「「いらっしゃいませー」」
「本日のテーマは仮面ライダーのエロパロとなっております」
「純愛、陵辱、萌えに燃えなどお好きなメニューをどうぞ」
「ご注文はsageでお願いしますね」
「ネタバレには前置きもお忘れなく」
「規制でお困りの時は避難所もご利用ください」
「「大切なのは愛! どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ」」
*過去ログ、避難所は
>>2 *煽り・荒らしは放置&スルーしましょう
*あくまでも大人の為のスレです。
*作品投下後、数レスまたは半日後の作品投下のご協力をお願いします(作品が流れるのを防止するためetc.)。
*保管庫にはロックがかかっています。解除方法については
>>3へ
*次スレは、
>>980を踏んだ方が立てて下さい(不可能な場合は、代理を頼んでください)。
*また容量480kbを超えた場合はレス番に関係なく宣言をして立ててください。
*作品投下も同じタイミングでストップして次スレに投下。
「アンク、ほら、メダル!!」
「俺に命令すんな!!」
「保管庫が開かないと今まで投下された作品が読めないだろ!」
「……チッ! 特別だ、大事に扱え」
「よし、『sage』をセットして……と。保管庫の更新は2009年が最後だから気をつけなきゃな」
以上、テンプレ終了。
前スレが容量オーバーになったので立てました。
不備、追加事項がありましたらよろしくお願いします。
>>1くん、スレ立てご苦労!
報酬として君にメダルタンク一杯の乙メダルをあげよう!!
さりげなく保管庫問題までカバーしてるのはお見事
マジで乙&サンクス!
6 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 15:08:34 ID:Qfm9Z68e
>>1オーヅ!
新しいスレッドの誕生だ!
今日の映司は色々とアレだったな…
前スレでグリードには人間らしい情緒があるのかって話が少し出てたが、どうやら女心に疎いらしい映司に対し、あのアンクでも人間の恋愛事情に勘づいてた件
というか映司が疎いだけか
>>1 乙
見事なスレ立てでございました
新スレにハッピバスデイ!!
>>7 アンクは「ベタな欲望だな」みたいなこと言ってたな
映司が恋愛に疎い云々はなんか白々しく思った
おお忘れてた!
>>1乙!
>>9 800年前からロミジュリのような事情のあるカップルの恋心を暴走させたりしてたメズール様が思い浮かんだ
鈍感と言うには少々あざとい気もするし、だからってそのあざとさが恋愛面で上手く作用されてるのかと考えてみると、そんなこともなさそうだなとも思うし。
精一杯アタフタして相手(エロパロ的には女)に向かって一直線って風にも見えなきゃ、
一定の余裕がある上で相手に対しモーションかけてみたり駆け引きも上手いって風に見えるわけでもない。
相手に深い嫉妬や執着をするような危険さとかも今のとこは薄く感じるし、だからって成熟感が強いってわけでもない。
映司は掴みにくいわ人間的に。
だからこそ面白いんだけれどもさ
>>10 800年前
男「女ー!」チャリンチャリ-ン
女「男ー!」チャリンチャリ-ン
<ギシギシ アンアン
メズール「ふふ、ちょっとシチュエーションを作ってあげただけでこの稼ぎ…」
メズール「今夜もたっぷり頂くわ、セルメダル」
<アァッ、アイシテルヨ-! <ワタシモー!
メズール「……」
メズール「…いいなぁ」
>>1乙!
映司は恋愛に鈍感なのか。確かに女性と付き合ったこととかなさそうだしね。
恋愛関係には鈍感でも、やってることはやってる、って男は、結構いるのではないか。
はっきり言われなきゃわかんないんだよ、男ってのはだいたいさ。
>>1 スレ立てもパス補完も乙
恋愛に疎いのを気にしてるって事は、過去になんかやらかしたんじゃないかと思ったなw
誘われたのに気づかずスルーで相手のオネエサン激怒とかそういう
避難所よりテンプレ補足がありました。
フォローありがとうございます。
以下転記。
*ねたバレは前書き警告+空白改行を入れる
*カップリング説明や注意書きは前書きか名前欄に明記推奨
保管庫のパスはsage、プラス保管庫参照。
「現行」とは2010年6月当時の現行TV作品のこと。
環境により閲覧できないことがあります。
避難所より原文そのまま転載
>>216乙!クスクシエの破廉恥なフェア自重w
規制中なのでこっちで、以下補足と訂正
*ねたバレは前書き警告+空白改行を入れる
*カップリング説明や注意書きは前書きか名前欄に明記推奨
保管庫のパスはsage、プラス保管庫参照。
「現行」とは2010年6月当時の現行TV作品のこと。
環境により閲覧できないことがあります。
18 :
17:2011/01/16(日) 21:15:15 ID:TGJFjHnz
>>18 どんまいw
予告のお兄ちゃんアンクが格好良過ぎてやばい。
スーツ姿であの悪い顔っていうのがたまらんw
お兄ちゃん仕様のアンクにぽーっとうっとりしちゃう比奈。
「姿が同じなら中身が怪物でもいいのか」と冷笑するアンク。
傷ついた表情を浮かべる比奈を見てざまぁみろと溜飲を下げるものの
なんだか胸が痛くなっちゃって、気づいたらうっかり比奈をぎゅっと抱きしめちゃってて
俺は何をやってるんだと内心動揺しまくりのたうち回るアンクまで妄想した。
グリードが恋愛感情わかってると言っても他の欲望に対するのと
同じで浅ましいと思って冷笑してる感じだね、アンクの反応からするに。
そして英司は本当に食えないやつだな。鈍感なのを気にしつつも
ちゃんとスパイつけるのは忘れないと。
ここまで掴めない主人公もまたおもしろくていいな。
なんか映司は自分で作ったフラグを自分で折りそうなイメージ着いたわ>18話
でもモテそう
アン比奈も気になるなぁ
来週刑事さんの話だろ?
>>19 その妄想、開放しろっ(チャリーン)
てか開放してっw
ここのアン比奈好き過ぎてヤミー生まれそうだわ
映司「比奈ちゃん可愛いなぁ」
アンク「……いきなりなんだ」
映司「だからさ。比奈ちゃんが可愛いんだよ」
アンク「あんな怪力女の何が良いんだ」
映司「何言ってんだよ。優しいし、料理上手いし、見た目も可愛い」
アンク「俺が知るか」
映司「結婚するなら、ああいう子がいいなぁ」
アンク「……」
映司「ためしにデートでも誘ってみようかな?」
アンク「やめろ!!」
映司「何?冗談だよ」
アンク「……チッ」
突然の脳内再生。
18話映司との矛盾は許して。
24 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 00:38:42 ID:+mXQrILS
お願いします、教えてください
俺、保存庫のパスはほんと鈍感で実は気にしてたんです・・・
どうしたら分かるようになりますかね・・・?
すいません、ほんとに分かりません・・・orz
欲望を嗅ぎ付けた緑の革ジャンを着た不審者が
>>22の背後に…チャリーン
>>23 アンク、遊ばれてるのかw
そういや前にここで腕のみアンクと比奈の話を読んでから、自分の中で新たな嗜好が目覚めてしまった。
ガワとかは昔から好きだったけど、部分パーツのみってのもいいね。
間違いなくここの神職人達のおかげで色んなものが目覚めてしまったw
カウントメダル!
現在
>>24の使えるメダルは
・sage
・DCD(年)
・DCD(月)
・DCD(日)
・W(年)
・W(月)
・W(日)
・OOO(年)
・OOO(月)
・OOO(日)
ここまでは教えてやる
コンボの出し方は自分で考えろ
>>27 言っちゃ悪いがメダルが多すぎるから却って迷惑にry
メズール様に何枚か返そうぜ
保管庫は去年の6月あたりで止まってるよ
確かにちょいと多いか>メダルの枚数
じゃあ、DCD(年)とW(年)のメダルはメズール様に返しておこう
これで残りはsageとDCD2枚、W2枚、OOO3枚
ここまでの書き込みをよく読めばここからあと3枚減るはず
一応アドバイスもつけておくから、後は自分で考えてくれ
・必要なメダルは3枚
・一枚目のメダルは映司がこのスレのどこかでセット済み
・パスの文字数をよく数えること
これでもダメなら避難所を見ろ
>>22 開放したはいいけど、あんまりのたうち回らせられなかった。無念。
というわけで、お兄ちゃん仕様のアンクと比奈。
エロまでたどり着けませんでした。ごめんなさい。
「……え? え、え? 嘘、どうして?」
目の前の光景が信じられずに、比奈は何度も瞬きを繰り返した。
夢ではない、幻ではない。
信吾がいる。
手を伸ばせばすぐに届く、そんな距離に信吾の姿があった。
逢いたくて逢いたくて、胸痛む程に焦がれてやまない懐かしいその背中。
「お兄ちゃ……」
「うるさい」
比奈の呼びかけを不機嫌な声が遮る。
信吾よりも幾分低いその声はアンクのものだ。
酷薄な印象を与える顔つきも、鋭く険しい双眸も、比奈を拒絶する刺々しい雰囲気も、それはいつものアンクと
なんら変わることがない。
だがただひとつ違いがあり、癖のある金色の髪が短く、やさしいダークブラウンになっている。
落ち着いた色のスーツを羽織って佇む姿は、比奈がよく見知った信吾そのものだった。
信吾であって信吾でないその姿。
何が起きているのか、訳が判らず比奈は激しく戸惑った。
「アンク……よね? どうして? だって、その髪……お兄ちゃんの」
「ふん。この程度の変化はなんでもない」
比奈を見ようともせず、アンクはつまらなさそうに応えて袖口のボタンを留める。
信吾の記憶がそうさせるのか、その小さな仕草さえ信吾にそっくりで、既視感と呼ぶにはあまりにも鮮やかな
その光景に比奈はくらくらと強い目眩を覚えた。
ここにいるのはアンクであって信吾ではないと頭で判っていても、視覚からの情報が強烈で心が追いつかない。
アンクが首から無造作にぶら下げたネクタイが比奈の目に飛び込んでくる。
――お兄ちゃん、ネクタイ結んであげる。
――ん。じゃあ頼もうかな。比奈のおかげで助かるよ。
俺、ネクタイ結ぶの苦手だから。
そう言って笑う信吾の言葉が嘘だと言うことを比奈は知っていた。
比奈がやりたがるから任せていただけで、本当はちゃんと上手に結ぶことが出来るのだ。
ネクタイなど結んだことがないはずのアンクが、比奈の目の前で手際よく綺麗に結んでしまったように。
――おにい、ちゃん……。
比奈は呼吸すら忘れてアンクの姿に見入る。
それに気づいてアンクが冷ややかに笑った。
「随分といい顔だな」
アンクが比奈の顎を掴む。
そうやってごく間近からアンクに顔を覗き込まれるまで、比奈はアンクが自分に近づいてきたことにも気づかなかった。
慌ててアンクの手を払う。
「な、何よ、それ。変な言い方しないで」
「物欲しそうに俺を見てただろうが」
「……っ、そ、そんなわけ……っ」
眉を吊り上げ否定する比奈を見下ろし、アンクは意地の悪い笑みを浮かべた。
「姿が同じなら、中身が怪物でもいいのか」
くつくつと喉を鳴らして嘲笑の眼差しを向けると、比奈の顔にさっと朱が昇った。
そしてすぐに青ざめ、薄く開いた口唇が何かを言おうとして何も言えないまま震える。
大きく見開かれた瞳は一瞬で充血し、今にも涙が零れ落ちそうだ。
大好きな兄と忌々しい化物を混同した自分を恥じ、責めて自ら深く傷ついた様子の比奈を、
アンクは胸のすく思いで眺めた。
いつもより信吾に近い姿をしたアンクからの非難めいた言葉は、比奈の心を酷く抉ったことだろう。
アンクが宿ったこの男は、一人きりの妹を馬鹿のように甘やかしていたようだから。
比奈には普段、文字通り痛い目に遭わされている。
言葉だけのこの程度の報復などささやかなものだ。
ざまぁみろと溜飲を下げる一方、傷つき呆然と立ち尽くす比奈を見つめる内に、アンクの胸は何故か
きりきりと痛み出した。
――なんだ?
自らの異変を訝しむアンクの意識がほんの一瞬遠のく。
腕の中に、胸の中に、やわかなぬくもりを感じる。
「……アンク……?」
不思議そうに自分を呼ぶ声にアンクは我に返り、そして仰天した。
知らぬ間に、その身が比奈を抱き締めていたからだ。
胸の中に閉じ込めるように、両の腕でしっかりと。
――なんだ、これは!? 俺は何をやってる!?
身に覚えのない事態にアンクは狼狽え、比奈を抱いたままその両手がおろおろと宙を掻く。
落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ、何とか身体の制御を取り戻したアンクは比奈の肩を掴んで
自分から引き剥がした。
ぜぇぜぇと荒い息をつく。
「アンク……」
切なげな声音で比奈がアンクを呼んだ。
とん、と軽い衝撃と共に小さな身体がアンクの胸に飛び込んでくる。
「おい?」
「怪物でも、いい……」
苦しげに、呻くように比奈が言った。
「もう少しだけ、このままでいて……」
両手をアンクの背に回し、アンクの胸許に頬をすり寄せる。
アンクの胸がまた少し痛んだ。
それは比奈から伝染したに違いない。
そうでなければ、アンクが痛みを覚える理由など何処にもない。
「――怪物でも、か」
アンクはぽつりと呟いた。
つまらないことを言って比奈を開き直らせてしまったと、少し後悔する。
姿が同じなら怪物でもいいとアンクの侮辱を受け入れ、そうやって自分自身を貶めてまで、
比奈はこの偽りの、まやかしの兄にすら縋りつかずにはいられないのだ。
愚かなまでにひたむきな信吾への思慕、比奈のその純粋な欲望に心惹かれる自分をアンクは自覚した。
アンクは腕を広げ、今度は自分の意思で比奈の身体を抱き締める。
今は信吾にしか向かうことのない比奈のその想いを、いつか手に入れてやろうとぼんやり思いながら。
乙!
良いアン比奈でした!
比奈ちゃんのブラコンの重度を早急に知りたくなったな
それこそ近親レベルなのか、あくまで家族愛なのか
まぁ公式は後者だろうけど…
若菜vs比奈のブラコン巨頭会談
>>30 欲望解放ハッピーバースデー乙!!
お互い切なくてたまらんかったよ…!
>>27-29 この優しさに泣いた
そしてカウントメダルにフイタwうまいなw
>>30 自分
>>22なんだがありがとう!素晴らしい開放だよ!!
アン比奈のもどかし切なし最高やぁぁぁ!!!
>>30GJ!
思い出の中だけに留まらず、いつかはアンクがスーツ姿になる時が来るならば
今度は比奈がネクタイを…なんて思ったら萌えてしまった
最近伊達さんにメダル総取りされてるから
アンクがメダル不足で倒れちゃって比奈ちゃんが介抱する妄想が止まらない。
Wリターンズ(アクセル編)において、照井と所長の夜のマキシマムドライブは妄想でも期待していいですかね?
>>36 36はシリアスラブラブ辺りをイメージしてるんだろうと思うけど
自分が想像するとなんかギャグにしかならない。
赤い腕のままネクタイを結ぼうとするアンク。
「その腕じゃ結べないでしょ。馬鹿じゃないの?」
と比奈から辛辣に突っ込まれむっとしつつもそれもそうかと腕を擬態させようとしたら
その間に比奈がアンクの懐に飛び込んでさっさとネクタイを結んでしまう。
「ほら、出来た」
にっこり微笑む比奈の見事なツンデレ攻撃にアンク撃沈。
更に「……よく似合うね」なんて言われた日には悶絶して窓から飛び出しそのままプチ家出。
そもそも本体のままではシャツすら着づらいんじゃないかと言うツッコミはなしで。
二話の時点ではふたりの力関係がここまで逆転するとは思わなかったなー。
最初の頃はヨーコさんとルーシェを連想したことを不意に思い出した。
>>39 つまり比奈が腕を振り上げると、反射的にアンクはごめんなさい状態になるってことか
それはそれで見てみたい気がするww
とりあえず2人のラブラブっぷりを草加の陰から見守る映司が浮かんで名護んだ
本当に映司は獣になってくれない…
>>39 そんなにツボを押さえるよくできた比奈がギャグとな…アンクは確かにギャグかw
なんだよ、自分なんてネクタイを結ぶくだりでアンクが無駄口叩いて、
膨れた比奈が首をネクタイでふにゅ(のフリだけするけど本気でやるつもりはない)
そんでアンクがオドオドする様子を見て比奈は満足。
こんなS比奈とヘタレアンクを想像し萌えてただけなのに…
ちくしょうここのアン比奈は何だかんだで切なかったり甘かったりと良い仕事しすぎなんだよ。いいぞもっとやれ!
>>41 なぜ草加ww
ついでに聞くが、エロパロ的に獣になりやすいのは誰だろう?
自分の中では巧・士・照井がトップ3なんだが……
>>44 獣になる→巧、草加、天道、ウラ、753、もやし、フィリップ
獣に食われる→真司、加賀美、良太郎、渡、ユウスケ、翔太郎
こんなイメージ
>>45 フィリップはセックスについて検索完了したら、水を得た魚のように…
獣になった後藤さんに食われてしまう里中君
淫獣店長比奈コンビの女体蟻地獄に堕ちて食われてしまう後藤さん
みたいな二つの話を書いてみたりしたが彼はやはり受難が似合うので
どちらかと言えば食われる側か
映司と比奈も書いてるけどこの男はほんと獣にならない
もうちょっと頑張ってくれ映司
映司は絶対に女の子にそんなことしなさそうだもんなあ。
簡単に獣になりそうもないし、あっさりと食われるわけでもないイメージ
セクロスするにしても、どこまでも優しくしてる図しか浮かばない
映司エロパロに活かせないよぉー!(´;ω;`)
そういえば、先週のクスクシエ行き倒れ後藤さん
何かエロゲの主人公っぽかったw
ひたすらクソ真面目なキャラかと思っていたから、天国か・・・のボケで吹いたw
映司とはまた違った感じで恋愛に弱そうだ
>>51 あーあ
前にもあったけどここからよそに、しかも中の人のとこにリンク貼るって
次回予告でSMっぽい描写が見えたのは目の錯覚か・・・?
>>51 ローカルルール見てきなさい
今日の比奈ちゃんの脚ときたら!
後藤くんのエロゲ主人公ぶりに比奈たんの生足に来週予告の鎖宙吊りとか…
オーズ本気過ぎるだろ!いいぞもっとやれ!
>>51 気持ちはわからなくもないけどそれはやっちゃだめ。
意味、わかるよね?
ディケ組が仲良さそうでうれしいのは何よりだけどね。
怪力のことを知ってるのに比奈ちゃんを女の子扱いする映司△
今日は素晴らしい脚回だったな
そして映司と比奈ちゃんも相変わらずベッタリで良かった
もっと悶えさせてくれ
>>55 アンクが鎖で比奈ちゃん縛って吊りあげてたよな?
いったいなんなんだあのプレイは……
アンク、ついにやらかしたね
それも野外でとは大きく出たな
しかもあれ下に落とされたらびしょ濡れか?
エロパロコンボはヤバいだろ!
エロ的には、比奈ちゃんがメダルを隠す場所は、アソコでry
女の子をなぶる味方怪人とは・・・えげつない
しかし接近戦だと明らかに負けるから手の届かない宙吊りなのねww
しかも、自分は手だけになって飛べるから、アレコレできると言うww
予告よく見たら比奈が泣きそうになってる・・・
久しぶりにお兄ちゃんの話が出たけど、アン比奈にも進展があるか・・・?
というか頼む、進展してくれ!
ごとちよはまだですか?
比奈「アンク離してっ!鎖痛いっ」
アンク「黙れ!あの男はお前を狙ってるんだ。お前もこの体(信吾)もエサなんだよ、文字通りのな!」
比奈「う…っ」
アンク「あぁ?」
比奈「良いもん。いつか必ず、お兄ちゃんを取り戻してやるんだから」ポロポロ
アンク「おい、何を泣いてる」
比奈「…泣いてないっ、鎖が痛いのよ」
アンク「……チッ」
普通にアンクが比奈助けてるんだと思ってた・・
ミルク缶を重石にして引っ張り上げてるし・・
公式見てきた
嘘ついて比奈を囮にして
さらに映司を突き落とすとかおいちょっとまて
>>53 5103が753と被るのは自分だけか…?
というか、オーズは何かとキバと重なって見える
あれ、俺だけ???
5103はバース突っ返したとこでもう753とはかぶらなくなったな、俺は
多分753に対してはイクサグリップに画鋲貼ってたシーンが浮かぶからだけど
どなたか先週と先々週見逃した自分に
後藤さんが行き倒れたいきさつを教えてもらえませんか…
いきなり働き始めて驚いたけどエロゲ主人公てww
>>73 伊達さんバース登場でがっかり
→でもとりあえず挨拶に行ったら伊達さんに気に入られる
→バースにはなりたいけど真木さんの言いなりは嫌だと葛藤
→ひたすら筋トレ兼ねたランニングを続けながら考えていたらボドボドになってクスクシエに倒れ込む
→店長に食われて店員に(今ここ)
>>72 メズール様初見時は真夜思い出したし、ガメルと力は似てるし…
5103が753のように崩壊する日が楽しみだwww
そして里中くんと(ry
ちょっと引きまーす
>>75 いや、脚本の人違うしそれは期待しない方が…
78 :
冬の蛍 0/9:2011/01/24(月) 23:07:01 ID:0BG9Kz6Z
投下します。
16話ベースで映司とメズール。正直誰得俺得。
映司の行動について一部ありえないと思われそうな場面があります。
キャラが違うと不快に思う方がいらっしゃったらすみません。
スルーしていただけると幸いです。
79 :
冬の蛍 1/9:2011/01/24(月) 23:08:16 ID:0BG9Kz6Z
オーズ……と誰かに呼ばれた気がした。
空耳か、と映司は人気のない雑木林の傍らできょろきょろと辺りを見回す。
さっきまで一緒にいたアンクは映司の問い掛けに冷笑だけを返し、何も言わずに立ち去ってしまった。
誰もいる筈がない。
けれど妙に気になって、映司は林の中を覗いた。
「あのー、誰かいますー?」
声を掛けながらそろそろと木の間を進む。
と、少し行った先に小さな人影を見つけ、映司はあっと声を上げた。
大きな木の陰で人目を避けるようにしてうずくまっているのは、先程ヤミーに襲われていた少女だったからだ。
「君……! まだこんなところに!」
映司は慌てて少女に駆け寄る。
「危ないよ。まだヤミ……さっきの怪物がいるかもしれない」
少女の両肩に手を置いて話し掛けると、少女はのろのろと顔を上げた。
ヤミーに襲われたショックが残っているのか、映司を見る少女の目は虚ろだ。
「家まで送っていくよ。立てる?」
映司の言葉に少女は薄く笑い、力なく首を横に振った。
映司は少女の身を案じて訊ねる。
「え……っと……何処か怪我したの?」
「家は……ないの」
少女が初めて口を開いた。
鈴を転がすような、か細い声だ。
「もう……帰る場所なんてない……」
少女は永い年を経た老女のように疲れ切った様子で深く息をつく。
少女の言葉と態度に映司は戸惑った。
帰れない事情があるのだろうが、それを訊き出す気にはなれず、かと言ってこのまま放っておくわけにもいかない。
「……とにかく、ここは危ないから離れよう。ね? 近くに俺のバイト先のレストランがあるから……」
少女が不思議そうに映司を見上げる。
「私を……助けてくれるの……?」
「うん。助けたいって、力になりたいって思うよ」
「……だったら、あなたを頂戴」
「え?」
それまでぐったりと動かずにいた少女が、突然映司に向かって両腕を伸ばした。
あどけない顔立ちには似つかわしくない妖艶な笑みを浮かべ、驚いた映司の首をゆっくりと抱き寄せる。
そして、少女はわずかに開いた口唇を映司のそれへと押し当てた。
濡れた感触が映司の口唇をなぞり、歯列を割って口の中へと侵入する。
少女の舌が映司のそれにぴったりと絡みついた瞬間、激しい目眩が映司を襲った。
貧血の症状に似ているが、それとはまるで比べ物にならない。
触れた場所から逆流した血液が抜き取られるような、体力気力を根こそぎ奪われるような感覚に本能が
身の危険を訴え、映司は無意識の内に少女の躯を全力で突き飛ばしていた。
小柄な躯が地面に横たわるのを視界に捕らえ、映司ははっと我に返る。
80 :
冬の蛍 2/9:2011/01/24(月) 23:09:40 ID:0BG9Kz6Z
荒い呼吸がこぼれた。
「……あ……」
少女を抱き起こさなければという思いと、近寄ってはいけないという警戒の意識が交錯する。
戸惑い、動くことが出来なくなった映司の目の前で、少女がふふ、と低く笑った。
少女はおもむろに躯を起こし、乱れた髪の間から微笑みながら映司を見上げる。
「……さすが、コンボにも耐えられる器なだけはあるわね……」
「……コンボって、なんでそれ……」
少女が口にしたその単語に映司は鋭く反応した。
それを知っている者はごく一部に限られる。
鴻上の関係者でなければあとは――。
映司の背筋を冷たいものが走る。
少女は映司の動揺など素知らぬ振りで再び木にもたれかかると、ふっと息を吐き出した。
「おかげで少し楽になったわ……」
長い髪をかき上げ、少女は映司に笑みを向ける。
その冷たい眼差しには確かに見覚えがあった。
「……ありがとう。オーズの坊や」
「メズール……っ」
映司は反射的にその場から一歩飛びのく。
右手はベルトを取り出すが、メダルが手許にないことに気づくとすぐさま仕舞い、メズールの攻撃に対する
構えだけを取った。
そんな映司を見てメズールが小さく苦笑する。
「警戒しなくても大丈夫よ。生憎と見ての通り、戦える状態じゃないの」
素直に信じられる相手ではなかったが、映司は少女の様子から交戦の意思がないと判断してひとまず
構えを解いた。
距離は取ったまま、少女に訊ねる。
「本当にメズール……なのか? なんでグリードがヤミーに襲われたりなんか……」
「……ただの仲間割れ。欲望だけの怪物にはお似合いでしょう。笑っていいのよ」
メズールが自嘲した。
笑えと言われても少女の姿は痛々しく、映司は眉を寄せてメズールを見つめる。
「今の私のコアはたった一枚……この姿を保つのがやっとなの。今ならオーズに変身しなくても私を殺せるわ」
どうする? とメズールが視線で問う。
「……その姿は反則」
映司はぼそりと言った。
用心しつつ、静かにメズールに歩み寄る。
「聞きたいんだけど、今はヤミーを作ったり、人間を襲ったり、俺と戦うつもりは本当にない?」
「馬鹿にしてるの? 出来ないって言ってるでしょう」
「じゃあ、そのままじっとしてて」
近づく映司に、今度はメズールが警戒する素振りを見せた。
躯を硬くし威嚇するように映司を見るが、そんな体力もないのか逃げ出そうとはしない。
映司はメズールの前で膝をついた。
81 :
冬の蛍 3/9:2011/01/24(月) 23:11:13 ID:0BG9Kz6Z
ポケットを探り、取り出した数枚のセルメダルをメズールに差し出す。
大きく目を見開いて怪訝な顔をするメズールに、映司は控えめに笑ってみせた。
「全然足りないだろうけど」
「……どうして」
メズールが呆然と呟く。
敵である映司からメダルを与えられるなど信じられないのだろう。
裏があると疑って掛かるのが当然だ。
映司自身、自分の行動にまだ迷いがあった。
それでも映司にそんな真似をさせたのは――。
「反則って言ったでしょ」
映司は笑顔のまま少女の顔を覗き込む。
目鼻立ちのくっきりとしたそのエキゾチックな顔立ちは、遠い異国の友達を映司に思い出せた。
守りたくて、けれど守ることの出来なかった、大切な友達――。
つい今しがた鴻上から聞かされたグリード発生の経緯も映司の心に影響している。
研究者達のほんの気まぐれで奪われた一枚のメダル。
欠けたそれを求めてグリードが生まれたのならば、彼らの欲望そのものに罪はない。
けれど彼ら自身が進化を繰り返し人と世界に仇名す存在となった以上、同情や憐れみだけで戦いを
やめることは出来ないが、弱々しい姿を晒すメズールを目の当たりにして、救いの手を差し伸べたく
なってしまうのも事実だった。
それはひと時の気の迷いでなければならないと、映司は自分に言い聞かせる。
彼女がメダルを取り戻せば、またオーズとして戦う外ないのだから。
メズールは映司の真意を探るように油断のない目で映司を見上げていたが、やがて恐る恐るといった様子で
右手を差し出した。
映司は広げられた小さな手の中にメダルを落とす。
しばらくそれを見つめてから、メズールはぎゅっと握り締めた手を持ち上げ、胸の辺りでゆっくりと開いた。
一枚、二枚、三枚……メダルは銀色に輝きながらふわふわと宙に舞い、溶けるようにしてメズールの躯に
吸い込まれていく。
メズールがまた大きく息を吐いた。
「人間に……それもオーズの器に同情されるなんて、ね……」
泣き笑いの表情を浮かべて映司を見る。
悔しそうな、だが今の事態を面白がっているような複雑な笑顔だ。
意外と表情が豊かなのだと、映司は今更のように感心する。
アンクもそうだが、人間離れした言動はともかく、名乗られなければ立ち居振る舞いだけで彼らをグリードと
見抜くことは出来ないだろう。
怪物ならもっと怪物らしくいて欲しいと思わなくもない。
「同情ってわけじゃ……」
映司はそわそわと視線を彷徨わせながら頭をかいた。
メズール、と言うよりも目の前の少女に対して湧き起こった感情は自分でも把握しづらい。
「いや、やっぱ同情、になるのかな……」
「構わないわ。同情してくれるなら、もっと甘えてみようかしら」
「え?」
メズールが映司の膝に手をついてその身を乗り出す。
「足りないわ。もっと頂戴?」
82 :
冬の蛍 4/9:2011/01/24(月) 23:12:50 ID:0BG9Kz6Z
「……ごめん。メダルはもう……」
「馬鹿ね」
メズールが笑った。
初めて見る、その姿に似合った少女らしい楽しそうな笑みだ。
笑いながら、メズールは映司にキスをした。
口唇が触れる、
「オーズ」
息が掛かる、
「私を愛して」
その至近距離でメズールが甘く囁く。
「あなたの命を、私に感じさせて」
小さな手のひらが、意味ありげに映司の膝を撫でた。
彼女が言わんとすることを悟り、映司は瞬きもせずにメズールを見つめ返した。
「……そっか。さっきの目眩、やっぱり君の所為だったんだ」
触れ合うことで、映司から生気を、人間が持っている生きる力を奪い取ったのだろう。
そして今またそれを寄越せと言っているのだ。
「そうよ。怖い?」
メズールが映司の瞳を覗き込む。
そのあどけない顔に挑発的な笑みを浮かべ、試すように映司を見た。
「今度はあなたの命をすべて奪ってしまうかもしれないわ」
「……そんなにやわじゃないと思うけど」
映司は首をかしげながら人懐っこく笑ってみせる。
膝の上の小さな手に自分の手を重ね、メズールの鼻先に鼻をすり合わせた。
「好きなだけ取っていいよ」
声をひそめて囁く。
「俺、体力には自信があるから」
「……コンボといい、自信家なのか無鉄砲なのか判らないわね」
メズールが呆れたように笑った。
そうだ、コンボと同じだ。
最初から駄目だと諦めていたら何も出来ない。
大丈夫――そう信じていれば大丈夫だと、映司は根拠もなくそう思った。
映司は両腕を広げてメズールの躯を包み込む。
映司の腕の中にすっぽりと納まってしまう小さな躯。
抱き上げて場所を入れ替わり、自分が木にもたれかかってから膝の上に座らせた。
重さは殆ど感じない。
艶めく黒髪をかき上げるようにして頬に手を添え、口唇を重ねる。
知らない人間が見たら通報ものだと他人事のように思いながら、啄ばむようにくちづけを繰り返す。
メズールが映司の髪に指を差し入れ、もっととねだるように映司の頭を引き寄せた。
「ん……っ、ふ、んん……っ」
開いた口唇の間から、メズールが濡れた吐息を漏らす。
83 :
冬の蛍 5/9:2011/01/24(月) 23:14:09 ID:0BG9Kz6Z
差し入れた舌にメズールの歯と舌が触れ、ぴちゃぴちゃと音を立てて舐め吸われていると、自分が本当に
彼女の為の食べ物になった気がした。
その内自分の躯が溶けてなくなるんじゃないかと思うほどだ。
そうなってもまぁいいかとのんびり構えている自分が心の何処かにいる。
映司は手のひらでメズールの首筋を撫でた。
指先で耳の付け根をくすぐるように撫でると、メズールが気持ち良さそうに目を細める。
ん、とわずかに顔を上げる仕草が上品な猫のようだ。
「気持ちいい?」
「ええ、とても……」
訊ねると素直な答えが返る。
それが可愛い。
見た目に惑わされれば痛い目に遭うと判っていながら、映司は腕の中の少女をいとおしく感じていた。
そうでなければ、仮初めにもこんな真似は出来ない。
映司は首筋を撫でていた手を少女の胸許へと降ろした。
ボタンを外し、服の間から手を忍ばせる。
触れた素肌はぞっとするほど冷たかった。
夜風に晒された頬や首とまるで変わらない。
「寒くないの? こんなに冷えて……」
「平気よ。何も感じないわ。人間じゃないもの」
メズールが指先で映司の頬を撫でた。
「間違えちゃ駄目よ。人間じゃあないの」
「……知ってるよ」
諭すような口調に苦笑を返し、映司は少女の冷たい指先を包むように握る。
服の中に差し入れた手を肌に密着させてゆっくり撫でさすると、氷のように冷え切った少女の肌が映司の
体温に馴染んで少しずつあたたかくなっていった。
緩やかな曲線を描く胸を大きな手のひらで覆い、包み込んで弧を描くように乳房をやさしく揉み解す。
小さなふくらみが張りを持ち、手のひらに固く隆起した先端を感じた映司は胸許へと顔を伏せた。
少女の肌を外気に晒さぬよう外すボタンは最小限に止め、袷の間から赤く色づいた蕾を口に含む。
ぺったりと絡めた舌でざらりとした感触を楽しみ、舌先でつついたり強弱をつけて吸ってみたり、軽く歯を立ててと
様々な刺激を与えると、メズールが、あぁ……と切なげな吐息を漏らした。
「……子供の癖に、随分慣れてるじゃない」
「似合わないよ、そんな言葉遣い」
メズールが映司の頭を抱き寄せ、自分の胸へ押しつけるように強くかき抱く。
「上手ね。上手よ、オーズ……」
感じ入ったように熱を持った囁きは夜の中に甘く溶ける。
――オーズ、か……。
名前を呼ばれたいと少し思ったが、映司は胸に湧き上がったそのささやかな欲望を素早く心の奥底に
仕舞い込んだ。
メズールとの関わりはこの刹那のことであり、深く入れ込んでも虚しさが募るだけだ。
84 :
冬の蛍 6/9:2011/01/24(月) 23:15:38 ID:0BG9Kz6Z
肌を触れ合わせてもそれはただの熱のやり取り、彼女にとっては食事の代わりだと割り切り、
映司は少女の腰の下に手を這わせた。
太腿を覆うレギンスを下着ごとずらし、細い足の間に指先を潜り込ませる。
しっとりと膜を張ったように潤ったその場所を探り、肉を掻き分けた先の突起を軽く摘むとメズールが
悲鳴のような声を上げてその躯を強張らせた。
「ごめん! 痛かった!?」
慌てて詫びる映司に、メズールは鷹揚に首を振る。
「……馬鹿ね。気持ちいいだけよ。それくらい察しなさい」
「……すみません」
映司は思わずぺこりと頭を下げた。
見た目が少女だから咄嗟の判断が狂ってしまうのはどうしようもない。
メズールの外見と本性の落差に心が追いつかないのだ。
行為を再開しても、幼く繊細な印象を受けるその場所に対する映司の指の動きは慎重なものになり、
それが物足りないのかメズールは切なげに眉を寄せた。
メズールは映司の耳許に口唇を寄せて自分の望みを告げる。
「もっと激しくして……」
欲望と言う名を持つ彼女は、自らの欲望にも忠実だ。
欲しいものを欲しいと言い、それを手に入れる為の手段は問わない。
見境のない彼らの衝動は危険だが、その純粋なまでの情熱を映司はほんの少し羨ましく感じた。
メズールの求めに応じ、映司は淫らな水音が耳に届くほど激しく指を動かす。
つぶらな肉芽を指の中で躍らせると更に溢れ出た蜜が映司の指をしとどに濡らした。
映司の愛撫に合わせ、あぁ、あぁ、と短く声を上げる彼女の躯が、ぼんやりと淡く青い光りを放って輝き出す。
映司から奪った気がメズールに力を与えているのか。
指で触れているだけでこれなら、この先は一体どうなるのかと不安と興味を覚えながら、映司は少女の中の
細く狭い場所に指を侵入させた。
その場所は映司の指をすんなりと受け入れながらきつく締めつける。
指に受ける感触を自分自身に置き換えて想像し、映司の躯は反射的に震えた。
雄の部分が熱を帯びてにわかに立ち上がる。
それを目ざとく見つけ、メズールが映司の股間をやさしく撫でた。
「興奮してる?」
「うん、すごく……」
「その欲望、開放なさい」
くすくすと笑いながらメズールがベルトを外し、映司を取り出す。
その先を期待して反り返るそれを両手で宥めるように包み込み、赤い舌をぺろりと出して嬉しそうに
舌なめずりをした。
「ふふ、素敵……」
「あの、あんまり触られると……ちょっと」
「大丈夫よ。私も待ちきれないの。来て。全部、飲み込んであげる……」
メズールは自ら膝立ちになり、映司の腰を挟み込むようにして躯を落としていく。
熱く濡れそぼった感触が映司を包み込んだ。
85 :
冬の蛍 7/9:2011/01/24(月) 23:17:33 ID:0BG9Kz6Z
じわりと締めつけながら奥へと導くその快感に映司は低く呻く。
隙間なく映司を飲み込み包む襞が細かく蠢き、映司自身の脈動と絡み合って何もせずともそのまま
達してしまいそうだった。
映司の呼吸が熱を帯びて荒くなる。
深い呼吸を繰り返し、せり上げる快感をやり過ごした映司が顔を上げると、微笑むメズールと目が合った。
締めつける力は強く、狭い場所を無理に押し広げられた苦痛はかなりのものではないかと思うのに、
彼女は驚くほど綺麗に笑っていた。
痛みを感じないのか、或いは痛みすら快楽に変えてしまうのか。
目許を紅色に染め、両の瞳を潤ませ、頬にうっすらと汗を浮かばせながら、満ち足りたように艶然と
笑みを刷くメズールを匂い立つような色香が飾る。
「……メズール」
映司がメズールの頬に手を伸ばすと、メズールも同じように映司の頬を撫でた。
「オーズ……いいわ。すごく、熱くて……」
「君も、熱いよ……」
お互いに引き寄せあい、目を閉じて深くくちづけを交わす。
「動いて……いい……?」
メズールが頷き、映司は少女の細い腰を抱いて大きく突き上げた。
「あぁ……っ!!」
喉を反らせてメズールが喘ぐ。
あどけない少女が恥らうことなくあけすけに声を上げ、快楽に悶える姿が映司の目を奪った。
同時に本能が理性を侵食し、背徳感が欲望を加速させる。
少女を気遣いたくはあるのだが、躯の欲があえなくそれを凌駕した。
獣のように腰を突き上げる映司に対し、メズールもまた自ら躯を揺すって更なる快楽を追いかける。
メズールが放つ輝きが増した。
それを視界に捉えて映司は気づく。
無防備で敏感な部分を取り込まれているというのに、最初のキスの時のように全てを持って行かれる
感覚がまったくなかった。
当然恐怖も感じない。
与えたいという想いが映司の中から溢れ出し、それをメズールが浴びるように食んでいるのだ。
まるで心から愛し合う男女のような、穏やかな交合だった。
「オーズ……オーズ……!」
メズールが映司を呼ぶ。
その声に愛しさが込められているように感じるのは映司の願望だろうか。
「メズール……っ」
応えて、一際強く腰を打ちつける。
映司の膝の上で小さな躯が跳ねた。
珠のような汗が飛び散る。
甲高い声を上げてその身を震わせ、メズールが映司を快楽の極みへと誘った。
闇の中、少女の躯はより一層眩しく、青白い光りを放って神秘的に輝く。
まるで蛍のようだ。
長い髪をふわりとたゆたせ、目を閉じてうっとりと快楽の余韻に身をゆだねるメズールの姿を、
映司は心から美しいと思った。
86 :
冬の蛍 8/9:2011/01/24(月) 23:19:28 ID:0BG9Kz6Z
熱を帯びた躯を夜風が急速に冷ます。
「……アンクには気をつけた方がいいわ」
映司の膝に座り、その肩にもたれかかりながらメズールが言った。
「……仲、悪いんだ。あいつが仲間のメダルを持ってきちゃったから?」
「昔からよ。同じグリードだけど、何かが違うの。何を考えているのか、さっぱり判らないし」
口唇を尖らせるメズールは、嫌いな友達の悪口を言う子供のようで微笑ましい。
映司は微笑みを浮かべて少女の髪を撫でた。
「今はあんな状態だから、少しは大人しくしているでしょうけど、人間なんかの手に負える男じゃないのよ」
メズールは厳しい顔つきで映司を見上げる。
「判ってる……つもりだよ」
アンクが危険な存在だということは充分自覚しているが、同じグリードであるメズールから念を押されて
映司は少し暗い気持ちになった。
いつかはアンクとも戦わなければならない時が来るのだろうか。
「――警告はしたわよ」
メズールがゆっくりと立ち上がる。
映司の額にそっとキスを落とし、
「……名残惜しい気もするけど、行くわね」
「……何処へ」
映司に背を向けてメズールは独り言のように言った。
「ガメルを探さなきゃ……きっと私を探してるわ。あの子、私がいないと……あの子がいないと……私……」
映司から吸収したエナジーでは一時しのぎにしかならないのだろう。その足取りは頼りなく覚束なかったが、
映司に出来ることはもう何もない。
「メズール!」
少女の背中に向かって映司は叫ぶ。
「俺は、何かが欲しいって思う欲望は、全部が悪いことだとは思わない。だけど、その欲望が誰かを傷つけたり、
世界を壊そうとするならそれは止める。全力で止める。ヤミーとも、グリードとも戦う。だから……」
口の中が乾いて、喉が引き攣ってその先が中々言えない。
それでも映司は振り絞るように言葉を吐いた。
「だから、……たとえ、それが君でも、俺は――」
メズールが足を止める。
ぴんとまっすぐに背筋を伸ばし、首をもたげて映司を顧みた。
「当然よ」
幼い容姿に誇り高い女王の風格をまとい、メズールは凛とした眼差しを映司に向ける。
「さよなら、オーズ。次に逢う時は、同情はいらないわ」
ほんの一瞬かすかに笑い、メズールは再び歩き出した。
引き止める言葉も理由も持たない映司は、ただ無言で彼女を見送る。
メズールは一度も振り返ることなく、夜の闇の中に溶けるようにして消えた。
87 :
冬の蛍 9/9:2011/01/24(月) 23:25:05 ID:0BG9Kz6Z
それは悲痛な叫びだった。
「あなたが全部欲しいのよ……!!」
あどけない少女の口から発せられたとは思えない、血を吐くようなその叫び、その渇望に対し、ガメルだったメダルの
集合体がメズールの肉体へと吸い込まれてゆく。
更に、何処からともなく現れた大量のメダルをも取り込んだメズールは、瞬く間に見たこともない巨大な幻獣の姿へと
変化した。
「メズールも力をコントロール出来てない。あれはただのメダルの化物だ」
アンクが言う。
映司は、メダルの化物と化したメズールの姿を呆然と見つめた。
メズールの意思もガメルの意思も、もうそこにはない。
巨大な力で全てを破壊し、喰い尽くさんとする怪物がいるだけだ。
「メズール……」
静謐な夜の空気の中、淡い光りを放ちながら夢のように美しく浮かび上がった彼女の姿を思い出す。
幾度も見せた笑顔の、その儚げな面影が胸をよぎる。
映司はきつく口唇を噛み締め、拳を固く握り締めた。
まっすぐに前を見据え、心を決める。
同情はいらないと彼女は言った。
ならば今、自分に出来ることはただひとつだ。
世界を守る為に。
一度はこの腕に抱いた女を無に返す為に。
アンクから受け取ったメダルを手に、映司は自らへと厳かに命ずる。
――変身、と。
G・・・J・・・!!!
えろいし切ないし素晴らしい……!
よいもの読ませていただきました乙です!
なんという俺得…GJ!
GJ!
なんか…開眼した
>>74 ありがとう
後藤さんのこれからのエロゲ主人公ライフに期待w
もやし×夏ミカンが好き過ぎて辛い
>>87 あの後ガタキリバで瞬殺だったことを思い出して吹いたw
>>93 お前は俺かw
士夏妄想ならどれだけでも思い浮かぶぞw
しかしWとオーズは一向にエロ妄想が出てこないのは何故だ orz
>>95 士がWやオーズライダーズにくらべて鬼畜だからじゃない?
それとも、ヒロインに問題が?
Vシネの公式で亜樹子が照井亜樹子表記で萌えた
ところで士夏の結婚式はまだなのか?前後が結婚式あるライダーなんだからついでに士夏も結婚式すると思ってたんだが
Wの結婚式シーンに混ざりこんでいないかと楽しみにしてたのに
>>97 士夏なら、一般的な結婚式のイメージを覆すような感じになるのかな。
淫靡な結婚式…?
雑誌のVシネ写真から妄想して書いてしまった照亜樹小ネタ、投下します。
回想で翔フィリも登場。
エロ無しですまない。
99 :
照亜樹:2011/01/27(木) 00:22:02 ID:TN94I10P
今日は久しぶりに定時で帰宅し、夕食もゆっくり楽しむことができた。
「ごちそうさまでした〜!あーおいしかった!誰が作ったんだっけ?…あ、私だ!テヘッ」
一人ボケつっこみをして、彼女……妻は満足気だ。
「ごちそうさま」
俺は、後片付けのために立ち上がった。
楽しく温かい食卓など、しばらく忘れていた。
家族。
独りではない部屋。
時々触れるぬくもり。
柔らかい色使いのファブリック。
優しい洗剤の匂い。
「りゅーくん、なーにニヤニヤしてるの?」
洗い物をする俺の背中に抱きついてきた。
「……ニヤニヤ、していたか?」
「うんっ!」
満面の笑みで顔を覗き込んでくる。
「あ!やらしいこと考えてたんでしょ!!」
「いや、そんなことは……」
「今晩は早く帰ってこれたからやる気満々、なんてキャー、ヤダー!!」
妻は俺の背中をバシバシと叩く。
『やる気満々』という言葉に、何かがフラッシュバックする。
そうだ、フィリップだ。
結婚式のパーティーにて。
こういった時にありがちな、新郎新婦への質問コーナーという企画が行われた。
「馴れ初めは?」「プロポーズの言葉は?」など、これもお約束の質問が続く。
「お子さんは、何人ぐらい?」
この問いが為された瞬間、俺の斜め前の席にいたフィリップがつぶやいた。
「……これは興味深い……」
左が慌てているのが、俺にはよくわかった。
さすがのフィリップも場所はわきまえるようになった。ヒソヒソ声で、
「だって翔太郎、おかしいと思わないか?!
社会的には、公の場でセックスの話題はタブーだとされているのに、こんな沢山の男女、しかも新郎新婦にとっては友人知人の前で、『あなたがたはセックスに励みますか、それとも淡白ですか』って質問しているのと同じじゃないか!!」
俺は思った。同じじゃない。
そのタイミングで、妻は意気揚々と答えた。
「子供はぁ、ラグビーができるくらい欲しいですぅ」
次回、アンク比奈の青カン鎖プレイが見れるなんて
胸熱
101 :
照亜樹:2011/01/27(木) 00:23:09 ID:TN94I10P
会場は笑いに包まれた。
「翔太郎!!聞いたかい!亜樹ちゃんは少なくとも15人は産むつもりだと宣言している。大家族だ!
やる気満々じゃないか!!」
なぜか俺が恥ずかしくなる。
「それは、さぁ」
左は頭を掻きながら、小さな声で言った。
「誰だって父親と母親があんなことやこんなことした結果生まれてきたわけだから……」
フィリップは両手を拡げた。
「検索を開始しよう。『あんなことやこん……」
「やめろ!検索中止だ!!」
左が立ち上がり、
「ちょっと!そこの人!」
と、新婦に注意されて、そうっと座る。
「だから、な、セックスとその結果とはちょっと意味合いが違うんだ。
奴らのセックスには全く興味ねえ……っつったら、まあ、嘘になるかもしんねえけどよ、それとこれとは別なんだ。
奴らの子供ってどんなのが生まれてくるか、考えてみろよ」
フィリップは新婦と俺とを眺め、俺と視線があうと、ひらひら手を振ってニッコリ笑った。
「ああ、ゾクゾクするねえ」
俺は視線をずらして、聞き耳をたてた。
「自分にない何か。
人は、それを求めて結婚するらしいぜ。補い合って家族を作るんだ。
見てみろよ、亜樹子の顔」
白いウエディングドレスが反射する頬はみずみずしく輝き、うっすらと紅く染まっている。
唇は柔らかく何かを告げ、瞳はキラキラと微笑む。
この女の子の一番美しいひとときを、最も近くで目にすることが出来る俺は、夫なのだ。
幸せにする。
淋しい思いはさせない。
そう、誓った。
「結婚、か……」
「結婚、ねえ……」
「ラグビーするときには、是非僕達も混ぜてもらおう」
「ん、だな」
「終わったぞ」
俺はふきんを絞って言った。
妻の姿がない。
リビングのソファーに腰掛けてTVのリモコンを手にとる。
と、後ろから伸びてきた手が、俺からリモコンを奪う。
振り向くと、裸にバスタオルの妻がポーズをとっている。
「お風呂にする?それとも、あ、た、し?」
答える隙を与えられぬまま、膝の上に転がり込んできたその体を受け止めた。
「……風呂」
とたんに妻は膨れっ面になる。
慌てて付け足す。
「いや、あの、……一緒に」
妻は頷いて、ニコッと笑った。
「やる気……いや、なんでもない」
おわり
102 :
照亜樹:2011/01/27(木) 00:25:06 ID:TN94I10P
以上です。
照井がどのくらいくだけてきたか、Vシネ楽しみ!
失礼しました。
>>102 GJ!照井夫妻は子だくさんっぽいななんとなくw
雑誌に載ってる写真見ると相当なラブラブ新婚っぷりのようで楽しみだ
GJ!!
んで、間に割り込んじまってスマン!
ちょっと鎖で吊されてくるわ
>>102 GJ!!!
その先のエロ井夫妻もぜひ見たいですハァハァ
GJ!!
それはそうと
照井家の子供達もみんな仮面ライダーになりそうだよなwww
戦隊が皆兄弟ってのは見たことあるけど
出てくるライダーが皆兄弟な仮面ライダーなんて想像つかん
GJGJ!!
ラブラブすぎる新婚生活にニヤニヤが止まらんww
是非その後風呂で励んじゃう夫婦も!!
108 :
102:2011/01/28(金) 00:12:57 ID:Hj3kBdI3
>>104 貴様かッ!……真っ先に喰ってやるッ(鳥
>>106 それこそオールライダー的な
ちょっとくすぐったいぞの兄弟連鎖か
兄弟ガタキリバキックか
109 :
95:2011/01/28(金) 00:33:01 ID:OhiL/N7B
>>96 亀レスだが、たしかに士の鬼畜・悪役属性は大きいかもしれん
なにしろ普通にディケイドのパロを書こうとしても、何故か士夏エロ設定が顔を出す始末だww
逆にWはせいぜいギャグエロか小話、オーズに至ってはアンクいじめしか浮かばない……
>>102 GJ!
フィリップの言動があまりにも的確すぎてワラタw
キーワードはさしずめ「新婚、初夜、子供」あたりか
ついでに兄弟ガタキリバキックは自分も是非見てみたいww
>>106 照亜樹Jr.s「「ガータガタガタキリッバ!ガタキリバ!」」
翔太郎「どれがどれだかわかんねぇよ…」
翔ちゃんもはやく嫁さん見つけて欲しい
アンクと比奈ってさ
精神的には人外と美少女、肉体的には近親ってタブーだらけじゃんって妄想すると
マックCMの子供並にたぎっちゃうんだぜっ!
アンクと比奈なのに、冴子さんで523?
予告で妄想。アン比奈小ネタ、ややネタバレ?
「おい、返せ!!」
「いや! 絶対に渡さない!!」
取り上げられたメダルを奪い返そうと、アンクは比奈の手首を掴んだ。
もう一方の手でメダルを握り締める指をこじ開けようとするが、比奈にその腕を掴まれて引き剥がされてしまう。
お互いに片方の手は相手の腕を掴み、もう片方は掴まれるという妙な体勢でふたりは睨みあい、壮絶に火花を
散らし合った。
「……か、え、せ」
「……い、や」
一見互角のようだが、「ふにゅ〜」の掛け声が出ていないことを考えれば、まだ比奈が手加減をしていることは明らかだ。
力勝負では分が悪いと判断し、アンクは一計を案じる。
「大人しく言う通りにした方が身の為だぞ」
「こんな状況で言われても、全然説得力がないんだけど」
「そうか」
アンクはふっと小さく笑うと、比奈の腕から手を離した。
その手ですぐさま比奈の顎を乱暴に掴み、生意気ばかりを言う口を口唇で塞ぐ。
驚愕に大きく見開かれた黒い瞳を視界に捉え、満足げに目を細めたアンクは強引なくちづけから比奈を解放してやった。
顎は掴んだまま、意地の悪い笑みを浮かべながら比奈の瞳を覗き込む。
「どうだ? 好きでもない男に口唇を奪われた気分は。これに懲りたらさっさと――」
すっかり勝ち誇った気分でいたアンクはしかし、比奈が浮かべる奇妙な表情に気づいて言葉を切った。
てっきり声を上げて泣き出すものと思っていたのに、眉根を深く寄せ険しい目つきでアンクを見るその表情は
涙とは程遠くただひたすらに不機嫌だ。
「……なんだ、その不満そうな顔は」
「……だって、下手だし」
「はぁ!? こんなもんに上手い下手があるか!」
理解不能と吼えるアンクに、比奈はため息をついて淋しげに顔を伏せた。
「お兄ちゃんは上手なのに……」
「……ちょっと待て。おまえら出来てんのか」
「下品な言い方しないでよっ」
比奈がアンクの足を容赦ない力で踏みつける。
「いてぇ! 踏むな! 判った、もう一回だ!!」
胸の中に信吾への対抗意識が沸々と湧き上がり、アンクは指を立てて高らかに叫んだ。
「たかがキスひとつで馬鹿にされてたまるか。いい機会だ、人間よりもグリードの方が上だってことを教えてやる」
そしてアンクは、もう一度比奈にくちづける。
当初の目的をうっかりと忘れそうになっていることには気づかないままで。
そして駄目出しされ続けるアンク。バカップルまっしぐら。
強気比奈が好き過ぎてどうにもアンクが不憫様に。
>>113 GJ!
ダメだアンク不憫すぎるwww
というかおいおい信吾兄さん・・・!
>>113 不憫なほど人間の小娘ごときに心掴まれてる怪人とか美味しいじゃないの
>>113の不憫怪人はエロパロ的にならかなり優秀な働きをしてくれると思う。
グリードは欲望には忠実だから、きっと比奈はめっためたのどっろどろになって初めて「煽らなきゃよかった」と気付くに違いない。
>>113 超GJ!!!
このバカップルのやり取りを永遠に見ていたいヤミー生まれたおw
>>115 めっためたのどっろどろ・・・嫌いじゃないわっ
後藤さんと店長、映司と比奈の2本投げ(全10レス)
本編設定無視、捏造、勝手な解釈、キャラ崩壊、その他いろいろ満載
特に映比奈の方はもう俺得妄想たれ流しで長い(7レス)上に一応行為はあるがエロくない
ダメな人はスルーで
NGはそれぞれ
後藤さんと店長:"Rest in Peach"
映司と比奈:"CORE"- Twinkle Snow Powdery Snow -
「さて、どうしたもんかしらね」
店長は、床に転がって何やらブツブツとうわ言を呟いている男を興味深げに眺めた。
男は「これがあの世か」「天使が」などとわけの判らない言葉を繰り返しながら何故か
口元に幸せそうな笑みを浮かべている。
「とにかくこのままじゃ彼、風邪ひいちゃうわね」
「そうですね店長、かわいそうです」
比奈は心配そうな声音で、だが不思議そうに男の顔をじっと見つめている。
どっかで会ったっけ?この人。何かまえに見たことあるような……。
「いい男よね?」
店長がぐび、と喉を鳴らす音を聞き、比奈は呆れたように振り返った。
「もう店長!そんなこと言ってる場合じゃないですよ。早く介抱してあげなきゃ」
「あ、そう。そうね。うん。じゃ、比奈ちゃん、彼を奥の部屋のベッドで休ませてあげて。
あたしは開店の準備してから交代するから、その後はお店の方をお願い」
「わかりました」
比奈はひょい、と男の体を肩に担ぎ上げ、店の奥へと運んでいった。
後藤はぼんやりとした意識の中でゆらゆらと漂っている。
自分は死んだのだ、と思った。天使を見たからだ。しかも二人も。
天使にしては奇妙な衣装に身を包んだ二人は「もう大丈夫」「私達が助けてあげる」などと
彼に優しく囁いてきた。死んだ自分に大丈夫も助けてあげるもないだろう、と少々疑問を
覚えたが、そんな疑問もゆらゆらとどこかに漂って消えていく。
記憶の合間。天使の片方に服を脱がされた気がする。体を撫で回された気がする。
なるほど、天国では服を着替えるのだろう。死人にトレーニングウェアは似合わない。
それにしても裸では少し肌寒い。何でもいいから早く着る物を持ってきてくれないものか。
意識がやや戻ってくる。それと共に、何故か股間になまあたたかい何かを感じる。
ぴちゃ、ちゃぷ、と微かに聞こえる水音。その音と共にぬるりと触れ、まとわりついてくる
湿った、やわらかな何か。
何だこれは?……これは……これ……は?
彼の背筋に、ぞわぞわとした快感が這い登ってきた。
「ん、あふ。ふぅ。おっきぃ……ふふ。むふふ」
店長は彼の股間に、文字通りむしゃぶりついていた。
彼女は彼の物に夢中になって舌を這わせている。興奮しつつ鼻を鳴らし、ぺろりと舐めたり
ちゅうちゅう吸ったりぱくりと咥えたり、大騒ぎだ。
「あぁ。すごい。こんなに細い体なのに逞しくって。いいわ。あなたいいわぁ。待ってたのよぅ
あなたみたいな細マッチョ系。むふ。むぐ」
いきなりこの店に転がり込んできたこの男。正体は判らないが、絵に描いたような店長の
好みであった。かわいい顔とそれに似合わぬ鍛え上げられた逞しい肉体。
そんな男が無防備に無抵抗に目の前で意識を失って横たわっている、とあってはこの男が
何者か、などという多少の細かい事はどうでもよく、とても我慢などできるわけがない。
まさに棚からボタ餅。これを天からの授かり物と言わずして何と言おう。
店長は再び彼の物に快感を与える楽しい作業を再開し、彼の体を隅々までその指と唇と
舌を駆使して熱心に点検していく。
うっすらと目を開けた彼の目に、自分の目の前で何かが揺れている姿がぼんやり映った。
それは横たわった彼の顔の上に跨っている店長の尻だった。夢中なために衣装がめくれ、
下着を身に着けていない彼女は尻も股間も剥き出しになっている。しかし彼には意識が
ないと思い込んでいる彼女はまるで気にもしていない。
まだ朦朧としている彼にはそれが何かは認識できない。自分があの世にいると信じ込んだ
彼にはそれが風に揺れる、見知らぬ白く巨大な果実のように見えている。
そう言えば俺は腹が減っていたんだ。喉も渇いている。
天国には果物しかないのか。なるほど、桃源郷とはよく言ったものだ。
何てうまそうなんだ。こんなにみずみずしく、たっぷりと蜜を滴らせているじゃないか。
せっかくだからいただこうと、彼は誘うように揺れている熟れた白い果肉に手を伸ばした。
おっと、こんなところに種があるようだ。取らなければ。
後藤はその果肉の、薄桃色の中心を指でぐり、とほじくった。
「きゃひぃっ!!」
夢中で愛撫を続けていた店長はいきなり甘い叫びを上げた。
目を閉じ眉をひそめ「あ、あんっ!あっ。あっあっ!」などと喘ぎ出す。びくびくと身をよじり、
その身を快感にくねらせる。
「ああぁ……どうして!?」
何とか「もしや」と思って振り向いた店長の目に、彼が股間に手を上げ、そこを熱心にぐりぐり
いじくりまわしている姿が映った。
だが彼の目はいまだ焦点が合わず朦朧としているようだ。彼女は首を傾げた。
おかしいわね。彼、まだ意識が戻ってないみたいだけど。何なのこれ。本能?
だが意識は無くとも彼の指は自分がしていることを心得ているようだ。彼のその精緻に丹念に、
そして執拗な指の動きは彼女の最も敏感な部分をほじくり返し、こねまわした。
「あ、だめ。そこ、だめぇ!あ、やぁんっ。あんぁっ!」
なかなか取れないな。
先程からどれほどほじくり返しても一向に取れないその小さくやわらかな種に彼は苛立つ。
ぴょこんと飛び出たその種をつまんできゅっと引っ張ってみる。だが種は取れずその実が
嫌がってるようにも嬉しそうにも見える動きでいやんいやんぶるぶるんっと揺れるだけだ。
果肉をほじくるたびに滴ってくる妙にねっとりとした果汁で指がべとべとだ。彼は唸った。
どうなっているんだこの実はまったく。俺に食われたくないのか!
その時、彼の目に実の中心に、微かに開いている穴が映った。
虫でも食っているのか。それともこの奥にも種があるのか。
そこか。おのれ。逃がさん。絶対に取ってやる。
彼はいきなりそこにずぶりと指先を挿し込んだ。
「きゃああぁぁっ!!」
彼の攻めに耐えつつ、負けじと彼の物に舌を這わせていた店長が驚愕の叫びを上げた。
「あぁぁ……そんな。いきなりぃ」
ガクリと彼女の上半身が快感に倒れ込む。彼の指先は何かを探すように、中をぐりぐりと
ほじくり、抉っている。
「な、無いってば!そ、そんなとこ、何も無いってば!あぁそんな奥まで!いやぁっ!」
店長は先程からゆっくりと快楽の頂点へと向かって上りつめ始めていたが、今この瞬間、
天国への階段を彼の指によって有無を言わさず全力疾走で駆け上がらされていった。
「あぁっ!やぁっ!そんなっ。あぁ、に、2本もっ!!あ、だめ。だめぇっ!」
だがただやられっぱなしでいる店長ではない。また負けじとムキになって彼の物を咥え、
快楽に顔を歪めながら愛撫を始めた。
舌と唇。そして全ての指先。彼女は己が身に着けた技術を総動員して彼を攻め始める。
どうして種をほじくると俺が快感を覚えるのだろうか。
後藤は不思議で仕方なかった。果実の種を指でほじっていると、何故か気持ちいいのだ。
天国というのは不思議なところだ。頭で理解できる場所ではないのだろう。
ねっとりとやわらかく、そして熱く包み込まれる感触を指先と何故か股間にも感じながら
彼は徐々に自分も快楽の頂点へと導かれていく。
だが今の彼にとっては空腹と喉の渇きの方が重要だ。彼はもう我慢できなかった。
せめてこの果汁で喉を潤したいと、彼はたまらずにその大きな実を両手でがっしり掴んだ。
大きく口を開き顔を上げ、彼は「ばふ」とその実の中心に鼻と口を押し当てた。一滴たりとも
その果汁を逃すまいと音を立てて吸い、虫食いの穴にまでぐりゅ、と舌を挿し込んだ。
抱きかかえるように掴んだその果実がびくん、とこれまでで最も激しく震えた。
あ。あぁぁぁぁぁ。そんな。そ、んな……ぁ!
彼の物を口にしたまま、彼女の裸身が快楽にのたうちまわる。
彼に吸われる。ずぞぞぞじゅるるとあまり品のよろしくない音を立てて激しく強く吸われる。
吸いつつも彼はまだ諦めきれずに、舌の先で探り当てたあの種を何とかほじくり出そうとし
指先は虫食いの穴の中を掻き回す。吸っては舐め吸っては舐めしつつ彼女を攻め立てる。
既に声も出せなくなった彼女は、それでも彼の物を決してその唇から離そうとはせずに、
舌を絡めながら襲いかかる快感に耐えている。だがもうそれにも限界が近づいてきた。
あぁだめ。あたしだめ、もう、ほんとに……だめ。いく!
いやいやと首を振りながら、店長は何とかせめて彼もいかせたいと思った。彼も同時に
絶頂を迎えさせなければ気が済まない。
それを咥え、じゅぶじゅぶと音を立てて顔を上下させつつ店長は必死に祈った。
いってよぅ。あたしもうほんとにだめなんだからぁ。ねぇ……もう、いってってばぁ!
「んぶ!んん!!」と甘く切ない吐息を漏らしつつ、やわらかな舌を絡めて搾り取らん
ばかりに強く吸う。すると彼女の願いが通じたのか、口の中の物が膨張するのが判った。
狂喜と共にお願いお願い早く早くあぁあたしもうだめ!と叫びつつ、ついにやってきた
絶頂の瞬間に彼女はぎゅっと目を閉じる。
二人の重なり合った身体が同時に、びくん!と跳ねた。
おぉ。おおお。おぉ!!
後藤も絶頂を迎え、心の中で歓喜の雄叫びを上げた。
これまでの長き月日に、そのプライドと類稀なる精神力で抑えに抑えてきた欲望をついに
ほとばしらせる快感。それは爆発となって彼の全身を襲った。
その快感を彼は魂の浄化と認識した。事実、彼は溜まりに溜まった欲望を全て吐き出した
のである。そりゃすっきりもすると言うものだ。勘違いするのも無理はない。
彼は生きていればすぐさま飛び起きて朝のラジオ体操ができそうなほど爽やかな気分に
包まれた。らららと歌い出したいくらいだ。
これだ、これこそがまさに昇天。なるほど、何と素晴らしい……何と……。
だがその絶頂は衰弱した肉体には負荷が高すぎた。彼は再び意識を失っていく。
遠のく意識の中で、妙に騒々しい天使の歓喜の叫びが聞こえた気がした。
そうか。迎えが来たのか。俺を、連れていってくれるんだな。
ついにその時が来た。彼は口元に安らかな笑みを浮かべ、眠りの底に落ちていく。
眠るんだ。俺はこれで本当に、安らかな永遠の眠りに……永遠の……。
あぁもう……ほんとに。この人ったらもう。
荒く甘い息を吐きつつ、店長は彼の体の上から離れ、その横にぐったりと倒れ込んだ。
「あぶ」と吐息を漏らすと口の端からとろりとしたものが溢れ出る。流れ出たものを彼女は
無意識に指先で拭い取るように、その唇へと押し戻した。
なんてこと。意識のない男にいかされちゃうなんて。
まったく何て男なのかしら。それに……すごい量。よっぽどがまんしてたのね。
ごくん、と喉を鳴らし何とか飲み込む。ぺろりと唇を舐め、ふぅ、と満足げに溜め息をつく。
体を起こす。彼を見つめる。その寝顔は穏やかだ。
「わたしあなたのこと。気に入っちゃったわ」
でもまだ。まだだめ。まだ合格はあげない。
比奈ちゃんごめんね。もうちょっとだけ待っててね。そうね、あと……二時間くらい。
今ね、あたし「面接」中なの。だから待っててね。もう少ししたら比奈ちゃんのお手伝いが
できる、新しい男の子を連れて行ってあげられるから。
あとは、体力テスト。回数と持久力ね。いちばん大事なとこだから。ちゃんとテストしなきゃ。
店長はクククと笑った。彼を見つめるその瞳が、愛しげなものから淫らなものに変わる。
ね、あなた。まだできるわよね?そんなに逞しい体だもんね。ふふ。うふふ。
彼が天使だと信じた女が、獲物を追いつめた猫のように再びじりじりとにじり寄ってきたこと
にも気付かず。彼は過去に感じたことの無いほどの解放感と心地良い疲労感の中で、その
顔に満足げな笑みを浮かべていた。
─終
「よーし、できたぁ!」
「わぁ、かわいい!」
店の前に並べたいくつもの雪だるまを眺めて、映司と比奈は顔を見合わせて笑った。
昨日から降り続いた雪。この街には珍しく大雪となり、ようやく止んだ今はクスクシエの
周囲も白一色に包まれている。
店長から頼まれ朝から雪かきをしていた映司を後から来た比奈も手伝い、二人は子供の
ようにはしゃぎながら、雪と戯れていた。
二人で作って並べた、店に来た客を迎えるために整列している大小さまざまな雪だるま。
斜めに傾いた頭がぺこりとお辞儀をしているように見えるものもあれば、尊大にふんぞり
返っているように見えるものもある。その一つを指さして比奈はクスクスと笑った。
「これはアンクね。えらそうだし」
笑いながら振り向くと、映司が空を見上げていた。
雪がまた降り出したようだ。彼は見上げた空からひらひらと落ちてくる雪を見つめている。
彼がどこか青ざめた表情と暗い目をしていることに比奈は気付いた。
あの目だ。
映司君の目。何か思い出してる時の目。
「映司君、どうしたんですか?」
声をかけられ、彼はびく、と身を震わせた。
「あ、いや。何でも……。あ、あのほら。俺、どっちかって言えば暑い国を旅してきたことが
多かったし、だから、はは。うん、雪が珍しくって」
早口でそう言いながら、彼は比奈にそれとなく背を向けた。
映司君、嘘ついてるでしょ。
比奈は彼の背中を見つめながら、切ない気分になった。
彼は何かを隠した。誤魔化した。おそらく、彼は自分の過去の何かを思い出したのだろう。
比奈に心配をかけないようにか、知られないようにか。彼は嘘をついた。
彼は優しく、あけっぴろげな性格に見える。だが本当の心の奥底までは決して覗かせない。
心の奥底。いわばコア。彼のコアメダル。彼という存在の核になるもの、彼を形づくるもの。
出会ったばかりの頃ならともかく今の比奈にさえ、彼はそこに触れさせようとはしなかった。
もう、映司君。
いっつもそうやって独りで。しまいこんじゃうんだから。
彼と雪かきをし、雪だるまを作っている時。比奈は楽しかった。幸せだった。
屈託なく笑う彼の笑顔を見ていると胸があたたかくなった。
自分が彼に惹かれていることは否定しようがない。彼のことが好きだった。
好きなのに。
でも映司君は何か。何か、遠いよ。そばにいるのに。遠い。
だから。好きって……言えない。
彼に自分の想いを伝えたいと思う。だが比奈は怖かった。
想いをぶつけて拒絶されることが怖いのではない。彼の心に届き、それが跳ね返されるので
あればまだマシだった。想いが届かなければ跳ね返ることもないからだ。
だが彼は、映司の場合は。それが届かない気がするのだ。
彼が身にまとった優しさ。それはいわば彼のコアを守る壁だ。あたたかく、やわらかな壁。
もし比奈が彼に想いをぶつけたら。彼はそれを受け入れてくれるだろう。
だがそれはただ単に、比奈を傷つけまいとする、それだけの理由からだろう。
比奈の想いは彼の心に届く前にやんわりとその優しさに吸収され、包み込まれる。その
優しさの中をただ漂うだけになる。そんな気がする。
イメージが浮かぶ。自分の想いが、彼のコアの周囲をぐるぐるとまわり巡っているイメージ。
その中心に必死に手を伸ばしてもどうしても届かず、哀しみに暮れているイメージ。
比奈はそれが怖かった。
うつむき、比奈は足元の雪を拾い上げる。手のひらの上、その熱で雪がつめたく溶けてゆく。
好きなのに。
切なさが胸に込み上げる。彼への想い、哀しみ。行き場のないやるせなさ。
もう、映司君……もう。わたしほんとに、映司君のこと。
好きなんだってば!
比奈は手にした雪を自分の想いの代わりに、「えいっ」っと彼の背中に軽く投げつけた。
ふざけたふりの八つ当たりのようなものだったが、彼は振り向き、笑った。
「雪合戦?よーし、やろうか」
彼も雪を拾い、投げ返してきた。その雪は届かず比奈の足元に落ちる。
無理に笑顔を作り、比奈も逃げる映司にまた雪を拾って投げつけた。
雪を投げ合い、走り回り二人で雪の中を転げまわっているうちに。いつしか比奈も複雑な
気分を抱えたままではあったが、彼との時を楽しんでいた。
だが比奈は気付いてもいた。映司は、投げた雪を決して比奈の体には当てなかった。
彼はわざと狙いを外し、彼女にはぶつけようとはしなかった。
「映司君。店長、まだ仕入先から戻れないって」
携帯をパタンと閉じて、比奈は店の窓際の席に座っている映司に声をかけた。
「そっか。この大雪じゃ仕方ないね。道もあちこち通れなくなってるみたいだし、今日はもう
お客さんも来ないかな」
彼は窓から外の雪景色を見ながら、アンクはどこに行ったんだ、こんな雪の中であいつ
大丈夫か、などとブツブツ呟いている。比奈は二人分の熱いココアと共に、彼と同じ
テーブルに腰を下ろした。
彼はまた外の雪景色を見ている。
どこか魅入られたような表情。その目は先程と同じく暗く、哀しみに満ちている。
その上下に動き続ける彼の視線を追い、比奈は気付いた。
違う、映司君は景色を見てるんじゃない。
雪を見てるんだ。降ってくる雪だけを見てる。
でも何故?どうしてそんなに、哀しい目をするの?
比奈はたまらなくなった。彼のその瞳の理由を知りたい。
彼に近づきたい。彼の心に。彼が抱えている哀しみを知り、分かち合いたい。
「ねぇ、映司君」
「ん……あ、何?」
「雪が、嫌いなの?」
彼は息を飲んだ。「どうして……?」
「だって、さっきからずっと、すごく哀しい目で見てるから」
「いや別に……雪は、嫌いじゃないよ」
「なら、何故?」
問い詰める比奈に彼は唇を噛み、目を逸らした。
うつむき、彼はテーブルの上に置いた拳を握りしめた。あまりに強く握ったために拳の腱が
白くなったほどだ。彼は何かこの場を誤魔化すような言葉を口にしかけ、比奈の顔を見て
ためらった。これが単なる場つなぎのお喋りではないことが判ったからだ。
彼はまっすぐに自分を見つめてくる比奈の瞳の中の、何かに気付いた。
ゆっくりと息を吐く。そして振り絞るように、彼は一つの言葉を口にした。
「……灰」
「え?」
「灰に。灰みたいに見えるんだ、雪が」
「灰って、あの火が燃えた後の?」
彼は頷く。そしてまたうつむく。肩が震えている。
「爆発して、燃えて。何もなくなって。今までそこにいたのに、ついさっきまでそこにいたのに。
なのにいなくなって。そしたら、空から灰が降ってきて。ひらひらって雪みたいに、灰が」
手のひらで顔を覆う。その言葉も途切れ始める。
「灰が降ってきたんだ。俺、いつの間にか倒れてて。動けなくて。空から灰が降ってくるのを
ずっと見てることしかできなくて。あの子。あの子……助けられなくて……!」
比奈は立ち上がった。急いでテーブルをまわり、彼の頭を胸に抱き寄せる。
「ごめんなさい!映司君……ごめんなさい!いやなこと、思い出させちゃって……!」
比奈は自分を責め、泣き出した。彼女は理解した。彼のあの哀しい瞳の意味を。
「比奈ちゃんは、悪く……ないよ」
彼のその言葉にまた涙がこぼれる。この話は以前、彼が少しだけ話してくれた、あの内戦に
巻き込まれた時のことだろう。あの子とは、彼の目の前で砲撃を受けた女の子のことだ。
顔を覆っていた彼の手が外れ、体の横に力なくだらりと垂れ下がった。
映司も泣いているのだろうと思った。だが違った。彼は泣いてはいなかった。
彼は目が虚ろになっている。がらんとした空洞のような目。
「映司君?」
返事がない。彼はまた窓の外に顔を向ける。その視線が再び上下に動き続けている。
「ねぇ、映司君……映司君ってば!」
彼は応えない。虚ろな目のままの彼の体が、ずるずると椅子から崩れ落ちていく。
その姿に切り裂くような悲鳴を上ながら、比奈は気づいた。
彼は今、ここにはいないのだ。彼はいま記憶の中にいる。あの戦場の記憶の中に。
横たわってただ空から降ってくる灰を見つめることしかできなかった、あの記憶の中に。
あまりにも深くその記憶の中に入り込んでいるため、出て来られなくなっている。
こんな映司を見るのは初めてだ。少なくとも比奈の前で、彼がここまで記憶の底に落ち込む
ことはなかった。
自分が彼を追いつめてしまったのか。
「やだ……やだ!映司君!!」
泣き叫びながら比奈は何度も彼の名前を呼ぶ。だが彼は応えない。ぴくりとも動かない。
これが彼のコア。
彼という人の核になるもの。彼を形づくるもの。この記憶はそのコアの一つ。
彼はこの記憶を忘れていない。忘れるつもりはないのだ。彼はあの女の子を救えなかった
痛みを自らの意思で抱え込み続けている。
今の彼の。自分への、アンクへの、他のさまざまな人達への接し方。度を超えた優しさ。
他人のことには必死になるのに、自分のことにはまるで無頓着で、自分自身にすら興味が
ないのではないかと思えるあの態度。これがその原因。その理由。これが彼のコアだ。
彼はある意味では歪んでいる。普通じゃない。もしかしたら危険な人なのかもしれない。
だけど。だけど。
わたしは彼が好き。今の彼が好き。
この記憶を持つ前の彼がどんな人だったのか知らない。本当の彼のことを何も知らない。
でもそんなの、どうでもいい。
わたしは彼が好き。「今の」彼が好き。
だからわたしは、映司君のぜんぶ。この記憶も含めて、ぜんぶ……!!
「映司君!!」
比奈は彼の体を抱き上げ、また椅子に座らせた。彼の視線がまた窓の外に向こうとする。
その彼の頬を両手で挟み、彼の視線を雪から引き剥がす。
だめ!
帰ってきて!
比奈は彼の薄く開いた唇に、自分の唇を押し当てた。
雪はまだ降り続いている。
窓を背にして座らせた彼の膝の上に比奈は跨り、彼の頭をその胸に抱えている。
どんなに声をかけても体を揺すっても彼は応えなかった。嫌だったが彼の頬を平手で叩く
ことすらした。しかし彼はまるで反応を見せなかった。
もう、たぶん。これしかない。
比奈は服の前を開き捲り上げ、彼の前に乳房を露わにした。
「ごめんね映司君。わたし、もう他に何も思いつかない」
目を閉じ、彼の顔を胸に引き寄せる。その乳房を彼の頬に押しつける。
「ん……」
彼の吐き出される息が熱い。乳首を掠める唇がくすぐったい。
比奈は自分が信じられなかった。彼の意識を引き戻すためとは言え、営業中の店の中で
自分は彼に抱かれようと、いや抱こうとしているのだ。
それで本当に彼を引き戻せるのかは判らない。他に何も手段を思いつかなかったからだが、
だが比奈はその若さ故に、彼を自分の「愛」で連れ戻したいと考えていた。
彼に想いを伝え、その心に届かせる。もし今の、彼の記憶、このコアが剥き出しになった
状態でそれができなければ、この先も彼の心に触れる機会は巡ってこないだろう。
意を決し、比奈はゆっくりと吸い込んだ息を吐き出した。
映司君。わたしに、あなたを連れ戻させて。わたしの声に応えて。
彼の服を脱がせ、再びその体の上に跨る。
男の子を脱がせてあげるのも初めてなら上に乗るのも初めてだ。だが映司の意識がない
ことが救いにもなり、比奈を大胆にさせている。
でもどうすればいいんだろう。わかんないよ。
動き方が判らない。比奈は彼の股間に、まだ縮こまりやわらかな状態のそれの上に自分の
腰を乗せ、ゆっくりと上下させてみた。
ぴた、ぴた、と。自分のそこが当たる。だが彼の物にではなく付け根に触れているだけだ。
なんか違う。
比奈は勇気を出して彼の物にそこを押しつけるようにあてがった。
あてがったまま上下ではなく、前後に腰だけをくねらせ動かしてみる。こすりつけるように。
「……あっ」
ふにゃりとした感触が伝わる。彼の反応はない。だが動き続けるうちに比奈の身体は反応を
始めた。そこが熱くなる。潤ってくる。潤いと共にこすりつける感触が滑らかになる。
「……んんっ!」
思わず漏れそうになった声を押し殺す。彼の頭を抱きかかえ、その髪に唇を押しつけながら、
比奈は囁き始めた。
「好き。好きよ映司君。わたし、あなたが好き」
好き、好きとその言葉を繰り返す。呪文のように。その言葉を口に出したことで比奈は胸が
熱くなってきた。そうだ。自分は彼のことが好きだ。愛している。
「好き。好きなの……だから、帰ってきて。お願い」
囁きと共に動き続ける。比奈はいつの間にか感じ、啜り泣いている。彼と肌を重ね合わせる
喜び、彼に愛を囁きこの身体で愛せる歓びに。
「映司君……映司君、映司君!!」
泣きながら彼の首に腕をまわしぎゅっとしがみついた時。比奈は股間に当たる彼の物が、
微かにぴくんと動くのを感じた。
映司にとってそれは匂いから始まった。
彼は横たわっている。あの砲撃と爆発の記憶の中で。横たわったまま灰が降り注いでくる
暗い空を見上げている。
この記憶の中で漂うのは何かが焼け焦げる刺激臭と硝煙の匂いだ。だが突然、この悲惨な
光景には似つかわしくない、甘い香りが彼の鼻をくすぐった。
あれ?俺、これ、知ってる。この匂い……比奈ちゃん?
この場所にいるはずのない、まだ出会ってすらいないはずの少女の髪の甘い香り。
その香りと共に、空から優しく、そして切なく呼びかける声が聞こえてきた。
─好き。好きよ映司君。わたしあなたが好き─
─だから帰ってきて。映司君、お願い、帰ってきて!─
比奈ちゃん!?
彼は体を起こす。だが彼をこの場に留まらせたい何かの力が彼を押さえ込もうとする。
彼の体に降り注ぐ灰。それが凄まじい重量となって彼をぐいぐいと押してくる。
やめ……ろ!
自分に言い聞かせるように心の中で叫ぶ。どこか遠くでビシ!と何かにヒビが入る音がした。
目の前に浮かぶ彼女の顔。その優しい微笑み。かわいい声。甘い香り。やわらかな肢体。
呼んでるんだ。比奈ちゃんが、呼んでる。だから邪魔、するな。俺は。俺は、俺は……!
「比奈ちゃんのところに、行くんだっ!!」
天を揺るがす轟音と共に、空が破れ、砕けた。そこから弾けるように光が満ちてくる。
ついに比奈の想いが映司に届いた。
彼は吠えた。己を縛る精神の鎖から解き放たれた彼の意識は、比奈の声が聞こえる空へ、
比奈が待っているはずのあの光の中へと、一直線に急速浮上を開始した。
「あぁ……映司君、映司くんっ!!」
比奈は狂喜していた。映司が反応している。股間に当たるそこが固く、大きくなってくる。
彼の鼻が比奈の香りを嗅ぐ。その名を呼ぶと体がびく、と震える。胸に当たる彼の唇から舌が
伸び、比奈の汗ばんだ肌の味を確かめるように舐めている。背中にまわされた彼の手の指が
おずおずと肌を撫でてくる。
その鼻で、耳で、舌で、指先で。彼は視覚以外の全ての感覚で比奈の存在を捉えた。
「あ、あがぁ」と彼の口から無意味な呟きが漏れる。意識を失って以来、初めて聴く彼の声。
戻ってきてる。あぁ、映司君戻ってきてる!
既に彼の物は比奈の体を持ち上げそうなほどに固く逞しくなっている。比奈はさらに感じてくる。
比奈が動くたびに彼のその鋼のように固い物がやわらかな部分をえぐり、割り込もうとしてくる。
「んん……あぁっ!映司くんっ!!」
悦びの声を上げた比奈の股間で、それが比奈の位置と角度を捉えた。
「お、れ……ひ……な………くんだっ!!」
突然の彼の咆哮と共に、いきなりそれがぬるり、と入ってきた。まだ心の準備をしていなかった
比奈は彼に貫かれるその衝撃とどこか甘い痛みに、絶叫した。
彼の意識と肉体はまだ融合していない。だが肉体の方は先に現実への反応を始めている。
本能が彼を動かした。彼は見えない比奈の体を抱きしめ、その香りを嗅ぎ、肌を味わっている。
そして彼は動いている。下から比奈を突き上げるように動いている。だが彼は長い間、禁欲的な
生活を送っていたが故に、早々と限界を迎え始めた。
「お……、おれ、俺!あぁっ!」
「映司君っ!!」
混濁していた彼の目に光が戻る。焦点が合う。彼は目の前で泣き顔になっている比奈を見た。
「あれ?比奈ちゃん。あれ?あの……さっき、俺。あの……え?ええええぇぇぇっ!!??」
彼はようやく気付く。自分が比奈を体の上に跨らせ激しく突き上げていることに。驚愕と混乱に
陥った彼は叫びながらその身を引こうとした。
「うわぁぁっ!?」
「だめっ!!」
比奈は彼の体にしがみついた。腕を首にまわし彼の腰に足を絡める。太腿できつく挟み込む。
離さない!絶対!もうどこにも、行かせないっ!
比奈に力づくでしがみつかれては振りほどけない。一切の隙間無く触れ合う二人の肌と肌、
やわらかな乳房や股間すらもぐいぐいと押しつけられる感触に、ついに映司は限界を迎えた。
彼の体がびくん、と跳ねる。その動きと共に比奈は身体の奥に、凄まじく熱いものが広がり
拡散していくのを感じた。
歓喜。それが比奈の胸の中に満ちる。彼の熱が全身を駆け巡っていく。
来てる。あぁ映司君……映司君の。来てる。いっぱい……。
続けざまにそれが来る。中で痙攣するような動きと共に吐き出されてくる。
それをこの身体で感じることがこれほどに嬉しく、これほどに幸せだとは思ってもみなかった。
頭の片隅に、後でいろいろ考えなければならないことが起きるかも、と警告する声が響く。
だが比奈はその声を押しやり、今はただその歓びに浸り、彼の体をまた抱きしめた。
お帰りなさい……映司君。
体の震えが収まった後。「あぁ。あああぁぁ」と、映司がどこか情けない声を上げた。
彼はまだ混乱している。何がどうしてこうなったのかさっぱり判らない、という顔をしている。
比奈を見る。啜り泣いている比奈の顔に口をあわあわと動かすが言葉を見つけられない。
その彼の顔、いつもと同じ様子の彼の表情に、比奈も緊張の糸がほどけた。
「映司、くん……!」
うわぁぁぁん、と号泣し始めた比奈に「大好き!大好き!」と叫ばれ体にしがみつかれながら
彼はまだ驚愕と混乱の中でその口をあんぐりと開いたままでいた。
事の経緯を比奈に説明されている途中で、映司は「だあああぁぁっ!」と叫びながら店を
飛び出していった。
慌てて追いかけた比奈は彼が雪の中に頭を突っ込んでいる姿を見つけた。彼は雪に頭を
何度も叩きつけその中にめり込ませている。
「俺、俺は、比奈ちゃんにっ!ひどいことしたぁぁっ!!」
「ねぇちょっと映司君っ、映司君ってば!」
「ひ、比奈ちゃんごめん!俺、俺俺、ほんとに。あぁぁっ、ごめんっ!!」
「映司君っ!!」
叱りつけるようなその比奈の声に、映司は体をびくん、と震わせた。
「ひどいことなんて、言わないでくださいっ!」
彼は正座しながらうなだれている。比奈はその後ろに立ち、頬を染めながら呟いた。
「あれ、したの、わたしだし。わたしの方からだし。それに、だって。だってわたしすっごく、
うれしかったんだから!」
彼は振り向きかける。だが目の隅に比奈の姿が映った途端にまた慌てて目を逸らす。
「でも、あの。俺は、あんな。その。もし比奈ちゃんが。あぁ。あーっ。あぁぁーーーっ!!」
突然、彼は立ち上がった。くるりと振り向き、比奈の手をぎゅっと掴んだ。
「俺、比奈ちゃんにその、責任取るから!どんなことでも絶対、俺比奈ちゃんに、一生!」
一生って。
比奈はクスクスと笑った。そんな大袈裟な。
だが彼は本当にそうしてくれるかもしれない。あの先程の出来事、甘く幸せな出来事は確かに
彼の心に刻まれた。
想いが届いたんだ、と比奈は思った。彼の心に届いた。だから彼は帰ってきてくれた。
これで彼が過去を乗り越えたとは思えない。そんなに簡単な話ではないだろう。だが自分は、
彼が記憶の呪縛に囚われた時、そこから連れ戻す方法を知った。学んだ。
もうわたしは怖くない。いつだって。映司君と。どんな時でも。
そしてわたしはなれた。たぶん。なれたんだと思う。ちょっと強引だったけど。なれた。
彼の心の中の、コアのひとつに。
喜びに目に涙が滲む。比奈のその顔を見て慌て始めた彼に首を振り、比奈は彼を見上げた。
「どんなことでも?ほんとですか?」
「あ、うん、うんっ!ほんと俺、責任取る、うん」
「じゃあ、ね。映司君」
彼のそばに一歩近づき、比奈は彼の肩にそっと両手を添えた。
「そのままでいて、ずっと」
彼は驚いている。だが比奈は構わず踵を上げ背伸びをし、彼に顔を近づけた。
「わたしが好きな。今の、映司君でいて」
目を閉じた比奈と、目を丸くしている映司の、二人の唇が重なった。
いつの間にか雪雲は遠ざかり、陽の光が射してきた。
周囲の木々や、店の屋根に積もった雪が溶け始める。その雫が陽射しを浴びてきらきらと
輝き、寄り添う二人を包んでゆく。
長く甘いキスを終えた二人は手を取り合い、二人で作った雪だるま達に見守られながら、
再びあたたかい店の中へと戻っていった。
─終
カウント間違ってたか。映比奈は6レスだったか。まぁいいや。
以上、長々と失礼しました。
GJつーか
二つのギャップの凄さについていけんw
アンクと比奈の鎖プレイがわりと本格的でびっくりした
アンクの右手が比奈ちゃんに近づいた時ちょっとエロい感じがしたのは俺だけか?
電気クラゲヤミーの物量押しに飲まれ群がられ触手がライダースーツの隙間から侵入し微弱な電流を流しながら責め立て気を失うまでイカされる里中さん
抵抗すれば抵抗する程に鎖が食い込み股縄ならぬ股鎖の状態にされ自慢の力も感じて出せない状態で弄ばれるヒナちゃん
抵抗しながらもアンクにヤられる比奈ちゃん
カザリを仕留めてヤりまくる里中くん
今日のオーズヤバい、萌え死ぬ……!!
落ちてきた比奈を抱きとめたり、庇ったり守ったり肩に手を掛けたり、スキンシップ一杯でなんだあれ!
アン比奈、信比奈スキーの自分はアンクの「落とすか」がもう堪らん。
お兄ちゃんお兄ちゃん言う比奈に嫉妬してんのかとか、本人知らずに泣きそうな顔してるかもとか想像してニヤニヤ。
アンクの顔が見てみたいけど、でもあの背中だけでも充分美味しい。
あんなにも背中で語れるアンクすげー。
比奈ちゃんからメダルを受け取る時も、「そんなに映司が大事か」と密かに拗ねてればいい。
>>134 一瞬ノブ君×比奈かと思ったw>信比奈
今日は映司が乗り移ったのかと思うほどの触りっぷりだったなw
鎖は普通にお仕置きっぽくて動揺した…朝からなんだあのプレイは
公式予告で映司がマフラー巻いてて地味に萌える
爆睡中に迫る腕アンクは、寝てるのをいいことに色々比奈にイタズラしててもおかしくないと思わずにいられないんだが
日頃やられっぱなしの憂さ晴らし的なメンタルでね。
疲労でくったくたな映司に駆け寄るまではいつもと同じだったけど
肩支えてあげないの?と思うぐらいアンクの異変に意識持ってかれちゃってるように見えた比奈も印象的だった。
あと里中君エロ過ぎ
里中くんのアクションシーンやばいえろい
あとバイク降りるときのアングルが堪らない
>>136 > アンクの異変に意識持ってかれちゃってるように見えた
同意。後ろで映司がよたよたしてるのに、
比奈普通に歩いてついていくんだもんなw
>>136>>138 だよなww
駆け寄ったのに放置とは高度すぎる、と思いつつ完全にアンクのことしか頭になかったのか比奈
いやー今日一日でこんなサービスされると次回から期待してしまっていけない
でもこれで比奈が事ある毎に「アンク…」って心配するようになったらおいしい
段々とお兄ちゃんの体だから心配になるのか、アンク自身が心配なのか考えたりし始めればいいなー
アン比奈が・・・アン比奈がやっとデレた・・・涙
思えば1話のOPから早半年、ここまで本当に長かった・・・
今まで人間的な情緒を持たないように見えたアンクの悲哀が垣間見えたのもドキっとする
OPの表情の布石きたか・・・?
次回以降も、ちゃんと比奈ちゃんからもらったメダルホルダー
使ってるアンクさん。嬉しかったです
初回でOP見て心奪われたものの、あとから兄妹でしたのパターンでもないストレートな兄妹設定のパターンなもんだから大ダメージ受けて…
それなのに、むしろよくここまでやってくれるよなとしか思えない自分は異端か
下手すると、確信犯なのか?とさえ思えてくるんだが
心はノーマルカプで身体は近親姦って関係も凄くエロいと思うの
アンクの欲に性欲は含まれるのか?
緊縛状態の比奈ちゃんに触りまくる→柔らかい…なんて気持ちの良い柔らかさなんだ→もっと触ってみたい→唇ってもっと柔らかそうだな→その柔らかさを直に味わいたい欲望
で戻ってキスまでは妄想した
>>143 異種・近親・ツンデレ・年の差・背徳・扇情のエロパロ鍋が泡吹いてるぞ
付属にデザートのアイスと怪力マッサージ
>>144 もしかしたら認識してるだけって可能性もあるのか
でもそこは勉強熱心なアンク、知識欲からくる実戦行為とかなら…
>>144 よし!その妄想を文章にして開放しろっっ(チャリーン
ここまで比奈おもらしなし。
ここで比奈オムツ説をあげておく。
もしアンクが緊縛じゃなくてエロ拷問を選択してたらどうなってたんだろうな
アンクなんかにイカされたくないと思いながらも感じちゃってぎゅっとコアメダルを握り締めたりするけど
同じ顔だからお兄ちゃんにされてるという意識が働いて背徳感でさらに感じまくっちゃって
「いや、いやぁ、やだぁ…お兄ちゃん…映司くん…」と泣きながらイッちゃう比奈ちゃんが見られたに違いない
>>148 そのパターンの映像は何処にメダルを振り込めば見られますか?(ゴクリ
比奈を庇った後のアンクのバツが悪そうな表情がたまらないw
もうあれ無意識レベルで動いてるんじゃないの
アイス一年分契約のためか?と思って見てたけど、ライオンクラゲを前にまたしっかり守られてたよな比奈ちゃん・・・
映司のほうが断然良い人間だと思っているのに
アンクに惹かれる比奈ちゃん……美味しいと思います
映司もアンクも全く正反対のタイプだからな
普段から良い人の良い行いよりも、ヤンキーがゴミの分別してるとか電車で席譲るとかの方が何故か「素晴らしい…!」気分になる原理と似てる気がしないでもない。
しかしアンクは怪人のくせに紳士過ぎる
俺なら寝てる比奈にアンナ事やコンナ事やクンニ事を色々やってるぜよ
グリードに性欲はないんだよ。多分。
もしくは、お兄ちゃんが下手な事しないようにアンクを制御してるのかもね。
しかし、お兄ちゃんの頭の中覗いた限りでは
彼も相当なシスコンっぽいですな
復活した時どうなるか、楽しみのような怖いような
>>157 繁殖の必要がないんだもんな
というか繁殖できないのか
ガメズル・・・
>>159 繁殖の必要はないけど、人間の性交とかに興味もつとかはありそうだな。
三大欲求の一つだしね
そこんとこ補完するのがエロパロってもんだぜ相棒
アンクのヤミーは、産みつけるタイプで、女性の子宮内でセルメダルを精製すると考えれば…
ある日、比奈がロープを持ってアンクのところにきて
「何だ?」という顔のアンクにブスっとしながら「このまえみたいのしてよ」とか言って
まだわけが判らずにいるアンクに
「だって!あんたが教えたんじゃないっ!」って言いながら泣き怒る
何かに目覚めてしまった比奈の話はまだですか
>>164 ははぁん、コイツ目覚めたか(ニヤリと全て理解したアンクが
「お前にこないだのはまだ早い!まずは…そうだな」と目隠しプレイからはじめればいいお
考えてみたらグリードって欲望を嗅ぎ分けられるわけだからなあ
そういう方面での責めには最適
触って欲しいところはお見通しで触り方も緩急含めてお好み通り自由自在
そりゃ比奈もアンクに溺れて虜になるわ
アンクと比奈でエロなしほのぼの。ほのかに出来上がっている様子。
「待って、アンク!」
何処か疲れた様子で、しかし立ち止まることなく先を行くアンクを比奈は必死で追った。
足を痛めた映司はコンボによる疲労も重なり、道端のベンチで休んでいる。
アンクを追うか、映司のそばにいるか迷った比奈だったが、大丈夫といつものように笑う映司を信じ、
多少の心苦しさと後ろめたさを覚えながらアンクを追う方を選んだ。
映司も心配だが、アンクの様子もおかしい。
放っておいてはいけないと、頭の中で声がする。
「待ってってば!」
ようやく追いつき、ジャケットを裾を掴むことに成功した比奈は走ってきた勢いのまま、
足を止めたアンクの背にぶつかるようにして後ろから抱きついた。
両腕をアンクの躯の前に回してぎゅっとしがみつく。
「なんだ、いきなり!!」
振り向いて怒鳴るアンクが見慣れた不機嫌な顔をしていることに比奈はほっとした。
あれほど渇望していたメダルを手に入れても、アンクの身には一瞬の変化しか起こらず、
その事実にアンクがどれだけ落胆しているかと心配だったからだ。
元の形を取り戻せない限り、アンクが信吾の躯を捨てることはない。
兄の命が永らえることは喜ばしいが、比奈の心は晴れなかった。
戦闘中の映司を見ていたアンクの表情も気に掛かる。
それまでの烈しさが嘘のように黙り込み、まるで迷子の子供のように頼りない目をしていたアンク。
映司を囮にメダルを奪い取り、狂気じみた歓喜の笑みを浮かべていた時の傲慢さやアンクを取り巻いていた
高揚感は何処にもなく、比奈の目にはアンクが泣いているようにすら見えた。
兄の顔であんな淋しげな表情をされるくらいなら、いつものように仏頂面をしていてくれる方がいい。
比奈は安堵のため息をつくと、アンクの背にぴったりと頬をすり寄せた。
「寒いの」
「ああ?」
「誰かさんのおかげで、川の上で一晩過ごしたから、すっごく寒いの。躯中が冷え切って、凍えちゃいそう」
「……俺も似たようなものだとは思わないのか」
「アンクは好きでそうしてたんでしょ」
舌打ちが返る。
だがそれ以上は何も言わず、動こうともしないアンクの背に比奈は存分に甘えた。
冷えた躯はお互い様だが、こうしてただ触れ合っているだけで嬉しい。
――あの羽根、本当に消えちゃったのかな……?
ふと気になって、比奈はアンクの背中を見上げた。
羽根の名残だという肩甲骨の辺りをぺたぺたと無遠慮に撫で触ってみる。
「ぎゃあっ!?」
身をよじりながらアンクが情けない悲鳴を上げた。
「今度はなんだ! やめろ、気持ちの悪い!」
鳥肌を立てて嫌がるアンクを比奈は睨む。
「もう、暴れないでよ。思いっきりぎゅーってするよ?」
「兄貴のアバラを折るつもりか」
「お兄ちゃん、そんなにやわじゃないもん。アンクが痛いだけよ。……多分」
「冗談じゃない。いい加減離れろ」
アンクが比奈の両腕を掴んで強引に躯から引き剥がした。
仕方なく離れた比奈を何かがふわりと包む。
まるで羽根のように、ジャケットで包み込むようにしてアンクが比奈を抱き締めていた。
「……え?」
驚いて見上げる比奈にアンクが笑う。
「寒いんだろう?」
「……うん」
アンクの腕の中で、ほのかに頬を染めながら比奈は頷いた。
抱き締められて、ずっと鎖で戒められていた場所がわずかに痛むが気にならない。
随分と酷いことをされたと思うけれど、大嫌いだと言った、それで多分おあいこだ。
「アンク」
「ん?」
「寒いんだけど……」
「はぁ!? おまえ、俺がこれだけしてやってるって言うのにまだ……!」
呆れ怒るアンクに、比奈は小さな声で言う。
「寒いの。……ほっぺたと」
……くちびる。
そっと告げると、一瞬の間を置いてアンクが薄く笑った。
微笑む比奈の頬にアンクの手が触れる。
降りてきたくちづけが、冷たい口唇をあたためた。
>>168 G…J…!!!
どうしてくれるニヤニヤが止まらないじゃねぇか!
欲望解放スバラシッ!!
GJGJGJ!
改めて20話はとんでもない萌えを残していったな・・・
節分!
ウラ「今日は合法的に先輩をやっつけられる日だよね?」
キン「せやな。モモの字、覚悟しとき!」
リュウ「わーい!鬼はー外ー!」
モモ「お、おいハナクソ女!助けろ!」ガシッ
ハナ「ちょ、どこ触ってんの!たまにはお灸を据えられなさい!」
ヒビキさん「今日もお仕事お仕事…鬼は外じゃあ洒落になんないしな」
みどりさん「気をつけて!大豆用意して待ってます」
ヒビキさん「おう、でも投げないでね」
映司「ねえ比奈ちゃん」
比奈「はい?」
映司「今日って節分だっけ」
比奈「そういえばそうですね…!豆撒きしましょう!」
映司「いいね!…あ」
比奈「どうしました?」
映司「アンクって、豆食べるのかな?」
比奈「鳥だからですか?」
映司「うん」チラッ
比奈「……試しに投げつけて見ましょっか?」チラッ
アンク「お前ら何話してんだ」
>>172 アンクは800個食べなきゃいけないのか・・・w
>>168 奇跡のアン比奈降臨GJ!
やべ、電車の中でうっかり読んでニヤニヤ不審者になっちまった
>>172 それぞれの節分もなごむわ〜GJ!!
もうアン比奈しか見えないハァハァ
もっともっと萌えさせてー!
>>172 ヒビキさんとみどりさんっていいなあ
和むわー
節分ネタ便乗。
恵方巻きの早食い大会とか(喉に詰まると危険なので細めやわらかめ)、鬼の置物に豆を思い切り
ぶつけるストレス解消豆まきコーナーとか、鬼に扮した映司が「うわー、やられたー」と気持ちのいい
リアクションをしてくれるアトラクションコーナーとかで盛り上がるクスクシエの節分フェア。
巫女の扮装でとにかくノリノリな知世子さん。
知世子さんから半ば強引に勧められて置物相手に豆まきしてたら日頃のあれこれから段々エキサイトしてくる後藤。
賑やかだなーと冷やかしに来て投げた豆で置物を破壊する伊達。
後藤に無理矢理鬼のお面をつけさせて豆をぶつけてにっこりご機嫌な女王様里中。
他のお客の中にはおっとりした長身の青年と保護者然とした美少女がこっそり紛れてたり。
更に盛り上がると誰彼構わず豆を投げ合う修学旅行の枕投げ状態に。
↓ここから軽くアン比奈。
客に豆を渡したり、落ちた豆の片付けなど裏方に徹して豆まきに参加しない比奈。
「おまえはしないのか」
と問うアンクに、比奈は豆まきについて説明する。
「豆には邪気を祓う力があるんだって。それを鬼にぶつけて悪いものを追い払うのよ」
「それが?」
質問の答えになっていないとイライラするアンク。
比奈は一粒の豆を指先で摘んで俯く。
「……アンクがいなくなったら困るもの」
そして綺麗な白い歯で、邪気を祓うという豆をかり……と噛み砕く。
「……俺は鬼じゃない」
唸るように言い、アンクは比奈の肩を抱き寄せてキスをした。
賑わう店の片隅で、人々の陽気な声を何処か遠くに聞きながら。
どうしようアン比奈好き過ぎて脳みそやばい。
パラロスの世界でオルフェノクに対抗して人間を増やすために女をみんなで孕ませるような話ってないものか
アンクに豆をぶつける比奈にキレたアンクが比奈のお豆を福は内
>>177 ちくしょー!
クスクシエにスネークしてこのバカップルをガン見してやりたい!!
>>177 やはり里中君と5103の場合は里中君が上なんだなw
アン比奈もGJ!
>お客の中にはおっとりした長身の青年と保護者然とした美少女がこっそり紛れてたり。
これガメズール?
はやく復活してクスクシエに二人で遊びにこいよ!
戻ってくるって信じてる
職人様来て下さいの願いを込めて小ネタっす
アンク比奈イチャバナ苦手な方々スルーよろ
「ふぅ〜…」
比奈は自宅マンションでささやかな癒しの時、バスタイムを楽しんでいた。
このところの慌ただしい日々の唯一くつろぎの一時である。が、
ガチャリ、と何の前触れもなくバスルームの扉が開くと、そこには兄であって兄ではない男がごく自然に入って来たのである、全裸で……。
「ア、ア、アンクっ!?何?なんで?」バスタブの中でバチャバチャとお湯を揺らしながら比奈はすっかりパニック状態だ。
ザーザーとシャワーを頭からかぶりながら比奈には一瞥もくれずに
「あの店の風呂が壊れたから来ただけだ。気にするな」
と、つまらなそうに答えるアンク。
「き、気にするなって…」比奈はあまりの事に呆然と男の濡れる背中を見つめる事しかできなかった。
シャワシャワとアンクが泡立てるシャンプーの音と水音だけの静かな空間で、比奈はふと昔を思い出していた。
そういえば小さい頃は兄とよくお風呂に入っていた。お湯を掛け合ったり潜りっこをしたり、お風呂は楽しい遊びの時間でもあったのだ。
「…お兄ちゃん…」
ジワリと目頭が熱くなりハッと我にかえると、無音状態な事に気づく。えっ?と横を向くとあまりに近い距離にアンクの顔があり驚いた。
「な、なに?」
胸元を隠しながら気持ち後退り声が震える。
「…お前、こうして見るとなかなかうまそうだ」
ニヤリと嫌な笑顔でアンクが耳元で囁いた。
「ちょっ……ぅんっ」
小さな頭を押さえられ、噛み付く様な荒々しいキスに批難の言葉ごと食べられる比奈を湯舟に浮かぶアヒルちゃんだけが見ていた。
小ネタのつもりが長くなっちった
鳥→水浴び→風呂場の二人を見たかっただけなんだお
>>183 アンクは水鳥だったのか乙!
そして今日はバレンタイン回!
「バレンタインデーのチョコだよ!?」
「い、ら、な、い」
「もう……」
ふにゅー、とアンクの耳を掴んで物陰に連れて行く比奈。
アンクを壁際に追い詰め、チョコの欠片を口許に持っていって
「はい、あーん」
反射的に口を開けるアンク。
比奈はチョコを口に含んでアンクにキス、口移しでチョコを食べさせる。
アンク、びっくり顔でごっくん。
「判った? バレンタインのチョコは特別なんだよ。ちゃんと手伝ったら、ご褒美あげるんだけどな」
「ふん、何がご褒美だ。そんなものに俺が釣られるとでも」
そっぽを向くアンクのほっぺたに、比奈はすかさずチョコクリームをちょんと塗る。
キスで舐め取り、にっこり笑いながら、
「……いらないんだ?」
「……」
数分後、そこには渋々といった体でつまみ食いをしつつもチョコ作りを手伝うアンクの姿が。
和気藹々としたクスクシエの調理場に和んだ。
しかし、男性客が知世子さんと比奈ちゃんの手作りだと思って喜んでいたら
製作過程には男性三人が参加、しかも内二人は180強の大男、更に一人は人外ってかなり複雑なものが。
>>183 ありがとう、萌えたよー。鳥の水浴びは可愛い。
アンクは確かに誰が入っていても気にしなさそう。
風呂場、シャワーネタなら、アンクの髪を洗ってあげる比奈ちゃんもいいなと思った。
>>183 そのあと、のぼせて茹で蛸状態になってしまった比奈をアンクが介抱するとかは…?
烏の行水アンクに、もうしっかり湯船浸かってよ風邪ひくでしょっ!みたいなのも良いかもなんて…。
>>185 なんて大胆でエロい比奈なんだw
こんな比奈はご褒美の方でも期待できそうだなエロパロ的に
次回はどうなることやら
バレンタインか
オーズみたいなネタも大歓迎だが
夏みかんがチョコあげようとして破壊者にアレコレされたりとかも定番ですよね?
>>185 ご褒美はチョコ塗りたくった比奈の全身をアンクがついばみまくるんですね
わかります
189 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/06(日) 16:17:57 ID:9a1VJSlS
>>187 手作りチョコを作ってたら自分がチョココーティングされて
美味しく頂かれちゃう夏みかんとかは定番ですよね?
>>189 厨房
夏海「〜♪」
士「何してんだ、夏みかん」
夏海「見てわからないですか?明日の準備です」
士「…あぁ、バレンタインか」コツコツ
夏海「頑張りますから、楽しみにしててくださ、…っ」ムギュッ
士「…」
夏海「ちょっと、離してください。いきなり抱きつかないで、チョコ作れません」
士「…チョコは、じいさんとユウスケの分だけでいい」
夏海「食べないんですか?」
士「果物のほうが好きだ」
夏海「…あんまり上手くないですよ」
士「悪かったな」グイッ
夏海「んー…じゃあ、海東さんには?」
士「あいつには作るな」チュッ
比奈がアンクにアイスを持ってくる
いつものミルクやバニラ味の白色ではなく見慣れない
黒とも焦げ茶ともつかぬ不気味な色
「おい比奈!なんだこれは!?」
「うるさい!アイスの味なんか何だっていいでしょ!」
ふくれた顔で立ち去る比奈の背中にチッと舌打ちをして
とりあえず一口齧ってみる
意外と悪くない味だ、などと思いながら食べ続けるアンク
物陰からその様子をそっと見守り「ばか」と呟く比奈
そんなバレンタインがもうすぐ
>>190 海東は義理もアウトなのかww
さりげなく甘々な二人がイイ!
チョコ作りを手伝う手伝わないのくだりで
比奈ちゃんがアンクからアイスを取り上げず、「ふにゅー」による鉄拳制裁もなく
アンクはアンクでいつものしかめっ面でなく薄笑い、比奈の態度をどこか楽しんでる風なのは
まさかのデレ期到来ということだろうか。
「火野さん」→「映司君」呼びみたいなはっきりした変化じゃないけど
アンクと比奈で、先週と今週の間に何かあったのかと想像出来る日がくるなんて夢のようだ。
単に脚本監督演出の違いって可能性もあるけど。
>>193 なんか今週はいい感じだったよね
「チョコあげないよ」「馬鹿らし」のやり取りはニヤニヤした
毎年お兄ちゃんに作ってあげてたんだろうか
別スレだけど「比奈祭り」とあったのを見た途端、
「俺のヒナだ〜!」と、叫び出すアンクが浮かんでしまったw
>>195 お兄ちゃん的にもアンク的にも「俺のヒナだー!」であってる所が萌える。
しかし、冒頭のあの二人の会話だけでニヤニヤが止まらない。良いバレンタインだ。
DCD完走し、大いに萌えて萌えまくったので士夏投下させて頂きます。
エロ描写は寸止めなのでかなりヌルイです。
また、まだTV版のみなので設定おかしいところがあってもご容赦下さい。
映画版見て、また続きか新しいの書くくらい萌えられたらいいなーと願いつつ
ザ、…ザァァァ……。
彼方で起こったさざ波が耳のすぐ傍で砕け、渦となった潮の狭間に体が浮き上がる。
溺れる恐怖と不思議な安寧を重ね合わせながら、ゆっくりと夏海は覚醒した。
暖房を付け損ねた室内の冷えにも構わず、士は裸のまま座り込んでいた。
夏海はほんの少し頭を持ち上げ、斜め下から彼を見つめる。
薄暗い照明でも充分見て取れる程に締まった二の腕と、細いが決して脆くはない腰。何処で焼いた訳でもないだろうに、いかにも男らしく色付いた肌。
「士くん?」
「ん、」
時折ちかちか瞬き、照らす光で顔が浮かび上がって、彼がテレビを観ているのだと分かった。
深夜の生中継。そう言えば、今夜は決勝戦だとユウスケが盛り上がっていた。
味方がチャンスを作る、敵方が流れを浚おうとする。その度ごとに、大きな歓声が響く画面の中のスタジアム。
慟哭、悲鳴、歓喜、声援。そこにさっきまで揺られていた波の音が重なって、夢で聞いていたのはこれだったのかと夏海は納得した。
「サッカー、好きでしたっけ?」
「いや、別に」
あっさりかわす言葉に嘘はないようで、場面がどう切り替わっても士の表情は変わらなかった。
ただ見ているだけ。決して虚ろではないのに、心はそこにはない。いつもの彼らしいとも言えるし、違うとも言える奇妙な感覚。
常に彼は、失くした記憶と一緒に実体まで消してしまいそうな危うさがあった。
繋ぎ止めたい。どれだけ不器用でも、格好悪くても、彼が帰ってくる場所になりたい。いつしか夏海は、そう思うようになっていた。
擦り切れそうなほどに強い願いは、「愛」なのか。
いや、そんな単純な言葉では決して言いきれない。簡単じゃないから苦しく、厄介で手に余る。
だがだからこそ、こんな寒い夜に一糸纏わずベッドに沈むと言う矛盾が成立するのかも知れない。
心で足りないものを身体で補おうとする本能は、自分の中にもきちんと眠っていたらしい。それが不思議で、気恥ずかしくもいとおしい。
下半身は毛布に覆われているものの、剥き出しのままの上半身は相当冷えているのではないだろうか。
触れてみようか。迷う指。
「…勝てそうですか?」
「さぁな」
だが、あくまで素っ気無いままの彼の態度に、夏海は伸ばしかけた手を再び布団の中に戻した。
ほんの僅か外気に触れただけなのに、自分のものとは思えないくらい冷たくなった指。
組んで温める胸の奥がじわりと痛むのは、士がさっきから一度も自分を見てくれないせいだと気付いた。
「後悔」。もしかしたら、今彼はそんな想いの中で逡巡しているのではないかと動揺を覚える。
小さく身体を丸め、恐れに震えそうな肩を包み込んで耐えた。
どうして人は同じ大きさで、同じように愛することが出来ないのだろう。
こんなに想っているのに、どんなにか想っているのに、決して届きはしない。
身体を重ねても尚、心は逃げて行くばかりだ。
「……。」
闇に浮かび上がる士の横顔。遠くを見据えるような視線。
――それでも。
瞬間、フォーカスが合うように思い出す事実に力を緩め、夏海はそっと自らの肌に手を這わせた。
今自分は、彼が分け与えてくれた命によって呼吸をし、生きているのだということ。
病室で目覚めた瞬間目にした柔らかな微笑みを、死ぬまで忘れることはないだろうと思う。
次に死ぬ時――おかしな言い方ではあるが――も、士と共に迎えられたら。
その時はきっと、やっぱりとても哀しい。だが、きっと尊く美しい。
そんな風に受け入れられるように、彼を心から大切に想い、生きて行きたい。
「行きますよ?」
問いかけた声は、決意に満ちていた。
返答を聞くより先に、夏海は士の手首を掴んで後方に引くと、僅かに開いた隙間からその胸元に飛び込んで行く。
「夏、」
みかん、といういつもの呼び方は二人の唇の間を僅かに行き交い、やがてしっとりとした呼吸の中に溶けた。
「…、ふ…あ、…っ」
士の熱い舌が忍び込み、夏海の想いの全てを引き出そうとするかのようにかき乱して行く。
長い髪を掬い上げては梳き、細い腰を撫でる悪戯な指はやがて背中を這い上がり、柔らかな乳房をなぞり始めた。
夏海が反射的に身体を縮めると、士は先端の蕾をきゅう、と摘む。
「あっ…!」
既に覚え込まされている甘さは、たったそれだけで簡単に呼び起こされた。
反対の胸に吸い付いて転がしながら強張りが抜けた一瞬に、士は素早く夏海の身体を押し倒す。
「どうした?発情夏みかん」
唇を歪めて挑発する、罪深くも穏やかな声。
「士くん、」
少しだけ伏せられた睫毛の長さに見惚れ、自分はこうして何度も彼に恋をするのだと、夏海は気が遠くなるほど幸せな予感に震えながら、再び口を開いた。
「して。…いっぱい…抱いて、ください」
これまでも、これからも、ずっと。
意外で淫靡で、苦しいほど恥ずかしい言葉なのに、伝えてしまえばそれは真実に変わる。
目を閉じる直前、夏海は驚きからシニカルな歓びへと変わる彼の笑顔を見た。
<終>
GJGJ!!!
凌辱気質でない士を新鮮と感じるのは、ここに長く居すぎるせいだな…
いやあ、いい、ツボったw
だ……誰か海夏を……
>>198 GJ!情景が鮮明に頭に浮かぶ。士がカッコ良くて悶えた!
そんで完走オメ。映画観た後また投下に来てくれますように!
>>198 GJです
やっぱり自分の最萌えは士夏だわと再認識です。ありがとう。
士は放映当時すごいエロいキャラになってたもんね。SSで。
シンケン編の時、夏みかんの顔のクッキー食べるシーンでニヤニヤしたって人もいたし
>>206 あんな無礼な男が女の子にSでない訳がない
まさしく±のパーフェクトハーモニーだよ士夏は
>>198 GJ!!
最近すっかりドSなイメージが定着していたせいかとても新鮮に感じたw
いちゃエロのなかに切なさが見え隠れしてて個人的にツボだった
ありがとう!
>>206 初期には「皮むくぞ!」発言もあったしなw
公式であの発言はまずいだろと思ったww
>>190と
>>198 士夏ありがとう!
熱いなぁこいつらは…
このスレで最も欲情に溺れたカップルは士夏と巧真理なイメージ
>>208 夏みかん→みかん→皮って連想なんだろうけどね。
俺もあそこは吹いた
先生!そろそろアン比奈のドロドロエロエロが読みたいです!!
巧真理いいね
この週末は萌え萌えなバレンタインネタがたくさん投下されるって
わたし信じてる
比奈がチョコになってアンクに食べられるご褒美話が落ちてくるってわたしもしんじてる
あー、バレンタインか。忘れてた。
アンヒナで何か書こうっと。
自分のサイトでだけど。
キバといえばこの板では753×めぐみんの新婚生活が中心だが、
音也×ゆり、音也×真夜についてのある支店を思いついたんだが需要はあるだろうか
ないと思うのでチラシの裏に書いて来る…
>>216 個人的に過去3人スゲー萌えるから見たい……!!
OOOはサーチないからなあ・・・
どうやって探したらいいんだか
オンリーは厳しいかもしれんが、オーズも有ってとこなら意外とある。
携帯向けのランクから取り扱ってるサイト見つけてそこのリンクをまた辿るってのを繰り返すとそこそこ収穫が
もう少ししたらもっと増えると思うんだけどな
>>219 アン比奈メインのとこはひとつしか知らん
しばらくは自家発電で乗り切るしかないか
ライダーはノマカプ自体貴重だしエロなんてさらに無いからなー
>>220 ここが2ちゃ(ry
そこって、普通に探せる?
>>209 欲情に溺れたw
巧真理久しぶりに読みたくなったじゃないか
こないだDVD9巻の真理死亡あたりの話見たけど、何度見ても
たっくんが回想してたアイロン中のたっくんに駆け寄る真理、の流れが
イチャイチャカップルにしか見えない
>>216 音真夜は過去にいくつか読んだけど、音百合は殆どなかったから是非!
勿論音真夜も待ってる
>>219 pixivという手もなくはないけど、エロは探すの難しいよな・・・
>>221 探せる
パラロスのたっくんぷにはなんかエロい
>>220>>223 オーズ有でアン比奈取り扱いサイトなら5つ以上は見つかった。
でもオンリーは本当に少ないね。
せめてノマサーチに登録してくれればなあ
某雑誌で見たけどやっと公式で照井の亜樹子呼びが聞けるかもで楽しみすぎて胸が痛い
士夏とか照亜樹とか、アン比奈サイトは探せば一応それなりの数が出てくるけど、
たまに海夏とかユ夏、フィリ亜樹や映比奈みたいなマイナー(?)な物が見たくなるんだよなあ
だけど映比奈とかフィリ亜樹は見たことない…
と言うか、オーズ取り扱いサイト少なくないか?
そうでもないのかな
やっぱりノマは需要ないんかなあ
>>228 公式で予告来てたけどイチャつきっぷりがすごかったwさすが新婚夫婦
映比奈ってマイナーなの?
正直自分は無節操にノーマル好きだからなんとも言えないが、あきちゃん愛されやら比奈愛されだったらフィリあきも映比奈も数はあるかと……。
パラロスの巧真理好きすぎてヤバい……巧が助けに来るシーンは555全体通して萌えたシーンの1つ……
自家発電しやすい、しづらいってのも少からずあると思う。
ちょっと物足りないって反動からくる欲望とか?
巧真理と言えば、ウルフェと真理とかでも妄想してた。
でもあの真理が怪人態とするってのはちょっと難しいかと思いつつも、
相手は巧だし大丈夫かもしれないって考えたら凄い悶えたw
人外好きとしても美味しいよな。
>>229 オーズのノマ需要あると思うけどなあ
ソースは自分だがw
アン比奈求めてネットをさまよってるよ
でも確かに英比奈は見ないね
なんでだろ?
本編であんなに仲良しなのにな
ウルフ×真理いいね!
でも、ウルフって全身剣?とかいう設定じゃなかったっけか。
抱き締めることもできないな。
ハリネズミのジレンマか。
…とか考えてたらヤバい。萌えてきたw
>>231 「こんな所でお前を死なせやしない!」だっけ。
パラロスの巧は正統派ヒーローしてて、ただただかっこいい。
真理も、巧が帰ってきたとき、助けにきたとき、散髪してるとき、
悪口言ってるときでさえ、心底うれしそうな笑顔が良い。
>>229 公式での侑愛の悲恋ぶりに耐えきれず補完エピソードを必死に探したけど、ほぼ全滅状態で絶望してるのは去年の春以来の話だ
その後の二人は皆さんの脳内で補完してくださいなREDのオチじゃモヤモヤするんだよ・・・
>>229 オーズは幸がないから実態がわからんね
オンリーでやってるところあるんだろうか?
他作品のサイトでオーズも始めたってところしか
いまのところ探せてない
みんなよく探せるな
二次だからかエロはなかなか見当たらん
地下に潜ってるのかな
>>237 そりゃ半ナマだからな
地下にもぐって当然だ
オーズでサイトを全く新しく立ち上げようとしても、PCじゃサーチがないから孤立するし、
かといって携帯だと検索避け云々のローカルルールに引っかかりやすいからためらわれるのかと・・・
自分にスキルがないから他力しかないけど
サーチがあればなあ
一応ノマならサーチあるけど
オーズは2件しか登録してないし
伸びてるから「職人さんキタ!?」と思ったら違た…
DCDとWとかが異例なだけで普通こんなもんなんじゃない?
ジャンルからしてノマの勢いのが劣るのは当然だろうし、戦隊ならまだしもライダーだからね。
エロパロスレで言うのもなんだけど、エロにこだわらなきゃ結構あるし
需要はあるけど数字派みたいに行動的な人が少ないだけなんじゃないかな?
あー、ここの保管庫さえ機能していれば…
にしても、x映司みたいな「書きづらい」のをマイナー呼ばわりはちょっと酷いんじゃないか
サイト話はもういいんじゃね
ないものはないし、あるといってもここで晒せるわけもないんだし
沢山のSSが読みたいのは自分も同じだけど、こうサイト話が続くと
ここのSSが物足りない、不満だって言われてるみたいで書き手としては凹むわ
啓太郎×結花とか公式でもなかなかないのも多いのに
映ひないっぱいあるじゃん…
>>243 映司は甘いのもドSな鬼畜もいけるって私信じてる!
さて、ウヴァとカザリに拉致られていじくりまわされる比奈を助けに来るアンク、
を自家発電する作業に戻るか・・・
>>244 申し訳ない
ここは貴重な萌えの供給源だよ
248 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 16:43:34 ID:XJSk3Fs2
Vシネの予告の破壊力…ラストのダイブする所長はアクセルブースターでキャッチだな絶対。
Vシネ予告の威力が凄すぎてつらい
たった一分ちょっとでこの破壊力
本編見たら死ぬかもしれん
照井△と亜樹子との熱さがヤバい
亜樹子から抱きついてばかりなので最後くらい照井からいってほしい
自分からできるのが頭撫でるだけってどれだけ奥手なんだ照井はw
亜樹子が朝爆睡してる理由が激しすぎる夜の営みのせいだって私、信じてる!
予告来てたのか・・・!
冬映画でも亜樹子呼び来なかったか〜と思ってたらそこが主題の一つになるんですね・・・!
>>252 爆睡してる亜樹子を起こさず照井が自主的に朝ご飯作ってあげてるのは、昨晩激しくしてしまったことへの罪滅ぼしってのも兼ねてるといい
未だに名前呼びもせず、自分から抱き寄せることもしないのに、夜の営みはあるんだろうなと思うと余計に滾る
正座。
照井と所長の夜のマキシマムドライブは如何ほどのものか…
ノーマルアクセル:圧倒的な硬さとパワーで奥まで打ち込む→絶頂が所長のゴールだ
アクセルトライアル:10秒の間に可能な限り打ち込む→9.8秒、それが所長の絶頂までのタイムだ
アクセルブースター:夜の営みのクライマックス
アクセルトライアル:9.8秒で発射、「この早漏!!」バチコーン
新婚照亜樹はデレデレな感じが良いな
同じ新婚でも名護めぐはいつまでも意地の張り合いしてて欲しいがw
>>258 子供の名前とかで喧嘩になって渡が巻き込まれるとかありそうだ
翔太郎の間違いか?
名護めぐの場合は渡で合ってるだろ
あ、そうか
名護めぐの話なのか
勘違いした、すまん
照井夫妻は亜樹子のほうが決定権握ってそうw
265 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 08:30:40 ID:2XCk2a+v
アンクのチョコアイスキター!!
どうやって渡すことになったのかとかその経緯をぜひkwsk東映・・・!
>>260ー261
お前ら薄情過ぎワロタ
アンクが予想通りチョコアイスでウハウハで嬉しい限りです
しかもハートのチョコ付きとは!くそぅ!東映やるな。
ヒナちゃんの事だからハートのある方を隠して渡したに違いないなw
んで、アンク名前とチョコを見てニヤニヤとw
チョコアイス…公式まじどこまで掌の上で踊らせたら気が済むの…!全力で踊ったらぁぁあ!!
一話一萌えとか公式に足向けて寝らんねーわ。
個人的にアンクにチョコを自慢しに行った映司もすごく良かったなあww
だけどアンクもちゃっかりチョコ貰ってて「比奈ちゃーん…(泣)」ってガッカリしててワロタw
アンクの「チョコアイスなら喰ってやる」とあの悪い笑顔が
チョコだけでなく比奈ちゃん丸ごと頂きました、に見えてしょうがない
OPのあれといい、最近のアン比奈の距離の縮まり具合といい
実は信吾と比奈に血の繋がりがないなんて話が出て来たりすんのかな
アン比奈的に障害が一つ減るし、近親ネタも大好物なんでどっちでも美味しく頂く自信はある
>>271 おま俺
あの顔は、見ようによっちゃ別のも頂いたようにも取れて妄想膨らんだw
番組としてのネタ要素ってのもあるとは思うけど、
チョコアイスと言いメダルホルダーと言い人を選ばない無難な物じゃなく対アンクへあげる物として選んでる感じが萌える。
お兄ちゃん第一なのは変わらないとしても、最近の比奈はアンクのことも結構考えてる気がしてニヤニヤが止まらない。
二人が実はデキてても映司はなかなか気付かないんだろなぁw
チョコアン…知世子アンク!
既出か
比奈ちゃんのチョコも萌えたが、後藤さんと知世子さんもなんか萌えた
比奈ちゃんのチョコに嬉しそうな映司に壮絶に悶えたけど
次回のネタバレ見るに映司は可愛いなら誰でも良いのかもしれん…
バレンタインネタの投下マダ〜?
マフラー貰った時もやたら嬉しそうだったな映司
チョコも貰って「やったぁ俺にもようやく春が」と喜んで見せびらかしに
行った矢先にアンクに絶望のどん底に突き落とされる映司カワイソス
昨日の次回予告でタイトルの一つの眠る欲望が寝る欲望に見えてしまったんだが…
「え?子供番組でそんな欲望良いのかよ!!」とか思っちゃった…
>>276 >可愛いなら誰でも
ここ見た瞬間、どこかの探偵みたいな扱いになるんじゃと不安がw
「おしっこしたい」欲望でカザリにヤミー産みつけられる比奈
>>280 そんな欲望でヤミーは生まれんよwwww
やっぱ兄ちゃんと色々したいとかの方がヤミー生まれそう
うああああああ!!!!
海夏バレンタイン話が間に合わないいいい!!
む・・・無念
>>198です。DCD映画版観ました。雨のシーンに激萌えです!
ということで、かなり即興ですがバレンタイン士夏SS投下すます。
PCが規制中の為携帯からなので、連投規制に引っかかってしまったら申し訳ありません。
複雑です。
何だかとても、複雑です。
そして、困ってます。
とにかくすごく、困ってます。
夕食の後、私、光夏海は部屋に篭り、一人ひたすら迷っていました。
今日は、世間一般で言うところのバレンタインデー。
この機会に勇気を出して告白する女の子も多くいると思いますが、今年は恥ずかしながら、私もその仲間入りをするつもりでいました。
うんと考えて、沢山迷って、やっと決断したこと。
私が好きになったのは、どんな世界からも拒絶されてしまう哀しい人でした。
色んなことが目まぐるしく起こる中、旅を重ねる日々。
彼の帰る家になりたいと願い、命を救われ、絆を感じられたこともあれば、拒絶し、傷つけ合ってしまったこともありました。
あの時のことを思うと、今でも胸が痛みます。
何も知らずにあんなことを言ってしまった自分が情けなくて、申し訳なくて。
でも、還って来てくれました。
酷い人だと一方的に罵ってしまった私の、私達の元に、彼は。
それがどれだけ嬉しかったかを伝えたくて、一生懸命作ったチョコレート。
その想いが迷いに変わってしまったのは、おやつの時間(子供のようですね)のことでした。
「さぁほら、座って座って」
いつものようにおじいちゃんに呼ばれ、私達は美味しい手作りお菓子を楽しみに待ちます。
「ジャジャーン!」
おどけて言いながら、おじいちゃんはテーブルに載せたのは、それは大きなチョコレートケーキでした。
「わぁ、凄い!」
「めっっっちゃ美味そう!」
「ケーキ屋に鞍替えした方が儲かるんじゃないか?」
一気にテンションが上がり、私達は大きめに切り分けたケーキを食べ始めました。
ダイエットしなくちゃ、とちょっぴり罪の意識を抱きながらも、美味しい物を皆で一緒に食べるのは何にも代えがたい幸せです。
甘いだけじゃなく、ぴりっとした苦みを感じる味わい。何だろう…?その正体を探っていると、
「気が付いたかい?少し大人の味にしてみたんだ」
おじいちゃんはそう言って、にっこりと笑いました。
「何かこう、ちょっとした酸味があるよな」
「さすが士くん、鋭いね。これにはね、夏みかんピールを混ぜたんだよ」
「オレンジピールってあるけど、夏みかんでも作れるの?」
ユウスケが問いかけます。
「これは、私から皆への愛情のしるしだからね」
「何だそりゃ。こんなケーキ程度でか?」
茶化されて癪に障ったのか、おじいちゃんは急に真顔になって迫りました。
「今日はバレンタイン。チョコレートを渡して愛を伝える日だよ。士くん?」
あまりにも真剣に見つめられて面喰ったのか、彼は分かったと言うように手をひらめかせます。
「今日は、チョコ渡せばOKってことなのか?」
「まぁ、大概の子はそれで悟るだろうしねぇ」
「栄次郎ちゃーん、ケーキおいしいーん!」
いいねー若い子は、なんて浮かれたことをいうおじいちゃんを囃し立てるように、キバーラが辺りを飛び回って。
「そうか、大体分かった。チョコ一つでどうにでもなる日なんだな、バレンタインってのは」
「いや士、それ違うから。どうにでもなる訳じゃないよ、失恋する人だっているんだし…」
突飛な解釈をユウスケが宥めますが、彼はちっとも聞いていない風でした。
「何言ってるんですか、もう!」
私はその時点で、既に困っていました。
おじいちゃんがやけに確信的にバレンタインを語ってしまったせいで、私自身の計画も見透かされたような気がしてしまっていたからです。
チョコ一つでどうにでもなる、彼のそんな捉え方も複雑で、既に用意してしまった物の行く末すら見えなくなって。
部屋に戻り、ラッピングを終えた贈り物を取り出した時には、迷いはより深まっていました。
こんなもので、一体何処まで気持ちが伝わるのか分からなくなってしまったのです。
何の効果もないかも知れない。おじいちゃんのケーキは美味しかったけれど、腕前の劣った私では、それだけのものにすらならないかも知れない。
渡す直前に、気持ちを高めて書こうと思っていたカードにも、もう何も書けそうにありませんでした。
世間に踊らされ、こんな切っ掛けに縋って気持ちを伝えようとした自分が、やけに主体性のない、情けない人間に思えてならなくなりました。
「…やっぱり、」
やめよう。そう思い、包みごとごみ箱に放り投げようとした瞬間。
――コンコン。
少し荒っぽくドアがノックされて、私の動きが止まりました。
「お、起きてたか夏みかん。子供はとっくにおねんねしたかと思ってたぜ」
「つ、士くん!」
意地悪そうな笑顔を浮かべて、ポケットに両腕を入れて構える彼が立っています。
「…って言うか、子供じゃありません!それに、まだ早いです。9時になったところじゃないですか」
反論したいやら、突然の訪問に驚くやら、態度の定まらない私を見て、彼は鼻を鳴らしました。
「ホラ」
「え?」
意味深な反応に固まる一瞬に、頭の真上に何かが置かれる気配。
「今日は楽でいいな、こんなことで済むなんて」
黒目を引き上げ、懸命に頭上を捕えようとする私を置いて、彼は自分の部屋の方へと廊下を歩き出してしまいました。
――なに?何?
落とさないようにしながらバランスを整え、前方に頭を傾けて両手で受け止めた物は、小さな白い箱でした。
濃い茶色のリボンが十字に掛かり、斜めのあたりでちょうちょ結びになっています。
「…え?」
まさか。おそるおそる結び目を解き、蓋をずらしてみると…そこには、リボンと同じ色の食べ物が二粒、寄り添うように詰まっていました。
「!」
脳内では8割方想定していたにも関わらず、実像のインパクトはあまりにも強いもので、私はガタンと音を立てて後ずさり、ドア横の壁に背中をぶつけてしまいました。
チョコレート。士くんから、こんなに可愛い物を貰えるなんて。
いっぱいになる胸の奥から溢れた歓びが、ツンと鼻に抜けて痛みました。
じわりと熱くなりそうな目頭を押さえて、鼻を啜ってやり過ごします。
と、心の片隅にある理性が、ちょっと待って、と私の思考をストップさせました。
これは、一体どういう意味なの?と、少し意地悪に語りかけて来ます。
チョコレートを渡すくらい、誰にでも出来ることじゃないの?
現におじいちゃんだって、皆に、と言ってケーキを振舞ってくれたでしょう?と。
違う、と思いたかった。
これは私だけの特別なものだって、胸を張りたかった、けれど。
そんなこと、やっぱり出来ませんでした。
自信がないんです。
無条件に信じて思い込み、悦に浸っていい種類の感情ではないことを自覚していたから、もし勘違いして惨めな想いをするのはごめんだと思いました。
疑問と恐れ。そして少しの、抗い難い期待感。
それは私の足を、真っ直ぐ彼の部屋へと向かわせました。
普段は声をかけるのもためらってしまう鋼のようなドアも、あっさりとノック出来ました。何度も。
「分かったから、少しくらい待てって」
士くんは着替えの最中だったらしく、何と上半身裸で現れました。
「ご、ごめんなさ…」
い、とまで言えずに目を反らし、私は箱を胸に抱えたまま自分の鼓動の激しさを知ることになります。
これ以上ないくらい、どくんどくんと急速に血が身体中を巡って行くのが分かりました。貧血を引き起こしてしまいそうな速さです。
どうしよう、どうしよう。緊張して倒れてしまったら、士くんにまた未熟夏みかんだなんて馬鹿にされちゃう…!
どうにか両足に力を込めて立っていた私の前に、ふっと陰がよぎりました。
あぁ、手遅れだった…瞬間、床に倒れる衝撃を覚悟しましたが、身体にはどんな痛みも起こらず、不思議に思っていると。
「返しに来たのか?」
ドアの縁に手をかけて、士くんが問いかけて来ました。
「ち、違います。あの、そうじゃなくて…これ、どうして私にくれるのか訊きたくて…」
私の問いかけに、彼ははんっ、と首を反らしました。
「そんなもん、お前のじいさんに訊け。つか聞いただろ、さっき」
いや聞きました、けど…でも、あれってユウスケの言う通りどうにでもなるって訳じゃないと思いますし…。
「それとも何か?お前は、俺からの物なんて受け取る気がないとか言うつもりか?」
「そんなことありません、絶対に!」
慌てて箱を包み込み、抱え直しました。絶対に取り返されないように、強く強く。
「ならいいじゃねぇか。そういうことだろ?」
彼の表情がふっと緩み、私の前から陰が消えて。
「そ、そういうことって…それだけじゃ、私」
信じていいのか、甘えていいのか分からない――。
そう言って乗り出した肩を、士くんは手のひらで押さえました。
「入らない方がいいぞ。子供のうちはな」
「子供じゃありません」
いつもいつも、一人で暗号トークして狡いです。それで解決されたって、納得なんか出来ません。
私は目を上げて、彼を強く見据えました。睨んですらいたかも知れません。
と、いつもの鋭い視線でそれを受け止めていた彼から緊張感が抜け落ちました。
「勘弁してくれ…」
懇願にも似た独り言が響き、いつにない反応に面喰う私の腕が、突然強く引かれて。
「ッ!」
首筋に歯が立てられました。
まるでキバーラの真似をしているかのようでしたが、単なる戯れじゃないことはすぐに分かります。
歯の間から伸びて来た舌が肌の上を這い、ちゅっ、と音を立てて吸い付き、それを繰り返したからです。
「あの、ちょ…つかさ、く…!」
「ん…?」
耳元に吐息を咲かせながら答える声は、やけに男っぽく掠れていて、足元から崩れそうになるくらい強い電流が走りました。
男っぽいだなんて、そんな声を聞いたこともないくせに、それを直感で感じ取った自分が信じられません。
右腕が荒っぽく私を捕まえると、頬が士くんの鎖骨に当たって跳ね返ります。が、離れる間もなく手のひらが背を包み込んで、耳がぴったりと彼の胸にくっつきました。
「……。」
鼓動が聞こえる。そう思ううちに、ドアが閉まる音を背中で聞きました。
「箱は返品不可。この部屋は子供厳禁だ。その意味、分かるだろ?」
「でも、入って来ちゃいました。私」
「だから、もう戻れない。いいのか?」
やっぱり、彼は狡いです。私に隙を与えることなく、重ねた唇に答えを溶かしてしまったから。
「応え方、ちゃんと知ってんじゃねぇか。何が“どうして”なんだか。このエセオレンジピールが」
「変です、それ」
悪態にすら筋が通っていないのは、士くんもこの状況に少し舞い上がっているせいでしょうか。
そう思うと可笑しくて愛しくて、私はくすくす笑いながら彼の肩に腕を伸ばしました。
裸。信じられない。恥ずかしい、照れくさい。
なのにどうして人の肌に触れると、人はこんなに安心するんでしょう?
「どうする、んですか?」
首のあたりをそっと撫でてみます。
「んなもん決まってんだろ」
士くんは箱を掴んだままの私の左手を持ち上げ、比較的自由が利く薬指を口に含みました。
「…!」
あたたかく湿った感触に浸され、舌でくすぐられながら付け根に歯を立てられると、ゾクゾクと痺れが背中を走ります。
脳は、この初めての感覚をどのように分類していいか分からず、困っているのではないでしょうか。
やがて、ゆっくり取り上げられた箱がベッドサイドのテーブルに置かれました。
「俺は細かいことは苦手だ。知っての通り、デリカシーの欠片もないしな」
「そんな、」
あなたほどナイーブで傷付きやすくて、優しい人は他にいません。そう言いかけた時、ふとあの雨の日のことを思い出しました。
「帰る場所はここしかない」と言ってくれたこと。それを私は、単なる甘えと、或いは罠としか感じられなかったこと。
「士くん…」
ごめんなさい。ごめんなさい。
状況はどうであれ、私はこの人を心の底から傷付けてしまったのだと、今改めて実感して涙が溢れました。
見付けてくれたのに。
私のいる場所に、安住の地を見つけ出してくれたのに…。
「そんなに嫌なのか?」
呆れたように笑った彼は、私の涙を集めて唇に溶かしては消し去ってくれます。
裸の身体の何処に触れていいのか分からず彷徨った指はジーンズのウエストに落ち着き、強く掴みました。
「おい、脱がしたいのか嫌なのか、一体どっちなんだ」
言いながら私の手を掴み、士くんはほんの僅かにスライドさせました。と、何か硬いものが手のひらに触れ、今までにないその感触に驚いて目を上げると。
「こんなに期待させといて逃げる気なら、もう二度目はないと思えよ?」
妙な言い分で胸を張り、片眉を上げてみせました。
今触れたのは何かを、改めて思い返してみます。
身体の中心、その少し下にあるもの。硬く尖っていて、今にもジーンズから飛び出しそうなそれは――
「ッ!」
ようやく理解し、驚きに飛び上がりかけた身体が、ふわりと返されて浮きました。
「めんどくさくなって来た。いいか夏海、逃げるな。いや逃がさねぇ、もう絶対に」
ベッドに投げ出され、視界が天井を捉えた途端、私の世界は士くん一色に染まりました。
唇を奪われて心拍を乱され、肌を吸われて耳たぶを甘噛みされて、どうしたらいいのか分からないくらい呼吸が荒く、苦しく高まって。
夏海。
何度となく名前を呼ばれると、彼の吐息も苦しげに変わって行って…助けてあげたいと思って腕を伸ばす度に、身体を包む衣服がするりと剥がされて行きましたが、戸惑いを口にするタイミングを失ったまま、気付けば私達は一糸纏わぬ姿で向き合っていました。
「恥ずかしい、か?」
妙に気弱に問う士くんが可笑しくて、首を振って彼に抱き付きました。
こうと決めたら振り返らず、力づくで道を切り開いて進んでしまった後に、ふと気弱さを見せる。
強引だけど、やっぱり誰よりも優しい人だと実感させられて、胸の奥から溢れ出す慈しみの感情に、私はそっと微笑みました。
ゆっくりと掛かる士くんの重み。
触れ合った箇所のぬくもりが熱になり、やがて玉のような水滴に変わって彼から私の身体へと伝い落ちます。
「あ、…っ、んん…!」
喉を滑る甘やかな声が、自分のものだなんてとても信じられません。
「ここはどうだ?」
繊細に、意地悪く私の身体を弄ぶ士くんの指先。私自身も今まで知らなかった場所に沢山触れられて、色んな意味で目眩がします。
「これ…痛いか?夏海」
「んっ!」
膝が開かれると、身体の真ん中に何かが突き刺さるような感覚がありました。
様子を伺うように顔を見つつ、体内を探られているのが分かります。
「ふ、ぁ……い、たく…ない、です…」
むしろくすぐったいような、痒いところにあと一歩届かないような、少しもどかしい感じです。
「結構行けるもんだな。ま、こんだけ濡れてりゃ大丈夫か」
「え。ぬ、濡れ…!?」
ひどく恥ずかしい単語を聞いたような気がして目を丸くすると、内側の圧迫感が増しました。
入口あたりが若干強引に開かれる感覚で、今度は痛いようにも思えます。
「指3本はさすがにキツイか?けど、こんなもんじゃねぇから慣れろ」
「んっ、あ、ぁんっ…」
そんな無茶を、と反論しかけましたが、出来ませんでした。
素早く足の間に潜り込んで来た士くんが、今まで私の気を集中させていた所より少し上のあたりを舐め上げたからです。
「あ、あっ…や…ぁ、っあ…!」
背中を震わせる程の心地好さの往復に、間断なく上がってしまう声がとても恥ずかしく、反面、耳から入る自分の声と、士くんの動き方と連動して響く水音が何とも言えず官能的で…つまり、ひどくエロティックな気分にさせられてしまいます。
「あん…士くんっ…、ふ、っあ…」
「イイ声だ。もっと聞かせろ」
そう言うと、動きが速さを増しました。指と舌、両方で知らなかった場所を探られて、意識は行き場なく追い詰められます。
「や、あぁ、あん、ん、…きもち、いい…!」
「このままイカせてやる。力抜いて、イイ所だけ感じてろ」
「ん…そん、なっの、…分からな…っ…!」
瞬間、時も声も呼吸も、全てが止まりました。
勝手に反った腰がシーツとの間にアーチ状の隙間を作り、足が宙に浮かんで。
「――ッ…!」
意識は真っ白に塗り潰されて、果てのない宇宙に放り出されたようでした。
「イッたか?」
投げ出された四肢がひどく重く、一気に気だるさに包まれます。
「やっぱりな。思った通りだ」
私に半身を乗り上げるように横たわりながら、士くんは音を立てて頬にキスをしました。
「お前のエロい顔、悪くない」
「お、思った通りって…想像なんてしてないですよね!?」
「想像して何が悪い?」
合わせた唇の表面で遊んでいた舌が、深く差し込まれました。
息つく間もないキスの激しさと、身体を覆うようにのし掛かられる重みで自由を奪われて。
「っ、ん」
「ずっとこうしたかった。夏海…」
信じられないくらい甘い囁きに、全身がかぁっと熱くなりました。耳たぶを軽く含まれ、流れ込む吐息に力が抜けて行きます。
小さく震え、喘ぐのを止められない私を満足そうに見下ろしてから、士くんは起き上がりました。
「…え?」
抱え上げられた足が、今までで一番大きく広げられます。
「や、恥ずかし…」
「今更何を」
薄く笑った士くんは再び私の中心に指を立て、眠っていた何かを起こすように荒っぽく水音を響かせると、太股に唇を落としました。
「ちょっと痛いけど我慢しろ」
早口で言い、ぐっと腰に力を込めました。
「!?――あっ!きゃ、あ…ぁっ!」
一瞬冷たさを感じたそこに、熱い何かが入り込もうとしています。
狭く閉ざされた道を開こうと、容赦なく突き進んで来る猛獣のもたらす痛みに、私は反射的に生命の危険を感じ取りました。
「った、痛、…いた…いっ」
シーツを掴み、冷や汗でびっしょりなった上半身をバタつかせますが、士くんに押さえ込まれた身体は離れず、浮くことすらありません。
怖い。これまで負ったどんな傷よりも激しく、ゆっくりと生々しく痛め付けられる感覚は拷問みたいだと思いました。
「ふぁ、あ…も、嫌…!」
駄々を捏ねるように懇願する私の唇が、士くんのそれで塞がれます。
懸命に舌を絡め、吸い付いて誤魔化そうとするけれど、お腹の奥で増す圧迫感によって乱れるばかりの呼吸。
「ごめん」
と、繰り返される短い謝罪に気が付きました。
いつにない言葉選びと、何処となく気弱さを滲ませる士くんの声が耳元に溢れ出します。
その時。
ふと、自分自身の状況が特別なものであることに気付きました。
身体に士くんを、その情熱を受け入れ、確かめ合う。
それは誰にでも出来ることではなく、私だけに心を許してくれた証拠であること。
自惚れていいのだと分かった時、私は微笑みながら強く士くんを抱きしめていました。
嬉しい。
痛いけど、苦しいけど、こんなにも幸せな行為があるなんて。
「もう駄目だ…動いていいか?」
何度となく口づけを紡ぎながら、士くんは身を起こしました。
両足が浮くと、開いた下半身に向け、衝撃と振動が注がれます。
「あ…あっ!あん、ん…!」
入口が引きつる痛みはありましたが、最初ほどひどくはありませんでした。
それよりも、段々と奥の方に感じるくすぐったさの方に気を取られるようになり、それをもっともっとして欲しいと求めるようになっています。
「あったかいぞ、ナカ…夏海」
うわ言のような声に顔を上げると、目を閉じて薄く唇を開き、官能を享受している士くんがいました。
汗が流れるのも構わず、渦巻く快感を必死に留めて感じ取り、取り込もうと足掻く彼。
「あ、あんっ、ん…んんっ」
初めて見る表情は険しくもセクシーで、私も一緒に昂って行くのが分かりました。
「は…、ッ」
探るように下りて来た手のひらが私を包み、指が絡み合います。
ぎゅう。壊れそうなくらい強く握りしめ、抱きしめられて。
「ん、っ…ヤベ…!」
律動の間隔が短くなり、何度となく浅く深く身体を打ち付けられた次の瞬間、士くんは大きく息を吸ったまま背を硬直させました。
「――、ん…ん、…ッ!」
どさり。私の真上に降って来た士くんの身体は、まるで切り落とされた一本の大木のように重く、力をなくしていました。
肩をさすり、頭を撫でていると、彼はゆるゆると目を開いて私を見て。
「すっげぇ良かった…」
「…私、ですか?」
「お前サイコー」
触れるだけのキスをすると、ベッドサイドのティッシュを数枚引き抜いて素早く自分の始末をした士くんは、再び私の足を開きました。
「ちょ、もう…!」
「違う。じっとしてろ」
丁寧に拭き取られ、傷の手当てを受けるような感覚。
恥ずかしさはありましたが、恐ろしく重い身体はどうやっても動かなかったので、抵抗することも出来ませんでした。
「女になんか生まれたくないな、俺は」
一通り作業を終えると、士くんは私の横に寝っ転がって言いました。
「そうですか?オシャレも出来るし、楽しいですよ?」
片腕で頭を支えた彼の反対の指先が、下腹部を撫で回して来ます。
「痛い思いはごめんだ。訳の分かんねぇ男に、こんな変なことされんの嫌だろ?」
「訳の分かんない、って」
素直に、強気に想いをぶつけて来たかと思えば、もう自虐が入ってます。士くん、一体どういうつもりなんでしょう。
疑問に思いましたが、すぐに気が付きました。これは、彼なりの照れ隠しだということに。
「――そうですね。嫌です」
「……。」
無言で私の言葉を聞く表情に、一瞬動揺が走るのが分かりました。全く、言われたくないことなら、始めから仕掛けなければいいのに。
私は首を起こし、初めて自分からキスをしました。
「士くん以外の人にこんなことされたら、舌を噛み切って死にます」
「よっく言うぜ。お前は自分が死ぬより、キバーラに変身してそいつ殺す方だろ。何せ、里では有名な凶暴夏みかんだからな」
またあることないことを。
呆れましたが、その表情はとても満足げだったので、それ以上何かを言うのはやめました。
士くんは、うつ伏せになった私の背中に熱い手のひらを載せ、髪を掬っては弄びます。
「そう言えば前、“皮剥くぞ”とか言ってましたよね」
「剥かないと食えねぇだろ」
「…願望、だったんですか?」
「当たり前だ。食いたくて仕方なかった」
言葉の通り、食べるように唇を挟んで噛まれ、味わうような舌の動きに翻弄されて。
「チョコ渡すだけで済む筈だったのに、随分喋らされたぜ。じいさんの嘘つきめ、明日抗議してやる」
「意味分からないと思いますから、混乱させるのはやめて下さい」
ベッドサイドに手を伸ばし、私は再び小さなチョコレートの箱を胸元に引き寄せました。
「部屋にあるんですが…私からのも、貰ってもらえますか?」
「まともに食える物ならな。あ、でも明日でいい。どうせ今日は戻らないだろ」
「…それって、」
このまま、この部屋で眠ってもいいってことですか?
問いかけるより先に、士くんが蹴り上げた布団が舞い下りて来ました。
「身体、まだ痛いか?」
「え?あ、いえ、…そうですね、はい、少し」
「朝までに治せ。採れたてを食ってやる」
小さなベッド。一つきりの枕は士くんが使い、私は差しのべられた腕に頭を置いて。
彼のチョコレート色の肌の匂いに包まれて、私は甘い夢の訪れを感じながら目を閉じました。
<終>
>>283 リアルタイムキター!
初エロGJ!!!!
強気で弱気な士がいいな、なんだか本編を思い出したよ
でもって皮剥くぞは願望だったのかww
萌えとエロをありがとう
>>283ハッピーバレンタイン!!投下ありがとう!
髪をいじったり腕枕したり
素直じゃない士×自信がない夏みかん萌えた
ところで>283の観たオールライダー(ryは通常版?
通常版よりも士×夏とバトルシーンの増えたDC版?
>>283 >>198といい今回といい、私の萌えポイントをこれ以上無い位的確に突いてくるあなたは神ですか
また投下しに来てくれるよね答えは(ry
良い!とても良い士夏でした!ご馳走です!
鬼畜でゴーイング自分道じゃない士って新鮮でした!有難う御座いました!
また待ってます!
299 :
音也×ゆり:2011/02/15(火) 22:23:00 ID:PRdiylm5
音ゆり
216です。キバ過去編需要トンクス。
まず24話直後、音也への気持ちをゆりが宣言した直後の話。初H。
音真夜要素はありません。
エロも天才紅音也。
300 :
音也×ゆり:2011/02/15(火) 22:24:36 ID:PRdiylm5
愛している、そんな言葉を、二人の男の前で、あんな大声であたしが叫ぶなんて、母さんが知ったらなんて言うだろう。
びっくりするだろうな。でも、なんとなく、微笑んでくれそうな気がする。
麻生ゆりは紅邸のキッチンでココアを入れながら、そんなことを思ってふふっと笑った。
あいつはコーヒーが飲めない。そのくせに、「愛の…ためだ」とか言って一気飲みしたりして。
「バカだなあいつは」
「おいおい、誰がバカだって?」
そう軽い声がして、ゆりは後ろから抱きすくめられた。
「おお、俺のために入れてくれたのか。まるで俺たちの愛のように…アツイ!」
いつものように振り払おうとして掴んだ腕が素肌で、ゆりは硬直した。
青い狼に手ひどくやられて、濡れ鼠の音也をここまで連れてきて、軽口を叩きながらも本人はガタガタ震えているから、
風呂を沸かしてやって、入るように言って、それでココアを…
「ばっ…お前、服を着ろ!」
「そんなもの、愛の前には邪魔なだけだ!」
さっきまでボロボロだったくせに、この男の生命力はどうなっているのだろう。
301 :
音也×ゆり:2011/02/15(火) 22:25:48 ID:PRdiylm5
ゆりを抱きしめる腕は強く、戦士である彼女にも振りほどけそうにない。
男の腕だ。
そう思ったら、ゆりの手から力が抜けた。
ちゅ、と小さな音がして、首筋に熱が走る。
「ゆり」
音也の声は、いつもの軽い調子ではなく、強くて、そしてとても優しかった。
「音也」
そう呼んだ途端、ゆりの胸元に音也の指が滑り込んだ。
自分でもろくに触れたことのない膨らみに、感じたことのない感覚。
「ひゃ、っ…」
突起のまわりをゆっくりと、ヴァイオリニストの繊細な指が這う。
「ふ、う…きゃ…」
「お前、女らしい声も出せるんじゃないか」
バカ、と言おうとした声はそのまま嬌声になった。音也の指が胸の突起に触れたのだ。
ひりひりするような初めての快感に、ゆりはただ叫んだ。
―やっと手に入れた、俺の女神。
崩れ落ちるゆりの長身を受け止めて古びた寝台まで運び、音也は満足感と期待感で充ちていた。
ずっと抵抗しかしなかったその美しい体が、罵る言葉しか吐かなかったその唇が、今、自分の愛撫で甘くとろけている。
お姫様みたいに抱いてやる。一生忘れられない、最上の快楽を与えてやる。
それこそが音也という男の存在理由だった。
大人っぽいのに何も知らないゆりの唇に、自分のそれを重ねる。
ゆりは恐ろしいものに触れるように一瞬退いて、それから、少し震えながら接吻に答えてきた。
くちゅ、くちゅ、と音を立てて、二人の舌が絡み合う。
音也はすっかり露わになったゆりの乳房に優しい愛撫を続けながら、もう片方の手でそっと、手際よく、ジーンズの金具を外した
。
「待って!」
ゆりが急に不安そうに言う。
「は、恥ずかしい!」
「恥ずかしい?」
余裕の笑みを向けて、そのままジーンズを引き下ろす。
「やだ!」
ゆりがもうそんな事に意味はないのに、両手で顔を覆った。
長身の大人の女にとても似つかわしくない、ファンシーないちご柄。
ゆりは真っ赤になって、見ないで、お願い、と言った。
「なんて可愛いんだ!」
乾いた音がして、音也が壁際に吹き飛んだ。
「ゆり、なんだ、そういうスパイスは飽きてきた頃にするもんだぞ」
真っ赤になって震えていたゆりが、その手を可愛いいちご柄に掛けて、
一気に下ろした。
302 :
音也×ゆり:2011/02/15(火) 22:26:59 ID:PRdiylm5
「…あたしのこと、子供っぽいと思っただろ」
半端にずらされていたブラジャーも、勢いよく投げ捨てる。
「だって、今日、こんなことになるなんて、思わなかったんだもん」
手形のついた頬をさすっている裸の音也の前に、裸のゆりが仁王立ちする。
シュールだ。
「あたしばっかり恥ずかしい思いをして、お前はちゃっかりお風呂入ってるし、あたしは入ってないし」
あの、その、見え…
「どうせお前はいつものことだから余裕だろうけど、あたしは初めてだし、なんか勝手に」
音也はゆりを押し倒していた。
やっぱりお前は俺の運命の女だ。
なにかまたゆりが文句を言おうとするが、あらためてその唇をふさぐ。
こんなに可愛い女はほかにいない。こんなに愛おしくなるのはゆり、お前だけだ。
余裕を失った音也の指が、誰にも触れられたことのない蜜壺に触れる。
信じられないほど濡れている。
すこし上に触れると、可愛い芽がもうぷっくりと腫れていた。ゆりが悲鳴を上げる。
「は、あ、お、おと、や…」
きれぎれに、聞いたことのない高い声でゆりが呼ぶ。
「い、痛くても、平気、だから、あたしは、平気、だから、」
そう言いながらその体は少し震えている。少女のような心は確かに怖がっている。でも、その体はすっかり女だ。
痛くなんかしてたまるか。この天才紅音也が。
音也はどんなヴァイオリンに触れるよりも優しく、適切に、指をゆりのそこへ進入させた。
ゆりの体が跳ねる。そのリズムを逃すまいと、音也は指先を奏でた。
「あ、あ!」
ゆりがしがみついてくる。
「やだ、へん、初めてって、痛いんじゃ、ないの…」
「ゆり」
「や、き、きもちい、へん」
指はいつのまにか二本に増えている。しかしゆりはそれに気づきもしなかった。
「ゆり、俺を誰だと思ってる。百年に一人の天才だぞ」
天才の指先は、芸術的に女の内側を揺らした。
「きゃ、あ、ああああ」
初めての女が到達するはずのないところにいきなり連れていかれたゆりの体が、大きくのけぞる。
303 :
音也×ゆり:2011/02/15(火) 22:28:20 ID:PRdiylm5
倒れようとするその背中を抱き止めて、何の躊躇いもなく、音也はゆりを貫いた。
血は流れているだろう。でもそのことに気付くのは、全てが終わったあとでいい。
今は二人で、絶対に忘れられないこの瞬間を、刻みあえばいい。
全部を覚えていてくれ、ゆり。
俺を忘れないで。
俺が、いつか、お前の前から消えたとしても。
お前が、いつか、別の男を愛したとしても。
このリズムを、二人ともけして忘れられないから。
音也の中に、快感と、どうしようもない彼の核の思いが、せり上がってくる。
「っ、ゆり、ゆり!」
「お、おと、や」
ゆりが微かに目を開けたから、音也はゆりの目を見て言った。
「忘れないで」
ゆりはびっくりしたように目を見開く。
音也はペースを上げる。
「こ、こんなの、わ、忘れられるわけ、ない!」
生命の証である白を、血に一番近いそれを、ゆりの腹の上にぶちまけて、
音也はそれまでの慣れた様子とは裏腹に、その体を投げ出した。
遅れてやってきた痛みを体の奥に感じながら、ゆりは
どうして音也は泣いているのだろう、と思った。
終
以上です。
今度音也×真夜も書きたい。渡×深央も書きたい。
キバもだいぶ昔になってしまったなあ。。。
電王とDCDに挟まれて地味だが、キバ好きなんだ。
お目汚し失礼しました。
おおGJ!!
音ゆりすごい好きだから更新嬉しい……!!
ゆりさんかわいいなぁ!
GJGJ!音ゆり大好きだから嬉しいよ〜
ゆりかわいいし、音也全開のエロでした
そしてキバもまだまだ大好きだ!音真夜も渡深央もいつでも待ってる
>>304
GJ!
平手に仁王立ちがいかにもゆりと音也らしくてフイタw
自分もキバ好きだから嬉しいよ、ありがとう!
カブト・電王と続いたから、次は絶対キバだと思って期待してたのに
まさかのカブトリターン……おのれ東映チャンネル orz
人少ないね
アン比奈読みたいな…とちょっとおねだりしてみる(・ω・)
アンクがホワイトデーに何かお返ししたらTVの前でひっくり返る自信がある
>>308 その妄想を書き込むんだ!
映司には丸のメッセージボードでアンクはハート型なのが美味しいよな
>>304 GJ…!!
ああ
音ゆりいいすなあ。
いいものを読ませていただきました。
というか上手いなあ。
次作もお待ちいたしておりまする!
>>309 「べっ…別にアンタが好きとかそんなんじゃないんだからねっ・・・!お兄ちゃんにもあげるつもりで作ったんだから
勘違いしないで!」とかいいながら、ぶっきらぼうに渡す比奈ちゃん妄想。
「女の子には」みたいなネタならともかく、映雛好きもいるんだし…
もしかして自分?なら言い方変える、ごめん
アンクにはハート型、映司には大きい丸型でちゃんとお礼の言葉なんか書いてるのが萌える
もしかして映司のやつひっくり返したら「大好き」とか書かれてるんじゃないのとか考えると更に萌える
んで映司が気付かず食べてからあーあって顔して見てるとか
映雛好きが云々言うなら自分で妄想書けばいいだろ
勝手にsageられたとか思って愚痴んなよ
翔亜樹でも同じ流れ見たぞ
誰もアン比奈以外のネタ書くななんて言ってないし他カプ好きを
追い出したりもしてないよ
>>314は噛みつきすぎ。
同じアン比奈好きとして恥ずかしいよ。(無論、映比奈も好きだ)
そういう言い方だと映比奈をディスってるように思われるぞ?
萌えはみんな違ってみんないい。
ところで、ヒビキさんの中の人が結婚したと聞いて、久々にヒビキを見返してたんだが
明日夢がモテすぎだろう!と今更のように思った。
もっちーとあきらに好かれて、その上、香須実やみどりたちに可愛がられるとか羨まし
すぎだろ…。
好きなことだけ書けばいい
浮かんだ妄想書き殴り
すぐに投下をすればいい
文才あるなし気にするな
愛と萌えさえあればいい
>>317 響鬼はヒビキさんが主人公なの?かと思いきや明日夢のGALゲー状態で萌えてた。
以前、此所に投下されたあす×もちにエッチ指導をするヒビキさんの話が良かった!
むしろヒビキさんはあんまりモテなかったなw
香須実さんはイブキさんとくっついちゃうしみどりさんと進展もなし
明日夢のお母さんにはキャーキャー言われてたけど
「今回の仮面ライダーってただのおじさんなんだけど…」
ってヒビキさんを見て言ってた甥っ子が今年中学生
俺もエロパロスレに住める歳になったし響鬼って最近のような気がしてたけど結構前なんだ…。
アンクの怪人態が早く出ないかな
その姿で比奈と…とか色々妄想してしまうw
でも現状の手一本でもいろいろできそうで妄想できるなw
と思ったら兄貴から10分制限忘れてたよ最近離れまくりで
自分は、アンク(人間態)が比奈に触るときは右手だけ怪人態に戻すんだろうと思ってる
勿論触れるのは右手のみ
アンクって腕っつーか手の平でアイス食ってたな
て事はキスとかしながら手の平でクンニできるのか。エロいな
手に口がついてるって便利だね。
ただ触ってるだけでも舐めまわされてるような感覚になったりするのか
鷹ってゴールドフィンガーなのもいるし結構テクニシャンの素質あったりしてw
そろそろアン比奈投下プリーズ
予告の変身シーン、なんだあの初めての共同作業的なのw
ハナさんと良太郎でもあったけど、女の子が変身を手伝うのってなんかエロい
映比奈でもアン比奈でもどっちでも美味しいな!
いいなぁ
一緒に変身いいなぁ
>>328 ちょw誰うまw
次回予告の
『ねぇアンク。グリードも恋ってする?』
っていう映司の質問に期待!
アンクは恋なんてしないと言いつつ不意に比奈の事を思い出して悶々とするといいよ
>>332 広い意味でメズール様全否定だよね>映司
今週もチョコアイスご馳走様!
しかし、アンク、最近ヒナちゃんに頼り過ぎだぞw
まあ、それだけ気を許してると解釈しても良いって事かな?
来週の変身お手伝いといい、
前に映司を絞め落としちゃった時といい、
倒れた比奈をクスクシエに背負ってきた時といい、
密着率が地味に高いのがけしからんもっとやれ
アンク「おい映司!!おまえどういうつもりだ!」
映司 「何だ?どうしたアンク!ヤミーか!?」
アンク「冷蔵庫に白いアイスしか無いぞ!」
映司 「は?」
アンク「茶色いのはどうした!買い置きしとけって言ったろ!」
映司 「茶色いの?」
アンク「…チョコ味」
映司 「…」
アンク「…」
映司 「気に入ったのか?」
アンク「…うん」
映司 「比奈ちゃんに頼んだらどうだ?」
アンク「言えるなら…言ってる」
>>336 微笑ましいなww
素直に比奈ちゃんにねだってきなさいwww
「…うん」に萌えたw
可愛いな、アンクちゃんw
なんだそのアンクww
萌えるじゃないか!!
その後映司が「比奈ちゃーん!アンクがチョコアイス食べたいってー!」
とかバカ正直に言って喧嘩になるんですねわかりますん
アン比奈前提で予告ネタ
映司「ねぇ、アンクー。グリードも恋ってするの?」
アン「はぁ!? そんなもんするか! 気持ちの悪いこと言ってないでさっさと目を覚ませ」
比奈「ふーん、そうなんだ」
アン「……何だその目は」
比奈「……(ボソッ)身体目当てなんて最低」
アン「なんでそうなる!」
比奈「恋はしないんでしょ」
映司「そっかー。グリードは恋はしないかぁ〜」
比奈「ほら」
アン「ちょっと待て! こんな色ボケの寝言を真に受けるな!」
映司「そうだよなぁ。グリードは欲望の固まりだもんなぁ」
比奈「……ほんとに最低」
アン「映司ィィィ!!!」
映司が酷いのは恋の所為ですと言いたいところだが、アンクに対する態度はいつもこんなんだった
比奈ちゃんは半分本気で半分はオタオタするアンクを見て楽しんでるといい
映比奈派よ
佐倉姉にベタ惚れな映司に妬く比奈ちゃんとかどうよ?
比奈に恋愛のイロハを聞こうとして切れられる映司とかさ!
どっち派でもいいから投下カモーン!
・・・待ってます
うん
どの組み合わせも美味しくいただく雑食派です(キリッ
346 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 18:10:00 ID:0JIowICK
>>343 映司「ねぇーねぇー比奈ちゃぁん、どうしたらあの人に振り向いて貰えるのかなぁ」
比奈「…はい?」ギロッ
映司「比奈ちゃんは、好きな男の子に振り向いて欲しいときはどうするの?俺参考にしたいからさぁー」
比奈「…」
映司「あれ、比奈ちゃーry」
比奈「ふんにゅー!」バキッ
映司「」
比奈「もう知らない!勝手にすれば?」
映司「」
こんなイメージ
映司物言わぬ死体になってないかそれwwwwwww
勝手にできないwww
勝手に出来ないクソワロタww
投下が10日ない
投下以前に人が少ない……また規制かかってる?
やっぱり規制か?
規制というか鯖変更
どこにうつったんですか?教えてください。
>356今ここに書き込めてるなら問題ない
規制もあるだろうけどな。
正直言って20日の放送あんまり面白くなかったし
明日は盛り返して欲しい
DCDで投下したいものはあるが、途中からさっぱり筆が進まなくなった…………
しかも、かなりの長編になりそうな予感。
マイナーカプの長編とか需要ないよなww
さて、明日の000はどうなるのか!!映司のアレは一時的なものだろうし………
とか、思ってる俺はアン比奈派www
様式美だな
今日のアレはむしろアンクと比奈の共同開発だったな。
萌えたwww
>>363 一緒に英司殴ってたりね息ぴったり過ぎるwww
比奈ちゃんは比奈ちゃんで英司が戻ってめちゃめちゃ嬉しそうだし……
真木博士が店長と知り合いみたいだし……
ヤバいなオーズどうしたんだ小林さんww
365 :
363:2011/02/27(日) 09:01:11.14 ID:A/OHT4V2
共同開発じゃなく共同作業だった。
携帯め!!
しかし、変身させる時の比奈ちゃんの嬉しそうな顔ww
ほんで、あまり嫉妬しない感じだったな
里中さんが初めてデレた?男が伊達さんになるとはな・・・
そして真木は一体知世子さんに何を見たんだ
連レス失礼
比奈の腕の中で泉刑事が失神したのって、これが二度目だよな・・・
いつもは普通に地面に伸びてるだけにそこが印象に残った
ハラハラしつつ戦闘を見守る比奈にこっちも何かドキドキした
>>361 悪い。投下したいと書いたが、正しくは、前は投下したいと思ってた……だ。
やたらと長くなりそうだし、まだエロがないし。
それによく考えたら、海東×ネガ夏海とか誰得なんだよ!!とwww
てなわけで、一人で寂しく楽しんでおくわww
>>368 その(カプの)発送は無かったw
珍しいから完成しておくれ...
今日は映司の行動がいちいちおかしくて吹いたけど、
それにもまして色々アンクと比奈ちゃんで萌えた
負傷した優美を伊達さんが治療するシーン。
「ちょっと痛ぇぞ、我慢しろよ!」
「うううっ!」
伊達さんが上半身裸だったこともあって、
しっかり脳内変換させていただきました。
ここって初めてでも作品投下して大丈夫?
>>372 つべこべ言わずに投下すべし。
人は作者のキャリアよりも新たな作品の誕生を求める!
勇気をサンクス。
書き終わったら投下しにくる。
投下します。
20話ネタでアンク×比奈。
近親相姦が苦手な方はご注意ください。
今日のアンクと比奈は息ぴったりで嬉しかった。
バケツ取り合いとかスキンシップも継続中で何より。
白い肌にうっすらと青い痣が浮かんでいる。
比奈の両の二の腕にまとわりつくそれは、鎖で一晩中戒められた痕だ。
アンクは少し顔をしかめた。
可哀そうと相手をいたわる気持ちからではなく、ただお気に入りの白い肌に傷がついた、その事実を不快に思う。
俺のものなのに、と。
「……酷いな」
ぼそりとアンクが呟くと、比奈は愛らしい口唇を尖らせて彼を睨んだ。
「誰の所為だと思ってるの」
比奈を鎖で吊るし上げ、結果として比奈の躯に痣をつけたのはアンク自身だ。
だが、そんなむごい真似をした我が身を省みるような殊勝さをアンクは持ち合わせていない。
「おまえが頑固だからだろ」
「そういうの、責任転嫁って言うの。ほんとに最低」
比奈の手が伸びてきて、耳を掴もうとするのをアンクはひょいと避けて逃れる。
また責められるのかとうんざりしながら顔を背けた。
お兄ちゃんがお兄ちゃんが、映司くんが映司くんが。
比奈の口から出るのはそんな言葉ばかりで、それはいつもアンクを苛立たせる。
脅しだけのつもりが一瞬本気で落としてやろうと思ったのも、比奈が泣き出しそうな声でお兄ちゃんがと叫んだからだ。
結局川に落としこそしなかったものの、あれだけ酷い酷いと連呼していたからには、しばらくは自分に寄りつきも
しないだろうとアンクは思っていた。
だが、バイトが終わる時間には比奈の方から家まで送ってとねだられ、こうしていつものように比奈の部屋で
揃ってベッドに転がり込んでいる。
機嫌が直ったかと思えば些細なことで怒り出す。
いったいどうしろと言うのだ。
とりあえずやることだけはさっさと済ませてしまおうかと考えていると、「どうしたの?」と下から呼びかけられた。
比奈が不思議そうな顔でアンクを見上げてくる。
あどけない表情を不覚にも可愛い、などと思ったアンクだが、続く比奈の言葉に心の中で即座にそれを撤回した。
「黙り込んじゃって。まさかと思うけど反省してた?」
可愛くない。断じて可愛くなんかないぞ、こんな女。
「馬鹿言え。誰がだ」
アンクは鼻を鳴らして威嚇するように口の端を歪めた。
また怒り出すかと思ったが、比奈は意外にもくすくすと嬉しそうに笑い出す。
「良かった」
「ん?」
「アンクはそういう顔してる方がいいよ」
「どんな顔だ?」
「冷たくて、意地悪な顔。悪巧みしてます、って感じの」
「……なんだそれは」
アンクは首を捻った。
それは、いい、のだろうか。
以前はお兄ちゃんの顔でそんな悪い顔をするなと散々噛みつかれた気がするのだが。
「おまえも変わった趣味だな」
呆れて返すが、何か落ち着かない気分になる。
比奈に気遣われてる、とそう悟ったからだ。
嬉しそうな笑顔と良かったという言葉がそれを物語っている。
比奈はアンクの身を案じ、そして彼女曰くアンクの意地悪な顔を見て安堵したらしい。
映司や比奈にした仕打ちに対しあんなに激怒していたのに、夜にはこうして誘いを掛けてきたのもそんな
心境からだったのか。
しかし、何故?
比奈に心配される覚えがアンクにはまったくない。
理由を訊ねようと口を開きかけるとほぼ同時に、比奈がその手をアンクに向かって伸ばしてきた。
指先がアンクの頬をやさしく撫でる。
「……ね。ゆうべからずっと躯が冷たいの。あたためて……?」
やわらかく微笑みながら甘えられて、アンクは問い掛けをやめた。
訊いたところで多分理解は出来ないだろうし、そんなことで時間を無駄にするのは勿体無い。
左手で比奈の手を軽く掴まえながら、赤い右腕で比奈がそうしたように彼女の頬を撫でる。
薄く開いた口唇の形を指先でなぞり、顔を伏せて口唇を重ねた。
触れ合わせるだけのキスをして瞳を見返すと、比奈が小さく笑う。
恥ずかしそうに、幸せそうに笑う。
背筋がむずがゆくなるような甘ったるい感覚に、アンクの口許にも苦笑が昇った。
比奈と出逢うまで、比奈に触れるまでは知らなかった感覚だ。
胸焼けを起こしそうで気持ち悪い筈なのになんだか笑い出したくもなる。
進化か退化か、それとも器である人間の感覚なのか。
アンクは目を閉じて再び比奈にくちづけた。
目を閉じるのは、その方がより深く比奈の感触を味わうことが出来るからだ。
それも新しく覚えた。
最初は口唇を啄ばむように触れるだけだったくちづけが、歯列を割って舌を絡めあう濃厚なものへと変わる。
子猫がミルクを舐めるような音を立てながらくちづけを交わすうち、比奈の口唇からは鼻に掛かった吐息が漏れた。
少し苦しげなそれが耳に心地よく、アンクは比奈の髪や頬をかき乱すように撫でながら何度もくちづけを繰り返す。
比奈は呼吸を乱しながらも嫌だとか制止の声は上げない。
アンクの腕をきゅっと掴んで健気にアンクに応えている。
アンクは溢れてこぼれた唾液を追うように比奈の顎を舐め、首筋にも口唇を這わせた。
右手を比奈の胸許に降ろし、豊かなふくらみをゆっくりと包み込む。
手のひらを密着させて比奈の顔を覗き込むと、比奈は恥ずかしそうに目を逸らした。
何度やっても比奈の反応が同じで楽しい。
ぴったりと押し当てたまま動かずにいると、比奈の鼓動が手のひらにはっきりと伝わってくる。
初めはかすかだったものが段々と速くなり、やがては乱れてリズムを失う。
比奈は自分の躯が冷たいと言ったが、アンクは触れる肌を冷たいとは感じなかった。
比奈の言葉がアンクを誘う為の方便だからか、或いはアンクの体温が彼女より低いのか。
冷たくて当然だ。
この躯はアンクがいなければすぐにでも息絶える状態なのだから。
死に掛けの躯に、腕だけの復活しか叶わない自分。
なんて似合いなのだろうと笑い出したくなる。
それでも比奈と肌を重ね合わせればこの躯も熱を帯びる。
アンクは慎重な手つきで包み込むように乳房を掴んだ。
鋭い爪が薄い皮膚を傷つけぬよう細心の注意を払う。
それは普段の彼の行動理念にはないもので、ぎこちなく繊細な動きを見せる赤い手が自分のものでないように
思えて可笑しい。
ふくらみはやわらかく、少し力を込めただけで白い肌に指が沈む。
指の間からこぼれて逃げてゆく肉を追いかけるように指を動かし、手のひらで弧を描きながら乳房を揺らしていると、
アンクの手に頼りなく遊ばれるだけだったそれは徐々に固く張りつめ始めた。
胸の中心がその存在を主張するようにつんと立ち上がる。
手のひらでそれを感じたアンクは、指先で赤く色づいた突起を軽く摘んだ。
「あ……っ」
比奈が小さく声を上げて躯を震わせる。
アンクはにやりと笑みを浮かべながら比奈を見下ろした。
「嫌なのか?」
わざとそう訊ねてみる。
「……嫌じゃ、ない……けど……」
「けど?」
問いを重ねながら指先を転がすように動かすと、比奈の躯はまたびくんと跳ねた。
「や、んんっ……! ……いじわる……っ」
「意地悪な俺が好きなんだろう?」
「……もう、嫌い……っ!」
瞳を涙にうっすらと潤ませ、比奈がアンクを睨む。
あけすけに快楽を言葉に出来るほど、躯ほどにはまだ心が行為に慣れていないのだ。
与えられる刺激に反応し、そんな自分に戸惑い恥らう比奈を見るのがアンクは好きだった。
訊ねはしても、それは答えを求めてのことではない。
比奈がどう感じているかなど見れば判る。
アンクはくすくすと笑いながら果実のような赤い先端に口唇を寄せた。
口に含んできつく吸う。
「あぁ……っ」
比奈がゆるゆると首を振り、長い黒髪が波のように揺れた。
アンクは口唇と手のひらで瑞々しい少女の躯とその反応を存分に味わう。
アンクだけが知る比奈の姿を、アンクだけに許された比奈の躯を。
苦しげに息をつきながら比奈が目を開ける。
アンクと目が合うとはにかむように微笑み、アンクに向かっておずおずとその手を差し伸べた。
金色の髪に指を絡ませ、アンクの頭を抱いてそっと引き寄せる。
もっと、と愛撫をせがむように。
アンクを慈しむように。
アンクが動く度に比奈の手は忙しなくアンクの髪をかき乱した。
絡まった髪が時折引っ張られて痛んだが、アンクは構わず比奈の胸をむしゃぶり続ける。
痛みは比奈の悦びの声だ。
アンクをより昂ぶらせこそすれ、行為を妨げることはない。
アンクは膝で比奈の脚を割り開き、その隙間に右腕を忍ばせた。
太腿の内側に指を這わせ、膝から足の付け根までをそろりと撫で上げる。
自らと比奈を焦らすように、震える肌の上を何度か往復してから目的の場所に触れた。
比奈がまた声を上げてわずかに身をよじる。
滲み出た体液で薄く覆われたその場所にアンクは指先を滑らせた。
複雑に重なり合った肉に指を絡ませ、花びらを数えるように奥深く辿りながら中心へと進んでゆく。
花芯を摘んで軽く擦り上げてやると比奈の躯は激しく跳ね、膝をすり合わせようともがく脚がアンクの膝に絡みついた。
アンクの指の動きに応じて比奈が喘ぐ。
声にならない吐息を零し、首を打ち振り、手はアンクの腕の上を迷子のように行ったり来たりする。
アンクも呼吸を荒くしながら比奈の中に指を侵入させた。
水音を立てて何度も抜き挿ししてそこをほぐし、比奈が敏感に反応する箇所を責め立てる。
比奈に快楽を教え、奥底にある欲望がもっと大きく育つように。
比奈がアンクを、アンクだけをもっと欲しがるようにと。
比奈を愛撫し反応を楽しむだけでは物足りなくなり、アンクは重く熱を持った自身を比奈に見せつけるように
腰を浮かせた。
反り返ったそれに手を添え、自らの体液で逸る自身を宥めるように整える。
それを入口に宛がった刹那、比奈の顔に激しい嫌悪の色が浮かぶのをアンクは見逃さなかった。
快楽にとろけきっていた筈の躯が夢から覚めたように固く強張る。
恐らく比奈自身はそんな自分の状態に気づいていまい。
この一瞬、比奈の瞳にはいつも怯えと躊躇いが走る。
アンクや、その身に欲望を受け入れることを恐れているのではない。
比奈を抱くこの躯が彼女の兄のものだということが強い罪悪感となって比奈を責め苛んでいるのだ。
兄妹で交わる、それは人間にとって禁忌であるという。
兄妹と他人にどれだけの違いがあるのか、アンクにしてみれば理解不能で無意味な概念だが、比奈の
短い人生の中で意識に刷り込まれたそれは容易に捨てられるものではないのだろう。
そして周りから押しつけられた人の世の理以上に、兄を慕い想う比奈自身の心が、兄を裏切り汚す自分への
刃となって比奈を傷つける。
魔物であり、兄である男に恋をした哀れな娘。
それでも比奈はここにいる。
兄への思いや常識という名の茨を踏み越え、白い素足を血まみれにしながら、それでもアンクの腕の中にいるのだ。
アンクは比奈の髪を撫でてその顔を覗き込んだ。
「比奈」
名を呼んで笑みを向けてやると、凍りついていた比奈の表情がほっとしたように和らぐ。
「もっと……呼んで。アンクの声……好き」
「声だけか?」
からかうように笑いながら、アンクは比奈の耳許で何度も比奈、と囁いた。
その名を口にするごとにアンクの中に何かが溢れて、空っぽだった彼の内側が知らぬ間に満たされてゆく。
繰り返し囁かれる自分の名に、比奈が満ち足りたように微笑んだ。
計り知れない罪の意識と苦痛に耐える比奈の笑顔が、アンクにはこの上もなく美しく見える。
「比奈……」
アンクは比奈にくちづけ、背中に両腕を回してその躯をきつく抱きしめた。
比奈がアンクの首に両腕を絡める。
「アンク……好き……」
「ああ」
そうだ、それでいい。
アンクは満足げな笑みを浮かべ、待ち侘びてほころぶ比奈の中心に鋭くたぎった自身を突き立てた。
「あぁ……っ!!」
甘い喘ぎがアンクの耳朶を打つ。
その声に行為に対する迷いや後ろめたさの気配はない。
アンクにしがみつく腕も、鼓動と共に押し当てられるやわらかな胸も、腰に絡みつく脚も、アンクを飲み込んだ
場所も、比奈のすべてがひたむきにアンクを求めていた。
それでいい。
おまえはただ俺を感じていればいい。
人の決めたくだらないルールなど、おまえごと俺が喰い尽くしてやろう。
アンクはメダルに対する執着と同じくらいの激しさで比奈を欲し、そして比奈の抱えた痛みごと彼女を愛した。
躯が更なる快感を求め、アンクは本能に突き動かされるように腰を動かす。
揺すり上げる度に比奈が短く喘ぎ、アンクの背に爪を立てた。
ぴりりと走るその痛みすらアンクの快感に彩りを添える。
「ア、アンク、アンク……っ! 好き……!」
アンクの背に縋りつき、比奈が叫んだ。
一瞬息を止めた比奈の全身が波打つように細かく震える。
比奈の言葉と達した彼女に導かれるように、アンクは抱きしめた比奈の中に欲望を解き放った。
ベッドに身を起こし、アンクはぼんやりと気怠い余韻に浸っていた。
「羽根……消えちゃったね」
うつぶせに横たわった比奈がアンクの背中に視線を向ける。
「もう生えてこないの?」
「さぁな」
比奈の素朴な疑問にアンクは気のない声で答えた。
取り込んだメダルの力は確かに感じたが、肉体の復活には至らなかった。
予想と覚悟はしていたから落胆はない。
肉体を取り戻す為に足りないものがある、それだけのことだ。
「あの羽根、すごく綺麗だった」
その光景を思い出したのか、比奈が遠い目をして言った。
悪い気はしない。
「そうか」
「でも……怖かった」
そうだろうと思う。
人間から見ればグリードは怪物、異形だ。
一見美しくともその中にある禍々しさに恐ろしさを感じるのは当然だろう。
だが、比奈を恐怖させたのはアンクが思う理由とは違っていたらしい。
続く比奈の声音は哀しげだった。
「アンクが、あのまま何処かに行っちゃいそうで……怖かった」
縋りつくような瞳で見上げられ、アンクは言葉を失う。
何をどう言えばいいのか判らない。
「ごめんね」
比奈が手を伸ばし、アンクの右腕に触れた。
両手でその手を包み込み、その指先にいとおしげに口づける。
アンクの手を握りしめ、比奈はアンクをじっと見上げた。
「もし私がアンクのメダルを見つけたら、今度は絶対に返せないから」
そばにいて。
何処にも行かないで。
比奈の心の叫びをアンクは聴いた。
それがアンクの望みと相反することを知る比奈は、力ずくでアンクを引き止めると宣言しているのだ。
アンクからメダルを奪うというに等しい比奈の言葉は、アンクにとって許しがたいことの筈だった。
自分のメダルを狙い、奪い、この手に取り戻すことを妨げるものはすべて彼の敵だ。
比奈がそうだというなら、今この場で手に掛けるほどの怒りが湧いても可笑しくはないのに、アンクの心も右腕も
比奈を殺す為には動かなかった。
比奈の言葉が悪意によるものでなく、メダルを奪うというのが仮定の話だからか。
ただ苦い思いだけがアンクの胸に込み上げる。
「……懲りないな」
アンクは痣の残る比奈の腕に目をやった。
「次はそんなものじゃ済まないぞ」
笑いを含んだ声で返すと、比奈が悪戯っぽく笑う。
「……負ける気しません」
いつかも聞いた言葉だ。
「こいつ」
アンクは比奈の髪をくしゃりとかき回した。
比奈の右手を掴まえ、その手のひらに視線を落とす。
ほんの数時間前までこの手の中にアンクのメダルはあった。
メダルを握りしめ、一晩中離さずにいた比奈の手。
メダルが鴻上やカザリの手の内にあると思えば我慢がならず、いても立ってもいられなかったものが、
比奈に預けることには不思議と抵抗がなかった。
比奈の手の中でアンクのメダルは穏やかに眠っていた――多分。
アンクは比奈の手の中に赤いメダルの幻を見る。
今はまだ遠く離れた自分の欠片を。
アンクは比奈の手を握らせると、その手を赤い右手の中にそっと包み込んだ。
「……失くすなよ」
比奈を見つめ、今朝と同じ言葉を囁く。
アンクの言葉をどう受け止めたのか、比奈は少し驚いた顔をしたが何も言わずに頷いた。
アンクは目を閉じる。
そして、いつの日か本当に比奈がアンクのメダルを手にする姿を脳裏に描いた。
望みが叶った喜びに比奈は微笑み、メダルにくちづけし、両手でしっかりと胸許に抱える。
誰にも――アンクにも決して渡さないと決意を秘めた眼差しをアンクに向けて。
それもいいかと、心の片隅でかすかに思うアンクがいる。
比奈の手の中にメダルは眠る。
アンクの欠片が。
アンクの命が。
アンクのすべてが。
比奈の小さな手の中は、世界で一番安らげる場所だという気がした。
うおおお十日ぶりの投下!
GJ!!
投下します。
アンク×比奈で、少し無理矢理な表現あり。苦手な方はご注意下さい。
間接灯の淡い光が静かに寝室を照らしている。
シーツの波に埋もれる白い肌は苦しそうな呼吸を繰り返し、それをアンクは無表情に見下ろした。
異形の赤い手で柔らかな胸を掴めば、比奈が息を飲む気配がする。構わず胸ごとその頂を弄べば、比奈の早くなる呼吸に合わせるように徐々に硬さを増していく。
足の間に身体を滑り込ませ覆いかぶさってはいるが、比奈の身体を拘束はしていない。お得意の怪力を発揮すれば逃げれるだろうに、そうする気配はない。
兄の身体に触れられる喜びからだろうか。
そう考えて、腹の中が怒りで煮え立つ。胸を弄んでいた手を下ろし、足の間に滑り込ませる。鋭い爪で傷つけぬよう、折り曲げた指の関節で既に膨れ上がったそこを擦りあげれば、比奈が高い悲鳴をあげた。
「お前に触れてるのは誰だ」
詰問するような冷たい声が比奈の鼓膜を揺する。
「答えろ」
「あっ……!」
ぐっ。と、強く刺激され比奈は息を詰まらせる。
「言え。お前を自由にしていいのは誰だ」
「ひぁ!あ、あん、く!」
小刻みに震える身体が、絶頂が近いのを伝える。反射のように紡がれた名には比奈の感情がみえない。
それでも、切れ切れに零れた答えにアンクは満足げに目を細め、指を強く押し付けた。
「ああぁっ!」
弓なりに身体を強張らせ、比奈の身体はシーツの波間に深く沈む。
できるならもっと奥まで触れたい。アンクの身体が熱く疼く。だが、比奈の心がどこにあるか分からない今はこの身体で、比奈の中に入りたくはない。
それは比奈への気遣いではなく、激しい独占欲だ。
「お前は、俺のものだ」
拒絶の言葉が飛び出す前に、アンクは乱暴に比奈の唇を自身のそれで塞いだ。
これはいわゆる被せ投下というやつかね?
>>375 タイトルは曲名ですか?
無関係な話で申し訳ないけど、
偶然にも自分が好きな元歌手が昔出したこれと同名の曲でアン比奈妄想したことがあったから
タイトル見た瞬間まだ読んでもないのに即滾った。
読んだら読んだで気が触れたようにじたばたゴロゴロ
どことなく漂うシニカルで少し寂しげな雰囲気に胸が締め付けられた。
全力でGJ!
ちょっとツチノコ探しに行ってくるわw
>>383 良いとこで切りやがって…焦らしGJ
今現在も我慢大会は進行中?その模様わっふるわっふる
また投下してくれるよね?答えは(ryしてくださいお願いします!
できれば今度は他職人さんの作品が投下された時間からもう少し間を置いてくださるとより嬉しい。
今回あらゆるとこでフラグと萌えを撒き散らしてたな。
そこにあの予告ときたらw
>>385 掲示板自体初めてで気がせいてよくリロードもせず投下してごめん。
被せ投下の意味がよく分からないが、あまりよくない意味なのはわかった。ほんとごめん。
>>386 教えてくれて、ありがとう。投下するより先にもうちょっと掲示板の流れとか勉強してくる。
>>375 続けて投下しちゃってごめんね。すごく萌えた!思い合ってる二人萌え!
>>381 GJ!二人ともかわええなあ
とにかく投下乙なんだぜ
職人様方乙であります!
思う存分萌えさせて頂きました!GJ!
神職人様キテタ――(゚∀゚)―(。A。)―(゚∀゚)―(。A。)―(゚∀゚)――――!!!
出勤前に萌え転がった!
GJ!GJ!
今回のオーズ、お兄ちゃんを膝に抱いた比奈が幸せそうな顔しやがってコノヤローだたw
そういや今日は雛祭りじゃないか
映司「比奈ちゃんカザってくる」
>>394 新しいな。
そういや拉致ってたか。
ヤバい、萌えてきたw
>>394 クスクシエ雛祭りフェア
→着付けが決まらず比奈と映司悪戦苦闘
→映司うなじに欲情
→自室で2人っきりの比奈祭り
こうでしょうか!
397 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:25:54.08 ID:3QKjE1lx
キバ過去編またいきます。
音也×真夜です。
ブラッディローズ作ってる頃の話。
※NTR的な(ちょっと違うけど)話になりますので、苦手な方はご注意ください。
真夜様マジ女王様。音也に夜が来ちゃうよ!
398 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:28:04.66 ID:3QKjE1lx
夕暮れに、木材を削る音だけが、規則的に響いていた。
一心不乱にいずれ最高のヴァイオリンとなるものと向き合っている音也を、真夜はドアに背をもたれて見つめていた。
窓からその手元を照らすオレンジの光も、次第に弱々しくなっていく。
夜が来ることにも気付かず、ただ魂のままに、真夜の導きに従っている、人間の男。
真夜の中のファンガイアの本能が、ちろり、と炎のように揺れた。
食欲?いや、誇り高き女王である彼女の欲望は、そんな単純なものではない。
数百年のその生の中で、幾人もの芸術家と出会い、別れてきた。
人間の作り出すものの中で唯一価値のあるものは芸術。
でもそれを作り出す芸術家は、人間であり、そして真夜はファンガイアの女王だった。
真夜は後ろ手で、かちゃり、と内鍵を掛けた。
可哀想なあの子も、もうこの人間を助けに来ることはできない。
そして目の前の美しい魂も、もう真夜から逃げることはできない。
真夜は音也の手にその手を重ねた。
あたたかい。人間の、血の温度。
指を絡めると、音也はようやく真夜を振り返った。その表情には驚きがあった。
「真、夜…?」
この人間の中には、愛というものがあるらしい。
そして今その不可解なものは、あの白い花のような人間の女に向けられている。強く。
揺さぶったら、どうなるのかしら?
素朴な疑問と好奇心。真夜は絡めた指をきつく握り、その美しい顔を音也に近づける。
音也が見惚れているのがわかった。はりつめた弦をはじくような音楽が、その魂から聞こえる。
「やめてくれ。俺には、運命の女がいる」
音也は心底悲しそうな顔をした。聞いたことのないメロディ。真夜は面白くて、首を傾げる。
「あらどうして?いつもとは随分違うのね」
メロディが転調する。
「どうして拒むのかしら?教えて」
あの子が音也にとって特別な存在であるらしいことはわかっていた。理解されていなくても?
答えあぐねている音也の頬を両手で包み、真夜は目を閉じる。
躊躇い。それは拒絶にまではならない。真夜は唇を音也のそれに落とした。
不協和音。
399 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:29:41.27 ID:3QKjE1lx
音也は真夜の口づけに応えてこない。目を開けて解放すると、音也の表情は、
躊躇いと、悲しみと、そして確かな欲情とで、引き裂かれていた。
「どうしてあなたが傷つくの?」
癒やすような微笑みで、真夜は傷口をさらに広げる。
身体を寄せると、音也の中心が滾っていることがわかる。そこに手を重ねると、音也が微かに呻いた。
「欲しいんでしょう?欲しいものを手に入れることを、どうしてそんなに怖がるの?」
「怖がる?おれが?」
音也が自嘲気味に笑うのを、真夜が制した。
「あの子を傷つけるのが怖いのね」
「…!」
「本当に特別な人間なのね。でもそれは私を拒む理由にはならないわ」
私は人間じゃないもの、そういって抱きついてきた真夜を、音也はついに突き飛ばしてしまった。
明確な拒否。そして音也は真夜に背中を向ける。
―人間って、不思議。
がりがりと弦をひっかくような音が、魂から聞こえてくる。
―でもどうしたら人間の男が恋に落ちるのか、わかったわ。
真夜は悲しそうな、傷ついた表情をつくる。愛する者に拒まれた女の悲しい顔―。
謝罪の言葉を述べようと振り向いた男は、女の眼から涙が溢れるのを見て、そして、
気がつくと女を抱きしめていた。
400 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:30:53.06 ID:3QKjE1lx
余裕のない深い深いキスをして、美しく流れる黒髪を掻き分ける自分の手首に銀色の時計を見つけ、
音也は慌てて外そうとする。それを真夜の手が強く掴んだ。
「外さないで」
「…え?」
「傷ついているあなたをもっと見たいから」
真夜の強い口調に頷いて、音也は真夜の胸元に結ばれた黒いリボンを解き、緩んだ胸元から手を滑り込ませた。
「あ、んうっ…」
真夜の身体は、冷たくて、すべらかな手触りがした。吸い付くようなその肌に、音也の熱は煽られる。
ちゃり、と音を立てて腕時計が金属の感触を伝えると、真夜は高い声を上げた。
「あっ!あ、あ…は、あんっ!」
黒いドレスのようなワンピースを脱がせると、ヴィーナスの彫像のような美しい乳房があらわになった。
乳房の小さな果実をやさしく口に含んで転がすと、真夜は音也の背中に爪を立ててくる。
白い肢体を拘束するようなホットパンツに手を掛けると、真夜も音也の腰のベルトに手を掛ける。
こういうことには慣れている二人だった。脱ぎ捨てた服の上、指先で素肌を探しては、すぐに感じる場所を見つけあう。
肌が合う、というのはこういうことを言うのだろう。
けして溶けない氷と、なにものをも溶かす炎。それが肌の上で出逢い、二人は汗ばんでいく。
階下の寝台まで行く時間が惜しくて、二人はソファに縺れ合ったまま飛び込んだ。
真夜が慣れた手つきで音也の中心を軽く握り、指先を絡める。音也の呼吸が跳ねる。
ぴちゃり、と音がして、高貴な唇が音也を包み込んだ。
「う、くっ」
目眩のするような快感につい声が漏れる。真夜がふふっと笑う。そんなところで笑われると、血が沸騰するような快感が走り、身体が硬直する。
「真夜、おれにもさせてくれ」
真夜が身体を捻って音也の目の前にその秘所をさらけ出す。しっとりと濡れた泉に音也が口をつけると、真夜が音也自身を咥えたままくぐもった声を上げた。
快楽を与えれば、その反応が快楽となって自分にも押し寄せる。
とてつもなく卑猥な時間をしばらく楽しんで、内股に幾筋かの流れが光った頃、真夜はまた身体を捻って、二人は今までお互いの秘所を啄んでいた唇を、深く重ね合わせた。
唾液と二人の体液が混じり合い、ひどく罪深い。
どちらがということもなく下半身がお互いを求め、びちゃり、と触れた。
真夜の指がその求めに導きを与え、音也が下から真夜の入り口を見つけて侵入する。
「あ、ああああああっ!」
真夜の身体が音也の上で震えた。ずっと欲しかったのだ。
自身に絡みつく快楽に顔を顰める音也を見下ろして、真夜はファンガイアの冷たい血が全身を駆けめぐるのを感じた。
―私の獲物。
男の首に手を掛けると、男は嬉しそうに笑った。
「いつもこうやって人間を食うのか」
「さあ、どうかしら」
「最高な死に方だな、男にとっては」
401 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:32:37.82 ID:3QKjE1lx
「そう?」
「でも駄目だ」
音也が急に突き上げたので、真夜は悲鳴を上げた。
「や、あ、ふ、深いっ…!」
ペースを乱された女王の様子に、音也が微笑む。
「あ、うっ、く…」
「俺は死なない。もっと人生を楽しむんだ。真夜、お前と」
音也はそう言うと真夜の腰を掴み、その中を楽しむように、動き始める。
「あ、あ、いっ…!」
喘ぎながらも真夜は、首に掛けた手に力を込める。
「…だ、駄目。私、は、人間の男を愛したりしない」
いっしゅん、音也の顔が苦しそうに歪むが、すぐに穏やかな微笑みに戻る。
そして、自分の首を締めてくる女の手をどけるのではなく、その女の内に快楽を与えるために手を伸ばした。
繋がっている部分の少し上、濡れそぼって腫れている肉芽に、指先で軽く触れる。
「や、あ、ああっ」
触れながら、下から何度も貫いてやる。殺されるのが先か、それとも、濡れ泣かせるのが先か。
楽しくて仕方がない、というように音也は笑っていた。その笑顔に、真夜の胸の奥がずきりと痛む。
―この人を見ていると心が痛い。心が痛い?どうして?
視界が霞む。下から何度も押し寄せる波に耐えきれず、真夜の美しい足の先がぴんと張りつめる。
「あ、あ、あ、やだ、い、いく、っ…いっちゃう!」
真夜にその時間を一秒でも長く与えようと、音也は苦しさに耐えながら、さらに腰を突き上げる。
「や、あ、ああああああああああああああああ」
真夜の身体が大きくのけぞり、首から手が外された。
解放された音也が咳き込むと、それすら内側に響くのだろう、白い身体がびくびくと反応する。
呼吸が戻ってきて、目を開けると、紅潮して涙ぐんだお互いの顔があった。
真夜が音也の胸にしがみつき、音也は真夜の身体を強く抱きしめる。
「真夜」
「…好きよ」
「ああ、知ってる」
繋がったまま、今度は音也が真夜を組み敷く。
人間の男に上になられたのは初めてだった。微かな屈辱と、不思議な喜びに真夜は唇を噛む。
抽送が開始されると、一度達しているからか、真夜は信じられないような甘い声で鳴く。
「ひゃん、やっ、あ、あんっ、あ、」
与え続けた熱が内側を溶かしているから、水っぽいとろとろとした感触が根本に絡む。
けれども真夜の中は騎乗位のときとは比べ物にならないほど強く締め付けてきて、
行き来するたびに音也は全身に電流が走るような快感を感じた。
402 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:33:48.18 ID:3QKjE1lx
さっきは殺されるかと思ったのに、今はまるで、無垢な少女のように鳴いている。
そう思うとたまらなく愛おしくなって、もっと鳴かせたくなって、音也は何度も腰を打ち付けた。
「や、あ、あ、あ、おとや、おと、や」
目を閉じると真夜の呼ぶ声と、自分の手首でかちゃかちゃと鳴る腕時計の音が同じリズムで聞こえてくる。
引き裂かれるような痛みと、その何倍もの快楽が襲ってきて、音也は真夜に溺れていく。
「…ッ、真夜、真夜、」
限界を感じて引き抜こうとした瞬間、真夜が音也の身体にしがみついた。
「っ!真夜、駄目だ、っ…」
「だめ、わ、たしの、中に、お願い」
おねがい、という言葉が頭の芯に絡みついてきて、いっしゅん、力が抜けそうになる。
―何を考えてるんだ、おれは。
音也は懇願を無視して自身を引き抜くと、真夜の白い身体の上に、本来は血を繋ぐための液体を、思い切りぶちまけた。
ぐったりとソファに沈む音也に膝枕をして、母親のように頭を撫でながら、真夜が言う。
「あなた、父親になるのが怖いのね」
「…そうだな。今は、まだ」
「私がファンガイアだから?」
「そうじゃない。おれは、まだ、子供に愛する女を取られたくないんだ」
真夜がくすくすと笑った。
「あなたって、本当に、馬鹿ね」
えっ?と音也が真夜の顔を覗き込むと、真夜は本当に可笑しそうに、聖母のような微笑みで言った。
「私、もう息子が一人いるの。それに、あなたみたいに、二人を同時に愛したりできないわ」
「…そうか」
傷つけてやったつもりだったのに、音也がひどく穏やかな顔をしているのを、真夜は不思議に思った。
403 :
音也×真夜:2011/03/04(金) 09:37:58.00 ID:3QKjE1lx
以上です。
大好きな二人が書けたからもう満足だ!
ラフマニノフのヴォカリーズというクラシックの曲を聴きながら書きました。
大人で異種族で女王様な真夜様が好きだ!
バカで破天荒で繊細な音也が好きだ!
お目汚し失礼しました。
投下乙
ムーディーでエロくて良いです
ディケイドからのライダー新参なのでキバはあまり知らないんだけど
レンタルで観てみようかな。。。
音真夜きたー! GJ!
大好きな二人なので読めて嬉しいです!
>>397さんありがとう
この後原作で、命がけの愛情物語になるかと思うと胸熱
407 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/06(日) 09:39:56.85 ID:Dys8GBBU
スペインコス可愛いなぁ
知世子さんと真木さんの関係が気になって仕方ない
変態マタドールえいじ
店長これから目立つのかな
初期のアンクと店長のやりとり好きだったな
保管庫なんであんな方式なの?
っていうか保管庫止まってるよな
保管庫復活して欲しいよなぁ…。
有志でやってくれてるから文句は言えんし
エロパロ版の総合保管庫にお願いするという手もあるけど…
戦隊みたいにwikiでやればいいのかもな
それだったら個人で追加できるし登録で検索よけもできるみたいだし
保管は手間かかるし、一人の人が永遠には続けられんだろう
作品だけをピックアップして保管よりはスレのログを丸ごと
取っとけるようにする方が楽かな
でも実際、過去作品の保管庫ってそんなに需要あるのかな
新規の書き手さんが
スレの雰囲気や需要を知るためには必要かもね
>>415 読者はもちろん、自分や他人の作品を読み直したい作者もいるだろう
>>415 ふ、と昔の作品に萌えることってあるじゃない
自分は最近アギト完走してもう萌えて飢えてしょうがないよ
そんな時に保管庫はやっぱりありがたい存在だわ
翔一くんと真魚ちゃんがかわいすぎるんだが、
エロやりにくいカプだから全然作品に出会えない
自家発電しかないのか…
是非とも自家発電で書いてくれ!
あの二人に関してはいくら頑張っても俺だとキスまでいくのも難しい。そこも萌えるけど。
421 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/11(金) 18:25:46.99 ID:BlRWBDB4
みんな無事か
怖かったよ…@埼玉
震度2、揺れたことすら気づかなかった@富山
しかし実家は埼玉なんだ……電話もメールもつながりゃしねぇ orz
電気復活したよ@宮城仙台
ライダー助けに来てくれお腹すいた
一日も早くみんなが日常に戻れますように
それしか言えない
自分には何もできねぇ
ここで出来ること!
エロパロを書くことさ!
ここで出来ること!
スレ違いな話題を出さないことさ!
アンクや比奈やや照井や所長や士や夏海に会いたいよ
待ってるよ
みんなが一人一本づつ書けばいい
こんな時だからこそエロで癒し……になりますように(希望形)
相変わらずの士夏、遅刻したホワイトデーネタ
でも久々にエロ書いたからなんかキャラもノリも変
本当は激甘のラブエロ目指したのにどうしてこうなった orz
ころん。
綺麗にメイキングしたベッドの上に、洗いたての柔らかい髪が広がる。淡いピンクのルームウェ
アにニットを羽織ったラフな格好で、同じくピンクのマカロンクッションを抱えた夏海が、何とは
なしに寝返りをうっているのだ。
ころころ。
今日は3月14日、世に言うところのホワイトデー。
一か月前の甘いチョコレートの日に比べればやや地味ではあるが、それでも恋人同士にとっては
とても重要なイベントであり、負けず劣らずの甘い一日になるその夜。何故か夏海は、一人で自室
のベッドに転がっていた。
「………士くん、今日も帰って来られないんでしょうか」
腕に抱えたマカロンに顎をのせ、小さな声で呟く。
この世界での士の役割は、なんと芸能人。しかもモデルやバラエティータレントなどではなく、
まさかの俳優だったりする。今までいくつもの世界をまわってきて、さまざまな役割を振られてき
たとはいえ、今回は流石の夏海もユウスケと共に面食らった。
しかもまた、どういうわけかイケメン俳優などともてはやされ、深夜どころか早朝の帰宅が続く
始末。挙句の果てには、撮影でロケに行ったとか時間が押してホテル泊まりになったとかで、写真
館にはなかなか帰って来なくなった。
久しぶりにゆっくりと一人で寝られる日が続き、内心で密かに喜んでいたのは最初の頃だけで、
流石にここまで家を開ける日が続くと、夏海もなんとなく落ち着かなくなってきた。
「…………」
深い溜息と共に、夏海はちらりと枕の上に投げ出した雑誌へと目をやった。女性向けの月刊誌だ
が、特集で『イケメン特集、抱かれたい男トップ10』というものが組まれており、そこには何故
か士の名前がしっかりとランクインしている。意を決したように夏海が雑誌のページをめくると、
俳優やモデル、スポーツ選手などランクインした男性達の写真が各ページ毎にあった。
抱かれたい男という特集テーマに合わせて、どうやらセクシーなイメージのショットを選んでい
るらしく、それぞれの魅力が写真越しに伝わってくるようで、夏海は少し気恥ずかしさを覚えた。
本音としては、店頭でこの雑誌を手に取ることすら恥ずかしかったのだが、そこにあるはずの士の
写真がどうしても気になったのでなんとか勇気を振り絞ったのだ。
この世界では有名なのだろうが、夏海にとっては全く見知らぬ人々の写真を何枚かめくった時に、
ようやく見慣れた恋人の姿を見つけた。
が、次の瞬間夏海は思わず頬を染めた。
「士くんったら……」
ソファの肘かけに体を凭せ掛け、素肌に黒いシャツを羽織った士が髪をかきあげる仕草のまま見
上げている。写真越しに見つめてくるその瞳は、獲物を狙う肉食獣のように鋭く、一見すれば敵と
戦う時の姿にも似ている。
しかしその眼差しがどんな瞬間に浮かぶものなのか、夏海はよく知っていた。
「や……ちょっと、直視できないんですけど…」
いつものからかうような笑みが消え、不意にこんな表情を浮かべる瞬間。それは、士が夏海を求
めてくる合図といってもいい。その眼差しに触発され、士の肌の匂いや抱きしめられた感触を一気
に思い出し、トクン、と下腹の奥が脈打つ。ドキドキと心臓がうるさいぐらい早鐘を打ち、自然と
肌が上気した。
しかし、いつもなら自分だけへと向けられる視線も、この写真を通して自分以外の数多くの女性
へと向けられているのだと思い至った瞬間、不意に夏海は胸の奥が苦しくなる感覚に襲われた。
正直なところ、多分、士はそれなりに経験があると夏海は思っている。惚れた欲目と言われれば
否定できないが、士の容姿は人並み以上だと密かに確信しているし、最初に肌を重ねた時も終始リ
ードしてくれた。別に最初の相手になりたかったとは思わないが、それでも恋人として、自分だけ
が知る士の姿があると僅かながらの自負はあった。
だけど、そんなささやかな自尊心も、その写真で呆気なく砕け散る。
「バカ………」
胸の奥に広がるもやもやが嫉妬からくる感覚だということは、夏海にもすぐに分かっていた。も
う何日も顔を見ていないが、士は今日もどこか知らない場所で周りにちやほやされているのだろう。
そしてきっと、そこには自分など全く敵わないような綺麗な女性がいるに違いない。基本的に、美
女に囲まれて悪い気がする男はいないはずだし、あれでいて調子がいい一面をもつ士ならきっと十
分に楽しんでいるはずである。
そう思うと、夏海は急に泣き出したい気持ちになった。
アバウトな性格だし、記念日を律儀に祝うようなタイプじゃないことは百も承知だったが、それ
でもという淡い期待はあった。だから、数日前にふらりと覗いたショップで可愛いけどちょっとだ
けセクシーな下着を見つけ、思わず購入していた。
そんな自分があまりにも滑稽に思えたのか、夏海は半ば八つ当たりをするかのようにクッション
を雑誌に叩きつけた。
「バカ!士くんのバカバカ!」
「バカとは言ってくれるな」
ばふばふと何度も雑誌にクッションを叩きつけながら思わずそう口走った夏海の声に、どこから
か声が聞こえてきた。ぴたり、とクッションを握った手を止めて夏海が顔をあげるのと、ベッドの
横に銀色のオーロラが現れるのはほぼ同時だった。
「士、くん……」
「人がどうにかこうにか帰ってきたってのに、随分と好き勝手言ってくれるじゃないか」
「………って、直接部屋の中にオーロラ使って入って来ないでください!帰ってくる時は、ちゃん
と玄関から入ってきてって、あれほど言ったじゃないですか!!」
「そんな面倒なことしてられるか」
噛みつくような夏海の苦情をあっさりと聞き流し、士は当たり前のようにベッドに腰を下ろすと、
首元のネクタイを緩めた。そしてこれまた、当たり前のように夏海の顎に指をかけ、唇を重ねる。
「んっ………」
触れるだけの軽いキスの後に唇を軽く吸われ、夏海の鼻から甘い吐息が漏れた。結局どこまでも
士に甘い自分を自覚している夏海は、諦めの意を込めて肩の力を抜くと、小さな声で呟いた。
「……おかえりなさい」
士は行ってくる、とは言っても、ただいまとはまず言わない。その代わり、必ずといっていいほ
どキスをする。素直じゃない士にとって、それが挨拶がわりなのだと知っている夏海は、必ず『行
ってらっしゃい』と『おかえりなさい』という言葉を口にすることにしていた。
何処へ行っても、何があっても、自分のいる此処へ必ず帰ってきてほしいのだと、そう伝える為
に。
「風呂、まだ大丈夫だよな?」
整髪料や化粧品の臭いがちょっと強いなと思った夏海の気持ちを読んだかのように、士はさっさ
と風呂場へと向かった。椅子に無造作に投げられたジャケットを手に取ると、お酒と煙草の匂いが
染み込んでいる。やっぱりパーティーか何かに出てたのかと、先ほどまでの重苦しい気持ちが再び
胸の奥に滲み出て来て、夏海は親の仇とでもいわんばかりの勢いで消臭剤を大量にジャケットへと
吹きかけた。
明日、一番でクリーニングに出そう。
そう思い、ジャケットをコートハンガーに引っかけ、再びベッドの上へと転がりこむ。セミダブ
ルのベッドは、一人で寝る分には十分広い。ごろごろとマカロンクッションを抱えて転がっていた
夏海は、はぁ、と特大の溜息をつくと体を起こした。
やはりいつもの下着に戻そうと、クローゼットの扉を開ける。時間はもうとっくに0時を超えて
いるし、何より士自身疲れているはずだから今日はそういうコトにはならないだろう。
まさか、寂しかったから抱いて欲しいなんて、自分から言えるはずがない。
思いきって、今日はベッドを分けよう。そう思い、夏海はソファベッドを広げると、寝る準備を
始めた。いつものローライズ用のショーツとキャミソールを出し、上着を脱ごうと手をかける。
そこへタイミング悪く、士が戻ってきた。
「……んだよ、それ」
広げられたソファベッドを見て、士があからさまに機嫌を悪くする。慌てて上着から手を離した
夏海は、先に脱いだニットでさり気なく替えの下着を隠すと、小さな溜息をついた。
「だって、一人で寝たほうがゆっくり眠れるじゃないですか。士くん疲れてるみたいだし、今日ぐ
らいゆっくり休んだほうがいいですよ」
それもまた、確かな本心だった。流石にライダーだけあって、士の体力は人並み以上にある。そ
の士が、疲労を滲ませて帰ってきたのだから、俳優という仕事は想像以上に過酷なのだろう。なら
ば、せめて家でぐらいゆっくり休ませてあげたいと、夏海は素直にそう思ったのだ。
だが、士の反応は夏海の考えていたものは180度反対だった。
「どっちがバカだ、このバカみかん」
「なっ……!なんでバカなんですか!?」
「バカだからバカだと言ったんだ。デカさだけなら、昨日のホテルのベッドのほうが上だ。けど、
広けりゃいいってもんじゃねぇだろう」
「どういう……!!」
最後まで言うよりも先に、夏海の体はあっという間に士の腕に攫われ、セミダブルのベッドの上
へと投げ出されていた。ギシ、とスプリングが軋み、その反動で広げてあった雑誌が枕の横へ滑り
落ちた。
「もう、突然何するんですか!」
「だから、寝るんだよ。いいから大人しくしろ」
問答無用で長い手足に押さえこまれ、夏海は完全に抵抗できなくなった。士の腕に頭を乗せ、仕
方なくされるがままに身を任せると、より深く抱きしめられる。
「………こっちのほうが寝にくくないですか?」
「一人寝は落ち着かない」
「落ち着かないって……私は抱き枕じゃないんですけど」
溜息と共にそう呟くと、気持ち良さそうに夏海を抱きしめた士が、随分とリラックスした声で呟
いた。
「あるべきものがそこにないと、寂しいだろ」
「なんですか、それ。寝るのに寂しいって、子供じゃないんですから」
「お前は一人で大丈夫なのか?」
咄嗟に返答に詰まった夏海の内心の葛藤を余所に、士は猫がまどろむように瞳を閉じると、夏海
の髪を指先で弄びながらさらりと言った。
「俺は寂しかったぞ」
普段の士からは考えられない答えに夏海が驚いて顔をあげると、そこには酷く柔らかい笑みを浮
かべた士の顔があった。その表情も、髪をなでる指先も、何時になく優しくて、多分士は本当に寂
しかったのだと夏海は思った。
寂しいのは自分だけじゃなかったと、そう知った夏海は、それまでの重苦しい気持ちがすぅと溶
けて消えたのがわかった。
「………私も、です」
「なら、あっちのベッドはいらねぇだろ」
「そうですね」
くすり、と微笑んだ夏海の唇に、再び士の唇が重なった。今度はもっと深いキス。舌を絡め、口
腔内を探られると、それだけで夏海の吐息は甘く乱れ始めた。
「………ふ…ぁん、ん……」
酸素を求め離れた唇を、士の唇が追う。そうして幾度となく唇を重ねているうちに、夏海は完全
に士の体の下に組み敷かれていた。だが、すっかり士に慣らされている体には、もう抗うだけの力
などない。
「夏海…」
名前を呼ばれ、ぼんやりと士を見上げた夏海は、その瞳から笑みが消え猛々しい男の眼差しへと
切り替わる瞬間を見た。
あの雑誌にあった写真と同じ、自分だけが知っていたと思っていた瞳。
「……?」
急に悲しげに眉を寄せた夏海に違和感を覚えたのか、士は僅かに体を持ち上げると、ふと壁際で
丸まっている雑誌に目を止めた。そして、何かに思い至ったのか、小さな溜息を一つ落とす。その
気配に、夏海は無意識に体を固くした。
本当は、自分以外の誰にもそんな眼差しを向けないでほしい。
仕事で撮った写真に対しそこまで嫉妬心を覚えるなんて、あまりにも狭量すぎると、夏海は自分
の卑小さにほとほと嫌気がさした。だが士は、何故かにやりと口の端を吊り上げると、強引に夏海
の視線を自分へと向けさせた。
「あの写真を撮った時、何を考えてたか分かるか?」
「何って……」
男としての欲望を開放する瞬間を映し撮るなら、当然対象は女性になる。そしてその場に自分は
いなかったのだから、きっと別の女性がその場に居たに違いない。
そんな夏海の思いを打ち砕くかのように、士は欲望を湛えた瞳で夏海を見つめたまま、その指で
答えを出せずに震える唇をゆっくりとなぞった。
「お前のその顔だ」
「え……?んんっ」
どういうことかと尋ねようとした唇を割り、士の指が口腔内を嬲る。長い指でゆっくりと粘膜を
撫で上げられる感覚に、士自身を口に含んだときの感覚が重なる。その擬似的な刺激に反応を示し、
夏海の背筋がゾクゾクとしたものに震えた。
「ふっ……は、あ…っん」
口の中を思う存分に犯す指に舌を絡める内に、夏海の意識は快楽に染まり始めていた。無意識の
うちに指を追い、吸いつく様に舌を這わせる。羞恥心よりも欲望が勝りつつある夏海の顔をじっく
りと観察するように見つめていた士は、やがて満足そうに指を引き抜いた。
「それだ……いい顔だな」
「士く…」
「自分を口説くつもりで見ろとかカメラマンがうるさかったから、お前のその顔を思い出してレン
ズを見つめてやった。あの写真の俺が見てんのは、他の誰かじゃない。お前だけだ」
「あ!」
きゅ、と突然服の上から胸の頂きをつままれ、夏海の口から短い嬌声が上がった。そのまま服の
上からゆっくりと胸を揉まれ、甘く濡れた吐息が幾つも唇から零れおちる。首筋を柔らかく噛まれ
たその刺激に、白い肌が戦慄くように震えた。
指と唇に翻弄され、次第に追い上げられてゆく体を捻じると、その動きに合わせるように士の指
がルームウェアの上着の裾をたくし上げた。
その下に隠されていた姿に、士の手がぴたりと止まる。
「…………なんだ、今日は随分と積極的じゃないか」
「………!!」
士の言葉に、夏海は改めて自分が何を服の下に着ていたのかを思い出し、反射的に耳まで赤く染
め上げた。恥ずかしさから体を伏せようとしたが、士の腕は器用に抵抗を押さえつつ服を脱がせて
いく。隠したものを暴き立てる腕を押さえようとすると、すかさず弱い部分を責められる。結果と
してより愉悦に濡れた声をあげることになり、気がつけば下着姿にされていた。
首筋まで真っ赤に染める夏海の姿を見つめた士は、瞳を細め笑みを浮かべた。
「………すっげぇエロい」
最後の抵抗に伸ばした両手は、柔らかく捕えられ、シーツの上へと縫い付けられている。黒のシ
ースルーの生地にピンクのリボンをあしらったそれは、ベビードールと呼ばれるものだが、女性の
視点から見れば可愛いデザインのものである。しかし、セットになっているショーツはGストリン
グなので、男性の目から見れば興奮をあおるデザインにはなっている。
なにより、生地に薄く透ける肌がなんとも淫靡な印象を与え、その姿に士は傍目にもはっきりと
分かるほど興奮を示していた。
「そんなに、見ないでください……」
「見せるための下着だろ」
「それは、その……そうですけど…でも」
「似合ってるぞ」
殺し文句とも言えるその一言で夏海の懇願をあっさりと却下した士は、ベビードールの裾をずら
すとショーツの奥に隠された場所を指先でなぞった。
愛撫らしい愛撫を受けていないにも関わらず、そこは粘着性の音を立てて、士の指に応えた。
「すげ……」
さらに深く、今度は中奥にまで指が押しこまれる感覚に、夏海の体は大きく震えた。くちゅり、
と濡れた音を立てながら蠢く指に翻弄され、誘う様に腰が揺れる。
「ぁん……っは…んんっ」
「夏海、お前エロすぎ」
「そんな、こと……ひゃあっっ!!」
「エロいとこ、もっと見せろよ」
久しぶりだからなのか、それともいつもと違う格好だからなのか、明らかに士のほうにも余裕が
ない。前儀も殆どないままに内部をかき乱し、レースをずらした胸を唇と舌で巧みに責める。強引
で少し乱暴だけど、そこに間違いのない愛情を感じ、夏海は素直に歓喜の声を上げ続けた。
「も、だめぇ……あぁっ!」
尤も敏感な花芯を転がされながら、同時に奥深い場所を指先で引っ掻くようにして責め続けられ、
とうとう夏海の体が硬直した。細い背が再び崩れ落ちるのを待ちきれないとでもいうように、士が
限界まで張りつめた自身を震えるそこへと押しつけた。
「夏海…」
欲望を滲ませた声で名を呼ばれ、快楽の波間を漂っていた夏海の意識は再び引き戻された。切な
さすら滲ませた瞳を見つめ返した夏海は、誘う様に微笑むと、ゆるゆると士の首に腕をからませた。
「士くん……お願い、きて」
快楽に支配されたことで、夏海は離れていた間どれだけ自分が寂しさを感じていたのか思い知ら
された。全身で士の存在を感じ取りたいと、情欲に染まった声で甘く誘う。その仕草に士の笑みが
更に深いものへと変わった瞬間、夏海の体は熱い楔に穿たれた。
「あっ!あぁっ!!」
「スゲ、締まる…っ」
待ちわびていたその感覚に、夏海の体は貪欲なまでの反応を示した。圧倒的な質量で侵入してく
る士を受け入れた場所から、炎が燃え広がるように全身へと快楽が広がっていく。全ての感覚で士
を求めてくる夏海を、士は幾度も幾度も穿った。繋がった場所で生まれた快感は、夏海だけでなく
士をも確実に追い上げている。
自分が求めるのと同じか、もしかしたらそれ以上に、士も自分を求めてくれている。そのことが
嬉しくて、夏海は淫らな歓喜に染まった意識の中で幸せを痛感した。
愛される悦びに震えた心と体が、一気に快楽の頂きへと押し上げられる。
「士くん!士く、んっ……!」
「夏海……っっ」
うわ言のように名を呼び、朦朧とした意識で夏海が必死に腕を伸ばすと、士の胸の中に深く抱き
しめられた。肌も唇も、全てを隙間なく繋げるようにして、共に快楽の階段を駆け上る。
「い…く…………あ、ぁあっっ!!」
「………っっっ!!」
細く高い声をあげ頂きへと達する夏海の中で、士もまた全ての欲望を解き放った。
「………あの、士くん」
「なんだ?」
事後の気だるさの中、されるがままに身を任せていた夏海は、ようやく落ち着いた呼吸を深く吐
きだすと困ったように眉尻を下げた。
「もうそろそろ着替えたいんですけど……」
未だにベビードールを着たままの夏海は、首まで引き上げた毛布にくるまったまま、上目づかい
で士の顔を見上げた。だが、士は嬉しそうに瞳を細めたまま、より一層夏海を抱きしめる腕に力を
込めただけだった。
「士くん」
「そのままでいいだろ」
「よくありません!こんな格好で寝たら、風邪ひいちゃいます」
「そんときゃ俺が看病してやるよ」
「そういう問題じゃ……や、ぁっ」
再び悪戯を始めた士の指に、思わず夏海は甘い声をあげた。
「や、だめですって……ちょっ……」
「やっぱこれが一番落ち着くな」
「こんなことで落ち着かないで下さい!あ、ああんっ」
逃げようと体をねじった夏海を背後から抱え込んだ士は、両手で胸を包むと味わう様にその膨ら
みをもみしだいた。が、やはり疲労とアルコールによって引き起こされた強力な睡魔には勝てず、
さしもの士も今日は呆気なく眠りの淵へと沈んだ。
ただし、寝る寸前まであちこち愛撫し続けるという、夏海にとって最も迷惑かつ困った方法で。
「も、う……一人で納得して、寝ないでくださいって、ば…」
胸や秘所を散々指で嬲られ、イク直前でようやく解放された夏海は、息も絶え絶えだった。一度
抱かれて敏感になった体は、中途半端な愛撫のおかげで若干どころかかなり欲求不満気味である。
しかし、あまりにも穏やかに眠る士の顔を見ると、どうにも恨みきれなかった。
「……おやすみなさい、士くん」
完全に寝入ってるはずなのに、腕はきっちりと回されたままであることに苦笑した夏海は、士の
唇に触れるだけのキスをすると、そっと士の腕に頬を寄せた。
翌日、一日遅れのホワイトデーとしてきっちりプレゼントを買わせたのは、当然の報酬であった。
437 :
430:2011/03/15(火) 05:19:56.12 ID:BtRu4QT9
以上です
読んでくれた人ありがとう
>>437 GJ!待ちに待った投下ありがとう
そういえばホワイトデーだったんだね
甘いの大好物ですのでたいへん美味しく頂きました。
エロパロで日本元気になれ!
超超超GJ!
士夏大好きだ!
夏海可愛いし士かっこいいしでとにかく萌えたよ、本当にありがとう!
>>430投下乙&GJ!
翌日は逆に
「俺がいない間に雑誌眺めてたなんて気に入らない」
「写真じゃない本物の俺を教えてやる」 と士が嫉妬する番ですか
>>437 GJGJ!
夏みかんかわいいし士かっこいいし良い士夏でした。
投下ありがとう!
443 :
430:2011/03/17(木) 05:26:36.04 ID:1dM8sCDH
>>440のおかげで話が続いてしまった……現実逃避の力って凄いな
というわけで、台詞とシチュもらってホワイトデーネタPart2
もはやタイトル意味不明だが気にしないw
日が悪い、という言葉を聞いたことはあっても、実感したことはなかった。
まあ、世界が滅びるのを目の当たりにしたり、何十人というグロンギに囲まれて殺されそうになったり、
あらゆる世界を敵にまわして一人で戦ってみたり、挙句の果てに惚れた女に殺されたりと、普通ではない
事態なら色々体験済みだ。
だが、確かに何をするにも悪い日ってのは実際にあるのだと、今日ほどそれを実感した日はなかった。
夕べは拘束時間の長さに嫌気がさして、ホテルの部屋から一人で写真館へ戻ったが、それはまあいい。
酒のせいか記憶が少しあやふやだが、初めて見るようなエロい下着姿の夏海が、これまた初めて嫉妬心っ
てやつを見せた非常に貴重な夜だった。
疲れと眠気に負けて一回しかできなかったのは勿体ないが、おかげで久しぶりに気持ち良く眠れた。毎
日一緒に寝ているせいか、いつの間にかこいつが隣にいないと熟睡できなくなってたのには我ながら呆れ
る。まあ、抱き枕ってやつがあるぐらいだから、珍しい話じゃないのかもしれない。
問題は、その後からだ。
まず夏海の寝起きを襲っていざ事に及ぼうとしたその時、ホテルからとんずらした俺を連れ戻しに来た
ユウスケが部屋のドアを派手に叩いた。挙句、朝まで待ってやっただけでも感謝しろといい、問答無用で
俺をホテルに連れ戻した。
自分の家に帰るのになんでいちいち許可を取らなきゃならないのかとキレかけたが、そこを夏海が許す
はずがない。妙にかたい女主人に写真館をほっぽり出された俺は、しぶしぶホテルに戻って次の仕事に向
かわざるを得なかった。
けど、台本読みだからすぐ終わるだろうと思って、夏海を仕事先の近くまで呼び出したのが悪かった。
主演だという年増の女優が妙にしつこく絡んできて、終いには本読みだけじゃ役をつかめないからと、
何故かラブシーンの立ち稽古をすると言いだした。あとでユウスケから聞いた話によると、どうも若手の
中で気に入った男がいたら、ありとあらゆる手で落としに来ることで有名な超肉食系の女らしい。
あからさまなアピールにうんざりしながら適当に絡んでおいたが、おかげで予定時間をかなりオーバー
した。
香水臭い年増と出待ちとかいう小うるさい女共を振り払うように局を抜け、待ち合わせたカフェに行っ
てみれば、今度は妙にチャラい野郎どもに夏海が絡まれていた。しかも無理やり同席したらしい男達の一
人は、嫌がる夏海の腕をしっかりと握ってニヤニヤ笑っていた。その男の横っ面を見て思わずライドブッ
カーの照準を合わせかけたが、後ろから追いかけてきたユウスケに速攻で奪い取られたせいでそれはでき
なかった。
この時点でかなり苛立っていた俺の空気を察したのか、野郎共は睨みを効かせる前に脱兎のごとく逃げ
出した。
気を取り直し、夏海に持って来させたカメラでそこらへんを撮りに行こうとしたら、何故かユウスケに
真っ黒いサングラスと帽子を押しつけられた。何で夏海と歩くのに顔を隠す必要があるのかと腹が立った
が、そうしないと夏海に何をされるかわからないと言われれば、大人しく従わざるを得ない。実際、ネガ
の世界でそういうことがあったと夏海も言ってたし、俺としても行く先々で煩く叫ばれるのは勘弁願いた
い。
そうして久しぶりに二人で出掛け、飯を食って、買いものをして写真館へと戻った。何故かホワイトデ
ーのプレゼントまで買わされたが、昼間待たせた借りもあるし、都心に写真館が移動したのも久々だった
から仕方がないだろう。
が、家に帰った俺達を待ってたのは、ネット上に広まった俺と夏海の2ショット写真だった。
マナーモードにしたまま無視してた携帯には、事務所からの分刻みの着歴があって、俺の代わりにユウ
スケがひたすら説明しまくった。あまりにも面倒臭くて、もうこのまま次の世界へと行ってしまいたかっ
たのに、こういう時に限って背景ロールはうんともすんともいいやしない。今すぐ来いと叫ぶ事務所から
の電話を途中でぶった切って、苛立ち紛れに風呂に入ったものの、腹の虫は到底おさまる筈がなかった。
こういう日はさっさと寝るに限る。
寝酒に冷蔵庫からビールを一本取って部屋へ戻ると、ちょうど夏海が雑誌を読んでいるところだった。
「何だ、昨日のやつか?」
「士くん……部屋にお酒持ってこないでください。お酒臭くなるじゃないですか」
「別にいいだろ、これぐらい」
たかがビール一本ぐらいでうるさいことだと、ラベルも確かめずに開けて口に流し込む。が、ここで予
想とは全く違う、妙に甘ったるい匂いが口の中に広がった。
「…?なんだこりゃ」
不味い、とまではいかないが、妙に違和感を感じる。例えていうなら、緑茶と思って飲んだらバニラの
匂いがしたような、普通は考えつかないような組み合わせだ。改めて手の中の缶を見ると、そこには何故
かチョコレートとビターという酒のラベルとしてはありえない文字が書かれていた。
「何って、チョコレートフレーバーのビールです。面白いからって、お爺ちゃんとキバーラが試しに買っ
て来たんです」
「……どんな味覚してんだ、あの一人と一匹は」
思わず溜息をつきつつ、もう一度飲んでみる。しかし、さっきは何も知らないから面食らっただけで、
そうと知っていて飲めば意外と飲めないことはない。
多分、黒ビールあたりが好きな奴なら、十分許容範囲内だろう。
「不味くはないが、さして美味くもないな」
「そうなんですか?」
「飲んでみりゃ分かる」
試しに差し出してみると、僅かに興味をそそられたのか、夏海も素直に受け取った。缶を傾け、一口飲
んで僅かに眉をしかめる。
「……苦いです」
「そりゃそうだ。ビールだからな」
「普通のビールより苦いじゃないですか。無理です」
「ま、お子様舌じゃ無理だな。お前は素直にチョコでも食ってろ」
缶を取りあげてそう言うと、夏海は一瞬だけリスのように頬を膨らませた。だが、酒は苦手だという自
覚はあるらしく、大人しく引き下がると再び雑誌に目を落した。
後ろから覗きこむと、それは件の記事の特集ページだった。
「何だ、お前も男の裸に興味あるのか?」
「あったら変ですか?」
からかうつもりで言ったのだが、予想に反し夏海の反応は冷静だった。それどころか、妙に真剣に雑誌
を見ていることに気づき、横からその手元を覗きこんでみた。自分の写真もそうだが、やはりテーマがテ
ーマだけに、並ぶ写真は軒並み男のヌード写真だ。中には半裸どころか、ギリギリまで披露してる奴もい
て、さながら男版グラビア写真集のようだった。
だが、何でこんなものを真剣に見ているのか。そう思った途端胃のあたりに不快感があった。
「前のページに、同じ人が撮った広告写真があったんです。でも同じヌードでも、女の人を撮るのと男の
人を撮るのとじゃ、全然撮り方が違ってて………やっぱりプロの方ってすごいですね」
そう言って、白い指がどこの誰とも知らない男の肌の上をすべるようにして、また一枚ページをめくる。
たったそれだけでのことで、胸の奥がまた不快感にざわめいた。
「………おい」
「これだけの枚数を撮ってるのに、セクシーなイメージの中にちゃんとそれぞれのモデルさんの特徴を出
してるんですよ。私だったら、きっと単調なショットばっかりになっちゃいます」
すぅ、とまた違う男の写真の上を、夏海の指が滑る。胸の奥の不快感はますます強くなるばかりで、思
わず手にしてたビールを一気に咽喉の奥に流し込んだ。
そんな俺の苛立ちを知ってか知らずか、夏海は雑誌の写真に見入っている。
「士くんのこの写真も、本当によく撮れてます。感情が切り替わる瞬間を上手く捉えてて、ぱっと見た瞬
間に思わずドキッとしちゃいそうです」
そう言って写真を見つめる夏海の頬は、心なしかうっすらと紅く染まっているように見える。胸だか胃
だか分からないどこか体の奥の方で、重苦しい何かが渦を巻き、無意識のうちに手の中の空き缶を握りつ
ぶしていた。
そのままゴミ箱に放り投げると、驚いたように夏海が顔を上げた。
「士くん?」
目を丸くする夏海の腕を雑誌から引きはがし、顎に指をかけ強引に上げさせる。何かを察したのか、夏
海が僅かに体を後ろに引いた。
側に自分がいるというのに、こんな雑誌に見入ってる。たったそれだけのことだが、どうにも気に入ら
ない。
「ちょっ……どうしたんです?」
感情が切り替わる瞬間とやらを敏感に察した夏海は、必死に逃げようとしていた。だが、逃がすはずが
ない。
「………そんなもん見てんじゃねぇよ」
「つか……んんっ!」
震える唇は、即座に封じた。驚き胸を押し返そうとするもう片方の手も捕え、一まとめに掴み上げる。
驚き背筋を逸らせた夏海の歯列を強引に割り、舌で思う存分蹂躙すると、あっという間に息が乱れた。
「ぁふっ……ぅ……っは、あっっ……」
食らいつくような激しいキスに、夏海の体から徐々に力が抜けていく。完全に抵抗する力が消える頃合
いを見計らい唇を離すと、つぅ、と細い糸が光った。
「あ……」
弛緩した体を抱え上げ、ベッドの上に転がす。そのまま上に覆いかぶさるようにして、細い手首を押さ
えつけるのと同時に、両の脚を割ってその間に膝をつく。
「そんな紙っぺらに感じるなよ……写真なんかじゃない、本物の俺を教えてやるよ」
「そんなつもりじゃ……ぁ、んんっ!」
首筋に舌を這わせ、軽く噛みつくと、それだけで敏感な反応を示した。快楽のかの字も知らなかった肌
を、舌先の愛撫だけで反応するまでに変えた。そんなささやかな独占欲に、胸の奥で渦を巻く不快感を上
回る興奮が湧き上がってくる。
何もかも分からなくなるぐらい、徹底的に快楽に狂わせたい。
「くぅ……ん、んんっ!」
びくびくと震える肌を追い立てるように、ゆっくりと胸を揉む。すでに反応を示している胸の尖りを、
そっと指の腹で転がしてやると、切なそうに眉が寄った。
胸を持ち上げるようにして、服の上から二つの尖りを柔らかくなぞり、時折軽く押してひっかく。たっ
たそれだけのことで、夏海の脚はねだるように何度も俺の体を締め付けた。
シャツワンピのボタンを外し、両手で胸を寄せ上げる。その頂きで硬くなっている蕾を舌で大きくなめ
ると、それを見た夏海の肌が一気に赤く染まった。
「ちゃんと見ろよ」
「やっ………明かり、消し」
「駄目だ。ちゃんと教えてやるよ……俺がどうやって、お前を抱くのか」
「あっ!」
背中に腕を回し、触れるか触れないかの力加減で背筋をなぞる。そのままなだらかな曲線を描く腰をじ
っくりと撫でまわすと、それに合わせて細い体が踊った。ウエストから内股まで掌を滑らせ、ゆっくりと
撫で下ろす。何かを期待して内股の皮膚が僅かに震えたが、そのまま膝を持ち上げ、むき出しとなった柔
らかな肌に吸い付いた。
「あんっ……や…そこ、ダメ」
「気持ちいいの間違いだろ」
「ああんっ!」
膝の少し上のこの辺りは、最初はくすぐったいだけだった。身を捩って逃げようとするのを強引に押さ
えこみ、何度も舌と唇で責め続けた末に、今ではすっかり弱いポイントになっている。舌先を強く押しつ
けるようにして愛撫を与え続けると、そのうちに腰が浮いてきた。
「んっ…く、ぅ……あ、ああ」
あともう一歩というところで、触れて欲しそうに揺れる胸の蕾に手を伸ばし、指先で軽く捻るように押
しつぶす。一番敏感な所には触れないまま、僅かな愛撫だけで夏海はあっという間に快楽の階を駆け上っ
た。
「イったか?」
「………っは…あっ……ふ、ぅっ」
力なく虚空を見つめる夏海の瞳は、情欲でしっとりと濡れていて、それだけで腰のあたりに燻ぶる劣情
が背筋を這い上ってくる。赤く熟れた唇を味わうように口づけ、わざと触れずにいた場所へと指を這わせ
る。
すでにそこはぐっしょりと濡れ、ショーツはその機能を失っていた。
「あ……士く…」
「お前のいいところを、全部教えてやるよ」
「くぅ……ん、んんんっっ!」
くちゅくちゅと布越しに吸いついてくるそこを何度か擦り、少しだけ布をずらして指をすべり込ませる。
途端に溢れる蜜が指先に絡みつき、濡れた花弁が奥へ誘う様に蠢いた。とめどなく溢れる蜜を掬い、浅く
かき回してやると、何かを耐えるように夏海が手の甲を口に当てた。封じられた淫らなその声を聞きたく
て、蜜の奥で固くなっている花芯を捕え、ゆっくりと転がす。苦しげに眉を寄せ、必死に耐えるその姿に、
自分の体の奥に押さえつけてある獰猛な獣性が牙をむくのが分かった。
我慢なんて、させてやるものか。
体のどこかで、何かが一瞬にして切り替わる。口を覆う手を引きはがし、花芯を責める指を更に激しく
すると、細く泣くような声が心地よく耳を打った。
「あ!ああっ、あんっ!!」
「夏海、こっち見ろ」
「ふ……っ、う…っっ」
「目ぇ閉じるな……全部見せろよ」
「士く、ん……や、ああっ!あ!!!」
ひと際高い声を上げ、全身を硬直させる。薄い背中を弓なりに反らせ、空いた方の手でシーツを握りつ
ぶしながら、再び高みへと到達する。涙を滲ませたその瞳がしっかりと自分を見つめたままであることに、
なんともいえない充足感を覚えた。
痙攣にも似た震えを幾度も繰り返す体を抱きしめ、濡れて役に立たない下着をはぎ取る。指先で確かめ
たそこは、確かなものを待ち望むかのようにひくひくと震えていた。
「すっげぇ……お前、やっぱ最高にエロいな」
「も、ぉ……そ…いうこと、言わないで…ぁっ」
「ここだろ?」
浅く侵入させた指先を軽く曲げ内壁を刺激すると、我慢できないとでもいうように膝がすり寄ってきた。
「もう一回、イかせてやろうか?」
意地悪く尋ねると、顔を真っ赤に染めた夏海はふるふると首を横に振った。ねだるように見上げられ、
思わずゴクリと咽喉がなる。視線を外さないまま、手早く服を脱ぎ再び夏海の上へのしかかると、切なげ
な吐息と共に唇が重ねられた。
「士くんが、欲しい……」
快楽で理性が吹き飛んだ後の夏海の言葉は、どれも強力な殺し文句ばかりだ。余裕のない自分を悟られ
ないよう、なけなしの理性で薄い笑みを口元に乗せ、甘く柔らかいキスを素直な唇へ返す。
互いの舌を絡め情を求めあいながら、欲望の楔をゆっくりと打ちこんでいく。細い咽喉が震え、くぐも
った声が上がるのを感じながら、一番奥深い場所へと自身を収める。
中へ入ったその刺激だけで達したのか、怒張した自身を包み込む内壁が妖しく蠢いていた。
「くっ……」
「………っ、は……あっ…」
気を抜くとあっという間に何かがはじけそうになるのを懸命に堪え、夏海の呼吸が落ち着くのを待つ。
ぐったりと力を失った体を見下ろし、再びその瞳が自分の姿を映すのを待ってから、律動を刻み始める。
幾度となく抱き、眠っていた快楽を余すことなく引き出してきた体は、どこまでも従順だった。
「んあっ……あ!あ!!」
支配の証とでもいうべき欲望の楔で、自分だけが触れることを許されたその場所を激しく責め立てる。
幾度となく頂きへと達した体は、与えられる刺激全てを快楽へと変え、更なる高みへと夏海を誘ってゆく。
与えているのか、それとも与えられているのか。どちらがどちらを支配しているのか、そんなのはどうで
もいい。確かなのは、繋がったそこから生まれる感覚を共に追い求め、同じ果てを目指す心地よさだけだ。
真っ白になった頭で、やはり同じように快楽に染まる夏海の顔をひたと見つめる。
「士くん……」
「夏海」
見つめる視線に気づいたのか、夏海が縋るように両腕を伸ばしてくる。求められるままに体を低くし、
柔らかく抱きしめてくる体を腕の中へ捕える。何を求められているのか、言葉などなくても十分に分かり
あえた。
どちらからともなく唇を重ね、その瞬間を目指す。欲望に引きずられるままに深く強く求めると、夏海
の体が震えだした。
「い、い…つか、さ、くん………あ、ぁああ!!」
「なつ、み………っっ!」
たった一つ、自分だけを求める声を聞きながら、士もまた張りつめた欲望を解き放った。絶頂に達して
しなる体を抱きしめながら、同じ快楽の波に翻弄される。やがて全ての波が過ぎ去り、士もまた夏海の上
へとガクリと崩れ落ちた。
荒い息の中、重たい瞼を押し上げると、やはり気だるげな眼差しでこちらを見つめてくる夏海の顔が映
った。吸い寄せられるように、浅く早い呼吸に揺れる唇へと触れる。戯れのような口づけを幾度か繰り返
し、やがてどちらからともなく小さく微笑んだ。
「……っげぇ…気持ち、いい…」
「ん……」
僅かな恥じらいと、それを遥かに上回る幸福感を湛えた笑みを浮かべる夏海を抱きしめ、士はゆっくり
と瞳を閉じた。
明日のことは、明日考えればいい。
スキャンダルだなどと言われるのは心外だから、いっそのこと結婚してしまおうか。そうすれば、あん
な妙な企画なんかに引っ張り出されずに済むし、余計な誘いも撥ね退けやすくなる。
とりあえず、有名人なんてものはもうこりごりだ。
目覚めた後に待ちうけるであろうトラブルの対処法をぼんやりと考えながら、士は今ある幸せの中へ再
び意識を沈めた。
*****************
以上です。
ネタ提供&GJありがとうございました
>>449 続きも書いてくれるなんて、なんというお恵み。
GJ!ごちそうさまでした。
続き読めて幸せだ、GJ!
こんな時だからこそ元気出して行こう。
DCDは放送終了後にハマったクチなんだが、ライダー大戦の世界で士がタキシード着てて
夏海が(相手は違うが)花嫁なのって実はもしかしてもしかして…!?とnrnrが止まらない。
帰りを待つと言ってみたり家という概念が頻発したり、本当にすぐにでも結婚していいくらい相思相愛だよなー羨ましいw
オープニングの映像も何処か意味深で、毎回じっくり見ちゃうわ
前回の比奈ちゃんの不安げな表情は映司に対する心配の伏線だったのか
映司は一刻も早く比奈ちゃんの戦闘員全タイを引き裂くべき
映司に剥かれたショッカー比奈ちゃんが嬉しそうに「イーッ!」と
ドクターのしばらく忙しい理由がストーカーだった件
ホント仮面ライダーのキャラって姉妹に弱いやつばっかりだな
ドクター真木と千世子さんに淡い期待を抱いてしまう。
まさかのドクターの恋・・・
キヨちゃん人形ってキモ怖いと思ってたんだけどお母さんの形見だったんだな。
なんか切ねぇ…
マザコンドクターが店長に母親の影を重ねる背徳エロに期待
>>462 自分は母さんって聞こえた
店長の出番が増える予感
楽しみ楽しみ
字幕だと「姉さん」になってるね
ファウンデーションに戻った後藤さんと里中君のやりとりに期待してる
あと比奈ちゃんの心配ぶりに萌えた
体張って引き止めたげて!
>>457 映司の部屋
比奈「映司くんは仮面ライダーなんですから、ショッカーはやっつけないと!」
映司「は…?」
比奈「ほら、パンチ!キック!」
映司「え、えとー…えい!」パシッ
比奈「イー!」ドサッ
映司「……」
比奈「……」
比奈「……あれ、とどめは?」
映司「…いいの?」
比奈「どうぞ?」
ベッドに倒れ込んだ比奈ちゃんにそのまま被さって
ショッカータイツをズタズタに引き裂け映司。
>>464 姉さんだったのか。じゃあシスコンだな
比奈ちゃんにしても真木さんにしても年上の兄弟に対する慕い方がハンパないw
仕事の都合でいつも次回予告見れないんだけど来週はカオスなのか?
ここ見てる限りエロパロ的においしい展開になりそうな予感
流れ豚切り失礼します。
士夏が好き過ぎて辛いレベルに達し、つらつらと書いてみました。
無駄に長いお馬鹿なラブラブ話です。
午後の写真館。
リビングと化しているスタジオのカウチに寝そべり、愛用のカメラを弄びながらぼーっとしていた時だった。
「こら、士くん!」
勢い良く扉が開き、夏みかんが顔を覗かせる。
ちっ、もう見つけやがったか。勘のいい奴め。
「何してるんです、寝てなきゃダメじゃないですか」
「わめくな。大袈裟なんだよ、お前は」
少し冷たい手のひらが、ぴたりと額に触れる。
「あっ、やっぱりまだ熱があります。って言うかお風呂入ったでしょ?酷くなったらどうするんですか」
「シャワーくらいいいだろ」
そのままだとどんどん突っ込まれるので、目を反らして窓の外を見た。
夏みかんは腕を組み、休め寝ろオーラを発しながら真横に立つ。
無言の圧力。あぁめんどくせぇ。
「じいさん達は?」
がっつり無視し、髪からの雫を吸わせていたタオルを肩から外した。
「結婚式の写真撮影に行きました。ユウスケは助手で、キバーラは付き人だそうです」
「何だそりゃ」
数日寝込んで、と言うか半ば強制的に寝込まされたせいで曜日感覚が消え失せていたが、どうやら今日は世間では土曜或いは日曜らしい。結婚式と言えば、開催は週末と相場が決まっているから。
「ところで、寝なくて大丈夫なんですか?」
夏みかんは椅子を引き、テーブルに肘を乗せながら問いかけて来た。
「勘弁しろよ。いい加減寝っぱなしで身体が痛い」
「本当に?」
「くどい」
ファインダーを開き、レンズを覗き込む。
カシャリと小さな音がして、不満そうな顔が収まった。
ここまで食い下がられるのには理由がある。
RXの世界で、アポロガイストのパーフェクターの魔の力によって一度絶命した夏みかんに、俺は自分の命を分け与えた。
以来、「寿命」という目に見えない終幕を、こいつは極端なまでに恐れている。
外出先で雨に打たれ、頑固な発熱を伴う風邪をひいた俺を看病する顔には、もしや死んでしまうのではないか、いやそんな筈はないという葛藤がべったりと貼りついていた。
全く、馬鹿馬鹿しいと言うか何と言うか。
こんな風邪程度で死ぬようじゃおしまいだ、色んな意味で。
だが、そう言えば言うほど何故か嘘くさく聞こえるらしく、夏みかんの過保護さは増すばかり。
手厚い扱いに慣れていない俺は、益々居心地悪く反発する形になってしまっていた。
「……。」
女は皆こうなのだろうか。
厄介な性質だと思わざるを得ない、それはつまり母性本能というものか。どっちにしてもご苦労なことではあるが。
「夏みかん」
「何ですか」
カメラを差し出し、置け、とテーブルを示した。
それからゆっくりと腕を広げ、ちょいと顎で促すと、夏みかんは首を傾げる。
「だから。分かるだろ、来いよ」
「はい?」
きょろきょろと辺りを見回す。同居人は皆出掛けたと言っていたのだから、他に誰がいるって言うんだ。
「早くしろ、気が変わるぞ」
「…ここで、ですか?」
「何処だって一緒だ」
身を乗り出し、手首を掴んで軽く引いた。
もつれながら倒れ込んで来る身体を受け止め、膝の上に迎え入れる。
「どうせ熱が引くまで外に出さねぇ気だろ。分かった。言うこと聞いてやるから、代わりに付き合え」
「何に、」
「んー…ストレッチ、か?」
答えるのと、実は意外とボリュームのある胸元に唇を寄せたのは、ほぼ同時だった。
「だ、め…です…っ」
「何で」
ブラジャーを押し上げ、軽く膝を立てて高さを加減してから、零れ落ちそうな胸の先端を舌で舐めては転がす。
「っ、…帰って、来ちゃったら…、んん…!」
「さっき出掛けたばかりだろ、まだ式すら終わっちゃいねぇよ」
それ以上何も言われなかったのは、それが事実な証拠。
「女」を感じさせるふくらみを両方とも解放すると、夏海は僅かに肌を粟立たせる。
もっと違う形で震えさせたくて、俺は柔らかなラインをなぞりながら胸を揉み、もう片方を口に含んだ。
刺激と肌寒さによって屹立した桃色の突起は、舌をしっとりと受け止めながら踊る。
「ふ、っ…や、…あっ」
音を立てて吸い、軽く歯を立てると、夏海は俺の肩を掴んで髪に顔を埋めた。
耳にかかる熱い息と嬌声に、じわじわと興奮が高まって行く。
服を床に落とすと、露わになった背中をひと撫でする。
きめの細かさとすべらかな感触を舌で味わいたいところだが、狭いカウチでは少し厳しい。
代わりに首筋に唇を移し、噛みつくように吸い付いて無数の痕跡を刻み付けた。
「…見える、ところ…には、」
「見せつけてやれ」
腕ごと封じるようにしっかりと身体を包み、喉の下方の窪みをなぞりながら鎖骨に歯を立てる。
耳たぶを甘噛みし、そっと息を吹き込んだ。
「あ…!」
ぴくん、と伸びる背を下り、ショートパンツのボタンを外す。
しかしいつも思うが、本当にびびるくらい細っこい腰だな。ちゃんと内臓入ってんのか?
「よっと、」
肘置きに頭を乗せ、寝そべる形を取った。
真上に重なる夏海が落ちないよう支えながら、ウエスト部分をずらして行く。
「だめ、脱ぎません」
「脱がなきゃ触れねぇだろが」
手を忍ばせ、夏海のそこを軽く撫でる。
下着の上から割り込ませるようにして、敏感なあたりを突いた。
「んん、…っ」
切なげな吐息を零しながら、俺の肩に舌を這わせて時に強く吸う夏海。
…煽ってくれるじゃねぇか、こいつめ。
「不公平だって言うんなら、お前も俺を脱がせればいい」
「でも、まだ熱が…」
「移してやる。この俺の風邪だ、有難く罹れ」
「何ですかそれ」
勿論そんなことする気はないが、意地悪言ってみたい年頃なんだ。…たぶん。
くすくす笑う夏海を、じっと見上げて促す。どちらからともなく重ね合った唇は、いつもより熱い気がした。
始めは戯れのように軽く啄み合い、上唇を挟んでは舐める。甘い吐息に誘われて舌を差し込み、夏海の舌先を軽く突いた。
深く重なる直前に離し、鼻先に触れそうな位置から顔を見る。
今にも溶け出しそうな瞳。ほんのり赤く染まった目尻。
唾液で濡れた唇は、グロス以上に扇情的で実にやばい。
「なつみ、」
ふと声にした名前がひどく甘ったるく響いて、俺自身が驚いた。
軽い酩酊状態は、未だ燻る微熱のせいだろうか。
「夏海…」
もう一度呼ぶと、夏海はゆっくりと起こした身体を下へとずらし始めた。
何をするのかと見ていると、パジャマ代わりの綿パンツに手を掛けられる気配。
「!?」
沸き上がる期待と歓喜。果たしてそれは叶い、もうずっとどうしようもなくいきり立ち、脈打っていた俺のものが冷えた空気に晒された。
「…。どうして…」
耳に入る、圧倒されたかのような呟き。
熱があるのに何でこんなに元気なのかって?そりゃお前、これだけ禁欲生活を強いられれば反動も激しいに決まってるだろうが。
「ぴったり傍に張り付いてる癖に、指一本触らせない女のせいだな」
そうだ。半ば強制的に眠らされながら、治ったら絶対に倍返しさせてやると思っていたのだった。
正確にはまだ完治してはいないが、先取りしたところで相手は自分の女なのだからバチは当たるまい。
「そうなんですか?酷い人もいるものですね」
「…お前な、」
本気かバックレか、他人事のように受け止める夏海に答えた瞬間、モノをいきなり撫で上げられて驚いた。
久々なせいか熱の影響か、繰り返される度に身体中が粟立つ感覚。
夏海の髪を梳きながら促すと、いつも以上に逼迫しているであろう俺に少し不思議そうな表情を見せてから、その口がゆっくりと開く。
「っ!」
何かを悟ったか、今日はぎこちなく舌で確かめるいつものやり方ではなく、一気に深く呑み込まれた。
濡れたぬくもりが素早く動き出し、緩急を付けて俺を高める。
「…っ、く…!」
手のひらを頭に置くと、軽くすぼめられた唇が上下した。
先端を舌が掠め、根本が濡らされる感覚。
時折、ずず、ちゅっ、と吸い上げられる音が響いて、その度に抗い難い快感が脳髄を直撃した。
目を閉じたままで、懸命に愛撫を続ける夏海。その姿に、欲望が天井知らずに高まって行くのが分かる。
荒い息の中に、短く声が混ざってしまうのを止められない。
それにしても、随分巧くなったものだと感心してしまう。
ああしろ、こうしてみろと煽るように教え続けた甲斐があったというものだ。
やはり、頭より身体に覚え込ませるのは非常に有効だ。戦いもセックスも、どんな場合に於いても。
「夏海、上がって来い」
「ふぇ?」
軽く立たせてショートパンツを床に落とした。そのまま腰を抱えて自分の目前に引き上げ、頭を跨がせる。
「ちょ、何ですかこの格好!」
「気にするな。続けろ」
腰を引き付けるように固定し、下着の奥を透かすように見つめる。
布地一枚隔てたこのもどかしさ、逆に期待を煽られて嫌いじゃない。
「やだ、離して。こんなの恥ずかしいです、士くん!」
「黙れ」
もっと寸止め感を楽しんでいたかったが、暴れ出されたら適わない。
俺は作戦を切り替え、一気に下着の隙間から内部へと踏み込んで行くことにした。
「あ!…んぅっ…!」
ちゅ、という音を響かせ、指に蜜が絡みついて来る。随分と用意周到だな。
「濡れてるが、どうしたんだ?俺はまだ全然触ってないぞ?」
「ん、あ…はぁ!」
波打つように指を動かし、最奥へと進ませた。
あたたかく濡れてよく滑るので、軽く引っ掻くように刺激しながら出し入れしてみる。
「あ、やんっ…」
隙間からの愛撫は若干やりづらいが、やはり布地の奥が蠢く様は妄想を掻き立てて止まない。
ちゅくちゅくと溢れる蜜を舐め取るように、太股や足の付け根の皮膚を吸った。
「ふぁ、…んあ、あぁっ…!」
心地好さとくすぐったさは表裏一体なのか、夏海は笑い声にも似た吐息を洩らす。
「こっちにも、か?」
指を沈めたまま親指を伸ばして敏感な蕾を軽く嬲ると、一際高い鳴き声が上がった。
さっきまでの抵抗が嘘のように、夏海は快楽を貪り始める。
吐息が腹をくすぐり、縋るようにモノを掴まれた。軽く腰を浮かして催促。これじゃ生殺しだ。
再び夏海の舌が這う。
徐々に動きに熱が篭り、指を使って全体を隈無く刺激された。
「っ、は…」
俺も負けじと指を突き立てながら、今にも綻びそうな蕾を可愛がる。
午後の陽光に晒されながら、淫らな行為に耽っているという事実。
しかも俺は服を着たままで、夏海だけが脱がされている状態。
煽られる背徳感に、歓びが溢れ出して止まらない。
愛撫しながらされる、いつにないやり方に興奮しているらしい。
「あ、あっ…んぁっ、あぁぁ……ッ!」
夏海は背を強張らせた次の瞬間、一気に達して全身を震わせた。
「…っん、」
反動でモノに軽く歯を立てられ、ギリギリのところでどうにか耐える。
俺は起き上がり、夏海から素早く下着を取り去ると、四つん這いのままの腰を掴んで引き寄せた。
掴むもののない指先は強く握られ、腰は不自然な角度で高く跳ね上がって妖しくしなる。
「!?――あっ、あ…!」
溢れる水源の奥を目指し、俺は半ば強引に突き進んだ。
角度と位置を確かめながら、真っ直ぐ腰を打ち込む。
普段後ろからするのをあまり好まない夏海だが、今日は達した直後の熱のままに受け入れた。
「あ、…ぁんっ、ん、んっ!」
ソファに頭を擦り付けるようにし、甘い声を上げ続ける。
身体が細いから、道が狭いから、こんなにも深く俺を捕えて離さないのか。
久々の行為は、こいつの快感をも高めていると実感し、抉るように腰を回した。
「ひ…ッあ、んぁ、あ、あぁんっ」
身体を打つ何度目かの雷鳴。
夏海の身体に断続的に走る震えが俺を煽り、目眩を伴って呼吸を乱す。
「くっ…!」
真っ直ぐ駆け上がって昇華を見る直前、俺は歯を喰い縛って自身を引き抜いた。
突然解放されて困惑する夏海を素早く仰向けにし、再び深くまで貫く。
「あぁっ、ん、はん…!つ、かさ…くん…っ…!」
その華奢さに見合わぬほどの力で、両腕が首に巻き付いて来た。
かつて俺は、この手に殺された。
殺されてもいいと思ったし、実際そうなった時には何処かほっともした。
だが、事はそれでは終わらない。
誤解を解きもしないまま、運命を背負い込んで戦っていた俺を甦らせようと尽力したのもまた、他ならぬ夏海だったのだ。
傷付け、哀しませることしかしなかった愚かな俺に、こいつは惜しみない愛情と許しを注いでくれた。
「なつ、み…」
俺は旅をする運命。ひとところには留まれない。
一緒にいる以上、永遠に安寧の生活は訪れないかも知れない。
夏海自身は、自分が旅の切っ掛けになったと思っているのだろうが、実は巻き込まれたに過ぎないのだ。
もっと優しい奴と出会い、一つの世界で平凡に暮らして行くことだって出来る筈。
手離した方がいい、一刻も早く。
その方が、こいつは間違いなく幸せになれる。
「――。」
だが駄目だ。無理だ。
もう二度と、俺の方がこいつと離れられない。
なぁ、夏海。
「士、くん…!」
夏海。
――俺が、好きか?
「つ…かさ、くん…、っ」
しっかりと、決して解けない強さで抱きしめた。
唇を塞ぐ。呼吸を奪って与えて、ぬくもりを溢れさせて。
「…大、好き……!」
届けられたのは、呪いにも似た愛の言葉。
「夏海…ッ…」
押し寄せて止まない快感に溺れそうになりながら、二人同時に最後の境界を越える。
充足感と切なさ、そして抗い難い幸せ。
俺は夏海の肩に鼻を寄せると、深く静かに口づけた。
背後の空は既に夕焼け。
無理矢理咥えさせられた電子体温計は36℃台を示す。
「…ほんっと見境ないですよね、士くんって」
元通り服を着込んでキッチンで茶を淹れた後、夏みかんは液晶画面の温度表示を確認して呆れたように呟いた。
「延々寝込むより、よっぽど効果的な治療法だったってことだ。覚えておけ」
「分かりました。じゃあ今度、ユウスケが風邪をひいた時にもやってあげます」
いいんですね?と言いたげな上目遣いに、瞬間的にざわついた胸の奥を知られまいと茶を啜ったら、あまりの熱さに火傷した。
それを見て笑うこの女、時々物凄く性悪だ。
どう考えても俺の方が善良だと思えるくらい、さらりとキツイことを言いやがる。
それなのに、どうして俺はこいつに執着してしまうのか。分からな過ぎて腹立たしくなる。
「…やってみればいい。出来るものならな」
だから負けじと言い返して、俺達の言い争いは本当に心の底からくだらない。
無言で隣に座り、夏みかんはカップの中身を吹いて冷ます。
「士くん」
「何だ」
引きずったままの苛立ちが声に表れてしまったが、引っ込めることも出来ずに先を待った。
「晩ごはん、何が食べたいですか?」
「は?」
まさかの庶民的質問。
この状況で、呆れるほどあっさりと「母」に切り替わるこいつは何なんだ、本当に謎だ。
「買い物に行くので、留守番お願いします。何がいいか決まったら連絡を…」
「俺も行く」
有無を言わせぬ早さで立ち上がり、俺は伸びをする。
「ぶり返したら困るから駄目です」
「その時は、また治してくれるんだろ?」
片眉を上げて言ってみた。
顔が真っ赤なのは、窓から入り込む夕陽のせいだけじゃない筈。
どうしようもなく可笑しくなって来た。
身を屈め、俺は不満げに尖った唇にキスをする。
「着替えて来る。待ってろ」
軽く噛み付いて離れると、夏みかんは尚も何か言いたげに睨んでいたが、やがて諦めたように息をついた。
夜の欠片、或いは昼の落とし物。
一体この世界の夕暮れでは、何がどれだけ見つかるだろう。
待たせるのも待つのも、もう御免だ。
いつでもこれからも、世界の果てまでずっと。
俺は夏海を連れて、全てを写す旅に出る。
<終>
リアルタイムに遭遇!!
GJ!!
GJ!!
夜中に滾った。夜更かしもしてみるモンだね。
オーズも大好きだが最近DCD多くて嬉しい。
職人様に感謝!
士夏海は色あせないよな
それにしても仮面ライダーは兄妹姉弟多いな
そういうのすごく好きだ
GJ!!!
強気に見せてその実夏海におぼれまくってる士がイイ!
いいものを読ませてもらった、ありがとう
ダレモイナイ
また規制か?
今書いてる最中だよー
APPIのシールなら私の家の窓に張ってあるよ っていうか安比大好きすぎて
誤爆しました
ワラタw
震災自粛というより原発の緊張状態が高まりすぎて胃が痛かったが
なんだか和んだよ
485 :
1/2:2011/03/24(木) 00:30:29.71 ID:3d3NImNB
26話後の妄想。映司×比奈
エロなし。ハグ止まり。微糖。
箸休めにでもなれば。
-----------------------------------------------------------------------------
「映司君っ!」
クスクシエの扉を開いた途端に目に飛び込んできたのは、比奈ちゃんの心配そうな顔だった。
「ただいま」
笑ってあいさつすると、彼女はほっとしたような少し怒った様な表情になる。
「もう、安静にしててって、伊達さんにも言われてたじゃないですか……」
「看ていてくれてたのに、黙って出てっちゃって本当にごめん!」
一緒に帰ってきたアンクは、こちらをちらと一瞥すると、
興味なさそうな顔で部屋へ戻っていった。
「ち、知世子さんも心配してたんですよ。後で……っ……」
「ひ、比奈ちゃん?どうしたの?」
言葉の途中、何かを堪えるような顔をみせた後、彼女は俯いてしまった。
突然のことに慌ててしまって、あたふたと声をかける事しかできない自分が歯がゆい。
「大丈夫?」
「っ……うっ……」
俯いて肩を震わせる彼女の姿は、いつもよりもずっと小さく見えた。
不意に、彼女に触れたくなった。
目線よりも少し下にある小さな頭にそっと触れると、途端、勢いよくしがみつかれる。
「ひ、比奈ちゃん?」
驚いて問いかけてみると、胸に押し付けられた小さな頭から、震える声が返ってきた。
「え、映司君が、……私、心配で……、」
「ごめんね……」
そう言うと、彼女はふるふると頭を振った。
胸元は暖かく、少しだけ湿っぽい。
486 :
2/2:2011/03/24(木) 00:32:02.88 ID:3d3NImNB
「……、映司君は、もう少し、自分の、ことも、気にかけてください」
「……うん」
柔らかな髪が手に触れる。
その心地よさにまかせて撫でていると、少しずつ彼女の震えは治まっていった。
「でも、また同じ事があったら、同じように飛び出して行っちゃうんですよね……きっと……」
「うん……」
「……でも、きっとそれが映司君なんですよね……」
呟くような彼女の声はとても小さくて、暖かさにぼんやりとしてしまった頭を素通りしていく。
「……え?」
「なんでもないです」
苦く笑う気配を胸元に感じた。
不思議な気分だった。
どこか遠くから眺めているように、今彼女に抱きしめられているという実感に乏しい。
でも、ずっとずっと深い部分に、この胸元に浸透していく湿った暖かさのように、
甘やかで優しく、けれどチクりと痛む何かが満たされていくような気がした。
「ごめんね」
最後にもう一度伝えると、彼女は俺から離れていった。
「いえ、こっちこそ取り乱しちゃってごめんなさい」
その目は少し赤く、無理して作った笑顔はちょっとだけ痛々しかった。
胸元の暖かさが失われていくのがなんだか名残惜しい。
そう思った途端、またさっきの何かが一瞬だけ込み上げてきたけれど、
今度は手を伸ばすことはできなかった。
おわり
映比奈で即席小ネタ。
いきさつ面倒だから最初からベッドインで
比奈「ねぇ、映司くん」
映司「なに?」
比奈「恋愛相談の時の事、ほんとに覚えてないんですか」
映司「だから、比奈ちゃんが教えてくれないんじゃん!」
比奈「ふふ、じゃあ…教えません」ニコッ
映司「ひどい!比奈ちゃ〜ん…」ガバッ
比奈「ちょ、映j、ん」
映司「…教えてくれないんなら、それまで焦らしてあげるよ?」
比奈「や、あっ」
映司「触るだけ、キスだけ。それ以上は、絶対しないよ」チュッ
比奈「ん」
比奈(……。)
比奈(私も佐倉さんみたいに、映司くんに気絶するくらい愛されたいなぁ)
駄目だ、映司じゃベッドイン出来ない(´;ω;`)
>>482 「安比」って「アンク×比奈」のことかと思ったらスキー場の名前かよww
>>489 そうだったのか
素でアン比奈の略語だと思ってたww
>>485 乙
映比奈のこういう距離感と雰囲気は好きだから和んだよ
過疎すぎワラタ
来たくても来れない人だっているだろ。何で笑えるんだよ…
マジレス
明日のオーズ楽しみだ!アン比奈映比奈!!
俺も楽しみだ!!
アン比奈!!ちよアン!ごとちよ!!後里!!
真木ちよ!
伊達さん…涙
今回は映比奈と後藤知世と真木知世だな
まさかの店長大活躍
映比奈キタ-(゚∀゚)-!
いや、ひょっとして後比奈もあるのかとも思った
恋人役って話になった時、アンクが比奈ちゃんを見てたよねってことで
「なんで赤くなるんだ。映司の恋人役ってのがそんなに嬉しいのか」
「絡まないでよ。照れるのはしょうがないでしょ。こ、恋人、なんて言われたら……」
「ふん。あんまりべたべた触らせるなよ」
「……ヤキモチ?」
「知るか」
「もう。怒らないでよ。……私は、アンクとお兄ちゃんだけだから」
「……二股か」
アンクは首領様の特権で可愛い戦闘員さんにセクハラかましちゃえばいいと思うよ!
店長の足に目が釘付け
信吾と比奈で。
エロなし、キス描写あり、近親ネタが苦手な方はスルーかNG処理願います。
>>386 亀ですみません。
仰る通り曲名です。ご想像の曲で間違いないかと。
ふと見上げた木の枝先に、比奈は小さな花の蕾を見つけた。
まだ肌寒い日々が続くが季節は春、固くその身を閉じた蕾もやがてほころび美しい花を咲かせるだろう。
これは桜の木だ。
毎年春になるとその美しい姿で通りを行く人々を楽しませてくれている。
比奈は足を止めて桜の木を見上げた。
目に浮かぶのは、満開の桜。
記憶は目の前の木から、去年兄と一緒に見た風景へと変わる。
比奈は思い出す。
忘れたことなどない、心の奥底にそっと封じ込めた去年の出来事を。
ぽかぽかとやわらかな日差しが心地よい春の日だった。
比奈は信吾と桜を見に出掛けた。
花見といっても近所の桜並木を歩くだけのささやかなものだ。
仕事柄、信吾の休みがなかなか取れない為に遠出は難しく、また花見の名所として人の多く集まる場所、
それも酒が入るような席ではトラブルも起き易い。
非番であっても信吾がそれを見過ごすことは出来る筈もなく、実際喧嘩の仲裁に入って花見どころでなくなって
しまったこともあった。
のんびり花を見るだけなら、有名な観光地でなくともいい。
信吾はすまながるが、比奈にとっては信吾と一緒に過ごせるだけで充分だった。
信吾の腕に自分の腕を絡め、遠慮なくぴったりとくっついて花の下を歩く。
時々は立ち止まり、花の蜜を求めて飛んできた野鳥の名を言い合ったり、携帯電話で写真を撮ったりして
ふたりだけの花見を楽しんだ。
不思議と人通りはなく、ひらひらと舞い散る桜のカーテンの中にふたり閉じ込められてしまったかのようだ。
このまま時が止まってくれたらと、兄を独り占めできる幸福を噛み締めながら、比奈は信吾の肩にこつんと頭を預ける。
並木の中で一番大きな木のそばに差し掛かった時、不意に強い風が吹いた。
ごぅ、と唸りを上げて桜の枝を揺らし、足許に小さな渦を巻き起こす。
舞い上がった砂埃から庇うように、信吾が比奈の肩を抱いて胸許に引き寄せた。
やがて風は立ち去り、桜吹雪がふたりに降りそそぐ。
「すごい風だな」
呆れたように言い、信吾は顔の前に掲げていた腕を下げた。
「比奈。目にゴミ入ってないか?」
「大丈夫。ありがとう、お兄ちゃん」
服についた埃を払ってくれる兄に比奈は笑顔で頷く。
「髪、ぐしゃぐしゃになっちゃった」
照れ笑いを浮かべ、乱れた髪を手櫛で整える比奈に、信吾は微笑ましげな眼差しを向けた。
「花びら食べてるぞ」
比奈の口許に貼りついた花びらを取ろうと信吾が手を伸ばす。
刹那、今度は悪戯な風が花びらをさらい、信吾の指先は比奈の口唇へと触れた。
信吾の手が止まり、ふたりは無言で見つめ合う。
間の悪い偶然を笑おうとして、比奈は笑うことが出来なかった。
虚を衝かれたように見開かれた信吾のその瞳が、今まで見たことのない色をしていたからだ。
いつになく真剣で、何処か苦しげに眉をひそめた信吾に、どうしたのかと問いかけることさえ憚られる。
そっと、信吾の指先が壊れものに触れるかのようにそっと比奈の口唇をなぞった。
それは、いつもの無邪気な触れ合いとはまるで違う。
比奈はそう感じ、信吾も同じように感じていることを直感で、或いは本能で知った。
かすかに震える指先から兄の酷い緊張が伝わり、比奈は息を飲んで信吾を見上げる。
信吾の濡れた瞳を、その中に映る自分の姿を。
信吾の指が比奈から離れる。
その代わりのようにもう一方の手が比奈の肩を抱いた。
比奈の躯を軽く抱き寄せながら、信吾がおもむろに伏せた顔を比奈へと近づける。
逃げようと思えば簡単に逃げられる程の力で、避けようと思えば簡単に避けられる程のゆっくりとした速度で。
比奈は逃げることも避けることもしなかった。
ただ静かに目を閉じる。
そして、まるで最初からそう約束されていたように、信吾の口唇がやさしく比奈の口唇に重なった。
ぬくもりが触れ合う。
やわらかさが触れ合う。
そのくちづけは、比奈にとって永遠にも思える一瞬だった。
音もなく舞い続ける桜がふたりを世界から遠ざける。
信吾が離れ、比奈はそっと目を開けた。
信吾の顔はまだ間近にある。
苦痛を耐えるように顔を歪めたまま、信吾は比奈を見つめていた。
「……比奈」
強張った声で名前を呼ばれる。
信吾の口唇が、何かを言おうとして動く。
その先を聞くのが恐ろしくなって、比奈はぱっと俯いた。
何を告げられるのか、悪い想像しか浮かんでこない。
信吾は自分の行動を悔やんでいるのではないか。
その口唇からこぼれるのは比奈への謝罪の言葉ではないか。
比奈は怯えた。
ごめん、と謝られるのがどうしようもなく怖い。
気の迷いだったと詫びられて、今の出来事がなかったことにされてしまうことを比奈は何よりも怖れた。
固く目を瞑り、兄のシャツにしがみつく。
聞きたくない、と全身で怯え訴える比奈を信吾はどう思っただろう。
しばらくの沈黙の後、信吾が比奈の頭を軽く叩いた。
いつものおだやかな兄の仕草に、比奈は恐る恐る顔を上げる。
そこには幼い頃からよく見知った信吾の顔があった。
包み込むようなやわらかな兄の笑みが、泣きたくなる程淋しげに見えたのは比奈の気の所為だろうか。
「行こうか」
何事もなかった様子で信吾が比奈に手を差し出す。
比奈はその手をぎゅっと握った。
口唇をきつく噛み締める。
そうしなければ涙がこぼれてしまいそうだった。
しっかりと手を繋いで、肩を並べて歩いているのに、こんなにもそばにいるのに信吾が遠い。
はらはらと音もなく舞い散る桜に、比奈の胸はただ痛んだ。
手を繋いで帰ったふたりはそれからの日々をずっと、以前と変わらない仲の良い兄妹として過ごした。
信吾が事故に遭い、彼の意識が深い眠りにつく夏の日までは。
もうじき桜の季節が来る。
次に信吾とふたりで桜を見るのはいつのことだろうか。
あの日の桜を瞼の裏に描きながら比奈は思う。
あの時、信吾は何を言おうとしたのか。
恐怖から信吾に何も言わせず、あのくちづけをなかったことにしてしまったのは結局比奈の方だった。
比奈はそれを悔やむ。
臆病な自分の態度が信吾を傷つけはしなかったかと。
時間が経つにつれ後悔の念は深くなり、信吾と会えなくなった今、あの時の信吾の心を知りたいという想いは
募るばかりだった。
言葉が知りたい。
声が聴きたい。
ごめんの一言でもいい、信吾の声が聴きたい。
たとえそれが自身の行為を否定するものだったとしても。
信吾が美しすぎる桜に惑わされただけでも構わない。
せめて伝えたい。
比奈の想いを。
決して嫌じゃなかったと。
このまま死んでもいいと思うくらいに幸せだったのだと。
あんな態度を取ってしまったのも、その幸せが消えてしまうことが怖かっただけで、断じて信吾に怯えたわけでは
ないのだとそう伝えたい。
信吾が自分を責めたり、罪悪感を背負うことがないように。
そしてもしも。
もしも信吾が比奈と同じ想いを抱いていたとしたら。
あのくちづけや淋しげな笑顔が信吾の真実であったならどうか、どうかもう一度、と比奈は心から願う。
信吾が許してくれるなら、どうか好きだと告げさせて。
そして、もう一度くちづけを。
あの春の日の、降りそそぐ桜の木の下で。
GJ……!!!
信比奈好きだからこれはたまらん……!!
切な甘いのいいなぁ!
GJ……素晴らしいです
正直この二人をこんなふうにやわらかく書ける力量がうらやましい
>>507 GJ!せつねーなあ…
そういや花見の季節だね
お酒飲んでポーッとなった女子を暗がりでおいしくいただくSSこい!
>>506-507 GJ!
本編でもブラコンっぽいって言われてたからな比奈ちゃんは
普通にありそう
513 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 18:14:19.84 ID:PIaDs1FW
>>507 GJ!!切ないのも好きだ!!
>>511 花見と聞いて、写真館メンバーで花見にきたのにいつのまにやら雲隠れして桜の下でイチャイチャ励んでる士夏が浮かんだww
士夏じゃない自分が浮かんだくらいだから、誰かきっと書いてくれるはずだ
>>504 素晴らしい!GJ!
はぁ〜寝る前に良い作品拝見させて頂いた!良い夢見れそうです!
>>504 うおおお久しぶりに来たら素晴らしい作品が!
GJ!!
映画は萌え要素は無かったな
>>516 自分はパンフの説明だけで、アン比奈妄想が止まらない
映画は見てないから、逆に自由に想像できるのかも
投下させてください。
アンク×比奈、近親相姦描写ありです。
熱に浮かされた体が重い。
緩やかに背を這い上がる快感を、口を結ぶ事で耐える。少しでも力を緩めれば、あられもない声が唇から飛び出すのは分かりきっていた。
「噛みきりたいのか」
からかう様に言いながらアンクは硬い比奈の唇に舌を這わす。びくりと背が震える。優しすぎる体温に、仕草に、声に。
頑なに閉じた唇は無理強いされたわけでもないのに、アンクの舌を受け入れる。拒絶しきれない自分が悔しかった。
初めこそ、ずいぶん手荒く扱われたような気がする。正に喰われるという表現がぴたりとはまるほど、気遣いも愛情も感じないほどむちゃくちゃに抱かれた。
その事実が嘘だったのではないかと思うほど、いま比奈を抱くアンクの全ては優しさと愛情に満ちている。食べているのではない、抱いているのだ。
それが比奈には怖かった。
「んっ……」
押さえきれない比奈の甘い声を、アンクはあざ笑う事もなく受け入れる。
そんな姿、見せないで!
喉元までせり上がった悲鳴は快感に押し流された。
アンクの指がゆっくりと内に沈められる。快感が強くなればなるほど、意識してしまう。
これは、兄の身体なのだと。
指も唇も舌も、アンク自身ではなく兄の体を挟んで自分に触れているのかと思うと、鉛のように胸が重くなる。
半死半生の兄の体を使って、自分は何をしているのか。普段は見えないふりをしているそれが、肌を触れ合わす事によって突きつけられる。
熱に浮かされた体が重い。
緩やかに背を這い上がる快感を、口を結ぶ事で耐える。少しでも力を緩めれば、あられもない声が唇から飛び出すのは分かりきっていた。
「噛みきりたいのか」
からかう様に言いながらアンクは硬い比奈の唇に舌を這わす。びくりと背が震える。優しすぎる体温に、仕草に、声に。
頑なに閉じた唇は無理強いされたわけでもないのに、アンクの舌を受け入れる。拒絶しきれない自分が悔しかった。
初めこそ、ずいぶん手荒く扱われたような気がする。正に喰われるという表現がぴたりとはまるほど、気遣いも愛情も感じないほどむちゃくちゃに抱かれた。
その事実が嘘だったのではないかと思うほど、いま比奈を抱くアンクの全ては優しさと愛情に満ちている。食べているのではない、抱いているのだ。
それが比奈には怖かった。
「んっ……」
押さえきれない比奈の甘い声を、アンクはあざ笑う事もなく受け入れる。
そんな姿、見せないで!
喉元までせり上がった悲鳴は快感に押し流された。
アンクの指がゆっくりと内に沈められる。快感が強くなればなるほど、意識してしまう。
これは、兄の身体なのだと。
指も唇も舌も、アンク自身ではなく兄の体を挟んで自分に触れているのかと思うと、鉛のように胸が重くなる。
半死半生の兄の体を使って、自分は何をしているのか。普段は見えないふりをしているそれが、肌を触れ合わす事によって突きつけられる。
なのに、拒絶できない。
そうまでして、自分は欲しいのだ。この兄の姿をした化け物を。その浅ましい欲がたまらなく恐ろしい。
「やぁっ!」
指を引き抜かれ、代わりにアンクが内に入ってくる。
「余裕だな」
アンクから意識が逸れていた事を遠回しに責められ、比奈はぎゅっとその背に腕を回した。
「はぁ……んっ!んっ!」
律動にあわせ、顔中に口づけの雨が降ってくる。まるで恋人同士のような交じり合い。
その全てが比奈を責めている。どんなに望もうが、恋人同士にはなれないのだと。
「や、だ……やさ、しく、しないで……」
甘い悲鳴の合間に絞り出すように懇願され、アンクは比奈の眼を覗き込んだ。
「抱いたり、しな、いで……ぐちゃぐちゃに、食べてよ……!」
ぽたり、ぽたり。比奈の眼から流れていく涙は筋となり、泣くじゃくるその姿は幼い子どものように見えた。
「比奈」
名を呼ばれ、体が強ばる。
「俺を見ろ。俺は、誰だ」
真っ直ぐに視線を合わせられ、比奈は躊躇いがちに名を呼んだ。
「……アンク……」
「そうだ。いま、お前を抱いているのはこの俺だ。アンクだ。それ以外の誰でもない」
「でも、」
「比奈」
先ほどより強く、服従させるような声音に比奈は言葉を続けられない。
「お前は、俺だけを見ていればいい」
はっきりと断言する声には、一切の拒絶を許さない強い響きがあった。
やはり、これはグリードなのだと改めて痛感させられる。
自分の欲にどん欲で強い執着をもつ。その欲で比奈の全てを欲している。
「……酷い……」
いつか必ず自分はアンクに置いていかれる。それは寿命かもしれないし、彼が完全体を取り戻す形でかもしれない。
その時、比奈は帰らぬアンクの背に縋り、犯した罪を抱え兄と向き合わなくてはならない。
なのに、アンクは愛せという。逃げ道など作らず、比奈の全てで自分を愛せと。
「んんっ!」
律動を開始され、比奈は背に回した手に更に力をこめる。
無理矢理に関係を持たされたなら、まだぎりぎりのところで理性を保てた。だが、どうだ。自分は自らその背にすがりついている。
これを兄が見たら、何というか。
「……アンク……」
強く抱きしめられ、肺いっぱいにアンクの匂いを吸い込んだ。兄の体であるはずなのに、兄とは違う匂いがした。
「お前には、俺だけでいい」
「んっ」
返事を遮るように深く唇をあわせられ、比奈の意識がアンクでいっぱいにされていく。
どうせなら、このままアンクの愛情というには恐ろしい深い欲に溺れてしまえればと、比奈はゆっくり眼を閉じた。
以上です。
間違って二回同じ文章入れてしまい、読みづらくてすみません。
アン比奈GJ!!
比奈の葛藤とアンクの欲望への忠実さがいいな!
アン比奈やっぱり萌えるね
>>518おつかれです
負ける気しないと宣言した比奈ちゃんが
欲望に負けちゃうとかえろすぎだろ…GJ
>>523 GJ!!
アン比奈の排他的エロ最高なんだぜっ!
映画の鎖に繋がれたアンク見て首輪プレイするアン比奈妄想した
今日のオーズやばいな
オーズ(ガワ)と比奈ハグで軽く悶えたのに、その直後映比奈ハグって何この二段階萌え仕様
朝からいい目覚ましをありがとう
録画して正解だった!もう一回見てくる
今日は映比奈祭りだったよな。
ガワハグは萌えた・・・変身もののロマンの結晶だよな
スタッフロールの『映司の恋人 泉比奈』がじわじわくるw
二人とも昭和テイスト似合ってたなー
映比奈いいよなー
ほっこりさ加減がパねえ
クセのない安心ブランド
ライダーと女の子…いいよなあ
邪悪化した映次が演技良かったのもあるけど、恋人のお陰でもとに戻るって演出がやっぱりいいね
ちょっと仮面ライダーG思い出した
映司もなんかあれ以来比奈ちゃんを意識しはじめるんじゃないかとか思っちゃった
いい雰囲気だなっと思ったら、サバ折りw
忘れられない抱擁だったわ
映比奈って比奈が映司を軽々持ち上げられるから普通のカップルじゃ出来ない体位を楽しめそうだな
映比奈の流れぶった切ってすいませんが投下させてください
DCD士夏ですが、全部で11レスぐらいになりそうです
途中で切れたら、連投規制に引っ掛かったと思ってください orz
以下、注意事項です
・大首領時代はバイセクシャルで気に入れば手当たり次第ヤってた
・今の士はノーマルで、長いことそっちはご無沙汰
・士→←夏海、でも付き合ってないし体の関係もない
・この話の前に、実は海東にレイプされてる(内容があまりにもアレなんでこれは別スレに投下)
・夏海は処女(だった)
ダメな人はスルーしてください
俺は、大ショッカーの大首領だった。
その事実に、間違いはない。組織の記憶はあるし、月影や小夜との思い出もちゃんとある。
ライダー討伐の旅に出たのも、滅びより征服を選んだのも、全部自分の判断だったっていう確信はある。
ただ、全部を思い出したわけじゃないのも本当だ。
結城丈二のこともそうだが、過去の自分の記憶と今の自分の感情が一致しないことは多い。記憶と感
情は必ずしも同じ引き出しに入っているわけじゃないってことを、俺はこれまで何度も身をもって実感
していた。
それでも、今度ばかりは過去の自分をぶち殺してやりたいと本気で思った。
大ショッカー時代、海東と俺との間に何かがあったらしい。そんなことを言われて即何かを思い出せ
るわけもなく、ましてやその時の俺が何を考えてたかなんて、今の俺にはさっぱりだ。どうしようもな
いってのが俺の本音だが、海東はそれじゃ到底納得できなかったらしい。
いつまでたっても、何も思い出さない俺に業を煮やした海東は、ついに直接的な報復へ出た。
不意を突かれ呆気なく海東にのされた俺は、気がつけば見知らぬ部屋で椅子に拘束されていた。そこ
で聞かされた過去は、どう考えても非常識すぎて現実味の欠片もない話だった。
曰く、当時の俺は男も女も、年齢も、恋人の有無も、相手のことなど何一つ構わず、ただ己の欲望を
満たすためだけに手当たりしだい部屋へ連れ込んだ。時には鎖でつなぎ、あるいは薬を飲ませ、抵抗す
るものは力づくで犯し、そして飽きた側から捨てていたのだと。
昔の自分はバイセクシャルだったなんて言われて、そう簡単に信じられる訳がないし、信じたくもな
い。あまりの衝撃に本気で眩暈と吐き気が止まらなかったが、実際に海東の手つきは何から何まで慣れ
ていただけに、どれだけ否定したくてもできないのが本音だった。
何より、その話を認めれば今までのあいつの不可解な言動も全て納得がいく。
それでも、そんなもの信じられるかと突っ撥ねた俺の前で、海東はよりにもよって全く関係のない夏
海にその薬物とやらを与え、無理やり脚を開かせた。
そして涙を流しながら俺の名を呼び、助けを求め手を伸ばしてくる夏海の無垢な体を、海東は欲望の
ままに蹂躙した。
「夏海……」
全てが終わりようやく解放されたものの、ロープですれた手首と足は思う様に動かない。それでも、
体を引きずるようにして夏海の側へと行き、馬鹿みたいにでかいベッドの上に這い上がる。
背後で海東が出ていく気配があったが、奴に対する怒りよりも、夏海への気持ちの方が遥かに上だっ
た。
「……さ、くん…血、が……」
海東によって身も心もずたずたに傷つけられたばかりだというのに、それでも夏海は俺を心配してい
るのか、血のにじんだ唇にそっと指を伸ばしてきた。痛々しくもいじらしいその姿に、胸の奥が引き裂
かれるような苦痛が走り、俺は思わず夏海の体を力いっぱい抱きしめた。
「………すまない…」
自分の命を分け与えてでも助けたいと思った。それほど、俺にとって夏海は大切な存在だった。
なのに、女にとって大切な物を、最低最悪の形で奪われ無残に穢される姿を、俺はただ見ていること
しかできなかった。
「すまない、夏海……ごめんな…」
海東へでなく、過去と今の自分への怒りで目の前が滲む。言葉もなく、ただじっとされるがままにす
る夏海の体は、微かに震え続けている。力なく投げだされた白い脚の間からは、純潔の証である赤いも
のと海東が吐きだした欲望とが混じったものが流れていたのを、俺は確かに見た。
畜生。
頭の中に浮かぶのは、その言葉だけだった。怒りを通り越し、気が狂いそうな程の激情で眩暈がする。
しかし、今はこいつをどうにかしなければならない。あの変な薬が何なのか、なんとなく理解はできる
が、他にも副作用がある可能性がある。手首や首筋の傷も消毒してやらなくちゃならない。
とにかく医者へと思った瞬間、冷や水を浴びせられたように唐突に頭の芯が冷えた。
他の奴に、夏海を見せる?
この傷ついた姿を、他の奴の目に晒させる??
医者へ行けば、当然何があったかは即座に見抜かれる。そうすれば、間違いなく警察沙汰だ。後はや
れ調書だなんだと、根掘り葉掘りおこった出来事を尋ねられ、あらゆる証拠を採取するために全身を隈
なく調べられるだろう。
そこまで考えが思い至った時、俺は全身が総毛立つような怒りを覚えた。
そんなこと、絶対にさせねぇ。
音がするほど激しく奥歯を噛みしめ、目の前ではないどこかを睨む。こんな胸糞悪い場所にいつまで
もいる必要はないと、俺は夏海を抱きあげ写真館へと戻った。
幸いなことに、今夜は爺さんは飲み屋で作った仲間と温泉旅行に行っているし、ユウスケは八代の月
命日で自分の世界へ帰っている。珍しいことにキバーラも出掛けているらしく、俺は無人の写真館の廊
下を突き進んで、扉を蹴り破るようにして浴室へと飛び込んだ。
勢いよくシャワーを出すと、冷たい水が俺達の肌を打った。
「服、濡れちゃいます…」
少しずつ暖かくなっていくシャワーを頭から浴びながら、夏海が遠慮がちにそう呟き、体を離そうと
した。全く、何でこの状況で俺のことなんて気にするんだ。
「どうせ洗うんだ、構うな」
「でも………」
「いいから」
濡れたジャケットを薄い肩からはぎ取ると、予想通り夏海の体が大きく震えた。なるべく視線を落と
さないようにしながら、ボディーソープを手に取る。しかし、ボディブラシで全身を擦るのは、なんだ
か躊躇われた。
「………泣いても叫んでも殴っても噛みついてもいい。気が済む様にしろ」
意を決し、その肌の上へ直接ボディーソープを塗り広げる。直に触れる指の感触に怯えたのか、夏海
の体がみるみるうちに硬くなっていくのが分かったが、なるべく他意を感じさせないように注意しつつ
全身へと泡を塗り広げた。
濡れたシャツに必死にしがみ付き、カタカタと小刻みに震えている夏海の脚をそっと撫で、その先の
覚悟を促す。
「力抜け…って言っても無理だな。我慢しろよ」
「……っっ!!」
硬直する薄い背中を抱きしめ、海東によって最も無残に蹂躙されたそこへ、指を押し込む。傷つけな
いよう、慎重に中に注ぎ込まれたものを掻き出してやると、噛み殺しきれなかった小さな声が耳にすべ
り込んできて、俺はますます息が苦しくなった。
いっそのこと自分の体が引き裂かれてしまったほうが、どれほど楽だっただろう。
「終わったぞ」
視線を僅かに動かし、濡れた茂みの奥から何も出てこないことを確認する。全身の泡を洗い流し、ま
だ震え続ける夏海からそっと体を離そうとすると、予想に反し逆にしがみ付かれた。
「おい……」
「……や……一人、は………お願い…」
胸元にしがみ付かれ、震える声で哀願される。今まで、命の危険に晒されたことだって幾度もあった
が、それでもこいつがここまで本気で怯えたことはなかった。それほど恐ろしかったのだと思うと、言
いようのない感情がこみ上げてきた。
怯えさせないように、そっと胸の中に抱き寄せる。
「大丈夫だ。もう、あんな目に合わせたりはしねぇ………」
お前は、俺が守る。
そう断言してやりたいのに、海東から言われた過去の自分の行いが頭をよぎり、どうしてもその言葉
が出ない。絶対に信じたくはないが、海東の言葉はきっと間違いない事実で、そんな自分に夏海が好き
だと言える資格があるとは到底思えなかった。
言葉にできない想いを託し、せめてもとばかりに深く抱きしめると、信じられないような言葉を告げ
られた。
「……好き」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。聞き間違いかと思って思わず首をかしげるように視線を
落とすと、夏海は肩に顔をうずめるようにしながら、しがみつく腕により一層力をこめてきた。
「ずっと、士くんが好きでした……初めてなら、士くんとがいい…って………でも…」
そう言って、夏海は肩を震わせながら静かに泣き崩れた。その肩を無意識のうちに抱きしめながら、
俺は馬鹿みたいに頭の中で言われた言葉を繰り返した。
俺はこいつが欲しいと密かに思ってて、夏海は夏海で俺とならそういう関係になってもいいって思っ
てた。俺達は互いに距離を測りすぎてて、あと一歩を踏み出せなかっただけで、本当は想いは通じ合っ
ていたのか。
俺達は、いや、俺はなんて馬鹿なんだ。
「俺は……悪魔で破壊者で」
だけど、平凡な幸福を求める権利なんて、俺にはない。戒めと自嘲を込めて、言い逃れのできない事
実を夏海と自分に突きつける。
全ては俺自身が招いたことだ。
「大ショッカーの大首領、だ………お前に、そんな風に思われる資格なんて」
ない。
そう言おうとした矢先に、小さく、けれどもはっきりと首を横に振られた。
「昔の士くんは、怖い人だったかもしれません。でも、今は違います……」
「夏海」
「士くんは、士くんです……私は、士くんが………」
ぎゅう、とシャツを握る指が色を失い、肩に押し当てられた額が嗚咽に震えた。ザァザァと音を立て
て降り注ぐシャワーの中で、俺は心の中で繰り返し自問自答した。
いいのか?
俺はこいつの手を取って、好きだと言い、その全てが欲しいと望んでもいいのだろうか。単に酷く傷
ついたばかりで、気持ちが弱っているだけかもしれないのに。
それでも、これは夏海の本心なのだと頭のどこかで確信できた。
こいつは確かに気が短いし、俺ほどじゃないにしろ素直じゃない。だけど、一時の気の迷いでそんな
ことを言うほど、軽い女じゃないことも確かだ。それに、俺が大ショッカーを率いていたことはとうの
昔に知っているし、実際に一度は拒絶もされた。
それでもこいつは、俺をまたこの家へと迎え入れてくれた。
「……お前がこんな目にあったのも、全部、俺のせいなんだぞ?」
俺は何をこんなに恐れているんだろう。冷静になったこいつに、また拒絶されることか?それとも、
一人の女に縛られることが怖いのか?
なにもかもが、わからないことばかりだ。
「もしそうだとしても、士くんは大樹さんに向かって、やめろって叫んでくれました……血が出るくら
い唇を噛んで、手に怪我をしてまで、私を助けようとしてくれた……それだけで十分です…」
ようやく体を離した夏海が、俯けていた顔を僅かに上げた。そこに浮かんでいたのは、どこまでも透
き通った悲しげな笑みで、俺はそのまま夏海がどこかに消えてなくなるんじゃないかという錯覚に襲わ
れた。濡れた肌に血が通っていることを確かめたくて、思わず頬へと手を伸ばすと、夏海は再び俯いて
首を横に振った。
「……もう、汚れちゃったから…ごめんなさい、ありがとう」
手の甲で目元をぬぐい、顔を背けて立ち上がろうとする夏海を、俺は殆ど条件反射で抱きすくめてい
た。
汚れたと、確かに夏海はそう言った。シャワーの音にかき消されるような小さくか細い声だったが、
聞き逃すはずがない。海東に犯されて、自分はもう汚れてしまったと夏海は思いこんでる。だから、好
きだったという過去形での告白をした。それはつまり、もう俺がこいつをそういう対象として絶対に見
ないだろうと、諦めているってことだ。
一方的にコクられて、しかも答える前に逃げられるなんて、冗談じゃない。
「どこも汚れてなんかねぇよ……お前は何も変わっちゃいねぇ」
「士く、ん」
「俺はロクでもない人間だ。それぐらい、自分でもわかる。けど、そんな俺をお前は全部受け入れてく
れた。破壊者だとか悪魔だとか、大首領だとか、なにもかもをひっくるめた上で、ここに帰ってきても
いいんだって言ってくれた。お前のおかげで、俺は今の俺になれたんだ」
感情を口にすることは、えらい気力がいる。けど、今それをしなければ、俺は今度こそ本当にこいつ
を失うことになる。
大きく息を吸い込み、ずっと形に出来なかった想いを告げる。
「好きだなんて単純な気持ちじゃない。お前がいるから、俺は戦える。けど、お前がいなけりゃ、世界
なんて意味がない………あの日、お前が目の前で命を吸い取られて倒れた時、俺がどれだけ怖かったか
分かるか?」
怯えさせないよう、だけど逃がさないように細心の注意を払って、ゆっくりと夏海の顔を上げさせる。
きめの細かい肌に幾つもの水滴が弾けて、俺は心の底からそれを綺麗だと思った。
驚きに見開かれた瞳を真っ直ぐにみつめ、万感の思いを託した笑みを浮かべる。
「愛してるってのは、きっとこういう気持ちをいうんだろうな……お前が俺の世界だ、夏海」
そっと、両の頬を手で包みこみ、瞳を覗きこむ。もとから大きな瞳が、信じられないものを見るよう
に震えていた。そこに拒絶が浮かばないことを祈りつつ、額と額をくっつける。
「つかさ、くん……」
「……キス、していいか?」
ねだるように尋ねると、夏海は幾度か目を瞬かせた後、恥じらう様に眼差しを伏せた。それを了承の
意と捕え、そっと触れるだけのキスを落す。
初めて触れた夏海の唇は、とても柔らかくて、少しだけ甘い味がした気がした。
「もう離さねぇからな。覚悟しろよ」
ようやく色の戻ってきた唇が、返す言葉を探して震えた。辛抱強く答えを待っていると、やがて言葉
を探すことを諦めたのか、夏海は腕を回し抱きついていた。
「離さないで下さい……ずっと…」
「ああ。ずっと、だ」
ようやく安らかな笑みを浮かべた夏海を抱きしめ、俺はおそらく初めて心からの幸福というものを実
感した。
しばらくの間、そうして抱きしめていたが、いつまでもこんな格好でいられるわけもない。少しばか
り名残惜しい気もしたが、俺は夏海から軽く体を離すと、目の前にある額に軽いキスをした。
「先に出ろ。今日は爺さんもユウスケもいねぇから、安心して部屋に戻れ」
「……はい」
よろよろとおぼつかない足取りで夏海が浴室を出ていった後、俺は頭から冷水を被った。あまりにも
いろいろなことがあって、頭が混乱してる。
「くそ……っ!」
贖罪、という言葉が瞬間的に脳裏をよぎった。因果応報とはよく言ったものだと、過去の自分の悪行
に心底嫌悪感を覚える。苛立ちと共に濡れた洋服を全て洗濯機へと投げ込み、バスローブを引っかける。
無造作に扉を開けると、夏海が壁に背を預け廊下に蹲っていた。
「お前、本気で風邪ひきたいのか?」
髪の毛も濡れたまま肌寒い廊下で蹲る夏海の横に膝をつくと、顔を伏せたままで袖口だけを掴まれた。
まるで子供の様だとおもいつつ、空いている手で濡れた髪をなでてやる。
「ほら、早く戻……」
言い終わらないうちから、夏海は俺の胸に飛び込む様にして抱きついてきた。肩に頭を押し当て小さ
く首を振る夏海に、流石の俺も理性の限界を覚えた。
「お前な……俺にも限度ってもんがあるんだぞ」
「………」
襲うぞと、言外に匂わしてみたが、夏海はぴったりくっついたまま離れようとはしなかった。俺は眩
暈がしそうな頭に手を当て、深く溜息を吐きだした。
「勘弁してくれ………一種の拷問だぞ、これは」
気持ちを確かめ合った直後に、互いにバスローブ姿で抱きあって、これでその気にならないほうがお
かしい。むしろ、ここまでされてなお感情をコントロールできてる自分を誉めてやりたいぐらいだった。
海東によって植えつけられた恐怖心を少しずつ拭っていってやろうと、そんな殊勝なことを考えてい
た俺のことなどお構いなしで、夏海は両腕を首に絡めるとより強くしがみ付いてきた。当然、腰のあた
りにだんだんと何かが集中してくる。
まずい。
本気でまずいぞ。
「夏海、頼むから」
「……いて」
「あ?」
耳元で小さく囁かれた言葉を聞き取ろうと首を回したが、夏海は顔を見せまいとでもするように絡め
た腕にさらに力を込めた。
「抱いて、下さい………こんな体でもいいなら…」
啜り泣きにも近い声で囁かれた言葉に、全身の血が一気にカッと熱くなるのが分かった。すぐにでも
暴走を始めそうな思考回路をどうにか制御したものの、正直どこまでもつか分からない。
動揺を悟られないよう、ことさらゆっくりとした口調で話しかけた。
「そんなに自分を卑下するな……お前は何も悪くないし、汚れてもいねぇ。ついでに言えば、俺は今す
ぐにでもお前を抱きたいのを、必死に我慢してるんだぞ?」
ぐい、と体を密着させると、反応を示し始めているそこを布越しに感じ取ったのか、夏海の体が一瞬
だけ強張った。その背中を優しく撫で、無理はするなと耳元に吹き込む。
「焦る必要はねぇ。お前が本当にいいって思うまで、待っててやるから」
「………怖いんです…まだ、大樹さんに触られてる気がして……」
「少しずつ忘れていけばいい」
気休めだと自分でも思う言葉を告げると、夏海は大きく首を横に振った。
「なら、忘れさせてください………士くんの全部で、何もかも塗りつぶして」
苦しいくらい激しく脈打ち始めた心臓が、ドクン、とひと際大きく震えた。布越しに感じる細い体の
感触に、どうにも制御しがたい欲望が一気に全身に広がっていく。心の奥底に押さえこんでいた衝動が、
一気に噴出したのが自分でもわかった。
海東が残したものなんて、跡形も残らないぐらい徹底的に塗りつぶして、忘れさせたい。
「……本当に、いいんだな?」
答えは、しがみつく腕の感触。俺は無言で夏海の体を抱き上げると、逸る気持ちを押さえゆっくりと
夏海の部屋へと向かった。
ベッドの上に静かに腰を下ろし、濡れた髪を何度も撫でていると、しがみつく腕の力が僅かに緩んだ。
俯いたままの顎に手を添え、そっと上を向かせる。カーテン越しの僅かな月明かりの中で、涙に濡れた
瞳が戸惑うように揺れていて、それだけでくらりと視界が大きく揺れた。
「夏海……」
つぅ、と親指で唇を撫でると、慄くように震えていた唇から小さな溜息が零れた。それに引き寄せら
れるように顔を寄せる。触れては離れ、戯れのようなキスを繰り返すうちに、緊張の解れなかった唇が
ようやく綻んだ。すかさず舌をその隙間からすべり込ませ、驚き逃げる夏海のそれへと絡める。舌先で
誘う様につついてやると、やがてぎこちない動きで応えてきた。
どこまでも初心な反応が、心の底から愛しかった。
「……んっ…」
鼻から抜けた甘ったるい呼吸が頬に触れ、頭の芯が軽く痺れる。耳元や首筋を触れるか触れないかの
ぎりぎりのところで撫でると、ところどころで小さな反応があった。それと共に夏海の体から徐々に力
が抜けてきて、その反応が恐怖から起こる拒絶ではないことを確信した俺は密かに安堵した。
唇は重ねたまま、ゆっくりと腕を下ろし、バスローブの紐へと手をかける。怯えさせないように、慎
重にそれを解くと、肩にかけられた指に力が込められた。唇を解放し、その背中を抱きよせながら、耳
元で低く囁く。
「お前が欲しい………全部見せてくれるか?」
いつもの自分からは考えられないぐらい、えらく慎重になってしまうのはどうしようもないことだと、
内心で自己弁護をしてみる。腕の中で深呼吸を繰り返していた夏海が、こくん、と小さく頷くのを待っ
て、その肩からバスローブを静かに落した。
夜気に晒された肌は抜けるように白くて、触れたら壊れてしまいそうだった。
「綺麗だ……」
思わず目を細めそう呟くと、夏海の頬が一気に赤く染まった。最後の抵抗とばかりに胸元を隠す腕を
とり、その手の甲に唇を押し当てる。軽く噛むようにしながら唇をずらしていき、細い手首に透ける血
管を舌でなぞると、また一つ甘い溜息が零れおちた。
抱きしめた体を、ゆっくりとシーツの上に押し倒す。戸惑いと恐怖と、そしてどこか縋りつくような
不安げな眼差しで見上げてくる夏海の姿に、獣のような欲求と深い慈愛と、まったく異なる感情が同時
に湧き上がってきた。
「士くん……」
握っていた手を捻り、夏海が指をからませてくる。その指をしっかりと握りしめてやると、ほんの僅
かだが安心したような笑みが浮かんだ。愛撫をするには少々、いや、かなり不便だが、繋いだ指先から
伝わってくる安心感にこちらも自ずと笑みが浮かぶ。
「大丈夫だ、何も考えなくていい。全部任せとけ」
「ん…」
恥じらい小さく頷く姿に、うっかりすると頭のねじが全部吹っ飛びそうになりながら、少しずつその
肌に快楽を与えていく。細い鎖骨に唇を寄せ、胸元へと手を滑らせる。掌から零れそうな大きさのそれ
を、軽く下から押し上げるように刺激してやると、細い眉が切なげに寄せられた。
「あっ……!」
その頂きに揺れる蕾を舌で包み込むと、小さな声が零れた。それを拒むようにすぐに硬く唇を噛みし
める夏海を宥めるように、たっぷりと時間をかけてそこを責めてやる。舌全体ですくうように舐め、あ
るいは押しつぶし、少しずつ硬くなっていくそれを舌の先で存分に転がす。
やがて、引き結ばれていた唇が再び綻び、そこから甘い声が零れ始めた。
「ふぁ……あ、ん……やっ」
艶やかな喘ぎ声に、興奮が一気に高まっていく。先を焦る気持ちを誤魔化し、もう片方の乳首を口に
含むと、薄い背中が軽く逸らされてシーツとの間に僅かな隙間を作った。
そこへするりと腕を回し、背筋をそっと指でなぞり上げると、ますます大きく背中が逸らされた。
「ぁんっ、ん……」
胸を愛撫していた唇を外し、うっすらと涙を滲ませた瞳を上から覗きこむ。どこか焦点の合わない視
線を彷徨わせていた夏海は、俺の視線に気づいたのか、逃げるように顔を横に向けた。仄かに上気した
首筋に舌を這わせ、柔らかな耳朶に軽く噛みついた。
「隠すなよ……もっと見せろ」
「や…恥ずか、し……」
「感じてるってことは、お前が全身で俺を受け入れてるってことだろ?恥ずかしくなんかねぇよ」
真っ赤に染まった頬に、音がするような大きなキスを落すと、困ったような目で見上げられた。それ
があまりにも可愛くて、頭の奥で何かが音を立てて吹っ飛んだ気配がした。
好きな女を苛めたくなるのは、これはもう間違いなく男の本能だ。
「それとも、俺が怖いか?」
あえて自虐的な質問を投げかけてみると、一瞬だけその瞳が悲しげに震えた。だが、すぐに空いた片
方の手で頭を抱き寄せられ、俺は素直にそれに応じた。顔の横で、違う、と幾度か首を横に振られたこ
とに安心した自分にほとほと呆れる。
俺はこいつに対して、どれだけ憶病なんだ。
「……士くんが触った所、すごく温かくて…なんか、変になっちゃいそうです」
「それでいい」
視線を合わせ、どちらからともなく微笑む。なだらかな曲線に掌を這わせ、双丘を柔らかく掴み、そ
の先を促す。流石に両膝が硬く閉じられたが、ウエストや足の付け根などを根気強く刺激し続けると、
ようやくその力が抜けた。
そっと指でそこをなぞると、熱く熟れた証拠にぬるりと蜜が絡まった。
「すげ…」
嘆息の溜息と共に囁くと、そこがきゅうと締まった感覚が指先に伝わってきた。ずっと握ったままだ
った手に、もう片方の手が重なり、何かに耐えるように強く握りしめられる。緊張と恐怖ではなく、快
楽でその肌を染めたくて、濡れたそこを何度も浅く撫でる。そうして少しずつ指を深く沈めていくと、
ようやく指先に隠れていた蕾が当たる感触があった。
そこを軽く転がすように押しつぶすと、夏海の体が大きく跳ねた。
「あっ……あ、あっ!」
「大丈夫だ、逃げるな」
「やっ……だめ、おかしくな、るっ……」
「そのまま感じてればいい。その声、もっと聞かせろ」
「ぅんっ……あ、ああっ、あっ」
だんだんとあがる声が短くなってきて、それを追いかけるように指の動きも大きくなる。硬く目を閉
ざし何かを耐える夏海の瞼に、軽いキスを落した。
「目ぇ開けろよ」
「ぁっ……かさく、んっ」
「そうだ…ちゃんと見てろ」
「士く……ん、んんっっっ!!」
涙を湛えた瞳が細く眇められ、全身が強く震える。目を逸らすまいと必死に俺の顔を見つめたまま、
薬物などの効果ではない本当の快楽に溺れ喘ぐ夏海の姿に、その先を渇望する気持ちよりも満ち足りた
気持ちの方が勝った。
震えがおさまりぼんやりと見つめてくる夏海の額に盛大なキスを落し、その体に上掛けをかけてやっ
た。不思議そうな顔をした夏海が、視線だけで何故と問いかけてきて、俺は返答に窮し苦みを混ぜた笑
いを浮かべて誤魔化した。
どうして、と無言で尋ねられ、俺は酷く間抜けな答えを返すしかなかった。
「ゴムがねぇ」
言葉の意味が理解できなかったのか、夏海が一瞬だけ眼を丸くした。こいつ、本当にこの手のことに
関しちゃさっぱりなんだな。
とはいえ、記憶をなくしてからこっち女を抱いたことはないのに、そういう方面の知識だけはすんなり
出てくる俺も正直どうかとは思う。
本音を言えば、このまま最後までいきたい。しかし昔の俺の行状を考えれば、そのままヤるってのは
まずすぎる。そう考えると海東のほうも相当怪しいが、だからといってあえて更なる危険を冒す必要は
ない。
「ここに来てからはともかく、その前の俺は何してたか全然分からねぇからな。変な病気でも持ってた
ら、洒落にもなんねぇだろ?」
ニヤリ、と意味ありげに唇を歪ませて言うと、ようやく夏海も何の話をしているのか理解できたらし
い。快楽とは別の意味で耳を赤くして、布団を目元まで引き上げると、困ったように視線を彷徨わせて
いる。妙に子供っぽいその仕草と、さっきまでの淫らな姿とのギャップの激しさに、今度こそ笑いがこ
み上げた。
「そういうこった。今日はここまでだ、いいな」
間違っても、海東に犯された後だからとか、そんな訳じゃないことを強調する。しばらくの間、布団
ごと胸元に抱き寄せその長い髪を指で梳いて弄んでいると、夏海はふと何かを思い出したのかごそごそ
とベッドから抜けだした。
そしてそこらへんに丸まって落ちてたバスローブをどうにか羽織ったかと思うと、何故か突然机の引
き出しを漁り始めた。
「あった…」
どこか安心したような呟きと共に、小さな四角い包みを手に戻ってきた夏海は、おずおずとそれを差
し出してきた。何か文字が書いてあるが、月明かりだけが頼りの状態で読めるわけがなく、仕方なくベ
ッドサイドのランプをつける。
「………なんでこんなもん持ってんだ?」
「えっと……前に渋谷かどこかでキャンペーンやってて、普通にティッシュと一緒に渡されました」
しどろもどろになった夏海が差し出した包みには、『STOP AIDS!』と書かれている。モノ
自体は非常にありがたいのだが、今の状況にはまりすぎた言葉に思わず頬が引きつった。
なんていうか、本気で不安になってきた。
それにしても、白昼堂々と若い女にコンドームを配るとは随分と大胆なキャンペーンだ。しかもまた、
よくそれを持ってたものだと感心の目で見ると、何か勘違いしたのか夏海はどんどん声を小さくしてい
った。
「最初は何だかわからなくって、捨てようかとも思ったんですけど、でもおじいちゃんとかに見つかっ
たら恥ずかしいし………」
ごにょごにょと口ごもり、声だけでなく体も小さくしていく夏海を抱き寄せ、俺は思わずその額に派
手なキスを落した。
「上出来だ」
「………!!」
かぁ、と全身を赤く染めた夏海が頭から布団をかぶった隙に、遠慮なく包みを開ける。準備を整え布
団をめくると、夏海はすっかり正気に戻ったのかますます奥へと逃げようとした。その体を簡単に引き
戻し、背後から軽く耳朶を噛む。
「ぁっ!」
「言ったろ、何も考えるなって。お前はただ、全身で感じてればいい」
素直な反応を示す肌を隈なく愛撫し、もう一度甘く濡れた声を上げさせる。少しずつ蜜をあふれさせ
始めたそこを丹念に指で解すと、動きに合わせて切なげな声が絶え間なくあがった。
いい具合に力の抜けた体をひっくり返し、その上に覆いかぶさる。
「いいな……?」
わざと濡れた音を立ててそこを掻き混ぜながら、最後の覚悟を確かめる。抱きついて小さく頷きはし
たが、伸ばされた腕は小刻みに震えていた。その震えが消えることを願いながら、張り詰めた自身を蜜
口に当てる。
「………キツかったらすぐ言えよ?」
細い体を抱きしめながら、ゆっくりと腰を進めると、背中に爪が食い込む感覚があった。緊張から浅
い呼吸を繰り返す夏海に合わせ、匍匐前進でもするような気持ちでじりじりと奥に進めていくうちに、
ようやく完全に一つになることができた。
絡みつく柔らかな感覚に、無意識のうちに溜息が零れた。
「全部入ったぞ」
「はっ……ぁ、ん…」
「お前のナカ、すっげぇ気持ちいい……」
「んんっ!」
動き出したい気持ちを押さえ、じっと夏海を抱きしめたまま呼吸を合わせてやる。ただ繋がっている
だけなのに、背筋が震えるような快感が全身に走って、無意識のうちに奥場を噛みしめていた。
「士くん……」
恐怖からか、痛みからか、それとも快楽からか、涙を滲ませた瞳で見つめてくる夏海の唇が、確かめ
るように俺の名を呼んだ。その声に、海東に組み敷かれながら俺を呼んでた夏海の悲痛な声が、一瞬だ
け耳の奥に蘇る。けど、今耳に聞こえた囁きは、苦しそうではあるが酷く温かい響きをしていた。
荒い呼吸を繰り返す唇を塞ぎ、角度を変えながら深く口づけると、背中に食い込んでいた指の力が徐
々に抜けていった。
「痛いか?」
「大丈、夫……ちょっと苦しいけど…痛くない、です……」
「そうか」
よかったと、小さく耳元で呟くと、柔らかく抱きしめ返された。もう一度唇を重ね、額を合わせ顔を
覗きこみ、互いの目にはっきりとした愉悦の色が浮かんでいることを確認する。
「悪ぃ……限界だ、動くぞ」
「んっ!」
ゆっくりと、だけどどうしても押さえきれない動きで、細い体を何度も揺さぶる。けれどそれは、快
楽を貪るような激しいものではなく、心を満たすような酷く緩やかな律動だった。少しずつではあるが、
その吐息に甘さが混じってくるのを確かめながら、キスを繰り返し徐々に深く求めあってゆく。
記憶にも、そして無意識の感覚にもないような酷く甘ったるいセックスだが、今はそれが心地よかった。
「夏、海……」
その全てが欲しいと願った相手が、腕の中で悦びに震え、全身で自分を受け入れてくれている。体で
感じる快楽よりもなによりも、それが嬉しかった。セックスというのは、欲望を満たすだけじゃない。
互いの愛情を確かめ合う行為なのだということを、理屈ではなく感覚で理解する。
きっと昔の俺は、そんな簡単で大切なことを全く知らなかったんだろう。
「士っ、く…ん」
ますます強くしがみ付いてくる腕を解き、片方だけ握り締める。気を抜くとあっという間にまっ白い
闇に塗りつぶされそうになる意識を繋ぎ止めたくて、確りと互いの指を絡めあう。
「…好き……つかさくん、が、好き…っっ」
深く乱れる呼吸の合間に、途切れ途切れの告白が混じるのを聞きながら、体中が温かい何かで満たさ
れる心地よさに目を閉じた。心と体の奥深い場所が繋がり、あらゆる苦痛から解放されとても満ち足り
た気持ちになる。
「俺もだ……夏海」
快楽に浮かされながら、紛うことなき気持ちを告げ、互いの魂を共鳴させる。痛いぐらいの幸福感を
全身で感じながら、俺達は初めて共有した快楽に全ての感覚を解放した。
「……キツかったか?」
ぐったりと体を預けてくる夏海の髪を梳きながら尋ねると、小さく微笑んで首を横に振られた。甘え
るようにすり寄ってくる体を柔らかく抱きしめ、髪の毛に鼻先を埋める。
気だるさと共に忍び寄る睡魔の気配を感じながら、この後のことを考える。何もないことを祈りたい
が、万が一ということがある。夏海の体のことを考えれば、行かせたくないと言う感情論でどうにかし
ていい問題ではなかった。
覚悟を決めて、口を開く。
「明日、病院に行くぞ」
「え……?」
「俺が失敗したってことにして、ちゃんと検査してもらえ。そういう時の為の薬があるはずだ」
婦人科に行って、避妊のための薬を貰って来いと伝えると、流石に夏海の体が強張った。それを強く
抱き寄せ、何度も頭をなでてやる。
「大丈夫だ、俺も一緒に行ってやる」
「で、でも……」
「爺さんとユウスケなら気にするな。それに、隠すつもりなんてこれっぽちもねぇしな」
困惑の眼差しを向ける夏海の顔を覗きこみ、唇の端を引き上げる。明日、ユウスケが目を丸くする姿
が目に浮かぶようだった。
「言っとくが、俺はデリカシーも遠慮もないからな。覚悟しとけ」
「え?え??」
「逃がさねぇって言ったろ?今更恥ずかしいからヤダなんて文句は聞かねえぞ」
青くなったり赤くなったり忙しい夏海を胸に閉じ込め、俺は嬉しさからくる笑いで肩を震わせた。今
はまだ無理はできないが、いずれ昼も夜もないぐらい徹底的に抱きつぶしてやる。
その前に自分の検査もきっちりしておかないとなと、妙に冷静なことを考えながら、俺はようやく手
に入れた恋人を深く抱きしめた。
549 :
537:2011/04/05(火) 07:06:05.70 ID:Z8++Nl6J
以上です
gdgdな上にえらい長文になってすいませんでした
規制にひっかからなくてよかった……
んああああ切ないツラい!だが士がカッコ良すぎて悶えに悶えたGJ!
恥ずかしがりながらゴム差し出す夏海が可愛かった。「上出来だ」って言いそうだ士w
出だしはちょっと痛々しかったけど、慈しみ合う二人の姿が見えるようで良かった。改めてGJ!
>>537 別スレも見てきた…文字通りの意味でお疲れ様です…
すっかりいい人になって医学知識も適切な士に和んだ
これからは円満で健康的な性生活が待ってるな、胸熱
552 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 10:08:37.60 ID:UlEMf6ye
>>537 GJ!!
切ない、切な過ぎる…!!
海東、お前なんてことを…
士の優しさに読んでるこっちが泣きそうだ!!
優しさ100パーな士も良い!!
って思ってたら最後の最後でお前ww
別スレが分からんから読めないのが残念だが、これだけでも十分楽しめた!
ありがとう!
>>537 GJGJGJ!
士が優しくてカッコ良くて涙と涎の両方が出た。
切ないけど絆が深まって良かった。
良作の後で恐縮ですが、自分も士夏投下させて下さい。
>>513氏の書き込みに滾って書いてしまった花見作品です。
内容的にはほのぼの、エロはぬるめの寸止め。
NGはDCD士夏「”二人の世界”」でお願いします。
春。桜は見頃を迎え、行き交う人々を和ませていた。
今回辿り着いた世界は、空気がきれいで長閑な田舎町。
名所であろう公園では、沢山の桜が今を盛りとばかりに咲き続けている。
そうなればと、誰が言うともなしに練られた花見計画。
自営業の利点を活かしてやって来てみると、やはり平日の公園内は人も少なかった。
一番きれいだと思える木の下にシートを広げられ、まさに言うことなしの万々歳。
「士、こっちこっちー!」
「おいお前ら、人を差し置いて早速宴会かよ。いいご身分だな」
栄次郎に頼まれた納品作業を渋々こなし、遅れてやって来た士は、既に空いている酒の缶に呆れ声を上げた。
「まぁまぁ、拗ねないで呑めって」
「呑めねぇ。車だ」
「あぁそっか、写真でっかいからレンタカー借りたんだっけ。残念だな」
笑うユウスケ。顔が赤い。酒臭い。愉快なうちはいいが、一定量を越えると泣きが入るか説教になるかがいつものパターンなので、早めに切り上げた方がいいかも知れない。
「士」
と、おかずを盛った紙皿を差し出されて顔を上げれば、いつも通り飄々とした海東の笑顔。
「お前が作ったのか?」
「勿論、この僕が腕を揮った特製花見弁当さ。士の好みは知り尽くしているからね」
「違います、私が作ったおかずもあります。大樹さんが全部作った訳じゃありませんっ」
割り込んで来た夏海が、子供のような仕種で頬を膨らませる。
正直、毒さえ盛られなきゃ何でもいい。士は答えず、とっとと空腹を満たすことにした。
「どうだい士?この鰤の照焼き、実に見事な味わいだろう?」
「いいえ、私の卵焼きと煮物の方が美味しいです。士くん、野菜好きですもんね?」
「どっちでもいいっ」
だが、食べ始めた瞬間から左右構わず繰り広げられる料理自慢がまったくもってめんどくさい。
海東はともかく、夏海がここまで食い下がるのは非常に珍しいと言えるが…と、溢れる缶の山に、ふと抱く疑問。
「…これ、どんな配分で呑んだんだ?」
「ん?えーと、俺が4本で海東も4本。夏海ちゃんがー…2本だっけ?」
「ユウスケ、はずれ。3本目でーす」
指を3本立て、実にあっさりと訂正してのける夏海に、士は衝撃を受けた。
こいつ、そんなに酒には強くなかった筈。
いくらジュースのような飲み口だからと言って、いやだからこそ、ぐびぐび行ってしまうのは危険過ぎる。
勝利ポイントのよく分からない海東との争いにも合点が行った。早い話、二人が二人とも結構な酔っぱらいなのだ。
「もうやめとけ」
「何でですかぁ」
呑みかけの缶を取り上げたが、既に殆ど残量はなかった。
「どれだけペース早いんだよ」
「士くん、頑固オヤジみたいですっ」
「夏海ちゃんは士の母だから、頑固オヤジなら夫婦みたいでちょうどいいんじゃない?」
「待ちたまえ小野寺くん。頑固オヤジの母は祖母だろう?そうなると二人は親子であって夫婦ではなくなる訳で、」
「だからどっちでもいい!」
酔っぱらい3人に対し、素面は自分一人。これは不利だ、端から理屈なんて通じる訳もない。
男共が酒を呑んでクダを巻くことはある程度想定していたが、夏海までもが引っ張られるとは思わなかった。
珍しく車があることだし、酔っぱらいは適当に放置して二人でドライブでもと画策していなくもなかったのに。
「ユウスケ失礼です、母でも祖母でもありません!私は士くんの、」
ひと息に言って、ぴたりと止まる。
「…士の。何なのかな、夏メロン?」
からかうように、顎を突き出して迫る海東。
途端に完熟みかんの如く真っ赤になり、うっすらと汗が滲ませながら俯く夏海。
何だよ、堂々と言えばいいのに。
士も先の答えを聞いてみたくなり、ついついそのまま傍観態勢を取ってしまったら。
「――笑いのツボ!」
「うわっ!ははは、はははは!てめ、何しやがる突然…!」
無防備、かつ完全に気を抜いていたところに喰らう秘伝のツボ押しはかなり効いた。効き過ぎて過呼吸になるくらい効いた。
「寝ますっ」
うずくまった士が押し寄せる笑いに耐える間に、桜に凭れた夏海は膝に顔を埋めて外界をシャットアウトしてしまった。
しばらく見守ってみたが、動き出す気配はない。拗ねてる訳ではなく、どうやら本気で眠ってしまったようだった。
「やれやれ。言わないのか言えないのか、不幸せ体質だねぇ…」
「何やってんだよ士、夏海ちゃんが可哀想だろ?」
「何で俺のせいなんだ」
夏海に対して、付き合っている事実を口止めしたことはない。そもそも始めから隠すつもりもないのだ。
日頃一緒に暮らしているユウスケと、そうでないにも関わらず神出鬼没な海東を相手にして隠し果せたら見事としか言いようがないし、間抜けなバレ方をする方がよっぽど嫌だ。
「怖いのかも知れないな、夏メロンは」
「夏みかんだ」
素早い訂正とは別に、心に引っ掛かる言葉。
“怖い”。
怖い?それは一体どういうことか。
「次に置いて行かれたら、ダメージは今まで以上だろう?だから甘えきれない、そんなもどかしさを感じたよ、僕は」
「……。」
はぐらかすことなく、いつになく厳しい眼差しで見つめて来る海東。
傍らのユウスケも、そーだそーだと手を打って囃し、酔いの力をぶつけて来た。
「…まぁそれはともかく、このままだと彼女は風邪メロンになってしまうんじゃないのかな?」
確かに、晴天とはいえ木の下の陰は徐々に濃さを増しつつあるし、少し風も冷たくなって来ていた。
士は、トレードマークとも言えるショートパンツとニーハイソックスを身に付けた夏海の横に屈む。
ストラップを引き、カメラを背中に回して両腕を伸ばすと、彼女の身体を横向きにひょいと持ち上げた。
「車に積んで来る」
信じられねぇ、軽い。普段抱いている時にも思うことだが、改めて驚きながら歩き出す。
「海東、邪魔すんなよ?」
「失敬な、覗きは趣味じゃない。それに、今日の僕は小野寺くんの貸し切りだからね」
新しい缶を開け、さらりと意味深な言い方をする海東。
「なーに言ってんだ、嬉しくねーよ別にっ」
口調とは裏腹に、ユウスケはへへへ、と面白そうに笑って乾杯するのだった。
キーレスエントリーを発明した奴を誉めてやりたい。
解錠の合図で光る車の助手席に、士は夏海の身体をそっと下ろして横たわらせた。
右膝を座席に引っ掛け、上半身を低く車内に潜り込ませたまま、乱れた髪を整えてやる。
「ったく、」
何が怖いものやら。
二度と何処にも行かない、行く時は連れて行くと何度も告げているのに、まだ渇いたままなのか、こいつは。
無論、不安を抱かせる理由は嫌と言うほど承知している。
申し訳なかったと思わないでもないし、いざとなったら自らの手を汚すことも厭わないほど、夏海の想いが強いことも知っている。
士としては、あそこまで捨て身になられたら逃れようもないし、二度と逃れる気など起きる筈もなかった。
恐怖政治。いや、そこまで絶対的なものではないから…つまりひと言、「愛」というものなのではないか。
それは、最近ようやく照れずに認められるようになった感情。
頬を撫でてぷにと突くと、夏海は軽く首を振る。
「んん、…」
まるで赤ん坊のような邪気のない表情に思わず笑いを洩らすと、やがて眩しげに瞼が開いた。
「つかさ、くん?」
「あぁ」
「いつ来たんですか?待ちくたびれちゃいました」
さっき会っているのに覚えていないのか、舌足らずな口調で妙に可愛いことを言う。
「しょうがないだろ、じいさんから頼まれた仕事片付けて来たんだ」
「そっか…そうでしたね。お疲れ様でした」
士に向かって伸びる腕が、肩甲骨の辺りの布地を集めて掴んだ。
夏海が抱きついて来るのは非常に珍しい。
触れやすいように更に身体を低くすると、小鼻の横に軽く唇がぶつかり、彼女は僅かに身を捩った。
それを合図に、吐息だけを絡ませ合うように顔を真上に重ねる。
表面をなぞる甘い息が互いの唇を湿らせ、腰から言い知れぬ焦燥感が競り上がって来るのが分かった。
夏海の身体を少し上にずらさせ、座席の左側に乗り上げてカメラを首から外す。
「…?」
とろんとした眼差し。
「お前が煽るから悪い」
士は、長い腕をフル活用してドアを閉めた。
「狭いな」
洩らす不満も、裏を返せばそれだけ距離が近く、隙間が少ないという証拠。
アルコールのせいでうっすらと桜色を保ったままの夏海の頬と、哀れにも思えるほど潤んだ瞳に、いつも以上に気持ちが昂る。
舌を覗かせ、ちろりと唇を舐めた。
淡いみかん風味は、夏海愛用のグロスの味だ。
「…っ、」
軽く口が開いても、決して欲望のままに誘われたりはしない。
あくまで彼女に求めさせたくて、士は口内と唇の境目ぎりぎりの位置を刺激してくすぐり続けた。
「…、ここ…じゃ…」
夏海は周囲を窺いながら戸惑いの声を出すが、胸を押し返そうとする手のひらには既に力はなかった。
形ばかりの抵抗。毎回、何かしら待ったをかけなければ先に進めないのは非常に彼女らしくもあり、面倒くさくもあり。
「誰もいないぞ。皆酒呑みに来るんだ、車なんか使うか」
メインの駐車場は別にあるから、ここは間に合わせで作られた形ばかりのスペースに過ぎない。
更に奥まった場所にあるせいか、よっぽど前後不覚の酔っぱらいを除けば、目的外の人間が迷い込んで来ることも早々ないだろう。
無意識ながら、こうも用意周到とは。さすが俺だと自惚れながら、士は夏海のショートパンツから伸びる太腿に手を乗せる。
「あ…!」
内腿に指を滑らせて裾口から奥をくすぐると、彼女は首を起こして士を見た。
困ったような、もっとして欲しいとねだるような――どちらにしても非常にそそる、苛めたくなるような表情に、結ばれていた共布のベルトを解く。
抵抗はキスと共に、全身に圧し掛かって封じてしまうことにした。
二人が二人とも長身。コンパクトカーの車内には全くマッチしておらず、狭くて動きづらいことこの上ない。
だが、この密着感こそが夏海を高めているようにも思える。
「…かさ、く…っ…」
呼び名は弾む呼吸に混じって、あっという間に途切れがちになった。
首筋の皮膚を吸い、舌で鎖骨をなぞる。
緩んだウエスト周りから忍び込ませた指先を下着の中で遊ばせると、夏海は刺激を受ける度に士のシャツを強く掴んだ。
酒の力は偉大だ。いつもの数倍楽に到達した潤みを掬い取りながら、しみじみ思う。
ほんのり赤く染まった目尻、濡れたような眼差し。たまらない。物凄く色っぽい。
そもそも抱くなと言う方が無理だし、夏海だってきっとこうされることを望んでいた筈。でなければ、いくら酔っているとはいえ、ひと言の文句もなく素直に甘えて来る筈がない。
「あ、あの…」
「ん?」
今度は何だと思ったが、素早く下腹部に走る視線で理解した。さっきから当たっているモノが気になったのだろう。
「いい加減慣れろ。この状況で勃たなかったら一大事だろ」
「…誰にでも?」
「あ?」
思いもかけない問いに、さすがに動きが止まる。
「士くん、意外とモテるみたいですし」
「当然だ。この俺を、女が放っておく筈がない」
「“どれだけ悪いことしてたか知りたくない?教えてあげてもいいよ”って…大樹さんが」
「あんの馬鹿野郎…」
次に会ったら一発殴る。いや一発程度じゃ済まない。
答えを欲しがっているとも、聞きたくないとも取れる眼差しで、夏海は自分を見上げた。
「他の女に反応するかしないかで言ったら…ま、しなくはないけどな。単純な話」
例えば、寸分の隙なく固められた女性のスーツ姿にだって、理屈なく滾ってしまう時はある。
必ずしも裸やセックスとイコールではないところが、情けなくも哀しい男のサガ。
「私じゃ、なくても…」
「誰でも一緒だ、吐き出すだけならな。けど、もうお前以外の女とする気は起きねぇから厄介だって話だ」
嗤えて来ると言うものだ。この俺が、門矢士が、こんなにもがんじがらめにされて、それを振り払おうともしないなんて。
むしろ心地好い、なんて。有り得ない、マゾの世界だ。気色悪いにも程がある。
自分を偽るのに疲れた、というのが正直なところかも知れない。
何度も夏海を、仲間を裏切って、その度に嘘をついて来た。嘘を重ね過ぎて、自分でもどれが真実なのかすら分からなくなるくらいだった。
そんな混乱を断ち切ったのは、やっぱり夏海で。だからこそ、もう離れられないと知った。
天から垂らされた蜘蛛の糸。
罪人の自分がどれだけ横暴に振舞っても、傷つけようと躍起になっても、それは決して切れなかった。
その結果が今だと思うと、夏海はきっと本物の釈迦より遥かに慈悲深い馬鹿と言えるだろう。
「つか、集中しろ」
「あっ、ぁん!」
蜜を纏わせた指の動きを速めると、夏海は腰を浮かせて跳ねた。
「ここでしてもいいんだけどな…」
一人呟く。本音を言えば、場所も時間も構ってなどいられない。
だが、何とはなしに外の明るさに責められているような気がする上に、仲間、特に海東の視線が届いていそうな不気味さが拭いきれない。
「ちょっと我慢しろ、夏みかん」
「え?」
歯を喰いしばったり舌打ちしたりしながら、士は素早く夏海の上から身を剥がしてドライバーズシートに移った。
シートベルトを引っ張り出す余裕もなく、アクセルを踏み込む。
「ど、何処へ、」
「決まってるだろ。――“二人の世界”だ」
混乱しながら夏海が起き上がると、既に目前にはオーロラが迫っていた。
「え、え。えぇっ!?」
始めからこうすれば良かった。
次に帰って来るまで桜は咲いているだろうか。借りている車の課金は幾らになるんだと算段しかけるが、知るか。後は野となれ山となれ。
そして、ピンクのコンパクトカーは世界を越えた。
<終>
>>537 GJ!!!!
別スレもしっかり読ませてもらった。
取り敢えず過去を悔い改めて夏海を幸福にしてやれ士!!
>>555 リアルタイム遭遇ー!!GJ!!
実は自分、513なんだがありがとう!!
夏海が可愛すぎて滾った。そして、海東との喧嘩に噴いたww
二作とも、良いものを読ませてもらった!!
多いにGJ!
>
>>555 GJGJ!!
酔っ払い三人のやり取りに盛大にワラタww
つか、コンパクトカーのシートにあの二人じゃ、狭いなんてものじゃないだろw
この後レンタカーの請求額にビックリした夏海に、一カ月ぐらいおあずけくらいそうだ
>>537も
>>555もGJ!士夏は永遠。
アクセルのレンタルフラゲ成功した。
予告見て想像した以上の甘々っぷりいいぞもっとやれ!
照亜樹、照葵新作お待ちしてます。
>>537さん
>>554さんおつかれです
次レスから代理投下、名前欄 映司と比奈:"Love Scene"
>ひじょーにくだらない映司と比奈です。エロなしキスまで。
ショッカーに改造されるシーンの撮影を終えた映司がパンツ一枚の姿でやれやれと伸びを
していると、大幹部役の奇怪なメイクと衣装に着替えた店長が声をかけてきた。
「映司くーん、比奈ちゃん呼んできてくれる?奥の部屋でDVD観てるから」
「DVD、ですか?」
「比奈ちゃんったらライダーのDVDをいっぱい借りてきたのよー、もう何枚も」
クスクスと意味ありげに笑う店長が肘で彼をつつく。
「ライダーの恋人役の勉強したいんだって。映司君もちゃんとラブシーンの練習しなきゃダメよ。
比奈ちゃんも張り切ってるんだから」
「え!?ラブシーン!!??」
驚愕する映司の肩を、後ろから近づいてきた伊達がバシン、と叩いた。
「頼んだぞ火野っ!シーン18!主人公とヒロインのラァーブ・シィーン!」
「なっ!?」
「子供を映画に連れてきたお父さんお母さん達、そして大きなお友達のハートをがっちり掴む
重要なシーンだ!改造される前の主人公とヒロインが熱烈に愛し合うシーンを入れることで
洗脳が解けるシーンが盛り上がる!それにこのシーンが有ると無いとじゃ観客の食いつきが
まるで違うからな!萌えだ、萌えだよ火野!」
伊達はぽかんとしている映司の頭を丸めた台本でポコポコ叩きながら大興奮している。
「しっかり気合入れてけよ!パパとママ達を悶えさせろ!大きなお友達をハァハァさせてやれ!
ハァハァだ!判るか?ハァハァ!」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!ラブシーンなんてそんな俺、無理ですっ!」
「伊達さーん。お父さんへのサービスなら私の衣装、もうちょっと露出を増やしましょ。ほらこの
胸の谷間んとことか脚とか!何なら私がラブシーンやってもいいわよ〜。私、芸術のためなら
脱ぐわ!すごいのぜんぶ見せちゃうわ!ね?」
「え。いや〜それは。良い子のお友達のライダー映画が18才未満おことわりってのはちょっと」
「それは非常に興味深いお話ですね。相手役はお決まりですか?」
いきなりずい、と顔を出してきた真木が二人の会話に割り込んでくる。
映司にはかまわず三人は何だかんだと議論しながら離れていく。青ざめた顔の映司はそんな
彼らの背中を呆然としながら見送った。
「なによ。ライダーにラブシーンなんか無いじゃない」
ショッカー戦闘員姿の比奈は口を尖らせながらリモコンの停止ボタンを押した。
いくつものDVDを早送りしながら観たが、参考になりそうな場面はまるで無かった。
唯一、数字の名前が付いた黄色い目のライダー映画で仮面舞踏会のような場面がありそこは
うっとりと気に入った。だが求めるラブシーンは見当たらない。
子供番組だから当然と言えば当然だが。しかし子供番組ならではの男女の恋愛の見せ方や
演技の範囲が知りたいのだ。普通のラブシーンなら大人向けのドラマを観れば済む。
「困っちゃったなぁ」
まだ借りてないDVDが山ほどあったはず。誰かどのライダーが恋愛描写が多いのか教えて
くれないかな、などと考えていた時。部屋のドアを誰かが遠慮がちにトントン、とノックした。
「はい?」
「あ、あー。比奈ちゃん、いい、かな?」
「あ、映司君。どうぞ」
恐る恐る、といった様子で映司が覗き込んでくる。
「どうしたの映司君。って、やぁん!映司君っ!服くらい着てください!何でパンツのままなの!」
「あの、知世子さんが比奈ちゃん呼んでて。休憩終わったら次のシーンみたいで」
「はーい……あ、映司君」
「えっ、何?」
「どうしよう、あのシーン。わたし、わかんなくて。どんな感じでやればいいのかな」
「あ、あのシーンって、あ、まさか」
「ラブシーン。DVD観たけどぜんぜん参考にならないんです」
ふぅ、と溜め息をつく比奈。
だが照れたり恥ずかしがっている様子はない。映司よりもまるで落ち着いている。
「あ、あの。俺、俺まだ台本読んでなくて。あ、その」
「もー、映司君っ。大事なシーンなんだからっ。ちゃんと準備しましょうよ!」
むくれ顔でテレビの電源を切り、比奈は立ち上がる。
「じゃ、今からちょっと練習しましょ?」
え!?練習!?いま?ここで?えぇぇっ!と映司はパニックになる。
「あー、比奈ちゃんっ、その」
「なに?」
「その、比奈ちゃんは……平気、なの?」
「何がですか?」
「え、だって。その。ラブシーン、だし」
「やだぁ、映司君。ラブシーンって言ってもキスだけじゃないですか」
「えっ!?」
「もう映司君、エッチ。仮面ライダーでそんな。ベッドシーンとかじゃないんですよ。敵と戦いに行く
映司君をわたしが引き止めるシーンで、キスするだけです!」
「え。あぁー。キス、ね。キスか。そっか」
「やだもう映司君ったら」
クスクス笑う比奈に映司は力が抜けた。そうかキスか。キスだけか、良かった。
って、良かったのか?キスはキスだよなぁ。それにしても比奈ちゃん冷静だなぁ。
「確か、カメラはこっちの角度から撮るはずなんですよね。私達の後ろ」
そう言いながら比奈はいきなり映司の側に近寄り、その腰に腕をまわしてきた。
映司はパンツ姿だが見慣れたのか、今はそれよりキスシーンのことで頭がいっぱいのようだ。
「真横からじゃなくて私か映司君の後ろからカメラが、キスしてるとこ撮る感じ。あ、じゃぁ映司君、
わたしが胸にすがって顔を上げますから。わたしが目を閉じたタイミングで来てくれますか」
「来て?」
「だからキスですってば!」
「はっ、はいっ!」
比奈は映司の胸にすがりいやいやと首を振り「行かないで!」と泣き真似をした。
「で、ここでわたしが顔を上げます。二人が見つめ合うんです」
「はぁ」
「5秒くらい見つめ合って、それでわたしが目を閉じますから来てください」
比奈は目を閉じ、「ん」とあごを上げた。
うわ。ほんとに?ど、どうしよう。いいのかなぁ。あぁでも比奈ちゃん来いって言ってるしなぁ。
うわうわうわ。あーっ!俺どうしよう!
迷いつつも覚悟を決め、ゴクリ、と喉を鳴らし。
破裂せんばかりに高鳴る心臓と共に、彼は言われるがままに比奈にキスをした。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
どごんっ!と映司は突き飛ばされた。その勢いでドア近くまで数メートル吹っ飛ばされる。
「だぁぁっ!いたたたっ!」
「ほほほほほ、ほんとにっ、したぁ!!えええぇぇぇぇ!?」
「えっ!なに!?何かマズかった!!??」
「映司君っ!ち、ちがう!キスじゃないっ!これはキスじゃなくてキス・シーン!!」
「え?えっ!?なに、違うの?なにっ!?」
「ほんとにしなくていいのー!真似だけっ!真似だけだよぅ!あぁぁぁ」
「真似?え、真似?」
「カメラ後ろだからっ!映らないから!ほっぺくっつけるくらいでいいのっ!!」
「え、あ。あーーーーーっ!!!」
ようやく理解した映司と、その場にぺたんと座り込み真っ赤になっている比奈。
「ひっ、比奈ちゃんっ!ごめん!」
「ほんとにした。映司君キスした。わたしキスされた。あぁ。映司君とキス。あぁぁ」
しばらく遠い目で呆然と、あるいはうっとりとした陶然とした表情を浮かべていた比奈だったが
急に意識が戻ったようにぶる、と頭を振った。
「映司君っ!!」
「すすす、すいませんっ!」
んーっ!と真っ赤な顔でぷるぷる震えていた比奈の肩が、溜め息と共にすとんと落ちた。
「不意打ちなんて、ずるいです」
「え?」
「なっ!なんでもありませんっ!」
再び立ち上がり、ふくれっつらで比奈は映司を睨む。
「今のは無しです。もう一回、いきますよ。今度はちゃんと。ちゃんとお願いします!」
「はい……」
「こほん。えーっと、わたしが映司君の胸にすがって行かないでって言ってー、顔あげてー、
見つめあってー、はい、ここから」
比奈はまたあごを上げて目を閉じる。だが今度は用心のためか薄目だ。
今度は映司も間違わず、比奈の口元に自分のあごを添えた。
「ん。そんな感じです」
そのまま二人は抱き合い、寄り添う。
「あの、比奈ちゃん。どれくらいこうしてればいいのかな」
「伊達さんがカットって言ってくれるまでだけど、10秒……20秒くらいかな?」
「あぁ、俺、緊張するなぁ!ちゃんとできるかなぁ」
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
「だってさっき伊達さんがさ、このシーンはお父さんお母さん達のための重要なシーンだから
気合入れろとかって、プレッシャーかけるし!」
「んー、そうなんですか。じゃ、子供だましじゃダメ、ですね」
「え?」
「映司君、もうちょっと、強く抱いてくれますか?ほら、ちゃんとしないと。大人が見てもちゃんと
主人公とヒロインが愛し合ってるってわかるように」
「え。あぁ……こんな感じ?」
「あん」
「比奈ちゃん?」
「……それでいいです。うん。ぎゅ、って。これ、いい」
きつく抱きしめたことで比奈の身体が押しつけられる。
しかも今の彼女は身体にぴったりとした戦闘員のタイツ姿だ。そのやわらかく盛り上がる胸が
映司の裸の体と挟まれてむにゅ、と潰れる。
その感触。すべすべしたタイツの手触り。甘い吐息。伝わる彼女のぬくもり。
腰と背中にまわされ、ぴと、と肌に直接触れてくる比奈の手のひら。
いくら映司と言えどもこれで反応するなというのは酷と言うものだ。
「うっ」
「……どうしたんですか」
「い、いや。何でもないっ!あ、そろそろ。いやもうとっくに!20秒くらい経ったよね!」
「だめ。まだ離れちゃだめ。もっと。練習。れんしゅう……」
比奈は何故かとろんとした瞳と口調で、強く映司の体を抱き返してくる。
極薄のタイツ一枚。彼女にとっては彼にほぼ裸で抱かれているに等しい。
先程の彼との初めてのキス。事故のようなものだったがキスはキスだ。唇に残るそのキスの
感触と薄布一枚だけの身体を、裸の彼に優しく強く抱きしめられているこの状況。
いくら比奈と言えどもこれでとろけるなというのは酷と言うものだ。
「あふ……ん」
「あぁ比奈ちゃんっ!そんな声だしたらっ!お、俺っ!まずいって!」
「何が?」
妙にぎこちなく腰を引いている映司の様子に、比奈も何がまずいのか気づいた。
「……あぁ!や、やだ。映司君ったら。まさか!?」
「いや、いやいやいや!あの!」
わっわっ!やぁん!などと言いながら。だが比奈は彼を抱きしめたまま離さない。
「も、もうもうもう映司君!ベッドシーンは無いって言ったじゃないですかっ!」
「わ、判ってるけど、比奈ちゃんがこんなそばにいたら俺だって!」
「わたしのせい?」
「いや比奈ちゃんのせいって言うかおかげって言うか!あれ?違うな。い、いやだから、俺だって
比奈ちゃんをこんなふうに抱きしめてたら、そりゃ!」
「わたしのせい……」
彼が。あの映司君が。こんなふうになってる。
興奮、してる。そうしたのはわたし。彼をそうさせちゃったのは、わたし。
あぁん。
「ねぇ、映司君」
「はいっ!?」
「やっぱり、その。お父さんお母さん達は、大人の目は。こんな嘘の演技とかただの真似だけじゃ
誤魔化せないと思うんです」
「へ?」
「だからその。もっとキスシーンも、リアルにした方が」
比奈は彼から顔を離し、もう一度その顔を見上げ、また照れくさそうに目を伏せた。
「あの。……最初のキスの方が、リアルでした」
「いやあれは!俺、ほんとに勘違いしてて!」
「もう映司君!大事なシーンだから気合入れなきゃ!伊達さんに怒られちゃいます!」
「そりゃそうだけど!そうなんだけど、でも!」
「映司君」
囁くようにそう彼の名を呼ぶと、比奈は再び顔を上げ、彼を見つめた。
「すてきなキスシーンに、してください」
そして目を閉じる。あごを上げ、微かな期待に震えるその唇を薄く開いて。
「ね?」
映司、ラブラブコンボ発動。
ヒナ!キス!クチビル!などとメダルスキャン時のような絶叫がファンファーレと共に彼の頭の
中に響き渡る。久しぶりのラブラブコンボに彼はあっと言う間に我を失う。こうなった時の彼を
止める手段は皆無だ。彼は人類史上最も危険なコンボ、幾多の人々の道を踏み外させ判断を
誤らせ歴史の転換の原因ともなっためくるめく愛と陶酔の荒れ狂う嵐の中に、命綱なしで自ら
全速力でダイブした。
「ひ、比奈ちゃぁんっ!!」
彼は比奈の体をさらに強く抱き、先程までは引いていた腰を今度はぐりぐりと押しつけまくった。
「あぁ……映司君の……当たってる。あん、映司君、ちがう、ベッド・シーンじゃ、ない……」
「あぁ比奈ちゃんっ!比奈ちゃん比奈ちゃん比奈ちゃんっ!」
「映司君、だめ。キス・シーンだから。キスだけ、ね?いい子だから我慢して。キス、だけ……」
がふう、などと獣じみた息を吐き出しながら彼は比奈のタイツをビリビリ破りたい毟り取りたい、
という欲望を死に物狂いで抑えつけ耐える。そして目の前にあるかわいらしい唇を凝視した。
「い、いくよ。比奈ちゃん!」
「ん。映司、くん……」
「ちょっと比奈ちゃんもうそろそろ撮影始まるわよっ……って。わぁ」
いきなりドアが開き店長が入ってきた。彼女は目の前で抱き合って今まさに唇を重ね合おうと
している二人を見て、嬉しそうに声を上げた。
「あら練習してたの。えらいわね二人とも。でももう次のショッカー大集合のシーンが始まるから、
続きはリハーサルの時になさいね」
「えぁ!ち、知世子さんっ!ちょ、ちょっと待ってください!!」
「やぁん!だって、だってまだ!あぁ映司君、映司くんっ!!」
店長に腕を掴まれて引きずられていく比奈を眺めながら、映司は行き場を失った愛と欲望と
共にその場にへなへなと座り込んだ。
「それじゃリハーサルッ!!いってみよーっ!シーン18主人公とヒロインのラブシーン!」
頼んだぞヒノヒナコンビ!と叫びながら伊達が「スタート!」の声をかけた。
だが今の映司と比奈の二人にはその伊達の声すら聞こえていない。
二人の目に映るのは先程あと少しで届かなかった互いの唇だけだ。
映司はいまだラブラブコンボの中にある。比奈も同様である。二人の激しい愛とキスへの想いは
途中で邪魔が入って寸断されたため、既に暴発寸前にまで高まっている。
二人の間に流れる凄まじい緊張感に、現場はしん、と静まり返った。
本来は比奈が映司に駆け寄って「行かないで!」と抱きつく場面だ。だがぴくりとも動こうとしない
二人に「こらっ!」と叫ぼうとしたが、伊達は今のこの二人を止めるのが惜しくなった。
おぉ!二人ともすげぇ気合いだ。これは屈指の名シーンになる!萌えだ。萌えだっ!ハァハァだ!
映司が声は出さず唇の動きだけで「比奈ちゃん」と呟いた。
比奈も声もなく「映司君」と応える。
二人は動いた。ゆらり、と動き。そして。文字通り互いに相手に、飛びかかった。
ガバ!と抱き合った二人は、互いの唇をぶつけ合うようにそれはそれは激しいキスを開始した。
演技でも真似でもなく、子供番組どころか深夜だろうがテレビの電波に乗ることはまずあり得ない
放送禁止確実の濃厚極まりない熱いキス。いやもうこれは既にキスではない。前戯だ。
二人の口からは「んぐ」「あふぅ」などと生々しい声が漏れ、その手は互いの体を弄りあっている。
比奈は映司を「絶対離さないもん!」とばかりにふんにゅうと抱きしめ、映司は比奈のお尻を撫でる
どころか掴んで揉んで揉んで揉みまくっている。
ここに至ってようやく、見物していた他のメンバーは二人のただならぬ気配を感じ始めた。
「チッ!……まったくあいつら!いったいどういうつもりだ!」
「火野め。演技とは言え、やりたい放題だな」
「舌が入ってますね。演技指導をされたのは姉さ……いやゴホン、店長ですか?」
「あたしじゃないわよー。あーん、でもうらやましい。伊達さーん、あたしにもあんなシーン、追加で
入れてくれないかしら。相手は真木さんでもいいわよ!」
その言葉に失神した真木の横で二人の壮絶な様子に呆気に取られていた伊達が、いくら何でも
これ以上は危険と判断し「カット!カットカット!カットぉ!!」の声をかけるまで。
それでも比奈の唇に食らいつき一向に離れようとしない映司を右から後藤がハリセンで、左から
アンクが飛び蹴りで「いい加減にしろ!」とどつき倒すまで。
映司と比奈は実に6分42秒にわたって熱烈なキスシーンを演じ続けた。
結局、そのライダー映画にあるまじき濃厚なキスシーンは全面カットとなった。
「映司君、ごめんね。わたしの演技がいけなかったのかな……」
「そんなことないって!俺だよ。俺がもうちょっとちゃんとできてたら!」
撮影が終わり誰もいなくなった店の中で二人は並んでしょんぼりと肩を落とす。
だがしばらくすると比奈が映司の服の袖をきゅっとつまみ、うつむいたまま恥ずかしそうに呟いた。
「ねぇ、映司君」
「ん?」
「わたし達、もっと、その。練習が……必要ですよね?」
「え?だってもう、あのシーン無くなったし」
きょとんとしている映司の顔を、顔を上げた比奈はじっと見つめる。
そしてかわいらしく小首を傾げて、その唇に悪戯っぽく笑みを浮かべた。
「ね?」
映司、ラブラブコンボ再始動。
リハーサル時を遥かに超える熱いそのキスシーンはやがて、台本にはまったくないさらに熱烈な
ラブシーンへと変わる。濃厚にして甘ったるくて見てられないそのシナリオの無い即興劇を誰に
頼まれたわけでもないのに狂乱と共に繰り広げ始めた二人を、残念ながら、そして幸いなことに。
不粋な「カット!」の声で引き離す者は誰もいなかった。
映司と比奈:"Love Scene" ─終
以上です。いろいろお世話になりました。
>>555 GJ!!
士夏ありがとうほのぼの萌えた!
>>565 転載乙!
ラブラブコンポに不覚にもワラタww
比奈が見た黄色い目のライダーDVDはは555かな
>>565 転載乙!
でもって職人さんGJ!!
ラブラブコンボの音声がまんまドライバーの音声で頭の中に響いて
こんな夜中に大爆笑して大変だったじゃないかw
アンクと5103のコンビネーション突っ込みも最高だった、ありがとう!
>>565 乙ぅぅぅぅぅぅッ!!!(伊達監督)
スイッチ入っちゃった二人がたまらない
で、比奈ちゃんは一刻も早く「真・仮面ライダー」を観るんだ!
あの夏みかんもお気に入りの熱いラブシーンが待ってるぞ!
エイヒナかわえぇ
真はなまちち出てるから比奈ちゃんには刺激つよし
>>575 夏みかん「真・仮面ライダー、面白かったです!」
もやし「どうみても怪人だろ、見た目がプレデターの親戚だな」
夏みかん「主人公はまぁ…置いといて、ヒロインとのラブシーン!素敵じゃないですか」
もやし「ほぉ、ああいうのが好きなのか」
夏みかん「…はい?」
もやし「ご希望なら構わないぞ。骨の随まで満足させてやる」
夏みかん「ちょ、士く…ン」
こうですか
>>577− 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
 ̄ー┴'^´
>>578 携帯からは崩れててなにがなんだかww
鉄板カプもいいが、あまり見かけられんカプも読んでみたい
映比奈GJ!!
この前の放送で映比奈熱が急激に上がってた所だから、ニヤニヤしながら読んだよw
既婚者の照井はどうなる
今日のヒナちゃん、まず兄ちゃんの心配をして、アンクの心配もしてくれた。それだけで良い。
今回のヤミー見て思ったけどもし女を抱きたいとか思ってる人にメダル与えたらすごい卑猥なヤミーになりそうだな。
>>583 朝の8時じゃ放送できない形態のヤミーになりそうなんだがwww
アンクの本体が
シ ョ タ ボ イ ス
だった件について
>>585 やおいならともかくこのスレ的にはあんまネタにはならないな
自分は腕アンク→比奈ちゃん←本体アンクを妄想したけどな
甘えられる比奈ちゃんとかうまい
>>586 なら無理やり真アンクx比奈ちゃんで
「僕だってアンクなんだよ?」
「離して、あなたは違う!」
アンク本体を拾ってきて「この子おなか空かせてるの。かわいそうなの」と
言いつつクスクシエで飼い始める比奈
激怒する腕アンクと「ぼくおなかすいた」と比奈に甘える本体との
比奈とアイスを巡る攻防戦
>>589 リュウタロスを思い出すな
兄の次は弟ポジか・・・
>>589を何故かアイス本体と読んでしまった・・・
>比奈とアイスを巡る攻防戦
これはけっこう普通に見たいw
>>590 僕ア「あっちの僕からメダル取ったら、比奈ちゃん泣く?」
一同「泣く! 泣く泣く泣く!」
僕ア「んー……じゃあメダル取らない」
比奈「……やだ、可愛い。いい子いい子」
映司「良かったな、アンク! メダル取らないって!!」
アン「……(なんだこの異様な敗北感と屈辱感は)」
みんな欲望を解放しやがれー!!(チャリーン)
「後藤さんこのケーキもです」
「まだあるのか……」
「後藤さん、これから仕事なので着いて来てください」
「就業時間は過ぎたけどいいのか?」
「はい」
「おいここって……」
「ラブホテルは初めてですか?」
「もうすこし右です。もっと下。少しだけ弱くしてください」
「(俺は何をしているんだ……?)」
里中さんのアシスタントってことでこんなのを妄想したw
おお、いい流れだ
>>593 GJ!
違和感どこ行ったw
店長に今度は何て説明するべきか・・・
『朝起きたら外国で昔拾った鳥の人形に命が宿ってて云々』
真アン「僕はどこ…」
比奈「…アンク?」
真アン「君は…?」
アンク「見つけた!」
比奈「えっ、アンク!?」
真アン「比奈は僕のだ…!」
比奈「えっ、ええっ」
アンク「お前は俺のだー!!!」
初SSでアン比奈書かせてもらいました。
甘くないです。
比奈ちゃんもアンクも可哀想かもしれません^^;すいません。
朝勃ち話です。エロ無し。
「おいアンク、おーい!」
ゆさゆさと体を揺する映司に起こされ、アンクは重い目蓋を開けた。
安眠を妨害され、ギロリと睨んでみるがそんなものは映司に効果はなく、やっと
起きたか〜と間抜けに返された。
「俺ちょっと鴻上さんの所行ってくるからさ、何かあったら一人で行く前にちゃ
・ん・と!伝えろよ」
手のひらでカンドロイドを展開させた映司は、ニッと笑い部屋を出ていった。
まだ意識がハッキリする前に体を起こす。
布団を捲ると、最近気付いた毎朝の“変化”に目が行った。
またもや映司にこの不可解な現象を尋ねる機会を失ってしまった。
どうすればそれが収まるのかもわかるはずもなく、舌打ちを1つ。
するとトントン、と部屋のドアをノックする音が聞こえた。
わざわざノックをする人間などかなり限られている。
「映司くんちょっといいですか?」
予想通りの声がドア越しに聞こえる。
こんな時に厄介なのが来た。
また舌打ちし、ガラリとドアを開けたら比奈が目を丸くしてそこに立っていた。
「映司は居ない。昼には戻るんじゃないのか」
「……そっか、アンクは今寝起き?もう10時だよ?」
「別に俺がいつ起きようが寝てようがいいだろ」
「良くない!お兄ちゃんが運動不足になっちゃうでしょ!」
乱れた生活は、だの、アイスばっか食べて、だの、ツラツラと説教を垂れる比奈
にアンクはげんなりと顔を逸らした。
コイツはいつもいつもお兄ちゃんお兄ちゃんと……。
そう考えて居るとあることを思いついた。
「お兄ちゃん」の事なら映司より比奈の方が詳しいんじゃないか。
思い立った途端右手で比奈の手を掴み、股間に持って行く。
あまりにも突然のアンクの行動に比奈は口を開けたまま言葉をやめめた。
「おい比奈、こいつは何だ。不健康ってヤツか?ア?」
すると、比奈は顔を真っ赤にさせ、掴まれていない方の手でアンクの頬をひっぱ
たいた。
「最っ低!信じらんない!!セクハラよ!変態!馬鹿!アンクの馬鹿!最低!!
」
叩かれた頬が少し腫れている気がする。この馬鹿力女が……。
「痛ってェな!何が最低なんだよ!気になったから訊いただけだろうが!」
「本気で言ってるの!?いくら私の事よく思ってないからって……そういう嫌が
らせって一番酷い!」
「本気に決まってんだろ!何が嫌がらせだ馬鹿野郎!最近ずっと朝こうなってん
だよ!お前の兄貴の体だろうがわかってんなら教えろ!」
「なっ……!!」
アンクの言葉からそれが所謂嫌がらせではない事を察したらしい比奈は、更に頬
を湯立たせてモゴモゴと口を開いたり閉じたりしていた。
「困ってんだよこんな朝っぱらから腫らしやがって。何だコイツ病気持ってんの
か」
「持ってる訳ないでしょ変なこと言わないでよ!じゃ、じゃなくて……アンクそ
れ、その、手放してよ」
「お前が教えたら放してやる」
股間の膨らみに手を当てられたままの比奈は、真っ赤な顔でうぅうぅぅと困った
ような泣きそうな顔をしていた。
その顔を見たら、少し高揚を感じて比奈の手に包まれているモノがピクリと反応
した。
同時に比奈はひゃんと声をあげ、少し涙を溜めた目でアンクを睨んだ。
「な、なにしてんのよ!動かないで!」
「勝手に動いたんだよ。で?これは何なんだよ」
「それは、その……」
しどろもどろ、という感じで比奈は続ける。
「朝になると、男の人ってそういうのあるみたいで、何でなるとか判らないけど
、あ、朝勃ちっていうので、」
「放っておきゃ治るのか」
「わかんない……私もそんなお兄ちゃんの見るの初めてだし」
もういいでしょ、と比奈は股間から手を離そうとするが、まだアンクがしっかり
掴んでいるため叶わない。
比奈の説明では正直よく判らなかった、肝心の対処法さえも。
まだ他にも隠しているのではないか。そう思える。
放っておけば治るモノならば、先ほどから比奈の顔を見てピクリと反応している
のはどうなる。
要は放っておけば悪化する恐れがあるという事だ。
「なんとかしろよ」
「な、なんとかって何よ!」
「コイツ治せ」
「いや!お、お兄ちゃんの身体なのに」
「お兄ちゃんの身体だろ、お前がやれよ」
「だって私、そんなっ」
普段の比奈からは考えられないほどはっきりしない態度だ。
普段ならばイライラするはずが、何故か悪くない。
むしろこの困惑する比奈が面白くて更に畳み掛ける。
「なんだ、それなら映司や知世子に頼んだっていい」
「だめ!そんなの!絶対だめ!」
「じゃあお前がやるしかないだろ」
勝ち誇った顔でアンクが言うと、比奈はあぅなどと漏らし縮こまる。
「だって、だって私」
チラリとアンクを上目遣いで見た比奈は続ける。
「したことないし……」
カァッと全身に勢いよく血が巡ったのを感じた。
何なんだ、何なんだコイツ一体。
自分の身体から沸き起こる興奮が理解できず、チッと舌打ちをして比奈の身体を
引き寄せる。
キャッと漏らしバランスを崩した比奈はそのままアンクに寄り掛かり、その勢い
で二人で床に倒れ込んだ。
比奈の手を掴んだまま、アンクはあぐらを掻くように足を組む。
ほら、と言うと比奈はまだ赤い顔でおろおろとアンクを見た。
「待って、わかんない……わかんないよアンク…やったことないの……ホントに
するの?」
「映司たちは許可されてないならお前しかできないんだろ、ほら」
スラックスをくつろげて下着ごと腰から下ろしていると、比奈は身体から視線を
逸らした。
アンクは再び比奈の手を取り、股間へと宛がう。
ビクッと怯えた比奈を密かに笑いながら、アンクは次を促す。
「ほらやれよ」
戸惑った顔でゴクっと唾を飲みこんだ比奈は、ゆっくりと自らの意志で手を動か
し始めた。
スリ、スリ、と緩慢な動作が悪くはないがもどかしい。
もっと強い刺激が欲しいような、少し焦らされているようなこの刺激がちょうど
いいような。
股間の様子をチラリと見ると、先ほどより少しばかり芯を持ってきた気がする。
ハァと息を漏らし、比奈の手の上から赤く変化した「自分」の手を重ねる。
勢いを付けて上下させると比奈は泣きそうな顔でやだ、はなしてという言葉を繰
り返す。
その反応にまた興奮が高まる。
「おい、また腫れてキテんぞ、どうすんだよ」
「知らないわよ、見たことないもん!もうやめて、許して」
「許して?お前自分に非があることしてんのか?」
「そうじゃないけどっ……」
スリっと先の括れを擦った瞬間、ゾクゾクと背筋に寒気とは違う何かが走り、息
を詰める。
チラリと比奈を見ると、どうやら彼女もハァハァと息を荒くしていた。
「……お前興奮してんのか?」
ニヤリと笑いながらそう尋ねれば、ビクリと身体を強張らせた比奈はふるふると
力なく首を振る。
面白い、兄の身体を強制的に慰めさせられている比奈が興奮してるのか。
比奈の様子に更に高揚が増し、ゾクゾクとせり上がる何かを背筋だけでなく下半
身にも感じた。
何かが這い出てくるような感覚に、比奈の手を掴む力を強める。
「痛、痛いよアンクっ……爪がっ…ねぇ…なんか出てるっ…!」
比奈の手に視線を移すと興奮による汗と違う何かで比奈の手が確かに濡れ始めて
いた。
「何だ、これ……ハァ、排泄か……?」
「や、やだ!やだやだ!」
「さっきまで興奮してたじゃねぇか……ほら手ぇ離すな」
濡れたおかげで、先程よりくっつく比奈の手が自分に溶けてくる錯覚に陥る。
それに対して、堪えきれなくなった涙をぽろぽろ流しながら為すがままの比奈に
、性器がまた大きく脈付いた。
「おい、何か、何か出る、……ハァ」
「やだっホントやめて……!手放し」
ビュクビュクッ!
亀頭から勢いよく出た白い液体は二人の手を汚した。
興奮と解放からの快感と気だるさにアンクは大きく呼吸をする。
比奈は呆然と掴まれている手を見つめ、一息吸って、濡れていない手で顔を隠し
ながら嗚咽を漏らす。
そんな比奈に、アンクの興奮はまたもや復活し始める。
グリードには、こんな欲望は存在しないと、そう思っていたのに。
沸き上がるのは紛れもなく性欲だった。
また強く比奈の手を握る。
名前を呼ぶと、小動物のようにビクッと小さくなった比奈は、更にアンクを性欲
で支配した。
そしてもう1つの欲望。
「お前……かわいいな」
自分でも驚くほど、柔らかく穏やかな声が出た。
濡れていない『泉信吾』の手で比奈の頬を撫でる。
その言葉に俯いて唇を噛んだ比奈は、『アンク』の手を払い、濡れた掌で頬を叩
った。
「あんたなんか大っ嫌い!」
そう叫んで涙を拭いながら息を整える。
涙を流すその顔は、先程の困ったような顔ではなく怒りと悔しさが滲んだものだ
った。
部屋から立ち去る比奈がアンクを振り返ることはなかった。
以上です。
初めてのSSだったので、至らないところばかりですみません。
今度は甘いアン比奈を書ければなぁと思ってます^^;
Vシネレンタル記念で照亜樹投下。
でも、何故かお邪魔虫な破壊者御一行様が乱入 orz
エロなしのヌルい話ですが、MOVIE大戦CORE前後の結婚騒動です。
NGワードは「結婚狂想曲」でお願いします。
604 :
603:2011/04/13(水) 06:49:22.20 ID:yCTzM6t8
って、うわあああ、連続投下になっちゃった!!
すいません、リロードすんの忘れてました orz
明日またお邪魔します……
>>602 GJ!
比奈ちゃんがカワイソながらもエロくてよかった!
アンクもボケ風味ながらも、さりげなく鬼畜でイイw
>>602 初投下乙
初投下で比奈にこんなことをさせる意気込みは買う
でもアンクの口調のせいか何となく豪快赤vs比奈、みたいに読めちゃったw
次はくわえてもらうんですね
>>603 激しく期待。
Vシネの照井夫妻かわいかったな。色々と想像力が働く冒頭だったw
>>602 初投下GJ!!
比奈可愛いアンク知っててわざとだろコノヤローw
次はお口、その次本番ですねわかります
610 :
603:2011/04/14(木) 12:38:11.88 ID:fQSt4QsB
再びお邪魔いたします
改めてW&DCDな照亜樹を投下させていただきます
エロなし、MOVIE大戦CORE前後の結婚騒動
NGワードは「結婚狂想曲」でお願いします
611 :
結婚狂想曲 1:2011/04/14(木) 12:41:10.36 ID:fQSt4QsB
純白のドレスに身を包み、カーテンの向こうで待つあの人が驚く姿を想像して少しだけ心が躍る。
よくお似合いですよ、という店員の決まり文句に素直におだてられつつ、このドレスを纏える喜
びを噛みしめながらカーテンへと手を伸ばす。
目を見開いて驚くかな?
それとも、笑ってくれるかな?
そんな無邪気な予想と共に大きくカーテンを開け開くと、そこには愛しい人が………
「………って、なんでいないのよぉぉおお〜〜〜〜〜!!?」
店内は愚か、外にまで響くような大声で絶叫する亜樹子へと向かい、心底居心地が悪そうな顔を
した店員がそっと書置きを差し出した。
『左から連絡だ、すまないが行ってくる』
「そんなもん、納得できるかああぁ!!!!」
亜樹子は小さなメモを左手で握りつぶすと、怒りと共に天高く放りあげた。そのまま風に流され
ることもなく落ちてくるメモへと狙いを定め、右手に握ったスリッパでテニスよろしく思いきりス
マッシュを決めた。
否、決めたつもりだった。
「あ!」
「え…っ!?」
公園に設置されたごみ箱へと叩きこむはずが、八つ当たりをした紙屑は不運にもそこへ通りかか
った女性の顔面へと向かっていた。やばい、と一瞬にして亜樹子が顔を青くすると、女性の隣で派
手なピンクのカメラを覗いていた男性が無造作に腕を伸ばし、勢いよく飛んで行った紙屑ボールを
見事にキャッチした。
「何の真似だ?」
不機嫌さを隠さない男性の声にようやく我に返った亜樹子は、条件反射のように大きな身振りで
頭を下げた。
「ごごご、ごめんなさぁあああい!!」
翔太郎がこの場にいたら確実にどつかれているような大声で謝ると、髪の長い女性は苦笑いを浮
かべながら軽く手を振った。
「大丈夫ですから、気にしないでください」
「本当にごめんなさい!」
「うるさい女だな。もう少し静かに喋れないのか」
キンキンと響く声が耳に障ったのか、男性が眉をしかめて片耳を押さえながら苦言を口にした。
その言葉に、思わず亜樹子が口を押さえると、女性は少し怒ったような顔で青年を睨んだ。
「士くん!」
「すいません、いつも翔……部下にも言われてるんですけど、つい…」
「いえ、こちらこそすいません。失礼なことを言ってしまって」
そう言って手を振る女性は、亜希子よりも頭半分程高い。隣に立つ無愛想な男性に至っては、見
上げるぐらいである。スタイルもいいし、なんというか華があるとでもいうのか、別に奇抜な格好
をしているわけでもないのに二人とも際立って目立つ。
というか、この士と呼ばれた男性があまりにも存在感がありすぎて、なんとなく『別世界の人』
という印象を受ける。
「何か言いたいことでもあんのか?」
仕事柄つい相手を探るような目で見ていると、士が不快感も露わに眉根を寄せた。
「あ、ごめんなさい。つい仕事の癖で…」
「人を値踏みするのが仕事とは、大した……あはははははは!!!」
と、それまで不機嫌そのものだった士が、突然首筋を押さえて大きな笑い声を上げ始めた。あま
りにも急な変化に亜樹子が面食らっていると、何故か髪の長い女性が指圧でもするかのように親指
をあげて士を睨んでいた。
612 :
結婚狂想曲 2:2011/04/14(木) 12:42:54.12 ID:fQSt4QsB
「夏海、てめ……っははははは!」
「本当にごめんなさい、ほら、士くんも謝って下さい」
「あははははは!!この、凶悪女っ!はははは!!」
見慣れているのか、女性は脇腹と首筋を押さえて笑いまくる士の首根っこを掴むと、強引に頭を
下げさせた。その間も、士は不自然な顔のまま大きな笑い声を上げ続けている。
まるでコントのような二人のやり取りに目を丸くしていると、ようやく笑いが収まったのか、士
が疲れ切った表情で夏海と呼んだ女性を睨んだ。
「だから、無差別ツボ押しはやめろって言ったろ!」
「士くんが失礼なことするからです」
「ガンつけてきたのはあっちが先っ……」
苦情を言いたてる士の目の前に夏海が親指を突き出すと、どういうわけだか士がぴたりと黙った。
「久々ですし、もう一回いっときます?」
「いや、いい……十分間に合ってる」
そ〜っと夏海の手を押し返す士の顔には、間違いなく脂汗が浮かんでいる。なんとも不思議な力
関係を見せる目の前の二人のやりとりに、亜樹子は仕事馬鹿な恋人に対する怒りもすっかり忘れていた。
「すいません、士くんが失礼しました」
「あの、こっちこそごめんなさい」
本来なら自分が謝らなければならないはずなのに、いつの間にか逆に頭を下げられていることに
慌てつつ、亜樹子は急いで鞄の中から名刺入れを出した。
「私、こういう仕事してるんです」
「鳴海探偵事務所、鳴海亜樹子さん……探偵さんなんですか?」
「いえ、私は所長なんで、実際の探偵は他に……ぃいいいいい!!?」
そこまで言いかけて、亜樹子は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。その声に驚いたのか、は
たまた二人の背後を指差したことにつられたのか、士と夏海もまた亜樹子と同じ方向へと顔を向けた。
三人の視線の先には、何故か恐竜のような鳥のような、見たこともないドーパントが立っていた。
「なんでここにドーパントがいるのよ〜!!」
ウェディングドレスを試着する自分を放ってまで行った竜は、一体何をやっているのか。再びふ
つふつとこみ上げ始めた怒りと共に絶叫すると、ドーパントは翼のような両手を大きく広げた。
「あ、やばっ……」
次に何が起こるのかを察した亜樹子は、咄嗟に目の前に立つ士と夏海の腕を引っ張って逃げようとした。
しかしどういうわけか、士は亜樹子の腕を軽く払うと、逆に一歩前に出た。
「夏海、そいつ連れてけ。邪魔だ」
「は!?無理無理無理、死んじゃうから!」
自分がいるのに無謀な行為を見逃すようでは、鳴海探偵事務所所長の名折れである。せめて竜の
持つビートルフォンでも奪っておけばよかったと内心で後悔したものの、生憎手持ちのカジェット
は一つもないのだから、とにかく力づくでも逃がさなければ。
そう思った亜樹子が夏海の手を振りほどこうとした瞬間。
KAMEN RIDE DECADE !
「………何これ!?あたし、聞いてない!!!」
謎の音声が響くのと同時に、士の姿が別のものへと変化した。ガイアメモリを使ってないから、
ドーパントではない。だとしたら一体何なのか。理解の範疇を超えた出来事に思わず口癖の言葉を
叫んでいたが、ピンクと黒の怪人Xに変身した士は構わずに地面を蹴り、恐竜のドーパントへと飛
びかかった。
「全く、毎度毎度賑やかな歓迎いたみいるぜ!」
ドーパントへ強烈な蹴り技を叩きこみ、そうぼやく声は間違いなく士のものである。一体何がな
んなのかと目を白黒していると、ぐいと腕を引かれた。
「危ないですから、こっちへ」
「へ!?で、でも」
「士くんなら大丈夫です」
「大丈夫って、相手はドーパントなんだよ!?同じドーパントか、さもなきゃ仮面ライダーじゃな
きゃ絶対無理だって!」
「だから、士くんも仮面ライダーなんです。この世界のライダーとは違いますけど」
「はぁ!?」
613 :
結婚狂想曲 3:2011/04/14(木) 12:45:27.07 ID:fQSt4QsB
分からない。全くもって分からない。
初めて翔太郎に出会ってドーパントに襲われた時と同じか、下手をしたらそれ以上の混乱で
亜樹子の頭の中は真っ白になった。その間にも、謎のライダーとなった士の蹴りがドーパント
に決まり、何故かそこから銀色のメダルが大量に吹き飛んだ。
「何なのよぉ〜、このドーパント!」
思わず頭を低くして絶叫する亜樹子の声に気を引かれたのか、ドーパントは突然標的を亜樹
子と夏海に変えたらしく、くるりと向きを変えて翼を大きく動かした。今度こそまずい、と亜
樹子が体を硬くすると、背後から突然バイクが飛び込んで来てドーパントへと体当たりした。
「翔太郎く……って、また変なのが来た〜〜〜〜!!」
この風都でそんな無謀な真似をするのは、部下か婚約者しかいない。殆ど条件反射で名を呼
んが亜樹子は、それがまったくの見当違いだったことに気づき絶叫した。
「士!」
「なんだ、お前も来たのか?ユウスケ」
「当たり前だろ。あんなデカイもんが暴れてりゃ、いやでも目に入るって」
「ま、それもそうだな」
あまりにも場違いな会話を交わす二人の姿に、亜樹子は文字通りあんぐりと口を開けた。
なんだろう。黒とピンクのやつがバーコードなら、こっちの赤と黒のやつはクワガタ?って
いうか、これもまさか仮面ライダー??
思わず手にしたスリッパを握り締め、冷静なのかなんなのか分からない突っ込みを頭の中で
繰り返す。ぐるぐると疑問符が回る頭で見つめる先では、謎のドーパントと謎のライダー二人
の戦いが続いている。
どうやら分が悪いと踏んだのか、やがて恐竜型のドーパントは一声叫ぶと、あっという間に
空へと舞い上がりどこかへ逃げ去った。
「ちっ、逃げやがったか」
マスクの下で舌を打った士が変身を解くと、その横に居たクワガタもどきも変身を解いた。
高飛車な態度の士とは対照的に、腰の低そうな好青年である。
「ユウスケ」
「夏海ちゃん、その人は?」
「鳴海さんです。まだ会ったばっかりなんですけど、この世界の仮面ライダーのことを知って
るみたいで……」
仮面ライダー
その単語に、再び亜樹子の中で何かがぷちっと切れた。ライダー、ライダー、ライダー。ど
こまで行っても仮面ライダーばっかり。家族や待っている仲間ことなんてそっちのけで、誰も
かれも皆好き勝手に変身して戦って、一体仮面ライダーがどれだけ偉いというのか。こっちが
どれだけ心配してるかなんて、これっぽっちも知らないに違いない。
それよりも何よりも、これだけ大騒ぎしてるのに、何故肝心のあの三人が来ないのよ!?
614 :
結婚狂想曲 4:2011/04/14(木) 12:46:40.33 ID:fQSt4QsB
「大丈夫でしたか、鳴海さん?」
「えっと、驚かせちゃったかな?ゴメン」
俯き体をわなわなと震わせる亜樹子に、ユウスケと呼ばれた青年がぺこりと頭を下げる。あ
の三人にはまず見られない殊勝さではあるが、それがかえって亜樹子の中の怒りに火をつけた。
せめてこれぐらいの気遣いがあの三馬鹿トリオや父にあれば、自分ももう少し救われたのか
もしれない。
が、もう我慢の限界だ。
「………ダーなんて」
「え?」
「仮面ライダーなんて、もういやぁぁぁああああああ!!!」
「って、ぇぇえ!!?」
「ばかばかばかばかばか〜〜〜〜〜!!もう竜くんなんて知らないんだからぁぁああ!!」
ノー モア ライダー!
腹の底から迸る絶叫と共に、亜樹子はそう書かれたスリッパを初対面であるユウスケの頭に
力いっぱい叩きこむと、そのまま地面に突っ伏して号泣した。
「どうぞ」
かちゃり、という小さな音と共に目の前に出されたコーヒーを、亜樹子は鼻をすすりながら
口にした。
「少し落ち着きましたか?」
トレーを机に置き、小さな丸テーブルの向いに腰を下ろした夏海が心配そうに首を傾ける。
えぐえぐとしゃくりあげてくる嗚咽はまだおさまらないが、それでもさっきのパニック状態は
収まってきた。
涙で目元を腫らした亜樹子に気を使ったのか、ライダーになる男二人は夏海によってさっさ
と追い出されている。
「……ごめんなさい」
盛大に音をたてながら鼻をかんだ亜樹子は、ティッシュの箱を抱えたまま椅子の上でうなだ
れた。初対面の、それも自分を助けてくれた相手に、問答無用のスリッパ攻撃。これはもう、
所長以前に人として非常に問題のある行動である。
人のよいユウスケは気にしないでいいと笑って受け流してくれたが、もしも翔太郎や竜が初
対面の相手に同じようなことをされれば、まず間違いなく最悪の空気が流れるだろう。いや、
竜ならば問答無用でエンジンブレードを出してくるかもしれない。
すっかりしょげこんでしまった亜樹子を不憫に思ったのか、夏海はにっこりとほほ笑んだ。
「本当に大丈夫ですから。ユウスケも士くんも、こういうのには慣れてますし」
「ふえ?」
慣れてるとはどういう意味かと、間抜けた声をあげる。夏海は説明に困ったのか、苦みを込
めた笑みで瞳を細めた。
「突然見たこともないライダーが目の前に現れたら、敵だって思われても仕方ありません。私
達、色々な世界を旅しているんで、そういうトラブルにもよくあうんです」
615 :
結婚狂想曲 5:2011/04/14(木) 12:47:19.61 ID:fQSt4QsB
「旅、ですか?」
「はい」
旅行なんて、国外は愚か国内ですらほとんどいったことはない。大阪周辺と風都しか知らな
いが、実は仮面ライダーという存在は世界各国にいるのだろうか。
「じゃあ、風都っていうか日本以外の国にも、仮面ライダーっているの?」
疑問をそのまま口にしてみると、夏海はなんとも不思議な笑みで返してきた。是とも否とも
とれるその表情に、亜樹子は一人で納得した。
「そっかぁ……仮面ライダーって世界中にいるんだ、知らなかったぁ。今度フィリップ君に検
索してもらおうっと」
うんうんとしきりに首を振って、やはり怒りの原点に立ち返る。あの変身第一な三馬鹿トリ
オに我慢するのも、もう限界だ。ふつふつと体の奥底から湧き上がってくる感情に、唇がへの
字に曲がる。
一人で百面相をする亜樹子の姿にも、不思議と夏海は表情を崩さなかった。どこまでも落ち
着いたその姿に、亜樹子はふとあることに気づく。
「あの、光さん、でしたよね?」
「夏海でいいです」
「じゃあ、お言葉に甘えて、夏海さんって呼ばせて下さい。さっきの人たちと一緒に旅をして
るってことは、つまり夏海さんは、仮面ライダーと一緒に旅をしてるってことですよね?」
「はい。家はライダーだらけですから」
「そっか………私と同じなんだ」
自分と殆ど同じ環境の人がいることに、何故か亜樹子は安心した。確かにクイーンやエリザ
ベスなど、同性の友人はそれなりにいるが、父親から部下、婚約者の果てに至るまで全て仮面
ライダーだなんてのは自分だけである。別に隠してるつもりはないが、取り立ててオープンに
する必要もない。したがって、この胸の奥に溜まりに溜まった不満を吐露する相手は、長いこ
と存在しなかった。
しかし今、きっと仲間の誰よりも自分の気持ちをわかってくれるであろう人物が、目の前に
座っている。これを僥倖と言わずして何と言おう。
「……あれ?」
ぼろぼろと、大粒の涙が掌の上に零れおちてきて、慌てて目元をぬぐった。さっきまでの涙
とは全く違って、泣きたいとかそんな気持ちはこれっぽっちもなかったのに、勝手に涙があふ
れてくる。とめどなく流れてくる涙に気持ちも引きずられ、どんどん悲しくなってきた。
またしても子供のようにしゃくりあげている間、夏海は辛抱強くそこに座っていてくれた。
「………ホント、ごめんなさい。いつもはこんなんじゃないんだけど…」
深々と、体の奥底から特大の溜息を吐きだす。全てを受け止めてくれるような夏海の眼差し
に、今なら何でも言葉にしていいような気がしてきた。
そんな亜樹子の気持ちを酌んだかのように、夏海が静かに口を開いた。
「もしよかったら、話を聞かせてもらえませんか?」
「話?」
「ええ。私達、ここに来たばかりで何も知らないから、鳴海さんの知っているライダーのこと
とか、いろいろ聞かせてもらえると助かります」
616 :
結婚狂想曲 6:2011/04/14(木) 12:47:55.46 ID:fQSt4QsB
名字で呼ばれたのも、そういえば随分と久しぶりのような気がする。なんだか妙に座りが悪
くて、お尻のあたりがむずむずしてきた亜樹子は、すっかり赤くなってしまった鼻を指で軽く
擦ると乞われるままに風都やドーパント、ミュージアム、ガイアメモリ、そしてダブルとアク
セル、スカルといった仮面ライダーのことまで洗いざらい語り倒した。
特に死んだ父親がスカルだったことについては、今まで誰にも話したことはなかっただけに、
胸の奥が締め付けられるような息苦しさを覚えた。
「そうですか……お父さんも、ライダーだったんですね」
「でも、お父さんが仮面ライダーだったなんて、私聞いてなかった!」
そう。父の荘吉がスカルだったことも、フィリップと翔太郎を庇って死んだことも、全て後
から伝え聞いただけだ。妻である母にも、娘である自分にも、父親は何も告げることなく逝っ
てしまった。
それはまるで、荘吉にとって家族である自分達は必要とされていなかったかのようで。
決してそんなことはないと必死に自分に言い聞かせてきたが、小さいけれど拭いがたいその
疑問が冷たい重石となって胸の奥に圧し掛かっていることを、恋人である竜にすら言えなかっ
た。耐えて耐えて、仲間も自分も誤魔化してきたけれど、やはりそんな無理が貫き通せるはず
もなかったのに。
「お父さんも翔太郎君もフィリップくんも、どうして私に何も教えてくれなかったの!!?い
つもいつも、大事なことなんて何一つ教えてもらえなくて、何も分からないままただじっと待
ってて。じゃあ私は何のためにいるの!!?」
机の端を指の色が変わるぐらい強く握りしめ、涙と共に叫ぶ。ようやく吐きだすことができ
たその言葉で堰が切れたのか、自分でもあきれるぐらい不平不満が噴出した。本気か勢い任せ
か分からないぐらい頭の中はぐちゃぐちゃだったけれど、口だけは勝手に動き続けた。
「復讐の為にライダーになって、死にかけるぐらい大怪我をして、それでもなんで仮面ライダ
ーなんて続けるの?ミュージアムはなくなったし、家族の仇だってもうとったのに!いっつも
ドーパントが出たらすぐに飛んでって、翔太郎君もフィリップ君も竜くんも私のことなんてお
構いなしで戦ってばっかり!!それで怪我して帰ってきて、それでもまたすぐに変身して!」
立て板に水を流すって、きっとこういうことを言うに違いない。よくもまあこれだけ溜めこ
んでいたものだと、どこか冷静な自分が頭の片隅で毒づいている。それでも、偶然とはいえ形
になった言葉のおかげで、自分が何に対して腹を立てていたのかおぼろげながらもわかってき
た。
そう、いつだって自分は置いていかれるばかりで、どれだけ心配してもただ待つことしかで
きない。そしてまた、突然一人ぼっちになる日が来るのかもしれないのだ。
かつて父がそうだったように、翔太郎もフィリップも竜も、自分の目の前からいなくなる日
がきっと来る。
「お父さんも竜くんも、なんでみんな仮面ライダーなんかになっちゃったのよ!!?」
魂の底からの叫びが咽喉を引き裂き、写真館の中に響き渡る。恥も外聞もなくそのまま泣き
崩れていると、やがて柔らかい胸の中にそっと抱きしめられた。
その温かさに、今はもう遠い記憶となった母親の姿が一瞬だけ脳裏に蘇って、亜樹子は思わ
ず夏海の体にしがみついた。
617 :
結婚狂想曲 7:2011/04/14(木) 12:48:46.14 ID:fQSt4QsB
「………分かってるの。本当は、お父さんも竜くんも、翔太郎君も、フィリップ君も、この街
の人たちを守りたいだけなんだって。でも、でも………」
「………一度戦いに行ったら、生きて帰ってくる保証なんてありません。待ってる間の一分一
秒は、もの凄く長く感じられます」
「やっぱりそうだよね?みんな、何時死んじゃってもおかしくないんだよね??だけど、私は
ただ見てることしかできない……助けてあげることなんて、できないんだよね」
その問いに、夏海からの返事はなかった。だからこそ、ずっと恐れていたその予測が、高確
率で実現する未来であることを確信できてしまい、亜樹子は全身を震わせた。
嗚咽を噛みしめる背中を、夏海の細い腕が何度も撫でてくれた。
「私も、ずっと待つことしかできませんでした。自分も死んでしまうかもしれないのに、どう
してそこまでって、戦いに行こうとする人を引きとめたこともあります。私のせいで、大切な
人達を危険に晒したこともありました。助けたいって、ずっとそう思ってたのに、何もできな
かった」
静かに自分の過去を語る夏海の言葉を、亜樹子は黙って聞いていた。
「待っていてくれる人がいれば、そこが帰る場所になる。だから、這ってでも帰ってくる」
「え……?」
夏海の言葉に、亜樹子は思わず顔を上げた。夏海はどこまでも柔らかな笑みを浮かべたまま、
どこか悲しげな声で続けた。
「誰もいない家に帰るのは、とても寂しいです。だけど、待っていてくれる人がいれば、何が
何でもそこへ帰りたいと思えるんです。だから、亜樹子さんがその人たちを待っていることは、
決して無駄なことなんかじゃありません」
「無駄じゃ、ない?」
「はい。亜樹子さんが待っていてくれるから、竜さんや翔太郎さん、フィリップさんも全力で
戦えるんだと思います。きっと、亡くなったお父さんも同じだったはずです」
分かってるんですけど、私は待っていられませんでした。
夏海は儚げな笑みを浮かべ、小さな声で確かにそうつけ足した。その言葉がなんだかとても
悲しくて、亜樹子はじっと夏海の顔を見つめた。
「亜樹子さんの言ってることは最もですし、それははっきりとその人達に言うべきだと思いま
す。特に仮面ライダーになる人って、そういうことに無頓着なことが多いですし」
そこで何かを思い出したのか、夏海が小さな声で笑った。しかし、すぐに表情を元に戻すと、
夏海は亜樹子の目を真っ直ぐにみつめてきた。
「でも、きっと亜樹子さんの中で、もう答えは出てるはずです」
「答えなんて…」
そんなことを言われても、今はまだとても認める気にはなれなかった。もう戦わないで欲し
い、これ以上危険なことをしないでほしい。側にいて欲しいと願う自分よりも、風都のほうが
大事なのかと聞いてしまいたい。
618 :
結婚狂想曲 8:2011/04/14(木) 12:49:47.74 ID:fQSt4QsB
震える両手に、夏海の手が静かに重なった。
「今はまだ分からないかもしれません。でも、きっといつか、亜樹子さんにも分かるはずです。
仮面ライダーの力が、どんなものなのか。ライダーになることに、どれだけの覚悟が必要なの
か」
「覚悟?」
こくり、と夏海が深く頷く。その瞳は、さっきまでの儚げなものではなく、竜や翔太郎が変
身するときに見せるような、強い意思の力に満ちている。
「きっと亜樹子さんの所に戻ってくるって、信じてあげて下さい。それが、何よりも心の支え
になるはずです」
信じられるはずなんてない。
分かるはずなんてない。
そう思っていた、けれど ───────
「………所長?」
小さくも華やかだった挙式と、打って変わってどんちゃん騒ぎとなった二次会と、慌ただし
い一日が終わりようやく一息ついたところで名を呼ばれ、亜樹子は髪から外した生花を手に首
だけで振り返った。シャワーを浴びてきたのか、濡れた髪にタオルを乗せた竜がそこに立って
いたことに、自分がしばらく物思いにふけっていたことに気づかされてる。
心配そうに覗きこんでくるその襟もとから、一瞬だけ赤黒い痣が見えて、思わず胸が苦しく
なる。けど、そこはぐっと押さえて顔には満面の笑みを浮かべた。
「疲れたか?」
「ううん、大丈夫。なんだか今日のことが、夢みたいだなって思ってただけ」
「夢か。確かにそうかもしれないな」
軽口を叩いたつもりが、妙に真剣に考えこまれてしまった。それが妙に竜らしくて、亜樹子
は思わず思わず吹き出してしまった。
そう、こんな馬鹿みたいに真面目な所にも自分は確かに惹かれた。
「やだなぁ!こ〜んな可愛い花嫁さん貰ったから、不安になっちゃった?」
「ああ、実はまだ信じられない」
ああもう、どうしてこんな乗り突っ込みにすら真面目に返してくるんだろう。あまりにも生
真面目な答えに、こちらが赤面しそうだと、亜樹子は妙に自分の体温があがってくる気配を感
じ取った。
あ〜、とかう〜、とか訳の分からない声で次の言葉を探していると、ふと竜が真剣な目で亜
樹子の姿を見つめた。流石にそれを茶化す程、空気が読めないわけではないので、亜樹子も大
人しくテンションを落とし改めて竜へと向き直った。
すると、竜はすっと右腕を差し出し、亜樹子の前で掌を広げた。
「これを、所長」
「え?だって、これってアクセルの…」
見慣れた赤いガイアメモリを差し出され困惑していると、竜は亜樹子の手をとり、そこへア
クセルメモリを乗せ指を閉じさせた。
「所長が持っていてくれ」
「ええ!?だって、これなかったら竜くん変身できないんだよ!!?」
「だからだ。俺は今日、自分と仲間に誓った。病める時も健やかなる時も、いかなる時も一緒
にいると」
亜樹子を見つめたまま、竜は膝を床に落とし、まるで中世の騎士のようにその前にひざまず
いた。
619 :
結婚狂想曲 9:2011/04/14(木) 12:50:14.96 ID:fQSt4QsB
「俺は今まで、ずっと一人だった。生きるのも死ぬのも、俺だけが決めればいいことだった」
「うん……知ってる」
竜がどんな思いで仮面ライダーの力を手に入れたのか、どれだけ努力してアクセルトライア
ルへなったのか。全てを振り切る覚悟で挑んだ戦いで、最後の最後で私怨に駆られた復讐では
なく、誰かを守る為にその力を振るうと決めた。その為に、どれほど内心で苦悶したのか。
全て知って、だからこそ一緒に居たいと思った。
「だが、今日からは違う。俺は確かに風都を守る仮面ライダーだが、その前に所……亜樹子の
家族だ。俺が戦うことは、亜樹子が戦うということでもある。だから、本当に戦うことが必要
かどうか、亜樹子が決めてくれ」
「それって、私が嫌だっていったら、竜くんはもう変身しないってこと?」
「本当に亜樹子がそう思うなら」
真摯な瞳で見つめ、そう断言した竜の顔に迷いはない。ずっと言いたくて、けれども素直に
口にすることができなかった願いは、ちゃんと竜の心に届いていた。
そのことが嬉しくて、亜樹子は渡されたメモリを胸に押し当て、深く息を吸い込んだ。
父が、メリッサが、どれほどの覚悟であの戦いを乗り越えたのか。全てを知った今、何も知
らなかったと不貞腐れ、糾弾しようなどという気持ちは綺麗に溶けて消えていた。
翔太郎も、フィリップも、竜も、ライダーとなった者は皆壮絶な覚悟と引き換えに、その力
を得た。例え自身の命と幸福は保証されなくても、それでも戦い続けることがいかに大変なの
か、今まで分かったつもりで全然わかっていなかった。
答えはもう自分の中にあると、つい先日夏海に言われたその言葉は、本当だった。
「ありがとう……ありがとう、竜君」
ぽろぽろと涙を流しながら、亜樹子はようやく心からの幸福を噛みしめた。今までも、そし
てこれからも、きっと自分は待ち続けることになる。たとえ戦いに同行したとしても、変身で
きるわけではないのだから、最終的には足手まといにしかならないだろう。
それでも、待つことで心の支えになることはきっとできる。
「約束する。俺は絶対に、お前を残して死にはしない」
「それも知ってる。竜くんは私の所に必ず帰って来てくれるって、信じてる」
「俺が戦う時は、一緒に戦ってくれるか?」
抱きしめられ、与えられた言葉は二度目のプロポーズ。亜樹子は両腕を竜の背に回し、その
胸に頬をすりよせ小さく頷いた。
自分は刑事であり仮面ライダーである夫を選んだのだ、竜を一人で戦わせるはずがない。
「……ね、一つだけお願いきいて?」
「何だ?」
「あのね……」
竜の耳元にそっと唇を寄せて、亜樹子は悪戯を思いついたように微笑んだ。
翌日。
「はぁ〜い、竜くん!お・ま・た・せ!!」
光写真館にはいつも閑古鳥が鳴いているとは士の言葉だったが、今日だけはそんな鳥など鳴
かせはしない。
昨日のウェディングドレスとブーケを持ち込み、夏海の手によって綺麗にヘアメイクを整え
てもらった亜樹子は、先日とは打って変わってすっかりスタジオらしい姿になった写真館のド
アを賑やかに開いた。対する竜は、いつもの赤いレザーのジャケット姿で、老主人の入れるコ
ーヒーに舌鼓みを打っていたその格好のまま、見事なまでに固まった。
もう一枚だけ、記念写真を撮りたい。
ただそれだけしか伝えてなかったのだから、驚くのは仕方がない。というか、最初から確信
犯だったのだから、思惑通りの反応が心地よかった。
なんやかんやと雑用をこなしているユウスケや、客よりも尊大な態度のままカウチにもたれ
る士には目もくれず、亜樹子は竜の前でくるりと一回転した。
「どう?昨日は夢心地でよく覚えてないんじゃないかな〜、って思ったんだけど」
「忘れるはずがないだろう。今日も良く似合っている」
「でしょでしょ?」
えへへへへとブーケの陰でにやけていると、視界の隅に士が辟易している姿が入ったが、そ
れは華麗にスルーした。やっぱり人のよいユウスケは、竜の後ろで白いレフ板を持ちながら、
同意を示すように大きく頷いてくれている。
カシャカシャとライトを照らし何かを計測していた夏海も、やはりとても嬉しそうに笑って
くれた。
「竜くん」
亜樹子は竜の手を引き椅子から立たせると、ブーケの陰に隠し持っていたアクセルメモリを
差し出した。流石にこんな場所でメモリを渡されると思ってなかったのか、僅かに竜が動揺し
たが、亜樹子はどこまでも真面目な瞳で竜を見つめた。
「昨日の返事。私もずっと、一人だった。どれだけ心配しても、どれだけ怒っても、結局私は
竜くんの家族でも何でもないし、何もできないって思ってた。でも、もうこれからは違うんだ
よね?」
「所長…本当にいいのか?」
これからも変身して戦い続けてもいいのかと聞いてくる竜に、亜樹子はにっこりとほほ笑ん
だ。
「竜くんは私の旦那様だけど、やっぱり刑事でありアクセルでもあって、私はそんな竜くんが
好きだから結婚したの。翔太郎君やフィリップ君みたいに、一緒にドーパントと戦うことはで
きないから、きっと待つことしかできない。それでもいい?」
「馬鹿なことを言うな。所長がいてくれるから、俺は戦える。昔みたいに、一人で戦うのはも
う無理だ」
心から驚き、そして喜んでくれていることは、僅かな表情や声の変化で十分に理解できた。
亜樹子は居住まいを正すと、改めて竜の顔を見上げた。
「私、鳴海亜樹子は仮面ライダーアクセルである照井竜を夫とし、いかなる時もその側にいて、
全力で支えることを誓います」
「所長……」
「頼りになりそうでならない部下達で悪いけど、これからも3人で風都を守って、ね?」
はい、とアクセルメモリを差し出すと、勢いよくその腕の中に抱き寄せられ上を向かされた。
何を、と問うよりも早く、吐息も何もかもを奪い取られる。見ず知らずの人の前でするにはあ
まりにも激しい口づけに、流石の亜樹子も羞恥心で真っ赤になった。
しかし、愛しい夫の腕は憎らしいぐらいに鍛えられていて、本気で抵抗したところで緩むは
ずがない。
「っ……りゅ、竜くんっ!」
「所長があんまり可愛いことを言うから悪い」
「たたたた、たんま〜〜〜〜!!これ以上はダメだってば!」
至近距離の頭を全力で押し返し、じたばたともがいてみる。ちらり、と周りの様子を伺えば、
やっぱりユウスケと夏海は微笑ましいものでも見るように笑っていて、士は呆れたようにそっ
ぽを向いていた。
やっぱり、仮面ライダーになる人は、どこか普通の人とはずれてる気がする。
恥ずかしさと嬉しさで茹でダコのようになりながら、亜樹子はふと夏海が言っていた言葉の
意味するところを考えてみて、内心で冷たい汗をかいた。熱い抱擁が緩んだ頃合いを見計らっ
たかのように、老主人がカーテンの向こうからひょいを顔を出した。
「夏海、用意は出来たのかい?」
「あ、はい!じゃあ亜樹子さん、照井さん。あちらへどうぞ」
「は〜い。ほら、竜くんも!」
亜樹子が手をひくと、竜も引きずられるように中央へと進んだ。しかし、明らかにアンバラ
ンスな格好に戸惑っている気配がありありとわかったのか、夏海が不思議そうに亜樹子へと視
線を向けた。
「ほら、竜くんも早く!」
「早くといっても、俺は今日スーツは…」
「スーツならあるじゃない、ほら」
つんつん、とアクセルメモリと指差すと、照井がぎょっとしたように目を見開いた。普段か
ら所構わず変身しているくせに、何でいまさら人目を気にするのやら。そんな亜樹子の突っ込
みを代弁するように、夏海が何かを士へ放り投げた。
「おい、夏みかん」
白と黒のゲーム機のようなものを手にした士が、思いっきり不服そうに眉を寄せる。しかし
夏海は、そんな士の文句など聞こえないかのようにユウスケのほうへと視線を動かした。
「ユウスケもです」
「ええっ!?いや、まあそれは構わないけど、でも何で?」
「別に、ずっとそのままでいなくても、私達のことを知ってもらえればそれでいいんです」
「んなもん口で説明すりゃいいだろ」
「百聞は一見にしかずってヤツです。ほら、士くん!!」
「わ〜った!わかったから笑いのツボはやめろ!」
びしっと親指を立てた夏海に、やはり士が逃げ腰になる。仕方なさそうに立ち上がった士は、
疲れ切った溜息と共にそのゲーム機のようなものを腰に当て、一枚のカードをかざした。カメ
ラをはさんで反対側にいたユウスケも、両手を腰のあたりに当てる。
「「変身!」」
「なっ……!!?」
突然現れた二人のライダーの姿に、竜もまた反射的にアクセルドライバーを出す。やっぱり
こうなるかと、予想通りの反応をする竜の姿をまじまじと見た亜樹子は、わざと大きな仕草で
頭を下げた。
「ご協力、ありがとうございま〜っす!」
「所長!?」
「あのね、あの二人も仮面ライダーなんだって。だから、竜くんが変身しても全然平気なの」
「そういうこった」
面白くもなさそうな声でそう言った士が、さっさと変身を解く。ユウスケもまた変身をとき、
何事もなかったかのようにレフ板を手に取っている。
カメラの角度を合わせていた老主人が、急かすように顔を覗かせた。
「ほら、早く並んで並んで!花嫁さん待たせちゃいけないよ?」
「なるほどな……そういうことか、所長」
「そ〜いうことです。だから、ね?」
お願い!と両手を合わせ、可愛くおねだりしてみる。そ〜っと視線を上げると、予想に反し
柔らかい瞳をした竜の顔が目に飛び込んできた。
「お願いってのは、この程度のことでいいのか?」
ふわり、と頭をなでられ、その心地よさにまるで子犬のように破顔する。そう。愛する夫に
はもう一つの顔があり、妻としてはその姿でも結婚写真を撮りたかったのだ。
「変……身っ!!」
ブウン、と聞きなれた音と共にメモリの音が響き、深紅のライダーがあらわれる。生身の時
よりもさらに長身となった竜に飛びつき、青く大きな瞳を見上げた亜樹子は、頬にあたるであ
ろうシルバーのフレーム部分に小さく口づけた。
そのチャンスを逃さず、すかさずシャッターが切られる。
「大好きだよ、竜くん」
大きなショルダーパーツに縋ると、返事の代わりに軽々と抱きあげられた。両腕を首に回し、
心からの悦びで顔をほころばせた亜樹子の姿は、間違いなく世界で一番幸せな花嫁の姿だった。
今日も明日も、ずっと一緒に歩いていこう。
たとえその先に厳しい戦いが待つ険しい道でも、二人ならきっと大丈夫。
後日、世にも珍しい仮面ライダーの結婚写真が、通りすがりの仮面ライダーとそのパートナ
ーによって所長不在の探偵事務所に届けられた。それにもう一人の風都の仮面ライダーである
左右のコンビが、じつにそれぞれらしい反応を示したのはまた別の話である。
*****************
以上です。
Vシネ冒頭のラブラブっぷりが半端なかった
いいぞ公式、もっとやれww
お疲れ!照亜樹かわいいな!
イチャイチャもっとやれww
Vシネもう見れるのか〜!!
照亜樹GJです!
Vシネに出てきた寝室に、アクセル・亜樹子の結婚写真が飾られるのね。いいわあ。
この二人大好きだからもっともっと読みたい。
>>622 照井夫妻かわいかったありがとう
アクセルと亜樹子の並びも好きだ
Vシネはあれ前の夜よっぽど振り切ったんだろうなw
監督からバカップル呼ばわりされるほど仲良し夫婦だしな
照井の体力の程はVシネで改めて実証されたし
夜のマキシマムドライブに亜樹子がどこまでついていけるか
つか、やっぱゴムはダース買いか?
二人とも家族を亡くしてるし、早く新しい家族が欲しいんじゃないかな?
つまりゴムなど不要
「一発でダメなら十発。十発でダメなら百発…ブツブツ」
「竜くん…もう許してぇ。あたしいきなり五つ子とか無理ぃぃ」
事件解決後の夜の仲直りエッチはさぞ激しかったことだろう
昼間はバイクモードで所長を乗せて、夜は所長に乗る照井。
照井さんはムッツリだからなw
個人見解だが、初回から鉄板で童貞じゃなさそうな主役(平成)→ヒビキ、巧、天道、士
意外と経験あるかも?→雄介、翔一、翔太郎
やっぱり強気キャラはそっちも余裕でこなしてそうなイメージになるな。
天道あたりは一応適度にこなしたものの、既にやり尽くした感がありそう。仙人レベルって言うかw
おとなしいキャラが女子に押し倒されちゃうのも好物。真司、渡、映司とかはそのパターンかなり似合いそう。
ゴフッ
弱ったアンクに寄り添う比奈でアン比奈
最後の「映司くん…」で映比奈
でも今回メインは真木知世か
机につっぷしたアンクに寄り添う比奈に悶えた
何だあの距離の近さ!
真木博士の過去の救いようのなさに泣きそうだ
これから癒していくこともできんのか・・・
一瞬膝枕に見えて目ん玉ひん剥いたのは自分だけじゃない…はず
擬態チビアンク、今後クスクシエとかに行くことあったりしないのかな?
来てくれ!
>>636 自分の中では膝枕だ
擬態チビアンクなら素直に比奈に甘えてくれそうだよなぁ
その場では強がって知らん振りするものの、比奈とふたりきりになったらチビに対抗して
比奈にしがみついて離れないアンクとか超萌える
最初の入口から入って来た時からの「アンク!」で既に悶えた!
更に、その後の寄り添いで昇天した。
ちびアンクが比奈に懐いて、がるがるしてるアンク超見たいwww
オーズの力を使いすぎる瑛司を心配する比奈も、女の子オーラ全開で可愛かった。
反面、真木博士が切ないな。
救われて欲しい。
もしもクスクシエにちびアンクが来たら
知「あら、アンクちゃんの弟さん? 可愛いわねぇ〜。アイス食べる?」
僕「食べる。ありがと」
知「まぁ、ちゃんとご挨拶できるのね! 偉いわ、アンクちゃん!」
ア「だれがアンクちゃんだ!!」
比「どうしたの? 眠いの?」
僕「ん……抱っこ」
比「いいよ、おいで。よしよし」
ア「離れろぉぉぉ!!」
ちびアンクが擬態なら微笑ましいけど、グリード態だとシュール
知世子さんにはドクターを救ってあげてほしい。
ちびアンクが比奈を性的な意味で襲う…
とか想像したけど、犯罪くさいかw
子供だからなぁ…
怪人体ならまだ平気かも知れんが
そこで猫の入れ知恵ですよ
ああ、ミックさんか…
>>646 生前の来人がミックさんを使ってセーラー服冴子に
あんなことやこんなことをすると言うのか……
>>647 ミック「にゃあ」
冴子さん「?」
ミック「ー」むぐむぐ
冴子さん「どうしたの、ミック」
ミック(お姉様の胸柔らけえー!!!)
ちよこさんとドクターのてが重なってる時
指の動きがエロかったよな
>>649 そのシーンは良かった
ドクターの長い指が戸惑いつつ動くから余計エロかった
ハッピーエンドにはならないかもしれないけど、
知世子さんには何らかの形でドクターを救ってあげてほしい
すみません、流れ豚切ってDCD士夏投下します。
S士が後半へたれにカメンライドしますw
キャライメージ崩壊注意です。
NGはDCD士夏「Ring a bell」でお願いします。
「は、ぁんっ…!」
オレンジ色の夕日に染まる室内に、夏海の甘い声がかすかに響く。
足の上に乗り、背中にしっかりと巻き付く細腕。その力加減は俺が動く度に変わり、時折爪が皮膚を過って軽い痺れを走らせた。
「あぁっ、士、くん」
名前を呼ばれた途端、自分のモノに更に血液が集中して行くのが分かる。
ベッドを軋ませて下から突き上げると、苦しいほどの快感で砕けそうになった。
「んぁ…っや、です。こわ、い!」
「何がだよ?」
自分でも驚くほど甘ったるい声で、夏海の耳をくすぐってやる。舌先で巻き貝のような渦や耳たぶを刺激すると、逃れるように首を振った。
「な…にか、来ちゃ…や、あぁぁッ」
背中に汗が伝う。胸の先端は触れ合う刺激で固く尖って色付き、俺を誘った。
「ん――!」
口に含むと、繋がった奥がくちゅくちゅと音を立て、圧迫が増した。
完全に血を下半身に取られているせいか、頭がくらくらして来る。今にも星が回り出しそうな勢いで。
「イキそうか?」
「あっ…ん、」
歯を喰いしばって目を閉じ、頑なに答えを拒否する夏海。
「嘘つけ。こんなに欲しそうに締め付けて来やがる癖に」
腰を掴み、激しく前後に揺さぶった。
「つ、かさくっ…ダメです!」
「ダメしか言わねぇなお前」
可愛くねぇぞ。目に染みる汗に首を振る。
「こんなにびしょ濡れにして腰振っといて、抱かれたくなかったなんて嘘だろ」
「う…っん、っ!」
肩に顔を埋め、声すら失って快感を享受し始めた夏海に、俺はぴたりと動きを止めた。
「…?」
ゆっくりと持ち上がる瞼に浮かぶ、戸惑いと疑問の色。
「ねだってみな」
ニヤリと笑って見せると、それは忽ち濃厚な慟哭に支配された。
「やだとかダメとかばっかで、どうして欲しいのかちっとも分かんねぇし」
長い髪を梳き、首筋を舌でなぞって遊び始める。耳元に吐息を送り込みながらゆっくりと腰を撫で回すと、薄い背中に震えが走った。
「…は、っ…」
浅く、切羽詰まった呼吸を繰り返す夏海の双丘を割るように両手で掴み、一度だけ最奥を打つ。
「あぁぁっ」
決して優しくない一撃で身体を抉り、痛みにも似た快感を刺激した。
「ほら、抜いていいのか?」
再び、今度はかなりギリギリまで身体を離すと、夏海の目に独特の獰猛さが混じるのを見る。
理知的であろうとする姿と、快楽を逃すまいとする原始的な雌の視線とのギャップに、俺はひどく興奮した。
「て、」
「ん?」
「…して、下さい。私、もう」
「何を?」
本音を言えば、こっちだって相当キツイ。だが、敢えて自分自身に挑戦するかのように言ってみる。
「士くん、のを。挿れて、お願い…!」
涙目なのは余程恥ずかしく屈辱的なせいか、はたまたこの状態に酔い痴れているせいか…一体どれが理由だったんだろう。
「ひっ、あぁぁ――!」
答えは身体に訊いてやると、一気に楔を打ち込んだ。
腰を叩き付ける度に高く跳ね上がる肉の音と、腿を濡らす蜜の洪水。
「あ…あ、あ…あぁっ!あんっ」
「イイか?」
「ッ、…きもち、い…」
「欲しかったんだな?」
「…ッ…!」
噛み締めた唇をキスで解いた。ぬるついた舌の感触を与え合っていると、もう何も考えられないくらい高まって行く。
「あ、っは…んんっ――あ、あぁ!」
まるで魚が滝を昇るように背を反らし、夏海が全身を強張らせた。
余韻はしばらく続き、呼吸すら忘れた様子で小刻みに震える。
俺は最後の力を振り絞り、汗にまみれた身体を揺らした。締まる中が、搾り尽くさんとするようにモノを離さない。頭がおかしくなるほどの良さ。
「――、…ッ!」
膝から下ろした夏海の身体を、間髪入れずに強く引き倒す。
「!?」
素早く開かせた口。その喉の奥に向けて、俺は自らの欲望を放った。
今まで受けたこともない行為に驚き、呻く女を見下ろしながら、心に醜い優越感が広がって行くのを感じて色んな意味で目眩がする。
全てを出し尽くすと、口内にある物体を持て余して泣きそうな顔をする夏海の口を押さえた。
「飲めよ」
理性と欲望の狭間を漂いながら、サディスティックに走り出す感情を止められない。
大ショッカーの大首領として生きていた頃の自分の本性を垣間見る瞬間。
夏海は逡巡の間に呼吸を奪われかけ、潤んだ目を忙しなく瞬かせていたが、やがて諦めたように要求を果たした。
こくんと喉が動き、眉をしかめて咳込む。
頭を撫でてやるが、意識はいつもの自分から離れた場所に置き去りのままな気がしてならない。
「誰も戻ってねぇよな、まだ」
独りごちて、俺は夏海の顔を見ないようにしながらベッドを降り、裸のまま廊下に出た。
1階で商売をしている都合上、光家では生活空間は2階に集約されている。
一応人の気配がないのを確かめてから、風呂のドアを開いた。
勢い良く溢れ出すシャワーはなかなか温かくならない。すぐに給湯をオンにし忘れていることに気付いたが、このままの方がいいと思い直して頭から被った。
冷たさが肌を打ち、熱を鎮められて実感する。
――来た。
言い知れぬ重い後悔が頭の上半分をそっくり覆い、じわじわ下降し始めて。
フックに掛けたまま水のシャワーを浴び、壁に手を付いて自分を支える男。まるで何処かの修行僧のようだが、抱えているのはそんな殊勝な志である筈がない。
散々傍若無人に振る舞った俺に、あの後夏海は何を思い、どんな顔をしていたのだろう。
分からない。分かろうとしなかったから。逃げてしまったから。
「……。」
苛めて煽って、無茶をさせて悦んで、だが巡り巡るとこれは究極のマゾヒスティック行為なのかも知れない。
後から死ぬほど悔やむことを分かっているのに、何故もっと分かりやすく大事に愛してやれないのか。
肌を滑る水滴に感覚が麻痺し、最早寒いのかも暑いのかも分からなくなった。
ともあれ、今は夏海に順番を譲ってやらねばならないことを思い出し、蛇口に手をかける。
「風邪ひきますよ?」
声が響いた瞬間、全身の毛穴が開くような怖気が走った。
背後でピッと電子音が響き、給湯システムが稼働する。
「じっとして」
無条件に従わざるを得なくなるような硬い口調の後、背中が泡を乗せたスポンジで擦られ始める気配。
腕や腰、尻や腿に至るまで、普段の自分のやり方に比べると圧倒的に繊細でくすぐったい力加減で洗われる。
「私は、士くんみたいに経験豊富じゃないですし」
夏海の声は決して大きくはないのに、不思議とシャワーの音に紛れずに届いた。
「だから、自分がされていることが普通なのか異常なのか、さっぱり分かりません」
ごしごし。指先まで丹念に磨かれて。
「でも、無視するくらい自分の行いに傷ついてるなら、せめて言い訳くらいしてみたらどうですか?」
「……。」
真綿で首を絞められているような感覚。怒られたり責められたり、いっそ殴られた方がよっぽど楽というものだ。
「黙っていてもだめですよ。何か言ってくれるまで、あなたをここから出しませんから」
万一同居人達が帰宅してしまっても、今の夏海は宣言通りにするだろう。気持ちの強さに勝てそうもないことを悟り、俺は観念した。
息を吐く、吸う。やがて口を開く。
「行きずりの女だったら、一度で用済みなんだ」
「…、」
「予想通りだよ。俺は、自分の欲望だけで動いて来たどうしようもない奴だ。具体的な人数が知りたきゃ言うが、」
「結構です」
良かった。と言っても、実は自分でも最早概算程度しか分からないのだが。
「二度はねぇから次に行く。本気が一つもないから数ばっか嵩むが、そんなもん誉められたことじゃない」
「別に…男の人は、それで満足ならいいんじゃないですか?」
「誰の話を聞いてるんだお前は。身体だけの満足なんて、長続きしやしねぇんだよ」
スポンジが上下する背中の皮膚が、かり、と軽く引っ掛かれる感触。
声は冷静でも、夏海は内心憤怒しているという証拠を得た気がして、何故かほっとしてしまう。
「だから。結論としては、一人例外が現れたってことだ」
「どうしてですか。手近、だから?」
「違う」
背を向けていて良かった。心底良かった。でなければとっくに何も言えなくなって黙り込み、夏海に更なる邪推をさせることになってしまう。
「離したくない理由があるからだろ」
背中越しに手を手繰り寄せ、正面に下ろさせた。こんな状況を物ともせず、再びゆるく勃ち上がって頭をもたげる俺自身へと。
「え、…」
「こんな狭いとこに丸裸で突っ立って声聞いてるだけで、勝手にこうなるんだよ。お前相手だとな」
赤っ恥ついでに手を添えながら上下させると、あっという間に調子に乗って固くなるモノに、我ながらひどく無惨な気持ちになった。
覚えたてで、猿みたいに分別なくヤリたい盛りのガキじゃあるまいし。俺は一体何なんだ、いい加減恥を知れ。
「気持ち、いいんですか?」
夏海は動揺を隠しこそしないが、俺が手を離した後も動かすのを止めなかった。
「うん」
思わず素直に頷いて目を閉じ、壁に付いた拳を強く握り締めると、背中を丸めて大きく息を吐く。
「こんなやり方でいいなんて、結構原始的ですよね」
「……。」
うるさい。その通りだが。
背中に当たる乳房の感触にまで煽られ、いよいよたまらない気持ちになる。
「なつみ、」
行為も気持ちの昂り方も、愛撫と言うよりは自慰に近い。
だがそれだけを求めるなら、もっと的確に淡々とツボを刺激して終われる筈。
時間がかかっても他人に、夏海の手に委ねるのは、知って欲しいからだと思った。
俺のことを、もっともっと深く、淀んで汚れたところまで。
本当は見せたくないと思う部分もあるし、元来一方的に暴かれて平気な性質ではない。なのに、受容して欲しいと望んでしまう矛盾。
愛しければこそ、壊したくもなるのが人間。
ギリギリの境界を踏み越えたがるのは、その先を知りたいからに他ならない。
「――!」
腰に集まった快感が急速に拡散しそうになって、俺は奥歯を噛み締めた。
イキたい、まだイキたくない。もっと触れていて欲しい。こいつになら、永遠に捕えられたままでも構わない。
「口の方がいいですか?」
だが、あっさり問われた瞬間、急速に胆が冷えた。
「あれ、は。…悪かった」
「いいえ?」
なけなしの従順さを集めて謝ってみれば、夏海はあっさり答えて拍子抜け。
何だ?怒っていたんじゃなかったのか?
「だから、士くん。私には、一体何が正しいのかなんて分からないって言ったでしょう?」
まるで姉か母でもあるかのように諭して、何処となく淋しげに笑った。
「高校の頃、初めてなんて早く捨てた方がいいって空気になったことがあって。それほど好きじゃない男の人としてた子もいたんです。とにかく未経験じゃなくなれば、相手は嫌いじゃない程度の人でも構わないって」
「は、」
いきなり過ぎるが、それをおいても馬鹿な話に呆れた。
ガキというのは、その瞬間の自分が一生続くと思っている。だから必死になって生き急ぐ。
「そういうの、私は全然焦ってなくて。その時は呑気過ぎるとか言われたんですけど…やっぱり良かった。だって私は、初めての時も今も、一番好きな人としかしたことがないんです。それってきっと、凄いことなんだと思うから」
「――。」
自分の顔が火照るのが分かって、思わず口のあたりを手のひらで覆った。
何だ。何なんだこの流れでその台詞は。天然の殺し文句とは生意気な。
「夏海、」
相手によっては重たさの方が勝るに違いないのに、こんなに湧水のような歓びが込み上げて来るなんてどういうことだ。
「部屋戻るぞ。もう一回ちゃんとさせろ、って言うか…抱きたい。物凄く」
白々しいと言えば、本気で白々しい。実質することは一緒なのに、ちゃんとも何もないものだ。
だが、そこに至る気持ちが残酷だったり、自分を嘲笑うものではないというのは、とても難しくて重要なことなのではないか。
夏海は、身体を覆う泡をシャワーで洗い落とす。
「いいですよ。…同じこと思ってましたから、私も」
腰に腕が廻り、肩に触れる唇の感触。たったそれだけのことでも、伝わって来る想いは確かにあるのだと知る。
数だけこなしても、どれだけ日々は空っぽだったのかを象徴するように。
「誰も帰って来てないといいですけど」
濡れた身体を拭くのももどかしく、タオルを被って水滴を押さえるだけで済ませる。
ドアから目だけを覗かせて、様子を窺って。
よく考えたら着替えすら持って来ていなかったから、部屋までが茨の道という事実は変わらないのだが。
「――行くぞ」
スリルと期待に満ち溢れた、数歩分の二人旅。なかなか悪くない。
笑いが込み上げて来て、俺は馬鹿で愚かな昔の自分に勝てたような気がした。
<終>
(・∀・)イイ!!
こんな士も大好きだ〜!!
やっぱりいいなあ士夏。
GJ!!!!!
ドSからヘタレへの見事なカメンライドに悶絶したw
ストライクゾーンど真ん中な話をありがとう!
>>651投下乙&GJでした
ここまで心をさらけ出しちゃったら
もう2人は一生離れられないな
何か士が可愛い奴だな〜!頭クシャクシャしてやりたい!
ほんわかした!GJ!
>>656の「うん」に激しく萌えたw士かわいいよイイヨー
なんなら部屋に戻らないでそのままお風呂でやっちゃtt
GJでしたありがとう!
最近アン比奈不足よね
しょたアンクと腕アンクで比奈ちゃんを取り合う話しを誰かプリーズ!
近親イヤな身としては映比奈に飢える一方
てか比奈ちゃんはこのスレの住民を振り回す子だな
俺はフィクションの近親相姦ならOK
実際は引くけど
比奈と僕アンクチビっ子態の接触を切望せずにいられない
関係無いけど、何となく555のてるお君思い出した
>>668 トラウマをえぐるのは止めてくれ・・・
真アンクはあんな悲しい最期にならなければいいんだが
次回予告
早速暴走ネタか!
紫コンボが比奈ちゃんに・・・!?
なんというアンク終了のお知らせ
555本スレがここの出張所になっとるwww
>>673 本当だw
あの流れで文句がでないのは、本スレ住人が寛大なのか
それとも555自体の大人向け精度が高いのかww
そして、毎回オーズの流れを遮って申し訳ないけど
またしてもDCD士夏を投下させてもらいます
話としては
>>538の続きにあたりますが
単独でも読めるように書いたつもりです
ただし、相手は大首領時代の過去の士ですので
本編から乖離したパラレル系の話がアウトな方はスルーしてください
NGワードは「DIAMOND CAGE」でお願いします
日常と言うものは容易く崩れ去る。それを知りつつ、皆今日という日が永遠に続くような錯覚を自分の脳
に与え、日々を過ごしているものなのかもしれない。そして、その瞬間に立ち会う度に人は何度でも驚愕に
震え、言いようのない絶望を覚える。職業も経験も関係ない、それは生物にとって必要な本能といっても過
言ではない。
もう二度と離れることはないと思っていた手が引きはがされ、制御不可能な銀色のオーロラによって彼の
人と世界が隔てられたその時、やはり夏海は背筋が凍りつくような恐怖に襲われた。
「夏海!」
次元の壁に隔てられくぐもってはいたが、士の張り詰めた声は確かに耳に届いていた。けれど、伸ばした
腕は虚空を掴むだけで、時空の狭間に落された夏海はあっという間に世界を見失った。
数時間前に前触れもなく背景ロールが切り替わり、新しい世界へと移動したことを確認するために二人で
写真館を出た。恋人と呼べる間柄になってからそれなりに経つが、環境が環境だけに二人っきりになること
は少ない。久々のデートに浮足立っていたのは夏海だけではなかったらしく、道端で店を広げて自作のアク
セサリーを売っていた若いカップルに勧められるまま、士は対になっているひと組のペンダントを買うと片
方を夏海の首にかけた。士が何かプレゼントをくれるなどとても珍しいことだが、夏海は素直に喜んでそれ
を受け取った。
けれど甘く穏やかな時間はやはり長くは続かず、いつかと同じように突然始まった滅びの現象に飲みこま
れながら、夏海は遠のく意識の中でただひたすらに士の名を呼び続けた。
時間と空間がねじれ、あらゆる感覚が消失する。
「………っ、う…」
体の節々が痛む感覚に低い声をもらしながら、夏海はようやく感覚の戻り始めた体に力を込めた。天も地
も分からなくなるぐらいの衝撃はようやく過ぎ去り、体の下にある硬く冷たい感覚がどこかの世界へ落され
たことを伝えてくる。
「ここ、は…?」
グルグルと地面が回るような感覚を堪え、夏海はどうにか上体を支えることに成功した。酷い乗り物酔い
をしたような気分は、初めて自力で世界を超えた時以来の感覚だった。
キバーラの力を借りライダーとなったおかげか、はたまた士から分け与えられた命のせいか、いつしか夏
海自身も士や海東、ユウスケらと同じように世界を超えられるようになっていた。しかし、一人で世界を廻
り歩く必要もなかったため、滅多にその力を使うことはなかったが、自由気ままに世界を行き来する仲間の
気配をオーロラ越しに追うことはよくしていた。
だからこそ、今自分がいる場所は以前訪れたことがある世界の一つだということを、夏海は感覚で理解で
きていた。
「早く…」
戻らないと、と言いかけたその唇が瞬間的に凍りつく。激しく痛む頭を上げた先にあったのは、大きな双
頭の鷲に3文字のアルファベットが刻まれた、恐るべき紋章。その紋章が何を意味するのか、決して忘れら
れるはずもなかった。
「そんな…何故、大ショッカーが……」
あの時と同じ、赤く塗られた床の上にへたり込みながら、夏海は呆然と呟いた。そもそも、大ショッカー
の城はオールライダーの攻撃によって崩れ去ったはずである。混乱する意識のまま、よろけながらも立ち上
がった夏海は、恐る恐るではあるが数歩前に出て階段の向こうに見える玉座を仰ぎ見た。
その時、背後で硬い靴音が響き、夏海は反射的に踵を返した。
「こんなところにまで潜り込むぐらいだ、どんな奴かと思えば……」
かつん、かつん、と音を鳴らしながら、ゆっくりと螺旋階段を下りてくるその影を、夏海は瞬きも忘れ凝
視した。黒とマゼンタのツートンカラーのレザージャケットの背にあるのは、間違いなくディケイドの印だ。
「どうやってここに入った、女?」
かつん、とひと際高い音が響き、完全に階段を降り切ったその人物は、鋭い眼差しを向けてきた。その首
元で、DCDの文字が刻まれた逆三角形のペンダントが冷たく光る。
「大、首領……」
へばりついた咽喉をこじ開けて出てきた自らの呟きに、夏海は体中の血液が一気に引いてゆくのが分かっ
た。目の前に立つのは、あの日と全く同じ出で立ちをした恋人、すなわち門矢士その人だった。
だが。
「ほぉ……俺のことを知っているのか?」
そう言って瞳を細めた士の表情は、ぞっとするほど冷酷で、夏海は目の前に立つ士が自分の知る士ではな
いことを即座に理解した。同時に、自らがおかれた状況を把握し、心臓が止まりそうなぐらいの衝撃を覚え
る。
一体何が起こったのかは分からないが、夏海は今、士が大首領として君臨していた頃の大ショッカーの城
の中にいるのだ。
「ここまで一人で来たんだ、やはりただの女じゃなさそうだな」
にやり、と唇の端を吊り上げた士の姿は、大首領の名に相応しい威圧感に満ちている。その眼差しを真正
面から受け止め、無意識のうちに後ずさりながらも、夏海は冷や汗を滲ませつつ懸命にキバーラの気配を探
った。たとえ幾つもの次元を隔てようとも、パートナーであるキバーラの気配は常に感じることができる。
幸いなことに、それは過去の世界であっても全く変わらなかった。
尤も、今この時間のキバーラにとって、夏海は全く見知らぬ他人である。あのキバーラの性格からして、
素直に助けてくれるとは夏海も到底思えなかったが、少なくともこの場に居続けるよりは遥かに安全ではあ
る。
じり、と一歩ずつ体を下げながら様子を伺っていると、たかが女一人と士が高をくくった気配を感じた。
その瞬間を狙い、すかさず体を大きく後ろへ下げる。それと同時に、銀色に輝くオーロラが揺らめき、夏海
の姿を覆い隠してくれたはずだった。
しかし、次元の狭間を潜り目指す世界へと飛びこもうとした夏海の手首を、同じようにオーロラを潜り伸
びてきた腕が有無を言わさぬ力で捕まえた。
「きゃ……っ!!」
腕が抜けるのではないかと思えるほどの力で強引に引き戻された夏海は、再び玉座の間へと転び出た。音
がするほど激しく壁に叩きつけられ、軽く息が詰まる。ぎりぎりと痛いくらいの力で手首を押さえてくる士
から逃げようと懸命に身を捩ってはみるものの、力の差はあまりにも歴然としていた。
「驚いたな。まさか、世界を渡る力があるのか?」
心の底から驚いているのであろう。士の表情には、僅かながらも確かに驚愕の色が浮かんでいた。しかし、
それが却って好奇心を刺激したらしい。全身を使って抵抗を押さえこんでくる士の目の色は、明らかに先ほ
どまでのものとは違っている。
獰猛な猛禽類の爪に捉えられた小動物のように、夏海は無駄と知りつつも必死の抵抗を示した。
「いやっ!離して!!」
「答えろ、女。今お前が跳ぼうとしてた世界は、俺の知らない世界だ。橋も渡らず、どうやって世界を超え
た?」
「そんなことわかりません!」
まさか士の命、すなわちディケイドの力を貰ったライダーだからかもしれないなんて、そんなことは口が
裂けても言えなかった。
目の前の士が、自分が知る士と同じ時間軸の上に立つ人物なのかどうかは、夏海にもわからない。しかし、
もしも本当に過去に飛ばされてしまったのだとしたら。そして、余計なことを一言でももらしてしまえば、
それが原因で自分の知る時間は消えてしまうかもしれないと、夏海の本能が警告していた。
「とにかく離して下さい!」
「そう言われて素直に離す馬鹿がいると思うか?」
手首を一纏めに掴み上げられ、顎を掴んで無理やり正面を向かされる。乱暴な扱いに思わず真正面から睨
み返すと、面白い玩具を見つけた子供のように士の瞳が暗く嗤った。
そこへ、以前ユウスケと共に落された下水に繋がる落し穴の向こうのほうから、二つの足音が響いてきた。
「ちっ、間が悪い奴だな」
興を削がれた士が、鋭く舌を打つ。その視線を追い螺旋階段の向こうへと目を向けると、何の感慨も浮か
べない冷やかな表情をした海東が、一人の少女を連れて現れた。見た目には高校生ぐらいの華奢な少女の手
には、何故か手錠がかけられており、その表情は可哀想なぐらい怯えきっている。
士と同じデザインだが、色だけが違うジャケットを着た海東は、いつもと変わらない淡々とした声で士へ
と声をかけた。
「やれやれ、言われた通りに連れてきたってのに、一人じゃ足りなかったのかい?」
そう言って手錠ごと少女の手を持ち上げた海東に、士は唇の端だけで笑った。
「すぐにすむ。そいつは例の部屋へ放り込んでおけ」
「!?」
二人のやり取りに、夏海の中である記憶が一気に蘇った。見知らぬ部屋で海東から与えられた、拘束と薬
物と一方的な性行為。そこにあるのは、ただ男の欲望を満たすだけの暴力で、体だけでなく心までも犯され
傷ついた。
あの悪夢のような出来事が、目の前の少女の身に降りかかろうとしている。
「やめて!」
士と海東がこれからなにをしようとしているのか、それを悟った瞬間、夏海は思わずそう叫んでいた。や
はり自分を待ちうける出来事を察したらしい少女の瞳からは、幾筋もの涙が零れおちている。真っ青になっ
た少女をどうにか守りたくて、夏海は必死に二人へと訴えた。
「その子を離してあげて下さい!お願いです!!」
「何だ、知り合いか?」
片方だけ眉を上げた士に、夏海は大きくかぶりを振った。昔の士は、性別も年齢も関係なく、気に入った
相手を見つけては勝手気ままに抱いていたと、以前海東から告げられたことがある。その話を頭から否定し
ていたわけでないけれど、こうして実際にその姿を目の当たりにすると胸がつぶれるほど苦しくなった。
海東に犯され、傷ついた自分をあれほど温かく包みこんでくれた士が、こんな冷酷な仕打ちを平然と人に
していたなんて。
「知り合いだとか、そんなの関係ありません!どうしてそんな酷い事をするんですか!?」
「通りすがりの赤の他人がどうなろうと、お前には関係ないだろう。変な女だな」
どこまでも冷たい士の声に、夏海の視界が滲んだ。どうすれば、士を止められるのか。どうしたら、その
心に声が届くのか。悔しさに涙すら滲ませた夏海に、士は何故か奇妙な笑みを浮かべて見せた。
「まあ、相手が誰だろうがやることは同じだしな。そんなにあいつを助けたきゃ、お前が代わりにやってみ
せろ」
「え?」
言われた言葉の意味が瞬時に理解できず、夏海が目を瞬かせると、士は手首を纏め上げていた指の力を緩
めた。
「お前が俺を満足させられたら、あの女は帰してやってもいいぞ」
つまり、少女を助けたければ代わりに自分の体を差し出せと、士は夏海に対しそう言っているのだ。
できるものならやってみろと、底意地の悪い笑みと共に投げつけられたその言葉に、夏海の頬が赤く染ま
った。同時に、完全に相手をモノとしか見ていない士の発言に、唇を噛みしめる。だが、あまりにも屈辱的
な言葉に、憤りや精神的苦痛を押しのけ生来の気の強さが顔を出した。
「………わかりました。それでいいんですね?」
きつい瞳で士の目を睨み返しながら、手首にかけられていた腕を鋭く振り払う。予想外の反応を楽しむか
のように、ことさら笑みを深くした士から視線を外さないまま、夏海は上着から腕を抜くと床の上に落した。
挑む様な視線は逸らさないまま、恥じらいや恐怖など微塵も感じさせないように、わざと手早く服を脱ぐ。
ベルトを緩めて落したショートパンツから足を抜き、下着姿となった夏海の肌に、士の無遠慮な視線が注が
れた。
「それで、どうするつもりだ?」
ソックスと靴を残した中途半端な姿だが、それが逆にある種のエロティシズムを感じさせる。どこまでも
余裕を見せる士の挑発に、夏海は一度だけ深く息を吸うと、縋るように首にかけたペンダントを握り締めた。
今からする行為は、目の前の士にするのではない。遠い未来で待っている恋人の姿を脳裏にまざまざと思
い浮かべた夏海は、潔く覚悟を決めると大首領である士の前に膝をついた。無言で引き締まったウエストに
指をかけ、前を寛げると、視界の片隅で今夜の哀れな生贄に選ばれた少女が顔を背けるのがわかった。
もちろん夏海とて、人前での行為に戸惑いがないわけではないが、この状況でそんな弱気な部分は絶対に
見せたくはなかった。
平然を装いながら下着の上からそっと指で形をなぞると、そこはすでに熱を帯びて硬くなっていた。幾度
か指をすべらせ、その反応が十分であることを確かめると、ゆっくりと顔を寄せる。唇だけで尖端の形をな
ぞると、布越しに士が反応したのがわかった。
「っ……」
焦らすような愛撫が気に入ったのか、士が満足げに息を吐いた。髪に手を差し入れ、先を促す士の要求に
従い、窮屈そうに押さえこまれていた欲望を解放する。天を突くその怒張に手を添え、慈しむように優しく
握り締めた夏海は、ゆっくりと上下にその手を動かした。淫猥な形を指先でなぞり、根元から尖端までねっ
とりと舌を這わせる。尖端との境を舌の先でちろりと舐めると、士のそれがひと際大きさを増した。
ちらりと視線を上げ士の顔を見つめると、夏海はそのまま手を添えたそれを唇の奥へと誘った。
「はっ……なかなか、上手いじゃないか」
唇と舌と指でまんべんなく包みこんだそれを、それぞれ違う動きで刺激する。初めは何をどうすればいい
のか全く分からなかったが、幾度となく情を交わし互いを求めあううちに、夏海もそれなりに士を昂ぶらせ
ることができるようになった。
口淫など士にしか施したことはないが、そもそも相手は同じ人物なのだから、何も問題があるはずがない。
「ふっ……ん、んん……っ」
口いっぱいに士を含んでいるせいか、鼻を抜ける息が徐々に甘いものになる。浅く咥え、舌先で裏側を何
度も舐め上げながら、同時に指を上下に滑らせ続けると、士のそれがより強い反応を示し限界が近づいてい
ることを夏海に教えた。
すると、士は突然夏海の後頭部を押さえつけ、自ら腰を使い始めた。
「んっ!?んんっっ!!」
咽喉に届くのではないかと思うほど深く押し込まれ、呼吸が荒く乱れる。こみ上げる嘔吐感に耐えながら、
それでも歯を立てないようにと夏海が必死に舌を動かすと、それに呼応するように士の動きがさらに激しく
なった。強い刺激を受けて溢れた唾液が唇の端から零れ、顎を伝い白い肌を妖しく濡らしていく。
直接的な刺激と、視覚的な刺激とに強く興奮したのか、士は肉食獣を彷彿とさせる笑みを浮かべ満足げな
溜息をついた。
「くっ……随分と、っ…慣れてんじゃねぇ、か」
「んんっっ、んんんっ!!」
「いいか、絶対に出すんじゃねぇぞ」
「っっ………!!」
ドクン、と音がしそうなほど激しく脈打った士の欲望が、口の中へと放たれる。強引に注ぎ込まれるそれ
を咽喉の奥へ送りながら、夏海は士が完全に動きを止めるまで懸命に舌を動かし、奉仕を続けた。
「……っ、はっ……ぁ、ふ」
ようやく士が自身を引き抜くと、濡れた唇とそれとの間の細い銀色の糸が伸びた。夏海は肩で大きく息を
しながら、崩れ落ちそうになる体を震える腕でどうにか支えた。息苦しさに滲んだ涙と、顎を濡らす唾液と
を手で拭っていると、頭上で士が身支度を整える気配があった。
「海東、そいつは帰しとけ」
「珍しいね、本当にいいのかい?」
「ああ。もっと面白いものが手に入ったからな」
そう言って片膝を床についた士は、荒い呼吸を繰り返す夏海の顎をつかみ上を向かせると、獰猛な笑みを
浮かべた。
「見ず知らずの他人の為に、ご苦労なことだ。それとも、ただの淫乱女か?」
「………っっ!」
侮蔑的な言葉に、夏海の頭に瞬間的に血がのぼった。考えるよりも早く、手が動く。しかし、頬を打とう
と振り上げた手はあっさりと捕えられた。
「ふ……はっ、ははははは!!」
体での行為には応じても、決して心まで屈服しようとしない夏海の反応に、士はひどく楽しげに笑った。
そして軽々と夏海の体を抱え上げると、荷物でも背負うかのように肩に担ぎ、そのまま螺旋階段に足をかけ
る。その姿を見て、それまで傍観を決め込んでいた海東が初めて大きな反応を示した。
「まさか、上に連れて行くのか?」
よほど珍しいことなのか、何があっても憎らしいまでにポーカーフェイスを貫く海東の目が、驚愕に見開
かれている。一体何をそんなに驚いているのかと、士の肩の上で逃げようともがいていた夏海もまた、滅多
に見ることのない海東のその表情に思わず抵抗をやめた。
その間にも、士は急な階段を上り続けている。
「向こうまで行くのも面倒だからな。月影に、今日はもう帰れと言っておけ。お前ももういいぞ」
「……了解」
信じられないものでも見たかのように、海東は軽く頭を振ると、溜息と共に短く答えた。階段を上りきる
寸前、少女の手錠が外されるのがステップの隙間から見え、夏海は安堵のため息を深々と吐き出した。しか
し安心したのはつかの間のことで、大きな扉を開けどこかの室内に入った士によって、夏海は大きなベッド
の上へと転がされた。
このまま好き勝手されてなるものかと、即座に身を起こし逃げようとしたが、士はそんな抵抗などものと
もせずあっという間に夏海を組み敷いた。不意を狙って笑いのツボを押すことも試みたが、何かの気配を察
したらしい士に、骨が軋みそうなほど強い力で両手首を掴まれた。下手をしたら腕の一本ぐらいすぐに折ら
れそうな気配に、さしもの夏海も抵抗を諦める。
が、やはり気持ちはどうにも収まらず、怒りに眉を寄せて視線だけはきっちりと抗った。
「おいおい、まさかあれっぽっちで終わりだなんて思っちゃいないだろうな?」
大ショッカーを統括するだけあって、どうやら今の士はねじ伏せた相手の抵抗すら余興の一つと見なして
いるらしい。ぐい、と腰を押し付けられ、そこに全く力を失っていない士自身の熱を感じた夏海は、ありっ
たけの反抗心を込めて睨み返した。
「けだもの……っっ!」
まさしく大首領に相応しい鬼畜さに、夏海は短い言葉で士を非難した。そんなささやかながらも必死の抵
抗に、士は瞳を細めると獲物を前にした獣のように唇を舐めた。
「上等だ。気の強い女は嫌いじゃない」
「やっ!………んんっ」
顎を掴まれ、無理やり開かされた唇を割り、士の舌が押しこまれる。その動きはどこまでも荒々しく、夏
海の知る士のキスとは全く違っていた。しかし、傍若無人という表現がこの上なく相応しい口づけの中にも、
士の癖らしきものは確かにあって、どれだけ性格の差があっても過去と未来の士はやはり同じ人物なのだと
いうことを痛感させられる。
呼吸だけでなく心までも乱され、夏海の眦から透明な雫が一つ零れおちた。
「なんだ?泣くのはまだ早いぞ」
「あっ!」
何の前触れもなく、突然下着の上から敏感な部分を強く押され、反射的に体が跳ねる。隠れている花芯を
探る指の動きに合わせ、濡れた音が響くのにそう時間はかからなかった。
口で奉仕している間にすっかり熱を帯びていた夏海の体もまた、悲しいぐらいに『女』だった。
「咥えただけでこんなに濡らすか、普通?」
「ふっ……くぅ、んっ!」
「ったく、強情なのか淫乱なのか、よくわからない奴だな……まあ、こっちは随分と素直みたいだが」
骨ばった長い指が、溢れる蜜に濡れた花弁をかき分け胎内へと潜り込む。前戯など殆どないまま、そこだ
けを性急に責め立てられているというのに、それでも夏海の体は確実に快楽に染まりつつあった。
しっかりと士に慣らされている自分の体が、この時ばかりは恨めしくなる。
「んんっ!」
「抵抗のつもりか?どこまで耐えられるか、見ものだな」
唇を噛みしめて快楽に耐える夏海の姿に嗜虐心をそそられたのか、士の指の動きが一変した。夏海の反応
など全く構わない強引な動きから、繊細ともいえるぐらいの絶妙な愛撫に切り替わる。柔らかな内部を的確
に刺激され、その度に猥雑な水音が響く。
唇を噛むぐらいでは声を押さえきれず、咄嗟に掌で口元を押さえようとしたが、士がそれを見逃すわけも
なかった。
「何だよ、気持ちイイなら素直に啼けよ」
軽々と手首を捕え頭上へと縫いとめる士の言葉を、夏海は奥歯を噛みしめることで拒絶した。いやいやと
首を横に振る夏海の顔をじっと見つめ、士は内部を責めていた指を滑らせ、硬くなった蕾を指先で何度も転
がした。甘く惨酷な痺れがそこから生まれ、背筋を這い上って精神を蝕んでいく。膝を寄せ全身を小刻みに
震わせながら耐えていた夏海だったが、ついにその瞬間が訪れ全身が硬直する。
「…………っっ!!」
血が滲むほど唇を強くかみしめ、せめてもの抵抗とばかりに声だけは押し殺したが、大きく震える体が達
した事実を士へと伝えていた。なけなしの抵抗を楽しむかのように、士は蜜が絡みついた指を夏海の目の前
にかざすと、これみよがしに大きく舐め取った。
自らの痴態の証を見せつけられ、羞恥心で頬を赤く染める夏海の姿に満足したのか、士は細い首筋に舌を
這わせながら咽喉の奥で低く笑った。
「いい顔だ、悪くない」
乱れ切った呼吸を整えぐったりとした夏海を組み敷いたまま、士がジャケットを脱ぎ捨て前を寛げる。そ
して、すでに本来の機能を果たしていない下着を引きちぎらんばかりの勢いで剥ぎ取ると、長い脚を大きく
開かせ、いきり立つ欲望を一息に突き立てた。
その衝動で、ついに夏海の口から濡れた声が零れおちる。
「ああっっ!!」
「すっげ……濡れすぎだろ、お前」
「あん!っ、……んぁ、あっ!!」
飢えた獣のように、激しく突き上げてくる士の動きに翻弄され、甘い喘ぎがとめどなく零れおちる。その
響きに追い立てられたのか、ひたすらに夏海の内部を穿ち続ける士の激しさは、年相応の若さとでもいうべ
き勢いがある。自分の知る士はもう少し色々と余裕があったように思えた夏海は、たかが数年の差ではある
がそこはやはり大人の余裕というやつなのかもしれないと、頭の片隅でぼんやりとそんなことを考えた。
同じだけど全く違う男の体の下で、快楽に喘ぎながら未来にいる恋人を想う。非現実的で背徳的な行為の
中で、夏海は徐々に自分が誰に抱かれているのかわからなくなってきた。思いやりのかけらもない暴力的な
セックスだが、肌の上を滑る指の感触や熱さ、細身だが鍛えられた体から立ち上る匂いなどは間違いなく士
のそれで、今が過去なのか未来なのか意識が曖昧になってくる。
自らの記憶が現実であったことを証明する唯一のペンダントを握り締め、夏海は涙を流しながら襲いくる
快楽の波に呑まれた。
「や……だ、めぇ…あっ、ああっっ!!」
「くっ……っっ」
奥深い場所を幾度も抉られ、体の芯が崩れるほどの強い快楽が迸るのと同時に、突き立てられてた欲望が
解放される。迸る激情を叩きつけられ、士を飲み込んだその場所が淫らに蠢くのが、夏海にも分かった。
荒い息で夏海の上に覆いかぶさった士が、欲望を滾らせた瞳を笑みで細める。
「中でイけるとは、大した玉だな。さっきのフェラといい、随分といい具合に仕込まれてるじゃないか」
「あっ……!?」
立て続けに欲を放ったはずなのに、夏海の中にある士のそれはまだ熱を失っていない。達したばかりのそ
こを深く抉られ、敏感な体が強すぎる快楽に震えた。まさか、という瞳で士を見上げると、かすかに少年の
面影を残したその顔はより強い情欲で彩られていた。
「どうした?こんなのはまだ序の口だぞ」
「ちょ、ちょっと待っ……ああっ!!」
「抜かずに3回位は余裕でやれるからな。何も分からなくなるまで、とことんイかしてやるよ」
ひざ裏に手を添えられ体を深く曲げられると、士を受け入れたその場所が嫌でも目に入り、夏海は反射的
に瞳を閉じた。淫らな反応を示す体とは逆に、心は強い恥じらいを見せる。そのギャップがより一層男の欲
望を刺激することに、夏海自身は全く気付いていなかった。
幾度となく絶頂に押し上げられ、快楽と羞恥心に震える体を飽きることなく弄ばれた末に、ついに夏海は
意識を手放した。
深く重たい闇をたゆたう中で見たのは、懐かしくも悲しい『ライダー大戦』の夢だった。
「ディケイド……」
全てのライダーの敵となったディケイドの前に、何人ものライダーが倒れていく。いつもと同じ結末に同
じように涙が零れるが、もはや馴染みきった感覚に静かに瞼を押し上げる。鉛のように重たい体に力をこめ
るが、奥深い場所に溜まった疲労と、果ての見えない責め苦のせいか、腰のあたりに上手く力が入らなかっ
た。それでもどうにか体を起こすと、煌々と明かりがついていた筈の部屋は壁にかけられたランプだけが揺
れる、ほの暗い闇に包まれていた。
気だるげな動きで視線を廻らせると、少し間を開けてはいるものの、隣で眠る士の姿が目に入った。
起こさないようにと、慎重に体を滑らせベッドを下りる。いつのまにか剥ぎ取られた下着や靴下は床に散
乱していたが、服は一枚も見当たらない。すぐに階下に脱ぎ捨てたままだということを思い出した夏海は、
せめてシーツかなにか、体に巻けるものはないかと視線だけで周囲を物色した。
そのうちに、サイドボードの上に置かれた妙に豪華なトレイに視線が止まる。
室内が薄暗いためよく見えないが、そこに置かれたものに見覚えがある気がして、夏海はとりあえずベッ
ド下に落ちていたマルチカバーを手繰り寄せ胸元に巻いた。よろけるようにサイドボードに近寄ると、やは
りそれはディケイドライバーとライドブッカーだった。
「……?」
しかし、見た目は同じはずのそれに、微かな違和感を覚える。一番最初に見つけたときの、あの壊れかけ
たバックルを手に取った時の感触をふと思い出し、次いでいつも手にしていたバックルの感触を思い出して
みる。最後の戦いが終わってからも、士は折に触れライダーカードを出しては捲っていた。それを一緒に見
せてもらったり、時にはライドブッカーから自分で取り出したりしていたせいか、なんとなくカードやバッ
クルから感じる力のようなものは夏海にも分かるようになった。
実はこっそりバックルを装着して変身の真似をしてみたこともあったが、それは内緒の話である。
いずれにせよ、今目の前にあるバックルには、いつも感じるような力がない。勝手に触るのはよくない
と思いつつも、その違和感がどうにも引っかかって、夏海はそっとディケイドライバーへ指を伸ばした。
そこに埋め込まれた6つの石に触れた途端、電流が走るように軽い痺れが全身を駆け巡った。
「きゃっ……!!」
まるで記憶を引き出されているかのように、頭の奥で今までの旅の記憶が一気にフラッシュバックする。
驚いて手を引いた拍子に、隣にあったライドブッカーを弾いてしまい、夏海は慌てて手を伸ばしてそれを受
け止めた。しかし掌に落ちたそれは、さしたる衝撃を受けたわけではないのに、何故か聞きなれた音と共に
何枚かのカードを排出した。
驚きながらも落ちてくるそれを咄嗟に受け止めた夏海は、思わず自分の目を疑った。
「これ……?」
「残念だな、そいつは使えねぇぞ」
手の中のカードに気を取られていた夏海は、鋭い声に弾かれるように顔を上げた。いつ起きたのか、ベッ
ドボードに背を預けた士が立てた膝に腕をかけながら、鋭い眼差しで夏海のほうを見ている。そういえば、
と夏海は昔の士が極端に眠りが浅かったことを思い出し、何か余計なことを口走ってはいないかと体を硬く
した。
ライドブッカーとカードを抱え怯えたように後ずさる夏海に、士はベッドサイドの椅子にかけてあったバ
スタオルを腰に巻きベッドを下りると、追い詰めるようにゆっくりと距離を縮めてきた。その眼光の鋭さに
射すくめられ、無意識のうちに首にかけたペンダントを探していた夏海は、そこにあるべきはずのものがな
いことにようやく気付き顔色を変えた。
「え……!?」
「探し物はこいつか?」
何もない首元を押さえて焦る夏海に向かい、士は悠然と右腕を伸ばした。その指が開かれると、硬い音を
たてて細い銀色の鎖と小さなペンダントヘッドが滑り落ちてくる。いつのまにか奪い取られていたことにシ
ョックを受ける夏海に向かい、士は凶悪な笑みを浮かべた。
「『ツカサクン』がくれたのか?」
「!?」
行為の最中でも、名を呼ばないように注意していたはずだった。しかし、途中から記憶が曖昧になってい
ることを考えると、やはり熱に浮かされる中でうわ言のように士の名を呼んでしまったのだろう。
ただし、幸か不幸か目の前の士はそれを全くの他人と思っている気配がある。ここは知らぬ存ぜぬで切り
抜けるべきだと、夏海は咄嗟にそう判断した。
「返して下さい!」
手にしていたライドブッカーとカードを床に落し、夏海は士の手に握られたペンダントを取り返しにかか
った。しかし士は、空いてる方の手で夏海の腕を捕えると、無造作にペンダントをゴミ箱へと投げ捨てた。
「あっ……!」
それを追おうとする体を腕の中に閉じ込め、士は不思議そうな瞳でしげしげと夏海の顔を観察した。
「お前、本当に何者だ?世界を超えたり、カードをホルダーから出したり、組織の人間でもないくせにおか
しすぎるだろ」
「そんなこと分かりません!」
それは夏海の揺るぎない本音だった。何故ライダー大戦の夢を見るのか、何故失われていたバックルとカ
ードを見つけられたのか、何故こんな場所へ飛ばされたのか。ディケイドとなにがしかの縁があるのかもし
れないとは漠然と思っていたが、まさかここまで振り回されることになるなんて予想だにしていなかった。
ありとあらゆる感情を込めた夏海の一言に、士はボードの上に落ちていたカードをひっくり返すと、その
眼前につきつけた。
「このカードはずっと絵がない、ブランク状態だった。なのに、お前が触っただけでいきなり絵が出てきた。
組織の科学者達が何も分からなかったのに、何でお前がこいつに力を与えることができたんだ?」
「それは………」
目の前に突き付けられたカードを直視できず、夏海は唇を噛むようにして俯いた。士が掲げたのはカメン
ライドのカードで、そこにははっきりとユウスケの、いや、クウガの姿が描かれている。さっき落ちてきた
カードを受け止めた時も、旅を始めた時と同じ何も描かれていないカードに、アスムの変身する響鬼の姿が
突然浮かび上がるのを確かに見た。
バックルに触れた瞬間、脳裏を駆け巡った記憶が何か関係しているのかもしれないが、全ては憶測にすぎ
ない以上何も言えるはずがない。
「ごめんなさい、本当に何も分からないんです」
「何でディケイドを知っている?」
やはり寝てなどいなかったのかと、夏海はますます体を硬くした。何でディケイドを知っていたのか、む
しろこちらが聞きたいぐらいだと、何度も大きく首を横に振ることで知らないと答える。
これ以上問いつめても埒があかないことを察したのか、士は軽い溜息を一つ吐き出すと、無造作にカード
を放り投げた。
「本当に知らないのか、それとも隠してるのかわからんが、まあいいだろう。お前が何なのか、そんなこと
はどうでもいい」
「……もう、離してください。お願いです」
自らを抱きしめるようにして体を震わせながら、夏海は小さな声で懇願した。一刻も早く、元の世界へ戻
りたい。ただそれだけを願う夏海の顎を掬うように上げさせ、士はどこか惨酷で優しげな笑みを浮かべた。
「そいつは聞けない話だな。それに、そんな体でどこに帰るつもりだ?」
「え…?」
顎にかけられていた士の指が、ゆっくりと滑り落ちる。咽喉をなぞり、鎖骨から胸元へと落されたその指
がぴたりと止まった場所に視線を落した夏海は、衝撃のあまり呼吸をすることすら忘れた。
左の胸のふくらみの上、襟ぐりの大きく開いた服を着れば見えてしまうようなその場所に、何時の間につ
けられたのかはっきりとディケイドのライダーズクレストが刻み込まれていた。
髪の毛の隙間から覗く鮮やかなマゼンタカラーのそれは、ディケイドの持ち物に尽く刻まれているマーク
であり、つまるところ士の所有物であることを示す証でもある。それを刻まれたということは、この士に夏
海を手放す意思など全くないということになる。
体の奥深い場所から這いあがってくる絶望に震える夏海の頬を、士の大きな手が優しく包みこんだ。
「お前はもう、俺のものだ」
諦めるんだなと、宣告の言葉とともに与えられた口づけを受け、夏海の瞳から大きな涙が一つ零れおちた。
**************
以上です、お目汚し失礼いたしました
555本スレの流れで、無性に本編が見たくなってきたw
巧と真理、士と夏海はもう公式でデキてると言われても違和感がないと思うww
公式公式ってうるさいよ
どこにもそんなこと書かれてないだろうに
妄想と現実の区別くらいしろよ
GJ!!!やっぱ士夏はいいなあ。
公式では士夏はプラトニックラブだとか言われてたけど士だったらなにかしらヤっててもおかしくないな
こういうのも美味しかったです!
>>674 鬼畜大首領様大好きな俺が得した!YES!
士とお揃いの服の海東見てぇ
鬼畜だけど子供のような素朴な好奇心もあったりして、
時間が過去なだけの同一人物だと理解できた…
>674 GJ!!!!大首領様はガチでこのくらいの事はやりそうだ
そして俺も、色違いでお揃いの海東見てぇ
689 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/26(火) 23:40:08.59 ID:peZMsY0d
ありがとGJ
さらなる続編で本家本元の士による夏みかん奪還をお願いしたい
GJとしか言いようがない、、、、。 大首領時代の話が読めるとは。目から汁が出た。続きをぜひ!!!!
GJ!GJ!
やっぱ、どんだけ時間たっても士夏好きだわ
>>674 超超超GJ!!!
エロいわセクシーだわ物悲しいわ最高です。
続きも是非お願いします!救われてくれ夏海ー!
足元にも及ばず恐縮ですが士夏小ネタ投下します。
エロなし1レス超短、シンケン編あたりの強気夏みかんのイメージで。
NGはDCD士夏「この世を離れるその時まで」でお願いします。
「士くん、愛してるって言って下さい」
「はぁ!?」
いきなり目の前に座り込んで何を言うんだこのみかんは。びっくりした。
「だって全然言ってくれないじゃないですか、たまには聞きたいです。疑われたくなかったら一度くらい言うべきですよ。これでも私は我慢強い方だったって分かってます?」
「熱でもあるんじゃねぇのかお前、どうした一体」
全力で傾き、体重をかけて来る身体を慌てて押さえる。
「何で拒否するんですか、あなたがいつもしてることでしょう?私がしちゃダメなんですか?何でダメなんですか。私だって押し倒したい時があるんです!」
「いやそりゃ構やしねぇけど、ここはまずいだろ。せめて部屋で…」
じいさん達は出掛けているとは言え、よりによって日が燦々と注ぎ込むリビングでやるべきことではないだろう。俺って結構常識人なんだな、自分でも意外だ。
「部屋はダメです、一応店番中だし。それに絶対襲われちゃうじゃないですか」
「自分からけしかけといて、襲われるとか人聞き悪いこと言うんじゃねぇっ」
最早撒き餌みたいになってるくせに、抱かれる気はないだと?まったくもって意味が分からない。
「そういうことじゃなくて、ただ素直に愛してるって言えばいいんです。それともただの遊びですか?フィルム代も現像代もコーヒー代も食費も何もかも立て替えてあげてるのに、更に気持ちまで弄ぶなんて酷くないですか?やっぱり私のことなんて愛してないんでしょう?」
「うるせぇな、息継ぎもせずに畳みかけるなっつか愛してるに決まってんだろ!」
咄嗟に投げつけてしまった言葉に、俺の方が赤面してしまった。ぴた。瞬間力が緩み、痛いほどの押し付けから解放される。
「本当ですか?」
「一度で信じねぇ奴に何度言っても無駄だ」
くそっ、俺絶対今真っ赤になってる。何処まで追いつめる気だ、本気で皮剥くぞこいつ!
「…私も愛してます、士くん」
「当然だ。俺は世界のお宝だからな」
あぁもう、海東のあのセンスの欠片もない決め台詞が出て来るあたり、動揺を自覚するしかない。
「本気ですよ。愛してます」
「分ーかった!分かったからほら、そろそろどけって、」
起き上がろうと肩に触れた瞬間、不意打ち状態で胸の中に飛び込まれ、背中に腕を回された。ちょ、うわ、苦しいっつの!
「あなたが思うよりたくさんです。ずっとずっと、ですよ。引かれちゃうくらいかも」
「……。」
追い討ちをかける声に感じる、自嘲と淋しさ。ふぅ。息をついて髪を撫でてやり、耳を覗かせて唇を寄せて。
「つ、」
「――愛してるぞ」
雰囲気に呑まれたと言えばそれまでだが、自分自身まで巻き込んでしまえばこれくらいは言える。
そもそも俺に出来ないことなんかないんだ、初めから。悔しいけどな、無駄に利用された気がして。
愛だの恋だのこれ以上バカらしいことはないが、俺はどんな運命も否定はしない。
ライドしてしまった以上巧く風を掴まえて、何処までも高く高く飛んで行くだけだ。
そんな訳で、今更降ろしてやるつもりはない。
煽った以上責任とって、しっかり喰らいついて来いよな、夏みかん。
<終>
笑い萌えたGJ!
夏海の押しには弱いんだな士も。
愛を確かめられてヨカッタヨカッタ
GJ!
なんか和んだ、つか癒されたw
士の弱点はやはり夏海なんだなと、勝手に納得
よろしくやれよ、このリア充どもめ!
何だか最近可愛らしい士が多くて楽しいなw
近所のおばちゃん並に暖かく見てしまうよ!GJ!
最近ディケイドが多いので、見たことなかったけどデビューしてしまった。
確かに萌えの宝庫だすげえわ、今まで見てなくて損してた!!
保管庫にもいっぱい話があって当分楽しめそうだ。
>>692投下キテター!おつ&GJ!
>>695>士の弱点はやはり夏海
で、ガンバライドの「仮面ライダーキバーラ」カードが
『味方ディケイドの性能アップ&敵ディケイドの性能ダウン』
なのを思い出した。
そうか、弱点が夏海なのは公式なのか…
>>699 >『味方ディケイドの性能アップ&敵ディケイドの性能ダウン』
何その萌え……!!
キバーラが出てたの知らなかった、今すぐ買ってくる!!
どうでもいいが、自分は「キバーラ=女帝」というイメージを妄想してたんだが
ガンバライドがビンゴすぎて思わずワラタw
でもって「夏海>士(あらゆるVer)」という力関係はデフォなのかww
最近DCDネタが多くてうれしい.....
動けなくされたアンクの目の前で子供アンクにやりたい放題されつつ
徐々に感じてきちゃう比奈、とかも読みたい
子アンクには性欲無い方がいいなぁと個人的に思う。
ただ好奇心でおっぱい揉むとかならむしろ超OKだけど
今日のOOOは良い映比奈だった!
待ちわびてた映比奈きたぜ・・・ぬるりと、このまま映司の支えになってほしい
比奈ちゃんがステキカッコ良くて悶えた!斬りつけられない映司にもぐっと来た!
最近のここの流れのせいか士と夏海の関係を思い出して個人的に二度美味しかったw
普通に告白シーンにしか見えなかった
このままあたりまえのように付き合いそうな感じだ映比奈
映司は欲がないって言ってたから性欲もないのかな…
いや、性欲に目覚めるとかはあるはずだ
暴走して比奈を襲う映司とか良いなと思った
妄想すると胸が熱くなるな
英比奈キタ-(゚∀゚)-!キタ-(゚∀゚)-!キタ-(゚∀゚)-!
めぐみんの例見るに最終回まで引っ張れれば…
>>707 ライダー10周年の時の映司と比奈ちゃんのシーンが現実になったなwww
実況でフェラ言われすぎw
あと比奈ちゃん、アンクにも映司にも良ヒロインすぎ
恋愛でも兄妹・友情でも可愛くて可愛くて
>>702 あんな子供で妄想するなんてエロパロスレとはいえ気色悪すぎる。
生きてて恥ずかしくねーの?
>>712 いいね。三角関係とかやってほしいな。
>>713 色んな趣味の人がいて色んなエロがある。此所はそんな場所だよ。
本当、ヒナちゃんは良いヒロインだ。可愛いし、エロくも書けるし、
ネタも提供してくれる。後藤ヒナも今回は美味しかった!
比奈ちゃん、映司くんの暴走したチンポをスキャニングチャージ
>>713 なに言ってんだあの姿は仮の物で奴は子供じゃないぞ。
怪人体なら文句ないだろう?
子供ネタを正義面で否定しつつ近親が絡むネタは欲しがるんだな
残念ながら
公式での士夏は「仲間意識」で片づけられてるけど
映比奈は是非とも「大戦2011」の実現をして欲しいぜ
ってか主役xヒロインの割合の低さ…(´・ω・`)
>>716 うん、文句無い。
結局ビジュアルでの妄想でしょ。
あんな子供体にどうこうさせるって発想が気色悪すぎて吐きそう。
エロパロだからこそ超えちゃいけない一線はあると思う。
>>717 ここで「正義」って言葉もちだすことに心底呆れる。
一生相容れない人種。
ドサクサにまぎれてロリコン肯定してんじゃねーよ異常者。
アン雛好き=近親好きじゃねーし。
>>718 士夏に関しては、「どうやら心の奥底では異性として意識してるらしいけど、表面上は友情に見える」
っていう米村のインタビューもあるんだがな…まぁ役者は恋愛じゃないって言ってるが。
つか公式なんてものはそもそも存在しなくて当たり前なんだから(一部除く)、
何となく淋しくなるようなこと言わんで純粋に楽しみつつ盛り上げようぜ。
比奈ちゃんて怪力パワー系だけど女の子らしいし、役に立ちたいとか(1000回記念)、恋愛コンボ時の変身お手伝いといい内助の功タイプだよね
今回の体を張った場面にもぐっときた
個人的には映比奈萌えだけど誰と絡んでもオイシイ。健気で可愛いし良いヒロインだと思う
士夏に関しては米村がプラトニック・ラブって言い切ってたよな?
避難所にも妙に士夏否定したい奴がいなかったか?
プラトニックとはいえライダーにラブという単語がちらつくことの方がすごいと思ったのは自分だけかw
現在465KBですが、次スレのテンプレは
>>1-2と
>>16の他に追記することありますか?
>>724 大丈夫だと思うよ
パスについてのまどろっこしささえ何とかなれば
カプ叩き禁止とかは?
こういうスレでは守って当然だと思うんだけど自分の好きなカプじゃなくても否定されてるの見ると悲しくなるし…。
追記した所でカプ否定する人が完全に消える事は無いかもしれないけど
『テンプレ読んで』とか出来るだけ喧嘩せずに穏便な注意がしやすくなるんじゃないかな、と。
*煽り・荒らしは放置&スルーしましょう
ってテンプレにあるじゃん。
スルーでいいじゃない?
つい不満を言っちゃう人は、わざと嫌がらせする荒らしとは違うし
柔軟な表現にしてみたがどうよ↓
・好みじゃない話題はスルー、不満を述べても不毛です
・あなたの萌えは誰かの萎え、好みの個人差に配慮しよう
そんなことすらテンプレに書かなきゃいけないって、どんだけ低年齢のやつが見てんだよ…
スルーしとけ
うるせー、生クラゲのしょうが醤油和えぶつけんぞ
痛ぇ!臭ぇ!目にしみる!
732 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 07:51:53.06 ID:c8djCmsa
スレストされたくないから
児童ポルノ禁止
いれてほしい。
俺も荒らしとは思わない。
いままでカプ叩きっている?
○×△ばっかりだけど○×▼の方が好き
ってのあるけどそれってカプ叩き?
そういや前にディケイドのワタルでなんか書けとかうるさく言ってくるショタコンらしき奴がこのスレにいたな…
テンプレにロリショタホモ禁止と追加するか
熟女もアウトにするか
何歳からが熟女だ
さらにヤバそうな近親相姦はどうする
いろいろ難しい
某都の条例じゃあるまいし、そこまでがんじがらめにしなくてもいいんじゃね?
>>733 そういやそんな奴いたな……
ショタとロリは荒れる元なのか?
エロパロ板で自粛とかないわ
前書きでショタ注意とか近親注意で十分
そもそも陵辱系だって正義に反してはいる、でも注意書きと、ここが18禁板であることで十分だろ
大人が節度をもって非現実を楽しむ、それがエロパロだ
比奈ちゃんには是非とも映司を支えてやって欲しいな
問題は夜の営みが怪力で何度も中断されそうな姿が浮かぶ事だけど…
他の作品のエロパロじゃ普通に子供も出てくるしな
>>736 自粛を強要したい、規制したいってのも立派な欲望だな
流石、オーズが欲望をテーマにする作品なだけの事はある
PINK板のサーバーのある場所って、確かベトナムだっけ?
日本のごくごく一部の地域の条例なんかで、スレストやら規制とかされるか?
>>737 前に誰かがこのスレで
比奈の怪力のおかげで普通のカップルには出来ない体位を楽しめそうみたいな事言ってた気がする
馬鹿力も使いようだな
実際、テンプレを守る奴なんて居ない。
>>741 >>536か!
その発想はなかった
しかしクスクシエで情事出来るのだろうか
映司から比奈ちゃん家に行くとか
テンプレネタ。
使うかどうかはスレを立てる人に任せる。改変歓迎。
「仮面ライダーのエロパロが読みたいだと? なんだ、ここの連中の欲望は!」
「ふぅん、純愛、陵辱、萌えに燃え、か。面白いね」
「素敵じゃない。その哀しいまでの欲望……解放なさい」
「おれ、sageる〜」
「いいか、ネタバレには前置きを忘れるな! 注意書きも状況に応じて使え」
「規制で困った時は避難所の利用もあり、ってね」
「つまらないことで争うのは哀しいことよ。いい子ね、みんな」
「おれ、まもる〜」
「過去の作品を読みたいと言うおまえには感心した。パスのヒントを教えてやろう。
俺がこの手に掴んできたのはsageだけじゃなくてな。
保管庫の更新は2010年6月で止まってるってことだ」
「色んなとこ回ってきたけど、楽して読めるエロパロがないのはどこも一緒だな!」
>>744 いいね。
そういや、グリードって性欲とかあるのかな
スレ立て行ってくる
駄目だったorz
誰かお願いします
避難所に注意書きを整頓してくれた人がいるのでそちらをどうぞ
あと744は自分なんだけど、ちょっと修正したのも避難所に置いとくのでそっちを使って貰えると嬉しい
スレ立てたことないけど、やってみる
>>750 乙!
スレ立てた事無いのに頑張ってくれてありがとう
避難所を見たら需要があったようなので、前のPCからネタをサルベージしてきてSSにしました
鮮度がかなり悪いうえにドマイナーなので、お焚きあげに投げることも考えたけど
埋めついでに投下します
TV31話捏造、士×夏海前提でアポロガイスト×夏海
*凌辱表現あり
ダメな人はさくっとスルーして下さい
NGワードは「太陽×夏蜜柑」「Sacrifice」です
「嫌っっ!!離して!」
アポロガイストに腹部を殴られ、苦しさから気を失っていた夏海は、意識を取り戻してすぐにそう叫ん
だ。もはや見慣れた双頭の鷲の紋章が壁に掲げられていることから、自分が大ショッカーに連れ去られた
ということはすぐに理解できた。
古代遺跡のような、どこか荒れた気配のする城の一室に連れ込まれた夏海は、手首に蔓が食い込む痛み
も忘れ、悪あがきを承知で身をよじった。女が一人、敵対する相手に浚われた上に男と差し向かいで部屋
に閉じ込められたとなれば、その次に起こる出来事は自然と決まってくる。
現にアポロガイストは、夏海の抵抗を物ともせずにあっという間に床に組み敷き、戒められた両腕を頭
上で押さえつけていた。
「貴様がディケイドの命で生き返ったことは知っている。だが、所詮パーフェクターで繋いだ仮初の命。
貴様の短い命として燃やすより、私の力として永遠に使ったほうがはるかに有効と言うものだ」
「生き返った……?」
「ふん、自分が死んだことにも気がついていなかったのか?貴様の命の炎は、あの時私が全てパーフェク
ターで吸い取った。なかなか美味い命だったぞ」
ぐい、と夏海の顎を掴んだアポロガイストは、下卑た笑みで唇をゆがめた。
「貴様は自らの命だけでなく、分け与えられたディケイドの命も、その体も、貴様が持つ全てを私へ差し
出すことになるのだ。光栄に思え」
「……っっ!」
べろりと頬をなめられ、生理的な嫌悪感から夏海が大きく顔をそむける。その反応を楽しむかのように、
アポロガイストは夏海の胸元に指をかけた。黒い手袋に包まれた指が、薄い布地を力任せに引きちぎる。
引き裂かれた服がはだけられ、ブラジャーに包まれた胸が露わにされる感覚に、夏海の肌が粟だった。
「いや!やめて!!」
「そうだ、泣くがいい。それこそが、大ショッカーに捧げる最高の讃美歌だ」
「いやぁあああ!!」
涙を滲ませ懇願する夏海の胸を鷲掴みにしたアポロガイストは、たっぷりとした感触を伝えてくるそれ
を堪能するように大きく揉みしだいた。ややして邪魔になったのか、ぐいとブラジャーを押し上げる。
ふるふると柔らかく揺れるそのいただきで、淡く色づいた蕾が男を妖しく誘った。
「小娘のくせに、なかなかいい体をしているな」
「やっ……!」
ねっとりと、味わうようにその蕾を口に含んで嬲られ、夏海の目から大粒の涙が幾つも零れ落ちた。
「いや……っ士く、ん」
無意識のうちに士の名を呼び助けを乞う夏海に、アポロガイストが片方の眉をあげた。
「なんだ、貴様あの男の女だったのか?なるほど、ディケイドが必死になるわけだ」
「止めて、お願い……」
「面白い。貴様のこの姿をディケイドが見たら、どんな顔をするか……明日が見ものだな」
幾つもの涙をこぼす夏海に、アポロガイストはますます笑みを深くすると、これ見よがしに首筋に唇を
寄せ赤い跡をいくつも落とした。その間にも、抵抗を封じる手とは別の手は器用に夏海の体の上を滑り、
ショートパンツのボタンをはずし膝まで落とした。夏海も膝を寄せて必死に抵抗したが、もともとが改造
体であるアポロガイストの力にかなうはずもなく、あられもない姿をその眼前に晒す羽目となった。
シュルリ、とネクタイをほどいたアポロガイストは、夏海の右膝を深く折り曲げるとそのひざ裏にネク
タイを通し、右腕の上腕部へとくくりつけた。体の柔らかさが仇となり、夏海は男の前に大切な場所を晒
すような格好を強いられた。
下着の横に指を添え、アポロガイストが薄い布越しにゆっくりと秘所を押し広げる。
「あんな若造では味わえないような快感をくれてやろう。こころして受け取るがいい」
「ぃや、あ……っっ!」
布越しにアポロガイストの舌が秘裂をなぞる感触に、夏海は恐怖と嫌悪感から背筋をこわばらせた。巧
みに蠢くアポロガイストの舌が、下着の上から欲望の蕾を探り出して転がす。下着の横から滑り込んだ指
が浅く秘裂をかき回し、否が応でも夏海の体から快楽を引きずりだとそうとする。
吐き気がこみ上げるほどの嫌悪感を覚える心を裏切り、体はまるで防衛反応を刺激されたかのようにそ
の場所に潤いをたたえ始めていた。
「大分濡れてきたぞ」
「ふ……くっ、んん!」
溢れた愛液が黒い革の手袋を濡らし、淫猥な音を響かせる。自らの体の反応を認めたくないのか、夏海
は唇をかみしめ必死に全身に広がる快感に耐えていた。不自然な格好を強いられた膝と腕が鈍い痛みを訴
えて、やもすれば快感と嫌悪感に混濁しかける意識を現実へと引き戻す。
下着をずらし舌と指で存分に夏海のソコを乱していたアポロガイストは、狩りに成功した肉食獣の笑み
を浮かべた。
「やはり若い女の精はいい。ライフエナジーとはまた違った味がある」
「はっ……あっ!いやぁあ!!」
押さえつけていた左足から下着を抜き、濡れた花弁をあらわにさせると、アポロガイストは興奮に猛る
自身を押しつけた。尖端で秘裂を何度もなぞり、わざと猥雑な音を響かせる。
「久しぶりだからな。存分に楽しませてもらおうか」
「いやあ!士くん、つか……あ、ああああ!!」
溢れる蜜をまとわりつかせたアポロガイストのそれが、夏海の中へとゆっくり押し入ってくる。肉壁を
かき分けながら侵入してくるその形までもがはっきりと感じ取れる感覚に、夏海は激しく首を振った。
「おお……中々具合がいいな。これなら、あの若造も随分喜んだだろう」
「あ、あ、あ……」
ぐちゅぐちゅと音を立てながら胎内をかき混ぜるアポロガイストに、夏海は放心したように虚空を見つ
め涙を流した。精神と肉体はとうの昔に乖離しており、アポロガイストを受け入れ快楽に染まる体の奥で、
心は完全に麻痺していた。
物理的な刺激に生理的な反応を返して喘ぐ体を置きざりにし、夏海の意識は遠く離れた士を思い、あら
ゆる情報を遮断した。
壊れた人形のようにただひたすらに体を揺さぶられながら、夏海は深い絶望に浸した意識を静かに閉ざ
した。
「士くんっ!!」
長い悪夢から解放され、目の前に立つ士のもとへと全力で駆け寄る。一瞬だけだが、深く抱きしめられ
た心が安心で満たされたのはつかの間のことで、その後に投げつけられた言葉に夏海は再び絶望の淵へと
叩き落とされた。
「一つ言い忘れていたが、昨日はずいぶん楽しませてもらったぞ」
「なんだと?」
「右足の付け根にほくろが二つ、と言えば貴様にもわかるか?」
アポロガイストの言葉に、士の顔が見る間に険しさを増す。夏海は反射的に肩にかけたショールをかき
寄せデコルテを隠そうとしたが、士の指がそれを阻んだ。薄い布と髪の毛をかきわけた士の指が、肌の上
に散らされた幾つもの花弁を見つけ、その上で固まる。
「………て、めぇ…」
顔を俯け肩を震わせる夏海の体を強く抱きしめた士が、腹の底から唸るような低い声を上げる。勝者の
余裕を滲ませあざ笑うアポロガイストをきつく睨んだ士は、すばやく夏海の顔を上げさせると、一瞬だけ
唇を重ねた。
「安心しろ、すぐにあいつをぶっ殺してやる」
「士くん」
「お前は下がってろ」
短くそう言った士の顔は、怒りと憎悪に染まっている。その横顔を見た夏海は、何故か夢の中で見るあ
の空恐ろしさすら感じさせるディケイドを思い出し、形容のし難い不安に襲われた。思わず白いシャツの
端をつかみ、もう一度仰ぎ見る。すると、夏海の不安を察したのか士は首だけ軽く傾けると、小さく微笑
んだ。
「大丈夫だ。例え世界の全てが敵になっても、お前は俺が守る」
「士くん……」
さがれ、と手で示され、夏海は素直に体を数歩下げた。これから先は、自分には踏み入ることのできな
い領域だ。たとえ世界を敵に回しても守ると、士のその言葉を信じて両手を組む。
足元に忍び寄る滅びの気配に怯えつつ、夏海はただひたすら祈ることしかできなかった。
そして、世界は崩壊へと向かいだした。
*********************
以上です
お目汚し失礼いたしました
うわあああ!GJGJ!
アポロ×夏海はものすごく見たかったからうれしい!
いいなあ、こういうのも大好きだ。ありがとう!
GJ!
アポロさんエロいなー
31話のちょいハグに萌えたので、更に深い愛を感じさせる士の描写に滾った。ありがとう!
>>752 うpしてくれてありがとう!
アポロさんマジ極悪人
てす
てs
てす
アンクてめぇ
比奈ちゃんマジ可愛い
冒頭の、映司伊達さん5103がベッドで寝ているシーンのそばで
座っている比奈ちゃん。男共を寝かしつけてるか、赤ちゃんプレイに見えたw
三人揃って相手をする比奈ちゃん………
ソレイイ!!
>>764 あのシーンは比奈のおっぱいに目がいって
ガメルとメズールでエロなしほのぼの。どっちも人間態。
ツンと鼻をつく不思議な匂いに首をかしげながら、ガメルは少女の姿をしたメズールに見入った。
彼女は小さな筆で小さな爪に色を塗っている。
不思議な匂いの元はガラス瓶の中のどろりとした絵の具だ。
何故彼女が爪に色を塗っているのか、ガメルには判らない。
色塗りに夢中のメズールが自分と遊んでくれないことを不満を覚えつつも、楽しそうな様子の彼女を
ただじっと見つめる。
やがてすべての爪に色を塗り終えたメズールは、小さな手を目いっぱい広げてガメルの眼前に突き出した。
「綺麗でしょ?」
やっと声を掛けてもらえた喜びに、ガメルはうんうんと大きく頷く。
「メズール、きれいだ」
指先を通り越してメズールの顔へと注がれるガメルの視線にも動じることなく、少女は当然だと言わんばかりに
ゆったりと微笑んだ。
「ありがとう」
「えへへ……」
ガメルは長身の躯をもじもじとくねらせて、メズールから与えられた笑顔と感謝の言葉に幸福を噛みしめる。
その身いっぱいでメズールへの愛情を表現するガメルを愛しげに見つめながら、メズールはガメルに向かって
手を差し出した。
「ガメル。手を出して」
「手?」
「そう。ガメルにも塗ってあげる」
メズールがガラスの瓶を振ってみせる。
「おれ、いい。いらない」
ガメルは椅子に座ったままじり、と後ずさった。
不思議な匂いの液体は得体が知れず、どうにも怖い。
だが、メズールはガメルの拒絶を許してくれなかった。
「出して、早く。いい子だから、ほら」
「う……」
にっこりと微笑まれてガメルに抵抗の手段はない。
恐る恐る差し出したガメルの手を一回り以上小さな手が掴む。
「いい子ね。動いちゃ駄目よ」
「うん……」
筆先が爪に当たる。すぅとした冷たい感覚にガメルは肩をすくめた。
爪を撫でる筆や絵の具の奇妙な感触がむずがゆくて気持ち悪い。
出来るだけそちらから意識を逸らそうとして、ガメルはメズールの顔を一心に見つめた。
俯いて落ちる黒い髪、長い睫毛のその繊細さ。楽しげな笑みを浮かべたピンク色の小さな口唇。
きれいだ、とガメルは思った。
ガメルはメズールの他に美しい生き物を知らない。
メズールの他に美しい存在を何ひとつ知らない。
彼女はガメルの女神であり、彼にとって世界のすべてだった。
「さ、出来た」
メズールがガメルから手を放す。
十本の指の爪には綺麗に絵の具が塗られていた。
乾かそうと手を振り掛けるガメルを、メズールがぴしゃりとした声で制する。
「振っちゃ駄目よ」
「う」
「ふーってするのも駄目」
正に息を吹こうとしたところを止められ、ガメルはどうしたらよいかと途方にくれた。
「うー……」
困った顔でおろおろと落ち着きなく視線を彷徨わせるガメルの姿に、メズールがたまらない、と言った様子で
小さく噴き出す。
「乾くまでじっとして」
やさしく声を掛けながら、メズールはガメルの手に自分の手のひらを合わせた。
爪が当たらないように注意しながらガメルの大きな指にか細い指を絡ませる。
「ほら見て。お揃いよ」
「おそろい?」
「私とガメルが同じってこと」
「おなじ……」
ガメルは絡み合った自分とメズールの手をまじまじと見つめた。
彼女の言う通り、ふたりの爪はすべて同じ色をしている。
「おなじ。おれ、メズールとおなじ。おれと、メズールだけ」
「そうよ。素敵でしょう?」
頷き、またメズールが微笑んだ。
ガメルの胸の中を熱い、痛くなるような強い感情が駆け抜ける。
ガメルは迷うことなくそれを言葉にして叫んだ。
「メズール。すきだ。だいすきだ」
口にすることで彼は改めて確信する。
自分はメズールのことが大好きなのだと。
誰よりも何よりも、彼女のことだけが大好きなのだと。
「知ってるわ」
メズールは笑顔で頷く。
同じように好きだと言って貰いたかったガメルは肩透かしを喰らった気分でしょんぼりと肩を落とす。
もしかしたらメズールは自分を好きではないのだろうか。
ガメルはその疑問もまた正直にメズールにぶつける。
「メズールは、おれのこと、すきじゃないのか……?」
「馬鹿ね」
メズールがくすくすと笑った。
そして甘く囁く。
「好きよ」
メズールはガメルの手を引き寄せると、その指先にそっとくちづけを落とした。
指先に口唇を押し当てたまま、流れるような眼差しをガメルに向ける。
「知ってるでしょう……?」
「……うん。しってる」
ガメルはメズールの手をぎゅっと握った。
「おれ、しってる」
ガメルがメズールを好きで、メズールがガメルを好きで。
それがガメルにとって、そしてメズールにとっても唯一の真実。
何があろうとも、決して揺らがないもの。
「いい子ね」
メズールが幸せそうに呟き、ガメルは絡み合った手が強く握り返されるのを感じた。
>>769 超GJ…!
ガメズールとか嬉しすぎる!
脳内再生された!
可愛いぞガメル!
あぁもう大好きだガメズール…!
私事だけど今日誕生日だったんだ!
すげぇ得した気分!
>>767 うぉー、可愛い!
GJ!
俺もメズール様にガメルみたく愛されたい
772 :
674:2011/05/09(月) 13:01:50.27 ID:mYbkdPc4
大分間があきましたが
>>675の続きを投下したいと思ってます
ですが、相変わらずの長文の為、確実にスレを跨いでしまいそうです
この場合次スレに一気に全文を投下するのと、埋めを兼ねてこのスレから順次投下していくのと
どっちのほうがいいでしょうか?
マッテタヨー
500超えるなら新スレの方がいいと思う
ここは雑談で埋めようぜ
保管庫のパスのヒント教えてください
sageとオーズ放送開始日でいいの?
>>774 だから保管庫は去年の6月から更新が止まっていると何度言えばわかるんだ?
テンプレにも書いてあるんだし、ほっとけよ
ちゃんとテンプレ読んだか?
ついでに、このスレの
>>24〜
>>27のあたりも見ろ
エラー出たら、かたっぱしから前年の放送開始日いれるくらいしろや
エロ読みたいならそれくらいガツガツしねぇの?
780 :
映司×黒比奈:2011/05/12(木) 00:42:44.13 ID:REqHNhwe
2レス投下
映司×黒比奈「もしも比奈が映司に病んでたら」
エロ薄&変態&陵辱注意
781 :
映司×黒比奈1:2011/05/12(木) 00:44:54.69 ID:REqHNhwe
映司はまた戦闘で倒れ、気がついた時には屋根裏部屋のベッドだった。全裸で。
「映司くん、良かった!目が覚めた!」
比奈が笑顔で抱きついてきたが、押しのけようとしても腕が動かない。
手首足首はロープで大の字にベッドへ縛られ、身じろぎするのがやっとだ。
「何これ?!え、ちょっ、なんで比奈ちゃんも脱いでるの?」
比奈は自分のワンピースに手をかけ、手早く脱いでいく。
「何って、これから映司くんとエッチしようと思って」
下着も脱いで全裸になった比奈は、映司の太ももにまたがり
興味深そうに陰茎を熱心にいじっていた。両手で包んで上下にさすったり、
くびれをなぞったり、先端を指先で突付いたり。
平常時からガチガチに勃起していくまでの過程を全部見られた。
おっかなびっくり少しづつ反応を試すように触るので、余計に敏感になってしまう。
「……比奈ちゃん、これってヤミーの催眠術か何かだよね、俺が
ラブラブコンボでヘンになってた時みたいな……」
「私はいたって健康ですよ、本気です」
比奈は、陰茎への愛撫は止めずに語りだした。
「アンクに教えてもらったんです、人間の欲望をコントロールするには
セックスが一番だって。800年前のオーズも毎日3,4人としてたって。
それは強すぎる欲望を抑える為だったんですけど。
映司くんはもっと欲望を育てて、欲望を解放しなくちゃいけないんです」
陰茎から離した手を、映司の腹へ、胸へ、そっとすべらせていく。
「映司くんに人並みの欲望があったら、メダルが心の隙間に収まらなくなって
出てくるかもしれないんでしょう?私、その為ならなんでもします」
メダルが飛び込んだ胸に、軽く爪を立てた。
レントゲンで写らなくても、あのコアメダルは確かにここにあるのだ。
「でも、過去のオーズもセックスじゃ暴走を止められなかったんだよね?
……比奈ちゃんがこんな事しても意味ないって。
もうやめよう……俺、忘れるから。何もなかった事に…………」
「忘れません!」
疲労と下半身の高ぶりで喋れなくなってきた映司の頬を手のひらでなでると、
映司の口から不意に空気が漏れた。それはうめき声とも笑い声ともつかなかった。
782 :
映司×黒比奈2:2011/05/12(木) 00:47:44.29 ID:REqHNhwe
「私は映司くんが好きです。初めて会った時からずっと。強くてイケメンで
優しくて……お兄ちゃん以外の男の人にこんなに興味を持ったの初めて」
比奈は続ける。
「奥に洗濯カゴあるじゃないですか。あそこから映司くんのパンツを持ち出して
よく匂いをかいだり舐めたりしてました。こないだなんかニオイがすごくて
パリパリになってて。あれって精液ですよね?!興奮してすぐに
トイレで……オナニーしちゃいました。汚れたところをアソコに当てると
映司くんの体温まで伝わってきそうで……あれは気持ちよかったー。
ちゃんと洗って返したから汚くないです!大丈夫です!」
たまに、衣類が知らないうちに洗濯してある事があって
知世子さんがコスプレ衣装のついでに洗ってくれてるのかと思ってた……。
困惑と羞恥と納得が同時にやってきた映司の口に、そっとタオルで猿ぐつわが掛けられた。
どれがいいかわからないから全種類買っちゃいましたー、と
10箱以上のコンドームからいそいそと選び出す比奈のいっぽう。
映司にとっては、避妊する気はあることへの安堵と、
これから無理やりセックスさせられることとで種類なんてどうでもよかった。
ギシッ、と木製のベッドがきしむ。
難なく挿入を済ませた比奈が、喋れない映司に一方的に語りかける。
「思ったより痛くないし、映司くんも楽しいですよね?こんなに簡単にエッチできるなら
もっと早くすれば良かった。好きです、とか、彼女にしてください、とか言ったら
映司くんはオッケーしてくれましたか?……もうどうでもいいですよね。
今こうしてエッチしてるんだから。さっき映司くんが眠ってる間も
しっかり見守ってたんですよ、寝顔をじっくり観察できる機会なんてなかなか無いし。
その寝顔がすごく可愛くってー最高画質で撮ったんであとでプリントしますね!
映司くーん、聞いてます?男の人っていつ射精するんですか?」
「んーー!んーーーッ!!」
「逃げても無駄ですよ、私、どこまでも追いかけて映司くんと毎日エッチしますから。
1人で3,4人分は無理かもしれないけど、いっぱい頑張りますから
映司くんもいっぱい私で欲情してください」
おわり
もう480KB超えてたか
乙!黒ヒナちゃんとは新鮮だな
おつ&埋め、その発想はなかったw
埋めを兼ねてこそーり投下
以下、要注意
・映司←比奈で未遂、つかエロにすらなってない
・しかも映司はPTSDで性的不能になってる
・映司の過去について捏造有
・戦場描写としてややグロ&凌辱表現あり
大気を細く裂く音が、ヒュルヒュルと鳴り響く。何度も何度も、途切れることなく響くその音に幾重
もの爆裂音が重なり、容赦なく周囲のものを吹き飛ばしていく。建物も木も、人も、ありとあらゆるも
のが木っ端微塵に砕け、飛散する。
鳴り響く爆発と銃声にかき消されてはいるが、そこかしこからは無数の悲鳴があがっている。ある者
は撃ち殺され、ある者は爆風で手足を吹き飛ばされ、あるいは崩れ落ちた建物によって押しつぶされる。
かつて人であったモノが、そうして次々と地面へ転がされてゆく。
この世のものとは思えないその光景の中で、女達は獣と化したゲリラ兵によって無残に陵辱され、用
がすめば片っ端から殺されていた。目の前で幼子を殺され泣き叫ぶ母親を、無数の手が押さえつけ服を
引き裂く。その向こうでは、まだ恋すら知らないであろう少女の未成熟な体を、熊のような大男が組み
しいている。自らが絶頂を迎える瞬間、女の首を絞めあげて殺す者もいた。
まさに、阿鼻叫喚の地獄絵図である。
仲間である村人を助けたいのに、情けない事に手足を縛られて身動きができない。声を出そうにも、
口には布が押し込まれていて、叫ぶことすら叶わない。せめてもとばかりに怒りに目を見開くが、頭か
ら被せられた麻袋によって視覚すら奪われる。まるで荷物のようにかつぎ上げられ、恐らくは車の荷台
らしき場所へ放り込まれると、悔しさから涙が滲んだ。
俺はまた、なにもできないのか?
鼓膜を打つ爆音に頭蓋が激しく揺さぶられ、何度も繰り返してきた自責の言葉と共に、否応なく意識
が浮上する。あまりにもリアルに夢に、映司は無意識に眉をしかめていた。その耳に、またしても空気
を裂く鋭い音が届いた瞬間、映司は条件反射で体を地に伏せた。
しかし次に来るべき衝撃は、いつまでもたっても襲ってこなかった。
「あ…そっか、ここ日本だった」
自分の居場所を思い出し、映司は目の前にあるクスクシエの床をまじまじとみつめ、一気に体の力を
抜いた。近くで小さな花火大会があると知世子に言われてのに、とんだ勘違いをしたものだと苦笑する。
そこへ、控えめなノックが響いた。
もう深夜に近いというのに、一体誰だと思いつつ素直に扉を開けると、そこにはいつになく思い詰め
た顔をした比奈の姿があった。
「比奈ちゃん?どうしたの、こんな遅くに」
「…中、入っていいですか?」
「え?いや、まあ構わないけど…でもアンクならいないよ?」
「知ってます。だから来たんです」
硬い表情のまま部屋に入った比奈は、深く長い呼吸を一つ吐き出すと、ゆっくりと映司の顔を見上げ
た。
「映司くん…」
「ちょっ…ひ、比奈ちゃん!?」
部屋に入るなり、おもむろに腕を首に絡ませ顔を近づける比奈に、映司は慌ててその肩を掴んで押し
とどめた。その瞳がうっすらと潤んでいるのは、気のせいではない。
「どうしたの?まさか、ヤミーに何かされた??」
「…アンクに、人間の中にある欲望で一番強くて大きいものは何かって聞いたんです。そしたら、その、
性欲だって……それは生物の本能だから誰にでも必ずある、消えることはないって言われました。だか
ら、私……」
きゅ、と小さく下唇を噛み締め、比奈は自らの服に指をかけた。比奈が何をしようとしているのか、
それは流石の映司にも察しがつく。ブラウスのボタンを外そうとする白い指を、映司はそっと押さえた。
「比奈ちゃん、無理にそんなことしなくてもいいよ」
「でも、それで映司くんの欲望の空白が埋まれば、紫のメダルを取り出せるかもしれないじゃないです
か!」
「俺は大丈夫だから。それに、俺、そっちの方はダメなんだ」
「……やっぱり、私じゃそういう対象になりませんか?」
わずかに女としての自信が損なわれたのか、比奈が傷ついたように眉尻をさげる。それを見た映司が、
慌てたように大きくかぶりをふった。
「違う違う!比奈ちゃんに魅力がないとか、そう言う意味じゃなくて…!」
「だったら…」
「比奈ちゃんの気持ちは嬉しいけど、本当に無理なんだ。俺には、アンクが言ってたその欲望もないん
だよ」
その言って寂しげに微笑んだ映像司の目は、悲しみに満ちていた。生物の三大代欲求である性欲すら
ないと言う映像司の言葉を、比奈は目を瞬かせながら聞いている。自ら誘う行動に出てはいるが、比奈
にその手の経験がないだろうということは、鈍感を自覚する映司にも容易に察しがついた。
映司はそんな比奈を椅子に座らせると、自分はベッドに腰を下ろし静かに語り出した。
「俺が昔、捕まったことがあるって知ってるよね?」
こくん、と申し訳なさそうに小さく頷く比奈に、映司は勤めて淡々とした口調で続けた。
「その時居た村は、全滅だった。赤ちゃんもお年寄りも男も女も、ただそこに住んでいたってだけでみ
んな殺されたんだ。だけど、俺は何もできなかった」
「………それは、映司くんのせいじゃ」
映司に咎はないと言い募ろうとする比奈を片手で制し、映司は泣き笑いのような表情を浮かべた。
「俺さ、結構本気で好きになった子がいたんだ。もちろんせいぜい手をちょっと繋いだだけでキスもし
てないけど、村の人たちにも殆ど公認状態で、自分で言うのもなんだけどいい感じだったんだ。けど、
俺はその子も守れなかった」
その瞬間を思い出したのか、映司の瞳が暗く曇る。
「………こんなこと、比奈ちゃんには言うべきことじゃないけど、女の人達は本当に生き地獄だったと
思う。ただ殺されるほうが遥かにマシだって男の俺が思うぐらい、何度も何度も……その子も俺の目の
前で、何人もの男達に襲われたんだ」
遠くを見つめる映司の拳が、色を失うぐらい強く握りしめられる。小刻みに震えが走るほど強い力で
握りしめられたその手が、映司の中に残る悔恨の深さを何よりも物語っていた。
この疼き続ける心の傷は、映司が生涯をかけて向き合い、乗り越えていかねばならない十字架でもあ
るのだ。
「俺一人が親の力で助け出されて、平和な日本に帰ってきた。その代わりってわけじゃないけど、何か
が欲しいとかどうしたいとか、執着みたいなものはすっかりなくなった。それはその、そういった男と
女の関係についても同じで……うん、はっきり言うと俺、男としてそっちは全然役に立たないんだよ」
「映司くん……」
「ごめんね、せっかく比奈ちゃんが色々考えて頑張ってくれたのに」
本当にごめんと、映司が心から謝ると、比奈の瞳が映司のそれ以上に深い悲しみに染まった。それは
単なる憐憫の情なのだと思い、映司はこれ以上ないぐらい紳士的な対応で比奈を自宅まで送った。
扉の前で別れを告げ、立ち去ろうとしたその瞬間、映司は背後から比奈に強く抱きしめられた。
「………いつか、映司くんの心の隙間が埋まる日がきっと来るって、私、信じてます」
「比奈ちゃん…」
「だから、絶対に無理しないで下さい」
普段の怪力はすっかり姿を顰め、年頃の女性らしい華奢な腕が柔らかく肩を包みこむ。その感触に、
ほんの一瞬だけだが映司は眩暈のようなものを覚えた。
「ありがとう、比奈ちゃん」
心からの、けれども形通りの言葉を返す映司の瞳が瞬間的に紫色に染まる。だが、瞬きを一つ落すと
それはすぐに消え失せた。自らの変化に気付かぬまま、映司は今も心の中に広がる荒廃した光景に思い
を馳せ、瞳を眇める。
その廃墟に、比奈に対するある種の欲望が芽吹いたことに映司が気づくのは、もう少し先の話だった。
以上です、読んでくれてありがとう
紫メダルで暴走したら映司も獣になれるかと思ったけど、やっぱダメでした
こっちは埋めよう
埋め
梅
梅ついでにアン比奈小ネタ。
「ねぇ見て、アンク。梅の花」
店に飾る為の梅の枝を両手に抱え、比奈はその花をアンクの顔に近づけた。
花の匂いにつられてか、アンクは不機嫌に顔をしかめたまま鼻をわずかにひくつかせる。
そして無造作に一本の枝を掴むと、先端に咲いた花に喰らいつきむしりとるようにしてそれを食べた。
「きゃーーっ!! 何するのっ!!」
綺麗でしょ、と言いかけた比奈は梅の花束を慌ててアンクから遠ざける。
「なんだ、喰えって言うんじゃないのか」
「馬鹿っ! そんなわけないでしょ!」
花を別のテーブルに避難させてから比奈はアンクの元に戻った。
「食べないでよ。おなか壊したらどうするのっ。早く出して!」
「うるさい奴だな」
アンクが比奈の腕を掴む。
ぐいと引き寄せられるままになった比奈の口唇にアンクのそれが重ねられた。
舌と一緒に梅の花が比奈の口の中に届けられる。
「んーっ」
「出したぞ。文句ないだろ」
「……もうっ」
突然のキスに頬を染めながら、比奈は指先で花を取り出す。
かすかに甘く漂うのは花の蜜か、それともキスそのものか。
比奈はぷいっとアンクに背を向けると、気を取り直して梅の花を花瓶に生け始めた。
アンクに花の美しさを愛でる気持ちを求めたのが間違いだったとため息をつきつつも、そう悪い気分でもない。
――まぁ、いいか。
比奈は微笑み、アンクを真似て梅の花にそっと口唇を寄せる。
梅に鶯。
――私にアンク。
ひとりごちて、比奈はくすくすと笑った。