ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。
○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの
お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。
主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。
■関連サイト
キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html キモ姉&キモウト小説まとめサイト
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キモ姉&キモウトの小説を書こう!part42
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1336302603/ ■お約束
・sage進行でお願いします。
・荒らしはスルーしましょう。
削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
■投稿のお約束
・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
無駄無駄無駄ぁ
>>1乙投下します。
>登場人物
美里由衣(みさと ゆい) 妹、基本アホの子、多重人格で由利(ゆり)という天才の人格があったが…
美里良也(みさと りょうや) 兄、本人いわく普通の高校生、由利が言うには完璧な人間らしい
如月薫(きさらぎ かおる) メイドさん、家族不在のために雇われた使用人兼保護者、警察関係者?
姫乃愛理(ひめの あいり) クラスメート、ハードボイルド口調のクールな委員長でお嬢様だったが…
姫乃さつき(ひめの さつき) 由衣の親友、愛理を慕っているがこの子にも秘密が?
>これまでのあらすじ
妹の由衣は元気なアホの子。
だが夕方には由利という別の人格になる多重人格障害(DID)を持っていた。
そんなとき、両親不在と兄の良也の負担を減らすという家庭の事情で家政婦を雇うことになる。
やってきた家政婦はバリバリのメイド姿の如月薫という綺麗な女性だった。
これに由衣は歓迎するが、由利は拒否する。由利は内情を知っているようだったのだ。
由利は天才であり、兄に内緒で何かの研究をしていた。
それが原因なのか由利は、由衣との人格を統合することになる。
そこでなぜか、ただの家政婦だった薫が、由衣と由利の人格統合を止めようとした上に
由利の研究していた装置のありかを聞き出そうとする。
だが由利が言うには由衣しか使えないので使い物にならないらしい。
由衣と由利は人格統合直前に、由利は兄に想いを告げ眠ってしまう。
そして起きた時には人格が統合されていた。
いつもどおりの日常を送り始めようとするが、クラスメートの愛理が皇帝だったことが世間に知れ渡る。
由衣と良也も大通りの巨大スクリーンで知ることになる。
そこに現れたメイドの薫は、危険が迫ってると言って、由衣と良也の身を案じて家に連れ戻すのだった。
リビングのソファに座り、さっき薫さんが出してくれたスポーツドリンクを飲む。
俺と由衣は隣に座り、薫さんは対面に座っている。
あれから家に戻ってきて、待っていたのは薫さんの説教だった。
それも俺ではなく由衣に対して。
「由衣様、なぜあのような危険な真似をされたんですか?」
「い、言ってることわかんない…」
「お惚けにならないで下さい。由利様の人格はあるのでしょう? でしたら私の言っていることがわかるはずです」
「…」
由衣は苦虫を噛んだ様な表情をする。
そして俺の方をチラチラと見てくる。
このへんの仕草は由衣そのものだ。
「そのために由衣様の携帯が…」
「だ、黙って!!」
由衣のでかい声にビビってしまう。
少なくともこんな『由衣』は見たことがない。
「あ…ごめん…」
「やはり、わかっておられるんですね」
「…うん」
「由利様の記憶はございますか?」
「…」
なぜか黙る由衣。俺もそこが聞きたいんだが…
「質問に答えていただけないなら…」
「…な…こ、今度は何? ま、また銃向けるの?」
俺の腕に体を寄せながら怯える由衣。
まあ、こんな態度を取っていれば由利の記憶があると言ってるようなもんで…
薫さんは目を閉じてため息をつく。
「次からは気をつけて下さい。何かあればまた駆けつけますが」
「う…うん、だから…」
「わかっています」
「あ、ありがとう…」
「いいえ、とんでもございません。では夕飯の支度をします」
って、なんか勝手に解決してるし。
こっちは全然わかんないわけで、もっと踏み込んだこと知りたいんだけど。
薫さんは由利は俺を巻き込みたくなかったって言ってたし、どうにも聞けない。
人格統合の際、由衣が眠ってる時も肝心な部分は一切答えてくれなかったし。
知りたいことは主に2つ。
由衣と由利は本当に人格統一したのか?
これは意外と方法がある。さすがに血の繋がった兄妹だけあって妹のことはよくわかってるつもりだ。
由衣と由利の癖や仕草は全然違うし、仮に由衣が由利の、由利が由衣の演技をしていたとしても当てられる。
カマをかけてやればすぐわかる。
これまでの仕草を見るには由衣に近いと思うが。
そこでもう一つの疑問だ。
由利はなんの研究をしていたか?
どうも姫乃総合病院の中で研究をしていたらしいが…
由衣はわかりやすい。
いつも朝起きて学校行って夕方帰ってきて日記を書いて寝る。
これだけだ。まあ色々と世話を焼くはめになるが。
そして日記を書いてから、由利と人格交代。
由利とは夕飯を作って食べてテレビやPCをしてから、俺と一緒に勉強。
勉強って言っても由利の知識は桁外れなので、俺が教えて貰う形だ。
由利は色んなことを知っていて、とても良い生徒というより教師だと思う。
はっきり言ってどの教師よりもわかりやすいし。
面白い雑学をいっぱい教えてくれる。
むしろ学校の点なんか取らない方がいいとまで言う奴だ。
おかげで学業に関しては問題ない状態だ。
あれ? 今思ったけど、よく考えたら、たいして学業の負担になんかなってないよな?
なんで薫さんを雇う必要があったんだ?
別に由衣はともかく、由利だって問題行動を起こす奴じゃない。
爺ちゃんに電話もメールも繋がらないからわからない。
あれから何度やっても繋がらないし。
まあ、そのことは置いとくとして…
由利はいつも夜の10時か11時ぐらいから寝るまでリビングの32インチのPCの前に釘付けになる。
そして3時にはきっちり寝ると言うのをくり変えていた。
夜中にトイレやキッチンに行く事はあったので何度も目にしてるし間違いない。
「寝ろよ」って言っても、「ごめんなさい」って言うだけだし、集中しすぎてて近づけない時もあった。
何やってるか聞いても、単に「自分の勉強です」としか言わなかった。
画面やPCデータも見たことあるけど、確かに大学レベルの勉強をしてる感じだった。
日本語と英語だけじゃなく他の言語もあったしよくわからなかった。
数式がならんでいたり、プログラムの羅列だったり俺には理解できなかった。
やってることも物理や生物、医学、脳科学やら人体、軍事、政治、経済…量も理解を超えていた。
「「ご馳走様でした」」
「お粗末様でした。お口には合いましたか?」
「はい」
「うう…」
なぜか由衣が呻く。
「どこか良くない点がございましたか…」
心配そうな顔で見つめる薫さん。
「あ…あたしもたまには作りたいけど…いいかな?」
「もちろんです。その時に言っていただければ」
「じゃ、明日一緒に…」
「ええ、喜んで」
そういうことか。って、完全に由衣は薫さんを認めてるけど、本当に人格が統合したんだろうか。
由利の記憶があるとすれば許さない部分もあるんじゃないだろうか。
あの時の殺意を消せるとは思えない。
やっぱりあの方法でどっちか試すしかないな。
「おい、由衣」
「ん、なに? ひゃっ…!?」
いつも朝、由衣の世話をしてるように由衣の肩に手を乗せてから、そのピンクのデザインのシャツに手をかける。
「ブラきついって言ってたよな。サイズ測るから脱がすぞ」
「…」
これでわかる。由衣なら「いいよ〜お兄ちゃんのえっち〜」で、由利なら「なんの冗談ですか?」と睨まれるだけだ。
断じてセクハラじゃない。
「…」
ん? 反応がない?
由衣の表情を見ると俯き加減になっててよくわからない。
俺は下からそっと覗く。
「う…うん…い、いいよ…は、測ろっか…」
頬が真っ赤な由衣がいた。俺と視線を合わせようとしない。
これまでにない反応…どうすりゃいいんだ?
「じゃ、じゃあ測るからな…」
「…う、うん」
くそ。口調が移っちゃったじゃないかな。
こうなりゃとことん反応を試すしかない。
机にあるメジャーを手にする。
「シャツあげろ」
「う…うん…こ、これでいい?」
自分でシャツをまくりブラがあらわになる。
由衣お気に入りの白いスポーツブラだ。
おっぱいをまじまじと見る。うーん、おっきくなったなあ。
妹の成長を嬉しく想いながらしみじみと思う。
由衣はなんだか体をくねくねしている。いつもの反応と違いすぎる。
由衣にしては可愛らしすぎるし、由利にしたらもっとクールなはず…
「お…お兄ちゃん…は、早く…恥ずかしいから…」
「わ、わかってるって…」
なんか兄妹でいけないことをしてる気になってきた。
これって冷静に第三者から見たら、兄が妹におっぱい見せろと強要してるようにしか見えないのでは?
まずい。これはまずい。非常にまずい。
「さ、触るからな」
「は、早く…」
…って俺は何をビビってんだ。いつも世話焼くとき触ってるだろ。
そう言ってから妹の胸を測るためにブラのホックを外す。
パサリと床に落ちる。
「あ…」
由衣の声と同時に、その顔が耳まで真っ赤になる。
これ…駄目だ…兄妹として…なんとかしないと…
異変に気づいた俺は床に落ちたブラを取って、由衣の胸を付け直す。
「…」
「…」
お互い微妙な空気が流れる。と、とりあえず、これでよしと。
「終わったぞ」
「え…でも測ってない…」
「目測で充分。たぶんトップが2〜3cm伸びてると思う。よかったな」
「う…うん、ありがと…」
くそう。これじゃ確かめた結果がさらに混乱する羽目に…
はっきり言って由衣と由利のどっちかわからん。
でもまったく別の人格ではないし…
4つのケースで言ってた1番めの性格が由衣、知識が由利のケースだと思うけど。
どうもハッキリしない。
2人が一緒の人格になったと言えばそうなんだけど、なんか違和感がある。
この夜の時間帯に由衣が起きてることはありえないし。
かと言って由利でもない。
あー、ますます混乱してきた。
どう接すればいいんだ?
自分の髪の毛をガシガシとかく。
「お兄ちゃん…」
「ん?」
「あたし由衣だから…でも由利だから…」
「あ、ああ、わかってる」
「じゃ、じゃあ勉強しよっか?」
「いや、今日は休もうぜ」
「…え?」
「そんな顔すんな」
不安そうな由衣の頭をポンポン叩く。
「でも…宿題とかしないと…お兄ちゃんの…」
「おまえな、今の状態わかってないだろ?」
「どうゆうこと?」
「すげえ疲れてるぞ。ちょっとフラフラしてるし。それに眠いんじゃないか?」
「え…まあ…うん。そうだけど」
「ほら、今日は、部屋帰って休め」
「あ…」
由衣の両肩をつかんで階段の方を向かせる。
「きゃっ…」
その瞬間、由衣は崩れるように尻もちを付いた。
「おい…大丈夫か?」
「あ、うん…大丈夫。お、おやすみっ!」
すぐに立ち上がって急ぎ足で階段を登っていく。
あ、つまづいた。パンツ見えた。
大丈夫か? あいつ…
俺も部屋戻るか…ん?
「っ…」
足に何か違和感がした。靴下がネチャネチャする。
飲み物でもこぼしたかな?
見るとさっき由衣が尻もちをついた場所だった。
なんだこれ? 由衣もこれに滑ってこけたのか?
その場所をモップで拭く。
吹いたあとにテーブルの上の赤い日記に目が行く。
そういや今日は一度も見たり書いたりしてないよな。
これはどうすんだ?
しょうがない。由衣のところに持っていくか。
これからはこれも由衣と由利をつなぐ交換日記じゃなくて、由衣だけの日記になるわけか…
そんなことを思いながら日記をパラパラ見ながら階段をのぼる。
超下手くそな文字と、達筆な文字が交互にある。
由衣に渡そうといつもの感覚で由衣の部屋のドアを開ける。
「ぁん…ん…おにぃちゃ…ん…ん…あ…ぃぃ…あ…ぅん…ぁ…」
悩ましい声がベッドからしていた。呆然とするしかなかった。
背中を向けてTシャツだけの姿になってて、手で胸と股間をまさぐっていた。
俺がドアを開けたことには気づいてない。
「…ぃい…お兄ちゃん…来て…ん…あぁ…そう…ぃい…あん…もっと揉んで…そう…そこ…ん…」
そっとドアを閉めた。危なかった。
由衣が行為に夢中になってて気づかなかったのが幸いだった。
あいつのオナニーって初めてみたんじゃないか?
由衣も年頃の女子だ。性欲だってあるのは当たり前だ。
寝る前に一発抜くなんて俺だってしてる。
由利に見られたことだってある。
そう、問題ない。健全な行為だ。問題ないはず…
でも…その対象が…
頭を振ってその考えを消す。
誰だったかは考えないことにした。
自意識過剰だ。
明日からどうすればいいんだろう。
起こしに行くべきか。そうでないか。
とりあえずこの日記は明日渡そう。
俺も今日は色々と疲れた。
部屋に戻りベッドに倒れ込むとすぐに睡魔が襲ってきた。
投下終了です。
既に駄作の予感
基本設定が決定的につまらないし、ぎこちない文体も初々しいというより荒さが目立つ
台詞回しの拙さは特筆もので、ある意味で独特の才能を感じさせるほど
よくもまあ、これまで続けられてきたものだ
誰か忠告してあげる住民はいなかったのか?
とにかくキャラや世界観の魅力がまったく読み手に伝わってこないだけでなく
ただ「俺」の目の前で起こっている現象を羅列した文章に過ぎず、物語として成立していない
平易に読めるラノベばかり愛読していて、「これなら俺にも書ける」と勘違いしてしまったのだろうか
読みやすい文章が、書きやすいなどとは見当違いにもほどがある
ペンキが乾いていくのをジッと見ているような、典型的な独り善がりの素人作文だよ
>>14 読んで頂いてありがとうございます
できればどの箇所かを具体的に指摘してもらえると嬉しいです
>基本設定が決定的につまらない
どの設定でしょうか?
>ぎこちない文体も初々しいというより荒さが目立つ
>台詞回しの拙さは特筆もの
どの箇所か例をあげてもらえると嬉しいです
>キャラや世界観の魅力がまったく読み手に伝わってこない
これも例をあげてもらえると助かります
>ただ「俺」の目の前で起こっている現象を羅列した文章に過ぎず、物語として成立していない
すみません。このへんはわかりません。一人称が下手ということでしょうか。
物語として成立するように書いているつもりですが、そこがダメなのかわかりません。
批評くださってありがとうございます。
>>1 >・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
>・スレは作品を評価する場ではありません
これに違反してるようでしたらご指摘おねがいします。
ただ以前、批評や指摘があればお願いしますと書きましたので…
乙
>>16 お願いだからそういう明らかな荒らしに構わないで下さい
>>17 すみませんでした
具体的な批評を聞きたかっただけなんです
迷惑かけてごめんなさい
批評かどうかがわからなければスルーするべきでした
夏だからわきだしたのか知らないけどスルーして
僕は好きですよ
由利の人格好きだったから消えたのが惜しいなぁ
Gj
由利がいないと寂しいな
しかしまだ消えてないかもしれない
結局分かったのは◆qtuO1c2bJUがカスだったということだけか…
悪いけど、書き手をここに繋ぎ止めておくためだけに、読んでもない作品にGJしてくれてるだけだよ
他のまともな書き手さんが触発されて投下してくれるかもしれないからなあ
まあ、枯れ木も山の賑わいってことでいいんじゃない?
ほら、な
まあこんなもんだ
>>15 要約すると
俺さまの書いた作品はすごく面白く、文章もプロ並みに上手いんだよ
どこかおかしいところがあったら指摘してみろや
おら、できねぇんなら黙ってろやw
俺様は商業誌でも充分やっていけるんだよwww
ってとこですかw
かなりの間抜けですね
これまで無条件でチヤホヤされてきて、自分が上手いと思い上がってしまったんだろw
彼もまた惨めな犠牲者なんだからそう責めてやるな
生暖かく見守ってやれ
間違いなく今投下したら無条件で叩かれるなw
刈流兵法免許皆伝の護国炎虎大師範が一言「許す」と仰ってくれるまではダメだろうなあ
最近下手な作品にGJが付くのを疑問に思っていましたが、そういう理由だったのですか
もしそうではなく、審美眼が働いていない人が多いのなら、もっとまともな本を多く読んで教養を身につけてから評価してもらいたいものですね
>>12 GJです。
愛理やさつきも含め、これからの展開が楽しみです。
ヤンデレスレ潰しだけじゃ飽き足らずこっちも潰すのかよ
>>30 一時期酷かったがまた酷くなってきた
それよりキモ姉妹で仕事してるのは少ないよな
OL姉妹とか響きがエロイ
まぁ夏だしな
こんなのだから、必死で書き手を繋ぎ止めようとしているなんて言われるんだよ
見苦しいにもほどがあるよ
つまらない作品はつまらないし、カスな書き手はやっぱりカスなんだよ
天狗になってるようだけど、楽しんでるのは書いてる君一人だけだから
エロパロ板は水遁依頼所とかないのな
消えるまでスルーしかないのか
水遁しても書き込めなくなるわけじゃないしなあ
つまらないかどうかは個人の主観によるもので否定はしないけど、誹謗中傷に走るなよ
スレの約束事に「つまらなかったら続きを書くな」だなんて書いてないわけだし、スレと明らかにかけ離れたSSでない限り書くのは自由だろ
誹謗中傷に走って雰囲気を悪くすれば、書き手さんが離れていくだろうから、スレ住民全体の不利益に繋がるだろ
もっと合理的に行動できないのか?
>>36 荒らしてんのはスレ荒らしたいだけだからどんなss来てもイチャモン付けてくるだけだよ
>>37 意外と叩けば質のいいものが出来上がると思っている、受動的な消費することしか脳にない奴って多いから
批判するにしても、改善できるように問題点を指摘すればいいのに
ここの板は18禁で、曲がりなりにも社会的責任を負う立場の人しかいないはずだから、ガキみたいに直情的な批判はするなよ
ガキが癇癪起こすのは発達してないからなんだぜ
荒らしの生態をよく知らないみたいなので先に釘を差しておきますが
>>37の言ってることが全てなので、もし荒らしが来ても過剰反応しないでくださいね
いいか
どんな下手なカス書き手でも、投下する自由だけはあるんだ
つまらなくても黙ってろ
幾ら正しくても、言っていいことと悪いことの区別はつけろ
投下は自由だけど、面白くないのに長いだけの作品はちょっと困る
大した縦軸もないのに横軸だけでダラダラ続けられても読んでてダレるだけ
ラストだけしか考えてなく、うまく終局に持っていけないのなら
それこそラストだけ投下してさっさと気持ちよく終わればいいのに
正直、流れのテンポが悪すぎて、何話か前から読むの止めてるけどな
投下があったと思ってスレを開いて、題字を見た時のガッカリ感はきつい
ここでジスリの人に奈良原大先生への謝罪を求める
待ってました大師範先生さま
どうぞ、不義をなす恥知らずな野郎に正義の鉄槌を
まず第一に作中で登場する流派が刃鳴散らすの刈流兵法のモロパクリ。
強、奔馬と名前までそのままパクっているものもある。
さらに切り落とし、下段青眼の説明が装甲悪鬼村正の剽窃という点がある。
ついでに言うとエッチシーンが無いなら個人サイトでやればいいと思う。
こういうスレって版権二次ものは言われなくても禁止ですよね
ああいうのはパクリとかって可愛いものじゃなく
ハッキリ言って盗作なんじゃないでしょうか?
ここの書き手のモラルを疑われるような行為は、全住民にとっても迷惑です
早々に謝罪して、この騒動にピリオドを打つべきだと思います
それ以外に正常化への道はあり得ないでしょう
ここももうおしまいだ( ?? ω ?? )
47 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/18(土) 21:35:01.76 ID:mAhQ0Mj6
なにここ怖い
お前の書き込み見たら新しく書こうと思ってる人達も遠ざかるだろうよ
まずはパクリの謝罪
後のことはそれからだ
意地張ってたら取り返しが付かなくなるぞ
護国炎虎って奴、ヤンデレスレの保管庫管理人だろ
荒らしの手口というか遣り口がそっくりだ
まぁヤンデレスレは相手する輩もういないからな
避難所あるし
構ってちゃんの荒らしがこっちに回ってきてもおかしくはない
とりあえず盗作だとか言って荒らして
Nitro+を陥れようとしているのはわかった
Nitro+が盗作したのが事実なのも分かった
あと意固地になってダンマリ決め込んで、他の書き手や読み手に迷惑掛けているのも事実
喜んでいるのは荒らしだけだぞ
剣術描写のパクリを指摘したら荒らしになったでござるの巻
まぁどっからどう見ても完全な荒らしだよお前は
しかし、きちんとものを言ってくれる人は必要だと思うけどな
いくら人気のある書き手さんでも、パクリはいけないだろ
悪いことは悪いと誰かが遠慮せず指摘しなければ、行く行くは何でも有りの無法地帯になってしまうよ
その意味では護国炎虎氏は必要悪とも言える
謝罪するのが嫌なら「実はこうだ」と自分の本心を釈明すればいいだけのこと
でもお前らの書き込みで空気が悪くなってるのは事実だしな
お前が騒いでるパクリ作者もそうだが、このスレには必要ない部類の人間だよ
他の住人や書き手が迷惑する
パクリ言ってる荒らしだが装甲悪鬼スレにも書き込みしてたぞ
全くレスされずスルーされてたけどなw
>>行く行くは何でも有りの無法地帯になってしまうよ
確かに
このスレに投下されたSSの二次作品とか勝手に書かれても文句言えなくなってしまう
ここは一つ厳しい態度で臨むべきだろう
>>58 荒らしを装甲悪鬼スレにうっちゃる作戦ですね、分かります
少しマトモな振りしてパクリ認定荒らしかよ
まず前提条件として本当にパクリなのか?
俺は装甲悪鬼もハナチラもプレイしてないから判断出来ん
一字一句同じで言い逃れ出来んパクリならそれは書く前に二次創作や引用元など前書きがいる
しかし荒らしは荒らすのが目的だから仮にパクリと認めたらそれで延々と粘着してくるぞ
パクリパクリ言ってのはニトロファンじゃないからな
>>61 前書きの有無にかかわらず、二次創作は不文律として最初から禁止です
一人で勝手に熱くならないで下さい
冷静にならないと話し合いにもならないじゃないですか
>>62 二次創作禁止なの!マジで?
>>1にないから良いのかと思ってたよ
頼むからそのパクリ作者が来た時に叩いてやってくれよ
ヤンデレスレの時もそうだったけど、一人の作者叩きで関係無い人達まで避難所使わなきゃいけなくなったんだから
悪質なパクリ作者といっても同じシチュを愛好するスレの仲間じゃないですか
どうしてそんな冷たいことを言えるのです
少し悲しくなりました
言いも悪いもみんなで分かち合うのが同志というものでしょう
一人だけを除け者にして叩くなんて、イジメと同じじゃありませんか
仲間と言うわりに悪質なパクリ作者か…
喜び哀しみを分かち合うのは同志としてはいいが
粘着質な荒らしにスレごと巻き混まれてるだけなのは勘弁。
そもそも行動がなぜ荒らし認定扱いされてるか理解してる?
荒らしは同志とか気持ち悪い自演すんなよ
次に投下来たら駄文と荒らすか○○と違って上手いとかが常套手段だから覚えておいてくれ
とにかく、スレの住人装って荒らすな
>>61 え!?刃鳴散らすも装甲悪鬼村正もプレイしてないのに文句言ってんの????
正直、荒らしは荒らせる要素があればしつこく突いてくるから、この話は終わりにするのが賢明だろ
さらに作者は刃鳴散らすの世界観を使用してると明言してるし、二次が完全にダメとか初耳なんだけど
まあ、荒らしに餌を与えるだけたから今度から二次禁止でいいんじゃない
そもそもここはエロパロ板だから普通に二次創作もありだろ
荒らしってなんでも餌にできるから、荒らし対策のために二次創作禁止ってssの幅狭めるだけで何の意味もないと思う
書き手なんですが、とりあえず投下は、
9月になってからの方がいいんでしょうか?
>>73 荒らしを気にしないなら今でも良いし気になるなら9月が良いと思う
個人的には早く読みたいな
>>73 ちょっと様子見て自分で大丈夫と思ったら投下したほうが懸命
他の書き手もそうしてるはず
二次創作じゃなくて剣術描写のパクリがいけないって事なのに何を言ってるんだ?
もういいよネチネチとしつこい
流れを読ますに投下
81 :
1:2012/08/21(火) 14:08:49.19 ID:RrT5bs4G
本当に自慢の姉だった。
成績優秀で、2年連続学年主席、その上、人当りもよく、当然のごとく生徒会長にまでなった。
そればかりか、俺と並んでもほぼ変わらない身長で、腰まで流れた黒髪は、風が吹くたび後輩の女の子を虜にさせた。
そのせいか、百合的なファンクラブまであった。
当然男にもモテた。
同じ高校に入ったころ、俺に紹介しろと何度も野郎どもどころか女の子たちまでも群がってきた。
さすがに閉口させられたが、これも姉のためと、姉の都合を聞き、
ひとりづつ先着順に、まるでオーディションのごとく時間を決めて紹介していった。
同席するのはさすがに勘弁してもらったが、1週間そんな状態が続いた。
姉は文句も言わずおとなしく紹介された人をすべてに会い、そしてすべて丁寧に断っていった。
断られた連中の大半は納得していたようだった。
しかし中にはなぜだと俺に詰め寄ってくる輩もいたが、当人である姉でない俺がわかるはずもなく、
戸惑っていると、お前のせいだと言い寄る輩もいる始末。
もう一度姉に聞くからと、渋々納得させた。
なんでここまでやらなくちゃいけないんだと思いながらも、いやいやながらも聞いてみた。
たのむから断るのもいいけど、ちゃんと説明してあげてくれ
「付き合う気がないのだからしょうがないじゃない。圭樹が一人前になるまでは付き合う気もないわ」
「だいたい私はそう説明したのよ」
と。なるほど俺のせいなのか。
たのむから姉さん、俺をダシに使わないでくれ
「とは言われてもね。付き合う気はないし…」
じゃあ、好きな人はいないの?
せめて、気になる人がいるとか?
と尋ねたら、なぜか赤い顔をして俯いていた。
ああ、こんな完璧な姉でもやはりお年頃、当然そんな人もいてもおかしくない。
ホッとしたような、少し寂しい気がした。
気にはなるが、姉とはいえプライベートなことではあるし、
姉から自発的に言ってもらわないと、さすがに誰だとは聞けなかった。
とにかく、オーディションを落選した人達にこれ以上誤解されないようにも全員に説明していった。
誰だかわからないが、姉には好きな人がいるから、あきらめてくれ、と。
俺は一人で、懇切丁寧に全員に一人づつ説明していった。
きっとわかってもらえる、きっと納得してもらえる、話せばわかる、なんて…。
当然そんな言葉で納得するわけもなく、まさに火に油、そいつは誰だ、わが校の姫の意中の君は
と返って大騒ぎになる始末。
ファンクラブは騒ぎだし、野郎どもはそいつを血祭りにあげろとまるでお祭り騒ぎ
噂が噂を呼んで収集が付かなくなってしまった。
我ながらバカなことをしたと思ったが、、時すでに遅し
投げ返した球が、返ってきたと思ったら分裂して四方八方に飛び散っていったようだった。
どうしようもなくなって姉にはこんなことになってゴメンと素直に謝った。
姉本人は、特段気にしたようなそぶりもなく
「ふーん、そうなんだ」
と興味なさげであった。
82 :
2:2012/08/21(火) 14:45:06.69 ID:RrT5bs4G
そんな騒ぎも5月連休をはさみ、沈静化するかとも思われた連休が開けたころ、
朝から一緒に登校しようと姉に誘われた。
珍しいこともあるもんだ。まあ別に拒否する理由もなく,
たまには…
と軽く考え一緒に家を出た。
だいたい姉は早めに登校して生徒会に寄ってから教室に向かうの日課であり、
俺は、いつも家にぎりぎりまでいて登校していた。
まずはいつもと違うというところを疑わなければならなかったのに、
俺は甘かったと後で知ることになる。
先に玄関を出て、待っていた姉が「はいっ」と右手を差し出してきた。
何かくれるのだろうか?と近づき手を覗き込むが、何もない?
不審に思って姉を見上げると、満面の笑みでこういった。
「はいっ。ちゃんとエスコートしてね?」
どういうことかわからず、しばらく姉をぼーっとみつめていたが、
急激に顔色が…、
天使の微笑みが、固まっていき、目がつりあがって、口が引きつってきた。
こういう時は触らぬ神になんとやらで、そっと姉の横をすり抜け逃げようとしたが、
当然、そんな俺を逃がすわけもなく、片手でガシっと肩をつかまれた。
姉の顔がドアップになるほど近づていきたかと思うと、耳元で
「そんなに私のことが、イヤ?」
こそばゆいとあわてて、囁かれた耳を両手で押さえ、後ずさりながら、姉をみると、
上目使いで、目を潤ませて、じっと見つめられ実の姉なのにときめいてしまうような表情だった。
これで断れるやつがいたら、朴念仁か、石部金吉か、はたまた人ならぬものか
はぁ………
ため息をひとつ大きくつき、あきらめて手をつないだ。
まあバスに乗るまでの5分程度のことだし、そんなに嫌がることもないだろう。
幸い近所には同じ高校の知り合いもいない。
でも、やっぱり甘かった。
83 :
3:2012/08/21(火) 14:46:39.43 ID:RrT5bs4G
バスに乗る時に手を離したが、なぜかそんなに混んでもいないのに、俺の前に立ち
俺の胸にそっと寄り添うように立つ姉。
何かの嫌がらせか?でもそんな嫌がらせを受けるような覚えもない。
文句の一つでも言おうと姉を見下ろすと、目があった。
そこには『わかってるわよね』とばかりの無言の圧力が…。
目は口ほどにものを言うとはことのことだろう。
ほのかに匂い立つ甘い匂いと柔らかい感触が制服越しに感じられて
バスで駅まで15分ほどなのに、時間が経つのがこれほど遅いとは今まで感じたことはなかった。
途中で同じ高校のやつらが乗ってきた。
あわてて離れようと、身体をひねり、顔をみせないように反転させようとするが、なぜか動けない。
?
と、胸元を見下ろせば、姉が俺の胸に顔を伏せ、制服をつかんで離さない。
なにしてるの?
顔を伏せようにも、姉の頭が邪魔でそれもできない。これで知り合いでも乗ってきた日にゃ
冷やかされるどころか、血祭りにあげられる。
そう相手が血がつながった姉といえども…だ!
うんっと力を入れて身体を動かそうとするが、制服をつかんだ手により一層の力がいれられているのが分かった。
なんで?
どうしようもなく、せめて顔だけは、と無理やり反らしたところで目があった。
そう、葉子さんと…。
葉子さんはきょとんとしていたが、そのうちニヤリと黒い笑みを浮かべて
イヤ違うんだ、何が違うといわれても困るがと必死でボディランゲージ
さすがにこれはまずい。どうすれば…
あ、話せばいいんだ
とテンパった俺が気づいたときには、バスは駅に到着し乗客を吐き出していた。
84 :
4:2012/08/21(火) 14:47:53.47 ID:RrT5bs4G
バスを降りたところで、待っていたのはニヤニヤと黒い笑いをした葉子さん。
姉の親友で、俺の姉ともいえるべき人。
「朝からオアツイことで」
「いいでしょう?今日は圭樹が送ってくれるっていうからねぇ」
!!
そんなこと一言もいってないぞ!
「まあまあ、いいからいいから、よかったねぇ〜美月、思いがかなったんだね」
「そう、昨日の熱いベーゼを思い出すと…」
なんだそりゃ?
ベーゼってなに?
ひとりあっけにとられ考え込んでいると
「さあ、行こう、あ・な・た♪」
と右腕を掴まれ、腕をからませてきた。
「姉さん、いい加減にしてよ、人がみてるよ」
「いいじゃなーい、私と圭樹の仲じゃないの」
「そーそー、二人はラブラブだもんね」
聞こえるようにわざとらしく話す葉子さん。
遠巻きに同じ高校の奴らが見ていたが、ええーとか、なにー!とかいう声が聞こえる。
そんな声を無視して、そのままオレを引きずるようにして、歩き出した。
右から葉子さん、姉、俺の順に並んで歩く。
姉は恵さんと何やら楽しそうに話しているが、両手を俺の右腕から離そうとしない。
その右腕には、なにやら柔らかいものがさっきからあたっているのだが…
「あの、いい加減にしてよ。もう学校の傍だし、色々言われても困るでしょう?姉さん」
振り払おうとするが、以外にも力強く振り払うことができない。
それどころか、葉子さんと話に夢中で、こちらを向こうともしない。
「無視しないでよ!葉子さん、葉子さんからもいってやって」
「ん?なんだそんなに嬉しいの?それとも、私の方がいい?」
「ダメだよ葉子、圭樹は私のものだから、とっちゃだーめ」
「ええーそうなのか?しょうがないなあ、二人はラブラブだもんなぁ」
とわざとらしく周囲に聞かせるように返事をする。
もう好きにして…
となかばあきらめているところに
姉がつかむ腕に力を入れて、さらに押し付けてきた。
何を?
なにです。柔らかいものです。それこそ埋もれるぐらいに。
85 :
5:2012/08/21(火) 14:49:17.27 ID:RrT5bs4G
「姉さん、当たってるどころか、埋もれてるけど」
「うも?」
うもっ?そう埋もれてるから。
「うも……うま………」
なぜにうま?連想ゲーム?
「生まれる!!」
いっ……!
意味わからん!!
「生んでいいの?」
はぁ???
「ええーそんなに夕べは激しかったの?美月?本当にラブラブだねえ」
とひときわ大きな声で話す葉子さん。
いやもう、なんというか…
すべてを悟ったようにおとなしく学校までつきあった。
生徒玄関でやっと離れてくれた姉は、
「名残惜しいけど、お昼休み一緒に食べようね?迎えに行くから」
と手を振りながら葉子さんと一緒にかけて行った。
その後、遠巻きにしていた生徒たちに取り囲まれ、下駄箱を背にし、男女入り入り乱れて質問攻めにあうも、
人が多過ぎ、何を言っているのかもわからず…。
ワーワーという漫画の擬音が、あながち間違いではないということを知った。
なんとか逃げ出し、這う這うの体で教室に入ったのは予鈴が鳴っているところだった。
やはり当然のごとくクラス全員からも詰め寄られ、クラス担任が入ってきても、担任まで一緒になって質問攻めにあった。
おかげで帰りのHRは俺の質問コーナーにすると満場一致で可決され、拍手喝采で、朝のHRは締めくくられた。
俺は発言どころか、言い訳もさせてもらえず、その場の雰囲気にのまれ流されるしかなかった。
でもそんなことで終わることはなかった。
その後、遠巻きにしていた生徒たちに取り囲まれ、下駄箱を背にし、男女入り入り乱れて質問攻めにあうも、
人が多過ぎ、何を言っているのかもわからず…。
ワーワーという漫画の擬音が、あながち間違いではないということを知った。
なんとか逃げ出し、這う這うの体で教室に入ったのは予鈴が鳴っているところだった。
やはり当然のごとくクラス全員からも詰め寄られ、クラス担任が入ってきても、担任まで一緒になって質問攻めにあった。
おかげで帰りのHRは俺の質問コーナーにすると満場一致で可決され、拍手喝采で、朝のHRは締めくくられた。
俺は発言どころか、言い訳もさせてもらえず、その場の雰囲気にのまれ流されるしかなかった。
でもそんなことで終わることはなかった。
86 :
6:2012/08/21(火) 14:51:13.19 ID:RrT5bs4G
休み時間ごとに俺の机の周りに人垣ができ、それは1時間目、2時間目と時間が進む毎に増え、
とうとう教室の中が人でいっぱいになり、身動きとれない状態となっていった。
さすがに、こんな自体に発展すると、仕切り屋のクラス委員長が
どこから聞いてきたのか、昼休みに姉が迎えに来るから、とその時に発表記者会見を開くことを提案。
これまたその場にいあわせた全員から満場一致の拍手喝采で締めくくられた。
ただし、この教室では人数制限しなくてはならないので、体育館で行うと発表。
さらに大きな拍手とやんややんやの賞賛を浴びたクラス委員は、来期は生徒会選挙に打って出ると豪語していた。
そのおかげか?3時間目終了後の休み時間はクラスの奴以外は、ほぼいなくなった。
ただし、教室内外の雰囲気は不穏なものを醸し出してはいたが。
さて4時間目の授業は現国、この教師は授業延長することで有名で、4時間目終了は確実に10分は遅れることが分かっていた。
さて、昼休みどうやってこの場から逃げるか
その前に、姉は本当にやってくるのか
来たとしても発表記者会見とやらを行わなければならないのか?
様々な考えが頭の中に浮かんでは消え、その残滓のおかげか、教師に当てられたことも気づかず頭を抱えていた。
「お前大丈夫か?頭痛いのなら保健室行くか?」
なんという天の助け、バーコードから後光が差しているように見えた。というのは大げさだったが、
二つ返事で、教師に断りを入れ速攻教室から飛び出した。
後ろからはものすごいブーイングの嵐が聞こえていたが、誰も追ってくるものはいなかった。
とりあえず、このまま逃げてもよかったが、介護教諭からバーコードへ報告が行くともかぎらないので
保健室に向かった。
「すいません、頭痛くて、頭痛薬いただければ」
と保健室のドアを開けながら前を見ると、介護教諭の姿はなかった。
部屋を見渡すとベットに横たわっている人と椅子に座っている人が目に見えた。
やけに見覚えのある、そう朝通学時にオレをからかってくれた2人だった。
「どうしたの姉さん?熱でもあるの?」
「大丈夫だよ、ちょっと寝不足なだけで」
「さすが、ラブラブだね。以心伝心、噂をすれば、だね」
と葉子さん。こんな時まで、まだいうか。
「で、心配ついでに聞くけれど」
「あ、私のスリーサイズはね…」
いや、陽子さんには聞いてないんだけど…
「失礼な、こうみえてもCなんだからね」
と胸をそらしながらいう葉子さん。
だからそういうことじゃなくて…。
「あ、美月か、彼女はDだよ。着やせするのかそんなにあると思えなんだけどね」
ああ、そうですね…。なんかもういいです。
「ああ、今更か、見慣れてるもんね」
「そうじゃなくって、なんで二人がいるんですか?」
「それはこっちのセリフだよ、圭樹、怪我したの?それとも殴られた?お腹痛いの?熱ある?寒くない?姉さんが一緒に温めてあげようか?」
矢継ぎ早にいわれても、最後の方なんかおかしいけど、からかってんの?朝の続きですか?
87 :
7:2012/08/21(火) 14:52:45.81 ID:RrT5bs4G
「違うよ。本当に心配してるんだから」と身体を起こそうとする姉を葉子さんが支えた
「無理しちゃだめだよ。また倒れちゃうよ」
「えっ姉さん倒れたの?」
「そうよ、3時間目終わって、様子が変だから、どうしたのって声をかけたら突然…」
「ちょっと立ちくらみがしただけだけだから…」
なにしてんだよ。でも朝はそんな風に見えなかったけど、あ、もしかしてバスで寄り掛かってたのって
気分悪かったからか?てっきりからかっているだけかと思ってたけど、気づけないなんて…
なんか俺情けないな…。
「私のことはいいから、圭樹は大丈夫なの?」
「ああ、色々頭の痛いことがあったんで、頭痛薬もらいに来ただけだよ」
「そうならよかった。いやよくないか、姉さんが今温めてあげるから、こっちおいで」
………本当に大丈夫なんですか?葉子さん
「へ?あたし?いやあたしに言われても、まあ寝不足というのは本当みたいよ。
もう二人とも今日は帰ったら?先生には私から言っとくからさ」
「いやでも荷物も全部教室だし」
「後で私が届けてあげるから、そうしなよ。美月を連れて帰ってあげて」
本当に具合悪そうだし、気づけなかった俺の責任でもあるしな…
「わかりました。じゃあ後はお願いします」
と姉を連れて帰ることにした。
「とりあえず、タクシー呼んでくるから、ちょっと待ってて」
と葉子さんは保険室から出て行った。
「姉さん本当に大丈夫?顔色悪いよ」
「圭樹こそ、大丈夫なの?姉さんはどうでもいいから圭樹が、圭樹に何かあったら私…」
どこまで本気なんだろうか、もうわからないよ…。
「まあとにかく、タクシーがくるまで横になってなよ。俺は薬飲むほどのものでもないからさ」
「そうなの?ならいいけど…」
心配そうにこちらの顔色を文字通り伺いながら横になった。
しばらくしてか細い声が聞こえた。
「ゴメンね、よっちゃん」
「どうしたの?よっちゃんだなんて、家でも最近呼ばないのに。本当に大丈夫?」
「ん、ちょっと呼んでみたかっただけ…」
「そう、ならいいけど。疲れてるみたいだから、ゆっくり寝てて。タクシー来たら起こしてあげるから
少しでも寝た方がいいよ。」
「ん、そうする」
素直に返事した後、薄い掛布団をつかみ顔の半分まで埋もれる姉。
いつもと違って弱った姉は俺の保護欲を鷲掴みにし、素直にかわいいと思ってしまった。
「て」
て?
「手握って?」
「ん」
とそっと差し出された左手をそっとつかんで握り返した。
掴んだ手は子供の様に熱く、思った以上柔らかで…。
88 :
8:2012/08/21(火) 14:58:41.76 ID:RrT5bs4G
「ありがと、安心して眠れるよ」
そういいながら、目を閉じた姉さんは、そのまま軽い寝息を立てて寝てしまった。
色々あって疲れてるんだろうな、と安らかな寝息を立てる姉を見てそう思った。
「あと10分ぐらいしたらタクシーくるから」
と鞄を持って葉子さんが入ってきた。
「あ、ゴメン、美月寝ちゃったんだ。うん、よっぽど疲れてたみたいだね」
家では見せない一面を見せた姉さん。
そっと手を離し、布団の中に入れてあげた。
「別に離すことないじゃん。せっかくつないでたのに」
「いいんですよ。その方がゆっくり眠れるし」
「そんなことないよ?私なら、って、そっか余計ドキドキして寝られないかな?」
「じゃあ、ゆっくりねられるように今度俺が手を握ってあげますよ。」
「うっわなにその上から目線。でも圭樹君に握ってもらえたら寝られるかもね」
とふわっとした笑みを浮かべそんなことをいう。
「でしょう?温かいし、何より気にしなくていいから」
「………違うよ。安心できるからだよ」
そういいながら、ふっと俯く。一瞬表情は見えなくなったが、すぐに顔をあげて微笑んだ。
「そう安全パイですもんね。いつでも言ってください」
「そんなこと言っていいの?本気にしちゃうぞ?」
どーぞどーぞとおどけて右手を差し出す。
そっと右手を掴まれたが、それは姉だった。
「…ダメだよ。よっちゃんは私のなんだから」
「起きたの美月?そろそろタクシー来るから、大丈夫?」
「よっちゃんは私のなんだよね?ん、よっちゃん」
と右手を引っ張る姉。
「姉さん、寝ぼけてるでしょ、帰るから起きられる?おんぶしようか?」
「お姫様抱っこの方がいい」
ごめんなさい、そんな力ありません。
「美月、あんたまだ……。あっ、もしかして……」
何のことだよ葉子さん。葉子さん?
「そっか…、美月も……か」
姉さんがどうしたのだろう。葉子さんは寂しげな笑みを浮かべていた。
「よっちゃん、はやく抱っこ」
「ほら、寝ぼけてないで、帰るよ。起きて」
と抱き起す。
「そうそう、美月鞄もってきたから、あと圭樹君の分も」
「ありがとうございます。何か言われませんでしたか?」
「その辺は大丈夫よ、適当にごまかしといたから、あとうまくやっとくから、適当にね」
?
なにか黒い笑みが見えたような気がしたが、とにかく姉を起こしベットに座らせた。
89 :
9:2012/08/21(火) 15:01:00.74 ID:RrT5bs4G
「さあ、タクシーも来たみたいだから行こう」
むずかる姉をおぶって、鞄は恵さんに持ってもらって来客用玄関に横付けされたタクシーに乗る
靴は葉子さんが持ってきてくれていた。上履きを葉子さんに渡し靴を履きかえる。
「じゃあ、気を付けてね、特に圭樹君。今日は一人でしちゃだめだよ?
美月?終わったらすぐに家に行くから、それまで我慢してね。じゃあ」
一方的に言われた後タクシーは走り出した。
なにか変なことを言われたような。そんなことを思いながらぐったりした姉を肩によせ
家路についた。
こうやって二人肩を寄せ合ってって久しぶりのような気がした。
いつも頼りがいのある姉は、なんだか一回り小さくなって…。
なんだかはかなげで、このまま消えちゃうんじゃないかって少し不安になった。
両親が亡くなってから1年がたって、改めてみる我が家は2人で住むには大きすぎる気がした。
姉はタクシーの中でもずっと眠っており、家についても起きる気配はなく仕方なくおぶってつれて入った。
運転手さんが気をきかせてくれて鞄を家まで運んでくれた。
姉の部屋に入り、そのままベッドに寝かせつけた。
夕方、葉子さんが見舞いに来てくれたが、やはり姉は起きなかった。
「これなら大丈夫ね…」
と小さくつぶやき
「うん、ずっと寝てるから、よっぽど疲れてたんだと思う。俺そんなに無理させてたのかな…」
「ん?そんなことないよ。美月のことだからちょっと頑張りすぎただけだよ。そうだよ…」
なんだか自分に言い聞かせるように言う葉子さん。
「本当は、泊まりたいところだけど、まあこれなら…ね」
「大丈夫だよ。俺が見てるから」
「それが…ううん、なんでもない。じゃあ美月をよろしくね圭樹君」
と葉子さんは帰って行った。
何度か様子を見てみたが、そのまま夜まで起きてこなかった。、
途中一度起きてきたが、夕食も食べずに結局朝まで寝たようだった。
90 :
10:2012/08/21(火) 15:02:22.09 ID:RrT5bs4G
次の日、俺は目覚ましの前に、姉に起こされた。
なぜか、目を開けたらドアップの姉の顔が…
「姉さん…おはよう……」
「おはよう、よっちゃん♪」
「…何してるのでしょうか?」
「よっちゃん見てる」
「いやそれはわかってるけど、この状況は?」
「一緒に寝てる」
「いやそれもわかってるけど………なんで?」
どうも夜中に目が覚めて、寂しくなって俺のベッドにもぐりこんできたらしい。
いい歳して何してるんだか…
「だって夜中に目が覚めたんだけど、寝られなくって、色々考えてたら、寂しくなってきて」
ああそうですか…
「よっちゃんと添い寝したら、なんだか安心できて寝ちゃってた」
俺はどういうリアクションをすればいいのだろう…
「よっちゃん」
ああ、なんだかなぁとぼーっとしてたら
「よっちゃん、当たってる…//」
ん?何が?
「お、お腹に、固いのが…//」
ん?ああ、朝だからね、
健全な男子高校生だからね
仕方ないよね、生理現象だもんね
「………うわっごめん」
とあわてて腰を引いた途端、ベットから転がり落ちた。
「よっちゃん立派になったね…//」
赤い顔して股間のテントを見つめる姉。
あわてて股間を抑え、
「ご、ごめん………」
と俺はあわてて部屋から出て行った。
91 :
11:2012/08/21(火) 15:06:34.45 ID:RrT5bs4G
それから姉はいつも通りの姉に戻っており、朝食後、学校へはいつも通り先に出て行った。
俺はというと、昨日のことを思い返し、憂鬱になりながら一人登校した。
しかし、登校中も、学校に入ってからも取り囲まれるようなことはなく、
不思議に思いながらも教室に入った。
クラス委員長からは、体調を心配され昨日のことを謝られた。
よくよく聞くと、
俺は姉と二人きりの家族であり、誰にも頼らず頼れず生活している
そんな俺が姉を労り、姉が俺を慈しむ
当然のことだ。
シスコンになるのは仕方がない。強く生きてくれ
………誰にもそんな家庭の事情なんて言ったことがなかったのに
確かにうちは姉との二人暮らし
両親は、俺が中2、姉が高1の時、交通事故で亡くしていた。
幸い両親が残してくれた高額な保険金と家、
それに交通事故遺児年金と奨学金で姉弟二人十分な生活を送ることができてはいたが。
両親共々できるだけ家族一緒にいたいと口に出していた人たちだった。
うっとしいと感じた時期もあったが、それでも家族一緒にいると安心できた。
そのおかげで俺達は暖かい家庭の中、何不自由なく育った。
両親は二人とも施設出身の孤児だったそうだ。
だからこそ、厳しくも暖かい、あふれるほどの愛情を、俺達姉弟にかけてくれたんだと思う。
また、なにかあった場合に誰も頼れないからと自分達に高額の保険をかけていたそうだ。
保険のことも、孤児だったことも、両親が生きている間俺は知らなかった。
すべて姉から聞かされた。
そういう人たちだった。
なぜか仕切り屋委員長からは、生暖かい視線をかけられ、なんとも言えない気持ちになった。
中二の頃ならともかく、高1にもなった俺は苦笑するしかなかった。
でも誰が?
実は、と詳細を教えてくれた。
結局昨日は収集がつかず、葉子さんが八面六臂の大活躍
昼休みに俺のクラスで演説をぶちかましてくれたそうだ。
家庭の事情を説明し、こんな境遇なのだから、姉の心配もわかるだろうと
最後にしめくくりとして…
『シスコンを認めてやってくれ』と
教室内はシーンとしていたが、やがて拍手喝采。感動の渦に巻き込まれたそうな。
それを受けたクラスの奴らが伝書鳩となり、校内にそれぞれ触れ回ったそうだ。
『圭樹はシスコン』と
どれだけノリのいいクラスなんだよ…しかもオレ抜きで団結ってなんか…
おかげで俺は学校公認のシスコンとなり、生ける伝説となった。
ちなみに姉のブラコンについては一言も言われなかった。
ただ責任感の強い良い姉だと益々株を上げたようだが…。
葉子さん、適当ってこういうことですか?
以上です。ありがとうございました。
つづきます。
題名 は思い浮かばなかったので…。まあそのうちに
94 :
護国流編集者:2012/08/21(火) 16:21:00.53 ID:T1OIPzcl
●成績優秀で、2年連続学年主席
首席ね。中国共産党中央委員会のトップじゃないんでしょう?
●姉は文句も言わずおとなしく紹介された人をすべてに会い
紹介された人を……「を」……ねぇ……
「を」は動作の対象を表すのに用いる格助詞なんですが……
てにをはを間違えられると、それだけで途端に駄作に思えてくるから不思議です
●なんでここまでやらなくちゃいけないんだと思いながらも、いやいやながらも聞いてみた。
これが「ながら族」という奴ですね、分かります
●ああ、こんな完璧な姉でもやはりお年頃、当然そんな人もいてもおかしくない。
そんな人「が」でしょうね
●とにかく、オーディションを落選した人達にこれ以上誤解されないようにも全員に説明していった。
よく分からないけど「誤解されないようにするためにも」ってことでしょうか
●噂が噂を呼んで収集が付かなくなってしまった。
何をコレクションしているのでしょう。
もしかして「収拾」と間違ったのでしょうか
●そんな騒ぎも5月連休をはさみ、沈静化するかとも思われた連休が開けたころ
一文中で連休をはさんだり連休が開けたりするのは、表現として泥臭すぎませんか
●だいたい姉は早めに登校して生徒会に寄ってから教室に向かうの日課であり、
俺は、いつも家にぎりぎりまでいて登校していた。
なんだこりゃ
●バスに乗る時に手を離したが、なぜかそんなに混んでもいないのに、俺の前に立ち
俺の胸にそっと寄り添うように立つ姉。
「立ち」「立つ」の二重表現はいいとして、姉の身長は俺と同じくらいだったのでは?
自分で考えた基本設定くらいは覚えておきましょうよ
●なんとか逃げ出し、這う這うの体で教室に入ったのは予鈴が鳴っているところだった。
どう考えても「ところ」じゃないでしょう
あちこち直さなきゃならないのは、編集者としても大変です
稚拙な上に5レス目のようなコピペミスまでやられると、乱丁本を掴まされたようで気分が悪くなります
交換に応じてもらえないのだから憤りの持って行き場もありませんし
絶筆をお勧めします、先生
>>94 校正ありがとうございます。
見落としだらけですね。すいません。
まあ、あやまることなら猿でもできますので、
以後気をつけます。
でも自慰は続けます。しょせん猿ですから
汚い自慰を見せつけてすいません。せめて綺麗な自慰にできるようにいたします。
ご指摘ありがとうございました。
気にするな
今後はこの護国編集王が君の後ろ盾だ
厳しい指摘もあるかも知れないが、大船に乗ったつもりで存分にやってくれい
しかし君の文章は矛盾に満ちていることに気づいて欲しい
「あやまることなら猿でもできますので」
というのは自分が猿であることを否定する文章だ
なのに直ぐに翻って
「しょせん猿ですから」
と猿であることを自嘲的に肯定してしまっている
何気ないミスではあるが、文章の流れとして致命的だ
こういうことは、うっかりでは済まされない
よくある「書いている本人だけが受けている作品」とはまさにこういうものを指す
常に脳内に絵を思い浮かべて書き進めれば、独り善がりのミスも少しは防げるだろう
誰よりもひとりよがりなキモいやつにそんなこと言われてもな
黙れ、与えられた餌を貪ることしか能のない愚民風情が
俺は作者に感謝される立場の人間なんだよ
少しでもいい作品を読みたいのなら、一般住民は引っ込んでろ
お前らは意味も具体性もないGJだけ唱えていればいいんだ
そしたら餌くらいは投げ与えてもらえるだろうよ
>>98 なるほど、読み返して確かにそう思った。
これじゃ伝わらないはずだ。
日本語って何気なく使ってるけど、難しいですね。
脳内に絵を思い浮かべてというのは、いつもやってます。
ただ文章がついていってないんだと思います。
というのも、自分の書き方は、頭に思い浮かんだ絵が、勝手に文字になって進んでいく感じなのです。
それこそわかりにくい表現ですが。
思っている言葉が、後から後から出てきて、そのままキーボードを打っていて。
早く打たないと言葉がこぼれてどっかいっちゃいそうで。
あせって、打ちまくる。
で気づいたら、なんか出来上がってた。
てな流れです。
自動書記じゃあるまいし、おかしいんじゃないかとも思うときもありますけど。
結局、読み返し不足や、表現不足なんだと思います。
この思い浮かんだ絵を読みやすく、わかりやすく表現できれば
ということですね。
もう少し丁寧に読み返しするようにします。
大変参考になりました。ありがとうございます。
>自嘲的に肯定
はーブンガク的な表現でございますねえ(笑)
>よくある「書いている本人だけが
どこにどういうふうにあんのよ
>脳内に絵を思い浮かべて
脳内以外のどこに思い浮かべるっていうんですかね
>独り善がりのミス
不自然すぎる語句、「ひとりよがり」の意味くらい把握して使ったら?
編集者ゴッコはたいがいのスレ住人にとって不快なんだよね
とくにこういうゴッコすらできてないの滑稽ではあるけど目障りだ
口を慎みたまえ
君たちに許された権利は「GJ」と「乙」を叫ぶことだけなのだから
いや、「GJ!」くらいは許してあげようか
編集王は寛大だからなあ
編集王()は構うと奇声あげて喜ぶからキモ姉妹の話をしよう
キモ姉妹が兄弟の漫画編集者をやってたらヒロインが幼馴染やクラスメイトだと
ボロクソに貶してヒロインを姉妹に変えさせるに違いない
あのね、作者自身が間違いを認めて、真摯に編集王の指摘を受け止めているわけよ
住民は援護射撃でもしているつもりなんだろうけど、かえって作者を貶めていることに早く気づいてくれ
作者が余計に惨めになってしまうだろ
あとな、脳内に絵を思い浮かべろってのはね、本当は実際にシーンごとに絵コンテ切って文章書いていけって言いたいの
けど、それだとあまりにも面倒だから脳内で描けと助言しているんだろうが
マス以外は何もかかない奴には想像も付かないことだろうから、今回は許してあげるけどな
ヘソを曲げさせたら、二度と手直ししてあげないぞ
>実際にシーンごとに絵コンテ切って文章書いていけ
逆だ逆 絵コンテは脚本から作るもの、イメージボードかなんかと勘違いしてるのか? ほんとに無知なんだなあ
>あまりにも面倒だから
何が? 説得力無し
>脳内で描けと助言
世界線を移動でもしてきたんですか(笑)
それに脳内「に」だろ、ミクロの決死圏じゃないんだから脳みその中へは入れません てにをはくらいしっかりできないの?
だからゴッコさえできないくせに出てくるんじゃないってば
書き込めばぼろが出るんだから一行レスにでもしとけ、それが関の山
やれやれ、分かったのはID:PlJDOBBAが真性のバカだってことだけか
君のは揚げ足取りにすらなっていないよ
日本語を勉強して出直してきたまえ
まあ、以後このスレに出入りしていたら、自然と日本語が上達するだろうが
君みたいな半島出身の人でも本を出せるくらいにはなれることを保証しよう
なにせ、編集王が居着いたスレでは、書き手がみなプロデビューして離れていくくらいだからなあ
109 :
92:2012/08/21(火) 19:25:06.82 ID:BrsAXy/z
評価、指摘された本人です。ID変わってるでしょうけど
まあまあ、皆さん押さえてここはR18の大人の人たちでしょう?
私も指摘した人も納得してんだから。
荒れた元凶は私ですので謝ります。ごめんなさい。
えっと
>>105さん
上から目線はどうかと思うけど、
指摘されたことは納得できました。ほんとありがたいです。
援護?してくれた皆さんも素直にありがたいし感謝してます。
他の人はどうかはしらないけど、本人としては、やっぱりなんらかの反応があるのはうれしいわけで
それが、アラシだろうとなんだろうとね。
確かに耳の痛いこともあるし、凹む様なこと言われてこのやろうって思うこともある
けど一番きついのは、何の反応もないときや、スルーされた時が一番凹む。
これは本当です。
まあ書き手さんなら少しは思うんじゃないでしょうか?
そんなことねーよ。何様だと思われても困るけど。
>>1に書いてあるようにスルーしてもらってもよかったんですけど、反応していただいてありがとうございました。
あまりにもあまりすぎて、びっくりしちゃったんでしょうね。すいません。
今回こんな流れで投下したのは、こんな下手な奴でもうpしてんだから、
俺ならもっとましなの書けると思えるんじゃないかと。
他の書き手さんから色んな物語をうpしてもらって読みたいってのが本音なんです。
いや本当に。
だって保管庫のSS読み切っちゃったし。新しいの読みたいけど、
でも全然増えないしと思って
じゃあ下手くそながら投下したんですけど。
みんなも新しいの読みたいんじゃないの?
別にその金もらって書いてるわけでも、金払って読んでるわけでもないと思うので
もうちょっと肩の力抜いてもいいんじゃないでしょうか?
まあみんななんだかんだ言っても読みたいでしょうし、
というか私が一番読みたいもので。
よろしくお願いします。
なんかやっぱりまとまりないな。やっぱり文才ないですね。。何が言いたいか伝わればいんですけど。
でもやっぱり自慰は続けます。だっておもしろいもの。読むのも書くのも。
だったらもう少し住民が喜ぶものを書こうよ
こんなんじゃ保管庫にある凡百の駄作と同じものだろう
容姿端麗で頭脳明晰、みんなの人気者の姉
2人暮らしで母親同然に弟を愛しんでいて、ある日突然キモ姉の本性を剥き出す
こんな設定の作品って、今まで何本読んできたと思うの
もっとこの姉にしか出せない得意なキモさを強調しようよ
特殊な能力とか裏の顔とか、そういうのを考えつけるかつけないかが上手い人との差だろうに
もしくは一人称の語りを読んでるだけで楽しくなるような高い文章力を身に付けるか
このままじゃ自分でも飽きちゃって自然消滅するか、ダラダラ惰性で意味のない大長編を書いちゃうかのどちらかだよ
ごめんな、得意じゃなくて特異な
ここは素直に謝ります
>>109 いや援護とか抜きでも編集野郎に居座られるとこっちが嫌なんだって。
他のssにもイチャモン付けるに決まってる。
あなたは悪くないんだから堂々としてなよ。
113 :
92:2012/08/21(火) 20:05:37.79 ID:r/sFkzzQ
>>111 本当にSS好きなんだね。
んと、その書きたいんだけどねぇ。書けないから困ってる。
いやこんな下手なやつより俺のほうが
って思う人がいるんじゃないかな?って思って。
スレ荒れてたし、流れ変えないとと思って。
他人に依存するのもなんだけど。
面白いもの読みたいから、呼び水的にうpしたんだ。
本当にごめんなさい。
このジャンル侮辱したつもりもなんでもないけど
軽率だったかな。
あとあきたとかはないと思う。いろんなジャンル書き散らかしてるから。こんな面白いものやめない。
でもダラダラ惰性っていうのは当てはまるかもね。
SSで安価もらってやってて、それなりに支持してもらってたけど、途中から惰性になって。
無理やり完結させたことはあったから。
他のジャンルについても同じことが言えるけど、ひねりが必要ですね。
表現力うんぬんよりも、発想力だよね。
文章の間違いはただの校正不足だし。
もうちょっと精進します。
114 :
92:2012/08/21(火) 20:13:43.73 ID:r/sFkzzQ
>>112 ああ、そういうことか。
いや別に卑屈になってるつもりでもなんでもないんだけど。
まあいろんな奴がいるのが2chだし
議論戦わせてやりあうのが面白いってのもあるし。
>>109の意見は結局「狎れ合い」なのかもしれないですね。
昔はあれだけ嫌ってた「狎れ合い」だったのにwww
丸くなったもんだ我ながら。
とにかく議論の場ではないので、荒らすだけ荒らしてすいません。
『どうか面白い作品を読ませてください』
これだけです。
書き手さんよろしくお願いします。
失礼しました。
護国編集王さん、貴方のような賢人が現れるのを待ち望んでおりました
今後とも、未熟な書き手と無知蒙昧なる一般読者達をより良い方向へお導きいただきたいです
まあ俺が来たからには問題ないだろう
このスレは今からが全盛期だと言っておこうか
普通に考えて書き手=編集王の自作自演だろ。
指摘があまりにも的確すぎるしな。
自分でわざと間違ってるんだからそれも当たり前w
もし自演じゃなかったら大変だ。
荒らしを弄ってくれたお陰で、今後投下される作品を添削する正当性を与えてしまった。
編集ドンと来いの空気を作ってしまったのはこいつだからな。
>>117 まあ自演臭いし自演じゃなくても構う時点で荒らしだな
編集OKな空気は無いw
どう見てもキチガイが騒いでるだけでしょうがw
キモ姉妹が何時何処でキモクなるのか考えようぜ
自分的には兄弟に女が近づいてきて姉妹がキモクなるのが好きだ
だな、キチガイに構ってすまんかった
俺は、彼女との初デートの朝、目が覚めたら見知らぬ地下室というのがいいね
なんだ、荒らし渾身の釣り作品だったのか
どおりで下手だし面白くないと思ったんだ
編集王さんも作文のお勉強した方がいいですよ
121 :
92:2012/08/21(火) 20:58:35.91 ID:r/sFkzzQ
あれ?自演になってるwww
やっぱ2chは昔から変わってないねwww
元ラウンコとしてはうれしい限り。
でもやっぱ文才ないんだな私は
アラシを弄ったから?正当性を与えた?
見直してみたら、たしかにそんな流れになってたかも?
うーんごめんなさい。
そんなつもりはなかったけれど
結局批判もうけられないんじゃ、2chじゃないかなと思って
ただこれだけはわかったよ。
ここの住人ってなんだかんだいって、本当にSS好きなんだって
まあ、そのなんだ、スレ汚しごめん。
もういいって
そんな暇あったら書き手として精進しろよ
笑ってやるからw
123 :
92:2012/08/21(火) 21:03:03.05 ID:r/sFkzzQ
>>122 ありがとう。精進するよ。
ほいじゃ、とりあえず読み手に戻ります
>>118 やはり姉妹が急に女の顔を見せるとか素敵ですね
産まれた時からキモ姉妹を隠さないはどうしてもギャグ寄りなのは苦手?かもしれない
は兄弟姉妹で子供作る一族で兄弟は嫌がるとかならシリアス出来るかな?
ついでに編集も止めてくれよなw
何このほのぼのしたスレ、素敵
これは狂もうとも投下無理だわなぁ…
>>80 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
GJ! 感想も読んだら書く。
止めるって言っておいてまだ続ける気だよ、この人
荒れて荒れて最後にゃみんないなくなるってな感じですな
元から過疎が進んでんだ。
残ってるのは筋金入りだろ
まあこれで何らかの動きがあれば御の字だな
ジャンル的にもう枯れかけてるからな
過疎で消えるのか
書き手が奮起してにぎわうのか
はたまた何もなかったかのように細々続くのか
どうなることやら
今日はなかなか面白かった
自演自演と騒ぐやつ
編集気どりのやつ
作家気どりのやつ
読み手代表を気取るやつ
ただのアラシじゃなく、なんか久々に祭りっぽくなっておもしろかった。
ごめん。今のレスやっぱなしでお願いします。
>今回こんな流れで投下したのは、こんな下手な奴でもうpしてんだから、
>俺ならもっとましなの書けると思えるんじゃないかと。
>キモさを強調しようよ
>特殊な能力とか裏の顔とか、そういうのを考えつけるかつけないかが上手い人との差だろうに
>もしくは一人称の語りを読んでるだけで楽しくなるような高い文章力を身に付けるか
>んと、その書きたいんだけどねぇ。書けないから困ってる。
>いやこんな下手なやつより俺のほうが
>って思う人がいるんじゃないかな?って思って。
>スレ荒れてたし、流れ変えないとと思って。
>他のジャンルについても同じことが言えるけど、ひねりが必要ですね。
>表現力うんぬんよりも、発想力だよね。
>荒らしを弄ってくれたお陰で、今後投下される作品を添削する正当性を与えてしまった。
>編集ドンと来いの空気を作ってしまったのはこいつだからな。
>でもやっぱ文才ないんだな私は
>アラシを弄ったから?正当性を与えた?
>見直してみたら、たしかにそんな流れになってたかも?
>うーんごめんなさい。
>そんなつもりはなかったけれど
>結局批判もうけられないんじゃ、2chじゃないかなと思って
>今日はなかなか面白かった
>ただのアラシじゃなく、なんか久々に祭りっぽくなっておもしろかった。
このスレ落ち着くまで放置して続編どんどん書いといて貰いたいね
人が消えればどこかいくだろうし
このスレ落ちるまで放置して続編どんどん書いといて貰いたいね
スレが消えれば骨折り損になるだろうし
お前みたいな荒らしが居る限りスレは落ちないから大丈夫だろ
お前みたいな自治厨が居る限り荒らしは消えないから大丈夫だなw
>>127で完全スルーくらってる◆ou.3Y1vhqcが不憫すぎる
けど、狂もうとなんて元から誰も読んでいないしお呼びじゃない
これが君の置かれた立場であり、また厳しい現実でもある
熱烈なラブコールを待っていたのだろうけど、思い通りにはならなかったな
全くの無駄ではなく、事実が認識できただけでもよかったじゃないか
今の流れを変えるには、君程度では実力不足だよ
追伸◆ou.3Y1vhqcさん
>>128の「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」っていうのを見た時
正直自分宛のレスだと思って、「やったぁ」と小躍りしたでしょw
その後の落胆と併せて考えると、心中お察しします…
>こんな下手な奴でもうpしてんだから、俺ならもっとましなの書けると思えるんじゃないかと
これが更に下手な書き手を呼び込む原因になっているとどうして分からないんだろう
下手が下手を呼び、レベルの悪化が荒らしを呼び込む、まさに負のスパイラルだ
エロDLサイトでジャンル検索に妹はあるけど姉が無くて理不尽というか不便だった
姉と年上を一緒にしちゃうとかどうなのよ?
キモ姉が見たらキレる
数日前に外部のヲチスレにここの「人生転落」とかってSSが貼られ
そのクオリティが低すぎて荒らしを呼び込んでしまったようだ
本当に投下が減ったもんだ
全盛期は毎日投下があったなんて信じられん
エロパロ自体が下火でキモ姉妹スレなんて投下あって荒らし沸くだけマシだな
一番新しいレスが一年前とか悲しいわ
ならラウンジにお帰りになっては如何です?
>>144 SSを投下するならまだわかるが荒らすとかマジでヘタレすぎるな
>>144 どこに貼られてたの?
ちょっと話してくるから
頼むから、自分が気に入らないから荒らすとかそんな子供みたいな事は辞めてくれ。
もうこのスレも終わるのか。5年の間楽しませて貰ったよ、ありがとう。
まさかただの読者によって終わろうとは思わなかったよ。作品一つや二つ投下しないのに、
何様ですか?
元々一週間レス付かない事もあるキモ姉妹スレで毎日自演荒らしとか良く飽きないな
作者さんも気が向いたら投下してください
まったり行こうや
避難所あるならそっちに投下すればいいさ
夏とかの問題でもないし
書き手読み手の問題でもない
第一この荒らしは読み手兼書き手なわけで
親切心の逆効果
パクリ野郎一人が謝れば済む話じゃないのか
戦犯はどこに隠れているんだ
>>154 それはすまなかった
ここに投稿するなということで把握した。
下手くそはダメということだね。
精進して投稿できるように基礎からやり直すわ
ここまで荒れるとは正直すまんかった
このみえみえの偽者のせいで、鎮静化が数ヵ月先送りになったな
そうまでしてスレを荒れたままにしておきたい理由はなんだ
キチガイがぱくりだの編集だのと騒いでるだけだろ
>>156 まあ信用してもらえないなら仕方がないな。
謝ってもダメならどうすればいのだ?
沈静化とかいってるが、それは投稿するやつの勝手だろ?
雰囲気とかいうのも同じだと思うが。
まあ反応する私が悪いのだな。
なんだそういうことか、
同じじゃないか。
159 :
92:2012/08/24(金) 22:11:20.64 ID:Ga07CEG+
あととりあえず、自分のレスを抽出してみた。
92以降
>>95 >>101 >>109 >>113 >>114 >>121 >>123 >>155 >>158 他は知らない。信用できないってんならどうしようもない。
今更IPさらしても仕方ないしね。
>そうまでしてスレを荒れたままにしておきたい理由はなんだ
の返答忘れてたね。アラシてるつもりなんてこれぽっちもない。
普通に意見聞いて、受け答えしてたらそうなった。
空気読めずにアラシになってるのならゴメン。
素直に謝るよ。
まあ今更だけど、反応すんなってことだね。
もういいよ
お前らの知的障害丸出しの書き込みは誰がどう見ても荒らしだから
ゴキブリみたいに沸きやがって気持ち悪い
>>113 >スレ荒れてたし、流れ変えないとと思って。
何も荒れてなかった
92が一人で荒らしたんだ
SSも投下しないくせに長々と
クレイジーなこのスレに救済を
165 :
護国炎虎@刈流兵法免許皆伝:2012/08/26(日) 00:22:30.49 ID:Hre/sGHC
護国炎虎大師範さまも修めた刈流兵法から派生した亜流です
受けを主眼に置いたカウンター戦法を基本とした、より実戦的な兵法を目指しています
書き続けることが大事
もちろん「相応の物語」を
書き続けること嫌でも書くこと
書かないと先が見えない
一定の実力があるんなら上を目指してみるべきだ
もう仲良くしようぜ
いいスレだったのに残念だ...
根暗でカエルのケツに爆竹入れたり虫の足もぐのが趣味のキモ姉は
泥棒猫を始末する時もケツに爆竹いれたり手足もぐのだろうか?
171 :
護国炎虎@刈流兵法免許皆伝:2012/08/26(日) 20:52:20.14 ID:p/dkOf9Z
取敢えず狂気倶楽部シリーズのサラサ・キサラギみたいな姉か妹をだな・・・。
>>170 それ違う意味で病んでるんじゃねーの?w
>>172 キモ姉が弟に見せつけるように弟の恋人のケツに爆竹つめてパパーンさせる場面が見たい
>>167 このスレのある程度実力のある書き手はプロ目指せって?
それぞれ事情があるだろうに
誰もがプロ目指して書ける時間があると思ったら大間違いだ
弟を手に入れる為にまず世界支配をするキモ姉がいても良い
夏だなあ
もうすぐ秋だなぁ…
母親の元で溺愛されてうちに引きこもってニートの息子を持つ母親がいます。
そして一方で娘の首を絞めて殺害する母親がいます。
どうして母親との関係で男の子は愛情をかけられ、女の子は憎まれるのか?
実は息子は数十年前亡くなった兄(弟)で、キモウト(キモ姉)が降霊術で我が子として転生させた姿なのでした
(未婚の母として、精子は勿論兄(弟)の物)
そして偶然産まれた双子の娘こそは、抹殺した筈の泥棒猫の転生した姿だったのです。
という電波が入ったが、どうだろ?
>>179 中々ドロドロしてキモイ
しかし泥棒猫が転生したのは偶然だろうか?
転生ものは往々にして面白くないことが多いという事実
つか、確かに面白いものを見たことがない
残念だ、あの作品には可能性があった
戻ってきてほしいけど、こういうレスがつくだろうからキツイかな
>>159 = 92 = 護国なんとか
>>117で言われてる通りバレバレなのにみっともない
こんな空気じゃ書き手も萎縮するのはお前だってわかってるんだろ?
読み手とか言いながら書き手だしさ
本当に気軽なフンイキが作れたと思ってるんなら投下してみなよ
>>92にも素直にGJや乙がついてるだろ?
参加歓迎って意味でさ
初めての書き手の作品にもちゃんと読んでレスを付ける土壌はこのスレにはあったんだよ
誰だってはじめは下手だし上手くなるのには時間もかかる
それはここの書き手の人たちが一番良くわかってることだ
でもこれまでのように上手い書き手がいなくなってもわからないだろうから言っても無駄なんだろうな
よかったな、お前の望んだとおりになったってわけだ
お前もこの板を離れる気はないみたいだし
5年前から楽しませてくれた書き手さんたちの今後を祈ってる
中にはネットや同人、プロでやってる人もいるかもしれないから頑張って欲しい
こんなスレに書き手なんか戻って来るかよ
まあ、
>>92は確かに下手くそだったわな
素人丸出しで
粘着キモ
キモスレだけにw
どーせ
ヤンデレスレ荒らしている嵐の自演でしょーw
前からこのスレにちょっかいかけてたしw(クスクス
嫉妬スレ、ヤンデレスレに続いて、このスレも廃虚にするつもりかね?
まあ、早めに避難所立ち上げた方がイイんでないの?
投下少なくなったら、嵐の独断場なのは、上記の二スレが証明してるしな(苦笑い)
もういいだろ
荒らすの飽きたら消えて、気が向いたらまた戻ってくるよ
居なくなる事は絶対にないからな
わざわざ書き手も叩かれる為に来ないだろうし過疎らせたらいい
元々過疎ってんじゃんか
何を今さら
自演でーすw
ヘルサイズ殿と通り名を一にするあの人は、こんな過疎スレには降臨してくれないだろ
ヤンスレにしたって住民が「来るならいつでも来てみろやw」なんて何度も挑発したから
最初は無視していたあの人の怒りを買い、その結果たったの一撃で廃墟にされた
その後は住民の謝罪により和解し、以降は一切関与はしていないはずだ
現在あのスレに残っているのは、最初にあの人を呼び込もうとした元々の荒らしだ
これって荒しだ過疎だいってるけど
反応する奴がわるいんじゃねーの?
もうほっとけばいいのに、いちいち反応すんなよ
193 :
護国炎虎:2012/08/30(木) 23:57:23.17 ID:klxRe5kc
とりあえずエロ無し連中はマジチンカスだな
キモ姉妹転生物は前世が夫婦ばかりだけど個人的には前世も姉弟が好みだよ
>>194 転生物とは違うが
今と価値観が違う世界。
例えば兄妹、姉弟間の結婚が当たり前の世界に
現代社会のキモ姉妹に振り回されてる兄弟が紛れ込む話とかどうだろたう?
普通に現代の学園もの書いてろよ
訳の分からない設定ばかりが先行しているからそういうのはつまらないんだ
書ききる実力もないんだから、普通にダラダラやってりゃいい
有名人の姉とか嫉妬深い妹出して、ヤンデレやってりゃ乙くらいはもらえるんだから
目障り極まりない
>>196 面白そうだけどキモ姉妹大勝利しか思い浮かばない
近親婚が当たり前な世界だとキモ姉妹の概念がないのかな?
ブラコンとキモ姉妹の違いは何だろう?
やはり、兄弟を性的な目で見るのがキモ姉妹なんだろうか?
ブラコンはまだ妄想して脳内麻薬だしてトリップする程度で止まれる
キモ姉妹は法律倫理その他諸々ガン無視して現実で狩りに来る
違いってもこの程度じゃね?
ブラコンとキモ姉妹の差はヤンデレとメンヘラの違いと同じで、近いけど遠い
ブラコンは兄弟という概念。
キモ姉妹は男と女という概念だ。
ちなみに、このスレの住民は、良くある姉弟、兄妹の近親バカップルssは、どう評価してるのかね?
どう評価してるって言われてもな
あんまり意識した事はないな
評価はモノによるとしか
ジャンルとしての好みなら、俺は兄妹に限らずバカップル自体はわりと苦手。病み甘は好物だけど、甘々はげんなりしてしまうことが多いかな。無論、いいものはいいけど
ここのスレ民には概ね広義のヤンデレが好まれてるようだから、ギャップの薄いタイプのイチャイチャは物足りなく感じるかもしれない
やっぱ盛り上げようと一人で自演してても反応はさっぱりだねw
アホみたい
※キモ姉妹的グット end or バット end
*例えば、以前の名作綾シリーズのように、猟奇キモウトなら殺人犯だしバット end じゃ無いと…
とか、
いや…一途な姉妹なら、キモ姉妹勝利のグット endがイイとか有るかい?
それから、キモ姉妹勝利にしても、兄弟が人形化するのは、好みでない、飽くまでも渋々でも兄弟の意志で、キモ姉妹を受け入れないと、とか
バット endにしても、キモ姉妹が更生するのは許せない、やはり、壮絶に散るべきだろ
とか、いや…死ぬのはちょっと、とか
ストーリー的に人が死ぬ、死なないで意見を求めたい。
>>206 法律が変わってでハッピーエンド
他所の女と付き合ってみるが姉妹ほど良い女はいなくて戻ってきてハッピーエンド
失礼…ストーリー的に死ぬ、死なないで(泥棒猫&邪魔者が)、キモ姉妹的グット end or バット endという話。
>>208 キモ姉妹大勝利なら泥棒猫は生きても良いかな
イチャイチャを見せつけて欲しい
投下
211 :
妬き妹:2012/09/02(日) 21:13:30.57 ID:pGZzCN5o
遠く青い空へ、木切れの弾ける焼け音が立ち昇っていた。
冬の訪問を控えた季節、乾季に埃っぽくなった土の上で、枯れた草木に火を灯した庭先。
広げられ、低く燃える炎は代わりに大きく左右に揺れ、
蓄える熱を漏らしては鼻を焙る匂いを振り撒き、気紛れな木爆ぜの音を鼓としている。
盛る赤色は蒼穹の色に逆らうように火勢を得、
見上げれば燻(くゆ)らせたように薄く広がる雲の下、寄る者に程好い暖を供していた。
「ふーっ。ふーーーーーーっ・・・・・・!」
そんな風流な景色の中、幾度も聞こえる吐息の音(ね)。
空の雲から耳の高さに視線を戻せば、
垣根の内に秋を囲った我が家の庭には、腰を曲げた小影が一つ。
背を伸ばしては息を吸い、屈(かが)めてからはふうふうと、
吐息も汗も蒸気させ、先刻から同じ動作の繰り返し。
夏の涼やかさから冬の温もりへと、目的を変えた制服に身を包んだ女子が、
長袖の口の先に吐息を吹き込む筒を握り、
古式ゆかしい風呂釜でも相手取るかの如く、火吹きの番を勤めている。
彼女の手前には、低く盛られた木の葉の上、不揃いな火勢でゆらと揺れては踊る焔。
時折弾ける火の粉の宴に距離を置き、頬を照らされ熱されつつ、
細長の円筒で呼気を吹き込む『妹』の姿は、見ていてなかなか微笑ましい。
事前に掻き集めたらしい枯葉は点(つ)きがよい分だけ燃え尽きも早く、
持続がないため、気付いては後ろ手から、さあ代替と持った紙類を焼(く)べ続けていた。
容易に補充が利かないのは、落ちても枯れても天然資源の故なのか。
帰宅の際に妹の背を庭に見止め、部屋に荷物を置いて来てから、かれこれ数分。
ゆっくりと膨れる熾火に、定期的に呼気を入れては、
「ぃよ、いしょっと」
背後。錆びくすみ、上部を開けられた一斗缶に積んだ紙類を取って放る。
貪欲な火の手は、節約で偶に入る木枝と併せ、人造の燃料も差別しない。
置かれた古新聞や折込チラシ、少し前の雑誌のグラビアや学校のプリント等に触れては端から食み、
印刷や手書き、モノクロとカラーの区別なく黒々と燃やす。
火に浮かぶ、最近めっきり近くなった黄昏時の色彩の中、夜のようにか黒く全てが染まる紙々。
ちりちりと、端から焼けて縮こまっていく。
ふと、その一部が、上へ上へ踊ろうとする火勢の中で、ぽろりと崩れた。
「きゃっ」
ひゅっ、と肌を撫でられる。
乾いた土を踏み、軽快に走り去ってゆく大気。
不意打ちの北風に、焼け焦げた紙片が秋空へ舞った。
肌を抓む寒気が炎を煽ると、揺らめいた丹花は縮こまってから返り咲き、
勢い余った火精が、過ぎた気流の軌跡に乗る。
右手を下に、左手を前に。
咄嗟にスカートの押さえと身を庇うのに両手を振った妹は、短く声を上げ、
硬直と羞恥とを自覚するような間を置いてから、ゆっくりとこちらへ振り返った。
「やっぱり手伝おうか?」
「いいです。兄さんは黙って待っていて下さい」
座っていた縁側から立ち上がって、熱に当たった火照りで緩んでいた表情を、見る間に引き締めた妹へと申し出る。
向き直る動作で流れた黒髪の、長く引かれた幾筋もの隙間から、夕日のように赤色が差した。
スカーフを風で乱された上部に、確りと丈を守った下を組み合わせる学生服。
煤が付かずとも黒い女子用の衣からは対照的に白い手脚が伸び、秋暑も過ぎて長く、
未到の冬にマフラーを控えた首元は、特に真白い素肌を覗かせている。
化粧っ気はあまりなく、塗り足されない頬や眉は薄く細い。
それでいてすっと伸びた鼻梁や顔(かんばせ)の輪郭が造作として類希で、
凛とした眼光を湛えた双眸の下、凡庸な兄としては何時見ても面映ゆいものだった。
遠く青い空へ、木切れの弾ける焼け音が立ち昇っていた。
冬の訪問を控えた季節、乾季に埃っぽくなった土の上で、枯れた草木に火を灯した庭先。
広げられ、低く燃える炎は代わりに大きく左右に揺れ、
蓄える熱を漏らしては鼻を焙る匂いを振り撒き、気紛れな木爆ぜの音を鼓としている。
盛る赤色は蒼穹の色に逆らうように火勢を得、
見上げれば燻(くゆ)らせたように薄く広がる雲の下、寄る者に程好い暖を供していた。
「ふーっ。ふーーーーーーっ・・・・・・!」
そんな風流な景色の中、幾度も聞こえる吐息の音(ね)。
空の雲から耳の高さに視線を戻せば、
垣根の内に秋を囲った我が家の庭には、腰を曲げた小影が一つ。
背を伸ばしては息を吸い、屈(かが)めてからはふうふうと、
吐息も汗も蒸気させ、先刻から同じ動作の繰り返し。
夏の涼やかさから冬の温もりへと、目的を変えた制服に身を包んだ女子が、
長袖の口の先に吐息を吹き込む筒を握り、
古式ゆかしい風呂釜でも相手取るかの如く、火吹きの番を勤めている。
彼女の手前には、低く盛られた木の葉の上、不揃いな火勢でゆらと揺れては踊る焔。
時折弾ける火の粉の宴に距離を置き、頬を照らされ熱されつつ、
細長の円筒で呼気を吹き込む『妹』の姿は、見ていてなかなか微笑ましい。
事前に掻き集めたらしい枯葉は点(つ)きがよい分だけ燃え尽きも早く、
持続がないため、気付いては後ろ手から、さあ代替と持った紙類を焼(く)べ続けていた。
容易に補充が利かないのは、落ちても枯れても天然資源の故なのか。
帰宅の際に妹の背を庭に見止め、部屋に荷物を置いて来てから、かれこれ数分。
ゆっくりと膨れる熾火に、定期的に呼気を入れては、
「ぃよ、いしょっと」
背後。錆びくすみ、上部を開けられた一斗缶に積んだ紙類を取って放る。
貪欲な火の手は、節約で偶に入る木枝と併せ、人造の燃料も差別しない。
置かれた古新聞や折込チラシ、少し前の雑誌のグラビアや学校のプリント等に触れては端から食み、
印刷や手書き、モノクロとカラーの区別なく黒々と燃やす。
火に浮かぶ、最近めっきり近くなった黄昏時の色彩の中、夜のようにか黒く全てが染まる紙々。
ちりちりと、端から焼けて縮こまっていく。
ふと、その一部が、上へ上へ踊ろうとする火勢の中で、ぽろりと崩れた。
「きゃっ」
ひゅっ、と肌を撫でられる。
乾いた土を踏み、軽快に走り去ってゆく大気。
不意打ちの北風に、焼け焦げた紙片が秋空へ舞った。
肌を抓む寒気が炎を煽ると、揺らめいた丹花は縮こまってから返り咲き、
勢い余った火精が、過ぎた気流の軌跡に乗る。
右手を下に、左手を前に。
咄嗟にスカートの押さえと身を庇うのに両手を振った妹は、短く声を上げ、
硬直と羞恥とを自覚するような間を置いてから、ゆっくりとこちらへ振り返った。
「やっぱり手伝おうか?」
「いいです。兄さんは黙って待っていて下さい」
座っていた縁側から立ち上がって、熱に当たった火照りで緩んでいた表情を、見る間に引き締めた妹へと申し出る。
向き直る動作で流れた黒髪の、長く引かれた幾筋もの隙間から、夕日のように赤色が差した。
スカーフを風で乱された上部に、確りと丈を守った下を組み合わせる学生服。
煤が付かずとも黒い女子用の衣からは対照的に白い手脚が伸び、秋暑も過ぎて長く、
未到の冬にマフラーを控えた首元は、特に真白い素肌を覗かせている。
化粧っ気はあまりなく、塗り足されない頬や眉は薄く細い。
それでいてすっと伸びた鼻梁や顔(かんばせ)の輪郭が造作として類希で、
凛とした眼光を湛えた双眸の下、凡庸な兄としては何時見ても面映ゆいものだった。
「・・・・・・冷えますし、出来たら呼びに行きますから。
何なら、兄さんは部屋にいればいいのです」
突き放すような科白(せりふ)は一方で最初に気遣いを置き、
熱を帯びない語調でありながら、寒気にほっこりと温かい。
沈黙に乾燥し始めていた唇が離れ、合わさって潤いを取り戻せば、よく通る声が此方まで届く。
「いいよ。一人だけ温まっているのも悪いし。此処で待つ」
「────────そうですか。わかりました」
ぱちん、と。
遣り取りの間に交えていた視線が、また一つ木切れの弾ける音で離された。
顔を戻した妹が、気を取り直すように持っていた筒を脇に抱え、緩く合わせた両手に吐息を吹く。
紅葉が色褪せ、草花が固くなる土壌に寝始める時節。
肺腑より熱を絞った呼気に擽(くすぐ)られ、悴(かじか)みを解いた指先が、開閉の後に握り込まれた。
「最近はどうですか?」
姿勢を戻し、暫く落とした沈黙の後。
筒をつけた呼吸の合間、火勢を見ながら妹が背で問う。
「ん? 別に、普通だよ。いつも通り平穏無事なスクールライフだ」
応えると、ぱち、と再び木爆ぜが響いた。
「いつも通りって・・・・・・・・・本当にもう。誰のおかげで。
この間も『女の子に呼び出された』って言って、代わりに私に断らせたくせに」
「悪い悪い」
熱を受け、秋芋、ならぬ冬餅のように妹が頬を膨らせて返る。
もっとも、向けられた顔と対称に、その様子は声に真剣味がなく戯れのようで。
僕が頭を下げると、それこそ焼いた餅の萎むように、怒りは空へと抜けていった。
「妹っていう立場で兄の代わりに出てきて、
同性に好意を袖にする言伝を伝えて穏便に済ませるのも、楽ではないんですからね?」
「ごめんって。
その代わり一回毎に買い物に付き合って、荷物を持ったり奢ったりしてるんだからいいじゃないか。
手紙やメールならともかく、向こうから直接呼び出されての告白なんて、
下手に断ったら学校に行き難くなるんだよ」
女心と秋の空。
子女の思考は男子から見て理解に遠く、往々にして荒れ模様。
「女子ってフられたと思ったらこっちの都合も無視して完全に被害者になるし、
周囲が騒いで噂にはなるし、その子と仲のいい子にはずっとちくちく言われるしで大変なんだ。
性別が同じで、向こうにとっては他人のお前が間に入ってくれた方が、相手もやり難くてすんなり行くんだよ」
「それはそれは。私の都合という要素を無視すれば実に素晴らしい対処法ですね。
人が一度手を貸して上手く行ったからって味を占めて・・・・・・・本当にもう、何でそんなにモテるんですか。
『私の』兄さんなのに」
「それはお前」
それこそ妹の兄として、下の子の半分程度は遺伝子の働きに恵まれたからで。
あとは幸運な下地に思春期らしい相応の努力を積めば、
学校────正確には1クラスや1学年────の中でくらいはモテるようになるだろう。
こういう問答の度、妹はもう少し自分の容姿を自覚していいと思う。
その3分の1でも綺麗なら『ちょっとモテる』程度の学生になれる位には、妹は男子の羨望の的なのだから。
「お前が美人だからだからじゃないか」
「え?」
よって、まだ高校1年の頃、ちょっと押しの強い女子のアタックをどうにか断るために妹の手を借りて以来。
文句を言いながらも同じことを手伝ってくれていれば、
『綺麗』『面倒見がいい』『ブラコン』な妹という要素が噂を呼び、その兄であるこちらにも注目が向くことになる。
その上でほんの少し容姿に恵まれていれば、注目が興味に、好奇が好意になり易いのも無理からぬことだ。
責任と自覚のない原因としてそもそもの事態に妹も一役買っているのに、本人だけが気付いてないのは、さてどのような悲喜劇か。
「なんですか藪から棒に。
言っておきますけど誤魔化されませんからね? 事実なんですから。
────────嬉しいですけど」
「『お前の兄』なのに、もとい、お前の兄だからというのも本当にただの事実だけどね」
「・・・・・・兄さんの言うことは、たまによく分かりません」
すっとして綺麗な妹の眉が緩み、かと思うと溜息と共に寄せられる。
近付いた双眉の間を人差し指で押しながら、
その下の唇からは、甘く噛んだ後の秋思が空へと零れた。
お互いに、どこか噛み合わない気鬱を吐いて風に流す。
「構いませんけれど。
兄さんが心に決めた相手以外と付き合う人でもないのは知っていますし、
あくまでその相手が出来た時のためにモテる努力とやらをしてるのも、
結果、それで意に沿わない相手を招いているのも分かりますから。
────────チャラいですし、死ねばいいと思いますけど。相手」
「相手の方なのかよ」
「兄の不幸を願うほど、不出来な妹ではありません」
心外、と尖らせた唇が向けられた。
本人は肩を怒らせるようにして、その実、少し胸を張るように伸ばしただけの背から兄を見詰める。
これでも年下の家族に拗ねるような反応を見せられ、
おかげで慌てて取り繕うとするよりも、むしろ緊張を削がれてしまった。
「そうだね。・・・・・・知ってる」
「なら問題ありませんね。
私としては働きの分、相応に私と付き合ってくれればいいので。
文句はありますけれど」
間に、一度だけくすりと笑いを入れた頷きを見せると、
何とか心中で研いでいただろう牙を引っ込め、背を向けてくれる妹。
くるりと、回された体に従って後ろ髪が引かれ、向こうに見える火の赤色を切って咲かせた。
辺りにはしんとして乾いた、だが冷たくはない沈黙が戻り、
たまに木の枝を入れられて弾ける炎が、適度な音と緊張を混ぜる。
ゆるゆると燃える火炎と、熱くも冷たくも、重くも軽くもない庭先の空気。
火を見る作業に戻った妹の背には会話を打ち切った風はなく、
声をかければ応えてはくれるだろうが、とは言え邪魔になるのも躊躇われる。
なので会話の始まる前に戻った雰囲気に身を任せ、しばらく、静かに見守るとした。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
燃え続ける炎も秋空の下、昼の太陽を上に置いては放つ熱も光も及ばず、
周囲にいささかの匂いと風流を香らすに過ぎない。
また妹も火勢の調節に息を吹いたりする以外にはぴたりとして動じず、向けられた背は沈黙していた。
あるいは今が黄昏時なら佇む後姿も映えて、何かの色を浮かべただろうか。
映えるのは、あくまでより一層、という意味だが。
「────────」
そんな思考の雲を空に投げては流しながら、すっかり体温の移った縁側で腰を据え直す。
ついでに軽く伸びなどをしつつ座りっぱなしの体をほぐしにかかると、途端にバサバサという音が耳目を引いた。
「?」
見れば火に焼(く)べる紙類などを入れていた缶を逆さにした妹が、その最後の燃料を火中へと投じたところ。
宙より舞い落ちた紙片の群が炎に被さり、端から朱に交わって食(は)まれていく。
赤く火が点き、次々に黒く燃え尽きていく、白を含んだ紙切れたち。
何気なく三色の変遷を見詰めていると、程なく全体の色は黒へと裏返り、炎の中に取り込まれていった。
「ん・・・・・・?」
ふと。
見詰めていた燃焼が終わってから、そこに見覚えのある何かがあった気がして首を捻る。
特に意識せず手繰った記憶と巻き戻した映像からは、先程の燃える炎の中に、幾つかの封筒の存在が認められた。
よく郵便で使う縦長の封筒、ではない。
きっちりした厚さでかつ折り目正しく、まるで大事な、
それこそネット全盛期の現代で時代錯誤の恋文でも入れるかのような、横向きの真白い長方形。
裏面の中央を書き手の趣味を思わせる可愛らしいシールで留められた、俗に言うラブレターが数枚。
そんな、今しがた焼かれた物の中身が実際に見覚えのある物であること、そして見覚えがある理由に気付いて、意識より先に腰が浮く。
「ちょっと待った」
「はい?」
呼ばれ、何事もなかったのように振り返る妹。
つかつかと歩み寄ってその顔を見下ろしても、浮かんでいる表情は常と同じで、
高温や低温といった「熱」のない、強いて言えば静かなものだった。
ただ、気のせいでなければその手が枯葉と同じ扱いで火の中に撒いたのは、
紛れもない他人の────差出人も受取人も────想いを綴った一葉たちである。
名義としては、己の兄へと宛てられた。
「今、何か大変なものを燃やさなかったかい?」
「・・・・・・・? ああ。
それはもしや、兄さんの部屋で机の引き出しの肥やしになっていた、あの恋文たちのことですか?」
真剣な問いかけに対し、思い出す間を置くように傾げられた妹の首は、
元の位置に戻ってからあっさりと縦に振られた。
「つまらないものですが。肥やしではなく薪(たきぎ)としては役立ちましたね」
「分かってて燃やしたのか・・・・・・・」
贈答の社交辞令より温度の無い常套句に、思わず天を仰ぐ。
顔に当てた手、指の間から見上げた空の青さが、かえって憂鬱を掻き立ててくれた。
「勿論。この際ですから、家にある余分なものは有効に利用したいと思いまして」
「兄の私物だぞ? それもわざわざ取って置いた。
勝手に部屋に入るのはまだしも、捨てていいものじゃないのは見て分かるだろう」
一応の話。
先ほどの遣り取りからして、これでも恋愛事において、自分が酷い人間だという自覚はある。
妹に断らせていることは別にしても、
好意を持ってくれている相手────それも複数────を袖にしてきたのは、
冷血と言われたりからかわれるくらいは仕方がないし、
女と付き合うためではなく、
好きな人ができた時のためにモテる努力をしている、というのが若干歪なのも分かる。
それだけに、今時に手間をかけてわざわざ手紙という形で伝えられた物に関しては、
断るにせよ、せめてゴミのように捨てることはしたくなくて持っていたのに。
「兄さんにはいつまでもあんなものを持って、振った女に未練を抱かれていては困りますから」
しかし。
そもそも兄妹とはいえ他人の部屋に入って私物を漁り、
ましてやそれを燃やすなんて許されないとおそらくは分かった上でなお、妹に悪びれる様子はなかった。
「それで知らずに兄さんが気を見せて、まだ勝機があると勘違いした相手が告白、
また私が断りに行くなんてことは御免ですよ?」
「いや、けどね」
兄の不始末を押し付けられてきた妹がそう言いたくなるのは理解できる。
その都度報酬は払っているにしても、心情的にしこりは残るだろう。
が、それにしたってやり過ぎなのは問題ではないのか。
「言って兄さんの気持ちが変わるなら私としても言葉で済ませます。
・・・・・・こういったことは言われてどうにかなることではありませんから。
仮に私が捨てろと言ったところで、兄さんはそうしてくれなかったでしょう?」
「それは、そうだろうけど」
「────────」
不意に。
渋るような、納得しきれない反応に、妹が沈黙した。
どうしたのかと見詰めると、さも何でもないという風に笑顔で返され、妹は火の方に向き直る。
「妬けますね。本当に。ふふっ」
そう、無意識にか聞こえるようにか呟いて、すたすたと歩くと玄関の方へと消えた。
かと思うとこちらが困惑している間にバケツと、
何やら棒のような物を携えて戻り、いまだ燃え続けている炎へと歩む。
「それでは、少し下がっていて下さいね」
指示を一つ兄の身に置くと、いくらか重そうにバケツを置き、
火かき棒らしき物体を火中に突きいれ、探るように掻き回し始めた。
右に左にと手に合わせて妹の体が軽く揺れ、先端を幾筋かに分けた黒髪が振られて踊る。
不躾な手入れと流れ混んだ空気に朱の華炎がぱっと種子を散らすと、束の間、その長髪に彩を添えた。
「ん」
やがて赤い燃焼の中より数個ほどの塊が弾き出されると、妹が身を引く。
かと思うと火勢を避けて脇へ進み、表面が真っ黒になった何かしらの包みらしきものを、慎重に横へ横へとずらして行った。
程なく十分な距離に達したのか、代物を棒で転がすのを止めて顔を上げると。
「もういいですよ。兄さん、水をお願いします」
と言って、先ほど自分が置いたバケツを指差した。
中にはなみなみと水道水らしき透明な液体が蓄えられており、とすれば用途は言うに及ばない。
最後くらいは手伝った方が、相伴に与るにも気が咎めないだろうという配慮か。
言われるがままにバケツを傾けて中身を引っ掛けると、
降りかかる一杯の水は瞬く間に消火の用をなし、熱を発していた炎が消え、ぶすぶすとした音と、細い白煙だけが辺りに残った。
その名残までしっかり消えたのを確認すると、何時の間にやら件の物体を縁側に置かれていた盆に載せ、妹がゆっくりと歩んでくる。
「はい、どうぞ。よく焼けています」
盆の上には、既に一つ、包みの解かれたモノが黄金の身を露にしていた。
覆っていた新聞紙は炭化した表層が崩れ、含まされていた水分を残した内側が覗き、
更に巻かれていたアルミホイルの先には黒ずんだ紫色の皮と、それを割った真ん中から出てくる美しい黄色が、凹凸のある断面を見せながら湯気を噴いている。
知らず喉が鳴ったのに、気付くまで一呼吸を置いて。
「美味しそうだね」
「はい」
先ずは素直な感想を述べた。
帰宅してみれば庭先で不審に火を焚き、無表情で何かを焼(く)べている妹にどうしたのかと聞いて、
『焼き芋』、などと返ってきた時にはそれこそどうかしたのかと思ったが。
ゴミを燃やすのにも何かと煩い条例の多い昨今、こうして間近に見て、初めてそれでも、と余人に思わせる誘惑の程が分かる。
この芋のために妹に焼かれた物には思うところがないでもないが、
一時忘れてこちらを優先したくなる程度には、農耕民族たる日本人に、芋の魅力は眩しかった。
ほくほくと香を上げるサツマイモを、盆ごとずいと鼻先に突き出されて、つい手に取る。
「あちちっ」
熱い、と言うのもお約束。
冬も控えた秋空の下で指先から伝わる温もりは、その甘さと並んで季節の味わいだった。
「食べましょうか」
「・・・・・・うん」
芋に目を奪われて手にした以上、最早先程のことを蒸し返せる雰囲気でもなく。
してやられたか、などと思いつつもアルミの包みを握り、
持ち手を入れ替えながら少しずつ熱に慣らして冷まし、妹と2人、縁側に並んで腰掛けた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
不意の秋風が、2人の間の沈黙をくすぐって立ち去り。
ガサガサと、空に向け、綺麗に包みを剥く音を兄妹で奏でる。
それから、ほう、と取り上げた秋の味覚を前に、息を吐く間があって。
顔を見合わせてから、同時にほお張った。
「「────────」」
ふっくらと柔らかな芋の食感が、舌を押しながら口一杯に広がって行く。
言葉もなく、また一度に含んだ大きさに息が詰まり、冷め切らない熱さと相まって浅く喘いだ。
口に替わって呼気を抜く鼻からは喉を伝った甘い香が温かに通り去り、
美味しさに肯きながらようやっと噛み締めた実が崩れると、途端に芳醇な味と匂いとが更に鼻口へ伝播する。
甘く、美味く、そして何処となく優しい、西洋の甘さとは違う日本の味わい。
濡れ新聞を用いて蒸すように熱された実はしっとりとして口当たりがよく、
噛めば抵抗なく歯が通り、舌を触れさせれば溶けるように形を変えて喉に進む。
咀嚼を終えても、今度はごくりと音を立てて飲み込まれては腹の中、胃から上へとゆっくりじっくり、熱を上げて温めてくれる。
「んっ、ほふ・・・・・・はふはふ」
可愛らしく吐息を上げる妹を隣に、無言で堪能する。
脳裏に浮かぶのは、よく言われる黄金の稲穂の群ともまた違う、土臭い畑の幻風景。
収穫物として成った物が熱せられて甘さを帯び、土の中で精一杯に育った皮の中身が隙間なく美味しさを詰めている。
「お茶を用意しておくべきでしたね」
と、横合いから感想の声。
ここで水や他の飲料物を挙げないのが、妹の渋さであり味でもあった。
「そうだね」
ジャガイモでも何でも、芋の類はとかく口内を渇かす。
食べ始めはまだしも、一つ二つと片付けていけば何かしら飲みたくなるだろう。
それが緑茶であれば一層甘さが引き立ち、
今よりもなお美味しくいただけることには肯くが、既に言っても仕方がない。
おまけに、そう零す妹の方にも飲み物の準備に立つ気配は感じられず、2人、
しばらくは食い気を優先するのに不満はなかった。
「ふふ。美味しいですか? 兄さん」
「ああ。
ありがとう。お芋も、すっかり美味しい季節だね」
焼き芋自体は本来冬の風物詩であり季語らしいのだが、お芋なんて秋にも冬にも美味しいし、
普通に秋の味覚っぽかったり、
場所によって『いーしやぁーきいもー』の声を晩秋に聞いて違和感を覚えないのは、
日本人特有の情熱的な魔改造もとい品種改良や技術開発のためか。
「・・・・・・これから冷えるなぁ」
理由は定かではないけれど、それにしても春や夏に芋を焼いても風情がなく、寒さこそが情感を生むのもまた自然だ。
お芋の美味さは季節の寒さ。
デンプンをブドウ糖に変える傍ら、焚き火の色と熱が伝える温もりこそが、また焼き芋の味わいだろう。
ならばお芋の美味しくなる程に寒さも増して行くのが道理で、ついこれからの季節に思いを馳せる。
「寒い中で食べるから乙なんだけど」
「そうですね。寒くなった頃が、お芋の食べ頃です」
適当な言葉を続けてから焼き芋の続きを押し込むと、独り言と聞いていた妹が手を止め、
頬を膨らまさぬように少しずつ噛んでいたのを飲み込んでから、兄の意見に追従した。
「────ええ。本当に」
何故か、意味と感慨も深く肯く。
「最近はすっかり冷え込んでしまって。
私の16歳の誕生日・・・・・・・・・12月も近いですし」
落ちた視線は戻るやいなや日を眺め、やがて兄へと据えられる。
「そのうちに、また焼くくらいしかないような、余分なゴミを集めて。
焼いて。
焼いて、焼いて、燃やして燃やして燃やし尽くして・・・・・・兄さんと暖を取りながら・・・・・・」
途中、言葉を切って閉ざした双眸は、開かれると陽光に光り。
ほんの一瞬、反射の中で言い知れぬ感情を瞳に焼(く)べて。
「ええ、本当に。いい加減に」
薄く薄く。
側に寄った妹が、笑った。
「お妹(いも)も────────食べ頃ですよね、兄さん?」
投下終了
実際には振るの代行とか嬉々として殺ってたりですが、今回は色々と薄いので、皆様の中でお好みの補完をお願い致します
最初のレスはトリップの付け忘れですのでお気になさらず
前回の感想、掲示板の方も含めてありがとうございました。本日の投下は以上です
ひょっとしてなんか投下されたか?
透明アボーンで見えない
>>220 気にするな
例のおっさんだから
相変わらず古めかしい名文調の駄作だし、読む価値なし
書いている時のどや顔が透けて見えるようで気分悪くなるだけ
Gj!
イチャイチャしてる兄妹だが良い。
最初風呂沸かしてるのかと思ったが雌豚の手紙で焼き芋とか旨そう。
色々凝った言い回しを考えているんだろうけど、焼け音が煙みたいに遠く青い空へ立ち昇ってみたりとか
低く抑えられているはずの炎がとんでもない火勢だったりして、ガスバーナーでも使ってるのかって部分とか
なんかこの人おかしいんじゃないの? って残念な表現が多くてなんかモニョモニョする
あと、アホみたいなルビとか体言止めの多用とかもうね、読んでるこっちが恥ずかしくなってしまった
ちゃんと「風呂釜でも相手取るかの如く」とあるのに
>>222が本当に風呂沸かしてるのと勘違いしたのも当然だ
こんなもの誰一人としてまともに読んでいないのだから
努力して読もうとしても、勝手に目が滑って斜め下へと流れてしまう
なんか、今でもこんなタイプの文章書く人いるんだって驚かされたな
乙です
作品について批評するのは構わんが、もう少し冷静になった方がいいと思う
>ちゃんと「風呂釜でも相手取るかの如く」とあるのに
>>222が本当に風呂沸かしてるのと勘違いしたのも当然だ
>こんなもの誰一人としてまともに読んでいないのだから
>努力して読もうとしても、勝手に目が滑って斜め下へと流れてしまう
よく読まなくてもかなり強引なこじ付けだし、自分の意見をさも総意のように書いてる。例に挙げた
>>222はちゃんと読んで良いって言ってるのにな
俺は上の作者か何をしでかしたか詳しくは知らないが、坊主憎けりゃ〜になってる感が否めないよ。荒らしでないのなら、少し態度を改めた方がいいと思う
と、書き手兼読者の戯言でした
スレ汚しすまなかった
ちゃんと読んで、なおかつ風呂を沸かしているように思ったのなら
>>222は知的障害者か文盲ということでいいのか?
俺はちゃんと読まなかったが、風呂を沸かしているのではないことくらいは理解できたぞ
情景描写がなってないのは事実だけど、それくらいは分かるように書かれてある
すなわち
>>222は読んでもいないのに、さも読んだように「いい」と言ってるわけだ
これをお情けGJと言わずして何と言おう
所詮その程度の出来であり、その程度のスレなんだよ
擁護のレスまで知的レベルを疑われる水準にあるわ
読解力自慢も願望書くだけの奴も荒らしも消えてくれ
願わくば変なおじさんも消えて欲しい
おじさんと言うよりはおじいさんって感じの古めかしさだけど
年食うとエロは必要なくなるのかも知れないが、ここはエロパロ板だからな
エロ無しは創作板とか逝ってやってくれや
どうせ笑われるならあっち逝った方が盛大に笑ってもらえるよw
まあ、費やした労力に対して「乙かれさん」ってとこか
確かにこれじゃGJはあげられんな
ちょっと嫉妬深い妹が兄へのラブレターを焼却がてら焼き芋を焼いているだけで
キモウトでもなければエロでもない、レトリックにこだわっているだけのダメダメ作文の典型例だよ
で?って感じが読後にしつこく付きまとい、しばらくイライラとしてしまった
最初、泥棒猫でも焼いているのかと思って期待した分だけ、ガッカリ感も大きかった
おじいちゃんが昔を懐かしみながら書いてるんだから
あんまりいじめてやるなよ。お年寄りは敬え。
夏だなあ・・・?
>>219 GJ!
オチで泥棒猫を燃料に使ってました、とか来るんじゃないかと冷や冷やしてたぜ
つかタイトルが焼き芋なのに風呂はないだろうww
>>237 作者本人乙w
そんなことくらい、みんな知っててスルーしてるんだよ
氏ね!
確かにいい妹さんだな
決してキモウトじゃない
年頃の女の子らしい兄を慕う普通の妹だよ
兄さんもいい人なんだろうな
完全にスレ違いだよ
なんか必死で擁護して書き手を庇おうとしてる奴がいるけど
余計に作者を惨めにしてしまってるな
それとも持ち上げて追い込むのが目的なの?
鬱陶しい
>>243 本当にな
エロパロ板でエロ無し投下する奴って何を考えてるんだろう
開いてクズSSだった時の鬱陶しさときたら……
鬱陶しい
分かるけど我慢してようぜ
そのうち上手い書き手さんが降臨してくれるはず
鬱陶しい
お前が一番鬱陶しいわ
しょうもない自演すんな目障り死ねカス
自演て、何が?
まあ落ち着きなって
弟が好きだから虐待するタイラントキモ姉は人気ないの?
おじいちゃんはさすがに釣りが上手だな
( ´,_ゝ`)プッ
投下します
257 :
人格転生71:2012/09/03(月) 19:41:00.28 ID:QoRTrNXk
…夢だ…夢を見てる。現実じゃない。それだけはわかる。
昔の夢。由利との勉強時間。
あいつはいつも俺の為に時間を取ってくれた。
リビングでのテーブルを囲んでの勉強。
テーブルの上には歴史の教科書とノート。
いつものように由利の教え方はわかりやすくて面白いものだった。
『兄さんはこの世界が好きですか?』
『なんだよ、いきなり』
『勉強の続きです。答えてください』
『まあ、好きかな』
『そうですか…』
なぜか寂しそうな表情で微かな笑みを浮かべる由利。
こいつはこういう学校のテスト範囲を超える質問をしてくる。
俺は学校の勉強よりこういう雑談の方が好きだったのでまんざらでもない。
『おまえは好きじゃないのか?』
『ええ…どちらかと言えば…』
『なんでだよ、なんか悩みがあるなら聞くぞ』
『えーと、例えばここの近代史の範囲ですが…』
『なんか関係あんのか?』
『ほら、このとき日本の本土で大きな震災が起こっていますよね』
『これで世界のエネルギー政策や色んな国の方針が変わったんだよな?』
『確かに大量消費生活の見直しが進みました。世界全体の民度も上がるきっかけになったと言えるでしょう。
無駄な生産が減り、これまでの貨幣経済の資本主義がより洗練され効率的になっていきました。
そして人の価値観が貨幣より幸福を選択するようになりました』
『それが、どうして世界が好きじゃないことに繋がるんだ?』
『皆が世界と言うものを平等に知ることができるようになったからです』
『いいことじゃないか』
『問題はこのあとのそれぞれの国と人々の対応です』
『何か問題あんのか?』
『それまでの世界はマクロ…広い意味でエネルギーを回して生活をしていました。
それが資源の問題も解決に向かいはじめ、科学技術も飛躍的に進み、半永久的なエネルギー抽出を生産できるようになりました。
世界中にエネルギーや食料も行き渡り良い世界になったと言えるでしょう』
『それが今だろ? 世界中の格差も減り、人類の将来は明るいものになって行ったって…この教科書にも書いてあるぞ。俺もそう思うし』
『だからです。文明は常に進化しますが、歴史的に永久な平和状態と言うものは存在しません。エネルギー問題が解決すれば、また新しい技術や価値観が生まれます』
『別に今、平和だからいいだろ? 新しい技術や価値観っていいものなんじゃないか?』
『兄さんにはそう見えるかも知れませんが…』
258 :
人格転生72:2012/09/03(月) 19:42:12.13 ID:QoRTrNXk
時計を見てから由利は話すのをやめた。
そしてテーブルの上を片づけ始める。
『そろそろ時間です。私も自分の勉強をしますので、また明日にしましょう』
『あ、ああ…いつもありがとな』
『いいんですよ。兄さんもテスト頑張って下さいね。平均点さえ取っていれば問題無いんですから』
『ま、おまえのおかげで嫌でも上位に名前が来ちゃうけどな』
『私のおかげではなく、兄さんが柔軟で頭がいいんですよ』
『ん〜俺はいいんだけど、由衣の方が心配だよ』
『あの子のことは兄さんに任せてますから』
『つーかおまえがテスト受けてやれよ。あいつに勉強教えるのって無茶苦茶きついんだぞ。周り全員巻き込むことになるし』
『ふふふ、そうですね。できればそうしたいんですが』
『ああ、わかってる。なんとかするよ』
『お願いします』
…
「ん…」
目覚めると朝だった。陽の光が眩しい。部屋を通り抜ける風も心地いい。
このまま眠り続けたいくらい気持ちいい。ああ、布団の中最高…
起きたくないけど由衣を起こしに行かないと…
あいつは夜まで平気で眠るやつだ。
「…!」
その時違和感に気づく。部屋が綺麗になってる。
学校のカバンもきちんと机の横に置かれてるし、机の上も床だって。
それに部屋のドアと窓を開けた覚えもない。
その時、廊下から足音がした。
「おはよ、お兄ちゃん」
259 :
人格転生73:2012/09/03(月) 19:42:48.23 ID:QoRTrNXk
「ああ、おはよう…」
制服姿の由衣がにっこり微笑む。なんだか不思議な光景だ。
きちんと制服に着替えているし、髪もしっかりセットされている。
それに、いつものツインテールじゃなくて久しぶりのポニーテールだ。
ポニーテールは禿げるから、嫌だったんじゃなかったのか?
顔もちゃんと洗ってるみたいだし、制服が整っているだけじゃなくスカーフも綺麗に結んである。
あまりの出来事に頭がついていかない。
「はい、制服」
「ああ…」
「あと部屋の掃除と換気しといたよ」
「あ、ああサンキュ…」
呆然としながら由衣に渡された制服に着替え始める。
「ちょ、ちょっとお兄ちゃん!」
「ん? 何?」
構わず着替えを続ける。由衣はなんだか、あたふたしている。
「い、いきなり…き、着替えるって…」
なんだこいつ。照れてんのか?
とりあえずさっさと着替えを済ます。
これでよし、と。
部屋の窓は開いてるけどこのまま換気してていいかな。
「じゃ、朝食食うか」
「うん」
「あと、掃除してくれて助かったよ」
「え、あ…うん、いつも起こしてくれてたお礼だから…」
こいつ、また頬を赤らめてやがる。調子狂うな…
いつものように脇腹をつついてやる。
「うぐっ…!」
「ほら行くぞ」
「あ、うぅ〜待って〜」
260 :
人格転生74:2012/09/03(月) 19:46:02.04 ID:QoRTrNXk
いつもの登校中。俺と由衣が一緒に歩いているのはいつものことだけど…
「それで昨日ですが結局、由衣様のお友達には電話されたんですか? 確か神菜様でしたか」
「あ、忘れちゃった」
「駄目ですよ。お友達は大切にしないと」
「うーん、でも神菜はあんま気にしないと思うよ」
「しかし少し謝るくらいはした方がいいかも知れませんね」
「うん、わかった」
笑顔で話し合う二人。由衣と薫さん。
なんで薫さんまで学校に付いてきてるのかが謎なのだ。
外出用の一見メイドとはわからないシックな黒いメイド服に少し下ろしたポニーテール。
黒いカチューシャと前髪を垂らしてるのが特徴だ。
それにしてもこの二人、こう並んでみると親子みたいだな。
薫さんは由衣の話題を聞いて、由衣が楽しそうに答えてって。
こうやって前を歩いてる二人を後ろから見るとそう見えてしまう。
二人ともポニーテールだし。由衣は結ぶ位置を上げているが薫さんは下げている。
うーん、やっぱり改めて見ると美人だよな。親子は失礼か。
姉妹って感じかな。薫さんって何歳なんだろう。童顔だからそれも差し引かないと。
10代後半にも見えるけど落ち着きすぎている。
「あと、先ほどおっしゃられていたさつき様ですが」
「ん? さっちんがなに?」
「いえ…」
「?」
何か言いたそうな顔で少し考える仕草をする。
「これからも仲良くしてあげて下さいね」
「うん、いつも仲良しだよ」
その言葉に引っかかったので俺は思わず質問した。
「あの薫さん、さつきちゃん知ってるんですか?」
「はい、存じております」
「どんな関係なんですか?」
「秘密です」
「…また話してくれないんですね」
大袈裟にしょげてみた。知りたいことは山ほどある。
でも由利の巻き込みたくないという願いの為に聞けないだけに悲しいものがある。
「あ…良也様。いずれはちゃんと話しますからそんな顔をなさらないで下さい」
お、面白い反応。こんなあたふたする仕草は初めて見るな。ちょっと楽しいかも。
「いいんです。薫さんから見れば俺なんか由衣の付録ですもんね」
「ち、違いますっ!」
「付録は付録らしく大人しくしてますよ」
「そ…そんなことをおっしゃらないでください…」
ちょっと罪悪感がしてきた。
「私自身のことでしたら、なんでもお答えしますから」
「なんでも?」
じゃあとりあえず…
261 :
人格転生:2012/09/03(月) 19:46:43.87 ID:QoRTrNXk
投下終了です
('A`) ……。
知能の低い作者には、天才のキャラは書けないって見本だな
幾ら天才という設定でも、自ずと作者の限界がキャラの限界になってしまう
なんか悲しいね
GJでした
なんか、一向に終わりが見えてこなくてイライラするな
これっていつ終わるの?
ちゃんとエンディングとか考えて書いてるんだろうな
行き当たりばったりぽい臭いがプンプンするんだけど
Gj
嵐の前の静けさって感じだね。
ストーリーとか、もうどうでもよくなってねぇか?
山場もないし、作者が気に入ったキャラを使ってダラダラ長引かせているだけじゃん
個人でブログでも立ててやる話だよ、これは
俺が本物のSSを投下してやりますよとかは言えんのかね
明日まで書きながら投稿します(割り込みOKです)
>>269 無理だよ
読むだけの書き込みいっちょまえチンパンジーなんだからw
gj
投下続いて嬉しいです。
作者さんありがとうございます。
>>270 割り込み可と言われても気になるから纏めてのが良くないかな?
>>271 投下したじゃないか。
投下後荒らしにすいませんとか自演か知らないが荒らし目的のSSが。
「歳は…いくつなんですか?」
「…」
あ、凄いポカーンとした表情してる。確かに失礼な質問だ。
でも今までの出来事考えたら、このくらいなら…
「お兄ちゃん…酷い…」
呆れ顔になる由衣。つかお前だって聞きたいだろ。
純粋な由衣なら一緒になって訊く癖に。
「だって…なあ?」
「なあ…って、失礼だよ」
「お前だって訊きたいだろ?」
「別に…」
「23です」
「「え?」」
あまりにも予想外に答えが帰ってきたので、その薫さんの声に驚いてしまう。
「他には何かございますか?」
落ち着いた口調の薫さん。
「え? え? え?」
「…」
びっくりする俺をよそに由衣の顔つきが変わる。あれ? この表情は…
「どこの所属なの?」
「姫乃メイド協会です」
「本当の正体を訊いてるの」
「本当でございます。私は姫乃メイド協会から派遣されて来ました」
「お爺ちゃんに雇われたって訊いたけど…」
「それも事実です」
「なんで警察手帳を持ってるの?」
次から次へと質問してくれる由衣。いや…違うのか?
「おい、由衣…」
「兄さんは黙ってて下さい」
「…」
やっぱりこの口調に表情…これは由利…?
でも雰囲気が違うのはなんでなんだ?
空気は由衣そのままだし。
「続き、なんで警察手帳を持ってるの? 警視って名乗ってたけど?」
質問が2つに増えていることには突っ込まない。それより…
「職務上必要だったからです。今の私は警視扱いになっています。きちんと身分証明証もあります」
「姫乃メイド協会なんて、国のデータベースを検索しても、どこにも出て来なかったけど」
「それは一般でも法人でもありませんから」
「もう一度前に訊いたことを訊くわ。あなた何者?」
歩きながらゆっくり瞬きをする薫さん。銃をつきつけられた時のあの感じがした。
>>270 やった、もしかして急転直下の最終回? wktk
「由衣様にも同じ事を質問したいのですが…」
「あたしのことはどうでもいいの」
緊張感が解けたのは一瞬だった。薫さんは顔をほころばせる。
「由衣様、良也様がびっくりされていますが、答えてもよろしいでしょうか?」
「…っ!」
今度は由衣がびっくりした表情で俺の顔を見る。
「…お、お兄ちゃん…」
由衣に戻った? って、この表現が正しいのかはわからない。
でも雰囲気も由衣のそれになってる。
「これ以上は由衣様の意志に反するかもしれませんが、必要ならお答え致します」
「あ…あとで、き…訊くから…いいよ…」
慌ただしい表情になる由衣。そろそろ学校に着く。そこを曲がったらもう校門だ。
ちょうど最初に薫さんとぶつかった場所だった。
「良也様」
「な、なんですか?」
「色々訊きたいことはあると思いますが、良也様に知りたい気持ちがあればそのうちにお解りになられると思います」
「は、はい」
薫さんもおっとりした表情になってる。
そういや、そのうちわかるって由利も言ってたな…
由衣は俺の顔を心配そうに見ている。
俺を巻き込みたくないからか…
曲がり角の先には校門が見えてくる。
あれ? あそこにいるのは…
シコシコと書きためてたんだろうなあw
怖くて投下できなかったんだけど、ついにヤケクソになったか
「あれ? 神菜、何してんだ、こんなとこで?」
由衣のクラスメートの神菜だった。それに横にちっちゃい幼女…じゃなかった、瑠璃もいる。
「あ、先輩もちょうどよかったわ。話あんねん。先輩、由衣坊の保護者やんな?」
「ま…まあな」
今は薫さんだけど…
ちらりとその薫さんを見る。席を外しましょうかとでも言いたげだ。
俺は頭を下げたそれをお願いする。
「それでは私はここで失礼致します」
そう言ってから校内に入っていく。
って、ええ?
「ちょ、ちょっと薫さん、家はそっちじゃないっすよ!」
きょとんとした表情をして振り向く薫さん。
「あ、申し上げてませんでした。今日はこの学校に用事があるんです。恐らくこれからはご一緒に登校することになると思います」
「へ?」
「では失礼致します」
そう言い残し校内に入っていく。それにしても今日はなんだか周りが騒がしい。
変な高級車が止まってるし、普段見ない人間もたくさん目にする。
あそこの、無線で連絡を取り合ってる人ら、あれ、明らかに一般人じゃないよな…
私服警官?
「先輩、由衣坊、ちょっとこっち来てくれへん?」
確かにここはいつも以上に目立つ。神菜の言うとおり俺たちは場所を移すことにした。
それにしても瑠璃の挙動がおかしい。なんで俺と由衣を交互に見つめてはコソコソ神菜のうしろに隠れてんだ?
俺、何もしてないよな…まあ、思いっきり心当たりはあるけど…
投下終了
やっぱり書き溜めてからにします
朝までノンストップで書くつもりでしたが無理そうです
>>279 朝までじゃキツイの当たり前w
書き溜めたらまた投下してくれ。
>>279 GJ!
読者様がちらほらいたけど気にせずに頑張って欲しい
妄想も楽しいけど、作品の投稿がないのはつまらないからね
続き楽しみにしてます
えぇ〜っ、終わったんじゃないのぉ?
おつおつ
投下します
校舎裏。それにしても、今日の学校の雰囲気はおかしい。
なんでこんなに私服姿の警備員みたいなのがいるんだ。
ここに来るまでにも、俺達に何度かそいつらの目線が突き刺さった。
感じ悪いな。
「由衣坊、アタシが言いたいんわかるやろ?」
「さあ?」
「本気で言ってるん?」
「あたし、なんかしたかな?」
「…ふぅん。やったら、ゆわなあかんな」
俺もなんで神菜が本気で怒ってるのかわからない。
瑠璃は瑠璃で由衣の方をチラチラ気にしている様子だ。
この光景見ると神菜の方が瑠璃より先輩に見える。
「瑠璃、ほら、ちょっとこっちきいや」
「あ…神菜ちゃん、ちょっと…」
瑠璃の小さい体を強引に由衣の前に持ってくる。
え? それから瑠璃のセーラー服を脱がせる。
「おい、神菜、何してんだよ!」
俺はそう言いながら思わず、周りを見渡す。これ誰かに見られてないだろうな。
「これ、由衣坊がやったんやろ?」
!? 思わず声を失っていまう。ブラ姿になった瑠璃。でもその背中には…
「…」
由衣は黙ったままうつむいている。
瑠璃の背中にはミミズ腫れのような線ができていた。
ゴクリと息を呑む。あんなの昨日の時はなかったはず。
瑠璃を抱いた事を思い出してその体に見入ってしまう。
「昨日本気で技かけたり小突いたりしてたやろ?
なんか表情もおかしかったし変やと思たらから、
電話しろゆうたのに、してけえへんかったし…」
「か、神菜ちゃん…ふ服着ていい? あたしはいいよ。気にしてないから…」
「良うないわ!」
「で、でも服は…」
「それはええよ。ほら、はよ着い」
瑠璃が服を着ながら俺の方を向いて顔を背ける。
「あたし、いいってば。気にしてないし…由衣ちゃんもふざけすぎただけだよ」
「あんなー、そいゆう態度がイジメに繋がんねんで? 他でもそんなことしてんちゃうやろな?」
「でも…」
今度は神菜が俺の目を見る。
「ごめんな先輩。でも先輩呼んだんも、ちゃんと理由あんねん」
「なんだよ」
「昨日から由衣坊なんかおかしない?」
「…」
確かにおかしい。正確には人格が統合した日曜日からだ。
でもそんなこと人に話せない。由衣の親友のさつきちゃんにだって言ってない。
昨日は由衣の違和感に気づいてないと思ったけど、とっくに気づいてたってわけか。
それにしても瑠璃のあの傷…ホントに由衣が…?
由衣はオロオロするかと思ったら、逆に落ち着いて話しだしていた。
「神菜ならわかると思うけど」
「わからんわ! 友達に傷付けるとか最悪やろ!」
「…そうかな?」
「なんで平然としてんねん! 瑠璃に謝りや!
一生モンの傷やったらどうすんねん! 女の子やで!」
「…こっちも一生ものの傷が付いたら、神菜だってそんな事言わないと思う」
その声は本当に由衣が出したものか、俺達は誰も理解できなかった。
一生モノの傷? 由衣が? 誰に? もしかして瑠璃に?
いや、そんなはずが…
「なんなん? 瑠璃がなんかしたってゆうん?」
「…うん。した」
そう言って由衣はどこか無表情な顔で、俺と瑠璃を交互に見つめた。
寒気がした。昨日の瑠璃を抱いたことを思い出す。
そして由衣が何を言おうとしてるかも。
瑠璃も俺の顔を伺いながら真っ青になってる。
「神菜が好きな人がいるとするよね。例えば久しぶりに再開した人とか…」
「な…?」
その一言で神菜の様子もおかしくなる。
目が泳いでる。
それでも由衣は淡々と続ける。
「それで、その人に親しい幼馴染がいたとしたする…」
「…っ!」
「そして、本当の初めては神菜じゃなくてその人だったら…」
「そ…そんなん…ありえへんっ!」
「ないって言い切れるかな? その人が本当に初めてだっていう証拠が…」
「ちがっ…!」
「だって女子は男子と違って証拠がないよ?」
「ちゃう! お兄はそんな…!」
「今のは冗談だけど…お兄って誰?」
「あっ…!」
神菜が突然地面に膝を付く。
荒い呼吸を繰り返しながら俺たちを怯えた表情で見回す。
そして、その姿を見下ろす由衣。
何が起きてるのか理解できない。
なんで神菜はそんなにショックを受けてるんだ?
「これ以上は詳しく言わなくてもわかってると思うから言わないけど…」
俺達は沈黙するしかなかった。
突然、この空気を創りだした由衣に対して誰も言葉が出せなかったと言う方が正しい。
今のやりとりだけで、言いたいことが全部わかったから。
俺も瑠璃も神菜も…そして由衣も。
「瑠璃ちゃん…ごめんね…」
由衣が瑠璃に頭を下げていた。呆気にとられるしかなかった。
なんで…また?
瑠璃も初め謝られたことに気づいてない感じだった。
「い、いいよ…あの…あたしもごめん…その…良也クンのことも…ごめん」
「傷…痛む?」
そう言って由衣が優しく瑠璃の背中を、セーラー服越しにさする。
「う…ん…大丈夫。痛みはないから…」
「ホントごめん。自分抑えられなかったの…ごめん…」
由衣は瑠璃を軽く抱きしめて涙を浮かべていた。
「い、いいよ…由衣ちゃんの気持ちもわかるから…」
「保健室行こ。傷は残らないと思うけど…わかんないし…」
「だ…大丈夫だよ」
「念のために行こ。放課後も病院一緒に行こ」
「う、うん…」
瑠璃の手を繋ぐ由衣。
「神菜とお兄ちゃんも…いいかな、これで?」
「お、俺はいいけど…」
神菜を見ると膝を付いてゆっくり呼吸を整えている。
「神菜もごめんね。今の話もミミ先輩にちょっと訊いただけだから…」
「ちょ…由衣坊…なんで…?」
「お兄ちゃん、あたし達保健室行くから、神菜のことよろしくね」
「あ、ああ」
そう言ってから二人とも保健室に向かって去っていく。
しばらく呆然とするしかなく、神菜の息使いが戻るのを待つしかなかった。
「大丈夫か?」
俺は神菜に手を差し出した。
「あれ、ホンマに由衣坊なん? 同じやねんけど…でも…なんか…」
「…」
俺の手を握りながら起き上がる神菜。
言いたいことはわかる。今の由衣は由利が混ざってる状態だ。
あの話し方も普段の会話すら怪しい由衣とは随分違った。
「…途中から?人としゃべってる感じやったから」
そう、神菜は由利と話した感覚がしたんだと思う。
俺には慣れたものだが、普通の人が由利と話したらかなり戸惑うと思うし。
同世代に、あいつの話し相手になる奴なんかいるんだろうか?
恐らく大人でも普通の人と話せば気味悪がられるだろう。
思考や能力も空気も何かずれてるし。
「保健室行くか? 顔色悪いし」
「え、ええって。体調悪いんとちゃうから。このままクラス行くわ」
「そっか。じゃ、途中まで一緒に行こうぜ」
「え、ええよ。1人で大丈夫やから」
明らかにショックを受けてる神菜に言われても説得力がない。
ちょっと足元もおぼついてないし。こいつが心配だ。
「俺が神菜に用事あるから、いいだろ?」
「な、なんなん?」
「昨日の由衣の状態を教えて欲しい」
「…そんなんウチより先輩の方がわかってるんちゃうん?」
「いや、全く持ってわからない」
「ってゆっても…」
「昨日のクラスでの様子だけでいいよ。カラオケ行く前の」
そういうと神菜は訝しげにこちらを見てきた。
「なんで知ってん?」
「あ、いや、あのさ…ゆ…由衣に訊いたんだよ。昨日カラオケ行ったってさ」
やば…瑠璃と一緒にこいつらをストーキングしてたことがバレる…
苦しい言い訳をするしかなかった。
「ふーん。そういえば昨日、なんで瑠璃と一緒におったん?」
「あ…えっと…その…」
クソ。こうなったら変な言い訳も逆効果だ。
昨日のことを一部始終、神菜に話すかないか。
神菜にも由衣のことを教えて欲しいし。
「ちょっとクラス行くまで話そうぜ。ちゃんとそのことも話すから由衣のこと教えてくれ。頼む」
「ええけど…」
俺が神菜と話しているうちに、由衣と神菜のクラスまで来てしまった。
必要以上の情報は漏らさずに、なるべく簡潔に伝えた。
昨日は由衣が心配でカラオケについていったこと。
人格のことには触れずに、最近様子が変だということ。
当然、瑠璃と関係をもったことなんか絶対に話してない。
一緒にデートもどきをしたということくらいには話したが。
でもこっちの話す時間でいっぱいで、肝心の由衣の状況までは訊けなかった。
それにしても後輩らの視線とヒソヒソ声が痛い。
つーか聞こえてんだよ!
「…あれ、神菜って由衣のお兄さんと付き合ってるのかな?」
「…でしょ、話してる時の雰囲気は恋人そのものだったじゃん」
「…神菜ってああいうタイプ好きなの?」
「…転入してきたとき、大人しいタイプが好きって前に言ってたぜ。俺訊いたもん」
「…由衣のせいであたしらの成績落ちた時も助けてもらったよね。結構いい人だと思うよ」
「…神菜、可愛いしなぁ…うちの男子どもにも人気あるし…」
「…先輩に勉強教えてもらったことあるけど凄く良い人だったよ。神菜とは相性よさそうだよね」
「…はぁ…あたしもあんな、お兄さんゲットしたい…うちのアニキもあんなんだったら…」
俺の評判ってこのクラスに限ってはいいんだよな。
由衣の面倒見るために何度も関わってるし。
このクラスの手伝いをしたことも何度もある。
「先輩…その…もうええかな? これ以上話されへんと思うし…」
「だな」
「…それに…」
当然、ギャラリーの声が神菜にも聞こえてるわけで…
頬を少し染めてるのは恥ずかしいからだろう。
「なあ神菜」
「え、え?」
「とにかく今日みたいなことがあったら俺に電話してくれ。すぐに助けに行くから」
「うん」
「さっきのアドレスなら、いつでもいいから」
「う…うん」
「必要だったら授業中でも構わないからな。なんかあったら俺んとこメールしてくれ」
「授業中?」
「ああ、ひょっとしたら…」
由利の人格が出てきても授業を妨害したりはしないと思うが…
「いや…とにかくなんかあったら俺を頼れ。絶対一人でなんとかするんじゃないぞ」
「え、あ…うん」
これは1人でなんとかなる問題じゃない。
由衣の時も手を焼いたけど、もっと大変なことになるかもしれない。
「じゃ、続きは放課後訊くから。また頼むな。それと由衣にはちゃんと注意しとくから」
「せ、先輩!」
踵を返そうとした時、呼び止められる。
「ゆ…由衣には注意せんでもええから…」
「でもな…あいつ神菜にもなんか言っただろ? あれは…」
「やから! あれはええって! お願いやからゆわんといて!」
「…いいのか?」
「うん、あんことはゆわんといて…」
「わかったけど…」
「ありがとう。ほんなら続きは放課後ゆうから…」
「ああ、じゃあな。あと胸大丈夫か?」
「え? あ、うん。もういける」
「苦しそうだっただろ」
「だ、大丈夫やって! それより先輩もはよ行かんと遅れんで!」
「いた…って、わかったって…」
神菜に後ろから背中を押し出される形で、クラスの前の廊下から追い出される。
まあ俺も恥ずかしいし、神菜はそれ以上に恥ずかしいんだろう。
それにしても外野の声のトーンが高い…
「…今の聴いた?」
「…くっそ、神菜、完璧リア充じゃん」
「…俺、泉のこと諦めるわ」
「…神菜と美里先輩ってしっかりしてるから上手く行きそうだよね」
「…あー早く地球滅亡しねーかなー」
「…だったらそこから飛び降りろよ。楽になるぜ」
「…あんた、神菜狙ってたの? 涙目じゃん」
「…うるせえ! もう校舎から飛び降りる!」
「…このクラス、一階だけどね」
俺もクラスに戻らないと…
投下終了です
Gj
由利は消えてないみたいだな。
結局、乙乙とかしか言えないのなw
しかも平仮名でやったりして複数を演じているのがまる分かり
なんだっけ、「一人でも読んでくれる人がいる限り書き続けます(キリッ」だっけ?
さすがヲチスレのヒーロー、格好いいッス
GJ
次の投下楽しみにしてます。
次はもっと笑わせて下さいますように
結局、自治厨以外は誰も読んでいないのなw
形式としては小説じゃなく、単なるト書き入りの台本だからな
どこかに普通に面白い小説書ける救世主はいないのか
>>293 お疲れgj
由衣の中に由利がいる感じだな
他の女への対応がまさにキモウト
荒らしには触らない方がいいよ
触ったらそのレスも荒らし
気持ちはわかるけど
>>219 GJ!
文章難しいですがなんか勉強になる
>>293 GJ!
構成が上手くて参考になる
言われないと感想もまともに書けないのなw
一人でID変えながら頑張っているのはバレバレなんだけど
でもヒーローは読んでくれてる人が一人でもいる限り、書き続けてくれるらしいから
単発IDがカッコいいと思うw
誤爆すみません
人生転落が投下されないと平和でいいなあ
アレがどれだけ迷惑を掛けていることか
誤爆かい?
誤爆かチンパンジーのどっちかだろ
無視っとけ
「ねぇ、どうして来るの?」
小雨が降る気だるい日曜日の夜、リビングでソファーに座りバラエティー番組を見る。
正確には、見たい。好きな芸人が出てるし面白いから、集中して見たい……のだが。
隣に座ってる人物は俺を凝視して睨み付け、なんで? どうして? と質問攻めにして集中する事を許さない。
「はぁぁっ……」
自然、溜め息だって漏れる。俺だって無視してる訳じゃないんだ。
何回も質問を聞いて、何回も答えて、何回も問答して、それでもコイツが、妹が、硝子(がらす)が、納得せずに繰り返してるだけ。
「ねぇ、どうして来るの? お腹パンパンになるまで出されたのに、どうして生理が来るの?」
つまり、この間のプールでの行為でガラスは妊娠せず、どうやらそれが信じられないらしいのだ。
俺の袖を掴んで小さくゆさゆさと揺すり、赤い瞳を潤ませる。
「これが最後だから良く聞けよ? 確かにお前としたし、中に出しちゃったけど、着床……だっけ? それをしなかったからガラスは妊娠してないの」
だから何度でも。テレビから自然を外して妹の肩に手を乗せ、目を見つめて何度でも同じ答えを繰り返す。
携帯で調べた一文を、ガラスが「わかった」と言うまで何度でも。
「そっ……もう良いわ」
すると次はガラスが視線を外し、俺の手を払ってバラエティー番組を眺める。
ソファーに背を預け、静かに、つまらなそうに、不機嫌そうに。
「その言葉、何回も聞いたぞ? ったく」
俺も再び視線をテレビへ。
でもまぁ、ガラスは不機嫌だが、俺はどこかホッとしてる。
やっぱり早いと思うんだよ。この歳で父親と母親になるのは。
最低でも高校は卒業して、それから大学に行くのか、専門学校に行くのか、それとも就職するのか。
どれにしても、子供は俺が仕事に着いてからでも良いと思うんだ。
だいたい、それより先に悩まなきゃイケない事はたくさん有る。
まずは来週の修学旅行。何とかその時に加藤とのわだかまりを解きたい。
アイツは良い奴なんだ……
俺を許すと言ってくれた。もう気にしてないと言ってくれた。
修学旅行の班決めの時も、加藤から俺を誘ってくれた。
だけど、当事者だからわかる加藤との隔たり。俺は以前通りとは行かなくても、それに近い所まで関係を修復したい。
「ねぇ、頼光? 前に言わなかったっけ……私は加藤君に嫉妬してるって」
ボーっとテレビを見ながら考え事をする俺に、ボーっとテレビを見ながら妹が話し掛ける。
隣から視線を感じないし、俺の視線はテレビに向けたまま動かない。
視線は互いに交差せず、互いにテレビを眺めたまま。
「ああ、聞いた」
だからそのまま。隣を見ないまま。淡々と一言吐き出して答えた。
「もう少し、もう少しだけさ……私との時間を作ってよ」
そして重なる。視線じゃなくて、右手の上にガラスの手が置かれ、二人の手が、体温が、重なる。
ゆっくり指を絡める相手は、途切れ途切れの泣き出しそうな声で呟きなから、この部屋の空気を甘ったるくピンク色にデコレートして行く。
それは糸。蜂蜜より甘ったるい雰囲気は、天然のピンク色フェロモンは、獲物をぐるぐる巻きにして離さない蜘蛛の糸。
「んっ、なんだよお前……実の兄貴と遊びたいのか?」
カラカラ、カラカラ、喉が渇く。唾を飲み込み、冗談めかして答えるのが精一杯。
どうせ無駄だってわかってるのに、何とか話しをすり替えようとしてる。バカなオレ。
「ちがうわ……遊びたいんじゃない、デートしたいのよ。実の兄と、妹で、恋愛映画が見たいな? ねぇ、良いでしょ頼光?」
無駄なんだ。ガラスのワガママを、俺は断れない。
ピトリと寄り添い、体温が近づき、呼吸が近づき、身体に僅かな重さが掛かる。
肩に頭を乗せられ、腕には柔らかい感触が伝わり、熱っぽい吐息は俺の理性を蝕み出す。
「ああ、映画ぐらいならな……明日で良いか? んじゃ、風呂に入って来っから」
諦めてガラスの方を向き、提案を受け入れ、然り気無く腕を振りほどこうとして、ここから逃げ出そうとして、
「気にしないで頼光」
繋がらない言葉で繋がれる。
腕を強く掴まれ、抱き着かれ、上目遣いで見つめられ。
「何を……だよ?」
もう視線は逸らせない。赤い瞳を細めて微笑む妹の顔に、まばたきだってさせて貰えない。
胸はドクンと高鳴って、同じ音がドクンと届く。
「私は、性欲の捌け口(はけぐち)にされても気にしないから。我慢できないんでしょ、おにいちゃん?」
それとも……とガラスはセリフを区切って腕を放し、ソファーから立ち上がり、俺の足の間に腰を降ろした。
この前と同じ格好で、この前と同じに見上げ、膝立ちになって背中に手を回して来る。
「頼光は私と一緒に居るのに、私が隣に居るのに、何日も我慢できちゃうの? 襲う気にもならないぐらい魅力を感じないの?」
二人の位置はこの前と同じだけど、しようとしてる事は、されようとしてる事は全く違う。
けど、答えに悩むボンクラな兄の返事なんていつも待っちゃくれない。
「頼光……ふっ、んっ……」
ガラスは頬を耳まで赤く染めてズボンのジッパーを唇で挟むと、何の躊躇も無く、
ヂッ、ジジィィィィッ……
鈍い金属音を鳴らし、全開までそれを下げ降ろした。
そのまま股ぐらに顔をうずめ、空いた隙間の中に舌を差し込み、ペニスを外へと取り出そうとする。
このまま、妹に、良いのか?
「しなくていいからっ!! てか、こんな事させたくねぇよ!!」
なわけねぇだろ!!
考えはまとまらなくても、ろくな言葉は浮かばなくても、一度壊れた三流品の理性に従う。
ゆっくりとガラスの肩を押して、ゆっくりと顔をそこから離させた。
「しなくてって……じゃあ、自分で処理するの? 私にもそうさせるの? すぐ近くに好きな人が居るのに、気持ちの通じた人が居るのに、最後まで済ませた人が居るのに……くっ、もう良いわっ!!」
ガラスは頬を赤く染めたまま見上げて睨み、俺の手を払って不満を吐き出す。
口元を拭って腰を上げ、クルリと背中を向けて長い黒髪をはためかせる。
「お風呂……私が先に入るから。それと明日のデート、忘れないでね頼光?」
その言葉が最後。その言葉を残して妹はスタスタと浴室の方へ消えて行った。
反論する暇も無かったが、気分をそこまで悪くさせたって訳でも無さそうだな。
「はぁぁっ……デート、か」
深く溜め息を浮かべ、ポケットから携帯を取り出し、映画情報を調べる。
この時期やってる恋愛映画と言ったら、今を輝く人気アイドルがラブシーンに挑戦した事で有名な映画、『月明かりの雨に濡れて』しか無い。
これで喜んでくれるなら良いんだが、頼むぞ本当に。
「はぁぁっ……」
深い溜め息をもう一度。後は映画の出来に賭けるのみ。
にしても、何で断ったんだ俺? 別にあの行為で子供が産まれる心配はないのに……とか、悩んだフリをするなんて、俺も意外とお茶目さんだな。
んなの決まってる。またガラスにされたら、歯止めが効かなくなるってわかってるから。わかってるから、怖いんだ。
子供は高校を卒業した後……そんな決意もアッサリ捨ててしまいそうで。
今回はここまでですm(__)m
上手い
抜けた
人生転落の作者にも見習ってほしい
これこそが他人様に読んでもらうレベルの作品だよ
>>317 乙乙!
花言葉デンドロビウム読み直してくる!
超久しぶり!
俺大歓喜だわw
GJ!
久しぶりに帰ってきてくれて嬉しいです!
やっと本物の書き手が降臨してくれたみたいだな
これでスレも安泰だ
>>311 乙
リンク先の文が見つからないのですが
携帯だからかな
ググってみます
あと他の作品汚してるレスはどうかと思う
この作品だけに感想つければいいのに
>>324 いや、ヤンデレスレの荒らしだから気にすんな
目障りだろうけど構うと変な病気うつされるぞ
>>317 GJ!!
もう何十回読み直したかわからないほど好きな作品の続編がくるなんて夢みたいだわ
続きも楽しみに待ってます!
>>324 荒らしの常套手段だろ
まあキチガイは相手にするなってことだ
誉めているのは全部荒らしだろ
硝子も由衣も良いキモウトだよ
どっちが上とか比べるなんてなんの意味もない
他の作品も同じでそれぞれ違うキモ姉妹の魅力があるから面白いと思うんだけど
一時はみんな他サイトに逃げるんじゃないかと思ったけど投下が増えてよかった
自分は古参だけどここでも書いてくれると嬉しいです
他のサイトでもここでも頑張って下さい
武士の情けを知る男だな
テスト
次から続き投下
転機はいつも突然に。
真道硝子は双子の兄で在る真道頼光に才能を妬まれ、脅されて毎晩のように性的暴行を受けているらしい。
登校途中、通学路、次々と耳に入る生徒達の噂。
本人が側に居るのに気付かず、真道頼光が誰かもわからずに、上級生が、下級生が、顔さえ知らない俺の話しをする。
だが、今日はたまたま、本当に偶然、ガラスが寝坊して助かった。この場所に居たら何て声を掛けて良いか……
偶然を起こしたのは日程。ガラスは俺とのデートが楽しみで中々寝付けず、結局は電車を一本遅らせるまで寝坊した。
待たなくて良いと繰り返し言われ、仕方なしに一人で先に来たが……助かったな。
しかし問題は、誰が流したのか、それとどこまで噂が広がってるか。
俺の顔を知らない奴らが噂してるって事は、同学年……ましてや同クラスはアウトと思っていい。
誰かが、俺とガラスを……いや、噂の内容からするとガラスは一方的な被害者か。
つまりは、俺を、陥れようとしてる奴がいるってこった。
それも金曜日の放課後から月曜日の朝までの短期間、超スピードで噂を全ての学年にバラまける人物。またはグループ。
「はぁぁっ……」
青空を見上げて溜め息を一つ。
とか考えたものの、犯人探しはまず無理だ。こんなに広がっちゃ、元を探すなんてできない。
それより俺が考えなくちゃイケないのは……ガラスを守る方法。
「よしっ、ここが踏ん張り所だな」
パチンと自分の頬を張って気合いを入れ、両手を強く握り締めながら校門の内側へと踏み込んだ。
真道くんって、硝子さんに酷い事してるの?
聞こえないのに聞こえる声。心に届く。視線が突き刺さる。
一時間目の授業は始まってると言うのに黒板を誰も見ようとせず、チラチラと、だけれども確かな意思を持って俺を居抜く。
みんな聴きたくて、知りたくて、仕方ないのだ。
噂は本当なのかと、本当に俺が、妹を慰み物にしてるのかと。
「はっ、くっだらねぇ」
ガラスが居れば上手く納めるさもしれない。
加藤が居ればそんな噂は嘘だと庇ってくれたかもしれない。
けれど今は一人。加藤は休みで、ガラスは向かって来てる最中。
そして俺は、かもしれないは信じない。
この噂を聞いて、ガラスが立ち直れないぐらい傷付いたらどうする? そんなのは駄目だ!!
だったら今の俺にできるのは、考えつくのは……
「先生、具合が悪いんで早退します」
事態を先送りするだけ。
ノートを片付け鞄を持って、教師の返事も待たずに席を立つ。
一歩、一歩、廊下へ歩けば、みんなの視線も釣られてスライドする。
そして教室を出る瞬間、そして深呼吸、そして後ろに振り返り、クラス全員の視線を捉えながら……
「妹とヤる訳ねぇだろバーカっ!!」
大声でそれだけを残して廊下へ飛び出した。
歩く。歩く。授業中で人気(ひとけ)の無い廊下を、階段を。
こんなクダラナイ場所はさっさと抜け出してしまおう。
冷静に考えれば、教室で啖呵を切ったのは正解だった。噂を証明する物なんて無いんだから、俺が違うと否定すれば少しはマシになるはず。
いちいち、イチイチ、愛想笑いを浮かべながら、「ははっ、そんな事しないよ」と答えて行くより、よっぽどボロが出なくてマシ。
後は、噂が消えるのを待つばかり。せめて同学年……せめて同クラスの奴らには、こんな噂は忘れて欲しい。
「こんなんじゃ、学校に来れないぞ……」
ポツリと俯いて吐き出し、靴を履き替えて、
「どうしたの?」
不思議そうな被害者の声を聞く。
幸運。ベストタイミングで出会った。そのまま靴を脱ごうとしてるガラスの手首を掴み、校庭へと引っ張り出す。
「ちょっと、授業はどうしたのよ? ねぇ、ねぇってば!?」
問いには答えない。前しか見ない。校門に向けて逃げ出すように早歩く。
まずは学校から離れよう。全てはそれからだ。それから、それから……
「頼光、ヤメてっ、痛いってば!! おにいちゃん!!」
おにいちゃん。そのフレーズで身体がビクンと震え、慌ててガラスの手首を放す。
「あっ、ああっ……ごめんな、ごめん」
ちょうど校門を踏み越えた学校の外。振り向けば目に映る、涙ぐんで自分の手首をさする妹の姿。
バカは、妹を泣かせるのは俺じゃねぇか。
ギチリと下唇を噛む。
もちろん痛いし、血も滲んでるだろうけど、そんなもんは何でもない。俺の傷やケガなんて何でもないんだ!!
俺はただ一人……
「俺と行こうガラス? 学校をサボって、今からデートしよう」
ガラスだけの幸せを願って。
目を閉じ、深く息を吸い、息を吐き、目を開いて、手を差し伸べる。
できる限り優しく微笑み掛け、できる限り不安を取り除いて、まっすぐ、真っ直ぐ、手を差し伸べる。
「頼光と、二人きりで?」
唐突で、しかも普段の俺からは想像も付かない言動なのか、ガラスはその手を見つめながら、再び不思議そうに赤い瞳を揺らす。
だからその問いにも、力強くうなずくだけ。今までは加藤をガラスに惚れさせようとして、三人……もしくはそれ以上の人数でしか外で遊ばなかった。
「デートなんだから、当然だろ?」
けど、そんな日々も終わり。ガラスは俺を選んだから。
才能も無い、交友範囲も狭い、取り柄の無いダメな男を。
「私ね? 頼光と一緒なら、このまま地獄に連れて行かれても良いわ……今、すごく幸せよ」
差し伸べた手に、一回り小さな手が重ねられる。
重ねたのは少女。頬に零れた涙を指で拭い、満面の笑みを見せる少女。
俺と二人でデートするってだけで、喜んで、感動して、泣いてくれる、大切な……双子の妹。
歩く。歩く。人の行き交う道を、アーケード街を。
兄と妹が手を繋いで、指を絡ませて、目的地のシアターホールに向けて並んで歩く。
「なぁ、そろそろ離しても良いんじゃないか?」
確かに大切な奴だけど、恥ずかしいもんは恥ずかしい。
さっきは気が高ぶってたから大丈夫だったが、落ち着いて来るとどうも恋人繋ぎは周りの目が気になるのだ。
こっちは力を弛めて離そうとしても、それを素早く察知したガラスがギュッと握って離してくれない……だけだったら良かったのに。
「イヤよ……私は見せ付けたいの!!」
ガラスは俺の言葉を聞くと、可愛らしく頬を膨らませて腕を抱き締め、身体をより一層に密着させる。
この時間は辺りに生徒なんていないのに、誰に見せ付けんだよ?
「はぁぁっ……なんだそりゃ?」
ただただ呆れて、本日何回目かもわからない溜め息を吐くばかり。
とか、な……
そんな考えだから、妹と遊んでご飯を食べるだけだ、なんて考えだから、いつまで経っても俺は成長しない。妹よりいつも後手後手に回るんだ。
「そんなんじゃ駄目よ頼光……今日は『おにいちゃん』の部分は見たくない。一人の女性として扱って……でないと私、帰るから。私に学校へ行かれると、困るんでしょ?」
硝子は赤い瞳を細めて見上げ、ニィィッ……っと口を三日月の形にして、少女の笑顔をいつの間にか妖女の微笑みに変化させる。
さっき感動して泣いてた人物とは、とうてい思えない。思いたくない。
けど現実なんてのはいつだって、
「も、もちろん。女性として扱うつもりだぞ俺は? ただちょっと恥ずかし……」
「頼光っ!! 言っとくけど、今日はトイレ以外で手を離すつもりは無いから。良いわね?」
残酷なもんだって決まってるもんだ。
手を、身体を、離そうとすれば簡単に離せるだろう。力の差とか、そんなんじゃなくて、ガラスが力を抜いたから。
手を放したければどうぞ?
身体を離したければどうぞ?
言葉にしなくても伝わって来る。だから今度は、俺が硝子の手を握る番だ。
本気だって理解できるから、俺が手を放したら、本気でデートをキャンセルするって嫌でも理解できてしまうから。
だからガラスを守る為、
「お前こそ、途中で恥ずかしくなっても放さんからな?」
今だけ兄から男に代わる。
今回はここまでですm(__)m
>>324 タイトルとガラスのイラストが貼ってあるだけなので、見なくても大丈夫です。
すみません。どうせなんで、切りの良い所まで投下しちゃいますm(__)m
満員御礼の恋愛映画。平日だと言うのに空席が無い。
だがそれは、下から上まで26列も有る座席の内、24列目までの話し。上の2列はカップルシートで、二人掛けのソファーが幾つも並んでいた。
俺達はそのカップルシートの唯一の客で、一番上で一番左側のソファー。
そこに座って手を繋ぎ、薄暗いシアターホールの中、巨大なスクリーンで映画を見る。
月明かりの雨に濡れて……
ヒロインの少女が事故で両親と片目の視力と足の自由を失い、その子を好きな幼馴染みの少年が励ましながらリハビリを手伝うと言うストーリー。
そして今は恐らく前半の山場、ヒロインが少年から嫌われようとして長い髪をバッサリ自分で切るシーン。
までは平穏だった。そこまでは普通の映画鑑賞だった。けれど……
「わかる頼光? あの子は好きだから、ずっとリハビリの手伝いをさせるのが悪いと思ったから、わざと嫌われようとしてるの」
繋がれた手に力が込められる。
昨日と同じだ。顔は前へ、言葉は俺へ。
「それぐらい分かるさ……」
それなら俺も昨日と同じ。視線は前に向けたまま、返事だけを隣に渡す。
だいたい、わかるもなにも、良く見る展開だと思うぞ?
俺にできるのは、そんな思考だけ。ガラスの言葉の真意は見抜けない。
「私は逆よ? 私は頼光が好き。どんな事があっても放したくない。離れたくない……だから、私の体に溺れて?」
見抜けないから、俺の前に立ちはだかり、スクリーンを遮る妹を見上げる事になる。
ガラスは手を強く握り締め、暗闇の中でも赤く栄える瞳を震わせて俺を見下ろす。
その視線はとどまらない。やがて平行になり、俺より下へと移る。
これも昨日と同じ。硝子が膝立ちで俺の足の間に腰を降ろす。
ここ、映画館、だよな? 階段を数歩も下れば観客が沢山いるよな? コイツは、気付いてるよな?
「ガラス? 俺は、お前の事を大切に……」
「足りないっ!! 気持ちだけじゃ、私は……頼光から、性欲の捌け口にされたいの」
妹を性欲の捌け口に。しかも昨日聞いたのとニュアンスが微妙に変化してた。
昨日は『してもいい』と上からだったが、今は『されたい』と下からになってる。
俺だって本当は止めなきゃいけないんだ。そんな事すんなって、ここは家じゃないんだぞって。
だけど、そんな考えが、ガラスを追い詰めてたんだな……
好きだ。愛してる。言葉だけならなんとでも言えるさ。普通の恋人ならそれで良いさ。
でも普通じゃ無い俺達は、普通じゃ無い方法で本当の気持ちを確かめる。
「ああ……っと、そのさ? じゃあ頼めるか?」
真剣な表情で見上げるガラスの頭を優しく撫でながら、恥ずかしさにソッポを向きながら、世間の常識から堕落する。
ガラスの思いを受け止めた時に、普通の生活は諦めた筈だろ?
ほらっ、今はただ……
「う、うんっ♪ 頼光のがんばってペロペロするね」
嬉しそうに微笑む妹の、ガラスの、なすがままに。
「はぁぁっ……好きよ、頼光」
ズボンのファスナーは下げられ、そこからペニスを外へと取り出されて、熱い吐息を吹き掛けられる。
みんなはスクリーンへ釘付けになってるのに、ガラスだけがそこへと釘付けになって、愛おしそうに頬擦りを繰り返す。
ちゅっ、ちゅ……
時おり先端に短いキスを加えながら、ゆっくり、ゆっくりと、硬く、大きく、興奮させられる。
「んっ……あの、さガラス? 刺激は強くなくて良いから、あんまり音を立てないでくれな?」
そして沸き起こる不安が一つ。いくら皆が映画に集中してるからって、聞き慣れない音がすれば条件反射で振り向く。
振り向かれたらアウト。男の股ぐらに女が顔をうずめる行為なんてこれしかない。絶対に気付かれる。
だから、せめて、そうお願いしたら……
「ふふっ。わかってる、わかってるわよ頼光……んっ、ふんん」
細めて笑う赤い瞳。大きく開かれた赤い唇。頭を過るのは最上級のサイレン。コイツは、わかってない。
「ガラス? お前、本当に……ぐっ!?」
わかってるのか? そう続く筈だった言葉は打ち切られた。
柔らかく暖かい口内に咥えられ、舌をイヤらしく這わされ、あまりの気持ち良さに俺が声を出さないようにするしかない力技で。
「ん、んっ、んっ! んっ!! んっ……」
ちゅぷ、ぢゅぷ、ぢゅぷ、ぢゅぷっ!!
ガラスは顔を前後させて挿入感を煽り、口の奥まで使って全体を擦り上げる。
ずっと上目遣いで俺の顔を見つめたまま、わざと粘着質な水音を鳴らして俺を追い込んで行く。
久し振りだとか、最近全然してなかったとか、そんなの言い訳にならない。
頬を染めて幸せそうにしゃぶりつくガラスの表情に、搾り取ろうとする圧倒的な快楽に、俺の限界は簡単に捩じ伏せられる。
「んぢゅっ、よりみちゅ……このまま、出して、だひてっ!!」
もう終わりは近いってわかってるのに、顔を離そうとはしない。素振りも見せない。
苦しい筈なのに、尚更に奥へと咥え込み、きゅきゅぅっとキツく、気持ち良く、締め上げて追い討ちを掛ける。
「はぁっ、はぁっ……がら、すっ。ぐぅぅっ!!」
その瞬間、繋いでいた手を強く握り、すぐさま強く握り返された。
口を閉じて声を噛み殺しながら、ビュクビュクと長い放出は続く。
「んんっ!? ふぅぅっ、ふぅぅっ、んっ……んくっ、んくっ」
ガラスは僅かに目を見開いた後、それをノドを鳴らし、呼吸を整え、少しずつ、少しずつ、飲み下す。
「すげぇ、気持ちよかったよ」
そんな光景を眺めながら、俺は再びガラスの頭を優しく撫でた。
こっちを振り向いた観客は居ない。誰にも気付かれなかったのだろう。それだけみんな映画に集中してた……つまりは面白い映画だったって事か?
でも、俺は内容なんてすっ飛んだし、コイツも見れてない。
デートなのに、映画を見に来たのに、これで良かったのか? 良かったのか、ガラス?
「んはぁぁっ……ちゅっ、ふふっ♪ いいのよ頼光……私はこれで幸せなの」
こんな考えは当たり前に見抜かれる。最後にキスをするとハンカチを取り出して丁寧に拭い、きちんと下着の中に戻してファスナーを上げた。
残りの時間は、途中がゴッソリこそげ落ちた映画鑑賞。
最初と同じように二人並んで、何事も無かったように。俺も、硝子も、お互いに沈黙したままだった。
お涙ちょうだいのストーリーだったから、主人公かヒロインが死ぬんじゃないかと思いながら見てたけど、そんな事はなかったな。
きちんとハッピーエンドで結ばれてフィナーレ。最初と最後しか見てなかったけど、充分に面白かったし軽く泣いた。
「んーっ……と、昼飯はファミレスで大丈夫か」
今は映画館の前。一人でグッと伸びをして妹を待つ。トイレ以外は手を離さない……つまり、ガラスはトイレ。
映画が終わって即座に手を離し、「うがいしに行く」とトイレに向かって行った。
でも、俺だからって訳じゃなく、誰だってわかる。
ガラスは、クシャクシャに泣いた顔を見られたく無かったんだ。
アーケード街はお昼間近で人通りも増え、そんな中を泣き腫れた顔で歩きたくなかったんだろう。
「おっ、来たな……」
そして現れたのは、いつもの妹。泣いた形跡さえ見当たらない妹が、優雅に、優雅に、俺の前まで近付き、何事も無かったようにスッと左手を差し出す。
俺もそれについては問い詰めない。ずいぶん泣いたんだな? とかチャカさない。黙って右手を重ねて握り締める。
「じゃあ、昼飯はレストランでも……」
「お弁当は学校に行って食べましょうか?」
なのに、突然気持ちは擦れ違う。
俺は左へガラスは右へ、進行方向が全く真逆。
どう、なって、るんだよオイ!!
今日はデートだろ!? それが何で、学校って選択肢が出てくる!?
「やっぱり気になるのよ……頼光の隠してる事が。気になって、気になってね……仕方ないの」
せっかく。せっかく忘れ掛けてたのに、また今朝の光景を呼び覚まさせられる。
みんなが俺の噂をしてた。クラスのみんなが俺を不思議そうな、軽蔑の目で見てた。
そんな場所に妹を連れて行けるか? 兄に毎晩レイプされてる妹として晒せるか? できるわけないだろっ!!
だから、周りの視線なんて気にしてる場合じゃなかった。
学校へ向けて一歩、進んだガラスを……
「いくなっ!!!」
これ以上ないぐらいの大声で呼び止める。
繋ぐ手に力を込め、驚いて振り向くガラスを睨み付け、そのまま腕を引いて肩を抱き寄せ、ファミレスに進行方向を変えて歩き始める。
「頼光? どうしたのよ」
「取り敢えずファミレス……いや、弁当で構わないから公園に行こう。そこで話すよ」
この時の俺はガラスを守る事しか考えれなかった。ガラスしか見えなかった。
そんなだから当然、気付く筈もない。ガラスを呼び止めた瞬間、僅かに輝いたフラッシュの光を。
348 :
『君の名を呼べば』3:2012/09/10(月) 12:19:06.94 ID:yixxA41o
翌日。今日も俺は一人で登校する。ガラスは……置いて来た。
事情を話し、クラスの雰囲気が昨日よりまともだったら、携帯で呼んだ後に来るよう説得して。
そして、その行動は、間違ってない。間違ってないよ。だって……
「だれだ……」
教室に入って目に映るのは、黒板に貼られたポスター。正確には、ポスターのように拡大コピーされた写真。
手前には制服を着た黒い髪の女性が顔だけを後ろに振り向かせ、奥にはその女性の手首を掴んで睨む男の姿。
どう見たって、俺と、ガラス。写真の右上にはプリントされた文字で、『妹は兄に捕まり犯された』と煽り文が書いて有る。
もちろんこれはそんな写真じゃないが、そう見えなくもないってだけで効果は絶大。
昨日までは噂だけだったのに、今日は『証拠に見えるモノ』までくっついてる。
ちくしょう、ちくしょう、畜生っ!!
写真をむしり取るように剥がして、それをグチャリと握り潰す。
「誰が貼ったんだっ!!」
教壇の上からクラス中を見渡せば、誰もが俺に嫌悪の視線を送る。
ふざけんな、ふざけんなっ、ふざけんなっ!!
「誰が貼ったんだよぉぉぉおお!!!」
悔しくて、悔しくて、ホームルームも始まらない朝の教室で、本当に悔しくて。
それでも俺は、クラスメイト全員を嫌悪し返し、泣きながら吠えるだけだった。
今回はここまでですm(__)m
(;´д`)すんません。最後にあげちまったい
Gj
急展開だな
乙乙
素晴らしい投下速度
君の名を呼べばを読むのだけが楽しみです
雑音なしに読めれば尚よしなんだけどな
gj!久しぶりじゃん!
なんか他の書き手さんも次々来そうな予感w
でも期待しすぎたら泣く可能性もあるのでやめとこう
今の書き手にも新しい書き手にも期待
他の書き手なんか必要ないだろ
孤軍奮闘してくれてる◆uC4PiS7dQ6に失礼だぞ
お前もたいがい失礼だよ山猿
書き込みテスト
次から投下します
そして最悪なんてものも、いつだって重なるもの。
今、この時、この瞬間も例外じゃない。
「より……みつ?」
ヤメろ。見るな。そんな悲しそうな目で、俺を見るなよガラス。
クラスメイトの視線は最大震度で揺れまくる。前に、後ろに、キョロキョロキョロキョロ。
教壇に立つ俺と、後ろの戸から入って来た妹を、交互に、交互に、何度も、何度も。
ははっ、ガラスには連絡するまで来るなって言ってた筈なのに……くそっ、クソ!!
そしたら、俺にできる事は、俺がするべき事は、これだけだ。
「よぉ、ガラス……とうとうバレちまったよ」
短い呼吸を挟んだ後、声のトーンを一気に軽くする。
肩をすくませ、表情を弛ませ、ニヤつかせ、口元を吊り上げてイヤらしく笑う。
「えっ? どうしたのよ!?」
ガラスは俺の変貌ぶりに驚き、状況が飲み込めず心配そうに俺へ向かって歩くだけ。
俺もそう。この芝居に気付けと念じながら、表情を崩さずガラスに向けて歩く。
さぁ、これでフィナーレ──。
二人は教室の中央で向かい合い、ガラスは俺を見上げ、俺はガラスを見下す。
お前だけは、助けてやるから……
「にぶい奴だなオメェは? 無理やり押し倒して犯してんのがバレたっつってんの!! まぁ、どうせその体にも飽きて来たし止めてやるよ……もう俺に近付くんじゃねぇぞ」
言い切って、クルリと背中を向ける。
これで良い。俺がレイプしてると言うのなら、これで良いんだ。汚名は全て被ろう。
これでガラスは常識人のまま。兄妹で愛し合ってるイカレタ女だなんて思われない。
一歩、二歩、三歩、今度は離れる為に。でも、三歩も歩いて……
「演技なんかしなくて良いわよ頼光? 『この写真』は合成なんだから」
躊躇いも無くあっさりと振り返る。
目にするのは、俺が破った筈の拡大写真。それを鞄から取り出して広げる笑顔のガラス。
笑顔……にクラスメイトは見えているだろうか? いや、見えているだろうが、違う。
目の奥が笑ってない。俺に何かを訴えようとしてるのか?
あの写真は事実だ。それは俺とガラスが一番良く知ってる。でも、その写真を合成だと言い張るってのは……ああ、なるほど、なるほどね。
「んっ? わかってるよ。だって俺はそんな事してないからなっ」
だったら俺もそれに賭けよう。助かる可能性の有るたった一つの台本を、兄妹二人で演じよう。
教室中がザワつき始める。そりゃそーだ。俺だけだったら駄目だろう。ガラスだけでも厳しいだろう。
だが、当事者二人が『その写真は合成だ』と言えば、本物も偽物にネジ曲げられる。
だって写真が本物だと知ってるのは、撮られた俺達と撮った犯人だけ。
それなら、この状況で『その写真は本物だ』って言う奴がいたらそいつが犯人。そいつもわかってるから、例え犯人がクラスメイトだったとしてもこの茶番劇には出て来れない。
「私のお兄ちゃんネクラでさ、人付き合いも苦手なんだから……あんまりイジメないであげてね」
ビリ、ビリ、ビリ。
ガラスは微笑んだフリをしながらポスターを真ん中から手で裂くと、それを重ねて裂き、また重ねて裂く。
そしてそれを頭上に放り投げ、花吹雪のように切れ端をパラパラと舞わせる。
「ありもしない噂を立てられて、合成写真まで用意されてっ、もう諦めてフッ切れるしか無いじゃない!? それぐらいわかれっ!!」
誰も言い返せない。初めて聞くガラスの怒声に、顔さえ逸らせず硬直し、時を刻む秒針の音が一定間隔で教室に響く。
例外は俺の妹だけ。妹だけがその静止空間で動き、俺の隣まで来て手を握る。
「それに私、こんなネクラな奴にレイプされたりしないわ……ほらっ、行くわよ頼光?」
後は脇目も振らず、
「お、おい……ガラス?」
手を引かれて教室を出た。
歩く、歩く。歩く……
昨日と真逆にガラスが俺の手を引き、一時間目のチャイムを尻目に校門まで。
昨日と異なり二人の手のひらはしっかり重なり、強く繋がれたまま学校の外まで。
誰も止める奴は居ない。誰も追って来る奴は居ない。
「あのさガラス? 俺ってそんなにネクラに見えるのか?」
ただ兄妹で、静かな通学路を隣に並んでゆっくり歩く。
「んっ? 何か言った、いくじなしのネクラさん♪」
ちょっとした呟きにも毒舌で返されるだけで、いたって平和で平坦な道。
何か言った? って、聞こえてるじゃねーかコノヤロウ。
「ちっ、何でもねぇよ」
だから尚更ネクラに管を巻き、舌打ちまでして手を離そうとしたが、
「悔しかったら、オオカミになってみなさいよ……ねぇ? こんな誘惑じゃ、頼光はワンちゃんのまま? オオカミになれない?」
即座に俺の腕へと抱き着き、身を寄せるガラスがそれを許さない。
赤い瞳を潤ませて俺を見上げ、柔らかな胸の間に腕を挟んでイヤでも女を意識させる。
「はぁっ、凄い興奮するに決まってんだろ? だけどまずはさ? 何でガラスが写真を持ってたかとか、写真を撮ったのは誰かとかさ? 考えなきゃいけない事はたくさん……」
「「んっ……」」
たくさん有る。そう続く筈だった言葉は遮られた。俺の首に腕を回して抱き着き、唇を重ねる妹によって。
にゅるりと、蛇のようにうねる舌が隙間を縫って入り込み、俺の舌を探し当てると嬉しそうに絡み付く。
今が何時だとか、ここがどこだとかお構い無しに、目をつむり、口の中で粘膜を擦り合わせる。
今、ここで、こうする行為が正しいかのように……だけどさ?
「んんっ、んはぁぁぁっ!! 離れろガラスっ!!」
俺は全く納得してない!! なぜ? どうして? なんでこうなるんだよ!? 今度こそ見付かったらアウトだぞ!!?
ガラスの腰を掴み、思い切り身体を引き離す。
「いいじゃないキスしたって!!」
いや、引き離したと思ったのに、気付けばガラスは俺の胸に顔を埋めて震え、背中に腕を回して抱き締める。
はりつめた声で叫んで……泣いて、るのか? 身体を引き離そうとしたから?
「頼光は私を何だと思ってるの? まだ子供だよ? 妹だよ? 少しぐらい、少しぐらいさぁ……」
違うよ。俺がバカだからガラスは泣いたんだ。
一人で何でもできて、頭が良くて、運動神経も良くて、気が利いて、人望だって厚いけど、ガラスは……俺の妹だ。
子供で、学生で、家族で、今もこうやって抱き着いて甘える、幼い妹なんだ!!
「ガラス……セックス、しよっか?」
それを何だ俺は!? 家政婦扱いか? 便利屋扱いか? ガラスの傍に居ると誓った時から、何か喜ぶ事の一つも俺からしてやったか?
いつも受け身で、流されて、そしてこんな結果を迎えた。情けねぇな……本当にさ。
「同情で抱かれたって、嬉しくないのよ全然!!」
ガラスは顔をうずめたまま、俺を見上げようとさえしない。今にも泣き出しそうな声で、弱々しく悪態を吐くだけで。
ああ、わかってるよ。お兄ちゃんはわかってる。ガラスの為に抱くんじゃなくて、自分の為に抱くんだ。
ほらっ、できるだろもう一回ぐらい……最高の演技がさ?
「聞け、ガラス……お前が嬉しいとか嬉しくないとか、そんなの俺には、な〜んも関係ないんだ」
ガラスの肩を軽く押して再び身体を引き離し、指を添えて顎を持ち上げ、強制的に視線を合わせる。
そうさ、コイツを見て、思ったままを伝えればいい。
目を細めて優しく微笑み、不安定な妹に贈る愛の告白。
「お前は可愛いよ。スタイルも最高だしさ……そんで、俺の女なんだろ? ガラスは自分の彼氏がセックスしたいって言ってんのに、させてくれないわけ?」
どうなんだ? と小さく口を開けたままのガラスに続け、返事が来るのを見つめたままジッと待つ。
そして十秒も経った頃、北極の氷壁が砕け落ちるように、一気にガラスの表情はフニャっと崩れた。
「だいすき……」
ようやく短い言葉を搾り出し、ポロポロと涙を目尻から溢す。
こんな簡単な事で嬉しがってくれるなら、泣いて喜んでくれるなら、もう少しガラスを大切にしてやれば良かった。
「知ってるよ……産まれてからお互い、17年も片思いして、やっと結ばれたんだぞ? 大好き、って感情しか無いだろ? 俺も、お前もさ?」
今度は俺からだ。俺からガラスを抱き締め、頭を撫でながら、たった一人の肉親を優しくあやす。
「うん、うんっ!! おにぃちゃん……頼光、さん。今夜、私を抱いてください」
今回はここまでですm(__)m
もうプロになってラノベとか書けばいいのに
もはや素人の域を越えてしまっている
長いだけで筋もなにもない作品書いてる誰かにもお手本にして貰いたいものだ
応援してるつもりなのかわからないけど、この作者が自演してると思われても仕方ないから辞めろよ
どっちにしても迷惑なんだから考えろ無能
>>370 応援どころかまともに読んですらないだろ
ただ作者の名前使って荒らしたいだけなんだよ
ヤンデレスレからゴキブリみたいに沸いてきたヤツだからな
頭は空っぽだろ
まー荒らし基地外は放置でいこうや
電車やバスで虚空に向けて喋ってるやつがいたら、なるべく目を合わさないよう遠巻きにはしても、わざわざ近づいたり話しかけたりしないだろ?
それより妹の話をしようぜ
>>372 私(姉)を無視するって良い度胸ね・・・
ラノベはすぐ義理や妹ばかりだし姉はサブヒロインでガッカリするのばかり
書き込みテスト
次から、
『君の名を呼べば』の続きを投下しますm(__)m
これは、『花言葉デンドロビウム』の続編になります
デパートに行く。まずは服を見て、プリクラを取って、デパ地下で夕飯の買い物。
今日はずっとガラスと一緒に……そう思って、リクエストを聞いた結果だ。
二人して制服のまま仲良く手を繋ぎ、普通に買い物。普通に買い物? できる訳が無い!!
もう俺の頭のネジは数本ブッ飛んじまって、ガラスへの欲望がドロドロと溢れ出す。
ぴちゃ、ぴちゃ、ピチャッ。
「んっ、ふっ……ダメよ頼光、見つかっちゃう」
洋服売り場のフロアの隅、試着室に入り、妹のスカートの中に頭を突っ込んで下着に舌を這わせる。
カーテンを一枚隔てた向こうには何人も客が居るのに、すぐ近くを行き交う足音はたくさん響くのに、俺達の情事には誰も気付かない。
「ぢゅっ、はぁぁっ……声が出ないように、手で塞いどけ。俺はガラスがイクまでヤメねぇぞ?」
最初こそ足を閉じて抵抗していた妹だったが、俺が心から求めているとわかれば、徐々に肩幅まで開いて愛撫を受け入れ始めた。
「もぅ……いじわる」
今だってそう。一旦スカートから顔を出して言っただけで、ガラスは観念して自分の口に両手を重ねて塞ぐ。
だから再びスカートをめくり、モソモソとその中に頭を戻した。
白い下着に舌を這わせ、唾液をまとわせ、下から上に、ピチャ、ピチャ、ピチャ。わざと音を立てて。
犬が水を飲むように、何度も、何度も。
「ふんん!? おにぃ、ちゃ……」
すると、少しずつ、少しずつ、俺を呼ぶガラスの声と、身体が、舌の動きに応えて熱くなってくれる。
濡れてるのは俺のせいだけじゃ無くて、下着の内側から滲み出すトロトロの体液が唾液と混じって糸を引く。
ぺったりと肌に張り付いて、細いスジも、薄い繁みも、小さなクリトリスも、目の前に浮かび上がる。
「んっ、ガラス……ごめん」
だけど、こんなんじゃ足りない。パンツ越しじゃガラスをちゃんと感じられない。
だから、これからする事を考えて、先に謝った。
「えっ? ちょっと、頼光!?」
手探りでガラスのカバン見つけ、中から裁縫用のミニ鋏を取り出すと、カバーを外して右手に持ち、数回開閉させて確かめる。
心配と驚きが合わさった声。そう……だよな? 急に鋏なんて持たれたら心配だよな? 驚くよな? でも、そうなんだよ。
「あんまり動くないでくれな?」
ヂョキ、ヂョキ、ヂョキン。
返事は待たない。スカートの中に鋏を持ち込むと、すぐさま下着の左腰部分を裁断し、
「う、そ……」
ヂョキ、ヂョキ、ヂョキン。
逆の方も続けて裁断する。
すると必然、支えを失った下着は肌を離れ、べちゃりと水気を含んだ音を鳴らして床に落ちた。
「家に帰るまでは、ノーパンデートだな♪」
やっぱり頭のネジはブッ飛んでる。だってこんな状況でも、こんな状況だから、俺、すげぇ……興奮してんだよガラス。
鋏にカバーを付けて置くと、両手をピッチリと閉じる二枚貝の口に添え、
くちぃっ……
その中を覗くように、ピンク色の柔肉を左右へと分け拡げた。
「はぁぁっ……もう諦めたわ、好きにしてちょうだい。でも、高かったんだからちゃんと弁償してよね?」
反応は呆れたような、安心したような大きい溜め息。もしかしてこれで終わりだと思ってる? そりゃ見るし、丁寧に舐めるよ?
けどそれは単なる準備で、俺は、ここで。
「ちゅ、ちゅっ……なぁ、ガラス? 挿れたいって言ったら、どうする?」
クリトリスに、オシッコの穴に、優しくキスを落として行きながら、俺の願いを打ち明ける。
「んんっ!? ふっ、ぁ……なに、バカな事を言ってるの」
スカート越しに頭を掴まれてグイグイと押し返されるが、こちらもグネグネと舌を波打たせて差し入れ抵抗する。
ヌチュチュッ……
舌にさえもねちっこく絡み付いて来る膣肉の隙間を、ヒダを掻き分けながら奥の奥まで。
「ひうっ……もぅ、バカ、バカっ!! 勝手にしたら!?」
すると聞こえるのは、拗ねたような可愛らしい声と、ぺちぺちと力無く頭を叩く音。
もっとこの声を聞きたい。もっと可愛いガラスを感じたい。もっと、もっと。もっとだ。
「ぢゅっ、ぢゅぱっ!! ふぅぅっ……なぁガラス? 勝手になんか出来ない、合意を得ずにするような人でなしじゃないぞ俺は?」
舌を引き抜くと手の甲で口を拭い、一つ深呼吸してから顔を出して立ち上がる。
そして目の前には、顔を赤く染めて息を乱しながらも、俺のセリフに呆れた素振りを見せる妹の姿。
「はっ、ここまでしといて何が……じゃあ、私は合意できないから、これで終わりよ頼光?」
「ああ、それなら仕方ないな。ここは諦めるさ」
ガラスのスカートに手を伸ばすと、一動作でフックとジッパーを外してストンと床に落とした。
「へっ、ぁ……言葉と行動が合ってない!!」
諦めるよ。合意を得るのはな。どうやらお前のお兄ちゃんは、とんでもない人でなしだったみたいだ。
「し〜っ……そんなにイヤなら、ヤメてもいいぞ?」
ヒートアップしそうな妹様の前に人差し指を立てて見せ「静かに」と諭し、そのまま背中に腕を回して抱き締め、頭を優しく撫でながら語り掛ける。
恐らくガラスは、こうやってハグされて頭を撫でられるのが好きな筈だ。少なくとも嫌ってはいない。
だって、だってさ。こうやってる間だけ、ガラスの表情が『あの頃』の幼さに戻るんだ。
おにいちゃん、おにいちゃん……って、俺の後ろを付いて回ってたあの頃に。
卑怯な俺はそれをわかってるから、弱点に付け入って口説きに掛かる。
「ほんと、バカじゃないの?」
反応は予想外。呆れたようにプイッと顔を背けて溜め息を吐くと、俺の胸を押して身体を引き離した。
そして後ろ向きになって鏡に両手を着き、耳まで頬を赤くしてお尻を突き出すポーズになる。
「ほらっ、するんなら……さっさと終わらせてちょうだい」
呆れたってか、照れてただけか?
ガラスがこんな奴だなんて知らなかった。何年も一緒に暮らしてたのに知らなかった。
いや、知ろうとしなかっただけだ……だから、これから、沢山の事を知って行こう。生涯を誓った妹の事を。
「ガラス、ありがとな」
いつも楽しく読ませてもらってます
おかげでおかしな書き手も来ず、いいことずくめです
ズボンのファスナーを降ろし、隙間から勃起したペニスを取り出して妹の性器に押し付け、クチュクチュと愛液をまとわせながら白色の尻に手を置いて固定する。
ゴムとか着けてないけど、今更だよな? 逆にさ……お前の中に膣内射精したくてたまらないんだ。どうせなら、取り返しの付かない底の底。そこまで二人で堕ちて行きたい。
そうすりゃきっと、俺も諦められるから。色々、幸せとか、夢とか、普通の人生とか。
「焦らさないでよ……きて、おにいちゃん」
っと、妹様を膨れさせちゃダメだよな。
僅かに腰を前へ突き出し、先端を秘肉の割れ目へニュプリと沈み込ませる。
「それじゃ、挿れるぞ? ん……ふぅぅっ!!」
そして一言だけ断り、狭い内部を分け拡げながらゆっくりとペニスを挿入して行く。
ヌヂュッ、ぢゅぶぶぶぶぶっ!!
「ふんん!? つあっ、ぁ、ふふっ……頼光から襲ってくれたの何て初めてだし、余計に……はぁぁっ、気持ちいいわ」
その中は魔性。
ただ挿れただけなのに、脈打つヒダがカリから裏スジまでねっちょりと絡み付いて来て、これでもかとキツく全体を締め上げる。
刺激が強すぎるぞ!? 前は余裕が無かったが、妹との接合部が丸見えで、完璧に妹と快楽がイコールで結ばれてしまった。
少しでも気を抜けば、すぐにでもこの身体に溺れてしまいそう。
駄目だ。もう、この身体は手放せない。コイツが他の男に抱かれてる所なんか、想像もしたくない!!
「ガラス……あったかくて、溶けちまいそうだよ。ゆっくり、動くからな?」
絡み付く肉ヒダを振りほどきながら、刺激で射精しないように少しずつ腰を引いてペニスをギリギリまで抜き、ズンッ!! と一気に奥まで突き返す。
意識して膣内全体を掻き回すロングストロークで、ガラスの反応が大きい場所を集中的にえぐり擦り上げる。
ズチュッ!! ずちゅっ!! ずちゅっ!! ずちゅっ!! ずちゅぅっ!!
「ひっ、ぃ、ぐっ、んっ……まるで、犬ね? 私を気にして腰を振らなくていいから、ワンちゃんはさっさとイケば?」
余裕を装うのは声だけで、鏡には俺より先にイカないよう歯を喰いしばる、妹のひきつった笑みが映ってる。
そんな強がりすら愛しく感じて、もっと頑張って気持ち良くしてあげたいとさえ思う。
ちょっと中途半端ですが、長くなりそうなので今回はここまでですm(__)m
むしろまとめて投下して欲しい
>>383 割り込むんじゃねーよ低脳が
目障りなんだよ
乙
なんか過疎りそうな予感が・・・
何で急にカタカナ表記になったんだ?
ずっと漢字だったのに。
よく見たら結構前からだった。
勘違いしてた。
おお、家を留守にしていた間にデンドロの続編が。
ありがとうございます、また楽しく読ませていただきます。
書き込みテスト
おふっ、マジかよぉ……
投下します。
虐待姉というのが良く出ていたので書いてみましたが、本当の虐待なので、駄目な人はスルーでお願いします。
短い上にデレの要素はありません。
昨日の続きが今日、今日の続きが明日、
どれだけ願おうとも、何をしようとも変わらない事実。
それが分かっていても、願わずにはいられない、
今日の続きの明日でない事を、
劇的に変わる明日が来る事を。
緒方祐樹はクラスで友達と呼べる存在がいない。
青白く骸骨のような見た目に、頭部には隠しきれない円形脱毛症があり、その口元を見れば歯が何本もないのがすぐに分かる。
殆ど肉の付いていない体に季節関係なく長袖を着ており、その下から時折見えるのは、皮が抉れている細すぎる腕や足。
ある程度の経験を積んだものならば、緒方祐樹のそれに気づけるかもしれない。
が、祐樹の周りにいるのは、当たり前だが彼と同い年の10歳になっているさどうかという子供達、
ただ思うのは、祐樹が気味の悪い存在であると言う事、
それだけ。
だから、クラスメートの誰も祐樹に近寄ろうとしない。
イジメはないが、誰も一切の関わりを持とうとしない。
それでも祐樹にとって学校は唯一、安息出来る場所だ。
誰からも無視されていようとも、
クラスメート全員が自分を見ないようにしていると分かっていても。
ここだけが誰も自分を苦しめない、
ゆっくりと休める唯一の場所だから、だ。
家にそんな場所はない。
あるのは、ただ怯えるだけ、苦しむだけの空間・・・。
そこにしか帰る場所はない、だが、そこは最も存在していたくない場所。
下校のチャイムが鳴ると祐樹は帰らなければいけない事は理解している。
帰りたくはない、
帰らなかった事もある、が、その時は強制的に家に帰らされた。
そういう時ほど、家に戻された後の恐怖が辛い。
もし、祐樹を虐待しているのが両親のどちらかであるならば、担任も行動がとれたのかもしれない。
だが、そうではない。
祐樹を虐待し、苦しめているのは、実姉の理香なのだ。
緒方理香は文武両道を体現しているような女の子だ。
公立の中学生だが、IHに出れば様々な記録を塗り替え、学業でも全国模試では常にトップに位置している。
その見た目も、幾度かTVに出ただけなのに既に全国規模のFCが出来ているので分かるように、飛び抜けている。
その上で、老若男女分け隔てのないその優しさは誰もが知る所であり、少なくても理香の住んでいる地区では、理香を愛さない人はいない。
理想の女性、それを体現しているような理香だが、一つだけ欠点がある。
それが実の弟、祐樹に対してだ。
最初は無視から始まった。
それは、ずっと一人っ子だった子供によくある行動に思えた。
だが、理香はそれをエスカレートされていく。
平手打ちや蹴り飛ばすような直接的な打撃、熱湯をかけたり逆さ吊りにしてみたり、窓のない物置で炎天下に放置したこともある。
それをする事で、理香には理香にしか分からない、何とも言えない快楽を味わっていた。
他人、では駄目なのだ。
祐樹に対してだけ、祐樹を対象とした時だけ、理香はその快楽を得る事が出来る。
だから、理香の祐樹に対する虐待は終わりがない。
そんな理香に対して二人の両親は、
母親は自分の分身たる娘が、完璧な女性に育っているのだし、その些細な傷を咎め立てして、苦しめる気はない。
父親にしても息子より娘が可愛いのは当たり前の気持ちであり、更に言えば男は耐えるべきだと言う思想もある為、特に口出しする事はない。
近所の人間は、理香の日頃の行いを知っているので、理香が祐樹を虐待していると聞いても誰も信じないだろう。
家に帰る、
祐樹にとってそれは死刑宣告にも、それ以上にも思える事だ。
投下終了です。
一応、続きはありますが、ヒロインはともかく、弟から見れば、badendになります。
スレ違いにならないのであれば、投下させてもらいます。
明らかなスレ違いって分かってて、なんで投下するのかな
ああ、なんだ荒らしか
>>398 どMな僕にはたまらない作品になりそうです
まっとるよ
>>398 gj
スレタイには沿ってるので全然おkだよ
あと続き読みたいので頼む
注意書きだけしとけば大丈夫
>>398 乙乙
弟から見ればbadendになるだと…
404 :
名無しさん@ピンキー:2012/09/21(金) 10:01:29.29 ID:eJFFltcO
>>397 >公立の中学生だが、IHに出れば様々な記録を塗り替え
これはいくらなんでもムリだな
インターハイのハイはハイスクールのハイ
GJです。続きがあるようですので、これからも楽しみにさせていただきます。
あと、IHについては
>>404さんの言う通りのようですね。
中学生のための体育大会は全中、インターミドルですね。
私とお兄ちゃんとは全然引き剥がせないんだね
ボンドを塗ってないのにね
全然ボンドを塗ってないのに
ボンドをさ
全然ボンド塗ってないのにね
人里離れた山奥の近親バカップルだった姉弟or兄妹。
兄弟が都会の大学(就職でも可)に進学
村を離れて始めて自分自身がアブノーマルだった事に気付く兄弟
新しい近親者以外の恋愛に目覚めようとした兄弟に姉妹が…
って言うパターンは、どうだろ?
過去作に有ったかどうかは定かで無いが、近親バカップル→兄弟の覚醒→姉妹が連れ戻しに来る
ってパターンは、余り無かったのでは?
あるわけないじゃん、そんなつまらなさそうな話
>>707 たしかキモ姉妹に双子の兄が弟に転生とかであったよ
姉が弟のことを好きすぎてペニバンでイカせまくる話が読みたい
該当するスレがあるので、そちらへどうぞどうぞ
いやいやそんでもってヤンデレなんだよ
弟がレイプ犯になったら大変だから精液絞ってるんであって別に独り占めしたいとかでは
まあ、兄貴がレイプ魔になったとしても愛し続ける自信がある、と言い切ったキモウトはいるけどね。
実際そういう事態になったとして、兄弟を愛し続けられる猛者はこのでスレもまだ聞かんね。
キモ姉妹専用レイプ魔か…
それってwinwinの関係だしそもそもキモ姉妹として成立すんのか?
日常的に兄or弟の飯に媚薬を盛っておく
↓
兄or弟の性欲がすごいことになる
↓
溜まってきたら夜になると姉妹を「自分が襲ってもいいめちゃくちゃにしたくなる全く知らない女」と認識するように暗示をかける
↓
兄or弟は我慢するがそのうち襲う
↓
襲われた後はその時のことを夢であると思うように暗示をかける
↓
兄or弟「淫夢見ちゃった」
罪悪感無し
↓
ループ
あほくさ
何度同じような妄想してるの?
ループしてんのはお前だろ
>>418 毎晩のように暗示かけて、今まで見たことの無い弟の「男の顔」にドキドキしたあげく、情事を録画してわざと漏洩さす姉の話はよ
テス
ねえ、あなたタトゥーとかピアスとか好きなんでしょ
あなたのために全身にタトゥーいれてクリや乳首にもピアスつけたの
オェェッ
キモウト「ふっへへ…Trick or treat!犯してくれなきゃイタズラしちゃうぞ〜」
兄「うぉぉっ!?頭がカボチャで裸にマント!!誰だお前!?」
キモウト「うひひひ…(ズポッ)…あたしでしたぁ♪月末のハロウィンの予行演習だよ」
兄「月末はお前を一歩も外に出さないからな。覚悟しとけよ」
キモウト「それ、家でひたすら犯してくれるってこと!?きゃっは♪やっりぃ!」
兄「お前と話すと疲れるわ…orz」
バリバリバリ!
キモ姉「とっ、Trick or treat!お前はも、もう包囲されている…!(*´Д`)ハァハァ」
キモウト「うわー(棒)半裸の魔女コス、胸とアソコにはピンクローターだとー(棒)一体誰なんだー(棒)」
兄「ふすまが全壊なんだが…orz」
キモ姉「さ、さぁ…///このま、魔女の箒の柄で、私のとっtreatにtrickするのよ…あひゃっ///」
みたいなキモ姉妹ハロウィンSSお待ちしております(切実)
ハロウィンいつだっけ?
キモ姉妹に悪戯されたい
>犯してくれなきゃイタズラしちゃうぞ〜
どっちにしても結果は変わらないな
台本厨は氏ね!
媚薬入りチョコを食わされた弟と
「お姉ちゃんが鎮めてあげる」
とか言い出す媚薬混入犯
姉に捕まる前にかろうじてトイレに立て篭もりチンコを必死に扱く弟
しかしキモウトが使用中だったので大変なことに
しかしなんとかトイレの窓から外に緊急脱出
そこに待ち受けていたのはキモ世界に足を踏み入れてしまった実母。
J( ´ー`)し「たかし……」
そういやネーチャンや妹のAAってないよな
要らないだろ、別に
437 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/16(火) 13:06:03.34 ID:d3SzIAWz
そして逃げる男の決意の一言
男「キモ姉・キモウトなんかに、負けたりしない!」
そして数時間後
男「ま○こには勝てなかったよ…」
あたしゃイキそうだよ
これもうダメだなw
淫獣の群れの続き読みたかったなあ
におい付け、いわゆるマーキングは、
自分の所有物に名前を書くことができない動物にとって、
『これは自分のものだぞ』と主張する方法である。
自らのにおいが染み付いたものを他者が嗅ぐことにより、
これは敵、これは仲間だと認識することができる。
雌雄のつがいにおいては互いに互いのにおいを好きだと感じることで、
より関係を深めることを可能としているのだ。
この目に見えない、においというものを馬鹿にしてはいけない。
そこにはあらゆる情報が詰まっているのだから。
その者が食べてきた物、接触したものの全てがにおいとなって現れている。
私が毎朝、お兄ちゃんのお布団に潜り込むことで染み付かせてきた匂い、
私とお兄ちゃんの匂いが交じり合ってうまれた、私にとって心地よい匂い。
だがそれが今日……犯され、侵食され、穢され、失われた。
帰ってきたお兄ちゃんの制服の胸に抱きつく。いつもの習慣だ。
そこから私の鼻腔に入ってきたのは下品で低俗な香水の臭気。
電車通学のときについた臭いでは、無い。
毎朝、私が隣に寄り添って他の香水臭い女性を近づかせないようにしているのだから。
そうすると学園内、もしくは帰宅途中についた臭いになる。
しかしちょっと女性と隣り合っただけで、これほどむせるような濃い臭いが付着するものだろうか。
こんな制服の繊維の奥深くにまで染み込んでいるような臭いは、
その女性とある程度の時間、密着するようなことをしなければ移らないものではないだろうか。
「お兄ちゃん……今日、誰か女の人と何かしてたの?」
私は思わず口をついてお兄ちゃんに聞いてしまっていた。
虚をつかれたのか、お兄ちゃんは一瞬視線を逸らして、
「え? いや何もなかったけど……何のこと?」
「そう……ならいいよ、うん」
そうなんだ……。お兄ちゃんいま、嘘ついたよね。
いつも正直なお兄ちゃんが嘘をつくと、私すぐわかるんだよ?
お兄ちゃんが嘘をついてまで隠そうとする女の人……つまり学園内にいる、
とても親しくなりそうな間柄ということだ。
そして恐らく、その女はお兄ちゃんを狙っている。
純情な恋なのか、遊び目的な軽薄なものかは知らないが、そいつは私の敵になったのだ。
その女の識別信号は、このやっすい香水の臭い。
私は不快感を押し殺しながら、お兄ちゃんの胸に付着されたその女の臭いをいっぱいに吸い込んだ。
しっかり覚えて、いつかこの臭いと鉄の臭いを融合させてやる、そう決意しながら。
俺は鼻が人よりかなり敏感な嫌煙厨である。(臭気判定士所有)
昨日、中古のゲーム機を買ったら、それに煙草の臭いが染み付いていた。
ちょっと封を開けただけで部屋のカーテンや布団のシーツ、
ハンガーにかけてるコートにまで煙草の臭いが染み付いてしまった。
おかげで今日は休みなのに朝から洗濯機がフル回転だ。
むしゃくしゃしてこれを書いた。反省は全くしていない。
匂いと臭いの違い…(・∀・)イイネ!!
続きがあるなら是非読んでみたいです
コピペに反応乙
>>444 ありがとう。
続きは全く考えてなかったけど、
妹が泥棒猫を探っていくような感じで話を膨らませることできたので、
書けたら投下するかも。
小ネタ
ttp://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/nakaimo/ ttp://www.jtw.zaq.ne.jp/animesong/ko/kononaka/choose.html 言ったでしょ 兄は私のなんだけど
言ったよね? 好きなこと、嘘はつけない
今すぐに 行こう! 凶器所持して
Kill you! Kill you! 兄は 私だけ!
この恋は 産まれた時【さいしょ】から 運命に違いないんだ
なのになんで 横槍が 月・火・水・木 止まらない(トマラナイ)
私より(ムネ) 大きい娘(C-cup)
見つめないで(ダメだって! 瞳の中も私だけだって!)
ペチャパイで ごめんなさい Juicy my brother♪
知ってるよすべてを 兄は理想の異性
唯一で無二の最愛の人なんだ
妹だから困る 女に見て欲しい
倫理とか放り投げ 欲望に (忠実)
無理やりでもいい あなたに抱かれたい(過激よ♪)
世間体は気になる (それでも)
駆け落ちしたっていいのよ
誰がThief Cat? 私は 許さない
第一話「お兄ちゃんには、秘密の恋人がいる!」
「わあ、廊下がすっごい綺麗だね、お兄ちゃん」
「そうだなあ。まだ新設されて数年らしいからな」
真新しい白いペンキが塗られた廊下を、私の愛しのお兄ちゃん、宇佐美圭吾と歩いている。
まだ創設されて今年で3年目という新しい学園、ここに明日から私は通うことになるのだ。
お兄ちゃんの後輩として。
「明日からまた一緒に通学できて穂乃美はとっても嬉しいよ。
お兄ちゃんとずっと会えない学園生活は……すっごく辛かったな」
「ははっ、大げさだな穂乃美は。
それにいくら同じ学園に通ってるからって、
学年も違うし俺は生徒会にも所属してるからそうそう構ってやれないぞ?」
圭吾お兄ちゃんはいつもの優しい笑顔を私に向けてくれている。
ああ……格好良いなあ。これから毎日昼間もいつでもこの笑顔に会いに行けるんだなあ。
って、今、お兄ちゃん、なんて言った?
「お兄ちゃん、生徒会に入ってたの?」
これは私も初耳です。なんてことでしょう。
お兄ちゃんのことなら何でも知ってるし知りたいと自負している私としたことが。
「ん、ああ、まあな。去年まではお手伝いというか下働きというか、
そういうことしてたんだけど、今年からはきちんと副会長として、な」
「お兄ちゃんが生徒会副会長……ああ、朝礼で堂々と立って挨拶をするお兄ちゃん」
「そういうのは会長のクレハさんのすることだけどな」
クレハさん……つまり女の人かな。お兄ちゃんの上司でもあり、
何の理由もつけなくてもお兄ちゃんと一緒にいられることができるポジション。
なんとうらやまけしからん地位にいる人だろう。
ハラスメントをしないかどうか私が監視しないと。
「ふーん、生徒会かぁ……。ねえ、お兄ちゃん?
私も生徒会のお手伝いをしてもいいのかなぁ?」
「え? そりゃあ別にいいけど、何も好きこのんで来るところじゃないぞ。
うちの学園は部活だっていっぱい揃ってるし」
「いいよそんなの。私は運動が得意というわけでもないし、
絵や音楽だって好きでも才能があるわけでも無いんだもん。
それよりお兄ちゃんが生徒みんなのために頑張ってるのなら、
私もそのお手伝いがしたいの!」
「そっかー。そこまで言ってくれるなら嬉しいな。
入学してしばらく立ったら案内するから生徒会室に来てくれるか?」
「うん! 絶対だよ、お兄ちゃん」
これで新入生という立場ながらもお兄ちゃんの傍にいられる目途がたちました。
私の学園生活にはバラ色の絨毯が卒業まで敷かれているに違いありません。
……そう思っていました。このときには、まだ。
「さて、案内はまあ大体こんなもんか。
……あ、穂乃美ちょっとごめん。ちょっと行ってくるな」
お兄ちゃんはトイレを指して苦笑しました。
私は「うん、いいよ。ここで待ってる」と行って笑顔で見送ります。
お兄ちゃんが秘密のお部屋で用を足している間、(トイレの盗撮は自宅だけで事足りるし)
私は今後の生活の予定を詰めないといけません。
学園生活における兄妹の関係を進展させるべく、
起こすべきイベントの選別と条件を考察していたとき、
私のケータイが着信音を鳴らしました。
……誰でしょう、大切な思考をしているときに。
舌打ちを鳴らしながら(お兄ちゃんの前では決してしません)、
ケータイを取り出すと、画面の表示には愛しのお兄ちゃんという表示が。
そういえばこの音楽もお兄ちゃん専用曲でした。気づけよ私。
どうしたんだろう? トイレから出られなくなったり大きい方をしたら紙が無いのに気づいたとかかな?
と私は笑いながら着信ボタンを押しました。が、
『初めまして、圭吾さんの妹さん』
耳に聴こえてきたのは、人間のものではない、機械を通したようなデジタルな乾燥した音声でした。
とっさのことに私は思考を停止し、息を吸い込んだだけで返答につまります。
『穂乃美さん、ですね。今日は圭吾さんと学園で過ごしてとても楽しそうで』
「あなたは、誰ですか。どうしてお兄ちゃんのケータイで私に?」
これ以上、この人に喋らせていたら私はとても不快な事を聞くはめになる。
そんな予感がひしひしとすると、喋らずにはいられませんでした。
『私は、圭吾さんの恋人です。お付き合いさせてもらっています』
それを聞いたとき、私の視界が色褪せ、揺れ始めました。
お兄ちゃんの……こい、びと?
『そう、恋人。圭吾さんと想いを交し合い、ときには身体を触れ合い、心を通わせる、
特別な男女にのみ許された、そんなとても気持ちの良い関係です。
あなたも、圭吾さんにそんな感情を抱いていますね?
一緒に学園内を圭吾さんと歩くあなたは、彼に対して女性の表情を向けていました』
この電話の主は、今日一日中、私とお兄ちゃんを見ていた……?
そしてそれだけで私のお兄ちゃんへの気持ちを見抜いている。
『でも、それは決して叶わない願いです。
あなたは圭吾さんの実の妹。そして圭吾さんとわたしは愛し合っています。
理由あって、交際していることは周囲に口外はできませんが。
それでもわたしは、自分が愛している圭吾さんに近づくあなたに、こう言うことができます』
電話の向こうで息を吸う音がした後、
『圭吾さんはわたしのもの。あなたは彼に近づかないで』
抑揚の無い声だったけど、しっかりと私の耳から脳内の奥深くまで届きました。
……ああ、最悪だ。明日からお兄ちゃんとバラ色の学園生活を夢見ていたのに、
どうやら終わりの見えない悪夢がこれから始まるみたい。
『わたしだけが圭吾さんを愛し、彼から愛される資格があります。
妹のあなたには一生、得ることは叶いません。
どうか、兄妹の分を越えないように。一線を守るなら、わたしはあなたに友好的になれるでしょう』
「……言いたいことは、それだけですか?」
私は言葉の冷たさでこの女を殺せるなら殺したいと思いました。
「名乗りもしないくせに、随分と言ってくれましたね。
自称お兄ちゃんの恋人さん?
お兄ちゃんから盗んだケータイで勝手な妄想話をでっちあげて」
『妄想と思うのはあなたの自由ですが、』
「たとえそれが本当でも、私は絶対にあなたを認めません。
あなたとお兄ちゃんを別れさせます」
『……そうですか。どうやってです?』
「敵に手の内を晒す馬鹿がどこにいますか。
それくらい原生動物にも劣るご自分の頭でお考えください」
『面白い方ですね、穂乃美さん。
あなたとは良い友達になれそうです。
わたしが姿をあらわしてきちんと名乗る機会もそう遠くないでしょう。
そのときは、よろしくお願いします』
「それまでにお兄ちゃんと別れる台詞でも考えておいてください。
そっちから別れ話を切り出しても、私はお兄ちゃんをフッたなんて恨みませんよ」
『ふふっ、それでは、また』
プツッと通話は切られた。着信はたしかにお兄ちゃんのケータイからだった。
この学園内にいる誰かが、教室かどこかに置き忘れていたお兄ちゃんのケータイを使って、
(家の中でも至る所に置き忘れるのだ抜けている兄は)
監視をしていた私に宣戦布告をしてきた。Do I understand?
「お待たせ、穂乃美。……どうしたんだ? 何か険しい顔して」
私が予想外の出来事に思いを巡らし始めてようやく、
お兄ちゃんは長いトイレから戻ってきました。
……何をしてたか聞くのはマナー違反ですね。
貞淑で物分りの良い妹である私はそんな質問はもちろんしません。
「えっ、あ、うん。なんでもないよ。お兄ちゃん。
そういえば朝、私がお兄ちゃんに送ったメールの返事、来てないなって」
「あれ、そうだったのか。……ん? ああ、思い出した。
昨日生徒会の仕事で学園に来たときに教室か生徒会室にケータイを忘れていたんだ。
今日それを取ってくるはずだったのに。それも忘れてたよ。ははっ、だめだな俺」
「あははっ。本当にお兄ちゃんったら、頭は良いのにそういうところが抜けてるよね」
笑顔をつくっても心は冷めてるのがわかる。
お兄ちゃんの前でこんな顔はしたくないのに。
でも今この瞬間もさっきの電話の女が監視しているかと思っただけで、
私は全身がこわばってしまう。
身体の奥底から言いようのない感情が湧き出してきて叫び出しそうになっている。
……まだだ、暴れるのはまだまだ先だ。
まずは情報を収集しないといけない。分析に足る量を。
私の知らない1年間、この学園でお兄ちゃんがどんな生活をしてきたのかを。
どんな異性と関わりをもってきたのかを。
……あーあ、お兄ちゃんとの学園イベントはかなり省略しないといけないよね。
この学園生活は純愛にしたいのだ。寝取られジャンルなんかに決してしてはならない。
「ねえ、お兄ちゃん……お兄ちゃんに、もしかしてもうかの……」
「ん? なんだ」
「……ううん、明日から、よろしくお願いします。いっぱい良い思い出、つくろうね」
「なんだよ、改まって……まあ、こっちもよろしくな。抜けてる兄だけど」
「うん!」
私は今できる最高の笑顔をお兄ちゃんに向けた。
そしてこれは、あの女に対しては宣戦布告のお返しなのだ。
真実と嘘、恋と憎悪が渦巻く学園生活が始まった。
(第1話 終わり)
投下終わり
ぐっじょぶ
おお、投下ありがとうございました。
続きものとのことですので、期待させていただきたいと思います。
次回からどのようなライバルが現れるか、今から楽しみです。
余談ながら、嫌煙家とのことで、パイプを日夜愛喫している私にとっては少し寂しく感じましたが(笑)。
>>453 3時間足らずで書けるなんてどういうことなの…(嫉妬)
続き楽しみにしてます
第2話 「生徒会の中に、容疑者がいる!」
私とお兄ちゃんの麗しの学園生活が始まって早くも1ヶ月。
それは同時に、お兄ちゃんに恋人がいたという衝撃の事実を知ってからも1ヶ月。
私とその恋人の胸中はともかくとして、学園生活自体はすんなりと順調に過ぎていきました。
お兄ちゃんは生徒会の副会長として、私も生徒会に無役で働くお手伝いとして、
放課後はいつも一緒にいることができます。
私は入学当初、例の自称恋人についてはお兄ちゃんをストーキン……いえ、
お兄ちゃんを尾けまわ……いえ、常にお兄ちゃんと一緒にいれば、
すぐに正体がわかるとたかをくくっていました。
ですがそんな私の楽観的な目論見は当てが外れ、
敵もさることながらお兄ちゃんもなかなか尻尾を現しません。
それなのに私のケータイには入学以来、
フリーアドレスで自称恋人さんからメールがいくつも送られてきます。
『今日は圭吾さんと秘密の密会場所でキスをしてしまいました』
『学園内なのにスカートの中に手を入れてくるなんて。でも圭吾さんだから私は許しました』
などなど、こいつは痴女か?と目を疑うような、
かつ私の精神を逆撫でする内容がいつもてんこ盛りです。
そして見逃せないのが、その内容を証明するかのように、
お兄ちゃんと恋人がその行為を実行していたと思われる時間、
お兄ちゃんは常に私の目から離れてしまっているのです。
どこで何をしていたのかとお兄ちゃんに聞いても、
はぐらかされるか明らかな嘘をつかれます。
お兄ちゃんから頼まれた図書館の書庫での生徒会関係の資料探しの最中、
そんなことを考えていると、私のケータイがピッピッと着信音を鳴らしました。
……この警告めいた着信音は、くだんの自称恋人からのメールだ。
作業を中止してすぐに内容を確認。
『さっきも圭吾さんにキスをせがまれました。とっても情熱的な。
でも彼とのキスはすごく幸せ。
あなたは書庫でお仕事の最中ですね? がんばってください』
私はケータイを握り締める。少しミシッと歪む音がした。
お兄ちゃんも性欲の旺盛なお年頃というのはわかるけど、
わざわざ私がいないときを狙ってしなくてもいいじゃないか。
お兄ちゃん、あなたの彼女は悪女ですよ!
わざわざ妹の私にお兄ちゃんとの蜜事を自慢気に伝える痴女ですよ!
……憤慨する私ですが、どうもこのことはお兄ちゃんも織り込み済みな気がするのです。
先週、私はお兄ちゃんに、
「もしかして生徒会の誰かと付き合ってない?」
と何気ない風を装って聞きました。
ですが、お兄ちゃんは、
「え? いやそんなこと全然? 何で?」
とシラをきりました。
これがすぐ嘘だとわかるのは私が女でお兄ちゃんの妹だから。
お兄ちゃんは真実を言われると、まず視線を左上に向けて「え?」と言います。
おそらくそのとき嘘の内容を考えているのでしょう。
そんなお兄ちゃんを見るのが私は一番悲しい。
妹の私に嘘をつき、それがすぐ私にバレてしまうという下手な嘘しかつけないのも悲しい。
だけどそんなお兄ちゃんでも許しちゃう。だって好きなんだもの。(自己憐憫終わり)
さて、わざわざキスを報告してきた自称恋人にも律儀に返事をしておきますか。
「あなたも困った痴女ですよね。お兄ちゃんのファーストキスはもう10年前に私がもらっているのに。
とっても美味しかったよ。まだお兄ちゃんはキスしてるときに目を開けているのかな。
間近で見るのが好きみたい。本当に女の子の気持ちを理解できない困ったお兄ちゃんですよね。
いつでも別れてくれていいですよ。きっとお兄ちゃんはあなたの身体だけが目当てでしょうから。
ヤリ捨てられて自殺してもいいですけど」
送信、っと。こんなメールを平然と送れる私も相当病んでるなー、と自己分析。
でも恋はときに非情にならざるをえない殺し合いなんだ。同情は禁物である。
(ピッピッ)
おやっ、いつもなら1日1回なのに、今日はむこうからすぐに2通目がきましたよ。
『子供の頃のことをカウントしてしまうなんて、あなたも可哀想な妹ですね。
早くお兄ちゃん子を卒業して新しい恋を見つけるのがあなたのためだと思います。
そうすればあなたもキスしながら間近で見つめあう幸せが得られるでしょう』
……落ち着け私。感情的になるよりも理性的に相手を分析しないといけない。
相手は私の挑発にのってこのメールを返してきたのだ。そういう人物だということだ。
もっとも人間は状況に応じて性格を変えられるから、
この反応が彼女が普段見せている性格というわけでもない。
ずっと書きためたんだな
チヤホヤされるのに味をしめて、我慢できなくなったか
下手くそでも作家扱いしてくれるのはこのスレくらいのもんだからなあ
それに……敵の女はこの町の数万人の中から探せというわけではない。
この学園に在籍している約500人の女子から探しだせ、というわけでもない。
お兄ちゃんの恋人を自称する容疑者は、生徒会の4人の女生徒の中にいる。
そうに違いないのだから。
なぜなら彼女はさっきのメールで【あなたは書庫でお仕事の最中ですね?】と書いた。
これを知りえるのは生徒会のメンバーでしかありえないと思う。
(ピロリン♪)
この嬉しさを醸し出す着信音はお兄ちゃんからだ。
『まだ仕事やってる?
今日は早めに切り上げて、これから皆でカラオケに行く、
と、クレハ会長が唐突に決めた。生徒会室に戻ってきて』
カラオケ、か。あまり好きではないけれど、
歌う曲の傾向から自称恋人との関連性を見つけるのに役立つかもしれませんね。
すぐ戻ります、とお兄ちゃんに返信し、
私は目当ての資料を大急ぎで見つけると図書館をあとにした。
*
*
……そして小一時間後、学校近くの繁華街にあるカラオケ店内に、
私とお兄ちゃん+他4人の生徒会女子、総勢6人の私たち生徒会メンバーで、
親睦会と称した集まりが催されたわけですが。
やはりこんなことで、お兄ちゃんと秘密裏に交際している恋人が誰か、
判明させるのは、至難だと言うしかないかもしれません。
「遠くに聞こえた〜〜♪ 鐘の音が〜♪ すこ〜し♪ 寂しくて〜♪
もう一度つよ〜く♪ 今度は高く〜駆け〜抜け〜た♪」
いま歌っているのは結城麻理亜(ゆうきまりあ)さん。
生徒会総務。2学年。お兄ちゃんとは2年間連続で同じクラスになったらしい。
長い黒髪の良く似合う、お嬢様といった風体だ。
「ただ繰り返〜す現実も〜♪ 星の数の願い事も〜♪
目指〜すべき 明日を〜見つけた〜♪ この想いには勝てな〜い♪」
歌う曲もしっとりと心に響いてくるようなチョイスだ。
こんな大和撫子っぽい和服が似合いそうな美少女が、
お兄ちゃんと短い時間をぬって、
学園内で破廉恥な行為にふけるなんてことがあるのだろうか?
「目の前に開かれた〜 果てない世界〜♪ たとえユメでもいい〜♪
迷い続けても〜 胸の奥でつよ〜く♪ ずっと〜ずっと〜響いてく〜♪
そっと〜♪ そっと〜♪ 光ってる〜♪」
しかもそれを私に恥じらいもなくメールで伝えてくるなんて。
まだ知り合って3週間程度だけど、あまりにもかけ離れている気がした。
それとも裏ではすごく淫らな女性なんだろうか?
よく言うじゃない、昼は淑女な女性ほど夜は娼婦のようだと。
ともかく、黒髪ロング美少女の結城麻理亜、恋人嫌疑者の1人。
次に歌うのは、頭の両脇をミニサイドテールにくくっている女子。
ちょっと勝気な眼をした元気娘といった印象。
「共に闘いたいの〜?♪ 怖いって逃げていくの〜?♪
どっちよ〜♪ どっちに〜♪ す〜るの〜♪ 自分に聞いて〜♪
こたえを く・れ・る〜?♪」
女性側が主導権を取りたいような、そんな印象を受ける曲だ。
歌っているのは御堂恵梨香(みどうえりか)、恋人嫌疑者の2人目。
生徒会渉外、といっても風紀に関することばかり担当している。
2学年、お兄ちゃんとは今年から同じクラスになったとのこと。
「愛は〜♪ 鳴りやまない歌〜♪ 愛は〜♪ 導きの扉〜♪
試練与えては〜♪ 試す神たちを〜♪ いつの日か越えていける〜♪」
表面上の性格だけで考えたなら、
恵梨香さんがもっともメールの恋人像に近いかもしれない。
エッチなことを明け透けに伝えてきそうな性格。
こちらの挑発にもすぐのって、真正面から返してきそうな気性。
「強く〜なる RAISE EACH OTHER〜♪ キスを〜♪ おくる胸をうつ!
目醒めるの! 名も知らぬ! 持てあ〜ます程の力で〜♪
ニューエイジに〜♪ ふさわしい〜♪ いばら〜の時間を神話に〜♪」
だけどそんな人が秘密裏にお兄ちゃんと交際するなんて事情がよくわからない。
堂々と周りにも宣言して付き合うものじゃないだろうか。
さっきの結城麻理亜さんなら家の事情とかで秘密にするなんてこともありそうだけど、
恵梨香さんではそんな事情なんか無さそうだし気にしそうでもない。
……そう、そもそもどうして交際を秘密にしているんだろうか。
それを考えた方が誰かにたどりつく近道になるのかもしれない。
おいおい考えることにしよう。
3人目の嫌疑者が歌いそうだ。
彼女のことについても考察してみよう。
「不意にコネクト♪ 世界が変わる♪ ビー玉越しに覗いたら〜♪
今よりもっと♪ 輝く景色〜♪ 何がそこで見え〜る〜?♪」
佐倉塚文夜(さくらづかふみよ)、生徒会書記。3学年。
役職としては生徒会で3番目に偉く、最高学年なのに、
いつもどこかおどおどした、自信なさげな人だ。
「揺れてコネクト♪ また違う空♪ 飛び出す時間は虹の色♪
気づいたんだよ♪ 始まりの音♪ 逃さないで〜聞いて〜♪」
やたらと音程の高い、声をあまり出さなくてもいいような曲だった。
すべてが幻のような、そんな感傷を受ける音楽だった。
お兄ちゃんに恋人がいるという話も幻だと良いのに……。
「僕たちが選んだ未来♪ つなぐよ♪」
文夜さんについては、私はもっとも可能性が無いと思っている。
いくらなんでもあの自称恋人の人格とかけ離れているというか、
まさに2重人格とかでないと別人と言わざるをえないというか……。
まあそれでも十分に嫌疑者としての条件は備えているから警戒はしているのだけど。
……そして最後4人目の嫌疑者の番が回ってきた。
日本人離れした金髪の美少女が立ち上がる。
おっぱいが制服の隙間から飛び出そうなのに、
お腹の部分はしわしわに余っているのはどういうことですか、
と突っ込まずにはいられない体型だ。
「笑おう〜♪ 笑おう〜♪ さあ笑いましょ〜♪
こんな〜♪ 時代こそ笑いましょ〜♪
笑おう〜♪ 泣いたら負けだ〜♪ やけくそ笑いましょ〜♪」
クレハ・クランヴェール・瀬能、生徒会会長、3学年。
ハーフの超・美少女だ。
同じ女性の私が見ても嫉妬するどころか呆然と見続けたい部類の。
「波乱万丈♪ 酸いも甘いも♪
乗り越えた あっぱれ にっぽんじん♪
笑おう〜♪ どんなときでも〜♪
なにくそ 笑いましょ〜♪」
クレハ会長は美人なのにそれを鼻にかけることはない。
それにいつも面白いことを求め、人間の暗い部分を嫌っているふしさえある。
「ぐわっはっは♪ にょっほっほ♪
空気なんて 読まずに 笑っとけ♪
笑顔♪ 笑顔♪ 笑う門には福来る♪」
そんなクレハ会長が、お兄ちゃんとコソコソ付き合い、
私に対しては入学前から宣戦布告の電話を犯罪者のように声を変えてまで行い、
執拗にお兄ちゃんとの仲を詳細にメールで伝えてくるだろうか?
表がこれだけ明るいから裏ではそんな暗黒面があってもおかしくない、
なんて、なかなか言えるものではない。
……これで嫌疑者4人全員の歌、及び私の考察は終了。
今日のところの結論はひとまず、印象論だけで言うなら、
御堂恵梨香(サイドテールツンデレっぽい)>
>結城麻理亜(黒髪ロングなお嬢様)>
>佐倉塚文夜(おどおど先輩)>
>クレハ・クランヴェール・瀬能(快活ハーフ)
こういう順序になるだろうか。
しかしこれはあくまで印象論、これから事実にもとづいて検証を行い、
1人に絞らなければならない。
さて……次に歌うのは順番的に私かお兄ちゃんだけど。
先にお兄ちゃんの曲が入ってるみたい。
だけどお兄ちゃんはリモコンを取って歌をキャンセルしてしまった。
「あれ、お兄ちゃんどうしたの?」
「うん、いや、ちょっと歌を間違えて入力しちゃったみたいだ。
全然知らない歌だった。穂乃美、先に歌っていいよ」
嘘……。
今の番号はたしか前にも、私と2人でカラオケに行ったときにも歌っていたものだ。
不審に思った私はお兄ちゃんの様子をよく見た。
妙に前かがみにになって曲一覧を広げているお兄ちゃん。
……もしかして、お兄ちゃん……いま、勃ってる!?
「あ、落ちちゃった」
不注意を装って床にカラオケの軽食表を落とす。
そしてしゃがむときにお兄ちゃんの下半身を凝視した。
こんもりと膨らんだズボンの股間部分。
間違いなくお兄ちゃんはカラオケルームの中で、
女性5人がすぐ近くにいるにもかかわらず性的に勃起している。
どうしてだろう。お兄ちゃんの性癖にこんな趣味は無いはずだ。
秘密の恋人と2人きりというならまだしも、あまり関係の深くない女性、
そして悔しいことにお兄ちゃんにとってはまだ男女関係に無い妹の私とも一緒なのだから。
「思い通りに〜♪ 殺そう〜♪ みんないなくな〜れ〜♪
妹は〜♪ 誰だって〜♪ KILLING FOR LOVE BROTHER〜♪」
いつからお兄ちゃんは興奮し始めたのか?
それは席に座ってから、みんなが歌い始めてからだ。
興奮した原因は、誰かがお兄ちゃんを刺激したからだ。
歌っている人は私がずっと観察していた。
そして私は歌っている人しか見ていなかった。
マイクステージの反対側、隣に居るからといって安心して、
お兄ちゃんから注意を逸らしてしまっていた。
「さすす〜 さすしえたとき さすらぶ♪
なぐぐ〜 なぐしえたとき なぐらぶ♪
わたし〜 あんなことゆるさない〜♪ LIFE IS LOVE〜♪」
その瞬間にお兄ちゃんの横か、席を挟んで下から魔の手が忍び寄り、
お兄ちゃんに淫らな行為をしていたのだ。
私がすぐ傍にいるというのに、許せない。
誰? 誰がそんなことをしたというの?
「にっちじょうは VIOLATION ねがわくば うばえ〜♪
よっくぼうの TEMPTATION どんかんなのは 罪なんだよ〜♪」
歌いながら全員を見渡すが、今は誰も不審な動きをしていない。
お兄ちゃんは私の歌にあわせて手を打ってくれてるし、
麻理亜さんと恵梨香さんは私を見ながら歌を聞いている。
文夜さんは減った飲み物をみんなに注いで配っているし、
クレハ会長は次々と歌を選んでは入力作業に勤しんでいる。
「わたし〜 兄にア・イ・サ・レ・ル♪」
私は混乱した頭のまま歌い終わる。
あんまりお兄ちゃんにアピールできなかったかも。
それもこれも、この中の誰かがお兄ちゃんにいたずらをしていたせいだ。
……それから結局誰がお兄ちゃんの恋人なのか、
いつお兄ちゃんにいたずらをしていたのかも何もわからないまま、
カラオケは表面上はつつがなく終了した。
これってもしかして私、自称恋人からお兄ちゃんをダシにして、
弄ばれていると言えるのではなかろうか。
いや……そんなことを許してはいけないし許すつもりもない。
それに全てを白日の下に晒せば一気に逆転だ。
相手はお兄ちゃんとの関係を公にできない弱みがあるはずなのだ。
それを証拠と共に突き出せば、相手に決定的なダメージを与えることができるはず。
少なくともお兄ちゃんと別れさせられる。
私はそう信じてこのまま誰が犯人なのかを探るしかない。
ともかく犯人はこの4人のうちの誰かなのだ。
それなら1人ずつマークして徹底的に調べ上げる方がいいかもしれない。
今まではお兄ちゃんとできるだけ一緒にいるようにしていたけど、
結局どこかで見失ってこのうちの誰かとの密会を許してしまっていた。
それならお兄ちゃんではなく、4人の中の1人に張り付いていれば、
そのうち尻尾を踏みつけられる現場に遭遇できるかもしれない。
明日からの方針も決まった。
必ず誰がお兄ちゃんを誑かす女狐なのかを突きとめてやるんだから。
(第2話 終わり)
投下終わり
>>455 まあ個人で楽しむ分には何とも思ってない。
俺の近くで吸わない限り。(喘息持ちの虚弱ヘタレ。
ニコチンの快感ってものを一度味わってみたいぜ。
>>456 プロットが
>>446のリンク先のアニメとほぼ同じだから。
俺自身で考えなくていいから思考作業量が楽。
そして大した推敲も、細かい描写も書いてないからさらに思考時間短縮。
文章レベル低いっしょこれ。
今回はアニメの主題歌ネタとキャラ紹介だけだったしな・・・。
ちなみに、各キャラが歌っているアニメソングは、
結城麻理亜(黒髪ロングなお嬢様)
→ソード・アート・オンライン
御堂恵梨香(サイドテールツンデレっぽい)
→カンピオーネ
佐倉塚文夜(おどおど先輩)
→ココロコネクト
クレハ・クランヴェール・瀬能(快活ハーフ)
→じょしらく
宇佐美穂乃美(キモウト)
→お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ【歌詞改変】
そのとき頭に浮かんだノリだけで書き進めているんで、
とても最後まで書けないかもしれないが、
まあ続き書けたらまた投下する。
久しぶりの投下GJ
キモ姉妹に匂いをマーキングされたい。
書き手も荒らしも綺麗に消えたなw
471 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/26(金) 01:15:16.47 ID:ktG/GqIY
書き手がきえれば、荒らしも消えるよ
あるところに男の子とキモ姉妹が住んでいました。ある日となりの泥棒猫が「うちのボートで河の向こうへ遊びに行こうよ!」と男の子を誘いました。
ところがなんとキモ姉妹が「私たちも付いていくわ!」と言い出したからさあ大変。泥棒猫は「困ったなあ、ボートには2人しか乗れないのに」と頭を抱えました。
ここで問題です
・一方の河岸に男の子とキモ姉を2人きりにすると、キモ姉が男の子をレイプしてしまいます
・一方の河岸に男の子とキモウトを2人きりにすると、キモウトが男の子をレイプしてしまいます
・男の子とキモ姉妹の3人を一方の河岸に残して泥棒猫が離れても、キモ姉妹は互いに牽制し合うので男の子は無事です
・一方の河岸に泥棒猫とキモ姉の2人きりにすると、キモ姉が泥棒猫を河に突き落としてしまいます
・一方の河岸に泥棒猫とキモウトの2人きりにすると、キモウトが泥棒猫を河に突き落としてしまいます
・泥棒猫とキモ姉妹の3人を一方の河岸に残して男の子が離れると、キモ姉妹が2人がかりで泥棒猫を河に突き落としてしまいます
・ボートの上で暴れると転覆の危険があるので、ボートの上では2人きりになってもキモ姉妹は男の子や泥棒猫には襲いかかりません
・キモウトはまだ子供なので、1人でボートを漕げません
どうしたら男の子の貞操や泥棒猫の命を守りつつ、4人仲良く河の向こうへ遊びにいけるでしょうか?
投下終了です。
人喰いと宣教師かよwww
せっかくだし挑戦してみる
多分解けた
この手の奴は昔よく遊んだな、懐かしい
答えはキモ姉妹を岸に残して2人で逃避行なんやな
キモ姉妹が泥棒猫を殺そうとしてる時点で4人で仲良くは無理だろ。
向うに姉妹を置いて泥棒猫がボートを沈めるんですね、わかります
480 :
名無しさん@ピンキー:2012/10/27(土) 23:57:01.12 ID:YErcfWmQ
>>473 最初に姉妹でイかせる。
姉だけ戻ってきてもらう。
男の子と姉でイく。
男の子だけ戻る。
男の子と泥棒猫でイくうううう。。
もう一例
男の子と泥棒猫で逝く
男の子が戻る
姉と男の子が逝く
姉戻る
姉妹で逝く
キモ姉派の陰謀・・・
一人でID変えまくって必死でカキコしまくり、盛り上がってる風を装ってるのな
見え見えなのが滑稽を通り越して哀しすぎるが
>>482 キモウトはボートを漕げないのが痛い
この問題的に一人送っては一人が戻ってを繰り返す訳だが、自力で漕げないから先に送るか最後にするしかない
しかもボートに兄と一緒に乗れないのが余計に・・・
SS全然投下されてなかった
クイズの正解発表です。
ご指摘があった通り実はもっと簡単な答えが何通りもあったんですが(私のミスですorz)せっかくなのでキモウト救済バージョンで。
男の子が泥棒猫と河を渡る→男の子が1人で戻る→男の子がキモウトと渡る→男の子が泥棒猫と2人で戻る→男の子がキモ姉と渡る→男の子が1人で戻る→再び男の子が泥棒猫と2人で渡る
こうすれば無事に4人とも河を渡る事が出来ます。
クイズに挑戦してくださった皆さん、ありがとうございました。
>>488 男の子往復しすぎワロタ
そしてやはり泥棒猫派だった!
なんだ…上手くいかず結局全員で殺し合って全滅後にあの世で和解
4人仲良く(三途の)河の向こうへ遊びに行くってオチじゃないのね…
>>489 そう、私は生粋の泥棒猫派です!
…大丈夫だよな?姉さん2ちゃんなんか見てないよな?
泥棒猫が生き別れの双子で遺伝子的に詰みというファンタジー
明日のハロウィンに因んだハロウィンネタはよ
盛り上げるつもりが、かえって泥沼にはまっていく感じ…
小ネタ投下
今日は待ちに待ったハロウィン、下準備は念入りにした。
後は兄の朝食に秘密のオマジナイをかけて、運を天にまかせるだけだ。
「お兄ちゃん、待っててね。今年は特別に美味しいオカシをあげるからね」
早朝の台所でそんな独り言を洩らす私は、きっと酷く暗い笑みを浮かべているのだろう。
両親が連れたって旅行に出掛けたため、今年は絶好のチャンスだった。
懐から取り出した小瓶のふたを開け、匂いを嗅ぐと下腹部が熱を持った様な感覚に見舞われる。
「フフ、匂いだけでこんなになっちゃうんだもん。こんなの飲んだらお兄ちゃんも......」
フフフ、と知らずに笑い声が漏れた。
兄の味噌汁に、小瓶の中身を数滴振りかける。
「準備完了!さて、お兄ちゃんをお越しに行こうかな」
兄の部屋に向かう途中、私の頭の中はこれから起きるであろう事でいっぱいだった。
兄の部屋のドアを大きく開け放ち、私はこの部屋の主を起こすべく声を掛ける。
「お兄ちゃんトリックオアトリート!!(アイしてくれなきゃイタズラするぞ)」
以上です。
お目汚し失礼しました。
投下します。
499 :
水面下の戦い:2012/11/03(土) 09:05:38.07 ID:HJs1XAbD
チャイムが鳴り、午前中の講義が終わる。
この後は授業もないし、喫茶店でゆっくり昼飯でも…。
ふと思い出し、OFFにしたままだった携帯の電源を入れる。
メールが一件来ていた。
妹からのようだ。
―――――――
件名:夕食
今日は何時頃にお帰りになられますか?
もし兄さんがよろしければ、家で一緒に夕食を摂りたいと思います。
予定が分かりましたら、連絡下さい。
追伸:夕食で何か希望がありましたら、教えて下さい。
―――――――
早めに帰れること、夕飯のメニューは任せるということを添えて返信。
喫茶店で時間を潰し、本屋で物色しているうちに夕方になっていた。
商店街の通りは人だかりが出来ていた。
学生はもとより、早上がりしたリーマン達も家路を急いでいるようである。
今日が金曜日だというのも理由のひとつだろう。
「あら今帰り?」
その中に姉もいたようだ。
「今日は午前中だけだったからね。姉さんも早かったみたいだね」
「ええ―――ねぇ、どこかで食べていかない?奮発するわよ♪」
「いや、晩御飯用意するってあいつからメールがあったから今日は家のほうが…
あれ?あいつから連絡なかった?」
日ごとの予定次第では俺は夜遅くに帰ることもある。
それは姉さんも同様のようで、結果的に妹は一人で晩飯を摂ることも多い。
両親は既にいないため常に寂しい思いをしてきたに違いないのだ。
―――だから、三人が集まれる日くらいは団欒な夕食を過ごさせてやりたい。
「さっきメールがきて、友達の家で勉強会やるってあったわよ?
晩御飯もそっちで食べるからって」
「えっ!?」
すぐさま携帯をチェックしたが、俺のにはメールの受信も着信もなかった…。
――――――なんか複雑な気分だ…
「さて、どこ行こうか?このあたりなら…」
対する姉さんは上機嫌だった。と、そこに―――
500 :
水面下の戦い:2012/11/03(土) 09:07:30.92 ID:HJs1XAbD
「いえ、その必要はありませんよ」
妹が現れた。膨れたエコバックを持っていることから、買い物帰りらしい。
「食材もちゃんと買ってきました。今日は兄さんの好きなすき焼きにしようと思いまして」
「あれ?!勉強会は?」
「“友達”が急に別の用事が入ってしまって中止になってしまったんです。
それで予定通りにしようかと」
「ならメールぐらい入れろよ」
「御免なさい、うっかり充電を忘れてしまって…」
すまなそうにうなだれる妹を慰めるように頭をなでてやる。
気持ちよさそうにするその顔を見て、犬を可愛がる気分になったのは秘密だ。
うってかわって姉さんを見ると、いかにも不機嫌そうな顔だった。
何故かいたたまれない雰囲気だ…
「ま…まぁ、これで晩飯は三人で食べれるんだし―――」
「そういえば、さっき家にいるときに姉さんのご同僚から電話が掛かってきましたよ。
大分焦っている様子でしたけど…」
妹が急に告げた内容に姉さんは―――
「そんな!?嘘よっ!なら私の携帯に着信があるはずよ!!」
「いえ、何度掛けても繋がらなかったらしくて…早く会社に戻ったほうがイイノデハ?」
妹の楽しそうな顔?はさておいて…
「姉さん、何かあったなら戻ったほうがいいよ。一大事かもしれないし」
瞬間、地獄に落ちたような顔をする姉。
何でそんな顔するんだよ…。
「―――くっ!すぐ戻ってくるから!!」
走り去る姉を見送る―――間もなく
「さぁ、兄さん。今夜は家ですき焼きパーティーよ。」
「あのなぁ…そんな楽しそうにするなよ。少しは姉さんのことも考えてやれって」
「あら、ごめんなさい。“ちゃんと”姉さんの分も残しておきましょう」
こうして今日も俺たち三人は夕食を一緒に摂ることができなかった…。
ちなみに姉さんのすき焼きは残らなかった―――
何故かといえば、妹が過剰に俺に勧めてきて全部食べざるをえなかったからだ…。
投下終了。
屑みたいな投下のおかげで、このスレも終了
なんだ、自演GJかw
恥ずかしいな
投下乙!
妹より姉だな
池沼気味のキモ姉が出てくるSSの題名なんだっけ。ど忘れしちまった
キモ姉なんか全部が池沼だろうが
作者を待ってる長編が幾つかあるが…
みんな死んじまったのか?
長編は殆ど待ってるわ・・・
面白いのばっかり
表は普通の女子高生。裏は小遣い稼ぎにオナホ職人な妹の話を誰か…
「お兄ちゃんのチンポなんて、私の仕事道具でしかないんだからねっ!!」
チンコの型を取られたり、射精管理をされたりみたいなのを、誰か…
「このヒダヒダ、ねっとりしてるから絡み付いて気持ちいいでしょ?」
みたいなのを、『誰か』……
516 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/07(水) 17:14:33.37 ID:LmfLG8n7
そろそろ保管庫の方も更新してくれるといいな…
言い出しっぺの法則というものがあってだな
wikiだしやろうと思えば誰だってできるさ
本当に誰も長編書き手来ねーな
もう完全に終わったと思ってこのスレにすら来てないのか…
実際、去年辺りで終わってるだろ
何を今さら、懐古厨が
キモ姉「私は…生きる…!!生きて弟と…添い遂げる!!!」
キモウト「あんたたち2人だけで幸せになんかさせない……道連れにしてやる!」
投下します。
523 :
水面下の戦い2:2012/11/09(金) 19:52:50.45 ID:yafbYZV3
土曜日の昼。
結局、あれから姉が戻ってきたのは日付が変わってからだった。
着の身着のまま寝てしまい、ついさっき起きてきて、シャワーを浴びている。
一方の妹は部屋の掃除とかで朝飯後から引っ込んでしまっている。
「ふぅ〜、サッパリした」
「ッ!?ちょっと!!なんて恰好してんの!」
リビングでくつろいでいたところに風呂上りの姉が入ってきた。
とはいえ、年頃の女性がバスタオル一枚でうろつくのは…。
「うるさいわねー、私はお疲れなのよ」
「いや、関係ないだろ」
「やっぱ風呂上りは牛乳ね〜」
「聞けよ!」
「(ゴクゴク)」
動く喉が妙に艶めかしい。
露わになってる鎖骨や肩。
程よく肉付いた太腿。
スラリとしながら出るとこは出てる身体。
湯上りの女性特有の匂いも漂ってきて―――
これ以上いると、色々とマズイので部屋に引き揚げようとしたのだが…
「あ、そうだ。ちょっとマッサージしてよ」
「はあぁぁ??!何で?!」
「なんか、肩や背中が痛くてさ〜」
「素人の俺より、プロに頼めよ…」
至極、真っ当な意見を言ったつもりだが―――。
「人の分のすき焼き食べておいて、償う気もないなんて…あげくに金を払ってマッサージ行けと…」
「いや…それは…あいつが強引に…」
「おまけに、妹のせいにするなんて…いつの間にそんな人間になっちゃったの?…」
「……わかったよ…やるよ…」
「ふふん♪じゃあお願い」
524 :
水面下の戦い2:2012/11/09(金) 19:54:17.59 ID:yafbYZV3
ごろんとソファにうつ伏せになる姉、―――バスタオルのままで…。
「せめて部屋着に着替えてよ」
「疲れてるっていってるでしょ、早くしてよ」
「頼むからさ…、風邪引くかもよ?」
「……」
……姉の返事はない。どうも折れる気はないようだ…。
何が悲しくて半裸の姉にマッサージせねばならないのだろうか…。
「…んしょ、と。この辺か?」
「ん―――、もうちょい上…」
「結構固まってるな、本当にお疲れだね」
「言ったでしょ―――あん、そこぉ…」
「ちょっと?!変な声出すなよ!」
「あんた、さっきから口答えしすぎよ。さっさとやりなさい」
あ〜、もう!!!
「ん、ふぁ…あぁん。あぅ…ん。はぁぁぁ…」
「……」
―――何してるんだろ…俺…。
「んんぅっ…。ねぇ、上に載ってやってよ?力が半端にしか掛からないわよ」
「勘弁してくれよ…、昨日のすき焼きは謝るからさ」
「なら、言うとおりにすることね」
もうどうにもならないので、姉の上に跨り艶っぽい声を聞きながら、半ば無意識にマッサージに取り組んだ。
「はぁ…あん、いいわぁ…あんた上手ねぇ…」
ガチャ!
「あ、兄さん。ちょっと聞きたいこt…」
525 :
水面下の戦い2:2012/11/09(金) 19:55:10.53 ID:yafbYZV3
……最悪の間の悪さだった。
半裸の姉に跨る兄―――
そんな光景を妹に見られたのだ!!
「―――ちょっと…、何やって…るn…」
「いや、違うんだ!これは!!」
「はぁぁぁ、気持ち良かった…。感じちゃったよぉぉ…」
??!ッ―――この馬鹿姉は!!この状況でなんてことをいうんだ!!
「そんな…私……私…」
妹は耐えかねて走り去っていった…。
マズイ、とにかく後を追わねば!
「ちょっ、ちょっと待てよ!!姉さんも変な冗談言わないでくれ!!」
一刻も早く誤解を解かねば!しかし頭はパニックになっていてどうすればいいかわからなくなっていた…。
「―――冗談じゃないんだけどな…」
リビングから出る直前、姉が何か言っていたようだがそれすらも耳に入ってはいなかった。
投下終了です。
なんか文章と言うより文体自体が生理的に受け付けない
俺は別にいいと思うが…
まぁ内容に関しては短いし展開も遅いからまだ判断できないが
これなんて目じゃない位酷いのなんていくらでもあるかんなぁ
とりまお前は文体とか指摘する以前に自身の感想をきちんと文章にできるようになってから書き込みな?
GJ
本格的に姉妹で戦う長編?は珍しいね。
まあ姉の圧勝だけどね。
530 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/10(土) 02:00:02.14 ID:k/GuliKi
良い感じー
妹の今後の行動に期待だな
なんか最近出た少女漫画っぽい絵のやつで兄妹の入れ替わりモノを読んだんだが、
やっぱり光は血の繋がりが無かったからこそキモウトになっちゃったのかな?
カラダ盗られてからも兄貴が妹の気持ちに対してニブ過ぎてなんだかこのスレ思い出した…
chakuwikiに「ベタな姉キャラの反応」ってのがあったんだけど、これ全部キモ姉だったらどうなるんだろ?まあベタ甘姉はそのままでもキモ姉だけどさ
今日もSS投下ゼロ…
みんなキモ姉妹に監禁されてしまったのか?
下手糞だってばれちゃったからなあ
地震以降エロパロ板の過疎化が加速してる希ガス
なろうやノクターンやPIXIVも過疎なの?
作品名や酉は出さないけど
ここで書いてたやつの続きはピクシブで見つけて読んだな
荒らしもいないんで賑わってるんだったら外部行ったほうがいいかも知れないかな
過去の書き手だけど、当分はここで書く気になれないし
レスには一応目を通してるけどね
kittyguyが棲んでるからな。他のスレにもゴミはいるが
他所にも発表するところがあるのにわざわざ臭い場所を選ぶ必要がない
ここの荒らしは数週間に一回書いて逃げるんだなw
投下します。
545 :
水面下の戦い3:2012/11/17(土) 17:10:34.88 ID:WccxAaRO
飛び出した妹の後を追う。
誤解を解くのもあるが、もう暖かい季節ではないためほおっておくと風邪をひくかもしれない…。
―――見つけるのにそれほど苦労はしなかった。
その昔、よく遊んだ公園のブランコに座っていた。錆びてボロボロのやつだ。
公園内は土曜日だというのに妹以外に誰もいなかった…。
それが余計に寂しさを感じさせた。
「はぁ…。聞いてくれ、あれはただのマッサージだ。何もしちゃいないよ」
「………」
「…昨日のすき焼きの一件で根に持ってるだけだと思う。姉さんにしてみればただの軽い冗談なんだろうけど」
「………」
「何も俺だって好き好んでやったわけじゃないぞ」
「……正直言って、あんな光景を見せられれば不快になります」
「あぁ、それは悪かったよ。きっぱり断るべきだった」
「兄さんにまともな倫理観があるのか疑いました。―――まさか姉さんの身体に興奮していませんでしたよね?」
―――!!さすがに鋭いな…。
思い返してみれば、確かにまともじゃない。
妹に対して自分が酷く情けない存在に思えた。
「どうも兄さんは女性というものをよく分かってないようですね」
「あ、あぁ…。付き合いがあまりないからな…」
ゼミ仲間でいないこともないが…
「恋人をつくろうとは思わないんですか?」
「これでも頑張ったことはあるさ…でもな……」
高校の頃は、合コンとかにも参加して頑張った時期はあった。
だが、メアドがいつのまにか消えたり、次に会ったときには避けられてたりと不可解なことが続いて結局今の状況にいたるわけだ。
546 :
水面下の戦い3:2012/11/17(土) 17:11:25.55 ID:WccxAaRO
「―――――――――まぁ、雌犬どもには触れさせませんが…」
「ん?なんか言ったか?」
「いえ、ともかく今回は姉さんだったものの、もし詐欺目的で近づいてきた相手だったらどうなっていたか…想像したくありませんね」
「!!」
確かにそうだ。色仕掛けと口八丁に乗せられて、どんどん悪い方向へ…。
妹はここまで考えていてのか…。
「そこで兄さんには訓練が必要です」
「訓練?」
「女性が普段からどういう風に考えているか、それに対してどう対応するか、などを交流を通じて学ぶのです」
「しかしどうやって…」
「早速明日から始めましょう。お相手は不服ですが私がします」
「え!?いや、それは…」
「―――何ですか?兄さんの為なんですよ。大事な家族が自己破産しないように心配しているのに」
「ま、まだそうなるって決まったわけじゃないだろ…」
「そうなると私や姉さん、今はいない両親にも顔向けできないでしょう?」
「妹とデートまがいのことをするのもどうかと思うぞ」
「そもそも、兄さんに相手がいればこんなことしなくて済むんですよ。少しは反省してください!」
日曜日、今日は妹の付添で街に買い物に来ている。
結局、半ば強引に話を決められてしまった。
ちなみに馬鹿姉については…
「姉さんには私から言っておきます。今日一日は任せてください」
などと言われてはどうしようもない。
仕方なく部屋に閉じこもっていたが、リビングからは姉妹が喧嘩しているのが聞こえた。
内容まではわからなかったが…
547 :
水面下の戦い3:2012/11/17(土) 17:12:30.70 ID:WccxAaRO
「兄さん、これはどうですか?」
と、買い物中だったな…。
「う〜ん…なんか高校生の着る服にしては大人びてないか?」
「もうちょっと、気の利いたこと言ったらどうですか?」
「―――でもまぁ似合うよ、うん」
「兄さんにファッションについて聞いた私が馬鹿でした…」
「悪かったな、オイ」
買い物と言っても、金はないのでほとんどがウィンドウショッピングになったが。
いくつかの店舗を周りつつ大通りを歩く。
「…なぁ?」
「はい?」
「…手をつなぐ必要があるか?」
「これも勉強です。女性をエスコート出来るようになれば、好感度もあがりますし、何より舐められなくなります。」
とはいえ、相手が妹なのでやはり複雑だ…。
ふと、疑問に思ったが妹はデートの経験があるのだろうか?
―――昼になり、オシャレなイタ飯屋で昼食を摂ることにした。
「ここのカルボナーラは美味しいんですよ」
「ほぅ…どれどれ」
「この、パニーニもなかなか…」
「ここにはよく来るのか?」
「ええ…、たまに友達と…」
「ふーん」
―――今気付いたが、まわりはカップルだらけだ…。
落ち込む俺とは対照的に妹は上機嫌だった。
548 :
水面下の戦い3:2012/11/17(土) 17:13:16.28 ID:WccxAaRO
「友達って男友達か?」
「…気になります?」
「そうだな…、妹の彼氏の顔ぐらいは知っておきたいかな」
「ッ!彼氏なんていません!!」
「お、おいどうしたんだよ?急に…」
「別に…」
どうもタブーだったようだ…。
メニューを注文して、あとは待つだけになったが―――。
「……」
「……」
さっきので一気に気まずい感じになったな…。
「………私は―――」
「あれぇ?!ここでどうしたの?」
驚いて声のほうへ振り向くと、同じゼミの顔馴染みがいた。
「大声でいきなりびっくりさせんな」
「それはこっちよ、こんな可愛い娘と二人で何してるのよ。デート?」
「こいつは妹だ、顔は似てないが…」
「へー、妹ちゃんがいたなんてね〜。あ、どうもお兄さんと同じゼミで勉強してます」
「――――――どうも…」
「たしかにぜんぜん似てないわね、あんただけ川沿いで拾われてきたんじゃないの?」
「歩くスピーカーは粗大ゴミで捨てられるべきだな…。で、なんでお前はここにいるの?」
「私もよくここに来るのよ。…ね、一人じゃ寂しいから席、一緒でいいかな?」
「え?―――それは…」
妹を見ると明らかに不機嫌だった―――。
断るべきか…。
549 :
水面下の戦い3:2012/11/17(土) 17:14:09.86 ID:WccxAaRO
「あぁ…俺ら―――」
「いえ、構いませんよ」
「えっ?」
「大学で兄さんが迷惑掛けていないかも気になりますしね」
「ふふ、ありがと。でも君のお兄さんはチャランポランに見えて意外にしっかりしてるのよ」
早くも二人してガールズトークに華を咲かせている。女性同士はこうも打ち解けやすいものなのか?
食事を楽しみつつ適当に相槌を打つ内に時間は夕方近くなっていた。
話すだけ話すとあいつは帰って行った。―――正直、長話はシンドかった……。
「“イイヒト”そうですね、兄さん」
「多少、KYだがな」
「数少ない女性の“トモダチ”は大事にしないとダメデスヨ?」
「痛いところをつくな…」
まぁ事実なんだが…。
「とりあえず要マークですね…。ふふ…私も人のこと言えませんね、兄さん?」
投下終了です。
GJです。
新キャラも出てきてこれからますます楽しみです。
キモいのはキャラじゃなく、作者自身だけだな
グッジョブです!
自演丸わかり、くっさぁ
>>550 ,彡ニ三三三三三三三ニ=ヾ;:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:i;:;:;:i' _,,,,._ 、-r
,彡ニ三三三三ニ三三ニニ;〃ヾ、;:;:;:;:;:;::;:;::;:::;:/;:;:/ .,','" ̄',〈... _,,,_ _,,,_ _,,,,,| |
,彡彡,'',ニ=ミミミ三三三三ニニ彡 `゙゙''ー-、;:;:;:;/;:;/ { { ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l
',彡'/ r' ノヽヾミ三三三三三彡' _,,,,,,、ヽ;:;ィ''| .ゝヽ、 ~]| ,i i i l i l i i .i i .i .i
彡'|.|(‐'''" 'iミニニ三彡"´ ̄ `゙゙ー' ;;;:| `ー-‐'" ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ
. 彡i、ヾ (' ヾミニ三' __,,、 ....ノ / r--, 、-r
彡ゝ `'' " |ミミミ' ‐'"ひi,;'´ ,ィ;;ァ' ~`l | _,,,_ | |,,,,,_
'彳`ー‐i |ミミミ' `゙ーシ' |、ニ' | | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
--、/ i |ミミ .,,r‐''" | ノ | | i i i l .| i .i |
く'ノ :i ミミ ´ ., ' |' l l ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
、\ .l ヾ .ノ(_,,、. | (~'-'ノ
:\ヽ, ヽ / `t‐一' __ `~~
::::ヽ ヽ `::. ,; ' .:i 〈 ヽ
:::::::ヘ ヽ `::. ''"⌒゙''一ノ | }
::::::::::ヘ.ヽ ヽ、 ` ー'ーノ !>'⌒ヽ、
::::::::::::::ヽヘ `ー┬‐一;;''""´ /ヽ、 , )
\、:::::::::ヽヽ /::ヘ ) `゙'ー、_ /:::::::::Τ  ̄ `l
〃`゙ー、;;;;\\ /i:::::::丿 ' , ' , '`゙ヽ、 /:::::::::::┼‐- -ノ
乙
なんとか完成させるんや…
グッジョブです
寝惚けたフリをして兄の布団に潜り込み、更にキンタ枕(うつ伏せ、深呼吸)をするキモウトはありですか?
某所のパクリはよせ
荒らし以下の最低な行為だぞ
パクるつもりはないんだけど、
ただ個人的に有りか無しか聞きたかっただけなんだが、
こうゆうのは駄目なのか。
投下します。
567 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 07:57:07.23 ID:ilRsFmbN
仕事の合間に一息いれ、思い出す。
流石に土曜日はやりすぎたか……自分の迂闊さに反省する。
弟を魅了させようと思いついた手だった。
あわよくば襲い掛かってこれば―――詰みだったのに…。
逆に不信感を抱かせてしまった。
しかし、私は気付いていた。弟自身も興奮していたことを。
荒い息遣いと股間の膨らみでバレバレだ。
誤魔化せると思ったのだろうが…甘い。そこがまた可愛いんだけどね―――。
弟が寄生虫…もとい妹を追いかけていって一人ぼっちになった私は、弟のベッドでオナニーにふけってしまった。
つい我慢できなかったから…。
何回絶頂に達したか、覚えていないくらいだ。
今、思い出しても身体から熱が湧き出てくる……。
そんな調子だったから、二人が帰ってくるまでに片付けが終わるかが心配だった。
だから日曜日は嫉妬で狂い死にそうだった。
あの寄生虫はデートなどと妄言を吐いていたが、弟に詳しく聞くと女性に慣れるための訓練、だそうだ。
いずれ私を紳士的にエスコートしながらデートしてくれるということなのだろうか…。
別にそんな必要ないのに…、私に任せれば全部―――いや、弟に全てを委ねるというのも魅力的だ。
じゅる…
―――いかん、よだれが。
今日は早く帰れる、今度こそ弟とご飯を食べよう。
邪魔な虫がいるから外食にしたいが、弟は優しいから家で食べたがるだろう…。
でも、今度の日曜は私とデートしてもらわなきゃね?
我に返ると、周りの人間が私との距離を置いていた。
……そんなにマズイ顔してたのだろうか。
568 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 07:58:51.76 ID:ilRsFmbN
―――夕食の席でアプローチしてみることにする。
「ねぇ、来週の日曜日に映画観に行かない?チケットが“二枚”手に入ったからさ」
枚数は強調して言う。虫の居場所はないのだと分からせる為に…。
「待って下さい。日曜は私と動物園に行く約束があります。そうですよね、兄さん?」
この虫が!!身体に言わなきゃわからないみたいね…。
高校時代に身に着けた合気道で―――
「あー、ゴメン。日曜はゼミの連中と遊びにいくから。それと、動物園の約束はしてないぞ」
「訓練もありますし、その場の勢いでOKしてくれるかと…」
「そんなわけあるか!」
虫の愚策は置いといて…。
「夜も遅いの?早く帰ってこなきゃ駄目よ?」
「いや、夕方には解散になると思う」
「そう、ならそのあとで映画行きましょう。レイトショーなら安いし」
「姉さん、さっきと言ってることが逆じゃない?」
「細かいことは気にしないの。決定ね」
「…ちなみにどんな映画?」
「薄暗い下水の底からっていう―――」
「却下!!ホラーが苦手なの知ってるでしょ!?」
「えー」
ちっ…、また駄目だったか。
ホラーなら気兼ねなく抱きつけるし、抱きついてきてくれたら一石二鳥だ。
まぁまたの機会にするか、がっつくと土曜日の二の舞だし。
ゼミの仲間なら男ばかりだろうから心配は…。
――――――いや、一人だけ危険人物がいた。
あの雌豚…、たしか弟と同期で仲が良かったはず。
いつか尾行したときに感じた印象…。
まさか奥手な弟に喰らいつこうというのか!?
やっぱり心配だ、見に行くべきだろう。
とりあえず、変装道具を揃えなければ…、手始めにコスプレ好きの友人に電話を掛けることにした。
569 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 07:59:38.87 ID:ilRsFmbN
日曜日、待ち合わせ場所で待つ弟を遠くから見守る。
見失っても位置はGPSでばっちりだ。
ちなみに今の私の恰好で、私と気づく人はいないだろう…。
ふと見ると、離れた場所から弟を除く怪しい人影があった。
パッと見わからないが間違いない…虫もまた気になったんだろう。
弟の方を見ると、誰かと話していた。
あの雌豚だ!
やっぱり来ていたようだ。
どうやら移動するらしい…、そこで違和感を感じた。
――――たしか弟はゼミの連中と言っていなかったか?
どういうことだろう、あとで合流するのだろうか。
いや違う、嘘をついて弟を呼び出しデートするつもりだったんだろう。
汚い手を使う…どう始末してやろうか…。
距離をとって後を尾けることにする。
二人が向かった先はなんとカラオケボックスだった。
まずい、密室で弟が犯される!!
どうするべきか?……弟を後ろから上手く倒して、気絶させてから介抱の名目であの女から遠ざける…よし、これでいこう!
弟に気付かれないよう後ろに近づき―――
ドオォォォーン!!!
…何が起こった!?
辺りが騒然とした―――
見ると、カラオケボックスの入り口が吹き飛んでいた。
ふと虫のほうに顔をやると、携帯を手にしていた。
冷めた目で見ていることからどうやらこいつの仕業のようだ。
爆弾か何か仕掛けていたらしい。
とりあえずは一息だが…。
しかし、何故二人の行動パターンが読めたのだろうか…?
まさか全てのカラオケボックスに爆弾を仕掛けていると?
何はともあれ、一つ借りにしておこう。悔しいが……。
570 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 08:00:42.59 ID:ilRsFmbN
二人は気まずい様子で前を通り過ぎていた。
私も間隔を空けて追う。
店先を見るとグチャグチャになっていたが、幸い怪我人はいないようだ。
次に向かった先は路地裏にあるイタリアンレストランだった。
中に入り、二人が見える位置に席を取る。
はたから見ればカップルの様に見えなくもない…。
「ひっ!!……あ、あのメニューをお持ちしました…」
いかんいかん。つい殺気だってしまってウェイトレスを脅かしてしまっていた。
オススメのランチメニューを頼み再び観察する。
―――――――――ただ見るだけがこんなにも疲れるとは思わなかった。
今すぐ、引っぺがしてあの雌豚を屠殺してやりたい…。
「…サラダを…お、お持ちしました…」
ここは一つ、食べて落ち着こう…。
そう考えて握ったフォークが簡単に曲がってしまった。いや、マジックとかじゃなくて…。
なんとか戻そうと反対に曲げたら簡単に折れてしまった。
結局、五本以上のフォークとスプーンを折ってしまった…。
レストランのオーナーには悪いことをしてしまった。
しかし、こっちも一大事なのだ。
あの豚から弟を守らなければ!
レストラン内で大事にはならなかったので良かったが、まだ予断を許さない。
571 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 08:02:12.76 ID:ilRsFmbN
店を出る二人を追うと、虫が話しかけてきた。
そういえば、こいつの姿を店内で見かけなかったが…高校生には料金が高すぎたかな?
「…提案があります。私と手を組みませんか?一時休戦ということで…」
「そっちの条件は?」
「店内での二人の状況を教えて下さい。こっちも情報を差し上げます」
「…わかったわ。休戦の期限は二人のデート終了まででいいわね?」
さっきのカラオケの一件もあるし、これで貸し借りなしにしておこう。
「そういえば…」
「何ですか?」
「どうして弟があそこのカラオケに入ると分かったの?」
「割引券を渡しておいたんです。兄さんなら必ず行くだろうと」
なるほど、いい手だ。私も今度使おうかしら…。
それから二人を尾行しながらも、情報交換をする。
時刻は夕暮れが迫る頃になっていた…。
今、二人は海辺の観覧車に乗っている。
私たちはというと、観覧車が見えるオフィスビルの屋上に来ている。
双眼鏡でヒットマンよろしく監視というわけだ。
「どうですか?」
「西部戦線異状なしよ」
572 :
水面下の戦い4:2012/11/24(土) 08:03:11.26 ID:ilRsFmbN
ゴンドラの密室の中、二人がキスするという最悪の事態は避けなければならない。
私は常時監視、虫は携帯片手に待機という状況だ。
「随分古い映画を知っているんですね」
「知識が多いことに越したことはないわ」
「―――昔、お父さんが観てたやつですね…」
「…えぇ」
ふと、父という言葉で家族についてもう一度考えてみた。
今の私たちは何をやっているんだろうかと…。
「皮肉なものよね…同じ肉親を好きになるなんて」
「…それは今更では?」
「何時からあの子に恋してたのかしらね…普通なら、大学時代の仲間や同僚、合コンで知り合った相手と親しくなっていくはずなのに」
「なら今からでも間に合うのでは?兄さんのことは私が―――」
「まさか。でも私たちが自分を取り合っていると知ったら悲しむでしょうね」
「……」
「いずれ答えがでるわ。その時―――」
瞬間、豚が弟のほうに顔を近づけた…マズイ!!
「早く携帯を!」
「は、はい!!」
突然携帯が鳴り、二人の距離は離れた。
危機は脱したか…。
虫…もとい妹は適当なことで弟と会話し、相手に隙を与えないようにしている。
少なくとも観覧車内では要注意だ。
その後、二人が駅で解散するのを見届けてから、私たちも時間差で帰ることにした。
「家族…か」
投下終了です。
なんか作品のレベルが極端に低下してきたな
かつての上手い作家さんたちは帰ってこないのかな
かつての上手い作家www
古参ぶった新参乙
文句しか言えないなら書き込まなければいいのに
578 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/24(土) 20:34:42.69 ID:+X/dfZmm
トリつけました。
投下します。
「…おはよう」
「!?っ。お、おはよう」
正直朝一から顔を合わせたくなかったな…。
昨日のデートから一夜明け月曜日。
最後の観覧車内でのことが思い浮かばれる…。
――――――――――――
「ふう…、結局二人で周っちまったな。他の皆がいきなり急用ができるなんてな」
「そうね、それにしてもカラオケはびっくりしたわね〜」
「テロか?!って焦ったな」
「でも良かった。怪我がなくて」
「お互いな」
「…ねぇ、今日はどうだった?」
「どうって?」
「その…楽しかった?」
「そりゃ、楽しかったよ。デートなんてほとんどしたことないしな。ドタキャンした連中にある意味感謝しなきゃいけないな」
俺がそう言うと、彼女はホッと笑うような表情を見せた。
それに少し惹かれてしまった…。
「実はね、今日は他の皆にお願いしたの」
「え?」
「二人きりで過ごしたかったから…」
「?!っ、それって」
「私ね、あなたのことが好きなの。―――ずっと前から好きだった…。」
「……」
突然の告白に戸惑うしかなかった。
こいつとはずっと友達でいるんだろうと考えていたからだ。
―――?!
気付くと、目の前まで顔が迫っていた。
互いの唇が触れる距離に――――――
――――♪――――♪
ビクゥゥ!!!
急に携帯の着信が鳴り、顔が離れる。
「あ!ゴメン!!ちょっと…」
「…うん、いいよ。大事な用事かもしれないし」
「もしもし」
『兄さん?私』
「ど、どうした?」
それから妹との会話に阻まれて、観覧車内で話すことは出来なかった。
その妹はなんだか要領を得ない内容の話しかしてこなかったが…。
駅に着き解散となったが彼女は最後に一言。
「あの、その…へ、返事はすぐじゃなくていいから…。でもちょっとは考えてくれると嬉しいかも…」
「あ、ああ…」
こういうとき普通なら気の利いたことを言うんだろうな…。
そう思いながら彼女の後姿を見送っていた。
――――――――――――
嬉しくないといえば嘘になる。
だが、告白されること自体初めてなのでどうしたらいいかわからないというのが本音だ。
二つ返事でOKして付き合うのは簡単だが…そんな軽い気持ちでは言えなかった。
確かに好意を持っていたのは事実だ、でもそれは友達として…だ。
俺はあいつのことが好きなんだろうか?
「ただいまー」
「お帰りなさい、兄さん」
夕方になり帰宅する。
あれから色々考えたが、答えについて何も思い浮かばなかった。
代わりに何故あいつは俺みたいな奴に告白してきたのか、と疑問に思った。
自分で言ってしまえば終わりだが、取り柄らしいものも無し、顔も並み…だと思う。
いや中の下か?
まあとりあえずわからないのだが、男と女では考え方が違うのかもしれないな…。
そこで家族であり女性でもある妹に聞いてみることにした。
「…なぁ、俺のことどう思う?」
「え?それは大事な家族ですけど…」
「いやそうじゃなくて…男としてさ」
「?!え、い、いやそれは!あのその…」
しまった!
妹相手になんて聞き方してるんだ…。
また誤解されるぞ―――
「に、兄さんはその昔から私のこと大切にしてくれて…それで―――」
「あー、違う違う。その、俺の男の魅力って何なのかなって?」
「騙されやすいところもあるけど、そこが可愛いというか萌えポイントというか―――」
「おーい?話聞け」
「でもそんな頼りないところだけじゃなくて、いざというときには身体を張って―――」
パン!!
「猫騙し!」
「ひゃう?!」
「落ち着いたか?」
「は…はい…」
「変な質問して悪かったな」
「あ、いえ。こちらこそ取り乱してすいません。それで何でしたっけ?」
「いや、忘れてくれていいよ」
なんかぶつぶつ言っていたが…、姉さんには聞かないでおこう。
やっぱり女性以前に家族だしな…。
翌日、授業も終わり街中をぶらついていると…。
「よう、久しぶり」
「お?おう、ほんと久しぶり。元気してたか?」
高校時代の友人と遭遇した。
こいつは高卒で働き始め、今では嫁と子供までいる凄い奴でもある。
―――そうだ、調度いい。
「なぁ暇か?飲みに行かねえか?」
「まだ夕方だぞ…ま、でもいっか」
ノリが軽いのも相変わらずだ。
しかしこいつなら今の俺の疑問に答えを与えてくれるだろう…。
あ、あと妹にメールもしとかなきゃな。
とりあえず飲み屋に入り、乾杯。
「告られたのか?!付き合っちまえよ!!」
「それが出来れば苦労しないんだよ…」
「なんでだよ?こういうのは勢いだぞ!」
「お前みたいにはなれないっつーの」
「あんまりウジウジ考えてても何も出てこねーよ!変わらねーな、おい」
「どうせ根暗だよ…」
「単純に今どう思うか、だ。俺も結婚出来たのもそれに従ったからさ」
「自分に素直になれってか?」
「そうだ!!深く考えないほうがいいときもあるさ!!!」
「…そうか、そうだな」
なんとなく気持ちが晴れた気がした。
やっぱり経験者は違うな、相談して良かった。
その後は久しぶりということもあり、盛り上がった。
結局帰宅出来たのは、日付が超えるかという時間帯だ。
「いかん、飲み過ぎた…。胃腸薬…」
玄関を開けると、奥に明かりが見えた。
まだ誰か起きているのか?姉さん?
「ただいま…」
「おかえり、静かに…ね」
リビングには夜食中の姉さん、そして―――
「なんで、こいつ…」
「心配してたわよ。兄さんが夜遊びしてるって」
妹が机にもたれかかって眠っていた。
「遅くなるってメールしといたのに」
「でもめずらしいわね、深夜帰りなんて」
「高校時代の友人とバッタリ会ってさ、つい盛り上がっちゃって…」
「気持ちはわかるけど、あんまりおそくなっちゃ駄目よ。私だって心配してたんだし」
「ああ、ゴメン。姉さん…」
そういってリビングを出る。
風呂は朝にしてもう寝るか…。明日の午前は授業出れそうにないな。
そういえば、携帯の電源をオフにしたままだったな。
「―――?!!」
オンにすると、メールの受信件数が百を超えていた。
それに着信も半端ない数だ…。
全て妹から―――。
「兄離れさせるべきかな…これ…」
投下終了です。
誰も読んでいないのに……
リスナーのいないミニFM局のDJより更に虚しいな
投稿あるたびに律儀に荒らすお前が見てるじゃん?
避難所をもっと有効利用すりゃいいのに
あっこ8月以降レスついてないぞ
粘着荒らしがうざいようなら移住してしまえばいいのに
まさに見てるだけ
決して読んではいない
GJ
早く修羅場来るんだ!
読み応えのある作品、ありがとうございます。
エロシーンもあるのかな、と心中ワクワクしています。
プゲラ必死過ぎ
594 :
名無しさん@ピンキー:2012/12/07(金) 19:54:04.92 ID:ZA5Z8fh6
俺が小学5年のとき、兄ちゃんは持田香織がめっちゃ可愛いといった。
俺は兄ちゃんの部屋に忍び込んでELTのCD全部にさりげなくキズをつけた。
俺が中学1年のとき、兄ちゃんの部屋でえっち本を見つけた。
俺は容赦なく母親にチクッた。母親は兄ちゃんの留守中に黙って本を捨てた。
俺が中学3年のとき、兄ちゃんが彼女を家に連れてきた。
俺は玄関にあった彼女の靴の底にロウを塗った。彼女は帰りがけに玄関で派手にコケた。
俺が高校3年のとき、兄ちゃんは親に内緒で彼女と旅行にいった。
俺は彼女の両親に匿名でチクッた。兄ちゃんは彼女と別れさせられた。
みんなほんとは俺のせいなんだ。いつもいつも嫉妬してごめんな兄ちゃん。
俺のマ○コに免じて許せ。兄ちゃんの好きにしていいから。
や、め、ろ
投下します。
「この問いに関してはこの公式を当てはめると解けます…では次の問題―――」
結局、兄さんは昨日帰ってこなかった…。
メールや電話を掛けてみても返事が来なかった―――。
折角夕食の準備をしていたのに、また一人で食べることに…。
何度目だろうか?
もう慣れてきてしまった…でもやっぱり寂しい…兄さん―――。
今朝も話をしたかったのにすぐさま出掛けて行ってしまった。
何か悩んでる様子だったが…。
どうもあの雌犬と会った一昨日に何かあったようだ。
可能性があるとすれば、観覧車の中で…。
バキッ!!
兄さんはゼミの付き合いで仕方なく構っているだけなのに…畜生の分際で調子に乗るか…。
そろそろ我慢の限界だ―――どうしてくれよう。
磔にして火だるまに…、いやクズどもに蹂躙させるのもいい手かも…。
「―――さん、この問いの答えは…」
KYな教師が何か言ってきた。
うるさい…今重要な考え事の最中なのだ。
私と兄さんとの将来を左右する―――。
「…」ジロッ!
「―――?!…いえ、いいです。先生が書きます…」
いずれにせよ計画が必要だ。
構想を練らねば…
「―――?」
気付くとシャーペンが折れていた。
脆過ぎる。
なんという不良品だろう…、こんな物を販売しているとは。
このメーカーは駄目だな…。
「―――あの、こんばんは」
「あ、あらあなたは…」
「はい、兄がいつもお世話になってます」
まず、敵を知ることが第一歩だ。
放課後に雌犬との接触を図る。
あらかじめ秘密裏に尾行しておいたので生活習慣は掴んでおいた。
前回の会話で兄に好意を持っているのはわかったが…それが友情なのか、あるいは―――。
正直、雌犬との接触は苦痛だがやむを得ない。
どんな手を使っても絶対に兄さんは渡さない…!
「偶然ね、帰り?」
「はい、でも探してる参考書があってこの辺りまで出向いてきました」
「勉強熱心ね〜、エライエライ」
「―――そちらも帰りですか?」
「うん、今日は一度帰ってそれからバイトだね」
「大変ですね…、どこで働いてるんですか?」
「ちょっと離れた雑貨屋さんだよ。―――ところでね、私あなたのお兄さんと付き合うことになったの」
「……え?」
何を言っているんだろうこの雌犬は…。
「あのね、先週の日曜日告白して…それで今日受けてもらったってところ…かな」
ナニヲイッテイルンダロウコノメスイヌハ…。
「あ、ごめん、もうこんな時間?!帰らなきゃ!また今度ね!」
ハシリサッテイクメスイヌ。
アア、イマノハモウソウのタグイか…ナンダ人を驚かせて…。
可愛そうな雌犬さんね…。
兄さんに確認すればそれも実証されるだろう。
夜になり晩御飯の支度をする。
今日は三人一緒だ。
姉さんは仕事疲れか、ソファでごろ寝している。
兄さんは一緒に準備してくれている。
やっぱり優しいな、兄さんは。
「今日の朝は悪かったな」
「何です?」
「何も言わずに出かけて行って…」
「いえ、いいんですよ。気にしないでください」
私がそう言うと、私の頭を撫でてくれた…。
あぁ…兄さん…。
あまりの快感にちょっとイッてしまった…。
兄さんはいつでも私のことを考えてくれる人だ。
だから、あの犬の妄言なんて―――
「ああ、そうだ。ちょっと報告があるんだ」
「……はい?」
ふいに嫌な予感がした。
兄さんは何を言おうとしてるのか…。
まさか…いやそんなはずはない。あるわけがない!
「じ、実はな…、俺に…彼女が出来たんだ」
彼女、かのじょ、カノジョ……ナニソレ?
「先週の日曜日に告白されて…今日返事をした。よろしくお願いしますって…」
顔を掻きながら恥ずかしそうに話す兄さん…。
でも…私は…そんな―――
ドサ!!
気が付くと自分の部屋だった。
どうやらベッドに寝かされているらしい…。
…気絶していたのだろうか?
起き上がり時間を見るともう深夜だった。
家の中が静かだ。
皆寝てしまったんだろうか?
ふと嫌な記憶が蘇る――!
「ぐっ!!…かは!!」
ゴミ箱に嘔吐してしまった。
「はあはあはあ…、うぅ…グスっ」
何で?
何で?兄さん…。
私を置いていくの?もう私なんかいらないって…。
涙が止まらない…、止められない…。
どれだけそうしていたんだろうか…。
ようやく涙が止まり、少しは冷静に考えられるようになってきた。
そうだ…本来の目的を忘れるな…。
要はあの犬をなんとかすれば―――。
そこで疑問が出てきた。
姉さんは、どうしたのだろう…?
数日が過ぎ、日曜日になった。
あの後、雌犬を屠殺するために色々準備をしてきた。
無論、証拠が残らないようにしなければならない。
ネットで調べ可能な限りの用意をした。
私から大事なものを奪うやつは誰であろうと…。
犬の通り道に待ち伏せする。
計画は単純だ。
後ろから攻撃、気絶させあとはゆっくりと痛ぶって―――。
やって来た!!
身を構えて隠れる。
もう少し…。
もう少し…。
モウスコシ…。
今だ!!
飛び出そうとした瞬間―――
ガシッ!!
誰かに肩を掴まれた?!
振り向くと姉さんがいた。
なんで?!!!
「焦っちゃだめよ。…ちょっと話があるの。あなたにとっても決して悪くないわ」
そういう姉さんの顔はとんでもなく恐ろしく見えた。
同時に私も酷い顔をしているのだろうか…。
いや、―――しているのだろう。
投下終了です。
完スルーでありんすw
605 :
名無しさん@ピンキー:2012/12/12(水) 21:37:26.45 ID:8qP+OnRt
「言葉(風紀服装世相)の乱れ」はそう感じる人自身の心の乱れの自己投影。他力本願で問題解決力が低く対外評価を気にする不寛容者ほど、自己防衛の為に礼儀やマナーを必要とする。不快や嫌悪の原因は「本人の愛(寛容・想像力・人生経験)の欠如」/感情自己責任論
>>607 よく読んでごらん
君が月曜日にGJ付けたのと同じ文章だから
続きが来たんじゃないよ
投下します。
今週の月曜日、人生初の彼女が出来、晴れてリア充の仲間入りをした。
そして次の日曜日に初デートとなったわけだ。
無論妹との買い物はカウントしていない。
―――が…。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……何とか言いなさいよ…」
「…んー、なんとか」
ベキ!
元々親しかったわけで今更何を話すべきかわからなかったりする…。
月曜日に返事をしたとき、こいつは涙を流して喜んでいた。
そんな反応に少し困ったが、でも嬉しくもあった。
泣くほど自分に思いを寄せていてくれたことに…。
ちなみにまだキスもしていない。
どうアプローチすればいいかわからない…というのもあるが、相手の真剣な気持ちにこちらも応じなければならない。
軽はずみな行為は避けたかったのだ。
「折角恋人同士になったんだから、もっとロマンチックなことでも言いなさいよ」
「…例えば?」
「“ずっと昔から君を知っていた気がする”とか―――」
「漫画の読み過ぎだ!!」
「お待たせしました―――デラックスパフェです」
頼んだデザートが来たようだ。
かなり大きめの、一人で食うにはキツイと思われる化け物が登場した。
「これを全部食ったら胸焼けしそうだな…」
「そう?私には美味しそうに見えるけど」
「さっきあれだけ食べてよく腹に入るなぁ…」
「スイーツは別腹よ」
「―――だから太るn」
ベキ!!!
「だから二人で分けるんでしょ?」
「ふ、ふぁい…」
やっぱりそれは禁句か…。
「―――はい、あーん?」
「……」
「どうしたの?」
「…やっぱりやるの?」
「当たり前じゃん!!」
「………あーん」
「美味しい?」
「…ん」
変わらないようでも、変わっていくものだ。
今までは何処か夢うつつな気分だったが、こいつは本当に俺の彼女になったんだな…。
この後プリクラを撮り、服屋を見て回るうちに夕方となり、お開きとなった。
「もう一日も終わり…ね」
「ああ、ゴメン。来週は大丈夫だから」
「じゃあ来週の日曜は……私のアパートでね。朝まで帰さないわよ?」
「へ?」
「……」
「……!!」
お互い顔を赤くする…。
カップルが一夜を過ごすということはつまり…そういうわけで…。
「もう何言わせんのよ!!」
「俺のせい?!」
「こういうときは男性からリードするものでしょ?!」
「面目ない…」
「―――それにもっと一緒にいたいんだから…」
「…明日になればまた会えるさ」
「……うん」
駅の改札口で見送る。
あいつは見えなくなるまで振り向いて手を振っていた。
日が沈み、夜となった。
本来はそのまま彼女と夜のデートを過ごすはずだったが、それを中止してまでの用事が今日はあった。
というより、つい先ほど出来たんだが…。
「お待たせしました、兄さん」
「いや大丈夫。そんなに待ってないよ」
「急なメール、ゴメンね。でも予約取れるのが今日しかなかったからさ」
「姉さんもいいよ、別に。それに家族三人で外食なんて久しぶりだし」
待ち合わせスポットにて姉妹と合流する。
用事とは何のことはない、家族サービスだ。
家族の絆は切れることは無いが、いずれお互いに相手が出来て離ればなれになるだろう…。
だからこそ、今の時間だけは大切にしたい…。
「そういえば、あんたの彼女ってどんな人?」
食後のドリンクとデザートを楽しんでいるとき、姉さんが聞いてきた。
…まぁ当然だろう。
「大学の同じゼミにいる奴。明るい性格だな」
「私は以前にお会いしましたよ」
「ふーん、―――それで告白のときはどうだったの?どんなところに惚れてる?結婚は考えてる?子供の名前―」
「ちょ、ちょっと?!!そんな聞かれても…、って子供?!」
「私も興味あります。それにこんな兄さんのどこに魅力を感じたのかも」
「お前らぁ…」
ふと気付く。
そういえばあいつはなんで俺のことを好いてくれるんだろうか?
聞こうと思っていたが、忘れていて聞けなかったな。
明日にでも聞いてみるか…。
「それで?まさかCまでいったの?!」
「言い方、古っ!おばさんかよ!!ってそうじゃなくて!」
「何ですってぇ?!」
「兄さん…学生の身で相手を身重にするなんて…」
「いや、違うから!変な妄想をエスカレートさせんな!!」
「―――お客様、店内では静かにお願いします」
ほら、怒られた…。
「もう時間だしそろそろ出るか」
「んー、そうね」
「会計は俺が払っとくよ」
「えっ?どうしたのよ、ここは私に任せておきなさい。これでも社会人よ?」
「いや、たまには払わせてよ。外食の度に姉さんが払ってるじゃん」
「学生が無理しないの。ここは大人に従うところよ」
「…じゃあせめて半分でも」
「―――ふう、しょうがないわね…。気持ちは嬉しいけどお金は大事にしなさい」
「わかってるって」
「兄さんは彼女さんにほとんど使ってしまいそうですね?」
「そこまで自分を見失ってないよ」
まぁたまには家族に貢献したいと考えることもあるのだ。
コト。
「どうぞ兄さん」
「ん、ありがとう」
風呂上りに妹からお茶を受け取り一杯―――。
「ふぅ、一息ついた」
「お疲れ様でしたね、今日のデートはどちらに?」
「街をぶらっとしただけ。とくに変わったことはしてないよ」
「…そうですか」
「この辺は遊べる場所が少ないから―――ふわぁぁぁ」
何か身体が急に重く……。
意識もだんだんと―――。
せめて部屋に戻ってからじゃないと…風邪――ひく――――
ピピピピピピピピp!
「ん?!」
カチン!!
朝、か…。
起き上がると身体のだるさを感じた。
風邪―――ではないな、この感じは。
…そういえば、昨日リビングで寝ちゃったような気が……。
なんでベッドで寝てたんだ、無意識に戻ってきたのだろうか?
コンコン!
「兄さん?起きてます?朝食は出来てますから早く来てください」
「おー、わかった。今行くよ」
「…あと昨日はご馳走様でした」
「ん?いいよそんなこと。何れお前に奢ってもらうときもくるだろうからさ、そのときを楽しみしてるよ」
「ええ、いつかは。…では、お待ちしてます」
パタパタパタ…
携帯を見ると、あいつからおはようのメールが来ていた。
やっぱり恋人の存在は人生を豊かにするな。
何れ姉さんや妹にもいい人が現れるといいな。
「本当にゴチソウサマでした、兄さん―――ふふ、フフフ」
投下終了です。
GJ
寝てる間に犯られたか…
GJ
妹ちゃんが切なくて泣けてきた
お兄ちゃん食べられちゃったのね
ありがとうございます。
荒淫、もとい口淫だけだったと信じたい……。
投下します。
※……この話は架空のものであり、実在する人物、団体、事件、国家などとは一切関係ありません。
また、作中において、現在施行されている実際の法制度とは違う点がありますので、ご注意ください。
「あなたがいないなら何もいらない」
今や中天に昇った太陽が、容赦なく顔を焼く。
「うううっ、眠……」
八雲清次(やくも せいじ)は半ばいびきでもかくかのように起きた。
「それだけ眠っていてか」
一部始終を隣にいて把握していた半川操(はんかわ みさお)は、あきれたように声をかけた。
それもそのはず、清次は1時間目ぎりぎりに教室に入ってきて、その上午前の授業はすべて眠っていたのだ。
「昨日は何杯飲んだんだ?」
「うるさいなあ。いいだろうよ、別にお上に逆らっているわけじゃなしさ」
そういって彼は再び机に突っ伏す。
未成年者の飲酒や喫煙を禁じていた、今や法律史でしか見られないような過去の法律に縛られることはない。清次はそう言いたいのである。
「しかしいつもはこんなべろべろにはならないだろう。何があった?」
「妹と弟がいちゃいちゃしているところをからかったら、妹に水を引っ掛けられた。
だから頭にきてカフェでギリギリまで飲み直してきた」
「あ、やけに酒臭いと思ったらやっぱり直で来たんだな」
そこに、彼らの共通の親友である酒井希一郎(さかい きいちろう)が来た。
「ソウ、キヨがどうしたの?」
「あ、キィ、お前もキヨに何か言ってやれよ。こいつ酒を飲んでそのまま来やがったんだぜ」
「静かにしてくれ……、無い頭が痛い……」
「ははは。まあキヨのことだし仕方ないんじゃない?」
「ったく、これで俺たちより勉強の出来がいいってんだから、神様は世の中を不平等に作ったもんだよな」
呆れ果てた操は肩をすくめると、話題を転じた。
「ところで、喋る内容の準備は大丈夫だろうな」
操に突かれ、熊のようにむくりと起き上がった清次が言葉を返してきた。
「翼さんの、だろ? ちゃんとできてるって」
「誕生パーティー?」
「そうだ、キィ、酒井家にも招待状が来ているはずだぞ」
「そっか。それで、大丈夫、というのは?」
「あー、言ってなかったな、こいつがスピーチをやるんだ」
「本当?」
「ああ。といっても政財界の重鎮の前座のような扱いだけどな。
和泉元首相やトミタの奥石会長が後ろに控えているんだから、俺なんて添え物みたいなもんだよ」
「ええっ、凄いじゃないか。そんな人たちと一緒に喋れるなんて」
羨望と憧憬の含まれた眼差しを向ける希一郎とは対照的に、操は清次の小賢しさを疎むかのような口ぶりで続けた。
「こいつは文章とか演説とか、憎たらしいけど政治家やお偉いさんに必要な能力は人一倍あるからな」
「そう言ってくれて光栄だよ。
……っと。電話だ」
清次のスマホが鳴りだした。
彼の秘書から彼の下にかかってくる電話の着メロは、ジョルジュ・ビゼーのオペラ「カルメン」の中で歌われるアリア「ハバネラ」である。
「あ、悪い。秘書から電話だ」
「うん、わかった」
「じゃ、また。忘れずに来いよ」
席を立ち、手刀を切って2人から離れる。
「清次だ。何かあったか?
ほう、川中教授のノーベル賞受賞が今日発表されるんだな。
なら清洛大学に適当な金額をぶち込めるようにしとけ。
播州大学と難波市立大学は、……まあ、とりあえずは寄付はしなくていい。
それとだな……」
その様を傍で見ていた希一郎が操に語りかけた。
「忙しいみたいだね」
「ああ、俺らも午後の授業の準備にかかろう」
そのようにして、彼らはその場を離れた。
「ああっ!」
操は、ベッドの縁に座り、自らの彼女である篠崎亜由美(しのざき あゆみ)を乗せた状態で、股を大きく広げさせ、下から突き上げていた。所謂乱れ牡丹である。
片手を亜由美の腹に宛がいつつ、セミショートの髪を――激しく揺らしている下半身とは対照的に――優しく撫ぜる。
普通、この体位だと胸を揉んだり、クリトリスを弄ったり、はたまた首筋を啄んだりするのが常であるが、操はこうすることが好きだった。
一通り髪を弄んだ彼は、抱いている恋人の耳元に囁いた。
「どうだ、咥えこんでいるのが、よくわかるだろう」
彼らの目の前には大きな鏡があった。そこには、突き、突かれて乱れる二人の赤身が余すところなく映し出されている。
「やだぁ、恥ずかしいよぉ!」
「じゃあ」
と、操はベッドに素早く押し倒し、彼女を仰向けにさせると、そのまま再びクレヴァスに分け入った。
「ん、ん、あ、あっ」
「そろそろ、限界だっ……」
「あ、あ、あたしも、もうイくから、一緒に」
そう聞いて、彼は最後の追い込みとばかりにスパートをかける。今、彼は亜由美の恥丘に全精力を集中させていた。
「あっ、あっ、あっ、亜由美、亜由美!」
「ん、ん、ミ、ミィくん、ミィくん!」
「「イクゥッッッッッッッッッッッ!!!!!!」」
叫ぶとともに、彼は、恋人の中に自分の中のものを全て吐き出した。
「しかし、参ったよ」
そう言って、操は横になったまま首だけを動かし、少なくない時間を共に過ごしてきた恋人の方を向いた。
「どうかしたの?」
「いや、姉貴のことさ。
姉貴が18の誕生日を迎えるんだ。成人になるからかは知らないけど、いつにもまして盛大にパーティーを催すみたいでさ。
で、俺にも来いって言うから、亜由美も連れてきていいか訊いたら、同伴は家族以外認めないって言うんだ」
「でも、仕方ないんじゃないかな。やっぱり家族で過ごす時間って大切だと思うし」
「そんなアットホームなパーティーじゃないって。政財界の魑魅魍魎が一堂に会するおどろおどろしい虚栄心に満ち溢れたものになるのは目に見えきっているんだから。
流石にボイコットしてやろうかと思ったよ」
「駄目だよ」
と彼女は、諭すように自分の彼氏に語りかける。
「家族に祝ってほしい気持ちは誰だって同じなんだから」
「そりゃ、そうだろうが……」
「だから、ちゃんと祝ってあげてね」
「……ああ」
「そして、ミィくんも、楽しんできてね」
「楽しいわけないだろう」
操の言葉に不満げな調子が込められる。
「俺が楽しいって思うのはお前がそばにいるときだけだから。
だから、ずっと一緒にいてくれ」
「うん、一緒にいようね」
そう誓い合いながらも、操はなぜとはなしに不安をかきたてられた。
「しかし、ちょっと汗を掻いたな」
「うん、そうだね」
「シャワー浴びてきたらどう?」
と、操はベッドルームに続いている浴室を指差す。
「ミィくんは?」
「俺は亜由美が浴びている途中で乱入する」
「もう!」
亜由美は彼の手の甲を軽く抓る。だが、貌を見る限り、彼女も満更ではないようだ。
「じゃあ、先に入るね」
断りを入れ、彼女はシャワーを浴び始めた。
それをガラス越しに、満足気に彼は眺めていた。
見られていることが分かっているからなのか、水滴の他にも、股間を、そこに生える芝生を、淫水が濡らしていった。
操は操で、これまた次第にむくむくと鎌首をもたげ始めてきた。
(この分だと、第2ラウンドもいけるかも…)
その時、携帯が鳴りだした。
「はい、半川操です。
……え、はい、わかりました。すぐに向かいます」
通話を終え、彼はシャワールームに向かう。その中にいる恋人と戯れあうため、ではない。
「亜由美、行かなきゃいけない」
「え、うん……」
寂しげな顔に、居た堪れなくなった彼が言葉を繋ぐ。
「今度は、またゆっくりしよう」
「約束だよ」
「もちろんだ」
と、残して、急いで服を着、その場を後にした。
だが、操は大きな後悔をすることになる。
たとえ家族からどれほど叱責を食らおうとも、どれほど家族親族や友人知人らに対する義理を欠こうとも、あの時一緒にいればよかった、と。
以上です。
ちなみに、タイトルは「あなたがいないなら何もいらない 第1話 嵐の前の静寂」です。
スルーされてやんの♪
新作GJ
パーティーは姉との婚約発表だと良いな
なんか虚しいな
誰にも読んでもらえないのに……
投下します。
彼女のアパートに泊まった日から2か月が過ぎた。
……結論からいえばいまだ童貞のままだ。
ファーストキスも済ませ、風呂に入り、いざ事に及ぼうとしたとき―――
自身が全く反応しなかったのだ……。
自分で悲しくなる出来事だった……。
彼女は
“男の人は緊張すると勃たなくなることもあるらしいから気にしないで”
と言っていたが、普通気にするだろ…。
次回は精のつくものを食べ、よく休まなければな。
あと劇的に変わったことが一つ―――。
なんと姉さんに彼氏が出来たのだ!
写真を見せてもらうと、茶髪にピアスといった…悪く言えばチャラい感じの人が写っていた。
同僚らしいその人から告白され付き合うことになったそうだ。
少し心配だが姉さんが選んだ人だ、信じるしかない。
そんなある日の夜―――
寝る前に明日提出するレポートの仕上げをしていたときだった。
コンコン…
「兄さん、起きてます?」
「んー、どうした?」
「…ちょっと相談がありまして…」
入ります、と言った妹の手にはお盆とその上にお茶の入った湯呑が二つ。
「いいよ、何かあったか?」
「―――姉さんがお付き合いしているのは聞いてますよね?」
「うん、その時にお前も一緒に聞いただろ」
「はい、……実は私も気になってる人がいまして」
――?!…ほほう、妹が恋愛相談とはな。
考えてみれば、3兄弟の中で付き合ってないのは妹だけとなる。
「なるほど?どうすればその人と付き合えるか、だな?」
「ええ…」
お茶を一杯啜る。
他人の色恋沙汰となると、興味深々となっていた。
そんな自分におばちゃんかよ…、とツッコミを入れる。
「それで、どういう人なんだ?」
「とても優しい人です、周りにいる他の人達のことを考えてくれる…。最初はその人のことをあこがていたんですが、それがいつの間にか好きだという気持ちに気付いて―――」
「そっか…いい人みたいだな。でもそんな相手じゃ人気もありそうだな。ライバルも多そうだ」
「いえ、そうでもないんですよ。その人の良さを知っている人はそうはいないんです」
「そうなのか?じゃあ―――」
突然身体が?!
ドサッ!!
椅子から転げ落ちてしまった。
なんだこれ?!指すらも満足に動かせない…。
「どうしました兄さん?!大丈夫ですか?!!」
「く…あ、あ…」
喋ることさえ出来なくなる。
何なんだ一体?病気か?!
妹が身体を支えてくれて、何とかベッドに寝かせてくれた…。
「具合はどうですか?」
かろうじて首を横に振る。
どうやら身体の自由が利かなくなっているようだ。
しかし、感覚は鋭敏になっていた。
そしてある一点だけが―――“自身”だけが怒張を立てていた。
「兄さん……」
それを妹に見られた!
いかんな…、また変態だの言われて誤解される。
弁解しようにも話すこともできないんじゃ―――
「フフフ―――兄さん…」
しかし妹の顔には軽蔑ではなく、至福の表情が浮かんでいた―――。
「私のあこがれの人――――――好きです、兄さん…。ずっと好きでした…」
?!
何を言って―――
「答えは聞きませんよ。もう駄目なんです。もう我慢なんてできません。このシアワセを手に入れてしまったら―――」
スリスリ、とズボンの上から撫でられる。
「苦しそうですね、兄さん。今楽にしてあげます」
ジィィィィ…
ジッパーを開けられ、下着も下げられて遂に空気に触れることになった自身。
駄目だ!!これ以上は―――止めさせなければ。
何とか身体を動かそうとするものの、意味のある行動にはならなかった。
「フフフフ…、そんなに怖がらなくてもいいですよ。ハジメテじゃないし」
どういうことだ?!
妹は経験があるというのか?
「ハァ…先から一杯垂れてますね…。ほら、こうやってしごかれると気持ちいいんでしょ?」
ニチャニチャという音が響き渡る。
羞恥と混乱で思考が止まりそうだ…。
「―――イタダキマス。あむ、んっ。んむ、んぐ、んんん」
!!!
ずちゅにゅちゅ、ニュプ。ジュリュリュウ…。
んちゃグチュ。ズズズズズ…ちゃぷにちゃニチュ―――
「ぷはっ。んん、兄さん、イキそうなんですか?フフ、でもまだ駄目ですよ。ちゃんと中に出してもらわないと…」
れろれろ―――
妹がなにをいっているのかわからなかった…。
でもとてもいけないことの気がして、くびをよこにふるくらいしかできない…。
「はあはあはあ、服が邪魔ですね。脱いじゃいましょう、兄さんのも…ね」
――――
「相変わらず、いい身体してますね…。―――私ももうビショビショです。お漏らししたみたい、あははは」
きじょういのたいせいでいもうとがひしょをあてがう。
なんかもうどうでもよくなってきた。
ただきもちよくなりたい。
「ふうふう…、イきます」
ずぷぷぷぷ…
「んんぅ!!…兄ぃさ…ん。奥までぇ…届いてぇ…」
ずぷずぷずぷ―――グチュグチュ、ニチャリ。
「ん、ん、ん、んん!!兄さん!兄さん!!兄さん!!!」
いもうとにあわせてこしをうごかす。
せっくすってこんなにきもちよかったのか。
ああ、もうげんかいだ。
「ビクビクしてるぅ…。イっちゃうの?兄さん。いいよ、私もぉ…」
びゅくびゅくびゅく!!どくどく!!!
「―――!!!はっ!はぁぁぁ!!…に、ぃさん…」
たいりょうに射精したな…、妹の中に。
その瞬間、意識が一気に覚めた―――
俺はなんてことを?!
妹は痙攣したまま身体に覆いかぶさったままだ。
とにかくどかさなければ―――
「ねえ―――、何やってるの?」
その姿を姉さんに見られた?!!
いつだったかの光景が姉妹を変えて再現した状況だった…。
「―――私もいれてよ」
投下終了です。
よいお年を。
>625
乙です。
先日投下した作品について若干補足を。
まとめに収録する際には、
>>622において本文中に「あなたがいないなら何もいらない」とあるのは削って、注意書きと本文を三行あけてください。
また、台詞の変更は清次と操のものがそれぞれ一つあります。
播州大学と難波市立大学は、……まあ、とりあえずは寄付はしなくていい。→播州大学と難波市立大学は、……まあ、とりあえずは何もしなくていい。
「ああ、俺らも午後の授業の準備にかかろう」→「ああ、そっとしといてやるか」
となります。
昨日で御用納めとなりましたし、皆様どうぞよい年末年始をお過ごしください。
>>637 GJです。
この年末の忙しい時期にgj
姉にはキチンと逆レイプしてほしいですわw
年明けても変わらず投稿よろしゅう
結局三ヶ日の間は正月ネタは投下無しか…
いや、まだ希望はあるはずだ
流れを読まずに投下します。
「な、にをいって…」
口がようやく動くようになった。
まだ痺れが残っているが…。
「だってそんな光景見せられちゃ、我慢できないわよ―――」
身体はまだ動ける状態じゃない。
服を脱ぎながらの姉さんが近づき、繋がったままの妹の身体をどかした。
その妹は今だ気絶したままだ。
ゴポッ!
なまなましい音が聞こえて離れた…。
「んんっ!―――ねぇさん…?」
「お楽しみだったわね。今度は私の番ね♪」
「ええ、申し訳ないですが先に頂いちゃいました」
「ンフフフ、二人の液でドロドロね。まずはお掃除しなきゃ。―――ん、んんうん」
くちゅる、ちゅぷちゅぷにゅるる―――
「―――!!」
萎えかけた自身を姉さんが咥えこみ、再び硬さが戻ってきた。
「気持ちいいんですか?にぃさん…」
「な…んで、こんなこと―――」
「まだわからないんですか?私たちは兄さんに恋しているんですよ、…いえ、恋を通り過ぎて愛しているんですよ」
「そ、んな。俺たちは…」
「ええ、兄弟です。ちゃんと血も繋がっています。―――でもそうなっちゃったら、どうしようもないでしょう?」
「―――」
言葉を続けられなかった。
次から次へと新しい情報が舞い込み、考えられなかった。
「口が動くようになったんですね、にぃさん…。ならもっと気持ちよくなりましょう―――」
むちゅ
「!!!?」
「んふぅ、んむ」
妹にキスをされた。
唇を割って、舌が入り込む。
ぬちょぬりゅ、クチュクチュ―――
むにゅう、チュチュウ…
「っぷはぁぁ…。大きいわね、顎が疲れちゃうわ。あら、そっちでもまたお楽しみなのね?なら…」
自身が再び何かに包み込まれた。
妹の顔の向こうで、姉さんが騎乗位で身体を上下に動かしていた。
その動きと繋がるかのように、快楽も押し寄せてきた。
「はぁぁぁぁ…」
妹がようやく口を離す。
お互いの唾液の糸が繋がり、伸び、切れた。
「にぃさん、ここも弱いでしょ?」
突然、妹が何か言い―――
ちゅちゅうぅぅ―――
クリクリ―――
「―――うぅ、くあ…」
妹に乳首を弄ばれていた。
普通?のAVなどでは男が女にやる行為を、妹に…。
「ん、ん、ん…、可愛い顔してるわぁ」
ズプズプ、ぐちゅぐちゅ、にちゃにちゃ。
姉さんも執拗に腰を動かし、自身を籠絡する。
「ね、えさん…」
「もう限界?いいわよ、思いっきり吐き出して…。“この子”にも栄養をあげなきゃ」
―――!?
この、子?誰…だ。
「その困ったような顔も素敵ね♪」
ぬちゅ
今度は姉さんにキスされた。
妹とはまた違った感触―――
「ん、んむ、んん、はむん」
口の端からお互いの唾液が溢れ、お互いの口周りをビシャビシャにしていた。
びくびく!!
ビュクビュク、ビュリュリュウウゥゥ…
「あはぁ、きたぁぁ…。いっぱぁぁい…」
姉さんにまで中に…。
「お、い…。どういうことだよ…」
「ちゅる………姉さんは子供を身籠ってます。当然お相手は…兄さんです」
―――
頭を思い切り殴られたかのような衝撃を受けた。
「ご心配なく。社会的な問題については既に手を打っています。あの低俗が対外的に父親です」
「…?」
「はあはあ…、あの男、私の彼氏ということにしてある奴は手当り次第女の子に手を出す畜生なの。だから襲われたと言っても誰も疑わないわ。血液型もあなたと同じだし」
「その結果として子供を身籠っていたとしても…兄さんの子供だとは誰も気付きません。養育費用も搾り取れます」
そこまで考えていたのか…。
―――イカれてる!!
「お、かしいだろ…。普通の人間なら……」
「もう私たちは普通じゃないのよ。それに…今日からあなたも―――」
「本当なら、兄さんを取り合って私たちも殺し合いをするはずでした」
「でもそれは…、あなたが知ったら一番悲しむと思ったわ。だから一番いい方法をとったの」
「残念ながら私は、兄さんの子供を授かれません。まだ学生という身分ですので、ピルを飲んで避妊しています。(……代わりに兄さんの童貞を戴き、処女を差し上げましたが)」
「そ、うか…」
妹はまだマシなようだ…。
「でもいずれ社会に出たときに…、その時はお願いしますね」
やっぱり普通じゃなかった…。
「そうそう、あなたの彼女のことなんだけど…」
「―――!!?」
あいつのこと…?
まさか!!
「や、やめてくれ…!わ、別れるから…、手を、出さないでくれ…」
「―――いえ、結婚を認めてあげる。あの子と幸せになりなさい」
「!!?」
より、わけがわからない…。
「あの子はいい子ねぇ…。あなたにもぴったりだし、私たちにも好都合だわ。私たちの関係を隠す身代わりにもなるし、猫除けにもなる」
「ええ、あんなイイヒトはそうそういませんよ、兄さん」
とりあえずは、一安心していい…のか?
「でも、もし私たちの関係をバラしたり、あの子と逃げようとするなら…」
「兄さんならわかりますよね?」
「“この子”のためにも、私たち四人でシアワセになりましょう―――」
「さて、次は私の番ですね」
妹が再び、その小さな口で自身を銜え込む。
「もうあなたも逃げられないわよ。いえ、逃がさない。絶対に」
いつの間にか涙が溢れていた…。
もう何回犯されたか記憶にない…。
カーテンの隙間から見える空は暗闇から青へと徐々に変わりつつある…。
彼女達は待ち続けたんだ。
ずっと水の中で息を潜めるように…。
俺という獲物を捕食するために…、まるで鰐のごとく…。
「でも、いずれあの女が弟の子を身籠るのは…やっぱり腹立たしいわね」
「―――子供が産めない身体にでもしますか?」
投下終了です。
次回でラストの予定です。
誰も読んでないのによくやるわw
GJ
急展開で姉はもう妊娠してたのか
ラスト期待してます
gjです
今頑張ってんのこの人だけか…
他の人は皆どこに行ったのだろうか
>>648 おお、新年初の作品となりましたか。GJです。
何となく寂しいような気もしますが、最終回も頑張ってください。
普通に良作だわw
今回はもろ俺好み。だがいかんせんまだ時期が時期なのかねぇ…
この作者さんがいなくなったら暫くまた音沙汰なくなりそう
「あなたがいないなら誰もいらない 第2話 饗宴の始まり」
投下します。
「お坊ちゃま、起きてください。もう着きますよ」
半川家の執事、青柳啓輔(あおやぎ けいすけ)に揺さぶられて操は目を覚ます。
眠気が覚めるごとに自分が今いるのがリンカーン・タウンカーの車内であること、そして自分のこれからの予定を認識していった。
「そうですか、ありがとうございます」
そう返した時、「ゴッドファーザー 愛のテーマ」が鳴った。操の着メロである。
「はい、半川操です」
「私だ」
電話をかけてきたのは、翼と操の父であり、我が国有数の重工業企業である厚木重工業の社長である半川栄(はんかわ さかえ)だった。
「ああ、父さん」
「ちゃんと来ているんだろうな」
「来てますよ。亜由美を連れて行けないのは残念ですけど」
尚も根に持っていると見えて、恨み言を口にする。
「亜由美くんとは、まだ付き合っているのか」
「ええ、もちろん。父さん、よく『早く孫が見たい』って言ってますよね。
結婚したらすぐにでも亜由美が父さんの初孫を産んでくれますよ」
ちっ、と吸着音にも似た音が電話口の向こうから聞こえてきた。
「何ですか、今の?」
「いや、なに。口が乾いていただけだ」
「そうですか」
「じゃあ、待ってるぞ」
「失礼します」
通話を終えたところで、丁度到着した。
操は赤絨毯の上に降り立ち、それに続いて青柳もつき従って降車する。
バタン、とリムジンのドアが閉じられた。操は、そのままドアマンに先導されて中へと入ってゆく。
ここは、彼の姉である半川翼(はんかわ つばさ)の誕生パーティーが開かれる、その名を出せば誰もが知っているであろう都内屈指の最高級ホテルである。
そのまま、係員の誘導に従い、階を上って大宴会場に入る。
「ソウ、こっちこっち!」
「大声出さなくてもわかるよ」
操は希一郎を制するように手を振った。
「忘れずに来てくれたんだな。ちょっと危うく感じたが」
「そりゃ、翼さんはうちの会長でもあるし」
「ああ、我が奎星学園の生徒会長様だ」
と操はおどけた感じで応じる。
「だが姉貴には参ったよ」
「どうしたの?」
「亜由美も連れてきていいかって訊いたら、同伴は家族以外認めないって言うんだ。
だから今こうして一人でいるわけ。
よっぽどブッチしてやろうかと思ったけど、後が怖いからな。
キィだったら来なくても何ともないだろうけど…」
「それはしょうがないよ。僕だって、和奈と一緒に来たかったよ。
でも、そういうのを認めていたらきりがなくなっちゃうから」
篠崎亜由美と長野和奈(ながの かずな)は、それぞれ操と希一郎の恋人である。それも、こういう相当にフォーマルな場に連れていくことを望むほどの、だ。
「ん、それはあるな。すまん、愚痴だった。
まあ、同伴者を無制限に認めると下手すりゃコールガールでも連れて来かねない奴もいるし……」
そこで操は一旦言葉を切り、辺りを見回した。
「どうしたの?」
「いや、キヨはどこにいるかと思って」
その時、誰かが背後から操の頭を軽く叩いた。
「誰がコールガールを連れて来そうなんだ、少しは口を慎め」
「キヨ、お前にだけは言われたくないな。素行を慎まなきゃどこかで誰かから言われ続けるぞ」
「慎んでるさ。だからここ最近はプロで済ませている。
恋愛ごっこはしばらくはごめんだ」
とぼやいて肩を竦める。
清次は色恋沙汰で一悶着も二悶着も起こし続けていることは操と希一郎にとっても共通理解となっていた。
「そうじゃなくて、喧嘩する時に自分を抑えればいい話だろ?」
「そりゃあ言い合っていればついカッとなることもあるわけで……」
「ほら、それよ。それを直せって言ってるんだ。
まあ、人の忠告は素直に受け取っておくもんだぜ。
こっちはお前を貶めて得することなんか何もないんだから」
「わかったよ。気をつけるわな。
だからこうして一人できたわけだが、俺はともかくお前らはかわいそうだなあ。
翼さんもスコット王子とゼルダ姫が連れ立つ姿を見たらそんな厳しいことは言わないだろうになあ」
スコット・フィッツジェラルド夫妻に操と亜由美をなぞらえた評は彼らを知る間に定着しているが、元々清次が言い出したものであった。
フィッツジェラルドはゼルダ夫人とともにニューヨークの社交界の花として絢爛な生涯を過ごし、禁酒法時代を中心に活躍した作家である。
「グレート・ギャツビー」や「夜はやさし」「ラスト・タイクーン」などでその名を現代に伝え、近年は彼の短編を基にした映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」が封切られるなど、その死から長い時を経た今も多くの人々の心に残っている。
かのごとく華のあるカップルであるということが、彼の言わんとしていることであった。
「仕方ないんだろうけどな。でも、結婚したら俺だけ呼ぶようなことはさせないさ」
「気が早いな。そん時ゃ俺も呼んでくれ」
「もちろん」
「親父さんともよろしくやっていけよ」
「それは向こう次第さ」
しょうがないな、と清次は苦笑いする。
「親父さん、今時珍しく貴族的で、俺は嫌いじゃないんだけどな」
「貴族的、か。確かにそうかもな。まあ本物には勝てんだろうがね」
「それは、キィのことか?」
と希一郎を指差す。
「いや、キィもそうだけど、もっと大物がいる」
「誰だそれは?」
と言いながら、清次は辺りを見回した。
先達て政権与党に返り咲いた国民党の石川稔幹事長、榎本盛一郎財務事務次官、日本産業連盟副会長で二雀電機会長の森野博樹、歌舞伎役者の山村蟹蔵……
「ああ、彼か!」
彼が目を止めた先には、摂関家の一つである松殿家の現当主、信忠がいた。
「すごいな、誕生パーティーだけでこれだけの人を集められるなんて。
これが結婚披露宴ならもっと錚々たる顔触れになるんだろうな」
彼はその壮観に、実に驚嘆していた。
「それじゃあ、まだ時間があるし、腹ごしらえをさせてもらうよ」
「飲むのは終わってからにしろよ」
「わかってるって」
ひらひらと手を振り、清次は料理の皿の方に向かっていった。
そしてその後、見事にスピーチを終えた清次は、操と希一郎の元に戻ってきた。
「どうだった?」
「85点」
「良かったよ! さすが、本場の政界に行こうとしているだけはあるね!」
「サンキュー、ソウ、キィ。自信がついたよ」
「こういう機会でもなきゃ絶対にやらないけど、せっかくだから今日はお酌する。クリスタルでいいか?」
と、操はルイ・ロデレールが誇るロシア帝室御用達のシャンパンを手にした。
「いや、ビールから。ドイツの諺にあるだろ、ワインのあとのビールはやめておけ、って」
「そうか」
そう言って、持ち替えたクルショヴィツェを注ぐ。
「じゃあ俺も酌をしよう」
「いや、俺はこれでいい」
と、手にしているオレンジジュースの注がれているグラスを示した。
「小学生じゃなし」
「アルハラすんなよ」
幸はからかうかのように応じる。
対する清次もおどけた調子で応じた。
「何でもハラスメントか。世知辛い世の中だ。
まあ、宴だし三人で乾杯でもやっておくか」
「音頭とってくれるか?」
「スピーチまでやったんだ、乾杯の音頭くらいいくらでもとるさ」
「「じゃあ」」
「翼さんの誕生日を祝い、また我らの今後一層の成功を願って……」
「「「乾杯」」」
グラスが触れ合う音が響く。
「ぷはぁ」
一息で半分ほどを飲み干した清次が、グラスをテーブルの上に置く。
今度はシガーを取り出し、慣れた手つきでダブルブレードのギロチンカッターで吸い口を作り、火をつける。
H・アップマン。清次が特に愛喫する葉巻だ。
「においがきついね」
希一郎が煙たそうにしつつ、その葉巻について触れた。
「シガーだからな。でも、これは軽いほうだ。
コイーバやモンテクリストなんかもっと重いぞ」
「それよりも重いんだ……。
軽いのが好きなの?」
「重いのが嫌いってわけじゃないがな。
食いもんや飲みもんと合わせやすいし、思考もそこまで鈍らないから、どうしても軽い方を喫むことが多くなる」
煙を一気に吐き出した。
「ゴホッ、ゴホッ」
煙を――まともに、ではないが――受けた操が咳き込む。
「禁煙したらどうだ、体にも良くないぞ」
「スモーカーはみんなうんざりするほどそれを言われてるんだよ」
「酒や料理を味わうのにも支障が出るだろう」
そうまで言った時、ボーイが三人に声をかけてきた。
「それでは、お口直しにこれをどうぞ」
彼が差し出してきたのは、チーズとオリーブ、プロシュートが綺麗に盛り付けられた大き目のプレートであった。
操が断る。
「いや、頼んでいませんよ」
「翼様からのお差し入れです。操様と清次様、希一郎様でお召し上がりになるようにとのことです」
「わかりました。では、いただきます」
「相変わらず気が利くね、翼さんも。何にでもあう魔法のつまみばかりだよ」
「姉さんは昔から俺のことを気にかけてくれたからね」
「そして俺らの分もちゃんとある」
「ああ、しっかりした人だからねえ」
そう語る操の表情には、父について語る時とは違う、懐かしみのようなものがあった。
「しかし、翼さんも日に日にきれいになっていくなあ」
「キヨが女性をほめると何か怖いね」
「言うようになったな、キィ。
頭脳よし、運動よし、性格よし、家柄よし、そして何より体よし。
特に胸のところのスイカだかメロンだかなんかはもう」
「よく友人の目の前でその友人の姉貴の値踏みをするな」
「どんなラッキーボーイが彼女の心を射止めるか、楽しみだねえ」
「おい、まさか」
冗談めかして操が清次を肘で突いた。
「そんなわけないだろ。翼さんはともかく、俺は今度アメリカで婚約するからな」
「え!? キヨ、結婚するの?」
「それは初耳」
と操と希一郎は揃って驚いた顔をする。
「言ってないからな。相手が相手だけにおいそれとは口外できないんだ」
「誰だ?」
「ペラペラ喋れないって言ったろ。
……だけど、まあお前らにはいいか。
セム・マクミラン上院議員の娘のセシルだ」
「お祖父さんと叔父さんは大統領か。お嬢様育ちなのにかわいそうに」
と操は首をすくめる。
「あっちの社交界ではまだ俺の正体もバレてないから助かったよ」
「それはキヨが政界に進出するのと関係ある?」
「大ありだ。
ネブラスカはミズーリの隣の州だからな」
マクミラン家はミズーリ州を地盤とする政治家一家であり、2人の大統領をはじめ、州知事、上下院議員など数々の人材を政界に送り込んだ合衆国有数の名家であった。
「前から思っていたんだが、何で日本じゃなくてアメリカで?」
操は興味を持ったと見えて、突っ込んだことを聞き出した。
「俺の親父とお袋が兄妹なのは知っているだろ?
そのせいでうちは代々の議席を諦めて、祖父さんの秘書をやっていた人に地盤を渡さざるを得なくなった」
ちらりと列席者の中の一人に目をやる。そこにいた三宮内務大臣こそが、彼の言う「祖父さんの秘書をやっていた人」であった。
「それで何でアメリカで出ることになるんだ」
話の腰を折る操を、清次は宥めた。
「人の話は最後まで聞くもんだ。
……日本だと、こういうことは口にも出されない代わりに、白い目で見られて、いない扱いをされておしまいだ。
だが、アメリカは中絶の問題があるから話は別だ。
ネブラスカは保守色の強い州だから、当然中絶にも反対している奴が多いわけだ。
だが、レイプや近親相姦の場合は中絶を認めるべきかの議論の中でも通常の中絶とは別に扱われる。
まあ、特殊なケースだからな。
そこで俺が特殊なケースの人間、すなわち近親相姦の落とし子であることを盾に、中絶反対を訴えるわけ」
「……壮絶だね。
でも、そうなるとお父さんとお母さんのことを暴露することになるね」
「暴露されて困るようなことを堂々とするほうが悪い。
こっちもこれまでそれで苦しんできたわけだし、ここらで俺の肥やしになってもらうさ」
希一郎は清次の両親を知っていると見えて、二人を案じているかのようにも取れる。
「兄妹で愛し合っている以外は悪い人たちじゃないじゃないか。
そんなに嫌うこともないと思うけど」
「以外、って、それは大きいだろうよ。
仮にそれ以外が完全無欠であったとしてもな」
「まあ、そうだけど。でも、家族なんだからあんまり傷つけないようにね」
「努力はするよ。でも期待しないでくれ」
「しかし、ネブラスカじゃなきゃいけないのか?」
「ネブラスカには八雲製薬の現地工場があるからな。
あっちで八雲と言えば八雲製薬のことだ。
自分の雇い主や取引先の名を持つ候補をわざわざ落とす奴もいないだろうよ。
それもあって、当選するだけならできるだろうが、その後上に行くにはやはりバックが要る。
そこでマクミラン家のご令嬢と結婚するわけさ」
眉を顰めた操が咎めるかのように訊いた。
「自分の出世のために利用するつもりか」
「向こうだってもうすでに俺がよこしたアメックスのブラックカードを好き放題使ってるんだ、利用しているのはお互い様さ。
今までで一発あたりいくらの計算になるんだろうな」
嫌になるから口座の引き落とし額は確認してないけど、と自嘲気味に呟いた。
「ある意味でお似合いかもな」
「俺はむしろお前らがつがい選びに閨閥というものを考慮していないことのほうが驚きだが」
「そりゃそうだ。俺は家系より家庭が大事だね。
家庭は信頼というものなしじゃ築けないだろう。その点亜由美はな、」
いい加減生臭い話に嫌気が差したのか、操はお得意ののろけを話し出そうとした。
しょうがない奴だ、と清次と希一郎は苦笑いを浮かべつつ、それを聞く態勢に入った。
だが、そこまで話したところで、青柳が操に耳打ちをした。
「お坊ちゃま、お話が」
「何ですか、青柳さん?」
「実は、篠崎さんが、」
「亜由美がどうしたんですか?」
「名古屋市のウイロウプラザから転落死しているのを発見されたと、先程中村署から連絡が入りました」
この時の操の表情ほど、鳩が友愛され、もとい、誓約書、いや、豆鉄砲を食らったような、という形容詞にふさわしいものはなかっただろう。
事実、彼はそれに対して答えるのに十数秒を要した。
今まで喧しく雑談に興じていた清次と希一郎も、操同様押し黙ってしまった。
「新幹線の席を押さえてください」
「既に確保してあります」
「行きましょう」
そう言うと、操は青柳を伴い、思い出したかのように急いで出て行った。
「どう、したんだろうね……」
「俺も抜けさせてもらう。俺やソウに用がある人がいたらお前が取り次いでくれ」
「えっ!? ちょ、ちょっとキヨ、」
清次は、まだそれほど喫んでいない葉巻を灰皿の上に置くと(葉巻は通常紙巻のようにもみ消したりはせず、自然に火が消えるのに任せるのである)、愛用のスマホ、BlackBerry Bold 9930を胸元から取り出す。
そして、パネルを親指でなぞってアドレス帳をスライドさせ、彼の秘書に繋ぎ始めた。
「赤城、俺だ。今すぐ俺の下にヘリを一機寄越してくれ。
行き先は名古屋のウイロウプラザか、もし使えなければどこでもいいからその近くで。
頼む、早く!」
フライトを指示する電話を切ると、そのまま脱兎の如く駆け出していった。
残された希一郎は、しばらくの間呆然としていた。
以上です。
なお、>>657-
>>659の「あなたがいないなら『誰も』いらない」となっているのはミスです。
いや、要らないのは間違いないな
お前がだけどw
エロパロで投稿あるの俺が目通してる処でここだけだな。
他は音沙汰すらないのにここはまだ作品も読めて嬉しいわw
人物が出揃っても、それを読む住民が揃ってない方が問題だな
人物が出揃っても、それを読む住民が揃ってない方が問題だな
投下します。
かつての私は幸福ではなかった。
家は小金持ちに部類に入り、金には困らなかった。
小学校に入学してからずっと勉強を強いられてきた。
外で遊ぶことなく、帰ったら家庭教師や塾の日々だった。
しかし、その時は苦痛ではなかった。勉強を頑張り成績が上がれば、両親は褒めてくれたからだ。
いつもは怒るばかりで、滅多に褒めてくれなかったので、私は一層勉強に励んだ。
中学生になって変化が訪れた。
父親が浮気したのだ。
それを知ると、怒るでもなく母親も外で他の男と遊ぶようになった。
あっけない家庭崩壊だった。
私自身は勉強に没頭することで逃げ道を探していた。
いや…、勉強に逃げることで他のことから目を逸らしているにすぎなかった。
だが気付いてしまった―――。
家族旅行の思い出や、一家団欒の夕食といったありふれたことの記憶もなかったこと。
私は愛を知らずに育った…。
高校に上がり、間もなく離婚。
母親側に引き取られたが、既に彼女は母ではなかった―――。
毎月、通帳に振り込まれる金で生活し、誰も帰らない家でただ一人勉強するしかなかった。
転機が訪れたのは高校一年の夏。
夏休み前にして、提出物を運んでいたときのことだった。
曲がり角で私にある男子がぶつかってきた。
持っていたノートが床に散らばる。
このときの私は周囲に興味が無く、人と会話することも苦手としていた。
それどころか、生意気にもその周囲の人々を見下してもいた。
だから、友達と呼べる人もいなかった…。
「(この男子も謝ることもしないだろう…)」
無言で散らばったノートを集めていると―――
「ゴ、ゴメン!!大丈夫?!怪我は?」
その男子が、謝ってきたのだ。
予想外のことで呆けていると
「ああ!!ノート散らばっちゃってる!集めないと!」
あわてふためいてノートを拾うその姿は何とも滑稽でおかしくなって笑ってしまった。
きっかけはこんなものだ。
何ともベタだ、と我ながら思った。
彼がどんなことに笑い、喜び、悲しみ、怒るのか、それらを知りたかった…。
彼には姉妹がいた。
大学生になっている姉とまだ中学生の妹だ。
さらに、不幸なことに彼も早くに両親を亡くしていた。
このとき、直感的に察した!これは運命だ、私たちは同じ境遇なのだ。
わかりあえる、そして…愛し合える―――。
私は愛を欲していた。
誰かに愛されたかったのだ…。
彼に告白しようと思った。
しかし…、私は魅力的なのか?彼に釣り合うのか?
鏡に映る自分を見てみる。
化粧っ気のない地味な女子がそこに映っていた。
これでは駄目だ!!
こんな女が振り向いて貰えるわけがない…。
彼はそれほどまでに輝いていたから。
しかし、彼の恋愛事情を調べてみると、意外な事実が判明した。
彼が級友達と談笑していたとき耳にした事、恋人はおろか、告白されたことすらないらしい。
何なんだろうか?ともかくチャンスだ。
私は、自分を魅力ある女性に高めること、彼に対する調査を続けることにした。
まずは容姿からだ。
化粧を覚え、お洒落することを心掛けた。
ファッション雑誌や、ネットを片っ端から調べた。
さらに男性向けのファッション誌も読み、一般男性の思考も知識として取り入れた。
次に、対話力。
これはかなり高いハードルとなった。
なにしろ今までが今までだったので、他人とどう話せばいいかわからなかったからだ…。
高校の二年、三年はこのことに費やした。
おかげで卒業までに人並みの会話が出来るまでになった。
容姿も改善され、目標に近づきつつあった。
実際、私に告白してきた男どもは5人はいた。全てフッたが。
それとは別に、心身を鍛える為に、合気道も習い始めた。
自分の身は自分で守る…、その辺のクズにこの身をさらすわけにはいかなかったからだ。
次に重要なのが彼の進路、調べたところ進学するらしい。
このあたりではそこそこのレベルの大学に受験するようだ。
私自身の進路相談の際には当然、彼と同じ大学を第一志望とした。
担任は驚いた様子で、もっと上の大学に入れるなどと言っていたが…私には無意味だった。
彼と同じ場所で過ごす、それは絶対条件だった。
翌年の四月、晴れて大学生となりいわゆる大学デビューを飾った。
高校時代と比べて、誰かはわからないだろうというくらいには変われていた。
初めて彼と同じ授業を受けるときには、さりげなく横に座り初対面の如く会話した。
彼の方も、高校時代の私を覚えてるはずもなく、初めてのように会話してくれた。
少し寂しい気持ちもあったが、それでも至福の時間となった…。
身体に電流が何回も流れる感覚…。
授業が終わり、すぐトイレに駆け込むとアソコがすでにびしゃびしゃだった―――。
学年も上がり、ある程度親交を深められるようになってきた。
この時期が勝負所。
複数人で遊ぶという名目で彼を呼び出し、二人でデートをした。
あらかじめ他の友人達には相談してあり、上手く口裏を合わせてくれた。
定番のデートコースを周り、ラストは観覧車での告白だ。
当初、彼は答えに戸惑っていた。
当たり前だ…、友達として付き合っていた女からいきなりそんなことを言われればそうなるだろう。
私自身も恐ろしくなり、返答は焦らなくていいと言っておいた。
でももし拒否の答えが返ってきたら―――私の人生は終わりだ。
数日して彼からの答えが―――。
「俺もお前のことが好きだ。まだ友達感覚が抜けないけどそれでも…付き合ってほしい」
一番欲しかったものがそこにあった…、涙が溢れてきた…。
嬉しすぎて…、今までの努力が報われて…、ただ彼に抱きつき泣いた……。
後日、彼の姉妹と偶然会う機会があった。
そこでお付き合いのご報告をさせてもらった。
喫茶店に入り、さらに深い話をすることに。
彼のお姉さんからは、将来的なことを聞かれた。
結婚は?子供は?共働きするのか?住む場所は?
正直そんなところまでは考えなかったが…彼と人生を共に歩みたいと、自分の意思を伝えた。
妹さんからは、彼との馴れ初めを質問された。
私は全てを話した。
高校時代に一目惚れし、彼に釣り合う女になるために、自分を磨く努力をしてきたことを…。
二人共、満足したのか彼のことをよろしくといい、帰っていった。
ついに彼の家族にも認められた…。
そして現在―――
「ん、んん!!」
「ん、ふ…」
彼とのキス…。
身体が芯から震え、下腹に熱が籠る…。
クチュクチュ、ニチャ、ニュルン―――
「はぁぁぁ…、べとべとだね…」
「相変わらず激しいな…、ここももう、ぬるぬるだ」
「あぁん!!…そんなところぉ…」
「ん?触らないほうがよかった?」
「……イジワル」
彼とするときはいつも正常位だ、彼に突かれる快感がたまらない…。
にゅるにゅる、ずぷぷぷぷ…
「んっ!…締め付けがいつもよりキツイな…」
「ふぁぁ…、そんなこと言わないでぇ…」
ズプズプズプ!グチュグチュ!!
「ん!あん!!ああ、ふぅあ!あぁん!!」
「ふうふう…、してるときはいつもと違った可愛さがあるな…」
「んん!!ま、るで、あん!いつもは可愛くな、ん!みたいじゃん…んふ!!」
「いや、いつもも可愛いよ…」
くちゅ
「んー!んんん!!」
クチュクチュクチュ、にちゃり…
ぐぷぐぷ、ズプズプ…
上と、下で繋がる私たち…。
このときが一番好きだ…、まるで彼と身体も心も一つになってるようで…。
ドプドプドプ!!ビュビュゥゥゥー!!!
「んんんんん!!!」
「んっ!…はぁぁ…」
そのまま中に熱いものが注がれる…。
「はあはあはあ…、もぅ…それは反則ぅ…」
「ふふ、いつも驚くのが面白くてね…」
大学卒業後、私たちは結婚し彼の家に住んでいる。
彼は無事就職でき、それなりの会社で働いている。
私は主婦をしながらもパートをして生活している。
彼の義姉さん、義妹さんも一緒だ。
かつて、義姉さんは悪い男に騙されて、子供を身籠ってしまった。
彼からその話を聞いたときに、彼自身が複雑な顔をしていた…、当然義姉さんのことが心配なんだろう…。
しかし、彼女は堕胎することなく、出産しシングルマザーとして働きながら子育てしてる。
ちなみに、彼女の子供は女の子で彼女そっくりに見える。
最近はネットで自営業も兼ねてるらしく収入も安定してきているとか…。
母親の鏡として見習いたいものだ。
義妹さんももうすぐ大学を卒業予定だ。
そうそう、彼にもう一つ、報告することがあった。
「あのね…、出来たの」
「えっ?!もしかして…」
「赤ちゃん…それも双子よ」
「…そうか!やったな!!」
彼は私を抱きかかえ、喜んでくれた…。
私、今本当に幸せです―――。
投下終了です。
ご愛読ありがとうございました。
また何か思いついたら書きます。
乙
うーん、前の話できたなと思ったんだけどなんか微妙な幕引きやな。取り敢えず乙
GJ
アッサリ終わったけど泥棒猫もキチだったな
一応皆幸せでハッピーエンドか?
保管庫の面白い作品をいくつか教えてください
途中でも構いません
三つの鎖
☆ チン マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜
☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\(\・∀・) < 狂もうとまだ〜?
\_/⊂ ⊂_ ) \_____________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
| 愛媛みかん |/
>>678 お疲れ様でした。
マイルドな終わり方の良さを味わわせていただきました。
いずれまた御作を拝読させていただければ幸いです。
さて、「あなたがいないなら何もいらない 第3話 腥い夜陰の中」投下させていただきます。
名古屋、ウイロウプラザ。
ういろうの製菓会社がその広大な所有地を再開発し、所有していることからその名を付けられた、ホテル、オフィス、店舗などが入居する超高層ビルディングである。
この屋上にあるヘリポートに、ベル230が舞い降りた。
「屋上から落ちたわけじゃないのですね」
「もしそうなら、今頃ここは封鎖されていましたよ」
清次に対応しているのは、愛知県警刑事部長の黒木季夫(くろき すえお)警視長である。
「このビルにマリオネットホテル名古屋が入っているのはご存知でしょう。
その最上階、つまり47階から飛び降りたんです」
「待ってください。彼女が自分で飛び降りたとはまだ断定していないでしょう」
「確かに失言でしたね、訂正します」
と彼は大仰に応じた。
「篠崎亜由美はマリオネットホテルの47階から転落し、即死しました」
「47階の、どこからですか?」
「彼女が投宿していた4703号屋の強化ガラスを破ってです」
「そんなことができるんですか……。
篠崎はこのホテルに投宿していたんですか?」
渡された捜査書類に目を落としつつ、鉄柵にもたれかかりながら質問する。
「ええ。本名でチェックインしています」
「最上階だったらスイートだと思いますけど」
「ええ」
「一泊いくらぐらいするんですか?」
「13万ですね」
「確かここはデポだったかと思いますが」
「支払われているようです」
「わかりました。わざわざありがとうございます」
「お役に立てればいいのですが」
「ええ、とても。
ところで、遺体は中村署に?」
「ええ、安置してあります」
「検分も兼ねて別れを告げに行きたいのですが」
「わかりました。話を通しておきます。それでは」
と、黒木はその場を離れた。赤城を伴っている清次もややあって署に向かって動き出した。
「嘘だらけだったな」
「ええ」
頷く赤城猶武(あかぎ なおたけ)。公私にわたって清次を支える秘書である。
「そもそも名古屋に宿泊する理由がない。ましてや明日も授業があるというのに」
「清次様もそれはそうですが」
「こうなった以上、学校どころじゃないだろう。俺もソウも。
そして一泊13万なんて、俺やソウならともかく、一般家庭の彼女が支払うことができたというのも不可解だ」
「しかし、半川さんが篠崎さんに金を渡したということはないでしょうか?」
「それはない。俺はあの二人をよく知ってるが、どっちもそういうことをやる人間じゃない。
ソウは俺とは違う」
「そうですか。
やはり先方は何か隠していると?」
「訊いたことには一応答えたけど、あっちから情報を出す気はないらしい。
こっちがどんだけ手前らの先輩の選挙に貢献していると思ってやがんだ、って話だ。
クソ、こんなあしらい今までだったら絶対なかった」
手を軽く震わせ、たたきつけるように吐き捨てる。
「ですが、本当ならこうやって捜査の中身を明かしてもらえることもないわけですから」
「そりゃそうだがな。だが、向こうは明らかにヨンマル(自殺)で片付けたがっている。
俺以外に動いている奴がいる」
「誰か黒幕がいる、ということですか」
「でも、それが誰なのかさっぱり見当がつかないんだよな〜。
雀(強姦)でも225(誘拐)でもないのに何の変哲もない女子高生を一人殺すことに何の利害が発生するのかがさっぱりだわ」
「清次様、着きました。ここが中村署です」
そう言われて彼は足を止め、その建造物を見上げる。
「……ここか」
市街地の喧騒の中、その警察署もまた煌々と輝いていた。
「ふーん」
霊安室に通された清次の眼つきは、別れを惜しむ友人というよりは、事件解決の糸口を逃すまいとする刑事のそれであった。
「顔だけは無傷だったのですね」
「それだけが救いだな、残された側にとっては。
仰向けに死んだ、ということを物語ってくれているから、こっちにとっても有難い」
清次は首を取り上げる。彼女の首は胴体から離れていたのである。
「だがそれだけに生首みたいになっちゃって、気の毒だな」
「後で遺体が返却されてから接ぐでしょう」
首を顔面が自分の眼前に来るように持ち上げて、彼は亜由美に話しかけるかのように独りごちた。
「なあ、亜由美。
教えてくれるなら教えてくれないか。
お前は一体誰に殺されたんだ?」
返答は、返ってこない。
ややあって、彼は首を置いた。
「さあ、いつまでもちんたらはしてられんな。やるか」
「そうですね。それでは、まず手を見てみますか」
「ああ、そうだな。おっ、これは……
痣だ」
肉片と化した亜由美の屍を、二人は細かく確認していった。
「両手にありますね」
清次が足(と思しき部分)を取り上げる。
「両足にもな。露骨だ。
こんなん絶対隠しておきたいだろうに、よく通してくれたもんだ。
これ遺族に何て説明するんだろうな」
二人とも呆れるように言葉を繋ぐ。
「それは落下した時の衝撃とか何とか誤魔化すんじゃないですか? 信じるかは別にして」
「……難儀な稼業だね、お巡りってのも。
じゃあ、これは何て?」
「ベタベタしていますね」
「粘着テープの跡かな、こりゃ」
肌にベタつくものがあるのを見つけ、それをつまんで指ですり合わせる。確かにそれは粘着テープに使用される接着剤のようだった。
「これじゃ、証拠隠滅しているみたいだな」
「そうですよ。いくら許可を得て入ったからってやりすぎですよ」
「じゃあ、もうそろそろ亜由美の親御さんやソウも来るだろうし、大人しくして待ってるか」
そう言ってから、清次は今まで合掌していなかったことにようやく気付き、やおら亡骸に手を合わせる。
噂をすれば何とやらいう言葉の通り、本当にその時に彼らが到着した。
「亜由美!」
中でも、ほとんど狂乱せんばかりになっていたのが操だ。
「嘘だろう! 亜由美! 亜由美!」
泣き崩れる彼の姿は哀れと言うにも余りある有様であり、娘を失った両親に慰められる始末だった。
「気を確かにもつんだ、操くん」
「ね、操くん、落ち着いて」
ややあってから、清次は、
「少し時間をいただけますか?」
と切り出した。
「どうかしましたか? 八雲くん」
「一応ウチの名古屋支社には簡易な宿泊設備があります。
どうせこの時間じゃラブホテルくらいしか泊まれないでしょう。
給湯室もありますし、もし宜しければウチで咽喉を潤してください」
伝えたいことがある、ということを言外に込めた申し出であった。
それが伝わったのか、三人は素直に首を縦に振った。
出されたコーヒーもまだ一口か二口というところで、清次は話を始めた。
「まずお伺いします。あの部屋はスイートで、一泊13万します。
亜由美さんの名前でチェックインされていますが、お金の出所に心当たりは?」
「いえ、そんなお金は……」
「でしょうね。ソウ、お前は?」
「あるわけないじゃないか」
「あるとすればお前だろうと思ったが、そこは俺とは違うな」
「あの、ホテルって支払い時に清算するものなのではないですか?」
「清算はそうですね。ですが、あのホテルはチェックインの時にデポを払いますから」
「デポ?」
「デポジット。保証金のことです。要は宿泊料金を踏み倒されないように、あとはまあ備品を壊した時なんかのために、ホテルに預けておく金のことですね」
「警察はそれを調べているのですか?」
「ハイ、と言いたいところですが、多分やんないでしょう。
遺体には痣がありましたよ。事故や自殺でできると思いますか?」
「できませんよね」
「当然です。ありゃどうやったって他人が掴んだ跡です。
百歩、いや百万歩譲ってあれが転落の際にできたとしても、粘着テープの跡は不自然です」
「じゃあ殺人じゃないですか!」
「ええ、もちろん。そしてこれは警察も既に今の段階で揉み消したがっています」
「まってくれキヨ、どこかから圧力がかかっているってことか。誰なんだ!」
操が口を挟む。
「まあ、そういうデカい名前の人間なら、俺はどうかわからんが、お前が騒ぎ出すのは承知の上でやってるだろうからな。簡単に尻尾をつかませてはくれんだろうさ」
「そうか……」
もとより重苦しかった空気が、沈黙のせいでより一層重くなる。
「さあ、明日は事情聴取になるでしょうから、もう寝ましょう」
ややあって清次が静寂を破って手を叩く。一応はそれで終わった。
赤城や篠崎夫妻がベッドルームに向かった後、茶碗に注いだ生のウィスキーを呷っていた清次のもとに操が来た。
「キヨ、どうしてお前はここに?」
「心配するだろう?」
「元カノだからか」
「違う。俺が心配したのはお前だ、ソウ」
「どうして……」
重ねて疑問が発せられる。
「そりゃ親友だからな。苦しい思いをすることはわかりきっている」
「キヨ……」
「月が丸々と太っているな」
自分の言葉に照れたと見えて、清次は話を転じた。
清次が指をさした先には、禍々しいまでに大きな月があった。
操はその月をやはり快く思わず、吐き捨てるように言った。
「こんなに月を憎らしく思ったのは初めてだ」
「俺もだ」
首肯した清次は、茶碗に浮かんだ月を操に見せ、それを一気に飲み干す。
「だから食らってやる。お前もどうだ?」
彼はそう言うと、もう一客の茶碗に彼が飲んでいた30年物のバランタインを注ぐ。
「ありがとう」
操は素直にそれを受け取り、ぐいとそれを飲んだ。
月は、なおも平然と操と清次を照らし続けていた。
以上です。
最近、まともに作品を書ける書き手がいなくなって寂しいな
もう全盛期のような名作は読めないんだろうな
, -‐ァ‐- 、
/>:<´ ..:ヽ
, -‐ヤ .:rt:ァ;゙´ ,」:\
` ̄`ヾ"`ヾ:::7 シ.: : :ヽ
ト-、 ` ツ:.: : : : :\
l ?_:、 : : : :.:.、\
', .: :ヾ、:.:.、:.:?_ミゝ、
'、 ` ‐?_ミミミミ、
ヽ. _,`''=ミミミミ:、
`7>- ニ..ミ三彡ヘヽ\ `
/´ / ヾ:\ヽ
、,/ / ヾ.:ヾ\
 ̄/ __/ ヾ:.ヽヾ、
/ ヽ
ヒョウロンカキドリ 山梨県 富士樹海
他の鳥が作った巣に難癖をつけ、攻撃する習性を持つ
しかし自分では巣を作らない
>>693 何もできないくせに書き込みだけはいっちょまえだな
698 :
名無しさん@ピンキー:2013/01/24(木) 21:38:45.28 ID:ifXV8dlw
背が高くて力も強いお姉様系のむちむち巨乳の兄に対してだけ淫乱ドSな妹と背が低めで力もそんなに強くないマッチョに憧れるショタで男の娘の兄
兄妹仲は悪くないが、兄は妹から数々の性的虐待を受けている。しかし兄は妹より力が弱いせいで逆らえずにいつもなすがまま
兄はマッチョになりたくてプロテインを飲んで筋トレしようとするけど、妹にプロテインと強い媚薬をすり替えられて、それを飲んでしまい全身敏感になってビクンビクン
兄は妹に見つからないうちに部屋に戻ろうとするが、影から全て見ていた妹が偶然帰ってきた風を装って兄を発見して下品な笑みを浮かべる
そして言葉で責められながらちんぽをしゃぶられたり、乳首をいじめられたり吸われたり、ペニバンで突かれながらちんぽをシコシコされたり、
両手を押さえられながら騎乗位で中出しさせられたり、そのことで「責任取らなきゃね〜」みたいな言葉責めで絶望させらて妹に屈服する兄。
というのが見たいです。
ここに出てくる女たちってキモウトとかキモ姉じゃなくって、普通に気持ち悪いだけだな
作者が何か勘違いしている
>>699 例えばお前の言うキモ姉キモウトってどんな感じ?
俺は兄弟に対して姉妹がヤンデレ化するか変態化するだと思っているんだけど
三つの鎖の人どうなったんだ
地震の後1回来ただけだから不安なんだが
今年に入ってまだ来てない書き手何人ぐらいいるんだ?
まったく見なくなったよな…
一回でもきたことあった?
地震後に見たことないんだが
何処出身とかわからないから何とも言えないけどねぇ…元気だといいけど
ずっと書き続けてた書き手達が居なくなってしまったけど、多分リアルが多忙なんだろ…そう思いたい
先のこと何も考えずに行き当たりばったりで書いてりゃ、そりゃ続かなくなるだろう
元々ここの下手糞SS読んで、「これなら俺にも書けそう」なんて勢いで始めただけだしな
黙って消えさせてあげるのが優しさと違うか?
規制が多かったのもあるんじゃない?
それで暫くよりついてないとか
pixivやらなろうやらの方が環境が良いからなのか来てくれる人よりいなくなる人の方が多い
悲しいね
ドグラ・マグラやべぇよ
電車の中でニヤニヤしてしまった
キモウト怖いよ〜怖いよ〜
710 :
10000 world champion:2013/01/31(木) 18:48:18.58 ID:MHKS2xFi
気持ち悪いだけでえっちくないのが多いんだよな〜…。
もう個人サイトでやれっていう。
んじゃさっさと個人サイト帰れよチンパン
>>710 うるっせえよ、ケチつけたいだけなら出てけ。
お前なんか必要ないんだよ、このミソッカスが。
早くくたばれ、雑魚
>>713 お前みたいなのがいるから雰囲気が悪くなるんだよ
死ね
投下します。
八月の終わり頃だ。
ある双子の姉弟がとある田舎町にやってきた。
姉を小泉アサネ、弟をコン太といった。
二人は父親と三人暮らしをしていた。
ところが、その父親が数か月前に他界してしまった。
身寄りを求めて、彼らは父親の弟である叔父の家に養子として引き取られることとなった。
叔父夫婦に子供はなく、彼らを本当の子供のごとく可愛がった。
「初めまして、小泉コン太と言います。よろしくお願いします」
クラスメイトの前で自己紹介をするコン太。
姉弟は夏休み明けに地元の高校に編入となったが、姉と弟は分かれてクラスに入ることとなった。
「私はクラス委員の早狩ユキといいます。よろしく、小泉君」
自分の席に座った直後、隣の女子が早速話しかけてきてくれた。
「よろしく、早狩さん。ところで質問なんだけど…クラスの人数ってこれだけ?」
「…ええ。都会と比べるとやっぱり少ないんでしょうね」
教室内には20人弱の生徒しかいなかった―――。
というのも、この町自体過疎化が進み、高校も三学年で六クラスという寂しいものであった。
ちなみに、この日は始業式ということもあり、半日と経たず終わりとなった。
コン太はクラスメイトの顔と名前を覚えようとしたが、流石に時間が足りなかったようだ…。
「小泉君、まだこの町のこと知らないでしょ、案内してあげようか?」
「あぁ…そうだね、お願いし―――」
「コン!」
「あ、アサ姉…」
突然コン太を呼ぶ女性がいた。
教室の入り口の方に振り向くと、姉であるアサネがいた。
「今日は早めに帰る約束でしょ?」
「でもまだ昼前だよ?少しくらいいいんじゃない?」
「叔母さんも心配するよ?」
「う〜ん…でもなぁ…」
煮え切らない様子のコン太。
それに苛立ちを隠せずにいるアサネ、次第にその矛先は―――
「あ、いいんです。ご家庭の事情ならそちらを優先すべきですもんね」
早狩ユキは丁寧且つ、簡潔に答えた。
「…ゴメンね、早狩さん。また今度にでも…」
「うん、といってもそんなに大きくない町だから半日も掛からないけどね」
「さ、行きましょ」
早狩ユキは少し皮肉交じりに言ってみた。
―――が、それを一蹴したアサネはコン太に促すと、さっさと歩きだした。
「じゃ、またね」
「うん、明日」
高校を出て、田んぼ道を歩く二人。
叔父夫婦の家まではこのような光景が延々と続いていた。
夏場、昼前でまだ日差しが強く、セミも大合唱を奏でている。
「アサ姉…、さっきのは良くないよ。初めて会った人に…」
「コンが予定を変えようとしたから、怒ってるんでしょ!」
「……まだ、根に持ってる?」
「何が?!!」
アサネはどうやら、弟のコン太とクラスを分けられたことに腹を立てているようだった…。
編入の際、ただ一人反対し続けたことからもそれが分かった。
「折角、最初の友達に…」
「何?コン…、あんたあの子に惚れたの?優しさと愛情表現を勘違いしちゃ駄目よ」
「そうは言ってないよ。でも新しい環境なんだし…友達は欲しいよ」
「…女を油断すると痛い目にあうんだから―――」
「ん、何?アサ姉?」
「何にも!!」
早歩きで歩く姉を追う弟。
二人のことを知らなければ、仲違いした恋人達に見えなくもない光景だった…。
都心と違い、夜になるとそれなりに涼しくなる。
コン太はその新鮮さを味わいながら、自室で風呂上りのアイスを齧っていた。
「コン、ちょっといい?」
「いいよー、アサ姉」
同じく風呂上りのアサネが部屋に入ってくる。
昼間と一転して怒りの熱が冷めたのか、アサネのおだやかな様子が感じられた。
「静かね、虫の鳴き声しかしない…」
「ん、漫画みたいな場所だけど、本当にあったんだね…」
「……まだ慣れない?」
「…そうだね、叔母さんには悪いけど…」
…二人は母親というものを知らずに育った。
実際、小学校からずっとアサネがコン太の母親代わりをしている節もある。
それが突然、状況が変わってしまったわけだから、慣れるほうがおかしいとさえ言えた―――。
「本当の母さんは何処にいるのかな…?」
「お父さんは何も言わず終いだったもんね…」
「生きているなら、会ってみたい気もするけど…実際どうなんだろうね―――」
コン太の何気ない一言が、アサネの心中を嵐の渦へと変えた。
生まれたときからずっと一緒にいる大事な弟なのだ。
いや、自身の半身とさえ言える。
今更母親が現れたところで、コン太を渡すわけがなかった…。
「コン…、寂しい?大丈夫だよ。私がいるわ。ずっと―――」
「アサ姉…」
一方のコン太はアサネの様子を心配していた。
姉は自分に構いすぎる、父が死んでから、彼女のそれは一層強くなった。
しかし、自分が否定すれば、家族の絆さえ壊れてしまうのでは、と恐れてもいた。
「ふふふ、よしよし…」
「ア、アサ姉…、恥ずかしいって…」
アサネはコン太の頭を胸元に抱き寄せると、頭を撫ではじめた。
まるで、親が子供に、あるいはカップルがやりそうなその光景は姉弟としてみると、異常とも言えた。
しかし、アサネにはそんな考えは少しも浮かんでいない。
ただ弟を、優しく包み込む。
「…昼間はゴメンね」
「いやいいよ、叔母さん達に変な心配掛けても悪いしね。アサ姉のいう通りだったかも」
アサネが謝ったのは、コン太に怒鳴ったことで叔父叔母や―――当然クラスメイトのことでもなかった。
そして、コン太がそれに気づく術もこのときは無かった…。
投下終了です。
またよろしくお願いします。
懲りてくれや、そろそろ
誰も望んでいないって分かるだろ
空気読んでくれ
新作GJ
鬼子母神とはまたおっかない姉だな
双子でキモ姉で鬼母とか強そうだ
新作うれしやGJ!
>>722 新作ですね、GJです。
この姉が夜叉になるかと思うと、まさに恐れ入谷w
余談ですが、田舎に転校してきた双子というと、未だにヨスガノソラを思い出してしまいます。
むしろ鬼姉母神?
投下します。
「この辺りが一番賑やかな通りかな、八百屋、魚屋、肉屋、服屋…」
「これが商店街?」
「もしかして、小泉君は初めて?」
「ドラマの中だけでしか知らなかったよ…」
翌日、高校の夏休み明けテストを終えたコン太は、クラス委員の早狩ユキとともに町の観光案内に訪れていた。
昨日、アサネとのことで懸念したコン太だったが、早狩ユキは特に気にした様子は見せなかった。
が―――
今この場にアサネはいない。
何故かと言えば、早狩ユキがアサネのクラスのホームルームが終わるより早く、コン太を連れ出したからだ。
鮮やかな手並みと言ってよいだろう。
なので、さっきからコン太の携帯は振えっぱなしである。
コン太は当然、アサネに自分の行動予定をメールしたが、当の本人は納得していないようだ。
そろそろ何回目かわからない振動をする携帯に出るべきか悩んでた時だった…。
「小泉君、大丈夫?」
「え?!あ、あぁ、何でもないよ…」
「うそ、だってさっきから上の空だよ」
さっきまで商店街にいたはずだが、コン太が気付いた時には町外れの神社の入り口にいた。
「あれ?!ここって…?…え!!?」
「……やっぱり変よ、小泉君。疲れちゃったかな?ゴメンね、引きずり回して…」
「いや、全然そんなことないよ!ちょっと別のこと考えてて―――」
「…昨日のお姉さんのこと?」
「?!!」
核心を突かれて、コン太は狼狽した。
「やっぱり、迷惑だったかな…」
「いやいや、気にしないで!アサ姉も昨日帰ってから謝ってたし…」
「……分かった、じゃあせめてコーヒーの一杯でも奢らせて」
「いや、逆に申し訳ないよ…。色々この町のこと教えてもらったのにさ」
「小泉君って意外に頑固ね。…いいわ、折半で。美味しい喫茶店を知ってるから。行きましょ」
いつのまにか、携帯は振動しなくなっていた…。
コン太はそれを好意的に捉えた。
アサ姉は心配しすぎなのだ、新たな人間関係を作ることも大事だと帰ったら説明しよう、と考えていた―――。
そのアサネは二人の居場所を突き止めていた。
コン太の携帯に仕込んでおいたGPS発信機によって丸分かりだったのだ。
ようやく追いついたときには、二人がひなびた喫茶店に入るところを目撃したところだった。
バレないように隣の空きビルから覗き込むように監視する。
どうやらテーブルに向かいあって座り何かを話しているようだ。
…それはアサネが最も恐れていた光景だった。
コンが自分以外の人間といる―――
コンが自分以外の人間と話してる―――
コンが自分以外の人間と―――笑っている!!
見ていられなくなり、アサネはその場から走り去る…。
叔父の家に帰り着き、出迎えた叔母の言葉も聞こえないのか、そのまま自室に駆け込んだ。
そして制服のままベッドに転がり込み……泣く。
ただひたすら涙を流した…。
「うぅ…グスッ…」
やがて嗚咽が漏れ出し、そして―――
日も傾き、辺りがオレンジ色に染まる頃…。
山々から日暮の鳴き声がオーケストラを奏でていた。
「今日はありがとう、楽しかったよ」
「こちらこそ、小泉君のこと色々知れて良かったよ。お姉さんにもまたよろしく伝えてね」
「勿論、今度はアサ姉も交えて遊びに行こうよ」
「…う、うん。そうだね」
一瞬、早狩ユキの表情が曇ったがコン太はそれに気付けなかった…。
「もう帰らなきゃいけないね…、早狩さんは家はどっち?」
「高校からそんなに離れてないよ、田んぼ道から続く向こう側の住宅街」
「同じ方向じゃん!偶然だなぁ!」
「小泉君、それってお誘い?」
「あ?!いや…その、そんなつもりじゃあ…」
「ふふ、冗談よ。一緒に帰りましょ♪」
「性格悪いなぁ…」
夕暮れの中、影を引き摺りながら、二人はまるで幼馴染のように帰途についた。
「ただいま」
「お帰りなさい」
コン太を出迎えたのは、当然彼の叔母であった。
「アサネちゃんが泣きながら帰ってきたわよ…。呼びかけても出てこないし、何かあったの?」
「えぇ?!!」
叔母の言葉にハッとした。
アサ姉が泣いていた?
あの着信は助けを求めるものだったのではなかったか?
急いでアサネの部屋へ向かう。
さっきまで早狩ユキとのお喋りに充足感を抱いていた自分が間抜けで…憎らしい!!
コンコン!
「アサ姉!大丈夫?何かあったの?」
部屋からは物音がしない…。
「アサ姉、お願いだから開けてくれ、頼む」
…やっぱり物音がしない。
次第に嫌な予感がしてきた…、まさか…自―――
ガチャ!!
ドアには鍵が掛かっておらず、簡単に開いた。
「アサ姉!!」
飛び込んだコン太が見たものは、ベッドで横たわるアサネだった…。
「アサ姉!!しっかりしてくれ!!」
急いで駆け寄り、アサネの状態を確かめる。
見たところ、身体に傷は無いようだ…、呼吸は…ある。
…どうやら眠っているだけのようだ、コン太は力が抜けてへたり込んだ。
「はぁぁぁ…、良かった…」
「―――んっ…」
丁度、アサネが目を覚ます。
しかし、その眼には泣き腫らした跡が残っていた…。
「アサ姉!!」
「コン…、あなた何で私の部屋に…?」
「あ、いや…アサ姉が心配だったから…」
「―――私が?!」
アサネは自身の胸に暖かいものが流れ込んでくるのを感じた。
愛すべき弟が、私のことを考えてくれる…。
「う、うぅぅ、うわぁぁぁん…」
「アサ姉?!」
コン太の胸に飛び込み、ひたすらアサネは涙を流した。
しかしさっきとは違い、今度は嬉しさのあまりではあったが…。
「ゴメンね、アサ姉…。着信が何回もあったのに…」
「ううん、コンはちゃんと心配してくれたじゃない。でも不安だったわ…、コンが私の知らないところに行ってしまったみたいで…」
「ゴメン…、マナーモードにしてたから…」
勿論、嘘である。
コン太はひたすら罪悪感を感じた。
鬱陶しがって無視していただけだったわけだから…。
しかし、真実は隠したままにした。
今言うべきことではないと思ったからだ。
「ところでコン…、今日はどうしてたの?」
今更だが、一応コン太に尋ねてみるアサネ。
「…早狩さんに町の観光ガイドをやってもらってたんだよ」
「…昨日のあの子?」
「うん、こっちに来て、最初の友達だよ」
「…ふーん」
「アサ姉にも、よろしくって」
「そうね…、一度挨拶しなきゃね…」
アサネは泣き腫らした眼を細めて言う…。
私の弟がどんな状況なのか確かめる必要がある。
アサネはコン太を愛してはいたが、それは家族愛が最も強いものであった。
しかし、年頃の男女。当然コン太に劣情も抱きはするがその度に、自分を恥じ、正してきた。
そうして守ってきた子が、獣のような連中の毒牙に係ろうとしているのだ。
なんとしても阻止せねばならない!!
徐々にだが、アサネの中の歪みが大きくなっていった―――。
投下終了です。
このスレも終了です
>>735GJ
今までは姉の中では一応家族愛だったのに驚いた
>>735 GJです。
姉貴の豆腐メンタルぶりとそれを心配する弟が何とも可愛らしいですね。
>>739 甘い甘い。
弟に催眠術をかけて弟の彼女の前でセックスしていても、それを家族愛とのたまうキモ姉もこのスレにはいるんですぜw
意地悪な妹に弄ばれ男としての自尊心を、優しい妹に無理矢理に慰められ兄の威厳を砕かれる日々に
2人の兄は堕ちる寸前にまで精神がボロボロになってしまう。
そんな中迎えた自身の誕生日、妹の性的な干渉もなく和やかに一日を終えられると思っていた兄は
実は裏で手を組んでいた妹たちに徹底的に犯され、
彼女らの一言一句一挙動に快楽をおぼえ、逆らうことのできない身体に作りかえられてしまう。
自分の誕生日を、変態マゾ奴隷に生まれ変わった誕生日に塗り替えられ
兄を今日産まれたから0歳と、年下の弟として可愛がっていく。
っていう話誰か頼む
「あなたがいないなら何もいらない 第4話 絢爛たる渇望」
投下させていただきます。
操が部屋に戻った後、彼らが泊まっていた宿泊室に続くラウンジの電話が鳴りだした。
傍らのソファで酔い潰れて転寝していた清次は、急いで受話器を手に取った。
「はい、八雲製薬名古屋支社です」
「清次さんね?」
「翼さん、あんたね、今何時だと思ってんの。
こんな時間にかけてくるからには、少なくとも人一人死んだ以上の重大な案件なんでしょうね」
「ええ、重大ですとも。
操を名古屋まで連れ出して。早く帰してちょうだい」
彼は深く溜息を吐いた。
「あのねえ、ソウ、あー、操は自分で来たんです。
篠崎が――翼さんも知ってるでしょう? 操の恋人ですよ――死んだって聞いて、血相変えてね。
俺はそれを追っかけて行っただけです」
「だとしても、それを連れ戻すのが友人の務めというものではなくて?」
「犬猫じゃなし、首輪でもつけて連れて来いってんですか。
本人が自分の意志で来たんだからしょうがないでしょう。
操のところにそう言ったらどうですか」
「操の携帯に連絡がつかないから、こうして貴男のところに電話をかけているの。
心配したのよ」
「警察署にいましたからね。終わってもちょっと話すことがありましたから。
だから操も電源を落としていました。
一応、なるべく早く帰ってくるように伝えましょうか?」
「ええ、お願い。
……はぁ、なんで操ったら、こんなめでたい日に一人で抜け出したりするのかしら……」
その言葉に、彼は違和感を覚えた。
恋人が突然死んで狼狽することは、「なんで」と疑問を呈すべき性質の言動であろうか?
ましてや、その恋人が死んだことを知らされてもなお、「めでたい」とその一日を形容できるほど半川翼は無神経な人間だっただろうか?
いや、そもそも、弟の恋人が死んだと知らされて、露ほども動じないというのは、普通のことなのだろうか?
寝不足の頭を振って、湧き出てきた考えを消そうとした。
だが、一旦芽吹いた疑問は、彼の頭を離れることはなかった。
ややあって、自分が訝っていたことを悟られないように、実際以上に眠そうな声を出しながら答えた。
「そういえば、翼さんの誕生日でしたっけ。ええと、18歳でしたっけ?」
「そうよ」
「おめでとうございます」
疲れもあって、やや素っ気ない感じになった。
「ありがとう」
「じゃあ、そっちに帰ったら、家まで送り届けますよ」
「結構よ。こっちで車を出すから」
「車を出すって、貴女どこに……」
俺のヘリが着陸する予定かも知らないじゃないですか、と言う前に、通話は切れてしまった。
それだけ聞ければもう充分ということなのだろうか。
通話が切れた後も、夜が明けて操と篠崎夫妻が起きだすまで、清次はまんじりともせずに座っていた。
「黒木さん、取調べは私にも行うんでしょう?」
中村署に入って黒木の姿を認めた彼は、第一にそれを切り出した。
「おはようございます、八雲さん。そうですね、短時間ですが、お話を伺えればと思っています」
「そうですか、わかりました。
でしたら、私を一番初めに聴取してください」
不思議に思いつつも、黒木はそれを承諾する。
「ええ、それは構いませんが……」
「それと、私の聴取が終わった後、当日のビデオを見せてもらえませんか?」
「ビデオ?」
「篠崎がチェックインした時の、彼女が映っている防犯カメラの映像ですよ」
「ああ」
黒木は合点した。
「わかりました。用意させます」
「帽子を目深に被ってますね」
「こりゃあ怪しいねえ」
署内の視聴覚室で、清次は赤城と共に件の女性が映っている映像を確認していた。
既に持ち込んだDVDに焼いているが、名古屋にいる間に早く確認しておきたかったのである。
「ちょっと目視では確認できないな」
愚痴めいた言葉を漏らしつつ、画面に見入る。
彼が言う通り、サングラスやマスクは装着していないものの、その女性は婦人帽に隠れて顔をよく判別できない。
「持ち帰って専門家にこれを鑑定させるしかありませんね」
そこまで赤城が言った時、清次はあることを閃いた。
「もっと間近で見てる奴なら、ひょっとするともう少しはっきりしたことが判るかもしれんな」
「そういえば、マリオネットホテルの受付がさっき来ていましたよ」
「それだ。そうと決まれば、善は急げだ」
映像を止め、二人はそのまま室外に出る。
そこに、黒木が話しかけてきた。
「あ、いかがでしたか」
「大変参考になりましたよ。
この恩は必ず返します」
「ええ、期待してますよ」
そのまま別れ、とある人物を探す。
程なくその人物が見つかった。
亜由美が死んだ当日に受付を担当していた、マリオネットホテル名古屋のフロントクラークである。
(名古屋女はブスが多いというが、さすがにホテルの受付なんかやる奴は顔立ちもそこそこ整っているんだな)
と失礼なことを考えつつ、清次は秘書に指示を出した。
「赤城、彼女には俺一人で当たらせてくれ」
「種蒔きでもなさるおつもりですか」
「今日はタネは撒くんじゃなくて拾うんだ。
お前は篠崎のご両親とソウを見ててくれ。
特にソウには気を付けろ。動揺と阻喪がえらく激しい」
「承知しました」
「何かあったら俺のところに掛けていいから」
そういって、彼は赤城から離れていった。
帰り支度をしていたクラークに、一人となった清次が話しかける。
「はじめまして。マリオネットの方ですよね」
「はい、そうですが……」
「私は八雲製薬の八雲清次です。今回の事件で死んだ篠崎の友人です」
「そうでしたか、お気の毒なことです」
「ところで」
と、話題を変える。
「マリオネットには中華料理店も入ってるでしょう?」
「はい、20階に烏梅が出店しています」
「ここ来るの初めてなんだけど、味とかどんな感じ?」
「それは、……お恥ずかしい話、値段もそうお安くはありませんので、私は行ったことは……」
「そりゃいかんね」
言葉とは裏腹に、人懐っこい声色で話を続ける。
「自分の勤め先がどういうものを出しているかぐらい知ってなくちゃ」
「本当に恐縮でございます」
「コースだとどうせ2人前からの受付だろう。
奢るから昼飯を付き合ってくれないか」
「いえ、そういうわけには」
「一緒に行く人間がいないんだ。一緒に来た友人は今取調べ中で、いつ終わるかわかったもんじゃないしな」
「……」
「そう頑なにならないでくれよ。
あなたはその店に行ったことないっていうし、勉強だと思ってさ」
「わかりました、ご相伴させていただきます」
「行こう」
清次は彼女の背中に手を回し、警察署を一緒に出た。
清次は前菜盛り合わせの皮蛋を突きつつ、自分の目の前にいる女をこれから突くことを思い描いていた。
「たまたま君がいてくれて助かったよ。
じゃなきゃ、一人で食べる破目になっていた」
本場の料理人の手による味に舌鼓を打ちつつ、彼は無駄話を叩いていた。
「江藤淳なんかは『西洋料理というものは男が一人で食べていても、何とか様になる唯一の料理』なんてってたがね。
俺に言わせりゃ和食ぐらいだろうなあ、ぼっち飯やって様になるのは」
江藤の最晩年の随筆「妻と私」の一節を引きながら、彼は散蓮華を口に運ぶ。
ふわふわとした溶き卵から湯気が穏やかに立っている様子は、見るだけで温かくなるようだ。
「俺が一人でフカヒレスープを啜っている姿を想像してみ?
そりゃあ寒々しいもんだろうよ」
「まあ、そんなことないです。
清次さんなら何をしていても格好いいですよ」
「嬉しいこと言うね。
最近は家族や友人からも称賛されてないから、尚更だよ」
アヒルを薄餅に包む。皮がパリパリなのは勿論、葱や胡瓜は野菜らしい瑞々しさがあり、甜麺醤も甘さがはっきりとしているがくどくはない。
一言で言えば、絶品である。
「君は」
グラスの中の酒を乾し、本題を切り出す。
「昨日の夜、篠崎がチェックインした時、顔を見ているか」
「う〜ん、どうでしょうね。
見れば思い出せるかもしれませんけど」
「じゃあ、篠崎の写真を見てくれるか?」
片手には北京ダック、片手には茅台酒。
厳粛な話には似つかわしくないが、だからこそ話しやすいとも言える。
「今お酒が入ってるから無理ですよぉ」
酔っているせいか、両名とも大胆になっている。
「抜くために運動でもしませんか?
名古屋はこの近くでも『ご休憩』できるんですよ」
「文字通りヌくわけだ」
「ふふっ、清次さんみたいなイケメンさんとは初めてなんです、私」
「あんた、面白いね。俺を男妾扱いする奴は初めてだよ」
「人には添うてみよ、馬と男には乗ってみよ、ですよ。
チャンスがあったら乗ってみるもんです」
彼は苦笑して、そして言葉を返した。
「ふうん、じゃあ一緒に汗掻こうか?」
「あ、ちょっと今日は無理ですねぇ」
わざとらしく、彼女は不意に思い出したという声を上げる。
「非番なんだろ? 何か用でも」
「松坂屋でショッピングをするんですよ」
清次はまたも苦笑した。
彼女は金品を乞うているのだと。
「そんな状態でショッピングなんか、痛い散財をするぞ。
散財が痛くない人間に任せとけよ」
そういって、親指で自分を指し示す。
「ええっ、貴方にですか?」
「そうだ。じゃあ、そろそろ出よう」
二人はデザートのマンゴープリンを急いで片づける。
清次は彼女の腰に手を回し、レストランを後にした。
マンゴーは種と芯を抜くと美味いらしいな、と下らないことを考えつつ。
タクシーを拾い、二人が来ていたのは、先ほどの話に上っていた松坂屋である。
「これもいいですねぇ」
ダミアーニの店舗で受付嬢は清次に何を買ってもらおうか、母親に菓子を買うことを許された子供のように吟味していた。
(買うのはいいが、さっさと決めてくれないかな)
女と一緒に――もちろん会計は彼持ちで――買い物をすることの多い清次は、心底うんざりしていた。
(女はこれだから困る)
そう思っていたが、ようよう決めたようである。
「これに決めました!」
彼女が指差していたのは、ダイヤを使用したベルエポックのクロスネックレスであった。
(この女、人の金だと思って存分に買い物する気だな)
自分の財布に目を落とすと無数の諭吉がいた。数種のブラックカードもある。
(まあ、現金でも充分に買える額だが、しかし……)
清次は、店員にカードを差し出した。
「ダイナース使えますか?」
「ええ、使えますよ」
そして彼はネックレスを買い上げ、トロフィーでも渡すかのように彼女に手渡した。
宝石サロンを離れ、彼女は清次にカードについて切り出した。
「プレミアムカードなんて凄いですね。
受付を担当していても、やはり相当な名士の方でなければ持っていませんから」
「だから、俺は相当な名士なんだ。
わかったろ? 俺に恩を売ることは得なことだって」
「ええ」
「しっぽり話してもらうからな」
「はい、そのつもりです」
清次は彼女の尻に手を回し、店を連れ立って立ち去った。
以上です。
次回は濡れ場から始まります。
糞つまんね
>>750 いちいち一言書いて逃げんな底辺チンパン
気持ち悪いんだよ
いちいち文句をいうくせに誰よりもスレをこまめにチェックしてるよなw
>>749 続きがきになりますね……。最近姉モノが少ない気がするのでお姉さんにはがんばってほしいものです
続きが来てたか
次回の濡れ場が誰か気になる
755 :
名無しさん@ピンキー:2013/02/23(土) 02:49:15.87 ID:rW6vqfSJ
750みたいなのもだけど751や752みたいなのもいらないから
荒らしの頭はまず言っても治らんが、荒らしに反応している奴の頭はまだ治る可能性があるから
一度注意するのは悪くないと思うぞ
投下します。
「はあぁぁ…」
アサネは不機嫌この上なかった。
こっちに住んでから一か月、自分とコン太を取り巻く状況は悪化していたのだ。
―――原因はコン太の周りを付きまとう女、である。
コン太曰く、ただの友達と言っていたが、アサネはどうにかならないかと策を考えていた。
しかし、大していい考えが浮かぶことはなくズルズルと日にちだけが過ぎていった…。
「アサネ?どうしたの?」
そんなアサネでも友人は出来る。
今、話しかけてきた彼女が最初の友人であり、名前は大久那キオナといった。
「―――別に…」
「…コン太君のことでしょ?」
「……」
転校初日からアサネは、ブラコンとして知れ渡ることとなっていた。
「早狩さんってお堅いと思ってたけど、意外に面食いだったんだね…。ホントびっくりしたわぁ…」
「―――!!」
「ちょ…そんな怒らないでよ…、別にあの二人がまだ付き合ってると決まったわけじゃないし…」
もし、そうなったら―――
「コンは人がいいからね…、酷い目に合わないか心配なのよ」
「はいはい、ブラコン乙、と」
「あんた発言が痛々しいわよ…」
「えっ?!都会じゃ皆こういうのが流行ってるんでしょ?」
ほんとに田舎者だな…。
何処でそんな言葉を知ったんだか。
アサネは、酷く疲れてしまっていた。
「まぁ、私も早狩さんのことはちょっと気に食わないところがあったから、協力してあげてもいいわよ」
「?」
「あの二人が引っ付かないように邪魔すればいいんでしょ」
「あからさまにやると、バれるわよ」
「だからさりげなく…でしょ?その代わり―――」
「コン君のお弁当っていつも美味しそうだね」
「ああ、これはアサ姉の手作りなんだ」
「ふーん、ホントいいお姉さんだね…」
一か月も経てば、男女の仲もそれなりに進展するもので…。
早狩ユキはコン太に対して小泉君からコン君へと呼び名を変えていた。
一方のコン太も彼女のことをユキちゃんと呼んでいた。
なので周りから見れば、二人は付き合ってると思われても不思議ではなかった。
「……ねえ、今度私が作ってきてあげようか?」
「弁当?」
「うん、私は自分で用意するから、手間は変わらないのよ」
「うーん、どうしようかな…」
今まで、アサネを除く女子に縁がなかったコン太にとってこの誘いは、甘美なものであった、が―――
「(アサ姉が何て言うかな…)」
都会に居た頃から、アサネの手作り弁当を食べてきたコン太である。
弁当のほか夕飯など、ほとんどアサネが作るモノを食べた。
それは今も変わらず、叔母さんと二人並んで台所で支度する姿を毎日見ている。
つまりアサネは、自分が作ったモノ以外をコン太が食べることを異常に嫌がったのだ。
友達付き合いや、学校行事で遅くなると外食することもあるのだが…。
そうなるとアサネが一度ならず泣きだすこともあった…。
「―――あぁ、いたいた。あなたが小泉君ね」
「…うん、そうだけど?」
目の前に突然女子が現れた。
コン太が会ったことのない子だ。
「初めまして、私は大久那キオナといいます。お姉さんのアサネとは同じクラスで」
「アサ姉の友達?よろしく」
コン太は安堵していた。アサネがちゃんと友人を作っていたからだ。
…都会にいた頃は色々とあったので心配していたのだが、杞憂だったようだ。
初対面ながら親しげな二人を早狩ユキは気に食わなかったようだ。
「大久那さん、何か用事ですか?」
「そうそう。コン太君、部活に入らない?」
「へっ?」
「―――と言っても、規模が小さいから皆同好会みたいなものだけど…」
「…例えばどんな部活?」
「私んとこは、囲碁将棋部だよ。まぁ晴れた日とかは外で適当に遊んでるけどね」
「(なるほど…、部活勧誘に来たわけだな…)」
「大久那さん、小泉君は家庭に色々と事情を抱えてるのよ」
「…早狩さん、決めるのはコン太君次第でしょ?」
いつの間にか、女子二人が火花を散らしていた…。
しかし、コン太は部活のことを考えていたため気付いてなかった。
「いいよ、入らせてもらうよ」
「えっ?!」
「ホント?!ありがとう!!」
二人は対照的な反応をした。
「アサ姉も入ってるんだよね?」
「ええ、当然よ!」
「ちょ、ちょっと、コン君…」
「じゃあ、放課後に入部届を持ってきてね」
キオナはそれだけ言うと、走り去っていった…。
「もう、コン君。今日は図書室で勉強するんじゃなかったの?」
「あ?!忘れてた…、ごめんユキちゃん。でも明日でもいいんじゃない?」
「数学の小テストで泣きを入れてきたくせに、もう助けてあげないよ」
「そんなぁ…、でもああ言っちゃったから今日だけは勘弁してよ…」
「―――はぁ…、わかったわ。明日は絶対よ!」
早狩ユキは念を押して言った。さらに―――
「あと、条件として明日のお昼にお弁当作ってくるから、それを絶対食べること!!」
「あー、うーん…、わかったよ」
コン太はどうやってアサネに言い訳するか考えていた…。
もっとも、言い訳が通用する相手ではないのだが。
「ささ、どうぞ」
「失礼します」
キオナは教室のドアを開けると、コン太に入るよう促した。
「コン…」
「アサ姉…」
中には、アサネ、コン太、そしてキオナの三人しかいなかった…。
「…ねえ、もしかしてこれだけ?」
「たはは…、ホントはもっといるけど幽霊部員がほとんど…」
「こんなんでよく勧誘したわね…」
キオナがコン太と早狩ユキとの仲を邪魔するために出した条件が、アサネの囲碁将棋部への入部だった。
呆れ顔のアサネだったが、部活を口実に早狩ユキからコン太を離せる上、学校内でも一緒に過ごせるのが嬉しく、内心満足していた。
「だから、勧誘したのよ。一応私が部長代理ということで…。で、何するー?オセロ、トランプ…色々あるけど?」
「ここ、囲碁将棋部だよね…?」
「いいのよ!囲碁なんてルール知らないし、将棋もなんかめんどくさいしー!」
その日は結局、何回か大富豪をやるだけでお開きとなった。
コン太は放課後の時間を勉強に充てるべきだったと悩んだが、アサネが存外楽しんでいたため、いいだろうと思った。
ちなみに、キオナは連戦連敗だった…。
「アサ姉はクラスメイトと上手くやってるみたいだね」
「キオナのこと?そうね…、あの子人当りがいいのよ」
帰りの田んぼ道を歩く二人。
夕焼けが二人を染め、トンボが辺りを飛んでいた。
山々の木々は緑から茶色へと移り行き、秋らしさが滲み出ていた…。
「なんか安心したかも。アサ姉大丈夫かなってずっと心配してたし…」
「私のことは大丈夫よ、それよりコンの方が気になるけど…」
「ユキちゃんとは結構仲がいいよ。他の皆とも普通だし」
ユキちゃん―――
アサネの怒りと疲労が一気に増した。
もし早狩ユキ本人がこの場にいたら―――
「ア、アサ姉…?」
「―――?どうしたの、コン?」
つとめて冷静に答えたアサネ。
しかし、コン太はアサネ本人が機嫌が悪くなったのを察知していた。
「(あ、そういえば弁当どうしよう…)」
こんな状況で言えるはずもなく、そのまま一日が終わってしまった。
明日はコン太にとって過酷な一日になりそうである…。
投下終了です。
良い作品をありがとうございます。
キオナが気になりますね。
>>765 続きありがとうございます!
新キャラは果たして敵か味方か……。
擁護も大変だな
いや、これじゃむしろ養護か
おつかれ
かわいい妹がいい子ならずっと一緒にいてもいいかなって思っtyいや、やっぱりいい。なんでもないんだ。
772 :
名無しさん@ピンキー:2013/02/27(水) 01:22:24.15 ID:Jufnuk5w
つまんね
test
すまん誤爆
狂もうと。はいったい。。。
なんで2012/7で止まってるのはどうして。。。
作者様になにかあったの。。。
教えて偉いひと。
荒らしが酷くてやめたんじゃない?
俺もその時期あたりから滅多に来なくなった
そっか。。。ありがとう。。
残念だ。。
みんな仲良くしないとな
まったく受けなかったので編集部に切られたんだよ
わりとマジでなに言ってんのか意味が分からない
投下します。
―――――――
小泉姉弟の父は登山を趣味にしていた。
土日や、長期連休になるとよく二人をほっぽり出して山に行っていた。
流石に二人が幼い頃は、家にいて世話をしていたが…。
そんなある日…。
―――――――
「はぁっ?!」
コン太は不意に目を覚ます。
見えるのは自室の天井。
「…くそ!またこの夢か…」
――――――――
ある日、いつものように父親は登山に出掛け…、遭難し変わり果てた姿で戻ってきた。
姉弟は二人して泣いた。
ただ姉の方は…。
――――――――
「おはよう、コン太君」
「おはよう、コン」
「おはようございます。おはよう、アサ姉」
起きてリビングに行くと、叔母とアサネが台所にて、朝食を作っていた。
アサネは自身とコン太の弁当も作っているようだ。
「(まいったな…、でも言わなきゃ…)」
この日、コン太はユキから弁当を貰う約束をしてしまっていた。
なのでこのタイミングでいらないと言わないと…、二人分の弁当を食べなければならなくなる…。
「あ、あのさ…、アサ姉。今日の弁当って―――」
「今日はコンの大好きな唐揚げを入れてあげるわ」
「(―――駄目だ、言えない)」
振り向いたアサネの眩しい笑顔にコン太は心が折れてしまった。
「おはよう、コン君。ちゃんとお弁当作って来たから。お昼を楽しみにしておいて」
「ああ、ありがとう…」
教室に入ってきて一番最初に聞いた言葉。
ユキもまた弁当を作ってきていた。当然だが。
これで、コン太は完全に追い詰められた。
どちらかを、選び、捨てるのか…。
…いや、コン太にはどちらも捨てることは出来なかった。
彼が採った策とは―――
「(ここなら誰もいないだろう…)」
コン太は囲碁将棋部の部室前に来ていた。
手には、アサネ手製の弁当が握られている。
「(早弁とは言っても、始業前にすることになるとは…)」
ガラガラ―――
「ん?どうしたの、コン太君」
「(げっ!!?)」
部室内にはキオナがいた。
「えぇっと…大久那さんこそなんで?」
「暇つぶし…かな?」
キオナの前にはトランプで積み上げられたピラミッドがあった。
パタパタパタ―――
「あぁ〜!!あと一段だったのに崩れた!!コン太君のせいだよ!!」
「何で?!」
「はぁ〜、もういい!!…で、コン太君はどうしたの?」
「あ、んーと…」
コン太は悩んだ。
自身の状況を言うべきか、否か…。
「…何か訳あり?じゃなきゃ、朝早くにここには来ないだろうからね」
「ぐっ!」
「手には…弁当?」
「えーと、実は…」
コン太は観念してキオナに事情を説明した。
とにかくアサネにばれるのは何としても避けなければならない。
その辺りは必死に弁解した。
「―――んー、なるほどね。モテる男は辛い、ってか」
「そんなんじゃ…」
「でもアサネが可哀想だよ。ちゃんと断らなきゃ」
「それはそうだけど、断りきれなくて…」
「…ユキもなかなかエグイことするな」
「え?」
「いや、こっちの話。で、早狩さんの弁当を食べる為に今、アサネの弁当を消化するわけね」
「折角作ってくれたんだから、捨てるわけにはいかないからね」
弁当箱の蓋を開けると、美味しそうな唐揚げ、その他が入っており匂いがまた食欲をそそった。
「…しょうがないわね。私も協力するわよ」
「え!?ホント?…あー、でもいいよ。元々自分が蒔いた種だし」
「話の流れからして、私にも責任はあるわよ」
「…ありがとう」
「ところでさ…」
「ん?」
「早狩さんと付き合ってるってのは本当?」
―――時間は流れ、あっという間に昼休みになった。
「はい、どうぞ。召し上がれ」
「うん、ありがとう…」
まだ胃に残るモノを堪えながら、コン太はユキの弁当に手を付けた。
こちらも、ハンバーグ、トマト、卵焼き、といった具材が並んでおり美味そうにみえた。
実際、口に運ぶと美味かったのだが…。
「うん、美味しいよ!―――ユキちゃんは食べないの?」
「ふふっ、食べるよ」
そう嬉しそうに笑いながらようやく箸を取る。
他愛のない会話をしつつも弁当を平らげるコン太。
腹は限界を超えているようだ。
「ふう、ご馳走様…」
「お粗末様でした。…ちょっと量が多かったかな?」
「ん、いや…大丈夫。今日は朝に食べ過ぎちゃって」
実際、嘘ではない。
「そう…、でも良かった。美味しく食べてもらえて。また明日も作ってくるよ」
「ああ…ゴメン。明日はアサ姉が作ってくれることになってるから…」
……冗談ではなかった!
毎日こんな生活をしていては太ってしまうだろう。
「うーん、それは残念…」
「ゴメンね…」
「いいよ、別に。その代り―――」
放課後―――
「で、結局日曜日に遊びに行く約束をさせられたわけ…ね」パチ
「まぁ…そういうことだね」パチ
「モテるね〜」パチ
「う〜ん、そうなのか?」パチ
「まぁ向こうにその気はあるよ、絶対」パチ
囲碁将棋部の部室で会話するコン太とキオナ。
将棋盤を広げ、駒の動かし方をうろ覚えで勝負していた。
アサネは叔母に頼まれた買い物のために先に帰宅していた。
コン太も同行するつもりだったが…、ユキの対応にどうすればいいかわからずキオナに相談する次第となったわけだ。
「流石にアサ姉にも言った方がいいかな…」パチ
「いや、止めといたほうがいいよ。あの子、嫉妬深いし」パチ
「…アサ姉は心配症だから」パチ
「あんたもシスコンね。……お互いのためにもそろそろ自立を考えたら?」パチ
「じ、自立?」パチ
「大人になってもそんな生活を続けるつもり?」パチ
「それは……」パチ
「とにかく、アサネにも相手がいないわけだし。それまでは秘密にしといたら、ってことよ。まぁ彼氏でも出来たら、案外そっちに夢中になるかもね」パチ
アサネに彼氏…。
考えたことはなかったが、あまりいい気分ではなかった。
やはり自分もアサネに依存しているのだろうか…。
それがアサネの負担になっているのだとしたら―――!!
コン太の考えは目まぐるしく変化していた。
「そうだね…。ユキちゃんとのことはしばらく黙ってるよ―――、チェックメイト」パチ
「キー!!また負けた!!!」
アサネは商店街で買い物を済ませ、家に帰り着いていた。
「お帰り、アサネちゃん」
「……」
「…どうしたの?」
叔母の言葉は耳に入らず、買い物袋だけ渡し、半ば放心状態で部屋に戻る。
さっき…、昼休みにキオナに聞いた言葉が頭から離れなかった…。
『コン太君と早狩さんはどうも付き合ってるみたいだね―――』
アサネの頭は混乱していた。
コン太が自分から離れて他の女へ…。
「―――うっ…うぅぅぅ…」
自然と…涙が流れ出る。
彼女はこんなどうしようもないとき、よく現実逃避をする。
その手段は―――
「―――ん、…んんぅ!!」
制服のままベッドに寝転び…、下着の上から優しくなぞる…。
「コン…、寂しいよコン…。行かないで…、行っちゃやだ……」
この指はコンの指…。
コンが私を慰めてくれる…、構ってくれる…、優しく…愛してくれる…。
胸も制服の上から触り、つねる…。
彼女にとって、守るべき存在だったコン太が、自身を愛してくれる。
穢してはいけないモノに対し、手を出してしまう背徳感がまた興奮を呼び、辛い現実を忘れさせていた。
「お姉ちゃん、コンのお姉ちゃんだから…。ずっと一緒よ、ずっと、ずっとずっとずっと…、――――コン!!」
ビクビクと身体を振るわせるアサネ。
―――次第に倦怠感が彼女を襲う。
それと同時に…どうするべきかも…。
「コンは…、私のコンだよね…」
彼女の倫理観は崩壊の手前に来ていた…。
投下終了です。
需要もないのによく続けるわ
誰もまともに読んでないのにな
GJです
GJ!
書き込まない割合の方が多いから、批判を気にせず頑張って投稿して下さい
批判が付かないと乙も付かない不思議現象
結局、本心からの乙じゃなくて批判に対する批判にすぎないんだろうな
>>793 目腐ってんの?
あきらかに
>>789が一番早くレスしてんだろ
そりゃ毎日スレ張り付いてる荒らしが先にレスして、まっとうなレスが後から続くのは当たり前
一人がID変えて連続GJを1回しただけか
大多数の住民がスルーしている辛い現実……
>>788 乙です。キオナが回し者に思えてきた……。まさか敵なんでしょうか。
是非とも完結させてくださいね!次を楽しみにしています。
今更おせぇよ
余計に惨めになるだけ
Ecco la Croce del Signore: Fuggite potenze nemiche!
Vinse il Leone della trib di Giuda, il discendente di Davide,
Ges Cristo. Alleluia!
さあ、ここに主の十字架があるぞ!強い敵よ、立ち去れ!
ユダヤ族の獅子、ダビデの末裔イエスキリストが登場した、
ハレルヤ!
a San Michele Arcangelo:
San Michele Arcangelo, difendici nella battaglia; contro
le malvagit e le insidie del diavolo sii nostro aiuto.
Ti preghiamo supplici: che il Signore lo comandi! E tu, principe delle milizie celesti,
con la potenza che ti viene da Dio, ricaccia nell'inferno satana e gli altri spiriti maligni
che si aggirano per il mondo a perdizione delle anime. Amen!
聖ミカエル大天使よ、我々を戦場でお守り下さい。悪魔の悪意から我々を守る助けとなりたまえ。
(旧約聖書 創世記第一章)
神様を信じたのはいつだったのだろう。父も母もカトリックだったし私もそれを信じて来た。
「今でも怖いのです…震えが止まらなくて…エクソシストとしてやっていく自信がないのです…」
私はいつものように、大聖堂のマリア像の前で膝を付き、両手を合わせて罪を告白していた。
「なぜです? あなたならやれるはずです。そのための訓練もしているのではないですか?」
目の前のシスター、いえ、司教様はいつものように聴いてくれる。
カトリックでも唯一司祭を許された女性。
ここではいつもの立場は90度変わる。
彼女は見た目以上に若々しく、威厳に満ちていて…
そして何より優しさに溢れていた。
「私は…無力です…何もできないのです…私の力など…」
本当の私。いつもは気取っているしメイド達を従えているけど本当の私は違う。
「悲観することはありません。あなたの力は思っている以上に巨大なのです。自分を信じなさい」
「…あのとき何もできませんでした。今のように震えることしか…
とてつもない力の壁を感じました。あのような巨大な霊気を目の当たりにして、あろうことか、し…失禁までしてしまいました。
お叱り下さい。私は異教徒に仲間が蹂躙されるのを黙ってみていた裏切り者です…ひ…ぐ…う…」
悔しくて涙が止まらない。負けとかいう問題じゃない。私には一生掛けてもあんなことはできない。
あの尋己という巫女の実力、舞とか言う子の巨大な霊力。あんなのが敵にいたら私など…
「神を信じなさい。神はすべてをお許しになります。今回のことはわたくしがいなかったのも原因の一つ。
まだ小鳥だけではダメだったと言うこと。それにあれはもう修道士として神に仕えられる身分ではありません。
罪があるとしたら、あなたではなく、きちんとあなたを見守れなかったあの子です」
「そんな…! 小鳥は悪くありませんわ!」
「いいえ、あの子には責任を取って頂きます」
「どうかお許し下さい…司教様…」
司教様…いえ鐘ヶ江穂乃果(かねがえ ほのか)。
彼女はこの大聖堂の管理者だ。
そしてハウスキーパー…メイド長でもある。
特徴的な青い瞳に赤毛がかったストレートの髪に紫の修道服。
前まではメガネをしていたが、いつからかしなくなった。
私の顔を見てから微笑む。
そしていつものように抱き寄せてくれる。
「神はすべてをお許しになられます。大丈夫です。安心しなさい」
「ああ…司教様…」
次第に大聖堂が明るくなり、いつもの朝が来る。
日の光がステンドグラスに当たり、私たちが描写される。
「ん…どうです…ん…」
「…ん…んん……ん」
私たちは深く舌を絡め合う。優しく、そして深く。
…
「きゃはははは! あーおかしい!」
私は少女漫画を見ながら笑いこけていた。
「お嬢様、はしたないですよ。静かにして下さい」
「うふふ、いいじゃないですか。お楽みみたいですし」
「いけません、小鳥は甘いんです。だから…」
「あ、も…申し訳ありませんでした」
「いいえ、気にすることはありません。そのための今日でしょう?」
「は、はい」
リムジンの中には私たち3人しか居ない。運転中の小鳥。その後ろに私と鐘ヶ江。
今回の目的にメイド部隊は連れてきていない。少数精鋭というわけ。
だって今の私に適うはずがありませんもの。
『お嬢様、なぜお嬢様が負けたかわかりますか?』
『いいえ…わかりません…あんなのに太刀打ちできるわけありませんもの…』
『その気持ちです。病は気から。負けるのにもすべて理由があります。
お嬢様は相手に負けたのではありません。自分に負けたのです。
考えても見て下さい。我らの偉大なる神が、あのような野蛮な思想に負けるはずがありません。
彼女らの思想には唯一神がない。言ってみれば共産思想と同じ。
宗教ですらないのです』
『わかってますわ…ですが……』
『これをお嬢様に差し上げます。今朝グラスゴー協会本部から届けられたものです』
『これって…』
目の前には小さな青色の鉱石。
鐘ヶ江の右手には鉱石が握られていた。
その小さな鉱石はネックレスになっていた。
『この石には力が宿っています。今のお嬢様の霊力を飛躍的に高めるものです。
過去の十字軍遠征時で亡くなった子供らの霊力が宿っているとされています』
鐘ヶ江はそう言いながらネックレスを私の首に掛けた。
じぃっと、その透き通った石を見つめる。
『綺麗…吸い込まれそうですわ…』
『本当に吸い込まれますよ。必要なとき以外はあまり見ないで下さい。
それに効果は、ずっと身につけることで出ます。
今は何も感じないでしょうが、日を追うごとに霊力が高まるのを感じるはずです』
あれから数ヶ月。私にあのときのコンプレックスはない。
あのときの強烈な敗北感とは、もう無縁になったから。
千明舞や香取尋己。彼女らに対する恐怖など微塵もない。
自分の胸に掛かっている青い鉱石をちらりと見る。
…今の私にはあの時の悪霊に取り憑かれた時の千明舞以上の霊力があるから。
「あと何時間ですの?」
漫画を見るのをやめて小鳥に訊く。
「一時間弱と言ったところでしょうか」
「ふわぁ…着いたら起こして下さいます?」
「くす…承知しました」
「頼みますわ…ふぅ…」
…
「あとちょっと! あとちょっとだから!」
「ダメです。舞ちゃんの霊力ではそれが限界なんです。ちゃんとできていません」
「だからあとちょっとなんだってば!」
「この前も私が助けなかったら戻ってこれなかったでしょう?
基礎はちゃんとしておかないとダメです」
「舞は応用から入るタイプなの!」
「そんなこと言ってる人に限ってできないんです、もう」
「くそー、なんでできないんだろ…」
こんな関西の山奥の神社で何をしてるかと言うと、妹の舞の憑依の特訓だ。
舞は日夜、尋己に近づこうと頑張っている。
今も例の御神刀を目の前に特訓中。
脇差しと言うよりナイフくらいの大きさの木製の御神刀。
それを三人で囲んでるという、なんともシュールな光景。
ちなみに御神刀には例のお騒がせの霊がいる。
結局あの悪霊…と言っていいのだろうか。
あの霊は完全には消せないらしい。
自然と限りなく同化しているとかで、一生付き合っていかないと行けないものらしい。
今のところその霊を呼び出せる能力があるのは尋己だけだ。
舞も呼び出せるが憑依しそこなってとんでもない目にあっているので尋己に禁止されている。
で現在、その霊の扱い方を舞が習っている最中。
「縮地はできたんだけどなぁ」
「あれもできたとは言えません。言ってみれば縮地一歩手前です。
宗次郎と同じです。私のように完全ではありません」
ネタ元知ってないとわからないと思うんだが…
縮地とは瞬間移動だ。例えば100メートル先に進むとき普通は動く。
縮地は文字通り地面の距離を縮める。
100メートル縮めて0メートルにすれば100メートル動いたことになるという原理だ。
「ねえ、お兄ちゃん」
「わっ、いきなり背後から現れるなよ!」
これだ。今、舞は縮地を使った。地面の距離を消して俺の方に移動したわけだ。
「でも相手に近づく時は背後からにしろって言われたし」
「俺は敵じゃないだろ。つか初対面の人にそんな現れ方されたら引くだろ?」
「いいじゃん、お兄ちゃんだし」
「よくねえよ。びっくりするだろが」
舞は明らかに不機嫌だ。ほっぺたを膨らませてるし。
「やりましたね舞ちゃん、今のは完璧な縮地でした」
ゆっくりと尋己が笑顔で近づいてくる。
手には御神刀を優しく握りしめている。
こうやって歩いてくるのが普通だよな。
親しき仲にも礼儀あり。こういうところをちゃんと見習えよ、と。
「そ、そう?」
「はい、完全にモノにしましたね。さすが千明家最高の巫女です」
「あはは、て、照れるなー」
あほだなー、舞。こうやって尋己がおだててる時って絶対裏があるって学習してないのか?
この間も無茶な特訓させられてゲロ吐いてたのに…
「それでは次の段階に行きましょうか」
「つ…次って?」
舞は俺の背中に隠れながら伺う。やっとあの時の恐怖の特訓の記憶がよみがえってきたようだ。
「これです」
御神刀を俺たちの目の前に出す。
そしてすっと鞘から刀を抜く。
「おい! 何してんだよ! それ抜いたら…!」
憑依の儀式もなしに何してんだよ! と続くはずだった。
―びゅううううううううううううぅぅぅ
黒い霊気が尋己を覆ってから体に入り込む。
俺と舞は黙って見てるしかなかった。
思わずゴクリと唾を飲み込む。
なんせ尋己以外にこの霊を封じ込める手段がない…!
そして尋己は力なく、すとんと地面に落ちる。
「ね、ねえお兄ちゃん…ど、どうするの?」
「し、知らねえって…」
「尋己さん憑依されちゃったけど…」
「だから俺に聞いても…」
尋己…いや目の前の霊に取り憑かれた少女が顔を出す。
「うーん…うーん…」
尋己…じゃなかった、その霊は頭を抱えている。
「んーここどこ? 頭ぼーっとするなー」
その霊…俺たちは『クロ』と呼んでいた尋己の姿をした少女。
黒い悪霊だからクロ。
何の捻りもない名前だが、実際に黒ノ天原族と言われた一族の巫女らしいし。
「おー、清彦君に舞ちゃん、久しぶりー元気してたー?」
「あ…ああ…」
「う、うん…げげげ元気かな」
尋己の姿なのでもの凄く違和感がある。
それにしても相変わらず桁違いの霊気だ。
尋己が言うにはクロは『媒体の霊力を極限まで引き出せる』らしい。
これが尋己の真の力だと考えたら恐ろしい。
舞が取り憑かれた時よりも数段上って…
こんなのどうやって御神刀に戻すんだ?
舞の時でも尋己がいたからできたわけで…
「ふーシャバの空気は美味いねー。空気も綺麗。
うーん、どこだろ。方角的に高天原に近いとこかな?」
クロはあどけない表情で聞いてくる。
「よくわかんないけど、たぶん…ここ関西だから…そうだと思う」
「やっぱりねー元気が沸いてくるもん」
しきりに体を動かしているクロとは対照的に、舞はさっきから俺の背中に張り付いたままだ。
「あのさ、直接訊くのも変なんだけど、これからどうすればいいんだ?
もうクロも怨念はないんだろ?」
「あるよー」
「「 マ ジ で !?」」
俺と妹の声が絶妙に重なる。
「うん」
「そ、それって、な…なんなんだよ…」
「うふふ…それはねえ…」
ゴクリと唾を飲む。
「舞ちゃんを食べることだー!」
「きゃあああああああああ」
クロが舞に抱きついて、顔をスリスリし始める。
尋己は絶対こんなことしないので、もはや夢を見てる感覚だ。
「お、お兄ちゃん…助けて…」
無理。
「と冗談は置いといてさ…」
舞に抱き付きながらも話始めるクロ。
「尋己ちゃんの目的はなんなの? なんであたしを呼び出したの?
よりにもよって舞ちゃんの体じゃなくて、尋己ちゃんの体ってどういうこと?
もう、本州のほとんどの悪霊はやっつけちゃったんでしょ?」
いっぺんに俺に聞かないで欲しい。
…
私たちは望遠鏡で清彦たちを見ていた。
「いいいいったい、あの化け物はなんですの…?」
「お、おおおお嬢様…落ち着いて下さい…」
「お、落ち着くのはあなたですわ! こ、声が震えてますわよ!」
リムジンの中では鐘ヶ江が久しぶりの睡眠を取っている。
私と小鳥はここに着いてから、しばらく清彦らの様子を観察していた。
三人とも何か訓練をしてる様子だった。
それがさっき尋己さんが短刀を清彦に渡した途端、とんでもない霊気がここにまで伝わってきた。
あの時の舞さん以上の霊気。今の私でも躊躇してしまう巨大な霊気。
「…やっと出てきましたか」
後ろを振り返るとリムジンの中から鐘ヶ江が出てくるところだった。
いつものメイド服ではなく紫の修道士の服を着直していた。
「どういう意味ですの? それに…」
その格好は何? と言いそうになったけど別に訊くほどでもなかった。
何しろ今回の目的は私怨だ。
私を屈服させた千明舞と香取尋己をにリベンジすること。
でも…
「長かった…やっと会えた…これが最後…そして今度こそ私たちが勝つ…」
鐘ヶ江が静かにつぶやいた。
「お嬢様、小鳥、行きましょう」
「「え?」」
同時に聞き返していた。自殺行為だ。
あんな巨大な霊気を目の前にそんなことが言う方がどうかしてる。
「今しかありません。行きましょう」
「で、でも…」
「そ、そうですメイド長、お嬢様が危険です…」
小鳥も危機を察知しているみたいだった。
彼女だってこれまで何もしてなかったわけじゃない。
鐘ヶ江から指南を受けて次期ハウスキーパーにまで指名されてるくらいだった。上級エクソシストとしてどの国でもトップで戦える。
「そんなことはどうでもいいんです」
「それは暴言です…どうでもいいだなんて…」
なんだか今の鐘ヶ江は怖い。小さい頃、私のお姉さん役をしてる時、いや、そんなのとは比較にならないくらいの威厳がある。
「お嬢さ…いえ…麗華、来なさい。今しかないのよ」
「お嬢様になんて口の利き方を!」
「建前なんて関係ないわ。今はそういう問題じゃないの」
鐘ヶ江はそう言ってから私の首のネックレスを外した。
「つ…」
強引だったので首に痛みが走った。
当然、小鳥が駆け寄る。
「勝手に何をやっているんですか!」
「…黙りなさい」
小鳥の顔に恐怖が浮かぶ。私も声が出なかった。
それくらい今の鐘ヶ江は別人で怖かった。
彼女はネックレスの鉱石を握りしめて念を込め始めた。
同時に鐘ヶ江の霊気が上がり出す。
霊気が上がるにつれ、立ってるのもやっとになる。
そして青い鉱石が眩しく光りながらどんどん溶けていく。
これってさっきの尋己さんに感じた霊気と互角…いや、上なんじゃ…
今までで感じたどの霊気より美しく偉大だった。
「…!」
周りの白い光が走ったあと目を開けてられなくなる。
…目を開けたとき、鐘ヶ江が無機質な表情でこちらを見ていた。
「ふぅ…ここから出るのも久しぶりね。何年ぶりかしら?
あ、確か麗華に小鳥だっけ? 穂乃果の友達の」
口調も仕草も全然違う。どういうこと? 憑依?
いや違う。憑依だと前兆に立ちくらみがあるはず。
「穂乃果? 鐘ヶ江穂乃果?」
思わず鐘ヶ江の本名を聞き返していた。
「そう。ここでの彼女の使命はあなたに仕えることだったはずよ」
「どういうことですの…」
「彼女の役割は終わった。だから私の出番が来たわけ。これからはよろしくね」
「よろしくって…」
わけがわからない。鐘ヶ江はどこに行ったの? 役割が終わった?
「ま…まずはお嬢様に対する言葉使いをきちんとして下さい…」
小鳥がキッとした目で鐘ヶ江を睨んでいる。
「めんどくさいわね。これも日本の風習? やめちゃえばいいのに」
「…ひとつお答え下さい」
「なあに?」
「あなたはメイド長ですか?」
「メイド長でしょ今の地位は」
「…質問を変えます。これまで通りにお嬢様にお仕えする気はありますか?」
「あるわよ。命令だし」
「…命令? 誰の命令なんですか?」
「うーん…キリスト?」
「真面目に答えて下さいっ!!」
「いや、だって…そう答えるのが一番かなって…」
「…もうひとつ…あなたは鐘ヶ江穂乃果…メイド長なんですか?」
「そうよ」
その言葉を聞いてから小鳥が泣き崩れる。
何が起きてるのかわからない。
小鳥がなんで泣いてるかも…
「お、お嬢様…う…うぅ…」
「…小鳥?」
「…今はメイド長…う……この方に従いましょう…それしかないんです…
すみません、お嬢様…もう私には…」
「小鳥…」
何で泣くの? 何で悲しいの?
私には目の前のことが理解できなくて何がなんだか…
鐘ヶ江だってすぐに元に戻るはずだし…
「行くわよ、あなたたち」
鐘ヶ江…いえ、そのお方に従うしかなかった。
彼女は美しく偉大で知性に富んでいて、なんにでも、はいと答えてしまうような…
そんな存在に見えた。本当の司祭様…いえ、神とはこういう人を言うんじゃないかって。
…
「とりあえずアイス食べたいなー」
「無理だと思うぞ。ここからコンビニまでどんだけあんだよ」
「食べたい食べたい食べたい食べたい」
というか尋己の姿でわがまま言わないで欲しい。
舞の時だと年相応でなっとくできるが、普段落ち着き払ってる尋己のこういう態度は、非常に違和感ありまくりで正直キモイ。
「お兄ちゃん、これあるけど…」
舞の差し出した手のひらには…
―アイスキャンディー 〜コーヒー味〜
「わははははは!!」
思わず笑っていた。
「すげえ! おまえ天才だよ舞! 確かにアイスだ! わははは!」
それを白けた表情で見つめる妹。でも面白いんだから仕方ない。
だってアイス(氷)と見せかけてアイスキャンディ(飴玉)だぞ?
何年前のセンスだよ! しかも超面白いし!
「うん…れろれろ…うん…おいし…」
「こっちコーラだよ。それにサイダーもあるし」
「やったぁ、舞ちゃん愛してるぅ」
「あはは、どーも。えっとね。こっちがチロルチョコって言ってね…」
「うわーさすがー、尋己ちゃんはこういうの疎いからねー」
「クロちゃんはあたしに憑依したとき、スカートのポケット触んなかったの?」
「うん」
「ほら、ここに入ってるんだよ」
「あれ、開かないよ?」
「あはは、ファスナーとスナップあるからね」
「あ、こうやって開くんだ」
笑い転げてる間になぜか二人とも打ち解けていた。
舞がお菓子を尋己の姿をしたクロに紹介している。
あいつはいつもお菓子持ち歩いているからな。
こんなところで役に立つとは人生わからないもんだ。
霊と異文化交流とか感心するところがある。
これじゃ笑い転げてた俺が馬鹿みたいだ。
「子供のお遊びはそこまでにしない?」
突然の耳慣れない言葉に背筋がぞくっとした。
「…麗華?」
見ると麗華と小鳥さんと鐘ヶ江さんがいた。
でも立ち位置に微妙な違和感があった。
いつもは麗華が先頭なのに、今は鐘ヶ江さんが先頭。
まるで後ろの麗華と小鳥さんを従えているような感じがした。
オーラも全然違う。鐘ヶ江さんってこんなだっけ?
今のクロと同じくらいの霊力あるんじゃないか?
やばいんじゃ…
「こんなとこで何してんだ? ここって…」
「あなたみたいな雑魚に用はないの。用があるのはそっちの巫女達」
「…巫女? ああ、尋己と舞か」
「そんな名前は知らないわ。乗り移れる媒体の名前なんてどうでもいいの」
「媒体? なあ麗華。鐘ヶ江さん、さっきから何言ってんだ?」
―あなたは黙りなさい
言葉が出せなくなった。
あれ? なんか忘れたような。
なんで? あれ? しゃべれない?
「こっちのおやつの時間を邪魔しないで欲しいなー」
その言葉で忘れたものが戻ってくる。
「クロ…じゃなかった、尋己…」
あ、しゃべれた。さっきの感覚はいったい何だったんだ?
あの感覚は前に経験をしたことがあるような…
尋己に取り憑いてるクロが舞と手を繋いでこっちに来ていた。
そして鐘ヶ江さんと対面する。
「何十年ぶりかしら、クロフォード。その巫女が今のあなた?」
「変わってないなー穂乃果ちゃんは。相変わらずの修道士っぷり。よっシスターの鏡!」
「日本名で呼ばないで。せっかく言葉だけでも合わせてあげているのに」
「じゃーあたしもやめて欲しいなー、そもそも自分で名乗ったことないし。
今までも黒ノ姫で通してるよー、相性はクロだよー」
「ふん、戦時中のコードネームで呼んで何が悪いの?
戦後は随分邪魔してくれたわね。せっかく国ごと潰してあげようと思ったのに」
「だからあたしは何もしてないってばー、いつの時代も生暖かく見守るだけだよー」
「あなたが余計な思想を撒き散らさなければ、私たちが勝利者だったのに…」
「うーん、なんで勝ち負けで考えるかなー、仲良くやろうよー」
「私はあなたみたいな考えは嫌い。達観気取って自分では直接手を下さず民を動かすやりかたは…」
「あたしは何もしてないってばー、いやーちょっとは助言することはあってもねー」
全然理解できない会話が進む度に、鐘ヶ江さんの表情が険しくなっていく。
周りの空気もおかしい。このなんて表現していいのか空気が揺れてる感じ。
「それが余計だってのよ…!!」
一瞬で俺たちに周りに巨大な白い霧が覆う。
地面も揺れ始める…!
「そうきたかー、こまったなー。体傷つけるわけにはいかないけどどうしよー。
尋己ちゃんになんて言い訳しよー?」
はっきり言ってその場の霊気の量に押しつぶされそうだった。
舞はクロ…いや尋己に寄りかかったままずっと震えてるし、麗華と小鳥さんも身を寄せ合っている。
とにかくこの霊気はまずい。クロと鐘ヶ江さんの霊気が半端ない大きさで少しでも霊気のない人間だったら死人が出るかも知れない。
―消えなさい
その言葉と共に黒い霧が拡散された。
同時にクロ…尋己の体が消えた。
縮地?
違う。縮地だと目に見える場所にしか移動できない。
それに縮地だと舞だって一緒に移動するはず。
つまり巫女とはまったく別の能力?
その場の霊気の量が減ったのか呼吸が楽になった気がする。
「お兄ちゃん…ふ、二人は…?」
「それは…」
でもクロと尋己は死んでない。なぜかそれだけは確信できる。
「今の…尋己さんの…縮地じゃないよ…
消えちゃった…消えちゃったよぉ…やだぁ…」
だから、わかってるって…
…
大聖堂で許しを乞うのも不思議な習慣だと思う。
なんでこんなに自分を客観的に見れてるのかも不思議だ。
「あれほど言ったでしょう! お嬢様に何かあったら絶対に知らせろと!」
「…すべて圏外でした…巨大な結界が張られていましたので」
「敵の数はどれくらいだったんです?」
「…ひとりです」
「く…その者の名前は?」
「…千明舞」
「あなたはお嬢様がコントロールされているとき何をしていたんです?」
「…その子の兄とセックスをしていました」
「!? 純血は…」
「…」
私には何も言う資格はない。反論する資格すらない。
ただただ事実を述べるだけ。もう生きる意味すらない。
お嬢様にお仕えする身でありながら貞操を無くし、これからは神に仕えることもできない。
一度汚れた女にはお似合いの末路。どうなろうと構わないのだ。
「…小鳥、あなたを責める気はありません」
もっと責めて下さい…お嬢様を危険な目に遭わせたのは私なんです…
「…あなたはお嬢様が汚されるという最悪の事態を守ったのです」
違います。
「…私でも同じ状況ならそうしたでしょう」
いえ、メイド長…あなたなら機転を利かせていたはずです。
どんなことがあろうとお嬢様を守られたはず…
「…小鳥、私があなたを裁きます」
死ねと言われれば死にます。どんな罪でも受け入れます。どうか…
「…永遠にお嬢様に仕えることを命じます。そして私のあとの全地位を譲ります。これからも…」
…!
何を言われているのかわからなかった。
気がついたら泣いていた。
ただ泣くしかなかった。全部が全部優しい言葉だった。
…
あれから今以上に自己研磨に打ち込んだ。
来栖家のお嬢様である麗華様にお仕えするために。
すべてはお嬢様のために。
「小鳥。私は自分が許せないんですの…絶対に負けませんわ…だから、あなたも負けてはいけませんわよ」
「はい、絶対に負けません」
お嬢様が私以上に苦しんでいるのは見て取れた。
私だけじゃない。
お嬢様は自分の部下のことをいつでも見ていてくださる。
あれから巻き込まれたメイド達もほとんどいなくなった。
今では私とメイド長以外はすべて部外者。
それも戦闘としては使えない使用人が数人だけ。
事実上メイド部隊は壊れていた。
「こんなときだからこそ…私たちがどうにかしないといけませんの」
「はい…」
と言っても厳しい。現在の来栖家の財政は破綻寸前なのだ。
『財閥の来栖グループ会長 綾金市市長の癒着問題』
『来栖財閥 公職選挙法違反の疑い』
『アジアで暴動 低賃金で貧困を増長 来栖財閥を提訴』
どれも決定的とは言えないまでも企業の体を潰すのには時間はかからなかった。
今ではどの雑誌でも来栖と言えば売国企業と決まっている。
私たちはスケープゴートにされたのだ。
他にも叩けば埃が出る企業はたくさんある。
でも来栖だけがターゲットにされた。
「…来栖会長が亡くなったそうです」
とどめはこれだった。
来栖グループは日本向けの表記で実際はイギリスのクルスファイナンシャルが元で、外資系企業だ。
株主の投資グループもこぞって撤退した。
もう海外でも企業を存続できない状態だ。
アジアに進出した関連企業もすべて撤退。
世界が恐慌状態なのもあり、もう来栖グループは存続できない…
「小鳥、よかったら良い企業を紹介しますわよ。
あなたなら胸を張ってどこにでも紹介できますわ」
「お嬢様…そんなことをおっしゃらないで下さい…」
私は絶対にお嬢様を守ると決めたのだ。
例え一人になってもお嬢様は守る。
…
「ちょっと外に経理の仕事があるんですけど、頼まれてもらえません?」
「申し訳ございません、お嬢様」
あの企業の経理は来栖グループじゃない。
大手だけど国内企業だし、私の転職先を紹介しているのと同じだ。
…
「海外の中小企業の秘書に興味はございませんこと?」
「すみませんが…お嬢様」
全然中小企業じゃない。今は無名だけど実質アメリカの大企業だ。
来年は上場して成功するのが約束されているエネルギー産業で軍産複合体だ。
…
…
「姫乃メイド協会ってお聞きになったことはございません?」
「…ありません」
私にもメイドとしてプライドがある。
あんなエリートのところに行って、私だけやり甲斐のある仕事などしたくない。
それに国営企業に行けば、外資系の来栖グループとは敵になる可能性もある。
つまりお嬢様を敵に回すことだってありえるのだ。
「お嬢様…もうこれ以上、私のような者を気遣うのはおやめ下さい…」
「あなたも頑固ですのね。他のメイドは全員転職しましたのに」
「私はお嬢様の元でしか働きたくありません」
「そう、私も幸せ者ですわね」
お嬢様は言葉とは裏腹に沈んでいた。
なぜそこまで悲観なされるのです?
メイド長がいれば最悪、三人で起業だってできるんですよ。
私たちの能力ならなんだってできるはず…
…
「メイド長、よろしいですか? 話があります」
大聖堂で直接問いただすことにした。
お嬢様が私に持ってきた転職話は、すべてメイド長の鐘ヶ江様を通さないとできないはずだから。
でも私の質問にも、修道服姿の彼女は振り返らなかった。
「あなたの言いたいことはわかっています」
「本当ですか? では、なぜあのような話をお嬢様に持ってこさせるのです?
そこまで来栖グループは危ういのですか?」
「…検察と公安が動いています。綾金市の選挙でも負けましたし、政権も変わりました。そう長くはないでしょう」
グループが持たないのはわかっていた。でもこんなに早くなんて…
「お嬢様はどうなさるおつもりなんですか?」
「わかりません。ただ、この先あなたとお嬢様を二人だけにするつもりはありません」
「二人だけって、それじゃメイド長は…」
「すべてを話します。このことは絶対にお嬢様に話してはいけません。いいですか? 長くなりますよ?」
「わ、わかりました…」
…
「今の世界の構造は知っていますか?」
「ええ、だいたいは…」
これでも最新の情報は常にインターネットでチェックしている。
メディアは当てにならない。当てにしていると企業は潰れる。
ちゃんと仕入れていても潰れる時代なのに…
それに世の中には目には見えないニュースというものも存在する。
「なぜここまでグループが衰退したかわかりますか?」
「政府が動いているのでしょう」
「50点です」
「私たち外資系企業を潰したいからではないのですか?」
「60点」
「グローバリズムが進みすぎたから?」
「70点。漠然としすぎています」
「なぜです? それでほとんどの説明が付きます。私たちはやりすぎたのです。
国境なしに世界で企業運営していた、私たちグローバル企業が避難の的になりました。
それがすべてです」
「では、なぜ私たちだけがターゲットにされたのですか?
他にも同じ外資系企業はあるはずです」
「そ…それは…同じように経済的制裁を受けているのでは?」
「ここだけです。これがデータ。優秀なあなたならわかるでしょう」
「…え? そんな…」
統計に目を通して唖然とする。確かにうちより酷い企業が何社か存在する。
でもなぜ集中的にこの綾金市にある来栖グループだけ攻撃を受けてるの?
答えが浮かばない。ターゲットにされたのはただの偶然。
ただ運がなかっただけ。この国の市場を荒らしたツケだと思っていた。
「全部ひとつの答えに辿り着くんです」
「それって…」
「この土地のただ一点を制圧できなかった。それが敗因です」
「まさか…」
事実を認めたくなかったのかも知れない。
一番目に付くようで目に付かない場所。
『香取神社と黒乃姫』
うすうすは気づいていた。こんな異変は人為的に起こせるものじゃない。
万能な敵は存在しないのもわかっている。
そもそも人間社会は決してフィクションのようにできていない。
でも中には「そういうモノ」も存在がする。
私たちが信仰するイエスキリストもそうだし、過去の歴史上でも時折存在している。
そして日本には土地神というモノが存在する。
北欧神話にも存在するように日本神話にも…
そんな存在自体がマレなのだが。
「…あの千明舞に取り憑いていたものって…」
「もちろん黒乃姫でしょうね」
「いったいなんなんですアレは…?」
「説明が付かないから神と呼ばれるんじゃないでしょうか」
「…神はキリストだけです」
胸を張って言える。今までの私があったのも信仰があったからだ。
この世界はキリストへの信仰がすべてだ。
信仰が政治を産み、技術を産み、芸術を産んだ。
そして今の社会の大部分は産業革命によるキリスト文化だと言っていい。
「ところが日本人はそうじゃないみたいですね」
「そんなバカなこと…勉強すればするほどこの世がキリスト文化だと気づくはずです」
「違うみたいですね。歴史や経済の歪曲はどこの国も存在しますが、とりわけこの国は特殊みたいです」
「…特殊とは?」
納得がいかない。
「逆に勉強すればするほど、この世がキリスト文化ではないと思う人が多いってこと」
「それは間違った知識を仕入れているだけですっ!」
なぜかメイド長が苦笑いをかみ殺した。
「堂々巡りになりそうですからこれ以上は言いませんが…」
「…」
「その知識や思想を撒いている神があの黒乃姫です」
「じゃあ、なんとかしないと…!」
もう遅いの…? そんな考えがよぎる。
でもそれを考えたら本当におしまいだ。
「そうですね。目には目を。歯には歯を…」
司祭姿のメイド長が、マリア像から、手に収まるくらいの小さな青い箱を取り出す。
「そして…」
その箱から青い鉱石の付いたネックレスを取り出す。
「神には神を」
…
そんな…黒乃姫をあっさり消した…
テレポートの一種だと思うけど…
「小鳥」
「は、はいっ!」
思わず返事をしていた。
目の前にいるのはもうメイド長じゃない。
この人は神だ。神の使い…
『この青い鉱石はアナザーストーンと言います。
これが溶けて無くなったら、私はもういないと思って下さい。
異世界から神を呼び起こす石の代償は…おそらく私の…』
もう戻らないのですか…メイド長…?
「この兄妹に仕返ししてやるんでしょ?」
その声に我に返る。
そこには千明舞を抱き抱え込む千明清彦がいた。
鋭い目でこちらを睨んでいた。
以前はもっと頼りなかった感じがする。
それに、こんな目はして来なかったはず。
「え…と…」
すぐには言葉が出てこない。
もう元凶の黒乃姫がいないけど…
「麗華もやり返したいんじゃないの?」
「あ…あの…私は…」
お嬢様も戸惑っている。メイド長…いえ、神はお続けになる。
「悔しくないの?」
そうおっしゃれながらお嬢様にぴったりと体を寄せられた。
「ねえ? 仕返ししたくないの?」
その耳に息を吹きかける。
「…あん…やめてくださいませ…」
「ねえ? やっちゃわない?」
今度はお嬢様の胸と股間をまさぐりながら。
「ねえ? あれだけのことをされて許せるの?」
「それは…あ…あん…」
「憎くないの?」
「う…ぅ…ん…」
「認めたら楽になるわよ?」
「したいですわ! この兄妹に私と同じくらいの敗北感を味合わせてやりたいですわ! でも…!」
「ふふ、決まりね。まずは…」
…
俺と舞はいつも一緒だった。勉強も除霊の修行も。
小さい頃から遊んでる時には、いつも隣に舞がいた。
そして今も俺の腕の中にいる。
そんな妹だからこそ…
「私…ずっと考えてましたの…あの時、あなたに惨めな思いをさせられてから…
どうやったらお返しできるかって…どうやったら惨めな思いから脱出できるかって…」
麗華が舞と俺を見下ろしながらつぶやく。
「うふふ、色々考えましたわ…それはもう…どうやって私以上に惨めになって貰うかね…」
どうかしたとしか思えない。
麗華はこんな奴じゃなかったからだ。
そのお嬢様の佇まいは不気味としか思えなかった。
「くすくす…そうね…例えば…」
麗華が手を横に振ると…
ヒュンと風が鳴った後、周りの木が倒れ始める。
周りにズンとその音が響き渡る。
「…え?」
…ひょっとして、あの大木をあれだけで切ったのか?
「お…兄ちゃん…」
見ると舞は目をつむって震えていた。
「清彦」
麗華の目はおかしかった。
「な…なんだよ」
後ろで鐘ヶ江さんが腕を組んで笑っている。
「レイプしなさい」
「はぁ?」
一瞬なんだかわからなかった。
「妹をレイプしなさい。そうしたら命だけは助けてあげますわ」
「ば…!」
沸点に達して麗華につかみかかる。
「ぐ…!」
すぐに腕を捕まれて背中から押さえつけられる。
「(それとも妹がここで兄の死を見るって言うのはどうかしら?)」
ぞっとした。その細い声に。
「や…やめろ…」
女子の腕力じゃない…腕がねじ切れそうだ…
これはマジだ。マジで殺される…!
「だったらやりなさい」
「で、できるかよ…」
腕を放される。
「はぁはぁはぁ…」
息が苦しい…
これは体の痛みじゃない…
なんていうか…
「お…お兄ちゃん?」
「舞…」
俺は舞を抱き寄せていた。
「あ、ちょっと…ん?」
そして妹の唇に侵入した。
「んんんんんんんーーーー! んは…やめ…んんんん!」
…
丹念に舞の唇から歯へ。そして舌を絡ませる。
ダメなのはわかっているが快感の方が強かった。
「ん…らめ…おにいひゃん…ん」
いつも馬鹿な妹でも実はクラスでは人気者なのは知ってる。
告白された回数も数え切れない。
黙ってれば可愛いから当然だ。
「んん…ん」
今度は胸を揉む。でかくなったな。膨らみかけのおっぱいを無理矢理揉む。
「らめ…らめぇ…お兄ちゃん…やめ…」
舞は嫌がりながらも抵抗していないのがわかった。
「ん…舞…」
「お兄ちゃん…いい…来て…」
あそこを撫でるとパンツ越しに濡れているのがわかった。
「いいよ…お兄ちゃんなら…いい…ん…」
今度は舞から俺のあそこを握ってきた。
「あ、おい…」
「いいの…はぁはぁ…ここだね…」
俺のファスナーを降ろそうとするが上手く行かない。
「痛…」
舞が手荒く撫で回してくるので思わず声が出た。
「あ…ごめ…」
「い、いいよ…」
自分からファスナーを下ろしそれを出した。
熱くなっていて感覚がよくわからない。
とにかく出したい。舞の中に…
「あ…」
俺のものを見てびっくりする舞。
完全に妹に興奮していた。
…
「入れて…お兄ちゃん、入れて…」
俺もその言葉に従い、妹の膣に挿入しようとした。
「ちょっと待ちなさい」
ふと我に返った。麗華の声だった。
完全に麗華たちのことを忘れていた。
あまりにも熱中していて周りが見えなかった。
「はぁはぁ…あ…舞…大丈夫か…」
「いいの…続けて、お兄ちゃん」
急に自分のしていることに怖くなってきたが快感は止まらないままだ。
舞の体を抱きしめながらも興奮しっぱなしだ。
「ダメよ」
ぴしゃりと言い放ってくる麗華。
「お兄ちゃん、入れて…お願い…舞…もう…」
涙目で懇願してくる舞。俺も今すぐ入れたい。
舞の中にぎんぎんとしたペニスを突っ込みたい…でも…
「舞さん、そんなに清彦のものを入れたいの?」
「はぁ…はぁ…」
すでに答えられる状態じゃない。舞はひたすら俺のふとももに、股をすり寄せて自分からオナニーしているような状態だ。
「入れたい…お兄ちゃんに抱かれたいの…お願い…邪魔しないで…はぁはぁ…」
「うふふ、まるで雌犬ですわね。私に命令した時になんて言ったか覚えてらっしゃる?」
「はぁはぁ…そんなの…いちいち…」
―パァン
一瞬何が起きたかわからなかった。
麗華が舞の頬を叩いた音だと気付くのにかなりの時間がかかった。
「目は冷めましたか?」
「あ…」
相変わらず舞はうつろな表情をしている。
「兄妹でセックスさせて下さい、と言って下さる?」
「…え?」
舞の表情がやっと少しだけ戻る。
でも俺の足に腰を寄せる動作は止まない。
「そ…そんなこと…」
俺の顔をちらちら見ながらも、体を揺らす舞。
「私たち兄妹は犬畜生に劣る生き物です、と言いなさい」
「そ、そんなこと言えるわけ…」
「じゃあ、あなたはお預けね。どうせ死ぬまで兄妹でセックスすることなんてないでしょう」
「え…そんな…」
「代わりに私が変わるわ。所詮あなたは肉親だから無理な話ですものね」
「あ…う…あぁ…」
舞の表情が悲しみに染まっていく。
「いやあ…やだ…お兄ちゃんとセックスする…ずっと好きだったんだもん…」
気持ちが痛いくらい伝わってくる。俺も舞を押し倒しそうになった。
俺も我慢の限界に近い…早く舞に…
「はぁ…えぐ…お兄ちゃん…お兄ちゃん…」
俺の胸に顔を押しつけてくる妹。胸元のシャツはびしょびしょになっていた。
「はぁ…わたしたちは…いぬ…いぬちくしょうです…」
そして、ついに禁断のワードを口にしてしまった。
…
「私たちは犬畜生です…」
その言葉に私はエクスタシーを感じた。イッてしまった。
自分のコンプレックスを完全に開放できた満足なのか、それとも別の何かか。
わからなかったけど、この快感だけは本当だ。
「う…」
ちょっと腰が砕けそうになった。
あまりの快感にくらっときてしまった。
もっとこの気持ちよさを…!
「ふふふ…いい出来ね、舞さん」
「言ったから…! 言ったから早く…!」
もうこの子は敵ではない。ただのメスブタだ。
…
「でも、あなたから清彦に直接触ってはいけませんわ」
「なんで…!?」
「とりあえず離れなさい」
「嫌!」
普通ならここで何もできないだろうけど、今ならなんでも出来そうな気がした。
後ろでニヤニヤしている鐘ヶ江…いえ、神様が付いていて下さる。
小鳥は苦虫を噛み潰したような表情をしているけど。
―離れなさい
強く念じた。
「あ…」
舞さんは清彦から少し体を離した。
その瞬間確信した。私はなんでもできる、と。
「舞さん」
「な…何…?」
ふふふ。その怯えた表情。そそるわね。
「私の靴を舐めなさい」
「え?」
あなたは奴隷なのよ。
「私が許さない限りお兄さんとセックスはできないですわよ? それこそ一生ね」
「いや…いや…! なんでもするから…!」
私の靴に這い寄る舞さん。
「ん…ぺろ…ん」
ひざまずいて私のブーツを舐め始める。
「…!」
途端に今度は腹が立ってきた。
私はこんなクズに負けて怯えていいようにされてたの…!?
蹴り飛ばしたくなる衝動を必死で堪えた。
まだまだ、そんなものじゃ足りない…!
「清彦、後ろから舞さん…いえ、その小娘に入れなさい」
また強く念じる。
「で、できるわけないだろ…」
そう言いながらも、後ろから舞さんの腰を掴む清彦。
私もぞくぞくしてきた。
「そうよ。そのまま…いえ、ちょっとお待ちになって!」
そうだ。ちゃんと言わせないと。
こらぁ、他人のふんどしでしょっぱい相撲をとるんじゃねぇぞ
最低限の羞恥心も持ち合わせてないのかよ
…
「舞さん、ちゃんとおねだりするのよ。ほら、そんな汚い靴なんか舐めてないで」
「ん…れろ…ん?」
この小娘は…
「あ、お兄ちゃん…入れて。舞のおまんこに入れて…」
「ダメよ、そんなんじゃ。もっと…」
そうだ。それこそ今の『力』を使えばいい。
私はこの妹の気持ちを「後押し」してあげた。
「はぁ…! お兄ちゃん! 入れて下さい!
舞のおまんこにお兄ちゃんのおちんちんをぶち込んで下さい!
膣にザーメンを注ぎ込んで下さい!
孕ませて下さい! お願いします! お兄ちゃんの…」
その言葉を聞き終わらずに清彦は…兄は後ろから妹のスカートとパンツをずり下げて後ろから挿入した。
「ああ! 来たあ! お兄ちゃんのおちんちん来たあ! はぁはぁ!」
「はぁはぁ…舞…舞…好きだ…愛してる…」
「あああん! 舞も! 舞もだよ! お兄ちゃん! もっと突いて!」
「舞! 舞! 舞!」
「あん! お兄ちゃん…あん!」
盛り出す兄妹。兄は後ろから妹の胸を揉みながら上着とブラジャーを脱がしていく。
「いい! いいの! お兄ちゃん! いいの!」
「はぁ! はぁっ! 舞! 舞!」
ホント獣よね。
「出る! 出る!」
「あ! ちょっと! はぁ! はぁ! やめ…」
―中で出してあげなさい。それこそ孕んじゃうほど、たくさん
「…うっ!! ぐ…!」
「やあああああああああああ! 中はやだあああ!!
妊娠しちゃうよおおおおおおおおおおお!!」
妹は兄に精液を注ぎ込まれていた。
お腹がいっぱいになっちゃうほど。たくさん。
「…はぁはぁ…」
「…ああ…やだ…出てるよぉ…」
お互いのふとももに垂れている白い液体。
まだ繋がっているのにどろっと出ている。
「舞、ごめん…舞…」
「…うう…ああ…あぁ…」
抱きしめあう兄妹。やっと正気に戻ったとしても遅い。
でも私は…
夢を見ていた。
昔を思い出していた。
一番古い記憶はいつだったか?
「黒様、皇室よりお達しです」
「はぁ…また大陸に移動かぁ、…ったくヤになるなぁ」
「しょうがありません。これも国のため。ひいてはこの土地の為でもあるのです」
「国家神道作った時点で怪しい集団じゃん。言論が狭まるんだから」
「それもしょうがありません。国を守るためです」
目の前の気難しい巫女の尋己ちゃん。と言っても尋己ちゃんは今の尋己ちゃんじゃない。
尋己という名前は香取神社の巫女は代々受け継ぐことになってる。
言霊というのを信じるらしい。それは自分の魂を受け継がすとかいう意図はなく、ただこの土地の風習。
「だいたい尋己ちゃんは国家のため、国家のためうるさいよ」
「そんなこという暇がありましたら、黒様も神として働いて下さいませ」
「その神を全然ありがたがってないし…
普通神様にはお供えとかするんじゃないの?
それを国家のために働かそうとするなんて」
「国難なのです。この国が無くなったら代々伝わってきた姫様も無くなるんですよ?」
痛いところを突くなあ。実際そうなんだからこっちも逆らえない。
天皇直々にこの香取神社にお祈りに来くるくらいだ。
「あたしはこの土地の為に働いてるんだからね。日本って国家のためじゃないからね。その辺断っとくよ」
「はいはい」
神様を舐めてる巫女とか存在していいんだろうか。
昔はもっとこう、ちやほやしてくれたんだけどなあ。
これも国民の知識が上がったと喜ぶべき何だろうか。
うーん、デモクラシーを感じる。
いや、前から民主主義の文化はあった。
じゃあ、この変な感じは西洋文化の波と思って良いのかな?
「今度はどこ? もう朝鮮はイヤだよ。疲れるし」
「良い民ばかりと褒めていたではありませんか」
「そりゃ、尋己ちゃんと違ってちゃんと言うこと聞いてくれるもん」
「単純にちやほやされたいだけなんですね…どこまで子供なんですか…」
いや実際子供の霊だし。
「東亜を支配しても次はどこまで行くの?
これ以上の戦線拡大は無理だよ。
あたし達だって無限にいるわけじゃないんだからね。
まったく最近の民は神様が無限にいると思ってるんだから…」
「そんな先のことは今は考えられません。
ただ目の前の出来事に全力で対処するだけです」
「で、今度の場所は…」
訪ねようとしたら尋己ちゃんの表情が引き締まる。
「日本の生命線…満州です。国家の命運がかかっています。
黒様には今以上に働いて貰うことになります」
「今度は共産主義思想の防波堤かぁ…はぁ…」
「では来て下さいませ…」
「…わかったよぉ」
あたしは尋己ちゃんの体に乗り移る。
…
違う。もっと過去。
「これ何? 学問のすすめ?」
「そうだよ。黒も読みなよ。絶対ためになるって」
相変わらず尋己は不躾な態度であたしに接してくる。
いつも砕けた態度がダメだと思って、神様らしい威厳な態度を取ってもダメだった。
結局、巫女が増長するだけだった。
これはこの土地の風土というより香取神社に問題があるだけなのかも知れない。
「乗り移らないと読めないんだけど」
「じゃ、早く早く」
…
違う。たいして遡ってない。もっと過去。
「今度の大名は誰になるんだろ?」
「わかりません。まだ国境で争っています。この神社も戦地になる可能性があります」
「そっかあ」
「黒乃姫、この土地からお逃げ下さい。
あなた様さえ居れば復興はなんとかなります」
目の前にはあたしの前で跪いて祈る巫女。
これだよ、これ。巫女っていうのはこうじゃないと。
これくらいしてくれないとやってられないって。
「尋はあたしの力を甘く見すぎだよ」
「そんなことはございません。
今は、どうかご自分のことだけをお考え下さい。
私どものことなど二の次です」
「いや、ホント甘く見すぎ。とにかくこの土地が戦地になることはないから」
「なぜ言い切れるのです?」
「今までもこういうことはあったから。
兵士らの意識を逸らしてあげれば大丈夫。
最悪あたしが尋に乗り移って戦ってもいいし」
「そんなことをおっしゃらないで下さい。神を人間の戦いに巻き込むなど…」
「いや…あたしも元は人間だし…」
結局このあとも適当に土地を守った。
あたしの力が及ばなくなったのはつい最近なんだなぁ。
こうやって思い返すと鉄砲までが限界だったな。
あの殺傷力はまずい。
あたしだけならなんとかなるけど巫女を死なせちゃいけないし。
何度も言うけど別に巫女や民のためじゃないからね。
あたし自身が危うくなるのが困るだけ。
…
これも違う。これも。
どれも天皇の争い。
日本の歴史は天皇の歴史。
こんな最近じゃない。もっと前だ。
今とは違う。
あたしが生まれた場所…
今とは違う言語。同じだけどまったく違う言語。
今とは違う土地。同じだけどまったく違う土地。
今とは違う文明。同じだけどまったく違う文明。
どんどん意識が空に上がっていく。
今のあたしはそこにいる。
昔の人間のころのあたしだ。
「おはよう黒ちゃん。お目覚め?」
「あ…ここは…」
起きる。今日は緑地で寝ていたらしい。
我々は住まいを持たない。だからどの場所でも眠れる。
「さ、今日はいよいよ黒ちゃんが大人になる日よ」
「えっと…」
場所がはっきりしていく。
思い出していく記憶。
そこは自然と技術が融合した文明の到達点。
綺麗な緑に綺麗な敷地。
すべての環境が整備され余計な物もない。
衣服もすべて統一規格でできている。
様々な多様性のあるデザインの服。
ここにはすべてがある。
…そうだ。この後にあたしは…
焚き上げスレ逝けスカタン
「兄様、黒達はいつ落ちるのです? 止められるのですか?」
「落ち着けクロ。俺たちは死なない。この土地が落ちることもない」
兄様だ。嬉しくなる。また会えた。
上は長袖のTシャツに近く下は現代のジーンズに近い。
どちらも黒色と灰色の混じった兄様のお気に入りの服だ。
いつも黒なのは兄様の印でもある。
そもそもあたしの名前の黒も兄様が好きな色を文字って名付けられた。
厳密には今の黒色ではない。
「ですが周りの者達が騒いでいます。神州は下界に落ちると」
「仮に落ちても死ぬことはない」
黒が生まれた場所であり故郷。
この大陸は浮いていて雲の上にある。
ここには永遠に生きられる技術がある。
黒達の文明は人類史上最高だと言っていいだろう。
今までこれ以上の文明を目にしたことはない。
「下界は海で、落ちれば命は無いと聞きました。黒は不安です」
「俺が何とかするって言ってるだろ。今までだってなんとかしてきたんだぜ?」
「お願いします。皆、兄様だけが頼りなんです」
許して下さい兄様。黒がこんなことを言ったから…
「クロ、お前はこの前儀式を済ませたな?」
「はい」
「だったらこの土地の歴史は体験で学んだはずだ」
「はい、転生装置で記憶しました」
転生装置。
この文明の最高機関であり装置でもある。
―輪廻転生
黒達の文明の考えの根元にはこの考えがある。
半永久的に生命を繋ぐための思想。
転生装置はそれは可能にする装置だ。
この装置で儀礼を受けることで記憶を共有できる。
だから黒達はこの文明で永遠に生きられている。
「辛くなかったか? 途中、息止めないとダメだっただろ?」
「大丈夫です。黒はへっちゃらです」
「おまえなーそんなこと言って倒れるたりするからなー」
「うぅ…」
「ま、余計な心配はすんなってことだ。俺に任せてろ。
お前の病だって助けてやる。だから変な気回すんじゃねーぞ?」
ポンポンと頭を撫でられる。
兄様が万能だから黒達は頼ってしまうんです。
いくら転生装置で民度をあげられても、誰もが兄様になれるわけではない。
「兄様、黒は不安です。正直申しますと民などどうでもいいのです。
兄様だけが無事ならそれで…」
「おっとそれ以上は言うなよ。黒を嫌いになるぞ」
「わかっています。わかっていますが…」
「コラ、そんな顔すんな。お前は転生儀礼を受けた。もう大人なんだぞ?」
「でも…」
もっと甘えたい。兄様に甘えたい。
でも思えば、黒を含めて民は兄様に頼りすぎていた。
転生儀礼でもちゃんと記されていたはずなのに…
『この世に唯一の神などいない。
我々は自然に作られた生物だ。
自然に感謝し、神などを作らず己を信じて生きよ。
唯一の神など作ってはならない』
兄様がどうなったか…それがわかった時には…
「じゃあなクロ」
「あ…兄様…」
「なんだ?」
「いえ…また実験ですか?」
「そうだ。いよいよ俺たちは次の段階に行ける」
「兄様は怖くはないのですか?」
「全然。むしろ楽しいな」
「神州が落ちるかも知れないのに…」
「アホか。落ちるわけないだろ。
落ちたら俺もお前も死ぬ。
そんなのあるわけないだろ。
お前は黙って信じとけ」
「…はい、でも…」
「あのなあ…」
思えば気づくべきだったのだ。
国家そのものを実験に掛けている危うさに。
上手く神州の浮遊の運営ができていれば、次の段階など必要ないのに。
昨日の転生儀礼で記憶したように、兄様達が何をやろうとしてるかもわかっている。
でも黒には知識はあっても知恵や技術、経験が足りなかった。
だから先がわからなかった。わからないから不安だったのだ。
「クロ、よく聞けよ。あのな……っと」
兄様の視線の方向に綺麗な佇まいの女性を見る。
今の和服に近い衣服に身を包んでいる。
よく知った顔。兄様の恋人であり、そして…
「黒、ちょっと兄さんを借りるわよ?」
「は、はい」
「それと、成人おめでとう。やっと黒も私たちの仲間ね」
「お、お願いします」
「いい? もう私たちは対等。あなたもいい加減兄様から自立しないとね」
「はい、姉様」
姉様だって依存していたくせに…
ここには近親相姦などいう概念はない。すべては繋がっている。
転生装置がある限り永遠に生き長らえることができる。
つまり輪廻転生により転生できる。
黒達も永遠に兄妹であり姉妹であり続ける。
黒はまだそのスタートにたったばかりなのだ。
「黒は連れて行かないの?」
「あ、そうだな。それもいいかもな」
そうだった。ここからだった。なんでついて行ったんだろう。
ついて行かなければ…
「黒、着いてくるか?」
「はい、兄様」
行っちゃ駄目…兄様…行っちゃやだ…
…
自然がある部屋に行く。黒が転生儀礼を受けた場所だ。
よくわからないけど頭がガンガンしてきた。
―ドオオオオオオオオオオオオオオオオン
もの凄い地響きが起きる。
「まずいっ! 装置が!」
兄様…ダメです! 触っちゃダメ! もうそれは!
『触るな』
転生装置が…頭に響く…痛い! …頭が痛い!
「まさか…この子…」
姉様があたしを怯えた顔で見る。
『兄様を取るのはお前か?』
やめて…!思い出したくない…!
こんな過去思い出したくない!
「やっぱり…予言の新しい巫女とは黒のことだったの…ね」
姉様が身構える。やめて…
…
『お前か、人のものを盗んで生き長えている者は?』
「そうだと言ったら?」
『お前は罪を償うことになる。この先何千年も』
「ふふ…大層な罪ね」
『…』
「どうせ黒と意識を同調できてるから、そう考えてるだけなのに」
やめてください、姉様。
その装置は皆で共有している者。
そう習ったのではないですか…なんで…
『私は意識の集合だ。そこにいる娘ではない』
「じゃあ、なんで私を盗人呼ばわりするの?」
姉様が論理的過ぎるから…
『意識の集合体が神だからだ』
「答えになってないわよ」
だから姉様は頭が良すぎるから…
『神話は聞くものではない。作るものだ』
「は? 何言ってるの?」
それを追い詰めないで、姉様…
『我々が創造すべきなのだ。すべてにおいて受け身ではならない』
「兄さん、装置がおかしくなってるわ。300年ぶりかしら。
今から直すわよ。ってあれ? 兄さん?」
兄様…ごめんなさい…ごめんなさい…
『新たに創造する能動的な立場でならなければならない』
「え…嘘よね…なんで…なんで息してないの? ねえ…?」
大地が揺れてる…いつまでこの揺れが続いたんだっけ…
…ここであたしの意識が途切れた。
…
あ、ここ、どこだろう。
…森の中? やけに静かだなあ。
鳥のさえずりと森のせせらぎが気持ちいい。
「ふあ…」
ん、あれ? あたし、なんで泣いてるんだろ?
もの凄く悲しい夢だったような…
まあいいか。
「いたたた…よっこいしょ」
重い腰を上げる。自分の体を触る。
巫女装束は汚れてるけど異常なし。
さすが尋己ちゃん。よく鍛えてる。
って、よくない!
尋己ちゃんの体に何かあったら大変だ。
今は憑依してるからいいけど…
「よし、ちょっと本気出すか」
本気モードだと術を唱える必要もない。
自分もかなり薄まることになるけど…
「1万と2千年ぶりくらいにね」
目をつむって念じたら景色は変わっていた。
…
…
目の前に清彦君と舞ちゃんがいた。
「舞…ごめん…舞…」
「…お兄ちゃん…」
ありゃりゃ…間に合わなかったか。
ふたりとも服も乱れて、体液まみれ…
うーん、あたしのいない間に、何かやるとは思ったけど…
「ク、クロフォード!」
鐘ヶ江の穂乃果ちゃんがこちらに気付いた。
「黒ノ姫参上だよー! 舞ちゃん、清彦君、安心するんだー!」
「うう…ひっく…ごめん舞…」
「違うの…舞が誘ったから…」
まずいなー。どうしよー。とりあえず…
「ていっ!」
馬鹿兄妹の頭をはたく。
「いたっ」
「ぐぅ…」
二人の注目があたしに向く。
「近親相姦ぐらいでゴタゴタ言っちゃ駄目だよー、えーと昔はねー」
でも、長くなりそうなのでやめとくか…
ちょっと間を取らせたら大丈夫そうだし…
人のもの盗んでるのはお前だろうが
「さて…本題の相手は、と…」
その相手を見つめる。
「く…」
さすがに危機察知は早いなー。でも手遅れだよー。
清彦君と舞ちゃんいじめたからね。
「メ…メイド長…い、いえ神様…」
あれ? こんな子いたっけ?
あまりにも空気過ぎてわかんなかった。
「小鳥…何か用?」
穂乃果ちゃんもそんな怖い顔しなくていいのに。
ほら、小鳥ちゃん、だっけ? も怯えてるし…
あの服、メイド服だっけ? よく似合ってて可愛い子なのに。
「も、もう、私たちの役割は終ったはずです…ひ、引き上げましょう…」
「誰に口を聞いてるの?」
「…ひっ」
助け船出してあげるかー。
「ちょっと西洋の神様ー、小鳥ちゃん? の言うことは正しいと思うよー。
帰った方がいいよー。怪我する前にー」
「なんですって!?」
しまった! 逆効果!?
「ああ、ごめんごめん。お互い怪我したくないって意味だよー」
まずいまずい。でもさっきからあのお嬢様の子もショック受けてるみたいだな。
あの子の術は西洋のモノだから反動きついし。
「大丈夫ー?」
「ああ…私は…なんてことを…お許し下さい…神様…」
ダメだこりゃ。ちょっと助けてあげるか。
「よしよし」
「え…?」
背中をさすってやる。これで大丈夫。
「怖さは消えた?」
「あ、は…はい…え、でもなんで…」
そんなことはどうでもいいんだなー。
「さて…」
今度はおふざけなしで『神』とやらを見る。
…
「く…わかったわ。アウェイじゃ不利だし引いてあげる」
「勘違いしてないー? 見逃す気ゼロだからー」
「ど、どういう意味よ…」
「その人間の魂…まだ残ってるよねー? まだ霊気感じるし」
「この体はもう私のモノよ」
うーん。そう来るか。
「今の人間社会には人権ってあったよね?
それに反しない? あんたたちが作ったんだよね?」
「ぐ…」
少し黙った後、神様は平然として顔で言った。
「ここには法律もなければ行政機関もないわ」
さすがに頭に来た。
「じゃあ…」
「何…」
ここは尋己ちゃん風に、
「…悪霊退散です」
…
「兄様! 兄様!」
「…んあ…クロ…? あ…俺は…?」
よかった…兄様…
「ここは危険です。外へ出ましょう」
「あ、つつ…なんか…体が変なんだが…」
「気のせいです。早く」
「おい、いきなり起こすなよ…」
地響きが酷い。この研究所も終わりだろうか。
もう転生装置も消滅してしまった。
つまり皆の意識は、もう共有できない。
周りが何を考えてるかわからない世界…
考えただけでぞっとする。
「兄様、皆が集まる緑地に行きましょう。そこでなんとかなるはずです」
「そうか…そうだよな…」
研究所から出ると、そこには綺麗な景色が凄惨な光景に変わっていくところだった。
所内も無茶苦茶になり、街中も見れたモノではなかった。
あれだけ綺麗な景色が…
「文明の終わりか…こんなものなのかもしれないな…」
「終りません。兄様がいる限りは」
「くく…笑えるな。なんとかするって言ってこの様だ」
そんなことない。
兄様がいたから築けたんだ。
だから姉様も…
「行きましょう」
「おい、クロ…」
…
そこは悲惨だった。見てられなかった。
明らかに住民の様子がおかしかった。
泣き叫ぶ人。争い合う人。
禁止地域に走る人。自分の手首を切りつける人。
そこはいつもの「何か」が欠けていた。
それは多分さっき、あたしが感じていた事だと思う。
― 人が何を考えているかわからない
― 人が信用できない
― 人が怖い
だから行くべきじゃなかったのだ。
「兄様、大丈夫ですか?」
「おいクロ、なんか俺の体おかしいぞ」
確かに自分の体を見ればわかってしまうだろう。
…だってその体は姉様のものだったから。
…
「おい、この体って…」
「はい…姉様が最後に転生装置を使って、兄様の意識を写しました」
―パァン
兄様に叩かれたのは、これが最初で最後だったと思う。
「お前は何をしたかわかっているのか!?」
「…申し訳ありません」
「……く」
兄様が動揺するところも初めて見た。
「悪かった。やったのはお前じゃないもんな」
「いえ、姉様と協力したのは事実です」
「…じゃああいつは」
「はい…」
これ以上は言うべきじゃない。
…姉様…うぅ…
でも、泣いちゃいけない…
それこそ姉様の想いを無にすることになる。
「転生装置は…」
「ありません」
「そうか、じゃあ大変なことになるな」
「黒にはわかりません」
そうだ。何も知らなかった。無知は悪だ。
何も知らないから同じ間違いを起こす。
「いいかクロ。今だから言っておくぞ」
「はい」
姉様の姿をした兄様は、姉様の威厳と兄様の知性を持った完全な人間だった。
あとにも先にもこれ以上の人間を見たことはない。
ただ、そこにいるだけで…
そこにいるだけですべてを委ねて良い人…
こういう人を『神』と言うのではないだろうか。
「クロ、おそらくお前はこれから、見たくない事を目にすることになるだろう。
それも何度も何度もだ。だがな…」
気付いたら民に囲まれていた。
何回同じ失敗を繰り返すのだろう。
すべてが悪い風に行った。
あたしがすることはすべて悪い風に。
「転生装置を壊したのはこの女よ!」
一人が兄様を指さして言った。
違うっと大声を出せる勇気もなかった。
周りが怖かったから…
「転生管理者を殺したのを見たと言う人もいる。本当かね?」
「この女が管理者を引きずっているのを見たぞ!」
ち、違う! あれは必要だったから!
「転生装置の破壊と管理妨害の罪は確か…」
「殺人よ! この女が土地を滅ぼしたのよ!」
体中が凍り付いて動けなかった。
いつもは温和な民達が恐ろしかった。
周りの崩れ行く風景と地震が、それに拍車をかける。
「吊せ!」
凍り付いた自分の体が跳ねそうだった。
「殺せ!」
「罪悪人!」
「どうしてこんなことしたのよ!?」
「生活を守るはずだったんじゃないのか!?」
「家族を返して!」
「このまま大陸を地上に落とす気か!?」
「処刑だ!」
「殺せ!!」
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ!
この時あたしは何を思っていたのだろうか。
何かできたのだろうか。
ただ頭を抱えて丸くなって震えるしかなかった。
「ええ。すべて私が行いました。
転生管理者を殺し転生装置を破壊したのは私です」
兄様?
「すべての罪は私にあります」
民が一斉に黙る。
「クロ、ごめんね。全部、姉さんがやったの。
隠しててごめん。巻き込んじゃってごめんね」
「…あ」
兄様が何を考えているかが、馬鹿なあたしにもわかった。
「私は転生装置を独占しようとしました」
姉様の姿をした兄様は続ける。
なんだこの糞つまんねスレ違い
どこの誤爆だよ?
…
「…以上のように、私のせいで装置に不測の事態起きてこのようなことになったのです」
冷静に考えれば、今のが嘘だとこの国の民なら誰でもわかるのに…
「なったですむか!」
「この国を戻せ!」
「自分が何をやったかわかってるの?」
「売国奴!」
「吊せ!」
「殺せ!」
でもこのときの自分は怖くて震える以外、何もできなかった。
「ただ最後に管理者が言っていましたが、禁止地域に転生装置の予備があると言っていました」
また一斉に黙る。
「ですから、私を裁くのは予備を再設置してからでも構いませんか?」
本当だと信じていた。でも…
とにかく周りの赤い景色と、地鳴りだけどうにかして欲しかった。
…
私たちには記述する文明はなかった。
なぜなら記憶に直接記述できたから。
なぜこの土地に古代の書物がないのか。
西洋や東洋にもあるにも関わらずだ。
別に焚書にあったわけでも文明が低かったからでもない。
そういう風潮が民に残っていたからに過ぎない。
黒達の文明では文字などなくても才能はなくならない。
すべての文明は、その源泉である転生装置が作る。
正確には維持すると言った方が正しい。
永遠の世界はそこにあった。
…
支援
転生装置により知識階級に差はないとは言え、個人の能力というのは存在する。
すなわち記憶容量の差と言われるものだ。
これは個人差があり、これが大きいほど優秀だという基準になっている。
文明の基準とは何か?
それは記憶の量である。
民の記憶の量でその土地の評価が変わる。
今現在この文明より上の基準があるだろうか。
私にはないように思える。
それが危うさだったのだ。
相対的に比べる文明がない。
それがこの文明の弱点であり、内に潜む危うさでもある。
この時は誰一人気づかなかった。
すべての文明には弱点がある。
…今ならわかる。
でもこの時はわからなかった。
わかっていれば兄様を救えたのに…
だから私は…
…
ずいぶん力を使っちゃったな…
もう目も見えない…
「おいクロ、しっかりしろ!」
「クロちゃん起きて!」
はあ…こりゃ、もうお役目御免かな。
長く現世に居続け過ぎちゃった。
でも最後に尋己ちゃんだけはしっかり返さないと…
「起きて下さい、尋己さん!」
「あなたのおかげでメイド長も助かったんです!」
そっか。あのあと助けたんだっけ。
で、自分は力尽きて薄れかけてる、と。
最後に悪霊退散と称して、中に入ってあの子に直接説教したのもまずかったかな。
異教の神の中に入るのはそれだけで自分の存在を薄めることになるし。
…
『私をどうするつもり? ここまで追い詰めて』
『えへへ、どうしよっかなー』
『ふん、どうせあんたのことだから、また見逃すんでしょう!
いい加減にして! もうまっぴらよ! 殺してよ!』
『うーん。今回ばかりはそうも行かないみたいなんだなー』
『はあ?』
『ま、いいや。とにかく殺してとか言っちゃ駄目だよー、命は大事にしなきゃー』
『あんたが言うと、まるで脅してるように聞こえるわ』
『あはははははは!!』
『笑うなっ!』
『ごめんごめん。でも次会えるかはわかんないんだ』
『殺しても死なないくせに…』
『とにかく逃げ道は作っといたから。ほらあそこに御神刀あるじゃん、あれ。
だから…』
『絶っ対っ嫌!!』
まったく、あの子も昔から変わらないんだから。
まあ無理矢理、御神刀に入って貰ったしあとは本国に届けてくれるとして…
「…!」
「……」
「…? …!!」
「…」
あ、周りの音も聞こえなくなってきた。
こりゃやばい(笑)
なんか昔の強い思いも薄れて来ちゃったし。
ずっと生きたいって思ってたな。
元々幽霊だ。いつまでも居れるわけでもないのかも知れない。
よし、このまま消えれば、普通に尋己ちゃんも起きるはず。
楽しかったよ。
特に尋己ちゃんの家系には爆笑させて貰ったたしw
…
では…兄様…姉様…今、参ります。
…
いつもの下校。周りは春の日差しが赤く染まっている。
別に見慣れた風景だけど、辺りがやけに綺麗に見えた。
周りのビルも道路も交差点も全部。なんでだろう。
そして隣には、いつもの人がいる。
「ねえ、お兄ちゃん。去年のこと覚えてる?」
「…さあ? わかんないな」
「嘘だぁ、わかってるくせにぃ」
「知らないっつってんだろ。
だいたいな、タイムトラベルなんかできるわけないんだよ。
矛盾だらけじゃねえか。その時点で気付くべきなんだよ。
時間って概念的なもので存在しないんだからな」
「そんな夢壊すこと言われても…」
「舞が厨二病だったのは覚えてるよ」
「う…それは消したい過去だから言わないで…」
予想外の振りで返される。
たぶんお兄ちゃんも気付いてるんだろうな。
去年のここで起きたこと。
私も今やぴちぴちの女子高生。
髪もずいぶん伸びた。
もちろん尋己さんの真似なのは内緒だ。
「そうだよねー。ちょうど、この辺りでひゅんって…」
―ヒュン
「…と」
こっちに飛んできたのは銀のロザリオだった。
反射的に掴んでいた。あ、デジャブだ。
「ごきげんよう」
「あ、おっす」
「や、やっほー」
びっくりした。麗華さんだ。噂をすれば影とやら。
後ろにメイド部隊も…って気のせいか。
「清彦さん、舞さん、こんばんは」
「小鳥さん、こんばんはー」
「こんばんは、今日は何か用事ですか?」
一瞬、小鳥さんの後ろにメイド部隊が見えた気がした。
代わりにあの時とは違う人も。
「二人とも元気にしてますか?」
「鐘ヶ江さん…ええ、元気ですよ」
「舞はいつでも元気MAXでーす」
聞くところによると香取神社に用があるらしい。
5人で帰ることになった。
なんだかとっても賑やかで楽しくて、麗華さん達とも話が弾んだ。
この作品は悪質な荒らしによる明らかな盗作です
登場するキャラクターや設定などは別人が考えて鋭意制作中の作品の盗用です
心あるならば騙されないようにしてください
「麗華さん達、もう少し居ればよかったのにね」
妹の声でテーブルの方を振り向く。
舞はあごに手をついてテレビを見ていた。
さっきまで麗華と小鳥さん、鐘ヶ江さんと談笑していたが、御神刀を置いて、すぐに帰ってしまったのだ。
元々これが目的だったらしい。
『もう中に神はいませんから』
それが鐘ヶ江さんの言葉だった。
ちょっとびっくりしてしまうが、色々と知識と経験を身につけた今は怖くはない。
何かあっても、相応の対処をするだけだ。
つまり、この中に何が入っていようが恐れることはないと言うことだ。
それに、ここは香取神社の結界内で俺達のホームフィールドだ。
この場所で俺達の霊力に勝てる奴はいない。
「よっと…」
身構えながら御神刀を引き出してみる。
…何もない。
「ふぅ…」
実を言うとちょっとびびっていた。
「さて…と」
実のところ、俺は民俗学と歴史学の学べる大学に内定している。
自分のルーツと過去にあった体験を知りたいからだ。
今現在も研究まがいのことはしている。
「黒がいたらな…」
真実が聞けるのに…
「ん? なんか言った、お兄ちゃん?」
「うどんが猛烈に食いたいって言ったんだよ」
「わかった。じゃ、夕飯はカレーうどんね」
「ああ、サンキュ」
ぶっちゃけどうでもいい。
とりあえずこの御神刀は本殿に戻すか。
そういや本殿って入ったことないな。
尋己とおじさんにも絶対入るなって言われてるし。
「くっくっく…」
ここで好奇心が沸くのが研究者というもの。
…
社殿内部に入る。
「ごほごほ…なんだこれ…ホコリだらけじゃねえか…ごほ…うげ…クモだ」
ご大層に御神体置き場と思われるものがある。
でも不思議な依り代だよな。
思えば作りからして変わってるもんな、この神社。
まずどの様式にも当てはまってない、おかしな建てられ方をしてるし。
こんな螺旋状に土台の柱を建てる方法はないはずだ。
そういや、その螺旋の中心だよな、この辺って。
やば…ちょっとソワソワしてきた。
「はい、御神刀様」
俺は御神体を元の場所に戻そうとした。
『触るな』
…!?
一瞬手を止めた。
「気のせい…だよな…?」
『お前がこの時代の神体か?』
…!? やっぱおかしい。幻聴がする。
最近寝てないせいだ。ぶんぶんと頭を振る。
「さ…さっさと置いて出るぞっと」
キィィィィンーキィィィィンーキィィィィン
キィィィィンーキィィィィンーキィィィィン
キィィィィンーキィィィィンーキィィィィン
『…あいつは…また繰り返すのか…』
それは、もう俺の意識じゃなかった。
…
まったく意味が分からん
視点がコロコロ変わるし、誰が何をしているのか
作者が何を書きたいのか読んでて伝わってこない
…
今日の夕食は舞ちゃんが作る予定だったかな。
そんなことを思いながら庭の掃除をしている。
猛烈に眠い。とくにこんな夕暮れは…
「あれ?」
社殿が開いてる…? まさか…!
私はすぐに駆け寄る。
「そんな…」
あれほど中に入っちゃダメだと言ったのに!
「誰かいるんですか!?」
中に入ると清彦さんが床にうつ伏せになり倒れていた。
「清彦さん! 起きて下さい! 清彦さん!」
「ん…ああ…お前か…」
瞬間ぞわっと血の気が引いた。
もの凄い霊力量。これは桁違いとか言うレベルじゃない。
「え…ええ、だ…大丈夫…ですか?」
「心配するな。めまいがしただけだ。問題はない」
「そ…そうです…か? う…」
…? 何か雰囲気も…?
「何してるんだ。行くぜ」
「は、は…い…」
気のせい…だと思う…
ダメ…一秒でもここにはいたくない…
『尋己ちゃん、久しぶり』
社殿から出ようとした瞬間、後ろから声が聞こえた。
間違いない。清彦さんはアレに触れてしまったのだ。
だから…また起きてしまう…
あれだけ細い霊力しかなかったのに、また力が戻ってる…
「やっぱり…成仏はできないんですか…」
『うん…ごめんね。だって…あたしには…』
そこに駆け込んでくる足音が…
「尋己さーん! ご飯だよー! カレーうどん!
尋己さんが愛して止まないカレーうどんだよ!」
こんな最悪の事態が積み重なるって…
自分の運の無さを恨むしかなかった。
『これっていいって事だよね? 尋己ちゃん?』
「…」
『舞ちゃーん!!』
ああ…乗り移られた…
私はその場に膝をついた。
投下宣言も無いのにぶつ切り長文は完全に荒らしだろ
盗作かどうかは分からないが荒らしじゃないなら投下宣言しろ
スルーしていろ
構っちゃいけない
こちらの容量をあまり無駄にしたくないので、感想等は本スレにて(3スレ目)
>・転生管理者は兄なのか
決めてない
決めてないまま書いたから
あんな感じになったみたい
自分で見直しても変な感じだった
元々あのネタは書いてたSSの派生
二重人格のキモウトがやってる研究が関係してる
小鳥が麗華に勧められていたメイド協会うんぬんもそれ関係
>・何故滅んだのか
黒ノ姫の仕業
土地神なので自分を支配しようとするものは排除する
市場操作して企業ぶっ潰すとかも簡単にできる
>・来栖グループを攻撃した理由
黒ノ姫自身がヤバイと感じたから
グローバル企業の手先である麗華の企業は壊す必要があった
今のTPP騒動(行き過ぎた自由貿易)がネタ
黒ノ姫は土地がなくなったら民の信仰がなくなり、自分の意識が消滅してしまうので生きていけない
香取神社の土地も麗華の企業に買収されて潰される予定だった
国有地が外資に民営化されるのは侵略行為にあたる
>・鐘ヶ江のネックレスの意志
西洋版の黒ノ姫のつもりで書いた
黒ノ姫の場合乗り移るとき、巫女の意識を利用するだけだけど
ネックレスはシスターの意識全部を奪い取ろうとする
投下終了
(黒がいた世界が)>・なぜ滅んだか?
転生装置がなぜ暴走したのかは、単純に黒がキモウトだからって理由でいいと思う
次の転生装置を管理する転生管理者が、黒だった
兄様も黒も選ばれた人間って感じにしたかったと思う
姉様の能力は巫女の能力(憑依)の原型
色々考えたけどこの兄妹、姉妹があの文明のトップ権力者で…って感じにしたかった
ID:9iRH2qoNは、自分の掌握している事実と相手の掌握している事実が違うことが全く理解出来ていないように見える
つまり、2chの通俗的な罵倒用語としてのアスペではなく、本物のアスペルガー症候群か
〜エピローグ〜
二人の少女。
「ごめんね、尋己ちゃん」
「…どういう意味ですか?」
答える意味がない。
「あたしが…ううん、黒が帰る場所ができたから…」
「…だから意味が…わからな…」
うずくまる少女。
「これが黒が待ってた世界」
「…だから…」
理解できる者などいない。
「清彦君と舞ちゃんの事は忘れて」
「何を…」
「あれは兄様のものだから…」
「…え?」
「やっと会えたの…やっと…兄様と…」
「やはりさっきの清彦さんは悪霊に憑依され…」
言葉を最後まで聞かずに回る歯車。
「…尋己ちゃん、楽しかったよ」
誰も目にしたことのない涙。
「だから、あたしのことも忘れて?」
「待ってください! せめて理由を教えてください!」
「言っても理解できないから無理かな…ごめん…」
「ごめんじゃ…」
「せめてこの話を来世に伝えて。
これくらいしか役に立てないだろうし」
かつての妹の姿が徐々に薄くなる。
「やめて! いなくならないで!」
悲痛な少女の叫び声。
「なんで? 尋己ちゃんが望んでたんだよ?
あたしは来世に帰るには、これしか方法がない」
今の妹が色濃く反映される。
「馬鹿!! こんな馬鹿な話どこにもありませんっ!!
清彦さんと舞ちゃんはどうなるんですか!!」
そして、その存在だけが消え始める。
「永遠に私たち兄妹として生き続けるよ。これからも…」
もう、かつての妹と兄の声は永遠に聞こえてくることはなかった。
〜完〜
埋め書き
最後に…
個人的にx/Dvsm4nBIさんとEY23GivUEuGqさんの作品がめっちゃ好き
たぶんここに来て一年ちょいしか経ってないけど
このスレ来なかったら一次SS書いてなかったと思うから
マジ感謝してる
ここの住人には励まされたし
全部がためになった
かなり書く原動力になった
あと転生恋生の人、ごめんなさいorz
人格転生は二重人格のキモウトを書こう
って付けてみて、あとで作品と題名を発見して鬱に
で、引き返せなくなって書いてたら引き返せなくなった…
と言うわけで、あくまで偶然の事故なんで
でも、たぶん続きは書くことはないと思う
わかんないけど、たぶん…
GJまでには足りないものがありすぎる
描写があまりにも淡泊すぎる
一人称専門かも知れないが三人称で書いた方が良さそうなところが多い
三人称っぽく書けばいいのかも知れないが
ここまで視点が切り替わると一瞬で誰が誰かをわかりやすいように書いた方がわかりやすい
あとシナリオが難解すぎる
これでは読者が振り落とされる
幅広く読まれるような工夫が必要
そもそも読んで貰いたいターゲットは誰なのか?
一定の筆力はあるのに非常に残念
上手い部類に入るのだろうが
いかんせん読者への配慮がなさすぎ
いきなりグローバル経済(笑)とか言われても普通の人はわけがわからないし
「あ、わかねえやw」と読まれない
自分だけ面白かったらいいのかも知れないが
それでは読み手に伝わらないし広まらない
読む人が少ない
もしくは極端な話
誰も読まなければ書けても意味がない
能力があっても生かせなければ意味がない
一度読者を意識して書いてみることをおすすめする
手っ取り早いやり方は商業ベースで書いてみることだ
別に同人でもいい
さらにスレに対する配慮も必要
このレベルの書き手がいると他の人が書きにくい
匿名掲示板だからと言って人がいなくなったらただのチラシの裏になってしまう
自重しろとは言わないがもっと別の方法を探ってみるべきだと思う
そしてここで満足して書いてないで
もっと別の場所で力を試してみていいと思う
良い書き手は望むところだがもっと別のやり方を探すべきでは?
このまま趣味でやるのもお遊びでやるのも構わないし
別に自由でいいのだが人もいなくて足を引っ張られて辛いと言いつつここで書きたいのだろうか
我慢して攻撃されてまでここに固執する理由も見当たらないと思う
荒らしに触る人も荒らしです
お兄ちゃんはいつもあたしの憧れだった。小さい頃、一緒に遊んでいたときが最初だった気がする。
外で鬼ごっこをしても家でゲームをしていても、いつもあたしより先のことを考えてるし、何よりあたしのことを一番に気にかけていたからだと思う。
お兄ちゃんとしては親からあたしのことを守れと言われただけなのかもしれないけど…私にとっては憧れだった。
でもそのお兄ちゃんに最近嫌なことがある。
理由はお兄ちゃんに彼女ができたこと。
最初、お兄ちゃんの彼女だし祝ってあげたかった。最初は祝っていた。最初だけは。
「はじめまして、兄の妹の千夏です」
「はじめまして、私は有美。忍、かわいい妹さんじゃん」
「まあ、自慢の妹だからな。どこに出しても恥ずかしくないな。千夏、有美と仲良くやってくれ」
「もっちろん」
あたしは部屋に案内して、お茶を入れた。
「有美さんはコーヒーと紅茶どっちがいいですか?」
「紅茶でお願い」
「はい! わかりました!」
あたしは台所で支度する。横からお兄ちゃんが小声で話しかけてくる。
「どうだ千夏、おまえの見立ては?」
「そうだね〜ルックスよし、スタイルよしでお兄ちゃんにはもったいないね」
「おー、千夏ならそう言うと思ったよ。さすが我が妹」
頭をぐりぐりなでられる。
「痛いって。お兄ちゃん、もっと優しくしてよ」
「お、なんか響きがエロいな」
「えい!」
セクハラ発言のお返しにお兄ちゃんのスネに蹴りを入れる。
「いでぇ!!」
痛みのツボに入ったのかお兄ちゃんが悶えている。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃねえ!」
「あはは、大丈夫大丈夫」
ちゃんと加減して蹴ったから。
「くそ、しょうがないな。ほら皿とスプーン」
「うん、ありがと、お兄ちゃんは先に行ってて」
「おう」
私はトレーに三人分の紅茶と砂糖とミルクとレモンを持ってテーブルについた。
「おまたせしました」
有美さんに対して精一杯の笑顔を向けた。
「え、ええ。ありがとう」
「どうかしました」
「いや、なんでもないわ」
「有美ってシャイなんだよ」
「そうだったんですか? もうしわけないです」
三人そろって紅茶を飲みながら話しをする。
個人的にお兄ちゃんの好きになった人に興味があるから。
「有美さん、足崩して下さい。自分の家みたいな感じでいいですよ」
「ええ、ありがとう」
そう言って足を崩す有美さん。そのスカートと黒タイツに目が行くお兄ちゃんに突っ込みをいれようとしたがやめた。
「………」
「………」
「………」
うーん。それにしてもこの沈黙はなんなのか。有美さんが緊張してるからお兄ちゃんも気を遣ってるんだろうか。
「それより恋バナしようよ、恋バナ」
その場の空気を和ますために話題を振ってみる。
「ええ?」
「はぁ?」
「初めて家に彼女を連れてきたお兄ちゃん、今の心境は?」
「ど、どうって言われても…」
「あれ、なんで、今になって緊張してるの? さっきあたしに蹴り入れてたよね?」
「蹴りを入れたのはおまえだ! 俺は優しく頭を触っただけだ!」
「あれ、あんなこと言ってますよ。ねえねえ、有美さん。お兄ちゃんに言ってやって下さいよ」
「あの…」
有美さんが口を開く
「…二人ってとても仲の良い兄妹なんだね」
思わずぽかんと口を開けてしまう。隣のお兄ちゃんも目をぱちくりしている。
「なあ、千夏。俺たちって仲いいのかな?」
「うーん。どうだろう。でも結構ケンカもしてるし特別仲がいいって方でもないとおもうけど。まあ、普通だと思う」
「俺の友達も姉ちゃんと凄えなかいいぜ」
「あれは有君とお姉さんの年齢差が八歳くらいあるからでしょ?」
「俺たちくらいの年齢差でも仲いい奴はいるだろ」
「普通は、あんまりいないと思うよ」
「あたしの友達はお姉ちゃんともの凄く中のよい子がいるよ。年もうちと同じで二つ上だし」
「いいなぁ。私も仲の良い兄妹が欲しかったよ」
「有美さんには兄弟がいるんですか?」
「一つ下の弟が一人、凄く憎み合って無視しあってる状態」
「………」
お兄ちゃんがあたしの肘を突っつく。どうやらこれ以上、触れてはいけない話しらしい。
「そそそそうです。元の恋バナに戻りましょう。お兄ちゃんのどんなところが好きになったんですか」
「頼りがいのあるとこ。肝心なとこで優しいところ」
一瞬、びっくりした。私がお兄ちゃんの好きなところと一緒だったから。
「お兄ちゃんって意外と頼りがいがあるんですよね。たまにだけど」
「いつも頼りがいがあるよ」
なぜ、こんなに切ない気持ちになるんだろう。あたしも小さい頃はずっとそう思ってたから。
「おにいちゃんってカレーが好きですよね」
「そうね。カツカレー定食の割合が多すぎる気がする」
「おいおい。俺は日替わり定食とかも頼んでるだろ」
「カツカレー定食は普通のカレーよりルーの辛さが惹き出るっていってたじゃない」
その後もあたしのわからない学校での話題ばかりで意気投合してる。
でも…なぜ…私は…心から祝福できないんだろう。
そうだ。これはあれだ、小さな子供が兄弟間で母親をとられて寂しく思う気持ちと同じ。
そう、あたしと同じ。お兄ちゃんはお父さんでありお母さんだった。それをとられて悔しい気持ち。
あれ? この気持ちって? 嫉妬?
あはは、嘘だよね。実の兄妹でお兄ちゃんに惚れてたって。そんなのテレビドラマだけの話しだよ。
なんだかお兄ちゃんと有美さんが遠くに見える。話題もついていけない。
聞こえるのは有美さんの声。
「あのときの忍、かっこよかったよ。結構体つきしっかりしてるからどきっとしちゃった」
やめて。そんなの知ってる。お兄ちゃんの成長だって知ってる。子供の頃から今まで。お兄ちゃんが私の父親だったように、私も母親のようにお兄ちゃんを知ってる。
「でさ、その時の写真が結構イケメンでさ。そのときからからかな意識し始めたの」
当たり前のこと言わないで。お兄ちゃんはルックスもいい。きっとクラスでも一番に決まってる。世界で一番カッコイイ。
「リレーでさ、抜き返したよね。あれでクラスの女子のポイントあがったんだよ」
当たり前だ。お兄ちゃんは運動神経もいい。鬼ごっこの時も小学校の時もいつも一番か二番だった。そして誰よりも頑張ってる姿が一番いい。
「私も忍の頑張ってるときの顔、好きだな」
何? 今の? どのつら下げて言ってるの? 何も知らないくせに。あなたの知らないお兄ちゃんもあるけど、私はあなたよりずっとお兄ちゃんを知ってる!!
「どうした、千夏? 顔色悪いぞ?」
「忍のその優しさに触れた惚れた女子は多いよね」
このクソ女!!
「おい! 千夏! しっかりしろ!」
気がついたら、お兄ちゃんに両肩を押さえられて揺すぶられていた。
あたしは…何を思っていた…何を考えていた…どうしようと思っていた?
凄まじい罪悪感でお兄ちゃんと目を合わせられなかった。こんな妹、気持ち悪いに決まってる。
「あは…ごめん。お兄ちゃん…ちょっと惚気られて当てられちゃったみたい」
「冗談言ってる暇があったら少し休め。めちゃめちゃ顔色悪いぞ」
「だ、大丈夫だ…って…」
お兄ちゃんの手が私の背中と肩に当たってる。やだ……少し濡れてきちゃった。なんで、なんで急にこんな反応をしてるの、絶対におかしい。変態だあたし。こんなこと知られたら軽蔑されて縁を切られちゃう。
「お兄ちゃん!」
必死の抵抗だった。テーブルから席を外す。
「じゃ、寝室で寝るから」
お兄ちゃんを必死で引き離す。すんなりと離してくれた。その優しさの籠もった手にもっと浸りたい欲求を強引に押し込める。
そして、ふらつく足取りで寝室に向かった。
「じゃ…じゃあ、二人とも…ごゆっくり…」
最後の方は声がかすれてて出てなかったと思う。