【ドラマ】鍵のかかった部屋でエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
榎本が純子を監禁しちゃったり、あると思います
2名無しさん@ピンキー:2012/05/03(木) 11:24:25.01 ID:bON03I38
鍵絡みなら、貞操帯ネタもアリだよね
マニアックでごめん
3名無しさん@ピンキー:2012/05/03(木) 19:37:28.34 ID:rA6Yv8Eo
>>1


スレ立つの待ってました
榎青カップルがツボすぎる
4名無しさん@ピンキー:2012/05/04(金) 11:30:15.34 ID:lHbL0M1o
新世界よりがアニメ化、悪の教典が映画化するこてだし、
貴志祐介作品スレでも良かったかもね
5名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 21:30:37.78 ID:bLqb8VTu
ドラマの鍵のかかった部屋だよね
榎本×女流棋士なら浮かんだんだけどな
6名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 22:14:56.17 ID:yEJKUNTq
榎青萌えw
7名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 03:53:01.57 ID:IEsE0OgE
ドラマなら純子から童貞榎本をリードするのかな
純子は非処女だよね?
8名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 18:39:29.65 ID:QXw9pFJR
ベッドに入ると豹変するタイプでもよし
リードしようとしたら逆転されるパターンもよし
9名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 18:52:18.30 ID:PyOOzci5
多少は経験ありだけどここ何年も女性とのお付き合いはなしが萌えるなw

以下原作ネタバレレス



榎本×女流棋士はドラマより原作のが萌えそうw
ドラマの榎本は一途で執着心の強そうなタイプに見えるし
3話中盤以降は純子の心配をしてるくらいで女流棋士に特別思い入れはなさそうだった
でも原作では思いっきり浮気心丸出しだったからw
別に榎本と純子は付き合ってはないから浮気ではないんだけどさ
10名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 19:31:24.81 ID:Ve241CdB
>>2
早く書けください
11名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 19:34:03.28 ID:nk0Eq56o
押されまくる童貞榎本が見たい
12名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 19:54:25.22 ID:4hWpABYd
DTをからかわれるもキレて本気出す榎本がみたいw
13名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 20:08:55.30 ID:bGNuKM//
ドラマの純子は処女だと思うな
恋人は居たかもしれんが
14名指しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 20:56:55.01 ID:Bqay/cB+
榎本も青砥も経験ありだけど経験少ない&ご無沙汰ってイメージ

あくまで原作知らないドラマでの印象がすべてな自分の感覚だと

しかしドラマの回を重ねるにつれ榎青熱は高まる一方なのに、
ふたりのエロシーンのイメージにまだ辿り着けない
そういう関係になるにはまだまだ時間がかかりそうでw
酒の勢いでも借りれば違うかもしれないが
15名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 21:35:06.18 ID:QXw9pFJR
>>10
興奮しすぎなのかなんか日本語おかしいよw おちつけ
16名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 22:39:59.90 ID:+jygz+fO
>>15
壷用語だよw

青砥は社会人になってからは彼氏いない設定って聞いた気がする。
ご無沙汰なんじゃね?
17名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:38:42.79 ID:P1voUUY4
>>15
初心者さんようこそw

今の時点でもエロ想像できるんだが文章に出来ない…くやしい
18名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:48:02.05 ID:dXZtpWL6
お、やっぱりスレ立ったか

先週DT疑惑が浮上して面白くなってきたもんな
青砥は非処女だろうけど経験は1人か多くても2人って感じがする
榎本をDTだと思った青砥がリードしようとするも
自分もご無沙汰でリードなんて出来るわけもなく
結局は冷静な榎本の器用な指先に翻弄される、みたいなのが王道パターン?w
榎本をDTとするか、経験ありとするかは書き手さん次第でw
19名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:52:12.62 ID:IrMm4INc
榎本は宝石泥棒のお姉様に遊ばれてると思う
20名無しさん@ピンキー:2012/05/06(日) 23:56:32.88 ID:RnfM7rUs
誰か書いてくれーw
21名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 00:00:17.68 ID:MdYTT/DD
>>19
宝石泥棒のお姉様って原作ネタ?
22名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 00:16:35.24 ID:H6YErSov
榎本は指が無駄に綺麗で期用なのは実証済みだからテクはすごそうだねw
純子は恥ずかしがる姿が榎本を激しく萌えさせるタイプだと思う
23名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 00:25:50.72 ID:U0TBfgK6
芹沢 青砥。お前は色気がなさすぎる。貧乳!
青砥 失礼ですよ。セクハラでうったえます
榎本 青砥さんには色気なんてなくていいんですよ
青砥 ちょっと(ムキー)
榎本 青砥さんの白い肌、細い体 萌えー
24名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 14:20:50.53 ID:OYsOTrRP
榎本は原作通りサドスティックであってほしい
25名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 18:31:46.12 ID:4tSrNuET
原作寄りでもドラマ寄りでも職人さんの好きなように
26名指しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 22:33:22.63 ID:LsyqvuCQ
なんだよ青砥ぉー
押しかけ女房みたいで可愛すぎるぞ
プライベートでのめがねっこっぷりも可愛い
部下のピンチに取材そっちのけで駆けつける芹沢パパも素敵すぎる

しかし青砥、現場検証のためとは言え、簡単に男を家にあげるとはけしからん
27名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 22:38:37.27 ID:3lFozvfk
「あ、青砥さんは悪い女じゃないですよ」
とか童貞くさい反応しながらチョコ食う榎本に
「気をつけて下さい。中に何が入っているかわかりませんよ」
と意味深な笑顔を向けるのがたまらん

つまり「私の事を知りたかったら食べてみなっせ」って意味ですね!
28名無しさん@ピンキー:2012/05/07(月) 23:57:44.19 ID:SMmZOWF3
先週といい今週といい2人の距離がどんどん詰まっていくな
おかげでエロが想像しやすいw
書けないけどorz
29名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 00:44:15.97 ID:xpcFFTlh
書けないけどここのレス見て何かが膨らんでゆくwww
解けない密室は無い、とか言いながら青砥に迫ってほしい
30名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 01:10:49.36 ID:SMQ4c/tq
今日も二人仲良しだったね
2828してしまう…
31名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 02:19:49.35 ID:YKK6OdUg
原作榎本はどんどんマニアックなプレイを仕掛けてきそう
ドラマ榎本はキスだけでいっぱいいっぱいなイメージ

つまり
攻めまくるドS榎本
攻められるDT榎本
どっちもありだと思います!
32名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 03:49:01.39 ID:ZZrgzKp1
原作は鍵オタク設定はないけど防犯全般に詳しいからこっそり隠し撮りしてそうw
ドラマはやっぱり手錠かな
でもあんなピュアな榎本には無理かな
33名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 05:01:03.70 ID:dzZbgqzy
4話見て芹沢×純子もありかもしれないと思ったwゴキが出て上司呼ぶかwww
34名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 09:53:57.55 ID:+mT6szeQ
ラスト、「青砥さんにはそんな狂気ないですよ」って励ました後に鍵が解けたのは
榎青の間の鍵も解けたっていう暗喩なのかなーと思った
榎本の心の鍵が開錠されたって意味でもいいかな
とにかくそういう二人の関係に対する意味も込められてそうだよね

しかし全体的に見て4話は芹青が強かったwwww
芹沢さん青砥のこと可愛がりすぎだwwww
35名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 11:39:56.84 ID:+mT6szeQ
連レス!

予告見たけど「偶然榎本と一緒に行動してた純子」にwktk!!
倉庫で榎本とお茶でもしてたところにハゲコウから電話かかってくるのかな
36名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 21:42:17.72 ID:XnC+e1w+
くれくれ君で(´・ω・)スマソ

誰 か 榎 青 書 け く だ さ い ! w
37名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 22:24:38.82 ID:iqn/xr/6
>>35
事件起きてないのにどうして一緒にいるんだろうかねw

てか結構な頻度で青砥来てるからそろそろセキュリティ会社の人たちが
「榎本…まさか彼女できたのか…?」って怪しみだしてもおかしくない
38名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 23:53:25.44 ID:xxbye0jJ
何このスレ 
2828が止まらない
39名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 23:55:48.09 ID:y5sNoys/
青砥「榎本さんってどんな人がタイプなんですか?」
榎本「手の届きそうもない高嶺の花にひかれますね。」
青砥(花どころか道草レベルの自分orz)

みたいのしか思い付かんw
40名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 00:14:37.82 ID:ZNRVyQJR
セキュリティ会社に遊びに来た時、他の社員と楽しそうに立ち話をしている青砥

内容が気になる榎本
何の話をしていたかそれとなく聞いてみるも、世間話ですよーと言われる
盗聴器を用意する独占欲強い榎本
あなたはもう僕の物なんです、と呟く榎本

ヤンデレもいいなぁ
41名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 00:37:26.69 ID:2dMriyEO
芹沢には、純子の気持ちよりもむしろ榎本の気持ちとDTであることを察してもらって、榎本をいろいろけしかけてほしい。
独身貴族芹沢の指南で、きょどりながら純子に迫る榎本とかww
42名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 00:37:36.21 ID:xZCnQs31
>>37
たぶん本スレで女子社員に「女子中学生連れ込んでるとか榎本キモーイ」って言われてるんじゃ?
みたいなネタがあった気がするwwww

>>39
道草wwwwクッソ吹いたwwwwwwww
4342:2012/05/09(水) 00:43:52.70 ID:xZCnQs31
連レスごめん、これだ

950 : 名無しさんは見た!@放送中は実況板で : 2012/05/03(木) 12:01:58.16
女性ってなんで恋愛の話をしたがるんですか?とか榎本言ってたけど
純子が頻繁に地下室に来て茶飲んで愚痴言ってゴロゴロしてるのが
社内でうわさになって、女子社員に聞かれたんじゃないか?

社員A「あの人また来た、誰だろ?」
社員B「最近よく来るよね、『こんにちはー!』って挨拶してそのまま地下室行っちゃう」
A「榎本さんの彼女かな?でもなんで会社に来るんだろ?」
B「この前は夜遅くに女子中学生が来たよ」
A「えー榎本きもいー」

とか元々ちょっと変わった人だから、社内で色々言われてそうw
44名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 01:35:08.63 ID:2Xc9wVOJ
榎本は完全に右手が恋人のDTだと思うわ
手先が器用だしな
45名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 02:54:26.12 ID:P50uyPaI
地下室でガマンできなくてヤっちゃう二人を妄想。
46名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 03:44:54.79 ID:tkxbUUpw
>>40
ヤンデレ榎本114114
今の小学生みたいな恋愛の二人も萌えるけど
47名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 08:51:43.18 ID:DdhS/yWC
>>40
なにそれ素敵
48名指しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 12:39:43.20 ID:Z8QMMyNC
書き込み増えてきたのは嬉しいけど、なかなか書き手さん降臨してくれないなぁ
早くふたりのエロなり何なり先に進んだ関係のが読みたいと思うけど、
今の関係が好きすぎてまだ先に進まなくていいという気持ちもある
両思いなのにお互いあと一歩が踏み出せない、くらいの関係が一番好きw

あと、最近は芹沢が好きすぎる
パパ的ポジションというか、芹青は想像できないけどふたりにどうにか絡ませたい

榎青カップルがもどかしくてイライラしながら応援、後押ししてほしい
49名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 13:20:11.73 ID:ej3alxmv
ぜひ榎本に「どどどど童貞ちゃうわ!」と言わせたい
自分では榎本青砥だとどうにもこうにもギャグ方向に行ってしまう
エロに! エロに持っていきたいのに!
50名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 14:47:12.28 ID:dsuEoeIV
榎青で行為中に芹沢さんからかかってきた電話に出させるサドスティックな榎本さん下さい。純子はたくさん泣かされるといい
51名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 16:39:53.43 ID:pekb32gU
書き手さんワクワク
52名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 19:35:31.91 ID:UHGSoazt
来週も実は芹青があるんだろうか
予告動画の「もしかしてヤキモチ妬いてるんですか?」は芹沢に言ってる気がするなー
榎本相手に言うならもう少し乙女らしく言いそうだよね
53名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 20:14:33.37 ID:2Xc9wVOJ
青砥「鍵が開くまでの道程って楽しいですか?」
榎本「ぼぼぼ僕はどどどど童貞じゃありませんよ」
芹沢「言ってねーよ」
54名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 21:50:52.29 ID:UyS+D0v5
ベットに腰掛ける榎本の上に純子が乗っかってるかんじ

クチュクチュ ニュチュニュチュ
「んっ……あっ、ああっ……くっ、んっ……あ、あぁん……」
純子は堪らず榎本の胸に顔を埋め快楽に耐えている
「青砥さんのここすごく濡れてますね」
「い、言わないで、くださ……ひぁあっっ!」
「指に絡みついてきて離そうとしませんよ」
そう言うなり榎本は一層激しく指をクチュクチュと動かした
「んんんっ、ンッっ、んんーーーっ、ンゥウンンゥウンッ!」
「あああああああ、いやああ、も、う、はや、く…」
もう我慢できないとばかりにすがる様に榎本を見上げた。

「…何がですか?」(真顔)
「なっ!!?もう!!」
信じられないとでも言いたげに顔を真っ赤に涙目で怒る純子とか


榎本はイクイカナイ寸前の指テクすごそう、あと天然鬼畜だと思う
純子かわいいよ純子w

あともう一つ、
69で鍵穴いじるみたいに両手と舌で入念にいじくりまわして
純子が咥えながらヒィィィーーーーッてなってるのとか

って色々すまん。鍵穴ってなんかエロいね。
55名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 22:06:06.25 ID:ECJcUkvv
>>54
おおお!!!GJ!!!!
フロイトによれば鍵と鍵穴は性器の象徴らしいからエロいのも仕方ないww
56名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 22:14:45.69 ID:7Qh0S62w
>>54
書 き 手 が 現 れ た !!

乙でつ。最高でつ。
57名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 22:17:37.15 ID:XYCYB/UQ
53も54もGJ!!!
58名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 22:41:19.05 ID:odDuEmAU
>>54
青砥可愛い!榎本は非DTバージョンもイケるなw

自分の中では青砥も榎本もどっちも経験値低いイメージ
セックス本番までは青砥が押せ押せ、榎本タジタジで
その後榎本本気モードで形勢逆転っていうのがベタだけど想像しやすいw
59名指しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:06:17.05 ID:Z8QMMyNC
>>53
そういうやりとり好きすぎる
芹沢本当いいキャラしてるわ

>>54
待ってました\(^o^)/
どどど童貞ちゃうわもいいけど天然鬼畜もいいね

4話は青砥の部屋が見れて良かった
芹沢がベッドに座ったら怒ったけど、榎本が座ったらどんな反応するかなw
60名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:09:45.54 ID:Q36V9y0l
榎本「青砥さん青砥さんハァハァ」しこしこ
青砥「こんにちはー!」
榎本「」
青砥「」

防犯ヲタクが職場で鍵もかけずにヤるのはありえないかもしれないですけれどもwww
61名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:47:34.74 ID:2dMriyEO
青砥「ああ・・・んっ、はあはあ・・・あああっ、榎本・・・さん、だめ、私また・・・」
榎本「青砥さんの鍵、また一つ開けますよ・・・ほらっ!」
青砥「ああっ、いやああああっ!」

なんじゃこりゃww

62名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:53:18.21 ID:7Zt7pBp0
急に書き手が現れ始めたな…!GJ!
63名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:57:50.20 ID:ECJcUkvv
今書いてるんだけど、クソ長い…
分割して連レスになっても大丈夫?
64名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:58:27.35 ID:odDuEmAU
みんなまとめてGJ!
榎本は振り幅が大きすぎるなw
オドオド童貞から天然クール鬼畜まで何でもありだw
65名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 23:59:05.27 ID:odDuEmAU
>>63
是非
正座してまってます
66名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 00:19:54.42 ID:mZzp567r
寒いから自家発電してみる

青砥「榎本さんキスってしたことありますか?」
榎本「キス…」
青砥「魚のキスじゃないですよ!」
榎本「あああありますよそのくらい。こうするんですよね チュ」
青砥「……!」
榎本「なかなかやわらかかったです、ごちそうさまでした」
青砥「わ、私のファーストキス……」

だめだエロにいかん
67名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 00:49:26.83 ID:I/jmqRFt
青砥 この猿かわいいですね
(ガシャと両腕をはさまれる)
青砥 きゃー榎本さん助けてください
榎本 (呆れたような冷たい目)
青砥 助けてください。お願いします。
榎本 仕方ないですね。ふっ。
いけない子にはお仕置きをします。
と言いながら青砥のシャツのボタンをはずす
青砥 え、えのもとさ…駄目っ
榎本 鍵を開けてもらえなくてもいいんですか?
青砥 そんなっ。せめて鍵をかけてください
榎本 わかりました





バンバンッ
芹沢 おーい。榎本いるんだろ?中に入れてくれ。
68名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 01:12:13.21 ID:AjRPG5sd
>>67
その展開、イイ!!
69名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 15:17:47.62 ID:FUb/SHkp
書き手さんがいらっしゃる!wktkして待ってます
70名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 17:54:08.93 ID:PBL6bQEs
>>67
GJ!

ドラマの一話で外すところ見たかったよな
711/2  ◆uznl/wSQcc :2012/05/10(木) 20:12:11.39 ID:e/Jr32Be
>>50のアイディアもらって榎青書いてみた
勝手に借りてすみません



「んっ……ぁあっ……!」
「……っは」
 部屋に響くのは、押し殺した声と、ベッドがぎしぎしときしむ音。裸の男女がベッドの上でな
にをしているのかなど、説明は不要だろう。
「榎本さん……っ」
 純子が呼ぶと、榎本は腰を止めた。汗ばんだ体を抱き合い、しばらくキスに酔いしれる。
 唇を離して、間近に瞳を見交わしていると、自然と互いに笑みが浮かぶ。
「大丈夫ですか?」
「僕は大丈夫です」
「ふふっ……」
 低い声で甘い睦言を交わしていた、のだが。
 その空気を、携帯電話の着信音が切り裂いた。
「私のだ……」
 純子は枕元においてあった携帯を手にとった。画面には上司の芹沢の名前が表示されている。
「誰からですか?」
「芹沢さんからです」
 まだ行為の途中でもあるし、正直無視してしまいたいのだが、上司からの電話は無下にできな
い。困った純子は榎本に視線を投げかけた。
 榎本としても、無視させてしまいたかった。なんと言っても相手が芹沢だというのが気に食わ
ない。
 少々セコいところもあるが、芹沢は極悪人ではないと思う。ただ、自分の恋人と関わりが深い
男だというのがいやなのだ。要は嫉妬である。
 まだ恋人になる前に、ゴキブリが出たという理由だけで純子は芹沢を家に上げたことがある。
 それだけでも気に障るのに、純子の許可も得ずに堂々と部屋に上がりこみ(このときは榎本も
一緒だったが)、さらには今二人が身体を交えているベッドに座りこんだ。
 あげくの果ては空気を読まないこの電話だ。
 許しがたい。芹沢も純子も。たとえこの二人がただの上司と部下だとしても。
「……出たらどうですか」
「えっ?」
 純子は驚いた顔をした。
「おそらく仕事の話でしょう。出た方がいいと思います」
「そうですけど……でも……」
 純子はなにか言いたそうだったが、結局はうなずいた。
「あの……ベッドを出たいんですけど……」
「このまま取ってください」
「このままって……え? あの、榎本さんとしたまま、ですか!?」
「電話が切れますよ」
 純子の手から携帯を奪い取り、通話ボタンを押す。通話状態にしてから純子に返した。
『もしもし、青砥?』
「は、はい! 芹沢さん、どうしたんですか?」
 純子は仕方なく芹沢と通話をはじめた。声は平然としているが、目は榎本をにらみつけている

 榎本はゆっくりと腰を引いた。榎本の分身がずるずると純子のなかから抜けていく。
「その件は……っ、ん、前にも報告しましたよう、に……」
 純子は精一杯なんでもない風を装おって会話をしている。だが声がふるえているし、体は快楽
に揺れている。
 抜けてしまうぎりぎりまで腰を引く。このまま終わるつもりだろうと思ったらしく、純子は明
らかにほっとした顔をした。
 一気に腰を進めて、奥まで貫く。
722/2  ◆uznl/wSQcc :2012/05/10(木) 20:12:28.97 ID:e/Jr32Be
「ふ、あっ!」
『青砥? どうした?』
「な、なんでもな……」
 それでも会話を続けようとする純子の腰をつかみ、細かく抽挿を繰り返す。みるみるうちに純
子は泣きそうな顔になった。
「ひどい……」
『は?』
「な、なんでもないです……んんっ」
 顔では嫌そうにしているくせに、体は榎本を締めつけて離さない。もっともっととねだる。そ
れに応えてやっているだけだ。
『どうしたんだ?』
「す、すみません、あとでかけ直します……っ」
 純子は無理やり電話を切った。投げ出すように携帯を放り、榎本の顔をひっぱたこうとした。
榎本はそれを手でガードして、そのまま手首を押さえつけた。
「なんてことするんですか! もし芹沢さんに気づかれたら……!」
「でも、感じてましたね」
「っ、それとこれとは、話が……ゃ、あぁんっ!」
 反論などさせない。さっきの時間を取り戻すように、純子の弱いところを狙って腰を動かす。
声がはね上がる。
 少しだけ失敗したと思ったのは、この可愛らしい声を、かすかにとはいえ芹沢に聞かせてしま
ったことだ。聞くことができるのは自分だけでいいのに。
「も、もう二度としないでください!」
「……」
 答えずに律動を繰り返す。純子の表情はすぐに快楽でとろけた。
「あっ……っん、ぁっ、く……」
「青砥さん……」
 ささやくように呼ぶ。押さえつけていた手首を離すと、純子は榎本の首に腕を回してすがりつ
いた。
「私、……もう」
 小さくうなずいて、息を整えた。そしてラストスパートをかける。
「あぁっ、んっ、あっ、は、んぅ、っあ」
 目の奥でちかちかと光が点滅する。それは少しずつ激しくなって、そして、最後に、強烈な白
になった。


「そういや、あの電話はなんだったんだ?」
 その翌日、芹沢はまた純子と密室事件とともに榎本の元にやってきた。一通りそれぞれの考え
を述べて一段落ついてから、茶を飲んでいると、いきなり芹沢がそんなことを言い出した。
「ぅぐっ」
 熱い茶を吹いて冷ましてからようやく口に運んでいた純子が、茶にむせる。
「え、電話って、昨日の……ですか?」
「最初のやつな」
「それは……えっと……」
 言い訳に困った純子は助けを求める視線を榎本に向けてくる。それに気づいていたが、榎本は
黙っていた。
 純子と榎本の反応と態度を見ていた芹沢は、急ににやにやしはじめた。
「もしかして、二人でイイコトしてたときに邪魔しちゃった?」
 芹沢は、指で作った輪の中に人差し指を出し入れするというかなり下品なジェスチャーまでご
丁寧にやってくれる。まぁ、その通りなのだが。
「……」
 純子は顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。榎本は、とりあえず、いつもの無表情で我関せ
ずを決めこむことにした。
73 ◆uznl/wSQcc :2012/05/10(木) 20:12:50.26 ID:e/Jr32Be
終わりです
お粗末さまでした
74名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 20:46:12.38 ID:DshWdwVp
GJ!!
75名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 21:31:59.32 ID:PRQ6Up5l
ぐっじょぶぅぅ!
とんねるずの番組で佐藤浩市が出てるの見て
芹沢に見えてニヤニヤしてしまうwww
76名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 21:55:40.01 ID:SdZ1pLLI
>>72
ナイス!!
下品なジェスチャーの芹沢がありありと想像できたw
77名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 22:00:36.68 ID:9jGuL8RQ
gj!gj!gj!
78名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 23:24:09.65 ID:Y35pptm8
GJ過ぎる・・・
79名無しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 23:40:33.87 ID:Ej950J7/
GJ!
80名指しさん@ピンキー:2012/05/10(木) 23:44:35.72 ID:Jvi4OIM5
>>71
GJ!
青砥M、榎本Sしっくり来るなw
81名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 00:11:22.09 ID:4LTy8fIH
>>71
gjですww
悶え死んだ…
S榎本いいわ
82名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 08:03:06.92 ID:R6jv5eP7
まじGJ
83名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 14:14:36.10 ID:gX+mNVkl
普段は恋愛に不器用でDT臭漂わせてる榎本が
メガネ外した途端ドSスイッチが入って純子をアンアン言わせちゃえばいいよw
84名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 22:53:29.56 ID:aD0FLa1r
芹沢が絡んでくると面白くなるなw

自分は榎本DT・純子処女イメージが強いから
互いに緊張しまくりでgdgdな初夜というただのギャグになってしまう…
という訳で、神の降臨を全裸待機します
85名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 22:57:16.55 ID:sM0BKq8i
ここでみんなの期待を裏切る純情編を投下するよ!純情とか言ってるけど、結局はエロまでいけない意気地なしなだけだよ!

そもそもが、密室やセキュリティがきっかけなので、純子の部屋の防犯設備に話題が移り、実地検分してみましょうということになるのは自然な流れだった。少なくとも、純子にとっては。

「青砥さん」
カチャカチャ、カチャ
黙々と開錠作業をこなしていた榎本が、不意に口を開いた。
ぼんやりとその横顔を眺めていた純子は、ぎくりとする。
榎本が集中しているのをいいことに、ガン見していたのに気づかれたのだろうか。
「防犯上、もっとも大切なことはなんだと思いますか」
「え?……やっぱり、鍵じゃないですか?ピッキングされにくい鍵を選ぶとか、あ、あと割れにくいガラス?」
「違います」
先日、芹澤の部屋に入った空き巣とその顛末を思い出しながらの純子の言葉を、榎本がばっさり断つ。
「……じゃあ、なんですk」
「どんなに堅固な鍵をつけても、そこに暮らす人間が無警戒に扉を開けてしまえば、意味がありません。重要なのは、その人が防犯意識を持っているかどうかです」
「ああ、なるほど」
純子は素直に頷いた。
素直すぎる。
榎本は錠から手を離した。
鍵がかかったままなので──純子の右腕は拘束されたままである。
例によって例の如く、好奇心から榎本のコレクションに手を出した結果だ。
「青砥さんのことですよ」
「わ、わたし!?そんなことないですよ!」
「この状況で言えるんですか?」
……自らが招いた男と、右腕を拘束された状態で、自室に2人っきり。
頬が熱を持った気がして、純子は自由になる左手を当てた。
「や、でも、榎本さんだし……」
「そこまで信用してもらえるのは光栄ですが」
右手を握られて、テーブルの上をうろうろとさまよっていた純子の視線が、はっと榎本に吸い寄せられる。
いつもの、表情に乏しい顔……だと思うのだが。
目が離せない。
「僕も男ですよ」
顔が熱い。熱い。鼓動がうるさい。
「え……えのm」
「とりあえず、鍵を外しますから、右手を動かさないで下さい」

………。

(からかわれたの?なんなの!?どうしようこの空気!!!鍵はずれたら私どうしたらいいの!?)
榎本さんなら、いいですよ。
言いかけたかもしれない言葉は確実に純子の中にあって、それを自覚している純子はますますうろたえるのだった。
86名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:04:35.70 ID:C65PK8kI
純子かわゆすGJ!
87名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:10:40.73 ID:PKxr+21e
GJ! 純情な榎青もかわいいです!
88名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:10:48.56 ID:BSQCtGDK
>>71
>>72
最高のオカズですほんとうにありがとうございました
神降臨してますよ
89名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:12:05.95 ID:DbXOAbPZ
>>85
上手いな。
あからさまなのよりエロいわ。
90名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:16:33.91 ID:BSQCtGDK
書き手急増中…

嬉しい限りである。
91名無しさん@ピンキー:2012/05/11(金) 23:47:40.66 ID:uA0WD/4s
書き手さんまとめてGJです
榎本青砥って童貞・処女でも非童貞・非処女でもどっちでも違和感なくイケる
青砥はあんま処女イメージ強くないけどね
初心というか恥じらって受け身なイメージ
どちらにせよ2人とも経験値は高くなさそう
自分も何か書いてみようかなと思うんだけど、2人のエロシーンって難しいw
そっちに関しては書き手の神たちにお願いしたいw
92名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 00:28:59.13 ID:38LXBLuS
>>85

…dkdkしますた
GJ!
是非またお願いしたい
93名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 01:15:18.22 ID:PKmhhLIL
密室に閉じ込められた榎青とか見たい

(どうしよう〜!!…あ!榎本さんに頼めば出られる…!一緒に閉じ込められたのが榎本さんでよかったぁ〜)
と安心しながら「は、早く開けて下さい!もう夕方なんで!私〇〇時までに芹沢さんに報告する事が!」
と急かす純子と、

それを見ながら自分の人間性や腕が信用されていると分かってはいても
自分という男と密室に閉じ込められてるのに全然慌てないし
危機感ゼロだし極め付けは芹沢さんか…とため息を吐きながらしらっと
「このタイプの鍵は内側から開ける事は出来ません。朝になれば会社の人が開けてくれると思いますから待ちましょう。お役に立てなくてすみません。」
と言い放つ榎本がみたいw

密室に二人きりでいる間に意識し始めて段々そわそわしてくる純子を見て
(少しは男として意識して下さいね)と内心笑いながら反応を楽しむ榎本とかw


朝になって開いたらグッタリした純子を尻目に芹沢さんが榎本に
「本当は開けられたんじゃねぇのか?w」と話しかけるも薄ら笑いで華麗にスルーするまでが榎青
94名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 01:21:26.69 ID:XPWWLPNR
やっべ。久しぶりに覗いてみたら神降臨してたとか。
本当にGJです!!
95名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 01:34:18.13 ID:fZ31o1ii
>>85
ひょおーGJおもしろすー!
96名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 06:08:06.09 ID:2ygKoAnE
>>93
なにそれ禿げ燃える
97名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 08:26:52.41 ID:G8qrJg3f
>>85
GJ!すごく萌えた

>>84
そういうの好きだよ
98名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 22:56:26.31 ID:5N2S/tNR
芹澤「色気のない部屋だなあ(男の気配なし、と)」
↑パパチェックにしか思えない

青砥「終わった?」
榎本「はい」
芹澤「何が?」
榎本「(男の気配がないかどうかの)検証です」

青砥「終わった?」
榎本「はい」
芹澤「何が?」
榎本「(密室の)検証です」

2回繰り返されたやり取りの意味はそれぞれ違うと思うwww
99名指しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 23:50:51.26 ID:eQxkgyQL
>>98
それいいw
そのやりとり好きすぎでリピってるw
榎本の二回目の「検証です」がやや食い気味なのが笑えるw
100名無しさん@ピンキー:2012/05/12(土) 23:58:39.20 ID:L7fx6Qdc
>>98
自分は芹沢はもうパパにしか見えないw
不器用で進展しない榎本と青砥の関係を見るに見かねて後押しするも良し
(青砥が片想いに悩んでるのを見るに見かねて、というべきかw)
ついパパ目線になって青砥を榎本から守ろうと邪魔しようとするも良し
(でも榎本にサラリとかわされて邪魔は失敗に終わってほしいw)
榎本青砥カップルが好きだけど、芹沢も話に絡ませてほしい
101名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 00:18:55.84 ID:vuaho8pP
まあ何にせよ鍵ってのはエロすぎるアイテムだよな。
102名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 00:36:44.44 ID:hnZbVCz8
エロパロスレ的には、鍵を使ってあんなことこんなこと妄想する榎本の独り言でも飯3杯食えそうだな
振動する鍵とか、熱くなる鍵とかw
そして自己嫌悪に陥るといい
1031/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:18:23.72 ID:Ggikkix2
>>63です
クソ長いのが書き上がったんで投下させてください
三話ラストからの榎青です
榎本は童貞、青砥は非処女で過去を捏造してる部分があります



「なにか面白い話をしようかと思って……」
 普段の榎本からは考えられない言葉に、純子は耳を疑った。だが、プロ昇給戦の帰りに交わした会話
が、ふと頭をよぎる。
『女性っていうのは、どうして恋愛の話をしたがるんですかね?』
『それはもちろん面白いからですよ』
 つまり、榎本は落ちこんでいる純子を(おそらく)慰めようとして、不得手な話題を振ってきたらしい。
「あはっ……はっはっはっ……」
 そう気づいた瞬間、笑ってしまっていた。
 本当なら気遣いに感謝するところなのかもしれない。だが、まさかあの榎本が、よりによって榎本が、こ
の話題を選んだというのが笑えてしょうがない。
(手先は器用なのに人付き合いは不器用で、だけど悪い人じゃないんだなぁ)
 なんなのだろう、この人は。面白すぎる。
「はははっ……」
 一旦ツボに入ってしまうとなかなか治まらない。ノートパソコンで将棋を打っていた榎本が手を止めてこ
ちらを見た。むすっとした表情までが面白すぎる。
 一方、榎本にしてみれば、この状況ははなはだ遺憾だった。
 栗栖が犯人だと思うと言ったとき、純子は取り乱していた。同じ歳でありながら脚光を浴びる存在だった
栗栖に感情移入をしていたのに、容疑をかけられて冷静ではいられなかったのだろう。
 栗栖の不正や犯行が明るみに出ただけでなく、さらにひどい言葉をぶつけられて、純子はずいぶん落ち
こんでいた。信じていただけに落胆は激しいだろう。
 それでも純子は弁護を引き受けたいと言う。「純」粋な「子」という名の彼女は、まさしく名は体を表している。
 榎本はただ真実を明らかにしただけだが、結果として純子を傷つけてしまったことに変わりはない。だか
ら少しでも気持ちを明るくするような話題を……と思ったのに、笑われている。
 確かに気持ちは切り替えられたかもしれないが、まったく面白くない。
「……もう、いいです」
 むくれると、純子はしまったと思ったのだろう。
「ごめんなさい」
 謝ってはいるものの、まだ目が笑っている。
「えっと、なんでしたっけ。あっ、彼氏の話でしたね。今はいないんです。大学生のときはいたんですけど」
 ここは榎本の職場だが、急に居心地が悪くなってきた。面白い話として恋愛話を持ち出したが、本気で
聞きたいわけではないのだ。純子にも言ったように、そういう話は人前で軽々しく口にするものではない。
 しかし話を振ったのは榎本自身だ。一応、ポーズだけでも聞いているという形にしておくべきだろう。半
分くらいは聞き流すが。
「……で、私は司法試験の勉強でいっぱいいっぱいで、連絡を取らなかったんですよ。試験に受かって社
会人になってからも、あれこれ忙しくって。ようやく落ち着いて、久々に連絡を取ろうとしたら、いつの間に
かメアドも電話番号も変わって音信不通になっちゃってて。あれっと思ったんですけど、まぁいっかなーっ
て思って、それっきりです」
 恋愛経験のない榎本でも、わかる。一般的に、それが自然消滅と呼ばれるということぐらいは。
 よく言えば純粋で、悪く言えば鈍感な人だと思っていたが、まさかここまでだったとは思わなかった。
(どうして青砥さんは弁護士を志したんだろう)
 榎本が失礼なことを考えていることなど気づかず、純子は元彼とのことを思い出していた。
 榎本には後腐れがないような言い方をしたが、実際にはかなり引きずった。ほとんど縁切りのような形で
別れたことももちろん、その男が、純子の初体験の相手だったからだ。
 手をつないだりデートをしたり遊んだりキスをしたりするだけでは物足りなくなる感覚をはじめて知った。
体の奥から熱が溢れて収まらなくなるあの疼き。
1042/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:19:51.27 ID:Ggikkix2
 他の女性はわからないが、少なくとも純子にとっては特別なことだった。そういう感情は他の人も経験し
ていて、けれど少しずつ違うことを知ることができるから、恋愛の話は面白いのかもしれない。
「それで、榎本さんは?」
「え?」
「彼女、いますか? 私の話はもうしたんですから、次は榎本さんの番です」
「……僕は……」
 榎本は言いよどんだ。
 話せることなど何一つない。いわゆる、彼女いない歴イコール年齢というやつだからである。もちろん、
性経験もない。
 人前で軽々しく口にするものではないと言うが、要はその手のネタがないのだ。だいたいの相手は遠慮
して突っこんでこない。……純子のような人種を除いては。
「……」
 沈黙が流れる。それはあまりにも雄弁だった。純子が表情を変えるほどに。
「え……あの……もしかして……」
「……どうせ僕は鍵とか防犯の話ばかりで女性にはモテませんから」
 あわてたのは純子の方である。今さら思い出したが、以前同じ話題になったときの榎本の態度はおかし
かった。よくよく考えてみれば、あれはこういうことだったのだ。
(私ったらどうして気づかなかったんだろう……)
 だがもう遅い。ここはなんとかフォローを入れなければならない。
「ま、周りの女性の見る目がないんですよ! 榎本さんよく見たらカッコいいっていうか! あっ、そうだ、
眼鏡外してみてくださいよ! もしかしたらカッコいいかも!」
 純子は立ち上がり、榎本の眼鏡をつかんだ。
「やめてください」
「少しくらい、いいじゃないですか」
「青砥さん!」
 抵抗はされたが、無理やり奪い取る。
「ほら、眼鏡を外した方が――」
 途中まで言いかけて言葉を詰まらせたのは、二人の顔の距離があまりにも近かったからだ。眼鏡を取
ることに躍起になってまったく気づいていなかった。
 そして、もう一つ。
(あれ……本当にカッコいい……)
 予想外だった。眼鏡をかけているときは近寄りがたい雰囲気があったが、素顔は意外にも幼く、パーツ
も整っている。
 目をそらせなかった。急に鼓動がうるさくなったのは、あまりの近さに驚いたせいなのか、榎本の顔立ち
にときめいたせいなのか、純子にもわからなかった。
 わけがわからなくなっているのは榎本も同じだった。
 女性とこんなに至近距離で見つめ合うことなどはじめてで、どうしたらいいのかわからない。
 さらに、鍵と錠だらけのこの仕事部屋には今まで存在しなかった甘い香りがするのだ。源はもちろん、純
子だろう。香水なのかシャンプーなのかはよくわからなかったが。
 純子から離れようと思うのに、体はまったく思い通りにならなかった。まるで人形になってしまったようだ。
 だが、このまま見つめ合うのはあまりにも不自然だ。
 ぼんやりしていた純子も、ようやくそのことに気がついた。我に返ると、今の状況があり得なさすぎること
がわかってしまう。いきなりテンパった。
(わ、話題! この場をごまかせるような話題をなにか……!)
「き、キスくらいはしたことありますよね!?」
 しかし混乱しているのは榎本も同じだった。取り繕う言葉などとっさに浮かぶわけもなく、正直に答えてし
まう。
「ないです」
「じゃあ、私の方が年下ですけど、テクニックは上なんですね!」
 純子は純子で一生懸命だったのだが、こんなことを言われて喜ぶ男はそんなにいないだろう。当然、榎
本もイラついた。
「そんなこと、わからないじゃないですか」
「な、なら、試してみますか!?」
 こんな挑発的な言葉に一番動揺したのは純子本人だった。
(なに言ってるの私!? 意味わかんない! でも榎本さんならきっと断るはず……!)
「……どうぞ」
 しかし純子の期待は裏切られた。そして、ここまで来てしまったらもう後には引けない。
「……目を、つぶってください」
1053/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:21:19.92 ID:Ggikkix2
 榎本は実に素直にまぶたを閉じた。
(あ、なんか可愛いかも)
 現実逃避のようなことを考えて、それから、純子も目を閉じた。緊張しながら首を動かせば、唇にやわら
かなものがふれた。
 たっぷり数十秒ほど、唇を重ね合わせていたような気がする。ゼロだった唇と唇の距離がまたひらいた
とき、かすかに榎本のぬくもりが残っていた。
 目を開けると、榎本が純子を見つめていた。少しだけ目元が柔らかくなっているように感じるのは気のせ
いなのだろうか。
「つ、次、榎本さんの番です……」
 テクニックもへったくれもないただのキスだったのは自覚している。だから余計に恥ずかしくてしょうがな
い。自分だけがこんな気持ちになるなんて不公平だ。
(小学生みたいなことしてる……)
 そう思っても、行動には結びつかなかった。ずい、と榎本が顔を近づけてきて、思わずまぶたを閉じてし
まう。
 頬を榎本の手が包む。そっと顔を上げさせられた。そして、また唇がふれ合う。
 そのとき、いきなり、放置されていたノートパソコンがブゥン!と排気音を立てた。おそらくはスリープモー
ドに入ったのだろう。
 だが突然のことに、純子はたじろいだ。後ろめたいような気持ちがあったのだからなおさらだ。思わず唇
を開いた。
 すると、かすかな隙間からあたたかいものが入ってきた。驚いていると肩を引き寄せられて、さらにぴっ
たりと唇が重なる。
「んっ……」
 舌を絡め取られて、鼻にかかった声が漏れる。経験がないとは思えない舌使いに翻弄されて、恥じらう
余裕もなく思考がかき乱されてしまう。
 頭がぼうっと熱くなる。同時に、下半身がじくじくと疼いてきた。
 体は覚えている。経験上、こういうキスのあとにはなにが待っているのか。たとえ長らくご無沙汰だったと
しても忘れはしない。
 壊れかけた暖房器具のように、性急に体が熱を帯びていく。じわりと汗ばむ。
(どうしよう……私、こんな……)
 むずむずする感覚をごまかそうと膝を擦り合わせても、一度点いてしまった炎が消えるはずもなかった。
 榎本もまた、体の異変に困惑していた。つまり、勃ってしまったのだ。
 キスくらいで反応してしまうのは我ながら情けない。だが、童貞なのだからしょうがない。こういった経験
は本や映像で見たことしかないのだから。
「……ん」
 純子の押し殺しきれていないかすかな吐息が背筋をぞわぞわさせる。AV女優の安っぽくてうるさい喘ぎ
声よりもずっといやらしく聞こえる。
 ピッキングの道具で鍵の中を調べるように、舌で口内を散々探り、ようやく純子の唇を解放した。
 なにか言われるかと思ってびくびくしていたが、純子はなにも言わなかった。焦点の合っていない瞳で榎
本を見つめている。そんな目付きも色っぽく思えて、……理性が一瞬負けた。
「……すみません、青砥さん」
 ノートパソコンを閉じて湯呑みとともに脇に寄せ、そこに純子を押し倒す。抵抗されないように手首を押さ
えつけた。
「わ、ちょ、……んっ」
 純子は驚いていたが、のしかかってキスをすると、嫌がりはしなかった。さっきはされるがままだったが、
今度は純子からも舌を絡めてくる。
 それに勢いを得て、純子の足の間に身体を滑りこませた。さらに大胆に、いきり立った分身を股間に押
しつける。榎本の体の下で純子の体が緊張した。
(え、うそ、榎本さんが……)
 キスまでしておいて妙な話だが、榎本を男性として意識したことはなかった。だが、今服ごしに押し当てら
れているのは、紛れもなく榎本が「男」だという証だ。純子の手首を押さえつけている手も、見た目からは
想像できないほど力強い。
1064/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:22:32.16 ID:Ggikkix2
 正直に言うなら、こわい。だが、期待をしている自分がいるのも真実だ。
(榎本さんになら……)
 対人関係は不器用で、密室にしか興味のない鍵オタクだという難点はあるが、悪い人ではない。経験が
ないらしいのでどんな風に扱われるか不安はあるが、きっとそこまでひどいことはされないだろう。
(……いいかな)
 気持ちを決めた純子に対して、榎本の方は未だにテンパっていた。
 童貞の榎本に、純子の眼差しやしぐさの意味などわかるわけもない。突き進んでいいのかよくないのか
判断できず迷っていた。
 だが、このまま引き下がることなどできそうにない。下半身はもう暴発してしまいそうだ。呼吸がだんだん
荒くなっていく。
 思い切って純子のシャツのボタンに手をかけてみたが、拒絶はされなかった。ボタンをすべて外して前を
広げて肌着をあらわにしても変わらない。
(いい……のか……?)
 ようやく確信を得た。それなら、いっそのこと大胆にいってみようかという気がわき上がってくる。肌着と
ブラをたくし上げて胸を丸出しにさせてみた。
(これが生の……)
 生つばを飲みこむ。くどいようだが童貞の榎本が直接女性の胸を見たのは、おそらく授乳期以来だ。
 日焼けなど知らないかのような乳白色の肌。お椀を逆さまにしたような形に盛り上がる乳房。仰向けに
なっているのでつぶれてしまっているのが惜しいが、それはやわらかさの裏返しだ。
 なによりそそられたのは、色づいてつんと立ち上がった乳首だった。小さな果実のようで、摘まんでみた
くなる。
 おそるおそる手を伸ばし、手のひらに包んでみる。揉むと、かすかに汗ばんでしっとりした肌が吸いつい
てくる。指が食いこむほどやわらかいのにしっかりした弾力もある。今まで経験したことのない感触だった。
「っぁ……」
 純子が声を漏らす。力を入れすぎたかと思ってぎくりとしたが、どうやら違ったようだ。気持ちよかった、
らしい。
 一生懸命呼吸をしている純子の首がぴくぴくと動いている。引き寄せられるように首筋をなめていた。最
初は少し塩辛いような気がしたが、うすくてやわらかい肌にすぐに虜になった。
 強めに吸い上げると、たやすく赤い痕が残る。真っ白な肌には痛々しいくらいの鮮やかさだった。だが浮
かぶのは哀れみではなく、もっとぐちゃぐちゃにしてやりたいという凶暴な感情だ。
 今度は乳首を舌でねぶる。口の中で転がすと、純子が鼻にかかった高い声を漏らす。さっきから純子の
喘ぎ声はずいぶん控えめだ。
(逆にそれがいやらしいな……)
 純子が声を抑えていたのは、ほとんど欲に流された頭の片隅に、ここは榎本の仕事部屋だという意識
がまだ残っていたからだった。相手が榎本であることは構わないが、場所が問題すぎる。
(誰かに聞かれて、こんなところでこんなことしてるのを見られたら……)
 偉ぶるつもりはないが、一応純子も弁護士の端くれで、社会的地位もそこそこある。それなのにこんなと
ころを見られたら身の破滅だ。せっかく雇ってもらえた事務所も辞めることになるだろう。
(やめなくちゃ、今すぐ)
 なにもわざわざこんなところでする必要はないのだ。純子か(行ったことはないが)榎本の部屋か、もうい
っそ手っとり早くその類のホテルに行けばいい。
 頭ではわかっている。わかっているのに。
(……やめてほしくない)
 ここまで膨らんだ欲望を発散させないで済ませることなどできそうにない。ここで放り出されたら気が狂っ
てしまいそうだ。
 榎本の手が純子のスーツのパンツにかかる。ベルトもボタンもすぐ外されて、引き下げられる。思わず
腰を浮かせて、脱がせるのに協力してしまった。
 そして、気づく。
(あ、そういえば今日の下着って……)
1075/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:24:24.08 ID:Ggikkix2
(……ラクダ色か……)
 純子が聞いたらベージュだと反論されそうだし、純子らしいと言えば純子らしいのだが、男心をくすぐる
色ではないのは確かだった。実際、少しばかり萎えた。
 だが逆に、暴発寸前だった衝動がほどよく落ち着いてよかった気がする。入れた瞬間に発射、というの
はいくらなんでも避けたい。
 改めて下着を見ると、クロッチ部分が湿ってその部分だけ色を濃くしていた。濡れているせいで、中身も
うっすら透けている。
 ごくりとのどを鳴らし、下着に手をかける。純子は足を閉じようとしたが、無理やり開かせた。強引に下着
を下ろす。
(見られてる……)
 榎本の視線が自分の性器に集中しているのがわかる。恥ずかしすぎて泣きそうだ。そんなにまじまじと
見ないでほしい。しっかり見るほど綺麗なものではないと思う。
「み、見ないでください……」
 言ってみたが、榎本は食い入るように見ている。聞こえていたはずなのに。
「榎本さん……?」
「青砥さん」
「は、はい」
「……さわっていいですか」
 じっと視線を向けられて、うなずくしかない。いたたまれずに目を閉じた。
 ふれられただけで、くちゅ、と音が立つ。どれだけ濡らしていたのか、ひいてはどれだけ自分がいやらし
いのか思い知らされるようで、もう消えてしまいたい。
(すごいな……)
 榎本はなんとか息を整えた。やはり実物を目の前にするというのは違う。興奮と期待が入り交じって、体
が熱い。
 ふれるのはやはり緊張した。綺麗な体にうっかり傷をつけたくない。骨董の錠前を扱うようにそっと、しか
し榎本の知的好奇心を満たせるように指をはわせる。
 探るうちに、愛液が出てくる穴を見つけた。指先を爪のあたりまで軽く差しこむとすんなり飲みこまれる。
「ひぁっ」
 純子はまた足を閉じようとする。榎本の体は挟まれてしまったが、力が入らないのか、まったく抵抗にな
っていない。
「は……っ、んん」
 人差し指を穴に潜りこませる。内壁のやわらかい肉が榎本の指をきゅうきゅう締めつけて侵入を拒む。
指の腹でなでるように出し入れすると、少しずつゆるんでくる。
(女性と錠は同じなのかもしれない)
 愛撫もピッキングも要領は同じだ。無理やり力づくでこじ開けようとしてもうまくいかない。必要ならば時
間をかけて、じわじわとひらかせていく。
 指を二本に増やす。純子は口を押さえた。指のすきまから喘ぎ声が漏れる。
(なんで……榎本さん、彼女、いなかったって……)
 経験がないはずなのに、榎本の指は確実に純子の熱を煽る。
 純子は錠を金具でいじっていた榎本の手つきを思い出した。繊細で器用な動き。そして、男性にしては
綺麗だった手。
(あの指が、今、入ってるんだ……)
 そう考えた途端に、全身がぞくぞくした。優越感のような、背徳感のような、一言では表せない興奮。
(なんか、もう、だめ……)
 与えられる快感はもちろん、「与えられている」ということに感じてしまう。思考がぐずぐずに溶けて大事な
ことも考えられなくなってしまう。
(ほしい)
 それだけで頭が埋めつくされる。
「いれ、て……」
 純子のささやきは榎本の希望とも一致していた。そろそろいいのかまだだめなのか、タイミングをつかめ
ずにいたところだ。
 濡れた手をぬぐうこともせずに、あわただしく分身を取り出す。先端は先走りで濡れていた。
 入口にあてがうと、少し緊張した。だが、これでついに童貞ともおさらばだ。
「青砥さん」
「はい……」
「入れますよ」
「……はい」
 一応確認して、腰を前に押し出した。ひだをかき分ける感触が生々しく伝わってくる。
1086/9  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:26:45.70 ID:Ggikkix2
「っん、あぁあっ!」
 今までで一番高い声が上がる。ゆっくりと押し進めていくと、甘えるような調子に変わる。耳に絡みつく。
「ぁ……ん、あぁんっ」
「……っぐ」
 気を張りつめていなければすぐに出てしまいそうだ。熱さと締め付けと湿っぽさが相まって作られる心地
よさは、自慰とは比べ物にならない。
 根元まで挿入して、ひたいに浮かんでいた汗を袖でぬぐった。まずはここで一息だ。そして、改めて、純
子を見下ろしてみる。
「は……ん……」
 びっしょり汗をかいて、浅く呼吸をしている。前髪が濡れてひたいに張りついていた。後ろでまとめている
髪もほつれて散らばっている。
 服装は榎本にぐちゃぐちゃにされて、普通は隠されている部分が丸出しだ。女性として一番大事なところ
は、恋人でもない榎本に侵入を許している。
 前途洋々たる若手弁護士が、こんな場所で、こんな格好で、こんなことをしている。そう考えると滑稽で、
むらむらと嗜虐心がわき上がる。
(傷つけてみたい)
 純子はどんな顔をするだろう。泣くだろうか、それとも、怒るだろうか。もしかしたらどちらでもないのかも
しれない。
 ろくでもないことを思い巡らせていると、純子が榎本の手首をつかんだ。もっと正確に言うなら、すがりつ
いた。
「榎本、さん……」
 榎本が見たのは、とろけきった表情で彼を見つめる純子だった。そこには榎本に対する悪意や打算や
恐れなどまったく見当たらない。ただひたすら、榎本を信頼して体を委ねている。
「……」
 榎本に、ここでサディスティックなことを言える度胸などない。なんといっても、ほんの数分前にようやく脱
童貞を果たしたばかりなのだ。
 だが、壊してみたいような衝動はますます強くなった。体も、声も、すべて。
「あっ、あぁ、っあぁぁぁん! えのも、んぅっぁあ!」
 激しく律動を繰り返す。錠と同じように、力づくでこじ開けてはいけないと思ったことは、完全に意識の外
に放り出した。そんな余裕などない。
 結合の音がじゅぷじゅぷと淫らに鳴る。ベッド代わりの作業台が揺れる。深く挿入して、先端で奥をこす
ると、抑制を失った純子の嬌声が響く。腰を引くと、引き止めるように締めつけてくる。
 単純な動作を馬鹿の一つ覚えのように、ひたすら、がむしゃらに繰り返す。数秒間を何度も何度も繰り
返しているような気がしたが、吐精感はどんどん強まっていく。
「あお、と……さん……っ」
 切羽詰まりながら呼ぶと、喘ぎ声の中に、返事のようなものがある。
「もう……イきます……!」
 純子の首が上下に小さく動く。
「き、て」
1097/7(予定より短くなりました)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:27:35.44 ID:Ggikkix2
 高音を出しすぎてかすれた声が榎本をいざなう。誘われるまま、動きを早める。
 深奥を突き上げて、そこで限界が来た。
「っ……!」
 息を詰めて、欲望のすべてを純子のなかに注ぎこんだ。
「はぁ……はぁ……」
 射精が終わると一気に身体が重くなって、自力では支えられなくなる。榎本はぐったりとして純子の上に
おおいかぶさった。





「正直、美香さんの告白にはショックでした。同じ女性として、自分の中にもああいう狂気があるのかなって」
 純子の横顔をちらりとみて、榎本は言った。
「……ないでしょう」
「ん?」
 純子が榎本に視線を向ける。目を合わせられないまま続けた。
「……青砥さんには、ないですよ」
 ……行為の直後、脱力してしまった榎本に純子がしたことが記憶に焼きついている。
 中出ししたことを責められるのではないかと思っていたが、そうではなかった。榎本の汗で濡れたひたい
を手のひらでぬぐい、そっと頬にキスをしたのだ。
 他人への気遣いができる純子が、美香のようになるとは思えない。……はじめて体を繋げた相手だから、
という贔屓目も入っているかもしれないが。
 純子がくすりと笑う気配を感じた。一体なにが面白いというのだろう。
(女性はよくわからない)
 錠ならば思いのままにできるが、女性ばかりは榎本の手に余る。
 右手をひねると、カチャリと錠がひらいた。
110 ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:29:12.03 ID:Ggikkix2
以上です
思ったより短くなったので通し番号が最後おかしくなっています
お粗末さまでした
111名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 01:30:35.54 ID:wvXUSOXm
リアルタイムで投稿されるのを読んだ!心の底からGJ!!
童貞なのにテク持ちな榎本最高
112 ◆uznl/wSQcc :2012/05/13(日) 01:39:44.06 ID:Ggikkix2
投稿した後で誤字に気づきました…
昇給戦→昇級戦 です
他にもあるかとは思いますがスルーお願いします…

>>111
ありがとうございます!
113名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 01:56:07.47 ID:uN70x3Qo
これは良いエロス
女体=錠って実にエロいね!
114名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 01:58:27.54 ID:uTHxiVkp
神だー(´;ω;`)gj
115名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 02:08:36.05 ID:Z7KTHKvj
面白かった!!
ほんと職人さんたちGJ!!!
116名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 02:13:16.24 ID:kuLZAgSl
( ゚∀゚)o彡°純情榎本GJ!純情榎本GJ!

純子と話すときにいつも視線あわさないあの榎本らしい感じで最高だったー!
ドS榎本も純情榎本も好きすぎて辛い
117名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 02:15:27.51 ID:lWETGzqS
らくだ色パンツに吹いたww
確かに純子らしいなwwww
でもしっかりエロくて萌えた
GJ!!!!
118名指しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 04:13:17.84 ID:yNwuXc4B
ぎゃー
神!神!神!素晴らしすぎるよ
興奮して眠れないw
童貞でも榎本は取り乱さずうまくやり遂げそう
っていう自分のイメージを見事に表現してくれてありがとう

あと、鍵や錠の表現が見事です
自分にも文才があったらこういうの書きたいよ(´・ω・`)
榎本が童貞のくせにキスも何もかもがうまいもんだから
青砥が榎本の過去を勝手に想像、誤解して嫉妬しちゃう話とか
青砥が秘書の女の子に焚き付けられてセクシーランジェリー購入、
榎本には刺激が強すぎて榎本にしては珍しく暴走しちゃう話とか
アイディアはあるんだけど肝心の文才がないorz
119名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 04:39:07.23 ID:mQXHj4QC
GJ!NE(ナイスエロス)!
脳内SなDT榎本、ありだわww
120名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 12:15:41.90 ID:QngcK2WI
セクシーランジェリー青砥に暴走榎本イイ!というか理性をなくした暴走榎本が見てみたい!
121名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 12:27:59.27 ID:vPg/uFgs
キスだけで体の変化が起きちゃう榎本と純子イイヨー!
朝っぱらから萌えました!
122名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 13:30:32.86 ID:DjAt7KlV
ラクダ色から過激下着への落差にコーフンする榎本読みたい。
123名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 15:54:09.02 ID:CZuk1lva
ほんとにほんとにナイスエロ!
臨場感たっぷりでドキドキした!
124名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 18:58:32.63 ID:/56T4yao
>>118
アイディアだけでも自分は読んでて面白いし、もしかしたら職人さんが書いてくれるかもしれない
というわけで詳細をお願いします

純子に手錠つけて虐めまくるドS榎本をください
125名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 19:20:05.20 ID:Hrq6uZKv
榎本は鍵オタなんだから鍵絡みの拘束プレイも好きなんだと仮定する
相手(純子)を拘束して責めることで興奮するのか
自分を拘束して責められることで興奮するのか
そんなことを考えていたら休日が終わろうとしている…
126名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 21:03:44.57 ID:X4jCVm+X
M榎本萌えるw
もっと…、お願いします。とか言っちゃうんかー。
それでSに目覚める純子もいいなー。
127名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:21:56.81 ID:rRzzY7ZL
こんな神様だらけのスレがあるなんて…
書き手の皆さんGJです!
榎青には中学生みたいな初々しいのから爛れた大人の恋愛まで幅広い可能性を感じる。
128名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:46:05.38 ID:l5Ra2w/T
扉の向こうから賑やかな靴音が聞こえ、作業を止め時計を見る。
まもなく18時、目の前の錠前を弄りはじめてから既に1時間以上経っていた。
「榎本さんっ、遅くなってっ・・・すみませんっ」
ノックとほぼ同時にそう言いながら息を切らした青砥純子が部屋に入ってきた。
「青砥さん、まだ約束の時間の3分前でs」
いつものように純子を部屋へ招き入れるべく振り向いた瞬間、無意識のうちに立ち上がりその先の言葉を失った。
弾みで愛用のピッキングツールが作業台から床に落ちた音がしたが、そんなことはどうでも良かった。
扉の前に立つ純子が水をかぶったかのようにずぶ濡れだったからである。
「急に雨が降ってきちゃって・・・」と純子は恥ずかしそうにここに来るまでの経緯を話し始める。
最寄駅から歩いてこちらに向かう途中、急に雨が降ってきたこと。
少し雨宿りをしていたが、だんだん約束の時間が迫ってきて雨の中を走ってきたこと。
芹沢から託された資料が入った封筒は、スーツのジャケットに包んで持ってきたので無事であること。
自分が口を挟む隙がないほど早口で話し終えると、純子は自分の方へ一歩二歩と近づいてくる。
そして胸元に大事に抱えたジャケットの中から封筒を取り出しこちらに差し出す。
「はい、これ約束の資料です、よろしくお願いします、じゃ、今日はこれで」
と、これまた一方的に早口で話し終え、浅くおじぎをして扉へ向かうべく純子がくるりと方向を変えた、瞬間。
「待ってください、青砥さん」
純子の右手を掴み引き留める。きゃっと声をあげ驚いた純子が振り返りこちらを見る。
見つめ合うこと数秒、次の言葉が出てこない。
何故なら自分の行動に驚き戸惑っていたから。
純子に自分から触れたのはこれが初めてだろうか。
掴んだ純子の右手は驚くほどに冷え切っていたことだ。
129名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:47:18.90 ID:l5Ra2w/T
「・・・本当にすみません」
純子は作業台横のソファの上で毛布に全身すっぽりと包まり温かい紅茶を啜りながら謝罪を繰り返す。
最初こそ突然の出来事にフリーズしたが、その後は適切な処置が出来たはずだ。
部屋の一角に防災用備品が積んであるのを思い出し
その中から毛布とタオルを引っ張り出しタオルで濡れた髪や身体、水気を拭き取らせ
防災用毛布を身体に巻き付けるよう指示した。
その間に奥から冬場使用していた電気ストーブを引っ張り出し、純子のそばに置く。
その甲斐あってか、純子の顔色は最初にこの部屋に入ってきた時より良くなっている。
ひとまず安心したのと、落ち着きを取り戻したことでずっと言いたかったことが一気に溢れ出す。
さっきの純子へのお返しとばかりに口を挟む隙を与えず早口で一気に。
「別にこの資料は明日でも良かったんです、芹沢さんもそう言ってませんでしたか?」
「途中で傘を買うとか考えなかったんですか?あなたは自分の心配が出来ないのですか?」
「時間に遅れそうなら連絡を入れてくれれば良かったんです、そんなことも気づかなかったんですか?」
自分のせいで酷い目に遭わせてしまったという気持ちを素直に出せず、つい責めるような口調になる。
八つ当たりなのはわかっている、彼女は悪くない。でも言わずにはいられなかった。
そんな幼稚な自分に純子はしゅんとなって「ごめんなさい」「すみません」と繰り返すから余計に胸が痛む。
「資料が急ぎじゃないことはわかっていました。
 でも最近忙しくて榎本さんに会ってなかったな、と思って・・・
 今日は仕事が早く終わって時間もあるし、今日会いたいなって思ったんです、はい」
自分に会いに?彼氏でもなんでもないつまらない男に会いに?
わからない、純子が何を考えているのか。いったい何が・・・
130名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:48:27.74 ID:l5Ra2w/T
「くしゅん」
純子のくしゃみで潜考モードから我に返る。
純子に目をやるとこちらの視線に気付いたのか、えへへと照れくさそうに笑い毛布に顔をうずめている。
こうなったら仕方ない。
「青砥さん、僕と2人っきりの部屋で嫌かもしれませんがシャツを脱いでくれませんか?
 やはり濡れた服を着たままではどんなに部屋を暖めても身体は冷えたままです。
 状況が状況なだけにシャツを脱いでくださいと言うのはずっと遠慮していたのですがこうなったら仕方ありません。
 風邪をひかれては困りますから早く脱いでください」
途中からみるみる顔を赤らめる純子に気付かぬふりをしてあくまで冷静に伝える。
え、でも・・・そんな・・・と純子は躊躇っているが今は非常事態だ。
「脱がないのなら僕が無理矢理にでも脱がせますよ?自分で脱ぐのと僕に脱がされるの、どちらが良いですか?」
そう言って一歩、また一歩と純子に近づくと
「あわわわ、ぬ、脱ぎます、自分で脱げますぅぅ」
と純子は自分に後ろを向いているように指示した。
「絶対振り向かないでくださいね」
そう言いながら純子が毛布を取り去りシャツを脱ぐのを壁を見ながら待つ。
布が擦れる音に落ち着かない。ギリギリ冷静を保てるかどうか。
しかし冷静さを失った先を自分は知らない。だから怖いのだ。
やはり、あの時純子の右手を掴まずに帰しておけば良かったか。
そうすれば今頃純子は自宅の風呂で身体を温め、眠りにつけていただろう。でもそうしなかったのは―
「あ、終わりました」
小さな声が聞こえ、ゆっくり振り向くと先ほどまでと同じく毛布にすっぽり包まった純子がいて小さく安堵の溜息。
「じゃ、シャツをください、ひろげて乾かすので」
そう言ってシャツを探すと純子が身体に巻き付けた毛布の隙間から右手を差し出し脱いだシャツを恥ずかしそうに差し出してきた。
露わになった肘の内側の白さにドキリとする。
夏場になれば誰もが露出する部位なのに、こんなに動揺するのは今の純子の毛布の中の姿を想像してしまうからか。
純子に動揺が伝わらないよう表面上は極めて冷静にシャツを広げ椅子の背もたれにかけ、ストーブのそばに置く。
濡れているのは背中がほとんどなので、この向きで乾かせばすぐ乾くだろう。
131名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:50:56.46 ID:l5Ra2w/T
「榎本さん、彼女いますか?」
しばしの沈黙を破っての突然の問いかけに、数週間前に同じことを聞かれたことを思い出す。
「・・・どうして僕に彼女がいるかどうかを知りたいんですか?」
「ふふふ、知りたいと思ったらいけませんか?
 私なんかのためにこんなに親切にしてくれて、2人っきりで私が服を脱いでも平気なのって
 彼女さんがいて、女の子の扱いに慣れてるからなのかなー、
 それとも彼女さんとの生活が充実してるからなのかなーなんていろいろ考えてたんです」
どうです?図星ですか?と微笑みかけてくる純子の見当違いな指摘に思わず口角が上がる。
男として全く意識されてないのだな、と思うと、自分でも何故がわからないが胸がちくりと痛んだ。
「青砥さん、残念ながら僕に彼女はいません。もっと言うと、彼女など今までいたこともありません。
 ですので僕が女性の扱いに慣れている、というのは見当違いもいいところです。
 それに青砥さんが服を脱いでも平気でいる、というのも間違いです」
うそ、と純子がつぶやくのが口の動きで判る。
カツカツと早足で移動しソファの純子の隣に静かに腰を下ろす。
これまでずっと純子と自分のために距離を大きく取っていたが、もう限界だ。
純子が慌ててソファの上でじたばたしているが、毛布の中で膝を抱えている純子は咄嗟に動くことはできない。
両手は巻き付けた毛布が外れないようにしっかり押さえてて使えない。
それでも大慌てで急に立ち上がろうと毛布の中で前後左右に身体を揺らした結果、
純子はバランスを崩し、あろうことか隣に座った自分の胸へコロリと倒れてきた。
あ、いや、これ違うんです、榎本さん起こしてください、これは事故です事故、と取り乱す純子の肩に手を回しそっと抱きしめる。
するとさっきまでマシンガンのように喋り続けていた純子が途端におとなしくなった。
132名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 23:52:12.40 ID:l5Ra2w/T
「青砥さん、彼氏いるんですか?僕はさっき質問に答えました。次は青砥さんの番です」
腕の中の純子は毛布に顔をうずめ、うーとかあーとか言っているが
何か吹っ切れたのか、顔をこちらに向ける。顔が近い。
「いないです、大学時代にはいましたけど!勉強漬けでつまらない女だって言われてフラれてそれっきりです」
「そうですか、青砥さんほど見ていて飽きない女性はいないのに、つまらない女だなんて驚きですね。
 つまらない人間というのは僕のような人間を指すというのに」
「そんな!榎本さんはつまらない人間なんかじゃありません!
 一緒に居ると心地良いし、優しいし、いろんな知識を与えてくれるし、つまらなくなんかないです!」
至近距離での力説に驚き思わず体を引くと、自分に体重を預けていた純子がさらに自分の方に傾いてくる。
「ごめんなさい」
「すいません」
2人同時に謝る声に、純子がふふっと笑う。
「榎本さんみたいな素敵な人なら彼女がいて当然だろうなーって思ってました。
 私が服を脱いでも平気なのを見て、女として見られてないんだなぁと思って正直ショックでした。
 だからさっきの話、驚いたけど嬉しかったんです。
 女心って複雑なんですよ、覚えておいてくださいね」
「青砥さんのことを女性として見てなかったらあの時右手を掴んで引き留めたりしませんでした。
 僕があの時青砥さんを引き留めた理由、わかりますか?」
「え?・・・濡れてて寒そうだったからじゃないですか?」
「それもありますが、1番の理由は別のところにあります。
 帰る青砥さんの背中を見た時、ずぶ濡れで下着がくっきり透けていたんです。
 あの姿で外に出したくない、誰にも見せたくないと思ったら身体が勝手に動いてました。
 風邪の心配より先にそっちを心配するなんて最低ですね」
とずっと心に引っかかっていたことを白状し謝罪する。
133名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 00:00:46.08 ID:nkOI/92Q
あの時、純子が帰ろうと扉の方を向いた瞬間、
背中びっしょり濡れてピンクのブラのラインがくっきり浮き出ていたのが目に入り思わず手を掴んでしまっていた。
こんな姿を誰にも見せたくない、と。
書類を濡らすまいとジャケットに封筒を包み、胸元に抱え、
濡れないように前屈みで走った結果、背中がびしょ濡れになってしまったのだろう。
自分の話を聞いて腕の中の純子はうそでしょ、恥ずかしいーと真っ赤になって混乱している。
「青砥さん、安心してください。この場、状況を利用して何かしようなんて思ってませんから。
 ただ、大切だから、大事にしたいから我慢する、ということもあるということを覚えておいてくださいね」
そう言って最後に一度だけ、力を込めて抱き寄せた。


おわりです、エロシーンなくてごめん
自分には無理です\(^o^)/
あと、見直しが苦手なので誤植あったらゴメン
134名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 00:04:29.99 ID:PCr6fpqq
>>133
GJ!!!
エロは脳内で補完しといたww
135名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 00:09:36.77 ID:pCgNHOCX
最高すぎるやろ。
136名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 01:35:10.09 ID:oDjQ62kQ
毎晩神が降臨なされるとは…
もう眠れないじゃないか
137名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 01:45:38.52 ID:QyONi0Bj
ああ…幸せだ…
なんという俺得スレ…
138名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 06:57:03.50 ID:hs58M3Ss
>>128
GJ!
内容にももちろんすごく萌えたし、
前置きなしで書き始める職人のCOOLさに感動した

なんというか温度や湿度を感じる小説だね すごい!
139名指しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 12:42:56.89 ID:moA9bQYU
神キテター
放送日ってだけでも幸せなのに神様ありがとう
今夜の放送も少しでいいから萌えがあるといいな
あー、夜が待ちきれない
140名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 20:58:44.24 ID:nkOI/92Q
みんな自分なんかにレスありがとう
集中力がないもんで、バーッと勢いで書いて確認しないで投稿してるので
今ちらっと見直しただけでも数ヵ所ミスに気付いた/(^o^)\

さて、ドラマに向けて正座するか
141名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 21:48:30.96 ID:Fpszoi+7
青砥:「芹沢さん。もしかしてヤキモチやいてるんですか?」
芹沢:「…ば…ばか…そんなことは…」

榎本:「…僕はやいてるますよ。芹沢さんに…」

青砥:「…えっ?(榎本さん…フケ選?しかもゲイ?え〜私は榎本さんを…)」
芹沢:「えっ…」
榎本:「いや…あの…青砥さんと、いつも一緒にいる…あの…芹沢さんに…アセアセ///」
青砥:「…え…榎本さ…/// 」


芹沢:「いやぁ アッハハッハ おまえら、密室でやっちゃうか?俺、邪魔者だなぁ」

青砥:「…芹沢さんのばか…」
榎本:「…(ど…童貞の僕でも…あっ青砥さん)あっ僕…ちょっとトイレ行ってきます…」


非エロで下手くそでごめん
142名指しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 22:32:09.24 ID:moA9bQYU
わ、早速最新のネタがw
GJです

今夜も楽しかったなぁ
親友に榎本を彼氏と勘違いされて否定しながら
でもそれをきっかけに榎本との関係を意識?する青砥が良かった
もっとキョドって男として意識してる様を見せてほしかった、という気持ちもあるけど
あれくらいがちょうどいいっていうか今のふたりの関係を考えればリアル
あのやりとりが榎本にも聞こえてて密かに動揺&意識すれば良かったのにw
冒頭は榎本は仕事で青砥は休日なんだよね?
青砥の休日の私服や髪型がナチュラルで可愛かった
榎本は休日仕様の青砥にドキドキしてれば良いよw
休みの日に会ったりふたりで社用車乗ったり、ふたりの距離が縮まってて萌えた
来週が待ち遠しい
1431/2:2012/05/14(月) 23:02:42.07 ID:7xhyxvo2
──押し倒そうと思ったら、押し倒されていた。
榎本にとっては、まさにそういう状況だろう。この男にしては珍しく、きょとんとした顔をしている。
素顔は意外と童顔なので、その表情がひどく無防備に見える。
なにか物言いたげに開かれた唇に純子は自分の唇を押し当てて、言葉をふさいだ。

恋人になり、身体を繋げるようになってから、純子は次第に榎本の過去が気になってきた。
巧みすぎる……と思うのだ。いわゆるその、行為が。
冗談交じりで過去の恋愛遍歴に探りを入れてみても、なんだかんだとはぐらかされるばかりで、決定的な証言は得られない。
かといって、単刀直入に聞ける話題でもないし、あからさまに過去に嫉妬する女は重いというのは雑誌やネットでもよく目にするのでそんな危険は冒したくない。
でも、気になる。でも、聞けない。
そんなもやもやで衝動買いしたのが恋愛ネタ満載の雑誌で、目に飛び込んできたのが『オンナノコ主導権のエッチ』という記事。
(そうよね!過去を穿鑿したってなにも変わらないんだし、これからを変えればいいのよ!今まで私ばっかり翻弄されてきたけど、わ、私だってちょっとは経験あるんだから!)
かなり大幅に思考が脱線しているのだが、かくして純子は「前向きに」気持ちを切り換え──冒頭のシーンになるわけだった。


舌が榎本のそれに絡め取られて、うっとりしかけたところで純子は慌てて唇を離した。
「だ、ダメです!今日は、その、私がします!」
「分かりました。どうぞ」
「え?あ、はい……失礼します……」
純子は顔が火照るのを感じた。きっと首筋まで染まっているんじゃないだろうか。
だが促されて、純子は榎本のシャツに手をかけた。
ボタンにかけた指が震えているのが分かって、ますます恥ずかしくなる。
おまけに緊張で強張った指先は思うように動いてくれず、ボタン1つ外すのに数分かかった。
「で」
出来たー、と呟きそうになって、純子は慌てて口を閉じた。いわばスタートラインで歓声をあげるわけにはいかない。
しかし、ようやく外気にさらされた榎本の胸に、純子は安堵の意味で突っ伏した。
(……あ。鼓動が速い)
裸の胸に頬をつけたまま、ちらりと榎本の表情を窺うと、わずかに頬が上気しているように見える。
「ふふっ」
「……なんです?」
「なんでもないですー」
1442/2:2012/05/14(月) 23:03:32.21 ID:7xhyxvo2
なんとなく「出来そう」な気がして、純子は榎本の胸に軽くキスをした。
いつも榎本の指が自分の身体を辿る、その軌跡を思い出しながら、純子は榎本の身体に指を這わせていく。
鎖骨の下あたりを強く吸ってみたが、これは思ったほど赤くならない。純子とは肌質が違うのだろうか。
「……っ」
唇が臍のあたりに下りてきたところで、手は榎本の分身に触れた。布ごしにもわかるほど、すでに猛々しい主張をしている。
純子の「攻め」でそうなったのだと考えると、いつも散々いいように純子を泣かす分身すら可愛らしく思えて、純子はそれにくすぐるような強弱をつけてこすってみた。
「あ……っ」
榎本のあげた、はっきりと艶めいた声に、純子はどきりとして顔を上げる。
榎本の熱っぽい眼差しを受けて、同時に、自分の身体の変化にも気づく──いつの間にか、すっかり出来上がっている。
「すみません、無理です」
「え、」
榎本が上体を起こすや否や抱きすくめられ、そのままシーツに押し付けられた。
あっというまに形勢逆転。
純子よりはるかに器用に動く指が、すでに出来上がっていた身体にくすぶる官能の火をさらに大きく燃え立たせて──



(結局いつも通りだった……)

行為の後の、心地よい気だるさの中、純子はこっそり落ち込んだ。
とはいっても、榎本がその気配を悟らないわけもなく。
「どうしたんですか」
「……私だって榎本さんのこと、気持ちよくしてあげたいなーって思ってるんですよ」
「気持ちよかったですよ」
「……よかった?」
「はい」
「なら……いいんですけど……っ」
今さらものすごく恥ずかしくなって、純子は枕に顔を埋めるのだった。


おわり
145名指しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 23:17:53.43 ID:moA9bQYU
きゃああああああ、神とリアル遭遇!!!
すばらしすぎる、幸せすぎる
ありがとうございますごちそうさまです
榎本の過去を想像して嫉妬しちゃう青砥かわいいよー
榎本は青砥とヤルまで童貞だったんだよきっとそうだよ
巧いのは指先が器用なのと青砥がどうすれば感じるのかを常に観察してるからだよきっと!
榎本目線も是非読んでみたい!
146名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 23:27:22.72 ID:nkOI/92Q
>>143
GJ!GJ!GJ!最高!
自分でも止められない勢いで榎本青砥にハマっていく・・・
147名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 23:28:16.02 ID:3BBOE8C2
>>141
>>143

まとめてGJ!!
放送後に投下されるとテンション上がるなw
148名無しさん@ピンキー:2012/05/14(月) 23:40:39.35 ID:jjaHxkEa

青砥の推理で、穴から長い棒をガンガン抜き挿しする描写が…じ、実にけしからん!
149名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 00:33:50.67 ID:l7RR6Zkn
今回のラストシーンからの続き…
長かったらごめんなさい。


芹「よーしチーム榎本 飲みに行くぞ〜

榎「…(チーム榎本…チームなのか…青砥さんは…僕にとって…いや、とりあえず今は芹沢さんについて行こう。青砥さんと一緒に食事とか出来るし…ってなんで、あんな後ろに… 僕と飲みたくないのとか…イヤイヤとりあえず芹沢さんについて行こう)」
青砥「チーム榎本…
チーム…そっかぁ
チームメイトかぁ〜
ニコニコ」←放送ここまで
150名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 00:48:51.87 ID:l7RR6Zkn
芹「おーいまだかぁ ここだ ここ。」

芹沢が二人を案内したのは普通の赤提灯居酒屋。ムードもなにもあったもんじゃない。芹沢は榎本という、警察に対抗できるキーマンを手に入れて浮かれていた。

芹「よっおやっさん。今日は俺の仲間を連れてきたぜ。俺がおごるからジャンジャン持ってきてくれ」
おっちゃん「よっ 名探偵な弁護士先生。
記事みたよ。仲間かい、ならサービスしちゃうか」
榎「あっ…僕…あまりお酒飲めないんで…ウーロン茶で」
青「えっ。榎本さんお酒弱いんですか
なんか可愛い」
榎「(ブスッとした表情で)可愛いと言われて喜ぶ男性はいません。もちろん僕も…(特に青砥さんには…僕が童貞なのがばれてるのか…)」
青「す…すみません…そういう意味でなかったんですが…(ああせっかく榎本さんと居酒屋とはいえ一緒に食事なのに気分悪くさせちゃって私って……)」
芹「おいおい…二人ともなんだよ。俺達はチームだろ チーム仲良くやろうぜぇ榎本クンもそんなこといわず飲んで飲んで」
(ビールを榎本につぐ芹沢ひとりではしゃいでいる。)
青「榎本さんお酒弱いっていってるじゃないですかぁ」
榎「いや 青砥さん こういう席はあまり呼ばれないのでうれしいです。芹沢さんいただきます」
151名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 01:14:55.00 ID:l7RR6Zkn
芹「いやぁ本当に榎本っちゃんにはいつもいつも有り難いなぁ…バタリ」
青「芹沢さん!芹沢さん!ああもうこんなに飲んでたぁ」
芹沢の前にはジョッキが6個そしてかなりの日本酒が飲みほされていた。
榎「…僕が芹沢さんをおぶって家まで連れて帰ります。そして、そのあと青砥さんを送らせて下さい。」
青「…はい。…ってえ〜 イヤイヤ 芹沢さん大きいし…榎本さん大変だし、まして私は…そんなに飲んでないから…アセアセ…大丈夫ですよ(どうしよう…まさかこんな展開…榎本さんがうちにくる…かたづけてたっけ…下着は…ヨカッタ…今日は可愛いのだ…って私は何を…ばか…)」

152名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 01:33:50.41 ID:l7RR6Zkn
榎「(むっ)僕だって一応成人男性です。鍵のことばかりだけでないですよ。芹沢さん位おぶって送れます。」
青「…す…すみません…ごめんなさい。余計なこといって…(私ったら榎本さんとせっかくの食事だったのに気分悪くして 落ち込む)」
榎「(そんな落ち込む青砥を見て榎本精一杯の笑顔をみせる)…大丈夫ですよ。怒ってませんから。心配してくださってアリガトウゴザイマス。青砥さんが迷惑でなかったら青砥さんも送らせて下さい。ニコ」
青「(きゃー何!何!榎本さんの笑顔可愛い…じゃなかった格好いい)すみません…なら榎本さんが迷惑でなかったらお願いします…」
榎「…僕が青砥さんを心配だから送らせてもらうんですよ。
青砥さんさっきから謝ってばかりですね。」
青「あっすみません あっまた謝っちゃった…」
榎「ニコ…いや…青砥さんらしくて僕は好き…いや…」
青「えっ…///」
榎「…いや…///なんでも…芹沢さんを早く家に届けて青砥さんも帰りましょう」
青「…はい。ヨカッタらあがってお茶でも飲んでって下さいね…ニコニコ」
榎「…えっ…」
おぶってる芹沢を焦って落としそうになる榎本…そんなあせり妄想する榎本を知らすに、にこにこして前を歩く青砥…
青「…気をつけて下さいねぇニコニコいきましょ」
榎「…///…は…はい」




すみません…長かった割には中身がなさすぎでした。反省…
このあとの展開などは神な書き手さんに おまかせするとして
またこのスレで萌えます。

お目汚し。長文駄文失礼いたしました。
ごめんなさい
153名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 01:37:13.13 ID:eXdQnoO9
>>149からGJ!
内心の葛藤とかわかりやすー!
夜更かししててよかたww
154名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 01:50:25.16 ID:l7RR6Zkn
>>153よろこんでいただいて本当にありがとうございます
調子ぶっこいて ダラダラ長くかいてしまいました。
やはり 榎本と青砥のエロはかけず
純情話になってしまいます。すみません スレにそわずにorz

自分自身 このスレをみて 榎本と青砥の なかなか先に進まない恋愛にドラマとともにハマってしまったひとりです。
神の書き手さんで萌えさせて
いただきます
155名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 02:26:33.97 ID:GqeXEoV/
自分もラストシーンの続き


芹沢行きつけの店にて。
「じゃんっじゃん飲めよぉ〜、今日は俺のオゴリだからなっ!なぁ!」
スーパーハイテンションの芹沢は少し、いや、かなり鬱陶しいキャラに変貌していた。
鴻野に勝った、という思いが芹沢を大はしゃぎさせるのだろう。
口では2人に酒を勧めながら、結局はひとりで浴びるように勝利の美酒に酔いしれている。
榎本も青砥も、芹沢のテンションにはついていけず、適当に相槌を打ちながら
芹沢の電池が切れるのをただひたすらに待っている状態だ。
しかし、そんな2人の願いも虚しく・・・
少し目を離した隙に、芹沢はとなりの客と意気投合しテンションMAXで飲み交わしはじめていた。

「結婚って、愛情がなくても、勢いでしようと思えるものなのでしょうか」
独り言のように、ぽつりと青砥がつぶやく。
杉崎の元婚約者、飯倉加奈のことがずっと心に残っていたのだ。
「どうでしょう、僕には女性の気持ちはわかりません」
手元のグラスを見つめたまま榎本が答える。
「榎本さんは、今まで結婚を考えたことはありますか?」
「け、結婚ですか、あ、ありませんね」
「へー、榎本さんって結婚を考えずに女性とお付き合いしちゃうタイプだったりします?」
榎本の微妙な動揺を感じ取ったのか、それとも女性が好むトークテーマだからか、はたまたアルコールのせいか、
さっきまでの少し元気のない声色から一転して、少しからかうような表情で青砥が榎本の顔を横から覗き込む。
「ぼ、僕のことなどどうでもいいでしょう、あ青砥さんの方こそどうなんですか」
そう言って榎本は急に渇きを覚えた喉を潤すべく手元のグラスの中身を一気に体内に流し込み、青砥の視線から逃れる。
「私はお付き合いをする以上は結婚も当然考えます、真剣な恋愛しかしたくないですし」
来月に迫った親友の結婚式を思い浮かべながら、青砥は自分の結婚観を語り出す。
榎本を相手に結婚について語るなんて不思議だ、そう思いながらもアルコールのせいか口が滑らかに動く。
「絶対笑わないでくださいね。私、仕事も続けたいけど幸せな家庭にも憧れがあって、結婚は早くしたいなって思ってるんです。
 子供は2人は欲しいですね、あ、あと旦那さんには毎日手作りお弁当を作ってあげたいです。
 自分の両親みたいな、年をとってもお互いを思いやれる、愛情あふれる家庭を自分で築くのが夢なんです。
 だから、愛情のない結婚なんて未来が想像できなくて私には有り得ません。
 って、やだっ!私何ひとりで熱く語ってるんだろ恥ずかしい!榎本さんごめんなさいっ」
いい歳して子供っぽいですよね私、と青砥は己の真っ赤な顔を冷ますように両手で顔をパタパタ扇ぐ。
「素敵だと思います。その夢はいつか必ず叶うでしょう、青砥さんなら幸せな結婚が出来ますよ。
 仕事と家庭を両立して、子供にも夫にも惜しみなく愛情を注ぐ素晴らしい母親、妻になれますよ、青砥さんなら」
榎本からの予想外の言葉に青砥は驚きの表情で青砥を見る。
「あ、榎本さん、酔ってますね、口元が少しニヤついてます、やっぱり私の結婚観馬鹿にしてるんでしょう!!ひどいっ」
「いいえ、僕は酔ってはいませんよ。
 毎日手作り弁当を作ってもらえる青砥さんの結婚相手が羨ましいなと思っていただけです。
 もし僕が青砥さんの結婚相手なら、僕は青砥さんを一生愛おしいと思い大切にするでしょう」
「え・・・」
さて、芹沢さんをそろそろ家に帰しましょうか、榎本はとなりの客とドンチャン騒ぎ真っ最中の芹沢の元へ歩み寄る。
ひとり取り残された青砥は頬が熱くなるのを両手で隠しながら頭の中で先ほどの榎本の発言と格闘していた。
榎本さんは深い意味なんかなく私の幼稚な結婚観の相手をしてくれただけよ、そうよ純子、
勘違いしてはダメ、真っ赤になってる場合じゃないでしょ、何照れてるのよ、あれは社交辞令みたいなもの、そうきっとそう!
なかなか収まりそうにない顔の赤みはきっとアルコールのせい!
そう何度も強く自分に言い聞かせても、なかなかその場から立ち上がれない。
さらにタイミングが悪いことに、数日前に親友から言われた言葉を思い出してしまった青砥は、
もうしばらくそこから立ち上がることが出来ないのであった。

「あの人が彼なのかと思った」
156名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 02:31:44.80 ID:GqeXEoV/
2回に分けて書き込む予定が一気に書きこんでしまってごめん
長ったらしいのにエロに持ち込めない自分の馬鹿馬鹿
今日の放送で青砥→榎本のフラグが折れかけた?のが残念で
榎本を意識するような話を書きたくて急いで書いてしまった
でも公式のあらすじ読んだら来週は2人で舞台見に行くみたいで
なんだよそれデートじゃないのかよとニヤニヤしちゃった自分乙

>>154
GJです
心の声が好き!
157名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 13:28:58.50 ID:WZoYC0Xu
エロありも純情も書いてみたけど、こいつら月9のくせに純情のほうがしっくりくるわww
158名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 16:11:07.36 ID:RjBXLvAt
>>157
エロありも下さい。ここはエロパロですよ!
159名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 16:17:50.22 ID:+HwZAntr
>>158
エロなしでもいいのでください
榎青なら自分はばっちこい!!!

…って、書いてて思ったんだけど、スレのみんなはエロありだけを求めてるの?
エロなしでも萌えたらおkなの?
160名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 16:18:43.65 ID:+HwZAntr
159だけど安価間違えた
158じゃなくて157です…
161名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 16:33:24.83 ID:VoNl2wF9
板名を読めば
162名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 17:59:18.00 ID:RWx9S6O7
そろそろまたラクダ色さんみたいなガッツリなのも読みたい。
163名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 18:00:45.06 ID:ypN9rqKO
来週は芹沢抜きで二人で事件捜査か
しかも観劇デートとか
青砥がメチャクチャハイテンションでワロタw
職人のSSが今から楽しみだ
164名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 18:38:55.80 ID:Yjj0fhMI
観劇デート…いい響きだ
5話は榎本と青砥があまり会話しなくて物足りなかったから、
6話ではもっと会話してるといいな〜
165名無しさん@ピンキー:2012/05/15(火) 22:48:31.82 ID:GrKibjl+
予告、青砥の二人で一緒に密室を解決しましょう!って言葉に
榎本の床叩く手が止まって硬直したように見えるなw
実際は床叩くの一拍休むのと画面切り替えのタイミングの問題なんだと思うが
都合のいいように妄想しよう
166名指しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 19:49:49.56 ID:AlCqiksJ
なにこの神スレ・・・
榎本青砥熱が加速する


予告でふたりならんで舞台見てるのに萌える
意識してないのにどんどん距離は近づいてるのな
5話冒頭も榎本社用車から青砥が降りてきたけど、
芹沢さんそこ突っ込もうよ、と思いながら見てたw
167名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 20:07:22.40 ID:qY7wxEtU
ダメだw
榎本と青砥のエロ妄想してみても、
只野仁みたいなフンフンセクースしか思い浮かばねえw
2人の情報が…情報が足りんw
神の降臨を待つ
168名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 20:24:03.51 ID:P+kQe2PE
テレビ誌には秘書ちゃんからチケットもらった青砥が榎本を誘うって書かれてた
榎本意外と付き合いいいねw
169名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 20:29:12.67 ID:NigDLua+
ドラマの2人がまだお互いまったく意識してない風だからか、
自分もどうしてもプラトニックなネタしか浮かばないw
榎本がDTっぽいのもネックだな、ガツガツした展開にならなくてw

来週が早くも楽しみだ
舞台は青砥が榎本を誘ったんだよね
密室絡みだから、っていう単純な理由なんだろうけど
DT榎本は女子に誘われたことなんてなさそうだからドキドキしてそうだw
170名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 20:56:10.52 ID:8fLl2wEs
やっと5話みたけど、ラストシーンたしかに夢が膨らむわwwwww
しかし芹澤、1話の犯人に対峙したときの格好よさが微塵も残ってないな……
171名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 22:25:52.00 ID:OCFZNhp1
>>167
只野仁ワロタ
172名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 22:35:48.34 ID:/mkoFGNa
>>171
原作の漫画だとそんなコトしてないよ
173名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:04:01.96 ID:8fLl2wEs
5話ラストシーンに触発されて書いてしまったwwww
何度頑張ってもエロくならないのはどうしてなんだぜ……。

面白おかしく語られる事件を大喜びで聞いて、鋭い観察眼で密室のトリックを見破ったという芹澤を素直に賞賛してくれる店主と客たち。
警察の鼻を明かした勝利の美酒に酔うには、なるほどうってつけの「いい店」だった。
気持ちよく酔っ払った芹澤は、人懐っこい集団の1つに招かれて、もったいぶって事件の顛末を語っている。
さすがに密室トリックを破った本人を前に、それを自分の功績のようには語りづらいのだろう。
最初こそ、あちこちで『チーム榎本』として紹介された榎本と純子は、いまや完全に蚊帳の外だ。

「……あんなこと言ってますよ、芹澤さん。けっこう、おとなげないんですよね」
周囲の音が大きいせいか、純子は心持ち榎本に身を寄せて言った。
芹澤のほうを振り向きながらなので、榎本からは薄暗い店内でもほの白く光る純子の首筋がよく見える。
そこに触れたい衝動を抑えて、榎本はグラスを煽った。
『チーム榎本』などと勝手に命名されて、強引に店に誘われても、今までの榎本ならにべもなく断っただろう。
今夜に限ってそうしなかったのは、純子の存在が大きい。
多忙な若手弁護士である純子とは、今までの会話のほとんどが、不可解な密室殺人についてのものだった。
事件の渦中にあってのことだから、それもやむを得ないだろう。
だが、事件が解決した今夜なら、もっと色んな話題を楽しめるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いていたのだが──
(青砥さん、さっきから芹澤さんの話しかしてない……)
密室殺人関連でない共通の知人といったら芹澤くらいのものなので、仕方がないといえば仕方がないのだが、榎本としては面白くない。
(まあ、2人は上司部下の関係だし、青砥さんは芹澤さんのこと尊敬してるっぽいし、でも)
……ゴキブリが出たくらいで、部屋に呼びつけたりするだろうか。
それに今日の昼も、年甲斐もなく全力疾走してへたばった芹澤を支えて密着していたのを、一瞬とはいえしっかり目撃している。
そういえば、さっきもどさくさに紛れて純子と榎本の肩を抱いていたし。
あれこれ思い出すと、何故か鳩尾のあたりがチリチリしたので榎本はもうほとんど中身の残ってないグラスをさらに傾けた。
ここ数日、おっさんとのスキンシップという非常に楽しくない目に遭ってきたことまで思い出すと、なんだか哀しくなってくる。
174名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:04:02.85 ID:NigDLua+
>>170
たしかに1話2話を今見るとキャラが変わり過ぎてるかもw
キャラに変化がないのは榎本くらい?
その榎本も密室にしか興味ないって設定が緩和されつつあるけど

5話から浮かぶネタ
チーム榎本の飲み会で酒の勢いを借りて進展
親友の「あの人が彼なのかとry」発言をきっかけに榎本を意識する青砥
親友の結婚式に行くドレスアップした青砥を見かけて心を打ち抜かれるDT榎本
親友の結婚式に行く青砥に悪い虫が寄り付かないか心配して帰り迎えに行く榎本
その際たまたま男に口説かれてる青砥を見てしまい静かに激しく嫉妬して
青砥のドレスの露出の多さを責めながらのドS丸出しお仕置きセックス

来週もネタ満載だといいなー月曜日が待ち遠しい
175名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:05:00.18 ID:8fLl2wEs
「あ、榎本さん、なにか飲み物……」
「青砥さん、芹澤さんと仲いいですね」
「……え?」
きょとんとした顔で振り仰がれて、榎本は自分の発言にぎょっとした。
口に出すつもりはなかったのに、やっぱり少し酔っているのだろうか。
「いえ、僕はあまり社内の人間と親しくないので」
言い訳にもならない言葉を口走ってしまうが、それを聞くより先に、純子は大きく頷いた。
「まあ、芹澤さんは上司ですしね。でも、今は『チーム榎本』の一員ですよ。なんだか嬉しいです」
「嬉しい?」
「芹澤さんは上司ですけど、榎本さんは違うじゃないですか。それがなんだか、つまらなかったというか、寂しか……ったという……か……?」
話しているうちに、よく分からなくなってきたのか、急に口ごもると純子は俯いた。
話を促そうと純子の顔を覗きこむと、酔いがまわってきたのか、目元までうっすら染まっている。
「青砥さん?」
びくりと顔を上げた純子との距離が予想外に近くて、榎本は慌てて背を伸ばした。
驚いたのは純子も同じだったらしい。バランスを崩して、椅子から落ちそうになる。
純子より少し早く体勢を立て直していた榎本は、かろうじて純子を支えるのに間に合った。
「大丈夫ですか」
「だ、大丈夫です……」
はからずも、芹澤が警察署の前でしたように──あれに比べれば控えめだが──純子の肩を抱く形になった。
一瞬、このままでいようか、という思いが胸中によぎったが、その誘惑を無視して榎本は腕を元に戻す。
緊張していた純子の肩がふっと緩むのが分かって、微妙に面白くないような気持ちになる。
「あ!私は『チーム榎本』ってすごくいいと思ったんですけど、榎本さん迷惑ですか?」
急にすがりつくような眼差しで問われて、榎本は反射的に首を振った。
「いえ。僕は構いません」
「よかったあ」
ふにゃりと無防備に微笑む純子から、榎本は目が離せなかった。
「……そろそろ出ましょうか」
自分の意志で、言葉を紡ぐ。
「送りますよ」
176名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:06:52.99 ID:8fLl2wEs
ここでエロシーン書ければいいのに書けない技量不足が恨めしい……。


翌日。
「おはようございます、芹澤さん」
「おう、おはよう」
仕事のことを考えて、酒量を控えめにしていた純子や榎本と違い、豪快に飲んでいたはずの芹澤だが、酒の気配がまったく残っていないのはすごい。
密かに感心している純子に、芹澤はにやりと笑った。
「青砥、歩き方おかしくないか?」
「えっ!?」
ぎくりと立ちすくむ純子に、芹澤は自分の足を軽く叩いた。
「昨日あれだけ走ったんだ。筋肉痛だろ?」
「あ、ええ……」
びっくりした。バレてるのかと思った……。
冷静に考えればそんなはずはないのだが、純子は跳ね上がった動悸を鎮めようと深呼吸した。
だが、昨夜の榎本とのことを思い出してしまい、動悸が鎮まるどころではなくなってしまう。
「ま、俺もな?準備運動なしで走ったせいか、最後ちょっと攣ったけど、筋肉痛にはならなかったからなあ。青砥も少しは鍛えるといいぞ」
得々と語る芹澤の言葉を右から左へ聞き流して、純子は昨夜のことを脳裏から振り払おうと必死に努力するのだった。

翌々日。
「……芹澤さん、歩き方おかしくないですか……?」
「いや、そんなことはない!筋肉痛じゃないぞ!!」

177名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:11:12.10 ID:NigDLua+
>>176
GJ!!榎本と青砥の関係本当好きだわー
エロにたどり着かなくても満たされる不思議
芹沢の筋肉痛が遅れてやってきたのにはワロタw

間に入ってしまって申し訳ない
178名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 23:27:20.48 ID:PsbNyEFy
GJ!!
芹沢の筋肉痛吹いたwwww
179名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 01:36:11.85 ID:tNry6gnL
来週楽しみだな。
デートに誘われた榎本がどんな反応を示すのか。
無難なのは、始めは「興味ないです」って断ったものの、題名にひかれて了承するってとこかなー。
180名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 07:23:42.15 ID:amo7l/GW
GJ!二人で店をでたあと、純子の歩き方がおかしくなるほど、純子の歩き方がおかしくなるようなことをしたんだな榎本ww
純情にみせかけてちゃんとエロス、マジGJ!
そして芹澤の筋肉痛ワロスww
181名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 15:16:00.78 ID:lsL1K5DV
DT榎本は事に及んだ際にはいちいち聞いて確認しそうな気がする。
「これはどうですか? ではここは? こうした方がいいですか?」とか。
あるいは何も言わずにあれこれ試してじーっと反応を観察する派かな。
どっちにしても青砥はいたたまれんだろうなw
182名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 16:11:46.54 ID:eVO5ULax
30歳で童貞ってのは如何なものかな
183名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 17:39:31.15 ID:qAKP2eQc
ルーペで覗く榎本。
184名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 21:33:59.93 ID:RYbdTpYh
ドラマだとせいぜいキス止まりかな〜
しかも二人のキスの寸止めのところで芹沢の邪魔が入りそうだw
こちらでは思う存分幸せになってもらいたい
185名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 21:54:35.71 ID:fSw9Ep5c
>>182
鍵にしか興味ない変わり者なら有り得なくもない
コミュ力ってとても大事w

>>184
ドラマじゃキスすらしなそうだよ
最後の最後で男として、女として意識するくらいじゃないか?w
186名指しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 22:38:01.27 ID:1lVQMorE
榎本と青砥が初エッチした翌日、
あの地下室に芹沢青砥が訪ねたら榎本青砥は普通に振る舞えるかねw
お互い様子がおかしくて芹沢が感づいてハッタリかましてからかいそう
187名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 23:10:28.46 ID:fSw9Ep5c
>>186
榎本は平静を装うんだけど青砥がアタフタして榎本にも伝染して芹沢にバレそう

ここの住人のおかげでドラマが数倍楽しめてるよありがとう
エンディングのその先(チーム榎本での飲み会)とか
しっかり回収してネタにしてくれててありがたい
親友のあの人が彼ryってセリフとか
親友の結婚式に御呼ばれされてる話もここの住人なら見逃さずおいしく料理してくれそう
自分もいろいろ考えるんだけど、どうしても文章としてまとまらないんだよなぁorz
188名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 23:35:16.53 ID:R6jNxJ6+
>>187
分かる。
妄想を言葉にするのは難しいよね。
書き手さんはほんと凄いよ。
以下、妄想箇条書き。

宴会後、芹沢に頼まれて純子を家まで送る榎本。
純子が酔いつぶれてるため、純子の鞄を漁って家の鍵を取り出すか、ピッキングで開けるか迷う榎本。
酔いつぶれた純子をお姫様抱っこでベッドまで運ぶ榎本。
ベッドに横たえたはいいが、酔っぱらった純子に抱きつかれ硬直する榎本。
スーツが苦しそうだから脱がすかどうか迷う榎本。
「密室は…破れませんでしたーww」とか寝言を言う純子を見つめてしまう榎本。
元彼氏と間違われて純子に襲われる榎本。
ピッキングで鍵をかけて家を出る榎本。

自分じゃ頑張ってもこんなんだよーorz
189名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 00:08:05.70 ID:SmIwj03H
>>186
榎本と純子の純情初エッチ妄想が止まらなくなった
どうしてくれる
190名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 00:10:06.53 ID:YguXeISD
>>185
ドラマは仲間以上恋人未満のあやふやな感じで終わる気がするね
かたや相手を疑いながら、かたやそれをあしらいながらの恋愛関係は
ドラマのあのキャラでは成立しなさそうだし
一気に悲恋になりかねん
191名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 00:25:55.79 ID:8W8snJzV
5話で榎本が聴診器使ってるのを見て
即聴診器プレイを妄想した

ドラマ純子がよもぎ苦手なことも判明したので、
よもぎプレイもありかと考えてる
192名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 00:30:11.39 ID:IC7YlPbC
よもぎプレイwwなにそれww
193名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 01:06:55.58 ID:ZWKZXtew
待て言うな、新し過ぎる扉を開いてしまうかもしれないw
194名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 02:31:50.08 ID:ZmxcwgIu
青「いやっ……っ……榎本さん……やめ…て下さい」
榎「(ヨモギをもって)…………」
195名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 06:33:34.94 ID:NcPS845l
>>194
朝から笑わせんなw
196名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 08:38:04.51 ID:HqqzSJBP
灸すえられるんじゃないのw
197名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 10:27:34.86 ID:NOat3qne
鍵以外に無関心な榎本が、青砥のヨモギ嫌いにやけに反応したもんなw
何か良からぬことを思い付いたに違いない
198名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 11:16:14.68 ID:njOSxzpn
ギャグがかわいい二人だなww
199名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 13:08:41.27 ID:KUP9vMSj
ここって原作の萌えを語ってもいいのかな?
200名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 14:09:11.76 ID:6ZcmcMVM
別に原作もOKなんだけどな
スレタイドラマ限定にしなければよかった
201名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 15:23:57.35 ID:eOdXFd8q
今更かもしれんが来週のテレビジョンの表紙、榎本と青砥らしいね。
予告ではあんまり密着してなかったけど、表紙の出来が凄い楽しみw
202名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 16:25:37.92 ID:SmIwj03H
>>201
情報サンクス
満面の笑みで密着した2人を見てみたいような見てみたくないようなwww
203名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 22:30:15.86 ID:6R/t5lM+
原作榎本は純子の泣き顔に燃え萌えなドS
ドラマ榎本は純子の笑顔に燃え萌えな童貞だと思います
204名無しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 22:59:53.21 ID:TLdbUR+r
原作もドラマと違った意味で萌えるって事ですか?買ってこようかな
205名指しさん@ピンキー:2012/05/18(金) 23:55:51.51 ID:L+PYqlqc
原作のキャラもドラマのキャラもどっちも好きだから2倍楽しめてる
最近は真新しさからドラマのキャラにハマってるけど
ふたりが相手への恋心を自覚するシチュがなかなか思い浮かばん
ふたりとも鈍そうだからw
榎本と女が一緒にいるところを見てショックを受け、
それで初めて榎本への恋心を自覚する青砥、とか?
榎本の周囲に自分以外の女がいるなんて考えたことなくて
そんなの見ちゃったらダメージでかそう
榎本は自分の気持ちを冷静に客観視して気持ちが大きくなる前に自ら封じ込める感じかな
榎本青砥カップルは大好きだが、簡単にくっつかれたらつまんないw
206名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 00:54:13.36 ID:AWG2lRW4
お、原作OKなんだね良かった
最近買ってきてまだ部分的にしか読んでないんだけどエロ妄想は原作の方がしやすいかも
ドラマ版はほのぼのとかギャグとか純愛で

原作の榎青は何か身体の関係から始まりそうだと思った
泥棒説が濃厚だから惚れないよう注意してる純子に
策士榎本が逃げられない状況作って攻めまくってずるずると…って感じで
原作榎本はロールキャベツ系?ってやつかな
207前編(1/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/19(土) 02:31:33.35 ID:BRIqomWY
前後編になって申し訳ないのですが投下させてください
恋人ですでに関係を持ってる設定の榎青です
前編にエロはありません、すみません



 初デート開始十分後に連れて行かれたのは、ラブホテルだった。
 繁華街から少し外れたところにそのホテルはあった。よく晴れた休日の真昼間、繁華街沿いというもあ
って人通りは多い。休日出勤らしいサラリーマンや親子連れの姿も見える。
(まだ日が高いのに……)
 足が止まってしまった純子と対照的に、榎本はさっさとのれんをくぐってしまう。入って数歩歩いたところ
で純子がついて来なかったのに気づいたのか、立ち止まるのが見えた。
(せっかく、榎本さんと恋人になってからの初デートなのに)
 ずっとこの日を楽しみにしていた。今日のために服から化粧品から、なにからなにまで新調した。二人で
どんなことを話そうか、二人でどんなことをしようか、二人でどんなものを食べようか、想像と興奮と緊張で
昨夜はよく眠れなかった。
 そのせいで起きる予定だった時間よりも少し寝坊してしまったが、待ち合わせの時間には間に合った。
榎本はすでに来ていた。服装は会社にいるときとそこまで変わらなかったが、多少はカジュアルになっていた。
「お待たせしてすみません」
「いえ」
 榎本は短く否定して、そして言った。
「それでは、行きましょう」
「え、どこに?」
「ついてきてください」
(もしかして、デートプランを考えてくれたのかな)
 気恥ずかしいが、やはりうれしかった。上機嫌で榎本についていって――たどり着いたのが、ラブホテルである。
 一言で言うなら、がっかりだ。
 まだ数回だが、男女の関係はすでに結んでいる。だから、ラブホテルに行く「目的」に不満があるわけで
はない。むしろ、デートのために新調したものの中には下着もあったくらいだ。純子にもその気はあった。
 でもだからといって、いきなりラブホテルに直行するのはいくらなんでもひどすぎる。もう少し、お膳立てと
いうかムードというか、そういうものがあってもいいのではないだろうか。
(これじゃまるで、体目当てみたい)
 あまりにもみじめで、なんだか泣きそうだ。
「青砥さん」
 のれんの間から榎本が顔を出す。いつも通りの無表情だった。初デートでいきなりラブホテルに直行し
た男の顔ではない。
「入らないんですか」
 榎本の頬にビンタをくれてやって、帰ってしまおうかと思った。次の榎本の言葉で頭が真っ白になって、
行動にはならなかったが。
「どうしても嫌なら僕一人で行くので、青砥さんはそこで待っていてください」
「……はぁっ!?」


 昇降の分かれたエレベーターで四階まで上がり、409号室に鍵を開けて入る。
 ドアを閉めた瞬間、がちゃんとロックされた音がして純子は飛び上がった。思わずドアノブを回したがびく
ともしない。奇妙なことに、さっき鍵を開けて入ったのに、内側にはサムターンがない。
「な、なにこれ」
「料金を払わないと出られないシステムのようですね」
 榎本が指差したのは精算機だった。ご丁寧にも、休憩の残り時間が表示されている。入ったばかりなの
でたっぷり三時間あった。
 あぜんとしてしまった純子を置いて、榎本は靴を脱いで部屋に入っていく。純子もあわててハイヒールを
脱いであとを追う。
 榎本はカーテンを全開にして窓を調べていた。被害妄想だとわかっていたが、知り合いに見られそうな
気がして、純子は手近にあったドアを開けてそこに逃げこむ。
 なにかが動いた気がしてぎょっとしたが、大きな鏡だった。洗面所の周りに白いバスローブと歯ブラシな
どのアメニティグッズが並んでいる。化粧品や化粧水などもあり、純子はなんとも言えない気持ちになった。
 せっかくなので、バスルームものぞいてみることにする。
「わぁっ……」
 広いバスルームだった。足を伸ばして入れるくらいゆったりしたジャグジーのバスタブがある。純子の住
んでいるマンションよりも豪華で、内心は多少複雑だった。
208前編(2/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/19(土) 02:32:00.35 ID:BRIqomWY
「やはり、錠はついていませんね」
「うわぁっ! いきなり声かけないでください!」
「すみません」
 榎本は感情のこもらない口調で謝った。靴下を脱ぐと、今度はバスルームを調べている。その背中に向
かって、純子は声をかけた。
「下の、309なんですよね? ……密室の殺人事件が起きたのは」
「はい。先ほどフロントで確認しましたが、間取りは同じのようです」
 つまり、榎本はこのラブホテルで起こった密室事件を調査しようとしたのだ。
 だが、現場は立ち入り禁止になっている。さらに、ホテルによっては一人での利用は断られる。だから純
子と一緒に来てカモフラージュしようとした、ということらしい。
 ちなみに、休憩料は経費として落ちるらしい。払うのは芹沢だ。
(考えてみたら、「ちょっと寄りたいところがあるんですが」って前に言われてたし、私も安請け合いしたけど、
こういうことならちゃんと言ってくれなくちゃ……)
 落ちこんだ自分がまるで馬鹿のようだ。だがこれは、明らかに榎本が悪いと思う。
「青砥さん」
「はい?」
「こういうホテルに来たことはありますか」
「えっ……なっ、ないです」
 だから興味と物珍しさであちこち見て回ってしまっていたのだ。思ったより俗っぽさがなくて少し拍子抜け
してしまった。
「……榎本さんはあるんですか? やけに詳しいじゃないですか」
 榎本は今まで彼女がいなかったと聞いている。だからこういう類のホテルに来たことはないはずなのだ
が、そうは見えなかった。
 パネルで部屋を選ぶことすら純子は知らなかったのに、榎本はさっと部屋を選び、降り専用のエレベー
ターに乗りそうになった純子を引っ張って昇り専用に乗せた。設備に詳しい上に、ここまで落ち着いている
のはなぜなのだろう。
(私なんか、仕事だってわかってても緊張しちゃってるのに……)
「仕事で数回来たことがあります」
「ああ……そうなんですか」
 正直に言えば、ほっとした。今まで彼女がいなくても童貞ではない男性はいる。……こういう場所で、そ
れを職業とする女性を呼ぶことによって。
 芹沢のような中高年の男性なら「それも男の甲斐性だ」などとうそぶくのだろうが、純子から見れば不潔
きわまりないし、許しがたい。
(榎本さんがそういう人じゃなくて、よかった)
 あちこち見ている榎本の邪魔をしないように、純子はそっと部屋に戻った。開けっ放しだったカーテンは
すぐに閉めて、ベッドに腰を下ろす。思ったよりもふかふかしていたので、寝転がってみる。
 昨夜は寝不足気味だったこともあり、そのまま眠ってしまおうかと思ったのだが、ふとヘッドボードに目を
やって、固まった。
 派手な模様の、正方形の小さな袋。それはいわゆるコンドー……
 純子は勢いよく起き上がった。自分がいるのがどういう場所なのか改めて認識する。心臓がどきどきとう
るさくて落ち着かない。
(は、早く帰りたい……!)
 だが榎本の検証はまだしばらくかかるだろう。しょうがないので、テレビでも見て時間をつぶすことにする。
 リモコンの電源ボタンを押すと、テレビのスイッチが入る。映像が出るよりも先に音声が流れた。
『あんっ、あっ、んんんっ!』
 女の声から遅れて映ったのは、裸の男女が絡み合う姿だった。濡れ場のワンシーンではない。なぜなら、
結合している局部にモザイクの修正が入っている。
「な、なんでこんなの……っ!」
 あわてて消そうとしたが、あせりすぎて操作を間違えてしまう。チャンネルが変わったが、映ったのは女
性が顔面に白濁の液体をぶっかけられているシーンだった。
 早く消さなければ。その思いとは裏腹に、指先はうまく動かない。床に落としたばかりか、足で蹴ってしま
って、リモコンはベッドの下に入ってしまった。
「やだっ、なんで!」
 こんなものを見ているところを榎本に見られたら死ぬしかない。半泣きになりながらベッドの下を探るが、
なかなかリモコンが見つからない。
209前編(3/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/19(土) 02:32:21.31 ID:BRIqomWY
『精液、おいしい?』
『おいしいよぉ〜。この味、大好き……もっとちょうだい?』
 いやらしい会話に続き、発情期の猫のような高い声がテレビから流れてくる。見てはいないが、焦りやら
羞恥やらで、純子の顔は燃えるように熱かった。
『あっ……! んっ、ああ! あっ――』
 ベッドの下で動かしていた指先になにかがふれると同時に、うるさい嬌声が急に消えた。引っ張り出すと
それは探していたリモコンで、純子は大きく息を吐き出す。
「よ、よかった……。もし榎本さんに」
「僕がどうしましたか」
 背後の近い距離で榎本の声がした。純子の心臓は電気ショックを受けたように激しく波打つ。ばっと振り
返ると、榎本がこちらにかがみこんでいた。
「み、見ました……?」
「なにをですか」
「あの……て、テレビの」
「はい。見ていないようなので消しました」
(消えたい!)
「ち、違うんです! わ、私、普通の番組が見たかったんです! それなのに、テレビをつけたらなぜかあ
れがやってて」
「こういうホテルでは、そういった番組が映るらしいですね」
「そ、そうなんですか……」
 とりあえず、好き好んでああいったものを見ていたという誤解はされていないようだ。ほっと胸をなで下ろ
す。だが、気まずくて恥ずかしくて目を合わせられない。
「もしかして、検証は終わったんですか?」
「はい」
「早いですね」
 だが好都合だ。これでここにいる理由はなくなった。
「じゃあ、出ましょう!」
「ちょっと待ってください」
「え?」
「雨が降っているようです」
 言われてみれば、雨の音が聞こえていた。カーテンを薄くひらくと、窓ガラスが雨で濡れている。
「すごい晴れてたのに……通り雨ですかね?」
「そうだと思います。じきにやむでしょう」
 困ったことになった。すぐに出ていきたいが、このままでは濡れてしまう。快晴に油断して傘は持ってきて
いない。
「雨がやむまではここにいましょう。まだ休憩時間はありますし」
 反論する理由は見つからなかったので、純子はしぶしぶうなずいた。


 予想に反して、雨はなかなかやまなかった。純子と榎本はベッドの端と端に座って、途切れがちな会話
をしていた。
(なんでこんなことになってるんだろう……初デートなのに……)
 こんなはずじゃなかった。その思いが頭をぐるぐると駆けめぐり、榎本を非難する気持ちをかき立てる。
 こっちはこんなに緊張して、会話をなんとか持たせようとしているのに、榎本ときたら、いつものように澄
ました表情で、会話で気まずさを和らげようとも思わないらしい。たぶん、頭の中は密室事件のことでいっ
ぱいなのだろう。
(初デートだって張り切って浮かれてたのは私だけだったのかな)
 あり得る気がしてきた。考えてみれば、デート自体も純子が無理やり企画したようなものだ。榎本は休み
の日も家か職場に閉じこもっていると聞いて、せっかくの休日なんだから外に出かけましょうよ、と持ちか
けた。
(迷惑……だったのかな……)
 趣味や仕事を大事にする男性には、かまってもらいたがる女性はうっとうしいものだと聞いたことがある。
榎本の場合は趣味と仕事は直結しているのだからなおさらかもしれない。
(でも、恋人なんだし)
210前編(4/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/19(土) 02:32:46.96 ID:BRIqomWY
 気を取り直そうとしたが、逆に、憂鬱になってしまう。そもそも自分たちは恋人なのだろうか、ということに
まで疑問が及んでしまったのだ。
 相手のことを好きだと伝え合った。キスもした。男女としての一線を越えて、いっそう深い仲になった。
……これらは恋人のすることだと思う。
 だが、榎本はそう思っていなかったとしたら?
 ラブホテルに連れて来られてどぎまぎしているのも、はしたない妄想が頭を占領しているのも、純子だけ
なのかもしれない。
「……もうやだ」
 純子はすっくと立ち上がった。こちらを見た榎本をにらみつける。
「私、帰ります」
「まだ雨が」
「そんなのどうだっていいです! とにかく、私は、帰らせていただきます!」
「青砥さん」
 榎本が純子を引き留めようと手首をつかむ。振り払おうとしたが、榎本の手は力強く、振りほどけない。
「どうしたんですか」
「なんでわかんないんですか!?」
 純子はつかまれていない方の手で、榎本の空いている手をつかんだ。ぐいと引き寄せる。引っ張られた
榎本がベッドに片膝をついた。
 つかんだ榎本の手に、胸元をふれさせる。暴れ狂う鼓動を感じられるように。
「私はここに来てからずっと、こんなにどきどきしてるのに、どうして榎本さんは平気でいられるんですか!?」
 思いの丈を吐き出してから、理解する。これはただの八つ当たりだ。
(だけど、私はこんなに緊張してるのに)
 榎本は自分がさわっている場所をじっと見ていた。そして、なにも言わずに、つかんでいる純子の手を引
く。純子がしたように、自分の胸にふれさせる。
「……え……」
 榎本の鼓動は速かった。純子と同じくらい、いや、純子より速いかもしれない。
 目を見開いた純子に、榎本がいつもの早口で言う。
「平気なわけがありません」
「……で、でも、いつも通りだったじゃないですか!」
「そう見えただけです」
「そんなの、……ずるい」
(榎本さんのポーカーフェイスを、私が読めるわけがないのに)
 悔しさがこみ上げてきて、榎本の胸に当てた手を服ごと握りしめる。
「榎本さんなんてきらい……」
「……」
「私だけ混乱させて、それを見てるだけなんて、もう、榎本さんなんてだいっき――」
 続きは、榎本の唇によってさえぎられた。
「言わないでください」
「え?」
「その言葉だけは、聞きたくありません」
 懇願するような口調は、はじめて聞くものだった。戸惑っていると、榎本の腕の中に閉じこめられる。
「怒らせたなら、謝ります。……すみません」
「……こんなんじゃ、足りないです」
「すみません」
「私、色々考えちゃって……」
「すみません」
「……」
 純子も榎本の背中に腕を回す。
「榎本さんも、ものすごくどきどきしてますね」
「……」
 榎本はなにも言わない。ただ、純子を抱きしめる腕に力をこめただけだ。体がぴったりと密着して、二人
の鼓動が重なり合う。
 鼻腔いっぱいに榎本の匂いが広がる。生まれたままの姿で抱き合うときにいつも感じる匂い。胸に針で
刺されたようなかすかな痛みが走って、さらに鼓動が速まる。
「榎本、さん」
 息苦しさを感じるのは、榎本があまりにも強く抱きしめるせいなのか、心臓があまりにも速く脈打つからなのか。
「私、……」
 純子が言う前に、榎本が再び唇をふさいで、同じ気持ちだと教えてくれた。
211 ◆uznl/wSQcc :2012/05/19(土) 02:33:50.42 ID:BRIqomWY
以上です
後編はまた後日投下しに来ます
お粗末さまでした
212名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 02:56:39.80 ID:wVsxOaCX
>>211
すばらしいです!ありがとう!
全裸待機してます。
213名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 02:58:55.93 ID:siYntoBj
くぅー…私も書こうと思ったら 神様な書き手さんにタイムリーで出会ってしまった…この前半の寸止めたまらないです。
鼻血ブー(* ̄ii ̄).o 身体の関係は持っても
まだお互いになれてない恋愛発展中の
榎本。青砥に萌えますた。
私も神には敵わないけど投下して見ようかな…
214名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 03:09:17.85 ID:siYntoBj
というわけで 神様な書き手さんが現れるまでお目汚しで読んでいただけたら…

6話の公式予告をみただけで横道にそれたSS投下




友達の劇団の芝居に 榎本を誘う青砥

青砥「榎本さん…友達が劇団に入ってて
チケット買わされちゃったんです。
よかった一緒にいってもらえませんか(昨日から鏡の前で何十回もこの台詞練習したもんね…変なとこないよね。デートに誘ってるとか思われないよね…そう思われたらハズカシイ///…だって私なんか興味ないだろうし榎本さん)」

榎本「…えっ…劇団のお芝居ですか…(友達の劇団って…僕に友達を紹介するのか…)」
青砥「(無意識のうち計算とかでなき上目遣いで)…やっぱり…榎本さんは劇団の芝居なんか興味ないですよね…ゴメンナサイ…(言われて榎本さん迷惑してるぅ
私の馬鹿)」
榎本「(計算のない無意識なカワイイ上目遣いの青砥にドキッとしながらも冷静を装う。)いや…そんなことないですよ。僕は鍵しか詳しくないですし…そういった誰かが誰かを演じるというのもみてみたいです」
青砥「本当ですかぁわーい…よかった。なら明日…渋谷で18時に待ち合わせしませんか。ダメですか
お仕事終わらないかな…?」

榎本「僕は…大丈夫ですよ。でも…大丈夫ですか(僕と青砥さんと…あと青砥さんのことだから芹沢さんもくるはず…
だって休みの日にゴキブリが出たって芹沢さんを部屋に入れるくらいだもんな… チーム榎本の一員なんだろうな…僕は…童貞だし…青砥さんはカワイイし昔お付き合いもあったっていうから…って僕は芝居に誘われたくらいでなんでここまで…)」
青砥「??はい。私は大丈夫ですよ。やだなぁ 榎本さん私から誘ったのに大丈夫ですよー(私のデート目的が榎本さんにバレた ひゃー///ハズカシイ…でもここはあえて冷静に)
じゃ…じゃあ
あ…明日…渋谷で会いましょう…今日は帰ります。さよならお邪魔しましたぁ」

榎本「…は…はい。明日…」
215名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 03:41:49.14 ID:siYntoBj
芝居当日。
あいにくの雨。いきなり降り出したようだ。しかし用意のいい榎本はきちんと傘をさして10分前に約束の場所にいる。
洋服は相変わらずの シャツにネクタイにカーデガンだか…

青砥「…え…榎本さん」
そういってバックを傘がわりにかざし走ってきた青砥。服はいつものパンツスーツにひっつめ髪でなく
水色のフレアスカートなワンピースだ
今まで女性に関わりのあまりない榎本だか、明らかにいつもと違う弁護士カラーのメイクの青砥とは違う。そこには20代の普通の優しい顔をしたオシャレなメイクをした青砥がいた。
榎本の心臓は自分が経験したことないほどドキドキしている 「…か…傘は…そ…そして芹沢さんは…」
ドキドキしている自分をさとられまいと 冷静を装い 普通に話したつもりだがどもってしまった
青砥「芹沢さん?えっ?誘ってないですよ。チケット二枚しかないですし(笑)芹沢さんきっと『こんなマイナーな芝居は見れるか!』っていいますよ。榎本さんにピッタリの芝居だと思って」
そういってバックからチケットを取り出すと 題名には『密室に囚われた男』とある。
「ねっ。ニコニコ 榎本さんこういうの参考になるかと思って二枚買っちゃいましたぁ(笑)劇場近いんで傘はいいかなと思っていきませんか?開演時間せまってますし」
そういって青砥が先を走ろうとする…青砥も照れ臭いのだ
そんな走りだそうとする青砥の腕を榎本は、ひっぱって
榎本「女性は体を冷やしちゃいけないと母から聞いたことがあります。近いとはいえ風邪を引いたら大変です。これ。」
そういってバックからタオルをさしだし 自分のさしている傘を青砥に傾ける
「…僕と一緒ですみませんが、その劇場まで一緒に傘に入って下さい。」
いきなり腕をつかまれ傘を傾けられ
しかもタオルまで差し出される青砥…びっくりはしたが
はずかしさがとまらない
「…あ、ありがとうございます。出るとき晴れてたし、電車降りるまで
雨降ってるの気がつかなかったんですよね。
すみません…タオルまでお借りして…
洗濯してきちんとお返しします…はは…こういうとこが私がさつでダメなんですよね。いくらメイクや服頑張っても女らしくなれない…ダメだなぁ…」
216名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 03:44:35.92 ID:siYntoBj
榎本「…いや。充分女性らしいですよ。
向こうから青砥さんがきた時、僕は人生最大にドキドキしましたから…」
青砥「…えっ…///」榎本「…あっ///…いえなんでも…急ぎましょう…」
榎本も青砥もお互い 自分の顔が真っ赤になっているのがわかって お互いを見れないまま。劇場に入っていった
217名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 04:13:55.75 ID:siYntoBj
劇場内に入って約40分
『密室に囚われられた男』
確かに榎本は面白く目が話せなくなっていた。素人の劇団とはいえ、なかなか参考になる要素が満載で夢中になって見ている。

青砥「…ぁ…やだ…や…やめ…て…く…くだ…さ…ぃ…」
芝居に夢中になっていた榎本が横にいる青砥のそんな声で我に返り青砥をみた。



…青砥が…青砥の横に座っている、キャップを被った男に太ももを触られている…
必死で隣の榎本に聞こえない様に抵抗し 痴漢からうけている辱めを見られないように
痴漢から逃げるようにしている
榎本「…あ…青砥さ…」
榎本のそんな声も聞こえないのか抵抗する青砥…しかしそれも無駄だった
痴漢は増長しはじめ どんどん青砥に近づき 息がかかるくらいまで接近している
そして痴漢の反対の手がそんなに大きくない青砥の胸にちかづく
青砥「…い…や…やだ…」
泣きそうな青砥…
榎本は痴漢を殴りたいほどの怒りがこみあげてきた。なんなら殴ってもいい。
でもここは劇場、そして青砥の友達が所属する劇団の芝居の真っ最中だ。

榎本「青砥さん。」
榎本は怒りを堪えて 青砥の痴漢側の肩をぐっとだき寄せ自分の方によりかからせた。おかげで青砥と痴漢との距離 そして青砥の胸への痴漢行為は回避された。
そうして榎本は今まで出したことがない低い怒りを込めた声で青砥の左側にいる キャップを被った痴漢に言い放つ。
榎本「…俺の彼女に 何をしてるんだ…この場でお前を殴ってもいいんだぞ。ふざけるな。ふざけるな。殴ってやろうか…幕の合間に突き出してやる。ふざけるな」
本性からでた言葉だった…
生まれてこのかた、人を殴ったりなどもちろん。俺なんて言葉さえつかったこともないのだが
ましてや俺の彼女…だがそんなこと考えてる場合ではない。
肩をひきよせされ
榎本に抱かれた形になっている青砥は榎本の腕の中で榎本の言葉使いの違いにびっくりしながらも泣いている。
榎本「さあ…どうするんだ。俺たちは純粋に芝居を楽しみに身にきているんだ。殴られたいか…警察につきだされたいか…」
男性とはいえ榎本は小柄で、ちょっと童顔だ。そんな男から 憎しみの塊の様にドスの聞いた声で言われた、痴漢はびっくりしつ席を立ち上がった
痴漢「…す…すみません…で…したぁ」

榎本のドスの聞いた声に、痴漢はすぐ近くのドアから逃げ出した。
218名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 04:35:57.76 ID:siYntoBj
榎本「すみませんでした、僕が舞台に夢中になってたばかりに青砥さんをこんな目に…大丈夫ですか…」
周りのみんなからは幸いだれも気がつかれていない。
榎本はポケットから 今日きちんと折りたたんだハンカチをとりだし。泣いている青砥にそっと渡した。
青砥「…す…すみません…榎本さんのせいではないです。私弁護士なのにもっときちんと拒否してれば ぐず…ぐず…」
どうやら泣きやめそうにないらしい。それはそうだろう 暗闇で女性として、あんな嫌な目にあったのだから…
青砥「ぐず…ぐず…あっ…私…どさくさで榎本さんの胸に…すみません…どきます。手離して下さい ぐず…ぐず…ご迷惑かけてすみません」
榎本「嫌です。」
青砥「えっ…」

榎本「まだ青砥さん
泣いているでしょ。無理に泣き止まないで下さい。しかもまだ芝居は続いています。僕の胸の中でしたらさっきのことも誰にも気がつかれず 青砥さんたくさん泣けます。僕の胸ですみませんが、たくさん泣いて下さい。僕が守りますから。」

青砥「榎本さん…」

榎本は青砥の肩を抱き寄せたまま 舞台の方へ顔を向けた
榎本「芝居は僕が全部みてますから僕の胸で気が晴れるまで泣いていて下さい。」

青砥「榎本さん ぐず…ぐず」

痴漢にあったことは本当に悲しいことだが、榎本の男らしさにいっそう泣けてしまう青砥…舞台が終わるまで榎本の腕に抱かれていた…






書き進めていたらこんな時間になってしまいました。お目汚しにさえならないかもしれませんが 神な書き手さんが現れるまでの中休みとして読んでいただければ幸いです。
長文駄文誤字…なんかイロイロすみませんでした。
神様書き手さんの降臨をまちます

大変しつれいいたしましたm(_ _)m
219名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 06:38:58.41 ID:tFa1WMkg
乙!痴漢にあう純子を守る榎本イイヨーイイヨー!
◆uznl/wSQcc氏の後編も正座して待ってます!
220名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 07:00:22.42 ID:fp+swB73
>>211
神きてたー!
こっちもドキドキしちゃう。
後半も楽しみにしてます〜!
221名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:15:50.94 ID:83bTqZgb
突貫創作ですが一本投下させていただきます。エロなし。
キャラクターがさだまらねえ件についてェ・・・。

***

「メイクのひとつでもすればいいのに」

 そう言った友人に青砥純子は、ナチュラルメイクならしてますー、と少し唇を尖らせた。

 化けて男の梁となれ

「化粧っ気のない女ってモテないんですかねー」

 脈絡なく呟いた部下に、芹沢は思い切り眉を寄せた。ついでに小馬鹿にしたように、ハッ、と息も吐き出した。

「何色気づいたこと言ってるんだ、青砥」

 仮にも勤務中だぞ阿呆か馬鹿かと畳み掛けるように言われて、青砥の声は更に沈んでいく。

「色気……色気なんかないですよーどーせスッピンに近い超ナチュラルメイクしかしない干物女です……ていうか、なんか、上司に向かってアレですけど、勤務中とか芹沢さんに言われたくありません……」
「なっ、おま、珍しく反抗的だな、」

 別にいーじゃないですか、メイクなんかしなくたって。メイクしないと女じゃないんですか? 女として見られないんですか? 仕事で女として見られる必要なんかなくないですか?
 ぶすくれる青砥は、些か乱暴に書類を纏めると「クライアントに話聞いてきます」と芹沢から見れば対して長くもない足を動かして出て行った。

「……素材は悪くないから言われるんだろうに」

 芹沢の言葉はもう聞こえない。

※※※

「……よりによってこういう気分の時に」

 よりによってこういう気分の時に、クライアントが化粧品会社のオーナーとは。
 どうせここの女性は皆頭の先から爪の先までしっかり磨かれていて、着るもの履くもの着けるもの全てが洗練されているのだろう。
 スーツを着こなすことも出来ずいつまで経ってもスーツに着られる就活生のような青砥とは比べものにもならないのだ、きっと。

「って、卑屈になってもしょうがないか」

 さっさと話を聞いてさっさと戻ろう。一人頷いた青砥純子は、クライアントに会うべく歩き出した。
 自動ドアを抜けて受付へ行き、本日事前にアポイントメントを取っている旨を伝える。内線でオーナーに青砥純子の入館の承諾を得た受付嬢は、花の開くような笑顔で入館証を渡してくれた。

「八階の小会議室にご案内致します」
「あ、すみません」

 案内してくれる女性に着いていきながら、さり気なく社内を見渡す。

(なんか、ビルとか来ると、最近)

 どうにも天井の隅、防犯カメラ等に目がゆく、とぼんやり考えて、次いで防犯のプロの鍵オタクを思い描き少し口角をあげた。

(榎本さんもやっぱり、綺麗な女の人の方が好きなんだろうなぁ)

 そう、例えるならば。

「青砥純子先生ですね。お待ちしておりました」

 こんな女性が。

※※※
222名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:17:22.26 ID:83bTqZgb
 右手に持った細い棒を少し捻りながら、左手を右に。指の感覚を頼りにもう一度右手の棒を逆に捻ると、カチャリと錠の開く手応えがあった。同時に地下室の扉も開いたが耳にイヤホンを突っ込んでいる榎本は気づかない。
 トントン、と肩を叩かれて振り向くと指で頬を指される。こんな無邪気なことをする知り合いは一人しか居ない榎本は「何ですか青砥さん」と口を開こうとして、代わりに目を見開いた。

「……」
「うふ、驚きました? 榎本さん!」

 よく見れば見知った青砥純子以外の誰でもない。しかし、……とりあえず、髪を下ろしている。ついでにその下ろした髪に軽くウェーブがかかっている。そしてその顔が、何よりいつもと違う。それはもう、三度見くらいしそうな程、違う。
 榎本径の知る青砥純子は、そこには居なかった。いつもより大分垢抜けた、スーツの似合う女性。

「……驚きました」
「やったぁ!」

 驚いた。とても。
 いつもと違う見姿と無邪気な悪戯のどちらに、と問われれば勿論前者に、だ。

「今日は、どうなさったんですか」

 どうかなさったのだと思った。でなければ突然このような出で立ちで来訪した意味が分からない、と。
 アフターでデートでもするのだろうか? だとしてもこの東京総合セキュリティに寄る意味は?
 ハテナマーク飛び交うポーカーフェイスに、青砥はニッコリと笑った。

「メイク、してもらったんです」
「してもらった?」

 はい、と頷いた青砥が鞄の中から一冊薄いパンフレットを取り出す。

「芹沢さんに、クライアントの話聞いてこいって言われて、そのクライアントが化粧品会社のオーナーさんで」

 お話聞いてからちょっとメイクの話になって。
 満面の笑みで曰う彼女は、どうも上司の「時は金なり」を理解していないらしい。ちょっとメイクの話になってから実際にメイクをしてもらうに至り、尚且つここに来るとは。
 と、考えを巡らせていると、青砥が手を振りながら口を開いた。

「あ、違いますよ。今日は休みです。メイクの話になったのは昨日です」
「休みなのにスーツを着ているんですか」
「スーツに合うメイクを教えて頂きたくて。結構大きな会社だから、無料講習とかもやってるんですよ」

 別に仕事にモテメイクとかいらないかなーと思ってたんですけど、やっぱり、いざしてみるとちょっとモチベーションも上がる気がします! デキる女に見えますか? とポーズを決める青砥をじっと見つめた榎本は、三拍程置いて「見た目が、という意味であれば」と首肯した。

「……なんか、嬉しくない……」
「はい。僕になんかに言われても嬉しくないでしょう」
「……榎本さんに言われるから嬉しくないんですよ。嘘でも似合ってます、とか言われたら……」
「嬉しいですか?」
「そりゃ、だって、なんのために……来たと……」
「僕に似合っていると言われたくてここに来たんですか」

 皮肉でもなんでもなく、言われた言葉をそのままの意味として取り上げてそう問う。
223名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:19:13.01 ID:83bTqZgb
「……」
「青砥さん?」
「どうせ」
「はい」
「どうせ、榎本さんにしてみたら鍵とか、錠ですか? そういうことしか興味ないんでしょうし、それに、仮に興味があったとしても別に彼女でもない女の化粧とかどうでもいいんでしょうけど! なんか!」

 なんかもうちょっと反応あってもよくないですか!
 ぷりぷりと憤る女に声を掛けようとした榎本を遮るように、青砥は更に畳みかける。

「芹沢さんといい榎本さんといい、どうしてチーム榎本はこう、興味のないことに関心持ってくれないんでしょうかね!」
「……芹沢さん、ですか?」
「そうですよ。さっきメイク講習の帰りに芹沢さんにばったり会ったんですけど、あの人私の顔見てなんて言ったと思います?」

『馬子……いや、青砥にも化粧だな』

「って、どーゆー意味ですか!」
「……そのままの意味では?」
「はあ!?」
「芹沢さんが青砥さんの事を素直に賞賛出来るとは思えません。
馬子にも衣装、とはどんなつまらない者でも着飾ればそれなりに見えるという意味合いで使われますが、これは往々にして素直に人を褒めることが出来ず遠回しに『似合っている』と言いたい場合に使用されることが多い言い回しではないでしょうか。
つまり、芹沢さんは青砥さんを遠回しに褒めたのだと考えられます」
「……遠回しに褒められても嬉しくありません……」
「お似合いです。とても」
「っ、うぇ……ぇえ?」
「先程声を掛けられた時、振り向いてパッと見た青砥さんがいつもと異なる雰囲気だったのでかなり驚きました」

 綺麗だと思います。あくまで僕の主観ですが。

 さらり、と言ってのけた榎本は、けれど変わらぬ無表情である。

 ・・・・・・。

「っ!」

 まったく、と、ん、で、も、な、い、ポーカーフェイス、だ。
224名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:19:27.09 ID:W5eoAt+h
自分はエロシーンは思い付くんだが、導入と結末のエロのないシーンが思い付かん
225名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:19:43.33 ID:83bTqZgb
 無表情でなんてことをいうんだ。青砥の顔は一気に真っ赤に染まる。

「あ、っ、ありがとう、ございま、す」
「いえ、本心ですから」

 忙しない心臓を落ち着けるために、深く呼吸をする。そんな青砥を尻目に、榎本は再び作業机へと向き直った。

「それで」
「あ、はい」
「青砥さんは、僕に似合っていると言われたくてここに来たんですか?」
「う、そう言われるとなんとも恥ずかしいんですけども」
「……」
「……あー……榎本さん、今日の夜、空いてますか?」
「……」
「えーのもーとさん、イヤホンしてないから聞こえてますよね?」
「また、密室ですか?」
「違いますよ。強いて言うならこないだの事件のお礼がしたい、っていうのが建て前ですね」
「本音は」
「せっかく綺麗にメイクして貰ったので」

 綺麗って言ってくださった榎本さんと、優雅にお食事がしたいです。
 えへへ、と笑う青砥に、榎本は背を向けたまま持った棒を動かした。

「五時以降でよろしければ」
「ぜんっぜん構いません! それじゃあ、ちょっと中見て回っててもいいですか?」
「・・・・・・また腕に錠が掛からないように気をつけてください」
「わかってますよー」

 作業机に向き直った榎本は、さも錠前をいじっています、とでもいうような雰囲気をかもし出してこそいた。しかし勿論目の前の錠前は青砥が来た時に既に解錠してある。

 詰まるところ、榎本径というポーカーフェイスのこの男も、自らの同様を隠蔽するのに必死であったわけだ。

(いつもの素顔も好ましいとは、流石に言えない・・・・・・)

 それこそ、彼氏でもないのに、羞恥心が上回りすぎるから。

 そんなことを思いながら、ご機嫌な青砥の声を背中で聞く。
さて、榎本は五時までどの錠を解錠しようか、とそこからしばし悩むのだった。
226名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:21:59.29 ID:83bTqZgb
おそまつさまでした!
227名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:24:29.80 ID:BRIqomWY
GJ!!!
自分の妄想が形になってた!!!wwww
純子は素材はいいんだからどんどん磨いて榎本をときめかせるといいと思ってた!
228名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:26:25.38 ID:W5eoAt+h
>>226
いやいや、面白かったよGJ!
それと投下の邪魔してゴメンね
229名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 20:42:42.12 ID:yuA33A8K
GJ!!
細かい言い回しとかがいちいち面白いし萌える。
うまいなあ
230名無しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 23:30:34.25 ID:av7+4tqB
うはっ、神がいっぱいで幸せすぎるw
榎本も青砥もエロがなくてもお互い惹かれ合ってる、というだけで満たされる
どっちも鈍くて恋愛偏差値低くて進展が遅くてじれったいのがイイw
もちろんエロも大好物なので>>211さんの後編投下を全裸待機中
セックス済なのにまだどこかぎこちない2人の関係に萌える
231名指しさん@ピンキー:2012/05/19(土) 23:39:16.15 ID:rRSGHqQz
神々の降臨に感謝です!
自分の妄想が形になっているのが嬉しい!
ポーカーフェイスの榎本を青砥が誤解するも、実は榎本も・・・みたいな展開とか、
青砥を危機から救う男らしい榎本、それをきっかけにふたりは急接近、とか、
メイクやファッションで美しく変身した青砥に内心動揺してしまう榎本、とか
一度は妄想したシチュが次々かたちになって嬉しい!
ここの神々はレベル高いなぁ
榎本や青砥のキャラ表現が実にリアルでイメージしやすい
232名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 00:04:46.56 ID:TH4War7D
なんだ、佐藤浩市様じゃないのか…
233名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 00:31:55.23 ID:gN6UMJM+
>>225
おつです。
いちいち純子が可愛いなw
234名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 12:18:58.64 ID:9FmdIZon
純子も榎本もかーわーうーいーwwwwGJ!!

>>232 そういえば、芹澤のエロパロって不思議と思いつかない……
個人的には>>72の芹澤とか>>176の芹澤が好きだwwww
235名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 12:24:38.97 ID:1T4Nra+P
>>234
第二話に出て来たマンションに若くて綺麗なお姉ちゃん連れ込んでHして
そのお姉ちゃんが芹沢の時計が高価なのを知って色々あって泥棒にそれ教えるのなら思い浮かぶ
236名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 12:45:55.62 ID:6pHXWd+9
芹沢の相手になるようなキャラが居ないからなぁ
青砥相手だとふたまわりも年下なせいか親子に見えて自分は無理
(年の差カップル萌えの人ごめん)
自分も榎本青砥を茶化すポジションの芹沢が好きだ

いよいよ明日が放送日だぁ、1週間長かった
観劇デートの流れで、無自覚青砥の言動に榎本が硬直するシーンとかあればいいのにw
237名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 16:01:59.71 ID:MIlUAVqC
自分が萌えることだけを話せばいいと思います
238名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 20:08:54.71 ID:NC5fij+Y
芹沢はあちこちの美人ちゃんに手を出してそう
上手いことやってるつもりで実はいいようにあしらわれて
実績は上げられてないって気もするけど、
社会的には成功してる敏腕弁護士なんだからけっこうもててるのかな
239名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 21:36:36.71 ID:Z6+3Spxu
芹沢は独身貴族ライフを謳歌してそうw
地位も名誉もルックスもあるからキレイどころがわらわら寄ってきて
特定の恋人を作らなくても満ち足りた生活送ってそう
いかにもな成功者ってイメージだけど

で、最近は榎本青砥を傍から見てて、ちょっぴり羨ましいと思ってたりして
240名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 23:19:54.93 ID:BqAbKi6w
ゲイなんじゃないの?
241名無しさん@ピンキー:2012/05/20(日) 23:31:24.73 ID:w7wR+Rob
あれだけ綺麗な女の人みて目を輝かせてるのにゲイはないw
242後編(1/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/21(月) 00:07:41.27 ID:Ln9VsjxJ
>>207-210の続きが書けたので投下します
後編はエロありです




(一応、家を出る前にシャワー浴びてきたんだけどなぁ……)
 濡れた髪と体をバスタオルで拭いながら、内心でつぶやく。だが、色んな意味で汗をかいたし、と前向き
に考えることにする。
 バスローブに着替えようとしたが、洗面台の周囲には見当たらなかった。ちょっと考えて、自分の分はベ
ッドに置いてきたままだと思い出す。
 しょうがないので、タオルを体に巻きつける。そろりとバスルームを出た。
 ベッドのある一室をのぞくと、榎本はこちらに背を向ける体勢でベッドに座りこんでいた。純子より先にシ
ャワーを浴びたのでバスローブ姿だが、小柄な体には大きかったようで、かなりだぶだぶだ。
 さらに、あの紐付き眼鏡までかけている。ミスマッチすぎる。純子は笑いを噛み殺した。
 榎本が座っているベッドの端には、純子が置き忘れたバスローブがある。榎本に気づかれないように、
純子はそっと足音を忍ばせてベッドに近づいた。
 もうちょっとでバスローブに手が届く、というところで、いきなり榎本が振り返った。
「……なにをしてるんですか」
「えっと、バスローブを忘れちゃってですね……すぐ着替えるので、ちょっと待っててください」
 バスローブに伸ばした手をつかまれて、引き寄せられた。よろけると腰を抱えこまれて、いつの間にか純
子の体はベッドで仰向けになっていた。その上に榎本が四つんばいになって覆いかぶさっている。
「えっ、あっ、あの、私、着替えたいんですけど……」
「いらないでしょう。どうせすぐに脱がされるんですし」
「それはっ、そうですけどっ! いや、でも、だって……」
(まだ、心の準備が……)
 シャワーでインターバルを置いてしまったので、なんというか、もう一度ムードを盛り上げたいのだが。
 そう思っていると、榎本の指先が純子の耳の下から鎖骨までを、首筋を通ってなぞる。ひやりとした指先
の温度と、急にふれられたことに体がぞくぞくしてすくんでしまう。
「んっ……」
「青砥さん」
 名前を呼ばれて、つい閉じてしまっていた目を開ける。ごく近い距離に榎本の顔があった。近づいてくる。
また目を閉じると、唇が重なる。すぐに舌を絡め合う深いものになった。
「は……んぅ……」
 キスの合間にも、榎本の指先は純子の肩口をなで回している。ぞくぞくしてキスに集中できない。かと言
って愛撫に集中できるわけもなく、純子の意識は中途半端に残ったままでぼんやりしはじめていた。
 だが、榎本の手がバスタオルにかかるは感じられた。はっと我に返って手を押さえる。
「ま、待ってください」
「どうしたんですか」
「だって、これ取られたら、私、裸じゃないですか……っ」
「バスローブだったとしても同じだと思いますが」
「そっ、そうですけど! でも! ……っひゃ」
 榎本が突然純子の鎖骨に舌を這わせた。つねられたような痛みが走って、痕を残されたのだとわかる。
 おかえしに、純子も榎本のバスローブの帯に手を伸ばした。結び目をほどき、次は襟ぐりを広げる。バス
ローブは肌の上をすべり、榎本の二の腕の半分ほどがあらわになる。
 純子は体を起こし、榎本の鎖骨にキスをした。痕も残そうかと思ったがそれはうまくいかなかった。手を
下に滑らせて、股間にたどりつく。すでにいきり立った榎本の分身に指先がふれた。
 少しためらい、それをそっと手のひらに包みこむ。強すぎない強さで上下にしごく。
「く……ふ……っ」
 榎本がのどの奥で押し殺した声を漏らす。痛みや苦しさがあるようには感じなかった。
(気持ちいい、のかな?)
 少しうれしくなる。普段は、経験がなかったとは思えないほどのテクニックで榎本にいいようにされている
からだ。
 もっと感じてほしい。いつも純子にしてくれているように。
 純子はかがみこんだ。そうすると、榎本の分身が顔の前に来る。きつく目をつぶって、裏筋を舐めてみ
る。緊張と恥ずかしさで心臓がどうにかなりそうだ。
243後編(1/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/21(月) 00:08:13.35 ID:Ln9VsjxJ
「青砥さんっ!」
 榎本のめずらしくあせった声がする。肩をつかまれたのはやめさせるためだろう。だが純子にやめるつ
もりはなかった。思い切って先端をくわえてみる。
「っ、は……」
 榎本とは違い、純子はテクニックなど持っていないし、知らない。その分、精一杯、心をこめようと思った。
慣れないながらに舌と指先を動かし、軽く吸い上げてみる。
「青砥、さん」
 榎本の声がいつになくふるえている。そうさせているのが自分だと思うとうれしい。
(いつも、これが私のなかに入って、ぐちゃぐちゃにされてるんだ……)
 榎本の分身が体内を出入りする感覚がよみがえって、じわりと股の間が熱くなる。自分よりも榎本のた
めに集中しなくては、と思っても、くすぶってしょうがない。
 強めに肩を押されて唇を離した。押されるまま、ベッドにまた仰向けになる。その弾みで巻きつけていた
バスタオルがゆるんだ。
「あっ……」
 あわてて直そうとしたが、榎本に手を押さえられる。いつもより切羽詰まった瞳に見下ろされていた。
「もう、いいでしょう」
 答えないうちにバスタオルを剥ぎ取られる。空気が肌にふれる。純子はきつく目を閉じた。いたたまれない。
 榎本の指が上半身をなでる。さっきは冷たいと思った指先は、ふれられただけで火傷してしまいそうなく
らい熱い。純子の肌の温度もじわじわ上がっていく。
 指はだんだん下りていく。閉じていた足の間に榎本の手が入り、ひらかせようとする。恥ずかしさに耐え
ながらゆっくりと足を広げた。
 さらけ出した場所に榎本の指がふれる。敏感になっている箇所をこすられて、思わず声を漏らした。榎
本が指を動かすと絡みつくような水音が立つ。
 指先が浅い箇所を掻く。純子は細く長く息を吐き出した。……気持ちいい。けれど、足りない。もっと奥ま
で来てほしい。
 榎本は突然体をかがめた。そして顔を純子の足の間に埋める。
(まさか)
「榎本さんっ?」
「じっとしていてください」
 言葉とともに吐き出された息が、濡れきった性器に吹きかかる。こそばゆい感触に、じっとしていろと言
われたことを忘れて、純子は腰をよじった。
 指とは明らかに違う、生暖かくてやわらかいものが体内に侵入してくる。
「ぁっ……やっ、だめ……っ」
 純子の体に衝撃が走る。全身にあふれる快楽と、榎本がしている行為が信じられない。
「そんなところ……きたない、からっ……」
 舐められている。榎本が指や分身を入れている穴を。
 純子は榎本の頭を押しのけようとしたが、手にあまり力が入らない。榎本は指だけでなく舌も器用だ。
「榎本さんっ……!」
「……青砥さんと同じことをしてるだけです」
「だ、だめです……」
 純子は涙目になって首を振る。逃げようとしても腰はしっかり押さえつけられていて動かせない。足をば
たつかせると、爪先が榎本の着ているバスローブにふれた。
「じっとしていてください」
「無理です! だ、だって榎本さんが……こんな……」
「青砥さんと同じことをしてるだけです」
「も、もう、いいですからっ」
「……わかりました」
 榎本は顔を上げた。腕に引っかかったバスローブを脱ぎ捨てながら濡れた唇の周囲を舌で舐め取るの
を見ていられずに、純子は目をそらした。
「……いや、だったんですか?」
「なにがですか」
「だから、その……口で、されるの……」
 消え入りそうになりながら尋ねる。同じことをされたのは、もしかしたら仕返しだったのだろうか。
「……」
 榎本は答えない。よほど嫌だったのかもしれない。不安になってちらりと盗み見ると、口元を手のひらで
おおって、視線をどこかへ向けている。
244後編(3/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/21(月) 00:08:38.49 ID:Ln9VsjxJ
「その……青砥さんが自分からああいうことをするとは……思っていなかったので……」
 いつもは立て板に水を流すようにすらすらと話すのに、めずらしく歯切れが悪い。
「……照れてたんですか?」
「っ!」
 ぽかんとしながら純子が言ってみると、榎本の顔に朱がのぼる。どうやら当たりだったらしい。
「……」
「……」
「……あはっ」
「……」
「ははっ……んふふっ」
(なぁんだ。そういうことだったんだ)
 本当に、榎本のポーカーフェイスは読みにくい。もっと時間が経てば、そのうちわかるようになるのかもし
れない。そうであればいいと思う。
「じゃあ、いやじゃなかったんですね?」
「……少し驚きましたが」
「あ、すみません」
 驚かせたかったわけではないので、そこはちゃんと謝っておく。かと言って、「これから口でします」と宣言
するのもいかがなものか。
 そんなことを考えていると、榎本が言った。
「青砥さんはどうだったんですか」
「え?」
「抵抗はなかったんですか」
 いつの間にか、いつもの流暢さが戻ってきている。
「……そりゃあ、ちょっとはためらいましたけど……榎本さんのだから、いいかなぁって……」
「僕も同じことを考えました」
「え、それって……ん、ふっ……」
 問いただす間を与えずに、榎本が唇をふさぐ。他のことを考える余裕はすぐになくなった。頭の中がすべ
て榎本のことでいっぱいになる。
「は……」
「……いいですか」
 聞き返さなくても、なんのことかはわかる。純子は小さくうなずいた。
 榎本がヘッドボードに手を伸ばす。そこになにがあったかを思い出して、なんとなくいたたまれなくなる。
目を閉じて気まずい数秒をやり過ごす。
「青砥さん」
「……はい」
「体から力を抜いてください」
 そう言われるとますます緊張してしまいそうになる。深呼吸してリラックスする。息を吸いこむのに合わせ
て、榎本が体のなかに入ってきた。
「っあ……!」
 圧迫感と、こじ開けられる感触。耐えられずに声を漏らしてしまう。榎本の首にすがりつく。そうしている
間にも、榎本の分身が押し入ってくる。
「んっ……ぁあっ……」
 純子が声を上げても榎本が進入をやめないのは、感じていることをちゃんと知っているからだ。体を重
ねるうちに、そういうことはわかるようになっていた。
 奥まで貫いて、榎本の動きが止まる。一気に吐き出された息の塊が純子の胸にぶつかる。
 熱を帯びた二人の視線が絡まる。言葉を交わさなくても、意思が通い合う。
「あ……ぁああぁっ!」
 榎本の動きにもみくちゃにされて、声が止まらなくなる。我慢しようとしてもできない。全身が思い通りに
ならない。
 先端が純子のなかを掻く。ぞくぞくする。気持ちいい。ずるずると引き抜かれる分身を締め付けると、す
ぐに戻ってきて、奥まで満たされる。
 榎本の動きに合わせて自然と腰が揺れてしまう。足と足を絡ませれば、角度が変わって違う快楽が芽生
える。動き自体は単調だが飽きることなどあり得ない。
 こんなに自分が淫らだとは思わなかった。だが、やめられるわけがない。むしろ溺れ続けていたい。
245後編(4/4)  ◆uznl/wSQcc :2012/05/21(月) 00:09:05.03 ID:Ln9VsjxJ
「ぁ、はぁ……っんん!」
 体が燃え上がる。思考はふわふわして、徐々に白く軽くなっていく。少しこわい。
「えの……も、と……さ……っ」
 迷子のように榎本を呼ぶ。すると榎本は抽送を一時中断した。お互い、上がってしまった息をどうにか整
えようとして時間がかかった。
「……青砥さん?」
 榎本の頬は激しく動いたせいで血色がよくなっている。シャワーを浴びた髪はまだ少し湿っていて、汗で
ひたいに張りついていた。
 そんな様子が、どことなく少年のように見えて、純子は吹き出した。
「青砥さん?」
「な、なんでもないです……ぷふっ」
(知らないこと、あったんだなぁ)
 榎本はわけがわからない、と言いたげな仏頂面で純子を見下ろしている。へそを曲げるまでの秒読み
が榎本の中ではじまっている気がして、純子はあわてて言った。
「榎本さん」
「なんですか」
「きらい、なんて、うそですから」
 返事はなかった。だが、榎本の口角がほんのわずかに上がって、ごく控えめな微笑を作る。めったに見
られない表情を間近に見て、純子の胸がどきりと音を立てた。
「……榎本さん」
「はい」
 動いてほしい、とは口に出せなかった。だが、榎本には沈黙だけで伝わったらしい。ゆっくりと律動を再
開する。
「ぁ……あっ」
 リズムがどんどん速くなっていく。だんだん体を離れていく思考の中で、離れないように、しっかりと榎本
にしがみついた。





 榎本の腕を枕代わりにして、純子はまどろんでいた。体を交えたあとは、いつも、けだるく、眠い。だが、
榎本の体温を感じていると幸せで心地いい。
「……そういえば、ケンカするの、はじめてでしたね」
 ケンカというよりも純子が一方的にキレただけだが、「きらい」と言ったのは今日がはじめてだ。
「榎本さんのことならなんでもわかってる気になってましたけど、そうじゃないんだなぁって、思いました」
 重いまぶたを押し上げる。榎本の視線を感じて、ふふ、と笑う。
「……榎本さん」
「はい」
「またケンカしましょう」
「……はい?」
 理解できていない榎本のために、純子は説明してやる。
「ケンカして、まだ知らない部分をお互いにいっぱいさらけ出して、もっと深くわかり合えるようになれたら、
素敵じゃないですか?」
「……そういうものでしょうか」
「そういうものです」
「青砥さんがそう言うなら、かまいませんが。……でも」
「わかってます。『きらい』だけは、言いませんから。……きらいになれるわけがありませんし」
 なんとか頭を持ち上げて、榎本の頬にキスを落とす。
「おやすみなさい、榎本さん」
「……おやすみなさい」

 はたしてホテルの休憩料が経費として落ちたのかは、芹沢と榎本のみぞ知る。
246 ◆uznl/wSQcc :2012/05/21(月) 00:10:03.12 ID:Ln9VsjxJ
以上です、長々とすみません
2/4は通し番号を間違えて1/4になってしまいました…
お粗末さまでした
247名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 00:28:38.92 ID:Nu0AUvVb
>>242さん
乙です!待ってましたー!!
面白かったー!キュンとくるエロスだった。
榎本自身が謎なのもあって、個人的には純子視点の作品は読みやすくて好きです。
248名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 00:30:22.36 ID:MLJZm6ta
>>246
おおーっ
待ってました
249名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 00:33:21.32 ID:EkevKhlw
面白かったよ、GJ
250名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 00:56:51.72 ID:giJIsn+q
◆uznl/wSQccさん
キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ ! ! !
GJ…すぎる(*´Д`)ハァハァ
って天才すぎる…
…本気で萌えたってか悶えたwww

ヤバい 明日のドラマ見たら…私どうなっちゃうだろ…///

私もちょこちょこ書かせていただいてますが、やっぱり敵わないなぁ
描写が素敵すぎるよ…
天才すぎるよ…

小柄なため、バスローブがブカブカな榎本 って…
脳内で実際に ドラマの榎本くんに変換されて…ヤバい

嵐の彼を見る目が変わってしまった…私も神の書き手さんには到底叶いませんが、(しかもエロに変換できない…)
かなり下手くそだけど、書くのに刺激された…

下手くそだし皆さんのお目汚しで
お前のなんか待ってないよ!
ってツッコミ満載に入るかもしれないけど…(しかも純愛でエロかけない(´・ω・`)ショボーン)
頑張って書いてみようかなぁ
大丈夫かな…

◆uznl/wSQccさん!
尊敬します。憧れる

本気でアリガトウゴザイマシタ
明日の活力になりました。
お疲れ様でした!
251名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 04:09:22.43 ID:BnYwqMDw
後半GJすぎて寝れない。
素晴らしい作品ありがとうございます!またこの榎本青砥カップルの続きとか書いてください!
252名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 05:28:25.95 ID:0nl1x1eQ
◆uznl/wSQcc様、お疲れさまです!前後編ともwktkしながら読ませて頂きました。
榎本と純子のやりとりにいちいち萌えましたw
またいつか投下して頂けたら嬉しいです。
253名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 19:26:36.58 ID:1nDO75Ky
>>242
後半楽しみにしてた! GJ!!
254名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 20:58:46.62 ID:SScFpYrS
>>246
うp待ってたよー素敵な作品投下ありがとう!感謝です
自分もこんな榎本と青砥が書けるようになりたい
後半のエロもとても素晴らしいんだけど、
一番好きなのは前半4/4の「平気なわけがありません」以降の部分
普段はエロ好きなのに、そこの榎本と青砥の雰囲気がエロ以上にたまらんw
255名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 22:08:46.60 ID:SScFpYrS
1週間の楽しみが終わってしまったー/(^o^)\
今週は、舞台始まるまでの榎本がちょっと緊張?してるっぽいところと、
青砥が密室本を読んでることを榎本にうっかり話してしまい、
榎本に食いつかれて慌てるところと、
榎本とふたりっきりなのに居眠りしちゃう青砥が良かった
ラストで次のデート?のお誘いしてるのも青砥が可愛いw
冒頭、榎本を舞台に誘うところ是非やってほしかった、ちょっと残念w
来週も2人で行動するみたいなので楽しみ
あと、芹沢のバスローブ姿はサービスカットだったなw
256名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 22:36:11.75 ID:0s1SzmsY
>>242
GJ!最高っす
ふたりのやりとりがリアルですごい!

ドラマ今週も面白かった
原作知らないんだけど、来週はお泊まりなのか?w
お泊まりなら榎本、ついに脱DT?w
257名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:05:43.24 ID:giJIsn+q
榎本の仕事部屋で寝てしまった青砥…

話しかけるつもりで 青砥のとこにいった 榎本。
榎「青砥さ…(ってな…なんで寝ちゃってるんだ…)」
青「…う〜んムニャムニャ…えのもとさぁ〜ん …密室で…彼氏に… (…寝言どうやら密室の舞台と部下弁護士とゴーストライターだった彼氏のことが話が夢で、ごちゃごちゃになったんだろう)」

榎「えっ…///(夢の中の僕は密室で青砥サンに何をしているんだろう…彼氏って…ど…どうしよう…毛布かけたら…でも…寝顔見てるのばれたら…とりあえず…ここから立ち去らないと…なんかヤバい…)」…榎本の分身はヤバいことになってた





下手くそな、こんなんしか思い浮かばなくてごめんなさいm(_ _)m
最後のV6坂本をひとりで追い詰めるとこでヤバい空気になった青砥…それを電話で知った榎本はありえない早さで駆け付ける
「…青砥さん…僕以外の男性に…何かされないでくれ…」的なことしか思い浮かばない…
考えてまたしてまた投下してみたいでし
258名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:26:31.78 ID:IAl8ybjk
来週は二人でお泊まりですか
何もなかったとは言わせんぞコラ
259名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:29:33.30 ID:AoHkHfvW
会話文で///入れる人の文章って大抵酷い
260名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:38:18.80 ID:Ln9VsjxJ
うっかり寝てる青砥になにもかけてやらない榎本に萌えた
そういう無関心さ?というか距離感みたいなのがいい
かけてやろうか迷ってるうちに起きたオチでもおいしいです

>>258
成人した健全な男女二人がお泊りしてなにもないはずがないw
261名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 23:46:49.47 ID:SScFpYrS
やっぱ来週のあれはお泊りなのか?w
芹沢が真昼間からバスローブってのも変だし、あれは夜?

じゃあ、最初は榎本と青砥、別々の部屋なんだけど、
青砥がひとりじゃ恐いから一緒の部屋に寝てくださいって榎本に泣きついて
榎本が青砥さん嫁入り前の女性がそんなこと言うもんじゃありませんとかなんとか
キョドりながら言いつつ、涙目の青砥を放っておけず結局一緒の部屋で寝ることになって
安心して爆睡する青砥を尻目に一睡もできない榎本なんてのはどうかなw
自分の創造じゃなかなかエロにたどり着けない
262名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 00:05:21.71 ID:3d+VMMJl
これから榎×青を投下します
細かいところが粗があるかもしれないので、あったらゴメンナサイ
2631/4:2012/05/22(火) 00:06:12.69 ID:m/v2R72h
出来る事ならば出席したくない結婚披露宴でしこたま飲んだ純子は想像以上に気分が悪い朝を迎えた
「う〜、頭痛い〜」
目を開くと天井がボヤ〜と見える
「アレ?」
天井の色が違うのに気付いた
「ここどこ?」
自分の部屋ではない。ラブホテルでもない
そう思ったのは部屋の調度品が男性的でその主こと榎本が隣で寝ているからだった
「え、えぇ〜!」
純子の声が大きく部屋中に響いた
「あ、青砥さん、お早うございます」
その声で起きた榎本が丁寧に挨拶をした
「洋服なら、そこに掛けてありますから…」
榎本は壁に掛かった花柄のドレスを指差すとまた寝る。それを見て純子は唖然とした
そっと掛け布団を持ち上げると洋服に合わせ花柄にした上下の下着が目に入った
(私、ワイヤー入り苦手だから、このブラにしたのよね〜)
などと頷いたのだがそんな事はどうでも良い。榎本の部屋に泊った事のほうが気になる
「ちょっと、榎本さん、起きて下さいよ〜」
ジャージの下だけ着た榎本を揺さぶり起こすのだが全然起きる気配がない
(それにしても…、寝顔可愛いな)
年上の男に可愛いはおかしいかもしれないが黒い紐が付いたメガネを外した素顔の榎本を見るのはこれが初めてである
「まぁ、いいか…」
おそらくは偶然榎本に会い飲みに行って夜も遅いから泊った…と想像して純子はドレスを着て帰る事にした
「それにしても私って魅力ないのかなぁ…」
メガネの無いぼんやりとした風景の中で純子はポソリと言った
恋人だったはずの男が親友だったはずの女と出来ちゃった結婚をした
それでつい酒をしこたま飲んだ。デートこそしたが手を握る事もしない男が二股して他の女と子どもを作っていたのはショックだった
「そんな事は、無いですよ」
置き手紙をして帰ろうとした瞬間背を向けて寝ているはずの榎本が呟いた
「司法試験に未だに合格出来ない自分を慰めてくれる女性だったら、一発で合格した青砥さん以外の誰でも良かったのですよ」
榎本は起き上がると手紙を屑籠に捨てその足で冷蔵庫からポカリの缶を二本出して一本を純子に手渡した。しかもマニキュアを施した指では開け辛いと思いタブを起こしてあった
「あ、ありがとうございます」
榎本みたいな立ち飲みは行儀が悪いと祖母に躾けられた純子は椅子とかないので仕方なくベッドに腰を掛け一口飲んだ



2642/4:2012/05/22(火) 00:06:58.21 ID:3d+VMMJl
「大体“赤ちゃんは天からの授かりものだ、避妊なんてオカシイですよ!!”と力説する青砥さんとはそうしなかったのは、結局男の虚栄心ですよ」
「わ、私そんな事、言っていました?!」
二口目を吹き出しそうになった純子が榎本を問い詰める
「言っていましたよ。“芹沢さんの所は給料が良いから自分の稼ぎでも私立大学でも二人までなら行かせられる”とか…」
昨夜純子から飲もうと誘われた榎本が個室の居酒屋で色々聞かされたと語り出した
(うわぁ…、それ“私の秘密ノート”だ)
純子には死んだ時一緒に棺に入れてと頼んだ鍵付きのノートがありそこには将来の夢とか書いてあった
(何でそういう事を〜、よりにもよって榎本さんに打ち明けるのよ〜)
昨夜の自分が恨めしくなった純子だった
「そ、それはあの場の冗談ですからね」
そんな黒歴史は忘れて欲しいと願って咄嗟に嘘が出る
そして帰ろうとしてポカリを飲み干す
「そうですか、冗談ですか…」
ではこの紙に純子が書いた事も冗談ですかとジャージのポケットに入れていたそれを榎本が破り捨てようとした
「ちょ、一寸待って下さい! それ何が書いてあるのですか? 見せて下さい!」
「見ないほうがいいですよ」
榎本は紙を破り床に撒き散らす
「何で、そんな事をするのですか!」
「だって、“貴男の事が好きだから、抱いて欲しい”なんて、貴女が酔った勢いで出した、冗談でしかないでしょ」
不貞腐れた顔をして昨夜の事を純子に白状をした
(何て事を、榎本さんにしたのよー!)
酷い事をしたと知り慌てて紙を集め床の上でパズルのように組み立てる
それは居酒屋のお客様アンケート用紙で裏に“抱いて”とか“好きです”とか書いてあるのが判る
この時自分が何故榎本の部屋で寝ていたのか純子は全部思い出した
あの居酒屋にて自分はこれを書いた。だから榎本は自分が赤の他人に逆セクハラするのを避けてここに泊めたのだと悟った
撒いた種は自分で刈ろう。純子は床に座ったまま榎本に告白した
「私が榎本さんの事を好きなのは、冗談ではありませんよ」
「え?」
榎本が純子を見る。メガネ無しのぼんやりとしたその背中が弱弱しく感じた
「榎本さんは私に隠している事があるから、言わないでおこうと…、思ったのですが…」



2653/4:2012/05/22(火) 00:07:41.77 ID:m/v2R72h
いきなりの告白に面食らう榎本がそっと近寄ると純子はホロリと涙を流していた
多少乱れてはいるがアップに纏めた髪が綺麗に見えた
その涙に胸が痛む。罪悪感を隠すように榎本がそのまま純子を抱き締める
「え…、の…」
裸の胸に頬が当たる純子が見上げると言葉を遮るかのようにキスをされる
唇がようやく離れると今度は榎本の手が器用にドレスを脱がす
「あ…、の…」
戸惑う下着姿の純子を抱き上げてベッドまで運ぶとそのまま身体を重ねた
「仕事以外の隠し事なんて、ありませんよ」
純子と目を合わせて榎本が言う。その言葉に偽りはない
「僕も、貴女の事が好きです。ずっと身体を一つにしたいと、考えていました」
そう言うと微かに口紅が残る唇にキスした
今度は先程とは違い口を舌で開けて舌を絡めてくる激しいキスだった
「…ぇ、……のぉ、あぅ…」
純子にとっては人生二度目のキス。この間に榎本の右手が純子の肩に伸びてブラの肩紐をずらして左の乳房を露わにする
恥ずかしさのあまり手で隠そうとするが紐が邪魔で出来なくなる
「あ、あんっ!」
ようやく唇が解放されたかと思ったら今度は左の乳房が榎本の唇に吸われ甘い声が出る
その声がいつも聴く曲よりも心地いいと思いながら右肩の紐もずらして右の乳房も露わにして左手で撫で回した
「やぁ、榎…本……」
両腕の自由が奪われ両方の乳房が榎本の目に映っている
榎本から見ればいつも服の下にこんなにきれいで大きな乳房が隠れていたのかと知り得ただけでジャージの中が疼く
左に続いて右も愛撫されて両方の乳首が硬くなってきたのを見て一気にブラを下げる
それによって下に穿いているのにも重なってこれも一緒に脱がされる
「ひゃ、ぁあ!!」
あっという間に一糸纏わぬ姿にされて不安になる純子を見ながら榎本もジャージを一気に脱いだ
「うわぁ、えぇ!!」
純子にしてみれば生では始めて見る男性器。それが大好きな榎本のものでもメガネ無しであっても怖気付く
こんなものが自分の胎内に入るのかと思うとどうしても及び腰になる
そんな純子の態度を見て榎本がいきなり言い出す
「僕は、女性とこうなるのは初めてです」



2664/4:2012/05/22(火) 00:08:30.70 ID:3d+VMMJl
「はい?」
その突然の告白に純子は呆気に取られる
「そ、そうですか、私もそうです」
ここで何故だか男に恥をかかせては駄目だと叱った祖母の言葉が浮かんだ純子がいきなり正座をして告白する
「え?」
「はい」
短く会話してお互いの顔を見合わせる
すると何か和んだのか二人に笑みが零れる
「それじゃあ、肩の力を抜いてやりますか」
「そうですね」
こうして緊張が解れた二人の初めては上手く行った……

あれから数時間が過ぎた
昨日飲み過ぎたからトイレに行きたくなった純子が目を覚ました。榎本は寝ているようなのでこのままの姿で行こうとしたら脚が縺れ派手に転んだ
「いったぁぁ…」
転んだ拍子に右の脚首を捻ったらしい。少しズキズキする。その上胎内からオシッコではない何やら暖かいものが出た
右手で床に付着したそれを拭うとおりものとは違う白いものだった
(何だろう? これ…)
「うひゃ!!」
「大丈夫ですか?」
唐突に榎本に抱き上げられてトイレに向かう
「あの…、これ何ですか?」
純子が床に残るそれを指した
「え…と、それは後で教えます」
何故か榎本の顔が赤くなったのに不思議がる純子だった

翌日の朝芹沢の事務所で純子は休みの間迷惑をかけたお礼を持って芹沢の部屋を訪れた
「芹沢さ…ん?!」
そこには芹沢の姿はなく代わりに榎本がいた
「お、お早うございます。榎本さん」
「青砥さん、お早うございます」
純子のほうは動揺が隠せないが榎本のほうは以前と変わらない態度で挨拶を交わした
そこに芹沢が現れて三人で仕事の話をする
「では、これで失礼します」
「それでは、私も案件がありますので、失礼させて頂きます」
榎本と純子の二人が部屋から出て行く時秘書が芹沢のおかわりのお茶を持って入って来た
「何かありましたね、あの二人」
「君もそう思うか?」
純子の身体から榎本と同じ石鹸の匂いがした事を芹沢と秘書は気付いていた
侮れない二人だった

〈おそまつ〉



267名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 00:13:13.03 ID:/SEVJX76
最近事件関係なく二人一緒にいること多いよな

もうくっついちゃえよ…
268名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 00:42:59.54 ID:syfp3HY9
>>266
乙!
269名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 01:50:29.09 ID:CcYpbMxr
>>259ならスルーすればよい。
書き手さんに文句いうのはちょっと違う。
270名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 10:11:22.30 ID:TEdiHzEN
純子がまだ外にいるのにドア閉めようとした榎本に吹いたww
小学生男子の意地悪かよww
271名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 23:22:07.15 ID:N/y3gX4W
青砥が榎本を劇に誘うくだりが見たかったなー、残念

あと、今週来週と三人組での行動が少なさそうで残念
芹沢、来週は休暇中って設定だからあんなわかりやすい格好してるんだねw
272名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 23:48:39.96 ID:bL4BNwaJ
>>266

榎本は童貞でも非童貞もリアルに読めるから面白い
273名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 21:15:24.33 ID:7WSV9aS+
青砥の机バン!「出来ると言ってください!」にたじろぐ榎本に
意外なような全然意外じゃないような力関係を見たw
榎本はけっこう押しに弱いかもしれん、いけいけ青砥ちゃんw
274名無しさん@ピンキー:2012/05/23(水) 22:48:56.48 ID:OpA+0XHY
話題になってたテレビジョン買ってきた
二人の距離近くて萌えた!
榎本だったらあんなに近づかれる前に逃げるだろうけどwwwww
「何かココ落ち着くんです」って純子の台詞が載ってたんだけど、
これから出てくる台詞なのかな?wktk
275名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 00:19:54.47 ID:tUldcpE3
榎本は童貞説が有力だけど、実は18、19くらいの若い頃に一回りくらい年上のお姉様にいろいろ教え込まれてそう。
榎本は本気だったのにお姉様は遊びで、そのトラウマで奥手になってしまったと妄想したww
榎本にあんなことこんなことされる度に嫉妬しちゃう純子ちゃんww
276名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:32:31.40 ID:ZtxRtLg2
先日メイクの話を投下したものです。
エロに至る過程を書きたいがために無理やり告白話を捏造しました。
展開が超急ですがまあそこはご愛嬌ということでww

※※※

 鍵や錠、密室、或いは密室を構成する物事にしか興味がないのだろう。だから例えば、密室という繋がりを使って近付こうとしても、それは。

 興味が恋に落ちた。

 大学時代には、彼氏が居た。人付き合いの良い、誰とでも仲の良い人だった。チャラ男とまでは言えないが、どちらかというとその部類。いつの間にか自然消滅していた関係は、今考えると付き合っているというにも薄弱だったかもしれない。その位、彼は交友関係が広かった。

「榎本さんて、お家でも鍵弄ってるんですか?」
「……日によります」
「呑みに行ったりはしないんですか」
「あまり。相手も居ませんから」

 誘えば来てくれるんだよなー。と、人付き合いが良い、とは言い切れない榎本を、青砥はマジマジと見つめた。
 昔の彼氏と比べるのもどうかと思うが、この東京総合セキュリティーに勤める榎本径という男は、交友関係が広いとはお世辞にも言えない。会社の中でさえその存在は隔離された場所に在り、そこへの人の出入りも少ない。
 尤も、だからこそ入り浸れるのだが。

「榎本さんのお家って、どんな感じなんですか? やっぱり、凄いセキュリティーの駆使されたお家ですか?」
「……簡単には入れない程度のセキュリティーです」

 そうなんですねー。
 そう吐き出して、青砥は榎本の背中を見やる。

(つまらない)

 勝手に来て勝手に入り浸り他愛ない雑談をふっかけておいてつまらない、とは大分横暴だとは思う。けれど、構ってもらえないと寂しくなる。特にそれが、自分が興味のある人間相手なら尚の事。

(興味、か)

 こちらを一度も振り返らない。それ即ち、興味がない、という事だろうか。

「私は、榎本さんに興味があるのに」
277名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:33:42.73 ID:ZtxRtLg2
 小さな呟き。か細いそれに、榎本はまた返事をする。

「青砥さんの独り言は、詳細を把握できない程唐突なことがままあります」
「私は榎本さんに興味があるのに、榎本さんは私に興味がないって話です」
「興味、ですか?」

 榎本が、此方を向いた。興味の有無の話に興味を持ったようだ。

「青砥さんこそ、僕なんかに興味はないでしょう」
「あります! だから、密室の本を読んだり、もっと榎本さんを知りたいなって」
「僕も、あなたに興味があります。あなたを知りたいとも思います。だから、訊いたでしょう」

 どんなこいをしてきましたか?

「僕は青砥さんに興味がありますし、青砥さんが僕の興味のあることに理解を示そうとしてくれていることは、嬉しい、と思います」

 ジッと見つめて伝えてくる言葉があまりに真摯で、青砥の心臓はうっかり急加速する。ちょっと、これは、反則だ。

「それは、ええっと……密室に関わっている私に興味がある、ってこと、ですかね……つまり、その……」

 密室に興味のある私に興味があるのだろうか、と、暗に紡いだ思いはきちんと伝わったのか? 上手く言葉にならないもどかしさ。
 榎本が、小さく細く、息を漏らした。

「興味、というから誤解を招くのでしょうか。素直に青砥さんのことが好きだと伝えれば、僕があなたに対してどういった感情を抱いているか理解してもらえますか」
「え、えぇえ!?」

 早口で言われたこれは、告白と取ればいいのか。急展開に青砥はパニックになる。
 だってまさか。まさか。

「え、のも、とさん、私のこと、すきなんですか……?」
「はい」
278名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:34:46.80 ID:ZtxRtLg2
 人生の中で幾度か体験した、告白というイベント。その中で史上最も淡白な、回りくどいそれ。
 いや待て純子、好きにも色々種類があるぞ、と自らを制していると榎本が立ち上がる。
 距離が近付いて、ぽふり、と抱き寄せられた。

「好き、というのは、こういった意味合いで、です」

 榎本さんも大概唐突だと思います! とは言えなかった。それどころでなく心臓が飛び出しそうだ。
 回らない頭を必死に回転させる。

「わ、わたし、」

 鍵や錠や密室にとらわれた榎本径は、その密室に興味のある自分に少し関心を持っただけかもしれない。出会ってそれ程時間も経っていないし、知らないことが沢山ある。知りたいことが沢山、ある。
 青砥とて、榎本径という人物に興味があるだけかも知れない。その内また自然に消滅する関係かもわからない。

 それでも。未だ知らぬを知ることが恋ならば、この気持ちを恋と言っても構わないだろう。

「わたし、も、榎本さんのことが、すきです、よ」
「そうですか」
「はい」
「では、お付き合いして頂いてもいいでしょうか」
「よろしくお願いします」

 興味が今、恋に落ちた。

※※※

 なんなんだアイツ等、なんであんなに回りくどいんだ!? 回りくどいくせに展開は早すぎるし、本当に、あぁもう!

 備品倉庫前で聞き耳を立てていた芹沢が床にしゃがみこむまで、あと少し。

※※※

お粗末さまでした。
279名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:36:34.16 ID:Xf71uyDi
こんな素敵スレが!
榎青好きだ。それに芹沢パパが絡むのも好きだ。
榎本は純情でも鬼畜でもどっちもいい。
両方ともSなのは譲れないけどw
280名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:38:33.65 ID:GZvluUp7
>>275
おんなじこと妄想してる人がいた〜。
そのせいで、ますます鍵にのめりこんでいってたりして。
281名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 01:46:47.42 ID:GZvluUp7
>>278
GJ!聞き耳立てる芹沢さん、いいですね。
エロも待ってまーす。
282名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 07:59:16.78 ID:HLT2WL69
GJです。GJGJGJGJです!
全レス読んで萌えました。
いっちばん好きなのは、あぁー・・・・えらべねー。
また読んでこよっと♪
283名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 11:42:15.98 ID:ZGONZ+Uk
芹沢さん何してるんですか〜GJ
284名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 11:49:34.00 ID:xs3sWMzJ
うほ☆
285前編1/2:2012/05/24(木) 12:30:44.85 ID:HLT2WL69
興奮しすぎて自分でも書いて見た。
はじめてなので読みにくいと思う。ごめん。

痴漢の話の流れが自分の萌える方向と違ったので自分の好みな感じで。
書いてて思ったけど、自分の頭の中とドラマの映像と席が左右逆だ。
二人は右端の席に座っています。



「ちょ…っと、やめて下さいっ」
押し殺した純子の声にはっと目をやると、純子が身をよじらせて何かを向こうに押しやろうとしていた。
榎本が目を落とすと純子の太ももをいやらしく弄る手が目に飛び込んできた。純子が必死で引き剥がそうとしてもがいている。
痴漢行為にかっと頭に血が上った榎本はがたっと立ち上がり、純子の右手首を捕まえ引き寄せた。
純子は隣で勢い良く立ち上がる気配に驚いて榎本の顔を見上げたが、力強く引っ張られたのでおのずと自分も立ち上がった。
乱暴に引っ張られたのでバランスを崩し、勢い榎本の胸にどんとぶつかる。
一瞬抱きとめられるのかと思ったが、榎本はそのまま純子の手をさらにひっぱり榎本が座っていた席に純子を座らせた。
通路側の席なので隣は誰もいない。純子が他の誰かに触られる危険もない。
榎本は安全な席に純子が座ったのを見届けると、まだ立ち尽くしたまま痴漢の顔を凝視した。
純子が何がなんだかわからないまま榎本を見上げた。榎本は無表情でじっと立っていた。
少し眉間にしわが寄っているだろうか。
暗い劇場すべてが非日常の世界で、肩からかけたいつもの鞄に手を置いている姿は、そこだけが日常とつながっているようで不思議だった。
しかし顔に目を戻すと、眼鏡の億に光る榎本のするどい眼と両の肩からは暗く強いオーラが勢いよく渦を巻いて立ち登っているようだった。
じっと凝視された痴漢の男は榎本の負のオーラにあてられたのか、ぶつぶつと文句をいいながら二人とは逆の方へ逃げていった。
榎本と純子の席は端の席なので、逆の端へ行くまで大勢の客の前を通らねばならず、痴漢は逆サイドの通路へ出るまで次々と悪態を浴びせられた。

痴漢が通路を走り去って行くのを見届けてから、榎本は静かに席に座りなおした。
顔は無表情のまま、視線はじっと舞台を見つめている。
純子は先ほどから榎本の顔から目が離せないでいた。榎本の顔はこんなにじっくりと見たことは無かったかもしれない。
榎本はもとからこんな顔だっただろうか。人の顔がそんなにすぐに変わるわけないのだが。どうしても今までの印象とは異なって見えたのだ。
少し年より幼く、密室解明をするとき以外は多少頼りなく見えていた榎本の顔が、急にものすごく頼りになる精悍な男の顔に見えた。
しかしそう思ったかと思うと、線が細く美しいとも言えるような、ちょっと女性のような顔にも見える。不思議な顔だ。
純子はまじまじと榎本の顔に見入ってしまっていた自分に気づきはっとした。
恥ずかしくて顔が赤くなり両手で頬を押さえる。熱い。
熱いのは頬だけではなかった。さき程榎本につかまれた右の手首の感触がまだ残っている。
そこがまるで熱を帯びているように熱く感じる。
怪我をしたわけではない。ひねったわけでもない。ただ榎本と触れたという記憶が純子の体温をあげているのだ。
純子は動揺した。どうしちゃったんだろう。痴漢でびっくりして興奮してるだけだわきっと。
そうやって自分の心を落ち着けながらも、思ったより力強かった榎本の手、華奢に見えるのにびくともしなかった胸を思い出すたびに、
両手で頬を押さえないではいられなかった。
286前編 2/2:2012/05/24(木) 12:32:29.34 ID:HLT2WL69
榎本はというと、席に座った後、舞台から目をそらさないながらも、純子の目がずっと自分のほうを向いていることに気づいていた。
何故僕を見ているんだろう。なぐさめの言葉を待っているんだろうか。僕にそんな気の聞いた言葉がかけられるとは思えない。
彼女もきっとそれは分かっているはずだ。ここは気づかないで舞台に見入っているふりをしたほうがいいだろう。
やがて純子の目線がそれたのでほっとする。なぜか両手で顔を覆っているようだが、そうやって心を落ち着けようとしているのだろう。
ほっとしたら先ほどの光景が思い出されてきた。
純子の足を弄る手。
記憶の中では白いシャツの下のベージュのパンツは素足に変わっていた。暗闇の中なので榎本にはそのように感じられたのだ。
繰り返し繰り返し、純子の生足を弄る手が脳裏に浮かんでくる。
その度に打ち消し目の前の舞台に集中しようとするのだが、なかなかうまく行かない。
それどころか妄想は自分の心を裏切りエスカレートしていく。
嫌がる純子のシャツの裾を分け入り、淫らな闇の中に滑り降りていく手。
手を押しのけようとするあまり無防備になった胸を別の手が鷲掴みにして純子が悲鳴をあげる。
淫猥な妄想を振り払おうと、榎本の無表情の顔へかすかに眉間のしわが刻まれていく。


ふと右袖がひっぱられた。純子が袖を小さくもってつんつん引っ張っている。
「なんでしょう。」榎本は純子の方を向いて。しかし目線はあわないように純子の膝あたりをぼんやりと眺める。
しかしそこに目線をやったのは失敗だった。先ほどの痴漢の映像がまた脳裏によぎる。
純子はそんな榎本の葛藤などおかまいもせず、榎本の袖をひっぱり少し自分のほうへ引き寄せ、耳元でささやいた。
「榎本さん、さっきはどうもありがとうございました。」
ショックでお礼を言うのも忘れていたことに思い当たったのだ。
「いえ。」
短く答える。純子の息が直接耳に触れて背中から首筋までぞくっとする。
身体が反応しそうになるのを必死で抑えるのに、思わず眉間のしわが深くなる。
そんな榎本の表情を見た純子は、榎本が不快な思いをしたのは自分のせいだと申し訳なくなった。
もう一度袖をひっぱると、またもや耳元でささやいた。
「嫌な思いさせちゃってごめんなさい。」
榎本はその瞬間思わず身体をびくっとさせてしまったことを誤魔化すために、さっと純子のほうに身体をむけた。
純子はちょっとびっくりしたようだったが、すぐに申し訳そうな顔をして榎本の目を覗きこんだ。
いつも明るい目が不安そうに揺れているのにドキっとする。
「そんなことありません。あなたが謝る必要もありません。」
「あの…榎本さんが怒ってるみたいな顔してたから……」
「怒ってません。」
榎本はこれで話は終わりだというように、身体を前に向け視線を舞台にもどす。
これ以上耳元で吐息をかけられたら自分はおかしくなってしまう。
「あ・・・そう・・・ですか・・・・・・」
幸い純子もそれ以上は追及してこなかった。



中編になるか後編になるか書いて見ないとわからないけど
エロありのつもりです。お粗末さまですがどうぞ。
287中編1/2:2012/05/24(木) 13:30:43.18 ID:HLT2WL69
劇場を出た後二人はバーに向かった。
はじめ純子がお詫びとお礼もかねてと誘ったのだが、榎本はそんな必要は無いからと頑なに断った。
それならば自分がむしゃくしゃした気分をはらしたいからつきあってくれと純子が頼んだので、それならばと同行することにしたのだった。

ちょっとお洒落な感じのバーに案内された。
この前友達の○○ちゃんに教えてもらったんです。おいしいけどそんなに高くないんですよ。
と純子が嬉しそうに話している。
そうですかと簡単に返事を返しながら、友達が女性だったことになんとなく安堵している自分を感じていた。

もう完全に嫌な気分など忘れたかのうように振舞っていた純子だったが、やはり心のどこかでショックを引きずっていたのだろうか。
芹沢と3人で飲んだときよりペースが幾分早いように感じる。回りも早いようだ。
いつのまにか今日の痴漢の話になっている。やはりずっと引っ掛かりがあったのだろう。

「だからー、あんなね、嫌なやつに触られるくらいなら、榎本さんに触らせるっつーんですよ!」
純子はぐるっと隣に座る榎本のほうを向いた。
「ねっ!榎本さん!」とバンバン腕を叩きながらアッハハハハと豪快に笑っている。

榎本は困ったように視線を泳がせてからため息をついてぐいっとグラスの中に残ったカクテルを飲み干した。
いったいなんてことを言うんだろう。1割でも本気にしたらバカを見ることは分かりきっている。
酔っ払いのたわごとだ。
そう自分に言い聞かせながらも、どこか浮つく気持ちを感じていた。

純子は何も気づいていない様子で身体を半ばテーブルにつっぷしながら続けた。
「オンナノコはねー、嫌な相手とは絶対エッチなんかできないんですよー。気持ち悪いもん。
あ。榎本さんなら大ジョウブですよー。
絶対気持ち悪くないもーん。ンフフフーw」
正体不明になりつつある純子を残して榎本は席をたった。
榎本がトイレにいったのかと勘違いした純子はいってらっしゃーいと手を振りながら、本格的に机につっぷして目をとじる。
榎本が席をたってしばらくすると、自分が発した言葉が徐々に脳に降りてきた。
言葉の意味が自分の頭にしっかりと理解されてきて、はっと身体を起こす。
私はなんてこと言っちゃったんだろう。はずかしい!
あんなの誘ってるみたいじゃない!
榎本さんどんな風に思っただろう。
「そういうことは人前で話すことじゃない」って前に言ってたのに。
あー、もう私のバカバカ!

自分を責めながらも、劇場でつかまれた右腕の感覚と、ぶつかってもびくともしない榎本の胸の中を思い出して身体が熱くなった。
急激に血がめぐって頭がくらくらした。
いつもよりアルコールの回りが早いのは自分でもわかっていた。
榎本の前で柄にも無く緊張していたのだ。
眼鏡の奥の榎本の目がいつもより5割増しに格好良く見えて動揺もしていた。
両手で頬を押さえて深呼吸をする。
向こうから榎本が戻って来るのが見えた。

「会計をしてきました。帰りましょう。送りますよ。」

そしてスタスタと店の出口へ歩いていってしまう。
純子はあわてて荷物をまとめて後を着いていった。
288中編2/2:2012/05/24(木) 13:31:47.38 ID:HLT2WL69
「榎本さんっ!」
建物の外に出たときにやっと追いついて純子が呼びとめた。
「急にどうしたんですか?」
純子が榎本の目を覗きこんだ。
「今日は青砥さんあんなことがあって疲れているようですから。」
榎本は表情を変えずにそう言って目をそらした。
きっと榎本さんは私がはしたない女だって思ったんだ。
だから今すぐ帰ろうって言い出したんだ。
そう思うと恥ずかしさで頭に血が上ってくらくらした。
純子の足元がふらつくのを見て、とっさに榎本が純子の肩をかかえた。
「大丈夫ですか。タクシーを捕まえましょう。青砥さんの家はどこですか」
建物の壁際に純子をよりかからせようと榎本が肩を持って歩かせようとする。
純子はその手をふりほどいた。
「榎本さん、私のこと、はしたないって思ってるんでしょう!
女の子がエッチのこと話したらいけないんですか!?
女の子だってそういうこと話したいときだってあります!
……そ、そりゃ友達とだって、こんな話めったにしないけど……」
本当になんであんなこと言っちゃったんだろう。緊張しすぎて脳の回路がどっか変につながっちゃったのかな。
悲しくなって俯いていると、榎本が静かに声をかけた。
「そんなこと思っていません。
……ただ、今日は青砥さんにあんなことがあって、正常な判断力を失われてるようでしたので。」
淡々と話す榎本にまたかっとなる。榎本がなんのことを言っているのかは分かっている。
「私は正常です!酔ってたってわかります!……え、榎本さんとエッチしても…きっと、き、気持ち悪くなんかありません。」
榎本は鼻でため息をついた。
「さあ、タクシーを呼びましょう。青砥さんの家の住所をo。」
「榎本さん、私の言うこと信じてないでしょう!私はちゃんと正常です!」
「正常な判断力があるとは思えません。」
「じゃあ、証明してみせたら、正常だって認めますか!?」
いったい何を証明しようとしてるのか、榎本はわけが分からなくなって言葉につまった。
その一瞬だった。まるでスローモーションのように見えた。
純子が榎本に1歩、2歩近づいた。両手をのばし榎本の頭をつかむ。
ぐっと自分に引き寄せて純子の口が自分の唇と重なった。
一瞬すべての音が消えたかと思った。
次の瞬間自分の心臓の音が破裂しそうに聞こえてきた。
榎本はただ立ち尽くしていた。指一本動かすこともできなかった。
ただじっと、純子の唇の柔らかさを感じていた。
289後編の前編1/2:2012/05/24(木) 14:54:21.90 ID:HLT2WL69
何分たっただろうか。とても長く感じる。実際は30秒もなかったかもしれない。
最後に少しだけ唇をついばむように動かして。純子は離れた。

「ほ……ほら、全然気持ち悪くないじゃないですか。」

榎本はまだ固まったままだったが、ひとつ小さく息を吐くと、黙って純子の手首をつかみ歩き出した。
劇場で榎本に触れられたところがまた同じ手の中にあるのを感じてドキッとした。
いつも錠をいじっている手。美しい造詣をしていると日頃から思っていた手。
今私の手首をつかんでるんだ。指長いな。自分の腕がおもちゃみたいに見える。
ぼんやりそんなことを考えている間、榎本は純子の顔は見ようとせずに車道の方へと進みタクシーを停めた。
タクシーの中にぐいぐい押し込まれて、このまま一人で家に帰されるのかと一瞬悲しくなったが、
榎本も続けて乗り込みシートに沈んだので、ほっとした。
とりあえずこのまま変な風に別れるのだけは避けたいと思った。
純子が自分の家の住所を運転手に告げると二人は無言になった。
さすがの純子も今日の自分の所業を振り返ると、何を言っていいのか分からなかった。
そっと榎本のほうを伺い見ても、いつもどおり無表情に前を見ているだけだった。
ちょっといつもと違うなと思ったのは、肩肘をドアにひっかけ、もたれかかってるところだろうか。
いつもの榎本なら無駄にまっすぐ座っているだろう。
その様子が少しふてくされてるように見えて、締め付けられていたような気持ちがほころんだ。
思わずくすりと笑ったのを聞きとがめられたが、なんでもありませんとすっとぼけた。
榎本はまた目を泳がせて前を向いた。
そのときの表情を見ていつぞやの榎本を思い出した。
『青砥さん、彼氏いますかっ。今までどんなコイヲシテキマシタカっ!』
その後あんまり面白くて笑いが止まらなかった純子を見て、こんな表情をしていたっけ。
無表情な榎本の微細な変化に気づけるようになってきた自分がちょっと嬉しかった。

気持ちが緩んでくると同時にふと思い出して、純子は鞄の中をかきまわした。
鍵、どうしたっけ。今日ロッカーの鍵あけて事務所の机に乗っけて…。
純子は小さい鍵を個別に持ち歩くとすぐにどこかにやってしまうので、
会社のロッカーの鍵も自宅の鍵も全部ひとつの大きなキーホルダーにまとめていたのだ。
無い…無い…!!
がさごそと焦ったように鞄をひっかきまわす純子に気づいて榎本が声をかけた。

「どうしましたか?」
「わ〜〜、どうしようっ!鍵がないんですっ家の鍵!事務所に忘れてきたみたい…。
あ、そうだ!榎本さん今日お仕事の道具、もってきてますか!?」
「仕事の……道具…ですか?」

榎本はドキリとした。純子が自分の裏家業のことを知っているわけがないのだが。
事務所で解錠しているところを何度も見ているので、そのことを言っているのだろう。

「はい。持っています。」
「わ〜〜〜〜〜!よかったああああ!榎本さん、家の鍵あけれますよね!」

榎本は蜘蛛の事件のときに一度純子の部屋に入っている。そのときの錠の様子を正確に思い出した。

「はい。大丈夫です。すぐに開くと思います。」
「わ〜〜!ほんとに良かったー。榎本さんいてくれなかったらもう今頃どうなってたことかぁ〜」

先ほどのキスのことなどすっかり頭から消えたように満面の笑みで喜んでいる純子に、
そして簡単に開くと言われている自宅のセキュリティをどう考えているのかという複雑な思いを感じながら、
純子の表情をじっと見守っていた。
一度緊張がほぐれると次々と話が続いていく純子には関心してしまう。
緊張してドギマギしている純子も可愛かったのだが…。
と、自分がすっかり固まっていたことは棚にあげて、さきほどの純子を頭の中で再生していた。
純子の飲んでいたカクテルの香りまで再生されるようで、ぶわっと毛が逆立った。
290後編の前編2/3:2012/05/24(木) 14:56:12.39 ID:HLT2WL69
ごめんなさい。2つにわけられなかった。3つになりました。


タクシーを降りてスタスタと歩く純子の後ろをついていく。ここに来たのは二度目だ。
以前は芹沢と一緒だったが今日は自分ひとりだ。少し優越感にひたる。
榎本が解錠するのを横でじっと純子が観察しているので、緊張して何度も手が滑ってしまった。
扉をあけると、すごいですねー!と何度も感心している。

「ありがとうございます。
お礼にお夜食作りますからあがってください。」

ニコニコと何の疑いも抱かない様子で中に通される。
自分はよほど信用されているのかと、嬉しいようなこれまた複雑な気持ちだ。

「スパゲッティーでいいですよね。美味しく無くても笑わないでくださいね。
あ、結婚式でいただいた引き出物のワインがあるから開けちゃいましょうか。
ちょっと飲み足りないですよねーw」

手早く料理する純子の姿をテーブルに座って手持ち無沙汰に眺める。
仕事以外で女性の部屋に入ったのは生まれて初めてだということに思い至って、急に緊張してきた。
姿勢を正してみたり、自分の手を眺めて見るが落ち着かない。
気づくと指をすり合わせている。
これは自分の幼い頃からの癖なのだが、こうしてると落ち着いて良いアイデアが浮かぶのだ。

「あれ〜?榎本さん何か考えてるんですか?この部屋で密室を作る方法とか?」
と言いながら悪戯っぽく顔を覗きこむ。
「違いますよ。」
純子の前で何度したかわからないが、相変わらず目を泳がせながら答える。
突然に目を合わせるとドギマギしてしまうのだ。
「そうですよねー。榎本さんは密室を破るほうですもんねっ」
と一人納得した純子は出来上がったパスタを皿によそってもってきた。

「ワイン入れますね。白だけどいいかなー。榎本さん大丈夫ですか?」
純子がマグカップを2つお盆に載せて運んできた。ワイングラスは持ち合わせてなかったらしい。

あっと思った瞬間、純子がつまづいた。
なんとかこけずに身体を保つことが出来たが、マグカップの中身が盛大にぶちらけられ、榎本がその被害の大半を受け止めていた。

「うわ〜〜〜〜!ごめんなさい。あたしってば何やってるんだろう。
今拭きますから、座っててくださいね!」

あわててキッチンに戻りタオルを取って戻ってきた純子はあせあせと榎本の身体を拭いていく。

「大丈夫ですから。大丈夫です。」
懸命に言う榎本の言葉など耳に入っていない様子で、一生懸命タオルをパタパタさせている。

「本当に大丈夫ですっ!」
榎本が思わず立ちあがったのと、純子がはっとして手を離したのとはほぼ同時だった。
ワインの大半は榎本のズボンにかかっていた。もちろん股間にもかかっていて、まるでお漏らししたようだった。
何も考えずに一生懸命拭いている純子の手が榎本の股間を刺激していたの気づいたのだ。
気づかざるを得ないではないか。その場所が固く盛り上がってきたのを手で感じてしまったのだ。
榎本の盛り上がった股間が目に焼きついてしまった。
291後編の前編3/3:2012/05/24(木) 14:57:45.89 ID:HLT2WL69
「ご、ごめんなさい…。」
申し訳なさそうに下を向く純子を見て榎本はいたたまれなくなった。
鞄を手にかけて帰ります。とぼそっと告げて玄関へ歩き出した。

「あ、ま・・・まって!」
純子は帰らせまいと思わず腕にしがみついた。
「そのまま・・・そんな格好で帰せません。スウェットお貸ししますから着替えてください。
洋服は洗って乾かします。まだ時間は大丈夫でしょう?
あ、シャワーも浴びてってください。お酒かかったままじゃ臭いですし。」

そこまで一気にしゃべって、さぐるように榎本の瞳をみつめた。
だってこんな迷惑をかけたまま家に帰すわけにはいかないじゃない。
自分で自分に言い訳をしている。
一人暮らしの女の家で男がシャワーを浴びるという行為については深く考えないことにした。

「青砥さん、僕を誘ってるんですか?」
「な…ちがいます!ほんとに全然気が着かなくて。拭かなきゃってことばっかりで…ほんとにごめんなさい。」
「だから、正常な判断力を失っていると言ってるんです。」
榎本がつぶやいた。
「失ってません!正常ですってば。バーでの話なら本当です。
榎本さんなら、家でシャワー浴びてもらってもキスしても、エッチし…しても平気なんです!
さっきだって…別に気持ち悪くありませんでしたっ!」
また何を大きな声でわめいてるんだろう。もうわけがわからない。

「いい加減にしてくださいっ!」
榎本がめずらしく大きめな声で反撃した。少し怒りを含むはじめて聞く声色に純子がびくっと身体をすくめる。
怖がらせてしまったことを申し訳なく思ったが、むしろ好都合だ。どうか僕を怖がってくれ。
「もう気が狂いそうです。僕にどうさせたいんですか。僕にあの痴漢と同じように青砥さんを汚させようとしているんですか?」
「汚すなんて!榎本さんはあいつとは全然ちがいます。榎本さんなら汚されたなんて絶対思いません!」

榎本がまるで自分のことを痴漢のように言っているのを聞いて、純子はまたタガがはずれた。
榎本はあんな下衆とは全然違うんだ。もっと綺麗なんだとわかって欲しかった。
バーの建物の下でしたように、2度目のキスを純子からした。
同じように榎本の頭を両手でつかんで自分の唇を押し当てた。
しかし、2度目のキスは、1度目とは似ても似つかないものだった。



長くてごめんなさい。誰でも邪魔してくださいね。
292後編の後編:2012/05/24(木) 15:43:25.85 ID:HLT2WL69
2度目のキス。
榎本は今度は黙ってされるがままにはならなかった。
純子に触れられて制御を失っているものが、純子の身体を欲してたぎっている。
細い腰と背中に腕を回してギュット抱きすくめるとそのまま後頭部を支えて覆いかぶさるように彼女の唇をむさぼった。
舌を差込み絡ませると純子が一瞬きゅっと身を固くしたが、徐々に力が抜けていく。
上あごを舌でなぞると純子の肩がぴくっと動いた。
思う存分純子の唇を堪能すると、榎本はひょいっと純子を抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこだ。

快楽にぼうっとしている脳裏に、うわー、お姫様抱っこされてるーとのんきな感想がよぎる。
それよりも驚いたことは、華奢に見える榎本がなんの苦もなく自分を抱きかかえてスタスタ歩いていることだった。
なーんだか…榎本さんってカッコいいなぁと、これまたのんきな感想が口をついて出てしまった。

榎本はその言葉が耳には入っていたが、頭には入っていなかった。
それどころじゃない。女性の部屋に入ったのもはじめてならキスもはじめての自分が
いったい今何をしようとしているのか。
今日は観劇をしてちょっとご飯を食べて帰るだけの、それだけの日だったはずなのに。

榎本は純子をそっとベッドの上におろした。純子は素直に従っている。
本当にいいんだろうか?自分と?つい昨日までただの知人だっただけの自分と?
だがそんな疑問も目の前の純子の肉体の前ではなんの役にも立たなかった。
片手で純子の両手を拘束すると逃げられないように頭の上で押さえつける。
もう片方の手で純子のあごを大きくつかむと3度目のキスをする。

今度は純子も積極的に舌を絡めてくる。OKということか。
拘束していた手を離し、長いブラウスのような不思議な形のシャツのボタンをひとつひとつはずしていく。
手は震えない。これは仕事だ。どんなに緊張をしても肉体にその影響を与えてはならない。
裏の家業の鉄則である。
とろんとした目の純子も榎本のしゃつのボタンをはずそうとするが、不器用なのかなかなかはずれない。
もどかしくなり両手をつかんで枕におしつける。
口から首元に舌を這わせながら、すばやく自分のシャツを脱ぎ捨てる。




やっぱり書く技術がないのでにゃんにゃんにゃん。

途中でお酒の臭いが気になってきた純子が笑いながらシャワー浴びませんか?と誘う。
二人でシャワー浴びるも、榎本その気になってシャワー流しながら抱き抱き。
シャワーとお酒と快感で頭クラクラの純子が気を失う。
またもやお姫様抱っこでベッドで純子の介抱をする榎本。
でも我慢できなくてまたえっち。


後日。
仕事で榎本のところに来た純子。
普段とあまりに変わりない様子の榎本にやきもき。
帰りしな、榎本に忘れ物ですと呼びとめられる。
え?と振り返ると榎本がすぐ後ろに立っていて抱きとめられる。
忘れ物ですと榎本がもう一度つぶやいて軽くキス。

純子はほっとしたように微笑む。私榎本さんのこと好きです。
「そうですか。」と視線をはずす榎本。
一瞬悲しくなりかけた純子だったが、榎本がぼそっと早口で言った言葉を聞いてにんまり。
じゃあ、今度デートしましょうね!ちゃんとしたの。じゃっ!
といって去っていく。
293名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 15:44:31.53 ID:HLT2WL69
あー長かった。自分の頭の中の情景をひたすら書き出すばっかりで、
萌えもへったくれもない文章で、お目汚しすみませんでした。
みんなすごいなー。
そしてやっぱりエロ部分は経験が少ないとむずいわー。
294名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 20:09:27.51 ID:cJ5rwpIs
乙!
本番読みたかった……!!
295名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 20:15:54.27 ID:cJ5rwpIs
うっかりsage忘れた、ごめん
296名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 23:36:24.30 ID:bMeai/vK
神様がいっぱいいらっしゃるのを見て、自分も何か書いてみたくなりました。
上の方で出た、密室で閉じ込められる榎本と純子です。
297名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 23:38:26.86 ID:bMeai/vK
 いい、純子。落ち着いて、落ち着いてよーく考えるのよ。きっと何か手はあるはず。何と言ってもわたしは弁護士。依頼人のために、いついかなるときでも冷静でいることを問われる職についているんだから……
「だっ、誰かー誰かー助けてくださあーい! 誰か、誰かいませんかー! 芹沢さーん! 助けてっ、助けてくださーい!」
 ばんばんばんばんばんばんばん!
 脳内の言葉とは裏腹に、現実の純子は大いに焦っていた。ばしばしばしと目の前の扉を叩き、声が枯れるまで叫び、拳でどんどん壁を叩いてみるが。あいにく、手と喉が痛くなっただけで、その行動が報われることはなさそうだった。
「誰かっ、誰かっ、誰かー! ううっ、な、何でこんなことになるんでしょうっ……誰か誰か誰かー!」
「落ち着いて下さい、青砥さん」
 うろうろうろうろと檻の中の熊のように歩き回る純子。薄暗く狭い室内。吐く息は白く、室内に設置された温度計が示すのは零下十度を下回る、都心ではなかなかお目にかかれない数値。
 目の前の扉は固く閉ざされ、どれだけ力をこめてもぴくりとも動かず分厚さゆえに声が外に漏れる様子もない――
 そんな状況下の中で。実に冷静に声をかけて来たのは榎本だった。
「素手で壁や扉に触れない方がいいです。凍傷の恐れがありますので……それと、この扉の分厚さでは、拡声器でも持ってこない限り、声が外に漏れることはないと思います。従って、大声で叫ぶ意味もありません」
「榎本さんもちょっとは焦ってくださいよっ!!」
 何であなたはこんなときでも冷静でいられるんですかっ! と振り向けば。思った以上に榎本の身体が間近に迫っていて、一瞬胸が高鳴った。
 いや、もちろん、この胸の高鳴りは危機感によるものだ。そうに違いない。
「どうしてそんなに冷静でいられるんですかっ! このままじゃ、わたし達、凍死しちゃいますよっ!」
「安心してください。それはありえません」
 一瞬の動揺を悟られまい、と、照れ隠しの意味もこめてまくしたてれば。榎本はあっさりとその言葉を否定。
 え!? それは、何か脱出の手段があるってこと!? と、期待をこめて見上げると。榎本は、顔色一つ変えず、あっさりと言った。
「室内は完璧に密閉されています。部屋の広さを考えると、恐らく、凍死するより先に窒息死するでしょう。凍死の心配はいらないと思います」
「じゃあ窒息死の心配をしますよっ! すればいいんでしょう! ええ、しますよっ!!」
 この男は冗談を言っているのだろうか。凍死だろうが窒息死だろうが、命に危険があることは変わりは無いではないか。
 冗談じゃない! 散々苦労して、学生時代はがり勉だの恋人は六法全書だの後ろ指指されながら勉強に明け暮れ、やっと念願の弁護士になれたというのに、何でこんなところで命を落とさねばならないのか――!
「うわーん! 芹沢さん、芹沢さん助けてくださあいっ!! ううう。何で、何でこんなことになるんでしょうっ……」
「何でこんなことになったのか、原因は明らかだと思うのですが……」
 とうとう泣き崩れる純子を冷静に見下ろして。榎本は、ぼそりとつぶやいた。
「青砥さんが、ドアのストッパーを外してしまったからではないでしょうか」
 ええそうですよ。わかってますよ、本当は。何もかもわたしのせいだってことはわかってるんです。
 わかってるけど認めたくないことはあるんですよ! 何でそんなこともわからないんですかー!!
 純子の声なき叫びは、榎本に届く様子はなかった。
298密室の榎本×青砥2:2012/05/24(木) 23:40:05.27 ID:bMeai/vK
 そもそも何故こんなことになったのか?
 厄介な事件が芹沢の元に持ち込まれた。
 とある大学で、化学の教授が薬品をしまっておく冷凍庫の中で変死した。
 事故か事件か自殺か、真相がわからないので保険会社が保険金の支払いを渋っている。何とかして欲しい……
 という依頼を受け、芹沢と純子で現場となった大学に向かうことになった。
 遺体が見つかった冷凍庫が完璧な密室状態だった、という報告を受け、当然のように榎本に連絡を入れた。
 そうして三人で落ち合い、発見者に話を聞こうとしたところ、雑誌か何かで芹沢の顔を知っていた女子学生達が集まって来て、芹沢が調子よくその相手を始め……
 ああそうだ。そう考えたら何もかも芹沢のせいではないか、と、純子は勝手な逆恨みをする。
 そうだそうだ。いつまで立っても芹沢が動こうとしないから、自分と榎本の二人で先に現場を調べに行くことになったのだ。
 現場となった冷凍庫は、うっかり人が閉じ込められることのないよう、分厚い扉にストッパーが取り付けられ、さらには万一のときに備えて外部と連絡の取れる内線電話も備え付けられていた。
 ところが、事件発生時、電話は線が切断され通じなくなっており、滅多なことでは外れないストッパーが何故か外されて被害者は極寒の部屋で命を落とす羽目に……
 まさか、そんな簡単に外れるとは思わなかったのだ。あのストッパーが。いかにも「外してください、触ってください」と言わんばかりに設置されていたあのハンドルが、まさか……
「はあああああああ……」
「…………」
 ため息をついてしゃがみこむ純子と、無言で扉を見つめる榎本。
 ああ、そうだ。考えてみれば榎本のせいでもあるのだ、これは。
 どうにか、この状況は自分一人のせいではない、と思いたい一心で、考えを曲げる純子。
 そうだ。それでも、最初はどうにかなる、と思っていたのだ。
 ここにいる榎本は鍵と密室のスペシャリスト。いつかの、絶対に破れないと豪語していた銀行の大金庫ですら開けてみせた榎本だ(そう言えば、あの大金庫も原因は……いやいや、それはどうでもいい)
 普段は無口で何を考えているのかよくわからない彼だが、密室に関して彼の右に出るものはいない。こんな冷凍庫の鍵くらい……と、閉じ込められた瞬間、純子は期待をこめて榎本を振り返った。
 そんな純子を、榎本は冷静に見返して言った。
「この密室は、破れません」
「なっ……なななな何言ってるんですか榎本さん! そんなのあなたらしくない! 試してもいないうちから諦めるなんて榎本さんじゃないです!」
「僕じゃない、とおっしゃる意味がよくわかりませんが……これは無理です」
 そう言って、榎本は、扉を指差した。
「ここは冷凍庫です。部屋ではありません。従って、鍵もありません。家庭用の冷蔵庫を思い出してみてください。理屈は同じです」
「…………」
「冷気を逃がさないために、余分な隙間は作られていないんです。この密室は、素手では無理です」
 榎本の言葉に崩れ落ちたのがおおよそ十分ほど前の話。そうして、冒頭に繋がる……というわけだった。
299密室の榎本×青砥3:2012/05/24(木) 23:41:20.05 ID:bMeai/vK
 何もできないまま、さらに十五分が経過した。
 携帯電話で助けを呼ぼうとしたが、さすがは完璧な密室。冷凍庫の中では圏外だった。
 内線電話は事件当時のまま……つまりは故障しており、うんともすんとも言わなかった。何とか修理できないか、と粘ってみたが、それこそ道具もなしに素人では無理だ、と榎本に止められた。
 頼みの綱は芹沢だが、果たして若くて美人な女子大生に囲まれでれでれに鼻を伸ばしていたあの上司が、純子達のピンチに気づいてくれるかどうかっ……
「ううううううう寒い寒い寒い寒い寒いっ……」
「…………」
「何かしゃべってくださいよ榎本さんっ! しゃべってれば、少しは気がまぎれるかもしれないじゃないですかっ!」
「……はあ。しかし、あまりしゃべりすぎない方が。酸素を余計に……」
「わかりましたよ黙りますよ黙ればいいんでしょう黙ればっ! ううう寒い寒い寒い寒いっ……」
「…………」
 ガチガチと歯を鳴らしてしゃがみこむ純子。その様子を榎本は困ったように見つめて。
 ややして、はあ、と息をついた。
「……すいません」
「うううううなななななな何がですかかかかかかか……」
「窒息死する、と言ったのは冗談です」
「はあっ!?」
 冷静に先の言葉を全否定する榎本に、純子は寒さも忘れて立ち上がった。
 冗談。冗談!? 今、およそこの状況下でもっとも言ってはならない言葉を吐いたのはまさかこのここにいる榎本さんですかっ……!?
「榎本さーん!?」
「冷気が入り込んできている、ということは、空気の循環があるということです。窒息死の心配はありません。凍死の恐れは……まあ、無い、とは言いませんが。我々がここに居ることは、そのうち芹沢さんの耳にも入るでしょう。そんなに、心配することはないと思います」
「…………」
 どこまでも冷静な榎本の言葉を聞くと、怒るより先にホッとするのが不思議だった。
 何はともあれ、すぐに命の心配はなさそうだ……ということに安堵して。純子は、大きな息をついた。
「もうっ! 本気にしたじゃないですかっ! 榎本さんらしくない」
「……すいません」
「何でそんな冗談を言ったんですか?」
「いえ……その、青砥さんが焦ってらっしゃるようでしたので……少しでも落ち着いていただければ、と」
「…………」
 あの冗談で「落ち着く」と判断した榎本の考えは謎だが、どうやら彼なりに自分を心配してくれた、らしい。
 榎本らしい不器用な気遣いに、純子は顔をほころばせた。
「さっきの言葉、撤回します」
「は?」
「榎本さんらしいです、すごく」
「…………」
300密室の榎本×青砥4:2012/05/24(木) 23:43:27.53 ID:bMeai/vK
 純子の言葉に、榎本は首を傾げていたが。説明するようなことでもない。
「とにかく! 窒息死の心配がないんだったら、おしゃべりしても大丈夫ってことですよね! じゃあ榎本さん、何か話しましょう! うううううう寒い寒い寒い」
「はあ……話、ですか」
 当面の命は保証されたとは言え、それで身体が温まるわけではない。
 何とか気を紛らわせようと、がたがた身を震わせる純子。対する榎本は、困ったように彼女の顔を見つめるばかり。
 まあ確かに、普段、人と触れ合うことなく地下で鍵に没頭している彼に、雑談を振れ、というのは酷だろう。仕方ない。
「前にも聞きましたけど。榎本さんは、彼女とかいらっしゃらないんですか」
「……え?」
「あ、榎本さんに彼女がいらっしゃるかどうかと、この状況は何の関係も無いですからっ! ただの雑談ですからっ!」
 先手を制する純子に榎本は憮然。よし、勝った! と心中でガッツポーズをする純子を見つめた後、榎本は静かに目をそらした。
「……彼女、と呼べるような相手がいたことはありません。今も昔も」
「そうですよねえ、やっぱり」
「やっぱりってどういう意味ですか」
「だって榎本さん、女性の扱いっていうものが全然わかってないんですもん!」
 相変わらずの無表情だが、今の榎本は、少し焦っている。微妙な雰囲気を悟って、純子は密かにほくそ笑んだ。
「以前、地下室にお邪魔したとき、わたし、寝ちゃったことがあったじゃないですか。ほら、あの劇団の事件のとき」
「……ええ、ありましたね」
「目が覚めたら、榎本さんは難しい顔で考え込んでらして、わたしのことほったらかしでしたよね? ああいうときは、女性の肩に上着なり毛布なりをかけてあげるのがマナーってものなんです、マナー!」
「はあ……そうなんですか?」
 冷静に考えれば、勝手に職場に押しかけてきて主そっちのけで居眠りを始めるような女を、何で気遣ってやらねばならないのか、というところだが。
 榎本は真面目に考え込んでいるようだ。こういうところが、まず女性慣れしていないと思うのだが。
「そういうものなんです! 今だって、わたしが寒い寒いって言ってるのに、榎本さんは涼しい顔してらっしゃって……」
「いえ、涼しくはありません、さすがに」
「今のはものの例えです! こういうときは、上着を脱いでさっと女性の肩にかけてあげるものなんですよ! 『僕は平気ですからどうぞ』とか!」
「……そういうものなんですか?」
 ちなみに季節は初夏。榎本の格好は普段のシャツにネクタイにベスト。「上着」と呼べるようなものは着ていない。
 第一、平気そうな顔をしているが、榎本も頬は青ざめ唇は真っ青になっている。寒くないはずがない。この状況で服を自分に貸せ、というのは、さすがに図々しかったろうか。
 真剣に考え込む榎本に、純子の良心が痛んだ。もし上着……ではなくあのベストを脱いで渡してきたら、「あれは例えです」と言って断ろう、と密かに考えていると。
「そうですね。この状況では、それが最良の方法のようです」
 そう言って、榎本はあっさりとベストを脱いだ。
 ああ、やっぱり榎本は榎本だ。ぶっきらぼうで無愛想に見えるが、本当は優しい人なのだ……と、純子が密かに感動していると。
 彼は、脱いだベストを部屋の隅に放り、ついで、ネクタイを外し、シャツのボタンに手をかけた。
 ……はい?
 目を丸くしている純子の前で、榎本はシャツを脱いで放り捨てた。小柄な割にむき出しになった腕は意外にたくましい……っていやいやそうじゃなくて!!
「え、榎本さん!?」
「青砥さんも脱いでください」
「はいっ!!?」
「ですから、脱いでください。服を」
301密室の榎本×青砥5:2012/05/24(木) 23:45:16.34 ID:bMeai/vK
 この男は、何を言っているのか。
 はっ! そう言えば、意識したことはなかったが榎本とて若い男性には違いない。こんな狭い暗い空間に妙齢の美女(ここが重要!)たる自分と二人きり……およそ彼らしくもないが、劣情を催したとしても何の不思議もっ……!!
「雪山遭難時に聞いたことがありませんか。裸になって温めあうことで暖を取り、凍死を防ぐという話なんですが」
「…………」
「現時点でこの部屋でもっとも温度が高いのは僕と青砥さんの体温だと思われます。これを逃さず効率的に利用するにはこの手法がもっとも……」
「いえもういいですわかりました」
 なんてことがあるわけないのだ。この榎本に限って。自分は何を期待……いや心配していたのだ馬鹿馬鹿しい!
 もっと違った状況、例えば相手が芹沢だったのなら「何考えてるんですかいやらしい! 不潔!」と騒ぐところだが。
 表情一つ変えない榎本を見ていると焦っているのが馬鹿馬鹿しく思えてきた。真顔で「何がいやらしくて何が不潔なんですか」と聞かれたら何と答えればいいのだ!
 諦めて、榎本に背中を向けると、純子はスーツの上着、ついでブラウスを脱いだ。
 後はキャミソールとブラジャーだが、これも脱いだ方がいのだろうか……いやいや榎本だって下のタンクトップは着たままだったじゃないかいやでも裸って言ってたしこれは寒さ対策のためでいやらしい意味なんか全然なくてええとああもうどうすればどうすればっ……!
 むきだしになった肩や腕に容赦なく冷気が吹き付けてきて、全身に鳥肌が立った。こういうときこそ何か言って欲しいのに、榎本からそれ以上の指図は無い。どうしたものか、と思いながら、キャミソールの裾に手をかけたとき……
 背後から伸びて来た両腕が、純子の身体を包み込んで。そのまま、強く抱きしめられた。
「えええええええ榎本さんっっっっ!?」
「はい、何でしょう?」
「いやいや何でしょうじゃなくてええとええとええと!?」
「いえ、この格好でしたら、僕からは青砥さんの身体が見えないので……まずかったでしょうか?」
「ままままままずくはありませんけどっ……けどっ……」
 こ、この格好は、噂にしか聞いたことのない「あすなろ抱き」という奴ではっ……!?
 背中に押し付けられるのは榎本の胸板か。そこから伝わるのは、榎本の体温と彼なりの精一杯の気遣い。
 振りほどけそうにもない、力強い腕。耳元で触れる吐息。その全てに心臓が高鳴り、凍死する前に心不全を起こしたらどうしてくれるのっ! と、純子が理不尽な怒りに燃えていると……
「さっきのお話ですが」
「は、はい!? 何ですかっ!?」
「青砥さんは、随分と男性慣れしてらっしゃるようですが、彼氏はいらっしゃるんですか」
「…………」
 カウンターパンチをくらった気分になり、純子はうつむいた。
302榎本×青砥6:2012/05/24(木) 23:46:18.86 ID:bMeai/vK
「そんな風に見えますか」
「はい?」
「男性慣れ……なんて、してるように見えますか」
「はい、見えます。芹沢さんともいつも対等にしゃべってらっしゃいますし。僕とも、普通に会話をしてらっしゃいますし」
「それは職業柄です! 今は女性弁護士も増えてきましたけど、やっぱりああいうところは男性社会なんです。男性慣れしてるわけじゃなくて、その、仕事だから」
「……そうですか。仕事だから、ですか……」
 純子の言葉に、何故か、榎本の声のトーンが下がった気がした。何故だろう。自分は、何かまずいことを言ったのだろうか?
 榎本の様子に、純子が問いただそうとしたそのとき。
「きゃっ!? え、榎本さん!?」
「…………」
 不意に、榎本の手が動いた。男性にしては細く長く、常に繊細な動きでどんな鍵でも開錠してきたその指が、わずかに動いて。
 そっと、純子の胸に触れた。
「ええええええ榎本さんちょっとちょっとちょっと……」
 何だ何だこれは何だ……いや落ち着け純子。まさかこの榎本に限って。悔しいけど、自分の胸はお世辞にも豊かな方とは言えないし、手の置き場に困ってたまたま触れただけではないか。
 親切に体温をわけてくれている榎本に痴漢の汚名を被せるなど恩知らずもいいところだ冷静に冷静に冷静に……
「え、ええと、そ、そうだ榎本さん。何でこういうときって裸で温めあわないといけないんですかねっ!? 何で服を着てちゃ駄目なんでしょうねっ!?」
「冬場に身に着けている衣服は体温を外に逃がさないように作られています。それは言い換えれば熱を外に伝えることができないということです。従って服を着たまま抱き合ってもお互いの体温を伝え合うことは不可能だからです」
「……よくわかりましたすみません……」
 いや何でわたしが謝るのよ謝るべきは榎本さんでしょうっ! って、指、指動いてる! わたしの胸は鍵じゃないわよっ!!
 あの冷静さを見るに、やはり榎本は自分が何に触れているかに気付いていないのだ。きっと、たまたま触れたものが妙に柔らかいから気になって手触りを確かめているのだそうに決まっている。やましい気持ちなどない。まさかあの榎本に限って。
 冷静に、冷静に指摘しよう。さすがにこの状況はまずい。色々と。
「こほん……あ、あの、榎本さん、ちょっとよろしいでしょうか」
「はい、何でしょう」
「あ、あ、あの、ですね。その、さっきから……え、榎本さんの指、が……その……ぅきゃっ!?」
「…………」
 榎本の手が、滑らかに動いて。そのまま、キャミソールの内側に滑り込んできた。
 素肌に直に触れる、男の手。実に久々なその感触に、純子が思わず身もだえすると……
303密室の榎本×青砥5:2012/05/24(木) 23:47:59.01 ID:bMeai/vK
「怒らないんですか?」
「……え?」
「さっき、青砥さんはおっしゃいました。僕と普通に会話をするのも、それも仕事だからだ、と」
「…………」
「仕事で付き合っている相手からこのようなことをされたら、普通はセクシャルハラスメントにあたるのではないでしょうか。どうして怒らないんですか……僕と会話をするのは、何かというと部屋にいらっしゃるのは、電話をしてくるのは、仕事だから、なんですよね?」
「え、榎本さん……」
 その口調に感情のようなものは一切こもっていなかった。なのに、何故だろうか? その中に、言いようのない怒り……もしくは悲しみ。そんなものを感じとってしまったのは。
「ち、違います」
「青砥さん?」
「違います、仕事だけじゃありませんっ! その……確かに仕事で頼りにしてるっていうのもあります。でも、わたしが榎本さんと普通に会話ができるのは、それは榎本さんと話しているのが楽しいからです!」
「…………」
「お、怒れなかったのは、榎本さんを信じていたからです。わたしのドジのせいで榎本さんまでこんな目にあってるのに、榎本さんはちっともわたしを責めない。それどころかいっぱい気遣ってくれて、こうして抱きしめてくれてっ……なのに怒れるわけないじゃないですか!」
「…………」
 するり、と、榎本の手が肌から離れ。そのまま、腕がほどかれた。
 振り向く。向かい合った榎本は、純子と、目を合わせようとはしなかった。
 所在無く自分の手を見つめるその表情に浮かぶのは、後悔。その瞬間、純子の胸に浮かんだ感情は――
「あ、青砥さん?」
「仕事じゃないです」
 正面から榎本を抱きしめて。純子は、心からつぶやいた。
「仕事じゃないです。わたしは榎本さんと話したいから話してるんです。榎本さんと会いたいから部屋に行くんです。それじゃ、いけませんか?」
「…………」
 榎本の両腕が背中に回され、そのまま、力をこめられた。

 異変に気付いた芹沢が救助に来てくれたのは、それからさらに三十分ほどが経ってからだった。
「いやあすまんすまん! 女子学生達がしつこくってな! で、お前達は……そんな格好で、中で何を……」
「さささ寒かったんですよ寒かったんですよすごく寒かったんですよ! だから仕方なくやったんですよこのままじゃ死んじゃうと思ったから! いけませんか!? 何でもっと早く助けに来てくれないんですか一体いつまで女子大生と楽しんでたんですか!!」
「す、すまんすまん悪かった! 榎本も……すまん、うちの青砥がまた迷惑をかけたみたいで」
「……いえ」
 涙目で言い訳を繰り返す純子とは対照的に、榎本は冷静だった。
 淡々とシャツに腕を通し、ネクタイを締め、ベストを着る。いつもの格好に戻って、振り向いたとき。冷凍庫の中で見せた感情は、一切見えなかった。
「迷惑なんか、かけられていません。僕も、青砥さんと会話をするのは、楽しいですから」
「……はあ?」
 わけがわからん、という顔をする芹沢と、真っ赤になる純子。
 そんな二人を見て、榎本はうっすらと笑みを浮かべた。

〜〜 END 〜〜
304名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 23:48:59.74 ID:bMeai/vK
終わりです。
すいません。本番までいかせられませんでした。
皆様の素敵作品を読み返しにいってまいります。
305名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 00:24:42.55 ID:U5d2WIMI
GJ!
ボタンがあったら押して、紐があったら引っ張る純子がかわいすぎるwww
本番はなくても二人の緊張がエロかったよ!!!
306名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 00:40:32.91 ID:9tj8vnV8
神スレ
307名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 00:51:28.47 ID:7jqjBmaD
榎本DT説も面白いけど、自分はなんとなく女が通り過ぎていくタイプかな〜と思った。
地味な変人でも見た目がそこそこいいから、
埋もれた宝を発見したような気になった女が寄ってきては一方的にあれこれして
思うような反応が返ってこないから失望して去っていく……ってのを何度か繰り返して
女性に対して一線引くようになったとか。
そんなふうに閉じちゃった榎本の心を青砥ちゃんがあっさり開けちゃう、
っていうのが理想の榎青……この妄想がカタチになるよう頑張ります。
308名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 01:02:48.01 ID:zRUuFtCX
>>296
GJ!
台詞廻しがらしくてイイ!
脳内再生余裕でしたw
309名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 04:25:30.91 ID:AYfi7dMe
>>304
GJ!面白かった!!同じく脳内再生は完璧w
自分も極寒の密室で裸で温めあう榎本と純子を妄想してたから、どストライクだったw
もしよければ、二人のその後が読みたいです。あの時の続きをして下さい…的なw
310名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 06:28:05.27 ID:fLeLZME2
>>304
GJGJ。さすがだなぁ。面白い。dkwkdkwkしたよ〜!
311名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 06:58:12.99 ID:EWbF7V1S
職人さんたちGJです。

>>307
ああいうのが好きな人ってけっこういるよね。
312311:2012/05/25(金) 06:58:38.59 ID:EWbF7V1S
言葉足らずすぎたかも…
ああいう男の人が好きな女の人って意外にいるよね
という意味でした
313名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 07:00:29.54 ID:fLeLZME2
>>312
自分はわかった!
314名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 15:36:08.93 ID:+Cgaeylu
これからSSを投下します
榎本と青砥以外に井岡と水城も少し出て来ます
良かったら読んで下さい
315鍵の神様1/5:2012/05/25(金) 15:37:19.33 ID:+Cgaeylu
劇の神様がいて井岡と水城を結び付けたように鍵の神様がいて榎本と青砥を結び付けた
備品倉庫室で榎本と青砥が仲良く茶を飲んでいるとそこに水城が井岡と一緒にやって来た
新しい芝居の台本にある密室トリックを描く為に知恵を拝借したいと頼みに来たのである
二人の話がどうにも濃過ぎてついてゆけない青砥は水城と一緒に外に出て周囲を散策する
「それでヒロインを演じる水城さんに対して布団挟みの首枷なのですか。斬新ですね」
「祐ちゃんのアイディアって素敵でしょ!」
ヒロイン像を水城が笑顔で青砥に語り出す
(井岡さんと水城さんって本当に仲良いな)
以前水城は劇の神様がいて自分と井岡を結び付けてくれたと語ったのを思い出した
この国にはいろんな神様が持ち回りで男女を結び付けるとも水城は語っていた
(だとしたら私たちはどの神様だろうか?)
丁度その時二人の前に鍵屋稲荷の祠が現れる
「わぁ!鍵の神様だ!」
鍵を咥えた狐の姿がどこか榎本に似ている。思わず青砥が賽銭をあげ祠に手を合わせる
「ずっと榎本さんと仲良く出来ますようにとお祈りですか?妬けますね」
とても楽しそうに水城が声をかけてきた

キッカケは花火大会であった
いつもの灰色スーツ・夏バージョンではなく浴衣姿の青砥が備品倉庫室に向かって歩いていた。誰もいないからか下駄の音だけが響く
「あ〜!榎本さんいないのか〜」
残念ながら不在で扉にも鍵がかかっていた
水城の父が屋形船で花火見物をしようと言い出したので芹沢は勿論青砥も招待された
「花火大会での屋形船も密室ですね」
同じく招待された井岡の一言があって青砥は榎本を誘う気になった
(水城さんのお陰で花火デート出来そう〜)
扉の前で妄想を膨らませていると榎本らしき足音が近付いてきたが突然それが止まった
「あの〜榎本さん?!え?きゃあ!!」
慌てて駆け寄ろうとしたその瞬間下駄の鼻緒が切れて派手に転んでしまった
浴衣の裾が捲れていつもは隠れている生脚が露わになった
その太腿が妙に色っぽい
「青砥さん大丈夫ですか?」
足音が止まったそこは表示のない部屋の前でいつも榎本が仮眠室として使っていた
「直りましたよ」
「ありがとうございます」
仮眠室の中はビジネスホテルの一室みたいで天窓の下にはベッドとデスクがあり壁側には洋服箪笥と小さな冷蔵庫も置いてあり隣には乾燥機付き洗濯機もあるバスルームとトイレが設備されていた
ここが榎本の自宅だと錯覚しそうであった



316鍵の神様2/5:2012/05/25(金) 15:39:11.48 ID:+Cgaeylu
ベッドを椅子代わりに座る青砥が立ち上がり直して貰った下駄を履く
「あの〜今夜は屋形船で花火見物をするので榎本さんも来ませんか?」
「花火大会での屋形船は密室ですね。それは興味があるので僕も行きますが、青砥さんに質問があります。
どうしてここに来る途中に見かけた女性は浴衣の上からもわかる下着を身に付けているのに青砥さんの下着はわからないのですか?先程転んだ時も項とか見えたのですがそれだけはわかりませんでした」
流石に変わり者の榎本である。青砥が浴衣を着ていることよりも下着の線が出ないことに注目していた
「ああそれは着物用の下着があって私はそれを身に付けているのです。ちょっとパソコンをお借りします」
デスクの椅子を青砥に譲り榎本が立つ
PCを検索して青砥は同じデザインの下着を榎本に見せ納得して貰うが不満そうである
「この股割れというのは何ですか?用を足すのに便利なのはわかりますが、そこまでして穿く理由がわかりません。実物を見てみたいです」
「それでしたら私が予備を持っていますからお見せしましょうか?」
通販で買ったこの下着には白と肌色があって青砥は予備の白を巾着袋から取り出した
(新品とはいえ何見せているのよ〜)
心の中で呟く。幾ら大好きな榎本でも男性に下着を見せるのは恥ずかしい
そんな青砥を尻目に榎本は下着を動かし何度も股割れの部分を熱心に見詰めている。その姿を見ていると下着ではなく自分の浴衣姿を見詰めて欲しいと強く感じた
「ありがとうございます」
渡された時のように綺麗に畳んで青砥に返す。それを袋に戻しながらそろそろ出ましょうと青砥は言うのだが榎本はまだ出ようとしない
「青砥さんのも見せて下さい」
「はい?」
いきなり何を言い出すのだろう。この時点では二人はまだ友達以上の関係だが恋人未満としか言いようのない関係である
「流石にそういうのはお断りします。私たちって水城さんたちみたいな関係でありませんから」
「それはどういう関係ですか?」
「結婚を前提におつきあいをしているとか、デートしてキスしたりする以上のこともしている関係ですね」
無頓着そうな榎本に対して言葉を選んで説明しているうちに青砥の脳裏に榎本との今までの行動が全て蘇って来た
自分からは榎本に対して大好きだと発信して来たが榎本のほうからは自分に対して一度もそういうことはなかったのだ



317鍵の神様3/5:2012/05/25(金) 15:40:05.48 ID:+Cgaeylu
(全部私のひとり相撲なのね…)
今ここで仮に下着を見せても榎本は研究熱心なだけで浴衣と同じで自分には興味がなくて下着の仕組みが知りたいだけだと悟った
「青砥さん?」
「どうしたのですか、青砥さん?」
急に無表情になり涙を流したので榎本は不安になり何度も声をかけた
「すみません、何でもありません。そろそろ行きましょう!」
袋の中から今度はハンカチを取り出そうとして探したが涙で潤んだ目では見当たらない
そこに榎本がハンカチを差し出す
「何だか、とても酷いことを言ってしまったようで…、済みませんでした」
確かにキスすらしたことのない女性に対してそういうのをお願いすることは反則だ
(ドクン…)
涙を拭う姿に心が疼く。この時初めて愛しいと感じた
仕事が仕事なので恋愛はしないと決めていたがそれを破ることにした
「済みませんでした」
そう呟きながら青砥を抱き締めた
「ぇ…?」
いきなり抱き締められ驚きが隠せない。顔が近付いてきて唇と唇が重なった
「……ん、はっ…、やぁ」
息が苦しくなって顔を背けようとすると阻止され口を割って舌を絡め取られた
「…なぁ、え…、の……」
やっと唇が解放されたかと思えばベッドの上に押し倒されて首筋を舐められる。どうやら指使い同様舌使いも上手いと感じる
「(う〜、抵抗出来ない…)」
突然過ぎて戸惑うがいつかはこうなることを望んでいただけに身を任せるしかなかった
帯が解かれて床に垂れる。浴衣の襟を開かれ乳房を包むものが露わになり前開きになったファスナーが降ろされる
「やぁ…!」
押し潰された乳房が解放されて大きく弾む。それを見られる恥ずかしさで頬が赤くなる
「綺麗だ…」
素直に印象を口にする
榎本も上半身裸になる。腕とか胸とかに結構筋肉が付いているなと青砥は感じた
それも束の間で右の乳房に舌を這わせ同時に右手で左の乳房を弄る器用さに翻弄される
「はうぅっ!!あう!」
口から絶えず喘ぎ声が出るのを両手で塞ぐ。密室を破る時にやるあの独特の右手の指使いが行われ堪え切れなくなる
そんな姿を見て愛おしさが増したのか不意に硬くなった乳首を軽く噛む
「ひぐっ!くっ…」
快楽に翻弄される青砥の声が榎本の耳に届く



318鍵の神様4/5:2012/05/25(金) 15:41:07.28 ID:+Cgaeylu
それを聞くと尚更肌と肌を重ね合いたくなる
紐を外して床の上に脱がした浴衣を落とす
「ひゃぁぁ!!う…、あぁ!」
肌を隠すものが残り一枚となり繊細な動きをする右手の指が下半身に移る
固く閉じられた脚を指が撫でてゆき布の割れ目から直に秘裂を弄る
「…ぁ、ダ…メ!!」
一番敏感な部分に一番榎本らしい右手の指が触れただけで身も心もどうにかなってしまいそうになる
布の合わせ目を広げれば穿いたままでも性交出来そうだなと先程の白い下着を調べた時は思ったがこのまま青砥と繋がりたくはないなと考え一気に脱がした
「きゃぁう!」
一糸纏わぬ姿にされた青砥が思わず叫ぶ
恥ずかしそうに脚を曲げて太腿を固く閉じる仕草に下半身が疼くので榎本も着ている服を全て脱ぐ
「(うわぁ……)」
あれが自分の中に入る。考えるだけで怖い。思わず目を瞑る
「純子さん…、怖がらないで下さい」
肌に肌を重ねた状態で耳元に囁く。その言葉を聞いて目をソッと開けるとメガネを外した榎本がいた。いつもの無表情なそれとは違うなと思い黙って頷く
「ぁう、はぁん、ひゃっ、あぁん…」
脚を開かれて全てを見られて舌や指で弄られると気持ち良さに声が出る
突起や秘裂が弄られて強張りが消えたなと手応えを感じると疼きが増す
「良いですか?純子さん…」
やや呼吸の荒くなった榎本が自分自身を秘裂に当てると青砥の中へと一息で突いた
「ひぁ…、あぁぁぁー!!!」
覚悟はしていたものの想像以上にそれは痛く堪えることの出来ない声が仮眠室に響く
ポロポロと涙が溢れ止まらない
秘裂からじんわりと温かいものが流れた
「(やっぱり初めてだったのか…)ち、力を抜いて…!」
これがまだほんの入り口だとは知らないから力が上手く抜けないので榎本も苦しい
「うっ、く…」
そう言われて兎に角落ちつけ力を抜けと自分に言って聞かせやっと根元まで入った時にはやり遂げた安堵感でホッとした
「私たち、一つになれたのね…」
「ああ…」
鼻と鼻が擦れる位顔が近くにある。目と目が合い自然に唇が唇を求めて繋がりを深いものにしてゆく
「あぁん、あん、ぁひゅ!ひゃぁ!」
激しく腰を打ち付ける快感に目覚めて来たのか声の質が変わって来た



319鍵の神様5/5:2012/05/25(金) 15:41:54.21 ID:+Cgaeylu
「(お腹の辺りが何故だか熱い)はぁぁ…!!あうっ!」
拒まれる心配がなくなったからなのか榎本が脚を持ち替える。それによって体位が変わり四つん這いになった青砥を後ろから責める
「ひぅ!はうっ!あぁ!も…う…、らぁ!」
簪が落ちつむじの辺りで巻いた髪が解ける
勢いがついてベッドで弾み床にカラカラ〜と音を立てて転がる簪が壁に当たって止まる
「あぁぁ!!」
シーツを握り締める青砥の手が緩んだ。どうやら絶頂を迎えたらしい
気力と体力が僅かになった青砥を抱きかかえまたも体位を変える
胡坐を掻いた榎本に座って形で繋がっている青砥が微かな声で何かを呟いている
「僕…も、その…つもり…です。ぐぅ!!」
「ふぁう!!」
思いっ切り青砥が仰け反った瞬間精が胎内に放たれた

それから一時間後別の場所では井岡と水城が裸で戯れていた
するとそこに試し打ちの花火が聞こえて来た
「祐ちゃん、そろそろ支度しようよ」
「ああ」
そう言って二人はお揃いの浴衣を着始めた
「折角だから変わり結びにしてやるよ」
「ありがと」
江戸時代を舞台にした演目をすることもあるので着付けが上手い
そうして仲良く会話しながら屋形船の乗り場に来るとそこに青砥の姿を見た。少し離れたところに榎本の姿もあった
「わぁ!青砥さんの浴衣良いですね」
「そう?貴方たちも素敵よ」
女同士お互いの浴衣を褒め合うは悪くはないと思いながら井岡は榎本に挨拶をしに行く
「何を見ているのですか?」
「花火のほうの鍵屋です」
目線の先には鍵屋の花火師たちの姿があった
「あの“かぎやー!”の鍵屋さん達か」
「彼らは鍵屋稲荷という鍵を口に咥えた狐を祀っていますから屋号もそうしたのです」
「いや〜榎本さんって博識ですね。あ〜それでですか。わざわざ青砥さんに鍵の形をした簪を贈ったのは」
それを見破ったのは井岡が初めてなので榎本は驚いた
お芝居好きが高じて青砥は着付けを習い出したと耳にした榎本は仕事のお礼として貰える簪の中からあれを選んでさり気なく渡した
(告白のつもりはなかったけどな…)
女が男から贈られた簪を差すというのは了解の意味があるのを無論青砥は知らない

〈おそまつ〉



320名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 18:15:35.12 ID:KFgdVuc0
なんて素敵スレ!
ありがとうございます!
321名無しさん@ピンキー:2012/05/25(金) 23:11:05.50 ID:U5d2WIMI
乙!
下着見せろ言う榎本に吹いたwwww
322304:2012/05/26(土) 01:03:55.03 ID:Ocda5hgk
>>297-303を投下したものです。
読んでくださった方々、コメントくださった方々、ありがとうございます。
続き読みたい、という言葉を頂きましたので、恐れ多くも書いてみました。
一応本番ありですが描写は多分かなりあっさりめです。
323地下室の榎本×青砥 1:2012/05/26(土) 01:04:59.42 ID:Ocda5hgk
 冷凍庫密室閉じ込め事件から三日が過ぎたある日。
 純子は、東京総合セキュリティの地下室の前をうろうろしていた。
 いつもは弁護士らしく、地味なスーツに地味なメイクで仕事の依頼を抱えて芹沢と共に訪れることが多い場所だが。今日は、少し事情が違っていた。
(榎本さん……話って何だろう……)
 今日、純子は休暇を取っていた。それをいいことに昼過ぎまでベッドの中でまどろんでいると、突然、榎本から電話が入った。
 もし時間があるなら、夕方、自分の仕事が終わる頃に来て欲しい。話があるから、と。
 話。普通なら、何か事件でも起きたのか、あるいはこちらが依頼した密室の謎が解けたのか……というところだが。
(やっぱり、あのときの話……よね)
 三日前、事件の調査のためにやって来た大学で、榎本と共に冷凍庫の中に閉じ込められた(原因については深く考えない。考えないったら考えない)
 そのとき、まあ、色々あって……純子の榎本に対する感情は、非常に複雑なものとなっている。
 それまでは、芹沢いわく「チーム榎本」の一員として、仲間として、頼れるアドバイザーとして……そんな関係だ、と思っていたのだが。
(ううん、榎本さんのことだもの。もしかしたら、本当にただ単に密室の謎が解けただけ、って可能性もある! 考えない考えない!)
 意を決して、ドアをノックする。中から聞こえてきたのは、「どうぞ」という相変わらずの無愛想な声だった。
「失礼します。青砥です。榎本さん?」
「…………」
 最近ではノックもなしに……それどころか部屋の主が不在のときでも図々しく乗り込んでくることが多い場所だが、呼ばれて出向いたとなると話が違う。
 挨拶をして覗き込むと、榎本は、振り向くことすらせず、複雑そうな鍵をいじっていた。
 いつもの光景ではあるが、そっちが呼んだくせに……とつぶやいて。勝手に持ち込んだマイカップにお茶を入れていると。
「青砥さん」
「は、はひっ!?」
 不意に呼びかけられて、純子は、飛び上がるように振り向いた。
 いつの間にか、鍵の開錠が終わっていたらしい。相変わらずの地味な服装に野暮ったい眼鏡の榎本が、無表情に純子を見つめていた。
「榎本さん?」
「今日は、お呼び立てしてすみませんでした」
「あ、いえ……今日はお休みだったので。暇だったので……別に、いいんですけど……」
「…………」
 目線で促されるように、向かいの椅子に腰かける。
 休み、ということもあり。普段とは髪型もメイクも服装も変えているのだが、榎本の口からそのことに対する感想のようなものはない。まあ、あったらあったで驚くところだが。
「それで、榎本さん。話って?」
「……先日のことを、謝らなければ、と思いまして」
「謝る?」
「その……非常事態だったとは言え、青砥さんには、失礼なことを」
「…………」
324地下室の榎本×青砥 2:2012/05/26(土) 01:06:13.13 ID:Ocda5hgk
 その「失礼なこと」が何を指しているのか。榎本のポーカーフェイスから読み取ることができず、対応を決めかねる。
 裸で抱き合ったこと……ならいいのだが。いや、よくはないのだが、榎本の言う通りあれは非常事態だ。実際に人が凍死した場所であることを考えれば、榎本に感謝こそすれ謝られるようなことはない……それだけ、なら。
「あの、榎本さん」
「はい」
「失礼なこと……っていうのは、その……」
「…………」
 わたしの胸を触ったことですか、と単刀直入に聞いてしまえば話は早いのだろうが、純子も妙齢の乙女である。自然と頬が染まるのを実感しながらうつむくと。
「自分でも、よくわかりません」
「……は?」
「よくわからないんです。あのとき、青砥さんが、僕と会話をするのは仕事の上で必要だから、とおっしゃられたとき。何というか……ひどく、不快な気持ちになってしまって」
「…………」
「何と言えばいいのかわからなくて、その、あんなことを。本当に、失礼しました」
「…………」
 榎本は真顔だった。その表情に照れのようなものは一切ない。当惑ならあるが。
 ……この人、本気で言ってるのかしら? わからない、って。
「榎本さん」
「はい、何でしょう」
「……あの。それは……榎本さんが、わたしに好意を持ってくださっている、と。そんな風に解釈しても、よろしいんでしょうか?」
「!!!!」
 榎本の表情は変わらなかったが、その視線が面白いくらいに泳いだ。
 以前に「彼女はいるんですか」と聞いたときと全く同じ反応。あのときも思ったが……
 この人は、鍵についてはスペシャリストだけれど、恋愛方面に関してはどうしようもないアマチュアだ。いや、自分だって人のことは言えないんだけれど。
「そうなんですか?」
「……好意、というのがどういった意味合いかは別として。それは、まあ……はい」
「そうですよねー。わたしのことが嫌いだったら、できないですよね、あんなこと」
「…………」
 ふうん、そうなんだ。そうだったんだ。
 自然と笑みがこぼれるのがわかった。そんな純子を見て、榎本は憮然としていたが。迷惑がられているわけではない、ということはわかったのだろう。その頬が緩むのに、時間はかからなかった。
「そういえば、あのときの答えを聞いていませんでした」
「あのとき?」
「青砥さんは、彼氏はいらっしゃるんですか。僕は、お答えしたと思うんですけど」
「…………」
 そう言えば、その質問がきっかけだった。その後が強烈過ぎて、すっかり忘れていたけど。
「今はいませんよ」
「今は?」
「昔は、いたこともあります。もっとも、学生の頃ですから、もう何年も前ですけど」
「……そうですか」
 それ以上何も聞こうとしないのが、榎本らしいと言えば榎本らしい。もっとも、聞かれたところで、面白いエピソードなど何もないのだが。
 気まずい沈黙が流れる。榎本は、本当にただ謝るためだけに純子を呼んだらしい。もう用事は済んだ。けれど、帰れ、とも言えない。そんな微妙な空気が流れてくる。
 ……ええい!
325地下室の榎本×青砥 3:2012/05/26(土) 01:07:53.83 ID:Ocda5hgk
「榎本さん」
「はい」
「わたしは榎本さんの質問に答えたんですから、榎本さんも、わたしの質問に答えてくださいよ」
「それは……ええ、僕に答えられることでしたら」
「安心してください。榎本さんにしか答えられないと思います」
 立ち上がる。歩み寄る。顔を寄せると、榎本は視線をそらさず、まっすぐに純子の視線を受け止めた。
「わたし、何だか変なんです。あの冷凍庫に閉じ込められた日からずっと」
「……変?」
「榎本さんのことが、頭から離れないんです。抱きしめられたことも、触れられたことも全然嫌じゃなかったし、怒ってもいません。ずーっと榎本さんのことばっかり考えてます。これって、どういうことなんでしょう?」
「…………」
 純子の言葉に、榎本は無言で視線を揺らした。
「榎本さん、わかりますか?」
「それは……」
「わからないんだったら、教えてください」
 ぐいっ、と榎本に身を寄せ、耳元で囁きかけた。
 いつだって、リードを取るのは榎本ばかりだった。たまには、自分がリードを取らせてもらってもいいだろう。
 こと、この方面に関してだけは、自分でも榎本に勝てそうな気がする……何となく。
「あのときと同じように……して下さい。できれば、続きも。そうすれば、今度こそわかるような気がするんです」

 背中を向けて、ファスナーに手をかけた。
 あのときの地味なスーツとは違う、女性らしい、お洒落なワンピース。榎本に、会いたい、と言われ。純子なりに精いっぱいお洒落をしたつもり、だった。
 榎本は気づいてもいないようだったが。
(まあ、榎本さんだもんね。仕方ない、仕方ない)
 密かにため息をついて、一気にファスナーを引き下ろす。上半身をあらわにしたとき、背後から両腕が伸びてきて、柔らかく、純子の身体を抱きしめた。
 あのときと、同じように。
「……榎本さん。何で服を着てるんですか」
「え、いえ……今は、別に室温に問題はないですから……」
「言ったじゃないですか。あのときと同じようにして下さい、って」
「…………」
 背後で小さなため息。やがて微かに響く、衣擦れの音。
 ふぁさり、と。榎本のベスト、ネクタイ、シャツが、傍らの机に積み上げられた。
 あのときと同じ、タンクトップ一枚になって。再び、榎本の両腕が、純子の身体を捉えた。
「あったかいですね、榎本さんの身体」
「……青砥さんも、温かいですよ、十分に」
326地下室の榎本×青砥 4:2012/05/26(土) 01:09:20.08 ID:Ocda5hgk
 軽口を叩けば、返ってくるのはぎこちない応答。
 抱きしめたまま、榎本は動かない。いや、動けない、のか。
 今も昔も、彼女がいたことはない、と言っていた。あの榎本が、こんなことで嘘は言わないだろう。ということは……もしかして。いや多分、絶対に……
「榎本さんて、経験ありますか?」
「……何の、でしょう?」
「それ、わたしの口から言わせる気ですか? それこそセクハラですよセクハラ! ……本当は、わかってますよね?」
「…………」
 無いんだろうな、やっぱり。
 笑みが漏れた。あの榎本でも、やはり戸惑うものらしい。いや、純子だって、威張れるほど経験豊富なわけではない、念のため。
「そうかあ。そうですよねえ……あのとき、榎本さんは、こうしたんですよ。覚えてます?」
 ぐいっ、と肩の辺りにある榎本の手をつかんで、強引に胸に押し当てる。
 ぴくり、と指が動いた。わずかな刺激に唇をかみしめると、「青砥さん」と、呼びかけられた。
「本気で、言ってらっしゃいますか?」
「本気って、どういうことですか。わたし、冗談でこんなことするような女に見えますか? 榎本さんの目には、わたしは、男慣れしてるように見えてるんでしたっけ?」
「……そのことについては、いえ、そのことについても謝ります」
「あのとき、わたし傷つきました。榎本さんにそんなつもりがあったとは思いませんけど、男慣れしてるって、普通は遊んでるとか、軽い女、って意味になるんですよ? 覚えておいてくださいね」
「……すいません」
「わたし、慣れてなんかいません。冗談でこんなこと、言えません。言ったじゃないですか。全然嫌じゃなかった、榎本さんのことばっかり考えてる、って。もちろん、本気ですよ。迷惑ですか?」
「いえ」
 榎本の手が、動いた。
 胸にあてがわれた手はそのままに、もう片方の手を、純子の鎖骨に這わせて。
「では、僕も本気でいかせてもらいます」
「……え?」
 耳元で囁かれたのは、意味のわからない言葉。
 その瞬間、どんな鍵でも瞬く間に開けてしまう榎本の繊細な指が、純子の身体を走った。
「ひっ……あ、やっ……」
 鎖骨から胸へ。胸からお腹へ。さらに、その下へ。
 細長い指がたくみに身体をなぞり、触れられただけで、背筋を悪寒のような感覚が走り抜けた。
 ぞくぞくする。けれど、熱い。そんな矛盾した感情に振り回される中、肩口に、強烈な刺激を感じた。
(榎本さんっ……)
 湿った感触が、首筋を撫でていく。その間も、両手は休むことなく純子の身体を攻めたてていた。
 姿勢を保っていられなくなり、椅子から滑り落ちるように膝をつく。下半身にまとわりついていたワンピースが床に落ち、その上に倒れこむように、純子の身体が横たえられた。
327地下室の榎本×青砥 5:2012/05/26(土) 01:10:34.98 ID:Ocda5hgk
「え、榎本さん……」
「…………」
 両肩を押さえ込むようにして、榎本の身体がのしかかってきた。
 いつの間にか、榎本は眼鏡を外していた。タンクトップも脱いで、上半身に何も身に着けていない状態で、純子の身体を抱きしめた。
「きゃっ……あ……」
 触れられる。
 榎本の手が、内股に触れられて。そのまま、中心部を撫で上げられた。
 声をあげそうになり、とっさに手で口を押さえる。今更ながら、ここが東京セキュリティ……榎本の職場であることを思い出したが、今更やめてくれ、なんて、言えるはずもない。
 言いたくもなかった。
「んっ、んっ……んんーっ!!」
 そこに何かを受け入れるのは何年ぶりだろうか? けれど、恐れていたような痛みはなく、そこは、何の抵抗もなく榎本の指を受け入れた。
 微かに響く湿った音。淫靡な響きに頬を染めると、覗き込んできた榎本が、わずかに微笑んだ。
 ……あ……
 金属音と共に、ズボンのベルトが引き抜かれ、乱暴に放り出された。
 一瞬の間と、貫かれる衝撃。
 わずかな痛みと快楽の中で、純子はただ、目の前の男の身体にしがみつくことしかできなかった。

「……榎本さん、彼女いたことないって、言ってらっしゃいましたよね?」
「はい」
 事が終わったその後……というのは、どうしてこんなにも気まずいというか間抜けなんだろうか。
 お互い、その辺に放り出された服やら下着やらを身に着けて。微妙に視線をそらしたまま、向かい合う。
 後悔はない、もちろん無い。自分は。
 だが、榎本はどうなんだろうか……そんなことを思いながら、正面にある顔を見据える。
 いつもの野暮ったい眼鏡の奥に隠れた表情が、読めない。
「でも、何だか、随分手慣れた感じだったんですけど。それは、わたしの気のせいでしょうか」
「…………」
「榎本さん、まさか……」
「……鍵を開けることに比べれば、難しくはありません」
「はあ!?」
「女性の身体を開くのも、鍵を開けるのも、同じようなものです。人間の身体は、鍵と違って目に見える箇所を触れるわけですから……その……」
「……榎本さん」
「はい」
「榎本さんに彼女がいたことないって言葉、信じます。わたし、言いましたよね? 前に。鍵や防犯のことばっかり言ってたら、女の子にもてませんよ、って」
「…………」
328地下室の榎本×青砥 6:2012/05/26(土) 01:12:08.54 ID:Ocda5hgk
 純子の言葉に、榎本は憮然とした表情でつぶやいた。
「別に、もてなくても構いません」
「へえ?」
「そんな僕に、青砥さんは好意を持って下さったようなので、それで十分です」
「…………」
 見事なカウンターパンチに、純子の頬が真っ赤に染まった。
 やられた。やっぱり、自分では榎本には勝てそうもない。こと、こういう方面に関しても。
 だって忘れられないのだから。さっきの一瞬の笑顔が。仕事の上では見たことのない……見せたことのない笑顔が。
 眼鏡の奥にある顔が意外なまでに整っていること。笑うと、意外なくらいにかっこいいこと。その全てにやられてしまったんだから、自分の負けだ。
「やっぱり、わたし、榎本さんには敵いません」
「はい?」
「何でもありませんっ……その、今日はもう失礼しますっ」
「あ、はい。今日は本当に……すいませんでした」
「榎本さんっ!」
「はい」
「何で謝るんですかっ。それじゃあ、わたしが迷惑がってるみたいじゃないですかっ。わたし、別に迷惑なんてしてません! だから謝らなくてもいいんです!」
「は、はい」
「それとっ! 普通っ、こういうときは『遅くなったから送っていきます』って言うものなんですっ! わかりましたか!」
「……はい」
 純子の剣幕に驚いたのか、恐れたのか。榎本は、無表情なまま、されど素早く立ち上がった。
 ああ、もう。本当に、女性に対するマナーってものが全くわかってない。
 けれど、それが榎本だ。そういう榎本に、自分は参ってしまったのだ。だから、しょうがない。
「榎本さん」
「はい?」
 呼びかける。振り向く。一瞬の見つめあい。そして――
「――!!」
「お腹が空いちゃいましたから、晩御飯でも食べに行きましょう。それから、家まで送ってください。……いいですよね?」
「……はい」
 純子の言葉に、榎本はわずかに頬を緩めて頷いた。
 唇に残る甘い感触を楽しみながら。肩を並べて、地下室を後にした。

〜〜END〜〜
329304:2012/05/26(土) 01:14:43.91 ID:Ocda5hgk
終わりです。
榎本に恋愛経験がないと見るや主導権を取ろうとして見事失敗な純子の図です。
実際、ドラマにおける榎本の過去がどうなのか気になる……
お目汚し失礼しました。
330名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 01:43:44.89 ID:MxRhMuIv
>>329
おぉーGJ!
女体と鍵は大差ない=童貞なのに動じない
THE榎本な感じで納得させられたわw
331名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 04:30:39.28 ID:xpcNE+0q
>>329
続きを読みたい、と書いた者です。
今回も、とてもGJでした!ありがとうございます!
ドラマの方でもちょっとだけ、何かあったらいいなあと思わずにはいられないw
332名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 00:08:25.32 ID:oxixPJGr
>>329
遅ればせながらGJ!!
333329:2012/05/27(日) 01:43:58.53 ID:TkpvfqZt
感想くださった方々ありがとうございます!
本編放送直前。何度も予告を見ているうちに思いついた小ネタ投下です。
5/28放送の「狐火の家」のシチュエーション妄想。
先の2編が純子視点だったので、今回は榎本視点に挑戦してみました。
334寝室の榎本×純子 前編:2012/05/27(日) 01:45:06.37 ID:TkpvfqZt
 何でこんな状況になったのだろうか?
 暗い室内で、榎本は自問自答していたが。明確な回答が返ってくることはなかった。
 場所、長野県山間に位置する旧家。普段寝泊りしている自宅と比べれば、三倍は広い、その代わりに古めかしい室内。
 その中央にぽつんと敷かれた一組の布団と、そこに横たわる自分。そして……
「…………」
「…………」
 右の二の腕に感じるのは柔らかい感触。視線を向ければ、同じ布団の中にきゅうくつそうに身を寄せる、青砥純子の寝顔。
 おかしい。何故、こんなことになっているのだろうか?
 鍵や密室についてなら、いかなる難問であろうとも必ず解答を弾き出してきた明晰な頭脳も。こと今回の件に関してだけは、回転が鈍っているようだった。
 いや、あるいは、思考することを放棄しているのかもしれない……

 事の起こりはいつものように芹沢法律事務所からの依頼だった。
 長野県の旧家で起きた殺人事件。被害者は中学生の少女。容疑者はその父親。
 だが、その父親が娘を深く愛していたことは周知の事実で、特に家庭でトラブルが起きていた様子もないのに殺すなんてありえない。何とか無実を証明してやってくれ……と容疑者の友人に頼まれた、というのが簡単な経緯。
 何故、榎本が巻き込まれたのか? それは現場が密室だったから。
 密室であったために、犯行可能だったのが第一発見者だった父親しかいない……というのが、逮捕の理由。ということは、密室さえ破れれば、他に犯行可能な者がいたことの証明になり、父親の容疑は晴れる。
 そう拝み倒され、週末にかけて、榎本は長野に遠征することになった。
 まず最初に想定外だったのは、当然のように芹沢が同行するもの、と思っていたら。芹沢自身は休暇を取っていた、とのことで。純子と二人きりで出かけることになった。
 次に想定外だったのは、その密室が榎本をしても手こずるような難問で、考え込んでいるうちにすっかり夜も更けてしまい、一泊を余儀なくされた、ということ。
 さらに想定外だったのは、東京都心とは違い、周辺にホテルなど無い状況下。閉鎖的な田舎の人たちは、突然やって来た見知らぬ異邦人(=榎本と純子)を泊めてくれるほど親切ではなく、やむなく殺人現場となった旧家の一室を借りる羽目になった、ということ。
 いやいや、それだけならまだ問題はなかったのだ。
 さすが、地主と呼ばれる家だけはあり、東京の狭い建売住宅を見慣れた身からすれば、まさしく豪邸というにふさわしい家屋。
 事件現場、およびその周辺は警察の立ちあいなしでは足を踏み入れることはできなかったが。そこを除いても、客間と呼べる部屋はいくつもあったし、布団も用意されていた。
 榎本と純子でそれぞれ一室ずつ借りて、また明日の朝に、と別れたはずだったのだ。つい先ほど、純子が部屋に押しかけてくるまでは。

「榎本さん榎本さん! 起きてますかっ!」
 長いドライブになるから、と、ラフな服を用意してきたのが幸いだった。
 いつでも眠れるように、と、Tシャツにジャージという格好で、愛用のパソコンを使って現場の検証をしていると。
 先ほど、別の部屋にひっこんだはずの純子が、血相を変えてとびこんできた。
「青砥さん?」
「榎本さーん! よかったあああああ! まだ起きていらっしゃったんですねー!!」
 布団の上にあぐらをかいていた榎本を見て。純子は泣き崩れるようにすがりついてきた。
 純子を見つめる榎本は無言。正確に言えば、声が出なかった。
335寝室の榎本×純子 中編:2012/05/27(日) 01:45:57.84 ID:TkpvfqZt
(何て格好してるんですか青砥さん……)
 恐らく、純子も寝ようとしていたのだろう。いつもまとめられている髪は下ろされていて、化粧もしていないようだった。
 無防備な素顔に一瞬胸が高鳴ったが。慌てて視線をそらした瞬間、もっととんでもないものが目に入って来て、思わず目を伏せた。
「聞いてください榎本さん! この家はおかしいです! わ、わたしがトイレに行こうとしたらですね!? 廊下に女の子がっ……女の子がいて、すーっと消えてっ……これは幽霊ですよ間違いありません! この家には何かがっ……」
 何やら純子がわめいているが、正直、その言葉は半分も耳に届いていない。
 泊りがけになるとは思っていなかったのだろう。純子は、着替えを用意していなかったらしい。
 といって、スーツのまま眠ることもできなかったのだろう。彼女は、ブラウス一枚というあまりにも無防備な格好だった。
 幸い、細身の純子にそのブラウスはやや大きかったのか、思ったより丈は長めだったが。それでも、すらりとした脚が半ば以上むきだしに……
「榎本さん榎本さん榎本さん! 聞いてるんですかー!?」
「っ……き、聞いています。ええと、幽霊、ですか?」
「出たんですよ、わたし見ちゃったんですよ! どうしましょうどうしましょうどうしましょう!」
「どうしましょう、って……」
 榎本に言わせれば、この世に幽霊などいるはずがない。それは何かの見間違いか、もしくは近所の子供が殺人事件のあった屋敷に肝試しで忍び込んだだけではないか、と思うのだが。
 それを理性的に説明しても、純子が納得する様子はなかった。
「だっておかしいですよ! こんな時間に子供が!? そんなわけないです! それに子供の周りに変な火の玉みたいなものが浮かんでいてっ……榎本さんは見てないからそんなことが言えるんです!」
「…………はあ」
 だから、自分にどうしろというのか。まさか、今から東京に帰るとでもいうつもりか?
 どうせ翌日もここに来る必要があるのに、さすがに深夜のドライブは勘弁してほしい。何と言って説得しようかと榎本が頭を悩ませていると……
「この部屋に泊めてください」
「……はい?」
「だから、この部屋に泊めてくださいっ! こんなところで一人で眠れません! お願いしますっ!」
「…………」
 純子の提案と、深夜のドライブとどちらがマシだろうか?
 榎本は真剣に考え込んだが、純子は、榎本の答えを聞くつもりはなかったようだった。

 そして、冒頭に繋がる。
(……失敗した)
 布団を取ってこようとしたら、「一人にしないでください」とすがりつかれ。じゃあ一緒に行きましょうと言えば、怖いから動きたくないと言う。
 だからと言って、そのあまりにも無防備な格好の純子と一つ布団にもぐりこむのは、さすがの榎本にもためらわれた。
 もういっそ徹夜しようか。布団を純子に譲って、自分は今夜一晩、密室の謎を考えるとでも言ってパソコンに向かっていようか、と考えたが。
「榎本さん、寝ないんですか?」
「……いえ、眠くなったら寝ます」
「もしかして、わたし、お邪魔でしたか? 迷惑でしたか? ほ、本当にすみません。わたし、駄目なんです。幽霊とか……本当にすみません……」
「…………」
336寝室の榎本×純子 後編:2012/05/27(日) 01:46:56.55 ID:TkpvfqZt
 泣きそうな顔でこんなことを言われては、迷惑だ、とも言えない。
 第一、ここで変に意識すれば、それは純子に対して劣情をもよおしています、と告白するにも等しいのではないか?
「……寝ます」
 一瞬というには長い葛藤の後。榎本は、ぱたん、とパソコンを閉じた。
(やめておけばよかった……)
 今の純子の服装は、さきほどまで榎本が着ていたTシャツとジャージ。
 さすがにその格好はやめて下さい、と控えめにお願いしたところ。純子は、自分の格好に気づいていなかったらしく、盛大な悲鳴をあげた。
 やむなく着替えを貸して、自分自身は職場で着ていたシャツにスーツのズボン。寝苦しいことこの上ない。
 ……いや。寝苦しいのは、それだけが理由ではないのだが。
(…………)
 榎本が部屋を出るのも、自分が部屋を出るのも嫌だというので、お互いに背中を向けた状態で着替えを行った。
 心中で般若心経を唱え、極力衣擦れの音を意識外に置き、ましてや着替え中の純子など想像も妄想もしないように心掛けたつもりだが。
「すいません、終わりました。榎本さん……そんな格好で、寝苦しくないですか?」
「大丈夫です。お気になさらずに」
「何から何まですいません……」
 男物のTシャツにジャージ。榎本自身は男性としては小柄な方だが、それでも、細身の純子には大きすぎたらしい。あちらこちらがだぶだぶと余っている。その姿は、何というか……
(…………)
 長野の夜は冷える。季節は初夏とはいえ、空気は冷たい。
 だからだろう。布団の中で、純子が榎本の身体にすがりついてくるのは。後は、単純に怯えているのか。
 女性との付き合いがほとんどない榎本には、純子が特別なのか、それとも世の女性がみんなこうなのかは知るよしもないが。それにしても随分無防備だとは思う。
 余程信頼されているのか。あるいは、全く男として見られていないのか。
 後者だとしたら、さすがの榎本も少々ショックだ。
(……柔らかい)
 右腕に感じるこの感触は何なのか。一瞬見たTシャツ姿の純子が思い出される。
 何やら、胸の辺りに浮いていたのは……まさかこのシャツの下は……いや考えてはいけない。
 ましてや、大きすぎるシャツの襟もとから胸元が覗けていたことなど、決して思い出してはいけない。
(…………)
 頭を抱える。これまで、鍵や錠や防犯一筋に生きて来た榎本は、女性に対して特別な興味を抱いたことなどほとんどなかった。
 これまで彼女、と呼べる存在がいたこともないし。その手のサービスを提供する店にすら、仕事以外の目的で入ったことはない。
 そんな自分でも、やはり男だったのだな、と。こんな状況で、思い知らされた。
「……青砥さん」
「…………」
 小さな呼びかけに返ってきたのは、平和な寝言だった。
 そっと腕を振りほどくと、今度は背中にすがりつかれた。
 全身で純子の身体を感じる羽目になり、慌てて向き直れば、正面に、無防備な寝顔がった。
(…………僕は、どうすれば)
 いきり立つ下半身が純子に触れないように精一杯腰を引いて。榎本は、深い深いため息をついた。
 どうやら、今夜は長い夜になりそうだった。

〜〜END〜〜
337329:2012/05/27(日) 01:48:17.60 ID:TkpvfqZt
終わりです。榎本視点難しい……
ドラマを正座して待ちつつ失礼しました。
338名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 01:51:52.97 ID:eTfuEszr
はは、青砥さんに振り回されてる榎本さん可愛いわ、GJ
339名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 02:46:50.28 ID:f+uBevmy
>>337
GJ!なんてかわいい榎本w
冷凍室もその後日談もすごくかわいい二人で、エロチックでよかったです。
寝る前に良いもの読まさせていただきました。
月曜日が楽しみw
340名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 04:33:49.74 ID:NEkKlPv/
失礼します
こんな時間にこっそり投下
元々エロ書きだけど、いきなりこの二人でエロ書くのはハードル高かった…
なので今回はエロなし
341クモノス病 1/3:2012/05/27(日) 04:35:22.60 ID:NEkKlPv/
どうしてここまで、と自分でも信じられないほどだった。
最初に出会った時にはあまりにも無愛想で何を考えているのか全く分からず、何を話していいのか
すら戸惑うほどだったというのに。
今はもう、その時の躊躇を埋めようとでもいうように、どんどん榎本に惹かれて止まらない。

「あれは本当に初めて見たもので、驚きましたね。土蔵の錠がその家の先祖の作によるものという
ことでしたので、僕が培ってきた開錠の法則がすぐには通じなかったのです」
「…そうなんですか」
そして結局は顔を見たくて、適当な理由をつけては榎本のいるこの備品倉庫室にやって来ていた。
これほどに心を乱されているというのに、目の前のこの男は何も知らずに滔々とかつて見たという
奇妙な錠の話を続けている。
その内容など、青砥には碌に届いていなかった。ただ空返事を断続的に繰り返すばかりだ。
「青砥さん、聞いていますか」
「えっ?」
その声にはっと顔を上げると、怪訝な顔をした榎本がわずかに首を傾げていた。
「察することが出来ず、申し訳ありませんでした。どうやら日頃のお疲れが出ているようですね」
「いえ、私こそ、そんな…ごめんなさいっ」
もしかしたら機嫌を損ねてしまったのではないか、そんな危惧から思わず座っていた椅子から立ち
上がってしまう。
「私、つい考えごとを」
「そうですか」
あたふたと言い訳をする青砥の慌てぶりなど一切関心もないのか、榎本の様子はいつもと同じで
至って静かなものだ。それが何となく悔しい。
死ぬほど夢中になっているのは自分の方だけなのだと思うと、切ない。
自分だけがこんな思いをしているのはひどく滑稽にすら思えて、少し落ち着こうと改めてこの室内を
見回す。
大小夥しい数の鍵のコレクションに工具、様々な本…一見無機質に見えてここはまるで榎本の脳の
内部のようだ。居心地が良く感じてしまうのはそのせいもあるのだろうか。
「青砥さん?」
ふと、離れたテーブルに目を投じると、この場には不似合いな絵本が無造作に開かれているのを
見つけた。上手い返答が思いつかない反動で、急にそちらの方に興味が向いて行く。
「あ、あの…絵本があるのは何故ですか?」
「ああ、それですか」
342クモノス病 2/3:2012/05/27(日) 04:36:00.81 ID:NEkKlPv/
絵本はオオカミと七匹の子ヤギの話だった。ぱらりとページを繰っても何の変哲もない、子供の頃に
読んだものと同じ内容だ。
「最近、うちの会社では小学校や幼稚園向けに分かりやすく絵本を使って、防犯の話をすることも
始めているのです。主にその催しを担当している同僚が置いて行ったままになっていまして」
「あ、そ、そうなんですか…」
本当に榎本の頭の中は鍵と謎と防犯のことばかりだ。そこに自分が入る隙もない。そう考えてつい
感傷的な気分になった青砥に、榎本はいきなりとんでもないことを言い始めた。
「子ヤギが扉を開けさえしなければ、オオカミから身を守れたでしょうにね。童話の中では皆助かり
ましたが、これは実話を元にした話だとも言われています」
「えっ」
急な話の展開に頭がついていかない青砥の前で、難儀な鍵を開ける寸前のように爛々とした目を
しながら榎本は顔を覗き込んでくる。
「つまり、昔であれば犯罪者や変質者によって一家全員が殺害されることもさほど珍しくなかったと
いうことです。今の世でも時折ニュースで聞きますね。ですから防犯としての施錠の必要性を更に
強く説くことが肝心なのです」
「あ、あの…」
あまりにも近くに顔があることが、また平常心を失わせた。
「じゃあ、赤ずきんとかもですか?」
「もちろんです」
顔を遠ざけることなく、榎本は実にきっぱりと言い放った。
「一般に知られているあらすじはグリム版ですが、ペロー版のシャプロン・ルージュでは赤ずきんが
オオカミに食べられたところで終わりです。元が伝承寓話ですので大変現実的な結末ですが、まあ
そんなものでしょう、不用心は身を滅ぼすということです。そして」
話しながらも食い気味に身を乗り出していた榎本が、突然すっと離れた。一息つくようにさらりと顔を
上げると指で眼鏡をくいと上げ、わずかに何か言いよどむように唇が半開きになる。全てにおいて
断定的な榎本にしては珍しい態度だった。
「榎本、さん?」
そこに関心を奪われている間に、榎本は背筋を伸ばして言葉を続ける。
「赤ずきんは処女でオオカミは悪い男の象徴、という解釈もあるようです。それに倣えば親の言う
ことを聞かない不真面目な娘は男に騙されて処女を奪われかねない…娘のいる親が好みそうな
教訓として使えるかも知れませんね」
343クモノス病 3/3:2012/05/27(日) 04:36:31.69 ID:NEkKlPv/
「…っ」
圧倒された青砥が息を呑んでいると、風もない筈の室内で何かが動いた。
壁から下げられた鍵の幾つかが、ちゃり、と生きてざわめくように音をたてる。何故榎本が一度言い
よどんだのかは分かったが鍵鳴りに喚起されたのか鼓動が高まるばかりだ。
どうして、この人はこんなことを言ったのだろう。
「青砥さん、あなたはどうして」
まるで心が読めているように榎本はわずかに苦々しげに顔を歪めた。
「これほどに僕の心を掻き乱すのですか…?」
「え?」
今度こそ、青砥は頭の中が真っ白になってしまった。先程からのことがあまりにも信じられず、全く
一貫した出来事として繋がらない。きっとひどく間の抜けた顔をしていることだろう。
「ここは長らく僕にとっての不可侵領域だと思っていたので、青砥さんを見慣れたことに違和感を
感じざるを得ません。けれど心待ちにしている部分も否めないのです」
躊躇したのか少し間があった後、腕が持ち上がって指先が顎に触れた。
「あ…」
驚くほど真剣な眼差しに射竦められてしまう。鮮やかに鍵を開ける時、謎を手繰る時、いつもつい
見惚れてしまうしなやかで美しい指が自分に触れているのを感じるだけで、鼓動が早鐘のように
高鳴った。
「榎本さん、まさか私を…?」
眼差しと指先のわずかな熱さから感じ取れるものは、情。
この気難しくて偏屈な、ともすれば誤解されがちなこの人の、鍵を開けてしまったのだと自覚したが
最後、何も考えられなくなりそうだった。
青砥の目尻から涙が零れ落ちる。
ここは榎本が築き上げた、まさに巣。そこにわざわざ理由をつけてでも来たがるのは、蜘蛛の巣に
自ら飛び込む奇特な虫と同じなのだろう。目眩がするほどの陶酔を伴うその感覚は麻薬のようで
とても逃れられそうにない。
「はい、どうやらそのようです」
指先よりも、重なってくる唇が熱い。もう何も考えられなくなってそのまま抱き締められる腕に身を
任せて目を閉じる。
この人が何者であっても、今の姿にどれだけの偽りが隠されているとしても、今こうして幸せでいら
れるのであればもうどうでも良かった。




344名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 21:15:12.96 ID:43dB6aI4
うわああああ、神作品満載\(^o^)/
明日の放送が待ちきれない
先週は榎本青砥わりとあっさりめだったけど、今週はどうかな
345名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 22:55:27.33 ID:oxixPJGr
>>334>>341ともにGJ!
耐える榎本も告白する榎本もすごくよかった!!
346名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 23:03:12.75 ID:Rp/Q2x+G
読み応えのある作品いっぱいで嬉しいよ、書き手の皆さんありがとう!

原作未読派なんだけど、>>334は明日放送の話だよね?
明日がよりいっそう楽しみになってきた
榎本と青砥が一瞬でも相手を異性と意識する描写があればいいのになぁ
347名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 23:19:43.37 ID:WvabfsT1
>>334>>341
つ、続きを…何卒宜しくお願いします。
348334:2012/05/27(日) 23:26:01.15 ID:zeQXosfw
感想くださった皆様、ありがとうございます。

>>346
明日放送の話です。
予告動画から妄想膨らませました。

>>347
続き所望ありがとうございます!
このままだと榎本が可哀想なので本番ありの方向で考えます。

すいません。続きを、と言ってもらったのですが
放送前にスレを読み返してて
>>174 のネタに激しく萌えてしまったので
そっちを先に書いてしまいました。
連投になってしまいすいません。
>>334 の続きはまた後日……
349名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 23:28:32.23 ID:f+uBevmy
>>341
GJ!緊張感があってドキドキしました。
是非是非エロもお願いします。
350式場の榎本×純子 1:2012/05/27(日) 23:33:45.37 ID:zeQXosfw
 榎本にとっては、土日祝日とは大して意味のある日ではない。
 趣味と仕事が直結しているため、休みの日であろうとも東京総合セキュリティの地下にこもっていることは珍しいことではなく、人付き合いもないため、意識する必要もなかった。
 だからその日。依頼されていた密室の謎がおぼろげに見えてきたことを報告するため、青砥純子に電話をかけた日が日曜日……世間一般の人間にとっては休日に当たることに、榎本は気づいていなかった。
「青砥さんですか。榎本です。先日の密室についてですが、2、3点、確認したいことがあるのでこちらに来ていただけると助かるのですが」
『え、今日……ですか?』
「はい。ご都合はいかがでしょう?」
『あ……ええと、今すぐなら大丈夫です。いいですか?』
「はい、お待ちしています」
 電話を切ってから一時間後。けたたましい足音と共に、ノックの音が響いた。
「榎本さん? 青砥ですけど」
「はい。お呼び立てしてすいま……」
 振り向いた瞬間、榎本の言葉は不自然なタイミングで途切れた。鍵穴の見すぎでまた視力が下がったのか、と真剣に悩んだが、見間違いというには、目の前の光景はあまりにも色彩鮮やかだった。
「青砥さん……?」
「あ、す、すいません、こんな格好で!! あの、今日この後、用事があるんです!」
 あたふたと言い訳をする純子は……ドレス姿だった。
 きらきらと華やかな布地とフリルで構成されたドレス。裾の長いスカートの割に、肩や胸元はむき出しで申し訳程度に薄い布をまとっている。
 アップに結い上げられた髪には大きなコサージュが飾られていて、いつものナチュラルメイクとは違う、丁寧な……もっと言えば派手なメイクをした純子がそこにいた。
 たっぷり数秒考え込む。女性がこんな格好をする場所、と言えば……
「……どなたかの結婚式ですか?」
「はい! 覚えておられますか? 以前、榎本さんに部屋のセキュリティを確認してもらった友人なんですけど! 彼女の結婚式が、今日なんですよ」
「ああ……ええ、覚えています」
 忘れるわけがない。休日に純子から呼び出され、彼女の個人的な友人を紹介されたとき。その友人が榎本を指して「彼氏?」ととんでもない誤解を……
 いや、忘れられないのは、その後、鴻野警部から呼び出しがかかって殺人事件に巻き込まれたからだが、もちろん。
「そうだったんですか。そんな日にすみません。時間は大丈夫ですか?」
「はい。お式にはまだ時間がありますし、ここから式場までそんなに遠くないですから!」
「それにしても……言って下されば明日でもよかったんですが」
「いえいえ。わたしだって、あの密室は早く解いて欲しいですから。それで、確認したいことって、何ですか?」
 女性にとって、結婚式の前というのは準備で色々と忙しいものなのではないだろうか?
 それなのに、純子は嫌な顔一つ見せず、榎本の質問に一つ一つ丁寧に答えてくれた。
 電話したら「用事がある」と無下に断った彼女の上司とはえらい違いである。

 〜〜その頃の芹沢〜〜

「ねえ〜いいのー? さっきの電話、お仕事の電話だったんじゃなあい?」
「いいのいいの。今日の僕は弁護士先生じゃないんだよ」
「じゃあ、なあに?」
「もちろん、君を守るナイトだよ」
「いや〜ん素敵ー! ねえねえ、今日はどこに行く〜?」
「どこでも君の好きなところに付き合うよ」
(どうせ青砥が行くだろうから俺は後で報告を受ければいいよな。休日まであんな辛気臭い場所に来いなんて冗談じゃない)
351式場の榎本×純子 2:2012/05/27(日) 23:34:59.09 ID:zeQXosfw
 いくつか質問するだけだからすぐ終わる、と思っていたのだが。真面目な純子はささいな疑問点にも投げ出さずに付き合ってくれて、気がつけば、結構な時間が経っていた。
「すいません、青砥さん。質問は以上です」
「はい! お役に立てましたか? 密室の謎は、解けそうですか?」
「はい。何とか……あの、青砥さん。時間は、大丈夫なんですか?」
「え? きゃーっ! もうこんな時間!?」
 榎本に促され、腕時計を見た純子の顔が一気に青ざめた。
 あたふたと立ち上がる。履きなれていないのだろう、普段より踵の高いハイヒールは、いかにも歩き辛そうだった。
「すいません、榎本さん! わたし、もう行かなくちゃ!」
「いえ……」
 いつもなら、帰る純子を部屋で見送るところだが。こんな日に、緊急でもない用事で呼び出した、ということに、さすがに良心がとがめた。
「青砥さん」
「はいっ!?」
「式場はどこですか。よろしければ、車で送ります」
「え……い、いいんですか?」
「はい。構いません」
「助かります! お願いします! あ、式場の住所です」
 安堵の笑みを浮かべ、招待状を差し出す純子。それを無表情に見つめて。榎本は、車のキーを取りに向かった。

 幸い、式場そう遠くない場所にあった。オフィス街のせいか、道路もさほどの渋滞はなく、何とか時間までに純子を送ることができた。
 でかでかと「東京総合セキュリティ」と書かれたワゴン車で華やかな式場に乗りつけるのはさすがに気が引けたので、やや離れた場所に停車する。
「間に合った! 榎本さん、本当に本当にありがとうございます!」
「いえ……こちらこそ、今日は本当に助かりました」
「お役に立ててよかったです。密室の謎、早く解いちゃってくださいね? 期待してますから!」
 満面の笑みを浮かべて手を振る純子。その笑みにぎこちなく手を振り返すと、純子は、弾むような足取りで式場に向かって行った。
 その後ろ姿を何となく見送る。ちょうど信号が赤になり、しばらく停車を続けていると……
(…………?)
 式までは時間があるのか、式場の外では、ドレスアップした男女が数名うろうろしていた。
 その中の一人、若い男性が、純子に向かって手を上げるのが見えた。
 後ろ姿のため、純子の表情はわからない。だが、手を振っているところを見ると、知り合いらしい。そのまま真っ直ぐに男性の元に歩み寄り……
(…………)
 男性の肩が、馴れ馴れしく純子のむき出しの肩に回されるのが見えた。
 ちょうどそのとき、信号が青に変わり。後ろの車からクラクションを鳴らされ、その先の光景を見届けることはできなかった。
352式場の榎本×純子 3:2012/05/27(日) 23:36:31.81 ID:zeQXosfw
 それから数時間後。
(……僕は何をやっているんだろうか……?)
 式場付近のコインパーキングに「東京総合セキュリティ」のワゴンを止め。榎本は自問自答していた。
 純子から招待状を見せられたとき、式場の住所と一緒に、式のスケジュールも目に入った。必要もないのに、記憶してしまった。
 予定では、そろそろ披露宴が終わる時間のはず。
 迎えに来てくれ、と頼まれたわけでもないのに、何故自分はここにいるのか。
 いや、原因はわかっている。別れ際に見たあの光景のせいだ。純子にやけに親しげに近づくあの男のせいだ。
 あの光景が気になって、社に戻った後も、密室に集中することができなかった。いつもなら、謎が解けるまでは時間など気にせず考え込むところだが、今日に限っては数分おきに時計を確かめてしまう。
 そして、今。そろそろ式が終わるな……と考えた瞬間。いてもたってもいられず再び車を動かし、今に至る。
 自分でもよくわからない。何故、ここに来ようと思ったのか。ただ、あの男の存在がひどく目ざわりだったのは事実だ。
 会話はおろか、遠目にちらりと姿を見ただけの男が、何故こんなにも不快なのか。それがよくわからないのだが。
(…………)
 とりあえず、こんなところで突っ立っていても仕方がない。
 式場の方に足を向けると、式は滞りなく進行したらしく。華やかなドレス姿の女性達が、式場から出てくるところだった。
 純子はどこに居るのだろうか? まさか、もう帰ってしまった、なんてことはないだろうか……
 目立たないように車道を挟んだ向かいの歩道から人待ち顔で式場を眺めていると。
 どこかで見たような男女が式場から出てくるのが見えて。榎本の目が、細められた。

 一方、純子は困惑していた。
「いや〜〜びっくりしたよ。あのがり勉だった青砥がこんなに綺麗になってるなんてさあ!」
「は、はあ……あの、鈴木君? ちょっと飲みすぎじゃない?」
「ええー? 俺はぜーんぜん酔ってねえって! 酔ってるとしたら君の美しさにだよ! ぷぷぷ、なーんちゃって!」
(うわ、芹沢さんみたい)
 純子が心中で失礼な感想を抱いているとは露ほども気づかず。目の前の男は、どこまでもなれなれしかった。

 〜〜その頃の芹沢〜〜

「いや〜ん、もう芹沢ちゃんたらー! ちょっと飲みすぎー! 酔ってるでしょお?」
「んん〜? 馬鹿だなあ、俺はちっとも酔ってないよ。酔ってるとしたら、君の美しさにだね」
「もうっ、馬鹿! お上手なんだからあ!」
「男は美しい女性の前ではどこまでも馬鹿になるものだよ。さあ、次はどこに行こうか?」
353式場の榎本×純子 4:2012/05/27(日) 23:37:35.73 ID:zeQXosfw
「ちょっと鈴木君、やめてってば!」
「いいじゃん。青砥も今フリーだろー? ってことは暇なんだろ? なあなあ、この後さあ、二次会やらね? 二次会?」
「二次会って、みんなで?」
「いや、俺とお前で。なあなあ、青砥、弁護士になったんだろ〜? 面白い話、聞かせてくれよ〜」
(うわ、お酒くさーい。って、この手は何なのよこの手はっ)
 べたべたと肩に回される腕。露骨に胸元に注がれる視線に、純子は嫌悪感を覚えたが。周囲に友人達がいることを考えると、無下に振り払うこともできない。
 鈴木は大学時代の同級生だった。法学部ではあるが、弁護士になる気などさらさらなく、ただ合コンで女の子受けがよくなるというだけの理由で入ったんだ……と公言してはばからない、そんな男だった。
 当然、純子と気が合うはずもなかったが。腐れ縁というべきか、同じ教授のゼミを取ることになったため、卒業まで縁は続いた。
 その頃の鈴木は、地味で野暮ったくて常に六法全書を離さない純子のことなど眼中にもなかったはずなのだが。一体、今日のこの態度は何なのか?

(え、もしかして青砥か?)
(え……ああ、鈴木君。お久しぶり)
(マジで青砥!? うわあお嘘だろ! あのがり勉女が……お前、弁護士になったって本当かよ?)

 昼間の再開時の会話が思い出される。そんなに親しかったような覚えはないのだが、何故か十年来の親友のように扱われ、披露宴の間もずっと雑談に付き合わされた。
 式が終わってやっと離れられると思ったのに、純子の迷惑そうな顔など歯牙にもかけず、鈴木はどこまでも図々しい。
 できることならひっぱたいて振り払ってやりたいところなのだが、こんなところで騒ぎを起こせば、主役である友人の顔に泥を塗ることになる。さて、どうしたものか……
 と、純子が頭を悩ませていたそのときだった。

「青砥さん」

 およそ、ここで聞こえるはずのない声が聞こえてきて。純子の身体が硬直した。
「……榎本さん?」
「はい」
 振り向く。華やかなドレスやスーツの中で、明らかに浮いた野暮ったい眼鏡にカーディガン。地味で小柄な、けれど眼光は鋭い男……
 昼間、別れたはずの榎本が。何故か、今。純子の前に居た。
「ん? 何だよおめえ。見ない顔だな?」
「榎本さん……?」
「青砥さん。すみません、遅くなりました」
「はい?」
 何故、榎本がここに居るのか? 遅くなりました、とは、どういう意味?
 純子の頭は疑問符でいっぱいだったが、榎本はそれに頓着することなく。強引に、純子の腕をつかんだ。
 引っ張られる。肩を抱く鈴木と、腕をつかむ榎本。二人の力が、一瞬膠着した。
354式場の榎本×純子 5:2012/05/27(日) 23:38:43.95 ID:zeQXosfw
「おいおい何だよおめえ! 青砥、こいつ、お前の知り合い?」
「え……ええ……」
 何だろう何だろう、この展開は。榎本はいつもの無表情だが、心なしか、その目には不機嫌そうな色が浮かんでいる。
 だが、助かったと言えば助かった。
「ごめん、鈴木君。この後、約束があるから」
「おい! 青砥、ちょっと待てよ!」
 肩に回された腕を振り払って、榎本の元に歩み寄る。振り向けば、自分より榎本が優先された、ということが余程気に食わないのか、鈴木の表情にははっきりと怒気が浮かんでいた。
「おいおい青砥お。何だよこいつ。おまえの男かあ?」
「ええと。鈴木君、この人はね……」
「ははん。さっきはフリーだっつってたのは嘘かよ? まあなあ。彼氏がこんな男だなんて、そりゃ、言えねえよなあ!」
「……はあ?」
「ははっ。見た目は変わっても、やっぱがり勉女はがり勉女だなあ! 選んだ男がこんなのとはねえ」
「こんなのって!」
 鈴木の失礼な物言いに、さすがに黙っていられなくなった。
 確かに、女受けするちゃらちゃらした外見の鈴木から見れば、榎本は地味で野暮ったい男かもしれないが。初対面の男に馬鹿にされるいわれはない。
 彼の魅力は、そんな薄っぺらいところにはないのだから。
「ちょっと鈴木君、失礼でしょ! あのねえっ……」
「そうです」
 いきり立つ純子を制して。榎本は、表情一つ変えず、淡々と言った。
「そうです。僕が、青砥さんの彼氏です。それが、何か?」
「……あ?」
「そのことで、あなたに何かご迷惑をおかけしましたか?」
「…………」
 何も言い返せなかったらしい。
 周囲の非難の視線が強くなってきたこともあってか。鈴木は「けっ!」と悪態をつくと、どこかへと立ち去った。
「行きましょうか、青砥さん」
「あ……は、はい」
 好奇に満ちた視線が注がれる中。榎本は、動じる様子もなく、歩き出した。
355式場の榎本×純子 6:2012/05/27(日) 23:39:37.24 ID:zeQXosfw
 すたすたと歩いていく榎本に、慣れないハイヒールで必死についていくと。コインパーキングで、昼間も乗せてもらったワゴン車が待っていた。
「どうぞ。ご自宅までお送りします」
「あ、ありがとうございます……あの、榎本さん?」
「はい、何ですか?」
「まさか……待っていて下さったんですか?」
「…………」
 ワゴン車のドアを開けたまま、一瞬、榎本は口ごもった。
「……密室の謎が解けたので。早くお伝えした方がいいかと思って。ちょうど、式が終わる頃かと思ったものですから」
「あ、ああ、そうだったんですか。でも、電話でもメールでもよかったのに」
「いえ……」
 榎本には珍しく、返事が煮え切らない。
 首を傾げながら、ワゴン車に乗り込む。純子がシートベルトを締めたのを確認して、榎本は、車をスタートさせた。
「……すいません」
 車が走り出してから数分後。
 榎本は、前方を凝視したまま、不意につぶやいた。
「はい?」
「その。さっきはとっさに、あんな嘘を……」
「ああ」
 何のことか、と一瞬考えかけて、思い出す。とっさのこととは言え、榎本は……
「気にしないでください。そう言えば、わたし、まだお礼も言ってなかった! 助かりました、ありがとうございます」
「……何者なんですか、あの男は」
「大学時代の同級生です。別に友達だったとかでもないんですけどね? 何なんでしょうね。綺麗になった、とかいきなり歯の浮くようなお世辞を言って来て! 本当に迷惑してたんです」
「…………」
「式のときもずーっと絡まれてたんですけど。さっきも、二次会に行こうってもうしつこくて。酔ってたみたいなんですけどね? あんなところで騒ぎを大きくできないじゃないですか。本当に助かりました」
「……いえ。お役に立てたのならよかったです」
 そのまま、榎本はしばらく無言で。
「お世辞じゃないと思いますよ」
「はい?」
「あの男が、青砥さんに『綺麗になった』と言ったのは、多分、お世辞じゃないと思います」
「……え?」
 それは、どういう意味か?
 聞いてみたかったが、榎本の横顔は、質問を拒絶するかのように無表情だった。

「送ってくださってありがとうございます、榎本さん! 助かりました。こういう格好で電車に乗るの、勇気がいるんですよね!」
「いえ……」
「お礼に、お茶でも出しますよ。あ、それに、密室の謎が解けたって、報告に来て下さったんですよね? その話も聞きたいですし」
「…………」
 時刻、夜の9時過ぎ。こんな時間に、一人暮らしの家に男を招こうとしている、という意味に、純子は全く気付いていなかった。
「……そうですね。では、お邪魔します」

〜〜続く〜〜
356334:2012/05/27(日) 23:41:16.38 ID:zeQXosfw
すいません、やたら長くなったのでいったん切ります。前編部分にエロがなくてすみません。
後編はまた後日。

>>174 さん
勝手にネタを拝借してしまってすみませんでした。
357名無しさん@ピンキー:2012/05/27(日) 23:52:11.09 ID:Rp/Q2x+G
>>348
予告映像からここまで膨らませて萌えさせてくれてありがとう
続き(本番あり)楽しみに待ってます

>>356
名乗り出るのも恥ずかしいが自分が>>174だったりするw
自分の妄想をこんな素晴らしい作品にしてくれてありがとう!
こっちの続きも楽しみに待ってます
思いついた妄想をここに書いた甲斐があったよ
358名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 00:06:12.90 ID:d9z8qFjb
リアルタイムキター!ヽ(´∀`)ノやっほーい!
もう情景が思い浮かびまくりです。
続きを楽しみにしてますね!
359名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 00:18:01.31 ID:Qm3sqqd1
〉〉356
素晴らしすぎです。
同じシチュで考えてはいたけど、文章力に明らかに差があり…。
続き楽しみにしてます。
360名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 00:35:47.77 ID:yGyPTp4k
>>357
おおおおおGJ!!
後編が待ちきれない…
361名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 00:37:50.31 ID:yGyPTp4k
>>356の間違いだたw
いや、設定最高です!
ドS榎本っさんにwktk正座。
362名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 00:46:09.65 ID:EcO0F5Qh
書き手の皆様大変乙です。
クオリティが高すぎてビックリ!
毎日新作が投下されているから、覗くのが日課になってしまっていますw
アイディアが浮かんでも作品に出来ない自分が恨めしい‥
363名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 01:00:31.18 ID:hkkr7jeH
>>356
GJ!後編楽しみにしてます
364名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 13:55:58.40 ID:OJvR4IHR
>>362
それならアイディアだけでも書いてくれると嬉しいし楽しいわ
365名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 22:14:59.25 ID:w8xyLWJA
放送見たけども…同じ部屋にお布団あったよ・・・ね???
366名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 22:25:36.15 ID:d3IlXolz
トイレですか?ってストレートに聞いちゃう榎本wwww
なんてデリカシーがないんだwwww
367名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:07:20.55 ID:bQ+SFk9a
今夜の放送見た後に>>334-336を読むと格別だw
職人さんありがとう
あっさり翌朝のシーンになった時はちょっとガッカリしたけど、
恋愛ドラマじゃないし仕方ないか、とすぐ割り切れたのは
榎本青砥のイチャイチャ不足をこのスレで補給出来ているからだw
368名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:10:45.65 ID:ZabfKZ0b
原作だと今回の狐火では青砥が榎本の為に珈琲注いであげたり一緒にサンドイッチ食べたりしてるんだけどね
369名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:12:36.50 ID:YFewDaMy
>>365
自分もそれ気になった。芹沢が突っ込んでくれると思ってたのにwww
370名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:18:46.12 ID:HWhq/cC0
お布団が同じ部屋にあったのに二人とも平然としてるのがものすごく気になる。
一緒に寝るシーンを出せとは言わないからせめてこれくらいのやり取り入れてほしかった

↓↓↓

純子「な、何で同じ部屋なんですか!?」
平田「すいません、空き部屋がそこしかなくて……」
榎本「僕は構いませんが」
純子「榎本さーん!?」

二人の本音はこんな感じ?

純子(榎本さんだって一応男性なのに! わたしのこと、全然女として見てくれない……)
榎本(あれだけ嫌がるってことは、一応僕を男としては見てるってことですよね……)
371名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:24:46.74 ID:bQ+SFk9a
今週の芹沢さんは別行動だから出番少ないのかと思いきやあちこち見せ場あったね
ラスト、長野に一緒に行きたかった風なのが可愛かった
あと模型(イメージ)がまったく見えなくていじけてる?のも良かったw
そのへんの仕返しも兼ねて
おまえらもしかして同じ部屋に泊まったのか?って是非つっこんでほしかった
青砥のあのビビリようでは絶対ひとりでは寝てないだろうし・・・
榎本はどういう形にせよ同じ部屋で寝ることに抵抗感じてるのに
青砥は同じ部屋でも布団を少し離して敷けば問題ない、と考えて
特に意識せず榎本が傍に居るのに安心してさっさとぐっすり寝てしまって
榎本は悶々と眠れない一夜を過ごす、とw
でもそれだけれは榎本が浮かばれないからな、
こうなったら>>337さんの続きを正座で待つしかない
372名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:34:21.16 ID:occpAMS9
原作の榎本の趣味をドラマでも出してくれないかな。
以下原作の榎本の趣味ネタバレ








プールバーでデート中、ナンパ男に純子が絡まれて、
得意のビリヤード対決で絡んできた男を叩きのめす榎本とか見てみたいけど、
ドラマ榎本にしてはちょっと格好よすぎかのう…
で、バーボン飲んでるから結構酔ってて夜は純子の家で押して。
あと、純子はキューを扱う榎本の手にドキドキすればいいよ!
373名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 23:38:25.56 ID:YFewDaMy
>>372
原作は二人とももっと大人だからなー。でもドラマ榎本が酔って純子を押し倒すとか、それはそれでおもしろいかも。
374名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 00:30:52.27 ID:fJM7Uuip
広めの部屋に布団が二組あって
簡単なついたて?のような物しかなかったような…
どんな会話したのか想像するだけでにやにやwww
375名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 00:41:25.97 ID:yanGv3jA
長野での一夜をあれこれ妄想するだけでニヨニヨしちゃうなww
しかし榎本も予定外の一泊だったろうに(仕事はいいのか?)
翌日、ちゃんと着替えてたのにはワロタww
余分に着替えを持っていたのか、前日と同じ服は着ない主義なのか。
時々榎本のこと野暮ったいって表現する書き手さんいるけど、すっごいオシャレじゃない?
レイバンのメガネにグラスコードとか、渋い赤のニットとかセンスいいと思うんだけどな。
376名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 00:49:54.57 ID:VrWau45F
着たいものを着てるけどおしゃれ、って設定らしいね
元のセンスがいいから無造作に選んでもそうなるんだろうね
377名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 00:57:38.42 ID:FURN3TX/
純子は日帰りで帰るつもりだったみたいだけど、
急きょ泊まることになって寝間着はどうしたんだろう…
378337:2012/05/29(火) 01:20:22.20 ID:6YndSy/g
感想をくださった方、ありがとうございます。
本日の(もう昨日の?)放送を見て、即座に続きを書きに走りました。
ドラマでもうちょっと進展してくれないかなーと期待したのにさらっと流されてしまって残念……

>>334-336

の続きです。読みたい、と言ってくださった方、ありがとうございます。
前回は前編〜後編とやってしまいましたが、今回は4からナンバリングしていきます。
379寝室の榎本×純子 4:2012/05/29(火) 01:21:47.84 ID:6YndSy/g
 さらに十分ほどが経過。
(……これは、まずい)
 ぴたり、と押し付けられる純子の身体と、首筋に触れる吐息。
 耳に入るのは「むにゃ……」というわけのわからない寝言だが、それすらも喘ぎ声に聞こえてくるのだからこれは重症だ。
 冷静に自身の身体を検分して。萎えるどころか痛みを感じるほどに張り詰める下半身を見下ろして。すがりついてくる純子を、そっと引き離しにかかる。
 例えば眠ることができたとしても、この状態で朝を迎えたらとんでもないことになっているだろう。
 いや、純子とて、男の生理現象くらいは知識として持っているだろうから、説明をすれば理解してくれるかもしれないが。気まずい朝になることは間違いない。
 身体をねじって、純子の腕を振りほどく。起こさないように、そっと身体を引き離す。
 とりあえずトイレに行って自らの手でもってこの昂ぶりを鎮めよう。そう言えば、純子はトイレで幽霊を見た、と言っていたから、ついでにその検証もやってしまえばいい。
 何ならそのままトイレで朝を迎えてもいいだろう。このまま部屋で眠れぬ一夜を過ごすよりはマシだ。
 そう結論づけ、そっと布団を抜け出そうとしたときだった。
「……えのもとさん……」
 きゅっ
 白い小さな手が伸びてきて、榎本の手を握った。
「青砥さん?」
「えのもとさん……」
 目が覚めたのか、と思ったが、純子の瞳は閉じられたままだった。寝ぼけているらしい。
 だが……
「……いかないで……」
「…………」
「いっしょにいて……」
「…………」
 この瞬間暴発しなかった自分の理性は褒められてもいいのではないだろうか。
 不自然に高鳴る鼓動を抑えながら、再び布団にリターンする。
 温もりを求めたのか、寄せられてくる身体。逆らわずにいると、そのまま抱きつかれた。
(……落ち着け、落ち着け)
 何百回と自分に言い聞かせてみるが、いいかげん、理性も限界に達しようとしていた。むしろ、今までよく耐えたと思う。
 そっと手を伸ばして、純子の背中を撫でる。薄いシャツ越しに、柔らかな手触りが返ってきた。
 触れてみたい。
 これまで、どんな珍しい錠を前にしても、これほどの欲求を感じたことはなかった。いや、欲求を感じるほどに、身近に女性が居たことがなかった。
「青砥さん……」
 すみません、と小さく囁いて。布団の中で手を滑らせる。
 だぶだぶのTシャツの下に手を潜らせれば、自分の身体とは明らかに違う、細く華奢な身体があった。
 抱きついてくる純子を抱えるようにして仰向けにする。そのままのしかかろうとして……
 ぱちっ、と目を開けた純子と、視線がぶつかった。
380寝室の榎本×純子 5:2012/05/29(火) 01:23:08.33 ID:6YndSy/g
「…………」
「…………」
 冷たい汗が背中を大量に伝っていった。
 今のこの状況は非常にまずいのではないだろうか。もし今までの様子を録画でもしていたら、自分の不可抗力を証明してもらえたかもしれないが。生憎、今この場で証明になりそうなものはない。
「……榎本さん……?」
 ここはとりあえず謝罪すべきだろうか。とりあえず手を引っ込めて土下座して詫びるべきだろうか? いやその前に目いっぱい自己主張している己の下半身を鎮めるべきだろうか。
 見開かれる純子の瞳。微かに開く唇と震える喉。
 悲鳴をあげようとしている――ということに気付いた瞬間。榎本は、とっさに純子の唇を塞いだ。
 自分の唇で。
「――んっ……!」
「っ…………」
 両手を布団についた状態で、防ぐ手段がそれしかなかったのです――と弁明したら、弁護士である純子はどんな判決を下すだろうか?
 頭の片隅で現実逃避をしながらも、身体は正直だった。もがこうとする純子の両手首を押さえ込んで、わずかに開かれた唇の隙間から、キスを深めていく。
 正直に言えば、それが初体験だったのだが。経験不足を知識で補うのは、開錠における基本中の基本でもある。
 最初は一方的な蹂躙だったキスが、やがて絡み合うキスに変わり。純子の身体から、力が抜けた。
 そっと手を放す。抵抗が無いことを確認して身を起こすと、放心状態の純子と目があった。
「……すみません」
 衝撃の展開を迎えたからか、あるいはキスが多少の発散になったのか。やや落ち着いてきた下半身を見せないように、そっと後ずさる。
 どんな経緯であろうと、劣情に負けた。そう問われても仕方のない状況だ、と理解して。
 とりあえずどんな罵倒も甘んじて受けようと榎本が覚悟を決めると。
「――わ、わかってます」
「はい?」
「わたしのせい……ですよね? 何となくだけど、覚えています。寝る前に見た幽霊が頭から離れなくて……怖くて。わたし、ずっと榎本さんにすがりついてましたよね?」
「…………」
 それはその通りなのだが、話の流れが読めずに黙っていると。純子は、頬を染めて身を起こした。
「あの、わたしこそすいません。榎本さんに甘えてしまって……榎本さん、突き放さずにずっと傍にいてくれましたよね? わたし、それに安心して……でも、あの」
 すいません、と、純子は小さくつぶやいた。
「榎本さんのこと、男性だって意識してなかったです。鍵とか防犯とか、そういうことにしか興味が無い人だって思ってました……勝手にそう決めつけて……」
「いえ、それは……」
 それは、その通りだ。自分でも認めている。女性に限らず、これまで他人に興味を持ったことなど一度もないし、これからもないだろうとそう思っていた。
 今日、この日を迎えるまでは。
「――ちょっと、嬉しいです」
「はい?」
「榎本さんも、やっぱり、普通の人なんだな、って……わたしのこと、女として意識してくれたんだな、って。それが、ちょっと嬉しいんです――変ですか?」
「…………」
381寝室の榎本×純子 6:2012/05/29(火) 01:24:53.66 ID:6YndSy/g
 嬉しい。
 意外なことに、自分も同じ感情を抱いている。そのことに、榎本は驚いた。
 ひどい、最低、気持ち悪い――そういった罵声を覚悟していただけに。純子の優しい言葉が、意外なほど、胸を打った。
 他人が自分をどう思っているかなど、これまで気にしたことはなかったのに。
「あの、榎本さん」
「……はい」
「わたし……」
 月明かりしかない部屋の中で、純子の顔が真っ赤になっているのがわかった。
 膝をすりあわせるようにして、身を乗り出してくる。顔と顔の距離が、段々と近づいていった。
「青砥さん?」
「――榎本さんなら、いいかなって、思っちゃいました」
「はい?」
「榎本さんは、ああいうキスは……経験が、おありなんですか?」
「…………」
 ありません、と正直に答えたら馬鹿にされるだろうか。だが、見栄を張る意味もない。
「いえ、初めてです」
「っ……は、初めてが、わたしなんかで、よかったんですか?」
「…………」
 純子の真意が読めない。一体、彼女は何を言いたいのか?
「青砥さんだからですよ」
「え?」
「青砥さんだから、できました」
「…………」
 他の女性だったら無理だろう。恐らく、相手にしてもらえない。
 そんな冷静な自己判断を下していると。
 不意に、視界が陰った。
「――っ……?」
「んっ……」
 息苦しい。最初に感じたのは、ただそれだけ。
 空気を求めて唇を開けば、滑り込んできたのは……
「…………」
 細い腕が首に回って来て、そのまま押し付けられた。それに応えるように、榎本の両腕が自然に伸びて、華奢な身体を、抱きしめていた。
「青砥さん?」
「榎本さんのせいですよっ……」
 紅潮した頬。漏れる吐息は荒く、目は潤んでいる。
「眠れなくなっちゃったじゃないですか……責任、とってくださいよ」
「…………」
「意味がわからない、とか、言わないでくださいね?」
「…………」
 わかりません、と言ったらどんな反応をするか、見てみたい気もしたが。さすがに、30を超えた男の言う台詞ではないだろうと自重した。
 何より、一度は鎮まりかけた下半身が再び勢いを取り戻し、榎本の方も、当分眠れそうになかったから。
「……僕なんかが相手で、いいんですか?」
「榎本さんが、いいんです」
 即答だった。
 その言葉が、榎本の迷いを断ち切った。
382寝室の榎本×純子 7:2012/05/29(火) 01:26:05.82 ID:6YndSy/g
 布団の上に純子を横たえて、両肩を押さえ込む。
 果たして、純子は経験があるのかないのか? 聞いてみたい気がしたが、聞いた場合、自分の経験も聞かれそうな気がしたので口をつぐむ。
 かわりに、手で、頬を撫でた。
「榎本さん?」
「…………」
 触れるだけのキスを落としてから、シャツをまくりあげる。
 想像通り、下着はつけていなかった。お世辞にも大きいとは言えないだろうが、傷一つない白い肌と相まって、綺麗だ、と素直に思った。
「うっ……」
 手を這わせた瞬間、うめき声が漏れた。
 びくり、と指が強張る。とっさに手をひっこめようとすると、純子に手首を握られた。
「いいです……そのまま……」
「青砥さん……」
「上手だから……驚いたんです」
 ほころぶような笑みを向けられて、心臓が、大きくはねた。
 もう、止められない。多分、止まらない。
 鍵を開けるときよりも慎重に、指を動かす。胸の形を撫でるように指を滑らせた後、桃色の頂きに触れる。
 ぴくり、と純子の身体が震えて、羞恥に頬を染めた。恥じらう様が魅力的で、もっと見たい、と、思った。
「え、榎本さん?」
「すいません……黙って」
 顔を寄せる。胸元に唇を寄せて、強く吸い上げると。白い肌に、傷痕のような赤い痣が浮かび上がった。
 なるほど、こんな風になるのか……と冷静に観察していると、「もうっ」と肩をつかれた。
「じーっと見ないでくださいっ……恥ずかしいの、我慢してるんですからっ」
「恥ずかしがることはないと思いますが」
 正直な感想を漏らして、純子の肩をつかむ。
 無理やり身を起こさせる。頬にかかる髪を払って、首筋にキスを一つ。
「とても綺麗だと思います」
「っ……!!」
 耳まで赤く染めて硬直する純子に構わず、両手を万歳の形にさせると、シャツを脱がせた。
 余計な布きれを取り払って、もう一度布団に横たえる。ジャージに手をかけて引き下ろそうとすると、純子は、自ら腰と尻を持ち上げてきた。
 ……最後まで、行ってもいい、と。
 するりと、ジャージは抵抗なく引き下げられた。膝の辺りでひっかかるそれを足で強引に払い落として、なだらかな曲線をひとなで。
 そのまま、下に手を滑らせようとすると、「ずるい」と蚊の鳴くような声が響いた。
「青砥さん?」
「ずるい、です。榎本さん」
「はい?」
「何でわたしばっかり……榎本さんも脱いでくださいよっ……」
「…………」
 こういうときは、そういうものなんだろうか?
 そんなこと、経験のない榎本にわかるはずもなかったが。潤んだ目で懇願されれば、従わないわけにはいかない。
 シャツを脱いで、ズボンを脱ぎ捨てる。純子の視線がどこを向いているのか……はあえて見ない振りをして、もう一度のしかかると。首に、すがりつかれた。
「っ……青砥さん?」
「んっ……」
 首筋に感じる、強烈な刺激。見下ろせば、やや日焼け気味の肌に、赤い痣が浮き上がっていた。
「さっきのお返しです」
「…………」
 可愛い、と素直に言ったら、驚くだろうか。いや、そんなことはどうでもいい。
 片手で純子の背中を支えながら、片手を脚の間に滑り込ませる。初めて触れたその場所は、下着越しでも、湿った感触が伝わってきた。
383寝室の榎本×純子 8:2012/05/29(火) 01:27:06.56 ID:6YndSy/g
「んんん〜〜っ!!」
 ぐちゅっ……と、いやらしい音が、室内に響く。
 最初は遠慮がちに一本。ついで、二本。
 どこが弱いのか、どこが感じるのか。闇雲に指を動かしているうちに、やがて、純子の息が荒くなってきた。
 次第にコツがつかめてくる。溢れる滴が手首まで滴り落ちてきて、布団を汚した。
「えのもと、さん……」
「……いいですか?」
 耳元で囁くと、小さく頷かれた。
 勃ったり萎えたり忙しかった下半身も、ようやく報われるときが来た。
 妙な感慨にふけりながら、指を引き抜いて。代わりに、自身を押し付けた。
 ゆっくりと挿入する。一瞬で爆発しそうになる欲望を理性で押さえ込んで、歯を食いしばって奥へ奥へと進めていく。
 幸せそうな笑みを、向けられた。
 彼氏でも恋人でもない榎本を受け入れて、純子は、幸せそうに笑ってくれた。

 翌朝、目が覚めたとき。自分も純子もきちんと服を着ていたことに少し安堵する。
 一瞬、あれは夢だったのか……と考え込むが、布団をめくってみれば、その残滓ははっきりと残っていて。現実のものだと教えてくれた。
 純子は、榎本にしがみつくような格好で、まだ眠っていた。
 その寝顔を見下ろして。しばし悩む。いわゆる一線を越えた関係になってしまったわけだが、今後、自分はどうすべきなのだろうか? どうしたいのだろうか……?
「ん……あ……おはようございます、榎本さん……」
 そのまま見つめていると、やがて、純子も目を覚ました。
 身を起こす純子を見つめる。その視線を怪訝な顔で受け止めて。純子は、にっこりと笑った。
「さあ、起きましょうか榎本さん! 今日こそは密室の謎を解きましょう! 早く東京に帰りたいですしね」
 その笑顔を見て、決心がついた。
「おはようございます、青砥さん」
 挨拶を返して、布団から抜け出す。
「今日は、りんご園で被害者宅を見ていたという女性の話を聞きにいきましょうか」

 本心はどうあれ、純子は、昨夜のことを「一夜限り」として受け止めるつもりらしい。
 今は、その優しさに甘えよう。
 はっきり言えば、自分は純子に好意を持っているし、惹かれてもいるが。その思いは、愛とか恋とかいうにはまだまだ不安定な代物だ。
 だからまずは、自分の本心を見極めよう。
 これまで、他人と関わらないように生きて来た自分の人生に、初めて踏み込んできてくれた女性だから。
 あやふやな思いのまま、なりゆきで付き合うような関係にはなりたくない。
 とりあえずは、今まで通り。弁護士と密室アドバイザーとしての関係を続けよう。
 恐らく、そう遠くないうちに、結論は出るだろうから。

〜〜END〜〜
384334:2012/05/29(火) 01:28:13.25 ID:6YndSy/g
終わりです。長くなってすみませんでした。
>>350-355 の続きはまたいずれ。
385名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 01:57:09.08 ID:OQD96AjV
>>384サンお疲れ様でした。リアルタイムで読みました…途中地震あってびびったけど…
>>384サンの榎本と青砥のえっちには臨場感があってお互いが好きって気持ちがいっぱいで
うまくいえないけど
確かにエロなんだけど濃いエロでなく
幸せなエロ幸せなエッチで
読んでて本当に場面が想像できて不思議ですが泣けてきました感動な涙かなぁ

すごい逸材な文才ですね
榎本と青砥がますます 愛おしくなって早く来週こい。と>384さんの投下きて
と思ってしまいました。
すごいです。
尊敬します。
ありがとうございました。幸せに眠れます
386名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 11:35:58.34 ID:w4dx74Ki
>>377
現実的に考えれば奥さんに借りたかな
近くにコンビニもなさそうだし下着とか困るね
387名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 16:43:28.44 ID:FqsmmjT5
小学校か中学校がある辺りに、しまむらとかホームセンターとかはありそうだけどね
388名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 16:44:06.02 ID:ZCb0D3L7
ドラマ、せっかく2人きりのシーンあったんだから、何か進展欲しかったw
ビビりまくる青砥がいつ榎本にしがみつくのかとニヨニヨしてたのにw
ムッツリDT?の榎本の動揺の表情が見たかった…
389名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 18:51:04.97 ID:R4bVPIKu
乙。
390名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 19:39:20.40 ID:5SHFfPS2
>>384
うp待ってたー、GJ!
読み終わったら昨日の放送また見たくなってきたw
布団が2人分別々にだけど同じ空間に積まれてるのが何気なく背景に映ってたけど
やっぱりあのまま2人は続き部屋にしろ同じところに寝たんだよなー
ここはやはり後日談で芹沢先生に追及してもらいたいなw
391名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 22:02:02.78 ID:Y5EGU6Vc
妄想のネタになると思う
榎本指gif
http://25.media.tumblr.com/tumblr_m36bvqh4291qc9qxwo1_500.gif
392名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 22:16:00.94 ID:qLy+ZfIB
>>391
ちょうど本編見直してたところで、↑みちゃったよ!
えろいよ!榎本さん!
Sな榎本さんがみたいです!
393名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 23:23:50.84 ID:h3UUJgNS
書き手のみなさんGJ!
自分の妄想に近いものが形になってて感激
クオリティ高い作品ばかりで毎日満たされてるw
394名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 23:49:45.81 ID:DaLwzt9s
書き手のみなさん、どうもありがとう
本編観た後に読むと最高だね

自分は昨日、部屋のシーンもだけど、
二人が東京へ帰る時電車で二人掛けシートに座って
純子はそのうち寝てしまい、いつの間にか榎本の肩に頭乗せてスヤスヤ。
近くに座っていた地元のおばちゃん達に「こんな田舎に何しにきたの?」とか
「隣は奥さん?」とかいろいろ話しかけられて戸惑っている榎本や
アタフタする榎本、照れる榎本、寝ている純子と手を繋いじゃう榎本
話し声で目を覚ました純子も会話に加わる等々

特にエロもない微笑まな妄想しながら寝たよw
395榎本×青砥 泊まることに…1:2012/05/30(水) 03:08:22.08 ID:JqnqKOGq
ちょっとだけ投下させて下さい。長くなったらごめんなさいm(_ _)m


榎本「密室は破れないかも知れません…」
青砥「榎本さん…」

長野の古民家での女子中学生密室殺人事件…榎本も青砥も
一泊するつもりなどなく、調査後東京に帰る予定だった

依頼人「今日はもう遅いし…事件の家ですみませんが、泊まっていって下さい」

青砥「はぁ…(やだなぁここでそうなのよね…芹沢さんの台詞聞いたから余計に怖い。
仕事から仕方ないけど、なんか出そう…榎本さんは、そういうの信じてないし… 私、そういうのにやたらわかるのよね信じてるし 帰りたい…)榎本さんまた明日来ればいいですよね。帰りましょう」
榎本「…いや、それは合理的ではないので一晩だけでもお世話になりましょう。
(僕は休暇だったからパジャマ代わりのスエットも用意してきたし…)」
依頼人「今、部屋に布団ひいてきますから…先生方はお茶でも…。」
青砥「…はぁ(榎本さんがいうなら仕方ないよね。こんな大きい家なら…部屋は別々だしああ怖い。)」
布団をひきにいく依頼人。青砥はまさか泊まりだとは思っていなかった…だから何も服の替えを用意してない

お茶を啜るふたり。
榎本は相変わらず、無表情だ。
青砥は怖いのと榎本と二人っきりなのでおちつかない
榎本「…青砥さん…トイレですか?いってきたらいかがですか?」

…青砥は思った榎本を最近好ましく思ってはいるが、今まで他人を近づけたことがないと聞く。ならまして彼女らしき人もいなかったかも知れない。でも…男性として女性にトイレですか?いってきたらいかがですかと普通に聞く榎本はどうなんだとちょっと思った
青砥「はい。でもこういう時はですねぇ 普通女性には…」
榎本「…はぁ…女性には…なんでしょうか…」
青砥はちょっと、くらっとめまいがした。わかってる。わかってるんだ
榎本は鍵や密室にしか興味がないこと…
女性と多分、今までの人生でお付き合いとかそういうのが全くないこと。
だから、素直にもじもじ落ち着かない自分をみて、単純にトイレにいきたいんだと思ってそういったのだろう
それが榎本の精一杯の親切だということも…
青砥「もういいです…トイレいってきます!」

榎本「なぜ青砥さんは怒ってるのですか?」
…素直だ…いや…鈍感…違う…そういう経験値がないし榎本が、やたら気の利く榎本だったら
それは青砥が少なからず好んでいる榎本ではない。
396榎本×青砥 泊まることに…2:2012/05/30(水) 03:43:31.26 ID:JqnqKOGq
青砥「…私はいつもこんなです…怒ってません。ちょっと失礼します」
ちょっと榎本に失望した…というのが、本音だ。でも榎本さんはあれが榎本さん なんだ…だから私は好きに… 余計な思いとトイレまでの暗い廊下にクラクラしながら…トイレにむかった…そして怖々入ったトイレで狐火をみてしまった青砥…もう尋常ではいられなくなった

青砥「え…えのもとさ…さん、火の玉…狐火がぁ…」
あわてふためき部屋に戻る青砥…冷静ないつもの無表情で むかえる榎本…
榎本「…それは多分青砥さんの見間違いか何かです…怖い怖いと思っているからそう見えたのでしょう。布団が引けたそうで依頼人さんはお帰りになりました。
あちらの部屋だそうです。僕もさすがにちょっと疲れました。いきましょう…」
青砥「榎本さん…」
わかっている。榎本は間違ってはいない。なにか見間違えたのかもしれない。でも今は榎本の淡々とした返しにめまいを覚えた。ちょっとくらい話しにのって慰めてくれても、トイレの近くまで怖がってるとわかってるなら一緒にきてくれても…
榎本には無理なことなのだと諦め半分。
幻滅半分、依頼人が用意してくれた布団がひいてあるという部屋へ向かう。確かあそこはふたつ部屋があったはずだから …
榎本「ここだそうです」
青砥「えっ…」
青砥は入ってびっくりした。十畳ほどの部屋にふたつ並んで きちんと布団がひいてある

青砥「…同じ部屋…」
榎本「…その様です…」
榎本だって動揺していた。依頼人から
お部屋に布団をひいたのでと青砥が戻ってくる前にいったら ひとつの部屋に並んで布団がひいてあるではないか。
榎本は「依頼人に部屋は別々ではないんですか?」…とは聞けなかった。なんでかわからないが聞いてはいけない様な…わけのわからない感情だった…

榎本「依頼人さんはお帰りになりました。青砥さんこの部屋を使って下さい。僕は、さきほどのお茶をいただいた部屋でサブトンで寝ます。あとこれ…僕のですみませんがきちんと洗濯してあります。
青砥さんがイヤでなく。ご迷惑でなければ使って下さい。」
榎本はいつも持っているバックとは違う大きいバックから洗濯したてのまっさらなスエットの上下を青砥に渡した。休暇中の旅行のため。あと万が一何かあった時のためパジャマ代わりのスエットをもうワンセットいつも用意しているのだ
青砥「…え…榎本さん」
青砥は後悔した。さきほどまでの榎本に対する、なんて気の利かない
397榎本×青砥 泊まることに…3:2012/05/30(水) 04:13:43.03 ID:JqnqKOGq
男なんだと幻滅した自分に…榎本を誰よりわかっていると自負していた
自分が一番わかってなかったことに…
そうなのだ 榎本はこういう人間なのだ…気がきかないのではない。
人とは違うのだ。これが榎本な優しさなのだ。何もいわず… そう、そっと無表情ながらもきちんと
榎本は考えてくれてたのだ…
青砥「ご…ごめんなさい…ぐず…ぐず…」
青砥は泣き出してしまった。榎本の優しさに…そして何もわかってなく勝手に怒っていた自分に…とにかくわけのわからない感情があふれて涙がとまらない
榎本「…あ…青砥さ…ん…どうしたんですか…同じ部屋に布団が並んでたのが…
僕のスエットではやはり…す…すみません」
榎本らしくない。
青砥の涙をみて焦ってしまった
榎本「…布団は今すぐかたづけて…僕はさきほどの部屋にいきます…昼間…車できた時に…近くに、小さな洋品店があったので…そこで…僕のこんなスエットではなく…何か青砥さんが眠り安い服をかってきます」
女性と接したことが少ない榎本に女性のパジャマ代わりの服などわかるか自分でもわからない。でも青砥は泣いている。
青砥さんは立派な20代の綺麗な女性だ。男性の…ましてや鍵や密室にしか興味のない童貞の自分と
同じ部屋で布団を並べて寝ろと
言われたらなくのは当たり前だ。
これくらいはいくらなんでもわかる。さっきまで青砥がいらいらしていた気持ちもわかった。
榎本は今ならまださっきみた洋品店も開いているだろうと財布をもち車のキーをもち、部屋を出ようとした。泣いている 青砥をみるのも辛かったのだ

青砥「…い…いかないで下さい…ここにいて下さい。ぐず…ぐず…」
榎本「…えっ…あの…」
青砥「すみません…綺麗に洗濯してある
これ…かして下さい…
きちんとお洗濯してお返しします……ぐず…ぐず…ごめんなさい…私…さっきから榎本さんに失礼な態度ばかりで…ぐず…ぐず…榎本さんがご迷惑でなければ… 一緒にいてもらえませんか…今夜一晩…私ひとりじゃ
この部屋は大きくて怖いです…榎本さん…そばに…いて…」
そういいながら泣いている青砥…
泣き止む様子はない。青砥自身も泣き止みたいのに泣き止めない。さっきの自分の榎本に対する態度…そして…イロイロわかってなかった自分…もうイロイロなものが青砥の心の中にあって
なきやめなかった。榎本にそばにいてもらわなくてはどうにかなりそうだった…
398榎本×青砥 泊まることに…4:2012/05/30(水) 04:40:50.19 ID:JqnqKOGq
榎本「青砥さん…」
榎本はどうしていいかわからなかった。ただ広い部屋に布団が二枚並べて引かれている部屋に
しゃがみこんで泣いている青砥をみて、手を伸ばし抱きしめたい感情がわいてきた。性的なものとは違う…何か…とても愛おしく…青砥がとても愛おしく感じた 青砥の肩に伸ばし抱きしめ様と無意識に
手が伸びた…
榎本は、はたと気がつき手をひっこめた
…抱きしめてしまったら自分はこれから先どうなるかわからない。こんなにも青砥が愛おしく感じるのだから、
今まで榎本が人生で感じたことのない感情だ。
自分も童貞とはいえ男だ。青砥を性的に…青砥の意思とは関係なく傷つけてしまうとおもう。
『ふーっ』
榎本は深く息を吸い。深呼吸をした。
…抱きしめたい自分な感情はあとだ。
そう思ってうずくまり泣いている青砥の隣に座り
青砥の頭を 軽くなでなでした。
「…大丈夫です。僕は、ここにいます。
僕はなんとも思ってませんよ。
青砥さんにひどいことを言われたなんて思ってません。
もちろん僕も男性です。こんな状況なら青砥さんを正直抱きたいと思ってしまいます。
すみません。でも、僕はしません。青砥さんがなきやむまで…青砥さんがいつもの元気な、
こんな僕にみせてくれる笑顔を取り戻すまでは一晩中
こうしています…だから、安心して下さい。」
そう言って開錠する あの繊細で綺麗な手で青砥の頭を軽くなでいつまでも、なでしていた。
青砥「…え…えのもと…さん…」
そんな優しさが
あふれた手で頭を撫でられている
青砥はいつまでもなきやむことができなかった…


〜終了〜


すみません…このあと榎本と青砥のエロ…も書きたかったですが
これ以上進む文才がありませんでした。尻つぼみな感じな終わりで本音にごめんなさい。
大変なお目汚し大変失礼いたしました。

神の書き手さんには敵いません…申し訳ない。神の書き手さんの降臨をおまちしつつROMります。
長々。すみませんでした。
399名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 12:37:51.64 ID:q1KUg3dv
>>395->>398
GJでした!
二人の優しいやりとりがいかにも榎青らしくてよく表現出来てると思いますよ〜。
なんかとても癒されました。
400名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 16:03:04.74 ID:HWlYicCM
長野で榎本と純子が遠藤宅に一泊したとき、布団が同じ部屋に〜
を、後日榎本につっこむ芹沢なSSを書いてみたけど
男二人の会話で終わったため全くもってエロがありません。
このスレ的にはありなのでしょうか。
401名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 17:39:45.25 ID:gXFRBLKa
>>400
是非おねがいします!!
正座して待ってます

自分も長野に民家とはいえ二人で泊まったこと
芹沢が全くスルーしてたのが違和感

しかしこのスレには神が多くて幸せすぐる
402名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 18:14:49.05 ID:v9KdVjqb
>>400
エロがなくてもお願いします
榎本の反応が楽しみすぐる
芹沢がここぞと突っ込むトコでもありますしね

本当に、ありとあらゆるスレの神職人様がここに集ってるみたい
どれもこれもレベル高くて面白い
403名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 19:38:27.54 ID:5+BpxFs3
>>400
見たいです!
是非ともお願いいたします


しかし、なんだこのスレ
萌え死にする…
榎青にダダ嵌りになってしまった
404名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 20:41:10.05 ID:XyAjuoDI
何て言うか榎本×青砥以外にSSになるカップルがいないな
強いて言えばドラマ版の井岡×水城ぐらいか
405名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:01:59.72 ID:p4hsJHHu
もし少数派カプは雰囲気的に書きにくいと思ってる職人さんがいたとしたら、
鍵の世界観でいろんなものが読んでみたいので
遠慮しないでぜひ書いてほしい。
406400:2012/05/30(水) 22:03:49.42 ID:l6/vXE+0
コメントくださった皆様ありがとうございます。
お言葉に甘えてエロなし芹沢VS榎本投下させて頂きます。
ちなみに、自分
>>334-336
>>379-383
書いたものですが、今回のはドラマ版準拠なのでこちらの話とは関連なしです。

>>404
ドラマ改変Verでよろしければ榎本×三話の犯人の女流棋士(来栖奈穂子? だっけ)とか
純子がショックを受けるだろうと思って昇級戦の前日にこっそり犯人を呼び出して
自首を勧める榎本に、色仕掛けで籠絡しようとする犯人とか
407地下室の芹沢VS榎本 前編:2012/05/30(水) 22:05:23.25 ID:l6/vXE+0
 榎本が常駐している東京総合セキュリティの地下室に、来客が訪れた。
 最近ではそんなことも珍しくなくなってきたが、来たのが芹沢一人というのが珍しい。
「よお、久しぶりだなあ、榎本。聞いてくれよ。また密室殺人が起きてさあ……何だ何だ。世の中は、密室ブームなのか? 何で殺すときにわざわざ手間暇かけて密室なんか作るんだよ。なら最初から殺すなよ。なあ?」
「……はあ」
 入るなり愚痴り始める芹沢。純子はどうしたのだろう? と気になったが。自分から聞くのもおかしな話だと黙っていると。
「それでさあ、最初は青砥とお前に任せようと思ったんだよ。その方が青砥も喜ぶし」
「……はあ」
 何故、純子がそれで喜ぶのか。謎はつきなかったが、現在手掛けている開錠作業が大詰めに入ったので、とりあえず無視。
「なのにさあ、あいつ、今日は休暇だって言うんだよ。友達と旅行だとか何とか……ガイドブックばっかり集めて満足してたから、友達いるのかねえ、って思ってたんだけど、いたんだなあ」
「……はあ」
「それで、今日は俺一人なんだけど。がっかりした?」
「……はあ」
 がちゃんっ! という音と共に、開錠成功。
 満足して笑みを浮かべると、がしっ! と、太い腕が肩に回された。
「まあちょうどいいっちゃちょうどいい。榎本には、ぜひ聞いてみたいことがあってさあ」
「……何でしょうか?」
 大柄な芹沢にかかれば、榎本の小柄で細身な身体など、片腕にすっぽりおさまってしまう。
 到底振りほどけそうもないため、最初から逆らわないでいると。芹沢は、にやにやと下品な笑みを浮かべていった。
「あのさあ。この間の長野の事件、覚えてる?」
「はい」
「あのときは助かったよ。俺もさあ、モナコカップと重なってなけりゃ参加したんだけどなあ……で、さ。あのとき、お前ら……お前と青砥、長野に一泊したんだよな?」
「……はい」
 芹沢は何を言いたいのか?
 何となく、あまり聞かれたくない話のような気がしてならなかったが。まさか、今更逃げるわけにもいかない。
「あのときさあ……スカイプの画面から見えちゃったんだけど。お前と青砥がいた部屋、布団が二組置いてなかった?」
「…………」
「もしかして、お前ら、あのとき同じ部屋に寝た……とか?」
「…………」
 その話か、と、心中で頭を抱える。
 芹沢にはわかるまいが、あのときは、色々あったのだ。
 東京に帰る、と騒ぐ純子を、もうバスが無いからとなだめすかして。依頼人の遠藤の家に一泊することになった。
 気のいい遠藤夫人が着替え一式を純子に提供し、部屋に布団を用意してくれた。
 が、遠藤一家は、どうやら自分と純子の関係を誤解したらしい。
 臆面もなく同じ部屋に敷かれた布団を目の当たりにしたとき、さすがの榎本と純子も凍りついた。
「……同じ部屋、ではありません。続き部屋にはなっていましたが、ふすまを閉めれば、別室になるような作りでしたので」
「ほーう。でもふすまを開ければそこに青砥が寝てたわけだ。で、榎本。何もしなかったのか?」
「…………」
 何も、とはどういう意味だ。一体何をしろというのか。
408地下室の芹沢VS榎本 中編:2012/05/30(水) 22:07:05.15 ID:l6/vXE+0
「特に、何も」
「もちろん寝るときは着替えたんだろ? 男としてさあ、着替えを覗きたい、とか。布団にもぐりこみたい、とかさあ。何かないわけ?」
「…………」
 よもや芹沢は酔っているのだろうか。一瞬疑ったが、面白がるような表情は浮かべているものの、顔色は正常で呂律が狂っているようなこともない。
 どういったものか。あのときの状況をどう説明したものか――

(あ、あのっ! 部屋、一つしかないですか!?)
(え? いんやー隣の部屋も空いてるんで、使ってもらって構わないですけど……あれ? 先生達って……)
(ち、違います違います違います! そんなんじゃありません! あ、あの、じゃ隣の部屋もお借りします! ありがとうございます!)

 と、真っ赤になった純子が遠藤と交渉し、敷かれた布団を速やかに畳んで隣の部屋に移動させた。
 その直後に、芹沢とのスカイプが始まったのだが……ふすまは閉めておくべきだったと、今更後悔する。
「なあ、榎本。お前らってどうなの。お前と青砥って、ちょっとは進んでんの?」
「……進んでる、とは、どういう……」
「それを聞く!? 聞いちゃう!? 榎本は青砥のこと、どう思ってるんだ? 確かに色気のない身体はしてるが、着飾ればそれなりにいい女だと思うんだけど」
「…………青砥さんは…………」
 考える。自分にとっての純子はどういう存在か? どんな難解な鍵よりも難しい問題に頭を悩ませていると……
「青砥は榎本のこと、満更でもなさそうだけどなあ」
「……はい?」
「最近じゃ、俺より榎本の方を頼りにしてるもんなあ。上司は俺だって言うのに。長野のときも、俺そっちのけで二人だけで盛り上がってたしさあ」
「……そんなことはないと思いますが」
「あるって! 絶対ある! 最近じゃ、密室に関係なくここに入り浸ってるらしいじゃないの。ここに来るときさあ、おたくの社員さんに言われちゃったよ。いつもの女性はどうしたんですか、って」
「…………」
 密室に関係なく純子がここに来るときは、大抵愚痴を言いに来るときなのだが。それは頼られた、と言っていいのか。
 そもそも、満更ではないとはどういうことだ。一緒の部屋に寝るのをあれだけ力いっぱい拒絶されたというのに。
「部屋にゴキブリが出たとき、真っ先に助けを求めたのは芹沢さんだったように記憶していますが」
「お! 何、やきもち? やきもち? 榎本、もしかして俺にやきもちやいちゃってる?」
 ぷぷぷ、と含み笑いを返されると、妙な苛立ちがわいてきた。
 何故そうなるのだ。事実を指摘しただけなのに。
「なあなあ、それよりどうなの。そういえば、長野から東京まで帰ってくるのも二人っきりだったんだよなあ? 本当に何もなかったのか?」
「……ありません」
 しいて言えば、疲れた純子が隣の榎本にもたれかかってそのまま寝てしまったくらいだが。あれは不可抗力だろう、さすがに。
「何もありませんから」
「はあー……全くお前らと来たら……なあ榎本お。ぶっちゃけうちの青砥どうよ? 上司として心配なんだよなあ。部屋にも全然男っ気なかったし」
「…………どう、と言われましても」
「ああいうのが意外と脱いだらすごいぞ?」
「…………」
「いやそれは冗談としてもな。あ! もちろん俺は脱がせてないぞ念のため!!」
 当たり前だ。芹沢と純子ではいくら何でも年が違いすぎる。
 ……いや、自分となら釣り合いがとれる、と言いたいわけではないが。
409地下室の芹沢VS榎本 後編:2012/05/30(水) 22:08:19.81 ID:l6/vXE+0
「青砥さんは……」
 言いかけて口ごもる。芹沢を喜ばせるのは癪だが、このまま延々と絡まれるのも勘弁したい。
「……面白い方ですね」
「お前……それ、本人には言ってやるなよ? 傷つくぞお、多分」
「そうなんですか?」
「女ってのは気難しい生き物なんだよ。面白い、面白いねえ……どっちかというとクソ真面目で面白みがないタイプだと思うけど、どこらへんが面白いんだ?」
「……それは……」
 純子は面白い。これは、正直な感想だ。照れやごまかしなどではなく、本心から思っている。
「僕に、関わってこようとされるので」
「ん? 何だそりゃ」
「僕と会話をしたりお茶を飲んだり、演劇鑑賞にも誘っていただきましたし。今まで、そういう方はあまりいらっしゃらなかったので、面白いです」
「……ふうん。それって……」
 榎本の解答に、芹沢は何かを言いかけて口をつぐんだ。
 何を言おうとしたのかはわからないが。
「んじゃ、今回の事件の説明させてくれ。頼むぞお、榎本。期待してるからな!」
「……はあ」
 とりあえず、本来の目的は思い出してもらえたようなので、それでよしとしておこう。

 関わろうととするのが「迷惑」じゃなくて「面白い」……
 それって、無意識のうちに惚れちゃってんじゃないの?
 東京総合セキュリティからの帰り道。芹沢は、あのとき飲み込んだ言葉を胸中でつぶやく。
 どうやら、榎本は自分の本心に気付いていないらしい。対人関係に不器用なあの男らしいとは思う。
 教えてやれば、あの二人の仲も相応の進展を見せるかもしれないが……
 榎本がどんな男か。部下を任せるのにふさわしい男か。まだ、もうしばらくは見極めたいから。しばらくは黙っていよう。
 そう結論づけて。芹沢は、足取り軽く自分のオフィスへと戻って行った。


〜〜END〜〜
410400:2012/05/30(水) 22:09:53.08 ID:l6/vXE+0
終わりです。
全く色気のない話で失礼しました。
>>350-355 の続きはがっつり本番ありで書いておりますので
お許しください。
411名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:35:25.66 ID:JqnqKOGq
>>399さん
>>395です 感想アリガトウゴザイマシタ

自分ではエロにもっていけませんでしたが
癒されるといって、嬉しかったです
アリガトウゴザイマシタ
412名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:38:14.75 ID:TD8m9K8X
>>409
GJ!実際ドラマに出てきそうな場面で想像しやすかった。

>>355の続きも正座して待ってます
413名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 22:44:44.94 ID:p4hsJHHu
>>355の続きほんと楽しみにしてる
414名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 23:59:57.01 ID:KVHalrap
>>409さん
GJ!リアルに榎本と芹沢の声が聞こえる!
自分も実は>>355の続きが楽しみで毎日のぞきにきてるww
415名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 01:46:14.00 ID:pwh/JgnG
>>410さん
とてもおもしろかったです。いつもの無表情な榎本。青砥に振り回されて無表情だけど困ったり萌えたりしている
榎本とちがい

芹沢に核心まで突っ込まれて本気で困って反応がはぁ
になってる榎本っちゃん萌えです
芹沢のこの尋問(?)で青砥への想いに気づいちゃって
青砥へのアプローチ(もちろん榎本なりの)に暴走しはじめる榎本っちゃんまで妄想してしまいました、
しかしそんな文才ない…
また降臨正座して待ってまつ
416名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 02:27:51.38 ID:1ANbJeet
これからSSを投下します
前回の続きですが読まなくても楽しめるように心掛けました
417情(錠)なし1/4:2012/05/31(木) 02:29:22.58 ID:1ANbJeet
二年ぶりの花火大会が終わり屋形船での宴もお開きになった
「それでは、これから仕事なので、この辺りで失礼させて頂きます」
いつもの無表情で挨拶をすると榎本は会社のロゴがある緑ナンバーのワゴンに向かった
「この後お仕事なんて大変ですね」
船内でアルコールを勧めたら車なので断られた水城が呟いた
「そうね…」
(強引に誘って悪かったかしら…)
これまでに何度も事件を解決してゆくうちに純子に榎本への恋心が募っていった。そしてここに来る前に唇と肌を重ねる間柄になった
女性向けの小説や漫画ならばそれでめでたしめでたしなのだがこの恋はそうはいかない
隣にいる水城のように井岡と婚約しましたと船内で発表する明るさがそこにはなかった
「それにしても青砥先生はお美しい。女優の娘よりも浴衣がサマになっている」
芹沢よりも酔っ払って真っ赤な顔をした水城の父が声をかける
「もうお父さん、それはないでしょ!」
プンスカと腹を立てるのだが確かに水城の目から見ても純子は浴衣とか着物の似合う華のある女だ。着物教室の講師が純子を絶賛したのも社交辞令ではないと水城は思っていた
「いや〜、こんなのは馬子にも衣装ですよ。ささ、先生もう一軒行きましょう!青砥先生も如何ですか?」
上機嫌な芹沢がそこに割り込んできた
(うわぁ、芹沢先生お酒臭い!)
水城が顔をしかめた。顔には出さないが純子も迷惑そうだ
「あの〜、青砥さん、新居の防犯チェックにこれからお伺いしても宜しいですか?」
すると後ろに帰ったはずの榎本が立っていた
「え?ああ、そういえば頼んでいましたね。榎本さんさえ都合が良ければ構いませんが」
「では、行きましょう」
「そ、それでは失礼します。今夜はとっても楽しかったです。ありがとうございました」
挨拶をさせる余裕もなく純子の手首を掴むと榎本は去っていった
「そういえば、あの防犯アドバイザーくんは先生の彼氏なのかね?」
「う〜ん、只のチームメイトじゃないわね」
この父娘は半径二メートル圏内に男女がいると即座にカップルか否かを見抜く能力があり先程も榎本が純子の分まで草餅を食べていたのを当然見逃さなかった
「はは、何言っているのですか?ささ、飲み直しましょうよ!」
(あんな鍵&防犯ヲタクと体力だけが取り柄の野暮な女がくっ付くワケないだろ…)
誘った相手が現れずヤケ酒飲んでいた芹沢が心の中でブツブツと呟いていた



418情(錠)なし2/4:2012/05/31(木) 02:30:16.03 ID:1ANbJeet
あの天井の向こう側で妻が夫を殺した事実に耐え切れなくなり純子は榎本の会社と契約を結んでいる賃貸マンションに引っ越してきた
間取りや広さや家賃は前と左程変わらないが寝室の部分は畳敷きで新たに和箪笥と鏡台が置かれていた
どちらも祖母の形見で抽斗には鍵穴が付いていたが今の榎本は珍しく見向きもしなかった

「あぁ、あっ、もうっ、あん、んん、はぁ」
(あぁ…、そんなに一生懸命、求められると、ドキドキし捲っちゃって……、あぁー!)
水浅黄色のシーツの上で何度も何度も全裸の純子が甘い喘ぎ声を出し続ける
ぐぷぅ、パン! ぐぽぉ、パン! ぬぽぉぉ、パァァン!
同じく全裸の榎本が激しく腰を動かすと妙に艶めかしい水音が部屋中に響く
(これから仕事だ、防犯チェックに伺うとか、嘘を吐き続けている…)
二人きりになりたかったと素直に言えば良いのにと今頃になって後悔していた

船の出発に遅れると後日芹沢に何を言われるかわからないからと行為の余韻を楽しむ暇もなく二人は仮眠室を出た
一応はシーツやタオルとかは洗濯機に入れて自動的に乾燥までしてくれるようにセットをしておいた
「榎本さん、急がないと遅れてしまいますよ。あ〜、遅刻なんかしようものなら、芹沢さんにまたどれだけ文句言われるか、わかったものではありませんからね!」
(浴衣着るのが早い…)
「地下鉄よりも車のほうが早いです。ワゴンに乗って行きましょう」
急がば回れと言わんばかりに見た目だけ冷静に答える
結果的には井岡と水城の二人とバッタリ会う時間に到着したので問題はなかった
船内ではあくまでもチームメイトとして振る舞い何故だか機嫌の悪い芹沢に絡まれるコトのないように気を配った
(折角、水上の密室にいるのに…、ここまで楽しくはないとは…予想外だった)
厠と書かれた扉の前でボンヤリと佇む
すると女性側の扉が開いて中から純子が出て来た。お互い何も言えなくてお地蔵さん状態になってしまった
更に男性側の扉からは井岡が出て来た拍子に船は大きく揺れて榎本のいる方向に傾いた
「うわぁ!揺れましたね。あっ…!どうも、お邪魔しました…」
井岡はバツの悪そうな顔してその場を離れた
「井岡くんには気付かれましたね……」
「そう…ですね」
咄嗟に庇った後の姿は抱擁にしか見えない



419情(錠)なし3/4:2012/05/31(木) 02:31:08.73 ID:1ANbJeet
あれやこれやと今日あったコトを思い浮かべながら二回目が終わった
「お仕事行かなくていいのですか?」
「あれは方便です」
「…そう」
気怠さが漂う中エアコンの風が心地良く吹いている。そこにアラームが小さく鳴り響く
「あっ、おクスリの時間だわ」
起き上がって浴衣を纏うとピルケースを取り出して一錠口に入れ水と一緒に飲み干した
「どこか悪いのですか?」
疑問を抱いたら理由をその場で聞いてみないと気が済まない榎本が尋ねる
「いえ…、これはいつも婦人科で貰っているモノで…」
要するに正しく服用していれば生でやっても妊娠は多分しない薬だと説明した。無論純子は毎月あるものを安定させる為に飲んでいる
「そういうものが世の中にはあるとは知っていましたが、実物を見るのは初めてですね」
手渡されたものをもの珍しそうに見る。その姿がいつもの榎本らしいと思って何か和む
(一応明後日は病院に行き、アフターピルも貰って来よう。自分でゴム買うよりもマシ)
たった半日で好きな人相手に処女を捧げたいから今はまだ妊娠したくないに変わると純子自身も思わなかった
「あの…、そろそろクスリ返して下さい」
(縦に七錠、横に四錠、合わせて二十八錠、この列の七錠は同じ色をしているのに、ここの列は違う色になっている…)
その理由を知りたくなって純子のほうを向くのだが乱れた襟から胸の谷間が偶然見えた
ほんのりと赤く染まっている。それが困った顔に似合っていて満足して果てたものがまた元気になった
無言で手渡され安心する純子をそのまま押し倒して三回目を始める
「え……、径さ…ん?!ふぁぁ!ぁぁ!」
浴衣で隠れた胸が露わにされ口付けされる
ふと顔を横向けると鏡台に二人の姿が映っている。こんな貌をして榎本に抱かれていたのかと知ると恥ずかしさのあまり目を固く閉じてしまう
自分がどんどんいやらしい女になってゆくと思わずにはいられない
(これもまた、女の狂気なのかしら…)
「ふぁ、はぅぅ…、やぁめ!きゃう!」
両脚を大きく開かれ露わになった陰部に指が生き物のように蠢く。それが抜かれると今度は榎本の分身が入ってくるのは知っている
(鍵を失った錠は、自分一人の力でも開けるコトは出来るけど、今こうしている彼女の心は、自分が開けられるのだろうか?それと、自分の心も彼女に対して開けられるのか?)
「純子……」
今はまだ名前を呼ぶのが精一杯だった



420情(錠)なし4/4:2012/05/31(木) 02:32:04.10 ID:1ANbJeet
翌朝マンション近くのコインパーキングまで二人は並んで歩いた
「今日も暑くなりそうですね」
着物教室に行く為に麻の着物に日傘を差した純子が声をかける。日傘は当然榎本のほうに傾けられその優しさに涼しさを感じる
「また後で…」
ワゴンに荷物を載せながら榎本が呟く。声が小さ過ぎてよく聞こえない
「はい?」
聞き取ろうとして近付くとキスされる。綺麗に塗ったばかりの口紅がそれで薄くなる
もしもこの場を他の誰かが見たとしても日傘が仮初めの密室となり多分誰も気付かない
「行ってらっしゃい…」
その言葉を聞いた榎本の目が前よりも優しくなったなと思わずにはいられなかった

仕事場でも会社でも誰かに会うコト無く一人で過ごしていると芹沢がやって来た
「よ〜、密室アドバイザーの榎本さん!今日も一日錠前が恋人ですか?」
昨日の夜とは違い今日は上機嫌だなと感じながら純子の部屋から持ち帰った錠前に向かう
「屋形船で花火デートをすっぽかされ、その後どうしたんですか?」
「え〜、それなあ〜に!ワタシわかんない、教えて!」
無邪気な女を振舞っている様子を察するとまた空振りだったらしい
(懲りない人だ…)
「芹沢さんは結婚しないのですか?結婚してくれる女を今のうちに見つけておかないと、老後は大変ですよ」
「お、おい!えのもっ、ちゃん!随分と立派なコト言ってくれるじゃないの!」
今の言葉聞き捨てならないと言わんばかりに芹沢がプロレスじみた技を仕掛けてくる
「ん?女の香り、しかも赤坂の芸者さんか、祇園の舞妓さんの口紅の匂い!」
「多分それは仕事先で付いた匂いですよ」
これは嘘で今日純子がしている口紅の匂いだ
「まぁそうだよな、お前さんは“橋の上〜、玉屋、玉屋の声ばかり、何故に鍵屋といわぬ情なし”ってタイプだしな」
昨日の花火を打ち上げていたのは鍵屋の名を継いだ職人たちで玉屋ではない
いつも事件を解決するのは榎本で芹沢ではないからか榎本の職業と繋げて詠んだのだった
(情なら、ちゃんとあるのですがね…)
ふと作業台の上にある鏡を見ると唇に口紅が付いているのがわかった
慌てティッシュで拭うと服の匂いも確かめた。微かに純子の匂いもして顔が綻ぶ
どうやら暑くなりそうな一日だった

〈おそまつ〉
421名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 10:33:57.26 ID:vRjPjTVx
ピルに興味持つのが可愛かったよ、GJ
422名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 18:03:51.63 ID:jhqBYs9S
>>337
何コレ。神。続きクレクレしたい。書けください。
423名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 18:18:49.80 ID:jhqBYs9S
>>356
ひゃぁ〜後日のはもうアップされてるんだろうか。これから探しにいきます。
まとめてよめるかもしれない自分ラッキー♪
424名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 18:50:37.11 ID:jhqBYs9S
全部読んだ。全部保存しときたい。神神。
425名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 19:24:29.87 ID:2jD0YGmO
何かSSの保管庫が欲しくなるな
426名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 19:49:02.69 ID:jhqBYs9S
ちょっと甜菜はルール違反かもしれないけど。
これみんな好きそう。糞萌えた。
tp://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1095748#2
427名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 20:53:22.34 ID:ETPr5Jsv
クレクレだの、ネタはあるけど〜文才が無くてウジウジチラチラだの
うざい書きこみに対して今までも何度か罵声を浴びせかけそうになったけど
良質な書き手さんとみんなのスルースキルに敬意を表して黙ってた

>>426
ルール違反かもしれないけど。じゃないですよ
100年ROMってろ
428334:2012/05/31(木) 22:21:22.17 ID:GloBbM2l
お待たせしました。
>>350-355 の続きが完了したので投下します。

注意1 ものすごく長くなりました。すいません。
注意2 便宜上「式場の〜」というタイトルになっていますが、
舞台は純子の家に移っているので後編に式場は無関係です。
429式場の榎本×純子 7:2012/05/31(木) 22:22:31.13 ID:GloBbM2l
「コーヒーでいいですか? あ、お腹空いてません? 引き出物でお菓子とかいっぱいもらっちゃったんですよ! それとも、軽いものでよければ何か作りましょうか?」
「……いえ、お構いなく」
「そうですか? はい、コーヒーです。すいません、ちょっと待っててもらえますか? 着替えてきますので」
「……はい」
 以前、蜘蛛にまつわる事件に関わったとき、一度だけ訪れた純子の家。
 テーブルにコーヒーと引き出物らしい焼き菓子を並べると、純子は隣の部屋へと入っていった。
 リビングに一人残されて。榎本は、密かに頭を抱えていた。
(……僕は、何であんなことを……?)
 思えば、今日は朝から純子にペースを乱されっぱなしだった。いや、呼び出したのは自分だから、いわば逆恨みのようなものだが。
 想定外の事態が次々と起こり、結局肝心の密室の謎についてはほとんど考えることもできず、なのに「解けた」と嘘をついてこうして純子の家に上がりこんでしまった。
 何故あのとき、素直に「気になったから」と言えなかったのか。いや、何なら「偶然通りかかった」でもいい。
 多少、不審な気もするが。それを言うなら「密室の謎が解けたから報告に来た」というのも十分に不自然な言い訳だろう。純子も言っていたではないか。電話でもメールでもよかったのに、と。
(…………)
 ちらり、と隣室に視線をやる。物音一つ聞こえないため、中で純子が何をしているのかは不明。
 気まずさを取り繕うべくコーヒーに口をつけてみるが、さっぱり味がわからなかった。
 自分でも意外だったのだが。今の榎本は、はっきりと苛立っていた。
 原因は色々ある。まずあの不愉快な男の存在そのものが気に入らないし、そんな男に絡まれて、「迷惑だ」と言いながら無防備な笑顔を振りまく純子にも苛立っていた。
 何より……
「お待たせしましたっ! 夕食は大丈夫なんですよね? じゃあ、早速密室の謎を聞かせてください!」
「…………」
 バタン、と隣室のドアが開いて。きらびやかなドレスとも、かっちりとしたスーツとも違う、ラフな格好をした純子が現れた。
 シンプルなブラウスに、女性らしい、ふわりと裾が広がったスカート。ただし、コサージュこそ外されているものの、アップに結い上げた髪と、派手な……もっと言えば艶やかなメイクはそのままで。
 いつものナチュラルメイクとは違う、わずかに色づいた頬と艶やかに光る唇を直視できず。榎本は、視線をそらして頭を下げた。
「すいません」
「はい?」
「密室の謎ですが……解けていません」
「え??」
 榎本の発言に、純子はめいっぱい疑問符を浮かべていたが。視線をそらしたまま、榎本はまくしたてた。
「青砥さんをお送りした後、色々と考えてみたのですが。今日は、どうしてか集中することができなくて、まだ考えがまとまっていません」
「あ、ええと、そうなんですか? あれ? でも、さっき……」
「はい。そんなつもりはなかったのですが、結果的には青砥さんを騙した形になってしまいました。本当にすみません」
「あ、いえいえ、そんな、いいんですけど。もともと、わたし達がお願いしたことで、榎本さんには何の責任も無いことですから……」
 頭を下げる榎本をあたふたと制して。純子は、首を傾げた。
「でも、何でそんな嘘を……あれ? じゃあ、榎本さんが、式場に来てくださったのって……」
「…………」
 純子の素朴な問いに、頬がひきつるのがわかった。
 純子は、基本的に善人で人を疑うことをしない。適当な嘘でごまかすことも、難しくはないだろうが――
430式場の榎本×純子 8:2012/05/31(木) 22:23:44.85 ID:GloBbM2l
「――青砥さんのことが気になったものですから」
「はい?」
「式場にお送りしたときに、男性に親しげに声をかけられているのを見て。何となく、気になったものですから」
「え、ええと、それって?」
 榎本の言葉に、純子は相当に驚いたらしい。あたふたと周りを見回して、この場に自分と榎本の二人しかいないことを確認して。まじまじと、榎本を見返した。
「榎本さんが……わたしを、心配して下さったんですか?」
「…………」
 心配した、というのだろうか、この感情は。
 これまで他人を気にかけたことがない榎本には、今、抱いている感情に何と名をつければいいのかがわからない。
 少なくとも、今まで抱いたことのない感情であるのは確かだった。
 だが、それを素直に口に出すのもためらわれて。榎本は、黙ってコーヒーをすすった。
 しばしの沈黙の後。純子は――
「ぷっ……あははっ! 心配って、心配って! そんな風に見えました? 鈴木君とわたし、そんな風に見えちゃいました?」
 爆笑した。
「あはははっ! ないない、ないですよ! 鈴木君は昔っからああなんです。女好きっていうか、誰にでも気楽に声をかけて……それが今回はたまたまわたしだったってだけですよ!」
「…………」
「まあ確かにしつこく絡まれてちょっと迷惑でしたけど! でも酔ってたみたいですしねー。大学時代はあんなことしょっちゅうでしたよ! 無視していれば、すぐ他の女の子のところに行ってましたって!」
「…………」
「第一、鈴木君は軽いけど、外見はいいでしょう? 昔っからすごくもててたんですよ。あんな人が、わたしなんか相手にするわけないですって! あははは!」
「…………」
 ぎゅっ、と、カップをにぎる榎本の手に力がこめられていたことに、純子は全く気付いていなかった。
「――青砥さんにも原因があったとは思いますが」
「え?」
「声をかけられたときに、はっきりと拒否をしなければ、受け入れられた、と勘違いされるのも無理はないと思います」
「あの……榎本さん?」
「ああいった、露出度の高い服装で笑顔を向けられれば。好意を向けられた、誘惑された、と、あの男が勘違いをしてしまったのも、無理からぬことではないかと」
「なっ……」
 榎本の言葉に、純子は絶句。ついで、頬が真っ赤に染まった。
「わ、わたしが悪いって言うんですか!? 絡まれたのは、わたしが鈴木君を誘惑したからだって!」
「そのように取られても、仕方のない状況だったのではないかと」
「な、何でそうなるんですか! 笑顔なんて向けてません! ろ、露出度ってっ……結婚式ですよ!? 女性の出席者は、みんなああいう格好でした!」
「…………」
 それは確かにその通りだった。何しろ、榎本自身が、この目で式に参列する人を何人も見かけている。
 だが、止まらなかった。純子を責めるつもりなど全くない。けれど、自分の胸に宿るこの苛立ちをぶつけられる相手が純子しかいないのも、また事実だったから。
431式場の榎本×純子 9:2012/05/31(木) 22:25:25.92 ID:GloBbM2l
「青砥さんは、少し無防備なんだと思います」
「はい!?」
「先ほどから聞いていますと――鈴木さんの発言をお世辞と言い本気じゃないと言い。鈴木さんに確認したわけでもないのに、何故、青砥さんはそう決めつけられるんでしょう」
「なっ……そ、それは……」
「笑顔を向けた覚えはない、とのことでしたが。拒否もされていないようでした。愛想笑いも、見るものにとっては笑顔には違いないと思うのですが」
「あの、榎本さん……?」
「あの様子では、鈴木さんに押し切られて、青砥さんは彼についていくことになったんじゃないか、と思うのですが、どうでしょうか?」
「…………」
 榎本の発言に、純子はとうとう黙り込んだ。
 怒っているようには見えない。泣いているようにも見えない。しいて言えば、その顔に浮かぶのは当惑。
 ややして、純子はすすす……と膝立ちで榎本の隣に回り込むと、至近距離からその顔を覗き込んできた。
「榎本さん」
「……はい」
「もしかして、やきもち、やいちゃってます? 鈴木君に」
「――――っ!!」
 多分、動揺を隠し通すことはできなかった。自分でも自覚している。
 まともに純子を見ることができずに視線をそらすと、つつつっ、と純子の視線が回り込んできた。
「そうなんですか?」
「……何故、僕が鈴木さんにやきもちをやかなくてはいけないのでしょうか」
「そんなの、わたしの方こそ教えて欲しいですっ! どうなんですか、榎本さん?」
「…………」
 日頃、他人に関心を抱かない榎本にとって、他人に苛立ちを覚える、というのも、また滅多にない経験だった。
 だからこそ、長く耐えることも難しかった。
「――防犯において、最も大切なことは何か、わかりますか」
「え? はい?」
「いくら最新式の鍵をセットしても、セキュリティを完璧にしても。住人に危機管理が欠けている場合、それらが全くの無駄となることは珍しくありません」
「え? え? 防犯? 鍵? あの、榎本さ――」
「あなたのことですよ、青砥さん」
 言いながら、榎本は――
 純子の肩をつかんで、背後のベッドに押し倒した。

 自分で押し倒しておいて何だが。ポーカーフェイスの裏側で、榎本はかなり焦っていた。
(……何でこんなことに?)
 苛立っていた。鈴木に絡まれて笑顔を振りまく愛想の良さも、着飾れば相応に魅力的な自分の外見に全く無頓着なところも――
 何より、こんな時間に、男である自分をあっさりと家にあげ、別室とはいえ着替えを始める無防備なところにも。
 襲ってきた衝動は一瞬のものだったが、その一瞬で、事態はかなり致命的な方向へと進んでいた。
「え、榎本さん……?」
「…………」
「ちょっと、榎本さん!? じょ、冗談……ですよね? あれ? でも……」
 目を白黒させる純子に構わず、両手首を押さえ込んで、そのまま、華奢な身体へとのしかかった。
 ここに来て、純子もようやく事態の重大さに気づいたのか。頬を、恐怖にひきつらせた。
432式場の榎本×純子 10:2012/05/31(木) 22:26:33.81 ID:GloBbM2l
「やっ……榎本さん! ちょっと、離してっ……」
 ばたばたともがく純子があまりにも非力で。それが、榎本の嗜虐心を煽った。
 自分は男としては小柄で、特に力がある方だとも思っていないが。そんな自分にさえ、純子は力では敵わない――
「榎本さっ――んっ――!!」
 唯一自由に動く唇を、自身の唇で塞いだ。片手は純子の手首を捉えたまま。もう片方の手で頭を抱え、無理やりキスを深めていく。
 広がる苦味は、化粧の味だろうか――頭の片隅で冷静に考えながら、舌で、散々に純子の口内を弄んだ。
 息苦しさを覚えて唇を離したとき――純子は、呆然とした表情を浮かべていた。
「…………」
 ぐいっ、と、拳で唇をぬぐうと、手の甲が赤く汚れた。どうやら、純子の口紅らしい――
「榎本、さん……」
「再現しましょうか?」
「えっ……」
「あのとき、僕が声をかけなかった場合――鈴木さんが、青砥さんに何をしていたか。再現しましょうか? 青砥さんは、わかってらっしゃらないようだから」
 全く、何でこんなことになったのか、さっぱりわからない。
 だが、セキュリティ会社に勤務する榎本にとって、純子の無防備さは目に余るものがあった。どうしても、何か言わないと気が済まなかった――困った職業病だ。
 と、榎本は、自分の感情をそのように結論づけていた。

 一方で純子は混乱していた。驚きや恐怖もあったが、それ以上にめまぐるしく変わる状況にパニックを起こしていた。
(え、榎本さんが!? 何で!? 何でこんな――?)
 ベッドの上に押し倒されたのは自分で、押し倒しているのは榎本。強引に重ねられた唇にはまだ温もりが残っていて、身を起こそうとしても、封じられた手首は動かない。
 冗談ですよね? という問いに、榎本は答えなかったが。自分で聞いておきながら、純子はその答えを嫌というほどよく知っていた。
 榎本という男は、こんなつまらない冗談を言うような男ではない。彼が口にするのは常に真実だけだ。
「んっ……」
 もう一度、唇を重ねられた。振りほどきたくても、頭を抱えられて動かせない。なすすべもなく受け入れているうちに、段々と、力が抜けてくるのがわかった。
(うわっ……ど、どうしよう、どうしよう!?)
 榎本は何かに苛立っている。それはわかるのだが、何に苛立っているのかがわからない。
 苛立った結果、どうしてこのような行動に出たのかもわからない。
 鈴木が自分に何をしたか再現? あのとき、榎本が現れなかったらどうなっていたか――?
 そんなはずはない。自分は、自分なりにはっきり拒絶していたつもりだし、どれだけしつこく迫られようと、絶対についていかなかった自信がある。
 けれど――その一方で。榎本のことは、あっさりと信頼したのだ、自分は。
 榎本の言うことを真に受けて、こんな時間に、男性である彼を、一人暮らしの家に上げたのだ。
 無防備だ、と言われたら。それは確かにその通りかもしれない。が――
(んんっ……)
 自然と、舌が絡まった。
 純子とて、過去には恋人の一人や二人、いたことはあるし、全く経験が無いわけでもない。だが、榎本との行為は、どの経験とも違っていた。
 お互いが好きあって、求め合って重ねた唇とは違って。一方的に重ねられた唇からは、どのような感情も伝わっては来ない。
 後に残されたのは、快楽だけ。
「えのもとさん……」
 ふっ、と、唇が離された。
433式場の榎本×純子 11:2012/05/31(木) 22:27:25.04 ID:GloBbM2l
 純子を見下ろす榎本は、全くの無表情で。だからこそ、唇の端に、純子の口紅が残っている様子が、ひどくアンバランスだった。
 手首を拘束していた手が離される。その気になれば、身を起こして榎本を突き飛ばすこともできただろうが、その気力は残されていなかった。
 翻弄されていた。榎本に。
 そのキスがあまりにも気持ち良くて。本心から嫌だとは思っていない自分に気付いてしまって。
 かしゃんっ、という微かな音と共に。榎本の眼鏡が外されて、傍らのテーブルに放り出された。
 初めて見た榎本の素顔。眼鏡の奥に隠されていたのは、意外なまでに整った――
「やっ! 榎本さん! ちょっとっ……」
 細い指が胸元に伸ばされて、あっという間にブラウスのボタンが全開にされた。
 視線が突き刺さる。さほど豊かとも言えない胸元を注視されて、羞恥に頬が染まるのがわかった。
「み、見ないでください……」
「…………」
「榎本さんっ!」
「……大声を、出さない方がいいと思います」
「え?」
 榎本の顔が寄せられて、耳元で囁かれた。
 直接耳朶に触れる吐息に、ぞくり、とした感覚が、背筋を走り抜けた。
「以前、確認させていただきました。こちらのマンションは、壁の厚みがなく、素材も価格を重視した、防音効果の低いものです――大声を出せば、隣室に聞こえます」
「――――!!」
 反射的に、言葉を飲み込んだ。隣室の住人など、顔も名前も思い出せないが。だからと言って、こんな騒ぎを耳に入れたい相手ではない。
 かりっ、という小さな音と共に、耳たぶに湿った感触が走る。びくり! と身を震わせると、そのまま、首筋まで、ゆるやかになぞられた。
 身体が熱い。どうしようもなく。
 声を出せず、必死に唇をかみしめて耐えていると、背中に回された手が、パチリ、とブラジャーのホックを外して、胸元に解放感が訪れた。
 ぐいっ、とたくしあげられる。何も隠すものがなくなった胸が、榎本の前にさらされた。
「っ…………」
 視界が歪むのは、涙が溢れているせいか。だが、この涙の理由は何なのか?
 恐怖は多少ある。榎本の手つきによどみはないが、他人との関わりあいが薄く、恋人と呼べる存在がいたようにも見えない彼に、経験があるとは思えない――失礼ながら。
 一体何をするつもりなのか、どんな風に扱うつもりなのか。それが、怖いと言えば怖い。
 だが、悲しみはなかった。嫌悪感もなかった。そう長い付き合いとは言えないが、榎本が本質的には真面目で善良な人間だということはよくわかっている。
 ――こんな風に、無理やり押し倒されても、絶対に嫌だ、と思えないくらいには、好意を抱いている。
「えの、もとさん……あの、お願い、だから」
「…………」
「見ないでください……せめて、電気、消して……」
「すいません。それは、無理です」
 純子の精一杯のお願いは、あっさりと拒否されてしまった。
「僕が、見たいんです」
「――――っ!」
 何の感情もこめられていない、冷徹な言葉に、身体が震えた。
 それが恐怖のせいか快楽のせいか、純子にも、よくわからなかった。
434式場の榎本×純子 12:2012/05/31(木) 22:28:31.02 ID:GloBbM2l
(……意外と、抵抗が薄い……)
 榎本は榎本で困惑していた。
 一瞬の激情に駆られて押し倒したはいいが、本気で最後まで……と考えていたわけではない。そのときは。
 榎本には泣いて本気で嫌がる女性を暴力で無理やり犯すなど絶対にできないだろうし、そんな気もない。
 そもそも、今回の自分のこの行動は、純子に自分の行動がいかに無防備なものであったかを知らせるためのもので……ただ、それだけのはずで。
 ほんの少し脅えて、榎本も男には違いないのだ、と。それだけわかってもらえれば十分だったはずなのだ。
 それなのに……
 上半身をあらわにして、まっすぐに榎本を見つめる純子。
 涙は溜まっているが泣いてはいない。申し訳程度の抵抗はあるが、全力で嫌がっているようには見えない。
 唇を重ねれば舌が絡められ、身体に触れれば、敏感な反応が返ってきた。
 受け入れようとしている。経験のない榎本には、女性の本心などわかるはずもなかったが。そのように見えて仕方がなかった。
 何より、間近に純子の身体を感じて、その素肌に触れて――深いキスをして。榎本の身体も、十分以上に燃え上っていた。
 このままでは引き下がれないくらいに。
「えの、もとさん……あの、お願い、だから……見ないでください……せめて、電気、消して……」
「すいません。それは、無理です」
 純子のお願いをあっさりと無視して、白い、華奢な身体を見下ろす。
 綺麗だな、と、素直に思った。どんな珍しい鍵にだって感じたことのない執着心が、燃え上った。
 自分のものにしてしまいたい、と。
「僕が、見たいんです」
 胸元に唇を押し付けて、強く吸い上げれば。痛々しいくらいに赤い痣が浮かび上がる。
 傷一つない肌を、自分の手で汚している、という感覚に、言いようのない満足感を覚えた。
 そのまま、痣を一つ、二つ。榎本がつけた印が増えるたび、純子の身体がびくり、びくりとはねて。わずかばかりの抵抗が、消えていった。
 胸に触れてみる。最初はただ柔らかいだけの手触りだったが、軽く指でなぞると、桃色の頂きが固くとがってくる感触が、手のひらに伝わってきた。
「青砥さん」
「は、はいっ!?」
「青砥さんは、経験があるんですか」
「なっ――」
 榎本の素朴な疑問に、純子の顔が真っ赤になった。
 質問の間も、手は休めない。自然と割り開かれた脚の間に身体を割り込ませるようにして、純子の顔を覗き込む。
 榎本の手の動きに合わせて、びくびくと顔をひきつらせている――声をあげまい、と耐えている様子が、可愛くて。もっと見たい、と思ってしまった。
「どうなんですか」
「っ……は、初めて、じゃ、ないですけど」
「……そうですか」
 まあ、普通はそうだろう。自分は初めてなのだが。
 微かに落胆を覚え、それを顔に出さないようにして、榎本は囁きかけた。
「どうしてほしいですか」
「えっ……」
「どんな風に、してほしいですか」
 やめてほしいですか、と聞かなかったのは、やめてくれ、と言われるのが怖かったからか。いや、この質問にだって、そういう答えはありだろうか?
435式場の榎本×純子 13:2012/05/31(木) 22:30:08.80 ID:GloBbM2l
 けれど、純子はやめてくれ、とは言わなかった。榎本から視線をそらし、蚊の鳴くような声でつぶやいた。
「…………て、ください」
「はい?」
 声が小さくて、聞き取れない。
 耳を寄せると、純子の吐息が、直に触れた。
「榎本さんの……好きに、してください」
「…………」
 受け入れてもらえた、ということに対する安堵と喜び。この可愛い姿を、自分以外にも見た男がいる、ということに対する怒り。様々な感情に振り回されながら、榎本は動いた。
 胸を唇でもてあそびながら、手を下半身に伸ばしていく。スカートをたくしあげると、逃げるように、脚が動かされた。
 ……逃がさない。
 顔を上げる。両手を使って、純子の両膝を強引に割り開いた。スカートが翻って、これまで見たことのない……多分、一生見ることはないと思っていた、女性の中心部が、下着越しに、あらわになった。
 明らかにその場所は濡れていた。初心者の榎本がそれとわかるくらいに。
「…………」
「え、えのもと、さんっ……やだっ……じーっと見ないでください、お願いだから……」
 純子の声も、耳に入らない。
 無意識のうちに手が伸びた。下着の上から指でなぞると、「ひっ」という小さな悲鳴が響いた。
 ちらり、と目をやると。純子は両手で口を押えていた。
 漏れそうになる悲鳴を必死に押し殺している。その様子が面白くて二度、三度と指を往復させると、純子の顔が一気にゆがんだ。
「榎本さん……お願い……」
「何をですか」
「っ…………」
「どうしてほしいですか」
「…………」
 榎本さんは、意地悪です……と、小さくつぶやかれた。
 意地悪。これまで、無愛想だの変人だのオタクだのとは散々に言われてきたが、女性からそんな評価を受けたのは初めてだ。
 自分はただ、純子の要望に応えようとしただけなのに。
 それが気に入らなくて、榎本はさらに指を進めていった。
 下着にひっかけて、そのままずりおろす。純子は、とっさに膝を閉じてガードしようとしたが。間に榎本の身体が挟まっているせいで、うまくいかない。
 腿の半ばあたりまで下ろしたところで、手を止める。生で見たそこは、桃色に光っているように見えた。
 正直、綺麗とかそういう感想は浮かばないのだが……だが、触ってみたい、とは思った。
 内部に指を滑り込ませる。軽く指を曲げてひだの感触を楽しんでいると、「やあっ……」と小さな声が漏れた。
 感じているらしい。熱く濡れたその場所が、自分を求めていることがわかって。自然と、笑みが浮かんだ。
 指を二本に増やし、それぞれで内部をかきまわす。固い錠とは違い、爪を立てればたやすく傷つきそうな柔らかな場所。慎重に指の腹でまさぐると、明らかに粘液の量が増えた。
「やっ……ひゃんっ……」
 ついでに、声を殺すことは諦めたらしく、純子の喘ぎ声が耳にとびこんできた。
 ベッドの上で身もだえする身体。乱れに乱れた服が白い肌をところどころに覆っていて、それが、逆にいやらしい。
436式場の榎本×純子 14:2012/05/31(木) 22:30:58.34 ID:GloBbM2l
「榎本さあん……」
「はい」
 ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
 淫靡な音が響く部屋で。純子の懇願が、やけに大きく響いた。
「おね、がい……」
「……何をですか?」
「っ…………」
 わかってるくせに……と言われても。純子の口から言わせてみたい、と思ったのだから、仕方ない。
 純子の方から、榎本を求めて欲しかった。強引に始めてしまった行為だからこそ。
「……欲しいです」
「だから、何をですか?」
「っ……入れて欲しいです。榎本さんが欲しいんですっ!」
「…………」
 羞恥に真っ赤に染まった顔と、涙に濡れた大きな瞳。
 その表情には怒りが浮いていて、けれどその唇が漏れるのは淫らな喘ぎ声。
 全身で、自分を求めてくる純子に満足して。榎本は、ベルトを引き抜くと、ズボンと下着を下ろした。

 さすがに中に出したのはまずかっただろうか。いや、一応、フィニッシュを迎えようとした瞬間、抜こうとはしたのだ。一応。
 けれど、純子に止められてしまった。すがりつかれて抱きしめられて、あの状態で抜けるわけがない。
 そもそも生で挿入したのがまずいと言われたら返す言葉が無いのだが。こんなことになるなど予想できたはずもない。
 言うまでもないが、世の男性のように、いつでもチャンスは逃さないと財布にその手の小道具をしまっておくような器用さは榎本には無縁だ。
 乱れた服装を整えながら、榎本がそんなことを考えていると――
「――うそつき」
 小さな呟き声に、びくり、と背中が強張った。
 振り向くと、同じく服装を整えた純子が、じいっと榎本を見つめていた。
「榎本さんのうそつき」
「――すいません」
 それについても返す言葉がない。密室の謎が解けた、と嘘をついて、話を聞きたがる純子の家に上がりこんだ。最低、と罵られても仕方のない行為だ。
 平手の一つくらいは覚悟しよう、と。居住まいを正し、床に正座すると。
437式場の榎本×純子 15:2012/05/31(木) 22:31:34.04 ID:GloBbM2l
「鈴木君だったら、あんなの、絶対無理です」
「……はい?」
「榎本さん、おっしゃいました! 榎本さんがいなかったら、鈴木君がわたしに何をしたか再現するって……言いましたよね?」
「それは……はい、言いました」
「鈴木君には絶対無理です。鈴木君とだったら、無理です」
 そう言って、純子はうつむいた。
 頬が染まっているのは、行為の名残なのか。あるいは、これから自分が言おうとしていることに対する羞恥心か。
「鈴木君とだったら……あんな、気持ちよくは、なれません」
「……はい?」
「鈴木君とこんなこと、できるわけがありません。絶対無理です、無理! もし万が一されそうになったら、全力で抵抗して悲鳴をあげて逃げました! 何があってもです!」
「…………」
 何だ、この展開は。純子は一体何が言いたいのだ?
 混乱している榎本をよそに、純子はただまくしたてた。
「榎本さんだからです……榎本さんとなら、いいって思っちゃいました……逃げようって思えませんでした……すごく、気持ちよかったし……わたしのこと、女として見てくれて、それが、嬉しかったです……」
「……青砥さんは、僕を男としては見ていなかったようですが。ご自分は、女として見られたかったんですか?」
「い、意地悪ですね、本当にっ!」
 意地悪。また言われてしまった。素朴な疑問をそのまま口にしただけなのに、何故そうなるのだろうか?
 首を傾げていると、ベッドから降りた純子が、向かいに座り込んだ。そのまま、まっすぐに視線をぶつけられる。
「――無防備だって言われたら、それまでですけど。男として見てない、なんて、そんなことないです」
「…………」
「眼鏡してない方が、かっこいいですよ。榎本さんは」
 そういえば、キスのとき邪魔になって、眼鏡を外していたんだった。
 今頃そんなことに気付いて、視線をあげると、純子は微笑んでいた。
 とても魅力的な笑顔だと、そう思った。
「青砥さんは、女性ですよ」
「……え?」
「女性にしか見えませんから」
 これもまた正直な感想を述べただけ、のつもりなのに。純子はふくれっ面になって「そういうことじゃないんですよっ!」と肩を叩かれた。
 自分にとって、純子は十分に魅力的な女性だ――と、そう伝えたつもりなのだが。
 女性の心理はわからない。好きだとも愛しているとも言っていない、恋人でも彼氏でもない男に押し倒されて、どうして笑顔を向けられるのか。
 純子の本心が理解できない――が、少なくとも、自分の本心はわかった。純子に嫌われていない。そのことに安堵している、自分の本音は。
 とりあえず、そのことに満足して。榎本は、愛用の眼鏡に手を伸ばした。


〜〜END〜〜
438334:2012/05/31(木) 22:33:38.35 ID:GloBbM2l
終わりです。長文失礼しました。

406で書いた榎本×女流棋士とか
芹沢の勧めで純子お見合い&わざわざそれを榎本に告げる芹沢&超挙動不審な榎本とか
風邪ひいた榎本をお見舞いに来た純子。鍵だらけの部屋で拘束プレイとか
色々ネタは思いついたので、また何か書けたら投下しに来ます。
439名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 22:40:40.83 ID:mpllF5/J
神キテター
いつも素敵な作品をありがとう
おかげで放送ない日も寂しくないw
新作楽しみに待ってます
440名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 22:51:25.48 ID:aguEee9D
GJ!
あ、拘束プレイお願いします
441名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 23:33:56.68 ID:m5lnIcQH
ここまで一つのスレに貼り付いたの初めてだw

良いスレ。
442長野にて 1:2012/06/01(金) 18:42:05.20 ID:DC7JQypO
ちょっとベタですがひとつ投下させてください。
皆様の作品とFace downの歌詞から触発されました。
初めて書いたので支離滅裂なところもあるかと思いますが
よろしくお願いします。



ーーー密室。
榎本の人生にとってそれは切っても切りはなせないものだった。
誰にも言っていない過去において、好むと好まざるとに関わらず、
幾度となく関わってきたものであるからだ。

だから、あの日、この人の良さそうな、おっちょこちょいな女性に声をかけられた時、
一も二もなく話に乗ってしまったのだ。

それからは何度か依頼を受けてこの女性、弁護士の青砥純子と、その上司の3人とで
密室事件を解決することになった。


ーーそして今日、ある密室で起きた女子中学生殺害事件の捜査のためにやってきた
長野の荒神村の依頼主の家に、この青砥純子とともに泊まることになったのだが。

田舎の、大きな一軒家の、襖で仕切るだけの大きな部屋に二人は通されたのだが、
一通り密室の謎を検証したあとは特に話すこともない。

榎本にとって興味の一番の対象である鍵の話は始めると自分では止められず、
純子に長いと遮られることはしょっちゅうだ。
以前無理矢理恋愛の話をしようとして笑われたこともあって
その手の話はする気にはなれず、結果沈黙が訪れることになる。


こんな田舎では夜が早いのと、大切なお客様である榎本と純子に
先にお風呂をという家人の気遣いと、自分は後でいいという榎本の言葉を受けて
純子が先に入ることになった。

着替えなど当然持参していなかった純子は、この家の主、遠藤の妻がまだ若かりし新婚の頃に
着ていたというピンクのネグリジェを借りて着ることになったようだ。

風呂上がり、髪を下ろし、透けてはいないが襟ぐりの深いそのピンクのネグリジェを着て部屋に戻り
「こんなの初めてです。ちょっとスースーして変な感じ」だと
恥ずかしそうにしている姿は少女のようでもある。

だからといって榎本にとってそれは普段の律儀に着込んだ野暮ったいスーツ姿の青砥と
本質的になんら変わるものではなかったが。

榎本は、暗闇と物音を怖がってまだ起きて何か話したそうな青砥をそのままに
主人に借りたパジャマを持ってお風呂に入ってくるとさっさと襖を閉め布団に入ってしまった。
443長野にて 2:2012/06/01(金) 18:44:08.12 ID:DC7JQypO
夜半から降り出した強い雨と強い風がこの古い家と庭の木々とを揺らしきしませる。

田舎の暗闇が怖いからと明かりを点けたままで布団に入っていた純子は、
激しい音に熟睡できずにいたが襖を隔てた隣の部屋から風の音にかき消されそうな
小さな声が聞こえてくることに気付いて目を開けた。

『榎本さん、寝言?』そう思って少し耳をそばだててみるとそれは榎本のうなり声のようだった。
『こんな雨風だし、寝苦しいのかもしれない。榎本さんもやっぱり人間だわ。うん。』

そう思ってまた瞼を閉じると今度ははっきりと
「やめろ!」
と聞こえてきた。

驚き、布団から飛び起きる。心臓が早鐘のようにうち始める。

「榎本さん!?」思わず声をかけると、ややあって
「…すみません。寝言です。」と返事があった。
「…夢を見ていました。」

「大丈夫ですか…?」尋ねると弱々しい声で「…はい。」と言う。

けれど、それからしばらく立っても寝付いた様子はない。
何度も寝返りを打っているような音が純子の耳に聞こえてくる。

「榎本さーん。眠れないんですかー?」
私もなんです。少しお話ししませんかと声をかけ襖を開けようとして手を止めた。

…泣いてる?
あの、感情のあまりない、榎本さんが夢を見て…?

「榎本さん?」襖をそっと開け榎本を見ると
布団に起き直り寝不足の目を揉むような仕草で片手の指で両目を押さえている。

実際に泣いていたのかどうかは定かではなかったけれど
その様子がやけに苦しそうに見えて純子はそっと榎本のそばに行き肩に手をおいた。

「起こしてしまってすみません。…もう大丈夫ですから。」
そういって純子を見上げた榎本の目は眼鏡を外しているせいかいつもより潤んで見えた。
444長野にて 3:2012/06/01(金) 18:56:32.75 ID:DC7JQypO
その目を見て純子は思わず榎本の頭を抱きしめた。
こんな様子の榎本を一人で放っておきたくなかった。

「青砥さん?」離れようとする榎本をさらに強く抱きしめた。
そして、榎本の顔を覗き込み口づけた。
いったん唇を離し、榎本の目を覗き込みもう一度口づける。
そのまま目を開けるとやはり目を開けたまま純子を見ていた榎本と目が合った。
そのままもう一度ゆっくりと目を閉じると純子は、榎本の口の中へ自らの舌を絡ませていった。

『自分でも自分がよくわからない』純子の衝動は自分でもよく分からないものだったが
それでもこのまま榎本と最後までいっても構わないと思った。
そんなに経験豊富なわけではないが純子は自分から榎本を誘った。
榎本の手をとり、ネグリジェの上から自分の胸に押し当てた。

「青砥さん、やめましょう。」榎本は純子から離れようとするが
「いやです」と強いまっすぐな目で榎本を見る。
恥ずかしさなんてなかった。
ただこのまま榎本を暗闇に一人置いておいたらいけないのではないかと、それだけを思っていた。
一人にしたらこの人はまた自分の孤独に閉じこもってしまうと。

「私じゃ、だめですか。」榎本に見つめられ思わず声が震える。
「そういうことではありません。」榎本の声も心なしか震えているような気がする。
お互いの心臓の音が聞こえるような気がする。
そのまま何秒間か見つめ合う。

榎本が意を決したように純子をやさしく見つめ右手を純子の頭を抱えるように首にまわす。
左手を純子の腰にまわし、ゆっくりと布団に横たえる。
そうして純子の唇に自分の唇を重ねるとすぐにその口づけは深いものへと変わった。
腰にまわした左手はそのまま乳房へと這わせやさしく揉みしだく。
「んっ…」純子の吐息が鼻から甘く抜ける。

榎本は着ているものを脱いで純子の体に自分の体を重ねる。
唇は純子の口を塞ぎ、耳を噛み、首筋を伝う。
肩の大きく開いたネグリジェは簡単に純子の肩と胸をあらわにさせた。
真っ白な乳房とつんと立った乳首。榎本は手と舌でそれらをねぶる。
純子はもう榎本に身を任せきっている。
「はぁっ…あっ…あっ」感じているらしい純子の声が榎本をさらにかき立てる。

榎本の手は強く、弱く、繊細な動きで純子の体をなでまわす。
身をよじって逃げ腰になる純子の腰を掴んで下腹部に手を這わすとゆっくりと
秘部をなでさすった。
両足をぎゅっと閉じようとする純子にのしかかり、下着に手を入れるとなお奥へと茂みをかき分け
秘部を開くように指を入れる。
榎本の指がゆっくり、肉襞をやさしくなぞる。
純子の耳に水音が聞こえる。
いつの間に自分の中から溢れ出た液のその音を榎本も聞いているかと思うと
羞恥に耳を塞ぎたくなる。

とはいえ、榎本の指が面白いように純子のそこを責め、
もう何も考えられないくらい気持ちがいいのも事実だ。
耐えられなくなった純子がその手を榎本の膨らみに伸ばし
その熱い固まりをなでさする。
「…っ!」榎本も声にならない声を漏らす。

「んっっ…え、のもと、さっ…!」純子が榎本の首にすがりつく。
そろそろいいだろうか。
榎本は指を引き抜くと熱いペニスを純子のそこにあてがう。

一瞬榎本と純子の瞳が交差し見つめ合う。
榎本はやさしく微笑んでゆっくりと純子の中に挿入を始める。
445長野にて 4:2012/06/01(金) 19:01:15.55 ID:DC7JQypO
熱いペニスが肉の襞を圧迫しながら、押し広げながら入ってくる感覚に
純子は身を委ねる。
榎本は奥まで入ってくるといったん動きを止め純子を見つめた。
額に汗の粒が浮かんでいる。純子は手で榎本の額の汗を拭った。
そのまま榎本がゆっくり体を重ねてきて純子にキスをする。
つながったまま抱き合い重なる肌と肌がやけに熱い。

「青砥さん…。」
ゆっくりと、榎本が動き始める。
だんだん腰の動きが速く、強くなる。
「あぁっ…あっ…んっ、はっあっあっあっ…んんっ…」
頭がどうにかなりそうだ。
まさか榎本とこんな関係になり、こんな快楽を与えられようとは思ってもみなかった。
「あっあっあっ」もうだめ。
「榎本さん!」このままっ…!
しがみつくと榎本の動きが止まった。
「…っ!!」

ぐったりと純子の体の上で力尽きたように榎本は果てた。
榎本の重さが、熱が、心地よい。
抱き合ったまま、余韻に浸る。

「あっ…!」
榎本が純子の中から出て行くとき純子はまた声を上げた。
トロトロと純子の中から榎本が出したものがこぼれるのが分かる。

「大丈夫ですか?」榎本がさっとそれらを自分のシャツで拭きながら純子を見つめて
遠慮がちに聞いているのは妊娠についてだろう。
付き合っているわけでもないのだから当然だ。
その点は心配はない。
「いえ、もし、ですが、子どもが出来た場合ですが、僕が」などと一生懸命話す
榎本を純子はやさしく見つめ返す。
気が早いことだ、とまたちょっとおかしさがこみ上げてくるが、前みたいに笑いはしなかった。

榎本にとってもこの成り行きは不思議なものだった。
今まで過去に捕われ構えすぎてなかなか踏み出せずにいたのが嘘のように
純子とはつながることが出来た。
榎本は純子を見る。
無邪気で、どうして弁護士になれたのか不思議な感さえあるこの一人の女性の
突拍子もない不思議な魅力。
榎本にはない、まぶしさに救われたこともまた感じていた。

…この人はもう大丈夫。そんな榎本を見て純子は思う。
人との世界を紡ぐことを厭わないでくれるだろうと信じることが出来る。

この人の過去に何があったのか今は聞かないでおく。
おいおい語ってくれればいい。

純子はさっとネグリジェを着直して、また榎本にキスをするとさっと起き上がって窓を開けた。
いつの間にか雨はやみ、早朝の気持ちのいい風が二人の間を通っていった。


おしまい

お目汚し失礼いたしました。
こんなこと書いていたら地震が来た。
このまま何かあって誰かにこれ見られたらマズイと思いつつ
仕上げました。
文章って難しいですね…。
446名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 20:40:25.61 ID:hjCb0DyH
GJ!乙です!
確かに投下中に地震は焦るwww

すっと入ってきて読みやすい文章だったので、難しいなんて言わずに、また投下して下さいね。
447純情榎青 前編:2012/06/01(金) 21:03:40.00 ID:6hGDwEJ/
何となく思いついた一発ネタ投下


 仕事帰り。
 いつものように、榎本の職場に遊びに行くと。いつものように、榎本は無表情で出迎えてくれた。
 迷惑そうな顔をされるわけではないが、積極的に話し相手になってくれるわけでもない。けれど、仕事で疲れているとき……一人でいたくないときは、この距離感が心地よい。
「あ」
 がちゃがちゃと開錠に没頭する榎本と、意味もなく携帯をいじくる純子。
 もちろん、会話はあった方が楽しいが、ないならないで、別に構わない――そんな緩んだ空気の中で。
「そう言えば、榎本さんのお名前って、ちょっと変わってますよね」
「……はい?」
 日頃は仕事の関係者の名前ばかりが並ぶ着信履歴。その中に混じる、榎本の名前。
 何気なくその名前を見つめて、純子は声をあげた。
「径さん。ちょっと、珍しいですよね」
「そうですか?」
 がちゃがちゃがちゃと。鍵から顔も上げず相槌を打つ榎本。
 けれど、それもいつものことなので、純子は気にしない。
「ええ。『けい』って名前自体は、まあよくありますけど。この漢字は珍しいと思います。図形の直径半径とかの径、ですよね。何か、由来でもあるんですか?」
「……さあ」
 純子の素朴な問いに、榎本は素っ気なく答えた。
「僕の名前をつけたのは、僕ではありませんので」
「……そりゃそうですけど」
 でも、子供の頃に聞いたりはしなかったのだろうか。自分の名前の由来とか……まあ、聞いたところで、興味もないと忘れているのかもしれないが。
「いいお名前ですよね、径さん。響きが綺麗」
「…………」
「径さん?」
「…………」
 何だか、不自然な沈黙が流れて、純子が顔を上げると。榎本は、顔を伏せて闇雲に鍵をいじくっていた。
 ……何だか耳が赤くなってるように見えるのは気のせいだろうか?
「径さん」
「…………」
「榎本さん?」
「……はい。何ですか?」
 やっぱり。照れてる。
 ポーカーフェイスを装っているけど、無表情ばかり見ていれば、無表情の中にも微かな違いがあるのだとわかってくる。
 今の榎本は、明らかに動揺していた。
 まあ、確かに。日頃、他人と関わることを避けている榎本だ。社会人になってから、下の名前を……それも女性に呼ばれた経験なんて、ほとんどないんだろう。
448純情榎青 後編:2012/06/01(金) 21:04:39.11 ID:6hGDwEJ/
「榎本さんは、わたしの名前、覚えてますか?」
「……青砥さんでしょう」
「この流れでそういうこと聞きます!? 下の名前です! わたしの下の名前。覚えてますか?」
「…………」
「携帯とか見ちゃ駄目ですよ! どうです?」
「…………」
 純子の質問を、榎本は無視。さっきから、開錠作業は一向に進んでいないように見えるが、あれでごまかしているつもりだろうか。
 ため息を一つ。まあ、期待していたわけではないけれど、やっぱり、少し寂しいと思う。
 社会人になってからできた友人なんて、そんなものだろうか。お互いに呼び合うのは名字だけ。下の名前なんて、知らなくても何の不都合もない。そういうものだろうか?
「……純子さん」
「え?」
 不意に響いた声に、一瞬、胸が高鳴った。
「純子さん」
「…………」
「合ってますか?」
「あ……あ、はい。合ってます、合ってます! ……覚えていて下さったんですね?」
「……まあ、はい」
 ぶっきらぼうな榎本の言葉が、胸に、温かい思いを与えてくれた。
「じゃあ、ついでに聞いちゃいます。わたしの名前の由来、わかりますか?」
「……純粋な子になるように……で、純子さん、でしょうか?」
「そう、正解です! まあ、この漢字じゃあ、それしか考えられないですけどね」
「…………」
「最近の子は、洒落た名前の子が多いじゃないですか? なのに、何でこんな平凡な名前なの、って。子供の頃、母に文句を言ったりしました」
「……お似合いの名前だと思いますよ」
 がちゃんっ! という音と共に、開錠成功。
 顔を上げた榎本と、目が、合った。
「純子さん」
「ありがとうございます、径さん」
 にっこり笑うと、榎本の頬が緩んで。そして、視線をそらされた。
 やっぱり、照れてる。
「お腹空きました! お仕事終わられました? 夕食、一緒にどうですか? 榎本さん」
「ええ……終わりました。行きましょうか、青砥さん」


〜〜END〜〜

終わりです。
449名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 22:00:33.66 ID:iQh/ahPu
>>448
かわいいwww
ドラマの二人ならこういう会話も有り得ると、ニヤニヤしてしまいました
GJです
450名無しさん@ピンキー:2012/06/01(金) 22:21:47.12 ID:iEHX3zG4
神々光臨してるぅぅ!
GJ!です
>>442
青砥×榎本も新鮮です
初めての投稿がこのレベル!
またお願いします

>>447
名前呼び合うだけで
ニヤニヤ萌えてしまう
二人ともかわいい

素敵な作品ありがとうございます
451名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 11:07:20.22 ID:d+XzVwpJ
職人様
いつも神作品ありがとうございます!
榎青らしくて萌える〜

SS書いてみたんだけど、>>334さんがこれから書こうとしてるネタとかぶってしまった…
風邪の榎本に見舞いするシチュなんだけど
こういう場合投下しないほうがいいよね…
452名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 11:15:16.92 ID:GO+dccEY
そうだね
453名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 13:02:15.87 ID:wJsWDlUA
>>451
同じシチュでも
書いてくれたからには見たい
454名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 13:21:48.04 ID:dzo3VWrV
同意
同じシチュでも書き手が違えば会話も展開も違ってくるから、是非とも見てみたい
455名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 13:31:41.99 ID:j/seS1F/
まあ、そんなこと言ったら、長野で一泊する二人ネタは全部ネタ被りだろ
456名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 14:28:15.09 ID:KUN3NgVU
「始める?」
「はい」
「何をですか」
「検証です」
「…」
「…」
「始める?」
「はい」
「何をですか」
「検証です」
「検証」
「はい」
「何のですか」
「青砥さんです」
457名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 15:43:47.26 ID:d+XzVwpJ
>>455
それもそうですね。

ではお見舞いネタ投下させて頂きます
458自宅という名の密室@:2012/06/02(土) 15:47:04.11 ID:d+XzVwpJ
「えっ!お休みなんですか?」
青砥純子は東京総合セキュリティの受付で思わず大きな声を上げた。
顔なじみの受付嬢が聞いてらっしゃらなかったのですかと驚く。
「そうなんですよ。榎本は昼頃、具合が悪いから早退すると帰ってしまいましたが…」
「そうですか…。ありがとうございました。」
なぁんだ…。榎本さん、休みかぁ。今日も愚痴を聞いてもらおうと思ったのに…。

仕事が早く終わるとここへ寄り、榎本径に仕事の愚痴を聞いてもらうことが最近の純子の楽しみだった。
聞いてもらうといっても、純子が一方的に喋っているだけで、当の榎本は難解な錠を開けることに夢中になっているのだが。
それでも純子には唯一安らぎを得られる貴重な空間だった。

大きな肩透かしを食らったようで、純子はため息をつきながら建物を後にしようとしていた。
ある考えが頭に浮かぶ。
純子は体の向きを変えると、先ほどの受付嬢に再び話しかけた。
「あ、あのっ!」

「ここか…」
受付嬢から教えてもらった住所を頼りに純子はあるマンションにたどり着いた。
左手にたくさんの食材と栄養ドリンクが詰め込まれたビニール袋をガサガサと言わせながら、“榎本”と書かれたプレートがあるドアの前で純子は少し悩む。
もし、一緒に住んでいる人がいたら?彼女、ひょっとしたら奥さんがいるかもしれない。
――その時はいつもお世話になっている礼を言って帰ればいいか。
意を決してインターホンを押した。返答はない。
もう一度インターホンを押す。やはり返答はなかった。
(誰もいないのかな。)
そう思いながら、ドアノブを回してみる。
防犯オタクの榎本のことだ。鍵がしっかりと掛けられているに違いない。そうだったら素直に帰ろう。
そんな予想とは裏腹にドアはあっさりと開いた。
「うそ!」
戸惑いながらも「失礼しまーす。」と小さく呟き、中に入る。真っ暗だ。
「榎本さぁーん。青砥です…。お見舞いに来ましたー。」
手探りで電気のスイッチを探し、点けると、玄関に続く廊下が明るくなった。その奥に何かが横たわっている。人の形をしていた。
「榎本さんっ!!」
純子は急いで靴を脱ぐと、倒れている榎本に駆け寄った。
抱き起すと、火のように熱い。
459自宅という名の密室A:2012/06/02(土) 15:50:24.29 ID:d+XzVwpJ
きっと熱のせいで意識が朦朧とし、鍵も掛け忘れてしまったのだろう。
「すごい熱…」
その声に反応するかのように榎本がゆっくりと目を開けた。
淀んでうつろな瞳の中に自分の姿が映る。
「…青砥さん…」弱々しい声だ。
「すごい熱じゃないですか!こんなところで寝てちゃだめですよ!私に掴まってください。」
純子は榎本の腕を自分の肩に回すと、肩を貸す格好でよろけながら立ち上がり、なんとかベッドのある部屋まで運んだ。
榎本をベッドに横たえると、純子はバスルームとキッチンの位置を把握するため、いくつかのドアを開けた。勝手に開けてごめんなさいと心の中で呟く。
バスルームで見つけた洗面器に水を張り、冷蔵庫の氷をその中に幾つか入れ、再び寝室に戻った。
榎本は辛そうな顔をして、横たわっている。
純子は持ってきた袋の中から風邪薬とミネラルウォーターを取り出し、榎本に声をかけた。
「榎本さん、これ、風邪薬です。飲んでください。」
榎本は軽く体を起こすと、それらをごくりと飲みこんだ。
「すみません。」
「いえ、気にしないでください。会社に行ったら、榎本さんが早退したっていうんで、心配になってきてみたんです。
そしたら、あんなことに…。でも、よかった。大事にならなくて。あ、鍵開いてましたよ。榎本さんらしくないですね。」
「…掛け忘れてしまったんですね。」榎本はそう言って起き上がろうとする。
「あ。大丈夫です。私がしーっかり、掛けときましたから。榎本さんは気にしないで、ゆっくり寝ててください。」
「…」
一瞬の間があった後、榎本はその言葉に素直に従い、再び横になった。
純子は洗面器の中の氷水に浸したタオルを絞り、そっと額に置いてやる。
辛そうだった榎本の表情が少し和らいだ。
さて、これからどうしようか。もう帰ろうかとも思ったが、この高熱ではまた廊下で倒れてしまうかもしれない。
熱が下がるまでは側に居た方がいいだろう。

改めて部屋を見渡す。
ベッドと小さな机と椅子、そして本棚だけ。余計なものが全くない、榎本らしい部屋だった。
そして、同居人の気配は微塵もないことに純子は安堵した。
本棚には防犯関連の本が並んでいる。
「これ、読んでみてもいいですか?」
「どうぞ。」
460自宅という名の密室B:2012/06/02(土) 15:52:41.38 ID:d+XzVwpJ
純子はいくつか面白そうなものを選ぶと、ベッドの傍らに椅子を持ってきて座り、それらを読むことにした。
榎本も少し楽になったのか、小さな寝息を立てて眠り始めた。
その様子を見て、純子は部屋の電気を消し、枕元にあるサイドテーブルの照明を点ける。
本を読むには少し暗い位だが、榎本がぐっすり眠るためには仕方ない。
2冊ほど読み終えた頃、深夜をすっかり回ってしまっていることに気が付いた。
榎本は気持ちよさそうに眠っている。
純子はその寝顔をまじまじと見つめる。
眼鏡をかけていない無防備なその顔はまるで少年のようだった。
思わずくすりと笑う。
額にそっと手を当ててみると、まだ少し熱い。
それでも先程よりは大分下がっているかのように思えた。
だが、かなり汗をかいている。
着替えさせなきゃ。
純子は壁面のクローゼットの前に立つと、またもや“ごめんなさい”と心の中で謝り、扉を開けた。
中は綺麗に整頓されている。服もそれほど多くない。
一番上の引き出しを開けると、きちんと畳まれたパジャマが見つかった。
「榎本さん。起こしちゃってごめんなさい。これに着替えてくれませんか。」
眠っていた榎本が気怠そうに上半身を起こす。
ボタンを自分で外し、汗で濡れたパジャマの上衣を脱ぐと、純子はタオルで背中の汗を拭いていった。
着やせするタイプなのかな。
いつもは小柄で華奢に見えるが、裸になった背中には無駄な贅肉というものがなく、その代りに適度な筋肉が付いていた。
思ったより広い背中にやっぱり男の人なんだと純子は思う。
「青砥さん。」
急に声を掛けられ、純子ははっと我に返った。
肩越しに榎本が自分を見つめている。
熱のせいだろうか、その瞳は潤んでいて熱っぽい。
考えていたことを見透かされたようで、純子は思わず顔を赤らめた。
「す、すみません!ここまでしなくても、自分でできますよね!熱も下がったみたいなんで、わ、わ、私、帰ります。」
慌てて立ち上がろうとする純子の手首を榎本が強く掴んだ。

「帰らないでください。」

予想もしなかった言葉に純子は固まる。
「え…?」
「今夜は――ここにいてください。」
「え、榎本さん?」
461名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 15:54:03.27 ID:d+XzVwpJ
すみません
所用ができたのでいったん切ります
続きは夜にでも
ここまで読んでくださった方ありがとうございました
462名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 16:29:33.09 ID:va1DodOx
>>461
待ってる! いい子で待ってるから!!

必ず来て〜〜〜ぇぇ
463名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 18:59:41.47 ID:eTf86Ef9
>>461
自分も新しいSS書きながら続き待ってるね
464自宅という名の密室C:2012/06/02(土) 20:49:32.93 ID:d+XzVwpJ
お見舞いネタの続きです

*************

そう呟いた次の瞬間、純子は強く引き寄せられ、榎本の腕の中にいた。
突然のことでパニックになる。どうしていいかわからない。
心臓がかなりの速さで脈打っていることだけが理解できた。
「青砥さん。」
「はっ、はいっ!!」
「こうしているのは嫌ですか。」
「えっ!えっ!えっと!い、い、嫌とかじゃなくて!む、むしろ、う、嬉しいっていうか。
…ってか、私、何言ってんのー!!」
「…。」
「そ、それより!また熱が上がっちゃいますよ……!!」
そう言い終わるか終わらないかのうちに純子は唇をふさがれていた。
唇を通して榎本の体温が伝わってくる。
純子は驚いて目を見開いた。
拒もうと思えば拒むことはできる。
なのに、それができなかった。むしろその先に進んでしまってもいいとさえ思い始めている。

…私は榎本さんが好きだ。
何を考えているのかわからないミステリアスなところも。
難しい錠に挑む時の真剣なあの眼差しも。
それを解いた時にちらりと見え隠れする瞳の輝きも。
そして、時折見せる不器用な優しさも。
純子の中で榎本のことをもっと知りたいと望んでいた。

固く閉じていた歯に榎本の舌が当たり、恐る恐る純子は歯を開ける。
するりと緩やかに榎本の舌が入り込んできた。その舌も熱を帯び、ゆっくりと純子の口内を1周する。
純子にとっては数年ぶりかのキスである。
久々の感触にどう応対すればよいか考えを巡らせながら、ぎこちなく舌を絡ませた。
その初々しさが却って榎本の欲望に火をつけたようだ。
純子は抱きしめられたまま、ベッドに押し倒された。
「え!?ちょ、ちょっと…」
何となくこうなることは予想していたが、いざとなると戸惑ってしまう。
純子は思わず声を出してしまった。
465自宅という名の密室D:2012/06/02(土) 20:52:29.07 ID:d+XzVwpJ
「やはり嫌ですか?」
榎本が手を止めて尋ねた。
「い、い、い、嫌っていうわけじゃないんですけど!あの、その……、私のことを特に好きでもないのに、そういうことは…」
「――僕は青砥さんのことが好きです。」
「えっ…」
「ですから、青砥さんを欲することは、男として至極真っ当な欲求と思われます。やはり、嫌、ですか?」
「…。」
あまりにもストレートすぎる表現に言葉を失った。
しばし沈黙が流れる。
何しろこんな風に意向を聞かれたのは初めてだ。
こういうことはその場の流れで決まることだと思っていた。
「……あの…嫌、では…ない…です…」
恥ずかしくて消え入りそうな声で答えた。
「そうですか。では失礼します。」
榎本はそう言って唇を重ねてきた。
固い口調とは対照的に、キスの仕方は優しく柔らかい。
いとも簡単に右手で純子のブラウスのボタンを外していく。
ブラウスの下からつるりとしたキャミソールが現れ、それをたくし上げるとゆっくりと純子の胸を弄び始めた。 
始めはブラジャーの上から、次第にその中に侵入し、柔らかな胸を直に揉みしだく。
そして、中央に存在する赤い突起を掌で転がした。
「ん…」
唇を遮られ、自然と荒くなる呼吸で息苦しくなりながらも、榎本の愛撫を求めていた。
榎本の右手はじわりじわりと下へ下がり、純子の白い太腿のあたりへ到達する。
そこを滑らかに優しく数回撫で回した後、器用に片手だけでスカートをめくり、ストッキングを膝までずらした。
そして…下着の中に手をすべり込ませ、下腹部の茂みをとらえる。
純子は息をのむ。
足を軽く開かせられると、割れ目をゆっくり下から上になぞり上げられた。
ぐじゅり…と蜜が溢れ始める。
その細く繊細な指を待ち構えていたかのように、純子の花弁は開いていく。
次に、その奥にある小さな蕾を優しく撫でられ、「あ……」と甘い声が純子の口から漏れ出た。
466自宅という名の密室E:2012/06/02(土) 20:54:59.01 ID:d+XzVwpJ
蕾はさらに愛でられ、充血し、存在感を増していく。激しく蜜が榎本の指に絡みつく。
純子の息遣いはさらに荒くなる。
錠を弄るあの巧みな手つきと獲物を捕らえるかのような鋭い目つきを思い出し、自分もあのようにいやらしく犯されているのかと思うと体の芯が疼いた。
頭の中がぼうっとする。

…もう、だめだ…

「は、早く…」
榎本自身を求めていることが図らずも口に出てしまい、恥ずかしくなった純子の瞳が潤む。
しかし、それが合図だったかのように榎本は下半身をまとっていた衣服をすべて取り去り、純子のわずかに残っていた衣服も全て剥ぎ取った。
猛り立った自分自身を純子の十二分に潤った膣口にあてがうと、一直線に挿入していく。
「つっ…!」
苦痛で純子は顔をゆがめる。
純子の男性経験は決して多くなく、片手どころか指一本で数えられるくらいだ。その上もう何年もこういった行為にはご無沙汰だった。ほぼ処女のようなものだ。
その様子を見て榎本は動きを止めた。
「大丈夫ですか。やめた方がいいでしょうか?」
「…大丈夫です…やめないで…私、嬉しいんです。榎本さんとこうしていることが…」
その言葉を聞いて、一瞬だけ榎本は目を細め、愛おしそうに純子を見つめた。
榎本の指がつつ…と純子の頬を撫でる。そして深く口づける。
榎本の舌が純子の口腔を余すところなく貪った。
口を離した後でも唾液が名残惜しそうに銀色の糸を引く。
一呼吸置いた後、榎本は再び腰を動かし始めた。
先ほどよりも速度を緩め、優しく。
純子の最奥まで到達すると、今度は抜きにかかる。
内部の肉襞が逃すまいと執拗に榎本自身に絡みついた。
「くっ…」
喉の奥から絞り出すような榎本の声が聞こえた。
そして、ぎりぎりまで抜き去ると再び奥を目指す。
やや速度を上げながらその行為が繰り返される。
「あ…あぁん!」
榎本自身が奥に到達するたびに純子の掠れた泣き声のような喘ぎが響いた。
体の中を鈍い痛みが駆け抜けるが、同時に快楽という名の波がじわりじわりと押し寄せてくるのがわかる。
波に流されないよう、必死に榎本にしがみつく。
榎本もそれに応えるかのように強く抱き返した。
467自宅という名の密室F:2012/06/02(土) 20:56:36.09 ID:d+XzVwpJ
「はあっ…あんっ…」
純子から発せられる喘ぎ声はさらに掠れ、途切れ途切れになっていく。息も絶え絶えといったところだ。
それに併せて榎本も己の律動を速めていく。
快楽の波がどんどん大きくなり、純子を包み始めた。
「ああっ!」
純子の細い肩が小さく震えると、内部に熱いものがほとばしるのを感じた。
二人は同時に波に包み込まれた。
瞼が重い。
微かに開いた瞼の隙間から見えたのは、大きく肩で息をする榎本の姿だった。
果てて力尽きた榎本ががくりと純子の胸に倒れ込む。
乱れた呼吸が肌を通して伝わってくる。
大好きです。榎本さん。
純子はその愛しい人の汗ばんだ頭を胸に抱いたまま、ゆっくりと眠りに落ちていった…


窓から差し込む光で目が覚めた。
鼻腔を淡いコーヒーの香りがくすぐる。
純子はゆっくりと身を起こすと、自分が裸のままでいることに気付いた。
「あっ!」
昨夜はああなって、こうなって…そして…
思い出して顔から火が出るほど赤面した。
隣を見ると榎本の姿はすでにない。
純子は急いで自分の衣服をかき集めると、手早く身支度を整えた。
キッチンから音がする。
恐る恐る覗くと、榎本は朝食を作っているようだった。
「おはようございます。青砥さん。」
榎本は事も無げに行った。いつもと変わらない様子だ。
「…おはようございます…」
純子は恥ずかしくて目を合わせることができない。
「あの…もう体の方は大丈夫なんですか?」
「ええ。青砥さんのおかげですっかり。」
「ええええ!わわわ私のおかげ!?」
榎本の言葉はもちろん看病のことを指していたのだが、純子は昨夜の行為のことと早合点し、一人で真っ赤になっている。
468自宅という名の密室G:2012/06/02(土) 20:58:22.21 ID:d+XzVwpJ
「大したものはないんですが、朝食を作りました。青砥さん、食べて行かれますか。」
「あ…はい…」
榎本が料理をするなんて意外だ。
しかし、いつもは難解な錠を相手にしている器用な榎本のことだ。きっと料理なんて容易いものなのだろう。
トーストとスクランブルエッグが綺麗に皿に盛られてある。傍らには淹れたてのコーヒーが。
純子は椅子に座り、「いただきます。」と呟き、スクランブルエッグを口にする。
濃厚な卵の味が口中に広がった。
「…おいしい。」
「口に合ってよかったです。」
榎本が向かいに座った。
長い沈黙。
部屋の中に食器のぶつかり合う音だけが響く。
…なにか話さなきゃ。
気まずい雰囲気を打開しようと顔を上げた純子の目に時計が映る。
そして一気に青ざめた。
「きゃあああ!遅刻しちゃうー!」
しかも、昨日と同じ格好で出勤なんて!芹沢さんにしつこく絡まれるに決まってる!
「榎本さん!すみません。私もう行きます!朝食ありがとうございました。本当にすみません!」
純子は榎本のマンションを一目散に飛び出した。

やっとのことでタクシーを捕まえ、息をつく。
上がっていた息が整ってくるのと同時に何かがふつふつと沸きあがってくるのを感じた。

ちょっと待って。
今朝の榎本さん、全然フツーだったよね?
あんなコトした後なのに、普段通りってどういうこと?
普通はもっと甘い雰囲気になるもんじゃないの?
男の人ってそんなもんなの?
一回関係を持ったらもう用無しってわけ?
純子は大きくため息をつくと、頭を抱えこんだ。

榎本さんが…全く分からない…
469自宅という名の密室H:2012/06/02(土) 21:04:36.97 ID:d+XzVwpJ
その日はひたすら仕事に打ち込んだ。昨夜の出来事を忘れ去るために。
昨日と同じ服装であったことも、芹沢に目ざとく気付かれ、からかわれたが、軽く受け流した。
日も傾きかけてきたころ、純子は背中にひたひたと寒気が襲ってくるのを感じていた。
青ざめている純子のところへ芹沢が書類を持ってくる。
「おーい、青砥ー。悪いんだけど、この案件の資料まとめてくれないか…って、お前、顔が真っ青だぞ。」
「なんだか寒気が…」
「熱でもあるんじゃないのかぁ?今日はこれで帰れよ。」
「え…でも…」
「いいか。明日は大事なクライアントとの打ち合わせだ。だから今日中に治してもらわなきゃ困るんだよ。
おまけに俺がうつされて休むことになってみろ。事務所にとっても大損害だ。いいから。帰って寝ろ。」
芹沢の言葉に純子はしぶしぶ立ち上がる。
「じゃあ。失礼します…」
「おう。」

元気のない純子を見送ると、芹沢はポケットから携帯を取り出し、電話をかけた。
「あ、もしもし?榎本?俺。芹沢だけど。
悪いんだけど、今夜の飲みはキャンセルさせてくれないか。青砥のヤツがさぁ、体調崩しやがって…。
残業になりそうなんだよ。うん。そう、青砥だよ、あ・お・と。…って、あれ?あいつ、いきなり切りやがった。何なんだ。一体…」

その後、榎本が純子のもとを訪れ、手厚く看病したことは言うまでもない。


*************
以上です
こんな駄文にお付き合いくださった方、本当にありがとうございました
470交換 前編:2012/06/02(土) 22:41:01.72 ID:tChnfwep
スレを読み返してて思いついたネタ
よもぎプレイ(?)

××××××××××

 うわあ、困ったなあ。どうしよう。
 笑顔を取り繕ったまま、純子は心の中で絶叫していた。
「いやあ、もう先生達のおかげで助かりました! ささ、どうぞ遠慮なくお召し上がり下さい。家内の手作りなんですよ!」
「は、はあ……」
「いやもう、うちの家内も先生達には大変に感謝しておりましてな! 自慢の菓子でもてなすんだと朝から大張り切りでしたわ!」
「はあ……」
「さあさあ。先生もどうぞ」
「どうも、頂きます」
 目の前に座っているのは、先日、事件に巻き込まれた依頼人。
 密室殺人の第一発見者になってしまったばかりに、危うく殺人犯にされるところだったのだが、依頼を受けた純子が榎本を巻き込んでどうにか解決に導くことができた。
 今日はそのお礼がしたい! ぜひ来てくれ! と請われ、榎本と一緒に依頼人の家へと向かったのだが……
(困ったなあ。そんなこと言われたら、食べないわけにはいかないじゃない)
 純子と榎本の前に並べられているのは、恐らく最高級の玉露と思われる緑茶。
 そして、依頼人の妻の手作りだという、おはぎとよもぎもち。
 おはぎはいい。純子も大好物だ。元来、甘いもの好きなので、普段なら薦められる前に手を伸ばしていただろう。
 けれど、その隣にあるのはよもぎもち、なのだ。純子が菓子の中で、ほぼ唯一苦手とするもの。
 何が駄目と言われるとまずあの緑が駄目だ。そしてあの苦味。大体何で菓子なのに苦いのだ。おかしいではないか。
 隣で、榎本が薦められるままに平然とよもぎもちを食べているのが何となく小憎らしい。
 大体、榎本は自分がよもぎもちを嫌いなことを知っているはずなのに。何かフォローしてくれてもいいではないか。
 と、心中でぶつぶつ文句を言ってみるが、目の前で満面の笑みを浮かべている依頼人の前で、まさかあからさまに嫌そうな顔をするわけにはいかない。
「全く警察ってところは乱暴ですな。私にあいつを殺す動機などどこにもないというのに。先生もそう思われるでしょう?」
「はあ……」
 依頼人は、純子の様子に気付いた様子もなく、相変わらず上機嫌。
 とりあえず、場を繕うためにお茶を一口。普段飲んでいるお茶とは、恐らく桁が違う。芳醇な香りと上品な味に、思わずうっとり。
 ……これでよもぎもちが無ければ完璧だったのだが。
「あなた、あなたー! ちょっと手伝ってくださいな」
「お、また何かこしらえたようですな。ちょっと失礼」
 などと逡巡していると、台所から妻らしき女性の声がかかって、依頼人が立ち上がった。
 わずかな間、部屋に榎本と二人、残される。そのとき――
「青砥さん」
「はい?」
「もらってもいいですか」
「え」
471交換 後編:2012/06/02(土) 22:41:55.42 ID:tChnfwep
 何を? と聞き返す前に、榎本の手が伸びて。純子の皿から、よもぎもちをかっさらっていった。
 止める暇もない。そのまま、一口、二口、三口で、忌々しいよもぎもちが、目の前から消えた。
「あ、榎本さん……」
「……おいしかったので。すいません、お詫びにこちらをどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
 ひょい、と。純子の皿に、榎本が手つかずのまま残していたおはぎが乗せられた。
 ……まさか、最初からこうするつもりで、おはぎは残しておいた、とか……?
 ぱくり、と、榎本からもらったおはぎを一口。依頼人が自慢するだけのことはある。上品な甘さと完璧な柔らかさ。店で売っているものにひけを取らない、実に美味しいおはぎだった。
 おはぎを一つ食べ終わったところで、依頼人がお代わりのお茶と、別の和菓子を持ってきた。
 純子と榎本の間で行われた交換には、気づいていないようだ。
「さあさあ先生、遠慮なさらずに。いやあ、本当に先生には足を向けて寝れませんわ!」
「頂きます。本当に美味しいお菓子ですね」
 にっこり笑う純子に、依頼人は満足そうな笑みを浮かべた。

「榎本さん。さっきはありがとうございました」
「……さっき、とは?」
 依頼人宅からの帰り道。純子のお礼に、榎本は素っ気なく答えるだけ。
 とぼけているようには見えなかった。榎本にとっては、何でもない出来事だったらしい。
「よもぎもちですよ! 本当に助かりました。手作りって言われたら残せないじゃないですか。ありがとうございます!」
「別に……」
 顔を覗き込むと、視線をそらされた。けれど、純子の目は見逃さない。榎本の頬が、少し赤らんでいたことを。
 うわあ、照れてる。あの榎本さんが照れてる。
 それが何だか面白くて、自然と笑みがこぼれた。
「榎本さんは、嫌いなものとか無いんですか?」
「……特に思いつきませんね」
「じゃあ、好きなものは?」
「…………特には」
「もうっ、何ですかそれ! 食べられれば何でもいいってことじゃないですか!」
 ふくれっつらをしながら、榎本と肩を並べて歩き出す。
 今日のお礼に、また明日、何かお菓子でも買って行こう。
 きっと、日頃、開錠に夢中で食事に気を使ったりはしていないだろうから、そこらで買ったお菓子じゃなくて、有名なスイーツのお店に行ってみよう。
 以前、有名な店でチョコを買ってきたときの榎本の笑顔を思い出して。純子は、満面の笑みを浮かべた。

××××××××××

終わり
おそまつさまでした
472名無しさん@ピンキー:2012/06/02(土) 23:24:34.41 ID:va1DodOx
>>469
待ってた! ごちそうさまでした!

なんか青砥さんの素直さがかわいい。

またわがままを言ってしまいますが、
榎本さんサイドを…読んでみたいです。
朝起きて、腕の中ですやすやしてる青砥さんを見て、余韻に浸る彼を見てみたい。
473名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 00:44:06.80 ID:bfN9mUwA
いいですなー
どーんどん榎青にハマっていくw
474名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 01:25:44.24 ID:K0Zgoret
読み手の立場からすりゃ「同じネタでも書き手が違うなら展開とか変わるはずだから読みたい!」ってなるだろうけど
書き手の立場からするとどうなんだろう。
読み手のリクエストに複数の書き手がバッティングしたんじゃなくて
書き手が書こうとしたネタを横取りした形でしょ?
先に書こうとしてた書き手さん、ちょっとかわいそう
475名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 01:39:12.71 ID:RsE62aS0
どっちにしろたいしたネタじゃないお約束ネタなんだからいいんじゃない?
476名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 02:54:20.05 ID:zIP2Ppou
>>469
GJ!
榎本の手厚い看病って翌日もヤられてしまったのだろうかw

自分も書き手だけど、
萌えネタって被りやすいし、先に書かれても、あー書かれちゃったなって思うだけだから
気にしなくていいと思うよ

>>471
さりげなく優しいえのもっつぁんに萌え
乙です!
477名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 03:05:19.84 ID:SAFgg/mp
>>474
そんなの後手になったら「良かったら読んで下さい」と断り書きすれば良いだけのこと
478名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 09:04:38.21 ID:ETRzHqMR
>>472
読んでいただいてありがとうございます!
ぬぬぬ...榎本サイドですか
難しそうですけど、チャレンジしてみます

>>474
不快に思われた方もいらっしゃいますよね...
軽率でした
以後気をつけます
ごめんなさい
479名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 10:40:43.77 ID:6EORwHA7
一番不愉快と思うレスはSSが投下された直後に
そのSSに対して乙とかGJするのではなく
もう何日も前に投下されたSSに対してGJするレス
どちらのSS書きさんに対しても失礼だよ
480名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 11:12:19.81 ID:Ev5L9zVG
>>478
乙でした
偉そうになっちゃいますが、あまり気になさらなくてよいと思いますよ
個人的にはネタが被っていても色々な書き手さんに投下して頂きたいです
誰もそんなパクリだなんだと騒いだりしないと思いますし
榎本サイドお待ちしております
481名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 11:33:52.04 ID:jbi8NPoS
>>478
乙です。
誰も思いつかないような、よっぽど特殊なシチュエーションがかぶってなきゃいいんじゃないの?
そんなこと言ってたら何も書けなくなっちゃうよね。
今回のはほんと、お約束ネタだと思うから問題ないと思うな。
読み手としては、おんなじお題しばりでで書いてくれても楽しいんじゃないかと思ってみたり…。
482474:2012/06/03(日) 12:09:09.82 ID:K0Zgoret
>>478
すいません、言葉が足りなかったっていうか、横取りって言い方が悪すぎました、すいません
ネタ被りなんてお約束シチュではよくあることだと思うんで、しょうがないと思うんですけど
わざわざ「投下しない方がいいよね?」って聞くなら、当の書き手さんの反応を見てから投下すればよかったんじゃ?って思ったんです。何日も反応がなかったならともかく、やめたほうが、ってレスもついたのにほんの数時間で投下するなら聞く意味あったのかな、と。
作品、すごくよかったです。自分も榎本サイド楽しみにしてます。

>>471
ドラマでも榎本のこういうさりげない優しさ見たいと思いました!
GJです!

>>479
自分も反省……後に投下してくれた471さんに触れずに失礼な書き込みしてしまった

両書き手さん、申し訳ありませんでした
483334:2012/06/03(日) 16:11:29.87 ID:r7XKWGNt
前に見たいと言ってもらえた榎本宅で開錠プレイ(?)な二人です。
風邪ひき榎本はシチュが被ったみたいなので、そこは変えました。
開錠プレイと言いつつ開錠自体は本番シーンとは無関係になってしまいましたが
それでもよろしければどうぞ。
長くなったので前編と後篇にわけます。
484自室の榎本×純子 1:2012/06/03(日) 16:12:35.66 ID:r7XKWGNt
 仕事を終えた週末、純子は、いつものように榎本の職場を訪れた。
 当初はあくまでも密室に関するアドバイスを求めるために訪れていたはずなのだが、最近は、仕事が早く終われば用がなくても訪れることが多い場所。
 これといった理由はない。ただ、榎本は純子を歓迎してくれるわけではないが、決して邪見にもしない。
 無愛想なところは出会ってから変わっていないが、純子のどんな愚痴も、嫌がらず、遮らず聞いてくれる辺り、彼は結構優しい人ではないか、と思っている。
 そんなつかず離れずの距離感が心地よくて、手土産と共に彼の職場を訪れるのが、最近の純子の日課となっていた。
「あ、弁護士先生」
 東京総合セキュリティ――榎本の職場にて。
 いつものように、オフィスを素通りして地下に通じるエレベーターに向かおうとすると。
 背後から、どこかで聞いたような声がとんできた。
「あ、えっと……立川さん、でしたっけ?」
「先生、榎本に用ですか?」
「はい、まあ……」
 声をかけてきたのは、最初にこの会社に訪れたとき、応対してくれた中年男性だった。
 普通、社員に面会する場合、面倒な手続きが必要となるはずなのだが。榎本が常駐している備品倉庫は、セキュリティの外にある部屋だから、どうぞ自由に出入りしてください、と許可をくれたのも彼だ。
 まあ、そのせいで、いつかの長野の事件のときは、榎本が休暇中であることがわからず、誰もいない地下室で結構な時間を過ごす羽目になったが。
「榎本、いませんよ」
「え? あ、お仕事ですか? それとも休暇?」
「いや、休暇って言うか……」
 などと考えていると、立川から意外な言葉がとんできた。
 どこかバツの悪そうな、後ろめたそうな表情。何だろう、榎本に何か起きたのだろうか?
「あの……どうしたんですか?」
「すいません、本当は部外者の方に言うのはまずいんですが、先生は榎本と親しいみたいだし、特別ですよ」
 純子の問いに、立川は、声を潜めて囁いた。
「あいつ、今、謹慎中なんですよ」
「……え?」
「一応、研究員って扱いで、仕事があるとき以外は、ある程度の自由は認められてたんですけどね? 最近は自由行動が目立ちすぎるっていうか」
「あ……」
「この間も、許可なく休暇を延長したり、平日にしょっちゅう外出したりで、仕事を頼もうとしたら捕まらなかった、なんてことが続きましてね? ちょっと……」
「…………」
 もしかして。いや、考えるまでもない。それはどう考えても……
「あ、あの! 謹慎って……榎本さん、何か処罰を受けるんですか? まさか、クビ……なんてことはないですよね?」
「……上がどう判断するか、ですね」
「そんな……」
 まずい、これはまずい。最近の榎本の自由行動……それはどう考えても、純子(と芹沢と鴻野警部)の依頼のせいだろう。
 彼本人が、密室と聞けば快く受けてくれるのであまり気にしたことはなかったが。榎本は、この東京総合セキュリティの社員なのだ。彼に仕事を依頼するなら、まず上を通すべきだった。
 弁護士たる自分が、そんなことにも気が回らなかったなんて――!
485自室の榎本×純子 2:2012/06/03(日) 16:13:56.30 ID:r7XKWGNt
「ど、どうしよう! 電話、電話っ……あ、いや、電話じゃ駄目。そんな失礼なっ……あの、えっと、謹慎っていつまでですか?」
「先生……」
 うろたえる純子を見て、立川が浮かべたのは同情的な表情。そして……
「……榎本の家の住所、教えましょうか?」
「え?」
「謹慎がいつまでかは、上の判断なんでちょっとわからないんですよ。先生になら、榎本も駄目とは言わないでしょう」
 立川の言葉に、純子は1も2もなく頷いた。

 〜〜純子が去った後の東京総合セキュリティ一階オフィスにて〜〜

「立川さん、いいんですかー? 社員の個人情報を勝手に」
「あの弁護士先生ならいいだろ。榎本とイイ仲みたいだし」
「えっ、マジで!? あ、でもそうだよなあ。でなきゃ、あんなにしょっちゅう出入りしないよなあ」
「そうだろ。くっそ榎本め! 榎本のくせに!」
「でも立川さん、なら何であんな意地悪言ったんですかー。謹慎なんて形だけじゃないっすか。榎本をクビにできるわけないでしょ。、あいつがいなかったら回らない仕事、いくらでもあるのに」
「わかってるよ! だって悔しいじゃないか! あの榎本にあんな綺麗な彼女がっ……ちょっとくらい意地悪したって罰は当たらないだろ!!」

 自宅にて。榎本は、難解な鍵の開錠に挑んでいた。
 処罰を待って謹慎中、という名目だが。他の社員の手前、形だけでも処分を下す必要があった……と、上から説明を受けているため、焦りのようなものはない。
 どちらかと言えば、いい休暇をもらったようなものだ、と。これ幸いと趣味に没頭していると――

 ピンポーン

 滅多にならない自宅のチャイムが鳴った。
「…………? はい?」
 人付き合いの無い榎本に、自宅を訪れるような知り合いはいない。宗教か新聞の勧誘だろうか、と思いながらインターホンに応答すると。
『榎本さん、榎本さんっ! 青砥です!』
「…………」
 オートロックの共同玄関。カメラ付きインターホンに向かって、決死の形相で話しかける青砥純子が目に入った。
『榎本さん? 榎本さーん! いらっしゃいますよね!?』
「青砥さん……? どうされました?」
『すいませんすいませんわたしのせいでっ! お詫びしなきゃと思って! すいません、とりあえず、ドアを開けてもらえませんか!?』
「…………」
 意味がよくわからないが、とりあえず、用があるらしい。
 オートロックの解除ボタンを押して待つこと一分。ピンポーン! と、ドアチャイムが鳴るのを待って、再び開錠作業。
「青砥さん?」
「榎本さあん……」
「ど、どうしたんですか青砥さん?」
486自室の榎本×純子 3:2012/06/03(日) 16:14:52.30 ID:r7XKWGNt
 純子はいつもと変わらぬスーツ姿。ただ、服はかなりしわが寄っていて、髪型もかなり乱れている。
 きわめつけは、大きな瞳からあふれ出す涙。
 一体何があったのかはよくわからないが、こんな玄関先で女性に泣かれるなど、近隣住民からどんな噂を立てられるかわかったものではない。
「あの、どうぞ……汚いところですが」
「ううう、すいません。榎本さん、すみませんわたしのせいでわたし達のせいで本当にすみません!」
 道を開ける榎本に頭を下げながらずかずか上り込むという器用な真似をしながら、純子はひたすら謝り続けた。
 何のことだかさっぱりわからない。とりあえずリビングに通してコーヒーを出すと、それを一息で飲み干して、純子は深々と頭を下げた。
「立川さんから聞きました。このたびは本当に申し訳ありませんでした」
「……はあ」
「もし解雇されるようなことがあったら言ってください。わたしと芹沢さんで全力で弁護します。もちろん弁護費用はいりません!」
「あの……すいません、落ち着いて下さい」
 話を聞いているうちに、何となく筋書が読めて来た。どうやら、純子はこのたびの榎本の謹慎が、自分のせいであると思っているらしい。
(立川さん……一体どんな説明をしたんですか……)
 ほとんど会話をした覚えもない同僚を密かに恨みながら、榎本は、必死に説明した。
 いわく、謹慎と言っても形だけで、重い処罰になることはない、ということ。
 いわく、その原因に関しても、自分が事件に首をつっこんだのはあくまでも自分の趣味であり、純子が謝る必要はない、ということ。
 いわく、自分はこの謹慎を、体のいい休暇として結構楽しんでいるので、気に病む必要は全くないということ。
 これ以上泣かれてはたまらないと、榎本が必死に説明を繰り返すと。何とか、純子の顔に笑顔が戻って来た。
「よかった……それじゃ、榎本さん、特に処分を受けることはなさそうなんですね? 解雇はもちろん、減給とかもなしですね?」
「そうですね。恐らく今回の謹慎とけん責処分くらいでしょう。始末書くらいは書かされるかもしれませんが」
「わ、わたしが書きます! 弁護士なんて日頃は書類作業ばっかりなんでそういうのは得意です! 任せてください!」
「はあ……」
 本人が書かなければ始末書の意味がないだろう、と思いながら。榎本が曖昧に頷いていると。純子は、ずいっ! と、やたらに豪勢なお菓子の詰め合わせを差し出して来た。
「でも、わたし達のせいで榎本さんがいらない叱責を受けたのは確かです。これはお詫びにもなりませんけど……」
「いや……結構ですから、本当に」
「受け取ってください! でないとわたしの気がすみません!」
「……こんなに食べきれません。見ての通り、僕は一人暮らしなので」
「あ……」
 榎本の言葉に、純子は初めて気が付いた、と様子で、きょろきょろと周囲を見回した。
 まさか、誰かと同居しているとでも思われていたのだろうか。妻や恋人どころか友人すらろくにいない自分に。
 だが、せっかくの好意を、このまま突き返すのも気が引けた。
 部屋の隅にある戸棚を開けて、紙袋を取り出す。詰め合わせを開封して、様々な種類が入った焼き菓子を、綺麗に等分して、純子に渡した。
「でも、せっかくなので半分は頂きます。もう半分は、青砥さんがどうぞ」
「榎本さあん……」
 何でそんなに優しいんですか、と。純子の目から、再び涙が流れ出した。
 何だ、自分は何か悪いことをしたのか、と、榎本がうろたえていると。純子は、ぐいっ! と涙を拭って立ち上がった。
487自室の榎本×純子 4:2012/06/03(日) 16:16:22.09 ID:r7XKWGNt
「じゃあ、せめてものお詫びに、何か作ります!」
「……はい?」
「どうせ、鍵のことばっかりでろくなお食事取ってないでしょう! 今日の夕食、わたしが作ります! 何なら、謹慎中、毎日作りに来ます!」
「あの、青砥さん……」
「あ、お部屋のお掃除もします! お洗濯も! お願いです、させて下さい!」
「…………」
 お構いなく、と言って通じるような雰囲気ではなかった。
 どうぞ、ご自由に――という榎本の言葉に、純子は真剣な顔で頷いた。

 意外な、と言ったら失礼だが。純子の手料理はそこそこにまともだった。
 一人暮らし歴が長いので……と純子は照れていたが。同じく一人暮らしの自分は、料理などほとんどしない。そんな時間があったら、鍵の研究に時間を費やす。
「どうですか、どうですか?」
「ええ、美味しいですよ」
「本当ですか、よかったあ!」
 お世辞の無い本音に、純子は満面の笑みを浮かべて「明日の朝ごはんとお昼ごはんは冷蔵庫です!」と胸を張った。
「明日の夜も来ますから! 謹慎、いつまでってことになってるんですか?」
「……月曜日に会議があるそうなので、結果は追って連絡とのことでした。まあ、おそらく月曜日の夜に連絡が入って火曜日からは通常業務に戻ることになるかと」
「わかりました! じゃあ明日と明後日と月曜日も来ますから!」
「……はあ」
 気にしなくてもいい、と言っているのに、責任感の強い純子らしい。
 せめて食器の後片付けはしようかと立ち上がると「とんでもない」と追い払われた。
「わたしがやります! お掃除もします! お風呂も洗います! どうぞ榎本さんは好きなだけ鍵で遊んでいてください!」
「……はあ」
「お洗濯ものがあったら出しておいてください! 他に、わたしにできることがあったら何でも言ってください! さあさあ、あっち行っててください!」
「…………」
 ぐいぐいと背中を押され、リビングに戻る。
 ……洗濯物を出せ、と言っていたが。まさか、自分の下着まで洗って行くつもりなのだろうか?
 純子ならありえそうだ、と思えるのが恐ろしいところだった。

 純子の言葉に甘え、榎本は開錠作業に没頭していた。
 鍵に集中すると時間を忘れるのは、榎本の悪い癖でもある。ようやく開錠に成功し、顔を上げたとき。時刻は、既に真夜中を過ぎていた。
「……青砥さん?」
 夕食を取ってから、優に数時間は経っている。そういえば、さっきからやけに静かだが。純子はどうしたのだろうか? もう帰ったのだろうか?
「青砥さん?」
488自室の榎本×純子 5:2012/06/03(日) 16:17:12.71 ID:r7XKWGNt
 キッチンを覗くと、食器類は片付けられていた。きちんと拭き掃除もしてあり、失礼ながら、以前に見た純子の自室の有様を考えると、ここまで綺麗に掃除してくれたことが意外でもあった。
 ひょい、と風呂場を覗くと、いつでも風呂に入れるように、と湯が沸かされていた。そこに至るまでの廊下も、完璧に掃除されている。
 洗濯物を見るのはやめて玄関に向かうと、純子の靴は、まだ残っていた。
 残るは、寝室だが……
「……青砥さん?」
「あ」
 がちゃん、と寝室のドアを開けると。ベッドの脇で、純子が座り込んでいるのが見えた。
 寝室内もきちんと掃除されていて、ベッドメイクも終わっていた。それはいいのだが。
「……何をしているんですか?」
「ううう……すいません。何だろうって思っただけなんです。本当にすみません……」
 しょぼん、とうなだれる純子の手首にはまっているのは、手錠だった。
 ベッドの脚と自分の手首を手錠で拘束されて、純子はへたりこんでいた。
 手錠自体は、榎本のコレクションの一つだ。随分昔に開錠に成功して、ベッドの下に片付けてあったはずなのだが、一体、何をどうしたらこんなことになるのか?
「…………」
 深々とため息をついて、純子の傍らにしゃがみこむ。机からピッキングツールを取り出して、開錠にかかる。
 その間、純子は何度も「すいません」とつぶやいていた。
 力技で外すことはできなかった。ベッドを持ち上げて脚から抜こうとしたが、重すぎてベッドが持ち上げられなかった……と、力なく説明される。
「すぐに呼んでくださればよかったのに」
「だって……榎本さん、集中してらしたのに。邪魔したら悪いと思って……」
「青砥さんに、自力で外せるわけないでしょう」
「……すいません……」
 榎本にかかれば、大した鍵ではない。数分とかからず、開錠成功。
 解放された手首をさする純子。見れば、細い手首には、細かな傷がいっぱいについていた。
「青砥さん」
「あ、あの、本当にすみませんでした! わたし、今日はもう帰ります! 明日、また来ますから!」
「青砥さん!」
 珍しく声を荒げて、榎本は、純子の手首をつかんだ。
 同時、立ち上がろうとした純子がよろめいて、そのまま倒れこんできた。
 しゃがみっぱなしで足がしびれたのだろう。その身体を反射的に受け止めて、榎本と純子は、至近距離で見つめあった。
 瞬間、顔をしかめられる。我慢しているようだが、相当に痛むのだろう。
489自室の榎本×純子 6:2012/06/03(日) 16:18:02.36 ID:r7XKWGNt
「せめて、傷の手当をさせて下さい。それと、こんな時間に一人で出歩くのは危険です。帰るのなら送ります」
「そ、そんなっ……ご迷惑おかけするわけには!」
「そんな傷だらけの手で、一人で帰られる方が迷惑です。心配させないでください」
「あ……」
 榎本の言葉に、純子はうなだれて、もう一度「すみません」とつぶやいた。

 榎本の手当を受けながら、純子は己を力いっぱい罵っていた。
(ああもう馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! 本当にわたし何やってるんだろう!)
 思えば、この手の好奇心で榎本に迷惑をかけたのは一度や二度ではきかない気がする。全く何をやっているのか。
 ちらり、と顔を上げる。日頃、きちんと膝をそろえて座り、正座している姿しか見たことがなかった榎本が、珍しくあぐらをかいている。やはり、自室ということで、気が緩んでいるのだろうか。
 初めて訪れた榎本の自宅。あちこちに鍵が飾ってある以外は、何てことのない1LDKだ。セキュリティが多少頑丈なことを除けば、純子の家と大きな違いはない。
 男性的な、飾り気のない家具と、本棚に詰まった防犯関係の本。榎本を見るのが気恥ずかしくて、わざときょろきょろしていると。
「……終わりました」
「あ、すいません」
 小さな声に、視線を戻す。手首は綺麗に包帯で包まれていた。
 顔を上げる。時刻は既に深夜の1時を回っていた。こんな時間まで榎本を付きあわせたのかと思うと、申し訳なさで穴を掘って埋まりたくなった。
「あの……もう帰ります。送っていただかなくても結構です。タクシーで帰りますから」
「ここから青砥さんのご自宅まで、結構な距離がありますよ」
「だ、大丈夫です! それくらのお金、ありますから! わたし、弁護士ですよ? お給料は結構いいんですから!」
 けれど、自分が気落ちした様子を見せれば、榎本が気にするだろう、と。純子が空元気を見せると。
「…………ってください」
「はい?」
 ぼそり、とつぶやかれた言葉が、うまく聞き取れない。
「何か?」
「……行ってください」
「はい?」
「だから」
 純子の目を見ないまま、榎本はぶっきらぼうに行った。
「今夜は、ここに泊まって行ってください。……明日も来て下さるんでしょう。何度も申し訳ないですから」
「…………」
 何だこの展開は。今、この台詞をしゃべっているのは本当に榎本なのか?
 生憎、「違う」と言ってくれる人間は誰もいなかった。

〜〜続く〜〜
490334:2012/06/03(日) 16:18:57.59 ID:r7XKWGNt
前編ここまで。あ、本番まで行ってなくてすいません。
後編はちゃんと本番ありです。そちらはまた後日。
491名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 16:56:31.50 ID:edhL8XDF
>>490
乙! エロなしの前半も十二分に楽しめました。映像が浮かんでくる。
後半ももちろん楽しみにしてます。
492名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 17:05:27.12 ID:jbi8NPoS
>>490
GJ!すばらしい。
後編に期待が高鳴る。立川さんの出し方もうまい。
結果的に意地悪じゃなくて援護射撃になってるー。
文章わかりやすいし大好きです。

それから、書き手じゃないのに部外者がいろいろ言って
変更したのでしたら申し訳ありませんでした、反省です。
(でもさらりと変更できるなんて、すごい)
493名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 17:18:53.56 ID:/jPBk03I
>>490
いつも乙です!
純子に、鍵で遊んでいて下さい言われる榎本わらたw
後編もお待ちしてます!
494名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 18:01:21.59 ID:SAFgg/mp
面白かったよ、GJ
続き楽しみ
495478:2012/06/03(日) 18:45:28.44 ID:ETRzHqMR
乙です!
榎青らしくて、BGMと共に情景がうかぶようです

それから、設定書き換えることになってしまってすみません
出過ぎた真似をしたことを深く反省しております
>>482さんがいわれたことは御尤もで、申し訳ない気持ちでいっぱいです
また、温かい言葉をかけてくださった方ありがとう
いいSSが書けるよう尽力します
496名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 19:40:08.80 ID:RsE62aS0
うわー楽しみ♪
497名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 19:51:51.66 ID:WQxJwzA0
341だけど、ここ本当にすごいね
色々な職人さんの作品を見ることが出来て、一職人としてすごく触発されるし刺激に
なる
なので今続きを書いているところ、もちろんエロも入れたい
498名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 20:00:16.73 ID:zIP2Ppou
>>497
わおー!
楽しみに待ってるー

明日は待ちに待った月曜日だぜ
このスレも盛り上がっててうれしいな
499名無しさん@ピンキー:2012/06/03(日) 23:20:17.70 ID:/b6S/CAm
書き手のみなさんGJ!
ドラマOAない日でもここのおかげで楽しみが多くて
あっという間に明日が放送日だw
500名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 01:13:22.87 ID:Fee+8Z2/
>>489
乙です。
最後の榎本のツンデレ具合がいいw
501名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 10:09:10.80 ID:PoMWUcR/
341の続き書いた
ちなみに作中榎本が話題にしている事件は実際に起こったもの
502ネオテニー擬態症 1/9:2012/06/04(月) 10:10:22.85 ID:PoMWUcR/
深夜、テレビの画面からは明日の空模様が全国的に荒れるという予報が流れていた。
一日中仕事に追い回されて帰宅した後、重く疲れきった身体をぐったりとソファーに投げ出しながら、
青砥はしばらく何も考えずにその画面を眺めているしかなかった。
「…最悪だあ」
つい誰も聞くことのない愚痴も出てしまう。

あの日、思いがけなく榎本から告白らしき言葉を聞いてキスをされ、抱き締められたのはただの夢
だったのだろうか。
そう思ってしまうほどに、その後の進展は一切ないまま一週間が経とうとしている。
どのみち榎本の性格を考えれば簡単に恋人同士にはなれないのは分かっていたつもりだったが、
あれから何度か顔を合わせても、いつも何事もなかったような無表情だ。

「おい青砥」
つい考えごとをしていたせいか、手元が疎かになっていたらしい。纏めていた書類を取り落としそうに
なって目敏く芹沢に声をかけられた。
「あ、はい。すみません」
内心慌てながらも取り繕おうとする青砥に、訝しげな表情を浮かべた芹沢が大袈裟に首を傾げる。
これで意外に勘の鋭い上司であることをうっかり忘れそうになっていた。
「らしくないねえ、このところ凡ミス多いだろ。なんかあった?」
「いいえ何も…別に」
「そう?だったらいいけどさあ、気をつけろよ」
普段でさえ何かと茶化されるのが当たり前になっている。もし榎本との間にあるものに少しでも気付
かれたら、どんなことを言われるか分かったものではない。くらくらと目眩が起きそうになりながらも
何とか遣り過ごそうとする青砥に、全く悪気のなさそうな言葉が刺さった。
「榎本と喧嘩でもした?だったらまずいよー」

翌日の空模様は今にも泣き出しそうなほど暗く崩れ始めていた。まるで自分の心の中のようだと思い
ながらどうしても顔を見ずにはいられなくて、青砥はやはり東京総合セキュリティの例の地下室へと
向かう。
既に顔見知りになった受付嬢が笑顔の上にまたかという色を浮かべたが、わざと気付かない振りを
した。今までも今日もあくまでも所用があるから訪れただけだと必死で匂わせながら、通い慣れた
道筋を辿るのだ。
次第に周囲に人がいなくなっていくのを見計らってから、仕事用に張り詰めきった硬い表情を崩して、
はあ、と溜息をつく。
恋とは、何と愚かなものだろう。
503ネオテニー擬態症 2/9:2012/06/04(月) 10:10:54.95 ID:PoMWUcR/
学生時代には何も分からなかった。恋だ愛だと騒ぎ思い悩む友人たちが異次元の存在に思えるほど
昔の青砥は恋愛沙汰など無縁だった。だから付き合った相手がいないこともなかったがそれほど深く
思うほどには至らず、よって愛する相手と身体を繋ぎ合うことで生じる喜びも満足感も知らなかった。
恋に翻弄されていた友人たちを内心多少は侮蔑していたかも知れない、そんなものより学生でいる
うちなら勉学に精進するべきだと。
まるでそんな自分の高慢さに対して、今になって復讐でもされているかのようだ。まだ実るのかそう
でないかさえ判断もつかない恋に、これほど戸惑い悩んでいる。

「…あの」
「何ですか」
黙々と模型を作り続けている榎本の横顔を眺めながら、青砥はおずおずと声をかけた。しかし返って
くる言葉は相変わらず素っ気ない。依頼された事件の密室現場を再現する榎本の模型はいつも驚く
ほど精巧だ。それによって事件が目の前で起こったかのようにありありと再現される。そこまで魂を
込めているものなら横から声などかけられたくないだろう。それは分かる。
会いたくて特に用件もないのに押しかけて来るのは大人の社会人として随分非常識でもあるだろう。
それでも。
全く気のない素振りだけを返されればこの恋は無理だと諦められたかも知れない。なのにそれなりに
青砥の気持ちに応える言動をしたのは榎本の方だ。だからこそ、ここ最近の反応には納得しきれない
ものがどうしてもある。
「わ、私は榎本さんがとても好きです」
「そうですか」
「そうですかって…」
告白っぽいものもキスも、何でもなかったことのように淡々としている榎本が少しだけ憎らしくなった。
「あのっ」
腹立ち紛れに言い返そうとした青砥の前に、榎本が指を一本突き出した。
「お静かに」
その指が心の芯に深く突き立てられたように、思わず息を呑んでしまった。それほど榎本の制止には
ある種の迫力と威圧がある。
これではもう何も期待は出来ないのかも知れない。
そんな諦観に襲われ始めた頃、それまで静かな横顔だけを見せていた榎本がぼそぼそと呟いた。
「不思議なものですね、今まで僕は誰を魅了することもないごくつまらない人間だと思っていました。
なのにあなたは」
「え?」
504ネオテニー擬態症 3/9:2012/06/04(月) 10:11:37.88 ID:PoMWUcR/
いきなり何を言い出すのかと固まる青砥の前で、榎本はゆっくりと顔を上げて今日初めて真正面から
視線を合わせた。見たこともないほど真剣な表情に、痛いぐらい心を掴まれる。
「あなたはどうして、僕をそれほどまでに思って下さるんですか」
「そんなこと!」
言葉を返してすぐ、ここ最近の榎本の不可解な反応に全て合点がいった気がした。青砥と同じように、
彼もまた迷い戸惑っていただけなのだと。
「理屈なんかじゃないんです。ただ私にとっては榎本さんがどんな人よりも素晴らしく思えて」
「青砥さん」
「いけませんか、こういう気持ちって自分でもどうしようもないものでしょう?」
きっと真っ赤な顔をしているのだろう、顔が熱かったが思いは止まりそうもなかった。
「いいえ」
答えながら作りかけの模型から手を離した榎本は、何かを振り切るように軽く頭を振ると一歩青砥
の側に踏み寄った。
「僕もですよ、青砥さんが好きです」
「えっ」
言われたことが耳を素通りしそうになって、呆けたように目を見開いた。
「けれどご存じのように僕はとても臆病で幼稚な卑怯者ですから責任を伴うことには及び腰にならざる
を得ず、よって僕と関わろうとするのであれば幸せな行く末など期待出来ないのです。それでも」
ことん、と手にしていた家具のパーツをテーブルに置く。
「青砥さんのお気持ちは翻りませんか?」
「もちろんです!」
榎本の心の内を知ったからには、答えなど決まっていた。
「私、弁護士です。いつでも法律を味方につけられます。榎本さんと関わることで不幸になるのなら、
その程度のチャチな幸せはいりません」
気持ちを繋ごうと必死で言い募る青砥に張り詰めていたものが少し緩んだのだろうか、榎本の表情
に淡い笑みが浮かんだ。しかし一瞬だけひどく苦々しげな険が眉間に漂ったのは何故だろうか。
「…あなたらしいですね」
ゆっくりと歩を進めて距離を詰める榎本から、目が離せない。伸ばされた手が頬に触れた瞬間に身体
が竦む感覚があった。
指先がひどく熱い。
女の予感なのか、この先にきっと何かがある気がして仕方がなかった。怖いとも思えたがここから
離れられない。
505ネオテニー擬態症 4/9:2012/06/04(月) 10:12:20.05 ID:PoMWUcR/
見つめあったまままた間合いを詰められ、頬をさらりと撫でられた後その指先が唇に触れてくる。
あ、と反射的に目を閉じたすぐに痛いほど強く抱き締められた。
「榎本、さん…」
夢か現実か分からなくなるほどの感覚の中、もぞりと背中で蠢く手の感触があった。急に肌が泡立つ
ほどの怖気がして、思わず腕を突っぱねて身体を離した。ひたりと目を合わせる榎本の表情からは
恐怖さえ感じるほどの真剣さと共に、それまでになかったものがある。
それが紛れもない欲情だと気付いたのは、やはり女の勘というものなのか。
「わ、私、は…」
「もう、遅いですよ」
決して逃げられない。そう悟って震えている青砥の唇は何かを言い出そうとする前にすぐ塞がれた。
わずかに開いていた唇の間から差し入れられる舌が榎本らしくない乱暴さで歯列をなぞり、竦んで
動かない舌を絡め取られた。
「ン…っ」
頭の芯が麻痺したようにぼんやり熱い。身体に力が入らなくなって思わず榎本の服を掴む。
「怖いですか?」
知らないうちにやはり後ずさりしていたのか、背後の壁にもたれる形で追い詰められてしまった。耳元
に囁いて来る声がじわりと甘い。
「怖くなんか…ないです」
むしろこうなるのが望みだった筈だと、青砥は無理に笑顔を作って見せた。
「そうですか、では続けます」
完全に本気になったのか、榎本は襟元に手をかけていつもシャツの上にきっちりと締めているタイを
緩めた。もう片方の手は青砥の胸元を探るように撫でている。
「いいですね」
「…はい」
眼鏡の奥の切れ長の眼差しがすうっと細められた。密室の謎を解き明かす時と同じこの視線が自分
にも向けられていると思うだけで、鼓動が苦しいほどに高鳴る。そう、確かに今の青砥は暴かれる謎
と少しも変わらない。
ああ、謎にしか興味がなかった筈のこの人にこれほど注視されている。そう思うだけで怖さが薄れて
喜びが湧いてきた。
何度も唇を啄ばみ、そして戯れるように舌を絡ませてくる榎本の手がブラウスのボタンをゆっくりと外し、
ブラを外す勢いでブラウスもスーツの上着も一纏めに脱がせて床に落とした。何から何まで几帳面な
榎本らしくこの地下室はいつも綺麗に掃除が行き届いている。服が汚れることなど決してない。些細な
ことなどもう思い悩む必要もないのだ。
506ネオテニー擬態症 5/9:2012/06/04(月) 10:12:51.84 ID:PoMWUcR/
「榎本さん、嬉しい…」
剥き出しになった乳房に緩やかに這う指の感触を感じながら、青砥は何度も唇を求めた。未知のもの
だからと恐怖を抱いていたことなどもうとても遠い昔に思える。それだけ今こうしているのが幸せで
心地良い。
今度はスカートが床に落ちる。ストッキングとショーツ越しに疼き始めているそこをゆっくりと撫でられ
はっと目を見開いた。
しかし、それは初めてのことに直面する女の羞恥であって、決して恐怖などではない。この人ならと
思う相手と抱き合えるのは女として最も幸せなことだと改めて思う。
「これも、脱がしますね」
耳を舐めるように熱い声が降る。
「…これは私が…」
伝線などしたら色々と困るストッキングは青砥自ら脱いで服の上に一纏めに置いた。これでもう身に
つけているのはただ一枚きりだ。再び目を合わせ全身を眺める榎本はわずかに感嘆の気を帯びた
声を漏らす。
「青砥さんは、とても綺麗ですね」
「そんなこと…」
いつどのような時でもお世辞など言わないタイプの榎本だ、きっと100%本音だろう。気恥ずかしさを
隠しながらも青砥は微笑んで身を任せた。笑顔を見たことで意を決したのか、腹部を撫でていた手が
ショーツの中に潜り込んだ。
「ぁっ…」
決して怖くないと思っていた筈なのに、その瞬間はつい声が上がった。
「任せて、くれますね?」
怖がらせないようにしてくれているのか、手の動きは実にゆっくりだ。榎本自身もかなり昂ぶっている
には違いないのに、出来うる限り細心の気遣いを見せるのが嬉しい。
「…ンッ…もちろんです…」
榎本に経験があるのかどうかは分からない。どちらにも思えるが、それはどうでも良いことだ。ただ
生まれて初めて身を捧げるのがこの人だったことが奇跡のようで涙が零れる。
きりなく重ねていた唇が頬、顎、首筋と次第に下がっていく。空いた片方の手で乳房を弄びながらも
唇と舌先がきつく肌を吸う。
「あぅ…んっ…」
無意識に榎本の頭を抱えて喘ぎ始めるうちに今まで自分でも知らなかった高い声が上がって、頬が
熱くなった。
507ネオテニー擬態症 6/9:2012/06/04(月) 10:13:24.66 ID:PoMWUcR/
「可愛いですよ」
指先が確かめるようにショーツの中で蠢いていた。備わった形の通りになぞりながらクリトリスを擦る
動きだけで、勝手に身体がぴくぴく反応して浮き上がる。手で口を塞いで必死で耐えても、一度感じて
しまった快感はもう消すことなど出来なかった。
「っんっ…」
「声は、出して下さい」
子供をあやすように優しい声で榎本が瞼にキスをしてくる。もう顔は涙でぐちゃぐちゃになっている
ことだろう。これでは本格的に化粧直しをしないと外に出られそうもない。そんな無様な顔を晒して
いることを恥じる余裕などはもうなく、ただ与えられる快感に翻弄されるだけだ。
「ぁあん…榎本、さん…」
開錠と謎の解明の為にだけあるようなあの美しい指が、男としての本能を曝け出して自分の中を
いやらしく探り抉っている。考えるだけで堪らなくなってしきりに身を捩った。そのうちにとろりと何か
腿を伝い落ちるものを感じた。
「そんなに、気持ちがいいですか」
膣内を擦っていた榎本の指がずるりと引き抜かれて目の前に突き出される。何本もの指先は透明な
液にまみれててらてらと光っていた。こんなに愛液を零すほど感じていたなど、信じられない。
「…いや、意地悪…」
思わず顔を伏せた青砥の乱れかけた髪を撫でた後、最後まで辛うじて身に着けていたショーツが
引き剥がされた。今日はこれからまだ仕事があるので事務所に戻らなければならない。激情で濡ら
してしまわないようにとの配慮もあったのだろう。
「や…あまり見ないで下さい」
「そう言われると、ますます見たくなります」
遂に一糸纏わぬ姿になった青砥は、とても目を合わせていられずに視線を逸らした。謎に命がある
としたら、この人に解き明かされる時にはこんな気持ちになるのだろうか。ついそんなことを考えて
また汗ばむほど頬が熱くなる。
何もかも暴かれ、解き明かされ、全てをその目前に晒す幸福と恍惚は他の何物も引き換えになど
出来ない。一見厭世的で人を拒むこの人に望まれ求められるのは、それだけで舞い上がりそうに
なるほどの喜びだ。
「青砥さん、そろそろいきますよ」
頬を擦り合わせながら囁かれる声がじわりじわりと性感を刺激する。もう何も考えられなくなりそう
だった。
「…あ…ぁ…」
508ネオテニー擬態症 7/9:2012/06/04(月) 10:13:58.62 ID:PoMWUcR/
皺ひとつなくプレスされたパンツのファスナーが開かれ、中から取り出されたものは既に勢いづいて
反り返っていた。父親以外の異性のものをここまで間近で見るのは初めてで、恐怖や羞恥以上に
興味が先に出てしまった。喘ぎながらもおずおずと手を差し出す。
「触っても、いいですか?」
「ええ、どうぞ」
握らされたそれは思った以上に熱く、硬く、太くて指さえも焼けてしまうようだった。この人もやはり男
であり、こんな風に興奮しているのが面白い、そしてその情熱が今は自分に向いているのが嬉しく
誇らしい。
「熱い、ですね…」
これが本当にこれから自分の中に入るのかと思うと、愛おしくて堪らない。そろそろと撫で回し、扱く
真似事を繰り返すだけでまだ痙攣したように膨張していくのが、まるで生き物のようだ。
「んンっ…」
じっくりと指で慣らされ、濡れきったそこに先端が押し当てられた。溢れる愛液を絡めるように塗り
つつも巧みに充血して膨れ上がっているだろうクリトリスを擦って刺激してくるのが堪らない。挿入を
される前に達してしまいそうで、必死で髪を振り乱した。
「あ…早く下さい…」
「焦らしてしまいましたね、すぐに差し上げます」
震える唇に一度キスをしてから、壁に身体を押し付けた勢いで右脚を抱え上げてくる。荒々しささえ
感じる動作におののいているうちに目が眩むほどの圧迫感にすぐに襲われた。
「ぅ…っ」
さっき目にして握っていたものが徐々に侵入しようとしている。それによる破瓜の苦痛はもちろん感じ
てはいるが、それよりも愛する者と身体が繋がる喜びの方が大きい。
「きついですか」
「これぐらい、平気…です」
こちらの身体に負担をかけまいと、なるべくゆっくりと時間をかけながら挿入してくる榎本の声が耳を
焦がすようだ。見えないものも、見えるものも、みんな熱くて心まで焼き切れてしまいそうで、自分が
どうなってしまうのか分からなくなった。
やがて、遂に膣奥までを完全に犯され、目の前がちかちか発光する。一杯に満たされて身体が破裂
してしまいそうに苦しい。息も絶え絶えになりながら、それでも必死で目を合わせ続けることしか今の
青砥には出来なくなっていた。
がり、と打ちっぱなしの壁を行き場のない爪が空しく引っ掻いていく。
しばらく膣内に収まっていたそれが少し馴染みかけた頃、少しずつ榎本が腰を使い始めた。青砥を
気遣いながらも緩く突き、次第に速度を上げていく。
509ネオテニー擬態症 8/9:2012/06/04(月) 10:38:30.25 ID:PoMWUcR/
「や、ああっ…」
立ったままの不安定な体位で激しく揺さぶられ始めて、壁を掻いていた指が引き攣った。バランスを
崩してしまわないように榎本の首に両腕を回して激しく悶え狂う。感度が上がっているせいなのか、
突かれる度にぐちょぐちょと濡れたいやらしい音が響いた。同時に内部で互いの粘膜が擦り合わさ
れるタイミングで愛液がたらたらと溢れ落ちて腿やふくらはぎを濡らした。
正気を失いかけていることは分かっていたので、涙を流して喘ぎながら思いのたけを叫ぶ。
「榎本、さんっ…大好きっ…」
「僕もですよ、青砥さん」
何よりも幸せだった。ずっとこうしていたいと思ったがそれはもう無理そうだった。揺さぶり翻弄する
動きが獰猛とも思えるものになって、榎本にも余裕がなくなっているように見えた。
「青砥さん…」
そろそろけりをつけるつもりなのか、榎本が渾身の力で膣奥を何度も激しく叩いてきた。あまりにも
荒々しくて、限界まで高まっていた青砥は堪えきれずに達してしまった。
「あぁうっ…」
「…くっ」
一瞬遅れた榎本は何とか中で出す前に膣内からそれを引き出したが、猛り狂っているものは勢いを
止めることなく溜め込んでいたものを即座に吐き出した。青砥の胸元も腹も白濁した液でべっとりと
汚れてしまう。
「ああ、すみません。こうなるとは」
「……いえ、いいんです…」
何事も冷静な顔で完璧に遣り遂げるこの人の中にある、この確かな獣性を直に身体で感じ取れた
ことがとても嬉しかった。まだ碌に声も出ないほど息は弾んでいたが、肌の上を重くもったりと垂れ
落ちる榎本の精液を不思議と愛おしむように指で辿った。今この時間だけは紛れもなく男と女だった
のだと実感出来る証拠に思えたのだ。

「ところで青砥さんは自宅のドアには施錠の上、チェーンを掛けていますか?」
事が終わった後、隅で身支度と化粧直しを済ませて戻ってきた青砥に模型作りを再開していた榎本
が唐突にそんなことを話しかけてきた。
「え、ええ…それはもちろん。今は物騒ですからね」
「良い心掛けです」
何だこの会話は。
確かついさっきまであんなことになっていたのに、と面食らうばかりだ。まだ余韻を引きずっていた
のは自分だけだったらしい。榎本の方はやはり何もなかったかのように平然としている。目を合わ
せても顔ひとつ赤らめたりしない。
それが何となく寂しいなと思った。
510ネオテニー擬態症 9/9:2012/06/04(月) 10:39:25.39 ID:PoMWUcR/
そんな女心を抱える青砥の気も知らず、憎らしい恋人はこと話の内容が得意分野だからか妙に饒舌
になっていた。
「施錠に関しては、思いがけない些細なことで災難をこうむる場合もあるにはあります。昔こんな事件
が起こりました」
それまでどこか淫らな熱の籠っていたこの室内が、急にしんと冷える。
「あるタクシー運転手が車内に落ちていた鍵を拾いました。それはすぐに持ち主に戻りましたが、運転
手の男は鍵が手元にあるうちに合鍵を作り、また持ち主の住所も控えていました。しばらくして大金が
必要になった男は鍵の持ち主の家に強盗に入ることを思いつき、早速行動に移しました。しかし持ち
主は既に越していて、新たに若い新婚夫婦が入居していました。その夫婦の不幸は、ドアにきちんと
施錠をしたことで安心してチェーンを掛けていなかったことです。その為に鍵を開けた運転手は入居者
が異なることに引っ込みがつかなくなり、まず夫を刺殺してから妻に有り金を吐き出させようと嬲り殺し
にしました。既に逮捕され裁判によって死刑に処されましたが、この事件はチェーンの必要性を痛烈
に感じさせます。ちなみにその運転手が逮捕されて取り調べを受けた際、『もしドアにチェーンが掛か
っていたら中に入れず、あんなことはしなかった』と何とも身勝手な供述を残しています」
「…はあ」
元通りに着込んだスーツでも寒気を覚えるような内容に、青砥はやはりこの人にはまだ簡単について
いけそうもないと首を傾げた。いつになく饒舌が過ぎるのは照れ隠しのようなものかも知れない。が、
よりによって初めて抱き合った後でする話でもないだろう。
そこに榎本に残された幼稚性を感じて少しおかしくなった。
ただ、思いが通じたのは今後に繋がる今日の大きな成果だと気を取り直す。

ところで今の青砥の気掛かりは、あの後すぐに事務所に戻った途端に芹沢が意味有りげに首筋を
指差したことだ。もしやキスマークでも残っていたのでは、と慌てつつこっそり鏡で確認しても行為の
痕跡など何一つなかった。榎本はそんな迂闊なこともしないだろう。
もしやカマでもかけられていてうっかり乗ってしまったのではと、芹沢の狡猾さに呆れるばかりだ。
このエロオヤジが、と心の中で罵りながら、今度はいつ会いに行こうかと無表情で優しい恋人の顔を
思い浮かべた。




511名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 10:40:40.25 ID:PoMWUcR/
途中、連続投下と言われて書き込めなくなって焦った
512名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 11:06:49.22 ID:jycJ2m+R
GJです!
失礼ながら自分も書きました
513彼女 1:2012/06/04(月) 11:11:58.22 ID:jycJ2m+R
芹沢と青砥は新たな密室事件が起きたため、榎本の職場である地下の備蓄倉庫に向かっていた。
地下にエレベーターつき足早に純子が駆け出す。遠くて薄暗く感じた廊下も、今はもうなんてことはない。
「芹沢さん何か今日はいい匂いがしませんか?」
二人で廊下を鼻をきかせて匂いの出所を探す。
「んー薔薇か?なんか花の匂いみたいだな。榎本も花なんて飾るんだな」
自分達が来るから飾ったのかとスキップ気味に備蓄倉庫の扉を開ける。今思えばノックなどしないでいつも入っていた。
「榎本さん?いますっっ!?……」
急に立ち止まった青砥に芹沢がぶつかる。
「おい青砥、お前急に止まんじゃな…い」

青砥が驚くのも無理ない。この陰気な部屋には似つかわしくない可愛い女性と榎本が立っている。
しかも榎本の腕にべっとりと身体をくっつけて手を握っていたのだ。
榎本が青砥と芹沢に気が付くと手を振り払う。
「今日の19時ですね。必ずお伺いしますので」
「はい。待ってますから。晩ご飯も食べてって下さいね。じゃあ私はこれで」
芹沢と青砥に深々と頭を下げると女性は部屋を出ていく。すれ違う時いい匂い。
彼女の香水の匂いだったんだ。
514名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 11:16:43.48 ID:jycJ2m+R
扉が重たい音をたてて閉まると、固まっていた芹沢と青砥が目を合わせた。
ひどく落ち込んだ顔をした青砥を見て、一瞬今の女性は誰なのか、あの絡みあわされていた腕は何なのか聞かずに流そうかとも思った。が、そんなこと出来るだろうか?いや無理だ。
贔屓目なしにしても青砥のほうが素材は可愛いと思うが、スーツの上からでも分かるあの胸、素晴らしいものがあった。
それに比べてこの青砥の女らしさのないパンツスーツ。まな板………
あ〜気になる。聞かずには今日はいられない。
「あのさ、榎本っちゃん「どうぞ。今回の事件は模型を用意しましたので」
芹沢の話を遮るように榎本が二階へ足早に上がって行った。
青砥の見ると小さくガッツポーズをして自分を励ましている。芹沢は数秒天を仰いだ。
「あのな青砥。取り敢えず座ろう。なっ?それとなく、それとな〜く聞いてやるから」
何とか冷静を装う青砥を椅子までエスコートすると芹沢も椅子に座った。

榎本が模型をセッティングしても、密室の謎を話しても、イマイチ盛り上がらない。最早二人には事件のことなどどうでもいいのだ。「…芹沢さんはどう思われますか?」
「俺?どうって…」
榎本の話など全く耳に届いてはいなかった
515名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 11:18:52.26 ID:jycJ2m+R
「どうってよう。今回の事件の話はあれだな。また今度にしよう…うん。それがいいな」
さっぱり訳の分からない榎本は事件のことをぶつぶつ呟きながら壁を向き一人で考え始める。
ちらりと青砥を見ると顎で早く聞けと催促される。
「まあ…まあ榎本にもさっ!遊ぶ女の一人や二人いるって事だよなあ?だよな〜うんうん…俺も若いころはさ〜」
自虐ネタでなんとか青砥の笑いを誘うことが出来て少し安心する。
だが、その数秒後に榎本が発した言葉でまた一段と空気が凍る。
「遊びの相手では有りませんよ」
「…」
純子の肩が一段と下がり、首をもたげていて表情など一切掴みとれない。
(榎本お前って奴は!!んだよ〜彼女いるならそう言っとけよ〜。)芹沢はまた天を仰ぐ。
「先ほどの女性はうちの従業員です。遊びの相手と言ったら失礼になりますので」
少しほっとして榎本の背中をバンバン叩く。
「何だよ安心したよ榎本。俺てっきり本命ですって言い出すのかと思っちゃったじゃないのよ」
「一応備蓄倉庫ですので芹沢さんと青砥さん以外にも人の出入りはある…それだけですよ。今後はノックをして頂けると有難いですね」
いきなり入ったのはさすがに悪かったと反省する。
516彼女 4:2012/06/04(月) 11:21:44.15 ID:jycJ2m+R
「それに同僚と私用で会うのは変ですかね?芹沢さんも私用で青砥さんの家に行ったことがありましたよね?」
ゴキちゃん事件の事か。
「あれな!あったあった。な?青砥」
「はい!!……あの、榎本さんはやっぱり、先ほどの女性のお家に行くんですか?」
青砥が恐る恐る聞く。
「はい。行きます。以前からどうしても、と頼まれていたもので」
……また二人の身体が固まる芹沢はもう何度と天を仰いだろう。
「家に行くのか?」
「はい」
「一対一で?…家に?」
「はい。正確に言えばマンションです」
こりゃクロだ。真っ黒だな。俺と青砥と、榎本と巨乳ちゃんじゃ話は別だ。
青砥にはこんな鍵オタクとっとと諦めてもらおう。うんそれがいい。

榎本に近づき小さな声で男談義をはじめる。
「よく聞けよ榎本。あのな、女性が男を夜に部屋にあげるなんて、もうOKですよ!つー意味なんだよ分かるか?それにご飯作ってまってますなんてな。逆に何もしないほうが失礼ってやつだ。わかるか?」
とぼけた顔をした榎本の肩をバンバン叩く。
「私はただ、彼女が盗聴されている気がするとのことなので調査を。ただそれだけです」
「それだけ?」
「はい」
「本当に?」
「………」
517彼女 5:2012/06/04(月) 11:23:52.42 ID:jycJ2m+R
呆れて言葉も出ないだけだったが、芹沢には十分過ぎる答えだった。
「しちゃうんだ…何か……こりゃダメだな。帰ろう青砥」
芹沢が席を立つ。
「え!?ちょっと待って下さい。事件のことまだ何も話してないですよ」
事件のことなどとうに頭にはないのに。
「青砥〜!お前は本当に分らず屋さんだな。別に男はアイツ一人じゃないんだから。何なら今後紹介してやるから。な?俺はもう先に帰るぞ。今日はどっぷり疲れたんだよ。解散!!」
面倒な問題が起こると早口でまくしたてる芹沢にしては、今日はよく耐えたほうだ。
それに、事件について話す気力などとうに残っていない。
「あっ明日また来るわ。明日た〜っぷり話聞くから宜しく!」

備蓄倉庫の扉が重たく閉まる音が響いて、榎本と青砥二人きりになると長い沈黙が訪れる。
こんな場面は今まで何度とあったが、今日ほど居心地が悪いと思ったことはない。
………
「芹沢さんは何か勘違いされているようでしたが、事件についてもう一度検証してみませんか?」
「あ、はい!」

やっぱりどうしてもさっきの彼女のことが気になって集中出来ない。

小型カメラを持つその手に、腕に絡みついてたなんて。勝手に溜め息が出る。
518彼女 6:2012/06/04(月) 11:26:49.57 ID:jycJ2m+R
「はぁ〜……。」
「青砥さん?どうかしましたか?」
「へ?あっ!ごめんなさい。考え事してて…あの!あのですね。私も聞いてもいいですか?」
榎本がカメラを置き椅子に座る。きっと青砥が聞いてくるのは事件のことではないとわかっているからだろう。
「さっきの彼女のことなんですけど、榎本さんの本当の恋人じゃないんですよね?」
じゃないなんて、否定から聞くのが精一杯だ。
「はい。違いますよ」
青砥は胸を撫で下ろす。
「彼女には好意を持たれている。とは、他の社員から聞いています。なので私に腕を絡ませてきたりするんだと思います。」
やっぱりあの人も榎本が好きなんだ。
「え、榎本さんは、その気はないんですか?」
「ないですね………たぶんですけど」
正直すぎる答えが榎本らしい。そりゃ榎本だって男だ。あんな可愛いらしい女性の、女らしい家に行って、晩御飯食べさせてもらっちゃって、露出の多い部屋着で絡んでこようもんなら。
「そうですよね………はぁ…」
また大きな溜め息が出る。「そろそろ時間ですね。車で向かうので一緒に行きませんか?家までお送りしますよ。」
もうそんな時間?時計を見ると榎本の約束の時間まであと三十分と迫っていた。
519彼女 7:2012/06/04(月) 11:29:41.34 ID:jycJ2m+R
机の上を整理し、仕事道具の入った大きな鞄といつも持っている鞄をに荷物を詰める。あと三十分したら、榎本さんは………
「……です」
「青砥さん?」
「…ゃです。嫌なんです!彼女の家に行かないで下さい!って、言ったら困りますか?行ってほしくありません。私」
榎本の上着の袖を掴むと少し引っ張っる。
「まだ分かりませんか?私……榎本さんが、好きなんですよ?ずっとずっと好きだったんです」
青砥の予期せぬ告白と、真っ直ぐな視線に、思わず目を逸らし、口を紡ぐ。
「榎本さん何か言って下さい」
「…大変申し訳ないのですが、仕事柄女性とご一緒する機会も多いもので、行くなと言われてもそれは無理な話です」
「ですよね」
捕まえていた袖から手を離す。
「では、約束の時間に遅れてしまうので。青砥さんは乗って行かれないのでしょうか?」
「はい。いいです。もう少しいます。行って下さい」
一人きりになり頭を抱える。私ってば何て事を…。
考えれば考えるほど悲しくて、考えないようにしてもまた頭に浮かぶ。人前では泣かない強い女だが、本当は泣き虫だ。

泣けるだけ泣いて、また椅子に座ったまま寝ていたようだ。
520彼女 8:2012/06/04(月) 11:32:51.78 ID:jycJ2m+R
上体を起こすと両手を広げ伸びをする。
「え!?榎本さん?えっ?」
斜め向かいの定位置で鍵を弄くっている榎本と目が合った。
「帰ってきてたんですか?」
「はい」
変わりない様子の榎本に少しほっとする。
「もう終わったんですか?ありましたか?盗聴器」
「たぶん…有りませんね。それに盗聴器ではありません。電磁波盗聴です。電磁波盗聴またはテンペストと言い、パソコン及びその周辺機器から発する「知ってます!この前私のパソコンを見て頂いたときに聞きました!」
防犯と鍵の話になるとは、止まらなくなる榎本を落ち着かせるのにも慣れたものだ。
「盗聴については、部屋に行っていないのでわかりません。」
行っていない?
「彼女家の前に着いてすぐ、芹沢さんから電話が入ったんです。」
「えっ?芹沢さんから?」
「はい。部屋の鍵をなくして入れない。今すぐ来てくれ。お前が付け替えた鍵だからお前が開けろ。女の家には代わりのものを行かせればいい。と、のことでした」
青砥は机に頭を付けて何度も謝った。
「芹沢さん酔ってたんですか。本当にすみません。でも芹沢さん、大丈夫だったんですか?」
521彼女 9:2012/06/04(月) 11:37:42.78 ID:jycJ2m+R
「はい。芹沢さんの家に着いたときには見つかっていたようで部屋の中にいました」
「良かったですね。でも本当にすみませんでした」
芹沢はわざと鍵をなくしたと言い出した事くらい榎本でもわかっていた。
それに気付かず本気で芹沢を心配して、申し訳なさそうに小さくなる青砥に頬が弛む。
「そんな電話がなくてもすぐに帰って来るつもりだったんですよ。青砥さんにあそこまで言わせておいて…すみません」
青砥にとってあれが人生で初めての告白だったのだ。思い出しただけで…顔を両手で覆い頭を抱える。
「先ほど青砥さんに言われた事ですが…」
「はっ、はい!」
抱え混んでいた頭を起こし、深呼吸する。こんなに緊張してるのは弁護士の合格発表の時以来かも知れない。
「私も、青砥さんに好意を抱いていましたよ。ずっと。
…ただ所詮住む世界が違う方だと思っていましたので。彼女の所に行ってほしくないと言われた時も、冷たく返してしまいました。すみません。あのあとずっと考えといたんです。
青砥さんに悪い事をしている。早く帰らなければとそちらばかり気になってしまって、盗聴どころでは有りませんでした。芹沢さんの電話で正直ほっとしました。
522彼女 10:2012/06/04(月) 11:39:46.46 ID:jycJ2m+R
芹沢さん、とても青砥さんのことを心配していました。それと、とても怒られました。全く気付かずに本当に傷付けてしまったようですみません」
「フフッ。エヘヘ」
話の途中で笑い出す純子に戸惑う。
「可笑しいですか?」
「はい。可笑しいです。謝ってばかりだし、それに榎本さんて鍵の事以外でもよく喋るんだな〜って」
興味のあることや好きなものには饒舌になってしまうのだが、まだ笑っている純子にそんな事を言えばもっと笑われてしまうだろう。
青砥から背を向け、指を擦りあわせる。こんな時はどうするのか?全く思いつかない。
そんなことを考えていると、左の肩が重くなる。
「榎本さん。怒りましたか?」
顔を横に向けると、青砥が肩に頭を乗せて顔を覗きこんでいた。
上目遣いでこちらを見ている。可愛いらしい。
「……ゴク…い、いえ」
「じゃあこっち向いて下さいよ。」
「やめておきます。」
こちらを向かずに部屋の隅へ逃げる榎本を追いかける。
「どうしたんです?」
汗をかいて挙動不審な榎本。カーディガンを必死に下へ下ろしている。
「生理現象です。時期収まりますので、笑ってもいいですよ。」
「笑いません。嬉しい?です」
523彼女 11:2012/06/04(月) 11:42:40.12 ID:jycJ2m+R
自分でも何を言ってるのか。でもあの巨乳に勝てたのだ。
「榎本さん。好きです。」こんな時に何を言い出すのか、一応榎本も答える
「私も青砥さんが好きですよ」
「付き合わないんですか?私達。ちゃんと言って欲しいです。」
「今ですか?」「はい!今言って欲しいです」
「お付き合いしてくれませんか?」「はい!」
次の瞬間、青砥が顔が目の前まで近づき、軽く唇を重ねられる。
唖然とした表情の榎本に、青砥が笑う。
「ど〜しても今、榎本さんとキスしたかったんです。凄く愛しくて仕方なくて。それに、付き合ってもいないのにキスなんて出来ませんから。急かしてすみませんでした」
青砥の考えに榎本も笑うしかない。
「変わってますね」
「榎本さんこそ」
ぎこちない笑顔の顔を指でつまむと、その腕を榎本が捕まえる。
二回目のキスを予感して青砥が目を瞑った。
「…………ん?」
中々来ないので、うっすら目を開けると榎本は定位置の椅子に座り、また鍵を弄くっている。
あり得ない。と思いもしたが、無性に恥ずかしくなり何事もなかったかのように青砥も椅子に座った。
「すみません。別にびびっている訳ではないですから。
524彼女 12:2012/06/04(月) 11:45:36.97 ID:jycJ2m+R
あのままキスしてしまうと、続きを…ゴホ、その、良からぬことをしてしまうと思うので」
「してほしいからしたんですよ。全部私が先じゃないですか」
少し落ち込んで机にだれると、榎本が鍵を置いた。
「青砥さん。ここは私の仕事場です。こういった場所で、そんな行為ははしたくないんです。でなければ、私からしていたと思いますよ。」
そう言い終わると鍵をまた弄る。
ポーカーフェイスを装おっているが、耳が真っ赤になっていることを見逃さなかった。
「じゃあ、許します」

それから暫くして地下倉庫から出て、青砥の家まで歩いて送る。
オフィス街を抜け、住宅街に入る曲がり道で、いきなり榎本に手をとられると、電信柱と住宅の壁の死角に連れ込まれる。
「ちょっ榎本さん?」
後頭部をが当たらないように腕を回すと唇を貪るように深いキスをされる。
「んっ………えのっ…と…さ…」
苦しくて息を漏らすと、やっと唇が離れた。頬を紅く染めて、唇を手で隠し息を整える。
「今の青砥さん。とても素敵ですよ」
「榎本さんってば、ずるいです」
「職場から出れば、と言っておいたはずですが。」
そう言えば、そんなことも言ってたような。
525彼女 13:2012/06/04(月) 11:54:40.93 ID:jycJ2m+R
先に歩き出していた榎本を追いかけると、上着の袖を掴む。
「あと、また生理現象が起きてしまったようですので、こちらもお願いします」
つい苛めたくなって出た嘘だったのだか、目玉が飛びでそうなくらい驚いた青砥の反応が面白くて仕方ない。
「ばっ!そんな…あり得ないですから!」
袖を振り払われると、周りをキョロキョロしだす。
「人がいるじゃないですか!?おさめて下さいよ」
「そうですか。嫌ですか?じゃあ仕方ないですね。先ほど伺えなかった彼女に…」
ケータイを取り出すと青砥が奪って俊足で逃げる。
「駄目です!絶対に駄目です。私が彼女なんですよ?だから……しますから。その、せめて家に着くまで我慢して下さい。ねっ」
照れながらも、夜の閑静な住宅街でそんな言葉を叫べる“彼女”を愛しく感じると同時に、尊敬してしまった。
「榎本さん笑ってせんか?」「いえ」
「笑ってますよ。絶対」
ポーカーフェイスも、もう。長く続かないだろう。


中途半端に終わりです
エロに持っていくつもり&次の日の芹沢を絡めた話まで書くつもりでしたが慣れない携帯からなのと長くなりましたのでこの辺で失礼します。
526名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 12:19:38.38 ID:E/0g2yHF
リアル投下に二つも遭遇して大興奮!!

>>511
エロ素敵すぐる...
文章が綺麗なのでエロにも品があって美しい〜

>>525
GJです!
芹沢パパもGJだ!
榎本にからかわれる純子カワユスw
続きが待ち遠しい!

お二方ともキャラがドラマ通りで容易に想像できます
素晴らしい!
527名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 12:25:23.68 ID:4f3N79rb
短時間に素敵なSSが読めて楽しかったです
お二人さんGJ
528名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 13:11:26.01 ID:mOW/mJ5d
やっぱり榎本さんはSですね!!
529名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 18:23:27.71 ID:8chzTrUW
そういえば玉木宏が「硝子のハンマー」に出るとブログにあったな
これが副社長で独身で青砥さんの元彼という設定なら面白いんだけどな
530名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 19:33:42.36 ID:GcFyEsCI
自分の書いた分だけでも、後で見やすいようにブログか何かにまとめてアップしときたいんだけど
ブログの規定がよくわからんw
イラストと違って、小説の場合は行為表現があるだけではアダルト・猥褻には当たらないと聞いた気がするんだけど
どなたか詳しい人、いらっしゃいません?
やっぱ海外サーバーに置くしかないのかな。広告すごいから気が進まないんだけど
531名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 19:42:50.78 ID:ndVgLs81
もしくは青砥ちゃんに一目惚れしちゃうとか
532名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 19:43:37.78 ID:ndVgLs81
>>529宛でした
安価ミスごめん
533名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 20:20:10.92 ID:+uMBBGrN
>>530
ここで訊くことではありません
534名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 21:58:00.15 ID:BRZFj4Td
おいおいおいおい、なんだよあのエンディングw
このスレでいろんな小説読みまくったせいか、
あのイチャイチャに既視感あったぜw
「あれ、榎本さん何か怒ってます?私変なこと言いました?」
「怒ってません」
2人とも可愛すぎだろ\(^o^)/
535名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 22:17:48.56 ID:aVcU08Am
3話、4話、8話…犯人が女性の回は
榎本×青砥的に美味しい回という法則が出来たw
536名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 22:37:28.97 ID:mOW/mJ5d
>>530
ぴくしぶに登録したのってあなた?
自分の分だけならいいのかもしれないけど・・・・。
537名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 22:53:58.50 ID:9sU1jP+u
え?ぴくしぶに自分が書いてない作品を転載してる人がいるの?
自分で書いてるならどこに転載しようとその人の勝手だと思う
鳥なしだったら自作の証明は難しいかもしれないけど…
538名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 23:01:30.46 ID:GcFyEsCI
>>536
多分、自分です。
ぴくしぶなら、作品ごとにR指定が選べるので、バックアップもかねて登録しました
コテハン名乗ってないので証明しろと言われても困りますが、誓って言います。全て自分が書いたものです。
三点リーダは必ず2つセットで使う、純子の一人称がひらがなで「わたし」になってる、あたりに特徴出てるとは思いますが……
まずいようでしたら今後、スレからは撤退します。
混乱させて申し訳ありません
539名無しさん@ピンキー:2012/06/04(月) 23:08:46.45 ID:ZmwpaAZM
>>538
今後はトリップつければいいんじゃないかな
作者特定が嫌なら作品ごとに変えるとか

前にも意見出てたけど、個人的には保管庫ほしいな
続き物を続けて読みたい
書いた人の許可がないと難しいかなー
540名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 12:27:42.14 ID:yZl9mToG
保管庫はここ↓を利用させて貰えば良い気がする
http://sslibrary.gozaru.jp/
541490:2012/06/05(火) 20:57:02.07 ID:Ck9lopHv
コメントくださった方々、ありがとうございます。
お待たせしました。
>>484-489 の続きを投下します。
542自室の榎本×純子 7:2012/06/05(火) 20:58:34.10 ID:Ck9lopHv
 お風呂は家主である榎本さんが先に! と押し切られ。榎本は、一人湯船に浸かっていた。
 自分でもよくわからない。何故あのとき、純子に泊まっていけ、と言ったのか。
 ただ、榎本のために献身的に尽くしてくれた純子を思うと、真夜中、無下に追い出すことができなかった。
(……青砥さんといると調子が狂う……)
 一人に慣れ切っていた榎本にとって、自室に誰かが居る、という状況がそもそも珍しい。
 恐らくそのせいだろう。思考に乱れが出たのは。
 今夜、この部屋に純子と二人きり、という事実には目を向けないようにして。榎本は頭から湯をかぶった。
 大丈夫だ。開錠に夢中になって、リビングのソファで一夜を明かしたことなど数えきれないくらいある。一晩くらい、何とでもなるだろう。
 そう自分に言い聞かせて、風呂から出る。
 次、どうぞ――とリビングに声をかける。返事をする純子の声は、特に震えも怯えもなく、平静に聞こえた。

 平静を装いつつ、純子は混乱していた。
 自分で沸かした風呂につかって、榎本から借りたパジャマに着替える。
 湯船につかっている間、色々と考えてみたが。どう考えても同じ結論しか出ない。全く、何てことだろう?
 そっとリビングに顔を出すと、同じくパジャマ姿の榎本が、落ち着かない様子でソファに座っていた。
「あのう、榎本さん」
「……はい」
「今日は、本当に色々申し訳ありませんでした」
「……もう謝らないでください。今日は、色々と家事をやっていただいて助かりましたので」
 言いながら、榎本は立ち上がった。寝るところだから、だろう。眼鏡を外した素顔が、何だか新鮮だ。
「青砥さんはベッドを使って下さい。僕はソファで寝ますので」
「えええそんなとんでもない! わたしがベッドで寝ますよ! わたしの方が小さいですし!」
「女性をそんなところに寝かせるわけにはいきません。僕のことはお気になさらずに。よくあることですので」
「駄目駄目、駄目ですっ! 榎本さんにそんなことさせるくらいならっ……」
 勢いって重要だな、と。純子はしみじみと思った。普段の自分なら、こんなこと、絶対に口には出せなかった。例え望んではいても。
「一緒に寝ましょう!」
「……は、い?」
「榎本さんをソファに寝かせるくらいなら、一緒にベッドで寝ます! それが駄目ならわたしがソファで寝ます! 何なら床で寝ます!」
「青砥さん?」
 必死の純子に対して、榎本はぽかんとしていた。女にこんなセリフを言わせておいて何て反応だ、と。純子の胸に、的外れな怒りがわきあがる。
「……あの、意味がわかって言ってらっしゃるんですか」
「意味!? 意味って文字通りの意味です!」
「青砥さん、僕を仙人か何かだと勘違いしていませんか? 一応、僕も男なんですが」
「当たり前です! 女性にも仙人にも神様にも見えません! 榎本さんは榎本さんで立派な男性です!」
「…………」
543自室の榎本×純子 8:2012/06/05(火) 20:59:55.13 ID:Ck9lopHv
 まくしたてる純子に、榎本は無言で視線を泳がせていた。
 本当に、何なんだろうか、この反応は。それとも、自分はそんなに魅力が無いのだろうか?
「……わたし、言いました。何でもします、って。榎本さんが望むなら、何でもしますって」
「いや、ですから僕の望みは、僕がソファで寝ますので青砥さんがベッドに……」
「そういう望みじゃないんです! そんなんじゃなくてっ……それとも、榎本さん、そんなに嫌ですか? わたし、そんなに駄目ですか?」
「……青砥さんがどうこう、という問題ではありません。こんな、成り行き、と言いますか……こういうのは」
「成り行きじゃないんです! 榎本さんにとってはそうでも、わたしにとっては違います!」
 勢いのままに叫んで。純子は、榎本に身体を投げ出した。
「わたしが……そうしたいんです。榎本さんは、わたしじゃ駄目ですか?」
「…………」
 純子の言葉に、榎本はしばし無言で。
 ややして、首を振った。

 寝室に移動して、大して大きくもないベッドに二人で横たわる。
 至近距離で見る素顔の榎本は、意外なまでに整っていて、わけもなく胸が高鳴った。
 いや、もちろん、意外とイケメンだからときめいた、という意味ではない、念のため。榎本だからときめいたのだ。
 緊張をごまかすように自分に言い聞かせていると。榎本は、しばらく無言で天井を見つめ、身を起こした。
 覆いかぶさってくる身体を受け止めて、唇を重ねた。
「……青砥さん」
「はい?」
「初めて、では……ないですよね?」
 相変わらずデリカシーがないというかストレートな言い方だ、と、逆に感心した。榎本らしいと言えば榎本らしい。
「昔……学生時代の頃ですから、本当に何年も前ですけど。多少は……榎本さんは?」
「……お答えした方がいいでしょうか」
「あ、初めてですね。お気になさらずに。わたしは気にしません」
 わざと軽い口調を装って、両腕を榎本の首に絡めた。
 本来なら、30にもなる男が経験ゼロ……というのは引くところかもしれないが。榎本に限っては、それが自然だと納得できた。
 むしろ、経験があると言われたらショックだった。自分以外に、榎本の魅力を認めた女がいたのか、と。
「んっ……」
 もう一度、キス。自分から舌を差し入れると、榎本は一瞬驚いたような顔をして。けれど、すぐに動きを合わせてきた。
 しばし無言でキスを繰り返す。降りてきた手が、パジャマの上から胸にあてがわれて、そのまま、優しく撫でられた。
「っ…………」
「す、すいません。痛かったですか?」
「いえっ……」
 びくり、とひっこめられようとする手を押しとどめて、首を振る。
 正直に言えば、驚いていた。
「もっと……お願いします」
「青砥さん?」
「すごく、お上手だと思います」
「…………」
544自室の榎本×純子 9:2012/06/05(火) 21:00:54.12 ID:Ck9lopHv
 純子の言葉に、榎本はしばしぽかんとして。やがて、苦笑のような笑みを浮かべた。
「見栄を張るのはやめます。僕は経験が無いので、こういうとき、どうしたらいいのかよくわかりません。痛かったり、嫌だと思ったら、言って下さい」
「……わかりました。どうぞ、ご遠慮なく」
 純子の言葉に頷いて、榎本は、パジャマのボタンに手をかけた。
 日頃、開錠で鍛えているのだろう。男性にしては細く長い指は、驚くほど器用だった。
 あっという間に前身頃を全開にされる。覚悟して、最初から下着はつけていなかった。むき出しの胸が榎本の視線にさらされて、羞恥に、頬が染まった。
「あの、すいません。あんまり大きくなくて」
「……そうなんですか。大丈夫です。見たことがないので、比較対象がありません」
「ぷっ」
 榎本らしい気遣いの言葉に、思わず笑みがこぼれた。そんな純子を優しい笑みで見下ろして、榎本は、そっと胸に触れた。
 パジャマ越しとは違う、ダイレクトな刺激に、しびれのような感覚が走った。ここを触れられるのは何年ぶりだろうか? 忘れるくらい昔なのは確かだ。
 慎重な手つきで胸をまさぐられる。びくり、と身を震わせると、今度は、唇が降りてきた。
「ん〜〜〜〜っ」
 しばし、刺激に身を委ねる。榎本の頭を抱えるようにして、歯を食いしばった。
 そうしないと、あられもない大声をあげてしまいそうで怖かった。自分から誘っておいて何だが、はしたない女だとは思われたくない。
 自然と中心部が潤ってくるのがわかった。火照る身体を抑えきれなくて腿をすりあわせると、動きに気付いたのか、胸への愛撫が中断された。
 しばしの沈黙の後、するすると手が降りてきて、パジャマのズボンにかけられた。
 榎本の動きを邪魔しないように、と、自ら腰を上げると。一瞬の隙を逃さず、ズボンと下着が同時に引き下ろされた。
 やたらと手つきがいいように思えるのだが……本当に初めてなのか?
 そんな疑いを抱くほどに、榎本の動きは巧みだった。触れる指先は無駄な動きなど一つもなく、純子の弱いところを的確に攻めたててきた。
「え、榎本さんっ……」
「……はい?」
 気づけば、自分が羽織っているのはパジャマの上着一枚。前身頃を全開にした状態で組み伏せられている姿が、どれだけ乱れているか、想像したくもない。
「わたし、もうっ……おかしくなっちゃいそうでっ」
「……そうですか」
 榎本は何でこんなに平静なのだ。自分はこんなにも……狂おしいほどに榎本を求めているというのに。
 そんなことを思うと、自然と涙が浮いてきた。純子の顔を見下ろして、榎本の顔が、ぴくりと動いた。
「青砥さん」
「っ…………」
「泣かないでください。……やっぱり嫌でしたか?」
「なっ……ここまで来てこんな状況でそういうこと言いますっ!? もう信じられない!」
 あれだけ声を抑えよう、と努力していたのに、駄目だった。切れてしまった。
 だってもう限界だ。この人は、あんなにも頭脳明晰なのにどうしてこんなにも鈍いのだろう。
「早くして欲しいんですっ! もうっ……焦らさないでください。早く来てくださいっ! わたし、榎本さんが欲しいんですっ! お願いっ……」
「…………」
545自室の榎本×純子 10:2012/06/05(火) 21:02:11.37 ID:Ck9lopHv
 純子の悲鳴のような叫びに、榎本は呆気に取られたようだった。
 すみません、という小さな囁き声。ぐいっ、と片脚を持ち上げるようにして、割り込んでくる身体。
「……タイミングがわからなかったんです。僕ももう限界だから……乱暴にしてしまったら、本当にすみません」
 それと同時、一気に、榎本の身体が内部に押し入ってきた。

「っ…………」
「うっ…………」
 既に十分に潤っていたつもりだが、男性を受け入れるのが久々なその部分からは、きしみのような音が響いた。
 正直に言えば、ちょっと痛い。でも、やめないで欲しいと、心からそう思う。
「榎本さんっ……」
「…………」
 ぐいっ! と、榎本は、純子の悲鳴にお構いなしに身体を突き進めてきた。
 いや、多分、彼にも余裕などないのだろう……ちらりと薄目を開けて見てみると、榎本も、固く目を閉じて歯を食いしばっていた。
 ……あ、そういえば、避妊……いや、もういい。榎本となら、いい。
 女性としては迂闊さを責められるべきだろうが、熱に浮かされた純子の頭には、そんな冷静な言葉は響かない。
 今、やめられる方が嫌だ。きっとおかしくなってしまう。あの榎本が、そんな小道具をいそいそ買う場面なんか想像したくもないし、持っていないことにホッとしているのも事実だ。
 そのまま、ゆるゆると腰を動かされた。最初はゆっくりと、段々と激しく。
 快楽に理性が押し流された。榎本の身体を抱きしめて、何かを叫んだような気がするが……自分が何を言ったのかもわからない。
「あ、青砥さんっ……」
「やめないで。お願い、そのままでいてっ……」
 フィニッシュを迎える瞬間、榎本は、身体を引こうとしたが。それを、純子は全力で押し留めた。
 何も考えていないわけではなかった。榎本も、純子を気遣ってくれた……それで十分だ。
 内部で爆発が起きる感覚を味わった。それと同時、純子の目の前が真っ白に染まって……そのまま、脱力した。

「……すいません」
「え、何がですか」
 事が終わった後、二人で交互にシャワーを浴びて、再びリビングへ。
 気が付けば夜というより朝に近い時間になっているが。今日は土曜日。二人とも仕事はない。だから、まあいいだろう。
「いえ、その。初めてなので、よくわからず……青砥さんには色々とご迷惑を……」
「ぷっ……迷惑なんてかけられてません! 榎本さんらしいですね、本当にっ」
「…………」
 純子の言葉に、榎本は無言でうなだれた。その仕草が、何だかちょっとかわいい。
 いや、年上の男に向かって、そんな台詞は吐けないが、もちろん。
546自室の榎本×純子 11:2012/06/05(火) 21:03:08.60 ID:Ck9lopHv
「ちょっとだけ寝たら、朝ごはん食べて、それからお洗濯します。シーツとか、洗った方がいいですよね」
「……僕がやりますよ」
「わたしが何でここに来たと思ってるんですかっ! わたしがやりますから榎本さんは鍵でもいじってて下さい!」
「もう、お詫びは十分にしていただきました。これ以上は……」
「何を言ってるんですか!」
 榎本の言葉を断ち切って、純子は立ち上がった。
 最初は、そんなつもりはなかったのだ。純粋に、お詫びのつもりだった。
 けれど、駄目だった。榎本の誠実さを、優しさを知れば知るほどに、自分が止められなくなった。
「榎本さんに見てもらいたいんです」
「……はい?」
「榎本さん、わたしのことすごくだらしない女だと思ってませんか? 以前に恥ずかしい部屋を見られちゃいましたし!」
「いや、そんなことは……」
「誰にも見てもらえないひとり暮らしの部屋だからです! わたしだって、その気になったら相応に料理も掃除も洗濯もできるんです! それを榎本さんに知ってもらいたいんです!」
「……はい?」
 それは、どういう……と言いかける榎本の唇を、自らの唇で塞いで。
「意味、わかりますよね?」
「……おおよそは。もしかしたら、という解答はありますが」
「多分、それで正解です。迷惑ですか?」
 にっこり笑ってみせると、榎本の頬が緩んだ。
 苦笑とも失笑とも違う、綺麗な笑顔だった。
「いいえ、光栄です」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 頭を下げたのは同時。顔を上げるのも同時。
 それが何だかおかしくて。純子は、声をあげて、笑った。

〜〜END〜〜
547490:2012/06/05(火) 21:04:20.45 ID:Ck9lopHv
終わりです。
自分の書く話はいつも純子から押せ押せなので
次は榎本から押せ押せな話書いてみたいなあと思いつつ
名無しに戻ります。
548名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 22:11:11.12 ID:dQTD2cNB
GJです!
たまらんです。
549名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:13:51.96 ID:4r0zfnBw
GJ!
ふたりのやりとりがリアルにイメージ出来る!
また書いてください!
550名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:17:56.41 ID:hWXFAyaJ
GJ!!
ここ見はじめてからドラマ見るのがますます楽しみ
昨日のラスト、指擦るのを手でピタッと遮られた榎本さんはその日の夜純子の手の感触をオカズにしちゃえばいいと思う
551名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:27:42.81 ID:h8b6lEMs
GJです!純子押せ押せも榎本押せ押せもばっちこい!

昨日のラストを見て、自分も書いてみました!
エロなしですが、箸休めにでも。
552名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 23:28:15.57 ID:h8b6lEMs
「なんか怒ってません?」
「知りません」
「怒ってますって、私何か失礼なこと言いました?」
「知りません、知りません。」
榎本のせわしなく動く指を純子が封じる。
「知りません。」

「・・・」
「・・・」

「フフッ(笑)、でも賢くなくても、家にいるだけで癒されそうですよね、犬って。
毎日家に帰るのが楽しくなりそうですよねー。」
「独身女性が犬を飼うと婚期が遅れるそうですよ」
「え、そうなんですか!?」
「嘘です。でも、犬に夢中になってしまって彼氏はいらないという人もいるそうですから、
あながち間違いではないと思いますが。」
「まあ確かに、男の人に振り回されるよりは犬と戯れていたほうがいいかもしれませんよね。
犬は裏切らないし。」
「裏切られるのが怖いんですか?」
「怖いというか、嫌ですよそんなの誰だって。榎本さんだって嫌でしょう?」
「僕は・・・別に。それが人間だと思っていますから。」
「なんかドライですねー、榎本さんって。熱くなるようなことってないんですか?」
「鍵の解錠には常に冷静さが必要ですから。どころで・・・その手をそろそろ離していただけないでしょうか。」
「あ、ごめんなさい。」
気づけば純子は榎本の手を握ったままだった。そのことに気づいたら急に恥ずかしくなって
純子は慌てて榎本から離れた。
「僕だって熱くなるときはありますよ。」
「え、そうなんですか?どんなときですか?」
一度体を離した純子が再び榎本のほうへ身を乗り出す。
「こういう時ですよ」
榎本はそういうと、純子の腕を引き寄せると純子の頬にキスをして、すぐにまた純子に背を向けた。

「え、ええーーっ!?榎本さん!」

一瞬の出来事で何が起きたのかわからなかった。
純子が我にかえると榎本はこちらに背を向けて再び指を擦り合せている。
「え、えーっと、榎本さん、い、今のは・・・」
「・・・知りません。」
553552:2012/06/05(火) 23:31:42.96 ID:h8b6lEMs
超短いSSですみません。
ネタかぶりでも自分は気にしないので、昨日の続き書いてる方は遠慮しないでくださいね。
554名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 02:11:41.25 ID:XoP41d1e
>>552
たまりませんwwwGJですww
反撃に転じてもほっぺにチューなところが榎本かわいいよ榎本
555442:2012/06/06(水) 05:55:23.43 ID:ccrCPiOA
続きです。。
エロなしです。すみません。


長野から帰る電車の中、二人は事件のあまりに悲しい結末に言葉少なになっていた。
「やるせない事件でしたね…。」と純子がぽつりと言えば
「…ええ。」と一言。
榎本はいつもの、どこを見ているのかはかりかねる瞳で遠くを見ながら答える。
「何故、あんな悲しいことになる前に分かり合えなかったんでしょう?」今度は問いかけてみたが
「…そうですね。」とやはり遠くを見たまま答える。
それ以上話しかけるのもなんだかはばかられる気がして、純子も一人物思いに沈んでいった。

「…とさん。…おとさん。」
聞き慣れた男の人の声がする。
「ん…。」優しい声のこの人は…。昨夜私はこの人と…。
「青砥さん。もう着きますよ。」
はっ、と純子は目を覚ます。
「ああっ!すみません!私榎本さんの肩に!」見るとほんの少し榎本の肩が純子の涎で濡れている。
「いえ。大丈夫です。だいぶお疲れのようですね。」榎本は純子を真顔で見つめ
「…すみません。僕のせいです。」と言った。
「!!」
そんなに大きな声ではなかったが誰かに聞かれたら恥ずかしいのと、
昨夜のことがまざまざと思い出され恥ずかしいのとで思わず
「榎本さんのせいじゃないです!気にしないでください!」と純子の方が大きな声を上げてしまった。
そのまま「あ、榎本さんは○○線ですよね。私△△線なので、ここで失礼します。
お疲れさまでした。ありがとうございました。」精一杯の笑顔を作ると
あっけにとられているような表情の榎本を残してさっさと行ってしまった。

あれから何日かたって。
純子は携帯電話を見つめてため息ばかりついている。

『あれは、一晩だけのつもりだったのに。』
日が経つにつれ、榎本に抱かれた感触が蘇ってくる。
『こんなに会いたくなるなんて…。』
付き合っているわけではないのだから、ただ会いたいと言って連絡は出来ない。
『だって、榎本さんからも連絡来ない…。』
556442:2012/06/06(水) 05:55:55.54 ID:ccrCPiOA
「おい。青砥!あいつを呼べ!」
ぼんやり考えていると上司の芹沢が呼ぶ。
へ?「あいつって…?」
「ぼんやりするな!榎本だよ、榎本!」
!「…はい!」…自分でも気持ち悪いくらいの笑顔を芹沢に向けた。
 
久しぶりに会う、といっても実際はそんなに何ヶ月も経ったわけではないが、
榎本は純子と芹沢にぺこりとお辞儀をすると早速部屋の検証を始めた。
変わらない榎本の様子に純子も変わらずに接することに決め、
密室について考えを巡らせる努力をする。
そうすることがまた、榎本に近づき、理解することにつながると思うから。

榎本もまた、変わらぬ純子の様子に一種の安堵を覚えたが、以前と違うことがあった。
純子の笑顔を見た後の、一瞬の胸の高鳴り。
気付くと純子を目で追っている。
野暮ったいスーツの中のしなやかな肢体を思い浮かべそうになる。
とはいえ、やはり目の前に、閉ざされた部屋の殺人があればそちらに集中することになる。

ある女性漫画家が密室で殺害された事件。
加害者はアシスタントの一人だった。
事件の鍵を握っていたのは一頭の犬。

「…普段は大人しいけど、いざとなったらすっごい頼りになるなって。」
「本当に頭いいんですね。」
「犬って。」

何となく、榎本の顔を見ていたらちょっといじめてみたくなったのだ。
少しすねたような顔の榎本の顔を見れただけでもなんだか嬉しくなった。
「ごめんなさい。榎本さん。怒りました?」
「知りません。」

「私、榎本さんが好きです。」
「!」

「この間のこと忘れようと思いました。けれど私そんなに大人じゃありません。」
「忘れようとすればする程、榎本さんのことばかり考えてしまって…。」
「…僕もです。」
「嬉しい。」純子の笑顔に榎本もまた微笑む。
そして、おずおずとキスをしたのだった。

おしまいです。
思いつきで書いたのでやっぱりおかしいところがあったらごめんなさい。
おそまつさまでした。
557名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 06:48:09.29 ID:Fv2jaIVg
>>542>>552>>556
GJ!みんないいよ!すごいね。
続きを妄想してしまう。
仕事中も榎青思い出して最近やばいよ。
558名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 06:53:30.13 ID:AW8xiq3V
書き手さんたちGJだよ〜。どんどん妄想投下してくれくれ。
559名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 08:49:26.44 ID:we7Aj8cD
これからSSを投下します
作中登場する密室ミステリー・本陣殺人事件は読み応えありました
三つ首塔は真野響子主演のドラマが
女王蜂は栗山千明主演のドラマが面白かったので
どちらも買って読みました
未読の方は良かったら読んでみて下さい
560密室の本1・4:2012/06/06(水) 08:50:51.07 ID:we7Aj8cD
最近の純子は、書店でも旅行の本には見向きもせず密室の本ばかり読み漁っている
今日も“密室ミステリーの最高傑作”という手書きのポップを見て買ってしまった
「へ〜え、“本陣殺人事件”かぁ…」
用事があって備品倉庫室に行くが榎本は不在だったので暇潰しにこの本を読む事にした
西洋と比べると密閉性が低い古い日本家屋で起きた事件を、季節独特の自然現象によって密室にしてしまった発想が凄い
それ以上に、真犯人の心という密室を破ってしまった探偵と、補佐した刑事が凄い
ただ弁護士として真犯人の弁護が出来るのかと聞かれたら“NO”だなと純子は思った
被害者Aなら弁護したいとも思った
「実に青砥さんらしいですね。バッドエンドは面白くありませんか」
いつの間にか榎本が戻って来ていた。独り言を口に出していたのが恥ずかしく感じた
「あ〜、あのぉ、お、お帰りなさい!」
慌てて本を閉じてここに来た目的を始めようとした純子だがその前に少し休憩がしたいと言う榎本に止められる
「僕はそれをドラマで観たのが最初ですね。見終わってから本屋に行ってその本を買いました。鍵が無くても密室は作れる、その発想は思いもよらなかった」
買い物袋の中から有名なコーヒーショップの小さな袋を取り出し封を開けて淹れる
辺り一面にコーヒーの香りが漂い純子の鼻をくすぐる
(そういうの、径さんらしいな…)
目の前に置かれたコーヒー純子が飲む
左隣に座った榎本が自分で淹れたコーヒーを飲みながら純子が読んでいた本を手にする
パラパラと開いて後ろの作品紹介を見る
「あっ…!」
この作者が書いた別の作品のタイトルが目に入りちょっとだけ頬が赤くなる
「どうしたのですか?」
「べ、別に何でもありません…。ただ、そのタイトルを見て思い出したのです」
それは“三つ首塔”という題名で、ドラマでもヒロインが男にアレされる場面があった
まだまだ子どもだった榎本はそういう場面を観てハイテンションになった事があった
(あんな事をしてまでも、ずっと思う彼女の、心の密室に自分を収めたかったのか…)
ふと自分の横でコーヒーを飲む純子を見る
ヒロインと同じで男を知らない体だった
(こうしてみると清楚で知的だと言っていた立川さんの気持ちもわかる…)
「榎本さん、具合悪いのですか?」
いきなり掌を額に当てて熱はないのか純子は確かめる
ヒンヤリとした細くて小さな掌の感触が気持ち良い



561密室の本2・4:2012/06/06(水) 08:52:11.33 ID:we7Aj8cD
「僕自身にはわからなくても青砥さんがそう感じるのなら用心したほうが良いですね」
どうせ明日と明後日は休みだ。やるべき事を早く済ませて榎本は家に帰る事にした
ここは榎本の自宅。寝室には純子の姿もある
仕事場から離れた開放感からなのかそれとも情事に溺れたいからなのか榎本は純子の着ている物を一枚一枚脱がしてゆく
その意思に反し純子が自分で脱ごうとすればその手に榎本が手を重ね指で指を愛撫する
特に純子の左手の薬指は榎本の右手の指全部で弄るのではなく嬲られている
「径さんっ!やめ…」
半裸にされた純子が無駄だとはわかっていても抵抗する
「やめたくはないです」
純子の手が当たって榎本のメガネが飛ぶ
メガネをかけていれば光の反射か何かで隠れてしまう目の表情が部屋の灯の下に晒される
意外な程に熱く優しい目にドキンとする
「そ、そうですか…」
頬を赤く染めて顔を反らすと純子はもう観念したのか榎本のやりたいようにさせた
それでも一糸纏わぬ姿にされると両目を固く閉じた
衣擦れの音が耳に入り榎本も脱いでいるのだなと感じると益々固く閉じる純子であった
そんな純子の気持ちを伺う余裕などないのか、榎本はベッドに純子を俯せに寝かせると腰を持ち上げて尻を掴む
「ひゃう!」
これから起こる事への期待感で純子の陰部が昂ぶっているのが榎本の目に映る
無機質そうなその目がこの時ばかりは興奮している。両方の親指で陰唇を拡げて中を覗くと更に加虐に満ちた光が宿る
「ひぃっ!」
いきなり榎本の分身が挿入されて声を上げる
「んんっ、やぁ…!」
シーツを握り締める力が強くなる
ビク、ビクン!
頭で抵抗しても体は恭順する。純子は嬉しさなのか悔しさなのか、自分でも判らない涙をホロリと流しそれを枕で拭う
秘裂の位置がノーマルよりもバック向きなのか挿入された時の反応が断然良い
カリ首まで引き出すと、捲れ上がった陰唇が離したくないと訴える
「ここで止めても、良いですか?」
「い、意地…わるっ!」
傍から見ればとても恥ずかしい姿をさせられ言わされている
想像しただけでまた涙が零れる
「そうです、意地悪だから、もっと泣かせて、もっと鳴かせてみたくなる…」
結局抜けてしまった分身がヌラァとした液に塗れ秘裂との間に出来た糸が鈍く光る



562密室の本3・4:2012/06/06(水) 08:53:01.11 ID:we7Aj8cD
「きゃう、ぁあ!」
ズン!
もう一度腰を掴まれ分身が秘裂の奥まで挿入されると繋がった喜びで見開き震える
ニュプ、ヌクッ、ヌチャ。
卑猥な水音を立てる秘裂が憎い
上半身を榎本の両腕で持ち上げられて体位が変わると子宮の辺りがキュウウとなる
「堪らないですね…」
純子と違って榎本の心は乱れるのを知らないのか口調が変わらない
ただ目だけは先程よりも余裕がない
「あぅ、あぁ…、あっ…」
下から上に動く度に中を掻き回される
純子は前屈みになると、両脚が左右に大きく開かれているのと、髪の毛と同じ色の茂みの下で榎本の分身を咥え込んでいるのが見えて恥ずかしさでまた目を閉じる
そんな純子の顎を捉えて顔を横向ける。頬に伝わる涙を舌で舐める。そして口付けをする
「…んぐ、ぇあ、んんっ」
下の口に続いて上の口も責められる。乳房を弄られて乳首を抓まれるので堪らない
「…はぁぁ、ひゃぁ!らめぇ!!」
やっと解放された口から普段の弁護士としての純子からは思いもよらぬ言葉が上がる
「やらっ、つねっ…、ぁぁあ!んぁ!」
榎本の人差し指が乳首の先を押したり乳輪の辺りをなぞったりして純子の感じ易い部分への攻撃を続ける
同時に胎内を分身が掻き回す。純子が絶頂に達するのも時間の問題である
だからまた体位をノーマルに変え焦らし捲る
「んっ、んん!…ぁっ!」
ヒールの高い靴を履いた純子と、同じ背丈になる榎本でも、脱ぐと結構引き締まっていて筋肉がある
その筋肉と乳房が擦れ合う
「ひゃう、ひぃ、ひぁ!」
秘裂が分身を根元までしっかりと銜え込む
汗や液で濡れた茂みが倒れて陰核が剥き出しになり根元を覆う毛が刺激を与えると純子の体が反り返って榎本の体と密着する
「あぁぁ!ひゃぁぁ!あぁ!」
「……っ」
散々焦らされた体がようやく絶頂に達した時、胎内に熱いモノが放出される
純子の鎖骨の窪みに榎本の汗が一滴落ちる
「…け…、い…」
息が上がり微かな声で愛しい男の名前を呼ぶ
うっすらと目を開けてみると汗臭い髪を振り乱した、優しい顔をした榎本がいた
「何?」
「なん…、でも…、な…い…」
ただ呼んでみたかっただけだと笑った
「そうですか…」
照れ臭そうに榎本が笑う。そして唇を重ねた



563密室の本4・4:2012/06/06(水) 08:53:47.30 ID:we7Aj8cD
翌朝…。あのまま眠ってしまった純子は隣で眠る榎本を起こさないようにベッドから出た
トイレで用を足し、浴室でシャワーを浴び、濡れた髪と体にそれぞれタオルを巻いて寝室に戻ろうとした
ふとTVの置かれた部屋にある本棚を見ると、昨日買った本の作者が書いた別の作品が二つ並べてあるのに気付いた
「“女王蜂”、“三つ首塔”か…」
何となくそのうちの“三つ首塔”を取り出しソファーに座り読んでみる
内容は高額過ぎる遺産を巡っての連続殺人で、あくまでも純子からみれば戦争さえなければここまで酷い事にはならずには済んだのかなと感じさせるものであった
「実に純子さんらしいですね」
「え?ひゃあ!」
いつの間にか純子の後ろにはシャワーを浴びてきましたって感じの榎本が立っていた
「ハッピーエンドが好きなのですね」
「そ、そりゃあ、そのほうが面白いですから」
実はこの作品様々な試練を乗り越えて二組の男女が幸せを掴んでいる
「良かったら、その二冊あげます」
“女王蜂”もヒロインが意中の彼と結ばれる話である
密室好きな榎本には物足りない話でもある
「その代わりと言っては何ですが…」
言うなり、榎本は純子が頭に巻いたタオルを外す。白くて細い肩に黒い髪が舞う
「あ、あの…、径さん?」
むっちりとした純子の太腿に榎本の手が這う
「今日は、会社も事務所も休みの日ですよ」
「休みなのは、私も知っています……、あ!ちょっと、何処触って…!」
昨日の余韻が残る陰部に榎本の手が触れるとそれだけで甘い声に変わってしまう
ぬぷ、ぬちょ、にゅぶ。
右手の人差し指が陰核や尿道口に触れ、秘裂に入っただけで液が溢れて来る
「んっ、あ!あぁん!くぅ…」
人差し指に続いて中指も入りバラバラに動かされていると堪え切れずに喘ぎ始める
「そうやって、快感を抑え込もうとすると、僕は、もっと純子に意地悪したくなる…」
ソファーに押し倒した純子の体からタオルを外すと圧し掛かって強引に唇を吸う
ヤダヤダ止めてと言わんばかりに叩く右手に左手を重ねて指を絡ませる
「はぁ、はー!はぅ!」
キュ!と結ばれた唇が絶妙な舌使いの所為で抉じ開けられて口内を弄ばれた後、息遣いが荒くなり頬が赤く染まる
「?!あぁ、やぁ!」
繋がった瞬間もう一枚タオルが床に落ちた

〈おしまい〉



564名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 09:34:48.43 ID:AW8xiq3V
GJGJ!!!
エロかった〜♪♪♪


上の方投下される前に暇でちょっとかいて見たやつ一応おいときます。
ピンクはないです。
565名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 09:35:12.99 ID:AW8xiq3V

とある昼下がり・・・。


何日も前から注文していてた外国直輸入た最新タイプの錠がやっと手元に届いたので、
榎本は静かに興奮していた。
この構造だと解錠作業にかかる時間は2時間・・・いや3時間はかかるか。
これからの至福の時間を思って1mmほど口角をあげていることに榎本は気づかない。

錠を固定する器具にセットして、いざツールを手に取ったとき、その内線電話が鳴り響いた。
おそらく緊急の外回りを打診する電話だろう。
専門家でも難しいタイプの解錠作業は榎本に回ってくるのだ。
せっかく届いた最新タイプなのだが、これで今日中には手を出せないのだろうと思うと、
心の中で内心舌打ちしてしまうのは仕方がないことだろう。

「はい、榎本です。」

「お疲れ様です。秘書室の田中です。榎本径さんでいらっしゃいますね。」

聞きなれない女性の声だった。てっきり自分の上司か同僚からの電話だと思っていたのだが・・・。

「はい、そうです。お疲れ様です。どういったご用件でしょうか。」

榎本は秘書室と関わるような仕事はしていない。
社内で鍵のトラブルでも発生したのだろうか。

「専務がお話したいことがあるそうです。
榎本さんの直属の上司の方から許可をいただいていますので、至急専務室においでください。」

「分かりました。失礼します。」

受話器を置いた。

話がある−−−−この言い方になんとも嫌な予感がした。
うっかり鍵が開かなくなったのではなさそうだ。
密室事件に巻き込まれたわけではあるまいが・・・そう思いながら、
初めて密室事件に関わったときに道端で青砥に呼びとめられたことを思い出す。
思わず口がほころびそうになったが、やはり嫌な予感はぬぐえず無表情に戻る。
面倒なことに巻き込まれたくはないのだが・・・・。

届いた最新錠をダンボールに戻し棚に目立たないように仕舞う。
会社の業務でも同じようなことはするが、これに関しては私物なので、
自分が解錠する前に他のものに見られるのは嫌だった。
妙な独占欲が働いているのだ。
よく車の選び方を見ると好きな女性のタイプが分かると言われているが、
自分の場合は鍵への気持ちが女性に対するそれと類似しているかもしれないと思う。

あなたが完全に僕のものになるまでは、あなたを他の男の目には触れさせず、
大事に閉じ込めておきたいと思っていることを、知らないでしょう?青砥さん。

歪んだもの思いに自嘲して口の端も歪める。


さて、専務の元へ参りましょうか。
榎本はネクタイをきゅっと締め直しながら、地下室を跡にした。


(この3分後、専務にCMに出て欲しいんだなどと言われて
「な、なぜ、ぼ、ぼくがCMにでるひつようがあるのですかっ!」
と棒読みしてしまうことになるとは、いかな榎本にも想像はつかなかった。)
566名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 12:59:36.84 ID:jBeJgDpb
8話ラストの榎青があまりにも可愛いすぎて、つい妄想してしまった
とはいえあれから夜勤だったので戻ってから書いたよ
なので後出しっぽくなったけど、ホンマごめん
567それからのソレカラ 1/2:2012/06/06(水) 13:00:42.64 ID:jBeJgDpb
「私変なこと言いました?」
今回の事件によって犬が賢いことを改めて実感した青砥は、防犯の意味も兼ねて一匹飼ってみよう
かなと思い始めていた。雑談がてら軽く榎本に相談したつもりだったのに、何故か突然突っぱねられて
しまい、困惑してしまった。
それまで大人しく一緒に芹沢が出演する番組を見ていた榎本は、もう目を合わそうともせずに右手の
指をしきりに擦り続ける。彼特有の癖ではあるが、一体何が気に障ったのか全く分からない。
榎本は全てを拒絶したように一つの言葉を返すばかりだ。
「知りません」
これまでの行動パターンからして、恐らく決定的に何かまずいことを言ったのだろう。それは確かに
分かった。しかし探れない以上どうすればいいと言うのか。
青砥は内心頭を抱えた。
とはいえこの事態をこのままにしておくのはもっとヤバい。それも痛いほど分かった。
さっきまでは、二人とも本当にいい感じだったのに。
「…榎本さん」
もう返事すらなかった。榎本はただ目を逸らしたまま指を擦るばかりだ。こうなれば自分にもある武器
を使うしかないではないか。これは非常事態だからと、心を決めた。
「私は怖いんです」
ぴく、と神経質な指の動きが止まる。
「このところずっと、目の当たりにする事件はどれもいつか自分に起こり得ることのようで、一人でいる
のはとても怖いんです」
「…知りません」
「もし飼えないとしても、誰か心強い人がいてくれたら嬉しいんですけど」
「……知りません」
雰囲気的にもう一押しのような気もしたが、何となくこれ以上榎本のプライドに付け込むのはやっては
いけない気がした。
駆け引きなどではとても測れないほどに、榎本に心を奪われ過ぎているからだ。

この人の本質はとても深い。
果てしなくて、眼差しを覗き込んでも底などとても見えそうにない。
まるで心の奥底に凄まじい混沌を隠しているように。
それは恐らく誰もが太刀打ち出来ない密室の謎というものに対峙しているからだろう。
かのニーチェは著作の中で語る。
「怪物と戦う者は自分が怪物となってしまわないよう注意しなければいけない。深遠を覗き込むとき、
深遠もまた君を覗き込む」
と。
568それからのソレカラ 2/2:2012/06/06(水) 13:01:29.40 ID:jBeJgDpb
一旦発生した謎は時が経過すればするほど一層混迷へと進み、遂には一筋の光すら差さぬ迷宮の
森と化す。そこに踏み込もうというのだから常人ではとても務まらない。
下手をすれば謎そのものが吐き出す悪意に意識ごと絡め取られて、それこそ怪物化してしまいかね
ないだろう。
それでもきっとこの人は解明の光を求めて道なき道を踏みゆくに違いない。
ならばどのようなことがあっても側にいたい。この人にとって何がしかの慰めになれるならばそれで
いい。
榎本に恋をした時から、青砥の心は決まっていた。
素性も身の上も今はまだ何も分からないも同然だとはいえ、安易な覚悟で向き合ってはいけない人
だとは思っていた。だからこの先に何があってもきっと怯まない。

「…ねえ、榎本さん」
やはり返事はなかったが、構わず青砥は出来るだけ自然に身を添わせた。言葉はなくとも、一瞬で
身体に緊張が走るのは分かった。
「そのうちでいいですから、更に強固な防犯が出来るように私の部屋を調査して下さいね」
「…そうですね」
緩く肩を抱き寄せられるのを感じて、青砥は微笑んだ。これで今日のわだかまりがリセットされたの
だと嬉しかった。
これまでも榎本とは何度か抱き合ったことがある。けれど脱ぐのはいつも自分だけだ。
榎本の方はそんな時でも襟元を緩めたり眼鏡を外したりするだけで、セーター一枚脱ぐこともない。
ただ、それが例の怪物化の一歩手前で思考錯誤しているゆえの行動であれば、甘んじて受け入れ
られそうな気がした。
つまるところ、恋そのものが最も厄介な怪物なのかも知れない。
「約束ですよ、きっと来て下さいね」
念を押すようにゆっくりと告げると、抱き寄せる腕の力がぐっと強まった。
テレビの中では相変わらず芹沢がオヤジギャグを連発して滑り続けているが、それは今のもう二人にとってどう
でも良いことだった。




569名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 13:59:33.43 ID:BSZquRwI
GJです。自分も、最後の榎本と青砥の 「静かだけど、いざとなると頼りになって…」の青砥の台詞で
榎本がドキッとして癖の指を擦り始め
「私、変なこといいました?」
って榎本の擦ってる指を掴む青砥
「…知りません。」
「でも…」
「…知りません。」

あの場面にかなり萌えた
榎本っちゃんも少なからず 青砥に好意を持ってるというのを連想される
なかなかいいシーンだったねぇ
570名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 19:59:54.90 ID:HQ2uDI9u
ちょwww
同期の某弁護士ドラマパロスレで芹沢がネタにされてるwww
571デート 前編:2012/06/06(水) 21:13:37.45 ID:auYlvkwW
「知りません」連呼で浮かんだネタを一発
エロなしですいません

××××××××


 青砥純子が、その日、何故そんなにも不機嫌になったのか。榎本にはさっぱりわからなかった。
 そのきっかけだけはわかる。ささいな質問だ。だが、その解答が何故彼女をそんなにも不機嫌にしたのか、その理由がわからない。
「榎本さん」
「はい」
 東京総合セキュリティの地下備品倉庫にて。
 用事はないけど仕事が早く終わったので――と、手土産と一緒に純子が訪れた。
 榎本がお茶を入れ、純子がお菓子を用意する。一連の手慣れた作業の合間に。
「そういえば榎本さん」
「はい?」
「デートしたことありますか」
 何の脈絡もなくそんな質問がとんできて、榎本は凍りついた。
「榎本さん?」
「……僕がデートしたことがあるかどうかと、今、この状況と、何か関係があるのでしょうか」
「何もありません。ただの雑談です」
 榎本の切り返しに純子はさらりと答えた。
 何だか、以前も同じようなやり取りがあった気がする。あのときは、「彼女いますか」だっただろうか。
 自分はその質問にどう答えただろうか? 確かそのときは、話題が別のことにそれて、明確な回答は出さなかった気がするのだが。
「で、どうなんですか?」
「…………」
「榎本さーん」
「女性っていうのはどうして恋愛関連の……」
「そりゃ面白いし興味があるからですよ。女性っていうのは恋愛関連の話にはいつだって興味津々なんです! いけませんか?」
「…………」
 そう聞き返されると「いけません」とは言い辛い。
 この際、芹沢でもいいから誰か来てくれないか、と視線を泳がせてみたが。生憎、倉庫の扉は静まり返っていて、誰かが邪魔してくれそうな気配は微塵もなかった。
 ため息を一つ。まあ、純子を相手に、見栄を張る必要はないだろう。
「ありません」
「…………」
「もっと言えば、彼女、と呼べるような存在がいたこともありません。当然、女性とデートしたことなどありません」
 いけませんか、と問い返そうとして。榎本は、ぎくり、と身を強張らせた。
 純子の顔が、傍目にもはっきりと強張っていたからだ。
572デート 中編:2012/06/06(水) 21:14:41.11 ID:auYlvkwW
「あの、青砥さん。僕は、何か気に障るようなことを言ったでしょうか」
「知りません」
「青砥さん」
「知りません」
「……お茶が冷めますよ」
「知りません」
「…………」
 何だか似たようなやり取りをした覚えがあるな。あのときは、自分が「知りません」を連呼したのだが……などと思いながら、居心地悪く椅子に腰かける。
 自分は何かの地雷を踏んだらしい。それはわかるが、その地雷が何なのかがよくわからない。
 何か他の話題でも振って話をそらしたいところだが、普段から、会話の糸口は常に純子が発していて、榎本から声をかけたことなど、事件の謎が解けたときくらいしかない。
 うまい話しかけ方もわからず、二人でひたら、無言でお茶をすするという居心地の悪い時間を過ごした後――
「……では、わたしはこれで失礼します」
「青砥さん」
「失礼しました。お邪魔しました」
「…………」
 とっさに声をかけようか、として、思いとどまる。一体、何と声をかければいいのかわからない。
 何故怒ってるのか、という問いが無駄なことは、先ほど証明したばかり。
 一体、何がいけなかったのだろうか。自分は、あのとき何と答えるべきだったのだ?
 女性とつきあったことがない。デートしたこともない。だって事実なのだ。事実を口にしただけなのに、何故、純子が不機嫌になるのだ?
 女性の心理はわからない――と。榎本は、深々とため息をついた。

(榎本さんの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿鈍感なんだからー!)
 東京総合セキュリティからの帰り道。純子は腹立ちまぎれに、胸の中で思いっきり榎本を罵っていた。
 全く、何てことだろう。あのとき、自分は精一杯勇気を出したつもりなのに。

 それは、昨日の話。
「おい、青砥。お前、榎本とはどうなってんだ?」
「はい? どうってどういう?」
「もう付き合ってんのか? キスくらいしたのか? 二人ともいい年だからな。色々過程をすっとばして最後までっていうのも俺はありだと思うぞお」
「芹沢さん。セクハラで訴えてもいいですか?」
「おまえっ! 上司と部下の軽いコミュニケーションじゃないか! ま、それはともかくとして、な? どうなんだよ?」
「な、何もありませんっ。わたしと榎本さんは……」
「何だ、何もないのか? じゃ、俺、今度榎本を誘ってもいいか?」
「……はい?」
「合コンがあるんだよ。ご・う・こ・ん♪ たまには若いの連れて来いって言われてな。榎本は無愛想だが、あれで顔はなかなかいいからな。連れてけばそれなりに……」
「だだだ駄目です駄目です合コンなんてそんなのっ!」
「ん? だって青砥と榎本は何でもないんだろ? だったら……」
「っ……つ、付き合ってる、ってはっきり言ったわけじゃないけど! でも、デートはしました! 今度もする予定ですっ! だからっ……」
573デート 後編:2012/06/06(水) 21:16:10.30 ID:auYlvkwW
(あれって、デートじゃなかったの!? 普通、あれはデートでしょ!!)
 以前巻き込まれた、劇団の事件にて。
 偶然手に入れたチケット。芹沢には黙っていて欲しい、と言われ。また、「密室に囚われた男」というタイトルが、榎本の興味を引きそうだ、と思ったから。
 仕事とは関係なく……そう。初めて、仕事とは無関係に、榎本と連絡を取り、二人で待ち合わせて、演劇鑑賞した。
 プライベートだったから、純子は私服だったし。榎本だって……まあいつもと大して変りない服装だったが……ちょっとは、打ち解けていた、と思う。
 その後も、同じ劇団の舞台に誘ったし(そういえば、あのとき、電話が通じたのに榎本から全く応答がなかったのは何だったのだろうか)
 プライベートで連絡を取り、二人きりでお出かけ。これはデートだろう。好きとか付き合ってとか言ったわけではないが、榎本と自分はデートをするような関係になっている、と言ってもいいだろう。
 それなのに。
(榎本さんの馬鹿ーっ!)
 純子の複雑な女心が榎本に届くまで、まだ先は遠そうだった。


おしまい

××××××××


おそまつさまでした
ところでスレ容量が480KB越えてるんですけど
そろそろ次スレでしょうか?
投下予定の書き手さんがいらっしゃったらご注意ください
574名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 21:39:03.04 ID:QWAgHy8c
575名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 22:03:17.29 ID:tyfayjJn
>>574
スレ立て乙!
最初のスレから一ヶ月とちょっと経ってるんだ・・・感慨深い
576名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 22:10:29.28 ID:Qjn8rFKC
>>574
仕事の早さに感動した
乙です
577名無しさん@ピンキー:2012/06/06(水) 22:17:35.65 ID:jBeJgDpb
>>574
スレ立て乙です
ここの充実ぶりはさすがにすごいね
578名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 00:24:31.49 ID:HBuUVmuR
まとめとか保管庫は無いの?
579名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 06:59:20.35 ID:cv85z2gI
いいだしっぺの法則
580名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 07:05:27.67 ID:comGQTPf
>>540が出していた保管庫を使わせてもらい
出来る人が管理人になってくれるといいな
581名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 11:12:02.61 ID:h5rDzCFq
直前に投下してくれてる書き手さん達を無視してスレ立て乙乙って、、、
ちょっと書き手さん達に失礼すぎない?
582名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 11:41:03.07 ID:comGQTPf
>>581
新スレのほうで感謝のレス出していたよ
583名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 16:10:32.23 ID:mQBTbOUp
うん、出ていたよ
584名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 21:12:12.41 ID:cbHIk4Gj
スレも終盤なので梅がてらこっそりと…

芹青が好きだー
榎青も好きだけど、四話の青砥に甘い芹沢さんに萌えてしまった
毎度毎度のかけ合いも、痴話喧嘩しているようにしか見えなくて困る
最近の、芹沢の扱いに慣れてきて軽くあしらったりしてる青砥が可愛い
585名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 22:12:58.10 ID:2gPx2dLT
一連の密室事件が解決したとある金曜日純子は榎本を自宅に招く

586名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 22:49:08.23 ID:2gPx2dLT
童貞設定ではなく、カッコイイ榎本と純子の一夜の物語です。


「榎本さん、私・・」シャワーを浴びた純子がそっと榎本の背中を抱いた。
「私、何ですか?」メガネを外して榎本はそう微笑んだ。「まだ髪が濡れてるから乾かさないと」
そう榎本が言おうとすると話を遮る純子
「榎本さん、私・・・今夜は朝まで榎本さんと一緒にいたいの、いいんです軽い女だと思ってくださって」
「あなたが軽い女だなんて思うわけがないでしょう?」
そう言うと力強く純子を抱き寄せ唇を重ねた。優しく愛おしむような口づけにぽっと体の芯が疼いて純子は
ため息を思わず漏らしてしまう。
やがて榎本の右手がゆっくりとためらうようにバスローブ上から純子の胸のふくらみをまさぐり始める。
そしてバスローブの襟元からゆっくりと純子の乳房に触れた。
「あぁ、榎本さん・・・」
「嫌だったですか?」少し照れたように純子を気づかう榎本。
「嫌じゃありません、ただ私、胸が小さいし・・・」
「可愛い人ですね、僕はそんなことを言うあなたが好きなんですよ。」
そう言って微笑み榎本は純子の首筋から胸元へ唇を這わせた。
587名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:06:49.96 ID:2gPx2dLT
今夜は満月だ。ボイルカーテンを閉めた窓からうっすらと月明かりが差し込んでいる。
軽々と純子を抱いてベッドに下ろしシャツを脱いでいる榎本を背中に感じ、あの優しい穏やかな榎本に抱かれる自分が
どうなってしまうのか・・・胸の鼓動が激しくなってくる。

榎本がベッドの中に入ってきた。純子は壁の方をむいたまま体が固まってしまうほど緊張している純子の肩に榎本がそっと手を触れる。
優しくゆっくりと肩を撫で背中に唇を這わせる。長く美しい指、大きく逞しい榎本の手が純子の乳房を愛撫する。

588名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:17:33.37 ID:2gPx2dLT
純子のうなじに届いた榎本の唇はついばむように純子の耳朶を甘く噛み乳房を揉みしだいている。
純子の恥ずかしさのあまり声にならない声が切れ切れに漏れはじめると
榎本が純子の背中にぴったりと自分の体をくっつける。純子は自分のお尻のあたりの熱い昂まりを感じると
思わず「あぁ」と声を上げてしまう。
589名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:48:17.56 ID:2gPx2dLT
榎本はまだまだ男女の閨房のことなど分かっていない純子をまるで少女のようだと思いながらも
少女のよう純子に溺れている自分を感じていた。

「こっちを向いてくださいね」そう言うと榎本はずっと壁の方を向いていた純子を仰向けにすると
静かに純子の上に体を重ねた。
「純子さん、あなたは可愛い人だ。男がどんな風に女性を愛するのか本当のところはわかっちゃいないでしょう
僕が教えてあげますよ」
長いキスのあと榎本はじっと純子の目をみつめたままためらうように純子の秘所に指を滑らせた。
「もう少しだけ、脚を・・・そう、少し脚を開いて・・・」
秘所に届いた榎本の中指が愛おしむようにゆっくりと純子の花弁を愛撫する。

あ、あの指が、榎本さんの長くてキレイな指が私を・・私の恥ずかしいところを侵しているんだ・・。
そう気づくと純子は自身の秘所が熱く潤ってくるのを感じて頬を初めた。
榎本の指は純子の花弁の奥が潤ってくるのを知ってゆっくりと中指を花弁の真ん中に押し当てた。
蜜のあふれる部分をゆっくりとゆっくりとまさぐる。
「純子さん、痛くないから・・・」そう言うと榎本はゆっくりと純子の蜜の奥に指を推し進めていった。
処女のような硬い抵抗はないものの、純子の秘所は榎本の指さえ拒もうとしている。
榎本が思っていた通り、純子はそれほど男の体を知らないのだ。それがわかると榎本は急に純子を
からかいたくなっていまう。
「純子さん、ここ、ここ、あなたの大切なところが濡れてますね、なぜですか?」

590名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:50:03.51 ID:2gPx2dLT
もう疲れたのでフィニッシュまで時間ください。下手ですいません。
591名無しさん@ピンキー:2012/06/07(木) 23:59:20.91 ID:NFgiYF+E
>>590
乙です。続き楽しみにしてます。
592名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 00:52:02.60 ID:UUBWgzoD
「濡れて・・・って、いやぁ・・榎本さんの意地悪・・。」
「はい?僕が意地悪ですか?今まであなたをいじめたことなんてないでしょう?でもいいですよ意地悪でいいですから
どうして、ここがこんなになるのか教えて下さい」
そう言ってふふと微笑み榎本の眼差しがあまりにも優しさをたたえているのに純子は気づく。
出会ったばかりの頃は女慣れしておらず鍵と密室だけにしか興味のない朴念仁だと思っていたのに
榎本にはこんな「男」の顔があったんだ。それも相当に女を扱うのに慣れていいるからこその余裕がこんな優しい目をしているんだ
「もう・・からかわないでください・・・榎本さんは・・・そんなこととうに分かっているくせに・・・」
榎本は純子のそんな女子学生のような抵抗がますます可愛いらしく、またゆっくりと愛撫を始める。
榎本が指をゆっくりと奥へ奥へと押し進め、また指を引き抜くその度に秘所が恥ずかしい音をたてる。
恥ずかしい音が次第にくちゅくちゅと大きくなっていくと純子はもう耐えられないよう声を上げてしまう。
「いいんですよ、もっと声をだしても。恥ずかしがらないで、あなたのここがこんなに可愛らしく鳴くのを聞いているのは僕だけだから」
「榎本さん、わたし、あぁ・・・あぁ・・・もう・・・・」
「もう、何ですか?もう、じゃないです。こんなに感じていては本当の僕を感じてもらえない・・・まだですよ」
榎本は両手で純子の脚を広げると純子の溢れる蜜を舌でゆっくりと味わった。
「いやあ・・・榎本さん・・・そんなこと・・・」
恥じらった純子は思わず脚を閉じようとするが榎本の力強い腕がそれを許さない。ぐっと力を入れるとさっきより更に大きく
純子の脚を広げ、ぷっくりと赤く潤いひくひくと蠢く純子の蜜をまた味わい始める。

榎本さんの唇が私の・・・私を。そう思うと純子の襞の奥からまた蜜が溢れ出てシーツを濡らしてしまう。
榎本の唇が舌がゆっくりと時間をかけ秘所を丹念に愛撫する。くちゅくちゅという音が榎本の耳に快い。
いつもは地味なスーツの下に隠れているこの愛らしい部分を今自分の目の前にあって恥ずかしい音を立てていることが榎本を十分に満足させていた。
純子は恥ずかしい程シーツを濡らしていたがまだ

593名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 01:32:01.21 ID:UUBWgzoD
純子は恥ずかしい程シーツを濡らしていたがまだ「女」として目覚め切ってはいない。

「純子さん、いいかな?これからどうなるかは知っていますよね?途中で嫌なんて言ってもやめませんよ」
こっくり頷く純子が愛おしく榎本は純子を強く抱きしめた。

純子の両脚を開き自分の肩に掛けると榎本はぷっくりと膨らんで赤く潤った純子の秘所に自分の固く大きな昂まりを当てがった。
「ああっ・・・・榎本さん・・・」
「好きだよ、純子・・・さん」
純子の蜜を固くなった自分の分身にあてがうと、ゆっくりその蜜を男子自身で味わう。
純子の花弁は十分に濡れそぼって榎本の男性自身を包み込もうとする。榎本はそっと先端を押し進めた。
くちゅっと音がして榎本がまた先端を奥に進める。ゆっくりとゆっくりと純子を味わうように。
榎本の大きく膨らんだ男性自身が秘所にゆっくりと入っていく。男性自身をずぶっと押入れては抜きまた押し入れてゆっくり抜く。
ぐちゅっぐちゅっと二人の結ばれた部分が淫靡な音をたて、それがますます榎本の分身の昂まりを増すのに気づいて
純子は思わず嬌声を上げた。
純子の襞は熱く潤い、榎本の男性自身を奥へ奥へと誘う。榎本は次第に腰の動きを速めていく。
ぐちゅっ・・・ぐちゅっ・・・何度も何度も榎本の膨れ上がった男性自身が純子の中で蠢く。
「あ・・・あ・・・ああっ・・・えのも・・径さん・・いやぁああ」
「径・・・って呼んで・・くれました・・・ね。あなたのここが僕をほら、こんなに・・離さない・・・わかりますか?」
榎本の男性自身が根元まで純子の奥に届き、純子は胸がいっぱいになるような喜びに満たされてくるのを感じた。
「径・・・径・・・好き・・・ああぁあ」
「もっと、もっと声を出して・・・僕を感じて・・・まだだよ、もっと感じるんだ」
純子はふと榎本の顔を見た。優しく自分の体を愛撫していた榎本が雄となって自分を侵している。
いつかのようなぶっきらぼうな面影は全くないのだ。女である自分を愛しんで女の自分の体の奥まで侵入して
自分を味わいつくそうとするこの男が愛しくてたまらなかった。そしてその愛しい男が自分の秘所の奥深くを貫いていることに痺れるような快感を覚えていた。
594名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 01:48:35.80 ID:UUBWgzoD
激しく抽送を繰り返す。何度も何度も純子の秘部を押し広げ榎本の男性が純子を激しく侵す。
男性自身を引き抜こうとする度純子の紅色の襞が榎本を離すまいと男子自身を包み込む。
純子の秘部から溢れたものが更に淫靡な音をたて、榎本は純子の乳房を揉みしだきながら純子の中で果ててもいいかを訪ねた。
「うん、、大丈夫・・・安全な日だから・・・・私の中にください・・・」
「純子さん・・・」
「純子、って呼んで・・・径・・・あぁ・・・・あっ、私、もうもう・・・」
「純子・・・純子・・・好きだよ・・・こんなに・・こんなに・・・愛してる」
更に激しい抽送が続き純子の赤い襞がひくひくと蠢き榎本の男性自身をくわえ込む。
腰を激しく動かし純子の奥深くの部分に根元まで男性自身を貫き通すと榎本は純子の中に精を放った。
595名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 07:01:05.84 ID:trA1ArXf
>>594
朝から楽しませてもらった。
GJ!
596名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 07:39:39.21 ID:GMO7Du15
うほー
エロい…
全然下手じゃないですよ!
とてもお上手です。
ご馳走様でした!!!
597名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 08:59:13.83 ID:/D5Qj8Ji
>>594
GJGJ!!
梅しようと寄ったらこんな素敵な作品が!!

余裕ある榎本さんは…やらしいなぁ〜
青砥さん、どんどん開発されちゃって。
598名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 09:45:18.44 ID:26hiZEHp
ちょいS榎本とかDTの癖にやけにエロい榎本とかいいよね。
あと榎本おのフレンチキス(軽くないよ?)で腰ぬけちゃう青砥とか。
599「知りません」@:2012/06/08(金) 16:24:46.47 ID:U7Mu9R0J
そっと投下

青砥「…いざとなると頼りになりますよね…」
榎本「…(えっ?)」
青砥「…犬って…私飼おうかなと…」
榎本「(なんだ。僕のことじゃないのか
まぁ青砥さんは僕を仲間にしか思ってないだろうし、青砥さん綺麗だし彼氏とかいるかも知れないし …こんな鍵マニアの密室オタク…そして童貞…でも…今まで協力してきた僕は…)」
榎本は青砥の何気ない雑談の言葉にイライラし始めていた。どうしてだろう 会社や周りの誰がどんなことをいっても今まで自分は自分。他人は他人。同僚も他人と割り切れて生きてきたのに…
そう思いながらあの綺麗な指を いつもの癖である様に擦り始める

青砥「…榎本さん?なんか怒ってます?」
榎本「…知りません。」
青砥「…私、変なこといいました?」
榎本「…知りません。」
青砥が榎本の癖である擦る指をガバッと掴んでいう
青砥「榎本さん怒ってますって 私何か悪いこといいました?」
ドキンっ。榎本の心臓が強く脈をうつ。
柔らかい優しい青砥の手で握られた指が熱い…無表情を装うが榎本の心臓は早く強くなりっぱなしだ なんなんだ。この感情は…
生まれて30年変わり者と言われても構わず自分を貫いてきた榎本にとって密室や 超難しい開鍵よりわからない。 自分に何が起きてるのかも 自分がどういう感情なのかもわからない
「…知りません。」
わからないんだからそれしか言えないのだ、ただもういつもの無表情でいられるかわからないくらい 榎本の心臓はドキドキしていた。
600「…知りません。」A:2012/06/08(金) 16:42:28.06 ID:U7Mu9R0J
青砥「…知りません。って何を怒って…
あれ…?」
青砥はいつもの天然な青砥と違って何か思いついた様子だ

青砥「…もしかして 榎本さん。私のさっきの台詞…ヤキモチやいてません?」
榎本「…知り…っ……な…なにを…」
青砥「…やっぱりそうだぁ 私が頼りになるとかいって 犬を飼おうかなとか言ったからだぁ」
今日の青砥は青砥らしくない。中に誰か違う人でも入ってるのか……頭脳明晰
沈着冷静な榎本の脳は握られた指の暑さでいつもの思考回路ではないくらいに変になってた
榎本「…知りません。」
もう知りません。しか出てこない。もう心臓も思考回路の脳も全部 握られた指にいっているのだから
青砥「…年上の榎本さんにこんなこと言ったらすごく失礼なのはわかってますが…」
青砥が榎本の指を離す。

青砥「……榎本さんって…榎本さんって 時々すごく かわいい♪」
指が離れた途端。榎本の頬にいい香りがして柔らかいものがふれた。
ちゅ…
榎本「…な……な」
青砥が榎本のほっぺに軽くキスをしてきたのだ。どうしたんだ。今日の青砥は! …で、このほっぺにちゅ。は…
榎本は固まってしまった

青砥「…犬はかわいいから飼いたいなってちょっと思っただけですよ。一番頼りにしてるのは、芹沢さんでもなく 榎本さんです。」
榎本「…は…はぁ」

601「…知りません。」B:2012/06/08(金) 17:15:55.67 ID:U7Mu9R0J
青砥「…じゃあ…芹沢さんのテレビ出演も終わったことなので…私、仕事に戻りますね。こないだ美味しい和菓子屋さんのお菓子をクライアントさんにいただいてお店 教えてもらったんで、今日にでも買ってまた寄りま〜す。…ではお邪魔しましたぁ」
榎本「…はぁ…」
そういって青砥は
榎本の地下室を出ていった
榎本は青砥にほっぺにちゅ。をされた頬を手でおさえながら
唖然として 見送るしかなかった。自分と青砥に何が起こったのか理解できるまで時間はかかるだろう
一方…
「…どうも、失礼します。お邪魔しましたぁ」
顔なじみの受付嬢に ぺこりと頭を下げると会社をでていった
受付嬢@「…ねぇ あの女性弁護士先生。 耳まで今、真っ赤じゃなかった」
受付嬢A「…って、榎本さんがいる地下室から何してきたのよーって感じだね
あの榎本さんと…まさかねぇ」
受付嬢@A「ないないないない。榎本さん そういうのに興味ないでしょ 鍵が恋人だもん」
受付嬢@A「…そうだよねぇ(笑)弁護士先生風邪でも引いた。クスクスクス」

一方外へ出た青砥 受付嬢の言った通り 顔どころか耳…首筋…今、最低限露出してるとこ全部真っ赤にしていた
青砥『(きゃー私ってば、なにを…何を榎本さんにしちゃってんのぉ〜 なんかわかんないけど榎本さんが怒ってる。ふくれてるって無表情な顔からわかったけど 指を握ったり、ほっぺにちゅ。ってぇ〜私なんなのよー
知らない私が榎本さんにあんなことしちゃったぁ〜はずかしすぎて 地下室いけないよぅ〜ごまかして和菓子持ってくとかいったけどきゃー!今日の私なんなのよー)』

青砥もおもいっきり 自分でもありえないくらいの大胆な行動に出た自分に真っ赤になりながら パニックを起こしていた…



…その後。テレビ出演から浮かれて帰ってきた芹沢
芹沢「俺の主演しためざまし。榎本と見てくれたんだろ?あれ?
青砥顔真っ赤だぞ。
榎本とついにヤッちゃったか?
榎本にも電話したら あいつらしくなく変だったし。
…子供は出来ない様に。
あと場所選べよ。」
青砥「…な…!!
芹沢さん セクハラで訴えますよ。 何もありません!テレビ一緒に見てて、美味しい和菓子を今日買ってく約束しただけです。もう!クライアントと話ししてきます!信じられない!
芹沢さん!」

芹沢「……青砥…お前のその態度見ればなんかあったのバレバレなんだよ。…お前らは中学生の恋愛か…
602「…知りません。」D:2012/06/08(金) 17:22:49.79 ID:U7Mu9R0J
…っていったらまたセクハラだのなんだのって青砥騒ぐんだろうなぁ
俺から見れば
青砥も榎本もお互い想いあってるのがバレバレなのになぁ
まっ…いざとなったら恋愛百戦錬磨の芹沢豪がかわいい部下 青砥ちゃんと 不器用な榎本の中をまとめてやるよ
ふっ 俺っていい男」


終わり


エロもなく。なんだか尻つぼみでスミマセン。もっと、青砥からのせめで盛り上げたかったんですがこんな駄文になってしまいました。
大変失礼いたしました。
読んでいただけたら とっても有り難いです。
失礼いたしました
603名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 17:27:01.19 ID:U7Mu9R0J
題名カウント間違えましたorz
Cにするとこ Dにしてしまった…

バカ過ぎる…失礼いたしました…
604名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:23:36.28 ID:bWvx4Tmv
GJ!!
605名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:45:02.34 ID:trA1ArXf
>>603
かわいくていいね。
芹沢さんに頑張ってもらって早くくっついちゃって欲しい。
606名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:50:57.06 ID:S7tDsipW
かわいすぎる二人をありがとうございます!
芹沢パパががんばって早くくっつけて欲しい。
607名無しさん@ピンキー:2012/06/08(金) 21:51:50.82 ID:S7tDsipW
ちまちま書いてたらかぶってしまいました。
ごめんなさい。
608名無しさん@ピンキー
原作榎青投下してもOKですかね?