がシンジを襲った。
間一髪で触手を刀で弾く。同時にアスカとレイが走り出した。
アスカがリトカンの詠唱を始める。レイは続けざまに数本の苦無を放つ。

使途の触手はシンジから離れ、レイの苦無を弾く。
直後にアスカのリトカンが発動、炎の柱が使途を包んだ。
シンジはラダルトを唱えつつ使途の正面へ。

炎の柱が消えたその瞬間、びきびきと空気が凍る音を伴いラダルトが使途を包んだ。
温度差がATフィールドに亀裂を走らせる。
シンジはその亀裂を見逃さず、上段の構えから一閃―――

「今だっ!」
ATフィールドが破壊されるその瞬間を狙いすましていたかのようにアスカとレイが使途のコアを斬りつける。
エクスカリバーと忍者刀がコアを割り砕いた。

―――第4の使徒、撃退。
540名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 01:08:13 ID:???
いいよ いいよ
541名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 01:17:58 ID:???
GJ!
542名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/26(木) 01:03:24 ID:???
12層?ネルフ城地下は10層までじゃなかったのか
543名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 17:43:43 ID:tmVYvSml
ミス?
544名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 18:08:33 ID:???
ネタ元を知らんと全くわからんな

ようするに         ツ   マ   ラ   ン
545名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/29(日) 22:26:27 ID:???
黙して潜行せよ。。。
546LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/30(月) 22:17:22 ID:???
>>542
こんな感じ


      □―――――□
      |        |
 地上  |  nerv  |      試練場
      |        |        ↓
――――□―――――□―――□―――――□―――
      |  本部   |    □_____□ 1
 地下  |('A`)指令室 |    □_____□ 2
      □―――――□    □_____□ 3
      |  第2層  |    □_____□ 4
     |(*゚ー゚)←リリス|    □_____□ 5
      □―――――□ □_____□ 6
      |  第3層 |    □_____□ 7
    |        |    □_____□ 8
      □―――――□    □_____□ 9
      |  第4層 |    □ ( ´∀`) □ 10
      |   |    □―――――□
      □―――――□
      |   |    
547LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/30(月) 22:19:18 ID:???
・・・orz

      □―――――□
      |        |
 地上  |  nerv  |      試練場
      |        |        ↓
――――□―――――□―――□―――――□―――
      |  本部   |    □_____□ 1
 地下  |('A`)指令室 |    □_____□ 2
      □―――――□    □_____□ 3
      |  第2層  |    □_____□ 4
      |(*゚ー゚)←リリス|    □_____□ 5
      □―――――□     □_____□ 6
      |  第3層 |    □_____□ 7
     |        |    □_____□ 8
      □―――――□    □_____□ 9
      |  第4層 |    □ ( ´∀`) □ 10
      |   |    □―――――□
      □―――――□
      |   |    
548LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/30(月) 22:20:57 ID:???
スマソ
エディタ使ってもずれるな・・・
つまり地下10層以上あるってことで・・・ミス連投まじスマソ。。。
549LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/30(月) 22:22:25 ID:???
指令室―――

「赤木博士、E計画のほうはどうかね?」
「いまのところ順調に進んでおります、あと数十日ほどで形になるかと」
「碇、彼らの働き次第ではE計画も必要なくなるんじゃないのか?」
「・・・そうあって欲しいものだな――――」

「!!!使徒!?」
突然水晶球に青い正八面体の物体が映し出された。
第5の使徒、ラミエル。
「第一種警戒態勢だ、三人を呼べ」



「うわー、なにコイツ? なんか無害そうなんだけど」
「第5の使徒ラミエルよ、良く見ると雷をまとっているのがわかるでしょ?」
リツコがそう言うと、三人とミサトは水晶球に近づきじっと使徒の姿を観察する。

「またシンジが光線でやられたりして」
シンジは不満そうな表情でアスカを見るが結局何も言わなかった。
「迎撃ポイントはどのあたり?」ミサトがリツコに問う。
「恐らくは、11・・・いえ、第10層ね」

「今回はどんな作戦で行くの?」
「前回とおんなじでいいんじゃないかな?」
「ワンパターンね・・・ま、それでいいか、聞いてるファースト?」

少し離れて二人の後に続くレイ。
「ええ、わかったわ」
一行は扉の前に立ちそれぞれの得物を手にした。
550LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/30(月) 22:24:01 ID:???
またもアスカが扉を蹴り開け玄室へとなだれ込む。
瞬間、正八面体の使徒の一部が光り、強烈な光線がシンジに向けて放たれた。
避ける間どころか使徒を認識することも出来ず、光線はシンジの左肩を貫く。

「!!!!!」
シンジの身体は吹き飛ばされ、まだ閉じていない扉から通路へと投げ出された。
使徒は第2射を目論んでいるのか異様な音を奏でる。

「セカンド!」「ファーストッ!!」ほぼ同時に叫ぶと二人は扉へ飛び込んだ。
閉じた扉に衝撃が伝わる、使途の第2射が放たれたようだ。
扉が溶けるのよりほんのわずかだけ早く、ミサトの転移の兜が4人をその場からテレポートさせた。

「アスカ! マディ急いで!」
「わかってるわよ!」
かなりの出血、顔色は既に蒼白、意識はない。
「―――ミームアリフ、ダールイ!!」

アスカの両手から浮かぶやわらかな光がシンジの身体を包んだ。
瞬く間に出血は止まり、蒼白だった顔色は桜色を取り戻す。
しかし―――意識が戻らない。

「いずれにしろこのままじゃ戦えないわ・・・撤退よ・・・・・・」
レイがシンジを背負い、アスカは刀を持つ。
マロールも転移の兜もない今、本部への道のりがやたらと遠く感じた。
551名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/30(月) 23:59:12 ID:???
GJ
552LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/31(火) 23:45:03 ID:???
使徒は第7層に到達、依然侵攻は止まらない。
シンジの意識は未だ戻らないがこのままでは使徒の第2層到達は時間の問題である。

「赤木博士、盾は間に合うの?」
「ええ、守りの盾を二枚張り合わせたものに、いま魔法を掛けているところよ」
「問題は、攻撃・・・か・・・・・・」

良い案が浮かばない、ミサトもリツコも沈痛な面持ちで沈黙する。
水晶球で見る使徒には一目でそれとわかるATフィールドが確展開されている。
「ATフィールドを何とかしないと・・・」

シンジが居ない以上、火炎系と冷却系魔法によるコンビネーションは使えない。
「マリクトとレイの打撃・・・・・・恐らく届かないか・・・」

「碇くんの容態は?」脈絡もなくレイが話す。
「いまマヤが看ているわ、安心して」
伊吹二尉ならば安心して任せられる、そう思ったレイは一瞬だけ表情を緩めたがまた険しい表情に戻った。

「完全に手詰まり、ね・・・」
「レイ、ロンギヌスの槍を使え」
突然ゲンドウが口を開いた。
「・・・はい」

「司令、でも、あれは・・・」
「赤木博士、問題ない」
ゲンドウはリツコからレイに視線を移す。

「レイ、使ったらもとの場所に戻しておくように」
553LV1 ◆R134p9X/Go :2007/07/31(火) 23:46:16 ID:???
>>552
誤:確展開
正:展開
554名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 02:22:54 ID:???
ポジトロンスナイパーホーリーハンドグレネードを借りてくるのよ。
555LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/02(木) 12:55:10 ID:???
迎撃ポイントを第5層に変更。
特別仕様の守りの盾をレイが背負い、禍々しい血の色をしたロンギヌスの槍はアスカが装備していた。

―――アスカは自分が防御を担当するものだと思っていた。
「投擲だったらアンタのほうが上手いじゃない・・・」
「防御は危険だから」
「だったら尚更―――」
「―――私が死んでも、代わりが居るから」

この世界での死は勿論LOSTを指す。
代わりって・・・どういう意味よ・・・・・・
「ここね・・・」ミサトの声でアスカの思考が切り替わった。先ずは目の前の敵である。

「ファースト、いい?」「ええ・・・」
大きな盾にすっぽりと隠れたレイがそのまま盾で勢い良く扉を押し開ける。

扉が閉まる前に予想通りの使途の攻撃。特別仕様の盾とはいえいつまでも耐えられるものではない。
盾の形が変わる。盾の陰から飛び出したアスカが使徒へ向けて槍を放った。

ロンギヌスの槍はATフィールドを消し、使徒に深々と突き刺さる。
刹那、まばゆいばかりの光が玄室を覆う。光が消えたときには使徒の姿も跡形なく消え去っていた。
何事もなかったかのようにロンギヌスの槍だけを残して。

「レイ!」ミサトが駆け寄る。
アスカは既にマディを唱えるための印を結んでいた。
暖かい光がレイを包み込む。

「―――アンタの代わりなんて居ないんだから! 簡単に・・・死ぬなんて、言わないでよ!」
レイは少しだけアスカを見ると直ぐに視線を逸らし何も無い床を見つめる。
アスカにはなぜか、その表情が少しだけもの悲しく感じられた。

第5の使徒、撃退。
556名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/02(木) 21:17:09 ID:???
ロンギヌスの槍って、
ちゃんと回収できれば最強!?
557名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/04(土) 00:52:26 ID:???
グングニルの槍
558LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/08(水) 23:12:41 ID:???
「碇、ずいぶんと危険な賭けだったんじゃないか?」
再びリリスの胸に刺されたロンギヌスの槍。
「もう少し遅ければ完全に再生していたかも知れんぞ?」

第2層に磔にされた白い巨人、第2使徒リリス。
腰より下が完全に失われた状態であったのだが、今は両脚の三分の一ほどが再生されつつあった。
「もう少しだけ働いてもらわんとな・・・」


「いい加減・・・目を覚ましたらどうなのよ・・・・・・」
あれから三日、いまだにシンジの意識は戻らない。
「早く起きなさいよ」
アスカは辺りを確認した後、シンジの唇にそっとキスをしそのまま部屋を出た。


指令室の水晶球にまたも使徒の姿が映し出される。
第6の使徒、ガギエル。

最初に確認されたときは第16層の水中だった。
しかし現在は第13層の湖にその姿を置く。
移動した形跡はない。

「恐らくマロールに似た転移手段を備えているのかと思われます」
リツコは続ける。
「この移動パターンでいけば次は第11層でしょう」

「シンジくんはまだ意識が戻らんか・・・・・・全く、こんな時だと云うのに碇の奴はどこに行ったんだ」
「レイも所在がわからない状態です・・・」
ミサトは視線だけをアスカに移しそう言うも、アスカがレイの居場所を知る筈も無かった。
559LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/08(水) 23:14:31 ID:???
「副指令、アタシが一人で行きます!」
険しいが自信に満ちた表情のアスカ。
「ならん、命令は待機だ、いいな」

アスカは下唇を噛む。そして何も言わずきびすを返し指令室から立ち去った。
「アスカ!」ミサトがそれを追いかける。
指令室には冬月とリツコだけが残された。

「・・・・・・エヴァは・・・まだ使えんか」
「いくつか問題が・・・遠距離でのシンクロ率と―――」
「―――術者か」

「はい・・・いまのところ碇司令以外には適格者が・・・・・・」
碇の奴・・・恐らくはレイと一緒だろう、何を考えているかは知らんが万が一の時には・・・・・・
冬月の右手は無意識にではあるが握りこぶしがつくられていた。

「いい、アスカ! 命令あるまで待機よ、わかったわね」
「わかってるわよ! ったく! バカシンジといいファーストといい、ホント役に立たないんだから!」
アスカは自分の部屋に入ると荒々しく扉を閉めた。

―――翌日
指令室にはいつもの面子が揃っている、筈だった。
シンジが居ないのは当然だが、そこにアスカの姿が無いのである。

「葛城三佐、アスカはどうした?」
「それが・・・その、今朝から行方が・・・」
ゲンドウの威圧ある問いにミサトは口ごもる。

「まさか・・・一人で?」
視線がリツコに集まる。
「セカンドならいつもヘッドセットをしているはず」
瞬時にみなの視線がレイに移った。
560LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/08(水) 23:15:59 ID:???
ミサトが首飾りを握りそこに居ないアスカに向かって話しかける。
「アスカ、聞こえる? 今どこに居るの?」
『第6層よ、ミサト』

若干くぐもったアスカの声はそこに居た全員にはっきりと聞こえた。
リツコが慌てて水晶球に第6層の様子を映し出す。
水晶球にはふてぶてしい表情のアスカがピースサインをしている姿が映っていた。

「なに考えてるのアスカ! 直ぐに戻りなさい!!!」
『手遅れよミサト・・・・・・奴さん、そこに居るわ・・・』
ミサトは文字では表現できない声を放ち片手で額を押さえた。

大きな水しぶきを上げ跳ね上がる第6の使徒ガギエル。
僅かな足場を頼りにアスカは軽快な足取りで湖の中央近くに移動する。
先程まで何度も跳ねていた使徒が水中に姿をくらました。

「さて、と・・・どう料理してやろうかしら」
腰の脇でくるりとエクスカリバーを回転させる。
突如目の前の水面が揺れだした。来る。

勢い良く水しぶきと共に飛び出した使徒は、牙の生えた大きな口を目一杯開きアスカに飛び掛かる。
アスカは剣を縦に構え使徒の口めがけて跳躍。
得物が自ら飛び込んだ口を使徒を閉じた、つもりだった。

縦にした剣が僅かな隙間を作っていた。
アスカは使徒の口内でマリクトを唱える。
魔法は使徒の体内で炸裂した。

間髪入れずロルトを自らの剣に向かって唱える。
風の刃がエクスカリバーを纏う。
使徒の内顎に剣先が刺さったまま上方へ振り切った。
561LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/08(水) 23:18:25 ID:???
アスカはぱっくりと裂けた使徒から見事着地。
完全に二分された使徒は左右にきれいに着水。
水飛沫の後は波だけを残して沈んでいった。

第6の使徒、撃退。


使徒をひとりで撃退したアスカは自分が褒められるものだとばかり思っていた。
「命令違反は厳罰だ」
ゲンドウの前に立つアスカは両手をぎゅっと握り黙って俯いている。

重い空気。沈黙。
「だが・・・使徒を見事撃退したことは評価に値する、今回のみ命令違反は目をつぶろう」
「・・・・・・はい」

アスカはゲンドウと目を合わせないまま背を向け、指令室から出ようと歩き出した。
「アスカ」ゲンドウのその声にアスカの足が止まる。
「良くやったな、これからも頼むぞ・・・」

「はい!」
振り向きざまに返事をしたアスカの表情は瞬時に晴れ上がっていた。
562LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/08(水) 23:23:45 ID:???
>>560
誤:得物が自ら飛び込んだ口を使徒が閉じた、
正:得物が自ら飛び込んだ口を使徒は閉じた、
563名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/09(木) 00:55:15 ID:???
GJ
564名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/11(土) 01:15:41 ID:???
yoi
565名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/14(火) 21:17:41 ID:???
こんな所にwizスレが
566名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/15(水) 14:54:40 ID:???
ようこそ。まあwizスレは少ないからこんなとこにあるのは珍しいでしょ
567LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/16(木) 10:56:35 ID:???
「あーあ・・・シンジのお馬鹿さんいつまで寝てるつもりなのかしら・・・・・・って聞いてる?ファースト?」
「聞いてる」
アスカは肘をついたまま軽くグラスを回しふんと鼻で息を吐いた。
このふたりが一緒に居るのは珍しい。しかもギルガメッシュで一緒に呑んでいるとなれば尚更だ。

「ま、あんなヤツが居なくたってアタシひとり居れば十分なんだけどね」
挑発的な視線を向けるもレイはまったく動じない。
「・・・・・・面白みの無いヤツぅ・・・・・・・・・」

『アスカ、聞こえる?』
不意にミサトの声が響いた。アスカのヘッドセットだ。
「なぁに、ミサト? シンジちゃんおっきでちゅかぁ〜?」
『冗談言ってる場合じゃないわ、使徒よ、急いで本部まで来て頂戴』

一気に酔いが醒める。
「聞こえた?」
「聞こえた」
レイはふたり分の勘定を済ませ店を出た。

「なに? アンタのおごり?」
「そうよ」
「めっずらしい、雪でも降ったりして」
「この街に雪は降らないわ」
そんなのは子供ですら知っている。アスカは呆れ顔で苦笑い。

「あ、そうそう、アンタもこれ着けてたら? 結構便利よ」
ヘッドセットを指差しながらレイに勧める。
「嫌」
「どうして?」

「髪、痛むから」
568LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/16(木) 10:59:37 ID:???
正直甘く見ていた。
使徒の姿を確認した瞬間、アスカが使徒を縦に両断した。
この任務はここでお仕舞い。あとはギルガメッシュで気分を更に高揚させるだけ、のはずだった。
しかし使徒は死ななかった。
死なないどころかこともあろうに二体に増殖したのである。

「ぬわんてインチキッ!!!」
アスカが何度斬りつけようと、レイが何度首を切り落とそうと、使徒はその度に脅威の再生能力で復活する。
ふたりとも最早体力の限界だった。
『アスカ!レイ! 一時撤退よ、逃げて!』
耳もとに響くミサトの声。
「ジョーダンじゃないわ! こんな奴ら相手に逃げるですって!?」
「いけない、よけてっ!」

一瞬だけ、ほんの一瞬だけ気を逸らしてしまった。
気づいたときには使徒の爪は眼前に迫っている。
アスカに攻撃を仕掛けた使徒にレイが斬りかかる。
遅い。
レイの攻撃が届く前に使徒はアスカをえぐった。
浅い。助かった。致命傷にはなっていない。
もう一体の使徒がレイの背中に爪を振り下ろす。
深い。レイがアスカの足元に転がる。

無数の思考がアスカの頭を駆け巡った。
ぎりりと奥歯を噛み決断。
早口で呪文を唱える。
発動した魔法はすぅと身体が浮く感触と共に二人とそしてミサトを本部まで運んだ。
大事な剣も鎧も異次元へ落としつつ。

第7の使徒、イスラフェル
依然、進攻中―――
569名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/16(木) 18:45:24 ID:???
ロクトフェイトっすか!素っ裸ですか!?
570名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/20(月) 03:37:57 ID:???
ho
571LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/23(木) 12:51:03 ID:???
しっかりとした床の感触を足裏に感じ取った瞬間、アスカはマディを唱えた。
みるみるうちにレイの傷が塞がる。魔法の増血作用により失われた血液もあらかた戻ってきた。

「レイ、大丈夫か!?」
「……碇司令……はい、大丈夫です…」
「そうか…」

ゲンドウはふうと大きく息を吐き出すと、ミサトとアスカを眺め見た。
「その、なんだ、その姿ではあれだ……早く何か着たまえ」
「………」
「………」
アスカの叫び声が城内に響き渡った。


とりあえずの服をリツコに借りたミサトとアスカは自分の部屋に向かっていた。
「ううぅ、裸見られたぁ……」
「ま、まぁ減るもんじゃない―――」
「―――減る」
「………」
「………あー、それよりも…武器なくなっちゃったわね」
「それよ! アタシのエクスカリバー……」
「カシナートなら手配できるけど」
「ダメ! カシナート程度じゃ直ぐに使い物にならなくなるわ…」

「今日も行くの?」
「……呑まなきゃやってらんないわよ」
「そう、じゃあまた後で」
ミサトの言葉を最後に二人はそれぞれ自分の部屋に入っていった。
572名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/24(金) 02:59:55 ID:???
ゲンドウ役得ですな
573名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/26(日) 01:24:00 ID:???
カシナートの方がデータ優秀なのになw
574LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/30(木) 13:05:12 ID:???
三人が下がってから間もなくして加持リョウジが指令室を訪れた。
「君か」
「今回の任務は大変でしたよ」
加持が付け加えた身振りはいかにもわざとらしく大袈裟過ぎるものだった。

「でもまぁ、苦労した甲斐はありましたよ」
加持は袋から三つの球体を取り出す。それぞれが青紫、山吹、深紅の色をしてほのかに光を放っていた。
「まさか…本当にあるなんて……」
「信じられんな」
リツコと冬月の驚いた表情に対し、ゲンドウは眉ひとつ動かさない。
「本物か?」
「相変わらずですね、ご心配には及びません、本物です」
「しかし使徒の魂とはな……」
「ヒトの魂をエヴァにダイブさせることは出来んからな」

リツコがそのうちのひとつに手を伸ばした。人肌とまではいかないが若干の温かさが感じられる。
「これでダミーシステムが完成させられるわ」
「碇司令、エヴァは本当に必要なんですか? エヴァでなくても使徒の撃退は出来ているじゃありませんか?」
一瞬だけ指令室の空気が張り詰めたような気がした。
「……保険だよ、加持君」
ゲンドウの視線と含みを込めたその一言で、加持は何も言わず引き下がった。

「それじゃ俺はこのへんで」
「何か予定でも?」
「この時間なら葛城はギルガメッシュだろ? アスカにお土産もあるしね、りっちゃんもどうだい?」
「私は遠慮しておくわ、仕事山積みだし」
加持はリツコに軽く微笑み、そのまま指令室を後にした。

「碇、E計画は続けるのか?」
「勿論だ、何があるかわからんからな。赤木博士、ダミーシステムの件、頼んだぞ」
575LV1 ◆R134p9X/Go :2007/08/30(木) 13:07:21 ID:???
宵闇がジオフロントを包む。
静けさを取り戻した街に不似合いな明かりと不躾な喧騒。
それでもギルガメッシュの佇まいは不自然なくらいその街に馴染んでいた。

「あーあ〜、ねぇミサト、なんとかしてエクスカリバー手に入らない?」
「無理よ、そう簡単に出てくるような代物じゃないわ」
「むー、ほかになんかないのぉ?」
「アスカが装備できるものといえば……プリーストパンチャーとか?」
「ダサっ………」
アスカは半分ほど液体の入ったグラスを意味も無くからからと回している。

「あんまり呑んでばっかりいると腹出るぜ、葛城」
「加持さん!」
「久しぶりだな、アスカ」
加持はアスカの頭を軽く撫で、アスカの隣の椅子に座った。
「……ぬわんであんたがここに居るのよ」
「なんだよ葛城、久しぶりだってのにずいぶんな挨拶だな」
「加持さんいつ帰ってきたの?」
興奮気味のアスカが割って入る。
「ついさっきだよ、しばらくはまたジオフロントに居ることになるな」
「本当?」
「ああ、それとアスカにお土産だ」

加持は長剣を腰から外しアスカに手渡す。
「これは…?」
派手な装飾の施された鞘からその剣を引き抜く。
曇りひとつ、刃こぼれひとつ無い美しい剣、ひと目見ただけでかなりの業物であることがわかる。
「加持君、まさかそれ……」
「ハースニール!」
「ご名答、流石はお二方」

アスカの叫び声はジオフロント全域に聞こえたとか聞こえなかったとか。
576名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/30(木) 16:32:33 ID:???
ハースニールキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
GJです
続きwktk(*´д`*)ハァハァ
577名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 02:18:27 ID:???
578LV1 ◆R134p9X/Go :2007/09/01(土) 23:39:35 ID:???
やべぇ、新作観たら構想変わっちまいそうになったよ。。。
579名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 03:53:02 ID:???
このスレがいつ落ちるかも知れないと思うと今の状況に本当にイライラするわ
新劇場版スレは別でやってもらいたいもんだ
580名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 23:17:28 ID:???
ところで今書いてる人、もしよければ
魔除け奪還時の時と現在のパーティメンバーの職業を
書いてほしいな
まあ装備と魔法見ればだいたい察することができそうだけど
差し支えなければお願い
581名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/03(月) 23:24:33 ID:???
582名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 01:43:26 ID:???
よく解らんが今はたくさん保守したほうがいいのか
583名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 03:41:53 ID:???
新スレがガンガン立ってるし
保守しとかないとdat落ちしそうで怖いよ
俺の好きなネタスレが三つほど消えてるし
584名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 07:16:34 ID:???
>>580
シンジ FIG→SAM
アスカ LOR(#1でありえないはずの最初からロード)
レイ THI→NIN(短刀でw)

ヒカリ PRI
トウジ FIG
ケンスケ MAG(w


あまり職業と戒律には拘ってません。
トウジケンスケヒカリはこの後の絡みが皆無なので悪しからず。
585名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/05(水) 23:19:18 ID:???
ho
586名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/07(金) 19:07:03 ID:???
syu
587名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/09(日) 23:53:08 ID:???
今日も保守
生きた心地がしねぇ
588LV1 ◆R134p9X/Go :2007/09/13(木) 12:50:06 ID:???
「つまりふたつのコアを同時に破壊すればいいんでしょ? きっちりアタシに合わせなさいよファースト」
レイは無言で歩き続ける。

「打ち合わせ通り行くわ、準備はいい?」
「なにアンタが指示だしてんのよ、アンタこそ足引っ張んじゃないわよ」

扉が開く。何も無い部屋。
「居ない…?」
そこに居るはずの使徒が居ない。ふたりは辺りを見回すも使途の姿を確認出来ない。
「ミサト! どうなってるのよ!」
『取りあえず待機よ、赤木博士、どういうこと?』
『そんなはずはないわ、使徒は必ずその玄室に居るはずよ』

ひゅっと空気が裂ける音が聞こえた。
その音と同時にふたりはそれぞれ反対の方向に回避する。
「まさか上とはね、油断したわ…」
ふたりが先ほどまでいた場所には使徒の爪あとが生々しく刻まれていた。

間髪入れず二体の使徒はそれぞれに攻撃を仕掛けてくる。
「打ち合わせ通りに!」
「無理よ!」
確かに無理な注文だった。打ち合わせどころか目の前の敵を相手するのが精一杯なのだ。
何度何度も瞬時に回復する使徒。明らかにジリ貧。

なにかコイツらの隙を同時に作る方法無いの!?
589LV1 ◆R134p9X/Go :2007/09/13(木) 12:52:09 ID:???
また、同じ天井だ……
上体を起こす。ベッドの傍らにある刀に気づき手を伸ばした。
「そうだ…使徒……」
シンジは緩慢な動作で起き上がり、そばに丁寧に置かれていた装備品を身につけ指令室へと向かった。

「シンジくん!」
リツコと視線を合わせる。ゲンドウ、冬月もシンジに気づいた。
「シンジ、お前の居る場所はここではないはずだ」
その一言でシンジの表情が曇る。
「リツコさん、敵…使徒はどこに?」
「第7層北東部よ、いまレイとアスカが戦っているけど状況は芳しくないわ」
リツコから詳しい使徒の情報を聞くとシンジは無言で指令室を後にした。

「碇、言い方ってものがあるだろう…」
「………」
リツコの視線は数秒間だけゲンドウを捉えていた。


昇降機の場所からマロールで飛べばいい。
しかし問題は倒し方。ふたつのコアの同時破壊。
どうすれば…
「よう、シンジくん」
「加持さん…」
「ちょうど良かった、シンジくんに渡したいものがあってね」
加持は細長い布の袋から1本の刀を取り出す。
「シンジくん以外使える人は居ないだろうからね」
「これ、は…?」
「関の孫六、聞いたことぐらいはあるだろ?」

伊勢千子村正と関の孫六兼元、二本ならあるいは……

「加持さん!ありがとうございます!!!」
590名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/13(木) 13:02:06 ID:???
GJ
いつもながら武器のセレクト上手いなぁ…
591LV1023w ◆R134p9X/Go :2007/09/13(木) 21:24:32 ID:???
>>590
いつもどーも♪
しかしファンタジーものって難しい。。。正直ナメてました orz
592名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/14(金) 00:53:12 ID:???
593名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/15(土) 18:50:01 ID:???
エヴァのwizSS見れるなんてここぐらいだな
落とさせるものか
594名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/16(日) 23:52:35 ID:???
ho
595名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/18(火) 21:04:31 ID:???
ho
596LV1 ◆R134p9X/Go :2007/09/19(水) 12:59:52 ID:???
息が辛い。
額に張り付く髪の毛が鬱陶しい。
走り、斬る。跳び、薙ぐ。詠唱、斬撃、クリティカル。

ロルトを唱えつつハースニールを横一閃。
同時に発生した空気の刃が2体の使徒を切り刻む。
僅かに動きが緩慢になった目標にレイが斬りかかった。
―――今だ。
駆け出そうとした瞬間、しかしアスカの膝がかくんと落ちる。

「なっ……!」
レイの攻撃は的確にコアを叩くもアスカはその場に跪いてしまう。
使徒はアスカの眼前に迫っていた。
…………ここまで戦ったのに…やだな、ここまでなの…?

空間が歪む。
ゆらりと実体化する影。
二本の刀を持つその影は完全に実体化する直前、刀を使徒に向かって放った。

貫く。二体同時。

閃光。

「ごめん、待たせたね」
戻らない視界。聞き覚えの有る声。聞き間違える筈の無い声。
こんな登場の仕方、アンタには似合わないわよ………


第7の使徒、撃退。
597名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/19(水) 14:41:23 ID:???
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
シンジテラカッコヨス
GJ
598名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/23(日) 01:34:09 ID:???
ho
599名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/24(月) 23:35:44 ID:???
syu
600名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/28(金) 02:01:32 ID:???
うーさぎうさぎ、なに見て刎ねる。
601LV1 ◆R134p9X/Go :2007/09/29(土) 12:34:31 ID:???
格納庫には美しい声が響き渡っていた。
彼女の詠唱が聞けるのであればバディを受けてもマリクトを浴びても構わない。
そんな吟遊詩人も形無しの美声はゆっくりとマディの詠唱を終える。
深く息を吐き出した後、僅かな間を空けて詠唱は更に続けられた。
詩の第2章を詠むかのように、先ほどの続きであるかのようにその詠唱は自然に紡がれている。
ひと際澄み渡った声で、安らかな眠りより魂を呼び戻すその詠唱が完了した。

紫色の球体は霧に霞むようにすぅと姿を消した。
格納庫の水面が揺れ、装甲板に覆われた顎が僅かに開く。
紫色の機体は白い息をゆったりと吐き出した。

「碇」
「ああ」
「これであの子達の負担が少なく出来るな」ゲンドウは目を細める。
「いや、エヴァンゲリオンは出撃させない」
「どういうことだ?」
「目的はあくまで使徒の撃退だ、何も切り札を慌てて使う必要もない」
冬月はゲンドウから向き直り、紫色の人造人間を眺めあげた。

「仮初めの肉体と偽りの魂、そして造られた心か………レイと同じだな」
ゲンドウの視線から逃げるように、手を後ろで組んだ冬月は格納庫を後にした。
「碇司令……」
「赤木博士、後を頼む」
右手の中指でずれた眼鏡を直しながら格納庫の出口へと向かった。
ふとゲンドウの足が止まる。
「リツコ、それが終わったら私の部屋に来い」
リツコの返事は無かったが、ゲンドウはそのまま格納庫から姿を消した。

ゲンドウが完全に見えなくなるとリツコはエヴァに視線を移す。
「男はみんな自分のことしか考えていない、か……」
涙がひとすじ、頬を伝って床へ落ちる。
誰も居ない格納庫、エヴァだけがリツコの言葉を聞いていた。
602名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/04(木) 01:06:44 ID:???
エンジェルが悪の水晶の守り手だったか。
603名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/05(金) 07:23:45 ID:???
順調に進んでて嬉しい限りだ
604名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/05(金) 07:25:56 ID:???
>>1
語らねーよ馬鹿
605名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 12:54:43 ID:???
ho
606名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 14:03:00 ID:???
ho
607名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 21:37:48 ID:8PGF5g/b
syu
608名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 22:07:23 ID:???
ho!syu!
609名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 21:05:18 ID:???
ほ・・・・・・・・・・
610名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 21:49:11 ID:???
しゅ…………
611名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 12:47:47 ID:???
HO
612名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 14:54:07 ID:???
LITO
613名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 02:24:55 ID:???
HALITO
614名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 01:27:31 ID:v14lKtlM
職人も多忙中のようだし、久しぶりにWizとエヴァを語ろうか。
今までエヴァキャラがWizの世界に入り込むってのがあったから…
もしネルフが使徒のせいで地下迷宮になったら、でも考えようか。

宝箱?を開けたら突然硬化ベークライトを吹きかけられたり、
ゼルエルの集団にくびをはねられたり
615名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 13:02:53 ID:???
アラームはあの音になる訳だw
616名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 04:39:40 ID:???
保守!
617名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/10(月) 08:36:51 ID:???
保守
618名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/16(日) 00:11:59 ID:???
喪主
619名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/18(火) 16:50:04 ID:???
縁起でもない
620名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/27(木) 12:52:02 ID:???
保守
621名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/04(金) 19:19:01 ID:???
エヴァ用かシナートブレード
622名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/12(土) 01:52:20 ID:???
623名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/03(日) 00:45:26 ID:???
624名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/11(月) 14:42:04 ID:WrI3Ydvm
625名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/11(月) 15:22:49 ID:???
ますらおのよろい
626名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/26(火) 02:21:55 ID:???
このスレがたってもう5年か…はやいなぁ。
世界樹の迷宮2もでたし、色々妄想できるなー
627名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/14(金) 12:57:45 ID:???
保守
628名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/18(火) 23:42:58 ID:IouRMOFa
ロストもせず、生き返りもせずって感じだなこのスレ
629名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/01(火) 13:43:46 ID:???
それでも…
630名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/07(月) 14:54:47 ID:???
いっそロクトフェイト
631名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/08(火) 11:02:00 ID:???
このスレ、2chトップから検索しても出ないような?
なぜ?
632名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/08(火) 12:56:08 ID:???
マディ→カドルト
633 ◆R134p9X/Go :2008/04/16(水) 00:25:33 ID:???
葛城ミサトはジオフロントを歩いていた。
陽はもうじき西の空から姿を消すであろう。
子供たちのはしゃぐ声は駆け足と共に横をすり抜けて行く。
それとは対照的にミサトの足取りは重かった。
足にクローリングケルプが絡み付いているんじゃないかと思い、何度も自らの足を確認する。
そんなはずはないのに何度も。
忽然と湧き出した疑問。
それがガスクラウドの様に思考に溶け込み、絡み、増え、侵す。

裏死海文書と使徒。
天使の名前を冠した使徒たちはミサトが知る「エンジェル」とは全く違っていた。
―――何故天使族が人類を滅ぼす必要があるのだろう
天界、地上界、そして魔界。
子供の頃から幾度となく聞かされた三つの世界。
それぞれに独立した世界は特殊な門を介さない限り繋がることはない。
仮に天界と繋がるヘブンズゲートが開いたとしても天使族がこちら側に来る理由がないのである。
そして何故リリスは地上界で発見されたのか。

「加持くん…」
「どうした、浮かない顔して。柄にもなく考え事かい?」
いつからそこにいたのだろう、部屋の前の見知った顔にミサトは幾ばくかの安堵を感じる。
「どうだい、久しぶりに?」
そう言うと加持は左手に掴んでいた葡萄酒の瓶を顔の前に持ち上げ軽く揺らした。
張り詰めていた空気が緩んだ気がする。
ディスペルされたアンデッドはこんな気持ちなんじゃないかなとミサトは思った。
「いいわ、聞きたい事もあるしね」
扉の鍵を開けながら加持を横目で見る。
「聞きたいこと、って、俺が知ってることなんて大した情報じゃないぜ」
「うそつき」
扉の閉じる音は二人の声にかき消されていた。
634 ◆R134p9X/Go :2008/04/16(水) 00:26:58 ID:???
「第10の使徒?」
アスカラングレーの疑問はもっともであった。
先日撃退した使徒は「第7の使徒」なのだから、当然第8、第9と続くものだとばかり思っていたのである。
裏死海文書によるとその存在は確認できるが襲来は予言されていないらしい。
しかしそれを議論している余裕は無かった。

アスカはシンジとレイに目配せをし、二人はそれに応ずるかの如く軽く頷いた。
ミサトはそれを険しいが神妙な眼差しで見守る。
前回の使徒撃退戦後、以降ミサトは戦闘に同行しないことに決めていた。
ミサト曰く「足手纏い以外の何者でもないから」と云うのが理由。
「少しでも役に立てればと思ってたんだけどね…ちょっち、無理みたいだわ」
努めて明るく言い放ったミサトだったが、その声の奥に複雑な含みがあるようにアスカは感じる。
諦めでも自虐でもない、なんと云うか、違和感をのようなものを覚えていた。

―――あのミサトがね……
掛ける言葉も見つからず、ただ聞くことしか出来ず、何も出来なくて。
でも違う。本当は言いたいこともたくさん有った筈だった。
だけど、そんな言葉に何の意味も無いことを瞬時に悟っていた。
こんなとき自分なら何も言って貰わないことが最大限の救いだと思ったから。
正しいかどうかはわからない。でも、何も言わなかった。

「――カ、アスカ?」
シンジの声でふと我に帰る。
「どうしたのアスカ?大丈夫?」
「なんでもないわ……少し、考え事してただけ」
「……マロールで跳ぶけど、準備は?いい?」
一行は既に昇降機の場所に着いていた。跳んだ先の扉一枚向こうは使徒の居る玄室。
シンジが確認するのは勿論の行動だった。
アスカは両手のひらで自らの両頬を軽く叩く。
「いいわ、準備OKよ」
その言葉が触媒であったかのようにシンジはマロールを詠唱した。
揺れる影が完全に失われると、魔法風の残滓だけが一瞬の名残となり、それも消えた。
635 ◆R134p9X/Go :2008/04/16(水) 00:27:31 ID:???
その使徒は玄室の天井に張り付いていると予測された。
玄室の高さはおよそ20m。本来であればミルワでも十分に視認できる距離なのだがそれを望めない。
ダークゾーンだ。
その闇は自分の眼前に広げた手のひらですら見ることを許さない。
一切の妥協を許さない完璧な闇は、正にダークゾーンと呼ぶに相応しい領域だった。

「じゃあ確認するよ」
使徒の攻撃はまず落下による直接打撃、そして形を変え包み込むというスライム類に似た手段を取るものと推測された。
落下してくるであろう使徒をシンジが止め、張られているだろうATフィールドをレイが攻撃。
そしてそこにあるであろうコアにアスカが打撃を加える。という作戦。
「作戦って言わないわよね、これ」
アスカの一言に微妙な表情を浮かべるシンジと眉ひとつ動かさないレイ。
「倒さなければサードインパクトで人類全滅。失敗してもまた然り、ってね」
「ふざけてる場合じゃないよアスカ」
不毛な会話を止める積もりだったのかは解らないが、レイは二人の間に割り込み鞘から短剣を抜いた。
閃きの短剣だった。一箇所に多重打撃を与え、ATフィールドを破壊するつもりなのだろう。
レイのその行動はパーティーの空気を一変させる。シンジもアスカも自らの得物を抜いた。
勝負は間違いなく一瞬で決まる。三人ともおぼろげながら確信していた。

アスカは深く息を吸い、一気に吐き出す。
直後、勢い良く扉を蹴り開けた。
純粋な闇にシンジが飛び込む。
来る。
直上に感じる気配に向け、交差させた刀を開くように振り放つ。
鈍い感触が得物から伝わった。
「綾波ッ!!!」
音もなくレイが飛び込み、瞬く間に10回程の攻撃をヒットさせる。
何かが割れる音が聞こえた。
アスカの雄叫びと共に、ハースニールは使徒のコアを完璧に貫いていた。

第10の使徒、撃退。
636 ◆R134p9X/Go :2008/04/16(水) 00:28:21 ID:???
いやホントすんません… orz
私事ですが去年10月頃からいろいろありまして…
なんとか時間を作れる様になったので
続きはぼちぼち上げていきます

遅筆は…仕様です。ご容赦ください。。。

637名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/04/19(土) 23:29:24 ID:???
ktkr!続きを待ってたかいがあったぜ。遅くてもいいから
楽しみに待ってるぞ
638名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/07(水) 05:56:37 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
639名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/19(月) 20:07:10 ID:A3S880un
良スレだったのは昔の話だ…悲しいなぁ
640名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/23(金) 19:52:19 ID:???
いや…また必ず盛り上がるに違いない…はず。
641名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/06/12(木) 06:52:39 ID:+NsoSSpd
エヴァ板良スレ保守党
642名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/06/26(木) 21:19:56 ID:???
Wiz系の新作でもでないかぎり、再燃はないだろうね…
643名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/10(木) 22:33:35 ID:???
ほしゅりけん
644名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/16(水) 12:42:38 ID:2pcJoEiq
BUSINで、後衛の忍者の手裏剣に首跳ねはねえだろw
と思ってたら、首吹っ飛ばされてすごいビビッたなぁ
645名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/31(木) 21:25:43 ID:???
夏休み保守
646名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/08/18(月) 11:20:28 ID:dVSHyFVB
夏休み明け保守
647名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/06(土) 06:40:07 ID:???
9月の雨保守
648名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/27(土) 20:21:14 ID:???
3週間目の保守
649名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/07(火) 00:27:08 ID:???
5日の秋葉原駅前で『エヴァンゲリオン名場面アンケート』
650 ◆ayanamiZuo :2008/10/27(月) 11:21:17 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
651名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/16(日) 06:32:31 ID:???
保守
652名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/08(月) 06:41:32 ID:???
圧縮終わった?
653名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/10(水) 21:02:11 ID:???
ほぼ4年ぶりにスレッドを見つけたので記念保守。
654名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/21(日) 21:19:45 ID:WzSvC3Fg
マロール
655 【大吉】 :2009/01/01(木) 07:10:47 ID:???
賀正
656名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/23(金) 03:07:12 ID:???
とうとう約5年もたったか…
657名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/23(金) 03:53:29 ID:???
初めて見たが…
>>1の日付w
658名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/23(金) 08:32:25 ID:???
すげぇ細く長くだな。
659名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/15(日) 09:33:08 ID:???
保守
660名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/24(火) 17:48:31 ID:???
666
661名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/26(木) 00:35:27 ID:???
ちょwwwこのスレまだあったのかよwwwwww
662名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/16(月) 01:08:27 ID:???
VIPPERなんかに見付からないようにしたいな
663名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/20(金) 07:01:51 ID:???
VIPからき☆すた
664名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/24(火) 12:42:08 ID:???
wiz派生作品だけどDSのエルミナが良作だった
スペルキャスティングが面白い

魔傀儡NINJA全裸カヲルが神の首撥ねた時は脳汁でた
665名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/16(木) 02:16:43 ID:???
保守
666名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/20(月) 01:47:00 ID:???
[ブーンがワードナに召喚されたよう]ですからwizにはまったなんて言えない・・
667名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/21(火) 21:28:55 ID:???
エルミナ2出たらグラとりこみしてシンジ、アスカ、レイ、カヲル、トウジ、ケンスケでやるんだ
今から職業とか決めとかないと
668名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/14(木) 06:53:40 ID:???
保守
669名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/15(金) 11:14:51 ID:???
このスレは保守すべきだな
670名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/05(金) 05:33:55 ID:???
ほっしゅほっしゅ
671名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/20(土) 17:21:23 ID:???
破まであと1週間
完結編まではあと何年だ
672名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/28(日) 20:15:31 ID:???
2年は覚悟だな
673名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/02(木) 00:51:06 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
674名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/03(金) 23:07:40 ID:???
このまま2015年いきそうだな
675名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/04(土) 00:26:54 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
676名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/07(火) 01:39:08 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
677名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/09(木) 22:56:40 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
678名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/12(日) 12:14:28 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
679名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/14(火) 12:08:46 ID:???
このスレが今一番古いスレなんだ?
680名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/15(水) 17:45:48 ID:???
うんにょろ~
681名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/17(金) 18:47:25 ID:???
破ネタまだ〜?
682名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/17(金) 18:49:26 ID:???
破ぁっ!破ぁっ!
(リツコタイコ叩き画像)
683名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/25(土) 00:04:34 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
684名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/25(土) 20:24:04 ID:2eVXV0Z7
みさくら
685名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/29(水) 21:59:07 ID:???
あの単純な線で出来た迷宮が素晴らしい
人間の想像力が無限であることを教えてくれた
686名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/29(水) 22:23:56 ID:???
それはローグのry
687名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/05(水) 23:08:53 ID:???
ヱヴァ板良スレ保守党
688名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/12(水) 23:07:33 ID:???
ヱヴァ板良スレ保守党
689名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/16(日) 12:55:20 ID:???
>>686
爺は用済み
690名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/23(日) 22:18:13 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
691名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/24(月) 12:30:07 ID:???
まさか今頃になってこの国でブラウザゲームが流行るとは思わなかったよ
692名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/26(水) 21:45:44 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
693名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/26(水) 22:18:57 ID:???
だいいちしと アダム のじむしょ
えいぎょうじかん セカンドインパクト〜サードインパクト
ただいま アダムは 「ざいしつちゅう」
694名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/06(日) 09:23:43 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
695名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/07(月) 22:49:41 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
696名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 16:16:53 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
697名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/27(日) 13:29:01 ID:???
このスレまだあったの?www
698名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/10/16(金) 16:00:17 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
699名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/11/07(土) 06:18:20 ID:???
保守
700名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/11/29(日) 21:19:21 ID:???
保守
701名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/12/21(月) 20:33:51 ID:???
月曜日の保守

月月火水木金金
702名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/12/29(火) 19:57:28 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
703名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/20(水) 22:23:19 ID:???
保守
704名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/22(金) 17:42:36 ID:???
世界樹3がついにでるな。
705名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/23(土) 02:23:30 ID:VCX0w9CV
餃子の王将で値段気にせず死ぬほどご飯食べたい
706名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/30(土) 18:18:19 ID:NbL9rRob
>>705
稼げ
707名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/02/17(水) 06:19:21 ID:???
シンプルだけど奥深い
708名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/03/07(日) 19:11:58 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
709名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/03/10(水) 14:04:22 ID:???
>>707
渋いけど飽きない
710名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/03/31(水) 21:55:37 ID:???
保守
711名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/04/22(木) 12:09:37 ID:???
hosyu
712名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/05/16(日) 13:03:04 ID:???
規制の網をかいくぐり保守
713名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/06/01(火) 22:11:32 ID:???
エヴァ板良スレ保守党


714名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/06/07(月) 14:36:14 ID:???
ほしゅ
715名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/06/29(火) 04:28:19 ID:???
パラグアイ戦前に保守
716名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/07/12(月) 16:54:31 ID:???
717名無しが氏んでも代わりはいるもの
何のスレ?