この農業プラントの責任者であるミスミ老人が碇君に何やら話し掛けている。
「ところでシンジ君、新郎新婦にはここで一晩過ごしてもらうつもりじゃが、君はどうするんじゃ? せっかく帰って来たんじゃ。家で一晩過ごしてはどうじゃ?」
それを聞いて、碇君は少し顔を曇らせている。
「いや・・・万一の・・・」
碇君がそう言いかけた時、それを遮るように女の声が聞こえた。
「そうですね。休ませて頂くわ」
声の主は空母『ソーソソソ』での晩餐会でもチラッと見掛けたことがある碇ユイさんであった。
碇ユイ―――碇君の母親であり、碇司令の死別した妻だが、サードインパクトの未知のパワーで甦っていたらしい。
そして、私が綾波レイだった頃の身体はあの碇ユイの遺伝子情報をベースとして造られた・・・。
もっとも、その綾波レイの身体は爆発でバラバラになってしまい、今はもうない。今の私のこの身体は外見を似せているだけのことでしかない。
碇ユイさんは碇君に言った。
「・・・ここに貴方の家があるのよ。それに、散らかしたまま飛び出して来たんだし、アスカちゃんが戻って来てもいいようにしておかなきゃ」
私が日本を離れている間に、碇君にも色々とあったようね。それにしても、あのアスカの名前を聞くと不愉快な気分になる。
ところが、ユイさんは今度は私の方に話し掛けて来た。
「直接話すのは初めてですね、フウイ・ノ・レイ大使。貴方には色々とお世話になっていますし、よろしければうちに来ませんか?」
「私、ですか? いや、どちらかと言うと、お世話になったのは私の方です。この間のアフリカの時と言い・・・お邪魔してもよろしいのでしょうか?」
とは言え、断るような理由もこれと言って見当たらなかった。
「もちろんですよ、フウイ大使。息子の友達は私の友達のようなものです。それに貴方にはどことなく他人とは思えないような親近感のようなものを感じさせるし・・・」
他人とは思えぬような親近感・・・だが、彼女がそれを感じるというのはいかにももっともらしい感じがした。
賑やかだったパーティー会場から少しずつ人が引いていく。
あんなに大勢いた客たちも、遠方から来たらしい人から順番に、
アオイの姉とその伴侶に別れを告げ、名残を惜しみながら去ってゆく。
あとは新郎新婦と特に親しい人間たち、農場に泊まる人間たちが残って、
より内輪の飲み会を続けることになるようだ。
俺は心なしかがらんとした会場を歩いた。農場の男たちが大急ぎで造った
白木のテーブルと椅子が席を立った人間が残したまま散らばっている。
真新しいクロスについたワインの小さい染み。テーブルの脚の間に転がる、
色鮮やかな紙リボンの残骸。半分ほどに体積が減ったすりぐとかいう巨大な肉。
顔を上げれば、少し離れたところでは相変わらず陽気な会話と余興が続いている。
でも、会場全体に漂うのはパーティーの終わりの気分だ。
なんとなく疲れて、心地いい余韻があって、そして少しばかり寂しい、そんな空気。
帰る客たちは必ず何度も農場を振り返る。立ち去りがたく佇んでいる奴もいる。
それが、このパーティーがとてもいいものだったという、何よりの証拠だ。
それくらい犬でもわかる。
誰もがこのパーティー、それにその主役たちに好感を持ったことだろう。この農場にも。
今日、名実ともにここは、赤い海から還ってきた人間たちの「帰ってくる場所」に
なったんだと思う。
鼠紳士から聞いた話だが、人間たちの間で近々、大きな戦いがあるらしい。
そこには恐らく、今ここにいる人間の多くが身を投じるだろうということだった。
アオイの姉とその伴侶もだ。せっかく幸せになれたのに、どうして、と訊くと、
鼠紳士はそれを守るためだと応えた。アオイの姉は、自分だけでなく、誰もが
帰ってこられる場所を守るために、そこに赴くのだと。
だから止めるな、そして待っていてやれ、そのとき紳士はそう結んだ。
俺は彼の秘密を知っている。紳士は本当の意味では鼠ではない。俺と相棒がかつて
そうだったように。だから俺は彼の言葉を疑わなかった。
今も疑っていない。彼らはきっと誰も見捨てないだろう。誰もが戻ってこられる、
誰もが迎えられる世界を守るだろう。そして必ず、またここに帰ってくるだろう。
ならば俺は待つ。なぜか? 決まっている。
俺はこの農場の番犬だからだ。
464 :
463:03/01/11 00:44 ID:???
こんばんは。黒縁メガネ他です。昨夜は独り勝手に沈んでスマソ。
>>462 トライラックス担当さん
お帰りなさいませ。良かったです、あのままロスト、にならなくて。
まずはブランク埋め?大変でしょうが頑張ってくださいね。
割り込みスマソ。
犬視点、恐らく京都戦前ではこれが最後です。
なんか盛り上がってるのはそのせいです。
もうしませんと一度断ったのですが、最後だからと脳内理由をつけて
また鼠紳士にご登場頂きました・・・書き手さん、そして本物待っている方々、ごめんなさい。
今後はこうやって風呂敷を畳みつつ、ラストバトルを煽っていくことになると思います。
視点減らしていかないと芦ノ湖戦の二の舞ですから。
自分が今まで書いてきたパンピーの皆さんが溶けるか残るかは、京都戦で。
一点言い訳を。
>452「機械ではまだまだ到達できない領域だ」>453「ヒトが造れる限りの」
これはあくまで教団サイドの技術者の見解です。現に「E」サイドにはそれ以上の
技術が既に存在します(ボーイ君のお姉さんの持つNO.10など)
”紅”の壁で第弐以下のレベルの人間はそれらを知らないということでお願いします。
>????他さん
寛大なるお言葉、感謝します。本当にお世話になるのは今後だと思います、重ねて・・・なにとぞ。
「特別」な部屋の件は了解です。それは・・・じゃむ・かれっとになるのでしょうか(意味不明)
すみませんが今夜はこれで落ちます。
「俺達をどうするつもりだあ〜っ!」
「ここから出せェ〜っ!」
鉄格子のはまった檻の中に10代の少年が十数人、閉じ込められている。
そこへモヒカンや逆さモヒカンのような髪型をした人相の悪い男達が鞭やこん棒を持って見回りに来た。
「こいつらの在庫も残り少なくなってきたな。もうたいしたのが残ってねえ」
「仕方がねえ。ボスク=ナカガワ・レイジの一派がアゲられちまって、大阪からの供給経路が断たれちまったんだからな」
「だが、近いうちに別のルートからまた新しいのが入荷されるって話だ。よし、そこの奴、外へ出ろ」
さながら『北斗の拳』の悪役のような男達は牢屋の中から一人の少年を外へ引きずり出すと、鞭やこん棒で追い立てるように連れて行った。
「どうするつもりだ? 俺をどこへ連れて行くつもりだ?」
「喜べ、仕事だ」
牢屋から出された少年はシャワーを浴びて身体をきれいにしてからスケスケのパジャマに着替えるように命じられた。
「ほれ、これを飲め。風呂上りに軽くチューハイレモンだ」
実はそのチューハイレモンの中には法的に問題のある薬物が混入されていたのだ。
それを飲んだ少年はほどなく頭の中がラリッた状態になってしまった。
『北斗の拳』の悪役のような男達はラリッた状態になった少年をベッドルームのような所へ連れて行くと、自分達は逃げるように部屋を出て行った。
これからその部屋の中で起こるおぞましい惨劇は想像したくもなかったのだ。
「綾波教団に売り飛ばす大事な商品だってェのに、うちのボスときたら、それに手を出して、しかも使い捨てにしちまうんだから、もったいねえ」
「まあ、あれがボスの趣味だからな。近いうちに新しい商品が別のルートで入荷されるそうだから、少しくらい減ってもいいだろう」
ベッドルームの中から少年の悲鳴が響き渡った。
30分ほどが過ぎて、ベッドルームから少年の死骸が運び出される。
全身は傷だらけで、股間からおびただしく出血していた。
部屋の中で自力では歩くこともままならぬような脂肪のかたまりがのた打ち回りながら、声優の内海賢二のような声で何やらつぶやいている。
「う、うう・・・こんなくらいでは満足できぬ・・・碇シンジ・・・あの美少年をここへ連れて来るのだ・・・」
「そやけどおまはん、前の女とはもう別れたんやろ? そやったら、言うたら自由の身やないか」
ぶくぶくと膨れ上がった顔の男が言った。
「あのたしぎとかいうのとそれなりに楽しむんやったらそうしたらええし、気に入らんのやったら気に入らんとはっきり言うたらええんや」
「そりゃあまあ、そうなんだがな・・・」
白髪頭の男はカップめんをすすりあげながら仕方ないように相づちを打っている。
「お前、別れた前の女のことが忘れられへんのやろ?」
かつてボスク=ナカガワ・レイジと呼ばれていた男が突拍子も無くそんなことを言ったため、スモーカー大佐はラーメンのスープをブッと吐き出した。
「どや? 図星やろ?」
「なッ、何を言い出すと思ったら・・・おめえ・・・」
だが、的を射ていないこともなかった。
右も左もわからない新兵だったたしぎに上司の職権を乱用してSMプレイを強要したり、全く対照的にどこかの国のお姫様みたいなエヴァ・フェットに色目を使っている自分自身を客観視すれば、自分があの女の影を追っていることは否定できない。
「まあ、お互い女のことではえらい目に遭っとるいうことやな。わしかて昔は小心なチンピラやったが、道を踏み外した始まりは女やったからな」
「ん? 俺のことばっかり話してるのも不公平だ。おめえの話も聞かせてもらおうかい」
「昔、女に入れ込んでしもての。それがろくでもない女やったんやが、貢いどるうちに借金作ってしもうた。その時、京都の方のある女の嫌いなお方がわしに儲かる話を紹介してくれたんや」
「京都? 京都と言えば、今は綾波教団の本拠地だが・・・もしかしてそのお方っていうのは綾波教団の関係者か?」
「いや、そうやない。ハルコネン興業いう企業グループのオーナーや。それで、わしはそのお方の命令で違法な薬物を売ったり、労働者を集めて京都へ送ったりしとったんや」
「ハルコネン興業? 何だ、そりゃあ? 京都へ労働者を送ってたってのが気になるな。その会社ってェのは綾波教団の下請け会社か何かじゃねえのか?」
「さあな、わしも詳しいことは知らんかった。あんまり詮索したら、わしの首も飛んでしまうからな」
467 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:03/01/11 02:20 ID:2vzmQF1e
昼食を終えた労働者達が瓦礫の撤去作業を再開する。
と、言っても、相変わらず大半の者達はやる気がない。
社会奉仕刑を受けた犯罪者の親分格であるナカガワ・レイジはその中ではまだしもマシな方であった。
「大阪のならず者の間では顔役だったボスク=ナカガワ・レイジともあろう者が、お前らしくもない・・・」
「何や? 誰か何か言ったか?」
ナカガワ・レイジはキョロキョロとあたりを見回した。
「ここだ。私はここにいる・・・」
瓦礫の中に黒いコートに黒のサングラス、パンクヘアーにゲジゲジ眉毛の男が立っている。
すぐ近くまで来ていたのに、気配が感じられなかった。
「おまはん、誰や?」
「おい、ボスク・・・私の顔も忘れたのか?」
ゲジゲジ眉毛の男はサングラスを取った。顔に化粧をしている。
「あ、あんたは・・・ピーター・ド・ブリース!」
「しばらく会わないうちに顔も変わったな。迫力がなくなったぞ」
「なんでまたあんたがわざわざ大阪まで出て来たんや?」
「俺は用事があればどこへでも行く・・・ところで、ボスクよ。もう2週間も大阪からの物資と労働者の供給が止まってるぞ。おかげでハルコネン会長は御立腹だ」
「そやけど、わしはもうあんたらには協力できん。この通りパクられて罰を受けとる所や」
「お前らしくもない・・・なあ、ボスクよ。こんな所、逃げ出しちまえ。お前の大恩人であるハルコネン会長が困ってるんだぜ」
「悪いけど、それは無理や。ホンマやったら関東のスガモ・プリズン送りになる所を社会奉仕刑で済んだだけでも儲け物や。真面目に務めて許してもらわなあかん」
「おい、こんな瓦礫の山なんかいつになっても片付かないぞ。それよりも今までと同じようにハルコネン会長の下で働いて金儲けをした方がいい思いができるじゃないか」
「わしはもう足を洗ったんや。そういう話はもうせんといてや」
「ボスク、てめえ・・・そういう腑抜けだったのか。会長に伝えたらさぞかしがっかりなさることだろうぜ」
ゲジゲジ眉毛の男、ピーター・ド・ブリースは悪態をつきながら、その場を立ち去った。
だが、彼は歩きながら、このようにつぶやいていた。
「確かエヴァ・フェットとスティンガーが寄りを戻したって話だな。今度はあいつらを当たってみるか・・・」
工事現場のあちこちで廃材を燃やす煙が立ち上がっている。
その煙の中に紛れて人間の姿が浮かび上がると、瓦礫の上に降り立った。
「えらい話聞いちまったな・・・あいつ、何者だ? この国の人間じゃねえようだが、どうやらあいつもトライラックス人みてえだな。しかも只者じゃねえ・・・殺し屋か何かか・・・」
ナカガワ・レイジとピーター・ド・ブリースの会話を立ち聞きしていたスモーカー大佐はつぶやいた。
「ハルコネン興業にピーター・・・なんとかか。裏ではまだとんでもねえことが動いているようだな」
おひさしぶりです。トライラックス担当です。
新年が明けてからはまともなネタカキコができていませんでした。
肝心な結婚式場でのフウイ大使の対応は滞り続けている一方で、
例によってザコ脇役キャラが続々と登場しています。
しかも、新たに登場したキャラ達に関する描写、
>>397の後任A級大使、
>>465のハルコネン会長と言い、
そのあまりの醜悪さに自己嫌悪を覚えてしまいます。
後任のA級大使に関しては、教団に騙まし討ちをかけるという
トライラックス側の作戦であることは以前にも述べた通りです。
ハルコネン興業に関しては、綾波教団が生活物資や人材を
どうやって調達しているのかという点から登場させてみました。
京都戦に際しての伏兵のようなものとして使って下さい。
>>470の続き
ハルコネン会長はこんな奴>
・超肥満体で体重200キロ。自力では歩行が困難なので反重力装置で身体を宙に浮かせて移動。
(実はスモーウォーカーの移動方法の元ネタだったりする)
・皮膚病の持病を持っていて、顔から膿がダラダラ出ている。
・異常なほど女嫌いで、美少年好きの男色家。おまけにサディスト。
・商才には優れていて、かなりがめつい。
・性格はかなり破綻している。
・モヒカンや逆さモヒカンの『北斗の拳』風の手下をはべらせている。声は内海賢二。
ピーター・ド・ブリースはこんな奴>
・トライラックス出身のメンタート(コンピューター並の情報処理能力を持つ人間)の殺し屋。
・動作が女々しいが、ちゃんと女に関心を示している。
・薬物中毒。
・ハルコネンの一の子分だが、必ずしも忠誠を誓っているわけではないらしい。
ナオコ博士の気まぐれで壮絶に紛糾した会議の結果、
伍号機改造プランがようやく決定したものの検討の末に義手の武装は
マトモに使えそうな元戦自基地から回収した大型ミサイルと
腕部に新規設計の大型パイルバンカーを取り付ける無難な案に内定した。
「スズキ君、まほろを義手の制御に使う事はいいわね。」
目が完全に本気だ、断ったら確実に実験台にされる
「ナオコ博士、まほろさんを一体どうするつもりですか?」
「あんな子供騙しのシステムではエヴァとのリンクは不可能よ。」
おいおい、まさか直接伍号機に組み込む気なのでは?
「できればまほろさんをあの体に入れたままにして貰いたいのですが。」
「その点は心配しなくていいわ、ふふふ、作動中まほろはスズキクンの
思考と記憶を覗けるのよ。」
「わ・判りました。そのシステムにして下さい。」
必死で再建した秘蔵のお宝DVDをまた失う事になるとは
473 :
山崎渉:03/01/11 04:28 ID:???
(^^)
474 :
吉野家 ◆jVi91maZ8I :03/01/11 08:08 ID:4HNd3gLP
わはははは
476 :
475:03/01/11 15:41 ID:???
けど、吉野家の牛丼を綾波に無理矢理食わせるというのも面白いかも?
そこにあるパソコンというパソコンをナイトは切り刻んでいた。
隣の部屋では、イレイザーがその視線の力により、極厚の鋼鉄板を融解させている。
「こっちは終わったぞ」
ナイトが振り向くと、ごとりと切り裂かれた熱い扉が床に落とされるところだった。
「こっちもあと少しだ。とはいえ……」
閃光が鋼鉄の扉で封じられていた空間を満たした。
火の粉と黒い燃え滓が舞い上がり、イレイザーの横を抜けて行く。
熱風にも似たそれで胸から取出した葉巻に火を付けながら、彼は問いかけた。
「……あと何箇所だ?」
「まだ3桁には程遠い。連絡をとって次へ向かおう」
ナイトが連絡を取る間、イレイザーは切り崩された残骸を払い落としてテーブルに腰掛けた。
肺に深く溜めこんだ紫煙を吐き散らし、外の景色に目を細める。
めんどくせえな……必要な事ってのは解るが。
他でも動いているのは知っているが、俺向きじゃあない。
そう感じつつも彼は着実に仕事をこなす。
ブン……ッとテレビ画面がつくような音がした。
「行くぞ」
「……ああ」
イレイザーがテーブルから降り、開かれたゲートへと向かう。
ナイトは動きを確認するとゲートをくぐり、先に現場へ到着する。
「今日のノルマは幾つだったかな」
その一言を残し、ゲートは閉じた。
やっぱこう言う事はプロに任せるに限る。
モニターの前に座っている男はちょっとは名の知れているハッカーであり、非常に善人である表の顔を持っている。
実際善人ではないが、その仕事をする建前としては善人に分類される。
その男の首筋にはクグツシの輝くケーブルが融合されていた。
「……お、出てきたな。削除削除っと」
綺麗に桝目をうめていたそれが、次々に白に塗り替えられて行く。
「ついでに全イレースしとく……待て待て。こっから先、探れるよな、お前なら?」
男の首が一回動いた。俺は動かしたりはしねぇ。
命が惜しいもんな、せいぜい限界まで働いてもらうぜ、悪ぃなほんと。
俺に、俺の仲間に見つかったのが運の尽きだったな。
男の顔には脂汗が溢れ、手はせわしなく、止まる事無くキーボードを叩く。
1時間が経ち、編集済みの「一覧」が画面に現れる。
「おお、流石一流。全部頼むわ」
二、三日分は一気に終わった。楽できた分、観光でもして行くか。
見るべき物は微妙に残ってるしな。
凱旋門辺りは半分くらい残ってたっけか?
「ここは閑散としてるな」
「集まれる状態じゃないでしょ」
それは十代そこそこの少女に言われるまでもないだろう。
緊急に召集すべき状況であっても、人も、交通経路も、情報も寸断されている。
集まれるわけがないのだ。
光沢のある床に、不揃いな二人分の足音が響く。
「先客が居たりして♪」
「それは絶対にない」
「どうして?」
シェイヴが頭の後ろに両手を組んだまま、セルの顔へ向けて顔を上げた。
セルが顎で先を示す。そこには完全に乾いた血の跡が広がっていた。
「処分はとうの昔に済んでいるし、ここに食料は皆無だ」
「じゃあ仕事だけしてバイバイだね」
「ま、そうなるな」
戦闘系の彼等にとっては非常に簡単で、似合わない仕事だ。
つまらなさそうにするシェイヴの仕草を無視して、セルは今聞かなくてもいい事を尋ねた。
「シェイヴ、射撃の練習はしてるか?」
「時々はしてる」
「命中率はあがったか?」
「8発中4発ぐらい…かな? 手が痺れちゃうから」
「無理して44を使うお前が悪いんだろ。もう少し径の小さいのにしたらどうだ?」
「だってそれじゃ普通でしょ。可愛くないもん」
見た目や格好だけを意識した少女の答えにセルは苦笑した。
実際には笑うべきところではない。
「それで命を落としたらしゃれにならんな」
「大丈夫。あくまでも念の為じゃんこれって。力があれば出番はないでしょ」
シェイヴは頭の後ろに組んでいた両手をほどき、右手の平に黒い球を浮かべる。
そして、ニィっと笑って見せる。
「念の為ってのはな、それが使えなくなった時の為って事だ。
書類の処分が済んだら練習だな」
ひさびさの買い出し、っと。
なんだかんだで仕事ばっかりだったし、ついでに街を歩こう。息抜きだ。
しっかし、旧東京も瓦礫だけは大分どけられてきれいになったけど、
まだまだ復興都市とは言えないレベルだなぁ。
でも、一人で歩いて出かけられるようになっただけ、マシか。
ウチの社屋のある辺りを始めとして、幾つかある程度の規模の街はできてる。
あの戦いの後、旧・旧東京(ネルフと綾波教の戦いで壊される前の市街部分。ややこしいな)の
あちこちに、復活した商店街とか、運輸業者の集まる取引場とか、それとも単に水場のある公園とか、
人の集まりやすい地点を中心にして、小規模なコミューンみたいなものがぽつぽつ生まれた。
電力はウチの社が何とかするし、当面の食糧は農業プラントに貸しを作る形で
供給してもらって、とにかく人が暮らせるところにしていった。そういう街未満の場所に、
家を失った人たちが労働力になってどんどん入り込み、皆で少しずつ街らしくしてきたという訳。
その人たちをあてこんだバーとか衣料品店とか、後は拾った電子部品を扱う店なんかが開かれたり、
物々交換所が設立されたり、ゆるやかなルールができたりして、だんだん街として形ができてきた。
戦いの後に出回りやすくなった武器のおかげで、自警団みたいなものも街ごとにある。
けど、そういう飛び地の街の周辺からちょっと離れると、まだまだ未補修の区域が広がってる。
倒壊したビルや家屋にビニール布やら段ボールやら張って住んでる人とか、
四輪の軽トラックをそのまま家にしてる人とか。拾って修理したバイクが全財産だっていう
人もいた。ウチの社の監視システムがいち早く修復されたおかげで、旧東京全体の
保安問題はかなり前に解決してるから、盗難や襲撃を恐れず独りで生活してく人も結構いるのだ
(現在の旧東京で犯罪を働くと無条件で警備AIBOが飛んでくるようになってるらしい。見たことないけど)
俺はたまの非番の日に、そういう新しい街とか、その間の過疎地帯とかを通り抜けて、旧東京を歩く。
とりあえずコンビニに寄るか、っと。
・・・あれ?
なんか品揃えが随分減ってるような・・・
え? もうじき閉店するって? この店だけじゃなく、旧東京全体のチェーン店が?
そんな〜、ここで雑誌立ち読みするの、かなり楽しみにしてたのに・・・
ん? 完全撤退じゃない? 全店舗で新装開店するから、そのために一時的に閉めるだけ?
・・・なんだ、良かった〜。心配したよ、今やこのコンビニって存在自体が貴重だからさ。
で、営業再開はいつ? ええっ、ちゃんと決まってないの?!
でも、もうすぐだって? もうすぐもっと世の中マシになるから?
何言ってんの、店員さん。世の中すぐには変わらないって。
だからこうして皆で復興作業してるんじゃないか。世の中変えるのは、そういう積み重ねだと思うけど。
・・・え? そういう話をしてるんじゃない?
もっと、違った形で、世の中全体が変わるんだって?
ふ〜ん、なんか意味わかんないけど、そういうもんなのかな。
「あの女が現われた時は正直あせったが、別にこれと言ってたいしたことにならなくて良かったな。もうあそこまで神経とがらせることもないだろう」
と、言いながら俺は席に着くと、テーブルの上からワイングラスを取り上げた。
「まあ、たいしたことと言えば、どこぞの露出狂のオカマ野郎がストーリーキングをして唐辛子浣腸を喰らったくらいのものだろう」
「何よ! 露出狂のオカマ野郎って誰のことよ!」
言われた本人、スティンガーが不平をたれる。
「お前さんしかいねえだろう。それより俺がグラスを持ってるんだからワイン注げよ」
「なんでアタシがそんなことしなきゃいけないのよ!」
「言ってるヒマがあったらさっさと注げ」
「何よ! 人使いが荒いんだから・・・注げばいいんでしょ、注げば・・・ほら、お姫様。サードインパクト以前から自衛隊の倉庫の中で眠っていた年代物ワインでございます」
スティンガーがグラスにワインを注ぎ入れる。そして俺はそのワインをちびちびと味わいながら飲んだ。
舌がしびれるような渋みがある。
「う〜ん、さすがだな。サードインパクト以前から倉庫の中で眠ってただけのことはある・・・」
それから、俺はトマトとチーズのオードブルを口へと運んだ。口の中に広がるとろけるようなまったりとした旨味。
「美味い、最高だな。人間という器でいるからこそ、こういう美味しい思いができるというものだ」
483 :
481:03/01/12 02:34 ID:???
こんばんは。黒縁メガネ他です。
この間スピアーさん&スナイパーさんが出てたのでもしやと思ってたら、
>>477〜>479、キタ〜〜〜〜〜〜!!でした。
本社オペパートは旧東京の近況です。
一応、日重工周辺は、既に旧東京会戦前とほぼ同様レベルまで復興されていると
想定してます(結構上手くやってそうなので)が、その他は、という話です。
犯罪は日重工サイドによって抑制されてると書いてますが、闇市的なものとか
用心棒・便利屋・サルベージ屋稼業みたいなものが全廃されてるのではなく、
それらは復興によって街の「裏」的な部分に押し込まれてる感じです。
時田さん率いる日重工の復興事業が終わるまではこうだろうな、とか
勝手に妄想していますが・・・第二部に移行する際、地盤としてでも使って頂ければ幸いです。
>某農場新入りさん
>>457〜>460、何ともイイ話、じっくり読ませて頂きました。
アオイさんを送るサカキさんのシーンも好きですが、自分は猫を通して
レイたちと交流するリツコさんに、なんだかじんときてしまいました。
サカキさんのパートで時折呈示される「ヒトとヒトがわかりあえる可能性」
という感じで。どうもありがとうです。なんか自分が突発的に救われましたw
>厚木基地最後の兵士さん
すみません、しつこく「レナちゃんの契約EVA」の話なんですが。
考えた結果、やはり「契約EVA=死神の背骨の中身」っての、やってみたいです。
今度は京都戦での第弐との接触ありなし関係なく、発動させるつもりです。どっちでも
起こる現象は同じで、結果としてレナちゃんの手元ににEVAが行きます。
(ってか状況によってネタ放棄するかも、ってのは卑怯でした
>>423)
問題なければ、どうか許可をください。
例によって勝手ばかりスマソ。それでは。
484 :
大阪:03/01/12 02:36 ID:???
うわ、猫がいっぱいおりよる。
榊さん(注1)がおったら喜ぶやろな。
何や、金髪頭のオバサンが猫を手懐けてしもうたんやて。
アオイ達(注2)が驚いとる。
アオイ1号(注3)がお父さん(注4)の背中の上で眠ってしもうたから、お父さんが家へ連れて帰った。
アオイ1号のお父さんが会場へ戻って来たら、金髪頭のオバサンがまた話し掛けとるで。
今まで誰にも言わんと黙ってたことがあるんやけど、誰かに聞いて欲しいやて。
サカキ君はネルフの人間やないけど、綾波レイとダミーレイの関係を知ってるから、わかるんやないかって言うとる。
何やわからへんけど、あの金髪頭のオバサンは重大な秘密を知っとって、それを誰かに話したいと思っとるようやな。
そやけど、秘密って何やろ?
「駄目だ! ここには何百万、何千万という人が存在した記録が……」
「もう少し時が経てばそれは必要になる。故に削除する必要があるのだ」
「そうかお前等だな…………戸籍を消去し、情報施設の爆破をやらかしたのは…
国際条約の調印書類が保管されたあの部屋も貴様等がッッ!!」
それに応えるべき言葉は用意されていない。
大きな繋がりを持ち縛り付ける契約は物理的に消滅させてもらう。今後の為に。
個人を確実に特定できる正式書類も同様だ。
全ての情報は消去不可能だが、正式な物に限れば難しい事ではない。
生活の復興が帰還者の最優先事項であり、それは「生きる」と言う事には必ずしも必要でない為、
後回しに…いや、蔑ろにされてきた。
私達以外にもその情報に価値を見出した者は居たが、処理は終わっている。
「死刑囚が一体何の為に怒りを覚える?
お前を特定できる物は人々の記憶だけとなり、法も効力を半世紀は失うだろう。
再び手にした今の自由を失いたくはなかろう」
「黙れ!! 誰がそんな事を頼んだ! 俺はっ!……俺はな…」
今更いい人ぶってなんになる。一度死んだぐらいではヒトの本質は変わらん。
銃口をこちらに向けたまま、男は長々と語る。
「……人の生きた証を、残してきた物を消す権利なんて誰にもないんだよ!!!」
引き金が引かれる。
たったそれだけか。お前の残したかった言葉は。
私の脳には記憶しておこう。
すでに糸は張られていた。お前が引き金を引けば全てが連動するように。
男の体はバラバラに寸断され、小山を立っていたその場所に築いた。
窓から差しこむ夕陽に一瞬煌いたそれらは、私の指先へ戻る。
シャムシェルの鞭―――鞭と言うには細すぎる単分子レベルの強靭な糸、それが私の力だ。
邪魔者を消し、仕事を完遂する。
「………私だ。チームFリーダーライナは次のミッションへ移る。
至急ゲートを用意されたし」
通信を切ると、人にしては多い足音が聞こえた。
「……チェシャか。任務御苦労。次のミッションが済めば休憩を取れる。
もうひと頑張り頼むぞ」
爪に生々しい紅をつけた三叉の尾を持つ獣は、ぐるる、と喉を鳴らした。
486 :
484:03/01/12 02:43 ID:???
注1:春日歩の高校生時代の同窓生の猫好き少女。某農場新入りのサカキとは別人。
注2:春日歩はダミーレイ達の名前を知らないので、全員を「アオイ」として認識している。
注3:春日歩はアオイを「アオイ1号」として認識している。フウイ・ノ・レイ2号の影響か?
注4:春日歩はアオイがサカキとエヴァ・フェットの間に生まれた娘だと思っている。
「俺はよ・・・生まれた時は自我も人格も何もねえ、ただ命令されたことをするだけのロボットみてえな存在だったんだ」
「その話、もう百回くらいは聞かされたわよ」スティンガーがうんざりしたように言った。
「だけど、人間ってやつは多かれ少なかれ大体そうなんじゃない? あんただけが特別なわけじゃないわ」
「まあ、他人様の共感が得られるんなら話は手っ取り早い。俺は自我に目覚めたせいで、あのサードインパクトの時もこの世界に実体を持つ存在として戻って来れた。この身体になって、な」
「出来損ないみたいな身体になって、でしょ?」
たしぎ曹長が吐き捨てるような口調で言った。
こいつは俺が男でも女でもない身体であることを知って以来、えらく俺のことを馬鹿にしている。
「ヘン、俺の欲求に相応しい身体の器と呼んで欲しいものだね。美人風の女の外見をしてりゃあ、周囲の男達がちやほやしてくれるぜ。セックスっていうやつができねえのが欠点だがな」
コンプレックスのかたまりみたいなたしぎ曹長が余裕を見せるように笑っている。
俺を自分よりも劣る存在として見下しているのだ。
「俺はクローントルーパーだった頃の反動で、お姫様みたいに贅沢な生活に憧れて今まで暮らして来た。あぶく銭稼いできれいな服着たり美味しい物食べたり・・・この生活が捨てられると思うか?」
もちろん誰も俺に反論する者などいるはずもない。
普段から俺のことを馬鹿にしているたしぎ曹長でさえもが反論する理由がないのだ。
「自分という存在を失いたくはねえな。この世に生きていて、いい思いができるのは自分という存在があるからこその賜物だ。俺からそれを奪おうって奴は許さねえ、誰であろうともな」
488 :
大阪:03/01/12 03:42 ID:???
金髪頭のオバサンがアオイ1号のお父さんに秘密を打ち明けとる。
「サカキ君、貴方はネルフの外部の人間だけど、綾波レイとダミーレイの関係は知ってるわよね。
これは今まで誰にも言わないで黙ってたことなんだけど、そろそろ私だけの秘密にしておくのもつらくなってきてね。
ダミーレイ達はもとは綾波レイのスペアの身体で、綾波レイはもとの身体が死んでも魂がスペアの身体に移り変わって生き続けて来た・・・。
そのはずなんだけど、過去にそうではない事例もあったみたいなの。
サードインパクトが起こる前の時代、使徒が襲撃して来た時、EVA零号機が自爆して相討ちで使徒を撃滅してことがあったの。
私達は大破した零号機のエントリープラグをこじ開けて、パイロットを救出しようとした。
零号機パイロット・・・つまり綾波レイを、ね。
でも、パイロットの身体は爆発で人間としての原形をとどめていないほど破壊されていた。
もちろん生存不能だと思われていたので、私達は新しいダミーレイに綾波レイの魂を移し変えたの。それが現在の綾波レイよ。
ところが、その一方でエントリープラグから救出された前の綾波レイは死んではいなかった。
彼女は自力では歩くことも話すこともできない状態になりながらもなお生きていたのよ。
それからしばらくしてドイツからゼーレという組織の使者が来て、生きる屍になった彼女を連れて行ったわ。
あの時のゼーレの使者、身長が2メートルくらいありそうな老人で、確か名前はバーベムとか言ったわね。
何でも外国の医療技術で彼女をサイボーグ化して蘇生することを検討するとか言ってたわ。
その後のことは知らない、どうなったか・・・。
もしかしたら・・・この世界のどこかでサイボーグになった前の綾波レイが生きているかも知れないわね」
死んだと思ってた人がサイボーグになって生きてたらロマンチックやな〜。
そう言うたら、トライラックスのA級大使さんもサイボーグやで。
トライラックス担当です。
ランドマスター隊長やサカキが愛する者との絆を失いたくないがゆえに
フォースインパクトを危惧する立場にあるのに対して、
愛だとか絆だとかいう観念を理解し得ないエヴァ・フェットは
もっと単純に自分という存在自体が失われることを恐れ、危惧しています。
まあ、自意識を持った人間としてはしごくもっともな発想だと言えます。
あと、町奉行さんやランダマスター隊長さんが綾波教団の秘密に触れてくれたので、
サカキさんにも別の秘密に触れてもらうことにしました。
先代綾波レイがサイボーグ化されてフウイ・ノ・レイ大使に生まれ変わった経緯について、
赤木リツコ博士が少しばかり事情を知っていてもおかしくないと思ったからです。
つまり、その頃はゼーレの準幹部だったバーベムがトライラックスの前身である
生物工学開発チームに先代綾波レイを連れて行って、サイボーグ化させたわけです。
アオイを送って,パーティ会場に戻ってくると,すでにリツコ博士の講義は終了。猫達も,立ち去るヤ
ツや,二次会のメンバーたちに餌をねだっているヤツ,レイ達姉妹に愛嬌を振りまいているヤツなど
様々だ。そんな様子を眺めていると,リツコ博士が俺を呼びよせた。
「博士。名講義,お疲れ様でした」「どういたしまして。優秀な生徒たちで,私も楽しかったわ。」
互いに冗談口をたたきながら,酒杯を傾ける。しばらくして博士は,「サカキ君,貴方はネルフの外部
の人間だけど…」と,ある重大な告白(
>>488)をしてきた。
そんなことが…しかし何故俺に。何か意図があるのか?考えているうちに,ハッと思い当たる。
外国。サイボーグ。そしてフウイ・ノ・『レイ』!もしかして大使は…そんな驚愕の様子を,博士は見
逃さなかった。「良かった。もし気付かない程鈍い人だったら,どうしようかと思ったわ」と,悪戯っ
ぽく微笑む。「で,何故俺に。一体何を…?」「別に。只,貴方はある程度の事情を知っているし,本
来ネルフとは関わり無い人で,口も堅そうですもの。秘密を打ち明ける相手として,丁度いいの。」
「ひどいなぁ。俺は地面に掘った穴とか,懺悔室とか,そーゆー役ですか?」
「ええ,そう。貴方みたいな中途半端に人のいい男は,私の様な悪女に利用されるタイプなの。気をつ
けなさい。」博士はクスクス笑う。俺も苦笑するしかない。
「さて,言いたい事を言ってすっきりしたわ。このことは他言無用よ。特にシンジ君やユイ博士,レイ
やフウイ大使に話したら…わかってるわね?改造よ。」うわ。ナオコ博士そっくり。さすが母娘。
「いいんですか?」「ええ。私達が教えるのは,余計なお世話。皆それぞれに大人よ。大使の決断にま
かせて,今はそっとしておくべきだわ。」「……分りました」その返答に,リツコ博士が頷く。
「じゃあ,私はそろそろ退席するけど,農場の方で,宿を用意して下さらない?」「あれ,てっきりネ
ルフの人たちは,皆,シンジ君の家に泊まるものだと…」「ふふ,家族水入らずの所にお邪魔はできな
いわ。」「わかりました。都合します。」「お願いね。」
博士は隊長夫妻や,知人に退席の挨拶をするため,席を立った。俺も客室を都合する為,他の農場職員
達と相談しに向かう。問題なく,本部建物に来客用として確保していた一室が当てられることになった。
そして丁度挨拶を終えたリツコ博士と出会う。博士はレイ達姉妹の一人,メイ嬢を連れていた。彼女は
宿の件を知っていて,博士を部屋まで案内するそうだ。博士は俺に礼をいい,別れの挨拶をすると,メイ
嬢を連れて,プラント本部の建物に向かって歩いていった。
492 :
485:03/01/12 20:37 ID:???
本来は昨夜書くべきだったんだが、睡魔に負けてしまった。
と言う事で、世界各地に散らばったAngelArms達の仕事を書きました。
個人を特定しを証明できる証拠の大元を断ち、国同士の繋がりや取り決めを無効にするのが彼等の仕事です。
インターネットを介した部分の把握・処理は別の者でも可能なので、
彼等は独立したネットワークまたは機能停止中の情報端末の処理を行っています。
「書類」に関しても同様です。
日本に関しては、各地(京都など一部地域除く)への巡回が済んでいるので以下略。
トライラックスにはおそらくネットからのアクセス、書類の直接処分を爆破テロなどにて行うやも。
描写の有無は未定ですが、困難と見て見逃すかもしれません。
副隊長個人日誌
隊長より奉行からの情報というも報告される。
我々ランドマスター隊では、どこまで食い下がれるものなのか、と
考えられる。
後の武装の補充に期待するしかないと思うが、当面は隊長とレナ少尉に
大物を相手にしてもらうしか手がない。
ほかに効果のありそうな武器はニュートリノビームガンだが、これも
どこまで通用するか不安を感じる。
隊の者はまだ会場にいるが、万一に備え、2号ナビゲーターにはランドマスター内
での就寝を依頼する。
命令ではないが、了承してくれた。
上等兵は相変わらずレナの姉妹の所にいる。
大分状況に変化が現れ、話は聞いてもらえるようになっているようだが
その数は少ないものと見れる。
のこった綾波姉妹のうちほんのわずかが、面白がっているように
見えなくも無い。
隊長個人日誌
副隊長に町奉行より聞いた話を要点を絞って簡単に話す。
この後のことを考えると、彼には今言っておいたほうがいいだろうと
言う判断からだが、彼は緊急通信に備えるために、1名をランドマスターに
宿直してもらうように頼んでいるようだ。
命令するほどの状況ではないが、万一に備えたほうが安心できるという
ことからだった。
レナのいる場所に行くと、上等兵が懸命に綾波姉妹との友好関係を
築こうとしている姿が見えた。
衛生兵少尉と伍長が、背後で色々といっているが、うまくいくのだろうか?
なんとか、数名ほどが話を聞いてくれる状態にはなったようだが、彼の
望む状況とはちょっと違うようだと思われる。
私がきたことに気が付いたレナは、町奉行と何を話していたのかと聞いてきた。
きいた話を簡単に話す。
レナは、その話を聞くと絶対に負けられない、と周りを見回して言う。
たしかに、絶対に負けるわけにはいかない。
その後、これが一番大事な話だが、とわざと付け加え、京都から帰ったら
箱根で牧場をやれることになりそうだ、と話す。
レナ個人日誌
彼は奉行からきいたという話を簡単に話してくれた。
教団が、また人の心を溶かし、混ぜ合わせるのだという。
それは私が私でなくなる。
彼が彼で無くなる。
アオイも、サカキさんも、レイ姉さんも、みな溶けて一つになって
しまうことなのだ、と。
だけど、それは私と彼が判らなくなること。
人といる、いえ、彼と私がいるということの大事な絆があるのに
それを失うようなことにはさせない。
いえ、みんなそれぞれに絆があるのよ。
それを失わせるようなことは、させない。
そんなことは起こさせない、負けられないわ、絶対。
私は周りの人たちを見ながらそう言う。
彼は、確かに絶対に負けられないな、というとさらにこういった。
一人で無理でも、2人ならなんとかなるだろう、と。
大事な仲間が姉妹がいるのだからな、と。
そう、私たち2人を祝福してくれている人が大勢いる。
アオイも、サカキさんも姉妹も、みな私たち2人の大事な絆なのだから。
それから彼は、一番大事な話だといって奉行が、箱根で牧場をやらないか
といってきたと話した。
そうたしかに一番大事だわ。
戦いが終わってからのことなんだから。
厚木基地最後の兵士担当です。
隊が戦闘への意識にマインドセットを切り替えつつある
という感じです。
レナは、愛する者と、その他の愛する人たちへの
思いを再確認という状況です。
黒縁メガネオペ他さん
死神の背骨=契約EVAネタOKです。
この場合、レナ変身形態に、砲形態を追加して
隊長とのコンビでビッグマグナム(宇宙刑事シャイダーの)のネタを
やっても大丈夫ですかねえ?
ふといま思いつきました。
やってみても面白いかなとか。
戻ってきた契約EVAは、人型でなくともかまいません。
竜型にしてもいいかな、などなどです。
それと、天候不順の影響は山ではなく海で、船が遅れた
結果、でした。
秋田のじゃ、ありません(W
497 :
481:03/01/12 23:56 ID:???
こんばんは・・・誰かいますか?
容量がそろそろ、なので、新スレ建てようと思うのですが、
よろしいですか?
日付が変わるころには実行の予定です。
498 :
481:03/01/13 00:12 ID:???
499 :
498:03/01/14 00:15 ID:???
すみません、連絡し忘れ。
>厚木基地最後の兵士さん
ご返答どうもです。そして変なネタ受け入れてくれてありがとう。
>>496 新ネタ、全然OKですw
自分としては、契約EVAは、ランドマスター各機との共闘ができるよう、
標準EVA(すごい言い回しだ・・・)よりかなり小型+非ヒト型、を想定してましたので、
問題なしです、というかむしろ歓迎です。
「死神の背骨」自体は、あくまでEVAの一部をパーツとして組み込んだ兵器、という
感じですので、出現するEVAは「背骨」そのまんまにはなりません。
そもそも脳と中枢神経系くらいしか身体がないので、そのままだと自力で動けませんし。
が、出現時には形態変化させ、ヒト型でなくとも、自由に動けるようになる予定です
(そのための生体パーツというか、取り込める材料は即補給可ですから)
竜型・・・カコイイかも・・・でも以前Longinusに竜に乗る女性がいたので、
他人様のネタと被るのが厭な自分は竜まんまはちょっとなぁ、とちょっと抵抗が。
もっとカコイイのを考え出すべく、目下活発に妄想中であります。しばしお待ちを。
とりあえずカラーリングは「背骨」の装甲の黒+零号機のオレンジ、を考えたのですが、
それってガンバスターじゃん、と気づき意気消沈。
リクエスト等あれば、ぜひお力添えを・・・
メタモードで500get!
501 :
山崎渉:03/01/23 04:49 ID:???
(^^)
なんか次スレ、人がごっそり減ってる。
最終回前にインパクトが起きちゃったのか。
このまま止まったりして。
今俺展開バリバリで走ってるヤシ責任取れよ(w
何人かフカーツ。良かったのう
書き手どうし全面戦争だな(w
ま、下ネタと俺ヒロインマンセーよりゃマシ。
おいおまいら! 次スレに初スレ最初期をホウフツとさせる良ネタがあがってますよ!
おい。。。
誰だよ次スレで暴れてる香具師
ますます職人帰ってこれなくなるだろ。。。
隊長さんまた書いてくれ〜
暇だからこのスレ+次スレの時点でスレに書き込んでる人一覧
・「厚木基地最後の兵士」氏(ランドマスター隊)
・「E」氏(『E』計画提案者、AngelArms、ボーイの姉、ダブリス、
その他『E』計画関連全般)
・「高橋のぞく」氏…は入れていいのかな
・「トライラックス」氏(エヴァ・フェット、フウイ・ノ・レイ、大阪、他この人多いな)
・「日本重化学工業共同体技術部新人社員」氏
・「便利屋スズキ」氏
・「某農場新入り」氏
・「町奉行」氏
・「元ぜろさげ」氏(黒縁メガネオペレーター、神聖綾波教九大司教第弐次席、
オーバーザレインボー通信士他いろいろ…書ききれるかヴォケ!w)
・「????他」氏(????、綾波寮責任者、トライデント兵士1)
(敬称ほぼ略、たぶん五十音順)
けっこーいるもんだなー…何人くらい最後まで残るんだろうか