【ドラマ】美男ですねでエロパロ2

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1名無しさん@ピンキー

ここは金曜夜10時TBS系にて放送中のドラマ「美男ですね」のエロパロスレです

以下注意事項
・誹謗中傷厳禁
・荒らしはスルー
・カップリングは明記
2名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 06:36:35.42 ID:sv/+IzeI
お約束

・名前欄にタイトル&連番を記入
・カプ名 ●●×○○
・内容についての注意書き (続編・BL・エロあり・エロなし等)
・以前投下した作品の続編の場合は、 >> で以前の作品に安価
・投下終了したら、今日はここまで等の終了宣言
・他の職人が作品投下中は、自分の作品を投下しない (被せ投下禁止)
・ある程度書き溜めて投下 (書きながら投下は禁止)
・sage進行 (メール欄に半角で「sage」と入れる)
・レスする前には必ずリロード


前スレ
・【ドラマ】美男ですねでエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1315748694/
3名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 06:40:29.66 ID:sv/+IzeI
前スレ650です。
容量イパーイに気付かずに話上げてすいませんでした/(^o^)\
とりあえず前スレ446さんがまとめてくれたお約束と前スレのURLを>>2に追加しておきました。
独断で全部やっちゃってごめんなさい。とりあえずスレ立ったんで一旦寝ますw
4名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 11:15:56.41 ID:JNXhV6Dn
650&代行さん乙!
続き投下待ってます〜
5 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/10/01(土) 15:27:15.66 ID:pCBmx9bF
前スレ650です。続きを今から投下します。
って今回もエッチまで辿り着けなかったorz
6廉×美子14:2011/10/01(土) 15:29:17.29 ID:pCBmx9bF
「廉さん…」
「ん?」
「廉さんはいつも正直で真っ直ぐで…バンドの事とかも…誰よりも1番に考えてて。
はっきり物を言うところがあって…最初はすっごく怖くて…どうして良いか。分かんなかった…です」
「…褒められてんだか貶されてんだか分かんねーな」

廉はハンドルを握りながら思わず苦笑してしまう。
「でも…嘘がなくて。真面目で…不器用なだけ…なんですよね?」
「…自分で自分の事なんて…分かるわけねーだろ」

「ふふっ…そうやって言葉づかいは乱暴だけど、私が辛い時とか困った時に廉さんは…いつも側にいてくれて。
手を差し伸べてくれて…その手がすごく暖かくて…優しくて…それが…分かった時から…
私も…廉さんの事…好きになったんだと…思います」

母親が亡くなったと分かった時、ただ泣いている自分の肩をそっと抱きしめてくれた。
手の温もりや、女の格好をしてスタジオを抜け出そうとして記者にばれそうになった時、
ぎゅっと自分の手を握ってくれた優しい廉の手の感触を思い出すうちに美子の瞳から再び大粒の涙がぽろりと流れ落ちた。

褒められてるのか貶されてるのか分からず思わず不貞腐れた顔をしていた廉もまた、
美子の本当の胸の内を聞いているうちに再び穏やかな表情を取り戻していた。

「廉さん……」
「ん?」

美子は片手で涙を拭ってから廉の方へと顔を向けると、すぐに優しい表情をした廉の顔が美子の方へと向けられる。
少しだけ身を乗り出して廉の頬に触れるだけのキスを贈ると、
不意打ちだったのか廉は呆気に取られたような表情になり、耳が段々と紅く染まっていった。
7廉×美子15:2011/10/01(土) 15:33:53.66 ID:pCBmx9bF
「……さっきのキスの…お返し、です…ふふっ……」
「お、おう……」
「廉さん?」
「あ?」
「信号…青に変わってますよ?」
「やっべ…!」

後続の車がクラクションを鳴らすのに気付いて廉は一瞬しまったと言いたげな表情をしてからギアに手をかけて何事もなかったように車を走らせる
先程まではあんなに重苦しかった車内の雰囲気がたった数分でそれとは正反対の
ふわふわとした幸福感で満ち溢れたものになったのを廉も美子も感じていた。

やっぱり思っている事はちゃんと口に出して伝えないと相手にも伝わらないのだとお互いに思うのだった。

何度も自分から廉の許を離れようとした。それでも、何故だかいつも廉の前へと引き戻されてしまう。
きっと神様が、この人から…廉さんから離れてはいけないと教えてくれてたのだろう。
そしてまた、遠く離れた所へ自分から行ってしまうけれど…また廉さんの許に帰って来る事が出来ると信じよう
美子がそんな事を胸の内で思っているうちにどうやら車はホテルに到着したようだった

「着いたぞ。降りろ」
「あ…はい」
8廉×美子16:2011/10/01(土) 15:44:26.11 ID:pCBmx9bF
自分で扉を開くよりも先に外に立っていたドアマンが車の扉を開ける。
慣れないウエッジソールのサンダルを履いているので足元がおぼつかない。
地面に足を付けてゆっくりと降り立つと、背の高いイケメン風のドアマンが仰々しくお辞儀をするのに恐縮してしまう。

美子が慣れぬ空間で周りをきょろきょろしている間も廉はスマートな身のこなしでドアマンに車のキーを渡したり、
ホテルの上役と思われる係員と話をしている。
ふと上を見上げてみて美子はびっくりというか呆気に取られて思わず口をぽかんと開けてしまう。
重厚な造りの超高層ビルで最上階は遥か彼方だ…。沖縄で泊まったホテルも綺麗なホテルで過ごしやすかったが、
その比ではない位の高さとその豪華絢爛な佇まいの建物に美子の口は開いたまま塞がらなかった。

「う…わ…す、ごー……」
「おい…今すぐその開いた口を閉じろ!!」
「っ…は、はい!すみません…」

いつの間にか美子の隣に立って同じように上を見上げていた廉が痺れを切らしたような苛立った声を上げる。
言われた通り口を真一文字に閉じ廉の後ろに隠れるように後を付いていくと、
…言葉はやはり乱暴なのに、そっと伸びてきて美子の手を握る廉の手はとても暖かくて優しかった。
廉に手を引かれるままホテルの中に入りロビーと思われる所へどうぞと案内され座ったが良いが、何か様子がおかしい…

「あのぉー…廉さん…」
「何だ」
「ここ……どこ?」
「……事務所が用意したホテルだって…言ったよな?」
「そうですけど…でも…何か…変。ロビーなのに…人も私たちしかいないし
フロントデスクも…ないし…本当にホテルなのか…なー?って思っちゃって」
9廉×美子17:2011/10/01(土) 15:50:06.22 ID:pCBmx9bF
そもそもここはロビーなのだろうか?やけに細長い空間で、天を見上げれば
豪華なシャンデリアが何本も何本も均等間隔にぶら下がっていて
つい今しがた入ってきた扉の横にはいかにも強そうな男2人が
廉と美子を監視するかのように仁王立ちしている…
「…ああ、ここ…VIP専用の出入り口だからな」
「え?!びっぷ??」

目線を廉の方へと戻すと、いつ運ばれて来たのだろうか?
グラスに入ったミネラルウォーターをストローでちゅうーっと吸いながら
中に入っているライムの輪切りとミントの葉をぼんやりと見ている。
「……なんだよ?」
「ビップ…て…誰が…ですか?」
「…お前と俺以外に誰がいる?」
「はあ……何か…変な…感じ」
超人気者の廉がVIPなのは分かる…けれど自分は今や…いや元々ただの一般人だ。
それに…今まで世俗的なものとは一切無縁の生活をしてきた美子にとっては
別世界というよりもあまりにも異空間で。これが夢なのか…現実なのか…分からなくなって混乱してしまう。

「お前も飲めば?」
「え?」
ふと目線をテーブルに向けると美子の前にはオレンジジュースが置かれていた。
「こ。これも超高級なオレンジ、じゅ、ジュースだったりするんれ、…ですかね?」

緊張のあまり思わず噛んでしまうと、廉がたまらずぷっと吹き出す。
「どうだろうな…まあ…居心地悪いとは思うけど…我慢してくれ。
時には…こういう事をしなくちゃいけない時もあるんだ……」
「……え……?」
こういう事をしなくちゃいけない…という廉の声色があまりにも孤独で。
思わず廉を覗きこむと、その声色とは反対にいたずらに微笑む廉の顔があった。
10廉×美子18:2011/10/01(土) 15:52:14.09 ID:pCBmx9bF
「今のは『例え話』な。一般客のロビーはこのすぐ上の階にある。
今俺達がそこから普通―に出入りしたとしよう。どうなると思う?」
「……さあ……」
「ったく!!お前って奴はほんっとバカだなーー」
「(むっ)そ、そんな言い方しなくたって…!!」

「ねえ?あれA.N.JELLの廉じゃない?ねえあの隣に連れてる女誰よ!
え?何何―?何よあの女ねえ誰―?…ってなるのがオチだろ。
それでお前と俺ももみくちゃにされるだろうなぁー…他の宿泊客にも迷惑がかかる。
て事はー…ホテルにも迷惑をかける…って事だ。分かるか?バカウサギ」

「……はい…」
「だから、混乱を起こさないようにこうして初めから頼んでおけば面倒な事にはならないって訳だ…分かったか?」
「はい…分かり、ました…何か…人気者って大変なんですね…廉さん」
「そうだ。やっと気付いたのかーお利口さんですねぇーブタウサギちぁーん」

またふざけた口調で美子の髪をぐしゃぐしゃと撫でる廉の顔は楽しそうで。
それをからかわれていると思ったのか美子の顔がどんどんふくれっ面になっていく。

「もうー!!そうやって子供扱いして!私だってもう立派な大人なんですからね!」
「……」

美子がそう言いながら抗議の視線を廉の方へと向けると、面白がっていた廉の表情が一変し一瞬で険しいものになる
「おい、それ…どういう意味だ…」
「え?」
「だから…お前が言うその「大人」ってどういう意味だって言ってんだよ……」
11廉×美子19:2011/10/01(土) 15:56:14.51 ID:pCBmx9bF
「えー…だからあーもう私だって二十歳なんだからお酒だって飲めるし。
煙草だって吸えるし?…多分?いや絶対!!吸わないですけど。
それに成人式だって出れます!…あ、でも私…出れないんだ。あ?出てない?
…えーとあとはー…映画館のレイトショーだって見れるし!
夜遅くまでゲームセンターにいてもお回りさんにだって怒られないし!あとはーあとは…えーっと…」

あまりにも頓珍漢な答えに思わず廉はぶっと吹き出し声を上げて笑い出してしまう。
「もう何で笑うんですか!!!!もう廉さんひどい!!」
「お前…超面白いな!…ははっ…ちょー受けるんだけど…!!」

腹を抱えて笑い出す廉を見て本格的に拗ねてしまった美子はふんとそっぽを向いてしまう
廉にぴったりと寄り添うように座っていたのに、いつの間にか2人の間には間隔が空いている。

やっと笑いが収まったのか、廉が横を向くと美子はソファの端にちんまりと座ってオレンジジュースを飲んでいる。

やれやれとため息を付きつつも、自分のせいで不機嫌にさせてしまったのだから何とかするしかない。
「美子」
「はい?」

廉が美子の名を呼ぶと素直な返事が返ってくる…けど相変わらず顔はそっぽを向いたままだ。

「…こっちに来い……」
「…わかりましたよ…」
12廉×美子20:2011/10/01(土) 15:58:23.82 ID:pCBmx9bF
ふくれっ面をしながらも美子が廉の隣まで戻って来る。
美子の手からオレンジジュースの入ったグラスを取り上げテーブルに置くと
廉は自分の両手を美子の前に差し出す

「れんさん??」
「手…出して」

優しい口調に怒っていた事も忘れて美子が素直にすっと両手を廉の両手の上に乗せると
贈られた星のネックレスがちゃりんという音を立てて廉の手の平へと移動していく。

ネックレスのチェーンを指にかけて廉がまじまじと眺めている。
「廉さん……それ…」
元は廉から贈られたものだ。返してというのも何か違う。
「今付けてやるから待ってろ」

廉がそう言うやいなやチェーンの金具を外し美子の細い首の後ろに手を回してくる。
あまりにも突然の事でどうして良いのか分からない美子はそのまま固まってしまった。
すぐ近くに廉の顔があって…廉の息づかいを間近に感じる…美子の心臓がバクバクと音を立て始める。

「暗くて良く見えねーな。あ…?こうか。あ、出来た…」
カチっと小さな音がしたと同時に廉の体が離れていく…
名残り惜しいと思ってしまうのはどうしてなのだろう?
それはきっと自分が廉の事を愛しているからというのは勿論だけれど。
(何なんだろう…この気持ち)
美子は混乱していた。
そんな美子の様子を知ってか知らずか廉は優しい笑みを浮かべながら、美子の胸元で光を放つ星のモチーフを指でつんと突いた。
13廉×美子21:2011/10/01(土) 16:00:38.83 ID:pCBmx9bF
「…似合ってるな」
星のモチーフをつんと付いた手が今度は美子の頬を包み込むようにして優しく撫で、
美子の鼓動はどんどん早くなっていくのだった。
「…どうした?」
「…廉さん…すき…」
気付けばそう呟いていた…その瞬間美子の頬を撫でる廉の手の動きが止まる。
見上げると廉の顔は…というよりもむしろ耳も、おまけに首までも紅く染まっていた。

「い、いきなり言われると…照れる…な」
自嘲気味に笑う廉の顔を見てるうちに美子もおかしくなってきて笑ってしまう
「廉さん…かわいー!照れてるー!!」
「(むっ)…笑うなよ!」
「ふふっ…このネックレス…廉さんだと思って大切にしますね」
「お、おう…」

ふいに廉が視線を美子から逸らし遠くの方を見た気がして美子も振り返ると
ホテルの係員と思われるスーツを着た男性と女性が近付いて来る。

「桂木様、そして桜庭様お待たせして申し訳ございません。お部屋のご用意が出来ましたのでご案内致します」
「ああ…ずいぶん無理を言ったみたいで悪かったな」
「いえ、そのような事はございませんのでどうぞご安心下さい。お疲れでしょうからどうぞごゆっくりとお休み下さい」
「ああ、ありがとう」
ホテルの係員と廉との会話をぽかんと口を開けて見ているだけの美子はすぐに我に返る。
(だめだめだめさっきも廉さんに口を閉じろって怒られたんだった…)

「行くぞ」
「あ…はい」
この先にはどんな光景とどんな世界が待っているのだろう?
美子は少しだけ不安に思ったが、廉がすぐに手をつないでくれたお陰で落ち着いている事が出来た。
14名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 16:04:26.21 ID:pCBmx9bF
今回の更新は以上です。
…色んな意味でレベルが足りなくてゴメソ
いつになったらエッチまで辿りつけるのか分からないけど生暖かく見守って頂けたら嬉しいです。

因みに勝手に作った裏設定として廉は23才で元ヤンの「童貞」ですww
美子が私だって大人の女性と言ったところで表情が変わったのは処女喪失済なのかと勘繰ったからです。勿論処女です、ハイw

今夜来れたらまた来ます。ではーノシ
15名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 16:16:41.83 ID:JYKE4ydY
いろいろ乙ですw

情景が浮かぶ感じがすごくよかったです!廉や美子の何気ない会話が
なんだか読んでいてニヤニヤしちゃいましたw
続き待ってます
16名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 16:21:45.24 ID:JNXhV6Dn
乙!!2828させてもらいました
今夜も待ってます
17名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 16:33:31.72 ID:vYqrTqPZ
やっと見つけた・・・。
前スレ書き込めなくなってたなんて・・・驚いた(ry

一つ一つのリアクションが廉と美子らしくて
読んでて感情移入しやすかったです。
続きも楽しみにしてますね!
18名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 17:19:24.93 ID:vYqrTqPZ
自分も作品投下します。話しは勇気と柊がメインのエロなしで
内容は美男について話すという内容です。
21分になったら投下します。
19妄想? 1:2011/10/01(土) 17:23:47.82 ID:vYqrTqPZ
「美男ってさぁ・・・もろ廉さんだよね?」
「ん?勇気、いきなりどうした?」
新曲の宣伝のため、A.N.JELLのメンバーは某テレビ局の控室で準備をしていた。
その最中、控室の椅子に座りながら勇気は美男について話しだした。
「まぶっちゃんが話してた美男の印象、廉さんのカリスマ性以外見たことないなぁ・・って。」
「ん〜。確かに、美男が明るく振舞ってたりしてるのは見ないな・・・。」
「でしょ!どこに柊さんみたいな優しさと俺の明るさがあるってんだよ・・・。」
椅子の背もたれに肘をついて、ぶーぶーと文句を垂れ流す勇気。
その文句を柊は苦笑しながら聞いていた。

「でも、いつも俺の手伝いとかしてくれるよ?」
「え!あの美男が!!」
「あぁ。合宿所にいるときとか夕食の手伝いはよくしてくれるぞ?」
柊の言葉を聞いた勇気は眉間にしわを寄せ「うっそだぁ〜」と言いたそうな表情で柊を見ていた。


そんな勇気を見た柊が皮肉めいた言い方で
「廉も勇気も、いっつもそう言う時に限ってどこか行っちゃうから助かるなぁ〜。」
と勇気に釘を刺すように言う。その言葉を聞いた勇気は「うっ・・」と小さく声を漏らし、「ぴゅ〜ぴゅ〜」とその場凌ぎの口笛を吹いて誤魔化そうとした。


「ふふ。けど、廉も勇気も不器用だから手伝ってもらったら逆に時間かかりそうだから良いけどさ。」
「あぁ!柊さん酷!何か俺、役立たずって言われたみたいでちょっと傷ついた・・・・。」
不貞腐れながら回転する椅子をぐるぐると回す勇気。

「わ、悪い悪い。そ、そういう意味じゃなくて、勇気はグループの盛り上げ担当だから自分の得意な部分で活躍すれば良いってことで・・・。」
慌てた表情を浮かべ、勇気にフォローを入れる柊。
(意外と勇気ってデリケートなんだなぁ・・・。)とかその時、柊は思ったとか思わなかったとか。

「そうだよね〜!自分の得意な所で頑張ればいいんだよね!!やっぱ柊さんは良い人だ〜!」
と柊の言葉に機嫌を良くした勇気。
いつも通り明るい表情を浮かべながら一人「うんうん」と頷いていた。
その姿を見た柊は心の中で「ホッ」とした。

しばらく、嬉しそうに喜んでいた勇気だが、何か釈然としない表情をしだした。
「そういえば・・何の話してたんだっけ?」
「いや・・・美男の話を・・「あぁ!忘れてた!!」
「おいおい・・・・。」
「でさぁ、見たことないんだったらいっその事、想像してみない?」
「え・・?」
「明るくて優しい美男!」
20妄想? 2:2011/10/01(土) 17:26:21.10 ID:vYqrTqPZ
「勇気さん!」
「お?どうした美男?」
「今日パーティーしませんか?」
「え?何のパーティー?」
「えっと・・・。勇気さんの誕生日祝いです!!」
「あれ?今日・・・?誕生日?」
「柊さんから聞いたんです!勇気さんが今日誕生日だって!」
「み・・・みおぉ〜。」
「もうお店も予約してあるんですよ!早く行きましょ!」
「あれ・・?合宿所でやるんじゃないのか?」
「んと・・・その・・・二人っきりで・・・・。」
「え?」
「だから、勇気さんと俺と二人っきりです!!」



「ん〜。こんな美男だったら滅茶苦茶楽しいだろうなぁ〜。」
一人顔を赤くしながらその場で暴れる勇気。
その想像と勇気の様子を見ていた柊が一言。
「勇気・・・・。お前、美子を参考にして想像しただろ。」
その場で暴れていた勇気が「ビクッ!」と反応して勇気は柊の方を向く
「しゅ、柊さん!エスパー!?」
「いや・・・話聞いてたらもろ美子だなぁ・・・って思って。」
「何でわかるの!?あ、さては柊さんも美男見る時、美子のこと思い浮かべてるんでしょ?」
「えぇ!?お、俺は勇気とはちが「まぁまぁ、隠さなくても良いじゃん!」
「いや、だからちが・・・」

控室の中でギャーギャー騒ぐ勇気と、勇気の言っていることがあながち間違いではなくて少し恥ずかしくなる柊。

「ガチャリ!」
そんな二人のやり取りはお構いなしで、美男が控室に戻ってきた。
そして、顔を赤くさせた二人の姿を見た美男はドアノブを握りその場に立ったまま
「・・・何か、お楽しみ中見たいだったみたいだな・・・。それじゃあ・・・。」
と二人の姿を見た美男はそのまま扉を閉じて慌てて走っていった。

しばらく、沈黙が続いた後柊さんがにっこりと笑いながら勇気を見る
「ゆ〜う〜きぃ?」
その笑顔に恐怖を感じる勇気。
「しゅ、しゅぅ・・・さぁ〜ん。」
「そんな猫撫で声で人の名前呼んでも許さないぞ・・・?」
「ご、ごめん「何か変な勘違いされただろ!!!」

しばらく、A.N.JELLの控室からは柊のお説教の声が聞こえていたと
テレビ局の関係者は語っていた。


そして、控室から飛び出した美男は慌ててトイレに逃げ込んでいた。
「ま、まさか・・・あの二人がそんな関係だったなんて・・・。」
何かを勘違いしたのか本当に真に受けている美男。
当分の間、美男の頭の中で「柊と勇気はできている。」という考えが抜けなかったようだ・・・。
21名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 17:27:23.51 ID:vYqrTqPZ
以上です。柊さんが若干キャラ崩壊気味?に感じました;;
それでは、一先ずここで失礼します。まだ夜に来ます。
22名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 18:47:02.59 ID:JYKE4ydY
柊さんの優しさと勇気の明るさの美男は確かに全く想像できないねw
この勘違い美男はなんか可愛いなあ
23名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 18:58:13.62 ID:1X9aZvrE
妄想美男可愛い!
夜にお待ちしてます
24名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 20:03:05.00 ID:JceFSPMQ
誤解しちゃう美男、イイw勇気も柊さんもかわいいなぁ。
ほんとのところ、美男はどういう性格なんだろう?
美子の兄だし、やっぱりカワイイ子だと思うんだけどね〜
25名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 20:18:33.49 ID:mK2hgk44
1サン乙!

前スレの柊美子、泣いたよ。ハッピーバースデー廉さん抱きを見たら、心折れるよね。この一人エッチで気力回復したのかなw
シスコン美男も可愛かった。柊さん、美子とイチャイチャして美男を苛めて欲しいw 廉さんの代わりに許可するw

>>14
廉美子、劇中の二人がいる。元ヤン童貞廉さん、すごくタイプです。大人の女性に反応したシーン最高ですた、GJ!

>>20
明るくて優しくて面白い美男兄、見たい〜。勇気妄想劇場復活ですね。続きあればいいなぁ。柊さんも妄想小劇場してるんでしょうかw
26名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:17:21.05 ID:vYqrTqPZ
>>20の続きができました。
今回は前回にプラスして廉さんも加わります。
また、妄想劇場は今回柊さん視点になります。20分ぐらいから投下します。
27名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:20:45.92 ID:vYqrTqPZ
「まさか・・・あの二人があんな関係だったなんて。世の中わかんないなぁ・・。」
先日、番組収録前の控室で見た柊と勇気の1シーンが頭から拭えない美男
1週間経っても美男の誤解は解けていなかった。

一方、その問題の二人もまた悩んでいた。

「それじゃあ・・・、お先に失礼します。」
「あ、ちょっと美男!待って!話が」
「・・・すいません。用事あるんで失礼します・・・・。」
柊の話が終わる前に美男は柊を避けるように練習場から出ていった。
「まだ、美男に避けられてるんだ。柊さん。」
「誰のせいだと思ってるんだ?他人事のように言ってるけど・・・。」
「・・・・すいません。」
この1週間、柊と勇気はずっと美男に避けられ続けていた。
流石にこの1週間何もしていなかったわけではない。
何度も美男に訳を説明しようとするが、その度に逃げられてしまっていた。

「お前ら・・・・美男に何したんだよ?」
気になった廉が二人の会話に割り込むように聞く。
「じ、実はさぁ・・・・・」
勇気は1週間前のことを廉に話した。

「つまり、お前ら二人で美男について想像してたところを美男に見られてあっちの人間に勘違いされたってわけか?」
「何か、言い方がちょっと変な気がするけどそんな感じ・・・。」
「ホント、俺まで変なとばっちり受けちゃって・・・・。」
「でも、柊さんもあの時顔赤くしてたじゃん!どっちにしろ同罪だよ!」
「まぁ、まぁ・・・いきなり美子の名前出されて驚いたと言うか・・・。」
勇気の言い分にも一理あるのか、それ以上何も言い返せなくなる柊。
そんなやり取りを横から聞いている廉。
「そんなくだらないことしてたお前たちが悪いんだろ!?」
「ごもっとも・・・・。」
「けど、廉さんだって気にならない?」
「何がだよ。」
「そりゃ、明るくて優しい美男だよ。」
「俺は別に気にならねーよ。あいつが自分の仕事すればそれでいい。」
今度は二人が美男の話をしている。
そんな中、柊はぽかんと頭の中で自分なりの明るくて優しい美男を想像していた・・・・。
28妄想? 4:2011/10/01(土) 21:21:56.31 ID:vYqrTqPZ
「柊さん!これどこに置けばいいんですか?」
「あぁ、それはテーブルに置いてくれ。」
「このお皿も一緒に並べておいていいですよね?」
「あ、あぁ・・・よろしく頼むよ。っ!」
「ど、どうしたんですか!?柊さん!?」
「ちょっとぼーとしてたら指切っちゃって・・。」
「大丈夫ですか!?すぐに手当てしないと!?」
「だ、大丈夫だよ。ホント少しだから。」
「駄目です!黴菌入ったらどうするんですか?」
「そ、そうだな・・・」
「すぐに絆創膏貼りましょう!」

そう言うと美男は柊の腕を掴んでリビングのソファまで柊を連れていき、
座らせた後、救急箱を取りに行き、すぐに戻ってきた。
そして、手を自らの顔に近づけて指の消毒をしだした。

「わ、悪いな・・・迷惑掛けて。」
「良いんですよ!いつも俺も迷惑かけてるんですから!はい、終わりました!」
「あ、あぁありがとう。」
「いえ、気にしないでください!役に立てただけでも嬉しいですから!!」
そう言うと、被っていた帽子を外し柊に「ぺこり」とお辞儀をしてキッチンに戻っていった・・・・。
29妄想? 5:2011/10/01(土) 21:23:21.82 ID:vYqrTqPZ
「ぅさん!柊さん!聞こえてる!?」
勇気の声で現実に戻される柊。
「ゆ、勇気・・?どうした?」
「どうしたって、ぽかーんとしてると思ったらだんだん顔赤くなってきたんだもん!」
「え!?」
鏡を見せられると、顔を赤くした柊の姿が映っていた。
その姿を見た廉はため息をひとつついた。
「お前・・・想像してたな?」
「い、いや・・・その・・俺は別に・・・。」
「やっぱ、柊さんも想像してたんじゃん!!」
「う・・・その・・・悪かった。」
「たく・・・このままじゃいつまでも誤解なんて解けそうにねーな」
そう言うとまたも大きなため息を一つ勇気と柊の前でつく廉。

「ん〜。いつも優しくて明るい美男なら別に問題ないんだけどなぁ・・・。」
「お前・・・そんな姿見たらまた顔赤くするんじゃねーのか?」
と「お前馬鹿か?」と言いたそうな顔で廉は勇気を見る。
その顔を見て勇気は頬を膨らませてた。

「良いよなぁ〜。廉さんには美子がいるからそう言うのにも困らないしさ〜。」
「そうだよな。俺たちの悩みなんて廉にとってはどうでも良いことだもんな。」
「そうそう!俺たちがどれだけ廉さんに貢献したと思ってるんだかさ〜。」
次々と二人はグサグサと痛いところばかりをついていく。
その一言一言を聞くたびに「うっ」という声を出す廉。

「わかった!俺が何とか取り繕ってやる・・・・。たく。」
「おぉ!流石廉さん!わかってるぅ〜。」

そんなやり取りをしているとまたも練習場の扉が開く。
「すいません・・・・。ちょっと忘れ物をし・・・・て・・・。」

「「「あ・・・」」」
美男が部屋に入ってきた瞬間、3人は声をそろえてそう言った。
「あ、あの・・・美男?べ、別にこれは・・・・・。」

「・・・・その・・・すぐ出ていきます・・・。」
忘れ物をすぐに取ると開いた扉をそのままにして走り去っていった。
無理もない。赤い顔をした柊を囲むようにして廉と勇気が立っていた。
またも勘違いは深まってしまった・・・・・。


「・・・・なんか、前とおんなじ展開になっちゃったな。」
「そうだね・・・柊さん・・・・。」
「・・・・おい、一つ聞きたい。」
顔を合わせて話す二人とは違い、背を向けながら話す廉。
「この場合・・・俺も同じ目で見られることになるのか?」
「えっと・・・・柊さん!!」
「え!?・・・た、多分そうなると・・・・。」

その後、廉は今日一番のため息をついた後に二人を怒鳴りつけた。

一方、またもタイミング悪く変な場面に出くわしてしまった美男は通路にいた。
「・・・・・リーダーも・・・かよ・・・・。」
やはり勘違いは解けることなく、逆に深まってしまった。
果たして、美男の誤解を解くことが出来るのだろうか・・・・。
30名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:25:03.08 ID:vYqrTqPZ
取り敢えずここまでで終了です。こういう感じのほのぼの系?書くの楽しい!
そして、自分にはエロは向いていないと書いてて思ったww
エロネタ書いてると何だか気持ち悪くなるというかなんというか・・・←
31名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:38:04.91 ID:vYqrTqPZ
>>30
「そして、自分にはエロは向いていないと書いてて思ったww 」
って言うのは、今作を書いていたら、昔書いたエロネタ系の作品の事を考えると
エロ系の作品には向いていないって思ったってことです。言葉足らずで申し訳ありませんでした。
32名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 21:52:28.61 ID:vYqrTqPZ
>>22
ドラマ見ただけだと明るくて優しいってイメージは全くないですよね。
意外と美子が天然だから兄も天然か持って感じで書きましたw

>>23
妄想美男はほとんど美子意識で書きました。
明るくて優しいって要素入れたらまんま美子じゃんとか思ったので。

>>24
自分の中だと美子を小さな頃から守ってたからクールな一匹狼的なイメージです。
けど、本当のところはどんな性格なのかは気になりますよね!

>>25
勇気妄想劇場、ドラマでも好きでした。途中からは妄想無くなってさみしく思った時も・・。
柊さんもきっと勇気同様妄想してそうですよねw

皆さん、感想ありがとうございました!
33名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 23:44:05.05 ID:KLA0QlVt
>>30
なんという衝撃!ここは18禁エロパロスレなのにw

今は混在してるけど、そのうちほのぼの系スレもできたらいいね。
34名無しさん@ピンキー:2011/10/01(土) 23:52:51.47 ID:mK2hgk44
>>29
美男兄にとっては、廉さんは、義弟になるんだよね、そのうちにw
妹との恋愛が禁断の3人の恋のカモフラージュに思われたら可哀相だな。
やっぱり柊さんも美男兄で傷癒してるんですねw
35名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 00:00:42.51 ID:xmi8AoPK
新スレ乙です!


前スレ582で柊×美子で柊さんにも幸せになってほしいと呟いた者です。

前スレ636様、通じ合う想い、とても良かったです!柊さん幸せになってよかったー!!エロパロなのに目から涙が…

柊さんの一人えっちも良かったですwww

36名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 00:12:23.19 ID:soDWuWSr
皆さん、いつも素晴らしい作品をありがとうございます。
たくさんの作品をわかる範囲で書き手さん毎に分けて保存していたら
めちゃくちゃカオスな状態にw
柊×美子のアフリカの夜を書かれてた方って、今回スレまたぎで廉×美子を
書かれてる方ですかね?違ってたらすみません…。
小話も、拾い集めたらなかなか多くて。そりゃスレ容量も超えるわwって感じです。
37名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 00:14:41.08 ID:ysJV9UiB
需要は多分ないだろうけど書きたくなったので書いてみた!

NANA×美子です

NANAがまだ美男が女だと知らないころの話です
エロはありませんし、百合?になるのかな…
なのでよかったら読んでください
38NANA×美子:2011/10/02(日) 00:16:04.16 ID:ysJV9UiB
美男のグループへの加入歓迎会。
大きなクラブを貸し切っての盛大なお祝い。

その真ん中に置かれたソファの上に、美男はかしこまったままで
何をどうすればいいのかよくわからず、じっと座っていた。

「大丈夫、美男?緊張してる?」
「美男、楽しんでるか!?ちょー楽しいよ!」
「お前、調子にのんじゃねーぞ」

とグループの三人からは三者三様の声をかけられるが
知らない人がたくさんいて、美男は緊張しきりだ。
そんな中、緊張のし過ぎで喉が渇いてしまった美男は
テーブルに置かれた炭酸ジュースに見える淡いピンク色の
液体の入ったグラスを手に取った。

グイ、とそれを一気に飲み干すと、炭酸の心地よい刺激と
飲み物の甘さ、そしてアルコールの苦味がまとめて美男を襲う。
普段の美男ならまずアルコールの苦さに顔をしかめてしまうが
緊張からか、「美味しい!」と思わず口に出すほど
その味を気に入ってしまった。
もっと欲しくなった美男は、隣にあった誰も口のつけていない
グラスも手にとってそれも一気に飲み干した。

「おい美男、飲めるのか?」
「はじめてなんで、わかりません」
「あんまり飲むなよ、バレるぞ」
「はぁい」

馬渕に釘を刺されるが、美男の頭はもう1杯のアルコールを探している。
この短時間で、普段なら考えられない状況下だからこそである。
ふと、グラスをたくさん載せたテーブルが目に入り
そこへ向かおうと、立ち上がったときのことだった
39NANA×美子:2011/10/02(日) 00:16:39.43 ID:ysJV9UiB
キャーという大きな歓声が聞こえ、誰かが入ってくるのがわかる。
美男が首をかしげていると、その人物は颯爽と歩いて
美男たちがいるソファへと近寄ってきた。

「NANAちゃんだ!」
勇気の興奮した声があがり、美男はストンとソファへ座りなおした。
「美男、NANAちゃんだ。トップアイドルだぞ」
柊が美男へと耳打ちをする。
「へ、へぇ…(うわぁ、綺麗な人…顔小さいなぁ)」
一瞬、NANAの美しさに目を奪われて美男はじっと見入ってしまう。
そんな美男を勇気や柊はニヤニヤとした表情で美男を突付いた。

「はじめまして、NANAです。美男…さんですよね、よろしくお願いします」
すっと差し出された手すら白くて美しく、美男はぼーっとした顔で
NANAを見つめていた…が、すぐに手を出して握手を交わした。
「こ、こちらこそ!」
立ち上がった美男は深々とNANAに向かって頭を下げた。
顔を上げると、ニコっと微笑んだNANAと目が合う。
「美男さん、可愛いですね。女の子みたい…柔らかい手だし。」
「そ、そうですか?え、えへへ…」
女の子、というセリフに一瞬ドキっとした美男だが
得意のえへへ、でごまかしたように微笑み返した。
「でも、…やっぱりイケメンですね!」
ごまかした笑顔の美男に、NANAはすっと顔を近づけると
そう言ってまたもや微笑んだ。

NANAは美男を見て、ガキっぽいと思った。
とても、このバンドにふさしいとは思えない。
幼くてふわふわした感じがする。
まだ中学生みたい…顔は結構いいけど。
でも、私が気になるのはこっち…!

NANAはすぐに美男から離れて廉の横に座った。
美男の場所からはよく聞こえないが、いい雰囲気、ではないらしい。
40NANA×美子:2011/10/02(日) 00:17:11.32 ID:ysJV9UiB
ふっと美男はさっき行こうとしていたテーブルへ行くために立ち上がった。

「えーっと、これだ」

いくつかのグラスを見て、先ほど飲んだグラスを探す。
先ほどを同じピンク色を見つけて、美男はそれを手にして
またもや一気に飲み干した。
勢いは収まらず、美男はそこにあった他のドリンクも手にして
辺りを見渡し、人気のあまりない隅っこのソファへ移動した。

どうやら、自分がここにいることに誰も気付いていない様子で
回りも比較的静かな場所に、美男は緊張がどっと解れるのを感じた。
と、同時に勢いで体の中に入れたアルコールが一気に美男に襲い掛かった。
飲み慣れないのに、度数の高いドリンクを3杯も一気飲みしたので
美男の体からは力が抜けて、へなへなとソファに倒れこんでしまった。

「んっ…なんか変…」

仰向けに倒れこんだ美男は頭に手を当てて「うー…」と唸る。
体が熱く、特に頬の辺りがとても熱い。
頭の中はボーっとして、何も考えられないほど、ここも熱い。
自分が自分でなくなるような、変な感覚がある美男。

そんな美男に、声がかかった。

「美男…さんですか?こんなところで何を?」
その声の主は、NANAであった。
「酔ってるんですか?」
美男の顔が赤く、ぼーっとした顔を見てNANAは尋ねる。
「はぁ…たぶん…ん、でも平気…です」
「とてもそうは見えませんけど」
「え、えへへ…」
「ふぅ…」
41NANA×美子:2011/10/02(日) 00:17:47.42 ID:ysJV9UiB
だらしくなく笑った美男を見てNANAはため息をつく。
酔っ払いは嫌いなのよ、面倒くさい。
臭いし、話は長いし、絡んでくるし、いいことなんて何もない。
…でも、新人さん放っておけないでしょ?この、ガキっぽい子を。
NANAはなんとなく母性を刺激されたような気分になる。

「…ねぇ、ちょっとここで寝るのはやめなさいよ」
「どうしてですかぁ?」
「色んな人が見るんだから、ちょっとこっち」
「え、ちょ、な、NANAさぁん?」

面倒くさそうに、NANAは美男の腕を掴んでグイっと持ち上げると
そのまま立たせて、パーティー会場から抜け出した。
酔っ払いというのは重くて動かしづらいものだが
小柄な美男はあっさりとNANAに引かれていく。

そしてそのまま、近くにあった空き部屋に美男を放り込んで
自らもその中に入った。
まだ酔いが回っていてとろんとした顔の美男に向かって
NANAは呆れたように腕を組んで話す。

「あのね、あなた新人とはいえプロなんでしょ?潰れてどうするの!」
「……すいません」
「ってなんで私があなたに説教しなきゃなんないのよ!もう!」
「ごめんなさい…」

他人に怒られてシュンとなった美男はあっさりと酔いが醒めて
放り出された床の上に正座してNANAの話を聞いていた。

「とにかく!もうあんなこと止めなさいよ、みっともない」
「は、はい!絶対、しません!」
「…じゃあもう私は帰るから」
「え、っと、あの!」
「なに?」
「NANAさんってすっごく優しいんですね!僕、嬉しかったです!
迷惑かけてごめんなさい…NANAさんがいい人でよかった…」

美男の正直すぎる言葉にNANAは驚いて一瞬、息を止めた。

何なのこの人…恥ずかしげもなくよくそんなこと言えるわね。
人を疑うことを知らなさそう…無垢で純粋すぎる。
そんな男の子、まだこの世に存在してたんだ。やっぱりガキね。
42NANA×美子:2011/10/02(日) 00:18:18.75 ID:ysJV9UiB
反応が少し遅れて返事をする。

「…う、うん。べ、別にいいのよ」
「僕、NANAさんのファンになっちゃいました!絶対応援します!」

美男は目をキラキラさせてNANAにそう伝えた。

綺麗な顔…やっぱり到底男の子には見えないわね。
肌もスベスベだし、首筋はえらく白いし。
美男の目に、肌に、NANAの視線は吸い寄せられていた。
NANAはそんな自分に気付き、ハッとして忠告を付け加えた。

「…それはいいけど、あんたもこっちの、応援される側の
人間だってこと忘れないように」
「はい、もちろっ…あっ!」

返事をしながら美男が床から立ち上がろうとしたときのことだった。
慣れないお酒を飲んで、慣れない正座をして、足元はグラグラだった。
立ち上がった美男はまっすぐに立てず、ふらふらして前のめりになる。
そして足は前に倒れ、そのまま目の前にいたNANA共々、床に倒れこんだ。

「いったーい!もうなにすん…!!」

美男が急に倒れこんできて、肩辺りに痛みを感じたNANAは
文句のひとつでも言おうとしたが
すぐ目の前にある美男の顔に、言葉は飲み込まれた。
ついさっき、綺麗だなと思った男の顔が目の前にある。
男は男で、目の前にあるNANAの端正な顔に目を大きく見開いて言葉を失っている。
一瞬、時が止まったように全く身動きできなくなる二人。
43NANA×美子:2011/10/02(日) 00:18:50.76 ID:ysJV9UiB
「す、すいません!」
「…いや」

先に動き出したのは美男で、慌ててNANAから離れた。
NANAは突然のことにびっくりしすぎて倒れこんだまま動けない。

「NANAさん?大丈夫ですか?怪我とか、僕どうしようひどい事を…!」
なかなか立ち上がらないNANAに美男は動揺している。
「だ、大丈夫よ!」
そんな美男の様子を見て、NANAはさっさと立ち上がった。
それでも、先ほどの美男の顔が頭から離れない。
「よかったぁ」
心を撫で下ろした美男が無防備な顔で微笑む。
その顔を見てNANAの心は揺れる。

なんでどうして、こんな子に。
私は廉みたいな大人がいいのに。
この子はどう見ても子どもみたいに幼くて。ガキ、なのに。
…なんで、ドキドキしてるんだろう。

NANAの頬はうっすらと赤くなっていたが美男も、NANAも気付いてはいなかった。

そんなこと考えしまい、必死に否定するNANA。
美男の顔を頭の中から振り払おうとして、
NANAは「じゃあ」とだけ告げて、美男の顔も見ようとせず
そのまま小部屋から足早に出て行ってしまった。

「お、怒らせちゃったかなぁ…まずいなぁ」

美男は全く見当違いなことを考えて、一人で慌てているのだった。
44NANA×美子:2011/10/02(日) 00:20:14.53 ID:ysJV9UiB
以上です!
結構長くなってしまいました…
続きは一応考えてます!
ただイレギュラーなカプなのでみなさまの反応を見てからにします
百合だしね…

てことでおやすみなさい
45名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 00:55:48.12 ID:zyNgQ3a+
百合スキーな自分としてはすごくアリです!
エロならNANAが5話ラストのトイレで美男に詰め寄ってそのまま…
みたいなのが読みたい

二人とも廉が好きなのに感じちゃう!みたいな
46名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 06:44:15.05 ID:U51WYH5o
流れぶったぎりで失礼

前から気にはなってたけど、ここの人、初心者の方が多いのかな
少し2ちゃんのルールやらPINKのルールやら
半年とは言わんが、しばらくROMればわかる不文律みたいなもんを
知る努力をしたほうがいいと思う
書き手読み手にかかわらず、全レス、自分語り、職人詮索、馴れ合い
どれもあまり好まれる行為ではない
それはここではなく、それがふさわしいところでやるべき

それとは違うけど、全年齢対象板との住み分けとしてのPINKが
なんのためにあるのか、ちょっと考えたほうがいい
そもそも本スレにリンクしてある時点でまずいのに
今回のスレ立ての本スレでの報告、他スレで話題になってるよ
晒されても文句言えないレベルだよ

焦ったのもわかるし>>3さんを責めてるわけではないんだけど、
そこは少し考えて欲しかった
いい職人さんだと思っただけに

自治厨ウザと思った人ごめん
てか、自治厨とか全レス、自分語りなどの意味がわかんない人は本当に半年ROMってくれ
47名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 08:29:17.19 ID:ObFJq1X8
>>46
3番です
後になってかなりまずい事やらかしたなと悶々としてたので逆にはっきり言って貰えて良かった。
本当姐さんのおっしゃる通り本スレの書き込みの件はちょっと考えればする分かる事だったのに
判断力に欠けてました。深く反省してます、本当申し訳ありませんでした。
ここが全年齢対象板ではない事もそうだし、本スレはヲタもいればアンチも常駐してるしね
自治厨ウザとかは全然思わないよ、全部あてはまってると思うし。

忘れてたというか抜けてるっていうかか久々過ぎて感覚鈍ってるかも…w
とりあえず自分は反省の意味も込めてしばらく潜ってきます。






48名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 08:50:27.11 ID:qCPKRE+T
>>46 >>32の者です。
私も自分自身のやってしまったことに反省しました。
こういった場所のルールがわからなかったとはいえ、そのルールを知ろうとしなかった
私自身の甘さであると思いました。本当に申し訳ありません。
そして、しっかりと注意をしていただきありがとうございました。

私の方もしばらくこう言った場所でのルールやマナーを一度しっかりと学ぶため
しばらくはレスを自粛します。本当に、大切なことを教えていただきありがとうございました。
49名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 13:49:24.50 ID:RlIJwlfQ
本当に流れがぶったぎれてるんですけど・・
>>46が言ってる事は正しいしわかるけど
あなたも初心者じゃないんだから、
その後どんな空気になるのか考えて、
もう少し言葉を選んで欲しかったです。
50名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 13:58:28.39 ID:Xt7B/0c3
あああああーー。
スイートルームがまたしばらくお預けにorz

廉×美子の続き楽しみに待ってるから
絶対戻ってきてよーーーー。
51名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 14:05:31.62 ID:oOYuedlo
>>49
>>46さんはちゃんと言葉選んで書いてくれてると思うよ
自分もずっと悶々としてたけどうまく注意できなかった

せっかくいい書き手さんがたくさん来てくれてるんだから
続けていくには必要なことだと思う
52名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 14:27:07.24 ID:fu75Qp2J
今一度ここをどういう風に回していくのか話し合うのは必要だと思う。

自分は出来ればここ以外にぴんく難民あたりに雑談スレ作って欲しいって前から思ってた。
前スレみたいな終わり方することもこれからあるだろうし。
それに馴れ合いと雑談に作品の混在のこの状況は見辛いなーと感じる。
53名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 14:35:34.26 ID:8a3HI806
あんまり分けると過疎らないか?ドラマ終わって勢いも落ちてるし

今後気を付ければいいんだから、書き手さんもレス自粛とか潜るとか…
作品が読めなくなるのは悲しすぎる
54名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 14:48:23.99 ID:V9twx0or
>>49
>>46は的確に指摘してくれてると自分も思うよ。
今まで基本ルール無視した結果がこれだし、いい機会だったと思う。

他スレ見て、まさかここのことだとは思ってなかったし。
いい職人さん多いし、大事にしたいよ。
55名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 14:55:49.64 ID:V9twx0or
こんな時にsage忘れスマソ

スレ分けるのもありかも。どうせ住人被るだろうし。
56名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 15:31:19.10 ID:TcXrunh5
>>46
意見に賛成。勇気を出して伝えてくれてありがとう。
57名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 17:10:22.02 ID:RlIJwlfQ
>>49もわかるけどね。
>>52みたいに意見するならともかく>>49の言い方は攻撃的
指摘は正しいけど、これ見て潜る書き手はいると思うよ。

でも>>46をきっかけに見やすいスレになりそう。

そろそろ本題にもどりませんか?
58名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 17:13:13.14 ID:8a3HI806
職人さ〜ん投下待ってます!!
59名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 17:16:39.26 ID:D14k1Y7V
ま、今のままだったら過疎る前に叩き出されてたからな。ちょうど良かった。
それに、自粛も再開も宣言する必要はないし書きたくなりゃ書きゃいいだけ。
ルールさえ守れればそんなに堅苦しく考えることないんじゃないの。
60名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 17:36:50.31 ID:x2Rq0IDJ
見事な自演だ
61名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 17:41:49.50 ID:fu75Qp2J
('A`)
62名無しさん@ピンキー:2011/10/02(日) 18:39:53.10 ID:V9twx0or
ヤメテ腹痛いw

ここ最近の状態の方が職人潜らせると思ってたけどね〜
63名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 00:37:29.49 ID:jlANdLMy
落ち着いたら投下して下さいな
気長にお待ちしております
64名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 01:36:41.36 ID:+Jueu28M
私もちょっと馴れ合いしてたので少々反省。気をつけます。
でも流れ止まって寂しいので、1つ投下します。
以前書いた勇気×RINAの続編という感じで…どうぞ。
65勇気×RINA続編1:2011/10/03(月) 01:38:25.22 ID:+Jueu28M
少し肌寒くなってきた秋の朝。
RINAは軽い朝食を済ませてから、TVの情報番組をBGMに、着替えていた。

"今日の1位は、さそり座のアナタ!失くしていたモノが見つかって
ハッピーかも?恋愛運も絶好調です"
別に占いなんてあまり信じないし、ましてや星座ランキング〜って言われても…。
自分の星座が1位だったにも関わらず、RINAはボンヤリとそんなことを思っていたが。

「あ、ウソ。あった…!?」
数日前に失くしてしまったと思い、探していたお気に入りのシルバーのリング。
いつも置いているジュエリーボックスの中ではなく、小物入れのポーチの中にまぎれていた。
「ふーん。あの占いも捨てたモンじゃないわねぇ」
気分が良くなって見つかったリングを指にはめた時、ベッドのほうから寝ぼけた声で勇気が
「RINAしゃーん…」と呼びかける。

事務所の面々に、勇気がRINAとの交際宣言をしてから既に1年近く経っていた。
社長や馬淵も最初は驚いていたが、勇気やRINAのオープンでまっすぐな性格を
知っている為、その恋路を応援してくれる。
それに、相手が専属スタイリストということで、一緒に居ても怪しまれずに
わざわざ噂が立つようなこともない。
そして勇気は、週に2回ほどはRINAの部屋に泊まるのが習慣になっていた。

「あ、起こしちゃった?ゴメン、まだ寝てていいわよ。あたしは先に出るから」
「おはよ。俺が、朝からRINAさんの顔見たかっただけ〜へへっ」
「はいはい。今日はアンタ午後からだから、もうちょっとゆっくりしてなさっ…ん」
勇気は、RINAのぽってりした唇に吸い付いた。
既にグロスを塗っていた為に勇気の唇までテカテカと光る。
首筋にもキスを落とされてRINAは力が抜けて勇気の背に手を回し、吐息を漏らした。
66勇気×RINA続編2:2011/10/03(月) 01:39:35.87 ID:+Jueu28M
と、その時。朝の情報番組は芸能ニュースのコーナーへと切り替わった。
"今日の話題は…いいですね〜。人気バンドグループA.N.JELLのドラム、
勇気が熱愛!?ってことですが…"
2人の動きがピタリと止まる。まさか、バレてた…?

"お相手は、モデルとして活躍中の女性とのことで…どうやら中学・高校の
同級生だという情報が来てますね〜。あ、ツーショット写真もあるようです。
2人は昼間から食事の後でショッピング等でいい雰囲気だったそうですよ"
"いやぁ、若いっていいですね〜お似合いですね"

勇気は、すぐにRINAへ向き直った。
「RINAさん、これは絶対ちが…」
「あ〜、あの。勇気も若いしさ、そういうのもまぁ、仕方ないわよね。あははっ」
しばし呆然としていたRINAは、年上の余裕を見せたくて、つい口走る。
「RINAさん…マジで言ってるの、それ」
「…え?あ、あたしは大丈夫…っていうか…」
勇気は、それ以上は何も言わずにさっさと帰り支度をして部屋を出て行った。
「ちょっと…なんで勇気が怒るわけ?」

これまでの1年、勇気は優しくてかわいくて。屈託の無い笑顔でいつも癒された。
いつも一緒だけれど、たまにはお互いのオフを思い思いに過ごす。
ケンカなんて、納豆をタレを入れてから混ぜるか、混ぜてから入れるか…だったり。
そんなどうでもいいものばかりだった。
そう、ただの誤解よね。でも、私が年上だから今まで無理させてなかったかな。
やっぱり同世代の子のほうがいいのかも…。
イヤイヤ、勇気は浮気なんてしないはず…!さすがにそんな素振りはなかった。
「まずちゃんと話、聞かなきゃいけなかったよね…何やってんだ、あたし」
RINAはそう呟いてから、時間が無いことに気づき仕事へ出かけた。
67勇気×RINA続編3:2011/10/03(月) 01:40:44.21 ID:+Jueu28M
「Youは…RINAという者が居ながら、なぁにを…(ピキピキ)」
「だから〜、誤解だって!その子とは付き合ってないよ!俺はRINAさん一筋!」
「それで?RINAさんに対して誤解は解けてるのか…?」
柊が心配そうに聞いた。ちゃんと誤解だと信じてくれる仲間がありがたい。
RINAならすぐ誤解だとわかってくれると。
あんな報道は笑い飛ばしてくれると、信じていた。
それなのに…俺はそんなに、信用がないのか?
「ま。仕事もあるし、そのうち来るだろ。ウダウダしてねーで新曲の練習するぞ」
廉はうな垂れる勇気の肩を叩き、練習室へと促した。
「まったく…あいつらは次から次へと…。
 おい沢木!一応、否定のコメントしとけよ。頼むぞ」
社長は呆れてため息をついた。

午前中は、ショップとの打ち合わせの予定があって、事務所へ寄らずに済んだ。
でも午後は…夜に歌番組の収録があり、勇気と顔を合わせることになる。
あの時、珍しく真剣に怒った勇気の顔が頭をよぎった。
ふぅ、とため息をついた時、RINAの携帯が鳴る。

「ちょっと、RINAー?勇気君の熱愛報道ってどういうことなのよぉ!」
「トオル…いや、あれは…別になんでもない、と思う」
「何?その自信無さそうな声!!RINAがちゃんと捕まえてないと、勇気君は
 またボクが狙っちゃ…「もう!ちょっと、貸しなさい!」
電話口に、NANAの声が響いた。
「RINAさん?年上とか年下とか、男とか女とか。恋愛には関係ないですよ?
 どれだけなりふり構わずに相手に向かっていけるかってことなんですから…
 浮気なんてしてようがしてなかろうが、ちゃんと正直な気持ちをぶつけないと後悔しますよ。
 じゃ、頑張ってくださいね?」
「NANA…」
一方的に言われて電話は切れたがNANAの言葉が胸に突き刺ささる。
しばらくその場で、RINAは勇気への気持ちを再確認してから歩き出した。
68勇気×RINA続編4:2011/10/03(月) 01:42:57.26 ID:+Jueu28M
衣装合わせは他のメンバーの手前、いつもどおりに卒なく終わらせたがみんなの視線が痛い。
勇気は不機嫌なままだし、全員が何か言いたげに自分を見ているのが
RINAにはわかっていた。TV局へ行く時間まであと1時間は残っている。

「出発までの時間、ちょっと勇気と話あるから…連れてくわ。…勇気?」
RINAは勇気に手招きした。
「…ちゃんと話して、勇気の機嫌なおしてきてよ」
美男が茶化したように言い、勇気は大人しくRINAについて行った。

2人は事務所の第2応接室に入り、ソファに腰掛けた。
「勇気、ほんっとにゴメン。あんたの話も聞かないであんなこと言っちゃった…
 あたし、バカだった」
「RINAさん…」
「あんたは隠し事できないし、浮気とか絶対ありえないって。
 わかってるはずなのに…信じてるのに…。
 やっぱりどっかで年上だとか気にしてて…自分に自信持てなかった」
「わかってくれたら、もういいよ…RINAさん」
「ううん、全部言わせて。全然、年上の余裕とかないけど。
 自分でもウザいくらい、勇気が好きだっていうのは本当の気持ちなんだ。
 あんたに、受け止めて欲しいの…」
RINAは堰を切ったように一気に言い終えると、肩で1つ大きく息をした。
「俺…すっごい嬉しいよ!!RINAさん、超〜カワイイ!」
勇気はそう言って、RINAに抱きついてソファに押し倒した。

4つ並んだ背もたれの無い形のソファは、瞬時に2人のためのベッドへ変わる。
唇を重ね、互いの舌が奥まで侵入し合って口内を犯した。
「ん…んっ!はぁっ…」
勇気の唇は首筋や肩に降りてきて、RINAはピクリ、ピクリと反応する。
勇気は襟元の大きく開いた、ゆったりしたチュニックをたくし上げてRINAの胸に吸い付いた。
RINAの体は、いつ見てもその美しさに魅せられる。
先端のピンク色を丁寧に舐めあげると、キュ、っと硬くなってやや濃い色に変わった。
「ゆぅき…」
RINAの腕が、勇気の首に回ってまた深く口付けた。
そうしながら、勇気の手はスカートの下へ侵入していく。
太ももをじっとりと撫でられ、はぁっ、と息が漏れる。
じれったい、早く触れて欲しい…そう言わんばかりにRINAは勇気の頭を撫でた。
69勇気×RINA続編5:2011/10/03(月) 01:44:18.84 ID:+Jueu28M
RINAの秘所は、焦らされて下着まで濡れるほどに潤っていた。
勇気の指は何の抵抗も無く入り、ネットリとした愛液が絡まる。
「あぁ…んっ…ゃん…」
「RINAさん、今日はもう待てないよ…」
勇気の言葉に、潤んだ瞳でRINAは1つ頷いた。

RINAの長い脚を自分の肩に乗せ、真上を向いて勃起したものを勇気は秘所へ宛がった。
何度となく味わってきたその場所だったが、改めてRINAの気持ちを聞いた今、より愛おしくて。
快感もそれに伴っていつもの何倍にも感じた。

RINAを受け止める、その決意を示すかのように。
そして自分の同じ気持ちを受け止めて欲しいとでも言うように。
勇気はRINAの中に入り、激しく出し入れを繰り返した。
「…っはぁ…はぁ…くっ!!」
「あぁ…んんっ…もぅ…やぁ…!」

RINAの中が、きゅぅっと何度かヒクつき、その刺激で勇気も我慢できずに精を吐き出した。

「俺も、本当に本当にRINAさんのこと好きなんだ。それこそ、ウザいって言われるくらいにね」
「勇気…」
「あの記事は、言うまでもなく誤解だし。あの子は昔からの友達で…
 買い物に付き合ってもらっただけ。これ、買いに行ってた」

勇気はソファに脱ぎ捨てたジャケットのポケットから、ケースを取り出した。
「あの子の知り合いのジュエリーショップを紹介してもらったんだ。
 気に入ってもらえるかな…」
パカッと開けたケースには、個性的なデザインのダイヤのリングが輝く。
「誕生日プレゼント…?にはまだ少し早いけど…ありがと」
RINAはそれを気に入り、笑顔で右手の薬指にリングを嵌めた。
「あ、なんでサイズ…」
「ごめん、実はいつも嵌めてたソレを3日間だけ拝借してた」
今朝、ポーチから出てきたリングのことだった。
そして勇気は、イタズラっ子のような笑顔を向ける。
「それに…そっちの手じゃないよ?」
右手から、左手へと。え…?と呆然とするRINAを余所に、ゆっくりリングを嵌め換えた。

「俺の気持ちも、受け止めてもらえる?」
「…もうっ!!」
それ以上何も言えずにRINAは勇気に抱きつき、ただ何度も頷いた。
70名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 01:46:19.15 ID:+Jueu28M
以上です。
勇気、22歳で結婚は早いですけど、RINAさん三十路なんでいいかなとw
71名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 04:51:54.65 ID:8V24eN7i
>>70
イイ!GJ!
前回もすごくよかったけど、やっぱり勇気はかわいい〜。
不安になるRINAさんもかわいいなぁ。
そしてNANAにきゅんと来ましたw

他のメンバーも一言だけど、それぞれのキャラらしく勇気を思ってる気持ちが伝わってすごくよかったです。

投下してくれてありがとう。すごく嬉しかった。
みんなが居心地よくいられるスレになるといいね。
72名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 11:24:20.06 ID:DbkKsu4d
>>70
勇気かわいい!GJ!
みんなが出てきて言う一言がまたイイ!
幸せ気分頂きました

投下があって嬉しかったです。これからも、たくさんの作品読めますように。
73名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 21:25:46.96 ID:tpC1fj9q
感想どうもありがとうございます!遅筆ですが、また新しいネタで
書いていこうと思います。他のみんなのも読ませてー!待ってます。
74名無しさん@ピンキー:2011/10/03(月) 23:24:47.56 ID:0VbCBTc7
>>73さん
勇気×RINA可愛いカップルだね。
このお話が前スレの、曝け出すエッチ一歩手前の柊xRINAの後の話だったら、
柊さん、恐るべしですがw


ところで、このエロパロ板って、エロなしパロディでも予告しておけばアリなんでしょうか?
それとも、エロなしはスレチだから、別板にスレ分けした方がいいの?
自分が見た少女漫画原作のエロパロスレは、エロ無しほのぼの系作品が殆どだったけど、
運用ルールは、それぞれのスレ住人さんが決めるの?
75名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 00:46:59.37 ID:BJDjxxKM
76名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 01:17:32.70 ID:QnZX0+y3
投下します。
柊×美男(柊さん幸せバージョン)エロありです。
77柊×美男 1:2011/10/04(火) 01:20:15.68 ID:QnZX0+y3
「美男、お茶飲む?」ノックの後にドアが開いた。
「あ!柊さん毎日ありがとうございます」
施設に通うようになってから、夜になると柊がハーブティーを持ってきてくれる。
「いつもすみません」美男は慌ててテーブルの上を片付けた。
「気にしないで、ついでだから。それより今日はおまけ付き」
柊は得意気に笑うとテーブルの上にトレイを置いた。
「うわぁ〜かわいい」
色とりどりのフルーツが乗った小さな丸いケーキがキラキラと光っていた。
にこにこしながらケーキを見つめる美男を見て、柊は微笑む(やっぱり女の子なんだな…)
「こ、これ!僕に?」
「今日撮影の時、疲れてるみたいだったから。美男甘いモノ嫌い?」
「だ、大好きです!うれしいです」慌てて笑顔で答える。
「疲れた時には甘いモノって言うだろ。美男は頑張ってるからな」
「柊さん、ありがとうございますっ!…食べていいですか?」「もちろん」
ハーブティーを注いであげながら、少し頬張っては満足そうに微笑む美男に、柊は優しく話しかけた。
「美男は偉いな」
「そんなことないですよ。僕は…これくらいしか出来ませんから」
『兄が戻るまで私が頑張ります』柊の頭の中に、先日聞いた言葉が浮かぶ。
「柊さん、とても美味しかったです。ご馳走様でした」
そう言って頭を下げる美男を、柊は首を傾け覗きこんだ。
「美男、髪になんかついてるよ。取ってあげるからじっとしてて」
「え?あ、はい。すみません」
柊を向いてまっすぐ座る美男の髪に手を伸ばす。
「ん?…ちょっと待ってね」
柊は髪に触れたまま、美男の耳元に顔を近づけた。
「柊さん?どうかしましたか?」
「美男…今日何かしたの?」
耳の後ろあたりの髪が、白く束になって固まっていた。
「今日ですか?あ!ペンキにちょっと…えへへ」
躓いて転んだんだな…柊は心の中で呟いた。
「洗ったんですけどね〜」「このままじゃ、髪が痛むよ。ほどいてあげる」
そう言って柊は美男の横に移動した。

78柊×美男 2:2011/10/04(火) 01:21:32.35 ID:QnZX0+y3
柊は美男の横に座ると、耳の後ろがよく見えるように顔を寄せた。
髪を持ち上げ、指先を使って少しずつほどいていく。
「こんなとこまでペンキが付くなんて、一体どんな転び方したんだ?」
ぴくんっ!美男の身体が動いた。
「どうした?痛かった?」
突然のことに驚いて、美男の顔を覗き込む。
「い…いえ、なんでもないです」少し俯きながら美男が答えた。
「変なヤツだなぁ」
顔を戻した柊の目に、白い首筋と柔らかそうな耳が飛び込んできた。
そういえば、さっきまではペンキしか見てなかったような気がする。
「参ったな…」思わずため息混じりに呟いてしまった。
そのせいでまた美男がぴくんと動く。そのかわいい反応を見て、柊の中でよくないものが動き出した。
(もっとしてあげようか?美男)
柊は横から美男の腕ごと抱き締めた。驚いた横顔が目の前に見える。
「!柊さん?」
「美男…少しの間でいいから、黙ってこのまま話を聞いてくれる?」柊は美男にそっと顔を近づけた。
「そんなに身体を強張らせなくても大丈夫。どうして俺が、お前をこんな風に抱き締めてるかわかる?」
ぷるぷると首を振りながら、美男の首筋がみるみる紅く染まっていく。
「美男に言わなくちゃいけないことがあるんだ…どうした?くすぐったい?」
柊の腕の中でも、美男が時折ぴくんぴくんと動いていた。
美男は耳元で柊に囁かれながら、自分の身体に芽生えていく何かに、必死で耐えている。
ごめん美男…でも、もっとそんなお前を見たくてたまらない。
「…お前が女だって、俺は前から知ってたよ」
「え…?」
「でなきゃ、こんなことしない」
「あ…」
柊の腕にギュッと力が入った瞬間、唇が美男の首筋に優しく触れた。
「このままでいいって思ってたけど、見てるだけじゃ辛いんだ…」
柊が話す度、唇が首筋を微かに刺激する。「ん…っ柊さん…」
嘘がばれていたことよりも、自分の身体の異変に美男は戸惑っていた。
抱き締められているからなのか、胸の鼓動は大きく聞こえるし、柊の息遣いで身体が震えて熱くなる。
なのに、柊から伝わる温もりは心地よくてたまらない。
柊は回していた腕をはずし、そっと美男を抱き寄せた。
79柊×美男 3:2011/10/04(火) 01:22:43.99 ID:QnZX0+y3
「ごめん…美男」
美男は柊の胸元で頭を撫でられながら、身体の中に残る何かに気付いていた。
身体と気持ちが落ち着いて、少しずつ柊の言葉を思い出す。
しばらくして美男がぽつりと言った。
「ばれてたなんて、知りませんでした。…ばれないように頑張ってたんですけどね…」
美男の瞳から涙がポタポタと落ちる。
「ごめんなさい…なんだかホッとして…」
もしかしてあのシャワー室のタオルも、毎日のお茶も、頭を優しく撫でてくれたのも…
知ってたから見守ってくれてたんだ…そう思うと涙が止まらなかった。
柊の体温を感じ、今までの緊張感がスーッと消え、安心感で満たされていく。
「辛かったね…みんなにバレないように男のフリして。いつも見てたから、俺は知ってるよ」
そう言って肩を抱く手に力を入れた。
「ごめんなさい…柊さん、騙してて…」
「俺もお前を騙してたから一緒だよ?」
柊は微笑みながら両手で美男の頬を包み込み、涙を拭いてあげた。
「柊さん…ありがとうございます」
大きな瞳から次々と溢れ出す涙に、柊の唇が吸い寄せられる。
「!」美男の瞳が大きく開いた。
柊は頬を伝う涙を唇で拭うと、最後に一瞬だけ、軽く唇に触れた。
「あ…」次の言葉が出てこない美男に、柊が優しく話しかける。
「物足りなかった?もう一回してみる?」

音を立てて何度も唇を吸われたり、舐められたり、気付けば口の中で柊の舌が動き回っている。
これが…キス?どうしてこんなに胸がドキドキして、身体が熱くなるの?
「ねぇ…美男、大丈夫だから…何も心配しなくていいから」
「え?」意味を聞く前に、美男は床に押しつけられていた。
「柊さ…」再び唇を塞がれる。さっきとは比べ物にならない激しいキスだった。
どんどん動悸が激しくなるし、息をするタイミングもわからない。
「あ!」柊の手が下半身に伸びた。激しいキスをしながら、ボタンをはずしファスナーを下ろす。
柊は下着の上から、美男の中心にほんの一瞬、軽く触れた。
「美男…自分が濡れてるの知ってる?」
自分を見下ろす柊の目を見ながら、美男は唇をキュッと噛むと小さく頷いた。
80柊×美男 4:2011/10/04(火) 01:23:50.33 ID:QnZX0+y3
美男はベッドの上で、素肌に柊の体温を感じていた。「柊さん…私…」
「大丈夫、何も考えないで。力を抜いて、目を閉じてごらん」
そう言うと柊は手を美男の胸に優しく滑らせた。
「…んっ」柊の指先が敏感な場所に微かに触れる度、美男の身体が小さく震えた。
「綺麗だよ…とても」
「あっ」柊の舌が美男のソレをとらえる。初めて感じる生暖かい感触に、美男は唇を噛み締めた。
「んんっ…んっ…」
舌先で何度も弾かれる度、無意識にでる自分の声が聞こえてくる。
「美男…我慢しなくていいよ。声出して…俺に聞かせて」「あぁ…っ」
柊の言葉を聞いた美男の身体から、温かいものが溢れ出た。
その瞬間、柊の愛撫が美男の身体にはっきりと伝わってくる。
何度も揉み上げられる胸、舌の動き、柊の息遣い…美男の思考が停止した。
「あぁぁん…んんっ…あぁ…」
「いい子だ、美男…」
柊は美男の喘ぎ声を聞きながら、右手を下半身にそっと伸ばす。
「凄く、濡れてる。うれしいよ」
柊の指がゆっくり美男の中に吸い込まれていった。「んっっ!」
柊は美男の顔を見ながら中を掻き乱す。
「あぁっ…柊さんっ…」
無意識に発する美男の呼びかけに柊は満足し、体勢を変えた。
「俺にもっと見せて。もっと美男のいやらしい声聞かせて」
脚を大きく開き、押さえつけて唇をソコに寄せる。
「いやっ!…あぁっ」
秘部に強く唇を押しつけ、舌全体をくねらせ吸い上げる。
美男は初めての感覚に、頭も身体もコントロールできない。
ただ勝手に出てしまう声と、下半身が疼くような感覚に支配され、涙が勝手に溢れてくる。
「美男…これからだよ。俺が教えてあげる」
柊の言葉に我にかえり目を開いたその時、今まで知らなかった熱いものが美男の身体に現れた。
下半身の一点に感覚が集中する。熱い…何かがそこに、確かにある。
「あぁぁぁ------嫌っ!いやっ!…いやぁぁ---」
まだ知らない感覚に美男は不安と恐怖を感じ、叫び続けた。
「美男…俺がイカせてあげる」
柊の舌がむき出しのそれを強く刺激し続けた。
「んっ!…んあああっ…あっ…」
一瞬の沈黙の後、汗ばんだ美男の身体がビクンと跳ね、トロリとしたものが流れ出した。
81柊×美男 5:2011/10/04(火) 01:25:12.71 ID:QnZX0+y3
「美男…大丈夫?」
「柊さ…ん、今、わたし…」
目を開いた美男の頬を柊が優しく撫でる。
「美男はイッたんだよ…気持ちよかった?」
真っ白な感じと脱力感…でも、何かに満たされている感じ。
なにより、目の前の柊が愛しくてたまらない。
優しさと温もりと、一番望んでいた安心感を与えてくれた人。
「はい。とても」
美男は覗きこむ柊の背中に手を回し、ギュッと抱き締めた。
「美男…」
驚いたような柊の声を耳元で聞けて、美男は何故かとても嬉しかった。

「美男、幸せそうだね」
「はい、とっても!」
今日二つ目のケーキを食べながら美男が微笑む。
「あ!柊さんも食べてください。疲れてますよね?
疲れた時には甘いものですよ〜はい、半分どうぞ」
不器用に分けられた、かつての小さな丸いケーキを見ながら、柊は苦笑いをした。
「美男、さっき自分の食べたよね…」
「そうでした?…でも…私も疲れたので…」
恥ずかしそうに俯いた美男の頭を優しく撫でながら、柊は幸せに満たされていた。

82名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 01:29:09.52 ID:QnZX0+y3
以上です。柊さんの幸せは難しいw
83名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 03:18:59.85 ID:PMzfeALM
>>82
GJ!!!

可愛すぎるwww

柊さんはエロの達人イメージだけど、美男の初々しさでこんなほのぼの幸せエチーご馳走様でしたww

次回は是非本番も待ってます!
84名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 05:12:52.35 ID:ej87uzb0
>>82
GJ!
柊さんの優しさとエロさと美男のかわいさとても良かったです!
報われる柊さん話嬉しいw
また読みたいので気が向かれたらお願いします!
85名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 06:06:30.53 ID:q7Qz3IiB
>>82
GJGJ!!
柊さん、よかったね!
本編であれだったんで、幸せになってくれてうれしいよ…
でも、優しくも強引に自分のペースに持ってってるところに
柊さんらしさを感じてみたりw
美男がかわいすぎて、きゅんきゅんきました。
86名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 11:41:55.88 ID:+RTGSxS/
GJ!最高すぎる!!
柊さんも美男も可愛い
やはり一話が柊さん絶頂期だったか〜
87名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 14:02:57.33 ID:mscsHUdE
廉×美男のらぶらぶストーリー(一緒にお風呂とか)を試みたが
文才のなさに撃沈
どなたか後を引き継いでくれませんか??
88名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 15:30:26.35 ID:e9IWgUrN
廉と美子の一緒にお風呂書いてみました!
廉×美子エロあり美子帰国後のある日の設定です
投下しますね。
89一緒にお風呂:2011/10/04(火) 15:31:38.02 ID:e9IWgUrN
今日は廉の久しぶりのオフで遊びに出かけていた二人。帰る途中で大雨になり合宿所に帰りついた頃にはびしょ濡れになってしまっていた。
「廉さん風邪ひいたら大変です。お風呂に入れるから入ってください」
お風呂を入れにいく美子をみながら廉は顔を赤らめ(たしか今日は他の奴らは泊まりがけのロケだったよなチャンスだ…)と思いを巡らせていた。
「美子。お前も風邪引くといけないから一緒にはいるぞ。」
「えっ!私はしっかりタオルで拭いたし大丈夫です。廉さんの後に入りますから…」
「お前が一緒に入らないなら俺も入らないからな。風邪引いたらお前のせいだぞ!!」
「そんなぁ…廉さんひどいです。じゃあ入浴剤を入れて廉さんが私が入った後に来てくれるならいいですよ。」
美子の返事に小さくガッツポーズを決める廉であった。
90一緒にお風呂2:2011/10/04(火) 15:32:38.26 ID:e9IWgUrN
「美子入るぞ。」
湯舟にそっと入りちらっと美子の方をみると恥ずかしいのかこちらに背中を向けていて首がうっすらと照れて赤くなっている。廉は美子に近づくと後ろからぎゅっと抱きしめた。
「廉さん恥ずかしいです」
「今更はずかしがることないだろ?」
「だってえっとお風呂一緒なんて初めてだし…」
はずかしがる美子とお風呂といういつもと違う雰囲気に廉はたまらず美子の首筋に吸い付いた。
「あっん廉さん…」
首筋に跡をつけながら両手は美子の胸の敏感な部分を弾いたりつねったり刺激する。
「やっそこだめ廉さん…」
「美子。ここに座って」
湯舟のふちに美子を座らせると足を広げ顔を埋め敏感な部分を舌で刺激する廉。「廉さんはずかしっあん」
ぷっくりと膨れた美子の敏感な部分を刺激するとどんどん蜜が溢れでてくる。
91一緒にお風呂:2011/10/04(火) 15:34:13.15 ID:e9IWgUrN
「美子。気持ちいいんだな。いつも以上に濡れてるぞ」
廉の言葉にますます快感が高まる美子
「やっ廉さんだめなにかくるっ」
「いっていいぞ。美子許可してやる」
「あぁぁ〜」
美子は頭が真っ白になり果てた。
「まだまだだからな」
そう言うと廉は美子を立たせて壁に手を尽かせると後ろから美子のなかに自身を一気にいれた。
「あぁだめ廉さん力入らなくなるっ」
廉は片手で美子を支えながら美子のいい部分に当たるように時に優しく時に激しく突き上げる。
「やっだめまたいっちゃう廉さん」
「美子、俺もやばい一緒にいくぞ。」
そう言うと二人一緒に果てた。
「なんか興奮したな、また風呂場でしような。」
「もう廉さんとはお風呂はいりませんっ」
照れる美子に優しくキスをした廉だった
92名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 15:35:38.25 ID:e9IWgUrN
以上です。
エッチな廉さんは難しい〜そしてエロな文章書くのも難しい…
駄文ですがありがとうございました。
93名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 15:49:49.32 ID:e9IWgUrN
>>87さん 話の提供ありがとうございました。
94名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 20:09:57.76 ID:sOQYGgSN
>>81
柊x美男、初回に最初に気付いたといっておけば、こんな幸せがあったんだね。
告白から行動に移す技巧派・柊さんGJ!

お風呂 廉美子、愛くるしすぎるw 
このあと、予定早まって、「ただいま〜」とお風呂場に入ってきた、柊さんに目撃されると予想します。
95名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 20:27:49.06 ID:4VKOn0Mw
>>94
>このあと、予定早まって、「ただいま〜」とお風呂場に入ってきた、柊さんに目撃されると予想します。

これ以上柊さんに目撃させるのはやめてあげてぇぇぇ!!!
96名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 23:29:33.21 ID:+RTGSxS/
廉美子お風呂かわええ〜
確かにこれは柊さん目撃フラグww
ラブラブ廉美子がもっと読みたいです院長様
97名無しさん@ピンキー:2011/10/04(火) 23:37:31.87 ID:QnZX0+y3
82です。感想ありがとうございました!
楽しんで貰えて嬉しいです
お風呂シチュの廉さんガッツポーズ笑いましたw
98名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 03:57:07.94 ID:Q+MTyWP1
風呂上がりのホカホカポヤポヤな
美子を目撃だなんて柊さん不憫すぎるなw
99名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 05:44:53.79 ID:ScdH93XA
お風呂かわいかった〜
97と同じく、ガッツポーズワロスwww
鮮明に顔が浮かんできて、ますます笑っちゃった
やっぱ廉美子はラブラブがいいねえ〜

院長様、どうぞ柊さんが目撃していませんように…w
100名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 07:48:22.20 ID:iMiTRICg
廉×美子のお風呂を書いた者です。
みなさん感想ありがとうございました。柊さんが最後目撃…も考えたけどあまりに可哀相なのでやめときましたw
101名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 10:34:10.90 ID:1ovPGXYA
ここの柊さんなら目撃した後、ネチネチ言いながら美子を攻めるハズ…

何ソレ!読みたい!w
102名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 12:08:32.49 ID:Ur7zUrQt
>>100さん!
有難う 話引き継いでくれて
素敵なお話でしたよー
103名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 13:45:20.68 ID:1ovPGXYA
>>102
sage 忘れてますよ
104名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 16:21:06.68 ID:iMiTRICg
勇気×美子 エロあり
入れ代わりの時に勇気と付き合っていた設定で書きました。少し長め?かな。
投下します。
105勇気×美子:2011/10/05(水) 16:21:27.08 ID:iMiTRICg
「み〜こっ」食器を洗う美子に勇気は後ろから抱き着ついた。
「もう〜勇気さん誰か帰ってきたらどうするんですかっ?」
「今日は廉さんは曲作りで事務所に泊まるっていってたし、柊さんは泊まりがけのロケだから二人きりだよっ。だから大丈夫。」
久しぶりの二人きりだぁと勇気は大はしゃぎ。
「そうなんですね!せっかくだから公園に☆でも見にいきませんか??」
「☆もいいんだけど、今日は美子にお願いがあるんだよね…これ着てみて!」
そう言って勇気はセーラー服を取り出した。
106勇気×美子2:2011/10/05(水) 16:22:24.16 ID:iMiTRICg
「こっこれどうしたんですか??」
「美子に似合いそうだな〜と思ってネットで買っちゃた!ねぇ〜美子きてみてよっ!」
「えぇ…恥ずかしいです。」「どうしてもダメ??」
勇気の無邪気な子犬の様な目でおねだりされると美子はつい断りきれず…
「わかりました。一回だけですよ?着替えてきますね。」
と制服をもち部屋へと着替えに行った。
数分後…
「着替えましたけど、変じゃないですか??」
「うわぁ〜美子似合ってる!超かわいいよっっ」
やっぱり思った通りだと美子の回りをうろうろしながら大はしゃぎの勇気。
「ねぇねぇ、美子。勇気先生ってよんでみてっ」
「えっと…勇気先生?」
首を傾げながら言う美子の可愛らしさにたまらず勇気は抱き着き唇を重ねた。
107勇気×美子3:2011/10/05(水) 16:23:28.71 ID:iMiTRICg
優しくついばむようなキスから段々と舌を絡めあう激しいキスへと変わっていく。「ゆうきさんっ息できない…」
「今日は先生ってよんで。ねっお願い!」
そう言いながら制服の中に手を入れてブラをはずし胸を優しくもむ勇気。突起を軽くつねると、
「あっ勇気先生っ…」と甘い声をあげる美子に背中にぞくっと快感が走る。
スカートの中に手をいれると下着の上からでも濡れているのが分かった。
「美子はいやらしい生徒だね。こんなに濡らして…先生がもっと気持ちよくしてあげるね」
美子をソファーに座らせるとスカートの中から下着を下ろし中に顔を埋めた。
「やっせんせっそこはだめっ」
勇気が舌で刺激するたびに美子からどんどん蜜が溢れでてくる
108勇気×美子4:2011/10/05(水) 16:24:21.25 ID:iMiTRICg
「美子の格好すごくやらしい。美子も興奮してるんだね?ここ…びしょ濡れだよ」
「やっ勇気せんせっ言わないでっ」
「そろそろ俺も限界…今日は美子が上になって?」
美子が上になり少しずつ勇気のものを入れていく。
「やばいっ美子すごい締まってる。美子が気持ちいいように動いて?」
ゆっくりと腰を動かす美子。それに合わせて動く勇気。段々と気持ちがいい位置が分かってきたのか、動きが激しくなっていった。
「やっあんっだめきもちいいっゆうき先生っ」
「俺もきもちいいよっ一緒にいこっ」
勇気の声と同時に二人の頭は真っ白になり美子は勇気の上で力つきた。
「美子、のりのりだったね。超〜気持ちよかったよ!!」
「私も気持ちよかったです…」
「じゃあ今度はナース服でしようよ!」
「もうしませんっ!」
膨れる美子を見ながらまた上目遣いのおねだり作戦するぞ!とにやける勇気であった。
109名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 16:25:39.15 ID:iMiTRICg
勇気×美子以上で終わりです。
コスプレは柊さんかな?と思ったけど柊さんのエロさを出す自信がなく勇気にしてみました。
110名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 16:42:46.60 ID:B3bIvHYW
まさかのコスプレ&教え子プレイww萌えました
美子はなんでも似合いそうだなぁ。
個人的には原宿の時の髪型+黒セーラーとか修道服プレイとかよく妄想する
柊さんだったら机と椅子用意して自分の分の衣装も用意して徹底的にやりそう
111名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 18:43:17.29 ID:ScdH93XA
かわいい〜
勇気はなにやってもかわいいなあ。
美子はセーラー似合うよ、保障するw
ポニーテールでめっちゃかわいかったよ!
(中の人の前のドラマの話でごめん…)

らぶらぶでなんだか幸せになりました!
112名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 18:44:19.22 ID:2LHtIWf6
どうもこんばんは、廉×美子の書き手です。
皆さんのお話私も2828しながら読ませて頂きました!
潜ると言ったけど、多忙につきいつ来れるか分かんない状況になってきたから
とりあえず出来てる所まで投下しに来ました。
本当今さらだけど味気ないからタイトル考えたw「眩しい夜」て事でよろしくお願いします。
今回はほんのちょっとだけ?エロ?的な描写あります。


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>>6-13
113眩しい夜廉×美子22:2011/10/05(水) 18:46:26.23 ID:2LHtIWf6
VIP専用ロビーからそのまま最上階のスイートルーム直通のエレベーターに2人乗り込む。
美子は、こうした待遇が初めての事だからなのかただのエレベーターなのにも関わらず

「わ、ボタンがない」だとか「すごーい早ーい!宇宙船みたい!」とか
訳の分からない事を呟きながらきょろきょろと辺りを見回している。
「……別に言う程大した事ねーのに……」
「そりゃあ!廉さんにとっては普通の事なのかも知れないけど……って…うわっ…!!」

美子がいきなり大声をあげて廉の背後に身を隠す。
「……今度は何だ?」
「いや…その…高いなーって…思って。私…高い所…ちょっと…苦手で……」


廉は夜になると殆ど物が見えなくなる体質なので、シースルーのエレベーターの外の景色も
この薄灯りの下ではぼんやりとしか見る事が出来ないが、美子には鮮明に見えるのだろう。
それまではうるさいほどにすごいだのうわーだの大きな声を上げていたのに、
今は廉の背後でちんまりと大人しくしている。
意外な一面を知ったというか、美子にも苦手なものがあるのだなと廉は思うのだった。
114眩しい夜廉×美子23:2011/10/05(水) 18:48:17.06 ID:2LHtIWf6
…その一方でちょっとした悪戯心が芽生えた廉は美子の肩に手を置いて、その体をエレベーターの際へと押し出す。
「肝試しだ。ほら!!この景色よーく見とけ!…もうすぐ見おさめなんだからな!」
「ちょっとー!廉さん!やだ!やめてくださいってばもう!!」

本当に高い所が苦手なのだろう美子は必死に抗って、廉の体に腕を回してぎゅっと抱きついて来る。
その体は小さく震えていて。廉ははっとするのだった…
「み、美子…?…」
廉が美子の背中にそっと手を回すと、美子は「もう!廉さんひどい!!」と恨み節を言いながら
どんどんと廉の背中を強く叩くのだった

「ぃっ…て…!」
「だって!……廉さんが悪いんですからね!!!!もう!」
「分かったって!!…分かったから…これで機嫌直せよ」
「…へ?」

不抜けた声を上げながら美子が廉の顔を見上げた瞬間、
廉は美子の柔らかい両頬を両手でそっと包み込み、
まだ僅かばかりに不機嫌なのか尖っている美子の唇に自分の唇を強く押しあてた。

上唇と下唇で美子の固く閉じられた唇を包むようにして
そして、自分の本当の気持ち…心の奥底から沸き上がって止まらない美子への愛しい気持ちを込めるようにして
何度も…何度も熱い口付けを美子に贈る。
115眩しい夜廉×美子24:2011/10/05(水) 18:50:39.81 ID:2LHtIWf6
今まで廉から与えられてきた優しいキスと明らかに様子の違うそれに美子はうろたえてしまう。
…それでも不思議と嫌な気分にはならない、むしろ…いつまでもこうしていたいと思うのだった。
けれど、いかんせん美子は恋愛の「れ」の字も知らない。

初めて心から愛していると思った人も口付けを交わし合うのも…廉が初めての相手だ。
ただその熱い口付けに応える事しか出来ないし、息つく暇さえも分からない。
ずっとこうしていたいという気持ちとは裏腹に美子の息は限界に達していた。

思わず、廉の唇から逃げるように離れて息をつくと、その瞬間を待っていたとばかりに
再び廉の唇が美子の唇を覆うようにして吸い付いて…そして廉の熱い舌が美子の口内に遠慮がちではあるけれどゆっくりと侵入してくる。

一瞬何が起こったのか分からなかったけれど、廉の舌が撫でるようにしながら美子の舌に触れる。
美子の体は、初めてのその感触にびくんと震え反射的に廉の体と舌から逃げるように離れるけれど
廉の手はいつの間にか美子の首の後ろを掴んでいて、逃がしはしないとばかりに強く…けれど優しく引き戻される。
再び口内に廉の舌がゆっくりと侵入してくる…びっくりして咄嗟に舌を引っ込めてもう1つの舌から逃げようとしても追いかけて来る…
そして廉の舌はぎこちない動きだけれど美子の舌に絡み付きゆっくりと動き始める。

初めは背筋がぞわぞわするような何とも言えない感覚だったのに、いつの間にか体の奥が熱く疼いてくる。
決して嫌ではない…けれど感じた事のない初めての気持ちに自分が自分でなくなっていくような感覚になり…それが怖いとも思った

「れ…さ…ちょっ…と…ま、っ…て…」
「…どうして?」
116眩しい夜廉×美子25:2011/10/05(水) 18:52:45.91 ID:2LHtIWf6
そっと目を開くと、すぐ目の前に廉の顔がある…
優しい声とは反対にただ真っ直ぐに美子を見つめる二つの星のような黒い瞳は熱を帯びて
まるで小さな獲物を狙っている獣ような男の目をしていた。

その瞳に捕らわれ言葉を失い身動きが取れなくなった美子の唇に廉が再び熱い唇を寄せようとした瞬間──


「ん゛ん゛ん゛」

という美子でも、廉でもない誰かの咳き込む声が聞こえる。
はっと我に返った廉の顔はもうすっかり元の廉に戻っていた…

一瞬お互いの目を見つめ合ってからおそるおそる横を向くと……
先回りしていたのだろう。先程のVIP専用ロビーで2人を出迎えてくれたホテルの係員2人がエレベーターの扉を押さえつつ
何か見てはいけない物を見てしまったような気まずい表情であちらこちらに視線を飛ばしている。

穴があったら入りたいというのはこういう事を言うのだろうか。
廉と美子の顔はまるでぐつぐつと煮えた鍋に放りこまれた茹で立てのタコかはたまた熟れた林檎のように真っ赤に染まる

美子は恥ずかしさのあまり消えてしまいたい衝動にかられるが。
きっと今目の前にいる廉だって同じ気持ちだろうと思うのだった。
そっと気づかうように廉に視線を送るけれど、廉は恥ずかしいのかうな垂れたままだ。
廉さんと声をかけるよりも先に廉が口を開く…意外と冷静なようで美子はほっとするのだった。
117眩しい夜廉×美子26:2011/10/05(水) 18:54:54.03 ID:2LHtIWf6
「…わ、悪かったな…へ、変なところ見せちまって…」

廉がそう言うとホテルの係員は、我に返ったようにそして申し訳なさそうに頭を下げ
「い、いえこちらこそ!……お取り込み中のところを大変…失礼いたしました」
「それではお部屋までご案内致します。ご一緒のお部屋で良いと馬淵様からお伺いしておりますが」
「ああ…それで構わない」
「…かしこまいりました」
お互いに気まずい空気感の流れるまま促されるままそれでも2人は手を繋ぎ合ったまま
フロアに出るが…どうも美子の様子がおかしい。

いくら廉が手を引いても、頑としてその場に立ち止まったまま動こうとしないのだ。
前方を歩いているホテルの係員が心配そうに2人の様子を見守っている。
「おい、こんな所まで来てふざけるなお前は!!」
「……」

廉が痺れを切らしてつい苛立った声を上げても美子は未だに顔を赤らめたままもじもじとしている。
「…おい!……今度は何だ?」
「…ぇ…だ、だって……い、一緒の部屋…に泊まるとか…聞いてなかったから……その…あの…」
どうせそんな事だろうとは思ったけれど、あまりにも初心(うぶ)というか素直な反応に思わず廉は苦笑してしまう

「そ、そんな!…笑わなくたって……」
「……部屋に入って見てみれば分かる…だからそんなに心配すんなって」
「はあ……」
優しく諭すように廉が言うと、美子はようやく納得…は出来ていないようだが、
しぶしぶと足を前に出す。
全く世話の焼けるやつと廉は心の中で思ったけれど、意外にもこの状況を楽しんでいる自分がいる事にも気付いてつい笑みを漏らしてしまう
そんな2人の様子を見守っているホテルの係員たちは、以前から廉の事を知っているのだが
それまで一度たりとも見た事のない廉の様子や表情に多少の戸惑いを覚えつつも、
軽く話に聞いていたのだろう…心を通い合わせ固く手を握り合った恋人たちを見て幸せそうに微笑むのだった。
118眩しい夜廉×美子27:2011/10/05(水) 18:56:21.71 ID:2LHtIWf6
「さあ、どうぞお部屋へ」
女性の係員が満面の笑みで2人に向き直る。
廉は先に美子を部屋の中へと入れて、自分もその後にゆっくりと続いていく。
スイートルームなんて今までの人生で一度も経験した事のない美子はその豪華さに
目玉が飛び出しそうなくらいに目を見開き、その目で見た光景をそのまま口に出す

「う…わー…!!すごい…ひ、広い…ま、窓がおっきい!!ていうかガラス張り!!
それにテレビが大きい!おっきなソファもある!ドアがいっぱいある!台所もある!冷蔵庫もある!……なにここ……」
思わずホテルの係員が吹き出しそうになっているのを必死で抑えているに気付いた廉は
至極冷静に美子に声をかける。

「俺とお前が泊まる部屋だけど…何か問題あるか?」
「い、いえ…!何か…すごい…本当にい、良いんですか…ね?」
「事務所持ちだから平気だろ…」
「…へえ……廉さんて…ていうか……A.N.JELLって本当に…すごいんですね……」
「分かったからちょっとは落ちつけよ……」
「あ…ご、ごめんなさい」
「…俺、社長と話とかしないといけないから……ちょっと席外してくる…」
廉がそう口に出しゆっくりと美子の手を離すと、美子は一瞬え?とでも言いたげな寂しそうな表情をした。
けれど、すぐに我に返って笑顔で「分かりました」と言うのだった。

「彼女、色々と不慣れだから俺の代わりに説明してやって」
「はい、かしこまいりました。では、桜庭様。ご案内致します。」
「あ…は、はい…」
女性の係員に案内されるまま、美子はコネクションドアの向こうにある寝室の中へと入っていく。
その後ろ姿を見送ろうと2人の背後に立つと、美子がゆっくりと振り返る。
1人で不安なのか…これから社長と話す事を心配しているのだろうか…なんとも言えない表情をしている。

でも、精一杯の笑みを浮かべてこう言うのだった。
「廉さん……おやすみなさい」
「ああ…おやすみ。…何かあったら呼べよ……起きてるから」
「はい……」
白い扉がゆっくりと閉じていく──
お互いの姿が見えなくなってから、2人はそれぞれの理由があるのだろうふっと深いため息をついた。
119名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 18:59:55.05 ID:2LHtIWf6
今回の更新は以上です。廉は書くの難しいよあうあうあーorz
それに「ザ・王道」な話しか書けないし遅筆だし長いしで自分が嫌になってくる/(^o^)\

長くて申し訳ないです…いつ出来るか分からないけど生暖かく見守って頂けたら嬉しいです。
感想下さった皆さんありがとうございました。では、また来れる時に来ますノシ
120名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 19:10:41.24 ID:FRPGz5VM
>>118さん!
凄いっー!廉さんと美子のその後が浮かんできちゃいます!
118さんに続編書いて欲しいくらいですよ!
121名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 19:22:43.95 ID:VlYgWxqv
え?
122名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 19:26:08.44 ID:4Z9lW4aA
>>100
お風呂ありがとう。柊さん目撃するなら、風呂INGなのか、風呂後まったり2人なのか。前者ならどういうリアクションになるのやら・・・

>>109-110
勇気先生、何気に上手い誘導ですね。
柊さん、神父コスプレ似合いそう。脚本・演出、細部に徹底的に拘って、「プレー」の域を超えるなw
プロというより、神の領域とでもいうかw
123名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 21:45:33.83 ID:ScdH93XA
>>118
気長にお待ちしています!
124名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 21:45:59.62 ID:ScdH93XA
廉×美子エロあり、投下させてください。
前スレ232さんの「柊と美子のインタに嫉妬しまくった挙句、美子を犯しちゃう廉さん」を参考に書きました。
まだいらっしゃるかわかりませんが、アイディアお借りしました。
ありがとうございます。

ただ、廉さんのことなのでw鬼畜なことにはなってません。
ドSな廉さんを目指しましたが、単なるやきもち廉さんな感じになっています。
それと本編とつなげようと思いましたが、無理だったのでつながってません。
やたらと長いです。以上、お嫌な方はスルーしてください。
125名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 21:46:33.22 ID:ScdH93XA
なぜこんなにも怒っているのかわからなかった。
次から次へと投げつけられる言葉。
どうしていつもこうなってしまうんだろう。
私はやっぱり迷惑ばかりをかけてしまう。
気になるのはそのことばかり。
それなのに、あまりにすべてを責められたから。
「柊さんが優しいのは本当のことですから!」
つい言い返してしまったとたん、余計に苛立たせたのがわかった。
その後は売り言葉に買い言葉だ。
「おまえはあくまでも美男だってこと忘れんな!」
そんなの、そんなの一瞬だって忘れたことはない。
「言われなくても、忘れたりしません!」
そのとたん、新聞がゴミ箱にたたきつけられた。
怖い。怒っているのも怖い、完全に背を向けられるのも、怖い。
「もう寝る、出てってくれ」
そう言われた時、廉がはっきりと自分を拒絶したように感じた。
ああ、まただ。また遠くへ行ってしまった。
自分でもどうすればよかったのかわからない。
涙を見せてはいけない。くるりと背を向ける。
近づけたと思っても、やっぱり星は決して届かない。

理不尽な事を言っているのはわかっていた。
次から次へと美男を責める言葉が出てくる。
俺だけを見てるんじゃなかったのか。
おまえはやっぱり柊のことが気になるのか。
気になっているのはそれだけなのに。
それなのに、どうしてこんなに責め立てるような言い方をしてしまうのか。
「柊さんが優しいのは本当のことですから!」
美男に言い返された言葉が胸をえぐり、苛立つ。
その後は売り言葉に買い言葉だ。
「おまえはあくまでも美男だってこと忘れんな!」
これはなんだ、こんなことを言いたいわけじゃないのに。
「言われなくても、忘れたりしません!」
そのとたん、新聞をゴミ箱にたたきつけていた。
びくりと美男がおびえたのを感じ、余計に腹が立った。
「もう寝る、出てってくれ」
そう言ったとき、美男がはっきりと傷ついた表情を見せた。
ああ、まただ。また、傷つけてしまった。
自分でもどうすればいいのかわからない。
涙をこらえたような顔で、美男がくるりと背を向ける。
二度と、見えるところには戻ってこないかもしれない。

美男がドアノブに手をかけ、出て行こうとした瞬間。
廉は美男の手首をつかんだ。
美男が驚いたようにびくりと体を震わせる。
強引に引っ張り、向き合った。大きく見開かれた、美男の瞳。
どうするつもりで引っ張ったのか、廉にもわからなかった。
けれど、このまま離れていくのは許せなかった。
美男のあごに細い指をかけ、強引に上を向かせる。

「れ、廉さん…寝るんじゃ…」
美男がおそるおそる、声をかける。
強い視線で射抜かれ、思わず目を閉じた。
「気が変わった」
冷たい声。表情を変えずに廉が言い放つ。
「これから、俺がおまえにインタビューをするから、答えろ」
126LOVE FOOL 2:2011/10/05(水) 21:50:30.63 ID:ScdH93XA
「イ、インタビューって、どういうことですか?」
戸惑いと怯えを含んだ美男の眼差しに嗜虐的な欲望をおぼえる。
そんな自分に驚きと嫌悪を感じながら、本能的な感覚を押さえることができそうになかった。

俺だけを見ろと言っただろ
よそ見をするのは許さない

その衝動のまま、美男の言葉には答えず、男の姿をしていてもあからさまにわかる華奢な首筋に口付けた。
美男が驚いたように声をあげる。
「れ、廉さん、なにするんっ…」
うるさい。皆まで言わせず、今度は唇を塞ぐ。
この前とは全く違う衝動にかられ、強引に舌をねじ込んだ。
欲望にまかせてめちゃめちゃに掻き回す。
美男は逃れようとしてか頭を振るが、力で押さえつける。
こんなことをこいつにしたのは、俺だけのはずだ。
暗い充足感がますます自分を煽る。
Tシャツの裾から右手を突っ込むと、女の体であることを隠すためのさらしが指に触れた。
びくり、と美男が体を震わせる。
これからしようとすることは、罪なのか。わからないまま、廉は言う。
「おまえは美男だ」
「れ、廉さん…?」
こんな状況になっても、美男は無垢で清廉な表情を見せる。
しかし言われたこととその行動の解離に戸惑っていた。
その戸惑いに答えることなく、廉はさらしに手をかけ、無理矢理引きずり下ろす。
「やだっ…廉さん!」
泣きそうな顔に痛みと悦びを感じる。
「でも、おまえは美子だ」
そのまま零れ出たふくらみを揉みしだいた。
自分の手の中で形を変えるその感触を味わう余裕もなく、廉は突き上げる衝動のままその尖端をつまみ上げた。
美男が息を漏らす。泣き出しそうな瞳が揺れ、引き離そうとしてか、ぎゅっと廉の服をつかんだ。
その仕草にすら煽り立てられる。耳たぶを噛み、囁く。
「このからだは、女だろ」
「廉さん、どうしてっ…!」
言い終わる前に、Tシャツをたくしあげ、手の中に収まっていないほうの尖端に、口付けた。
舌で転がしてやると、こらえきれず美男が声を上げる。
「は、あん…やぁん…」
初めて聞く美男の濡れた声。廉はたまらず美男のベルトに手をかけた。
「廉さん!だめっ…」
美男の声はまるで媚薬のようだった。
初めて聞いたときから自分の中にすっと入りこんできた声。
あの美しい声がこんなに淫らに響いている。
俺の指と舌で。
「いやっ…あ、あぁん…」
まだ微かな潤いしか生み出していないそこに下着越しに指を這わせると、
美男は拒否するかのように首を激しく振った。
「だめ、です、廉さん…こんなこと…!」
色に濡れた声が自分を呼ぶ。もっと呼べ。俺だけを呼べ。
127LOVE FOOL 3:2011/10/05(水) 21:52:26.41 ID:ScdH93XA
「こんなこと、ってどんなことだ?おまえ、俺に何されてるのかちゃんとわかってるのか?」
「廉さん…!」
思わず叫んだ美男に、冷たく言い放つ。
「デカい声だすなよ。あいつらに聞こえるぞ」
言いながら直接そこを指で撫で上げると美男は一際大きくあえいだ。
「柊の彼女なんだろ、聞こえたらまずいだろ」
美男がはっきりと傷ついた顔をする。
「ひどい…」
傷つけて、こんなことをして。自分でもどうすればこの衝動が収まるのかわからない。
「でも今おまえにこうしてるのは俺だ。忘れるな」
わけのわからない衝動はますます強まり、廉は美男の敏感なところを指で弾いた。
いきなりの強い刺激に美男のからだがびくりと震える。
「あぁっ…」
「やっぱりここがいいのか」
初めての感覚に美男が驚いている間もなく、廉の細い指はそこを執拗に責め立てた。
美男の声がさらに大きく響く。

俺を拒むな
俺を否定するな
俺から離れるな

やがて指に美男のとろりとした潤いが絡み付くようになると、吸い込まれるように中に指を差し入れた。
「濡れてるな、おまえのここ」
言いながら、わざと音を立ててめちゃくちゃにかき回す。美男の中が指を吸い込む。
「あ、あぁん、廉さん…」
「気持ちいいのかよ、こんなふうにされて」
中指を差し入れ、吸い付く壁を激しくこすった。
抜き差しするたびに、美男のからだが跳ねる。
自分が変わる感覚に怯えているのか、目には涙があふれている。
最後まで自分の手で追い立てたい欲望を抑えられず、むき出しになった粒を撥ね上げると美男がぎゅっと足を強張らせた。
「イけよ、美男」
「や、や、いやっ…ああああああ!」
美男が叫んで、くたりと力が抜ける。
その姿を見た廉に暗い満足感がちらついた。征服欲にまみれながら美男を見下ろす。
「無理矢理されて、イったのか。案外エロいんだな」

「やだ…廉さん、そんなこと、言わないでください…」
いやいやをするように首を振った美男の声から怯えが薄れたような気がした。
そのかわりうっすらとのる甘やかな艶。
驚いて美男を見ると、ほんのり上気した頬と潤んだ瞳で、まっすぐに廉を見つめ返す美男の姿があった。
扇情的な姿で、それでもなお無垢な瞳は、残酷な劣情に苛まれた廉の心に突き刺さる。

「離れたりしたり、しません…」
そっと美男がささやいた。廉は驚いて目を見開く。
「否定したり、しません…」
「おまえ…」
美男がゆっくり微笑む。
「廉さんを拒んだり、しませんよ…」
瞳を閉じ、荒くなった呼吸を整えるかのように美男は息を吸い込んだ。
「怖いですけど、これで廉さんが信じてくれるなら…私のからだ、お任せします」
128LOVE FOOL 4:2011/10/05(水) 21:53:45.72 ID:ScdH93XA
怖かった。
何がなんだかわからなかったし、自分のされていることが怖かった。
行為の意味がわからないわけではない。
でも、なぜ、今廉が自分にそうするのか、わからなかった。
私に怒ったから?でもなぜ?
廉の指と舌で、自分のものではないようなからだになっていくのも怖かったし、
そのまま飲み込まれていやらしい気持ちになっていく自分も怖かった。
でも。

俺を拒むな
俺を否定するな
俺から離れるな

責め立てられて真っ白になりかけた頭に、この言葉が聞こえた。
そんなことしないのに。
それだけは、絶対にないのに。
廉さんが不安な気持ちなら、それを取り除きたい。

目を閉じて、廉を抱きしめる。
「廉さんなら、いいです。…じゃ、なくて…」
微笑む。想いが伝わればいい。
「廉さんじゃなきゃ、いやです」

美男の言葉に、猛り狂う衝動がおとなしくなる。
廉は首筋まで真っ赤になって口元を押さえた。
自分を突き上げていた衝動の正体に気がつかされ、そのことに驚いたのだ。
これは、嫉妬なのか。
そんな感情をおよそ自分が持つとは思わなかった。
嫉妬のあまり、こんなことをするとは。
我に返り、がばっと廉は美男のからだから離れた。
「廉さん…?」
「あ、いや、その、俺…」
あたふたとする廉を見て、美男はいっそ無邪気にすら見える瞳で小首をかしげた。
「…続き、今度にしますか?」
「ばかっ…おまえ、なに言ってんだ!言ってることわかってんのか?」
ますます赤くなる廉。美男はゆっくり微笑んだ。
「わかってますよ…多分、ですけど」
129LOVE FOOL 5:2011/10/05(水) 21:55:54.63 ID:ScdH93XA
今度は、優しく。
さっきのように、突き上げる衝動に任せるのではなくて。
ちゃんと美男を見て。
そっとベッドに横たえる。
深く口付けて、舌で味わう。だが、性急になるのは止められない。
だんだん舌の動きが激しくなると、美男の息が弾んでくる。
ぎこちなく応えようとする舌がいとおしかった。
人目に付きやすい首筋に跡をつけたい衝動を抑えつけ、胸元に顔を寄せた。
美男のからだがびくりとはねる。
揉みしだき、吸い上げる。舐めて転がすと、美男がくすぐったそうに身をよじる。
「ここなら、いいだろ」
そう言って、ほっそりと浮き出た鎖骨の下をきつく吸い上げ、赤い印をつけた。
じっと見つめ、やっと自分の印をつけたとさっきとは違う充足感をおぼえる。
そのまま、やわやわとふくらみをまさぐると、美男が声を上げた。
「ああん…廉さん…」
名前を呼ばれるたびに、満たされた気持ちになる。
自分の手の中で形を変える柔らかな感触をいとおしいと思う。
そっと、下腹部に手を伸ばした。
「やっ…」
美男がとっさに足を閉じる。
「さっき…気持ちよかったんだろ?」
問いかけると、恥ずかしそうにこくんとうなずく。そんな姿もかわいらしい。
「さっきより、ちゃんと優しくするから…」
まっすぐに見つめると、美男はぎゅっと目を閉じ…力を抜いた。
指を滑り込ませ、そっと撫で上げると、すでにとろりと潤いを満たしている。
熟すことをおぼえたそこは、廉の指をするりと受け入れた。
くちゅくちゅと濡れた音を立てて、そこは泡立てられていく。
「あ、ああ…んん…廉さん…」
息を漏らし声を出す美男の姿は、あまりにもかわいらしく扇情的で、廉の余裕を奪っていく。
早くそこを自分で満たしたい衝動に突き動かされる。
「やべぇ、俺、余裕、ねぇかも…」
「ん…あぁっ…、あの、が、がんばります」
美男らしい決意表明にあたたかい気持ちで満たされ、廉は微笑んだ。
「…ばーか、力抜いてろ」
廉の指以外受け入れたことのないそこに、自分自身を押し込む。
「あああっ!や、痛っ…廉さんっ…」
美男の眉がぎゅっと寄った。今まで感じたことのない痛みに、怯えているかのようだった。
しかし、廉にももはや余裕などなかった。
まだかたいそこに締め付けられ、自分自身が一気に駆けあげる。
言葉も出ない感覚の中、無意識に廉は目の前のいとおしい星を抱きしめ、呼んだ。
「美子っ…」
「あぁっ、廉、さん…大、好き…」
130LOVE FOOL 6:2011/10/05(水) 21:57:27.31 ID:ScdH93XA
「しかたねーだろ、俺だってこんなことしたの初めてなんだから」
ぶつくさとふてくされたように、廉があさっての方向を向く。
「わかりませんもん、そんな、すねられても…。
早かったって言われても意味わかんないし、私だって初めてだし」
と、美男もふくれっつらで答え…はた、と気がつく。
「え、廉さんも、初めてだったんですか?」
廉がわたわたと両手で口を押さえる。
「わりぃかよ!こんなことしたいと思った女と会ったことなかったんだよ!」
慌てて叫ぶが、ますますドツボにはまっていることに気がついていない。
美男が恥ずかしそうに首をすくめる。
「悪く、ないです。うれしいです」
真っ赤になりつつ、廉の手にそっと触れる。
「私にはこういうことしたい、って思ってくれた、ってことですよね?」
「ばかっ、おまえ、調子のんなよ!」
「のりませんよ、えへへ」

「ところで廉さん…さっきの"インタビューしてやる"って、どういう意味だったんですか?」
美男が問いかける。
そういや、そんなことを言った気も…とすでに満たされた廉は思い返し…
ニヤリと笑った。そして、ことさらにすました顔で、問いかける。

「美子さんに質問です」
「は、はい!」
「ファーストキスは、いつ、誰としましたか?」
「は、はいぃ?」
「ほら、早く答えろ」
美男は真っ赤になる。おそるおそる、答える。
「あ、あの、この前……、れ、廉さんと…しました」
よし。廉は小さくガッツポーズを決める。
「どう思いましたか?」
「びっくりしたけど…うれしかったです、星がたくさん見えたみたいで…」
廉は一人で満足げにうなずき、またすまして問いかけた。
「じゃあ次の質問。初めてのデートはいつですか?」
「え、聞く順番おかしくないですか?」
美男が小首をかしげる。
「うるさい、早く答えろよ」
「…私にとっては、で、いいですか?」
「かまいませんよ、美子さん」
ニヤニヤと笑う廉を見ながら、美男はちょっと恥ずかしそうに答えた。
「原宿の教会まで…ドライブ、しました」
よっしゃ、いい子だ、ブタウサギ!
廉はうれしくなって、美男を抱きしめる。
「廉さん、いい答えでしたか?」
「ん、100点をやる!」
うれしそうに微笑む美男の横顔がすぐそばにあることを確認し、
廉は、ちょっと幸せかも、などと柄にもないことを考えた。
131名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 21:59:54.84 ID:ScdH93XA
以上です。お粗末さまでした。ありがとうございました。
125、タイトル入れ忘れましたorz 「LOVE FOOL 1」です。すみません。 

お風呂のお話のガッツポーズ廉さんがあまりにもツボだったので、最後ちょっとお借りしました。
2D(DTかつドS)な廉さんを目指したはずが、ただ単にイチャコラなことに…。
鎖骨の下につけたって合宿所での普段着だと見えるってことに、後で気がついて焦るがいいw
結局イチャコラ廉美子が好きなんです…どうもすみませんでした。
132名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:07:40.54 ID:iMiTRICg
>>131さん
廉×美子よかったです。二人の感じがよくでててかわいかったし!
ガッツポーズ使ってもらえて嬉しいです
133名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:18:04.20 ID:/kAO5Q7i
>>118さんも
>>131さんも
スゴイ!!

ツンデレ童貞廉のエロシーンって描くのが中々難しいと思うんだけど
二人ともすごいイイ!

あまりエロ過ぎても違うし、童貞感ばかりでも萌えないし
こんな感じって頭の中で漠然とあるイメージを見事に描いてくれたって感じ。

また書いて下さいねー。
134名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:18:51.39 ID:qkOEFcm1
壁・・) ちらっと参上←
>>48です。取り敢えず、レス自粛と言ったのですが
最低限のレスのみで今後は作品投下していきたいと思います。

今回は柊×美子で
内容補足として、廉×美子ではなく柊×美子が成立している
という設定で書いています。
135二人だけの夜 1:2011/10/05(水) 22:24:44.63 ID:qkOEFcm1
目覚めると柊は自らの部屋のベッドの上にいた。
「あれ・・・。俺、さっきまでテレビ局にいたのに・・・。」
何故自分がここにいるかも分かっていない柊。
上半身を起こし、辺りの状況を確認しようとするもいつも通りの風景が広がっているだけで何があったかまではわからない。

そうこうしていると、柊の部屋の扉が開かれる。
扉の向こうからは水とお粥が乗っかったお盆を持った美子が現れた。
「み、美子・・・?どうしたんだ?」
「あ、柊さん起きたんですね。大丈夫ですか?いきなり倒れた時は驚きました。」
柊の部屋のテーブルの上に先ほどのお盆を置いた後、扉を閉めに行く美男。
まだ状況のわかっていない柊は冷静に自分の記憶を掘り起こした。

「そうだ・・・俺、テレビ局で倒れたんだ・・・・。」
今日、A.N.JELLは番組の収録のためにテレビ局に行っていた。しかし、本番を直前に柊は控室で倒れた。
連日に亘るハードスケジュールのせいか過労のため倒れた柊は
番組の収録には急遽参加せずにそのまま合宿所に運ばれた。

「思い出しましたか?あの時は焦りました。いきなり私に倒れかかってきたんですから。」
「え?美子に?」
「はい。本当に柊さんが倒れてきた時は何があったかわかりませんでした。」
少し苦笑いしながらも、鍋に入っているお粥をもくもくと茶碗に盛っていく美子。
今までずっとプロとしてやってきていたのに、こんな失態をしてしまったと柊は心の中で自分を責めた。
「ごめん。迷惑掛けて・・・・。」
「き、気にしないで下さい!私だって何時も皆さんに迷惑かけてちゃって・・・・。」
柊の苦しそうな表情を見て、美男は優しく笑いながら柊にそう言うと
「はい!お粥!」と言いながらお粥を柊に手渡した。
「あぁ、ありがとう。でも、俺風邪じゃないけど・・・お粥?」
「えっと、ここに来る前まで少し熱があったので消化の良い物の方が良いと思って・・・。嫌いでしたか?」
と少し心配そうな表情を浮かべて美男は柊に聞く。

その表情を見た柊は美子を困らせないために微笑んだ。
「いや、美子が作ってくれた物なら何だって嬉しいよ。」
「良かった!あ、それから取り敢えず、今日は1日ここで休んでください。
廉さんと勇気さんはそのまま明日の仕事先に行くそうなので、明日は現地で合流することになってます。」
「あぁ、わかった。ありがとう。」
そう言うと、美子の頭をそっと撫でる柊。
そして、撫でられた美子は身を縮めて「えへへ。」と笑いながら照れ隠しをしていた。
136二人だけの夜 2:2011/10/05(水) 22:26:48.23 ID:qkOEFcm1
しばらくすると、撫でられていた美子が口を開き
「あの・・・柊さん?」と言った。
撫でられていた美子は上目で柊を見つめる。
その姿に柊の心拍数は高まっていく。体がどんどん熱くなっていった。
「な、何?美子?」
「私、皆さんに柊さんが元気になったって連絡しに行ってきますね!」
「あ、あぁ。わかった。」
そう言って、美子は柊から離れていき扉の向こう側へと消えていった。
一人自分の部屋に残された柊は、何だか突然部屋が広く感じて悲しくなった・・・・。
そんなことを考えていると電話が鳴る。
誰かと思って見てみると意外にも廉からだった。

「もしもし?廉か?」
「たく、いきなり倒れやがって!大丈夫か?体の方は・・・。」
最初は怒ったような早口な口調にも感じたが、
だんだんと小さくゆっくりとした口調へと変わっていった。
「あぁ、今はもう大丈夫だ。今日は悪かった。」
「本当だ!いきなり倒れやがって!俺と勇気があの後、お前ら二人のカバーするのにどれだけ大変だったと思ってんだ!?」
「わ、悪い悪い・・・って、二人?」
廉の放った言葉の意味が理解できなかった柊。
電話越しの廉は状況を理解していないと判断したのかそのまま話を続ける。
「あの後、美子がお前の看病のためにお前と一緒に合宿所に戻ったんだ。」
「み、美子が・・・・?」
「あぁ。どっかの誰かさんの事が気になったんじゃないのか?
行かなくて良いって言ってんのに無理やりお前と一緒に戻ったからな・・。」
「そ、そうだったのか・・・。本当に悪かったな。」
「たく、明日ちゃんと来いよ。それじゃあな・・・。」
ぷつりと切れる電話。そして、美子がわざわざ自分のために看病してくれたことに
嬉しく思う柊。そんなことを考えていたら、部屋の扉が開いて美男が戻ってきた。
137名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:29:05.94 ID:B3bIvHYW
GJ!焼きもち廉さん萌えました
ドSなのにやっぱり童貞なのねww
キスマークは柊さんが真っ先に気が付くと思いますww
138二人だけの夜 3:2011/10/05(水) 22:29:57.52 ID:qkOEFcm1
「柊さん、お粥食べましたか・・・って一口も食べてないじゃないですか!!」
戻ってくるなり柊の近くに置いてあった茶碗を見て、
食べていなかったことに気がついた美子はそれを見るなり柊の近くに走り茶碗を持ち上げる。
「み、美子。今食べようとしt」
「駄目ですよ!ちゃんと食べないと元気になれませんよ?はい、口開けてください!!」
そう言うと、蓮華でお粥を掬ってそれを柊の口の前まで美子は持っていった。
柊は食べさせてもらう事は嬉しかったのだが、流石に恥ずかしさの方が上回っていた。
すぐに柊は慌てた素振りで美子に「じ、自分で食べるから。」と言う。
少しして、美子も冷静になったのか「ハッ」と驚いて柊から少し離れた。

「ご、ごめんなさい!柊さんがちゃんと食べてなかったと思ったら心配になっちゃって・・。」
図々しいことをしたと思っているのか、顔を俯かせて落ち込んでいた。
柊は茶碗を近くに置くと美子に近づいて微笑んだ。その頬笑みを見た美子も、自然と笑みを浮かべ柊を見つめていた。

「美子・・・。」
「柊さん?」
名前を呼ばれた美子は少し首をかしげて柊の名前を呼ぶ。
「今日は本当にありがとう。」
「え・・・?あぁ!気にしなくても良いんですよ!!」
一瞬、何が「ありがとう」なのか分からなかった美子だったが
すぐに自分の事を看病してくれたことであるとわかり笑いながらそう言った。
「まさか、美子がずっと看病してくれていたなんて思わなかったよ。」
「そ、それは・・・・え?ずっと?」
何気なく柊の言葉を聞いていた美子だったが、柊の言った「ずっと」という言葉に
反応して、目を丸くして柊の顔を見る。そんな美子を見た柊は美子の両肩にそっと手を添えて美子の事を見つめる。
柊との顔の近さに美子は恥ずかしげな表情をする。

「廉から聞いたよ。あの後、ずっと看病してくれたんだってな・・・。」
「れ、廉さん・・・。そのこと言わないでって言ったのにぃ・・・。」
どうやら、美子は自分が番組を投げ出してまで柊の看病をしていたことを
廉や勇気に対して口止めしていたようだったが、既に柊に告げられていた。

「隠さなくても良いんじゃないのか?看病してくれたことは悪いことじゃないんだから。」
「だって・・・・。」
「ん?」
少しもごもごと美子が何かを言っていたが、よく聞き取れなかった柊は
俯いていた美子の顔を覗き込んで「よく聞こえないよ?」と微笑みながら言う。
いきなり顔を覗かれて驚いた美子は、さらに柊とは別の方向を向くと小さな声で話す。
「だって・・・柊さんのことが気になったから・・・。」
「美子・・・。」
「いきなり柊さんが倒れてもう私、柊さんの事しか考えられなくなっちゃって・・・。
それで、柊さんにそのことを知られたら恥ずかしいから・・・・。」
頬を赤らめながらゆっくりと柊と視線を合わせる美子。
その視線の先にはいつも通りの、優しい笑顔がそこにはあった。
その笑顔に自然と美子も笑みを浮かべると、柊はそっと抱き寄せて
「ありがとう・・・。美子・・・。」と小さく微かにそう呟いた。

美子は柊の腕の中で安らぎと暖かさと少しの恥ずかしさを抱きながらも
柊の事を抱き返す。そして、互いに少しだけ距離を離れると今度は少しずつ
互いの顔が近付いき、ついには重なり合った。

最初は触れるだけのあっさりとしたものだったが、次第にだんだんと柊の舌が美子の口内へと入っていき、美子の舌と絡まり合う。
そして、角度を変えて舌を絡めたり、美子の舌を吸ったりと様々な動きを織り交ぜる柊。
その一つ一つの刺激に美子は体を敏感に震わせていた。

与えられる快感に必死に耐えている美子の表情をうっすらと目を開けて見ていた柊。
顔はだんだんと赤みを帯びてきていて、ただ深いキスをしているだけなのに美子の体は敏感に反応していた。
そして、だんだんと高まる鼓動を感じ取った柊はキスを止めると、そのまま美子を抱きかかえてベッドの上に寝かせた。
139名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:31:06.31 ID:qkOEFcm1
取り敢えず以上です。
相変わらずの駄文さに涙目・・・。
次回以降は完成次第投下します。
140名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 22:50:34.76 ID:B3bIvHYW
>>139
リロ不足で作品の途中に割り込んじゃいましたすみません…

萌えました!!
美子が健気で可愛過ぎる
続きお待ちしてます
141名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 23:11:34.99 ID:UQrLtbEe
>>109勇気先生!!なにやってんすか!?w萌えたー!かわいい。
>>119スイートルーム続きキター!!待ってました!次はいよいよエロっすか!?
>>1312Dの廉さん、かっこかわいい〜!初めてですぐイっちゃうなんて♪
嫉妬しまくり、インタビューまで…話の持っていき方が上手ですね!!
>>139柊さん倒れちゃったなんて!これから美子へのお礼がエチーなんですね、わかりますw
続き楽しみにしています。
142名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 23:26:10.35 ID:1ovPGXYA
感想書こうと思ってたのに>>141の興奮具合に笑ってしまったw

廉さん頑張ってたなぁDTのくせにw
今までSな廉さん想像できなかったんだけど、いや-男だったんだな-
143名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 23:31:56.94 ID:UQrLtbEe
>>142 興奮しすぎ、すみませんw
私も廉美子を書いてみようと思います。やっぱこの2人いいねー。
144名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 23:48:06.95 ID:N99s+Fo3
引き取って来たサントラ聞きながら皆さんの文読んでたらじーんとしてきた。
神が続々降臨してきてすごく嬉しい。
145名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 00:12:35.28 ID:1ddk94QG
王道でもやっぱり廉美子が好きだ〜。

スィートルームの二人も続き気になるし、2D廉さん話も良かったし
自分は全く才能ないので、ライター様、色んな廉美子を宜しくお願いします〜
146名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 01:17:39.22 ID:wfLEr88q
>>139
か、可愛い!!
廉、勇気とはまた違った可愛さがこの二人にはあると気付かされましたGJ!!
続きお待ちしておりますwww
147名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:11:40.24 ID:RgbeI8SZ
初投稿です

駄文です
エロいまでいけませんでした…

美子がアフリカから帰ってきたあとのお話です
廉×美子
148名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:15:29.08 ID:RgbeI8SZ
あれから2年が過ぎた

美子はアフリカから戻り、青空学園を手伝い始めた
廉は美子のために合宿所の隣に家を買い、ふたりだけの新しい生活が始まった

とはいえ、廉は相変わらず忙しく、隣に住む柊、勇気、美男は何かに付けて毎日のようにふたりの家にやってくる
そんな日々のなか、久しぶりの廉の休日
しかも、柊も勇気も美男も仕事でいない
ふたりはふたりっきりの家で穏やかな休日を過ごしていた
遅めの朝ごはんを食べ、廉がギターを爪弾く傍らで美子がパタパタと家事をこなしている

夕方になりぽつぽつと雨が降りだした

「廉さん、雨になっちゃいましたね…」
「あぁ…」
どんどん雨足を増す外を眺めながら残念そうに
「ファンミーティングできませんね…」
「ファンミーティングならいつでもできるだろ?これからはずっと一緒なんだから」
「そうですよ…
美子がこたえ終わらないうちに、空に稲妻が走り、雷鳴が轟いた
キャッ…
「美子…こっち」
窓際に立っていた美子をソファに呼び寄せる
「廉さん…」
美子は廉に駆け寄り、隣に座ろうとすると廉が腕を引いて廉の膝に乗るようなかたちに引き寄せられる
「廉さん⁉」
廉はそのまま後ろからぎゅーっと美子を抱きしめる
「なんだよ!…いいだろ」
何度も抱きしめられ、何度もキスをし、何度も一緒に朝をむかえているはずなのに美子は顔が紅くなり、少し俯いて
「いいんですよ、いいんですけど…なんだか恥ずかしくって」
「今更、なに恥ずかしがってんだよ」
「いやっ、だって…」
美子はなんだか不思議な気分だった
外は激しい雷雨で大きな雷鳴がなっているのに、廉の腕のなかではなんの恐怖も不安もない
美子の心はとても穏やかだった
149名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:18:16.51 ID:RgbeI8SZ
少しの沈黙の後
「だって…なんだよ?」
「エヘヘ、廉さん…
激しい雷鳴が鳴り響き、電気が消えた
「な、なんだ?何も見えないぞ!」
「廉さん、廉さん…大丈夫ですよ。雷、どっかに落ちちゃったんですかね?今、懐中電灯…」
懐中電灯を取りに立ち上がろうとした美子を引き止めるように廉はよりつよく抱きしめた
「いいから…ここにいろよ、俺のそばから離れるな」
「廉さん…どこにもいきませんよ。懐中電灯、いいんですか?廉さん、暗いと見えないのに」
「いいよ、こうしてればお前がここにいるのは分かる」
美子は心から廉が愛おしいとおもった
意地悪でプライドが高くて、完ぺき主義で潔癖性
でも、本当はとっても優しくて、ちょっと小心者なところもあるけれど、美子にとってはすべてが愛おしかった
少しだけ廉の腕を押しやり、くるりと廉と向かい合わせに向き直す
視界がはっきりしない廉は少し不安そうに
「美子…?」
廉さんに一瞬の不安がよぎるがそれを遮るように美子が廉に抱きついてきた
「廉さん、ここにいますよ…エヘヘ」
廉は不安を見透かされているような気がしてぶっきらぼうに
「わかってるよ、お前、俺がなにも見えないと思って調子乗ってるだろ?」
「エヘヘ、乗ってませんよ〜」
少しだけ体を離し、廉の目を見つめるが、廉はなかなか目を合わせられない
美子はそっと両手で廉の頬を包み込む
「廉さん…」
触れるだけの優しいキス
「美子…」
廉の指先が美子の唇を探す
その柔らかい唇に指先が触れ、場所を確かめると廉は優しく深く口付ける



数時間後、雨足も弱まり停電も復旧した
仕事終わりの柊は、停電があったことを心配しふたりの家へ
鍵も開けたまま、電気もついたままだったので、いつものように家に入る
「廉、美子、さっきの停電…‼」
リビングに入ると中央のソファに着崩れ、ブランケットに包まりソファでくっつくように眠るふたりがいた
「驚いたな…」
なんとも幸せそうなふたりの寝顔を見て、苦笑いをしながらそっとその場をあとにするのだった
150名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:20:41.27 ID:RgbeI8SZ
以上です

どうしてエロが書けなかったので、またしても柊さんが目撃という酷な終わり方にしてしまいましたw

151名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:51:02.18 ID:eICYbT8I
>>150
いやぁぁっ!なんか最後の方で「柊」と見た瞬間からばくばくしたw

イイ!GJ!
廉美子ラブラブ可愛かった!
廉が余裕あり気で少し大人になった感じが好き。
すごく優しい空気感漂う世界を作るのに、最後に目撃させるあなたの性格も好きw
152名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 05:52:30.88 ID:DyqTFYdQ
>>150
GJ!
マジ可愛すぎる〜
なんか美子にも廉さんにも胸キュンです!
本当に本編の続きみたいで、ありそうだなぁこんな1日、と思いました。
そして柊さん…w

エロ書けないから柊さんに目撃させるというそのマーケットリサーチっぷりに100点をやる!w
153名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 12:25:21.86 ID:X64mGMn4
廉×美子です。
廉が美子のぶたばなの意味を知り許可してやる…までの廉の心情を想像して書きました。許可のあとオリジナルで告白した設定にしてみました。エロはなしです。
投下します
154やっと気がついた思い:2011/10/06(木) 12:25:47.75 ID:X64mGMn4
「俺だっ…」
写真を繋ぎあわせると美男の視線の先にいたのは柊ではなく自分だった。
(俺ずっと勘違いしてたんだな…)
気持ちを知らなかったとはいえ美男にひどいことを言ってしまった後悔と美男の好きな相手が自分ということに喜びを隠せない。
(俺、いつの間にかあいつの事がこんなに好きになってたんだ!)
自分の気持ちに気がついた廉は美男を探しに走りだしていた。
あちこち走り回りやっと美男らしき後ろ姿をみつけた廉。
155名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 12:26:39.58 ID:X64mGMn4
「美男!」
呼びかけ振り向いた美男をよくみると髪にピンが輝いている。
「お前それ…」
「壊れてたんですけど接着剤でくっつけたんです」
あのときのか…廉は美男の気持ちが愛しくて気がつくば美男を抱きしめていた。「廉さんどうしたんですか?」
「お前は俺が好きなんだろ?ずっと俺は勘違いしてた…」
廉の言葉に驚く美男。
「私は星をそっと見ていただけです。でも廉さんに迷惑かけたくないから…隠してて…」
それ以上言葉にならない美男。
156やっと気がついた思い3:2011/10/06(木) 12:28:17.69 ID:X64mGMn4
「迷惑じゃない。俺だけをこれからもずっとみてろ。俺を好きでいていい。
許可してやるっ!」
廉の思わぬ言葉涙を浮かべる美男。
「さっきはひどい言い方して悪かった。俺と2人の時は美男じゃなくて美子として隣にいて欲しい。俺は美子のことが好きだ」
「私も…私も廉さんのことが大好きです」
首まで真っ赤になって一生懸命に思いを伝えてくれた廉に、美子も満面の笑みを浮かべて思いを伝えた。
廉がそっと顔を美子に寄せキスしようとした時…
プルルル…
「廉さん電話でないんですか?」
「ちっ誰だよ…こんなときに」
ぶつぶつ言いながら電話に出ると…
157やっと気がついた思い4:2011/10/06(木) 12:29:14.82 ID:X64mGMn4
「廉!どこにいるんだよ!美男も一緒か?記者が柊の彼女は美男じゃないかって言いはじめてさ〜俺のナイスアイデアで彼女は美子ってことにしといたから!インタービューあるから急いで戻って!廉ちゃんよろしくね〜」
一方的にまくし立てて電話を切る馬淵。
「美子が柊の彼女だと?あいつ余計なことしやがって…」
イライラしている様子の廉に美子は、
「仕方ないです。見られちゃいましたし…私が好きなのは廉さんですから。心配しないで下さい」
と言うとそっと廉の頬っぺたにキスをした。
「まっまぁ仕方ないからお芝居するしかないなっ」
美子からのキスで途端に機嫌がよくなる廉。
「帰るぞ!」
二人は手を繋ぎ、撮影所に向かったのだった。
158名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 12:33:31.10 ID:X64mGMn4
以上です。
俺だって気がついたのに本編でははっきり気持ちを伝えられなかった廉さんだけど、気持ちを伝えてもらいました。
でもこのあとインタビューに望む柊さんは可哀相すぎますねw
159名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 16:41:58.58 ID:uX/i2aRQ
>>124さん!
前スレ232です
有難うございました!感激です 廉さんの嫉妬がリアルすぎてきゅんきゅんですよ
廉さんの嫉妬が大好物なんで又投下していただければ嬉しいです!
160名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 19:48:39.15 ID:zgyXDeoP
>>139です。
皆様、感想ありがとございました!
続きができたので52分から投下します。
161二人の夜 4:2011/10/06(木) 19:53:04.84 ID:zgyXDeoP
>>138の続きです。

「柊・・さん・・・。」
先ほどのキスの余韻が残っているのか、呼吸が整いきれていないのと頬の赤みが抜け切れていない美子。
その姿に我慢できなくなった柊は膝を立てて、ベッドの上で横たわっている美子に、上から重なる様に美子の顔に自らの顔を近づけていく。
しかし、美子は自分の腕で柊の胸に手を当てて柊が近付くのを拒む。
「しゅ、柊さん!駄目です!!」
「美子・・・。ここまでしたらもう・・我慢できないよ。」
そう言うと、柊はベッドに押し付けていた右腕を美子の後頭部へ潜り込ませて美子と自分の顔との距離を縮める。

たった15p。その15pが二人の間には広がっている。
すぐ近くのはずなのに何故か遥か彼方の地平線よりも遠いと、この時美子は思っていた。
柊は美子を見つめているが、美子は柊と目を合わせないようにしている。
そして、まだ美子の腕は二人の距離を縮めることを拒むかのように柊の胸に押し付けられている。
「美子・・・何が駄目なの?」
「・・・・」
「美子?」
ずっと目を逸らしている美子の視線を自らに向けさせるために、多少強引ではあったが
柊の体を支えていた左腕を美子の体の後ろに回し、体ごとベッドに倒れこむ。
ベッドに倒れこんだ時「ボフン!」という音がした。その音と同時に美子は倒れこんだ際の衝撃に目を強く瞑った。

そして、美子が次に目を開いた時
既にそこには柊の顔があった。すぐに顔を背けようとしたがそれを柊の腕は許してはくれない。
力は入っていないはずなのに、その腕はどっしりと強く美子の顔を固定していた。
162二人の夜 5:2011/10/06(木) 19:55:30.29 ID:zgyXDeoP
「美子・・・理由、聞かせてくれるよね?」
「しゅ、柊さん・・・」
優しく微笑む柊の表情をずっと見ることが出来ない美子は目を合わせないために自分の目を閉じる。
目を閉じてすぐに美子が話しだした。

「柊さんが・・・また・・倒れたらどうしようって・・・・。」
うっすらと瞼を開き、柊と目を合わせないようにする美子。
また、その時柊との距離を作り出していた手は柊の事を弱弱しく掴んでいる。
「もしかして・・・今日、俺が倒れたから・・・?」
「・・・・・」
柊の問いかけに美子は何も言わずに頷く。
「わ、私・・・柊さんの顔を見たら・・・もっと柊さんの近くにいたいって思っちゃいます・・・。
だから、今日だけは柊さんを休ませたかったんです。」
僅かに開いたその瞳から、1粒の涙が零れ落ちる。
その流れた涙を柊はそっと拭き取ると、後頭部に回していた腕で優しく頭を撫でる。

「美子。心配してくれてありがとう。けど、俺はもう大丈夫だよ。
だから今は・・・美子と少しでも一緒にいたい。」
うっすらとしか開いていなかった瞳は、その言葉を聞くと全て開かれて柊を見つめていた。
「で、でも!まだ完全に調子が良くなっていないのにこれ以上したら・・・柊さんが・・・。」
「大丈夫。無理しないから。それなら・・・良いでしょ?」
柊の事を懸命に心配している美子を包み込むような笑顔で柊は美子を見つめる。
その表情を見た美子は、柊を見つめ
「柊さん・・・。本当に、知らないですからね!」
と言うと少し頬を膨らませ、怒った表情で柊の事を見る。
そんな美子に「ごめんごめん」と少し困った表情を浮かべながら柊は言う。

「絶対に無理しないって約束してくださいね!良いですか!」
「約束するよ、絶対に。」と言い微笑んだ後、ゆっくりと美子の体をベッドに押し倒すし
柊は再び美子にキスをした。
163名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 19:57:28.22 ID:zgyXDeoP
取り敢えずここまでです。
エロまでたどり着けなくてすいませんでした。
次が完成しましたら投下します。
164名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 20:35:17.53 ID:eICYbT8I
>>163
いつも投下ありがとうございます。楽しく読ませてもらってます。



でも少しいいですか?

自粛前からでしたが、長編だったり、数日間が空くわけじゃないのにそういう投下はどうかな?と思います。
本当に自粛中マナーやルール理解しましたか?
レス乞食という単語知ってますか?

まとめて投下した方が作品の良さも理解されると思いますよ。
本当にもったいないと思います。
165名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 21:46:26.68 ID:MChyItXA
職人さん達、全員に心からありがとう!GJです。

廉x美子は、どの作品もかわいいね。本当にありがとう。
ニマニマしてます。
廉さん、嫉妬してるって自覚あるんだー、好きだって自覚できるのも意外ですw
初回で美男に『お前みたいな奴が一番嫌いだ!』って悪態ついてたのが嘘みたいw

そして柊さんは、いつでも、どこでも、エロ〜w
SでもありMでもある、不思議な人だ。
166名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 21:54:07.37 ID:zgyXDeoP
>>164さん
自分では理解したつもりでした。
しかし、全てのマナーやルールを理解することはできていませんでした。
実際、レス乞食という言葉も今初めて聞きました。多分、私の中でまだ知らない言葉はたくさんあると思います。

結局、自分は何にも変われなかった・・・。と今改めて痛感しました。
そして、自分自身がまだ足を踏み入れて良い場所ではないと判断しました。
本当に、申し訳ないと思っております。そして、最後に大切なことを教えていただきありがとうございました。

長々と話してしまって本当に申し訳ございませんでした・・・・。
167名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 21:59:07.72 ID:y8KALBbr
いいかげん自治厨ウザイ
荒らそうって魂胆が見え見えだし
多分スルーされた書き手が嫉妬してるんだろうな
各人自由なやり方でやればいいじゃん
168名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:04:09.52 ID:0o3Z5IZg
>>166

気にしすぎも良くないと思うよー。
ルールなんて頭で分かったつもりでいたって結局書き込みながら実践で身につけて行くものだし。
こうやって注意されながら次は気を付けようって思いながら皆やってくもんなんじゃないの?
気が向いたらまた書き込みしに来てよー。待ってるよー。


ところで廉×美子は本当可愛いよねーどれもこれも2828が止まらんw
でも自分は美男(兄の方)×NANAとかもちょっと気になってたりする。
「そんなに好き好き言うんならしょうがないから付き合ってやるわよ」って言って付き合ったけど
いつの間にか本気になっちゃうNANAとかねw

って長文スマソ
169名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:04:29.37 ID:rgTrbh7D
ID:zgyXDeoPさん、止めるなんて言わないで
考え直して是非続きをお願いします















なんて引き止めてもらえると思ってたのか?
痛んだ実は切り捨てて行かなきゃ、幹まで腐ってしまうわw
170名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:15:40.17 ID:BbLRnYnK
自粛って2日で済むんだ
171名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:19:24.30 ID:wsWH9BMn
>>163さんの作品はぜひ続きが読みたいと思ってるけど
>>164さんの言ってること、私もわかります。
スレの流れとかを考えるとやはりもう少しまとめて投下してほしいかな。
1つのタイトル分が出来上がってから投下じゃダメですか?
一気に読んだほうがその話に入り込めるし達成感も大きくなると思います。
172名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:20:40.16 ID:KX0QfOF6
自演してまで

職人が潜ったらどうしてくれんのよ!
きぇぇぇぇって言ってたし
構って欲しそうではあるね
173名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:23:07.35 ID:BgFpq7vb
芸術家なら誰だって一刻も早く反応が欲しいでしょうが
やっぱりGJがあると執筆作業のモチベーションが違うんだよ
次回の構想とか展開にも関わってくるし
174名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:25:36.31 ID:wsWH9BMn
>>171ですが・・・そうか、すみません。モチベに関わるんですね。
あんま考えず読み手視点で書き込みしてしまいました。
>>163さん、続き待ってますので!潜らないでくださいね。無神経にごめんなさい。
175名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:28:14.52 ID:OGEipErq
賑わってるスレ見ると必ず湧いてくる人がいるんだよね
愚痴スレでも話題にされてたし
前もこういう人達にスレ潰されたことあるもん
ここの板に拘る必要もないし、他の場所にみんなで移動すればいいんじゃない?
176名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:31:18.46 ID:ErkaQeos
まぁね〜最初のうちは失敗というか、楽しくなっちゃってイロイロやらかすよね
書ければすぐ投下したくなるし、感想もらったらうれしくなっちゃうしね…
それも、ここがよかった!とか具体的に書いてもらえたら、
うれしくなってお返事したくもなるよね

今回に関しては、せっかくだからまとめて投下してくれたほうが
読み手にもよさが伝わりやすい、ってことだと思う
せっかく書いてくれてもあまりにも細切れだと、
他に自分好みのSSがきたりしちゃえば、正直忘れるもん
いい話なのに、印象が薄くなっちゃうのがもったいないというか

と、8割読み手2割書き手の自分が言ってみる

ただ、前に去るのも再開も宣言いらない、ってレスあったりしたけど
その辺は読み飛ばしなのかなあ、とも思ったりもする…
むしろまじめな人なのかな?挨拶は欠かせない、という…

あ、縦読みじゃないよ
長文ゴメン
177名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:36:43.16 ID:w9Flw3zt
移動したところでどうせ変なのは湧くし意味ないよ
てかここ何日かでマナー的なことは大分マシになってるし
そんなガミガミ言わんでもいいじゃないの

忠告もちゃんと聞くというか何で言われたか考えた方がいいけど
いちいちそれに長々とすいませんでした的なことは要らないと思う
気を付けます、忠告ありがとう 程度でいいんだよ
2ちゃんねるで律儀すぎるのは正直なところウザい
178名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:47:12.09 ID:i7lM1+n3
愚痴スレは真っ当な注意でしょ
全年齢板でエロパロのスレが立てられないって騒いでたんだから
目を疑ったよ

2スレしか使わないんだし
細切れの毎日投下は止めた方が良い
これもまともな意見だと思う
179名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:47:42.14 ID:i7lM1+n3
ごめん、2レスだった…
180名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:49:26.71 ID:eICYbT8I
>>166
>>164です。
さっきも言ったけど作品はとても楽しみにしてます。
潜らないでね


あと自演してないから。するなら、さっきのレスでID変えるよ。
181名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 22:54:03.28 ID:w9Flw3zt
だね、毎日投下するんなら細切れはやめた方がいい
ある程度まとまってからの方がいいんじゃないかな
細切れだとしても続きが何日か後とかならまだいいんだろうけどさ
182名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 23:20:37.23 ID:wfLEr88q
>>163
GJですよー!!
私は163さんの作品とても好きです。続き楽しみにしてますね。


こういう楽しめる場所があるっていうだけで気楽にやりましょー。


183名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 05:06:27.72 ID:l/Eq/ZC/
毎日ちょこっと更新はブログでやってる方に多いイメージ

ここはいろんな書き手さんや感想や
妄想が書き込まれる場所だから
他の方も書いてるようにある程度繋がってると
入り込めるし読みやすいですね。

良作揃いで好きなスレなのでまた投下待ってます!
184名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:07:42.93 ID:n9UpY58z
流れを読まず、エロなしカプなし小ネタの投下をさせてください。
小ネタの割には長いですが…。
時間軸としては、6話あたりで、美男はまだ女だと廉さん以外にはばれてません。
いや、実際知らないの勇気だけだけどw

中の人のバラエティを見て思いついただけのバカな話です。
みんなでばたばたしたいだけの話ですので、お嫌な方はスルーしてください。
185どんな色が好き? 1:2011/10/07(金) 06:10:44.03 ID:n9UpY58z
「ねぇねぇ柊さん、この前夜中にテレビで実験してたんだけどさ…」
勇気が突然話し出した。
腕を組み、大きな瞳で疑問がいっぱい、みたいな表情をする。

美男を除く三人はリビングのソファに身を投げ出していた。
ソロデビューの件で事務所に呼ばれた美男がいないことを、露骨に淋しがる勇気と、
こっそり切なくなってる柊と、静かでいいよなせーせーしてんだぜ俺はほんとにオーラを出しまくりの廉は、
どこか手持ちぶさたで、なんとなくリビングに集まっていたのだ。

柊はとくに読んでいたわけでもない雑誌から目をあげる。
「どんな実験?」
「なんかね、男が性的に興奮する色は赤である。
○か×かみたいな実験なんだけどさ」
五線譜をいじくり回していた廉が、頼まれもしないのに会話に参加する。
「はんっ、くだらねぇ実験だな、なんだそれ」
「都市伝説がほんとかどうかをジャッジする、みたいな番組で」
「…それって、都市伝説っていうのかな」
「う〜んわかんない。わかんないんだけど、とにかくそういうやつでさ」
話が"都市伝説とはなんぞや"的な定義付けの方向にずれていきそうになるのを修正する。
「実際、脱がせてみて女の子が真っ赤な下着だったら、興奮よりか、ちょっとびっくりするよね」
ぶっ、と廉が飲みかけの水を吹き出しそうになる。
ごまかすためにわざとらしく咳払いをする廉を横目に見ながら、柊がちょっと首をかしげ言った。
「でもそれ、人それぞれじゃないか?似合う子ならそれもありだろうし」
「うん、実験でもさぁ男の側も人それぞれ興奮する色は違うって結論だったんだけど」
勇気が身を乗り出した。
「俺はさぁ〜、黒でレースとかならすっごいドキドキしちゃうなぁ〜」
「はぁ?」
廉がいやそうに発した相づちはスルーし、勇気は若干妄想モードに入りかける。
「でも、ピンクとかもかわいいくていいよねっ、アニマル柄とかもいいかも」
「アホか、アニマルは色じゃねーだろ」
廉さん、そこ〜?と勇気が騒ぎ、くだらねぇとひとりごちつつ廉はあさっての方向を向いた。
柊が言う。
「やっぱり、その子に合う色がいいってことなんじゃないかな。
俺は薄い紫とか結構好きだけど」
「おっ、柊さん乗ってきたね〜?薄紫かぁ、それもきゅんとくるねっ」
勇気はなんだかノリノリだ。柊も
「色白の子だと、色が引き立つから赤みたいな濃い色でもいいかもしれないしね」
などといつもの穏やかな表情のまま話にのっている。
186どんな色が好き? 2:2011/10/07(金) 06:12:26.63 ID:n9UpY58z
黒、ピンク、白…
その横で、廉は美男の変装用の服を買いに行ったときのことを思い出していた。
あいつは白が似合ってたな
うん、白だな
一人うなずく。

「ねぇねぇ廉さんは何色がいいっ?」
回想中にいきなり話をふられた廉は狼狽えた。
「いや、俺が白って思ったのは、服の話だぞ!服!」
「へぇ〜廉さんは白かぁ〜。だよねぇ白の下着も清楚でいいよね」
「白がいいのか。驚いたな」
「驚くなっ!てか、服の話だっつってんだろ!」
耳まで真っ赤になりつつ廉がわめく。
「廉さん結構純情だもんね、お色気過多だと、どん引きしそう」
「そういうのが似合う女性もいいとは思うけどね」
さらりという柊。
いや〜ん柊さんえっち〜などと勇気がふざける横で廉がすくっと立ち上がった。
「もう寝るっ!」
さっさと部屋に向かう廉に勇気が声をかける。
「あれ、美男の帰り待たないの?」
ぶっ、とまた水を吹き出しかける。
「だ、誰もあいつの…!」
ことなんか待ってたわけじゃねーよ、と続けようとしたのか、
はたまた、下着姿なんて想像してねぇぞ、と言おうとしたのか自分でもわからなくなった。
途中で絶句して正解だ。後者を叫んだら洒落にならない。

と、そこへ。
「楽しそうですね〜なんの話してたんですか?僕もまぜてください」
美男が帰ってきた。わかりやすく狼狽える廉とこっそり狼狽える柊。
一人、勇気が話を続けようとする
「あ、なぁなぁ美男はさぁ〜」
「ばかっ、勇気、」
「あ、美男おかえり。
勇気、悪いんだけど、お湯を沸かしてきてくれないか、みんなでお茶にしよう。俺今お茶を取ってくるから」
慌てて止めに入る廉に被せて、柊がさりげなく話題をかえる。
その言葉に美男がちょっと得意気に言った。
「あ、僕、おいしいクッキー買ってきたんです!お茶にあうといいんですけど」
「お茶を合わせるよ。さ、勇気、お湯沸かして」
横で廉がほっとしていたことに、もちろん美男は気がつかなかった。
「で、何が白なんですか?」
廉と柊の視線がシンクロで美男に注がれる。
「だ、だから服の話だっつってんだろ!柊、俺はお茶はいい、もう寝るッ!」
足音高く廉が部屋に戻った。呆然と見送る美男。
「僕、また廉さん怒らせちゃいました…」
しょんぼりする美男に柊が声をかける。
「廉はさっきから寝るって言ってたし気にするな、クッキーはとっといてやろう」
「はい…」
「さっき、好きな女の子に似合う色って話してたんだ、あれ、なんかちょっと違ったかな、とにかく廉さんは白がいいんだって!」
フォローのつもりで勇気が言った。ぱっと飛び跳ねるように立ち上がる。
「さ、とにかくお茶お茶〜。俺お湯沸かしてくるね〜」

そして…
うっかり下着姿で想像してしまい、4桁になってもひたすら羊を数え続ける廉と
みんなとのお茶のあとにさらにカモミールティを飲み鎮静作用を期待する柊と
美男に何色が似合うか考えてしまい、バカバカ!俺のバカ!をやってる勇気と
廉からもらった白のワンピースを眺めながらエヘヘ〜と頬を赤らめる美男と
眠れないエンジェルハウスのそれぞれの夜が更けていく…

てか、眠れない夜は全部君のせいだっつーの!
187名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:20:04.42 ID:n9UpY58z
以上です。お粗末さまでした。ありがとうございました。

promiseが好きすぎてずっと聞いてるのに、
こんな使いかたをしたことについては若干反省しています…
それから勇気がかわいそうな扱いになってしまい、ごめんなさい。
かわいい勇気が好きなのに…なぜこんなことに…
でも、ばたばたしてる4人が好きです。
188名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:25:40.51 ID:OcyTFkHb
>>186
すごく可愛い〜
最後の1行にお茶噴出したよw

この頃、勇気は美男=男だと思ってたんだよね。
勇気妄想劇場・柊さん煽り・廉無意識嫉妬、一番好きな時代です。ありがとう!
189名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:29:30.69 ID:V/R349BK
動揺する廉さんかわいい。下着は白が好きとは廉さんらしいなぁw

爽やかな話の後にあれなんですが柊×美子のエロありを書きました。
>>91の廉×美子の一緒にお風呂を目撃してたら…の話です。柊さんは美子と無理矢理に関係をもった過去があり廉さんは知らない設定です。
では投下します。
190忘れられない夜:2011/10/07(金) 06:32:04.67 ID:V/R349BK
泊まりのロケの予定だったが早めに終わり合宿所に帰ってきた柊。
美子と廉が楽しそうに会話しながら浴室から出てくるのを目撃してしまった。
(美子…)
たまらず合宿所を飛び出す柊。
(馬鹿だな…俺。もう3年もたつのにまだ忘れられないなんて…)
ただ一度だけ3年前に欲望に任せて美子の身体を奪ってしまった。
俺と美子の二人だけの秘密。
美子はまるで何もなかったかの様に普通に接してくれる。
美子の身体が忘れられない。
美子の心は廉にあると分かっているのにあんな生々しい場面を見てしまうと心が荒んでいくのがわかる。
悪魔が囁くまた無理矢理犯してしまえばいいと。
191忘れられない夜2:2011/10/07(金) 06:33:00.11 ID:V/R349BK
数日後。合宿所に遊びにきていた美子。
「えっそうなんですか?仕事だから仕方ないですよ…」
「廉から電話だったの?」
「はい。今日は仕事で帰って来れなくなったみたいで…」
(今、合宿所には俺と美子の二人きり。廉も帰ってこない…こんなチャンスもう来ないかもしれない)
「美子、こないだ廉と風呂場でなにしてたの?俺とも一緒に入ってよ」
「えっ?柊さん何いって…」「3年前覚えてるよね?廉に話そうかな。美子の初めては俺なんだよって」
柊の言葉にビクッと身体を震わせる美子。3年前の記憶が蘇る
「やめてください柊さんっ廉さんには言わないでっ」
192忘れられない夜3:2011/10/07(金) 06:34:00.00 ID:V/R349BK
「じゃあ俺とも一緒にお風呂入ってくれたら秘密にしてあげる。どう?」
「わっわかりました…一緒に入りますから廉さんには言わないで…」
涙を浮かべ奮える美子を見ても、柊に罪悪感は湧かず自分でも興奮しているのが分かった。
浴槽にお湯をため、待っているとタオルを巻いた美子が入ってきた。
「美子、タオルはとって。」「でっでも…」
「廉に言うよ?」
「わかりました…」
タオルをとった美子をイスに座らせ、柊は手の上に石鹸の泡をとると
「俺が綺麗にしてあげるね。」
手を使い首を優しくなぞり胸を泡で滑らせながら丁寧に洗っていく柊。
「柊さんやめてっ」
「だめだよ。隅々まで丁寧に洗わないとね」
背中とおしりも手の平の泡で優しく洗い下の方へ手を進めていく
193忘れられない夜4:2011/10/07(金) 06:34:51.04 ID:V/R349BK
「ここは一番念入りにしないとね。」
そう言うと美子の敏感な所へと手を滑らせる。
「やあっん柊さん…」
「どうしたの?変な声だして…俺、洗ってるだけだよ?」
そう言いながら敏感な部分に泡をたっぷりのせて強めに擦っていく。
「あれ?おかしいな…綺麗にしてるのにどんどん何かでてきてるよ。中も洗わないとだめみたいだね」
柊は泡をつけた指を濡れた美子の中へといれて出し入れすると
「やっ柊さんお願いやめてっ!そこだめぇっ」
「何がだめなの?身体洗ってるだけなのにいやらしい子だ。いやらしい声だして誘ってるんだろ?」
「私…誘ってなんかっ」
美子の声を無視して自分の方へ美子の身体を向け足を広げ美子の中へ入る柊。
「やだっ柊さんやめてっ」
抵抗しようとするが足の中に体を割り込まれ、手を押さえつけられ、どうすることも出来ない。
194忘れられない夜5:2011/10/07(金) 06:35:36.87 ID:V/R349BK
「美子すごく気持ちいいよ。美子が好きなんだっ」
そう叫び柊は美子のお腹の上に欲望をはきだした。
「美子の中すごくよかったよ。3年前のことは約束通り秘密にしといてあげる」そう告げて浴槽をでていく柊を見ながら美子は涙をながし「ごめんなさい…廉さん」と呟いたのだった

その夜欲望をみたし落ちついた柊は罪悪感に苛まれていた。
今日も眠れないな…ハーブティーを片手に持ち柊の頬に涙が一筋流れていった。
195名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:36:40.71 ID:V/R349BK
柊×美子以上です。
柊さんが目撃してたら…とのみなさんの意見を元にかいてみましたw
196名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 06:55:47.95 ID:V/R349BK
連投すいません。
忘れられない夜1を下げ忘れてました。ごめんなさい。今度から気をつけます。
あと3年前て書いてしまったけど2年前の間違いです。
197187:2011/10/07(金) 07:58:12.89 ID:n9UpY58z
ごめん、promiseじゃなくてふたりだった…orz
星になってきます、院長様
198名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 21:59:23.19 ID:OcyTFkHb
>>195
目撃柊さん、真っ黒だけど、切ない魅力がありますね。
このまま引きずって、美子を脅迫しながらエッチ出来るなら、当分、彼女出来ないかも。
待つのが得意なら、廉美子jrの誕生待てばいいかw
199名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 22:10:27.46 ID:T9cudVR1
それはさすがに待ちすぎだwでも今はやりの
歳の差婚かな…イヤダ、加藤茶になる柊さんw
200名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 22:15:05.64 ID:U6MP+LQJ
加藤茶な柊、吹いたww
ってか柊さん、産まれる前から、美子、お前にそっくりな優しい女の子を生んでほしい
とかもし言ってたら本当にキモイわ〜
201名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 22:50:39.66 ID:xs5q0JJH
>>200
なんだそれ最高に気持ち悪いww
でもありそうで怖い
202名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 23:09:44.96 ID:T9cudVR1
しかし廉と美男伯父さんが、そんな結婚は全力で阻止してくれるはずw
203名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 23:39:18.37 ID:OcyTFkHb
>>199
ちょwww
年の差婚。
ブログで、嬉々として、年下妻自慢とか、妻の金持ち実家公開とか・・・
柊さん、廉と美子をお父さん・お母さんと呼ぶのか。
恰好の週刊誌ネタ、2ちゃん芸速で祭りになるねw
204名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 01:25:20.63 ID:3XtFKmJU
投下します。
廉さんの嫉妬に影響されて、柊さんの嫉妬を書いてみました。
廉美男はそれなりの関係、柊も納得した頃という設定です。
よろしかったらどうぞ。
205柊×美男:2011/10/08(土) 01:27:33.09 ID:3XtFKmJU
「せっかく二人で頑張って夕食作ったんだし、今日はビールでも飲もうよ」
料理を並べていると、柊が後ろから冷たい瓶を美男の頬に押しあてた。
地方ロケに行った廉と勇気が、悪天候の為に泊まりになったと聞かされたのは夕方だった。
大雨の中外食するのも億劫なので、二人で夕食を作ることにした。
「ん〜でも…」
初日の失敗を思い出して少し考える。
「大丈夫だよ、廉と勇気は地方で泊まり。廉が突然帰って来て怒られることもないよ」
美男は柊の言葉を聞きながら、料理を見回す。
「そうですね!じゃあ、少しだけ」
「うん、くれぐれも飲み過ぎないようにね」
苦笑いしながら柊が小さく呟いた。

美男は久しぶりにゆっくりと過ごす時間を楽しんでいた。
二人で作った料理は美味しいし、柊から聞くデビュー当時の話は面白い。
見せてもらった昔の写真の廉は可愛いくて、笑うたびに喉が渇いてビールを飲んだ。
「美男、もうやめといたら?」
柊がそう言って美男のビールを掴もうとしても、美男は譲らない。
「柊さん!大丈夫です〜楽しいんですっ」
「うん、それは見れば分かるんだけど…」
ほんのり頬を紅く染めた美男に、満面の笑みで言われると柊も強く言えない。
「まいったな…まぁ明日オフだし、大丈夫かな…」
柊が水を取りに行って戻ると、美男は新しいビールに手を伸ばそうとしていた。
「美男、それ開けてあげるから、これ飲んでて」
そう言うと、キャップを外したペットボトルを美男の手に握らせた。
にこにこ笑いながら口を付ける美男。
「柊さ〜んっ、これ!お水みたいな味ですよ。えへへ」
「へぇ〜そうなんだ。もっと飲んでいいよ」
柊は美男に笑いかけ、美男から取り上げたビールに口をつける。
それを見ていた美男が声をあげた。
「柊さ〜んっ、ずる…いっ」
ビール目掛けて美男が飛び付いてくる。
柊は慌ててビールを持つ手を上げ、胸に飛び込む美男を片手で受け止めた。
「美男、危ないだろ。怪我した…ら…」
体重を柊に預け、顔を見上げる美男と目があった。
「え?」と思ったのは柊の方だった。
美男の視線は持ち上げられたビールを捕らえ、そのまま手を伸ばしてくる。
206柊×美男 2:2011/10/08(土) 01:29:05.09 ID:3XtFKmJU
「あ」美男の頬が柊の唇に触れた。
「あっ、ごめん美男」慌てて柊は身体を離した。
アルコールのせいか、それとも柄にもなく焦ったせいか、頭がくらりとする。
柊は軽く頭を振ると、ビールをテーブルに置いた。

「いいですよ〜少し当たっただけだから、痛くありませんでしたよ?
それより柊さんの唇柔らかかったです〜」
にこにこ笑いながら、酔ってとろんとした美男が言う。
ああ…情けないな、俺。もう平気だと思ってたのに。
ごめん美男、少しだけだから…柊は心の中で先に謝った。
「じゃあ、お前の唇は?」
柊は両手で美男の頬を挟むと、美男の唇に軽く触れた。
「え?」
「ん〜?…よく分からなかったから、もう1回」
美男の唇にまとわりついた柊の唇は、最後にチュッと音をあげた。
「うん、美男の唇も柔らかいよ」
柊は呆然とする美男に微笑んでみせた。
一方美男は酔った頭の中がぐるぐる回る。
今のは…キス?廉さんのとはまったく違う。
廉さんのキスはもっとぎこちなくて、触れあう喜びを感じるもの。
でも、柊さんのキスはねっとりとして後に残る感じ。
大好きな人とする胸が高鳴るキスとは全く別物…?
酔いの回った美男は、思ったそのままを言葉にしてしまった。
「廉さんのキスと違う…」
その言葉に柊の表情がピクリと変わる。
だめだ、美男、俺の前でそんなこと言わないで。
わかってる…わかってるから、これ以上俺を嫉妬させないで。
思い出したくないのに、頭の中で美男の言葉が繰り返される。
唇を噛みしめた柊は、ソファーにもたれる美男に覆い被さっていた。あの柔らかい唇を求めて。
「口もっと開いて…」
強引に舌をねじ込み、美男の舌を探し出すと強引に絡ませる。
口を塞ぎながら美男のシャツの下に手を入れ、邪魔する布を引き離すと、胸を掌で押し上げ包みこんだ。
「ん…っ」
細い腕が微かな抵抗をみせる。
どうしたの美男?そんな力じゃ俺は止められない。
柊は指先にあたる感触の変化を感じ、美男の両手を押さえつけた。
「痛い、柊さん…」
「廉はどんな風に舐めてくれる?」
そう言うと柊は美男の胸に唇を寄せた。優しく音を立て吸い上げたあと、舌を使って強く早く弾いていく。
「んぁっ…んんっ」
びくびくと震える押さえつけた身体も、押し殺す声も、柊には喜びにしか感じなかった。
「感じてくれてるの?俺にこんなことされて」
廉じゃない俺に…
207柊×美男 3:2011/10/08(土) 01:30:16.47 ID:3XtFKmJU
美男の全てを剥ぎ取ると柊は床に跪き、震える美男を見上げた。
「嫌なら抵抗してもいいよ…」
柊は美男の脚を開くと顔を埋めた。
「ああっ」心地いい美男の声が一層柊を掻き立てる。
いつもそんな風に声をあげてるの?肩を振るわせて我慢してるのか?
「美男の声が聞きたいよ」
柊は美男の中で長い指をくねくねと動かしながら、ソコに舌を伸ばした。
美男の声が明らかに変わる。押さえつけた太ももがいくらがくがくと動いても
中の指がどんなに締め付けられても、柊は止めなかった。
「んっあぁぁぁんっ!…あっ…はぁ…はぁ…」
ずっと聞いてみたかった美男の声が柊の耳に響く。
流れ出たものに美男がイったことを察した柊は、立ち上がり美男の顔を見下ろした。
頬を紅く染め、涙目に荒い息遣い…今まで知らなかった美男がそこにいた。
「いつも廉にそんないやらしい表情見せてるんだな…」
泣きそうな声に美男が柊へと視線を向けた。
「柊さ…ん」
「そんな風に俺だけを見て欲しかった…」
そう言うと柊は美男の両足を開いて押さえつけ、一気に美男の中に入っていった。
「んんっ…んぁっ…」
苦しそうに喘ぐ美男の声を聞きながら、何度も何度も奥まで突き上げる。
お願いだから…忘れないで。俺とこんな風にしたこと覚えてて…
「ずっとこうしていたい…でも、廉に返さないとな…」
柊は腰の動きを早めながら、美男の敏感なソコに再び指先を伸ばした。
美男、一緒にいこう…最初で最後だから…
目を閉じた柊に、美男の身体がまとわりついた。
やっと…何度も想像した虚しさが報われる。

柊はテーブルの上のビールに手を伸ばすと、ぐったりとした美男を抱き寄せた。
「おいで、美男」
肩の重みと肌の温もりを感じながら、ぬるくなったそれを一気に飲み干す。
「美男…?寝たのか」
すやすやと眠る美男の寝息で、柊は徐々に幸せに満たされていく。
ゆっくりと目を閉じた柊は、空になった瓶をそっと自分の横に転がした。

柊は肩の痛みを感じ目を開けた。頭が働かない。
体を動かそうとして、自分にもたれ掛かる美男に気付く。
あのまま寝たのか…肌の温もりを感じながら、満たされたまま。
「…違う」二人とも服を着ている。もしかして、夢だったのか?
柊は一人苦笑いをした。情けないな…俺は。
「風邪ひくといけないから、ベッドに送るよ」
そう囁きながら柊は美男を抱き上げた。
夢と同じように、すやすやと眠っている美男を見て柊は微笑む。
…美男、お前も同じ夢を見てくれてるといいのにな…

歩き出した柊の後ろで、ソファーの上の瓶がそっと転がったことに、柊は気付いてはいなかった。

208名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 01:32:36.88 ID:3XtFKmJU
以上です。
すみません、最初にエロあり宣言忘れてました。

書いたものの、なんかもやもやしてますw
209名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:08:56.93 ID:x5XTUJQ7
>>205
GJ!!
柊さん、本当に嫉妬がよく似合う男だよなあ。気の毒に…w
210名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:12:41.29 ID:x5XTUJQ7
勇気×美男書いてみました
エロありです
廉&柊の存在をまったく無視してますが、よろしければどうぞ
211勇気×美男1:2011/10/08(土) 02:14:48.05 ID:x5XTUJQ7
風邪っぴきの美男。勇気の作ったおかゆを食べて、薬を飲んだら眠くなったらしい。
リビングのソファですやすやと眠ってしまっている。
「…寝てるのか」
りんごを手にリビングに戻ってきた勇気の顔に優しい笑みが浮かぶ。
「うぅん…」と美男が軽く寝返りをうち、仰向けになった。
美男の寝顔に目を向けると、勇気の心臓が速いテンポで鳴り出した。
少し開いたふっくらとしたピンク色の唇から目が離せない。
引き寄せられそうになった瞬間、ハッと我に帰ってソファ越しに背中を向けて座った。
「ば、バカっ!美男は男だ!男だ男だ男だ!」
必死で抗おうとするのに目が自然と美男を見てしまう。まるで魔法に掛けられたみたいだ。
「男だから…」
だっ、ダメだぞ、何してるんだ俺?でも!
「男だけど!」
勇気はソファを乗り越え、美男の寝顔に向き合った。ごくっと喉が鳴る。
もうこれ以上我慢できない。美男が男だって構うもんか!好きなんだ!
「男だけど…」
ゆっくり、ゆっくり、少し戸惑いながら、でもまっすぐに美男の唇へと顔を近づけると、なんだか甘い香りが鼻をくすぐった。
勇気がふわっと美男に唇を重ねる。
美男の唇、柔らかい…。まるで女の子みたいだ…。
目を閉じたままその柔らかさを味わっていると、美男がぼんやり目覚めた。
「…えっ?」
美男は一瞬何が起きているのか分からないようだったが、すぐに目を丸くして飛び起きた。
「勇気さん、や、やめてください!僕は…男ですよ!」
「知ってるよ!わかってるけど、もう男とかそんなのどうでもいい。美男、俺はお前が好きだ!」
勇気は美男が抵抗しようとするのをよそに、美男の身体を引き寄せてギュっと抱きしめた。
212勇気×美男2:2011/10/08(土) 02:16:50.30 ID:x5XTUJQ7
ああ、俺ついにあっちの世界に足を踏み入れちゃったなぁ…。ま、でもいっか。美男の身体、柔らかくてめっちゃ気持ちいいし〜!
…って、あれ?
…美男は男…なんだよね?
思いのほか柔らかい身体に違和感。
え?え?えっ?
試しに胸に触れてみたが不自然に固い。
ちょ、ちょっと待って…。
思わず美男の下半身に手を伸ばして確かめる。
「きゃっ!」
美男が驚いて腰を引く。
ない…ないよな…。
え?どういうこと?

美男は男。勇気はその思い込みからなかなか抜け出せなくてしばらくパニック状態に陥っていたが、ようやくたった1つの答えにたどり着いた。
「美男は男だろ?でも男じゃない…。あれ?てことはまさか、もしかしてひょっとして…美男!おまえ女だったの?!」
もう隠せない。美男が観念したようにコクンとうなずいた。
「ご、ごめんなさい!ずっと嘘ついてて…」
そうして美男はここにいる事情を一生懸命に説明しはじめるのだが、一方の勇気は耳に届く音から意味を拾うことができずにいる。

美男が女。女の子。…ってことはさ、そういうことだよね?いいんだよね?
勇気の表情がみるみるうちに満面の笑顔になり、また美男に抱きついた。
「超嬉しいよ!美男!夢みたいだ!」
「きゃっ!ゆ、勇気さんやめ…」
美男を強く抱きしめ、驚く顔にキスをする。最初のうちこそ美男の身体の緊張が伝わってきたが、徐々に抵抗感がなくなり美男の吐息に切なさが混じり始めた。
勇気の背中に回された腕の力がほんのちょっとだけ、きゅっと強くなった。
唇を離して美男を見つめると、顔がほんのり上気して黒目がちな瞳が潤んでいる。
「美男、俺本当に嬉しいよ。おまえが女の子で良かった」
「勇気さん…」
真剣な口調で美男に囁くと、ドキンと大きな鼓動が勇気の胸のあたりに響いた。

「ねぇ美男、俺さ…その…」
「?」
が、我慢できなくなっちゃった。から。
「ちょっとこっち来て!」
「ゆ、勇気さん待って、手が痛い!どこ行くんですか?!」
美男の手をギュッと掴んで自分の部屋に引っ張っていき、鍵を掛けた。
213名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:20:20.84 ID:x5XTUJQ7
ベッドの上に美男を仰向けに横たえる。
上に重なって軽く抱きしめてみたら、美男の身体は熱くて少し汗ばんでいた。
短く切った美男の髪をかきあげながら額に手をやると、明らかに熱があるのがわかった。
「わっ、ごめん美男!おまえ風邪引いてるんだった…大丈夫か?」
いま水持ってくるから、と言って立ち上がろうとすると、クッとTシャツの裾が引っ張られてベッドに引き戻された。
「あの…大丈夫ですから。熱いのは、熱のせいだけじゃないかもしれません…なんだか、いつもと違う気がするんです」
背筋は寒気でゾクゾクするのに、顔も身体も火照って熱い。頭もボーっとする。それは風邪の時もそう。でもいまは、お腹のあたりがなんだかソワソワするような、よくわからない感じもするし…。
「なんだか不安なんです…勇気さん、ここにいてください」
「わかったよ、ここにいるから大丈夫。少し眠るといいよ」
「はい。…あの、手、握っててもらってもいいですか?」
「う、うん、わかった」
勇気もベッドに滑り込み、美男に添い寝してきゅっと手を握る。
美男が心配なのと可愛いのと愛しいのと、いろんな感情が混ざり合って心臓が締め付けられる。
手のひらを合わせて指を絡ませるように握りなおすと、美男も握り返してきた。
「ん…」美男の口からかすかに熱い吐息が漏れてくる。
苦しいのとはなんだか違う気がするんだけど…美男、もしかして、感じてる?
そう思ったら、また勃ってきてしまった。
「美男、やっぱり俺、…したくなっちゃった」
美男は何も答えずに勇気の目を見る。これから起こることを覚悟して、そしてうなずいた。

美男を上半身だけ裸にしてベッドに寝かせる。勇気もTシャツを脱ぎ捨て、美男のやわらかなふくらみを胸で感じ取った。
唇にチュッと軽くキスをしてから、熱くなった首筋に口をつけた。
「ん…」たったそれだけのことで、美男がピクッと身体を震わせる。
「大丈夫か?つらくなったら言うんだぞ」
「はい、大丈夫です…。でも、なんだか胸が苦しくて、どうしたらいいのかわかりません…」
うっ、なんて可愛いこと言うんだ美男!
「それは、苦しいまんまでいいんだよ!その方が俺はうれしい」
勇気がニッと笑って、再び美男に口づけた。

美男の唇はとても柔らかいのに、ぷるんと跳ねかえすような弾力があって気持ちがいい。
わざとチュッと音を立てて、何度も何度もキスをした。
胸に手を伸ばし、手のひらで柔らかく揉みしだく。思ったより、ある。
先端を親指でくにゅっと押さえると、美男がビクッと緊張した。
「大丈夫だよ…」首筋に舌を這わせながら胸への刺激を続ける。
熱で汗ばむ胸の谷間を指でなぞりながら、固く尖ったものを舌で転がした。
214勇気×美男4:2011/10/08(土) 02:23:01.49 ID:x5XTUJQ7
「美男、おまえって本当に可愛いな」
胸も、脇腹も、背中も、愛おしくて肌を撫でるたびに美男がゾクゾクしたように身体を震わせる。
「ぅん、勇気さん、くすぐったいです…」
「でも嫌じゃないだろ?こうしてると、美男がもっともっと可愛くなるからやめられないよっ」
「やっ、やだ、そんなこと言わないでください!」
「だって好きなんだもん。おまえが男だって思ってた時だって、こんなことしたくなるくらい好きだったんだぜ」
勇気が美男の下着に手を掛けて引きずりおろし、敏感なところに手を伸ばした。
「きゃ…」
「うん、やっぱりない!美男は女だ!」
こんな時に、こんな言葉?!美男は思わず笑い出してしまった。
「なんだよ、笑うなよ〜。俺、ずーっと真剣に悩んでたんだからな」
「…ごめんなさい」
「でもいいや、もう終わったことだし。じゃあそろそろ行くよ?」

勇気の指が美男のいちばん敏感な場所を攻め始める。指でなぞると徐々に透明なものがあふれ出してきて、勇気の手のひらを濡らしていく。
「ねぇ美男、初めて…なんだよね?」
美男がこわごわとうなずいた。
「力抜いてて…痛かったら言って」
「はぁっ…」
勇気が中指をゆっくり入れた。美男の中はとても熱い。美男の様子を見ながらゆっくり指を
動かしていく。
「大丈夫?痛くない?」
「ゆ、うきさん…なんだか変な感じ…ちょっと怖い…」
「もうちょっとガマンしてみて」
人差し指を足した。少し抵抗があるけれど、濡れているから思ったよりスムーズに入っていった。
2本の指で美男の中を探っていくと、切なそうに身体をよじる。
「ん、やっ…」
突起に口づけてみると、美男の身体に力が入って指が締めつけられる感覚がした。
勇気は美男から指を抜くと、下着を脱いで美男の脚の間に腰を下ろした。
「そろそろ、大丈夫だと思う…。美男、なるべく優しくするから、しばらく痛いと思うけど少し我慢してくれる?」
「…はい」
215勇気×美男5:2011/10/08(土) 02:25:04.54 ID:x5XTUJQ7
勇気は固くなったものを美男の中心にあてがい、少しずつ腰を押し進めた。
「いたっ、痛い…ん、勇気さん…」
「ごめん美男、もうちょっとだから、なるべく力抜いてみて」
「はぃ…あっ」
「ん、くっ…。美男、全部入った…。も少しこのまま我慢して…」
少し辛そうな顔をしている美男を抱きしめる。美男の熱が信じられないくらいダイレクトに伝わってきて、勇気の胸も苦しくなった。
「俺、美男が本当に大好きだ…。ずっとこうしてたいよ」
美男は返事の代わりに、勇気の首元にキスをした。
「そろそろ動くよ…」
勇気がゆっくりと、慎重に腰を動かし始める。美男が少し痛みを感じているようでどうしようかと思ったけれど、少しずつ息遣いが変わってきた。
徐々にスピードを上げていく。美男の反応が甘やかなものへと変わり、そのまま二人で頂上まで登りつめた。


「うーん、まだちょっと熱あるなあ」
美男とおでこをくっつけて熱をはかる勇気。
「大丈夫ですよ。薬が効いてきたような気がするし、きっとすぐに良くなりますから」
「うん、早く治すんだぞ。でもさ、俺の熱はもう下がりそうにないんだよね〜。美男のせいだぞ!どうしてくれるんだ!」
「えへへっ、そういうことなら私の熱だってずーっと下がりませんよ?」
美男が勇気におでこをくっつけてきた。
ふたりで見つめ合う。
お互いに照れくさくなってうつむいてからまた目を合わせ、そして愛しそうにキスをした。
216名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:27:07.58 ID:x5XTUJQ7
以上です
勇気が好きすぎて、つい幸せにしてみたくなりました
217名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:46:25.86 ID:6046dexl
>>205本当に嫉妬が似合うw嫉妬に狂った柊良い〜
218名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 02:58:38.69 ID:6046dexl
連レススマソ
>>216勇気のエチ可愛い…勇気の描写が上手すぎてドラマ見てるみたい。
柊ヲタだが、勇気が美男と一番お似合いな気がしてきた。
219名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 05:56:27.35 ID:/+/KyAab
>>216
GJですー!
勇気ぽさ出てて最後までかわいい2人良かったです
220名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 07:19:10.76 ID:to+wcRel
>>205>>216
GJ〜!
嫉妬柊さん切ない…
美男勇気可愛い〜!!
廉派だが柊美男エンド勇気美男エンドも見てみたかったなぁ〜(それじゃ乙女ゲーだが
221名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 08:18:28.88 ID:BCHTRLfR
柊さん嫉妬が似合うw
定期的にご褒美みたいにエッチできたら忘れたくても忘れられないねw


勇気かわいい〜
勇気×美子は無邪気でほんわかしてていいね
222名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 15:53:01.71 ID:8AfySujB
スイートルームの廉×美子はその後どうなったのかな?続きplease!
223名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 16:27:41.28 ID:dnHVVES4
ちょっとはロムれ。
224名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 16:39:22.25 ID:P87qO4vU
スルーしてね。
待ってますよー。
225名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 18:24:50.35 ID:AFWpmaED
>>208
柊さん、めっちゃ切ないです。やっぱり、廉さんより先に告白してれば良かったね。
>>221さんのいう定期的ご褒美エッチ、いいかも。そのたびに、美男の記憶消しておけばOK。


>>216
勇気美男、お似合いすぎ。見た目・年齢的には一番お似合いかもね。勇気が一番普通だしw アブノーマルはなさそうだ。
226名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 21:00:13.14 ID:BCHTRLfR
美子がアフリカに行ってる時のある日の3人の会話です。
エロなしです
227名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 21:00:52.18 ID:BCHTRLfR
「ねぇ、廉さんはいつから美子が女だって知ってたの??」
「初ライブ前には知ってた。たまたまRINAとの会話をきいちまってな。」
「そんな前から知ってたんだ!柊さんは?柊さんも俺と一緒で試写会までしらなかったんだよね!?」
勇気に聞かれた柊は微笑みながら
「俺は美男の歓迎会の時には気がついてたよ。抱きしめた感覚でね」
「ぶほっ」
動揺して水を噴き出す廉。「そんな前から気がついたなんて、さすが柊さんっ」と感心する勇気。
俺なんてホモかと悩んだのに…とぶつぶつつぶやく勇気にこいつも美子を好きだったのか!?と驚く廉であった。
228名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 21:02:31.55 ID:BCHTRLfR
以上です。
男3人でこんな会話もあったかなと思いかきましたw
229名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 22:14:05.11 ID:AFWpmaED
>>227
抱きしめた感覚って・・・意味深だね、胸に感じたのか、柊さんが言うとエロいですw
230名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 23:37:25.32 ID:J4YYKKoh
みなさんに刺激されたので
ベタですが記憶喪失モノを書いてみました
時期としてはあのコンサートのあとで、
美子がアフリカに発つ前くらいの感じです

エロはなしで多分長くなるので今回は途中までです
231忘却 1:2011/10/08(土) 23:38:20.46 ID:J4YYKKoh
目を開けて美子が最初に見たのは真っ白な天井だった。
見たことのない、知らない天井。
白すぎて、目がまぶしい。
外は明るいから、夜ではないみたいだ。

「あれ…」

起き上がろうとするけれど、なぜか身体が重い。
それにあちこち痛む。よく見ると、腕には包帯が巻いてあって
違和感を覚えた額にはカーゼの感触があった。
それでもなんとか身体を起こして目に入ってきたのは
いわゆる病室というやつだった。
ベッドの上に自分がいて、その隣にはソファや椅子が置いてある。
テレビや収納のための棚、そしてベッドのすぐそばには
見たことのない白いぬいぐるみがあった。

「…これ、なんだろ?」

豚鼻が付いているのに、耳は長くてウサギのようだ。
長い耳にはなにか、可愛らしいピンがつけてある。
美子はズキズキと痛み出した頭で考えようとするが
何かわからずに、鼻先を人差し指で突いた。

「変なの」

小さく呟いてみて、膝を抱えてた。
どうしてこんなところにいるんだろう。
…なんで怪我してるんだろう。

何か思い出したいことがあるのに、ズキズキする頭が
その思考を邪魔する。
あれ、あれ、なんか変…なんでだろう。
232忘却 2:2011/10/08(土) 23:38:57.26 ID:J4YYKKoh
美子がベッドの上で苦しんでいる時、何か音がした。
反射的にそちらを見ると、病室のドアがすっと開いた。
そして、一人の男性が中に入ってくる。

「美子!お前、目を覚ましたのか!」
「え…あ、…」

美子は見知らぬ男性の登場に身を強張らせた。
男性はそんな様子に気付くはずも無く、
スタスタとベッド脇までやってきて

「よかった、…ほんとによかった」

と美子の髪を撫でた。男性の目には薄っすらと涙が溜まり、
美子は首を傾げる。

誰だろう、知らない…でも、この様子は…?
見知らぬ人が自分のために泣いている姿が美子には理解できない。
…でも、なんか知ってるような知らないような…
美子が何かを思い出そうとしたとき、
頭はさらに激しくズキズキと痛み出した。

「美子?どうした?」
「痛っ…!!」

何も言わず身体を硬直させたままの美子に男性も首を傾げる。
すると美子は急に顔を歪めて頭を抱えた。

「い、痛いのか!?」
「あ、は、い…痛い…!」

美子の顔はどんどん苦しそうな表情になり、
男性は「ちょ、待ってろ!」と言うと病室を飛び出していった。

「怖い…痛いっ…」

美子は男性がいなくなると、自分の痛みの得体の知れなさが
怖くなって全身で頭を抱えるような形になった。
ガクガクと身体が震えて、そして、もう何も考えられなくなった。
233忘却 3:2011/10/08(土) 23:39:32.70 ID:J4YYKKoh
美子が次に目を覚ましたとき、窓の外は真っ暗になっていた。
目を開けると、先ほどの男性がいて、美子の手を握り締めていた。
きつく、ぎゅっと握られてはいるけれどやはり美子には誰だかわからない。

「あの…」
「…!美子!」

目を覚まして声をかける。その男性は、びっくりしたような声を出して
ベッドで横になっている美子を覗き込んだ。

「え、あー、あの」
「ん?どうした?まだ痛いか?」

見知らぬ男性の顔が美子の顔に近づいて、美子は驚いて固まる。
心配そうな男性の顔は端正で、美子は少し顔を赤らめた。

「…どなた様ですか?」
「え?」
「私の名前知ってるから、知り合い…ですかね?」
「お前何言ってんだ?」
「え?あの、私、あなたのこと知らないから…」

怪訝そうな顔でさらに顔を近づける男性に美子は後ずさりをする。
手は繋がれたままで、美子はとっさにそれを離した。

「待て待て、俺は桂木廉だ、知らないわけ無いだろ?」
「桂木…さん?」
「そうだよ、お前は桜庭美子、そうだろ?」
「はい、それはそうなんですけど…私桂木さんのこと知らなくて…」

美子は申し訳なさそうにうつむいた。
男性、廉は確かに美子のことを知っているようだ。
けれど美子には全く心当たりが無い。
話し方からして、親しかったようにも思う…でもやっぱりわからない。
234忘却 4:2011/10/08(土) 23:40:25.09 ID:J4YYKKoh
「まさかお前…いやでもそんなこと現実にあるわけ…」
「え?なんですか…?」
「お前、兄貴はいるか?」
「はい、でも兄は遠くにいて連絡が取れないんです…
あ、ひょっとして兄の知り合いですか?」
「…そ、そうだ、美男の仕事仲間だ」
「へぇ、兄は何の仕事を?」

美子は兄の名前が出て少しだけ安堵した。
全く知らない人のように思うけれど、兄を知っている人なら
…まだ少し安心できるような気がする。

「…お前、記憶が無いんだな」
廉は美子に聞こえないような小さな声で呟く。
「え?」
「…いや、ちょっと待ってろ」
「はい?」
廉はそれだけ言って病室を出て行った。
先ほどの慌てた口調とは違い、落ち着いたような静かな声だった。

…よくわからない。一体誰なんだろう?
うーん?実は知ってるけど私忘れてるのかな?だからあんなこと?
あれ、…痛い、頭が痛い…!
何かを考え込むと美子の頭はズキズキと痛み出した。
まるで考えたり思い出させることを邪魔するような痛みがある。

美子は考えるのをやめて、もう一度そばにある白いぬいぐるみに触れた。
これはなんだか知っているような気がする。
この、可愛いピンも…。
そう思っていると、廉は医師を連れて現れた。

そして、それからのことを美子はあまりよく覚えていない。
医師が何かいくつかの質問をして、それに答えた。
けれど何を聞かれたのかあんまり思い出せない。
ふと我に返ったときには1、2時間くらい経っていた。
235忘却 5:2011/10/08(土) 23:41:13.07 ID:J4YYKKoh
ベッドの上にいて、医師がそばに座っていて、廉の姿は見えなかった。

「桜庭さん、よく聞いてください」
「…はい?」
「あなたは、記憶の一部が欠けてしまっているようです」
「え?」
「そうですね、約4ヶ月ほど前までの記憶はしっかりしていますが
4ヶ月前から現在までの記憶が綺麗さっぱり欠けています」
「まさか、そんなのありえるんですか?」
「えぇ、珍しいことではないですよ。あなたは事故で頭を強く打っています。
それが原因だと考えられます。桜庭さんは1週間ほど眠っておられましたから」

記憶が欠けている?一週間も寝てた?私が?
医師の言う内容が自分のことだという実感がまるでわかない。
誰か他人の話を聞いているみたい。
4ヶ月前は…確か、イタリアに修行に行く準備をしていたような…。

「無理に思い出そうとすると激しい頭痛が起こるようですので
無理に思い出さなくてもいいでしょう、何かきっかけがあれば
記憶は戻ると考えられますので。ゆっくり焦らずに」
「…はい、でもあの、事故って?」
「あぁ、歩いていた桜庭さんに車が突っ込みましてね…
幸いにも避けることのできたあなたの怪我自体は
頭部打撲と腕の擦り傷で軽症だったのですが
どうにも意識が戻らないので変だなと思っていたら…」
「…そうですか」
「では、くれぐれも安静にしてくださいね」
そう言って医師は病室から出て行った。

「記憶が…欠けてる?」
やっぱり自分の身に起こったこととは思えない。
「…そうだ、あの人どこ行ったんだろう?」
美子は姿の見えない廉を思い、首を傾げた。
236名無しさん@ピンキー:2011/10/08(土) 23:42:14.68 ID:J4YYKKoh
以上です
おやすみなさい
237名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 16:00:18.11 ID:Aii8ewCm
>>227
柊さんの余裕いいなぁ。そういう感じ見たかった!
初回の「…!おっぱい!」て顔を思い出すw

>>231
きゅんきゅんできそうなヨカーン!
238名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 18:29:01.18 ID:jTLN12cS
>>231
GJ!
美男が無意識に、豚鼻してるんだね。なんだか泣けます。

柊さんの初回って「おっぱい→女」だったの?
腕の細さ、身体の柔らかさ→女と気付いたのかと思ったけど、
もし柊さんがオッパイ聖人なら、ちょっと認識変わるw
239名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 18:33:36.41 ID:K2YupZVA
最後の抱きしめた時だよね
「体が柔らかい⁈」なのか「おっぱい⁉」なのかはたまた
「こ…股関が…⁈」なのかは我々には知る由もありませぬ
240名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 18:39:38.61 ID:P12VY0iI
DT廉さんが抱きしめた感触だけで女とわかるのはおかしいよね
エロの達人の柊さんなら納得だけど 勇気もハグされたのに気付かなかったし
おっぱいはさらしで潰してるんだから

一話ラストの廉さんは股間触るべきだった


241名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 18:49:45.12 ID:K2YupZVA
ちなみに舞台版の廉さんは最終的に股関を触って
美男が女であることを確認します(ネタではありません)
242名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 19:08:32.33 ID:Di7flX1g
>>241
ちょwwマジかww
243名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 19:31:50.84 ID:jTLN12cS
>>241
ウゲッ、それは誰得?笑い取る仕草でもないよねぇ。
ドラマの廉さんが美男に股間タッチなんて想像すら出来ないよ。
あのレッスン場でハグの代わりに、タッチするの?美男はどういうリアクションなんだろう。舞台の演技って想像を絶するものなのだね。
244名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 19:52:49.06 ID:aTScdued
ええ〜
演技で胸タッチとかはあっても股関触られるって、普通ないよね…
女優って大変だなぁ〜;;
245名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 20:03:28.66 ID:cs2BBa7S
股間触ってから、「本当におんな…だったんだな(棒)」になるんですね
246名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 20:08:42.58 ID:K2YupZVA
実際には触ってないよ、触るふりだけ。
舞台だからその辺は誤魔化しやすい
コメディだからそれっぽく。マジ触りだったら客も引くよ
247名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 21:29:21.48 ID:jTLN12cS
>>246
ホッ。触るフリでよかった。それにしても、股間なんて穏やかじゃないね。
ドラマでも、美男がスーパーボールを挟むとか、変な演出あったけど、あれは引いたわ。
って、エロパロスレで言うのも変だけど、エロとか萌えは好きだけど、露骨なエッチやグロもゲロも嫌だw
248名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 22:27:46.58 ID:l07OwB0s
みなさん感想?ありがとう。柊さんの話題は盛り上がりますねw
舞台の廉さん股間触るとは驚いたな…
249名無しさん@ピンキー:2011/10/09(日) 22:41:32.94 ID:Aii8ewCm
スーパーボールが転がらないと、隠れておけばOKになるから、
柊さんのタオルエピの為に必要なのかと思ってた。
250名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 00:02:19.57 ID:Di7flX1g
そもそも偽キン○マをつける意味があるのか…
偽ぺ○スつけなきゃ無意味なんじゃ…と思ったよ
251名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 00:33:54.50 ID:AFfmZC+B
短いですが、書いてみました
朝の廉さんと美子です
エロはなしです
252朝の事 1:2011/10/10(月) 00:34:38.58 ID:AFfmZC+B
「んっ・・・」

朝の日差しが部屋に差し込んでくる。
廉はその眩しさに閉じていた目をゆっくりと開けた。
「朝かー・・・」
小さな声でそう言う廉の目の前にはシーツに包まって
幸せそうな顔で眠っている美子がいた。
シーツから露出した肩先、美しい素肌が見えている。
「ふ、ふふ・・・」
自然と昨夜のことが思い出され、廉からは思わず笑みがこぼれる。
と同時に気恥ずかしさまでも現れて、
美子と同じく素肌のままの胸元や顔まで廉は真っ赤になった。

「・・・ったく、無邪気な顔しちゃって」
すーすーと穏やかに眠る美子の頬にそっと触れてみる。
頬は温かくて、その温もりと微かに香る美子の匂いに廉の顔は綻んだ。
「・・・うんっ・・・」
廉の手の感触を感じたのか、美子がうっすら目を開けた。
「起きたか」
「れん・・・さん?」
開ききらない目のまま、美子はぼんやりと見える廉に声をかける。
「なんだよ?」
廉は枕に頬杖をついて、美子を見た。
「・・・あの、おはようござい、ます」
起きた直後の、少し掠れた声の美子が言った。
目をしっかりと開けるとお互いに素肌のままなことがわかる。
「おう、おはよう・・・あの、その昨日は・・・えっと」
美子の目を見て急に恥ずかしくなった廉は先ほどより もさらに顔を赤くした。
253朝の事 2:2011/10/10(月) 00:35:53.05 ID:AFfmZC+B
「廉さん・・・」
「な、なんだ?」
「・・・えと、あの、嬉しかったです」
美子は顔を真っ赤にしてそう言うと、ガバっとシーツの中に顔を隠した。
「だめです、これ以上廉さんの顔見たら・・・あー恥ずかしい!」
シーツの中からくぐもった声が聞こえてくる。
「アホか!俺も・・・俺も恥ずかしいっての!」
廉は照れ隠しに大きな声を上げる。
「・・・廉さん、私幸せです」
ひょっこりと、ちょっとだけシーツから頭を出して美子は言った。
「あ、あぁ・・・俺も」
廉は恥ずかしさを我慢して、シーツの中にいる美子をシーツの上から抱きしめた。
「・・・俺も幸せだ。ありがとう」
廉の優しくて静かな声が美子の耳に届く。
「廉さん・・・」
シーツから顔 を出して、しっかりと廉の目を見つめる美子。
「・・・さて、起きるか?」
あまりにじっと見つめられるので廉は照れ隠しに言う。
「もうちょっと、もうちょっとこのままがいいです」
「そ、そうか」
「・・・廉さん恥ずかしいですか?」
「え?いや?」
「でも、顔真っ赤で可愛いです」
「う、うるさい!」
「えへへ・・・私幸せ者です」

そう言った美子の唇をそっと奪う廉。
昨夜の熱を帯びたキスとはまた少し違う、優しいキス。
そっと触れ合うだけなのに胸はドキドキがとまらない。

そして、二人の一日が始まる。
254名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 00:36:33.11 ID:AFfmZC+B
終わりです
乱文失礼しました
255名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 01:46:12.32 ID:FUn+t/c0
>>254
GJ!
朝チュンな廉×美子ほのぼのしててすごく可愛いー。
幸せな毎日を過ごしてるのも伝わって来ます!
256名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 01:48:52.04 ID:FUn+t/c0

スイートルームの廉×美子の書き手です。続きを投下しに来ました。
今回はエロ無しで、美子は直接的には出て来ない廉がメインの割とシリアスめな話です。

なお今回は個人的なイメージで勝手に話を繰り広げているので、
自分の中の登場人物のイメージが壊されるのに抵抗がある方や読んでみて合わないと思った方は
スルーでお願いします。では長くなりますが、今から投下します。


今までの更新分
前スレ
549-557
647-650

現行スレ
>>6-13
>>113-118
257眩しい夜廉×美子28:2011/10/10(月) 01:50:38.93 ID:FUn+t/c0
美子と分れて1人きりになった廉にもう一人のホテルの係員が
「お食事はいつも通り軽くつまめる物を冷蔵庫の中にご用意しております」と
遠慮がちではあるけれど声をかけてくる。

「ああ、ありがとう…けど、先に風呂に入ってくる」
「そうおっしゃるかと思いまして、お湯の準備も整えております。
誠に勝手ながら、お疲れかと存じましてリラックス効果のあるハーブの入浴剤を
予めお湯に入れておりますので、どうぞごゆっくりとお寛ぎ下さいませ」

自分よりも大分年下の生意気そうな若造に仰々しくお辞儀をするホテルマンに
若干の息苦しさを感じない訳ではない。
けれど、長年築き上げてきた関係から廉の好みや行動パターンを熟知し
それに見合ったもてなしをしてくれる事に廉は改めて感謝するのだった。
「あのさー」
「はい」

ホテルマンが緊張した面持ちで廉に向き直る
「いつも…ありがとな。俺みたいなクソガキにこんな良くしてくれてさ」

中年のホテルマンは一瞬自分が何を言われたのか分からなかったのか…
はたまたそんな言葉を初めて廉にかけられて面喰ったのか、ぱちぱちとまばたきをしたが
そこはもてなしのプロだ。すぐに満面の笑みを浮かべてこういうのだった。

「いえ、こちらで少しの間でもお寛ぎ頂けるように努めるのが私どもの役目でございますから」
「まあ…そうだけどさ…言わなきゃ…伝わんない事だって…あんだろ」

決して驕って(おごって)いた訳ではないけれど。
そんなごく自然で当り前の事を忘れてしまっていた気がする。
改めてその事を自分に教えてくれたのは…美子…だ。

ホテルマンは大層嬉しそうに微笑んでから、すぐにきりっとした面持ちに戻り
「何かございましたらいつでもご連絡下さい。デスクにて待機しておりますので」
と深々と礼をし部屋を出て行く。
258眩しい夜廉×美子29:2011/10/10(月) 01:53:36.67 ID:FUn+t/c0
やっと肩の荷が下りたのか廉は膝に手を付きふうっと大きなため息をついてから
誰も見ていないから構わないだろうと髪の毛を思いっきりぐしゃぐしゃとかき回す。
あっと言う間に綺麗にセットされた髪型は乱れ、寝癖でボサボサの頭のした少年のような風貌になる。
そして、乱暴な手つきでネクタイを外し、シャツのボタンをこれまた乱暴に外しながらバスルームの中へと入って行く
その廉の姿からは超人気バンドA.N.JELLの面影はまるでなく、ただの23才の男桂木廉になっていた。

もやもや頭の中に色んな事が浮かんでは消える…。

今日1日で色んな事があった。
もう決して…自分の手の届かない見えない場所へと行ってしまった美子に思いを馳せながらも何も出来なかった自分…
どうしたって埋まる事のない深い溝に苦しみ続けた母との関係…そしてその母からの優しい言葉
普段それこそ決して口には出さなかったけれど大切な仲間だと思っている柊と勇気は、
まるで自分の事のように廉を心配しそして協力の手を差し伸べてくれた。
美子の兄の本当の美男だって…言葉にこそ出さなかったけれどいつも「本当にこれで良いのか」と鋭い視線を廉に投げかけていた気がする。

気付けば何かに突き動かされるようにひたすら美子の影を追い求め走り回って…
やっと廉にとっても光り輝く星のような存在の美子を…再びこの手に抱きしめる事が出来た。
自分1人じゃ…とても出来なかっただろう……

廉は次から次へと頭に浮かぶ出来事に思いを馳せながら、頭と身体を洗いバスタブの中に
バシャンと勢いよく飛びこむ。
「…これから俺どうなんのかなー……」
とあてもなく呟く廉を優しいハーブの香りの立つ湯気がふんわりと癒すように包み込む
その香りに包まれているうちに、あの天使のような笑顔を浮かべる美子がいれば
きっと自分は大丈夫だと何とか己を奮い立たせるのだった。

…その一方で、さっきエレベーターの中でキスをした時の頬を上気させ、眉を顰めつつも
自分の口付けに何とか応えようとしていた美子の表情を思い出してしまう自分もいた。
「やべやべやべやっべ…!!!」
廉はいけないいけないと頭をぶるぶると横に振り、ついその先の事を考えてしまいそうになる
自分の煩悩をどうにかして沈めようと湯船に潜りぶくぶくと息を吐いてはみるものの…
それでも美子の笑顔やら泣き顔やらむくれた顔が後から後から頭の中に浮かんでくる。
そうこうしているうちに息が続かなくなり…
「ぶはーーーーー!!!!げほっげほっげほっ…!!…俺何やってんだ……」
と盛大にむせて咳き込むのだった…
小さく丸まった背中はそれこそ…23才の男と言うよりはただのクソガキのようであった。
259眩しい夜廉×美子30:2011/10/10(月) 01:58:01.86 ID:FUn+t/c0
何とか風呂を済ませ部屋着に着替えた廉はその足で書斎へと向かう。
デスクには廉がいつも使用しているパソコン、i pad2、まっさらな譜面用紙に紙束、そして筆記具
ミネラルウォーターのペットボトルにミントのタブレットケース

廉にとってなじみのある物たちが廉の手の届く範囲まで計算されているのかという位に
きっちりとそれこそ1ミリの曲がりも許さないとばかりに整然と並べられている。
「…はぁ…これ位の事…俺だって自分でやるさ…」
ぼそっとあてもなく呟いてから廉は椅子に座りにおもむろにパソコンの電源を入れる。
インターネットに接続すると…ポータルサイトのトップページのニュース欄には自分の名前とバンドの名前がずらりと並んでいる。

・A.N.JELLの廉に新恋人発覚?!
・桂木廉 A.N.JELLを脱退へ
(へー…俺って脱退するんだ……知らなかった……)
・A.N.JELL超人気バンドとしての資質とは?
・公私混同?A.N.JELL桂木廉の一世一代の愛の告白にファンから非難轟々の声

……廉はこうなる事は予測していた。
ページを開かなくとも書いてある内容は大方予想がつく。
そのまま無言でページを閉じ、その代わりにバンドの公式ホームページへアクセスすると、掲示板はあわやパンク寸前だ。
後から後からファンの書き込み件数が増えていくのをぼんやりと眺めていると…
廉の新しい恋人との幸せを祝う声はごく僅かで大方はファン同士の罵り合いへと発展している模様だった。

『つーかさ、あの女廉の好みと全然ちがくなーい?』
(おい、何で見ず知らずのお前が俺の女の好みを知ってんだ?…アホか!)

『え、見たんですか?!どんな人だったんですか?噂じゃ美男にそっくりだって』
『美男の妹と付き合ってんのは柊だろ?何なんだよ?こいつら』
『ねえ、もうやめませんか?こういうの…メンバーが見たら悲しむと思いますよ?』
(…ってかチャットかよ…)
『っていうかぁーうちらだって悲しいんだよ!後先考えないで勝手な事する廉のほうが頭
おかしいんだよ!!もー廉なんか今すぐやめちまえ!消えろカス!!』
『私は近くで見たんだけど。あれ、絶対ガチだよ。なんかさーその子やっぱりちょいダサ目?www
だったけどスーツケース持ってたし、どっか行っちゃうとこだったんじゃない?
だから廉はさー行かせたくなかったんだよきっと。泣きそうになってたし。
でもさー、廉はさ、一般人じゃないじゃん?なのにああいう事させるような女ってさー』

(……)
廉はたまらずパソコンの画面を閉じ、拳で机を思いっきり叩いた。
260眩しい夜廉×美子31:2011/10/10(月) 02:00:23.85 ID:FUn+t/c0
自分を置き去りにして勝手に進んで行く世論。
作られていく本当の自分とはかけ離れた自分のイメージ。
……苦しいけれど、それは「自分で選んだ道」だ。
受け入れるしかない、耐えるしかない……けれど。

自分の大切な人を守りたい…いや何があっても守ると決めた。
初めて心を許せる、そして心から愛していると思った美子が自分のせいで批判の矢面に立たされている。
ある程度は予想していたけれど…美子の事となると途端に冷静さを失っていく自分…
「くっそ…!!!」
廉は悔しさのあまりに唇をぎゅっと噛みしめる──とその時。
スカイプの呼び出し音だろうか♪ピロピロという電子音が部屋に鳴り響く。
画面を開くと、そこには社長・安藤が満面の笑みで手を振っている姿が映っていた。
対応に追われているのだろうか。少しだけ疲れた表情にも見えなくもない…廉はため息をついた。

「よー!!廉お疲れちゃーん!その後の調子はどうだー?ちょっとは落ち着いたかー?」
「……ぁぁ…」
「どうしちゃったのよーん。YOUそんな浮かない顔してー」
「…や…ごめん。…めーわくばっかかけて…」
「YOUがいつ?誰に?迷惑をかけたって言うのYO!」
「いやーだからぁー…さっきの…ライブの……さ…」
「YOUは正直に自分の気持ちを口に出しただけでしょ?誰もその事について迷惑だなんて思ってないよー?」
「けど…やっぱさ…すげー…さわぎになってっし……」
「そんなセミの鳴き声みたいなもんを気にしすぎたって仕方ないだろーそのうち静かになるんだからさー」
「………そうかな……」

こんな土壇場に来てまで臆病になってしまう自分が嫌になってくる…
俯きながらぽつりぽつりとつい弱音を吐きため息をついてしまうと、
鼓舞するような社長の陽気な声のトーンが一変した。

「……それともお前。自分でやった事を後悔してるとでも言うのか?…え?」
「ちげーよ!!!俺は!!!…おれはっ…ただ……」
廉は、思わず声を荒げて否定するが、口ごもってしまう…
「何だ?…言ってみろ。お前の気持ちを」

「俺はただ…あいつの…美子の…苦しむ顔は…もう見たくない…
もし、俺がした事で…これから…あいつがまた傷ついたり…苦しんだりしたらって…思ったら…辛くて…」
廉はただ美子の事を想っていた。
自分は何と言われようと…例え人気バンドのリーダーとしての地位を追われようと構わない。
けれど、美子は…美子だけは笑っていて欲しい・幸せになって欲しいと
その為になら自分は何だってすると廉は心に誓った…それなのに。
重くのしかかる現実に、廉は今にも押しつぶされそうになっていた。
261眩しい夜廉×美子32:2011/10/10(月) 02:03:17.11 ID:FUn+t/c0
そんな廉の様子を見て安藤はしみじみと言うのだった。
廉は気付いていないだろうが、きっと言葉に出せなかった廉の想いも安藤にはお見通しなのだろう

「…お前も変わったなー…あ、いやー…お前は…何にも変わってない…か」
「はあ?」
予想外の答えに思わず廉が顔を上げると、安藤は続けざまにこう言った。

「いやいやーお前と話する前にな?昔の事をちょっと思い出しててさーお前と出会った頃の事をね。
ネットサーフィンしててたまたまお前が作った曲を聴いてさ、すげー曲を作る奴がいるもんだと思って。
すぐさま俺がお前にコンタクトを取って会いたいって言ったのに、お前ときたら!
たった一言。しかもメールで『金はいらない』とか返事よこしてきたの。覚えてるかー?」

遠い目をしながらさぞおかしそうにガハガハと笑う社長が気に喰わなかったが
廉は素直に首を縦に振った。

「一体どんな男だって俄然興味が沸いて、人づてにお前が街中で歌ってるらしいって事を聞いて
行ってみたらさー、殆どだーれもいない駅前のロータリーでぶっかぶかの制服着て
アクセサリーをジャラジャラ着けまくって…おまけに髪は真っ金金で前髪はすだれみたいで。
そのすだれで顔隠しててよ…一体何処のヤンキーかぶれだと思って良く見たら
いっちょまえのアンプとアコギ持っていやがって。生意気だなーと思ったなあー。
しかも歌声がさ…澄んだ綺麗な声でさ…まるで何かやらかして地上に落っこちてきて
野良猫ヤンキーにされちゃった天使なのかと思ったっけねーっはっはっは!!!」

「…おい、何訳分かんねー事言ってんだよ!」
「まあ聞けって!…すだれみてーな前髪からチラッと見えたお前の目。
カミソリみたいに鋭くて、自分以外の人間は皆っていうか全方位敵!!!みたいなバリアが
張ってあるようでいて…どこか寂しげで。誰か自分をここから救って欲しい・見つけて欲しい・
愛されたいっていう渇望みたいなものがさ…見えた気がしたんだよなあー……
けど、いざその野良猫みたいなお前を拾ってみて。お前は自分の居場所を見つけたは良いが
完璧主義者なんだか常に1番でいなければ自分の居場所を失ってしまうっていうプレッシャー
だか何だか知らんがな…自分で自分の首を絞めてがんじがらめにしてるように見えて
このままじゃ…いつかお前が爆発するんじゃないかって。心配でさー…だから美男を入れた訳だ。
けど…何の運命のいたずらか…お前が出会ったのは…美子だった…。

美子に出会ってからのお前の目…見違えるようだぞ?…本当に活き活きしてて。
良く笑うし、楽しそうだし……で、それが…本当のお前なんだろう?」

廉は何も言い返す事が出来ず全てお見通しなんだぞと言わんばかりの安藤の視線から
逃げるように俯いて…瞬きを繰り返すしかなかった。
262眩しい夜廉×美子33:2011/10/10(月) 02:06:42.54 ID:FUn+t/c0
「なあ、廉…今まで後ろを振り返る間もなくただただ突っ走ってきたんだ。ここらで少し肩の荷を下ろしてゆったりすると良い」

「…社長……」
「あ?どうした?」
「あんたってさ……すげー人…なんだな」
廉が絞り出すような小声で呟くと、その廉の声に被せるようにして安藤が大声で返事を返してくる。
あまりにうるさくて思わず廉は耳を塞いでしまうのだった。

「今頃気付いたのか!!!はっはーん俺を見くびりやがって!!!
この野良猫ヤンキー上がりのクソガキがあー!!!!」

「うるさい!調子のんじゃねーよ!!……でも。あん時あんたに付いて行ってなかったら、
俺は…今…こうして…この席に座る事もなかったんだよな…」

「そうだなあー…A.N.JELLも存在しなかっただろうし。お前が美子と出会う事もなかった」
「しゃちょう…あんがとな…」
屈託のない笑顔を廉が浮かべるのを見て安藤は、感慨深げに「お前も大人になったなあー…」と
言うのだった。そんな社長のさまざまな思いを知ってか知らずか廉はふざけた口調で…
「なあ…俺って…脱退させられんの?」
と半ば冗談…半ば割と本気で安藤に問い掛けると、また間髪いれずに社長の大声が返ってくる。

「なーに言ってんのYO !そんなはずがないでしょ?!廉良いか。よーく聞け!
A.N.JELLはな、お前と柊、勇気、美男そして馬淵にRINA…そして美子全員揃って初めて
A.N.JELLなんだよ…誰1人欠けても成り立たないんだ…よく覚えとけ!このバカチン!!…それとな……」
それとな…と言ったきり社長は背を向けて、A.N.JELLのポスターでも眺めているのだろうか微動だにしない。

「おい、何だよ…勿体つけないで早く言えよ!」
廉がつい苛立った声を上げてしまうと、くるりと椅子が回転し安藤の顔が画面に戻って来る
それは今まで見た事もない位の優しい笑顔だった

「廉、お前は見つけたんだろう?大切なもの・守りたいもの・愛しいと思うもの…いや人か。
それが何か…それが誰なのか…お前自身が見失わない限り何も恐れる事も不安がる事もない。
お前なら…廉なら大丈夫だ。俺が保証してやる。けどな…もし、お前が1人でどうする事も出来なくなった時は……
いつでも手を差し伸べてやるからな。俺は最後の最後までお前の味方だ。……その事を忘れるな。分かったか?」

「分かっ…た…よ…」
どうして自分から何も言わないのに。
こうして自分が胸の深い所で考えている事や、迷っている事が安藤へと伝わってしまうのだろうか?
いや、だからこそ廉がこの人なら平気かも知れないと初めて信用出来た大人の男なのだろう。
気付けば廉は溢れる涙を止める事が出来ずにいた。
263眩しい夜廉×美子34:2011/10/10(月) 02:09:46.86 ID:FUn+t/c0
「ばーか…泣く奴があるか!やめやめ!やっぱお前はクソガキだ」
「泣いてねーよ!!…目にちょーでっかいゴミが入ったんだよ!!!」

ついつい強がってしまう様子の廉を苦笑しながら見据えていた安藤の口調がいつも通りになる
「…まあ今夜は疲れたろ?ゆっくり休め。
あと、話し終わったらすぐにパソコンも携帯も電源を落とす事!
何も目に入れるのも耳に入れるのも禁止だ!!…分かったな?」

「…おう……」
「あー?そういや馬淵がな?お前にー渡したい物があるって。
カバンの中に入れておいたから見てくれって言ってたぞ?」

「ああ、分かった…見とく…」
「じゃあなー。また何かあったら連絡するからそれまでその部屋で待機!バイバーイ!」

笑顔で手を振る安藤の姿がぷつっと画面から消えた瞬間に
廉は天井を仰ぎ、今しがた安藤からかけられた言葉を頭の中で反芻する。

『お前なら大丈夫だ』
『最後の最後までお前の味方だからな』

ぎゅっと目を閉じた瞬間に廉の瞳からぼろぼろと大粒の涙がこぼれ落ちる
けれど、廉は両手で自分の頬を何度もパンパンと張って「うし!!!」と気合いを入れて
真っ直ぐ前を見据える…もうその瞳からは涙も浮かんでいなかったし、晴れやかな表情へと変わっていた。

「そういや、馬淵のやつ…俺に渡したいものって何だ?」
仕事関係のものだったら困るので廉は早速黒の鞄の中身を漁るが。
相変わらずの鳥目なので、鞄の中ですら暗くて良く見えない。
がさごそと手探りで鞄の奥底へと手を入れていくと。確かに自分では入れた覚えのないものが入っている。

「んん?」
思わず手に取り外に出してみるが、相変わらず良く見えない。
菓子のような四角い箱で、振ってみるとガサガサと音がする…。

「何だ?これ……」
264眩しい夜廉×美子35:2011/10/10(月) 02:12:10.30 ID:FUn+t/c0
箱の表面に書いてある文字すら良く見えないのでペットボトルに口をつけつつ
廉が何の気なしにその箱をデスクライトの下にかざす…と…それは…

「なになに……めいく・いっと・らぶ……ええ?!」
慌ててその箱の裏面を見た途端廉は驚きのあまりむせてしまうのだった。
ご丁寧に『良い夢見ろYO』とマジックで走り書きまでしてある。

「ちょ…おま……『コンドーム』って………まぶちぃー!!!!てめー!!!!!!」

廉が思わず怒声を上げた瞬間…当の本人である馬淵は事務所で電話応対をしながら
「ぶはーっくしょっん…ぬあー」と盛大なくしゃみをしていた。

その赤い箱を手にし、自身も顔を赤らめたまま廉は1人悶々とする。

…別に使い方を知らない訳ではない。中高の保健体育の授業で教わった。
だが…実は…使い方を知ってはいても廉はそのもの自体を使った事が無いのだ。

では廉は中出し専門なのかと言えばそれは「絶 対 に な い」
廉は自他共に認める極度の潔癖症だ。

…では何故なのかと言えばそう…

廉は女性との経験がない「童貞」なのだ。
今まで恋愛経験が無かった訳ではない…けれど最後の一線を超えるのを許せるような
女性に今まで出会えなかったのもまた事実……

「ああーもうーどうすりゃ良いんだようー…もー…!!!」
廉は1人書斎をうろうろしながら自問自答を繰り返す…
頭の中には再びあんな美子やこんな美子が浮かんでは消える

「ああああー!!!!もう!!ちくしょう!!…なるようになれっ…!!」

そう言うやいなや廉は訳の分からないわめき声をあげながら箱を乱暴に開けて、その中身
…つまりはコンドームを乱雑に掴んでスエットのポケットに入れると、バタン!とドアを閉め書斎を後にした。
265名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 02:14:22.17 ID:FUn+t/c0
今回の更新は以上です。
ちょっと可愛くし過ぎたかな…受け受けしい廉さんになってしまった気がしてwすいません。
あと2回で終了すると思います。ではまたー。
266名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 05:35:03.47 ID:uzV2FGww
>>265
ブラボー!
社長の熱さ優しさに泣けた。
素の廉23歳かわいいな〜
そして馬渕ww廉頑張って!w
267名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 07:31:57.09 ID:YJxmyiqw
GJ!GJ!
なんだかんだいってポケットにゴムを入れる廉w
目に浮かぶ。
268名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 08:00:47.20 ID:KOjtyuKE
さすが馬淵、大人な気遣いww
2年お預けはあまりに可哀相だからね。廉さん頑張れ!!
269名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 09:20:29.13 ID:suPlGmnr
GJ!
廉さん頑張れ〜エッチまであと少しだ!

続き全裸待機してます
270名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 18:28:10.79 ID:ClYcX9a8
>>265
GJ!廉さん、崖っぷちに立たされてるね。
最終回の告白シーン思い出すと照れるが、あのコンサート、廉激白の後も続けたんだろうか。
コンサの後の罵倒祭り、怒りのメール殺到・修羅場だよね。胸が痛い。続き楽しみです。
271名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 19:02:20.53 ID:Jf6sy7Uh
>>254
こんなの読みたかった…!な廉美子で嬉しいです
このふたり、おじいちゃんおばあちゃんになってもこんなカンジな気がするw

>>265
続き楽しみ…!
272名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 23:25:53.76 ID:VDRbStYs
投下します。
・柊×美子
・水沢麗子によって美子は廉とうまくいかないまま別れた後の話
・微エロ?
273柊×美子1:2011/10/10(月) 23:27:23.78 ID:VDRbStYs
美子と柊が付き合うようになってから、3ヶ月が過ぎようとしていた。

その日急遽柊が遊びにくることになり、美子は部屋の片付けに追われていた。
「とりあえず、これはここにしまって…」
机の引き出しを空け閉めしていると、カシャンと何か落ちる音がした。
「あれっ…何だろう。」
その時来客を告げるチャイムが鳴った。
「あっ、柊さんだ!」
美子は慌ただしく部屋を後にする。



柊を部屋に通すと美子はお茶をいれるため、キッチンへ向かった。
なんか緊張しちゃうな。
立ち上る湯気をぼんやりと見ながら、美子は思う。
柊のスケジュールはこのところますますハードになっていた。
たまに会えても仕事の呼び出しもあり、こうしてゆっくり過ごせるのは本当に久しぶりだ。

高鳴る鼓動を胸に美子は部屋に戻った。
「柊さーん、お待たせし…」言い終わらないうちに、柊を見て呆然とその場に立ち尽くす。

「可愛いね、このピン。」
柊はキラキラ光るピンを手にしていた。
王冠の形をしたそのピンは、エーエンジェル時代の美子の宝物だ。
そして廉から初めてもらったプレゼントでもある。

机の引き出しに閉まっていたはずなのに、どういうわけか、今自分の目の前にある。
どうして柊さんが…驚きのあまり美子は声も出ない。

柊はそんな美子にピンをかざす。
「美子がつけてるの見たことないな」
「俺がつけてあげる」
そう言っておよそ彼らしくない強引さで美子の髪にピンを留めた。
274柊×美子2:2011/10/10(月) 23:28:42.80 ID:VDRbStYs
柊の行動に激しく動揺する美子。
動揺するあまり柊の顔に暗い陰りが浮かんでいることにも気が付かない。
「うん、似合ってる」
「…あの柊さん」
そう口にしながら美子は内心思う。
大丈夫、廉さんからもらったピンだって柊さんは知らないはず…
ごくり、と息を呑む。
「…お茶、…お茶いれてきたんです。飲みましょう!」
何とか平静を装いつつ持っていたお茶をテーブルに置く。そして、そっとピンに手をかけた。
早くはずそう、そう思った瞬間、柊が思いもよらない事を口にした。
「やっぱりあいつのことまだ忘れられない?」
「…!」

「俺じゃあいつの代わりになれない?」
「柊さん…」
「教えて。いつもそのピン見てあいつのこと思い出してるの?」
「そんなことっ…違いますっ!」

柊がふっ、と笑う。
初めて見る冷たい微笑みに美子はいい知れぬ恐怖を感じる。
「俺は俺なりのやり方で美子を愛してきたつもりだ。だけど美子は違うみたいだね」
「柊さん…」
「お前の心の中にはまだあいつが…廉がいる。…そうだろ?」
美子は首を振り違うと否定するが、柊は冷たい微笑を浮かべたままだ。

柊が美子にゆっくりと近づいた。
「だったら身体だけでも俺のものにしてやるよ…」
275柊×美子3:2011/10/10(月) 23:30:07.47 ID:VDRbStYs
言葉を発する間もなくベッドに押し倒される美子。瞬間、柊の香りを強く感じる。

「いやっ!」
暴れる美子の抵抗をものともせず、柊は荒々しく服をまくりあげる。
そして、慣れた手つきでブラを外した。
「けっこう大きいんだね、驚いたな」
「いや…見ないで」
柊に見られている…そう思うだけで恥ずかしさに、美子の身体は震える。
何とか逃れようと身を捩るが男の力に適うはずもなかった。

柊は指と舌を使って、美子の胸を執拗に責め立てる。
「あっ…!」
生暖かい舌がその先端を捕えた。
「美子、嫌がってるわりにもう固くなってるよ」
「…やめて…お願い、柊さん」
「やめない。俺、美子を抱くよ、絶対に」

声、出ちゃう…、積み重なっていく快感に美子は唇を噛む。
柊が口付ける度に、赤い跡が点々と付いていく。
同時にスカートは大きく捲り上げられ白い太股が顕になっていた。
柊は美子の下着に手をかけると、躊躇することなく一気に引きおろした。
足首から下着が抜き取られる。

「いやぁっ…!!」
何とか足を閉じようとするが、間に柊の膝が割り込みそれを阻む。
「美子…濡れてる、感じてるんだ?」
指が秘所に触れる。淵をなぞるように動かしてから、徐々に中心に向かっていく。

「…っ!」
痛みは感じないが、何かが確実に入ってくるのが分かる。
生まれて初めての感覚に思わず目を閉じる美子。
身体を硬くしていると上から低い声が降ってきた。
「…大丈夫だから、力抜いて楽にして」
その声にうっすら目を開けると、そこには柊の悲しそうな顔があった。
美子は自分が何をされているのかも忘れて、柊の顔を見続けた。
276柊×美子4:2011/10/10(月) 23:32:19.32 ID:VDRbStYs
「…美子」
突然柊の動きが止まる。
「…美子、泣かないで…」
そう言われて、美子は初めて自分が泣いていることに気付いた。
「柊さん…」
ぎしり、とベッドが軋む。
柊は美子から離れると力なくベッドに腰をかけた。
「ごめん、美子。こんなことしてごめん。怖い思いさせてごめん…」
つらそうに顔を歪め、うなだれる。その姿に美子の胸は締め付けられた。
「柊さん…私、柊さんのことが好きです。何か誤解させてしまったかもしれないけど、柊さんがいいんです」
「美子…」
「怖かったけど…でもいつかは柊さんと、って思ってました。だから大丈夫です。謝らないで下さい」

柊が何か言い掛ける。しかし、それは声にならない。
柊は美子を抱き締めると、安堵したように小さく息を吐いた。

「俺、ずっと不安だった」
「…え?」
「美子はやっぱり廉のこと忘れられないのかなって、心のどっかで思ってた」
「そんな…!どうして…?」
「…何度も振られたし…多分未だに信じられないんだろうな。美子と付き合えてることが」
その目は当時を思い返すようにどこか遠くを見ている。
「廉はやっぱり俺から見てもいい男だしさ。適わないなぁって思うこともいっぱいあるし…」
「柊さん…」
「だから、今日美子に気持ち言ってもらえて、すごく嬉しかった。ありがとう。」

大人で優しくて…そう思っていた柊の意外な一面に、美子は驚きと同時に愛しさを感じた。
「柊さん、私柊さんは本当に素敵な人だと思います!大好きです!
だからっ…もう絶対にそんな風に思ったりしないで!約束して下さい!」
「うん、約束する」
柊がようやくいつもの笑顔を見せる。
やっぱり柊さんは笑ってる顔が一番いいなぁ…
柊の体温に包まれて、美子も笑顔になった。
277名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 23:34:08.72 ID:VDRbStYs
以上です。
こんな長文を初めて書いたので最後がgdgdですが、これが限界だw
278名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 00:06:40.32 ID:NTU88hPc
>>277
乙です。柊さん切ないね〜
確かに美子の中の廉はそう簡単には消えないだろうしね。
で、この後二人は最後までいったのでしょうか?w
279名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 00:31:00.32 ID:jJdGPts6
切ない嫉妬の柊さん、イイ!GJです。
で…続きはー?w待ってますよ!!
280名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 00:37:11.60 ID:qitPrNOO
>>277
GJ!! 幸せなのに切ない…
優しくてあと一歩攻めないとこが良いのか、悪いのか。
281名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 00:57:28.76 ID:JNpncXrx
>>277
ネ申きたー!!
GJです!!

柊×美子は切な幸せが似合いすぎる
少し切ないけど幸せ良かった!

続き待ってますww
282名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 01:18:45.33 ID:q9Za+/2N
>>277
どうして柊さんは切ないのが似合うのか…
あれだけ廉さんとのことを見続けてきたんだから、不安にもなるよね…
すごくよかったです
283名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 05:26:33.81 ID:IKUr8Tb+
>>277
いつか柊さんとってセリフとか美子の声で再生余裕でした!
良かったです。
柊美子はゆっくり穏やかに幸せになって欲しいな〜
284名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 18:32:23.90 ID:Gz+VsRM9
>>276さん
柊さん、切ない。まさにエロパロの為に生まれてきた人。
「何度も振られたし・・・」って、沖縄でクイズブーしてからも、復活したのなら、さらに萌えます。

で、廉が美男に髪飾り買ったって知ってるのはなぜだろう。
別れても大切に保管してる、美男にも萌え〜。
10000円もした貴重品だし、裏はボンドでベタベタ継接ぎだけど、廉美男の愛情籠ってるから捨てられないよね。
285名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 01:58:19.18 ID:TlVLIyZ5
>>277
柊美子いいよー!
付き合っても嫉妬しちゃう柊さんwww

今回を乗り越えてもっと絆を深くしてもらいたい!!
286名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 19:43:28.41 ID:XJU8wQDA
>>273
柊美子が付き合うまでの話も出来ればお願いします。
廉と美子が別れて美男加入して、どうやってエロ技にもちこんだのか。
ピンを美子に刺す柊さんがかなりエロ怖かったけど
2人、幸せになってね。
287名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:24:11.00 ID:ots28pET
投下します。
ちょっと息抜きです。
288息抜き:2011/10/12(水) 22:25:17.73 ID:ots28pET
「美男…もっとしっかり触って…」
「で、でも…」
泣きそうな顔で柊の顔を見上げる。
「わたし…こんなの初めてで…」
恐る恐る手を伸ばす美男に、柊が優しく話しかける。
「大丈夫だよ。俺が教えてあげるから、ほら、触ってみて?」
「あぁ…」
美男は思わず顔を背けた。
「おぉっ…良くできたね。偉いよ」
美男の白い手が震える。
「ぬるぬるしてる?」
美男指先を少し動かしてみた。ぬるぬるとした粘りが皮膚にはりつく。
「やっ…し、してます」
「もっとしっかり握ってみて?」
次の段階へと優しく誘う。
「も、もう出来ません」
初めての感触に美男は恐怖しかない。ぷるぷると首を振る。
「美男…お前が言い出したんだよね?」
わかってはいるのに体が動かない。
その時、柊の手が震える美男の手を包み込んだ。
「こうするんだよ」
柊の手が慣れた手付きで動き始めた。
「あぁ…柊さん、動いてます!」
美男は堪らなくなって声をあげる。
「もう少しだから…ね、よく見てて」
そういうとそれを美男に掴ませたまま、柊はぬるぬるとした中へ指先を入れた。
指先で回りをなぞりながら、丁寧に掻き出していく。
「やっ!…柊さんっ!何か、何かでてきます」
「うん、たくさん出てくるね」
興奮した美男に柊は優しく微笑んでみせた。


「お前ら…一体何してんだよ!」
突然の廉の声に二人はビクッと体を震わせた。
「お…驚かせるなよ…」
「廉さんのせいじゃないですかっ!」
リビングから二人を見ながら廉は顔を歪ませる。
「ふん!おい、勇気お前はどう思う?」
勇気は笑いを噛み殺しながら、廉の隣で肩を震わせていた。
「確かにね〜会話だけ聞いてると変な気分だったよ」
廉が大きく頷く。
「でも活烏賊貰ってきたの廉さんだし…せっかく二人が捌いてくれてるのに、そんな言い方はないよ」
「でっ、でも!お前も思っただろ?なんだ!?あのいやらし…い」
「わたしが悪いんです。柊さんにやってみたいなんて頼んだから…」
烏賊の足を掴んだまま、美男が慌てて言った。
「美男は見るのも触るのも初めてにしては、よくやったよ」
柊が取り出した内臓を集めながら言う。
「なんなんだ…なんなんだ…」
ブツブツと呟く廉だけが、一人赤くなっていた。

289名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:27:26.77 ID:ots28pET
以上です。
あれ?廉さん烏賊もだめだったっけ?
290名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 22:36:23.44 ID:g/b/qDMU
>>289
GJ!! あー2828が止まらないw
291名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 23:15:32.48 ID:+BYuAAQc
勘違いセリフ、かわいいwGJ!
292名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 06:49:40.81 ID:KdQxREEl
GJ
柊さんは絶対確信犯ww
293名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 19:11:12.46 ID:F+9Lloni
うん、絶対確信犯だねwww
廉さん、かわいすぎるー
294名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 20:12:50.85 ID:NWr+6gdR
>>288
ちょwww

なにこの会話www


gj!!
295名無しさん@ピンキー:2011/10/13(木) 23:10:16.28 ID:tdJYoCwA
>>288
柊さん、何やってもエロいね。

これって、廉美男まだお互い片思いの頃のエピなのかな。
296名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 02:11:11.65 ID:YCiWA3JS
廉×美子を書いてみました。エロありです。
非常に難産な作品でしたが、どうにか形になりました。
よろしかったらお付き合いください。
次回は>>288さんのような軽めで面白い作品を書きたいなぁ。
297廉Birthday1:2011/10/14(金) 02:12:56.53 ID:YCiWA3JS
美子がアフリカに行ってから約1年。
現地に行くのは2年間の予定だが、8月になり10日間の一時帰国が許された。
A.N.JELLみんなで美子の帰国を待ちわび、仕事は忙しい時期だったが、帰国の翌日には宿舎で
盛大なパーティを開いた。
「私も、すっごく皆さんに会いたかったです!」
そう言って、健康的に日に焼け、白い歯をこぼして笑う美子は、日本に居た頃以上に美しさを増している。

そのパーティの翌日が、奇しくも廉の25歳の誕生日。
仕事の予定は外せず番組収録や雑誌の撮影などに追われて、
廉が美子と待ち合わせたレストランに着いた時は既に午後9時を回っていた。
高級ホテルの上層階に位置する店の窓際の席で、ロイヤルブルーのワンピースを着た美子が
夜景を見ながら待っていた。

「悪い、遅くなっちまったな…」
「いいんですよ、お仕事なんですから!」
廉が席に着くと、すかさずウェイターが冷たい水をグラスに注いだ。
コース料理が次々に運ばれて舌鼓をうちながら積もる話で盛り上がる。
298廉Birthday2:2011/10/14(金) 02:14:05.96 ID:YCiWA3JS
「はぁ〜美味しかったぁ…!アフリカではさすがに、こんな豪華なもの食べられませんから…」
「そりゃそうだろうな。せっかく帰ってきた時ぐらいは思い切り食べとけよ」
「はいっ!…あ!廉さんお野菜残してる…もったいないなぁ…」
アフリカで厳しい状況を毎日のように目の当たりにする美子が心底そう言っているのがわかり、廉は罪悪感に苛まれた。
「わかったよ、食えばいいんだろ…」
食わず嫌いなだけで、アレルギーのあるものではなかった為、廉は渋々口に放りこんだ。
2人だけの貴重な時間に、こんな些細なことで美子と喧嘩などはしたくない。
口に広がった味は、思っていたよりも悪くはなかった。
そのとき美子がにっこり微笑んだだけで幸せを感じる自分に廉は苦笑する。

「廉さん、改めて誕生日おめでとうございます。これ、プレゼントです」
「…帰国したばかりで大変だったろ、いつの間に…」
「今日、久しぶりに原宿に行ったんです。前に柊さんが教えてくれたお店が凄く素敵だったから…そこで選びました」
「ふぅ〜ん…。まぁ、ありがとな」
その場で開けたプレゼントは質のいい牛皮のベルトと、シックなグレーのストール。
どんなスタイルにも合いそうで廉は気に入ったが、何よりも美子が選んでくれたことが嬉しい。
にやけそうになるのを堪え、「お前にしてはまぁまぁのセンスだな」とだけ言った。
「よかったぁ〜!気に入ってもらえて!」
「まぁまぁだって言っただけだ、まぁまぁ…!」
「えへへ、廉さんがそう言う時はかなり気に入ってくれてるってことですから♪」
廉の気持ちなど、全部お見通し。美子は会えない時間を過ごすうちに、廉の手紙に書かれた言葉の行間や
電話での会話の間などで気持ちを察するのが上手くなっていた。
得意気に笑う美子の顔を見るとそれ以上は言えず、思わず廉も笑みをこぼした。
そして、慣れない事なのでどう切り出すか迷っていたことを意を決して美子に話すことにする。
299廉Birthday3:2011/10/14(金) 02:15:03.87 ID:YCiWA3JS
「…お前が帰ってくる前の日にさ、俺の母親が…少し早い誕生日を祝ってくれたよ」
「水沢さんが…?」
「あぁ。祝ってもらうのは何年ぶりだったか…もう覚えてないけどな」
「お元気に、してらっしゃいますか…?」
咽頭部の腫瘍摘出手術をして、声がほとんど出せなくなっていることは廉に聞いていたが、
その後の様子は詳しく聞いてはいなかった。
「あんまり声、出せないのに…あの人、ハッピーバースデイを歌おうとするんだ」
「そう…ですか…。よかった、廉さんのことをちゃんと…」
「…それで、だ。プレゼントをもらった」
「へぇ〜、何をいただいたんですか?」
廉は、おもむろにジャケットから1枚のカードを差し出した。
このレストランのあるホテルの名前が大きく印字されている。
「ここの…その、部屋の鍵だ。そして今日、チェックインしてある…」
「?…えぇっ!?」
「アホかっ、声がでかい!!」
静かな店内で思わず素っ頓狂な声を発した美子を、廉が更に大きな声で諌めてしまった。
「え…あの、それって…!」
「…さすがにお前でも、意味はわかってるらしいな」
「もうっ、廉さん…!」
互いに顔を赤く染め、目を泳がせる。
「お、お前が嫌なんだったら、無理にとは…」
「嫌、じゃないです…けど…」
斜め下あたりに泳いだ廉の目が大きく見開かれ、唇の端がグイっと上がった。
「水沢さんの!!せっかくのプレゼントですし…無駄にはできません」
「…そういうことだ。それじゃ、行くぞ」
「えぇっ?もう…ですか?」
「もう、全部食い終わってるだろ?」
「…はい」
立ち上がって歩き出した廉の後ろを、美子は小走りでついていった。

エレベーターが上がってくるのを待つ間、互いに一言も発することができずにいた。
妙に甲高い到着音が鳴り、扉が開くが美子はなかなか乗り込めない。
「おい、大丈夫か…?やっぱり今日は…」
やめておこうか、と廉が言いかけた時、美子はキリリと顔を上げてエレベーターに乗った。
そして側面にある鏡に向かって、「大丈夫です」と呟いた。
300廉Birthday4:2011/10/14(金) 02:16:01.28 ID:YCiWA3JS
部屋のドアを開けると、室内はシックな色調で大人の雰囲気が漂う。
大きなテーブルには、美しいフラワーアレンジメントが施されて1枚のカードが置かれていた。
"廉、お誕生日おめでとう。今日という日が素晴らしい日になりますように。 母より"

「うわぁ…すごい…ですね」
部屋に入ってからしばらく経ち、ようやく美子が口を開く。
窓からの夜景も素晴らしく、美意識の高い廉の母の計らいに心から感心していた。
ふと美子が廉に視線を向けると、自分に向けてくれるような優しい表情で母からのカードを見つめていた。
「廉さん、ほんとに良かったですね…」
「そうでもないよ。最近はしょっちゅう、どーでもいいメールばっかりして来るし、うざいくらいだ」
「ふふっ、でも廉さん嬉しそう…」
自分の居ない間に、少しずつ心を通わせる親子へと変わった廉と水沢麗子を、美子は少し羨ましく思った。
301廉Birthday5:2011/10/14(金) 02:16:44.19 ID:YCiWA3JS
「もうすぐ、12時だな…」
「そうですね、あっという間ですね」
壁に掛かった大きな時計の針が午後11時50分を指していた。
廉と美子はソファに座り、向かい合った。
「もうすぐ、俺の誕生日が終わるな」
「そうですね〜終わっちゃいますね」
「…おい」
「はい?」
ソワソワし始めた廉の言わんとするところがわからず、美子は眉をひそめる。
「あのー…廉さん?」
「お前、なんか忘れてるぞ」
「え…?プレゼントも渡しましたけど…」
顔を赤く染める廉に、美子はハっとして立ち上がり、近づく。

ちゅ、と軽い音をさせて美子は自分から廉の唇に素早くキスを落とした。
「これ、ですか…?」
「アホかっ!そうじゃなくって…いや、それもいいんだが…」
「え…違うんですか?もうっ!恥ずかしかったのに…」
頬を染めて少し膨れっ面になった美子に、廉は愛おしさを募らせた。

「去年さ、お前が…日付変わる前に…してくれた…」
ソファから立ち上がった廉は言いにくそうに口ごもる。
「あっ…!」
去年の誕生日の夜を思い出し、美子はあの時の切ない気持ちが甦った。

そう、去年も日付が変わる直前のこの時間。
美子は廉の前に立ち、そっと背中に腕を回して抱き締めた。
去年と今では、全く状況は違うけれど。それでも、言いたい言葉は同じ。

「今日はあなたが生まれたとっても大切な日…生まれてきてくれて、本当にありがとう。廉さん…」
抱き締める腕にキュっと力を込めると、それと同時に廉の腕も美子の体を包み込んだ。
302廉Birthday6:2011/10/14(金) 02:17:50.12 ID:YCiWA3JS
「…廉さん?もうお誕生日終わっちゃいました…けど」
そうしているうちに時刻は、12時を少し回っている。
「わかってるよ。けど、その…このまま、ベッドに行くぞ」
"ベッド"という単語で一気に現実に戻ったような気がして、美子はぴくりと身じろぎしたが、小さく頷いた。

抱きしめていた腕をそっと離し、廉は美子の手を引いて寝室へ入った。
互いに緊張して、握った手に汗が滲んでいる。
「ここまで来て、途中でやめるつもりはないぞ。いいな…?」
「はい…。廉さんが、そう望んでくれるなら…私は…」
廉の手が、美子の頭の後ろにそっと触れる。ゆっくり近づく廉の気配を、美子はゆっくり目を閉じながら感じた。
柔らかな唇の感触を、じっくりと味わうように。廉は美子の下唇を自分の唇ではさみ込むように啄ばんだ。
そしてそのまま、綺麗にメイキングされた柔らかなベッドへ倒れこむ。
真上から見下ろす美子は、大きな目をまっすぐに廉に向け、真下から見上げる廉は
目を細めて美子に微笑んだ。
「廉さん…わ、私はどうしたら…?」
「ぇ…と、ちょっと背中浮かせろ」
言うとおりにした美子の背中のファスナーを、廉は一気に下ろした。
RINAに選んでもらったそのワンピースは肌触りも良く、するりとなめらかに美子の身体を滑り落ちていく。
「廉さん…あの」
「お前…いつもこんなの着けてるのか…!?」
ワンピースの下で美子を包む下着は、すべて真っ黒で。
レースの間から大切な部分が既に見え隠れしている。
「い、いつもじゃないですっ!RINAさんが…選んでくれて…。
 廉さんは、嫌いですか?こういうの…」
「…たく、あいつは…」
もちろんオスの部分に刺激は受けるが、美子に合っているわけではない。
しかし、どうせすぐに剥ぎ取るものだし…そう考えて、廉は一人で急に恥ずかしくなった。
303廉Birthday7:2011/10/14(金) 02:19:22.47 ID:YCiWA3JS
1つ咳払いをして、改めて美子の肢体を見下ろすと、毎日露出して日に焼けた腕や首とは違う
透き通った白い肌が艶かしく廉を誘っていた。
「そんな、じっと見ないでください!」
美子はシーツの端に手をかけて、自分の身体を隠そうとする。その手を、素早く廉が制した。
「よく、見せてみろ」
そう言って美子に覆いかぶさり、その細い首筋に唇を這わせた。
首から廉の唇の熱が1つ、2つと美子に伝わる。
「ぁ…廉…さん…っ」
廉の手は、既に下着と肌の間に滑り込み、ブラのホックを外しにかかった。
「ん…?こぅ、だよな…」
見慣れない、扱いづらいものを前に、廉は少々苦戦を強いられた。
「…ぷっ」
「おま…笑うな!!」
思わず噴き出してしまった美子を黙らせる為に、廉はもう一度、今度はもっと深く口付ける。
離れた唇と唇の間では艶やかに糸を引いた。
「…はぁ…っ」
息つく間もない廉の激しいキスに、美子は頭が真っ白になる。
その瞬間、プチンと小さく音がして美子の胸を覆っていたものが外れた。
小ぶりだが形のいい乳房があらわになり、廉は息を呑んだ。
美子…とだけ、小さくつぶやいてそこに触れてみる。
想像以上に柔らかく、手に吸い付くように形を変えた。
「れん、さん…くすぐった…いです…ぅんっ!」
廉の舌が、美子の乳首を捉える。
赤ん坊のように吸ったり、舌先で舐めたりするうちにそこは小さく、硬く尖ってきた。
美子はそこからの刺激で体中が敏感になり、熱くなっていくのを感じた。
304廉Birthday8:2011/10/14(金) 02:20:37.38 ID:YCiWA3JS
「ぅん…あ…っ」
ジンジンと疼きはじめた身体の中心がもどかしく、美子が身を捩った時。
体を唯一覆っていた最後の一枚を廉が剥ぎ取り、ベッドの下に落とした。
「廉さん、私ばっかり脱がせて…ずるいです…」
「…わかったよ」
美子の訴えに、廉は自分もシャツを脱ぐ。
久しぶりに見る廉の上半身は、前よりも筋肉がつき、より男らしく見えた。
互いに素肌のまま抱き合えば、その感触と体温が心地よい。
太ももに、廉の硬く大きくなったものが当たり、美子は改めて緊張し始めた。
しかし、自分のじっとりと湿ってきた部分に侵入してくる廉の指に気づく。
「あっ、廉さん…ひゃんっ」
生まれて初めて、外部からの異物を受け入れたはずのそこは、同時に首筋や胸を
愛撫されてしっかり潤い始めた。
「すげぇ…中は熱いぞ…」
「だって…廉さぁ…んっっ!」
中を指で擦ってかき回す度、美子が艶やかな声で喘ぐ姿に廉も我慢できなくなる。
ぬるりと指を引き抜き、膨らんで硬くなったクリトリスを指で素早く回すように刺激した。
「!!あぁっ…ん…!」
一番大きな声を上げ、美子の秘所がヒクヒクと震えた。
「おい…イったのか…?」
「ん…え?どこに…ですか?」
「あ、いや。気持ちよかったかって聞いてんだよ」
「えっと…はぃ…」
「そうか…」
恥ずかしそうに俯く美子に、廉は満足げに頷いた。
「ちょっと待ってろ」
そう言って廉は、美子に背を向けて避妊具を装着する。
やや手間取りながらも準備が終わり、美子に向き直った。
廉の股間にそびえ立つものを初めて直視し、一気に頬が染まる。
「そ、それが…あの、私に?」
「あんま怖がるな。大丈夫だから…」
「はい…」
305廉Birthday9:2011/10/14(金) 02:21:30.89 ID:YCiWA3JS
ゆっくりとまたベッドに倒れ込み、キスを繰り返すと美子の緊張も解れ始める。
廉は、美子の太ももを押し広げ、正面から自分のものを押し上げるように挿入した。
愛液で潤ってはいても、やはり重い扉のように抵抗を感じながらもゆっくりと押しすすめる。
「…んっ!…っはぁ…」
「美子、大丈夫か?」
「なんとか…大丈夫です…」
ペニスを根元まで押し込むと、そこは温かく纏わりつくような快感が廉を襲った。
「…は…ぁ」
廉が小さく吐息のように漏らすと、うっすらと瞳に涙を浮かべた美子が微笑む。
「嬉しいです…廉さんが…喜んでくれてて…」
「…ふん。おい、少し動くぞ」
照れ隠しに、廉はまた1つ口付けてから繋がった部分を出し入れする。
やや鈍い痛みに美子は唇を噛むが、動いている廉の無防備な顔を見ていると痛みが和らいだ。
廉の動きが徐々に速くなり、美子もそれに合わせて喘ぎ声が漏れる。
「ぁっ…あっ…ぁっっ」「はぁ…ぁ…ぅっ…ん…」
二人の声と、ぴちゃ…ぴちゃ…という卑猥な音が部屋に響く。
美子の腰を支えている廉の手に力が入った瞬間、廉は美子の中でピクピクと震えて果てた。


その後2人は裸のまま、しばらくベッドで抱き締め合った。
行為の最中のような熱はもう冷めていたが、じんわりと互いの体温が伝わる。
「大丈夫だったか?やっぱり痛かっただろ」
「はい、ちょっと…。でも廉さんが…すっごく優しかったから…えへへ」
「調子に乗るなよ?最初だけだからな。次はもっと…」
「えぇっ?!次からは…どうなるんですか?」
「…そんなの知るか!」
俺だって、初めてだったのに。そう言おうとして、プライドが邪魔をした。
「でも、廉さんのこと信じてますから。次もきっと、優しいはずです!」
そう笑顔で言う美子を、廉はもう一度強く抱きしめた。
306名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 02:23:49.09 ID:YCiWA3JS
以上です!廉美子、超〜難しい…。
他のキャラのほうが断然書くのは楽ですね。
307名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 05:48:47.79 ID:RyrWT7og
>>296
GJGJ!エロパロなのに感動したのは秘密だ
廉さん、水沢さんにお誕生日祝ってもらえたんだね…
そしてもちろん美子とも幸せになって…
去年のあれやってほしいっていうとこに全私が泣いた
そしてそこの美子がかわいすぎ
いいなあ、本当にこんな後日談があるといい…
幸せな気持ちになったよ

でもやっぱDTなんだなw
308名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 06:01:52.30 ID:uPQ+UJ0I
>>306
GJGJGJ!
美子かわいい!!!
2人の雰囲気好きです〜
廉母のハピバソングにはグッときました…良かったね廉
ほんとにその後を見れたようでした
309名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 07:02:31.81 ID:jpyu5tkQ
GJ!ハグねだる廉さんに泣いた
廉美子初体験イイ!!
310名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 07:47:47.42 ID:0CQb5gAV
二人らしさが出ててすごくよかったです!誕生日エピにも感動しました!
廉さん前日にいろいろ調べたんだろうなぁ〜初めてにしてはお上手ww
311名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 10:45:30.89 ID:nfw1h2El
素敵な廉美子ありがとうございました。

>>310
廉さん用パソの検索履歴を想像してフイタw
312名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 14:48:55.43 ID:2R/gpvXQ
GJ!
二人とも可愛いいし、廉さん頑張ったw

細やかな設定と丁寧な流れに産みの苦しみ感じ取りました。
息抜きしつつ、また書いて下さい!
313名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 18:50:10.53 ID:/Fzn+FtY
皆さんありがとうございます。>>306です。
廉のハグおねだりのシチュに萌えて頂いたのが嬉しいです。
そもそも、まずそれを書きたくて。
しかし童貞の部分を前面に出すと、ムード壊れそうで中途半端になりました…orz
でも廉は絶対、童貞だ!経験済みには絶対見えない!
前夜にPCで色々研究する廉さんを、誰か書いて下さいw
314名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 19:30:12.62 ID:0CQb5gAV
研究する廉さんよみたいwwメンバーには聞けず馬淵に相談する廉さんとかどうだろ?
誰か書いて〜
315名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 23:17:03.84 ID:4TWloJv7
廉は童貞だろうけど、「お前が好きだー」とか
パンチ浴びせる振りして美男にキスするところから見て想像するに
ある程度の恋愛経験はありそうだなー。
メンバーととか1人でも良いからAV見て鼻血出す廉とか面白そうw自分は書けないけどw
316名無しさん@ピンキー:2011/10/14(金) 23:25:32.01 ID:HKmALNGa
>>315
何それw
脳内でAV女優さんを美男に変換して鼻血?

313さん、素敵廉x美男TKS!
廉さん、まさか、メンバーには相談出来ないし、母に相談ってことはないよね。父親は死んでる?
317名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:16:11.35 ID:3/B12WrY
美男×NANA投下します
エロなしです
318美男×NANA1:2011/10/15(土) 01:18:13.96 ID:3/B12WrY
「あー、疲れたぁ…」
1日の仕事から解放されて部屋に戻り、美男がベッドにどさっと身体を投げ出した。
こうしてじっと動かないままぼんやりしていると、今までの出来事が頭の中をぐるぐる回る。
美男がA.N.JELLに合流して1ヶ月が過ぎようとしていた。

「美子、お前すげーよ…」
よくもまあ、あれほど短い間にこんなにいろんな人の心に爪痕を残してくれたもんだ。
自分の妹ながら妙に感心する。
美子との入れ替わりの辻褄を合わせるためには気を使うことがいろいろありすぎて、落ち着く隙なんてなかった。
雑誌のコメント、テレビに映った時の表情や受け答え、仕草のひとつひとつ。
全部美子が俺のために作り上げてくれた「A.N.JELLの美男」の姿だった。
真実を知らない人たちの前で最初から自分らしく溶け込むことなんてできなかったから、「美子の美男」の姿を必死でなぞり続けて、周りを見る余裕なんてまったくなくて。

「そういや会った人の顔とか全然覚えてない…。だいぶ慣れてきたし、そろそろ気にしないとダメだよなぁ」
少しずつ意識を変えてみよう、そう思ったら途端に視界が開けたようで、気分が楽になった。
明日からはきっと何かが違って見えるはずだろう。そう思いながら美男は深い眠りに落ちていった。
319美男×NANA2:2011/10/15(土) 01:20:17.35 ID:3/B12WrY
テレビ局の長い廊下を歩いていると向こうから女の子が近づいてきた。
白いワンピース姿で、長い黒髪をキラキラした細いカチューシャでまとめている。
なんとなく目が離せなくて、会釈してすれ違うまでずっと視線を送ってしまう。
すれ違いざまに甘い香りがふわっと美男の鼻をくすぐった。

「…柊、今の子誰?」
「え?NANAだろ。なんだよ、今まで何度も顔合わせたことあるのに覚えてないのか?」
「そうか、NANA、だったっけ…。俺、今まで全然周り見る余裕がなかったから、正直なところ誰の顔も覚えてなくて」
「NANAはほら、前に話したことあったよな、廉のことが好きだった子だよ。美子が女だってこともずっと知ってて途中までは邪魔してたんだけど、最後にはきっぱり身を引いて、なかなかカッコいいと思ったけどね」
「そうだったんだ」
「何?気になるなら今度紹介するよ」
「いや、いい…」


「ふぅ…」
今夜もベッドに倒れこむ美男。なかなか寝付けないでいる。
いつも夜になると翌日の仕事のことが気になって、緊張しすぎて眠れない状態が続いていたけれど、今日はそれとはちょっと違う。
美男の脳裏にはNANAの姿がしっかりと焼きついていた。
少し丸顔で大きな瞳にぽってりとした唇。決して笑顔ではなかったけれど、十分に魅力的だった。
身体のラインも細過ぎなくて、あの白い肌に触れたらきっと気持ちいいに違いない。
「やば、勃ってきた…」
久しぶりに邪な感情に襲われて、下半身に手を伸ばす。
今日、ほんの少し見ただけのNANAの姿を思い浮かべながら手を動かして欲情を吐き出した。
気持ちが落ち着いてから大きくため息をつく。
知らない女で何やってんだ俺。中学生でもあるまいし…。
320名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:22:22.28 ID:3/B12WrY
一週間後。
テレビ局で再びNANAと顔を合わせる機会があり、柊が気を回して紹介してくれた。
「NANAちゃん、こいつがまだまともに挨拶もしてなかったみたいだから改めて紹介するよ。もう良く知ってると思うけど、美子の双子の兄貴の美男だ」
「…よろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね。ふぅん、いつも似てるなぁって思ってたけど、近くで見ると美子さんと本当にそっくりなのね」
「美子がその…ごめん…」
「いえ、気にしないで下さいね。私ならもう吹っ切れてるから平気。今日の収録、頑張りましょうね」
NANAはにっこり笑みを浮かべて挨拶すると、楽屋へと向かっていった。

後姿を見ながら美男は緊張が解けたのか、ふうっと大きく息をついた。
なんか俺すげードキドキしてるんだけど…意味わかんねえ。
「相変わらず猫被ってるな…」柊が苦笑する。
「猫?マジかよ?」
いったいどんな女なんだ…?


着替えもメイクもすべて終わり、スタジオの前室でメンバーと収録待ちをしているところにNANAがやってきた。
「おはようございまーす。よろしくお願いしまぁす」
これが猫かぶり、か。でもやっぱり可愛いな…。
気になってチラチラと横目で見ていると、NANAが少し戸惑う表情を見せておずおずと廉に近づき、思い切ったように声を掛けた。

「廉…元気だった?」
「ああ。お前はどうなんだ?」
「毎日忙しくてまいっちゃうわ。…私もう、仕事一筋にがんばることに決めたから…」
「そうか。相変わらず嘘つき妖精やってんだな。まあ、頑張れよ」
「うん…じゃあね」
「ああ」
321名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:24:26.03 ID:3/B12WrY
美男が初めて見る、素のNANAの表情だった。
まだ少し廉に未練が残っているように見える。
吹っ切ったとはいっても、まだ完全に消化できるほどの時間は経っていない。
顔を合わせれば少しは心が動いて当然だ。

「なあ、NANAちゃんてまだやっぱり廉さんのこと好きなのかな?」
勇気が小さな声で美男に耳打ちしてくる。
「…まあ、そうなんじゃないの…」
「やっぱりそう思う?廉さんのこと見てる時だけちょっと違う雰囲気になるんだよね〜。なんだか切なそうでさ、そこがまた可愛いんだけど」
「おい、廉には美子がいるんだからな」
「冗談だよ、怒るなよ美男」
「…悪い」
NANAが廉に見せる切なそうな表情を思い返すと、美男の心はなぜかズキンと痛んだ。
廉はどう思っているのか考え始めたら胸が締め付けられて苦しくなった。

「廉、NANAとはもうその、なんでもないんだよな?」
「なっ、最初からあいつとは何もないよ。美子が女だってバラすっていうから、付き合ってる振りしてやってただけだ」
「ならいいけど…ちょっと心配になったからさ。廉、美子のこと幸せにしてやってくれよ」
「当たり前だろう?俺を誰だと思ってる」
「はいはい、桂木廉さまでいらっしゃいましたね。たいへん申し訳ございませんでした〜」
「お前、バカにしてんのか?!」
「ははっ、冗談に決まってんだろ!」

よかった。万が一にもないと思ってはいるけれど…NANAには傾かないでくれよ。頼むから。
322名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:26:49.91 ID:3/B12WrY
「一目惚れ、なのかなぁ…」
毎晩1人になるとため息ばかり繰り返し、考えるのはNANAのことばかりだ。
何が好きなんだろう?趣味は?音楽は?映画は?最近ハマっていることは?
いつも自分がインタビューで聞かれる質問ばかり。
「…NANAさんの好きなタイプの男性は?」
質問を声に出してみて、自分の思考回路の幼さに苦笑した。やっぱり中学生みたいだ。
考えてみればNANAのこと何も知らないんだよな…。いつか話す機会があるといいけれど。

その機会は意外とすぐにやってきた。でも、最悪な形で。


収録を終えたテレビ局のロビー。楽屋に戻る途中で、誰かを待っているのか1人でソファに座り、どこか寂しげなNANAを見かけた。
「お、お疲れさま…」
「あ、美男さん、お疲れさまです」
勇気を出して、でも少し距離を開けて隣に座り、当たりさわりのない会話を始めた。
はじめはにこやかに話していてくれたのに、NANAの顔から少しずつ笑みが消え、伏し目がちになっていった。
「…どうかした?」
「ううん、たいしたことじゃないんだけど…。なんだか、美男さんと話してるとつい廉のこと思い出しちゃうなぁって」
「どういうこと?」
「美男さん…美子にそっくりだから」

あ………。

「やだ、私なに言ってるの?ごめんなさい!気にしないで!あっ、トオルが来たから、またね!」
NANAがあわててソファから立ち上がり、まるで逃げるように去っていった。
「ごめ〜んNANA、待ったぁ?」「もうっ、遅いじゃない!私を待たせるなんてどういうつもり?!」

しばらくソファから立ち上がることができないまま呆然としていた。
「…ぉ、みお、美男!」
「えっ?!あ、あぁ…」
「何やってんだ、もう帰るから早く楽屋片付けて来いよ」
迎えに来た馬淵にうながされて、なんとか動き出す。
「どうした美男?具合でも悪いのか?」
「…なんでもない、大丈夫だから」

合宿所に帰ると食事も取らず、すぐに自分の部屋に戻っていつものようにベッドに倒れ込んだ。
自分の存在をまるごと否定された、そんな思いにとりつかれて頭が働かない。
「ごめん美子。お前のこと、ちょっと恨むよ…」
323名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:28:59.33 ID:3/B12WrY
いつまでも眠れなくて、水を飲みにキッチンへと向かうと小さな明かりがついていた。
柊…?
「…まだ起きてたのか」
「そっちこそ。どうした?具合でも悪い?」
「いや…ちょっと眠れなくて」
だったら美男も飲むといいよ、柊はそう言ってハーブティーを淹れてくれた。
一口飲むと、その温かさに少し気分が落ち着いた。

「お前さ、俺の顔見ると美子のことを思い出したりするのか?」
「そうだな…思い出さないって言ったら嘘になる。でも美男は美男だ。お前らしくいればいいよ」
柊がよしよしというようにクシャっと頭を撫でる。
「今日、NANAと話した」
「うん、それで?」
「俺を見ると廉のことを思い出すって言われた。…俺が美子に似てるから」
「そうか…」
「悲しそうな顔してた。そんなつもりじゃなかったのに」
ああ、こいつNANAのことが…。
「…辛いな」
「俺を見てNANAが悲しむなんて嫌なんだ。でも俺にはどうすることもできない」
いっそのこと消えてしまえればいいのにな。

少しの沈黙。うつむく美男に柊が声を掛ける。
「美男、もう一度言う。美男は美男だ。お前らしくいればいい」
「……」
「顔は似てるけど、お前は美子とは違うんだ。今すぐには無理かもしれないけど、NANAもきっとわかってくれるよ。大丈夫だ」
「そう、なるといいな…」
美男は自分のことをまっすぐに肯定してくれる柊の言葉に救われた気がした。
「そろそろ寝るよ。…柊、お茶おいしかった、ありがとう」


俺は俺らしくいればいい。
部屋に戻って柊の言葉を噛みしめる。
いつか、NANAが俺を見ても笑顔になれる時が来るんだろうか。
もしその時が来たら…素直に気持ちを伝えてみよう、桜庭美男として。
窓を開け放ち、空を見上げて大きく深呼吸してみた。
遠くから金木犀の香りがかすかに漂ってくる。
少し冷たくなってきた空気を胸いっぱいに吸い込んで吐き出すと、澱んだ気持ちは夜空の彼方へと消えていった。
324名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:32:40.33 ID:3/B12WrY
以上です
途中からタイトル付け忘れた…

出会ったところからの設定で考えるとどうしても長くなっちゃいました
この先両想いになって、エロまで持ち込めたらなーと考えてはいるものの、いつになるかはわかりません
325名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 01:38:11.64 ID:Y8XW9fXv
>>324
おおー可愛い!GJ!!
美男の思い通じれば良いね。
326名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 05:31:42.07 ID:UdA/n5GM
GJ!美男もNANAもかわいいなぁ。
でも切ない…

できれば幸せにしてあげて〜!
327名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 09:46:03.11 ID:aki/U5uY
>324
柊さんが美男ナデナデしてる!
A.N.JELLでは美男兄が一番イケメン(多分)なので、ナナが面食いならいけそうだけど
美男が失恋してサブリーダーが慰めるという展開もありかも。
328名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 09:57:11.10 ID:EyxAKOpb
>>324
GJ!美男兄の切ない片思い…成就して欲しい。
NANAちゃん、受け入れてあげてー!そしてエロまでぜひとも…!!w
柊さんのナデナデ出たwでもいい兄貴分だね。
329名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 20:53:10.23 ID:Ww0QFQzs
>>324
美男かわいいなぁ
続き楽しみにしてます!
330名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 20:56:03.73 ID:Ww0QFQzs
投下します。
すみません。遊びましたw

ホントは>>313さんに絡めたかったんですけど…
331:2011/10/15(土) 20:57:28.26 ID:Ww0QFQzs
「美子…実は部屋を取ってあるんだ」
「え?」
美子は驚いて柊の顔を見つめた。
「驚かせてごめん…もちろん嫌なら無理しなくていいよ。
俺は美子がいいって言うまで待つつもりだから…ただ二人きりの時間が過ごしたいだけなんだ」
「柊さん…」
優しく微笑む柊に、美子はこくりと頷いてみせた。

「美子…可愛いいよ」
柊の腕の中で素肌の美子が震える。
「大丈夫、俺に任せて」
柊の指先と舌が身体にまとわりつく。
「我慢しなくていいよ?声きかせて…」
「ここ気持ちいいの?」
「ああ…美子、いやらしいな」
敏感なそれに添えられた指先が動くたび、美子の身体は仰け反った。
「欲しいの?」
柊の言葉を聞いて、美子の身体がビクッと震えた。
「ほら、いれてやるよ」


「柊って…こんなにエロいの…か」
廉がパソコンの前でボソッと呟いた。
何ページも表示された検索結果に、いい加減うんざりしてページを閉じようとした時、
見慣れた文字を見つけて訳も解らず開いてみた。
なんだ?このかけ算は。
軽い気持ちで開いただけなのに…俺としたことがムキになって一通り見てしまった。
「何故だ…なぜ俺だけ童貞なんだ?…柊は何かとエロいのに」
廉×美子 柊×美男 勇気×美男
組み合わせは色々なのに、俺だけ必ず童貞設定。
なんでバレて…いや、違う!イメージなのか?願望なのか?
それともやっぱり見る人にはわかるのか!?
「うわぁぁぁ!ありえない、ありえない」
廉は首をぶんぶん振った。これはただのお遊びの妄想だ。

水を取りにキッチンに行くと、ちょうど柊がハーブティーをいれていた。
「廉、どうかした?顔赤いよ」
「い、いや。なんでもない。喉が渇いて」
「じゃあ、お前の分もいれてやるよ」
「ん、ああ。頼む」
廉はソファーに腰を下ろして、横目でチラチラと柊を盗み見る。
『何が欲しいの』
『俺がいれてやるよ』
『ああ…いやらしい』
お前がいやらしいんだよっ!言えない!俺には絶対無理!
クッションを抱えながら廉は一人身悶えていた。
「廉…気持ち悪いんだけど…」
はっとして顔をあげると、柊がティーカップを持ったまま固まっていた。

332:2011/10/15(土) 20:58:30.04 ID:Ww0QFQzs
「ところで、来週美子一時帰国だろ。ちゃんと予定立てたのか?」
「ん…ああ」
まだ首筋を赤くしたまま廉が頷く。
「あんまり…得意じゃないから…な」
ぼそぼそ話す廉に柊は笑いかける。
「廉のそういう所も美子は好きだと思うけど。格好じゃない、気持ちだよ」
「そう…かな」
いくらネットで調べて知識が増えても、経験がないから不安でたまらない。
「また一年離ればなれになるんだから、二人の時間大事にしろよ」
「それはもちろ…はっ!なっ何を言ってるんだっ」
また赤くなる廉を横目に柊は細く微笑んだ。
「で、最近何を調べてたんだ?」
「えっ!?」
初めての夜を迎えるための誘い方、手順や準備。
調べまくってたのは事実だが、そんなこと言える筈がない。
動揺する廉に、柊の言葉が所々聞こえてくる。
言ってみて…俺が…教えてやるよ…
欲しいなら…いれるけど…
「いれようか?」
「なにをっ!?」
思わず声をあげた自分に廉ははっとした。
柊が驚いた顔で見ている。
「何を…って、ハーブティーだよ。お前が空のカップ見てるから…」
「お、お前はエロいんだよっ」
「な…なんの話だよ…」
呆然とする柊をリビングに残し、廉は慌てて部屋へと戻って行った。

椅子に座り、パソコンの電源を落としてため息をつく。
俺は俺らしく美子に伝えよう。
どんなに会いたかったか。
独り占めにしたくてたまらないのか。
どれだけ美子のぬくもりを感じながら目覚めたいのか。
その後のことは、俺にも今はわからない…
けど、早く帰ってこい。
俺の美子。
廉はゆっくり目を閉じると、幸せそうに微笑んだ。

333名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 20:59:32.48 ID:Ww0QFQzs
以上です。
設定お借りした形になってすみません。

廉さん難しい…
柊さんパートは書いてて楽しいのにw
334名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:11:29.85 ID:/29HsVvO
大爆笑wwwww
335名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:14:25.16 ID:uHw1UlP5
GJ
廉さんかわええww
336名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:17:22.07 ID:aki/U5uY
>>333
GJ! 廉さん、ここエロパロスレ見てるの? 自分も掛け算だと思ってた時期あったよ・・・
337名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:21:01.07 ID:j8Y5qar5
うけるwww
まさかこのスレをみてしまうなんてwww
はぁ〜おもしろかった
338名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:31:07.00 ID:NCBShSMv
超〜〜GJ
勇気も加わってほしかったw
339名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 21:39:27.56 ID:S9SNXs53
>>331

ちょw
吹いたwww


何このバカな愛しい子は!(笑)
340名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:07:06.30 ID:BqNYrThP
>>331
やばい廉がこのスレ見てるwwこわいwww

GJ!今までに無かった感じで面白かったです。
341名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:10:23.74 ID:BqNYrThP
間が空きましてすいません、スイートルーム廉×美子の書き手です。

はじめに書いておきますが、すいません今回もエッチまで辿り着けませんでしたorz
では非常に長くはなりますが今から投下します。
342名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:12:49.36 ID:BqNYrThP
あ、アンカー付け忘れましたすみません。

今までの更新分
前スレ
549-557
647-650

現行スレ
>>6-13
>>113-118
>>257-264
343眩しい夜廉×美子36:2011/10/15(土) 22:15:00.22 ID:BqNYrThP
廉が社長と話をしていたり、1人コンドームを片手に悶々としている頃…
美子は、ホテルの係員スイートルームの仕組みだとか、風呂やシャワーブースの使い方
トイレの場所、テレビの見方やチャンネルの替え方などそれこそ手取り足取り教わり
一風呂浴びてベッドの上で寛いでいた。

「ああー…!気持ち良かった!…って本当にこんな所に泊まらせてもらって良いのかなあ…」
慣れないバスローブ姿のまま自分に宛がわれた広々とした寝室をきょろきょろと見まわしていると
ドレッサーの上に白い紙袋がそっと置かれているのが目に止まる。

何だろう?
首を傾げつつどうにもこうにもその物体が気になって仕方がないので、
近づいてそっと紙袋の中を開けてみると白い薄紙につ包まれたものと手紙が入っていた。

美子はそっと白い封筒を開け手紙を声に出して読み上げた

「美子へ
やっと心から愛する人と想いが通じ合って本当に良かったね!
これは私からの心ばかりのお祝いです!良かったら使ってね。廉と末永くお幸せに
RINAより」


「RINAさん…何をくれたんだろう?」
白い包み紙をそっと開くと中には……
真っ白のふわふわの地にたくさんの星がプリントされたネグリジェが入っていた。

「うわー……!可愛い……」
その場にいないのに美子はRINAにお礼の意味を込めて深々とお辞儀をしてから
嬉々としてそのネグリジェに袖を通す。

A.N.JELL専属のスタイリストであるRINAが選んだものだ。
美子の好みも熟知しているし、サイズもちょうど良い。
首回りもいやらしくない程度に開いていて廉から贈られた星型のネックレスも綺麗に栄える。
袖も裾も長過ぎず・短過ぎずまるで美子の為に仕立てられたのかと言う程にぴったりだった。

姿見の前でぐるりと一回りし、機嫌を良くした美子はリモコンを手にし、ついテレビの電源にスイッチを入れてしまう。
(見ない方が良いって廉さんが言ってたって。ホテルの人に言われたけど…
久しぶりだし、今度いつ見れるかどうかも分からないからちょっとだけ見てしまおう)

チャンネルと適当に合わせていくと夜のニュース番組をやっていて……
その内容と字幕を見て美子の体は固まる……
344名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:15:16.10 ID:Km243SNF
わぁーーわぁー!!>>331さんGJ!!めっちゃ笑いました!
廉さんにこのスレ見られたら…だめだーorz
そりゃ柊さん、ポカーンだわw
あ、自分>>313です。こんな面白いもの読めるならいくらでも
設定とか使っちゃってくださいwありがとうございます!
345眩しい夜廉×美子37:2011/10/15(土) 22:16:58.45 ID:BqNYrThP
『A.N.JELLの超人気バンドとしての資質に街の人の反応は??』
場面は街角インタビューのようだった。どこかのターミナル駅のコンコースで色んな人が色んな事を言っている
──あなたは今回の桂木さんの行動についてどう思いますか?

「え??っちょーありえないんだけどーーーーー」
「そうそう!だってさー、うちらだって歌聞きに行っただけで別に廉が告るとこ見に行った訳じゃないしー」
(女子高生)

「まあ男の一世一代の告白だったのかも知れないですけど公衆の面前で…ってのはねー…
最近の若者はすごいねーははっ!!あははは!!」
(50代男性サラリーマン)

「えー?別に良いんじゃないっすか?てかA.N.JELLとかどうでも良いしーぎゃはは!!!」
(20代男性フリーター)

美子はたまらずリモコンに手を伸ばしてテレビの電源を切った。
今まで感じていたふわふわとした幸福感はあっと言う間に消え去り
その代わりに胸がずきずきと痛みそれに合わせるようにして不安な気持ちが後から後から沸き上がってくる。

自分は与えられた愛の告白や、口付けに有頂天になって何か…そうとても大切な何かを忘れていた。
廉がどんな思いで自分に愛の言葉を届けたのか…
その事で今後の廉の活動に、いや廉だけではない…他のメンバーにどんな影響を及ぼすのか

「俺たちはこのバンドに命かけてやってんだ。半端な気持ちの奴はいらない」

出会ったばかりの頃廉に言われた言葉が胸にこだまする。
…廉が命をかけてやって来た事、築き上げてきたものを、大切なものを…
自分が…自分のせいで壊してしまったのではないか…
美子の心は罪悪感に苛まれる。

咄嗟に白い扉を開けて廉の許へと駆け付けようと思うけれど、
「社長と話とかしないといけないから」と言った時の廉の厳しい表情を思い出してしまうと
それ以上一歩も足を前に出す事が出来なかった。
「廉さん……」
美子は星のネックレスをぎゅっと手に握りしめただ廉の事を想った…
(私が廉さんの為に出来る事は何だろう?)
考えをめぐらし、窓辺に置いてあるテーブルの前に膝をつき祈りを捧げた

「院長様…愛する人から与えられた幸福に…歓喜するだけで
愛する人へ愛を贈る事・その苦しみを葛藤を察する事の出来なかった私をどうかお許し下さい…。
神様、どうか…どうか私の愛する人を…廉さんをお守り下さい。
彼の苦しみや悲しみが少しでも軽くなるように…私にも同様にその悲しみを…苦しみをお与え下さい」

それから美子はただ静かに1人聖書の一節を唱えながら廉を想い祈り続けた
346眩しい夜廉×美子38:2011/10/15(土) 22:19:08.03 ID:BqNYrThP
どの位の時が経っただろうか…
ふと、美子が瞳を開き天を仰ぐと夜空にはどんよりとした雲が広がり輝く星たちは姿をくらましていた。

(まるで…今の私の気持ちを映してるみたい…)
美子は自嘲気味に笑う…

ふと、向かいの高層ビルに目をやると、祝日の夜でもまだ人が残って仕事をしているのだろう
ところどころに灯りがともされている。

「星みたいだな…」
気付けばそう呟いて窓の下を見下ろしている自分がいた。
高い所は正直に言うと、ものすごく苦手だ…足元が竦むような変な感覚はある…

けれど、眼下に広がる夜景も…いつか廉と2人で見上げた星空みたいなものだと…
半ばこじつけるようにして思いこんでしまえば恐怖も少しずつ…少しずつ薄れていく
部屋の灯りを消して窓辺に座りただその星のような夜景を眺めるうちに
美子の心も落ち着きを取り戻し…そして癒されてゆくのだった。
真白な光を放ちどこまでも続いているかのような首都高速の細長い光は、
まるで地上に広がる天の川のようで美子が思わず「綺麗だなー…」と呟いたその時──

白い扉からコンコンとノックされる音が聞こえる

「おい、起きてるか?」
(あ…廉さんっ!)

美子が立ちあがってドアの前に向かうよりも先にドアが開く。
部屋着に着替えた廉が部屋の中へ入ってくる…
けれど、何も見えないからか目を細めてあちこちを見わたしている。
「美子?……もう寝たのか……?」
「あ!いますいます!ここに!…今行きます!」

美子が小走りで廉の許に向かうのと、廉が手探りで部屋の灯りのスイッチを探り当てて
灯りを全開にするのとほぼ同時だった。

「……ふへへ…廉さんだあー」
「お前、部屋の灯り暗過ぎんだよ!!…何も見えねーだろうが!」
「…ごめんなさい、夜景…見てたんです」
「は?…お前さっき…高い所苦手って……」
「そうなんですけど!ほらほらー見てくださいよ!廉さんもっ」

美子が自分の本心を悟られないように無理矢理笑って廉の腕をこれまた無理矢理ひっぱり
窓際に連れていくと、確かに見わたす限りの夜景が広がっている…

廉にとってはそれは見慣れ過ぎてもはや何とも思わない光景だったけれど
「ほらー!地上にも星が広がってるみたいで綺麗だなーって思ったら。案外平気でした!えへへ」
という美子の一言でその光景も特別なものに思えてくるのだった。
「ほら、高速道路とか。天の川みたい…きれー」
「お前。シスターじゃなくて、詩人になれるんじゃないか?今度歌詞書いてみろよ」
「えええー廉さんには負けますよーあはは!…ははっ…」

ここで廉はようやく美子の異変に気づく…。
(何か違う…何か…おかしい…何だ?)
あははーとかうふふーえへへーといつものように笑みを漏らすのだが。
どこか無理をしているような気がして…
347眩しい夜廉×美子39:2011/10/15(土) 22:21:31.57 ID:BqNYrThP
「おい、」
「廉さん」

廉が声をかけるのと同時に美子が自分の名を呼ぶ。
その視線はどこまでも澄み渡っていて…そして真っ直ぐだった。
さっき車の中で目を泳がせながら必死で自分の思いをひた隠すような様子とは違う
(俺の考え過ぎか?)

「何だよ」
「私廉さんに出会って…廉さんから本当に沢山のものを貰った気がします」
「例えば?」
「えーと…あ、初めて貰ったものはそうそう!ヘアピン!あれ、本当に嬉しかったです。
失くしたり…壊れてしまったりしたけど、今でも大切な宝物ですっ!
あとは廉さんが作った曲のAloneも…私にしか歌えないって言ってもらえて。嬉しかったし…
でも、廉さんの事を想って歌ってるうちに胸が苦しくなってきて泣いちゃって…ふふ…
でも今じゃそれも…良い思い出です…」

窓の外の景色を遠い目でぼんやりと眺めながら宛てもなくつらつらと呟いていた美子が
ふと振り返りもう一度すぐ側にいる廉を見上げて幸せそうにそっと微笑む
その笑みを見ていたら、廉の心に何とも形容のしがたい幸せな気持ちと愛しい気持ちが
湧き上がって、気付けば美子を背後からぎゅっと抱きしめていた…

「それで?…ほかには?」
「えーっと…あとはー…そうそう!私が風邪ひいて寝こんだ時にくれた白のワンピースに…
カーディガンに…靴に…あとは…この星のネックレスに…全部好きですっ…」
「そんな…高いもんじゃないけどな…」
廉が背後から美子の胸元に光る星をつんと指ではじくと、一瞬美子の体がぴくんと震える

「ね、値段なんて…関係ないですっ…廉さん私のために…選んでくれたものだから…
私にとっては全部…大切な宝物ですっ」
「…あとは?」

廉は美子が自分を想って紡いでくれる言葉の一つ一つに礼を込めるような思いで
美子の髪をそっと撫でながらその細い首筋に口づけを贈る。
「あとは…ものじゃないですけど…初めてのキスに…繋いだ手の温もりとか…
宇宙で1番大きな星とか……お前が…好きだ…って言って…くれましたよね…」

美子の声色に涙が混じり始める…
廉は…咄嗟にその細く小さな体をぎゅっと強く…強く抱きしめた。
そうしないと…そうでもしないと美子がまた自分の前から消えてゆくような気がして、
幸せに満ち溢れていたはずなのに廉の心の内に得体の知れないどす黒い不安と負の感情が瞬く間に広がってゆく。

「最後に…廉さんにもらった宝物は…お父さんが作った曲を廉さんが歌って…
他にも廉さんの事が好きな人が一杯…本当に…いっぱい…いるの、に……
私に…私だけに…あいしてるって…言って…くれた…事…です…っ…」

「美子?」
美子の胸の前に回された廉の腕に美子の瞳から落ちた涙の雫がぽとりと落ち、そして流れてゆく
「…ほんとに…ほんっとに…うれし…かった…です
こんなに…幸せな事が…ある、んだった…心の底から…おもっ…」
嗚咽を漏らし始めた美子を見ているうちにたまらず廉は美子の肩を掴んで自分の胸の中へと抱きしめようとした。
けれど…美子はそれを頑なに拒んだ。
言いようのない不安感が廉の体をがんじがらめにし、身動きが取れなくなっていく…
348眩しい夜廉×美子40:2011/10/15(土) 22:23:33.89 ID:BqNYrThP
「れ…んさ…ごめん、なさ…い」
「どうしてお前が謝る?」
「廉さんは…こうやって…私に…たくさんのもの…くれ、たのに…私は…廉さんに…何も
あげられないばかりか…廉さんの…たいせつなもの…命をかけるくらいの…たいせつな…もの
…こわして───」

美子の言葉を聞き考えを巡らせているうちにはっとした…
さっきのライブにまつわる何かしらが美子の目か…耳に入ったのではないかと……

美子の言葉が進んでいくにつれてその疑念は確信へと変わっていく
咄嗟に手の平で美子のくちびるを封じると、涙で頬を濡らした美子が恐る恐る廉の顔を見上げた。

「おい……お前…何か見たろ……何を見た」
いつになく真剣というよりも…静かな怒りの炎を宿した二つの瞳に捕らわれた美子は
廉に聞こえるか聞こえないか位の小さな声で呟いた

「…さっき…テレビのニュース…み、ました……」
「…見るなって言われたろ…何でそんなもん見たんだよ!!!」

廉が怒りを爆発させ怒鳴り声をあげる。
初めて見る廉の剣幕に…美子は怯えるようにぎゅっと目を瞑った。

「ごめんなさい」
「…言ったろ?俺が何とかするから、お前は何も心配しなくて良いって…
なのに…何で勝手な事すんだよ!!!何で俺に何にも言わずにそうやっていつもいつも
勝手に自己完結すんだよ!!!…俺はそんなに…頼りない…男なのかよ…信用…出来ねーのかよ」

(違う…違う!)
本当はこんな事を思っている訳じゃない。
それなのに口から勝手に言葉が溢れ出してくる…そうだ。いつもこうして暴言を吐いて
美子の事を傷つけてきた…またこうして…傷つけてしまった……

こんな時…どうすれば良いのか、本当は何と声をかければ良いのか
誰も…自分には教えてくれはしなかった…
何故こんなにも愛し合っているのにすれ違ってしまうのだろう?

廉は唇を噛みしめ必死で涙を堪えた…
泣いたら…泣いてしまったら自分がもっと惨めになってしまうから

「廉さん…ごめんなさい」
「いや……俺の方こそ…怒鳴ったりして……悪かった」

廉がただ一言静かにそう呟くと、瞳に涙を一杯に溜めた美子が首を横にぶんぶんと振る…
それを見て…少しだけ…心が救われたのだった。

「俺は…ただ…俺のせいでお前が苦しむの見たくないだけなんだ」
「私のせいで廉さんが苦しむの見るのが辛い…です」
やっとの思いで廉が美子への本当の思いを口にしたのと同時に美子も廉への思いを口にする…
その言葉は自分の感情を入れるよりも先にお互いへの真っ直ぐな想いで溢れていた。

2人は見つめ合い…そしてどちらからともなく互いの体に縋りつくように救いを求めるようにして強く強く抱き合った…
349眩しい夜廉×美子41:2011/10/15(土) 22:25:32.56 ID:BqNYrThP
「廉さんっ…れんさんれんさんれんさん…っ…」
「美子…ごめん…ごめんな?」
「も…う謝らないで下さい…廉さんのこと…私も…愛してるから…
誰よりも…大切な人だから…廉さんの苦しみも…悲しみも…ぜん、ぶ…私に分けてくださ──」

(お前だって…いっぱい傷ついたじゃないか…いっぱい悲しんで…いっぱい泣いて
なのに何で…そんなに優しいんだ…)

美子が廉への想いを伝え終わらないうちに廉はたまらず美子の唇に貪りつくように口づけた。
ただ感情のおもむくままに舌を絡ませても…美子はさっきみたいに嫌がる素振りも見せずただその口付けに応えてくれる。
それどころか、廉の首の後ろに腕を回しぎゅっと抱きついてくる…

そのまま押し倒してその体を滅茶苦茶になるまで抱きしめてしまいたいという衝動にかられる…けれど
(そうするよりも先に…伝える事が本当に大切な事を伝えなくちゃ…また俺はお前を傷つけてしまうから)

名残り惜しいけれど、ゆっくりと美子の口内から舌を引っ込めてもう一度その唇に優しくキスをしてから、
美子の額に自分の額をそっと寄せた。

「なあ、美子…聞いて…くれるか?」
「はい…?」

閉じられた美子のまぶたがゆっくりと開いていくぼんやりとしているけれど、でもどこか不安そうに廉の目を見つめる。

「俺の…一番大切なものは…お前だ。たとえ遠くに離れたって…お前と心が繋がってさえいれば、
俺は平気だから…何だってどんな逆境だって…乗り越えられる…だから…」

「れんさん?」
「俺を…信じて欲しい…大丈夫だから」

美子がこくんと頷いた。

「俺だけ……見て?」

美子がもう一度…殊更に強く頷いたのを見てやっと安心した廉は安堵の笑みを浮かべ再び美子を抱き寄せた。

それほど時間が経たないうちに、やっとふたりの空間に穏やかな空気が漂い始めると、
いたずら少年のような笑みを浮かべた廉がその手に美子を抱きしめたまま沈黙を破る。

「なあ…人の事はちゃんと覚えてんのに自分の事はすっかり頭から抜け落ちてんだろ」
「え?何の事ですか??」

「お前…今俺に何もあげられなくてってびーびー泣いてたけど。ちゃんとあるじゃねーかよ事故宅配便」
「廉さん?」

廉の体にすっぽりと包まれたまま美子が怪訝そうな顔をして廉の顔を見上げると、さぞ面白そうに廉はこう言った。
350眩しい夜廉×美子42:2011/10/15(土) 22:27:44.52 ID:BqNYrThP
「まあー出会いからして強烈だったよな。ゲロ付きのキスだろ?あとは俺の携帯。
工事現場にぶん投げて、取りに行ったは良いが空から落っこちてくるし!はっ!思い出しただけで虫唾が走る!」

「もおおおおおー!!!!!」
「まあ聞けって!あとは何だ?あー泡だけ飛び出てくるジュースにだっせージャージかあーふふっ超うける!」

思い出し笑いをする奴はむっつりスケベだ。そんな都市伝説めいたものがあるのを廉は
知っているのかいないのか…分からないがその時の状況を思い出して声を出して笑うと

「廉さんひどい……」
と美子は寂しそうに呟いて廉から離れていく…
けれど逃がしはしないとばかりに廉はその体を自分の胸の中へと引き戻す。

「じょーだんだって!…俺が山で遭難しかかった時助けに来てくれたっけな…
あとは…俺の誕生日に水と蛍光灯だったか?ああー牛乳もか。まっさか本当に買ってくるとはな!
それも4つも!!ギャハハ!!」
「廉さん冗談になってないじゃないですか……」

美子の頬がぶうーっと音をたてながら膨らんでいくのもさも楽しそうに微笑みながら
廉はその頬を人差し指でつんと突いた。

「けどさ…その誕生日が終わる前にこうやってお前に抱きしめられて『おめでとう』って言われた時…
俺さ…初めて…生まれて来て良かった…って思ったんだ…」
「れんさん…」

美子の頬が途端にぷしゅーと音を立ててしぼんでいく…
「すごく…嬉しかった……」
廉は噛みしめるように言うと美子を再び強く抱きしめる。

「廉さんが生まれて来なかったら…私たち、こうして出会う事も無かったですし…神様に感謝しないといけないですね」
「そうだな」

そっと美子の頭を撫でると、ふふっと幸せそうに美子が微笑んだ。
ただただ真っ直ぐで純粋で汚れを知らない澄んだその瞳でずっと自分を見つめていて欲しいと思う反面…
その美子を官能的な世界へと誘いこの手で恍惚とした表情にさせ…
その天使のような声が掠れるまで喘がせてみたいとも…思ってしまうのだった

何の経験もない…その為にはどうすれば良いのかも…実際良くわからない…でも
何もしないという自信も……やっぱりない。

廉が美子をその手に抱きしめたまま理性と本能の狭間で悶々としていると
「廉さん」と愛しい人が自分の名前を呼ぶ声がする…無垢な視線を投げかけてくる

「な、なんっ…なん、だよ……」
自分の考えている事がばれないようにするが、逆にどもって挙動不審になってしまう廉に
美子は気付いていないようで…廉はほっとするのだった。

「星のネックレスのお返しに…って私がずっと身に付けてきたものですけど…
これ、もう一度廉さんに渡しておきますね?」
そっと廉から離れて美子を自分の指をもそもそと動かし指輪を外す…
(あ……それ……)
美子と美子の母親を繋ぐ形見の指輪だ。
「良いのか。それ…大事な物なんだろ?」
「『大事な物』だから!廉さんに渡すんですよ。はい…あ!!!もう絶対!金輪際!!!!池に投げたら駄目ですからね!!!!!」
まるで子供を叱る母親のような表情で廉をじっと見つめる…
351眩しい夜廉×美子43:2011/10/15(土) 22:29:59.78 ID:BqNYrThP
別に…最初っから投げてねーよ…と廉はぼそっと呟いたが美子には聞こえていないのか、
廉の手を無造作に取りどの指に指輪がはまるのか片っ端から試している。
少々…その手つきが乱暴なのだが…

美子はそんな廉の呟きも思いもお構いなしに「あれええー???」と言いながら
指輪を廉の中指に無理矢理はめ込もうとした時、鋭い痛みが走る…

「いってー!!!!」
「あ…ご、ごめんなさい!」
「……ったくお前って奴は!本当にドSだな!一応商売道具なんだからちょっとは気を使えよ!」

じろっと睨みつければすぐにしゅんとなる美子も可愛いけれどさすがに…指が痛い…
美子がしばらくの間廉の手を握りしめたまま何かを考えているような…ためらっているような素振りを見せたが
今度はゆっくりと…そして優しく廉の薬指に指輪をはめる。
すると…その指輪はまるでこの指にはめられるのを待っていたかのようにするすると滑らかな動きで廉の指に収まっていく

「えへへ…私の…代わり。です!!…えへへ」

何を恥ずかしがっているのか美子は顔を赤らめて照れる気持ちを隠すようにいたずらに微笑んでいる…
廉はと言うと、その顔をただ黙って見つめているだけで……

「廉さん?」
美子が廉の様子を窺うように見つめるけれど、廉はそれでもまだ黙ったままだった…
「廉さん、どうかしました?…き、気に入らなかったですか?…ご、ごめんなさい」
美子の表情が段々と寂しげなものに変わっていくのを見て、廉はとっさにその手を取り首を横に振った
「大切に…大切にするから……ありがとな…」
廉がゆっくりと呟くと美子はとても嬉しそうに微笑み頷いた

その顔を見ているうちに気付けばこう呟いていた…廉自身も良く分からないうちに…
「なあ美子、俺さお前に…もらいたい物が…ある、んだけど…」
「何ですか??」
「…おまえ、じゃないと…もらえない、もの…なんだけど…さ…」
廉の鼓動は自分の耳にもはっきりと聞こえるほどに強く…そして速さを増していく。

「廉さん」
美子が心配そうな表情で廉の顔を窺うように下から覗きこもうとした時──

再び廉の額が美子の額に寄せられ…切なく眉をひそめて熱い息を漏らす廉の口から出た言葉に…美子は唖然とする

「俺・・・お前が…お前が欲しい」

その言葉が何を意味するのかいくら初心な美子にでもすぐに分かったのだった。
352名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:34:37.57 ID:BqNYrThP
今回の更新は以上です。

こんなところで切って本当にすいませんすいませんすいませ(ry
皆さん書いてらっしゃいましたが廉美子はもう本当に書くの難しいorz
でも、今夜過ぎたらまたしばらくPC触れそうにないので、ちょっと時間空けてまた続き投下しに来ます。


>>344
おいーw
353名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:42:11.70 ID:Km243SNF
>>352
ごめんなさい…ほんとすみませんorz リロード忘れてました…。
せっかくの超大作続編を投下してくださったのに…。すみません。

しかしながら、超〜〜〜GJです!!ついに言ったー!お前が欲しい!!
しかも額をごっつんこ。なんて萌え。2人の会話のやりとりも最高です。
あぁ…続きが待ち遠しい。全裸でおとなしく待ってます…!
354名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:57:12.81 ID:NCBShSMv
>>352
エロパロスレだってことを忘れるくらいの緻密な超大作乙です。
最終回wが近いということでいても立ってもいられず…
2人の気持ちを大事にした描写がすごく好きでした。
最終回楽しみで禿げそうです。
今夜は傑作が多いな〜
355名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 22:57:20.48 ID:0AM3eXwF
GJGJGJ!!
萌えたぎりました。最高過ぎる。
ここで終わりとか生殺し過ぎだ…
続き全裸待機してます
356名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 23:19:17.47 ID:aki/U5uY
>>352
泣けちゃいそうです。切ない。続き待ってます。
357名無しさん@ピンキー:2011/10/15(土) 23:28:52.77 ID:Ww0QFQzs
>>352
GJ!GJ!も〜きゅんきゅんしっぱなしw
お願いだから早くエロ突入してくださいw
358名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 00:25:06.81 ID:Fdfwe/Fn
>>352
禿萌える!
エロパロ版に本格的な二次小説素晴らしいです。
最終回が滅茶苦茶楽しみっす。

廉さんって、お前が好きだって言うくらいだから
お前が欲しいって言葉も言いそうな気がする。
い、今なんて!?て言う美子に、もう一度言ってやる、は流石にないかw
359名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 04:17:56.92 ID:6mrfdJxY
萌え泣きってあるんですね
2人の幸せを願わずに居られない!
大作ありがとうございます
360名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 06:56:40.04 ID:Mj9MJd3w
>>331
なんぞこれwww かわいすぎるwww 
バンビよろよろで水を取りにいったとこが脳内再生されましたw
廉さん、こんなとこ見ちゃダメだよ!
確かにDT扱いだけど、ちゃんとドS目指してあげたじゃーんwww
柊さん、八つ当たりされてカワイソスww

>>352
もーもーもーーーーーー!
本当にすばらしいです!廉さんも美子もかわいすぎる…
廉美子ダイスキーには、超きゅんきゅんで禿あがるくらい萌えました!
おまえが欲しいなんて!素直な廉さんほんとにカワユス
続き気になるーーー生殺しです…正座して待機してます!
361名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 11:38:13.68 ID:nlSHk2mU
>>341さん!
いつも有難うございます このまま続編にしたいくらい素敵です!!
もうすぐ終わっちゃうのがもったいないぐらいです
図々しいですが帰国〜のプロポーズ〜結婚〜新婚生活〜Jr.誕生とかも書いて欲しいです
廉さんが戸惑いながら子育てとか超観たい!
362名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:36:57.41 ID:Z12eADOQ
今日、美男の中の人が誕生日みたいなので書いてみました

エロなし、その後の日々ということで
その後、エロに持ち込もうか迷ってかなりちゅうと半端なところで終わってます

駄文ですがすいません
363名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:47:06.09 ID:Z12eADOQ
朝のリビング


ソファーに座る柊、勇気、美男
それぞれに朝食をとっている


「おはよ…」
少し遅れて廉が部屋から出てきた

「おはよう、廉」
「あっ、廉さん、おはよっ」
「…おはよ」

廉が冷蔵庫から水を出し、水を飲みながらそれとなくキッチンカウンターに目をやるとなにやら小包みが置いてある

「なぁ、なんだよこれ?」
柊と勇気も不思議そうな顔をする
すると、
「…プレゼント、美子への」
美男が言った

「明後日、誕生日なんだよ…俺ら。だから、アフリカに送ってやろうと思って…」

「なんだぁ、美男もやっぱりお兄ちゃんなんだな。美子、ぜったい喜ぶよ!」

「そっかぁ、美子誕生日なんだ…美男もだよね?みんなで誕生日パーティーしようか?」

「さっすが、柊さん!そうしよ、そうしよっ、ねっ、廉さん?」

「お、おぉ…」

廉は内心テンパっていた
プレゼントだって…

「廉はプレゼントなんにしたの?」
「そうだよな、初めての誕生日だろ?ねぇ、廉さん、なんにしたの?」
と、尋ねる柊と勇気

「べ、別になんだっていいだろ!俺、着替えてくる」

「なんだよぉ、ケチ!」

そう言って、廉が部屋に入るのを見届けると

「やっぱし〜廉さん、知らなかったんだぁ〜、あはっ」
「まぁ、廉だからね…」としたり顔の勇気と柊

「フッ…」

と三人で顔を見合わせるのであった
364名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:50:04.65 ID:Z12eADOQ
部屋にもどり、ブタウザギを掴み

「誕生日ぃ⁉

知らなかった…」


がくんと、膝から崩れ落ちる廉
自分の誕生日が頭を過った


なんとか誕生日を祝おうと、水や蛍光灯を買ってきたり、牛乳を配達したり…ケーキ屋でケーキが全部売切れだったり
思い出しただけで、笑みが溢れた

「今日はあなたが生まれたとっても大切な日、廉さんお誕生日おめでとう…」

生まれて初めて、生まれてきて良かったと思えた
抱きしめられるとなんだかとても安心した

「なのに…」

ただただ、ブタウザギを見つめる


「廉さぁ〜ん、仕事遅れるよ!」


「はっ!…わかってるよ!
あぁ…」
優しくブタウザギを戻すと急いで支度を始める


雑談の撮影、インタビューと仕事が続く
それらの仕事が終ると廉は他のメンバーと別れて、事務所でアレンジの仕事に向った

鍵盤と睨めっこしながら、音が全然頭に入ってこない
今日の撮影中だって、インタビューだって…

「プロだぞ…仕事は仕事なんだから」

今まで、誰かのことをこんなに大切に思ったことがなかった
他のことに気がはいならないぐらいに誰かのことを想ったことも

「はぁー…」

なんだかとても、美子が恋しくなった
美子の誕生日のことを考えてた筈なのに、自分が美子に逢いたくなってしまった

「くっそ!…」
鍵盤から離れた瞬間


ガチャ…

「…よぉ、」

朝の小包みを抱えた美男が入ってくる
365名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:51:51.59 ID:Z12eADOQ
「な、なんだよ⁉お前、バラエティーの収録は?」

とっさに、平静を装い椅子に座ったまま美男に背を向ける

「もう、終わった…柊と勇気は先に合宿所に帰ったし…なぁ、これ…廉の分と一緒に」

「あぁ?知るか、自分で…」

押し付けられた小包みの上に明日の昼発のアフリカ行きのチケット

「一緒に…渡しといて」

美男はそうとだけ言って、部屋を出て行く


「あいつ…」

廉は美男の精一杯の美子への想いを感じた
自分だって、妹の美子に逢いたいだろうに


ガチャ‼

「よぉ!廉!」

「な、なんだよ、馬淵…急に

廉がいい終わらないうちに

「廉!お前、明日から一週間休みだ!だっははっぁ〜、いやぁ、俺って出来たマネージャーだろっ?なぁ?」

「はぁ?俺は休みが欲しいなんて…」

「まっ、大人の心意気っやつぅ〜!一週間あれば世界中どこへだっていけちゃうもんねー‼だっはぁ〜、廉ちゃん、あばよっ!」

「はぁ…あいつら、」

カチャ

「廉、これは私から、美子に似合うと思うよぉ〜、じゃっ、またね!」

「ぉ、おい!…RINAまで」

廉はようやく気付いた

「あいつら〜」

柊、勇気、美男、馬淵、RINA
それにきっと社長と沢木も

美男に渡された小包みをなでながら
きっと、仲間とのこんな関係をくれたのは美子だと思った
たった一人の孤独な暗闇にいた自分に素晴らしい仲間という星を見せてくれたのは
そしてその真ん中で一番綺麗に輝いた星

美子に逢いに行こう
そして、ぎゅーっと抱きしめてこう言おう

「今日はあなたが生まれたとっても大切な日、美子、誕生日おめでとう」
366名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:53:02.41 ID:Z12eADOQ
廉がアフリカに発った次の日、美男と美子の誕生日

合宿所ではみんなで美男のバースデーパーティーをしていた

「ねぁねぁ、廉さん、もう美子に逢えたかな?」

「どうだろ?早く逢えてるといいけど…なぁ、美男?」

「ふんっ…」

「なんだよぉ、美男、お前が言い出しっぺだろ?だっはぁ〜、二人ともいい夢見てるさ!なっ、RINA!」
「そうよ〜、うふっ、廉も罪な男ね〜、あんな可愛い美子を一人じめ出来るなんて…」

「えっ、なになに?RINAさんなにあげたの?」
「いやっ、なにって…

「まあまあ、いいからYouたちたくさん食べて、ほら、柊も勇気も、ほら美男〜、Youはパーフェクトなお兄ちゃんだよ」

「社長!仕事を幾つか延ばしたことを不審に思った記者から取材の依頼が入ってます!」
「なにぃ〜?まったく適当に蹴散らしてくるか、じゃ、See You」
367名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 15:53:59.26 ID:Z12eADOQ
以上です。

お目汚しでした〜
368名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 16:06:28.51 ID:BYNBpTqk
あほか!
昼間からエロパロスレでほっこりしちまったじゃないか!
アフリカは出発前に予防注射とかあるけどまあいいよ!
素敵な作品ありがとうー
369名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 16:39:09.48 ID:VlWYDzAV
美男はじめ、仲間達の心意気に泣ける〜!
素敵なお話、GJですっ!!
この後アフリカで、エロってのは…?あ、いや何でもw
370名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 16:52:24.58 ID:hPjkplnj
GJ!
ほっこりしました

もちろん誕生日初エッチinアフリカに続くんですよね?
371名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 16:53:59.75 ID:PO0/tSnM
続き気になるなぁ〜
廉さんが象に遭遇したり美子のボランティア仲間にヤキモチやいたり二人のいちゃいちゃも…みたい!!
372名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 17:16:21.44 ID:bKk6vCjF
GJ!
美男は出来た兄貴だなあ…

廉さんはアフリカ着いてすぐトラブルに巻き込まれ
それを知った美子が追いかけ
何とか逢えるのは誕生日の日付が変わる寸前…だったり…と
勝手に妄想w

初エッチinアフリカ見たい〜!
373名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 17:37:06.08 ID:Fdfwe/Fn
>>367
ほのぼのGJ!
いいね、こういう可愛い話も!

inアフリカ初エッチはまさか星空しかない外で、とか!?
怖がりの廉さんだから、ビクビクしてその気になれないかw
374名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 18:09:53.57 ID:QVuaqFTD
>>367
GJGJ!!いやー萌えー!2828が止まらない。
その後がちょっと気になるのと、誕生日知らなかった廉の事をしたり顔をする柊に爆笑しましたw
375名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 18:11:48.81 ID:0czIVHTh
>>367
ほのぼの廉美子楽しく読ませていただきました。

アフリカin廉さんで股間に角みたいなの付けた廉さん想像してしまった……。地域は全く違うのだろうけど。
376名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 18:16:23.99 ID:QVuaqFTD
>>352です。
すみません、昨夜はあれから華麗に寝落ちしましたorz全裸に土下座でお詫びします。
そして、時間がちょっとだけ空いたので来ました。予定より遅くなりましてすみません。

シリアスは正直苦手で1番苦心して作ったのですが、沢山の方にGJと感想頂きまして嬉しいです!ありがとうございました。
では今回も非常に長くなりますが、今回が最後です。では、今から投下します。


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377眩しい夜廉×美子45:2011/10/16(日) 18:18:42.08 ID:QVuaqFTD
「お前が欲しい」
その意味は分かる。分かるのだけれども。
先にも言った通り、美子は恋愛の「れ」の字も知らない。
行為は映画や小説で見聞きするだけで…いや元はシスター見習いだった美子からしたら
そういったものは見るのも…読むのもタブーとされている。

それこそ…自分からは1番縁のないものだと思っていた。
美子が口をぽかんと開けたまま言葉を失っていると、

「だめか…?」
小さな声で廉が呟く。…美子はぶんぶんと首を横に振った。
それを駄目だという返事と勘違いしたのか、廉が美子の気持ちを確かめるようにもう一度呟いた。
「嫌…なのか?」
もう一度首を横にぶんぶんと振ったが何も言葉を発しない。
美子の両手をぎゅっと強く握りしめていた廉の手から力が抜け、ゆっくりと離れていく

自分が拒絶されたのかと勘違いしたのだろうか?
(違う…ちがうのに…)

「だめ…じゃ、ない、です」
気付けば美子は首を横に振りながらそう呟いていた。
離れていこうとしていた廉の手の動きがぴたりと止まり美子の顔を覗き込むその廉の瞳はどこか不安そうだった

「美子?」
「嫌…じゃないです…でも………」
何となくではあるけれど、美子の答える事が分かった廉は優しく美子の頭を撫でながら問いかけた。
「でも?」

「わ、私…その…意味は分かるんですけど…そういう事…したことない、から…
あの…どうすれば良いのか…分かんなくて…」
自分へと向けられる廉の優しい目を見ているうちに恥ずかしくなってきて…
その視線から逃れるように美子は背を向けた。

(笑われちゃうかな)
しょんぼりとうなだれ小さなため息を付くと、廉は背後からそっと包こむようにして美子の体を抱きしめた。
「…そんなに心配しなくても平気だ。…正直言うと…その…俺だって…したこと…ねーし…
こんな事…おまえが欲しいと、か…いうのも…は、はじめて…だし」
美子を慰めるつもりで言ったつもりが墓穴を掘った気がして途端に廉の顔も赤く染まるのだった。
少しの間があってから、美子がぶん!!と音が聞こえそうな位の勢いで振りかえる

「あ、あの…い、いいいいいいいいまなんて!!!」
「だからぁー俺だってそんな事今までした事ねーって!言ったんだよ!」
「うそ…れ、廉さんが?…廉さんなのに?!えええええええー!!!!!……ええー……」
「悪いかよ!!」

きっと「廉」とか「れん」とか書かれた内輪を振ってるファンにキャーキャー言われて格好付けている
廉の事でも想像でもしているのだろう。目と口をまんまるにさせて美子は再び言葉を失ってしまう。

(もう嫌だお前…むかつく…!)
ムードのひったくれもない。
(っていうか!俺が俺なのにって何だよ、意味わかんねーし!)
廉が1人あんな美子やこんな美子をつい頭の中で思い浮かべてしまってはガラガラと音を立て
崩れ落ちてしまいそうになる理性と闘い1人悶え苦しんでいるというのに…
378眩しい夜廉×美子46:2011/10/16(日) 18:20:14.04 ID:QVuaqFTD
(童貞じゃ…悪いのかよ)
決して女性と付き合った事がなかった訳では「ない」
ただ最後の一線を超える事が出来なかっただけで…チャンスはいくらでもあった…でも…
「初めてだったんだ…こんな風に…思ったの…」
美子に背を向け廉がぽつりと呟きうな垂れると…美子が慌てたように廉の前へと回りこんでくる

「れんさん…本当に初めてなんですよね?」
「何回も言わせるなよ」

(容赦ない…やっぱこいつは正真正銘のドSだな)
廉が頭の中でそんな恨み節を唱えていると、思ってもみない言葉が返ってきた
「誰も知らない廉さんのこと…私が初めて知っちゃうんだ…って思ったら…なんかすごく…幸せだなーって
思って…ごめんなさい…あ、あああのべ、別に馬鹿になんて!してないですからね?」

「そんな事言ってねーよ」
「でも…廉さんに…廉さんだけに私からあげられるものが…あって…良かったです…ふふっ」
幸せに満ち溢れた顔で笑う美子の顔を見ているともやもやとしていた感情だとか
無残にもガラガラと崩れ去った男としてのちっぽけな自尊心もどうでも良いものになって、
廉は美子を再び胸の中へと抱き寄せ、その頬を両手で包み込み上を向かせる。



急に頬を包まれて上を向かされると、すぐ目の前には廉の顔があって
またあの目──
そう、エレベーターの中でキスをした時と同じような熱を帯びた男の目で…
でもその時とは違いどこか優しくもあり、そして…何かに耐えるように眉をひそめてただ自分の目を見つめている
怖くはない…けれどその熱い視線に焼きつくされてしまいそうな気がして、美子はぎゅっと目を閉じた。
すると、廉の熱を帯びた手の平が美子の前髪をそっとかき上げ、露わになった額に廉の唇が触れる

こめかみ、目蓋、耳たぶ…そして頬と段々と下の方へ降りてくる
ゆっくりと、けれど…強く、優しく触れられる熱い唇に口づけられた跡が疼く
そして…廉の唇が美子のすっとした顎に触れる…。
(次は…くちびるに…して、くれるのかな…)
自分でもびっくりしたが。美子は待ち焦がれていた。廉の熱い唇が自分のそれに触れる事を。
熱い舌で自分の舌を撫でられる事を…。

けれど、そんな美子の思いとは裏腹に廉のくちびるは美子のあごから首筋へと下りていく。
(どうしてくちびるには…してくれないんだろう…)
そう思った所で美子ははっとした。

さっき…自分で神様に懺悔したんだった。また…自分が与えられる事ばかり考えてしまっている
(愛する人に幸せを与えたい…愛しいと思う気持ちを形で…現わしたい)

「廉さん」
美子が廉の名を呼ぶと、美子の鎖骨にキスをしていた廉の顔がすぐに美子の目の前へと戻ってくる
「どうした…?」

廉の口から零れる熱い息が唇にかかる…触れるか…触れないかの距離の所に欲しいものがある
「みこ…?」
「廉さん…あいしてる…」

美子はただ一言そう言葉にして、廉の唇に初めて?自分からキスを贈った。
廉は一瞬体を強張らせて驚いたように目を見開いたが、眉を寄せて何とか自分から熱いキスを
贈ろうと奮闘している美子を顔を見て目を細めた。

愛する人から贈られた言葉…そして、キス…廉は幸せだった。
379眩しい夜廉×美子47:2011/10/16(日) 18:22:35.77 ID:QVuaqFTD
廉にしてもらったキスを必死で思い出しながら美子はたどたどしく…
けれど想いを込めて何度も廉の唇に口づけた。
稚拙なそれに焦れる事なく廉は優しく応えるのだった。

遠慮がちに廉の口内に入って来る美子の舌…
どうして良いのか分からないのだろう、かすかに震えているけれど、
意を決したようにそっと廉の舌先を撫でるようにしてその舌が動く…
廉も同じように美子の舌に触れ呼応する。

何度がそんな事を繰り返すうちに結局耐えきれなくなった廉は
美子の舌を絡め取りゆっくりと動かし始める。

いつしか美子から与えられたはずの口付けは、廉のペースで進んでいる
物音一つ立たない静かな部屋に2人の口から零れる熱い吐息と唾液の絡まり合う音が響き渡る。
美子は最初はぎこくちなく廉の動きに応えるだけだったが見よう見まねではあるけれど
徐々に徐々に積極的に舌を絡めてくるようになった…

唇に始まり…頭の先からつま先までじんわりと痺れるような…
まるではちみつのようにとろとろと溶けてしまうような不思議な感覚に戸惑いを隠せない…
(自分には廉さんがいる…きっと大丈夫…)
初心な美子にはそれが「感じる」だとか「気持ちが良い」という事なのだと到底理解出来ていないようだった…。

そんな美子の胸の内などいざ知らず。
廉はこのままキスをしているだけで一向に進まない行為に焦りを感じつつあった。
(おい、いつまでそうしてんだよ)
自分の中にいるもう一人の自分が悪魔のように小声で廉に問い掛ける…
そっと…美子の背中を撫で上げると、美子がくぐもった声を上げ…その体から徐々に力が抜け
その場に崩れ落ちそうになり咄嗟に廉は美子の体を抱きとめた

廉の熱を持った手の平が自分の背中を撫でた瞬間ビビビと背中に電流が走った気がした
それからはもう…体に力が入らなくなり立っていられなくなった…
廉の足元に崩れ落ちそうになる…でもならなかったのは廉がしっかりと抱きとめてくれたから

(何だろう?これ…感電しちゃったみたい…)
「美子、どうした?」
自分を見つめる心配そうな二つの黒い瞳…
ただ見つめられるだけなのに、体が熱く火照っていく…心臓がどくどくと大きな音を立て始める…

「みこ??」
「…ご、めんなさ…なんか背中が…ビビビってきて…そしたら体に力が入らなくなっちゃって。
何だろう?これ…感電??」

美子から発せられたまたまた頓珍漢な受け答えに廉は思わず吹き出した。
(そっか…ビビビーか…感電か…)
自分の未だ愛撫とも呼べない手の動きにさえ感じてしまい、しかもそれの正体が何なのかも。
到底分かっていない様子の美子を困ったような笑みを浮かべながら、少しの間見つめていた廉だったが
焦点の合わないぼんやりとした表情で息を整えようと深呼吸を繰り返す美子の様子を見て我に返った。
「ったく…しょうがねえなお前はもうー……」

悪態をつきながらも廉は何故か笑っていて…そしてひょいっと美子を抱き抱えた。
いつかの夜みたいに…。
380眩しい夜廉×美子48:2011/10/16(日) 18:24:28.54 ID:QVuaqFTD
立ちあがり、もう一度体勢を整えていると、美子は予想に反してじたばたと動き抵抗する
「ちょっとやだー!!廉さん下ろして下さい!!私…重いし!!」
(ああん?この俺様が俗に言うお姫さまだっこ。とか言うやつをしてやってると言うのに嫌だ下ろせだと?)

「そんなん知ってるし。…ってか暴れるな!パンツ丸見えだぞ?」
「…えっ……」
廉の一言でいきなり美子が大人しくなる。
(何だよもう…最初っからそうやって素直に言う事聞いておけば良いのに…
っていうかパンツにまで星が付いてるのかよ!)
と思っても、それを口に出すのも憚れる。
顔を赤く染めながら廉が美子を抱き抱えたままセミダブルほどの大きさのベッドの淵に腰をかける。

「廉さん」
「何だ?」
いつになく真剣な眼差しの美子が廉の顔を覗きこむ。
(何を…言われるんだろうか…やっぱやめようとか言われたりして…)
「あのー…何で私が重いって知ってるんですか?」
(何だそんな事か)
何を1人であたふたしてるのだろう。
余裕ぶって見せてはいても自分だって初めての経験で…おろおろしてる。
気付かないふりをしていたって嫌でも気付いてしまう。
「ねえ、廉さんってば!!」
「いてぇ!」

(つーか俺今日何回殴られてんだ?)

「お前は覚えてないかも知れないけど、熱出してぶっ倒れた時、病院からお前の部屋まで連れて帰ったの俺だし」
別に今そんな事はどうでも良い…あの時はそうしたかったらそうした。ただそれだけの事。聞かれない限り、答える事もなかっただろう。

けれど、真実を知ってぱちぱちとまばたきを繰り返している美子に廉はこう言葉を続けた。
「まあな、重くはねーよ。逆に空から降って来た時よりは軽くなったんじゃないですか?ブタウサギちゃん」
「もーーーーー!!!!!」
と美子が再び廉の背中一発パンチを浴びせようとした瞬間───

鳥目の廉にも分かる位に窓の外が青白く光り…ドーンと花火のような音が響く
まるで空から大きな星でも落ちてきたのかと言うほどの雷鳴の後に、ザーっと激しい雨が降って来る。

「お前が怒ったからだな…」
「星…見えなくなっちゃいましたね…」

美子がからかうような廉の言葉を無視し、ぽつりと呟く
その声が何だかとても艶っぽくて廉は思わずごくりと唾を飲み込んだ。

「星なら…今…俺の腕の中にある」
「え……?」
「お前のそのネックレスと、その服に付いてるのと…あと…お前…」
(まあパンツは見なかった事にしておくか)
「あとは……廉さん」

美子がぎゅうっと自分の体に抱きついてくる…嫌でも熱を増していく自分の体…
そして同じように美子の体も…とても熱かった…
381眩しい夜廉×美子49:2011/10/16(日) 18:26:18.62 ID:QVuaqFTD
この先どうしたらいいか分からないから、廉の体に自分から抱きついてみたけれど
体が…熱い…それ以上に布ごしに感じる廉の肌も熱かった

「な、なんか…熱いです…ね」
「じゃあ…脱ぐか……」

廉が今まで聞いた事もないような低く掠れた声でそう呟くやいなや
白のTシャツを脱ぎ、バサリとそれを下に落とす……

露わになった廉の上半身は、普段は細身に見えるのに、いや?実際細身だが…
間近で見ると、肩幅は広くがっちりとしていて、しなやかな筋肉のついた二の腕に、意外にも厚い胸板…
その精悍な廉の体をまじまじと見ているうちに美子の体はどんどん熱くなっていく。

思わず癖で人差し指を鼻にむにゅっと押しつけてしまうと、廉は一瞬だけ顔をしかめて
「おい、こら今だけでもブタウサギは封印しとけ」
廉はそう窘めながらすぐに美子の指を鼻から引きはがす
「だって…廉さん…眩しいから……」
「だったら、目…閉じてれば良いだろう?」
(あ、そっかー)
言われた通りに素直に目を閉じると廉がさも可笑しそうにこう言った。
「お前今あ、そっかー!って思ったろ?」
「お、おおお思ってません!」
さもおかしそうにふふっと笑う声が聞こえる。

(むー…でも、そんな子供っぽい廉さんも嫌いじゃない……好き)
そう思った瞬間に、ちゅっという音と共に触れるだけのキスが下りてくる
(えへへ…幸せ)

…廉の手が美子の太股にそっと触れる…一瞬体を強張らせてしまったけれど、
すぐに体の力を抜く事が出来たのは、廉の手付きがすごく優しかったから。
その手が美子の白いネグリジェの裾にかかったかと思えばあっと言う間に脱がされてしまう。
思わず閉じた目を開くと…切なく眉をひそめて自分の顔を見つめている廉の顔がすぐ近くにあった。

「ばか…目ぇ閉じてろって言ったろ?」
「…やっぱ嫌です…へへっ」
「…ガキかお前は」
「じゃあ…こうしてます」

美子は廉の肩にあごを乗せ、熱を持ったその広い背中に腕を回すと、
廉の指先が意を決したように美子の背中にあるブラジャーのフックに触れる
パチンと小さな音を立て、美子の胸を収めていた下着がゆっくりと廉の手によって外され…
廉がゆっくりと美子の腕を取る…そして…離れてゆく廉の体…
(もうちょっとだけこうしてたかったな…)
今度は廉の手がゆっくりと美子の腕からブラジャーの紐を外して…そしてするりと音を立て落ちて行く。
もう少しだけこうしていたいというその思いが廉に通じたのかどうかは分からないけれど、
廉はもう一度美子を強く抱きしめた…熱を持った体は少しだけ…震えていた
(廉さんも初めてで…きっと不安なんだ)

美子はそう直感した。そして…安心させてあげたいとも…思った。
「れんさん?」
「なに…?」
「廉さんが、A.N.JELLの廉さんでも、普通の廉さんでも…どんな廉さんでも…私は好きだから
逆にそう…簡単に嫌いになんて…なれないです…だから…そんなに緊張しないで下さい
私、なら…大丈夫…です…た、多分」
382眩しい夜廉×美子50:2011/10/16(日) 18:28:52.44 ID:QVuaqFTD

自分の思いが見透かされている。
廉は弾かれたように美子の顔を覗き込むと、そこには変わらず純真無垢な笑みを浮かべる美子がいた。

「…ほんとに…良いんだな?」
ちょっとの間があって美子は困ったような顔でこう言った。
「もう…自分で言ったんじゃないですか。私が欲しいって…何でいまさ───」

気付けば自分の唇で、生意気な言葉を生みだす唇を封じていた。
廉の中でぷつっと張りつめた糸が切れる…

それは理性か。童貞から真の意味での大人の男になる時の気負いか。緊張感か。
大切な人を守りたいと思いながら無茶苦茶にしてしまいたいと思う自分のエゴか。
(多分全部だ…けれど、もうそんなものどうでも良い。お前がどんな俺でも好きだって言ってくれるのなら)

「みこ…?」
「…は、い?」

熱い息を漏らしながら美子がそっと目を開く
「れんさん?」
「…あいしてる……」

廉が小声でささやくと、美子は幸せそうに微笑んで、そしてどちらからという訳でなく再び唇を寄せ合うのだった。

すぐにお互いの舌が絡まりあってくちゅくちゅと淫らな水音が響き始める
廉の手が再び美子の背中をさするようにゆっくりと動くと…

「……ぁっ…っ…」
美子の口から熱い吐息と共に小さいけれど初めて喘ぎ声が漏れる…
廉は美子の体を自分の大切な宝物を扱うかのようにそっと抱きしめながらゆっくりとその体をベッドに押し倒した

「れ…んさん…っ…」
「なに?」

「ちょ…っとだけ…部屋の灯り…暗くしちゃ…駄目…です、か?」
美子が頬を赤くして恥ずかしそうに目をベッドサイドにあるスイッチに目をやる
(確かに…全開モードじゃさすがに明るいか…)

廉は手を伸ばしスイッチを調節すると、部屋の灯りが明るいか薄暗いか…の瀬戸際まで落ちる
「これ以上は無理だ…見えなくなるから…」
「わかり、ました…」

少しだけはにかんだようなその顔に近づき、もう何度目になるのか分からないけれど
そっとキスを贈ってから、廉は美子の首筋に唇を這わせる…
383眩しい夜廉×美子51:2011/10/16(日) 18:31:06.96 ID:QVuaqFTD
襟足にかかるかかからないか見えるか見えないかの瀬戸際の場所に廉はきつく吸い付き印を残す。
その唇がどんどん下の方へと下がっていく…その一方でもう1つの愛撫が加わる。

廉の手がぎこちないけれど…とても優しい手付きで美子の胸を弄ると
「…っ…ぁっ…ふっ…んっ…」
まだ気持ち良いと言うよりはくすぐったいのだろう…小さなくぐもった声を上げる
(もっと喘がせてみたい…)
ふとそう思った廉は、やわやわと弄っていた柔らかい房から手を離して先端を指でつん、と何度か弾くと
「っ…あっ…!」
少しだけ美子の声が大きくなる…
今度は指の腹で先端を潰すようにして押さえてみると、美子の吐息に艶が増していく
けれど、声を出す事に抵抗があるのか、下唇をぎゅっと噛みしめて声を抑えてるようだった。

「ん…っ…ぁ…れん…さ…く、すぐったい…です」
「…今は…そうかも知れないけど…すぐに良くなるんだろ……?」
「……え?」

もう片方の乳首にを口を近づけてちゅう…とわざと音を立てて吸い上げると、そこは固さを持ち始める…
つん、と尖った乳首を廉は舌先でちろちろ突いたり乳輪の形にそって舐め上げると

「んっああ!…そ、れ……だ、め…」
「…ビビビってきてるんだろ?お前のここ」
「そ、う…です…けど…んっ…ぅっ…」
だめとは口にしながらも確実に美子の声色が甘くそして濡れていく
構わず廉が両方の胸に愛撫を与え続けていると、美子が縋るように廉の手をぎゅっと握ってくる。

「美子…?」
廉が思わず顔を上げて美子の表情を窺うと、頬を上気させた美子が潤んだ瞳で廉の顔を見上げる…
口から熱く甘い吐息を漏らす…その姿がひどく扇情的で、
否が応にも廉の股間にある男の性が熱くそして質量を増していく。

「…れんさん、だっ…」
「…え?」
「廉さんのかお…隠れちゃったから…見たくなっちゃって…ふふっ…」
「……何だよ、それ」

嫌だって言われたらどうしよう…そんな事を廉は一瞬考えてしまったのだが
扇情的な姿から想像もつかない美子の可愛い言葉を聞いて…つい思わず笑ってしまった
(こいつも…不安なんだな…きっと)

実際、ぎゅっと握られてた手をそっと解くとぱっと美子の顔色が不安そうなものに変わる
「今ぎゅって手…繋いでやるから…」
少しでも安心させるように廉は自分から美子の手を指を絡ませてからぎゅっと握り返した

「…れんさん…つ、づけて?」
「ああ…分かった……」

俺のそばに。良く見える所にいろ。と言ったのは自分だ。
(お前が不安に思うのなら…せめて良く見える所にいてやるか)
廉は美子の顔のいたる所にキスを贈りながらも乳首への愛撫を続けた。
指先で弾いたり、指と指の間で擦ってみたり…

誰かに教わった訳じゃない。…でも何故初めてなのに無意識でこんな事が出来てしまうのだろうか?
384眩しい夜廉×美子52:2011/10/16(日) 18:33:45.00 ID:QVuaqFTD
(…何か…この感じ…何かに似てる…何だ??すごく…身近にあるもの…)

廉がその正体を考えながら、必死で昂る気持ちから神経を逸らしていると、
再び美子の口から甘い声と吐息が漏れ始めて…徐々に…徐々にその声が大きくなっていく。
その声に誘われるように…手を下へ下へとおろしていく。

美子の太股の内側をそっと撫で…そして下着の上からそっと指を這わせるとそこは、既にしっとりと濡れていた。

「……濡れてるな……」
思わず廉がぽつりと呟くと、美子の体がびくんと一度だけ大きく震える
「んっ…ぁっ…だ、って……」

「だって…?」
(まさか何で濡れるのか分かんないとか言われたら…どうすれば良いんだ俺…)
「…さすがに…それ位は…わたしだってし、しってます…よ…」
「じゃあ…確かめてみる…か…」
「え…?」
「まだ入れねーよ!そういう意味じゃねーって」
「じゃあ…どういう…意味…で」
「……今やってみるから待ってろって!」

廉の手が美子の手から解け…そして離れていく…
その手が美子の下着の淵にかかりゆっくりと引きずり降ろし、
足首からそれを抜くとまたぽとりと音を立て落ちてゆく…

やはりまだ恥ずかしいのかぎゅっと閉じた美子の足の間を何とか割って入り、
そして露わになった秘部に廉は…思い切って手を伸ばした…

やり方なんて良く知らない。
あるとしたら、学校の教室に落ちてたエロ本だとか、
たまたまテレビのチャンネルを合わせた時に遭遇したAVくらいなものだ。

けれど、廉は動物的な勘で何かを感じ取っていた。そう…何かを
その何かが分からない…いったん気になりだしたら止まらないのは悪い癖だ
割れ目に沿って指を滑らせると、そこは熱く疼いており、廉の指に熱い蜜のような愛液が絡まる
廉はその動物的な勘と全神経を指先に集中させる…

(ちょっと待て…?この指を滑らせる感じは…あれだ…ギターだ!)
弦を押さえる時に滑る指の感覚…指でつま弾くと鳴るギターの音色…そのつま弾く指の動き…
美子をギターに例えて…っていう言い方もおかしいけれど、もしギターを弾く時のような動きで
愛撫を与え続けたら…そしたら…美子は…喘ぐ…

(…あー!分かったー!よっしゃー!)
ふとした勘から童貞の廉に奇跡が起きた。
自分の頭の中では無邪気な廉がゲームを攻略した少年のような笑顔で両手でガッツポーズをしている。

「れ…んさん?」
(あ…)

自分の名前を呼ぶ声に我に返った廉は視線を美子の方へと向ける…
385眩しい夜廉×美子53:2011/10/16(日) 18:35:36.94 ID:QVuaqFTD
美子の様子をそっと窺うようにしながら指をもう一度滑らせるように動かすと
「…!…ああっ!んっんっ…あ…っれっ…さん…んぅっ…あっ」
今までとは比べものにならない位の反応を美子が見せる

シーツをぎゅっと握りしめて
やはり自分の勘は当たっていたようだ…廉はまるで水を得た魚のように一心不乱に指を動かし始める
次々と熱い蜜が溢れ出してくる…その蜜を指に絡ませ…そして上の方へと移動していく

(ここって何て名前だったか……く…く。…くり…?わかんね!…けど…まあ良いか…)
正解はクリトリスで、ここが性感帯の女性も割と多くいるらしい…けれどそんな事は勿論童貞の廉は知らない。
けれどやはり本能で感じてしまうのだろう…中指で擦るようにして動かすと

美子の体が殊更に大きくびくんとはねた
「ぃ…やっ…!!んぅっ…あっ!ああっ…あっあっあっ…んっ」
(うわ…すげ…)
数々の偶然の一致と運の…良さ?から廉は美子の1番感じる箇所を見つけてしまった。
すげーとか感嘆している場合じゃない…廉は気をとりなおして指の動きを少しだけ早くしてみた…けれど。

「やっ!やだっ…!廉さん…!」
体は敏感に反応しているのは明らかなのに、美子の口からは嫌という抵抗の言葉しか出て来ない
「や、だ…こ、わいっ……っ…れん、さ…ん…」
涙混じりに告げられるその言葉を聞いてはっとしたすぐに指の動きを止めた。

どんな俺でも好きだと言ってくれた美子を結局怖がらせてしまった
自分は少し急いていたのかも知れない…今でも変わらず美子の体が欲しいとは思う…
でも、こんな風に辛い思いをさせてしまっては意味がない…

廉は小さくため息をつき美子の体から離れようとした時─
美子の手が廉の腕をぎゅっと掴みそして…その唇から出た思ってもみない言葉に息を呑んだ。

「れ、んさ…ん…た、すけ…て…っ…」
拒絶するどころか美子が自分に救いを求めている。廉はすぐに美子の体を包み込むようにして抱きしめた。


廉が触れた箇所が熱くて熱くてたまらない。自分が溶けて行く…消えてしまいそうになる…
廉の吐き出す熱い息遣い…ぎこちないけれど、時に鳥の羽根のように優しく、そして柔らかく
時に大胆に激しく強く動く指先に…美子は翻弄されていた
どこをどう触られているのかも分からない…自分の意識ももうろうとしていく…
廉の顔も…見えない。いつも自分の見えるところにいろと言った…くせに。

今まで感じた事のない衝撃が体内を駆け巡り…気付けば口に出していた
「廉さん…助けて」
未だ頭はぼんやりとしているけれど、そう言った事だけは…覚えている。
息が苦しい…体が訳も分からず悲鳴を上げるように疼く

「こ…?みこ…おい、美子!」
廉の声が聞こえる…すぐに目を開けると、すごく心配そうな悲しそうな顔をした廉が見える。
386眩しい夜廉×美子54:2011/10/16(日) 18:38:28.47 ID:QVuaqFTD
「…れん…さん…ふっ…うっ…」
緊張の糸が切れたのか、美子は廉の首にしがみ付き泣きじゃくってしまう。
廉はそんな美子を頭を片方の手でゆっくりと撫でながら…もう片方の手はベッドサイドのテーブルの上に
置いてあるターンダウン用に用意されたペットボトルに伸びる。

「美子…これ…飲んで」
「…っ…」

廉が器用に蓋を開けて、少しだけ美子の体を抱き起こし、そのペットボトルを美子の口元に持っていく
ひと口ふた口…冷たい水を飲み込んで何度か深呼吸を繰り返すうちに、やっと冷静さを取り戻す事が出来た。

「ごめんなさい……」
ぽつりと美子が呟くと、廉はすぐに首を横に振りそして…美子を真っ直ぐに見つめこう言った
「教えて欲しいんだ…なあ、美子…何が、怖い…?俺が怖い?」
すぐに美子が首を横にぶんと振ると、一瞬だけ廉がほっとしたように笑う
…けれどすぐに真剣な面持ちになってもう一度美子に問い掛ける…「じゃあ…何が怖いんだ?」

「…か、らだが熱いっ…自分が自分で…なくなっていく…のが…こわい…です」
美子の瞳からぽろりと涙が一粒だけ零れ落ちると…すぐに廉の手がその雫を拭い去る
「教えてやるよ…その熱くて…自分が自分でなくなってくっていうのが…『感じてる』って事なんだよ」
「かんじ、る…?」
「そう…気持ち良いって事!…だから何も怖がる事なんて無い。俺だって…そうだし…」
「ほ、んとに?」
「ああ…ビビビ!ってやつも…声が出るのも…そのせいだ。だから…気にするな…」

「なんだ…そうなんだ……良かった…私…だけじゃなくて…」
「なあ…本当に嫌なら…我慢しないでちゃんと…言えよ?これからする事…」
「大丈夫ですよ……廉さんがいれば」
(せっかく私が欲しいって言ってくれたのに、そんな事は言わせたくない)

廉の言葉を遮るようにして美子がそう口にする…口にすれば不思議なもので本当に大丈夫だと思えてくるのだった。
照れているのか…はたまた感じているのか?廉が首元まで肌を紅く染め…目を細める
「あのーう…」
「な、なんなんなんだよ…」
「廉さんも…脱いで下さいよ…私1人裸なんて…恥ずかしいじゃないですか」
「あ、ああ……じゃあそうするか……」
ふと我に返ってみてすごく…もの凄く大胆な事を言ってしまったなと
もぞもぞと黒のスエットパンツの脱いでいる廉の背後を眺めながら美子も思わず顔を赤くした

廉が何かをテーブルに置いてから、俺も喉乾いたなーと独りごちながら水をごくごくと飲みほしてゆく。
ごくりと音を立てながら動く廉の首元を見ているうちに再び…美子の体にかすかな熱が灯った…



視線を感じ…水を飲みながらふと廉が美子を見下ろすと、かすかに口を開けて美子が廉の顔を見上げていた
(水欲しいのか?)
「お前も飲む?」
かすかに首を横に振ったかと思えば、美子の腕が廉の腕へと伸びてくる
(何だ…何なんだ……?…あ…)

「続き…はじめても…良いのか?」
と遠慮がちに問い掛けると、美子はこくりと頷く…
その仕草を見て廉は、ゆっくりと美子の上に覆いかぶさりその体をきつく抱きしめた。
美子の腕が背中に回され、同じように強く抱きしめ返される…その温もりを感じた。
(今度は優しく…焦らずに…ゆっくりと…)
廉は自らに言い聞かせながら、美子の首に口づけ、再び美子の体に指を這わせ始める…
…するとすぐに美子の唇から熱く甘い吐息が漏れ出す…
387眩しい夜廉×美子55:2011/10/16(日) 18:41:53.21 ID:QVuaqFTD
廉はいつだって優しい…いつも自分の事を真っ先に考えてくれる…自分を想ってくれている…
実際それが廉の指先に現れている気がした。柔らかく繊細で、まるで美子の体で舞うように動く…
「んっ…ぅ…あっ!っぁあ…」

美子が声を上げるたびに、廉が空いてる方の手でそっと美子の頭を撫でる…
先程までは感じられなかった何とも言えない安心感に美子の胸はぎゅっと締め付けられる思いになる
廉の指がもう一度…下の方に伸びてゆく…

「…触っても平気か…?」
「…だ、いじょうぶ…です」
今度はちゃんと美子の意志を確認してから廉は再び美子の秘部へと指を這わせ…
割れ目を何度かなぞってから、さっきは触れなかった、いや触れられなかったと言うべきか
とろとろとした熱い蜜を次から次へと生み出す内部へと中指を挿し入れた

はじめは…突然入ってきた異物を押し出すように廉の指をぎゅうと締め付けた。
けれど、内壁をゆっくりと何度も撫でると、今度は廉の指を奥へ奥へと誘うように飲み込んでゆく

「っ…あっ…んっ…んぅっ…あっ…」
美子の口からより甘く、熱く濡れた声が零れ始める。廉は少しだけ指の動きを速めてみた。


体の内側に若干の違和感を感じる。それが…廉の細く長い指だと分かるのにそう時間はかからなかった。
痛くはないけれど、初めての感触に一瞬体が竦む…けれど指が、廉の指がゆっくりと動く度に
其処がより熱く自分の意志とは関係なくびくびくと疼く…次から次へと湧き上がって、
胸が締め付けられるようでいて、すごく甘い感覚がじわじわと広がっていく。

(これが…気持ちが良いって…事…なんだ)
廉の愛撫によってより潤いを増した美子の秘部からくちゅくちゅ…と淫靡な音が漏れ始める。

熱い…熱い…体の全部が熱い…また…自分が溶けてなくなりそうな感覚に陥る
けれど、もう怖くはなかった。すぐそばに廉がいて、廉の顔が見えるから…
その瞳は、美子の様子を心配そうに見下ろしているけれど…獲物の様子を窺う狼のような獰猛さや
何かに…そう。何かに必死で耐えているような切迫さも見え隠れしている気が…する

どうすれば良いのか分からないけれど、でも…ただ廉の体を抱きしめたいと思った。
両手を廉の背中に回し抱き寄せると、ひどく熱く、そして汗ばんでいた…
はぁ…はぁ…と荒い呼吸を繰り返していて…でも、分からないからどうする事も出来ない自分が悲しかった。
(…あれ…でも…もしかして…)

「れ、ん…さ…?」
「っ…な、に…?」
「れん、さんも…きもち、いい…ですか?」
「………」

美子の言葉を聞いて廉は我に返った。

自分の事など後回しにして、ひたすら美子への愛撫を繰り返してきた廉だったが、早いのか遅いのか…それも良く分からない。
いつからなのか…強烈な射精感が時々押し寄せてくるのに必死に耐えていた
ふと、視線を下におろしてみると、自分の雄の象徴は腹に付くくらいにまで勃ちあがり、先端からは先走りの液がちろちろと溢れ出していた。
(わっ…俺って…こんな…でかかったっけ…)

「れ、んさん……きこえて、る?」
「…ああ…う、ん……ちょっと…や、ばい…」
「ふふっ…よ、かった…っ…」
熱く潤んだ瞳がじっと自分の瞳を、見つめている…
焦点が合わないのかぼんやりしつつもあるその目を見て、もっとその目を溶かしてしまいたい
もっと…もっと大きな声で喘がせてみたいと思ってしまうのだった。
388眩しい夜廉×美子56:2011/10/16(日) 18:44:43.19 ID:QVuaqFTD
「美子、足…もっと開いて…」
「え……こう…ですか…?」
「ちがう…」
僅かにしか開こうとしないもぞもぞと動く太股の内側に手をかけてこじ開けると
「れ、んさ…」

…何かを勘違いしたのか美子の体がびくんと震える
「…まだ入れないから心配すんな……って…何入れるか位は…知ってんだよな?」
「それは……っ…は…い…」
少しだけ…ほんの少しだけ…廉の言葉が攻撃的なものになったような気がした。
けれど、自分の太股の内側を這う廉の手付きは…変らず…とても優しかった…

そろそろ挿れても良いかと思ったけれど、大事な箇所に触れていない事をあの潤んだ瞳を見た時に思い出した。
廉は美子の膣内から指をそっと抜くと、その指を美子の一番感じる箇所へと伸ばし小刻みに指を震わせるように動かした

「…!!ああっ…んっ…んっ…はっ…ゃっ…ああ!あっ…ん…れ…ん…さ…っふっ…んぅ」
今にも泣きだしそうな熱く濡れた大きな喘ぎ声を漏らしながら美子の首が弓なりに反り返り
その首に喰いつくような勢いで廉は何度も何度もキスを繰り返す

「…好きなんだろ…?…ここ…ほら…こんなに…濡れてる…っ…」
今度は親指の腹でぐりぐりと其処を刺激しながらもう一度美子の膣内へと指を挿れ動かすと、
すぐにぐちゅぐちゅと水音が響く…廉が指を素早く…強く動かすうちにその音も比例してどんどん大きくなっていく。

「んっ…あああっ…ふっ…んっ…ぅっ…あっあっあっ…」
廉の動きに合わせるかのように美子の口から次から次へ声が溢れ出す…
甘いその声に廉も…自分自身が美子によって溶かされ消えていきそうな感覚に陥る

「れ、んさん…れん…さ…」
「…な、に…?…っ…」
「も、う…わ、たし…っ…」

美子も限界が近いのだろう…捩らせる体が時おりびくびくと震える…。このままイカせてしまいたいとも思うけれど…
また美子の意志を無視して行為を続けたら、今度こそ本気で嫌だと言われてしまうだろう。

「…わかった……ちょっと待ってろ…」
「…?」
怪訝そうな顔をしているけれど、もはや説明するのも面倒で…
美子の頬に触れるだけのキスをして、廉は無造作にテーブルの上に置いた袋を取りその端を口に咥える
何故そんな事になっているのかというと、片手は美子を抱きしめたままで不自由だから…。

廉の手が横に伸びて、何かを取ってそれを口に咥えた
(あ…それ…もしかしてコンドーム……)

廉がその袋を咥えたまま片手で袋を持ってぴっと引っ張り下ろすと、中からコンドームが出てくる
その…一部始終を下から見上げていると、廉の顔がどんどん赤くなっていく
「…見んなよ!……恥ずかしいだろ…眩しいんだったら目…閉じてろよ」
「あ…ご、ごめんなさい」

美子が咄嗟に瞳を閉じると、抱きしめられていた廉の手、そして廉の体がゆっくりと離れていく…
とっさに目を開いてその姿を確かめてみたいと思うけれど、そんな勇気もない…

少しの間があってから、またふわっと廉に抱きしめられてゆっくりと目を開けると
廉は顔をしかめていつになく真剣な口調でこう言った
「なあ…痛かったり、苦しかったりしたら…すぐ言えよ?」
「…わ、かりました……」
「じゃあ…入れる…ぞ」
「は…ぃ…」
389眩しい夜廉×美子57:2011/10/16(日) 18:46:55.76 ID:QVuaqFTD
廉は美子の膝裏に腕を通して思い切り足を開かせ、ゆっくりと自身を美子の中へと沈めていく。
先端を挿れると、そこは熱く…とろとろとした蜜があとからあとから溢れ出してきて、
ぎゅっと締め付けながらも、奥へ…奥へと誘うようにこっちだと…言わんばかりに廉を飲み込んでいく。
初めて味わうその感触に廉は眩暈を起こしそうな感覚に陥る

とっさに美子のもう片方の膝裏にも腕を通して…廉は美子の体を組み敷いてその体をぎゅっと抱きしめた。
クリトリスの名前も知らない童貞の廉が体位がどうだのこうだのだなんて知る術もない。
けれど、気付けばそうしていた…美子だって…安心すると思ったし、何より…自分がその体に縋りたかった。

(熱い…体が熱い…溶けていく…怖い…)
美子も同じ事を言っていた…その感じがどんなものだったのか今初めて…廉も知った。
きつく…きつく締めつけられて身動きが取れない…苦しい…
何だ…この…泣き出してしまいたくなる位の幸福感に包まれた…ふわふわとしたこの不思議な感覚は…

廉は、美子の表情をそっと窺うように覗き込むと…苦痛なのだろうその顔は歪み唇をぎゅっと噛みしめていた。
「美子……い、たい…か?」
「……っ…へーき、です…それ、より…ちょっと…くるし、…かも…ふふっ」
「息はいって…体の力…ぬけよ?」

力なく笑う美子の頭をそっと撫でながら廉が呟くと、言われた通り美子から少しだけ力が抜ける…
けれど、相変わらずぎゅっと締め付けられて…廉は身動きが取れない。
また…襲ってくる…急速な射精感に廉は…必死で耐えた

「…な、んか…おまえの…気が、紛れるおもしろいはなし、とか…あったかな…」
ぼんやりとする頭を何とか働かせようとしていると美子が「あ…」と声をあげた
「なに?」
「あり、ます…おもし、ろい?話…へへっ」
「…じゃあ、それ…聞かせて…よ」

「えっと…コンドームの話!」
「はっ?」
えへへーと得意げに笑う美子の顔を見つめる廉の瞳にかすかに嫉妬の色が混じる。

廉の昂る雄の塊が自分の中に突っ込まれているというのも忘れているのだろうか?
いや、そんな事は多分…ない、必死で気を紛らわそうとしているのだろう。
出て来た美子の言葉は廉の想像を斜め45度どころか直角に折れ曲がっていくほどに意外なものだった。

「中2…だった、かな…美男兄ちゃんと…学校の教室の掃除…してたら、誰かの…机か、ら…
出て来た…んです。でも、私も…お兄ちゃんもそれが何だか…その、時は知らなくて。
お兄ちゃん…『わー!水風船だあー!!!』って言ってコンドームの…中に水入れて…遊び、始めちゃって
そした、ら…先生に見つかって…すごい勢いで、怒られちゃって…何でか分からないけ、ど…私も…ふふっ」

廉が思わず吹き出すと、美子も一緒に笑うのだった。
「あーでも…面白いはなし、じゃなくて…お兄ちゃんの可愛そうな話になっちゃった…ふふっ」
「…ふっ…馬鹿な奴…っていうか兄妹そろって事故宅配便か…」
「もー…」

美子の馬鹿馬鹿しい話と言ってしまってはあれだが、その話を聞いて
ほんの少しだけ廉は余裕を取り戻す事が出来た…美子も…この状況に慣れてきたように…見えた
一瞬変な空気になったが、美子が「れん、さん…?」と甘く艶めいた声で名前を呼ぶのですぐに現実に引き戻される。
390眩しい夜廉×美子58:2011/10/16(日) 18:48:55.46 ID:QVuaqFTD
「…どうした?」
「ぁの…おね、がい…が…ある、んです…」
「何だ?」
「もう…いちど…あの…キス…し、て…?」

あのキスとは舌を絡ませ合う熱いキスの事を言っているのだろう。
廉は汗ばんだ美子の前髪にそっと触れて額を寄せた。
「好きなのか…?あの、キス……」
「は…ぃ…だ、め…です、か…?」
「お前がすきだって、言うんなら……一度だけ、じゃなくて…なんべんでも…してやる」

廉はそういうと美子の唇に口づけた。
今夜のうちに、もう数え切れないほどに繰り返してきたのに何度も…何度も欲しくなる唇…
美子もまた…廉と同じ気持ちを胸にずっと抱いていた…

時に荒く、時に宥めるように…優しく舌を絡ませながら、廉が少しだけ腰を動かすと、
「あっ…んぅっ…」と再び…甘い声を上げる
「美子…お、れも…さ、おまえに…お願いが…ある、んだけど…」
「な、んですか??」
「……お前のその声…もっと…聞かせてく、れ……」
「す、き…です、か…?私の…こ、え…」

とろけるような熱い瞳で美子が自分を見つめている…廉はゆっくりと頷いた。

「わ、かりました…だい、すきな…れんさんの…お願いなら……で、も……」
「……ん?」
「れん、さんにしか……ぜったい…き、かせたくないな…ふふっ…」

その言葉を聞いて…箍が外れてしまった廉は、美子の体をきつく抱きしめ
何度も何度も自分も腰をその体に打ちつけた。れんさん、まってと言われた気がしたが

もう待たない…もう待てないと…廉は首を振りながらただひたすらに腰を動かした
どこをどう動けば美子は感じるのだろうか…そんな事を考える余裕ももうなく、
ただ…ただひたすらに本能のままにその体を抱きしめた。

すると、美子の喘ぐ声がひっきりなしに上がり始める…
そして2人が繋がる場所から洩れる音がどんどん大きくなっていく…
廉が動く度に…美子の胸に光る星のネックレスが小さな音を立て揺れる。

大波が押し寄せるように襲ってくるような感じた事もない快感と、急速に昇りつめていく自分自身…
「あっ!あっあっあっ…れんさんっ…れんさんれんさんれんさっ…す、き…っ」
「美子…みこっ…っ…あいし、てる……っ…!…」

2人の頭の中に流れ星がきらきらと音を立て、幾つも幾つも流れていくのが見え、
こうして廉と美子はほぼ同時に絶頂を迎えた。

離れたと思ったら近づいて。
一歩進んではニ歩下がって…三歩進んだと思ったら十歩後退してしまって
そんな事を繰り返しながらもこうして廉と美子はぎこちなくはあるけれど、深く強くそして固く結ばれたのだった。
391眩しい夜廉×美子59:2011/10/16(日) 18:51:00.78 ID:QVuaqFTD
「…何だよ、そんな顔して!」
落ち付きを取り戻した2人は場所を替え、廉がいつも休んでいる寝室のダブルベッドに横たわっていた。
自分をじとーっと見つめる美子の視線に気づいた廉が同じようにじぃーっと美子の顔を覗きこむ…

「…廉さん…本っ当ーに!初めてだったんですか?」
「だからあー『そうだ!』って言ってるだろ?」
「だって……なんか…上手いし…って私だって知らない…けど…」

廉の顔が得意げなものに変わる
「おい、何か言ったか?」
「やっ…何でも…ないです」
「お前だって…何だよ、あのコンドームの話!びびったじゃねーか」
「いやー…何か急に思い出しちゃったんです…えへへ…あ…」
「何?」
「お兄ちゃんには内緒ですからね…」
「…分かったよ…」

美子が小さなあくびを一つする。
「疲れたろ…?もう寝るか…?」
廉がそっと美子の体を抱きよせると、えへへー廉さんだあーと嬉しそうな顔でくっ付いてくる

(…さっき…あんなに…抱き合ったのに…あ…やべ)
つい色んな事を思い出してしまいそうになった途端廉の顔が真っ赤に染まる。
もう半分眠りの世界に誘われているのか美子は気付いていないけれど
そのしばしばと瞬きを繰り返す目を見つめながら廉がゆっくりと、優しい声で呟いた

「…俺…お前に、美子に出会えて…良かった……」
「ふふっ…私も…おんなじです…幸せ……」

廉が美子の髪をそっと撫でると、気持ち良さそうに美子は目を閉じ…そして寝息をたて始める
規則正しい寝息のリズムに誘われるように廉もゆっくりと目を閉じた。

土砂降りの雨もいつの間にか止み、分厚い雲の合間から一つの大きな星が
抱き合って眠る廉と美子を見守るようにきらりと真っ白い閃光を放った。
392名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 18:56:04.85 ID:QVuaqFTD
以上です。やっとエッチ書けたー!んですが廉美子難しかったです
コメディ風味で誤魔化してみましたそしてあんま童貞っぽくないかもorz

いつかの廉美子の廉のよっしゃー(ガッツポーズ)を私もお借りしましたw
長々と引っ張ってすみませんでした。一応これで最後でこの廉美子の続編とかは全く考えてないですが
また何か思い付いたら今度は軽めの話をw時間が出来たら投下するかもですがしばらくは
皆さんのお話を萌え萌え2828しながら楽しみたいと思います。GJや感想を沢山ありがとうございました!

長文スマソ
393名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 19:53:43.59 ID:VlWYDzAV
>>392
うーーーわぁーーーー!!超絶萌えました!
廉さん、初めてなのに…上手〜。ギターに見立てるとはさすがですw
かわいいよ〜〜廉美子、やっぱりいいですねぇ。
超大作の完結、おめでとうございます&楽しませていただきありがとうございました。
次の作品も、楽しみにしておりますのでよろしくお願いします!
394名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 20:57:35.79 ID:0kutAcJu
>>392
すいません、ちょっと感動しすぎてすぐ書き込めませんでした
二次小説って今までびみょーに抵抗あったのですが本当にこのドラマはその続きが見たい!ってほどはまってしまいました
こんな書き手さんに出会えて嬉しいよ…てか本当に(ry
萌え死にそうです!
ありがとうございました!
395名無しさん@ピンキー:2011/10/16(日) 21:19:26.98 ID:hPjkplnj
>>392
超〜GJ!!
前スレをまたいでの超大作、完結おめでとう。
萌えと感動をありがとう。
次回作も楽しみにしてます。
396名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 00:32:35.61 ID:DaJK0e5F
http://wiki.livedoor.com/

超大作のまとめサイト作ったほうがいいくらいだと思うわー。
GJ!
397名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 01:08:25.41 ID:W47Qybkb
>>392
ホントこのシリーズいい!マジ続編の脚本書いて欲しいわ
又来てくれますよね?すっかりあなたのファンです!
398名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 04:53:56.68 ID:ny5NWFJ0
>>392
超〜GJです!
素敵なその後をありがとうございました!
美子可愛い可愛い廉さんがんばった!
お互いを思う描写とても感動しました
本当にお疲れ様でした〜!
399名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 04:55:44.77 ID:ny5NWFJ0
連投すいません>>396まとめ、このスレ良作揃いなのであると嬉しい
400名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 05:04:56.62 ID:MCOl7fAm
完結おめでとうございます。
廉&美子らしさが出ていてすごくよかったです

後日、馬淵にからかわれたんだろうなww
401名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 18:44:15.70 ID:O0er8g7F
超大作の完結の後に申し訳ないんだけどw
廉さんだけアタフタするアホ話を投下します。
短いのでエロはナシです。
402未経験1:2011/10/17(月) 18:45:08.53 ID:O0er8g7F
雑誌のグラビア撮影の為、都内のスタジオでスタンバイしていたA.N.JELL。
廉、柊、勇気の3人がメイクと着替えを終えて、最後に美男だけが残った。
飲み物でも買いに行くと言って、勇気は柊を誘い控え室を後にした。
それとほぼ同時にトイレに行っていた廉が戻ってきた時、少し開いたままのドア越しに
RINAの大きな声が聞こえる。

「え〜っ?本当に一度も無いの?もう20歳でしょう?」
「…はぁ、まぁ…。わたし、そういうのに少し疎くて」
「ま、若い子の少ない修道院に居たなら、それも仕方ないかしらねぇ…」

何の話をしているのかわからなかったが、廉はドアの外で立ち止まったまま
会話に耳を傾ける形になる。

「でもやっぱり、やったほうがいいですかねぇ?痛くないですか?」
「そうねぇ、最初は痛いんだけど…だんだん、気持ちよくなっていくから」

最初、痛くて…だんだん、気持ちよく?って、まさか…!!あいつら、なんて会話を…。

「えっ?そうなんですか?!知らなかったぁ…やってみようかな」
あいつ、何言ってんだ!!っつーか、誰とだよ!?
「そうそう、もうあとは簡単にできちゃうしね!私なんてもう15年くらいは…」
「うわぁ〜もう達人ですね、RINAさん!」
RINA…あいつ今29だから…初めては14か?けっこう早いな…。
「廉も柊も、勇気も…みんなやってるわよ?早く美男もしてみたら?」
うおぉい!俺らがやってるって、どこの情報だ?!あいつデタラメ言いやがって…。
403未経験2:2011/10/17(月) 18:46:02.58 ID:O0er8g7F
「廉、こんなところで何やってるんだ?」
「入らないの?廉さん」
飲み物を抱えて帰ってきた柊と勇気が、赤くなって立ち尽くす廉を見て不思議そうに聞いた。
「いや、あいつらが…!!」
3人の声に気づいたRINAが、「あ、ちょっと来てよ」と手招きした。

「あんた達、もう慣れたもんでしょ?家では美男に教えてあげてよ」
「ちょ、お前なに言ってんだ!俺らが教えるって…んなことできるか!」
「何よ、そんな怒ることでもないじゃない…」
声を荒げる廉に、RINAは口を尖らせた。
「?どうして教えてくれないんですか?廉さん…」
首を傾げて、上目遣いの美男に一瞬たじろぐ。
「お前、自分が何を言ってるかわかってんのか…?」
「廉さんがダメなら柊さんと勇気さん、お願いします!」

「ねぇねぇ、そもそも何のことなのさ?何を教えればいいわけ?」
「そうだよ、俺達何のことか…」
会話についていけず、2人はRINAに尋ねる。

「あーごめん。美男がさ、今まで一度も眉毛を抜いたこと無いって言うのよ」
「だって、目の上だしなんか怖くって…皆さん、痛くないですか?」
まゆげ…眉毛?!何の話だ!?
廉は自分の勘違いに、頭が真っ白になる。

「あぁ〜。そのくらいお安い御用!根元をしっかり挟んで、
ゆっくり抜いたら痛くないし…美男の眉、元の形はイイんだからさ」
「そうそう、何度もやれば気持ちいいくらいに抜けるしね。
 あまり抜き過ぎないように気をつければいいよ」
「そうなんですね!じゃあ、綺麗な眉になるように頑張ります!」
決意を固め、眉の手入れごときにで気合を入れる美男に柊と勇気は笑い合った。

「ん?廉、どうかしたー?あ。ほらみんな!もうすぐ時間よ、早く行かなくちゃ!」
RINAに促され、廉だけはやや肩を落とし、重い足取りで控え室を後にした。
404名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 18:47:59.93 ID:O0er8g7F
以上です。
友人が昔、実際に学校の先生に聞かれて誤解された会話を元に書きましたw
405名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 18:55:07.80 ID:O0er8g7F
あ!時系列は、美子が美男のフリして、廉さん(と柊さん)だけ知ってる頃です。
406名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 19:19:12.29 ID:yEVFrwOq
廉さんばかだwwwかわいすぎるww
なんかもう、廉さんに関しては馬鹿な子ほどかわいいみたいな感じになってるw
おかしいな、俺様キャラなのになぜそんなことに?
そして「デタラメ」なんだwww

いいなあ、こういうのもすっごく好き!
407名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 19:23:00.53 ID:JAv+ILog
ドア越しに百面相してる廉さんが目に浮かんでとても愛しく思うw
408名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 19:25:53.46 ID:rTyqr/Wt
>>404
想像のはるかナナメ上だった…!w
すっごく ”らしい” 話をありがとう〜!
409名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 20:14:03.97 ID:r/5TkrP9
廉・美男のコンサートの夜の話の大作ありがとう。
これ、オフィシャルブック2の袋とじにしたら売れそうだよ。
410名無しさん@ピンキー:2011/10/17(月) 21:12:26.74 ID:lQ73XppR
GJ!
おかしい、廉さんはアジアで大人気のカリスマバンドのリーダーなはずなのに…
でも愛しいw

>>409
まあまあまあまあ、エロパロスレのことはあくまでエロパロスレで…

411名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 18:42:03.77 ID:CNakjc3Q
初めて投下します。
廉×美子大好きですが、自分ではなかなか書けないのでマイナーな柊×NANAにチャレンジしてみました。
廉×美子と色々リンクしてます。そしてNANAの背景が良く解らず捏造多々あるので、苦手な方がいらっしゃったら申し訳ありません・・・。
エロなし、時系列は最終回後、美子がアフリカに行って間もなくくらいの話です。
物凄く長くなりそうな予感・・・。とりあえずキリの良いところまで投下します。
412名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 18:48:43.25 ID:CNakjc3Q
「NANA、撮影終わったらすぐ事務所に戻るよ。社長が呼んでる」
「…社長が?」

ファッション雑誌の連載用の写真撮影の合間、神妙な面持ちのマネージャーの笹木から思わぬ通告を受けたNANAは目を丸くしつつ、素直に頷きメイク直しの続きをトオルに任せて鏡台に向かう。
「社長さん直々の呼び出しなんて珍しいわね?…あ、もしかして新しいCMでも入ったんじゃない?」
「…馬鹿ね、そんなものある訳ないじゃない。あの騒動で契約打ち切られまくってるのに…」
嬉々としてチークを塗り直しながらトオルが予想した有り得ない状況をバッサリ切り捨て、眉を寄せ心底嫌な顔で溜め息を吐く。

そう、あの日廉が美子に愛の告白をした件とほぼ同時にワイドショーを連日賑わせたNANAの破局報道は、トップアイドルに昇り詰めようとしていた彼女にとって大きな痛手となっていたのだ。
スキャンダルに敏感なスポンサーは次々とCM契約の打ち切りを申し出て来た上、決まり掛けていた主演ドラマの話もご破算となった。
あれ以来、とても気まずくてまともに顔すら合わせていなかった社長からの急な呼び出し。色々と暗い想像ばかりが脳裏を過りNANAの顔色は不安に曇る。

「まぁまぁ、そんな顔してないで!あとは取材がちょっとだけだし頑張って!」
「…あんたってホントにいつもお気楽で羨ましいわ」
「あら、オカマにだって色々悩みはあるのよ?今度じっくり教えてあ・げ・る!」
廉を諦めて仕事一本でやって行こうと心に誓ったものの、破局報道にストレスが溜まる一方の自分とは裏腹に能天気なトオルを見るとますます肩が凝るような気がして、NANAはさっさとスタジオへ向かった。
早く取材を終わらせて社長に会いに行かなければならない。

「…やっぱり、叱られたりするのかしら…」

413名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 18:51:24.29 ID:CNakjc3Q
取材が少し早く終わってからすぐさま笹木に連れられ、事務所の社長室前まで直行した。
「僕はまだ三澤くんの打ち合わせがあるから、社長とは二人で話してくれる?じゃあまた後で何かあれば連絡してね。」
「…ええ、またね」
笹木は淡々と言いたい事を告げ、NANAと兼任している若手俳優のマネジメント業務へと急ぐ。
これまでと違って素っ気なくなった彼の背中へアッカンベーを送り、深呼吸し気持ちを少し落ち着けてから社長室の木製のドアをノックした。

入室の許可が下りると神妙な顔で中へ入り部屋の奥のデスクへ近付けば、眉間に皺を寄せたまま何かの書類を眺めている初老の男性の前で軽く頭を下げる。
「お疲れ様です。…今日は、あの…」
「…NANA、お前は今自分がどういう状態か分かっているな?」
挨拶もそこそこに、社長の荻野が切り出したのはNANAが一番恐れていた話を予感させる一言で。
小さく「はい」と答えれば荻野は眉間の皺を一層深くして大袈裟なまでに溜め息を吐く。
「…決まり掛けていたドラマ主演が、あの事務所の新人女優に変わったのは本当に痛い。あそことうちは昔からライバル関係にあるのはお前も知ってるだろう」
「……すみません…」
「謝って済めばいいんだがね。…桂木廉との勝手な交際報道はまだ良かった。あれがきっかけで増えた女性誌の連載もあったようだしな。…だが今回は救いようが無いぞ。あんな、一般人の小娘相手にトップアイドルのNANAが負けた、なんて言われて…イメージダウンも甚だしい」
刺々しく威圧的な物言いに背筋が冷えていくのを感じる。

確かに今まで廉との交際報道を除きスキャンダルとは無縁だったNANAにとって、一般人の美子相手に恋に敗れる形で面白可笑しく取り沙汰された破局報道は大打撃だった。
男性ファンは喜んだかも知れないが、人気絶頂の廉を恋人に持つNANAに憧れていた女性ファンは騒動以降、潮が引くように激減してしまったのである。
実際、今日のファッション誌の連載取材も急遽最終回と銘打たれていたし、スタッフらのよそよそしかった態度が今でも腹立たしい。

「…社長、あの…私はどうすれば…」
「今日は新しいCMの打ち合わせがあってなぁ。メインはA.N.JELLの藤城柊だが、うちからも三澤時哉が出る事になった。」
「え…?」
414名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 18:53:27.85 ID:CNakjc3Q
どうにか汚名返上策は無いかと荻野に尋ねるより先に、突然何の脈絡も無い話をされNANAは怪訝な顔で首を傾げる。三澤と言えば、マネージャーの笹木が最近面倒を見ている若手俳優だ。
荻野社長の意図が掴めず目線で訴えれば、彼は今までの不機嫌な表情を一変させ、さも愉しげに口端を吊り上げると今まで手にしていた書類を差し出して来た。訳が分からないまま、それを受け取り目を通す。
「…モテる男はヘアケアが命…?男性用シャンプー、整髪料シリーズのCM…スポンサーは、株式会社Sarara…」
「そうだ。それに今うちのイチオシの三澤が、藤城柊と共演する事に決まったんだよ。いやぁ、この枠を勝ち取るには相当苦労をした。…社長がお前の大層なファンだと知るまでは…な」
NANAはハッとして顔を上げる。ニヤニヤと意味ありげに笑う荻野の目が、まるで品定めをするように自分を見ていた。

「……もしかして、ここの社長を“接待”しろ、という事ですか…?」
噂には聞いた事があった。以前から、なかなか売れない女性タレントたちが荻野に所謂“パトロン”の斡旋依頼をしていると。
NANAはデビュー当時からすぐに人気が出た為にまるで現実味の無い話だと思っていたが、まさかそれが本当で、更に自分へ御鉢が回って来るとは。
「ほぉ、さすがに察しが良いな。後輩たちがやっているのを聞いたりもしただろうが……NANA、もう後が無いお前がどうするべきか、よーく考えておけ。決心が付いたらいつでもここに連絡してくれ、との事だ」
今にも震えそうになる手をどうにか気丈に伸ばし、荻野が示したメモを受け取る。
そこには神経質そうな字で書かれた携帯番号とメールアドレスがあった。
「……もし、これを拒否したら……」
「まぁ…そうなると大変な事になるな。この契約が破談になれば我が社の損害は計り知れない。まだ駆け出しの三澤の将来を潰すだけじゃなく、メインで出演する藤城柊やA.N.JELLのメンバーにも迷惑が掛かるだろう。お前の行動一つで、みんなが助かるという訳だ」
嫌味なほど冷静な口調で突き付けられる現実に、NANAはもう何も言えなくなった。
俯き目を閉じると、別れてから初めて穏やかに声を掛けてくれた廉の顔が思い浮かぶ。
『嘘つき妖精でも、お前の笑顔で元気になってる奴が何万人も居るんだ。何があっても、そいつらの為には笑ってやれ』
彼を諦めて仕事を選んだ、自身のプライドに懸けて…こんな所で終われる筈が無い。

NANAは下唇を噛み締め手にしていた書類とメモをキツく握ると、荻野を真っ直ぐに見据えた。

「……分かりました、やります」
415名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 18:58:04.65 ID:CNakjc3Q

社長室から出てしばらく、NANAは事務所の廊下に立ち尽くしぼんやりと夜空を見上げていた。
よく晴れた空には都会とは思えないほどの輝く月や星が浮かんでいて、高層ビルの上層階から見下ろす
夜景も素晴らしい。…だが、今はそんなものは何も心に響いて来なかった。
柊と三澤のCM契約を実現させる為に、今や事務所のお荷物となっている自分が犠牲にならなければならない。

「…女が落ちぶれるのなんて、あっという間ね……」
自嘲的な笑みを零し、呟く。
あれほどの大々的な愛の告白は世間の話題をさらい連日取り上げられたが、男であり元々大人気バンドのボーカルの廉は、
最初女性ファンは減ったものの潔い男らしさが認められ新たに男性ファンなどが自然と増え、他のメンバーの人気も後押ししA.N.JELLは今も
活動の幅を広げつつある。
一方のNANAは、幼い頃から女優に憧れ、必死にオーディションを受けては落ちる日々を経験し、やっと声を掛けてくれた今の事務所で不本意な
“妖精キャラ”を演じてアイドルになれと命じられても、持ち前の演技に対する情熱とプライドでどうにか一人で頑張って来たが、もう限界なのかも知れない。

「……廉、私は…やっぱり妖精なんかになれないみたい」

自分の本性を知っても避ける事はせず、嫌がりながらも普通に接してくれた廉のぶっきらぼうな態度を思い出し、頭を抱える。
そこでふと、耳に触れた指先に慣れた感触が無い事に気付き顔を上げた。
「あ…イヤリングが無い!…どうしよう…」
今朝からずっと右耳に付けていたはずの、星形のイヤリングがいつの間にか無くなっている。NANAは今まで以上に表情を曇らせその場にしゃがむと床をキョロキョロと見渡して探し始めた。
廉が好んで身に付けていた星形のピアスに似た、大切なイヤリングだった。
当然、ねだってもケチな彼がプレゼントしてくれる訳もなく、自分で探して購入したものだが。
「どこ行っちゃったのよ…」
周囲には落ちていない。困惑顔で溜め息を吐くと今まで自分が辿って来た道を引き返す。
せめてあのイヤリングだけでも、手元に置いておきたかった。

416星をさがして 柊×NANA5:2011/10/18(火) 19:06:15.51 ID:CNakjc3Q
「では藤城さん、馬淵さん。撮影はほとんど企画書通りの内容になるかと思いますので、もう一度よくご検討いただけますか?よろしくお願いします」
「はいはい!かしこまりました〜!柊も乗り気ですし、社長ともじっくり話してお返事しますので!」
「今日はありがとうございました。失礼します」
いよいよ本決まりになりそうなCM契約の打ち合わせを終えてハイテンションな馬淵と相変わらず物腰が柔らかな柊は、NANAの事務所の応接室を後にし出口に向かって歩いていた。
「いやぁ、ついにA.N.JELLもソロでCMか!その第一段が柊だ。
廉はさすがにまだスキャンダルの影響で難しいからな、お前には頑張ってもらわないと!」
「そうだね。テーマソングも歌わせてくれるって言うし、俺は全然この企画書通りで構わないよ。…強いて言えば、“抜け毛を徹底予防!薄毛ゼロな日本男児を目指せ!”ってキャッチフレーズはどうかと思うけど…」
A.N.JELLから初めてソロでCMに出演し、テーマソングまで依頼されたとなり契約はまだ締結されていない段階からはしゃぎまくる
馬淵を尻目に、柊は企画書のインパクトを強める“脱毛”やら“薄毛”という文字に苦笑を漏らした。
まだ若い内からこんな事を心配しなければならないなんて、男とは切ないものだ。

「お前らはまだ20代前半だからな〜。でも若いうちからのケアが大事な訳よ!俺も社長も薄毛なんて関係無いけどよ、禿げる奴は30代前半でもツルッツルだってさ。怖ぇな〜!」
「…何か、想像しただけで寒くなるね。うちは家系的に大丈夫だと思うけど…」

馬淵との薄毛話をつい熱心に繰り広げつつ事務所のエントランスを出ると、こちらへ入る瞬間にも感じた花の香りが風に乗って鼻孔をくすぐる。
ビルのすぐ左隣に、こじんまりとした庭園があった。
どうやら事務所社長の奥さんの趣味で、敷地内に花を植えガーデニングを楽しんでいるらしい。
「よし、ちょっくら車を回して来るか!」
「あ、いいよ。先に帰ってて?俺はこの庭園を見てからタクシーで帰るよ」
「そうか?じゃあ気を付けて帰るんだぞ。…あばよ!」
合宿所の温室でハーブを育てている柊はガーデニングにも興味が沸き、馬淵の車を断り
笑顔で彼を見送ってから庭園へと足を向ける。
入口には一応警備員が居たが、柊は顔パス状態で中へ通された。

「…綺麗だな…」
枝が通路に張り出していて少し通りにくい所もあったが、奥へ進めば丹精込めて育てたであろう美しく香りも豊かな花たちが、
月夜を楽しむかのように咲き誇っている。自身の温室も手入れをしなければと決意も新たにゆっくり見学していると、奥から何やらガサガサと草木が揺れる音がする。
野良猫でも迷い込んだのかと思い、植え込みの影から音のする方を覗く。
「…あ…」
そこには、淡いピンクのワンピースを泥だらけにしながらも必死の形相で地面に這いつくばり、
何かを探しているらしいNANAが居た。


417星をさがして6 柊×NANA:2011/10/18(火) 19:08:51.35 ID:CNakjc3Q
「無い…無い…、ここにも無い…!」
あれから思い付く限りの場所を探した。
社長室はもちろん、事務所の廊下や今日撮影したスタジオにも連絡をし捜索を依頼したが、イヤリングらしき物は落ちていなかったという回答が先程返って来た。
そうなるともう、撮影へ向かうまでの気分転換にと立ち寄ったこの庭園内で無くしたとしか考えられない。
NANAは私服が汚れるのも構わず、長い髪をシュシュで一つに束ね地面に四つん這いになって草木が生い茂る庭園内を隅から隅まで探し回った。
以前、廉から貰ったピンを探していた美子に意地悪をした時と同じく、誰かが持ち去ってしまったのだろうか?
だとしたら、これはあのバチが当たったとしか思えない状況だ。
「…最低………全部無くなっちゃった……」
途方に暮れるNANAは肩から提げていた小さなショルダーバッグを開け、携帯を取り出す。
画面を操作し“桂木廉”の番号を表示させるも、ピタリと動きを止めて項垂れる。
…今更、彼を頼って何になると言うのか。ただ迷惑を掛けるだけ、ますます惨めなだけだ。
「…っ……、ひっ…く、う……」
NANAの大きな瞳から、ポロポロと涙が零れ落ちていく。
もうどんなに想っても廉は自分に振り向きはしない。
だからせめて、彼が応援してくれた仕事だけは頑張ろうと決めた。
その仕事さえ、今は脆く崩れ去ろうとしているけれど。
「…っ………」
涙がやがて嗚咽に変わり始めた頃、自分の頭上を照らしていた月明かりがフッと陰る。
ぐしゃぐしゃになった顔を上げると、切なげに眉根を寄せてこちらを見下ろす…柊が現れた。

418星をさがして7 柊×NANA:2011/10/18(火) 19:11:38.87 ID:CNakjc3Q
「…大丈夫?」
普段バッチリ決まっているメイクも涙で剥がれ落ち、何とも情けない顔で自分を
見上げたまますっかり固まっているNANA。
初めて見る彼女の姿に驚くも、平静を装い地面に膝をついた柊はNANAと同じ目線になり
ポケットからハンカチを取り出して、泥だらけの白い指先にそれを握らせた。
「…どう、して…?」
何故お前がここに居るんだと言いたげなNANAの視線に促され、柊は優しく微笑む。
「新しいCMの打ち合わせがあってね。帰りにここの庭園が見たくて寄ってみたんだけど…
…泣いてる君を見付けたから」
簡潔に理由を話すと、一時的に涙が止まっていたNANAの目尻に再び透明な雫が溜まり、やがて頬を伝って真下のハンカチや指先が濡れていった。
「…そう…本当にCMの話があったの…」
「え…?」
「何でもないの。…格好悪い所、見られちゃったわね…」
未だ涙を流しながら気丈に笑顔を作ろうとするNANAに、柊の胸が痛む。
その姿はまるで、廉を想い泣いていたかつての美子のそれに酷似していた。
きっと、ハンカチと一緒に握り締めている携帯の液晶画面には、廉の番号が表示されているのだろう。
何があったのかは知らないが、こんなボロボロに傷付いたNANAを独りにはしておけない。
柊は急に四つん這いになると目を凝らして地面を見つめる。
「ちょ…、何のつもり?」
「何か探してたんだろ?俺も一緒に探すよ。一人で探すよりずっといいはずだ」
突飛な行動に出た柊を唖然として凝視するNANAに爽やかな笑みを送り、下ろし立てのデニムが泥で汚れるのも気にせず
庭園の端から順番に何か異物が落ちていないか探し始めた。
最初は呆気に取られていたNANAも、いつもの憎まれ口を出す事なく素直に借りた
ハンカチで涙を拭い、携帯と一緒にバッグへ仕舞うと柊と並んで捜索を再開する。
「…無くしたのは、小さなイヤリングよ。星の形の…」
「イヤリングか。…俺はもう一度入口辺りから探してみるから、NANAは自分が居たと思う場所をよく調べてみて?」
失せ物の正体を聞くと柊は一旦立ち上がって捜索方法の変更をNANAに指示し、庭園の入口付近まで移動する。
ここへ来る最中、まだ手入れする前なのか背の高い草木の枝が通路にまで伸びている場所があった筈だ。
「……あ、あった!これか…」
419星をさがして8 柊×NANA:2011/10/18(火) 19:15:06.66 ID:CNakjc3Q
予想通り、枝に引っ掛かったままキラキラと月明かりを反射しているイヤリングを発見した。
入る時には全く気付かなかったほど小さく控え目なデザインのそれを手に取り、地面に意識を集中しているNANAの元へ駆け寄る。

「NANA、あったよ!これじゃないか?」
「えっ!?……これよ、これ!!間違いないわ!」
弾かれたように立ち上がったNANAに見付けたイヤリングを手渡すと、みるみる内に青白かった彼女の頬に赤みが差し、まるで大輪の向日葵が咲いたような華やいだ笑顔が浮かび、柊は思わず息を飲んだ。

「良かった…!もう見付からないと思ってた……柊、ありがとう!」

テレビで見せる作り笑顔や、美子に向けた意地悪な顔でも無い、心から感謝の意を伝えるNANAの笑みは柊の瞳にどんな花よりも美しく、眩しく映る。
「…よ、良かったね。きっとここに入る時、枝に引っ掛かったんだよ。入口辺りは伸び放題になってたから」
「そう…ずっと地面ばっかり見てて気付かなかったのね。本当に良かった…」
愛しそうに手の中のイヤリングを見つめるNANAは、今まで柊が抱いていたイメージとはかけ離れた、普通の女の子だった。

美子と廉を引き離そうと自分まで利用した際は、その腹黒さに苛立ちを覚えたものだが、今目の前に居る彼女からは何の毒気も感じられない。
目から鱗が落ちたような気持ちでボーッとしていた柊に、NANAが首を傾げる。

420星をさがして9 柊×NANA:2011/10/18(火) 19:16:41.11 ID:CNakjc3Q
「どうかした?」
「あ、いや…それ、本当に大切な物なんだな…って」
「…ふふ、自分で買ったんだけどね。誰かさんは絶対何も買ってくれなかったし」
恨みがましく言うNANAの口振りで、廉について語っているのだと悟った。
同じメンバーとして長く一緒に居るが、確かに廉は無駄な物に金を払ったり無闇に女へプレゼントを贈るような男ではない。
柊は小さく吹き出すとNANAに同調して頷く。
「まぁ…ちょっと神経質で、ケチな所があるかも知れないな。でもそれ以上に根は良い奴だから、A.N.JELLは結束力を持って頑張れるんだ」
「……そうね。あの日から廉も、あなたたちも…ますます輝いてるように見えるわ。…まるで星みたいに」

NANAの表情がまた強張るのが分かり、柊は改めて彼女を見遣る。
もう肌寒い季節だと言うのに、半袖の薄いワンピース一枚に身を包んだだけの身体は小刻みに震えていた。
おもむろに着ていたグレーのジャケットを脱ぐと、そっとNANAの肩に掛けてやる。
目を丸くしこちらを窺う彼女が何か言う前に、無意識に手を伸ばし葉っぱや花びらが付着した頭を撫でた。

「…柊…?」
「…俺には、今の君の方が…ずっと星みたいに綺麗に見えるよ」

これでもかと言うほど大きく目を見開いたNANAの頬が赤くなるのに気付き、ハッと我に返る。己の口から滑り落ちた台詞に、柊自身も困惑を隠せなかった。

「…な、な、…い、いきなりクサい事言わないで!」

動揺を露にNANAは柊から離れ、逃げるように走り去って行ってしまった。
やり場のない、彼女の頭を撫でていた右手で思わず頭を掻いて俯く。


「……何やってんだ、俺は……」


421星をさがして10 柊×NANA:2011/10/18(火) 19:19:21.89 ID:CNakjc3Q


庭園から逃げて飛び込んだタクシーの中、NANAは柊のジャケットに身を包んだまま
イヤリングを鞄に入れ、両手で火照った頬を押さえて大きく息を吐いた。
「…何なのよ、あれは……」
じっと澄んだ切れ長の瞳でNANAを見つめ、昭和のトレンディドラマ真っ青な台詞を平然と言ってのけた柊はあまりに様になっていて…
思い出すと胸の鼓動がバクバクと大きくなる。
口では馬鹿にしつつも、柊の優しさと甘い言葉は傷付いたNANAの心に染み渡った。
廉と過ごした苦しくもどかしい日々とは違う、甘酸っぱい果実のような時間。

「…カモミールの匂いがする」

鼻先を柊のジャケットに寄せると、男のむさ苦しさとは正反対なハーブの良い香りがした。
鞄を開ければ、白いハンカチからは同じ香りが漂う。
NANAはクスッと小さく微笑み、イヤリングをそのハンカチで丁寧に包んだ。
「…あなたにお礼をしなきゃね……」

一生懸命探し物を手伝ってくれた優しい彼に、何か恩返しがしたい。
純粋にそう思ったNANAは、鞄から携帯と例のメモを出し静かに目を閉じる。

唇を引き結び、また溢れそうになる涙を堪えると、意を決しメモに書かれた番号に電話を架けた。

422名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 19:23:21.01 ID:CNakjc3Q
以上です。
途中までタイトル入れるのを忘れました・・・。タイトルは【星をさがして】です。
携帯で打ったものをPCに移して投稿したので、改行も見づらくなってしまい本当にすみません。
お目汚し失礼しました。

また続きが出来れば投下したいと思います。
423名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 22:06:33.43 ID:fTfrm99h
>>422
超GJ!
二人の心情がとても丁寧に描かれていて、すんなり感情移入出来た!
切ないけど二人とも幸せになって欲しい!続き気長にお待ちしてます!
424名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 23:16:24.30 ID:8YaAakta
GJ−!!柊×NANAのカップリングも大好物です!
NANAちゃん、接待しちゃうの?うわーん、心配…。
柊さん、超クサイ台詞!!でもそこがイイねw
あと柊さんのCM見たいなぁw続き、楽しみにしています!
425名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 23:21:06.75 ID:/e0Ff0x4
NANAがこんなにいとおしく思えるとは…驚いたなw
接待やだ!だめ!やめてーーー
柊と幸せになって欲しいよ…
続き、楽しみに正座して待ってます!
426名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 23:22:10.24 ID:8YaAakta
しかしこれだけの文章をすべて携帯で打つ>>422さんを尊敬…。
おばさんには無理だよ…腱鞘炎になるよ…w
427名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 00:47:51.67 ID:M3V5jfQ5
>>422です。
見づらい文章にGJを戴けて幸せです。
昔からどうしても携帯じゃないとストーリーが浮かばなくて…

続き頑張ります。
428名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 22:07:27.41 ID:bLc7DnqX
そろそろどエロも読みたいです…

お願いします〜
429名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 22:14:51.52 ID:6yMrehIb
美男4人の中で、ドエロ、ドエスが出来そうな人って一人しかいないような。

このスレ読んだ廉さん、柊さんと美子が一線超えてたと知って激怒しないのかね〜。
430名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 22:40:27.09 ID:bLc7DnqX
「そろそろ童貞じゃない廉さんも読みたいです」
ってレスあったら、それは廉さんの書き込みだと思うw

童貞だけどS!?な廉さん見るとどエロいけそうだよね
431名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:13:46.54 ID:2nNV64QH
ドエロ…って鬼畜系?ってわけじゃないよねw
廉がホントに百戦錬磨のテクニシャンだとか、美子が急に発情して
エロくなって迫るとか考えられないので、ドラマのキャラが立ってるって
書きやすいような書きにくいような…難しいよー。
ってことで、どなたかお願いしますw
432名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:21:04.63 ID:fR5Cap1Q
どエロの基準がいまいちよく分からん。
コスプレプレイとか?3人に輪姦されて目覚めてく美子とか??
それで、最終的に誰を選ぶのかとか?ww
433名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:21:09.53 ID:chdxA1/0
エスはやっぱりあの方にお任せするしかないと思う
異論は認める
434名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:25:55.06 ID:gkm1hmmy
逆にDT設定な柊さんというのも読んでみたい。
435名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:27:31.63 ID:2nNV64QH
社長と秘書沢木のオトナのエロとか?w
DT柊さん、超見たいかも…!!新ジャンルw
436名無しさん@ピンキー:2011/10/19(水) 23:34:42.61 ID:UrRQFEIo
廉柊勇気×美子の4P読みたい
NANA×美子レズいじめとかも
437名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 01:39:36.71 ID:m5HJgDbn
美男×NANAを書いたものです
続きを投下してみます
どエロを求める空気の中、エロなしで突っ走りますがお許しを…

前回
>>318-323
438美男×NANA7:2011/10/20(木) 01:41:44.57 ID:m5HJgDbn
「あ〜あ、なにかいいことないかな…」
NANAは毎晩、眠りにつく前に考えていた。
廉のことを思い出さなくてもすむこと。胸がチクチク痛むのはもうイヤ。

この前テレビ局で美男に会って、少し話して。
最初は、わりと楽しかったのよ。優しそうだなぁって思ったりして。
でも美男の目を見てたら、だんだん美子に見えてきて。そしたら廉まで思い出しちゃって。
廉が好きで、好きで好きで、大好きだったのに、どうしても振り向いてくれなかった…。
「美子がいない今のうちに、また廉に近づいてみようかな…」
ううん、それはムリ。あの2人の間には入れないって、イヤっていうほど思い知らされたじゃない!
もう終わりにするって決めたのに…。
なによ、廉のバカ。
早く頭の中から出て行ってほしいのに。どうして消えてくれないの?
「んー、もうっ」
こんな気持ちになっちゃったの、ぜんぶ美男のせいなんだから…。
美男のバカっ。


冬も近づいてきたある日、美男は1人でテレビ番組にゲストとして出演することになった。
台本に目を通してみると、出演者の中にNANAの名前を見つけてうれしくなって…そして胸がチクリと痛んだ。
「まだ、俺のことまともに見れないかな…」

スタジオに入り、席に着くタイミングを見計らってNANAに声を掛けた。
「あの…おはよう。よろしく」
「美男さん…おはようございます…」
NANAの態度がそっけない。仕方ないとは思ったけれど、やっぱりショックでテンションが下がる。
今日の番組はいわゆる雑学バラエティーというのか、短い映像を見て出演者がコメントを言っていくというものだった。
正直なところ退屈な番組だったけれど、最後に流れた映像を眺めていたら目が離せなくなった。
439美男×NANA8:2011/10/20(木) 01:43:46.46 ID:m5HJgDbn
『ヤマアラシのジレンマ』
寒空の中にいる2匹のヤマアラシ。冷たい風が吹きすさぶ中、凍えていました。
寒さをしのぐためにはどうすればいいか?そう、お互いに身を寄せ合って暖め合えばいいのです。
けれど、そうわかっているのに、それはどうしてもできなかったのです。
なぜなら、近づけばお互いの針が刺さってしまうから…。

「さあ、これはドイツの哲学者でショーペンハウアーという人の寓話だそうなんですが…。
NANAさん、このお話見ていかがでしたか?」
「すごく切ないお話ですね…。あ、涙出てきちゃいました…えへ、ごめんなさい」
そういって少しはにかみながら指先で目元をぬぐう。
「わ〜、NANAさんって感動屋さんなんですね〜、可愛い〜!」
司会の女子アナが大げさにコメントをする。
「ではもう1人、A.N.JELLの美男さん、いかがだったでしょうか?」
「おれ…僕は、なんとなくこの辛さがわかります。実は昔、僕がいることで悲しい思いをさせてしまった人がいて…。
僕の存在が相手にはヤマアラシの針だったというか…。上手く言えないんですけど」
「あれ〜、なんだか意味深ですね?もしかしてその相手は女の子、かな?」
「…はい、大好きな子だったんだけど…上手くいかなくて」
「そのお話、すごく気になりますね〜!うーん、もっと突っ込んで聞きたいところですが、
残念ながらそろそろお時間となってしまいました。それではみなさん、またお会いしましょう!さようなら!」

「はいOKでーす!お疲れさまでしたー!」
ADの声がスタジオに響く。
椅子から立ち上がり、共演者に挨拶をしてスタジオを見回し、NANAの姿を視界に捉える。

NANAに針を向けるのは俺―
NANAは俺の後ろに美子を見て、そしてその隣にいる廉を見る。
俺の顔はNANAにとっての針だ。悲しい記憶を呼び起こす。

俺に針を向けるのはNANA―
NANAの悲しい記憶は俺にとっての針だ。それは廉へのくすぶる想い。
その想いが消えなければ、NANAに近づくことはできない。

NANAと一瞬目が合った。けど、すぐに目を逸らされた。
俺…避けられてるんだろうな。一体どうすればいいんだろう…。
440美男×NANA9:2011/10/20(木) 01:45:51.91 ID:m5HJgDbn
夜のリビング。
美男は食事が終わるとすぐに自分の部屋へと引きこもる。
「柊さん、美男ったらこの頃すぐ部屋に戻っちゃうね。なんかおかしいと思わない?
元気もないし、あいつ何かあったのかな?」
「うん、いろいろ悩んでることがあるみたいでね…」
「えっ、何か知ってるの?」
「お前だから話すけど…美男には内緒だぞ。実はさ…」

「そっか…なんだか可哀想だね。なんとかしてやれないのかな?」
柊から事情を聞き、勇気がいい方法はないかとあれこれ頭を巡らせて…。


「ゆ、う、き、くぅ〜ん!会いたかったぁ…あれぇ?今日は逃げないの?」
今度トオルに出くわしてしまったら頼もうと思っていたけど…やっぱヤダよぉ〜!
でもこれは美男のためだ!ガマンガマン!
今すぐにでもこの場から逃げ出したくなる気持ちを抑えて、思い切って口を開く。

「実は、とっ、トオルに、頼みがあってっ!」
「えっ?やだ勇気くん、うれしい〜」
そう言ってトオルは勇気に抱きつこうとする。
「ち、ちょっと待った!頼みがあるって言っただろ!それが出来たら何か考えてやってもいい、よ…」
全然よくないけど!
「いや〜ん、どうしよう。何がいいかなぁ?」
トオルに頭の先から爪先まで、じっくりと熱っぽい視線を送られて思わず背筋が寒くなった。
「なにって、せっ、せいぜいハグまでだぞ!それ以上はぜっっったいにナシっ!」
「なーんだぁ、つまんないのっ。でもぉ、勇気くんのお願いだから聞いてあ・げ・る」
441美男×NANA10:2011/10/20(木) 01:47:59.67 ID:m5HJgDbn
「み、お、くんっ」
「え、あっ、はいっ!…何か?」
うわ、トオルが俺に何の用?まさか、勇気から乗り換えた…?!
「ちょっとこっち来てくれる?」
NANAのヘアメイクに向かって嫌とも言えず、仕方なく付いて行った先の部屋で、ソファに座らされ…
トオルが美男の隣にぴったり貼りつくように座って、じっと美男の目を見つめた。
ま、マジでヤバイかも…
そんな心配をしていた美男だったが、トオルの口からは意外な言葉が出てきた。

「ねぇ美男くん、NANAのこと、好きなんでしょ?」
「え、なんでそれ…」
「うふふっ、見てればわかるもん。…僕も、いつも辛い恋しかしてないから」
トオルが突然真面目な顔をして話し出す。あまりの変化にビックリしたけど、気持ちがストレートに伝わってきた。
「いつもNANAのことを目で追ってるの、気付いてたよ。でも、振り向いてもらえないんだよね?」
「まあ、はい…」

「実は、一目惚れ…みたいで」
ジェットコースターのようにめまぐるしくて、誰のことも考えてる余裕なんかほとんどなかった頃。
「仕事に慣れてきて、ちょっと心に余裕が生まれたっていうか。そんな時にNANAを見かけて…。
ここに、突き刺さりました」
美男は右のこぶしで左胸をグッと押さえていた。
「まだ彼女のことよく知らないし、それにNANA、まだ廉のことを忘れてないから…」
「そうみたいだね…。でも僕ね、NANAはもう前に進まなきゃいけないって思ってるんだ。
あの子があんなにしおらしいなんて、全然NANAらしくないんだもん」
そう言ってトオルがほっぺたをふくらませる。
「ねえ美男くん、僕にも協力させてくれるかな?NANAには、幸せになって欲しいから…ねっ?」
そう言うとトオルは優しく美男に微笑んだ。

「ありがとう。うれしいです!」
心底うれしくなって、普段どおりのキラキラした笑顔を見せると、トオルがいつものキャラに戻った。
「…やだ、美男くんもかわいい〜!なんだか、好きになっちゃいそう…」
「わっ、嘘でしょ?!」
442美男×NANA11:2011/10/20(木) 01:50:03.07 ID:m5HJgDbn
テレビ局のメイク室。
NANAがパラパラと、さほど興味もなさそうにファッション誌を眺めていたが、突然ページを繰る手が止まり…
そこには白い衣装に身を包んだA.N.JELLの姿があった。

「NANA、また廉のこと考えてたでしょ?」
「うるさいわね、別にいいでしょ?ほっといてよ!」
「も〜、NANAったらぜんっぜん可愛くない!もうガッカリっ!」
トオル…どうしたの?いつも怒ったことなんてないのに…。
「な、なんで怒ってるのよ?」
「いつまで廉のこと引きずるつもり?そんなんじゃずっと寂しいだけじゃない!」
「だって、美男が!」
「美男くんがなによ?」
「美男が美子のこと…廉のこと、思い出させるんだもん…」

私に針を向けるのは美男ー
あの子を見ると、大好きだった人を思い出す。

目を伏せるNANAにトオルが諭すように声を掛ける。
「ね、ちゃんと考えてみて。美子も廉も、もうNANAのそばにはいないんだよ」
「そんなことわかってるわよ…」
「でもね、NANAのことをもっと近くで見ててくれる人がいるって知ってた?」
「え…」
誰のこと?
「美男くん、ずーっとNANAのこと見てるよ。大好きなのに、NANAが思い出に逃げちゃうから近づけないの。
廉のことはもう、本当の意味で思い出にしなくちゃ、ねっ?」
…その通り、なのかも。
視線はなんとなく感じてた。でも、目を合わせることができなくて…
美男は美子じゃないのに、あたしずっと逃げてたんだなぁ。バっカみたい。

「トオル、後で行きたいとこがあるんだけど…一緒に来てくれる?」
443美男×NANA12:2011/10/20(木) 01:52:04.84 ID:m5HJgDbn
A.N.JELLの事務所にNANAとトオルがやってきた。
「こんにちは…」
「やあNANAちゃん!ここに来るのは久しぶりだね〜。えーっと、今日はどうして?」
「あの、美男さん…いらっしゃいますか?できれば、2人きりでお話したいんですけど…」
「廉じゃなくて…美男でいいんだね?おい馬淵、美男呼んでこい!」
「はいっ!」
社長室を出て行こうとする馬淵をトオルが呼び止める。
「あの〜、勇気くんもお願いしまぁす」
「えっ?!…あ、ああ、いま呼んで来るから、待ってろよ!」

おい美男、NANAが応接室で待ってるぞ!
馬淵に呼ばれて…一瞬自分の耳を疑った。
俺?廉じゃなくて?

廊下を歩きながら、なんだか怖くて逃げ出したくなった。たまらなく会いたかったけど、いざとなると…。
応接室のドアの前で深呼吸する。
自分の鼓動が大きすぎて、ドキドキいってる音が周りに聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいだ。
よしっ。

「久しぶり…だね。…どうしたの?」
「えっと、ちょっと話があって…」
そう言っておきながら、NANAがなかなか口を開こうとしない。
気まずい沈黙が流れて、なにか言わなきゃ、美男がそう思って口を開きかけたその時。

「あのね、美子はもう…いなくなったから…」
えっ?
「あなたは美子じゃなくて、美男だったのよね」
「NANAちゃん、それって…」
「だからっ、もう私に近づいてもいいってわざわざ言いにきてあげたのよっ!じゃあねっ!」
それだけ言って、NANAはあっという間に部屋から出て行ってしまった。

えっと、えーっと…。夢じゃないよね?
ほっぺたをつねってみる。…痛い。
うれしさがじわじわとこみ上げてきて、そして爆発した。
「よっしゃー!」
美男の声が廊下にまで響いてくる。
エレベーターホールに向かいながら、かすかに聞こえる声を聞いてNANAはクスッと笑った。
「美男のバカ…」

それと同じ頃、どこからか勇気の叫び声も聞こえて来たような、来ないような…。
444名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 01:54:06.03 ID:m5HJgDbn
今回は以上です
思っていたより長くなりそうでここからどうしたものやら…

あ、勇気に土下座しなくちゃw
445名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 02:55:57.95 ID:cI6dgqp2
美男NANAGJ!!
この二人なぜか応援したくなる!

そしてDT柊さんかなり見たいwww
ありえなさすぎるけど、DT柊さんと美子だったら…
気を遣い合って先に進まなさそうwww
廉美子と違った可愛さが!
どなたか神が書いてくれる事を祈る!
446名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 06:50:20.75 ID:oX3YFgQU
美男とNANAうまくいってほしいなぁ。
続きまってますね
DT柊さん、年上のお姉さんに、
「教えてあげるつもりだったのに…あなたホントに初めてなの…?」
とか言われてそうw
447名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 06:54:27.63 ID:YeDwgQya
GJ!よかったね、美男!
勇気は犠牲になったのだ…
448名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 18:50:25.32 ID:Xyn1r0vO
>>444さん
ヨッシャーと叫ぶ美男兄、可愛い〜NANAとは美系カップルになりそうだね。

柊さん、あのエロ仕草や表情がDTとは想像出来ないがw
童貞こじらせたからこそ、あの執念・STKだったのか。
初恋実らせて、二人で爽やかに朝チュンなんて、乙女チックな理想があったのかもね。
誰か柊さんの儚い夢を叶えてあげて☆
449名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 20:07:28.62 ID:09HaNXxV
>>444
美男×NANAもいい組み合わせ!徐々に近づいてく2人、気になります!
NANAも素直になればカワイイよねー。一途そうだし。
続きも楽しみにしています!

DT柊さんか…想像してたよりもグロテスクな部分を見て…驚いたな、的な?w
450名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 20:27:49.92 ID:09HaNXxV
エロも無い上に、全然需要がないのはわかってるんですが、
とりあえず書いちゃったんで投下させてくださいw
廉と廉母で、>>297-305 (廉Bierthday)のプロローグ的なお話です。
451廉Birthdayプロローグ1:2011/10/20(木) 20:29:39.68 ID:09HaNXxV
「…なんですって?あの子が、まだ…?」
「はぁ…申し上げにくいですが、調査結果を見る限り、そのようで…いえ、
 はっきりそうとは断言できませんが…」
水沢麗子は、眉を顰めた。
自分に対していつも忠実なマネージャーの橘が、こんなことで嘘の報告をするとは思えない。となると…
「私の息子が…25にして、まだ…童貞…かもしれない、なんて…」

手術の後、大きな声はもう出せずに自慢だった美しい声も、低くかすれてしまった。
それでも、手術を受けたことで失っていた大切な息子との絆を取り戻しつつあり…
麗子は"こんな人生も悪くは無いわね"と思い始めている。

10日後に迫った、廉の誕生日にプレゼントするものを考えていたが、
なんせ今までほとんど祝ってこなかったせいで、何が喜ぶのかさっぱり見当がつかない。
駄目な母親の汚名を返上すべく、麗子は橘に依頼して廉のこれまでの行動パターンや、
交際履歴などを調べつくすことにした。
すると…女性との接触がほぼ浮かび上がらない。
「あ、でも去年…NANAって子との熱愛報道があったわよねぇ?」
「はい、でもあれは…ほとんど2人で会っている形跡も無いらしく。
 桜庭美子さんと付き合う時期からしても、フェイクだったと言えるでしょう」
「そういえば、そうね…廉はそんなに器用じゃないわ」
橘の調査は予想以上に本格的で、知りたかった以上の情報が出てきたことに麗子は苦笑する。
昨年から美子と付き合っているとは言えすぐに離れ離れになっているし、
あのウブな娘を相手に、もう手を出しているというのは考えにくい。

「あ、それから。来週なんですが、美子さんが一時帰国されるそうです」
「え?あの子が…帰ってくるの?!橘、それを早く言いなさい」
「は…はい、すみません」
「これで…廉へのプレゼントは、決まったわ…ふふっ」
麗子は、にんまりと橘に微笑みかけた。
452廉Birthdayプロローグ2:2011/10/20(木) 20:30:55.91 ID:09HaNXxV
その数日後。麗子の部屋に呼び出された廉は、仕事を終えて少し疲れた面持ちでマンションに向かった。
ここ最近は、デコメを覚えたからメールしてみた、だの。
今日新しく買ったドレス、どうかしら?と写メを送ってきたりだの。
何かと交流を図ろうとする母に、廉はやや戸惑っていた。
それでも、新曲を聴いた感想などは廉も素直に受け止めている。
ライブにも招待するようになり、ようやく普通の親子のように接することが出来ている気がする。
さて、今日は何の用なのか…呼び鈴を押すとインターフォンに出たのは、橘だった。
開錠されたドアを押し開けると、美味しそうな匂いと少し焦げたような匂いが混ざって廉の鼻をくすぐった。
「廉〜よく来てくれたわね」
麗子が白いエプロン姿で奥から出迎えた。
その姿に、幼い頃から夢見た母親像が重なり、廉は複雑な気分になる。
ダイニングテーブルには、鮮魚のカルパッチョ、生ハムのサラダ、ローストチキンなどが並べられ、
その横では廉の好きなシャンパンが冷やされている。
廉が椅子に座ると、表面が焦げてしまったグラタン皿を手に、麗子が戻ってきた。
マネージャーの橘は、それを見届けてから帰っていった。

「ちょっと失敗もしてるけど、私が全部作ったのよ。ま、橘にも手伝ってもらったけど。
 あなたの誕生日、少し早めに祝いたくって…」
「え…?誕生日…?」
「ねぇ、冷めないうちに食べてみて。シャンパンも飲みましょう?」
ボトルを掲げて微笑む麗子を、廉は呆然と見上げた。
並べられた料理は、プロ並とは言えなかったがどれも手作りの優しい味がした。
何より、母が手間をかけて作った料理だという事実が廉には最高のスパイス。
今までの寂しかった誕生日を思い出し、廉の視界が少し潤んだ。

「そういえば来週、美子さんが一時帰国するそうね?」
「あぁ…10日間だけだけど」
「へぇ〜そう。何か計画してるの?」
「いや、別に…って、関係ないだろ!」
不貞腐れたように自分を睨む廉を、麗子はヤレヤレといった風に見つめた。
「廉。誕生日の当日、ここに行きなさい」
「え?」
差し出された1枚のパンフレットは、誰もが知っている高級ホテルのものだった。
「ここのフレンチレストランに8時に予約入れてるわ。それから、宿泊予約もね」
「はぁっ!?」
「美味しいもの食べて、美子さんと一緒にゆっくり過ごせばいいでしょう?」
麗子はにっこりと微笑んだ。
「ちょ、っと待て、俺はそんなこと頼んでないぞ!?」
「もちろん、私からのプレゼントよ?受け取ってくれるわよね?」
「だからって…宿泊までって…」
みるみる顔を赤らめる廉の様子に、麗子は童貞説が真実だと確信した。
「そんなことわざわざ母親にお膳立てされるとか、おかしいだろ普通…」
「いいじゃないの。初めてのことだろうから少しくらい助けたいのよ」
「はっ、初めてって何だよ!あんた何を知ってるって言うんだ!?
 俺はそんなの絶対受け取らねぇからな!」
廉は図星をつかれて焦っていた。しかし麗子は優しく微笑む。
453廉Birthdayプロローグ3:2011/10/20(木) 20:31:37.12 ID:09HaNXxV
「そうだ、ケーキもあるわよ。ろうそく立てないとね」
夜盲症の廉には怖いくらいの暗闇に変わった部屋で、太いロウソク2本、
細いものが5本刺さったケーキの上に明るい炎が揺らめく。
「ハッピーバース…ケホッ…デイ…んっゴホッ」
「無理して歌うなよ!ノドきついんだろ…?」
「ン…情けないわね…息子に歌も歌ってあげられないなんて」
「もう、いいよ。その…気持ちだけでさ」
廉は、照れくさそうに視線を逸らして言った。
「でも。さっきのプレゼント…受け取ってくれないと、また歌うわよ?」
ロウソクの炎の奥で、麗子は意地の悪い笑みを浮かべている。
「ふん…わかったよ、受け取ればいいんだろ?だからもう無理しないでくれ」
「ふふっ、あなたならそう言ってくれると思ってた」
そうして、親子水入らずの夜が更けていった。

「廉さんは、先ほど…チェックインされたようです」
廉の誕生日当日、橘が電話で麗子に報告した。
「そう…ありがと」
麗子は電話を切ると、冷やしてあったシャンパンをグラスに注ぐ。
「廉、しっかりね…いい誕生日になりますように」
そう呟いて、ゆっくりグラスを傾けた。
454名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 20:36:28.74 ID:09HaNXxV
もっと麗子ママに廉さんイジってもらおうかと思ったけど、
妄想がドン詰まりになったのでもう投下してしまいました。
お目汚し失礼しましたっ!
455名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 22:55:32.37 ID:oX3YFgQU
母親に童貞を知られるなんて…
かわいそうな廉さんwww
お母さんの手助けのかいがあって無事に卒業できて
よかったね。
456名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 23:11:11.20 ID:Xyn1r0vO
廉ママが手助けしなかったら、DTのままだったということですか? 廉さんがちょっとマザコンに思えてきたww

>>449
スマセン、DT柊さん、想像してたよりもグロテスクな部分を見て・・
ってどういう意味でしょ。気になります。何を見たんだ?!
457名無しさん@ピンキー:2011/10/20(木) 23:19:38.73 ID:09HaNXxV
>>456
いや、女の陰部は男から見ると結構グロテスクって聞くので
童貞設定の場合は最初見たとき「うわぁ」って思うかなとw
女からしてみれば全然ピンとこないかもしれませんが。
458名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 08:02:36.36 ID:UD5FUlpj
DT柊さん、途中までは経験あるんだけど最後までは本当に愛する人にとっておいたんですねwww
だから途中段階までかなりのテクニシャンなんですねwww
459名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 19:02:52.24 ID:bXs7+mel
廉さんはマザコンでDT
柊さんはナルシストでDT
どっちも扱いにくそうw

個人的にはマザコンよりはナルの方がいい。
廉ママも離れてた分、執着心強そうで手強そう。
美男は結婚するなら、柊さんの方が気楽でいいんじゃないのかねぇ。
460名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:20:27.67 ID:Nd9utGtX
むしろ廉ママは一生美子に頭あがらないと思われw

ところで非DT廉さんとか書いてみてもいいでしょうか
廉さん以外は喜んでくれないかもだけど
461名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:31:46.05 ID:kVEruH3+
廉さんじゃないけど喜びます
462名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:35:38.84 ID:90ThOO9J
非DTな廉さん、ぜひ。
DT設定な柊さんぐらい違和感がありますけどww
463名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:36:10.40 ID:YQrZ6lAk
廉さん今ガッツポーズしてるw

喜ぶ!喜びます!
464名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:37:58.69 ID:+NUrTLPU
>>460
読みたい!

廉さんはDTじゃないと思ってた。
廉さんの「寂しかったとき一人じゃどうしようもできなかった」
みたいなセリフがあったけど
廉さんはその寂しさを性で紛らわせてたと思ってた。
美子に赤くなるのはDTとは別で初恋の意味合いかなぁと。
465名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:50:53.35 ID:0OE9WhYF
素人DTなら想像できる
466名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:56:06.80 ID:H92kE/Ci
>>464
廉さん潔癖症だから初恋で非童貞はないんじゃww触られるのも嫌いって言ってたし

非童貞廉さん楽しみに待ってます!!
467名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 23:09:01.39 ID:goh0iO/L
非DTカモンカモンカモン!
468名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 23:39:23.51 ID:7dPpuQ2t
非DTの廉さんだと…!?全裸で待機しておりますw
469名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 00:30:17.74 ID:T+rFY4aq
カモンカモンカモン非DTゴー♪
470名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 00:51:01.19 ID:A5/PZxRA
エロ書きたいけど行き詰まってるので、また息抜きします。

>>288 の続きです
471名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 00:51:32.03 ID:KsZwoP89
柊×NANAを書いている者です。
続きが出来ましたが明日からあまり時間が無いので今出来ている
ところまで、これから投下します。
流れを読まずすみません・・・。自分も非DT廉さん楽しみですw

前回までの投下分
>>413-421
472息抜き2:2011/10/22(土) 00:52:13.55 ID:A5/PZxRA
「美男、初めて触ってどうだった?」
「恥ずかしいです…上手く触れなくて」
「そんなことないよ。それに、俺はお前がしてみたいって言ってくれて嬉しかったし。
俺、いつも一人でしてたから…」
「柊さん、わたしの手でよければいつでもお貸しします。次は上手にできるように頑張りますね」
「美男ありがとう。でも、今度はお前が一人でしてるとこ、俺は横で見てるよ」
「なんか…恥ずかしいです」


聞こえない聞こえない、俺には何も聞こえてない。
(初めて…さわ…る)
(上手く…だと?)
(してみたい…って)
(一人で…してたのか!?)
(…手で!上手に!)
(…一人でしてるとこを…見る…うっ)

「廉さん…大丈夫?」
「うわっ!…な、なんだよっ」
勇気は明らかに動揺する廉を見て笑いをこらえる。
「あの二人の会話って、やっぱりなんかやらしいよね」
廉の耳元で勇気が囁く。
「やら…しい?…なっ!お、俺は別にエロいことなんか…」
「でも…廉さん、耳も首も真っ赤だし」
「っ!?」
箸を置いて慌てて耳と首にに手をやる。
「廉さん、どうかしましたか?」
一番端に座る美男が、廉の様子を見て話しかけた。
「いっ、いや、どうもしない」
「烏賊のお刺身、どうですか?」
不安げに美男が首を傾げる。
「どうって…」
「廉が烏賊の刺身好きだから、美男頑張ったんだよ」
美男の横で、柊が意味ありげに微笑んでいる。
「へ…?」
もしかして俺のために…?
俺のためにあいつは…あんな恥ずかしいことを言いながら頑張ってくれたのか?
…ふふっ…ふふふふふ…
自然とにやけてしまう口元を震わせながら、廉はちらりと美男を見た。
「まぁまぁだな」
口ではそう言いながら、嬉しそうに笑う美男に向かって、心の中で廉は言った。
(エロいこと言ったのは許してやる!美味いぞ!ブタウザギ!)

自分の想像がしつこくエロいことに、全く気付かない廉であった。

473名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 00:54:02.77 ID:A5/PZxRA
以上です。

非DT廉さん楽しみw
474名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 00:55:37.23 ID:KsZwoP89
あれから三日が経った今も、ふとした時に脳裏を過るのはNANAの泣き顔と、無防備な笑顔ばかり。

戸惑う自身の変化と比例しているのか、柊の周りの物事が少しずつ捗らなくなっている。

CM契約の話は馬淵の予想を裏切り安藤社長が難色を示した為、順調に進んでいる訳でも無かった。
実は似たようなオファーが老舗の大手化粧品メーカーから来ており、慎重に吟味しなければならないらしい。

今夜はとりあえず株式会社Sararaの社長である田沼良雄、それに共演予定とされている若手俳優の三澤時哉との会食がある。
後にもう一社とも接触し、より条件が良い方と本契約を結ぶ事になるだろう。

最近になってようやく気持ちの整理を付け、美子への想いを断ち切り仕事に没頭しようと決意した。
…はずだったが、宙ぶらりん状態の契約よりも一人の女性の事が気になるなんて。

「…まさかな……」

独り言が漏れ、誰も居ない静かな温室内に消える。

合宿所の敷地内に造られた温室でハーブを育てている柊は、それらに水をやったり肥料を与えたりしながらも意識を何処か遠くへ置いたままだった。

月と星が美しく輝く夜に再会したNANAの姿が、心の隅にいつまでも残っていて言い様の無い思いに駆られる。
しかし、彼女からは何の音沙汰も無い上、そもそも連絡先すら知らないのだ。

ぐるぐると思考の海をさまよっていると、温室の入り口から柊を呼ぶ声がした。

「柊、ちょっといいか?」
「…珍しいな。お前がここに来るなんて」
思わぬ来訪者に目を丸くする。
普段は潔癖症の所為か泥や草木の葉っぱに汚れるのを嫌う廉が、眉を寄せ難しい顔をしたままズカズカと入って来た。
とりあえず泥が付着した軍手を外して地面に置き廉へ曖昧な笑みを向けると、彼はいきなり自身の携帯電話を柊に突き付ける。
「電話だ。…NANAから」
「…えっ!?」
「絶対汚すなよ?…じゃあな」
困惑する柊の手に携帯を持たせた廉は周辺の泥を一瞥してから面倒臭そうに言い放ち、元来た道を引き返して行ってしまった。
475星をさがして12 柊×NANA:2011/10/22(土) 00:57:35.82 ID:KsZwoP89

いきなりの展開に驚きを隠せないが、NANAから自分宛の連絡をわざわざ廉にしてくれたという事実を思うと、妙に嬉しくなる。
柊は少しだけ口端を吊り上げ機嫌良く携帯を耳元に添えた。
「もしもし、突然どうしたの?」
『…あの、この前借りたままになっちゃったジャケットなんだけど…今日返しに行ってもいい?』
「あ、あぁ…今日は夜に予定があるから、今から夕方までなら合宿所に居るよ」
一体何を言われるのかと思ったら、NANAは珍しくバツが悪そうな歯切れの悪い口調で先日持って帰る形となったジャケットの返却を申し出た。
些か拍子抜けしたが表には出さず、これからの予定を簡単に告げる。
『そう…じゃあこれからそっちへ行くわ』
「俺が受け取りに行こうか?」
『いいの、今近くまで来てるから』
「もしかして今、一人?危なくないか?」
女性であり人気者な彼女が一人で出歩くのは危険ではないかという柊の心配を余所に、NANAはクスクスと可笑しげに笑った。
『…ふふ、優しいのね。でも大丈夫よ?今までだって一人でそこへ遊びに行ってたじゃない』
「…あぁ、そうだったかな…」
『じゃあまた、後でね』

電話を切り、廉が機嫌を損ねないよう液晶画面をズボンのポケットに仕舞っていたハンカチで拭い、そのまま一緒に入れる。

NANAがこの合宿所に一人で訪れるのはこれが初めてではないが、あの時と違い彼女の安否にまで気を遣う己が居て、ますます胸がざわめくのを感じた。

…と、そこへ温室内の静寂を乱す着信音が流れる。
ポケットの廉の携帯からだ。

「…この曲、Miss You?」
いつもなら無機質な電子音ばかりを奏でるのだが、今流れているのは明らかに良く知るメロディー。
柊は怪訝な顔でそれを再度取り出す。画面に“桜庭 美子”と表示されているのを発見したと同時に、
何処からともなく物凄い早さで駆けて来た廉が勢い良く柊の手から携帯を奪い、慌てて通話を始めた。
「…お、お前っ、間が悪いんだよ!何でこのタイミングなんだっ!?」
恐らく遠いアフリカの地から国際電話を架けて来たであろう美子へ、首筋を赤く染めながら照れ隠しに怒鳴る廉は
柊の方をチラチラ見遣り気に掛けつつ、そそくさと温室を出て行った。

何だかんだで、あの二人は上手くやっているらしい。
「…間が悪いのは誰なんだか」
以前は廉と美子の見たくない場面ばかりに遭遇し、辛い想いを抱いていたが…今はむしろ微笑ましささえ覚える。
柊は再び地面にしゃがんで軍手を装着し、温室の手入れに取り掛かった。



476星をさがして13 柊×NANA:2011/10/22(土) 00:59:28.42 ID:KsZwoP89


綺麗にクリーニングされたジャケットとハンカチを大きめのトートバッグに入れ、A.N.JELLの合宿所を目指す。

あのイヤリングは家を出る時に外し、置いて来た。
理由は自分でも分からない。…ただ、今日は身に付ける気になれなくて。
シフォン素材の真っ白な膝丈フリルワンピースにお気に入りの赤い靴をコーディネートし、メイクは久々に自分で頑張って髪も少し巻いてみたり、訳も無く気合いの入ったお洒落をした。

柊の電話番号を知らなかった為に、別れてから一度も架けていなかった廉に電話をするのは少し緊張したが、若干面倒そうに出た彼はアッサリと取り次いでくれた。
先程話した電話越しにも優しい柊の声を思い出すと、落ち込んでいたNANAの気分も上昇する。

…接待は、四日後の金曜日に決まった。

全てが終わる頃にはきっと、この身も、心も汚れてしまうだろう。
それまでにどうしても…あの夜、綺麗だと褒めてくれた己のままで会いたい。


合宿所の玄関前に辿り着きインターホンを鳴らすと、ラフな部屋着姿の勇気が扉を開けて顔を出し、パチパチと瞬きを繰り返した。
「…えっと、…NANAちゃんどうしたの?廉さんに用事?」
まだ廉と美子の間を引っ掻き回すつもりかと明らかに警戒心剥き出しでNANAを窺う勇気に吹き出し掛ける。
「いいえ、ちょっと柊に用があるの。借りた物を返しに来ただけよ」
「柊さんに?…そっかぁ…あ、どうぞどうぞ〜。スリッパはこれね!」
人の善い勇気はNANAの興味が廉に無いと聞いた途端険しい表情を一変させ、にこやかに出迎えてくれた。
来客用スリッパに履き替え久し振りに合宿所内へ入る。
ふと目を遣ればリビングのソファに美男が座っていた。
あまりに美子にそっくりなその容姿に一瞬動揺を覚えたが、愛想無くNANAを振り返り挨拶もしないまま顔を背けるというクールな態度を見ると、
彼が美子とは別人である事が解る。
「…こんにちは、美男さん」
「……柊なら温室に居る。さっさと行けば」
勇気との玄関先での会話を把握していたのか、憎たらしい物言いで柊の居場所を伝えられた。
未だ妹に意地悪した事を根に持っているのか。
それにしても女の子に対する扱いが酷過ぎる!…と、美男にイラッとするのを堪えてそのまま温室へ向かう。
途中、廉の部屋らしき扉の向こうから聞いた事も無い程の楽しげな話し声がしたが、気にせず歩を進め温室の簡素なドアを開いた。

477星をさがして14 柊×NANA:2011/10/22(土) 01:01:14.99 ID:KsZwoP89

「柊、こんにちは」
「いらっしゃい、早かったね」

穏やかな笑顔で出迎えてくれる柊を見付け、NANAも自然と表情を和らげ中へ入る。
暖かく少し湿気を感じる室内にはカモミールの香りが漂っており、あのジャケットとハンカチから感じた香りの正体はここだったのか、と辺りを見渡した。
「すごい、これ全部あなたが?」
「趣味と実益を兼ねてね。ハーブティーは気持ちが落ち着くからメンバーにも喜ばれてるんだ」
「…どうりで、あなたのジャケットからカモミールの良い香りがしたから、随分可愛い香水を付けてるんだな〜って思ってたけど、本物を育ててたのね」
男性にしては優し過ぎる香りの元を突き止め、クスクスと肩を揺らして笑うと柊が驚いたような顔で固まっている。

「…どうしたの?」
「……驚いたな。この香りが何なのか言い当てたのは、君が初めてだよ」
すっかり感心した様子でまじまじと見つめられ、NANAは段々と顔が熱くなるのを感じた。
思わず視線をカモミールの花へと移し、口を僅かに尖らせる。
「そ、そりゃ分かるわよ、これくらい…私も昔は育ててたもの」
「NANAがハーブを?」
「えぇ…事務所に入ってからは、“泥で指が汚れたり虫に刺されるかも知れないからガーデニングはするな”って言われて、やめちゃったわ」
あの厳しい荻野社長から最初に言われた掟を思い出し、伏し目がちのまま小さく溜め息を漏らした。
「そうか…でも、それはちょっと厳し過ぎるんじゃないか?社長の奥さんはガーデニングをやってるみたいだけど」
「…私は社長にとって、人形と同じ…単なる商品でしかないの。それだけの事よ」
自嘲的に薄く微笑み柊に視線を戻せば、彼は複雑そうな面持ちで何か言いたげに唇を噛み締めていた。
居たたまれず、NANAは無理に笑顔を作ると持って来たトートバッグを彼へ差し出す。
「これ、返すわね。用事はそれだけだから……じゃあ、さよなら…」
微動だにしない柊に半ば押し付ける形でバッグを持たせると、踵を返し温室を出て行こうとした。

…が、その瞬間。カモミールの香りを纏った逞しい二本の腕が、NANAの身体を背後から捕らえる。

「…っ!?」


「………行くな」


478名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 01:05:20.29 ID:KsZwoP89
>>471です。
今日の投下はここまでです。また11話目のタイトルを入れ忘れた上、>>473さん
に被ってしまい本当にすみません・・・。
次回から気を付けます。
479名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 01:17:10.63 ID:A5/PZxRA
えーっ いいとこなのに!
お預けつらい…
続き楽しみにしてます!
480名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 01:51:04.66 ID:yR/iMXKy
>>473
息抜き、最高ですwにやにやする廉さん、かわいいーー。
もー、むっつりなんだからー!
>>478
柊NANA、どんどん惹かれあってますね!でもいいとこで終わっちゃった…。
柊さん、接待は絶対に阻止してください…!
美子からの電話で慌てる廉さんもかわゆす。続き、楽しみに待ってます。
481名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 04:26:26.04 ID:XnXfNzy5
>>473
もう廉さん、妄想しすぎwww
悔しかったら自分で言わせてみろwww
こんな廉さんが大好きだー

でも非DT go!も見たいんだけどねw

>>478
柊さん、なんとかNANAの接待を止めてあげて!!!
もう、廉美子以上にラブラブで幸せになって欲しい…
本当にかわいい二人だ…

同じく美子からの電話で慌てる廉さん、ちょーかわいいw
miss you着メロとか…かわいすぎて絶句w
楽しそうにしゃべってたとこもツボw

続き、正座して待ってます!
482名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 08:36:56.06 ID:dFz+/loa
>>473
柊さん明らかに確信犯だろ、いいぞもっとやれww
もっと息抜きしていいのよ〜

>>478
続き気になる
柊さん、接待は阻止してくれ!
警戒する勇気と無愛想な美男のキャラがいいね
廉さん着信MissYouwくそ可愛いww
ちょくちょく廉美子も絡めてくれて嬉しいです
483名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 09:41:06.09 ID:3NGDsX5Q
廉×美子初体験投下します
484出発前夜1:2011/10/22(土) 09:45:33.98 ID:3NGDsX5Q
ライブ会場での告白から数日後、アフリカ行きを延期した美子は合宿所で皆と一緒に過ごしていたが、出発が翌日に迫り廉は焦っていた。
あれ以来なかなか美子と二人きりになれないのだ。
柊と勇気も名残惜しそうに美子から離れないし、なんといっても兄の美男が美子にベッタリなのだ。
再会も束の間、また離ればなれになるのだから気持ちは分かるが、俺の気持ちも少しは考えてくれてもいいだろうと廉は思う。
イラつきながらキッチンに行くと、食事の支度をしている美子に後ろから抱きついている美男がいた。両腕を美子のウエストに巻きつけて美子の肩に顎を乗せ何やら囁いては二人でクスクスと笑っている。
「もー、お兄ちゃん危ないから離してー」「やーだっ」
廉はつかつかと歩み寄ると憮然として言う。
「おい美男 離れろ 危ないだろ」
すると美男は廉に視線を合わせたまま、チュッと美子の首筋にキスをすると「フン」と鼻で笑って向こうへ行ってしまった。
「くすぐったーい」と言いつつも、美子も別段驚いた風でもない。
(!!なっ何だアレはっ いつもあんななのか?)
485出発前夜2:2011/10/22(土) 09:47:51.27 ID:3NGDsX5Q
リビングのソファにどかっと腰を下ろすと思わず不満が飛び出す。
「何だあいつら、ちょっとおかしいんじゃないか?双子だからって馴れ馴れしすぎるだろーが」
「そうかな?やっぱ双子だもん。普通の兄弟とは違うよ。ね〜柊さん」
「そうだな、幼い頃から二人きりだし特別に絆が深いのかも」
「そ、そういうもんなのか?」
そう言われると兄弟のいない廉は納得するしかなかった。
486出発前夜3:2011/10/22(土) 09:50:19.76 ID:3NGDsX5Q
昼食後それぞれ思い思いに過ごしている時、ようやく美子と二人きりになることに成功した。
ベッドの端っこに座り、お喋りをし触れるだけのキスをしたり髪を手で梳いたりと、軽いスキンシップをしながらさり気なく美子をベッドの中央へと誘導する。
向かい合って横になり見つめ合うと、会話は途切れ自然に唇を寄せ合う。始めは互いの唇を軽く噛むように、やがて舌を絡ませ貪るようなキス。美子の息遣いが荒くなる。
唇を離すと切なそうな瞳を向けてまたキスをせがむ美子。その様子があまりに愛おしくて再び口づける廉。
だんだん理性が遠のいていく。美子の胸元に手を伸ばしワンピースのボタンに手をかけた。
その時…
487出発前夜4:2011/10/22(土) 09:54:50.51 ID:3NGDsX5Q
「なーにやってんだよーっっ」
大声を上げて美男が部屋に入ってきた。ギョッとして飛び起きる廉と美子。
「なっ何だっお前」「何だじゃねえよ。俺の妹に何してんだよっ」
「なっ何って…」「美子はな、元シスター志望だぞ。恋人が出来たからって簡単にカラダを許したりしないんだよっ」
「カ…カラダって、俺は別に」言いながら廉の顔がみるみる赤くなる。
「とにかく結婚するまで禁止だからな。美子行くぞ」
耳まで赤くした廉を後目に美男は美子の手をつかむとズンズンと引っ張って行った。
「お兄ちゃんたら〜もう、廉さんごめんなさい」
(なっ何なんだあいつはっ)恥ずかしさと怒りで顔を紅潮させたまま部屋中をウロウロしながら心の中で悪態をついた。
(俺だってメンバー全員が揃ってる合宿所で事に及ぶつもりなんか…いや…危なかったかも…)廉はベッドに倒れこみ「結婚するまで、、か」と呟くとハァーと大きなため息をついた。
488出発前夜5:2011/10/22(土) 09:58:11.95 ID:3NGDsX5Q
皆が寝静まった深夜、美子はそうっとベッドを抜け出した。隣で寝息を立てる美男に「お兄ちゃん、ごめんなさい」と囁くと静かに部屋を出て行った。パタンとドアが閉まる。
と美男が上半身を起こし「ちぇっ、しょーがねえな…美子のやつ」と呟いた。その瞳にはうっすらと涙が滲んでいた。

「廉さん、廉さん」肩を揺すられて廉は目を覚ました。
「えっ?おまえ、美子?どうした?」「廉さん、今晩一緒にいてもかまいませんか?」
一瞬意味が分からなかった。「どういうことだ?えっ…それって」
最後までいわないうちに美子はこくんと頷いた。キラキラと輝く瞳は美子の決意を表しているかのようだった。
「いいのか?」頷く美子。「わかった、おいで…」ベッドに美子を横たえると、そっと唇を重ねた。美子の緊張を解くように優しく優しく唇を吸う。舌で美子の唇をなぞり、微かに開いたすき間からするりと舌を滑り込ませる。
互いの舌を絡ませ夢中で吸い合った。唇を離すと、美子は息が上がっている。
「息を止めてたのか?まったくおまえは…」「すみません…」「謝るな、ばかだな」廉は美子の着ている物を脱がせていく。最後にショーツに手を掛けるとぎゅっと体を硬直させたものの観念したのか力を抜き難なく脱がせることが出来た。
489出発前夜6:2011/10/22(土) 10:00:27.70 ID:3NGDsX5Q
廉は部屋の光量を最大にし、美子の体を隅々まで見つめた。
「廉さん、恥ずかしいです」
美子は顔を真っ赤にして胸と大事な部分を隠そうと手を伸ばすが、廉に腕を掴まれ隠すことが出来ない。
「恥ずかしがることなんてない。お前は…すごくきれいだ。ここも、ここも、ここも」
言いながら廉は美子の首筋を舌でなぞり、指先を全身に這わせる。それだけの愛撫でも美子は皮膚を粟立たせる。「ぁっ…」小さな声をあげて身悶える美子。
廉は二つのふくらみに手を伸ばす。手のひら全体でゆっくり揉みしだき、先端に口づける。
唾液まみれで舐め回し、甘噛みし、きつく吸い付きながらもう一つの先端を親指の腹でクニクニと捏ねまわす。
「あぁっ…んんっ」美子はビクンと体を跳ね上げ背中を反らせると徐々に脱力していった。
490出発前夜7:2011/10/22(土) 10:05:33.79 ID:3NGDsX5Q
「おまえ…もしかして…もういったのか?」
肩で大きく息をしている美子は返事が出来なかった。その間に廉も全て脱ぎ捨てる。
美子が脱力しているのをいいことに、美子の両膝を持ち上げると一気に大きく広げた。
「いやっ…いやっ…廉さん…やめてください」突然中心を開かれた美子は動転して、足を閉じようとするがさっきの快感の余韻で体に力が入らなかった。
廉は美子の中心部に息がかかるほど顔を近づけてヒクヒクと息づくそこを凝視した。
「美子…きれいだ」舌を伸ばして入り口をなぞってみる。奥まで舌を差し込んで中をかき回すと蜜が溢れてきた。それを舌ですくい取り小さな突起になすりつける。
そのまま舌先を微妙に震わせ突起に刺激を与えながら同時に二本の指を蜜で溢れる中に差し込んだ。ゆっくり出し入れしながら舌で突起を舐めあげる。
「ぃやぁっっ ぁぁぁぁっっ」指を中でかき回すと、美子はいやいやをするように頭を振り再び昇りつめた。
491出発前夜8:2011/10/22(土) 10:07:53.79 ID:3NGDsX5Q
「美子…まだこれからだぞ」廉は美子に跨ると隆起した自身を握りしめ美子の中心にあてがった。少しずつ体を沈めていく。
「んんっ…廉…さん」
「痛いか?少し我慢できるか?」「はい…」
ゆっくり美子の中をおし広げ、ようやく全部入りきった。
「美子…わかるか?全部入ったぞ」
「はい…廉さんが…私の中に…」美子は涙を溢れさせた。
「まだ痛いか?」「痛い…です…でも廉さんだから…痛みだって…嬉しいんです」
廉は驚いて美子を見た。不覚にも涙が溢れてきた。廉は美子を強く抱きしめ、顔中にキスを降らせる。
「美子…美子…愛してる…愛してる」「廉さん…愛してます」
492出発前夜9:2011/10/22(土) 10:09:57.14 ID:3NGDsX5Q
「美子、そろそろ動くぞ。また痛むかもしれないけど」「はい…我慢します」
廉はゆるゆると律動を始めた。美子の様子を注意深く見ながらスピードや深さを調節する。痛みから気をそらせるため美子の胸に片手を伸ばす。優しく強く揉みしだき、固く尖った先端を指先でひねる。やがて痛みを訴えるのとは違う声が漏れてきた。
「あぁっ…廉さん…なにか…ぁぁっ」美子の甘い喘ぎ声を聞き廉はスパートをかける。
下腹部を密着させ美子の小さな突起をこすりつけるように律動する。速く強く腰を打ちつけるうち、廉も理性を失っていった。
「はぁっ…美子の中…熱くて…締め付けてくる」
「あぁっ 廉…さん…怖い…何か…来るっ」
「美子っ…我慢しないで…いけっ」廉は高速で腰を打ちつけた。
「あああああっ…ぁぁん」美子が廉の首に腕を回して大きくのけぞった時、廉も自らを開放し美子の中に精を放った。美子は何度も痙攣し気を失ったようだった。だが美子の中はそこだけ別の生き物のようにいつまでも廉を締め付け続けた。
493出発前夜10:2011/10/22(土) 10:12:34.76 ID:3NGDsX5Q
明け方美子が目を覚ますと、枕に肘を付いた廉が、じっと自分を見ているのに気付いた。
「廉さん、起きてたんですか」
「ああ、ずっとお前を見てた」
「え、私寝言なんか言ってませんよね?」美子は顔を赤くして恐る恐る尋ねた。
「ああ、言ってたぞ。廉さんスキスキーってな」廉は可愛らしい女の子の声で真似をした。それを聞いた美子は真っ赤になってシーツで顔を隠す。廉はぷっっと吹き出し笑い出す。
「あー嘘なんですね、廉さんひどい」ほっぺを膨らませて美子が抗議すると「でも、ほんとに俺のことが好きだろ?」廉は澄ました顔で言う。美子はにっこり笑って「はい」と答える。廉はあまりに美子が可愛くてたまらなくなり、ぎゅうっと抱きしめた。
しばらくそうしていたが、やがて美子は廉から体を離した。
「廉さん、お兄ちゃんが目を覚ます前に部屋に戻りますね」「そうか…」
脱いだものを再び身に着ける間、廉は美子を見つめ続けた。
ドアの前でもう一度強く抱きしめる。言葉は出なかった。でもお互いの気持ちは痛いほど分かっていた。
「じゃあ…」「ああ…」
それだけ言葉をかわすと、美子は部屋を出て行った。
494出発前夜11:2011/10/22(土) 10:15:06.36 ID:3NGDsX5Q
そっと美男の部屋に戻る。美男は寝息を立てている。もう一度眠る気になれずベッドに腰かけ、昨夜の出来事を思い返していた。
「美子」寝ているとばかり思っていた美男が声をかけてきた。
驚いて振り向くと、美男は背を向けたまま言った。
「廉は優しくしてくれたか?」
思わず息をのむ美子だったが、小さく、うん、と答えた。
「そうか、よかったな」美男の優しい言葉に涙が出てきた。「お兄ちゃん、ごめんね」
「ばーか、何謝ってんだよ。いいからもう少し寝ろ」

もう一度小さく、うん、と答えると、美子はベッドにもぐりこみ、美男の背中にぴったりくっつくと、短い眠りについた。
495名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 10:17:57.00 ID:3NGDsX5Q
以上です。初めてで緊張しました。お邪魔しました
496名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 10:37:32.06 ID:MyenRb4S
>>495
GJです!
理想の桜庭兄妹がここに!!
本編で美男美子の絡みが見れなかったから嬉しい
一緒のベッドで寝る男女の双子とか最高です
497名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 12:05:05.49 ID:F5p9s7oU
>>495
GJ!!この廉さんはDTじゃなさそうかな?w
美男も美子も仲良しだけど廉さんのことも認めててかわいいー。
こういうのイイですね。素敵なお話ありがとう!
498名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 14:07:39.17 ID:3NGDsX5Q
ありがとうございます。嬉しい
どちらかと言うと美男×美子の部分が書きたくてこうなりました
499名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 14:15:29.12 ID:rWtEe10d
GJ!
かわいい美男、美子と、
ちょっと手慣れたwかわいい廉さん、よかったです!

本編で双子があまりにも絡まなかったので(まぁしょうがないけど)、
ここで絡んでくれて嬉しかった〜
500名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 14:22:03.92 ID:dFz+/loa
美男美子イチャイチャし過ぎだろけしからんもっとやれww
同じ顔の男女双子ってエロくて大好物です
501名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 17:22:48.39 ID:6nWC0+7n
>>495
スーパーGJ! ちょい手慣れた廉さんが新鮮。しかし合宿所で初夜って・・・
美男兄も柊さんも勇気も、眠れない夜は廉さんのせいだな。

美男美子、仕草がすごくエロ可愛いね。兄がお料理する妹にちょかかい出すのも
美子が兄にぴとっとくっついて寝るのもエロくて萌えますた。ご馳走様!
502名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 22:23:26.73 ID:R7rsCCjv
廉さんの部屋、防音は大丈夫だろうかw
美子の喘ぎ声が聞こえたらさすがに柊&勇気がかわいそうだww
503名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 22:32:07.95 ID:F5p9s7oU
作曲とかやってる廉さんの部屋なら、防音は大丈夫だろうw
しかし美子の喘ぎ声は澄んでてカワイイだろうなぁ。
ということは、美男の出すエロ声も良さそうだw
504名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 23:43:08.51 ID:8KmxEXv0
非常に思う>美子の喘ぎ声
初体験後に美子の声が頭から離れない廉さんと廉さんの指(唇でも可)が気になっちゃう美子とか誰か書いてくれまいか
読み手の分際でおこがましいんだが
505名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 00:33:06.02 ID:I4/CyRB9
>>504
>初体験後に美子の声が頭から離れない廉さんと廉さんの指(唇でも可)が気になっちゃう美子

それ良いね。続きは書かないつもりだったけど今↑の文読んだらもやもやっと思い浮かんできたから、
いつになるか分かんないけど書いてみるw詮索されるのもあれかw
最初に名乗っておきます。スイートルームの初体験廉美子書いた者でした。
506名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:00:39.23 ID:RlIPsNbX
おお、スィートルームさん、大ファンですw
廉美子お待ちしております!
507名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:02:34.62 ID:jSgHlMQY
うほ。スイートルームさんでしたか!廉美子さすがの描写ですね!
ぜひぜひ、喘ぎ声に悩まされる廉さんを!お待ちしていますw
508名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:09:10.73 ID:I4/CyRB9
>>507
え?私はあれから何も書いてないよ?w
「これからあの話の続きをを書くね」ってつもりでレスしただけですw
紛らわしくてすみませんでした。今後気を付けます。
509名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:14:30.34 ID:eS8xigKx
柊美子も読みたいです
510名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:25:22.01 ID:7RBOl4jL
>>504ですがスイートルームさんのやる気を刺激できたなんて嬉しいっす!!
廉さんのタガを外させた美子ちゃんの魔性にやられました〜
たんのしみにしてまっす!
511名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:27:39.71 ID:jSgHlMQY
>>508あ、そういうことですねwすみません。
さっきのお話も書かれてたのかと勘違いでした。
でもとにもかくにも、待ってますよ!
512名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 03:09:46.15 ID:BbraKaOO
廉美子もいいが柊美子も久しぶりに読みたい!

全裸にて柊美子の神待ち
513名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 14:02:41.17 ID:BvdOFSMw
上でDT柊さんの話がちらっとあったけど、自分は柊さんDT設定の柊美子読みたい。
あれだけ経験豊富そうなのに実はDTで美子もびっくりみたいなやつ。
514名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 18:43:08.63 ID:zfzZdUIu
>>495、498さん
すごく面白かったです。廉さん、双子のいちゃいちゃに嫉妬するところが可愛い〜。
柊さんも勇気もしれっと美男擁護してるのねw
美子がアフリカ行っても、兄ちゃんも柊さんも勇気も美子に長いメール送り付けそうだね。
515名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 19:09:27.97 ID:5Z39xb/4
勇気、柊、美男にはメールの返事きたのに廉にはなくてイライラ。
そこに国際電話が…
「廉とはメールじゃなくて直接はなしたくて…」
の一言でご機嫌になる廉さんて場面が目に浮かんだw
516名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 19:47:42.41 ID:4CfV4nJR
DT柊さんも非DT廉さんも読みたい!
けど、エロ達人柊さんがご無沙汰なので読みたい!
517名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 19:58:41.53 ID:F/skqgte
ねっとりねちねち美子を攻めるエロ柊さんが恋しい
518名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 00:25:12.55 ID:iLECly5t
廉×美子エロなしです
キャラが崩壊しちゃってるかもだけどよかったらどうぞ
519美子の秘密1:2011/10/24(月) 00:28:13.21 ID:iLECly5t
事務所のリハーサル室でそれぞれ練習しているA.N.JELLの4人。
ピリピリした空気を醸し出している廉のせいで、雰囲気が重苦しい。
「廉さん、どうしたんだろうね。最近ずっとご機嫌だったのに。美子と何かあったのかな?」
隣の美男にそっと話しかける勇気だったが、廉にじろっと睨まれて首をすくめる 。
「ちっ」舌打ちをして廉が部屋を出て行った。途端に3人は顔を見合わせてため息をつく。

階段脇で水を飲んでいる廉の背後から柊が声をかける。
「どうしたんだ、廉?美子と喧嘩でもしたのか?」
水を吹き出しかけ振り向いた廉は、何かを言いかけたが言葉を飲み込んだ。
「いや、べつに」平静を装って答えるが、内心動揺しまくっていた。
(言えるわけないだろ、美子が一緒に寝てくれないなんて。もう何日だ?3日?3日もだぞ)
廉は3日前のことを思い返す。
もう寝ようという廉に、美子は先に寝ててくれと言い、いつの間にか眠ってしまった廉が目覚めた時には美子はもう起きていた。
その時は何とも思わなかったが、翌日も片付けがあるからと言って、いくら待っても美子は寝室に来なかった。
そして昨夜、そう昨夜だ!美子の肩を抱きキスしようとした時、さり気なく唇をそらして
「あっ忘れてた。明日の朝食の準備をしておかなきゃ」と言ってキッチンへ行ってしまったのだ。
「ファンの気持ちは変わりやすいからな〜」という馬淵の言葉がこだまする。
(まさか、もう心変わりしたのか?それとも何か美子の嫌がることをしただろうか…)
確かに一緒に寝てる時、美子はよくイヤ、イヤって言うけど、あれはそういう意味じゃないだろうし。いくら考えても理由が思いつかない廉のイライラは募る一方だった。
520美子の秘密2:2011/10/24(月) 00:29:45.23 ID:iLECly5t
リハーサル室に戻ると、3人が雑誌を見ながら盛り上がっていた。
「なになに?『あなたの嫌われる理由』?へー、第3位は…空気の読めない男かぁ」廉の頬がピクッと引きつる。
「第2位は、えーっと…しつこい男。そりゃあ嫌だよね、男女問わず」ピクピクッ。
「そして嫌われる理由第1位はっ、ジャジャーン、威張る男!」思わず振り返る廉。

(空気の読めない男?確かに周りの人間を威圧して空気読むなんて気、さらさらなかった…かも。…しつこい?しつこいのか、俺は? 威張る男…これは弁解の余地がないな…)

「俺、今日はもう帰るわ」廉は肩を落として部屋を出て行った。
「どうしたんだろう?俺なんか悪いこと言った?」
勇気が呟くと美男がニヤニヤしながら言った。
「廉のやつ相当落ち込んでるな。ま、無理もないけど」
「理由知ってるのか、美男」柊が尋ねる。
「まあね。俺たちは最強の双子だからな。美子と俺の間には何の秘密もないんだ。ささいな事でもな」
「何だよ、理由って」勇気が聞くと、美男は「チッチッチッ」と人差し指を振りながら
「それはトップシークレットだよ、女の子の」
女の子の、てことは…勇気と柊は顔を見合わせて納得してしまった。
(女の子の日だから…それでイライラしてたのか。まったく。それにしてもそんな事まで打ち明けるなんて、驚いたな)
全然トップでもシークレットでもなくなった訳だが、美男はそれには気付かずニヤニヤしている。
521美子の秘密3:2011/10/24(月) 00:32:03.95 ID:iLECly5t
最近一緒に暮らし始めた二人の家の前に立つ。一度強く息を吐き、意を決して中に入る。
リビングのドアを開けようとした時、中から美子の声がした。
「…うん、4日目なんだけど、今夜を乗り切ればなんとか…」

(4日目って、今夜も拒むつもりか?乗り切ればってどういう事だ?そんなに俺の事が嫌になったのか…)
「おいっ、誰と話してるんだっ?」大声を出す廉に驚いた美子は、慌てて電話を切った。
「お、お帰りなさい。今、お兄ちゃんから電話が…」
「美男から?」(あいつ、何を企んでるんだ?)
美子は話をそらすように立ち上がると、「ご飯にしますね」とキッチンへ行ってしまった。
ソファに腰かけた廉は、(まずい、怒っちゃいけない、怒っちゃ)と気持ちを鎮める。
「俺も手伝うよ」キッチンへ行き、廉は腕まくりをした。
「えっ?どうしたんですか?」
「いーから、いーから(点数稼いでおかなきゃな)」
食事の間も美子の様子を窺うが、いつもと変わらずにこやかでおかしな所はない。

夜も更けてきたので、「そろそろ寝ようか?」と言ってみた。
美子はさりげなく視線を外し、「先に行っててください」と言う。
(またかっ、いや、ここでしつこくしちゃダメだ)
「じゃ、先に行ってる」「はい、お休みなさい」
寝室に入った廉は腕組みしながらウロウロと歩き回る。
お休みなさいと言った美子は、ほっとした表情じゃなかったか?頭に浮かぶのはネガティブな考えばかりだ。
(あああっ、もう、考えててもしょうがない。実力行使だ!)
522美子の秘密4:2011/10/24(月) 00:35:55.06 ID:iLECly5t
リビングに戻ると美子がいない。あれっと思い探すと、バスルームに明かりがついている。
「なんだ風呂か…風呂?…よ、よしっ」
思い切ってバスルームのドアを勢いよく開けた。
シャワーを浴びていた美子が目を見開く。次の瞬間、
「いやーっっ」美子がしゃがみこむ。そして、
「来ないでっ!廉さんなんか、大っ嫌い!」と言うとドアをバンっと閉めてしまった。
廉は呆然として立ち尽くす。
廉さんなんか、廉さんなんか、廉さんなんか、大っ嫌い、大っ嫌い、大っ嫌い……
美子の言葉が頭の中でぐるぐる回っている。
生まれたての小鹿みたいによろけながらリビングに戻り、ソファに腰かけ膝を抱える。
523美子の秘密5:2011/10/24(月) 00:37:35.37 ID:iLECly5t
美子が戻ってきた。
「あの、廉さん…さっきはごめんなさい。びっくりしちゃって…廉さん?」
「美子、いいんだ」顔を上げた廉は涙ぐんでいた。
「泣いてるんですか?どうして…」美子の言葉を遮って廉は続ける。
「俺は、お前の気持ちを尊重する。別れたいならそう言ってくれていいから」
「ええっ?別れるなんて…どうしてそんなこと」
「お前、嫌になったんだろ?俺は怒りっぽいし、空気読まないし、ア、アレの時もしつこいし…」
雑誌に載っていたランキングとごっちゃになってもはや支離滅裂だ。
「何のことですか?私は廉さんのこと嫌になんかなってませんよ」
「だって、最近一緒に寝てくれないし、キスしようとしても避けるし…」
「それは…今…アノ日だから」真っ赤になりながら美子が告白する。
「あの日?って何だ」鈍感もここに極まれり。まったく分かっていないようだ。
「だから…その…女の子の…日です」
「女の子の日?…あっっ!」
何だ、そうか、そういうことか!一気に心のモヤモヤが晴れていく。
「それならそうと言えばいいだろ。そっかー、うんうん、女の子の日ね」
いきなり知ったかぶりする廉。
「でも、一緒に寝るのはいいだろ?俺は全然気にしないし」
「わ、私が気にするんですっ」
「大丈夫、大丈夫。何もしないから」と言うと美子の手を引いていそいそと寝室へ向かう。
524美子の秘密6:2011/10/24(月) 00:39:37.48 ID:iLECly5t
「廉…さん、何もしないって…言ったのに」
「ん?そうだったか?」すでに美子の胸を揉みながら首筋にキスをしている廉。
「お前、ちょっと見ない間に胸が大きくなったんじゃないか?」
たった3日でそんなわけはないのだが、廉は有頂天だ。
続いて美子の下半身に手を伸ばした時、美子が鋭い声で制止した。
「ダメッ!それはダメです。…汚しちゃうから…」必死に廉の手を抑える。
「そうか…わかった。待ってろ」ベッドを降りると大きなバスタオルを手に戻ってきた。
美子の腰の下にタオルを敷くと、「これでよしっ」とまた美子への愛撫を開始する。
「廉…さん、そういうことじゃ…んんっ…なくて…あぁん」
結局、皆さんのご想像通り2人は久しぶりに(3日だけど…)愛の交歓をした。

翌日、満面の笑顔で廉がリハーサル室にやってきた。心なしかほっぺもピカピカしている。
「よおっ!今日もいい日だな!」
「あぁ、おはよ…ハハ」
3人はぼそっと挨拶した後、顔を突き合わせてひそひそ話を始める。
美男「いい日って…雨降ってるっつーの。あいつ、わかりやすすぎるよな」
勇気「超単純だよね、廉さん。顔に書いてあるもん」
柊「俺は、バンドの将来に不安を感じる…」
3人がため息をついていることなど知る由もなく、今日も廉のるんるんな1日が始まる。
525名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 00:41:20.67 ID:iLECly5t
以上です。廉さん潔癖症はどうした?
楽しく書いたけど、イメージ違ってたらすみません。
526名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 00:50:38.82 ID:MR7navar
>>525
廉の繊細さがわかりやすく表現されていて読みやすかったです。
個人的には、廉はこんな感じな部分もあるとか思ったり。

そして、私も作品投下させていただきます。
柊×美子でエロあり。
DT柊を目指したつもりが・・・・取り敢えず、読んで頂けると嬉しく思います。
527初めて 1:2011/10/24(月) 00:52:40.55 ID:MR7navar
ある日のお昼前。柊はぼんやりと合宿所のリビングのソファに座っていた。

今日、廉と勇気はそれぞれ仕事があるが柊と美男の仕事がいきなり無くなってしまい急遽、休暇を与えられた。
だが、いざ休暇ともなると一体何をすればいいのかと迷ってしまう。
出かけるにしても、何も目的もなくぶらぶらと街を歩いてファンに見つかると大変だろうし、かといって合宿所に居てもすることがない。

それよりも、休暇を与えるのならもう少し早い段階で言ってくれればとか考えたが、
今回は急遽だったし、色々と考えると余計に疲れるだけなのでそれも止めた。

そして、今の状況に至る。
正直の話、何でも良いから仕事を与えられた方がまだマシだと今の柊はため息をつきながら思っていた。

「ハァ・・・・何するかな・・・。」
そう言うと、ふと美男の部屋の方へと目を向ける。

一方、休みを与えられた美男はずっと部屋に籠ったきりだった。
何をしているのかとか気になるが、用もないのに部屋に入っても図々しく思われそうで
だからと言って、何か入る口実があるわけでもない。
自分の好きな人がすぐ目の前にいて、他の二人もいない。
状況からしたら、これ以上にないチャンスなのにそのチャンスを掴むきっかけが今の柊はなかったのだ。

そう思うと、廉みたいな少し抜けてる感じや勇気の天真爛漫さが羨ましく思う。
自分自身、相手を想いすぎるが故に気がつくと自分でも予想だにしなかった行動をしてしまうし、
逆に意識しすぎてしまうと変に自分を飾ってしまう。
528初めて 2:2011/10/24(月) 00:54:30.02 ID:MR7navar
そもそも、柊自身は周りから女性との付き合いも豊富のように思われがちに見られているが、実際の所はそういうわけではない。

女性との付き合いも指折りの数ほどしかこなしたことがなく、
本番までとなると今の今まで一度もしたことがなかった。
別に、当人にその気がないわけではない。
仮にも二十歳を過ぎた男性だ。女性やそう言った行動に興味がないわけではない。
ただ、「本当に相手にこんなことをしても良いのか?」
とか、そんなことばかり考えていると、毎回タイミングを逃してしまっていたのだ。

無論、まだ正式に付き合ってもいない美男に変に感情を抱いて困らせるのも
嫌な柊にとって、どんなに色々考えていようが全く意味のないこと。
寧ろ、考えれば考えるほど虚しくて逆に悲しくなってしまうからあまり考えないようにしていた。

だから、普段は美男を困らせない程度の距離を保っていたが
いざ、こんな状況になると普段以上にそんなことばかりを考えてしまう。

「ハァ・・・・俺、今日何回ため息ついただろう・・・。」
朝から数えきれない数のため息をついている。もちろん、回数なんてわからないほど。
せめて、何かきっかけがほしい。そう思っていた柊にチャンスが訪れる。

「がらがらがらーーー!!」
突然、美男の部屋から何かが崩れ落ちたような音がした。
ぼんやりとしていた柊は、一瞬何が起こったのか全く分からず辺りを見渡す。
そして、すぐにその音が先ほど自分が見ていた部屋から発せられたものだとわかる。

柊は何も考えず、音のあった部屋へと走っていく。
そして、部屋の目の前につくと何のためらいもなく扉を開けた。
扉の向こう側には、床にばらまかれた小物と尻もちをついている美男の姿があった。

そのワンシーンだけ見た柊には、何が起こったのか分からなかったが
尻もちをついて痛そうにしていた美男の近くに「美男!」と言いながら向かって行く。
529初めて 3:2011/10/24(月) 00:55:55.52 ID:MR7navar
「美男!?何かあったのか?」
すぐさま、自分の近くに来た柊を見て美男は「うわ!」と言う。
「しゅ、柊さん!?ど、どうかしたんですか!?」
「いや、それはこっちのセリフなんだけど・・。」
目をまん丸にして柊を見る美男に、苦笑いを浮かべながら柊が言うと
「あ、あぁ・・そ、そうでした・・・。」と恥ずかしそうに頭を掻いていた。
「それで・・・どうかしたの?」
「あの、実はあまり使わないものをまとめて棚の上に置いておこうと思ったんですが・・・」
と、途中で言葉を止めると顔を俯かせもじもじしている。
柊は、美男のすぐ側に倒れていた脚立と美男の言葉から「脚立から・・・落ちたのか?」と聞く。
美男は、柊の問いかけに何も言わずただ「こくり」と1回だけ頷く。
柊に尻もちをついた姿を見られて恥ずかしいのか顔が真っ赤になっていた。

そんな美男の様子を見た柊は少し笑みをこぼしたが
ふと、美男の右手に目線が行く。よく見ると、何か赤いものがついていた。
すると、柊は美男の右手首を掴み、自分の顔の近くに持ってきた。
「あれ・・・美男?右手、少し切ったんじゃないか?」
美男自身も右手の怪我には気づいていなかったのか、柊に右手の怪我を指摘されると
「あ、あぁ!!何か痛いなぁって思ったら・・・。」と傷を見ながら言った。

右手の切り傷に驚いたのか、美男はその場であたふたと慌てていた。
「あ、えっと・・ど、どうしよう・・・。」
キョロキョロと辺りを見渡している美男を見た柊は
「大丈夫。今、救急箱持ってくるから。ここで待ってて。」
と言い、美男の頭をぽんぽんと軽く叩いた後、救急箱を取りに行った。
530初めて 4:2011/10/24(月) 00:57:57.09 ID:MR7navar
救急箱を取りに行き終えた道中、柊はこの先どうするかを考えていた。

取り敢えず、美男との接触するきっかけは出来た。
後は、自分の気持ちをどうやって伝えるか。
そこが一番重要な所であり、最も難しいことだ。
ただ、考えすぎるとまた失敗してしまう。
だからと言って、何も考えなしで行動しても・・・・。

などと、永遠といたちごっこのように頭の中でぐるぐると考えていると
あっという間に美男の部屋の目の前にまで到着していた。
まぁ、部屋までは大した距離があるわけではないからすぐ着くのは当たり前なのだが
考え事をしていた柊は、美男の部屋の扉を見るなり「ぴたり」と目の前で止まる。
「・・・ふぅ・・・。」
そして、扉の前で一呼吸置いた柊は、手に持った救急箱を強く握ると、美男の部屋の中へと入っていった。

救急箱を持って、美男の部屋に戻った柊。
美男の怪我は手のひらを軽く切っただけだったので、
消毒をした後に絆創膏を貼ってあげた。

治療をし終えると、美男は「ありがとうございました!」と言い、柊にお辞儀をする。
柊は、そんな美男に何も言わずただ微笑みを返した。

すると、美男がいきなり立ち上がった。
「お礼に、僕がお昼ご飯作ります!」
「いや、お礼とかそういうのは気にしなくt」
「遠慮しないでください!僕、料理作るの得意なんですから!」
と、柊の話を途中でぶった切る様に美男が自信満々な表情で言う。
そして、部屋を出ようと歩き出した瞬間に床に落ちていた小物に躓いた。

「うわ!!」
躓いた瞬間、合宿所の1階に美男の大きな声が響き渡る。
そして、その後すぐに「どん!」という音が今度は美男の部屋の中にのみ響き渡った。
531初めて 5:2011/10/24(月) 00:59:03.89 ID:MR7navar
「いたたぁ・・・・。」
躓いた時に、反射的に目を閉じた美男は少ししてからゆっくりと瞼を開く。
すると、美男は柊を押し倒すような形で柊に倒れかかっていた。
柊は、美男が倒れてきたその瞬間に左手で美男を抱くように受け止め
右手で背後にある壁に手を付けて衝撃を軽減しようとした。
しかし、美男の倒れてくる際の力が予想以上だったのか、軽くではあるが上半身を壁に激突させていた。

「しゅ、柊さん!!」
「み、美男・・・・大丈夫だったか・・?」
壁に激突した際の衝撃で、柊自身も咄嗟に目を閉じていた。
その閉じていた瞼を柊はすぐに開ける。
目の前にいる美男は、驚きと混乱のあまりか何とも言葉には表しにくい表情をしていた。

「ぼ、僕は平気ですけど・・・柊さんの方が・・・。」
「だ、大丈夫。ちょっと体ぶっただけだからさ・・・・。」
心配している美男とは違い、柊は笑いながら美男にそう言うと
美男の気持ちを和らげるために右手で頭を撫でる。
美男は少し身を縮めたが、ふと柊と自分の距離が気になった。

「あ、あぁ!!柊さん!!す、すいません!!!」
「どうした?別に謝らなくても・・・。」
「そ、そうじゃなくて・・・あ、あの・・・。」
美男は今の自分の状況を受け止めたのか、顔全体を赤くして柊から離れようとした。
そりゃ、咄嗟の事だったとはいえ男性に抱かれるような形になっていることに
美男はとてつもないほどの恥ずかしさを覚えたのだろう。

そのことに気がついた柊も、すぐに「ご、ごめん。すぐ離すから。」
と言い、美男を離そうとした。
しかし、柊の左腕は左手は美男を離そうとはしない。
美男が離すことを望んでいるならそれが一番良いことだとわかっているが、既に柊自身も限界だった。
自分の好きな人が自分の体と密着するような状態にもなれば、野性を抑えるの事が出来なくなるのも頷ける。

今まで、理性が野性を上回ることがなかった。だからこそ手をこまねく場面が多々あった。
けれど今は、その理性を野性が上回っている。このチャンス、活かさない手はない!

心の中でそう思った柊は次なる行動に移る。
532初めて 6:2011/10/24(月) 01:02:01.90 ID:MR7navar
一向に自分の体が柊から離れないことを不思議に思った美男は柊の顔を見て
「柊さん?」と一言、小さな声で言葉を投げかける。
すると、柊は美男の名前を呼ぶと緩めかけていた左腕の力を少し強め
さらに自分と美男との距離が近まる様にする。
突然の事で、緊張を隠しきれない美男の心音が美男の体を伝って柊に伝わる。
とても早く小刻みに鼓動は体内でその音を刻んでいる。
柊同様、美男もまた言葉には表せないほどに緊張していた。

だが、今の柊にそんなことを考える余裕はない。
ただ、体は本能の赴くままに動いていくだけだ。

美男の名前を呼んだ柊は右手で美男の顔を自分の顔と直線状になる様にする。
そして、次の瞬間には柊の唇と美男の唇は一つになっていた。
触れ合うだけの簡単なキスだが、そのキスに美男は目を丸くして驚く。
キスをしている柊は、ただ何も思わず瞳を閉じていた。

少ししてから柊はゆっくりと唇を離していく。
柊が見た美男の表情は、何があったのか全く分かってないようなぽかーんとした表情だった。
だが、すぐに現実に引き戻されたのか頭を横に「ぶんぶん」と振ってから柊の事を見つめる。

「しゅ、しゅしゅ柊しゃ、さん!わ、ぼ、僕、お、男ですよ!」
突然すぎたのか、混乱していて話している言葉が噛み噛みになっていた。
柊自身も美男と心境はほとんど変わらない。
けれど、今の柊は考えるよりも先に行動をする状態にある。
つまり、恥ずかしいとかそういった感情に支配されていないのだ。

心臓の鼓動の早さとは裏腹に、柊は冷静に話しだす。
「美男・・・隠さなくて良いよ。俺は全部わかってる。」
「え、え?な、何が?」
「お前が・・・女だってこと・・・。」
「しゅ、柊さん?え?知ってた・・?じゃ、じゃあ・・あのキスは・・・?」
柊の言葉に動揺を隠しきれない美男。
そして、その事を踏まえて先ほどされたキスの事が頭をよぎる。
美男の体が・・・だんだんと熱くなってきていた。

(じゃ、じゃあ・・・柊さんが私にキスしたのって・・・。)
心の中で美男は考えた。だが、考えるほどに突然の出来事のせいでさらにパニックになる。
それは自分自身の態度にも表れてしまい、柊の顔を直視できなくなり、顔を俯かせていた。
顔を俯かせている美男に柊はそっと右手で顔を自らの方へと向かす。
そして一言、「お前が好きだ。」と美男の目を見て言った。

その一言を聞いた美男は、下唇を上唇で噛みながら僅かに涙を瞳に溜めながら柊を見つめる。
そんな美男の姿を見た柊は微笑んだ後、美男を抱き上げてベッドへと連れて行く。

既にこの時、柊は冷静さを取り戻していた。
本当はいきなり美男を抱き上げてベッドに押し倒すなんてことをしようかも迷った。
けれど、こういうのって考えるのも大切だけどその場の流れに身を任せることも大切なんじゃないか?

そう考えた柊は、美男の返答も何も聞かずにベッドに辿り着くと
美男をベッドに下ろし、美男の上に覆い被さるようにベッドに両手を付けた。
自分の目の前にいる美男は頬を真っ赤に染めて、目を逸らしながら
「しゅ、柊さん・・」と小さな声で柊の名前を呼ぶ。
「大丈夫だから・・・。」
微笑みながら、軽く美男の頭を撫でてあげた後、
ゆっくりと自らの体をベッドに沈むように下ろしていき、美男と再び口づけを交わした。
533初めて 7:2011/10/24(月) 01:03:27.75 ID:MR7navar
一体何が大丈夫なのか?
冷静さを取り戻していた柊は、キスをしている最中、そんなことを考えていた。
この先は自分がただ「見たことがある」という実体験でもなんでもない情報しか当てにならない。
しかし、その情報すら当てになるものなのか分からない。
一抹どころか大量の不安を心の中に抱いていた。それでももう後戻りすることはできない。
深い深いキスの間、目を閉じながら柊は覚悟を決めていた。

キスをし終えると、柊はゆっくりと閉じていた瞼を開き、美男の顔を見つめる。
目の前にいる美男は、僅かな時間キスをしていただけなのに息を切らし、
頬を赤らめながら「ハァ・・ハァ・・・。」と呼吸をしている姿が目に映る。

と、ここで柊の動きが少し止まる。
(こ、この先・・・どうしようか・・・。)
一見、柊は手慣れているような冷静さを保っているように見えたが
実際の所、緊張は最高潮に達していてこの先どうすればいいのかわからなくなっていた。
無論、自分が「見た」情報の事などほとんど頭の中には残っていない。
だから余計にこの先どうすれば良いのか、という疑問が動揺を駆り立てる。

「ハァ・・ハァ・・・しゅ、柊さん・・?」
ずっと黙りこんでいる柊が気になった美男が、まだ整いきっていない呼吸をしている状態で口を開く。
美男の言葉が聞こえた柊は、小さく「ふぅ・・・」と自分にも聞こえないぐらいの大きさで息を漏らす。

そして、その後柊は再び美男に近づき美男の後頭部に手を潜り込ませて自分の方に寄せた。
(自分なりのやり方で・・・・もうやるしかない。)

柊は今日3度目のキスをした。しかし、そのキスは1回目と2回目とは全く違う。
柊は、キスをしながらゆっくりと固く閉ざされた美男の口に舌をキスしながら当てる。
その舌は美男の口の中へ侵入しようと何度も上唇と下唇の間を動く。
美男も最初は、柊の侵入に若干抵抗したが、時間の経過とともにゆっくりと柊の侵入を許していく。

柊の舌が侵入すると、それは少しの間美男の口の中を動き回る。
そして、ふと動き回っていると自分のものとは違う暖かな何かに触れる。
それに触れた瞬間、美男の体が「ビク!」と震えた。
その震えと同時に美男の中にある舌が柊の舌から逃げるように別の方向に動く。

(これって・・・感じてるのかな?)
美男の反応を体で感じた柊は、何度も美男の舌に絡めるようにして舌を動かす。
最初は、絡まっては逃げるという事を数回繰り返したが、次第に美男の舌は柊を受け入れる。
互いの舌と舌とが絡まり合うたびに水音が聞こえ、その度に美男の口から「んん!」という声が漏れる。
534初めて 8:2011/10/24(月) 01:04:32.41 ID:MR7navar
しばらくすると柊は少しずつ唇を離していく。
そして、離れていくほどに柊の瞼は開かれて美男の姿を捉えていく。
美男自身も、唇が離れていくのを感じたのかゆっくりと瞼を開けている最中だった。
「ハァ・・ハァ・・んハァ・・・ハァ・・。」と肩で息をしている美男を見た柊は、
いつものも子供っぽい美男とは違い、異常なほどの艶っぽさに「ごくり」と唾を飲む。
赤みを帯びた頬。潤いを持つ瞳。そして、首を流れる一筋の汗。
それらが普段の美男をより一層艶っぽく見せる。


美男の変わり様に驚いた柊の心音はどんどん高まっていく。
心臓の鼓動が意識しなくても分かるほどに鼓動の早さは増している。

そんな中、まだ息を整いきれていない美男が力を振り絞って話を始めた。
「しゅ、柊さん・・・ハァ・・わ、私・・・何か体が熱いです。
ハァ・・ハァ・・ど、どう・・ちゃったんだろう?こんなの・・・んん・・初めて・・。」
「美男・・・?」
「わ、私・・・へ、変で・す。風邪でも・・・ないのに・・体が・・熱い・・・」
荒い息をしている美男は一度息を飲むと、目を強く瞑る。
そして、目を瞑った後に一筋の涙が零れ落ちた。
その涙を柊が掬うように拭くと、何も言わずにそのまま美男の頭を撫でる。
一瞬、「ビク!」と体が震えたが、すぐに美男は涙で潤った瞳で柊の顔を見つめる。
柊は、優しく微笑むと頭を撫でながら「美男は変じゃないよ?」と小さな声で言う。

しかし、優しく微笑む柊の表情を見た美男は
「で、でも・・・わ、私・・・は、恥ずかしい・・・です・・こんな姿見られるの・・。」
と言うと、柊から顔を逸らし体を縮めていた後に
「こんな私・・・誰にも・・・見せたくない・・・。」と口元に握った手を当てながら言った。

ぽろぽろ目を閉じたまま涙を零す美男に対して、柊は小さく美男の名前を呼ぶと
美男の体を起こし、頭を撫でていた手で美男を自らの体へと抱き寄せる。

突然、自分の体が柊の体と接触しその事に美男は驚いたが、柊の事を見ることはない。
恥ずかしそうに身を縮ませる美男に一言、
「俺は、どんなお前でも受け止めるよ。」と告げると今度は両腕で美男を包み込むように抱く。

柊さんの優しさが、柊さんの体を伝って温もりとして伝わる。
今まで感じたことのない刺激に動揺していた美男の心は少しずつ解れていく。
不安や恥じらいを捨てきることはできない。けれど、この人になら・・・・
私は・・・私自身を預けることが出来る・・・

先ほどまで流れ落ちていた涙は、気がつくと止まっていた。
腕の中で、目を閉じながらも幸せそうな顔をして微笑む美男。
幸せそうに微笑んでいる美男を見た柊もまた自然と笑みを浮かべる。

そして、抱き寄せていた体を少しだけ離すと柊は美男が自分を見たことを確認すると
「さっきも言ったけど・・・・。俺は、どんなお前でも受け入れるから。」と言うと、照れ臭そうに笑いながら視線を逸らす。
そんな柊の行動に初々しさを感じた美男子は、「くす」と笑うと「はい。」と一言だけ返した。
535初めて 9:2011/10/24(月) 01:06:48.21 ID:MR7navar
しばらく、その場には和やかな空気が漂っていた。
そして、美男の体を自分から離した柊は少し迷った後に
「じゃ、じゃあ・・・良い?」と美男に問いかける。
美男は顔を俯かせたまま何も言わずに1度だけ小さく頷いた。
返事を確かめた柊は、美男の上着をゆっくりと脱がしていく。
衣服を脱がしている間、美男は恥ずかしさのあまり顔を赤くしながら柊から顔を逸らしていた。

胸に巻かれていたサラシも全て脱がすと、柊は美男の体をベッドに優しく沈めていく。
サラシが無くなった美男の胸は少し赤みを帯びており、そして小振りながらもしっかりとした膨らみを持っていた。
美男の姿を目に焼き付けた柊は、今だ柊と顔を合わせていない美男の顔の横に、自らの顔を近づける。
そして、右手で美男の顔の下に腕を潜り込ませ、ゆっくりと左手で膨らみを掴む。
微かに掴んだだけなのに、美男の閉じた口から「んん・・・」と甘い声が漏れた。

柊にとって、女性の胸に触れるというのももちろん初めての行為だった。
初めて女性の胸に触れた柊はぼんやりと美男の耳元で「柔らかいな・・。」と呟く。
その言葉に美男は「そ、そんなこと言わないでくださいよ・・・。」と恥ずかしがりながら言うと、柊は美男の姿に愛らしさを感じ笑みを零す。

そして、そんな他愛もないやり取りをした後、再度左手に力を加える。
「ぁあ!・・・ゃん・・。」
ただ何度も繰り返し同じ力加減で、柊は美男の膨らみに力を加えるだけなのに
その力を加えたり、抜いたりするだけで美男の体は喘ぎ声を出しながら何度も震える。
そんな中、たまたま胸から手を離したときに人差し指が胸の頂点に掠る。
すると、美男は「んあぁん!」と今まで以上に大きな声を出し、体を大きく震わした。

今までで一番敏感に反応したのを見た柊は、美男の耳元で
「ここが良いの?」とまたも小さく呟く。
美男は、耳元に噴きかかる柊の吐息で少し体を反応させた後、閉じていた瞼にさらに力を入れて強く瞑ると、
顔を真っ赤にして小さく顔を横に振る。

しかし、それが嘘なのはすぐに柊はわかった。
ただ一度掠る様に触れただけなのに、美男の口から今も小刻みに溢れ出ている喘ぎ声。
そして、その部分から与えられた刺激に耐えるためなのか、閉じている瞳に少しだけ溜まる涙。

頭では「嫌なこと」として美男は捉えているのかもしれないが
それ以上に、今の美男の体は素直に美男自身の奥深くにある心情を表現している。

美男の心の奥底に眠る何かを目覚めさせたいと思った柊は
遠ざけていた左手を再び、胸の頂点の部分へとそっと持っていく。
そして、親指と人差し指を使い軽く触れるように摘んだ。
その瞬間、美男の口から「いぁ!だ、駄目!」という声が発せられる。
536初めて 9:2011/10/24(月) 01:08:33.19 ID:MR7navar
伝わってくる刺激を受け入れることが出来ない美男は2,3回その場で顔を小さく横に振った。
けれど、何度も摘んだり離したりする度に美男の体は大きく上へ反り上がる。

「美男・・?本当に嫌なの?」
不敵な笑みを浮かべながら、柊は美男の耳元で執拗に頂点を弄り続けながら囁く。
「ゃ・・あ!だ、駄目・・!んんぁん!・・だ・・め・・・。」
触れながら、うわ言の様に何度も何度も「駄目」と言いながら大きく首を振り続ける。
そして、何度も頂点から伝わる刺激から逃れようと柊から体を離そうとする。
しかし、柊はそれを許さずに後頭部に潜り込ませていた腕をそのまま下に下ろすと
美男の肩を掴み、そのまま自分の方へと強く寄せた。

「駄目・・・。逃げちゃ駄目・・。」
明るくも優しい口調で、美男の耳元で囁く柊。
それでも、美男は今だ羞恥に顔を染め固く瞳を閉ざしている。
「俺の・・・側にいて?」
そう言うと、美男の肩を掴んでいた手が美男の肩を強く掴む。
そして、より近くで美男を感じたいと思った柊はもっと強く美男の体を抱き寄せる。
今も顔を逸らし続ける美男は、何度も何度も「ハァ・・ハァ・・」と息を切らしている。


そんな美男の姿を微笑みながら柊は見つめながらも、ずっと乳首を弄っていた。
今までただ摘むだけだったが、強弱をつけたり擦るように触れたり
弾くように何度も上下に動かしたりと思うように色々とやってみる。
その度に、体を大きく反り上げ、口からは喘ぎ声が漏れていた。

「ぁ、あぁ!い、い・・・ゃ・・ん!!」
「美男・・・もう一回聞くけど、本当に嫌なの?」
必死に伝わる刺激に耐えようとしている美男に柊はまたも耳元で囁く。
すると、ずっと縦に首を振っていた美男は頷くこともせずただ息を切らしているだけだった。
美男の中でも、少しずつ与えられる刺激が快感へと変わっている最中だった。
しかし、それを直感的に悟ると柊は今まで執拗に弄っていた部分から手を遠ざける。
柊は美男に対してちょっとした意地悪をしたくなっていた。
手が遠ざかっていくのを感じたのか、美男は逸らしていた顔をうっすらと目を開きながら見つめる。

「美男がそんなに嫌がるなら・・・もうこれ以上しないよ。」
柊は、自らの顔に寂しさを漂わせながらほんの少し、美男から視線を逸らす。
本人は別に本気でそう思っているわけではない。
ただ、自分がこんなことを言ったら美男はどう行動するのか?
そんな想いが、柊のS心を刺激していた。

柊の言葉に対して「しゅ、柊さん・・・?」と瞳を潤わせながら美男は問いかける。
しかし、柊は何も言わない。何も言わずにただ、美男から視線を逸らす。
何も言わない柊の姿と、今まで刺激を与え続けていた手が遠ざかっていくのを
目で捉えた美男は、自らの胸元に手を握りながら添えると
「・・い、いや・・・。」と小さな声で呟いた。

「しゅ、柊さん・・・や、止めないで・・・。」
心の中で、美男は溢れかえるほどの恥じらいを感じる。
けれど、それ以上に今はあの手が、柊さんが与えてくれる刺激が恋しい。
複雑な感情を抱きながら、それでもこの先を求める美男は遠ざかる柊の手を掴む。

自分からこの行為の続きを求めた美男は、柊の顔を直視できないほどに顔を赤く染めていた。
そんな美男の姿を見た柊は笑いながら美男に掴まれていた手で美男の頭を撫でる。
撫でられて美男は一瞬、「ビク!」と体を小さく震わせて身を縮めると、柊の顔を見る。
「美男・・・。」と名前だけを呼んだ柊は撫でていた手を離すと、
何も言わずに美男の真横にあった顔をゆっくりと美男の胸の真上に向かう。
そして、美男の方へと視線を向けた後、すぐに再び胸の方へと視線を戻すと口を開き、乳首に舌を当てる。
537初めて 10:2011/10/24(月) 01:10:09.31 ID:MR7navar
「んぁ!ゃ・・。んん。」
自らの敏感な部分に当たる生温かくてぬるりとした舌が、美男の体をより一層熱くする。
舌がその敏感な部分に当たるだけでどんどん、美男への快感が喘ぎ声となって表現される。
大きな喘ぎ声と、新たな刺激に体を何度も体を震わせる美男に柊はさらに追い打ちをかける。
舌でもてあそんでいる方とは逆の敏感な部分に右手を持っていくと
その部分を摘み、左右に回すようにくりくりと弄る。
「んぁあ!だ、だめぇ・・・んん!」
声を押し殺そうと、上唇で下唇を噛んでいるが、それでもそこから喘ぎ声は溢れてくる。
どんどんと体は赤みを増していき、呼吸は荒くなり
敏感な部分に触れれば触れるほど、美男の色気が増してくる。

そんな美男の姿に柊の鼓動も早さを増していった。
汗を纏う美男は始めた時よりもさらに艶っぽさが増している。
そして、甘く響き渡る喘ぎ声が、体を伝って感じる美男の鼓動の早さが柊に興奮を覚えさせる。

柊は、もうこうしたら気持ちいいだろうとかいう事は考えてはいなかった。
美男の敏感な部分を何度も上下に弾いたり、円を描くように舌を這わせたり。
そして時折、強弱をつけて吸い上げたりすることも考えてしているわけではない。
勝手に体が動くというレベルだ。
意識がはっきりしている柊は、自分がしていること一つ一つにさえ驚いている。
それを表しているのか、柊の左手は汗でびっしょりと濡れていた。

ただ、美男の乱れる姿。
その姿をもっと見たいという気持ちだけが、柊を駆り立てていた。

「しゅ・・さんん!!だ、だ・・・め!!」
息を切らしながら、それでもずっと体を駆け巡る快感に耐えようと涙を零す美男。
すると、柊は両方の敏感な部分から手と舌を離す。
舌を這わせていた方の部分は、柊の唾液によって濡れていて
その部分に光が当たると、厭らしいほどに光り輝く。
そして、美男自身は「ハァ・・・ハァ・・・」と目をつぶりながら肩で息をしていた。

けれども、柊にはまだ気になる部分があった。それは、ジーンズの下に隠れている部分だった。
今、自分の下の方は完全にそそり勃っている。けれど、じゃあ美男のそこは一体どうなっているのか?

荒い呼吸を整えようとしている美男の顔を「ちら」と見た柊は
恐る恐る、美男のジーンズのファスナーに手をかける。
すると、その姿を見た美男は「しゅ、柊さん!は、恥ずかしいです・・・。」
と息を切らせた状態で言葉を投げかける。しかし、柊の耳にその言葉は届いてはいない。
538初めて 11:2011/10/24(月) 01:11:16.35 ID:MR7navar
(ここって・・・どうなってるんだ?)
ただこの気持ちだけが柊の頭を漂っていた。
今の柊は、ただ目の前に待ち構える未知のエリアに興味を示すだけだ。
それ以外の周りの音や声は何も耳には伝わらない。

ゆっくりと、ファスナーを下ろし美男のジーンズを脱がすと
そこには既に水浸しになっていた。

(な、何でこんなに・・・濡れてるんだ・・・?)
目の前に広がる光景に、柊は「ごくり」と唾を飲み込む。
(この中に入ったら・・・美男はどんな反応をするんだろう・・・)
ただ、この先がどうなっているか?そして、そこに触れたら美男はどうなるのか?
気になる柊は、ゆっくりと濡れが最も酷いと思った部分に指を添える。

すると、意識をただT点に集中させていた柊の耳元に美男の声が響く。
何事かと思い、視線を美男の顔に映すと美男は何度も「ぁぁあん!そ、そこ駄目です!」
と荒い吐息が混ざりながらも首を振りながら言い続ける。

今まで、何回も「駄目」って言葉は聞いてきた。
けれど、今回は本当に「駄目」なのかもしれないと美男の尋常じゃない。
反応を見て柊はそう感じる。
そして、触れていた指をそこに残し、美男の顔の横に近づく。

近くに柊が近付いてきたのを感じる美男は、溜めていた涙を流しながら柊を見つめると
「しゅ、柊さん・・・そ、そこは・・・本当に駄目・・・。」
と柊の左腕を掴みながら不安そうな表情を浮かべている。
だが、柊は掴まれていた左腕に力を加え、強引に美男の手を振り払うと
美男の上半身を軽く持ち上げて、そのまま抱き寄せる。

「大丈夫。俺がずっと側にいるから・・・。」
抱き寄せた美男の顔にそっと自らの顔を寄せると、美男の顔を見ず、ただ強く抱き寄せる。
抱き寄せた後に、すぐにまた左腕を掴まれたがその掴む力がだんだんと弱くなる。
「しゅ、柊さん・・・・。」
横を向くと、すぐ側には柊の微笑みがある。
その微笑みに不思議と胸の中の「不安」が完全に無くなった。
美男は、柊の体に身を寄せて目を閉じる。
柊は、美男にそれ以上の事は聞かないことにした。
これ以上、何か話してもまた美男が不安になるかもしれないと感じたから。
だから、肩を抱き寄せていた手を美男の後頭部に当てると
左手で下着の中へと手を滑り込ませる。
539初めて 12:2011/10/24(月) 01:13:39.98 ID:MR7navar
美男の予想以上の乱れっぷりに柊は、内心驚いていた。
ただ、上下に割れ目をなぞるだけでこんなにも厭らしい声を漏らし
こんなにも、体を敏感に震わせる。その姿をもっと見たいと思う柊の指はどんどん激しさを増していく。
最初は、ゆっくりと控えめだった指の動きは、既に小刻みに素早く美男の割れ目を刺激していた。
そして、下着の中で指が動くたびに、美男の声と「びちゃびちゃ」という卑猥な水音が部屋に響いていた。

「あぁぁ!ひゃ!んん!!」
柊の腕の中で瞳を固く閉ざしながら、喘ぎ続ける美男に柊は小さな声で囁きかえる。
「美男・・・どう?気持ちいい?」
「あぁ!な、何か・・・変ですんん!!」
柊は、美男に今の気持ちを聞くがその間も指の動きを止めることはしていない。
だから、美男もただ言葉を発するだけなのに必死になっていた。

「変って・・?」
「か、体の奥から・・・熱いものが・・・こ・み・・上がってきま・・す・。」
「それはね・・・気持ちいいってことなんだよ?」
「き、き・・・もちいい?」
「うん。だから、込み上げてくるものを抑え込まなくて良いんだ。」
微笑みながら後頭部に当てていた美男の頭を軽く撫でると
今まで割れ目をなぞっていた指が一気に美男の奥まで入っていく。

「んぁぁ!!」
「大丈夫だよ・・・。優しくするから・・・。」
と言ってすぐに、柊の指は美男の中で激しく抜いたり入れたりを繰り返し始める。
優しくするという言葉から想像できないほどの激しさに、美男の意識は一瞬遠ざかる。
もう、美男は意識を保っているのが精いっぱいの状態にあった。

「あぁ!しゅ、柊さん!な、中から、何かが!!」
内部で指を掻き回していると、だんだんと美男の割れ目から愛液が少しずつ溢れ出てくるのを感じる。
その度に、美男の下着の舌で聞こえる卑猥な音も大きくなる。

「駄目!しゅ、柊さん!!も、もう駄目!!」
絶頂を迎えようとした直前、美男の中から柊の指が「ぬるり」と抜ける。
完全に絶頂を迎えることが出来なかった美男は、息を切らせながら
羞恥のあまり赤くなった顔で柊の顔を見る。

「ごめんね・・・美男。もう少しだけ・・・あと少しだから。」
そう言うと、もう一度優しく頭を撫でてやり、美男をベッドに下ろすと柊は美男の下着を完全に脱がす。
今まで下着越しでしか感じられなかった柊は、びしょびしょに濡れている割れ目を目の当たりにして息を飲む。

焦点が合っていない瞳で、美男は柊の姿を僅かに捉える。
けれど、もうしっかりと意識が残っているわけではないから、ぼんやりと捉えることしかできない。
だから、美男は柊の名前をずっと呼び続ける。
540初めて 13:2011/10/24(月) 01:15:29.02 ID:MR7navar
もう美男の意識がもうろうとしているというのは、目の前で彼女を捉える柊が一番わかっていた。
だからこそ、もう楽にしてあげたい。同時に、自分も楽になりたい。
そんな気持ちを抱きながら、柊は自らも衣服を脱ぎ捨て裸になると
根元を掴み、ゆっくりと美男の割れ目の中へと侵入しようとしたがうまく入らない。

柊にとって、初めて女性の重要な部分に侵入するためか、少しだけ不安になる。
それは、根元を掴む手の震えがその気持ちを表現している。
幸いなことなのか、美男の意識がはっきりとしていないという事が救いだったとも言える。
そして、柊は小さく息を吐くと自分の体を押し込むように中へと入っていく。

入れている最中、思いの他に内部へとするすると中へ入っていく。
柊は、もっと激しい抵抗が待っていると思っていたが
美男自身の中が、彼女自身の愛液によって濡れていたことがスムーズな侵入を許したのかもしれない。

完全に根元まで入るのを確認すると、またも小さく息を吐き
美男の両足を掴みながら腰を動かし始めた。

「ぁあ!あぁ!!んんん!!」
柊自身が腰を動かすたびに美男の内部に当たり、美男の体に熱い電流の様な刺激が走る。
また、柊自身も動き出すと予想以上に美男の締め付けが強くてどんどん息が荒くなる。

「んぁあ!しゅ、柊さ・・・ん」
「ハァ・・ハァ・・・み、美男・・・。」
ゆっくりと動き出していたはずの腰が、今は大きく素早く美男に打ちつけれられている。
その度に柊の中で込み上げてくる「欲望」がだんだんと溢れ出そうになっていた。

「ハァ・・・み、美男・・・も、もう・・・。」
汗を流し、息を切らしながら柊は美男に自らがもう限界であることを伝える。
そして、ベッドに両手を付けて倒れ込むと、美男の後頭部に手を潜り込ませて
美男の顔を自分の顔の方へと近づける。
美男は何度も「駄目!」と言いながら喘ぎ声を発していた。


「だ、め!柊さん!駄目!あぁぁぁ!!」
美男の大きな声が聞こえた瞬間、美男は限界に達した。
それと同時に、柊自身も割れ目から素早く引き抜くと美男の体に欲望をぶちまける。
しばらく、柊は息を切らしながらその場に立ち膝のまま立ち尽くし、放心状態にあった。
柊が意識を取り戻した頃には、美男は荒い息をしたまま意識を失っていた。

柊は服を着た後、汗や自分の欲望で汚れた美男の体を綺麗に拭き
衣服を全て、行為を始める前の状態に戻すと美男をベッドに寝かせ上から布団を被せる。
そして、眠っている美男に口づけをすると部屋を後にした。

部屋に戻った柊は、そのままベッドに倒れるように寝転がる。
ようやく息が整ってきたが、まだ少しだけ荒々しい呼吸を時折していた。
ベッドにうつ伏せになりながら、ぼそりと「こんなに・・・大変だなんて・・・。」
と言うと、自分も深い眠りの中へと入っていった・・・・。


長いようで短い休日はこうして幕を閉ざすのだった・・・・。
541名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 01:16:50.76 ID:MR7navar
以上です。DT柊さんを目指したのに、気がつくと普通の柊さんになってました;;
長文&駄文で申し訳ありませんでした!
542名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 01:54:48.05 ID:RrzwLmDl
>>525
GJ!!廉さん、欲望に忠実過ぎww
3日ぶりだからってご機嫌な廉さん超可愛い、皆にバレバレなのがまたww

>>541
童貞柊さんご馳走様です!初めてなのに冷静で驚いたな…流石柊さんww
543名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 10:47:24.89 ID:ukDw58vK
廉×美子でプロポーズ話を書きました。
エロはなしです
投下します。
544茜色の約束:2011/10/24(月) 10:47:45.42 ID:ukDw58vK
美子が帰国して一年。
美子は青空学園でボランティアをしながら合宿所の家事や事務所の手伝いとして働き、廉はA N JELLとして忙しく活動していた。
そんなある日…
「美子、来月休みもらったから2人で旅行にいかないか?」
「行きたいですけど…仕事は大丈夫なんですか?」
コンサートでの愛の告白で一時的に人気は落ちたが
会見を開いた廉の誠実な態度。
アフリカにボランティアに行っている一般人の恋人という点に好感がもたれ
今では昔以上に忙しくなりなかまとまった休みをとることはできなかったのだ。
545茜色の約束2:2011/10/24(月) 10:48:54.02 ID:ukDw58vK
「大丈夫だ。新曲も3曲作ったし社長の許可もとってある」
「わかりました。無理はしないで下さいね!でも2人で旅行なんて初めてだから嬉しいです!!」
「どこに行くかは俺が予約しとくから楽しみにしとけ」無邪気にはしゃぐ美子を見ながら幸せそうに微笑む廉だった。
旅行の前日…
「注文したものはできてるか?」
「桂木様お待ちしておりました。出来上がってますよ」
店員が持ってきた箱の中には星のデザインが入った指輪が輝いていた。
「俺のイメージ通りだ。ありがとう」
「桂木様のイメージ通りに作れた様で安心しました。プロポーズ頑張って下さいね」
「えっそんなんじゃ…あっありがとな」
店員の励ましに首まで赤くなる廉だった
546茜色の約束3:2011/10/24(月) 10:49:52.69 ID:ukDw58vK
「廉さんどこにいくのかそろそろ教えて!」
「知りたいか?」
「知りたいです!!」
「沖縄だ。」
廉の答えに驚いて目を見開く美子。と同時にあの時の切ない気持ちも蘇ってくる「沖縄…俺達にとっていい思い出ないよな。でもいい所だから嫌な思い出じゃなくて二人にとっていい思い出の場所に変えたかったんだ。嫌だったか?」
少し心配そうに聞いてくる廉の気持ちに美子はうれしさが込み上げてきた。
「嫌じゃないです。廉さんと水族館行きたいな!」
嬉しそうに笑う美子にほっとする廉であった。
547茜色の約束4:2011/10/24(月) 10:51:09.16 ID:ukDw58vK
「うわぁ〜海の中にいるみたい!」
沖縄について、美子のリクエストの水族館にきた二人。
「お前は前も来たんだろ?」「なんか前きた時はあまり見れてなくて…あっあの魚廉さんにそっくり!」
魚を指さし笑う美子。
「はぁ〜?あの魚のどこが俺に似てるんだっ!俺はあんな顔してないぞ!」
口を尖らせて怒る廉。
以前来た時とは違い二人は始終笑顔だった。
548茜色の約束5:2011/10/24(月) 10:52:14.90 ID:ukDw58vK
水族館を後にし二人は古宇利大橋にドライブに来ていた。
「うわぁ〜海の上を走ってるみたい!!」
予想通りの反応を見せる美子に得意げな表情の廉。
「ブタウサギ様お気にめしましたか?歩いて散策することもできますが…」
「散策したいです!」
橋のたもとに車をとめて歩く二人。夕方になりうっすらと空が茜色に染まりはじめていた。
「廉さん海に茜色が混じって星みたいにキラキラしてて綺麗ですね。」
「そうだな…。一泊分しか休みとれなくてごめんな。もっといろいろ回りたかっただろ?」
「充分です。こんな風に廉さんと過ごせるなんて私…幸せ過ぎます」
キラキラした目で廉に微笑みかける美子が眩しくて廉はドキドキし始めていた。
549茜色の約束6:2011/10/24(月) 10:53:25.95 ID:ukDw58vK
(いっ今はいい雰囲気ってやつだよな…今がチャンスか!?)
朝からずっとポケットに入れていた指輪の箱をぎゅっと握りしめる
(勇気をだすんだ!お前はANJの桂木廉だぞ!)
「みっ美子…」
いつになく真剣な表情の廉に違和感を感じる美子
「どうしたんですか?廉さんそんな顔して…」
「親のことはお前のせいじゃないのに頭ではわかってたのにひどいこと言って沖縄でもお前にひどい態度だった…
沖縄って言葉聞くたびに昔を思いだして自己嫌悪感じてた。
でも今日お前と沖縄にきてすごく楽しかった。お前といると毎日が楽しくてほっと癒される気持ちになってだから俺はお前とずっと一緒にいたい…
結婚してくれ!!」
550茜色の約束7:2011/10/24(月) 10:54:27.11 ID:ukDw58vK
「この指輪オッケーなら受け取ってほしい。」
廉が差し出した箱を受け取り中を開く美子。
「これは…星?綺麗…」
「俺がデザインして作ってもらった。星は俺達にとって大切な思い出だから」
首まで真っ赤になって思いを伝えてくれる廉。
「廉さん。ありがとう…すごくすごく嬉しいです」
泣きじゃくりはじめた美子に廉は、
「泣かなくていいだろ」
といいながらとても優しい表情で頭を撫でた。
「俺の家族になってくれるな?」
「はい…廉さん…」
茜色の空の下二人は永遠の愛を誓うキスを交わした。
551名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 11:03:11.72 ID:ukDw58vK
以上です。
ありがとうございました!
552名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 11:21:58.90 ID:zC72WWmP
うわぁ古宇利大橋!
あそこはほんとに綺麗だよね〜
素敵なプロポーズだ
かわいいお話ありがとう
553名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 11:47:06.32 ID:bLC4qw4k
>>551
GJ!!
ぎこちないけどお互いを想い合う心と沖縄の風景の描写が素敵でした!


ところでエロパロ板の容量って500kbで良いんだよね?また残り少なくなってきてるね。
次スレのタイミングとかどうすれば良いんだろう?
まだ残り約70kbはあるみたいだけど、これから長文落とす人とか続き物を書いてる書き手さんは気を付けてね。
554名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 18:14:18.77 ID:ObwEPBat
うわーたくさん投下されてる!嬉しい。
>>525 GJ!廉さん鈍すぎーw恥らう美子かわいい。そして他の3人は色々大変w
しかしアノ日の4日目って…けっこうまだ汚いぞ!w
>>541 DTだけどそうは思えない柊さん…!!お疲れ様でしたw
>>551 沖縄でプロポーズかーいいなぁ。廉さんに似てる魚に噴いたw
GJでした!そのままエロへ続かないですか?w

投下途中で切れてしまうのは悲しいですもんねぇ。
600レスまで行ったらスレ立てするとか決めといたほうがいいんですかね?
555名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 22:17:03.06 ID:JOmJAlWu
レスする間もなく新作の嵐…何たる幸せ!
>>525
我慢のきかない廉さんカワユス!全員にもろもろ筒抜けなのねw
しかし美男が妹の周期まで知ってるとは…驚いたな
>>541
おめでとうございます柊さん…!ラストのセリフが…新鮮w
>>551
素敵なデート&プロポーズ見せていただきました!
「ブタウサギ様お気にめしましたか?」のところがなんかツボだ〜

職人さん方ありがとうありがとう!
ドラマ終盤でようやくたったエロパロスレが、まだまだ続くなんて…感無量
556名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 22:43:55.08 ID:RrzwLmDl
本スレでエロ妄想ネタで盛り上がって、エロパロスレ立ててそっちでやれよって流れで立ったよね
需要あったようだしもっと早く立てとけば良かったと後悔…
まさかドラマ終わってもこんなに伸びるとは…
幸せなことだよ
557名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:02:12.65 ID:ObwEPBat
でもドラマ放映中は、次の展開次第でなかなか妄想しにくいので
あのタイミングが最善だったと思うよ。
でもまだまだ色んなエロパロ(エロなしも好き!)読めて幸せだー。
558名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:15:55.66 ID:y4gOdrzi
さりげなくDT柊さんをリクエストしといたのだが、もう投下されてるwGJ!
DTのくせに全然DTっぽくない柊さんさすがだなww
やっぱDT柊さんって難しいですかね。
逆に超積極的でエロスな美子とかどうだろうと思ったけど、そっちの方が妄想難しい…
559名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:18:45.20 ID:RrzwLmDl
>>558
酒とか媚薬で、普段マグロな美子は反動で淫乱に…ってかんじならアリかもww
560名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:55:58.91 ID:uaUnyLEd
>>541
DT柊さんキター!!
GJ!!
これで想い人と念願の経験を遂げた柊さんは美子に対してネチネチエロエロを開花させていくわけですねw
よければ以後の展開も待ってます!
561名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 23:57:46.44 ID:xIpA54YR
>>525
美男兄、面白い、確かに妹とアレの話までするなんて、双子恐るべし〜。
廉さんの調子の良さが好き。潔癖症よりも欲望優先なんですね♪

>>541
非DT柊さん、突然美男襲ってDT卒業か。この先どうなるのか、盛りがつきそうで怖いですね。

>>551
「あの魚廉さんにそっくり!」」
これに一番受けました。なんてSな恋人!
古宇利大橋ってドラマロケでも行ったの?行ってみたいなー。
562名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:07:37.77 ID:mAhYJWOv
美男×NANAの続きを投下します
あと、やっとタイトル付けました
今回もまだエロなしです。ごめんなさい


前回
>>318-323
>>438-443
563HEART13:2011/10/25(火) 00:09:41.34 ID:mAhYJWOv

美男の手の中にはトオルからもらった1枚のメモ。
そこにはNANAの連絡先が一通り書いてある。
近づいてもいいとは言われたものの…どうしようか?
NANAもきっと忙しいだろうと考えて、まずはメールを送ることに決めた。
とはいえ、何を書いていいものかまったく思いつかない。
携帯とにらめっこしながら書いては消し、書いては消しを繰り返してみたものの、
結局たいしたことは書けないままだった。

『この前はありがとう。うれしかった』

不本意ながらも送信ボタンを押して携帯をテーブルの上に置くと、返事はすぐに届いた。
「うわっ、もう?」
返信の早さに驚きつつ、一体何が書いてあるのかドキドキしながらメールを開く。

『誤解しないでね。まだ好きになったわけじゃないから』

「そっか、そうだよな…」
期待していたよりも素っ気ない返事にちょっとガッカリしたものの、
コンタクトをとること自体は嫌ではないらしい。
美男は再び携帯を操り、送信ボタンを押した。

『でも俺は君のことが好きだ』

美男からのメールを開いた途端、目に飛び込んできたストレートな言葉に
NANAの心臓が大きく波を打った。
顔が赤くなっていくのが自分でもよくわかる。
好きなんて言葉、ファンレターでいつも当たり前のように見てるのに…
なんでこんなにドキドキするの?
まるで特別なものを見るように、その文字を何度も何度も目で追った。
でもそうしているうちに、なんだか逆にイライラしてきて。
うれしいけど…どうしてメールなのよ?
564HEART14:2011/10/25(火) 00:11:44.45 ID:mAhYJWOv

「返事、来ないなぁ…」
待っている間、手持ちぶさたで携帯をあれこれいじっていたら、突然着信音が鳴り出して、
危うく取り落としそうになった。…NANAだ!

「も、もしもしっ!NANA…ちゃん?」
「『ちゃん』なんていらない。NANAでいいから」
浮かれた気分で電話に出たのに、聞こえてくるNANAの声が明らかに不機嫌そうで美男は戸惑った。
「な、NANA…どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ!なんでこんな大事なことメールで言うの?
美男ってばなんにも分かってない!」
「ごめん…」
なんで怒られてるのかよくわからないけど、勢いに押されてとりあえず謝ってしまった。

「明日…」
「うん」
「オフの日だから。会いに来て」
「うん。…て、えっ?」
「絶対よ。来なかったら、美男なんてもう知らないから!」
565HEART15:2011/10/25(火) 00:14:41.50 ID:mAhYJWOv

「馬淵さーん、明日のスケジュールってさ…」
「お前それさっきから何回聞いたら気が済むんだよ?
朝から新曲のプロモーション!都内が終わったらすぐ大阪に移動だ。
めっちゃくちゃ忙しくなるから覚悟しとけよ〜!」

はぁ…
ため息しか出ない。
(来なかったら、もう知らない)
スケジュールは何回確認しても変わらないし…
(絶対よ)
絶対…ねぇ…

「無理に決まってるだろ?!なんでこんなにワガママなんだよ…」
わがままだし、天の邪鬼だし、猫被ってるし。
もし付き合ったら、絶対に振り回されるに違いない。
めんどくさい女は嫌いだから、今までだったら避けていたタイプだ。
多分、NANAに明日のスケジュールの話をしてもただの言い訳だといって不機嫌になる。
でも連絡しなければしないで結局怒るんだよな、そう思って美男は苦笑する。
…それでもやっぱり、俺はNANAが好きだ。
少しずつ見え隠れするNANAの素顔はとても可愛くて、これからもきっと目を離すことはできない。
566HEART16:2011/10/25(火) 00:16:42.71 ID:mAhYJWOv

1日の仕事を終えてNANAが家に帰ってきた。
腕に抱えていた書店の袋をリビングのテーブルの上に置く。
着替えとメイク落としを済ませてから紅茶をいれ、ソファーに座ると
袋から本を取り出してテーブルの上に並べた。
出てきたのは数冊のレシピ本。さっき仕事帰りにあわてて買い込んできたものだ。
明日、美男に何を作ってあげようかな?美男の好きなものってなんだろう?
正直、料理はあんまり得意じゃないけど…いいのっ、頑張るんだから。
本を手にとってパラパラと眺めながら、NANAはあれこれ考えていた。

(…それで、美男がおいしいよなんて言ってくれたり、あっという間に全部平らげてくれたり、
そんな姿見て微笑んでみたり、そしたら美男が私のこと好きだとか言ってくれたり…)

「…やだ、なに考えてるのよ?!」
妄想で顔を赤らめている自分にはたと気付いて恥ずかしくなったその時、
美男からメールが届いた。

『明日は仕事で行けそうにない。本当にごめん』

「なんだ、会えないんだ…。私ったら、1人で盛り上がったりして…」
思い通りにならないことがあると、いつもならイライラするところなのに
今日はなぜか寂しい気持ちばかりが胸に募る。
いいわ、明日じゃなくても…いつだって会えるもん…。
切ない気持ちをやり過ごすには、そう自分に言い聞かせるしか術がなかった。
567HEART17:2011/10/25(火) 00:18:47.53 ID:mAhYJWOv

翌朝。NANAはベッドの中で何を考えるでもなくぼんやりしている。
眠りが浅くて、夜中に何度も目が覚めた。
もう少しゆっくり寝ていたいと思いながら何度も寝返りを打つけれど、
どうにも眠れそうにないので起きることにした。

今日はいったい何をしたらいいのかな…
目覚ましにコーヒーを入れて、テレビをつけると、そこにはA.N.JELLの4人が映っていた。
画面の右上には「A.N.JELL生出演!注目の新曲発売!」というテロップが出ている。

「仕事って、これだったのね…」
新曲のプロモーションなら今日は目が回るほど忙しいはず。来られなくて当然だわ。
会えない理由がはっきり分かったら、モヤモヤしていた気持ちが少しおさまった。
テレビの中で笑顔を見せている美男を見つめる。
「ちょっと眠そうな顔してる。可愛いな…」
NANAがクスッと微笑んだ。
でも、やっぱり会いたかったな。会って、目を見て、好きだって言ってほしかった…。
568HEART18:2011/10/25(火) 00:20:48.64 ID:mAhYJWOv

分刻みのスケジュールの中、空き時間に携帯をチェックするとNANAからメールが届いていた。

『TV見たわ。忙しいのに、絶対来てなんてわがまま言ってごめんなさい。仕事がんばってね』

美男の心がズキンと痛んだ。まさか、NANAが謝るなんて…。
やっぱり会いたい。今日行かなかったら、絶対に後悔する。

スケジュールを確認すると、テレビ収録の終了時間と大阪行きの新幹線の
出発時刻までの間に少しだけ時間がある。
「頼むよ、出発までには必ず戻るから!」
一度は馬淵に止められたけれど、無理やり頼み込んで抜けさせてもらった。


タクシーを大急ぎで飛ばして、NANAのマンションの近くで止めてもらう。
「すぐ戻るんで、ちょっと待ってて下さい!」

そこからマンションまで走って行き、エントランスのインターフォンを押す。
「頼む…出てくれ…」
美男は祈るような気持ちで反応を待った。
「…はい」
「NANA!開けて!」
「えっ?美男?ちょ、ちょっと待ってて」

オートロックのドアが開き、エレベーターホールに向かう。
エレベーターを降りると部屋の前までダッシュして、チャイムを連打する。
中から人が近付いてくる気配がして、ドアが開いた。
569HEART19:2011/10/25(火) 00:22:54.59 ID:mAhYJWOv

「美男…どうして…?」
「よかった…会えた…」
そこには美男が息を切らしながら立っていた。
「ね、とりあえず中に入って。誰かに見られたら大変だから」

乱れた呼吸のまま、玄関でNANAと向き合う。
「まさか走って来たの?」
「ごめん…時間ない…これからすぐ大阪に…行かなくちゃ…」
「………」
「絶対来てって…言ってただろ…だから…」
「美男…」
「俺…好きだから…NANAのこと…」
話をするのももどかしくなり、美男はNANAを抱き寄せてキスをする。

「ん…」

優しいキス。
突然のことに驚いて大きく見開かれていたNANAの目が、ゆっくり閉じていく。
伝わってくるのは美男の身体の熱と速い鼓動、そして、かすかな汗の匂い。
このままずっとこうしていたい。そう思ったのもつかの間、その唇はすぐに離れてしまった。

「ごめん…本当にもう行かなくちゃ。今度はもっと時間がある時に会おう」
「うん…」
「じゃあ、また連絡するから」
「うん…。ねぇ、美男!私…」
「何?」
「う、ううん、なんでもない…またね」
美男はもう一度、NANAに軽くキスをして出て行った。

ふわふわした気持ちのままリビングに戻り、ソファの足元にへたり込んだ。
まさか本当に来てくれるなんて…。
それに、好きだって言ってくれた。欲しかった言葉。
「私も好き…」
最後にそう言いかけたけれど、中途半端に伝えたくなくて言葉を飲み込んだ。

「美男が好き。大好き」
心の底から湧き上がってくる思いをもう止めることができなかった。
止める必要もない。
次に美男がこの部屋に来たら、今度は私から気持ちをはっきり伝えよう。
抱きしめて、キスをして、何度でも好きだって言ってあげる。
そして美男の顔を真っ赤に染めて、困らせてあげるの…。
570名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:25:32.14 ID:mAhYJWOv
今回は以上です
次こそは!
571名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:40:19.23 ID:04RAmbkg
>>570
GJ!
NANAが恋する乙女になって可愛い!続き気長に楽しみに待ってます。
572名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:50:16.17 ID:J2Ep49hH
>>570
GJ! 美男が全力で彼女の元に駆けつけるなんて、王子ぽくていいね。
このスレでは貴重な正統派キャラかも。怒ったり素直に謝ったりNANAも可愛いな。
再会が楽しみだね。
573名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 00:54:28.04 ID:3LYZ6ezz
>>570
GJ!
美男もNANAも可愛すぎる!!真っ直ぐでピュアなふたり、いいですね。
エロ展開楽しみww
574名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 01:47:00.57 ID:/43RsuQK
>>570
ちょwww
なにこのNANAかわいすぎる!! 美男NANA一気に好きになったw
応援したい二人!
575名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 04:56:13.02 ID:i1RHYZCC
>>570
GJ過ぎる!
NANAも美男も萌える!かわいい!
576名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 10:23:16.65 ID:cn9r8XK6
かわいすぎるかわいすぎる!
すっごいよかった!GJ!
577名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 18:29:09.81 ID:t5pLopgD
>>570
かわいいー!GJです!NANAちゃん素直だし美男もまっすぐで。
次こそ、ってことはエロですか?そうなんですか?全裸で待機しますw
578名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 19:48:41.74 ID:J2Ep49hH
>>554
次スレ600前だけど立ててしまいました。
立たないと思ったら立ってたよ。

■次スレ

【ドラマ】美男ですねでエロパロ3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319539579/l50

◎600レスまで行ったらスレ立てするか検討下さい

って書いちゃったけど、ごめんなさい。容量のことはよく分からないので
訂正あったらおながいします。
579名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:14:21.56 ID:zcSzPhFb
>>578
スレ立てありがとうございます!!

プロポーズ話に感想もらえて嬉しかったです。また何か思いついたらかいてみます。
いろんな話が読めて楽しいですね。次スレでも楽しみにしてます
580名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:25:28.54 ID:nEprEjA2
>>578乙!です

次スレでも、萌えたり!きゅんきゅんしたり!エロに溺れたりwしたいです
581名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:34:31.29 ID:MWaX1oHy
>>578
乙!
こっちのスレ埋めなきゃね
職人さんまってます
582名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:34:51.61 ID:mNElrTbF

遅かれ早かれ立てなきゃなと思ってた
ありがとう

廉美子
柊美子
勇気美子
廉NANA
柊NANA
勇気NANA
美男NANA
柊RINA
勇気RINA
と…
素敵な作品ばかりで胸熱だよ
あ、BLならもっとあるかw
これからのエロパロも楽しみにしてます!
583名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:40:05.51 ID:yWcC4HDW
>>578乙です!
ちょっと来ない間に神がたくさん降臨されてて嬉しいです!
廉美子も柊さんDTも、美男NANAも全部ニヤニヤしながら読ませていただきました。幸せだ〜。

自分、柊NANA書いてる者ですが、なかなか早く進められず…。前回は上手くsageられていなかった事に今気付きました。本当にすみません。
容量を食ってしまいそうなので、続きが出来たら次スレに投下しようと思います。遅筆で申し訳ないですが、気長に待って頂ければ有り難いです。
584名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 20:43:11.03 ID:vVxA35an
スレ立てちょっと早すぎな気がするのは自分だけかな?まだこのスレ447kbじゃん。
次スレのテンプレの内容とかもそうだけど、立てる前に一言相談して欲しかったな。

新スレdat落ちしないように保守しながらこのスレに神が舞い降りるのを待つって感じか?
あと、容量はjane(専ブラ)だったら下段に表示されるからね

色々言ってごめん。
585名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:00:01.41 ID:nEprEjA2
もし追加テンプレ作るなら、埋めついでに話し合うのはどうですか?
読んでみたいシチュ語ってみたりしてもいいと思うし。
586名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:17:39.33 ID:ffRsWUcX
やっぱり柊美子読みたいな〜がっつりなヤツw
今だに引っかかってるのは社長の家に連れていかれそうになった時
何故相部屋を名乗り出なかったかってこと。
まぁそこで柊さんと美子が相部屋になっちゃったら
ドラマ終わっちゃうんだけどねw
ってことで柊美子相部屋になったとしたら、
っていうシチュで読んでみたいです!
書き手様が現れてくれると嬉しいのですが…何卒
587名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:25:16.54 ID:zcSzPhFb
廉さんが美子に会いにアフリカにいく話とか読んでみたい。
588名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:32:25.41 ID:MWaX1oHy
美男美子ガチ近親キボン ほのぼのでもいい
589名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:38:32.40 ID:qH/WzUvV
あとは安藤社長のエロとかもちょっと妄想しちゃってたけど需要ないよね?w
あ、いやまだ全然書いてはいないんだけど。
590名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:43:03.87 ID:MWaX1oHy
>>589
まさか安藤社長がジャ○ーさんのように所属タレントの美少年に手を付けちゃう話!?

…なわけないか
なんでもいいんで読みたいですww
591名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:45:27.86 ID:co1r8apK
これまでのまとめサイト作りましょうか?
書き手さんの都合もあるので勝手に作ってもいいものなのか…
592名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:49:21.92 ID:qH/WzUvV
何作かの駄作を投下した書き手の、1意見ですが…。
まとめサイト作ってもらえるなら、私は嬉しいです。
593名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 21:50:21.49 ID:3LYZ6ezz
ぜひ作ってください!!
594名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 22:00:29.97 ID:cn9r8XK6
まとめサイトはあるとうれしいです
もしお手数でなければ、ぜひお願いします
595名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 22:23:12.08 ID:95xycQ0K
ものすごーーくありがたい!!
596名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 22:55:23.99 ID:/43RsuQK
保管庫賛成!!

読んでみたいシチュか…
自分も柊美子かな。前スレであった、アフリカで幸せになれた柊美子のその後とか読んでみたい!
597名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 23:32:12.15 ID:co1r8apK
じゃ、ちょっとずつ作成していきますね。
ある程度ページができた所でURLお知らせします。
598名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 00:01:49.81 ID:i1RHYZCC
>597
ありがたい!お願いしました。
599名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 00:19:36.00 ID:viSWTaJU
>>597 乙です!!よろしくお願いします。

では、エロありなんだけど、設定上キャラが違う感じの話を投下します。
廉NANAと柊美子です。時系列は、柊美子のことが新聞に公になった翌日で。
ドラマではすぐ柊の実家に行くことになるんだけど、何日か空いてたと思ってください。
600ERO.A.N.JELL1:2011/10/26(水) 00:22:03.16 ID:viSWTaJU
「廉×NANA 柊×美子 <ご褒美>」

全国ライブが終わり、打ち上げ会場を嗅ぎ付けた熱心なファンの出待ちをくぐり抜けて
A.N.JELLの4人は宿泊するホテルへと向かった。
4人を乗せた車がホテルに到着すると、ロビーではNANAと、柊の彼女で美男の妹である美子が待っている。

「廉!お疲れさま。皆さんも、お疲れ様でした」
満面の笑みで言うNANAを、廉は「行くぞ」とだけ言って部屋へ連れて行った。
打ち上げで飲みすぎたのか、廉の白い肌はやや赤く染まっているように見えた。

部屋に入るなり、廉はNANAに口付ける。
廉はしっかりと腰と背中を抱きかかえ、NANAの口内を激しく犯した。
「んっ…はぁっ…れ…んっ」
後ずさりしながらも、NANAは廉に懸命に応えた。
廉の口に残っているアルコールの味がNANAにも伝わり、その味に酔いそうになる。
NANAの脚がベッドの縁に当たり、2人はそのまま倒れこんだ。
「廉…今日はいつもより激しいのね…」
「お前がそんなに欲しそうな顔してるからだ」
大きな瞳を潤ませたNANAの首筋に顔を埋める。
「れ…んっ!シャワー浴びたいの…」
「仕方ないな…ほら、浴びてこいよ」
廉はNANAを解放し、バスルームへと促した。
601ERO.A.N.JELL2:2011/10/26(水) 00:24:07.60 ID:viSWTaJU
長い髪を纏め上げ、NANAは温かいシャワーを浴び始めた。
体の隅々まで泡だらけになった、その時。
バスルームの扉が開き、全裸の廉が入ってきた。
「お前のシャワーは長いんだ。もう待てない」
「廉…もう、せっかちなのね」
「ふん…貸せ、もっと洗ってやるよ」
廉は背後に回り、NANAから取り上げたボディスポンジを胸の辺りから滑らせた。
豊満だが形も良いNANAの胸が廉によって形を変えられるが柔らか過ぎるその刺激が物足りない。
「廉…もっと…」
「もっと、何だ?こうして欲しいのか?」
「あっ…ぃゃ…んっ」
硬く尖り始めた乳首を、スポンジでゆるゆると弄び、NANAの反応を楽しむ。
力が抜け始めたNANAを浴槽の縁に座らせて、廉はキスしながら泡で隠れていた
NANAの中心に手を滑り込ませた。
「ここをしっかり洗わないとな」
「や…ぁん…!」
そしてシャワーのお湯を浴びせ、泡を拭い去った。
長い指をNANAの中に入れてぐるぐるとかき回し、頭を支えたまま乳首を舌で転がす。
「あぁ…っやん、あっ、ぁ…んっ」
湯気のこもったバスルームと体に受ける快感で、NANAは頭がぼんやりしていた。
「よし。立って、手をつけ」
一気に指を引き抜き、廉はNANAを立たせた。
もう少しでイってしまいそうだったのに、途中で止められてNANAはムズムズしたままだが、廉に大人しく従う。
洗面台に手をつき、NANAは少し尻を突き出す格好になった。
後ろから、するりと廉の手が伸びて下を向いた乳房を揉みしだかれた。
背中や首筋にも何度もキスされ、その度にNANAは力が抜けそうになる。
602ERO.A.N.JELL3:2011/10/26(水) 00:24:44.38 ID:viSWTaJU
「いくぞ」
それだけ言うと、廉はしっかりと上向きに勃起したものを、一気にNANAに押し込んだ。
「ぅっ…」
「あぁっ…!」
NANAは、廉をすんなりと受け入れる。ぴったりと互いに密着し、温かさを感じ合う。
廉が動き始めると、激しい動きに合わせるかのようにNANAは喘いだ。
「も…ぅ…ダメぇ…ちか…らが…入ら…なくて」
「お前、今いい顔してるぞ。ほら」
NANAは顔を上げて、洗面台の大きな鏡に映る自分の顔を見る。
眉根を寄せて今にも泣きそうなほどに目は潤み、頬が赤く染まり、口からは涎を出していた。
廉はこんな表情をずっと見ていたなんて…と急に恥ずかしくなる。
「いやぁ…見ないでっ」
「もっと見せろよ」
そう言うと、廉はNANAの中からズルリと抜け出してから寝室へと連れて行く。
濡れた体のまま、今度は正常位で向き合ってNANAの脚を広げ、また中へと入った。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音を部屋に響かせ、出し入れを激しく繰り返す。
「れんっ…ぁっ…れん…!」
「…ぅっ…NANA…」
廉の精が果て、NANAもその無防備な廉の表情に見とれていた。

「廉、ライブ…本当にお疲れ様」
「…お前は、俺にとって最高のご褒美だ」
そして2人は、ゆっくりと眠りに落ちていった…。
603ERO.A.N.JELL4:2011/10/26(水) 00:25:31.24 ID:viSWTaJU
同じ頃、その隣の部屋では。
柊と美子が、ワインを片手にソファで語り合う。
普段クールな柊も、美子の前ではいつもより饒舌になっていた。
「今日のライブ、美子はどうだった?」
「柊さん、最高でした♪こんな凄い人が彼氏だなんて…夢みたい」
「ははっ、大げさだな…でも、嬉しいよ。おいで…」
柊は美子を抱き寄せて、ゆっくりと顔を近づけた。
美子は、そっと大きな瞳を閉じて身を委ね、柊は口付けながら優しく髪を撫でる。
その手が、美子の耳に触れてその度にビクリと震えるのが愛おしくてたまらなかった。

「美子…大好きだよ。この世の誰よりも…」
「柊さん…私も…」
ワインの芳醇な香りを漂わせ、より深く、激しく口付ける。
互いにゆっくりと着ているものを脱ぎ捨てて素肌の熱を感じあった。
604ERO.A.N.JELL5:2011/10/26(水) 00:26:32.47 ID:viSWTaJU
額から目尻、頬、耳、首筋と柊は優しくキスを落としていく。
鎖骨、肩、そして胸にと徐々に吸い付くようなキスに変わり、
胸の先にある突起を舌でじっとりと舐めまわした。
「しゅ…うさんっ…ぁっ…」
「美子のココ…凄く美味しいよ…」
「やぁ…っ」
「もっと、食べさせて…」
軽く歯を立て、クニクニと尖った乳首に刺激を与える。
柊の右手は美子の太ももへと伸びて、内側から広げるように触って押し広げた。
下腹部や骨盤あたりを撫で付けるが、肝心のところには手を伸ばさないまま胸の愛撫を続ける。
「しゅうっ…さん…!そこ、触ってほしい…の…」
「ん?ここかな?それとも…ここ?」
おねだりする美子に、柊はスっと指でクリトリスを弾いた後、一気に割れ目の中へと指を挿入した。
「あっ…んっ」
「美子…気持ちいい?たまらないって顔してる…」
「そん、なぁっ…ゃんっ」
「ほら、ここだろ?」
更に指を一番感じやすいところへ擦り付け、嬌声を上げる美子を楽しんだ。
「あぁっ…しゅ、さぁ…んんっ」
柊の指をキュっと締め付け、美子は絶頂を迎えた。
605ERO.A.N.JELL6:2011/10/26(水) 00:27:49.59 ID:viSWTaJU
「今度は、私が柊さんに…」
そう言うと、美子は既に先端から汁を出している柊のペニスを咥えて、舌で刺激した。
生温かい美子の口内で更に大きさと硬さを増し、我慢も限界を超えそうだった。
「んっ…美子っ、これ以上は…ダメだ。ちゃんと、美子の中でイきたいんだ…」
「柊さん…」
美子は顔を上げると、柊の中心に跨った。抵抗も少なく、ずるりと根元までが
美子の中に入ってくる。
「あぁっ…」
「うっ…く…」
2人は互いに快感に酔いしれた。ぴったりと密着し、柊は美子の腰を両手で持って上下に揺さぶる。
美子も、のけぞるように一番気持ちの良い場所を探しながら腰を動かした。
「はぁっ…美子…最高だ…」
「わ、たしも…柊…さんっ」
「もう…もたない…んっ…はぁっ…!」
柊は、美子の中に精を吐き出した。そのままベッドに横たわり、
美子の柔らかい胸の膨らみに顔を埋める。

「このままずっと、何もせずにこうしてたい…」
「ふふっ。ダ〜メ、ちゃんとお仕事してっ」
「じゃあ、ちゃんとするから…毎日、こういうご褒美をくれないか?」
「もぅ〜…柊さんのえっち」
そうして2人は笑い合い、柊は美子を優しく抱きしめた。

☆END☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
606ERO.A.N.JELL7:2011/10/26(水) 00:29:18.02 ID:viSWTaJU
"キャー!廉、ちょっと強引☆でも素敵!本当に、NANAにそんなこと言ってそう"
"柊、優しくてイメージ通り!美子もけっこうエロい感じ♪"
"ライブの後なんて、メンバーみんな興奮してそうだから、勇気と美男も?なんて・・・"
書き手に対して他のファンから、このように何件か感想コメントがついている。

「俺けっこうエロいんだな…って、いやいや!んなこと絶対言わねぇし!!」
廉は一通り読み終えた後、PCの画面に向かって叫んだ。

今日、久しぶりに溜まっていたファンのメールをチェックしようと、ざっと目を通した。
勇気に言われて気づいたように、NANAとの熱愛報道以来ファンが激減していたが、
引き続き応援するメールを送るファンも多く、少しは気分が救われていたのだ。
そのうちの1通に、URLが貼られていた。個人的なファンサイトか何かと思い、
何気なくクリックしたところ…
「なんなんだ、これは…!」
廉×NANAをはじめ、柊×美子、しまいには勇気×美男、廉×柊など、いくつかのカテゴリーに
分かれた創作小説のサイトだった。
しかし自分がどう書かれているのか気になり、つい1つ読み終えてしまった。
「風呂で、って…そんなうまいことできるもんか?いや、それに声も響くし…
 あ。ゴムもしてねぇし!俺はそんなヘマは…しない、多分」
廉は意味も無いのに真面目にツッコミを入れる。
「しかもなんだ?柊は美子に何させてんだ!つかその前にアイツ明らかに
 絶対処女だってのに…あ、こいつらもゴムしてねぇ…」
ファンは美子の素性など知らずに想像で書いているだけだというのに、廉は無性に腹が立ってきた。
607ERO.A.N.JELL8:2011/10/26(水) 00:30:32.29 ID:viSWTaJU
「一人でぶつぶつ何言ってるんだ?」
「廉さん、何度もノックしたんだよー?」
急に背後から聞こえた声に、廉は「うわぁぁ!!」と過剰に反応した。
「何、焦ってんの?…あ。廉さんもココ見てるんだ?」
「…えっ?」
PCモニタを覗き込んだ勇気が事も無げに言い、廉は拍子抜けする。
「あぁ、ERO.A.N.JELLか。俺もたまに見るよ。けっこう面白いし」
勇気も柊も、その存在を知っていたようだった。
「廉さんとNANAはともかく、新聞に載ったせいで柊さんと美子ってのが昨日から
 超増えててさー。俺面白くないんだけど」
「仕方ないじゃないか、ファンはその組み合わせが事実だって信じてるんだから。
 俺も後で見てみようかな」
スネる勇気に、柊は嬉しそうに言った。
「ファンのメールにURL貼ってあったから試しに見ただけだ。お前らいつもこんなもん見てるのか?
 ふん、ヒマ人だな…」
「ファンからのイメージとか、やっぱり気になるもん。ねぇ、柊さん?」
「そうだな…そういうのも大事だと思うよ」
ウンウン、と頷き合う2人に背を向けて、廉は開いていたウィンドウを閉じた。
「…で、お前ら何の用だったんだ?」
「あ、そうだった!今度のライブのオープニングの…」
3人は本題に入り真面目に打ち合わせし始めたが、廉だけは画面から消したはずの
ERO.A.N.JELLが気になって仕方なかった。

その夜、廉が見た夢に全身泡だらけのNANAと、何かを咥えた上目遣いの美子が出てきたのは
単なる偶然ではないはず…。
608名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 00:33:23.91 ID:viSWTaJU
以上です!>>331-332さんのと、ちょっとだけ設定カブったかも。すみません。
609名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 02:41:23.13 ID:EC9uCdv5
とりあえず、前スレ383まで…

http://w.livedoor.jp/ikemen-desune/

タイトルがないものが多いので、とりあえず数字ふってます。
タイトルがあった方はタイトル優先。
タグ付は、どれだけ増えるのかわからないので今現在は適当。

この先に出てくるスィートルームさんの長編をどうしようか迷い中。
610名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 07:00:01.23 ID:KoKpmnWJ
>>609
ありがとうございます!ずっと保管庫待ってました
前スレの小説懐かしいなぁ
ただカプ名だけだと美男(♂)なのか美男(美子)なのかわかんないんで、BL苦手な人もいるだろうしそのへんわかるようにしたほうがいいかと
611名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 08:48:09.95 ID:unkU5xkF
>>609
乙です。
タイトルをスイートルームじゃなくてw後で付けた正しい方にしてもらえれば
あとはやりやすいようにやってしまって良いですよ。
本当は自分でまとめとか作る方が良いんだろうけど、なにせ時間がないorz
長い話でまとめ辛い上にすべてお任せな感じで本当申し訳ないです。
612名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 14:29:03.32 ID:BjtPTn6l
>>600
GJ!! 一方的なエロ廉さんかっこいい!柊美子のイチャイチャも可愛いな〜
イメージ逆バージョンも楽しい!て思ってたら、エロパロだったw
騙されけど、久しぶり柊美子エロあり読めて嬉しかったです


>>609
夜中までまとめ作業ありがとうございました!
好きな時に読み返せるなんて胸熱です!

613名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 15:38:50.23 ID:0BXZBWck
>>610
タイトルについては作成していくうちに、気付いたw
自分でも美男、美子の区別つかなくなったし。

が、このWikiはページ作成後にタイトル変更ができなくて、とりあえずタグで美男なのか美子なのか分けてるトコです。
タイトルないものをどう分ければいいんでしょうかね。
アドバイスください。
614名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 16:14:43.88 ID:POfrVsrV
>609
読み返すのに過去レス過去スレ見てたから見やすくてありがたいよー!乙!
615名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 18:37:12.06 ID:WufB7OSR
>>613
通し番号の後に(エロなし)(エロあり)(エロパロ)とか書いてあると、読む時に分かりやすくて良いと思う。
けど、まとめる側としては大変そうだね。
616名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 18:48:09.40 ID:eJiVXa5+
>>600 ゴムなしに突っ込む廉さんwエロパロの中だけは幸せな柊さんに涙。

>>613 私もエロあり、エロなしの表記はあったほうがいいと思います。
でも小ネタとかギャグ系とかまで分けるのは大変ですよね…。ホントにおつです!!
617名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 19:06:58.95 ID:F7HkScbN
>>613
保管庫乙です!!
手軽に読み返せるなんて感涙!!


そして、本当久しぶりに幸せな柊美子読めてニヤニヤwww
幸せな柊さん、良かったねー!!と思ったらエロパロなんて…驚いたなw
618名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 19:30:07.29 ID:BjtPTn6l
>>613
タイトル変更が出来ないんですね。
タグでBL、エロあり、エロなしに分けるとかどうですか?

619名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 19:42:30.18 ID:HZH7i7Dw
>>600
うまいなあ、騙されたよw

てか、強引な廉さんカッコヨス
そーだよな、あのキャラだと本来そういうイメージだよなあ
そしてエロパロの中でだけ幸せな柊さん…切ない

GJです!
620名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 20:37:43.79 ID:lvOGidOH
>>608さん
ERO.A.N.JELLって、ネーミングいいですね。本当にそんなバンドがいつか現れそうだ(ビジュアル系ぽいけど)。
廉さん、柊x美男パロなんて読んで、大丈夫なのかね。ドラマの100倍エロい柊さんが大活躍なんですが。


>>609さん
ありがとうございます。すごく読み易い・・・感動してます。また美男熱がぶり返すわ・・・
続けて読むと、4人男の中で一番ヘタレはやっぱり廉さんなのかなー?
621名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 22:07:46.49 ID:EC9uCdv5
まとめサイト一旦、非公開にして「BL、エロあり、エロなし」項目を追加
しますね。
622名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 22:14:39.78 ID:EC9uCdv5
↑と書いてみたものの、エロありとなしの基準がわからない…
どこからエロありと考えればいいの??
623名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 22:21:11.69 ID:eJiVXa5+
うーん。なんとなくだけどキスまではエロなし、それ以上はエロあり…かな?
挿入のあるなしは関係ないよね?w
624名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 22:23:32.24 ID:EC9uCdv5
>>623
ありがとう。
じゃ、キス基準で考える。
625名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 02:32:44.58 ID:v04Xko1w
まとめ、修正したので今後は公開のまま追加していきますね。

前スレはルールが決まってない段階で投下されているものが多いので、
実はこの話とこの話は繋がってるというのを見つけたら教えてください。
626名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 19:34:01.73 ID:/3oT/2iw
いろいろと本当にありがとうございます!
あの、厚かましくも1つだけ要望を出してもよろしいでしょうか…
小説の場面転換の時などに、レス番を跨いで載せるので、
1行だけでも行間を空けていただけたら嬉しいのですが…。
今までの分はもう見直しも大変でしょうから、今後の分だけでも…。すみません。
627626:2011/10/27(木) 19:39:14.77 ID:/3oT/2iw
あーーー!!すみません!!行間の件は、今また見に行かせて
もらったらもう修正されてた…。もうほんとにごめんなさいorz
628名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 21:22:54.32 ID:IbbxDAiB
>>625
ありがとうございます。
過去作品読んでまた感動。読んでなかったのもあってまた感動。
美男が酔払って寝てる間の、柊さんvs廉さんのバチバチ火花がすごく良かった。
柊さんが格好いい!あれなら廉さん押しのけて恋の勝利者になれそうな感じがするけど、何が悪かったんだか。
629名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 22:26:15.94 ID:yeHdMMid
>>625
ありがとうございます!
大変だと思いますが、とても読みやすくてよかったです。
630名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 22:54:01.88 ID:v04Xko1w
>>627
何も修正していないので、それは多分単なるエラー表示かと…。
タグの辺りとか、ページ作成からある程度時間おかないとエラーに
なる部分もあるようなので。
631名無しさん@ピンキー:2011/10/27(木) 23:14:19.49 ID:qDwhFDWY
まとめありがとうございます!
タイトル変更して下さったんですね。
まとめて読める幸せかみしめてます!
632名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 01:43:08.81 ID:OcLTKqgT
まとめ読んでると、改めて柊美子の多さとエロ率の高さに驚いたな…。
柊さんってなんでこんなにエロいんだろ…
633名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 01:59:07.33 ID:9p5is7A2
>>632
まとめてる自分も、それに気付いたw
634名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 03:53:33.60 ID:uFDRyjWC
声とスタイルがエロいw
635名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 08:35:32.83 ID:wURBw0lN
まとめありがとうございます。
柊さんの話多いw
廉さんは童貞、勇気は無邪気だから柊さんが一番
イメージしやすいんだろうね。
636名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 11:07:14.60 ID:memwOBve
ごめんなさい どなたか教えて下さい
過去ログはお金払わないと見られないシステムなんですか?
637名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 11:38:29.23 ID:OcLTKqgT
>>636
過去ログ見れるサイトならたくさんあるよ
スレタイで検索かけてみて
638名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 21:06:25.02 ID:Wdq9wSSo
まとめさん、ありがとう!

>>635
柊x美子、エロ無し、1個しかなかった・・・

タグの金沢、加賀友禅とか見るだけで、ドキドキしますw
639名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 21:15:29.39 ID:CtmOusOB
>>625
まとめ作業、お疲れ様です&お疲れ様でした!
色んな作品を読み返して、胸が熱くなりましたw

そして、少し短いですが作品を投下します。
勇気×美男(本物)でエロなしです。
640名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 21:16:54.17 ID:CtmOusOB
>>639
ちょ、間違えました;;
「まとめ作業、お疲れ様です&お疲れ様でした!」じゃなくて
「まとめ作業、お疲れ様です&ありがとうございました」です。
申し訳ありません。
641距離 1:2011/10/28(金) 21:18:25.38 ID:CtmOusOB
「美男?何見てるんだ?」
リビングのソファに座り、窓の外の景色を見ている美男を見つける勇気。
美男は、勇気の声に気がついていないのかずっと窓の向こうを見ていた。
いつものことながら、愛想がないなぁとか考えたが、窓の向こうから声が聞こえる。

勇気は、その声が美男の向いている方向から聞こえていることに気がつくと、窓の方へと視線を移す。
外には、美子と廉さんがちょっかいを掛け合いながら仲良さそうにバーベキューの準備をしていた。

そんな二人の様子を・・・と言うよりも、美子の様子をぼんやりと美男は目で追っている。
勇気は、少し笑みを浮かべると忍び足で美男に近づき、座っている美男の後ろに立つと「み〜お」と言いながら両肩に手をそっと当てる。

ぼんやりとしていた美男は「うぉ!」と声をあげて、振り返り「何だよ・・・。」とぶっきら棒な口調で言い返す。
勇気は、無愛想な表情を浮かべる美男に対しても笑みを絶やさず
「ささ」っと小走りして、美男のすぐ隣に腰を下ろす。

「な〜に美子ばっかり見てるんだよ!」
「は、はぁ!?な、何言ってんだ!お、俺がいつみ、美子のこと、見てたって言うんだよ!?」
「誰がどう見たって、外の美子を目で追ってるようにしか見えなかったぞ?あれは。」
自分が、美子の事ばかり見ていたことを他人に見られ動揺する美男。
そんな美男の心境など関係なしに勇気は「まぁまぁ」と美男を宥めさせながら、どんどんと話を進めて行く。

「そういやさ、前から聞きたかった事があるんだけどさ・・・。」
「何だよ・・・いきなり話し変えやがって・・・。」
「兄貴としてさ、美子のことどう思ってる?」
勇気の言葉を聞いて、少し「ぴくり」と体を反応させると、再び外にいる美子に視線を向ける美男。
そして、ぼそりと小さな声で「変わったと思う・・・。」と呟く。

「変わった・・?」
勇気の声が耳に聞こえると、美男は視線を部屋の中へと戻した。
「2年前、美子が俺の代わりにA.N.JELLのメンバーとして活動してから・・・変わったと思う。」
「そりゃ、色々な事経験すれば変わるのなんて当たり前じゃない?」
「まぁ・・・そうだけどよ・・・。」
勇気の言う「当たり前」が何だか悲しく胸の中で響く美男。
被っていた帽子を深々と被り直すと、再び美男は話し始める。

「けど・・・何だか遠くに行っちまったな・・って。」
美男の言葉の意味がわからない勇気は、首を傾げて美男に「遠くに?」と言葉を返す。
その言葉に美男は「あぁ・・・」と小さな声で言う。

「最後に美子を見た時、まだ幼さが残る感じだった。けど、2年前に久しぶりに再会したら美子は「女」の顔つきをしてた。
それを見て、何だか「俺の知ってる美子はどこに行ったんだろう」って思えて寂しくなったのかもな。はは・・可笑しいよな。」
帽子と髪の毛の隙間から見える美男の瞳は寂しげにうっすらと開いているだけだった。
642距離 2:2011/10/28(金) 21:19:44.08 ID:CtmOusOB
そんな美男を見て勇気は「馬鹿だな。」と微笑みながら言う。美男は何も言わず顔を俯かせたままだった。

「どんなに変わっても、美子は美子だぞ?」
「・・・・・」
「例え時間が経とうが、美子にとって美男は大切な家族であり兄貴だろ?
そして、美男にとっても美子はどんなことがあっても大切な妹に違いないじゃん!」
勇気の言葉を聞いてから「ふ」と笑みを零す。そして、帽子を取り勇気の方を見ると
「たまには良いこと言うじゃん。」とまたもぶっきら棒に言う。
勇気は、「たく、素直じゃないな!」と苦笑しながら美男に言った。
そして、美男はその場に立ちあがると勇気から顔を逸らす。

「けど・・・」
「ん?」
「・・・ありがとう・・・。少しだけ気持ちが楽になった・・・。」
勇気は美男にとって精一杯の感謝の表し方なんだと思うと自分も立ち上がると
「もう少し表情柔らかくして言えよな!」と冗談混じりに笑いながら美男に言う。
「良いじゃねーかよ・・・これでも精一杯やったつもりなんだからよ・・・。」
「はいはい、わかってるわかってる!」
自分が子供扱いされているように感じ、「むす」とした表情で睨みつけるが
勇気はそんな表情なんてお構いなしに笑いながら美男を見ている。

「ち・・・調子狂うな・・・・。」
テーブルに置いておいた帽子を取ると、被り直す。
そんなやり取りをしていると窓の外から「おにいちゃ〜ん」と言う声が聞こえる。
窓の方へ視線を向けると、美子がリビングに向かって走ってきていた。

「もぉ!お兄ちゃん!勇気さんとばっかりお話してないで手伝ってよ!!」
そう言うと、美男の腕を掴んで「早く行くよ!」と催促する。美男は後ろにいた勇気が気になり、後ろを振り向く。
勇気は笑いながら「ほら、妹直々の御指名なんだから早く行けよ!」と背中を軽く叩きながら言う。

その言葉を聞いて、もう一度美男は「ありがとう」と小さくつぶやくと腕を引っ張っていた美子と一緒に庭の方へと走っていった。
そんな二人を、勇気は後ろから微笑みながら優しく見守る様にしばらく見ていた。
643名無しさん@ピンキー:2011/10/28(金) 21:22:06.12 ID:CtmOusOB
以上で終わります。
勇気を初めて書いたけど・・・なかなかに難しい。
644名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 00:03:53.79 ID:lc4cVMYu
乙です
美男かわいいなw
そしてやっぱり勇気はいい子だ…
645名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 00:45:31.45 ID:r/kEnPX2
弟分の勇気も、美男には兄貴風吹かせててかわいい!
美男もちょっぴりヒネててほっとけない感じw
ほのぼの、ありがとう〜
646名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 01:53:20.15 ID:EU4mBaEH
>>643勇気の良い子っぷりと美男の隠れシスコンぶりが可愛いw
かなり萌えました。このコンビもいいなぁ。

柊×NANA続き投下します。もし容量不足になったらと考えると
恐ろしいですが…。

これまでの投下分
>>413-421
>>474-477
647星をさがして15 柊×NANA:2011/10/29(土) 01:56:10.65 ID:EU4mBaEH


柊の低い声が耳元で響き鼓膜をくすぐり、NANAの細い身体は金縛りに遭ったかのように動けなくなる。

どうしてこんな事を?
そう問い掛けたいのに、言葉が出ない。

「…まだ、ここに…居てくれないか?」

切実さが伝わる真摯な声音で懇願され、涙が溢れそうになった。

…このまま、彼に縋って思いの丈をぶちまけられたら。
助けて欲しいと泣き叫べば、どれほど楽になれるだろう。

「…な…何よ、あなたもしかして、私を誰かさんと勘違いしてるんじゃない?」
だが、プライド高き自身の口から出たのは可愛げの欠片も無い、刺々しい一言で。
背後の柊が息を詰め、NANAに巻き付く腕の力も緩む。

それは彼の傷を抉る台詞だと分かっていたが、この甘く優しい空間から逃げる為に吐き捨てるしかなかった。

「…ごめん、ちょっと…どうかしてたな……忘れてくれ」
柊はNANAを解放し、謝罪の言葉を口にしながら後退って身体を離すと、地面に落としていたトートバッグを拾い上げる。
力強いぬくもりが背中から消え、ツンと鼻腔が痛んだ。
「…変な人。…あ、そろそろ行かなきゃ、マネージャーに怒られちゃうわ」
「あぁ…また」
「………CM撮影、頑張ってね。じゃあ…」
精一杯の平静を装い別れの挨拶をし、柊を振り返らないまま今度こそ温室を出て行く。


ここに来るのは、これで最後にしよう。

648星をさがして16 柊×NANA:2011/10/29(土) 01:58:53.83 ID:EU4mBaEH


「最低だな……」

温室に一人、取り残された柊はNANAを抱き締めていた手をじっと見つめ、己の行動を恥じた。

彼女の寂しげな横顔に、今は遠い嘗ての想い人を重ねているのではないか…と。
核心を突かれた気がして、柊は咄嗟に手を離してしまった。

あのまま行かせたら、もう二度と会えないような胸騒ぎを覚え…この腕に引き留めたはずなのに。

NANAが言うように、知らず知らずの内に美子の代わりとして気に掛けていたのなら、本当に失礼な話だ。


乾いた笑みを零しトートバッグを開けると、律儀にもクリーニングに出したのかビニールに覆われているジャケットとハンカチがあった。
そして、彼女の首筋から匂い立つ艶っぽく女性的な香水と同じ香りが広がって、消える。

「…柊」
暫し呆然と立ち尽くしていると、温室の入り口から声が掛かった。
生気の無い顔をそちらへ向ければ、鋭い視線に射抜かれる。
「…美男?」
「……いいのか?あの女、泣いてた」
それは美男だった。
壁際に凭れ腕を組んだまま柊を無表情に眺め、先程出て行ったNANAの様子を語る。
「…え?」
「さっき泣きながら俺にぶつかって出てった。…アイツは好きじゃないけど、女の泣き顔はもっと嫌いだ。…お前もそうなんだろ?」
そう言われて鮮明に甦る、庭園で独り寂しく涙を流す彼女の姿。
この上なく胸を締め付けられる。
「…美男、これ頼む!」
柊は唇を引き結ぶと美男の側へ駆け寄り、トートバッグを彼に預けて力一杯走った。
温室で履いていた泥だらけのスニーカーのまま合宿所内を突っ切り、玄関のドアを開け放ち外へ飛び出す。
649星をさがして17 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:01:38.91 ID:EU4mBaEH

「…NANA…っ!」
目を凝らし辺りを見回すと、合宿所を出て少し進んだ先でNANAらしき女性がタクシーに乗り込むのが視界に入り、一目散にそこを目指して走ったが…無情にも車は柊に気付かず走り去ってしまった。

「…っ…」

ウジウジ悩んでいたばかりに、彼女を掴まえる事は叶わなかった。
後悔と自責の念に襲われ、腰を曲げ頭を垂らし己の膝を打つ。


…その時、柊の背後でカメラのシャッター音が微かに鳴った。
反射的に振り向くと、太った身体を木陰に半分ほど隠した格好でカメラを構えたオカッパ頭の怪しい男が、ギョッとした顔で固まって居る。
A.N.JELL周辺をいつも嗅ぎ回る記者三人組の一人、出口である。

隠し撮りした事を柊に見付かり慌てているのか、あたふたと四つん這いになり今更身を隠し逃げ場を探す様子の出口に大股で近寄り、冷たい目で彼を見下ろす。
「…何をしているんです?ここは関係者以外立ち入り禁止……許可なく僕たちを撮影をした者は厳しく罰すると、敷地内のあちこちに看板があるはずですが」
「あ、いや…これは…、その…」
「正式な形のインタビューならお答えしますが、こういった事をされるのなら今後あなた方のA.N.JELLに対する取材を全て、拒絶して欲しいと社長に直訴も考えさせて頂きますよ?」
今までマスコミに対してこのような態度を取った覚えは無いが、NANAを引き留められなかった悔しさが柊の心を苛立たせ、それはそのまま不作法な所業を働いた出口へと向けられた。
「…そっ、それは困る!…いやっ、困ります…我々からA.N.JELLの取材を取ったら死活問題です!」
いつもは穏やかな柊から発せられる厳しい追及に余程驚いているのだろう。
彼は明らかに狼狽しており、眼鏡の奥にある二つの目玉がキョロキョロと空を泳ぐ。
「では、さっき撮った写真を僕の目の前で削除して下さい」
有無を言わせぬ態度で睨み付けると、出口は至極残念そうに溜め息を吐き首から提げているネックストラップ付きのデジタルカメラを手にしたが、
不意に何やら閃いたのかニヤッと口角を引き上げ不敵に笑んで立ち上がった。
650星をさがして18 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:02:50.43 ID:EU4mBaEH
「いやいや…、そう目くじら立てないで下さいよ。柊さんだけに特別、いい情報を教えますから…」
「…話を逸らすつもりですか?」
「まぁまぁ……その情報って言うのは、さっき泣きながら走って行ったNANAに関係してると私は思ってんですがね。…知りたくありませんか?」
「……!」
自身の良き逃げ道を見付けたとばかりに嬉しそうにニヤつく出口からNANAの名前が挙がり、柊の中の苛立ちは収まり冷静さを取り戻していく。
「…分かりました、話を聞きましょう。立ち話で済む内容でも無さそうですから、中へどうぞ」
「えぇっ!?入っていいんですか!?」
「本来なら記者の方はお招きしていませんが、今日だけ特別です。…ただし、撮影は一切禁止なのでカメラはお預かりします」
マスコミは敷地内ですら正式な許可を事務所に得なければ堂々と入れない、A.N.JELLの合宿所。
まさに秘密の花園めいた存在の内部を知れるのだと、出口は喜びを露にペコペコと年下の柊へ頭を下げ素直にカメラを預けて来た。
「そりゃーもう!カメラなんか喜んで預けますよ!…いやぁ、アイツらも他の取材さえなけりゃ飛んで来ただろうなぁ〜」
意気揚々と歩く出口を連れて、合宿所の扉を開けてカメラを持ったまま中に入る。

…だが、玄関先には般若の形相で仁王立ちしている廉が立ちはだかっていた。

651星をさがして19 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:04:35.99 ID:EU4mBaEH
「……おい、何であんなに汚したんだよ!」

白い長袖シャツの袖を腕捲りしている廉はモップの柄を右手に持ち、低い声で唸る。
泥が付着したスニーカーで合宿所内を駆け抜け、くっきりと足跡を残した張本人である柊を睨み眉間の皺を深くした。
美子との楽しい電話を終えて部屋を出た直後に床が汚れているのを発見し、一気に機嫌が悪くなったようだ。
今まで床掃除をしていたらしく、彼の背後で黙々と雑巾片手に床拭きを手伝う勇気の姿も見える。
「ごめんな廉、勇気。ちょっと慌ててたんだ」
「いくら何でも、そんな汚い靴で部屋の中を走るなよ!…っつうか、何で記者のアンタがここに居るんだ?ここは立ち入り禁止だろうが!」
さらりと謝る柊の態度が気に食わないのか更に不機嫌さを増した廉は、後から入って来た出口を見て目を見開き、一層大声で怒鳴った。
あくまで冷静に、己の後ろでビクついている男について釈明を始める。
「…出口さんは確かに不法侵入に問われてもおかしくない事をしたけど、とにかく今は彼の話が聞きたいから連れて来た」
「はぁ?何だよそれ…」
「とにかく、落ち着いてくれ。床を汚した罪滅ぼしは後でするから…頼むよ、廉」
真剣な瞳を向け懇願すると、こちらの切羽詰まった思いが伝わったのか。
廉は眉間に指先を押し当て深く息を吐き、チラリと出口を見遣ってから顎をしゃくった。
「…ったく、用が済んだらすぐ帰れよ」
「ありがとう。…どうぞ出口さん、上がって下さい」
「は、はいはい…」
廉の剣幕に気圧され小さくなっている出口に来客用スリッパを出してやり、心配そうに事の成り行きを見守っていた勇気へ目配せしてからリビングのソファを案内する。
すると今まで面倒臭かったのか掃除に参加していなかった美男が部屋から出て来た。
廉が放つピリピリとした空気で動く気になったのかも知れない。
モップと雑巾の片付けだけを行う美男を横目に、キッチンでハーブティーを淹れる。
652星をさがして20 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:06:28.08 ID:EU4mBaEH
「…どうぞ」
「これは…噂の柊さん特製ハーブティーですな?ファンの子を差し置いて私が飲める事になるとは…」
真ん中のソファに腰掛け大人しくしていた出口とメンバー全員分のハーブティーを用意し、テーブルの真ん中には勇気がスタッフに貰ったというクッキーを置く。
長い脚を組み出口をじーっと監視していた廉も、良い香りを放つティーカップへ手を伸ばした。
「…で、話っつうのは一体何だ?」
柊が勇気の隣に座り、キッチンのカウンター席に美男も座した所で廉が問う。
出口はハーブティーを一口飲んでホッとした表情になると、声を潜めて語り出した。
「…我々は元々、A.N.JELL専門の追っかけ取材をやってるんですがね、最近はネタになるっつうんでNANAの動向も一緒に探ってたんですわ」
「それでここまで潜り込んで来たのかよ…」
「いやぁ…廉さんと別れたはずのNANAがまたA.N.JELLと絡むなんて、何かあるんじゃないかと思いますからねぇ」
合宿所に無断で侵入した理由を明かした出口は、急に声色を低くし不気味な笑みを覗かせた。
思わず話に聞き入る4人。
「…それで、今までNANAを隠し撮りしてた写真をチェックしてたら……写り込んでる“あるもの”を発見してしまったんですよ…」
「……え゛…それってもしかして…」
勇気は段々と顔を青ざめさせ、柊と廉を交互に見遣る。
この妙に恐怖を煽る独特な語り草からして、季節外れの心霊写真がメンバー全員の脳裏に浮かんだ。
「柊さん、そのカメラをこちらへ…」
「あ、あぁ…」
言われた通り預かって首から提げていたデジタルカメラを返してやると、出口はNANAを撮った写真を皆に披露する。
キッチンに居る美男以外の3人は一斉に液晶画面に注目した。勇気は若干怯え気味であるが…。
「これ…NANAが事務所に入る所…か?」
「…そう。彼女の背後に、写っている男が居るでしょう?コイツをよーく見ておいて下さいね…」
写真には事務所のエントランスへ入っていくNANAの姿と、その少し後ろを歩く男性が写っている。
遠目で顔はハッキリしないが、服装からして若者のようだ。
「こ、こ、こいつがNANAちゃんに取り憑いてる地縛霊!?」
「アホか!どう見たってコイツは人間だろ。大体、地縛霊は人に憑くんじゃなくて土地に憑くんだよ。美子もそう言ってたから間違いない」
「…廉、いつも美子とどんな会話してるんだ?」
幽霊話だと思い込んで騒ぐ勇気を窘める廉の珍発言についツッコミを入れた所で、出口が咳払いを一つ零した。
「えー…問題はここから。しばらくの間NANAを撮影してたんですがね…ほら、分かりますか?」
次々と画面に現れるNANAの隠し撮り写真。
よくよく注意すれば、その全てに先程見た男性の影らしきものが写り込んでいる。
「あ…っ!…この男…!」
653星をさがして21 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:09:13.05 ID:EU4mBaEH

柊はその男性に見覚えがあった。
皆の視線を浴びながらじっと画面に目を凝らす。
「…三澤……これ、三澤時哉でしょう?」
先日馬淵と一緒に目を通した資料に掲載されていた三澤の容姿と、非常に似ている男性の影に確信を持ち出口へ真偽を問う。
「その通り!ここ数日NANAちゃんを撮影した全ての写真の何処かに写り込んでるんです。
そりゃーもう、見付けた時は流石にゾワッとしましたよ」
「怖っ…!それヤバくない?ホントに背後霊レベルで写ってんじゃん!」
「…どう見てもストーカー…」
青い顔で写真から目を逸らしアワアワと意味無く立ち上がって動き回る勇気と、いつの間にかリビングに来て写真を観察し冷静な一言を放つ美男。
出口は一通りの写真を表示し終えた所で、さりげなくカメラを自分の首に提げた。
「…三澤って、ちょっと前に開催されたオーディションでグランプリだった奴だよな?確か、応募者1万人以上とか…」
「そうそう、なかなかのイケメン君だったよね。…まぁ、俺らA.N.JELLには負けるけど」
廉はたまたまソファに置きっぱなしになっていた自分達が表紙のテレビ誌をパラパラと捲り、身を乗り出し手元を覗いている勇気と共に紙面をチェックする。
NANAの事務所“fairy・dream”と、協賛する企業が主催で行ったタレント発掘オーディションの特集記事があった。
大きくアップで写るグランプリの三澤は爽やかな好青年、という感じで笑っている。
暗めの栗色の短髪に、面長で眼鏡が似合いそうな顔立ち。目元はハッキリした二重で瞳も大きい。どちらかと言えば容姿は勇気と似たタイプの青年だ。
「…確かに、顔はなかなか美形に見えますがね。この男…いや、そもそもオーディション自体が出来レースなんじゃないかってのが、私らの取材で明らかになりつつあります」
大規模なオーディションにまさかの裏があると聞き、皆が記事から出口へ視線を移した。
「NANAを付け回してる男が三澤だと分かって、絶対ネタになる!と、調べ尽くしたら…彼はこの共同主催者である“株式会社Sarara”の社長の隠し子だと判明しましてね…」
「えぇっ!?」
「何だそりゃ…そんなの初めからコイツに決まってたようなモンだろ」
厳正だったはずのオーディションのカラクリを明かされ、皆それぞれ驚きや呆れの表情を見せる。
応募者を募ったのは話題性を呼ぶ為で、最初から主催者の息子、三澤が優勝するシナリオだったのだ。
しかし、それよりも柊は出口から発せられた企業名に耳を疑った。
今まさに、自身がCM契約を締結しようかという段階まで進んでいるスポンサーだったからだ。
654星をさがして22 柊×NANA:2011/10/29(土) 02:13:46.75 ID:EU4mBaEH
「…出口さん、それは本当ですか?」
「えぇ、出所は明かせませんが確かな情報ですよ。社長の田沼氏が外に女を作り、やがて生まれたのが三澤だった。
立場上認知はしていないようですが本妻との間に子供が居ない分、陰で随分可愛がっていたそうで…」
「愛人に生ませた息子をスターにしてやろうっつう訳か。大した親父だな!」
不倫や浮気という言葉を人一倍嫌う廉は、持っていたテレビ誌を床に叩き付けソファの背凭れにふんぞり返った。
テーブル上のクッキーをつまみながら勇気もそれに同調して頷く。
「息子も息子だよね…デビューしてすぐにNANAちゃんをストーカーするなんて…」
「女にだらしがないんだろ。親子揃って不潔な奴等だ」
「…なぁ、それにしても…株式会社Sararaって…」
廉が放置した雑誌を拾い上げた美男が、何か言いたげに柊と出口を見比べる。
まだ本決まりでもない新たなCMについてなど、マスコミの前で迂闊に話せないので、言い淀んでいるようだ。
「……何ですか?私に聞かれちゃマズい話でも?」
急に歯切れが悪くなった美男の態度で記者魂に火が付いたのか出口が柊に詰め寄って来た。

…この男はまだ、何かを知っている。

そんな己の勘を信じ、柊はハーブティーを一口飲んでから彼に向き直る。
「…出口さん、俺は今夜…田沼社長と三澤時哉、それにfairy・dreamの
荻野社長を交えた会食に出掛けます」
「柊っ、お前…!」
「…ご存知かも知れませんが、新しいCM契約に向けての顔合わせです。もしかしたら今夜決まるんじゃないかと思ってましたが…
出口さんの話を聞いて考えが変わりました」
「ほぉ…それはそれは…」
突飛な柊の発言で焦る3人を目線で制した後、興味深げに笑む出口を真っ直ぐに見据えた。

NANAが悲しげに表情を曇らせていた原因が、三澤のストーカー行為だったとしたら…
徹底的に排除しなければならない。

「…手を組みませんか?俺たち…」


柊の涼やかな双眸が、怪しく光った。


655名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 02:22:35.50 ID:EU4mBaEH
今日の投下は以上です。
次回以降、ついに柊さんがNANA救済に向けて動き出す…かも。
656名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 02:29:21.70 ID:Wa8vIHYW
>>655
柊さんにはぜひ頑張って救って欲しい!
657名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 02:45:05.27 ID:zccUAcQD
>>655
ちょこちょこ入ってる、廉・美子の話にニヤニヤしてしまう。
658名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 02:52:15.18 ID:r/kEnPX2
>>655
オカッパーズまで登場とは!展開にドキドキします。
廉美子の会話、なんなのそれw
柊さん、NANAちゃんを救ってーー!!続き待ってます!
659名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 03:59:59.38 ID:Wa8vIHYW
まとめのエロあり柊さんばかり読んでたら、くらくらしてきたw

柊×美男(美子)007の1ページ目、途中ダブってましたので
お知らせしておきます。
660名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 05:08:39.43 ID:lc4cVMYu
まさかのオカッパーズ登場…
なんだか息をつかせぬ展開に…続きが楽しみ。
柊さん、がんばれ!STK同士の戦いだw
あ、柊さんは元かwww

たしかに廉美子話がすっごくいいアクセント!かわいい〜

>>659
管理人さんが向こうに掲示板作ってくれたから
そこでお知らせするといいんじゃないかと思います
661名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 05:25:02.17 ID:S84Cr1Yq
>>655
凄い文才!話の持ってき方が上手い!
エロパロスレ内だとは思えなかったw
続き楽しみ過ぎる!
662名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 13:37:49.53 ID:IFYHQHb7
>>655
柊さん頑張れ!
廉美子の謎の会話にニヤニヤしたww

このスレもそろそろ埋まるかな
663名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 14:32:47.57 ID:U0I6KmMM
>>655
柊さんとNANA、そして話しがどうなっていくのか気になります!
次回を楽しみに待っております!
664名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 15:16:53.91 ID:zccUAcQD
>>659
ありがとう。
修正しておきました。

…タグが認識しないのがなぜだかわからないorz
このスレ、あとどのくらいで埋まるんでしょう?
665名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 18:52:03.41 ID:jr3lsjFD
>>664
まとめさん、サンクス!感謝です。
このスレの容量が500KBで今492KBだから、次の長編作あれば、次スレの方がいいのでしょうか?

上の、美男兄のシスコンぷりが可愛い。一瞬、勇気とくっつく展開かと期待してしまいましたw
666名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 20:00:50.09 ID:37Ij+s2J
長編というわけでもないし、続き物でもないので投下しちゃいます!
異色カプが苦手な方は、ご注意ください!
エロありですが、なんと社長×美男(美子)です。
もし途中で切れたら、速やかに新スレに移行しますね。
667夢の跡1:2011/10/29(土) 20:02:09.94 ID:37Ij+s2J
シゲ子の家でボヤ騒ぎがあり、合宿所に居候することがきまった。
美男は誰かと相部屋に…と言われ、廉を指名するも「絶対嫌だ」と言い放たれた。
「あーもういい、もういい!美男、俺の家に来い。ウチには、広いサウナもあるぞ〜?
 二人でA.N.JELLの未来について語り合おう!」
「えぇっ!?」
美男は廉に目で縋るが、廉がどうするか葛藤する間に、安藤社長は美男の手を握った。
「ほら、遠慮しないで早く荷物まとめろ。それじゃ、今日からYouは、俺の家族だな!」
「社長…」
満面の笑みで言う社長に、美男は何も言えなくなった。
いや。それだけではなく、家族という響きがやけに魅力的に感じた。
きっと奥さんや子供が居て、広い庭にペットを飼っていたり…。
A.N.JELLの合宿所も素敵な所だが、暖かい家庭というのとは少し違う。
「それじゃ、僕…お世話になります」

廉は、叔母のために部屋で荷物をまとめる美男に近づいた。
「おい、お前なんで断らなかったんだ!俺が口を挟む前に、世話になるとか言って…
 大丈夫か?サウナだぞ、サウナ…」
「だって廉さん、ほんとに嫌そうだったし…。サウナは、どうにか誤魔化すので…
 大丈夫ですっ!」
「そうは言っても…お前は…」
言いかけた廉の背後で、勇気が勢いよく駆け寄ってきた。
「美男〜!社長の家のサウナは最高だぞ!俺も遊びに行くからなっ」
「えっ!あ、あの…ぼ、僕がこっちに来ますから!」
「そうかぁ?ま、寂しくなったらいつでも電話しろよ?」
「はい…勇気さん、ありがとうございます」
荷造りを終えて美男は玄関先で柊に声をかけられた。
「美男…俺の部屋でよければ、今からでも…」
「いえ、大丈夫です!社長に家族だって言われちゃったんで!ありがとうございます」
「そうか…」
そうして元気よく美男は、外で待っていた秘書の沢木と共に社長宅へ向かった。
668夢の跡2:2011/10/29(土) 20:02:55.94 ID:37Ij+s2J
「Welcome、Welcome〜!よく来たな〜美男!」
がっちりと肩を抱かれ、お世話になります、とだけ美男は言った。
社長の家は、想像していたものとは全く違っている。
どう見ても同居している人の気配は無く、シンプルで無機質なくらいだ。
しかし通いの家政婦が1人いて、部屋は綺麗に片付けられていた。
「40男が1人で住むとどうしても味気なくてなぁ〜男とはいえ、若いお前が来てこの家も華やいだな!」
「ええ、本当に。私もお世話のし甲斐があります」
家政婦の石崎がにっこりと微笑んだ。
「社長って、独身…だったんですか」
「あぁ、俺は独身貴族を貫いてるからなぁ。知らなかったのか?」
「あ、全然…すみません」
「ま、仲良くやろうな!はっはっは」
そんなはずじゃ…!!思っていた家とは全然違い、美男はガックリと項垂れた。
一通り、風呂やトイレの位置を石崎に教わってから、宛がわれた部屋に入る。
部屋は合宿所より多少広く、インテリアもシンプルにまとめられていた。
「どうしよう…でも、サウナの誘いさえ乗り切れば、なんとかなる、よね」
そう呟き、美男は軽く荷解きをしてから午後の仕事へ向かった。

夜、仕事を終えて帰ってきた美男が家に入ると、安藤社長はちょうどTVを見ながら遅い夕食を摂っていた。
「ただいま帰りました。お疲れ様です!」
「お、帰ったか!お疲れさん。Youも一緒に食べるか?」
「え?いいんですか?じゃ、僕着替えてきます!」
美男が来たからか、家政婦が多めに用意していた夕食はどれも美味しかった。
晩酌にも付き合え、と社長は美男にビールを飲ませ、自分も次々にグラスを空ける。
「いやぁ、やっぱりこうして誰かと食べるメシってのはいいもんだな」
「そうですね。うちは両親も早くに亡くなったので…家族に憧れます」
「そうか、そうか…」
そう言って5杯目のビールを飲み干し、社長が立ち上がってキッチンの戸棚を開けた。
一方の美男は3杯目をチビチビと飲み進めていたが、だいぶ酔いが回っている。
「今日はお前の歓迎会だからな、俺はとことん飲むぞ!」
社長が戸棚から取り出したのは、アルコール度の高いブランデーで、グラスと共にテーブルに置いた。
ストレートのままブランデーを味わう姿に、かっこいいな…と呟くと、お前も飲めとグラスに注がれる。
「わ、僕は…そんなに飲めないですぅ…」
「なぁにごとも、経験だ!明日はオフだろ?ほれほれ」
「うーん、じゃあ…いただきます!ん。あ!美味しい」
「だろ〜〜?ほら、どんどん飲め」
次第に呂律が回らなくなってきたが、2人はそんなことはお構いなしで飲み続けた。
669夢の跡3:2011/10/29(土) 20:04:07.89 ID:37Ij+s2J
「俺はなぁ…独身貴族だとか言ってるけどな…。結婚寸前まで行った女に逃げられちまって…」
「そうなんれすかぁ?!びぃっくりですぅ」
「それも、絶〜っ対に手の…届かないところにだよ…」
「…?外国ですか?」
急にしんみり、ポツリポツリと話す社長に美男も真剣に向き合う。
「いや…天国だ。あなたは私の分もたくさん生きて…なぁんて言われたら、
 さすがに追いかけられないからなぁ」
自嘲気味に笑って、また一口グラスの酒を煽った。
「そんなことが…。でも、そんなに愛せる人が居たことは…きっと人生の宝物ですよ…」
「宝物か、その通りだな…彼女には本当に、助けられて励まされて、愛された…。
 それなのに、俺は…病気のあいつに何もできないままで…」
社長の目に、透明の雫が溢れそうになっているのを見て、美男は不謹慎にも「美しいな」と思った。
その瞬間、美男は頭で考えるよりも先に、体が動いて目の前の大きな体を抱きしめた。
「あなたは…本当に素敵な人です…。彼女も、そんなあなたを愛して…幸せだったと思います…」
ふわりと包み込むような美男の抱擁と慰めの言葉を受けて、社長は目の前の柔らかい暖かさに
眩暈がしそうになった。
大きなソファにゆっくりと横たわると、無駄な思考がほとんど停止して夢の中に居るような気分になる。
目を瞑り、昔の記憶が少しだけ蘇った時…目尻から一筋の涙が伝った。

「あったかい…」
目を閉じて寝入ってしまった社長の横で、美男は自分も横たわる。
慣れない酒を飲んだせいでそのまま眠りそうなほど気持ちよかったが、隣から聞こえる
規則正しい寝息と胸の鼓動が心地よくてずっと聞いていたいとも思った。

数十分後、社長が「ん・・・」と唸って美男は体を起こした。
「重かったかな…」
体が少し重なっていて、寝ている社長に負担をかけたかもしれない。
そう思ってソファから立ち上がろうとしたとき、手を握られた。
「…み、こ…」
「…えっ?」
いきなり本名を呼ばれ、美男は驚きを隠せずに目を丸くした。
なんでバレてるんだろう!?そう思ったとき…
「ゆ…みこ…」
昔の恋人の名を呼んでいるだけだったことに安心しつつも、強く握られた手に戸惑う。
「あ、あの…しゃちょ…っ!!」
強く引き寄せられて、美男は社長の胸にすっぽりとおさまった。
「そばに居てくれ…ゆみこ…」
夢を見ているのか、抱きしめる腕の力は更に強くなった。
「私は、ここにいるから…苦しまないで…」
心臓の音に耳を傾けながら、美男は優しく「ゆみこ」の気持ちを代弁するように言う。
「苦しまなくていいの…」
670夢の跡4
いつも明るい社長の、いつになく険しくて悩ましい顔に堪らなく胸を締め付けられ…
美男は思わずそっと、その唇にキスを落とした。
唇に当たる柔らかな感触で、安藤社長は目を覚ます。しかし、鼻をくすぐる甘い
女の匂いで懐かしいような気持ちになった。
美男の頭に手を沿え、重なった唇をより自分へと近づけた。
「ん…んっ…」
急に深くなったキスに、美男はそのまま身を任せた。
普段ならすぐに逃げてしまうだろうが、今日は社長に寄り添いたい気持ちが勝る。
女だとバレちゃいけないのに…どうしよう。そんなことを考えている間に、社長の舌が美男の口内に侵入してきた。
息も出来ないほどに舌を絡ませあえば、もう何も考えられなくなる。

いつの間にか、着ていたパーカーは裾から首の下まで捲くられていた。
「あっ!これは…っ」
胸の膨らみを隠すために着用しているベスト型のサポーターを見られ、美男は焦った。
社長は何も言わず、ファスナーを下ろす。2つの膨らみが目の前に出現した。
「はっはっは…すごい夢だな、これは…。美男が本当は女なんてな」
「ゆ、夢?…そうです…ね」
「チューも気持ちいいしなぁ…いい夢だ」
そう言って、また口付ける。そうだ、これは酒に酔った寂しい自分が、
思わず求めてしまった女の温もりを与えてくれる、夢なんだ…。
そんな風に思うと、目の前に居る女の形をした美男が余計に美しく思えた。
「あっ…しゃ、ちょぉ…!!」
「柔らかいな…」
パーカーも脱がせて、首筋に口付けて乳房を揉みしだいた。
社長の手に吸い付くように馴染んで形を変え、先端はキュっと尖り始める。
漏れる吐息で、耳の後ろや首筋がゾクゾクして美男は縋るように社長の背中に腕を回した。