【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 32フラグ目
ここは鎌池和馬氏著作、『とある魔術の禁書目録』『とある科学の超電磁砲』『ヘヴィーオブジェクト』のエロパロスレです
カップリングやシチュエーション、エロの有無を問わずSSは常時大歓迎。
ただし、特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合や調教、鬼畜や陵辱物など)。
投下前にカップリングの表記があるとなお良いです。
このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
次スレは要領が480KBを越えるか、レス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
荒らし煽りはスルー。雑談は雑談スレに行きましょう。
ルールを守って、気持ち良く楽しみましょう。
前スレ
【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 31フラグ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1292488980/
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てめえの幻想を
>>1乙する!
こ、こんなものでよろしいでせうか
>>1ンデックスさん?
新スレ一発目にしては恐縮ですがエロ無し姫神ネタを6レス投下。
全編姫神口調なのはご愛嬌で。
いざ、次レスより投下開始なり。
上条当麻と言う人間は。相当に鈍感だと思う。
ほら。今もこうやって。私がずっと視線を送っていても全然気が付いてくれない。
「姫神ちゃん。教科書の128ページからお願いしますなのですよー」
あ。今あくびをした。あれ? そうかと思ったら目を閉じた。
「姫神ちゃん? 聞えていますかー?」
あ。こくり。こくりって。授業中なのに。寝た……の?
「姫神ちゃん!!」
「はい?」
急に大声がしたので少しビックリした。
それから気が付けば。視界の端にピンク色をしたものが上下している。
なので視線をそっちに向けると。むくれた顔をした小萌先生が。腰に手を当ててこっちを睨んでいた。
「何?」
「何じゃないのですよ姫神ちゃん! 今は授業中なのですよ、じゅ、ぎょ、う、ぎゅ、う! 判っているのですかー!」
「小萌先生。そんなに興奮しなくても。今が授業中なのは判っている」
そう答えると。小萌先生の顔が髪の毛の色と同じ位ピンク色に染まる。
「判っているならちゃんと返事をして下さいなのですー!! さあ姫神ちゃん教科書を持って!! 128ページから読んで下さいなのですよー!!」
やっと小萌先生が興奮している意味が理解出来た――そうか。私は指名されていたんだ。
そう気が付けば。教室中の視線が全て私に集中していた。
(皆が私を見ている)
そう意識すると途端に顔が熱くなって来た。
私は慌てて教科書を手に取ってページをめくる。
そしてその合間にチラッと視線を彼に向けてみた。
(寝てる……)
相変わらず彼の関心の中に私は居ない様だ。
私は君にこんなに関心を持っているのに。
失礼だと思う。本当に。本当に。
放課後。
彼に不平不満をぶつけようと待ち構えていたら。彼は土御門君と青髪君に連れて行かれてしまった。
暫く呆然と立ち尽くしたが。多分彼は直ぐには帰ってこないだろう。
ならば作戦変更。
「あいさ、いらっしゃい。さぁ、あがってあがって♪」
暇を持て余していたのだろう――この学園都市(まち)に来て2番目に友達になった。インデックスと言う名前の少女が嬉しそうに出迎えてくれた。
綺麗な銀髪に綺麗な青い瞳をした外国の少女は。何時も真っ白な修道服を着ているから。多分。修道女なのだろう。
私が胸から下げている十字架も彼女がくれたものだ。
それにしても。この少女は何故。彼と一緒に暮らしているのだろうか?
「どうしたの、あいさ? 変な顔して」
「あ。何でも無い。それより今日来たのは――」
訪ねた訳を説明をしようとした時。何かが足元を走り抜けて行った。
「スフィンクス!?」
そう名前を呼ばれた三毛猫は。一度だけ振り返ると私が来た方向――エレベーターのある方に向かって走って行ってしまった。
「あ、こら、また逃げだして! 駄目なんだよ!」
そう叫びながら彼女が飛び出して来た。
そしてそのまま猫を追って居なくなってしまった。
暫くまた呆然とする私。
「おじゃまします」
取り合えず。留守番も兼ねて中で待たせてもらう事にした。
相変わらず雑誌やら。食べ散らかしたスナック菓子の袋やら。台所には洗っていない食器がそのまま置かれている。
以前から少女の生活能力が壊滅的だとは知っていたから特には驚かないが。これはちょっと酷いので。申し訳無いが片付けさせて貰おう。
雑誌は本棚へ戻す。
ゴミはゴミ箱に捨てる。
食器は洗って。水気を取って食器棚に仕舞う。
「よし」
ひと仕事を終えて一息つく間も無く誰かが帰って来た。
「ただいまぁ」
彼だ――待ちに待った相手が帰って来た。
早速出迎えようとした所で。私の中にふっと悪戯心が芽生えた。
そのまま私は玄関に向かう。
彼はまだ靴を脱いでいる所だ。
(大胆になれ。私)
私は大きく深呼吸しながら自分自身に気合を入れる。
そして。おもむろに下げられた彼の頭を抱きしめた。
「お帰りなさい」
「ただいまインデ……」
彼の声が途中で凍りつく。
それ以上に。私の心が凍りついたのは言うまでも無い事だった。
「彼女とは何時もあんな事を?」
お互い座って開口一番に私がそう切り出すと。彼は視線をさ迷わせながら。引き攣った頬を指でかいた。
「いや……ま……」
「否定しないんだ」
「あ、い、いやぁ……」
「やっぱり。否定しないんだ」
私はムカムカしていた。
ひとの気も知らないで惚気やがったなコイツ。
私はテーブルを避けて這って回り込むと。彼の肩をドンと押してやった。
「うおわっ!?」
案の定彼は苦も無く床に転がった。
そのお腹の辺りに私は馬乗りになる。
「ひ、姫神ッ!?」
彼の声が驚愕に裏返る。
おかしい。私はこんな事をする為に来た筈では無いのに。
でも私は止まらない。
太ももの辺りに彼のお腹の感触を感じる。
彼の胸に掌を当てると。固い感触と共に彼の力強い鼓動が感じられた。
早鐘を打つようなとはこの事か。
きっと。私も。同じ位ドキドキしている。
私はそのままグイッと体を前に倒す。
すると長い髪がサラサラと滝の様に彼の顔に落ちて行く。
そして。私はそのまま更に上体を倒すと――。
「ひめ」
まだ何事か言う彼の唇に自分の唇を押し付けた。
ひくんひくんと彼の体が小さく跳ねた。
一度。唇を離して彼の瞳を覗き込んで見る。
「なん……で……?」
唖然としてそんな事を聞いて来るなんて。君はどこまで失礼なのか。
私は苛立ちに任せてもう一度口づけをした。
今度はさっきよりも無遠慮に。考えうる限り生々しく。
まずは押し付けた唇を。首をねじって押し付けて彼の唇を割る。
そしてこちらも唇を開くと。重力に従って口の中に溜めこんだ唾液が彼の中に流れ込む。
「う゛」
そこに私の舌も一緒に潜り込ませて。彼の舌を抑え込む。
「う゛、こ」
彼が呻き声と共に私の唾液を嚥下する。
ゴク。ゴクと音が聞える度。私の内側から何かがせり上がって来る。
「どう? これで判ってくれた?」
唇を唾液まみれにして荒い息を履く彼を見下ろす。唇を離した私はまずそれを彼に聞いてみた。
すると彼は。
まずこちらをチラリと見た。
その視線が不意に外される。
「ごめん」
その瞬間。私の中で何かが砕け散った様な気がした。
今。何処かの公園のブランコで揺れている。
そして。その隣にはあの子――インデックスが私と同じ様にブランコに乗って揺れていた。
そんな彼女の左頬が赤いのは。私が頬を打ったせい。
正確には彼に向って振り下ろした。それを彼女が代わりに受けたのだ。
そして私の左頬が赤いのは彼女に打たれたせい。
そして。彼女に手を引かれるまま。気が付けばここにいた。
「私。駄目だね。やっぱり彼の側にいる資格が無い」
冷静になって考えれば。私が彼にした事は全部ただの我がままだったのだと判る。
もう彼に合わせる顔が無い。
もう駄目だ。消えてしまいたい。
「それは無理かも」
「え?」
まず私はその言葉に我が耳を疑った。
そうしてから慌てて横を向く。
「資格が有るか無いかはとうまが決めるんだよ。あいさが駄目だって、無理だって決めたって……とうまが諦めなかったら無理なの」
「それは。そう。だけど……」
だけど。
「彼。ごめんって言った」
自分でそう言ってズンと心が重くなった。
彼女から視線を前方に戻す。そして地面をじっと眺めた。
その視線の先に影が出来た。
「あいさ」
「何?」
呼ばれたので心無く返事を返した。
すると彼女は公園の入口の方を指差した。
その仕草。意味は理解出来なかったけど何かが私の心をかき乱す。
(まさか)
そして。彼女の指差す先。その人物はまるで示し合わせたように現れた。
「姫神!! インデックス!!」
馬鹿げている。本当に。本当に馬鹿げている。
息を切らして彼が目の前に立っても何か信じられない気がした。
「さ、探したぞ、姫神っ」
「ごめ……ん。なさ……い」
急にのどがひり付いて言葉が上手く出ない。
そもそも頭も回らないから喉がまともだったとしても何も言えなかっただろうけど。
そんな時だった。
「あいさ」
言葉と共に髪を引かれる感じがしてそちらに振り返った。
無防備に。まさか彼女にキスされるなんて思わなかったから。
「!?」
「な、何やってんだインデックス!?」
ギョッとしている間に柔らかい感触は直ぐに離れた。
「私だってとうまにキスした事なんてないんだから」
「おいちょっと待てよインデックスさん。カミジョーさんすっかり置いてけぼりなんですけど……」
何か雑音が煩いけど。今。彼女は何と言った?
彼女は。まだ。キスをしていない?
と言う事はもしかして……。
「私が? 彼の?」
「知らない。でも、私はとうまとはしてないのはまぎれも無い事実なんだよ」
チョット不貞腐れた感じに言う彼女が何だか可愛らしく見えた。
「ごめん」
「謝ってる割りに嬉しそうなんだよ」
「そ。そうかな」
私は自分の頬に手を当てた。
ちくっと痛んだのは先ほど頬を打たれたせいだろう。
でも。熱いのはきっと違う。
私は彼がもっと進んでいるものと思っていた。でも。本当は違っていた。
そんな私の目の前に掌が差し出される。
視線を上げれば。
「えっと、ぅ……、な、何だ、そのぉ……帰ろうか?」
彼は困った様な表情をしていたから。
「迷惑だった?」
彼は何と答えるだろう?
けど。答えを貰う前に手を掴まれて引き立たせられた。
そのままポンと彼の胸の中に収まる。
ああ……。遠い記憶では何度も味わった気がするのだけど。意識してこうされるのは初めてかもしれない。
「(迷惑なんかじゃねえよ)」
「え?」
今度は本当に聞えなかったから聞き返したのだ。
なのに君と来たら。
「インデックス」
今度は頬を膨らませている彼女に掌を差し出しているのだから。
「この。女の敵」
至近距離から脛を蹴ってやった。
「ぐあ!? 何をするんですか姫神さん」
「何をするかじゃ無い。君は。一度女の子で痛い目を……いや。これ以上ライバルが増えても困るからいい……」
ふふ。本当にどうしてやろうかこの野郎。
「げっ!? 姫神の顔に深い陰影が……!?」
「(あいさ、あいさ)」
「何?」
いつの間にか回り込んで来た彼女が何か呼んでいる。
「(面白い事を思い付いたんだよ)」
彼女はとってもとっても悪い顔をしていた。
だから私は一も二も無く彼女の言葉に耳を傾けた。
「それで一体全体何故俺は縛り上げられて下半身丸出しなんでせう?」
ちょっと2人掛りで隙を突いて彼を縛り上げた。
案外ちょろい。思わず笑ってしまうくらいだ。
「ふふふ。知りたい?」
「いや全然知りたくないしその前に縄を解いてズボンをはかせて欲しいのだが?」
「駄目なんだよ。それじゃあ何のためにとうまをこんなにしたんだか判らないかも」
「インデックスまで!? つかもう聞きたくないけど何をするつもりなのかおし……何で2人とも服を脱いでるんですか!?」
「「知りたい?」」
「いや知りたいとかそんなんじゃ無くてこの話は何と無くいい感じに終わるんじゃなかったのかッ!?」
「ありえない」
「幻想だね」
私と彼女は目配せしあってにっこり微笑む。
一方。彼は顔をあんなに引きつらせて。
「ふ、不幸だああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
まだ泣くには早いと思う。
おわれ
以上です。
誰か題名付けてくれるとうれしいかも。
では。
>>19 Aサイドさん、お久しぶりです。
「タイトル付けてね♪」って、ナニ無理難題吹っかけてんですか!?
……で、ふむ。
これは、『既成事実で。今日から私も居候』とか、そんな感じになるのかな……?
姫神には『大胆』とか『ヒロイン』って言葉を是非とも入れてみたいし……
一人称は過去の回想、日記みたいだし……
……結論。「レスに困るようなこと言わないで〜」ってことでw
(そういや、過去にクイズみたいなの出題した人もいたなぁ……)
こんにちは、以前2本ほど投下させてもらった者です。
昨晩12巻を読み返していたら、おかしな毒電波を受信したので投下させて頂きます。
他の方の投下直後で申し訳ありませんが、今投下しないといつできるかわからないので…すいません。
注意書き
※NTRネタを含みます。人を選びます。苦手な方はスルーしてください。
※キャラ崩壊です。NTRネタという以上、男性がゲス化して女性はビッチです。そういうのが嫌いな方は今すぐ逃げてください。
※エロというよりは小ネタです。そこまでエロくないと思うので、ズボンは下ろさずそのままで。変な期待をしないほうが幸せです。
※以上の注意書きをよく読んでお使いください。
『信じて送り出した愛しい彼女が別主人公の変態調教にドハマリしてアヘ顔ピースサインでビデオレターを送ってくるなんて…』
上条当麻は、数日ほど前から違和感を感じていた。
いつもはやかましいほどにひっついてくる、同居人であり恋人でもある彼女がなぜかよそよそしかった。
いつもは出不精だった彼女が、しきりに外出したがっていた。
どこにいくのか問いただしても言葉を濁すばかりで、帰ってくるのは夜遅くである。
心配して何度も尾行してみることもあったが、毎回上手い具合に撒かれてしまう。
何が彼女に起きているのか、もしかしたら何かとんでもないことを抱えているのではないか。
そのことが気になって、眠れぬ夜を何度過ごしたことか。
その疑問に終止符を打ったのが、学生寮の郵便受けに入っていた、ある一つの映像ディスクだった。
何の変哲も無い市販のDVDディスクだが、小さなメモ用紙がつけられている。
『親愛なる三下(ヒーロー、とルビ振り)くンへ』と書かれた、小さな紙が。
はやる気持ちを押さえて、ディスクをプレイヤーに押し込む。
映し出されたのは、何の変哲も無いベッドの上で一組の男女がまぐわっている映像だった
男の方はどこかで見たことがある。
あの白髪に、不自然なまでの白い肌、細い二の腕、少々おかしな模様をしたブランド物の服…… 学園都市の第一位『一方通行』だ。
何度か直接対峙したことがある彼にとっては、見間違うはずも無い男である。
だがそれよりも目を引かれたのは、その少年に抱きついて腰を振っている少女のほう。
長い銀髪をキラキラと輝かせながら、見たこともないような蕩けた顔をしている少女。
それは彼の同居人であり恋人でもある、インデックスその人に間違いなかった。
『おい、呆けてンじゃねェよ。 カメラの向こうの三下に挨拶してやれ』
インデックスを背後から押さえ込み、彼女の秘所に自身の性器を出し入れしながら、一方通行は耳元でそう囁いた。
彼は赤い瞳を爛々と輝かせて、嗜虐心に溢れた様子を隠すこともなくインデックスを犯していた。
そして彼女をカメラのほうに向け、カメラの前にいる上条に『挨拶』をするように促すと
『あはぁ…… とうま、ねぇ…… 見てる?』
聞いたこともないような甘ったるい声で、カメラに向かってインデックスが喋りかける。
碧眼をとろんとさせながら、見たことも無いような淫靡な表情を浮かべて。
『もうだめなんだよ…… ぁは…… 私の身体、もうこの人のものになっちゃったんだよ……』
『だとよォ…… なァ、聞いたか? 街中で会う度にメシたかってくっから、ちょっと教育してやったらこのザマだ。
テメエの恋人さンは、三下のセックスじゃ満足できねェような、とんだド淫乱シスターだったみてェだぜ?』
一方通行が後ろから突き上げるたびに、彼女は歓喜の声を口から漏らす。
まるでカメラを向けられていることが、上条に見られていることが至上の喜びであるかのように。
『とうまがいつも優しくしてくれるのは嬉しいんだよ? とうまのことは大好きだし……私の一番大切な人。
でも、私の身体はもうそれじゃ満足できないんだよ…… ごめんね、とうま』
涙を浮かべながら、ベッドに四つんばいになって喘ぎ声を上げる少女。
その涙は、恋人を裏切っているという行為への自責の念故か、カメラの前で背徳的な行為をしているためのものか、はたまた快楽によるものか。
『とうま、私はね…… んひぃ!』
バシン! と、何かを引っぱたくような快音がした。
一方通行が、インデックスの白い肌を平手で叩いたのだ。
そして彼女は、それを拒絶するどころか、痛みの余韻にうっとりとした表情を浮かべながらこう続ける。
『あひっ! こうやって叩かれたり! 焦らされたりしたほうが悦ぶっ! 変態なんだよっ!
とうまの優しいセックスじゃ全然満足できないんだよっ! はぁぁ!』
バシン、バシン! と音が響くたびに、彼女の絹のような肌に赤い痕が残される。
まるで新雪に残された足跡のように、征服感をそそるような傷跡が。
『ま、そういうワケだ。 テメェのやり方じゃ満足できねェンだってよォ…… かわいそうになァ』
『ぁ、だめ…… いや、いいのっ! 私のエッチな姿、とうまに全部見て欲しいんだよっ!』
一方通行は彼女の身体を起こし、体制を背面座位に入れ替える。
カメラに向かって、二人の結合部分が強調されるような姿勢になっていることに気づいたのか、インデックスは思わず嬌声を上げる。
『んぁぁっ! この人っ! とうまよりずっと上手なんだよっ! 私の気持ちいい場所、全部わかってるみたいにっ!』
涎を垂らしながら、目の焦点を滅茶苦茶にしながら、インデックスは叫ぶ。
一方通行の手が、彼女の柔らかな太腿を叩く度に、舌をだらりと出してだらしない嬌声を上げる。
いつものあどげかい笑顔も、時折見せる聖母のような包容力に溢れた顔も、最早どこにも無い。
そこにいたのは、恋人以外の男に引っ叩かれ、嬲られて歓喜の声を上げる、ただの雌だった。
『ココだよなァ? 奥突かれながら、太腿をブッ叩かれンのが弱いンだよなァ!
画面の前のヒーローに…自分の女も満足させらンねェ三下にもっとよく聞かせてやれよッ! 誰がテメェのご主人様かよォッ!』
『あっ、あっ―――! あくせられーたっ! あくせられーたーがご主人様っ!
いいの! とうまよりずっと激しいんだよっ! もっと、もっとぶって! もっと気持ちよくしてっ!』
画面の向こうにまで振動が伝わってきそうなほどの激しいストロークに、インデックスは既にグロッキー寸前である。
一方通行の手が彼女の身体を叩く度に息絶え絶えな声を上げながら、身体を弓なりに仰け反らせる。
『それはそうと、もうイきそうなンだがよォ…… なァ、どうして欲しい?』
『はひっ! ひっ―――ひぃぃ! らめ、らめぇ! 膣内っ! ナカに出してぇっ!
とうまに、とうまに見られながらイッちゃううっ! 一番好きな人に、一番だらしない顔見られて種付けされちゃうんだよっ!』
自ら足をがっちりと一方通行に絡ませ、膣内射精を要求するインデックス。
そして……
『とうまぁ、見てぇ! 淫乱シスターのだらしないアクメ顔見てぇ! んぁ、ああ――――――っっっ!!!!』
そして感極まったのか、画面に向かって両手でピースサインをしながら、禁書目録の少女は果てた。
背徳と羞恥と、悦びに塗れた表情をしながら。
直後、画面が切り替わる。
全ての映像が流れきったのだろう。
ザー、という砂嵐の音だけが、学生寮の部屋に響いていた。
普通の人間であれば、この映像にどのような感想を抱いただろう。
恋人を汚されたことへの怒りだろうか。
それとも、自分が満足させられなかったせいでこうなってしまったことへの後悔だろうか。
もしくは、何もかもが嫌になって、世界に絶望してしまう人間もいるかもしれない。
だが映像を見た彼の頭に浮かんできた感情は、怒りでも嫉妬でもなかった。
彼はプレイヤーからDVDを取り出すと、はぁ、とため息でもつきながらそれをケースに収める。
彼は机の上に置いてあった、別の映像ディスクに目を移す。
そこにあったのは『親愛なる第一位へ』と表面ラベルにマジックで書かれた、一枚の映像ディスク。
今日、あるマンションの一室に届けたものと、全く同じものである。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
所変わって、こちらは一方通行の部屋。
彼の恋人である(にしては、少し幼すぎるが)打ち止めも、最近どこかおかしかった。
彼に会いに来る頻度が少し減ったような気がするし、他にも色々とおかしな点はあった。
だが、彼に郵送されてきた映像ディスク(『親愛なる第一位へ』のメモ用紙付き)を見て、全ての疑問は氷解した。
そこに映っていたのは、何の変哲も無い学生寮の一室。
ベッドの上で交わっているのは、見知った無能力者(レベル0)と、自分の恋人である打ち止めの姿だった。
一方通行が、この二人を見間違えるはずもない。
『あはぁ! すごい! あの人のよりずっと凄いのぉ! ってミサカはミサカはあなたのモノの大きさに感激してみたりぃ!』
上条のイチモツが打ち止めの小さな膣を出入りする度に、彼女はまるで娼婦のような淫らな声を上げる。
一方通行が見たこともないような、快楽に満ちた表情を浮かべながら。
『そんなに気持ちいいのか? ほら、画面の向こうの一方通行に挨拶してやれよ』
まるでどこかで聞いたような台詞を打ち止めに囁きながら、上条が少女の顔をカメラのほうに向ける。
『み、見てる…? 一方通行ァ……ってミサカはミサカは画面に向かって問いかけてみる…』
その年齢に釣り合わない、淫靡な表情を浮かべながら、少女はカメラを覗き込んだ。
そしてもっと見て欲しい、と言わんばかりにカメラに接近し、痴態を晒す。
『あなたのことは大好き…… でも、ミサカはあなたのセックスじゃ全然満足できなくて……
火照った体を慰めてくれるこの人のところにずっと通ってたの、ってミサカはミサカは昼下がりの団地妻みたいな告白をしてみる……んひっ!』
上条に正常位で突き上げられて、打ち止めは女性として至福の表情をしながらそう叫んだ。
『打ち止めは奥をガ突かれまくるのが好きなんだよな?
まだ小さいのに、こういう所は御坂や御坂妹と同じなんだよなぁ…… そういう遺伝子なのか?』
『あっ、あっあっあっ! そこがいいのぉ! 一方通行はいっつも優しくて、奥なんか全然突いてくれないの!
ってミサカはミサカは旦那のセックスに対する不満をここぞとばかりにぶちまけてみたりっっっ! ひぃぃ! あひっ! 死んじゃうっ!』
打ち止めの小さな身体が上下に動く度に、彼女の可愛らしい髪の毛が揺れ、淫れきった嬌声を上げる。
純粋無邪気な打ち止めの姿とは、正反対の顔がそこにあった。
『なあ、俺と一方通行、どっちがご主人様だ? カメラに向かって言ってみてくれよ』
『あなたのほうがずっと上手っ! あなたがご主人様なのっ! ミサカもお姉様や10032号みたいに、あなたに無理矢理種付けされたいのっ!
見て、一方通行ぁ! ミサカの受精シーン見てぇっ! ってミサカはミサカはっ! アクメ顔を向けながらっ! 画面に向かって両手でピースっ!』
見知った名前をいくつか挙げながら、打ち止めはカメラに向けて両手でピースサインを取りながら、小さな身体を痙攣させて果てた。
口の端から涎をだらだらと垂らして、上条当麻に身を預けながら。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
遠いところで、二人はほぼ同時に頭を抱えていた。
笑い話にもならない。 互いに互いの恋人を寝取って悦に入っていたなど、どこの国のジョークだと言いたくなる。
だが、今の少年たちには、そんな事実などどうでもよかった。 彼らにとって最も重要だったのは
「つーか、あァ、そうですかァ…… あのクソガキは、そういうほうが好きなンだな? もう加減する必要はねェってことですかァ?」
「にしても、そうだったのかインデックス…… じゃあ、本気でヤッてもいいんかよ」
少年は気がつけば、少女の前では決して浮かべないような笑みを浮かべていた。
最高に最低な、下衆のように下卑た笑みを。
一番愛しい少女だからこそ、一番壊したくない少女だからこそ、今まで自分の衝動を抑えながら、精一杯優しく愛でてきたというのに。
なんだ、『ああいうやり方』のほうが好みだったのか。 だったら、もう遠慮なんかする必要など、どこにも無い。
たっぷり汚して、壊して、あいつよりもずっと愛して、もう一度自分のモノにしてやる。
玄関が閉まる音がした。 どうやら彼女が帰ってきたようだ。
とりあえず、恋人を汚した『あいつ』に制裁を加えるのは後の話だ。
どうしてやろうか。 まずは有無を言わさず黙らせて、ベッドに押し倒してやろう。
そしてわけもわからず混乱している少女の頭を掴みながら、丸裸に引ん剥いて犯してやる。
他の女にするように乱暴に、それでいて愛情をたっぷりと込めながら。
お望みどおり滅茶苦茶になるまで嬲って、狂うまで突きまくって。壊れるまで愛してやる。
『あひっ! いいのっ! こんな激しいなんてっ! やっぱりとうまのほうがずっと好きっ!
やっぱり身も心も、全部とうまのものっ!とうまは一番好きっ! あああ―――――っ!!』
『すごいひぃっ! おくっ! ミサカの子宮の奥まで突かれてるっっ!
ってミサカはミサカはっ! あなたの隠していた本性に驚きながらもよがり狂ってみるっ! 好きっ、大好きぃっ!』
遠く離れた二つの部屋で、少女の歓喜の悲鳴が響くことになるのは、それから数分後のことだった。
めでたし、めでたし
あとがき
12巻を読み返したら電波を受信した。勢いで書いた。どうしてこうなった。
全然エロくならない上にネタにもならなかった。反省してる。
他の人が書いた後すぐで申し訳ないですが私も投下します。
前スレ896〜の続きになります。
カップリングは浜面×春上
注意は禁書×科学のクロス、時系列ブレイク、春上の能力が強め(私の中では、受信専用なら条件付きだから実際より少しレベル下がるかな、と思ってます)です。
結局、あの後抜けなかったせいで救急車を呼ぶ羽目になり、行き着いた先は滝壺のいる病院だった。
運悪く窓から滝壺の姿が見えちまった。目まで合った。絶対零度もかくやって感じの目をされた。動けるようになって直ぐに申し開きしようと、滝壺の病室に行ったが居なかった。遅かったらしい。
まあ、治療以上にお説教が長かったせいだ。俺に落ち度は無い、はずだ。
ちなみに絹旗はカウンセリングを受けさせられているため、まだかかるらしい。あいつには必要ないと思うけどな。
そんなわけで、絹旗の買ってきたものを持って病院内をさ迷っている訳だ。シュールだろ。
必要なところ(滝壺の病室と精々で売店)しか頭に入っていなかったせいで、マジで迷っている。
案内板でも探さないとな……、って滝壺居た! 窓辺で空を見上げる後ろ姿、間違いない。
「滝壺! さっきはごめん」
振り向いてすらくれない。当たり前か。
「俺に出来る事なら何でもする。だから……」
目の前の滝壺が振り向く、いや訂正しよう。
「私に話しかけてるの?」
滝壺じゃなかった。良く見れば胸の膨らみが慎ましかったり、なんとなく小柄な気もする。そもそも滝壺愛用のジャージ姿じゃない。
「いや、あの……」
気まずい。人違いですと言ってしまえれば楽だが、その言葉が出てこない。
仕方ないだろ。俺は滝壺が怒っているとばかり思ってたんだぞ。いきなり切り替えろというのは無理だ。
「悩み事なの?」
俺が悩んでいるのは果たして何なのか分からない。
てか、何で初対面の相手にそんなこと聞かれてるんだ。
「誰かに話した方がすっきりするの」
そうかもな、「誰に」はともかく相談したいのは事実だ。ただ、スキルアウト時代の知り合いは袋叩きに合うから駄目。絹旗や滝壺は今回は当事者。
誰に相談しろって、言うんだよ!
そう思ったら、つい口が滑っちまった。「なあ、聞いてくれるか」ってな。
彼女の病室に来ている。彼女が、人に聞かれないようにと気づかってくれたんだ。
実際、相談してみて良かった。俺は自分じゃ気づかなかったが、いかに誤魔化すか考えてたみたいだ。
「役にたてたの?」
と聞かれたが、オーバーリアクション気味に頷く程度にはそうだ。
「こんな相談、初めてだったから上手くアドバイス出来たか不安なの」
それはすまない事をしたと思う。妙なテンションに流されて、赤裸々に話しちまったからな。
病院に搬送された時の話なんて、彼女顔を真っ赤にしてたしな。
「いや、十分過ぎる位だ。何かお礼をさせてくれ!」
いや、マジで絹旗のせいで色々と忘れかけてたが、年下っぽい女の子にこんな相談しちまった俺ってどうなのよ。
「別にいいの」
いや、むしろお礼させて下さい。しないと目覚めが悪すぎる。
俺がマジで何か受け取って欲しそうな態度だったのか、彼女は申し訳なさそうに目を伏せると俺の持っていた袋を指差して、「じゃあ、それが欲しいの」と言ってくれた。
「こんな訳の分からないものじゃなくて、もっと良いの買ってやるから」
彼女は首を振って、「初めて見るから気になるの」と応えた。まあ、絹旗には怒られるかもしれないけど、その位の事を気にする程小さな問題ではない。
「ああ、こんなので良ければいくらでもやるよ」
そう言って袋ごと差し出す。彼女はそれを受け取ると見覚えのある小さなペットボトルの封を開けて口を付けた。
「おいしい、の」
微妙に間があった。いや分かってる。別にマズくはないが微妙なんだ。ネタにもマジにもならない位。
「や、無理しなくていいぞ」
別に飲み切る必要もないし、と思ったが彼女は悪いと思ったのかごくごくと急いで空にした。
「そんなことないの、とっても珍しい味でおいしいの」
それ、誉めてないと突っ込みたい思いを抑えて、部屋を出るタイミングを図る。
長居したら何かグダグダになりそうな気がしてきたしな。
別れを告げようと、彼女を見ると顔が赤く呼吸は速かった。
良く考えたら彼女の病室があるって事は何かの病気なんだよな。それなのに、あんなわけ分からないものを飲ませて大丈夫なのだろうか。
「おい、大丈夫か? ナースコールはどこだ?」
慌てて探そうとする俺の手は彼女に掴まれて、そのまま胸に当てられた。
「おかしいの、とってもドキドキするの」
彼女の鼓動が布越しに伝わってくる。壊れてしまわないか不安になるほど、速い。
「あなたもドキドキしてるの?」
仕方ないだろ、女の子の胸に触った事なんぞ二回目だ。
彼女に手を引かれ、ベッドに倒れ込む。唇と唇が軽く触れる。
「わ、悪」いと言えずに唇を塞がれる。舌を絡めてくるような事はないのかと、安心したところでそれをされた。
淫靡な音が静かな部屋を満たす。それを聞いてるだけで息子がスタンバイしそうだ。
「良いの」
何がだ、という言葉はいらなかった。何となく、それが何を意味しているか感じてしまったから。
「待て、流石に洒落にならん」
必死に理性を稼働させて、本能を抑える。
「でも、苦しそうなの」
下半身が微妙に主張してた。てか、本能をイマイチ抑えられてない。
彼女は俺のズボンのチャックに手をかけた。そして、外気に触れた俺の息子を見て一言。
「かわいいの」
と言われた、割と凹むぞ。というか、そもそもまだ全開じゃなくてねえ。
「や、完全に起ってないだけだからな。そのサイズが最大じゃないぞ」
って俺は何を口走ってる。かわいいと言われた時点で萎えさせればベストだろ。
「なら大きくするにはどうしたら良いの?」
考えるな。フェラして欲しいとか頭に浮かべるな。それだけで息子が臨戦態勢になりかねん。
「ふぇら、って何なの?」
無垢な表情で疑問を口にした彼女にそれを教えたくなる。なんつーか、妙な加虐心をそそられる。それこそ、その口に一物をぶち込んで抜き差ししたい位に。
って、それじゃイマラチオじゃねえか。フェラってのは、女の方から銜えるもんだろ。
って、何でコイツは考えた途端に俺の息子を口に含むんだよ。
ただ、そこで止まったのは僥倖だ。このまま、舐められてたら、そう思った瞬間に舌を使われ始めた。
何で上手いんだよ。俺が感じるところを重点的に攻めてきやがる。くそ、このままだとイッちまう。
遂に耐えられなくなり、彼女の口内に欲望をぶちまけちまった。
彼女はそれを飲み込んで、笑顔を作り、言葉を紡いだ。
「変わった味でとってもおいしいの」
いや、絶対マズいだろ。そうツッコミたかったが、表情とあいまって扇情的な彼女の顔を直視出来ず、目を背けるのが先だった。
「まだ、元気なの」
ああ、その通りだよ。俺の息子は反抗期らしく、ちっともいうことを聞いてくれない。
「続き、するの」
や、待て。俺の息子だけ臨戦態勢でもマズいだろ。その、前戯とか必要だよな。
彼女の手が俺の手に添えられ、胸へと誘導される。
「じゃあ……続き、して欲しいの」
そこまで言われて、我慢出来る男がいるか? いる訳がない。そんな紳士は幻想だ。
俺は彼女の上着を捲り上げるとかわいらしいブラの下にある突起に触れた。彼女の体が弓なりに反れる。
「感じやすいんだな」
良いながら片方の胸に口付ける。溶かすように舐めると彼女の顔が真っ赤に染まる。それが羞恥なのか高揚なのか、俺には分からない。
ただ、それをかわいいと思っていることだけは分かる。
舐めるだけでなく、時折吸ったりするとそのたびにびくびくと反応が返ってくる。
ふと、悪戯心に目覚めた俺は今まで口付けていない方の胸をいきなり甘噛みした。感覚が鈍くなっていないせいか彼女は折れそうな位に体を反らした。そのまま軽く震えた後、くったりと力が抜ける。
そこまでして、ふと気付く。俺、何してるんだ! 滝壺に顔向けできない。
「今だけは、」
彼女が何かを呟く。息が整わないのか声が小さくて聞き取りにくい。
「今だけは、私の事を見て欲しいの」
どこか儚げな表情でこんな事を言われたらときめいてしまうのも仕方ないだろ。
心の中で滝壺に土下座してから、彼女に向き直る。
「それと名前、呼んで欲しいの」
名前も聞いて無かった事を思い出す。笑えないな。
「何て、呼べば良い?」
素直に口にする。
「えりいでお願いするの」
エリー、か。どう見ても日本人の彼女の名前とは思いにくいからあだ名か何かだろう。
それならむしろ心おきなく呼べる。
「エリー、続きしようか?」
頬を染めて頷くエリー。待ってましたとばかりに下着に手をかける。
外気に触れた蕾は甘い香りの蜜まみれで、まるで獣を誘っているみたいだ。俺はためらいなくそれに口付ける。
「エリーの味がする」
真っ赤に顔を染め、首を振るエリー。俺の中でもっとその顔を見たいと、思い初めていた。
「甘くておいしいよ」
エリーは顔を背けた。その後小さな声で、
「いじわるなの」
ああ、いじわるなのだろう。だけど彼女を見ているとムクムクと自分でも知らなかった嗜虐心が膨らんでいく。
「なら、止めるか?」
答えは決まってるだろう。
「ダメ、なの。止めないで欲しいの」
俺がもう立ち止まれないように、彼女もきっと、
「何をすれば良い?」
この甘い香りに溺れて、
「私のはじめて、貰って欲しいの」
止まれやしないんだ。
「入れるぞ」
ふと思い出しポケットから避妊具を取り出す。有頂天な息子にそれを被せて蕾にあてがい、唇を重ねる。
息子が一気に侵入すると、彼女の口から吐息が漏れる。例え、唇を重ねていなくとも声になどならないだろう事は表情から分かる。
白いシーツに赤い飛沫が飛んだ。軽く後悔したがもう遅いだろう。
答えは決まってるだろう。
「ダメ、なの。止めないで欲しいの」
俺がもう立ち止まれないように、彼女もきっと、
「何をすれば良い?」
この甘い香りに溺れて、
「私のはじめて、貰って欲しいの」
止まれやしないんだ。
「入れるぞ」
ふと思い出しポケットから避妊具を取り出す。有頂天な息子にそれを被せて蕾にあてがい、唇を重ねる。
息子が一気に侵入すると、彼女の口から吐息が漏れる。例え、唇を重ねていなくとも声になどならないだろう事は表情から分かる。
白いシーツに赤い飛沫が飛んだ。軽く後悔したがもう遅いだろう。
腰は動かさない。確かなじませた方が良いとか聞いたから。その代わりとばかりに舌を絡める。
少しして、呼吸が落ち着くのを感じる。そろそろ、良いのだろうか。
「大丈夫、なの」
ドキリとしたのをごまかすように、腰を動かし始める。エリーの呼吸が乱れ、上気するのが分かる。
一瞬、頭をよぎったものを振り払う為に、速く深く突き立てる。
その度に彼女の小さな体は跳ねる。唇は離したにも関わらず、声は出ない。
俺を受け入れてる蜜壷は溶けそうな位に熱い。抜き差しする度、声にはならない息が漏れる。
「怖い、の」
震えるエリーの肩を抱く。体温が高くなるのを感じる。
「どこかに、行っちゃいそうなの」
肩を抱く手に力を込める。
「俺がついてる」
表情が僅かに和らいだ気がした。すぐに息子を包み込んでいる器から圧力がかかる。
イッたのだろうか。良くわからないが俺にはそんなこと気にする余裕はない。
正直な下半身が欲望を吐き出すために、快楽を求めている。まるでそこに別の脳でもできたみたいだ。
下半身に従い、ストロークを速める。途端にエリーの表情が変わる。
「ま、待って欲しいの、感じ過ぎて苦しいの」
いや、よほど器用でも無い限り他の事考えながらなんてできねえよ。
ふと、閉めてあったはずの扉から冷気が入って来る。
「随分と、」
それから、聞き覚えのある声も。でも、
「お楽しみみたいだね、はまづら?」
こんなに冷たい声は初めて聞いた。バニーの時とは比べるまでもない。
「こ、これは違うんだ」
俺の緊張感が伝わったのか、エリーの体も緊張する。彼女の中が狭くなる。って、ヤバい。痙攣し始めてる。
引き抜くのが間に合わず、抜けなくなる。だが、以前の俺とは違う。
何せレクチャー受けましたから。
「いいか、深呼吸して落ち着くんだ」
言いながら括約筋のマッサージをしようと手を伸ばす。その時、滝壺の手が見えた。
「大丈夫だよ、はまづら。ここは病院だから。すぐにお医者さんが治してくれるからね」
どこかで聞いたような言葉を、もし聞いたていたら忘れないような冷たさで言った後、滝壺はナースコールを押した。
投下終了です。
科学のDVD見て、入院中の春上さん(髪飾りOFF)が誰かに似てると思って書いちゃいました。
>>25-26ひとまず乙。
でも少し間隔あけとけよ
投下に便乗したいのは分かるが感想も無く流れるのは誰だって嫌なんだから
>>34 前の人の投稿から15時間空いてるし感想(?)も一つついてるし良いんじゃね
まぁぶっちゃければ悪いと思うのならしなけりゃいいのだ
一日に一つしか読まんっす。そして二日目で二つ目を読むとも限らない。
なんつーか
その
ここまで読み手が偉そうなスレ初めて見た
偉そうっても言ってる事自体はそれなりに筋が通ってることだからこれで初めてなら流石に耐性がなさすぎる
偉そうなっつうのはちょっと語弊があったなすまん
贅沢って言ったほうがいいだろうか
一ヶ月以上投稿なしのスレもザラにあるっていうのに作品が連続投稿されて議論になるなんて羨ましい限りだわ
こういう流れを雑談でさっさと流せないのがSSスレの辛いところ
雑談じゃなくて乙と感想で長せよ
2人とも乙!
>>25 乙でした。
先にキャラ崩壊やらNTRとあったのでどれくらいかと思いましたが、さらりと読めちゃいましたw
ぶっちゃけるならもっとガツンとぶっちゃけていいんですよ!
なに、書きたいものを書いて誰はばかる事がありましょうか、です。
そしてちと創作意欲も刺激されちゃいましたw
>>33 チャレンジ精神にGJ!
春上? って最初思ってしまいました。
これなら前の続きではなく別の作品でみっちり書いたほうが自由度が上がって筆を奮いやすかったのでは? とそんなチャレンジ精神にまたGJです。
投下直後の連投ですが、やはり嫌われますので、以後は自重されたほうが善いと思います。
最近は特にスレの流れが速いですから、なおさらだと思います。
>>25 乙でしたー
出来るならその後のお仕置きかねた激しいプレイも見たいんだぜ!
前スレに書けなかったからこっちで
フレンダの話をしてた人達は今すぐ『フレンダ「麦野、愛してる」麦野「そうか、死ね」』を読んでくるんだ
47 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 03:02:29 ID:cGF6JvjV
ルチアにときめいて、ああ俺はつくづく貧乳のサポートキャラが好きなんだなと悟った
>>46 宣伝乙
結局は二次創作、実際どうだったかなんてかまちーにしかわからない訳よ
>>47 ルチアは貧乳ちゃうでー。
…まああのアニメ的には小さく見えるかw
> 実際どうだったか
自分の身可愛さに暗部の深さをちゃんと理解せず仲間(笑)なら大丈夫だと都合のいい考えで身内を裏切った、それだけだな
俺はそういうフレンダの普通の人間臭いとこが好きだな
禁書キャラはどいつも変に覚悟決まりすぎだから
フレンダの現実感ある卑怯で我が身可愛さで動くとこがすげえ好きだし可愛いよ
>>51 だよな
自分の好きなように妙に美化してイイコイイコにするんじゃ結局誰でもいいんじゃねって話
ベジータ、ポップ、横島とか人間臭さのあるキャラは人気出るよね
また話が関係のない方向に…
御坂妹の縞パンハアハア
保身のためになんでもするフレンダならば助かるために身体で奉仕とかもやるはずだ。
つまりそういう話を誰か書こうぜ!
心理定規に距離1にされて脚をペロペロするフレンダを撮影した映像チップが麦野の手に
>>57 「だから結局、そうなる前に処女なんかちゃっちゃと捨てておきたいって訳よ。だって考えてもみて。取引に誘ってきたヤツがバリッバリの処女だったらキモいっしょ? て言う訳だからさ、浜面には私の処女を処分して欲しい訳よ、解る?」
>>58 「これどう思うよ浜面? やっぱりフレンダの野郎裏切ったのかしら? ねえ、どうよ? 裏切ったわよねえきっと。絶対にあの野路裏切ってるって。フフフ……、さてどうしてくれようかしら……あら可笑しい私が裏切るならともかく、裏切られるなんて。
なあ、お前も笑えよ、はーまづら。おかしいでしょ? ヒ、ヒヒ、ハ、ハハ、ギャハハハハハハ――」
ゲコ太先生に身体で恩返しするシスターズはありませんか?
61 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 18:44:57 ID:BERnPtis
……ゲコ太×御坂妹とか…マジで誰特
ゲコ太先生に身体で恩返しさせられる上条さんなら俺得
冥土返し「僕をその気にさせたければもっと細身になるんだね?」
上条さんは、レッサーの髪をワシャワシャくらいはやってると思うんだ
勿論右手で
レッサーにどういう影響を及ぼしたかは、言うまでも無い
何となくだが、レッサーって表面上は結構オープンに誘惑してくるけど、上条さんにたまに優しくされたりしたらその日の夜に一人悶えてそう
あんまりそういう感情を人前に出さないイメージがあるわ
アニェーゼも上条さんに優しくされたりしたらその日の夜に一人悶えてそうだ
麦のんとか番外個体もだな
バレンタインネタ投下します。
超電磁砲四人組でエロ無しです。
黒子はおもむろに手荷物からかわいらしいラッピングの包みを取り出した。
「今日はバレンタインでしょう。皆さんで召し上がって下さいな」
そう言って、他の三人に勧める。そっと彼女の言うところのお姉様に目配せをしたが軽く流された。
「わあ〜、でも私達までいただいて良いんですか?」
さり気なく誰に渡したいのか分かっている言外に語る初春。それに対して黒子は溜め息混じりに応じる。
「仕方ありませんの。1対1ですと受け取って貰えませんのですわ」
乾いた笑いを漏らす佐天。半分以上は呆れの表情である。
「ま、まあそういうことならいただきます」
そう言って佐天が包みを開け、テーブルに置く。中身を見ればハート型、花型、カエル型の一口サイズのチョコが並んでいる。
「手が込んでますね〜」
そう言って、初春が花型のチョコを口に入れる。その表情が和らぐ。
「これ、スゴく美味しいですよ白井さん! さくらんぼの香りなんて変わってますし、今度作り方を教えて下さい」
黒子は軽く「機会があれば」と流し、愛しのお姉様、美琴に勧める。
「ん、まあ変な物は入ってないみたいだし」
そう言って、美琴はハート型のチョコを口に運ぶ。
「へぇ、一つずつ味が違うんだ。こっちはビターベースにコニャックかしら」
そう言って黒子の方を見ると、微妙に表情が固いようにも見える。
「ええ、良く分かりましたわね。ちなみに初春が食べたのはミルクチョコをベースにキルシュですの」
そこまで言って、佐天の方を見た黒子の表情が明らかに固くなる。
「それだったら、私はこのカエル型のを食べてみようかな」
そう言って手にしたカエル型のチョコを口に入れる。
味わった後、微妙な顔になる。
「ん〜、私にはちょっと甘過ぎるかな? 中のホワイトチョコとか特に」
そう言うと、口直しとばかりにハート型のチョコを口に運ぶ。
「やっぱり、こっちの方が合うわ」
初春もハート型のチョコに手を伸ばす。口に入れた後、首を傾げる。
「私はこのお花の方が好きですね」
そう言って、佐天の方を見る初春。すると、何となく顔が赤い。
「あれ? どうしたんですか佐天さん」
佐天は何が? と言いたげな顔を一瞬取ったが何のことか気づいたらしく返事を返す。
「何だか知らないけど、暑いのよね。暖房効き過ぎてない?」
白井は佐天から目を逸らす。そこで何が起きたのか他の2人は把握する。
「く〜ろ〜こ〜、何を入れたのか正直に答えないと……」
良いながら軽く放電する。さり気なく初春は自分の荷物を2人とは反対側に動かす。
「ひいっ、別に私はただ隠し味を少々……」
視線を宙にさまよわせる黒子。それを後目に初春はカチャカチャとゲーム機を動かす。
「えっと、多分これですね。『鈍い彼もイチコロ! チョコレート風味の媚薬。選べる七品目の名目でお届け』多分、書籍か何かの包みが届いたかと」
美琴の手から電撃が飛ぶ。黒子はそれを受け、ダウンする。
「良く分かったわね、初春?」
美琴の言葉を受けて、初春がジト目で黒子を見る。
「だって白井さん、一七七支部のパソコンで注文してた上、履歴も消してませんもの」
苦笑いを浮かべる美琴。その分野に初春が詳しいのを黒子も知っているはずなのにと言いたげである。
「どうして、お姉様はカエル型ではなく、ハート型を?」
黒子は媚薬の件を横に置き、問いかける。それに答えたのは美琴ではなく、初春だった。
「白井さん。御坂さんは確かに並んでる中からその形を選びそうですけど、きっと食べるのがもったいなくなって腐らせると思いますよ」
その言葉に顔を背ける美琴。どうやら思い当たる節はあるらしい。
「抜かりましたですの」
心底悔しそうにする黒子に電撃を放つ美琴。
「少しは反省しなさい!」
下敷きを団扇の代わりにして扇いでいた佐天は初春が部屋の奥から何かを持ち出して来たのに気づく。
「あれ? どうしたの初春?」
初春は手に持った二つのビンをテーブルに置くと氷の入ったグラスやシェイカー、それに冷蔵庫から生クリームとホワイトチョコを更に持って来た。
「いえ、せっかくなので私も振る舞おうかな〜と」
言いながらシェイカーにビンの中身と生クリームを注ぐ。
「バレンタインにお酒?」
合わないと言いたそうな佐天に初春はしたり顔になる。
「これは外国の有名なチョコレートメーカーが作ったリキュールですよ」
グラスに注ぎ、ホワイトチョコを削りその上に乗せる。
「へぇ、様になってたし練習したの?」
グラスを取り、中身を煽る美琴。それに対して顔を赤らめる初春。
「ええ、まあ。大人のバレンタインって感じで憧れまして……」
言葉尻が心なしか小さくなる。それを聞き逃さなかった佐天が即座に茶々を入れる。
「渡す相手いるの〜?」
ムッとした顔になる初春。
「いませんけど……」
そもそも、そんな相手がいるのなら女4人で姦しく集まったりはしないだろう。
「はい、白井さん。出来ましたよ」
そう言って初春は出来上がったカクテルを黒子の前に置く。
「ちょっと初春〜、私の分は〜?」
ぶーたれる佐天に「少し待って下さいね」と言った後、シェイカーを振る初春。
もしかしたら、練習の成果を誰かに見せたいという思いはあるのかも知れない。
「それにしても、甘いから量飲んじゃいそうで怖いわね〜」
そう言う美琴に黒子は呆れ顔になる。
「カクテルなんてそんなものですわ。なんでしたら、夜景の素敵なバーにでも参りません?」
その後に、「そしてあわよくば酔っ払ったお姉様を、ぐへへへへ」と小声で漏らした黒子から美琴は目を逸らした。
「そもそも、未成年ですからバーは無理ですよ〜」
初春はもっともな事を指摘しつつ、佐天の前にグラスを置く。
「あれ? じゃあ、これはどうしたの?」
初春はその疑問に、「お菓子づくりのためって事にして、伝手で……」と答えた。
「そうですわ、初春にバーテンダーをお願いして個室サロンで……」
まだ、諦めきれないのか黒子は尚も美琴を誘う。それに対して、「まだ、これしか練習してないですよ」て笑いながら初春が拒否する。
溜め息を漏らしながら、グラスの中身を一気に煽る黒子。それを嚥下した途端、表情が変わる。
「初春、あなた……」
何が起きたのか分からずにいる美琴に向けて、初春は言葉を発した。
「ちょっとは懲りた方が良いと思いません?」
その言葉に美琴は頷く。その後で、「で、何したの?」と先を促す。
「ええ、自分で一度味わってはいかがかな〜と、『パソコン部品』」
その言葉に美琴は苦笑いを浮かべる。何せ、黒子は一度それを自ら飲んで、それでも懲りていなかったからである。
「まあ、確かにたまには痛い目見た方がためになるかもしれませんね」
言いながら、黒子と同じく一気に煽る佐天。その表情が歪む。
「ちょっと初春? 私の分には、パソコン部品入れてないわよね?」
それに対して、「ええ、もちろんですよ」と答える初春。それを聞いた美琴はある事を指摘する。
「ねぇ、初春? そのパソコン部品って、液体よね?」
それに頷いて肯定する初春。それを聞いて美琴は納得したような顔になる。
「多分、シェイカーの方に少し残っちゃったんじゃない? 一回一回洗ったわけじゃないし」
それを聞いて、納得の顔をした初春に佐天は抗議の声を上げる。
その姿を見ていた黒子が妙な笑いを浮かべて佐天に詰め寄る。
「なんですの? 今の佐天さんはとっても魅力的に見えますの」
媚薬のせいで赤らんだ顔は普段の彼女にはない色気を演出していた。
「いや、そんなことないですから」
言いながら後ずさる佐天。しかし、ほどなく、壁際に追い詰められる。
「気のせいではありませんの」
言いながら、今にも口づけんと顔を近付ける黒子。
二人とは部屋の反対側で、「あ、そうだ。美味しいチョコケーキのお店知ってるんだけど、いかない?」と現実逃避気味に口にする美琴や、それに同意し今にも出て行きそうな初春に対して抗議の声を上げる佐天だった。
それが二人の耳に入るかは別にして。
投下終了です。
バレンタインは空想の産物だと思いたい非リア充の書いたネタなので脇が甘いかもしれませんが、お楽しみ頂ければ幸いです。
乙ですー
細かいことだけど、御坂さんは初春を“さん”付けで呼ぶよ
指摘感謝です。次から気をつけます(汗)
保管庫の方を見たら小ネタの前
>>819が『ハッカーの初春がパソコン部品に疎いはずがない』に括られてたのですが、どこに言えば良いのでしょうか?
ひさびさに俺の中でSS熱が盛り上がってきた
バレンタインSSキター
乙です
ここの浜フレの人がハッスルしてくれることを願うw
雲川先輩が上条さんにチョコあげるSSをだな
このスレには浜フレSSの神がいるよな
フレンダだと確定してないのに気が早いなw
まあでも少なくとも関係者だとは期待しちゃうよねあの子は
上インのバレンタインSSを早急に希望する
上条さんのもらってきたチョコをとりあってるうちにもつれ合って
ベッドに転がり込んじゃってそのままやっちゃうようなのを
「腹減った…何かないかな……ん? これは…」
冷蔵庫を開けた浜面が見つけた”それ”。深く考えずに手を伸ばし、ひょいっと一つ口に放り込む。
「…ん、こいつはなかなか…」
そしてもう一つ、”それ”をつまんで口にしようとした時。
『あああーーーーーーっっっ!!!』
突然背後から飛んでくる少女の叫び声。
やべっ見つかった、と思う間もなく。
ゴスッ!!
『窒素装甲』を纏った絹旗の拳が、浜面を吹き飛ばした。
ノーバウンドでリビングのソファに突っ込む浜面の手から、つまんでいた”それ”が落ちる。
かなりいびつな形をした、ダークブラウンのその塊。
いわゆる、『トリュフチョコ』というものだった。
−−−浜面くんちの絹旗さん 番外編
「何やってんですか浜面! 人の冷蔵庫を勝手に開けるなんて超最低です!」
「この部屋は俺の部屋でこの冷蔵庫も俺の冷蔵庫でそもそも殴る前に言えよ!!」
絹旗の言い分に即座に起き上がり反論する浜面。鈍く響いた音ほどのダメージはないようだ。
「そ、そんなことは超関係ありません! 何勝手につまみ食いなんてしてるんですか!」
しかし、絹旗はさらに詰め寄る。その剣幕はなぜかいつもより強烈で、思わず浜面もひるむ。
「ぐっ、そ、それは…」
腹が減って、冷蔵庫を開けたらチョコがあって、それなりに数あったからつい一つつまんで、うまかったからもう一つ、と。
要するに、「そこにチョコがあったからなんとなく」である。…チョコ?
「…あ、おい絹旗」
「な、何ですか浜面?」
「あれってもしかして…バレンタインのチョコだったのか?」
何気なく思い浮かんだことを口にしただけであった。のだが。
「〜〜〜〜〜っっっ!!!」
途端に、絹旗の顔が真っ赤に染まる。何かを言おうとしているようだが、声にならない様子で口をぱくぱくさせている。
その様子に、さすがの浜面も当を得ていたと気付いたようで。
「あ、やっぱそうだったのか!? すまん、そいつは悪いことをした!」
今日の絹旗の剣幕では下手なことを言うより素直に謝った方がよさそうだ、と即座に謝る。
「誰にあげるつもりだったのか知らねえけど、ホント悪かった!!」
ブチッ、と何かが切れる音が聞こえた気がした。
それまでの剣幕が嘘のようにピタリと動きを止めた絹旗。
うつむき加減のまま止まった絹旗から、やがて低く乾いた笑い声が漏れ始めた。
「…ふ、ふふっ、ふっふふっふふふふふふふ……」
うつむいたまま、一歩、また一歩と、ゆっくりと浜面に近付いてくる絹旗。
「そうですね。私が馬鹿でした。超大馬鹿者です」
どこまでも冷めきった声で、自分に言い聞かせるように呟いて。
「浜面は所詮超浜面なんですから、何か期待した自分が超大馬鹿者だったんですね」
固く握りしめた拳を、ゆっくりと振り上げて。
「…お、おい、絹旗…?」
「死ね」
思い切り、振り下ろした。
GJ
浜面爆発しろ、マジで
口から悲鳴が上がるより先に、身体が動いた。
咄嗟に飛びのいたそこへ、絹旗の拳が振り下ろされる。
一見華奢なその拳は、衝撃に強いはずのソファを一撃で真ん中からへし折った。
その光景を見て、さすがの浜面も青ざめる。
「ちょっ、ちょっと待て絹旗! それはさすがに喰らったら死ぬぞ!?」
「だから超殺すって言ってるじゃないですか浜面。どうしてくれるんですか、ソファがダメになっちゃいましたよ」
「それはお前が…っ、うおっとぉ!?」
ぶんっ、と絹旗の拳が浜面の顔を狙う。とっさに避ける浜面。
いつもの『窒素ぱーんち』とは比べ物にならないプレッシャーを放つその拳に、思わず冷たい汗が背中を流れる。
「だ、だから悪かったって! 何でも言うこと聞くから少し落ち着け!」
「だったら超死んで下さい浜面。たったそれだけで構いませんから」
「無茶言うなーー!!」
一片の容赦もなく襲い来る拳を、浜面は必死にかわす。
「人の物を勝手に食べる奴なんで超死ねばいいんです。ましてや一つならず二つも」
「だ、そ、それはめちゃめちゃ美味かったから…っ、だぁっ!?」
何かに足を取られ、転倒する浜面。殺気をはらんだ拳が、そこに振り下ろされ−−−は、しなかった。
「…!?」
即座に振り向いた浜面が見たものは、殺る気マンマンで襲いかかってくる直前と同じ、うつむいた絹旗の姿。
「−−−、ですか」
「…??」
「−−−その、…おいしかったですか、と超聞いているんです」
か細い声でされたその質問の意図は、浜面にはわからなかった。ただ、ここは素直に答えるべきだ、と思った。
「あ、ああ…一つ食って、それでめちゃくちゃ美味かったから、ついもう一つ…」
それは、本当のことだった。いびつな見た目に反して、そのチョコはとてもおいしかったのである。
浜面はさほどチョコが好きではないが、あのトリュフチョコは甘さも控えめで、非常に浜面の口に合うものであったのだ。
絹旗は、何も答えない。うつむいたままの表情は見えない。
やっぱ怒ってんのかな、できれば殺されたくはないが…と浜面が思っていると、不意に絹旗がつぶやいた。
「……………材料」
「…へ?」
聞き返す浜面に、絹旗がばっと顔を上げる。その表情は先ほどまでの無機質なものではなく、赤く染まっていた。
「は、浜面がつまみ食いしたせいで、チョコが超足りなくなりました。作り直すにも、その、材料が超足りません」
「へ、あ、はぁ…?」
「だ、だから浜面! 材料を買いに行きますよ!! 今すぐ! 超今すぐ!!」
「わ、お、おい絹旗!?」
ぐいっと浜面の腕をつかみ、そのまま浜面ごと引っ張っていく絹旗。
靴を履き替えるのももどかしく、玄関から出てもまだ掴んだ腕はそのままで。
「さあ、早く行きますよ浜面、チョコが逃げないうちに超早く!」
「お、おい絹旗っ、靴がまだっ」
「そうそう、ついでに超見たい映画があるんです、ついでに見ていきましょう。
おなかも超空きました、何か食べに行きましょう。 全部浜面のおごりでっ」
「なっ…おい、何で俺がいででででででで!!!」
言い返そうとした浜面の腕を、思い切りつねり上げる絹旗。
「さっき、なんでも言うこと聞くっていいましたよね?」
「あ、あれは「言・い・ま・し・た・よ・ね?」………い、言った」
「じゃあ、今日は全部浜面のおごりに決定です!」
…ま、いいか。
満面の笑みで浜面の腕にしがみつく絹旗を見て、浜面はそう思うのだった。
続きがあったのか…割り込んでごめん
>>85 いえいえ、こちらこそ分かりづらくて申し訳ない
うおおおGJ!
このシリーズ大好きだ
浜絹いいよ浜絹
原作とかSSとか見てると、絹旗は、恋人欲しいのか家族が欲しいのか、どっちだろーなーと偶に思う。
一方通行のパーソナルリアリティを参考に最適化したんなら、一方通行の家族求める気持ちが入ったりしてんのかね?
あの年齢でわりと長いこと暗部仕事やってるっぽいところから、チャイルドエラーかなーと思うし、浜面へは、偉ぶった妹みたいなポジだし?
そのへん上手く形にできたら、面白い話かけそうなんだけど、なかなか難しい。
レッサーがバレンタインに上条さんちへ押し掛ける。インデックスさんを唆す。インデックスが天使イメージで白いベビードール、レッサーが小悪魔イメージで黒いベビードールを着て上条さんを誘惑する話はまだですか?
レッサーがバレンタイン
レッサー バ ンタ
レッサーパンダ!
>>73 相変わらずの黒春ネタGJです。
何かこの初春にはオーラの様なものを感じて仕方有りませんね。
>>84 浜絹には何時もニヤニヤしてGJさせていただいております。
あと、差し出がましいですが、投下の開始と終了は明確にした方が良いと思います。
レッサー×黒子=レッサーパンダ
新約の表紙見てフレンダ復活?と思ったのは俺だけじゃない筈・・・
そして浜面と一通の表紙ひゃっほい!
・バレンタインに遅刻したけどバレンタインネタで通行止め
・エロなし(多分)
です。よろしくお願いします。
『2月14日』という日付の持つ意味を、まだ幼い少女が知ったのは彼女が上位個体として統轄しているMNWに飛び交う会話がきっかけだった。
『好きな異性にチョコレートを贈る日』
そんな乙女心を擽るイベントに、ややミーハーなところのある彼女が食いつかないわけがない。
MNWではツンツン頭の少年に如何にしてチョコレートを渡すのか、チョコレートはどのように入手すればよいのか、手作りをプレゼントしたい場合のレシピは、といったことが、正攻法・搦め手・抜け駆け・牽制等々轟々と話し合われている。
ヒーロー争奪戦に加わるつもりのない彼女は気楽なもので、意中のあの人好みの、甘さを控えたチョコレートのレシピを検索すると、陰謀渦巻くネットワークからとっとと離脱し準備にかかる。
一番簡単なレシピは、既製品のチョコレートを溶かして自分好みの形に再構成する、といったものらしい。
独力でこっそりと作ろうと決めていた打ち止めは、ちょっと良いビターチョコレートと、可愛らしいハートの型を購入して帰宅した。
保護者二人は出払っていて、一方通行は夕方まで帰らない。一人で留守番している今がチャンスである。
チョコレートを細かく刻んで、湯煎にかけて。とろとろと蕩けたチョコレートは、ふわりと甘い香りを放つ。
「美味しそうってミサカはミサカはチョコレートの匂いにうっとりしてみたり」
甘党の彼女には、至福の一時だった。後はこのチョコレートを型に流し込んで、固めて、デコレーションするだけだ。簡単である。
しかし、彼女に悲劇は訪れる。
「溶けたチョコレートを型にいれるぞー、ってミサカはミサカは…ひゃあっ?!」
浮かれた足取りの彼女のスリッパがすっぽ抜けて、打ち止めは盛大にこけた。
宙を舞ったボウルから中身が零れて、キッチンをベタベタに汚す。その甘い雨は彼女にも降り注ぎ、空色のエプロンや可愛らしいワンピースまでチョコレート塗れになった。
「うそ、」
へにゃりと床にお尻をついた打ち止めは、目の前の光景に泣きたくなる。
「うそうそうそ、ってミサカはミサカは叫んでみたりっ」
幾ら否定したところで、キッチンも彼女もチョコレート塗れであることは変らぬ事実であり。
失敗するなど想定していなかったので、予備のチョコレートなどはあるわけもなく。
そして更に運の悪いことには、
「オマエ、何愉快なことやってンだァ?」
不始末を取り繕う暇もなく、予想外に早く帰ってきた彼に、大惨事を目撃されてしまったのだった。
「…っ、」
打ち止めの大きな瞳に涙の膜が溢れて、睫毛に雫が張り付いた。
その様子にほんの少しだけぎょっとした表情を浮かべた後で、一方通行は白い髪をくしゃりと乱した。
「片付けは手伝ってやる」
保護者に怒られることを恐れているのだろうと直感した彼の多少の優しさである。しかし、彼女が泣き出しそうな理由はそこにはない。
「…あなたに、たべてほしかったのに、ってミサカはミサカ、はっ」
はあ、と溜め息を吐き、彼はチョコレートを上手く避けて彼女に近付くと、目の縁に涙をいっぱいに溜めた打ち止めに視線を合わせるように膝をつく。
「オマエなァ、俺がンな甘ったりィもン食うわけねェだろォが。意味わかンねェ」
「だって、…バレンタインだから、って、ミサカはミサカは、あなたにチョコレート、わたしたかったの」
はたり、とついに涙の雫が落ちた。ゆるゆると少女の頬を伝うそれは、彼女の顔に飛んだチョコレートと混じり合う。もう一度、彼は溜め息を吐いた。
「アホくせェ」
そう小さく呟いて、一方通行は、涙が混ざっててほんの少しだけ塩辛くなったビターチョコレートを舐め取った。
「?!」
ぬるりとした生温かい感触が頬を這う。予想だにしなかった彼の行動に、打ち止めは軽くパニックに陥る。
「ななな、なめっ?!」
「……甘」
「言うことはソレじゃないと思うのってミサカはミサカは突っ込んでみたりっ! あとビターチョコ使ったから、そこまで甘くはってひゃあ?!」
ぺろりと再び頬を舐められて彼女は奇声を上げる。温い擽ったさに加えてよく解らない感覚がゾクゾクと背筋に走った。
「普通に甘ェっつーの」
頤を伝って首筋へと垂れかかるチョコレートを舐めながら、一方通行は感想を寄せる。溶けたチョコレートは固体の時よりも香りが立って、甘ったるさにくらくらする。
「ちょっとあなたって…ひゃんっ」
猫の仔が順々に毛繕いをするような調子で、首筋から首元へとつつつと滑る舌先の感触に、打ち止めの身体はひくりと震えた。
先ほどまでとは違った意味で目の縁に涙を溜めて、頬を真っ赤に染めた少女の様子を気にすることもなく、ブラウスと胸元の境界線のところまで綺麗にチョコレート舐め取ると、つい、と一方通行は彼女の手を取った。
チョコレートの飛沫が白い指先を汚している。彼は特に躊躇うこともなく、華奢な彼女の指を口に含んだ。
「……はふぅ、」
飴を舐めるように、一方通行は打ち止めの指を舌先で転がした。熱い口内に冷えたそれはキモチイイ。味蕾が彼女の指先の造型を細部までなぞりあげる。
打ち止めは回らない頭で、ただただその行為を甘受していた。
チョコレートの味が消えたのか、それとも何かに満足したのか、彼が彼女を解放したときには、打ち止めの指先は入浴したときのようにふやけていた。
「ご馳走さン」
恐らくチョコレートに対してなのだろうが、いろいろと凶悪すぎる、しれっとした様子の彼に対し、
「……おそまつさまでした、とミサカはミサカは返答してみる」
真っ赤になって腰の砕けてしまった打ち止めは、若干的外れな言葉を返すことしかできなかった。
おわり。
以上です。ありがとうございました。
打ち止めをチョコフォ(ry 一通さんだって打ち止めをペロペロしたい日があったって良いじゃない。ではでは。
全力での!!!GJを!!!
捧げさせて頂こう!!!
通行止めいいよ通行止め
GJ!!
通行止め読みたかったから嬉しいよ
もっとペロペロしてもいいぞ
乙っす!現実はともかくバレンタインネタは良いもんだ
後後れ馳せながら浜絹の人も乙でしたー!
新訳一巻で今まで放置されてた絹旗が浜面にどんな反応するか楽しみだ
>>97 GJ! 2人のイチャイチャぶりが難なく想像できました!
ところで「MNW」って正式な設定でしたっけ?
さらっと使われていたのにちと違和感を感じてしまいました。
>>101 ああ、確かにミサカネットワークの方が公式の用語かもね
個人的には頭文字だけでもすっきりしてていいけど
こう見ると乙姫ちゃん可愛いよな……
これでヒロイン勢を食わないようにと地味にデザインされてるんだから……
まさかググルことすら出来ないとは思わなかったわ
ほらよ
【この板の趣旨】
一般向け作品(漫画/アニメ/ゲーム/小説/ドラマ等)のエロ妄想・萌え談義、
およびオリジナル・パロディを問わないエロ小説創作等を行う板です。
以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
キャラ単位、キャラ主体のスレッド →ピンクのキャラサロン
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>>画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
実在する人物(アイドル等)を元にした創作 →えっちねたロビー等 【PINKちゃんねるは18歳未満立ち入り禁止】
18歳未満の方は、エロ妄想を含まない範囲で2ちゃんねる掲示板をご利用ください。
ソレも読んでないのならここに出入りするな
18歳以上なんだろ?
>>一通さんだって打ち止めをペロペロしたい日があったって良いじゃない
ペロペロどころかレロレロもチュパチュパも毎日してるんじゃないんですか
ともかくGJ
>>105 省略しないでローカルルールって言ってやれよ、俺も一瞬?が浮かんだしw
ああ、LRってローカルルールの略だったのね、やっと分かった
大分前からここに居るのに何の事だか分からなくてどうしようかと思ったよwww
左右
ノッキンドアしか思いつかん
そんなお前らに
★教えて君五大要素★
1. 読まない ・・・説明書などを読まない。読む気などさらさらない。
2. 調べない ・・・過去スレ、ググるなど最低限の内容も自分で調べようとしない。
3. 試さない ・・・めんどくさいなどの理由で実行しない。する気もない。
4. 理解力が足りない ・・・理解力以前の問題で理解しようとしない。
5. 人を利用することしか頭にない ・・・甘え根性でその場を乗り切ろうとする。
ガイドラインならすぐわかるんだけどな。どこ中のローカルだよ。
ロクに調べないのもどうかと思うがわざわざ一般的だとは思えない言葉に言い換える必要がどこに?
聞いてもいいですか?
禁書のネタでも何でも無いこの話はいつまで続くのでしょうか?
それなら「新約〜」の表紙&予告からロリンダやら新生アイテムやら一通打ち止め番外の新生活でも妄想しましょうよ。
再生したけど、結局パーツが足りなかった訳よ
という展開かどうかは見てのお楽しみ
無関係の人間だけどあえて似せているってこともあるよね
例と言ってもワンピースのたしぎぐらいしか思いつかないけど
何が言いたいかって言うと、赤の他人かどうか確定する前に
フレンダ復活ネタは今のうちに書いておけってことさ
あれは本人じゃないの?
作者さんはあんまりキャラ殺さない人ぽいし
多分垣根とかもその内出るんだろう
単なる新巻の展開予想は本スレでやったほうがいいが
エロネタを伴う予想ならどんどんこっちでやってくれ
個人的には番外通行止めの性生活が気になる
上条さんがいない時だからこそ、
神裂さんや五和を掘り下げて欲しいんだがな
いる時は安心しちゃって特に何も行動を起こさなくとも
いなくなった時にどういう反応をするのかが見たいんだ
本人・・・ってのはどうかな
何かしら関係があるんだとは思うが
何にせよこれで金髪ロリ×浜面ができるわけだ
絹旗とのロリ3Pもいけるな浜面爆ぜろ
あといなくなった上条さんを想ってのヒロインオナニーもいけるで
こっちでもとか流石にマジモンの子は自重したほうがいい気がするな
まるでフレンダはいい子!ああいう風に書かれてたけど実は…とかを押し付けてる奴と同じになりつつある
さて流れを変えるために投下して下さる猛者は誰かおらんかね?
へー 新刊の表紙そんななってたんだ。フレンダ以外の死亡者ほとんどいないし
未確定だけどそんな展開もありだな。むしろここでやるんだろうなぁ
>>124 自他共に認めるスタイルの麦野、実は脱いだらすごいと言われる滝壷もいるしなぁ。
絹旗も結構凄いと自分でいってるけど、絹旗のポイントは胸じゃなくて尻だと思うんだ。
人間下半身を吹き飛ばされても直ぐには死なないんだって初めて知った。
ま、自分がそうなってみなくちゃ判らなかった訳で、とどのつまりは、結局私は失敗したって訳よ、てへっ。
裏切りを軽く考えていた自分の甘さを死ぬほど後悔した所で、その時には目の前に抗いようの無い本物の『死』が口を開いていた訳よ。
ああ、もう死んじゃう死んじゃう死んじゃう!! こんな事になるんだったらもうちょっとオモシロオカシク生きるんだったZE!!
そんな事を考えていたら、不意に掌に温もりを感じた訳よ。
懐かしい、恋しい感じがしたんだけど何だったのかな?
とにかく、それに伴ってぼんやりとした私の視界はゆらゆらと揺れたんだけど、
「何で裏切ったのよ……」
そんな声が聞えた。
何でと問われると、「保身?」とそんな言葉くらいしか思い付かない。
それで結局、私は上っ面だけで皆と付き合って来たんだろうなと思った訳よ。
いや、人生そのもの上っ面だったかもしれないな、うん。
そしてそれに対する劣等感もあったのかもね……いや多分あった。
だから他人の運命を摘み取るのが快感だった。
お前の運命はこんなチンケな野郎に殺される為に一生懸命紡がれたんだねって言ってやる時が一番気分が絶頂だった訳よ!
うん、歪んでいるのは百も承知な訳よ。
何たってこちとら伊達に暗部に席を置いてる訳じゃない。
「殺すしか……お前を殺すしか埋め合わせできないじゃないか……」
殺した奴が泣き言言うなよ麦野ぉ。
まあ、今こうして思えば、短い間だったけどそれなりに楽しんだし、結局何だかんだ言ったって私は皆とこうして居るのが楽しかった訳よ。
そんな所で、急に幕引きを知らせるかのように視界が霞んで来た訳よ。
そろそろお迎えかなぁ……って。
まあ後は任せた皆。
皆はもっとオモシロオカシク生きるんだぜ。
チクショウ、指に力が入らないから心の中でブイサインだ!! イェイイェイ!!
とかそんな感じでいい感じフェードアウト症と思った所で思いだした訳よ!!
私って処女じゃん!!
処女のまま死んだんじゃん!?
やべぇ……これはマジで洒落にならない訳よ。
どうする? 下半身はとっくの昔にメルトダウンしてしまってこの世に無い。
と言うか私の命だって風前のともし火って訳よ!?
ヤダヤダヤダヤダヤダ、処女で死ぬなんてぜええええええええええええええぇぇぇエエエエエエエエエエエエエったい有り得ないって訳よ!!!
「と言う訳で戻って来たって訳よ」
そう言って胸を張る私を前に、皆の顔が唖然としている。
「それってどんな自分だけの現実(パーソナルリアリティ)よ。馬鹿げているとしか言いようがないわ」
そんな事言ったって麦野、現実にそうなっちゃったんだから受け入れて貰わなくちゃいけない訳よ。
それにしても麦野は相変わらず綺麗だよねー。
私はパーツが足りなかったお陰でこんな「チンチクリン」になってしまって……自慢の美脚が、ヨヨヨヨYO……。
「ではあなたがフレンダだとして、今更超何をしに来たのですか?」
絹旗何よそのあからさまな敵対する態度。
ははーん、さては可愛さに磨きのかかった私に嫉妬している訳ね。
ふむふむ、支払った代償は大きかったけれど、手に入れたモノも大きかった訳よ。
見なさいこの瑞々しくもぴちぴちの、O、HA、DA。
誰だそこ幼女趣味は無いとか失礼な事言わないで欲しい訳よ。
ま、それはともかく、
「私が戻って来た理由は超簡単な訳よ」
「はまづらだったら駄目だよ、フレンダ」
うぐ!? 滝壺鋭い! さ、流石は影で正妻宣言していただけあるって訳よ。と言うか正式に正妻に落ち着いてしまった訳?
「な、なな、何で俺をそんな目で見るんだよフレンダ? おいちょっと待て麦野も絹旗も何だよ一体!?」
何を慌てているのかな浜面。どうやら浜面は浜面の分際でいい感じに収まっているみたいじゃない。
ずるい。私が居ない間にこんなにオモシロオカシクなっているじゃないか。
よし参戦する。
結局、こんな面白そうな事に首を突っ込まない方がおかしいって訳よ。
これなら
>>125 も文句あるまい。と言うか妄想に押し付けも何も無いと思いますが。
>>129 おい続きはまだか?
全裸待機してるんだが
ネタで終わらせずに続けてほしい
ここで黒妻4番目主人公化&固法先輩ヒロイン昇格なら超絶燃える展開になるんだが
何、フレンダネタにその二人絡ませようなんて凄いこと考えますね。
職人さんも大変だなこりゃ。
しかし、ロリンダのアレに浜面のナニは入るのか?
正直、通行止めの比じゃ無いよね。
実に興味深いw
っ お口
つ 浜面をショタ化
黒妻?ってアニメにチラっと出てたスキルアウトか
すっかり忘却の彼方に葬り去ってたわ
某スレのおかげでかなり熱いです
あの一発キャラか
何のこと?
小ネタ投下します。
NTL、鬱要素あり。
カプは絹浜。
果たして、私が超欲しかったものって、何なのでしょうね。
暗部にいて、誰かとの繋がりが命を縮める人を超見て、それでも求めたんですよね。繋がりを。
ですが、それはこんな形じゃなければいけなかったのかなって思う事もあるんですよ。超時々は。
「どうしたんだ、絹旗?」
アホ面を下げる浜面に何でもないと伝えると、腰の動きを再開する。
少し前、浜面と滝壺さんが超2人の世界を作り始めた頃、独りに怯えて浜面の初めてを奪った。私の知り合い、二人以外は死んだり行方不明でしたし。
あの2人の間に入るには超それぐらいしないと話にならない気がしたんですよ。
本当なら浜面じゃなくて、滝壺さんとの関係の方が超重要だったのですが、まあ浜面と違って方法が無かったので仕方ありません。
果たして『成功』と呼べるのかは超分からない。ただ、今もその関係は続いている。
もっとも、初めの数回は私が無理矢理したんですけどね。
今では、浜面の方からも求めて来ますし、私から誘えば超断りません。
もっとも、初めから変わらず私が上で浜面は超動かないんですけどね。
まあ、初めてのシチュエーションが超アレですからそういうものだと勘違いしている可能性ありますけどね。超浜面の事ですし。
規則正しく、続く叩きつけるような音に酔い始めたようで超ペースが上がります。浜面は少しだけ驚いたようですが、特に動きはなし。
ある意味、それが滝壺さんと進展していない証です。滝壺さんが腰を振る姿なんて超想像出来ませんし。
少しして、私も限界に近づいたらしく、呼吸も超荒く意識も曖昧になる。
一瞬、意識が飛びかける。これで浜面が突き上げたりしていたら超完全に飛んでましたね。
私の中をパンパンに満たして超主張している浜面から搾り出すために腰の動きを再開する。
最近は慣れて来たのか前ほどは超速く無いので少し大変ですね。
まあ、それでもダウンするのは浜面の方が先なんですけどね。
まだ夜の3時だと言うのに目が覚めてしまいました。いえ、超気のせいです。
浜面が口を滑らしていない限り、この場所は2人しか知らないはずです。
そう、だからこれは超夢です。血塗れの浜面が私を抱いていたり、体晶のケースと血濡れの包丁をもった滝壺さんがこんなところにいるはずありませんから。
>>140 乙
絹旗の切ない話かなと思ったら…オチ…orz
いい加減上条さんの話が見たいんだけどなあ・・・
>>140 体晶のケース??って思ったが、それでサーチして来たわけか。
うまいなw
滝壺の能力って実は他の誰よりもヤンデレ向きの能力だよな
正妻ポジションに落ち着かなきゃ凄いことになりそうだったな
浜面本人は無能力者だから大丈夫だけど
能力者を浮気相手にできないなw
>>140 短いのによくまとまっていてGJです。
しかしやっぱり浜面…。
>>140 AIM「ストーカー」なだけはある
些細なことだけどNTLでもNTRでもいいものなの?
NTLだとorzのスネオバージョンに見えるけど
>>147 NTL=寝取り
NTR=寝取られ
一度某掲示板で間違えて恥をかいて以来気をつけてる。
今回は絹旗一人称だからNTLであってるはず。
>>148 ちゃんと分類されてるんだ初めて知ったわありがとうw
>>148 説明ありがとう
ただ次はNTRがスネオのクラウチングスタートに見え始めた
>>140の前後の小ネタ投下します。
注意は鬱(NTR)
直接的なエロは無しです。
登場人物は浜面、滝壺、絹旗。
絹旗と関係を持ってしばらくたった。初めは滝壺に悪いと思った。
今も多少の罪悪感はある。だけど、絹旗は多くを語ってはいないけど俺が思った以上に俺を必要としているらしい。
まあ、それが俺の勘違いで絹旗は誰でも良いのなら滝壺に刺されても文句は言えないだろうな。
ともあれ、最初の歪んだ関係からは少しマシにはなったと思う。絹旗に無理矢理ヤラれる事も、誘って拒否される事もないしな。それでも最悪以上ってところか。
問題は滝壺にいつ打ち明けるのか、あるいは隠し通せるのかって事だ。内容が内容だけに下手すれば別れを告げられるからな。
「はまづら、聞いてる?」
おっと、愛しの滝壺の前だというのに、ぼーっとしてたみたいだ。
「悪い、何の話だっけ?」
滝壺はそっぽを向いて何かを考えている。少しして、俺の手を掴むとそれを自分の胸にやった。
見た目以上の触感だ。じゃなくて、
「た、滝壺?」
いきなりどうしたのだろうか。
「して?」
何を、は無粋だ。だけど、
「それとも、小さい子じゃないとダメ?」
いや、待て。バニーなら散々からかわれたから分かるがロリコン扱いは……!
まさか、
「もしかして、」
初めっから
「私が出来ないと思ってたからはまづらはきぬはたとシタんだよね?」
気づかれたーー!
「い、いや、悪い。本当に悪かった。謝るし、俺に出来ることなら何でもするから」
滝壺はくすんだ笑みを浮かべると耳打ちをしてきた。
「はまづらは悪くないよ? どうせきぬはたが無理矢理手込めにしたんでしょ? だって、きぬはたは大能力者だから。はまづらがどうにか出来るはずないし」
確かに、その通りだ。絹旗を犯せる奴なんか七人くらいしかいないだろう。
「でも、お願いしても良いならーー私を抱いて欲しい、はまづら?」
それに一も二もなく同意すると、滝壺に場所はどうするか聞いた。ここ、つまり病室で良いと言われた。
警備員捕まる覚悟で滝壺のベッドに入った。
俺が下になろうとした瞬間、滝壺の表情が崩れた。
うわごとのように「帰って、はまづら」と繰り返す。伏せた顔はもう見えない。
「ごめんな」と呟くと病室を後にした。
どうしたって、神様はこんなふざけた目を出しやがるのかね。
帰り道、絹旗に誘われた。これが映画ならまだ良かった。
アレ、だった。だけど、滝壺に呆れられた俺には絹旗との関係を悪化させる可能性さえ選ぶ勇気は無かった。
だから、「ああ、いいぜ」と答えていつもの隠れ家に向かった。もしかしたら、絹旗と関係を持った日から戻る場所なんて無くなったのかもしれないな。
ふと目が覚めると横で一糸纏わぬ絹旗が寝ていた。2時半か。
乾いた喉を潤すために立ち上がる。絹旗を見て思わず、「寝顔は可愛いんだけどな」と呟く。が、その音はノックでかき消された。
誰かと思って出てみれば居たのはなんと滝壺。どうしてここが分かったのか、裸なのはマズいのか他、頭がパンクする。
「はまづら、中に入れて」
虚ろな目をした滝壺が俺を押しのけて、中に入る。慌てて飛びついて止める。
滝壺の手に、光るものが見えた。刃物か何かだろう。
「どいて、はまづら?」
努めて冷静に、聞く。
「どいたら、どうするんだ?」
滝壺の顔には大量の汗が光っている。恐らく、一発は貰う覚悟なら飛びついて止められるはず。いや、止める。
滝壺が答えもせず、寝ている絹旗に襲いかかる。俺は庇うように刃と絹旗の間に体を滑り込ませる。くそ、痛ぇな。
「何で? はまづらは何にも悪くないのに、悪いのは全部きぬはたなのに」
馬鹿な事を言う滝壺を後目に絹旗の方を見る。くそ、起きてない。
「滝壺、一つ聞かせてくれ。これからどうするんだ?」
最高なのは俺を病院に送る事。出来れば、それであって欲しい。
「きぬはたを殺すよ。ううん、殺すだけじゃ足りない! 苦しめて後悔させて、」
そこまで言った時点で滝壺に後ろ蹴りをお見舞いした。強く握ってはいなかったらしく、刃物ーー包丁だったらしい、は刺さったままだった。それを抜くと、右手に構える。
「どうしたの? はまづら?」
俺はそれを『絹旗』に突き刺した。悪戯して気づいたんだが意識無ければ、能力使えないのな。
「何で? はまづら?」
絹旗の手に握られた体晶のケースを指差す。
「滝壺、能力使って絹旗を殺す気だっただろ?」
無言、だけどそれ以外にない。
「だから、俺は1人を救える可能性を選んだ」
糞、喉に血が絡んで喋りにくい。
「『俺』が『暗部の絹旗』を殺した。だから、滝壺は帰れ」
冷たいようだが、俺に出来るのはここまでだ。
「何で、私じゃなくてきぬはたを……」
嗚咽混じりで聞いてくる滝壺。この答えが最後の言葉だろうな。
出来れば何回でも言いたかったけど、無理だな。だから、一回で許してくれよな。
「浜面仕上が世界で一番愛してるのは滝壺理后ただ1人だ」
以上で投下終了します。
乙!はーまづらぁダサカッコいい
それにしてもインデックスと打ち止めは肉体関係の浮気してもギャグパートになりそうなんだが、理后はヤンデレ化する想像しか出来ない。
乙
浜面は浮気は不可能だな。滝壺は作中の描写以上に浜面への依存が強そうだしな
>>153 乙です。
私にはちょっと合わない正統欝展開にはお腹が痛くなりつつ、ここの浜面マジ下げチン野郎市ねとか思いました。誰も幸せになってねぇぞゴラアアアアアア!! って感じで。
あと、これは人それぞれの書き方も有るので、不快に思われたら申し訳ありません。
読んでいて気になったのですが、ただのレスと違って長文になるSSは段落を付けた方が読みやすいと思いました。
それと、「ーー」は「――」が正しいそうです。
ありがとうございました。
>>159 「ダッシュ(――)」了解です。忘れてました。
長編ならともかく、この位の短編だと段落付ける前に終わる気が……
特に場面替えで空行使ってますし
>>160 勘違い失礼しました。「段落」ですね……
気をつけてみます。
こんな新約はイヤだ。ってことで小ネタです。
・一通さんがハイパーデレ期突入→バカップル
・被害者番外さん
ようは、キャラ崩壊注意。
黄泉川家一日目
何のかんのとあった挙句、学園都市における保護者の家に身を寄せることになった一方通行と打ち止め、そして番外個体。
横の二人が勝手に出て行ったことに関して怒られたり、無事帰ってきたことを歓迎されているのを横目に見ながら、ほんの少しばかり居心地悪い思いを番外個体は噛み締めていた。
あっさりと自分を受け入れる、黄泉川愛穂と芳川桔梗という二人の保護者。第一位と最終信号の保護者をやっているだけあって、その度量は大きい、らしい。理解に苦しむ人間達だ、と彼女は思う。
しかし、番外個体はそんなことを考えている場合ではない、ということを、早急に自覚しなければならなくなった。
ひとまずご飯にしようとなったところでそれは起こった。
「あ、でもうちのダイニングテーブル、椅子は四つしかないじゃん」
「じゃあリビングで食べる? それとも部屋から椅子持ってきましょうか」
「ミサカはこの人に抱っこしてもらえば良いから大丈夫だよ、ってミサカはミサカは断言してみたり」
缶コーヒーを飲む彼も、肯定するかのように頷いた。それじゃあ食べにくいし――大丈夫だろ――やっぱりお行儀がね――。結局リビングで食べる、ということに落ち着いたが、二人の反応も、その保護者の反応も、何かがおかしい。
『抱っこすれば良い』そういう問題か?
そして入浴のとき。番外個体は骨折しているため、入浴には誰かの介助が必要だ。
「じゃあ私が一緒に入るじゃんよ」
「それなら、最終信号とはわたしが入れば良いのかしら」
「ミサカはこの人と一緒にお風呂に入るから平気だよ、ってミサカはミサカはヨシカワを安心させてみたり」
「オマエ、風呂ン中でまた暴れンじゃねェぞ」
「――ちょっと待って!」
番外個体は慌てた。今、ナチュラルに第一位と最終信号が一緒に入浴することが決まったが、果たしてそれは良いのだろうか? 小学校高学年の女児と、高校生男子が一緒にお風呂、というのは、そろそろアウトなのではないか?
しかし、番外個体の良識は、この家では通用しない。
「? どうしたんじゃん?」
「え、だって第一位と最終信号が一緒にお風呂、って――」
「何か問題でもあるのかしら?」
「え?」
「今日はミサカがあなたの背中を流してあげるねってミサカはミサカはあなたに飛びつきながら宣言してみたり」
「そりゃどォもォ。じゃあお返しに頭洗ってやンよ」
「本当に本当に?! ありがとうってミサカはミサカは早速お風呂に向かってダーッシュっ!」
「転ぶなよォ」
番外個体の困惑を余所に、第一位と最終信号はじゃれあいながら浴室へ向かう。保護者二人も特に疑問は抱いていないようだ。
「…アレ?」
――もしかしてこのミサカがおかしいの? 番外個体は一人首を傾げる。そもそも、二人の発言からして何度も一緒に入浴したことがある雰囲気ではなかったか?
自分の常識が正しいのか。この家の住人の常識が正しいのか。番外個体は一人で悩み続ける。
そして就寝時のこと。
「番外個体はどこで寝る?」
「打ち止めと一緒でとりあえず良いじゃん?」
「うーん。ミサカはどっちかって言うと一人で寝たいから、百歩譲ってソファーでも良いけどね。ちびっ子突き落としてベッド独占するのってあり?」
きゃらきゃらと笑う番外個体。しかし、その笑いは、打ち止めの放つ一言によってあっさりと凍りついた。
「番外個体はミサカのベッドで寝ても良いよ、ってミサカはミサカは許可してみたり。ミサカはこの人と一緒に寝るから心配しないで、ってミサカはミサカは説明してみる」
「…は? へ?」
一緒に寝る? 番外個体の脳が重い音をあげてその情報を処理している間に、打ち止めは一方通行の腕にしがみついた。よくよく見ると、二人のパジャマは色違いだがお揃い、らしい。
「枕一個しかねェぞ」
「あなたが腕枕してくれるから大丈夫、ってミサカはミサカは暗におねだりしてみたり」
「腕痺れンだよなァ…」
「ええ、ダメ? ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」シュン
「…ダメ、とは言ってねェだろォが」デコピン☆
「意地悪なのか優しいのか、どっちかにして欲しいかもってミサカはミサカは額をおさえながら呟いてみたり。じゃあ皆、お休みなさーいっってミサカはミサカは元気に挨拶してみる!」
「おやすみじゃんー」
「おやすみなさい」
イチャコラしながら消えた二人。何事も無かったかのように、保護者二人はお茶を啜っている。
「ねえ…アレ、いいの?」
「何が?」
「だから、第一位と最終信号が一緒に寝るって、アレ」
ああ、アレね――と保護者二人は頷きあった。
「別に、仲良きことは美しき哉ってことで良いんじゃないかしら」ズズズー
「そうそう、二人ともまだ子どもだから、気にすることないじゃん」ズズズー
「でも」
「さすがに手を出しちゃうのはまずいような気もするけど、あの子のことだから、最終信号が嫌がったらしないでしょうし、無理はさせないでしょうしね」ズズズー
「ま、黄泉川さんとしては、合意の上でかつきちんと避妊さえしてくれれば許すじゃんよ」ズズズー
「そもそもあの子が手を出すなんてこと、まだまだないと思うけどね」ズズズー
「そうそう。あ、桔梗、煎餅いる?」パリポリ
番外個体は納得した。この家では自分の常識は通用しないらしい。常識が通用しないのは、何処かの冷蔵庫くらいでいて欲しいものである。
黄泉川家三日目
打ち止めは一方通行の膝の上で、何かの本を読んでいる。今日も今日とて、平和な日々はまったりと過ぎていく。
しかし番外個体のストレスはマッハだった。いちいちいちいちベタベタイチャイチャしている二人と同じ空間に置かれ、誰一人としてツッコミを入れない。それは意外と苛立つものである。
「…ねぇ」
ついに意を決して、番外個体は第一位に声をかける。
「べっつに第一位の性癖が何であっても気にしないけどさ、ロリコンペド野郎。見せられ続けるこっちの気にもなって欲しいんだけど。うざい」
「「?」」
「心底わけのわからない、って言う顔をそろってしないでもらえるかな。ミサカのストレスけっこうヤバイんだけど」
魂の抜け出しそうな溜め息を吐いたところで、目の前の二人に効果はない。もぞりと動くと、打ち止めは一方通行に向かい合うようにして彼の膝の上に座りなおす。
「…あなたはロリコンさんだったの? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
「ンなわけねェだろ。つーかオマエ以外の女に興味ねェし」サラリ
「もう、あなたってば昼間から大胆なのねってミサカはミサカは真っ赤になってみる」/////
「だ・か・らっ! 第一位が最終信号とベタベタしてる光景がミサカ的にロリコンペド野郎にしか見えねぇから慎めっつってんだろーがクソったれがぁああああああああっ」
びっしいいいいっ、と人差し指を突き立てて、番外個体は絶叫する。決まった。さすがに自分達が批判の対象になっていることを理解した二人、痛くも痒くもないといった様子の一方通行とは違って、打ち止めの方は若干傷ついたらしい。
「っ! ミサカのせいであなたがそんな風に見られるなんて、ミサカはミサカはショックを隠せない」ショボン
「気にするな。俺はオマエのためなら、ロリコンだのペドだのっつった汚名だって甘ンじて受けてやらァ」フッ
「あなた…っ! ってミサカはミサカは感動してみる」ジーン
「バーカ。当然だろォ」
「ミサカ、あなたがそんこと言われないように、早く大人になるね、ってミサカはミサカは誓ってみたり」
「別にオマエはオマエのペースで成長すりゃ良いだろォが」
「ありがとう、ってミサカはミサカはあなたにぎゅっと抱きついてみる」
「礼を言われるようなことじゃねェよ」ナデナデ
「ふふふー。あ・な・た」
「…クソガキィ」
「そこおおおおおおおっ!良い話にしてんじゃないっ!そして抱きつくなキスとかしようとしてんじゃないっ!」ゼェハァゼェハァ
効果はゼロだった。どっと疲れた。罵倒も挑発も煽りも、バカップルには効果がない。しかしそんな番外個体の苦労を慮ることなく、二人はソファーの上でいちゃいちゃし、あまつさえどこか親のような視線を彼女に向けている。
「番外個体にはちょっと早かったかな? ってミサカはミサカは姉としての余裕をみせてみる」フフフ
「ナリはアレでもオマエの妹だしなァ、製造番号順に考えて」ウンウン
「え、どっから突っ込み待ちなの? ってミサカはいいかげんテメェら死ねば良いのにという思いを隠せないよ」
黄泉川家七日目
そろそろ馴染んだ味となった胃薬を今日も服用する。そんなことから一日が始まることになるなんて、ロシアであの二人と対峙したときからは思っても見なかった。
番外個体をそのようにした原因の二人は、今はテレビを仲良く見ている。知ったこっちゃない。
いちいちいちいちイチャイチャイチャイチャしてパステルピンクの空気を放ち続けている二人に、心身ともにストレスを溜め。
ミサカネットワーク内に溢れる、(バカップル死ねばよいのに、と(リア充は爆発すべきです、と(鬱陶しい滅びろ、と(いちいち報告イラネ、と(デレ期一方通行マジうざい、と――と言った怨嗟の声に、憎悪と悪意を溜め。
ついにそれが溢れ出したのは、二日前のことだった。
「あひゃひゃひゃひゃっ! ミサカ、もうあなたを殺さずにはいられないみたい。死ね、第一位っ!」
「っ、」
ロシアで決意した通り、一方通行はクローンに攻撃することをなるべく忌避するように行動している。突き出されたナイフを間一髪避けたが、つ、と服の繊維が僅かに飛んだ。
「いきなりどうしたの?!ってミサカはミサカは慌ててみたりっ!」
「胸に手ぇ置いて考えろクソ上位個体!」
華麗な動作で番外個体のナイフを弾き飛ばした一方通行。それに対し、電磁波を発生させて番外個体は電極に一瞬のバグを発生させる。コンマ一秒にも満たない、ほんの少しの動作の乱れが、命取りとなる。
床の上に転がされた少年に、嘗ての暗殺者は俊敏な動きで近付いた。
「 死 ね 」
「やめてええええええっってミサカはミサカはわって入ってみるっ」
上位個体命令文を飛ばして、番外個体の動きを阻害することに成功した打ち止めは、両者の間に飛び込んだ。番外個体から庇うようにして、彼女は倒れている一方通行にしがみつく。
「大丈夫、あなた? ってミサカはミサカは気遣ってみたり」
「大丈夫だ。心配いらねェ」
「待って、今すぐマウス・トゥー・マウス方式であなたにミサカの愛を注入するから、ってミサカはミサカは「それ一般的にはキスって言うんだよクソったれがあああああああっ」
そして思わず、番外個体は禁忌を犯す。彼女の銃口は、まだ幼い少女に向けられた。撃つつもりは全く無かった。
しかし。
「?!」
キン、と音がして、番外個体の髪の毛が数本千切れた。彼女の真横を先ほど彼女が落としたナイフが飛んだのだった。全てのベクトルを制御下においた少年はゆるりと立ち上がる。
「さて――」
歪んだ笑みを浮かべた白い悪魔。その背から、人間には異質な翼が噴出する。
「覚悟はできてンだろォなァァあああああああ?!」
「ひ、」
恐怖が番外個体の心を塗りつぶす。床の上にへたり込んでしまった番外個体は、動くことさえできなかった。ギラギラとした瞳が彼女をとらえる。殺される、という予感がぎちぎちと彼女を押し潰す。
殺される。白い悪魔が、ゆっくりと彼女に近付いてくる。その一歩が、彼女の命が終る瞬間へのカウントダウンだった。
だが、運命はまだ彼女を見捨てはしなかった。
「ミサカは大丈夫だから、ってミサカはミサカはあなたに抱きついてみるっ! あの子を攻撃しちゃダメっってミサカはミサカはあなたを制止してみたり」
その恐怖の対象に、何の躊躇いもなく少女は飛びついた。彼女の言葉を受けて、途端に彼は大人しくなる。
そして更に保護者二人もその場に乱入する。
「はいはい、私の家を壊すなじゃーん」
「あら、それが噂の羽? 初めてみたけど興味深いわね」
そうこうしているうちに勢いがそがれたのか、彼の背中から噴出していた翼の勢いが緩やかになった。
「あら、もうその羽しまっちゃうの? もう少し観察させてくれれば良いのに」
「いやいや、家が壊れる前にしまってもらわないと困るじゃんかよ」
「なら出てるうちに、一緒に空を飛んでみたいかもってミサカはミサカは興味津々!」
「チッ、仕方ねェなァ。しっかりつかまってろよォ?」
「わーい、行って来まーすってミサカはミサカはぎゅっ!」
「おう、お空のデートに行ってらっしゃいじゃーん。ご飯までには帰ってくるじゃんよー?」
打ち止めをお姫様抱っこした一方通行は、そのまま窓から空に躍り出る。そのまま二人は上空500メートルのデートに出かけてしまった。愛の飛行である。
結局そういうオチなのか。がっくりと力の抜けた番外個体は、再び崩れ落ちた。
「うーん、あの子に気を使わせちゃったみたいね」
芳川はへたれこんでいる番外個体を支え起こしながら、窓の外に小さくなった二人を目を細めて見送った。
「…どういうことなの? ってミサカは意味がわかんないんだけど。単にデートしたかっただけじゃないの?」
「あんな戦闘もどきがあった状態で、キミとあの子が一緒にいるのはいつも通りに振舞うのは難しいでしょう? ワンクッション入れるための措置でしょうね」
「ま、デートしたかった、ってのも否定できないじゃん」
カラカラと笑う黄泉川に、芳川は肩を竦めて見せた。あのお子ちゃまは、どうやら自分や第一位よりも何歩も先を行っているらしい。
とりあえずこの日、番外個体は学んだ。――あのバカップルには、手を出してはいけない、と。
故に、自分自身で溜め込んだストレスと、ミサカネットワークで溜め込んだストレスを発散する術を見失った番外個体の歪みは、彼女の胃を襲った。
生まれてからまだ一月もたたないのに、既に胃薬を手放せなくなりつつある自分が悲しい、と番外個体は思う。
心配して気を使ってくれる最終信号と第一位の気持ちはありがたくないわけではないが、そんなことならもっと空気読め、と思わずにはいられない。
そんなわけで、平穏な日常が破られて、再び怒涛の戦いの日々に突入したときに、番外個体はほんの少しだけ嬉しくなったのだった。
おわり。
キャラを愉快に崩壊させてすみませんでした。
でもまあ実際には、
――イギリス清教施設内
上条当麻が行方不明、という事態を知って、イギリス清教に所属する人々は衝撃を受けた。嘗て彼と対峙した、ローマ正教の面々は、ある者は黙り込みある者は涙した。天草式所属の面々は、捜索仕切れなかったことに悔しさを滲ませる。
彼と個人的に強い親交を結んでいた人たちは、なお一層悲惨だった。
『救われぬ者に救いの手を』――その名を持つ聖人は、いつも助けられてきた少年を救えなかったという事実に呆然とした。
彼を恋い慕う天草式の少女は、その知らせに泣き崩れて以来、部屋に籠りがちになっている。
生命の危機から救われて改宗した修道女は、ずっと彼のために祈りを捧げる日々だ。
その中でたった一人だけ、暗い空気を振り払うように明るく振舞う少女がいた。インデックス。彼女の笑顔は、絶望的な雰囲気に希望の光を僅かながらでも灯し続けている。
『だってとうまは約束したんだよ。『帰ってくる』って。だからとうまは絶対に帰ってくる。私たちは信じて待てば良いんだよ』
インデックスはそういって、少年をわざわざ死地に赴かせ、救うことのできなかったイギリス清教の人々を励ました。
しかしステイルは知っている。彼女の瞳や目元が、涙に濡れて赤みを帯びていることを。刷毛で刷いたような薄い隈が、長い間上手く眠れていないことを示していることを。食欲が落ちてしまって、少しやつれてしまっていることを。
皆が皆、彼を失ってしまったことに対する自分の感情に精一杯で、皆を気遣う彼女の悲しみを汲んでやることが出来ていない。その事実が彼を苛立たせる。
――いや、違う。彼女の悲しみをどうにかできるのは、きっと上条当麻だけなのだ。あの憎たらしい少年が帰ってこない以上、彼女の苦しみは晴れない。
「本当に、腹立たしいね」
投げ棄てた煙草を踏み潰すと、ステイルは鬱陶しげな様子で髪をかきあげた。イライラする。本当にイライラする。
彼女をあんな風にしたまま行方不明な上条当麻に。
上条当麻以外の誰にも頼りかかることをしない彼女に。
そして何よりも、彼女の支えに全くなれていない自分自身に。
ステイルは踵を返した。あの男の探索を別の方式で展開するための術式は既に考案した。協力者も手配済みだ。これで見つからなければ、また違う方法を考えなければいけない。
――全ては、一瞬でも早く、彼女が心からの笑顔を浮かべることができるように。
コートを翻すと、彼は大股で歩き出した。
みたいなことが展開してそうで心配です。早く帰って来て上条さん!
ではでは。
>>162 GJ
そういえば一方さんは22巻でデレてましたね。悪化すると……こうなるんですね。
乙
やばい、ニヤニヤ止まんねー、一方さんのデレの破壊力高い
一旦開き直ったらひたすらべたべたしそうだからなあ…
番外個体に合掌ww
よく1週間もったな
番外個体さんの堪忍袋の緒はずいぶん頑丈だったな
俺なら1日で逃げ出す
乙乙
あーやっぱ通行止めは王道だな
最近本スレでも制作SSでも一方の相方は番外個体ばかりだったから嬉しいわ
にやにやが止まらないwwwww
乙!
一方さんは開き直るとラブラブ電話すらこなす奴だからこの未来はありうるwww
>>153〜の続きの小ネタ投下します。
注意は鬱展開(微NTR)
非エロ
登場人物は浜面、絹旗、滝壺
はまづらは私が気付いていないと思っているらしい。何にとは言わない。悲しくなるから。
そもそも、きぬはたと2人して態度がおかしくなれば嫌でも気づく。後、時々感じた胸への視線が無くなってるし。
ソレを私が出来ないかお医者さんに聞いたら「禁止出来る根拠は無いが勧めない」と言われた。
大丈夫、ならやれる。
例え、私が壊れても取り返す。きぬはたには、渡さない。
はまづらを誘うのには成功した。
だけど、いざソレをする時に下になろうとしたはまづらに驚いた。思わず帰ってと言ってしまうほどに。
失敗したと思う。きぬはたのおかしなヤリ方を忘れさせてあげれば良かった。
それにしても、やっぱりきぬはたは許せない。自然に下になるって事は無理矢理したはず。それも、何回も。
確か、むぎのが体晶を持ってたから取りに行かなきゃ。それと何か武器も。
はまづらが愛してるのは私だけって言ってくれた。嬉しい。
「はまづらは優しくて、甘くて、素敵で、でも……嘘つき」
きぬはたに突き刺さった包丁に手をかける。そして、捻った。
醜い叫びが耳障り。はまづらに刺された時は受け入れたのに。
こんな包丁で刺した位じゃ人は死なない。やるなら、頭を刺すか抉らないと。
「な、私たちアイテムじゃ」
きぬはたがまだ喋れるなんて驚き。でも、頭は回ってないみたい。
「はまづらがロシアで言ってたよ。はまづらとむぎの、それに私でアイテムだって」
きぬはたの表情が面白い事になる。ほんの少し気が晴れたかも。
「だから、きぬはたはいらないの。ばいばい、『新チームのきぬはた』」
さ、はまづら帰ろう? むぎのも待ってるよ?
はまづらがぼそぼそと何かを喋る。内容は聞こえない。
「大丈夫だよ、はまづら。ここは学園都市だから直ぐに治してくれるよ」
GJ
しかし何だ、この読んだ後の鬱々とした気分は…
ああ誰かほのぼのイチャイチャ浜滝を書いてくれー!
>>177 でも実際ほのぼのイチャイチャって難しいよなあ
エロや鬱と違ってスパイス利かせるにも限度があるし。
書き慣れた人以外が思いつきでチャレンジするには結構ハードルが高い。
「はまづら、ご飯粒ついてる」
「どこ?」
「ほっぺた」
「?(手で探るけど届かない)」
「違う。そっちじゃない」
「どこだよ」
「ここ(頬チュー&ご飯粒キャッチ)」
……………駄目だな
やっぱりほのぼのネタは才能ある人に任せるべきだな。
勢いでほのぼのイチャイチャに挑戦してみた
カップリングは絹滝
微百合注意
絹旗は滝壺の手を引いて何時もの映画館へと向かっていた。
その表情はいつになく晴れやかである。
「それにしても超突き合わせてすみません」
誘った絹旗だったが当人もまさか付き合ってくれるとは思わなかったようだ。ちなみに、余ったチケットで浜面が呼ばれるのは今回は無しになった。
「構わない」
短く答えると絹旗に歩調を合わせて少しペースを上げ、横に並ぶ。彼女もわかりにくいが何かを楽しみにしているようだ。
「超すみません、これなら浜面でも連れて来るべきでした」
どうやら外れを引いたらしく、落ち込んでいる絹旗。三人なら、浜面と言い争いながら場を誤魔化せただろうが、二人きり、しかも誰かの無駄に高いテンションとは対極に位置する滝壺では映画の質で勝負せざるをえない。
しかし彼女の表情は決して落胆とか負のものでは無かった。
「そうです、近くに超美味しいジェラートのお店があるので奢りますよ」
それに気づかない絹旗は慌ててご機嫌取りをしようとする。
「楽しみ」
その様がおかしいのかほんのりと笑顔になる。
「ええ、超美味しいですから期待してて下さい」
それを聞いた滝壺がぼそっと「きぬはたを見てるだけでも楽しかった」と言ったのに彼女は気づかない。
ジェラートをケース越しに目を輝かせる二人。色々と普通とは違うかも知れないが女の子、ということだろう。
「私は超この苺ミルフィーユにします。滝壺さんは?」
言った瞬間には既にお金を払い何かを待っていた。出てきたのは苺ミルフィーユ味のジェラート。
「って、超奢りますから」
その言葉に頷く滝壺。
「うん、だからこれはきぬはたの分。私が奢る」
ニコニコと笑顔の滝壺を見て、仕方ないとばかりに頭を掻く絹旗。
「わかりました。で、滝壺さんは超何にします?」
少し首を傾げて「オススメで」と答えた。
「それ、超困るんですけど」
その言葉に首を振る滝壺。絹旗の耳元でそっと囁いた。
「きぬはたが選んだものが食べたいから」
それを聞いた絹旗はどこかへ意識を飛ばしたらしく、滝壺が「溶けるよ?」と急かすまで戻って来なかった。
独りではない映画鑑賞は、ジェラート以外の何かを溶かしたのかも知れない。
鬱ネタGJ!! でもこんな展開きたら本気で怖い…
>>177-178浜滝はキャラがつかめてないので難しいんだけど、ほのぼのさせるならこんなかんじ?
浜面仕上はつい最近恋人となった、滝壺理后と家でまったりくつろいでいた。暗部の抗争も終わり束の間の平穏。
「滝壺」
浜面はふと呼びかける。なに?と可愛らしく問いかけてくる彼女に対し、彼はちょっとした男のロマンを口にする。
「…膝枕、してほしい」
彼女に膝枕してもらうのは、恋人いない歴=年齢だった彼にとってちょっとした憧れだった。
「わかった、はまづら」
あっさりと首肯した滝壺は、彼とちょっと距離をとる。そして――
「…あれ?」
ころりと寝転んだ。つまりは、『浜面が滝壺に膝枕してもらう』のではなく『滝壺が浜面に膝枕してもらう』という状況だ。
「…滝壺さーん?」
予想と違った状況に、戸惑いをみせる浜面。だが。
「はまづら、気持ちいい」
と、貴重すぎる彼女の満足げな表情を見せられれば、彼が幸せにならないわけなどなく。
この両者の間における膝枕は、浜面が滝壺にしてあげるもの、となったらしい。
後日――
浜面「彼女と膝枕って良いよなー」デレデレ
上条「ちくしょう!!浜面はぜろ!!インデックスと膝枕してぇ!!」ギャー
一方「つーか膝枕って通常装備だろォが。その程度ではしゃぐな三下」サラリ
浜・上「テメェは黙ってろ!!」
などと言い合う高校生男子の姿が見かけられた、とか。
確かに即興でほのぼの難しい…ってか浜滝が難しい…。
一方さんはデレ期ってことで。
>>176 何処までも堕ちて行く話コワス乙
そして
>>178 >>179 >>180 イチャラブ乙
特に絹滝とか、逆膝枕とかって斬新ですね!
私もちと乗っからせてネタ投下。
「『アイテム』復活……それは超構いませんけど」
そう肯定する様な言葉とは裏腹に、絹旗最愛は何処か不機嫌そうだ。
そんな少女に「そう、それならいいんだけど」と、その事を伝えた麦野沈利は肩を竦めてみせた。
ところが、
「ただ、1つだけ超言わせて貰ってもいいですか?」
「いいわよ」
すると絹旗は真っ直ぐ麦野――その背後を指さして、
「あの浜面の光景は一体何ですか?」
その指差す方向に麦野は大きなため息をつきながら視線を投げた。
そこには可愛らしい弁当箱を膝の上に乗せた滝壺理后と、そんな彼女を膝の上に座らせた浜面仕上がいた。
「はまづら、次は何を食べたい?」
「滝壺」
浜面の即答に滝壺は目を丸くすると頬を赤らめる。
「そ、それは駄目……」
「ちぇっ。それじゃあ『タコさんウインナー』」
「うん」
今度はまともな返事に滝壺は安心して浜面の口に真っ赤なウインナーをそっと運ぶ。
「ん、旨ひ」
滝壺はもぐもぐと言葉通りうまそうに咀嚼する浜面の姿を幸せそうに眺めたい。
すると食べ終えた浜面は、
「なあ知ってるか滝壺」
「ん、何?」
「『ウインナー』じゃあアレだけどよ。『ソーセージ』とか『フランクフルト』っちゃーあるモノを連想する『隠語』になるの、お前知ってるか?」
『隠語』――その言葉と押し殺した声に滝壺はまた顔を真っ赤にして、
「な、なんだか今日のはまづらはエッチ」
「あー、警戒させちまったか? それじゃあ後で教えてやるよ――次は『卵焼き』頼む」
「うん」
そうして気を取り直した滝壺は浜面の口に卵焼きを運んだ。
「あのバカップル……いえ、あの超浜面ブッ飛ばしてもいいですか? リーダーと言えども許せない事は有ります」
「奇遇ね絹旗。私もそろそろ限界ブチ切れそうな所だったのよ」
「それでは」
「ああ」
麦野と絹旗の2人は仲良く頷き合うと――、
「「はぁあああああああまああああああああづうううううううううううううううらあああああぁぁぁアアアアアアアアアア!!!」」
所詮オーソドックスにこれ位ですわ……orz
>>178 >>180 >>182 ほのイチャ乙
私も浜滝で書いて見たけど……イチャがかなり弱いかも。
一応ジャンルはほのぼので
「きぬはたばっかりずるい」
二人でファミレスにいる時に突然そんな事を言われれば、固まるのは仕方ないだろう。
てか、何がだ? これじゃまるで浮気を問い詰められてるみたいじゃないか。
「先週の土日、何してた?」
先週は確か土曜は新アイテムの仕事で絹旗と出動してたな。で、日曜は一人で映画見に行ってなぜか絹旗がいて……うわぁ。
「すすす、すまん滝壺。俺に出来る事なら何でもする」
拗ねた滝壺の顔色を必死に窺う。
「なら、今週の土曜日空けといった」
それに即答で頷く。その後で「何をするんだ?」と問いかける。
「趣味に付き合って」
ああ、絹旗と映画鑑賞っていう共通の趣味があるのが気になったのか。
勿論、一も二もなく同意。俺も滝壺の趣味が知りたいし。
土曜日、普段なら来ないような学区で普段と比べれば大荷物の滝壺と合流した。
俺が荷物を持つと、滝壺は携帯端末を使い地図を見る。
「こっち、はまづら」
滝壺に案内されるままに進むと小さな森林公園にたどり着いた。先客はいない。
「で、何をするんだ?」
滝壺がアウトドアな趣味を持っているのには驚いた。イメージだと編み物とか読書とか言いそうだった。……それに付き合うのはちとキツいが。
「AIM拡散力場浴」
はっ? 今、何か聞き覚えのない言葉が……
呆然としていると、下ろした荷物からレジャーシートを取り出し横になる滝壺が見えた。
その真似をして、横に転がる。
ゆるい時間が流れる。会話は無いが、いつの間にか繋いだ手が心地よい。
小春日和のいい天気の中、滝壺と二人。心がポカポカになるのを感じた。
やはり。浜面は。爆発するべき。
浜面爆発しろ!!
火薬が足りないからもっといちゃいちゃしやがれ!!
それ前から貼られてたよ
保管庫に上インの甘オススメのとかないかな
数が多すぎて探すのがキツい
誰かー浜面爆破AAを作ってー(切実
もう浜面はいい加減食傷気味だ・・・
タイミング最悪だけど浜面含むメンツで小ネタ書いた。ギャグだから見逃して欲しい。
控え室
「第一回超浜面争奪ビビらせ勝負!」
「面倒臭ぇな、何でそんな事すんだよ」
「先週、それで浜面取り合って能力使った挙げ句ファミレスに出禁食らった奴、超黙って下さい」
「あぁ?」
「はまづらは隣の部屋にいるから、一番大きな声を出させれば勝ち。勝ったら週末はまづらを独り占め」
「超乗り気ですね滝壺さん。じゃあ、一番手行ってみます?」
「わかった」
浜面視点
誰と一緒に過ごすか決めるから、ここで待ってろって言われてもな。嬉しいけど心臓に悪いぜ。
てか、何するんだろ?
肩に誰かが触れる感触。振り向くとそこには、暗い顔をした滝壺が居た。
そして、にっこりと微笑むと、そのまま後ろに倒れた。
「滝壺ーー!」
控え室
「思ったよりは超大きい声ですね」
「ビビってるの?」
「そんなわけ超ありません!」
「じゃあ、次行く?」
「超分かりました!」
浜面視点
滝壺は駆けつけた絹旗に運ばれて行った。心配だったが俺はここにいるように言われた。
しばらくして、絹旗が戻ってきた。問い詰めようと近付くと彼女の服が変わっているのに気付いた。
ちょっと待て。良く見直せ。ダボダボなピンクジャージは絹旗の趣味か? というか、所々赤いのは何だ?
「超、私だけを見て下さい浜面」
その言葉に有り得ない物を幻視した俺はあっさり意識を手放した。
控え室
「いやー超失敗しました」
「きぬはた趣味悪い」
「それにしてもまさか気絶とは超思いませんでした」
「次、むぎのの番」
「ああ、」
浜面視点
何か、スゴい嫌な夢を見た気がするがなんだったのだろうな。
とりあえず、倒れた滝壺の様子が気になる。
ドアが開いて、なぜか絹旗サイズのウサギのぬいぐるみを抱えた麦野がやってきた。
俯きながら小さな声で何かを言ってる。
「何、言ってんだ? 聞こえねぇよ」
良く見れば、涙目、なのか?
「寂しくて死んじゃいそうなウサギは、ここにもいるんだよ?」
体の芯から湧き出てきた悪寒。それに突き動かされ声を上げる。
「ギャーーー!!!!」
控え室
「むぎのの勝ち。残念」
「それにしてもあの叫び声って事は超威嚇でもしたんですかね?」
浜面超爆発しろそしてGJ。
しばらく夢に出そうだなw
GJ、アイテムネタ祭りで嬉しい
しかしむぎのんはシャレになんねぇなw
>>190 乙
別にタイミングとか気にせんで、気が向いたやつ投下してくれ。
小ネタ投下
寝ようとした時、部屋のドアが開いた。見れば滝壺がぬいぐるみを持って半泣きで立ってる。
「どうしたんだ、滝壺?」
微妙に嗚咽混じりなせいで聞き取りにくかったが絹旗が怖い話をしたせいで嫌な夢を見たらしい。
一緒に寝てほしいなどと甘々なイベントではないらしく、単に俺が無事か確かめに来たらしい。
「で、どんな話だよ?」
怖いよ、と前置きされた上で滝壺は話し始めた。
何でもこの学園都市には夜な夜な幽霊が出るらしい。その幽霊と言うのが金髪の美少女だと言う話だが、何でも仲間の能力者に背後から殺されたらしい。
その殺し方と言うのが何とも残忍で光線で上下に真っ二つだそうだ。で、血管が焼き切れたせいで出血が無くしばらくは生きていたらしい。
ただ、死ぬまでの間、残忍な能力者が上半身を持って歩いたせいでその幽霊は下半身とはぐれた。で夜な夜なさ迷っては下半身を探していると。
いや、まあ確かに怪談ではあるが暴走した超能力者の方がよっぽど怖い。
えっ? まだ続きがあるのか?
その幽霊は誰かに会うとビニールテープのようなものを腹に貼り付けて、電気信管を取り付けて爆薬で焼き切るらしい。
そうした後で、その下半身に乗っかって自分のものか確かめる。でも、行方不明になった下半身とは違うからまた、さ迷う訳か。
しかし、この話どっかで聞いた気がするんだよな……今度、半蔵にでも聞いて見るか。
「お休み、はまづら」
「ああ、お休み」
ちなみに、翌日麦野にこの話をしたら何故かマジビビりして、そいつに『原子崩し』は効くのかと問いかけてくる始末だ。
いや、普通に麦野の方が怖いから。滝壺の嫌な夢だって上半身美少女、下半身俺と言う変態が追いかけて来るっていう、嫌さ数倍の代物だったらしいし。別に上半身だけの幽霊は怖くないそうだ。
フレさん都市伝説になっとるww
原子崩し効くだろ
「人の決め台詞を取らないで下さいます?」
「佐天さん、例の台詞、お願いしますわ」
「えっと、『ここは私の能力、『空力使い』の出番みたいですね』。って、白井さん爆笑してないで後お願いしますよ」
そろそろ上条×サーシャが現れてもいい頃だと思うんだ
上イン熱望
超小ネタ『浜面は登場してないのに爆発させたくなる』
はまづら遅い。もう料理も冷めちゃった。
温め直さなきゃ。これで何度目だろ。
少し口に運ぶ。駄目、美味しくない。作り直さなくちゃ。
今日はきぬはたの所かな、それともむぎの。
帰って来たら美味しい料理で出迎えて、私に振り向かせなきゃ。
鍋が煮立ってきたところで隠し味。左腕に切れ目を入れて赤い液体を鍋に流す。
ああ、作り直すのは三回目だ。痕を見れば分かる。
明日は帰って来ると良いな。
爆発とか以前に怖いです
なにこれこわい
>>200 でもこれで滝壺ちゃんが痛いの我慢してプルプルしながらナイフ握ってると想像するだけで萌えるんだぜ
gj
かーなしーみのー
超小ネタ『浜面は登場してないのに爆発させたくなる』(リベンジ)
たまには映画でもと誘っても断られる。浜面も超C級映画の素晴らしさを知っているのに。
どうせ、超滝壺さんと一緒なんでしょうけど。
外れの映画を見ながら、音を立ててポップコーンを頬張る。
隣に誰かいれば、それだけで超楽しめるんですけどね。
くるくるとうさ耳カチューシャを指で回しながら一人心地。
「超、寂しいですよ浜面」
超誰にも聞こえてませんけど。
最近アイテムがヤンデレ化している・・・
こんなアイテムは嫌だ……
新約ー! 早く出てくれー!!
浜面×滝壺
暖色照明の下、無防備に柔肌を晒していた。
首の汗が滴り落ちて、乳ぶさの膨らみを撫でていく。太ももを滑り落ちて、膝をついたタイルに流れた。シャワーの水と一緒になる。
わしゃ、わしゃ。
ユニットバスに髪を洗う音が響く。洗っているのは滝壺理后。洗われているのは、浜面仕上。
胡坐をかいた浜面の背中に、膝立ちの滝壺が体を寄せた。
「気持ちいい?」
「あぁー……いいなぁ、人に洗ってもらうの」
背中を抱き締めたい気持ちをこっそりと持て余しつつ、滝壺は奉仕に専念する。ヘアカラーで少し痛んだ髪が指にくすぐったい。
体格のいい背中の肌色をじっと見つめた。自分のつけた爪痕を探してしまう。見つけた。四本指。
「……」
愛し合った痕。叫んでしまうぐらいの快感を思い出してしまい、赤面する。
(……大丈夫。あれは、私じゃない)
あんな淫らな声が自分の喉から出たとは思いたくなかった。思考を打ち払って、滝壺は顔を近づける。
ちゅっ。ちゅっ。背中に、動物的なキス。傷跡を唾液で濡らす。
「滝壺?」
中断したシャンプーと別の感触に、目を瞑ったまま浜面が振り返った。
「ごめんなさい。痛くした」
「いや、いいって。俺も無理させたと思うし……」
「うん。でも、したいから」
「あー……わかった」
前髪が瞼を塞ぐほどに舌を這わす。顔をこすりつけるのを気持ちいいと感じていたのは、秘密。
しばらくキスの雨を降らせた後、洗い終えた髪をシャワーで流した。行為の痕跡が全て排水口に消えたので、二人で湯船に入った。
浜面が広く足を伸ばす。その間に滝壺が座った。お尻に当たる感触も、今となってはもう嫌じゃない。
「ふぅー……」
肩まで浸かって、浜面が大きく息を吐いた。滝壺も小さく吐息を漏らす。黒髪から垂れた水滴の音が、ぴちゃんと鳴った。
温かい。
背中を浜面の胸板にくっつける。それから、肩に頬を預けた。ぴったりと密着する。
鎖骨が視界に入った。しばらく見入った後、またキスをする。そして甘噛み。かぷ、かぷ。
浜面が滝壺の胸に手を伸ばした。湯の中で乳房を揉まれる。人差し指と親指で乳首を刺激されて、滝壺が身をよじった。
「あっ……あっ……」
物欲しそうな顔で浜面を見上げた。浜面がそれに応えて、キスを落とす。首筋がぴりぴりと痺れた。
唇が離れる。くてんと滝壺の体から力が抜けた。切なそうに肩が上下している。浜面は乳房に伸ばしていた手を降ろして、腰に回した。
「はぁっ……はぁっ……上がったら、もう一回……」
「待て待て、それだと風呂入った意味がだな……」
「明日の朝シャワー浴びればいいから……はまづら、お願い……」
滝壺が振り向いた。首に手を回してすがりつく。浜面は苦笑しながら、落ち着くまで頭を撫でてやった。
贅沢なぐらいの静寂だった。
以上です
悪いけどもう浜面はおなかいっぱい
浜麦を所望する
浜面うらやましす
浜麦はちょっと
上条さんはみんなの心からも消えちまったのかー?!
浜フレを希望する訳よ!
ってかあの表紙が公開されたとき浜フレの波が来ると確信したのに
誰も書いてくれないってどういうことなのって訳よおおおおおお!!
まぁ、殆どがネタを抜いたらフレンダとは思ってないですし…
このスレで抜いちゃったら結果はこうなっちゃうんですよ
乙!
浜面はそろそろ爆発しろとかゆうのもダルいくらい甘々になってきたな……
不幸な上条さんにも幸せをあげてくれ
超GJ!!
甘すぎて砂糖吐いた
浜面がお前らと似て不細工だから書きやすいからってもういらんわ
上条さんまだー?
文句ばっか言ってる奴はなんなんだろう…
これじゃ職人が書かなくなる訳だわ
この手合いは自分の嫌いな作品や作者を追い出せればスレのことなんてどうでもいいもの
別にこのスレに限っているような奴じゃない
それよかろくにGJも出さずに雑談始める奴も同レベルだと思うなー
ここの読み専って本当に傲慢だよな
書き手は自分の書きたいもん書いてるだけなのに
それを読んでるだけの奴が何をそんなに偉そうに言ってんだろう
>>222 大抵のスレでは書き手が好きなように書くんだから俺だって好きなように書いていいじゃん、みたいな感じ
雑談だってモラルに任せてから特に明記されてなかったけどテンプレであんな風に言われる始末に
GJ言わずに希望し出すやつはあれだが、キャラ希望くらいは良いと思うんだよね
そろそろ上条×サーシャが現れることを望んでいる
書けるカプの希望が来ればモチベーション上がるしね。
合わない場合多いけど
上条×雲川
上条×あわきん
上条×対馬
上条×初春
上条×婚后
みたいなマイナーカップリングを読みたいし書きたい
上条×あわきんがジャスティスな俺にとって、上条×乙姫と上条に×詩菜がないのは辛い
百合がありなら、布束×御坂妹
>>221 どこのスレでも三行目が無自覚に害悪だと思うぜ。
モブ数人×絹旗 和姦乱交が読みたい。
書くなって言う権利が無いのと同じくらいGJする義務もないはずだろ
雑談云々はともかくとして
GJにしろ雑談にしろ程度が必要ってこともわからんのか
とはいえ、投下して数レス位の間はGJ言える余裕は必要だと思う
一つ言っておくが
GJと乙は別物だからな
乙は投下したことに大してだろ
うっわ……乙とGJ間違えてたよ、俺……
ちょっくらつってくるぜ
多めに餌貰う為に親鳥が喜ぶよう上手いことピーチクパーチク囀っとけばいいんだよ
うわ……これは最悪だわ…
プロ読者様(笑)、批評家様(笑)が湧いてもいいことなんてマジで一つもないしな
自分で書く気がないなら供給側にどうやったら投下してもらえるかを考えるのが一番いい
中学生ばっかりだなこのスレはw
上条さんとキャーリサさんが至高
次点でレッサーパンダ
レッサーパンダとか言われて真っ先にレッサー×黒子を想像しちゃった俺は黒子にドロップキックされるべき
>>239 それは「女には〜」か?
てか、そのカプに繋ぐ妄想力が私にはない。逆でも辛い
浜面好きだから、浜面のSS増えて嬉しい
正直言って浜面に興味無いから、浜面のSSが増えても嬉しくない
私レベル5だけど浜面が麦野以外といちゃつくSSが増えても嬉しくないわね
確かに浜面は眼中にすら入らないワーストキャラNo.2だけど、SSが増えてることに関しては喜ぶべきことだと思う
上条×サーシャこないかな……
>>243 俺がお前に興味無えから
もっとロリエロが増えて欲しい。
>>244 ヤベェなんかカマ入ったていとくんで再生されちゃった‥
通行止め
シリアス?
※にゃんにゃん百合ちゃんです。注意!!
薄暗い寝室、ベッドの上で二人の人物が足を絡ませながら横たわっている。
ピンクを基調としたベビードールを身に纏った打ち止めは一方通行の胸に顔を埋めていた。
一見、寄り添って寝ているだけの様に見えるがよく見れば違うことに気付く。
まず一方通行の顔が妙に赤らんでいた。心なし呼吸が荒い。手は打ち止めに回されていて、時々震えていた。
打ち止めの方はと言えば、さらけ出された真っ白な一方通行の肌を撫で、唯一淡く色付いている胸の頂に舌を這わせていた。
ピチャピチャと音が鳴り響く
打ち止めは口の中の果肉を舌先でクリクリ転がしながらチラリと一方通行の顔を盗み見る。
真っ赤な瞳が潤み、頬が染まっていた。口が緩く開いており呼吸が荒い。時々思い出したかのように唇がきゅっと結ばれる。
(かわいー…お目々がうるうるしてて赤い宝石が零れでちゃいそう)
「ん、んは…チュパ気持ちいい? ってあなたの…胸をペロ舐めながらミサカはミサカは…上目使いで尋ねてみる」
「…ン、ァ…もォやめろ…ォ」
零れ出そうになる嬌声を抑えつつ、熱い息を吐きだし一方通行が答えた。
チュパッと音を立てながら素直に口を離し――しかし今度は手で両胸を揉むのは辞めずに――、打ち止めは一方通行を見つめる。
「今日はミサカがご奉仕してあげるんだからヤダ!止めないよー、ってミサカはミサカは宣言してみる」
「それにしてもあなたはこんな時もツンデレさんね、ってミサカはミサカは口ではそんな事いいながらミサカを突き放さないあなたにキュンとなってみたり」
「はっ…うる、っせェ…」
実際、一方通行は抵抗らしい抵抗をしていなかった。打ち止めから与えられる愛撫を甘受し身を委ねている。
そこを指摘され、若干いたたまれなくなった一方通行は目を彷徨わせた。打ち止めと目が合い、照れ隠しの様に唇を寄せる。
「…んっ、んっ…ぁむ」
触れるだけのキスをし、目を瞑る打ち止めの頬を一方通行の両手が包む。もう一度、甘噛みをするように口づけた。
そのまま舌を小さい口内にすべり込ませた一方通行は、歯の裏側から辿り舌の腹まで丹念に舐めた。
舌と舌を絡ませあい、互いの唾液と吐息を飲み込む。二人の口の端からは、飲み切れなかった唾液が零れていった。
最後にちゅっと濡れた音が鳴る。ぽてりと紅く色付いた唇の間には艶めかしく糸が引かれた。
顔を上気させた二人は、余韻に浸る為、しばらく見つめ合った。
キスの余韻を味わった後、ほにゃっと笑った打ち止めは、一方通行の言動を蒸し返さず、目線を一方通行の胸に戻し中断していた愛撫を再開する。
ささやかな膨らみをみせるそこを揉みしだきながらそのままゆっくり指を立て、乳首のまわりをなぞる。
堪らず一方通行は甘い喘ぎを洩らした。
「は…っあっ……ァン…っ」
再度、打ち止めがぷっくりと赤く熟れた乳首を口に頬張り、空いた片手を身体のラインに沿って下半身へ伸ばしていく。
フリルがたっぷり付いた打ち止めセレクトのショーツは、既にぐっしょりと濡れそぼっていた。
打ち止めの指がそっとショーツを押す。…くちょり、と音が鳴り一方通行が嬌声を上げる。羞恥で顔がより一層赤くなっていく。
その様子をじっくり観察していた打ち止めは、表情の変化と抑えられなくなった嬌声に満足したのか、特に発言することなく指を進めていきショーツ越しに縦の割れ目をなぞる。
ビクッと震え、打ち止めの髪に手を差し込んでいた一方通行の手に力がこもった。
「っあふ…、ンゥ…」
長い間散々胸をいたぶられ、そろそろ一方通行の限界も近かった。
それが分かっているのか、打ち止めも数回割れ目をなぞった後、早急にショーツの横から指を差し入れ、直接一方通行の秘所に触れてきた。
「ひゃァっ…!…ゥあっあっ」
打ち止めの小さな指が一方通行の潤んだ蜜壺へぬちゃぬちゃと卑猥な音をたて入っていく。
身体が歓喜で震え、打ち止めの指をいざない絡み付く。それに答えるように打ち止めは直ぐに二本三本と指を追加し、くちゅくちゅと掻き回した。
「ンう、…うァ…っあは、ァ、は…ひう…っ!」
容赦なく抜き差しを繰り返され、弱いところばかりを責められる。
一方通行の半開きになった唇からは唾液が溢れる。甘い喘ぎがひっきりなしに口をついた。
子宮がきゅんきゅん疼いて仕方ない。熱を解放してほしくて堪らない。頭も身体もグズグズに溶けてしまいそうだった。
「ァっ!…あっ…ら、ら、すとっ…っォっだ、ァあ」
恍惚とした表情を浮かべていた打ち止めは、快感にまみれ物欲しげな顔の一方通行に蕩けるような笑顔を向けた。
「うん。今、解放してあげるからね、ってミサカはミサカは…」
その直後、打ち止めが能力を発動させた。ピリッと微弱な電流が膣内を駆け巡る。
「…あっ、…ァ、ンっ…あ――…っ!!」
一瞬で頭が白く染まり、一方通行の意識が、飛んだ
****
ベッドの上では、ややぐったりとし瞼が重たげな一歩通行と、先程よりより一層引っ付き満足気な打ち止めが静かにピロートークを開始していた。
打ち止めの頭をゆるゆると撫でながら一方通行は口を開く。
「…クソガキ。あンな事しやがって。何なンですかァ、……あの…無駄な手つきはよォ」
「このミサカは伊達に妹達の頂点ではないのだ!ってミサカはミサカは無い胸を張って威張ってみたり!」
フフンとそんな事をいうので、一方通行はいきなり疲労感が増した気がした。
MNWも考え物だとげっそりしながら、適当に言葉を返す。
「…あァ、そォかよ」
「――なんて嘘。本当の理由は違うよ、ってミサカはミサカはモジモジしながら言ってみる」
「あァ?」
怪訝な声を上げ、打ち止めを見る。
言葉通り下を向きモジモジしている打ち止め。アホ毛もそわそわと揺れていた。
とりあえず口を挟まずにアホ毛を眺めていると、打ち止めの顔が勢いよく一方通行に向けられた。
「このミサカはあなたがだぁーい好きだから、あなたの気持ち良さそうな顔を見るともっともっとって頑張っちゃうんだから、ってミサカはミサカは照れながら言ってみたり」
「っ……そォかよ」
「そおだよー!ミサカはあなたが大好き、愛してるんだから!一生離れないもん、ってミサカはミサカはいつも通り愛の告白!!」
にぱーっと満面の笑顔を向ける打ち止めから顔を隠すように、一方通行は打ち止めをギュウっと抱きしめる。
今の自分の顔を見られたくない。色々な感情が渦巻いて、きっとひどい顔をしていることだろうと思った。
重ね合わせた胸から伝わる鼓動が無性に一方通行の心を落ち着かせた。
(――今の言葉を聞いて気分がいいなンてよォ、こォやってどンどン手放せなくなるンだ…クソったれ)
(…笑っちまう、ガキの戯言に決まってンのに…結局縋ってる。いつもいつも俺は本当にこのガキに振り回されてばっかだな…)
小さい小さい声で、腕の中に閉じ込めた打ち止めに一方通行は囁く
「――――俺も一生、離したりしねェ」
腕の中で打ち止めは幸せそうに微笑んだ。
おわた!
可愛い下着姿(因みに一通サンの下着は青地に黒のレースがカッコ可愛いやつ)でキャッキャッと戯れていたらそれなんて楽園?
一方通行女の子にしたら思考回路乙女チックになるのか?とか妄想した結果こうなりますた。完 全 燃 焼 !
百合に転んだことないし書いたこともなかったけど、百合子いいです…(※ただし相手は打ち止めに限る)
通行止めなら性別どうでもいいって気付いちまったんだ…後悔はしてない。
完全俺得だけど日頃みなさんのSSでwktkさせてもらってるんで、暇つぶしになれば幸い。
なんぞこれ
通行止め百合とかどストライクですよ
GJ
GJ
もっと百合止めは増えてもいいと思うんだ
乙だぜい
乙ー
こうなると百合子が攻め手にまわる百合止めもみてみたいな
257 :
アニメネタ:2011/02/28(月) 17:25:19.32 ID:dAsoadFz
絵本を読み終えたインデックスがまた車の中を物色し始めた。
目の前でもぞもぞ身じろぎする白い尻に一方通行は溜息を付くと、少女の存在を無視して自分の傷の治療を再開する。
何時ぞや髪を伸ばした時の応用で全身のダメージを急速に取り除いて行く。
そうしながら次の一手を考えていると、
「また本を見つけたんだよ」
「…………」
一方通行は目を閉じたままピクリとも反応しない。
インデックスは寝ているのかと少年の顔の前で手をひらひらさせたが、その手はぴしゃりと跳ねのけられてしまった。
どうやら眠ってはいないらしい――それが確認できれば十分だった様で、インデックスは椅子に座りなおすと小さな本を開いた。
「――暗闇の中に衣擦れの音と、そして甘い吐息が聞えて来る」
その一小節をインデックスが読み上げた瞬間、一方通行の閉じられた目元と血のにじんだままの口元が引き攣った。
「ベッドの上、服を着たままの少年に組み敷かれた少女は全裸――その瑞々しい張りと艶を持った白い脚が、爪先までピンと伸びて天井を指す」
そこまで読んだ所で一方通行の瞳がぎろりと開く。
「おい」
インデックスに声を掛けたつもりだったが、彼女からは返事は無い。
「ノビタの巧みな指使いがシズカの若い柔肉を掻き回す。「ああっ、駄目っ、ノビタさんっ……わたしっ……」その度にシーツを掴み、体を九の字に折り曲げて、時には逆にのけ反る」
「おいクソガキ。聞えねェのか?」
苛立たしげにそう呼びかけるが、相変わらずインデックスは本から顔を上げようとせずに、
「それはまるであやとりの様に繊細かつ大胆に……。少年の鍵爪の様に折り曲げられた指が、ぬめりをまとうヒダをひと掻きする度に、「あふっ、ああ! い、いいっ!」少女は別の存在へと組み替えられる歓喜に――あ!?」
インデックスはその手にしていた本が突然無くなって小さく悲鳴を上げる。
そして、彼女の手の中にあった本は一方通行の手の中に。
少年が苛立たしげにその中身に目を通して、小さくクソったれと吐き出した。
「お前これ……何だか判って読ンでンのかァ?」
「ううん。日本の表現は豊か過ぎて私には今一つかも。出来れば教えてくれると嬉しいかも」
そうしてにっこりと微笑まれて一方通行は一気にバツが悪くなる。
(なァンでこンなクソガキと関わっちまったンだ俺ァ)
「ねえねえ、説明してくれると嬉しいかもっ!」
「クソったれテメエもっと飛ばせッ!! 死にてェのか!!」
インデックスの声をかき消すかのように、一方通行の拳が車の床に突き刺さるゴガンと言う破壊音が車内に響き渡った。
百合百合ネタGJなんだよ!
ふと思ったんだけど
完全記憶能力のインデックスにエロ本見せたら結構大変なことにならないか?
インデックス「この女優、整形したんだよ」
あの世界に性魔術が存在してるのは間違いないからそういう知識もあるだろう
たぶん日本のHENTAI本くらいじゃ眉一つ動かさないよ
平然と上条さんの隠してるエロ本を見つけて机の上においておいたりするよ
でも上条さんに押し倒されると真っ赤になって動けなくなったりすると素晴らしいね!
究極の耳年増
>>260 ねーちんを性的に弄り回すインさん想像したw
耳年増だけど実技は拙いほうがいいな
床上手な処女はありですか?
通販マニアで、要らん知識だけは豊富な吹寄さんなら
※注1 シチュエーションに突っ込んではいけません。
※注2 この状況に至るルートを一番知りたいのは作者です。
※注3 言い訳ばかりしてもしかたないので2レスほど頂きます。タイトルは『ある雨の日』で。
※注4 サーシャちゃんもマジ天使!!!
雨。
空から水滴が降ってくるというただそれだけの気象現象が、人間の生活に及ぼす影響はとてつもなく大きい。
まず人は水を飲まなくては生きていけない。そしてその水は川や井戸から確保する訳だが、その大元は大体雨水だ。
言うまでもなく作物の育ち具合にも降水量は関与する。
他にも炊事、洗濯、掃除と、水を必要とする生活動作はいくらでもある。
雨。それは生命の営みと切っても切り離せない、天上からの贈り物なのかもしれない。
まあ、今現在重要なのはそんなたいそうなことではなく。
楽しみにしていたお出かけ(デート)が、急などしゃ降りでお流れになってしまったという事実だけだった。
上条当麻は曇天を見上げるのをやめ、室内に視線を移す。
そこにはベッドがあった。
自室である。
本来なら自分の領地であるはずのふかふかエリアは、ただ今絶賛侵略中だった。
「……………………、」
目につくのは鮮やかな金色。ゆるく波打つブロンドがベッド上に放射線を描いている。その隙間から覗くのは、『慣れないおしゃれとかすごくがんばってみました!』って感じのフリフリワンピースを着た一人の少女がうつ伏せに寝転がっている姿。
豪雨が降り始めてからかれこれ三時間、ずっとこの状態だ。
ふて寝である。
超ふて寝だ。
「……だから別の場所に行こうぜって言ったろ?」
上条はこれで何度目になるか分からない台詞を、金色の侵略者に向けて告げた。
帰ってくるのは変わらない沈黙。岩か壁か、あるいは人形にでもなったかのように、少女はピクリともしない。
まあ、無理もないか、と上条は思う。少女が今日のお出かけをどれだけ楽しみにしていたかは、ここ数日のはしゃぎ様を思い返せば歴然だ。
補足しておくと、テンション高く跳ね回っていたとかではない。ただ少女の“喋り方”は本音を隠すのにまるっきり不向きで、そこから心情を汲み取った結果、はしゃいでいた、という表現になったのである。
ツンツン頭の少年はベッド脇に腰を下ろし、
「サーシャ」
呼びかけると、少女の肩が少しだけ動いた――気がした。
「いいかげん機嫌直せって。そりゃ俺も残念だ。でもだからって、せっかくの休日をふて寝してすごすのはもったいないだろ? ほら、地下街とかなら雨でも大丈夫だろうから――」
「第一の回答ですが」
さえぎるように、少女の声。
見ると、伏せていた顔がわずかに角度を変え、蒼い瞳が上条の方を向いている。
「私はすねてなどいません」
「……すねているやつは大抵そう言うよ」
ようやく聞けた声に、しかし上条はため息をもらさずにはいられなかった。が、少女――サーシャ=クロイツェフにはそれが気に入らなかったらしい。
言葉が重なる。
「第一の回答を繰り返しますが、私はすねてなどいません。ただ何週間も前からカレンダーをチェックして、本国から大量に送られてくる服の中からせめてマシなものを選ぼうと連日連夜試行錯誤して、
やったことのないメイクも練習して、基礎体温まで確認して臨んだ今日という日の予定が天変地異で崩れてしまったことに対し、五体投地で無念と抗議の意を表明しているだけです」
「……ひねているやつは大抵そう言うよ」
結局ため息の数が増えてしまったのは、互いにとって望ましくない結果だっただろう。
ようはこの娘、説明好きなのに説明下手なのだ。
おまけに天邪鬼。
わかりやすいにもほどがある。
「さて」
せめて自分だけでも気持ちを切り替えよう、と上条は腰を上げる。
サーシャはてこでも動きそうにないし、雨も上がる気配すらない。そろそろ昼食にちょうどいい時刻にさえなってきたので、何か作らなければならないだろう。もともと今日は昼も夜も外食するつもりだったから、冷蔵庫の中身はやや心もとないが。
「あの」
という所で、ふて寝少女が口を開いた。
上条は、くるり、と体を向けなおし。
「なんだ?」
「……第一の回答を更に繰り返しますが、私はすねてなどいません」
言いながら、雪のように白い肌が次第に紅潮していく。
「うん」
「補足しておきますが、それは今日という日を楽しみにしていなかったという訳ではなく」
「わかってる」
「更に付け加えますが、むしろ期待値が高すぎたがために私は今こうしているのであって」
ちらちら上条の目を見ながら、伏せた腕に顔を隠しながら、ぼそぼそと言い訳を続ける金髪少女は、端的に言ってすごく可愛い。
もうちょっと見ていたいので、要領を得ていないなぁとは思いつつ、先を急いたりはしない上条である。
「だから、その」
「うんうん」
「…………第一の……うう」
「なになに?」
突っ伏してしまったサーシャの声を聞き逃すまいと、再びベッド脇に膝を着き、耳を寄せる。
子鹿のように震える姿が愛しくてたまらず、思わずあちこち撫で回したくなるが、ここはガマン。
赤い修道服を脱ぎ捨てた一人の少女は、蚊の鳴くような声で、こう言った。
「第一の……本音ですが、………………やっぱりさみしいので、かまってください」
上条は素敵なスマイルで答えた。
確かに予定とは違ってしまったが、部屋デートだって悪くないだろう。自室なら自室なりのいちゃつき方というものがある。
やわらかく小さな体を抱き寄せながらベッドに上がる。
昼食のことなんて、二人とも頭から抜け落ちていた。
◇ ◇ ◇
その頃、天界では。
「問一。なぜ大雨まで降らせてデートの邪魔をしたのに、あの二人はラブラブオーラを出しているのか」
水の大天使様が静かにご立腹中だった。
>>224さん
>>245さんこんなんでどうでしょう
サーシャの口調は喋りながらどつぼにはまっていく有様に萌えるものだと思います。
シチュの不合理性に関してはもう指差して笑ってくださいとしか。それで作者は本望です。
268 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 02:28:56.03 ID:UWWq7Xwf
>>267 サーシャSSが来てるだと...ッ!?
224でも245でも無いが密かにサーシャネタ期待してた甲斐があったか....何はともあれニヤニヤさせて貰ったぜ投下乙!
サーシャ可愛過ぎワロタ
…………いや笑えないな上条さん羨まし過ぎる
>>266 甘甘空間が容易にイメージ出来た表現力に脱帽GJ
そしてデート終了後に根掘り葉掘りするワシリーサを夢想しましたw
ええのうサーシャかわええのう
これは素晴らしいサーシャ
すごくニヤニヤできました
GJ!
やはりサーシャはいいな
G・J!
こんにちは。
さっそくで恐縮ですが、二十二巻の後のサーシャ、ワシリーサ、ヴェントをちと夢想してSS書いてみました。
ノンエロです。本当にまったくエロい要素無いです。
『祭の合間に』、3レスです。
では。
新旧様々ながらことごとく全壊、もしくは半壊した構造物群。そんな瓦礫の山の間に広がる雪原に、ポツンと赤い点が見えた。
大きく旋回した年代物の軍用ヘリコプターは、機首をそちらに向けるとゆっくりと高度を下げて行く。
それにつれて赤い点はやがて人の形となって行く。
やがてローターの風が雪を舞い揚げる程近付くと、赤い人物の隣に立っていた豪奢な身なりの少年は、厚手の外套と頭に乗せたケープが巻き上げられない様に押さえるのに必死になる。
そんな姿を横目でチラリと見た赤い人物――ワシリーサは鼻の下を指で擦って鼻血の有無を確認して、
「よし、大丈夫」
今まさに着陸姿勢に入ったヘリコプターに視線を戻した。
あそこには愛しい人が乗っている。そんな相手にいきなり鼻血でお出迎えと言うのは、流石のワシリーサでもちょっぴり気にしてしまうのだ。
(それにしても)
と、またチラリと隣……ロシア成教の総大主教、クランス=R=ツァールスキーのおたおたする姿を見てしまうと十指をわきわきと動かさずにはいられない。
(う……抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい)
そんな欲望との葛藤のさ中、ヘリコプターがその自らの重量で脚を軋ませながら着陸した。
そして待っていましたとばかりに胴体部分の扉が開いた――と次の瞬間、
「あっ!?」
フランツのケープがついに宙を舞った。
それを追う様に背中を向ける少年。
その華奢なシルエットが雪原を転げる様な姿に、
「もう我慢出来なーい♪」
野獣の目をしたワシリーサが猛然と飛び掛ろうとした。
かぎ爪の様に曲げられた両の指が少年の背中に迫る。
だが、ワシリーサがクランツを捕まえたと確信した直後、ゴンと言う衝撃と共に視界が俄かに揺れた。
それは実際にも金属質の鈍い音がした様で、その音が耳に届いたクランツが驚いて振り返る。
そして、その目の前でワシリーサの後頭部からL字型のバールが雪の中に落ちた。
キョトンとするワシリーサ。
続いてすっくと直立の姿勢に直るとポーズだけ自分の頭をなでた。
撫でながら口元が緩んで来てしまう。
長い様で短い様で、でも相変わらずで何よりだ。
「第一の質問ですが何をしているのですか? 補足説明しますと、そちらにいらっしゃるのは総大主教では有りませんか。その背後から襲いかかろうなどと……あなたは何をトチ狂った真似をしようとしているのですか?」
そう静かに詰問するように告げたのは、赤いマントにマントに赤いケープを身に付けた金髪の少女。全身をシースルーの服の上から革ベルトで雁字搦めに拘束した姿で、右手にはハンマーが握り締められている。
サーシャ=クロイツェフ。ロシア成教『殲滅白書(Annihilatus)』のワシリーサ直属の部下は相変わらず元気そうだ。
「うふ、うふ、ふふふ」
ワシリーサから堪え切れない笑みが漏れ、その不気味な笑みを見たクランツが半歩後ずさる。
と次の瞬間、ボンッと爆発する様な雪煙りと共にワシリーサの姿が消えた。
「「!!」」
サーシャも見失った様子でキョロキョロを辺りを見回す。
と、その頭上から怪鳥の如くにワシリーサが舞い降りた。
「ッ!?」
その事実に半ば驚きながらもハンマーを振るサーシャだったが、その腕をかいくぐる様にしてがら空きの胴と腰にワシリーサの腕が巻き付いた。
「あっ!?」
ふわっと地面を離れた脚にサーシャの口から声が漏れる。
更に触れられている部分がもぞもぞとして全身に鳥肌を立てた所で、
「んんんんんんんんんあああああああああああああ、サぁぁぁぁぁああああアアアアアアシャちゃんんんんんんンンンンンンンンンンンンンンンンンンン!!!」
「はわわわわわわわわわわわわ!?」
感動の抱擁――と呼ぶにはちょっと一方的な背中からの抱きしめに、サーシャはまるで人形の様に翻弄された。
そのまま暫しした後、
「はぁ♪ サーシャちゃん分補給完了☆」
「だ、第一の発言ですが……、あなたと言う人は……あなたと言う人は……」
「何かな?」
わなわなと震えるサーシャに対して、ワシリーサはあっけらかんと相槌を返す。
そしてサーシャを地面に下ろすとくるりと自分に向けさせて、
「さてと、無事だったのかしらサーシャちゃんは?」
そう言って顔を覗き込まれてうっと言葉に詰まってしまう。
自分をロシア成教から逃がす為に、目の前のこの女性は世界を敵に回したのだ。
そうは見えないから今まで忘れていたが、彼女は命の恩人だった。
「ん?」
「だ、第一の報告ですが、ただいま無事に帰りました」
「ご苦労様でした」
そう言われてサーシャは全身がむず痒くなった。
何だかんだでいい様にワシリーサにまた操られているではと、心の何処かで警鐘が鳴り響くが、目の前の笑顔になら騙されてもいいかなとも思えてしまっていた。
だが、
「はいはいはーい! 茶番しゅーりょーう!」
その言葉と共にパンパンと手が打ち鳴らされる音に、サーシャはハッとしてそちらを振り返った。
と、そこに立っていたのは十九世紀頃と思しき古めかしい意匠の全身黄色尽くめの女。
キツイメイクにピアスだらけの顔をぐにゃりと歪めると、口の端からだらりと鎖が垂れ下がった。
ヴェント。
このロシアからサーシャが逃げる手引きをし、
――――私って暗部だからさぁー、やる事も無いし暇だから付き合ってあげるわ。
そう言ってここまで付いて来た女は、サーシャに向かって軽く肩をすくめてみせた。
「あなたがワシリーサね。噂はかねがねジジイから聞いてるわよ。重度のペドなんだって? おーおーそっちにも可愛いガキ侍らせちゃって趣味をしていらっしゃる事でぇ!」
まるで出方を伺う様なその言い草に聞いているサーシャがドキリとした。
だが、ワシリーサの方はと言うと、返事をするどころか視線さえ向けない。
「私の顔が見れない? あらあらもしかしてロシアの魔女がビビっちゃってんのォ!? ぎゃははは、いいっていいって! 今んところあなたとやり合う気は無いからそんなに怯えなくってもだーいじょーぶよーん♪」
今度はあからさまな挑発。
「第二の質問ですがあなたは何をしようとしているのですか? 補足説明しますとその行動は明らか――」
と、サーシャが言った所で手で口を塞がれた。
その事にキョトンとしていると、ワシリーサにまた背後から抱きしめられた。
そのワシリーサは、サーシャを抱いたままヴェントに向くと、にっこりと笑みを浮かべながら、
「お礼がまだでしたわね」
「あ?」
何を言い出すのか、とヴェントの顔が若干いぶかしむ表情になった所で、
「ご、く、ろ、う、さ、ま♪」
その言葉は明らかに目上の者が目下の者を敬う言葉。相手がサーシャならまだしも、ローマ正教の最終兵器と呼ばれる『神の右席』に対して余りに無謀では無いか。
だが、ヴェントはふむと小さく息を漏らすと、
「あなた悪意が無いのね」
「悪意を向けて欲しかったらもう少し有能になる事ねお嬢ちゃん(ディエーヴゥシカ)☆」
その言葉を合図に大爆笑した2人はサーシャの目の前で固い握手を交わした。
「小耳にはさんだんだけど1人でロシア成教ブッ潰したんだって?」
「ああ、大した事無いわよ。仮にもここの一番張ってたんですから、それ位出来なくっちゃあねえ」
言葉とは裏腹に胸を張るワシリーサの姿に、サーシャは隣を歩きながら内心底の知れなさを改めて感じていた。
と、ヴェントがおやっと言う顔をして、
「そう言えばあなたちょっと若返って無い?」
「第一の同意ですが、確かに」
そう言われれば別れる前に比べると肌艶が違うとサーシャも首肯する。
するとワシリーサは「ばれたか」と、ぺろっと舌を出してから、
「これはちょっとチョンボってねぇ。それで身体造り直したの。十八歳よじゅ、う、は、ち。ピッチピチよん♪」
そして何をアピールしたいのか、若干自己主張が増した胸――サーシャの目測より――を下から持ち上げてみせる。
「羨ま……いや厚かましい女だな。あなた後どれ位生きるつもりよ?」
「世の中に美少女美少年がいる限り!」
それにはヴェントとサーシャは唖然としてしまうしかない。
「いやマジで凄いわ。私には真似できない」
「そんなに褒められちゃうと照れるなぁ♪」
「第二の発言ですが褒めていないと思います」
そんな事を言いながら一同は、1人ポツンと取り残されていたフランツも仲間に加えると瓦礫の山に戻って行く。
地下にはまだ広大な居住空間が残さされている。
そしてそこには質素だが温かい食事が待っているのだ。
戦勝の、そして新たな戦いの前祝いがこれから始まろうとしていた。
以上でした。
では。
281 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/05(土) 00:00:53.01 ID:6kqBgRo2
古人曰く「秘すれば華」
つまりチラリズムこそが至上「くぁwせ4r5ちゅじこl
画集小説読んで俺の吹寄熱が再燃
なんて美味しい娘なんだ。是非雲川先輩との3Pが見たいぜ
アニメ、アヘ風斬エロすぎw
インさんとのレズか上条含めた3pがみてえ
GJAサイドさんいつもおつかれさまです。
打ち止めが猟犬部隊に凌辱されるような話はまだか
286 :
266:2011/03/05(土) 22:16:52.96 ID:7VmfXtpl
前作が思いのほか好評だったようなので、調子に乗ってみようかと思います。
題して「俺的萌える一言シリーズ」、略して「もえひとシリーズ」
キャラごとに言わせてみたい台詞を言わせるための1シーンをつらつらと妄想してみようという目論見です。
話の整合性につきましては、『次元連結システムのちょっとした応用』あるいは『おのれディケイド!』等の魔法の呪文を使わせていただきます。
週ーくらいで投下できればいいな、とセルフ包囲網。
では以下、もえひとシリーズ第二段、吹寄制理編『幸福の定位置』です。
制理ちゃんマジおでこ!
287 :
266:2011/03/05(土) 22:18:28.34 ID:7VmfXtpl
ある日の放課後。超能力者や魔術師や天使と戦ったり、腕が千切れたり記憶が飛んだり世界を救ったりはしているものの、一応高校生であるところの上条当麻は一枚のプリントと格闘していた。
出席日数がやばいがゆえの追試――ではない。いや、受けなければいけないのは事実だが、今ではない。
「進路希望……ってなぁ。まだ早いと思うんだよなぁ」
ぼやきながら、クラスと名前以外全て空白のままのプリントをにらむ。
進学したい大学か、就きたい職業を記入せよ、という一般的なアンケートである。
学園都市の学生に一番人気の就職先は、やはり理事会直属の能力特派員だ。学園都市の『外』で法に守られて能力を使える唯一の職業なので、人気に比例して難易度も高い。
高卒ではレベル4以上かつ大きなプロジェクトに五つ以上参加していることが最低条件だとか。そこまでの実績のない学生は、まずコネのある大学を目指すのが定石である。
逆に、ワースト一位は研究者だ。理由は推して知るべし。
もちろん上条はレベル0だし、研究者になれる頭もないのでその間のどれか、ということになるのだが……
と。
「希望する職業があるなら、専門授業を受けた方がいいでしょう。これ、そのためのカリキュラムを組むためのアンケートなんだから。そんあこともわからないの?」
上条の席の、二つ隣。近くはないが遠くもない、そんな席に座り頬杖着いている少女が口を開いた。
黒髪、巨乳、おでこと、とある先輩とキャラがかぶっていることを最近気にしているらしい吹寄制理である。
色っぽくないけど美人は美人、と称される尊顔を不機嫌な表情で台無しにしている少女に、しかし上条は一言物申したい。
「いや吹寄、そんな早々に進路を決めちまって、後で心変わりしたらどうするんだよ。空前のジャパニメーションブームが起きて、アニメーターが子供の憧れの職業第一位になる世界がやってこないと、お前は保証できるのか」
「その戯言の補償を先にしろ」
鉄の女が非道いことを言った。
「というか、万が一そんなブームが起きたとして、貴様はそれに乗るつもりなの?」
三秒だけ考えた。
「いやぁ、ないなぁ」
「全国のアニメーター及びアニメーターを志す若者に頭を下げろ」
グダグダだった。
なんだかんだと、ホームルーム終了後からずっとこんなやり取りをしている二人である。
吹寄制理は眉間にしわを寄せ、
「まったく、『幸せになれればなんでもいいです』なんて適当なこと書くから再提出食らうのよ。もっと地に足の着いた将来設計はないの?」
「いや、それ、大分切実な願いだったんだけどな……」
うめいても見張り役様は許してくれる様子は無い。
だが、どうしても、進学したり就職したりしている自分を想像しようとすると、筆が止まってしまうのだ。
超能力者や魔術師や天使と戦ったり、腕が千切れたり記憶が飛んだり世界を救ったりしてきたせいで、平凡な暮らしというのが分からなくなっているのかもしれない。が、
大元は別にある。
『記憶を失う前の上条当麻』
『彼』の思い描いていたかもしれない夢を、知ることはできないだろうか、と。つい考えてしまうのだ。
今さらなぞることはできないだろうし、またその必要も義務もないと言われるかもしれないけど。
それでも、きっとそれは自分だけに与えられた権利だろうから。
288 :
266:2011/03/05(土) 22:20:43.49 ID:7VmfXtpl
「――上条?」
と、思いのほか深く考え込んでしまっていたのか、吹寄が怪訝そうな心配そうな表情を見せていた。上条はなんでもないと笑ってみせる。
「悪い悪い。そういや、吹寄はなんて書いたんだよ。やっぱ進学か?」
強引なのは承知で話題を振る。吹寄は納得いかない風ではあったが、ちゃんと乗ってくれた。
「ええ、そうよ。食品系の資格が取れる所って条件で探してるわ」
学園都市で食品関連の仕事というと、農場ビルか、携帯食料か、あるいは、
「健康食品か?」
「まあね。普段から食べてると、色々改善できそうな所が見えてくるのよ。就職先までは考えてないけど、あたしにとって一番とっつきやすそうだったから」
言うだけのことはあり、地に足の着いたご意見である。就職より先に資格について考えているあたり、上条とは格が違う。
思わず素で感心した。
「すげーな。高一でそこまで考えられるもんなのか」
「別にすごくないわよ。今時ふつうでしょ」
「そうか……? いや、そう感じるのは吹寄だからなのかな。お前が小学生の頃、将来の夢に『すてきなおよめさんになりたいです!』とか言ってたとは思えねぇもん」
「失礼ね! 言ってたわよ!」
「言ってたの!?」
しまった、という顔で乗り出しかけた体を戻す吹寄。
上条当麻は気づく。これはチャンスだと。
いわゆる悪い笑顔が浮かぶ。
「へー、吹寄にもそんな時代があったんだなー。いやいや、意外って訳じゃないけど……意外だなぁ」
じわじわと椅子ごとずり下がっていくおでこ少女。
「く……上条、貴様……」
「まま、人に言ったりはしませんよ? 誰にだってそういう経験はあるっていうし。でも吹寄の口からそんなってぐぉぶ!?」
下がったのは適切な距離が欲しかったかららしい。
クリティカル距離から放たれた体重の乗った頭突きが、上条の高説を強制終了させた。
「まったく! 常々思っていることだけど、あたしは貴様と一生相容れることはないと思うわ!」
「……奇遇だな、俺もだよ」
仁王立ちでふんぞり返る鉄の女に、吹き飛ばされた情けない体勢のまま、上条はうめいた。
これが、この二人の関係。
決して歩み寄らず、交わることのない平行線。
上条当麻と吹寄制理の関係はそういうもののはず――だから。
「……でも、十年くらいしたら、貴様と結婚してる気がするのよね。なんでだろ」
こんな台詞は、彼女が小学生だろうが高校生だろうが聞けるはずがない、空耳に違いなかった。
だから上条当麻はぐらつく意識の狭間で、何となく何気なく、こう答えた。
奇遇だな、俺もだよ。
上条当麻と吹寄制理。
交わらない平行線。
それはつまり、いつまでも寄り添っていけるということでもある。
劇的なはじまりや感動的なイベントを経ずとも、互いに幸福であるための適切な距離を理解している。
その関係に愛だか恋だかという名前をつけるには、まだまだ彼らは子供だった。
大人になるための第一歩として、まずは――
空白のままの未来地図(しんろきぼう)に、夢を書き込むことから始めよう。
289 :
266:2011/03/05(土) 22:22:51.50 ID:7VmfXtpl
終わりです。
吹寄さんはツンデレではないと思うのです。強いていうなら幼馴染キャラ。
空からメインヒロインが降ってこなければ勝手にくっついていたであろうポジションが吹寄さんの立ち位置ではないかと。
出会いのシーンどころか助けられるイベントすらあった描写がないのに、最初から上条に馴染んでいたのが印象的でした。
上条をどつきながら「あれ、あたしってもしかして今幸せなのかなぁ」とか、ふと考えていたりすると、作者はもだえます。
では次回、アニェーゼ=サンクティス編『1.5倍を縮める方法(仮題)』でお会いしましょう。
GJ
何かすげーどきどきしたww
ぜひ一方さんと打ち止めでもやってほしい
お嫁さんネタとかマジで萌えるんですけど乙
292 :
潤:2011/03/06(日) 00:05:49.56 ID:YDozYj2I
>>289 うおおGJでした…!続き待機させていただきます。
さて、流れをぶち切る形で大変失礼ですが、私用で時間の調整が難しいため今から通行止めSSを投下させていただきます。
まさかの未来設定&シリーズ連載なので、相当面倒臭い仕様となっております。
全部でどれぐらいの長さになるかまだ解りませんが、不定期にのろのろと投下していきたいです。
未来ネタ苦手な方はスルー推奨です。大丈夫な方は生ぬるく見逃してやってください。
※注意※
・一方通行×打ち止め未来妄想ネタ(新約禁書発売前に書き出したので、後々設定に齟齬が生じるかもしれません)
・あの子達が和解してたりオリジナルキャラが出てきたりと色々フリーダム
それでは、『桜降る夜』第一話、7レスお借りします。
※注意※
このSSは一方通行×打ち止めの未来捏造文です。妄想設定が含まれます。また、オリジナルキャラも登場します。
†††
それは、少年達の物語がハッピーエンドを迎えた後の、とある未来の可能性について。
†††
道の植え込みの陰で小さく体育座りする白いシスターを見つけたのが、一方通行の不幸の始まりだった。
「……オイ、そこの不審者」
思わず眉間を寄せ、彼が嫌々ながら声をかけると、大学生くらいのその修道女はピクリと反応して頭を上げた。
「……うう……あくせられーたぁ……」
鬱オーラを全身にまとった少女は、知り合いに出会えたことで安堵したのかふにゃりと眉を下げると、
とてつもなく予想通りの言葉を告げてくるのだった。
「もし、お忙しくなかったら……ごはん食べさせてもらえると嬉しいんだよ……」
とてもシスターの言い分とは思えない甲斐性ゼロのセリフに、一方通行はため息をついた後、インデックスの
首根っこを掴んで近くのファミレスへと誘導した。
「ほォ、つまりオマエはアレか。例によって道に迷った挙げ句、財布すら無くして一人途方に暮れていた、と」
はももももももももーっ、と恐ろしいスピードで目の前のプレートを空にしていく銀髪の少女相手に、彼は
無駄だと知りながらも棘を含んだ言葉を吐いた。
「とンだ間抜けぶりだなァ、魔導書図書館なんつーメルヘンな称号持ちの完全記憶能力者ってヤツは」
「もぐぐ……、お財布は私が無くしたんじゃなくて、カラスに盗られちゃったんだよ。やっぱり、キラキラ
してるストラップを付けていたのがいけなかったのかも」
アレみこととお揃いにしててお気に入りだったのになー、と喋りながらも食事だけは止めないインデックス。
相変わらず、フードファイターも裸足で逃げ出すレベルの食欲である。
勝手知ったる超能力者の財布、とでも思っているのかどうかは知らないが、パトロンの一方通行に対する
遠慮とか手加減とかの気配は特に感じられなかった。まあ、コイツから食事関連でそんな気遣いらしきモノが
窺えたなら、天変地異の前触れかと思わなくもないが。そう思ってしまう程度には長いつきあいなのだ。
昼間のファミレスに歳の近い男女二人が相席。こう表現すれば少しは色っぽさも感じるものだが、身にまとう
白を基調とした清楚な修道服に一切似合わない食い散らかしっぷりを披露するインデックスと、着慣れない
スーツ姿でふてくされたようにコーヒーを飲む一方通行という組み合わせでは、そんな言い回し効果も
奇跡のような原子崩壊連鎖で塵へと帰してしまう訳である。
ぐいっと豪快に水を飲み干したインデックスが、ようやく思い出したように一方通行に礼を言ってきた。
「ぷはぁっ、ごちそうさまでした! 本当にありがとうなんだよ!」
「どォでもイイから口を拭け」
「わぷっ!? ぜっ絶対あなた私にらすとおーだーと同レベルの扱いしてるよね! あなたもとうまももう少し
私のこと大人扱いしてくれてもいいかも!」
顔面におしぼりを投げつけられたのがよほどご不満なのか、机越しに身を乗り出してくるインデックス。
そうして一方通行と接近してようやく何かに気が付いたのか、彼女はふとこんな事を言った。
「あれ? そういえばあくせられーたのスーツ姿なんて初めて見たんだよ」
「……あァ、そォかもな」
「??? どうしたの? もしかして今日何か用事があったんじゃ――」
インデックスがそう尋ねかけたまさにその瞬間、
『あっあああ一方通行ッ! アンタ何で打ち止めの卒業式放っぽってインデックスとデートしてんのよっ!?』
ファミレスの大きなガラス越し、とある超能力者の(誤解120%な)大声が二人に襲いかかってきた。
「全くもう、一体私がどんだけ学園都市中を探し回ったと思ってんのよ……」
インデックスの隣に座り、少し疲労した様子でカフェラテを口に含む御坂美琴。
打ち止めの中学校の卒業式が終わった直後、彼女だけ一方通行を探すために走ってきたらしく、その格好は
彼同様に似合っていないフォーマルな礼服だった。
「……あくせられーた、卒業式があるって知ってたなら、私も無理に引き留めなかったんだよ」
「別に問題ねェだろ。あのガキの所にならどォせ黄泉川やら芳川、それと妹達の連中が行ってンだろォが」
インデックスの申し訳無さそうな、かつ責めるような一言に一方通行は答えを返す。
面倒臭そうに横を向きながら、彼は御坂に対しても同様に、
「そォいう舞台は俺の出る幕じゃねェよ。さっさと戻れオリジナル」
294 :
潤:2011/03/06(日) 00:18:53.21 ID:xlYzQLPk
申し訳ありません…文字数がオーバーしてしまったようで投下不可になってしまいました。
調整を試みてはみたのですがどうも上手くいかないので、
また明日改めて最初から投下させていただきたいと思います。
前前々作と同じようなミスでご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。
他スレからの拝借ですが参考にどうぞ
>Q 1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
>A 容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です。
296 :
潤:2011/03/06(日) 00:38:55.63 ID:xlYzQLPk
>>295 ご親切にありがとうございました。参考にさせていただきます。
明日は小さめにまとめて投下したいと思います。
専ブラ使えばウインドウに出てこない?
>>289 GJ
吹寄さんがこんなにかわいいなんて……!
アニメを観てたら、なんか木原くンが打ち止めを犯し、
ついでに猟犬部隊に輪姦させながらそのさまを
一方さんに実況中継してあげてるシーンが見たくなったなあ
>>301 その後の一通さんによるお清めえっちまで妄想余裕でした
304 :
潤:2011/03/06(日) 23:06:41.09 ID:xlYzQLPk
昨晩はご迷惑をおかけしました。投下しかけていたSSを最初から再投稿させていただきます。
これでもしまた失敗したらちょっと俺吊ってこなければ…
保管庫管理人様、昨日の中途半端なSSは保存せずに今日のSSの方を使ってもらえますようにお願いします。
未来ネタ苦手な方はスルー推奨です。大丈夫な方は生ぬるく見逃してやってください。
※注意※
・一方通行×打ち止め未来妄想ネタ(新約禁書発売前に書き出したので、後々設定に齟齬が生じるかもしれません)
・あの子達が和解してたりオリジナルキャラが出てきたりと色々フリーダム
それでは、『桜降る夜』第一話、8レスお借りします。
※注意※
このSSは一方通行×打ち止めの未来捏造文です。妄想設定が含まれます。また、オリジナルキャラも登場します。
†††
それは、少年達の物語がハッピーエンドを迎えた後の、とある未来の可能性について。
†††
道の植え込みの陰で小さく体育座りする白いシスターを見つけたのが、一方通行の不幸の始まりだった。
「……オイ、そこの不審者」
思わず眉間を寄せ、彼が嫌々ながら声をかけると、大学生くらいのその修道女はピクリと反応して頭を上げた。
「……うう……あくせられーたぁ……」
鬱オーラを全身にまとった少女は、知り合いに出会えたことで安堵したのかふにゃりと眉を下げると、
とてつもなく予想通りの言葉を告げてくるのだった。
「もし、お忙しくなかったら……ごはん食べさせてもらえると嬉しいんだよ……」
とてもシスターの言い分とは思えない甲斐性ゼロのセリフに、一方通行はため息をついた後、インデックスの
首根っこを掴んで近くのファミレスへと誘導した。
†††
「ほォ、つまりオマエはアレか。例によって道に迷った挙げ句、財布すら無くして一人途方に暮れていた、と」
はももももももももーっ、と恐ろしいスピードで目の前のプレートを空にしていく銀髪の少女相手に、彼は
無駄だと知りながらも棘を含んだ言葉を吐いた。
「とンだ間抜けぶりだなァ、魔導書図書館なんつーメルヘンな称号持ちの完全記憶能力者ってヤツは」
「もぐぐ……、お財布は私が無くしたんじゃなくて、カラスに盗られちゃったんだよ。やっぱり、キラキラ
してるストラップを付けていたのがいけなかったのかも」
アレみこととお揃いにしててお気に入りだったのになー、と喋りながらも食事だけは止めないインデックス。
相変わらず、フードファイターも裸足で逃げ出すレベルの食欲である。
勝手知ったる超能力者の財布、とでも思っているのかどうかは知らないが、パトロンの一方通行に対する
遠慮とか手加減とかの気配は特に感じられなかった。まあ、コイツから食事関連でそんな気遣いらしきモノが
窺えたなら、天変地異の前触れかと思わなくもないが。そう思ってしまう程度には長いつきあいなのだ。
昼間のファミレスに歳の近い男女二人が相席。こう表現すれば少しは色っぽさも感じるものだが、身にまとう
白を基調とした清楚な修道服に一切似合わない食い散らかしっぷりを披露するインデックスと、着慣れない
スーツ姿でふてくされたようにコーヒーを飲む一方通行という組み合わせでは、そんな言い回し効果も
奇跡のような原子崩壊連鎖で塵へと帰してしまう訳である。
ぐいっと豪快に水を飲み干したインデックスが、ようやく思い出したように一方通行に礼を言ってきた。
「ぷはぁっ、ごちそうさまでした! 本当にありがとうなんだよ!」
「どォでもイイから口を拭け」
「わぷっ!? ぜっ絶対あなた私にらすとおーだーと同レベルの扱いしてるよね! あなたもとうまももう少し
私のこと大人扱いしてくれてもいいかも!」
顔面におしぼりを投げつけられたのがよほどご不満なのか、机越しに身を乗り出してくるインデックス。
そうして一方通行と接近してようやく何かに気が付いたのか、彼女はふとこんな事を言った。
「あれ? そういえばあくせられーたのスーツ姿なんて初めて見たんだよ」
「……あァ、そォかもな」
「??? どうしたの? もしかして今日何か用事があったんじゃ――」
インデックスがそう尋ねかけたまさにその瞬間、
『あっあああ一方通行ッ! アンタ何で打ち止めの卒業式放っぽってインデックスとデートしてんのよっ!?』
ファミレスの大きなガラス越し、とある超能力者の(誤解120%な)大声が二人に襲いかかってきた。
†††
「全くもう、一体私がどんだけ学園都市中を探し回ったと思ってんのよ……」
インデックスの隣に座り、少し疲労した様子でカフェラテを口に含む御坂美琴。
打ち止めの中学校の卒業式が終わった直後、彼女だけ一方通行を探すために走ってきたらしく、その格好は
彼同様に似合っていないフォーマルな礼服だった。
「……あくせられーた、卒業式があるって知ってたなら、私も無理に引き留めなかったんだよ」
「別に問題ねェだろ。あのガキの所にならどォせ黄泉川やら芳川、それと妹達の連中が行ってンだろォが」
インデックスの申し訳無さそうな、かつ責めるような一言に一方通行は答えを返す。
面倒臭そうに横を向きながら、彼は御坂に対しても同様に、
「そォいう舞台は俺の出る幕じゃねェよ。さっさと戻れオリジナル」
「……あのね、そういう問題じゃないでしょう」
呆れたように、御坂美琴はカップをテーブルの上に置いた。
かたん、と小さな音を立てて、一方通行のコーヒーカップにその振動が伝わる。
「打ち止めが、今日誰よりも来て欲しかったのはアンタだってことくらい、分かってるんじゃないの?」
「……、」
「……そりゃあ、私や妹達の前に顔を出しづらいってのは分かるけどさ。アンタがあの子の事を大事に思って
くれてるって言うなら、私たちを気にするより優先するべき事がある筈でしょ。それが頭では解ってたから、
アンタは今そんな、らしくもない格好をしてるんでしょうが」
茶髪の少女は、心の底から真剣な眼差しで一方通行を見据えた。
かつて彼女が自分に向けてきた、恐怖と憎悪の色はもうほとんど見当たらない。
そこにあったのは、ただ目の前の人間と対等であろうとする、強い力だった。
「……前に言ったわよね。妹達も、番外個体も、私も、打ち止めだって、アンタが過去にしてきた行いを
許すことは出来ない。死んでいった妹達の想いを無かったことにするなんてことは、誰にも出来ないわ。
けど、だからって、これから皆で築いていくべき幸福をアンタ自身が踏みにじっていくのはおかしいでしょう?
そんな自己犠牲な解決方法は誰も望んでなんかいないのよ」
激昂でも、糾弾でもなく。
かつて殺したいほど憎んだ筈の相手を前にしておきながら、御坂美琴は静かに、真っ直ぐな言葉を告げる。
それは正論だ。陽の当たる世界で生きてきた彼女が道徳に則り、悩みながらも出した結論に過ぎなかった。
だが、一方通行にはその考えを理解出来ても、現実には今まで殆ど成し遂げられていなかったのかもしれない。
打ち止めの笑顔を望んではいても、彼は成長した彼女の姿にどうしても自分の『罪』を投影してしまい、
最近では彼女としっかり向き合うことすら避けがちだったように思える。
それを改めて突き付けられ、一方通行は思わず舌打ちする。
「一人でウジウジと背負い込まないでよ。……あの子が一番望んでいるのは、アンタの幸せなんだからさ」
打ち止めと瓜二つの少女はそう言うと、隣にいるインデックスの腕を軽く引っ張って立ち上がるよう促した。
「行きましょ、インデックス。今日は女二人で買い物して、何か美味しいモンでも食べに行くわよ」
「みっ、みこと?」
今席を立っても大丈夫なのだろうか、と二人の顔を見比べ狼狽するインデックスをやや強引に連れ出しつつ、
御坂は財布から出した紙幣を適当に机の上へ投げた。
「私の分のお茶代よ。お釣りはこの子のご飯代ってことにしといて」
「……オイ、」
人のことは言えないが、コイツの金銭感覚もつくづく異常だ。突き返そうと思い口を開く一方通行だったが、
「何よ気持ち悪いわね。心配してくれなくても後で私の方からあの馬鹿に払ってもらうわよ」
彼女は渋い顔をして一万円札の受け取りを拒む(どうせあの三下に請求する気など最初から無いのだろう)と
一拍息を吸ってからこう言った。
「夕方にはあの子も学校から出てると思うわ。電話だけでもしてあげなさいよ」
それだけできっと嬉しがるだろうから、と付け加え、御坂はそのまま店を出て行った。彼女に連れられた
インデックスは慌てた様子で『あくせられーた、今日は本当にお世話になりましたなんだよーっ!』
とガラスの外から手をブンブン振ってくる。
その姿も見えなくなり、一人残された一方通行は息を吐くと、ポケットから携帯電話を取り出す。
御坂美琴の言葉を頭の隅に留めておきながら、彼は口の中で独り言を転がした。
「……電話、か」
†††
その後、ファミレスを立ち去った美琴たちは、無くしてしまったインデックスの財布を探すため、警備員に
協力を頼んだ。彼らの情報網によって、すぐに財布は近くの風紀委員の詰め所に預けられていることが分かり、
結局二人は自分たちでそこへと受け取りに行くことにした。
下校する生徒たちがまばらに見受けられる路地を歩きながら、インデックスと美琴は穏やかに言葉を交わす。
「中身は盗られてないままみたいよ。親切な人に見つけてもらえてたみたいで良かったわね」
「うん! 今日は何から何まで本当にありがとうね。かーども入れてたから助かったんだよ」
「カードくらいなら会社に電話して利用停止できるけど、アンタはそういう手続きとか苦手そうだしねー」
「うぅ……悔しいけどその通りかも」
しゅんとしたような仕草を見せるインデックスの姿に美琴はクスリと笑い、
「まぁ見つかったんだからいいじゃない。さて、買い物はどこに行こうかしらね? 最近出来た店だと……」
「ねえ、みこと」
「ん?」
ふいに話の腰を折ったインデックス。美琴がその顔を注視すると、彼女の表情には不安げな色があった。
「なんて言えばいいのかな。……みことは、これでいいの?」
「え、何が?」
「さっきのことなんだよ。私が口を挟むべきじゃないのは分かってるけど……」
さっきのこととは、一方通行との会話のことだろう。
見た目以上に聡いインデックスのことだから、きっと美琴は、彼女を前にして吹っ切れたフリなど出来ない。
「私はみことの『ともだち』だし、あくせられーたのことも本当は優しい人なんだって知ってるよ。だから、
私は二人には出来れば仲良くしてほしいかも。けど、今のみことは、無理してあの人と接しているように
見えるんだよ。みことやあくせられーたが辛そうにしてる顔なんて、私は見たくないよ。だから……」
本当にそれでいいのかなって思ったんだよ、と、銀髪の少女は告げる。
インデックスは、友人として美琴のことを極めて心配している様子だった。
美琴は、彼女が言いたいことをちゃんと理解している。
妹達と一方通行との関係を考慮する以前に、美琴自身はどうなのか、と。
あれだけのことをした一方通行の未来を祝福する覚悟が本当にあるのか、と。彼女はそう尋ねているのだ。
「……無理なんてしてないわよ。でも、……そうね」
その問いに彼女は、深く息を吸ってから答えた。
「どんな事情であれ、アイツのしてきたことを肯定する気は欠片も無いし、憎くないって言ったら嘘になるわ。
私がどうこう言うべき事じゃない、って分かってはいても、やっぱり何も考えずにはいられなかった。
自己満足の贖罪なんかクソ食らえだって思ってたし、いっそ私がアイツを一思いにブチ殺すことができれば
どんなに楽になるかって考えたこともある」
でも、と美琴は続ける。
「昔ね、打ち止めが言ってくれたの。『あの人もお姉様も、二人ともミサカ達の大切な家族だよ』って。
ふふ、笑っちゃうくらい甘い考えよね。……でも、私はその言葉に救われたわ。運命を受け入れようって、
そう思えたのは、あの子のおかげなの。だから、私はあの子のためにも、アイツの今後を応援してやろうって、
そう決めたのよ」
美琴のその穏やかな口調は、紛れもない『家族』への思いやりを湛えたものだった。
妹達は、実際にはただの量産されたクローンで、そして一方通行は紛れもなく彼女達を壊し続けた張本人だ。
それでも、そんな彼らを語る美琴には、そういった過去から逃げずに、彼らを『家族』として慈しむ、
人間としての輝きがあった。
かつて学園都市第一位は、それまで想像を絶する苦しみを繰り返し押し付けてきた少女たちを救うために、
自分自身を血に染め、無様に地を這いずりながらも闘い続けた。その事実を、妹達は受け入れたのだ。
そうした結果として『今の彼ら』があるのなら、その拙い絆を、御坂美琴は必ず守りきってみせると決めた。
そう。
今の平和を勝ち取る契機となったかつての戦いに、大切な者を守るために命を賭したあの少年達のように。
だからこそ、美琴はもう絶対に立ち止まらない。
「……うん、そうだよね」
少女のそんな決意を垣間見て、インデックスは笑顔を取り戻す。
「みことは、いいお姉ちゃんなんだね」
「んー、そうなれればいいとは思っているけれどね。実際にはかなり空回りしてるわよ」
幼さの残る笑みを浮かべて、美琴は指先で頬をかく。
そこにはもう、いつも通りの穏やかで優しい日常の雰囲気が戻っていた。
インデックスは花が咲くように柔らかく微笑んだかと思えば、何故か腰からくにゃりと身体を折り曲げた。
「……あぁあああぁああああああう、」
途端にお腹が間抜けな音を上げる。早くも胃が空っぽになってしまったらしい。
「くああ、歩いたらお腹が空いてきたかも……。早くお財布の軍資金を取り戻してご飯食べに行こうよ!」
「いつもながらアンタどんだけ燃費悪いのよ……あの馬鹿の家のエンゲル指数が心配になってくるわね」
適当に言い合いながら、二人は夕焼けでオレンジ色に染まる街道を歩いていく。
そして、
「あ、そういえば」
「どうしたの?」
「実は、最近打ち止めがちょっと思い悩んでるみたいなのよね。さっきファミレスで打ち止めに連絡してやれ
ってアイツに言ったのは、実はそれ関連での私なりの援護射撃だったんだけど……」
「え? 援護って? ……あれ、それってひょっとして……ひょっとしてらすとおーだー、もしかして……!?」
「……同じ遺伝子を持ってても、あの子の好みは理解しがたいものね。あんなモヤシのどこがいいのかしら」
「ふええええーっ!? わっ私、今まで全然そんな事気付かなかったんだよ!?」
「……つくづくそーいうのには鈍感ね、アンタって」
不穏なガールズトークは、一方通行の知らない所でしばらく続くのだった。
†††
家路に着く前にコンビニで購入した缶コーヒーがぎゅうぎゅうに押し込まれたビニール袋を、曲げた肘に
引っ掛けている白髪の青年は、細い左手に握る携帯電話を指先で操作する。
淡く光る液晶に表示された携帯番号は、打ち止めのものだ。すぐに暗記してしまうくらい小さなデータを
わざわざ検索しておきながら、彼はなかなか発信ボタンを押そうとしない。
「……」
一方通行は、電話をかけるという行為を少し苦手にしている。
無機質なコール音の中、ただ相手が応えてくるのを待つだけの、あの時間がひどく落ち着かないからである。
元々、つい数年前までは連絡を取り合うような間柄の人間などいなかったし、彼もまたそういったことに
全く興味を抱かなかったので、携帯電話は彼にとって、研究所からの事務的な連絡を受け取るためだけに
持ち歩いている道具にすぎなかったのだ。
それが、高校一年の夏の終わり――正確に言えば打ち止めという少女に出会ってからは、彼の意志を無視して
アドレス帳の登録件数が一気に増大した。
打ち止め、黄泉川愛穂、芳川桔梗をはじめに、その後も他人と関わるごとにそれらは携帯に蓄積されていった。
彼女らのような脳内花畑の連中なら、そのメモリは一方通行の人間関係の発展を示す縮図そのものだ、とでも
表現するのかもしれない(当然、一方通行本人は決してそれを素直には肯定しないが)。
もちろん、それから今に至るまでに、自分から誰かに電話をかけたことなど数え切れないほどあるのだが、
それでも彼はいまだに、自分から電話をかけるほどの理由として自分自身を納得させられるだけの『何か』を、
つい探してしまうのだった。
『怖いのかな、一方通行。距離を縮める方法が分からないから、これ以上それを離されるかもしれない行為に
出るのは。自分の行いが裏目に出てさらに距離が遠ざかれば、もう自分から元に戻す事ができなくなるのが』
「……チッ」
随分昔にとある女教師から投げかけられた不愉快な台詞が脳裏に滲み、一方通行を苛立たせる。そォいえば
あの時も電話越しだったっけなァオイ、などと余計な事まで思い出して、携帯電話を握る手に圧力が込もった。
だが、いつまでもこうしていても、事態は好転などしない。
御坂美琴の口車に乗せられたのは癪に障るが、打ち止めに連絡を入れなければならないということは確かだ。
(……三コール待つ。それが過ぎたら切っちまえばイイ)
少しの間だけ動きを止めた後、一方通行は発信ボタンに指を当てる。
しかし、奇しくもそれを押し込む直前のタイミングで、突然携帯がひとりでに鳴りだした。
「っ!?」
意識を集中させていた携帯がいきなり鳴らしたデフォルト設定の着信音に不意を突かれ、彼はほとんど咄嗟に
ボタンを押すことになる。
耳に当てたスピーカーから聞こえたその声は、間違えようの無い少女のものだった。
『――こんにちはーミサカだよ、ってミサカはミサカはご挨拶してみる』
「……、あァ」
『む? もう夕方だから「こんばんは」が正しいのかな? ってミサカはミサカは首をひねってみたり』
「くっだらねェ」
芯を持った、しかしどこか甘く柔らかい響きの声音は、そういえば随分と聞いていなかったような気がする。
一方通行が学園都市内の大学に進学して、黄泉川の庇護から独立した当初は、それこそ毎日のように
この少女から電話を寄越してきたものだが、それからしばらく経った今ではそれ程頻繁には連絡しなくなった。
別に、仲がこじれた訳でも、特別な事情がある訳でも無いが、要は二人ともが『お互いが隣にいない生活』に
慣れてしまった結果なのだろう。
ただ、ひたすら純粋に、一緒にいられればそれで幸せだと信じているには大人になりすぎたというだけの話。
「本当にくっだらねェ」
『……さすがに二回もくっだらねェ呼ばわりされると傷付くよ? ってミサカはミサカは不満を漏らしてみる』
わざとらしく零す溜め息が、電波で繋がる音声にノイズを走らせる。
「……クソガキ、」
『なになに? ってミサカはミサカは子供扱いしてほしくないなーって本音を漏らしつつ相槌を打ってみたり』
「――」
口を開こうとした一方通行の言葉が、途切れる。
――オマエは今日、俺が来るのを待ってたのか?
当たり前だ。決まっているだろう。そんな事、白々しく尋ねても彼女を打ちのめすだけだ。
分かっている筈だった。打ち止めが今、どんな思いで電話をかけてきたのかくらい。
今自分が告げるべき言葉は、そんなクソったれな台詞じゃない。
だから、慣れない事をする事前動作として、一方通行は小さく息を吸い込んだ。
そして一言。
「……悪かった」
『……え、ふぇ、えええええぇぇえええええええええええ!??』
「うっせェ叫ぶな、耳が痛ェ」
間抜けかつ素っ頓狂な絶叫を受け、一方通行はしかめっ面でスピーカーを耳から離した。
『え、だって、ええっ!? 天上天下唯我独尊を地で行ってそうなあなたが、ミサカに、謝った……!?』
相当意外だったらしい。まぁ確かに自分でもらしくないとは思うが。
それにしたって、いい大人相手にそんな『暴走族の息子が母の日にカーネーションをくれました』級の驚き方は
いかがなものか。
しばらくの沈黙の後、苛立ち紛れ(と言う名の照れ隠し)にガリガリと頭を掻く一方通行の携帯電話から、
戸惑っているような、尚且つ言葉を選ぶような少女の声が返ってくる。
『……あのね、ミサカは別に怒ってなんかいないし、責めるつもりで電話をかけたんじゃないんだよ、って
ミサカはミサカはまた一歩大人に近付いて聞き分けがよくなった自分をアピールをしてみたり。だから、
そんなに気に病まないでほしいかな、ってミサカはミサカは言ってみる』
それは、本当のことでもあり、また嘘でもあると思う。
普段は脳天気に振る舞っていながらも、その実必要以上に周囲に気を遣う彼女の性格を知っているからこそ、
一方通行は彼女の言葉を安直に受け止めるような真似はしない。
だが、彼がそれを口に出してこれ以上詫びを繰り返すのを彼女は望んでいないということも分かっていた。
打ち止めが今一方通行に求めているものは謝罪ではなく、率直な肯定だ。
「……あァ、分かった」
『えへへ、あなたが素直だと調子が狂うなぁ、ってミサカはミサカは贅沢な発言をしてみたり』
でも高校の入学式にはちゃんと来てね! という明るい声に、不覚にも、張り詰めた気持ちが幾分か和らぐ。
いわゆる、毒気を抜かれるというヤツだった。
「……それで。じゃあ何か他に用事があったのかよ」
必要以上に突っ慳貪な物言いで尋ねる一方通行。
しかし、電話越しの返答は妙なものだった。
『……あっ、えと、あのね、って……』
彼女にしては珍しい、歯切れの悪い喋り方に一方通行は眉をひそめる。
「オイ、」
『――ミサカは、ミサカはっ……』
……もし一方通行に人並みのデリカシーが存在したならば、ひょっとすると気付けたのかもしれない。
電話の向こうの少女の顔が、これ以上ない程に紅潮しているということに。
『……今日、お泊まりに行ってもいいですか、ってお願いしてみたり……!』
†††
クソガキへの電話は若干躊躇ったりもしたが、ジャージ女相手にそんなセンチメンタルな迷いは存在しない。
『あははー本当じゃんよ、黄泉川先生は雑務の山に追われて今日中にはもう帰れそうにないじゃんかー。
桔梗のヤツも今日は家を空けるらしくて頼れないし。私からも頼むわ。一晩君ん家であの子の面倒見てやって』
携帯からのあっけらかんとした声を受け、一方通行は思わず携帯を握り潰しそうになった。
『うぉ、ちょっタンマタンマ! なんかスピーカーからメキメキって音がしてきて怖いじゃん!?』
「正気ですかァ黄泉川? つか、いくらなンでもあのガキだって自分でメシ用意して戸締まりして寝るぐらいは
出来る歳だろォがよ」
『でも、女の子一人じゃ心許ないのは事実じゃんよ。そーいうのは君が一番心配する事だと思ったんだけどな』
「一人暮らしの男の部屋に放り込む方がよっぽど危険だって認識は無ェのか、高校教師」
『その辺は信用してるじゃん。君は絶対、あの子に怖い思いをさせたりしない』
でしょ? という問いかけに、舌打ちを返した一方通行。
そういった反応を受け流してケタケタ笑いながらも、黄泉川は言葉を続ける。
『というか、私としてはお二人さんの合意さえあればぶっちゃけナニしよーが文句は言わないじゃん?
二人とも若いんだからそーいう劣情に満ち満ちてるんだろうし、自己責任で好きなだけやんなさいって』
「そのまま一生残業してろクソビッチ」
頭の血管が切れそうになったところで、一方通行は通話を強制的に終了させた。
†††
(……言っちゃった。お泊まりしたいって言っちゃったよ……うああ恥ずかしいなんかすごく恥ずかしいいっ!!
ってミサカはミサカは街中で思わず顔を抑えてみたりぃいいい……!)
「みさかみさかみさかーっ!」
「うにゃあああああ!!?」
一方通行との通話の後、歩道で突っ立っていた打ち止めは、突然背後から掛けられた陽気な声に身を震わせる。
声の主は打ち止めの絶叫など気にも留めずに背中から腕を回す。
「うにゃーだってぇ。相変わらず御坂は萌え系だなあ。うへへそしてこちらも相変わらず良い乳」
「浅葱、後ろから鷲掴みは止めてやれ。御坂はすでにマジで泣き出す五秒前だから」
「ひゃあ止めてアサギ止めてお願い離して、ってミサカは、ミサカはーっ!!」
打ち止めが本気の抵抗を示したため、傍らにいる同級生の少女は打ち止めにへばり付く痴女を力ずくで
引き剥がしてくれた。
捕まえられた百合属性の友人は地から浮いた足をパタパタと振りつつ、
「むー、なにすんのよ朽葉。卒業式ん時から愛しの御坂がグスグス泣きっぱなしだったから、ちょっと雰囲気を
変えてあげようかと思っただけじゃんかぁ」
「純真無垢な御坂をモザイクピンクの道に引き込むな腐れレズ」
「あ、ありがとうクチバ、ってミサカはミサカは貞操の危機を覚えながらお礼の言葉を述べてみる」
ガタガタ震えながらグシャグシャにされた衣服を整える打ち止めに、朽葉と呼ばれた少女が目を向ける。
「そーいや御坂はもう私服に着替えたのか。どうしたんだそんな大荷物」
「あ、うんちょっと用事があるの、ってミサカはミサ」
「ハッ!? 言われてみれば今の御坂はリボンがアクセントのキャミの上から鎖骨のチラリズムがたまらない
ゆるゆるセーターを重ね着、さらにキュートなラインが入ったプリーツスカートという女子力満点な
ファッション!! トドメはサイドにさりげなく流した三つ編みヘア、だと……!?」
「上から下まで舐めまわすように見つめるんじゃない」
朽葉からのビンタを後頭部に喰らい、御坂の首筋がエロいのが悪い!! と懸命に主張する浅葱だった。
「けどまぁそうか、用事があるんじゃあ誘えないな。これからクラスの連中集めて勉強合宿やるから、御坂に
解説してもらえないかと思ってたんだけど」
「うえーん、御坂に数学の解き方教わりたかったー……。私の能力じゃ内申の足しなんて期待出来ないしさー。
ペーパーテストにも弱いし、このままじゃ御坂と同じ高校に受かるか不安だよ」
「ごめんね、またすぐに時間作るよ、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる」
同級生たちにとってはこれからが高校入試本番だが、打ち止めは違う。
彼女は既に、超能力者の量産型クローンとしての特別入学を志望校側から許可されている。
かつて、とある少年たちの死闘により学園都市に平和が訪れた後、公表された軍用クローン『妹達』の存在は
世界中に波紋を引き起こした。
そのおぞましい出生、血生臭い存在価値は簡単には世間に受け入れられず、妹達の中核たる打ち止めは特に
周囲の人間から敬遠と差別の対象にされた。いじめに近い仕打ちを受けたことだって少なくない。
しかし、この世界はそんな彼女を突き放すほど冷淡ではなかった。
例えば目の前の少女たちは、打ち止めをからかった男子生徒の顔面に、力いっぱい拳を叩き込んでくれた。
靴を隠された時は、クラスの女の子たちが、日が暮れるまで一緒に探してくれた。
家に帰れば、黄泉川や芳川が暖かく出迎えてくれて、彼女をほっとさせた。
オリジナルの御坂美琴や上条当麻、インデックスはよく話し相手になってくれた。
妹達も、それから番外個体も、何回打ち止めの力になってくれたか知れない。
そして、一方通行は――
「んで御坂、今日って何の用事? そんなよそ行きの格好でキャリーバッグ持参って、『外』にでも旅行か?」
「……あ、えっと。そんなところかな、ってミサカはミサカは」
「怪しい。御坂の挙動に不審な点がアリです朽葉軍曹!」
「もう私にはお前のノリが分かんねえよ!!」
眼鏡越しの瞳をキラーンと輝かせる浅葱に怒鳴り返す軍曹(通称)だったが、
「覚悟したまえ御坂! パンツチェックぅうううううううう!!」
頭痛を誘発するような低IQの技名を叫びながら、浅葱は自身の能力の精度を限界まで高めて、発動させた。
彼女は今のところ低能力の空力使いであるが、この集中力の使いどころをもっと厳選すればレベルアップも
容易いのではないかと思わなくもない朽葉である。
本人曰く『近所で同系統能力使いらしき女子高生がスカートめくりしてたのをヒントにした』その奥義は
打ち止めのスカートに見事直撃、その裾を弱々しくも、だが確実に持ち上げた。
「ふぁああ!?」
風向きも味方し、ブワッ! と爆発的に広がる裾。あまりの速度に打ち止めは両手で押さえることも忘れ、
ただそのプリーツスカートの中身をご開帳するのみとなる。
まず見えたのは、頼りなく擦り合わせられた太腿。
ストッキングなどを履いていない真っ白な脚には、何故だかそれだけで危うい無防備さ、情欲を掻き立てる
ような引力を感じさせる。
水滴を弾く張りのある肌は、しなやかな艶めかしいボディラインを描き、見る者の視線を上へと誘導していく。
そして――脚の付け根、可愛らしいおへその少し下には、純白の世界があった。
小さめの布地、可憐なレースがあしらわれた上質なシルク。滑らかな素材に覆われた箇所は、丸みを帯びた
下腹部の形をかなりくっきりと浮かび上がらせていた。それこそ、わずかに布が食い込んだ一部分まで。
たった一瞬の、変態さんウェルカム的な光景。
しかしそれを前に、スカートめくりの張本人は顔を青ざめさせてガクブルしている。
「そ……んな、御坂が、可愛い可愛い私の御坂が、いつもの三枚千円じゃないなんて……!? 嫌、そんな、
レースにフリルにリボンの、いわゆる、しょ、勝負下着ををををををををを!!?」
「落ち着け、いつもの十倍日本語が馬鹿になってるから」
あわあわ言いながら真っ赤な顔でスカートの端を握りしめる打ち止めの前で、二人は「やっぱりかあの
白髪野郎……! 御坂の兄貴みたいなもんだって話だったから見逃してやっていたというのに、そうかそんなに
正義の鉄槌が必要か社会害悪のロリコンめぇぇえええええッッッ!!」「……お前のライバルはパンツチェック
如きでどうにかなる相手なのか?」と会話をしている。
「みっ、ミサカもう行くね! ってミサカはミサカは混乱に乗じて逃亡してみる!!」
耐え切れなくなり、微妙に引きつった笑顔で駆け出した打ち止め。背中から「ああっ行かないで御坂ぁー!!」
という鬼気迫る絶叫が聞こえるのが超怖い。
「あ、おいちょっと御坂。逃げる前に一つ聞きたい」
「にゃっ、なに!? ってミサカはミサカは恐怖に怯えながらもクチバにお返事してみたりっ」
「その三つ編みは第一位の趣味なのか?」
「ふぇ?」
浅葱を取り押さえながら妙なことを問い掛ける朽葉。
打ち止めにとって頼れる友人の一人である彼女の口元は、何故か楽しげにニヤニヤとしている。
「ち、違うと思うけど、ってミサカはミサカは……」
「ならツインテールにした方がいい。三つ編みでもいいんだけどさ、ツインテールならまず男受けに失敗
しないから」
アドバイスっぽい言葉を告げると、「ほら、猛獣に喰われる前にもうお行き」と目で合図してくれた
彼女であった。
†††
打ち止めと直接顔を合わせるのは、約一か月ぶり。
自分の部屋に泊まりに来る、なんていうのはもう一・二年ぶりではないだろうか。
当たり前の事だ。一方通行も打ち止めも子供ではない。あと数週間で高校生になる少女は、もう無邪気に
大学生の男の部屋に外泊できるような歳ではないのだ。
まして彼らは血が繋がった兄妹でもない、言ってしまえばただの他人である。
いかに相手が信頼を寄せている存在であっても、『間違い』を危惧しない理由にはならない。
それを一切気にしないような女は、防衛本能ゼロかIQゼロのどちらかだと一方通行は断言できる。
(……どいつもこいつも俺を信用し過ぎだクソったれ)
認証センサーでロックを解除しながら、苦い顔でため息をつく一方通行。
静脈、生体電気の流れ、指紋、AIM拡散力場エトセトラがドアを開ける鍵となるこの機械には、確か、
だいぶ前に打ち止めのデータも取り込んでいたはずだ。
……まあ当時は彼女もまだチビのガキで、遊びに来る感覚でよくここに来ていた都合上登録させたのだが。
(デカくなったクソガキを泊める予定なンざ無かったっつの。ったく黄泉川の野郎、デリカシーの欠片も
ありゃしねェ)
つくづく打ち止めの周囲にいる人間は不用心だと思う。黄泉川も芳川も妹達も、御坂美琴も。
『だって一方通行はあの子を傷付けるような事、絶対にしないから』――異口同音にコレである。これなら
ストレートに一方通行の事を嫌いだと言う番外個体の方が、まだマトモな思考回路を持っているのではないか。
別に、学園都市第一位は完璧でもなんでもない。むしろ誰よりも不完全で不安定で、その辺のゴロツキなんか
よりよっぽど危険視するべき、ぶっ壊れた人間なのだということを、彼女らは忘れている。
これまでだって彼は、何度も打ち止めを傷付けてきたのに。
クソったれの敵の手から守りきれず、彼女は幾度となく脳髄を犯された。
『黒い翼』という莫大な力に感情を支配された時は、この手で彼女を殺そうとまでした。
一方通行が撒き散らした返り血は、結局どう抗ったって彼女にも降りかかっていたのだ。
守りたいと願いながら、同時に彼は打ち止めを傷付ける。
側にいたいと願いながら、彼女の瞳を直視することを恐れる自分がいる。
苦しむ顔を見たくないと願いながら、どうしようもなく彼女を苦しめたいという衝動が沸き起こる。
自分の腕の中であの少女が泣き喚いて、愛おしいあの笑顔が壊れていく様子が見たい、と。
丁度、醒めない狂熱の中で繰り返されたあの『実験』のように――。
「……、」
一方通行は歪んだ人間だ。
誰かを大切にしたいと思うことさえままならない。そういうクソくだらない性質の人間だ。
部屋に入り、彼はソファに腰を沈めて右手の杖を縮める。テーブルの上には小型の拳銃がひとつ置いてある。
元々が卒業式の予定だったので一応家に置いていった物だった。普段なら持ち歩かないことなどありえない。
そこで、ふと後ろを見る一方通行。
大学の寮での一人暮らしなのだから当然といえば当然なのだが――置いてあるベッドは、ひとつだけだ。
「………………………………。」
一方通行は自身の優秀な記憶領域を探り出す作業を始める。
さて問題。昔ここにクソガキを泊めた時、アイツは果たしてどこで寝たのだろうか?
答え:一方通行と二人、同じベッドで。
「……イヤイヤ待てそりゃ無理だわ」
「何が? ってミサカはミサカは横からにゅるっと登場してみたり」
突如現れた打ち止めの頭に、一方通行は条件反射的に手刀を喰らわせていたのだった。
313 :
潤:2011/03/06(日) 23:30:19.59 ID:xlYzQLPk
投下終了です。
なんかまた制限に引っ掛かってしまい、スローな投下になってしまいました。携帯厨はこれだから(ry
通行止め話のはずなのに二人はまだ合流しただけです。いつになったら夜本番に辿り着くのか謎ですが、
スレが許す限りこのまま緩いスピードで続きを書いていこうと思っています。
スカート捲りのためだけにいるようなオリキャラなど、かなりやりたい放題な内容なので、要望がありましたら後日簡単な説明を載せます。
それでは、よろしければまた次回もよろしくお願いします。
乙ですー。
お泊まり編楽しみにしてます…!
乙
イイハナシダナー。
乙ーこれは楽しみすぎる
あと打ち止めのスカートめくり描写がハァハァってレベルじゃねえぞ……
乙
うおおおこれはいい通行止め
乙です。
>316 確かにスカートへの並々ならぬ執着を感じるな
あと美琴の説教に上条さんを感じた
乙ですー
いい話でしたー
美琴とインデックスが仲良くなってるのも新鮮でしたね
そろそろ新刊出る?
もう出てるところは出てるけどまだネタバレはだめよ
ネタ解禁解禁は発売日の11日の午前0時かな
いまだに上条×ヴェントを期待している私は変態ですか?
ヴェント、シェリー、キャーリサみたいな強気な女をデレさせる上条さんの話は大好物だ
上ヴェンを期待することが変態だというのなら、俺は変態でいい
1レスの短ネタ失礼します
アニメに我慢できなくなって、木原くンの打ち止め陵辱
短いけど孕ませまで含んでますんで苦手な方注意ください
彼には、守りたいと思う人がいる。
ずっと孤独の中にいた彼に初めて温もりをくれた人であり、彼女のためになら、この身を呈して戦おうと決めた。
なのに――
* *
薄暗い部屋だった。
荒い息を吐いて、周囲を見回す。何とも形容しがたい、饐えた生物的な悪臭。血や汗や、それから――頭が痛い。最悪の可能性が最も高いことに、背筋が凍るようだった。
「ラスト、オーダァァァ!!」
絞り出すように打ち止めを呼んだ。
静かすぎる部屋に谺する自身の声に、隠れるように聞こえたくつくつという笑い声。その声の方向へと、誘蛾灯に導かれるように一歩ずつ進んだ。
「よーぉ、一方通行」
卑下た笑いを浮かべた、木原数多。そしてその膝の上に、小さな身体がひとつ。
誰よりも守りたいと思っていた少女が、一糸纏わぬ姿で、そこにあった。
やわらかい肌には爪痕や蚯蚓腫れが走り、所有物の印のつもりか、背中にはあの男が顔に彫っているものと同種の刺青まで丁寧に入れてある。
何より、あれほど輝いていた瞳は今となっては生気が全くなく、まるであの時の、手を掛ける前の妹達のようだった。
木原は、打ち止めの栗色の髪を鷲づかみにして小さな頭を持ち上げた。
「あ……」
「おいガキ、お迎えが来たみたいだぜ?」
彼女が振り向き、虚ろな瞳が、一方通行を見つめる。
二次成長前の起伏のない身体――ただ唯一、腹だけが異様に膨らんでいた。
……つづきはしない
過程があればよりGJだったな。
328 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/09(水) 01:18:56.57 ID:1df6CMfb
乙です!たしかに過程が気になる…鬱展開間違いなしだけど
木原くンとか科学者は割と使い勝手がよさそうなのに登場初めてだな
巷で出回ってる薄い本みたいに、なんか妙な機械開発したり実験途中にエロい事できそうなのに
木原くンでも天井でも芳川でもいいから誰か書いてくれw
ごめんsage忘れ
過程だよ…!過程をくれよ…!
あとできればこの後も
美味しい鬱展開の予感がびんびんだぜ
ア
芳川制作のエロ装置で一方さんと黄泉川を交えたプレイをですね
ミサワと打ち止めも混ぜて…
ミサワハウス
>>332 ザ・フライですね。もしくはフュージョン。
初めて投下させて頂きます。
ベタですが当麻×美琴です。
禁書でSS書くのは何分初めてなのですが、感想頂けると幸いです。
「…………」
「何シカトこいて立ち去ろうとしてんのよこのクソ野郎!」
レベル0にして自称平凡な高校生こと上条当麻は、今日もスルーに失敗し目前に飛んできた電撃を何事もなかったように右手で打ち消した。
そんな彼へ汚い言葉遣いと共に電撃をぶつけてきたのはレベル5の学園都市第三位にして、上条当麻好き好き♪なのが本人以外にモロバレながら未だその自覚が無い常盤台の『超電磁砲』こと御坂美琴嬢である。
「……帰っていい?」
そう呟くと同時にかざした右手めがけ、再び電撃が走る。
「駄目に決まってるでしょうが!」
10億ボルトを発しながらそう叫ぶ学園都市第三位に、当麻はこんな命のやりとりがもはや日常の光景と化してきたなと思うと同時に、通算何度目のビリビリなんだろうかと嘆息した。
「ビリビリ言うな!」
「心の声に突っ込むなよ……」
いつものように激昂する少女を余所に、当麻は過ぎ去った幸福を追い縋るような目付きで遠ざかる飛行船を見上げた。
「あーあ、せっかく今日は補習も買物もない稀有な日だったのに、爽やか気分が音も無く去っていく…………不幸だ」
「人の顔見るなり何失礼な事言ってるのよ、アンタは!」
毎度毎度致死性の高い攻撃を挨拶並の頻度で受け止めてる俺には失礼どころの話じゃないんだが……再び電撃を受け止めつつ、当麻はうんざりした表情でうなだれる。
「つーかよ、人通り少ないとはいえ道端で電撃喰らわすのは流石にどうよ、御坂先生?」
「あんたがキャッチすればいいだけの話じゃない」
「キャッチし損ねたらこっちの生死に関わるんだけどな。というか出会い頭に電撃かますの勘弁して下さいって毎回言ってるよね俺?」
「そうだっけ?」
「人の生死を『そうだっけ?』の一言で片付ける!?
そんな台詞を平然と言ってのける御坂さんに痺れる! 憧れぶべば!」
「ああもう、うっさい!」
言葉の途中で当麻を殴り倒す美琴だったが、冗談でも憧れると言われ赤くなった顔を誤魔化す為の暴挙であることを、地面に叩きつけられた当麻は気付く筈も無かった。
しかし打ち所が悪かったのか、何故か当麻はそのまま伏せっている。
「ちょ、ちょっとどうしたのよアンタ? もしかして、ちょっとやり過ぎちゃった?」
やり過ぎも何もいつも力一杯殴打している事実をスルーし、美琴は気遣うような目付きでしゃがみ込んだ。
「……御坂、ありがとう」
「へ? と、突然何よ?」
「こうして何度も何度もお前に襲われてると、それ以上に不幸な事なんてそうそう無いもんだなってしみじみ思い知らされぎゃあ!」
言い終える前に、当麻の頭は美琴から更に踏みつけられた。
「人を連続殺人犯みたいに言うな!」
「連続傷害犯には違いないと上条さんは愚考しますけどね!」
そんな二人の言い争いは、公衆の面前で女子中学生が男子高校生の頭を無残に踏み躙るという、ビジュアル的によろしくない格好のまま続けられた。
「で、今日は何の用だよ?」
二人以外誰も居ない夕暮れの公園に、当麻の不機嫌そうな声が響く。
先程までの無様な格好を労わるように後頭部を擦る当麻に、美琴は内心居心地の悪さを感じながらも顔を向けた。
「な、何の用って、それは、その……」
実は当麻を見かけたので呼んだだけなどと今更言えない美琴は懸命になって別の口実を探すが、日頃当麻が彼女をスルーする並に検索件数0状態だった。
しどろもどろになりながら美琴が目を泳がせていると、ふと見覚えのある物が彼のポケットから姿を覗かせている事に気付く。
「あ、そ、そうだ! アンタ、それちゃんと大事に扱ってるんでしょうね?」
「それって、ああコレの事か。扱うも何も見ての通りだぞ」
そう言いながら当麻がズボンから携帯電話と共に取り出したそれは、つい先日美琴から強いられた罰ゲームがきっかけで手に入ったゲコ太ストラップだった。
「しっかし前々から思ってたんだが、本当にこれのどこが可愛いんだ?
上条さんにはこいつの萌え要素がさっぱり理解できないんですが」
「な、何言ってるのよ。このデザインといい色といい、何処から見ても可愛いじゃない!!
アンタちょっと目がおかしいんじゃないのっ!?」
おかしいのはお前だと言いたいのを堪えつつ、当麻は「あーそうですねはいはいゲコ太萌えー」と力無い声で同意した。
その言い方が癇に障ったのか、美琴は勢いよくベンチから立ち上がる。
「何よその言い草は、あたしがあげた物が気に入らないって言うの!?
せっかく一緒にペア契約してくれたからアンタにあげたのに!!」
「え? ああ、いや、決してそういう意味じゃなくてだな。
つまりそのなんだ、こういうハイセンスなアイテムはその価値を理解してる人間が持ってこそゲコ太冥利に尽きるんじゃないかと上条さんはふと思った訳で」
「ならば是非私めにお譲り下さい!」
「うひゃあ!」
そんな突如上がった声に視線を向ければ、そこには『空間移動』を使って現れた白井黒子が、美琴の両腿をしゃがんだ姿勢でむんずと掴んでいた。
「風紀委員の巡回中に偶然この類人猿が虐げられていたのを見物……もとい、お二人が公道で言い争っているのを見つけたので、こっそり後をつけてみれば案の定でしたわね。
大方二人っきりになったところであられもない事をお姉様に強いるつもりだったんでしょう、この変態類人猿!」
「あられもないことしてる変態はあんたの方でしょうが!」
そう叫びながら美琴は、こちらの太ももをしゃがんで力一杯頬擦りしている変態もとい後輩の頭を渾身の力で引き離した。
「はっ、ついお姉様の秘密の花園に誘惑されてしまいました。ごめんあそばせ」
「狙ってやっておいて何が誘惑されたよ、この高機動変態!」
「あヴぁ!」
そんな奇声と共に地面へ叩き伏せられる黒子を、当麻はさっきまで自分もこういう風に虐げられてたんだなと、文字通り他人事のように眺めていた。
「ああ、ただでさえ寮監の体罰で折れやすくなっている首がますます酷い事に……でもお姉様の手に掛かってあの世に逝けるのならば、それはそれで本望ですわ!」
こいつウゼェという本音を欠片も隠そうとしない顔で、美琴は光の速さで復活した黒子を見下ろしながら深い溜息を吐く。
当麻は当麻で、仮にも後輩を手加減無しで殴打するビリビリもビリビリだが、マゾも真っ青な恍惚ぶりを見せる白井も白井で、常盤台は皆こういう規格外なお嬢様ばっかりなんだろうかと本気で疑い始めていた。
「それで先程の話の続きなのですが」
「ええと、何だっけ白井?」
「ああもうじれったい、あなたが今持っているストラップの事です!」
がばっと立ち上がりながら当麻に迫る黒子は、彼の手ごとストラップを掴んだ。
「先程盗み聞……洩れ聞こえてきた話ではあなた自身そのストラップに執着は無いようですし、そもそもあなたのような類人猿がお姉様とのペアストラップなんて百万年早いですの!」
「いやまあ、ペアストラップと類人猿に関連性は全く無いんだが…………」
ところで年下の娘から両手を握られてブンブンと振り回され困惑する高校生の姿は、傍から見ればある意味熱烈な告白をされているようにも受け取れるもので、事実この場にそう思えて仕方ない人間が約一名居た。
「だからさっさとこのストラップを私にお寄越しなさい……って、お姉様、突然後ろから抱き締めてきて一体何なんですの!?」
「うん? いやちょっとね、急に黒子を構いたくなっちゃった。迷惑?」
「いえいえいえ、迷惑だなんてミジンコ程もありませんわ!
むしろGJですの!!」
思いもよらない僥倖に、黒子は自らの首に回されたお姉様の腕の中でそのツインテールを荒ぶらせていた。
「ああ、何故かは知りませんが、ようやく私の想いがお姉様に届いたのですね!
これでいつ死んでも悔いはありませんわ!!」
「じゃあ逝っとけ♪」
「ぺぎゃっ!」
電光石火のチョークスリーパーで後輩の意識を沈めた美琴は、明後日の方向へ首を曲げたまま動かなくなったそれをゴミ屑のように放り投げた。
「なんか変な声とか鈍い音とかしたけど、大丈夫か?」
「心配要らないわよ。その子この前も内の寮監からフルコンボ喰らってたけど、翌日にはピンピンしてたし」
「常盤台って色んな意味で理解できねえ所だな……」
学園都市第三位の問題ないと言わんばかりの解説に、名門への偏見をますます強くする上条さんだった。
「それにしても全く、こいつは油断も隙もありゃしない……って、アンタはアンタで何黒子を抱えてるのよ!?」
「へ? いやだってほら、仮にも中学生を気絶させたまま道端に放置するのは、流石に抵抗あるじゃねえか」
そう言いながら意識不明な黒子をお姫様抱っこでベンチに運ぶ当麻を、美琴は「またかこの野郎」と言わんばかりの目付きで睨んだ。
また当麻が原因でないとはいえ、恍惚の表情で明後日の方向を向いたまま抱かれている黒子も、美琴のムカつき度を更に高めている。
「とにかく、そのストラップはこの美琴様がアンタへ直々にあげた物なんだから、勝手に他人へあげたらしばくわよ!」
「しばくって今更何を……」
涎垂れ流し状態の黒子をベンチに横たえた当麻は、それこそ今更と言わんばかりに首を振った。
「では他人でなければそのストラップを所持する資格があるのですねと、ミサカは羨望の眼差しで見つめてみます」
「おわっ、心臓に悪い現れ方するなよ!」
不意を突くように背後から声をかけてきたのは、戦利品とばかりにヒヨコの人形焼を抱えているミサカ10032号こと御坂妹だった。
「丁度よいところでお会いしましたと、ミサカは上機嫌にあなたとお姉様に挨拶をかわしてみます」
「あ、ああ、お前も相変わらずみたいだな御坂妹」
「黒子といいあんたといい、どうして私がこいつと一緒に居る時に限って高確率で現れるのよ……」
またしても現れた第二のイレギュラーに、美琴は忌々しいと言わんばかりの表情で不機嫌をあらわにする。
「それで話を戻しますが、そのストラップをお譲り願えませんでしょうかと、ミサカはお願い申し上げてみます」
「え、いやでもこれは……」
「そこで至高の笑顔なままのびている方ではありませんが、私もお姉様と御揃いの物が欲しいのですと、ミサカは半分本心を明かしてみます」
「半分本心って、残りの半分は?」
「いえ決してあなたとお姉様が恋人同士のようにペアストラップを持っているのが気に食わないからではないと、ミサカは本音駄々洩れ気味に返答します」
「ちょっ、何よそれ!」
「違うのですかお姉様と、ミサカは探りを入れながら質問してみます」
「そ、それはその、アレよ! これはこ、恋人じゃなくて、そ、そう、友達として、でもなくて……」
動揺で呂律が回らない美琴に、御坂妹は今更何を隠しているんだと言わんばかりに首を振った。
「やれやれ、ツンデレも度が過ぎると単なる独りよがりですよと、ミサカは懇切丁寧に指摘します」
「な、何がツンデレよ!」
御坂妹の指摘へ激昂する美琴だったが、何故彼女が怒り心頭なのか心当たりが全く思い付かない上条さんだった。
「あー、とにかくお前もこれが欲しいのか?」
「はい、それはもうと、ミサカは食い入るように即答します!」
そう言って抱き付かんばかりの勢いで迫る御坂妹に、当麻は後ずさりしながら苦笑した。
「まあ確かに御坂妹なら他人じゃないし、こいつが可愛いと思えるんならそれこそ大事に扱ってくれそうだしなあ」
「なっ何言ってるのよアン」
「その通りです。あなたは勿論あなたから戴いた物も一生大事にすると、ミサカはここに永遠の誓いを宣言します」
美琴の非難を遮りながらしれっと重大な宣言をかます御坂妹に、だけど当麻は気付かないまま思案を巡らせた。
自分にはどう逆立ちしてもゲコ太の価値は分からないし、実際御坂妹はこんなに真剣に欲しがっているなら、むしろ譲った方がこのストラップの為ではないかと。
そう考えながらふと視線を泳がせた時、美琴が寂しそうな表情でこちらを見つめている姿が視界の隅に引っ掛かる。
「…………ばか」
それは誰にも聞こえないくらいに小さく、だけど当麻の耳に響いてきた言葉だった。
美琴が何を気に入らないのか超鈍感な当麻には欠片も分からなかったが、憂いた顔をしながらの呟きはいつもの電撃よりも痛みを感じさせる。
「では早速そのストラップを」
「ごめん、やっぱり止めとくわ」
無表情ながら喜色が滲み出ていた御坂妹の言葉を遮るように、当麻は頭を掻きながらそう呟いた。
「何故ですかと、ミサカは落胆しながら理由の説明を求めます」
「ええとその、上条さんにもよく分からないんですが、これをやるとさっきからそこでふてくされてるお方がガッカリしそうなので」
その言葉に、美琴は驚きと嬉しさを滲ませた顔で当麻を見つめる。
「そんな訳ですまないけど、この話は無かった事に……ああ、だからそうガッカリするなって!
今度代わりに何か買ってやるからさ」
「ならば指輪をミサカは熱望」
「ああそういえばアンタ、そろそろ検査の時間じゃなかったっけ?」
御坂妹の言葉を遮るように、美琴は作り笑いを浮かべながら彼女と当麻の間に割って入ってきた。
「いえ、今日はまだ外出時間に余裕があるので大丈夫ですと、ミサカは万事抜かりない事を強調してみます」
「そろそろ検査の時間よね?」
「ミサカ的には右手の薬指につける指輪が」
「か・え・り・な・さ・い!」
最後は電撃を伴った脅迫同然な帰院の促しに、御坂妹は無表情ながら焦りの色を見せて後ずさる。
「仕方がありません、圧倒的戦力差を考慮しこの場は一時撤退します。
ですが諦めた訳ではありませんよと、ミサカは『お姉様』に負け惜しみを言いながら夕陽に向かってダッシュします」
そう言って言葉通り夕陽の方へ走り始めた御坂妹に、ようやく邪魔者が去ったと美琴が安堵の息を漏らしかけたその時、
「それと二人きりだからといって帰り道に襲うなよと、ミサカは去り際に『お姉様』へ忠告しておきます」
などと言いながら傍まで戻ってきていた。
「な、何言ってるのよアンタは!?」
「文字通りナニですがと、ミサカは最近覚えたスラングをここに披露してみます。
ちなみにウブなお姉様へ懇切丁寧に解説すると、ナニというのは」
言わせねえよといわんばかりに今日一番の特大電撃を落としながら、自ら何を口走っているのか分からないくらい罵詈雑言を喚き散らす『お姉様』に、御坂妹は溜飲を下げた様子で今度こそ本当に走り去っていった。
「あーその御坂さん?
余計なお世話を承知で申し上げますが、あなた方姉妹はもう少し世間体を考慮して会話した方がよろしいんじゃないかと上条さんは思うんですが」
「こんなのアンタやそこでのびてる馬鹿以外に言う訳無いから構わないわよ!」
怒りが収まらない様子で咆えるレベル5に、レベル0の少年はさいですかと返答しながら頷くしかなかった。
ちなみに『のびてる馬鹿』の方はといえば、先程から美琴が落としまくっている電撃のとばっちりを何度も受けていたのだが、その度に恍惚の表情なままビクンビクンと身体を揺らしていた。
愛の力は偉大だよなーとツンツン頭の少年は現実逃避しながら、脱線していた話を元に戻す事にした。
「まあとにかく、これでいいでしょうかおぜうさま?」
「こ、これでいいも何も、アンタが勝手にそうしたんじゃない」
ぶっきらぼうに答えながらも嬉しさを隠しきれない様子で当麻の顔をちらちらと見やる美琴に、当麻は苦笑しながら両手を万歳した。
「はいはい、全部上条さんの独断ですよ。
でもさっきも言ったけど俺にはこいつの可愛さが全く理解できねえけどな」
「……っ」
まだゲコ太の良さが理解できないのか、こうなったら一からきっちりその魅力を電撃と一緒に叩き込んでやると意気込みながら美琴が当麻の襟首を掴もうとしたその時、思わぬ台詞が彼女の耳朶に届いた。
「でも考えてみれば、これってお前と一緒に馬鹿やった記念だよな。
そういうのって俺、結構好きだぞ」
「へ?」
不意打ち過ぎる当麻の言葉に、美琴の身体は一瞬にして固まった。
特に後半の『好き』という言葉が、まるで半鐘のように美琴の中で幾度も響く。
「まあそんな訳だから、このストラップは大事にするよ。
それでいいか?」
「ああ当たり前じゃない、だだ大事にしなかったらぶぶぶっ殺すんだからね!」
「ツンデレにしてはちょっと物騒な物言いだと上条さんは思うのですが」
「うううるさい!」
そう叫びながらも今日一番の笑顔を見せる美琴に、当麻もつられるように笑みを浮かべる。
「まあいくら不幸の代名詞たる上条さんでも、いきなり無くしたりは致しません事よ?」
携帯を持ったまま胸を叩く仕種を見せた当麻だったが、自信過剰だったのかいつもより強めに叩いたその弾みで手を離れ携帯とゲコ太ストラップは宙を舞う。
それは地面を何度かバウンドしたかと思うと、丁度公園内を掃除していた清掃ロボの元へと転がっていった。
「言った傍から落とすなこのアホンダラーっ!」
まさに清掃ロボットがストラップを吸い込もうとしたその時、『超電磁砲』が炸裂しその寸胴ボディの上半身は見事に消し飛んだ。
「い、いきなり何やってんすかおぜうさま!
ストラップを俺の携帯ごと焼くつもりですかい!?
あとこの寸胴ロボ結構高いって、前にも言ったでしょうが!」
「うるさいわね、ちゃんと加減して撃ってるから大丈夫よ。
大体アンタがあのストラップ落とすから悪いんでしょうが!
それにあの寸胴もアンタの携帯もゲコ太に比べたら大した物じゃないわよ!」
「何というゲコ太至上主義。だけど携帯壊すのも寸胴ロボの弁償も勘弁な!」
二人が責任をなすりつけている間にも、増援とおぼしき清掃ロボが群れをなして殺到していた。
「おい、お前が吹っ飛ばした奴のお仲間が続々と仇討ちに集結してるぞ!
どうすんだよ御坂って何コイン構えてロックオンしてんだテメェ!?」
「見れば分かるでしょ、一つ残らず吹っ飛ばすに決まって」
「吹っ飛ばしちゃダメーっ!」
そう叫ぶが否や、当麻は今まさに『超電磁砲』を放とうとしていた美琴の手を掴み、脚力全開で駆け出した。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、まだゲコ太が」
「それよりも器物破損で弁償迫られる可能性を考慮して下さいおぜうさま!」
そう言いつつも先程の『超電磁砲』の余波で公園の隅に飛ばされていたゲコ太ストラップをしっかり回収しながら走る当麻に、美琴は満更でもない顔で叫んだ。
「アンタ、もし今度ストラップ落としたらさっきの寸胴と同じ目に会わせてやるからね!」
「わーい、言うに事欠いてとうとう脅迫ですね。
やっぱり不幸だーっ!」
「脅迫じゃなくて約束よこのバカ!」
沈みゆく夕陽の下、清掃ロボットに追い立てられる二つの影が騒々しくも踊るように街を闊歩するのだった。
終
以上です。
PHSからの投稿だったので、思いの外手間取ってしまいました。
初めて書いた禁書SSなので拙い出来だったかもしれませんが、感想や批評を頂けると幸いです。
GJ
はじめてとは思えないです
黒子とか妹とかのキャラが生き生きしててすごく面白かったです!
GJ!
2828したぜ!
GJ
高機動変態ワロタ確かにそうだよなw
GJ
初めてでこれなら上等すぎるくらいよ
文を書く時の基本事項もちゃんとできてるし楽しませてもらいました
まとまりがよすぎてうめぇ。初めてでこれか。すげえな
SL個人のアンチも居るだろうがそれ以上にSLをダシにしたスレ荒らしだろこいつら
現在分裂状態のヤンデレスレも最初はこういう流れだった
SLが出てっても別の職人に対象を切り替えるだけ
誤爆 スマソ
351 :
335:2011/03/10(木) 04:19:50.37 ID:Aw0HCqTq
感想をくださった方々、本当にありがとうございます。
後から見直すと色々荒も多かったのに、予想外の好評で書いた当局自身が驚いてます。
さて、皆さんに少しお聞きしたいのですが、実は『とある二人のペアストラップ』にはおまけというか続きというか後日談というか蛇足を既に仕上げていたりします。
まだ新約見てないので投下するかどうかちょっと迷っているのですが、需要ありますでしょうか?
>>351 御坂可愛くてたまんない
アンタホントにGJだぜ
もちろん後日談読みたい
エチシーンがあると最高だけどなくても我慢できる
あるに決まってるだろwktk
354 :
335:2011/03/10(木) 07:44:50.01 ID:wlIe6jvk
ちなみに言い忘れましたが、エロ無しシリアスな蛇足です。
本編で当麻のゲコ太ストラップがどうなったかを思い返せば、どういう話になったかは自然と想像が付くかと。
SGJ
これはいいものを見せてもらった
乙
次はサーシャ物で一つ
358 :
335:2011/03/11(金) 00:57:33.74 ID:wrmSfp9D
先程新約読了。
まだ未読の人も多いと思うので詳しくは述べませんが、一言だけ。
一発殴らせろこの野郎!
そんな訳で(どんな訳だ)、前述した『とある二人のペアストラップ』の蛇足分を投下します。
ギャグもエロも無いのは平にご容赦を。
359 :
破られた約束:2011/03/11(金) 00:59:41.71 ID:wrmSfp9D
とある無人の漁港で、白い流氷を裂くように一筋の閃光が直線を描く。
それから一瞬遅れ、閃光の余波が衝撃と化して流氷を押し退ける。
その閃光を放った少女は、同じ顔をしたもう一人の少女から羽交い締めにされていた。
「お姉様、落ち着いて下さい!
こんなところで『超電磁砲』を使えば、あの人が例え生存していても無事では済みませんと、ミサカは渾身の力で押さえ付けます!!」
「ハン、何も知らないのねアンタ!
あいつはね、こんなもんでくたばる奴じゃないのよ。
そうよ、これはただの罰ゲームなんだから!!」
半狂乱に喚くその少女、御坂美琴は、先程から懸命に自分を引き止めている同じ顔の少女、『妹達』の一人であるミサカ10777号へ振り向きなおも言葉を続ける。
「大体『例え生存していても』って何よ?
あのボンクラはこんな事じゃ絶対に死なない。心配した事を後悔するくらいに後からノコノコとあのムカつくツラを晒すに決まってるんだから!!」
言葉とは裏腹にそれが美琴の希望的観測に過ぎないのは、彼女の揺れる瞳と溢れる涙を見れば誰にでも分かる事だった。
それでもなお当麻の生存を信じたい、というより諦めればそこで終ってしまうという恐怖に心を震えさせながら、美琴は今自分が引き裂いたばかりの流氷へ向かって吼えるように叫んだ。
「何が『まだ、やるべき事がある』よ!
せっかく私が迎えに来てやったのに、あんな状態でもアンタは私を無視しないといけない法則でもあんのか、ふざけんな!
とにかく約束破ったんだから、この前と一緒で何でも私の言うこと聞いてもらうわよ! 今度はこの美琴様が直々に前回以上の罰ゲームを与えてやるんだから!
それが嫌ならさっさと出てきなさい、今出てくれば大サービスで少しは願い事まけてやるわよ!
……ねえ、聞いてるの? 聞いてたら返事をしなさいよ。
本当はすぐそこに居るんでしょ?
隠れてないで、さっさと出てきなさいよぉ…………」
最後は涙声になりながら崩れるように座り込む美琴の身体を、ミサカ10777号は抱き留めながら呟く。
「こういう時は先に泣いた者勝ちですねと、ミサカは表情変化に乏しい事を恨みつつお姉様を慰めます」
そう言って美琴を抱きしめる彼女の頬にも、幾筋もの涙が伝っていた。
レベル5、学園都市第三位、超電磁砲。
何れの肩書もたった一人の少年を助けるのに何の役にも立たない事を痛烈に思い知らされながら、美琴は『妹達』の腕の中で互いに泣き腫らす。
絶望に震える彼女の手には、紐の千切れたゲコ太ストラップが握り締められていた。
360 :
335:2011/03/11(金) 01:14:33.88 ID:0NbWC5RU
以上です。
ギャグも捻りも無い内容で申し訳ありませぬ。
代わりと言ってはなんですが、只今黒子がメインの長編物を執筆中です。
既に第一弾は完成済で、現在第二作を執筆中です。
少々文章が長くなり過ぎたので(散々削っても第一弾だけで前述の『とある二人のペアストラップ』と『破られた約束』を合わせたより文章量が多くなってしまいました)現在推敲中ですが、近日中に第一弾を投下の予定です。
あとサーシャでSS書くのはちょっと当局にはハードル高過ぎるので御勘弁を。
ちなみに個人的にはフィアンマの漢らしいSSが読みたいので、どなたか書いてくれると超嬉しいです。
新約上条さん復活おめ
とりあえずエロパロを書こうか
一回上条さん×打ち止めを書いてみたい
オレ以外に需要があるかどうかは知らんけど
>>363よ
ここは自分の妄想を具現化するところだ!
書きたいなら書くといい。応援してます。
あと、地震のほう心配だ。関東の人達、気をつけてね。
新約のアオザイ番外個体のエロさががヤバすぎる
あの胸で一方さんを搾り取る光景しか浮かんでこないよ
あの巨乳アオザイでラストオーダーのフィードバックで駄々っ子やられたら萌え殺されるよなぁ
浜フレ(メア)を書く猛者はいるのか?
猛者って
大きさ的な意味でか
浜面の交友関係チェックしてるヤンデレ麦のん誰か書いてヨー
どうしてもNTRといえばインデックス打ち止め滝壺になるよね
美琴番外個体麦野にNTRを感じないのは何故だろう
>>369 どっちかというとヒロイン側の片思いキャラで
主人公が分からのやじるしが出てないからだろう
まあ所謂正妻じゃないからって奴じゃね
俺はその3人でもNTR感じるけどなぁ
イン打ち止め滝壺程じゃないが
番外美琴はともかく麦野はNTR感を全く感じないなー
本人が寝取るほうだし
浜面はアイテムのおもちゃ化してるので、滝壺の可愛い嫉妬、本妻宣言はあれど、他の二人が浜面に手を出しても許しそうなのがなぁw
他の二人にもしたなら、私にもして、パターンでいける!ハズ。
番外通行は身体だけの関係のほうがなんか燃えるな
発情した番外個体のほうから押し倒してそのまま割り切った関係に…みたいな
上琴でそれをやると切なさMAXになって笑えなくなるけど
仮面ライダーに見えたのは俺だけじゃないはず
ライダーってどの辺かkwsk頼む
しかし総ヤンデレな世界っていいよね
普段はアイテムとして仲良くしてるんだけど、浜面がいなくなった途端、
滝壺「はまづらはわたしの。だれも手をださないでださないでださないでださないで」
麦野「テメェのことなんざ知ったこっちゃねーよ、それともあんた達は殺されたいマゾだったのかにゃーん?」
絹旗「浜面は私が超一番って言ってましたけど?超遊ばれてるのに気づかないなんて可哀想ですね」
と大惨事一歩出前とか、
一方さんが帰ってきたら番外個体が笑顔で打ち止めの死体引き摺ってたり、逆に打ち止めが番外個体の機能を完全停止して、「だってあなたに色目使うから」なヤンデレクローン二人とか、
病んだあまり上条さんを上/条にして分け合うヤンデックスとヤンデレールガンとか。
男のヤンデレってあんまり見ないなぁ…やりにくいか
>>376 仮面ライダーが新巻での浜面のことをいってるのなら何を今更、って感じだな
俺のイメージは浜面はGXだけどな(無能力だけど装備でパワーアップ的な意味で)
んで上条さんがアギト(記憶的な意味で)、一方さんがギルス(黒翼という未完成な力的な意味で)
>>377 インデックスが絡んだ上条さん、打ち止めが絡んだ一方さんは性格がモードチェンジするからある意味男のヤンデレかもしれんな
上条さんや一方さんはもう一押しで病むかもしれない
二人とも保護対象が絡むとマジでなにも見えなくなるし
特に上条さんのハイジャックの時のキレっぷりはマジキチだったし
浜面末永く爆発しろ
浜面末永くもげろ
>>379 確かに。
新約の一方さん、打ち止めが事件に関わってないから
ずっとテンション低かったもんな
383 :
266:2011/03/12(土) 22:44:38.15 ID:0aQQcWcG
日本は今、大変なことになっています。
そんな中で文章を書けることに感謝と意義を感じながら、今週も投下させていただきます。
もえひとシリーズ第三弾、アニェーゼ=サンクティス編『1.5倍を縮める方法』
アニェーゼちゃんマジ姉貴!(異論は認めない)
384 :
266:2011/03/12(土) 22:46:16.83 ID:0aQQcWcG
「お父さんのためならえーんやこら、お母さんのためならえーんやこら……」
調子外れの鼻歌を口ずさみながら、スコップを振るう。
肌を刺すような寒気に包まれながらも全身汗だくなのは、長時間過酷な労働を強いられていたからに他ならない。両腕の筋肉が24時間後に盛大な悲鳴を上げることは間違いないだろう。
「――不幸だ。なんで俺はイギリスまで来て雪かきやってんだ……?」
ツンツン頭の少年は大体いつも通りだった。
見渡す限りの銀世界。上条当麻がいる玄関前から、庭を横切り門に到るまでの道を整備するのが本日のミッションだ。
と、その時。背後からぎぃっと木扉が開く音がした。
「おや。きちんと働いているようですね。感心感心」
ローマ正教式の修道服をミニスカ風にした桃色髪の少女が顔を出す。
アニェーゼ=サンクティス。
上条とは殴ったり殴られたり助けたり助けられたりした間柄である。
普段の格好のままでは寒かったのか、厚手のストッキングなど履いている。
イギリス清教女子寮の扉から半身だけ覗かせた少女は、苦労の甲斐あってそこそこのスペースが確保された玄関前を見て満足そうに言った。
「いいペースじゃないですか。この分なら夕食の買出しには間に合いそうですね」
「それはいいんだけどな」
上条は作業の手を休め、足元に突き刺したスコップの柄に掌とあごを重ねて、
「……一応確認しておくけど、俺って客だよな?」
「はい。それがなにか?」
「イギリスやイタリアでは、はるばる日本からやってきたお客様に一人で雪かきさせるという習わしでもあるのでせうか?」
精一杯恨みがましく言ったつもりだったが、桃シスターには通じず、あまつさえ鼻で笑われた。
「こちとら女所帯なんですよ。雪かきなんて手も荒れるし疲れる荒仕事を引き受けたがる物好きはいやしません。むしろそこで颯爽と名乗りを上げるのが、ニッポンダンシの心意気ってもんじゃねぇんですか?」
「く……! こんな似非江戸っ子口調のイタリア人に日本人の心意気を語られようとは……!
――いや、まだ引きさがらねぇぞ。お前ら魔術師じゃねぇか。原始的にスコップ使わなくても、雪を退かす方法くらいいくらでもあるんじゃないのか。
特にシェリー! あいつの魔術でここらへんの雪全部ゴーレムにしちゃえばいいじゃん!」
「うるさい人ですねぇ。それ以上何か言ったら、せっかく持ってきたオルソラ特製クッキーとレモンティーは私の腹に納まることになりますけど」
「俺が悪かったーー!」
アニェーゼが扉の隙間から出したバスケットに対し、上条は綺麗な45度に頭を下げた。
おやつイコール正義。これは万国共通の不文律である。
と言うわけで、小休止。
アニェーゼが注いでくれたレモンティーを一口すすり、ほっと人心地つく。続いて差し出されたバスケットから三枚もクッキーを掴み取り、一息に頬張った。
疲れた体に程よい酸味と甘味が染み渡ってくる。
「は〜、うめぇ」
「行儀の悪いお人ですねぇ」
えらく年下の子供を見るような目で、アニェーゼ。
300人ものシスターのリーダーを張ってきたせいか、大人びているわけではないけれど、こういう年長者っぽい素振りはずいぶん様になっていた。
しばしの間、サクサクゴクンという擬音が続く。
「むぐむぐ。いやマジでうまいな」
「そりゃあ、それくらい言ってもらえるようでなきゃ駄賃の先渡しとして不十分でしょう」
「へいへい、働き甲斐がありますよっと」
手をはたき、外していた手袋をはめ直す上条当麻。
「んじゃ、燃料補給も終わったところでお仕事再開といきますか。サンキューなアニェーゼ」
「いえいえ、今日の買出し当番は私なんで、早いとこ道を整えて欲しかったってだけですよ」
「駄賃ってのはそういうことかい。いや、でも」
上条はアニェーゼを見た。顔、首、提げたバスケット、ストッキングと下がっていって、
「お前の場合、何よりも靴を変えるのが先決じゃなかろーか」
チョピンと呼ばれる、超々上げ底靴を指差した。
足裏から地面までの距離はざっと30センチ。雪道を歩くのにこれほど向いていない靴もないだろう。
385 :
266:2011/03/12(土) 22:47:15.57 ID:0aQQcWcG
ところが、桃シスターはとたんに不機嫌になり、
「うっさいです。前にも言ったでしょう。これは自分的こだわりポイントなんです。戦闘以外の外出では意地でもチョピンです」
「上げ底靴のために意地を底上げするんじゃありません。流石に雪の日くらいは例外にしとけよ。確実に転ぶぞ」
辛抱強くチョピンの危険性を訴える上条。そのしつこさに根負けしたのか、アニェーゼ=サンクティスはわざとらしく視線をそらしながら呟いた。
「…………だって……追いつけねぇんですもん」
「……ああ」
上条は得心した。
男性は元より、神裂やルチアといった長身の女性と比較して、小柄すぎるアニェーゼの歩幅は短い。
先に述べた通りリーダー気質――もしくはお姉ちゃん気質のある少女にとって、進むたびに遅れていくのはがまんならないことなのだろう。
「周りだってわかって合わせてくれるんじゃないのか?」
「そんなの申し訳なさすぎるでしょう」
一層不機嫌の度合いを増した桃シスターに怒られる。
情けない、ではなく、申し訳ない。
本当にこの少女は、人の前に立つということを理解しているんだな、と上条は思った。
改めて作業に戻ろうとすると、扉に半分以上入ったアニェーゼが振り返った。
「ああそうだ」
「ん?」
思い出したように口を開いた少女に、向き直る。
アニェーゼ=サンクティスは、表情の半分を扉に隠して、
「今食べたクッキーとレモンティー、どっちの方が美味かったですか?」
瞬間、なぜだか寒さを忘れた。
「……どっちも同じくらい美味くて、ありがたかった」
少し考えて、正直な気持ちを口にする。
全然違う食べ物なので簡単には比較できないし、一番大事なのは作ってくれた人への感謝だと思ったから。
アニェーゼはその答えを受けて、
「そうですか……同じくらい、ですか」
しきりに考え込んでいるようだった。
「なんだってんだよ」
「いえ、縮まるもんだな、と思いまして」
「??? 歩幅の話は終わったんじゃなかったっけ?」
首をかしげる上条当麻。
質問の意図も、その後の反応も、全く意味が分からない。
“オルソラ特製クッキー”と“レモンティー”の違いが、一体どうしたというのだろう。
けれど、まあ。
「それじゃあ、カミジョウさん、また後で。もし体力が残ってたら、荷物持ちしてくださいよ」
建物の中に消えていった少女の顔が、とっても満足そうだったので。
「まあ、いいか」
なんとはなしにすっきりした気分で、スコップを持ち上げる。
駄賃をもらってしまった以上は働かなければなるまい。
日本人は、勤勉なのだ。
クイズです。クイズです♪
料理を美味しくするコツ、なーんだ?
1.空腹
2.レシピ
3.愛情
386 :
266:2011/03/12(土) 22:48:44.10 ID:0aQQcWcG
以上です。
アニェーゼはツンデレではないと思うのです(またか)。中の人補正が強すぎるのでえらい難産でしたが、私の中では姉キャラで確定しました。
レッサーとは小悪魔性が重なりますが、かまって欲しい妹気質がレッサーで、かまってあげたい姉気質がアニェーゼだと思います。
たぶん恋愛方面とか、やたら相談受けるけど、自分では苦手、とかだったら作者はねじれます。
では次回、姫神秋沙編『結婚前夜(仮題)』でお会いしましょう。
超GJ!
アニェーゼ隊の三人と上条さんの話好きだわ
GJです!!!
アニェーゼがこけそうなら上条さんが支えてやればいいだけじゃないか!ついでにラッキースケベおこしちゃえばいいじゃないか!
相変わらずキャラの特徴つかんでますねー
アニェーゼのしゃべり方とかすごくツボでした!
>>385 さとう
しお
す
せいいっぱいのあいじょう
みそ
新訳読んだ。浜面末永く爆発しろ。
麦野さんの透けパン
セクシー担当麦野沈利。
新生アイテムいいなあ、
浜面とフレメアが可愛くてたまらん
郭ちゃんもアリだな
アイテムのエロアピールが物凄いんだがw
ワーストさんも結構だけど、アイテム面子が飛び抜けてるw
次巻では上条ヒロインズのアピールがくるんだろうかw
>>386 遅くはなったがgj
いいなあ。このシリーズ。暖かい気持ちになる。
そして次回!姫神秋沙編!!
これは期待せざるを得ない。
>>386 これは。期待が。持てる。
ものすごく。楽しみに。しています。
あんだけ壮絶な終わり方したくせに、するっと帰ってきたな上条さん
もし浜面が何かの拍子に幼くなったら、
セロリさんの精神性を植え付けられてる絹旗はどんな反応をするの?
打ち止めが急に大きくなった際のセロリさんと逆の対応?
ショタもokになるのか浜面なら全て受け入れるのか必死で元に戻すのか
麦野や滝壺の反応も見てみたい
学園都市でショタ化薬アポなんとか4869の開発を急がせよう
ショタ条さんにここぞとばかりにお姉さんぶっちゃうインデックスとか
打ち止めと同じくらいの背になって懐かれまくったり番外個体に玩具にされたり
あわきんに貞操を狙われるショタセラレータとか
もう強制的に全員おねショタエロ展開ですよはい
ショタ浜面にテンション上がりまくりな絹旗だと…
早く書くんだ
甘えんぼ絹旗
原作で既に甘えまくりじゃないっすか。
相手を自分と対等に見てる場合、
あんな言動は相手が自分の我が儘を許してくれるって信じてなきゃ出来ない。
滝壺のいない間に麦野と絹旗が浜面の取り合い
しかし大体フレメアがおいしいところを頂く
にゃあ
あまりにもあっさり上条さん帰還したもんで
偽者じゃねーのかと思ったり思わなかったり
打ち止めが嫉妬すればするほどワーストがデレるという設定は
3pのためにあるとしか思えない
ミサカネットワークにある未分化、もしくは研究者にとって不要ないくつかの感情に対し、方向付けすることで凝縮して抽出することが可能であることを、ミサカワーストが証明しました。
つまり、エロパロスレに丁度良さそうなエロ系の感情とかも設定可能なはず……
>>405 帰還した上条当麻はかつての彼ではなく、学園都市によって創られたクローン・通称『弟達』だった。
20,000体の上条当麻が世界に送り出されることとなり、これに伴って各地で争われていた上条当麻の嫁の座争奪戦も鎮静化。反面で弟達によるNTRも横行することとなった。
こんな感じのss希望
ミサワさんの嫉妬デレはもうエロ展開のために存在してるようなもんだよな
悔しい…一方通行のことなんかどうだっていいのに…でも身体が…みたいな
>>405 自分も思った
偽者ならエロに使えるな色々
411 :
335:2011/03/15(火) 21:15:33.15 ID:vMsHiy60
皆さんご無沙汰しております、>335です。
地震で災害に遭われた方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
しかしこういう時こそ笑いが必要なんじゃないかと思い、敢えてSSを書いてみました。
先日投下したものとはまた別系列でSS一本仕上がりました。
黒子メインのシリーズ物です。文章量としては前回上げた『とある二人のペアストラップ』と同じか少し多いくらいかと。
今ちょっと手が離せないので投下は日付が変わるくらいになると思われます。
美鈴×旅掛を希望。
旅掛帰国の報を聞いてそわそわしたりニタニタしたりするのを美琴にからかわれたりとか。
番外個体は打ち止めの感情にしか反映されないのか
9千990人はむしろ学園都市にいる10人に対して黒い感情抱いているだろうにw
414 :
335:2011/03/16(水) 00:09:07.97 ID:lt+HkPHn
それでは宣言通り投下させて頂きます。
登場キャラは黒子×詩菜という、非常に珍しい組み合わせとなっております。
タイトルは『とある黒子のティータイム』です。
「さあさあ、遠慮せずに召し上がって」
「は、はぁ。でもやはり道案内程度で御馳走になるのは如何なものかと……」
常盤台唯一の『空間移動』使いにして『風紀委員』でもある白井黒子は、先程ウェイターがアップルティーとオレンジタルトを運んできたにも関わらず、なおもそれを丁重に断る。
「あらあら、年に似合わず随分と遠慮深いのね。
でも本当に遠慮しないで頂戴」
それでも押しの一手でお茶と菓子を更に薦めてくる物腰柔らかい女性、上条詩菜はニコニコと笑顔を目前の少女に向けていた。
普段誰にでも正直な黒子も、正面から押し寄せる善意という名の接待攻勢と後背から感じる正体不明のプレッシャーに挟まれた現状では、ただ呻く事しかできなかった。
「どうしてこうなった」
〜 とある黒子のティータイム 〜
つい30分程前、巡回も終りに差し掛かっていた黒子が道端でオロオロする詩菜を発見したのが全てのきっかけだった。
聞けば息子の通う学校から呼び出しを受け学園都市にやってきたはいいが、その帰り一緒に居た息子が毎度のハードラックぶりを発揮し預かっていた母親のバスチケットを強風にさらわれてしまい、それを追って何処かへ行ってしまったらしい。
途方に暮れていた詩菜に、黒子はとりあえず本来の行先だったバスターミナルで先に待つ事を提案し、もののついでということで『空間移動』で送る事にした。
そこまでは良かったのだがターミナルに着いていざ別れようとした際、詩菜は息子に勝るとも劣らない善意の押し付けぶりを発揮し、黒子が戸惑っている間にターミナル内の喫茶店へ連行し、今に至るという訳である。
「でも本当に助かったわ、おかげであっという間にバスターミナルへ辿り着く事ができたわ」
「いえ、大した事ではありませんのでお気になさらないで下さいまし」
黒子はそう返答すると、巡回時間は終わったからよいかと内心割り切り、先程まで断っていた紅茶にようやく口を付けた。
「こちらこそわざわざ御馳走していただき、申し訳ありませんわ」
「気になさらないで、まさか『空間移動』をこういう形で体験させてもらえるとは夢にも思わなかったから、そのお礼よ白井さん」
ショートケーキをフォークで綺麗に切り分けながら、詩菜は上品な笑顔を浮かべた。
ちなみに先程互いに自己紹介した際、詩菜があの類人猿の母親である事に気付いた黒子は、しかし敢えて申し出る必要も無いかと思い直し話を続けた。
「それで息子さんと連絡は付いたんですの?」
「ええ、さっきターミナルで先に待ってると携帯にメール送ったら、こんな返信がきたわ」
そう言って詩菜が見せてくれた携帯のディスプレイには『チケット奪取、現在不良さん達と追いかけっこなう』という文面が表示されていた。
「もうしばらく待たないといけないみたいね」
何でもない様子で語りながらダージリンティーを啜る詩菜に、黒子は苦笑いしながら心の中で呟いた。
「どうしてそうなった?」
「いやチケット発見した先で女の子が頭悪い人達に囲まれてたのをたまたま見かけたもんだから、チケット拾うついでにその子助け出して不良共挑発して絶賛囮中なんだよねって俺は一体誰に弁解してるんだ?
とにかく不幸だーっ!」
「またかあの野郎」
「どうかなさったの、白井さん?」
「いえ、理由は分かりませんが急にムカついただけですので」
聞こえない筈の当麻の叫びに何故か反応しながら、黒子はやや不機嫌そうに紅茶を啜る。
また黒子の呟きへ同意するかのように、背後からの威圧感も一層強まった気がした。
「まあ大した事ではありませんから、気にしないで下さいませ」
「それならいいのだけど。さっきから何か気にしてるみたいだから、実は恋人さんとデートの約束でもあるんじゃないかと思ったわ」
その言葉を聞くやいなや黒子は何故か当麻と自分が仲睦まじく歩く光景を想像し、飲んでいたアップルティーを毒霧の如く噴き出した。
「あらあら、大丈夫?」
「だ、大丈夫ですの、『風紀委員』はこれしきの事でうろたえませんわ!」
言葉とは裏腹に十分過ぎるくらいうろたえている目前の『風紀委員』を、上条詩菜は興味深そうに見守りながら紅茶を啜った。
「と、ところで今回詩菜さんがここにいらしたのは、どのような御用件でですの?」
「ええ、実は当麻さんの通う高校から呼び出しを受けまして、あ、当麻さんというのは私の息子なんですけど、恥ずかしながら留年の可能性があるそうなの」
今度は本当に困った様子で吐露する詩菜に、黒子の脳裏にまたもあの類人猿の間抜け面が過る。
まああれだけ人助けばかりしていたら、学業が疎かになるのも道理ですわね……そう考えつつも一方でそれが彼らしいと思いながら、黒子はオレンジタルトを口に運んだ。
「あらあら、今度は随分と嬉しそうな顔ですけど、もしかしてうちの当麻さんと恋人さんって似ているのかしら?」
またしてもそんな不意打ちめいた言葉に、黒子は持っていたフォークを思わず皿へと突き立てた。
「そ、そんな事ありませんわ!
も、もう詩菜さんたら冗談がお好きなんだからオホホホホホ!」
明らかに動揺した口調でガチャガチャとフォークを突き立てたままごまかす黒子を、詩菜は不思議そうな顔で見守る。
ちなみに黒子が詩菜の事を名前で呼んでいるのは詩菜自身がそう呼んで構わないと申し出たからであったが、『上条さん』と呼ぶと無条件で当麻の事を連想してしまうからでもあったりする。
寝たのかw
「そ、それにしても詩菜さんって、高校生の御子息が居るとは思えない若さですわね」
「あらあら、お世辞でも嬉しいわ白井さん」
そう言いながら笑う詩菜だったが、黒子にとってはお世辞でも何でもなくただの本心だった。
「でもね白井さん、よく覚えておくといいわ。女はね、いくら若さを保ててもそれだけで男を引き付けられる訳じゃないのよ」
「それは実体験からの経験談ですの?」
「ええ、残念な事に。多分今頃もきっと−−」
「いやだからたまたま仕事明けで入ったバーで乱闘始まったんで隣で飲んでた美人さんを逃がしてあげたらいたく感動されてそこまではよかったんだけど
なんか知らない間にホテル連れ込まれて今こうして裸で迫られているのは決して自分の意思じゃないんだって一体僕は誰に弁明しているんだ?
とにかくごめんなさいでしたーっ!」
「あらあら、またですか」
「ど、どうかなさいましたの?」
「いえ何でもないわ、ただの独り言なので気になさらないで」
「そ、そうですの」
突然暗い微笑を浮かべながらショートケーキを力一杯めった刺しにする詩菜に、黒子は冷汗を垂らしながら曖昧に頷くしかなかった。
「それにしても前々から思っていたのだけど、学園都市ってもっと近未来な世界を想像していたのに、実際に来てみれば随分と普通な街で少しがっかりなのよね」
「あ、それは私も同意ですわ。ここに来る前はチューブの中を走る列車とか空飛ぶ自動車なんかを期待していたのですけど、実際には御覧の通りですし」
「まあ嬉しい、私と同じ事考えてる人が居るなんて。
やっぱりあのレトロでチープなデザインこそ近未来って感じよね。
なのにうちの人や当麻さんときたら、それを全然分かってくれなくて−−」
などと意外な方面で話が盛り上がり始めた頃、そんな二人を背後からじっと見つめる二対の視線があった。
「何であの二人がこんな所で談笑してるのよ……?」
「ねえねえ短髪、カレーも頼んでいい?」
訂正、真剣に見つめているのは片方だけだった。
いつものように当麻からおいてけぼりにされたインデックスが彼を捜索中に偶然喫茶店へ入る二人を見かけたところで、こちらもいつものように当麻からスルーされ(不良共から逃走中)
全力で追跡中だった美琴がその途中でインデックスを見つけ、その視線の先に居た詩菜と黒子を芋蔓式に発見する。
気になるアイツの母親とこちらの貞操を付け狙う後輩という、ありえない組み合わせに平静でいられなくなった美琴は、その二人へ声をかけようとしていたインデックスの口を即座に押さえ、共に近くの席で様子を伺っているという次第だった。
「本当に、どうしてそうなったのよ……?」
「そうだね、カレーよりもピザの方が良かったかも」
「誰もアンタの好みなんか聞いてないわよ!
そもそもあんた、いくら私が奢ってあげてるからってちょっとは遠慮しなさいよ。シスターのくせに卑し過ぎよ」
「短髪、私シスターだけど回復魔術は使えないんだよ」
「何訳の分からん事をっていうか脳内で勝手に『癒し過ぎ』って誤変換すんなこのアホンダラ!」
そして二人の会話が噛み合わないのも、いつも通りだった。
「−−という訳で、その若造はいつもいつも私とお姉様の邪魔をしてくれやがるので、つい先日も『空間移動』でドロップキックを喰らわせてやったんですの」
「あらあら、見かけによらず随分とバイオレンスなお嬢さんなのね」
そのバイオレンスによって自分の息子が毎度毎度虐げられている事実を知らない母親は、長話が一段落したところでふと溜息を漏らした。
「でも実際に『空間移動』ってできるものなのね、SF小説や漫画だけの話だと思っていたわ。レベル4の能力者ともなると、本当に凄いのね」
「いえ、それほどでも」
謙遜しながらも黒子は満更でもない気分で、残り少なくなったアップルティーに口を付ける。
「当麻さんもそれくらいの能力があれば今みたいに苦労する事も無かったんでしょうけどね。
でも元々能力開発が目的じゃなかったから、レベル0でも一向に構わなかったんだけど」
その何気ない一言に黒子はタルトを口に運ぼうとしていた手を止め、美琴も食べかけだったホットドックを皿に置き耳を傾けた。
もっともインデックスだけは、一心不乱にカレーライス大盛を攻略していたが。
「能力開発が目的で無いとは、一体どういう事ですの?」
「うーん、ちょっと長い話になるんだけど、いいかしら?」
「い、いえ、家庭の事情に関わる事でしたら無理にとは……」
「構わないわ。むしろあなたみたいな娘さんから、子供の立場で私達のような親がどんな風に見えるのか聞かせてほしいくらいなの」
そう前置きして語り出した詩菜の話は、以前彼女の夫である当夜が息子の当麻に聞かせたものと同じ内容だった。
当麻が昔から『疫病神』と呼ばれる程の不幸ぶりで子供はおろか大人達からでさえ迫害されていた事、その度を越えた不幸ぶりがマスコミから誇張されて報じられた揚句誘拐まで起きた事、
そして自分達夫妻の手では庇いきれなくった為に息子が幼稚園を卒園後学園都市に送った事等々、それは彼の事をよく知っていたつもりの黒子達ですら驚く事ばかりだった。
思いもかけない内容に黒子は勿論、聞き耳を立てていた美琴や食事に夢中だった筈のインデックスまでもが声も出ないといった様子で、詩菜の話を聞き入っている。
「私も当夜さんもあの子の為を思って学園都市に送ったのだけれど、
陰湿な虐めが無くなりはしても根本的な解決には至らなかったわ。
結局のところ、私達の世間体を守っただけだったのよね。当麻さんから送られてくる手紙を読んで、それを思い知らされたわ。
うちの人なんか思い詰めたあまり、オカルトにまで手を出したくらいよ」
「詩菜さん……」
「あらごめんなさい、同情してもらう為に聞かせた訳じゃなかったのに。何れにしても私達はこんな不出来な親だから、たとえどんなに成績が悪かろうがサボりが多かろうが、当麻さんを叱る資格なんて無いの。
グレないでくれただけでも僥倖とすら思うわ。
むしろ当麻さんの不幸を私達が担ってあげたいくらいなのに、身代わりすら許してくれないのだから神様って結構意地悪よね」
そんな自嘲めいた言葉に、黒子は何と言葉をかけてやればよいのかすぐには思い付かず、また美琴も顔を伏せたまま一言も発せない。
そして神様という言葉が特に堪えたのか、インデックスは沈痛な面持ちで両手を握り締めている。
そんな中ウェイターが冷水を注ぎにやってきたが、紅茶がまだ残っていたにも関わらず「結構です」の一言すら言い出せない程、二人の間には重苦しい雰囲気が横たわっていた。
一通り話し終え、すっかり冷めきったダージリンティーを飲む詩菜に、それでも黒子は意を決して口を開く。
「詩菜さん、私の感想を伺いたいとの事でしたけど」
「ええ、是非お願いするわ」
陰りのある笑顔に思わずくじけそうになる黒子だったが、それでも何とか堪えて言葉を続けた。
「ならば遠慮無く申し上げさせて頂きますが、率直に言って御両親は当麻さんを過小評価していますわ」
「過小評価?」
意外過ぎる回答に詩菜は勿論、意気消沈していた二人の少女も互いに顔を上げて話の続きを待つ。
「ええ、確かにあなたの御子息は不幸かもしれないですの。
でも私が知る限り、あの殿方は不幸を理由にして後悔した事など一度としてありませんわ」
勿論黒子は当麻の全てを知っている訳ではない。
しかしそれでも、あの上条当麻が不幸を理由にして後悔する事など地球が滅亡してもありえないと、知り合ってまだ半年にも満たない彼女にもそう断言できた。
あのツンツン頭な高校生は馬鹿で、単純で、しかしそれ以上に度し難いほどお節介で諦めの悪い男だからだ。
そうでなければ『残骸』騒動の際、さして接点が無かった筈の自分を命がけで助けたりはしなかっただろう。
「あの殿方の事ですの、むしろ自分に不幸が巡ってきて良かったとさえ思っていますわ」
「でもそんな生き方をしていたら……」
「えぇ、よくよく考えなくとも潰れてしまうでしょうね。
だからこそ、周囲が放っておかないのでしょうけど」
その『周囲』に黒子自身も含まれているのは、仕方ないと言わんばかりに嘆息する彼女の顔を見れば尋ねるまでもない事だった。
そして互いの顔を見ながら頷く美琴とインデックスにとっても、それはもはや語る必要すら無い規定事項である。
「生意気を承知で申し上げますが、詩菜さんはもっと御子息を誇りに思うべきですわ。不幸の星の元へ生まれた事を恨むばかりか幸せだと思える奇特な人間は、そうそう居ないですもの。
だからあなたがやるべきは当麻さんの不幸を補ってやる事ではなく、あの方の不幸に屈しない強さを信じて差し上げる事だと私は愚考しますわ」
「……」
黒子の心からの言葉に、詩菜は目尻を拭いながら笑顔を浮かべる。
「白井さん、変な話だけど私、あなたからそんな風に言われて初めて当麻さんの不幸が誇らしく思えたわ。
本当にありがとう」
「いえ、こちらこそ青二才風情な私の言葉を真剣に聞いて下さって感謝致しますわ」
そう言葉を交わして互いに頭を下げる二人を美琴は穏やかな笑顔で、インデックスは喜色満面な表情で見守っていた。
しかしそれも次の台詞を聞くまでの話だったが。
「でも敢えて苦言を呈させてもらうなら、あの方自分で不幸不幸とのたまってる割に女性と懇ろな仲になる頻度が異常に高い事ですわね。
あれを見ていたら本当に不幸なのか、怪しく思えてきますわ」
黒子の述懐に詩菜は困ったような苦笑いを浮かべ、美琴とインデックスは一転して不機嫌と化した表情で互いを睨んだ。
「その点に関しては父親から受け継いだ病気というか遺伝みたいなものだから、仕方ないのよね」
「そうでございましょうね、あれはもう女垂らしとかジゴロなどというレベルを超越していますわ」
そしてこちらも言ってて不機嫌になったのか、黒子は残っていたオレンジタルトにフォークをザクザク突き立てていた。
「ところで白井さん、さっきからずっと気になっていたんだけど、もしかして当麻さんのお知り合いなの?」
「へ? いやまあその、知り合いと言っていいのかどうか」
お姉様を巡っての恋敵も知り合いというべきなのだろうか、でも命を助けてもらった恩人であるのも事実だし……返答に窮している黒子を、詩菜は次のように解釈した。
「あらあら、じゃあひょっとして当麻さんのいい人なのかしら?」
「なっ!?」
予想外の台詞に思わず立ち上がる黒子と、その背後で先程の詩菜ばりに黒いオーラを漂わせる美琴&インデックス。
あの類人猿の恋人と勘違いされて動揺し、更に後ろの二人が放つ刺すような視線に悪寒を覚えたせいで、黒子は立ち上がった弾みで零した冷水に気を回す余裕すらない。
「なるほど、さっきから当麻さんの事を聞く度に百面相してたのもそのせいだったのね」
「そ、それは誤解でして、あの殿方は私にとって恋敵以外何者でもないと」
「そうね、あの子昔から惚れられやすいから恋敵が多くて大変よ」
「恋敵の意味が違いますのっていうかお願いですから詩菜さんこちらの話を聞いて下さいまし!
あの殿方と私は言葉で言い表せないくらいの間柄でってあら?」
そう言いながら黒子が向かいに座る詩菜の元へ駆け寄ろうとしたその時、丁度転がっていた冷水の氷を踏んでバランスを崩す。
咄嗟の事で『空間移動』も間に合わずこのまま床に転倒するかと思われたその時、
「おっと、大丈夫か?
ってお前白井か、なんで母さんと一緒に居るんだ?」
彼女の両肩を抱き止めながら声をかけてきたのは、今まさに話題へ上っていた上条当麻その人だった。
「と、殿方、何故ここに!?」
「いややっと不良共を撒けたんで、バスチケットを届けに上条さんはここへ参上した訳ですが。
それよりも母さん、本当に何で白井と一緒に」
「あらあら、やっぱりそういう間柄だったのね」
こちらの疑問を遮った母親の底抜けに明るい声へ、当麻は訳が分からないまま返答した。
「そういう間柄って言われても、エンジョイ&エキサイティングな関係としか言いようがないよな、白井……ってあれ、何ですか白井さん、その恋する乙女みたいなリアクションは?」
それが引き金となったのか、まるで恋人のように黒子を抱き止めている当麻へ、その背後から白い影と紫電の拳が襲い掛かってきた。
「あらあら、当麻さんだけじゃなくこんなにたくさん見送りへ来てくれるなんて、母さん嬉しいわ」
「うん、また来るといいんだよ」
「無駄飯食いの分際で何偉そうに言ってるのよアンタは」
夕暮れのターミナルでそんなやりとりを交わす母親と噛み付きシスター&ビリビリ中学生を、当麻は歯型の残る頭と腫れ上がった頬を交互にさすりながらぼんやりと見守る。
傍らには何故か顔を赤くしたまま一言も発しない白井黒子が居たが、こちらはこちらで全く目を合わそうとせず、先程まで詩菜と二人で何を話していたのか未だに聞けずじまいだった。
母さんも何があったか教えてくれないし、御坂もインデックスもなんかこっち見る度に思い出しムカムカしてるし、もう上条さんは訳が分からずさっぱりですよフコーダーなどと、
当麻はもはや流れ作業と化したいつもの台詞を呟きながら、美琴とインデックスに別れの挨拶をしていた母親へ声をかけた。
「母さん、次来た時はもうちょっと面白い所に案内するよ」
「あらあら、それは楽しみにしておくわ。
でもできたら次は学校からの呼び出しやあなたの入院以外の事でここに呼んで頂戴ね」
「ま、前向きに善処致します母上様」
薮蛇を踏んだと内心汗をかく当麻に、詩菜はニコニコと微笑みながら当麻の頬を撫でた。
「でも母さん、今日は凄く嬉しかったわ。あなたの事を理解してくれている人がこんなにたくさん居るのが分かったんだから。
当麻さん、あなたは私達にとって自慢の息子よ」
「母さん?」
突然真剣な声で語る母親に戸惑う当麻だったが、理由は不明ながら今回学園都市に来て何かいいことがあったらしいなと、納得する事にした。
そう考えていると、今度は詩菜が女性陣を眺めながらブツブツと何かを呟き始めた。
「それにしても以前思った通り、当麻さんは妹キャラがツボなのかしら?
でも可愛いお嬢さんばかりで、当麻さんが目移りするのもよく分かるわ。
ただ母さん的にはあの子が凄く気に入ってるんだけど……」
思案に耽る詩菜を黒子以外の三人は不思議そうに見つめるが、それに気付かないまま彼女は何か決心した様子で顔を上げた。
「……うん、決めたわ」
「あのーお母様、一体何をお決めあそばしたのでございましょうか?」
先程同様息子の疑問へ一切答えぬまま詩菜は、先刻から立ち尽くしている黒子の前へ歩み寄ると、彼女の両手をそっと握った。
「今日は本当にありがとうね。
ところでちょっとお願いがあるのだけど」
「は、はい! なんでございますの!?」
ツインテールを跳ねるように顔を上げた少女へ、詩菜はニコニコと微笑みながら最初の爆弾を投下した。
「今度会う時は是非お義母さんと呼んで頂戴ね、黒子さん」
「ふぁい?」
苗字ではなく名前で呼ばれた事すら気付かず間の抜けた返答が漏れ出た黒子を余所に、詩菜は間髪入れずに本日第二弾となる爆弾を当麻に放った。
「当麻さん、できたら孫は二人以上欲しいわ」
「へ?」
「あら、もうバスが出るわね。
それじゃ皆さん、ごきげんよう」
答えは聞いてないと言わんばかりの満足顔で上条詩菜はバスに乗車し、自分の席から当麻達へ手を振る。
定刻通り発車したバスへ手を振り返しながら、当麻は傍らで口をパクパクしながら震える黒子に声をかけた。
「なあ白井、ありゃ一体どういう意味なんだ?」
「ささささっぱりわわわ分かりませんわととと当麻さん!」
今日色々とあり過ぎて脳細胞が過負荷状態に陥っている少女に、そうだよなーと当麻は相槌を打つ。
「まあそれは後でじっくり考えるとしてだ、今はこの原因不明な危機的状況からどう脱するかが先だと上条さんは提案してみるんだが」
「きき危機的状況?」
呂律が回らないままな黒子の疑問に、当麻が無言で顎を向けたその先には、
「ねえ黒子、あんたいつからこいつの母親と義理の親子関係で呼び合うような仲になった訳?
あといつの間にかそいつの事を名前で呼ぶようになってるのもすっごく気になってたんだけど」
全身を激しくスパークさせながらコインを向ける常盤台のエースと、
「ねえねえとうまとうま、孫が二人以上欲しいってどういう意味なの?
私にも詳しく教えてほしいかも、でもその前にトウマノズコツヲカミクダク……」
ガッキンガッキンと歯を鳴らしながらにじり寄る白いシスターの姿があった。
その後動揺で固まって『空間移動』どころではない黒子を当麻がお姫様抱っこでさらって逃亡し、それを見て更に激昂した美琴とインデックスから二人が追い立てられるのは別のお話。
「ふ、不幸ですの!!」
「それは上条さんの台詞だと思うんですが」
終
423 :
335:2011/03/16(水) 05:52:17.98 ID:lsfGnUXK
以上です。
前回のSS同様、また感想戴けると嬉しいです。
あと以前載せたSS見ても分かりますが、当局基本的に黒子好き好きな人だったりします。
ちなみに今回のSSの続きも執筆中です。
機会があればまた投下する予定です。
>417
失礼、ご推察通り寝落ちしておりました(汗
パソコンに触るのすら1週間ぶりくらいだったもので……
いいですなぁ
黒子が乙女でニヤニヤものでした!
SGJ
なにこれにやける
黒子はやはり可愛かった、GJ!
>>423 ちゃんと最後まで上げたし問題ないのことですよ
GJです!
なんとなく続編のありそうな引きだったので期待してますよ^^
乙。
まず、当夜じゃなくて刀夜。
地の文では、上条当麻は『上条』、白井黒子は『白井』。
あと、これはあくまで個人的な意見ですが、『詩菜さん』に違和感を感じました。黒子だったら『お母様』と呼ぶのではないかと、そう思いました。
文章はすっごく上手ですし、上条詩菜と言う扱いの難しいキャラを使っての掛け合いはテンポが良くて凄いと思いました。
だけど、なんか原作4巻の上条さんと刀夜の掛け合いをキャラを入れ替えて見せられている感じがしました。
全体に萌える要素も少ないし、もう少し捻って欲しかった感じがしました。
パンスト一方さんの「ぐむう!」に萌えたのは俺だけじゃなかろう
431 :
335:2011/03/16(水) 21:06:31.00 ID:CbNRYAVc
>>428 おぉっ、あなたは神か…………褒め言葉も勿論嬉しいのですが、こういう突っ込んだ意見を戴けるのが一番参考になると思っていますので、本当にありがたいです。
それでは以下、弁解コーナーです。
刀夜の名前については、単純に当局の勘違いでした。いや本当にすみません。
ちゃんとチェックしておけよ自分…………orz
詩菜の呼び方については色々考えたのですが、愛しのお姉様の母親である美鈴ならともかく、日頃類人猿だの若造だの呼んでる当麻の母親を「お母様」と黒子がダイレクトに呼ぶとは考えにくかったので、色々考えた末名前で呼ばせる事にしました。
ちなみに上条さんという呼び方は、本文でも触れている通り当麻しか連想しないという理由で即却下しました。
原作4巻の掛け合い云々という点については、実際4巻を参考にしながらSSを書いていたのでそれに引きずられ過ぎた部分があったのかなあと反省しております。
ちなみに前述の『とある二人のペアストラップ』よりも早く書き始めていたのですが、実際に早く完成したのは何故か1週間以上後から書き始めた前述のSSの方だったり。
何故だ?
萌え要素が少ないという批評も真摯に受け止めておきます。
ただその分、今鋭意製作中の『とある黒子の初デート』の方に反映させます。
似非ルパンダイブしたりドロップキックしたりサミングしたりと、まさに八面六臂な活躍予定の黒子にご期待下さい。
>>428 細か過ぎ怖い
お疲れ様でした。
オチがよかったよ!
>>431 乙ー
俺的にはビリデックスの絡みが地味に好きでした
434 :
266:2011/03/17(木) 19:02:15.36 ID:JpVxT0+W
>>431 あなたのせいでもえひと白井黒子編のハードルがだだ上がりじゃないかどうしてくれる(訳:超GJ)
文章っていうのはある意味絵よりも原作に似せにくいですから、意識しすぎず、書きながら自分流にしていくのが一番だと思います。
さて。
書き終えて、ずいぶん悩みましたが、今伝えたいことを詰め込むことは出来たので、やはり投下することにします。
一部、作者の数年前の実体験が含まれます。
かつてないほど自己満足で、また無責任な内容です。そういうものが嫌いな方は『結婚前夜』でNG指定してください。
それでは一応、恒例の。
秋沙ちゃんマジ良妻!
435 :
『結婚前夜』:2011/03/17(木) 19:03:23.13 ID:JpVxT0+W
荒れ果てた山道を抜け、生い茂った木々を越えた先に、その村はあった。
古い木造建築が並ぶ町並みは、整備が行き届いてさえいれば風情あるものとして感じられただろうが、十数年も放置されていたのでは望むべくもない。
森に飲み込まれかけている。そんな状態だった。
十数年。
隣にいる女性が、故郷であるこの村を離れてからの年月と、完全に一致する。
「……大丈夫か?」
「うん。平気」
言いながら、しかしこちらの右手を握った掌には力がこもっている。
記憶に重なる風景を探しているのか、女性はしきりに首を回していた。
だけど、二人とも分かっていた。この村に入った瞬間から。
何かの気まぐれで村が当時のまま残っていたとしても、決して存在していないものがあることを。
崩れた家屋やあぜ道を抜けて、女性はかすかな記憶を頼りに一軒の家にたどり着く。
「ここか?」
「そう。私の家」
女性が一歩を踏み出し、引き戸に手をかける。
しかし、横にずらす必要もなく、幾年ぶりに人の手に触れられた戸は最後の役割を果たした。
ばたぁぁぁ……ん……、と、エコーさえ残るほどにゆっくりと、埃を巻き上げながら腐りきった戸は倒れる。
女性は一瞬だけ瞳を曇らせたが、
「上がって」
と言って、歩を進めた。
右手を取られている身としてはついて行く他ない。
土足でいいのかな、とも思ったが、正直家の中も外と大差なかった。荒れていて、廃れていて、あるべきだったはずのものがない。
女性の案内で、おそらくは居間であったであろう部屋に入る。おそらく、というのは遠慮した表現ではなく、本当にそうとしか言い様がなかったのだ。物置だ、と紹介されたら納得してしまっていたに違いない。
ここで村に入って初めて、女性が手を放した。背負っていたリュックサックから携帯式の箒とゴミ袋を取り出し、無言で掃除を始める。男性も、何も言わずにそれを手伝った。
三十分ほどかけてようやく、二人並んで座れるほどのスペースを得られた。そこに女性は正座で、男性はあぐらで腰を落ち着ける。
まだ、無言のまま。
「んー……」
男性はどうにか話題を探そうと部屋の中を見回す。が、見つかるのは砕けた写真立てとか、倒れた洋服箪笥とか、失われたものを示すものばかり。
数十分も経ってようやく、女性が口を開いた。
「もしかしたら。という。期待はあったの」
重く、苦しく、泣きそうな声で。だけれど泣かずに。
「あの日の全てが魔法だったら。魔法のせいだったら。君を連れてくれば全部なかったことにできるんじゃないかって。
何もかもが元通りになって。誰も彼もが帰ってくるような。そんな都合の良いことを考えてた」
軽蔑するでしょう? と目で問いかけてくる女性。
男性は首を横に振る。
「――それは、きっと、当たり前のことだ」
「うん。ありがとう。でもね。その期待が。幻想が消えてようやく思えたの」
長い黒髪の女性は、胸元で輝く十字架に触れ、
「生きててよかった。って」
436 :
『結婚前夜』:2011/03/17(木) 19:04:50.65 ID:JpVxT0+W
「――、」
「色々なことがあった。この村を出てからも。学園都市に来てからも。錬金術師に会って。君に救われて。友達ができて。お医者になって。恋を覚えて。君と結ばれて。…………だけど」
一息。
「生きててよかったって思えたのは。本当についさっきなの」
吐き出していく。
灰のように降り積もっていたものを。血のように凝り固まっていたものを。
失われたものを悼みながら、今在る生に感謝することは難しい。
悼みとは、痛みだ。
それを受け止めて、なお喜ぶということを、時に人は裏切りのように感じてしまう。
失われたものとはその程度のものだったのかと。
失って笑えるようなものでしかなかったのかと。
けれど――――違う。違うのだ。
消えてしまったことを認めて、離れてしまったことを憶えて、もう触れられぬということを刻んで、
全て飲み干して血肉とすることは、決して裏切りなんかじゃない。
女性は、幼い時には受け止め切れなかったあらゆる想いを、成長した今になってようやく飲み干せたのだ。
だからこそ、言える。
女性は顔を上げる。
「私は。生きててよかった。私はたくさんの人の命を奪ったけれど。その命の上に生きているけれど。生きててよかった。
あの日君がとってくれたこの手は。今は誰かを助けられる手になった。
私は。魔法使いにはなれなかったけれど。私が本当になりたかったのは。そういう手を持った人間だったんだって今なら思えるの」
ようやく見つめることができた顔はとても晴れやかで。
だから男性は、小さく微笑んで促す。
「それじゃあ……報告、しようぜ」
「うん」
二人は姿勢を正して、きちんとした正座をする。
彼らが座っているのは、居間の廊下側、いわゆる下座だ。
十数年前には卓を挟んで向かい側に上座があったはずである。
そこに座っているはずだった人達へ、女性は静かに。丁寧に。綺麗に頭を下げる。
「お父さん。お母さん。秋沙は明日。お嫁に行きます」
男性も続けた。必ず幸せにします、と。
もちろん、返事はない。
それでよかった。
報告を終え、女性――姫神秋沙は、いや、明日から上条秋沙となる最愛の人は、男性――上条当麻に向けて改めて頭を下げた。
「不束者ですが。よろしくお願いします」
437 :
266:2011/03/17(木) 19:06:02.51 ID:JpVxT0+W
以上です。
無責任だ、不謹慎だとお怒りになられた方もいらっしゃるでしょう。
けれど、語るべきことを語るべきキャラクターに言ってもらえた、と、作者から言えるのはそれだけです。
まあ本当にそれだけというのもあれなので、以下いつものノリで。
姫神さんは(以下略)。作者内では妻キャラです。嫁ではなくて妻。
つつがなくむつまじい。姫神がヒロインの世界はそういう感じだと思います。
それでは次回、御坂妹編『欠陥電気のジレンマ(仮題)』にてお会いしましょう。
黒子といい、姫神といい乙女ばかりでニヤニヤしちまったじゃねーかGJ
だれか…
だれかそろろろエロパロを
440 :
潤:2011/03/17(木) 23:24:27.15 ID:rS7nAAx9
こんばんは。現在日本は大変なことになっていますが、中部在住の自分にはこれ以上の被害が起きないことを祈ることしか出来ません。
大切な人のために闘う、日本中のヒーロー達にご加護がありますように。
前回の誰得連載のスタートに温かい言葉を下さった方々に感謝します。
見ていてくださる方がいる限りは、スレ汚し承知でゆっくりながら続きを投下していきたいと思います。
そんなわけで第二話です。
未来ネタ苦手な方はスルー推奨です。大丈夫な方は生ぬるく見逃してやってください。
※注意※
・一方通行×打ち止め未来妄想ネタ(新約禁書発売前に書き出したので、後々設定に齟齬が生じるかもしれません)
・ぬるいですが強姦シーンがあります(通行止めに非ず)
それでは、『桜降る夜』第二話、8レスお借りします。
「……不法侵入って知ってるか」
「ちゃんとお邪魔しますって言ったもん、ってミサカはミサカは頭頂部の痛みに思わず涙目になってみる……」
小さめのショルダーバッグを抱えた打ち止めは割とガチの涙を浮かべながらソファに腰掛ける。
他人の気配には人一倍敏感なつもりだった一方通行だが、今回は迂闊にも彼女が話しかけてくる直前まで
その存在に気が付かずにいた。
(……クソ、平和ボケしやがって)
「なんでミサカに会うなりそんな疲れたような顔するの、ってミサカはミサカはムッとしてみたり」
「何でもねェっつの。荷物その辺にでも置いとけ」
ずいっと押し付けられる打ち止めの頭を適当に追い払う一方通行の視界に、ふと彼女の髪が映る。
普段伸ばしっ放しにしている長い茶髪が、今日はツインテールだった。
「……」
「……あ、髪型、似合うかな? ってミサカはミサカはちょっと緊張しつつも尋ねてみる」
視線に気が付いた打ち止めが髪の一房をつまみながらこう聞いてきた。
何で緊張するのかはよく解らないが、どうやらこちらの意見が聞きたいというのは確かなようなので、
一方通行は素直に自身の主観を述べることにする。
「似合わねェ」
その言葉を聞くや否や、顔を真っ赤にしてヘアゴムをむしり取る少女の構図が完成した。
†††
(……なんであの人ってあんなにデリカシーが無いのかなぁ、ってミサカはミサカは嘆いてみたり)
打ち止めは洗面所で髪を整えている。鏡に映る自分の拗ねた表情がかなり不細工だったのに慌てて、無理やり
口角を上げてみた。無論それを見ているのは打ち止め本人だけなのだが、ここは自分の家ではないのだから
どんな場所でも女の子としての品位を崩してはいけない。
――好きな人の部屋に泊まるなら、尚更である。
「……クチバのばか、ってミサカはミサカはこっそり八つ当たりしてみたり」
打ち止めは童顔の割に背が高い方だ。同級生と比べても身体のつくりは女性としてかなり完成している。
だからまあ、同級生たちと違って自分にはツインテールが似合わないと言われるのも分からなくはない。
「ミサカがもうちょっと小さかったら、似合うのかな……」
お姉様譲りの茶髪、すらりと伸びた手足。友人たちに大きいと褒められた胸はお母様に似たのだろうか。
同じ容姿でも、お姉様や他のミサカのことなら素直に綺麗だと言える。けれど、やはり自分のことに客観的な
自信など簡単には持てそうにない。
クローンでなくとも、自分の身体に何かと思うところがあるのは年頃の少女なら誰もに共通することだ。
一方通行は、自分のことをどう見ているのだろう? 打ち止めにはそれが気にかかって仕方なかった。
「……、」
いつからそうだったのかは分からない。
だが、彼女は随分と前に、自分が一方通行に対して家族愛以上の感情を抱いていることに気づいてしまった。
これまで歩んできた、同世代の子供より圧倒的に短い人生の中で、打ち止めはあらゆる感情を学んできた。
友達と笑い話をすると楽しい。他人に冷たくされると辛い。抱き締められると伝わる体温に幸せを実感する。
街路樹の桜を美しいと感じる。可愛い子猫を見ると撫でてみたくなるし、逃げられるとやっぱり悲しい。
世界は打ち止めに対して、たくさんの色を見せてくれた。
だからこそ、どんなに辛く苦しいことがあっても、少女は決してこの世界に絶望しなかった。
明るく前向きに生き、そのひたむきな姿は周りの人間の考えをも変えていった。
いつしか彼女は、周囲に愛され、世界に祝福される少女へと成長した。
そして、彼女もまた、人を愛することを覚えていった。
平凡な少女のようにとは言えなくとも――それでも、感情の内側に隠された、恋というモノを知ったのだ。
「……はう……」
「いつまで洗面所占領してやがるンだクソガキ」
「ひゃあっっっ!?」
甘ったるい思考に浸って、完全に油断していた背中から掛けられた声に全身を震わせる打ち止め。
真っ赤になった自分の頬が鏡に映っているのが途端に恥ずかしくなり、慌てて彼女は鏡越しの一方通行に
視線を集中させる。
「お、女の子が洗面所に籠もってるときにズカズカ入ってくるなんてやっぱりあなたにはデリカシーがないっ!
ってミサカはミサカは逆ギレしてみたりーっっ!!」
「くっだらねェ。俺の部屋ン中でどこに行こうと俺の勝手だろォがよ。文句があンなら帰れ今すぐに」
「なになになんなのその冷たい態度はーっ!! ってミサカはミサカは悲しみに打ちひしがれてみる!」
鬱陶しそうにしている彼の素振りに少なからずショックを受けていた打ち止めだったが、
「貸せ」
「ふぇ? ……って痛たたたたたたっ!! なっ何してるの!? ってミサカはミサカは突然鷲掴みにされた
髪の毛の痛みに絶叫してみる!」
いきなり後ろの髪をガッシリと掴まれ、うろたえた悲鳴が上がる。
一方通行の方は何らそれを意に介さず、その両手で彼女の髪の毛を一つにまとめていく。
「ヘアゴム貸せっつってンだ。気が変わらねェうちに早く動け」
「え、え、あ、ヘアゴム!? ってミサカはミサカは……!」
戸惑いながらも、打ち止めは手首に掛けていた茶色のヘアゴムを渡す。
それを受け取った一方通行は、女性的にすら見える細い指を使って彼女の髪を梳き、上の方へ器用に
持ち上げていった。
頭の頂上よりやや下で大体をまとめつつも、ほつれた髪の束を時折うなじから拾い上げる。
首筋や耳たぶに柔らかく掠めていく指先のくすぐったさに、打ち止めは肩をぞくりと震わせた。
「あ、……にゃぅ……!」
(……ちょ、なんで変な声出しちゃうのかなぁミサカは!? これ色々とまずい状況で……あああうああうう
吐息が首にかかってなんかいい香りとかするし意外に大きな手の感触が気持ちよくってうあああああああん
なんかもう無理ミサカはミサカは何だかいっぱいいっぱいで今にも泣いちゃいそうだったり……!!)
……俗に、人間がくすぐったいと感じる箇所は性感帯になりうると言われるのだが、生憎とそんな知識など
インプットされていない打ち止めにとっては、ただただくすぐったさに身をよじるのみの結果となった。
そうこう悶絶しているうちに、彼女の茶髪はヘアゴムで一つに縛られ、一方通行の手が離れていった。
一房としてはみ出すことなく丁寧にまとめ上げられたそのヘアスタイルは、
「……ポニーテール……? って、ミサカはミサカは呆然としてみる……」
「不満なら外せよ。ま、さっきよりかは断然そっちのがマシに見えっけどなァ」
「どっ……どうせミサカにツインテールは似合わなかったですよー! ってミサカはミサカは反骨精神を
露わにしてみたり!」
照れもあってやたらとムキになってしまう打ち止めだったが、数年前まではごく自然に受け入れていたような
事にここまで意識してしまう自分が恨めしかった。それとは対照的に、いたって平然とした一方通行の様子に
やっぱりいつまでも自分は子供扱いなのかと無念を感じずにはいられない。
だけど。
「……で、でも……えっと、それは……、」
「?」
「……あなたは、こっちの方が、す、すき、ってこと……かな? って、ミサカはミサカは確認してみる……」
尻すぼみの声で尋ねるのが精一杯だった。なんだかとんでもなく気恥ずかしいことを聞いているような
気がして、打ち止めは目線を下に逸らす。全身から湯気が出るかと思った。感情の発育段階が常人とは
やや異なっている彼女にとって、こんなに羞恥を感じたのは多分、幼い頃お風呂上がりに出くわした時以来だ。
鏡に映った一方通行は怪訝そうに眉をしかめつつ、それでも問いにはきちんと応えてくれた。
「あー……別にそこまでは考えちゃいねェが、まァさっきよりはイイかと思っただけだ」
「……、ほんとう? ってミサカはミサカは……」
「何で嘘吐く必要があンだよ」
「――なら……、うん、いいの」
打ち止めは小さく頷き、誰に言うともなく呟いた。
髪型にしろ何にしろ、友達が良いと言ってくれても、一方通行が良いと思わないのなら、意味が無い。
好きな人に、少しでも気に入ってほしい。彼女にとって髪型や服装だとかいうものの意味は、それだけなのだ。
「……あなたが、似合うって言ってくれる方が、ミサカは嬉しいから。だから外さないよ、ってミサカは
ミサカは言ってみる」
小さな頃だったら何でもなかったような台詞でも、今言うには相当の思いっきりが必要だった。
理由は、とても単純なもの。
その言葉ひとつひとつに込められた想いが、ほんの少しだけ、けれど確実に色を変えていたからだ。
「……、はァ?」
――だというのに肝心の一方通行はというと、目が思いっきり意味不明ですと訴えていた。
「何だよそりゃ。どォしてオマエの髪型決めンのに俺の意見がそこまで重要なンだ」
「……皮肉とかじゃなくて素でそう聞いてくる辺りがミサカ虚しくなっちゃうんだけど、ってミサカはミサカは
なんかもう悲観に暮れてみたり」
驚異的な鈍感っぷりである。一万近いフラグを建築しておいてミリ単位も気付いていない某ツンツン頭も
大したものだが、そんな彼を馬鹿にする一方通行も負けていないと思う。
とにかくなんというか悔しい打ち止めであった。先程のドキドキハラハラを返してほしい。
お姉様の気持ちがちょっと分かるかも、と呟きながら肩を落として洗面所を立ち去っていく打ち止めを
見送り、相変わらず「意味分っかンねェ……」とでも言いたそうに首を捻っている一方通行。
そういう鈍感な所も嫌いではないのだが、改めて彼女はこう思うわけである。
(……あの人に気付いてもらうのはやっぱり相当困難だよね、ってミサカはミサカは再確認してみる……)
†††
「信っじられない冷蔵庫にまともな食材が一切入っていないなんてーっ! ってミサカはミサカはあなたの
廃退的食生活に警鐘を鳴らしてみたりっ!!」
と、一方通行に叫んできたのは、一束にまとめた髪の毛をピコピコと揺らす打ち止めであった。
「……あ? 何だいきなり」
「何だじゃないよ缶コーヒー以外は冷凍食品とレトルトしか見当たらないこの惨状について少しは危機感を
感じなさい! ってミサカはミサカは変な所で常識知らずなあなたにお説教してみる!」
「常識をガキに説かれる覚えは無ェな。別にそればっか食ってる訳じゃねェよ。大抵その辺の店で適当に
食ってくるし」
「なん、だと……? 外食がどれだけ高カロリーか知らないの!? ってミサカはミサカはダイエットの
憎き敵の存在をお知らせして……にぎゃああ駄目だこの人絶対ミサカより体脂肪率低い!! ってミサカは
ミサカは世の不平等さに身を投げて慟哭してみたりぃいい!!」
なんかマセたガキが自分の腹周りを抱えてもんどり打っているが、一方通行としては食事やらダイエット
だとかは基本的にどうでもいいことである。ぶっちゃけ缶コーヒーさえあれば当分は生きられる気がするし、
何か食べるにしろ自炊よりも外食やレトルトの方が手軽だからそうしているまでなのだ。
黄泉川のマンションに居候させられていた時はたまに作らされたりもしたが、自分一人で食べるだけの
ことにそんな労力を使うのは馬鹿馬鹿しい。
そう思ったのが、『どんなに失敗しても美味しそうに平らげてくれるクソガキ』が彼の一人暮らしの生活に
欠けていたからなのかは――あまり深く考えたくないところである。
「でもでも、あんまり偏食だと病気になっちゃうよ? ってミサカはミサカは膝カックンでもしたら容赦なく
崩れ落ちそうなもやしボディ(番外個体談)を気遣ってみる」
「ご心配おかけしましてどォも。つーかそろそろ痛い目見てェか?」
「その拳の構えは怖すぎるので止めてほしいんだけど、言ってくれれば食材ぐらい買ってきておいたのに、
ってミサカはミサカは今夜のお夕飯どうしようと途方に暮れてみたり」
「……食材があったとして、誰が作るンだよ」
「必殺料理人ミサカを舐めないでいただきたいなぁ、ってミサカはミサカは誇らしげに腕を組んでみる」
やたら育った胸を反らしてドヤ顔を晒す打ち止めだったが、一方通行の中での打ち止め料理歴は、焦げた
野菜炒め辺りで止まってしまっている。小学校の調理実習レベルだ。しかしまぁあれから二・三年も経った
今ならその腕も少しは進化しているのだろうか。
だがどちらにしても、そろそろスーパーは閉店時間である。
「そりゃ期待してやっても良かったが、何にしろもうタイムオーバーだ。さっさと準備しろクソガキ」
「えーっ早速ジャンク街道まっしぐらな選択!? ってミサカはミサカは愕然としてみたり!!」
「いっちいち喧しい野郎だな。オマエの食いてェモン食わせてやっからイイ加減黙れ」
「……っ! ベニーズ新商品・お箸で切れちゃうやわらかビーフステーキwith自家製ゆずレモンソース!!
ってミサカはミサカは所望してみる!!」
「オイ、カロリー計算はどこに行った?」
†††
そんな訳で外出のお時間である。
「♪教室のー窓ーからーさくーらのー雨ー♪ ってミサカはミサカは卒業式定番ソングを口ずさんでみたり!」
「…………………………、」
電飾のぼんやりとした光に照らされた夜道を軽いスキップで進んでいく打ち止めを眺めているとなんとなく
疲労感が増す一方通行。果たして十五歳とはこんなに騒がしい生き物だっただろうか。試しに彼は自分の
十五歳時代を振り返ってみるが……直後、思わず片手で頭を抱えた。アレは一方通行のクソったれな半生の
中でも最も痛かった時期に違いない。
「む? 上半身だけロダンの『考える人』みたいなポーズだけど何をそんなに思い悩んでいるの? って
ミサカはミサカはお悩み相談室を開講してみる」
「別に。ファミレスならついさっき禁書目録のヤツを放り込んだばかりなンだがなァって思ってただけだ」
「インデックス? 確かあの人は今お姉様と遊んでるはずだけど、ってミサカはミサカは姉妹間での
メールのやりとりの頻繁さと仲良しっぷりをアピールしてみたり」
「……あァ、まだ超電磁砲が一緒に居やがるのか」
「うーん、本当にお姉様が心底苦手なんだね、ってミサカはミサカは途端に機嫌が悪くなったあなたの
様子に苦笑して……あれ? 『まだ』?」
「……ファミレスで暴食シスターに適当なモン食わせてた時に居合わせてたンだよ。ったくあの女、
顔合わせる度に癪に障ることばかり言いやがる」
「……、ラブコメ? ってミサカはミサカは状況に当てはまりそうな語句を無理矢理捻り出してみたり」
「そのクソ喧しい口を無理矢理捻り潰してやろォか」
何やら思案顔でブツブツ呟きだす少女の後頭部に手刀をビシビシと叩き込む一方通行。
「あうううう痛たたたたたた、ってミサカはミサカは悶絶しつつも秒速確保ォ!!」
……が、打ち止めの方もいつまでもやられっぱなしでは終われないらしく、無駄に元気な掛け声と共に
頭へ両手を回し、彼の左手をキャッチした。
――そして、何故かそのまま手を繋いだ体制に移行する。
「……何してンだオマエ」
「ふっふーん、事あるごとにミサカを連打する悪い手はこうして捕まえておくんだからっ! ってミサカは
ミサカは内なるレジスタンス精神を露わにしてみたり!」
「レジスタンスなンざ革命が成功しなかったら歴史上ただの暴動として処理されンだよ。で、いつまでも
そォやってウザったくはしゃぎまくってる分にはオマエの革命はまだまだ遠そォだよなァ」
平たい声で応答しながらも軽くうんざりし始めた一方通行だが、まぁバイタリティ豊かなのはコイツに
とって悪い傾向ではないかと思い直し、とりあえず握られた手を振り解いたりはしなかった。
……実のところ打ち止めのテンションははしゃいでいる訳ではなく、少々ギクシャクした空気を打破
すべく『昔通りの接し方』をしてみようとした結果、後から恥ずかしくなって自爆した故のヤケクソ
だったのである。くどいようだが、一方通行はそんな乙女の葛藤を察知できるほど気の利く性格ではない。
ただ、以前より細く柔らかい女性的な形に変化していた彼女の右手が、妙に熱っぽいことだけが感触から
伝わってきた。
「……体調でも悪りィのか」
「うにゃっ!? え、えーとえーとっ……あの、だっ大丈夫だ問題ない! ってミサカはミサカは精一杯の
元気アピールをしてみたり!!」
声を掛けた瞬間バネ仕掛けの人形のように全身を跳ねさせ、ハンドバッグを持った左手をわたわたと
振り回す打ち止め。面白いくらいに百面相を繰り広げる少女の様子を一方通行は呆れ半分で眺める。
本気でコイツは何がしたいのだろうか。どうにも居心地の悪い空気に溜め息を吐こうとした彼だが、直後、
二人は同時に足を止めることとなる。
緩い風に乗って、ビルの隙間から誰かの悲鳴が聞こえたからだ。
「……今の……女の子の、叫び声? ってミサカはミサカは……」
打ち止めは途端に不安げな表情になり、繋いだ手に力を加えてこちらを見上げてくる。
「――、」
その傍ら、久々に肌で感じた不穏を前に一方通行の内部にこみ上げてきたのは、強い嫌悪感だった。
平和ボケから目を覚ますには、あまりにもお誂え向きな感触だ。
今の学園都市はひとまず平穏を保っている。あらゆる人々を傀儡のように使いつぶす『プラン』が
潰え、その計画に組み込まれていた少年少女達自らの闘いの末に、罪の無い子供たちが食い物にされる
ことのない楽園が、とりあえず表面的には完成している。
だが、小綺麗に整えられた皮相を剥がしてしまえば、そこにはまだ醜い影が生き残っていた。
完全な安寧など有り得ない。平和とは常に何かを犠牲にして成り立っている。それは一方通行にとって
吐き気がするほど馴染み深い理屈だ。覆すことはほとんど不可能だと解っている。
それでも――たとえキリが無くても、目の前のクソったれに立ち向かうしか、平和を求める手段は無いのだ。
「……オマエは警備員に通報して、この場所と状況を知らせろ。俺の名前を出せばすぐ動く筈だ。出来るな?」
「あなたはどうするの……? ってミサカはミサカは問いかけてみる」
「止めてくる」
心配そうな彼女の言葉を、一言で断ち切る。
絡められた指を外すと、打ち止めはじっとこちらを見据え、真摯な様子でこう言った。
「……危ないことはしないでね、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
「心配すンな」
自由になった左手で少女の頭を軽く撫でてやりながら、彼は出来る限り優しい声音で答える。
「ここにいろ。すぐに終わらせる」
†††
強姦現場に出くわしたのは、初めてのことではなかった。
どれもこれも状況は似たようなものだ。二・三人で女一人を囲み、ナイフを突きつけて動きを封じる。
もし抵抗してきても一・二発殴れば簡単に大人しくなる。あとは無力な女を好き放題に陵辱出来るのだから、
なるほどレイプとは実にお手軽なストレス発散手段なのだろう。
目の前のソレもまた同じような光景だった。路地裏の袋小路、殴られたらしい頬を腫らした少女は
もはや殆ど暴れることもなく四つん這いにされ、口と尻へ充血した汚らしい物体を強引に挿し込まれていた。
既に全身は白濁した液で汚れ、ガツガツと膣を抉られる度に小さな身体はひどく揺さぶられる。
打ち止めと同じくらいの年頃の子供が為す術もなくグチャグチャにされていく光景は、胸糞悪いチープな
アダルトビデオのようにも見えた。
それらを一瞬のうちに視界に収め――学園都市最強の中で、何かの糸が切れる音がした。
「よォクソ野郎共。随分とお楽しみじゃねェか」
腰を振って善がる間抜け面な男の背後に肉薄した一方通行は、引き裂いた笑みを浮かべて敵の襟首を
掴み取り、後ろに引き剥がした。
学園都市第一位の超能力は既に発動している。ほんの無造作な身振りでさえ、人体に深刻なダメージを
与えることが出来る。事実、一方通行が適当に放り投げた男の身体は宙を掻き切り、コンクリートの壁に
勢いよく衝突していた。肺から血を吐き出す耳障りな音が、薄汚れた灰色の世界に響く。
突如現れた白い髪の襲撃者を前に残党が慌てて構えを取る。
が、それらは全て一方通行の前では意味をなさない。
武器を持とうが能力を使おうが、所詮第一位の火力には到底及ぶはずもない。
「ハッ、ズボンずり下げながら銃握ってるってェのもシュールな絵面だがよォ、まァあれだわ――潰す」
彼は極めて愉しそうな、それでいて苦いものを奥歯で噛み砕くような、壮絶な笑みを浮かべた。
未知の怪物を前にして怯えが暴発するかのように二丁の拳銃が火を噴く。
対して丸腰の一方通行は、一切の迷いなく敵の懐へと真っ直ぐに突っ込んでいった。
学園都市最強の『駆逐』は、ものの二分で終了する。
†††
殺されない代わりにトラウマものの恐怖をたっぷりと刷り込まれた血だるまの肉塊を軽く蹴飛ばし、
一方通行は電極のスイッチを指先で押し戻した。
呻き声と遠くからのサイレン音だけが響く路地裏の隅で、澱んだ空気を薄く吸いこんだ彼は、小さく
舌打ちをした。
目線を下にずらし、一言。
「……来ンなっつったろ、クソガキ」
「……、」
唇を噛み締めた打ち止めは、少し離れた場所でへたりこむ少女を介抱しながらこちらを見上げてきた。
「……警備員はもうすぐ着くよ、ってミサカはミサカは報告してみる」
「そォかよ。そのガキはどォした」
「ミサカの能力で気絶してもらったの。これ以上色々見て余計に混乱させちゃったら可哀想だし、って
ミサカはミサカは生体電気からバイタルを確認しつつも自身の主観を述べてみたり」
ぐったりと力無くうなだれる少女は完全に意識を失っているらしい。確かに、辺りの惨状から考えると
無駄に騒がれるよりは眠っている方がこちらも気が楽だ。
一方通行は二人の前に屈むと、着崩れた制服が辛うじて肢体に纏わりついている少女の腹へ手を伸ばす。
ホックが外れかけたスカートを少しだけずらし、下腹部の肌に掌を押し当てた。もう片方の手で再び
チョーカーのスイッチに触れ、ベクトルを制御する。
「それは、何してるの? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
「緊急避妊ってヤツだ」
本来は、不用意な性交後に特殊なホルモン剤を服用することで排卵を遅らせ妊娠を防ぐという行為を指す
言葉だが、彼の能力でも似たような事が出来る。排卵周期を確認して、より安全な日程にズラしてやれば
よいのだ。無論身体に良くはないが、望まない妊娠をするより数段マシだろう。
演算に集中するため軽く目を閉じていると、真っ暗な視界の中、打ち止めの小さな声が聞こえてきた。
「……危ないことはしないでって言ったのに、ってミサカはミサカは静かに非難してみる」
今にも泣き出しそうなその声音は、一方通行の耳にざらついた感触を残していく。
「……、」
悪かった、と動く唇からは音を伴わない息が吐き出されるだけだった。
結局一方通行はあの時から大して変わってなどいない。彼の加減など、辛うじて相手の命を奪わなかった
ということだけだ。一度目の前の人間をクソ野郎だと認識してしまえば、相変わらずこの手が生む破壊を
抑えようとする理性はすぐ弾けてしまう。
血と苦痛を伴わない手段では、一方通行は平和を希求できない。何年経っても、彼は追いかけ続けた
『あの男』のようなヒーローにはなれない。
当たり前だろう。人間は他の誰かには一生なれない。そんな解りきった事実に、一方通行は自嘲の笑みを
零した。相変わらず奴へのコンプレックスが全身に染み付いているのを目の当たりにして、つくづく間抜けだと
自覚せざるを得ない。
「……拳銃、どォせオマエが持ってンだろ」
「あ……」
普段ベルトに挟んでいるはずの銃が、ついさっきの襲撃の時から見当たらない。いつ盗ったのかは知らないが、
一方通行の隙を突いて抜き取るとは全く大した手際である。これも、同居している番外個体の影響を受けて
成長してきた結果であろうか。いずれにしてもあの『妹』には後々説教が必要なようだ。
叱られるとでも思ったのか、怯えるように下を向く打ち止めだったが、一方通行は彼女を非難しなかった。
打ち止めが一体何を思って銃を奪ったのか――彼にはそれが十分理解できていたからだ。
「返せ」
電極のスイッチを押し戻し、意識が無い少女の身体を自分の着ていた上着で覆い隠しながら、学園都市最強の
超能力者は平坦な声で要請した。
「俺ならどうとでも出来る。だが、オマエがそンなモンを持ってるのを警備員にでも見つけられたら面倒な
ことになる」
第一位はともかく、元々軍用クローンとして世界中から認知されている妹達の一員が武器を所有している
のを見られて彼女にメリットは無い。それは、ようやく打ち止め達が周りから得た信頼を崩す可能性すらある。
打ち止めは一瞬逡巡したが、やがて諦めたように手元のハンドバッグを漁りだした。
少女的なデザインの小物に混じって、真っ黒な鉄の塊が内部に収められている光景は、妙な現実感の無さを
感じさせる。
「……どうぞ、ってミサカはミサカは差し出してみたり」
「聞き分けが悪りィガキだな。薬莢もセットに決まってンだろ」
う、と息を詰める打ち止めには構わずに、一方通行はおもむろに彼女のスカートのポケットへ手を突っ込む。
若干不躾な行為ではあるが――素振りからして隠し物がそこにあることは解っていたし、何より、もう
かなり間近にサイレンが迫ってきていたため思いのほか性急な動きになってしまった。
打ち止めが小動物じみた悲鳴をあげる中、一方通行の指先は彼女の体温で温められた真鍮製の筒を捉える。
そして彼がポケットから手を引き抜いた丁度その時に、路地の入り口に警備員の特殊車両が複数停車する
音が聞こえた。
「ヤツらに何を聞かれてもオマエは知らないで通せ。下手に受け答えしてたら朝まで拘束されるぞ」
「……これじゃあなんだかミサカ達が悪いことをしている気分だよ、ってミサカはミサカは愚痴ってみる」
軽口を叩きながらも、不安な心境は隠しきれないようで、立ち上がった一方通行の袖口を小さく握る打ち止め。
斜め下から見上げてくる少女の頭に緩く握った拳を落とし、一方通行は吐き捨てるように呟いた。
「何もしてねェオマエがビクつく必要なンざ無ェよ。堂々としてろ」
咎められるとしたら、この暴虐の惨状を作り出した一方通行の方だろう。
この少女が居心地を悪く感じる理由は、本来どこにも無いはずだ。
騒がしく足音を鳴らして突入してくる警備員たちの姿を認め、久方ぶりに自分へ浴びせられる警戒の視線に、
気が付くと一方通行は小さく舌打ちをしていた。
†††
『やっほう。ミサカの方からあなたにラブコールなんて随分と久しぶりかな。まぁそんな下心なんて存在
しないから期待もしないでほしいんだけど』
つくづく今日はやたらと携帯電話が活躍する日だ。人の神経をあえて逆撫でするような女の声を聞くや否や、
一方通行はどっと湧き出る疲労感を受けてソファに倒れ込んだ。
横倒しになった視界の中、彼は元同居人現同級生の番外個体に向かって不快マックスの声音で応対する。
「何の用だ不良大学生」
『優等生気取りの偽名野郎に言われると閉口しちゃうけど。いやぁ、今日はそちらさんも大層大暴れしちゃった
ようだし、ここは一つ情報提供と言う名の冷やかしを、と思ってさ』
「……相変わらず耳が早い事で」
『このミサカの情報網を舐めないでいただきたいね』
彼女お得意のニヤニヤとした笑みが脳裏に浮かぶ。相変わらず番外個体は物騒な技術や情報がお好みなようだ。
まあ、それでなくともミサカネットワークに接続さえしていればリアルタイムで世界中の情報を閲覧出来る
のだから、打ち止めの記憶を共有した後から独自に調べてみたという可能性も無きにしも非ずだが。
『今最終信号はネットワーク切っちゃってるからよく分かんないんだけど、どうやらレイプ魔ごと暴行罪で
警備員に逮捕されたなんて面白展開にはなっていないみたいだね。つっまんないの』
「……40分ぐれェ事情聴取を受けたがな。比較的早く解放されたのは、俺の身元がハッキリしてンのも
あるだろォが、何より統括理事会辺りからの指示がデケェンだろ。ヤツらがどっかからの無線連絡を受けて、
それからすぐに追い出されたからなァ」
『黄泉川愛穂の監督下にいるってのも絡んでるかもしれないけれど。やっぱり「上」の力は大きいもんだねぇ。
親船……何てったっけ、クソ善人な理事長代行さん。大方その人が世話を焼いてくれたってトコかな?』
優等生ちゃんは社会からの信用も厚くてお得なこった、と明らかに嘲りを込めた笑い声を零す女。
「さっさと要件を言え」
『ったくせっかちだなぁ。ベッドの上ではズボンのファスナーを下ろすより前に、女の子との会話を楽しむ
余裕を持たなくちゃ駄目だぜ。早漏童貞は嫌われるよ?』
「……」
『あーはいはいミサカが沈黙に弱いって知っててやってるんでしょ親御さん? オーケー真面目に話します』
鬱陶しそうに一旦話題を切り上げて、番外個体は再び饒舌に語り出した。
『んーと、さっきの事件はそこら辺の不良グループのメンバー数人による犯行だった。襲われたガキの方も
ごく平凡な無能力者だし、「闇」やら何やらが関わった事件じゃなさそうだね。その点は安心していいよ』
「連中は銃を使ってた。裏の組織が路地裏の不良どもに武器を横流ししている可能性は?」
『薄いね。元々デカいスキルアウトの残党同士が組んだグループだったらしいし、武器も元々ある程度は
保有してたんでしょ。まぁあなたが持ってるような小型の拳銃なんかよりもよっぽどチャチなオモチャしか
持ちあわせていなかったようだけど』
身ひとつで調査してきたはずの彼女の淀みない返答は、ある意味不気味ですらあった。
打ち止めの視界に映った記憶と、脳に刻まれた独自の戦闘マニュアルの武器に関するデータ、ミサカ
ネットワークの膨大な情報網、あとは『書庫』などへのハッキングで情報を補強したのだろうか。
それらのデータ全てを片手間で混ぜ合わせて、構成して、事実に限りなく近づけた推論を立てる。それは、
ミサカネットワークという加護を受けた妹達ならではの強みだろう。もっとも、そのご大層な能力も普段は
持て余しているらしく、もっぱら雑談にしか使われないようだが。
『まぁミサカの要件はそんなもんかな。これ以上の持ちネタは生産性の無い余談ばかりだよ』
「あのガキならバスルームに籠もってる。勿体ぶるのはお互いに時間の無駄だと思わねェか」
『わーお、なんだか妻子持ちと愛人の会話みたいじゃない? そんなにこのミサカと爛れた関係を築きたいんだ』
「……本当の余談なら今すぐ通話を切ってもいいンだが」
『今回の事件、最終信号の性教育としてはちと優良な教材とは言い難いかな』
会話の流れをあえて無視して、番外個体は『余談』の本題を切り出した。
『誰かさんが何年もかけて最終信号から「暴力や悪意」を遠ざけ続けて、苦労して情操教育に勤しんで
きたっていうのに、その努力も虚しく今ネットワークはドロドロのグチャグチャだよ。負の感情を抽出する
このミサカはストレスの負荷が高くてもう大変大変』
「……、」
『特に、性に関する意識がヤバいかねぇ。あんな目にあった子供を間近で見ちゃったんだから無理もないけど、
このままだと最終信号は、性交に対して無意識に嫌悪感を抱くようになるかもしれない。年頃の女の子にそれは
ちょっとハードすぎるんじゃないのかって話だよ』
特に気負う様子も無くそんな事を言う番外個体。相変わらず、一方通行の憂慮する事柄には嫌味なくらい
敏感な女である。
当然、一方通行もそれは危惧していた。打ち止めにあんな光景を見せてしまった自分の詰めの甘さにも
責任を感じてはいたが、同時に、どうやってフォローしていくかという課題にも行き詰まっていた所なのだ。
が、番外個体はまったく気軽な調子でこう提案してきた。
『もっと強烈なインパクトで「上書き」でもしてみれば?』
「あン?」
『身近な異性からの甘ぁいキスと優しいセックスだよ。今晩にでもどこかのもやしが頑張りさえすれば、
最終信号の中で成立しつつある「性=悪」の公式を塗り替えることが出来るかもね』
「……………………、」
絶句した。
オマエそれ絶対適当に言ってンだろ、というツッコミすら口から出てこなかった。
『目には目を、性体験には性体験を。親御さん自ら身体を張って教えてあげればいいじゃん。人と人との
繋がりはこんなに素晴らしく尊いものなのだぞーとか言ってさ。あ、それともアレ? 学園都市第一位は
驚異的に育ったあの乳を目の当たりにしても勃つ自信がない程可哀相な性能の持ち主って訳?』
どう考えても挑発の言葉である。しかし彼女が一体何を意図してそんな発言をするのかが全く理解できない。
そもそも自分は今ちゃんと日本語を日本語として認識出来ているのか。学園都市最優秀の頭脳はこの歳で
早くもイカれてしまったのだろうか。
『忠告しておくけど、ミサカは冗談を言っているつもりじゃないよ』
シナプス結合が煙を上げて壊れていきそうな心境に陥った一方通行は、侮蔑たっぷりの番外個体の声を聞いた。
『このミサカの性質をお忘れかな。ミサカはネットワーク上からあらゆる負の感情を拾い上げ、それに従って
全ての行動を選択する。勿論、その感情ってのは最終信号から由来する物も例外じゃない。だから今の
このミサカは、負の方向性では最終信号の精神状態と極めて近い位置でリンクしている訳だ』
要するに、と番外個体は前置きし、こう続けた。
『キスとかセックスとか、このミサカが言っている事は、言ってみれば最終信号の無意識下の願望ってことだね。
まぁ我ながら随分投げ遣りな、ってか捨て鉢な思考回路だとは思うけど。あー嫌だ嫌だ、何でこのミサカが
他人の恋路の後押しなんかしなくちゃいけないんだか』
――携帯電話のスピーカーから、また意味の分からない言葉が聞こえてきた。
一周回って何故か冷静になってしまった一方通行は、今度こそ自然体で返答することに成功する。
「馬鹿かオマエ」
『オウ、ありとあらゆる反論を封じられた人間がとりあえず口にしてしまうお馴染みの名言アリガトウ。
つか実はまだ全然冷静じゃないでしょ第一位』
愉快そうな調子に転じた彼女の声だったが、唐突にブツリと電波が切れる音が響き、一方通行の鼓膜を打った。
「……?」
やる気無くソファに横たえていた上半身を起こし、訝しげに携帯電話の画面を見つめる一方通行。
その直後、シャワーを浴びてきた打ち止めがリビングのドアを開ける気配がした。
(……向こうから切った、か。つくづく勘が良いヤツだな)
「誰と電話してたの? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
「番外個体だ」
「え?」
打ち止めは緩く首を傾げ、やがて瞳の焦点をどこか遠くに変えた。小さく唇を動かしているのを見ると、
どうやらミサカネットワークに接続しているようだ。
「……んー本当みたい、ってミサカはミサカはアリバイを確認してみたり」
「確認してどォする」
別にやましいことなど何もしていないのだが、つい先程までの会話が会話だけに何故か追い詰められた感が
あった気がした。まさかあの女、こういう形で彼を困らせるためだけにあんな爆弾発言をしたのではないのか。
まぁ、いくら打ち止めでも通話の内容までは閲覧出来ないだろう。番外個体は自分のプライバシーには
ガチガチにロックをかけるタイプだった筈だ。
「……突っ立ってねェで座ればイイだろ」
沈んだ表情の少女を前にどうにも対処に窮した一方通行は、占領していたソファの右側のスペースを明け渡す。
ちんまりとソファに腰掛け、一方通行から微妙な距離を取った彼女の顔は、目深に被ったフードによって
その大部分が隠されている。先程までの肩や脚を出した無防備な服装とは対照的に、風呂上がりの打ち止めの
部屋着は、Tシャツの上からパーカーを着込んだかなり分厚い防御体制だった。携帯式のファンシーな
スリッパを履いていて、つま先まで肌を見せない徹底ぶりである。
一目見て、彼女の不安な心境が伝わってくるような格好だった。
そこまで男に警戒するのなら無理して近付いてこなくても良いだろうに、と一方通行は呆れ半分で視線を離す。
「コンビニで適当に食いモン買ってきた。倒れたくねェなら何でもイイから食え」
「食欲無いよ、ってミサカはミサカは首を横に振ってみる」
「なら力ずくで口に押し込ンでやる」
言いながら、彼はキッチンに置いてあるビニール袋を取りに行こうと席を立った……が、彼の足がそれ以上
前に進むことは無かった。
「……、」
まるで彼を引き止めるように、シャツの裾が掴まれている。
苛立ちに思わず顔面を引き攣らせた一方通行が後ろを振り向くと、
「……ここにいてほしいの、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
いわゆるボロ泣きである。
湯上がりで火照った頬や耳をさらに赤く染めて、小さな子供のように肩を震わせる少女の姿がそこにあった。
†††
投下終了です。
諸事情で急遽9レスでの投下になってしまいました。分かりづらくて申し訳ありません。
キリが悪すぎるエンドですが、連投制限とかいう未知なるモノにブルった結果がこれです。
あと打ち止めの髪型を変えたのは、身内に「ツインテが許されるのは小学生までだっつーのwwwww」と罵られたためです。
……そして早くも続きのストックが無くなってきました。次回は、忘れられた頃の投下になるかと思われます。
世間での禁書ブームが過ぎ去るより前に完結出来るのかどうかぶっちゃけ怪し(ry
それでは、よろしければまた次回もよろしくお願いします。
>>449 乙乙
成長打ち止めもワーストも可愛いな…
正統派純愛エロが楽しみだぜ
>>449 乙!
続き楽しみにしてるから完結させてくれよな!待ってるから!
分けてレスしたかったのですが、スレの事を考えてご容赦を。
>>437 キャラへの愛……いや、姫神愛にGJ!
彼女が正ヒロインである事が何の違和感も無く受け入れられてしまった。
恐るべき話運びの妙技に感服。
>>449 生き生きとしたキャラ達のカラミがとおおおおおおっても素晴らしいッ!!
これは次回を期待せざるをえないGJ!!!
携帯からだと改行が見にくかったのですが私だけですか?
あと、先に投下された
>>437 氏にご配慮を。
1日…いや半日待ってもあなたのSSが霞む事はありませんぞ。
>>449 GJ
続き待ってるぜ!
通行止めハスハス
>>499 GJです!
続き楽しみに待ってますー。打ち止め可愛ええ…
>>449 ガン泣きの打ち止めに優しくしてやってください一方通行
浜メアを書く予定の方、います?
内容がアレなので一番手は避けたいのですが……
大したものじゃありませんが書いてるといえば書いてます
必要なら急ぎますが
>>459 いえ、いるとわかっただけでもありがたいです。
浜面メアだと…
期待
新約読んで一方打ち止め番外の3pを書いてみようと思ったんだけど難しい…
463 :
潤:2011/03/20(日) 00:21:26.94 ID:rlxeNAOD
SS投下でもないのにコテハン付きで恐縮なのですが、お詫びをさせてもらいに参りました。通行止めifネタSSの者です。
他の方のSS投下時間を確認せずに書き込んでしまったこと、また
>>437様に乙のひとつもせずに自作SSを載せてしまったことを大変申し訳なく思います。
今更ですが
>>437様にGJさせていただきます。
>>437様への感想を皆様が投下し辛い状況にしてしまってすみませんでした。姫神さん愛してる。
また、それらに対するご指摘ありがとうございました。正直、荒らし扱いを受けても仕方ないと思っていたので優しいお言葉が有り難かったです。
次作投下の時にお詫びとお礼をしようかとも考えましたが、完成までにあまりにも時間がかかりそうだったので今日書き込んだ次第です。
今後は焦らずに、時期を見て投下していきたいと思います。
随分とスレ汚ししてしまいました。それでは名無しに戻らせていただきます。
>>462 番外通行なら甘々な純愛もできるけど他にも
番外個体からの切ない片思い逆レイプだったり
愛はそんなにないけど貪欲に求め合うセフレ感覚のセックスだったり
お互いに好きあってるんだけど素直になれなくて憎まれ口叩きあいながらしちゃったり
あとネットワークのせいで発情しちゃった番外個体を一通さんが慰めたりするのが想像できるし
プレイ自体も一通さんのドS能力使用鬼畜攻めから
番外個体のドS踏み躙りプレイとか実はMな番外個体をちょっと鬼畜に攻める一通さんとか
あの豊満な胸で一通さんの一方通行を挟んでエレクトロマスターしちゃうとか
普段下ネタ多用するくせに実は性に対する免疫0な番外個体を優しく虐めちゃう一通さんとか
後戯だって互いに悪態つきながらもベッドの中で手だけ握り合ってたり(握手はやっぱり番外通行の基本だよね!)とか色々想像できるし
通行止めならもう甘々な純愛が基本だけど
性に目覚めた打ち止めを一通さんが優しく手ほどきしたり
あんな身体で性知識豊富な打ち止めが一通さんを翻弄したり
ちょっと欲情しすぎて歯止めが利かなくなっちゃった一通さんが打ち止めを滅茶苦茶にしちゃったり
それですごい自分を責めちゃうんだけど打ち止めは笑顔で受け止めてくれて思わず泣きそうになっちゃったり
プレイだってあの小さな手や口で一通さんに精一杯ご奉仕する打ち止めとか
身長差がすごいからどう見ても犯罪チックな見た目になっちゃうけど舌とか足とか絡ませまくりのすごい濃厚なプレイとか
やっぱりあの小さな身体じゃ受け入れるのは辛いけど必死に耐える打ち止めとそれを見て思い切り抱きしめちゃう一通さんとか
壊さないように細心の注意を払って大事に大事にしようとするんだけど途中からつい乱暴にしちゃって自己嫌悪に陥る一通さんとか
終わった後もお互い絶対に離さないようにぎゅーって抱きしめあってる図とかすごい想像できるけど
番外通行止めの3Pエロにすると急にどうも想像できなくなるな
もっと妄想力があれば…
>>464 それ全部作品にしたら一年はSSに困らないな。
通行止め単体でいいんでお願いします
こんな俺得SSはなかなかない
>>464 やばい、通行止めめちゃくちゃ読みたいわ
gj
通行止め派だがエロだと番外通行の方が好きだわ
通行止め熱烈希望
通行止めは甘さのあまり死にそうになるくらいが
番外通行はほろ苦ビターあたりが丁度いい
>>464 猛烈に濃厚エロ通行止めが読みたくなったぞ
責任とってくれるんだろうな
通行止めがいたしている隣の部屋でで番外個体が一人エッチがいいです
俺としては上条さんの部屋の隣で聞き耳立てて慰めてる管理人さんのほうがいい
鬼畜好きな自分としては番外通行の能力使って鬼畜攻めが凄くみたい、一方座標でも良いな
一方さんの能力ってそっち方面でも凄く応用効きそうだよね
強制絶頂とか痛覚含む感覚を数倍にしたりとか
>>475 神経に流れる電流の『向き』変化か。
ただ、誰かで相当練習しないと上手く操れなさそうだな。
>>476 打ち止めとのプレイで使いたいけど加減間違えたり失敗したら困るから
あわきんでたくさん練習する一方さんという電波がきた
>>477 書けよそれ…!
練習とか一方さんまじ最低www
>>478 残念ながら自分SS書いたことないからな…
このネタ使って誰か書いてくれないかなぁ(チラッチラッ
>>477 本命以外には顔色変えずに色々鬼畜な事しそうだな一通さんwwww
さんざ練習&遊んでおいていらなくなったらあっさり手を切って本命としっぽりか
いいなそれ…そういう鬼畜成分が見たいぜ
482 :
335:2011/03/20(日) 21:00:06.72 ID:0qWzpqjE
「ひっく、ひっく、ひっく…………うわーん」
子供のように泣きじゃくりながら抱き付いてくる美琴に、上条は仕方ないという表情で艶を失っていた彼女の短髪を優しく撫でる。
「ただいま御坂。この前はせっかく助けにきてくれたのにごめんな」
「ひっく、ひっく、駄目よ。いくら謝ったって、絶対に、絶対に許して、やらないんだから……」
そう言葉を返しつつもしっかと手を離さない美琴に、上条は苦笑しながらただ謝り続けるしかなかった。
そんな二人を遠巻きから眺めているのは、シックないでたちをした金髪の少女と、今上条に抱き付いている『超電磁砲』と同じ容姿をした四人の少女だった。
「はぁ、あの男一体どれだけの女を泣かしているんだ?
何人目なのかもう数える気すら起こらん」
レイヴィニア=バードウェイと名乗るその少女は、呆れ顔で首を振りながら傍に居た少女達、美琴の『妹達』へ向き直った。
「で、お前達は行かんのか?
あのまま放っておいたら、ずっとあの女に独占されてしまうぞ」
「ご心配には及びません、私とあの人の仲はあの程度で揺らぐ筈も無いと、ミサカ一〇〇三二号は拳を握り締めながら大人の女ぶりを示してみます」
「そうです、これは長幼の順でお姉様へ先にチャンスを与えてあげているに過ぎませんと、ミサカ一三五七七号はハンカチを噛みながらサービス精神をあらわにしてみます」
「それにいくら抱き付いたところであの人の鈍感ぶりは変わらないと、ミサカ一〇〇三九号は目を血走らせながらクールぶりを強調します」
「ミ、ミサカの時にはあれ以上の事をやってもらうから全然悔しくないと、ミサカ一九〇九〇号は羨望の眼差しで順番を待ちます」
こいつら余裕ある振りしながらその実やせ我慢してるだけじゃないかと、レイヴィニアはこちらにも呆れつつ、更なる爆弾を投下した。
「まあそれならそれでいいんだが、あんまりもたもたしてるとお前らみたくまたあいつ目当ての女がやってくるぞ?」
「「「「!?」」」」
四人は同時に驚きのリアクションを示すと、未だ『お姉様』が抱き付いている彼目指し嫉妬と焦燥の赴くまま駆け出した。
483 :
335:2011/03/20(日) 21:03:06.93 ID:0qWzpqjE
一方その頃、とあるマンションの一角では、
「テメェ、いきなり何盛ってンだ!?」
「みっ、ミサカにも分かんないっ!」
『妹達』の嫉妬を濃縮して受信した影響で力一杯抱き締めてくる番外個体に、一方通行は彼女の胸の見た目以上の大きさと弾力に抗いながら引き剥がそうとしていた。
「あー! 何横から掻っ攫った挙句また乳自慢しやがってと、ミサカはミサカは激しく地団太を踏んでみる!」
先程まで一方通行の膝上へご機嫌に座っていたのをキッチンまで蹴り飛ばされた打ち止めは駄々っ子しながら、援軍を求めるような目で近くに居た黄泉川愛穂を見つめる。
「どうでもいいけど、このままだと一方通行、押し倒された挙句貞操まで奪われそうじゃん?」
それまで三人を眺めていた黄泉川の言葉に打ち止めが視線を向ければ、そこには上気した顔で一方通行に迫りながら服に手をかける番外個体の姿があった。
「ハッ、あの泥棒猫は私の妹というポジションだけに飽き足らず、まさかあの人まで狙っていたとは、ミサカはミサカは驚愕しながら再び戦場へ舞い戻ってみる!」
打ち止めは憤然と立ち上がり一方通行が横たわるソファーへ跳躍すると、力一杯背中から抱き付いた。
「クッ、何しやがるクソガキ!」
「イェーイ、乳の大きさの差が戦力の決定的差ではないと言うことを教えてやると、ミサカはミサカは姉の威厳を示しながら貴様に挑戦状を叩き付けてみる!」
「ヴァーカヴァーカ、ミサカはこんなモヤシどうでもいいけど、せっかくだから妹の義理でその挑戦受けて立ってやるわ」
「よく言った小童と、ミサカはミサカはこの人の唇を奪いながら余裕の表情で勝ち誇ってみる!」
「こういうのは先に勝利宣言した方が負けるんだよと、ミサカは妹ながら老婆心で忠告してあげる」
「テメェらは人の話を聞ンム!?」
打ち止めに唇を奪われながら番外個体から剥かれる一方通行は、チョーカーの電極に触れる事すらできずなすがままにされるだった。
「うんうん、仲良き事はいい事じゃん」
「そんな風に見えるオマエの目は腐ってンじゃねェのかッ!?」
文字通り他人事のように呟く黄泉川へ、一方通行は思わずそう突っ込んだ。
ちなみに同時刻、『お姉様』から上条当麻を見事奪還した『妹達』四人は、公園でまだ日が高いにも関わらず彼に身体で迫り、奇しくも一方通行と同じ目に会わせていた。
「ちょ、落ち着いて皆さん!?
というか俺の貞操をこんな凄い初体験で奪わないで!!」
「「「「却下しますと、ミサカは一言で切って捨てます」」」」
「何この人達一致団結してるの!?」
それぞれ違う場所で、だが同時に女性達からもみくちゃにされる上条当麻と一方通行だったが、無論そんな事は彼らが互いに知る由もなかった。
「「まあとりあえずは、これで一件落着だな(じゃん)」」
「「何処が!?」」
484 :
335:2011/03/20(日) 21:07:36.51 ID:0qWzpqjE
今日ずっとアパートに居たのですが、
>>464を見てたまには黒子以外の物も書いてみるかと半日色々とあがいてみました。
結論、当局にエロは無理ですorz
期待に添えず申し訳ありませんm(__)m
とりあえず自戒の意味も込めて、せっかく作ったSSを投下してみました。
感想は…………まあいいや(ぉ
それでは黒子SSの執筆に戻ります。
485 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 22:13:54.97 ID:PZjAPbv4
これからは上条さんが上手く妹達を御さないと一方の貞操がヤバい訳か
胸熱
>>484 妹達の一人称は『私』ではなく『ミサカ』です、とミサカは次回作に期待をこめつつ訂正してみます。
488 :
335:2011/03/21(月) 09:31:57.80 ID:A3LI1WNT
>487
迂闊、ちゃんとチェックしてから投下すればよかった…………ご指摘ありがとうございます。
ついでなので、以下>483のおまけを投下しておきます。
489 :
335:2011/03/21(月) 09:36:05.36 ID:A3LI1WNT
「ア、アンタ達、こんなとこで何やってんのよ!?」
先程虚を突かれて『妹達』から上条を奪われ、我に返った美琴が街中を駆け回りようやく公園で5人を見つけた時、彼は彼女達から身包み剥がされている最中だった。
「あぁ、神様仏様御坂様、とにもかくにも後ろ手縛られて剥かれてるこの上条さんをお助けくださンムゥ!?」
「何をしていると言われても見ての通りですがと、ミサカ一〇〇三二号は質問に答えながらこの人に接吻をしながら親密さを強調します」
「一〇〇三二号に機先を越された事を悔しがりながらこれからそれを挽回すべく、ミサカ一三五七七号はお姉様をスルーしながら彼を抱き締めその下着に手をかけます」
「この人に裸も見られた事もないお姉様はそこでずっとツンデレってろと、ミサカ一〇〇三九号はお姉様に辛辣な言葉を吐きながら彼の手をミサカの胸に押し付けます」
「だ、だからこの人とミサカ達の再会記念を邪魔しないでほしいと、ミサカ一九〇九〇号は懇願しながら彼の手をミサカの熱く熟れた秘所に運びます」
話をしている間にも上条をなすがままにする『妹達』に、それまで怒気と羞恥と嫉妬で震えていた美琴にもとうとう限界が訪れた。
「ふ、ふざけんなーっ!!」
そんな掛け声と共に、美琴は久方ぶりに電撃の槍を全力全開で放った。
「何かこのやり取りも随分と久々な気がするが、それはそれとしてこんなの喰らったら上条さんも『妹達』も死んじゃう〜!」
そしてこちらもいつものように、上条はその右手に宿る『幻想殺し』で一〇億ボルトの電撃を打ち消した。
「何その子達助けてんのよアンタは!?
大人しくそのまま一緒に仲良く黒焦げにされなさいよ!」
「何上条さんに無茶な要求してんだテメェ!」
ギャアギャアといつものように喚き出した二人を余所に、『妹達』はミサカネットワーク内で協議を開いていた。
『この人のおかげでとりあえずは攻撃を防げましたが、このままではお姉様に彼を奪われてしまいますと、ミサカ一〇〇三二号はこの危機的状況の解決策を求めます』
『でも残念ながらミサカ達ではいくら束になってもお姉様に及ばないと、ミサカ一三五七七号は厳しい現実を突きつけて落胆します』
『しかし諦めたらそこで試合終了ですよと、ミサカ一〇〇三九号は何としても彼と情事を交わしたい旨を強調します』
『そ、それなら不本意ながら、お姉様もそれに巻き込んでしまえばよいのではないかと、ミサカ一九〇九〇号は控えめに提案します』
最後の思わぬ発言に、ネットワーク内の全ミサカは『その発想は無かった』と言わんばかりに沈黙した。
それからミサカネットワーク内で激論が交わされた後(とはいってもほんの数秒だったが)、『妹達』はいい感じにヒートアップしていた上条と美琴の言い争いを止めるが如く彼に絡み合ったまま『お姉様』へ視線を向けた。
「お姉様に一つ提案がありますと、ミサカ一〇〇三二号は全ミサカを代表して申し上げます」
「何よ一体。そんな事より、さっさとその馬鹿を放して――」
「お姉様の意思を尊重して一番手は譲りますのでここでご一緒しませんかと、ミサカは不承不承ながら提案します」
その一言で美琴の身体は、今にも第二撃を放とうとしていた電撃は枯れていくように収束し、代わりにその顔が羞恥と期待で真っ赤に染まっていた。
「いいいい一緒とか一番手って、一体どういう意味よ!?」
「どういう意味も何もそのままの意味ですがと、ミサカは今更カマトトぶってんじゃねぇよと内心悪態吐きながらお姉様に返答します」
無表情ながら軽侮と悪意が混じった視線を返す御坂妹に、美琴は珍しく何も言い返さないまましばらく考え込んだ。
「…………その話、マジ?」
「マジですと、ミサカは先程ミサカネットワーク内でその旨が決定した事も補足して述べます」
それを聞くと美琴は覚悟を決めた表情で、何がどうなっているのか分からない表情の上条を見据えた。
490 :
335:2011/03/21(月) 09:38:16.55 ID:A3LI1WNT
「駄目よ」
「そうですかと、ミサカは落胆の溜息を漏らしながら――」
「当たり前じゃない、こんなとこで、その、は、初体験だなんて。
だからさっさと行くわよ」
美琴の予想外な返答に、御坂妹は首を傾げながら口を開いた。
「一体何処へ行くのですかと、ミサカは困惑気味にお姉様へ尋ねます」
「私がクローク代わりに使ってるホテルがあるから、そこへこいつを連れて行けばいいじゃない」
それがすなわちミサカ達の提案を快諾した旨であるのは、美琴の上気した顔を見れば聞くまでも無いことだった。
「了解しました。では善を急げと言いますし早く出発しましょうと、ミサカは立ち上がりながらこの場に居る全員を急かします」
「そうね、あんた達探している間にもこいつ目当てで学園都市に来てる女を何人も見かけたし」
二人の頷きを合図に、美琴と妹達はまるでお宝を運ぶような扱いで上条を拘束しながら歩き出した。
公園を出ようとしたその時、それまで話をするタイミングを失い全身を彼女達に拘束された上条は訳が分からないという表情のまま、恐る恐る切り出した。
「あのー、今更なんですが上条さんの意思は?」
「「「「「無いわよ(です)」」」」」
そんな力強い返答に、上条はいつもの台詞を呟きながら項垂れた。
「不幸だ…………」
一方その頃、とあるマンションの寝室では、一勝負終わったと言わんばかりにベッドの縁で煙草を吹かす番外個体と(ちなみに煙草は黄泉川から奪った物)、やはり同じベッドでもはや喋る気力も尽きた一方通行が打ち止めにしがみ付かれた状態で横たわっていた。
「やっぱりモヤシだったねぇ、アンタ。こんなんじゃミサカの本気に耐えられないよ」
「でもでもそれはこれから鍛えていけばいいんだよとと、ミサカはミサカはあなたをミサカ色に染める事を宣言してみる!」
「…………どうしてこうなったァ?」
そんな一方通行の呟きを無視するが如く、番外個体は灰皿に煙草を押し付けて消すと、第二ラウンド開始と言わんばかりに再び彼の上へ覆い被さった。
今度こそ終り
GJ
この後の描写もして欲しい!!
番外個体が漢前すぎる
>>490 上条さんの今後の人生設計と一方通行の成長を祈りつつ全力でGJ。
あ、それと妹達――打ち止めも含む――の口癖、『とミサカは〜』の読点は『と』の前に付きます、とミサカはあなたがまたミサカ達を書いてくれるとの期待を込めて進言してみました。
まあ二次創作SSとは言えただの掲示板なんだから細かい事はきにするなぁ! ってミサカはミサカは突っ込んどいて何だけどフォローをいれてみる!
>>335 なんという俺得!!
これはGJの域を超えている…
神か!?しか言いようがない
GJ.上条さんも末永く爆発しろ。
こういうアホなSS大好きだGJwwwwwwwwwwwww
経験なくてデートシーンが書けぬ
皆どうしてんだ?リア充か?リア充なのか?
経験がなきゃエロSS書けないなら俺なんか何も書けねえよ
そこは想像とか先駆者のSSを参考にしたりとか
リアリティと現実は別モンだって、ウリバタケさんが言ってた。
雑誌立ち読みしたり、遊びに行った先で横にいる友人が彼女なら何が変わるか考えたりかな。
つーか、デートシーンについては、学園都市だとこんな施設なさそう。が一番の罠。
水族館は学園都市に
ありそう?
なさそう?
なんかすごい名称のなんかすごい水族館ならありそうだけど
俺には想像もできないぜ
502 :
335:2011/03/22(火) 00:05:23.25 ID:o5tPhqJg
今回もお褒めの言葉を戴きまことに感謝しております。
なんで半日で書いた即興のSSでこんなにお褒めの言葉を戴けるのでしょうか?
どこぞのインキュベーターの言葉を言葉を借りると、訳が分からないよ(滅
>>491 すいません、前述しましたが当局にエロは無理ですorz
>>493 おぉ、またしても当局の勘違いが明るみに…………ご指摘ありがとうございます。
>>494 いえいえ、ネ申どころか非才の身でございます。
目の前にキュゥべえが現れたら文才と引き換えに契約してしまうかもしれないくらいの無能です。
>>497 当局の場合妄想で補ってます。
>>500 実は原作15巻の序盤で、打ち止めがタクシーで帰る為に乗車した際、行先を黄泉川宅ではなく第6学区の遊園地をオーダーしようとした記述があります。
ちなみにその時は『冥土返し』が先に行き先を告げてしまった為、結局行けず終いでしたが。
というか実は今当局が書いてる黒子SSもその遊園地に行ったという設定だったり。
もっとも今のところ甘酸っぱい恋物語ではなく、当麻が黒子からドロップキックやサミングされたりするバイオレンスな展開にしかなってませんが。
悪いこと言わないから全レスはやめとけ
交流(笑)がしたいのなら匿名掲示板から離れてブログでも作ったほうがいいんじゃないかな
上条ハーレムでの女性達の会話とか面白そう。
意外に仲良い感じで、今日はどんな風に抱かれて気持ち良かったとか、ああしたら気持ち良さそうだったとか話してるの。
浜面分が足りない
新約読んだ
浜面はマジで大爆発しろ
麦のんの紐パンとか最高じゃないか
すいません、VIP系でもマイナーなSS掲示板でもいいんですが
上条と一方さんの、いわゆるいれかわり物ってどこかにないですかね?
精神が入れ替わっちゃうやつです
ふと、ありそうだなって思って色々探したんですが見つかりませんでした
一方さんの姿で打ち止めや番外に優しく接する上条さんとか面白そうなんですが…
>>504 何の恨みがあるのか知れないけど、自称18歳以上なんだからもう少し言い方があるでしょう。
>>502 他スレでは知りませんが、エロパロ板の多くは、書き手の自己主張は作品の投下だけが好まれるようです。
と言うか多くの場合叩かれます。
残念かとは思いますが、それがここの現状なので、どうかご理解ください。
>>508 それだけプロットが出来ているなら自分で書けるでしょ?
ほら、あなたも今日から書き手だ。
まああれだ、悪いことは言わないから半年ROMった方が良いな
禁書ロリっ子決定戦
禁書目録とサーシャくらいかな
『ロリ』っていうのは
絹旗 フレメア 打ち止め 初春辺りは?
そのあたりは「ペド」に近いと思う
打ち止めとフレメアなんかもう犯罪チックすぎるよ
>>515 なるほど。ロリコンではないアリコンだ! みたいなテンションですね。
じゃあ逆に、フレンダ 黒子 黒夜辺りがロリかな?
ロリ巨乳以外のロリは『ふくらみかけ』が基準らしい
大人貧乳もいるから注意が必要です
子供のうちはまだひんぬーの定義には入らない
問題なのは二十歳すぎなのにとっても貧しい胸を持つ対馬さんだったりする
「じゃ、じゃあ、あと四年間ひたすら『誰か』に揉んでもらえば……い、いやいやいや何を考えてるんだ私はッッ!!」
打ち止めはお姉さまを見て自分の将来に危機感抱いてたけど
今のうちから一方さんに揉んでもらえば番外さん並みの巨乳になる可能性は十分にあるよ
pinkまでもが本スレみたいになってくるとはよもまつだな
>>509 18歳以上なら他人からわざわざこんな当たり前の事を言われなくてもそれくらい理解してから書き込むんだよ
ロリとペドは年齢差ではないのに
ロリの話題で小萌先生が出ないのは年齢のせいか、それとも殿堂扱いか
合法ロリとロリの間には決して越えられない壁があるんだぜ
打ち止めちゃんのへそから鎖骨まで一気に舐めてあるかないかの起伏を楽しみたい
感想聞かせて白い人
ミサカはともかく俺クローンは激しく要らんw
一方さん、やっちゃってください
_、_
( ,_ノ` )
(⌒`:::: ⌒ヽ
ヽ:::: ~~⌒γ⌒) 俺達だと…?
ヽー―'^ー-'
〉 15 │
そろそろエロ関係無い雑談は止めような
また雑談云々で荒れるぞ
そして天使は舞い堕ちたの続きはまだかのう
別の方のサーシャものももちろん素晴らしかったが、貴重なサーシャでの長編らしかったのに
『舞い堕ちた』はミーシャだよ
何で楽しみにしてる作品のキャラ間違えてんだよ
作者様大変失礼しました
上インが…上インが足りない…
アニメじゃ全然インデックスを可愛く映してくれなかったし…
甘くて死にそうになるくらいの上インが欲しい…
>>522ェ…
世も末は、「よもすえ」って読むんだろ…
こういうマジレスが18歳以下を炙り出すんんだろうな
ふいんき(何故か変換出来ない)にも「ふいんきじゃなくてふんいきだろww」とか言ったりするんだろうな
いいぜ、お前らが間違った日本語を使うってんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!
投下します。
浜面×フレメア
「フレメアー。歯、磨いたか?」
昔は自分もそれが面倒臭いクチだった。それで虫歯になって酷い目に遭ったのは良く覚えている。
深夜。第7学区の学生向けホテル。
終電を逃がしたり寮の改装や補修中の学生向けの安宿に、浜面仕上とフレメア=セイヴェルンはチェックインしていた。
窓口で身分証明書を提示。とはいえ、即席で偽造したものである。二人の関係は兄と義妹。怪しまれたもののなんとか通って、ほっと胸を撫で下ろした。
あてがわれた部屋で羽を伸ばす。そろそろ寝る時間。二つのベッドのうち一つに腰掛けながら、浜面はフレメアに声をかけた。
「面倒臭い。にゃあ」
「虫歯になるぞ」
窓の外を見ながらフレメアが答える。ビルの高い眺めがお気に召したようだった。夜景を映す窓に反射して、フレメアの好奇心いっぱいの顔が見えた。
フレメアが振り返ってもう一つのベッドに身を投げ出す。軽そうな体がぽーんと跳ねた。二、三度小さくバウンドして、帽子がずるりと落ちた。
「大体、浜面がやってくれればいいわけよ」
「……そうきたか」
浜面が顔をしかめた。そういう経験はない。いや、学生が8割の学園都市で、そういう経験のある人の方が少数だろう。
頭を捻る。少々甘いが、子供と言い争ってこじれてしまうのも困る。とりあえずは習慣づけてやるべきか。
「はぁ……分かったよ。洗面所から歯ブラシ持って来い」
「にゃあ!」
ベッドから立ち上がって、てててとフレメアが小走りに動く。ちっこい背中を浜面は目で追いかけた。
ビニールパックで包まれた、ホテル備え付けの歯ブラシ。中には歯磨き粉のチューブも同封されていた。フレメアがそれを持って来る。
「んじゃフレメア、ちょっとここに寝てくれ」
フレメアから受け取ったパックを開けながら、浜面がベッドの上であぐらをかいた。
よいしょっとフレメアがベッドに登った。四つん這いになって浜面の足元まで歩いてくる。手足がベッドに沈み、姉譲りの金髪が揺れた。
フレメアが横になる。あぐらの真ん中に子供の頭の重み。碧眼が浜面の顔を見上げていた。
「ほい、口開けろ」
「にゃー」
言われるままにフレメアが口を開けた。歯ブラシに歯磨き粉をつけて、気をつけながら口の中に挿し入れた。視覚と、手応えを頼りに浜面が手を動かす。
しゃかしゃかしゃか。
静まり返った部屋に歯を磨く音が響く。ぼんやりとそれを聞きながら、浜面は思う。
(……口小せぇー……)
子供の柔らかそうな頬が手の動きに合わせて微かに揺れている。口紅も引かれていないピンク色の唇。歯は綺麗に生え揃っている。
不意に、このちっちゃな口にキスをする妄想に駆られた。
ぐちゃぐちゃと水音を立てながら歯の間に舌を這わせ、絡め合い、唾液を飲み干す。年端もいかない子供のそれを貪る背徳感。
「かぷっ」
見透かされたかのようなタイミングで、フレメアの口が閉じた。
「うおっ?」
「んふふふふぇふぇ」
じゃれつかれているのだと気付くのに、一瞬間が空いた。
「あ……コラっ。大人しくしてろ」
半笑いでなだめかす。素直にフレメアも従って、また口を開けた。内心の反省を隠しながら浜面が歯磨きを再開した。
歯ブラシの動きの邪魔にならない程度にフレメアが声を上げる。
「ほれ美味ひくない」
「あ? あぁー……歯磨き粉か。正直歯ブラシも毛が硬くてちょっとな」
備え付けだとこんなもんか、と浜面は思う。
フレメアは普段どういうのを使っているのだろう。普通のか、もしかしたら子供用の甘いのか。後者が容易に想像できて、浜面は笑ってしまった。
「何ー?」
「いや、なんでもない。フレメアは可愛いなって」
「けほっ!」
「だあああああ!?」
いきなり咳き込んだフレメアに驚いて浜面が手を引っ込める。これ幸いとばかりにフレメアが急いで起き上がった。
頬をいっぱいにしながらけふんけふんとフレメアがむせている。苦しいのか、顔を真っ赤にしてそのまま洗面所に駆け出していった。
「……なんだ? 飲み込みそうになったのか?」
取り残された浜面が、気まずそうに頭を掻く。
再開した後、一通りの歯を磨き終えた。
「うし、終わりっと。起きろーフレメア」
「んー」
名残惜しそうにフレメアがごろんと横を向く。まだ甘えていたいようだが、口の中に唾液や歯磨き粉を溜め込んでおくわけにもいかない。
優しく肩を掴んでゆっくり起こしてやった。細身な体がベッドのスプリングで揺れる。
渋々ベッドから降りたフレメアが、また小走りに洗面所に向かう。置いていたチューブとビニールパックを手に取って浜面もそれを追いかけた。
フレメアがシンクの中にべぇーと吐き出して、コップに水を注いでいた。
それを待ってから浜面もブラシを洗う。横ではフレメアが鏡を見ながら口をすすいでいる。
ふと、フレメアが鏡に映る浜面を見上げた。
(……背、高いなー)
成長し切っても、追いつくのは無理だろうと思う。でも、できるだけ早く背が伸びて欲しい――背伸びすればキスできるぐらいには。
ぽ、と頬が赤くなった。そこで浜面が歯ブラシを洗い終わって顔を上げようとしたので、慌てて目を逸らした。口をすすいだ水をシンクにまた吐き出す。
「んじゃ、お先っと」
「あ、待ってー」
浜面が歯ブラシとチューブをシンク脇に置き、パックをゴミ箱に捨てた。
フレメアは使って置いたコップにその歯ブラシとチューブを入れてから、部屋に戻ろうとする浜面の腰に抱きついた。
「お、おいおい」
「ぎゅー!」
溜息をつきながら浜面がずるずるとフレメアを引きずっていく。軽い体重はあまり抵抗にならず、簡単にベッドに戻れた。
抱きついた指に掌を添えながら、浜面がフレメアを促した。
「おーい、寝巻きに着替えるぞ」
「あ、うん」
フレメアが指を解いた。
寝巻きも備え付けのものだった。二人はそれぞれのベッドに向かい、枕もとにビニールで包装されているそれを取り出して広げる。
窓側のベッドがフレメア。入口側のベッドが浜面。フレメアの希望だった。
背を向け合って私服を脱ぐ。フレメアはリボン、ネクタイを順番に解いてボタンに手をかけた。全て開いて、服がすとんと落ちる。最後に赤いタイツを脱いだ。
小さな体におませな下着。ぷにぷにと柔らかな桃肌に、真っ白なショーツと、フリルのついたブラ。
ちらりと、後ろを向いてしまう。
(……どき、どき……)
家族以外では初めての、男の裸。浜面の背中が見えた。
頭がぼーっとする。何かいけないことを覚えてしまいそうな気がした。ぷるぷる頭を振って、首を戻した時だった。
「にゃあ!?」
カーテンを閉め忘れた窓ガラスに背後の様子が映っていた。夜景が部屋の光を反射して鏡状になっていた。
もちろん、浜面が映っている。
「ん? なんだフレメア?」
素っ頓狂な声を聞いて、反射的に浜面が振り向いてしまった。
「あ……」
「ふぎゃああああああああっ!?」
下着をつけているとはいえ、肌を見せることに違いはない。
直前まで浜面の背中を盗み見ていた後ろめたさもあって、フレメアはパニックになりながら布団の中に飛び込んだ。
「う、うおおおおおおおおお!? ちょ、いや、すまん、見るつもりは……あ、カーテン閉めてなかったのか!」
駆け足で浜面が窓に近づいた。慌ててカーテンを閉めて、またすぐに自分のベッドに戻る。
フレメアは頭から布団を被りながら丸まっている。
「にゃぅぅぅ……!」
ベッドの上の小さな膨らみ。浜面は急いで寝巻きに着替え、フレメアに呼びかけた。
「フ、フレメアー? もう着替え終わったから、出てきていいぞー……?」
「……」
ぴょこ、と涙目のフレメアが顔を出す。
それが不覚にも可愛かったものだから、夢に出てきてしまいそうだと浜面は思った。
「それじゃ、電気消すからな」
壁のスイッチを浜面が押した。
部屋の照明が落ちる。二つのベッドの中央にある電気スタンドがオレンジ色の光を残していた。
寝巻きに着替えたフレメアは、布団に首まで潜り込んでいた。
掛け布団がばさりと舞い上がる。浜面がベッドに入って、胸元まで布団を引き上げた。
「おやすみ。にゃあ」
「ああ、おやすみ……」
人にこれを言うのはいつ以来だろうと考えながら、浜面は電気スタンドに手を伸ばした。
ぱちっ。部屋が真っ暗になる。
浜面は意識してフレメアに背を向けて横になった。暗闇に目が慣れてくると、部屋の様子がなんとなく見えてくる。
時計を見ようかとも思ったが、携帯を開けるのは眩しいので止めた。部屋の時計もここからは見えない。針の音がしないのは連続秒針だからだろう。
静かな時間が流れている。安宿の割に上品で柔らかな枕は、しかしやや沈み込みすぎて落ち着かない気がした。
「浜面」
まだ寝ていなかったフレメアに声をかけられた。少し浜面が顔を起こす。
「ん?」
「そっち行っていい?」
おい、などと何か言う前に、フレメアが体を起こす音が聞こえた。
思わず浜面がフレメアの方に向き直る。掛け布団をそのままに抜け出したフレメアが、枕を引きずりながら素足でぺたぺた歩いてきた。
(マジかよっ)
持ってきた枕を浜面の枕の横にぽいと投げる。それからベッドの上に乗り上がった。
掛け布団を持ち上げられて、少し冷えた空気が浜面の体に触れた。有無を言わさずフレメアが入ってくる。
枕の位置をちょっと直してから、フレメアは浜面を見上げた。
「にゃおーん」
「あのな、フレメア……」
怒られるか、どかされると思ったのか、フレメアの猫真似がエスカレートする。
「にゃあにゃあ」
身振り手振りを加える。ポーズを取ったり、浜面の脇腹を猫の手状にしてさすったり。
一瞬、衝動的に抱き締めてやりたくなった。そうしたら静かになるだろうかとも思ったが、すぐに考え直す。毒気を抜かれて大きく溜息をついた。
呆れられたと思ったのか、フレメアの顔がしょぼーんと沈んだ。
「ああ、いい。いいから」
根負けした。浜面は苦笑しながら体を少し起こして、ベッドの中心からずれる。フレメアと二人で寝られる位置。
「ホントっ?」
ぱっ。フレメアの表情がころころ変わる。
せっかく二人分のスペースを開けたのに、フレメアは浜面に体を寄せてくる。じっと見ていたら寝られなくなりそうで、浜面は体の向きを変えた。
「あ、そっち向いちゃやだっ」
「違う違う、上向くだけ」
そう言って浜面は天井を見上げた。もう一度、大きく息を吐く。
フレメアが浜面の腕に触れた。頬を浜面の二の腕に預けて目を閉じている。ちっちゃな指の感触がくすぐったかった。
(……寝れっかなぁ……)
寝返りは打てないかもしれない。寝不足を心配しつつ、浜面も目を閉じた。
明日の朝、腕が痺れてなけりゃいいんだけど、なんてことを考えながら。
以上です
というわけで
>>460様、こちらは消化したのでお気兼ねなく
>>544 やっべー、GJやっべー。
まだ新約読んでないから妄想が広がりまくりんぐ。
うおおかわええ…
たまんねぇな
超GJです
548 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 14:00:10.41 ID:ewbat2SV
絹旗といいライバルになりそう
幼女金髪!幼女金髪!幼女金髪!
なんだこの反則的可愛さ…GJ
で、フレメアに挿入するのはいつかね?
ばっか、エロくないからいいんだよ!
エロパロスレなのにエロくないからいいとはこれいかに
でも確かにフレメアのエロっていまいち想像出来ない、同じ幼女の打ち止めなら出来るのに
フレメアはただの恩知らずなクソガキでした
>>544 GJ
歯磨きとかまさに「仕上げはお父さん♪」
そして流れをぶった切って投下します。だいぶ上のネタにときめいたので書いてみた。
・あんまりエロくない通行止めが何となく甘いだけの話。
・一通さんが素直っていうか若干依存気味。
・打ち止めたんマジ聖母。
・おまけ(長い)は番外→通行気味で番外さん一人えっち。
帰宅してリビングに顔を出すこともしないまま、一方通行は自身の部屋のベッドに倒れこんだ。久しぶりの帰宅でだった。放り出した杖は音を立てて床に転がったままで、後で困りそうだが今はどうだって良かった。
うつぶせの状態で枕に顔を埋める。いろいろあって疲れていることは自覚していた。バッテリーは残っているので、乳酸の分解等々を行なってしまえば肉体的な疲労感は軽減されるのだろうが、そんなことも億劫だ。文字通り『疲労困憊』状態である。
そんな状況の中で、窺うようなノックの音がして、返事も待たずにそろりと部屋に人影が侵入する。彼がそんなことを許すのはアホ毛の特徴的な同居人の少女ただ一人。
僅かに顔を動かして、赤い瞳をめぐらせて確認すれば、少女が一応足音を忍ばせて近付いてくる。
もぞりと動いた気配から、一方通行が眠っていないことに気がついた打ち止めは、その足取りを速めてベッドサイドに辿り着くと、ちょこんと膝をついた。
「お帰りなさい、ってミサカはミサカは帰宅したときのご挨拶をしてみたり。飲む? ってミサカはミサカは現在あなたのお気に入りの缶コーヒーを取り出してあなたに示してみる」
ぶらぶらと缶コーヒーを揺らしてみせる彼女に、一方通行は寝転がったまま腕を伸ばす。頭を撫でる、というよりは、頭に手のひらを置く、といった風にして持ち上げた手のひらの行き先を打ち止めの上に落ち着けると、一方通行はぼそり、とただ一言、
「ネットワークの接続を切れ」
と、少女に告げた。
了承の返事をして言われた通りにネットワークを離脱した打ち止めは、のそりとベッドの上に座りなおした一方通行に抱き上げられて、こちらもベッドの上に座り込んだ。
とりあえず缶コーヒーをサイドボードに置こうかと思い、動作する前に、ぎゅ、と抱き締められた。置きそこなった缶コーヒーは、打ち止めの手のひらから離れてサイドボードの端にぶつかると、マットレスの隅に落ち着いた。
「どうしたの? ってミサカはミサカは性急なあなたの態度にちょっぴり動揺してみたり」
「うるせェ」
肩口に埋められた頭の白い髪を撫でながら、打ち止めは気取られないように仄かな微笑を口の端にのせた。
無遠慮な幼児が母親に触れるような態度で、べたべたと触れてくる彼の仕草はまるで子どもだ。親にかまって欲しい、親に甘えたい、そんな子どもの取る行動と同じもの。
ネットワークからの離脱を命じられるときは、大抵身体を重ねたりするような場面が多いけれど、打ち止めから言わせて貰えば、一方通行の主眼は性欲の解消にはない(当然それが第一目的な場合もあったけれど)。
ただ単純に、誰かの柔らかな肌の温もりや、トクトクと生を刻む心音を感じて、充足感や安心感を得ること――要するに、甘えかかりたいだけなのだ。
甘え方どころか他人との関わり方を知らない少年が、不器用にも取る行動がこれだ、というのならば、全然かまいはしないのではあるが。
(もっと素直に普通に甘えてくれても良いのになあ、ってミサカはミサカはあんまり変につつくとこの人依怙地になりそうだから言わないでおくけど)
しかし、子どもと違って凶悪なのは、ゆっくりとではあるが確実に彼女の性感を刺激するような触り方をしてくるという点にある。
――まあそもそも、『身体を重ねる』という行為に対して、打ち止めが気付いたものの他に、二人そろって気付いてもいないが、彼の彼女に対する独占欲や執着の現れであったりする側面も含まれているからなのであろうが。
いつの間にやら肘の辺りまで落とされたワイシャツとキャミソールの紐。少女の上半身はすっかり露出している態になっている。肩の辺りを甘噛みされて、薄い胸の先を彩る桃色の突起を指の腹で転がされて、打ち止めは喉の奥で声をあげる。
「ん、シャツ、ぬぐっ…、ってミサカ、は、ミサカ」
「あ?」
「ギュッて、するのに、じゃまなの、」
白い指先が滑らかに躍って、すぐに打ち止めの訴えは聞き入れられた。腕を抜き取られて、すとんと落ちたワイシャツと水色のワンピースが、シーツの上で蟠る。
一方通行の妙な素直さに、もしかしてギュってされたいのかなとおかしくなった打ち止めは、膝立ちの状態で彼の頭を自分の胸に引き寄せるようにして抱きついた。
さらさらとした白い髪や、少し湿った呼気が胸元を撫でて擽ったい。緩慢な動作で背に回された腕に力が籠るのを感じた。不器用な彼であっても、抱き締められたり、それを受け入れて抱き締め返すくらいの素直さは手に入れたらしい。
「うー、やっぱりもうちょっとおっぱいが大きい方が嬉しい? ってミサカはミサカは今後に乞うご期待としか言い様の無い状態を悔しく思ってみる」
「……」
「何かコメントちょうだいよー、ってミサカはミサカはドキドキしてることが丸分りなこの状況がちょっぴり恥ずかしいってことを隠しつつ、そう言えば帰って来てからほっとんどしゃべってないあなたに発言を求めてみたり」
「……っせェな」
「それともあなたは貧乳の方が好みだったりする? ってミサっ、いたっ、痛いってば! ちょっと背中抓らないでよー、ってミサカはミサカはドメスティック・バイオレンスには断固反対っ」
「…オマエがくっだらねェこと言うからだろォが」
「ミサカにとっては死活問題、ってひゃあ?!」
背中をべたべたと撫で回していた一方通行の手のひらが、するりと肌を使って臀部の方から下着の中に侵入した。突然再開された愛撫に、打ち止めの肌が粟立った。
「寒ィか?」
「ちがっ、おどろいただけ、ってミサカはミサ、ぁ、」
長い指が恥丘をわって、溢れ出したとろりとした体液を秘所に塗りたくる。見えてもいないくせに的確に陰核や入り口を刺激する指先に翻弄されて、打ち止めの膝はガクガクと震えた。
ギュッと抱き締める腕に力が入り、白い髪をぐしゃぐしゃと掻き乱す。
「ちゃンと立ってろ」
「っく、…むりっ」
相変わらず子どものように遠慮のない、それでいて妙に丁寧で優しい指使いで、一方通行は打ち止めの一番敏感なところを刺激する。粘性の水音と、甘ったるい嬌声と、荒い吐息が部屋の中に響いて、それがさらに二人の欲を煽った。
「もぉっ、む、りっ…」
腰から下に力が入らない。涙目状態の打ち止めは、シーツの上に座り込んでしまった。頭を抱き締めていた腕もずり落ちて、首の後ろで引っ掛かって止まっていた。
ぼやけるほど近い距離に赤い双眸を認めると、打ち止めはふにゃりとした笑みを残したまま、伸び上がって口付けをした。唇を押し付ける程度のものだったが、彼女は二度三度繰り返して、えへへと笑う。
――しかし、そんな他愛ない行動が、少年の何かに火をつけたらしい。突然押し倒されて、下着を剥ぎ取られた。口付けは噛み付くようだし、挿入は無理矢理身体を割られるような感覚だった。
正直言って、もっとゆっくり且つ優しく扱ってもらわないと、未熟な体躯でセックスにも慣れていない打ち止め的には苦痛で仕方がない。
それでも痛みからあがりそうになる悲鳴を堪えた。覆い被さるようにして抱き潰してくる一方通行が、腰を振り快楽を求める以上に、必死に縋り付いてくるような印象だったから。打ち止めはこちらも腕を伸ばし足を絡めて、べったりと密着する。
自分勝手なだけに見えてその実妙なところで相手に気を遣っているらしい彼は、折々に能力で彼女の痛みを軽減してくれる。そうなれば緩々と快感は積み重なって、交合はより容易にそして深く進んで行った。
ベッドが乱暴な音を立てて軋み、コーヒーの缶はいつの間にか床の上に転り落ちる。
吐精までに、そう時間はかからなかった。
*****
ことが終ったあとも、相変わらず一方通行はぐったりした打ち止めを解放しようとしなかった。
足元に蹴り飛ばされていた布団を引っ張り上げると、汗と体液を気にする様子も見せず、くるりと二人分の身体を包み込んでそのまますぐに眠りの体勢に入ってしまう。
(確かに帰宅したときお疲れの様子だったし、その上更に疲れるようなことをしているから、お休みモードに入りたいのはわかるけど、ってミサカはミサカはちょっぴり複雑な心境に陥ってみる)
打ち止めは一人置いてきぼりのまま困惑していた。こちらとてかなり消耗しているが、こんなにぎゅうぎゅうと力いっぱい抱き締められてはそう簡単に眠りに落ちることはできないというものである。
せめて何があって今日こんなに疲労困憊して帰ってきたのか教えて欲しいところだが、彼が絶対に教えてくれないことは解っている。
それは少し――いや、かなり――寂しいことだが、それが彼の今現在のやり方だというのならば仕方ない。
帰って来たときには笑顔で迎え入れれば良いだけだし、もし迷子になって帰ってこれなくなったようなときは、自分が捜しに行けば良いだけのこと。
そしていつか、今あるようなやり方ではない方法があることを見つけ出して、示すことが出来れば良い、と彼女は思う。それは彼の感情の向け方然り、あるいは世界との関わり方然り。
そう一人で納得して頷くと、既にうつらうつらして半分眠りの世界に旅立っている相手の方に手を伸ばして、打ち止めは子どもをあやすようにその頭をゆっくりと撫でた。
「おやすみなさい、あなた」
「……、」
辛うじて意識が残っていたのか、それとも無意識なのか、仄かに少年は微笑んだ。緩んだ子どものような表情につられて、少女も笑う。
この場に相応しいような子守唄を知らないことだけが、彼女にとって唯一の心残りだった。
おわり。
おまけ。
保護者という二人は外出中で、第一位もいないそんな日だった。一緒に遊ぼうという最終信号の要求を面倒臭いと却下して、番外個体は宛がわれている部屋のベッドの上に寝転んだ。
最終信号の部屋と一応は同室であるが、最終信号自身が人の集るところであるリビングや、慕っている様子を隠そうともしない相手である第一位の部屋に行っていることが多いため、この空間は番外個体一人のものとなる機会も多い。
そういう態度はあの人そっくり、と言ってむくれていた最終信号もいなくなった部屋で、番外個体はぼんやりと思考する。
第一位が『何処に』『何をしに』行ったのか。また厄介な何事かに巻き込まれていたとしたら、自分はこの家の『善人』どもを守らねばいけない。もったいぶらず連絡寄越せ、と番外個体は舌打ちする。
そして何より、彼が直接動くとすれば、暗部あるいはミサカたちクローンに関わりのある問題である可能性が高い。もっと言えば、『最終信号』に関わる問題である可能性がある。
そこまで考えて、番外個体はチリッと胸の奥に痛みが兆したのを感じた。ここ最近になって、ときおり訪れるよく解らない胸の痛み。第一位と最終信号に関する何かがあったり、あるいは考えたりするとき番外個体を襲うソレは、
恐らく既存のプログラムとしてインストールされている憎悪の一種だと彼女自身は分析しているが――どうにもそれで処理しきれないような、不可思議な感覚でもあった。
(ま、どうでもいっか)
その痛みを考えることはやめて、番外個体は周囲の気配に神経を散らす。ぼんやりしていると、玄関が開き、隣の部屋の扉が閉まる音が聞えた。
極力気配を消して音を押さえ込んでいるようだが、部屋の位置の関係上番外個体には丸解りだ。第一位のご帰還である。
そしてほどなくして、軽やかな足音を立てて、最終信号が隣の部屋に入っていくことがネットワーク越しに伝わってきた。どうしたのかな――という最終信号の『心配』という感情に引きずられたのか、番外個体も何となく第一位のことが心配になる。
心配するような相手ではないし、相手も自分に心配される筋合いはないと思っていそうではあるが、そういった感情を抱いてしまったのだから仕方がない。心配なのである。
<どうしたのかな? って<大丈夫? って<お疲れ気味みたいだけど って<何があったのかな? って<寝てる? って<起きてた! って<大丈夫? って
立て続けに流れ込んでくる最終信号の思考のお陰か、番外個体は隣の部屋の様子が、第一位の様子がやたらと気になった。更に言えば、第一位と最終信号が『二人でいる』ということに関しても何故だか知らないが無性に苛立ちを感じる。
己が第一位に憎悪を抱きやすいという性質上、そして第一位が大切にしている存在が最終信号である以上、その両者に関係のあることで苛々するのは当然のこととはいえ、辛抱できるものではない。
そして最終信号がネットワークから離脱してしまったことが、更に番外個体の苛立ちを煽った。その結果か、相変わらず胸は痛むし、モヤモヤと鬱屈した感情が湧き出し続けている。
その感情としばし葛藤した後、もういっそ隣の部屋に殴り込みをかけてやろうかと番外個体は思ったが、第一位にとって最悪のタイミングで飛び込むのがよりベターだろうと判断して、暫く様子を見ることに決めた。
壁際に寄ると、中の様子を窺うかのように耳をすませる。戦闘面に優れた個体である彼女の聴覚の精度は高かった。
――そして漏れ聞えてきたのは、今まで聞いたこともないような、途切れがちにあがる少女の甘ったるい声。
一瞬ギョッとした番外個体は、思わず壁から身を離す。そういった方面に関する知識はゼロではないものの、実際目にしたり耳にしたりする経験のなかった番外個体は、隣の部屋で何が行なわれているのか想像し判断するのに少々の時間を要した。
そして漸くその行為の正体を掴んだとき、番外個体を襲ったのは、自身の様々な感情や思考が溢れ出してくることへの『狼狽』だった。
ヤることヤってんのかよアイツらという『嘲り』や、親御さん面してガキに手ぇ出すのかよという『侮蔑』、コレをネタに第一位をボロクソに出来るという『期待』、
――そして彼女自身理解に苦しむ、第一位への意図の不明な『欲求』、そして最終信号への理由の掴めない『妬み』や『羨望』。方向性のバラバラな思いが乱れて、番外個体は動けなくなる。
しかし、自律的な行動はできないくせに、生理的な衝動は止まらない。会話の声こそ籠っていて拾いにくいが、最終信号があげる嬌声だけは、壁越しであるにも関わらずやけにはっきりと番外個体の耳に届いた。
そしてその音声は、じわりじわりと番外個体の本能を侵食する。
「ううっ、ぁあ…」
足の付け根のあたりがむずむずする。外陰部がひくひくと刺激を求めて震えている。ぺたりと床に座り込んで、カーペットに押し付けるけれど、それでは全く足りなかった。
甘い声が、第一位に抱かれる最終信号の声が、番外個体の頭を滅茶苦茶にかき乱す。
この疼きを鎮める刺激が欲しい。最終信号に成り代わりたい。第一位に――そこまで考えて、番外個体は思考することを放棄した。何が何だかわからなくなって、涙で視界が滲んできた。
甘い悲鳴と何かの軋む音が、ぐちゃぐちゃに壊れたリズムを刻んでいる。そのリズムに合わせて、番外個体は腰を揺らした。足りない。全然足りない。
困ったように辺りを見回して、目に付いたのはすっかり放置されていたピンク色の制汗スプレーの缶。もどかしい思いでそれを手に取って跨ると、番外個体は再び腰を降り始めた。
隣の部屋から漏れて来る音にあわせて、番外個体は必死になって、性器を布越しにスプレー缶に擦りつけた。生まれて初めての感覚に彼女は戸惑っていた。ふわふわとしたような奇妙な感覚の誘惑の前に、止まることができそうにない。
「や、らぁ、はっ、はぁ、あ、あ…ああ、くぅううっ、」
彼女の人生初めての絶頂は、存外呆気なく訪れた。
*****
すっかり脱力してしまった番外個体が、その余韻から冷めて最初に襲ってきた感情もまた、彼女を『混乱』させるものだった。
やり場のない第一位への苛立ちと、それ以上に募る最終信号への鬱屈とした思い。
そして何より、静かになった部屋から出てくる気配の全くない両者に対する、モヤモヤとした、ドス黒い――かといってあのロシアでの感情とはまた違った――名前をつけて定義し辛い感情。
二人のことを考えるだけで、相変わらず胸の奥が軋むように痛んだ。憎悪とは何処かが違う、正体不明の想い。
「…何これ、イミわかんないんだけど……」
番外個体は膝を抱えて一人呟いた。
――その胸に兆した感情の名を、彼女が知るのはもう少し後のこと。
おわり。
以上です。ありがとうございました。
番外→通行止めはジャスティスだと思ってます。そんなわけで頼む誰か書いてくれ…!
ではでは。
>>562 乙
ロリの包容力パネェ
通行止めの打ち止めはたまには少し拒んでもいいんじゃないか、
一通さん落ち込むかもしれんけど
そしてひとりエッチはどんなシチュエーションであっても女の子を可愛く見せる
ってばっちゃが言ってた
>>563 可愛い?
探しに行く勇気さえ、もう無い。もしはまづらを見つけて、その隣に女の子がいたら、多分殺したくなる。だから、信号が来ても布団から出ない。
でも、感じてしまう。今はまづらは誰かとイチャイチャしてるって。
それを私に置き換える。観覧車ではまづらと甘いキス。
はまづらはエッチだから、こうやって胸に手が伸びる。
ダメだよはまづら、そんなに激しくしたら胸の形が変わっちゃう。
枕元の玩具に手を伸ばす。はまづらの事だから、きっとがっついてて激しくする。
スイッチを入れずに前後させる。中を削る感覚が気持ちいい。
でも、ダメ。ある程度までは感じるけどそれ以上、上がっていかない。スイッチを入れても同じ。
はまづらが抱いてくれれば、こんなことしないですむのかな。
仕方なく、側にあったカッターで左腕を切りつける。視界に赤が映ると少し昂る。でも、まだ登れる。
スイッチを切らずに玩具から手を離して、胸を揉む。はまづらがエッチな目で見てた胸を。
少しずつ意識が薄くなるに連れ、やっと高くまでこれた。
はまづら、帰って来てよ。
>>562 乙!
甘々通行止めごちそうさまです
打ち止めは一方さんの一番の理解者であり続けてほしいわ
番外ちゃんは無自覚な片思いに悶々としてる方が萌える
これからは幼女がヒロインだな
そして爆発しろ浜面
>>564 上の方の修羅場話の人か?w
新約で滝壺はまっとうに嫉妬することが分かったしヤンデレの素質はあるで・・・
浜面の周りはヤンデレ素質のある娘ばっかりや…
やっぱりフレメアちゃんが一番可愛い
>>562 GJです
打ち止めはやっぱり一通さんを凄い包容力で包んであげるのがいいよね
あと番外通行の片思いはオリジナルみたいに恋焦がれるのもいいけど本人がずっと恋心を否定してたり無自覚なのもいいよね
一方通行と打ち止めが仲良くしてるのを見ると物凄くイラッとしちゃったり
一緒に何気ない悪態のつきあいをしたり慣れない平和な日常に二人して戸惑ったりするのが楽しかったり
いつの間にか打ち止めの嫉妬パワー関係なしに自分が一通さんを独占したがるような行動をとっちゃってたり
夜寝てるときも自分が一通さんに素直に甘えてすごい幸せな気分になってる夢を見ちゃったり
それはミサカネットワークから流れてくる感情のせいだって自分に言い聞かせて必死に否定するのがいいと思うんだ
そうなると当然恋心だって自覚した後も葛藤は続くわけで
一方通行を殺すためだけに作られた自分が一方通行を好きになるなんてありえないって言い聞かせたり
この恋心もミサカネットワークから受信した感情であって自分のものじゃないんじゃないかって悩んだり
通行止めが恋愛関係として成立してるか否かに関わらず、やっぱり一通さんの一番大事な相手は打ち止めだから
自分じゃまかり間違っても隣にいることなんてできないって勝手に思い悩んじゃったり
ある日とうとう決壊して夜中に一通さんの部屋に来て泣き出しちゃったりしたらもう最高だよね
「最終信号みたいに愛してくれなくてもいいから、せめてミサカの身体だけでも慰めてよ」みたいな
でもやっぱり恋愛感情抜きの相棒的関係の番外通行もいいと思うんだ
通行止めは広く世間に親しまれてるけど、相棒とかパートナーとかのポジションは一通さんにはいないわけで
恋愛関係とかじゃなくて互いにもう悪態つきまくりだけど心の底では繋がってるとかそんな感じのもいいよね
でもそれでエロに発展するなら愛情関係抜きの身体だけの関係になっちゃうのがちょっと辛いかなあ
でもそれはそれで番外個体のキャラに合ってそうで素晴らしいと思うんだよね
…番外通行の妄想がロシア編の頃から止まらないんです
先生、これは病気なんでしょうか…
一方通行が打ち止めと番外個体を一緒に可愛がれば問題なし!
>>562 GJ
聖母降臨キター
一方通行の打ち止めへの愛はすごくドロドロしてそうだ
通行止めに萌えすぎてヤバい。どうしてくれる
>>562 乙乙!!通行止めもいいし片思い番外もいいな〜
>>563 打ち止めはマイルールに一方通行を絶対に拒絶しないというのがあるんじゃないだろうか
自分が一方さんをつなぎとめてる細い糸だってことを自覚してるんだと思う
ただ、エロ的には暴走して傷つける一方さんと拒絶する打ち止めってのも見てみたい
どれほど一方さんが暴走しても、ひたすら受け入れる打ち止めも見たい
>562GJです。
>563
そんなおばあちゃんイヤンw
インデックスと打ち止め、滝壺の精神性は聖女……いや聖母だな
麦×浜 でイイの探してるんだけどオススメない?
浜メアだかメア浜だか良く分からないですが投下します。
カップリング以外特に注意なしです。
ヒーロー。私にとってそれは駒場のお兄ちゃんのことだった。
過去形なのは、ヒーローが帰って来ないから。大体、その空席に座ってくれた人がいる。
浜面、今の私の、ヒーロー。
助け出されて、一番初めてしたことは抱きしめる事。その後で浜面の顔を引き寄せて、唇を重ねた。
脇役だって言ってた。もっと大きなお話を知ってるからかも知れない。駒場のお兄ちゃんが何に負けたのか知らない。お姉ちゃんがどうしてたのかも分からない。
だけど、小さな私の小さなヒーローにはなってくれた。
ヒーローには向いていないと言われた私も、小さなヒロインにならなれるかもしれない。
「ちょ、えっ? 何を、」
見てて笑いそうになるほど、慌ててる。キスくらいで。
大体、それじゃあこの先のこと出来ないよ。
引きつりそうな顔の筋肉に無理やり命令して笑顔を作る。
浜面の手を私の胸に引き寄せる。浜面が変身スーツを着たままなのを思い出す。
「スゴくドキドキしてる。大体、浜面は分からないかも知れないけど」
さらに顔が赤くなり慌てる浜面。今の姿からヒーローなんて言葉は浮かばない。
でも、それで良い。大体、普段からヒーローなら何人もヒロインがいるはずだから。
「初めて、貰って? 私のヒーロー」
浜面に連れられてホテルの一室、みたいな部屋にいる。大きなベッドがあって、壁紙がピンクで。
シャワー浴びてくるように言われた。きっと浜面はベッドに腰掛けてオドオドしてそう。
泡を流しながらベッドの方を向く。大体、私だってどういう場所か想像はついてる。
ボタン一つでバスルームがマジックミラーになることも聞いたことがある。
私の裸を見て、興奮してるならそれで良い。ちょっと受け入れるの辛いかも知れないけど。
バスルームから出るとベッドサイドのスイッチをあれこれ弄る浜面と透けた壁が目に入った。
大体、手持ちぶさたに触って直し方が分からないといったところかな。
「これは、その。見てない、見てないからな」
聞いてる私が申し訳なくなる位の慌て方。本当に情けなくて笑えてくる。
「大体、この後好きなだけ見れるのに」
そう言って浜面が待つベッドに向かう。固まってる浜面にキスする。さっきみたいに触れるだけじゃなくて、舌を絡ませる。
少しして浜面も応じてくる。粘液が絡み合う音がいやらしい。
浜面の肩に手をかけてベッドに倒す。つもりが体を入れ替えられ、私が下になる。
浜面、やる気になってくれたんだ。
凹凸のなだらかな胸に唇をつけられる。舌の感触がこそばゆい。
少しして不思議な感覚に襲われた。大体、浜面がやっている事は、今までと変わらない。それなのに少しずつベッドから浮いて行くような不安定な。
「にゃ、にゃ、にゃ」
声が抑えられない。意識が飛びそう。
浜面と目が合った。妹か何かを見る目じゃない。男の目だ。
ゾクゾクと中から何かが登ってきた。言葉にならない叫び、それを必死にかみ殺す。
浜面がズボンに手をかけようか戸惑っているのが見える。大体、背中を押せば来てくれる。
「最後まで、して欲しい。にゃあ」
媚びていると言われた口癖。大体、それは多少の効果があった裏返し。
ズボンを脱ぎ捨てた浜面が私の蕾にソレをあてがう。まだ躊躇いがあるのか挿入して来ない。
助けに来てくれること以外は頑張って磨かないといけないかも。
「焦らさないで……」
瞳に涙を溜めて浜面を見上げる。直後、身体を引き裂くような痛みに襲われた。
「――――!」
声とは呼べない。高周波みたいな音が口から漏れた。
また、浜面が止まっちゃうか不安だったけど、そんなことなかった。何かに耐えるような表情で震えてる。
試しに腰を動かす。短い呻きを上げる浜面。大体、これじゃあどっちが初めてか分からない。
「ヤバい、ちょっと待ってくれ」
焦りが伝わってくる。
「どうしたの?」
何か問題でもあったのか。
「ゴム、付け忘れた。一回、抜くぞ」
肩すかしを食らった気分になる。大体、私には関係ないし。
しかも、抜こうとして間際で熱いモノを吐き出した。
「わ、わ、わ、悪い!」
ほっとくと土下座しそうな浜面を抱きしめて止める。そのまま耳元で囁く。
「私、まだだから。好きなだけ出して良いよ」
その言葉で何かが切れたのか、手綱の切れた暴れ馬みたいになる。
奥へ浜面が入って来ると、痛みと訳がわからない感覚が混ざって流れ込む。
最奥、赤ちゃんの揺りかごの入り口にノックされると良くわからない感覚の方が強くなる。
水の上に浮かぶような浮遊感。だけじゃない? 身体の中から何かが来る。
「にゃーー!」
声が抑えられなかった。まだ不思議な感覚が残ってる。浜面も短い呻きを上げて欲望を吐き出した。
中に感じる暖かさが、浜面と並べたことを感じる。大体、幸せかも知れない。
疲れたのかいつの間にか寝てしまったみたい。布団をかけてくれたのは優しいけど、ベッドサイドで電話するのはどうかと思う。
相手、女の子みたいだし。
浜面の手から携帯を奪い言葉を発する。
「浜面は、私『だけ』のヒーロー。にゃあ」
自分の口癖が同性にどう思われてるか知ってる。だからこそ使った。
そして携帯のボタンに指をかける。
「大体、浜面はあんな事シた後で他の女の子と電話するなんて……」
浜面はポリポリと頭を掻くと白々しい言葉を言った。
「はいはい、俺が愛してるのはフレメアだけですよ〜。だから携帯返してね〜」
子供扱いに普段なら腹を立てたと思う。でも今は笑みを抑えるので精一杯。
だって、浜面の携帯のスピーカーから震える声で、『大丈夫、はまづらを信じてるから』という言葉が聞こえてきたから。
投下終わります。
メア寝取りだー GJ!
幼女の寝取り…恐ろしい!
GJ
そろそろ黒夜がきてもいいと思う
絹旗とのレズとか・・・
浜メアGJ
黒夜は一方でも浜面でも絹旗でもいけるな
シルバークロース…はどうだろ
>>587 薄い本としてなら、「陵辱に適した駆動鎧」を着て、触手みたいなので……
SSとしては科学サイドに詳しくないと厳しい
>>589 ふと思ったんだがこの巻いてあるの発条包帯だとどうなるんだろう?
駆動の衝撃に耐えられなくておっぱいが無くなる
じゃぁ神裂さんじゅうはっさいのなら衝撃に耐えて破壊力を強化できたりするのかな?
そろそろ女性キャラのスリーサイズを公表してほしいな。
妄想の余地が無くなってしまうのは、それはそれで寂しいけど
それでも俺は知りたいんだ!
超電磁砲のキャラは公表されてるがでたらめな数字っぽい
中学一年でB85とか何の冗談だとw
逆に固法先輩の85とか冗談だろと思った。
>>587 シルバークロースって、そう言えばあれ、男? 女?
ところで話題は変わるけど、フレンダって実はクローンとサイボーグ技術の融合だったりして。
そのオリジナルがフレメアだったりしてね。
後から大量に量産型フレンダが出て来たりして。
小ネタ投下 これと後1レス貰います
ロードサービスの勉強をするたも、本を読んでいると隣の部屋が騒がしい。
麦野は寝てるはずだから、文句を良いに行く。
「うるさいぞ、なにやってるんだ?」
今にも喧嘩しそうなフレメアと絹旗を止める。
「「私の方が、(超)(大体)胸が大きい(です)よね、浜面?」」
ステレオで言われても、
「んな微妙なもん測らないと分からん」
イライラしてたせいで適当な応対なのは仕方ないだろう。
「浜面、はいメジャー」
フレメアに手渡され、戸惑う。
例え服の上から測るにしても男にやらせて良いものなのか。
「って、私は超いやですからね」
ほらな。これが普通の、
「逃げるの? 大体、私は構わないけど」
小憎たらしい笑顔もフレメアがすればかわいいのだが、時と場合にもよる。プライドに火矢を撃ち込まれた絹旗と正直、目を合わせたくない。
結論から言おう、ギリギリ絹旗の方がでかかった。それはともかくなんでたんこぶ作らされたのかね、俺は。測れと言われたからだぞ、たく。
絹旗のキライな食べ物を夕食に出してやろうかと考える。
ちなみに絹旗は胸囲をネタにフレメアをからかっている。精神年齢が近いのか滝壺達といるよりも自然だ。ある意味、良い関係かもな。
「はまづら、うるさい」
愛しの滝壺がベランダから戻って来た。いつも通り、日光浴をしてたのだろうけど……、言うとおりうるさいからな。
「って、俺じゃなくてこいつらに言え」
滝壺は何があったか聞いて来た。いや順番逆だろ。俺はかいつまんで説明する。
「どうやって計ったの?」
説明に困り、フレメアを呼び寄せ実演する。流石に滝壺の前だし、服の上からだけど。
や、やるなら超正確に計れとのお達しですから。と心の中で弁解する。
滝壺が呆れ顔になる。
「はまづら、それチェストの測り方」
強烈なボディブローを頂戴し、ソファーに寝かされている。
ちなみに胸囲は別室で滝壺が測ってる。
トップとアンダーなんて普通の男が知るかよ。
あまりの騒がしさに起きたのか、目をこすりながら麦野が部屋から出てきた。
「はまづら、シャケ弁買ってきて」
第一声がそれかよ。おはよーとかもなしに。
少し待つように頼むと浜面だから仕方ないかとのお言葉を頂いた。自分で買いに行っても良いと思うぞ。
二人して無言だと気まずいからさっきまでの出来事を話すとおかしそうに笑った。
「ある意味合ってるわ、それ」
どういうことか問いかけると、チェストは男の胸、『ではなく』平らな胸という意味らしい。
笑いそうになるのをこらえる。何故かって? 滝壺に睨まれてるから。
「はまづら」
名前を呼ばれ、正座いや土下座しそうになる。
「は、はい」
悪いこと、してないよな。
「きぬはたの胸、どうだった?」
こういう時、下手な嘘をつくのは三流だ。やましい事はないんだから正直に答えれば良い。
「膨らみかけでも柔らかいんだ、な……」
あの、滝壺さん? 何で急に冷凍イカみたいな目に?
「浜面、超殺します!」
その言葉を聞いた俺は走り出す。
「シャケ弁買ってくる!」
ありがとう麦野。最高の助け舟を着岸させててくれて。
「詳しいね。流石、おばさん。にゃあ」
あ、帰って来ても部屋があると良いな。
600 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 01:44:40.64 ID:Nui6wUUb
すみません、
×勉強をするたも
↓
○勉強をするため
です失礼しました。
>「詳しいね。流石、おばさん。にゃあ」
フレ メア になっちゃうよーw
小ネタGJwwww
いつになったら画像張る馬鹿はいなくなるのやら
いまさ、まとめ系のサイトで御坂が上条さんの実妹の設定で
母親のかわりに授業参観に行く話をみてたんだが
まぁお決まりの学校で生徒にフラグ立て、妹はヤキモチみたいな話だったんだ
でもさ、考えれば生徒もそうだけど、授業後の保護者だけの会合があるなら
そこにいる母親や先生にもフラグ立つ可能性は十分あるよな…
スルーしてたんだから触れるなよ
浜滝のイチャイチャえろいのが見たい
土御門×舞夏のガチエロが…
読みたいです。上条さんの部屋に声が漏れない様に必死で我慢する舞夏&判った上で攻めまくる微S土御門
みたいな。
>>611 一方隣では上条さんとインさんが同じことをやっていた
>>612 イン「とうまったら、気持ちいいなら声ガマンしなくてもいいのに…でもそんな所が可愛いんだよ」
>>613 話術サイドだけあって声大きいんだろうなぁ上やん
>>611 何という俺得。
しかしそのテの話は無駄に前戯が長いイメージがある
どこまでやれるかつっちー
そしてどこまで堪えられるか舞夏
>>614 話術サイドという事はオルソラさんも…ゴクリ。
オルソラはSかMか
>>618 そしてナチュラルに3Pを連想するエロ思考、
さらにねーちんともタメを張れるエロボディ、
無敵やね・・・
>>619 アニェーゼ部隊にボコられてたわりにケロッとしてたので案外頑丈、
ということは・・・
アニェーゼが上条さんに説教されてるのを見て
「私も罵倒されたいのでございます。あなた様に説教されるのを想像するだけで濡れてしまいます」
いや、アニメは全年齢推奨だから、何だか軽傷に見えたが
実際にはもっと手酷くダメージを受けている
修道服なんかあちこち引きちぎられてビリビリだし、
顔を傷つけない分だけ身体をフルボッコしているから
全身の青あざと内出血の量がとんでもないことになってたし・・・
リョナ志向の人なら再現してくれるかもしんない
エロというよりグロだな
一方さんは絶対リョナ嗜好あると思うんだ
打ち止めとかには絶対やらないだろうけど、犯しながら首絞めたりとかしそう
一方×番外のお仕置きプレイはまだですか?
嫌がらせでエロい悪戯した番外が、キレた一方さんに色々教え込まれてしまいます。肉体的に。
投下
・エロなし
・微グロ?
・微鬱
人を選びますので、苦手な方はNGお願いします。
滝壺に料理をご馳走してくれると言われれば否が応でもテンションが上がる。きっと『好き』だからとも言われたし。
まあ、その前のデートのお誘いからしてテンションは限界ギリギリだけどな。滝壺って、あんまり趣味とかないのか一緒にいるけど何をしようとか誘っては来なかったからな。
待ち合わせ場所で、テンションが限界を超えた。
清楚な滝壺にピッタリの白ワンピ。アクセントの黄色いリボンも眩しい。
以前のデートでジャージだったことから考えれば、テンションドン、さらにドンだ。
「行こう、はまづら」
自然に腕を組んで来る滝壺に、俺、彼氏名乗って良いかもと思えた。
初めは映画館に向かった。この後を考えてショートフィルムだ。
絹旗と違い有名なのをチョイスしたらしく無難に面白い。こういう奇をてらわない恋愛ものも良い。というかカップルで見るならこういうのだな、うん。
当たり外れが激しいのは『友達』と見るのがベストだ。
その後は遊園地に向かった。途中で小腹が空いたのが滝壺にバレてクレープを食べた。
滝壺の手料理に比べれば、と思いたいが時折食べさせ合うのは良かった。俺たち幸せですって叫びたい位に。
特に恥ずかしそうに「あ〜ん」と言う滝壺は映像に残したいくらいだ。
遊園地ではメリーゴーランドに二人で乗り、その後俺だけ降りて写真に撮った。笑顔の滝壺の写真をパネルにしたら引かれるか本気で考えてる。
まあ、一緒に乗った時の背中に感じた膨らみ、もとい暖かさだけで十分幸せだから気にしないことにしよう。
お化け屋敷では、なんとなくそわそわする滝壺がかわいかった。きゃーとか言うのも悪くないが、滝壺にはこっちの方が似合う。
ちなみにフレメアは鼻で笑いやがったからな、このお化け屋敷。自分で入りたいって言っときながら。
観覧車も滝壺と乗るのが初めてだ。フレメアは絶叫三昧で『妹』に振り回される感じだったからな。
「綺麗だな」
それが窓の夕日か、それとも微笑む滝壺かは定かではない。
ただ、にこやかな滝壺を見ればどちらでも良いか、と思えた。
「大分遅いけど平気か?」
手料理は楽しみだけど、少々不安になる。
「うん準備は出来てるから」
滝壺の部屋に行くと何故か炊飯器が三台稼働していた。
滝壺は鍋に火を入れスープを温め、冷蔵庫から野菜を取り出してサラダを作る。
それらを並べ終わった後、炊飯器を開ける。中からは煮込みハンバーグが良い匂いを漂わせる。だから、大丈夫か。確かに下拵えして味付け整えればタイマーと保温使えるからな。
エプロン姿が見れないのは残念だけどうまそうで何よりだ。アイテム時代、多忙なだけにちょっと不安だったりしたんだよな。
アイテムの一人は汚エプって感じだったしな。白いエプロン台無しだは、臭いだけで吐き気するし。命が惜しいから食べたけどな。
「ご飯はこれくらいで平気?」
小さめのお茶碗にこんもりとよそわれる。頷いて、まずはスープを一口。基本に忠実なコンソメスープは普通にうまい。
取り分けられたハンバーグを箸で割れば、中まで染みてて食欲をそそる。
一口、頬張って慌ててご飯を掻き込む。紙一重何か違えば究極っぽい味が口に広がったんだ。
そんな俺を見て滝壺は、すまなそうにすると。
「やっぱり外国産はダメだね」
と言って、もう一つの炊飯器からハンバーグを取り分ける。こっちが学園都市産か。
滝壺が立ち上がるのを見て、どうしたのかと聞く。
「エプロン姿見たかったんでしょ?」
その後、食べててと言われたため新しく配られた方を口にする。
やっぱり、究極と紙一重の味がした。いや煮込み方は悪くなさそうだし、原因に悩む。汁を舐めたところ普通に美味いし。
悩んでるうちに滝壺が戻って来た。裸エプロンで! 手にはフライパンという男の夢で!
いや、落ち着け浜面。水着エプロンの可能性が七割だ。あるいは下着エプロンがほぼ三割。
前から見れば桃源郷だけどな。
「あれ、はまづら嫌いだった?」
あまり減ってないハンバーグを見て、そう言われた。
「いや、せっかくだから味わってたんだ」
滝壺は嬉しそうに微笑んでくれた。その笑顔のためなら俺は明日、トイレの住人になっても構わない。
「良かった、やっぱり『きぬはた』好きだよね」
その言葉が脳に届く前に、滝壺の言葉が紡がれた。
「後はこれでビンタでもすれば良いのかな? はーまづらー?」
投下終了します
封神を思いだした
え‥
そうか、3台‥
きねはたむぎの(学園都市産)フレメア(外国産)か
外国産ww
鬱というよりホラーの類いだとおもふ
そして冷蔵庫に常識は通用しない
打ち止めとお風呂に入っていたら番外個体も乱入してこないかなー
めちゃくちゃ甘い通行止めが読みたい
人目を気にしないでイチャイチャしてほしい
>>637 同意。
本人は表面に出してないつもりでも打ち止めにデレ丸出しな一方さんが
見てみたいんだぜ
てか、通行止めといったら一緒にお風呂だと思うんだけど、お風呂エロパロ
ってまだないよな
なかったはず。さぁだれか書くんだ
お風呂ネタは幻想止めが先にしてたな
ふ…風呂でいたしてしまうんですか??
それとも打ち止めが一方さんジュニア目撃しちゃって色々とエロいことに?
それは股間が熱くなる。
641 :
潤:2011/03/30(水) 00:14:13.37 ID:KN/QuGn9
二年前ぐらいに通行止めお風呂エロ書こうとしたものの、ネタに詰まって頓挫した黒歴史
こんばんは。かつて通行止め口調ガイドラインを投下して全方位から「バカじゃねーの!」とツッコミを頂いた者です。
シリーズ連載の続きも書き上がらないままコテハンを付けてしまって良いものか迷いましたが、新刊が出るたびに
かまちーによってコロコロと口調ルールが塗り替えられてしまうため、今日はガイドラインの書き換えに参りました。
これからは、新口調ルールの判明や、自分が書き忘れていた口調ルールがある程度まとまってきた毎に、
かつてのガイドラインに付属させていく形で改訂版ミニガイドラインを投下していこうかと検討中です。
誰得だと言われたらそれまでなのですが、こうなったらもう自己満足に他ならないので……すみませんがお付き合い願います。
「『通行止め口調ガイドライン』追加・変更事項(新約1巻現在)」
●一方通行
@二人称:原作では一貫して「オマエ」。ただしアニメ版や超電磁砲では「テメェ」発言も多い(恐らくは
スタッフ側が口調を把握しきれていないため)。
A一方通行独特のカタカナ変換口調は、原作にて彼の演算パターンに起因したものであると示唆された。
『暗闇の五月計画』にて一方通行の演算パターンの一部を埋め込まれた黒夜や絹旗が、能力使用時に
一方通行と似た口調になっている。
B打ち止めのことをそのまま名前で「打ち止め」と呼ぶことは、原作では殆ど無い。
……が、アニメ版では判りやすさの点での都合上か、割と頻繁に名前呼びしている。
●打ち止め
@黄泉川と芳川のことは名字をカタカナ表記で呼ぶ(例:「ヨミカワ」「ヨシカワ」)が、15巻ではさり気なく
初春のことを「初春のお姉ちゃん」と呼んでいたため、一定の法則があるのかどうかはまだ不明。
A一方通行のことは殆ど「あなた」「あの人」としか呼ばない。
唯一、原作の本編でそれ以外の呼び名を確認できたのは原作5巻での一場面のみ。
だが、番外編を含めれば、はいむらーの画集に寄稿された『ラブレター争奪戦』で、ミサカネットワーク内での発言で
彼のことを「一方通行」と呼んでいた。
しかしこれも、読者側あるいは妹達の混乱を避けるためにあえて上条との差別化を図った結果だという見方も
可能であるため、口調法則に新しく組み込むべきかは迷うところである。
●芳川桔梗
@一人称:旧約では「わたし」だったが、新約にて「私」に変化
A二人称:旧約では「貴方」「貴女」「キミ」を相手の年齢・性別に応じて使い分けていたが、新約では「貴女」が「あなた」に変化
B↑この通り、一人称・二人称が旧約と新約1巻で違うため、時系列を気遣いたい職人様方は使い分けても
いいかもしれない。
しかし、新約での変化は九分九厘かまちーが彼女の口調を忘れているだけなので、恐らくは旧約の方が
スタンダードな芳川の口調である。
C二次創作限定のif設定かと思われていた黄泉川家への居候の件は、どうやら公式設定になったらしいことが
新約1巻で明らかとなった。
●番外個体
@一方通行のことは「第一位」と呼ぶことが殆どだったが、新約1巻では脳内で一度「一方通行」と呼んでいた。
以上です。
何かご指摘がありましたらよろしくお願いします。
>>641 わかりやすいガイドライン乙!
前のやつも創作する時重宝してたよ
頓挫したというお風呂エロがめちゃくちゃ気になるんだが・・・
>>641 乙!お風呂エロ読みたいよ読みたいよ期待
>>641 ありがとうございます!!ガイドライン本当に重宝しています!!
お風呂ネタかー。普通に一緒に入ってるからあんまりエロ展開ってイメージがないんだけど、
一通さんが打ち止めがちゃんと洗えてないのをみかねて洗ってやってたら、項とかつうってなってビクビクした反応するのが面白くてちょっかいかけまくるとか?
あと昨今肌は優しく洗うべし!!って風潮があるらしいから、泡立てたソープと手で洗うと良いらしいということで実行する通行止めとか?
…なんか発想が貧困でごめん。
いっそお風呂でこっそり自己処理してるところに打ち止めがきちゃったよ!!どォしよう俺死にてェみたいなネタを一発書いときゃ良かった
>>645 もうなんでもいい書くんだ書くしかねえよ
上条さんもそうだけど女の子と同棲してると処理場ってお風呂かトイレしかないよな
でも風呂でアレすると匂いが溜まったり排水溝に濃いのがドロッて残ったりするんだよな…
黄泉川マンションは4LDKだから一通さんは自分の部屋でどうにかできるかもしれないけど
そういえば上条さんがするときのオカズ使用率って誰が一番高いんだろうか
オルソラさんやねーちんあたりの巨乳組が高そうだけど意外とインデックスや御坂妹も使ってそう
ただしインデックスを妄想の中で汚した後はすごい自己嫌悪に陥りそうだけど
御坂さんは…殆ど性的な目で見てないだろうから使ってないだろうな
かみやん成分が足らなさすぎる
意外にアニェーゼ使ってそう
>>648 直にカラダ見ちゃったオルソラアニェインデックスあたりはガチだろうな
自分の経験上だが、吹寄みたいな距離感の女の子は見ちゃった記憶はあっても気まずさが勝っておかずにし辛い…
いっそ舞夏あたりおかずにして背徳感を味わってる上条さん、とかもありかも知れん。
まあ壁一枚挟んだ向こうじゃ実物がにゃんにゃんしてる訳だが…
>>645 ぜひ気まずさ満点な一方さんと興味津々な打ち止めが見たい
>>648 一緒に住んでるんだし、想像しやすさはインデックスが一番だと思う、罪悪感半端ないだろうけど
で、就寝時のオナニーで、喘ぎ声と一緒に「インデックス」って口走っちゃって、それを聞いたインデックスが心配して「とうま、どうしたの!?」とノックする
ありきたりだが、そんなシチュエーション大好きです
久々にエロ書こうとしてみたが、やっぱりあれな
語尾や口調キープしたままアンアン言わすの物凄え難しいな。玉砕した。
ローラくらい極端だったらまだいいんだが、舞夏ねーちん五和あたりはすぐにキャラ原形留めなくなるぞ…
何かこうコツみたいなもんないかねぇ
ガイドラインっつーほどカチカチなものじゃなくてもちょっと「ここ押さえとけばおk」みたいなもんがあればやりやすいのに。
>>654 参考になるかわからんが、俺的ガイドライン作ると
舞夏
・職業意識は高い。いわゆる「媚び」とか「萌え」の類は嫌い
・性格は軽い。シリアスを好まず、気軽でおちゃらけを常に意識する
・自身の腕に誇りを持っているので、家庭的スキルにおいて絶対に負けを認めない
・性癖においてやや倒錯したところがあり、割とガチで義兄を受け入れてると思しき描写がある
神裂
・真面目で融通が利かない。職務に忠実で機械的に遂行する
・義理堅く、受けた恩は忘れない。多愛無い瑣事でも「借り」として背負い込む
・エロに関しての知識は全くの皆無。小学生並みに等しい
・常に自身の内に「迷い」を抱えてる人なので、迷わない上条さんの姿勢に憧れを持つ
五和
・優等生キャラで思い込みが激しい。こうと決めたら周りが見えずに驀進して自爆する
・基本的に奥手。本人に進展したい意志はあるが、絶対に自分から切り出せないタイプ
・自身の魅力とかにまるで気付いていない原石美人。自分をドンくさいおミソだと思っている
・上条さんを「何でも出来るヒーロー」と思い込んでいたが、「力無き高校生」と認識を改め、
だからこそ自分が守らなくちゃダメなのだとより執着を強くする
こんなカンジになる。
てs
657 :
潤:2011/04/01(金) 00:02:50.07 ID:nlssawqn
>>655 超乙です!
・一方通行×打ち止め小ネタ
・タイトル『バスタイム戦線異常アリ』
・スレ内でのお風呂の話題を拝見して、二年前作った下書きに急遽肉付けしたブツ
・4レス
†††
始まりは、いつも通りの他愛ない会話の応酬の中で小さな少女が口走った、とある発言だった。
「みっミサカだってあなたを誘惑することぐらい出来るもん! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」
と、バスタブの中で喚いた打ち止めの言葉を適当に聞き流していた結果、一方通行を待っていたのは、
打ち止めプレゼンツのグダグダなお色気作戦であった。
具体的な内容を反芻するとあまりにも馬鹿馬鹿しすぎてため息しか出ない一方通行なのだが、要するに、
打ち止めが彼の前でもじもじしながら身体に巻いていたバスタオルを外してみたり、背中に抱きついて直接
素肌にささやかな胸を押し付けてみたり、その体勢のまま『今時幼稚園児の方がまだ過激なんじゃないの?』
というレベルのセクシー(笑)な誘い文句を耳元で囁いてきたり(直後、打ち止め本人が羞恥で倒れかけた)、
まぁ色々アホ臭い行為の対象にされたのである。
当然そんなガキの浅知恵で簡単にサカる程一方通行は落ちぶれていない訳で――現在は、バスルームの中、
至極迷惑そうな顔でバスタブの縁に腰掛ける彼の膝の上にちょこんと乗っかった全裸の少女が、泣きそうに
なりながら文句を垂れている最中だった。
「ううう……あなたが冷めすぎてるのかミサカに色気が足りないのかどっちなんだろう、ってミサカはミサカは
恥ずかしい気持ちを抑えながらもほぼぺったんこに近いおっぱいを一生懸命寄せつつ問いかけてみる……」
なおも懲りない打ち止めは、石鹸の泡まみれになった胸を両腕で挟み込んで、無理矢理作成した谷間を
必死になってアピールしている。
しかし彼女は今よほど胸に集中しているのか、体重をかけた一方通行の太腿に自分の脚が絡んでいることには
ほとんど意識が行っていないようだった。
いい加減飽きが回ってきた一方通行は、打ち止めを乗せた方の脚を軽く揺らして催促する。
「気が済ンだならさっさと降りろ。大体、ンなアホ丸出しの誘惑で釣られるヤツなンざ居る訳――」
「ひゃっ、ぁ……!?」
すると、突然甲高い悲鳴が上がり、打ち止めの身体がびくりと跳ねた。
「……あ?」
「や、嫌ぁっ、動かしちゃ駄目、ってミサカはミサカは言ってるのに……、はうう」
たちまち彼女の肌は赤く色づき、ぞくぞくと震える。小さな呼吸音がやたらと忙しなく繰り返された。
一瞬怪訝に思った一方通行だったが、すぐに合点がいった。
石鹸でぬるぬるとした肌と秘所とが擦れ合い、彼女にとって快い刺激となっているらしい。
ソープの感触がご趣味なのは中年男だけではないようだ。無意識の行動なのだろうが、打ち止めは少しずつ
自分から腰を揺らしだしていた。
くちゅくちゅと摩擦に伴って響き出す扇情的な音に、ようやく一方通行の関心が首をもたげてくる。
「……発情期の犬かよ」
「違……、どうしよう、やだ……頭が、ふわふわして、なんにも考えられないの、ってミサカはミサカは、んぁ」
呂律が回らなくなってきた舌で、それでもいじらしく言葉を紡ぐ打ち止め。
その甘ったるい声音には、ある意味裸よりもよっぽどそそられるものがあるのだが、その事実に幼い少女は
果たして気付いているのだろうか。
これを無自覚でやっているのなら、それだけでこのクソガキは相当に悩ましい存在である。
悔しいが、彼は今見事に釣られてしまったということだ。
「……そのまま自分で、最後までシてみるか?」
「っ……、やだ、嫌だよ、ってミサカはミサカは、首を横に振ってみたり……、」
立ち上がろうとしても震える足に力が入らずに、ぬるりと滑るタイルに体重を移すこともままならない。
身体を動かす度に、太腿が脚の付け根に三角木馬の要領で食い込んでいく。逃げることなど到底出来なかった。
もどかしい性感の欠片だけが体内をぐるぐると巡り、少女を衝き動かす。
「……あなたに、触ってもらわなきゃ、駄目なんだもん、って、ミサカはミサカはっ、本音を打ち明けてみる」
決壊したダムのように溢れた言葉と共に、伏せられた瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
「――、」
……一方通行の口からこんな台詞を言うことなど、天地がひっくり返っても有り得ない話だが。
よくできました、とでも囁くように、打ち止めの身体が強く引き上げられた。
658 :
潤:2011/04/01(金) 00:03:15.45 ID:nlssawqn
「きゃ、……!?」
慣性の法則に従い湯船へと落ちそうになる小さな身体は、一方通行の細い腕に支えられた。
必然的に直接触れ合うこととなる異性の体つきに少々どぎまぎとしてしまう打ち止めだが、それ以前に
自分が裸であることを思い出して、今更ながら恥ずかしさで死にそうになる。
「あ、あの、」
「今頃になって取り消しは利かねェからな。せいぜい腹ァ括りやがれ」
いつもよりも低い一方通行の声がバスルームに反響し、少女の耳孔に流し込まれる。
眩暈すら感じはじめた打ち止めをさらに追い詰めたのは、弱い箇所を容赦なく攻めたてる指先だった。
薄い胸をゆっくりと撫でていく掌の感触にはまだ耐えられた。が、既に一方通行を求めてひくつく秘裂に
入り込んでくる指を拒む手段を、彼女が知っている筈も無い。
「うにゃっ、ぁあああああ! ぁ、ふ……っ、あ、く……」
もはや立っていることも不可能だった。がくがくと膝が震え、一方通行の肩にしがみついて堪え続ける。
その様子を見た彼は、力の抜けた打ち止めを一旦抱き上げ、真っ白なバスタブの縁に横たわらせた。
背中は辛うじて壁にもたれているものの、不安定な場所に寝かされたことに変わりはない。全身を緊張で
強ばらせる少女だったが、一方通行は気にせずその身体を組み敷く。
「っ……は、ぁ……、なに、してるの……? って、ミサカは、ミサカは」
「黙ってろ」
短く命令した直後、彼はその舌をも使って打ち止めへの愛撫を再開した。
鎖骨、胸の中心、腹の順番で生温い感触が伝っていく。自分一人では決して得ることのできない心地好さに
小さく身震いをした打ち止め。
が、その優しい刺激は、秘部に辿り着いた瞬間から拷問のように激しい奔流へと変貌する。
「――っ、やぁあああああっ! ん、ひぁ……やだあ、そんなとこ、汚いよ、ってミサカは、ミサカは……っ」
「……黙れっつったろ」
脚を強引に押さえつけ、広げられた粘膜をねっとりと這いずる熱に、がたがたとつま先が跳ねた。
泡と体液にまみれた箇所がさらに掻き混ぜられる。下腹部を擽る白い髪の感触に改めて現状を思い知らされ、
惨めさと快感が交じり合い、打ち止めの視界を滲ませる。
しかし一方通行の方はというと、その行為への嫌悪ではなく、香りに反して苦い石鹸の味に顔をしかめていた。
「……お世辞にも美味いモンじゃねェな」
「あっ、当たり、前……だよ、って、ミサカは、ミサカは、息も絶え絶えで、文句を言ってみる……!」
粘性のある光を帯びた白い指をぺろりと舐め取る一方通行の顔を垣間見るだけでも、打ち止めは全身の血が
沸騰しそうな程の羞恥を感じているというのに、感想まで語られてしまってはもう確信犯以外の何物でもない。
恨めしげな彼女の視線を涼しい顔で受け流し、一方通行は壁に掛かっていたシャワーに手を伸ばす。
蛇口を捻り、流れるお湯が適温であるかどうかを手早く確かめた後、打ち止めの小さな身体に水流を浴びせた。
柔らかな肌に纏わりついていた大量の泡が流され、排水口に呑み込まれていく。浴槽にまで汚れたお湯が
流れ込んでしまったが、どうせ今日はもう誰も風呂に入らないため特に問題ないだろう。
「泡、流しちゃうの? って、ミサカはミサカは、尋ねてみる……」
「あン? そンなにドロッドロのままヤりたかったのか」
エロガキ、と鼻で笑ってやると、幼い少女は泣きじゃくりながら怒声を浴びせてきた。
「ばっ馬鹿馬鹿!! タガが外れたあなたの意地悪っぷりは異常だっ! ってミサカはミサカは……はひゃ!?」
「風呂場で叫ンでンじゃねェよ」
「ふあ、だって……やだ、さわり方がっ……えっちなんだもん、にゃ、それやだぁ……っ!」
石鹸の粘りを取り去るため背中やうなじを撫で回す手の感触にすら、彼女は勝手に性感を見いだして
容易く反応を見せる。息つく暇もなく官能に悶える様子を見るに、感じやすい体質なのも考えもののようだ。
659 :
潤:2011/04/01(金) 00:03:45.65 ID:nlssawqn
「……難儀なカラダしてンなァ、オマエ」
「それ、どういうこと……ってミサカは、ミサ、――っ!!?」
打ち止めの喉から、声にならない悲鳴が上がった。
手にしていたシャワーのヘッドを、愛液にまみれて震える秘所に直接押し当てられたからだ。
角張った硬い無機物の重圧と、そこから止め処なく放たれる熱い水流が、過敏になった蕾を打つ。
恥部だけでなく最奥の窄まりにまでも加減を付けずに叩きつけられる圧倒的な水量は、肌の隙間から
噴水のように溢れ出し、二人の顔にまで飛びかかってくる。
「はにゃ、ああああああっ!? や、んぁああっ……やだ、待ってえ……! い、やぁ……あああ!」
水飛沫の音をかき消すように、打ち止めの鳴き声がバスルームの壁に反響した。
マンション中に響き渡るのではないだろうかという大声に危機感を煽られた一方通行は、性急な動きで
小さな少女の唇を塞ぎ込む。
舌を絡め取って余計な言葉を紡がせないようにしながら、持ち手の角で過敏な部位に繰り返し刺激を与える。
同時に、余った指を秘唇の間に入り込ませ、膣内を掻き出すようにゆっくりと挿し抜きを繰り返した。
一方通行の首に強くしがみつき、体内で暴れる熱を逃がそうと足掻いていた打ち止めだったが、その限界は
あっけなく訪れることとなる。
「――……ぁ……っッッ!!」
くぐもった悲鳴を奏でながら、鞭で打たれたかのように全身が一際大きく跳ねあがった。
途端にバランスを崩し、バスタブへと落ちそうになった少女の身体を、一方通行が咄嗟に支えて勢いを殺す。
彼の手を借りて何とか浴槽から這い出そうとする打ち止めは、達した直後でろくに瞳の焦点も合わない
状態のまま、それでも細い肩を上下させて、足りない酸素を懸命に補う。
「……はあっ、はぁ、……はっ……、」
一方通行はその上半身を水中から引き上げ呼吸を確保してやりながら、努めて平坦な口調で問う。
「イイ加減満足しただろ。つまンねェ遊びはこれで終わりだ」
「っ、」
弾かれたように顔を上げ、それからふるふると首を横に振った幼い少女。
瞬いた瞼から透明な水滴を零し、打ち止めは途切れ途切れの声で呟いた。
「……ミサカ、誘惑に成功したんだもん。あなたから、ご褒美をもらって、然るべきなんだから、って、
ミサカはミサカは、真っ直ぐに宣言してみる」
「……、」
ご褒美と来たか、と苦々しい表情でため息をつく一方通行。
実際のところ、未発達な彼女の身体では、最後まで致した結果一番辛い思いをするのは打ち止めの方に
決まっている。が、それでも彼女は度々こうして一方通行との情事を望むのだ。
本人曰わく、キモチイイのとは違うところにその行為の価値はあるのだそうだが――その痛みを体感する
ことも出来ない彼には、多分一生理解できない代物である。
一方通行は縁に腰掛けたまま、浴槽に足を浸けるような体勢に変わると、その両膝の上に打ち止めの
華奢な身体を持ち上げた。
打ち止めの素肌から滴り落ちる温いお湯が、バシャバシャと音を立てて彼の全身を濡らしていく。
彼女の脚を掴み、一方通行の胴を挟む形で、バスタブとは反対側のタイルに両足の先を付けさせた。
いわゆる向かい合わせの体位に、打ち止めは戸惑うように両目を見開く。
「え、あ、」
「……こンな狭い場所に寝転がれるスペースなンざある訳ねェだろ。そのまま腰落とせ」
わずかに浮かせた秘唇に昂ぶった先端を当てがい、打ち止めを誘導する。
両手で腰を掴んで位置を調節してやると、彼女は酷く狼狽えた様子だったが、やがて唇を強く噛み締めて、
そろそろと慎重な動きで重心を下ろしていった。
入り口を捏ねるように圧迫する自身の切っ先に、最初はいくらか快い感触を得た打ち止めだが、亀頭が膣内に
捻り込まれると、その表情は次第に苦悶のそれへと変化していく。
「――っ……あああああああぁ!!」
くわえ込まれた彼自身が、重力に従ってゆっくりと、だが深く深く打ち止めの中心を貫いた。
いつまでも異物に慣れてくれない秘部が引き起こす激痛と、その痛みの中に僅かに混ぜられた快楽の片鱗に
翻弄され、少女はボロボロと涙を零す。
一度中断しようにも、身体は勝手に一方通行を呑み込む。
内壁と自身とが擦れあう度に、彼の熱量があらゆる内臓を押し上げていく異様な心地がした。
660 :
潤:2011/04/01(金) 00:04:12.12 ID:S0+Mg0ii
互いの性感を探り当てるように、腰が細かく揺さぶられる。
打ち止め側に引き起こされる新たな痛みも相当なものだが、彼女はそれを拒まなかった。
対面する彼の肩を両手で握りしめ、律動に振り落とされそうになる身体を必死になって安定させようとする。
滑りそうになる狭い足場の中、一方通行は彼女の身体を抱き留めながら、少しずつ繋がりを深めていく。
「は、……っ」
不慣れな体勢は彼にとってもそれなりの苦痛を伴った。奥歯を強く噛み、漏れ出しそうになる呻き声を堪える。
苦しそうに俯く一方通行の表情を見付け、自分も十分に切羽詰まっている状況だというのに、それでもなお
瞳に心配そうな色を浮かべる幼い少女。
水滴をまとい赤く火照った肌が眼前に迫り、必要以上の欲情を煽られそうになる。
それを振り切るように、一方通行は彼女の内部を慎重に押し広げていった。
「あ、んぁあああ……っ!」
先端が奥のイイ箇所に触れ、打ち止めの声が段々と甘ったるく上擦ってくる。
つい先ほど達したばかりで敏感になっていた身体は、思いのほか酷く反応した。
ぞくん、と背筋が震え上がり、同時に膣穴が一方通行の形を強く締めあげる。
「ッ……、」
その瞬間に吐精を免れたのは奇跡でしかなかった。
思わず息を詰まらせた一方通行の首筋に顔をうずめ、打ち止めが吐息混じりに囁きかけてくる。
「や……中で、おっきく、しないで、って、ミサカ、は、ミサカは……懇願して――はひゃあっ!?」
「……その口にも一発ブチ込ンでやろォかクソガキ」
掠れた声で脅しながら、奥底を抉るように一気に突き上げた。
力任せに自身を押し込める度に、打ち止めの唇から意味の無い悲鳴が溢れる。
一度洗浄された膣内から再び愛液が分泌しだし、少しずつ潤滑を容易にしていく。
重なり合った身体がガクガクと暴れ、縁に引っ掛けていたシャワーのヘッドをタイルへ落下させた。
蛇口から出しっぱなしになった水の音も、肩の肌を甘噛みされる鈍痛も気に留めず、彼はただ打ち止めの
小さな身体を折れる程乱暴に抱く。
少しでも優しく、という殊勝な心掛けはとっくに吹き飛んでしまっていた。
それでも、まだ頭のどこか片隅で、打ち止めを苦しめてばかりいるクソったれな現状をなじる自分自身の声が
響いているのだが――自分がここまで彼女に執着する理由も、彼女がそれを望む理由も、根底にある感情は
同じモノであるということに、まだ一方通行は気付けていないのかもしれない。
焦燥に灼かれるような一方通行からのストロークの繰り返しに何度も何度も追い詰められた打ち止めは、
一際強く奥を穿った一撃に、ついに自我を飛ばされた。
「ッ、ああぁああああああ……!!」
濡れた肌を粟立たせ、声の反響も忘れて細い悲鳴を発する。
くずおれそうになる華奢な肢体を引き止めながら、一方通行は熱の奔流を彼女の中に注ぎ込んだ。
†††
直後のぼせてぶっ倒れ、翌日には高熱でまたぶっ倒れた。
一体誰がと聞かれれば、もちろん一方通行の方である。
「ったく、どんだけ風呂場で遊んでたじゃんよー? なんか打ち止めの方も調子悪そうだし、あんまり
小さい子に無理させんなじゃん。ま、どういう訳か一番重傷なのは君みたいだけど」
「……」
ベッドの中、眠り姫よろしくのスタイルで横たわり、黄泉川の小言を舌打ちして聞き流す一方通行の額に、
一切絞っていないビシャビシャの濡れタオルが投げつけられる。
枕元に立ち、掌にまとわりついた水滴をパッパと振り払う番外個体はニヤニヤとした笑みで、
「冷たくてキモチイイでちゅかー親御さん? つーか、のぼせて再起不能とかミサカを笑い死にさせる気だよね」
「……黙れ。その甲高けェ声が頭に響くンだよクソったれ」
「あーあーつれないねぇ。少しはミサカの無駄話にも付き合うぐらいの優しさを見せなさいな」
熱はもう下がったかなーってミサカはミサカは、などと部屋中をチョコマカ駆け回る打ち止めを尻目に、
アオザイ少女は吐息がかかるほど近くに顔を寄せてくると、一方通行の耳元にこんなことを語りかける。
「……あなた達がどんなにヤりまくろうがミサカの知った事じゃないけどさ。ちっとは自重しないと、
バレた時に恥ずかしい思いを味わうのはオンナノコの方だよ。保護者たち酔いつぶれてて本当に良かったね」
まぁ口封じにそのうちミサカの身体も相手してねん♪ とウインクする番外個体のほっぺたに、次の瞬間
学園都市最強の超能力者が放つ教育指導という名の全力ビンタが襲いかかっていた。
END
>>657 GJ 打ち止め可愛すぎ一通さん可愛すぎ
お風呂きたー!
桜降る夜の方も楽しみにしてる
>>657 萌えすぎて興奮で寝られないどうしてくれる
超GJです!あからさまな色仕掛けより無意識なエロ動作のがくるよね!
風呂プレイGJ
最初の方の精一杯の色仕掛けが個人的にぐっときた
よりにもよってエイプリールフール更新とか
実は打ち止めの夢オチでしたーじゃなくて良かった本当に良かった
>>657 GJすぎる・・・!
やっぱこの2人は可愛いなー
そして期待を裏切らぬ一方さんの貧弱さw
長編の続きも楽しみだ
通行止めGJ
さぁ続きを書くんだ
>>657 ふう…
GJGJGJ!通行止めならではの旨味の一つが背伸び感だと思うんだが、これ見事に表れてるな
お風呂プレイ最高です。どうも。
あと
>>655もありがとう
自分はエロパロは読み専だけど、これはノーマルSSにも十分使えるガイドラインだと思う
669 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/01(金) 15:36:46.11 ID:QISSLeAL
全然関係ないけど、これゾンのエロパロの方に誰か出張して作品を作ってくれませんかね
投下します
・浜絹
・鬱注意
671 :
嘘:2011/04/01(金) 16:21:48.45 ID:KC/Lvsff
滝壺さんと浜面と私の三人でバイキングに来ています。浜面が知り合いから押し売られたチケットなどで質は超推して知るべしです。
それでも、色とりどりの甘味が並べば女の子ならどうするか、超察して下さい。食べ過ぎました。
明日、体重計に乗れませんね。超浜面のせいです。女の子は量より質、と言うか、カロリー対満足比です。
そう考えたら、ムカついて来ました。奇しくも今日は浜面の日。超飛びっきりの嘘をプレゼントしてあげましょう。
口元を押さえて、浜面に近付く。
「どうした、絹旗? 食い過ぎか」
正解、それが超癪です。こんな時だけ勘が良い必要ありません。
「いえ、気にしないで下さい。後、戻って来た時のために超酸っぱいものをお願いします」
浜面の目が白黒してる。しかも、ここまでで嘘は超言っていない。酸っぱいもの入るか謎ですけど。
「は、待て。そういうことした覚え、」
声、大きいですよ。まあ少しは気が晴れますけど。
さて、今日に相応しい嘘を一つ。
「超夜這いしたことあるんですけど、『やっぱり』覚えてませんでしたか」
浜面は顔を青くする。思わず笑いそうになる。例え夜這いしてたとしても、私『まだ』なのに。
「待て、待て待て。アレは夢じゃなくて……、いや、シーツに血とか付いてなかったし」
うわぁ。実はオカズにされてたというのとどっちがマシか超悩みます。
「運動する人はいつの間にかすり減ってなくなるそうですよ」
まあ、これも嘘ではありません。ただ、私がそうかは知りませんけど。
口をパクパク開け閉めする浜面。さて、気も晴れましたし超馬鹿にしてやりましょうか。
口を開きかけた瞬間、電撃が走る。誰か敵が居たのでしょうか。
意識が薄れる中、浜面も同じように倒れるのが見えました。
気がつくとどこかホテルのようなところに拘束されていた。
能力を使い腕の拘束を外そうとするが、上手くいかない。こんなSMアイテムみたいなので拘束されるなんて納得いきません。
「止めた方が良いよ、きぬはた」
滝壺さんの声。まさか彼女も捕まって、何で? 私の目の前に悠々と歩いて来るんですか?
彼女が戦力ではないから? 違いますね。
「私も慣れてないから危ないよ」
能力に干渉出来るのは、大規模な設備、あるいは。
「何で、こんな事を」
滝壺さんを睨み付ける。
「きぬはたが悪いんだよ。私だってまだなのに」
672 :
嘘:2011/04/01(金) 16:24:05.87 ID:KC/Lvsff
暗い表情。まさか、あんな嘘を信じているというのですか。
「はまづら」
虚ろな瞳をした浜面が滝壺さんの呼びかけに応じ前に出る。
そして、滝壺さんは何かのドリンクに口を付けると浜面と唇を重ねた。恐らくそれは浜面が嚥下したはず。
舌を絡め合う淫靡な音が耳障りです。
「浜面、あれは嘘、超嘘です! 落ち着いて下さい」
光のない浜面の目と視線が合う。
「まだ、俺の意識が無事なうちに言っとく。俺は滝壺を選んだ」
そんな当たり前のこと、何で今言うんですか。
「はまづら、『何でもして』くれるんでしょ? 早くしなくて良いの?」
まるで、急がなければ何かマズいような言い方。ふと視界に入ってしまった。滝壺さんの足元に僅かに赤い水たまりが。
良く見れば、袖口が赤黒く変色している。
「ああ、『分かってる』」
浜面が私の下着を力任せに破る。お気に入りだった、とかそんなことは気にならなかった。
浜面のモノが私の蜜壷に迫る。
「止めて下さい。今ならまだ、冗談で済みます!」
暗い笑いが浜面から零れる。
「そう『だった』な」
もう戻れない。そう言わんばかりに私の初めてを奪う。
シーツに血が飛ぶ。
飛びかける意識を慌てて呼び戻す。
「滝壺さん! 見て下さい!」
これなら、私が初めてだって分かるはず。このまま続けられるよりは、超マシです。
「うん、きぬはたは狭いんだね」
滝壺さんなら受け入れられる。そう言いたげな壊れた笑み。
確かに裂けそうですけど。
「こ、これから、何をするんですか?」
せめて、覚悟くらいさせて下さい。
「簡単だよ、流れるまで子宮をはまづらに突いてもらう」
絶望しかなかった。聞かなきゃ良かった。どうしたら妊娠してないのに流産出来るんですか!
浜面がピストンを始める。何も考えてないとしか思えない。
ただゆりかごを揺らして、道を削り広げる。
その度に強烈な痛みが襲う。快感なんてないですよ。痛みで意識が飛びかけて、痛みに引き戻される。その繰り返し。
そんな中でも浜面は感じるのか、欲望を私の中に吐き出した。
辛そうに目を閉じ、腰を更に動かす。何でそこまでするんですか。
「あはは、きぬはたなんて壊しちゃって良いよ、はまづら」
言い終わると濃厚なキス。そういえば、私はファーストキスも超まだでしたっけ。
壊れていくのは私かそれとも、浜面の背中に抱き付いて腰の動きを手伝う滝壺さんか。
投下終わります
最近浜面サイドは鬱ものばっかだな…
普通にほのぼのなのが見たい
乙乙!
窒素通行や一方装甲のほうが基本ほのぼのしてて好きだ
一方さんと番外が打ち止めを取り合う
話はまだか
番外止めは本気でwktkしてる
頼む
断然打ち止め×番外
幼女に攻められて涙目番外とかハアハア
番外止めで番外に性的ないじめ受けて、打ち止めが「ミサカはお姉ちゃんなのよってミサカはミサカは(ry」になるのもアリだろ
つうか黄泉川家女性陣みんなで風呂に入ればいい
番外「…黄泉川はさすがだよね」
黄泉川「番外固体もすぐ大きくなるじゃん」
芳川「というか番外固体あなた、それだけあれば十分でしょ。ねぇ打ち止め」
打ち止め「むむむ、ミサカだっていつかは…!」
的な会話しながら手狭な風呂場でキャッキャウフフ。お触りとかセクハラとかも許されるよね!
で、一方さんはリビングで一人テレビ見てればいいよ
アイテム女性陣でも良いよな
一方さんを本気で精神的に追いつめたいなら打ち止めを横から
かっさらうのが1番確実な方法だと番外は気づくわけだな
打ち止めを寝取って嫌がらせしようとしたら
既に打ち止めは一方通行に調教されきっていて生まれたての番外固体では太刀打ちできるはずもなく
逆にロリレズレイプで手篭めにされてその後一方通行も混ざって美味しく頂かれちゃう展開で
番外止めマダー?
685 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 23:40:38.91 ID:AiRu1FmR
通行止め←番外が見たいな!!
番外は生まれたばっかだからやっぱり甘えたりしたいと思うんだ!!
そこで母性あふれる打ち止めが甘やかしてあげるとかいいと思う
それに一方さんが嫉妬したりして番外と一方さんが打ち止め取り合ったりするような話はまだか
一方さんの嫉妬もいいけど
打ち止めが聖母っぷりをみて打ち止めのこと気になってた番外が、打ち止めにべったりされてる一方さんに嫉妬して
「ねぇ、お姉ちゃんって妹のこと可愛がるものじゃないの」とか言って一方さんから打ち止め引き剥がすとかもいいと思う
番外止めおいしいよ姉妹おいしいよはあはあ
番外がいつものように一方さんにつれなくされたところを打ち止めに泣きついて
優しく頭撫でられながら一方の方見てほくそ笑むのですね
黄泉川芳川の嫉妬もいい
黄泉川と芳川は安定夫婦すぎてやばい
この二人はエロとかじゃなくほのぼのを見たい
と思ったけど黄泉川がなんやかんやで芳川に嫉妬していちゃいちゃも良いかもしれない
もういい加減そろそろ上条さん成分に飢えているんだが
今のスレの雰囲気だと言い出せる状態じゃないな・・・OTL
いいってことよ
上インが足りない…
甘い上イン成分が足りない…
上条さん成分でさえあれば青ピとの絡みでもいいのか
上インとか浜滝のほのぼの甘いやつが見たいんです
一方側はお腹いっぱい
つーか浜滝の甘い作者さんってお腹いっぱい言われてから見てないな。
しぶとく鬱ネタ書いてる作者さんは居残ってるけど。
696 :
番外止め:2011/04/03(日) 08:22:57.82 ID:5P0tkOG0
上イン浜滝じゃなくてメンゴ
番外止め小ネタで2レスお借りします
通行止め要素有。百合以外は帰ってもらえますの(AA略な方、通行止め以外は(略な方はスルーして下さいお願いします
第一位の過保護が度を越している件については、言い出したらきりがないので置いておくとして。
すべてから守れと預けられたちっこいガキを見下ろしながら、ミサカは思う。
彼の、一度懐に入れた人間に対する妙な甘さはなんなのだろう。
(他人に自分の大切なものを預ける、人によっては信頼と呼ぶらしいソレ、ねえ?)
そう定義するには、どうも幼いというか。
子供が大人の言うことを素直にきいてしまう妙な無垢さを感じさせるそれを、ミサカは「甘さ」と形容してみる。
ばっかじゃねえの。
ばっかじゃねええええええええええええのォ!?
目も当てられないことになるよ、って忠告したはずなのにね。
697 :
番外止め:2011/04/03(日) 08:33:24.81 ID:5P0tkOG0
「なーにどうしたの番外個体、ってミサカはミサカは尋ねてみる」
ぱちぱちと長い睫毛を上下させ、警戒心ゼロの笑顔で問いかけてくる最終信号に内心溜息を吐く。
いくら相手が女とはいえ、ソファの上に押し倒された状態で、違和感や危機感がなさすぎるってものだろう。
むしろ「遊んでくれるの?でもプロレスごっこはリーチの差がありすぎて不利だってミサカはミサカは以下略」という期待がありありと見えるあたりもう駄目だ。ガキだ。
うっかり萎えそうになる悪意をかき集めて、笑みに乗せる。
ぐっと身を乗り出して距離を詰めた。息がかかるほど近くで誘いかける。
「ミサカと“も”シてみない?」
太腿、って言っていいのか分からないほど細い脚に手を置いて、ぐるりと円を描く。
「ふにゃっ?」
びくっ、と勢いよく腰が引けた。
おお、びーんかーんじゃない。これだけで感じちゃったのかにゃーん?
最終信号がやっと身を固くし、恐る恐る窺うように見上げてくる様にぞくぞくする。
いいねぇその表情。つついていじって撫でまわしたいね。うずうずするね。
なめらかな内腿を滑らせてスカートの中、下着越しのふくりと丸い恥丘を撫でて囁きかける。
「―――― キモチイイこと、知ってるんでしょ?ゴガクの為にミサカに教えてよぅお姉チャン」
1投下後規制とかコワイコワイ
男挟んだ三角関係が多いのでたまにはこんなのも
一方・番外は戦闘パートナーで割と似た者同士だと思うので個人的には打ち止め挟んだ三角関係の方が書きやすい
そうか、打ち止めってロリ姉属性なのか!
GJでした。こんなのも良いなあ。
ところで、後学って「ゴガク」じゃなくて「コウガク」だったような?
意図的ならすみません。
>>697 GJ!
番外止めアリだ!
一方さんて他の男が打ち止めに手出したら即座に愉快なオブジェだろうけど、
妹達である番外がそうした場合予想外すぎて普通に混乱しそうだな
レベル5だって、演算できないことくらいある
>>697 GJっす!!やっぱ姉妹かわええわw
自分も番外止め書いてたが、二番煎じだし書き直してきた方がいいな
>>697 乙乙!!ロリ姉にビッチ属性妹とか良すぎるじゃねーか!!
>>689 黄泉川と芳川は過去に何かあったと想像すると色々出てきて困る
黄泉川に憧れ、あんな風にはなれないと思い教師の道を断念した芳川。
でも黄泉川は芳川に教師として同じ道を歩んでほしかった。
その過程で惹かれあったりすれ違ったり一度は関係を持ったけど別れたり、と考えると
芳川が黄泉川に助けを求めたことすらエロスにならないか?
…ならないか
す…すまない
黄泉川×一方通行×芳川とかどこかの同人誌でみたんだ。
みたんだけど、未遂で終わっててなんていうかもうね
そっと投下したいが大丈夫だろうか
かまわん
やりたまえ
あれはいいものだった
未遂で終わったのが残念なくらいいいものだった
どっかの同人誌で黄泉川×一方通行×芳川未遂…デジラバ?
>>704大丈夫ってか是非やっちゃえ。
上条×バードウェイを期待する
バードウェイに関しての資料が少なくて難しいだろう
ステイルSSは殆どの人がまだ読めてないしな
そもそも、北極海から学園都市までの話が全くの空白だから
舞台設定的にも焦点を定めるのが難しすぎる
結局バードウェイに関しては二巻を待つしかないと俺は思う
あの生意気なバードウェイが調教されて堕ちていく話か
711 :
697:2011/04/03(日) 21:52:28.25 ID:sXORKwcp
コメントありがとうございます
>>697 ×ゴガク ○コウガク です。
うはwwwおとなしく漢字にしときゃタイプミスに気付いたものをm9(^Д^)
オサレカタカナ(厨二)は黒歴史を産みます皆様も使用時には十分お気をつけ下さい
恥ずかしすぎていろんなところが勃っちゃいそう☆な気分をかえて上イン小ネタで2レスお借りします
上条さんがかわいそうなので注意
712 :
上イン:2011/04/03(日) 21:57:15.55 ID:sXORKwcp
「はやく、はやくほしいんだよとうま」
舌足らずの甘い声が、子供のような口調で、とんでもないことを言う。
やわらかくてすべすべした脚を割って、彼女の入口に触れる。指先で割り開くと、濡れて張り付いたくちびるが、ぴちゅ、なんてカワイイ音をたてて啼いた。
インデックスは頬を赤くして顔を隠したけれど、手のひらの下の表情はわずかに笑ってるようだった。
「やっらしー」
「とうまのせいだよ」
悪戯っぽく拗ねた軽口をキスでふさぐ。
ぬらぬら光る薄いピンクの肉に俺を押しつけると、素直に力を抜いた。
彼女の中はあたたかく、狭いけれどよく濡れていて、簡単に俺を飲み込んでいく。
「んあ!あっ、あああっ!あっ、あん、あ、とうまぁ!」
彼女の喘ぎをBGMに、めちゃくちゃに腰を動かす。冴えた体に快感が満ちて、頭がぼうっと熱くなってきた。
「して、……わたしのなかに、とうまの、ちょうだい」
涙を湛えた上目遣いで覗き込んでくる仕草の必死さに、胸の痛みを覚えた。
「インデックス!…………イン、デッ、クスぅ……」
「ひああああああああ!っう、あうあ…………んんん」
小さな体をぎゅっと抱き込んで、奥に叩きつけるように吐き出した。
目覚めた視界に広がる浴室の天井は狭く、早くも上がりかけた夏の気温と寝汗のせいでじめじめと生ぬるかった。
ひどい疲労感に満たされた体を起こす。重い頭を掻きながら、凝り固まった背を伸ばした。
ゆるゆると覚醒していく意識が下腹部の不快な感触に気づき、「ソレ」を認識すると同時に、俺にお決まりの台詞を吐きださせた。
「不幸だ…」
普段の三割増しくらい実感のこもった響きが耳に届いて、更に気分を降下させる。
「ちくしょう、なんでよりによって、アイツなんだよ……」
甘い声。ほの赤く染まった肌。うるんだ瞳。俺を欲しがって、乱れた、体。
嫌にリアルな夢は、俺の願望なのか、……はたまた『上条当麻』の記憶なのか。
…………………… 、違う。
違う違う違う違う違う、違う!
ただの夢だ!
男子高校生のあふれ出る性欲が生み出した妄想ですよ!よくある淫夢ですよ!
そう、ただの。
ただの……
「―――― ッ」
叫びだしたいほどの拒否感。ひどい焦燥が胸に迫り、心の芯まで根こそぎ侵して飲み込もうとする。
それを振り払うように、シャワーノズルを捻った。
勢いよく落ちる冷水が、髪を、体を、服を、布団を、タイルを、あっという間に濡らしていく。
「クソッタレ……」
はやく、はやく流してくれ。
汗も、精液も、火照りも、夢の名残も、焦燥も、全部。全部だ。
俺は早くキレイになって、ここから出なきゃいけないんだ。
鍵を開けて浴室から出れば、いつものように清い顔の彼女がはやくはやくと朝食をねだるのだから。
1レスでしたメンゴ
上→インは俺のジャスティス
GJ!かわいそうな上条さんナイス
しかし布団大丈夫なのか今晩寝られるのかwww
GJ
インデックスに潔癖なものを求めて苦しむ上条さんかわゆす
ピュアに好きな相手とか家族とか
恋愛感情とかよりも純粋で上にある感情を抱いてる相手で抜いた時ってこうなるよな
こんなんじゃオナニーしてる時に脳裏にちらついただけで舌噛み切るんじゃないか上条さん
こうして我慢して賢者となり枯れていったんだな……
>>712 グッジョブ。
上インは「我慢できなかった感」が良いんだよなあ。
普段はそうでも無いのに濡れ場になると途端にエロくなる組み合わせだと思う。
一方そのころのインデックスもとうまを想って慰めてしまい、聖職者と女との間で眠れぬ夜を過ごしているのでした
何かの勢いで上条さんの理性の堤防が決壊しちゃったら
記憶喪失の負い目とか純粋そのものなインデックスを汚して傷つけちゃったとか
そういう自責の念で押しつぶされちゃいそうだな
「吹寄……相談があるんだ。なんか最近姫神を見てたら欲情するんだけど」
「死ね!」
「うおっ! 何しやがる!」
「それはこっちの台詞よ! 何言ってるのよ貴様は!」
「いいから最後まで聞け」
「……」
「いいか、姫神に欲情する。でも、手を出すのはマズイ。さて、俺はどうしたら良いでせうか」
「死ね」
「そこで私、上条当麻は考えました」
「しれっと流した!?」
「この欲情は俺が溜まっているのが原因だ。よって、俺の性欲が発散出来れば問題ない。だから吹寄、手伝ってくれ」
「そんな話に乗るかっ! だ、大体、貴様が……その、自分ですればいいでしょうが!」
「にやにや」
「にやにやするな!気持ち悪いっ!」
「いや、恥ずかしがってる吹寄が可愛くてな。大体、自分でして解決するならこんな相談するわけないだろ。可愛い可愛い吹寄がしてくれたら、解決すると思うんだ」
「か、可愛い?」
「ああ」
「……姫神さんやあのシスターさんよりも?」
「もちろんだ」
「…………一回だけ、一回だけよ!
それに……最後までしたらどうなるか分かってるわよねっ!
ちょっ! いきなり出すなっ! …………熱い、それに、硬いのにただ硬いだけじゃなくて
ビクンビクン震えて、変な感じ……、これが、男の……。……このまま、上下に。………ごし、ごし……………はぅ…………。く、口で!? そ、そんな、無理よ……
……ん、ちゅ……れろ、思ってたより、嫌じゃない……上条の味……んちゅ、ちゅ、れりゅ、りゅ、れろ…………」
吹寄ちゃんマジちょろい
姫神さんやインデックスさんに嫉妬しちゃってる吹寄ちゃんマジ可愛い
同じ手法をインデックス、姫神、御坂、五和、ねーちんにも使ってる上条さんだ
よし、誰得上条さん×打ち止めが完成
非エロ
投下します
(やる事もないし適当に買い物して帰るか。今日の晩飯何にすっかなー)
昼間と夕方の間にある時間帯、上条当麻は薄っぺらい財布をズボンに突っ込みふらふらとスーパーの方に向かって歩いていた
(タイムセールは……着いたらちょうど終わりそうな時間だな。はあ、万年金欠だというのに、不幸だ)
溜息を吐きながら1人で勝手に落ち込んだ後中身を確認するため財布を取り出そうとしたその時
「突撃ー!ってミサカはミサカは勝手に決めた定位置に乗っかってみたり!」
軽快な足音が鳴り響きその直後ドシッっと音と共に上条の背中に衝撃と重量が加わった
「うわっ!?な、何だ!?」
何とか前に倒れるのを堪えていると今度は視界が真っ暗になる
「だ〜れだ!ってミサカはミサカはお約束を実行してみたり!」
「うわっ、ちょ、前が見えねえ!」
ただでさえふらふらしてたところに視界を防がれ平衡感覚を失った結果、上条は前のめりに倒れた
「いてて……。不幸だ……。何なんだよもう」
「大丈夫?ってミサカはミサカは自分の責任を放り投げてあなたの心配をしてみる」
「ああ、何とか。その声は……えっと、打ち止め……だっけか?」
「当たり!ってミサカはミサカは覚えてもらえてた喜びを体で表現してみる」
「ぐおっ!?ひょ、表現するのはいいからとりあえず俺の上から降りてくれないか……?」
上条の言葉に従い打ち止めは地に足を付け立ち上がる
それに伴い上条も立ち上がり簡単に服に付いた砂などを払う
そしてようやく正面から対峙する
「久しぶりだな、打ち止め」
「久しぶりってミサカはミサカは元気に挨拶してみる」
そこにはどこかで見たような顔を幼くした10歳前後の少女が立っていた
「今日はどうしたんだ?また御坂妹と遊んでいるのか?」
「ううん、今日は一人ってミサカはミサカは悲しい事実を告げてみる
あなたを探してここまで来たの、ってミサカはミサカは何か恋人っぽい発言をしてみたり」
「遊ぶ相手がいなくて寂しくふらついてたら俺を見つけたっと、そんな感じか」
「ムカーッ!実際そうだけど本当の事言われると腹が立つ!ってミサカはミサカは怒りを露わにしてみる」
「はいはい、でも俺今から晩飯の買い物に「ミサカとデートしよっ!ってミサカはミサカは提案してみる」
「晩飯の買い物に「ミサカとデートしよっ!ってミサカはミサカは再び繰り返してみる」
「ば「ミサカとデートしよっ!ってミサカはミサカは再三に渡り告げてみる」
どうやら打ち止めの中ではすでに決定事項らしく上条に反論の余地は与えないつもりのようだ
上条は、はあっと軽い溜息をついた後打ち止めの方を向き直して観念したように告げる
「わかったよ。じゃあ金下して来るからちょっと待っててくれ」
「逃げちゃめだよってミサカはミサカは警告してみる」
警告を背に上条は近くのコンビニに入りATMの前に立つといつもの一言を発した
「不幸だ……」
所変わって以前御坂妹にネックレスをプレゼントしたことのある地下街の入り口
そこに少し厚くなった財布を装備した上条当麻と打ち止めは立っていた
「で、デートって何をすればいいんだ?上条さんにはそんなうらやましい経験はないから何をすればいいかなんてわからないぞ?」
「前一〇〇三二号に色々物とか買ってあげてたでしょ?ってミサカはミサカはネットワークから記録を拾い上げてみる
あんなことやってみたい!ってミサカはミサカは目を輝かせてみる」
「あんなのがデートなのか?ただの買い物だった気が……」
「本で手に入れた知識によるとあれがデートらしいってミサカはミサカは自分でも半信半疑になりながら答えてみる」
「そんな曖昧な知識なのに誘ったのか」
「だってしょうがないじゃんミサカだって経験ないんだもんってミサカはミサカはうな垂れてみる」
「そんな事されても上条さんにはどうしようもないが……
で、これからどうするんだ?二人ともわからないんじゃデートのなんかできないと思うんだが」
「それでもやーりーたーいーのー!ってミサカはミサカは一度否定された駄々っ子交渉術を再度行使してみたり!」
「それは一部の人達には効果抜群かもしれないが上条さんの守備範囲からは外れてますよっと
じゃあどうするんだよ。このまま突っ立ってても日が暮れるだけだぞ」
「うー……、あっ!ってミサカはミサカはいけないと教わったのに人を指さしてみる
あの人達もデートだよね?ってミサカはミサカは他の意見も取り入れようとしてみる」
「どれどれ、あーそれっぽいな。であの人達がどうかしたのか?」
「あの人達もどこで買い物しようかって言ってるよ!ってミサカはミサカは自分の持っていた情報の正しさに胸を張ってみたり」
「そんなもんなのか……、じゃあまあとりあえず俺達も適当に店とか見て回ってみるか」
「うん!ってミサカはミサカは喜んでみる」
傍から見ると兄妹としか見られない程見た目の年齢が離れた二人はデートという名目で
打ち止めは元気いっぱいに、上条はゆっくりと地下街を歩き始めた
が、打ち止めは数歩先ですぐに歩みを止めた
「あ、そうだってミサカはミサカは振り返ってみる」
「ん?どうした?」
「手、ってミサカはミサカは左手を差し出してみる」
「手?」
「デートなんだから繋いで歩こ?ってミサカはミサカはなんかそれっぽい事を要求してみる」
「……そうだな。デートだしな。手、繋ぐか」
「ありがとう!ってミサカはミサカはお礼を言ってみる」
「いや、こっちこそ気が付かなくてすまなかったな。じゃあ、行くか」
「うん!ってミサカはミサカは心を躍らせてみる」
二人は手を繋ぎ今度こそデートの為に二人一緒に歩き始めた
「うわ〜、かわいい服がいっぱい!ってミサカはミサカははしゃいでみたり」
「……この空間に男が居るのは少々辛い物があるな」
とりあえず一番近くにあった服屋に足を運んだ二人
上条当麻はバーゲン品などのやっすい服を好むオシャレ度の低い人間なので必然的に打ち止めの為の服を探すことになった
この店は子供服で纏めておらず完全にレディースとメンズとで分けられているようで
打ち止めの服を探すためには女の子濃度の高い空間にお邪魔するしか方法がなかったようだ
「まあ、楽しそうだしいっか」
打ち止めはああでもない、こうでもないと服を手に取り唸っている
その後ろ姿を見ているとこの空間に居るのもそんな悪くないと思えてきた
「ねえ、どっちがいいと思う?ってミサカはミサカはすでに答えが決まっているのに尋ねるという女の子特有の質問をしてみる」
「ん?どっちがいいか決まってるなら俺に聞く必要ないだろ?」
「共感を得たいの!ってミサカはミサカは女の子の機微を理解しないあなたを怒ってみる」
つまり当たりか外れの二択の選択肢を選べという事か、と上条は考える
当たりを引けば二人とも同じ事を考えてたとわかり嬉しくなる、が
(外れを引いたら何とも言えない空気になるよなあ……。不幸な上条さんに当たりが引けるのか?)
外れた時の事を考えると気軽に選べずつい黙り考え込んでしまう
「は〜や〜く〜ってミサカはミサカは催促してみる」
(うっ)
どうやら時間切れのようだ。打ち止めは黙り込んだ上条に対して二種類の服を突き出してくる
(えーい、どうにでもなれ!)
「こっち……かな……?」
「わ〜、同じ考えだ!ってミサカはミサカはくるくる回って喜びを表してみる」
どうやら当たりだったようで打ち止めは上機嫌に服を抱きしめ回っている
(ほっ、なんとか当たったか)
上条はそっと胸をなで下ろした
少しすると打ち止めは回るのを止め持っていた服を片付ける。……上条が選んだ方も含めて
「えっ?お前それ気にいったんじゃないのか?」
「うん、だけどちょっと高いからってミサカはミサカは謙虚な心を見せてみる」
服の値札を見ると、成程どこかのブランドの物なのか少々お高い値段だった
上条は少し思考を巡らせた後
「いいよ、買ってやる。せっかくのデートなんだ気にするな」
「えっ、でもってミサカはミサカは」
「いいんだよ。男には見栄ってのがあるんだよ」
打ち止めの言葉を遮ると打ち止めが片付けた服を手に取りレジに向かった
(しばらく財布は薄くなるけど……、こんな時に考える事じゃないか)
「ほら、買ってきたぞ」
服の入った紙袋を手渡された打ち止めは目を輝かせて中身を見る
「うわ〜、本当だ!ってミサカはミサカは大喜びしてみる!
本当にありがとうってミサカはミサカはお礼を告げてみる!」
「いいよ。その代り今日はその服の値段分くらいは楽しませてくれよ?」
「うん!ってミサカはミサカはあなたの手を引っ張っぱりながら告げてみる!」
「あれなに?ってミサカはミサカは質問してみる」
「動物の形をしたベビーカステラかな?へー、色つきのを作る実験なのか。買ってみるか?」
「うん、ってミサカはミサカはよくわかんないけどとりあえず肯定してみる」
「ほい、どうぞ」
「うおー、学園都市はここまで動物を小さくできるのか、ってミサカはミサカは驚いてみる
でもどうしてどの子も鳴かないの、ってミサカはミサカは不思議に思ってみたり」
「なんだ、食わないなら俺が食っちまうぞ。冷めたらもったいなぐおっ!?」
「た、たとえ実験品であっても!ミサカはこの子たちの命を守ってみせる、ってミサカはミサカはぁあっ!!!」
「わ、わき腹にドロップキックはさすがにキツイ……。ていうか前もこんな事があったような……?」
「喉が渇いてきたかも、ってミサカはミサカは暗に催促してみる」
「暗にはなってないな……。自販機、自販機っとあったあった。何が飲みたい?」
「何かまともに飲めそうなのがほとんどないんだけど、ってミサカはミサカはミサカの少ない経験でも
判断できる異常っぷりに驚いてみる。あなたのおすすめは何?ってミサカはミサカは聞いてみたり」
「えっと、ちょっとクセがあるがヤシの実サイダーならまだ比較的まともに飲めたはずだ」
「じゃあそれでいいや、ってミサカはミサカは消極的選択しかできない現状を嘆いてみたり」
「うおー、ゲームがいっぱいだ!ってミサカはミサカは興味を惹かれてみたり」
「何だ、ゲーセン初めてなのか?」
「うん、あの人達こういうとこ連れてきてくれないのってミサカはミサカは陰口を叩いてみる」
「よしっ、じゃあ遊ぶか!」
「やったー!ってミサカはミサカは突撃してみる」
「っと、もうこんな時間か。そろそろ帰らないと完全に日が暮れちまうな」
色々回っていたら思った以上に時間が経過していたようだ
地下街だから分かり辛いが外ではもうそろそろ街灯もつき始まる頃だろう
「えー、もっと遊びたい!ってミサカはミサカは駄々を捏ねてみる」
だが打ち止めはまだ遊び足らないようで不満げな顔で文句を垂れていた
「そんなこと言ってもなあ。あんまり暗くなると保護者さんが心配するだろ?俺も晩飯の準備しないといけないし」
「うー、じゃあ最後にアクセサリー買って、ってミサカはミサカは譲歩してみる」
アクセサリーぐらいで機嫌をとれるならいいか、と上条は考える
今日一日でだいぶ薄くなった財布だがそれぐらいは持ちこたえてくれるだろう
「別にいいけど、あんま高いのは買えないぞ?」
「こういうのは値段より気持ちが大切なんだよ、ってミサカはミサカは知ったような口を聞いてみる」
「ふ〜ん、じゃまあ行くか」
「やったー!ってミサカはミサカはあなたの手を引っ張ってみる」
打ち止めが上条の手を引く形でアクセサリーショップへ歩み始めた
アクセサリーショップまでの簡単な場繋ぎにと上条が話題を振る
「ところでアクセサリーってどんなのが欲しいんだ?御坂妹と同じようなペンダントか?」
「ううん、このミサカは指輪が欲しい!ってミサカはミサカは要望を告げてみる」
「指輪ねえ。何か理由はあるのか?」
「えっとね、薬指にはめる特別な指輪を異性に買ってもらうと
勝ち組になれるらしいの!ってミサカはミサカはネットワークで拾った知識を自慢げに披露してみたり」
「薬指に指輪…………!ら、打ち止め、ちょっと待って。お前に教えなくちゃいけないことがある」
打ち止めの言葉に反応して上条は歩みを止めた
手を繋いでる打ち止めも引っ張られる要領で必然的に立ち止まる事となる
「うわっ!ってミサカはミサカは予想外の行動に驚いてみたり
教えなくちゃいけない事って何?ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
「えっとな、その薬指につける指輪ってのは好きな人から貰う物なんだよ」
「?このミサカはあなたのこと好きだよ、ってミサカはミサカは再び首を傾げてみる」
上条の発言の意図がわからなかったようで打ち止めは再度首をひねった
上条の方もなんと説明していいのか分からず頭を悩ませている
(こういうのは小萌先生とかそっちのタイプの人の仕事だよなあ。保護者さんちゃんとやっといてくれよ……)
どこの誰かもわからない打ち止めの保護者に心の中で恨み言を言いながら思考を巡らす
が結局愚直に言い続けるしか方法が見つからずあきらめる
「その指輪は本当に好きな人から貰う物で……」
「だから本当に好きだよ、ってミサカはミサカは繰り返し告げてみる」
「えっとそうじゃなくてな、恋人にしたいとか結婚したいとかそういう好きな人から貰うんだよ」
「そうなんだ、じゃあもっと欲しなっちゃったかも、ってミサカはミサカは微笑んでみたり」
上条の言葉を聞いた打ち止めは手を離し数歩前に進んでから振り返る
「だってこのミサカはそういう意味であなたが好きなんだもん、ってミサカはミサカは告白してみる」
その言葉に驚き反応できない上条を置いてきぼりにして打ち止めは語り続ける
「その好きってその人に見て欲しいとか、その人に気にかけて欲しいとか、その人とずっと一緒にいたいとか
もっといくとその人に自分の事だけを考えて欲しいとかそういう気持ちの事だよね?ってミサカはミサカは確認してみる
このミサカは、ううん、このミサカだけじゃない他のミサカ達もみんな
あなたにそういう感情を持ってる、ってミサカはミサカは許可も取らずみんなの気持ちを代弁してみたり
あの日、あなたに助けられたあの夜、ミサカ達が大きな一つじゃなくて小さな個人に分かれた瞬間
本当に小さかったけどミサカ達はあなたにそういう感情を持ったの、ミサカはミサカは語ってみる
あの時はまだミサカ達は幼くてあの温かい気持ちがなんなのかわからなかったけど今ならわかるよ
あの時ミサカ達はあなたを好きになったんだ、ってミサカはミサカは思い出を反芻してみる
あなたはミサカ達の光なんだよ、太陽より大きくて温かくて優しいそんな光、ってミサカはミサカはあなたの感想を述べてみる
今は違うけれどあなたに合うまではミサカ達はお世辞にも日の当たる暖かい所にいなかった、
だからその光が欲しくてしょうがないんだよ、ってミサカはミサカは欲張ってみたり」
そして一呼吸し最後に凛として告げる
「だからミサカ達はあなたに照らし続けて欲しいんだよ、ってミサカはミサカは綺麗に纏めてみたり」
そう言い切るともう話したい事は全て話したといった風に上条の顔を見つめる
上条の言葉を待つように、約束した相手を待つ恋する乙女の顔つきをしながら
対する上条は瞳を閉じて思いを、感情を、打ち止めの真摯な気持ちを頭の中に巡らせ考える
少し、だが上条の中では何時間にも及ぶような時間が経過した後目を開け、打ち止めを見、口を開く
「なあ、1つ、本当に失礼かもしれないけど1つだけ質問してもいいか?」
「うん、いいよってミサカはミサカは許可してみる」
「その気持ち、俺に助けられた時に芽生えたって言ったよな。それは本当に純粋に俺が好きでそう思ったのか?
命を救われたからとか個人の命の価値を見出してくれたからとかそんな理由で義務的に思ってるだけじゃないのか?
もしそうだとしたら俺はその気持ちは受け取れない。俺はそんなものは求めた訳じゃないからな」
失礼だとわかっていても聞かずにはいれなかった
そんな洗脳じみた感情を上条当麻は求めてるわけではないからだ
もしそれを受け入れてしまったら御坂妹たちにあんな実験を強いた連中と同じになってしまう
そんな上条の問いを聞いた打ち止めは俯き少し顔を曇らせる
そしてゆっくりと言葉を紡ぐ
「確かに切っ掛けはそうかもしれない、ってミサカはミサカは少し肯定してみる
ミサカ達はまだ経験が全然足りないから違う感情を好きという感情に
勘違いしちゃうかもしれないし、ってミサカはミサカは情けない自分達を見て落ち込んでみたり
だからあなたの言うような純粋な気持ちじゃなかったかもしれない、ってミサカはミサカは後ろめたくなってみる
でも今は、その思いを育てて大きくした今は!純粋な気持ちだって、ミサカはっ!!ミサカは……」
自信を持って上条に主張したかったのだろう
だが根っこの部分では自分自身でも確信が持てなかったのか、不安な気持ちを抑える為に次第に声を荒げ
言い切ろうとしたが結局最後まで吐き出すことができずに言葉を口内に留めるしかなかった
やり場のない大きな感情をその小さな体に抱え込んだ結果歯を食いしばり手を強く握りしめることしかできなかった
「ごめん、嫌な事聞いちまったな」
上条は打ち止めの前に膝立ちになり強く抱きしめながら背中をトントン、っと叩く
それで少し落ち着いたのか打ち止めは強く握った手をゆっくりと開き上条に力無く寄りかかる
「ううん、むしろお礼を言わなきゃ、ってミサカはミサカはあなたの暖かさを感じながら返事をしてみる」
「お礼?」
「うん、だってあなたはこのミサカを子供扱いしたり適当に流したりするんじゃなくて
正面から気持ちを受け止めてくれた、ってミサカはミサカは喜んでみたり
それにあの質問はすぐに否定できなきゃおかしい質問だもん、ってミサカはミサカは自虐してみる」
そう告げると打ち止めは上条の背に手を回す。そして強く、強く抱きしめる
凍えた心を温めるために、暖かい光を逃がさないように、精一杯の力を込めて
「でもねあなたが好きだってのは本当だよ、ってミサカはミサカは譲れない一線を示してみる」
「ああ、そこを疑うようなことはしないよ。お前達が俺を好きだってのはわかったよ」
「ならいいか、ってミサカはミサカは妥協してみる」
満足できたのか打ち止めは上条から離れる
そして上条も簡単に膝を払ってから立ち上がり打ち止めに向き直る
「もう落ち着いたか?」
「うん、ありがとう、ってミサカはミサカはお礼を言ってみる」
「よかった。……アクセサリー、どうする?」
「今は薬指の指輪はいいや、ってミサカはミサカは我慢してみる」
「そうか。じゃあ今日は帰ろうか」
「うん、途中まで一緒に帰ろう、ってミサカはミサカは誘ってみる」
「ああ、いいよ」
そして二人はまた手を繋ぎ歩き始めた
「ミサカはこっちなの、ってミサカはミサカは家の方を指さしてみたり」
曲がり角で打ち止めは上条の家とは違う方角を指さす
「そうか。じゃあここでお別れだな」
「寂しいけどしょうがないね、ってミサカはミサカは呟いてみる」
だが打ち止めは何時まで経っても手を離そうとしない
上条はそんな打ち止めを急かしたりせず無言で見守っている
ゆっくりとした時間が二人の間に流れていた
少し経った頃打ち止めは顔を上げ上条の方を見る
「ねえ、もしミサカ達がもっと経験を積んで純粋な気持ちであなたの事を好きになれたら
その時は薬指の指輪をくれる?ってミサカはミサカはおそるおそる聞いてみる」
「その時はゆっくり時間をかけて答えを出してやる」
「あはははは、簡単にはくれないんだ、ってミサカはミサカは笑ってみたり」
「こう言う事は簡単に答えを出していい事じゃないからな。お前ももっと魅力的にならなきゃな」
「あははは、そうかでも希望は見えてきたかも、ってミサカはミサカは心を躍らせてみたり」
打ち止めの顔には笑顔が戻りしばらくの間笑い続けた
ひとしきり笑い終えた後上条の正面に移動し上条に告げる
「ねえ、ちょっとお辞儀してみて、ってミサカはミサカはお願いしてみたり」
「ん?別にいいけど何だ?俺はゴーグルなんてつけてないぞ?」
ちゅ
お辞儀した上条の唇に柔らかくしっとりしたものが触れる
「はっ?えっ……えっと……?」
「えへへ、初めてをあげちゃった、ってミサカはミサカは他の人が聞いたら勘違いしそうなセリフを吐いてみる」
何が起こったかわからない上条とは対照的に打ち止めはしたり顔でにやにやしている
「な、何で……?」
「今日のお礼!ってミサカはミサカは重い物をあげて逃がさない作戦をとってみる」
未だ呆然としている上条に背を向け打ち止めは走り出す
そして少し離れてから立ち止まりもう一度だけ振り返った
「おっと忘れてた、ってミサカはミサカはドジっ娘アピールしてみる
またねー!ってミサカはミサカは再開を希望する意味を持つ言葉で別れを告げてみたり」
言い終えると打ち止めは再び走りだし雑踏の中へ身を隠してしまった
それからしばらくしてようやく上条に理解が追い付く
「えっとあれって、そ、そういうことなんだよな……?す、好きだって言ってたもんな」
深い深呼吸して早鐘の様に鳴っている鼓動を落ち着かせる
少ししてようやく緊張が取れたのかいつものように頭を軽く掻き独り言を呟く
「はあ、不幸……じゃないな。あんな気持ち寄せられたのは初めてだからわかんないけど、こういうのを幸福って呼ぶんだろうな」
そして人から好意を寄せられた幸せを噛みしめ笑顔のまま帰路に着くのであった
投下終了
最後の最後で連投規制に引っ掛かるとは……
おい、どうして上の流れで
悶々として我慢して苦しんで、でも堪えきれず我慢出来なかった
上条さんの理性が決壊してしまいちゅーとかお触りくらいまでしちゃって
我に返って自己嫌悪に陥るが「とうまの気持ちがちゃんと聞きたいんだよ…?」
とか言われ正直な想いとか自分が今までどんな風にインデックスを見てたとか
全部言った上でインデックスが受け止めてようやく結ばれる
みたいな話が来ないんだ?
これから来るのか?自分で妄想してろってか?
くそー、待っててやる
737 :
736:2011/04/05(火) 02:22:37.33 ID:q4VrI2GM
うわーごめんリロってなかった
>>726乙!
打ち止めが色んな人と絡むのはもっと見てみたいな
誰とでも仲良くなれそうだ
>>737 よっしゃ黒夜と絡ましてやろうではないか
みさかけ大集合が見たいです
一万人規模ですが
1万人とセックスとか拷問すぎ
>>737 「リロってなかった」が「ロリってなかった」に見えた
>>744 そんな前世紀の事742が覚えてる訳ないだろjk
小萌さん家でロリコンに目覚めたあわきんとか見たい
ショタこそストライクゾーンだったはずなのに、小萌の短パン姿の可愛さにドキッとして、つい見とれてしまうあわきんいいよ
747 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 23:14:03.62 ID:Jir++U5K
あそこまで幼い容姿だと少年と言っても通じないこともないかな
ごめんなさい
少年と思ってたら少女でガッカリ
>>735 投下乙です。
上条さんと打ち止めの日常、「あのひと」の存在が稀薄な気もしますが、書き手ご本人が楽しんで書いている感じが文章から感じられました。
ただ、文そのものに問題を感じました。
段落がない。句点がほぼ無い。意味不明な改行。
これでは誰も読みませんよ。
>>752 言いたいことは分かるが最後の行は余計じゃね?
読んだ人に失礼だし
改行だっていままでおかしい人いっぱいいたけどそれをそこまで問題視したコメントとか見たことなかった
>>726 乙でした!幻想止めいいよ幻想止め
最近通行止めづくしだったし、他とはひと味違って面白かった
>>753 バカ、
>>752は釣りに決まってんだろ
18歳以上のいい年齢した大人がこんな人を見下したような
頭の悪さ丸出しの文章書くわけねえだろ、言わせんなよ恥ずかしい
>>735 GJ
希少な幻想止め成分が補充できた
幻想止め、なかなか無いよな
幻想止めと禁書通行はもっと増えてもいい
こんな発言をしていると、そのうち禁書世界がスワップまみれになるぞ。特定カップルしか認めない人たちが騒ぐと大変だからなぁ。
誰も騒いでないのにそういう事言わない
大体エロパロスレなんだから特定カプしか認めない人は来ないだろ
480KBに近づいてきたな。SS投下は次スレがいい?
>>759 むしろ今なら投下すれば埋めルートでは?
まさか読み切り中編?
759さんじゃないですが、埋めに2レスいだだきます
番外止め+一方で非エロ
嫌な夢を見た。
流れてくる負の感情に押しつぶされそうになりながらも、足掻き、叫ぶ。助けて、誰か助けて。
ひとりきりの世界。他の妹達とは違うのだという、疎外感。自分が消えていく、そんな感覚。
死ぬのは怖くなかったはずだった。ひとりきりでも平気だったはずだった。では、何故こんなにも気分が悪いのだろうか。
誰でもいい、だから、ミサカを助けて――
――――
―――
「番外個体!!」
「っ、」
カッと目を見開く。目の前に最終信号がいて、こちらを覗き込んでいた。
「最終……信号」
「大丈夫? あなたすごくうなされてたよってミサカはミサカは報告してみる」
うなされる、か。まだ働かない頭で、無理矢理醒まされた悪夢を思い出す。どんな内容だったかなど、もう覚えていないのだから単純なものだ。
ただ、異様に嫌だった。じっとりと滲んだ汗だけが、夢の証拠といったところだろうか。額を拭い、ごろりと寝返りをうつ。
「お水持ってこようかってミサカはミサカはあなたに尋ねてみたり」
「……いらない」
最終信号と番外個体は同室である。最近この家庭に引き取られることになった、いわゆる新参者である彼女が最終信号の部屋に押し込められたと言った方が正しいかもしれない。
文句言える立場ではないが、苛立ちは更に募った。こんなガキに自分の弱みを見せることになるとは、しかも気を遣わせるなど。最終信号は製造日こそ自分より先だが、肉体的・精神的にまだまだ幼く未熟な、ただの子供に過ぎないのだから。
「ねぇ番外個体、」
「……煩いんだけど。ちょっと黙りなよ」
苛々していたせいか、普段よりキツい言葉しか出ない。これに最終信号が気分を悪くしたら面倒だ。お喋りでガキな彼女は、赤いほっぺたを膨らませて「もう、番外個体! 心配してるんだよってミサカはミサカは…」という感じにでもなるに違いない。
頼むから放っておいてくれ。ただでさえ胸糞悪いんだから。
「番外個体」
「煩いってば!」
苛立ちに身を任せ、突き放す言葉。だが、待っていたのは不貞腐れた幼女の怒りではなく、小さな手だった。
ぽんぽん、と番外個体の頭を撫でる。
「怖い夢だったね」
「な……に、それ」
「怖いときはちゃんと言っていいんだよってミサカはミサカはお姉さんぶってみる」
「馬鹿……言わないでよ。あなたなんてガキのくせに」
「むむ、身体は子供でもミサカはお姉ちゃんなんだよってミサカはミサカは末の妹を甘やかしてみたり!」
最終信号の手が、彼女の頭から消える。その瞬間、ほんの少し番外個体は寂しく感じた。が、すぐにゴソゴソと動いたかと思えば、そのまま小さな身体が布団の中に潜り込んできた。
「……何勝手に入ってきてんの」
「あなたが怖い夢をみないようにミサカが傍にいるよってミサカはミサカはあなたに伝えてみる」
「はっ、夢なんざ怖い訳ないでしょ。馬鹿にしないでくれる?」
「ミサカもね、さっき見たよ。今でもたまに見るの。痛くて悲しくて苦しかった時の夢。怖くて一人じゃ眠れないよね」
「……って、怖がってるのはミサカじゃねーってことか、このクソ最終信号」
「そうとも言うかもねってミサカはミサカは事実を認めたり……だけど、あなたにも影響があったはずだよね?」
最終信号の悪夢が、ネットワークを通じて自分にアレを見せたということか。あの寂しさと悲しさと息苦しさ――彼女から流れ込んできた、感情。
ぎゅっと、やけに暖かい体温が伝わってきた。
「抱きつかないでくれる? 暑苦しい」
「いやだってミサカはミサカは即答してみたり!」
小さな身体はどこまでも温かい。これが子供体温というやつか。べったりとくっつかれ、煩わしいと思う反面で、最終信号の小さな身体が心地よいとも感じてしまうのは、夢が最悪だったせいであり、決してこの小さな姉に絆されてしまった訳じゃない。
「誰かと一緒にいるって安心するねって、ミサカはミサカはあなたに語りかけてみたり」
「……次こそ、変な夢見ないでよね」
――――
―――
殺気で目醒める心地の悪さは、悪夢にひけをとらない。
そんな知りたくもなかった事実を知ることになったのは、翌朝のことだった。
ぴりぴりと肌に刺さるような殺気。こちとら第三次製造計画によって戦闘タイプに調整された個体であるため、目を醒まさずにはいられない。
「――よォ、よく眠れましたかァ?」
「……なーんで第一位がミサカ達の部屋にいる訳? 夜這いにしちゃ、遅すぎる気がするんだけど?」
「そンなことどうでもいいンだよ」
いや、どうでも良くねーよ第一位。女の部屋に勝手に入ってきて、そんなことで済ますんじゃねーよ。思いっきり睨みつけるも、一方通行の視線は番外個体ではなく、その胸元に注がれていた。
小さな頭が、腕の中に入っている。いつの間にか、抱き枕にしていたらしい。
「随分仲良くやってンじゃねェかオマエら」
「え? 何? 嫉妬? これは俺の抱き枕だー!! って言いたいのロリコンさん?」
人を嫌な形で起こしておいて、ガキをご所望とはいいご身分だ。というか、朝早くから他人の部屋に入ってきてやることかっての。
と、このピリピリした空気の中でも暢気に寝息を立てていた、腕の中のガキが身じろぎをする。
「んー……おはよ、番外個体」
番外個体に挨拶したその瞬間に、一方通行の手からチョップが繰り出される。
「いっ、いたぁ!! えっ、ええ?」
「二人でオネンネたァ楽しそうだな、ガキ」
「な、な、何であなたがここにいるのってミサカはミサカはびっくりしてみたり!!」
「ホント、何でかねぇ親御さん?」
「……オマエらこそ何で一緒に寝てンだ」
「あ、あのね、ミサカはまたあの夢を見て……だから番外個体と一緒に寝てもらったんだよ。ほら、あなたを夜中に起こすと怒るでしょ?」
定期的に見るらしい悪夢。最終信号はその度に、第一位の布団に潜り込んで抱き枕をやっていたらしい。
つまりは、素直じゃない性格が災いして、新参の自分に添い寝の位置を盗られた嫉妬……くだらねー、くっだらねーよ第一位。
第一位の苦痛とは、案外簡単なところにあったらしい。「俺様のクソガキ」の保護者の座さえ奪えば良かったのだ。
ぎゅっと最終信号の身体を抱きしめる。
「きゃはっ。そういうことだから、第一位」
「ほォ?」
一方通行の手が、最終信号の頭を掴んでぐりぐりと引っ張る。「いたいっ!! ミサカの頭が取れちゃうってミサカはミサカは猛抗議してみたり!! もげるっ!!」とバタバタ暴れ出す打ち止めと、一歩も譲る気のない両者。
「ミサカとお姉ちゃんとの時間を壊さないで欲しいんだけどー?」
「都合のいい時だけ妹面してンじゃねーよ」
「じゃあ次はヨミカワとヨシカワのところに行くねってミサカはミサかは怒られた理由が全く分からないけど妥協案を出してみたり」
「その必要はないよ、最終信号ー」
「……オイ」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ三人組に対し、リビングでは二人の女性がコーヒーを啜っていた。
「全く、何やってるのかしらね?」
「可愛い妹の取り合い?」
「妹は番外個体の方なんだけどね」
「うーん、なんかあいつらよく似てるじゃん?」
苦笑いした黄泉川に、芳川も頷く。打ち止めという存在が一方通行を変えたように、この家の中で番外個体も変わっていくのだろう。教育者としては何よりのことだと、黄泉川は微笑む。
「学園都市は今日も平和じゃん」
「朝っぱらから騒ぐのは近所迷惑だけどね」
おしまい。
乙です!
ほのぼのしたけど、打ち止めの見る悪夢って一方さんに殺されてる夢だよな…と思うと
色々考えてしまった
打ち止めの見る悪夢って一方通行が死ぬ夢じゃないの?
打ち止めって一方通行のことを「愛しくて守りたいから死んで欲しくない」と思ってても、
「そう簡単に許してやらないし死なせてもやらない」と思ってても、
どっちでも、あるいは両方でも、萌える
打ち止めデレヤン!デレヤン!
乙
480k越えましたな
>>761 GJ!通行番外止め最高だわ
一方さん・・・w
打ち止め番外姉妹かわいいいい
次スレこそ上条さんものがいっぱい読めますように
・・・正直、もう番外通行止めはお腹いっぱいです
そういうことは思ってても言わないほうがいいぞ
欲しければ自分で書けばいい
お前のネガティブな感想なんて心底どうでもいいわ
見たくなきゃ自分で書いて好きなカプ流行らせるくらいしてみろっつの
通行止め書かれればお腹いっぱいだと言い
アイテム書かれればお腹いっぱいだと言い
本当に注文つけずに自分で勝手に書いてろと言いたくなるな、お前に読んでもらう為のスレじゃないっての
・・・と言ってもしつこく繰り返してる馬鹿だから聞きやしないんだろうけども
そんな奴ほっとけよww
>>761 超GJ!理想すぎるわ本当ありがとう
書いてほしいなら書き手が書きたくなるよなネタ振ればいいじゃんよ
番外止めの流れもそんなんだった
>>761 GJGJいっつーさんとワースト双子みてえだなw
>>761 一方番外が打ち止め取り合いってのもオツですね。
お腹一杯なら読まなきゃ良いだけだと思うのだが…
描き手さんだって事前に何書くか明記してる訳だし。
>>770 つーか上条さんサイドは新約でほぼ更新なしだからネタ出なくないか?
保管庫見れば分かるけど大概のカプシチュ書かれてるからブッキング覚悟するか、無茶なチャレンジするしかないぞ。
上条×浜面とか読みたいか?
超gj
続きも超期待
ホワイトデーSSの酔った上条さん×女子キャラ…が読んでみたいけど、
具体的に描写された事が無い「酔った上条さん」を書くのって至難の技だよな。
上条さんだって判る様に意図的にキャラを崩壊させないといかん訳だから。
>>780 相手が酔うパターンならいくつか書きやすいカプあるぞ。
番外個体ことミサカワーストは、ミサカネットワーク内の負の感情を抽出するようになっています。
新訳でそれが子供のような嫉妬だろうとも抽出し、反映してしまうことが明らかになりました。
Sっぽい性欲的なものが抽出されたりすることもあるのだろうか。
番外さんはどっちかというとMな気がするけどなー
新約で公衆の面前でのスパンキングを望んだり
番外個体は間違いなくM
それもかなりの
でも本人はネットワークからの感情云々って言い訳して否定しちゃう
いや番外さん麦のんは打たれ弱いSだ
基本Sだが自分のペースを崩されると一気に揺らぐタイプ
自分より強いS、押しの強いM、優しくしてくれる人等に弱い
>>783 アレのせいで俺の中で番外さん=レッサー的な扱いになった
複数プレイは正直きつい
御坂妹、打ち止め更には番外固体を同時に相手にする上条さん
なんてものの構想を作っていたら途中で断念した
エロは基本、女側の描写がメインになるからな
男複数でも、犯されてる女1人の描写で済むが、女複数だとその数だけ個々の描写いるし
上条番外は見てみたい。お姉様の好きな男に興味持った番外とか美味しい
ついでに美琴と番外なら二人ともドMそうだし楽しそう
妹達<シスターズ>は自身をネットワークでつながった群体として捉える反面、19090号のようにダイエットをする個が芽生えつつある個体も存在する。
で、もっとも上条に近いと思われる御坂妹(10032号)がエロ状況になった場合……ネットワークに流れる感情の波はどうなるのか。
1.番外個体が上条さんの所に突撃する。
2.嫉妬エネルギーを受けた番外固体が代替行為として一方通行に突撃する。
3.もてあました体を仲間内で「処理」する。
他の妹達みたく単純に上条さんに惚れた番外もいいと思うぞ
むしろ持て余した体をどうしたらいいのか解らず涙目になる番外にですね、
芳川さんが大人の女としでですね、その体で手ほどきをですね
番外個体が受信した感情は、多分意図的に一方通行に向けられるよう調整されてると思うから
矛先は一方通行に向くんじゃないかな
ただ、最新刊を読む限り最も影響をうけるのはいつも傍にいる打ち止めの感情っぽいから、
余程酷くない限りは大丈夫なんじゃないかな
まだ大丈夫?
>>712の続き?かわいそうな上→イン小ネタで1レスお借りします
次スレは幸せな上イン書きたいけれど上→インは俺のジャスティス(キリッ
敬虔なシスター様は言いました。
「……布団がないなら、一緒に寝ればいいかも」
軽口も叩けず、叱咤も出来ず。冗談にしてはぐらかすことも拒否することもせず。
当然のようにいつも律儀に空けられた『誰か』のスペース。そこに、俺は足を踏み入れた。
片膝を乗せると、ぎしりと重い音が部屋に響く。
甘い匂いのする銀髪が流れるパジャマの肩が、わずかに震えたように見えた。
―――― 馬鹿じゃねえの。
酷薄な声が、頭の中に響く。これは、誰の声なんだろう。
薄いタオルケットの中に滑り込むように、身を横たえた。目を閉じる。
「おやすみなさい、とうま」
俺のすぐ後ろで、彼女が囁く。
「おやすみ」
返す声が、自分の声なのにやけに遠く聞こえるのがおかしい。
眠りがやってくるまでの空白は、否応なしに、俺に現実を意識させる。
背中と背中の間に広がる5センチの距離。
狭いベッドの中で、身を縮めて。反対の端に寄るようにしてつくった、シーツの上の透明な境界。
これが多分、俺の思いやりで、狡さで、理性で、臆病で、意地で―――― 精一杯なんだ。
闇に溶けいるように静かな寝息の合間、彼女の寝言が柔らかく響いた。
「…………とうま…………」
なあ、敬虔なシスター様。
俺はお前の理解なき博愛がいたいよ。
超GJ
やっぱ上条さん2号とインさんは甘いのもいいけど切ないのがいいなあ
このまま寝ぼけて抱きついちゃったりしたら上条さんどうなっちゃうんだろう
794 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 00:37:23.53 ID:+3Mb4a78
>>792 音速でGJ!!
頑張れ耐えろ上条さん今こそ男を見せるときだかわいそうに(涙をぬぐいつつ)
sage忘れ本当に申し訳ない
ガンゴンバキンされてくる λ....
>>792 GJGJ!!
二人とも眠れないんだろうなぁ…寝たふりして互いを伺う様子が目に浮かぶよ
797 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 01:25:10.04 ID:mzUhZJbW
うーりーはーるー
次スレどうする?
>>799 490KB越えたしそろそろかねえ。
長編投下したら一発だよな
>>798 心理定規は……ヤってはないらしいな一応。朝一の頭だとどこかの誰かみたいな思考しちまったze
804 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 12:57:04.05 ID:E8AOBYWl
心理掌握は女王様ってフレーズのせいでレズなイメージがするw
>>805 いくら何でも中学生のおにゃのこに顔面そげぶパンチは……と思ったけど、アニェーゼが居たか。
今のところそげぶされた中で一番年齢が低いのってアニェーゼで良いんだっけ?
アニェーゼは同年代と見られるルチアを見る限り実はそんなに低年齢でもないんじゃなかろうかとも思うが。
アニェーゼとルチアが同年代だと?
>>805 能力が効かなくて頭を覗けず洗脳も出来ない初恋の殿方に不器用ながら雑誌で得た知識でアタックを仕掛ける心理掌握さんか
ありだな
アニェーゼは14歳だっけ?
上条さんが記憶なくす前、心理掌握と上条さんが知り合ってたってSSは出来が良かったよなぁ
しかし心理掌握、なんか出しやすいキャラ位置だし能力なのに
結局いまだに原作、名前だけで登場無しって凄いよな
>>811 あのSSは素晴らしかったな
できれば続きが読みたいけどだいぶ前の作品だし望み薄いかな
久しぶりに過去作品を読み返しまくった
なんつうか豊作だよな
駄目だった
誰かスレ立て頼む
挑戦してみる
>>817 乙です
次スレ時期になったら誰かがスレ番修正促せばいいだけの事さ
気にスンナ
>>817 乙&ドンマイ
次スレ時期に覚えてたら言いますよ〜
820 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 09:22:53.32 ID:2Hsy43Ki
>>805 それだとありきたり過ぎ
つかね、百合豚がドン引きするような濃厚なエロレズが見てえんだよ
百合スレとかお上品過ぎて反吐が出る
>>820 心理窒素辺りか?
それとも暗部抗争から分岐仕込んで心理追跡?
ああ、暗部抗争なら心理分析でもイケるか。
822 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 10:13:32.21 ID:2Hsy43Ki
>>811 強過ぎて万能過ぎる精神操作系の能力者は大抵の作品の作者が
使いこなせないでもてあまし設定だけのキャラになって活躍出来なくなるからな
826 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 10:54:33.68 ID:2Hsy43Ki
>>824 つ825
まあ、暗部いたって設定のSSも面白いかもしらんが
>>820 百合に該当しないものを百合スレに求めてどうすんのw
828 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 11:28:02.95 ID:5GzgtTcZ
そげぶそげぶ
特に用もないのに
>>1も読めない馬鹿を相手にする馬鹿がわらわらと湧く春爛漫
830 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 11:41:45.10 ID:2Hsy43Ki
いや、エロパロでレズって微妙に求めづらいしw
シスターズの誰かが「経験」した場合、その情報はミサカネットワークを通じて他の固体にフィードバックされると思われます。結果、処女なのに快楽を知っている、初めてなのに最初から「痛いけどイイ」と叫ぶような状況に?
……シスターズの生産工場の科学者に「YesロリータNoタッチ」を守らない外道が居た場合、一体どうなっているんだろう。女性化学者の中には百合大好きなのも居たかもしれないし。
>>817 乙
近頃雑談多すぎないか。今は埋めルートだからいいが。
そう思うなら自分で(ry
>雑談は雑談スレに行きましょう。
だが、雑談でネタ浮かぶことも多いんだよなー…
投下にGJと乙しか付かないスレは過疎るし
多少はあった方がいいんじゃね?
エロと全く関係ない雑談はだめだろ
雑談スレいけ
>>835 ぶっちゃけそう言ってる奴の殆どは投下してないけどな
アニメ化などして人が増えスレの消費速度も増したのに対して新しい作者が全然増えてないのがいい例
極稀な勤勉な人を例にして誤魔化してるだけ
作者を盾に雑談を続けたいだけで出会い厨レベルの鬱陶しさ
まったくだ
つまりはエロ話に華を咲かせればいいんだよ
840 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 15:45:05.32 ID:2Hsy43Ki
小ネタでも書いて投下しろつーことかえ?
>>840はまずsageをすることからはじめようか?何回ageてんだい君は
雑談でSSが流れちゃってる現状はどうかと