【離れない】繋がりっぱなし2【離したくない】

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1名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 21:39:07.44 ID:sxEGDtaO
繋がったまま風呂、食事、就寝、等々、繋がったまま生活。
または、
朝まで、休み明けまで、堕ちるまで、孕むまで、産むまで、等々、
繋がりっぱなしセクロス。

純愛でも鬼畜でも、
とにかく繋がりっぱなしで相手を身悶えさせるスレ。

参考シチュ:頭がフットー、ポリネシアンセックス、スローセックス等々

さんざん繋がりっぱなしの後で抜いた時ってのもエロイから
ss内で最初から最後まで繋がってなくてもおk

前スレ:
【離れない】繋がりっぱなし【離したくない】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188615688/
2名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 21:39:41.58 ID:sxEGDtaO
>ポリネシアン・セックス(Polynesian Sex)とは、ポリネシア地方で伝承されてきた性行為の方法のこと。
>性行為は5日に1回程度とし、残りの4日は性器を刺激しない愛撫だけにとどめ気分を高める。
>前戯に最低1時間かけ、また陰茎の膣への挿入後 30分はピストン運動を行わなず抱擁や愛撫に留める。
>オーガズムがあった後も、性器を結合させたまま抱き合う事でより気分を高める。
>というもので、スローセックスの一種であるといえる。


> スローセックスとは、『ゆっくりと時間をかけてセックスをする』が基本です。
> 『ゆっくり時間をかけて…』とは、腰の動作を遅くするのではなく、女性の感じ方を中心に男性がペースを合わせ、挿入前に時間をかけて愛撫をして、女性側に挿入の準備を作ってあげて、なるべく長い時間挿入していてあげることです。
> 挿入してからも、たくさんkissをしてあげ、やさしく動かして、たまに女性の感じ方を見ながら激しく突いてあげて、体位を変えながら、時間をかけて一緒にイクことで、お互い最高のオーガズムを感じます。
3名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 20:32:23.40 ID:AZEY+1v1
1おつ
4名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 00:48:00.68 ID:HX0ebkix
>>1
5 忍法帖【Lv=24,xxxPT】 :2011/07/23(土) 01:05:38.10 ID:5AAQInKC
ポリネシアン・セックスについて
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/kageki/1145842073/

>『じっくり時間をかけることが南洋諸島の性文化に共通している特徴で、旧英領ニューギニアのトロブリアント諸島では「1時間たつと、先祖の霊が目覚めて、われわれの結合を祝福してくれる」と信じられている。』
>(参考 「エロスと精気」ジェームズ・N・パウエル著、浅野敏夫訳、法政大学出版局)


先祖の霊が「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」と
拍手してる中でギシアンする羞恥プレイ?
6名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 19:36:35.14 ID:rR2b+92D
 気がついたら高校二年生になっていた。
 といっても、高校を受験した記憶が失われたわけではない。どこかに引っかかればそれでいいと思っていたせいで、なんの感慨もない高校受験だったが、健忘症ではないのだ。一応記憶の引き出しには入っている。
 それでも、つい昨日まで小学生だったような感覚はぬぐえなかった。
 小学校を卒業した記憶は私の中で鮮烈だった。
 小学校の六年間はあまりにも長すぎた。
 少子化のせいだ。
 日々成長する人間が幼すぎる過去を共有したまま、六年ものあいだ小さな教室に固着している。はっきり言って拷問だった。
 一日の大半を占める学校生活で、私は常にぼんやりとしていた。
 苦行に耐えるために正常な精神を投げ出したのかもしれないし、苦行が日常的になりすぎて精神が摩耗したのかもしれない。
 ぼんやりとした私の意識に苦しみはなかったが、無意識に追いやられた鬱屈は卒業の日に一気に顕在化した。
 ──ああ、そうだったのか。
 それはそこで終わった。
 中学校では知らない顔が一気に投入された。名前も顔も覚えきれない。私のことを知らない人間も大量にいた。私は解放された。そう思った。
 ところが、新しいクラスになじんで、授業についていくコツもそれなりにつかみ、セーラー服になんの昂揚も感じなくなった頃になると、私はまたぼんやりとしていた。
 隣のクラスにも、その隣のクラスにも知らない顔がいる。どこに行っても何も変わらなかった小学校の狭苦しい校舎とはまるでちがっていた。なのに私のぼんやりは教室の扉や窓の隙間から入り込み元に戻ってしまった。中学の卒業式の記憶はあまり残っていない。
 そして、高校二年生。制服のブレザーになんの感慨も受けなくなった今の私は、またもぼんやりと意識を手放している。

 何かが足りない。
 何かが足りない。

 ぼんやりは風を得られない煙のようにさまよって、濃くなることもなく、薄くなりもせず、停滞している。
 私はぼんやりを持病だと思った。諦観と受容の間に放り投げて、気が向いたときだけそれについて考えた。

 何かが足りない。

 何が足りないのか、私は考えるのが面倒だった。早々にあきらめて、何を得たら足りるのかを考えた。
 幸いアイデアは転がっていた。
 中学の頃には気づけなかったが、高校にもなるとさすがに気づく。男子のひそひそ話にも女子のひそひそ話にもそれは顔をのぞかせていた。
 ──セックス。
 好奇心が少し隙間を埋めた。
 なんといっても、まだ経験していないということは大きい。材料はそこら中にあり、想像はいくらでもわく。そして、想像だけならば自由なのだ。
 私はぼんやりを祓うために恋人を作ったり、援助交際をするような気持ちは起きなかった。
 私の持病は諦観と受容の間に鎮座している。
 小学校の六年間に比べれば、高校なんてすぐに終わる散歩道だ。卒業さえすれば大なり小なり解放されるはずなのだ。節目のある病に対し、ともすれば泥沼に陥りそうな人間関係を築く気にはならない。
 ただ節目までの娯楽はあるに越したことはない。
 私は兄の部屋に忍び込み、いかがわしい雑誌を盗み見た。誰にも面倒をかけず、最も手間のかからない良い方法だった。
7名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 19:38:30.84 ID:rR2b+92D
 私と兄は六歳年が離れている。大学四年生で就職活動のさなかにある兄は、私の中ではごく普通に「大人」のくくりに入れられていた。
 近頃は就職活動の他に卒論だのゼミコンだの最後の思い出作りだのと忙しそうで、兄が部屋にいるのは寝ているときくらいのものだった。
 私は小学生の頃にセーラー服にあこがれていたような気持ちで、いやらしい知識を次々に吸収していった。

 想像は加速して、やがて行き詰まった。
 兄の持っている雑誌は実写、マンガ、官能小説、色々とあったが、私の想像をよりリアルなものにするためには、一箇所がどれもこれも欠けていた。
 私が鏡の前で足を開いたのは当然の成り行きだった。
 生まれて初めてその部分を目に映す。自分のからだの一部でありながら、私はその部分をぼんやりとさえ知らなかった。
 紙面上のリアルは、よりリアルになって現実に姿を現した。

 穴が。開いている。
 小さな、小さな、両側を強く開かなくてはそうとわからないような穴だ。
 穴だ。
 私のからだに。
 こんな、
 穴、が

 私はとても安心した。

 私には穴がある。
 全然気づかなかったが、こんなところに穴がある。
 足りていなくても、一つもおかしくはない。

 私は兄の雑誌を見なくなった。その代わり、家に帰るとすぐに私の穴を観察した。
 穴はいつもそこにあった。私のからだに、いつも小さく開いていた。
 ぼんやりがざわざわと蠢いている。私は時々質量が増えたような錯覚をした。本当に質量を増やすにはどうすればいいのかもわかっていた。

 私は状況を用意した。
 今日、兄が酔いつぶれて帰宅することは容易に想像がついていた。コンパのある日は八割酔いつぶれて帰ってくる。といっても、近頃は就職活動のやけ酒を飲んだりもしているから、別段今日である必要もなかった。
 一応下調べくらいのことはした。本物の睡眠薬は医師の処方が必要らしいので、仕方なく薬局で手に入る睡眠改善薬を買ってきた。兄が起きたら起きたときのことで、特に何も考えていなかった。
 酔い覚ましと称して睡眠薬入りの水を飲ませることも、成功しなかったらそのとき何をするつもりでもなかった。
 成功するかもしれない状況を用意しておいただけで、計画性のかけらもない。
8名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 19:40:01.52 ID:rR2b+92D
 私はざわざわという蠢きを這い上がらせながら、兄が水を飲んだのを確認した。
 両親が呆れ顔で寝室に引っ込んでいった。兄もおぼつかない足取りで自分の部屋へと入っていった。
 しばらく待った。
 鏡で見なくてもわかる。私の穴はいつもよりも少し開いている。
 しばらく待った。
 両親のセックスを夢想した。つがいには穴など開いていない。
 しばらく待った。
 待ちきれなくなった。

 兄の部屋に入るなり、私は布団を押しやって、それが本当にあるかどうかを確かめた。待ちきれなかった。兄の寝付きは後回しだった。
 もしも兄に穴があったら、六年どころではない年月が待っているのだ。しかし、兄に私のような穴はなく、望んだとおりの肉のかたまりが突き出していた。見た瞬間、足りている、と思った。

 兄は足りている。
 大学でも私のようにぼんやりとしていたりしないのだ。
 私は悔しく思ったが、すぐに哀れだと感じた。

 兄は足りているが、余っている。

 それは私には想像もつかない感覚で、もしかしたら、ぼんやりよりも大変なことなのかもわからない。
 いや、そうにちがいない。そうでないといけない。

 私は兄の余った部分が可哀想で、よしよしと赤ん坊をくすぐるように慰めてみた。母性本能とはこういう気持ちなのだろうか。私は私の胎に大きながらんどうがあるのを初めて実感することができた。

 何かが足りない。
 何かが足りない。

 何を得たら足りるのか、私はもはや完全にその答を明らかにしていた。
 兄の余った部分がよだれを垂らして夜泣きしている。私には何かが足りない。

 私は
 小さな穴を、
 穴を、開いて、
 やっと、
 私は

 ──足りない。

 隙間なく埋め込むと、私の穴は血を垂らして思いがけない大きさに拡がってしまった。しかし、兄の余った部分はそれよりも大きくて、私になんら絶望を抱かせなかった。
 元々こうするための穴だったのだ。こうしている限り、足りなくなることも、余ることもない。
 兄はまるで母乳を与えるかのように、私の胎内にとくとくと精を注いだ。女であるのに母乳を出せない私の胎は、すっかり満足して泣くことがなかった。

 私は満たされた。

 そう思えたのはどれほどの時間だったのだろう。
 いつだって卒業は解放で、入学は昂揚感と共にあるものなのだ。ところがほどなくしてセーラー服は色あせていく。ブレザーもすぐにくたびれて、何一つ感慨がわかない。

 気がついたら私は兄の上でぼんやりとしていた。尻の下がべとついていて、熱と熱の間に嫌な温度が挟まっていた。
 私のからだに持ち主の気づかないままに開けられていた穴はもう残っていない。
 私は少女ではなくなった。少女ではないのだから、大人の女になったはずである。方向で言えば前に進んだと言っていい。ところが、私は囲いこまれたような気分になった。
 私のかつての幼さを知るものたちが、大人になった私をあざわらっている。
9名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 19:41:43.35 ID:rR2b+92D
 ああ、
 また六年が始まる。始まってしまう。
 私はぼんやりとやり過ごすしかなくなってしまう。

 何かが足りない。
 何かが、

 私はぼんやりと兄を見た。兄はぼんやりとしているどころではなかった。
 泥酔の上の睡眠改善薬は馬鹿にできない効果を発揮したようで、余った部分の力強さとは裏腹に、兄自身は死体のように眠りこけていた。
 大人の男性であるはずの兄が、私のような小娘になすすべもなくされている。
 不思議で興味深くもあったし、ひどく残念な気もした。
 大人というのはもっと、もっと、

 ああ、でも、そうだ、
 兄は余っていたのだ。

 私は兄にほほえんだ。
 大丈夫。私はわらわれていないし、兄をわらったりもしない。
 クラスメイトたちとはちがって、兄は最初からそこにいた。そしていつまでもそこにいる。
 私と兄は一緒に大人になったのだ。
 兄と私なら大丈夫なんだ。
 こんなに大丈夫なんだから、きっとわかってくれるにちがいない。

 私は一応兄を起こしてはならないと考えていた。兄が目を覚ますことはとても面倒なことに思えたからだ。しかし結局本物の睡眠薬を調達したりはしなかった。兄が目を覚ます想像はぼんやりを何度もざわざわとさせ、心地良かった。

 私と兄は、すでに関係を終えている。

 例えば兄が目を覚まし、
 例えば両親がこのことを知り、
 例えば兄の大学にも伝わって、
 例えば兄の就職先にまで知れ渡る──

 そうなれば兄はどうするのだろう?

 私は兄がわかってくれると思っている。私と兄はお互いがいなければ足りないし、余っているのだ。わからないはずはない。しかしその先がとても気になっていた。
 兄は小学生、中学生、高校生、大学生の今も、ちっともぼんやりしているようには見えなかったのだ。だから例えば兄がどうするのか、気になって仕方ない。
10名無しさん@ピンキー:2011/07/24(日) 19:43:16.92 ID:rR2b+92D
 私のぼんやりがざわざわと質量を増していく。実際には増えてはいない。錯覚だ。なぜならまだ妄想でしかないのだから。

 私は想像する。
 きらきらしい入学式の、世界が変わったような昂揚感。
 覚醒して狼狽する兄は、まず私を引きはがそうとするにちがいない。組み合ったら負けてしまうから、あらかじめ力を削いでおかなければならない。
 ──私は兄の両手両足をベッドにくくりつけておく。
 身動きができなくてもそう簡単に抵抗をやめたりはしないだろう。兄が一度理性を忘れることが肝要だ。
 ──酒と、そういえば、兄の雑誌にメンソレータムについて載っていた。
 すぐに両親を呼ばれても困る。私の小さかった穴はもはや兄と離れて十分もいられないにちがいない。こんなに大きな穴を開けたまま長時間いるなんて考えられない。
 ──口を塞ぐのはガムテープが簡単でいい。
 兄はそのうちわかってくれるはずだが、あまり興に乗りすぎても繋がりが外れてしまうかもしれない。
 ──私と兄のからだもぴったりとくくっておかなければ。

 気がつけば、私はもうぼんやりともざわざわともしていなかった。そんなものは最初からなかったかのように心が穏やかになっている。
 私の穴と兄の余った部分を合わせ直して、ベッドサイトに置いてある目覚まし時計を狂わせた。兄はまだ起きる気配がない。
 荷造り用のロープをはさみで切りながら、私はふと、工作の時間を想像した。イメージとしては小学校なのだが、その想像はなぜかちっとも私を苦しめなかった。
 そういえば、セーラー服やブレザーと同じように、ランドセルにあこがれていた頃もあったのだ。
 幼い頃、兄の背負っていたランドセルは、とてもわくわくするものに見えていた。

 ──さあ、幼稚園の時間よ。

 あら、そっちじゃないわ。お兄ちゃんは小学校に行ってるの。幼稚園とは道がちがうのよ。

 もう、お兄ちゃん子なんだから。

 ランドセル? 小学生になったら赤いのをちゃんと買ってあげるからね。

 小学校入学、おめでとう!

 お兄ちゃんの方は今日から中学生ね。おめでとう!

 私は懐かしい思い出に浸りながら、何かが足りないことに気がついた。

 何かが足りない。
 何かが、

 そうだ。さっきから起きたあとのことばかり考えていた。そのうち目を覚ますとばかり思って、どうやって起こすかは全然考えていなかったのだ。

 早速考えてみた。
 すぐに起きるような言葉がいい。
 思い出ついでに、昔の呼び方で驚かせよう。
 ぼんやりとしていない私は軽快に答を決めることができた。

「おはよう、お兄ちゃん。学校遅刻するよ!」

 私の中の兄は張りつめていて、とても心地が良い。穴はもうどこにもない。
 次に私の穴から兄が引き出されるまでに、せめて六年がたてばいいと思った。
11名無しさん@ピンキー:2011/08/02(火) 18:47:28.73 ID:6N00mJIz
hoshu
12名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 00:15:53.52 ID:odv4fQtN
何だこれ
底しれぬ才能を感じる
13名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 22:52:04.98 ID:aH0yv5qR
「いやぁ……っ、いやぁっ! ほしいよぉ……っ!」
 小夜子は悶え狂っていた。
 男の両腕が小夜子の腰を金具のように固定している。上半身だけ左右に弓なりになり、ぐんとのけぞっても、もどかしい刺激しか得られない。
「ちゃんとあげているでしょう」
 作り物めいたアルカイックスマイルが唇を奪った。
 器用な動きで小夜子の口内に入り込み、縮こまった舌を引きずり出して外でねぶる。ソフトクリームを舐めとるように、舌と舌で絡み合った。
 小夜子は必死だった。
 膣壁は熱に浮かされ、媚肉は男を吸い尽くすように蠢いている。静電気のような快感が、パチン、パチン、と弾けては消えていく。
 めまぐるしく行き来する小夜子の脳内物質は、肉襞の蠢動がどのように男の亀頭をねぶり、どのように裏筋をなで上げているのか、見えるはずのないビジョンを余すところなく映し出している。
 これほど鋭敏な感覚に目覚めたことはなかった。肉も骨も溶かされて神経だけが取り残されたかのようだ。
 ところが、剥き出しの神経を手中に収めておきながら、男は小夜子に突き込んだ怒張をほとんど動かそうとはしなかった。
「ほしい、のぉ……! 動いてぇ……! 動いてよぉっ!」
 舌だけでは足りない。胸だけでは足りない。ほしい、ほしいと何度泣いて訴えただろう。
 腰に回された腕は手錠だ。男は小夜子の自律を許そうとしない。
「いけません。あなたは正しい交わりというものを知らなければならないのです」
「そんな、のぉ……!」
 知っている。小夜子はかぶりを振った。
 男を喜ばせることにかけては同年代の誰にも負けはしないという自負がある。射精を導く腰の動かし方も、自分の意志で膣を隙間なく閉じるやり方だってわかっている。
 なのに、そのはずなのに、何度男を締め付けてみても、男は彫像のような微笑を浮かべたままだった。
 欲情していないわけはない。怒張は中で極上の固さと太さを保っているのだから。
「ねぇ、中出ししていいからぁ……っ! ちょうだい! ちょうだいよぉ……っ! イカせてぇっ!」
 小夜子はすすり泣き、男の胸にすがりついた。汗ばんだ肌が媚薬のように下腹部を熱くする。
 しかし男は涼しげな顔で、「いけません」、と言うばかりだ。
「可哀想に。あなたは淫心に取り憑かれています。私があなたに正しい交わりを教えてあげますから」
 そして小夜子の胸をすくい上げ、先端を指先でツイッと擦った。
「きひぃいっ!」
 男が深いため息をつく。
「なんと淫らな。これしきの刺激で達しそうになってしまうとは」
 小夜子は渾身の力で男をにらんだ。
「あ、あんた、何時間私を犯してるとぉ……!」
 しかしすぐに奥底で快感が暴れ出す。
「あ、ひぃ……っ。ね、ねぇ、も、イカせてよぉ……っ!」
 小夜子は自由にならない腰をそれでも精いっぱいがむしゃらに使った。
 肉壺をきゅっ、きゅっ、と締め付けて、ねだるように男の顔に舌を這わせる。
 男ははっきりと顔を曇らせた。
「おやめなさい。達したいがためにこのような媚びを売って。恥ずかしくはないのですか」
 小夜子は氷塊をぶつけられたような気分になった。
 恥ずかしいも何も、「私と交わりましょう」と言って小夜子を誘ったのは男の方だ。さんざん焦らして嬲って、いまだに決定的な快感を与えてくれないのも男の方だ。
 小夜子の心に怒りと、なぜか、繋いだ手を離されたような、途方もない寂しさが広がっていく。
「な、なによぉ……っ。ビッチで悪かったわねぇっ! 知ってて声かけてきたんでしょっ? 今さらなんなのよぉ……っ!」
 これまで一度の絶頂もなかったが、男が手を抜いていたというわけではない。むしろ今まで抱かれてきたどの男たちよりも丁寧に、濃厚に行為を進められてきた。
 まるで大恋愛の末に結ばれた魂の半身を愛でるかのような、そんな抱き方だったのだ。
 だからこそ余計に達せないことが狂おしかったというのに。
 小夜子は泣きじゃくった。三歳児のようにしゃくり上げた。駄々をこね、髪を振り乱して、男の首にかじりついた。
「イカせて……! めちゃくちゃにして! ザーメンちょうだい。アクメほしいのぉ……っ! ねぇ、お願い! お願い……っ!」
「いいえ、あげません。あなたはすぐに達してしまうので、私はこれ以上動きません」
「え……っ」
14名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 22:53:12.94 ID:aH0yv5qR
 男は言葉通り、まったく微動だにしなくなった。
 小夜子が耳朶に噛みついても、目を閉じて動かない。小夜子が中を締め付けてみても、まつげの一筋さえも震えない。
 元々作り物めいた印象を与える男だったが、そうしていると本物の彫像に見えた。小夜子は石の塊に抱かれているのだ。
「や、やだぁ……っ! 私を見てよぉっ! ねぇ、SMでもスカトロでも、なんでもするからぁ……っ! あんたが言うならっ、ちゃんとイクの我慢するからぁ……っ!」
 男はゆっくりとまぶたを持ち上げた。
「いいですか、暴飲暴食が肥満の元であるように、性交もまた節度が重要となるのです。過度に極まれば生気は衰え、互いの死を早めるでしょう。快楽も激しすぎれば毒となる。そういうことです」
「い、意味、わかんなぃ……」
「教えて差し上げます」
 男はゆるゆると動き出した。小夜子の粘膜が敏感になっているからこそ感じ取れたが、普段ならばとても『動き』のうちには入らない。
 しかし小夜子の内壁はとっぷりと新たな愛液を孕み始めた。
「あ……っ! あ、は……っ」
 軟体動物の太い触手の一本が、下腹の奥で段々と鼓動を高めているような感覚。さっきまで石の棒さながらだったものが、たくましい生物として脈打っている。
 小夜子はそれに対して、いつ自分の子宮を突き破ってくれるのかと期待することしかできない。
 膣粘膜がこそがれるような激しさで抜き差しされるのはいつなのか。
 強引に掻き回され、穴を広げられて、においづけされるのはいつなのか。
 小夜子の脳内ビジョンで、子宮が物欲しげに降りて口をぱくぱく開かせる。獲物から精液を搾り取ろうと、たっぷりと蜜を含んだ肉襞が捻りをきかせて回転する。幾重もの紐が巻き付くかのような動きで愛しい男を締め付けていく。
「いけません」
 男がぴたりと静止した。
「あっ、いや……! いやぁ……っ!」
「今のあなたはまるで餓鬼です。空腹を満たすためならば屍肉までも喰らうでしょう」
 小夜子を貫く怒張を再び冷たい石の像に変え、厳しくたしなめる。
 小夜子のビジョンは霧散していた。
「っひ、うっ、うあっ」
「泣くことはありません。我慢を覚えれば良いだけですよ。さあ、膣肉を緩めて。私の肉棒を離しなさい」
「うう……っ」
 小夜子は何度も何度もうなずいた。
 男は小夜子の額に優しげなキスを送ると、ゆるゆるとした動きを再開させた。
 言葉も柔らかく、親が子を躾けるような響きに変わっている。
「いいですか、お腹の空いた子どもに食べ物を与えすぎないためには飴が必要なのです。噛んではいけません。ゆっくり、じっくりと舐め転がさなければ」
「あ……、ん……っ、くぅっ」
「そうです。イッてはいけません。もしイッてしまったとしても、絶頂にひたるのではなく、やり過ごすのです。交わりはイクために行うのではない。愛を交わし、その結晶である子孫を残すための行為なのですよ、わかりましたか?」
「ん、はぅ……っ!」
 目を覆うような恥ずかしい行いも、声がかれるような激しい突き上げもない。
 男はただ動きともいえないリズムを送り込み、子どもを諭すような文言を紡ぐだけ。
 辺りに漂うのは緩やかな、老人と縁側でなごむような色合いの空気だ。
 しかし小夜子の内側も外側も発情していて、脳の電気信号は頭蓋骨の外部にまで拡散している。
 男の息づかいが染み渡る。クリトリスを蒸らす熱気さえ、イソギンチャクの触手が無数に絡みつくような粘っこい愛撫に感じられる。
 小夜子は今なら空気の分子がどのように肌をなぞっていくかを詳細に感じ取れる気がした。
 男が舌を突き出したので、小夜子はその表面をざりざりと舐めた。
 クリトリスの裏側に寒気のような快感が走った。水飴のごとく愛液がしたたる。
 膣壁が自然と締め付けて、男の形を克明に伝える。
 感覚器が許容量の限界を訴え、首の裏側に電気がほとばしっていく。
 その信号が頭蓋の内側にたどり着く前に、小夜子は息を詰めて食い止めようとした。
「っふ、ぎ……っ!」
 だらしのない涎があふれだして顎を伝った。膣口からも愛液が噴き出して、辺りに恥ずかしいにおいの沼を作っている。
 あと一寸。このまま身を委ねれば、いまだかつて感じたことのない法悦を極めることができるだろう。
 涎が首筋まで伝い落ちる。
 ほしい……! ほしい!
15名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 22:56:04.91 ID:aH0yv5qR
 坂道を駆け上がるせっぱ詰まった衝動。
 一秒の何分の一かの時間、万華鏡のような小夜子の視界に違うビジョンが映し出された。
 見つめている。
 男が見つめている。
 小夜子が絶頂をむさぼらんとする様を、つぶさに。
 あの彫像のような瞳で。
 小夜子は叫んだ。
「いやあぁぁ……っ! 終わりたくないぃっ! アクメいやっ! きちゃいやぁっ! 終わっちゃいやぁぁぁ……っ!」
 あ、あ、あ。
 こめかみを汗が伝い落ちる。
 脱力しているのか緊張しているのか、ままならない体から魂が離れかけて、また戻ってくる。
 荒々しく息をつきながら、小夜子はすんでのところでやり過ごせた。
「よく耐えました」
 男が小夜子の涙を舐め取った。
「そうです。絶頂は男女和合の結末にふさわしいものではありません。結末を急ぐ交わりなど本来あってはならないものなのですよ。性にとらわれてはなりません。性を操るのです」
 男が穏やかに微笑む。アルカイックスマイルの口の端を、小夜子がこじ開けて舌を舐めた。
「ん……っ。ちゅっ。うんっ、わかったのっ。終わっちゃいやっ。ずっと抱いてっ。ずっとお腹の中くちゅくちゅしててぇ……っ」
 男は満足そうにうなずいた。
「ようやくあなたも正しい交わりがわかったようですね。では」
 小夜子を拘束していた両腕がついに解かれた。男の大きな手のひらはそのまま小夜子の脇腹を両側からわしづかんだ。
「え……っ?」
「実践をもっと磨かねばなりません。これから多少動きますが、可能な限り絶頂を堪えてください」
 ずんっ。
「うひぃぃぃぃいっ!」
 鈍重な突き。男の動きはやはり激しいものではなかったが、限界まで研ぎ澄まされた神経には猛毒だった。
 小夜子の口から泡が漏れ、瞳がぐりんと白目を剥きそうになる。それでも耐えて、耐えきって、
「あぎぃぃぃぃい……っ!」
「素晴らしい。本当に紙一重のところで耐えていますね。その調子で修行に慣れてください。先はまだ長いですよ」
「ふぐ……っ、があああああ……っ!」
 男は断続的な突きを送り込みながら、小夜子の顎から頬にかけてをゆっくりと舐め上げた。
「あなたは素晴らしい。私の見込んだとおりです。あなたなら私と共に我が宗派の教えを見事に体現してくれるでしょう」
 小夜子はもはや何を言われているのかわからなかった。
 ただ男の満足げな表情が嬉しくて、期待に応えられる自分が誇らしい。片隅に残った思考能力でそう思い、あとの大部分で獣のような歓喜に押し流された。
「うぎっ、うぎぃぃぃい……っ!」
「ええ、頑張りましょうね」
 泰然とした男にすがりつきながら、小夜子はこれより七日七夜の絶頂を耐えるのだった。



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房中術、ヤブユム(歓喜仏)、真言立川流……
呪術系、宗教系の秘事はスローセックスが多い気がする
この分野のss増えてくんろ
16名無しさん@ピンキー
GJです