立場だけの交換・変化 3交換目

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1名無しさん@ピンキー
いわゆる人格が入れ替わる「入れ替え」や性別が変化するTSではなく、
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統の小説や雑談などをするスレです

たとえば成人会社員と女子小学生の立場が交換されたり、
AV女優と女子高生の立場が交換されたり、
ペットと飼い主の立場が交換されたりと、
周囲は立場の交換に気づいていたりいなかったり
交換や変化の内容はさまざまです



本スレから旧スレの立場に変化したスレ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288547534/
2名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 00:15:53.89 ID:p3T8h9lw
1乙!

前スレに続いて今回もスレ立てしようかと思ったけど、
レベルが足りないとかで立てられなかったのでどうしようかと
3名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 00:44:35.51 ID:II8I3tdr
>>1
スレ立て乙です。
2さんと同じで自分も立てられなかったので大変助かりました。
感謝です。
少し落ち着いたら作品投稿させて頂きます。
4黒と白の人:2011/04/18(月) 08:13:59.39 ID:FJZrcoCV
>>1
スレ立て乙です!
自分もレベル足りなくて立てられず、しかも残量に気づかず使いきっていたので、助かりました。
続きは週半ばあたりに……。
5名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 23:23:37.93 ID:II8I3tdr
昨日書き込みした通り作品を投稿します。
もの凄く時間が開いてしましましたが、「ゆあ・ゆうじゅありー」の続きです。
少しだけ長めですがよろしくお付き合いください。
6ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:29:28.14 ID:II8I3tdr

☆あくと・つー『まい・しすたー』


「げっ、姉さん!?」
 
思わず驚愕する悠二。
魔法使いを名乗るぬいぐるみの様な生き物、
ペルペルによって結愛と存在を入れ替えられた悠二の部屋に現れた女性。
それは彼の姉であり、結愛の母親であった。
悠二と姉は歳が10離れた姉弟であり、
姉は高校を卒業後すぐに家を出て就職した為に一緒に暮らした時期はそう長くは無い。
そしてその3年後には幼馴染の彼氏と結婚をし、更に1年後には結愛を産んでいる。
8歳の子供を持つにしては若い年齢ではあるのだが、それでも歳の話はタブーだ。

「あ、ママだぁ」

母親の姿を見て結愛も声をあげる。
そんな二人を見て怪訝な顔をする姉。
存在を入れ替えられている二人は他の人が見ると入れ替わった方の姿で見えている。
なので二人の発言がおかしく思えるのだ。

「あ、あの姉さん、これには訳があって」

だが悠二はそこに気付かず、
ただ自分が結愛の服を着て変態女装状態であることを見られた事に慌てふためいている。

「ママ、いまね結愛はペルペルの魔法で悠二おじちゃんになってるんだ。ほらペルペルだよ」
抱いていた悠二を下すと結愛は嬉しそうにペルペルを抱え母親に見せた。
その様子を見て、これはそう言うごっこ遊びなのだろうと見当をつけた結愛の母親だが、
娘と一緒に遊ぶのは良いけど、恥ずかしげもなく演じている弟はやはり変人なのだろうかと真剣に思う。

「悠二、それちょっと変だからやめた方がいいわよ。結愛も遊びかもしれないけどあまりそう言う言葉遣いしちゃ駄目よ」
言われ悠二はその言葉が結愛と自分が逆にかけられている事に気が付き、慌てたままペルペルの方を見る。

『そうだきゅん。存在が入れ替わっているんだから、
当然周りの人間にはお前は結愛ちゃんに見えて結愛ちゃんはお前に見えるんだきゅん』

ペルペルのその声は結愛と悠二にしか聞こえていない様で、
姉は慌てた様子の娘の姿を見て更に怪訝な表情を見せるが言葉を続けた。

「さあ、結愛もう帰るわよ。今日はスイミングスクールの日でしょ?遅れるわよ」
言って悠二の手をつかむ。
悠二はその手に引っ張られるようにして姉の方へ身体を寄せられた。
7ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:32:04.56 ID:II8I3tdr

「わっ、姉さんちょっと待って」

このままでは自分は結愛として姉に連れて行かれてしまうと思った悠二は声をあげるが、
姉は取り合わない。

「おいペルペル、今すぐ元に戻せ」

今度はペルペルに魔法を解くように声を掛ける。
『だからお前のお願いは聞かないと言ったできゅん。
これは結愛ちゃんのお願いなんだから大人しく結愛ちゃんの代わりを務めるんだきゅん』

ペルペルはこの状況を受け入れろと言う。
それなら結愛に頼めばと悠二は考えたが、当の結愛はその状況を楽しんでおり手まで振っている。

「悠二おじちゃんバイバイ、プール頑張ってねぇ」

こうなればもう八方ふさがりだ。

「それじゃ悠二、結愛と遊んでくれてありがとう。失礼するわね」

そしてとうとう姉に手をひかれ部屋から連れ出されてしまった。
8ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:35:42.93 ID:II8I3tdr


悠二は姉に手をひかれ家のリビングまで連れてこられていた。
廊下で姉に自分は悠二だと散々主張したのだが、
取り合ってもらえず最後にはもうごっこ遊びは終わりにしなさいと一喝されてしまっている。
そしてこのまま抵抗したとして事態は改善しないと思い、
とりあえずは結愛を演じるしかないと諦めた所だ。
リビングには悠二の母の姿があった。

「お母さん、なんでこんな時間に悠二が居るのよ?」

母親の姿を見ると姉は開口一番そう言った。

「午後からの講義が休講だったとか私は聞いたけど」
「それで直ぐに家に帰って来るってどうなのよ?遊びに行くとか無いわけ?」
「さあ?悠二は昔から外で遊ぶより家で遊ぶのが好きな子だったから」

母親は昔を思い出したように話す。

「それは欲しがったからって小さい頃に直ぐにゲーム機を買い与えたからでしょ?
遅くに出来た子供だからってお母さんもお父さんも悠二に甘いのよ」
「またその話し?いつも言うけど真依(まい)も悠二も同じようにしてあげてたじゃないの。
あの時はオーディオ買ってあげたでしょ?」
「でも悠二にはゲーム用にテレビまで買ってあげたじゃない」
「それはリビングのテレビだと私たちも見たいし、客さんが来た時とか困るからそうしたのよ」
「そう言う時は我慢させるのが普通なのよ」

話すうち少々興奮気味になって来ている。
姉のそんな様子を見て悠二は驚いていた。
悠二の知る姉はこんな風に感情的になる人ではなかったからだ。
怒る時は怒るがいつも昂然とした態度で年長者の余裕が見られ、
時には気さくに振る舞うその姿は悠二の想う大人の女性像そのものだった。

9ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:40:27.58 ID:II8I3tdr

「ほら、結愛ちゃんがびっくりしているよ。何かあったのかい?」

母に言われ少し我に返った姉は思い出したように悠二の頭に手をやり撫でる。
娘の頭を撫でる事で少し落ち着き話を続けた。

「いや、悠二が変な遊びを教えるから結愛が影響されちゃって。
悠二ってちょっと変な所あるでしょ?」
「確かにふざけ過ぎる事もあるかもね」
「だから今度お母さんから言っておいてよ。結愛に変な遊びを教えないでって」
「分ったわ。でも真依もその場で悠二に言えばいいじゃないの」

言われた姉は少し視線をそらし、気まずそうに声のトーンを落として答える。

「ほら、悠二って結愛の事凄く可愛がってるでしょ?だから結愛の前で注意したらなんか恨まれそうで嫌だし」
「またそんな言い方をして、
いつも悠二から一歩引いて接するのよね真依は。あの子風に言うならツンデレってやつなのかしら?」
「ちょっとお母さんまでやめてよね、その手の話し」

他愛無い母娘の会話なのだが、
悠二にしてみれば見た事の無い姉の一面を見る事となり認識を改めざるを得なかった。

「あのさ、姉さん…」

結愛を演じるのを忘れ思わず姉に声を掛ける。

「結愛、だからもうその遊びはおしまいって言ったでしょ?」

だが直ぐに姉にたしなめられた。

「さあ、これからスイミングスクールに行くからランドセルもって車に乗りなさい」

その声には怒っている感じは無く、親が愛娘にむける優しさがある。
それを感じ悠二は自分が結愛になっている事を思い出すと、結愛を演じ姉の言葉に従う事にした。

10ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:40:52.32 ID:II8I3tdr

「はーい、ママ」

結愛の口調を真似て返事をするが、正直悠二本人にも気持ち悪い。
リビングに置いてあった可愛らしい女の子用の水色のランドセルを背中に背負うと姉の後ろを追い玄関に向う。

「それじゃ結愛ちゃん、また遊びにおいでね」
「うん、おばあちゃんまたね〜」

もうこの状態は回避できない事は覚悟済みだったが、
このやり取りで母親にも自分が結愛に見えている事を悠二は自覚し、母親にも結愛のように挨拶を返す。
やはり悠二自身にも気持ち悪いのは変わらずだ。
そして玄関で小さな女児用スニーカーに足を入れ履いた。
本当に不思議な事に小さなその靴はぴったりと悠二の足が収まってしまった。
サイズに少し余裕があるぐらいだ。

「じゃあ、お母さんまた来るね」

姉も母に挨拶をすると悠二の手をつなぎ玄関を出でる。

「ばいばい〜」

結愛がいつもしている様に悠二は振り返り手を振った。
普段より結愛の事をよく見ていた悠二だけに結愛がどんな行動をするのかは大体分かる。
悠二は割と凝り性で吹っ切れるのも速い性格なので、一度やるとなると徹底しようとするのだ。
そして姉は駐車してある軽自動車に悠二を乗せシートベルトを止めると、自分も乗り車を出すのだった。
11ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:50:28.45 ID:II8I3tdr

☆あくと・すりー『すいみぐ・すくーる』


「行ってらっしゃい、結愛。頑張ってね」

プールにつくと真依は悠二にスイムバッグと会員証を持たせ送り出す。

「行ってきま〜す」

結愛となっているこの状況をどうにも出来ないので、
悠二も結愛を演じ姉に手を振ると意を決めて建物の中に入って行く。
真依は悠二が中に入るのを確認すると車を走らせて行った。

とりあえず悠二はカウンターで受け付けをしようと会員証を確認していたその時だ。

「結愛ちゃん、こんにちワン」

黄色いパーカーとスカート付きスパッツの少女が声を掛けてきた。
ロリコンな悠二には嬉しい出来事なのだが、今の状況ではそうも言っていられない。
結愛の友達なのだろうが、
結愛の交友関係までは把握していない悠二は対応に困るも挨拶だけはかえしておく事にした。

「あ、こんにちは」
だがその挨拶に少女は不満があるらしく、表情をしかめる。
「結愛ちゃん、そこはありがとウサギって言わなきゃ、た〜の〜しいなかまが〜ぽぽぽぽんってなるんだから」

どうやらこの子は某CMに影響されているらく、もしかすると学校で流行っているのかもしれない
少女を見ると名札をしているの悠二は気が付き、そこには「山吹いのり」とある。
学校は違うようだが学年は結愛と一緒だ。

12ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:51:08.62 ID:II8I3tdr
「そっかぁ、ごめんね、いのりちゃん」

悠二のその言葉に何故かいのりはまた不機嫌になり、腰に手を当て怒りだした。

「もう、結愛ちゃん今日はどうしたの?いつもブッキーって呼んでくれてるのに〜」

どうやら、呼び名が違っていたようだ。

「あ、うん、ごめんね、ブッキー」

悠二はそれを聞いて言い直す。
それだけでいのりの機嫌も直ぐに直ったようだ。
しかし、悠二はその少女の名前と呼び名に少し引っかかる所があり、少々考える。

「(…いのり、いのり、山吹いのり・・・あっ)キュアパイン!?」
思わず声に出してしまう。

「イエローハートは祈りのしるし! とれたてフレッシュ、キュアパイン! 」

その声に反応して登場時の掛け声とポーズまで決めるいのり。
それはアニメに忠実で下手な着ぐるみショーで披露されるものよりも完成度が高く、
悠二の知る限り完璧だった。

「お〜」

思わず手を叩いてしまう悠二。
山吹祈里はフッレッシュプリキュアの主役の一人だ。
そして図らずもそのアニメキャラとその少女は名前の漢字こそ違うが同姓同名なのだ。
しかも今の反応を見れば、相当な入れ込みだと解かる。
結愛との関係はプリキュア友達なのだろう。
そう言えば服も黄色でキャラのイメージカラーだし、
ミディアムヘアの一部を右上で結んだサイドポニーの髪型などまさにキャラそのものだ。
いくらキャラと同じ名前でも、子供が2年前の作品をいまだに全面的に押している様子を見ると相当に好きなのだろうと想像できる。
子供は放映が終わった作品に対してはけっこうないがしろなものである。
もしかするといのりは結愛よりもプリキュア好きなのかもしれない。
13ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/18(月) 23:53:46.70 ID:II8I3tdr

「じゃあ、結愛ちゃん一緒に」

いのりは悠二に声を掛け誘う。 
登場時の名乗りの後にやる事言えばひとつだ。

「「レッツ、プリキュア!」」

声をハモらせてポーズを決める。
こちらも完璧だ。
思わず笑顔で顔を見合わせる。

「結愛ちゃん、今日はピーチなんだね。いつもベリーなのに」

またミスをしたらしい。
そう言えば結愛はフレッシュプリキュアではキュアベリー押しだったのを悠二は思い出しし失敗に気が付く。
何かフォローをしようとしたが、その前にいのりはもう次の話に移っていた。

「じゃあ次はユー・メイクミー・ハッピー踊ろ」

それを聞き慌てる悠二。
フレッシュプリキュアと言えばダンスだが、いのりはエンディングのダンスをここでやろうとしているのだ。
いのりは出来るのだろうが、悠二にしてみればついていけるものではない。

「ブッキー、早くしないと遅れちゃうよ」
「あ、そうだね。吉永先生に怒られる」

ノリノリだったいのりもようやく落ち着いてくれた。
アニメの祈里と違ってこの子はかなり積極的な性格の様だ。
とは言えロリコンな悠二はプリキュア好きのいのりの事をかなり気に入ったようで、
今度結愛にちゃんと紹介してもらおうと考え、弾んだ気持ちになっていた。
二人は受け付けで会員証を見せ手続きをすると仲良く更衣室の方へ向う。
もちろん女子更衣室だ。
悠二が悠二のままなら犯罪だが、今は結愛なので逆に入らない訳に行かない。
もうすっかりその辺は理解しているので、ためらいも無く入室する。
14ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:00:26.61 ID:II8I3tdr

受付でもらった鍵を使いロッカーを開けた悠二は、
スイムバッグを開き中の物を取り出そうとしてその動きを止めていた。

「(これ着なきゃいけないんだよな)」

紺色の水着を手に取り躊躇っている。
隣ではいのりがパーカーを脱いでいる所だった。

「(とにかく服を脱がないと)」

それを見て躊躇っていても仕方がないと服を脱ぎ始める。
着させられた結愛の服だが、改めて見ると子供らしい可愛い服だ。
パステル調の色合いやルーズに履いたハート柄のレッグウォーマーなどいかにも女児が好むコーディネートで、
自分で脱ぐ事で余計意識してしまい気恥ずかしさにいっきに脱いでショーツ一枚の姿になる。

「結愛ちゃんお着替えタオル使わないの?」

見るといのりはゴムでポンチョ状になったバスタオルを頭からかぶっていた。
指摘され悠二は慌てて確認すると、スイムバッグの中にピンク色でイチゴプリントの巻きタオルを見つけ頭からかぶる。
幼くても女の子、身だしなみとして上半身をさらす様な事はしないものだ。
小さい子は裸で走り回る様なイメージがある悠二だが、それはお風呂屋さんの脱衣所とかでの話である。
プールの更衣室とそこにどう言う境目があるかと言われると、説明しづらい話だが。

「結愛ちゃん、なんかいつもと違うね」

いのりに指摘されドキリとする。
変に勘ぐられても困る、悠二は考え誤魔化す為プリキュアの話題を振る事にした。

「そう言えばブッキー、キュアミューズって誰だとおもう?」
「あ〜あの仮面の黒いプリキュアでしょ?絶対セイレーンだよね、猫っぽいし」
「だよね〜、せつな見たいな感じで響と仲良くなって行くのかな?」
「でもダークプリキュアみたいにずっと敵かもよ」
「そうかなぁ〜」
「でさでさ、もしかしてハミィもプリキュアになるかもね」
「ミルキィローズみたいだねぇ」

作戦は上手くいったようでプリキュアの話題ですっかり、いのりは盛り上がる。
オタクの知識が役立ったと思いつつ、悠二は着替えを続けた。

バッグに入っていたのはフットネスタイプの紺色のセパレート水着だった。
スイミングスクールと言う事で、女児用の可愛らしい水着では無かったのは幸いだ。
下もスパッツタイプなので抵抗はあまり感じない。
ただ下の裏地にマジックで結愛の名前が平仮名で書いてあるのと、
上の右前腹部に学年と名前が書いてある白い布が刺繍されている事が、この水着が結愛のものであると明確にしている。
しかも、洗濯してもとれない塩素の匂いが新品ではなく普段から使っているものだと余計感じさせるのだ。
悠二には小さい水着も例によって着るとサイズが合わさる。
それでも水着女装と言う恥ずかしさが少し残る。
極力意識しない様にしスイムキャップをかぶりゴーグルも付け準備を終えた。
15ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:04:50.51 ID:II8I3tdr

「結愛ちゃん、行こ」
「うん」
いのりの方も着替え終わったようで、タオルをもつとロッカーを閉めた。
こちらの水着は普通のワンピースタイプのもので、一般にスクール水着と言うタイプのものだった。

「(うむ、ロリのスク水とは良いものだ)」

いのりの後に続きながら悠二はそんな事を考えていると、いつの間にかプールに着いていた。

「あ、結愛ちゃんとブッキーだ」
「ほんとだ」
「こんにちワン」

プールに着くと何人かの女の子が直ぐに寄って来て声を掛けて来る。
同じスイミングスクールの生徒の様だ。
悠二は適当に言葉を返しながら、少女たちを品定めしている。

「(おお、水着のロリがたくさん! パラダイスだな)

少し離れた場所には男子のグループもいて、じゃれ合っているのだが、生憎と悠二にはショタ属性が無く、そちらの方は眼中になさそうだ。

「はーい。皆さん集合でーす」

そこへインストラクターらしき女性が現れ集合を掛ける。
「吉永先生来たよ。結愛ちゃん早く行こ」

「うん、わかった。  あっ!」
ズデンと言う擬音が合う音で悠二は尻もちをつく。
いのりに促され、悠二も集合しようと少し駆け足で向おうとしたのだが足を滑らせたのだ。

「あいたたた」
「結愛ちゃん大丈夫?」

いのりが心配をしている。

「ありがとう大丈夫だよ」

悠二はお尻をさすりながら立ち上がると、恥ずかしさから少々ばつが悪い顔をした。

「ばっかだ〜、プールで走るなって言われてるに〜」
空かさず男子の一人がはやし立てる。

「あ〜 バカって言った人がばかなんだ」
「うっせい!ブ〜ス」
いのりが男子に言い返すが、男子は負けずにそれに言い返す。
文字通り子供の喧嘩だ。

「ひっど〜い、サイテー」
「へん、ブ〜ス、ブ〜ス」
「なによ」
「約束守らないで走る方が悪いんだよ〜、ば〜か〜」
「結愛ちゃんは走って無いもん」
「いーや走ったね」
「何時何分何秒よ」

両者引かず次第にエスカレートしだす。
そうなって来ると、今度はまわりの女子が黙っていない。
小さな子供でも既に女子社会の形態はすでに出来ているのだ。
16ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:08:20.80 ID:vPYdKywd

「ちょっと、やめなさいよ」
「なんだよお前ら、ずっこけ女の仲間か?」
「女の子いじめるなんてサイテー」
「うっせー、そっちが悪いんだよ」

女子に囲まれ多少身動ぎする男子だが、それで身をひいたりはしないのは根性があるからか。
女子全体を相手にしても勝ち目がないとい見て今度は悠二を責める。

「おいずっこけ女、お前が悪いんだからな。ケツデカ女〜、お猿のお尻はまっかか〜」

子供だからボキャブラリーが少ないのは仕方がない。
ここで本来なら悠二のポジションの子は嘘泣きをするか、
言い返せずまわりの女子に庇われるかして女子が男子に対し総攻撃を掛けるのが大体の手順なのだが、
そんな事情を知るる由もない悠二は違った。

「かわいそうに、それじゃ女の子にモテないぞ」

なんと前に出ると男子の頭に手を置くと撫でたのだ。
それも悲哀たっぷりに。

「何するんだよ、このずっこけ女が」
男子は手を振り払い慌てる。

「女の子に興味あるならもっと優しくアプローチしないと」
更に大人感たっぷりに悠二は言い放つ。

「ふん、そんなのどうでも良いんだよ!」
男子はどうにも調子が狂う様で、言い残すと顔を赤くしてそのまま行ってしまった。

その様子を見た、いのりは隣で歓声を上げる。

「結愛ちゃんすご〜い、大人見たい」

釣られて周りの女子も悠二を囲んで囃し立てた。

「え、あ、そんな事ないよ」

悠二は照れながらも、女児に囲まれ満更どころか嬉しそうだ。

ピーッ!
「はーい、レッスンを始めますよ」

もう少しこの女児の囲まれる天国を楽しみたかったが、
見かねたインストラクターが笛を吹き集合を促したため、いのりと手をつないで集合場所へ移動した。
それからは、準備体操などを一通りこなしプールに入る。
低学年とは言え結愛は経験が長いグループに分けられている様でプールも大人と同じ場所を使用していた。
ただし、まだ危険なので最初はプールのふちに沿った場所を利用してだ。
17ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:10:41.95 ID:vPYdKywd

悠二も指示に従い入ったのだが

「(ふっ深い!?なんで)」

普通なら胸下の所までしかないはずのプールの水が、
背伸びをしてようやく頭が出る位置にあり危うく溺れかけた。
これも入れ替わりの影響なのだろうが、そこに直ぐ思い至るに及ばない悠二は焦る一方だ。
そんな悠二を見てインストラクターが声を掛ける。

「清水さん、大丈夫よ慌てないで落ち着いて」

清水とは結愛の名字だ。
声を掛けられ悠二も縁につかまり、体制を整える。

「清水さんはちょっとせっかちな所あるわね。プールは楽しいけどちゃんとしないと危険なの。
慌てず落ち着いてはしゃがないを守らないとね」
「分りました。先生ごめんなさい」
「良い子ね」

この吉永先生と呼ばれる女性は、インストラクターをしているだけあって引き締まっておりなかなかのスタイルだ。
スポーティな競泳用の水着がとても似合っている。
ノーメイクの顔も美人と言っても差し支えない。
悠二はロリコンとは言っても成人女性に興味の無い訳ではない、
今の立場を利用して先生とスキンシップを図ると言う手段に出てもおかしくは無いはずだ。

だがしかし、やはり悠二はロリコンだった。
この女児に囲まれた環境に満足し、その中にいる事で一入の幸福を感じていたのだ。

そんな幸福を感じる中、各自スイムボードでの自由練習が始まる。
自由と言っても順番に4人一組で25メートルをバタ足するだけだ。
実は悠二は泳ぎが得意だったのでそんな事は余裕と高を括っていたのだが、実際はそうは行かなかった。

「結愛ちゃん、今日は遅いんだね、調子悪い?」
「はは、ちょっとね」

勢いよくスタートしたのは良いが、
体力が結愛になっているうえにプールのサイズもそれに合わせ大きくなっている為に途中で息切れをしてしまったのだ。
ペース配分を完全に間違えラストはだらしがない息も絶え絶えの醜態を晒してしまったのだ。
当然インストラクターの吉永先生にも指摘を受け、少々悠二のプライドが傷つく。

「だっせーな、やっぱりずっこけ女だな」

するとさっきの男子が、また絡んできた。
悠二の失態を見てすっかり優越感に浸り見下している感じだ
18ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:14:43.69 ID:vPYdKywd

さすがに子供に見下されると悠二も面白くない。

「たまたま調子が悪かっただけだ。本当ならこんなの余裕で泳げる」
「うそつけー、出来る訳ねえじゃん。馬鹿じゃね」
「なによ!少なくてもお前よりは早いわ!」
「お、言ったなずっこけ女。じゃあ次で勝負だ」
「おし、受けてたつ」

勢いでつい勝負となってしまった。
しかも結愛のふりをするのを忘れている。

「結愛ちゃん大丈夫?西門(にしかど)君ってスイムボードで泳ぐの凄く早いんだよ」
「大丈夫負けないって、見てなよ」
「なんか結愛ちゃんしゃべり方、男の子みたい」
「え?あ、あははは(やば、今俺結愛ちゃんなの忘れてた)」
つい向きになっているうちに地で振舞ってしまった悠二は、誤魔化す為に考えを巡らせる。
「ブッキー、『ここで決めなきゃ女がすたる』だよ」
「ああそっか、響の真似だったんだ」
「うん、そうなの」
「だったら私はこう言わないとね。『私、信じてる!』」
「さすがブッキー、ばっちりだね」

言って笑いあう二人。
お分りだろうが二人がしているのはプリキュアのキャラクターの真似である。
悠二はキャラクターを真似た事にしてその場を誤魔化したのだ。
ある意味、結愛といのりだからこうも上手く通じたと言える。
そうこうしているうちに再び悠二達の順番が回って来た。

「俺に勝てると思ってるのか?ずっこけ女」
隣に並ぶ西門少年が挑発してくる。

「気合のレシピ見せてあげるわ!」
またプリキュアの真似だが西門少年に通じる訳は無い。
もっとも反対隣のいのりには大好評だ。

「はい次の組、よーい…」
ピ〜ッ!

前の組が泳ぎ切り、吉永先生によりスタートの笛が鳴らされた。
壁を蹴って一斉にスタートする。

「(くっ 遅れてる)」

キックスタートは上手く行ったのだが、すぐに西門少年と身体半分ほどの差が開く。
スイムボードを扱うのに経験があまりない悠二では良いストリームラインが保てないのだ。
加えて結愛の体力になっているので、力任せバタ足をすれば先程の様に体力がもたない。
19ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:17:02.63 ID:vPYdKywd

「(こうなったらやるしかないか)」

そこで悠二がとった行動とは、なんとスイムボードを手放したのだ。
そのままスイムボードを追い越し自力で泳ぐ。
その動作で西門にさらに遅れをとってしまうが、そこからが違った。
悠二は両腕をつきだして手を重ね、腰も膝もまっすぐにして足首も伸ばし気味に両足を揃える。
流線型となったその姿勢から、流麗な動作で腕を振り上げクロールで泳ぎ出したのだ。
そのフォームは完璧で見事なストリームラインだった。
そしてぐんぐんとスピードを増し、ついには西門を身体一つ分以上の差で抜き去り泳ぎきってしまったのだ。

「勝ったー!」
悠二は思わずVサインをしてしまう。

「おまえずるいぞ反則だ!」
「結愛ちゃん凄い!」
「ふっふーん、勝ちは勝ちさ」

西門が文句を言うのは尤もで、スイムボードのバタ足でスイムボードを手放していいはずは無い。

「清水さん!どうしてそう言う事をするんですか!」

案の定、吉永先生より怒られたのは言うまでもない。
しかしながら、その後の自由形では悠二のクロールは本当に早く、西門を寄せ付けず20秒台で泳ぎきっている。
これは2年生してはかなり速いタイムだ。
しかもフォームも完璧に近く、吉永先生より絶賛されたほどだ。

「あたし完璧!」
「結愛ちゃん、ほんとすっご〜い!」
おかげで、一躍ヒロインとなり、女児全員に取り囲まれる事となったのだ。
いのりなどは嬉しくて悠二に抱きついている。
西門はすでに端に追いやられ蚊帳の外だ。

「(うぉ〜、まさかここまでのパラダイスがあるとは)」

その状態はスイミングスクールの終了まで続き、
女児に取り囲まれながら幸せな状態でわいわい騒ぎつつ更衣室に戻ってきた。
更衣室にあふれる女児、見渡す限り着替え中の女児。
悠二にとってこれ以上ないほど至福の時だった。

「結愛ちゃん?早く着替えよ」

しばらくあたりを見つめたままの悠二を見ていのりが声を掛けた。

「あ、うん、そうだね」

慌てて悠二も着替えを始める。
今度は巻きタオルを使うのを忘れない。
着替える時、塩素で自分の体臭が消えていた為に、
服から結愛の匂いを感じて少々危ない気持ちになったと言うのはあえてふれないでおく。
悠二にとって結愛の代わりのスイミングスクールは御褒美以外のなにものでも無く、
この時ばかりはペルペルに感謝したと言う。

20ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:19:19.35 ID:vPYdKywd

☆あくと・ふぉー『あっと・ほーむ』


迎えに来た姉の真依(とは言っても結愛の立場になっている今の悠二からすると母親なのだが)
に車で家まで連れてこられた悠二はリビングで姉と向かい合いお茶をしていた。
正確にはおやつの時間と言うやつだ。
スイミングスクールでは低学年は体力面を考慮して1時間ほどで終了となるのだが、
実際に体力が結愛になっている悠二にしてみれば、確かに疲れがあった。
しかもかなりお腹が減る。

「ほら、結愛そんなに急いで食べないの」
「だって、おなか減ったんだもん」
「女の子なんだからはしたない事はダメよ」
「は〜い、ママ」

おやつは紅茶にドーナツだ。
ドーナツはフレンチクルーラーに生クリームに5色スプレーチョコがトッピングされ、
ファンシーで女の子が好みそうな見た目となっている。
それは手作りの様で、シュー生地ならではのサクッとした様でふわふわな食感や、
芳醇な味わいと生クリームの甘さが良く合っておりとても美味しい。
悠二は姉のお菓子作りの才能を素直にすごいと思う。

「ほら、ほっぺに生クリーム付いてるわ」
「あ、」

真依は指で優しく悠二の頬のクリームを拭う。
その仕種は母親が愛娘に向ける優しさが現れており、またも悠二の知らない姉の姿を見た気がした。

「ねえママ」
「なあに?」
「ううん、何でも無いよ〜」
「もう、変な子ね」

悠二は調子にのってちょっと甘えて見る。
何か満たされるような気分だ。
自然と笑顔がこぼれる。
そんな表情を見て真依も幸せそうだ。

だがその光景は一見ほのぼのしている様に見え、
実際の所は女児服で女装した青年が姉に甘えていると言うシュールな画だったりする訳なのだが…。
この場では本人以外には解からない事なので、それを指摘するものは居なかった。
21ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:22:05.08 ID:vPYdKywd

「(っと、何をしてるんだ俺は?)」
悠二は不意に我に返る。
「(いかん、つい流されてしまった。…そう言えば結愛ちゃんとペルペルの奴は何をしてるんだろう?)」

「ねえママ、電話かけてもいい?」
「良いけど何所にかけるの?」
「あのね、悠二おじちゃんのところ」
「悠二の所に?今日会って来たばかりじゃない。今度にしたら?」
「でも用事があるの」
「用事って何かしら?」
「ええと、悠二おじちゃんとお話を」
「話したいだけならまたにしなさい。むやみに電話は使わないものよ」
「でも」
「言う事聞かないと、ドーナツは没収しちゃうけど?」
「う〜」
「分ったらまた今度ね」

電話で様子を確認しようとしたのだが、真依の許可が下りず失敗に終わった様だ。
姉に逆らってまで無理に電話をするという訳にも行かず、悠二はそのままおやつの時間を続ける。
まあ、事のほかドーナツがおいしいのでそちらを優先したと言えばそれまでだが。

「結愛、食べ終わったらお風呂に入るわよ」
「お風呂?」
「プールの後はちゃんと身体を洗わないとね」
「はーい」

結愛の真似を続けるうちに、小さな女の子の受け答えがすっかり板に付いている。
大の男がそんな喋りと仕種をしているのは先にも述べたがシュールである。
そのまま他愛無い話をしつつ、片付けを手伝ってから、言い付け通り悠二はお風呂場の脱衣所に来ていた。
「(そう言えば近所なのに姉さん達の家に来るのってあまり無いよな、建てたばかりの時とか以来かな)」
悠二はぼんやりと考え事をしながら服を脱いで行く、もう慣れてしまったのか女児服に対する反応もない。

「結愛、脱いだ服はちゃんとカゴに入れないと駄目よ」
するとそこへ着替えをもって真依がやってきた。

「はーい」

悠二は返事をすると脱いだ服を洗濯カゴへ入れてから、浴室へ入る。
22ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:28:06.48 ID:vPYdKywd

お風呂場は多少広めに出来ており、
バスタブも大人が足を伸ばして入っても十分すぎる余裕がある位のものだ。
まずは身体を流してからとシャワーバルブに手を伸ばすが、
そこでドアが開く音で手が止まった。
ふり返る視線の先に姉が居たからだ。

「ん?なに?」
視線を感じて、真依が声を掛ける。

「どうしてママも?」
「どうしてって、いつも一緒に入ってるじゃない。
もしかして2年生になったからもう一人で入って見ようと思った?」

お風呂場なので真依はもちろん裸だ。
自分の娘相手に恥ずかしがるも何もない無防備なその姿は、悠二にとって刺激が強すぎた。
つい食い入る様に見つめてしまう。
子供が居ると言ってもまだぎりぎりで二十代の真依だ、
週3回のスポーツジム通いで作られたスタイルはなかなかに魅力的だ。
加えて真依はけっこう胸が大きい。
昔から胸はある方だったが、結愛が出来てからは一回り大きくなっており、
その大きさは今になっても戻っていない。

「さあ、頭を洗ってあげるからそこに座りなさい」

真依に言われ、悠二が鏡の前のバスチェアに座ると真依は一度シャワーですすぎ、
シャンプーで手際よく悠二の頭を洗って行く。
悠二は姉の裸を意識してしまい気もそぞろだ。
23ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:28:36.03 ID:vPYdKywd

「はい、流すわよ」

真依がシャワーを掛けようとするが、お湯が入るのを嫌っていつもなら手で耳を塞ぐはずなのに、
それをしないので再度声を掛ける。

「結愛、耳を押さえなくて良いの?」
「あ、うん」
「そっか、一人で洗う時の練習ね。偉いわ」

言って真依はシャンプーをシャワーで流すと、今度はトリートメントを丁寧に髪になじませて行く。
結愛の髪は真依がいつも気を使ってケアをしてあげていた。
悠二の髪は長くは無いのだが、真依にはその違いが感じられない様だ。

「さあ良いわよ。身体は一人で洗いなさいね」

悠二にボディ用のスポンジが渡される。
トリートメントをなじませている間に身体を洗えと言う事なのだろう。

「ちゃんとオマタの中も洗うのよ」

お風呂の時に母親が小さい娘に言う言葉としてはあるのだが、
男の悠二にして見ればその言葉に妙に反応してしまう。

「そこもきれいにしないと病気になっちゃうんだから」
幼い子には良く言って聞かせる言葉だ。

「うん、わかった」

もちろん悠二は男なのだから、中などある訳もない。
それでも言われた通り股の間を洗い始める。
真依の方は自分の髪を洗い始めていた。

「(姉さんと一緒にお風呂に入るなんて)」 

悠二は改めて姉の姿を確認する。
ロリコンではあるが女性に興味が無い訳ではない悠二にしてみれば姉とは言え、
裸の女性を間近に見て冷静で居られるはずもない。
だが不思議と股間が元気になる事は無く、かと言って興奮が無い訳でもない、
とても奇妙な感覚だった。
24ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:32:55.55 ID:vPYdKywd

悠二から見て真依は姉と言う以外にも特別な存在でもあった。
思い起こせば悠二が小さかった頃の話、両親が留守の時の事だった。
悠二は偶然にも姉の情事を目撃してしまったのだ。
当時は何をしているのか解からなかったが、
裸で男性と絡み合う姉の姿はとても印象に残っていた。
その記憶は強く残っており、意味を理解し精通を迎えた頃には所謂「おかず」にする事も多く、
悠二の性欲の根底を形作っていたと言っても良い。
ただその頃にはすでに真依は家を出ており接点がほぼ無かった為、
姉本人に悠二が欲情すると言った事態はほとんどなかった。
高校に上がってからはオタク趣味に目覚めた為、
そのシスコン傾向はなりを潜め趣向はかなり転換されロリコンとなった訳だが、
そこら辺は理屈では無い様で説明に窮する。

「ほら結愛、背中流してあげる」

悠二が自分の身体をスポンジを使いボディーソープで洗っていると、真依が声を掛けてきた。
真依もトリートメントをなじませる為、髪はすすがずにいる。

優しく悠二の背中をスポンジで洗うと、お湯で泡を落とした。

「ねえママ、今度は結愛がママの背中流してあげる」
「あら、ありがとう」

悠二は背中にまわりスポンジで丁寧にこすって行く。
だがその表情は何か違った。
悠二はスポンジで背中をこすっていた手を突然真依の胸に伸ばしたのだ。

「ち、ちょっと結愛!?」

驚く真依。
悠二はそのまま胸を揉みしだいた。

「あ、や、やめなさいっ……あっ」

真依が言うが、悠二は聞かない。
重たげなふくらみは、悠二のなすがままに形を変える。

「ママのおっぱい、やわらか〜い」
「こ、こら結愛……あんッ…くぅ」

娘に胸を揉まれ、身体に電気が走る様な、背筋にゾックと寒気が走る様な感覚に身悶えしてしまう。
25ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:35:15.05 ID:vPYdKywd

真依は性欲がもともと強い方だ、
しかし夫は仕事が忙しくもう長い事夜の方は御無沙汰なのだ。
そんな折りにこんな事をされてはひとたまりもない。
スポーツジムで発散していても、女だって溜まるものは溜まるのだ。

「ママのおっぱい大好き」
「だ、ダメ、こんな…」

娘に胸を揉みしだかれると言う状況が異様な敏感さをもたらしてくる。
たっぷりと揉まれ硬さがほぐれるのが解かる。
いやらしくくにゅくにゅと形を変える度に快楽の波が押し寄せた。

「(な、なんてことするの?赤ちゃん返りとか言うの)」

何とか身体の向きを変え、娘から身体を引き離そうとしたのだが、
今度は正面から乳房への甘い刺激を与えられ、思わず吐息がもれそうになる。

「ママのおっぱい、やわらかくて気持ちいいの」 

今度は乳首をつままれた。

「はうっ!」
思わず声がもれ、その事に羞恥してしまい身体が火照る。

娘はつまむだけに止まらず、指腹で擦ったり、乳輪をなぞったりとまるで責めるような手つきで触って来る。
その行為が性感を高めて行き、駄目だと思えば思うほどそれが快感に転じついには吐息がもれる。

「ああ……(ダメ、感じちゃう)」

どうして良いのか判らなくなり、力も入らない。
 それでいて胸は敏感で乳首がほんのりと熱を帯びるのが解かる。

「結愛おっぱい欲しいな」
ちゅぱ

娘はとうとう胸にしゃぶりついた。
「ふあっ!」
胸を吸われまたもや声がもれる。
吸うだけに止まらず、舌でなぞり上げるように舐めるものだから更に快感が押し寄せてきて甘美な心地よさに身が震えた。
26ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:37:58.38 ID:vPYdKywd

娘に胸を吸われて感じるなどあってはいけないと理性の端で思うのに、
その背徳感が刺激を何倍にも増幅させ快楽として脳内に送ってしまう、
緊張と快楽が混ざり合いその感覚に頭の中が支配されそうだ。
胸をしゃぶる娘の口と舌がふわりとフローズンアイスの様に乳房をとろけさせる。

目がくらむような快楽。
つき放そうとした手は思わず娘を抱き締めてしまう。
すると娘はいったん乳房から顔を離しこちらを見上げた。

「ねえママ、ここもちゃんと洗わなきゃダメなんだよ?結愛が洗ってあげるね」

そう無邪気な笑顔で言った娘の手が今度は秘部へと伸びる。
さすがにいけないと思うも、身体は刺激を求め行動に移すことが出来ない。
娘の指が秘裂に届きなぞり上げる。

「ああっ」

秘裂の奥は既に濡れていた。
指が動かされるたびにくちゅくちゅと音がし、
フロマージュケーキのような甘酸っぱい酸味のきいたほのかな匂が立ちこめていく。
意思とは関係なしに秘裂の奥がひくひくとうごめいた、どんどんと快感がこみ上げて来る。

「ふぁっ…あぅ…(ダメ、そんなふうに弄っては)」

娘は手を動かすのをやめない。
うっすらと涙がたまりだんだんと視界がぼやけてきた。

何故こんなことが?こんな事はいけないと思うのに身体は快楽と刺激を求め言う事を聞かない

「ママ大好き、これは愛情表現だよ」
「んくっ」
娘と目があうと、信じられない事に唇を重ねてきた。
もはや甘えていると言う状態ではない。
愛しい娘と唇を合わせる奇妙な感覚、その唇はやわらかく吸いつく様に心地よい。

「んっ、んんっ!」

そしてその接吻は唇を重ねるに止まらず、口内へと舌を押し入れてきた。
その舌使いはいやらしく口腔内を愛撫する。
舌と舌がふれあうと、それだけで電気が流れた様に下半身に刺激が走り秘部は疼きを増す。

「んふぅぅ〜、はあぁぁ…」
たまらず甘い鼻息がもれた。

愛液が留めなく溢れて来るのが解かる。
下半身が熱を帯びとろとろのジュースを噴きこぼしてしまう。
もう既に身体の反応は完全にコントロール不可能となっていた。
ただ流されるままに享楽するのみだ。
27ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:40:15.13 ID:vPYdKywd

不意に娘の唇が離れる。
「ねえ、ママもっとすごい愛情表現するね」
「ひゃうああ〜」
 

突然生温かい感触が秘部を襲い、のけ反り声を上げてしまう。

「(な、なに?結愛何をしの!?)」
 
快感に奔流されなんとか娘の姿をとらえる。 

「(ええ!?結愛それは駄目よ)」

なんと娘は秘部へと顔を埋め秘裂へと舌を這わせていたのだ。
うごめく舌先がどんどん深みを潜ってくる。

「(結愛、そんなとこ舐めちゃ駄目ぇ) んふぁ!あぁぁぁっ!」

声が出ない、出るのは喘ぐ声だけだ。
もはや抗うなど無駄な努力だった。
嵐の様な快感が収まる事なく身体を巡り、身体の火照りと疼きはおさまる事なく増え続ける。
娘の舌先は一心不乱に秘裂を舐め上げ、押し開く。
更に深く舌を滑らせ、肉びらを甘噛みし、溢れる蜜をすすりあげる。

「(な、なんで結愛がこんな)んんあっ、…ああん」

あり得ない舌での愛撫に身悶えが止まらない。
そして女芽へと舌が到達した。

「んふぁっ!あふぁ〜っ!!」

激しい尿意とおびただしい快楽の奔流が襲い来る。
のぼりつめたその快感は自分の身体全てを支配して行く。
もう何も考えられない。

「ああぁぁぁぁっっっっ……」

真っ白い世界が広がる。
惚ける様な快楽のなか、そのまま意識も途絶えた


……
………


28ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 00:43:24.85 ID:vPYdKywd
悠二は可愛いインテリアでまとめられた少女の部屋にいた。
結愛の部屋だ。
そこで女児用のパイル地のパジャマを身につけた姿で、勉強机に着いている。
水色でピンクのパイピングがしてあり音符柄が可愛いものだが、
それを悠二が着ているとサイズがあっていても違和感は拭えない。

悠二は既に気にしない方向になっているので、別段行動に支障は見られないようだ。

「今日はいろんな事があったな」

悠二はしみじみと物思いに耽っていた。
結局お風呂場ではあの後、意識を取り戻した真依は取り乱すこともなく普通にしていた。
その後の着替えでも、夕食でもだ。まるで何事も無かったかのように振舞っていた。
その事について自分から触れるのは憚れるため、悠二もあえて尋ねたりはしなかった。
悠二にして見ても姉の裸に劣情を催す事はあったかも知れないが、あそこまでやるつもりなど毛頭なかったのだ。
しかも自分の股間は全く反応しなかったと言うのも後になって変に思う。
考えても疑問が残るばかりだ。
訳が分からず結局、白昼夢か何かだったのかもしれないと思う事にして問題を置き、そこに落ち着く事にした。

「ふあぁ〜あ、まだ9時なのに眠いや」

結愛の父親は残業で、まだ帰宅していない。
最近はいつもの事らしく、夕食は母娘二人で食べるのが多い様だ。
夕食後は片付けを手伝い、その後はリビングで真依に見られながら予習をさせられた。
真依の隙をついて自分の携帯に連絡を入れようとしたが、チャンスが無く未だに出来ずじまいだ。

もう寝る様に言われて部屋に来たのだが、確かに眠い。
考えもまとまらないので、そのままベッドへもぐりこむ。
子供用の小さなベッドは悠二が入り込むと、余裕があり大きい位の感覚となった。

「ふかふかだよ」 

枕元には2頭身の猫のぬいぐるみが置いてある、今のプリキュアのマスコットだ。

「おいでハミィ。一緒に寝よ」 
何と無くそのぬいぐるみを抱き寄せると、不思議と気持ちが落ち着き悠二はそのまま眠りに落ちたのだった。


                   
                                                   〜とぅびーこんてにゅーど〜
29ゆあ・ゆうじぁりー:2011/04/19(火) 01:13:07.53 ID:vPYdKywd
いや、結構時間かかりました。
すいません。
あと、お断りしておくことが2、3あります。
まず結愛の年齢ですが、前回間違えてました。8歳では無く7歳です。
この4月に2年生になったばかりという設定です。
次は作中描写の無い悠二の容姿ですが、おたくだからと言って太っている訳じゃないです。
身だしなみも普通にしてますし不潔でもありません。
ロリコン趣味はともかく悪いイメージのおたくではないですので。
あと、これは実は重要なんですがペルペルです。
ペルペルは決してデジモンのキュートモンじゃないですw
ウサギっぽいとか語尾がきゅんとかまんまじゃないかと思うのですが、違います。
イメージ的にサンリオのシナモロールみたいな外見を考えてました。
で、最近は某QBがあまりにも話題なのでそういう所も影響受けてます。
本当に偶然なんです^^;

にしてもHパート書くまでと思ったら中々書けなかった。
エロパロなんだからと思って入れて見たけどどうでしょうか?
でもこれは「弟×姉」なのか「娘×母」なのかどっちになるのでしょうね。

次はまた違うお話を投稿します。
反応ないけど楽しいから、とあるお屋敷とか。
その際はまたお付き合いください。

>『黒の誘惑と白への回帰』
GJですよね^^
入れ替わりで悪堕ちってシチュエーションすごくドキドキします。
キャラクターもそれぞれ立っていて好きです。
楽しみにしています。
30名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 01:18:24.66 ID:zLk0SHc6
朝早くの学校、だれもいない教室でクラスのイケメン三人組が話をしている
だがよく見るとその三人は制服こそ男子のものだが、男子としては小柄で、髪も長く、顔は美形とは言いがたい
おまけに一人はどうみてもポッチャリでは済まされないような体型だ
「みんな成功したみたいね」
「朝起きたら木野君ちのベッドで寝てたからびっくりしちゃったww」
とても男子とは思えない口調で話をしている。
「でも、体は元のままじゃない?」と男子制服を着たデブ女が口をはさむ「思ってたのと効果が違うみたいね」
「見た目はそのままでも周りは入れ替わってるように感じるはずよ。美穂、何か体の感じが違うとか思わない?」と眼鏡を掛けた「男子」が言う
「確かに、いつもと比べて体が軽いっていうか、動きやすい感じかも」と美穂と呼ばれたデブ女が答える
「私も、今日生理のはずなのに何とも無いし、ノーブラでも胸が擦れないかも!」ともう一人の「男子」も答える
「見た目はそのまんまだけど、体の機能はちゃんと入れ替わってるのよ」
「じゃあ、私も運動ができるようになってるってこと?」
「うん、見た目はそのままでも私達「男子」になってるからね」
「じゃあ立ちションとかもできるってこと?」
「もー、さっきから由紀シモネタばっかりwww」
「でも面白そうだし試してみようよ、トイレまで競争ね!」
そう言うなりデブ女はその体型に似合わない速さで走り出し、他の二人も後に続いて教室から「イケメン三人組」は去っていった
31名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 02:13:57.35 ID:vPYdKywd
>>30
GJです。
男子になった女子3人楽しんでますね。
立場を交換されたイケメン君達がどうなってるのかを想像しても面白いです。
ところで、もしかして私の投稿終るの待ってました?
お時間とらせてすいません。


ゆあ・ゆうじぁりーで言う事がもう一つ。
実はプリキャアは詳しくないので、その事に突っ込み禁止です^^;
32名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 10:52:39.63 ID:noNPWUjp
>29
GJです! こういう展開を待ってました。
主人公の行動や意識も若干変わって来たみたいだけど、
単に「慣れた」のか、あるいは少しずつ浸食されているのか……?
本人は「意識して演技」してるつもりだけど、いつの間にか行動様式や
言葉使いの基本が「結愛」になってたりするとイイですね。
さらに長期間入れ替わったままだと、ふと気が付いたら、実際に背が
低く童顔になってた……という展開とかも好きなんだけど、
このスレ的にはセーフなのかなぁ?
いずれにしても、次の展開、そして別作品(あるお屋敷とか)、期待してます!

>30
こちらも乙。
ところで、いつも思うんだけど、こういう展開の時、写真撮ると
どうなるんだろ?
1)写真は、素のままの姿が映る
 a)しかし、周囲には「入れ替わった姿」に見える
 b)そこから「入れ替わり」がバレる
2)写真は、「入れ替わった姿」に写る

 自分が書いた作品(とくに鳥魚図系)では、2の案を採用してたけど、
 この板では1aが多いのかな。1b型とかも、おもしろいかもしれません。
33名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 21:05:06.49 ID:3Qw3+MjM
>>28

結愛の立場で女性とHするのがいいですね
34黒白の人:2011/04/20(水) 02:16:45.46 ID:l0VRhTOF
#続きが賭けたので投下させていただきます。

 * * * 

 さて、時間は少し前後し、真奈実が恭子相手にまだ雑談をしていた頃。
 「──うっ……」
 医療部の特別室──といっても、窓に鉄格子があり、入口のドアが分厚い鉄製になっているという程度だが──で、ひとりの女性が目を覚ました。
 「姉さん!」
 彼女が寝かされたベッドの側の椅子で、心配げに彼女を見守っていた青年──ルビーフレイムこと穂村憲一は、すぐさま立ち上がって、義姉の顔を覗きこんだ。
 「……? ケンちゃん? ココは……うぅっ!!」
 目をしばたたかせていた女性は、聞き馴染みのある声に視線を向け、彼の名を呼んだ。
 「姉さんッ、しっかりしてくれ!」
 「だ、だいじょうぶ、よ…………」
 血相を変える義弟を優しくなだめるその声色と瞳に、サブキュースだった頃の凶悪さは露ほども見当たらない。
 「ふむ。梓さん……でよかったかな?」
 折よく特別室を訪れていたこの基地の責任者、朱鷺多博士が彼女に声をかける。
 「はい。梓左矢香と申します」
 「無粋な質問をするようだが……君は本当に「君」かね?」
 「! 博士ッ!!」
 「いいのよ、ケンちゃん。はい、わたしは確かに梓左矢香です。ですが……」
 激昂しかける弟を、彼女は引きとどめ、視線を宙に逸らした。
 「──ですが、この身が魔隷姫サブキュースとして為した悪事の一部始終も承知しております。貴方のお疑いはもっともです」
 どうやら、洗脳が解けた彼女にも「サブキュース」時代の記憶はあるようだ。
35黒の誘惑と白への回帰:2011/04/20(水) 02:17:58.54 ID:l0VRhTOF
 朱鷺多博士は、助手の恭子を呼びよせて、ドクター・ハミアを病室に連れて来るよう依頼した。
 ドクター・ハミアは、エクサイザーズのブレインたる三博士のひとりで、裏の総責任者たる朱鷺田、表の顔である御堂と並ぶ、最重要人物だ。
 DUSTYの首領と同じ世界からこの地球に来た賢者であり、御堂博士に程なく襲来する侵略者の存在と対処方法を教えたのは、他ならぬ彼女だった。
 錬金術と浄化術、さらに攻撃魔法に長けた彼女の協力がなければ、日本がエクサイザーズを設立してDUSTYの侵略の魔手を跳ねのけることはできなかったろう。
 現在の外見は、落ち着いた服装の、眼鏡をかけた知的なアラサー美女といった趣き。もっとも、彼女の実年齢は、地球側はおろか故郷を同じくするDUSTY側もつかんでいない秘中の秘だったが……。
 マッド科学者としての勘が、「この左矢香はシロだ」と囁いてはいたが、立場上そのまま「よっしゃ、無罪放免!」と言うわけにもいかない。
 そこで、虚言感知(センスライ)と邪悪感知(センスイビル)の魔法が使えるハミアに確認してもらったのだ。
 ハミアによる判定の結果も白、それも彼女に「これほど曇りがない清廉な心映えの持ち主は珍しい」と言わしめるほどの結果となった。

 その後、正式に「被害者」として認められた左矢香を囲んでの、しばしの歓談タイムとなった。
 「それにしても……よく、あのスカイゴワールの呪縛から逃れることが出来ましたね」
 DUSTYの首領と、幼き日には学び舎で机を並べていたこともあるというハミアは、かの首領の魔力の強さを知っている。それだけに不思議だったのだろう。
 「もしかして俺のエクソイズム・バーストの当たりどころが良かった……とか?」
 いつも張りつめたように生真面目な憲一が、珍しく冗談を言う。これも、長年の懸念であった義姉を取り戻せたからだろう。
 「クスクス……ケンちゃんったら。でも、実は当たらずと言えども遠からずなんですよ」
 「へ!?」
 肯定的な返事を返されて固まる憲一。
 左矢香いわく、2年前、その高い霊力に目を付けられ、DUSTYに捕えられた彼女は、しかし頑として協力を拒み続けた。
 半ば拷問じみた脅迫にも屈しなかった彼女に業を煮やした首領は、自らの知識と魔力を駆使して作り上げた「黒の洗礼」という術式を左矢香に施したのだ。
 「黒の洗礼」とは、特定の呪物を対象に身に着けさせ、それを起点に装着者の意識を心の一角に封じ込めたうえ、本人とは逆の悪しき疑似人格を作り上げ、その身体を乗っ取らせると言うものだ。
 それだけなら呪物を外せば元に戻るだろうが、この術式の悪辣なところは、強制洗脳装置も兼ねている点だろう。
 閉じ込めた本物(の意識)に、偽物が行っている行為の「感覚」や偽物の感じる「感情」を送りつけ、いつしかそれを自分自身のものと錯覚させ、徐々に本物も悪に染めてしまうのだ。
 「そんなモノに丸2年間も耐え続けたのかね!?」
 大した精神力だと感心する朱鷺田博士に、「いいえ」と首を振る左矢香。
 「わたしが「黒の洗礼」を施されたのは1年程前ですし……それに、わたしは梓流古神道の心得がありましたから」
 彼女は意識の中で隔離された空間に結界を張って、「外部」からの「感覚」や「感情」を遮断していたと言うのだ。
36黒の誘惑と白への回帰:2011/04/20(水) 02:18:43.09 ID:l0VRhTOF
 「とは言え、結界の表面にテレビのように自分の身体が見聞きした事柄は写しだされていましたけど……」
 と僅かに顔を曇らせる。
 確かに、それなら直接「感覚」や「感情」を流し込まれるよりは耐えやすいだろうが……。それにしたって、1年間結界を張り続けた霊力と、いつ終わるとも知れぬ苦行に耐えた精神力はたいしたものだろう。
 「それは……ケンちゃん達に会えたから。必ず助けてくれると思っていたわ」
 「姉さん……」
 なんとなく、甘ったるい空気が病室に充満したような気がした。ゴシップ好きな恭子など、友人の恋路のことも忘れて「あららん♪」と楽しそうな目で眺めているし。
 たぶん、この様子を見たら、硬派な憲一にお熱な真奈実などは目を疑うだろう。
 あるいは、左矢香の美貌とプロポーションに敗北感を覚えるか、逆に青筋を立てて逆ギレするか……。
 しかし、事態は思わぬ方向に動くことになる。

 「! そうだ! わたしが身に着けていた「悲涙晶」はどこに? アレは放置しておくと危険です。早く破壊しないと……」
 ベッドに半身を起こして会話していた左矢香が、不意に表情をこわばらせた。
 「えーと、姉さん、その「悲涙晶」って、具体的には何を指してるのかな?」
 憲一が義姉の身体を慎重に押さえつつ、問いかける。
 「「サブキュース」が着けていた指輪のことです!」
 「ふむ……それらしいものの回収報告は来ておらんはずじゃが……」
 チラリと朱鷺多博士が恭子に目をやると、秘書兼助手もフルフルと首を横に振った。
 「そうですか……」
 ホッとしたようにいったん身体の力を抜いた左矢香だったが、ハッと再び緊張を取り戻す。
 「まだ昨日の現場にあるとしたら、それはそれで問題かもしれません。回収して破壊するようお願いします」
 「むぅ……できればどんなモノか研究したいところなのじゃが……」
 マッドの本領を発揮してボソッと呟く博士だったが、他の人間から非難の目を向けられて、「わかっとるわかっとる」と残念そうに頷く。
 「アレは、言うならばDUSTY首領の魔力と呪念を形にしたようなモノです。持ってるだけで、その邪気の影響を受けますし、身につければさらにその影響は高まります。
 さらに言えば、推測ですが首領の思念波を中継する魔導的通信機のような機能もあったのだと思います」
 どんなに遠くにいても、首領と会話できるみたいでしたし……と補足する左矢香。
37黒の誘惑と白への回帰:2011/04/20(水) 02:21:03.72 ID:l0VRhTOF
 「確かに危険ではあるけど、即破壊するほどのものではないのでは?」
 ハミアの問いに、けれど左矢香は首を横に振った。
 「悲涙晶単体ならそうでしょう。ですが、「黒の魔装」──サブキュースの各種装備品を着たうえで、アレを身に着けると、それだけで「黒の洗礼」が発動するんです。
 そして、いったん発動すると、それらのひとつでも身に着けている限り、術式は維持されます。
 わたしがこうして正気に返れたのは、それらすべてを身体から遠ざけられたからなんです」
 それに、「黒の魔装」自体にも、軽い洗脳効果があるみたいでしたし……と、左矢香が言葉を補足すると、恭子が真っ青になった。
 「うわぁ……えっと、実は今、その「黒の魔装」とやらを分析しようと私の部屋に持ちこんであるんですけど」
 私、おかしくなってませんよね? と、ドクター・ハミアにすがりつき、彼女の霊視で「問題なし」のお墨付きをもらい、安堵の息を漏らす恭子。
 「あ! でも、今私の部屋にマナちゃんが!!」
 「なんだって!? バナナの皮があれば踏んで転び、「押すな」と書かれたボタンを絶対押しちまう、あの珠城が!?」
 同僚に何気にヒドい形容をする憲一。……まぁ、否定はできないのだが。
 「あの珠城くんが、万が一、好奇心の赴くままに、その「黒の魔装」とやらを手にとったら……」
 「万が一」と言うか「二分の一」くらいの高確率で実現してそうな光景に青くなる博士。
 「すぐに、ミス・タマキの居場所の確認を! もし洗脳されていても、軽度なら私が浄化して元に戻します」
 こういう時、専門家であるハミアがいてくれるのは心強い。

 ──しかし、読者の皆さんは御承知の通り、すでに真奈実の姿は基地内にない。
 ご丁寧にもビーコン付きの変身ブレスも恭子の部屋に置きっぱなしにされていたため、その足取りもすぐには掴めそうになかった。

#白姉さん復活。
#ちなみに、サブキュースの格好は、「女幹部メル様の世界征服」という某文庫の表紙を見て、アレに網タイツと手袋を付けてケバい化粧と角つけたら、大体合ってます。
38名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 06:51:36.54 ID:jriRW3xD
>『黒の誘惑と白への回帰』 
左矢香姉さん正義へ回帰おめ!
次は真奈実の番ですね。
ワクワクしながら続きを待ってます。
39名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 15:13:19.68 ID:ZVW/JkMF
>>30
そういや立ちションの描写って今まで無かったな
40名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 16:17:11.29 ID:JEZu7yck
>>29
いきなり大作乙です
次は登校・・・ですかね?続きを楽しみにしてます!
41名無しさん@ピンキー:2011/04/24(日) 00:15:28.18 ID:ntYZiaGs
何となくコント番組見てたら
「明らかにブスな女が学園のマドンナとして持て囃され、
 美人がブスだと言われ、本人達もそれを受け入れてる」
ってコントがやってて、ついこのスレが連想された
42名無しさん@ピンキー:2011/04/25(月) 01:27:55.76 ID:z8GQUqHX
作品投稿しに来ました。
今回は続・そこはとあるお屋敷の続きです。
その前にレス返しを

>>32
何時もあ世話になっております。
無意識下での結愛っぽい行動はお約束と言う事で。
徐々に体も変化して行くのはありかも知れないですが、NG出されそうですよね。
いろいろと作品に取り組まれておられる様で、無理をされないで下さいね。

>>33
GJありがとうございます。
前スレで、女性の立場になって女性にエッチな事をして見たいと言う書き込みを何度か見たので、
話の都合上で少し要望とは違いますが娘の立場で母親にエッチな事をしている場面を書いてみました。
ただ後から悠二の気分の描写が無いのに気付き、こう言う描写って難しいなと思ったりしています。

>>40
労いのお言葉ありがとうございます。
大作とか言われるとお恥ずかしいです。
次の展開は登校前にもう1シーン入れる予定です。


以上です。
では、作品投稿しますのでお付き合い頂ければ幸いです。
 
43続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:31:17.32 ID:z8GQUqHX


朝食を済まし片付けをした遥人は雛子に付き添われ寝室に来ていた。
ベッドのシーツを交換するためである。
遥人は雛子の指導通りシーツを交換する。
難しいものではなかったが、雛子はいつも5分で済ませると言う。
遥人はたっぷり15分も掛ってしまった。
その事を責められたりはしなかったが、
今度は外したシーツ類とリネン庫にある洗濯物をカゴに入れてリネン室にもって行くように言い渡されたのだ。
洗濯は全て外注となっているため、週3回の回収日には事前に出しておかなくてはいけないためだ。

「いや、それって他の人に会うかも知れないし、どうしてもしないと駄目かな?」
「なんだ雛子、メイドの仕事をサボる気なのか?そんな悪い娘にはお仕置きが必要だな」

ご主人様モードで雛子が答える。

「お、お仕置き?」
「メイドに対するお仕置きと言えば、決まっているだろ?ベッドで喘ぎ声を…」
「わーっ、行きます行きます。だからそれは無しで」

雛子の言葉を最後まで聞かず遥人はシーツを持って慌てて部屋を出てい言った。
このお屋敷のリネン庫は全て隠し扉になっており目立たないように出来ている。
部屋と言うよりクローゼットの様な作りだ。
遥人も雛子も子供の頃はかくれんぼでよく隠れたものだ。
洗濯物の入っているカゴにシーツも入れると、それを手に持ちリネン室の方へ歩く。
願わくは誰にも会いませんようにと思いながら。
空調の効いている屋敷内は廊下と言えど涼しく、肌の露出のほとんど無いメイド服を着ていても暑くは無い。
だが、遥人は嫌な汗を滲ませていた。
着けている雛子のブラジャーが熱でこもる。
廊下が迷宮の回廊の様にずっと続くのではとすら感じてしまう

「う〜、どうか誰にも会いませんように」

思わず胸の内を呟かずにはいられない。
そしてようやくリネン室に着いた遥人は恐る恐る中を覗く。
44続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:32:59.46 ID:z8GQUqHX

「よかった」

幸いな事に誰も居なかった。
遥人はほっと胸を撫で下ろし、急いでカゴの中から回収用のリネン車に洗濯ものを移す。
その時だった。

「すいませーん。清川クリーニングですが、回収に来ました。解錠をお願いします」

外につながる勝手口から男性の声が聞こえた。
遥人は焦る。
ここには遥戸の他には誰もいない。
自分が対応するしかないのだが人前に今の自分の姿をさらすのは憚られる。
ここは居ないふりをしようかとも考えたのだが、
変にまじめな所がある遥人は緊張に強張りながらもドアを開けるべく勝手口の方へ行く。
そして一呼吸息を整えるとドアを開けた。
するとクリーニング屋の青年が驚いたようにこちらを振り向いた。
なんと、クリーニング屋の青年はインターフォンに向って話していたのだ。
それを遥人は勘違いして対応してしまったのである。

「毎度です、受領のサインお願いします」

クリーニング屋の青年は洗濯済みのものを乗せたリネン車を押し中に入って来ると遥人に伝票のサインを求める。
遥人の事は普通のメイドに見えている様で特に訝しまれる様な事は無いようだ。
だが、先程インターフォンで連絡したのならもうすぐに他の者がここへやって来るだろう。
そしてそれは確実に遥人の事を知っている人物だ。
このままではこの姿を知り合いに見られてしまうと考えた遥人は、直ぐにその場を去ることにした。

「た、ただいま担当の者が来ますので伝票はその者にお渡しください。失礼します」

思わず声が裏返ってしまい、結果可愛い声で答えた遥人はその事に顔を赤くし、
ちょこんとお辞儀をするといそいそとその場を去ろうとし、慌ててつまずき転びそうなるが、何とかこらえた。
それでさらに顔を赤面させその場を去っていった。
その仕種がまるで人見知りな少女のそれで、クリーニング屋の青年を密かに萌えさせたと言うのは余談である。
この場に雛子が居れば萌え悶えて大騒ぎ間違いなしだったろう。
45続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:35:38.50 ID:z8GQUqHX


「お帰り雛子、無事に仕事は果たせたかい?」

遥人が部屋に戻ると直ぐに雛子がご主人様モードで声を掛けてきた。

「はい。おかげ様で」
「誰かに会わなかったかい?」
「あ、クリーニング屋さんに・・・」
「クリーニング屋さん?他には?」
「…それだけです」
「そう。(残念。他の屋敷の人だったら面白かったのに)」

実は雛子にとってはとても面白く遥人にとっては恥ずかしい事があったのだが、遥人がその事を話す訳がない。

「さて、雛子には次の仕事をしてもらうかな。温室に行こうか?」
「かしこまりました」

温室は庭とは別の場所にあり、遥人の部屋のある場所からは裏口から出た方が早い。
距離も少しあるため、夏の日差しが強い今時間は堪えるだろう。

「雛子、日傘を忘れずに持つんだ」

言われ、裏口ドア近くあるインテリアに見える細かい意匠が施されたベンチボックスを開け、中を確認する。
雨用の普通の傘の他に日傘も何本かあった。
遥人はその中からシンプルな黒のものを取り出そうとしたのだが、
横から雛子が手を伸ばしプードルの刺繍がされた白いフリルの日傘を取り出した。

46続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:36:18.07 ID:z8GQUqHX

「今日はこの日傘の気分だな」

そう言い遥人にその日傘を持たせる。

「遥人様は随分少女趣味でらっしゃいますね」

その日傘を見て遥人は少し雛子にやり返してみた。

「そうさ、この可愛らしい日傘は可憐な雛子に良く合うのさ。可憐なメイドの差す日傘に
一緒に入り外を歩く美少年な俺。うーん、絵になるねぇ」

駄目だ。
さらに倍になって返ってくる。

「遥人様ってそんな性格をしておられましたのですか?」
「何を言うんだい雛子、俺はもともとこんな性格さ。完全無欠の美少年、人呼んで完璧王子の遥人様とは俺の事さ」

今度はポーズまで決めている。
完全にアレな人だ。

「あの、それやってて恥ずかしくない?」

遥人は思わず素で訪ねてしまう。

「俺は遥人だから恥ずかしくなど無い!」

対する雛子は更にターンとステップまで加えたオーバーアクションでまだまだやる気だ。
そのうち歌い出しかねない。
これが雛子クオリティと言うものだろうか?
一応彼女の名誉のためにお伝えするが、今日は特別であって普段メイドをしている時の雛子は、
厳かで品のある立ち振る舞いを『演じ』(←ここ重要)全てにおいてそつなく仕事をなすとても優秀なメイドである。
仕事中に遥人をからかう事等は絶対に無い。
仕事中には…。
遥人はこれ以上何を言っても今より悪化しそうなので、そのまま直ぐ外に出て温室に向う事にした。

「では、遥人様参りましょうか?」

ドアを開けると途端に外の熱気が入り込んでくる。
遥人はそのまま外に出て控えると、雛子が出て来るのを待ち、出てきた雛子の後ろからそっと日傘を差す。
使用人が主人に傘をさす時の正しい作法だ。
しかし雛子は差された傘をそっと押し戻すと、黒いシンプルな自分の分の日傘を差した。

「俺はこの日傘を使うから、その日傘は雛子が使いたまえ」

そう言うと雛子は歩き出して行った。
遥人が日傘を雛子に差すとどうしても遥人は傘よりはみ出し日差しを浴びる事になる。
その事を配慮しての行動だったのだろうが、遥人がメイド服で可愛い日傘を差しているのを良く見たいと言うのもあるのだろう。
遥人はなんとなく雛子の魂胆が見えていたが、そのいつもと変わらない配慮に感謝して大人しく後に続いたのだった。
47続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:38:41.06 ID:z8GQUqHX


照りつける夏の日差しの中、遥人達は温室の前に到着した。
日傘を差していたとは言え外での夏の暑さはかなりのものだ。
ましてや遥人の着ているメイド服は肌の露出がほとんどない、これで暑くないと言うのは普通ではない。
15分程度の道のりだったが、長いスカートがまとわり付く感覚が慣れ無いのも相まって、
遥人は到着するころにはすっかり疲れてしまっていた。

「雛子大丈夫かい?ほら、これでも飲んで一息つくと良いよ」

雛子が水筒から冷たいお茶を入れ遥人に差し出す。
どこから水筒を出したのかと思うと、雛子は小さなデイバッグを持っており、そこにしまってあった様だ。

「ありがとう御座います」

受け取りお茶を飲む遥人。
ジャスミンティーだろうか?鼻を抜ける香りが心地よく暑さを和らげる。
赤いチェックの小さなデイバッグはきっと雛子の私物なのだろう。
立場入れ替えなどと言い今日は暴走気味な雛子だが、そうした配慮は欠かさない。
遥人が人心地ついたのを見計らい、空のフタを受け取ると次の指示を出す。

「さあ、雛子スカートのポケットから鍵を出して戸を開けてくれるかい?」
「はい、ただいま」

言われてメイド服のスカート手探る遥人だが左側にあるのを見つけると、そこから鍵を取り出す。
鍵はアンティークなデザインだが、温室そのものはドーム状でアルミフレームに特殊ガラスの現代式のものだ。
戸に鍵を差し込み回転させるとカチャリと解錠され、戸もすんなり開く。
温室の中は意外な事に暑くは無かった。
中心部分に噴水があり、そこから伸びる水路の水が温室内を巡回しているためだ。
もともとここは旧邸宅跡地で水源も地下水を利用している。
小さい頃には遥人も母親と一緒に良く訪れたものだ。

「久しぶりだな。変わってない」

遥人も思わず声に出して懐かしむ。
白いベンチやティーテーブルとセットの椅子。
花園と言うよりガーデンラウンジの様なレイアウトは遥人の母親の趣味だ。
他種なバラを中心に白い花が多いのもそうである。

「ほら、雛子。ぼーとしないでこっちに来るんだ」

いつも来ている雛子は特に感慨も無く中に入ると、遥人を招き入れ仕事の手順を説明して行く。
遥人も指示に従い水やりと、テーブルやベンチなどの掃除を行う。
その間、雛子は花の説明や遥人では任せられないデリケートな作業を何気にこなしたりしている。
そして、掃除も一通り終わった頃の事だ。
ちょっとした充実感を遥人が感じていると、温室のドアが開き誰かが入ってきたのだ。

「っ!?」

気配に声にならない驚きを上げる遥人。
温室にやってきた人物、それは…。
48続・そこはとあるお屋敷 その2:2011/04/25(月) 01:57:41.76 ID:z8GQUqHX
今回はここまでです。
相変わらずこのスレ的においしい所なんて無いです^^;
いつもの様にそこは大目に見てください。
実はこれで書き上がった分のストック全部投稿してしまいました。
別作品も含め、後は投稿できるものが無いのですよね。
しかも人からゲームを貸してもらったりして当分執筆しそうにないです^^;
このスレを盛り上げたいけど、ゲームの誘惑には勝てませんw
私はトロイからそんなにたくさんの事を出来ないので、
しばらく作品投稿無くなるかもしれませんがご容赦ください。

そう言えばもう前スレ落ちてるんですね。
前々スレの時も思ったのですが意外と早いんですね。
このスレ続きものが多いのでテキスト化されるの待たないと。



49名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 00:51:10.39 ID:O/lPlFAx
>>48
キターーーッ! 
誠に乙でした〜

>相変わらずこのスレ的においしい所なんて無いです^^;

いやいやいや、私的にはこういう積み重ねが大事だと思います。
だからこそ、異常なシチュへの違和感が増すってもんですぜ!
まぁ、てっとり早くワクテカシーンを望む方には不評かもしれませんが。
50名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 13:47:41.82 ID:aNtItN9r
乙。
これ、「遥人が屋敷内の色々な人にメイド姿を見られても、
なぜか誰も不審に思わず、平然と雛子の名前で呼びかけてくる」
という不条理展開を望む自分は、意地悪すぎるのか。
混乱する遥人は、仕方なく必死に雛子を演じようとするが、
実は超常的な仕掛けが働いたわけではなく、単に雛子が
皆に頼んで仕掛けていたドッキリ、とか。
深夜にネタバレされて、呆れつつも安心した遥人だが、
翌朝なぜか雛子のベッドで目が覚めて……とかの、
ホラー映画にありがちなヒキで終わったり。
捻り過ぎかな?
51名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 18:29:37.73 ID:rQVdQ++g
ジェンダー教育の一環で男女の立場を入れ換えるとかどうかな?
身体能力や生理なんかの機能も逆転してその状態で体育やったり
52黒白:2011/04/27(水) 00:43:35.94 ID:IHKHrLkm
#「黒の誘惑と白への回帰」の続きです。

 「んんっ……」
 ひんやりとした感覚を感じて、真奈実は目を覚ました。
 周囲は薄暗闇だったが、目を慣れてきたのか、徐々に周りが見えてくる。
 どうやらここは、部屋と言うのもおこがましい2メートル四方ほどの狭いスペースだった。
 四方の壁は元より床や天井までも、黒い透明なガラスのような材質の壁で覆われている。
 視線を下に向けた拍子に、自分が一糸まとわぬ裸であることに気づく。
 「キャァッ! な、なんなのよ、コレ!?」
 慌てて大事な部分を隠そうとするが、周囲には布切れひとつない。
 真奈実は、左手で胸を隠しつつ、内股になってペタンと冷たい床に座り込むことしかできなかった。
 「なんで、あたし、こんなコトに……」
 このような状況に置かれている経緯を思い出そうとするが、どうもハッキリしない。
 状況からすると、おそらく敵対組織であるDUSTYに囚われたと見るべきなのだろうが、そうなるに至った過程をどうしても思い出せないのだ。
 「えーと、確か最後の記憶は……サブキュースの指輪を右手にはめて……」
 右手を見れば、くだんの柘榴石の指輪は、いまも彼女の薬指にはまっている。
 何となく嫌な予感がした真奈実は、外そうとしたのだが、生憎このテの話のお約束通りそれが外れる様子はなかった。

 と、その指輪に触れたことが何かの合図になったのか、壁面のひとつに軽く曇り、次の瞬間まるで大型モニターになったかのように、そこに何かの映像が鮮明に映し出されていた。
 「ふん、あたしの目が覚めたから尋問の時間ってワケ? それとも、悪の親玉による脅迫?」
 半ば強がりつつも虚勢を崩さない真奈実だったが、壁に映った映像は、そのどちらでもなかった。
 ぼんやりと赤みがかった照明に照らされた薄暗い廊下を、誰かが歩いている。
 背後からの視点のためその人物の顔は見えないが、その特徴的な黒いコスチュームには、真奈実は見覚えがあった。
 「あれは……サブキュース!?」
 せっかく生け捕りにしたはずなのに、どうやってかエクサイザーズ基地から脱出したのだろうか?
53黒の誘惑と白への回帰:2011/04/27(水) 00:44:50.59 ID:IHKHrLkm
 サブキュースらしき女性は、自信に満ちた堂々たる足取りで洞窟のような岩肌の廊下を歩いている。
 時折、DUSTYの戦闘員──黒と灰色の全身タイツのようなものを着て、目元と口元を隠す覆面を付けた男女とすれ違うが、彼らは皆、「サブキュース」の姿を見ると立ち止り、片膝をついて頭を下げる。
 それらに鷹揚に頷きつつ、カツカツと歩みを進める「サブキュース」。戦闘員の様子からして、どうやらこの女はかなりの人望とカリスマを持っているようだ。
 何度も戦い苦戦させられてきた憎い敵ではあり、「オバさん」と嘲弄しつつも、この女幹部のそういう点については、真奈実も正直憧れる部分がないではない。

 なにしろ、エクサイザーズ基地における真奈実は、それとは逆にまるで人望とか人徳というのがなかったからだ。
 たった4人しかいないヒーローチームの一員であり、ことが起こればDUSTYの怪人たちと戦う戦士……とくれば、普通はそれなりに尊敬され、頼られるものだろう。
 しかし、珠城真奈実という少女に関しては、一応感謝こそされてはいたものの、尊敬や信頼という言葉とはあまり縁がなかった。
 まぁ、その大半は、自己中で見栄っぱり、その癖ミスやドジが多い真奈実の性格が原因なのだから、自業自得ともいえるだろうが。

 やがて、高さ3メートル以上はありそうな壮麗な扉の前に来た「サブキュース」が何か合言葉めいたものを呟くと、巨大なドアはゆっくりと左右に開いていく。
 「──失礼します」
 一礼して中に入る「サブキュース」の声にどことなく違和感を覚える真奈実。
 (えっと……あの女幹部の声って、もう少し低くなかったっけ?)
 それでいて、どこかで聞き覚えがあるのは確かな声色だ。
 それが誰のものか思い出せないまま、囚われの真奈実は様子を見守ることしかできない。
 その部屋の内部は、真紅をベースカラーに、品の良い調度や豪華な絨毯で整えられた、まるでどこかの王宮の謁見室のような空間だった。
 ぬめぬめした暗色の壁や、骸骨の飾り、よくわからない謎のメカといった、趣味の悪い、いかにもな「悪の首領の部屋」を予想していた真奈実は、意外にまともなセンスに軽く目を見張る。
 ただし、一点だけ予想と近かったのが、部屋の奥にしつらえられた大きな玉座、そしてそこに座る濁魔帝国DUSTYの首領──いや、総統スカイゴワールの姿だった。
 「サブキュース」は、廊下で見た戦闘員のごとく、片膝をついて恭しく頭を下げる。
 「……戻ったか、我がいとしき魔姫よ」
 スカイゴワールが姿を地球人の前に姿を見せたのは、日本侵攻を宣言した半年前の一度だけだった──そして、それも立体映像だったため、かの総統についてての詳細は、地球人側は未だ誰もつかんでいない。
 漆黒のプレートメイルとヘルムを着込んだスカイゴワールは、体格も容貌もはっきりとわかりづらいが、「サブキュース」との対比で見る限りさほど大柄ではなく、また僅かに除く目元は意外な程涼やかだ。
 (あれ、もしかして中身は結構イケメンかも♪ ……って、何考えてるのよ、あたしは!?)
 お気楽思考に流れかけた自分を制して、フルフルと首を横に振る真奈実。
 しかし、次の瞬間、彼女は驚きのあまり、言葉を失うこととなった。
 なぜなら……。
 「──此の度の独断専行と敗戦、誠に申し訳ありません……」
 「フフフ、そう畏まることはない。余は無事にお前が我が元に戻って来てくれただけで、十分満足なのだ、面を上げよ」
 そんなやりとりの後、頭を上げて皇帝を潤んだ目つきで見つめる女幹部の顔は、紛れもなく真奈実自身のソレにほかならなかったのだ!
54黒の誘惑と白への回帰:2011/04/27(水) 00:45:19.94 ID:IHKHrLkm

 * * * 

 驚きのあまり、茫然自失状態となった真奈実が、再び明確な意識を取り戻したのは、どれくらい後のことだろうか?
 なにせ、ここには時計ひとつないので、時間がよくわからないのだ。
 数時間か……あるいは数日か。
 不思議なことに、それだけ時間が経つのに、食欲も排泄欲も湧いてこないし、睡眠への欲求もあまりない。ただ、目を閉じて横になれば一応眠れるようだ。

 ふと気がつけば、彼女は全裸のまま床に座り込み、テレビのような壁面の映像をボンヤリと眺めていた。
 その視線の先では、サブキュースの格好をした「真奈実」が、DUSTYの女幹部としての責務を精力的にこなしていた。
 ある時は鞭を片手に戦闘員達を叱咤激励して過酷な訓練に励ませ、またある時は新たな怪人の誕生に立ち会い研究者を尊大に労う。
 時には、他の幹部ふたりと日本侵攻計画について話し合う──しかも、何気に「本物」の真奈実よりも、ずっと狡猾で強かな発言をしているのを見て、微妙に複雑な気分になった。
 そして……もちろん、幹部のひとりとしてDUSTYの作戦を実行する。いや、実際に行動するのは怪人や戦闘員達だが、現場でその指揮をとるのは黒衣に身を包んだ「真奈実」だ。
 「真奈実」の指揮は、意外にも大胆かつ適確で、エクサイザーズでは陰でトラブルメーカー扱いされていた(そしてそれを自分でも認めていた)パールストームとは雲泥の差だった。
 「彼女」は日本と言う「舞台」における悪役であるかもしれないが、少なくとも魅力的で存在感のある「女優(スタア)」であることも、また確かだった。
 「彼女」の「活躍」を目にする度に、真奈実はみじめな気分になっていった。
 (アレ、誰なんだろう……)
 少なくとも自分ではない。本物の自分がココにいるから、という表面的な理由以上に、自分があんな風にその場の「主役」「ヒロイン」になれるワケがないという根強い劣等感が、彼女を苛んでいた。

 ──アレハ、ジブンジャナイ。アタシハイツモヒトリボッチ……

 (寒い……さむいよぅ……)
 彼女の孤独感が影響したのか、先ほどまで感じなかった体が凍えるような感覚に襲われる。
 しかし、布一枚ないこの部屋で、その寒さを和らげることは……。
 「えっ!?」
 何気なく辺りを見回した真奈実は、すぐそばにひと山の衣類が積まれていることに気付いた。
55黒の誘惑と白への回帰:2011/04/27(水) 00:45:43.03 ID:IHKHrLkm
 (い、いつの間に……)
 疑問には思うものの、それでも体の芯から冷える感覚は耐え難く、真奈実はその衣類を手に取った。
 「! これは……」
 それは、紛れもなく、あの「サブキュース」が着ているのと同じ、黒いボディスーツだった。ご丁寧にも、手袋&アームカバーと網タイツまで一緒に置かれている。
 一瞬、恭子の部屋での記憶が脳裏に甦り、ウットリとした表情になった真奈実は、そのままそれらを身に着けようとしたが、慌てて手を止める。
 「ダメ駄目! きっと罠に違いないんだから……」
 これを着た前後の記憶はあまり定かでないが、自分が今こんな場所に囚われることになった原因は、確かにこの「サブキュース」のコスチュームにある気がする。
 真奈実は、(自覚はないが)名残り惜しげに手にした黒い衣裳を床の上に戻したが……やはり寒さが耐えがたいのか、あるいは異なる理由からか、チラチラとソチラの方ばかり気にしている。
 体感時間で数分後、ついに真奈実は音を上げた。一度「寒さ」を自覚した身にはその苦痛は耐え難かったのだ。
 「──ボディスーツだけなら……仕方ないわよね、このままじゃ凍えちゃいそうだし」
 そんな風に自分に言い訳してしまう。真奈実は黒いボティスーツ──第一の「黒の魔装」を身につけた。
 「はわぁ…ふぅ……」
 一度だけ経験したことのある、ウットリするような気持ちのよい触感に包まれ、安堵とも昂揚ともとれる溜息を漏らす真奈実。
 どのような素材なのか、極薄の布地一枚を身に着けただけなのに、彼女が感じていた「寒さ」は大幅に緩和されたように感じる。
 大胆なデザインのボディスーツは、寸分の隙もなくピタリと彼女の肌に貼りつき、ウェストや乳房を程良く締め付けているが、その圧迫感さえどこか心地よい刺激となって、彼女の心身を適度な緊張状態へと導いていた。
 特に異状もなかったため、とりあえずはひと安心か、と安心した真奈実だったが……。
 先程までとは一転して快適さに包まれた胴部に比べて、今度は手足が冷たくてたまらない。
 「うぅっ……やっぱり、こっちも……」
 一度妥協してしまえば、その先に手を出してしまうのも早かった。
 真奈実は、黒い手袋とアームガード、太腿までの網タイツを、ひとつずつもどかしげに身に着けていく。
 そのおかげか、先ほどまで止まらなかった震えは収まり、心を浸食していた孤独感さえ幾許か和らいだように感じられた。
 (はぁ……何だろう……誰かに抱きしめられてるみたいなヘンな感じ……)
 ──でも、決してイヤじゃない。
 そう思いながら、彼女は手袋を嵌めた指先やた黒い網タイツに包まれた脚をなんとなく眺めてみる。
 「やっぱり…いいなぁ……」
 恭子の部屋で感じた「大人の女」への羨望を、この衣裳は強くかきたてる。
56黒の誘惑と白への回帰:2011/04/27(水) 00:46:13.25 ID:IHKHrLkm
 敵の女幹部のコスチュームに憧れるだなんて、あの基地で公言するのははばかられるが、ココにいるのはどうせ自分ひとりだ。
 だったら、自分に素直になって、いいものはいい、素敵なものは素敵と認めてしまってもよいのではないか?

 そんな風に真奈実が考え始めたところで、唐突に視界が変化した。
 「えっ!?」
 いつものように、壁面に映像が写し出され、天井から音声が聞こえてくるのではない。
 気が付けば、彼女は大きな姿見の前で、着替えているところだった。
 鏡の中には、先程身に着けた「黒の魔装」姿の「真奈実」が映っている。
 慌てて辺りを見回そうとするが、どういうワケか彼女の意志では指一本自由に動かせない。
 それどころか、彼女の身体が勝手に動き、例の黒い上着を着て、ロングブーツを履き、最後に肩当て付きマントを羽織っていく。
 よく見れば、鏡の中の顔には、すでにドギツい──見ようによっては扇情的な──メイクが施されていた。
 (うわぁ……あたしの顔、メイク次第でこんな大人っぽい雰囲気にもなるんだぁ)
 そこには、田舎から都会に出て、精一杯背伸びする19歳の小娘の姿はない。
 驕慢だが、妖艶かつ艶麗で、自らへの自信に満ちた大人の女が、誇らしげに立っているだけだ。
 普段なら「ケバい! 悪趣味!」と切って捨てるはずのその装いを、なぜか今の彼女は好ましいものに感じてしまう。
 もっと見続けていたいという彼女の願望を無視して、「真奈実」はそのまま部屋を出ると、DUSTYの女幹部として部下を引き連れ、総統から命じられた作戦遂行のために出撃していく。
 自らとソックリな人物──あるいは自分そのものが作戦に従って、町の人々をいたぶり、高笑いする様を、彼女は見聞きしていることしかできなかった。
 いや、より正確には、視聴覚だけでなく嗅覚や触覚など五感のすべてが繋がっているのだ。
 そればかりではなく、「真奈実」が鞭を振るい男達を弄ぶ時に感じる、ゾクゾクするような興奮、血が滾るような昂揚さえもダイレクトに伝わってくる。
 (ちがう! あたしは、そんなこと感じてない!)
 必死に目をふさぎ耳を逸らそうとする彼女だが、生憎と今彼女が宿っている身体は、彼女の意志で動かすことはできず、意に反した行動をとるばかりだ。

 ──「意に反した」? 本当に?
 あまりに嬉々としてサディスティックな行動に走る「真奈実」の行動を体感していると、次第にそんな疑念さえ湧いてくる。
57黒の誘惑と白への回帰:2011/04/27(水) 00:47:36.24 ID:IHKHrLkm
 結局、街の人への蹂躙は、エクサイザーズの3人が出動してくるまで続けられた。
 逆に、フレイム達が到着した途端、「真奈実」は部下を指揮して転身、その場に仕掛けた罠も利用して、3人の追撃を阻み、鮮やかに退却してみせたのだ。
 「フレイム、助けて! ガイア、あたしはココよ!あぁもう、この際、アンタでもいいわ、オーシャン!」
 そう叫びたいのに、「真奈実」の口から出るのは、いかにも悪の女幹部然とした高笑いと、彼らを嘲笑する台詞ばかりだ。
 「オーッホホホホホ! 今ごろ来たって手遅れですわよ、ヘナチョコ戦隊!
 この町の住人のダークファルスは、十分いただきましたわ!」
 バサリとマントを翻し、捨て台詞を投げて身を翻す女幹部な「真奈実」。
 そう、本来は炎・水・風・地の4人いて初めて真価を発揮できるエクサイザーズは、このところDUSTY相手にやや劣勢な戦いを強いられているのだ。
 そのことは、例の壁のビジョンで知っていた彼女だったが、いざその現場を魔の当たりにすると少なからずショックだった。
 今日だって、この地区を封鎖していた怪人との戦いに手間取ったから、遅れたに違いない。
 しかし、それと同時に心の片隅に「やっぱりあたしがいないとダメなんだ」という優越感にも似た感慨が生まれる。
 彼女のそんな複雑な感情を一顧だにせず、女幹部は目くらましと共に姿を消し、DUSTYの秘密基地へと帰還するのだった。

#とりあえず、次回でラストの予定。エピローグがこぼれる可能性はありますが……。
58名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 06:35:10.68 ID:bibQVuz2
どうも、今日は朝から作品投稿です。
ただ単に昨夜投稿する前に早く寝てしまっただけですが^^;
しばらく投稿できない予定だったんですが、
借りたゲームってやって見たら画面酔いするんですよ悲しい事にT。T
で、不貞腐れて書きかけだったのを仕上げて見ました。
今回のは「宿なし汚ギャルは電波系」の続きです。
誰も待ってないのに続き書いてしまいました。

では投稿前にレス返しとレスを。

>>49
とあるお屋敷を楽しんで頂けて嬉しいです。
楽しみながらゆっくりと書いてますのでこれからもお付き合いください。
何時もコメントを頂きまして励みになっています。

>>50
労いありがとうございます。
その3は途中までは書き上がってるのですが、鋭いですね。
大まかに合ってますw
ただとあるお屋敷では不思議展開は無いんですよ。
ある意味お屋敷と言う非現実な舞台ではあるのですけどね。
お話の落ちはなかなか良いですね。
まだまだ先の事になりますが、一応最後のプロットは考えています。
やっぱりお約束方向でなのですがw

>>51
そうなると対象は中学生か高校生でしょうかね。
小学生だと男女であまり違わないと言うか、女子の方が身体能力高い事多いですしね。
生理を男子に体験してもらうならちゃんと一ヶ月を通してもらわないといけないですよね。
逆に男子の大変な事って何かあります?女子に体験してもらうべきな事とか?
ごめんなさい。どうも簡単にまとめるの苦手であれこれ入れたくなるんですよね私^^;

>『黒の誘惑と白への回帰』 
悪堕ちの描写流石です。悪の心に幽閉されて、せめぎ合う真奈実の心の焦りが素晴らしいです。
完全催眠による強制では無く乗っ取り型による悪堕ちだと言うのは作者の腕前を感じます。
次回の入れ替わった悪と正義の対峙と結末に期待度大です。

以上です。
では作品を投下します。またお付き合いください。
59宿なし汚ギャルは電波系  ◆joNtVkSITE :2011/04/27(水) 06:40:49.31 ID:bibQVuz2

「それで君の名前は?どうしてあんな所に居たんだね?」
同僚の尾崎先生が俺に向って詰問してくる。
ここは職員室隣にある面会室、実質は生徒指導室とされる所だ。
俺は結局あのまま平日昼間から鉄橋下を徘徊する不審な少女として学校に連行された。

「すいません」
俺はこう言うしかない。
尾崎先生に散々俺は根本だと説明したが取り合ってもらえず、
他の先生方にも俺はあのギャル電波に見えるらしく、おかしな女子扱いだ。
どう言う訳か解からんが俺はギャル電波と立場を交換されてしまったのだ。
当のギャル電波は俺のスーツを着込んで尾崎先生の後ろで腕組をしてやがる。

「そればかりだな君は」
尾崎先生はため息をつく。実際答えようがないのだ。
俺はギャル電波の事を何も知らないし、名前すら知っていないからだ。
こんな部屋で詰問され続ければ萎縮するしかない。

尾崎先生は大分イライラしている様だ。
「尾崎先生、ここは私に任せてもらえませんか?尾崎先生はお昼でも摂って来て下さい」
ギャル電波が間に入ってきた。何を考えてる?
「そうですね、このままではどうにも。ここは根本先生にお任せしますよ」
「任せて下さい」
得意気に答えるギャル電波。
「私はお言葉に甘えてお昼にさせてもらいますので、では」
言って尾崎先生は退室して行く。

部屋にはギャル電波と俺の二人だけ。
しめた、これでようやくこの事態についてギャル電波を問い詰める事が出来る。

「あのぉ、先生いいですかぁ?」
いいですかじゃないだろこいつ。
「いったいどうなってる?」
「言ったじゃないですかぁ、わたしと立場を交換してもらったって」
「だから、それはどうやったらこうなるんだ?」
「知らないですよぉ、ギャルなら出来るものなんですぅ。それより先生はわたしの記憶とか思い出せないんですかぁ?」
答えになってねえ、やっぱり電波だ。

「おかしいですねぇ、交換したら私の記憶も解かる様になるんですよぉ。わたしなんてもう先生の記憶解りますよぉ」
なに?
「んんっ、俺の名前は根本靖浩(ねもと やすひろ)、7月20日生まれの34歳AB型。好きな食べ物はあんかけ焼きそば、
現在交際8年目になる彼女の新見歩美とはそろそろ結婚を考えている。歩美とのセックスの頻度は…」
「ストーップ!それ以上言うな!」

何を言いやがるんだこのギャル電波は。
しかし、そこまで解るとなると俺の記憶が解かると言うのは嘘ではないのか?
60宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 06:46:47.19 ID:bibQVuz2

「解かってもらえましたぁ?やろうと思えばまんま先生のしゃべり方とか、行動出来ますよぉ。
さあ、先生もやってみて下さい」
「だから、どうやって?  っと?」

ん?わたしの名前は高階香穂(たかしな かほ)16歳てんびん座。
でもそれは仮初のもので、本当の名前はソフィアローズ・アーデルハイト、ギャラクシーな姫なのです。
ってなんだこのとんでも設定は?

「あ、なんか思い出しましたぁ?」
「まあ、名前が高階香穂って事と16歳って事とか」
「違いますよぉ、ソフィアローズですぅ」
「なんなんだその設定」
「なにってソフィアローズはギャラクシーな姫で、ある使命の為にこの地に降り立ったハッピーギャルなのですぅ」

ああ、そんな気がするよ。
ちなみにそのある使命って言うのが何なのか本人も解かっていない、なんか天啓を受けた様で家を飛び出し放浪していた様だ。

「思い出しました?先生は私の代わりに使命を果たして下さいよぉ」
そうしないと俺は戻れないらしい。
くそ、なんなんだこれは。

「わかった、それで俺はどうすればいいんだ?」
「それは先生が考えないとですよぉ、今は先生がソフィアローズなんですからぁ」
ぐぁ、それって問題まる投げじゃねえか。

「それよりも、お腹空きませんかぁ?学食でなんか食べましょう、あ、ここってあんかけ焼きそばあるんですねぇ」
うるせえ、こっちは食欲なんて無えよ。
ギャル電波と入れ替わった時に着させられたこの服が臭うから、吐きそうな位だ。
ギャル電波の奴は勝手知ったるなんとやらで、部屋を出て行こうとしてやがる。

ドアを開けるとそこにうちの生徒の馬鹿どもが集ってやがった。
そう言えばもう昼休みか、うちの生徒は馬鹿なのが多い、
噂の鉄橋下少女が連れて来られた事を嗅ぎつけ、こうしてドアの外でうかがっていたんだろう。

「なんだお前ら、散れ散れ」
ギャル電波は俺がする様に生徒どもを追い払う。
あっという間に蜘蛛の子を散らす如く生徒どもはその場を去って行った。

「俺はここで待ってるからな」
好奇な目に晒されるのはご免だ。
「そうなんですかぁ?じゃあわたしだけで行ってきますぅ」
ギャル電の奴はあっさり俺を置いていきやがった。
61宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 06:51:00.27 ID:bibQVuz2

しかしどうしたもんだか。
このままここに居ても尾崎先生が戻ってきたらまた詰問に晒されるだろうし、
あのギャル電とはこれ以上話をしても無駄な様な気がする。

この事態の解決方法は良く解からない使命とか言うのを果たす事。
だが肝心の使命とか言うのが何なのか不明と来た。
あのギャル電の記憶が思い出せるおかげで、この事の経緯は解かる。
鉄橋下に居たのは、電波を受信しての事だ。
そこで待っていれば自分の気持ちになって助けてくれる人間が来るから、その人間に助けて貰えと。

他にも、黒猫3匹と白い犬の頭を撫でろとか廃屋の壁にギリシャ字の様なものをペイントしたりなど訳のわからん事を延々とやって来たらしい。
そんな感じでこいつは電波を受信しつつ放浪を2ヶ月近く続けている。
まあ、受信と言っているが勝手に思いついてるだけなんだろうけどな。
はっきりと記憶が出て来る訳じゃないが、大体の事は分った。

考えてるとまたドアの外が騒がしくなってきた。
また馬鹿な生徒が集まってこちらの様子を伺ってるんだろう。
そんなこぞって集まる様な事じゃねえだろうが。
面倒だ、ここに居てもどうにもならねえし、ばっくれるか。

俺は勢いよくドアを開ける。
「うわっ!」
ドアに耳を付けていた馬鹿が吹き飛ばされた。
「おら、どきな!クソガキども!」
「こえっ、ヤンギャルじゃねえか」
「逃げんぞ」
またもや蜘蛛の子を散らすように生徒どもは居なくなる。
手前ら根性ねえんだよ。

俺はそのままの勢いで、職員玄関に向うと外に出た。
62宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 06:55:00.46 ID:bibQVuz2

さて、これからどうするか。
取りあえずアパートにでも戻るのもありだが鍵が無い。
車が使えないのも面倒だ。うちの高校は山の上とまで行かないが、かなり奥まった所にある。
主要道路までは歩けば20分は余裕にかかる距離だ。
駅までは更に遠く登下校に学校からバスが出るぐらいだ。

使命とやらも全然電波を受信しないし、取りあえず歩くか。
ああ、そう言えば荷物鉄橋下に置いたままだったな。
取りに行くのめんどくせ、だけど携帯とかあるしな。

「ねえ、ちょっと」
考え事をしていると声を掛けられた。
振り返ってみれば自転車に乗ったうちの女生徒が5人。

「もしかしてあんた、噂のホームレスのギャル?」
声を掛けてきたのはそのうちの一人、2年の大広彩華(おおひろ さえか)だ。
何処かのキャバ嬢かと思えるようなアップしたブロンドにやたらシャイニーなメイク、おおよそ高校生には見えない。
言う所のアゲ嬢ファッションって奴だ。
うちの制服は地味な紺のブレザーの上下にリボンタイなんだが、こいつは勝手に制服をアレンジしてる。
まず上はウエスト部分を搾ってあり、胸に勝手には何かのエンブレムの刺繍を入れている。
リボンタイも指定の細いものではなく、リボンがやけに大きなものだ。
そしてスカートは赤いチェックの短いもので指定のものと全くの別物だ。
下にフリルのペチコートを穿いているのか裾からフリルが覗いている。
校則違反のなにものでも無く、生活指導を受ける事幾数回。
まったく懲りない奴だ。
教師に対する態度もなって無く学内でも有数の問題児の一人だ。
いまだって、昼休みに校外に出てはいけないと言う決まりを破ってコンビニでも行ってたんだろう。

「そのカッコってさココルルの?」
妙に興味をもたれた様だ。

「だからなんだ?」
構ってやる義理も無い。

「何あんた、態度わるー」
普段のお前ほどじゃねえよ。
俺はさっさと行こうとしたのだが、他の奴らに行く手を阻まれた。

「いまどきその手のサーフ系って無いよね」
「ココルル言ってもコーデが古すぎ」
「激ダサぁ」
「今時ココンバなんて化石ってるし」
「つーか、まじ汚ギャルじゃん」
「くっさいのよね」
なんでこう言う手合いはこんな時だけ抜群の連携が出来るんだ?

「あんたさ、やばちな浮浪者のくせしてなに調子くれてるの?」
いきなり髪をつかんで睨んで来やがった。
結構なメンチの切り方だ。
見慣れない奴が居たら取りあえず締めるとか、女子のくせしてかなりのヤンキー思考だな。
63宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 06:59:07.58 ID:bibQVuz2

「離せよ」
睨みかえしてやるが、彩華も怯まない。

「お前こそ、まるでキャバ嬢がコスプレしてるみてぇじゃねえか」
俺の挑発に彩華の描かれた細眉がピクリと動く。

「あ?鬼チョズッテんじゃないよ!アンタ潰すよ?」
まだ手は飛んで来ない。

「人の事言う前に自分何とかしろっての、激ダサるんぺんの癖して。マジパなく臭いんですけどぉ〜」
「さええー、手汚くなるよ」
「臭いの移るし」
「生ゴミ的スメルってやつ?」

くっそ、俺だって好きでこんな臭う服着てる訳じゃねえ。
「あんたみたいな激おいにーサックーな奴なんて拾ってもらえないでしょうが、そんなカッコでうろつかないでくれる?まじ大気汚染で環境破壊だから」
ムカつく、妙に癇に障る。何だか抑えが効かない感じだ。

「死ね!ばーかー」
彩華にそう言われた瞬間何かが弾けた。

バリバリバリッ
「ぎゃっ!」
気が付けば俺は、ダウンベストに隠し持っていたスタンガンを彩華の首に押しつけていた。

「うわぁ〜」
「たすけて〜」
周りに居た女子共は一斉に逃げだす。
彩華は白目をむいて気絶している。

いったい俺は何を?
つい頭に血が上ったのは解かるが、スタンガンなんて何で使った?
そもそも、こんなものを持っているなんて知らなかったはずなんだが。
これもギャル電波の影響か?
幸い彩華は息があるので死んではいない様だ。
しかし、こいつの顔を見る度に異常なほど腹立たしさがこみ上げて来る。

臭い臭い言いやがって、着替え入浴禁止は天啓なんだから仕方がねえんだよ。ったく。
あと死ね死ね言うんじゃねえ、わたしはそう言われるのが一番嫌い。
嫌な事思い出すから。

「ん?」
その時だ。
「あ、なんかきた感じ」
64宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 07:03:15.42 ID:bibQVuz2

新たな天啓が俺の脳裏に告げられたのだ。


『倒した敵より新たな衣を得よ。そして新たな地に旅立て、そこに使命が待っている』


そう言葉が浮かぶ。
おおっ、事態を解決する糸口が見えたかも。
倒した敵って言うとこの娘ですよねぇ。

俺は気絶している彩華を見る。

つまりこの娘の服を頂いてしまえと言う事だよねぇ?

俺は早速服を脱がせに掛かる。

お、良い下着付けてるぅ、ラヴィジュールかぁ。良い値段するんだよねぇ、わたしのお小遣いじゃとても手が出せないしぃ。

俺は手際よく彩華の服を脱がせると、下着も含めて全部頂いた。

流石はラヴィジュール、可愛いうえに胸の形もばっちり整っちゃいますぅ、やっぱきれいな服は気持ちいいかも。
それにこの制服って可愛くアレンジしてあって良いよねぇ、鏡無いから確認できないけど、このカッコ絶対イケてますよねぇ。
気分もギャラクシーハッピー♪
こんなカッコが似あうソフィアローズはやっぱりギャラクシーな姫なのですぅ☆

さて、服貰っちゃった彩華だけど裸って言うのも可哀そうですよねぇ。
だから彩華がくっさいって言ってたわたしの服着せてあげますよぉ。
目が覚めたらどう思うかなぁ、楽しみ。
わたしは汚れマックスなショーツにぐちゃびちょなスニーカーも全部着せてあげた。
人に服着せるのって案外大変で苦労したけどねぇ。
でもぉ、結構似あってますよぉ臭いますけどぉ。
さてさて、わたしは行きますか、自転車も貰って行きますねぇ。

「じゃあ、服ありがとうです」
わたしはさっそーとその場をあとにしたのでしたぁ。
65宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 07:05:41.09 ID:bibQVuz2


……

「は!? 何をいったい?」

鉄橋下でステッカーでデコられまくっているキャリーバッグを手に取った所で、俺は我に返った。
なんかすっかり行動がおかしい。
彩華との対峙の際に我を忘れてしまった後から、すっかりギャル電の様な思考に流されていた。
女生徒の服を奪って着込むなんて事をして、しかもその自分の姿にテンションを上げるとか何考えてたんだか。

このまま行くと俺は本気で不味いかも知れん。
ギャル電そのものになっちまうなんて事はご免だ。
さっさと事態を収集させないとな、糸口はさっき受信した電波だ。
この格好で新たな地に行けばいいんだよな。

新たな地って言う位だから、取りあえずはこの町を離れる事だろう。
とにかく今は流されない事だな。
俺は気を引き締めて駅に向う事にした。


…そう言えば金ってあったけ?

                                       〜続く?〜
66宿なし汚ギャルは電波系・2:2011/04/27(水) 07:16:15.89 ID:bibQVuz2
こんな感じで続き書いてみました。
香穂は電波ゆんゆんですw
根本先生はけっこう早いペースで精神浸食されてたりして大変です。
前回ではどの辺りが電波だったか伝わり辛かったですが、今回で題名の面目躍如ですw
で、実は今回はおまけも書いてみました。
こちらも気絶させられた後の彩華のお話なのですが、こちらもお付き合い頂けると幸いです。

67ギャルは電・2 おまけ:2011/04/27(水) 07:20:19.66 ID:bibQVuz2

「うう、きもち悪い、頭痛てー」
気が付くと私は道端の茂みで転がっていた。

「(あのるんぺん汚ギャル、一体何してくれたの?バチムカMAX〜っ!)」
私は身体を起こした、道端だったからなんか身体が痛くなってっしぃ。
そこでなんか違和感?

「(げろ、おいにーサックー、あのるんぺん女のじゃね?うげぇ〜リバりそう)」
あのるんぺん汚ギャルのおいにーの臭ささに鼻つまみしたんだけど、そしたらまた変なのに気付いた。

「あ?え?何この服??」
この服ってあのるんぺん汚ギャルのじゃね?
どうして私が着てんの?なにゆえ?
って言うか私の制服どこ?
どこも誰もいないし。

「(もしかしてパクられた?)」
慌てて前をめくってブラも確認するが、私んじゃなかった。

「くっそ、ラヴィジュのなのに」
もしかして下も?
サロペットを上げスパッツを下して見て見たら、やっぱ私のじゃ無くてココルルのロゴが入った見せパンはいてた。
私のオキニのランジェだったのに。
ちくしょー、今度会ったらボコってやる。
こんな事やるか普通?

私はムカつきながら、学校に戻ろうとしたんだけど自転車も無くて更にムカついた。
68ギャルは電・2 おまけ:2011/04/27(水) 07:24:51.90 ID:bibQVuz2

学校に戻ってきたはいいけどもう昼休み終わってるし。
かなりハラヘリでおなかペコってるんだけど。

「おいお前!」
うわ、先公だ。
あのザビってる頭は物理の遠野、あいつ説教マジ長いし。
逃げよ。

「まて!補導されてきた奴だろ?勝手に出歩くな」
あのるんぺん汚ギャルと間違ってんの?
サイアクぅ。
まあ、どっちにしろ面倒だし逃げるけど。

♪キンコーン カーンコーン

あ、5時間目終ったチャイム。
「(しめた。鬼ダッシュで教室に戻ってしまえばこっちのもん)」
私は遠野から逃げて自分の教室へ向った。
そしたら丁度、カナっち達が教室から出ってくるとこが見えた。

「おーい、カナっち〜」
声を掛けて合流しようとしたけど。
「うわぁ〜、さっきの汚ギャルだ!」
「あたしらも遣りに来たの!?」
「にげよ〜」
なんでか逃げて行っちゃった。

「だ〜か〜ら、私はさっきのるんぺん汚ギャルじゃなっての」
カナっち、うち等仲ラビッチだったじゃん、逃げないでよ。

さっきからこのカッコが悪いんだ。
マジでおいにーサックーでさげさげなんだけど。
着替えしたいけど、服ないし。
69ギャルは電・2 おまけ:2011/04/27(水) 07:29:10.09 ID:bibQVuz2

「おややぁ?こんなとこに居たんですかぁ?」
ん?この声は根本先生。

振り向けばやっぱりだ。
「あれ?先生じゃないですねぇ」
何だかカマっぽいしゃべりだけど、お姉キャラとかだったらキショイ。

先公の中ではわりとイケてる方だし、強引な奴だけど大人の余裕とか感じて気にいってんだけど。

「何言ってん根本、私が先生に見えるってかって〜の、フシアナってるんじゃない?」
「先生を呼び捨てにするな。まったくお前は。それにその格好はなんだ。制服ですらないだろうが」
あれ?いつもの感じ?

「好きで着てんじゃねーよ、こんなマックなダサいの。鼻もげる」
「そうか?俺はいいと思うぞ。学校では駄目だがな」
根本先生ってサーフ系のファッション好き?

「私は脱ぎたいんだよ」
マジでおいにーサックーMAXでリバりそうだし。ろくな事無いし。

「だったら、保健室にでも行くんだな。あそこには制服の予備あるから」
おおグッドニュース、根本先生サンクス。

「お前が指定通りの制服を着てくれると、生活指導としてこっちも助かるしな」
それはなんかビミョーにムカTk。
ってもこのままのカッコヤダし、保健室行くか。


結局この後、保健室でダサい制服に着替えて遅れて6時間目の授業に出させられたし。
ショーツは置いてたサニタリーの貰ったけど、ブラまでは無いからノーブラで過ごす事になったし。
お昼食べ損ねるし、服パクられるしで超サイアク。
カナっち達とも気まずいし。
今度会ったらあのるんぺん汚ギャル、マジぶっ殺っ!

                                              
                                               〜エンドってるし〜
70ギャルは電・2 おまけ:2011/04/27(水) 07:37:38.59 ID:bibQVuz2
何だか良く判らないものですいません。
ギャルの一人称で少し書いて見たかっただけなんです。
話の組み方もあれですが、上手くギャル語の表現も出来てないです^^;
やらない方が身のためですね。
あくまでおまけですから、流して頂けると。
まあ、彩華の中に香穂に対する怨恨が強く根付いてしまったって事で。
71名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 11:53:56.61 ID:q+WIk9mi
>>58
力仕事みたいな今まで「女子だから」で済まされてたことはやらなくちゃいけなくなるかと
72名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 18:00:16.82 ID:aw6At6Kl
>>52
>>59
両方ともGJ!
最近は投稿が充実してていいなぁ
そろそろ自分もなんか書かないと
73黒白の人:2011/04/28(木) 02:47:24.16 ID:lVIA9tZq
>>69
おおぅ! まさかの連日、いや隔日投下。乙です。
内容もなかなか楽しげになってきましたね。

>>72
もしかして、前スレのヲタ-ロリとか父-娘の人かな? いずれにしても期待してマス!

そして、ここで自分も「黒白」の続きをば。いわゆるH回です。
--------------------------------------------
 真奈実が自由を取り戻した(と言う言い方は語弊があるが)のは、女幹部が自室に戻り、「黒の魔装」を脱いで風呂に入ろうとした瞬間だった。
 唐突に女幹部な「真奈実」の身体から、「牢獄」に囚われた自分へと意識が戻る。
 見れば、壁の画面には、黒薔薇の花弁を浮かべて浴槽で満足げに己が裸身を磨きたてる「真奈実」の姿が映っていた。
 「あれ?」
 自由に動けないとは言え、久しぶりに暖かい風呂の感覚を味わえると思っていた真奈実は、元に戻った喜びよりも、咄嗟に不満の方を強く感じてしまう。
 「でも、どうして……」
 その疑問の答えはすぐに明らかになった。
 風呂から出た「真奈実」が、髪を梳り、裸身に念入りにパフュームを振りかけ、手足の爪を真紅のマニュキュアで飾りたて……。
 そして、出撃の直後なのに汚れの気配すら見えない「黒の魔装」を再度身に着けたところで、再び彼女の意識は「真奈実」の身体に囚われていたのだから。
 どうやら、あちらと同じ衣裳を着ていることが関係しているようだ。

 「真奈実」は、幹部としての正装に身を包みつつ、同時にどことなく「女」としての面を意識した身支度をしていたような印象があった。なんとなくソワソワしながら、時計らしきものを眺めていたが、しばらくすると足早に自室を出る。
 (! まさか……)
 そう言えば、先ほど今回の作戦の報告をした後、褒美の言葉とともに、総統様から部屋に誘われていなかっただろうか?
 男が女を自室に誘うということは……つまりは、「そういうコト」なのだろう。そもそも、総統様は、「真奈実」のことを「我がいとしき魔姫」なんて呼んで、寵愛してるみたいだったし。
 (って、えーーっ、そんなぁ……)
 事態を把握した彼女は、意識の中で困惑の声をあげたが……そこには思いのほか拒絶や嫌悪の色は少ない。
74黒の誘惑と白への回帰:2011/04/28(木) 02:48:12.04 ID:lVIA9tZq
 実は、彼女に男性経験はなかった。
 田舎にいた頃はそれなりにモテたのだが、その見栄っ張りな性格からいわゆる高嶺の花的に敬遠されていたし、逆に東京に出て来てからは、自分が井の中の蛙であったことを実感し、男性とのつきあいにも消極的だった。
 普段の「我がままでミーハーな珠城真奈実」という女性像は、ある種の虚勢でもあったのだ。しかし、こんな状態になってしまっては、そんな虚飾も今更だろう。

 さらに言えば、一方的で不本意な形ではあったが、彼女はここ数日(あるいは十数日?)この組織──いや、濁魔帝国DUSTYに所属する者たちとともに過ごし、彼らが決して血も涙もない、悪夢の化身ではないことを知ってしまった。
 十把一絡げの雑魚に見える戦闘員たちにも、それなりの個性や友情、同胞意識などはあるし、残虐非道な悪人に見えた幹部──獣魔参謀や鎧魔将にしても、実際に話してみれば人間臭い部分も多々見られる。
 特に、帝国のトップに立つ総統スカイゴワールは、部下という観点から見れば、高貴な威厳とカリスマ性、聡明さと決断力を兼ね備えた素晴らしい人物だった。
 あい変わらず素顔は見ていないが、声などから判断する限りまだ比較的若いと推察される総統は、彼女が抱く「王子様」のイメージに、ある意味もっとも合致する存在だった。
 その「憧れ」の相手に抱かれるということに、戸惑いはあったものの、ひとりの女としては決して嫌な気はしない……というのが、彼女の正直な気持ちだった。

 総統の私室に主の許可を得て入ると、そこには無粋な兜を脱いだ総統が、彼女の来訪を出迎えてくれた。
 兜に隠されていた総統の素顔は、彼女が想像していた以上に端麗で、その見事な金髪もあいまって、まるで太陽神(アポロン)、いや武女神(アテナ)のような威厳と美を両立させていた。
 「よく来たな、我が魔姫よ」
 その赤い唇から流れる声も中性的で、耳に心地よい。
 「……ふむ。いつまでも、そう呼びかけるのも無粋か。よし、新たな「器」を得たそなたにふさわしい魔名(マナ)と二つ名を、余から贈ろう」

 ──総統自ら名付け親となって、新たな、あたくしだけの名前を戴ける!
 「真奈実」の心が歓喜に奮え慄く様が、彼女にも伝わる。
 その熱狂は、ともすれば彼女の心にまで伝染し、冷静さを失わずにはいられないだけの熱さが込められていた。
 「そうだな。生まれ変わったそなたは……エシュベイン。「魔妾姫エシュベイン」と名乗るがよい」
 エシュベイン! 何と甘美な響きなのだろう!!
 その名が、かの御方の口から発せられただけで、「真奈実」は背筋が震えるのを感じる。
 そして、二つ名は「魔妾姫」。かつての「器」が「魔隷姫」と呼ばれ、しょせんは「奴隷」にしか過ぎなかったのに対して、自分は「愛妾」として遇して下さるということの証……。
 そう思っただけで、「真奈実」、いや魔妾姫エシュベインの心と体は至高の幸福感に満たされていく。
 そして、あまりに大き過ぎるその法悦は、同じ身体に存在する彼女の心までも浸食し、ふわふわした多幸感に染め上げていった。
 「嗚呼……有難き幸せです、総帥閣下」
 敬愛する総統の足元に膝まづき、熱い吐息とともにそんな感謝の言葉を述べたのが、エシュベインなのか自分なのか、もはや彼女にもわからなかった。
75黒の誘惑と白への回帰:2011/04/28(木) 02:48:39.37 ID:lVIA9tZq
 「ふふふ、エシュベイン、愛い奴よ」
 くたりと力の入らぬ身体を軽々と抱き上げられ唇を奪われても、彼女も、抵抗しようとは思わなかった。むしろ、こちらから唇を押しつけ、積極的に舌を絡める。
 その行動すら、もはや自分の意志なのか魔妾姫の意志なのか定かではない。なぜなら、確かに彼女自身も、そうすることを望んでいたからだ。

 だから、総統が武骨な鎧を外し、その下から引きしまった筋肉質の肉体が現れ、同時にその胸や尻の形状がどう見ても豊満な女性のそれであることを知っても、彼女の心に動揺はない。
 むしろ、そのギリシャ彫刻のような美しさに感嘆し、称賛の溜息を漏らすばかりだ。
 「あぁ……素敵ですわ、総帥閣下」
 熱浮かされたような魔妾姫の身体を抱き寄せながら、総統は囁く。
 「スカイと呼ぶがよい。この部屋に限り、そなたに我が魔名を呼ぶことを赦そう、エシュ」
 至尊の御方より私室でその名を呼ぶことを許され、さらには愛称で呼ばれるとは、女としてどれほどの栄誉、そして喜びなのか!

 慣れた手つきで、マントと上着を脱がされ、そのまま寝台に横たえられる魔妾姫。ブーツに関しては、総統のベッドを汚してしまう……と危惧しただけで、自然に足から脱げ落ちた。
 肌に貼り付くボディスーツで締め付けられているせいか、あるいはここ数日で本当に成長したのか、以前より格段に大きく形よく見える彼女の乳房を、スカイゴワールが布越しに優しく揉みほぐす。ボディスーツの下で乳首がピンと勃っていくのがわかった。
 「ああン……」
 さらに、総帥の右手の親指の腹が、魔妾姫のピンと尖った乳首を弄ぶ。自らも同じ体組織を備えるが故の巧みにツボを突いたその手つきに、たちまち彼女の息が荒くなっていった。
 胸ばかりではなく、髪やうなじ、脇腹など、女の弱い部分、触れて欲しい部分を、総帥の唇は的確に愛撫していく。
 また、胸を重点的に責める右手に対して左手は、女幹部のなだらかな腹部やまろやかなヒップの辺りを彷徨う。
 「ひ、ひゃぁあン! す、スカイさまぁ……」
 内腿のあたりまで来たところで、「いよいよか」と言う期待を外され、涙目になる魔妾姫。
 「ははは、よいよい。可愛いぞ、エシュ」
 耳を甘噛みされながら、そんなことを言われては、羞恥と歓喜に気が狂いそうになる。
 「そなたがあまりに、愛らしいので、もう余も我慢ができぬようだ」
 「ハァハァ……ど、どうぞ……あたくしめの、身体も心も……全て、スカイゴワール様のモノでございます……存分にご賞味ください…………はぅン!」
 それを口にしたのは、果たして魔妾姫か、それとも彼女自身か。
 「うむ、よくぞ申した」
 総帥は、鎧の下に着込んでいたチュニックとショーツを脱ぎ捨て、一糸まとわぬ裸身となる。
 「ぁあ……その、お姿は……」
 彼女の視線は、総帥の下半身に釘付けとなる。何となれば、そこに備わった女陰の亀裂をメリメリと押し開いて、本来男性の股間に備わっているべき極太の肉竿が生えていたのだから。
76黒の誘惑と白への回帰:2011/04/28(木) 02:49:57.67 ID:lVIA9tZq
 「余は、女にして男、男にして女なる存在。エシュよ、我が寵愛……受け入れてくれるな?」
 甘く優しい、けれど断られることなど微塵も考えていないその言葉に、気が付けば彼女はコクンと頷いていた。
 そればかりか彼女は、身に着けたボディスーツのクロッチ部分を震える指先でズラし、自らのソコを露わにする。
 「はい、もちろんでございます。あたくしめに、どうかお情けを……」

 ──ズブリ……!
 彼女がその言葉を口にし終わる前に、両性具有の総帥の陽根が、魔妾姫の秘裂に突き込まれていた。
 「あ……ああっ……スカイさま……あのっ、な……なんか……」
 確かに彼女は初めてのはずなのに、あまり痛みらしい痛みを感じない。
 「フッ……痛みがないのが不思議か? 種明かしすれば、そなたが着ている魔装と、自在に変形する余のモノのおかげよ」
 確かに総帥の肉棒は、先程見た時よりもずっと細く、また長くなって彼女の膣口へと忍び込んでいる。
 また、「黒の魔装」には着用者に加わる痛みをある程度カットする機能があることを、彼女は「思い出した」。
 そのふたつの相乗作用によって、今の彼女は処女膜を喪失したばかりの身でありながら、純粋に膣内に加えられる快楽の刺激だけを受け取ることができるのだ。
 「んうぅ……スカイさまぁ! もっと……きもちよく……ふあっ!」
 はしたなくせがんじゃ駄目。この交わりは、あたくしではなく、スカイゴワールさまを気持ちよくするためのものなのだから。
そんな彼女の想いを察したのか、総帥は笑いながら自らの愛妾に告げる。
 「んんっ……大丈夫。我慢しないで、そのまま感じるがよい。感じているそなたが、いちばん可愛いからな」
 優しいその言葉に彼女は頭が沸騰しそうになる。
 心と体の両面から愛でられ、たちまち昇り詰めていく。
 「あぁ……すかいさまっ……ああ……も、もう……あたくし……いくっ……いってしまいますぅ!」
「く……あぁっ……いけ、エシュっ、余も、今……くぁっ、ううっ……」
 ふたりの身体がぶつかりあい、痙攣し、跳ねる。
 クグッと総帥の肉棒が、自らの胎内の最奥部まで侵入し、先端をコツコツと子宮口を叩いているのが、彼女には分かった。
 頭のてっぺんからつま先までがまるで痺れたように快感に打ち震えている。
 「はぁ……あああ……」
 頭が真っ白になってきた。もはや、何も考えられない。
77黒の誘惑と白への回帰:2011/04/28(木) 02:51:24.19 ID:lVIA9tZq
 「ああ……スカイ……さま……エシュは…えしゅはぁああ……」
 「うっ……出すぞ、エシュ。余の子種を受け取るがよいっ!」
 「はいッ! ください、スカイさま、貴方様の白くて濃いのをいっぱいいっぱい…あっ、あっ、ああぁぁぁーーーーーーッ」
 ビュクッ、ビュクッ、と精液が子宮へ注ぎ込まれているのを感じる。
 「はぁ……でて……る。あたくしの、おなかの中に、いっぱい……」
 初めて経験する性交の、そのあまりの気持ち良さに半ば気を喪いながら、それでも、彼女は無意識に脚を、総帥の腰に絡め、一滴たりともその精を逃すまいとしていた。

 ふと気が付けば、彼女は自らの意思で動けるようになっていた。
 もっとも、両性の総統の美麗ながらたくましい体にのしかかられ、また自らも悦楽の余韻に、未だほとんど力が入らない状況ではあったが。
 (あたしは……いえ、あたくしは……)
 それでも、その気になれば、スカイゴワールを突き飛ばして逃げることも出来たかもしれない。が、彼女は、そうしなかった。
 代わりに、自らを本当の意味で「女」にした人物に、甘えるように体を摺り寄せる。
 (あたくしは……魔妾姫エシュベイン。濁魔帝国DUSTYの三幹部のひとりにして、スカイゴワール様の愛妾……)
 それが、彼女──かつて珠城真奈実と呼ばれていた女性の出した答えだった。

#うーむ、Hシーンで予想外に文字数をとられました。やはり、エピローグ(黒と白の対峙)は、次回持ち越しです。
#そのわりにエロくない罠。少なくともエロ作家になる才能はないな。
78名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 10:02:42.83 ID:k1KatqAj
>>ギャル電
乙。
彩華を気絶させて脱がした時点で、てっきり「キャバ系お嬢」
としての彩華の立場と入れ替わるのかと思ったが……
全然そんなことはなかったぜ!
しかし、主人公がどんどん他者の立場を奪い、そのせいで
トコロテン式に周囲の立場がズレていく話もいいかもしれん。

>>黒白
こちらも乙。
ついに完堕ちか? 十分エロい。
でも、ココより悪堕ちスレ向きかも。
79名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 01:30:53.95 ID:9YV6Cbkz
続・とあるお屋敷 その3を投稿しに来ました。
そして投稿前にレス返しです。

>>71
力仕事ですか、なるほど。
ジェンダー教育を謳ったってしまうと少々入り組むので、情操教育を目的とした「思いやり学習」と言うカリキュラムで
男女の生徒が入れ替わり体験をすると言うのを考えて見ましたがどうでしょう?
ある日呼び出された一組の男女が、その学習として外見はそのままで身体能力や生理機能が入れ替えられて、
周囲の認識は変わっていないが、解かっていて周りも入れ替わった立場の方で接してくると言った感じで。
身の回りのものもすべて交換させるので、家や家族も交換相手のものとなります。
それで男子には生理の大変さや女子としての身嗜みや体面を保つ大変さを体験してもらい、
逆に女子には運動系の部活でかなりしごかれたり、厳しい先輩との縦社会の付き合いとか、
あと男子の沸き上がる性欲求に翻弄されたりする。
といった内容を入れたプロットを考えて見ました。
如何でしょうか?

>>72
GJありがとうございます。
下手なりにどうにか書かせてもらってますので、よろしくお願いします。
作品楽しみにお待ちしています。
このスレを盛り上げて行きましょう。

>>73
何気にギャル電の続きを書いてあったのですが、こんなに早く出来上がって投稿出来るとは自分でも思いませんでした。
ある意味怪我の功名ですかねw
ギャル電は勢いだけで書いてる節がありますが、それはそれで楽しいですw

>>78
労いの言葉ありがとうございます。
実は最初に書いた時は彩華の立場を乗っ取っちゃうパターンでったんですよ。
で、おまけも彩華は何故か香穂として扱われて流されつつも最後にどう言う事なの?って困惑して終る話だったんですが、
それをすると根本先生の立ち位置と言うか記憶の方がややこしくなるので止めたのです。
もしかして名残があって解かりました?
玉突き式に立場を入れ替えて行くお話し、おもしろそうで読んでみたいです。

>『黒の誘惑と白への回帰』
エロいです。エロエロです。エロエロエロですw(しつこい)
いや、本当に官能表現がナイスです。
まさに堕ちたと言った感じで。
次回のエピローグに期待です。


以上です。
では作品を投稿しますのでお付き合いの程を
80続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:34:44.38 ID:9YV6Cbkz

「母上!?」

温室に現れた人物、それは遥人の母親であった。
そして横にはお傍付きのメイドが温室のドアを開け控えていた。

「あらまあ、似合っていますわね遥人」

遥人を見て開口一番そんな言葉を口にする。
遥人の母親はとてもおっとした人物だ。
それはそのまま雰囲気に表れており、ほんわかした空気をいつもまとっている。

「奥様、段差にお気を付け下さいませ」

手を差し伸べエスコートするメイドは、紗雪(さゆき)と言い遥人の母親とは対照的にクールビューティーな雰囲気を持つ。

「あの、母上、これには少々事情が」

遥人は焦りながら今の状況を説明しようとするが、対する遥人の母親は特に気にも留めていない様でふんわりとした笑顔で答える。

「存じておりましてよ。今日は遥人と雛子さんが入れ替わっているのでしょう?」

そのもの事実を言い当てられ言葉を無くす遥人。

「お誕生祝いでしているのですってね。なんだか楽しいですわね」

事情が全部知れているのをみて思わず雛子の方を見る遥人。
雛子はただ悪戯な笑みを浮かべるだけだ。

「坊ちゃま、この事は屋敷中の者がすでに存じておりますので。そもそもが奥様と雛子のお戯れなのですから」
困惑する遥人に紗雪がそっと説明をする。

「あらダメですわよ紗雪さん。わたくしの事までばらしてしまっては」
遥人の母親は楽しそうに言う。

まるで少女の様な笑み。
もともと外見が若く40を過ぎている風には到底見えない遥人の母だが、あどけなく笑うその様はいっそ幼い様な印象すら受ける。
童顔と言われる遥人だが、その顔は完全に母親似であり紛れもなくベビーフェイスは母親譲りなのだ。
81続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:37:36.27 ID:9YV6Cbkz

「母上まで一緒になっていたのですか?」
「そうですのよ遥人。いいえ、今は雛子さんとお呼びしなければいけませんわね」

遥人は頭を抱えたくなった。
そう言えば母はこう言う人だったと。
ほんわか温かな雰囲気は母性を感じさせるし、普段の立ち振る舞いも優雅で気品がある。
だが昔から少々茶目っ気がでると、よくよく人を巻き込む性格でもあるのだ。
遥人も小さい頃からいろいろ被害にあったものだ。
例をあげるときりがないので詳しい事は割愛させて頂く。

しかしながら母親が主謀者の一人なら、遥人も雛子を演じるのを続けなければならないとい言うもの。
だいぶ割り切ったとは言え、雛子以外の人物の前で演じるにはやはり恥ずかしい。

「これは母上様、温室の様子をご覧になりにいらしたのですね」

躊躇っている遥人を見て雛子が遥人の母親に声を掛ける。
もちろんあのオーバーアクションも付けてだ。

「あらあら、まあまあ、今日の遥人はひと味違いますのね」

それを見て喜ぶ遥人の母親。

「そう、俺は昨日までの遥人ではないのです。今日の俺は貴公子、白薔薇の貴公子遥人となったのです」

キランと効果音すら聞こえてきそうな決めポーズで、白薔薇を遥人の母親に差し出す雛子。
もう完全に悪ノリだ。

「あらまあ、素敵な貴公子様ですわね。それでは白薔薇の貴公子様、ご一緒にお茶などいかかでございましょうか?」
「光栄に御座います。それではお茶はこちらで用意致しましょう。雛子お茶の用意を」
決めポーズで指示を出す雛子。

「はい、かしこまりました」

言われ遥人は取りあえず返事をして見たものの、お茶の道具など用意はしておらず戸惑う。

「坊ちゃま、道具はこちらに」

そこへ紗雪が耳打ちし茶具の入ったカゴを見せた。
最初から温室でお茶をする計画だったのだろう。
もともと遥人の紅茶の作法は母親にここで仕込まれたものである、
なのでメイド姿の遥人にお茶の給仕をさせようと考えるのは解かりやすい流れだ。
もうこうなれば遥人としてもノリを崩さず対応するしかない。

82続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:43:12.87 ID:9YV6Cbkz

「では、ご用意致しますので薔薇の花など愛でつつお待ち下さいませ」

紗雪よりカゴを受け取り、母親と雛子の方を向き一礼すると遥人は温室に付いている簡易キッチンに向う。
そう、この温室には何故か簡易キッチンが備わっている。
遥人の母親が温室でお茶をしたいと望んだ事から備わったのだ。

「紗雪さん、雛子さんのお手伝いをお願い致しますわ」
「仰せつかわりました」
紗雪も後に続く。

勝手知ったるなんとやらで、
遥人は簡易キッチンのカバーを外しキャビネットよりケトルとおしゃれなカセットコンロを取り出しセットする。

水はカゴから取り出した硬水のペットボトルのものを使用した。
これは母親が英国式にこだわる為だ、ここの水道は軟水になっている。

実際の所は軟水の方がおいしい紅茶が入れられるのだが、
それには技術がいるし間違うと美味しくないものが出来上がってしまったりもする。
ならば硬水が駄目かと言うと、ミネラルの多い硬水ならば必要以上に濃くなりにくく、
茶葉の量や抽出時間の気を使う必要はあまり無いため、ほぼ一定の味となる利点がある。

むろん遥人に技術がない訳でもなく、軟水を使用しより美味しい紅茶を作る事も出来る。
事実朝には軟水で雛子に美味しい紅茶を出しているのだから。

何故硬水を使うのかと言われれば、お茶は美味しさだけを求めるものではなく、
好みに合わせる持て成しがあってこそのものなのだと、そう遥人の母親は教えてくれていたからだ。

「坊ちゃま、私はテーブルのセッティングをしてまいります。それと今からは奥様にならい坊ちゃまを雛子として対応させて頂きますのでご了承を」
紗雪は至極真面目に遥人に告げ、テーブルに向う。

この紗雪と言うメイドは普段よりほとんど笑う事がない。
だがそれゆえに毅然とした態度は厳かさと品において他の追随を許さないとも周囲より評価を受けている。
雛子も同じお傍付きメイドと言う職種から密かに憧れを持つほどだ。

紗雪は遥人の母親がこの屋敷に来る前は遥人の父親のお傍付きメイドをしており、
年の頃もどう計算してもアラフォーなはずだが、年齢不詳さでは遥人の母親と良い勝負だ。
当然遥人の事は生まれた時から知っており、遥人にとっては叔母の様な存在でもある。

「紗雪さん、相変わらず手際良いな。あれってもう手品の領域だよ」

紗雪がスッとテーブルクロスを広げると一挙動でそれは皺も弛みも無く敷かれており、
次の動作では音も無くソーサーとティーカップが準備されていた。
お茶請けのスコーンも用意され、そこにメープルハニーにマーマレード、アップルジャムが小鉢で添えられている。
まったく無駄な動きが無い。
天衣無縫とはこの事だろう。
83続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:45:59.01 ID:9YV6Cbkz

「雛子、お茶の方はどうですか?」

あっという間にセッティングを整えた紗雪が遥人に声を掛ける。

「あと3分ほどでお湯が沸きます」
「そうですか。ではその間に雛子には一つ良い事を教えておきます」

それは文字通りの事か、それとも注意なのかは、その表情からは伺えない。
遥人は思わず緊張してしまう。

「奥様はマシュマロを使ったウィンナーティーが大好きです。
そこに星形にくり抜いたナッツやスプレーチョコをトッピングするのをいたく気に入っておいでなのです」
「そうなのですか?」
「察しておいでなさい」

紗雪の言わんとする事は、つまり母親と今度お茶をする際には遥人がそれを作ってあげてほしいと言う事なのだろう。
屋敷の奥方にとってお茶会は立派な仕事であり、体面を保つためにどうしても見栄は必要である。
そう言ったお茶など出せるはずもない。
だから偶の身内とのお茶会ではと言う事なのだろう。

何故にそんな事を今言うのかと言えば、お茶の事に関し使用人は口出し無用と仕来りにあるからで、
今なら遥人は雛子なので提言しても問題ないと判断した為だ。
お屋敷のお茶会は全て主人かそれに連なる者が仕切る事になっているのだ。
いちいちなんでも面倒なのだが、それが格式と言うものらしい。

「紗雪さん、お湯が沸きましたので奥様達をお呼び願えますか?」
「分りました」
84続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:49:14.44 ID:9YV6Cbkz


紗雪の案内で母親と雛子は席に着いていた。
母親と雛子は期待顔である。

さて、ここからが遥人の腕の見せどころだ。
紅茶を入れる為にまずティーカップをソーサーごと右手で持つと左手はティーポットを持つ。

普通に淹れるならティーカップを手に持つ事はしないのだが、
遥人がやろうとしている淹れ方は普通とはひと味違うのだ。
そのままティーカップの乗ったソーサーを下の方に下げ、ティーポットを右に高く掲げる。
足をクロスし背筋が多少反る様な姿勢で一瞬止める。
その姿はバレエのポーズのクロワゼに近い。

そしてその高さから、ティーポットを傾けるときれいな放物線を描いて一筋の紅が流れてれカップに注がれていった。
カップに紅茶が満たされるとターンを切り母親の前に置き、
今度は雛子の前のティーカップをソーサーごと手に取ると同じ様に紅茶を注ぐ。
少し行儀が悪い様に思えるがその動きはあくまで優雅だ。

一見ただのパフォーマンスに見える高い所からの注ぎ方だが、実はこれにも意味はある。
高い所から勢いよく注ぐ事によってカップに入る際に強く当たり、その時にお茶の中に空気が多く混ざるのだ。
それにより、硬水だったものがまろやかになり口当たりが良くなるのである。

ちなみに軟水で行う場合は、一杯目と二杯目で紅茶の濃さが違ってくるので調整が難しかったりする。
この技は極めると紅茶を注ぐ際に虹が見えるそうだが、遥人はそこまででは無い。

「どうぞ」

遥人は最後に一礼を行う。

「おお〜」
「雛子さん、なかなかのお手前ですわね」

遥人の妙技に思わず雛子は拍手を送っている。
母親も満足そうだ。
85続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 01:53:48.95 ID:9YV6Cbkz

「でも雛子さん、最後の礼は少し違っていましてよ。
スカートなのですから裾をもってレヴァランス(上体を傾けまたは膝を曲げてするお辞儀)ですわ」

母親が言うのは良く舞踏会などでドレスの女性がするあのお辞儀の事だ。

「失礼しました」

いかにもな女性的仕種を強いられ、遥人は恥ずかしながらもスカートの裾を持ちお辞儀をしなおす。

「改めましてどうぞ」
少し照れているのか顔が赤い。

「素晴らしいですわ」
「グッジョブよ!」

よほど気に入ったらしく、母親と雛子はとても嬉しそうだ。
遥人は照れながらもそのまま紗雪の隣まで下がるとそこに控えた。

後は二人のお茶会である。
雛子はまたあの大げさな演技で遥人をやっており、母親もそれを楽しんでいる。

「エクセレント!このスコーンは最高だよ」
「まあ、そのスコーンは紗雪さんに作って頂いたのですわよ」
「マーベラス! 紗雪さん」
「はい。何でしょう?」

呼ばれた紗雪が返事をする。

「こんな素晴らしいスコーンを焼ける貴女は素晴らしい。俺と結婚して下さい!」

その雛子の声に思わず慌てたのは遥人だ。

「雛子!?」
思わず前に出ようとしてスカートに足を取られ転びそうになる。
「落ち着くのです」
言われた紗雪は居たって平然としており、転びそうな遥人を支えてくれていた。

「あらあら、困りましたね。遥人が言いますならそれも出来ますが、少々ややこしいですわよ?」
代わりに答えたのは母親だ。

「紗雪さんは先々代の当主の娘に当たりますから、あの人にとっては年下の叔母に当たるのですわよ。遥人にして見ますと伯叔祖母になりますわね」

これには寝耳に水である。

「知らなかった」

お屋敷の人間相関図とは得てして複雑だったりするものだ。
86続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 02:04:14.29 ID:9YV6Cbkz

「母上、先々代はどのようなお方だったのですか?」
雛子は興味を抱いた様で質問をする。

「そうですわね。わたくしがお屋敷に来た時には既に隠居されて居られたようですが、何でも愛多き御人だったそうですわよ。
紗雪さんはご存じありませんの?」

話をふられ紗雪が答える。
「申し訳ございません。私も先々代様の事は記憶にあまり無く。ただいつも女性に囲まれていた様に思えます」

要するに女好きだったのだろうか。
以外に紗雪の様な人物があちこちに居るのかもしれない。

「母上、決めました。俺は先々代の様な人物になります。手始めに雛子を自分のものにして見せますよ」
「ちょっと、それは無し」
「落ち着きなさい雛子」
「あらあら、まあまあ」

あの雛子クオリティーで突拍子もない事を宣言する雛子に、取り乱してまた紗雪に助けられる遥人に、その状況を楽しむ母親。
賑やかなお茶の時間だった。
この後も事ある事に雛子は遥人をからかい、紗雪がなだめ、母親がそれを見て嬉しそうにすると言った光景が続き、
あっという間に時間は過ぎた。

母親は屋敷に引き上げようとしており、遥人と雛子はそれを見送ってから自分たちも戻る事にする。
遥人にとって長い一日はまだまだ終らないが、一区切りは着いた様な気がした。

「坊ちゃま」

温室を出ようとする紗雪が不意に遥人に耳打ちしてきた。
何かあるのかと遥人も真剣に耳を傾けると、紗雪はいたって厳かに言う。

「坊ちゃまから、雛子の香りがいたしますよ。坊ちゃまの香りと合わさってとても可愛らしい乙女の様な香りになっています」

その言葉に赤面して固まる遥人。
つい忘れていたが、遥人は雛子が脱いだメイド服を下着を含めて着ていたのだ。
わざわざ匂いが付くようにと、汗をかいて染みている状態でのものをだ。
今更になって他人に指摘されると恥ずかしいでは済まないほど動揺もする。

「とても可憐です」

そう言い残すと紗雪はその場を離れて行った。
遥人は固まったまま母親と紗雪を見送り、雛子に声を掛けられるまでその後もしばらくそのままだったと言う。
存外に紗雪もなかなかにお茶目であった。


                                                         〜続く〜
87続・そこはとあるお屋敷 その3:2011/04/29(金) 02:20:32.08 ID:9YV6Cbkz
キャラクターも増えました。
遥人の周りの女性はみんなこんな感じです。
遥人がそう言うオーラを出してるせいでしょうかw
紅茶に関しては諸説いろいろあるでしょうが、
取りあえず私は紅茶好きなのでその辺はいくらでも突っ込み可です。
遥人がやっている妙技ですが軟水を使うなら、
ティーポットじゃなくてメリオール(喫茶店とかで出たりする円筒状のアレです)使えば濃さにムラは出来ませんよ。
でも妙な技って事なのでやる人なんてそうそういませんがw
私も練習した事ありますが、結構失敗しますw

このお話は本当に自分が好きなだけで書いているので、また投稿した際にもあたたかく見て頂けると幸いです。
この度もありがとう御座いました。
88名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 02:52:14.86 ID:d7D/ctrM
>>79
乙です!
入れ替わった二人ペアに視点を当てるとしても学年全員規模で入れ替わるって前提があった方がより異常な状況になって面白いかと
89黒白の人:2011/04/29(金) 17:24:35.33 ID:NvMRWYAi
>78,79
エロ認定どうもw こういう描写には四苦八苦してるんですが、自分では「うーん?」って感じなので、他の方からの評価はありがたいっス。

>続屋敷3

早速キタコレ! 予想外に早かった続きに感激です。
しかも、自分も50の人と同様、屋敷内全バレを望んでたので、この展開は、まさに俺得!。
「雛子」になってる遥人くんが、屋敷の皆に見守られつつ、色々メイドっぽいことやらされるといいなぁ〜。
(今回の事に味をしめた母親が、月1回「メイドの日」を作って息子に自分付きメイドをさせる──とかだと、美味しいかも)

なお、「黒白」エピローグは、今晩あたりに投下する予定です。
90黒白の人:2011/04/29(金) 20:53:21.25 ID:NvMRWYAi
#それでは、やや蛇足感も否めない「黒白」の終章、投下します。

<エピローグ>
 「くそっ、どうしてこんなコトに……」
 浄魔部隊エクサイザーズのリーダー、穂村憲一ことルビーフレイムは歯噛みしていた。
 彼らの秘密基地は、宿敵たるDUSTYの急襲を受け、すでに一般警備員による第一次防衛線は突破されていた。
 幸いにしてこの第二次防衛線には、彼らエクサイザーズの3人が駆け付けたため、何とか持ちこたえてはいるが、敵の数が多い上に厄介な相手がいるため、このままではジリ貧だった。
 「オーホホホホ! あなた方も愚かですわねぇ。我々にとっくに場所を知られている秘密基地に、ロクに警戒もせず居座り続けているだな・ん・て」
 高笑いと共に、敵の指揮官らしき黒衣の女性が癇に障る物言いでコチラを挑発してくる。
 その姿は、パッと見はかつてエクサイザーズと死闘を繰り広げていた女幹部・魔隷姫サブキュースによく似ていた。
 ただし、サブキュースの額当ては金属製で2本の角のようなものが左右に付いていたが、この女性が頭部に被っているそれは、茶褐色のどことなく有機的な素材から出来ており、何より角が左右、そして額中央部の3ヵ所から突き出ている。
 また、サブキュースが杖と指輪を装備した魔術師タイプだったのに対して、彼女は闇が実体化したような漆黒の長い鞭を得物としているようだ。
 「お前は!? パール…珠城なんだろ? どうして……いや、聞くまでもないか。DUSTYの洗脳を受けたんだな」
 炎の戦士に相応しく熱血漢なフレイムは、ギリッと奥歯を噛みしめる。
 「チッ、悪い予想が当たっちまったな、馬鹿ストームめ」
 「珠城さん……正気に戻って!」
 戦闘員達を強引に押し返したオーシャンとガイアが戻って来て、フレイムの左右で身構える。
 「フフフ……珠城? パール? いったい、誰のことかしら。あたくしは、濁魔帝国DUSTYの三幹部のひとり、魔妾姫エシュベイン。この高貴なる名を、しかとその哀れな脳味噌に刻み込みなさいッ!」
 エシュベインと名乗る女性が、ヒュンッと軽くその闇の鞭を振るっただけで、カマイタチのような衝撃波が発生して、エクサイザーズの3人を打ちすえる。
 「ぐぅ……」「イテテ!」「はぅっ」
 致命傷とは程遠いが、exスーツ越しなのに骨まで響くようなダメージを食らい、3人が呻く。不意を突かれたとは言え驚くべき威力だった。
 「それと……何か勘違いしているようですわね。あたくしは、自分の意志で偉大なる総統閣下に忠誠を誓っておりますのよ」
 男女問わず目を見張るような妖艶さと、見ているだけで圧迫感を感じずにいられない程の威圧感。ある意味、両立し難いふたつの要素を、エシュベインは兼ね備えていた。
 その両目からは、DUSTY総統への確たる忠義心と強い意思が見てとれる。
 いずれも、密かにワガママで残念なドジっ子扱いされていたパールストームとは、およそ縁の遠い資質だった。
 「──本当に、あの女性、珠城さんなのでしょうか?」
 「まぁ、悪堕ちしたヒロインが強力なボスキャラになるってのは、ある意味お約束とも言えるけどなぁ」
 「──いずれにしても、ここは全力でアイツを倒すしかない。
 いくぞ、オーシャン! ガイア!」
 「「了解っ!」」
91黒の誘惑と白への回帰:2011/04/29(金) 20:54:02.32 ID:NvMRWYAi

 * * * 

 魔妾姫エシュベインは内心驚いていた。
 フレイム達3人の戦闘能力は、半月前サブキュースが倒された時と比べても、格段に進化していた。
 おそらくは、パールストームが抜けた穴を3人で補えるよう、必死にトレーニングを重ねたのだろう。exスーツにも随所に改造の痕跡が窺える。
 しかし。
 そのパワーアップした彼らの動きでさえ、今の彼女には余裕で見切ることが可能だった。

 敬愛するスカイゴワールの言葉が脳裏に甦る。
 「そなたが十全に力を発揮できなかったのは、そなたの責任ではない。むしろ、霊的ポテンシャルに関して言えば、サブキュースは元より、エクサイザーズの他の3人の誰よりも高いのだから」
 それでは、何故かつての自分──パールストームは、あれほどヘッポコだったのだろう?
 「ふむ。ひと言で言えば、適性と方向性の問題だな。そなたの力の方向は、無理に矯めず鎮めず、心の赴くままに解放してこそ、真価を発揮する。
 嵐や竜巻を人が無理に押さえつけ、制御しようとしても、どこかで無理が生じるようなものだ。
 だからこそ、下手なしがらみで雁字搦めになっていた自らの心を、余の配下として解放したそなたは、潜在能力を一気に開花させることができたのだ」

 (嗚呼、やはり総帥閣下は正しかったのですわ!)
 かつてコンプレックスをもたらした同僚達と、3対1でさえ優位に戦い、追い詰めているという実感は、エシュベインの背筋にゾクゾクするような興奮をもたらした。
 「オーホホホ…やはり3人では、この程度ですの?」
 そうだ。半人前扱いしていた自分の抜けた穴の大きさへの後悔と、その半人前だったはずの女の力に蹂躙される無念を、思う存分噛みしめるがいい!
 「レベルを上げて物理で殴る」というのは、もっともシンプルで芸のないRPGの攻略法だが、だからこそ有効な手段でもある。隔絶した実力差は多少の小細工では覆せないものだ。
 今のエシュベインは、まさにそれに近い状態だった。
 さして力も込めていないように無造作に振るわれる闇の鞭の衝撃波が、恐るべきスピードと連続性で、エクサイザーズにダメージを与えていくのだ。
 国内有数の剣術家であるフレイムや、武僧のハシクレであるオーシャンはともかく、女性かつ後衛タイプのガイアは、そろそろ限界だろう。
 「フフッ、ご安心なさい。今日のところはご挨拶のつもりでしたから、皆さんを殺しはしませんわ。もっとも、この基地に関しては、徹底的に……」
 脳裏に感じる予感に、言葉を切って、シュタッと3メートル程跳びすさるエシュベイン。
92黒の誘惑と白への回帰:2011/04/29(金) 20:54:30.26 ID:NvMRWYAi
 ──シャッ! ……ボムッッッ!!

 間一髪、一瞬前まで彼女がいた場所に矢が突き刺さり、同時に込められた霊気が爆発する。
 「皆さん、無事ですか!?」
 そこに現れたのは、純白のexスーツをまとう女戦士。
 背中からは光の翼が生えて、2メートルほど宙に浮いているようだ。
 かつてのパールストームも白を基調としていたが、あれが「絵具の白」だとすれば、こちらの印象は、まさに「白い光」そのものだった。
 「クッ、何者!?」
 「わたしは……エア。エクサイザーズの風の戦士ダイヤモンドエアです!」
 鋭く睨みつけるエシュベインの誰何にも、臆すことなく白の戦士──ダイヤモンドエアが答える。
 「姉さん……」
 「ははっ、騎兵隊参上、ってか?」
 「助かりました、さや…じゃなくてエア!」
 エアとエシュベインが睨み合っているうちに、他の3人も体勢を立て直し、エアの元へ合流する。

 久しぶりに4色4人揃ったエクサイザーズを見て、エシュベインの中に僅かに残った真奈実としての部分が、微かな郷愁を感じる。
 だが──あの4人の輪の中に、もはや真奈実の居場所はない。
 地水火風の「風」のポジションは、あのダイヤモンドエアと名乗った女に奪われたのだ。おそらく、彼女の正体は、かつてサブキュースとして操られていた憲一の姉なのだろう。
 そして……逆に現在は、自分がDUSTYの魔姫としての立場にいる。
 ある意味、最後の拠所(みれん)が完全に打ち砕かれたとも言えるわけで、ほんの一瞬だけ瞳に切なげな色を浮かべたものの、二三度まばたきすると、彼女はすっかりエシュベインとしての表情を取り戻していた。
 運命とは皮肉なものだが、後悔する気は微塵もない。
 「──あら、ようやっと4人揃いましたの。これで少しは歯応えのある戦いが……」
 できるのかしら、と続ける前に、エシュベインに総統からの撤退を促す思念波が届いた。
 「あなた達、どうやら悪運だけは強いみたいですわね。今日のところはこれで引いて差し上げますわ」
 シュンシュンと風のような速さで、エクサイザーズと距離をとる黒衣の女幹部。
 「ま、待て、パール!」
 「言ったでしょう。あたくしの名は、魔妾姫エシュベイン。エクサイザーズの皆さん、また近いうちにお会いしましょう。それでは……ご機嫌よう」
 軽く一礼し、マントをばさりと翻すエシュベイン。
 次の瞬間、一陣の風とともに、その姿は消え失せていた。
93黒の誘惑と白への回帰:2011/04/29(金) 20:54:53.66 ID:NvMRWYAi
 「て、転移魔法!? それも、この基地の中から……」
 エアが驚いたように呟く。いくらか破壊されたとは言え、この基地内にはドクター・ハミアの張った光の結界が生きている。
 にも関わらず、闇の力を源とするDUSTYのあの女幹部は高度な転移魔法を一瞬で発動してみせたのだ。それだけで、彼女の並みならぬ魔術の力量が知れた。
 それまでの戦い方からして、てっきり戦士タイプだと思っていたのだが、どうやら魔術の腕もかつてのサブキュースに匹敵するようだ。
 「厳しい戦いに、なりそうですね……」

 * * * 

 かくして、浄魔部隊エクサイザーズと濁魔帝国DUSTYの戦いは、互いの女戦士をひとりずつ入れ替えながらも、ますます激しさを増していくのだった。
 光が闇を撃退するのか、闇が光を飲み込むのか。
 あるいは、両者が和解する道が残されているのか。
 いずれにせよ、その結末に至るまでは、いましばし時間がかかるようだ。

 -終わり-


#以上です。陣営としての勝敗は書かないことに。
 一応、事前に構想してたのは、DUSTY側が勝った場合、エクサイザーズ側の男性は大半が死亡、ガイアは洗脳処置を受けたうえで怪人(キメラ)化処置される。エアはドクターと逃げのびてレジスタンスに……という展開。
 逆にエクサイザーズ側が勝った場合、DUSTY側は異世界に撤退。エシュベインはそれでも総統に着いて行く……という展開になったでしょう。
 ちなみに余談ですが、サブキュースはsuccubus、エシュベインはbansheeのアナグラムだったり、帝国の故郷である異世界は「令嬢メイド」や「愛憎相克」の舞台と同じサイデル大陸だったり……。

 それでは、拙い作品を読んでいただき、ありがとうございました。
 次回作は、(何度めの正直かわかりませんが)今度こそ「替玉お断り」の続きを書く予定です。
94名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 22:03:17.28 ID:HB7IRr38
>>93
GJ!!
堪能しました。
作者様おもしろい小説ありがとうございました。
後日、後日談を作者様のホームページに載せて頂けることを待ってます!
95名無しさん@ピンキー:2011/04/29(金) 22:05:06.48 ID:HB7IRr38
>>87
乙!!!
続き楽しみに待っています。
96名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 07:45:10.06 ID:5MnSbVIE
>『黒の誘惑と白への回帰』
GJ!完結お疲れさまでした。
戦いはますます熾烈を極める訳ですか、この後もエシュベインがエアと対峙するたびに哀と憎しみ、
愛と悲しみとが交差する戦いが待っているのでしょうか。
それともエシュベインに過去の未練は無く、
スカイゴワールへの愛がすべてを満たす蹂躙の使徒として容赦なくエクサイザーズを苦しめて行くのか。
どちらにしろ、エクサイザーズにとっては苦しい戦いですね。
素晴らしい作品をありがとうございます。
次回作も楽しみにしています。


>>88
学年で一斉にの方が良いですか、なるほど。
私的には全員がこの「思いやり学習」を受ける事になるんですが、
生理周期に合せて順々に行われて行った方が良いかなって思ったのですよ。
いきなりおもい日からあたるより、排卵が終わってからの方が一通りかなって思いまして。
だから入れ替わり体験済みの人や現在進行形の人、まだな人などが混同しているのを考えていました。
でも異様さを求めるなら全員一斉の方が楽しいですね。
焦点を当てる男女がちょうどいい感じで周期と合えば良いんですから。
いっその事担任の先生も体験してもらいましょうかw
人数の調整で生徒と交換する事となるとか。
97小ネタ:2011/05/01(日) 04:09:54.37 ID:WmloqWS+
参列者が入場したチャペルの外、荘厳な扉の前で一人その時を待つ。
しばらくするとびっくりするほどドレスアップされた花嫁が結婚式場のスタッフに導かれて
自分の隣へとやってきた。
「まさかこんなことになるなんてね……」
まるで今日の結婚式が他人事のように、花嫁は白いヴェールの奥で静かにつぶやいた。
「……ヘンじゃないかな?」
目の前の花嫁はちょっと心配そうな顔をして、今日の装いが似合っているかどうか問いかけてきた。
たくさんの花を組み合わせたようなレース細工が施されたマーメイドラインのウェディングドレスは、
柔らかな日差しに照らされてキラキラと輝いている。
写真写りを重視したブライダルメイクを施された顔はちょっと眉や目元を強調しすぎている感じがするものの、
それでも初々しさがこれでもかと伝わってくる。
「大丈夫、すごい綺麗だよ」
不安を吹き飛ばすように精いっぱいの笑顔を浮かべながらそっと腕を差し出すと、
花嫁はドレスと同じ素材で作られたロンググローブに包まれた手を寄り添うように絡めてきた。
それを合図にしたかのように係員が重々しい扉をゆっくりと開くと、
優しくまぶしい光が今日という日を祝福するかのように遥か10m先にある祭壇目指して駆け抜ける。
天然の舞台照明に演出されながら、一歩一歩花嫁と一緒に歩いていく。


今日、お父さんがお嫁に行きます。
バージンロードを娘の私に手を引かれて。
98名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 04:10:36.84 ID:WmloqWS+
完成度の高いSSが大量に投下されてて気おくれしてしまいますが、
前スレ>>419で「書きたいなぁ」と思っていたヤツを小ネタとして投下
(長くできそうになかったので)
なんだかんだでこのスレで2つ目の花嫁モノ投下(初代スレのやつ)
どれだけ花嫁が好きなんだ、自分


>>80
母親までもグルだったとは!
どんどん深みにはまっている感じがしてたまらんです
『ゆあ・ゆうじゅありー』の方も続き期待しておりますです


>>90
完結お疲れ様でした!
悪堕ち+立場交換と盛りだくさんごちそうさまでした
『替玉お断り』も楽しみに待っています
99名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 10:45:06.44 ID:vpdnt0uF

花嫁との立場交換はロマンがあるよ
100名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 13:29:39.79 ID:WsSx/U3M
>>97
乙でした〜。やはり、「花嫁の父」ならぬ「花嫁な父」というネタは萌えますね。

>>99
花嫁交換物のバリエーションとしては、

 a)花嫁と、その父の立場交換
 b)花嫁と、新郎の立場交換
 c)花嫁と、夫の連れ子の立場交換
 d)花嫁と、その友人の立場交換
 e)花嫁と、新郎の母の立場交換

……あたりが考えられるでしょうか。
a)、b)は既にこのスレ(前・前々スレ含む)であったので、
c)〜e)あたりを考えてみるのもいいかもしれません。

とくにc)の場合、連れ子が男でも女でも美味しいかも。
男の子なら、中学2年生くらいの線の細い気弱な美少年、
女の子なら、小学4、5年生くらいのファザコン気味で生意気な女の子だとおもしろい話が作れそう。

d)の場合も、その友人が「男の元彼」か「玉の輿に乗ったセレブ妻」かで、話の方向性が大いに変わりそうです。
特に元彼だと、明確にNTRでなくとも「自分と別れた恋人がコイツに抱かれてるのか」とモヤモヤした気分だったのに、式の当日、控室に挨拶に来た時のハプニングで、立場交換が起きたら、より一層複雑な心境に。
(でも、お人好しなので、つい元カノの事情をおもんばかって、馬鹿正直に新妻を演じちゃう……とか)

e)の場合、新郎の母だけが交換に気づいて、他は花嫁も含めて気が付いてなかったりすると、ダーク系だけどハッピーな話にできるかも。
101名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 00:51:36.56 ID:OtimPLUd
まいどです、作品を投稿しに来ました。
今回は「ゆあ・ゆうじゅありー」です。

そして、いつものようにレス返しします。

>>89
全バレ展開で喜んでもらえて幸いです。
遥人の受難はまだまだ続きます。
母親はまだきっと何か企んでるはずですw

>>95
労いの言葉ありがとうございます。
遅筆なのに続きものばかりで恐縮ですが、
引き続きお付き合い頂ければ幸いです。

>>98
遥人の母親はああいう人なんですw
ゆあ・ゆうじゅありーの方も楽しみにして頂いてありがとうございます。
今回も楽しんで頂けると嬉しいです。


>97
しっとりとしたブライダルソングが聞こえてきそうな良い雰囲気ですね。
輝きと約束の旅立ちへ向う新婦な父親に幸あれです。


以上です。
では「ゆあ・ゆうじゅありー」を投稿します。
今回は長くないです。
102ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 00:57:39.46 ID:OtimPLUd

☆あくと・ふぁいぶ『ゆううえっと・ゆあべっど』


大きな大きなプール。
浮き輪に乗ってたゆたう。
明るく差し込む日差しに波打つ水音だけの世界。

「やっほ〜、結愛ちゃん」

黄色い何かが横を走り抜けて行った。
「(ああ、ブッキーか)」

みなもはわずかに揺れる。

「悠二おじちゃん、かわいい」

良く知る女の子。
「(結愛ちゃんだ)」

微かに波打つ。

「悠二、結愛にあまり変な遊びさせないで」

裸の女性。
「(姉さん?何で裸?)」

ざわめく波音。

『お前のその恰好は絶対変態だきゅん』
たれ耳ウサギのぬいぐるみ。

「(うるせえ、俺の恰好がなんだって…)」

白とサックスのパステルカラーの女児用水着。
リボンとフリルで飾られたスカート付きのワンピースタイプのもの。

「(うわ、なんだこの格好!?)」

波は激しさを増し嵐となる。

「わーい、変態だ」
「悠二おじちゃんは変態だ〜」
「変態!結愛に近付かないで」
『変態だきゅん』

渦巻く水面が全てを飲み込む。

「(く、苦しい…)」
強い流れに暗い水底へ奔流されていく。

「(俺こんな恰好で死ぬのか?)

もがく動作も無力に、光は遠ざかる。
そして深淵へと落ちて行く・・・。
103ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:01:13.55 ID:OtimPLUd
・・・

「うあぁぁっ!!」

悠二は飛び起きる。
ここは結愛の部屋の結愛のベッドだ。
別に忍び込んだ訳ではなく、寝ぼけて間違えた訳でもない。
今は悠二のベッドである。
なぜなら悠二は存在を入れ替えられ、結愛と言う少女の立場になっているからだ。

「はぁはぁ、変な夢見た」

鼓動が激しく胸を打ち、身体に冷や汗伝う。
最悪の寝起きだ。

「まったく、全身汗だくだぜ」

本当にぐっしょりだ。ぐっしょり。

「…ん?にしてもなんか……」

下半身の不快感を感じ布団をめくって見て、悠二の血の気が引いた。

「こ、これって…」

独特の臭い、下半身からベッドシーツに広がる染み。
それは間違いなくおねしょであった。

そしてタイミングが悪い事に部屋のドアが開かれる。

「結愛?大きい声出してどうしたの」

結愛の母親の真依だ。

「あ、あの(見られた。姉さんにおねしょを見られた)」

動揺と焦燥感で呂律が回っていない。
目尻からは涙がにじみ、こぼれだしている。

真依は娘の行動の原因に直ぐに気が付いた。

「あら、結愛、失敗しちゃったのね」

娘がおねしょをするなどもうずっと無かったのだが、まだ小さいのだからそう言う事もあるかも知れない。
一年生になってから一人で寝れる様になったりとずいぶん成長したと思っていたが、まだまだ幼いのは事実。
娘も動揺している様なので、ここは怒らず注意を促すに止めるのが定石だ。

「大丈夫よ結愛。さあ、早く着替えましょ」

真依は優しく語りかけた。
その言葉に悠二は救われた様な気分となる。
やはり、姉は優しい。

「ママ、ごめんなさい」

ベッドから出て、目を伏せもじもじと謝る姿は子供そのものだ。
104ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:04:26.61 ID:OtimPLUd

「さあ、お風呂場にいってきれいにしなきゃね」

真依は悠二の頭にそって手を置き撫でると行動を促す。
「うん」

悠二は素直に従い、真依と一緒にお風呂場へと移動した。
歩くたびに濡れたショーツとパジャマが気持ち悪い。

脱衣所で濡れた衣類を脱ぐと悠二は頭にシャワーキャップを被せてもらい、
浴室で真依に身体を丁寧に洗ってもらった。

「ママ、ありがとう」
「今度は気を付けるのよ」

身体を冷やすからと言われ、シャワーを浴び続けている間に着替えも用意してくれていた。

「少しお姉さんな感じのコーデにしてみたの」

用意されていたのは、ピンクの花柄シフォンワンピースにアイボリーのロングスリーブボレロ、
黒い無地のオーバーニーソックスだった。
ショーツもコットンではあるが股上の深いものではなく、一般的なデザインに近いものだ。

少し手伝ってもらいつつそれらを身につけると、
ブラシで髪を整えてもらい小さなリボンのシンプルなカチューシャを付けてもらった。

「はい、出来上がり。これでお姉さんだからもう大丈夫よね」
「うん、ママ」

真依は娘が何時までもおねしょを気に病まない様にと、わざとお姉さんぽい服を用意した様だ。
そう言う意図があるとも考えずに悠二は洗面台の鏡に姿を映し、嬉しそうな様子だった。
その女装の青年の姿は異様なはずだが、
立ち振る舞いがまるで幼い女の子のそれで何故かだんだんと違和感が無くなって来ている。
105ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:06:44.38 ID:OtimPLUd

真依と一緒にダイニングへ行くと結愛の父親がテーブルに付いていた。
悠二にとって義理の兄、真依の幼馴染でもあり姉が居た頃は良く家にも来ていた。
真依と同い年で、職場ではプロジェクトチームのチーフを任せられており、
叩き上げでキャリアにのるだろうと噂されている有望株らしい。
姉が家に結愛を連れて遊びに来た際に、悠二が散々聞かされた話だ。

「おはよう、結愛」
「パパ、おはよう」

知らないふりを装っているが、おねしょの事はきっと解かっているだろう。
問いただしたりしないのは結愛を一人の人間として捉えデリカシーに配慮してか。
ただ、朝食を食べ終えた後に食器を下げにキッチンに行った際、
父親は真依におねしょについて何やら聞いていた様だったが、断片的に聞えたのは

「今回は怒らなくていいのか?」
「動揺して反省してるみたいだから」
「前はお尻を叩くまでしたからじゃないか?」
「あれは結愛が嘘をついて隠そうとしたから、私も小さい時は叩かれたことある」

などと言った内容だった。
少し間違えば自分も尻叩きをされていたかと思うと、
悠二は身震いし尿意を感じて慌ててトイレに入ったのだった。

106ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:09:41.85 ID:OtimPLUd

☆あくと・しっくす『ぷらいまりー・すくーる』


「結愛、恋奈(れんな)ちゃん迎えに来てるわよ」
「は〜い、今行くね」

真依に呼ばれて玄関を出ると、そこには高学年の女の子と他にも数人の女子児童がいた。

「おはよ〜、結愛ちゃん」
「おはよ〜」

朝は近所の女の子同士で一緒に登校していると悠二は聞いた事がある。
なんでも、女の子が一人で登校していると男子児童がちょっかいを掛けて来て意地悪をされるのだと言う。
先生に注意をされても繰り返すので子供なりに考え集団登校の様になったようだ。
悠二はこの春から2年生になった結愛が自分より下の子が出来たのを喜んで話していたのを思い出す。

「今日の結愛ちゃんの服いつもと感じ違うね」
「お出掛け用って言うかお姉さんな感じ?」
「結愛ちゃん似合ってる」

さっそく服装をほめられ、嬉しくなる。

「これね、ママがコーデしてくれたの」
「結愛ちゃんのお母さんセンス良いし綺麗だし、いいなぁ」

真依の事もほめられ、ますます嬉しくなりすっかりご機嫌状態だ。
女児に囲まれて登校なんてロリコンの悠二にして見れば、それだけでテンションが上がるはずなのだが、
今の悠二はそんな事とは別にすっかり結愛として浮かれている状態だ。
少女の集団の中で身体の大きさが目立つ悠二だが、その事を除けばすっかり女子児童として馴染んでいる。
107ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:13:25.92 ID:OtimPLUd

学校に着いて皆それぞれの教室に別れた後もその気分は変わらず、
知らないはずの結愛の靴箱や教室を迷わなかったのを不思議に思う事は無かった。
教室ではクラスメイトの話の輪に直ぐ加わる。

「みんな、おはよう」
「おはよ〜、結愛ちゃん」
「あ〜、今日の服違くない?」
「ほんとだ〜、なんかカッコイイ」
「えへへ、ママがコーデしてくれたお姉さん服なんだよ」

また服の事をほめられて嬉しがる悠二。
朝の話題は服装の話しで持ちきりとなった。
そうこうしているうちに先生がやってきて朝の会が行われた後、いよいよ授業が始まる。

悠二もこの学校の出身なので懐かしい感じもするが、またこうして授業を受ける事になるとは不思議な気もする。
朝の会での今月の歌でも昔は歌うのは好きではなかったはずだが、やって見ると楽しいものだった。
そのままの気分で意気揚々と授業を受ける。

一時間目は算数だ。
掛け算の九々を覚えて発表すると言った内容だが、悠二にはあまりにも簡単すぎる内容に得意になっていたが、
何故か3の段の途中で度忘れしてしまい何度もやり直しをしてしまった。

2時間目の国語では作文だったのだが、
作文は後に残るものだから結愛ちゃんに合せて書かないと後で変に思われると考え、
わざと拙い文と平仮名を多くして書こうとした所、わざとでは無く手がなかなか進まず、
時間内に書けず残った分は宿題となったりもした。

30分休みに入った時点で何だか一気に疲れが来た感じだ。

「ねえ結愛ちゃん、おトイレ行ってこよ」
悠二が少しくさっていると一人の女子が声を掛けてきた、
今朝一緒に登校したグループにもいた冬坂耶智香(とうさか やちか)と言う名の娘だ。
確か「やっちん」とみんなに呼ばれていた。

「うん」

返事と共に席を立つ。
結愛と耶智香は仲が良い友達の様で、授業が終わると直ぐに悠二の所に来て話し掛けて来ていた。
大人し目に見え、切りそろえられた黒髪のロングストレートヘアが人形の様だ。
悠二はそんな耶智香をちょっとゴスっぽい服が似合いそうだなと考え、
その姿を想像して密かに萌えを堪能していたのはロリコンの性と言うものである。
108ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:20:42.85 ID:OtimPLUd

女子は連れ立ってトイレに行く事が多いが、やはりトイレはそれなりに混んでいた。

「(こ、ここが女子トイレ。禁断の聖域)」

女子トイレで悠二は少々興奮気味になっていた。
大学生にもなって女子トイレで興奮すると言うのも何なのだが、悠二の場合ここは禁断の領域である。
エロい事を考えている訳ではないが、なにせ女子児童用のトイレに入る機会などまず無い。
ロリコン的には気になるが、それを押し知るすべなど普通の大学生にある訳が無いからだ。

部外者に対して事のほか警戒が厳しい昨今、
女子トイレに男が入ろうものなら間違いなく連行される事は確実、
しかも実際に児童が使用している所に入って行くなんて事があれば前科ものである。
同じ女子児童としてだが、そこに堂々と居るのだ。
ちょっとした好奇心の充足と背徳感と言うやつだ。

「結愛ちゃん?もしかして我慢してる?」

そんな様子をみて耶智香は変に思ったようだ。

「あ、いや、何でも無いよ。大丈夫だよ、やっちん」

「へんなの」

「あはは」

笑ってごまかしておいた。
109ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:24:02.46 ID:OtimPLUd

順番が回って来て個室に入ったのだが、
悠二の記憶と違ってトイレは新しいものに変えられていて少々驚いた。
悠二の頃は和式の水洗だったはずだが、洋式になっておりウォッシュレットまでついている。
たった7年で変わるものだと思いつつワンピースをめくり上げ、ショーツを下すとトイレに腰かけた。
パネルを見ると音姫の機能までついている様でやけに至れり尽くせりだと更に感慨に思う。

そんな事を考えていた時だった。

空間の一部に靄がかかり、球体に収縮したかと思うと「ボンッ!」と言う音が聞こえた。
前に見た事のある現象。

「んな?ペルペル??」

そこに現れたのは悠二の言う所のたれ耳ウサギのぬいぐるみ、ペルペルだった。

『変態ロリコン、元気でやってるかきゅん?』

相変わらずの憎まれ口。

「変態は余計だ」

『女の子と一緒にトイレに入って下半身出してる奴は変態に決まってるきゅん。
女の子が隣で座っているのを音だけで想像して興奮しているのだきゅん?間違いなく変態だきゅん』

ここで反論したいが、あまり声を出すと回りに変に思われる。
なので小さな声で最大限の反論をする事にした。

「ロリコンは一つの愛情の形だ。それを歪めた表現で貶める事は許さない」

『アホだきゅん』

あっさり流された。

『そんな事より、少し困った事態にったんだきゅん』

「ちっ、何がだよ」

『結愛ちゃんが消えてしまうかもしれないんだきゅん』

「なに〜っ!?」

告げられる言葉に驚愕し、今度こそ悠二は大声を出した。


                                          〜とぅびーこんてにゅーど〜 
110179:2011/05/03(火) 01:27:28.45 ID:SPiEuk1W
>>109
楽しく見ています。
まさかの展開ですね。
111ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/03(火) 01:36:44.37 ID:OtimPLUd
悠二は変態ではないはずです。たぶんw
そして、ペルペル再登場です。
結愛は大丈夫なんでしょうか?

登場人物増えてる様に見えますが、名前があってもモブな事が多いですw
西門少年はクラスメイトだったと言う設定があるのですが、今回出番がありませんでした^^;
耶智香はフルネームで出ていていますが、もしかすると出番少ないかも^^;


>>109
楽しんで頂けてなによりです。
こんな作品ですが、これからも読んで頂けると幸いです。
112名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 02:07:12.92 ID:OtimPLUd
失礼しました。
上記でアンカー打ち間違えました。
>>110さんへです。
113名無しさん@ピンキー:2011/05/03(火) 05:09:23.58 ID:O05xmeoM
ゆあ・ゆう、乙です〜。
やはり馴染みはじめましたか。GJ!
しかし、ここでまさかの展開!?
すごく続きが気になるのですが・・・ 
114黒白の人:2011/05/04(水) 15:20:38.98 ID:NKIWJJTb

GIGAの「ヒロイン妄想計画」のHP覗いてみたら、前スレで紹介されてた
「ウエディングキュア 奪われたコスチューム」
(悪の女幹部が正義ヒロインと強制衣装交換して立場入れ替え)
の企画が次の映像化作品として採用されてたw
9月発売予定らしいので、ちょっと楽しみかも。

もともと「黒の誘惑と白への回帰」は上記の企画にインスパイアされて書いたんですが、存外シリアスになってしまったので、もっと軽く↓こんなのでもよかったかも。

1)色っぽい女幹部が、日頃敵味方から「年増」扱いされるのに腹を立て、正義ヒロインチームで一番清純派な娘のコスチュームを奪って、その子になり済ます。
2)裸で放置されたヒロインは仕方なく、女幹部の露出の高い衣装を着る
3)ところが、ヒロインのコスには認識阻害の魔法がかかっているため、それを身に着けている限り、着用者はヒロインチームの一員とみなされる。
 中間管理職ちっくな日頃のストレスを晴らすべく、ヒロインチーム側で大暴れする女幹部。一応、敵は撃破しているため、周囲の評価は上々。
 さらに、認識阻害は変身を解いても変身アイテム(指輪やペンダント?)を身に着けている限り有効で、ヒロインの実家(大富豪)でお嬢様生活を楽しんでみたり。
4)一方、女幹部の衣装を着たヒロインは、家出したw女幹部を探しに来た敵の集団に女幹部と間違われて敵基地に連れて行かれる。
 実は、悪の組織の下っ端や怪人は女幹部の素顔はロクに見ておらず(いつもケバいメイクと蝶マスクをしていたため)、エロっぽい装備で本人を判別していたのだ!
 さらに、ヒロインが着た女幹部の衣装は、実は「呪われた装備」で善属性な人が着ると脱げなくなる代物。当然ヒロインも脱げず、仕方なく女幹部のフリをしながら脱出の機会を窺うことに。
(しかし、なぜかいつも邪魔が入り、ついには現場に出動して、元の仲間と戦うハメになったりすることも)
5)そうこうするうちに、ふたりとも現状に馴染み始める。
 元女幹部は、これ幸いと、チームメイトの現役女子高生達に共に、可愛い制服を着てスクールライフを満喫中。
 元ヒロインの方も、その高い事務処理能力や家事能力によって組織内で頼りにされてシンパが急増。また、しつけにうるさい実家や、規律に厳しい正義チームと違って、自由に振る舞える(幹部だし)のでいけないと思いつつ、最近はちょっと居心地よく感じている。

……って感じの、あかるいコメディ路線もアリだったかなー。
その場合、悪の組織側も、某電柱組やフロシ●イムばりの、のんきな悪者にする必要があるでしょうけど。
115名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 05:23:41.51 ID:du7FEt5w
>>114
その路線の話も読んでみたいので、リクエスト。
116名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 21:26:06.13 ID:F3ZFhsXW
母の日に息子が母と立場逆転して日頃の恩返しとか見てみたい
117名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 23:50:30.17 ID:jkt0sXyI
>>116
で、オチとして立場逆転は24時間たたないと解けず、しかも朝8時ごろに入れ換えたため、
その晩、帰って来たパパ=夫に、妻として抱かれるんですね。
 「今夜のお前は、やけに反応が初々しいなぁ」
 「アァンッ! い、いい……」
やべぇ、なんか萌えるかも。
118名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 01:25:58.90 ID:x76QxDXI
どうもです。作品を投稿しにきました。
今回は「続・そこはとあるお屋敷 その4」です。
では投稿前にレスを少々。

>>113
労いとGJありがとうございます。
「ゆあ・ゆうじぁりー」は和訳で「あなたの日頃」とかけたダジャレなんですが、
ずっと悠二が結愛の日頃をしているだけなのも何なのでテコ入れしてみました。
今後の展開は・・・ どうなるんでしょう?w

>>116
一地方全体の出来事で母の日では男子は母親と立場が入れ替わり、
父の日では女子は父親と立場が入れ替わると言うシチュエーションは如何でしょう?
そして、親に感謝の気持ちが伝わらないとその日が終わっても元に戻れない罠が…

以上です。
ではでは「続・そこはとあるお屋敷 その4」を投稿します。
今回は少しだけおいしい感じですw
では、お付き合いください。



119続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:29:43.91 ID:x76QxDXI

夏の太陽が眩しい。
照りつける日差しが暑い。
晴れ渡る空の下、お屋敷に戻る為に遥人と雛子は小道を歩いていた。
日傘をさして仲良く歩く姿は夏の散歩に見える。

何かを期待して浮かれている雛子に、少々恥ずかしげに歩く遥人。
その遥人の頬は赤い。

「(…雛子の匂い)」

遥人の顔が赤いのは夏の暑さのせいだけではない。
先程紗雪に言われた言葉がまだ後を引いているのだ。

いま遥人が着ている雛子のメイド服、意識しない訳が無いが、
ずっと着ていれば慣れてくると言うもの。
だが匂いだ。雛子の匂いがとても気になるのだ。

着替えた時に汗で湿っていても匂いなんてほとんどしなかったと言うのに、
時間がたつにつれ乾いてくると雛子の匂いが強く感じられる様になって来ていたのだ。
それをわざわざ指摘されて意識しだしたものだから、遥人は気が散って仕方が無い。

指摘した本人は既にいないが、その様はある意味で紗雪の思惑通りなのだろう。

「あの、遥人様」

このままでは落ち着かないと『雛子な遥人』は『遥人な雛子』に声を掛ける。

「なんだい雛子?」
「汗をかいたので着替えをしたいのですが」
「着替え?」

その言葉に雛子は少し考え、言葉を続ける。

「そうだな。俺も汗をかいたから屋敷に戻ったらお風呂にしよう」

そして悪戯な笑みで、こうつけ加える。

「もちろん雛子も一緒に入って、俺をきれいに洗ってくれるよな?」

メイドが入浴の手伝いをすると言うのは良くある事で、
遥人の母親など手伝いが無ければは自分で髪を洗えないほどだ。

遥人も小さい頃は入浴にメイドが付いていたものだが、流石に今はそれはしていない。
それを態々やらせるからには当然に何か企んでいるのだろう。

「かしこまりました」

承諾の返事をしたものの、その表情に一抹の不安を隠せていない遥人だった。
120続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:36:06.96 ID:x76QxDXI

「お帰りなさいませ遥人様」

お屋敷に戻り遥人と雛子を迎えたのはメイドの少女、真由(まゆ)だ。
遥人の住んでいるエリアは雛子が担当しているとは言っても、
全てを雛子がこなしている訳ではない。
それなりにやる事は多いし、休みだってあるのだ。

真由は雛子の事を先輩と慕い仲も良い、
雛子の代理で遥人に付く事もあるが役職上は一般のメイドだ。
雛子と違い真由のメイド服は、パフスリーブは変わらないが半袖でスカート丈も短い夏仕様である。
色も雛子が紺色なのに対し明るいグリーンと夏の木々を想わせる鮮やかな色彩だ。

ちなみにこのメイド服が支給されるのは10代のメイドだけで、
それより上のメイドは落ち着いた緑色でスカートも膝下のものである。
更に年齢が上がるとスカートがタイトスカートに代わるのだが、これらは先々代が決めた事らしい。

「湯浴みの準備は整っております」

真由のその言葉に遥人は「何時の間に?」と言う顔になるが直ぐに雛子が答えてくれた。

「あ、メールでね」

遥人は気付いていなかったが、屋敷の連絡事項は携帯のメールでやり取りされている。
最初は雛子が始めた事なのだが、広い屋敷での呼び出しや伝達に便利な為全体に広まった経緯がある。
もちろん人前で堂々とする様な事はせず、あくまで密かにするのが最低限の品格だ。

121続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:36:53.11 ID:x76QxDXI

「それにしても、今日の遥人様はいつもより素敵でらっしゃいます」

すでに屋敷全体で知れ渡っている立場交換は真由も当然知っている。
雛子もそれに合わせ雛子クオリティーを炸裂させる。

「はっはっはっ、夢見る少女は待っている、煌めく魅惑の美少年。パーフェクトプリンス遥人と俺の事さ」
ミュージカルばりの決めポーズと表情だ。

「またそれを」
遥人は既に諦めた。

「いや〜ん、遥人様素敵ですぅ」
真由の方はノリノリだ。
「今夜の夜伽にはぜひ真由をお呼び下さい、そして私の純潔貰って下さい」
続けてとんでもない事をのたまう。

「ちょ、ちょっと!」

諦めモードの遥人だったが流石にこの発言には反応してしまう。

「慌てなくても良いぞ雛子、俺が選ぶのはお前だけだ」
「そんな雛子先輩ばかりずるいです」

その言葉を聞き真由は乙女のポーズで言葉を続ける。
「だったらそこに私も入れて下さい。3人で契りを結びましょう」

その言葉に更に慌てる遥人。

「だから、なんでそうなるんだよ。もっと駄目に決まってるだろう!」

既に雛子の演技を忘れて本気で慌てている。

「あ〜ん、雛子先輩いじわるです。一人占め禁止ですよ」
「ふっ、これも魅惑の美少年たる俺のせいか」

雛子クオリティーは続いている。

「俺の寵愛を一人占めしたいとは、雛子可愛い奴…。分かった今夜は雛子お前だけを愛そう!」

それを見ていると遥人は、なんかまたどうでもよくなった気分だ。

「その話の流れは変えられない訳だ」

悟ってしまった様である。

「仕方が無いです。今回は雛子先輩に負けました。でもいつかは貰って下さいね。私の純潔」

真由のその台詞は少しだけ本気の様に聞えるのは気のせいだろう。
そんなやり取りを繰り広げた後、当初の目的の浴室へと二人は移動した。
122続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:43:35.62 ID:x76QxDXI


お屋敷の浴室と言うと部屋の真ん中にジャグジーか豪華なバスタブがあって薔薇の花でも浮いていそうなものを想像するが、
遥人の使っている浴室はユニットバスとほとんど変わらないものだ。
一般家庭とは広さが違う位である。

「では雛子、服を脱がせてもらえるかな?」
「かしこまりました」

実際のところ着替えをメイドに手伝ってもらう等は遥人はしていない。
最後に整えてもらう位はしてもらう事はあるが、基本は自分でだ。
これも雛子の遊びのひとつなので付き合うが、正式な手順については良く解からないのが実情だ。
とりあえず前に回って襟首飾りのひらひら、クラヴァットを外そうとした。

「はい、雛子ちゃん減点」

さっそく指摘が入った。

「クラヴァットを外す時は、声を掛けてから後ろに回ってよ。
手順として脱ぐ時は上のものから順に、着る時は逆にするの。例外としてソックスだけは着後脱前ね」

説明され納得がいく。

「失礼しました。ではクラヴァットを外させて頂きます」

やり方さえ解ってしまえば、どうという事は無い。

難なく雛子の服を脱がし終える。
裸になる訳だが、お互いに今更裸を恥ずかしがる仲でも無い。
まあ、エチケットとしてタオルを巻くなどはするが、今の雛子は遥人なので胸は隠しておらず意外に徹底している。

「では遥人様、浴室の方へ」

「何を言ってるんだ雛子」

遥人が雛子を浴室へエスコートしようとした所、雛子からまったが掛かった。

「雛子も服を脱ぐんだ、一緒に入るぞ」

多少訝しむ遥人だが、先程に自分が言った着替えをしたいと言う申し出に答えてくれているのだと思い至り従う事にする。

「昼間から乙女が裸で男性と入浴と言うのもはしたないから、きちんとそこにある水着を身につけるんだぞ」

その言葉に嫌な予感がして見て見れば、そこにあったのは女性用の水着。
123続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:44:46.08 ID:x76QxDXI
その水着には見覚えがあった。
この前海に遊びに行ったときに雛子が着ていたものだ。
今は自分が雛子なのだから、雛子の水着を着るのは当然の事なのだろうけど、どうしてもためらう事がある。
そのデザインが、愛らしすぎるからなのだ。

白いビキニの水着であるが、縁がピンク色のパイピングを施されており、
カップ中央のシフォンの様な大きなリボンがとても可愛い。
下にスカートもあるのだが、こちらもシフォンフリルの3段スカートでますます愛らしいのだ。
この水着を付けた雛子は確かに可愛く似合っていたが、それを自分が着るとなると話は別だ。

「ほら、ご主人様を待たせるな」

遥人がもたもたしていると雛子にエプロンの紐を解かれる。

「あ、ちょっと」
「雛子は脱がされるのが望みか、俺がしてやろう」

エプロンを外されると、赤いリボンタイも外されてあれよあれよと言う間にメイド服を脱がされてしまった。
スリップも脱がされると、そこにはフリルカチューシャを付けた下着姿にニーハイソックス姿の遥人が現れる。

「うむ、なかなかな色気だぞ雛子」

確実に裸より恥ずかしい状態である。

「色気とか言われても」

両手で肩を抑える仕種は乙女そのものだ。

「ずっと見て居たい所だが、それでは何時までも入れないからな」

雛子は遥人のその姿を堪能しつつ、ニーハイソックスを脱がせ、ブラのホックも外してショーツ一枚にする。

「あ、まって下は自分で脱ぐから」

雛子がショーツに手を掛けるが、流石にそこだけは遥人は自分で脱いだ。
このショーツは雛子のあそこの液で最初から汚れていたものだ。
すっかり乾いて染みになっており、かなり恥ずかしい。
そそくさと脱がされた衣類の一番下にしまう。
124続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:49:55.76 ID:x76QxDXI

「じゃあ、次は水着を着ないとな」

雛子にビキニを渡される。

「あ、カチューシャは取ってはいけないぞ」

何故かカチューシャだけは外されなかったので、外そうとした所それは雛子に止められた。

メイドとしてアイデンティティの重要な所を占めるものらしい。
ただの頭飾りだと遥人は思うのだが、そこは何かしらのこだわりなのだろう。

水着の着用は難しいものではなかったが、ビキニのトップだけは雛子がホックを止めてくれた。

「う〜ん、エクセレントだ。とても可愛いよ」

鏡を見れば白いビキニを着た自分の姿。

確かに水着は可愛い水着は。
フルカップのトップはカップが硬いものでパッドも入っているものだから、
胸の無い遥人にもBカップ位のふくらみがある様に見える。

遥人はその事がとても恥ずかしいのだが、
第三者がその姿を見ると、どう見ても少女にしか見えなかったりするほどその水着が似合っていた。
雛子の見事な目論見通りとしか言いようがないだろう。

「あう、まさか水着女装までする事になるなんて」
「大丈夫とっても似合ってる。イッツ・ア・プリティ さ」

雛子的に他の人にも見せたい所だが、このまま連れ出すのは流石にやり過ぎだろう。

「さあ、お風呂に入ろうか?」
「かしこまりました。こちらへ」

何時までも脱衣所に居ても仕方が無いので、促され雛子をエスコートし浴室へ移動する。

「じゃあまずは身体を洗ってもらおうかな」

遥人は雛子の言う通りにしようとスポンジを用意していたのだが、雛子が何か思いつく。

125続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:50:21.36 ID:x76QxDXI

「そうだ雛子どうせなら、雛子の身体に石鹸を付けてその胸で洗ってくれないか?」
「・・・昼間から何をおっしゃるのです?」

一瞬かたまる遥人だが、流石にその言葉に従う事はしない。
どこの風俗の話と言うのか。

「そうか、昼間はダメか。ではそれは夜のお楽しみだな」
「だから、しないよ!」

否定が伝わらなかったので遥人は想わず素で否定してしまった。

「良いじゃない。けち」

雛子も素に戻っている。

「けちじゃないよ。なんでそんな事をさせたがるんだよ」
「男のロマン?」
「あのなぁ」

聞いた遥人が悪かった。
聞かなくても解っている。楽しいからの答え以外に何があろうか。
「いや、聞くだけ無駄だよな」
諦めのため息はいつもの事だ。

そこに何かを感じた雛子は抗議の声を上げる。

「もしかして、楽しいからだけだと思ってる?」
「思ってる」
即答だ。

「ちょっと心外ね。もっと重要な理由があるわよ。むしろこっちが根源的かつ全ての心理ね」

何だか大仰な言い回しに、遥人も気になる。

「それって?」

「良いこと?良く聞いて心に刻むのよ。それは全ての真理…」

雛子が勿体ぶってためるので、遥人もつい引き込まれてしまう。

「遥人が可愛いからに決まってるじゃない!!」

ババーンと効果音が聞こえそうな見得を切っての力説に、全身の力が抜けてうな垂れてしまう遥人。

「可愛いは正義よ」

その言葉はこの場合に使うものではないはずなのだが…。
どこぞのファッションの煽り文句だったはず。
これも別な意味での雛子クオリティーだ。
そんなやり取りをしていると、浴室に新たな人影が現れる。
126続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:56:32.03 ID:x76QxDXI

「遥人様、真由もお背中お流しいたします」

現れたのは濃紺のスクール水着を着た真由だ。

「え?真由?(って言うかスクール水着って)」
「おお、丁度良い所に来たな。胸を使っての洗身は真由にしてもらおうか」

「はい、お任せ下さい遥人様」

言われて真由は直ぐに取りかかろうとした。
慌てるのは遥人だ。

「だから、そう言うのダメだってば」

「なんだ雛子、やきもちか?可愛い奴め」
「ぶーぶー、遥人様の一人占めは良くないですよ雛子先輩」

雛子一人でも手を焼くのに真由までこのノリで来られては対処に窮する。

「分かりました。雛子先輩の身体も同じように真由が胸で洗ってあげますから」
「おお、それは良いな。雛子やってもらいなさい」

「遠慮します」

もう流されるしかないが、それでも背を向け抵抗を試みる遥人だ。

127続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:56:54.71 ID:x76QxDXI

「雛子先輩照れなくても良いじゃないですか、こっち向いて下さい」

真由は遥人の前に回り込んで覗き込む。

「あ、雛子先輩のその水着、超可愛いです。いいなぁ」

そしてその水着姿に思わず素直な感想がもれた。
水着の事を言われると恥ずかしさがぶり返して来る遥人。

「本当に可愛いです。真由も着て見たいです。雛子先輩、今度私にも貸して下さい」

もう自分でも使用した後なので水着を貸す事に異論は無い雛子だったが、そこで何かを思いつく。

「そんなに気にいったのなら今度と言わず、今借りると良い。雛子、今すぐ真由にその水着を貸してあげなさい」
またあの悪戯な笑みを浮かべてだ。

「分かりました」

その笑顔が気になるが、水着女装しているよりは、お風呂場で裸の方がまだましだと思い遥人は承諾する。

「わあ、ありがとうございます」

真由もその事に喜んでいる様だ。
男性の脱いだ水着を着るのは嫌じゃないのだろうかと思いつつも、
そんな様子も見えないので遥人は水着を脱ぎにかかる。

「でもそれだと雛子先輩裸になっちゃいますよ?」

意図した訳ではなく、何気に思った事を真由が口にした途端、雛子がそこに飛びついた。

「なに?それはいけないな、メイドがそれでは貞淑さに欠けてしまう。雛子は真由の水着を着なさい」

これを雛子はしたかった様だ。
あの悪戯な笑みはますます顔に出ている。

「水着の取り換えっこですねぇ、楽しいです」

対する真由も直ぐにのる。
つまりは今着ている愛され系な可愛いビキニから、
今度は真由が着ている濃紺スクール水着を遥人は着なければいけない事態になったのだ。
128続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 01:59:29.20 ID:x76QxDXI

「え?いや、取り替えっこはしなくても」

意図を察して拒否しようとしても多分駄目だろう。
案の定すぐに真由に却下される。

「ダメですよぉ、遥人様もおっしゃっています。裸は禁止です」

そう言う真由は既に水着を脱いで裸なのだが。


「いや、本当に止めて」
普段ならいざ知らず、雛子と言う事になっている遥人の拒否など聞き入れてもらえる訳もない。

「仕方が無い。雛子の着替えを手伝ってあげよう」
「遥人様がするとセクハラですよ」
「愛があるから大丈夫だ」
「ラブラブです」

「だから止めてってば」
「ほら、愛を受け入れたまえ」

複雑なメイド服ならいざ知らず、ワンピースの水着なんて多少無理矢理に着させる事などそう難しくは無い。
結局二人掛かりで遥人はスクール水着に着替えさせられてしまった。

「きゃ〜、雛子先輩可愛いです」
「おお、メイドカチューシャにスク水がこれほどまでに合うとは。眼福眼福」
「遥人様、オヤジ入ってますぅ」

「うう、やっぱりこうなるのか」

かくしてスクール水着姿となった遥人だが、恥じらう姿が萌えを増長させているのは言うまでもない。
129続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 02:02:41.00 ID:x76QxDXI

「じゃあ、取り替えっこも済んだ事ですし、遥人様のお身体洗わせて頂きますね」

楽しい悪戯を堪能する真由はしっかりと遥人から脱がせた愛され系のビキニを着ていた。

「そうだな、だがせっかくだから今日は俺もお前たちを洗ってあげよう」
「きゃぁ、やっぱり遥人様セクハラですぅ」
のりはあくまで崩さない。

「ほら、雛子も遠慮せずに洗ってあげよう」
「いえ、だから遥人様それはいけませんって」

無駄な抵抗と解かっていても、しておかなければ大事な何かが失われそうな気がする。

「私も雛子先輩の事洗ってあげます。洗いっこです」
「ああ、ちょっと」

スポンジで身体をこすられ泡だらけだ。


結局そのまま入浴は格式や貞淑なんてどこへやらの大騒ぎ。
遥人は雛子と真由に隅々まで洗われるは、逆に二人を洗うやら、
終いには本当に真由が胸での洗身をやってのけるなど賑やか過ぎる事この上ないものとなった。
お屋敷の淫らな情事と言えなくもないが、その雰囲気はあくまで明るい。
幼馴染のメイドはとても楽しそうだ、もちろんその後輩も。
楽しいであふれた時間が過ぎて行く。
ただ翻弄される少年だけはその限りではないかもしれない。

遥人の受難はまだまだ続くのだ。


                                        〜続く〜
130続・そこはとあるお屋敷 その4:2011/05/07(土) 02:18:19.47 ID:x76QxDXI
今回は水着女装の回でしたw
真由は雛子より年下で遥人と同い年です。
遥人に恋愛感情多少あるんですが雛子の事も大好きです。
ノリの良い性格ですw

ところで脱衣所にあった雛子の水着は誰がもってきたのか?
反応を見て解かる通り真由ではないのです。
実はもう一人雛子の下にあたるメイドの子がいるんですよ。
今回は出番ありませんが、そのうち出るかと。

それでは今回もお付き合い頂きありがとうございました。
またの投稿の際にもよろしくお願いします。


追記:今更ですがこのお話ってここで良いですよね?女装スレじゃなくて。
131名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 02:29:03.81 ID:c//PEgzn
待ってましたのGJ!

むしろ、ずっとここでお願いします
132名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 04:23:33.96 ID:0DZOpJL+
ナイス、スク水! 雛子&真由GJ!
もちろん、130さんもGJでした。

>>追記:今更ですがこのお話ってここで良いですよね?女装スレじゃなくて。
 「そんな、すれをかえるだなんて、とんでもない!」
ですよ(笑)。こちらで頑張って下さい。

私もそろそろ次の投下準備に入らねば。
133名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 10:39:37.62 ID:8Uvgx57g
これ(・∀・)イイ!!
(*^―゚)bグッジョブ!!
ageさせてもらおうか( ̄ー ̄)
134名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 11:57:17.11 ID:dtYcJNKj
パラレルワールドスペースブラックホール!?♪。
135名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 17:15:03.32 ID:D0yIb0qS
男と女 の交換ばっかりだな
成人女性と女子幼稚園児の交換とか希望
136黒白:2011/05/07(土) 19:50:01.02 ID:0DZOpJL+
>>135
年齢はともかく、、拙作も含めていくつか女同士の立場交換もありますよ。
ただ、住人の反応がイマイチ地味なものが多かった気がしますけど。
以前論議にもなりましたが、このスレの定義上は、男-女間だけでなく、男-男、女-女間の立場交換でもよいはずなのですが、
男男の需要はほぼなく、女女の需要<男女間の需要……みたいな話になってました。
137名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 20:30:57.52 ID:a6JDvRTb
>>135
言いだしっぺの法則というものがあってだな。
138名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 20:48:44.24 ID:qjzPddj9
>>137
文才が全くない自分には無理だ!
ここの住民はTS好きが多いのかな
139名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 21:04:18.49 ID:c//PEgzn
>>135
>成人女性と女子幼稚園児の交換
やるとしたら、「天才子役が忙しくて通えない幼稚園を、ダメマネージャーが代わりに通う」とかかなぁ
140名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 21:09:50.47 ID:c//PEgzn
あ、自分がよくやる「とりあえず理由はさておいて」っていうパターンもあるか
141名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 22:40:43.39 ID:qz49OxDV
基本TS好きなんで、異性同士の方が面白いです。
ここだと、肉体と精神が変わるのはNGみたいですけど。
142名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 02:13:34.99 ID:1pdSQ26F
OD好きですよ
スレ新参だから反応とかしてなかったけど
143名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 02:33:09.27 ID:sXJqnEv6
>>118
>一地方全体の出来事で母の日では男子は母親と立場が入れ替わり、
>父の日では女子は父親と立場が入れ替わる

面白そうなシチュエーションですね
144名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 06:54:18.36 ID:JSge19wq
どうもです。
とあるお屋敷に反響も頂けるようになって嬉しい今日この頃です。
このスレで大丈夫のようなので、このままとあるお屋敷はここで続けさせて頂きますね。
ありがとうございます。
今回は幼稚園児と成人女性の立場交換もと言う書き込みを見て、走り書きですが書いてました。

それで投稿前にまたレスを

>>131
GJありがとうございます。
待ってましたと言われると大変嬉しいです。
励みにしてこれからも頑張ります。

>>132
GJありがとうございます。
スク水遥人喜んで頂けました?w
雛子と真由に係ればあんな展開になるのは必然なのかも。
やる事が水着取り替えっこですからねw

>>133
このスレを気に入って頂けた様で嬉しいです。
このスレは私もツボなんです。
良かったら過去スレの方も見て下さい。
良い作品がいっぱいです。

>>141
精神変化はNGでしたっけ?
私の書いているの精神浸食が多かったり^^;

>>143
あのシチュエーションに興味を持って頂きありがとうございます。
シチュエーションは浮かぶのですが、それを書き起こすまでには至らないのが難点です。
妄想だけは出てくるんですよね。

>>135
と言う訳で書いてみました。
稚拙な文で申し訳ないですがお目通し頂ければ幸いです。


以上です。
では、本当に小ネタなんですがお付き合いください。
145彼女たちの立場:2011/05/08(日) 06:56:07.71 ID:JSge19wq

あたなとあなた。
立場を交換した方がよろしい様ですね。
あたなは子供に戻りたい。
あなたは大人になって好きな事をしたい。
丁度良いじゃないですか。
さっそく交換しておきます。
あ、アフターサービスはありませんから、その後の事は一切関与いたしませんので。
146彼女たちの立場:2011/05/08(日) 06:59:25.30 ID:JSge19wq
【*聡美さんの場合】


ピッピッピッ、ピッピッピッ

目覚まし時計が鳴っている。

「朝かぁ、今日も仕事嫌だな」

私は布団から起き出し目覚ましを止める。

「ん?ここどこ??」

見覚えが無いものが沢山?
それにベッドじゃなくて布団で寝ているなんて。

着ている物も変だ、こんなアニメキャラのパジャマ。
どうなっているの?

でもよく見たらここは私のアパートの部屋だ。
置いてあるものが子供部屋見たくなってるけど、間違いない。

良く解からないけど、取りあえず起きて着替えをしないと会社に遅れたら最悪だ。
あれ?会社だっけ私が行くの。
違う様な…。

147彼女たちの立場:2011/05/08(日) 06:59:49.42 ID:JSge19wq
「ま、取りあえず着替え着替え」

私は着た覚えもないパジャマを脱ぎ、枕元に置いてあった服に着替える。

「あ、ブラするの忘れた。ってそんなのお母さんじゃないんだから要らないわよね」

今日もお気に入りのネコさんパンツでご機嫌ね。
ん?何でこんな子供の下着を?それにこの服は幼稚園の園児服じゃないの。
こんな服じゃなくてブラウスとスカートを着ないと。

あ、でもバス来ちゃう。

「あ〜ん、もっと早く起きれば良かった〜」

朝ごはん食べてる時間もないよ。
こんなことなら家でお母さんの言う事きいていた方が良かったよ。
何で一人暮らし始めたんだろ。

ピンポーン

呼び鈴が鳴った。

「聡美ちゃん、お迎えに来ましたよ〜」

芦川先生だ。
お迎えのバス来ちゃったんだ。

「せんせいおはよ〜」

私はドアを開けて先生に挨拶した。

「おはよう聡美ちゃん、一人暮らし偉いわね」

「えへへ」

頭を撫でてくれた。
うん、やっぱりがんばって一人暮らし続けよう。

「さあバスに乗って幼稚園に行くわよ」
「うん」

私はバスに乗り込む。
今日も幼稚園頑張ろう。

148彼女たちの立場:2011/05/08(日) 07:05:28.34 ID:JSge19wq
【*恋奈ちゃんの場合】


「起きなさい恋奈!会社遅刻するわよ!」

ねむい〜、お母さんはいっつも私を怒りながら起こすからヤダ。

「まだ寝てる〜」

「いい加減にしなさい!社会人でしょ!まったく」
布団を剥がされた。

「さむい〜」

仕方なく起きたんだけど、なんかいつもと違う。
ぬいぐるみとか無いし、かわりに服がいっぱい掛かってるし、
お母さんが使ってるみたいなお化粧する大きな鏡置いてある。

お母さんにお片付けされちゃったのかな?
「お母さんわたしのぬいぐるみどこ〜?」
「あんた何寝ぼけてるの」

お母さんなんか呆れた顔してる。

「早く顔洗ってらっしゃい」

しょうがない起きないと。

私は顔を洗いに洗面所に行く。
もう歯磨きも全部自分で出来るんだもん。
踏み台使えば蛇口だってこのとおり、って、
あれ?こんなの着てたかな?これもお母さんが着替えさせたの??
このパジャマかわいくない、大人の人みたい。
でも、遅れたら困るし早く済ませないと。

わたしは顔を洗って部屋にもどったんだけど、今日はお母さんわたしの服出してくれてない。

「お母さんわたしの着る服は〜?」
「何言ってるの。会社に着て行く服なんて自分で選びなさい」
お母さんに聞いたんだけど、そしたらまたさっきみたいな声で言われちゃった。

何で会社なんだろ?よくわかんないや。
分んないからこのままご飯食べよ。

149彼女たちの立場:2011/05/08(日) 07:06:58.19 ID:JSge19wq

テーブルの所に行ったらお父さんがテレビを見ながら先に朝ごはんを食べてた。

「あ〜なんだ恋奈。お前も社会人なんだからそう言うだらしない格好で朝ごはんと言うのもどうなんだ?」

変なの。パジャマでご飯食べたらダメってことかな?

「こら、恋奈!あなたちゃんと着替えてきなさい」

やっぱりお母さんに怒られた。

「だって服わかんなかったんだもん」
「まったくこの子は。良いから来なさい」

お母さんに部屋まで連れてかれた。

「もう、胸はだけさせて。お父さん困ってたでしょ?ちゃんとブラつけなさい」
言ってお母さんはブラジャーを出してくれた。

「え〜これつけるの?」

「良いからつけるの」

お母さんにブラジャーを付けられた。なんか苦しくて嫌な感じ。

「服はこれを着なさい。まったく手が掛かるんだから」

お母さんが出してくれた服は、大人の人の服だ。
仕事に行く女の人が着る服だこれ。
なんか窮屈で嫌だけど、お母さんが用意してくれたんだからしょうがない。

着替えて朝ごはんを食べたんだけど、その後にコーヒーが出てきて飲んで見たらとっても苦いの。
でもお残しはダメなので頑張って飲んでるけどやっぱり苦い。

150彼女たちの立場:2011/05/08(日) 07:07:22.75 ID:JSge19wq

「そろそろ出ないと遅刻するわよ」

時間を見てお母さんが言ってきた。

「だいじょうぶ、お迎えのバス来たらわかるもん」
「何言ってるの。家の前までバスが来る訳無いでしょ?乗り遅れる前に行きなさい」

あれ?そうだっけ?

「わかった〜、じゃあお家でる」

なんかいつもと違う様な気がしたけど、私はバス停にむかう事にした。

「あんたお化粧ぐらいしてから出なさいよ。だからもっと早く起きなさいと」

出るときに見送ってくれたお母さんが言ってたけど、お化粧なんてやり方わからないもん。
いつもはお化粧道具にさわったら怒るのにさ。

でも、この靴歩きにくいな。なんで踵が長いんだろ?
このスカートだってぴったりしてて動きにくいし。
これじゃ、早く歩けなくてバスに乗り遅れるよ。
ああ、早く会社行かなきゃ。
151彼女たちの立場:2011/05/08(日) 07:09:00.03 ID:JSge19wq



おや、こうなるのですか。
23歳の一人暮らしの幼稚園児の女の子に4歳の社会人の女性。
少しちぐはぐですね。
でも問題ないでしょう。
そう言う世界なのですから。
存在の適応力と言うものです。
特に何が変わる事もないですよ。
まあ、後の事は与り知る所ではありませんのであしからず。



                               〜続きなど、ございませんよ?〜
152名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 07:17:06.58 ID:JSge19wq
と言う感じです。
135さん如何でしょうか?
139さんのお話も面白いと思うのですが、
私にはそれを取り入れる文才がありませんでした^^;
続きは無いのですいません。
いろいろ妄想はあっても、今書いている続きものを何とかしたいので。
なんかプロローグ的なものばかり考えてしまう傾向があるんです。
ですので、そこからお話を広げるのが大変で^^;
こんな書き手ですが、これからもよろしくお願いしします。
153名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 19:53:18.38 ID:qmMjWYH5
乙です。
やっぱり、さすがにこの立場交換には無理がありましたか(笑)。
せめて、小学生と女子大生くらいなら、何とかなったのかも。

次の長編(お屋敷/ゆあゆう/宿なし)、期待しております。
154名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 21:17:10.18 ID:qmMjWYH5
>141
明確に「ふたりの身体がそのまま入れ替わるor立場にふさわしいものに変化する」のでなければ、問題ない……はず、多分。144が言われてる通り、むしろ「身体はそのままなのに、精神が立場に引きずられて変化する」のがここのツボだと思いますし。
さらにその精神に合わせて立居振舞や癖、嗜好&思考パターンが変化するのもアリですよね?

#では、ようやく書き始めた「替玉」の続きを投下します。

 『替玉お断り』 その2

 三月某日のとある公立中学校の風景。

 ♪あおーげばーとーとしー

 この季節に定番の例の歌が流れ、しばらくしてから講堂から生徒達がゾロゾロと出てくる。
 特筆すべきは、最初に出て来た3年生と思しき連中が、皆黒い筒を手にしていることだろうか。そう、今日はこの学校の卒業式だった。
 女子の半数(及びごく少数の男子)程度が涙ぐんでいる中で、ひと際目立つのが、ボロ泣きしているひとりの女生徒だろう。
 「カッチン、大丈夫?」
 「う、う゛ん、だい゛じょう゛ぶだがら゛……」
 友人らしき周囲の女子に、懸命に平気な様子をアピールしようとしているが、どう考えても半ベソかいてる状態では上手くいってない。
 「ごめ゛ん……あ゛、あ゛だじ、ぢょっと……」
 その事には自分でも気づいてたのか、友人達の輪を離れ、ピューッと何処かへ走り去ってしまった。
 「大丈夫かなぁ?」
 「まぁ、最後のHRまでには帰ってくるでしょ。それにしても、ちょっと意外だったなぁ。
 私、日輪さんてもっとドライと言うかサバサバした娘だと思ってたわ」
 「あ、俺も俺も。まさか卒業式なんかで日輪の涙が見れるとはなぁ」
 「委員長も京極くんもヒドいよ! そりゃあ、確かにカッチンは、ドラマのクライマックスでも平気でツッコミ入れちゃうような、ちょーっとKYな娘だけど、アレでもお年頃の乙女なんだからね! ……たぶん」
 彼女の弁護(?)を聞いた周囲の人間は、「親友のお前がいちばんヒドいよ!」と思ったとか。
155『替玉お断り』 その2:2011/05/08(日) 21:17:51.18 ID:qmMjWYH5
 勘の良い読者諸氏なら、もうおわかりであろう。
 そう、半月程前に無理矢理着せられたのと同じ女子制服姿でココに「日輪香月」として来ているのは、紛れもなく彼女の兄である「日輪勝貴」なのだ。

 脳天気でアッケラカンとした性格の香月と異なり、勝貴の方は昔からエアリーディング能力というか場の空気を読む力が無駄に高い。
 簡単に言えば、盛り上がってる場面ではハイテンションに、重苦しい雰囲気ではシリアスになれる……と言うか、自然になってしまうのだ。
 おかげで「周囲から浮いてハブられる」という事態とは無縁だし、これを利用して、たとえば図書館などに行けば無性に勉強したい気分になれたりと、便利な事も多々あるのだが、必ずしも自分で制御できるワケではないのが難点だった。
 そのため、今日みたいに女子に交じって卒業式なんかに出てしまった場合には……ご覧の有り様というワケだ。
 そろそろ涙も治まったので、根が真面目な勝貴は、そろそろ教室に戻ろうと重い腰を上げる。
 「ったく……どうしてオレがこんなメに遭わないといけないんだ……」
 周囲に誰もいないのを幸い、そんな愚痴が彼の口から飛び出したのは無理もないだろう。
 昨日の日曜の朝、目が覚めた時から、彼ら兄妹は想像だにしなかった理不尽な状況に巻き込まれているのだから。

-つづく-

#とりあえず、なんとか再開してみました。
 書く気はあるし、大筋も決まっているのに、この作品はマジで難産です。以前の2作品同様「鳥魚相換の図」を使っての立場交換なのですが、問題はそのコトを入れ替えられたふたりが理解も同意もしていないことかも。
 なんだかんだ言って、「次期当主はメイドさん」も「要12歳」も、本人同士が同意してましたからね。「渡良瀬和己」も二次作だけど「日常な非日常の人」も同意してたしなぁ。
156『替玉お断り』 その2:2011/05/08(日) 21:19:38.07 ID:qmMjWYH5
#しまった! 154と155の間に、次の一文が入ります。

 さて、そんな風にクラスの友人連中に話題を提供しているカッチンこと「日輪香月」の方は、校舎の屋上でひとり気分を落ち着けていた。
 「うぅ、まさか自分のものでもない卒業式で泣いちまうとは……不覚」
 給水塔のある建物にもたれてペタンと三角座りしつつ、そんになことを呟く「香月」。
 いや、それは本当に「日輪香月」という少女なのだろうか?
 よく見れば髪が短いうえに、眉も太い。また、声も少し低いし、何よりこの年頃の女の子にしては立居振舞が、なんと言うか無頓着過ぎる。
 今だって、スカートの裾が乱れるのをまったく気にしてないので、可愛らしいピンクのショーツが丸見えだ。
 いや……待った。紳士的な行為とは言い難いが、そのスカートの中から覗くショーツの股間部分をよく見てると、明らかに女子にあるまじき膨らみがある見てとれるではないか!
157名無しさん@ピンキー:2011/05/09(月) 06:29:14.23 ID:cEkcFn2n
>>『替玉お断り』
乙です。
ついに続きが始まりましたね。
今度の作品は妹の方も兄の立場になって困る事態なんですよね?
新作に期待に胸を膨らませています。

あと、「天才子役が忙しくて通えない幼稚園を、ダメマネージャーが代わりに通う」のお話は無理があった訳ではないです。
むしろ妄想が広がり過ぎて文章に起こすと収集が付かないですw
どうも短く完結させるのが苦手な自分はこれ以上書いているのを増やすと、今書いている分を書かなくなりかねそうで^^;
きちんとお話を完結させようは未だにクリアできない課題です。

158名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 01:14:41.95 ID:8IglRysY
※114の案を簡単に文章化。まぁ、小ネタと大差ありませんが。
 固有名詞も考えるのがアレだったので「黒白」から再利用です。まぁ、キャラは同じでも設定が大きく異なるパラレルワールドだとでも思ってください。

『是ぞまさに善悪相殺?』

 「みんな〜、晩御飯の用意ができたわよー!!」
 割烹着姿で食堂から廊下に出ると、ガンガンガンとおたまで空鍋を叩きながら、夕飯の支度が出来たことを大声で告げる。
 「「「うぃーーーーッス!」」」
 あちこちの部屋から、ゾロゾロと晩御飯にありつこうと、ガタイのいい連中が各々の部屋から飛び出してくる。
 それを確認したところで、わたしは満足げにうなずくと、配膳のために再び厨房にとって返す。
 ほどなく、つい先日入ったばかりの新米から、叩き上げのベテランや班長クラス、さらにはわたしにとっての直属の上司に至るまで、今この建物にいる50数名の「仲間」が、広い食堂に集まってくる。
 みんなで「いただきます」と手を合わせてから食事にとりかかるのを、わたしは腰に手を当てて満足げに見守った。
 「あ、おかわりはたっぷりあるから。慌てないでゆっくり食べなさい」
 そう教えると、大半の連中が歓声をあげる。や〜、そんなに喜んでもらえると、料理した者冥利につきるわね。
 ココの光景だけ見てると、まるでわたしは「食堂のオバちゃん」みたいだけど……これでもわたしは花も恥じらう17歳の乙女なのだ! まぁ、組織(ココ)の記録上は25歳ってことになってるけどね。
 え? 上にも下にもサバなんて読んでないわよ? 
 (はぁ〜、それにしても何でこんな事になっちゃったんだろう?)
 「仕事」に対する充実感とは別に、冷静になるとそんな感慨も浮かんでくるんだけど……まぁ、今はなりゆきに任せるしかないか。
159『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/11(水) 01:15:22.32 ID:8IglRysY
 おっと、自己紹介がまだだったわね。
 わたしは……日本侵略を目指す悪の組織ダスティの三将軍のひとりであり、首領スカイゴワル様直属の女幹部・魔将姫サキュベイン!
 ホラ、よく見れば割烹着の下にちゃんといかにもソレ風な黒のボンデージ着てるでしょ? 戦闘現場に出る時は、この上にマントも羽織るんだけど、さすがに普段は邪魔なんで外しているけどね。

 もっとも、この肩書&名前も、本来はわたしのものじゃない。
 元々、わたしは慶聖女学院2年B組に所属する環真奈美であり、同時に光の妖精の使徒であるセイントジュエルズのひとり、セイントパールだったんだから。
 ちなみに、「本物」の魔将姫サキュベインもちゃんといるんだけど、今は彼女がわたしに代わってセイントパールやってる。未確認だけど、その普段の姿である真奈美もやってくれてるんだと思う、たぶん。
 あ、マンガとかでありがちな「頭と頭がぶつかって心が入れ替わった」とか「サキュベインの魂に取り憑かれて、追い出されたわたしの魂が元のサキュベインの身体に入った」ってワケじゃないわよ?
 この身体も顔もわたしのものだし、それは向こうも同じ。
 でも……そうね、あえて言うなら後者に近いのかな?
 現在の状況を端的に説明するなら、わたしと彼女の「立場」が入れ替わってるようなものだから。

 本人の話と、後でサキュベインの日記から察した限りでは、彼女が敵味方の両方から散々「年増」呼ばわりされて頭にきてたことが、事の発端だったみたい。
 25歳ってのは、確かに未婚の女性として「若い」と断言できるかは微妙だけど、それ以上に彼女の場合、「悪の女幹部のたしなみ」としてのケバいメイクが年齢を3、4歳上に見せていたんだと思う。
 同性としては同情しないでもないけど、だからって彼女が考え出した、わたしたちセイントジュエルズのコスチュームを着て、自分だってまだまだイケると証明しよう……だなんてのは、どうかと思う。
 いや、勝手にコスプレするぶんには文句はないわよ? でも、ワザワザわたしたちのひとりを誘拐して、その衣裳を剥ぎ取って着替えるってのはどうなの?
 で、その誘拐対象として白羽の矢が立ったのが、彼女と比較的背丈や胸の大きさが近いわたしだったわけ。

 郊外の廃工場におびき出されて単独行動になったところを、不意打ちされて気絶。目が覚めた時、わたしは工場の仮眠室らしき部屋に連れ込まれて、全裸にされたうえ後ろ手に縛られ、猿ぐつわまで噛まされていた。
 目の前には、同じく一糸まとわぬ20代半ばとおぼしき女性の姿が! いや、その時はてっきりレズビアンの痴女に襲われて、そのままわたしの初めては奪われてしまうのかと、本気でビビったわよ。
 まぁ、よく見ると、その女性の正体は、ほかならぬサキュベインだったんだけどね。
 いつもの悪趣味なバタフライマスク外して、さらに化粧も落としたスッピンだったせいで、とっさにはわからなかったの。
 素顔の彼女は、思ったより若いし、同性から見てもかなりの美人さんだったわね。
 彼女は、わたしが目覚めていることに気づいてないらしく、手にした布──間違いなくわたしがさっきまで着ていたはずの下着を手早く身に着け始めた。幸い(?)身長165センチで88・61・85のわたしと体型が似ているせいか、さほど苦労せずに着れたみたい。
 続いて、わたしが右手首に着けていたはずの変身ブレスレットを自分の右手にはめると、「ジュエル・トランスファー・ホワイトカラー!」という変身のための合言葉を唱えた。
 すると、本来はわたしにしか反応しないはずのブレスレットが光を放ち、彼女の姿がその光の中に呑み込まれていったのよ!
 光が消えた時には、そこにはセイントジュエルズのひとり、純白の癒しの使徒、セイントパール……のコスチュームを着たサキュベインが立っていたわ。
 「コレよ、コレ。やっぱり魔法少女と言えば、フリフリのヒラヒラよね♪」
 見るからに浮き浮きした様子で、鏡に向かっていろいろなポーズをとったりしてる。
160『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/11(水) 01:15:55.95 ID:8IglRysY
 わたしたちセイントジュエルズのコスチュームって、実は結構個人差が大きい。ルビーのは真紅の振袖(ただしミニ丈)っぽい印象だし、サファイアは逆にスク水の上に体操服や手足のプロテクターを付けたみたいな感じ。
 その点、セイントパールは言うならば……うーん、プリ●セスセレニティ? まぁ、さすがにアレよりはスカートは短い(膝丈)し、足元はハイヒールじゃなくてショートブーツだけど。
 両手に白い手袋をして、目のあたりが大きめのバイザーで隠れているのは、他のジュエルズと共通ね。
 率直に言って、20歳半ばの女性がするには本来ちょっと無理があるはずの格好なんだけど、不思議なことに、この時の彼女には、本来の持ち主のわたしから見ても、結構似合ってるように見えた……まぁ、多少のコスプレ感は否めないけど。
 わたしが意識を取り戻したことに気付いたのか、サキュベインは、幾分申し訳なさそうに、こんなことをした理由を簡単に説明してくれた。
 すなわち、「自分を年増呼ばわりした奴らに、この愛らしい格好で見返してやるんだ!」ってことらしい。
 「ごめんなさいね。貴女はいつも礼儀正しいし、わたしのことも馬鹿にしたりしないとってもいい娘だったから、できればこんな事したくなかったんだけど……。ただ、他の子のだと服のサイズが合わなさそうなのよ」
 そんな理由で選ばれたのか、とガックリくるわたし。
 「安心なさい。ひととおりアイツらに見せびらかしたら、解放して服も返してあげるから」
 てことは、逆に言うと、わたし、それまでこのままなの?

#前後篇予定です。前編はここまで。
161名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 16:12:52.45 ID:/cEKynhw
乙!
期待してまーす
162名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 16:50:18.01 ID:bjmzjh4R
>>154
>むしろ「身体はそのままなのに、精神が立場に引きずられて変化する」のがここのツボだと思いますし。

引きずられるって何?
そんな洗脳まがいのがどうして面白いの?
163名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 16:51:41.81 ID:QJ6fonHP
人の嗜好にケチつけてどうすんの
164名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 17:11:32.95 ID:zUUk2dKm
勝手にツボなんて言うから
こっちも勝手に言ってる。
165154:2011/05/11(水) 17:35:14.14 ID:BaynaJEa
>むしろ「身体はそのままなのに、精神が立場に引きずられて変化する」のがここのツボだと思いますし。
あー、申し訳ない。確かに単独で断言するのはマズいですね。
せめて「ツボのひとつ」くらいにしておけば角が立たなかったものを→自分
166名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 21:55:10.69 ID:Sxb5Ec8f
>是ぞまさに善悪相殺?
GJ!続きに大いに期待です。

 
167名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 22:06:30.46 ID:Sxb5Ec8f
上げてすいません。
ここの住人に質問です。
どう言ったシチュエーションに需要あります?
好きな話の流れとか、要素とか。
書く時の参考にしたいと言うか、ぜひ聞いておきたいので教えてもらえないでしょうか?

ちなみに私は立場を入れ替えられた主人公が困るのが好きです。
あと黒い話も結構好きですが文章力が貧困なので書けません。

皆さんご意見をぜひお聞かせ下さい。
168名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 00:25:24.51 ID:7a9GV9GP
>>167
男女で立場逆転して恥辱要素があればいい
169名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 01:39:38.72 ID:o3mH+wi/
それはガチだな。
年齢差が大きいシチュも面白いが、同じクラスの男女で立場入れ替わりというのも見てみたい。
個人的には全員交換より、1人だけ交換の方が"異常"が際立って良いんじゃないかと思う。
170名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 11:20:53.04 ID:uE8DKhvM
主人公の身の回りの人間の立場が変わっていくのが好き。
171名無しさん@ピンキー:2011/05/12(木) 13:29:11.80 ID:kndavNCi
>>167-170

やっぱり同じスレ住民でも嗜好は多彩ですね。自分なんかは
「当人達以外、誰も気づいていない(自然なことと受け入れている)、
 でも、当人達は死ぬほど恥ずかしいし戸惑う・困る」
というのか好きかなぁ。ただし、片方だけノリノリなのはアリ。
加えてバッドエンドは書きたくない人なので、多少力技でも
「ま、コレはコレで当人達は幸せじゃね?」
という終わり方にしちゃいますけど。
そのぶん、ここのダーク好きな方々には受けないみたい。

169の人の発言とは逆にシチュ──クラスの全男女の立場が入れ替わるが、
奇数だった(女の子がひとり少ない)ため、主人公だけが正常な状態
……ってのも、短編としてはおもしろそう。筆力必要でしょうけど。
オチで、みんな無事元に戻るんだけど、主人公だけは、新しく来た
教育実習生の女子大生と立場交換されちゃう……とか。
172『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/13(金) 00:21:20.12 ID:yPZCX//1
#表題作の後半部です。

 意気揚々とセイントパールの格好をしたサキュベインが出て行ってから、半時間くらいはおとなしくしてたんだけど、さすがに全裸で縛られたままってのは辛い。おそるおそるもがいてみたら……あれ? 意外と簡単に縄は解けちゃった。ラッキー!
 とは言うものの、それでも全裸痴女状態なのには変わりはないのよね。このままじゃ外に出られないし、どうしたものかなぁ。
 ──と思ってたわたしの目にとまったのが、仮眠室の隅に畳んで置かれた黒い布。手にとると、予想通りそれは、いつものサキュベインが着ている、いかにも「悪の組織の女幹部です!」という感じのコスチュームだったの。
 わたしの好みとは160度くらいかけ離れてはいるけど、まぁ背に腹は代えられないし、渋々着てみることにする。
 ノースリーブのレオタードみたいなデザインの黒革のボディスーツと、網タイツならぬ網サイハイ。剥き出しの腕には肩の近くまでありそうなエナメルの長手袋をはめて、靴は7センチピンヒールになったエナメルのロングブーツ。
 「どう見ても女王様です。本当にありがとうございます」って、腐女子入ってるセイント
トパーズなら言うわね、きっと。
 サキュベインがパールのコスチューム着れてたから予想はしてたけど、こちらの衣装も、少なくともサイズ的にはわたしにピッタリみたい。
 デザイン的にちょっと(?)恥ずかしいことさえ除けば、シンプルで動きやすいし、着心地も結構いいかも。それで、つい魔がさしちゃったんだろうなぁ。
 わざわざトゲトゲショルダーガードの付いたマントを羽織り、ゴデゴテと宝石飾りのついて黒いカチューシャと、バタフライマスクまで装着して、鏡を覗き込んでみる。
 うわ〜、いかにも悪女っぽい。て言うか、モロに悪の女幹部だわ〜。

 「ふふふ、セイントジュエルズよ、今日こそは貴様らの年貢の納めどきだ!」
 調子に乗って、鏡の前でノリノリでポーズをとってたら……いきなり、ダスティの下級戦闘員や怪人が、仮眠室になだれ込んで来た。
 「「「「サキュベインさまぁ〜、俺達が悪かったっス!」」」」
 「拙者も、二度と年増だなんて口にしませんから、帰ってきてくだされ!」
 え? え? 何? どうなってるの?
 たぶん、こんな格好してるから、本物と間違えられてるんだとは思うけど……。
 「うむ、サキュベインよ。我らも貴公の善意に甘え過ぎたことは反省している。
 この通り謝るから、どうか機嫌を直してもらえないだろうか」
 「グランゴワール皇帝も皇妃ティナスカヤ様も、お主のことを心配しておいでだ」
 うわ、わざわざ三将軍の残りのふたりまで来てる!?
 この状況下で、「ごめんなさい、実はわたし、サキュベインじゃないんです。テヘッ♪」なーんて言える程、丈夫な心臓してないわたしは、流されるままダスティの秘密基地へと、連れて行かれたの。
173『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/13(金) 00:22:17.33 ID:yPZCX//1
 どうやら、サキュベインって一昨日から家出(って言うのかしら、こーゆー場合も)して、帰って来なかったらしい。
 あ〜、なるヘソ。だからあんなにストレスで切羽詰まってたのかー。
 さらに、それとなく聞いてみてわかったんだけど、女手の少ないこの基地では、いろいろ非戦闘員の手の足りてない部分(具体的には、食事とか掃除とか裁縫だとか)を、サキュベインが文句言いつつ補ってたらしい。
 いや、週に3回の割合で食事当番を担当している、組織の最上級幹部ってどうなの?
 作戦立案や現場指揮、さらに時にはセイントジュエルズとの直接戦闘までこなしたうえ、疲れた体に鞭打って繕い物するとか、どう考えても超過労働よね。
 その挙句「嫁き遅れ」とか「年増」って言われたなんて……うん、サキュさんが、ヤサグレる気持ちが痛い程わかるなぁ。
 ──というワケで、本来敵であり、わたし個人もヒドい目に遭わされた(いや、現状からすると「遭わされている」か)女性なのに、なんかこう、同情心がひしひしと湧いちゃって……。
 気がついたら、ダスティの組織改革に手を出しちゃってました……テヘッ♪

 いや、だってこの組織って、信じられないくらい非効率だったんだよ?
 こう見えてもわたし、3年前に弟が生まれるまでは、環財閥のひとり娘&後継者候補として、それなりの教育──古臭い言い方すると「帝王学」ってヤツを受けてたのよね。
 もっとも、今となっては弟が父さんの跡を継ぐことになったから、比較的気楽な立場になれたけどさ。
 だから、会社の経営の初歩くらいなら、十分に分かるんだけど、ダスティって、その魔道技術とかはともかく、今まで半年間もったのが奇跡みたいなヘッポコ組織だったんだから。
 上意下達の不徹底、幹部による会議の不足、戦闘偏重による後方要員の明確な不足、財源確保の不透明……挙げていったらキリがないわ!
 幸い、周りの誰もが、わたしのことをサキュベインだと思ってる(たぶん、コスチュームと蝶仮面のせいかな)から、「家出?してフッキレた」という設定で、「言いたいことを言わせて」もらったの。
 他の幹部や上司(?)の皇帝夫婦も、「また出奔されてはかなわない」と思ったのか非常に協力的で、一週間と経たずにかなり風通しが良くて健全な組織構造を構築できた──いや、「健全な悪の組織」ってのもどうかと思うけどね。

 え? 「どうしていつまでも悪組織(そんなトコ)にいるのか」って?
 それが……どうやらこのサキュベインの服って、どうやらRPGとかで言う「呪われた装備」だったみたいで、どうやっても脱げなくなったのよ!
 さすがにマントとか仮面とか靴は外せたんだけど、ボディスーツと手袋&靴下は、肌に貼り着いたみたいになって、どうやっても脱げないし、オマケに凄く丈夫!
 逆に多少の破損は数時間で直ってるし、お風呂とかに入っても水着着てるようなもので平気だし、すぐ乾くから、実生活面ではそれほど困ってはいないんだけどね。
 いろいろ調べてみたんだけど、どうやらこの装備類って、性能面では凄いんだけど、本来は「属性・悪」の人専用だったみたい。だから、元々「悪」のサキュベインは、普通に着脱してたんだと思う。

 あ、で、その本物のサキュベインの方なんだけど……どうやらわたしに代わってセイントパールをやってくれてるみたい。
 「みたい」って言うのは、作戦現場とかで何度か見かけた「彼女」が、事情を知ってるわたしにさえ、「セイントパール」以外の何者にも見えなかったから。
 たぶん、コスチュームに備わった「認識阻害」効果の賜物だと思うんだけど……。
 平たく言うと、セイントジュエルズのコスチュームを着ている時は、たとえ親兄弟に素顔をさらしていても、その人は「セイントジュエルズ」としてしか認識されないっていう機能が付いてるのよ。
174『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/13(金) 00:22:58.69 ID:yPZCX//1
 逆に変身を解いたら、あのブレスレットを付けてる限り、今度は「装着者は●●というただの少女」という認識を周囲に投げかけて、変身した姿との関連性を思いつかせないようにするというスグレモノ。
 どういう手を使ったのか、本来1対1対応の変身プレスを、彼女は起動させていた。だとしたら、たぶん変身以外の機能も正常に働いている可能性は高い。
 そうなると、変身を解除したら、わたし「環真奈美」として認識されるようになってる……と考えるのが妥当よね?
 正直わたしの家って、裕福ではあるけど、かなり格式ばってて窮屈だから、うまくやれてるか心配なんだけど……。

 まぁ、今は他人の心配より自分の身のふりかたよね。
 どうも一回「家出」したせいか、さりげなく周囲の部下とか同僚が監視してるみたいだし、すぐに抜け出すのは無理っぽいから、当面はそのまま「魔将姫サキュベイン」をやるしかないのよね〜。
 もっとも、例の組織改革で、幹部の中でも作戦参謀格のサキュベインが、あまり現場に赴かなくてもいい体勢は作ったんで、だいぶ気が楽になったわ。
 セイントジュエルズの方も約1名が(こっそり)入れ替わってるせいか、あまり活発な活動はなくて、とりあえずは小競り合いが何度かあった程度だし。

 ただ、例の食事当番については、現在も継続中。まぁ、わたしは別段料理とか好きでさほど苦にならない……って言うか、むしろ好きな方だし。
 だって、自分の作ったものを「美味しい」って食べてもらえるのって嬉しいじゃない?
 家では、「女の子のたしなみ」として習った時以外は、台所に立たせてもらえなかったからなぁ……。専門のコックさんとか雇ってるから、仕方ないんだけどさ。
 わたしの作った素人料理は意外なほど好評で、他の幹部はもちろん皇帝までも食べに来られたり、皇妃に「料理を教えてほしい」と頼まれたりした。

 皇妃ティナスカヤ様って、パッと見は長身の美人さんなんだけど、その性格は……なんて言うか、スゴく世間知らずで純真で可愛いの!
 年齢は地球人で言うなら20歳過ぎくらいかな。そのせいか「25歳のサキュベイン」のことをお姉さんみたいに思ってるらしいのよね。
 わたしも、甘えられたり頼りにされたりしてるうちに、いつの間にか妹に対するみたいに接するようになっちゃったし。
 あとで気づいて赤面&汗顔モノなんだけど、皇帝陛下も笑って許してくれた。むしろ、「できば、我が妃の友人となってやってくれ」と推奨されたくらい。
 まぁ、確かに、このダスティに女性メンバーは少ない(構成員の2割くらいかな?)し、その中でさらに皇妃様と接して気遅れしない人間なんて限られる……って言うか、もしかしてわたしくらい!?
 わたしとしても、精神年齢の近い、気の合う女性と仲良くすることに異論はないんだけどね。

 * * * 

 うーん、それにしても……ここ、ダスティの秘密基地に来てから、はやくも1月あまりの時が流れちゃったけど、どうしたものかしら。
 最近では、セイントジュエルズとの戦いも以前と同様活発化しつつあるし、わたしも細かい指揮が必要な場合、現場に出ることもあるから、脱走すること自体は比較的難しくないのよ。
175『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/13(金) 00:23:31.03 ID:yPZCX//1
 でもねぇ……なんて言うか、コッチに色々しがらみもできちゃったし、敵味方の思惑とか事情も知っちゃったしなぁ。
 もちろん、ダスティがある種のテロを行っている「悪の組織」であることは確かなんだけど、対抗馬であるセイントジュエルズ……というか、そのバックについてる賢者ハミアも、無償の善意と正義の塊りってワケじゃないみたいなの。
 何より、ダスティが現在のような活動を繰り広げるようになった原因は、日本政府の愚か過ぎる対応が直接の原因だし……。

 うーん……実は、お嬢様学校の女子高生とセイントパールやってた頃より、今の方がやり甲斐というか充実はしてるんだよね。
 家のこととか外見で誤解されることが多いけど、わたし自身はあんまり「絵に描いたようなお嬢様」な暮らしが、あんまり好きじゃなかったし。
 だからこそ、ハミアさんの誘いに乗ってセイントパールとして戦うことに同意したんだけど、そこで任された役目は「癒しの白」、つまり回復&防御要員だったのよね〜。
 そりゃ、わたしだってRPGとかで僧侶が必要だって意見には賛成するわよ? でも、自分が積極的にその役目を引き受けたいか、って言えば答えはNOね。
 しかも、メンバー最年長(て言っても、ひとつ年上なだけだけど)だから、自然と調整役を期待されてたし……。
 サキュベインとは別の意味で、わたしも結構ストレスが溜まってたと思うんだ。

 その意味では、こんな事態になって環境が激変したことは、気持ちにリセットがかかって良かったかな、とも思う。
 なんたって今のわたしは「女幹部」だから、かなりの裁量権があるし、ティナ様という妹分的親友もいるし、皇帝(じょうし)も気さくでいい人だし、部下達の人気も高いし。
 最近はウチの戦闘員たちのあいだで、「サキュベイン様ファンクラブ」が発足したらしいし。なんでも「俺達のサキュベイン様がこんな可愛いはずがない!」が合言葉なんだって。
 まぁ、コレでも中の人(w)は、ピチピチの17歳ですからね〜。でも、なんだかんだ言って女冥利に尽きるでしょ。

 ──アレ? もしかして、わたし、戻りたいって気持ちがあんまり……というかほとんどなくなってる?
 ……うん、そうかも。 もういっそ、このままでもいいかなぁ。

 サキュベイン(真)が、あっちでちゃんと「セイントパール」の役目を果たしてるのは、わたし自身何度か目にしてるし、「環真奈美」としての暮らしにも、うまく適応してるみたいだし。
 こないだ元いた女子校に偵察部隊を送り込んだんだけど、彼女、いつの間にやら生徒会長になって、後輩や同学年の子達から「お姉様」呼ばわりされてたのには、ちょっとビックリ。
 水晶球越しに見た限りでは、立居振舞とか言葉づかいとか、下手したらわたしよりずっと「お嬢様」っぽいんじゃないかな。ああ、そう言えば、彼女、元は貴族の娘さんなんだっけ。道理で。

 まぁ、とりあえず急いで答えは出さなくてもいいか。
 今わたし達で練っているプロジェクトWが動きだせば、アチラ──ジュエルズ側もきっとコチラへの協力を申し出てくるはず。ハミアさんが馬鹿じゃなければ、だけど。
 はは……いつの間にか、元の仲間を「アチラ」呼ばわりしてるわね、わたし。
 無論、絶対とは言えないけど、うまくいけばジュエルズと和解し、日本政府にひと泡吹かせ、このダスティが「国家」として地球に確たる基盤を築くことも可能だしね。
 さて、それまでいっちょ、「魔将姫サキュベイン」として頑張りますか!!

-おわり?-
176『是ぞまさに善悪相殺?』:2011/05/13(金) 00:26:30.05 ID:yPZCX//1
#これにて一件落着……とするつもりだったのですが、「パール」になったサキュ様の独白とかあってもいい気がしてきた。書いた方がいいでしょうかね。
こちらのダスティと『黒白』のDUSTY、セイントジュエルスとエクサイザーズの関係、もっと言うなら、そもそもこの悪の組織の前身とか背景とかも設定してるんですが、長い上にダレるので省略。気になる人は、そのうちブログに載せるんで読んでみてください。
177名無しさん@ピンキー:2011/05/13(金) 02:09:16.16 ID:AqQ2OJsh
乙。 GJです!
今度のはライトな感じが良いですね。
ブログでの再掲載も期待しています。
178167:2011/05/13(金) 02:17:55.39 ID:AqQ2OJsh
>>168〜170
質問にお答え下さりありがとうございました。
今後の参考にさせて頂き、そう言ったものを取り入れ書けるよう精進します。

ところでOD系の立場交換好きの方のお話しも伺いたいのですが、
どなたかお聞かせ願えませんか?
179167:2011/05/13(金) 02:29:14.22 ID:AqQ2OJsh
失礼しました。
アンカーに171さんがもれていました。

  ∧∧ 
  (,,゚Д゚) わざとじゃないんですってホント。
  / つつ
〜(__)
180名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 02:36:30.97 ID:Ye26rbdS
>>178
優等生と不良の交換が個人的には好きだな…
通う学校も変わったりして、徐々に優等生は堕落して
かつての不良に馬鹿にされるとか。
181名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:49:57.93 ID:JL/eBvkk
【その1】
あんなに輝いていた夕日は高層ビルの彼方に姿を隠し、
代わりに飲み屋の客引きがどこからともなく湧き出てきた。
蚊のようにまとわりついてくる鬱陶しい奴らをサングラス越しの視線で払いのけながら、
初めての街を我が物顔で練り歩く。
向こうから歩いてきた大学生風の集団が避けようとしないので、
その中でも一番ガタイのいい奴のわざと肩にぶつかって睨みつけてやったら
「ごめんなさい」とすぐに頭を下げて、ケンカに負けた子犬のように逃げていった。
トライバルタトゥー風のシルバープリントが施された黒いロングTシャツと揃いのスウェットパンツが
ジャラジャラと音を立てるぶっといシルバーのウォレットチェーンと
禍々しい意匠のクロスペンダントを引き立たせたオラオラ系ファッション。
そんな服を身に纏っているだけでもなんとも言えない怖さがあるだろうに、
短く刈り込んだ金髪と黒いサングラスがそれをさらに際立てる。
実の家族ですら恐る恐る話しかけてくるほどの威圧感がある今のオレを前にして、
たかがリーマン程度がどうにかできるはずがない。
まぁ実際相手が喧嘩を吹っかけてきてもボコボコにする自信はあったが。
「あー、会場行く前にヤニでも入れてくか」
目に留まったコンビニ横の灰皿に惹かれるように立ち止まり、
ポケットからいつものようにセッターを取り出して火をつける。
肺だけでなく、頭の中まで満たしてくれるような、独特の辛味がある紫煙を堪能しながら、
道行く人々をボーッと眺める。
土曜日だけあって友人同士で集まって飲むようなヤツらが多く、
合コンなのか綺麗に着飾った女の子もちらほらと見受けられる。
あの中の1人ぐらいお持ち帰りできないかな? なんて考えながら、
すっかり短くなったセッターを地面に投げ捨てて潰すように踏み消す。
横に灰皿があるというのに思わず習慣が出てしまい、ちょっと苦笑い。
しかし拾うのも面倒くさいので、そのまま放置して立ち去る。
どうせコンビニの店員がかたずけるだろう。
「もうこんな時間か」
ふと時計を見ると、時刻はもう6時半を大きく回っていた。
確か開場時間は6時半だったか。
「ま、少しぐらい遅れても問題ないだろ」
そう呟いて、オレは新しい煙草に火をつけた。
182名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:51:18.16 ID:JL/eBvkk
【その2】
7時過ぎになって訪れた同窓会は金のない学生が飲んで騒いでと楽しめるように、
赤い看板系居酒屋の宴会場を借り切って行われていた。
店員に案内されて宴会場の前へとたどり着くと、
精いっぱいおめかしをしているがどちらかと言えば『残念』な部類に入る女子2人が
わざわざ受付として待ち構えていた。
ご苦労な事だ。
「ええと……北東京市第4中学校3年C組の同窓会に参加される方ですか?」
眼鏡をかけたぽっちゃりをさらにぽっちゃりさせた女が、恐る恐る訪ねてくる。
「決まってんだろ」
「ええと、名前を……」
こんなタイプのヤツと話したことがないのだろう、少し震えながら名前を聞いてきた。
「つかさ。斉藤つかさ」
「ええと……」
受付係のもう1人が、名簿を上から順に眺めていく。
「ほら、『サイトウツカサ』って2人いたじゃない。男と女で」
「あ、そうだったっけ」
名簿を見ながら受付の2人がヘンに盛り上がる。
「えっと、斉藤くん? じゃ、会費4000円になります」
「ほらよ」
俺が会費を突きつけると、受付は名簿の出席欄に丸をつけた。
183名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:52:20.75 ID:JL/eBvkk
【その3】
小さな声でオレについて話し合うブス2人を軽く睨みつけ、会場の中に足を踏み入れる。
すると、さっきまで盛り上がっていた会場内が一瞬凍りついたかのように静まり返り、
また何事もなかったかのように会話が始まった。
しかし、会場内のヤツらがオレを見る目でわかる。
話している内容はさっきまでと全然違う。
「不良だ」「斉藤だっけ?」「なんでアイツ来たんだ?」
そんな空気がひしひしと伝わってくる。
そのムカツく空気を気合で押し黙らせるように、部屋の隅の方にどっかと座り生中を注文する。
ほどなくして出てきた生中を一気に呷り一息つくと、
どこぞの物好きが声をかけてきた。
「ええと、斉藤……くんだよね?」
「……お前は?」
「ほら、学級委員だった高橋だよ! 久しぶりだなぁ」
成績は普通だったが生真面目だった男子の学級委員は、卒業して5年経っても相変わらずだった。
「ああ、高橋か。久しぶり」
大学生らしく少しだけ垢抜けた感じのするメガネは、同窓会で浮かないようにと彼なりに気を配っているらしい。
「ねぇ斉藤くんはいま何やってるの?」
面倒くさい質問。
「工務店で働いてるよ」
「そうなんだ」
ちょっと嬉しそうに相槌を打つバカメガネ。
どうせ内心では『お前と違って俺は大学生だぞ』とか思っているに決まっている。
184名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:54:41.76 ID:JL/eBvkk
【その4】
バカメガネの他愛のない話に付き合っているうち、
見た目こそ怖いがそこまで恐れるほどじゃないと気付いたのだろうか
どんどんと周囲に人が集まってきた。
しかしどいつもこいつも大学に通って、やれ単位がどうだ、
サークルがどうだといった話しかしやがらない。
話を適当に合わせるのもめんどくさくなってくる。
3杯目の生中を飲み干し、ヤニ切れに耐え切れずセッターに火をつけた頃、
誰かが持ってきた卒業アルバムがテーブルの上に広げられた。
5年前の卒業写真。
等間隔に並んだ5年前の個人写真を肴に、様々な思い出話に花が咲き始める。
「ほらほら、斉藤くん。昔もツッパってたんだね」
バカメガネが指差す先には、半分眉毛がなく短髪を赤く染めた
『いかにも不良です』といった少年の顔写真があった。
写真の下には『斉藤司』と書いてある。
その写真を見ながら、やれ校内で先輩5人相手に大喧嘩して勝っただの、
タバコ吸って停学食らっただの、7歳年上の女と付き合ってた噂があっただの、
『オレの武勇伝』で盛り上がるクラスメイト達。
そんなどうでもいい話にうんざりして怒鳴りだしたくなった時、
開場の入口の方から男子共のどよめきにも似た歓声があがった。
何事かと思い視線を動かすと、
「ごめんなさい、遅くなっちゃいました」
細かい花柄のマキシワンピースにショート丈のデニムジャケットを羽織り、
明るい茶色に輝くロングヘアをゆるくふんわりした巻き髪にまとめた
1人の女性が微笑みながら会場に入ってきた。
185名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:55:30.42 ID:JL/eBvkk
【その5】
「遅いよ『ツカサチャン』」
「こっちこっち! 早く座って!」
グラビアアイドルですらかなわないような笑顔を振りまきながら現れた彼女は
あっという間に女子グループの中心となり、話に花を咲かせている。
「斉藤、ずいぶんと美人になったなぁ」
「あんな娘、彼女に欲しいよな」
女子グループから離れて座っている野郎共の話題も、一瞬にして彼女一色に染まってしまった。
「そういや、彼女も『サイトウツカサ』なんだっけか」
「こっちの『サイトウツカサ』とは大違いだな」
大分酔っぱらっているのか、口の悪い連中が笑いながらオレを指差す。
両手でカシスオレンジの入ったグラスを持ちながら、
他愛のない話題でかわいらしく笑うサイトウツカサ。
「しっかしかわいいなぁ、サイトウ」
「昔っからかわいかったけどな」
誰かが拡げっぱなしになっていた卒業アルバムを指し示す。
そこには艶やかなロングヘアにぱっちりした瞳が特徴的な少女が写っている。
名前欄には『斉藤つかさ』。
ここにいる誰もがこのいかにもお嬢様然とした写真の女の子が、
あそこで両手でカシスオレンジの入ったグラスを持ちながら、
他愛のない話題でかわいらしく笑うサイトウツカサだと思うに違いない。
だが、このオレこそが、写真の少女の『斉藤つかさ』であり、
あっちのお嬢様風女子大生が手のつけられない不良として名高かった『斉藤司』なのだ。
誰も信じないだろうけど、これが現実なのだ。
186名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 05:56:20.58 ID:JL/eBvkk
【その6】
事のきっかけは中学3年の冬、受験シーズンまっただ中。
オレも当時は普通の女子で、進路をどうするか悩んでいるところだった。
普通に高校受験をするか、それとも学校側が勧めるお嬢様学校の三葉学院の推薦を受けるかどうか
頭を抱えて考えに考え抜き、
最終的に三葉学院に行くと結論づけたのだった。
しかし推薦試験の当日、受験票に書いてある試験会場を訪れてみると何か様子がおかしかった。
お嬢様学校のはずなのに、試験会場には怖そうな不良少年しかいないのだ。
何かがおかしいと思いながら面接を受け、しばらくして合格通知が届いたとき
大変なことが発覚した。
そう、オレが受けに行った高校はお嬢様学校として名高い三葉学院ではなく、
不良学生の吹き溜まりとして有名だった三葉学園だったのだ。
慌てて先生に問い詰めてみると、クラスにいた同じ読みの名前を持つ不良生徒『斉藤司』に受けさせるはずだった高校の試験をオレが受け、
代わりにオレのために用意された三葉学院の推薦試験を『斉藤司』が受けたのだという。
しかも偶然とは恐ろしいもので、不良の斉藤司が三葉学院の試験に合格してしまったとのこと。
単願推薦のシステム上、合格したからには絶対に通わないといけないと諭され、
オレは結果的に不良男子ばかりが詰め込まれた三葉学園へと通うことになってしまったのだ。
朱に交われば赤くなるとはよく言ったもので、最初は恐々通学していた三葉学園だったが、1か月、3か月、1年と通ううちにどんどんと周囲になじんでしまい、
今では5年前の少女の面影すら感じられないほどの『男』へと変化してしまった。
たぶん、あっちのサイトウツカサもお嬢様学校の雰囲気にのみ込まれてああなってしまったのだろう。
オレもちゃんと三葉学院に通っていたら、あんなお嬢様っぽくなれたのかな……
なんて思いながらサイトウツカサを見つめたら、一秒視線が交わった。
ほんのわずか一瞬だけ勝ち誇ったような顔をした後、また口角を上げた作り笑顔で愛想を振りまき始めた。
そのしぐさがなんとも憎らしく、そして現状の立場の差を見せつけられたかのような気分にさせられ、
そのイライラを鎮めるため最後の1本だったセッターに火をつけるのだった。
187名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 06:01:29.95 ID:JL/eBvkk
おしまい
>>97は短すぎたので、ちょっと長めにと頑張ってみたものの、
まだまだ短いですね

「同じ読みの名前の男女が立場交換したら」という発想でスタートしたものの、
交換後の1シーン切り取りだけで終わってしまった(´・ω・`)
今の自分には妄想力が足りない!
188名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 07:54:25.98 ID:MIIvIlqp
乙でしたー。
ふたりが直接関係がないのが斬新ですね。
個人的には女子大生になったツカサちゃんの心境なども見たかったです。

そう言えば、自分のも含めてここの大体の話で主人公たちは「与えられた立場」に馴染んで順応しちゃいますが、
よく引き気合いに出る「赤の秘石」の主人公みたく、染まりつつも抵抗する意思を捨てない話とかもアリなのかな。

ところで、ふと浮かんだのが、普通は幼年の者(幼稚園〜小学生)が年長のもの(高校生〜大人)の立場になりたがるけど、
逆に年長者が年少者の立場になりたがるパターン(それも老人が若者とかじゃなく)。
たとえば、主人公は高一の少年だが、実はいまだカナヅチで来週から始まる水泳の授業が憂鬱。
もしくは、仲のいい男女混合グループで海に行くことになったんだけど、カナヅチなのが好きな娘にバレると恥ずかしい。
対して、彼の小六の妹は昨年カナヅチを克服した。妹いわく「担任の先生の教え方が良かった」。
それを聞いた主人公は「いいなぁ。どうせなら俺も教えて欲しいよ」と心底うらやましそうに言う。
ところが、彼らの家の神棚にいた守り神様がそれを聞いており、その夜の夢の中でふたりに「しばらく立場を
入れ替えてやろうか」と提案する。主人公はすぐ様とびつき、妹も「仕方ないなぁ」と渋々了解。
翌朝目覚めると、兄が妹の、妹が兄の立場になっていて、周囲からもそう扱われる……という話とかどうでしょう?
189名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 14:28:45.67 ID:ERXu1Cop
>>187

あなたのシリーズは特にツボをつく
190名無しさん@ピンキー:2011/05/14(土) 20:17:13.88 ID:cFYNdd6f
乙です
191名無しさん@ピンキー:2011/05/15(日) 01:35:56.85 ID:yIkweg1A
GJ!乙です。
起承転結で驚きのある展開が素敵すぎます。
192167:2011/05/15(日) 01:44:10.50 ID:yIkweg1A
なるほど、ここの基本の「ギャップが大きい方が良い」ですね。
そして「成り代わり」と「劣等生落ち」の要素と。
参考になります。

お教え頂きありがとうございました。
193180:2011/05/15(日) 07:50:10.27 ID:rZEmBli6
>>181
お嬢様から不良への劇的変化!過去作の学校まるごと交換作品とともに良作でした!過去の出来事や評価まで交換されてるのがまた面白いです。高校時代の互いの学校での変化の過程も興味深いところ…
194167:2011/05/15(日) 11:42:59.35 ID:SkEEP0c7
192の書き込みでアンカー打ち忘れしました。
>>180さんへのレスです。
なんだかミスが多くてすいません。
195名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:29:27.92 ID:Y/bz5arh
【その1】
「はーい、そのままー……いいよー」
目も眩むような大量のフラッシュに向かって、ディレクターさんや編集さんの指示通りに笑顔やポーズを決める。
最初の撮影はレース地のマキシワンピにジャケット風にしたネイビーのコットンシャツ、
髪型はちょっと後ろの方で結んだツインテールに伊達メガネを合わせて。
続いては花柄のトップスをイミテーションパールのネックレスで飾り、
デニムのショートパンツで美脚を活かしたスタイルで前に流した一本縛りで元気な女の子を演出。
最後は花柄のトップスに白いコットンレースのボレロを合わせ、ボトムはカーキのワイドパンツ。
ふんわりしたゆるい巻き髪には細いカチュームでアクセント。
昼前から始めた撮影はたった3パターンの着替えだったのにもかかわらず、
最後の1枚を撮り終わる頃にはすっかり夕方になってしまっていた。
「はーい、お疲れ様でしたー」
「お疲れ様でしたー」
スタッフさんたちとねぎらいの言葉を掛け合い、心地よい疲れをみんなで分け合う。
「つかさちゃん、今日も良かったよー」
ガーリーなカジュアルファッションで人気のあるファッション雑誌の編集を務める田中さんが、
いつものようにグループフルーツジュースを持ってやってきた。
それを受け取りながら「スタッフのみなさんのおかげです」と返すのもいつも通り。
ある意味恒例となったこのやり取りが、撮影で張りつめていた心を優しく時ほどしていく。
「これでで今月の特集の撮影は全部終わりかな?
 今日の撮影のカンジだと、今月号もつかさちゃん効果でバカ売れかな?」
「そんなことないですよ」
「でもね、ホントにつかさちゃんがメインの号は、他の号よりも返本率が低いのよ。
 再来月号は思い切ってあなたメイン推しで企画立ててみようかなって編集部内でも話してるところよ」
田中さんはいつも大げさだけれども嘘は言わない。
たぶん、彼女の言っているようにわたしメインの号は売れ行きがいいのだろう。
そんなことを聞くと、自分がファッションモデルとして認められたというのを心から実感して
なんだかうれしくなってしまう。
「ところで、今日この後大丈夫? ご飯でも食べていかない?」
「ええと……今日はこの後から同窓会があって……」
「あら、残念。
 ……そうだ! せっかくの同窓会なんだから、ちょっとおめかししていかない?」
そう言うと田中さんは片づけをしていたスタッフに頼み込んで、
今日の私服に合わせた最高のメイクを私に施してくれた。
196名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:30:44.61 ID:Y/bz5arh
【その2】
支度を済ませてスタジオを出る頃には、時刻は6時を大きく回っていた。
「やば、遅刻確定だ」
今日履いているブーサンはちょっと高めのヒールなので走るわけにもいかず、
心だけが焦ってしまう。
こういう時に限って、電車も信号のトラブルとかでちょっと遅れているのがもどかしい。
いつもよりも遅れてやってきた電車に飛び乗り、目的の駅まで窓の外を眺めて過ごす。
中学の同窓会。
本当の意味で消し去りたい過去の出来事。
しかし今の自分はあの頃と違う。
そう、今日の同窓会は過去と決別するための大事な儀式なのだ。
今でこそ名門女子大に通い、お嬢様系ファッションモデルとしてお仕事をいただいている身だけれども、
まさかそんな女の子が中学時代どうしようもない不良だったなんて誰が信じるだろうか。
しかも、本当は女の子ではなく、男の子だなんて。
だが、ワタシ――斉藤司は、まぎれもなく男の子なのだ。
197名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:31:30.30 ID:Y/bz5arh
【その3】
きっかけは中学3年の冬、他校の生徒数人相手に大喧嘩して危うく少年鑑別所に送られそうになった次の日。
登校したのはいいものの授業を受けるのが面倒くさくなって帰ろうとしたときに
進路指導の先生に捕まってしまい、
『指導』と称した面倒くさいお説教を受ける羽目になってしまった。
くどくどといつものように中身のない上っ面だけの話を聞き流していると、
先生が封筒に入った書類束を出してきた。
なんでも各方面に頭を下げて、なんとか推薦試験の面接をもぎとってきたらしい。
「高校に行かないといつか後悔することになるから」と泣いて頭を下げる進路指導と生活指導の態度に
「1回ぐらい受けてやるか」という気分になって、推薦試験を受けることになった。
そして当日、自分が受けられるレベルの推薦試験というから不良だらけだとばかり思ったら、
周囲はおとなしい女子生徒ばかりで面喰ってしまった。
しかも、みんなイイトコのお嬢様といった感じで、あからさまに自分が浮いてしまって居心地が悪い。
ちょっとした筆記試験と当日ですら何を話したのか覚えていない面接を終え、
たった3時間程度の推薦試験を済ませたときには、歩くのがやっとなほど疲れ切っていた。
手ごたえはまったくなかった試験だったのだけれども、1週間ほどして届いたのはなんと『合格』の知らせ。
予想外の出来事に進路指導の先生と手を取り合って喜んだのだが、ここで大変な事が発覚した。
自分が先日受験した学校は当初予定されていた男子高の三葉学園ではなく、
同じクラスにいたほぼ同姓同名の優等生『斉藤つかさ』のために用意された
お嬢様学校の三葉学院だったというのだ。
今の今までその間違いに誰も気づかないというのも変な話だが、気づかなかったのは仕方がない。
本来ありえない『男子生徒が女子高を受験して合格してしまう』という事態に対して三葉学院と対応を協議した結果、
『合格したのだから、責任をもってしっかり通う』ということになってしまった。
話によると女子生徒の『斉藤つかさ』も、半ば脅迫に近い説得を受けて男子高である三葉学園に入学することになったという。
不良とはまったく縁のなさそうな女の子が『不良の民間収容所』なんて揶揄される三葉学園に通わされるなんて
生き地獄以外の何物でもない気もするけれども、それはそれ。
こっちだってスカートを履いてお嬢様らしく振舞うなんていう、とんでもない羞恥プレイを強いられるのだ。
198名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:32:25.49 ID:Y/bz5arh
【その4】
しかし人間は慣れるもので、『羞恥プレイ』だなんて思っていたのは最初の2週間ぐらい。
すぐにスカートも恥ずかしくなくなり、むしろ伝統ある紺色のセーラー服に袖を通せることに誇りすら感じるようになった。
それどころか、毎日行われる運針をはじめとした裁縫の練習や、女性らしいマナーを身に着けるための教室、
さらには華道や茶道、着付けや社交ダンスにいたるまで様々な知識を叩き込まれた結果、
1年も経たないうちに『どこに出しても恥ずかしくない立派なお嬢様』へと変貌してしまった。
そうなってくると勉強も楽しくなってきて、卒業する頃には成績も学年トップクラスとなり、
最終的には名門女子大として人気があるソフィア女子大に推薦で進学できるほどになってしまった。
たった1つの取り違えが、まさかこんなことになるなんて、本当に思ってもみなかった。
人生とは本当に何が起こるかわからない。
199名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:33:23.09 ID:Y/bz5arh
【その5】
大幅に遅刻してしまったせいか、同窓会は既に大盛り上がりだった。
盛り上がりについていけるかな? と恐る恐る開場に入ると、ワタシを歓迎する歓声と拍手が鳴り響く。
「『ツカサチャン』久しぶりー」
「こっちこっちー」
在学中は一度も話したことのない、名前もよくわからない女子達が手招きする。
こっちも「久しぶり」なんて適当な相槌を打ちながら、次々に話しかけてくるみんなに愛想笑いを返す。
どうやらみんなワタシが札付きのワルとして恐れられてた『斉藤司』ではなく、
明るくかわいらしい笑顔でクラスの人気者だった『斉藤つかさ』だと思い込んでいるらしい。
思い込みさせたまま、どんどん『斉藤つかさ』としての過去を手に入れていくワタシ。
体育祭でチアリーディングみたいなことをやったのも、
遠足でディズニーランドに行った時、ミニーマウスと一緒に記念撮影をしたことも、
家庭科の実習でみんなと協力してドレスを作ったことも、
いまや全部ワタシがやったことに。
そしてもう1人の『サイトウツカサ』がどうしているのか、探るように慎重に聞いてみると、
部屋の隅の方で煙草をふかしながらビールのジョッキを傾けているのがそうだと教えられてびっくりする。
5年前は『どこにだしても恥ずかしくないお嬢様』だった彼女が、
まるでヤクザの予備軍みたいに迫力のある不良になっているなんて思ってもみなかった。
向こうの方では、過去のワタシがやった悪事の数々が彼女がやらかしたものとして話が盛り上がっている。

ありがとう『サイトウツカサ』さん、ワタシの悪事は全部あなたが引き受けてくれるのね。
代わりにアナタの過去はワタシが貰ってあげるから安心して。

そう心の中でつぶやきながら不良の『サイトウツカサ』の方を見ると、
まるで睨みつけるかのような視線がワタシを射抜く。
ワタシの代わりに不良になってくれた彼女に感謝するように心からの笑顔を作ると、
『サイトウツカサ』は現状の不満をぶつけるかのように煙草を吸い始めた。
その姿がもはや戻れないぐらいほどのチンピラっぽさを醸し出していて、
5年という時間が変えたのは自分だけではなかったのだと、改めて思い知らされるのだった。
200名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 00:41:37.91 ID:Y/bz5arh
おしまい
せっかくなのでアナザーサイドを書いてみました

>>188
きっかけだけ作って、それ以降まったく関係を持たない交換というのもいいかな、と思ってスタートしたのですが、
やっぱりどこかで交わった方がいいなと思って「2人が同窓会に出席した」という感じにしてみました

>ところで、ふと浮かんだのが〜
強制的に大人(というほど大きくないけど)の男の立場にさせられた女の子の苦悩とかいいですよね!
小6の妹が海パンにならなきゃいけない展開とかあるとさらにツボです。

で、これはいつ執筆されるのでしょうか、楽しみに待っております(ひどい無茶振り

>>189
>>190
>>191
ありがとうございます

>>192
SS投稿を楽しみに待っておりますです

>ギャップが大きい方が良い
ギャップの大きさという点では、
親父⇔ギャルの文化交換はいつかチャレンジしたいテーマです
前スレで投稿したオタク文化⇔最先端ファッションみたいな感じになってしまいそうですが

>>193
過程ははぶいてしまいましたが、こんな感じでどうでしょう?
不良⇔お嬢様の交換にはロマンがありますよね
201180:2011/05/16(月) 01:41:01.22 ID:7hxNg+D2
つかさの過去を司が手に入れる所が十二分に楽しめました!
不良時代には考えられない充実した今が感じられました。

その4のつかさサイドを妄想すると…つかさは不良校の学ランに身を包み
不良男子に混じり喫煙・金髪化・学力の三葉学園レベル化となっていったんだろうな…
優等生に制服を着ただけで不良・馬鹿のレッテルが貼られるくらいの高校に強制入学
させるのに私はロマンを感じます…

同窓会を抜け出して二人きりになって互いの高校時代を語り合い
現在の立場の違いを改めて認識させても良いかもと思いました。
長々失礼しました。とにかくGJ!!
202188:2011/05/16(月) 07:48:42.30 ID:vFq1aDlN
>>200
GJです! まさに希望したものを書いていただき、しあわせ気分。
「彼女」、こういう心理で変わっていったんですねぇ。

「高一兄←→小六妹」については、せっかくなので考えてみます。
でも、私の場合、小ネタとして書き始めても、やたら長くなるんですよねぇ……。
203名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 10:06:41.62 ID:g3wJi1Pr
今更な話ですいませんが、魔法とか特殊な能力なしで、立場変換した際って見た目とかどうなってるのか気になりますね
作者さまや読み手の感じ方で明確な答えは無いのかも知れませんけど
204180:2011/05/16(月) 16:49:34.35 ID:zD2NberH
>>203
私も少し気になってましたが…私は立場に引きずられて見た目や体が変化してゆく方が好きです。つかさ⇔司も徐々に体つき・髪質髪型や更に旧友もわからないくらい顔つきも変わってると思われますし…
205名無しさん@ピンキー:2011/05/16(月) 23:39:50.73 ID:7/JJ7o8j
変化なしか、ゆるめの変化なのかな
違和感があるのに違和感を覚えない異常なシチュも一つのキモだろうし
完全な変化は女体化・男体化とか憑依とか別ジャンルになってしまうし
まあ元々かなり隣接しているジャンルの気もするけど
206名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 00:21:45.36 ID:Dtl/0Ewq
>>203
自分も途中経過ならともかく数年後とかなら
「(少なくとも服着て化粧してる限りでは)完全に女に見える」というのがいいかな。
補整下着とかで体型もある程度それらしくできるし。
逆に男性の立場になった女性の場合、巨乳体質でなければ、鍛えて脂肪を落とし
筋肉質になればかなり男性体型に近づく。同じく服着てればわからない程度に。
流石に無改造だと全裸になるとキツいだろうけど。
207名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 00:43:42.29 ID:NoxveKRl
いろいろ良い意味での意見があるみたいですが、
投稿された全ての作品が好きです。
208200:2011/05/17(火) 02:56:45.42 ID:FeUyClK/
>>201
>優等生に〜
しかも優等生は本来とは逆の性別(男子生徒なら女子生徒)として振舞わなくちゃいけないとか、
そういう状態だとドストライクかもしれません

超生真面目タイプの男子生徒が立場交換でケバビッチになるとかもいいなぁ
でもこれはどちらかといえばTSスレや強制女性化スレ向きかもしれませんが

>互いの高校時代を語り合い
それも面白そうですね

>>202
>やたら長くなるんですよねぇ
楽しみに待っております!

>>203
>>204
>>205
>>206
今回は明確に描いたわけではないですが、
「5年間という月日と、周囲の環境に流されてそれ相応に変化した」といったところでしょうか
つかさも司もきっと周囲になじむために一生懸命努力したんでしょうね
209名無しさん@ピンキー:2011/05/18(水) 23:09:57.16 ID:A/xi1E76
どうも、作品を投稿しに来ました。
今回のは読み切りです。
続きもの方は、まだお待ちいただけると。
「ゆあ・ゆうじゅありー」は引きで終ってるので書かないと、とは思っているのですが。

では投稿前にレスさせて下さい。

>>203
私の書いたのでは、遥人が該当だけど『女装』『ショタ』って言う記号で当てはまるので
見た目のギャップとか無いですね。
似合っていない女装姿も好きだけど、似合ってるのに本人が嫌がる女装姿が好きなので。
って女装姿の話じゃないですよね。

>>200
前に拝見したファッションとおたく文化の交換はとても面白かったです。
おやじ文化とギャル文化の交換も楽しみにしています。
でも、ギャルって結構おやじ入ってたりしますよ?w
あと、おやじでも素敵な方も。
でも世間でギャルと言うと渋谷系のeggに載ってる様なのが一般的なんでしょうね。
SSの投稿については頑張ります。

>>207
そう言う書き込みを見ると嬉しく思います。
自分もこのスレとても好きなので。


>司とつかさのアナザーサイド
まさに素晴らしい。
先の話しを受けての別視点、そして補完する様なお話の組み立て。
しっかりとこのスレの住人のツボを突く所も流石としか言い様がないです。
私もワクワクと堪能させて頂きました。


以上です。
いつも長レスですいません。
それでは作品を投稿させて頂きます。
210その日常は:2011/05/18(水) 23:11:28.74 ID:A/xi1E76

「うわ〜っ!なんだこれ!?」

部屋の中から弟の悲鳴が聞こえる。
ふふ、慌ててる慌ててる。上手くいったわ。

私はドアを開けて部屋に入った。

「でかい声出してどうしたの?」
「明菜(あきな)?何勝手に人の部屋に入って来てんだよ」
「姉を呼び捨てにするな」
「うっせー」

なんて態度。
このクソ弟、敬久(ゆきひさ)は姉たる私に微塵も敬意をはらわない不届き者だ。
いつも何かと扱き下ろし私を見下す態度がいちいち鼻につく。
確かにスポーツ万能で勉強も出来たわよ。私と違って。
だからって、私は姉なんだよ?
少しくらいは敬うのが常識じゃないの?
今だって完全に私の事を見下しているのがありありと感じる。
でもそこまでよ、いまからその辺をきっちり解からせてやるわ。
211その日常は:2011/05/18(水) 23:13:37.32 ID:A/xi1E76

「あら?敬久、その赤いのは何かしら?」
「いや、分んねえよ」

わざとらしくズボンからにじむ血を指摘してやった。
ふふ、敬久の奴、動揺してるわ。

「あらま、シーツまで汚れてるわね」
「だから分んねえって」

まあ、理解出来ないでしょうね。
男のあんたが『生理』になってるなんてね。

「うふふふ」
「何がおかしいんだよ?こっちは困ってんだぞ」

おお、ムキになっちゃって。
分んないなら教えてあげるわよ。

「あんた、それは生理よ」
「生理!? んな訳あるかっ」
「それがあるのよね。だってあんたは今、私になってるんだから」
「は?何言ってんだ?頭おかしいだろ?」

ま、簡単には理解できないか。

「正確にはあんたと私の立場が交換されたのよ。この『移し替えの首飾り』によってね」

私はこれ見汚しに身につけているネックレスを見せてやる。

「うゎ、なんだよそれ、お前は何時から電波になったんだよ?」

まだ信じてないの?物的証拠もあるのに。

「ふっ、愚弟を持つと苦労するわね。
だったら敬久の股から出てるその経血はどう説明するの?」
「だから知らねえって」
「お腹が痛くて腰もだるいでしょ?それが生理の感覚なのよ。
だいいちお股を経血で汚しておいて知らないも何もないじゃない」
212その日常は:2011/05/18(水) 23:15:42.72 ID:A/xi1E76

敬久の目が泳いでるわ。焦ってる時の表情ね。
ふふ、うろたえてるわ。

「いい?あんたが信じ無かろうがどうだろうが生理になってるのは事実なのよ?」
「俺が生理?」

今度は血の気の引いた顔をしているわ。
楽しいわ。私の完全優位ね。

「そうよ。敬久ちゃんは私の代わりに女の子の日を迎えたのよ」
「だからなんでだよ?」

ふふふ、もっとうろたえるといいわ。

「ああ、でも敬久じゃ何だからユキちゃんって呼んであげよっか?女の子なんだし」
「うるせえよ、いいから答えろよ」

うわ、可愛くない。
これはもっとお仕置きが必要ね。

「あら、女の子がそんな言葉使いはいけないわ。
教えて下さいお姉さまでしょ?『ユ・キ・ちゃ・ん』」
「ふざけんな!」

うわっ!つかみ掛ってきた!?
なに?私に手をあげるつもり?
いくら生意気だからって腕力に訴えようとする奴だったとは私も初めて知ったわ。

「ふん、私に暴力振るうつもり?あんた最低ね」
「お前が悪いんだろうが!」

凄んでくるけどお生憎さま。
怖くは無いのよ。なぜなら

「えいっ!」
「うぉぁっ!」

私は逆に敬久をベッドへ投げ飛ばしてやった。

「言ったでしょ?私とあんたの立場が入れ替わってるって。
腕力だって入れ替わってるのよ」

敬久の奴、驚いて声も出ないようね。
いい気味だわ。
213その日常は:2011/05/18(水) 23:16:55.17 ID:A/xi1E76

「いい?あんたは今この『移し替えの首飾り』によって私と立場が入れ替わってるの。
だからあんたは今、私の代わりに生理になって体力も含め身体機能も全部私になってるのよ」
「ほんとなんなんだよ、それは!」

情けない顔。
ようやく事態が解かってきたようね。

「これは、おまじないのアイテム。あんたの首にもかかってるわよ」
「なに? くそっ 外れねえ」

外そうとしたって無駄。
強制的におまじないを解除するには、対応する解呪の鍵か倍の呪力が必要なんだから。
焦ってネックレスを外そうと慌てふためく姿が間抜けだわ。

「あははは、カッコわるー、無様ね」
「ちくしょう!何だか知らねえけど戻しやがれ!」

叫んだってどうにもならないわよ。
それに、そろそろ限界が来るはず。

「うっ、なんだ、気持ち悪い…」
「それは、あんなに急に動いたり叫んだりしたりすればねぇ」
「頭が、痛い、めまいも…。…これも生理の…せい、…ハァ、…だってか?…ハァ…」

ふふふ、それは生理のせいだけじゃないわよ。
きっともう、立ち上がって歩くのも辛いはずだわ。

「吐き気もするでしょ?」
「…う、あ、…ハァ、ハァ……」
「なぁに?返事も出来ない?」

実は入れ替わる前の夜に思いっきりキツイお酒で深酒したのよね。
確実に二日酔いになる勢いでね。
それもまとめて敬久に代わらさっているはずだから、今頃はかなりよ。
教えてあげないけど。
214その日常は:2011/05/18(水) 23:18:36.51 ID:A/xi1E76

「ほんと情けないわね、普段人の事馬鹿にするくせに、私は生理でもいつも普通に生活してるのよ」

ああ、優越感。
今日1日、苦しむと良いわ。

「まあ、所詮あんたは根性無しのヘタレってことね。
いいわよ寝込んでなさいな。あんたの会社には連絡入れていてあげるから、
『ユキちゃんは生理が重たくて仕事に出れません』ってね、あははは」

敬久の奴、悔しそうに顔を歪めてるけど、全然動けないみたいね。
それとも苦しいのかしら?
ま、どっちでも良いけど。

「さて、あんた何時までもその経血で汚れたの着てるのもあれでしょ?
ここは優しいお姉さまが着替えさせてあげるわ」
「…う、ゃぅ……」

私がズボンに手を掛けると弱々しく敬久が抵抗しようとする。
全く抵抗になんてなって無いけどね。

「うわ、経血で真っ赤ね。これちゃんとしないと後でもっと臭うわよ」

ズボンとトランクスを脱がしてやると敬久の情けなく縮こまったペニスが出てきた。
まあ、女の立場になってる今は絶対そそり立つなんて事無いんだけど。
良く見ると嚢の下あたりが経血まみれになってる。

「今でも充分あんたのココ、女の子の日の臭いが凄いのにね」
「…ぁぅ……」

返事は出来なくても、ちゃんと聞えているようね。
215その日常は:2011/05/18(水) 23:21:15.86 ID:A/xi1E76

「一回洗った方が良いけど面倒だから、着替えだけさせてあげるわ。
ほら、生理の時に使うサニタリショーツよ。あんたトランクスしか持ってないでしょ?
それじゃナプキン使えないからね。
まあ、使い古しで汚れとれないから捨てるやつだったんだけど、あんたには充分よね」
「やぁ、ぁ、めぇ、ぇ…」

私がナプキンを取り付けたサニタリショーツを穿かせようとしたら、
敬久の奴頑張ってさっきよりも抵抗しようとした。
でも、今のあんたんなんて抑え込むのは簡単よ。

両足をつかんでやると暫らくして苦しくなったのか、動かなくなった。

「ほら、穿けた」

そのタイミングを見てサニタリショーツを穿かせてしまう。
うわぁ、変にもり上がっててなんか変態よね。

「さて、次はパジャマも取り替えてあげるわね」

そこで私が取り出したのは、私が高校の頃に着ていたリボンが可愛い白ネコのキャラクターパジャマだ。
敬久が散々ガキっぽいだの何だのって馬鹿にしてくれたけど、私のお気に入りのだったもの。
お気にいり過ぎて洗濯も繰り返したからすっかり色あせちゃって毛玉も出来て、
これも捨てるはずだったんだけど奥にしまったままだったのよね。

216その日常は:2011/05/18(水) 23:23:11.94 ID:A/xi1E76

「ほら、お姉さまのお下がりよ」

もう抵抗する力も使い果たしたみたいで、私のされるがままだ。
下をはかせると上のシャツもはぎ取る様に脱がせてやり、サービスでキャミも着せてやる。
このキャミは使い古しも良いところで肩ひもが取れそうになっていて、ごみ箱行きの代物だ。
カップ付きの奴だからブラ男見たいになってるのがまた笑える。

後はパジャマの上を着させボタンをあえて上まできっちり留めてやる。
完全女装男の完成ね。

「ユキちゃんにとっても良く似合ってるわ」

鏡で自分の姿を見せてやれないのが残念だわ。
色あせてクタクタになったピンクのパジャマ姿な敬久って笑えるもの。
自分が馬鹿にしていたパジャマを着てるなんて、なんて間抜けなのかしら。
217その日常は:2011/05/18(水) 23:29:26.05 ID:A/xi1E76

「さてさて、後はユキちゃんは良くなるまで寝てなさいな。
替えナプキンと生理痛薬を置いてってあげるから、後は自分で何とかしなさいね」

「はっ、あっ、…ハァハァ……」

なんか言いたいみたいだけど、全然しゃべれないみたいね。
苦悶の顔で文句ありげにこっち見てるわ。
でも、後は本当に知らない。
まだ、私にはすることあるからね。
私はニヤリと我ながら悪い笑い顔をして敬久の部屋を後にした。

上手く事が行けば明日が楽しみね。
敬久の奴どうなっちゃうのかしら?

「ふふふ、あははは」

あ〜想像すると笑いが止まらないわ。

そうそう、生理痛薬は二日酔いの時は飲まない方が良いわよ。
余計に症状酷くなるから。
教えてあげないけど。


△ ▼ △ ▼ △ ▼
218その日常は:2011/05/18(水) 23:31:45.99 ID:A/xi1E76

△ ▼ △ ▼ △ ▼


「うっ、朝か」

俺は目を覚ました。
良く解からないが夢で明菜の奴に酷い目にあわされた様な気がする。
生理にされて一日中苦しめられた。
もう何ともないが、変な夢だ。

「いや、違う!夢じゃねえ」

あそこまではっきりとして鮮烈な夢があるか。
生理にさせられて、女物のパンツ穿かされたりした上に一番ひどいのは、
生理痛薬だとか言って置いてったあの薬だ。
服用して暫らくしたら頭痛が悪化して、しかも心臓まで苦しくなったぞ。
あのくそ女、騙しやがって。

「一発ヤキ入れてやる」

俺はベッドから起き上がったんだが、なんか変だ。
この部屋って明菜の部屋じゃねえか?
そう言えば今着てるパジャマもどう見ても女物だ。
あいつに着させられたパジャマは何とか着替えたんだが、どうしてまたこんなものを?

「あいつ、またなんかしやがったな!」

219その日常は:2011/05/18(水) 23:33:59.90 ID:A/xi1E76

俺は急いで起き上がると、明菜を探す。
この部屋にはいない。
居間や和室探したが見当たらない。
もしやと思い俺の部屋へ行くと俺のベッドに寝てやがった。

「おい、何人のベッドで寝てんだ」
「何よ〜?」

明菜の奴はのそのそと起き出した。
俺のベッドで寝てただけじゃなく、パジャマまで俺のを着てやがる。

「何やってんだよ、お前は」
「はえ?あ〜、入れ替わり戻ったのね〜」

完全に寝ぼけてやがる。
いま文句を言った所でまともに聞きやしねえだろうな。

「ちっ、いいからとっとと出てけ」
「何よ、反省してないの〜」

反省するのはお前の方だろうが、まったく明菜の分際で。
俺は明菜の手をつかむと強引にベッドから立ち上がらせドアの外に押しやる。

「ちょっと、痛いってば」
「うるせえ、後で文句言ってやるからおぼえてろ」

明菜を部屋から追いやる時、なんか最後にやたら企んだ様な陰険な顔してやがったが気にしてられるか。
昨日会社休んじまったから、今日は取り合えず早めに出社しておかないと。
俺は着替える為に乱暴にパジャマを脱ぐ。

「なんだ?下着まで女物かよ!あのくそ女め」

本当にどこまでコケにすれば気が済むんだ。
イラつきながらも、俺はスーツに着替え朝飯もそこそこに通勤に出た。
220その日常は:2011/05/18(水) 23:36:24.23 ID:A/xi1E76


「おはようございます部長、昨日はすいませんでした」

会社につくなり俺はまず部長に昨日の欠勤の事を謝る。
部長は誰よりも出社が早い。

「まあ、なんだその。いろいろ大変かとは思うが頑張りたまえ」
「はい、有難う御座います」

何か部長の歯切れが悪いが、どうしたんだろうか?

「ところで今日は普通に背広で来たんだな。無理せずとも好きな格好で来て良いんだぞ?
急な事で戸惑ったがお前の事は会社で認める事になったんだからな」
「はあ?」

部長は何を言ってるんだ?

「おはよう。篠崎君…、じゃなくて篠崎さんね」
「あ、おはようございます袖原さん」

訝しむ俺に声を掛けてきたのは、袖原樹理(そではら じゅり)だった。
そこそこの大学を出ていて仕事もできる様だが、所詮は大きな出世に縁のない一般職。
まあ、それでも一応先輩ではあるがな。
そう言えば今日は事務服じゃなくて、スーツでびしっと決めてキャリアウーマンのようだ。
何処かへ出向でもあるのか?
221その日常は:2011/05/18(水) 23:39:15.03 ID:A/xi1E76

「今日からよろしくね。はい、制服。私のだけどクリーニングはしてあるからね」
「はい??」

何で俺が女子の事務服を渡されるんだ?

「ゴメンね、いま丁度予備が無くて、発注はしているから篠崎さんのが届くまで我慢してね」
「俺の制服?」
「そうよ、嬉しい?」

何がどうなってる?
俺がこの事務服を着るって事か?
なんでだ?

「あ、いや、一体どうして?」
「なあに?嬉しくて茫然自失って奴なのかしら?」

いや、おかしい。おかしいだろ。
これは完全に俺がこの事務服を着る流れだ。
しかも喜んで。

「でも、私も篠崎さんにはすっごい感謝しているの。
おかげで総合職に付く事が出来たんだから」

ああ、それでスーツな訳だ。
で?何で俺のおかげだって言うんだ?
あと俺が事務服を着なきゃならない理由は?

222その日常は:2011/05/18(水) 23:40:34.07 ID:A/xi1E76

「そうだな。なんだかんだで丁度良かったかもしれん。
袖原君は総合職への転向を前々か望んでいたが、規定で新卒を入れた分空きが無くてな。
一般職に関してもこれ以上増やす訳にもいかない状態だったから、入れ替えで済むのは僥倖だったな」

そこへ、部長が口を挟んできた。
なんだそれって、あれか?袖原樹理が総合職になるから俺が代わりに一般職にされるって事なのか??

「ちょっと待って下さい!なんで俺が一般職にならないといけないんですか?」

俺の抗議に、部長と袖原樹理が顔を見合わせる。

「何を言ってるのかね君は?希望したのは君だぞ?昨日あれだけ大騒ぎになったと言うのに」
「はい〜?」

そんな馬鹿な。昨日は明菜のせいで欠勤しんだぞ。

223その日常は:2011/05/18(水) 23:43:01.23 ID:A/xi1E76

「そうよ。お姉さんのレディースのスーツで出勤して着たと思ったら、
実は自分は女性になりたかったってカミングアウトして大騒ぎになったじゃない。
その後、女性への身体の工事もおおかた終ってるって言って、
私が確認したんだけど、胸もあったしアソコも恥丘が出来てたわ」

一体なんでそんな事に?

「それで、君が女性として働きたいのだと主張した為に緊急人事会議になったんじゃないかね。
我が社は理解があって良かったな。
君の女性として一般職で働きたいと言う要望は人事異動と言う形で直ぐに認可されたよ」

そんな、馬鹿な事が。

「ちょっと待って下さい。俺はそんな事望んでないですよ。今すぐその人事は取り消して下さい」
「そんな訳に行くか、会長も含め重役全員で決定された人事だぞ?
そう言う稀なケースに取り組むことで新たなアピールになると、かなり乗り気なのだ。
現に篠崎君用に更衣室の用意やトイレなど準備が進んでおる。
女性社員が君を受け入れてくれるまでの処置だが、尽力しとるんだぞ?」

なんてこった。一体どうすれば。
224その日常は:2011/05/18(水) 23:46:18.75 ID:A/xi1E76

「それに袖原君の人事にも強い後押しがあってな。最早後には引けんよ」

上からして決定事項なのか?
抜擢人事ともなれば取締役以上の権限が発動しているのは明白。
そうなったら、もうダメだ。
もう辞めるしかないのか会社を。
でも、いま辞めてこの就職難の時世だ、次がある訳が無い。
一般職と言えど、ボーナスがちゃんと出て手当てもしっかりしている企業なんてそうそうない。

「しかし君は何を狼狽しとるのかね。先程からおかしな奴だな」
「部長、女性になろうとする人は女性ホルモンの投与で情緒不安定になる見たいですよ」
「そうなのかね」
「私たちがフォローしてあげませんと」
「うむ、会社ぐるみですると決まった事だしな」

勝手な事言いやがって。
俺はこれから会社ではこう言う扱いなのか?

「さあ、篠崎さん。人が来ないうちに着替えてしまいましょ?
まだあなた用の更衣室は出来てないから一緒に女子更衣室へね。
それとお化粧もしなくちゃね。女の子なんだしね」

袖原樹理が良い笑顔で俺を促す。
ちくしょう、もうやるしかねえ。

……
………

その30分後、袖原樹理から譲り受けた事務服を着て新人OLとして朝礼であいさつする俺の姿があった。
もう、何も考えたくねえよ…。


△ ▼ △ ▼ △ ▼ 
225その日常は:2011/05/18(水) 23:48:12.45 ID:A/xi1E76

△ ▼ △ ▼ △ ▼ 

ふっふっふ♪
敬久の奴、会社でどうなってるかな?
細工は流々、後は仕上げをごろうじろって奴ね。
あ〜あ、次は弟を素直で可愛い妹にするおまじないアイテムとか手に入らないかな。


                                      〜終り〜        
226その日常は:2011/05/19(木) 00:00:37.99 ID:A/xi1E76

むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。


すいません。このお話しちょっと私情入っていますw

にしても我ながら明菜って酷い奴だw
明菜が使ってた『移し替えの首飾り』は以前に私のお話で出てきたものより
強力なアイテムです。
こちらはお互いの承諾なしに一方的に入れ替え出来ます。
しかも明菜は使いこなせています。
だから認識をちょっと戻してみたりとか出来てるんですよ。

あと、最初の入れ替わりの時は予め明菜が敬久の服を着てから入れ替わりました。
敬久は寝る時とは違う自分の服を着ていた事に、生理で驚いて気がついてなかったようです。

でもまあ、書き終ってなんかすっきりしましたw
次の投稿させて頂いた時には、またお付き合いくださいね。
227名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 00:36:35.32 ID:D0uimYw6
乙です。
でも、個人的には明菜はどうかと思う。弟の人生、滅茶苦茶にしてるわけだし。
そもそも兄・姉だからってリスペクトされるなんて幻想だ……とリアル妹がいる自分が言ってみる。
228名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 01:51:25.89 ID:VPvssIsa
良く見たら「むしゃくしゃして」のくだり後の言葉がまずい事に気がついた自分。
こう言うの書いた時は「むしゃくしゃしてやった。いまは反省している。」ですよね。
申し訳ない。

>>227
感想どうもです。
別に尊敬してほしい訳じゃなくて、
余計なちょっかいとかけなすのをやめて欲しい情けない甘ったれな訳でして…
まあ、思う所は人それぞれです。

お話の方は明菜はいつかしっぺ返しもらうと思いますよ?
因果応報って言いますし。
あと、あまり書くと無粋ですが敬久も先真っ暗じゃないです。
樹理と良い仲になって進展し、とある筋から誤解も解けるんですよ。
そして迂曲瑞雪あって仕事の事も含めて良い展望を迎えます。
黒いお話しは好きですが、悲惨とか酷いのは私も望む所ではないですしね。
229名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 00:06:44.11 ID:p/I4z7xv
立場交換物としては何か物足りなさがあるが、
強制女装物としてはすげー俺好みなシチュだわ(;´Д`)
230名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 04:40:10.34 ID:4ejww/n6
何だかんだ言ってるが、作者は強制女装好きなんじゃないか?
他のやつでも女装ばっか力入れてる様だし。
悪くは無いが、もっと立場交換に重点を置いた話しを書いてくれると嬉しい。
231名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 05:24:52.86 ID:hfkF3axj
>230

書き手のひとりとして言わせてもらうと、服装=立場の象徴 と考えると、
男女入れ替わりを端的に表す、わかりやすい手段ではあるんだよね。
無論、それ以外方法で立場交換を表現できないワケではないし、それを
試みた作品も確かにあると思うけど……正直結構難しいなぁ。
自作を振り返っても、男女物はもちろん「黒白」「善悪」みたいな女女物でも
衣装交換はさせちゃうし。
232名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 14:47:05.47 ID:KU+pWoIK
>>144
過去スレ見れないのだが
モリタポとかViewerとかよくわからん
まとめサイトとか無いのか?
233144:2011/05/21(土) 22:16:08.85 ID:43pFnZX6
>>232
立場だけの交換でググってキャッシュから見たら読めると思います。
他のは自分も良く解らないです。
234名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:06:23.27 ID:KU+pWoIK
見れないが?
235名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:31:01.96 ID:ZHssUSgw
>>234
BBSPINKサイトは見れなくなったみたいだね。
まとめサイトを誰かが作るまで待つしかないかと。
一部は個人サイトに掲載されてるけど。
236名無しさん@ピンキー:2011/05/21(土) 23:39:57.00 ID:KU+pWoIK
そうなのか
分かったありがとう
237144:2011/05/22(日) 01:38:35.61 ID:t754Z6Ga
>>234
すいません。
見れなくなっていたとは知らずに余計な事を言いました。
知ったかぶりで申し訳ないです。
238名無しさん@ピンキー:2011/05/22(日) 04:14:51.87 ID:OoiidnBk
見れるとこあるけど普通にアドレス載せちゃって大丈夫なのかな?
239名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 00:44:21.24 ID:lLvedHD4
#お久しぶりです。短いですが、「替玉」の続きを投下させていただきます。

 勝貴は激怒した。
 必ず、かの悪戯を企む妹を問い詰めなければならぬと決意した。
 勝貴には女心がわからぬ。勝貴は生れついての朴念仁である。
 恋人はおろか女友達もロクにおらず、男友達とばかり遊び暮して来た。
 故に、妹や母の多少の悪巫山戯を見逃すくらいは常であった。
 けれども度の過ぎた身勝手に対しては、さすがに我慢ならないのだ!

 ……と、彼が「走れメロス」風に気合を込めて怒っているのにはワケがある。

 今朝目が覚めたら、妹である香月の部屋──というか彼女のベッドで寝ており、しかも彼女のパジャマまで着せられていたのだ。

 最初はわけがわからなかった勝貴だが、ふと昨夜の夕食の席での会話が脳裏に甦った。
 実は一昨日、慶聖女学院から「日輪香月」宛てに無事に合格通知が届いた。
 本来はめでたいコトだし、実際家族4人が揃った夕飯時の話題はそのことがメインとなったのだが、妹の香月がふと「でも……本当なら、あの学校に通う資格があるのって、あたしじゃなくてお兄ちゃんなんだよね」などと言いだしたのだ。
 そして、娘LOVEな両親もその尻馬に乗って「そうねぇ」「そうだな」と頷きマシーンと化した……だけならまだしも!
 「どうだ。せっかくだから、勝貴が慶聖に通ったら」
 「そうねぇ。あそこは勉強もなかなか難しいらしいし……香月ちゃんだと授業についていくのにちょっと不安かしら」
 そんな両親の冗談に、すかさず香月も尻馬に乗る。
 「えー、そうなの? じゃあ、お兄ちゃん、任せた! あたしは、代わりにお兄ちゃんの通ってる御園坂に入学するから」
 妹とよく似た(本来なら、妹が兄に似ていると言うべきなのだろうが)女顔にコンプレックスを抱いている勝貴にとっては、冗談にしても実におもしろくない話題だった。

 (そもそも、妹よ、お前は自分が行く予定の学校のレベルすら把握してないのか?)
 あの能天気娘のことだから、どうせ制服が可愛いとかの適当な理由で受験を決めたのだろうが……。せめて学校の担任教師も、もう少し適切なレベルへの進路指導をしてくれればいいものを。
 毎度のこととは言え、自分以外の3人の家族のノリについていけないものを感じつつ、昨夜は早めに勝貴は眠りについたのだ。
240『替玉お断り』:2011/05/24(火) 00:44:55.87 ID:lLvedHD4
 ──そして、翌朝「こう」なっていたのだから、てっきり勝貴は、昨晩の与太話に悪ノリした妹が手の込んだ悪戯を仕掛けたものだとばかり思い込んだのだ。
 パジャマを脱ぎ捨てようとして、下着まで女物(正確には妹のもの)に換えられているのに気付き、赤面してそそくさとパジャマを着直したのはココだけの秘密だ。
 いくらなんでもコレはやり過ぎだろう。あるいは年甲斐もなくお茶目な母あたりも噛んでいるのかもしれない。
 怒りと羞恥の感情以外に、半月ぶりに再び着用した女性下着にほんの少し倒錯的な感興が湧いたことは、とりあえず無視して、勝貴は妹である香月の部屋を飛び出した!
 ……出したのだが、そこからの展開は、彼が思い描いていたのとは少し──いや、大幅に異なった。

 1階に下りた彼の姿を見た両親が、彼に「香月」と呼びかけてくることまでは、想定内だった。
 しかし、それはあくまで悪ふざけの範囲内のはず。彼が本気で怒っていると知れば、すぐさま謝罪する。その程度の潔さは、彼の両親は持っているはずなのだ。
 それなのに、茶目っ気のある母はともかく、基本的には真面目なはずの父まで、ごく自然に彼のことを「香月」として扱うというのは、尋常な事態ではない。
 嫌な予感がした彼は、おそらく未だ眠っているのであろう妹の姿を求めて、本来の自分の部屋へと足を踏み入れ、案の定、グースカ寝ている妹の香月を叩き起こした。
 渋々布団から身を起こした香月は、彼のパジャマを着ていたが、それだけでなく、寝相のせいか半分ずれたパジャマのズボンから彼の愛用しているボクサーショーツが覗いている。
 いかに悪戯好きとは言え花も恥じらう15歳の乙女、兄の下着を自ら好んで履くほど変態ではない……たぶん。
 そうなると、コレは妹にとっても不測の事態が起きているということになる。
 慌てて勝貴は香月を揺さぶり、半ば強制的に叩き起こした。
 「ん〜、なによ〜、おにーちゃ……」
 眠たげに目をこすりながら起きた香月は、兄の顔、そして格好を見ていきなり噴き出した。
 「ぶひゃひゃひゃ! ナニよ、ソレ!? かわい〜〜」
 ……コレを「乙女」と呼んでよいのか、いささか怪しい気がして、頭が痛くなる勝貴。
 ともあれ、香月の笑いの発作が治まったところで、事情を説明する。
 最初こそ「はぁ? ナニ言ってんの??」と信じなかった香月だが、自分の着ているモノを見下ろし、さらにふたりで両親と会って話をしたトコロで、ようやく信用したようだ。
 無論、両親にも同様の説明をしたのだが、こちらは未だ半信半疑といったトコロ。
 それでも、「勝貴」「香月」しか知らないようなコトを話したり、鏡やカメラ、あるいはヴォイスレコーダーなどを駆使して実験し、ようやく七割がた信用してもらえたのだが、だからと言って、この事態が解決したわけではない。
 わかったことは以下の通りだ。
241『替玉お断り』:2011/05/24(火) 00:47:23.49 ID:lLvedHD4
 1)本人ふたり以外の目には、兄である勝貴が「香月」、妹である香月が「勝貴」に見える。声も同じ。元々よく似た要望の兄妹とは言え、さすがに両親が素で間違えるとは思えない。
 2)ただし、ビデオに撮ったり声を録音したりすると、本人達にも「他の人と同じく容姿と声が入れ替わっているように見える・聞こえる」。逆に、鏡に映った姿は、本人達には普段通りに見える。
 3)似たような背丈・体格とは言え、一応、勝貴のほうが身長で2センチ、体重で4キロほど香月を上回っていたはずなのに、なぜか互いの衣服のほうが身体にピッタリになっている

 ──こんなところだろうか。
 異常の事実が判明したところで、香月は神妙な顔で兄、そして両親の顔を順に見つめて、こう言った。
 「つまり、もし明日になってもこの怪奇現象が収まっていなかったら……あたしの代わりにお兄ちゃんに卒業式に出てもらうしかないってワケね」
 「…………は?」
 そう、翌日の月曜日が、地元の公立中学に通う日輪香月の卒業式なのだ!

-つづく-

#以上、前振り的説明回でした……って、自分のSSの半分はそんな感じか。 (´・ω・`)ショボーン
242泳げ、チハヤちゃん!!:2011/05/24(火) 16:43:01.61 ID:cfKuZ1Tz
#そして、以前お約束した泳げない兄のお話です。

『泳げ、チハヤちゃん!!』

 夏休みを間近に控えた7月のとある日曜日。
 とある小学校の教師をしている女性、天迫星乃(あまさこ・ほしの)は、外出先からの帰路で見覚えのある少女と顔を合わせた。
 「「あ……」」
 ほんの一瞬、お見合い状態になってしまったが、そこは年長者だけあって、星乃の方から、優しく声をかけた。
 「こんにちは、武内さん。お友達とプールかな?」
 彼女とその連れが手にしているビニールカバンから推測して、そう尋ねてみる。
 「あ、はい。えっと、お久しぶりです、星乃先生」
 昨年度担任したクラスの女生徒は、そう言ってペコリとお行儀よく頭を下げた。
 じゃじゃ馬と言うより腕白と評した方が良さそうな、元気で活発な娘だったのに、たった1年足らずでここまで変わるとは……。
 小学六年生と中学生一年生では、それだけ大きな違いがあるということなのだろう。彼女が進学した中学(実は星乃の母校)がそれなりに名門校であるという点も、いくらかは関係しているのかもしれない。
 「そう。武内さんのことだから、もう心配ないと思うけど、気を付けてね」
 「はい、わかりました。あの……星乃先生、水泳とか色々、ありがとうございました!」
 心から感謝していることがよくわかる、シンプルだが素直な言葉だった。
 「ふふ……いいのよ。先生は武内さんの担任だったんだし、それに一生懸命頑張る子は、先生、大好きだから」
 「いろんな意味で」という言葉は心の内に留める。
 学生の頃からいわゆる百合系の傾向が強い彼女だが、さすがに元教え子、それも13歳にもならないような娘相手に自重するくらいの分別はあった。
 「じゃあ、お友達を待たせては悪いから、先生は帰るね。さようなら、武内さん」
243泳げ、チハヤちゃん!!:2011/05/24(火) 16:43:33.70 ID:cfKuZ1Tz
 手を振り颯爽と歩き去る彼女を、元教え子の少女とその連れの女の子が、憧れるような眼差しで見ているのを感じる。年下の子達からそんな目で見つめられるのは、照れ臭くもあるが、やはり嬉しいものだ。
 (それにしても……)
 心の中で、先程の少女──武内ちはやに関するある秘密を思い出して、星乃はクスリと微かな笑みを漏らした。
 (まさかたった一年で、あのコがあんな風に「ローティーンの少女」としての暮らしに完全に馴染むとはね〜)
 まぁ、私も他人のコトは言えないけど……と、僅かに苦笑の混じった述懐を抱く星乃。

 やや小柄で多少童顔ではあるが、どこから見ても魅力的な若い女性である天迫星乃だが、高校1年生の頃までは「星児」という名でごく普通の男子だったという経歴を持っていたりする。
 そして、高1の秋にとある事情(事故?)から女性、それも遺伝子レベルで完璧にSEX:Femaleになってしまい、色々人に言えない苦労も体験してきた。
 もっとも、10年近く経った今では完全に女性としての生活に馴染んでいる。性自認も「女」になって久しいし、とりたてて不満もないのだが。

 そして、そんな彼女が先程会った「少女」ちはやも、またいささか特殊な事情を抱えている子だった。簡単に言えば、「彼女」もまた1年前までは、「武内千剣破」という16歳の少年だったのだ。
 ──いや、この表現は正確ではないだろう。「彼女」は、星乃とは異なり、少なくとも肉体的に見れば「男性」のままのはずなのだから……。
244泳げ、チハヤちゃん!!:2011/05/24(火) 16:43:53.92 ID:cfKuZ1Tz
 信じられないことに、ちはやは、神様に頼んで妹と立場を交換した結果、自分達以外の周囲の人間から「現在の立場」にふさわしい人間として扱われるようになったらしい。
 「らしい」と言うのは、当時の星乃の目からも、「彼女」が自分の担任するクラスの女生徒にしか見えなかったからだ。
 ただ、星乃の場合は自らの経験もあるし非常識な知り合いが多いこともあって、ちはやの不審な行動から、何か事情があることに気づいて、やんわりと聞いてみたのだ。
 結果、秘密をひとり(いや、妹も含めてふたりか)で抱えることにストレスを感じていたちはやはアッサリ真相を告白し、半信半疑ながらも彼らの「立場交換」をフォローすべく星乃はいろいろ面倒をみることになった。

 そして大騒動の末、その「立場交換」を解除する手段が一時的に焼失してしまい、以来、元兄と元妹は、現妹&現兄として暮らしている……というワケだ。
 「一時的」と表現したものの、あの様子では1年経った今も復旧していないのだろう。今の状態が長引くようなら、いっそこの先も入れ替わったままの方が幸せかもしれない……と、星乃は夢想したりもするのだった。

-つづく-

#というワケで、予告通り「兄の方が進んで妹の立場になりたがる話」のオープニングを投下してみました。私の従来作は、「葵」も「和己」も「要」も、ほぼすべて女性側から男性側に交換を持ちかけるケースでしたので、多少は目先が変わるかな、と(笑)。
もっとも、今回はその辺りの事情を描写できてませんので、次回は時間軸を巻き戻して、立場交換が起こる直前の話を書こうと考えていますが。
245名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 17:55:40.68 ID:LhzGiWxo
妹←→兄のシチュエーションはメリメリ萌えます!
替玉お断りも泳げ、チハヤちゃん!!もGJ

いけいけどんどん! 展開楽しみです

246名無しさん@ピンキー:2011/05/24(火) 22:04:55.02 ID:hIzezt0+
どちらもGJ!
続き、楽しみにしてますですよ

そういや、今日散歩してたら道の向こうから
「ジャンプスーツにサングラスをかけた150cmぐらいの女の子」と
「上下黒のスウェットに、アポロキャップを後ろ前にかぶりキツめの金髪にした150cmぐらいの女の子」
の2人組に遭遇した

あーこんなボーイッシュな格好してる女の子もいるんだなぁと思っていたら数分後、
今度は赤文字系ファッションに身を包んだ女装2人組とすれちがう
(身長高め&女装さんにありがちな「肩を丸めたような猫背」&片方の声が野太い)

両者にはまったく関係がないと思うのだけど、「この2組は立場交換したのかなぁ」と
ちょっとドキドキしてしまった
247180:2011/05/25(水) 12:32:08.51 ID:ybKD+Lbt
>>239
替玉は楽しみにしてました。妹が通うはずの学校へ通わされる兄の戸惑い
に期待です。

>>200
今さらですがつかさ不良化話を勝手に妄想して工務店で働くつかさが昔を思い
出す見たいなのを稚拙ながら書いてみました。作者様の許可と需要がありまし
たらいずれ投下したいと思いますがいかがでしょうか?
248名無しさん@ピンキー:2011/05/25(水) 14:37:48.06 ID:ZVQrKP5z
> 不良つかさ回想
読みたいれす
249200:2011/05/25(水) 15:37:16.47 ID:DX3H/y7l
>>247
どうぞどうぞ、投下しちゃってくださいな
楽しみに待ってますです

そういや前スレのオマージュネタにレス返すの忘れてた(´・ω・`)
250180:2011/05/26(木) 04:06:31.01 ID:iOngYqrp
>>249>>248
ありがとうございます。お言葉に甘え投下したいと思います。

ある日の作業〜つかさ⇔司〜

ごつい体に工務店のつなぎを着て同じような男達と男臭い汗を撒き散らせながら働く俺。
今日はとあるビルにデカイ看板を取り付ける作業だったのだが、休憩中汗を拭きながら見上げるとその看板が目に入った。そこには美しいロングヘアーと見事なスタイルでこちらに微笑む一人の“美女モデル”がこちらを見つめていた。
それを見た仲間は口々に「つかさちゃん可愛いよなぁ」とか「彼女にしてえなぁ」とか漏らしていた。また「つかさちゃん三葉学院卒業らしくてよ、中学時代から美少女で頭も良くて人気だったんだぜ。俺ら“学園”の野郎どもには高嶺の花だな」とも言っていた。
そうそこに映っていたのは今ファッションモデルとして人気の「斉藤つかさ」だ。
251180:2011/05/26(木) 04:10:55.59 ID:iOngYqrp
俺らが通っていた「三葉学園」暴力事件は日常茶飯事で校舎は至る所の落書きにガラスの割れも目立ち、
壁のへこみや穴も開いていたり、ゴミやタバコの吸殻も転がるそんな学園の近くに一字違いの「三葉学院」がある。
しかし学園とは大違いの超お嬢様校で伝統あるセーラー服に身を包んだ美少女が多く通い、
数々の優秀な人材を輩出した名門校だ。
そこに通っていたのが例の“斉藤 つかさ“だ。
でも今ここにいる俺が本当は“中学時代評判だった美少女つかさ”なんだぜ…。
本当は俺が“学院”に通うはずだったんだ。同じ名前の“司”と試験を取り違えられてすっかり逆転しちまったけど…
しかし誰も信じねーだろうな。今の短い金髪にした髪。鍛え上げた男らしいごつい体。脂ぎった汗の滴る無精ひげの生えた顔。
眉毛を細くして釣り上がった鋭い目。男にしか見えねーだろうが性別的には今も一応れっきとした女なのだ。
でももう男になんか感じたりしねーけどな。
元の俺の立場を奪ったアイツをおかずにしてるくらいだからな。学園時代から一緒に悪さしていた職場の仲間の野郎二人とタバコをふかしながら、しゃがみ“つかさ”の話に花を咲かせていた。
252180:2011/05/26(木) 04:14:25.02 ID:iOngYqrp
今思うと…学校にはいいようにやられたな。
そもそも学校側のミスでこうなったのは知ってるはずなのに、
今じゃ誰もそんな事あったなんて認めようとしねーなんて…
今思えば入学した時から変だったけどな…
男子校だけど特別に女子として扱ってくれるって話だったのに、入学の時に渡された制服は
他にないからと不良校だと丸わかりの男子の学ランだったし、生徒手帳も男子の“斉藤 司”となっていた。
名義上仕方ないと言ってやがったが始めから男として扱う気満々だったんじゃね?
しかも周りから浮かないようにって髪型も変えさせられて、長かった自慢の髪をバッサリ切られて、
髪を茶髪にするなんて事までしやがった。ここ学校だろって思ったが…。
制服や授業料とか免除になったのは有難かったが当然といえば当然の話だろうが
おかげで学校の言いなりになっちまった。
253180:2011/05/26(木) 04:19:32.66 ID:iOngYqrp
俺自身まだ入学時はあくまで女のつもりだったが、周りがそうさせてくれなかった。
男らしく虚勢張ってなきゃなめられる世界で、ビクビクしているわけにはいかなかったのだ。
肉体を鍛えるためという事で学校側が用意した薬剤も進んで投与した。おかげで小柄な体から身長もグングン伸びて、筋肉もついた。
でも顔は女性らしい柔らかさが消え、髭も伸びてきて、髪質も変わり、自慢だった胸も筋肉の中に埋もれるように小さくなり、
脇や足には無縁だった腋毛やすね毛も生えていた。さらに透き通るような声も成長した喉仏にかき消されて
三葉学園の不良らしい野太い声が出せるようになっていた。自分で鍛えたってのもあったけど、
ホルモンでも入っていたのだろうか…女らしさは知らぬ間に失われていって、気づいた時にはもう引き返せないほど“男”になっていた。
お嬢様で真面目だった俺だが、学校に馴染むのに必死だった。だから勉強はそっちのけになっていた。
まぁ不良の民間収容所なんて呼ばれる三葉学園でまともに勉強しようなんて奴は天然記念物に近いだろうし、
三葉学院とは比べたら月とスッポンの小学生レベルの授業では頭良くなろうなんて無理な話だろう。
これまでの中学時代、非の打ち所のないお嬢様で成績優秀だった俺だが、超底辺不良校の簡単すぎるテストもさっぱり出来なくなっていたのだ。
いかに学園で強くなるか、悪い事をするかばかり考えていた。喫煙・飲酒はすぐに始めたし、
鍛えた体で本物の斉藤司ばりに喧嘩もした。おかげで入学時ひょろっとしてなめられた俺はその後1年にして恐れられる存在になっていった。
そんな俺に学園側も匙を投げているのは明らかだったが、2年生になったある日いつもより酷い喧嘩で暴れた俺は、運悪く警察に補導されてしまった。
そこで刑事に思いもよらぬ事を言われた。「お前、中学時代も相当悪かったらしいな。先輩と大喧嘩してボコボコにしたり、○○中と喧嘩して鑑別所まで行きかけたそうじゃないか」
と中学時代の“斉藤司”の起こした悪行・素行の悪さや学年最低レベルだった成績などがまるで自分の事のように言われたのだ
254180:2011/05/26(木) 04:22:29.22 ID:iOngYqrp
「ああん!?それは学院に行った斉藤司がやったことじゃねーか、俺じゃねーぞ!」
と反論するも「ああ、お前のクラスに居た同じ名前の優等生の女の子の事か?馬鹿言うんじゃないぞ、三葉学院に行った優秀なお嬢さんとお前みたいな根っからの悪を一緒にするんじゃない」
と信じられない事を言われた。その後受験のいきさつを話しても「そんな馬鹿な話がある訳ないだろう」
と刑事は俺の言う事を信じてくれなかった。今度も何とか釈放された俺だが、納得できず学校を問い詰めると…
「受験の取り違い事件などもう存在していないのだよ」と言われた。ふざけんなよ!と思ったが詳しく聞くと
どんどん変わる俺らを見た学院と学園が勝手に話し合い決めたようだ。
信じられんが何でも学院でアイツはトップクラスの成績の優等生らしい。
次期生徒会長候補でもあり、名門ソフィア女子大の推薦も間違いないものの
過去の男時代の経歴が唯一の汚点だった。そこで学園側へ話し合いを申し出たところ、
今の手の付けられないワルと化した“斉藤 つかさ“には中学時代の輝かしい経歴は必要ないと判断したようだ。
双方の学校も中学校も受験時の取り違いミスもなかった事にできるし、今の優秀な”斉藤 司“には”斉藤 つかさ“としての
経歴が必要だという結論になったらしい。
俺には別にどうでも良い話だったが何ともムカつく話だ。
255180:2011/05/26(木) 04:27:36.21 ID:iOngYqrp
俺の中学時代の成績や評価や経歴はアイツと取り替えられて、
女子時代の楽しい思い出さえもこの間の同窓会で全てアイツにもってかれた…
代わりにアイツの大喧嘩や中学時代の最低レベルの成績や評価・補導歴は全て俺に押し付けられた。
つまり俺は昔からバカで不良という事にされたわけだ。実際超底辺な学園のテストでも散々な成績だったけどな…
3年になった時だが三葉学園の不良と化した俺に行ける大学などあるはずもなく…
受験取り違いの罪滅ぼしなのか?学園が「お前らにも出来るだろ」と用意してくれた
工務店に不良仲間と働く事になったのだ。
一方俺の素晴らしい過去を手に入れたアイツは有名女子大に受かりスタイルも良くて
今や有名モデルになったようだ。本当は俺が手に入れるはずだったかもしれないものは全部アイツが持ってった…
ただの学校の取り違いのはずが、過去も未来さえ取り替えられて人生さえも変えられちまうなんて…

「それにしてもお前とは大違いだな。同じ“サイトウツカサ”なのによ」
回想から帰った俺に学園の仲間がそんな事を言う。
中学時代の“つかさちゃん”はどうだったとかまた聞いてきたので
「うるせぇ」と言ってタバコを踏みつけ再び作業へ戻る。

そういえば同窓会の後アイツに今晩二人であって思い出話をしようという事になったのだが、
その条件が中学時代の思い出の品を交換するというものだった。
中学時代の制服やアルバム、テスト、成績表、通知表、部活で使ったものなどあるもの全部欲しいらしい、
完全に“斉藤つかさ”としての人生を手に入れたいようだ。まぁそれで“美女”になった
アイツと二人きりになれるのなら悪い話じゃない。性欲もオス化した俺は二人きりの夜を妄想するが…
こうしてまた“つかさ”としての足跡は消されてゆくんだなぁとふと思った。


以上です。
話がくどいかもしれませんが少しでもお楽しみ頂ければ幸いです。
失礼しました。
256名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 04:42:19.94 ID:xFO/W/28
乙でした

つかさ嬢は薬剤投与で男性化していったみたいですが
あっちの司も似たような感じで女性化して胸も膨らんでるですかね
257名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 08:46:50.95 ID:wuFAJMc0
>250
乙です〜。ふたりきりで会った夜のこと、色々妄想が広がりますね!
そちらもできれば読みたいかも。あるいは、その夜に臨む「女」になった「つかさ」側の心境とか。

>249
それって、もしかして前スレ264のコトでしょうか? でしたら、あの一文を書いたのは私です。
結局、主役を女同士にして「黒白」「善悪相殺」という形で具体化してしまいましたが。
……でも、やっぱり男女間の方がエロいかもなぁ。
258200:2011/05/26(木) 09:53:57.52 ID:OX/5NmUp
>>200
GJであります!
そうか、こういうやりとりがあったんですねー
後日談を形にしていただき、ありがとうございました

>>257
そうであります>前スレ264
返信してなかったのに気付いてから、なんとなくずっとひっかかっておりましたので・・・・・・

「替え玉」「チハヤちゃん」の続き、期待しております
259180:2011/05/26(木) 10:28:49.27 ID:iOngYqrp
>>256>>257>>258
皆様ご感想ありがとうございます。
自分の趣味で勝手に世界観を描いてしまいましたがお楽しみ頂けたのでしたら
嬉しい限りです。夜のお話は自分には厳しいかなと思いますが”つかさ”に
になった”司”の方も何らかの形で胸の成長などの変化もありそうなのでこちらも
面白そうだなと思います。
260257:2011/05/26(木) 23:13:13.49 ID:wuFAJMc0
#思い出したので、ちょびっとだけ前スレ264の続きを投下してみます。
#ノリとしては「善悪相殺」に近い、さほど深刻にならないタイプ。でも、こちらの方が幾分エロくなるはず、メイビー。

『気が付いたら……悪の女幹部!?』

 当時は本当に驚いた。
 その日も、いつも通り出撃し、敵対組織「キュー・ベレイ」との戦闘したはずだった。
 「いつも」とは言っても当時の私──僕は、ようやく見習いから正規の実働部隊に昇格したばかりの、まだ出撃3回目の新米でしかなかったけど。
 でも、だからと言って何か大きなミスをしたという覚えはない。
 後に地底人による帝国だとわかるものの、当時はまだ「謎の組織」扱いだった「キュー・ベレイ」の女幹部・グラキトゥルース率いる一団と交戦し、優勢に戦いを進めていたはずだった。
 ……そう、彼女がアタッシュケースから奇妙な機械を取り出してスイッチを入れるまでは。
 その途端、僕達、蒼空戦隊トランセイヴァーの動きが鈍くなり、ミスと被ダメージが増える。どんな勘が鈍い人間でも、当然、さっきの機械が怪しいとニラむよね?
 幸か不幸か、その時一番グラキトゥルースの近くにいたのは僕で、しかも勝利を確信した彼女が隙だらけなのを見つけてしまったんだ。
 「フフフフ……ドクター・レイモンドの発明品だから半信半疑だったけど、スゴい効果だわ!」
 「そこまでだよッ!」
 上機嫌でほくそ笑むグラキトゥルースに気配を殺して忍び寄った僕は、得意のジャンプキックを彼女に向けて放ったんだ。
 新米とは言え、まがりなりにもトランセイヴァーの一員が放った本気のキック。けれど、さすがと言うべきか、グラキトゥルースは、とっさに手にしたアタッシュケースを盾にして直撃を防いだ。
 もっとも、その時の僕はソレが狙いだったんだけどね。
 計算外だったのは、ケースが予想以上に丈夫だったこと。僕のキックは作動中の機械を粉々に砕……くところまではいかず、中に納められた機械の動作を狂わせるに留まった。
 あるいは、そこでやめておけばよかったんだろうなぁ。でも、初めての手柄らしい功績に調子に乗った僕は、続けてローリングソバットを放ち、ついにアタッシュケースを破壊しちゃったんだ。
 その瞬間、機械が爆発を起こし……それに巻き込まれた僕とグラキトゥルースは仲良く意識を失うことになった。
261気が付いたら……悪の女幹部!?:2011/05/26(木) 23:14:15.78 ID:wuFAJMc0
 で、意識を取り戻した僕は、見たことのない(けれど、どこか見覚えのある)部屋に寝かされていた。
 部屋の内装や置かれている道具の意匠・文字から見て、どうやらココは「キュー・ベレイ」の基地かアジトっぽいけど……。
 もしかして、あの場で気を失った僕は捕虜になってしまったのかな? でも、それにしては、室内の作りは豪華だし、特に縛られてたりもしていないし……。
 地上の文化とは異なるけど、どうやらココは女性、それも結構身分の高い人の私室のように感じられた。
 キョロキョロと部屋の中を見回すと、古代ギリシャ文明を思わせるデザインのクローゼットやチェストボックスに混じって、高さ1.5メートルくらいの姿見が目に入る。
 その前に立ったことで、僕は初めて自分がとんでもない服装をしていることに気がついたんだ。
 何かの革を加工した赤い素材でできたジャケットのような上着は、まぁいい。前を留めるボタンが1個しかないのもそういうデザインなのだと納得しよう。
 でも、その下に着せられてるのが……。
 「こ、これは……SMの女王様!?」
 後から冷静になってよく見れば、キチンと胸部にはアーマーっぽいものが付いてるし、各パーツにも刺繍が施されてたりと、色々凝った部分はあったんだけど、その時の第一印象は、まさに「女性用の黒いボンテージ衣裳」そのものだった。
 しかも単にハイレグで胸元が際どいばかりでなく、お腹や背中も大きく肌が露出している。コレ、服としての意味あるの?
 足元も、ピンヒールになった革のロングブーツだし……我ながらよくこれで歩き回れたものだなぁ。
 (クッ、もしかしてこれは(この基地の人間からして)憎きトランセイヴァーの一員に対する羞恥責めなのか!?)
 これほど恥ずかしい格好をさせられたのは、高校の体育祭で仮装リレーで「ブルマー+女子体操服+二ーソックス」姿でグランド一周した時以来だッ!
 こんな服装では脱出もままならない。なるほど、確かに下手に拘束したりする必要はないワケだ……と、その時の僕は思ったんだけど、真相は全然別だったんだよね〜。
 それに気付いたのは、直後に部屋に入って来た敵幹部のひとり──四天王の筆頭である地帝皇子ジョシュアムが、僕に話しかけてきたからだった。
 「おぉ、目が覚めたのか、ラキ。心配したぞ」
 元々ジョシュアムは、「キュー・ベレイ」の指揮官であったものの、民間人には極力被害を出さず、また卑怯な戦略もとらない、敵ながら天晴れと言いたくなるような武人だ。
 彼なら、たとえ捕虜に対しても乱暴なことはしないと思うけど、この時の彼の視線は明らかにそういうレベルじゃなく、まるで大切な恋人に対するような労わりと気遣いに満ちていた。
 「爆発に巻き込まれたと聞くが……どうだ、体に不都合なところはないか?」
 「えっと……は、はい」
 状況が見えない中、とりあえず、無難な返事をしてしまう僕。
 「そうか、それはよかった。医者の見立てでは、とくに大きな負傷はないし、細かい傷は治癒術で消させたのだがな」
 「あ、ありがとうございます」
 捕虜に対するものとしては破格の待遇に、僕は驚いてお礼を言う。
262気が付いたら……悪の女幹部!?:2011/05/26(木) 23:15:36.97 ID:wuFAJMc0
 「なに、気にするな。お前のその珠の肌に消せない傷痕などが残るのは、我も心底惜しいからな」
 微笑みながら、そう言うとジョシュアムは僕の右手をとり、その手の甲に、まるで貴婦人に対する騎士のように接吻する。
 「あ……」
 本来なら、たとえ唇じゃないとは言え男にキスなんてされたら鳥肌が立つと思うんだけど、その時の僕はなぜか不快感を感じず、むしろドキマギするような気分に襲われていた(まぁ、その理由はあとでわかるんだけど)。

 慎重にジョシュアムと会話しつつ、僕なりに懸命に今の状況を分析してみた結果、得られた結果は、トンデモないものだった。

 その一。僕は誰か──おそらくは女幹部であるグラキトゥルースと間違えられている。
 その二。しかも、この取り違えを(少なくともキュー・ベレイ側は)誰も不審に思っていない。
 その三。どうやらグラキトゥルースは、ジョシュアムと愛人的な関係にあるらしい。

 ──なに、このカオスな状況?
 確かに僕は、20歳の男性としては少し小柄で華奢だし、長身のあの女幹部とは背丈や体格だけならほとんど変わらないかもしれない。
 でも、顔立ちも髪の色も全然異なるし、何より僕は男だ。こんな格好していても……いや、こんな衣装だからこそ、胸がないのも、ハイレグになってる衣装の股間が……その、モッコリしてるのも、見れば一目瞭然なはずなのに。
 とは言え、新米ヒーローな僕でも、こんな敵の本拠地まっただ中で「実は、僕、グラキトゥルースじゃないんです」と告白するのが悪手であることはわかる。

 仕方なく、ジョシュアムとの会話は適当に話を合わせつつ、情報を探っていると、気になる単語が出てきた。
 「ドクター・レイモンド」
 あの戦いの時に、本物のグラキトゥルースが呟いていた名前だ。トランセイヴァー側には、「キュー・ベレイ」の技術顧問だという程度の情報しかつかんでいなかったけど……。

 けれど、その時、僕はふと気付いたんだ。
 僕らトランセイヴァーは、彼ら──「キュー・ベレイ」のことを殆ど知らないし、知らされていないことに。
 コレは……ある意味チャンスかもしれない。
 理由はまだわからないけど、今の僕が「女幹部グラキトゥルース」として認識されているなら、この基地?の中を色々歩きまわっても不審に思われないはず。
 なら、できるだけ情報を集めてから脱出し、元に戻る算段をつけよう。
 気がかりなのは、おそらくは僕の立場になっている本物のグラキトゥルースのこと。おそらく向こうも僕と同じことを考えるはずだけど……。
 ただ、新米の下っ端──せいぜい下士官程度の地位でしかない「セイヴァーグリーン・緑川進」では、正直たいした情報を得られないだろう。相殺しても僕の方がメリットは大きいはずだしね。
 そんなワケで、僕は当面「グラキトゥルース」として振る舞うことを決意したんだ。

 ──それが、この無益な戦いの幕を引く始めの第一歩になると、その時の僕は気付いていなかったけれど。
263気が付いたら……悪の女幹部!?:2011/05/26(木) 23:16:27.02 ID:wuFAJMc0
#とりあえず、こんな感じ、前中後編の3回で完結予定です。
#ちなみに、グラキトゥルースの名前は某ロボゲーの女キャラのもぢりで、日本名はグラキ→倉木・トゥルース→真→眞子というヒネりのないもの。
服装は、同じシリーズのアクアという痴じ…もといセクシーおねーさんを想像してもらえば大体合ってます(ハイヒールがロングブーツになった程度)。

<登場人物>
●緑川進(みどりかわ・すすむ)
本作の語り手(主人公?)。つい先日、蒼空戦隊トランセイヴァーのメンバー(グリーン)に昇格したばかりの新人。熱血と言うほど熱くはなく、かといって理知的と言える程クールでもない、ある意味普通の青年(強いて言えば優しい、か)。
前のグリーンが出来婚で急きょ寿退職したため、慌てて補充されたたため、かなり未熟な面も。だが、その分、憎しみや偏見が少ないとも言える。
ハプニングから、敵対する組織「キュー・ベレイ」の女幹部グラキトゥルースとして行動することになる。そして……。
●地帝皇子ジョシュアム
その二つ名の通り、地底人の国「新聖帝国キュー・ベレイ」の皇帝の息子、しかも皇太子。同時に、キュー・ベレイ四天王筆頭、つまり地上侵攻計画の実働部隊の、事実上のトップでもある。
白皙で爽やかなイケメン。文武両道で性格も良い……と、非の打ちどころのない人物だが、欠点がふたつ。ひとつは、父である皇帝に絶対服従であること。もうひとつは(性格ブスと言われていた)グラキトゥルースにベタ惚れであること。
●ドクター・レイモンド
帝国主席魔科学者であり、紛れもなく天才だが、人格的には色々残念な、いわゆるマッドサイエンティスト。わかる人にわかりすく言うと、女版西博士。
彼女が作る発明品の90%は、とてつもなく高度だがとてもくだらないものか、とてもチープだが意外な使い道があるもののいずれか。残る1割程度が、ピーキーだが、どうにか普通に役に立つ代物。数少ないグラキトゥルース(真)の飲み友達。
グリーンとグラキトゥルースの立場入れ替わりの元凶。
●皇帝メルキボス
「新聖帝国キュー・ベレイ」のトップ。かつては温厚かつ思慮深い賢帝と言われていたのだが、半年前、突如地上への侵攻命令を出してから、人が変わったように苛烈で酷薄な性格となる。
○グラキトゥルース
「キュー・ベレイ」の女幹部(いわゆる将軍に相当する地位)。まだ若い(20代半ば)が、実力+権謀でのしあがってきた女傑で、ジョシュアムとの関係も、後ろ盾を得るためと割り切っていた。
264そういえば:2011/05/26(木) 23:38:38.24 ID:wuFAJMc0
上のSSとは直接関係ないのですが、AVメーカーGIGAが主催する「ヒロイン妄想計画」というサイトにKCRCM名義で「黒き魔装の誘惑 汚された聖なる真珠」という妄想を投稿してみました……と言っても、かれこれ4月末の話なんですが。
これは、こちらに掲載した「黒の誘惑と白への回帰」を、ビジュアル化を考慮し大きくアレンジし、H度強化したもの。
それなりに多くの方の琴線を刺激したらしく、5/26現在で124票の支持をいただきましたが、おそらくこの数では採用はないと思われます(6/4に正式発表されるまでわかりませんが、たぶん)。
せっかくなので、改めて「黒き魔装の誘惑」として文章化しようかと思うのですが、こちらに投下してもよいものでしょうか? 厳密には「立場交換」の分類からは外れますし、元作品を一度掲載してるワケですが……。
265名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 23:47:11.27 ID:ofsUQ/5K
これ系の悪の組織的話なら、なんとなく、平女戦闘員と女幹部の入れ替わりとかいうのが思い浮かんだ
気が向いたら書いてみる
266200:2011/05/26(木) 23:52:24.34 ID:OX/5NmUp
>>259
ふと、これの続きとなる話を思いつきました
もしよろしければ、形にして投下したいと思いますです

>>263
これがいずれ「あのシーン」につながるのかと思うとwktkします
3本、どれも楽しみにお待ちしております
>改めて「黒き魔装の誘惑」として〜
これもお待ちしておりますです

>>265
これは・・・・・・新規投稿の予感!
267名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 07:42:12.06 ID:+VyUSWZk
ぐったり倉庫の新作が立場交換物なんだが、イマイチ過ぎて悲しくなった

洗脳したら何の意味もないだろ
268名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 08:33:39.38 ID:sNlICihL
どうでもいいわ
269名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 09:02:11.85 ID:UDpCLSK9
>267
読者という神の視点がある限り、意味はあるんじゃない?
与えられた立場を「演じる」というより「なりきる」様を見て楽しむという。
ただ、ジレンマや葛藤が感じられないぶん、滑稽ではあっても萌えはないかな。
その新作の場合、「愛の力」(笑)とかで、男主人公が記憶を取り戻したり、
取り戻しかけたりするシーンがあると、それなりにドキドキするかも。
まぁ、作者のことだから、そういうご都合主義にはしてくれないだろうけど。
270名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:23:10.26 ID:11R3oE6i
別にここに向けた作品じゃないだろ
首のすげ替えメインだし
立場交換だけの見たいなら作者に頼み込んだらどうなんだ?
271180:2011/05/27(金) 16:10:22.18 ID:nRqhe9QK
>>266
ぜひよろしくお願い致します。
続きという事はいよいよ二人きりで会うのだろうか?
楽しみにしております。
272名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 00:24:08.47 ID:Bh+akUqA
>>266
>>271

”司”の変化の過程も見てみたいですね。
273名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 01:57:02.55 ID:gZCLNHRC
>267
個人的には同意できる部分もあるが、ここで書くことじゃないな
いろんな嗜好があるんだから心の中に留めておくだけにしとけ

作者やそのファンが不快な思いをするのはこのスレにとっても得にならん
274名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 03:32:00.62 ID:Bh+akUqA
>>263

続きが待ち遠しいです!
ドキドキ
275名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 03:51:02.44 ID:Bh+akUqA
>>237
>>238
試しに、twintailでたどったら見ることが出来ました。
ついでに、保存しました。
276名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 04:03:30.00 ID:Bh+akUqA
>>275
すいません。誤爆状態です。
勘違いでした。1交換目は見れませんでした。
277名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:09:45.43 ID:D+2Tbtm6
自分が今見てるとこは1交換目も見れますよ
278名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 18:21:16.92 ID:lHtdeW4f
279ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 00:46:17.88 ID:t3oUfJPQ

☆あくと・せぶん『はりー・ばっく』


「なに〜っ!?」

女子トイレの個室から悠二の驚愕した大声が響く。

「え?なになに?」
「何かあったの?」

当然ながら周りの女の子たちは何事かと驚きざわめいた。

「結愛ちゃん大丈夫?どうしたの?」

連れ立ってトイレに来ていた耶智香(やちか)が心配そうに声を掛けてくる。
ここで何でもないと返事をすれば良いものを、焦る悠二にはそんな余裕は無かった
結愛の一大事と急ぎペルペルを問い詰める。

「おい!それはどう言う事だ!?結愛ちゃんに何があった?」
『待つきゅん、落ち着くだきゅん』
「待てるか!」

ペルペルの声は聞こえずとも、悠二の声はトイレ内にまる聞こえだ。
周りが何かの異常事態と思うのは当然である。

「ねえ、本当にどうしたの?先生呼んで来ようか?」

ますます心配そうにする耶智香。
しかし悠二にはその声が耳に入っておらず、そのままペルペルを問い詰めるのをやめない。

「説明しろよ!」

トイレの個室から聞えてくる友達の怒鳴り声に耶智香はおろおろするばかりだ。
280ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 00:50:23.78 ID:t3oUfJPQ

「あたし、先生呼んでくる」
「あ、わたしも行く」

見かねた他の女子児童が、とうとう先生を呼びに行ってしまった。
個室の外でそんな事態になっているとも全く気にとめない悠二ではあったが、
逆にペルペルの方がこの事態に危機を感じていた。

『(まずいきゅん、先生に見つかったらぬいぐるみのふりをしても、
没収されて身動きが取りづらくなるきゅん。まったくこの変態馬鹿は思慮が足りないきゅん)』

ペルペルはたれた耳を使って悠二の口を塞ぐ。

「うぐっぐ」
『結愛ちゃんが心配ならここで騒ぐなきゅん。まずは人気のない所へ移動だきゅん』

それで少し落ち着きを見せた悠二は頷くと、
言葉に従いショーツを引き上げたくし上げたワンピースのスカートを戻す。

「どわっ!どこに入ってるんだお前は!?」
『うるさいきゅん!他に隠れる所が無いきゅん。こんな屈辱的かつ劣悪な場所なんて本当は死んでも嫌な所だきゅん』

なんとペルペルは悠二のスカートの中に入り込んだのだ。
女装男のスカートの中など想像するにおぞましい。

「どっちが変態だ」

兎にも角にも悠二は個室から出ると、周囲には目もくれず急いでトイレを去る。

「あ、結愛ちゃん」

心配していた耶智香は出てきた悠二を見て何ともない様なので安心するが、
直ぐに何処かへ行ってしまったのを見てまた不安になり、
後を追おうと廊下に出るがすでにその姿は見えなくなっていた。

「結愛ちゃんどこ行っちゃったの?」

後には耶智香が心配そうに呟く姿が残されていた。


281ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 00:53:55.39 ID:t3oUfJPQ

「で?どう言う事なんだよ」

悠二はペルペルに言われた通り人気のない場所へ来ていた。

卒業生なので学校の見取りは勝手知ったるものだ。
三方を壁に囲まれた日当たりの悪い図工室外は、
お化けが出るとも噂され休み時間でも児童が近づく事はあまり無い。

おまけに柳の木があるものだから尚更気味悪がられれるのだ。
しかしその柳の木のお蔭で校舎からは死角になるのはこの際は幸いだ。

『実は結愛ちゃんが新たに魔法使いを呼び出してしまったんだきゅん』
「お前みたいのが他にも居たのか」
『それは居るだきゅん、問題は呼び出した相手だきゅん。
よりにもよってあいつが出てくるなんて』

言うペルペルの表情が苦いものに代わる。

「どんな奴なんだそれは?」
『…何れ判るきゅん』

珍しく口ごもるペルペルの姿に事態の深刻さを悠二は感じた。

『それよりも、ピンチなのは結愛ちゃんだきゅん。
結愛ちゃんはそいつにプリキュアになる事を願ったんだきゅん』
「それって出来ないんじゃなかったか?」

存在のエネルギーを扱うペルペルの魔法では実在しない力は与えられないと確か言っていたはずである。

『それがそいつは出来てしまうんだきゅん。
そいつは存在の置き換えで本と言う形をとってそのお話しの中に人間を閉じ込めてしまうんだきゅん』
「つまりそれはどう言う事なんだ?」
『本の中では現実の世界の存在に縛られる事無く、その人間の願いが叶うのだきゅん』
「おまえの半端な願いの叶え方より余程良い様な気がするが」
282ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 00:56:51.19 ID:t3oUfJPQ

悠二の感想にペルペルは呆れた表情を浮かべ、
可愛らしさも欠片もない侮蔑の表情を浮かべた。

『だからお前はアホで馬鹿で変態でロリコンなんだきゅん』
「アホで馬鹿で変態とはなんだ」

ロリコンだけは否定しないのが悠二らしい。
ペルペルは短い腕で肩をすくめると言葉を続ける。

『そんな便利な魔法に大きな代価が必要無い訳が無いきゅん。
本の中で願いを叶える度にその人間の存在自体が無くなっていくんだきゅん』
「なに!? それはつまり、ずっと本の中に居ると消えてしまうって事か?」
『そう言う事だきゅん。後にその人間のお話しが書かれた本が残るだけだきゅん』
「そんな事をして何になるんだよ?」

悠二は憤りを焦りの表情に変えつつも、疑問を述べる。

『魔王への献上品だきゅん。
魔法使いはそうした願痕(デオマイ・シーマ)を献上した数だけ格が上がるんだきゅん』
「なんだよ魔王とかそんな仕組み。
じゃあその魔王が全ての元凶で結愛ちゃんはそのせいで消えてなくなりそうだって言うのかよ」
『魔王と言ってもきっとお前が想像しているのとはきっと違うきゅん。ただの管理職だきゅん』
「管理職だ?それじゃ本は賄賂品か?そんな事の為に結愛ちゃんが消えてしまうと」

意外と熱くなりやすいのか、はたまた心底結愛を思っているのか悠二の言葉に怒気が含まれていた。
対するペルペルはその雰囲気を感じているはずだが、至って緊張の素振りを見せる事無く会話を続ける。

『賄賂とかそんな下らないものじゃないきゅん、
「願い」と「存在」はボク達の世界の理だから仕方が無いきゅん』
「仕方なくねえよ!こうしいてる間にも結愛ちゃんが消えかけているだろうが!
とにかく俺は結愛ちゃんの所に行くぞ」

とうとう焦りと怒りの気持ちが関を切り、言うが早くも悠二は駈け出した。
その表情は鬼気迫るものがある。
283ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 00:58:51.95 ID:t3oUfJPQ

『あ、待つんだきゅん。肝心の話しが終わっていないだきゅん』

慌ててペルペルも後を飛んで追い掛けるが、
思ったよりも悠二のスピードが速く追い付けない様だ。
長めの休み時間なので児童が校舎の外に居てもさほど目立つ事は無いが、
流石に校門より出るとなると教師の目にも止まるはず。
しかし、そこも勝手知ったる所で悠二は体育館横の雑木林を抜けて、そのまま道路へ出る。

「結愛ちゃん、いま行くからなぁっ!」

悠二はただひたすらに走った。
ワンピースを翻し必死の形相で走る姿は目を引くはずだが、
幸いにも人通りもなく驚きの速度で道を走り進む。

「はぁ、はぁ、結愛ちゃん、いま行くから」

だが、ひとつ失念している事があった。
それは結愛と交換され、体力が8歳の女子児童になっていると言う事である。
学校から悠二の家までの距離は3キロメートルほどのなのだが、
それを8歳児の体力で火事場の馬鹿力的な全力疾走などすれば当然もつはずがない。

「結愛ちゃん…、い、ま…」

案の定、息も絶え絶えの状態に陥る。

「はぁはぁはぁ(…結愛ちゃんが大変なんだ、急がないと……)」

それでも根性をだして無理すればその後に訪れるのは、限界による意識のフェードアウトだ。
ゆっくりと膝を曲げ両手を地面に付くと、そのままうつ伏せに倒れ込んでしまう。

「(…結愛ちゃん……)」

………
……


悠二は呼吸困難と身体への過負荷によってそのまま気を失ってしまったのだ。


284ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:02:12.11 ID:t3oUfJPQ

☆あくと・えいと『ぺどふぃりあ・しょっく』


道端で意識を失い倒れた悠二が目を覚ましたのは、
昼間だと言うのに遮光された暗い空間に蛍光灯の明りが灯る部屋だった。
そこに湿気った様な重たい布団の中に悠二は寝かされていたのだ。

「なんだこの臭い?」

まず目を覚まして感じた事は、異様な臭いだった。
たぶん生活臭と言うものなのだろうが、
むんとする様な男臭さに食べ物が腐った様な饐えた臭いと埃っぽい臭いが組み合わさった様な不快なものだ。

悠二もけっして綺麗好きと言う訳ではなく、
自分の部屋の手入れもサボりがちだし、たまにシャワーをしなかったりとだらしがない所があるのだが、
今は結愛になって身綺麗にしているせいで尚更だった。

「ふふぅ、気がついたかい、ひひひぃ」

そこに声を掛けてきたのは、取り立てて特徴もない男。
中肉中背でメガネを掛けており髪型も短髪なのが少し伸びた様な感じで天然で無造作の様だ。
だがその目つきが何だかいやらしいものを感じ、
息遣いや動作が怪しい為に好感を得るようなものでは到底なかった。
その事に警戒しつつも悠二は質問をして見る。

「ここは?」
「ふふぅ、お嬢ちゃんは、道で倒れてたんだ。僕が助けてあげたんだよ、ひはは」

興奮気味なのか照れ笑いなのか解らない笑い声の様な発音が少し気持ち悪いが、
少なくても倒れた悠二を介抱してくれたのは間違いない様だ。

「それはどうもありがとうございます」

悠二は常識的にお礼を述べる。
285ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:05:29.76 ID:t3oUfJPQ

「ほははは、お穣ちゃん礼儀正しいね。そう言う子好きだな。ふひひひ」

男の照れて悶える姿が、少々不気味だ。
悠二も普段結愛に対して似た様に相好を崩しているのだが、
そこは自分の事は棚の上と言うもので自覚する事は無い。

ただ、同じ穴のムジナと言うか同類の鼻と言う奴がこの男はロリコンであると瞬時に悠二は見抜く。

「(この反応、こいつもしかしては同志なのか?だがもう少しアプローチの仕方何とかしないと駄目だな。
はっきり言って気持ち悪がられるだけだぞ)」

あえて言うつもりもないが、心の中だけでダメ出しをする。

「(それよりも結愛ちゃんだ。早く行かないと)」

状況が少し整理された所で、悠二は本来の目的を果たすべく立ち上がる。
周りを見渡してみるがペルペルの姿は見当たらない。
どうやら置いて来てしまったようだ。

それにしても、壁に余すところなく貼られているアニメやゲームのポスター、
フィギュアに抱き枕など全て幼女ものと言うすごい部屋だ。
さすがの悠二も感嘆を通り越して、圧倒されるほどだ。

「もえたん好きなの?」

思わず近くにあった抱き枕を指して訪ねてしまう。
すると男はまた興奮した様で鼻息を荒くし迫ってきた。

「おほっ、もえたん知ってるの?ぼ、僕はいんくたんが大好きなんだよ。むほほほ」

異様な高ぶり方を見せる男の姿に、余計な事を言ってしまったと少し後悔しつつ
及び腰になりながらも悠二は男の気分を害さない様に引きつりつつも笑顔を浮かべ声かける。

「可愛いし」
「むふふ、そうだよ。可愛いんだよ。いんくちゃんはボクの嫁なんだ。他にも沢山いるんだよ一夫多妻制の僕の国」

その短い答えに余程気を良くしたのか、興奮気味に男話し出す。
部屋を見れば一目瞭然なのだが余程好きらしい。
他にも多様なグッヅがあり、中には悠二も知らない様な幼女のキャラクターもあった。

同志には敬意を払わないといけないと思う一方、
結愛の事が気掛かりな悠二は早くこの場を去りたいとも思う。
286ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:07:20.68 ID:t3oUfJPQ

「(この部屋本当に凄いな。こんな事態じゃなければ交友を深めたい所だが…)」

だが、やはり気になるのは結愛の事だ。

「ごめんなさい。少し急ぐ用事があるので帰ります」

思いきってここは一気に立ち去るべきと結論し、
お礼を述べて外へ出ようとしたのだが、そこで男に行く手を遮られた。

「まって、も、もう少しゆっくりして行ってよ」
「すいません。急ぐので」
「ほ、ほら、お菓子あげるよ。ジュースもあるよ」
「いいえ、結構ですので」
「なんで?ぼ、僕は君に居て欲しいんだよ。そうだ、いんくたんのフィギュアあげるよ。可愛いだろ?」

男は女児らしからぬ悠二の言動に動揺しつつも、引き留めようとしつこく食い下がってくる。
どうしても帰してくれる気は無いらしい。
悠二は焦る気持ちで周りを見渡す。

「(くそ、邪魔するなよ。窓から逃げるか?でもここが1階じゃなかったら無理だしな…。 ん?あれは)」

目にとまったのはシスタープリンセスと言う古い作品のグッズだ。
悠二も実際にアニメを見た事は無いが、オタクの間で妹萌えがとても流行ったらしい事は
知っており、そこである一つの考えが浮かんだ。
287ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:09:12.54 ID:t3oUfJPQ

ロリコンの心を知るのはロリコンである。
もしそこに妹萌え属性が加わるならば、
いま悠二は結愛になっていると言う事を最大限に利用して取れる手立てがあった。

「お願いお兄ちゃん、結愛とっても急いでいるの。だから一生のお願い、結愛を行かせて。ね?」

お兄ちゃんお願いコンボだ。

悠二も結愛にお願いをされると断れないのでよく解かる。
この男は見る限り実際の女の子に対して免疫も全くなさそうなので、
お兄ちゃん呼ばわりされるだけでもかなり効くはずと目算した結果だ。

「お、おおお、お兄ちゃん!も、もももう一回言ってくれるかな?」

案の定クリーンヒットだったらしい。
取り乱した様に興奮して悶える姿がなにより雄弁に語っている。
それを見て楽勝とばかりに悠二は続ける。

「お兄ちゃん♪」
「うほぉぉ」
「おにいたん♪」
「うひょひょ」
「にぃに♪」
「あひょぁ〜」

なんてアホな光景か…。
悠二が呼びかける毎におかしな奇声を上げ悶える男の図などアホ以外のなにものでもない。
だがそんな事は気にせず、悠二は効果ありとここぞとばかりに止めの一撃を放つ。

「お兄ちゃん大好き♪」
「・・・・。」

その一言に急に黙り込む男。

「(萌え果てたか?)」

予想とは違う反応に戸惑いはあるが、ここは好機とみて悠二は男の横をすり抜け玄関のドアへと向かう。
288ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:11:07.69 ID:t3oUfJPQ

「じゃあ、急ぐからまたねお兄ちゃん」

靴を履くと元気に手を振って見せる。
最後のサービスも忘れないのは悠二なりの手向けと言うものだ。

「(これで結愛ちゃんのもとへ行ける)」

そう思った時だ。

「えっ!?」

男が急に迫ってきたかと思うと、悠二の身体を抱きかかえあっという間に布団に押し倒したのだ。

「な、何しやがる!」
「き、君がいけないんだよ。あ、あんなこと言われたらもう我慢で、できない」

男は今まで以上に興奮した状態で完全に冷静ではない。
呼吸、鼻息、全てが荒く、その表情は貪欲な卑下た劣情に満ちていた。
その欲望のままに布団に押し倒した悠二に対し、顔を近づけキスを迫る。

「やめろ変態!」
「ダメだよ、君は僕のお嫁さんだ。だから良いんだ」

必死に抵抗し両手で男の顔を押し返すが、結愛の力になっている悠二では分が悪すぎる。
完全な見込み違いだった。

こいつはロリコンじゃない。
――ペドフィリア=小児性愛――
幼児に対し性的欲求を覚える者の事だ。

そしてこいつはその欲求も抑えられず、欲望に走っている最低な男だ。
それはロリコンは愛情の表れであり、純真たる友愛でなくてはならないと言う悠二の信念に反するものだ。
そんな奴に負けてたまるかと、全力以上の力で抵抗するがやはり限界はある。

「僕のお嫁さん〜!」
「うわぁ〜っ!」

悠二はとうとう力負けし男の顔の接近を許す。
辛うじて顔を背け口にされなかったのは良いが、それでも男から頬にキスなどされれば身の毛がよだつ。
更に身体を寄せ合おうとする男に対し、なりふり構わず手足を振り回し殴る蹴るの抵抗を行うも、
殆ど相手にダメージを与える事は出来ない。
289ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:12:44.35 ID:t3oUfJPQ

「聞き分けのない子は嫌いだよ」

バシンッ!
派手な音と共に悠二の頭から朝に真依からつけてもらったカチューシャが吹き飛ばされる。
暴れる悠二に対し男は平手打ちをしたのだ。
頬に走る痛みと身に降りかかる暴力の恐怖に涙がにじむ。

たった一撃の平手打ちで身体が強張り動く事が出来なくなってしまう。

「うひひ、そうさ。大人しくしないと。さあ、生まれた姿に戻ろうね、ハァハァ」

男は舌なめずりをすると、今度は悠二の着ている服を乱暴に脱がしにかかる。

今朝ママが用意してくれた素敵な服が…。
自分は何も出来ない。
そんな気持ちがとても悲しく、ただ涙がとめどなく溢れる。

「…ママぁ、助けて……」

最早悠二の意識は正気を失いかける寸前だ。

「なにこれ?どうやっていいの?」

男はボレロは何とか脱がす事が出来た様だが、
シフォンワンピースは脱がせ方が解らない様で手間取っている。

「もうめんどくさいな」

言って男が取り出したのはハサミだ。
それを見た途端、正気を失いかけた悠二にさらなる恐怖が襲った。
たとえそれが衣服を切り裂くのが目的だとしても、この状況での刃物は命の危機を覚えるものだ。
290ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:15:23.00 ID:t3oUfJPQ
感情が一気に堰を切った。
    
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

有らん限りの叫び声が木霊する。
さすがにこの大声に男も怯みハサミを落とし耳塞いだ。

「うるさいっ!」

だが、それも悲鳴が収まるまでの事。
直ぐに持ち直すと今度は苛立ちをあらわにしだす。

その向けられた視線にまた暴力を振るわれると思った悠二は、
力が入らず立てない状態で必死に後退りをした。

「ああぁ、あぁ、ああぁ」

まさに死に直面したかの様な恐怖だ。
とうとう壁にぶつかりそれ以上後退りできなくなる。

「本当に悪い子だ。僕のお嫁さんなのに、言う事聞かないと」

男は再び悠二に迫る。

「だって、そんな大きな声、ダメなんだよ。可愛くしてよ」

のっそりと近づく様は余計不気味でさらなる恐怖を掻きたてる。
悠二はその恐怖に今度は手近なものを手当たり次第に男に向って投げ始めた。

「あーっ!あ!あ!あ!」
「ぐぁ、こら、やめ」

投げたものはペットボトルの空いたものや空箱と言った物で、
さしたるダメージを与える事は出来ず余計に男の怒りを買ってしまった様だ。
投げた箱がロリコンゲームのパッケージだったのがいけなかったのかも知れない。

悶える表情ではなく、明らかに怒りの色を見せる男の気迫の恐怖に、
悠二は大きく息を吸い込みまた大きな声を出そうとしたのだが、今度はそれは適わなかった。

「怒ったぞ、本当に言う事聞かない奴はこうだ!」
「ぐっ、あっ……」

男は一気に間合いを詰めると、今度は叩く等ではなく、両手で悠二の首を締めあげ始めたのだ。
今の悠二ではその手を解くのは無理であった。
もはや絶体絶命だ。

「(…ああ、俺死ぬんだ、結愛ちゃん助けに行けなくてゴメン……)」

死を覚悟した瞬間、薄れゆく意識の中で悠二は正気を取り戻し結愛に詫びた。
駆け巡る走馬燈もない。ただ結愛の顔だけが思い浮かんだ。
291ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:17:45.60 ID:t3oUfJPQ

だが、運命は見放してはいなかった。

「うちの生徒何をしているっ!!」

突然ドアが開き、何者かが飛び込んできたのだ。
それは結愛のクラスの先生だった。
先生は男につかみ掛かると悠二を男から引き離し、男を抑えこむ。

「ごほっ、ごほっごほっ、はぁはぁ」

解放された悠二は、咳き込みながらも呼吸を取り戻す事が出来た。
涙で滲んで辺りが見えないが声は聞える。

「な、なんだおまえ、離して。その子は僕のお嫁さんなんだぁ」
「なにを言ってるんだ貴様は!もうじき警察も来る観念しろ」
「ぼ、僕は悪くない」

先生は完全に男を組敷くと抑え込んでいる様で情けない声でのたまっている。
悠二は自分が助かった事は解ったが、まだ状況が理解出来ないでいた。

「結愛ちゃーん!大丈夫っ!? 助けに来たよ」

今度はそこに耶智香がやってきた。
ますます状況が解らないが、その腕にペルペルを抱えているのを見つけてようやく理解出来る。
ペルペルが助けを呼んでくれたと。

「こら冬坂、危ないから来ちゃ駄目だ。直ぐに車に戻りなさい」
「やめて、痛いから離して」

先生に注意されるが耶智香はそのまま悠二のもとへ駆け寄った。
悠二の乱れた服装を見て、大人しそうな可愛い顔に心配そうな表情を浮かべている。

「大丈夫だよ、やっちん」

正直まだ恐怖感が残っていたが、
耶智香の顔を見ると心配させたくない気持ちの方が強くなり何とか答える事ができる。

「ホントに?よかったぁ〜」

その返事に耶智香も安堵の表情を見せた。

「清水も大丈夫なのか?歩けるんだったら冬坂と一緒に車まで行ってるんだ」
「はい、真田先生。結愛ちゃん立てる?」
「うん、大丈夫」

悠二は耶智香に手を引いてもらうと立ち上がり一緒に玄関から出た。
足が震えるが、強く握り返してくれる耶智香の手のお蔭で歩く事が出来る。
292ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:19:17.29 ID:t3oUfJPQ

「あ、行ったらダメだよ。僕のお嫁さん〜」
「黙るんだ変質者め!」

後ろで先生に抑え込まれている男がたわ言を喚くが、気にはしないでおいた。
緊張しながらも歩みは止めずにその場を離れる。
そして車のもとへ辿りつくと、途端に身体の力が抜けた。

「た、助かったぁ〜」
「結愛ちゃんこわかったよ〜」

悠二は座りこんでしまい腰砕けとなる。
耶智香も実は緊張していた様で悠二と一緒にその場に座り込んでしまった。
お互いに顔見合わせどちらともなく照れ笑いを浮かべる。

『まったく、お前が馬鹿だからいけないんだきゅん』

そこに水を差したのはペルペルだ。
耶智香の前なので小声で悠二は反論する。

「な、ペルペル、そう言うがかなり危なかったんだぞ」
『身から出たサビだきゅん。お前もあいつとたいして変わらないきゅん』
「ロリとペドは違う!」

小声のはずが思わず大きな声で反論してしまい耶智香を驚かせてしまう。

「結愛ちゃんペルペルとケンカしたら嫌だよ」
『ケンカなんてしないきゅん』
「ん〜、だったら良いよ〜」
「あれ?やっちんペルペルの声聞えてる?」
「なんで?聞えるよ?だってペルペルが結愛ちゃんがさらわれたって、わたしに教えてくれたんだよ?」
『感謝するんだきゅん』

胸を張るペルペルだが、今回ばかりは確かに感謝すべきだと悠二は思った。
ちなみに耶智香の腕の中で胸を張る仕種が妙にファンシーで、
幼女とぬいぐるみの組み合わせは心が癒される等とも思ったりしていたのだがそれは心中に留めておいた。
293ゆあ・ゆうじぁりー:2011/05/29(日) 01:26:30.79 ID:t3oUfJPQ

それから経緯を説明されたが、話の内容を要約すると、
無茶をして意識を失い倒れた悠二があの男にお持ち帰りされている現場をペルペルは目撃し、
運ばれた先を確認した後に耶智香に助けを頼んだようだ。

耶智香はすぐに先生に言い、結愛が連れ去られた事を伝えたところ
警察に連絡すると同時に先生は道案内に耶智香を連れ駆け付けたと言う事らしい。

「ねえペルペル、魔法で何とかならなかったのかな?」
『急に結愛ちゃんの真似で話しかけるなきゅん。気持悪いきゅん。
魔法が万能じゃないのはわかってる筈だきゅん』

たしかにそう感じるのかもしれないが、
耶智香の前であまり男言葉で話すのは結愛のイメージを悪くするのだから仕方がない。
解かっていながらペルペルは悠二にだけ聞える声で答えたのだ。

「あ、結愛ちゃんお巡りさん来てくれたよ」

耶智香が指を差した先にパトカーがやって来ていた。
それと救急車も一緒にやって来て、自然と野次馬なども集まり始め辺り一帯が騒然となる。

あの男は直ぐに取り押さえられ逮捕された様だが、
悠二も直ぐに開放とはならず救急車に乗せられ病院へと連れて行かれることになってしまった。



「清水結愛ちゃんだね?どこか痛い所は無いかい?頬っぺた腫れてるけど大丈夫かい?」

救急車の中で隊員が状態を聞いてくるが、それよりも悠二は結愛の事が心配で気が気ではなかった。
大ごとの当事者になっている今、救急車をおりて自分の部屋に行く訳にもいかない。
おそらく結愛の両親にも連絡がいっていて真依は病院で待ち構えている事だろう。

どうあっても、抜け出す事は無理そうだ。
急ぐ気持ちとは裏腹にどうにもならない現状に悠二は黙ってうつむくしか無かった。

返事も返さずうつむくその様子は救急隊員には心に傷を負った女の子しか見えず、痛々しく映る。

「なんとか、何とかしないと…」

搬送される救急車の中で、ぬいぐるみのふりをするペルペルを抱え悠二は必死に考えを続けるのだった。


                                          

                                          〜とぅびーこんてにゅーど〜
294名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 01:36:24.73 ID:lTUcYHWS


おっさんに襲われそうになるなんて、トラウマだきゅん
295名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 01:47:44.87 ID:s6KBwJZc
GJ!だきゅん
296名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 02:35:59.35 ID:kdWVgWLy
【その1】
大して面白くもない仕事を終え煙草を吸いながら家へ帰ると、
顔色を窺うようにババァが居間から覗き込む。
扉が閉まる音にババァがビクリとするが、いつもの事なので気にしない。
玄関に置いてある灰皿で煙草をもみ消し、ごつい安全靴を脱ぎ捨てる。
むわりと蒸れた足のにおいが鼻をつくが、すぐに煙草の残り香にかき消されてわからなくなった。
そのまま風呂場に向かい、今日の疲れを全部洗い流すようにシャワーを浴びる。
今日はもしかしたらこの後……なんて想像しながらいつもより丁寧に体を洗い、
新しいトランクスを履いて戦闘準備を整える。
シャワー後はトランクス一丁で台所まで行き、350ml缶のビールを一気に飲み干す。
火照った体に染み渡るホップの効いた味わいは、今日一日の疲れをどこかに吹き飛ばすほどの美味さだった。
昔はトランクス1枚で家の中をうろついていたらババァがなんらかしか文句を垂れてきたものだが、
最近は何も言うことはなく遠巻きに見ているだけだ。
「さてと、そろそろ着替えるかな」
2本目のビールを開けたところで時計を確認すると、約束の時間まで2時間を切っていた。
さすがにそろそろ準備しなくてはと部屋に戻ると、
ベッドの上に投げておいた携帯電話が光ってメールの着信を知らせていた。
297名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 02:36:36.72 ID:kdWVgWLy
【その2】
「なんだよっ……めんどくせぇなぁ」
どうせ高校時代のツレからの「飲みに行こう」メールかと思って開いてみると


件名:ごめんなさい
差出人:つかさ

今日の撮影が長引きそうで帰れそうにありません。
後日改めてお会いしましょう。


「あー! くそぅ!」
メールは『つかさ』が今日会えなくなったということを知らせるものだった。
もしかしたら人気モデルと一晩2人っきりで過ごせるかも?
という淡い期待が潰えたことに、どうにもイライラが止まらない。
「てめぇから誘ってきたくせに! っざけんなっての!」
怒りに任せ、わざわざ押入れを漁って見つけ出した中学時代の写真や授業ノート、
さらには通知表や賞状までが詰まった段ボール箱を蹴りつける。
すると、キックの衝撃でダンボール箱が大きく動き、
上に置いてあった平べったい箱が宙を舞ってその中身をぶちまけた。
防虫剤とは違う柔らかな香りとともに、濃紺色の布地がふわりと床に広がる。
中学時代に来ていたブレザーと、揃いのスカート。それにブラウス。
襟元につける赤いリボン。
5年前まで毎日のように着ていた懐かしい制服が目の前に散らばっている。
何もかも持っていこうとしている『つかさ』に渡す、中学時代の思い出の品の1つだ。
298名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 02:37:02.43 ID:kdWVgWLy
【その3】
「めんどうくせぇ」
しわになる前に片づけようと制服のスカートを持ち上げる。
これを美少女でクラスの人気者だった『サイトウツカサ』が着ていたのか。
そう思うと、いつもとはまったく違う種類の興奮で脳がしびれてくる。
「ま、これはまだオレのモノだしな……」
別に誰も見ていないにもかかわらず、言い訳をしながらスカートに脚を通す。
その瞬間、何とも言えない甘く痺れるような電撃が全身を貫いた。
スカートを履いている。
ただそれだけのこと。
生物学的には『女』であるオレが女性の衣服であるスカートを履いて興奮するなんて、
本来だったらありえないこと。
しかし、高校の3年間を不良男子学生として過ごし、また野郎ばかりの職場に務める今のオレにとっては、
スカートは『異性』が身に着けるものであり、それを纏っている人間に性的興奮を覚えるものなのだ。
そのはずなのに……そうなのに……。
「は、ははは……まだ入るものなんだな」
150cmぐらいだった中学時代に比べると身長にして約20cmも大きくなったにもかかわらず、
スカートは腰のファスナーとホックも閉じることができた。
こうなってくると、もう止まらない。
ちゃんと制服が着たくなって、一旦スカートを脱ぎ捨ててブラウスに袖を通す。
普段着ているシャツとは逆の合わせに苦労しながら、なんとかボタンを閉じきる。
さすがに首回りが全然違うため一番上のボタンまでは止まらなかったし、
動くと破れてしまうのではないかと思うほどピチピチだが、
『ブラウスが着れた』という事実がさらに行動を加速させる。
改めてスカートを履き、襟元にリボンを留め、ブレザーを羽織ると、
首から下だけはまるで中学時代にタイムスリップしたかのような、
そんな錯覚さえ抱かせる格好へと変貌を遂げた。
「うわ、オレ『サイトウツカサ』の制服着ちゃってるよ……」
あえて『サイトウツカサ』とその名を口にすることで、
今や人気モデルとなった斉藤司が中学時代に着ていた制服を身に纏っているような気分になる。
髪型を整えるときに使う小さな鏡に映る姿は、どこからどう見ても野郎が女装しているようにしか見えないのに
いつもオカズに使っているエロ本や巨乳系AVを見ている時と違う、それでいて同じ種類の欲求が全身を支配していく。
自然と指が股間に伸びる。
指先に触れた俺の『ペニス』は、今までにないほど硬くなっていた。
299名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 02:37:26.68 ID:kdWVgWLy
【その4】
どのぐらい時間が経っていたのだろうか。
何回ヌいたかわからないほど、激しくオナニーをしてしまった。
ヌいたあと冷静になり、なんで女物の制服を着てあんなことをしてしまったのだろうかと
激しく後悔するばかり。
少ししわになった気がする制服一式を慎重に畳んで箱に入れ、ベッドから見えない場所へと仕舞い込んだ。
どうせ一時の気の迷い。
もう2度と女物の服なんて着ることはない。
そのままベッドに潜り込んで忘れることにした。
しかし、これがまさかあんな自体を引き起こすなどとは、神ならぬわが身には思いもよらなかった。
300名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 02:37:48.91 ID:kdWVgWLy
珍しく「続く」・・・・・・予定

>>271-272
たぶんみなさんの「予想と期待」とは違う方向になってしまいましたが、
「男の立場になった女性が女装趣味に目覚める」という
びっくりするほどねじくれた倒錯を思いついてしまったので、こんなことに

「つかさと司の邂逅」はたぶんこの後になるかと

>>279
GJだきゅん!

真・結愛ちゃんも気になりますが、悠二もずいぶんと災難ですね
幼女の立場になって変質者に襲われるなんて、想像しただけでも恐ろしいです
301名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 07:20:51.40 ID:lTUcYHWS


つかさは今でも実家暮らしなのですね
ババアことお母様の心労は計り知れない…
302名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 10:45:59.79 ID:6zJqK9sA
>ゆあゆう
おお、GJ!
一度は元に戻ったメンタルが、変態男のせいで逆に揺り返される様子は見事です。
悠二は結愛を連れ戻せるのか!?

>つかさの話
これはいいお預けプレイw
つづき、期待しております
303180:2011/05/29(日) 15:44:53.39 ID:Crocktdt
すごいのが立て続けに…
ゆあ・ゆうは悠二の幼女化に事件のおかげで拍車がかかった感が…

>>296
倒錯に次ぐ倒錯感がたまりませんでした。
かつて自分が着ていたはずの制服を他人のもののように意識して、身に着けると
最早”女装”同然とは!この際互いの高校の制服を交換して着させて今の差を感じさせて
みたいとも思いました。(憧れのセーラーと不良学ラン)
それにしてもかつては「お母様」と呼ばれていただろう
母が今やババァ扱いとは…
何だかまだ”ツカサ話”は広がりそうな感じがしますね。
続きも楽しみにしております。
304名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 01:05:34.11 ID:O8f9ApMw
また結愛の年齢間違えた(´・ω・`)ショボーン
7歳なのに…。
皆さん感想ありがとうございます。

(∪・ェ・)∪ おまえらボクの真似するなきゅん。
       おまえらなんて砂に埋まって波と戯れ逝くが良いきゅん。          
       
嘘です。楽しいですそう言うの。

司とつかさのお話しで展開する新しいお話や、
替え玉受験の作者さんによる作品の数々も毎回楽しく読ませて頂いています。
もう全部、超GJです!


305名無しさん@ピンキー:2011/06/01(水) 20:46:13.75 ID:RVIBHVZX
そろそろ何か続きキボンヌ
この板楽しみシテルからョォ!
306名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 17:41:16.28 ID:aOB45qWI
替玉お断りと泳げ、チハヤちゃん!の続き読みたい
作者の人頼む。
307名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 19:40:48.23 ID:btv7tlU6
#替え玉&チハヤでなくてゴメンなさい。「悪の女幹部」のほうです。しかも、今回はお色気皆無。

 「恋人(愛人?)」の身を心配するジョシュアムには悪いが、とりあえず彼には適当なことを言って帰ってもらう。
 「本当に大丈夫か、ラキ? 今日くらいはゆっくり体を休めていてもよいのだぞ?」
 部下想いなジョシュアムなら確かに言いそうな台詞だが、同時にそこには僅かに私情──惚れた女性を気遣う愛情──が混じっていることがわからない程、僕も馬鹿じゃない。
 「お心遣いありがとうございます。では、お言葉に甘えて、もう少し部屋で休んでから、任務に復帰させていただきます…わ」
 彼を騙しているという後ろめたさもあったため、僕はグラキトゥルースの口調を思い出しつつ、努めてジョシュアムに愛想良く笑顔で答えた。
 「(おぉ、ラキが微笑みかけてくれるとは珍しいな。だが……その笑顔、イイ!) そ、そうか。ならよい。無理はせぬようにな」
 なぜか顔を赤らめつつジョシュアムが部屋から立ち去ったのを見送ると、僕は扉の鍵をかけて、ホッとひと息ついた。
 「はぁ〜、とりあえず最初の試練はくぐり抜けたか」
 とは言え、今回はグラキトゥルースに好意を抱いている彼だったからこそ、多少言動が怪しくても見逃してもらえたのかもしれない。
 幸い此処はグラキトゥルースの部屋みたいだし、彼女のフリをするなら少しでも情報を得ておいた方がいいだろう。
 そう考えた僕は、「若い女性の私室を探る」と言う行為への罪悪感とほのかな興奮から極力目を逸らしつつ、部屋の中を色々探ってみたんだ。
 クローゼットを開けると、女物(たぶんグラキトゥルース)の服が沢山かかっていた。
 今僕が着ている出撃用の戦闘服(?)とよく似たデザインのものが複数ある反面、ギリシャ神話とかに出て来そうな簡素なワンピースっぽい衣装(キトン)もある。
 (もしかして、こっちが私服というか部屋着なのかな?)
 だとしたら、着替えるべきなのかもしれないけど……いったん保留。
 さらにクローゼットの反対側には、現代風の服装がいくつも掛っていた。
 キャリアウーマンっぽいスーツとか、若奥様風の清楚なワンピースとかは、日本の街並みに紛れるための偽装用だとわかるから、まぁいいんだけど……。
 (なんでメイド服とかナース服とかチャイナドレスとかが混じってんの!?)
 いや、待った。訓練所で読んだキュー・ベレイとの交戦記録の中には、グラキトゥルースが色々な職業の女性に化けて行った作戦のことが載ってたような……。
 「あ〜、つまり、コレはその当時の記念品?」
 ──いや、何も言うまい。彼女だって若い女の子(?)なのだ。年齢や立場によらず、女性が色々な服を着てオシャレしたいと思う気持ちは、ごく自然なものなのだろう、ウン。

 続いて机の周辺を探ってみたところ、運がいいことにグラキトゥルースが書いた日記と思しき冊子を引き出しから発見できた。
 いかに敵とは言え、うら若い女性のプライベートを覗き見ることに多少の躊躇いはあったものの、背に腹は代えられない。
 (これもこの窮地を無事にやり過ごすためだ……ゴメン!)
 思い切って開いてみると、そこにはグラキトゥルースのこれまでの任務や日々の雑務、そしてそれらに関連する雑感が赤裸々につづられていた。
 これを読む限りでは、彼女の本名は、グラキトゥルース・メリオール・エッセンシュバルツと言い、この「新聖帝国キュー・ベレイ」に於いて貴族とも言うべき地位にあるらしい。「なるほど、あんなに高飛車なのはお嬢だったからか」とどことなく納得がいく。
 同時に、文章の端々から、彼女が仲間の四天王や部下達に抱いていた感情も窺えたんだけど……。
 ひと言で言うと、「コレはヒドい」。その出自から、エリート意識が強いのは理解できるけど、自分勝手で我が儘と言うか、被害妄想が強いと言うか……リアル電波女一歩手前、いや半歩くらい踏みこんでるかも。
 そもそも、あのジョシュアムは、こんなヒス女のどこに惚れたんだろうと思ってたら、その答えも日記に書いてあった。どうやら、グラキトゥルースの顔が、ジョシュアムの亡くなった母親の若い頃にそっくりらしい。
 「つまりは……マザコン?」
 ジーザス! あんただけはマトモだと思ってたのに。
308『気が付いたら……悪の女幹部!?』:2011/06/02(木) 19:41:32.22 ID:btv7tlU6
 とは言え、「男は誰でもマザコン」というコトもよく言われるし、自分の経験に照らしてみて頷ける部分がないでもない。
 このグラキトゥルースみたく、心底嫌悪するのもどうかと思うんだけどなぁ。
 そうそう、グラキトゥルースとジョシュアムは、確かに恋人と言うか愛人的な関係ではあったようだけど、少なくとも彼女の方に恋愛感情はないみたい。
 「上司かつ主筋の皇子である男への義理立て」プラス「いざという時の後ろ盾に」という打算から、関係を持ってたらしい。
 (うぅ……哀しいよなぁ、男ってヤツは)
 さすがに、コレは同じ男としてジョシュアム皇子に同情せざるを得ない。多分、あの聡明な皇子のことだから、薄々感づいてるとは思うんだけど。
 先程の彼の暖かい心遣いを思い返すと、他人事ながらグラキトゥルースに腹が立ってきた。せめて僕がココにいるあいだくらいは、彼に優しくしてあげよう。

 そのまま2時間ばかり日記を何度も読み返すことで、どうにか僕は此処で「氷結女将グラキトゥルース」の思考パターンと行動を、おおよそ飲み込めたとは思うんだけど……。
 「さすがに、こんな地雷女を演じるのは無茶だよなぁ」
 思わず溜息が洩れる。僕の素の性格との差が大き過ぎるよ。
 無理になぞろうとするよりは、いっそ不審を抱かれない範囲で僕なりの「グラキトゥルース」像を想定したほうが無難かもしれないな。
 要するに、彼女の行動に、僕なりに納得がいく理由付け・キャラ付けをできれば、ちょっとはマシかもしれない。
 まず、あのツンケンした態度のうち、プライドがやたら高いのは、「ほかに頼れるものがないから」という不安の裏返し……としてみたらどうだろう?
 それに血筋に誇りを持つってことは、同時にノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)もキチンと果たさないといけないよな。
 それと、言葉がキツいのは、素直じゃない性格から優しい言葉を言えない──要するにツンデレなんだと考えてみたら。
 つまり、「普段はプライドが高くで高慢ちきに見えるけど、実は単なる照れ隠しで、心の奥に弱さを隠し、陰でひと一倍努力してるツンデレ娘」だと想定してみる……と。
 うん、コレなら少しは感情移入できそうだ。
 よーし、コレでも僕は中学の頃は演劇部だったんだ──おもに小道具担当で、舞台には何回か端役でしか上がったことはないけど。
 そ、それでも、門前の小僧なんとやらで、演技することにかけてはまったくの素人よりは一日の長がある! ……と思う、たぶん、メイビー。
309『気が付いたら……悪の女幹部!?』:2011/06/02(木) 19:42:04.58 ID:btv7tlU6
 と、とりあえず、こーゆー時は、イメージトレーニング、イメージトレーニング。
 「えーと……僕、じゃなくて私は新聖帝国キュー・ベレイの最上級幹部グラキトゥルース・メリオール・エッセンシュバルツです、わ!」
 照れくさいのを我慢して、鏡の前でいくつかのポーズをとり「私はグラキトゥルース」と何度も繰り返す。
 100回目を数える頃には、何とか自然にその言葉が言えるようになっていた。おかげで右手の甲を口元に当てて、「オーホホホ!」って高笑いもできるようになってたさ! (←ちょっとヤケ)

 グラキトゥルースのフリをして基地内を歩くための、最低限の準備が整ったところで、僕は日記の最新ページに書かれていた「ドクター・レイモンド」とやらの研究室を訪ねてみることにした。

「○月×日
 ドクター・レイモンドから、また新発明品の試験運用を依頼されましたけど、この「因果律改変装置」ってホントに効果あるのかしら? もし、話半分だとしても効果があるなら、確かに今後の戦いがグッと楽になるのでしょうけれど……。
 そのために、トランセイヴァーごとき相手にワザと戦闘で劣勢になれだなんて、あのメガネ、何考えてますの!?
 フン、まぁ、よろしいですわ。仮に今回の作戦が失敗した時は、レイモンドに責任を負わせてやりましょう。華麗なわたくしの経歴に汚点は似合いませんからね」

 この「因果律改変装置」ってヤツが、たぶん、あの戦いのときに、グラキトゥルースがいぢくってた機械のことだろう。
 名前からして、いかにも怪しいよなぁ。それが衝撃で誤動作したのか、それとも根本的に欠陥品だったのか知らないけど、ソイツのおかげで、いま僕(と、たぶん本物のグラキトゥルース)が奇妙な状態になってるんだろうし。
 ……日記の記述からして、問題のドクターとやらは、どう転んでもマッドサイエンティストっぽいから、気は進まないんだけどね。

 ──けれど、その時の僕はあまりにいっぺんに多くの厄介事が我が身に起こったことで、ひとつ重大な事柄を見落としていたんだ。
 そう、どうして、僕が、地底人の文字と言葉で書かれたグラキトゥルース日記を、平然と読んで内容を理解することが出来たのか、ということに。

-つづく-
310『気が付いたら……悪の女幹部!?』:2011/06/02(木) 19:42:23.02 ID:btv7tlU6
#とりあえずはココまで。エロの欠片もなくて申し訳ない。状況設定を固めないと、物語を展開させられなにい不器用な人間なもんで。
#最後の一文はもちろん伏線。他者からの見かけはともかく、本人はキチンと「緑川進」としての自分を保っているつもりでいます。「グラキトゥルース」としての行動も、この段階では演技(のつもり)なのですが……。
311名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 20:40:53.35 ID:VzS5LA3v
>>310
GJ!

続きまってました。
この後の展開が楽しみです。
312名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 01:09:52.44 ID:W4SpdORx
「えーマジ童貞!?」「童貞が許されるのは小学生までだよねー」
って言ってた女といじめられっこの男の子の立場を変えると
「えーマジ処女!?」「処女が許されるのは小学生までだよねー」
になるのかな
313名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 01:21:05.54 ID:sHZjq5ee
「新郎と新婦の母」、「新婦と新郎の父」
の立場交換が見てみたいです。
314名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 01:24:59.18 ID:oOFlC0jp
 >『気が付いたら……悪の女幹部!?』 
GJです。
状況説明パートは大切ですよね。
それが面白く書けるから流石です。
今後の展開に期待しています。
315313:2011/06/03(金) 01:34:06.37 ID:sHZjq5ee
>>313
説明がたりませんでした。
同時進行状態ならどうなんだろう?
と、妄想してみました。
316名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 01:37:14.14 ID:oOFlC0jp
>>312
いじめの攻守逆転だけならそうかも。
でも流石にネタでも許されるのが小学生は無いでしょうw
ここの住人だとTS好きが多いから、
男の子が女として振る舞い、女が男の子として振る舞う事を余儀なくされる事態とか好まれそう。
317名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 19:02:21.22 ID:wyLli9OC
>>313
ついでに新郎の母と新婦の父の立場交換も同時進行で見たい
318名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 02:05:37.24 ID:wnKaVNxN
保管庫ないの
319名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 12:13:49.97 ID:ikJn8Ivf
男女の立場が逆転した世界が見てみたいな
見た目はそのままだけど筋力も逆転してたりとか
320名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 15:27:25.27 ID:pne7YKx/
>>319
SM板の下記スレ内のSSがそれに近い気がする

体格、体型、社会的立場が逆転してしまったら?
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1144855591/
321名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 16:12:06.40 ID:ikJn8Ivf
>>320
行きつけですな
322名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 16:16:53.24 ID:30UcNmE/
生殖器の交換というのは。
夫は会社に働きもいき、生理があり、子供も産む。産んだ時に父乳を与える為に乳房がやや膨らむ。
女性は乳房はそのまま、胸の感度もそのまま。種を付ける方。立ってトイレするのがデフォ。
しかし、男女間の社会的強弱はそのまま。
323名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:34:58.73 ID:SzfYcxvh
>>320
これをこのスレ風にアレンジしたら面白そうだと思った
324名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 06:26:25.58 ID:qNfyVr6B
>>300
>たぶんみなさんの「予想と期待」とは違う方向になってしまいましたが、

むしろ自分の女体を見て興奮すればいいんじゃないか。
エロ本よりリアルな女体が有難いだろうし
325名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 06:54:35.05 ID:LbzVIdUP
現在のつかさは股間にイチモツが無い以外、ガタイのいい兄ちゃんでしかないはずだから
そんな自分のナリを見ても興奮はできないんじゃね?
326名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 09:15:37.23 ID:fkCMjrGg
>>325

>>1のテンプレに

肉体や人格はそのまま、

と条件付けているのに、なんで身体変化させるでしょうね。
もったいない。
貴重な女体をそんな風にするなんて。
327名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 16:34:20.90 ID:LbzVIdUP
>>326
テンプレが「元に戻らなくても最後まで精神や肉体は絶対に状況適応しない」という文だったならともかく

>>1のテンプレなら、「肉体や人格はそのまま」ってのを立場交換直後の状況という解釈にしたら
以降、環境に合わせて精神や肉体が適応変化していくという展開は間違ってないと思うんだが
328名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 18:25:04.24 ID:ul91By8B
>>327
その解釈はちと苦しいなあ
329200:2011/06/05(日) 19:22:15.99 ID:vAc8/kQU
最近せわしなくて、続きが欠けておりません申し訳ない

>>296>>180さんが書いた続きが元になっているため、ある程度肉体が変化している状態になってます
330名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 20:37:08.84 ID:KhDSoRC7
細かい事は言わないようにしようぜ
女装ばかり力を入れるやつとか、MC紛いで立場変化と共に意識も変化させるやつとか、俺も気になるところだがいちいち切りがないだろ
ここに投下されてる話なんてそんなのばかりだぜ
そんな言い争いしいてたら廃るだけだ、ただでさえマイナーかつマニアック過ぎるスレなんだしよ
だから明らかにジャンル違いじゃない限りスルーしとけ
あと反論するやつもいちいちするな
荒れるから

331名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 20:58:45.85 ID:uZJPmEvO
お前も一言多いわ
332名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 01:58:11.90 ID:r/Chx5dj
なんか、今更なんで?
な議論がありますが、ここに投下されたSS全てが好きです。
333名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 02:13:45.37 ID:o168uud2
他人の書くSSが気に食わないなら、自分で「正しい立場交換のSS」投下した方がいい
334名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 02:22:58.03 ID:NvCLIPp/
>>332
優等生なお答えで

マイナーなジャンルだけに書き手は大切にしたいが正直全部が良いとは言えない
現行スレになってからは特に思うところがある。

悪い。
流れにまかせてつい愚痴をこぼしただけだ。
忘れてくれ。
335 忍法帖【Lv=3,xxxP】 :2011/06/06(月) 02:50:13.67 ID:r/Chx5dj
>>334
思うところがあるのなら、吐き出したほうが良いのでは?このスレの今後の為にも。
336名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 03:09:42.57 ID:o168uud2
>>326>>334なら
結局、「自分が気に食わないSSばっか投下されて不快なので、文句言ってやる」ってだけじゃないの?
(立場交換だけで精神や肉体変化させずに話を完結させろ)と思ってるっぽいし
337名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 07:40:34.52 ID:/LgWu4Le
まあ、こんな文句が出るということは
それだけ投下される作品に幅が出てきたということだから
いいことだと思うんだけどなあ
自分の趣味に合わない作品が出てもスルーすればいいだけだし

ちなみに俺は女装物大好きです
338替え玉お断り:2011/06/06(月) 12:18:42.40 ID:QD3CoYjZ
どうも。「替玉」「泳げ」「女幹部」その他の作者です。
私事が色々詰まっているため、コチラでの更新がやや滞るかもしれません。
よって、自分を追い込む意味も兼ねて、上記作品の今後の展望なんかをまとめてみました。まずは「替え玉お断り」の続きから。

<ダイジェスト>
4話)
 香月の中学の卒業式から帰って来た勝貴は、両親に嬉々として記念撮影&着替えで引っ張り回されることに。
 とりあえず、家では気楽に過ごせる……と思っていた勝貴だが、いつ元に戻れるか見込みが立たないため、母親に女の子として振る舞えるようスパルタトレーニングを受けるハメになって、トホホ。
 対して、勝貴の代わりに高校に行った香月の方は、意外なことが連続の気楽な男子高校生生活に満更でもない様子。

5話)
 ついに迎えた慶聖女学院高等部の入学式。当然のことながら、兄妹は元に戻れておらず、原因さえ不明のままなため、勝貴が「香月」として入学することになる。
 とりあえず、元の中学からの出身者がいないのが唯一の救いか……と、憂鬱な気分で慶聖の制服に袖を通し、入学式に赴いた勝貴。
 しかし、校門前で2年生である明日香と出会い、見知った相手の存在にホッとする。明日香は「香月」を「先輩」として優しく励まし、「何か困ったことがあったら、いつでも頼っていいからね」と言ってくれる。
 少しだけ気力を取り戻した「香月」は、入学式&HRを無事にクリアー。クラスでの自己紹介も無難にこなす。周囲の友人達もいい娘ばかりで、何とかやっていけそうだと僅かな希望を抱く。

6話)
 幼馴染の明日香の手助け(というか誘導)もあってか、日に日に慶聖女学院の女生徒としての暮らしに適応していく「香月(勝貴)」。明日香の勧めで、彼女が部長を務める茶道部に入り、そちらでも先輩・後輩としての関係が確立していく。
 一方、「勝貴」として地元の公立高校に通う香月は、「バードマン研究所」というサークルに入って、仲間と馬鹿話しながら人力飛行機を作る試みに没頭していく。
お嬢様学校では考えられないようなフリーダムなスクールライフに、「勝貴」は「此処こそが自分のいるべき場所だ」という確信を強めていくのだった。
339替え玉お断り:2011/06/06(月) 12:20:22.04 ID:QD3CoYjZ
7話)
 プールの授業が始まり、水着姿になって胸がペタンコなことを同級生達からからかわれる「香月」。他愛のない冗談だったが、勝貴は自分でも意外なほどショックを受けていた。
 落ち込む「香月」を明日香が慰め、「胸が大きくなる栄養剤」を渡し、よく効くバストアップ体操の仕方を教えてくれる。
 根が真面目な勝貴は、言われた通り律儀に薬を飲み、毎晩体操を続けたおかげか、夏休みに皆でプールに遊びに行った時には、パッドなしでAカップ程度に膨らんだ胸を恥ずかしそうにカラフルな水着に包んだ「香月」の姿が見られる。
 対して「勝貴」はバー研の合宿と称して、夏休みは部室に泊まり込み。無論、人力飛行機の研究もやっているのだが、半分以上は男友達とゲームしたり、馬鹿話したり、はてはナンパしに海に行ったりと「いかにも」な男子高校生生活を満喫。

8話)
 二学期が始まり、立場入れ替わりから半年が過ぎたことになるが、この現象の手がかりは一向に掴めないことに悩む「香月」。対して、両親や「勝貴」の方は「まぁ、なるようになるでしょ。なんならいっそこのままでも……」とお気楽極楽。
 「香月」は思いきって信頼する「先輩」にして「お姉ちゃん」でもある明日香に、秘密を打ち明ける。何食わぬ顔で相談を受ける明日香。
 「正直、にわかには信じがたい話だけど……いいわ、信じる。カツくんにしても香月ちゃんにしても、私には大切な幼馴染だし。
 でもね、香月ちゃん──あえて、そう呼ばせてもらうわよ? 貴女は、過去の経緯はともかく、「これから」どうしたいのかしら?
 話によれば、この学校で半年間「日輪香月」として、私の大事な「後輩」にして「妹分」として毎日を過ごして来たのは、貴女なんでしょう?
 この学院の生徒としての暮らしは苦痛だった?
 クラスのお友達や、私達茶道部の仲間との日々は、あなたには何の意味もなかったのかしら?」
 改めてそう問いかけられて、悩む「香月」。
 そんな事はない。元の高校にいた頃より、環境も人間関係も良好だし、むしろ充実している。
 けれど──だからこそ、そんな「陽の当たる場所」に嘘をついてる自分がいてもいいのか迷うのだ。
 ひとり部屋で悶々とする「香月」。そう言えば、いつの間にかこの「香月の部屋」で過ごすことにも、すっかり違和感がなくなっている自分に気づく。
 部屋自体も、本来の香月がいた頃とは微妙に変化し、今の「香月」の個性に合った、けれど十二分に女の子らしい印象のたたずまいになっている。
 「そうか……わたし、とっくの昔に香月になってたんだ……」

 ──そして、エピローグへ

#以上です。↑これらをまともに書くと、絶対週1話が限度です。しかも他の2作や余所に投下してる分もありますし……。とりあえず、概要を見て妄想の素材にでもしていただけると幸いです。
340名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 18:56:24.45 ID:HTcK7TBm
このスレって女の立場になった男の視点で話が進むことが多いけど男の立場になった女も結構美味しいよね
見た目そのままで立ちションしないといけないし泳ぐときは当然海パン一丁なわけだし
立場が逆転したのをいいことに元兄の「妹」に性的なイタズラをする元妹の「兄」とかも面白そう
341名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 22:55:56.97 ID:NvCLIPp/
>>338

だがここまで詳細なダイジェスト版をここに投下するのは遠慮してほしかった。
普通に読み物として楽しんでいるからネタばれ的なのは少しな
極力読まないようにはするがどうしても目に止まってしまうから。
342334:2011/06/06(月) 23:28:25.93 ID:NvCLIPp/
>>336
326とは別人だ
>>335
では言わせてもらう。


作品云々とかでは無くて投下後の作品語りとかそう言うの多すぎだなと
特にゆあ・ゆうじありーの作者が気になってたんだか前の投下分でやっていない様だから言わないでおこうと思ったのだが
別に作者を嫌っている訳では無くて、作品が駄目だと思っている訳でもない
むしろ頑張ってる感じが好感を持てる。
ただ2ちゃんの創作板である事を理解して、個人のホームページやブログとは違うのを覚えておいて欲しい。
偉そうな事を言ってすまない。
このスレは好きだが、俺はただのROM専で作品も提供出来ない様な奴だ
だから本当におこがましいのは俺なのも自覚している
だからこんな事思っている奴も居るんだ的に流してくれるとありがたい。
343名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 00:48:34.68 ID:v5oiFzSL
>>342
「ゆあ・ゆうじゅありー」の作者です。
激励の言葉として受け取っておきます。
でも、本当のところ何らかの反応が欲しくていろいろ書いてしまうのは私の性分です。
2ちゃんねるの流儀があるのは知っていますが、
ゆとりな私はどうしてもその性分を出してしまいます。
気を付ける様にはしますので、あまり怒らないで下さい。
344334:2011/06/07(火) 01:48:50.93 ID:Oeqt/kjd
>>343
怒ってはいないので安心して欲しい
これからも頑張ってくれ。
345306:2011/06/07(火) 15:11:46.82 ID:BB3CO2es
「替玉お断り」と「泳げ、チハヤちゃん!」の作者の人忙しいのか
でも、あらすじだけでも充分面白いぜ!
本編も期待してる。
家でネット使えなくてネットカフェで週一ぐらいでしか見に来れないから逆に丁度良い
346名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 16:32:12.66 ID:rd1/2THa
#341の意見を受けて、こちらは簡潔に。
<「泳げ、チハヤちゃん」ダイジェスト>

2話)
事の発端──高1の兄・千剣破が、小6の妹・かおるを羨み、「自分もその先生に習いたかった」と口にする場面から。ふたりには顔馴染みの守り神・ミカミが現れ、「その願い、叶えてしんぜよう」と宣言。ふたりの立場が入れ替わることに。

3話)
初めて「小6の女の子」として小学校に行くことになったちはやはノリノリ。一方、能天気な兄より多少思慮深い馨は心配するが、とくに何事もなく男子高校生生活を送れる。

4話)
ついに迎えたプールの授業。ちはやは担任の星乃先生に去年同様優しく教えてもらうことに。いくつかの違和感から、立場入れ替えのことが星乃先生にバレるが、先生はヒミツを守ってくれることに。

5話)
夏休みを目前にした7月上旬。ようやく、ちはやも泳げるようになってきた。一学期最後の体育の授業で無事25メートル泳ぎきり、友人や先生から祝福の言葉を受けて、幸せ一杯のちはや。しかし……。

6・7話)
起承転結の「転」と「結」にあたるお話。詳しく書くと怒られそうなので、割愛。
347名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 17:07:35.78 ID:rd1/2THa
#さらに簡潔。
<「悪の女幹部」ダイジェスト>
0〜2話:投下済み
3話:ドクターの研究室へ話を聞きに行った「グラキトゥルース」は、思いがけないメに遭うが、それでもおおよその事情は聞き出すことができた。
とは言え、このままでは「元に戻す」研究をさせることもできない。悩んだ挙句、とりあえずはキュー・ベレイと地上を五分状態での停戦に持ち込むことを決意する。
4話:矛盾と葛藤を抱えつつ、女幹部としての職務に励む「グラキトゥルース」。「レディジェネラル」としての評価が高まり、作戦成功率もアップ。複雑な気分に。
5話:視点を移して、セイヴァーグリーンになっている方の日常。
6話:地底帝国を影から操る黒幕の存在が判明。キュー・ベレイとトランセイヴァーは密かに手を結び、黒幕への反撃を開始。エロ回その1(皇子×女幹部)。
7話:日本と地底帝国のあいだで休戦協定が結ばれる。主人公ふたり、ドクターに事情を打ち明ける。エロ回その2(グリーン×ピンク)。
8話:0話からつながる最終話。
348名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 23:23:14.99 ID:v5oiFzSL
3作品のダイジェストを読ませてもらってわくわくしました。
私も本編を期待しています。
でも無理をなさらずゆっくりで良いですからね。
349名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 11:37:39.21 ID:93+/58dK
展開を想像しながらwktkして待つとしよう
350名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 13:07:12.49 ID:QxXpf1tr
俺も
351名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:14:38.36 ID:l9637AwP
【その1】
「やぁお待たせしました」
指定された場所で待つこと10分、油にまみれた作業着を来た男がやってきた。
「仕事中無理を言って抜け出してきたので、ちょっとだけですよ」
そう言ってポケットから出した煙草に火をつけ、うまそうに一服する。
日に焼けた人懐っこそうな笑顔が印象深いこの男性、
何を隠そう3年前まで『KIMETE!』などのギャル系ファッション雑誌でカリスマモデルとして人気を博し、
バラエティ番組などでも活躍していた佐藤あずさなのだ。
352名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:16:11.43 ID:l9637AwP
【その2】
「やっぱり今の方がしっくりきますね。
 『本当の自分にをみつけた』ってのはこういうことなんでしょう」
佐藤さんが『立場同一性障害』を告白したのは19歳の夏。
まさにモデルとしてもタレントとしても絶頂の時期だった。
「ある日、ふと思い始めたんですよ。
 『自分は40過ぎのオッサンのはずなのに、なんでこんな格好してるんだろう』って。
 着たくもない服を着て、カメラの前でポーズをつけて。
 みんなが期待しているから『やりたくない』なんていう訳にもいかず、
 本当に毎日が苦痛でしたね、あの頃は」
ファッションモデル時代は女装を強要されているようで苦痛だったと語る佐藤さん。
一時は一種の精神的疾患だと思い悩み、自殺まで考えたという。
そんな彼を悩みから解放したのは、たまたま手にした新聞だった。
『立場同一性障害』の治療のために、同じ障害に悩む女子小学生と立場を交換した会社員についての記事を読み、
これだと思い至ったのだという。
「目の前が一気に開けた気がしましたね。
 『そうか、自分は立場同一性障害なんだ』と。
 もう次の瞬間には、立場同一性障害に関する治療を行っている病院を調べて電話してましたね」
そして各種カウンセリングを受けて立場同一性障害だと認定された佐藤さんは
ちょうど逆の悩みを抱えているAさん(仮)と出会い、立場の交換を決意したのだという。
「本当に自分はツイていました。
 普通はこんな簡単に立場を交換できるような人に出会えないというのですから」
立場の交換を決意した翌日、佐藤さんは記者会見を開いて自分が立場同一性障害であることを告白した。
当時はまだ一般に浸透していない病気のため各方面からさんざんバッシングされたが、
それでも佐藤さんはくじけずに45歳(当時)の男性へと立場を変えたのだった。
353名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:17:29.88 ID:l9637AwP
【その3】
「モデル時代の友人ですか? 逢ってませんねぇ。
 文字通り『住む世界が違う』人達ですから、逢っても向こうが戸惑うだけでしょう」
そう言う佐藤さんに、かつて彼が出ていたファッション雑誌『KIMETE!』を見せてみた。
「ああ、何人か見たことない子がいますが、懐かしい顔がいますねぇ。
 しかし、自分もかつてはこんな派手な服を着てたんですね。
 まったく信じられないですよ」
懐かしそうに雑誌を眺める佐藤さんにまたモデルをやってみたいですか? と聞いてみると、
わざわざ脱毛までしてセットしている、いわゆるバーコードヘアを撫でながら
「こんな50近いおじさんなんか出ても仕方ないでしょ」
と、かつてのモデル時代を髣髴させる明るい笑顔をでやんわりと否定されてしまった。


現在は自動車整備工場の整備主任者として妻と1人娘暮らす佐藤さんだが、
毎日頭を悩ませていることがあるという。
「高校2年になる娘がね、何を考えてるのかわからんのですよ。
 数年前までは『あっち側』にいたはずなのにね」
354名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:19:43.87 ID:l9637AwP
>>296の続きがうまくいかないのと、『立場同一性障害』という単語を思いついたので、
保守代わりにちょっとした小ネタを投下
355名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 01:51:12.40 ID:AVrG21Mw
>>351-354
乙ですよ
やはり、妻と娘の二人って、立場交換されたAさん(仮)の妻子だったんでしょうかね
356名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 12:24:46.95 ID:67IlqCOp
デリヘル呼んだらデブのオバサンが来てすかさずチェンジ→立場逆転というのを思いついた
357名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 14:21:55.59 ID:XMXCjtvN
金を稼ぐためにどんな客でも奉仕しなくればいけない男デリヘルになって
デブなオバサンを抱かないといけなくなるのか
他にも30過ぎたキモオタ膚女子とかろくな奴じゃないのばかり相手させられると
358名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 15:03:38.99 ID:vAjQhTgj
なんか合ってるような違うような
359名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/12(日) 15:44:49.25 ID:GT5ltaq+
>>354
良いですね、『立場同一性障害』
実際に居そうな気がする。
管理職なんてやりたくない今時の草食男子がOLを羨ましhがったり、
専業主婦を羨ましがる男性とか。
実際になったら、それはそれで大変な事があるんだと見えてくると思いますが。

「つかさ」のお話の続きも期待しています。
私も最近お話しを投稿していなくてすいません。
たぶん次は「続・ここはとあるお屋敷」になる予定です。

360名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 20:18:49.17 ID:AbU1sEvW
ある朝、世界中の男女の立場が逆転…というのもいいかも。
何人かは前の世界の記憶があるって感じで。
361名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 21:15:53.41 ID:OY+KNDaX
>>360
いいね、いつものように朝起きたらエプロン姿の父親が朝御飯用意してて母親はスーツ着て新聞とにらめっこ、
自分が女物の服着てることに慌ててると妹がトランクス一丁で登場とか妄想した
362351:2011/06/13(月) 21:28:12.67 ID:eREqAK6j
>>355
たぶんそうなのでしょうね

>>359
いろいろ応用できそうなネタになりそうではあります
女→男の立場変化より男→女の方がよかったかな、と思ったので、こちらもいずれ

>>361
いつものように朝起きたらエプロン姿の息子が朝御飯用意してて娘はスーツ着て新聞とにらめっこ
自分がかわいらしいパジャマを着ていることに慌てていると、妻がトランクス一丁で登場

とかもいいなぁ
363名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 01:12:04.27 ID:r7ATrblP
男女の立場逆転なら海水浴場とか女子小学生の下校中の集団立ちションみたいなシチュエーションも見てみたい
364名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 13:18:34.21 ID:Uk/S3amn
ドラえもんのオトコンナやあべこべの星てきな
365名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 13:27:22.63 ID:6BhHc1dq
>>339
どうせなら周りの女の子の触れ合いや無防備の半裸にハァハァして

女の子の立場だが自分自分、そうして明日香と結ばれるとか
366名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 15:15:39.10 ID:I/8UcvA6
性別、立場ごちゃ混ぜだと俺得だわ

ナイスバディのおねーさんが黒いランドセルに半袖短パンで遊んでたり、
上品な顔立ちの美熟女が学ラン姿でキョロキョロしながらエロ本買ってたり
367名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 15:32:00.32 ID:j7TA2R+P
>>366
妄想するのは楽しいがそう言うの画像で見たいよな
文章でもいいがやはり画像がいい


ここの該当なのは無いだろうがせめて服装交換もののイラストとかでいいの誰か知らない?


368名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 16:43:54.86 ID:EBbpvDho
敢えて格好も化粧とか習慣も女性のままだけど、周囲の認識や恋愛感情とかは男のままとか。
無いから童貞擦れるにはホモの男とやるしかないけど、付き合いたいのは女性。
369名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 17:52:37.11 ID:I/8UcvA6
容姿も喋り方も元のままだけど、立場に関しては何の疑問もなく受け入れている、みたいなの思いついた。

「先生、おはようございます」
「おはよー、ゆみちゃん!まいにちげんきでえらいね!」
「ええ、私この幼稚園大好きですから」みたいな
370名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 20:31:47.69 ID:r7ATrblP
>>364
ああいう世界に急に放り込まれたいな
他に該当ないかな?
371名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 20:31:56.89 ID:4r/iAqsV
過去に書き込みがあったかもしれないけど、
INQUESTにある、ミスキャスト3は名作ですね。
372名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 22:35:26.24 ID:NFapHW/7
>>368
どういうこと?
373名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 00:43:47.12 ID:zOwZV+Im
このスレSS無い方が活気あるなw
374名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 07:23:30.77 ID:3TZIxw4t
>>373
シーッ
375名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 07:35:27.09 ID:o/8m8SSy
全然面白くないぞ
376名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 13:20:35.47 ID:2077LvlS
377名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 19:37:37.56 ID:zOwZV+Im
>>376
サンクス
これは良いな!
脳内で変換するとどストライクだ
378名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 20:25:36.29 ID:cER6nK6T
>>373
>このスレSS無い方が活気あるなw
ここの根源的な問題点が明るみに出ちまった。
何人かのSS書きの属性と、スレ住人の好みが食い違ってるんだろうね。
それでも、滅多にスレ違いと言われないのは、寛容なのか、
SSに飢えてるのか、保守代わりにでもなればいとあきらめてるのか。
ちなみに、たぶん自分の作品も少数派向け。
379名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 20:39:08.51 ID:TwnaleEr
>>378
なに書いてる書き手さん?
380名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 21:14:24.64 ID:cER6nK6T
>>379
338の人。
このスレには色々世話にはなってるんだけど
望まれないものを垂れ流して、近縁の強制女性化スレみたく荒れるのもね。
実際、自分が投下してた頃より書き込み早いし。
(書きかけのは、打ち切るんじゃなくてブログでという手もアリだし)
381379:2011/06/15(水) 21:41:15.31 ID:zOwZV+Im
>>380
あんたが消えたらこのスレのSS要員どうなるんだよ
2ちゃんだから一々反応しないだけだって
それで何か否定的な意見が書き込まれるからそこばかり目についてる
俺はあんたの投下する話し好きだぜ
否定的な書き込みに対して反論しないのは荒れるからだ
2ちゃんでもそんな空気の悪いのは御免だからな
ここはここだ
和気あいあいとした雰囲気なんて無理なんだから割り切って頑張って欲しい
382名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 21:41:33.73 ID:phgUIFZp
まぁまぁ穏やかに
383名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 21:53:26.68 ID:bwPqjOhc
人が増えてきたら、声のでかい奴がどこからか現れて文句を言って
その結果書き手が減って廃れていくってのはよくある流れだな


>>380
マイペースにやっていって下さいな
少なくとも前からこのスレにいた人たちはあなたの投下を待ってると思うんで
384名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 00:35:49.30 ID:1tyqgcJS
雑談が楽しい時ってあるんじゃないかな?
各自が自分の好きなシチュエーションや妄想を語り合うのってありだと思います。
それも創作ですよね。

>>380
私も他人事ではないので気持ちは分かります。

385名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 00:44:40.46 ID:7IEHw7SB
マイナージャンルで喧嘩なんかしたらジャンルごとあっさり滅び去るからな
別に雑談もSSもいいじゃない
386名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 00:50:13.81 ID:EC63+O2u
専門でやってる創作サイトもFT-Type2ぐらいだし、
エロパロ板の中でも屈指のマイナージャンルだからねぇ
ここに投下する人も自分含めて片手で事足りるし

だからこそ、雑談すらも楽しい
387名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 01:25:10.02 ID:3sOFRuED
強制女装少年さんのところもここの該当だと思う
あっちはほとんどセミプロだけどな
陵辱ものが好きならガチだ
388名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 18:52:09.88 ID:4PfFpTuh
死亡を偽装し性転換して子供に会おうとした男
ttp://tokyo.txt-nifty.com/fukublog/2011/06/post-a5a5.html

立場の変化は現実ではうまくいかないようですね
389名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 19:45:28.29 ID:TxpCVR9o
>>388
まぁssでは魔法みたいなの使ってるのが多いからなw
390名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 20:32:28.26 ID:3sOFRuED
>>388
最初のいまいち経緯が解らん記事だが、女になって別人に成り済まそうとして出来なかったと言う話なのか?
突飛と言うかなんと言うかどんな思考なんだ
391名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 21:03:52.04 ID:+A/z8yfd
>>389
ここである様な話なんてあり得ないのばかりだろ?
空想や妄想の産物
魔法とか不思議なちからで変わるのも妄想なんだからリアルに引き合いに出すのは野暮だ

あれか?
そこら辺のJKとかに俺と立場交換しない?とか声かけて終いに警察のお世話になる話しとか見たいのか?
392名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 22:36:35.21 ID:EFruMIfk
実際に立場逆転するとしたら幼女熟女同級生のどの年代が一番楽しめるんだろう
393名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/16(木) 23:28:27.29 ID:1tyqgcJS
ギャップがある逆転が楽しんじゃないかな?
394名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 12:10:04.22 ID:znaUSZNQ
役職のある偉いおじさんと、若い新人OLとかが立場交換されているのを第三者として見たい。
395名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 12:44:21.15 ID:SQI2z9xW
OLの彼氏か婚約者視点でヨロ
女の同僚か親友でも可
396名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 18:02:32.75 ID:LwU2UJvu
人間と動物の逆転も。
397名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 19:41:31.33 ID:A0ZzJOgs
人と動物の逆転て・・・

何故変化じゃなくて逆転がいいのか教えてくれ
人間の立場になった動物のどこがいいんだ?
398名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 21:23:41.24 ID:LwU2UJvu
>>397
逆だ。
動物の立場になった人間こそ一番最高のシチュじゃないか!
399名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/17(金) 22:29:54.53 ID:k9KGFCjx
>>396
>>397
>>398

逆転したことによって、猿の惑星が生まれたのか!?
400名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 09:38:30.34 ID:YJ96n6fs
>>399
それは少し違う気が
401名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 12:56:28.14 ID:UtfEl/Js
手塚治虫の鳥人体系とかあったねえ
402名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 13:24:31.60 ID:eI0X+Kk2
>>396
先スレでありましたよ。
403名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 13:40:52.68 ID:AnFQzsY1
404名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 13:44:48.04 ID:AnFQzsY1
すまんミスった

>>402
過去スレは見れない
保管庫誰か作りらないものかね
405名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 17:04:44.83 ID:I/vnERKK
言いだしっぺの法則というものがあってだな

・・・て、この流れ何回目だよw
406名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 19:21:54.02 ID:HA4DkWDw
>>404
やふってキャシュで見れるよ
407名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 21:43:19.57 ID:AnFQzsY1
ヤフろうがグクろうがBBSPINKは表示出来んだろうが
まさに同じやり取りだな

ここの保管庫は永遠に出来そうにないな
408名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 22:01:53.28 ID:p+l1sFqz
409名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 22:42:01.68 ID:AldotsFp
>>407
マイナス思考な……
逆転して+思考に!
410名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/18(土) 23:00:33.44 ID:AnFQzsY1
「はぴ☆らき」なJCの立場にでもなれればプラス思考にもなれるな
そんな事になって見てたいもんだ
411名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 17:03:17.89 ID:t13xJTSG
そもそもの問題として、言い出しっぺって過去ログ持ってないから聞いてくるんじゃないか?
過去ログ無い奴が保管庫作れないだろ
そして俺も含めて持っている奴は保管庫は必要無いから作る気がないって事なんだろうさ
412名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 23:16:57.79 ID:rXiB2DRD
過去ログは持ってるし、検索すれば普通に読める状態なので今は静観。
413名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/19(日) 23:45:54.42 ID:VO6fJ+W4
SSの投下がないなぁ
1週間も投下がないのは珍しい
414名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 01:33:01.66 ID:1LcqroZ8
「替玉お断り」とか「泳げ、チハヤちゃん!」とかの作者の人
ブログで書いてるけどそちらの方の近況で目が悪くなった→これ以上するとマジでやばいって医者に言われてメガネ作る→
しばらく書けなかった→メガネ装着良く見れる→色々書き散らかしてるからまずは理想郷ので次はts系の支援所でその後
ここらしい
415名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 02:37:17.31 ID:N/1aXVZJ
賢者モードで待ってます
416名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/20(月) 19:14:36.95 ID:zXRW7iRP
>>386-387
以外で立場の交換・変化関係のサイト無いかな…?
417名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 02:12:56.54 ID:BBPzkG+x
418名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 02:21:22.57 ID:D5jfuVmg
419続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:12:19.33 ID:CvxNVB+y


とあるお屋敷のとある一画にある浴室脱衣所。
そこでは3人の娘達が湯上がりに、火照った身体を涼ませていた。

「少しのぼせちゃいましたね〜」

愛され系な白い水着を着ている少女が頬を桃色に染め満足気に呟く。

「これ位が心地いいのさ。実に楽しい入浴だったよ」

こちらは裸の少女。
口調や仕種が何故か演劇で男性を演じている様だ。

「二人とも悪乗りし過ぎだよ。これじゃ全然汗を流した気がしない」

スクール水着にメイドカチューシャを付けた子は湯あたりでもしたのか、ぐったりとしていた。

「雛子先輩だらしがないですよぉ」
「雛子はまだまだメイドのスキルが足りないな」
「ああ言うのは違うと思う」
「今度やり方教えてあげますよぉ、手とり足とり」
「それは良いな。ぜひ習っておくと良い」
「丁重にお断り致します」
「や〜ん、雛子先輩つれないですぅ」
420続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:14:44.51 ID:CvxNVB+y

年の近い娘達が和気あいあいとしている様は実に微笑ましい。
だがその光景は実は見たままな訳ではないのだ。

雛子と呼ばれているスクール水着にメイドカチューシャの娘、実は娘ではない。
歴っとした男である。
しかもこのお屋敷の子息であったりする。
事の起こりは省かせてもらうが、本当の名前は遥人と言い雛子と言うのは男性の様な口調をしている娘の名前なのだ。
雛子は遥人の幼馴染でお傍付きのメイドをしているのだが、この光景ではとてもそうは見えない。

ではなぜこうなっているのかと説明すれば、それは二人が『立場交換』をして主従を入れ替えているからなのである。
しかも、ただ主従が入れ替わるのではなく遥人は雛子として雛子は遥人として振る舞うと言うもので、
名前から装飾に至るまで全て交換をしている状態だ。

そんな事態が繰り広げられているのが今の現状と言う訳である。

「さて雛子、着替えのメイド服だけど要望を聞き入れ新しいのを用意したぞ」
「はーい、こちらでーす」

もう一人の少女、雛子の後輩メイドにあたる真由が取り出したそれはミニ丈のメイド服だった。
デザイン的には真由が入浴前に着ていたメイド服とほぼ同じなのだが、
色が違い涼しげなアイスブルーで明るく華やかな感じがする。
ただ大きな違いがある。
それはスカートの丈が真由のものより更に短い事と、胸元がバストを強調する様な立体的な作りになっている事だった。
421続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:16:36.10 ID:CvxNVB+y

「このメイド服って」
「雛子の夏用のメイド服だが」
「お傍付きのメイド服は水色なんです。しかも少し製法が豪華ですぅ」
「でも雛子が着ているのをみた事無いけど?」
「素に戻ってますよ。雛子先輩はあなたですぅ」
「あ、ごめん」

雛子としてメイドの立ち振る舞いを一応してはいるが、所々素に戻ったりするのはご愛敬だ。
一貫はしているものの徹底はしていないのは、遊びの様なものだから仕方が無い。

「雛子先輩は大好きな紗雪(さゆき)さんの真似をして夏でも長袖なんですよ」
「ああ、紗雪さんか」
「真由、あまり余計な事は言うものでないぞ」

紗雪は遥人の母親のお傍付きのメイドで、
遥人にとっては生まれた時から知っている叔母の様なものでもある。
しかしながら外見はクールビューティーを絵に描いた様な容貌で、
仕事に関しても群を抜いて優秀と実質このお屋敷で一番のメイドと言っても過言ではない。

普段表には出さないが雛子はその存在を意識して密かな憧れを抱いていると言うのは公然の秘密である。

「紗雪さん、寒暖に関係なくあの服装だし表情にまったく出ないもんな」
「私には無理ですねぇ」
「ほら雛子、無駄話はしないで早く着替えるんだ」
「いや、でもスカート短すぎ」
「私で平気なんだから大丈夫よ。遥人は私と背が変わらないし、足の長さなら私の方が長いんだから」

雛子も度々こうして素に戻る。
背の高さに関しては実は雛子の方が3センチほど高いのだが、細かく触れると遥人が気にしているのであえて触れない。
特筆するほど小柄ではないが、男性としては平均を下回る遥人はその事を気にしており、
もとからの童顔と合わさって年相応に見られないのがコンプレックスでもある。
ここ半年身長が止まっている遥人に対して「もう、それ以上背は伸びない」は禁句だ。

422続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:19:50.86 ID:CvxNVB+y

「でも階段とかでスカートの中が見えるってこれ」
「ギリギリで大丈夫な長さだから。激しい動きでもしない限りね」
「可愛いですよぉ」
「まあ、見えたら見えたでそれは眼福って事で」
「やっぱりそう言う魂胆なのか」

雛子の思惑がそこにあるなら、これ以上の抵抗は無駄だろう。
遥人は諦めてスクール水着を脱ぐと身体を拭き、そのメイド服を着る事にする。
入浴前に着ていた雛子の匂いが強くするメイド服を再び着るよりは良い。
気になって変な気分になるからだ。

「なんかこの下着ずいぶん子供っぽいな」

用意されていた下着を手に取り遥人は呟く。
そのデザインは子供っぽいと言うか、コットンの股上が深いタイプのものだ。
青のストライプで俗に言う所の縞パンである。

「(これも雛子の使用済みとかなんだろうな)」

新品には見えないそのショーツを履きながらそんな事を思う。
着ける必要は無いのだが用意されているのでブラジャーも付ける。
これもいささか子供っぽいノンワイヤーのハーフトップだ。
ホックも無いのでかぶるだけで遥人でも楽に付けることが出来る。
ただ今回は大きめの胸パッドが別に用意されており、言われる前にブラの中に入れると立派な胸のふくらみが完成した。
ソックスは前と変わらず白いオーバーニーでこちらも簡単に履けた。

下に着るものを身に付けた所で、次はメイド服を着るのにその背を開けて足を入れて引き上げ袖を通す。
サイズに難が無いと言うかピッタリなのは雛子と遥人の体格差がほぼ無いのを顕著に表しており、
体格を気にする遥人には少々引っかかるものがある。、
だが、傍から見る分には返ってそれが似合っており本当にメイドの少女にしか見えない。
423続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:21:41.47 ID:CvxNVB+y

「背中のファスナー上げてあげますね」

遥人が背中のファスナーを上げるのに手間取っていると真由が手伝ってくれた。
ファスナーが閉まるといよいよもってメイド服は体にフィットし、胸の膨らみもばっちりになる。
エプロンをして紐を結べば、もう完璧にどこに出ても大丈夫なメイドさんの出来上がりだ。

「うん、完璧ね」
「雛子先輩かわいいですぅ」
「やっぱりスカート短い様な」
「だから大丈夫だって。ニーソックスとスカートの間の絶対領域がなにより物語ってるわ」
「絶対領域って」

絶対領域とは萌え用語としては一般的に浸透している言葉で今更説明を要するものではない。
その中でも、スカートの丈:絶対領域:膝上ソックス=4:1:2.5が、"絶対領域の黄金比"とされているらしく、
こだわりのある人には重要な意味をもつらしい。
もちろん雛子はこだわりのある人だ。

「あと、靴もメイド服に合わせて編み上げブーツにしておいたからね」

いろいろと抜かりは無い様子。

「さて雛子、急な入浴で遅くなったがお昼にして来て良いぞ。あとの事は真由に引き受けてもらうからな」
「はい、真由にお任せ下さい。雛子先輩はお昼をごゆっくりどうぞ」
「お昼ですか?」
「そうだ、使用人用の食堂で食べてくると良い」
「今日のメニューはエビとホタテのペスカトーレでしたよ」
「えーっ、みんないる所に行かないと駄目なの?」
「もうお屋敷中みんな知ってますから大丈夫ですぅ」
「そう言う事、さあ、行った行った」

使用人用の食堂に行くことに難色を示す遥人だったが、
結局雛子と真由に脱衣所の外に押し出され行く事を余儀なくされてしまった。



424続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:23:18.11 ID:CvxNVB+y


仕方なく遥人は使用人用の食堂へ足を運んでいた。
先程着替えたメイド服は夏用との事だったが、長袖の時のものと比べると確かにかなり涼しい。
だがスカートがミニ丈なので今度は歩くと直に外気を感じてしまい、
その事を意識すると恥ずかしさがこみ上げる。
逆に編み上げのブーツは足のすね下を覆い熱がこもる為に体熱感がアンバランスだ。

「もうお昼も過ぎているし、みんな居ないよな」

使用人用食堂のドアの前で少々ためらいながらもドアを開けてみた。
すると中の人物が一斉にドアの方を振り返る。

「おやまあ」
「本当にメイド服着てる」
「違和感無いわね」

中に居たは3人の人物は口ぐちに遥人の姿に感想を漏らす。
それぞれベテランメイドの美智恵(みちえ)と20代後半の和美(かずみ)、若手の菜々子(ななこ)だ。
遥人との接点は多くは無いがそれでも顔と名前は知っている。

「遥人様お昼ですか?こちらでご一緒いましょう」

そのうちの菜々子が遥人に声を掛けてきた。
その言葉にすかさず和美が注意を促す。

「菜々子、今遥人様は雛子になっているって話だったでしょ?ちゃんと雛子として声かけないと」
「あ、そうでしたね」
「しっかりやらないと、奥様にも言われている事なんだから」
「まあ、遊び見たいなものだって言ってたしそこまで頑なにするものでもないよ」
「でもその遊びにのるのが楽しいんじゃないですか、やるからには楽しんで徹底しないと」
「まったくこの娘は」

遥人には全部まる聞こえなのだが、雛子として振る舞わなければならないのは事実なのでどうしょうもない。
取り合えず変態を見る様な目線で見られていないだけ良しとしたい所だ。
425続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:25:07.45 ID:CvxNVB+y

「ささ、雛子ちゃんこっちにいらっしゃいな。コックさん、ランチもう一人分お願いします」

明らかに楽しんでいる様子の和美が遥人を招き、隣接している厨房へ声を掛ける。
招かれるまま遥人は席に赴き、少し居心地のわるそうなそわそわとした態度で座って見せる。

「本当どう見ても女の子だねこりゃ、今の若い人は違うねぇ」
「遥人様が特別なんですよ」
「まさに美少年だもんね。少し気弱そうなのが玉にキズだけど」
「そうですか?優しさが良いと思うんですけど」
「今時の子だね」

当の本人を前にして好き勝手言う3人、
これも今日は遥人を主人と見なくても大丈夫との御触れが出ているからこその無礼講だ。
これでも控えめに話している方だ、実際に本音トークなんてした時には遥人はその場に居られないだろう。
特に和美と菜々子の大人女子の会話なんて遥人には聞かせられない。


「ところで雛子ちゃん、お仕事どうだった?」

和美は唐突に話しを遥人へと向けた。
尋ねられれば答えなければならないが、
ここで雛子として振る舞って雛子の口調で答えた方が良いか素で答えようかと少し迷う。
結果、顔を赤くしてうつむくと言う内気な少女の様な行動をとってしまった。

「なんだか今日の雛子は恥ずかしがり屋みたいですね」
「何時もの明るい雛子ちゃんがどうしたのかしら」
「いや、それは、あの」

雛子が居なくてもやはり女性にはおもちゃにされる遥人である。
戸惑う様な反応を見せればそれこそ相手の好奇の反応を煽ると言うものだ。
426続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:26:26.02 ID:CvxNVB+y

「今日はどんなお仕事したの?」
「ええと、ベッドメイキングと温室のお手入れ、そこで母上、じゃなくて奥様のお茶の給仕を」

流石にお風呂の事は言えないのでその事は伏せた様だ。

「お茶の給仕なんてさすが雛子ちゃんね」
「お茶の給仕のお仕事って私も一度やって見たいわ」
「あんたにゃ10年早いよ」

お茶の給仕はメイドの仕事ではかなりの名誉な事なのだ。
ましてや当主や奥方が携わる公式なお茶会を給仕するともなれば、一介のメイドが出来るものではない。
実は雛子にしてもお茶会の給仕はまだ任される事はほぼ無く、現在修行中の身である。

「あ、もしかして朝にリネン出しにリネン室に来たでしょ?」
「はい?確かに行ったけど」
「やっぱりか」
「和美さん何がやっぱりなんです?」
「いやね、クリーニング屋の人がさ、ドアを開けてくれた可愛い娘の名前を教えてくれないかって聞いてきたもんだからね」
「あ、それって」
「そう、あの時間リネン室に誰も居なかったはずなのよ。だけど勝手口を開けた娘が居たみたいで、
クリーニング屋の人どうやらその娘の事気にいっちゃった様なのよ」
「一目惚れですか?すごい」
「おやまあ、惚れさせるとは隅に置けないね。本当に今の子は違うね」
「雛子ちゃんはモテオーラがあるのかしら?羨ましい限りだわ」

男に一目惚れされて嬉しい訳が無い遥人にして見ればいい迷惑だ。
この事はいずれ雛子の耳にも入り、このネタでまたからかわられると思うと今は愛想笑いを浮かべるしかない。
427続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:29:46.99 ID:CvxNVB+y

「あいよ、4人分出来たよ」

厨房のカウンターからコックが声を掛けてきた。
普段表に出る事が無いので遥人もよく知らないのだが、
ここのコックは女性で結構な大柄な体格をしている。
下ごしらえや食器の洗浄手入れなどをメイド職の中から手伝ってもらう事はあるが、
ほぼ一人で厨房を切り盛りしている隠れた有能者だ。

厨房は他にもお抱えのシェフが居るのだが、お屋敷の専属ではなく通いで来ている。
ちなみに名前は香華(シャンファ)と言うのだが名前で呼ばれるのを好まない様で、
みんなコックさんと呼んでいるのである。

「ありがとうございます」

居心地の悪い遥人が出来上がったランチを受け取りに直ぐに席を立つ。
真由が行っていた通り、ランチはエビとホタテのペスカトーレでトマトを使ったソースがとても美味しそうだ。
付け合わせのコールスローサラダとグリーンピースープもありちょっとしたお店のものの様に見える。

「おや、新人さんかい?よろしくね」
「え、いや」

香華はランチを取りに来た遥人の姿を見て完全にメイドと見て疑っていない様だ。
人好きそうな笑みを浮かべて挨拶をして来る。

「やだコックさん、そのメイドは遥人様ですよ」
「え?そうなのかい?どう見ても可愛いメイドさんだけどねぇ」
「美智恵さんと同じような感想言ってる、同意するけど」
「そうさ、男の子には見えやしないよ」

菜々子が直ぐに訂正するが、やはり反応は同じ様なものだ。
今度は香華も加えてメイド遥人の話に花を咲かせる。

「男でもメイド修行をさせられるとは士族様の子息ともなれば大変だね」
「それ違うわよ。奥様のお遊びで遥人様と雛子が今日一日立場を入れ替えて過ごしているの」
「だから今の遥人様の事は雛子って呼ばないといけない見たいですよ」
「そうなのかい?まったく士族の奥様の遊びとは我々には考えが及ばないよ」
「奥様は不思議な人だからねぇ」
「ところでコックさん、士族って言ってますけど華族の間違いじゃないんですか?」
「あ、悪い悪い我々のところでは貴族と言えば士族だからね」
「菜々子あんた良く知ってるね。どっちにしろ今はそんなもん関係ないさ、
貴族制度なんてとっくの昔の廃止されてしまってるしね」

貴族の話しは遥人も帝王学の一環で習って来ている。
帝王学と聞くと物凄い尊大に聞えがちだが、要は伝統ある家系や家柄などの特別な地位の跡継ぎに対する
幼少時から家督を継承するまでの特別教育のことで、その家々で過程は様々だ。
帝王学を修めたからと言って性格が偉そうな人物になると言うのはただの先入観である。

現に遥人はこんなのであるのだから。
428続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:31:09.00 ID:CvxNVB+y

「しかしながら当家が貴族の流れを組む家系で、形だけとは言え諸国から爵位を享け賜わっている事も事実」
「うわっ!紗雪さん何時の間に!?」

家の事に話しが差掛ったその時、遥人の背中の方から紗雪が現れ突然に感じた遥人が驚く。
遥人には全く気配が感じられなかった。
たまにあるのだが、その度にいちいち驚いてしまうのが遥人である。
それが面白く案外ワザと驚かしているのかもしれないのだが、
クールビューティーな無表情では真意の程は見てとれない。

「何言ってるんだい。最初から紗雪さんは向こうのテーブルに座っていたよ」
「本物の雛子なら絶対気が付いて一緒に食事摂ろうとするのに、雛子ちゃんだとそうはいかないか」
「え?私気が付きませんでしたよ?」

菜々子も気付かなかったらしい。
自分だけじゃないと思うと遥人は少し安心した。

この部屋は使用人用の食堂となっているが休憩室も兼ねており広さもそれなりだが、
死角など無く、ましてやテーブルに着いていたなら気が付かない訳はないのだが不思議だ。
他の人は認識していたらしく、さして気に留めず香華は紗雪へ話し掛ける。

「うまかったかい?」
「何時もながらの流石の腕前です。黒コショウを替えたのが功を成していました」
「良く判ったもんだ、何時もながらはあんたの方だね」
「恐れ入ります」

舌が確かなら旨味や塩加減が判るのはあるだろうが、ペスカトーレで黒コショウの味の違い判るのは只者ではない。
後で遥人も食べて意識してみたが全然判らなかった。
ますますもって紗雪は底が知れない。
429続・そこはとあるお屋敷 その5:2011/06/24(金) 02:33:41.06 ID:CvxNVB+y

「雛子、遥人様より言付けです。昼食が済んだら南館の小ダンスホールに行く様にと」

紗雪に雛子と呼ばれ、一瞬自分の事と気が付かず返事を忘れる遥人。
この油断の多さが日頃なにかといじられる原因でもあるだが、
この場で真剣に雛子になりきるのも後々の使用人からの遥人のイメージに影響が出るので何とも言えない。

「確かに伝えましたよ」

紗雪はそう言い残すと食堂を後にして行った。

遥人はしばらくしてから理解したのだが、
今度は先にこの場に居た紗雪がなぜ雛子からの伝言を受けていたのか不思議になった。

食堂に来る前まで雛子は自分と一緒に居たはずなのに。
やはり紗雪は謎が多いと思っていたのだが、それは食事中に和美が答えてくれた一言であっさり解決した。

「ん?それってただ単にメールでじゃない?」

何事も深読みはよくない。
そう言えば業務連絡はメールですることが多いと雛子が言っていた様な気がする。

少し間抜けな遥人の発言に笑いが起こる中、女性陣にからかわれつつ遥人は昼食を過ごしたのだった。


                                                        〜続く〜

430名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 02:41:58.15 ID:Smbj2CaX
GJ!
続きありがとうございます。
431名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 03:05:55.74 ID:HxhfkZ5e
久々のSSだな
他の作者も投下頼む
続きものとか気になる
432名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 22:48:39.84 ID:H2ILoK2e
ありがたや・・・ありがたや・・・
このスレに久々の潤いが・・・!!
433名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/24(金) 23:11:21.28 ID:hPSIW4In


期待してます
434続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:34:51.07 ID:foiQz0Bj


昼食後、紗雪の伝言通り遥人は南館の小ダンスホール前へ来ていた。
ダンスホールなどと言われているが実際の所ただの広い部屋である。

「ここって最近使われた事無いよな」

こんな所に何があるのだろうと思いつつも、呟きながらドアを開けて中に入る。
少し埃っぽい様な空気を感じながらも中を見渡すと、やはりただの広い部屋だ。
誰も見当たらず何をすれば良いものかと思案に入ろうとした時、
今しがた遥人が入って来たドアの方から誰かが入って来た。

「いらしゃいましたのです」

可愛い声が聞こえそちらを振り返ると、そこには掃除道具を手にして佇む小さな姿を見つける事が出来た
メイド服を着ているのでここのメイドで間違いない様だが、その顔立ちは子供にしか見えない。
だが身体は小さいのに、ささやかだが胸のふくらみはしっかりとあり女性である事を主張していた。

「ああ、茉莉(まり)ちゃんか」

遥人は直ぐにその人物の正体がわかった。
茉莉はこのお屋敷で最年少のメイド、正確にはメイド見習いである。
顔立ち通りの年齢で、何時もは遥人が普段使っているエリアを雛子や真由と一緒に担当している遥人にも顔なじみのメイドだ。
そして何を隠そう雛子の実の妹だったりする
しっかり者と言うか真面目なのだが、雛子と違い少し内向的な面があり表立って何かをするのは苦手な性格をしている。
435続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:37:48.03 ID:foiQz0Bj

「本当にメイド服を着ているのです」

茉莉は遥人をじっと見つめるとぽつりと一言言葉をもらす。
色んな人に見られ過ぎて、気にしなくなっていたが改めて見られるとやはり恥ずかしくなる。
考えて見れば今のメイド服はミニ丈なのだ。

「なんか恥ずかしいからあまり見ないでくれると助かるんだけど」
「そうですね。男の人がメイド服を着ているなんて恥ずかしいのです」

そう言いつつも茉莉の視線はそのままだ。
遥人が感じるに自分はあまり茉莉に好かれていないと思っている。
嫌われていると言う訳ではないが、
使用人と主人との距離を保つと言うより壁を隔てた様な余所余所しさが随所にあるのだ。
それは真面目さから来るものなのか、人と接するのが苦手なせいなのかは解らない。

「今日はそう言う趣向なので仕方が無いのですが、
遥人様を雛子姉さまとして接しなければならないのは気が進まないのです」
「だったら、そこら辺を無理に意識しないで接してくれると俺としても少し気が楽なんだけど」
「そうはいきません。雛子姉さまも言っていましたです『今日一日は私を遥人だと思って、遥人の事は私として扱う様に』と、
だから不本意ながらそうさせて頂きますのです」

茉莉のこう言う所が変に真面目と言われる所だ。
言われた事に対し可能な限り対応し実行する。
それはメイドとして理想的な事なのだろうが、
普段雛子の様なメイドが側に居てなんだかんだとふざけ合ったりしていると、茉莉の場合は頑張り過ぎなのではないかと思われる。
436続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:42:06.59 ID:foiQz0Bj

「不本意なのは俺も同じなんだけどね」
「雛子お姉さまはそんな言葉づかいはしないのです。やるからにはきちんとしなければいけないのです」
「う、 分かった、わよ」
「あと雛子姉さまはそんな仕種はしないのです。
足幅はもう少し狭く、脇は開かないです。そして私を見る瞳は優しげにです」

最後の指摘が少し変なのは、茉莉がお屋敷に雛子を慕って働きに来てしまったぐらい
雛子の事が大好なお姉ちゃん子だからなのだが、それを遥人に求めるのは間違っている気もする。

ちなみに遥人と雛子が幼馴染なら茉莉もそうだろうと思われるが、
親に付いてお屋敷に良く出入りしていたのは雛子だけで茉莉と遥人の接点はそこまで親密ではない。
雛子の母親と遥人の母親はとても親しい間柄だった様で、遥人の母親は雛子の母親を頻繁にお屋敷へと招き、
その際に遥人と雛子はお互いに顔を合わせていた訳である

茉莉は真面目に指摘している様なので、取り合えず遥人は言われるままに佇まいを直し、
思いつく限りの優しい眼差しを向けてみる

「こ、こうかしら?」
「やっぱり違うのです」
「ダメなの?」
「ダメです。これっぽっちも違います。ダメダメなのです」

何故か明らかに落胆する茉莉。
普段から一緒に居るとは言え雛子がどんな眼差しで茉莉を見ているかなど遥人に解る訳もない。
437続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:44:18.38 ID:foiQz0Bj

「出来ない場合や真面目にしない時は報告するようにと遥人様な雛子姉さまが言っていましたです。
ペナルティーの用意があるとも言っていましたのです」
「ちょ、またそんな事」

本人が居なくてもしっかりと遥人をいじれる様に仕向けてあるとはやはり雛子だ。
しかも真面目な茉莉にその事を頼むあたり確信犯だ。

「そう言うのやめて本当に」
「仕方が無いのでそこは妥協しますです。その代わり抱っこして頭なでなでして下さいです」

また変な要求だが、その光景は見た事がある。
雛子は抱き癖があり、さすがに今の遥人にはしないが、
嬉しかったりして感情が高ぶると人を抱き寄せて頭を撫でまわす癖があるのだ。
茉莉はそれをされると嬉しい様だ。
ただそれを遥人に求められても困るのだが。

「本当にそれやるの?」
「また戻ってます。ちゃんと雛子姉さまして下さいです。
身も心も雛子姉さまになりきってちゃんとして下さいです」

恥ずかしいと言うより、茉莉にそんな事をすると後で雛子に何か言われそうで躊躇うと言うのが遥人の心情だ。
だがここまでやって欲しいと望まれてやらないのは、それはそれで後で何かありそうだと思う。
しょうもない決断を迫られるのは何時もの事だが、こんな時は自棄になってやってしまえと吹っ切るのが遥人だ。

438続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:46:50.95 ID:foiQz0Bj

「(私は雛子、私は雛子、茉莉は可愛い、手っとも可愛い、可愛い妹の茉莉を抱きしめたいの)」

心の中で暗示を掛ける。
そして一息に行動に移す。

「もう、茉莉ってば可愛いんだから」
「えへへ」

自分のパッドで膨らんだ胸に茉莉を引き寄せ密着させ、茉莉の後ろ頭を優しく撫でる遥人。
そして撫でられながら嬉しそうにはにかむ茉莉。
その光景は仲の良いメイド姉妹と言った感じで絵になっているが、
素に戻れば遥人にとって女装して女の子に抱きついている訳で恥ずかしい事この上ない。

ひとしきり抱擁と愛撫を堪能すると、茉莉は身体を離しメイド服の乱れを整えた後に咳払いを一つする。

「ごほん。 えー、ではこれからこの部屋の掃除をしますです雛子姉さま」
「掃除だね、わかった」
「また言葉使いがなっていないのです」

本当に雛子になりきらないと納得してくれない様だ。
こうなる事を見こして雛子は遥人と茉莉を一緒にさせたのだろう。
どうあっても雛子を演じなければずっと指摘され続ける破目に合うのは想像に容易く、
しかもその後に雛子へ報告されペナルティーを受ける流れになるのだろう。
またもやの受難に遥人はもう苦笑いするしかない。

「はは、ゴメン」
「笑って誤魔化してもダメなのです。まずはハタキで窓のサッシと壁の埃を落とすです」
「わかったわ。でもこの部屋って結構広いわよね、埃払うのだけでも大変そう」
「そうなのです。雛子姉さまが手伝ってくれて助かるのです」
「そう?茉莉にそう言ってもらえるとお姉ちゃん頑張っちゃう!」

力瘤を作るポーズでおどけた様に言うその姿は普段の雛子がやりそうな感じだ。
遥人も伊達に雛子と一緒に居る時間が多い訳ではないらしく、雛子ならこうだろうなと言う行動はなんとなく思いつく。
思いつくからと言ってそれを行動に移すのは恥ずかしいのだが、
それよりもペナルティーと言うのが恐ろしい気がしてならないので仕方がなくやっているのだ。

その事に表情には出ていないが茉莉は満足してくれている様だ。

「雛子姉さまらしくなってきたのです」
「さ、ちゃっちゃとやっちゃうわよ」

遥人は気合を入れると先程に茉莉がもちこんだ掃除道具からハタキを探したのだが、ハタキが見つからない。
439続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:49:01.54 ID:foiQz0Bj

「雛子姉さま、ハタキはこれなのです」

茉莉が取り出したのは、昔からある布製のものではなく、もこもこのほこり取りムートンだった。
お屋敷だからと言って掃除道具がレトロとは限らないのだ。
遥人が通っている学校の方が掃除道具は昔ながらの物でそろっている位である。

「あ、これ便利かも」

ほこり取りは柄の長さが調整でき穂先の向きも変えられるので高い所も楽に掃除できる。
こう言う新しい道具を使うとつい楽しくなるのは遥人もやっぱり男の子だ。

「茉莉は下の方をお願い。上の方は私にまかせて」
「解りましたのです」

指示を出して着実に掃除を行う姿は本当のメイドと遜色ない働きぶりである。
ただ上の方の掃除をするとどうしても背伸びをした様な体制になり、
後ろからだとスカートの中が見えそうになっているのを遥人は自分で気が付いておらず非常に無防備になっている。
スカートとニーソックスの間の絶対領域を楽しむ者ならば、その姿に萌えを感じずには居られないだろう。
たとえその対象が男の娘であってもだ。
遥人にとって幸いなのはこの場にその様な人間が居なかった事で、
茉莉は興味がない様子で微塵にも遥人の方を見ようともしていない。

「ところで茉莉は普段はなにをしているの?」

無防備な姿で掃除をしつつ、茉莉に話しかける遥人。
茉莉があまりのも黙々と掃除をするので少し場が和めばと思っての行動だ。

「雛子姉さまが知らない訳ないです」
「(それもそうか)じゃあ、好きな人とか居る?」
「雛子姉さまです」

雛子になりきる事を意識した遥人的には、女子の会話の入りは恋話と言うイメージで尋ねて見ただけなのだが、
こう言い切ってしまうのはいくらお姉ちゃん子でも結構重症な気もする。
440続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:50:50.93 ID:foiQz0Bj

「そうじゃなくて、好きな男の子とか居ないのかしらって事なのよ?」
「・・・・。」

会話を引き出す為の話題振りだが、振り方を間違ったらしく茉莉は黙り込んでしまった。
なんとなく気不味い雰囲気が流れる。
普段から茉莉は遥人とは必要以上に口を利いてくれないので、どうも間が取り辛い。

「茉莉は可愛いからきっと学校でもモテてるわね」
「・・・・。」

再度の声掛けにやはり返事はない。
おかげで雛子の口調を真似して一人で話し掛けているのが余計恥ずかしい。
止せば良いのに恥ずかしいのを紛らわす為、また茉莉に話掛けてしまう。

「もう、返事しなさいってば、頬っぺたぷにぷにしちゃうわよ」
「ほむむ、ひゃめてくらさいです」

耐えられない反動か、ついには暴走し茉莉の両頬をつまむんで揉むと言うちょっかいまで出してしまう始末だ。
少し調子に乗り過ぎな気もするが、茉莉は払いのけようとはせずされるがままだ。

「ほら、笑いなさいって、笑った方が可愛いんだから」
「しょんなひょとひゃれてて笑りゃえりゅわけにゃいのれす」
「あ、ゴメンゴメン」

遥人がなにかとても楽しそうだ。
いくら雛子になりきっているにしても、なりきり過ぎである。
これが遥人の中の雛子のイメージなのだろう。

「仕事中なのです。仕事中は集中しなければいけないなのです」
「いいじゃない、ちょっとぐらい」
「よくないのです」
「可愛い妹を愛でてるだけよ?」
「仕事に差し支えるのです」
「もう、茉莉のいけず」

変なスイッチが入り調子に乗った遥人は止まらない。
恥ずかしさも限度を超えると感じないのか、普段の遥人だったらやろうと思っても絶対出来ない様な行動をしている。
441続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:54:11.32 ID:foiQz0Bj

「いい加減にして下さいのです! 雛子姉さまは仕事中にそんな事はしないのです」

とうとう怒られた。
考えて見れば雛子は仕事の時はしっかりと仕事モードになってやっている。
普段はいま遥人がやった様な事をしていても、そこの分別は出来ているのが雛子である。
そんな姉の背中を見ている茉莉にしてみれば、この遥人の行動は許容を超えてしまったのだろう。

「もっとちゃんと雛子姉さまをして下さいです。
今度おかしな行動をしたらその度にペナルティーを増やしてもらうです」
「うっ、それだけは許して」

調子に乗り過ぎたのかもしれないが、本当につれない茉莉の態度にやはり壁を感じる遥人。
最初の「頭なでなで」で喜んでいるようだったからスキンシップを図って見たのだが、とても不評の様だ。

「(うーん、茉莉はよく解らないよ)」

それが遥人の思う所だった。

結局黙々と掃除をするしか無く、茉莉と広いこの部屋を時間をかけて綺麗にして行った。
ほこり取りに窓ふき、モップでの床掃きに水拭きとやる事は沢山あり広い部屋の掃除はそれなりに大変だった。
そして最後に調度品の像を磨き終えると掃除は終了となる。

「終った〜」
「また言葉使いと仕種がなっていませんのです。雛子姉さまは最後まで気を抜きませんです」

思わず、伸びをして茉莉に指摘を受けてしまう。
掃除中の会話と言えば「雛子姉さまらしくして下さい」ばかりで、いい加減パターン化してしまった気がする。
そんな事を考えていると誰かがこの部屋にやってきたようだ。
442続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:57:05.28 ID:foiQz0Bj
その人物は男装の女子『遥人な雛子』と後輩メイドの真由の二人だ。

「やあ、掃除は終わったかい?」
「あ、雛子… じゃなくて遥人様」
「滞りなく終わりましたのです」
「二人ともお疲れ様ですぅ」

今は遥人と雛子の立場が入れ替わっているのでそうとは言えないかもしれないが、
雛子を筆頭に真由と茉莉を合わせて通称「遥人様お世話隊」とされる顔触れが揃う。
ちなみに人事については遥人の意思ではなく母親の一存だ。

「茉莉ちゃんお願いしておいたものは?」
「はい、これなのです。ちゃんと撮影しましたのです」

言って茉莉が雛子に渡したのは小さなビデオカメラだった。
雛子はそれを受け取ると早速画像をチェックする。

「どれどれ? おおー♪これは良わね」

そこに映っていたのは、茉莉を抱き寄せ頭を撫でているメイド姿の遥人だった。

「わ〜っ、ちょっと何時の間のそんなの映したのさ!?」
「なんですかぁ?私にも見せて下さい」

何が映っているかと不審に思って覗きこんだ遥人もそれを見て赤面し慌てる。
真由も断然興味を惹かれた様だ。
次に映し出されたのは背伸びをしながら窓の埃を取る姿だ、
背伸びをするたびに短いスカートが上がり下着が見えそうになっている。

「ナイスアングルね」
「天然でこれやっちゃうなんて侮れないですぅ」

見えそうで見えない何ともギリギリ感がそそる映像で、雛子と真由は歓声を上げる。
その映像があると言う事はもちろん、その次の雛子になりきって茉莉にちょっかいを出す姿の映像もある訳で

「あっははは、何これ、ノリ良すぎ」
「確かに雛子先輩ならやりそうですぅ」

案の定、大爆笑だ。
一体どうやって撮影したかは謎だが、どうやら茉莉には隠された技能がある様である。
当の茉莉本人は涼しい顔をして側に控えており、遥人は恥ずかしさのあまり耳を塞いで小さくなっている。
443続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 00:59:20.54 ID:foiQz0Bj

「いや〜良い画が撮れたわね。茉莉には後で御褒美ね」
「本当なのです?雛子姉さま。嬉しいのです」
「でもこの画像、一つだけ惜しいと言うか足りない所があるのよね」

雛子はそう呟くと、小さくなっている遥人に向き直り、ご主人様モードで声を掛けた。

「雛子、そんな所で小さくなっていないでこっちに来るんだ」
「はい、なんでしょう遥人様」

朝からずっとしているので主従逆転の立ち振る舞いも慣れてしまい、
すぐ反応出来てしまうあたり遥人は意外と順応力が高いのかもしれない。
こんな順応力は要らないとは遥人の心の声だ。
幼馴染みゆえの阿吽の意思疎通によって出来ている事でもあると思うのだが。

「ちょっと片足立ちで、このコインを拾ってくれないか?」
「はあ?解りました」

意図が見えず困惑するが、取りあえず言われた通り片足立ちをし、
ふら付きながら床に置かれたコインを拾おうとした。

「今ねっ!」
「っ!?」

ドシン ザバー
遥人の足をいきなり雛子が払う。
遥人は見事にひっくり返り、おまけに近くにあったモップバケツの水を浴びてしまう。
これには抗議の声を上げずにはいられないと言うものだ。

「あう〜、何するんだよ」
「あの映像に足りないもの。それはドジっ娘とパンチラよ!」

ばーんっ!と雛子が指さすその先には、バケツの水でびしょ濡れになりひっくり返って捲れ上がったスカートから下着が丸見えな遥人。
メイド服としましまパンツの組み合わせはマニア度が非常に高い。

「おお、さすがは雛子先輩です、ハイレベルすぎますぅ」
「こんなの必要じゃないって」

雛子は堪能しつつもしっかりとその遥人の姿を撮影もしている。
こうなった時の雛子は無敵だ。
暴走する雛子は何時でも遥人を巻き込み収まる所を知らないのだ。

諦めるのが最善と心得えるのが良策である。
好きにやらせれば終るはずであった。
444続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 01:01:14.64 ID:foiQz0Bj

「あっ!その下着私のなのです」

だが思わぬ方からの声で事態が一変する。

「な、これって茉莉のショーツだったの!?」

遥人が今晒している縞パン、
新品ではないと思っていたがまさか茉莉の物だったとは思い至る訳もなく、
その事実の発覚に遥人はうろたえる。

「間違いないのです。それ昨日の私のなのです」

続く言葉がさらに遥人を追い詰める。
しかも使用済み未洗濯の物だったとは、本気でヤバい。

「あ、丁度良いのがあったから遥人にいいと思って少し借りたのよ。思った通り似合ってるし良いでしょ?」
「私も似合っていると思いますぅ」
「(妹の洗濯物を穿かせるとか有り得ないって)」

しれっと言う雛子はまったく悪びれていない。
羞恥プレイと言うより茉莉にトラウマを与え兼ねない、まさに最悪な所業だ。
しかしこの場合一番悪いのは茉莉の下着を穿いている遥人自身だ。

「あ、う、あ、茉莉ちゃんごめん。これはその」

慌てて何か取り繕うと思うが何も思い付かず、だからと言って今ここで下着を脱ぐ訳にもいかない。
「ぱんつはいてない」は高度な萌えと実践者には羞恥を与える高等プレイなのかもしれないが、遥人が自分からやるはずもない。
445続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 01:03:15.28 ID:foiQz0Bj

「(絶対変態扱いされるし最悪だ)」

このままではただでさえ良好とも思えない茉莉との距離がいっそう酷くなるに違いないと危惧して更に焦る遥人だが、
そこで思いもよらない言葉が茉莉から返って来た。

「似合っていますのです」
「は?」
「遥人様が私のを穿いているなんて嬉しいのです」

一体何なんだろうこの反応は?
何がどうしてそう言う反応なのか皆目見当もつかない。
しかも表情が恥じらいつつも嬉しそうな茉莉なんて今まで見た事がない

「さすがは我が妹ね。茉莉は萌えを心得てるわ」
「雛子姉さまの教えの賜なのです」
「素晴らしき姉妹愛ですぅ」

それは萌えとは言わないし、そんなものを姉妹愛ともして欲しくない。
似ていない姉妹だが、変な所でそっくりだ。

「遥人様、その下着は差し上げますです。大事にして下さいです」
「いや、もらっても困るんだけど」
「いえ、私も遥人様のお古の下着を頂いておりますのでお返しなのです」

まさか茉莉がこんな娘だったとは。
雛子のおかげで女の子に対する幻想など懐かなくなっていると言え、
雛子の様な娘がそうそう居るとも考えていなかった遥人には軽く衝撃だった。

446続・そこはとあるお屋敷 その6:2011/06/25(土) 01:05:29.00 ID:foiQz0Bj

「あのね、この際だから言っておくけど茉莉って遥人の事を…」
「雛子姉さまそれ以上は言わないで下さいです!」

遥人の事を何だと言うのだろう。
普通なら「好き」と言う流れだが、何分よく解からない所のある娘である。
「弟にしたいと思っている」「夜のおかずにしている」「学校で商売にしている」
などなど普通ではない続きがありそうだ。

「茉莉ってば照れてますね、可愛いですぅ」
「からかわないで下さいのです」
「愛の力ねえ」

気にした所で遥人に答えが解るなら苦労はしない。
なので一言だけ呟いておく事にした。

「もう訳が解らないよ」

誰が使い始めたか解らないが便利な言葉だ。
全ての問題を投げやりに出来る魔法の言い回しである。

「さてさて、何時までもここで騒いでいるのは何だし休憩も兼ねてお茶にしましょうか?」
「賛成ですぅ」
「それは嬉しいのです」
「と言う訳だ。雛子、部屋に戻ってお茶にするぞ」

雛子はそう言いまた主従逆転を再開させる。
今日1日の約束なのだから、まだ遥人は雛子と言う訳だ。

「かしこまりました」

遥人は立ちあがると、メイド服の乱れを直し雛子へ一礼する。

「さっきの雛子の素敵画像を大きな画面でみんなで鑑賞しようじゃないか」
「ちょっと!それは無し!」
「なんだ雛子はしたないぞ?」
「それは雛子姉さまらしくないのです」
「わ〜ぁ、楽しみですねぇ」
「もう勘弁してよ〜」

遥人をいじるメンバーに茉莉も加わり、更に遥人の受難が増したのは言うまでもない。
賑やかさを増す遥人の回りだが、その事が遥人の苦労を更に増加させるのだった。
そして雛子の企みはまだまだ続くのである。


〜続く〜

447名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 09:04:23.76 ID:qTDMJm1/
おぉっ  再び乙です
448名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 10:03:37.51 ID:sDDAAu7e

SSなら何でもいい
449名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 12:23:00.99 ID:AD9mrOgi
GJであります! 誠にGJであります!
つぎも「雛子」のいぢられっぷりに期待するでありますよ!!
450名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 17:21:48.95 ID:KhHEX/OZ
この話ってイジメだよな?
寄って集って遙人を辱しめて楽しんでるんだろ
雛子も酷い奴だがまわりの人間も一緒になっているのは酷いと思う
人の嫌がる事を面白がってる雛子は最低だな
451名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 18:25:39.90 ID:ECrQiRh5
そうだな、人の作品に下らない文句を垂れる奴って最低だよな
452名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 00:26:12.48 ID:MLyKIT7+
どうも、続・そこはとあるお屋敷など書いているものです。
労いの言葉やGJを頂きありがとうございます。
また貴重なご意見等もお聞かせ頂きまして今後の執筆に生かしたいと思います。

さて、過去スレや保管庫の話しが出ていましたが、
自分のお話しだけでもと思い、この度自分のHPを作りました。
よろしければ見に来て頂ければ幸いです。

ttp://saninsanin.web.fc2.com/


保管庫を作る事に関しましては考えてはいるのですが、
何分他の作者様の御許可を得なければなりませんし、
その必要性についてもここの住人の意見をお聞きしなければと思います。

ですので皆さまご意見のほどよろしくお願いいたします。
453名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 15:27:05.84 ID:ADjxtR0r
作りたければ作ればいいんじゃない?
保管して作者から苦情が来るようなら、その作品を載せるのを止めたらいい
保管庫は有るに越したことはないと思うよ
454名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:46:45.77 ID:EESEz4G7
なんかファンタジーもので姫と勇者の立場交換とか見たいな
勇者とサキュバスとの立場交換とかも面白いかも
455名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:49:15.52 ID:iBSwriNO
クッパとピーチ姫の立場交換を見てみたい。
456名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 00:54:26.61 ID:iBSwriNO
ストリートファイターの、リュウとイライザの立場交換もおもしろそう。
ケンに対するリュウの戸惑いとか。
急にライバル扱いになったイライザの心境とか。
457名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 07:36:02.13 ID:IaLOJF1T
見たい、じゃなくて自分で書いてみたらどうでしょ
1〜2レスで収まるものも立派な作品なわけで

あと、要求のレスが続くと何かかなり感じ悪いぞ
458名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 11:49:01.33 ID:6UFRbqSD
小2の妹がおねしょをしているのを見つけ、中2の兄が馬鹿にしていると
何故かおねしょで濡れた妹のパンツとパジャマを着ていて、立場が交換され兄はおねしょをした妹にされる。
逆に兄の立場になった妹に馬鹿にされ、怒った兄が騒いでると母親におねしょをした妹として怒られる。
と言うのを妄想した。
459名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 14:42:39.70 ID:88Nzqr06
>>455
>>クッパとピーチ姫の立場交換を見てみたい。
精神入れ替えなら某所であったよ。
460名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 17:32:10.43 ID:5UlmhHWb
>>458
見たい
461名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 21:42:22.04 ID:WtXy9BSc
>>452
保管庫は意外と管理面倒だぞ
自分のHPだけで止めときな
誰も感謝とかしてくれないぜ

あと、とあるお屋敷の話しなんだが、メイドスレに投下した方が反応あるんじゃないか?
女装スレに投下するのも良いかもな、あのスレ復活したは良いがSSの投下ないからな。
462名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 22:21:48.29 ID:KVbX64zc
この作者を他スレに誘導したら、このスレ近いうちに消えると思うぞ?
それがお前さんの目的なら知らんがね

該当でないのならともかく、それ以外の理由で誘導するのは駄目だろ
こういう奴がいるんじゃ誰も書きたがらないっての
463名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 23:10:27.41 ID:WtXy9BSc
>>462
そう言うつもりは無いんだが
この作者は他にもいろいろかいてるだろ?
だからこのスレは大丈夫だ
だったら反応の良いところへ投下した方が作者のためかと思っただけだ
前の書き込みで反応欲しいって自分で言ってただろう
464名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 00:57:34.93 ID:b+EvBaJ7
察するに462は書き手で、もうこのスレが嫌になっていると
この人、多分ここで一番の書き手だぞ

このスレも寿命かもしれない…

465455-456:2011/06/28(火) 01:13:42.90 ID:DXwfZlXs
>>457
文才がないので、すいません。
以後この手の書き込みはしないことにします。

>>459
ありがとうございます。
探してみます。
466名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 07:44:03.65 ID:bCmzKf/1
>>464
どこから嗅ぎつけたか知らんが、急に人が増えて自分の好みを撒き散らすようになった気がする
それだけならいいが、好みに合わないものに文句付けるからな奴らは
まさに過疎スレの末期みたいな症状


>>463
『作者のため』とか言う奴って大抵自分のことしか考えてない法則
誘導されるのがいい気分じゃないって知ってるか?
467名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 08:37:17.42 ID:zPUo3bnK
書き手が荒れ始めたらもう終わりだな

糸冬了…_〆(゚∇゚*)
468名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 12:58:44.86 ID:ezks+A2Z
このスレの理想的な形って何だろう
妄想やら小説やら投下→興味持った奴がそれに食いついて妄想が膨らむとかそんな感じか
469名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 16:20:10.34 ID:5hUD59zW
1)妄想や1レス程度の小ネタを、様々な人が書きこみ

2)それを受けて、書けそうなものを誰かがSS化して投下

3)そのSSについての感想

以下、1〜3が繰り返し……というのが理想だと思うの。
無論、1をすっ飛ばしていきなり自分が書きたいものを投下するのも
大いにアリだけど、その場合、スレに受け入れられない可能性も。
1の手順を踏んでると、「それいいね」「誰か書いてくれ」ってな形で
ある程度反応が読めるというメリットがあったり。
470名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 19:27:25.82 ID:Xg2groX+
でも要望があってそれを受けて書いても反応ないとか多い見たいだけど
過去にそれで少し怒っている書き込みがあったし
ODの立場交換とか動物と人間の立場交換とかリクエストある割にいざ書いてもらっても反応ほとんど無かったはず
471351:2011/06/28(火) 19:34:08.72 ID:vc9SCXFh
よっぽどのカテエラじゃない限り、好きなもの書けばいいと思うな
というか書かせてくれ
472名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 22:13:49.70 ID:AQxI/GZx
書きたいものを書いてほしい
それが俺の好みに合うなら最高だが文句は言わない
473名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 22:17:20.03 ID:BiS6P7d1
ある程度人が増えてくると、書き手の方も読み手を意識しちゃうんだよね
良くも悪くもその空気がスレ全体に伝染してしまうというか

雑音は気にせず空気を読まず投下するくらいが丁度良かったりする
とにかく自分のペースでやっていって欲しい

474名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 22:52:34.74 ID:tjf1+F7H
細かい事は気にするなという事だな
475名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 03:35:59.55 ID:JPz/d+Ac
「なんだよお前小2になってまでおねしょかよ」
「だってぇ」
「だってじゃないだろ?きったねー」
「ちゃんと寝る前におしっこしたもん」
「でもおねしょしたんだろ?小便たれ、便所女、小便くせーから近寄んな」
「ふえ、お兄ちゃんどうして酷い事言うの?」
「うっせー、小2にもなっておねしょする様な奴は俺の妹じゃないね。妖怪小便女だ。おねしょがうつるから近寄んな」
「ひどいよお兄ちゃん。 ・・・・それなら私も怒たからね」
「怒ったからってどうすんだよ?」
「こうするの!えい!!」
「うわっ!」
476名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 03:36:36.94 ID:JPz/d+Ac

……

「な、なんだ?」
「ふふふ、お兄ちゃん今の自分の格好を見て見たら?」
「は? なっ!? 何で俺がこんなもん着てるんだ?」
「似合ってるよお兄ちゃん、ううん、今は妹だよね」
「何言ってやがる!? どうやって服を取り替えやがった?」
「服だけじゃないよ。立場も交換しちゃったんだから、 ふふふ」
「何を訳のわからない事を、こんな小便で濡れたパジャマ着せやがって」
「なに?おねしょしちゃったの?恥ずかし〜」
「おねしょはおまえだろ!」
「くさいから近づかないでよ」
「このヤロー!」
「うわー、おねしょ女が怒った〜」
「朝からなに騒いでるんだい」
「あ、母ちゃん、妹の奴がおねしょしてそのパジャマを俺に着せやがったんだ」
「おねしょ?なんだいやっちまったのかい。しょうがない子だね」
「まったく、小2になってまでおねしょなんて恥ずかしいよね」
「何を?他人事のように、おまえがしたんだろうが!」
「ケンカすんじゃないよ!」
「だってこいつが」
「お兄ちゃんをこいつととか言わない!まったく布団までぐっしょりじゃないか」
「兄貴は俺だよ!」
「まったく、まだ夢でも見てるのかい。さっさと着替えておいで!」
「ちょっと待ってよ。母ちゃん」
「うるさいねぇ、後は自分で出来るだろ?まったく余計な仕事が増えたよ」
「ふふふ、行っちゃったねお母さん」
「いったいどうなってるんだよ?」
「だから私とお兄ちゃんの立場を取り替えっこしたの。私がお兄ちゃんでお兄ちゃんはおねしょした恥ずかしい妹」
「なんだよそれ」
「もうなってるんだもん。私の言う事聞かないとずっとこのままなんだからね」
「戻せよ!」
「やだよ〜、今日は私お兄ちゃんになるんだから。お兄ちゃんは私になって小学校行ってね」
「そんなの出来るか!」
「言う事聞かないとずっと戻してあげないんだから」
「なに?くっそ〜」
「さ、着替え出してあげるからそれ着てよ、かわいいの出してあげるから」
「覚えてろよ」
「あ、戻してあげない〜」
「あ、ゴメン。着るから許して」
「ふふん、私がお兄ちゃんだらね。呼んでみて」
「…はい、お兄ちゃん」
「なあに?妹。 あ〜楽しい」
477名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 03:36:50.95 ID:JPz/d+Ac
………


「赤いランドセル似合ってるね。服も可愛いし」
「・・・・・」
「ほら、良い子は行ってきますって言わないと」
「…行ってきます」
「元気がないなぁ」
「本当にゴメン。元に戻してくれよ」
「今日1日終わったらね〜、じゃあ私も行ってきま〜す」
「あ、まって、そんなぁ。本当にこのまま俺が妹なんて…」


おわり
478名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 06:51:48.96 ID:FLZ4tIEn
おお、いいねぇいいねぇ。
続きがすごく気になる。
台本形式は、確かにSSとしては不完全かもしれないけど、
妄想補助の素材としてはこれでも十分だと思うんだ。
SS書き慣れてない人は、ここから始めるといいと思う。
乙です。
479名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 07:28:22.02 ID:C/MeRrjG
いいのぅ。乙
480名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 17:56:25.15 ID:tdxQaMMx
「替玉お断り」と「泳げ、チハヤちゃん!」の作者の人、俺は続き待ってるぜ
目を悪くしたらしいので無理にとは言えないが楽しみにしている
481名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:33:25.83 ID:7dVEWgJm
>>480
空気嫁
そして、あげんなハゲ
482名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:42:55.66 ID:7dVEWgJm
>>481
2ちゃんビギナーだろ?
sageは半角で入力な
あげんなハゲはお約束だから気にすんな
ただその作者が好きなのは分かるが少し流れを見てくれよ
今デリケートなところなんだ
483名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:49:13.84 ID:7dVEWgJm
>>475
GJ!立派な作品だ
いいねぇ
こう言うお手軽感な作品があるとスレも良い方向に賑わうな
また妄想したらお願いする
484名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 03:24:18.53 ID:4VwCOpPp
>>482
つまり、idが同じ >>481-483 が、
ビギナーでok?
485名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/30(木) 03:38:13.42 ID:+uJG56SQ
自演もここまでくると微笑ましいなw

まああの作者のためを思ってのことだからおk
486481−483:2011/06/30(木) 06:28:55.63 ID:c0cJYmWX
ただ単に長文するのが好きくないから小分けしただけだが
連投に時間制限とか忍法帖って意外と面倒だよな
よく作者はこんな中作品投下できるもんだ。時間かかかって仕方ないだろうに


そして482でアンカー打ち間違えてる俺_| ̄|○ il||li
ちょと首吊ってくる

  ||
 ∧||∧
( / ⌒ヽ
 | |   |
 ∪ / ノ
  | ||
  ∪∪
   ;
 -━━-



487名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 01:27:29.69 ID:tl9Em7k7
田舎に出張に来た男が夜に場末のキャバクラ風のスナックへ飲みに入る。
若い娘は居るが、田舎のなんちゃってキャバクラなのでプロ意識も無くて接客態度もなって無く
身体を触らせるからとチップを直ぐねだって来る。

男の話もろくに聞かずお金をせびりたがる娘に段々と鬱陶しさを感じる男は、そう言うのは要らないと一喝する。
すると娘も怒りだし口ケンカとなり、サービスのなんたるかを教えてやると男の言葉に娘はじゃあ見せて見なさいよと言うと
男と娘の立ち位置と着ている服が入れ替わっており、娘が立場を交換したと言って男にキャバクラ嬢として客である自分をもてなせと言う。
そんな馬鹿な事がと男は娘に詰め寄るが、そこでスナックのママにいい加減にしないさいと男が娘として窘められ唖然とし
男の立場になった娘に嘲笑われる。

元に戻す事を盾にされ仕方なしにキャバクラ嬢として娘をもてなすが、酔い潰されてしまい気が付けば娘の姿は無く
男は娘の立場なまま戻れなくなってしまう。


と言うのを妄想した。

488名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/07/01(金) 08:02:35.30 ID:berUG3Du
>487
グッド! 物語を、その「「キャバ嬢になった男」が、後日回想するという形で描くと面白そう。
たとえば、梅雨時の雨がしとしと降る晩、ぶらりと飛び込んで来た一見さんの客をもてなしつつ、
ママが「そう言えば、カンナちゃん(仮称)、前と比べてずっと真心こもって接客が上手になったわね」
とか言う。
で、カンナ(実は元会社員の男)が、「やだ、ママ、昔のことは言わないでよ」と苦笑しつつ、
一年前のちょうど今と同じような雨の夜、初めてこの店に来た時のことを思い出す。
今では店で1、2を争う売れっ娘で、客の評判も上々の「カンナ」だが、その時は……。
てな感じ?
 男→一流大会社……の傘下の中小企業の社員。30歳・独身・恋人なし。
 女→田舎町のキャバクラ風のスナックのホステス。22歳・恋人と別れたばかり。
とかかな。


489名無しさん@ピンキー:2011/07/01(金) 19:06:18.36 ID:uin3gHTF
うむ、続きを書くことを許そう
490名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 02:46:25.33 ID:bGXPipVg
保育士の実習で保育園に実習生として来て1週間
全然馴染めないでいる実習生に園長は一計を案じる
それは園児と同じ目線に立てる様に園児となって生活してもらうと言うものだった。
より現実感を出す為に実際に居る園児になってもらおうと言う事で、年長で背の高い女の子が選ばれ
先生になれると聞いた女の子は喜んで引き受け、女の子の家族も面白がって了解する。

翌日呼び出された実習生はその女の子を紹介され、計画を知らされる
難色を示し断るが、やらないと学校に最低評価にして報告すると言われ、
そうなると単位が足りず奨学金で学校に入った実習生は学費が払えず退学するしか無くなるのでやむを得ず受ける事となる。
いきなり服を全部脱がされ、女の子の着ていたものと交換され、その後から保育園児として扱われる実習生
先生の立場になった女の子に得意満面に指図され、うまく出来ないと怒られたり、
まわりの園児からも馬鹿にされたりからかわれたりする。

ようやく帰りの時間を迎え、終わると思ったら女の子の母親が迎えに来て実習生を女の子として家に連れて帰る。
そこでも実習生は幼い女の子としての行動を強要され、自尊心を損なわされ続け
段々と自分は本当に幼い女の子なのではないかと思い込むことで心のバランスを保とうとする。

そんな事が1週間も続けられ、その後は・・・


と言う話しを妄想した。
491名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 04:05:32.06 ID:n2ayM2qG
>>490
どこかで見たような内容だが好みのシチュだ
こう言うのは陵辱あってこそだな
492名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 13:33:50.16 ID:cLOxIWiV
>>490のss期待
493名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 17:42:41.39 ID:Nb+tigsk
>>490
実習生が男だったらもっと面白そう
494名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 03:39:26.44 ID:yPIjpa+V
作品投稿します。
動物と女の子の立場交換もの。
主に女の子が主眼です。
495甘い恋人:2011/07/04(月) 03:40:44.75 ID:yPIjpa+V

女子高生の智優理(ちゆり)は真面目でお堅いとまわりから言われるそんな女の子だ。
だが最近そんな彼女を一変させる出来事があった。
それは思いを寄せていた幼馴染みの彼、晃太(こうた)に告白をされ、
はれて恋人同士となった事である。
この世の春を迎える智優理だが、そんな彼女も晃太を愛するが故の悩みがある。
その悩みとは

「あ〜、なんでもう私って素直に甘えられないんだろう」

真面目でお堅いで通して来ただけに、恋人である晃太に素直に甘えられないのだ。
本当の彼女は全然お堅くなんかはなく、可愛いものが大好きな甘えん坊であり、
部屋はお姫様ベッドにぬいぐるみだらけである。
真面目でお堅いのはあくまで学校や外でだけ、
中学生になった頃からなまじ成績優勝だった為クラス代表だの生徒会役員だのに選ばれてしまい、
それをこなしているうちに今の様な外面が出来上がってしまったのだ。
無論、幼馴染みでもある晃太は本当の彼女の姿を知っており、
智優理が思いっきり甘えん坊になったとしても何も変わらず受け入れてくれるはずである。

解ってはいる。
解ってはいるのだけど素直になれない。
智優理はそんなお年頃な女の子だ。
496甘い恋人:2011/07/04(月) 03:42:53.61 ID:yPIjpa+V
※ ※ ※

「晃太君、おはよう」
「やあ、おはよう智優理」

朝は智優理と晃太のデートの時間である。
デートと言っても腕を組んで愛を囁き合う様な甘いものではなく、
ただ飼い犬を連れ河川敷を散歩するだけの事だ。
だが二人にとっては至福の時間なのだ。

「ほら、いくよバニラ」
『ワン!』

晃太の飼い犬、ホワイトシェパードのバニラはとても良く懐いている。
5歳のメスで子犬の頃から晃太が大事に育てたのだ。
躾もしっかり出来ており、実に利口な犬で晃太自慢の愛犬である。

「おはようバニラ」
『ワン!』

智優理が声を掛けると返事をし、頭を撫でるとお座りをして尻尾を振って喜ぶ。
本当に素直で良い子だ。

「さあ、行こうか」
「そうね」
『ワン!』

せっかく二人で並んで歩くのだから手ぐらい繋いでも良いのを、智優理はそれすらもせず、
あまつさえ並んで歩こうともしない有様だ。
河川敷に着いてもそれは続き、傍から見ていても到底楽しそうには見えない。

「昨日のVS嵐見た?ジャンピングシューターすごかったよね」
「そうね」

晃太の方は何かと話題を振ってくれているのに智優理はそっけなく返事を返してしまう。
本当はその番組は見ていて、感想を同じくもっと話しを広げたいと思っているのにだ。
そして晃太は別に気を悪くするでもなく、そんな返事でもにこやかに話し掛け続けてくれている。
二人っきりの時ぐらい堅物キャラをしなくても良いと思うのに、
どうしても自分を出せないでいる自分がもどかしい。
497甘い恋人:2011/07/04(月) 03:45:44.93 ID:yPIjpa+V

「さて、じゃあちょっと何時ものして来るから智優理はそこに座って待っていてよ」
「ええ、分かったわ」
「行こうバニラ」
『ワンワン!』

何時ものとは、河川敷の広場を使ったバニラとの追いかけっこである。
晃太が逃げバニラが追いかけると言うものだが、晃太は巧みなフットワークでバニラをかわしている。
バニラも晃太もとても楽しそうだ。
ちなみに本当は許可された場所以外で犬を放つのは、いけない事であるので真似をしてはいけない。

「楽しそうね。私も混ざりたい」

その様子を見つめながら思うわず口に出てしまう言葉、だが思うだけで実際はそれは無理だと考えている。
なぜなら智優理は運動神経が残念な事になっている娘だからである。

「うわ〜捕まった〜」
「わう!」

逃げる晃太に飛びかかるバニラ。
じゃれて居るだけなのだが、そのじゃれ方は半端ない。
対する晃太も何処かの動物愛護家かとも思える様なスキンシップをしており、
抱きしめて舐め返すなど、そこまでするかの可愛がり方だ。

「晃ちゃんとバニラ相変わらずよね。私もあんな風に晃ちゃんとじゃれ合いたいわ」

そんな行き過ぎな飼い犬とのスキンシップを図る晃太の姿を見つつ、
バニラに羨望の眼差しを向ける智優理の表情は恋に悩む乙女のそれであった。

それでも晃太と過ごすこの時間は智優理にとって楽しいものである事に違いない。
そして楽しい時間とは往々にして過ぎるのも早く感じるものだ。

やがて朝の時間は終り、学校へ行く時間がやってくる。
智優理が踏み出せないでいるせいで、今だ学校では二人が恋人同士になった事は伏せてあるので一緒に登校も出来ない。
今日もまた智優理のそんな恋のジレンマに悩まされながらの一日が始まるのだ。
498甘い恋人:2011/07/04(月) 03:47:53.94 ID:yPIjpa+V
※ ※ ※

何時もと変わらない学校生活を過ごし帰宅して、
何時もと変わらない日常を過ごして一日を終えた智優理は目が覚めた時、
そこには見た事もない状況が広がっていた。
それはあり得ない状況だった。

「(え?なに?わたしなんでこんな所で寝てたの?って服着てない!?)」

昨晩は確かに自分の部屋でベッドに寝たはずである。
それが目を覚ませば、なにか狭い所に居て裸で居たのだ。
これで驚かないはずがない。

「(ここどこなの?何か着るもの…)」

状況を整理しようと身体を起こそうとした時、首に違和感を感じ手をやって見る。

「(チョーカー?でもこれから伸びているのは鎖?もしかして首輪!!)」

慌てて身体を起こし、とにかく光がさしている所から外に出た。
視界が開けた先は見慣れた風景

「(ここって晃ちゃんの家のバニラの犬小屋だ)」

何故自分が裸で鎖に繋がれて犬小屋に居るのか全く解らなかった。
こんな姿を人に見られたら終わりだ。
急いで自分の家に戻らなければ

「うぐっ」

焦る気持ちで智優理は駈け出したが、首輪に繋がれた鎖でそれは叶わず派手にひっくり返る。
強かに腰を打ち付けた智優理は涙目になりつつも慌て過ぎだと首輪を取り外しに掛かったその時だ。

「なに騒いでるんだいバニラ?」
「(こっ、晃ちゃん!?)」
499甘い恋人:2011/07/04(月) 03:49:16.35 ID:yPIjpa+V

そこに晃太が現れたのだ。
よりにもよってこんな姿を恋人に見られるなど羞恥心でどうにかなりそうな衝撃が智優理の中を駆け巡る。

『ワン!ワン!(晃ちゃん、これは違うの!)』

智優理は声に出して今の自分の姿を否定しようとしたのだが、その声は言葉にならなかった。

『ワン(え?なに?どうして?)』

智優理の口から出るのは犬の様な鳴き声だけで、言葉を話そうにもそれは口をついて出てこない。
そして自覚は無いままに四つん這いで移動していたのだ。
その事に混乱する智優理だが、晃太はなにも不振に思わず近付いて来てその頭に手を置き撫でる。

「なんだいバニラ、散歩に行きたいのかい?」

撫でる晃太の手に何とも言えない幸せを感じつつも、バニラと呼ばれた智優理は更に混乱する。
優しげな眼差しの晃太は何時もの晃太と変らないのに自分を智優理と見てはいない。
それは自分の愛犬を見つめる眼差しのそれだ。

「じゃあ、今から行こうか?」

言ってリードを取り出すと首輪の鎖と繋ぎ替える。
リードを見て心がときめくのを感じた智優理だったが、このままだと裸のまま連れ出されてしまう事に気が付き、
リードに引かれる力に逆らってその場に止まろうとした。

『ワンワン(晃ちゃんちょっと待って)』
「どうしたんだいバニラ?」
『ワンワンワン!(私バニラじゃないよ。智優理だよ。どうして気付かないの?)』
500甘い恋人:2011/07/04(月) 03:50:18.37 ID:yPIjpa+V

晃太は今の智優理を完全に愛犬のバニラだと思っている様で信じて疑っていない。
何時もと少し様子が違う愛犬の様子に怪訝になりつつも、顔を覗きこんでくる。

『ク〜ン(晃ちゃん…)』
「そんな寂しそうな声を出して本当にどうしたの?」

愛犬の様子の理由が解らない晃太は何時もしている様に頭を撫でた後、抱き寄せて
耳の後ろを愛撫した。

『わう〜(き、きもちい〜)』

そうされると、何とも言えない快感が身体を走り抜けその感覚に思考がとろけそうになる。
され続けるうちに次第に弛緩し、とうとうお腹を見せて地面に転がってしまった。

「ほらほら」
『ハァハァハァ(あぁ、キモチイイよ〜)』

今度はそのお腹を撫でられ、更なる快楽のるつぼに誘われる。
愛撫が終わるころにはすっかり何もかもどうでも良くなり、
ただ単に晃太が好きと言う気持ちでいっぱいになっていた。

「うん、元気になったね。じゃあ行こうかバニラ」
『ワン!(うん)』

元気を取り戻した智優理はうきうきとした気分で晃太に連れられ、散歩に出かけたのだった。
とてもうれしい思いがいっぱいで、自分が裸である事などはもう既に頭には無く、
智優理は四つん這いで本当の犬の様に軽やかに晃太の前を先導する。
むかう先は何時もの河川敷だ。
501甘い恋人:2011/07/04(月) 03:53:59.85 ID:yPIjpa+V

「よし、バニラ追いかけっこをするよ」
『ワンワン!(うんやる!)』
「じゃあ逃げるぞ〜」

そこでやる事はやはり追い駆けっこだ。
運動神経が残念なはずの智優理が四つん這いなのにものすごいスピードで晃太を追いかけている。
晃太は巧みにそれをかわすが、やがて智優理が飛び付くとそのまま抱きとめ地面を背に寝そべった。

「ははは、すごいよバニラ。今日は新記録だ」
『ワン(褒めて褒めて)』

そしてそのまま晃太は過度のスキンシップを始める。
顔を近づけ頬ずりをし、耳の裏を愛撫したりあまつさえ舐め合うように口を重ねるなどある意味変態とも取れる様な可愛がり方だ。
それが本当の愛犬ならそれで良いのかも知れないが、実のところは裸の女の子と戯れている男子と言う光景である。
公共良俗に大いに反するとものであるのだが、まわりから見てもそれは飼い犬とじゃれている男子にしか見えず、
誰もがそれを信じて疑わないでいた。

502甘い恋人:2011/07/04(月) 03:55:26.22 ID:yPIjpa+V

そうして散歩を終えた晃太たちは家へと戻り、智優理は犬小屋に繋がれた。
犬小屋に繋がれると、今まで興奮していた気持ちがだんだんと冷めて行き再び今の自分の状況がおかしい事に気が付く智優理。
さっきまでの痴態を思い出して、赤面し思わず小屋に潜り込んでしまう。

「(なに?何なのこの状況。それにあんな恥ずかしい事)」

さっぱり解らないが、自分は今バニラになっている様なのだ。
自分の手を見ても顔を触って見ても、もとの智優理の姿だと言うのに誰もが自分の事をバニラとして見ている。
悪い夢としか思えない。

「(でも、晃ちゃんとあんな事しちゃうなんて言うのは悪くないんだけど)」

河川敷での事を思い出してにやける智優理

「バニラ、ご飯だよ」

そこへ晃太がバニラの食事をもって戻って来た。
そして小屋の前に犬用の食事を置く。

「ほら、一杯食べるんだよ」

晃太が用意してくれたものでも、いくらなんでも犬のご飯は食べられない。
そう思うのだが、物凄いお腹がすいてしまっておりその誘惑に負けそうだ。
何故だか置いてあるそれがご馳走に見えてならないのだ。

「(…一口だけなら、味見よ味見)」

自分にそう言い訳してとうとう口を付けてしまう。

「(お、美味しい!何これ美味しい!)」

ただの乾燥ドッグフードではないそれは、とても美味しく感じられがっつく様に食べてしまった。
もう大満足である。

「良い食べっぷりだね。元気な証拠だよ」

そんな姿を見ながら満足そうに頷く晃太。
智優理はお腹もいっぱいになって幸せだ。
503甘い恋人:2011/07/04(月) 03:56:14.83 ID:yPIjpa+V

「おはよう晃ちゃん」

だがそこに信じられないものが目に飛び込んできた。
服を着て二足歩行で歩き言葉をしゃべる白い犬。
それは間違いなく晃太の愛犬バニラだった。

「あ、おはよう智優理、遊びに来たの?」
「うん」

そしてそのバニラの事を晃太は智優理と呼んでいる。

「じゃあ、何時も見たく僕の部屋に行こうか?」
「ううん、今日は一緒にお出掛けしましょ?」
「良いけど、智優理が僕と外に出掛けたいなんて珍しいね」
「今日はそんな気分なの」

流暢に言葉を話すバニラに呆気にとられた智優理だったが、やがて事の大変さに気が付きバニラに詰め寄る。

「ワンワンワン!(ちょっと、どう言う事?これはバニラの仕業なの?)」

詰め寄られたバニラは智優理にだけに聞えるよう小声でそっと耳打ちをした。

「大丈夫、心配ないから」

そう告げられると、智優理は何だか眠たくなり、そのまま小屋に入ると眠ってしまったのだ。

504甘い恋人:2011/07/04(月) 03:59:15.01 ID:yPIjpa+V
※ ※ ※

朝だ。
カーテンの隙間から木漏れる光に智優理は目を覚ます。
何だかヘンな夢を見た様な気がする。
でも晃太にめいいっぱい甘える事が出来たとても楽しい夢だったのは覚えている。

「ん〜、良く寝た」

伸びをしながらキャラクターもののデジタルクロックを確認する。
――7月4日 月曜日 7時15分――

「あちゃ〜、寝過ごしたかぁ」

日課になっている登校前の晃太との朝の散歩は5時30分には起きなければならなったのだが、
今日はアラームが鳴らなかったらしい。
残念だが寝過ごしてしまったものは仕方がない。

「あとで登校前に晃ちゃんに謝っておこう」

何時もならこんな事があれば落ち込むであろうが今日は何だか余裕があり上機嫌だ。
智優理は身嗜みを整えると家族と一緒に朝食を摂り家を出た。
そして家を出た晃太を見かけ声を掛ける。

「晃太君おはよう。今朝はごめんなさい」
「おはよう智優理。寝坊したのかい?」
「そうなの、アラームが鳴らなくて」
「そうなんだ」

こんな事で晃太が怒るはずはないとは解っていても、その笑顔を見るとホッとする。

「それじゃ晃ちゃんまたね」
「え?どこ行くの、一緒に登校しようよ」
付き合っている事を隠しているので一緒に登校する訳にはいかず、
少し回り道をしようと智優理がその場を離れようとしたのだが晃太に呼びとめられる。
505甘い恋人:2011/07/04(月) 04:00:38.42 ID:yPIjpa+V

「なに言ってるの?そんなの出来る訳ないでしょ」
「なに言ってるのは智優理だよ。今更隠したってしょうがないじゃないか、
昨日一昨日とあんなにみんなの前で見せつけちゃったんだし」
「へ?なにそれ?」
「なにって、僕達が付き合っていてラブラブだってみんなの前で腕を組みながら寄り添って歩いたり、
キスまでして見せたじゃないか」
「ええ〜っ!」

そう言えば土日の記憶が曖昧だ。
晃太と一緒に過ごした様な気はするのだが、そんな事をした覚えなど智優理には無かった。
だが晃太がそんな嘘をつくとも思えないし、
なにより何かを期待している様な顔がそれに応えたくて智優理には仕方がない。

「ほら、手をつないで行こうよ」
「もう、仕方がないわね」

差し伸べられた手を握ると思わずニヤけそうになるのを堪える。
506甘い恋人:2011/07/04(月) 04:02:14.30 ID:yPIjpa+V

そのまま学校へと近付くにつれ生徒の数も増えて行き、
智優理たちの姿を見止める者も多く出てきた。

「あ、噂のカップルよ」
「ほんとに熱々なのね」
「うお〜本当だ。晃太と柴崎さん付き合ってたのか〜」
「知ってるか?柴崎さんはツンデレだったんだぞ。くっそ〜、そうと知っていれば告白したものを」
「どのみちお前じゃ無理だったよ」

まわりからいろいろな声が聞こえてくる。
もう誰もが二人を認めて居る様だ。
誰もが二人を見ると噂している。
校門前では教師にまで呼びとめられた。

「ちょっと待て、乾と柴崎」
「なんですか先生?」
「別に交際禁止とは言わないが、節度を持ってほどほどにな。柴崎は生徒会役員でもあるんだからな」
「はい先生」

素直に返事をしていったん手を離す二人。
だが、校門から離れるとまた晃太が手を繋いで来てくれた。
それが智優理には嬉しかった。
智優理も思わず自分から身体を寄せてしまった。

「ねえ、晃ちゃん」
「なに?」
「大好きだよ」
「うん、僕も」

人目もはばからず嬉しそうに見つめ合う二人はその場だけが別の空間の様だった。
智優理が夢見ていたものがそこにはあった。
そして二人の唇が重なると、まわりから歓声が上がる。
慌てて駆け寄って来る教師、きっと後で職員室だ。
でもそんな事は気にならない。
だって智優理は幸せだから。

そして幸せに包まれる中、智優理の脳裏には何故か晃太の愛犬バニラの姿が思い浮かび、
今日は一緒に遊ぼうと思ったのだった。


〜終り〜
507名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 07:42:12.95 ID:gR6Rk5oT
良い!!

ずっこく良い!!!
乙っす
508名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 12:55:16.56 ID:DDmdl1jj
乙!この不条理な感じがたまらん!
509名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 15:06:40.97 ID:sUVQTIEy
あげんなハゲ

>>495

いいねぇ
待望の動物もの面白かった
510名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 20:03:47.35 ID:OE6KqDa3
藤林丈司は変態
511名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 21:10:11.13 ID:0HBPOnzU
おお、犬ががんばってくれたんだろうか?いい話だった
512名無しさん@ピンキー:2011/07/04(月) 23:09:08.77 ID:+TPRk3fw
犬GJ!
頑張ってる犬を想像したら面白いなw
513名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 13:41:41.42 ID:ZcoDuQkY
実習生は男で490のSSをぜひ頼む
514名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 20:31:11.35 ID:qhIS5YmZ
>490のせいで妄想がとまらん
女の子の母親とか、周りの保育士から、
「本当は男でしかも大学生なのに女の子の括弧して恥ずかしね」
とか言って、羞恥心を煽ったり
園児からの容赦ない言動にしまいに泣き出したりして、
それを先生役の女の子に慰めてもらったり・・

早くSSを
515名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 21:12:09.65 ID:hAp5g2JX
>494
よし、次は犬の立場になった女の子が人間の立場になった犬に屈辱的な躾をされて最後にはオス犬に犯され孕まされる内容で書いてくれ
516名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 21:54:41.36 ID:ths2uxpj
>>515
むしろオス犬と逆転した女がメス犬と逆転した男とだな・・・
517名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 22:07:48.76 ID:WAYPuUEx
>>516
なにそれ すばらしい
518名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 13:16:13.57 ID:Ir9r8wr+
>>516
お前天才だな

乳牛と立場交換された男が牛に家畜として扱われ、雄牛の立場になった女に孕まされて搾乳されると言う妄想が浮かんだぞ

>>490
実習生が男なのはガチで、お漏らし要素も入れてくれ
立場逆転した女の子にオムツをあてられて惨めな気分になるとかあれば最高だ
519名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 19:21:34.31 ID:mVmFIthD
複雑すぎて訳わからんわ

それって立場交換物でやる必要あんの?
520名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 20:08:46.66 ID:1Pk7r52J
>>518
お前も天才だと思うわ
521名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 21:22:09.92 ID:Ir9r8wr+
>>519
なに言ってんだ
牛が人間のように歩いたり喋ったりして牛舎にいる人間を好きにするんだぞ
そして乳牛の立場にされた男は言葉を発する事も出来ず牛に家畜として扱われ恥辱にさらされる訳だ
そして男なのに搾乳されて牛乳を出すうえに、出を良くするのに交配されて孕まされるとか凄いとか思わないか?
まさに立場交換ならではの倒錯の極みだろうが
522名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 21:36:18.74 ID:hNRNFSqd
牛が人間のように物を考えることができるのに、牛になった人間は思考まで牛にならず、
言葉がしゃべれないだけで物を考えることができるって都合良すぎないか?
あと牛って偶蹄類だから搾乳できないぞ?

フィクションにいちいち突っ込みをいれるのは無粋だってのは承知してるが
あまりにも矛盾(倒錯とも言うのか?)が多すぎて逆に萎える
単純に肉体入れ替わりか、人が家畜として扱われるって程度のほうがいい気がする
523名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 22:01:29.36 ID:Ir9r8wr+
>>522
俺の趣味だよ
手でやらなくても搾乳器とかあるだろ
人の妄想に茶々入れてんじねえよ
お前さんは荒らしか?
524名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 22:12:13.02 ID:1Pk7r52J
身体的な矛盾は過去スレにあったありふれた日常みたいな感じで解決すりゃいいだろ
525名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 22:40:29.13 ID:hNRNFSqd
>>523
小さい矛盾が1つ2つなら妄想の邪魔にならんのだが
(細けえことはいいんだよ(;´Д`)ハァハァって感じ)

大きい矛盾がたくさんあると(;´Д`)ハァ・・・(゚Д゚)ハァ?ってなってしまうんだよ
シチュを妄想しても色んな思考が邪魔して萌えれないというか

まあ何だ、不快にさせてしまったのは謝る
526名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 23:11:16.88 ID:ngVlY2qQ
同じ内容でも良いと思うポイントは人それぞれだと思います。
立場だけの交換・変化って実は、狭い様で多岐なジャンルなんですよね意外と。



527名無しさん@ピンキー:2011/07/06(水) 23:31:09.13 ID:Ir9r8wr+
>>525
言いたいことは分かった
俺も感情的になった
こんな事やり過ぎてスレが潰れるのは避けるべきだしな
528名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 02:25:22.89 ID:+G13AsqI
意見や議論が発生すると云う事は、このスレがメジャーになった証拠ですね。と、誰かが言っていた。
529名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 02:36:40.15 ID:m54hLdE0
>>528
そんなのは気のせいだ
ここに来るや奴なんてせいぜい多くて15人居ればいい方だな
530名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 16:55:24.91 ID:ISbRH7PP
今日は七夕だな
願わくは男女の立場が入れ替わった世界になりますように
531名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 17:34:21.30 ID:+7EH1oUx
俺も願おうっと
男女の立場が逆転した世界になりますように
532名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 17:44:11.57 ID:cS00yGmz
じゃあ俺も
男女の立場が逆転した世界になりますように
533泳ぐ人:2011/07/07(木) 21:39:12.01 ID:5OZM0pX7
#お久しぶりです。少し体調回復してきたので、こちらにも復帰させていただきます。

『泳げ、チハヤちゃん!!』
2話)

 事の始まりは、至極ありふれた兄妹の雑談だった。

 歳の近い兄妹と言えば、幼い頃はともかく、それなりの年齢になってくると、普通はどこかよそよそしくなるか、あるいは兄が妹に過保護になるかの二択だろう。
 その点、彼ら──武内家の兄妹、千剣破(ちはや)とかおるは、兄が16歳、妹12歳になっても、非常に仲が良く、いい意味で「親しい友達」のような関係を保っていた。
 これは、ふたりとも「明るく元気でアウトドア派」という基本的な性向が一致していたのに加え、兄にやや子どもっぽいところがあり、妹はボーイッシュな面が強かったため、よりいっそう趣味や嗜好、思考が近かったことが理由だろう。
 兄妹は無論同級生達と遊ぶことも多いが、家に帰ればふたりでゲームしたり、休日は一緒にサイクリングに行ったりと、共に過ごす時間も多かった。

 6月も終わり、そろそろ梅雨もあけるという時季のある日曜日。何気なく話をしていたふたりは、来週からプール開きだと言う話題になった。
 「はぁ〜、今年もユウウツな季節が来たよ」
 実は、この兄妹、スポーツ好きで運動神経も悪くないのに、泳げないのが泣き所だった。
 溜め息をつく千剣破に対して、かおるはどこか得意そうだ。
 「あれあれ〜、お兄ちゃん、まだ泳げないのぉ?」
 自分と同じくカナヅチであるはずの妹の余裕に、千剣破は不審を覚える。
 「! も、もしかして……」
 「へっへーん、ボク、もう泳げるようになったもーん!」
 なんでも、去年そして今年のかおるの担任である先生は体育大卒で、学生時代に水泳の選手だったこともあって泳ぐのが非常に上手く、昨年の水泳の授業で見事に妹のカナヅチを直してくれたらしい。
534泳げ、チハヤちゃん2:2011/07/07(木) 21:40:17.82 ID:5OZM0pX7
 「かおるの担任って、こないだ家庭訪問に来たあの若い女の先生だよね。美人だし優しそうだし、羨ましいなぁ」
 「うん、ホッちゃん──星乃先生は、学校でも人気あるし、ボクも大好きなんだ。お兄ちゃんも、先生に習えば、すぐに泳げるようになるよ!」
 「はは、本当にそう出来たらよかったのにね。ふぅ……」
 元気がない兄に不審を覚えたかおるが詳しく聞いてみたところ、実は夏休みにクラスの親しい男女数人と海に遊びに行く予定があるのだという。
 「このままじゃあ、桐生院さんにも笑われちゃうだろうなぁ」
 密かに憧れている少女にカナヅチがばれるのが、どうにも気が進まないらしい。
 「そうなんだぁ……お兄ちゃんも先生に習えればよかったのにね」
 兄想いな妹が気の毒に思ってそんな事を呟いた瞬間。
 『話はすべて聞かせてもらった! その願い叶えて進ぜよう!』
 ふたりがいる座敷の天井付近一角にこしらえられた神棚の辺りがピカーと光った。
 「「! もしかして……!?」」
 『呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーーン!』
 今時の子供は知らないような口上ととともに、ポンッ! 身長15センチほどの小さな女の子が宙に姿を現す。
 明らかに人間ではないこの少女の名は、須久那御守(すくなみかみ)。
 武内家の守り神で、本人いわく超有名な神様の分霊──分身みたいなものらしいが、子どもの頃に偶然彼女の存在を知ったこの兄妹は話半分くらいに思っている。
 「ナミちゃん、久しぶりだね〜」
 「2年ぶりくらいだっけ。どしたの急に?」
 その証拠に、彼らの語りかける言葉はあたかも「何年かぶりに会った幼馴染」に対するもののように気安い。
 「──いや、自分で言うのも気が引けるけどさ、汝ら、自分ん家の守護神である我をもっと敬おうよ」
 そろそろ子どもじゃないんだからさぁと、ガックリ肩を落とすナミこと須久那御守だが、言われた兄妹の方は、「何言ってんの、コイツ?」みたいな不思議そうな目をしている。
535泳げ、チハヤちゃん2:2011/07/07(木) 21:41:33.74 ID:5OZM0pX7
 「ま、まぁいい。ところで……話はすべて聞かせてもらった!」
 「話って……お兄ちゃんが未だ泳げないコト?」「おふぅ!」
 妹の悪気のない言葉に密かにダメージを受ける兄の千剣破。
 「うむ。千剣破は早く泳げるようになりたい、かおるはそれに出来れば協力したいと思っておる。そうであろ?」
 兄妹は顔を見合わせ、揃ってコクンと頷く。
 「話によれば、かおるの師は水練の達人らしいではないか。要は千剣破がその師に直接泳ぎを習えば問題は解決するのではないかえ?」
 「まぁ……」「そう、かな」
 「なれば簡単じゃ!」
 そして、そのための「方策」をナミから聞いた時、ふたりはさすがに驚いたが、好奇心旺盛(と言うか、歳のわりに子どもっぽい)千剣破が妙に乗り気になり、かおるとしても興味はあったので、ナミの提案は受諾されることとなった。
 「よしよし。それでは、ふたりとも神棚の前に立つがよい」
 神棚にちょこんと腰かけたナミは、キリリと顔つきを引き締め「キエーッ!」と気合を入れると、手にした大幣(おおぬさ)をふたりに向かって振りかざした。
 大幣から、細かい滴のようなようなものが飛び散ったかと思うと、千剣破たちの頭に振りかかる。
 「あ……れ?」「なんか……身体が」
 興味津津でナミのすることを見つめていたふたりだが、身体に違和感を感じたのもつかの間、そのまま眠るように気を失ってしまった。

  * * *  

 ちはやが意識を取り戻したのは、それから1時間ほどしてからのことだ。
 「あ、ちぃちゃん起きた?」
 どうやら、馨の方が先に目を覚ましていたらしい。ふたりでデートに出かけている両親が、まだ帰って来てないようなのは幸いだった。
 ボンヤリした状態のまま身を起こすと、すぐそばの座卓の上には、ナミがコースターを座布団代わりに正座して、ポリポリとスナック菓子をかじっていた。
536泳げ、チハヤちゃん2:2011/07/07(木) 21:42:54.11 ID:5OZM0pX7
 「あ……えっと、あれからどうなったの?」
 実はふたりとも、ナミからは「我の神術でふたりの立場を入れ換え、ちはやが小学校に、馨が高校に通えるようにする」としか聞かされていなかったのだ。
 できればもっとキチンと説明してから実行して欲しいとは思うものの、やってしまったものは仕方がない。泥縄だが、ナミに詳しい解説をしてもらった結果、以下のようなことが判明した。

 1)現在のふたりの立場──武内家の長男&長女、兄と妹、高校一年生と小学六年生……といった諸々が、すでに入れ替わっているということ。
 2)この術の効果が及ぶのは、現在はこの家の中だけだが、今夜には町内、明日の朝になればこの街全体に広がり、以後も少しずつ広がっていくこと。
 3)術に伴って発生する種々の不都合を極力軽減するため、ふたりの身長を160センチにならして統一したこと。
 4)ちはやが25メートル泳げるようになれば、その日の夜に術を解除すること。

 「1と2はわかるけど、3はなんで?」
 母親似の千剣破は男子高校生としては小柄な163センチ、大柄な父に似たかおるは逆に女子小学生としてはかなり長身の158センチだが、それでも5センチ程の差があったのだが。
 「あくまで立場を入れ換えただけじゃからな。逆に聞くが、あまりに背が低い男子や高過ぎる女子は、変に目立つし不都合もあるであろ? 衣服の問題もあるしの」
 確かに、元のままの千剣破がかおるの服を着るのはサイズ的に無理があり過ぎる。逆も然り。
 元に戻れば背丈も戻ると聞かされ、せっかく伸びた身長を減らされてしまったちはやも不承不承了解した。
 「納得したようじゃな。それでは、ふた親が戻る前に、お主らの着物を取り換えておくがよい」
 「ちょ……「うん、わかったよ」……って、ええっ!?」
 ちはやが抗議しようとする前に、馨があっさり頷いてその場でTシャツに手をかける。
 そのまま、ピンクのロングTシャツ、デニムのホットパンツ、さらにはショーツまでも、パパパッ!と脱ぎ捨ててしまう。いっそ気持ちいいくらいの脱ぎっぷりだった。
 「わわっ、ちょ、ちょっと、兄さん!」
 真っ赤になって慌てるちはやは、自分が馨のことをごく自然に兄呼ばわりしたことも気づいていない。
 「ん? 何?」
 対して、スッポンポンな馨の方が、ごく自然体のままだ。
537泳げ、チハヤちゃん2:2011/07/07(木) 21:43:32.90 ID:5OZM0pX7
 (お、落ちつかないと。ぼくはロリコンじゃないんだから、馨兄さんのはだかなんて見たって……うぅ、やっぱりなんかはずかしい)
 矛盾した感情を抱えつつ、何とか呼吸を整え、自分もその場で服を脱ごう……として結局果たせず、風呂場に掛け込んでTシャツとショートカーゴパンツ、トランクスを脱ぐちはや。
 裸のままでは落ち着かず、無意識にレモンイエローの(本来はかおるが使っていた)バスタオルを身体に巻いて、胸元までしっかり隠してから、脱いだものを抱えて座敷に戻る。
 そのまま互いの服を交換すると、馨の方は躊躇いもなくトランクスに脚を通し始めた。
 (こ、こんなの絶対おかしいよ!)
 対するちはやの方は、顔を赤くしたまま目をそむけ、交換に渡された衣類を抱えて再び風呂場の脱衣所へ戻り、自らの裸身を恥じるようにそそくさと少女の服を身に着ける。
 本来なら、いくら仲の良い妹とは言え、年下の女の子がついさっきまで着ていた服を下着に至るまで平気で身に着けることには、大いにためらったはずなのだが……。
 どういうワケか、この時のちはやの脳裏からは、そういった意識がスッポリ抜けていた。
 「はぁ〜、やっと落ち着いたかも」
 元より夏場と言うこともあって軽装だし、フェミニンな服装を好まないかおるの着ていたものだ。むしろ中性的と言っても差し支えのない格好ですらある。
 しかしながら、ちはやは、鏡に映った姿──少女向けブランドのロゴの入ったピンク色のロングTシャツと、ほとんど太腿の付け根までむき出しのホットパンツ姿の自分から目を離せなかった。
 中性的とは言え紛れもなくそれは「少女」の装いであり、それを自分が着ていることに違和感を感じずにはいられないはずなのだが、その感覚はごく僅かで、むしろフィット感と言うか、今の状態こそしっくりくるような気がしたのだ。
 そんな自分に気づくと、フルフルと頭を振り、ワザと乱暴に洗面台で顔を洗ってから、ちはやは馨達が待つ座敷へと戻った。
538泳げ、チハヤちゃん2:2011/07/07(木) 21:44:14.24 ID:5OZM0pX7
 「ねぇ、ミナの術って、ぼくと馨兄さんの「立場」を入れかえただけなんだよね? 記憶とか性格とかは、いぢってないよね?」
 多少落ち着いたところで、心配になったので聞いてみる。
 「うむ。基本的にはその通り。しかし……記憶と言うか一部の知識については、交換してある。いくら何でも小学生レベルの知識で、まともに高校生活を送れるとは思わぬであろ?」
 「それは……うん、しかたないかも」
 体育以外の成績があまり芳しくない千剣破と異なり、かおるは学業面でも秀でた文武両道な子だったが、さすがにそのままでは高校の授業についていけまい。
 「代わりに汝には「小六女子には必須の基礎知識」が備わっておる。その点は心配は無用」
 これまでもミナは(時には突拍子もないことをしでかすとは言え)、基本的には武内家の守り神らしく千剣破達のことを色々と気遣ってくれてきた。今回のコレも、千剣破の願いを汲んでのことなのだから、悪いようにはすまい。
 そう考えると、ちはやも幾分気が楽になった。
 「そうだよね。じゃあ、めったにできない経験なんだし、なりゆきにまかせて楽しんでみよっかな!」
 いつもの楽観思考を取り戻して一気に顔色が明るくなった「妹」の様子に苦笑しつつ、馨は密かに心の中で呟いていた。
 (でも、それにしては、僕もちぃちゃんも、随分元の「ボクたち」とは性格とか変わってるような気がするんだけどなぁ……)

 ──そう、確かにミナは直接的にふたりの性格に干渉したワケではない。
 しかし、立場を交換したことによって、ふたりはそれぞれ「もし自分が女(男)だったら、どうするか」と言うシミュレーションを無意識に行い、その結果に基づいて行動してたりするのだが……それに気付いている者は、この時点ではまだ誰もいなかった。

-つづく-
539名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 21:45:20.00 ID:5OZM0pX7
#とりあえず、今回はここまで。次回は、元兄、小学校へ行くの巻です。
萌え描写がうまくできるとよいのですが。
540名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 22:59:05.96 ID:m54hLdE0
>>539
復帰おめ
続き期待している
541名無しさん@ピンキー:2011/07/07(木) 23:15:00.42 ID:ISbRH7PP
待ってましたのGJ!
チハヤちゃんの女子小学生生活が楽しみだ

そう言えばゆあゆうの続きも気になるが、続きまだかの
542名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 00:00:59.86 ID:zEGJjLFt
>>539
待ってました!やはりあなたの書くお話しは素敵です!さすがのGJです!
チハヤちゃん良いよチハヤちゃん、萌えですよ。
ナミは気さくな神様なんですね。
ナミならここのみんなの七夕の願いも叶えてくれそう^^

>>541
ゆあ・ゆうはもう1ヶ月も続き書いてなかったですね^^;
元々書くの遅いのに思いつくままに他のを書いてしまってるので、
気にして頂きありがとうございます。
そのうちになるのでお待ちいただければ幸いです。

543名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 00:21:25.01 ID:VcOc1Tx1
朝起きたら>>530-532の願いが叶ってて・・・とかなんないかな
544542:2011/07/08(金) 00:48:21.28 ID:t1QSbBLM
神様の名前を間違えるとは><
ミナ様お許しを〜

私はこう言うぬけている所を七夕でお願いして直したいです^^;
ってもう終わってるよね七夕。
545名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 01:04:17.83 ID:qa1MfAh5
朝起きたら男女逆転の世界になってたとして
自分だけはもとのままの記憶を持っているのと
全員が昨日までの記憶はあるのに、今日からは男女逆転なんだと受け入れて行動するしかない世界
どっちが好みだろうか?
勿論どちらの場合も服とかの持ち物や生活環境は逆転したものに変換されているのは前提だ


さあ、そんな世界を体験したい奴は早く寝るんだ
七夕の奇跡を信じてな
546名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 01:07:50.03 ID:nkFu7snx
周りは違和感を持たずに行動しているけど、自分だけが気づいている
というのが好み
547泳ぐ人:2011/07/08(金) 01:19:07.40 ID:OfXoQA5a
>544
や、ナミで合ってます。スク「ナミ」カミだから。
書いてる自分が間違えてどーすんだ>>538
548494:2011/07/08(金) 07:44:31.47 ID:t1QSbBLM
そう言えばお礼を書き忘れていました。
「甘い恋人」にコメント下さった方ありがとうございます。

あと、リクエストの方は申し訳ありませんが私には難しいかもしれないです。
書いて書けない事もなさそうですけど…

ここってやっぱりダークな方が好きなんです?
549名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 20:42:10.07 ID:Xpj8Xjmj
>>545
アレか?
男がセーラー服着てたり
父さんが家で家事してたり
工事現場に女が働いてたりしてるのか。

画像ないかな?(チラ
550名無しさん@ピンキー:2011/07/08(金) 22:10:40.46 ID:VcOc1Tx1
>>549
それ普通の光景じゃん
結局男女の立場逆転の願いは叶ってなくてがっかり、オマケに今朝スーツ着た痴女にスカート越しにお尻触られて最悪だったわ
立場逆転したら女みたいに立ちションしたり、腕相撲で妹に勝ったりとか夢がひろがりんぐ
551名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 15:57:39.63 ID:44ixSb47
552名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 22:15:09.42 ID:crrpPf2M
>>551
言葉は解りませんが面白かったです。
教えて頂きありがとうございます。
553名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 22:43:12.47 ID:8rgU1PB2
>>551
俺もこんな感じの立場交換能力が欲しい
554名無しさん@ピンキー:2011/07/09(土) 23:13:19.24 ID:wI64hLin
>>490
早くSSを〜
辛抱たまらん!!
555名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 01:46:29.19 ID:FR4NRmCY
出会い系サイトの立場交換バージョンみたいな設定を思いついた
条件の合致する相手を検索して知り合ったあと双方の合意があればその場でパソコンごしに立場交換
その後は実際に出会うなり、チャットで会話するなりできる。戻りたいときはどちらか一人の意思で自由に交換解除できるとか
556名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 21:07:47.68 ID:9zzRmcdZ
>>551
雰囲気しかわからなかったけど、面白かったです。また何かあれば紹介してください。
557名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 21:22:10.03 ID:x11qGn4i
もしも誰かと立場交換することができたら誰とする?
558名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 23:38:06.10 ID:+AWE/A0e
>>557
女児か幼女
559名無しさん@ピンキー:2011/07/10(日) 23:40:11.79 ID:FR4NRmCY
>>557
女だったら誰でもいいや
560名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 20:15:26.47 ID:j9vWrCWk
>>558
>>559
おまえらTSしろや
561名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 22:26:41.48 ID:zJRGKN8W
あだち充のアイドルAと言う漫画が立場交換で該当作品でした。
内容は野球が得意なアイドルの女の子が野球選手の男子と入れ替わって
野球をすると言うもの。
二人は髪型と服装を替えるとうりふたつで、
女の子が野球選手をする時は男子が女の子としてアイドルをしており、
本当に立場交換をしています。



562名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 22:31:51.14 ID:7DO1WGXe
作品自体の面白さは置いておくとして
あの判子絵じゃ萌えるものも萌えないけどなw
563名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 01:16:27.56 ID:ecNuQkd7
>>561
情報ありがとう
面白そうだがまだ本になってないんだな
不定期連載の様だから目にするのはまだ先そうた

俺的にはあだち充って凄い漫画家なイメージあるんだけどな

ところで誰かここの2スレ目のログ持ってないか?
1スレ目は408が貼ってくれたお陰で見れたんだが、ググっても2スレ目は完全なの見つから無くてな
564泳ぐ人:2011/07/12(火) 04:12:50.14 ID:+rVupkp6
#皆さんのご要望に添えないかもしれませんが、「泳げ!」の続きです。

『泳げ、チハヤちゃん!!』
3話)

 「zzzzzzzz……」
 起きていると騒がしい子も寝ている時は天使みたい、とはよく言ったもので、健康優良&明朗快活がウリ(やや度を越してる感もあるが)の武内家の「娘さん」も、布団に入ってる時は、傍から見てもなかなか愛らしく見えるものだったりする。
 が。
 仮にそうであっても、平日の朝にいつまでも惰眠を貪っていてよい理由にはならないのが道理で。
 「コ〜ラ〜、ちぃちゃん、さっさと起きろーー!」
 ──このように「兄」によって起こされるハメになるワケだ。
 「イタタタタ……うぅっ、耳ひっぱるなんて、ヒドいよ兄さん」
 右手で眠い目をこすりつつ、ちはやは布団の上に上体を起こした。
 「優しく口で呼んでるうちに起きないからだよ。
 ……まったく、立場を入れ換えてもこういうトコロは変わんないだから」
 馨の台詞の後半は小声で呟かれたので、まだボーッとしているちはやには聞こえていないだろう。
 そう、実は、ちはやが「千剣破」で馨が「かおる」であった時も、寝起きの悪い千剣破を起こすのが、早起きなかおるの役目だったりする。
 兄と妹という立場が変わっても、こういう生活態度などの細部はそのままというのが、中途半端というか微妙なところだ。
 「もうそろそろ朝ご飯ができるからね。……くれぐれも二度寝したりしないように」
 「は〜い」
 返事ばかりは元気な「妹」の様子に溜息をつきながら、馨は部屋を出て両親の待つ階下へ降りて行った。

 「ふぅ……しかたない、着がえよーっと」
 幸か不幸かそろそろ夏の日差しが眩しい季節であったため、冬場などと違い、さほど布団に未練を残さず、ちはやは布団から出てググッと伸びをする。
 活発な「彼女」にしては珍しく、薄桃色でフリルやリボンで飾られたフェミニンなデザインのパジャマを着ているが、これは昨晩「デート」から帰って来た両親にお土産として渡されたものだ。
 それ程うれしいわけでもなかったが、せっかく買って来てくれたのだから、一度くらいは着てみることにしたのだ。
 しかし、いざ袖を通してみると、有名子供服ブランドの品だけあって、肌触りが非常によく、装飾の多い割にこの暑さでも着心地は悪くないので、デザインには目をつむる気になっているちはやだった。
 とは言え、そこはまだまだ小学生。自室でひとりと言うこともあり、とくに恥じらうこともなくパパッとパジャマとショーツを脱ぎ捨てると、昨夜のうちに用意しておいた白い下着の上下に着替える。
565泳ぐ人:2011/07/12(火) 04:13:13.90 ID:+rVupkp6
 発育の良い(あるいは色気づいた)子なら、そろそろ「ランジェリー」と呼べる代物を身に着けているのだが、そういうことに無頓着なちはやの場合は、近所のユニクロで母親に買ってもらった、シンプルなデザインの女児用ショーツとスポーツブラを着ている。
 もっとも、ブラについては実は必要性が皆無に等しいのだが、その辺は何だかんだで微妙なお年頃ということだ。
 上に着るトップはマリンカラーの半袖ポロシャツでよいとして、ボトムについて考え込むちはや。
 (スカートはあんまり好きじゃないけど、今日はプールがあるしなぁ……)
 水着に着替えるときは、スカートやワンピースの方が断然楽なのだ。
 しばしの思案ののち、先日買ってもらったばかりのデニムのミニスカートをタンスから取り出し、足を通す。
 「あ、わりとイイ感じかも」
 この季節なので、開放感のある短めのスカートのほうが、下手なパンツルックよりは涼しく快適なようだ。
 短めの髪にササッとブラシを入れて整え、右の前髪を掻き上げると、普段はめったに使わないヘアクリップで留めてみる。鏡に映る自分の姿は、いつもの活発なイメージを崩さない程度に女の子らしい感じがした。
 「♪〜」
 何となくご機嫌になって部屋を出、階段を降りると、ダイニングにいる両親に朝の挨拶をする。
 「お父さん、お母さん、おはよ〜」
 「む、おはやう」
 「はい、おはよう。そろそろご飯できるから、顔洗ってらっしゃい」
 父が新聞を見たまま生返事をして、母が優しく微笑む。
 洗面所でバシャバシャと顔を洗って、自分の家でのシンボルカラーであるレモンイエローのフェイスタオルで顔を拭いてから、食卓につく。
 母の向かいに座り、母や右隣の席の「兄」の馨とおしゃべりしながら、ダイエットなんて無縁の旺盛な食欲を示してペロリと朝食を平らげる。
 食事の後は、広めの洗面所で兄と並んでペパーミント味の歯磨きで歯を磨く。
 それは毎朝くり返されるおなじみの光景。
566泳げ、チハヤちゃん!!-3:2011/07/12(火) 04:14:04.95 ID:+rVupkp6
 しかし……。
 「うむ、汝ら上手くやってるようじゃな」
 鏡に映る1/10サイズの小さな少女の姿を目にした瞬間、そのまやかしが解ける!
 「あ、ナミ! あれ? ぼく……いや、僕………えぇっ!?」
 瞬時にして、朝起きてからの自分の行動を思い出し、真っ赤になるちはや──いや、千剣破。
 「うわぁ〜、ぼく、どうして……?」
 「あ、やっぱり、ちぃちゃん意識してなかったんだ」
 対して、兄──というか「兄」の立場になってる馨の方は、キチンと自覚があったのか、さして慌てている様子はない。
 「ふむ。やはりカオルには術のかかりが甘いか。ま、汝は昔から我の幻術もたやすく見破っておったしな」
 このあたりは、同じ血を分けた兄妹とは言え、持って生まれた資質の違いだろう。
 「お蔭様で。でも、まぁ、多少言動は男の子寄りになってるみたいだし、知識もしっかりあるから、たぶん問題ないと思うよ」
 「汝はソツがないからの。それに比べるとチハヤの方は大惨事のようじゃが……」
 下手すると普段のかおる以上に「女の子」してた自分に対する羞恥で、頭がいっぱいになって固まっているちはやを見下ろして、呆れ半分、同情半分といった視線を向けるナミ。
 「このままだとマズくない?」
 「致し方あるまい。
 ──こりゃ、チハヤ、しっかりせぬか!」
 ナミはふよふよと宙に浮かぶと、手に持ったミニサイズの大幣でポカリとちはやの頭を殴りつける。
 「いった〜い……ちょっと、ナミ、痛いじゃない!!」
 「朝っぱらからシャンとせぬからじゃ。ホレホレ、そろそろ8時じゃぞ?」
 「あ、やば。今朝はアキちゃん達と待ち合わせしてたんだっけ」
 パタパタとせわしなく洗面所を出て、ランドセルを取りに自室(この場合は、昨日までのかおるの部屋を意味する)に戻るちはや。
 「ナミ、何かしたの?」
 「なに、軽い暗示をかけたまでじゃ。心配せずとも、数時間で自然に解ける」
 「兄」とお節介な守り神のそんな会話も知らずに、武内ちはやは、桜庭小学校に通う六年生の女の子として、家を飛び出していくのだった。

-つづく-
567泳げ、チハヤちゃん!!-3:2011/07/12(火) 04:14:26.83 ID:+rVupkp6
#とりあえず、短めですが朝の風景。小学校の友達(正確にはかおるの友人ですが)と会うのは次回に。
#ちなみに、ちはやの外見イメージは、某みなみけのマコちゃんを想像してみてください(さすがにあの子よりはやや背が高めですが)。
568名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 07:40:06.18 ID:BsVtP/gC
乙です
569名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 11:40:56.95 ID:2sCkFzGz
乙!
570sage:2011/07/12(火) 18:31:45.80 ID:qoB1SSHn
おお!「泳げ、チハヤちゃん!」の作者の人復活してる!
待ってましたとても嬉しいです!
そしてGJ!早速楽しませてもらったぜ
571名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 20:05:11.11 ID:Q2S5qUnr
あげんなハゲ

つうかもう絶対わざとだろ?

572名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 20:06:24.51 ID:Q2S5qUnr
>>567
GJ!
573名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 21:04:20.18 ID:o8bWfZNX
>>571
こうですか?わかりません
574名無しさん@ピンキー:2011/07/12(火) 23:01:14.87 ID:KiJ0iuVW
>泳げ、チハヤちゃん!! 3話
GJです!
自然に可愛いパジャマから妹の服の着替えてしまうチハヤちゃんに萌えですよ^^
『ちはやん』と呼びたいw
575408:2011/07/13(水) 01:04:26.84 ID:Z2mIu1xD
>>563
ググってみたけど、2交換目の完全な過去ログ読めた。
上から目線の言い方なので反応がないんだと思う。もう少し自分で検索方法も工夫して探すのが吉。
576泳ぐ人:2011/07/13(水) 08:38:33.28 ID:uVTE3+qh
皆様ご感想ありがとうございます。
女子小学生描写の参考にしようと、最近アニメ化された某籠球ラノベを読み返したりしてみたのですが……あの娘ら、セレブかつ天使過ぎて「フツーの子」の参考にならねぇw
続きの4話は遅れめ&冗長気味(下手すると前後編分割)になるかもしれません。よろしければ気長にお待ちください。
577名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 15:34:41.47 ID:Z8qdZm6a
>>548
別にダークじゃなくてもいいがな
出来れば犬の立場になった女の子の排泄シーンとかを追加するといい
電柱にマーキングしてしまったり、排泄物を恋人に処理されて羞恥に喘ぐとかな
自分の出した恥ずかしいモノを好きな人に持ち歩かれて悶えるとか見たいね
あとは犬用のおもちゃで遊ぶシーンとか
ロープとかがじがじかじってご満悦するとかな
要するに犬の立場になった女の子の描写を多くしてくれれば満足だと言うことだ
まあ、ダークとかホラーテイストがあれば言うことはない
もしそんな展開でも最後に女の子がそれを受け入れて幸せを感じている的な終わりにすれば良いんじゃないか?
あくまで俺個人の好みなので参考程度にしてくれ
お前さんには期待している
578名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 18:50:19.50 ID:lDvh/gTu
やっぱりあんたすげえよw

その類まれなるリビドーを作品化してはいかがかと進言してみる
579名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 21:22:11.54 ID:olwQ6nUh
>>577
俺的には飼い主と飼い犬同士の逆転の方がなんかそそる。
飼い犬に「ふせ」とか「まて」とかいわれて嫌なのに言われるがままになる上に
犬になった人間は犬語しか話せないとか。また屈辱的でいいね
更に言うと世界中の人間と犬が逆転した世界が俺は好み。
犬になった人間はみんな屈辱的になるも立場が上な犬には攻撃できず人間はドン底…サイコー
580548:2011/07/13(水) 23:02:57.18 ID:6+4HxBIH
>>577
期待して頂き大変ありがたいのですが、なにぶん未熟者ですので^^;

そこまで詳細な考案がおありでしたら、
578さんが仰る様に御自分で書かれた方がよろしいのではないかと。
きっと素晴らしいものが出来ると思いますよ。
581名無しさん@ピンキー:2011/07/13(水) 23:47:55.35 ID:ckNDkJYa
>>579
最高じゃん
582名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 01:13:21.97 ID:rghuKrOl
まぁ、「どんなシチュのSSが見たいか」を述べるのは、(スレの本旨に反しない限り)間違いじゃないって思う。
──それを書くことを書き手に強制しなければ、ね。
580さんの言う通り、そこまでの妄想力があれば自分で書いてみるのも手だよ?

……もっとも、少なくとも自分は、自分で書いたSSには、いくらソレが好みのシチュであっても萌えられなかったりすけるけど(笑)
自炊料理と同じで、文章の校正とか添削とかしてると、どうしてもお腹いっぱいになっちゃうんだよね〜。
583名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 15:45:58.97 ID:2wZW8ZBE
>>575
そこは
「知っているがお前の態度が気に入らない」
だろ
584名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 15:48:28.29 ID:2wZW8ZBE
>>563

             「 ̄ `ヽ、   ______
             L -‐ '´  ̄ `ヽ- 、   〉
          /           ヽ\ /
        //  /  /      ヽヽ ヽ〈
        ヽ、レ! {  ム-t ハ li 、 i i  }ト、
         ハN | lヽ八l ヽjハVヽ、i j/ l !
         /ハ. l ヽk== , r= 、ノルl lL」
        ヽN、ハ l   ┌‐┐   ゙l ノl l
           ヽトjヽ、 ヽ_ノ   ノ//レ′
    r777777777tノ` ー r ´フ/′
   j´ニゝ        l|ヽ  _/`\
   〈 ‐ 知ってるが lト、 /   〃ゝ、
   〈、ネ..         .lF V=="/ イl.
   ト |お前の態度が とニヽ二/  l
   ヽ.|l         〈ー-   ! `ヽ.   l
      |l気に入らない lトニ、_ノ     ヾ、!
      |l__________l|   \    ソ


585名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 18:50:04.19 ID:53jrpK+d
一々AA使ってまで昔のどうでもいいやりとり掘り返すなよ
586名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 21:09:14.79 ID:fdVR/ZnJ
かまわない
別にどうでもいいし
587名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 21:14:03.33 ID:uZOdfyGQ
男女の服装が逆転
「おらー!スカートめくり!!」
「何すんだ健太!」
「あははっいいじゃないか、義彦!」

「やーね、男子は。」
「セーラー服、涼しそうねぇ…アタシは学ランだから暑いわ…」
「男はオシャレできるから羨ましいよね」
「そうよね。女はスカートはくと変な目で見られるし。」
588名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 22:00:01.66 ID:aAY82WEn
微妙にこれも該当かな
http://mbstruth.com/mbs_truth/Frontpage.html
589名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 22:01:11.18 ID:X220PlBs
小ネタ乙

しかし490のSSが見たくて仕方がない
お願いしますSSを下さい
590名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 22:32:22.56 ID:LKYeCVL8
>>588
確かに女装好きやTS好きには物足りないが、該当だな
立場交換としてはなかなか良さげじゃないか?
絵は好きだ
591泳ぐ人:2011/07/16(土) 12:54:08.76 ID:lciD8+wC
#望まれているものとは違いますが、お中元代わりにどぞ。

『泳げ、チハヤちゃん!!』
4話・前編)

 朝方、ナミ──須久那御守は言った。
 ちはやにかけたのは、軽い暗示で数時間で解ける、と。
 そして、それは確かに事実だった。
 ふたりの会話を聞いてなかったちはやにしても、ナミとのつきあいは短くないので、暗示が解けた今、おおよその事情は理解できている。
 (けど、いくらなんでも、こんなタイミングで素にもどることはないんじゃない!?)
 今のちはやは、紺の女児用スクール水着(一部の人には残念なことに競泳タイプだ)と白い水泳帽という格好。
 そう、4時間目の今からまさに水泳の授業が始まる──正確には、プールに入る前の準備体操をしようと言う段階で、ちはやの暗示が解けたのだ。
 途端に、つい先程までごく当り前のように着こなしていた紺色のワンピース水着の感触に多大なる違和感を感じるハメになった。まぁ、それでも、何とか悲鳴や大声をあげなかっただけでもよしとしよう。

 せめてもの救いは、女子更衣室で着替えている最中でなかったことか……。
 小六ともなれば、発育の早い娘はそれなりに女の子らしい下着をつけていたりする。特にロリコンでないとは言え、彼女いない歴=年齢の純情な16歳の少年にとっては、そんな環境で平常心を保つのは少々ホネだったろう。
 さっきまでのちはやは、普段あまり履かない(!)スカートのおかげで水着に着替えるのが楽チンなのを、むしろ喜んでいたくらいなのだが。

 もっとも、小学校の時間割を知らないだろうナミに当たっても仕方ないことはわかっている。
 いや、あるいは、本来の目的からすると、むしろソレを見越して術をかけたのかもしれない。暗示にかかった状態で泳ぎを習っても、素の人格に戻って泳げるようになるかは不明だろうから。
592泳げ、チハヤちゃん-4:2011/07/16(土) 12:54:41.87 ID:lciD8+wC
 「どうかしたの、ちはやちゃん?」
 「う、うん、なんでもないよ、アキちゃん」
 親友(ただし自分ではなく妹の、だが)の秋枝の気遣うような声に、極力平静を装いつつ、ちはやは無意識にお尻のあたりの水着のラインをさりげなく直している。
 長身で顔もかなり可愛らしく、さらに明るく気さくなかおるは、男女問わずクラスで人気が高い。現在その立場を受け継いでいるちはやのポジションも、当然そう見られている。
 そしてさらに言えば、小学生とは言えそろそろお年頃の男子連中にとっては、気になる女の子の水着姿と言うのは、どうしても意識せざるを得ない代物で、人気のある娘には自然と視線が集まるのだ。
 男性としての自覚を(完全ではないが)取り戻したちはやにとって、その理屈は理性の面では納得できるものの、反面、「女の子」としての感情面からは、どうも生理的に受け入れ難い。おかげで、先程からどうにも落ち着かない気分になっているのだ。

 「は〜い、ちゅうもーく! それじゃあ、みんな、プールに入る前に、まずは準備運動しよっか」
 ちょうどその時、プール脇の教官室から、水着の上にウィンドブレーカーを羽織った女性が姿を現した。
 身長155センチ足らずと今のちはやより低く、顔も美人というより可愛い系なため、下手すると女子大生どころか女子高生に見えかねないが、これでも25歳で6-Bの担任である天迫星乃だ。
 もっとも、さすがにれっきとした大人の女性だけあって、体の凹凸に関してはむしろグラマーと言ってよいレベルだった。
 (うわぁ……星乃先生って着やせするタイプなんだぁ)
 特に胸の辺りは、長身のわりに貧乳どころか無乳と言って差し支えないちはやが本気で嫉妬したくなるくらいの、豊かでかつ大き過ぎない絶妙なラインを保っている。
 ──しかし、ちはやは気づいてないのだろうか? 本来の「千剣破」であれば、いかに健康優良児とは言え(いや健全だからこそ)、それだけの"ブツ"を目にして思わず前屈みになってもおかしくない状態だということに。
 まぁ、ガン見しているという点では似たようなものだが、理由が「欲望」ではなく「羨望」に無意識にすり替わっていることを、ちはやは未だ自覚していなかった。

 「隣りの人とふたりひと組になって、いつもの柔軟体操開始ね。あ、あぶれた人がいたら、言ってねー。先生がペアになるから」
 「ホッちゃん先生」の愛称を持つ星乃は、美人で優しく、また生徒に親身になって教えてくれることから、非常に人望が高い。
 普通六年生ともなれば、教師の言うことを聞かない子がそれなりに現れるものだが、6-Bに関しては男女とも非常に聞き分けがよいのは、彼女の人徳の賜物と言うべきだろう。
 「じゃあ、ちはやちゃん、組もっか」
 「うん。お願いするね、アキちゃん」
 ちはやもまた周囲の流れに従って、仲の良い秋枝とペアになって準備運動を始める。
 元よりスポーツ全般は得意だし、この「いつもの柔軟体操」についてもかおるからもらった知識があるため、とくに問題なくこなせる。
 心配していた「年下の女の子との接触」も、相手が千剣破としてもよく知ってる秋枝だったためか、それほど意識するようなことはなかった。
 もっとも、ふとした弾みに、自分が女子用水着を着ていることを自覚して、微妙な気分になることは、ままあったワケだが。
593泳げ、チハヤちゃん-4:2011/07/16(土) 12:55:04.72 ID:lciD8+wC
 「さて、じゃあ、いよいよプールに入るわけだけど……いきなり飛び込んだりしたらダメだよ。プールサイドの階段から、ゆっくり水に入ってね」
 こういう時は、たいがいお調子者が言いつけを破って飛び込んだりするものだが……。
 幸いと言うべきか、その「お調子者」に本来該当するはずのちはやも、水場が相手では勝手が異なりおとなしくしているので、星乃の言いつけは守られることとなった。
 「うん、みんな先生の言うこときいてくれてうれしいよ。その御褒美ってワケでもないけど、今日は一学期最初のプールだから、最初の15分間は自由にしまーす。ケガしない程度に元気に楽しく遊びましょう!」
 星乃の太っ腹な提案に歓声が上がった。

 この暑い季節にプールで水遊びできるとなると、仮に小学生ならずともテンションが上がろうと言うもの。
 それでも自由時間が終わる前に、本来の目的を思い出したのは、さすがと褒めるべきなのだろうか?
 ──まぁ、その直前まで、紅緒秋枝や田川ククルとキャアキャア言いながら水かけ合って戯れていたという事実に目をつぶれれば、の話だが。
 「(やっぱりなんだか子どもっぽくなってる気がするなぁ) あ! 星乃せんせー、ちょっといいですか?」
 「あら、武内さん、どうかしたの?」
 ほんわり優しい笑顔を向けられて、ちょっと幸せな気分になるちはや。
 「(う〜ん、兄さんのことは大好きだけど、やっぱりお姉さんも欲しかったかも……じゃなくて!) その、ちょっといいにくいことなんですけど、ぼくに泳ぎを教えて欲しくて」
 「ええ、もちろん構わないわよ。あれ、でも確か武内さんは去年……」
 ちはや(本当はかおる)に指導した記憶があるのだろう星乃が少し訝しげな表情を見せる。
 「はい、せっかく教えてもらったのに、すみません。どうも1年たったら泳ぎかたを忘れちゃったみたいで……」
 自分でもかなり苦しい言い訳だと思ったのだが、善意の塊りのようなこの女教師は、にこやかにちはやの謝罪を受け入れてくれた。
 「そう。確かに武内さんが上手く泳げるようになったのって、一学期最後のプールの授業の時だったものね。わかったわ。先生に任せてちょうだい♪」
 元々水泳部出身で水泳好きの魂に火がついたのか、喜んで頭の中で指導計画を立てているらしい星乃の様子に、「早まったかも」と僅かにひきつるちはや。
 (あ! そ〜言えば、星乃先生ってたしか体育大学出身だっけ。意外に熱血体質?)
 とは言え、元に戻るためには「浮輪やビート板の助け無しで25メートル泳げるようになる」ことが、ナミに言われた必須条件だ。
 流石に今日一日で何とかなるとはちはやも思っていないが、少なくとも夏休みが始まるまでには何とかしたいと考えているのだから、ここは多少のスパルタな特訓も甘受すべきだろう。
594泳げ、チハヤちゃん-4:2011/07/16(土) 12:55:40.79 ID:lciD8+wC
 そうは思いつつ内心はビクビクしていたちはやだが、意外なほど(と言っては失礼だが)星乃の指導は穏当かつ真っ当なものだった。
 「じゃあ、武内さん、まずは顔を水につけてみて」
 流石にそれくらいは、ちはやにもできる。
 「つぎは、そのまま水の中で目を開けるの」
 これが最初の難関だった。だが、幸いにして、他にカナヅチな生徒がいなかったため、星乃がつきっきりで指導してくれたおかげで、プールの授業が終わる頃には、ちはやは何とか「ふし浮き」から「ばた足」程度はできるようになっていた。
 (うわ〜、さすが馨兄さんが言った通り、教えるのが上手いなぁ)
 小学校一年生の頃からずっと、泳げないことに密かにコンプレックスを感じていたはずのちはやが、たった30分足らずの指導でこの段階まで漕ぎ着けるとは、もしかして星乃の指導者としての適性は群を抜いているのかもしれない。
 「うん。いい感じ。さすがに一度泳げただけあって早いね。じゃあ、次の授業ではクロールか平泳ぎを覚えましょ」
 ちはやに優しく微笑みかけると、星乃はプールから上がり、他の生徒に体育の授業の終わりを告げる。
 「ちはやちゃん、どう? また泳げるようになったの?」
 「う、うん。まだバタ足だけだけど……」
 心配してくれた秋枝に、口ごもりながら答えるちはや。
 「それでもスゴいですわ。やはり運動神経がいい方は違いますのね」
 かなりいいトコのお嬢様であるククルが感心したように言う。もっとも、それを言うなら彼女の方こそ、12歳にして日本ジュニアテニス界期待の星と呼ばれている逸材なのだが。
 「ちはやちゃん、スポーツ万能だもんね」
 「えへへ、そんなことないよ」
 口では謙遜しつつも、根が素直なちはやは「親友」達に褒められて嬉しそうだ。
 「じゃあ、着替えよっか。あたし、もうお腹ぺっこぺこ」
 「あ、ぼくもぼくも!」
 少女達(まぁ、正確には約1名「少年」が混じっているわけだが)は、キャッキャ言いながら足早に女子更衣室へと向かうのだった。
595泳げ、チハヤちゃん-4:2011/07/16(土) 12:56:02.95 ID:lciD8+wC
 (う、う〜ん。別に不都合はないんだけど……何だかなぁ)
 数分後。更衣室で私服に着替えながら、ちはやは内心苦笑していた。
 どうやら、他の人間に「6−Bの一員である武内ちはや」として話しかけられると、ごく自然に「12歳の女の子」として対応してしまうらしい。逆に言うと、こんな風に黙ってひとりで考え込んでいる際には、元の「千剣破」としての意識が強くなるのだ。
 とは言え、完全に「千剣破」に戻っているわけでもないらしい。
 その証拠に、誰に教えられたワケでもないのに、「彼女」はバスタオルで身体をよく拭いたのち、まずはスクール水着の両肩の紐を外してから、ハーフトップ状のスポーツブラをかぶって着け、そのまま水着を腰まで下げていた。
 そのままインディゴブルーのミニスカートを履いて、残った水着を脱ぐ。念のためバスタオルで軽く拭いてから、フロントにピンクのリボンのワンポイントがついた白いショーツに足を通した。
 それは、彼女もいない高校生の少年が知るはずもない、女の子の水着からの着替え方だった(もっとも、コレは小学生だからこそで、もう少し年長になれば別の着方をするのだが)。
 やや履き込みの深い女児用ショーツの股間に違和感を感じるのは、男としての意識故か──あるいは、「女の子」として、あるはずのない股間のブツに慣れていないからか。
 深く考えると煮詰りそうだったので、ちはやは思考を一時放棄して、身体の動くままに任せた。その方が、手間取らないからだ。
 (まぁ、しばらく……たぶん今週いっぱいはこのままなんだから、多少は流されててもいいのかな。とは言え、あんまり「女子小学生」に染まり過ぎちゃうのも、問題だよね)
 と、「彼女」にしては珍しく頭を使っていたのだが。
 「ちはやちゃん、ちはやちゃん、今日の給食はビーフシチューとキノコのリゾットだって!」
 「デザートはフルーツ杏仁豆腐みたいですね」
 「ホント? ラッキー!!」
 既に着替えて待っていてくれたふたりの友人の言葉を聞いた途端、思考が小学生化してしまうのはお約束と言うべきか。
 いや、元々ちはやは(そして、かおるも)かなりの健啖で、いわゆる「色気より食い気」タイプだから、ある意味仕方ないとも言えるが。
 「今日の配膳当番はサキちゃんだから、大盛りしてもらえるかなぁ」
 「クスクス……ちはやさんったら」
 「ちはやちゃんは、それだけ食べても太らないんだから、羨ましいなぁ」
 「そのぶん、運動してるからねッ!」
 パタパタと駆けて行く「3人」の姿は、誰がどう見ても可愛らしい小学生の女の子だった。

-後編につづく-

──────────────────
#予想通り長くなりました。とりあえず、ここでいったん切り。これでようやっと4話前半。まだ後半があるのですが、さらに長くなりそうな予感がひしひし。この連休中にできれば完結させたいトコロなのですががが。
596名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 13:03:39.35 ID:VuUkd1T/
乙!
GJ!
597名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 13:55:35.67 ID:FbVBn87s
598名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 14:16:25.18 ID:U9JuaM/p
もう容量オーバーか、早いな

>>595
超乙
良い作品ですなあ( ´∀`)
599名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 01:24:02.01 ID:0Ee0E8yc
>泳げ、チハヤちゃん!!4話 前編
GJです!
小学生女児に馴染むチハヤちゃんいいよチハヤちゃん
ちはやん萌えですよ。
競泳タイプでもワンピースなら全然おいしいですよ。
にしても星乃先生ってちびっ子お姉さんなんですね
良いキャラです^^
600 【東電 55.8 %】 :2011/07/17(日) 08:30:33.25 ID:tzwc3ou2
埋めていいですか?
601うめ:2011/07/17(日) 09:03:58.47 ID:pvwJFAAz
「健やかなるときも、病めるときも」神父が厳かに読み上げる。「真心を尽くすことを誓いますか」
「誓います」私は朱唇を動かして、そう応える。

 今日は妻と死別してから20年、男手ひとつで育ててきた息子の結婚式だ。
 身内の贔屓かもしれないが、中々真っ直ぐな好青年になったと思う。
 嫁となる女性も、気のきくしっかりした、好感の持てる美人だった。

「新郎の父親が式場で泣くのはどうなんだろう」そんなことを思いながら、式場についたのが今朝のことだ。
 係の女性に案内され、ついた先で着替えとメイクをさせられる。鏡の中には、礼服をきた男性ではなく、
純白のドレスで身を包んだ美人が映っている。
 小柄で細いほうとは自覚しているが、それでも中年男性では絶対入らないような細身のドレスだ。両手で
掴めそうなウェストと、弧を描く背のラインが女らしい。
 顔は嫁そのもので、それが何故か自分の動き通りに動く。
「奇妙な夢だな」ありえなさ過ぎる事態に遅まきながら気づいた。何か私は、そういう願望を持っていたの
だろうか。

 その姿のまま会場に入る。
 新郎の家族席に座る「自分」を見つけ少し強張った。よく見ればそれは自分ではなく嫁なのだが。
 式は恙無く進行し、誓いのキスもして完了した。

 ……結婚式から3年過ぎた今も、夢はまだ醒めていない。
 毎晩仕事で夫の帰りが遅いのが不満だが、それ以外は普通の新婚生活にも慣れた。
 夫の実家に帰るたび、義父(の姿をした嫁)に、「子どもはまだなのか」と訊かれるのが少し憂鬱ではあるけれど。
602名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 17:55:03.10 ID:wrf1ddwr
小ネタ乙
603名無しさん@ピンキー:2011/07/17(日) 22:52:27.98 ID:PilCKgW6
男女の服装が逆転2
「プールだぜ!義彦!」
「うひょ―!女子の海パン姿!!」
「腰のラインがエロイぜ!!」


「男子たち、こっち見てるよ…」
「あの男なんかスク水の股間部分が膨らんでるわ…」
「やーね」
604名無しさん@ピンキー:2011/07/18(月) 23:13:20.78 ID:miXnYokt
男女の服装が逆転は、服装以外の状態が
・髪型や化粧などは元の性別のまま。社会的立場もそのままで、肌を晒す事などの意識差は逆転
・髪型や化粧などは元の性別のまま。社会的立場もそのままで、肌を晒す事などの意識差もそのまま
・髪型や化粧なども逆転。社会的立場はそのまま。肌を晒す事などの意識差は逆転
・髪型や化粧なども逆転。社会的立場はそのまま。肌を晒す事などの意識差はそのまま
・髪型や化粧なども逆転。社会的立場も逆転
のパターンが考えられるけど、どれが一番「ツボ」なのかなぁ

個人的には「髪型、化粧逆転。社会的立場はそのまま。肌を晒すことなどの意識差は逆転」が好みなんだけど
605名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 00:10:12.13 ID:16rkb2Zy
ありえないけど
新スレと今のスレの立場交換が起こったら恐ろしい
606名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 00:15:09.74 ID:oroGYlVC
>>604
俺としては社会的立場と体力とかの身体機能も逆転して欲しい
607名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 01:10:03.03 ID:onMR+bTF
>>603
一番最後のが好きです。
体格は元のままだけど、身嗜みとかファッションが入れ替わっているのが良いです。
ついでに社会的立場も入れ替わっていると更に良いと思います。
小学生の男の子がOLの制服を着て会社で働いていたり、青年が女児服着て学校に通ったり、
おじさんがギャルメイクでミニスカートにブラが見える様な制服の着こなしをして街中で駄弁っていたりとか。

でも、逆に男装の時は髪型とかは元のままの方が良いかな。
派手なヘアスタイルなギャルがくたびれたスーツでとぼとぼ通勤するとか、
かわいい女の子が工事現場でツナギ服着て威勢よく檄を飛ばして指示をしているとか、
清楚な感じの女子がチャライ恰好でナンパをしていたりなど。
妄想が広がります。

>>605
もう既に交換されていると思う

608名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 01:29:58.84 ID:16rkb2Zy
夏と冬の立場交換
あまり意味無いか
609名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 13:33:06.34 ID:oroGYlVC
>>607
優等生男子とバカなヤリマンビッチが立場逆転したり
不良がおとなしい文学少女の立場になったり
デブなオタク女が運動神経抜群のスポーツマンとしてサッカーで大活躍したり
上品そうな熟女が男子学生の制服着て猥談してたりとかも面白そう
610名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 16:59:53.29 ID:w7P4wGaU
なんて言うんだろう。
書き手本人じゃなくて、主人公(語り手)のSかMかで傾向を二分できそうな気がする。
立場交換された主人公がひちすらうろたえる(M系)様子を愛でるか、
立場交換した主人公が、なった立場を堪能し穢す(S系)様子にニヤニヤするか。
611名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 00:57:47.35 ID:P/5kirqQ
>>610
ここはM系が多い感じだな
S系ってなんかあるっけ?
612名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 01:30:43.15 ID:KDu5zYq8
210のやつなんてモロにSな話なんじゃないか?
キャラが気に食わないだの立場交換の要素が薄いとか女装ばかりな話するなとか散々言われてる話
俺は好きだが流れ的にその時はGJ出来んかった
こう言う話また無いものかね
613名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 01:58:03.94 ID:Rsc/22Et
梅と紫蘇の立場交換
614名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 05:07:34.74 ID:Tv3LfxWK
梅の花が刺身の脇にいたり、紫蘇の実をカリカリかじったりするんだな。
615名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 14:42:58.42 ID:53azYjCf
>>612
お前もか 同士よ
616名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 16:23:39.57 ID:B3kpRCB0
もうすぐこのスレも寿命が尽きるな
ひとつゲームをしようじゃないか
>>620をゲットした奴に一度だけ立場交換をする力を与えよう
自分に使うも善し、誰かと誰かを交換するのも善しだ
動物や物に使ってもかまわない
ただこの能力はあくまで個別に対してのものだ
世界の摂理を変えることまでは出来ない
そこは留意しておくことだ
さあ、ゲームを始めようか!
617名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 19:41:59.85 ID:0T2g+ySj
>>616
つまり取ったら貴方が俺希望の小説を書いてくれるって事?
618名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 23:00:55.39 ID:wXrwiJ8v
書いてくれたら嬉しいけど、ただのネタなんじゃないかな。
もしゲットしたら>>616さんとメイドさんロボットを立場を交換させて見るとかしますw
619名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 11:30:07.26 ID:oH2DVtTf
>>618
ロボか〜、そのネタは思いつかなんだなぁ……いいね!

金儲け&効率至上主義で、残酷ではなくとも人の情を気にしない若き資産家。
ただし、彼がそうなったのは理由があり、幼い頃に両親を失くし、発明家の祖父に引き取られて育ったものの、祖父の発明品は企業に安く買い叩かれた。
苦労しながら自分を育ててくれた祖父が亡くなったのを目にして、世間に復讐してやると決意、祖父の遺産(発明品込み)を最大限有効活用して今の会社を築いた……とか。
そんな人間不信な彼は、自宅にも人を置こうとしなかったが、ある日、偶然秘密の地下室から見つけたメイドロボ(祖父作)を起動させ、ちょうどいいと屋敷の管理を任せることに。
まるで心配性なオカンのようなメイドロボ(モデルは祖父の亡妻、つまり主人公の祖母)の諫言を受けつつも、改める気の無い主人公。
メイドロボは意を決してある晩、同じく祖父の遺産(ただし欠陥品)である「因果交換装置」を作動させる。それによって、本人達同士以外の世間からは完全に
 ・主人公→メイドロボ
 ・メイドロボ→その主である若社長
として扱われることになる。
 「心根を入れ換えたら元に戻す」と言われて、仕方なくメイドロボとして「主人」に仕えることになった主人公だが……。

──という話を妄想した。
620名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 14:19:45.74 ID:qJ519fy+
>>521だな
621名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 17:14:06.00 ID:lV6ONDSt
>>620
GJ
622名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 18:40:26.26 ID:SRutLVcH
物好きな
620は牛と立場を交換し、牛に飼われ乳牛とし搾乳され
子牛を孕み、また搾乳される毎日を送る事になるのか
そして最後は食用とされ生涯を終える訳だな
623名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 19:14:51.68 ID:zTmNZ3cp
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                 , ─ヽ
________    /,/\ヾ\   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/'''  )ヽ  \_________
||__|        | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\  /   ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/        = 完 =
624名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 01:12:11.43 ID:5R4/Tjgl
>>618
メイドロボと立場交換されると人権無くなるし、ロボだから充電はされるが食事は与えられない様なあつかいをされるんだな
そして人間のそれもご主人様の立場になって歓喜するメイドロボに逆らう事も出来ずこき使われると
当然性処理にもご奉公する事になる

あんた結構鬼畜だな(ほめ言葉)
625名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 00:01:15.15 ID:YrrrhbsC
タンポンとの立場交換
626名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 18:48:42.04 ID:UUIBNrTz
どういう事だw
627名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 18:32:05.69 ID:of1CVJi+
夢と現実の立場交換
628名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 01:03:06.89 ID:N5qMgDrx
阿藤快と加藤あい
の立場交換
629名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 01:05:57.24 ID:N5qMgDrx
浜田雅功と大橋のぞみ
の立場交換
630名無しさん@ピンキー
岡村隆史と青木裕子
の立場交換