【異形化】人外への変身スレ第五話【蟲化】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
獣・蟲・妖怪など主に女性がに人外へと変貌していくスレです。
しだいに頭の中身までもその生物になって、本能にしたがって交尾や産卵してしまうシチュ萌え。

前スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241610755/

初代スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136653189/

maledict氏の過去ログ倉庫(外部のサイトです)
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/

関連スレ
[獣化]人間が人外に変身しちゃうスレ17[異形]
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1274161911/
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250959076/
おにゃのこ改造 BYアダルト18
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280360810/
2名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 15:39:42 ID:Lp0VGc4V
>>1乙モルボル

…とはいえ前スレは不慮の事故で落ちたわけでなく過疎による自然落ちだからなー
需要が薄れてるならスレ立てるべきだったのか否か…
維持するにはよっぽど盛り上げないといかんな
3zaq3a557663.zaq.ne.jp :2010/10/11(月) 16:44:20 ID:eA8tvstP
>>1たて乙
せめて即死ぐらいは回避したいな
4名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 17:05:47 ID:eA8tvstP
やってしまった…
5名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 18:22:29 ID:fzVR1N1B
おつおつ
6名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 19:46:37 ID:n7cGRwHQ
>>1
そして板にごめんなさい
前スレが19で落ちたんだけど即死は20くらいまでなのか?
7名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 20:38:06 ID:6RzPUxlG
乙ー
お題かリク何かあれば
8名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 21:43:05 ID:EV6jPGmK
エゼキエルさんによるイーノックの豚化
9名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:12:30 ID:W4IBbOpx
この過疎板ならウケるだろうと思ってチョイ遅れの流行りネタを嬉々として
10名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:18:47 ID:EV6jPGmK
ウケ狙いならこんなスレに張り付いちゃいねーよ!
この溢れ出る欲望を受け止めて!

このぐらいテンション上げてか無いとまた落ちるぞ
11名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:19:59 ID:V68Bz1WV
即死回避
実際こういうネタはリアル路線ゲーの方が可能性があるからなー
まさにエルシャダイみたいな

それはそれとして人間に近い形状のまま
粘膜塗れの両生類に変身した女の子が萌える
12名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:24:56 ID:rh6tRyIp
>>10
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈ブヒ、問題ない」

はい消化
13名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:35:43 ID:EV6jPGmK
>>12
もう少し手前の状況をお願いします^^;
14名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 23:59:30 ID:+Z4N45Ex
>>13
「そいつはオークアーマー、古代の獣戦士が愛用していた鎧だ。うまく使えよ?」
15名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:14:25 ID:4G2nqeF7
もう少しくやしく。
16名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:16:31 ID:fuK5Sirt
>>15
「そいつはオークアーマー、古代の獣戦士が愛用していた鎧だ。ちっくしょおおおぉ!!」
17名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:22:28 ID:WxN2Pbx1
>>15
ちがうちがう。
もっとくやしくおながいします。
18名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:25:36 ID:300MAjX3
イーノックすなわちエノクは神話では方舟のノアの先祖とされる
大洪水以降の人類は基本的にノアの子孫なので
もしイーノックが豚化すると豚化した時期によっては全人類豚化する可能性があるが大丈夫か?
19名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:26:32 ID:pBFCiH3v
>>17
「もう本っ当にもう、くっそ、そいつはオークアーマーっつってあーもう! 古代の獣戦士が愛用してて、
もうふざけんなよ! そんな鎧をお前、もう、あああああああああ!!! 死ね!!!!!」
20名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 00:59:39 ID:N6TSIdM2
>>18
大丈夫だ、問題ない・・・どころか大歓迎だ

でも歴史改変ネタってだいたい
「分岐したパラレルワールド化→元の世界には影響を与えない」か
「上書き処理→『元々そうだった』ことになるので変化に気付かず当たり前に暮らす」になるので
精神責めしにくいのがちょっと物足りないところ
クロノトリガーの恐竜人エンドもみんな何の疑問も持たずに過ごしてたし
21名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 01:10:30 ID:300MAjX3
>>19
もう一声!
もっとくやしいでも感じて豚になっちゃうビクンビクンな感じでおながいします

>>20
神は言っている――そんなもんご都合主義で神や天使の変な力などの理由をでっち上げて
意識はそのまま肉体だけ徐々に変えてしまえと――
22名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 05:21:47 ID:ffEm2pss
もういらないだろこのスレ
職人もいなくなったしなんで立てたんだよ
23名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 07:29:55 ID:mHczxFu/
建った経緯は有るけど
建ってたらなんか不都合ある?
24名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 11:45:02 ID:hV4vd1gv
全て悪堕ちスレが悪い
25名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 18:45:00 ID:300MAjX3
まぁ、悪に堕とすんだからそりゃ悪いだろ

…それはともかく、何?悪堕ちスレも異形化を扱ってるの?
26名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 19:28:29 ID:bAgLU+pZ
精神変化無しの方が好きだから悪堕ち前提じゃないと駄目なのはつらいな
27名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 01:32:39 ID:C6a8FYBj
俺も、苦悩しつつも本能や洗脳や快楽に支配されていく過程は好きだけど
完全に堕ちきってしまうと物足りない派

エルシャダイって「ゲームオーバー→コンティニュー」の流れを
「時間を巻き戻している」と劇中の設定にも組み込んでるけど、
これを逆に利用して「復活地点やセーブポイントの時点で既に詰んでる」状態にすれば
豚化して堕ちたところで復活し、復活してはまた豚化して堕ち・・・で過程を永遠に楽しめる無限ループできるな

などとマジレス考察しつつ本気で期待してみる
28名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 01:31:20 ID:sBqAqK0S
男の獣化も豚化もいける方だけど
イーノックさんはあの顔思い出して萎えたり吹いたりしてしまうわ

「ルシフェルが時間移動で行ったり来たりしてる時に見かけたパラレルワールドのエノク(美女)の話」とか
「イーノックに先んじて堕天使退治をしようとして失敗した天使兵の話」とかなら…

つか、半二次の変身スレで「SS投下しようと思ったら落ちてた」と言ってた人はスレも立ったのにどこへ
29名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 02:22:39 ID:YfGkFh7w
スレ立て乙
このスレなくてさみしかった
30名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 06:29:35 ID:lthVqPtO
俺もあの顔で豚化やられたら吹くわw
ギリシャネタのゴッドオブウォーでは豚化一切ないのかな
仮にしても惨殺されそうな世界観ではあるが。

>>27
たしかに完全に堕ちたとしても、度々人間としての意識が戻って獣の本能とせめぎ合ってほしいわ。
自分の意思では変身をコントロールできずに周期的に変身してしまったりとかも好き。
31名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 02:44:20 ID:8BeI/XFC
地球防衛軍2やってて蜘蛛にやられまくってムカついたから
この蜘蛛をネタにして妄想してみた
だが無駄が多すぎて長くなってしまった、文才が欲しい
32多眼の凶蟲1:2010/10/16(土) 02:46:11 ID:8BeI/XFC
それは突然の事だった
なんの前触れもなく東京上空に巨大円盤が現われたのである
そしてその円盤より人の何倍もの大きさの昆虫が放たれ東京は大混乱に陥った。
その巨大生物はまるで蟻のような姿をしており、人を噛み砕く顎を持ち、強力な酸を吐き出してくるのである
自衛隊も出撃したものの、その強靭な外骨格によって通常の火気は通じず、多くの被害者を出した。
さらに被害は日本だけに止まらずパリ、ロンドン、ニューヨークと各国に巨大生物を投下されていった。
こういった事態を受け国連は地球防衛軍(EDF)を結成したのだった。

そのEDFだが部隊が大きく2つに分けられる
重火気や戦車や戦闘機の扱いに長けた陸戦兵
打ち落とした円盤の武装を利用した武器を装備したペイルウイング隊である
このペイルウイングという名前はこの部隊の全員が装備している飛行ユニットの総称である
この装備により敵に迅速に近いたり、安全に離れる事が可能になるのである
またこの装備の特性上隊員のほとんどが身軽な女性で構成されている
33多眼の凶蟲2:2010/10/16(土) 02:47:33 ID:8BeI/XFC
開幕こそ慣れない巨大生物との戦い、未知の武器との戦いにより苦戦を強いられたが
巨大生物の特性や敵の武器から得た知識により新たに開発された武器等により
異星人との戦争は勝利に終わるものだと考えられていた
だが新たな巨大生物の出現により事態は急変する 〜ペイルウイング隊舎〜

「今日も出なかったね、巨大生物」
「先月までに落としたキャリア(巨大円盤)は9つにもなるし諦めたんじゃない?」
「そうだといいね、でもそれだと私たちお払い箱ね、今から就活しないとw」
「はい、はい、まだ奴らが出てこないと決まった訳じゃないんだから気を引き締めなさい。」
「「はい、隊長」」

ウィ〜ン、ウィ〜ン
「な、何事」
「緊急連絡です、ロンドンに巨大円盤出現しました。ロンドン支部より援軍の要請が来ています」
「状況は!?」
「そ、それが、出現した陸戦兵、ペイルウイング隊ともにほぼ全滅との事です」
34多眼の凶蟲3:2010/10/16(土) 02:48:47 ID:8BeI/XFC
「いったい、何が起こったって言うの」
「どうやら新種の巨大生物が現れたようです。」
「特徴は?」
「生き残った隊員からの情報によるとまるで蜘蛛のような姿で
糸で人を絡めて食べ増殖するとの事です。」
「みんな聞いた、今すぐロンドンに急行するわよ。くれぐれも奴から吐き出される糸には注意するように」
「「了解」」
ロンドンに着くとそこはもう地獄絵図だった
人が吐き出される糸に捕まり食べられていく
私たちは一斉に出撃し蜘蛛達に奇襲をかけた
奇襲は見事に成功し遠距離砲撃により大多数の蜘蛛を葬る事ができた
残りの蜘蛛もペイルウイングの十八番チャージアタックにより倒す
思ったより楽に事が運びホッとしたのだがふと疑問に思う
何故ロンドン支部が全滅したのかである。
確かに私たちは前もって情報を得ていた。
だがその差を差し引いても全滅するような量ではない
と思考していたその時
「キャー!!!!!」

仲間の一人の悲鳴があがる
35多眼の凶蟲4:2010/10/16(土) 02:50:59 ID:8BeI/XFC
その仲間には奴らの糸が絡み付いていた
まだ生き残りがいたのかとその糸の先を辿ってみると
奴らが吐いてできたであろう糸の山から出ていた
そして中から先程より少し小型の蜘蛛が溢れ出てきた。
どうやら奴らは繭の中で成長するらしい。
ロンドン支部の隊員もこの繁殖力の高さにやられたのだろうと私は理解し、上空に飛び上がった
だが突然降り注いだ糸によってほぼ全員がやつらの糸を浴びてしまっていた。
隊員達はみな動きが取れず浮き足だっている。
「まだ動けるものは今すぐ散開して応戦、まだ育ち切ってない幼虫よ
私たちの装備なら簡単に倒せるはずよ」
そう言って私は残った隊員に指示をして応戦し蜘蛛の幼虫を全滅させた
そしてこれ以上増殖しないよう糸を焼き払いひとまずの決着は着いたかのように思われた。
だがそうな考えとは裏腹に大変な事態が起こるのである

「まだよくならないのあの子達?」
「はい、どうやらあの蜘蛛の糸には毒性の物も含まれていたらしく、未だに高熱が続いてます」
「命に別状は無いの」
「はっきりとは言えませんが、今のところ高熱だけで
意識ははっきりしてますし大丈夫だとは思いますが、ただ…」
「ただ、なんなの?」
36多眼の凶蟲5:2010/10/16(土) 02:53:17 ID:8BeI/XFC
「全員が吐き気がすると言うのです」
「でもみんな食欲はあったぞ」
キャー
「病室のほうからか!」
病室に駆け付けてみるとそこには驚くべき光景があった
なんと自らの口から糸を吐き自分の体に巻き付けているではないか
当の本人は自らに起こっている事に困惑し泣き喚いている
そしてあちらこちらから悲鳴があがる
どうやら糸を受けた隊員全員がこの状況のようだ
瞬く間に隊員は糸に包まれ繭のようになってしまった
私はこの時ようやく気付くことができた、糸の中で蜘蛛が成長するのでは無く
糸が人を蜘蛛に変えるのだ。 繭の中から声が聞こえてくる、どうやらまだ意識はあるようだ

「隊長、私を殺してください。このままだと私はあの醜い巨大生物になってしまいます
もう足が八本になってしまいました、単眼も出来てきています
私が人間でいるうちに殺してください」
私はその願いを聞き入れた、聞き入れる事しか出来なかった。
他のみんなももう助からないだろう、ならばせめて人のまま死なせてやろう
そう思い他の病室に急いだ
だが時既に遅く至る所から元隊員であった蜘蛛が孵化していた。
室内で蜘蛛の糸から逃れられる訳も無く私は絡めとられた

どれくらい時間がたったのだろうか私は糸の中で意識を取り戻した
37多眼の凶蟲6:2010/10/16(土) 03:06:00 ID:8BeI/XFC
体がやけに熱い、私の体も作り変えられているのだろうか
脇の辺りに何か圧迫されているものを感じる
それがどんどん強くなりついには皮膚を突き破り2対の蜘蛛の足が出てきた
そして口の部分も妙な圧迫感を感じた直後上下では無く、左右に閉じる顎が出てきた
慣れない口の感覚に私は戸惑っていると
次は全身の骨格が変わり始めた
この急激な変化に私は激痛を感じた、どうやらもうほとんどが蜘蛛になってしまったようだ。
最期に単眼が一つずつできていく
単眼ができる度に意識が薄れていく
「もう私が私でいられるのもあと少しか…」
そう考えるとすごく泣きたくなったが、もう涙を流すことはできなかった。それが私としての最期の意識だった



地球防衛軍西東京支部突如内部より現れた巨大生物によって壊滅
38名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 03:01:46 ID:91V8Tn1F
>>37
GJ!蜘蛛変化が一番好き
39名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 00:42:05 ID:Il6c42pp
>>37
一方その頃、前大戦の英雄「伝説の男」(陸戦兵)は
GランチャーUMXAで蜘蛛を一般市民もろとも爆撃していた
…基本的に不死身の障害物だからなぁ一般市民。人波でバイクがさらわれたりするし
更に蜘蛛になる可能性なんて出てきたらますますまとめて焼き尽くしたくなるw

それはともかく劇中状況が絶望的なあのゲームを
更に絶望的にしてくれるようなSSをありがとうございます
感染被害拡大していくパンデミックものはやっぱりいいな
4037:2010/10/19(火) 01:03:55 ID:Xn93SGpv
>>38
ありがとう、そう言ってもらえると死にまくったのは無駄じゃなかった

>>39
もし市民が実際に蜘蛛化するなら自分もマスレイでお掃除しますw
まぁこんな蜘蛛の糸の能力があるインフェルノなんて自分もプレイしたくない
次は女王蟻を書いてみたいなぁ
41名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 17:25:35 ID:oZ3JcUSy
保守
42名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 12:59:15 ID:1sGtggcD
かなりスレチだけど、物腰穏やかで儚げな美少女が、悪魔を模したゴツイ全身鎧を装着した途端、
性格と口調が豹変して、グロテスクな模造男根で男を犯そうとする、という未完作品を他スレで見つけた

豹変前と後のギャップが凄まじいのと、鎧を身につけていく過程が丁寧でとても良かった
43名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 20:12:49 ID:LMSAraux
おい、頼むから場所を教えてくれ
それか甜菜してくれ
44名無しさん@ピンキー:2010/10/23(土) 20:42:49 ID:MqtaGZQx
>>43
↓のスレの62-65(設定は59)だよ
http://www.unkar.org/read/yomi.bbspink.com/eroparo/1199092315

個人的に凄く良かったけど、需要があるか分からなかったんで控えてた
あと惜しい事に続きがずっと投下されてないorz
45名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 01:32:23 ID:4EQzLvHL
今日から構成力強化週間に突入したので>>11さんのお題で即興でやってみます
三レスほどお借りします
46病気なのか呪いなのかはわからないけど。:2010/10/24(日) 01:35:28 ID:4EQzLvHL

 「……降ろして」
 消え入りそうにか細い声には、一人で立って歩いていけるだけの力強さが感じられなかった。
 だから、僕は耳元で聞こえた文字通りの自棄の言葉を無視して、背負ったままの彼女の身体を一揺すりし、体勢を整える。
しっかりと掴んでおかないと、これからしばらくの距離を歩いていけそうにもなかった。
 人通りのない夕暮れの山道には、秋だというのにヒグラシの声が染み渡っている。どうりで暑いわけだ。時折吹く一陣の気持ちよいそよ風が、彼女の髪を撫でて僕の首筋をくすぐる。
 「体調悪いならそう言えよな。皆心配するだろ」
 病人に鞭打つような口調で悪いとは思ったが、あやうく部活中に倒れるところだったのだ。これからのためにも少し強く言っておいたほうがいいだろう。
一通りたしなめ終えると、彼女は僕の頭に額を軽く当ててきた。僕の歩調の迷いのなさに、降ろしてもらうのは諦めたのだろう。
 「……言えるわけないでしょ。こんなの……」
 またも消え入りそうな声になる。
 「だから『体調悪い』とかぼかして言え、って事」
 「……」
 それきり、しばらく沈黙が続く。
 彼女の家までもう一息、という落ち葉の舞う坂道まで来て、彼女が口を開いた。
 「ねえ、始まったみたいだから……」
 「……」
 今度は僕が無視してやった。
 「一旦、降ろしてよ」
 「降ろしたら、その後が苦労するだろ。歩けなくなるんだから。もう少しだから、このまま行くよ」
 そう言って僕は歩き続ける。
 「でも……」
 段々と息を荒げながら、彼女が搾り出すように言う。
 「気持ち、悪いでしょ」
 張り詰めた無言を耳元に感じながら、僕は笑って言ってやった。
 「馬ぁー鹿」
 しっかりとした普段の彼女にはなかなか言う機会もない言葉だ。
 それきり、彼女は黙ってしまう。木漏れ日の金色の光と、吹いてくる風の爽やかさとあいまって、実にいい気分だった。
 「うっ……」
 やがて彼女が、小さいながらも悲鳴に似た嫌悪を含んだ声をあげる。
 最初に変化を感じたのは、首筋に回された彼女の腕だった。
 まず、湿り気。
 それから、質感。もともと白くすべすべとした繊細な彼女の肌が、更にそのきめ細やかさを増し――否、増しすぎているのか。
摩擦を一切拒絶する、まるで柔らかいプラスチックに触れているかのような感触。
 そして、最初に感じた湿り気が、形を持った。感触の変わった彼女の腕から染み出してきた汗――なのかどうかも判らないその液体は、
風を受けて乾燥することもなく、そのままぬるぬるとしたゲル状の物質へと変わり、やがて彼女の腕を覆い尽くした。
 否、それはもはや腕だけではなく、彼女の身体全体を覆っているのだろう。気が付けば彼女に密着している制服のYシャツの背中からは
ねちゃねちゃとガムを噛んでいるような音がしているし、自分の手にいつのまにかやけに力が入っているのは、明らかに手汗のせいでなく
不自然にぬめる彼女の太ももを、ともすれば掴み損なってしまいそうだからだ。
47病気なのか呪いなのかはわからないけど。:2010/10/24(日) 01:38:06 ID:4EQzLvHL
 「あっ……」
 声の調子から、見えずとも容易に判る彼女の表情。青ざめた顔を泣きそうに歪めているのだろう。
 不意に、僕の制服の胸元に触れていた彼女の手がぎゅっと握り締められる。
 「しっかり掴まって」
 僕の声に、離れかけた彼女の手が再び開かれる。
 違和感があった。悟られないように目線だけを下に向けると、そこにあるのはもうかつての彼女の繊手ではなかった。
 その指先だけが、丸く、三倍ほどに膨らんでいる。
 うっすらと緑色に変色した、じとじとと湿り気を帯びたその異形が、恐る恐る、僕の胸元にその丸い指先を触れさせる。
その瞬間、きゅ、と吸い付くような感触が、Yシャツ越しにはっきりと肌に伝わる。
 「ごめん、足……、痛い……」
 震える声で、彼女が告げた。
 こちらは慣れたものなので、背負ったまま靴を脱がしにかかる。
 靴を袋に入れ、彼女に持ってもらったところで、今度は靴下を脱がす。……背負ったままでも容易に脱げることを知っているから。
 ずる、という滑りとともに現れたのは、つま先にそのまま開いた手のひらを重ねたような、巨大な足だった。
長すぎる指の関節と、手と同じく異常に膨らんだ指先。たしかに靴下を履いたままでは痛みも覚えるだろう。
 靴下をしまうと、彼女は不自然に足を広げて中空にその異形を漂わせたままにしようとする。
 再び「掴まりなって」とたしなめると、おずおずと足を絡ませる。べちゃり、とした肌触りと共に、制服のズボンが粘着質のそれによって透明な汚れの線を走らせる。
 僕の足首の辺りにまたもやきゅっと吸い付くような感触。長く伸びた彼女の足の指がそんなところまで来てしまったのだろう。
彼女の意思とは関係なく独りでにくっついているようで、僕の歩調に絡まることなくぴくぴくと震えている。
 ……これで、大体は終わったはずだ。そう落ち着いていると、
 「ごめん……」
 「いちいちあやまんな。どした」
 「首に、垂れる……」
 その言葉で思い出した。この姿になると、無性に周りが暑苦しくなるらしい。
 「だからいーよ。出しとけ」
 「うん……」
 彼女の応えと共に、ぺたり、と柔らかいものが僕の右胸に落ちた。
 細長く、赤く、生暖かく、濡れて、そして脈動している。
 余りにも変わり果てた彼女の舌は、それでも何故か、彼女らしさを感じさせた。
48病気なのか呪いなのかはわからないけど。:2010/10/24(日) 01:39:36 ID:4EQzLvHL

 やがて、木々の向こうに彼女の家が見えてきた。
 道が曲折しているために実際はもう少し歩かなければならないが、多少の安堵感はあった。
彼女が言うには自宅で水風呂に浸かっていればかなり落ち着くらしい。そうすれば二、三時間で元に戻るという。
 あと一息か、と気持ちを引き締めたところで、彼女がひゅっと投げ出していた舌を飲み込んだ。
 一呼吸おいて、呟く。
 「どうしよう。このまま直らなかったら」
 「だから直らないこととかないの。何回言わせんの、まったく……」
 「でも……」
 「毎年何十人も出てんのに、直らないとか聞いたことないだろ」
 「ん……」
 無理もないことだが、理屈では納得していても実感が湧かないのだろう。
 「……ま、僕はどっちでもいいんだけどさ」
 「え?」
 驚いたように身を乗り出してくる彼女を無視して、僕は一般論を口に出す。
 「近くで見ると可愛いもんだよ」
 そう。
 「カエルだろうがイモリだろうが」
 あくまで、一般論である。
 「……あっ、そう」
 妙にこわばった声で言うと、乗り出した姿勢を崩し、再び脱力した状態で僕に身を任せる彼女。
 そして、僕の右の耳に、ぴたり、と、先ほどまで無かった冷たい感触。
 彼女の緑色の頬が、くっついている。
 「……何?」
 そちらを見ようとすると、ぎゅうう、と彼女が頬を押し付けてきて、首を動かせなくなってしまう。
 相変わらずぬちゃりとした粘膜の感触。
 でも、どうしてだろうか。
 「……別に」
 少しだけ弾んだ彼女の声を聞くと、僕はどうしてもそれを不快に思うことができないのだ。
49名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 01:42:19 ID:4EQzLvHL
終わりです
投下直前に>>44のSS見たので、自分の未熟を痛感して膝が折れかけたけどせっかくなので……
お目汚し失礼しました
50名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 12:35:36 ID:XvwCynAa
GJ。両生類最高だわ。もっとねっとりぐっちょりした
ハードな両生類ものが見たいな
51名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 00:31:21 ID:m7fmqHVN
>>49
最高だった、俺の心にゲキレツアタックだぜ
今後も期待してます
52名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 03:46:04 ID:hY4oR/Q1
>>49
11だけどありがとう!
青春とTFの組み合わせって甘酸っぱいけどエロくていいよね
53名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 22:59:38 ID:m7fmqHVN
前に書いてみたいと言ってた女王蟻の話を妄想してみたので投下してみる
すごくいいSSが投下された直後なんで、こんなSSで大丈夫か?
大丈夫じゃない、問題あるな感じだぜw
54地底決戦:2010/10/25(月) 23:02:39 ID:m7fmqHVN
敵母船を打ち落とし安堵していたEDFに激震が走った
突如地中から巨大生物が現われたのである
EDFの攻撃から逃れた巨大生物達が集まり
地下に巨大な巣穴を作っていたのである
その巣穴で増殖した巨大生物が地表に溢れだしたのである
これをうけEDFは巣穴を焼き払うべく総攻撃を開始した


「どうやらあの地下鉄の駅がやつらの出入口になってるようね
ペイルウイング第3隊突入するわよ」

と隊長のミリアが号令をかける

「おっとぉ、敵さんがわんさか湧いてきやがった」
「ヘレン、地下では雷系の武器は反射する、扱いには気を付けろ」
「いちいち言われなくてもわかってるっーの」
入り口付近にいた蟻型の巨大生物を一掃し奥へと進む
「どうやらこの線路の横に不自然に空いた大穴
この奥が奴らの住みかのようだな」「うひゃー、まさか東京の地下にこんな広大な巣穴を作るとはなぁ」
「ホント真上にいても全く気づきませんでした」
55地底決戦:2010/10/25(月) 23:04:21 ID:m7fmqHVN
「この短時間でここまでの巣穴を造のにも驚きだが
もっと驚きなのは奴らの繁殖力だぜ
殺し損ねた蟻の数から考えると、今わかるだけでも十倍以上だぜ」


「た、隊長!」
「どうしたタバサ」
「はい、先ほど飛ばしたレーダーの結果が出ました
どうやらこの巣穴は蟻の巣のように入り組んだ形をしています
そして一番深いところに一際大きい反応があり巨大生物の女王かと思われます
ただ行き止まりが多く、一番深いところに行くのは一筋縄ではいかないでしょう
また至る所に蟻がいるので、単独行動は控えたほうがよいかと」
「なるほど、ならば5人を一組としてチームを分ける
ただし女王を発見したら一度合流地点に戻るんだ
合流して総攻撃をかける」
「「了解」」


こうして各自迫り来る巨大生物を撃退しながら奥へと進んでいく


「こちらユマ、負傷しました。退却します。」
「もうだめ…出して、私をここから出して」
「おいパニックを起こすな」
「出して!出してー!」
「おい、一人で行動するな!」
「助けて!きゃ…きゃああああ」
56地底決戦:2010/10/25(月) 23:05:53 ID:m7fmqHVN
「こちらヘレン。巣穴の再深部に到達しました。ここは…巨大生物の生まれる場所…なんてこと…?」
「おい、ヘレン一旦戻れ、何をしている。」
「あれは女王?女王なの?あぁこっちに来る!きゃああああ」
「おい、どうしたヘレン、応答しろ…戦闘可能な者は各自合流地点に集合、ヘレンが残した地点に総攻撃をかける」

こうして生き残り達は合流し、再深部へと到達した

「ここは…?」
「ついに見つけたぞ巣の再深部だ。ここに巨大生物の増殖する秘密がある」
「巨大生物の卵でしょうか?すごい数」
「女王はいないようだな、今のうちにすべての卵を破壊するんだ」
各自武器を持ち卵を攻撃していく
卵から慌て蟻が孵化するが成長しきってない未完全体では相手にならない
こうして卵を徹底的に破壊していっていたのたが
「おい!ここにもあるぞ」
「よし、今破壊してやる」
サビューン、シュワー
「また敵さんのおでましか〜」
だがそこにあったのは意外な光景であった
「ふわぁー、あっミリア姉さんおはようございます」
「へ、ヘレン!?どうしたんだお前女王にやられたんじゃ、そしてその体なんともないのか」

なんとその卵から出てきたのは、女王にやられたはずのヘレンであった
57地底決戦:2010/10/25(月) 23:07:18 ID:m7fmqHVN
「体って別になんと…って私全裸じゃん!なんで?」
「いやもっと気にするところがあるだろ」
「全裸より気にするところって…うわぁ何これ〜!」

驚くのも無理はない、ヘレンの体は所々黒ずみ
その黒くなった部分はまるで蟲の外骨格のように硬質化していたのである
そしてヘレン同じように巨大生物にやられたと思われた隊員が次々に卵から出てきたのである
蟲化の進行度も変化している場所も様々で
比較的救出が早かったヘレンはほとんど変化がなくすんだが
救出が遅くなった隊員には目が複眼化してしまった隊員も足が生えてしまっていた隊員もいた
どうやら巨大生物の女王には人を巨大生物に変える力があるのだ
それがこの大増殖の秘密である

「お願いです、殺してください、こんな姿じゃ生きていけません」
「何を言っているのまだ作戦は終わってないのよ
女王を倒さないかぎり被害者は増え続けるの
どうせなら戦って死になさい」
「は、はい、隊長」
(自分でも思う、最低の人間だなって。蟲化してしまった隊員にかける言葉が戦って死ねだなんて)

「そういえばヘレン、あなた女王を見たのよね?
女王の能力とかわからない?」
58地底決戦:2010/10/25(月) 23:09:58 ID:m7fmqHVN
「そ、それが女王を見つけた後すぐ何やらガスみたいなのが飛んできて
気が付いたらあの中にいたんです」「どうやら毒ガスのようなものを女王は使うみたいね、気を付けないと」

そこに巣を荒らされ怒り狂った女王が帰って来る

「各自、奴から放たれるガスに注意して散開
遠距離から集中放火する」

だがそこは広いと言っても巣穴
隊員達は決定打を与えられぬまま追い詰められてしまう

「クソ、あのガス遠くで受ければ、意識が飛ぶくらいで済むが
近くで受けると体が消し飛ぶくらいの強酸だったとは
おかげでまともに攻撃もできやしねぇ」
「た、隊長!私たちがチャージアタックをかけて、あの酸の発射口を潰します」
「お、お前達死ぬ気か!?」
「戦って死ねと言ったのは隊長じゃないですか」
「そ、それは」
「それに私たちの体の一部は奴らの体になっています。その分奴らの酸にも耐えれるはずです」
「お前達……わかった、各自武器を持ってヘレン達を援護しろ」
「「了解」」

そして最期の総攻撃が始まった
例え体が外骨格化しているとは言え強力な酸の前に倒れていく隊員達
だがその決死の攻撃は確実に女王の体力を奪っていった
そしてついに女王の腹を貫いた
59地底決戦:2010/10/25(月) 23:24:14 ID:m7fmqHVN
「勝った、私たちは勝ったのだ。被害は甚大だが、私たちはとにかく勝ったのだ。」
「動けるものは負傷者を連れて脱出するぞ」
「私たちが生きていられるのも壁となって血路を開いてくれた彼女達のおかげだ」


全員が勝利を確信し安堵しきっていた時

ギュオォォ

「まさか女王がもう一体いたなんて…」

突如現れたもう一体の女王に対応できず
全員ガスを吸ってしまう
次々と気絶していく隊員達、だが先ほどの女王は卵に人をいれ蟻に変えたのに対して
この蟻はそうはしなかった

実はこの蟻は女王ではなく雄蟻だったのである
60地底決戦:2010/10/25(月) 23:47:30 ID:m7fmqHVN
その雄蟻は何やら物色するように隊員を探り
ある人物に目をつけたようだ、隊長ミリアである
雄蟻はミリアのスーツを破くと、その巨大な腹の先をミリアの恥部へとねじ込んだのである
特訓一筋で未だ男を知らなかったミリアは目を覚ましてしまう
この覚醒が絶望への始まりだった
(えっ、私なにをされて…まさか蟻に、いっいやぁ)
雄蟻はまるで全てをやりとげたようにミリアから離れていく
そしてミリアの変化が始まった。
まずは皮膚が黒くなり外骨格と化していく。
次に体の形が変わり二本足では立てなくなる
そして6本目の足が生え揃い
皮膚の変化が顔にまで来たときには、口の中から左右に開く顎がでてき
目が複眼化し触角が生えてきた。
そして今までのとは違う点として最後に女王の羽が生えたのである
だが驚くことにまだミリアには理性が残っていたのである
(せっかく女王を倒したっていうのに、私が女王になってしまうなんて)
61地底決戦:2010/10/26(火) 00:01:57 ID:Gbj01WTT
(なんとか理性のある内にあの蟻を倒して私も死なないと)

だがそう思う気持ちとは裏腹に体が気を失っている隊員のほうへと向かう
(なにをしてるの、そっちじゃない)
そして腹の先から隊員にむけて糸のようなものが出されると
みるみるうちにそこには隊員をくるんだ卵が出来てしまっていた
(えっいや私自身が彼女達を蟻にしてしまうなんて
止まれ止まれ止まれぇぇぇ)

だがどんなに理性がそれを制止しようとしてもそれは止められなかった
それが蟻の本能なのか異星人がプログラムしたものなのかはわからないが
ミリアはそれに従って動いていった
止めたいと思っても次々と卵にくるまれていく隊員達
止めたいと思っても止めることも出来ないので―そのうちミリアは考えるのをやめた



こうして地球防衛軍は敗れ、地球は巨大生物の星となった
第二部 ―完―
62あとがき的な:2010/10/26(火) 00:09:49 ID:Gbj01WTT
前と同じ地球防衛軍ネタですけど、特に前との繋がりは無いです。
登場人物の名前ですがただの趣味です
相変わらず2次創作しか出来ないうえ
文才ないから妄想の域を出てない
こんな雑魚に書かせるくらいなら俺が書くって人出てきてください、お願いします。

63名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 17:24:36 ID:S0MCXa68
>>53
>こんなSSで大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。っていうかマジGJ!
6449:2010/10/27(水) 21:20:09 ID:axmlP5fV
>>62
GJ
やっぱしっかりした前フリでキャラを描写しておくと異形化が盛り上がるなぁ
面白い展開を読ませることによって自然とキャラを立てていく、ということか。勉強になりました
名前はクレイモア?

>>50-52
ありがとうございます
また魂のこもった願望が見つかればチャレンジさせていただきます
65名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 11:41:53 ID:WOFRsfXF
>>64
はいクレイモアです
あれは異形化多くて大好きなんです
66名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 23:01:08 ID:ir1L6OtO
わかる
美少女の口裂けグパァは良いものだ
67名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 10:52:08 ID:SWYw87/p
クレイモアって読んだことないけど、口裂けくぱぁとかあんのか
最高じゃんか。それが大人しい女の子とかだともうたまらん
68名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 21:11:32 ID:iF3te/5w
大人しい女の子はいないな……素直クール率は異常に高いが
それでもこのスレにおけるオススメ本ではあるかな
69名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 23:36:14 ID:08VAtafn
クレイモアをおおざっぱに言うと
人間では倒せない存在妖魔がいる
→それに対抗するために人間に妖魔を混ぜこんだ半人半魔の存在を作る
→その素材は妖魔に親を殺されたり行き場を無くした少女達
→半人半魔となった少女達は妖魔と戦う事のできる存在となる
→しかしその力を使いすぎると自分が妖魔自身になってしまう

ってな感じの設定
敵の中には無理矢理力を酷使させて妖魔化させてくる奴とかもいて
強制変身の要素を含んでたりする。
何が言いたいかっていうと、リフル最高
70名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 11:37:11 ID:ThHID+PZ
今まであの独特な絵のタッチのせいで見てなかったけど
最高の設定じゃん
71名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 20:54:25 ID:X8X/3wHm
タイプの違う、普段はか弱い非力な5人の美少女達が、それぞれ火・氷・風・地・水を操るドラゴンに変身して戦う。
闇を操るドラゴンに変身する悪役美少女とその信望者や部下らと戦う小説考えたけど、書くの(´Α`)メンドクセ
書き続ける気力と文才もないのに、設定だけ無駄にポンポンと思いつくから困る(´Д`;)

書かずに頭の中だけでストーリーをあれこれ妄想して、ヒロインに(´Д`*)ハァハァするぐらいしかできないorz
72名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 23:23:23 ID:TL92sByS
>>71
あれ?俺いつ書き込んだんだっけ?
73名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 00:38:04 ID:9T496xed
俺の脳内ではスレ序盤で出たエルシャダイ豚化も
イーノック役を美少女にして既にネタが煮詰められつつありセルフバーニングしたりするのだが
自分でも不思議なほど書く気力が湧いてこない

・・・・・・そうだ。「やる気や気力は有り余ってるけどネタが無い」人と
「ネタはあるけど書く気力やテンション、モチベーションが足りない」という人が
複頭キメラやヒドラになれば・・・・・・
74名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 01:18:11 ID:HhRn+vua
>>73
ネタはあるけど文才ないしモチベーションが無い人の割合が多すぎて

「なにかいいネタないかな〜」
「ならばこんなネタはどうですかな」
「あっそれいいかも〜、一緒にWに変身してSSを書きましょう。
私たちは二人で一人のSS作家よ」
「わかりました、では!サイクロン!」
「ジョーカー!へんし…」
「待て、その人にSSを書いてもらうのは俺だ」
「ちょっと待って今変身途中なのよ、用なら後にして」
「俺もあなたと一緒になる〜」
「待ちなさいドライバーのスロットは2つしか…」
「それならば直にメモリを入れればいいじゃない」
「そんな事をしたら私はドーパントに…」
コックローチ
ざわざわ…ざわざわ…
(俺等もああすれば日々妄想してきたネタをSSにしてもらえる!)
アノマロカリス!
ホッパー!
ティーレックス!
「やめて!これ以上私の中に入ってこないで!」
バード!
ビースト!
そして体の中に入った全てのガイアメモリの反応が始まった
75名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 01:36:30 ID:HhRn+vua
右腕はゴキブリを模した茶色の腕へと変化する
そして左手の指は三本へと変化しアノマロカリスを模した青色へと変わる
脚は高く飛び上がることのできるバッタの脚へと変化する
そしてビーストメモリの影響か尾てい骨がのび尻尾が生えてくる
頭部は歯が伸びていき牙となり、鼻と顎が前に出ていき鱗が生え揃う
ティーレックスの頭部となった
最後には背中からバードの羽が生え
元々変身するはずだったサイクロンジョーカーの部分は胴体部分だけというおぞましいキメラとなった
「いや、なんなのこんな化け物早くもとに戻して!!」
((早く僕たちのネタでSSを書くんだ、書きおわるまで出ていかないよー))

だが、ひとつの体に何人ものネタを同時に送りこまれているせいで
できるSSは毎回キメラ化になってしまう
そして自分が言ったネタでは無いからといって入った人間は出ていかず
何度も何度もキメラ化SSを書き続けるのであった




こんな状況になりかねん
76名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 20:59:45 ID:DnR0MLA2
エロゲーだけどスタジオエゴとでぼの巣製作所の神楽シリーズの妖怪化ってのはスレ的にどう?
77名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 21:39:55 ID:YaA1d1kc
公式行ってみたけど
どの作品でどのキャラがどんな過程でどんな妖怪になるのか
が判らなかったのでkwsk
78名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 12:12:13 ID:isVv1BZ5
>>77
でぼの巣の神楽道中記って作品だと本編でヒロイン二人とも妖怪化あり、いぶき→天狗化で天狗爺さんと・なずな雪女化でいぶき襲う
追加シナリオ3で小春って子が猫又化で男襲う(猫又に限っていぶき・なずなもテレカなどで有り)
来月に新作の神楽幻想譚ってのにも妖怪化エンドあり
スタジオエゴは鬼神楽・月神楽(アクチ認証で中古は不可)で妖怪化あり
鬼神楽ではヒロイン2人とも雪女・百々目鬼に襲われた後に妖怪化するがCGだと耳が尖がってる絵しかなく何になるかは不明
月神楽でも2人ともサキュバス等特定妖魔に襲われた後に妖魔化、穂乃香→人魚化・澄佳→サキュバス化各CGあり

わかりにくいかも知れないけどこんな感じで
79名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 18:39:20 ID:Zvz1XMDn
thx
hentaiで二行目の猫又化を確認してきた(天狗化ってのが気になるけど無かった)
このスレのスタンダードよりは、異形化の度合いがかなり「薄い」気がする
例えばこのくらいの薄さで作品を書いたとして、
同じ筆力で書いた「濃い」作品よりも評価や反応が小さいものになってしまうかも
しかし「こんな薄いのはスレ違いだ」と一蹴されるほどにはスレ違いではないと思う
ゴツい悪魔化ってのも過去にあったしね
80名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 01:01:57 ID:1HoukGwk
道中記の雪女化も天狗化も衣装かわるくらいだから猫又よりかなり薄いと思う
ただ相手を襲うとか内容は濃いんで来月の新作に期待してる(特典テレカだと耳や爪尖がったりしてたので)
月神楽の人魚化くらいだとわかりやすい変化かもしれないけどね
人魚みたいに下半身とか変化するの好きなんで女郎蜘蛛化とか期待してるんだけど既に作中で大蜘蛛って完全な蜘蛛がいるから無理そう
一部や下半身とか女体残しての異形化が好みです
81名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 20:31:01 ID:C3UCgwn+
なんで、凄いSSばかり来るんだ!
保管庫に登録されている獣化スレの方はSSがさっぱり状態なのに。
この矛盾が悔しいわ!
82名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 20:50:29 ID:ZSk4Kzs/
このスレやっぱり必要だな
しばらく無かったから寂しかったず
83名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 16:46:09 ID:/dlwTGyx
PSアーカイブにPE2配信来てた
一番最初の美女異形化は今でも見応えあるな。さすが全盛期のスクエニ
84名無しさん@ピンキー:2010/11/25(木) 15:45:23 ID:dee5zQ9d
パラサイトイヴは厨二病とTFフェチを併発している俺にはどストライクすぎて辛い
主人公がミトコンドリアに寄生されて老いない体に&超能力発現とか失禁するわ
PE1の劇場での会話がまだ脳裏に焼き付いてるぜ
85名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 01:45:39 ID:YbNSkEs0
86名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 14:39:24 ID:JrtUuGj4
バラサイトイヴか…高校の時に原作読んだけど、序盤と後半は最高だった。
中盤がややダルい印象だったけど。
87名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 14:43:42 ID:wrnHjH3h
嫁さんより映画版の助手みたいなのがいい
88名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 08:16:35 ID:yL/0S53Z
>>78
天狗化と言ってもどこまで変化できるかはきわどいか…
天狗の鼻になるだけでも色々難しいだけに?
89名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 09:28:55 ID:eB+A3xdV
>>88
ここのスレ住人ですら「天狗鼻とかないわー」ってなりそうだしな
俺は大好きなんだけど

たとえばエロゲ中にそんなCGが一枚でもあったらフルプライスでも買うくらい
90名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 20:50:00 ID:wKqyeS0y
>>88
>>89
pixivで「天狗 百足」でタグ検索すると良い絵があるね
ついでに良い百足化も
91名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 08:09:16 ID:atyt+QFq
天狗でも烏天狗とかならまだ需要はあるのかもと思ったり
その筋では有名な射命丸とか古くはネギまの刹那とか…
ただ、カラス顔はマスクとかが限界になりそうで悲しい
普段は人間の顔だけど何かあるとカラス顔になるとかでフォローできれば
92名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 00:58:32 ID:oopv7NG5
こう寒いと獣毛モフモフ系の異形娘にくるまりながら眠りたくなるな
93名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 02:52:23 ID:vHgcYZih
顔だけ浮かんだ肉塊娘さんの中あったかいナリィ…
94名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 21:40:12 ID:h7sgL1VM
……>>93の体は、そのまま肉塊娘の中にぐむぐむと埋もれていく……。
麻酔でも効いているのか、それとも何か別の力が働いているのか、>>93は自らの身に起きている事を知らず、ただ自らを包む温もりに身を委ね、深く、深く沈んでいく……。

……と、肉塊娘が、何処か悶えるように体をくねらせ始める。その内部では肉塊娘から生えた触手が、>>93の皮膚から内部へと侵食し、神経を繋ぎ替え、同化させていく……。

やがて

(省略されました)
95名無しさん@ピンキー:2010/12/10(金) 23:49:25 ID:sZ3nIekl
わっふるわっふる
96名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 21:13:30 ID:6vOrPPTT
ここの住人は「触手の都」をチェック済み?

かなり期待してるのが…
97名無しさん@ピンキー:2010/12/11(土) 21:15:08 ID:6vOrPPTT
↑もとい「触祭の都」ね
98名無しさん@ピンキー:2010/12/12(日) 00:53:04 ID:R9oS1lvi
希望を持たねば絶望することはないのだ…

異形化連鎖は大好物だが。
99名無しさん@ピンキー:2010/12/13(月) 13:54:57 ID:fzKuSr4h
>>94続き。

やがて、肉塊娘の中で眠る>>93の体が、徐々にその形状を変えていった。根を張る触手の周辺から、皮膚の色が瑞々しい肉の色に変化――いや、>>93を包む肉そのものに変化していく。
彼と肉塊娘を繋ぐ触手は、その先端からどくどくと>>93の血液を吸い取り、自らの体液を流し込んでいく。流し込まれた体液は>>93の細胞に染み込んでいき、その形質を変化させていく。
暫くも経たないうちに、>>93の全身は首から上を除き肉塊娘の物になっていた。そして、首から上も、彼女の触手は侵食していく……。

――と、>>93の顔が、徐々にその形状を変化させていく。どこか、肉塊娘の表面に映る顔を幼くしたようなそれに。
そのまま、顔を形成する物体の成分が、肉塊娘の肉へと、その姿を変えていく……脳以外は。

瑞々しい肉で覆われた顔。その上方に陣取る脳。そこに直に繋がるように――ぶちゅり、と音を立てて、触手がその身を沈めていった。
目を閉じたままの顔が、やや苦しげに歪み……緩んだ。>>93の記憶が、過去が、存在が、脳ごと一気に、肉塊娘に侵食されたのだ。
どくん、どくんと脈打つ触手……そこから>>93だった者に向かって流されるのは、肉塊娘の子供としての記憶、過去、存在……。

――>>93が呑み込まれてから数日後、肉塊娘の傍らに、一つの肉繭が形成された。
彼女は、すっかり吸収し終えた自らの腹を撫でながら、繭から新たな子が孵るのを、待ちこがれているのであった……。

fin.
100名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 07:40:10 ID:MoArV0XH
最近このジャンルに目覚めたんですけど、お勧めの異形化エロゲとかってありますか?
101名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 16:10:48 ID:OlReIi6S
>>99
乙。しかし「fin」が「fat」に見えてしまった…ちょっと俺も同化してくる。
102名無しさん@ピンキー:2010/12/15(水) 01:42:04 ID:U1LBiiZV
>>101
豚化の肉布団と聞いて四つん這いできました
103名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 10:18:58 ID:pJy1MUZ2
ニードレスの新刊が熱かった
改造→異形化とか俺得
104名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 16:25:55 ID:TnN0O3eu
悪魔と人間のハーフ少女がいて、バンパイアハンターとして戦う。
普段は可愛い少女の姿で、そのままでも充分強いけど、異形の悪魔の姿に変身するとさらに強くなる。

ていうのどう?(´・ω・`) 女版ダンテですね、分かります。
105名無しさん@ピンキー:2010/12/25(土) 16:19:50 ID:SaWanmaI
>>103
ニードレスは
山田姉の正体が実は……の巻だけ何となくツボって買ったが
それを聞いてまた買ってしまいそうじゃないか
106名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 09:51:31 ID:1dgIxlj4
ほす
107名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 03:18:36 ID:v7nDSflx
真面目な子がギャルに変身ってのも異形化に近いものが
あると思うのだが、どうかな?
108名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 17:30:39 ID:uXErs9iK
人外じゃないし、現実でも普通に有り得るからなぁ。それも萌えるどころか夢を壊す方向性で
……異形っぷりと知的レベルが人間の域から(悪い意味で)外れてる奴は居そうだけど
109名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 17:37:49 ID:zjF5oy/1
というか、きゃぴぴゃぴのギャルになるってただ嗜好変わっただけのようなw

ガングロや醜女化もはまた別のジャンルであるわけだし。
110名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 21:58:07 ID:rneSyqrE
現実でありえる範囲ならせめて全身タトゥーやインプラント
など、異形な上に後戻りできないくらいで無いと
ギャルだったらまた真面目な子に戻っちゃう可能性あるし
111名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 13:48:45 ID:AlokRzhI
今適当に思いついたんだが、こんな感じなのはどうかな


ある店の前に一人の少女が立っている
彼女は中学まではまじめで通っていたが、高校入学を期にイメージを変えようと考え
ピアスをつけようと考えていたのだ
だが自分で穴をあけるのはやっぱり怖く、安い店を調べた結果この店を見つけたのだ

「緊張するな〜」
店の中に入ってみると、店内は黄色と黒の二色でほぼ占められていた

「あなたが、今日予約をくれた方ね準備はできてるわ」
「あっはい、よろしくお願いします。」
(うわぁきれいな人だなぁ、でもあの人の服も黄色と黒だ、好きなのかな?)

そして穴をあけたのだが、穴を開けた時の事はよく覚えてない
何か怖いものを見た気がするのだけど…。
112名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 14:05:39 ID:xpmOZDRN
先祖代々の遺伝子が創り上げた奇跡の逸品であり
親からもらった有り難い貴重な財産でもある身体を、
一時のお洒落だけで傷付けるような奴は本当に異形化してしまえば良いと思うの
鼻ピアスが鼻輪になって牛化とか耳ピアスが家畜タグになって豚化とか

>>111
ごめんネタがわからない
113名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 14:09:37 ID:AlokRzhI
一日目
今私はピアスを付けている
店の人がプレゼントとしてくれた奴だ
蜂のピアスなんだけど、何故か気に入っている
虫は嫌いだし、蜂は怖いはずなんだけどなぁ

二日目
なんか食物の好みが変わった気がする
どちらかと言えばベジタリアンだったのに
今は肉が食べたくてしょうがない

三日目
夜中に熱でうなされた
何かが自分の中で育ってる気がした
四日目
肉以外の物を受け付けなくなった
ご飯や野菜を食べても吐いてしまう
五日目
庭にいた芋虫に食欲が沸いてしまい
気付いた時にはそれを食べてしまっていた

六日目
何かが自分の中から出てくるという感覚がヤバイ
自分が自分でなくなりそう

七日目
こうなった原因はピアスにあると踏んで、私は今あの店の前にいる
114名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 14:28:19 ID:AlokRzhI
「どういう事ですか、あなたの所で穴を開けてから、調子がすごく変なんですけど!」
「あらあらまだ人間の姿って事は、まだ皮は剥けてないようね」
「えっ、それってどういう意味…」
「まぁ殆ど変態も終わってるみたいだし、話しても大丈夫そうね、バリバリバリ」

店員が自分の顔に手を当てたかと思うと自分の顔を帽子のように脱ぎ去った
そして中からはスズメバチの頭部が出てきた
そして胴体部も脱ぎさると、もはやそれはスズメバチと人間が融合したような姿だった

「私はミュームの怪人スズメバチ女、そして貴様の耳に穴を開けたのは私の針だ
貴様は今ハタラキバチ女へと変わっていってるのだ」
「そ、そんな!?」
「もう外皮を剥いても大丈夫だろう」
「いや、止めて!?」

まず腕が剥かれ、昆虫の腕が出てくる
次に足が剥かれ、そして胴体が剥かれた
彼女は顔以外スズメバチの状態となってしまった
「お願いやめて、元に戻して」
「大丈夫だ、直に思考もミュームの物となり、そんな事考えずに済む」
バリィ

「目が何個もあっておかしいよぉ、それにうまくしょべれないよぉ」

「直に慣れる、ハタラキバチ女9号よ、貴様には後々頑張ってもらうぞ」



なんていうか適当
115名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 16:53:50 ID:xpmOZDRN
ああ。黄色と黒ってそういうことか。針と蜂つながりか。GJ
116名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 03:37:37 ID:jZcZtfBc
>>114
GJです。
117名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 17:34:43 ID:S/0c3ewQ
最後に皮剥ぎってのが良いなー
118名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 21:25:01 ID:yLUcAk88
俺はうまくしょべれないよぉがツボ
119名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:22:46 ID:bYcLHYnC
また違うパターンも考えてみた
先輩に惚れて、魅力的な女になろうとして異形化に巻き込まれるパターン

個人的に獣化より蟲化のほうが好きなので今回も蟲化です
俺をほっといたらスレのほとんどが蟲化で埋まってしまうぜ
だから他の人もこのスレの蟲化を止めるために書くべき、いや書いてくださいお願いします
120名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:24:14 ID:bYcLHYnC
「ミホ、最近なんかおかしいよ」
「そ、そんなことないよ…」
「やっぱりおかしい、まさか恋したとかw」
「まさか、そ、そ、そ、そんなこと…」
「図星ね、いったいどこの誰なのよ、教えなさいよぉ」
「さ、3年の城島シンジさん」
「あーその人って一組の城島さんのお兄さんじゃなかったっけ」
「でもその人、一組の矢野さんと楽しそうに話してるとこ見たことあるよ」
「あちゃー、ミホピンチじゃないのー」
「えっ、そうなの!?なにかいい案無いかな?」
「まずは先輩をひきつけるような魅力的な女になる事ね」
「魅力的な女?」
「ほらこれ、駅前にできた新しい美容室
なんでもそこの美容師が凄腕で、女としての魅力を最大限に引き出してくれるそうよ」
「ありがとう、早速行ってみる。あんな金髪巨乳女に先輩を渡してなるもんですか!」



「ここが噂の美容室ね、魅力的な女になって絶対先輩をゲットするんだから」
「いらっしゃいませ、電話で予約の叶さまですね
本日はどういった風になさいますか?」
「率直にいいます、先輩を振り向かせるような魅力的な髪型にしてください」
121名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:25:39 ID:bYcLHYnC
「ふふ、素直な子て好きよ、心配しないでもその先輩がほっとけないような魅力的な女にしてあげるわ
少し準備が必要なので、少々お待ちくださいね。」
「はい、わかりました。」


「ふふふ…UTストーンが反応しているわ、まさかこんな所で思いがけない収穫ね」



「じゃあまずシャンプーをするわね、ここに寝てちょうだい」
「あ、はい。」
(うわぁすごくいい匂いがするシャンプー、それにすごく気持ちいい、やばいこのまま寝ちゃいそう)

「ふふふ…おやすみなさい、起きたころには全てが終了していてよ」
「いつもどおり我が戦闘員へと改造してやろうかと思っていたが
この女を戦闘員にしておくのはもったいない
こやつは我と一緒の怪人にしてやろう」

そこにいたのは人間の形こそはしているものの
カミキリムシと女性を掛け合わせたような怪物であった

「だがちゃんと望みは叶えてあげるよ、その先輩を掴んで放さない姿にしてあげるわ」

といいながらカミキリムシ女は何かの石を取り出し
眠っているミホのおでこの上にその石をのせた
そしてその石に手をかざし力を送るとその石はミホの体の中へと埋もれていった」
122名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:27:07 ID:bYcLHYnC
「これが、私!?嘘みたいこんなにきれいになれるなんて!」
「ふふ、素材がよかったのよ、あなたが先輩への告白が成功するよう祈っているわ」


「うわぁやっぱり噂は本当だったんだぁ」
「まさかミホがこんなに女っぽくなるなんてね」
「なによーまるで今まで私が女らしくなかった見たいじゃん」
「それはそうと、告白するの?」
「うん、何故かあの美容室に行ってから自信に溢れてるの
だから小宮山先生に今日二人きりになれるようセッティングしてもらったの」
「結果期待してるよ。」
「小宮山先生も急だよな、いきなり化学準備室の整理をしてくれだなんて
なんか一年生の子を一人付けるからとか言ってたけど」
「失礼します。」
「あ、君が小宮山先生が言ってた子か、お互い災難だったねぇ
いきなり掃除を押し付けられて」
(あれ、おかしいいつもなら先輩の前じゃあテンパっちゃうのにそれがない
でも何か違うものを感じる、何かが疼く感じ)
「君大丈夫?具合悪いなら俺一人でやっとくぞ」
(熱い、とにかく熱い私発情しちゃってるの?
先輩の精が欲しい、欲しくて欲しくてたまらないの)
「おい、君本当に大丈夫か」
123名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:28:03 ID:bYcLHYnC
ミシミシミシミシ

「いや、私の中から何か出てくる。やめてやめてやめて」

なんとミホの額から六つの単眼が浮かび上がった
「いや、何この視界、物が多重に見えてまっすぐ動けない」

その間にもミホの体を変化が蝕んでいく。
身体中から黒い剛毛が生えてくる

「先輩、逃げてください。私はもう限界です」

初対面の子がいきなり異形化し、シンジは呆然としていた

「お願いです、早く逃げてください。私が本能を押さえ込んでいる間に」
我に帰ったシンジは一目散に準備室から逃げていった
(結局告白できなかったなぁ、でもこれでいいわ
先輩に対して疼くと同時に、先輩の事を美味しそうとも思ってしまった
あのままじゃ私先輩の事を食べてしまったかもしれない)
口が割けその中から蜘蛛の顎が出てくる
手、足が萎れたかと思うと、それが二つに割け蜘蛛の足となる
ゴキゴキゴキ、骨格が変形していき
ミホがいた場所には一匹の巨大な蜘蛛が残された
124名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 03:34:49 ID:bYcLHYnC
「あら、せっかく魅力的な姿にしてあげたのに、先輩逃がしちゃったの」
(あなたは、昨日の!私をこんなにしたのはあなたの仕業?
あなたは一体何者なの、早く私を元に戻して)

「ふふふ…私はミュームの怪人カミキリムシ女
そしてお前は怪人蜘蛛女だ、何もう少しすれば怪人体への変身、人間体に化ける事ができる
まぁその時には身も心も怪人蜘蛛女だがな」
(そ、そんなぁ。どこまで不幸か私の人生)

「ふふ、あなたから逃げ出した先輩
秘密を見られたからには生かしてはおけないわ
あなたの初仕事はそれになりそうね」

ミホがその言葉に絶望しかけていたその時
化学準備室にあるロッカーの中から声が響いた

「待ちなさい!私のおm…生徒になんて事してくれるの」

「そ、その声は!!?」

この声の主は誰なのか、ミホ、シンジの運命やいかに…続くのか?

次回
小宮山の秘薬、スパイダーウーマン誕生!
125あとがきと言う名の言い訳:2011/01/10(月) 03:47:00 ID:bYcLHYnC
最後のはオチに困ったので適当に加えただけで
続きとかは一切考えてなかったりする
なんかキャラクターもはじめ想定してたのからどんどんかけ離れていくし
SS書くのやっぱり難しいわ、コテ付けようかなとか妄想してたけど
俺には恐ろしくてやっぱり無理だったわ
126名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 13:44:08 ID:QKnsMyOs
>>125
続き待ってます
127名無しさん@ピンキー:2011/01/10(月) 23:37:01 ID:PWCm3jGV
>>125
タイトルは「いたいけな異形化」ですか?わかりません!
128名無しさん@ピンキー:2011/01/12(水) 02:07:42 ID:unF6Bim0
>>126
だって続き書いたとしても変身ヒーローもの的なスレち話になってしまうんだぜ

>>127
貴様なぜわかった!?
まさか看破されるとはグハァ
129名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 16:51:59 ID:iNXaTE2F
獣化スレに猫TF小説(性的表現あり)をあげた者だけど、
あっちで、このスレにもあげてくれって書き込みがあったんだが

ここに上がってるSSとかと比べるとかなりぬるいんだけど需要あるだろうか?
130名無しさん@ピンキー:2011/01/13(木) 19:32:17 ID:5+e+j8nI
ガンガンいこうぜ
ただでさえSSの投稿が少ないんだから
いちいち聞かずにどんどん投下してくれていいんだぜ
131tabanca:2011/01/13(木) 19:58:23 ID:iNXaTE2F
>>130
了解した。ガンガン行く。

小説をダウンロードしたい方へ
ttp://u7.getuploader.com/kemokemo
短編同人小説.txt パスワード「tabanka」

○前書き
登場人物の名前はうちの近所のネコ2匹からお借りしました。勝手に使ってごめんなさい。
登場人物は18歳以上です。というか細かいことはあまり気にしないようにお願いします。
作者の名前はトリニ語で「失恋して超悲しいんですけど」という意味です。異種愛は通じないものさ。
 
132tabanca:2011/01/13(木) 20:02:17 ID:iNXaTE2F
ごめん、パスワードミスった。正しくは私の名前と同じ「tabanca」です。
「c」と「k」、細かくてスマソ。
では、本編をお楽しみください。
133tabanca:2011/01/13(木) 20:03:06 ID:iNXaTE2F
「私の幸せ」 作 Tabanca

 あの時、止めていれば、こんなことにはならなかったのに・・・
 ある日のこと、ぼくは知り合いの一人暮らしのお姉ちゃんの家に遊びに行った。だって誘われたから。
 私はユウ君を誘っていけないことをしようとしたの。だってユウ君は私のことを唯一慕ってくれるから。

 時計の針はもう夜中の12時を指していた。ぼくが帰る支度を始めるとお姉ちゃんが言った。
「もう遅いし泊っていきなよ。お家には連絡してあげるから。」
 私はワクワクしながらユウ君のお母さんに電話をかける。
「うん」
 ぼくは、ちょっと恥ずかしかったけど、お姉ちゃんちに泊れると思うとうれしかった。深い意味はないけど、ぼくはお姉ちゃんが大好きだった。
「もしもし、ユウママさん?きょうはもう遅いからユウ君止めてあげようかと思って・・・」
 すぐにOKの返事が来て、私の胸は高鳴る。
134tabanca:2011/01/13(木) 20:04:04 ID:iNXaTE2F
「ユウ君。オッケーだって。ねぇ、ユウ君。パジャマ貸してあげるよ。お姉ちゃんとおそろいのやつ。」
 そう言ってお姉ちゃんが出したのは、パジャマパーティーとかでありそうなネコの着ぐるみパジャマだった。
「どれがいい?茶トラさんと黒ネコさんだよ〜。」
 もう私の胸の高鳴りは止まらなかった。どっちを選んだとしてもユウ君は私のものになるのだから。
「うーん。じゃぁ茶トラさん。」
 ぼくにはなんの疑いもなかった。お姉ちゃんがぼくのこと可愛がってくれるのはとっても嬉しかったから。
「よし。じゃあ着替えよっか。お姉ちゃんが着せてあげるね。」
 着替えさせながら、私はユウ君を触っていた。なんて可愛いんだろう。ユウ君だけが地味でダメな私を慕ってくれる、やさしくしてくれる。そう思うとなんだかフワフワした気持ちになった。
「でーきーたっと。それじゃお姉ちゃんも着替えるね。」
 そう言うとお姉ちゃんはぼくの目の前で着替え始めた。お姉ちゃんのパジャマはロシアンブルーみたいなグレーだった。まだ子供のぼくの目は、ママが着替えるのを見るのと同じように、お姉ちゃんの着替えを見つめていた。
135tabanca:2011/01/13(木) 20:08:09 ID:iNXaTE2F
 私は着替えを終えて、すこし考え込む。今回私がユウ君をお泊りさせようとしたのにはとても不純な動機がある。
そのキーアイテムがこのパジャマだった。このパジャマにはこれを着て絶頂した人間をパジャマと同じ模様のネコにする力がある。
一度完全なネコになると、完全な人間には戻れないそうだ。私だってはじめは嘘だと思った。
でも途中まで自分で試したから本当だ。今日はユウ君を安心させるために私もおそろいを着たけど、きっとそうはならないはず。
「それじゃ、一緒に寝ようか。」
私はユウくんをベッドに誘った。私の計画は、寝ぼけたユウ君を愛撫してネコに変えること。ユウ君のママには、明日の朝一人で帰っちゃったことにして電話すればいい。これで私は怪しまれないだろう。それに、きっと誰もネコがユウ君だなんて気づかない。私はほくそ笑んだ。
「うん。」
 ぼくには何の疑いもなかった。お姉ちゃんはいつものようにやさしく笑っていた。そんなお姉ちゃんの腕の中でぼくは安心して眠りに就いた。
「すぅ、すぅ・・・。」
しばらくするとユウ君は小さな寝息を立て始めた。さあ、私のものにしてあげるからね。そう思ってわたしはユウ君の乳首を撫で始める。
 眠っていたぼくは、なんだかくすぐったくって目が覚めた。どうやらお姉ちゃんがくすぐっているらしい。
「きゃ、ははっ。くすぐったいよ。やめてよ。」
 そう言ってもお姉ちゃんは止めなかった。むしろ今までより強くしてくる。
「大丈夫、大丈夫だからね。」
 私は夢中だった。ユウ君を私のものにするため、ということよりも、ユウ君を私の手の中で感じさせていることがうれしかった。
「ひゃっ、はぅ。お姉ちゃん。やめてってば・・・。」
 ぼくの中の何かのスイッチが入った。ずっと今までくすぐったかったのに、なんだかうっとりしてしまうこの感覚。
その時だった。たまたま触ったお姉ちゃんの手。普段と感触が違う。気になってそこを見たぼくはびっくりする。
ぼくの手からふさふさした白い毛が生えていた、爪の形はだんだんカギ形に変わっていき指は短くなっていく。
「お姉ちゃん・・・。」
 変化していく自分の手を見て泣きそうな声を出すユウ君を、私はさらに愛おしく感じる。ユウ君の変化は手だけではない。
足は手と同じようにカギ爪になり、尾てい骨はだんだん伸びてしましまの尻尾を形成し、耳は上のほうにずれながらぴょこんと立ったネコの耳へと変わっていく。
136tabanca:2011/01/13(木) 20:10:50 ID:iNXaTE2F
「大丈夫、お姉ちゃんがついてるからね。」
 ぼくは不安で仕方なかったけど、お姉ちゃんの手で触られるのが気持ちよくてうまく判断ができなくなっていた。
パジャマはぼくの体に密着して、ぼくの全身の皮膚はピンクに茶色のしましま、そこにふさふさした薄茶に茶色の縞模様の毛が生えていく。
もうなんだかわからなかった。
「あぅ、ぁ・・・。」
 泣きそうな顔をしながらも喘ぎ声を抑えられないユウ君。
その顔を見て私は歓喜した。ネコになりかけていたからだ。
マズルが膨らみ、鼻と口が人間のものからネコのものへと変わり、ふわふわした毛におおわれた顔だったがしっかりとユウ君の面影が残っていた。
もう少しだ。もう少しで私のもの。私はユウ君の性器に手を伸ばした。
「よしよし、ユウ君は良い子、良い子だよ。」
 全身ふわふわだったけど、ぼくの体はまだ何とか人間の形だった。お姉ちゃんはぼくに話しかけると頭を撫でて、ぼくの・・・を撫で始めた。
とろけてしまいそうに気持ちいい、でもそれと同時にお姉ちゃんも気持ちよくさせたいという考えが頭に浮かんできたのだった。
「ねえ、お姉ちゃん。」
137tabanca:2011/01/13(木) 20:14:15 ID:iNXaTE2F
 私は、また泣きそうな顔をしているのかと思ったが、そうではなかった。
「どうしたの。」
 お姉ちゃんが応える。
「お姉ちゃんもここ弄ると気持ちいいの?」
 そう言うとユウ君は私の乳首を服の上から甘噛し始めた。まさか、こんなことになるなんて、と思ったが、気持ちよくて反抗する気になれない。
「ぁん、ぁ、きゃぅ。」
 お姉ちゃんはさっきまでぼくが上げていたような声を上げ始めた。でもお姉ちゃんの手はずっとぼくの・・・を触り続ける。
そんなことをしていると、すぐにお姉ちゃんのパジャマもお姉ちゃんの体の密着し皮膚に同化していった。
結果的にぼくは直接良姉ちゃんの胸を吸っていた。
 ユウ君が私の胸を吸ってくれている。そう考えるだけですごく感じてしまう。それは顕著だった。
私の体はすぐに形を変えていった。手足はあっという間に肉球になり、体にはブルーグレーのふわふわした毛並み。
耳や尻尾もすぐに形成され、顔は自分ではわからないがきっと変わってしまっているだろう。
「お姉ちゃんも気持ちいいんだね。」
 ぼくが胸を弄れば弄るほど、お姉ちゃんはネコになっていく。やがて、お姉ちゃんの体がだんだん縮み始めた。
だんだんお姉ちゃんの声が幼くなっていった。
 私が気付いた時には、私はユウ君より少し小さくなってしまっていた。今まで抱いていたはずのユウ君の体に抱きついて、ユウ君の腕の中にいる。
もうこのまま、ユウ君と一緒にネコになってしまいたい、そう思った。
「ユウ君。お姉ちゃん、ユウ君よりも小さくなっちゃった。」
「そうだね。」
「だから、私のことはマリって呼んで。」
「わかった。マリちゃん。」
「ありがと、ユウ君。うれしいから、もっと一緒に気持ち良くなりましょう?」
138tabanca:2011/01/13(木) 20:17:59 ID:iNXaTE2F
そんな会話だったと思う。私はユウ君のアソコを私のに導いた。これで一緒になれる。そう思った。
「入れて、動かして。ユウ君の好きなように。」
マリちゃんに促されて、ぼくは腰を振りだす。気持ちよかった。きっと本能だったんだと思う。
 私は快感に震えていた。とにかくそれがユウ君であったことがうれしかった。そんな中私とユウ君の体はまた縮み始めた。
私にかかっていた、ユウ君の体重、手の圧力がどんどん小さく、軽くなっていくのを感じた。
 マリちゃんは、どんどん小さく、丸くなっていった。手足や胴、体の各パーツのバランスは、もう人のものではなくネコそのものだった。
見えてはいなかったけど、ぼくもきっとネコに変わっていってたと思う。だって、ぼくが変わらなかったら、マリちゃんをつぶしちゃうから。
 私は幸せだった。大好きなユウ君にイかせてもらえることが何よりも。そしてその時がやってきた。
「ふぎゃーっ。」
 そう鳴いたのはマリちゃんだった。ぼくは驚いて思わず飛び退く。
 私は絶頂してしまった。ユウ君の、猫特有のペニスのとげの痛みに叫び声をあげながら。


 結果としてネコになったのは私だけだった。ユウ君はまだ幼すぎたのだ。イクことは私なんかよりよほど難しい。
 でもそのおかげでマリちゃんは家で飼ってあげることができた。ぼくがママに相談したらいいよって。もちろん捨て猫ってことにしたけどね。
なにもしてないと、マリちゃんは半分くらいまで人間に戻れるんだけど、マリちゃんはすぐネコに戻りたがるんだ。どうしてかなぁ・・・。
 私のもともとの目的は達成できなかった。でも、今はこうしてユウ君に飼われている。面倒を見てもらって、可愛がってもらって。
これが私が望んだ幸せだったのかもしれない。

(完)
139tabanca:2011/01/13(木) 20:27:07 ID:iNXaTE2F
○後書き
txtの方よりさらに読みづらいね。反省としては
・改行がうまくいってないこと
・語り部を無理に当事者だけにしたせいでモノローグがカオス
・読み手を意識しない時制の不規則さ
というところかな。

駄作をあげて誠に申し訳ありま・・・うわにゃにするやめ(ry
140名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 00:42:20 ID:MEoRpc0+
素晴らしい!!!新しいSS作家の誕生だよ!!!!

自分が思ってるほど駄作じゃないどころか俺にはドストライクだったぜ
次回作も期待して待ってます
141tabanca:2011/01/17(月) 21:22:23 ID:z+xZHzZQ
またダメ小説を書きましたゆえお知らせします。
ttp://u7.getuploader.com/kemokemo/

短編同人小説2.txt
パスワードは変わらず
tabanca

今回も18禁なので、
こちらに上げるのは要望が無い限り遠慮させていただきます。
里中杏(さとなか・あんず)は変身ヒロインである。

彼女の住む街は怪物もいない平和な街である。
彼女はご近所で起こるトラブルを解決するため、頑張るのだ。
――いや、訂正しよう。怪物は、『いる』。なぜならば。

「私自身が怪物なのだからね……ハ」

それは選ばれし者のみに許されし、気怠い自己憐憫。
だが、その退屈を台無しにする声があった。
「大変だ、杏ちゃん!
山でバスがスリップして、今にも崖から転落しそうだよ!」
彼女に力を与えた、いわゆるマスコットのスーちゃんだ。
「オーキンの出番だ!」

頷く杏に、先程までの幼い憂いは、ない。
代わりにその心にたぎる炎――!
杏は、物陰へと駆けこみ、懐からブローチを取り出した。
「アイウエ、オーキン!」
呪文に反応し、ブローチから『それ』は飛び出した。
ハートを逆さにしたような形。中央に縦に避けた2つの穴。
『それ』は――オークの鼻、であった。
鼻が杏の顔面に貼り着くやいなや、大地から溢れ出す不浄の霊が
杏の体内を侵食し始める。
「ん、んあっが、うぅぅぅ……!」
小鹿のように白く引き締まった足が、禍々しい色を帯びていく。
パン、という小気味よい音と共に、パンプスを貫いて、
黒曜石器のように研ぎ澄ませされた爪が顔をのぞかせる。
ソックスが弾けると、そこには筋肉の塊と化したふくらはぎ。
血管が根をはると共に、太ももまで丸太のように肥大化した。

「むーっ、んーっ、のぉぉあ!?」
少女の丸みを帯びた骨盤が、岩石のように刺々しく膨らむ。
それは硬質化した表皮と結合し、鎧と化す。
霊たちの力によって、スカートが、下着が、どろどろと溶けて、
その身に焼きつく斑点となる。

「うぅ、ん、はぁああ」
下半身に内側から食い込んでいく痛々しい快感に、
思わず足を内股にガクン、と崩すと、その勢いに乗って
尾てい骨が桃尻を貫き、小さな尾を形成した。
その痛みに今度は上半身を大きくのけぞらす。

「や、ひゃ、っぐぅ!?」
柔らかそうな腹部に、霊たちがうずまく。
その熱にクリーム色のブラウスが燃え落ちると同時に、
不浄なる力が、花火のように弾け、上半身を駆け巡る。
まだ平らだった双丘が、爆弾のように一気に膨らむ。
「ふあぁぁぁん!」
どす黒く、針のように尖る乳輪と合わせ、まるで鉄球だ。

「むぅぅ、ん、ふぅぅぅう……」
鉄球の胸筋を抱え込む両腕が、先程の両足のように、
いや、それ以上に、人の胴体のように太くなる。
足の爪とは対照的に、両手の指先には
真っ白な花崗岩のように太く、堅固なる爪が生えそろう。

「ん、ふー、ふーっ、ふぐぅぅぅ……ッ」
そして、喘ぎ声とともに、呼吸がどんどん荒くなっていく。
鼻と口を通して大地から吸い上げられる不浄の者共。
白く輝く歯が黄色くくすみ、そして鋭利に巨大化する。
可愛らしかった八重歯は、いまや目元まで届く牙となった。

「お、おぉぉ、あぁぁぁ!」
頭頂にまで伸びた三角の耳は、
その中ほどでだらしなく垂れ下がってしまう。
つやつやとした髪の毛は、一気に腰まで伸び、
白く脱色され、体の震えに合わせて振り乱された。
愛らしい瞳は瞳孔とともに横に引き伸ばされ、
白と金とに爛々と輝く。
「ふぉぉ、おごぉ、ふごぉぉぉぉぉっ!」
大地を揺るがす雄叫びと共に、ヒロインが生まれた。
「ンッマァァアアア!」
山道にたどり着いたオーキンは、気合と共にバスを引っ張り上げた。
もはや人語を発することさえできない醜い体。
精神を蝕もうとする不浄の霊。
だがその魂にはそれらを凌駕する正義が溢れている。
この三重対消滅力(トリプル・アニヒレイション・パワー)が
無限の力を彼女に与えるのだ。
その危うい力を使役しうる逸材を見つけた自身の嗅覚に、
スーちゃんは鼻をブヒブヒ、と高くしていた。

最初はその姿を恐怖していた町の人々も、
彼女の活躍にいまやすっかり夢中……珍獣扱いだが。
ファンクラブにグッズショップまで開店し、
寂れていた街の復興にまで貢献する結果となった。

それでも、やはり杏は思ってしまう。
「もうちょっと可愛いヒロインになりたかった……ヨヨヨ」
だが少女の嘆息をかき消すように、また事件が――

初投稿、なのに某作品のパロディです。
冗長な作品となってしまい、すいません。
145名無しさん@ピンキー:2011/01/20(木) 02:28:16 ID:lh9z5aiB
うひょうGJ
肉感的な変身だなー
しかしこのスレ、短レスの名手が多いな
146tabanca:2011/01/20(木) 18:16:02 ID:AYfDOe8T
GJ
表現うまいよ。見習わせてもらいます。
147tabanca:2011/01/20(木) 23:58:29 ID:AYfDOe8T
さっきまで獣化スレで起きていた騒動でインスピレーションがあふれたので
SSにしました。連投となりますがお許しを



○ある芸術家の話

ある日のこと、とある青年がネットでTFを愛する者たちのスレを見つけた。
芸術を志し、それを学んでいた彼は、親切心から、
スレの住人たちのために自らの才能と技術の一部を伝授しようと決心する。
彼はイラスト講座のページを作り、住人たちにその評価を求めた。
そのページには彼なりのイラストに対する情熱や感情が盛り込まれ、
彼の意見が強い語調で書かれていた。それが問題だった。
住人たち反感を買ってしまったのだ。
彼の信条や理念は誤解され、ただ傲慢と解釈されてしまった。
そうして、そのレスはついた。
148tabanca:2011/01/20(木) 23:59:15 ID:AYfDOe8T
「傲慢が祟って大罪の獣にでもされちまえ。」
 レスがついたのを見たその瞬間、彼は体に違和感を感じた。
「ん、なんかお尻が変な感じ。」
 それもそのはずだ。
尾てい骨が伸び、すでに立派なふさふさしたしっぽが生えていたのだから。
まさか。と思った時にはもう遅かった。彼は思わず傍にあった鏡を手にとろうとした。
しかし彼の手もすでにふさふさした毛が生え、指は短くなり、もはやつかむことはできない。
仕方なく鏡を置いて覗き込んだ彼の目に映ったものは、変化していく自分の体だった。
おなかから胸へ、体の表面を鳥肌が立つようなゾクゾクした感覚が上がってくるのを感じた。
そしてシャツの首元からふさふさした毛が見え、あっという間に彼の体は毛皮で覆われる。
それと同時に彼の顔は、鼻や口が一体になりマズルが膨らんで人のものではなくなった。
149tabanca:2011/01/21(金) 00:05:43 ID:2/oX2jpf
「・・・?」
 やがて体の変化が終わり、精神的にも少し落ち着いてきて、
彼はふと鏡に目をやる。目の獣人が瞬きをした。
華奢だがほんのりと胸は膨らみ、丸みを帯びた体。
「(どこかで見た?・・・そうか。)」
 それは、彼が講座用に描いた獣人の少女そのものだった。
「(なんで?どうしてだよ!?)」
 今になってまたとり乱してしまう。彼は心を落ち着けようと必死に努めた。
「(これはきっと夢なんだ。)」
そうに違いないと確信し、こんな悪夢早く抜け出したいという考えが浮かぶ。
「(そうだ!夢なら痛くすれば覚めるよね?)」
 彼は目をつむって、早く覚めろと念じながら、
頭の上に可愛らしくぴょこんと立った耳を不自由になった手でつねってみた。
「!?っ。(痛いっ!?)」
これで覚めたはず。それを信じて恐る恐る目をあける。
しかし、これは覆しようがない事実だった。彼は彼の創造物に変身してしまったのである。
そして呆然とする彼をよそに、スレには再び彼を非難するレスがつく。
「畜生道ってやつか。理性あるのかが怪しいくらいだし。」

(完)

○後書き
私もだいぶ性格が悪いようで・・・自分で書いときながらちょっとショック;;
150名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 00:24:15 ID:zlL93Nkp
コテはずして暫くROMったほうがいい
そろそろ痛い目見るかもしれん
151tabanca:2011/01/21(金) 00:27:53 ID:2/oX2jpf
ですね・・・そろそろ調子に乗るのも終わりにしよう。
152名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 00:31:01 ID:Ir64mmGY
流石にネタに悪意が感じられすぎるよこれ
153名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 00:32:58 ID:Ny69OyVh
多分>>147の文章を見る限り例の人へのフォローも含んでるとは思うが
一見すると追い打ちというかとどめにしかなってないのがな
154147:2011/01/21(金) 00:37:18 ID:2/oX2jpf
反省しようと思うので。。。
勢いでやっちまった感が最悪ですね
では、失礼します
155名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 00:44:56 ID:3opE4nOk
あれらのレスは皆が感じたと思うけどなかなか言いにくいことをあえて厳しく言ったんだろう
でもあれらは匿名だからこそのレスであってだな
156名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 01:05:30 ID:zlL93Nkp
忘れてた
>>142-144
GJです
豚獣人化史上屈指の描写だと思う
初投稿、しかも三レスだというのに驚き
これからも是非よろしくお願いします
157名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 09:36:37 ID:90B3r3a1
>>144
別れの挨拶が「ばいブー!」という危険なものなんですねわかります
GJでした
158ニューキメラパラダイス(1/3):2011/01/22(土) 01:37:44 ID:v355JWnO
暮頃寒沙(くれごろ・さむさ)が初夢からふと覚めてみると、
自分の姿が変わってしまっているのに気がついた。
その頭頂部にはぴょこん、という擬音がふさわしい、
それはそれは大きなウサ耳が生えていたのである。
寒沙は狼狽した――私、卯年じゃないのに!
今日は友だちと三人で、三社参りからそのまま初カラ、という予定を組んでしまっているのだ。
「ドタキャンなんかしたら、一生ハブられる!」
あにはからんや。彼女にとっては自らの身に起きた異変より
そちらの方がずっとずぅぅっと一大事だったのである。

「あけおめ〜」「ことよろ〜」「はぴにゅ〜」
……間に合った。ニット帽をかぶることでごまかしたのだ。
――ま、大丈夫でしょ。
きゃぴきゃぴとはしゃぎながら神社をめぐり、そしてお待ちかねの初カラ。だったのだが。
「ねぇ、そろそろ帽子取りなよ。暑いでしょ?」
寒沙は自らの迂闊さを恥じた。室内は当然暖房があるではないか!
「あっやし〜……やっちゃえ!」
瞬間。二人がうりゃあ、と星のついた掛け声で一気に跳びかかってきた。
両手を抑えられ、ヒョイと帽子が取られ、あっさり寒沙の秘密は暴かれた。
「あは、カッワイイ!」「ネタ仕込んでたの!?」
当然の反応だった。二人はこれを作り物だと思っているらしい。
何とかこのまま誤魔化せそうだ。
「それにしてもよく出来てるね、これ」
雑談の最中、一人がウサ耳を右手でぎゅっとつかんだ。
瞬間、耳に空気を入れられたときのような感覚が、
その大きさに比例した敏感さで全身を駆け巡った。
159ニューキメラパラダイス(2/3):2011/01/22(土) 01:39:58 ID:v355JWnO
「ひゃぁぁぁっ!?」
ビクン、と体がのけぞり、全身から力が抜け、寒沙はソファに倒れこんでしまった。
大げさだってばー、っと笑いながら、つかんだ一人は飲み物に手を伸ばした。
「暖房効き過ぎじゃない?唇カッサカサ」
言いながらコップを置くと、右手のひらに、いつの間にか無数の亀裂が走っていた。
「うわ、あ、あああ!」
「大丈夫!?」
心配して駆け寄るもう一人の首筋に、ふわりと触れる感触があった。
「えへへへへ……」
寒沙だ。いつの間にか起き上がり、後ろにいたのだ。
「ねぇ、コレ、もっと、触っていいよ?」
じゃれつくように頭を、ウサ耳を擦り付ける。そのたびに寒沙の顔が上気していく。
「んぁ……むぅ、ふぅうぅん」
「ちょっと寒沙!ふざけてる場合じゃな……」
破裂音に言葉が途切れた。目の前の少女の手の亀裂が弾ける音だった。
水かきが指先にまで広がり、爪は細いカギ状になる。
亀裂からでろでろとした粘液があふれ、紫の鱗が全身に広がっていく。
かさついてたはずの唇も今はもうすっかり湿り、鋭い牙をのぞかせる。
耳たぶは陥没し、まぶたが捲られ、かわりに薄い膜が、縦に伸ばされた赤い瞳を覆う。
人間の面影を残していた顔の左半分にまで変化は侵食し、そのまま左半身も変えていく。
両足がもつれてぐにゃりとねじれると、そのまま太く長い一つの尾となった。
160ニューキメラパラダイス(3/3):2011/01/22(土) 01:42:09 ID:v355JWnO
「きゃああああああああ!?」
眼の前で起こった信じられな光景に、少女は寒沙を突き飛ばして絶叫した。
だが、カラオケボックスの防音仕様は、その声を漏らすことはない。
「ああぁぁァァ……ア?」
不意にその声色が変わった。今まで聞いたこともないような、蠱惑的な歌声に。
首もとからはらはらと落ちるものがある。羽だ。
蛇口のようにあふれる羽毛が、のどを、胸を、腕を覆っていく。
膨らんでいく胸骨と肉と羽毛に押し出され、上着が破れ去った。
純白の羽毛は、体の先端になるにつれて青緑色を帯びていく。
物干し竿のように細くなった腕は、羽をまとって翼となった。
足の関節は逆方向に歪み、靴を破って三本の黄色い爪が現れた。
スカートの下からは、孔雀のように派手な飾り羽が覗いていた。

こうして少女たちは、ナーガとハーピーに成り果てた。
そして、生まれ変わった感覚に、作り変わった感覚に、解放された感覚に、
だらしなく自身の全てを委ね、じゅるじゅる、くちゅくちゅと淫らな音を立てていた。。
寒沙は――とても奇妙なことだが――その光景がひどく美しいものに思えた。
何だ。みんな変わっちゃえば、私のこれなんて、たいしたこと、ないじゃない。
ミラーボールがギラギラ回る。機械がガンガンかき鳴らす。それはまるでファンファーレ。
二人がぬらり、と起き上がった。とてもとても楽しそうな顔。
考えていることは分かるよ。友達だもんね。
新年新生大盤振る舞い!素敵な素敵なお年玉!みんなもどんどん変わっちゃえ!
がちゃり、とボックスのドアが開いた。

HAPPY NEW YEAR!
161名無しさん@ピンキー:2011/01/23(日) 00:34:14 ID:TqXy9Rop
短いのに内容が濃厚ですごくよかった、GJです。

最近ここも活気を取り戻してきた感じですごく嬉しい
162名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 07:27:33 ID:VUjeSCS6
>>161を最後にこのスレにレスがつくことはなかった
163名無しさん@ピンキー:2011/01/27(木) 09:43:53 ID:NpitjuIO
>>162

茶々入れんなよ。
最近活気があることは確かなんだし
164名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 00:17:18 ID:pju2W2zg
保守したい気分
165名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 00:18:29 ID:t2OlnXGx
>>144
ぶ〜りん、ですね。
私はDVDBOX持っております。
166保守がてらに:2011/02/10(木) 13:58:21 ID:9k7EziPA
「もう、つまんない!」

ここに一人の少女がいる、彼女は法事のため母方の祖父母の家に来ているのだ
だが祖父母の家は田舎で、まわりには何もなく暇を持て余してるのだ

「まぁいいや、ちょっと散歩でもして暇潰しでもしよう」
「おや、アリスや出かけるのかい?」
「うん、おじいちゃん、ちょっと散歩しようと思って」
「ならこれを持っていくといい」
と祖父は言うとなにやらペンダント的な物を取り出した
「なにこれ?」
「行商の人から貰ったんでの。なんでも真ん中のボタンを押すと、
危険な虫から身を守れるそうじゃ
山にはスズメバチもおるでの御守りがわりじゃ」
「ふーん、ありがとう貰っていくわ」
167名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 14:09:54 ID:9k7EziPA
暇潰しのつもりで外に出たアリスだったが、都会育ちのアリスにとって自然豊かな環境は新鮮で
気が付いたら山の中にまで入っていた

「暇潰しのつもりで来たわりには、見たことないものがいっぱいあって新鮮だったなぁ」
などと考えつつ歩いていたアリスには目の前に迫る危険に気付いていなかった

ガチガチガチガチ
「なんだろ、この音…キャー!!!」
目の前には巣に近づかれた事によって警戒態勢をとっているスズメバチが大量にいたのである

「慌てない、慌てないこんな時のためのこれよ、ポチっとな」
168名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 14:34:42 ID:9k7EziPA
ペンダント的な物のボタンを押すと中から煙状のものが噴出される

(これは虫除けスプレー的なものなのかしら、それとも蜂は煙を嫌がるというし煙幕?)
などと考えているのもつかの間、アリスの視界は突然暗くなる
なにが起こったのかと焦っていると、自分の手足の感覚がおかしい事に気付く
まるで手足が六本あるような感覚があるのだ
慣れない六本足の感覚に戸惑いながらも光が差す方向に向かうアリス
光をたどり外に出ることが出来たアリス
今まで暗かったのでわからなかったのだが自分の視界が万華鏡のようになりすごく視野が広くなっていることに気付く
そして広がった視野で先ほどまで光を遮っていたものを見た

「これって私の服じゃない、どういうことなの?それに私のこの姿」

広がった視野は周りだけでなく自分をも見ることが出来たのである
「まるで私蟻じゃない!」
目の前に落ちていた未だに煙を噴出し続けるペンダントには人間には見えないような小さな字でこう書いてあった

「この商品は山で危険な虫に出会った場合に
虫から嫌われている蟻に擬態することによって身を守るための商品です
なお効果時間は煙の出ている間となっておりますので
擬態が終了致しましたら、速やかにその場を立ち去りましょう。」


「…確かに蜂は私を見失って警戒態勢を解いたみたいだけど
このまま逃げたんじゃ戻ったとき全裸だし
だからといってこの場に残っても、もう一度スズメバチとこんにちはだし
どうすりゃいいのよー!」

全裸を人に見られるなんて死んでもいやだし、だからと言ってスズメバチに刺されるのもいや
どっちを選んでも地獄なアリスは、そのうち考えるのをやめた
169名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 14:36:20 ID:9k7EziPA
なんか他の虫から身を守るために蟻に擬態している生物が多いって聞いて
なら人間も蟻に擬態すればいいんじゃねと妄想して書いた後悔はしてない
170名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 05:05:34 ID:fBv7TARr
こういうのもアリだな
171名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 14:08:20 ID:9fmvG5MG
蟻だけにめっちゃ蟻ですね!
172名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 19:07:44 ID:YyTF4mgT
おい。なんかすごい夢をみた。
1)人称は「僕」 で 男
2)出てくるのは狼。
3)経緯はよく覚えてないけど、同族になるように進められる。
  なんか人間の動向を見守るエージェントの役になってほしいらしい。
  元が人間だと溶け込んでも違和感がないから。
4)登場する狼は♀x2 なんか神クラスの♂x1
5)♂にパワーを分けてもらって、一時的に狼化できる。パワー分けてもらうってのが微妙で
  ちんちんべろべろされていかされて、脱力した後に狼化できるパワーが入ってくる仕様
6)二頭の♀のうち、一頭にほれた。
7)完全な同族になるには、異性とすればOK
  人間に化けられる狼の出来上がり。
8)ほれた♀に乗っかったところで目が覚めた。

なんで起きたんだよ…
  _..,,.,,.
  「r',. 、
 d ´c`/ ちくしょう・・・
  i ' ∋

ぉち 彡 ,.-,ニユ、
ぉ く .三  { ,.= r、
|し 三 (6' r',ニ7
|ょ 三. | !| { {
|お 三. | ミ‐ニ)
! ! ぉ ミ !   {
173名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 11:06:46 ID:X0AqJ0g6
そういや、DQ物でアリーナがキラーパンサーにされる話ってどっかにあったような
174名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 12:07:02 ID:e8YlYcvr
>>173
それ見たことあるわw
かなり前だったと思うけど
175名無しさん@ピンキー:2011/02/19(土) 23:16:50.50 ID:nPlrBo1W
魔物の胎児を体内に入れられて、ってやつね。俺もかなり前にみた覚えがあるが…。
176名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 11:55:14.38 ID:loycT4Pe
それ、マジで見たい!
177名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 14:16:59.29 ID:9MX975cp
つ ttp://web.archive.org/web/20050213061832/park.millto.net/~bay/ero/dq4.htm

久しぶりに読みたくなったから半角二次の方のログあさって持ってきた。
178名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 20:46:49.51 ID:016CgMR4
>>177
おお、これだ
感謝感謝
179名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 18:30:00.47 ID:Cq6isWFq
魔法少女まどか☆マギカ
ってアレ一応異形化に入るのかな?
180名無しさん@ピンキー:2011/02/23(水) 07:54:41.58 ID:MrpMaimI
>>177
つちわらし怖すぎ
181名無しさん@ピンキー:2011/02/26(土) 01:22:42 ID:DleXaBhW
保守
182名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 13:59:30.04 ID:dZan0a9u
昔こんな女の子考えたけど、いらないからストーリーに使っていい。

【設定】悪魔の父と人間の母とのハーフだが、優しい性格の美少女。ただし、人間離れした身体能力や生命力を持つ。
悪魔の力を解放すると、身体能力や頭脳が劇的に向上するが、容姿も凶悪な悪魔のものとなり、性格も冷酷になる。
そのため変身は、自身や味方が窮地に陥った時など特別な場合にのみ留めている。

【容姿】変身前は20歳前後の美女。白い柔肌に碧眼、淡いブロンドの長髪。
変身後は赤目、筋肉質で前身漆黒の甲殻と鱗に覆われ、側頭部に一対の湾曲した角を生やし、背中に竜の様な翼を持つ。


【その他】DMCのダンテをヒントに女版を考えてたら生まれた娘。容姿のイメージ的には、変身前は『ToHearts』の久寿川ささら、変身後
はMHシリーズのミラボレアスシリーズに近い感じ。
183名無しさん@ピンキー:2011/02/28(月) 23:32:39.24 ID:7MjdsuXk
【卵→幼虫→蛹→成虫】蛹(サナギ)って何なんだよ・・・一度全部ドロドロに解けるっておかしいだろ
http://hato.2ch.net/test/read.cgi/news/1298896884/
184名無しさん@ピンキー:2011/03/01(火) 11:41:19.40 ID:vjj2qKyx
>>182
そこまで設定が決まってたら自分で書いた方が早いと思う。
むしろ他人が書いても「思ってたのと違う」になりそうで怖い。
185名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 23:57:04.38 ID:aTdhSLDd
>>179
体が変化してるわけじゃないからどうだろう
けど美少女の心の内面がそのまま形(化物)になるってのは
なかなか魅力的ではある
186名無しさん@ピンキー:2011/03/04(金) 18:04:24.12 ID:kUwImzLD
まぁ「お願いします」が言えないで
「使って良い」だからな確実にケチつける。
187名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 11:11:14.62 ID:roIValgP
ほしゅ
188名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 10:56:33.50 ID:BvSMJ3ts
>>177
肝心の小説群につながりにくいな
189名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 13:04:52.15 ID:iOV0CjDc
モンスターハンターの女の子が防具と武器を装備したら一体化して、その素材となったモンスターに変貌
しちゃうとかどう? 美人ハンター2人組がティガレックスとナルガクルガになっちゃうとかイイ
190名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 03:03:18.47 ID:XgmcedD9
>>189
良い設定だな さぁ書き始めてくれ
191名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 17:45:37.47 ID:LvnQH8I2
今回の原発で異形化とかいうネタ思いついた
ゴジラみたいに
192名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 17:58:37.65 ID:eatx1LOE
チェルノブと同レベルでヤバいネタだろそれ
193名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 20:15:46.50 ID:NJaUfUkW
原爆を経験し、ビキニ環礁の実験からゴジラを生んだ国が、
再び原子力におびえるとはね・・・
194名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 01:34:24.30 ID:7UET1ITa
というかそれ超人ハルクだろ
195名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 10:40:26.11 ID:78LbgJqz
ゴジラをうんだ事実は知らんかったわ
てっきりフィクションだと思ってた
196名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 12:10:15.14 ID:4oPjazVK
反核のメッセージを含んだ映画のゴジラを作った、って意味だろさ。
197名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 18:37:02.76 ID:z/kc3NUS
それは割りと誰でもできる
198名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 13:54:26.00 ID:7f91dTCH
このスレ住人はモンハンでドラゴンS頭を愛用してる人が多そうだ
199名無しさん@ピンキー:2011/03/22(火) 00:38:11.49 ID:YDe2jpjU
クイーンビードローの説明見たらおっきした
200名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 12:08:17.53 ID:uvHaLdUe
ここにSS上がらないなぁ…
201名無しさん@ピンキー:2011/03/24(木) 14:48:41.73 ID:8RarwM6M
「どうしたもう終わりか。悪魔の娘だと聞いて、少しは期待していたが、所詮人間ごときとの間に生まれた落ちこぼれってことか。
へへへっ、優秀な悪魔の俺様が片付けてやるから安心しろよ。」

「く……うぅっ…………」

静まりかえった深夜のビル群の合間に、対峙する一対の影と、それを心配そうに見つめる少女達の姿があった。
少女達の前には角を生やし、頬まで避けた口元を釣り上げ不快な笑みを浮かべる青年の姿がある。彼の手には、人間のものではない鋭く
血にまみれた爪が生え揃っていた。
202名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 20:25:07.08 ID:nTT0JG4X
>>201
こう言う場合その青年に破滅フラグが立ちそうですけど…まさにここからですね
203名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 20:50:32.79 ID:tx8AngBt
一日待ったわけだが
204名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 08:13:23.74 ID:nPSVMaG4
魔物化有りのTSフリーゲーム新作がUPされてた
一応序盤でラミア化エンドは確認出来た
205名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 11:26:41.25 ID:sZ33llj2
kwsk
206名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 19:58:03.07 ID:a7QpRPVT
>>204
kwsk
超kwsk
207名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 20:16:12.19 ID:8jznWDzu
性転換の館
208名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 20:41:02.90 ID:a7QpRPVT
これはいい情報だった。
今からがんばってくる
209名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 21:34:34.40 ID:a7QpRPVT
やってみた。
ラミア、スライム、魔族、メイド、トゥルーを確認。
・・・あとあるかなぁ
210名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 23:20:36.11 ID:ilJ0Dt/x
プレイできないから原因調べたらRPGツクールが要るのか・・・
今ほどツクール買っとけば良かったと思ったことはない、うぎぎぎ
211名無しさん@ピンキー:2011/03/26(土) 23:52:58.35 ID:nPSVMaG4
212名無しさん@ピンキー:2011/03/27(日) 10:18:18.39 ID:V1RITlPF
MACじゃできないようだな・・・。無念
213名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 09:59:48.71 ID:H/qDvz1P
ここのエロ小説の方が10倍抜けるな
214名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 01:21:28.05 ID:+a6oS9Rs
じゃあ俺が全然エロくない話を携帯で書こうとしたら
携帯のメモ帳全部使っても妄想の半分も書けなかった
だからとりあえずキリのいいとこまで投下してみる
215異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:23:14.59 ID:+a6oS9Rs
とある夏の日の夕暮れ

「アリスや、こんな遅くに出かける準備をしてどうしたんじゃ?」
「友達と林の近くにある寺へ肝だめしに行くの」
「あそらへんには妖怪が出るという噂が絶えない
心配だからワシも着いていってやろう」
「心配しなくても大丈夫だって
それにおじいちゃん速く走れないのに、逆に危ないよ」
「そうかのぉ、でもやっぱり心配じゃのぉ
…そうだ、いいものがある。ちょっと待っとれ」
(…こういう時におじいちゃんが持って来るのって
大概碌でもないものなんだよねぇ。)
「ほら、これじゃ」
「…三枚のお札?」
「これはお寺の和尚様からもらったありがたいお札でな
妖怪に襲われた時このお札に願うと助けてくれるそうじゃ」
「ふーん、じゃあいってきまーす」
216異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:24:17.28 ID:+a6oS9Rs
「アリス、遅いよ」
「ごめん、ごめん、おじいちゃんに捕まっちゃって」
「ん、アリスお札なんか持っちゃって、怖いの?」
「あ、これはおじいちゃんが持ってけてうるさくて
ところで人数が五人で奇数だけどどうやって分けるの?3:2?」
「4:1よ、ハズレを引いた人は一人で」
「一人でって寂しくない?」
「ハズレを引かなきゃ大丈夫なのよ?80%セーフなんだし」
「まぁそうだけど」
「とりあえずみんな揃ったしクジにしましょ」
(お願いはずれないで…。)

当た

(良かった当たりだー)

当たらなければどうということもない=ハズレ

「なんじゃこれゃー!」
「じゃあ、アリスが一人ね。」
「ちょっと待って」
「私たちは先に行くから10分後にスタートしてね」
「寂しいから全速力で走って追い付くなんてやめてね」
「そんなぁ…」




「見事に引っ掛かったね
当たりを全員袖に隠してた事に気づいてなさそうだったし」
「やっぱりアリスはからかいがいあるな」
「いろいろ驚かしてやるよ〜」
「でもさ〜アリスって方向音痴じゃなかったけ?こんな暗い夜道一人で大丈夫かな?」
「いくら暗くても一本道だし大丈夫だろ」
「まぁそうだよねぇ」
217異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:25:31.98 ID:+a6oS9Rs
だが、その不安は当たってしまう


「もう、なによみんなー、私が実は怖がりだって知ってるのに」


ガサッガサガサガッ


「ギャー、マジで無理、ごめんなさい、ごめんなさい。」

物音に驚いたアリスは順路を外れて猛ダッシュしてしまったのだ


「…あれ?ここ…どこ?」

森の中に迷い込んだアリスは出口を探して歩き回る
そして何かの明かりを見つける事ができた

「やった、出口だぁぁぁ!ふぉぉぉぉ!」

だがそこには家が一件あるだけで、森の外ではなかった

「なんだ、出口じゃないのか。
でも明かりが着いているって事は人がいるって事だし
とりあえず尋ねてみよう」

「すみませ〜ん、誰かいますか〜?」
「こんな遅くにどなたですか〜?」
(うわぁ、超美人!モデルみたい)
「あっ、あのすみません、道に迷ってしまって
町に出る方法を教えてくれませんか?」
「それは大変ですね、しかしここはだいぶ町から離れてしまっていて
今から町に戻るのは危険ですので、今晩はうちに泊まって行きなさい」
「そんなわるいです、それに友達も待たせているし」
218名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 01:27:27.24 ID:iU5hgpRS
ゴングーって何歳なの?
219異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:29:09.82 ID:+a6oS9Rs
「家に電話があるからそれを使って友達にかけなさい
こんな遅くに女の子一人で森を歩くなんて危険だわ」
「は、はい。お言葉に甘えさせていただきます」
「よろしい」
アリスは女性の家へと入り
家と友達に連絡を入れた

「そもそもなんでこんな時間に森に入ったの?」
「え〜と、その〜肝だめしをしてて道に迷ってしまって」
「あきれた〜、肝だめしに行って、自分がおばけになるとこじゃないの」
「お恥ずかしいかぎりです」
「あれ?その手に持ってるもの何?」
バチィッ
女性がアリスの持っているお札に触れようとした瞬間
その内の一枚が弾け、光が辺りを照らした
その光によって照らされた女性は人型ではあったが人間では無かった
肌の色は紫色で、頭に角が生え、背中には翼、お尻には尻尾があった
女性はお札の光によって目をつぶっていて、この事には気付いていなかったが
アリスははっきりと見てしまった
220異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:30:42.33 ID:+a6oS9Rs
光は一瞬でやみ、光が消えたあとには女性の姿は元に戻っていた
だがアリスがこの事に対して危機感を持つのには十分だった

(やばいって、絶対やばいって。普通に考えたらこんな若いお姉さんがこんな所に住まないって
これ絶対悪魔さんだって、私このまま食べられちゃうって。)

「どうしたの、さっきの強烈な光でめまいとかしたの?」
「あ、あのすみません」
「ん?どうしたの?」
「と、トイレに」
「あ、それならこの部屋を出て右よ」
(違うだろ私!やっぱり帰りますって言わなきゃダメだろ。このままじゃやばいんだぞ!もうだめだぁ)

「このトイレ、窓はあるけど格子戸になっていて、ここからは出れそうにないなぁ
でも今奴の目がないっていう最大のチャンスなんだからなんとかして出ないと!」

その思いに反応したのか二枚目のお札が光りだす
そしてそれに呼応するようにアリスの体まで光りだす
「えっ!なに、なんなの!?」

アリスの手や足などの先端から平べったくなっていき
まるで白い布のようになる
そして変化は体のほうまで上っていき体も平べったい白い布となる
最後には頭もすべて白い布へと置換されっていった
221異形化版三枚のお札:2011/04/02(土) 01:42:01.62 ID:+a6oS9Rs
全身を白い布へと置換されてもアリスの意識はちゃんとあるようで、白い布は蠢いていた
(なんなのこれ?体がすごく軽い、どうしたんだろ…?)

そして変化した体を見てアリスは驚愕する

(私の体、布になってるじゃない
もしかして私があの格子戸から出たいって願ったから!?)

そう考えるとアリスの体は浮きはじめた、そう彼女は今妖怪一旦木綿になっているのだ。
一旦木綿になることで空を飛べるかつ窓から抜け出せるようになったのだ
こうして一旦木綿になることによってアリスはトイレから脱出することが出来た
家を脱出すると願いがかなったためかアリスは元に戻ることが出来た
(脱出出来たのはいいけど、妖怪に変化するのはもういやだわ)
家へと帰るべく森へと足を踏み出すのであった
222予防線ですか?はい予防線です:2011/04/02(土) 01:57:01.50 ID:+a6oS9Rs
ということで今回はここまで

三枚目のお札の使い道とか
何に変化させるとかは一応考えてあるけど

正直あんまり自信ない
SSって言うより妄想をそのまま書いただけだし

俺がハードル下げるからみんなどんどんSS書こうぜ
そしたら俺が妄想垂れ流させる事も無くなるんだぜ
223名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 04:07:24.68 ID:Qpt3pEIW
三枚のお札が題材か。着眼点が面白いなw
224名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 18:36:05.54 ID:gxpbogYf
>>222
>俺がハードル下げるからみんなどんどんSS書こうぜ

わかったよ。約束するけど、ただし条件が一つある
三枚目のお札の結末を見てからでないと悶々としてSS書くどころじゃない
225名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 21:04:17.04 ID:kLRXKoeC
>>224
その言葉本当だな、ならば完成させざるえない
226名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 23:56:58.95 ID:CtbKb9/i
服脱いで待ってるぜ
227名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 17:10:47.46 ID:eWiC4oac
おい早くしろよ北海道はまだ雪降ってるんだぜ?
228名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 00:03:59.16 ID:PENh/yNV
青森だって昨日ちょっと雪降ったぜ
そんななか下半身出して正座してる俺もう我慢できねぇぜ
229名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 01:44:48.53 ID:gybOGxe3
俺のところなんか津波来そうだったぜ
230三枚のお札:2011/04/05(火) 22:52:05.42 ID:Vl1/Qq/f
なんという裸単騎率
絶望がお前たちのゴールだ
231三枚のお札(後編):2011/04/05(火) 22:53:07.58 ID:Vl1/Qq/f
「どうしたの?具合でも悪いの?」
………………

「おーい、大丈夫!?開けるわよ!」

アリスは窓から脱出していたので、そこにはもぬけの殻となったトイレがあった

「まさかあの子、あの窓から外に出たっていうの?
いやそれよりこのままじゃまずいわね」

一方アリスは森の中を逃げていた

「なんとか外に出れた、早く逃げないと私食べられちゃう」

「早く戻ってきなさ〜い!夜の森は危ないわよ〜」
「やばい、もう脱出がばれてる。早く逃げないと」

だがアリスの逃げた先には川があり、流れが急で泳いで渡れそうには無かった
232三枚のお札(後編):2011/04/05(火) 22:54:29.79 ID:Vl1/Qq/f
「どうしよう、こんな流れのきつい川泳げないよ
でもこの川を越えないと捕まっちゃう」

その時であるアリスが持っていた最後のお札が光り始めた
「私今度はいったい何になってしまうっていうの?」
変化はまず皮膚に起こった
全身の皮膚という皮膚がぬめりけを持つ緑色の皮膚に置換されていった
次に手と足の指の間に水掻きが出来た
背中に甲羅ができ、頭に皿が生えてきた

「クワァクワァクワク、クワァー」(体が乾く、水ー)
「クワァ?クワァク、クワァククワァクク」(あれ?うまくじゃべれない)

最後に口が嘴状に変化し言葉をしゃべることができなくなった
そして体の乾きを潤そうと川に入ろうとした時自分の姿が水面に写った

「クワァクク、クワァクワァ?」(あたし、河童)

そうアリスはお札の力で河童に変化したのであった

(この際しょうがないわ、河童ならこの急流も泳げるだろうし
水の中を泳いでおけば見つからないだろうし)

こうしてアリスは向こう岸にたどり着く事が出来た

「なんとか無事に渡れたけど、全身びちょ濡れだよ」
ガサガサガッガサッ

「さっきので懲りてるからね、もう驚いたりしないわよ」

クマー

残念な事に現われたのはヒグマだった

(……クマー。やばい死ねる)
233三枚のお札(後編):2011/04/05(火) 22:55:34.24 ID:Vl1/Qq/f
「あぁもうこんな所にいた、ダメでしょ勝手に抜け出しちゃ!」

(…な…ん…だ…と!前にはクマ、後ろには悪魔さん、人生オワタ)

「なんでそんなに怯えて…なるほど熊か。
だから言ったでしょ、夜の森は危険だって。」

「イヤー、こないで!」
「熊はわかるけど、なんで私にまでそんなに怯えているのよ」
「お札に触れた時に正体が見えたもん、あなたが悪魔だって
森の中に迷い込んだ人を食べちゃうんでしょ」

「アハハハ!なるほど、そりゃあんな姿初めて見たらビビるわねw
でも安心しなさい、私は人間とサキュバスのハーフ
人間を食べたりしないし
人を襲うつもりなら初めからこんな人がほとんど来ないところに住んだりしないわよ
山から出られないヤマンバでもあるまいし」

「もしかして、私のとんだ早とちり?」

そんな時痺れをきらしたクマがアリスに襲い掛かった
(あ、やばい。私こんな所で死んじゃうのかな?)

「危なーい!」

サキュバスさんのとびひざげり
きゅうしょにあたった
こうかはばつぐんだ
クマはにげだした

「ふぅ、なんとかなったわね」
「助けていただいてありがとうございます。
それに私早とちりでひどいことを」
234三枚のお札(後編):2011/04/05(火) 22:58:53.41 ID:Vl1/Qq/f
「いいって、いいって。そんな事よりびしょ濡れじゃない
早く帰って乾かさないと」
「でも、どうやって帰るんですか、川があるし」
「そういえば、忘れてたわ。いくらなんでも人一人抱えて飛ぶのは無理だし
ごめんアリスちゃん、少し我慢してね」
「えっ!?」

次の瞬間私は一粒の豆になっていた
半人半魔の中途半端な能力ではこれぐらいに変えるくらいの力しかないらしい
豆になった私を悪魔さんが抱えて飛び立った
こうして私は無事悪魔さんの家にたどり着き
翌朝町まで案内してもらい無事家に帰ることが出来た
まぁこんなに話がややこしくなったのもおじいちゃんのせいなんだよな
悪魔さんはたまたま私だったからこうなっただけで
もし本当に悪い悪魔だったらそのお札に助けられたのよと言っていたが
やっぱりなんだかな〜
235名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 23:05:10.73 ID:Vl1/Qq/f
これで終わりです
初めは最後にアリスと悪魔で戦わせようかと思っていて
一枚目がいったんもめん、二枚目が河童で
三枚目が鬼、イフリート、悪魔が泣きだす2丁拳銃使いにしようか考えてたんですけど
たとえ悪魔と言えども、普通の女の子がいきなり殺しをやるのはおかしいよなと考えて今の形になりました
それにアリスで大剣+2丁拳銃だと某森羅のエージェントになってしまうしねw
236名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 23:07:18.29 ID:jR8Vs2xJ
>>201の続き

青年の向かいには一人の少女が佇んでいた。淡いブロンドの美しい髪は緩やかに波立ち、両の瞳は碧の宝石の様に澄んだ少女は、この世の
者とは思えない美貌を湛えていた。

しかし、彼女の左肩は衣服ごと無惨にも引き裂かれ、腕から腰と脚を伝い、地面に暗紅色の鮮血を滴らせていた。

身を裂くような痛みと恐怖の中で表情を歪めながらも、物怖じだにせず、彼女は眼前の敵を真っ直ぐに見据えていた。
凛々しさの漂うその姿に、少女達の中には懸念と同時に安堵がどことなく渦巻いていた。

大丈夫、彼女ならきっとやってくれるだろう―― いつしか不思議な安心感が芽生え初めていた。
237名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 11:51:55.77 ID:dlZfkt4+
>>235
三枚のお札GJ
楽しませてもらいましたー。
238名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 14:08:07.80 ID:z9xdL0Wc
「お喋りはここまでだ。」

そんな彼女の自信をも、不敵な笑みを浮かべて嘲笑う青年は、憐れな餌食を葬るべく、向き直る。
一瞬のち、両手の爪を向けて、静かに、しかし凄まじい速さで走り寄る。その先にあるのは、標的の安静で確実な死――そうも思えた。

――死ね――

眼前まで迫った少女の身体、その中心を突き刺す様に、彼は左手を前に繰り出した。

が、

“!?”

彼の左腕はひゅうと間抜けな音を虚しく宙を掻いた。勢い余って危うく前倒しそうになりながらも、何とか体制を保った。
その時、青年にははっきり観えた。彼の爪があと一寸ほどの距離を残して胸に達する、それすらも狙った様に、彼女は身を翻し一撃をかわした。
239名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 14:20:43.05 ID:z9xdL0Wc
身を翻して、宙に跳び上がった少女は、数回転しながら、数メートル離れた青年の後ろに着地した。無駄も無理もないその動きは、余裕を通り越し美しさすら感じさせる。

後に残ったのは、少女が移動した下の地面に点々と垂れた、血の跡だけだった。

裂けた左肩からおびただしい量の血を流し、鋭い痛みに喘ぎながらも、これほどの動きと余裕をみせる少女に、青年の自信は揺らぎつつあった。
240名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 14:40:11.85 ID:z9xdL0Wc

青年は慌て、取り乱した様に尋ねる。

「ちっ、貴様……!!なぜ動ける!?」

慌てた青年とは対照的な、落ち着き払った口調で彼女は返す。

「そうね…あたしでも解らないわ。だけど、あなたが話してた、強いパパの血に助けて貰ったのかも知れないわ。」

青年は焦り、忌々しげに舌打ちした。

「ちっ……!」

傍らの少女達を見ながら、今度は彼女が切り出した。

「だけど、この姿ではあなたには勝てない。副作用もあるから控えてたけれど、今は本気でやらせて頂きます。」
241名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 18:02:06.22 ID:1/sndTbp
>>235

王道でよかった
創作意欲も湧いてきたぜ
242名無しさん@ピンキー:2011/04/08(金) 19:56:31.14 ID:U36t4F7v
>>237
こんなものでも楽しんでいただけて光栄です
>>241
よし、バトンは託したぞ
243名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 01:57:16.23 ID:LItyQr11
これってシーケンスシーンのみとかでもいいのかしら?
是非とも書かせていただきたいのだが
244名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 06:56:21.83 ID:UNzx1wJ4
むしろ大歓迎
245名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 01:31:43.97 ID:LqyakOPI
「もう我慢できない!」
少女は湖の畔に跪くと、革製の水筒に一杯の水を汲んだ。少女は旅人風の服装をしており、背にはリュックをしょっている。
水筒に口を近づけた彼女の脳裏に、この森の抜け道を教えてくれた老婆の忠告がよぎる。
森の中の湖の水は決して口にしてはいけない…。
「ま、ちょっとだけなら平気よ。死にはしないって」
彼女はそう呟くと、汲んだ水を一気に飲み干した。
2日以上のまず食わずだった喉に冷たい水の味がしみる。
「おいしい…」
彼女は半ば無意識に二杯目をくみ、それを飲み干した。三杯目、四杯目と口へ運ぶ。
異変に気づいたのは、五杯目を口にしようとした時だった。
今までに感じたことのない奇妙な感覚が、彼女を襲っていた。
視界が歪む。尻に違和感を感じた。
人目が無いのを良いことに、長めのスカートの中に手を突っ込んで確認する。手が尻に触れた丁度その時、それは現れた。
短くてぴんとした、尻尾としか言いようの無いもの。
下着の中で窮屈にうごくそれに手を触れ、少女は驚いて立ち上がった。
「な、な…」
余りの驚きに水筒を取り落とす。
次に違和感を訴えたのは頭部だった。半ば反射的に手を伸ばす。耳が、生えていた。
先程まで耳のあった筈の場所は既につるりとしており、代わりに髪の毛を掻き分けてふたつの三角形に近い耳がむくむくと生えてきている。
「嘘、」
少女は慌てて湖面を覗き込んだ。
そこに写ったモノは、既に人の形を失い始めていた。
顔の骨格は徐々に変わり、薄茶の毛が顔を覆い始めている。徐々に全身を侵食していく違和感に抵抗するように、少女は立ち上がった。
「う、あ」
手近に生えていた低木にもたれかかるようにして、喘ぎ声を漏らす。
「誰か…」
その手が滑り落ちた。見れば、手の先が1つにくっつき、黒く変色している。這うように数歩移動すると、靴が脱げた。
どうやら靴にも同じことが起きているらしかった。
再び立ち上がろうと伸ばした腕の先は、完全に蹄と形容すべきものに成り果て宙を掻いた。
その先を、既に茶色の毛が覆っている。
無理矢理身体を捩った彼女の服が破れ、その姿がひとけの無い森の中に露わになった。
既に人と呼べる部分は殆ど残ってはいない。
「た、たすけ…」
言いかけた彼女の言葉は宙に浮いて消えた。
変わりに動物の鳴き声じみた声が、その喉から発せられる。
そして、そこには一匹の子鹿が震える脚を悲しげに見詰めて立ち尽くしていた。
仄暗い森には、誰もいない。

シーケンスだけってのも流石にあれだなあと思ったので。
確か湖の水を飲んで鹿になってしまう昔話を何処かで読んだ気がしたので書いてみた。
反省はしてません。
246名無しさん@ピンキー:2011/04/11(月) 01:45:24.52 ID:Dnjx/Q5s
序盤の流れで辰子龍の話を思い出した。
田沢湖に伝わるお話。
247究極の選択:2011/04/12(火) 02:40:20.24 ID:k67eodps
強制と自発みんなはどっちだ!?(`・ω・´)
248名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 08:02:44.20 ID:DeF8R3pg
自分がするなら自発
話として好きなら強制
どっちか一方なんて決めれないぜ
249名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 14:03:16.80 ID:8UKd/PVy
自分で人間の皮を捨てる女の子も好きだし
邪悪な魔法使いによって変化させられるのも好きだ!
250名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 21:34:14.72 ID:1mIRijvz
以前のこのスレでは、強制ほぼ一択のような印象を(勝手に)持ってたけど……
けっこう皆どっちもいけるみたいだな
251名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 10:36:11.07 ID:+SmPC2W1
まぁ、好みは人それぞれだから・・・
252名無しさん@ピンキー:2011/04/14(木) 23:13:08.58 ID:SgcEt3rK
どっちでもいいな
253名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 01:01:57.80 ID:txTFUaS6
自発で後悔ってのがイイ
254名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 11:56:52.79 ID:Et0lpyYS
age
255魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 14:58:12.84 ID:Et0lpyYS
闇がはびこる世界。この世を支配する魔王を討伐するため、一人の若き戦士が立ち上がった。
人々は彼を「勇者」と称え、この世を救う唯一の希望となった。
旅も架橋を迎え、いよいよ敵の本拠地へ赴く勇者一行。
しかしここにきて大きな壁に直面していた。
魔王の住む「魔界」と呼ばれる地に足を踏み入れるには、案内人が必要らしい。
案内人は必ず、魔界の住人、いわゆる「魔族」でなければならない。
この条件を満たす方法は一つ・・・。
256魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:05:00.68 ID:Et0lpyYS
「誰かがならねばならぬだろう・・・」
魔界の入り口に佇む賢者が言った。
「できるのか?そんなことが」
「世の中には魔族になりたいという物好きもおってのう。魔王はそんな物好きを快く迎えておるわ」
「しかし、一体誰が・・・」
「なに、魔族になるといっても、一時的に魔族の身体を借りるだけじゃ。
 魔族になるためには、その者の身体に『邪気』を埋め込まねばならない。
 『邪気』を取り出せば、その者は人間の身体を取り戻すことが可能じゃ。
 じゃが魔族でおる間に、その『邪気』に身体を乗っ取られたら、そやつは一生、人間には戻れぬだろう」
257魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:07:06.00 ID:Et0lpyYS
「くっ・・・。しかし気をしっかり保つことで人間に戻れるなら・・・ここは俺が!」
「勇者様、あなたが魔族になることはなりません。私たちをまとめる重要な役割ですわ。わかっておいででしょう?」
「しかし、俺以外にこんなこと、させるわけにいかんだろう」
「・・・・・・・」
「くっ・・・!」
「・・・・わたし・・・私がやります!」
一行の口火を開いたのは、僧侶だった。
258魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:10:39.78 ID:Et0lpyYS
「僧侶ちゃん!あなたわかっているの?戻れないかもしれないのよ!?」
「わかっています。しかし私も神の子である身。気持ちは誰よりも強く持っているつもりです」
「しかし僧侶、君がいまわしい魔物になるところなんて、俺は・・・」
「勇者様、誰かがやらねばならないのです。私は平気です。どうか私にやらせてください」
その後何度も説得を重ねたが、僧侶は聞かなかった。
結局、僧侶の強い「自己犠牲」の意思を曲げることはできず、一行は僧侶に託すことにした。
259魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:14:00.22 ID:Et0lpyYS
「「身体を魔族に変えるのに三日ほどかかるからのう。おぬし達はふもとの町で英気を養っておくがよい」
「僧侶、すまない、君だけにこんな役を押し付けてしまって」 
「大丈夫です勇者様。すぐに元に戻れるんですから。勇者様達は魔界へ行く準備をお願いします」
「ああ、わかった。三日後、迎えにくるからな」
そう言い残し、勇者は僧侶を賢者に引き渡した。

そうして、三日が経った。

「勇者よ、来おったか」
「僧侶は、僧侶は無事なのか!?」
「慌てるでない。立派な魔族になっておるわ」
「くっ・・・」
「僧侶よ、勇者が迎えにきたぞ。姿を見せてやれい」
「・・・はい・・」
260魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:17:02.38 ID:Et0lpyYS
ほこらの奥から姿を見せたのは、勇者達の知っている「僧侶」ではなかった。
魔族。そう呼ぶにふさわしいモノ。
それも、幾千の戦いを制してきた勇者達が遭遇したこともないような、邪悪な外見だった。
身の丈は2mあるだろうか、全身紫色の巨体であった。
「ゆ、ゆうしゃさま・・・」
以前と変わらない透き通るような声を目の前の魔物が発する。
圧倒されて声も出ない一行。
一歩一歩、ゆっくりと「魔物」が近づいてくる。
一行は思わず後ずさりした。
「あ・・・あ・・・」
「く、くるな!それ以上くるな!」
戦士は思わず剣の”つか”に手をかけた。
「お、おちつけ、これは僧侶だ!姿は違うが、僧侶なんだ!」
勇者が言った。しかし声が幾分震えている。
「ほっほ、落ち着け、中身は以前の心優しい僧侶のままじゃ。のう?僧侶や」
「はい・・・。お待ちしておりました勇者様・・・」
261魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:19:14.74 ID:Et0lpyYS
僧侶は見事なまでに完璧な「魔族」と成り果てていた。
160cmほどだった身長は2mほどの巨体となり、透き通るような白い肌が鮮やかな薄紫色に。
やわらかくなめらかだった肌には、魔族特有のしなやかなで形のいい筋肉が隆起し、
見る者を圧倒する。
全身裸の体つきは「女性」であることを主張するようなナイスバディーへと変貌をとげ、
以前のどちらかというと「幼児体型」だった控えめな僧侶の体つきとはまったく変わっていた。
メロンのような爆乳は動く度にぷるんぷるんと弾み、腰は極端に綺麗なラインを描いている。
しかし乳首は人間のものとは違い、灰色の「ツノ」のようなものが、両方から上を向いて生えていた。
指先には鋭利な爪が生え揃い、足先はひずめのように変化していた。歩く度にカポカポと音がする。
しかし、僧侶の最も変化した部分は「顔」であった。
262魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:22:06.96 ID:Et0lpyYS
まだあどけなさを残す、汚れを知らぬ天使のような僧侶の顔は、見事なまでに蹂躙されていた。
頭はひとまわり大きくなり、顔全体の筋肉が発達し、凶悪な表情をはりつけていた。
眉は無くなり、目の上の筋肉がボコンと隆起し、奥の方で金色の瞳がギラギラと輝きを放っている。
小ぶりでかわいかった鼻はその面影を一切残さず、血管が浮き出た巨大で醜い鼻へと変化していた。
その鼻の穴からは、乳首と同様、上を向いたツノが両方から飛び出している。
口びるは黒く変色し、分厚いタラコくちびるになり、口を閉じていても上から伸びる牙がくちびるを濡らしていた。
263魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:25:22.56 ID:Et0lpyYS
大きくなった耳はピンととんがり、以前の僧侶ならピアスのひとつも開けようとしなかったが、
賢者に言われたのだろう、魔族のたしなみであるごついピアスを五か所も開けていた。
頭には以前の流れるようなサラサラの黒髪がなくなり、ごついスキンヘッドと化している。
頭の両脇には巨大なツノが生え、額には巨大な悪魔の紋章があった。
これも賢者に言われて刺れられたものだろう。
変わり果てた僧侶の姿。しかし顔には可愛かった頃の僧侶の面影が幾分あり、それがまた残酷であった。
264魔族になった僧侶:2011/04/19(火) 15:27:27.35 ID:Et0lpyYS
「本当に僧侶なのか」
「あの可愛かった僧侶が・・・信じられん」
「あっ・・・あの、勇者様、こんな、こんな姿になっちゃいました・・・」
「本当に、本当にすまない、僧侶。女の子で、さぞつらかったろうに」
「いえ、私は平気です。それに、意外と気に入ってるんですよ、コレ」
僧侶は目に涙を浮かべながら、鋭い爪の生え揃った手で頭をひとなでした。
「私、僧侶なのに頭まるめたことないから・・・だから、一度やってみたくて・・。
 このピアスもタトゥーも、僧侶でいる限り絶対できないことだから、気に入ってるんです・・!」
「僧侶ちゃん・・・」
「ぐっ・・!さぁ、僧侶を早く人間に戻すためにも、一刻も早く魔王を倒そう!」
こうして勇者一行は魔族の村へと旅立つのであった。

終わり
265名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 15:29:32.08 ID:Et0lpyYS
規制か何かわからないけど長文が書き込めなかったんで
レス数が増えてしまいました。すみません。。。
266名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 01:26:32.56 ID:WAVfwpcg
>>255-265
GJ! やっぱり清純→醜悪の変化はいいですね。
内面がちゃんと保たれているのも、外見とのギャップがたまりません。
267名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 01:31:41.69 ID:gudRwWem
>>255-265
良かったですよ!
出来れば、我が儘ですが、続きも見たいですね。
268名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 22:49:24.90 ID:+Al3qJFg
>>255-265
すごくよかった
次回作も期待してます
269名無しさん@ピンキー:2011/05/11(水) 00:07:12.03 ID:lfePkGr6
ほsy
270名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 06:31:54.20 ID:+fwTik/j
ttp://park8.wakwak.com/~teiou_tuushin/kakutou/mezase.html#05
SS書く人に参考になるかも知れないので置いておくわ。
271名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 22:43:17.32 ID:PrJToAGl
>実は相撲はかなり高レベルにある打撃性格闘技なのだ。

これは今頃布団被って悶死してるレベルwww
272名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 00:10:04.84 ID:dv/zSNkA
任天堂新作『パンドラの塔』がなかなか良さげ。
獣化の呪いにかかったヒロイン(CV能登)の呪いを解くのがストーリー上の目的なんだが、
どう考えてもそれだけで済まない雰囲気。
CMでも、精神にも影響があるっぽい描写が。
273名無しさん@ピンキー:2011/05/23(月) 00:26:52.54 ID:MGp1CmVt
>>272
CM観たけど、良さそうですね。
密かに期待してます。
274名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:12:14.63 ID:d/O7+l7w
陽子(16歳)が道を歩いてると,ある古い寂れた洋館をみつけた

噂では昔,科学者がここで新種の実験をしていて

生まれた怪物が屋敷の住人をみんな殺してしまって今でも怪物は潜んでいるとか

陽子はちょっとした好奇心で屋敷を少し覗いていみた

すぐに2階に出る道があったので登ってみた

そして手前のドアを開けた瞬間だった

陽子は長い触手によって体を巻つかれスカートを引きちぎった

「きゃあ!!放してよ!!」

陽子は抵抗したが触手は陽子の膣に挿入して子宮までたどり着いた

そして陽子の子宮が,ちくりとした痛んだ

「きゃああああああ痛い!痛い!」

触手は子宮の中で何か動き回ってるようだ

そして,しばらくした後,触手は,あっという間に死んでいった

陽子は,そのまま,ぐったりして倒れてしまった

次に目覚めたときは屋敷の前だった

スカートも元に戻っていていた

陽子は,あれは夢なのかと思いつつも屋敷を後にした

それから数か月して陽子は異変に気がついた

生理がこないのだ,陽子には彼氏は,いないし心当たりはない

調べても妊娠はしてないらしい

しかし生理は来ない

そして数日後また異変が起きた
275名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:12:31.14 ID:d/O7+l7w
子宮が熱いのだ

と同時にアソコが,かなり敏感になり,ちょっと触っただけでグショグショに濡れてしまうのだった

そして帰り道,陽子は違和感を感じた

(子宮から何かが下りてきてる!!)

すぐに草むらに隠れてしゃがんだ

「うっ!!」

ピュッピュッと白いネバネバした液体が飛び出した

そして何かがアソコからでてきた

それは卵だった

それもニワトリと似てるというか全く同じような無精卵だった

(なんで……なんでこんなものが私の中から……)

陽子は泣き出した

自分の体はどうなってしまったのだろうか
276名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:12:47.49 ID:d/O7+l7w
それから陽子は二週間に一回卵を産むようになっていた

卵はニワトリのものと一緒だったがニワトリと違い陽子は産むときに愛液などがたくさんでてしまいイってしまうのだった

そんなことが続いて1年がったった

陽子は周りに内緒にしていたが,こっそり医者に相談してみた

レントゲンをとったあと医者はこういった

「あなたの子宮はニワトリのものと近くなってます」

「そんな……」

あれは夢ではなかったらしい

触手は陽子の子宮を改造して卵生にしてしまったのだった

医者は今のところ直す方法はみつかってないが,なるべく尽くしてみると

それから月日がたち陽子は結婚をした

もちろん自分の子宮については内緒だった

ある日,夫がいった

「僕たちも,そろそろ子供がほしいな」

そういったが陽子は思った

私は普通に子供を産めるのかしら?

その日の夜,二人はセックスをした

しかし妊娠はしなかった

「まあ,また次,頑張ろう」

と夫はいった

しかし陽子が,また産卵するためにトイレにいったときだった

でてきた卵が,いつもと色が違うのだった
277名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:13:07.15 ID:d/O7+l7w
「もしかして……」

陽子は,いつもは,その卵だけ残しておいた

それから数週間後

陽子の乳首が若干変色していた

少しひねると母乳が出た

(じゃあやっぱり,この卵は……)

そして卵が割れだしたのだった

産まれてきたのは触手つきの小さな怪物だった

そう,これは有精卵だった

陽子は正真正銘,人間であって人間のからだではなくなっていたのだった

触手が陽子の母乳を吸いだした

「やめてえええええええええええええ!!あなたなんか私の子供じゃないいいいいいい!!」

やがて触手は二つに分裂し一匹は外に飛び出して一人の女の子の前に飛び立った

また新たな子孫を作るために
278名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:22:33.54 ID:whSIr4rm
>>272
ちょっと動画見たけど、獣化と言うよりはクトゥルフ的な軟体動物系含む異形への変化だね。
体のあちこちから触手が生えて常時ウネウネしていたり、左腕が肥大化していたり、
這いずる動きがナメクジを彷彿とさせたり、「暗い方が落ち着くみたい」とか言ってたり、
側頭部に眼球っぽいものができていたり、変化が進行するとかなりいい感じです。

でも「ゲームを進める=ヒロインの変化を放置せず抑える」になるだろうところが、
TF嗜好持ちとしては残念。「クリアする=ヒロインを元に戻す」でもあるだろうし。
279名無しさん@ピンキー:2011/05/27(金) 14:37:46.42 ID:gKfXa+uw
インタビュー見るにエンディングは複数あるみたい。
好感度で変わるようだ。
280名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 02:51:30.80 ID:LINios/h
ここの人達にうってつけじゃんw
281名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 09:39:06.51 ID:aNOaHedx
実家にwii置いてきちまったw
ここの住人で異形化まとめ動画とか作ってくれんかのうw
282名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 21:15:48.96 ID:b1tlzkQa
魔法少女は閾値を越えると一気に魔女化するんじゃなくて、
ソウルジェムの穢れに応じて実際の肉体が少しずつ魔女へ近づいていく設定だったら良かった

で、一定以上魔女化してしまった体はソウルジェムの濁りを取り除いても元に戻すことが出来ないとか
283名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 01:51:50.20 ID:xRiFLV4u
「パンドラの塔」にはヒロインのセレスと雑談したりプレゼントできたりするパートがあって、
ラブプラスならぬバケモノプラスといわれていたのがちょっと面白かった。
つうか早速放置動画有るな…。
284名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 01:58:53.51 ID:NhSSuLDL
↑のSSなかなか独特の雰囲気があって嫌いじゃないぞ
285野に咲く花のように(1/3):2011/06/01(水) 23:52:49.83 ID:1GSO4Oud
私――野咲華菜(のざき・かな)が動けなくなってから、どれくらいの日数が経ったのだろう。
植物学を先行する私は、ある日採集に来た山で縦穴に落ちてしまったのだ。
この穴に落ちて今まで生き延びてこられたのは、運が良かったとしか言いようがない。
土の隙間からのぞく木の根をしゃぶって喉を潤し、食いちぎって飢えをしのいだ。
だが、この状態が続けば、死は免れない。加えて、何も無いこの空間。
動けない、ということがこんなにもストレスになるなんて。
周り全てが土。触ってもかさかさするばかりの壁。見上げれば、文字通り届くはずのない空。
私の心身はとうに打ちのめされていた。狭苦しくて、息苦しくて、もうたまらなくなって――
無理とは知りながら、思い切り背伸びをしようと力を入れた。「ズブ」……え?
私の手足が、土の壁にめり込んでいった。この壁は、こんなにもろかったっけ?いや、違った。
286野に咲く花のように(2/3):2011/06/01(水) 23:54:31.26 ID:1GSO4Oud
もともと白く細かった指は、さらに細くそして柔らかくなり、土の中をどんどん進んでいった。
水かきが手のひらにまで深く広がり、それはみるみるうちに二の腕、肩にまで及んでくる。
足も同様だった。驚いて引き戻そうとするが、もう自分の体ではないように、止められなかった。
下着や衣服の網目の間からも、何かが鬱憤を晴らすように私の体から広がっていった。
これは、そう、これは――植物の、根?
もはや地中いっぱいに広がったであろう私の体が、今度はまわりから吸い上げ始めた。
(んんんっ!)
大地の養分とでも言うのだろうか。形容しがたい快感が、体全体に広がっていく。
男に精を打ち込まれたときは、子宮の中でその体温を受け止めるだけだった。
これは、その比ではない。
あの満たされていく感覚が、体内も体外もなく駆け巡っていくのだ。
(あぁ、いい……)
四肢や胴体は、今やすっかりほどけて土の中に溶けこんだ。
顔はぱふぁという奇妙な音を立てて渦を巻くように広がっていく。
そして私はどんどん背を伸ばし、あの穴の出口にあっという間に届いてしまった。
そこで私は完全に、体を開いた。
私は文字通り、野に咲く花になった。
287野に咲く花のように(3/3):2011/06/01(水) 23:57:00.37 ID:1GSO4Oud
朝。露にぐっしょりと濡れた私は、吸い上げられる養分に震えながら、日光に身を委ねる。
全身をくまなくちりちりと撫でていくような愛撫は、情熱的で、しかし温かみがある。
優しい風になでられると、おしべから花粉達が、めしべめがけて飛びついてくる。
花粉も私で、子房も私。あぁ、私が私を犯している!
花となってからの生活はまさに楽園のような生活だった。

そんなある日のことだった。私の目の前を、登山に来た学生カップルが通った。
その評定は若い、というより幼さを残したように見える。
不意に少女はきょろきょろあたりを見まわすと、私の方を見た。
そして連れ合いの少年に「ごめん!先に行ってて!」と声をかけた。
「どうしたんだよ?」と聞き返す少年。早く頂上に行きたいのだろう。
少女は顔を赤らめて「ちょっと、花摘んでくる!」と答えた。
少年は、ちょっと顔をいやらしくにやけさせて「早くしろよ!」と言うと、先に進んでいった。
花を……摘む?私はゾッとした。だが、あの日から私は、ここを動けない!
その間にも少女はどんどん近づいてくる。
そして少女は目の前でしゃがみこみ――スカートをめくり上げ、いそいそと下着を下ろした。
「男の子だって便器の汚れとかつい狙っちゃうんだよね♪」
いたずらっぽく微笑むと私目がけてプシャアーっとその秘裂から黄金の飛沫が降り注ぎ――
花が摘まれた。
288野に咲く花のように(PS):2011/06/02(木) 00:00:28.72 ID:1GSO4Oud
植物化、というのがあまりないように思ったので、書いてみました。
この後華菜は当然黄金の飛沫を浴びた羞恥心と屈辱にまみれながら、
その養分も吸ってゾクゾクゥ!してしまうのですが、
これ以上は趣味が違うだろうと思うので自重します。
乱文乱筆ご容赦下さい。
289名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 01:06:17.41 ID:cro92SMj
GJ

そこまで書いたらもう書いちゃえばいいのに。
人外化した後の動きも好きですw
290名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 09:07:29.11 ID:Iaq2H/tF
乙! むしろ何故書かなかったんだと
後は結実とか鳥についばまれるとかのシチュエーションが思いつくけれど木じゃなくて花だから難しいか……?
291名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 10:08:50.55 ID:VzS5LA3v
GJ

続きも読みたいです。
292名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 11:19:22.58 ID:LmBe+jgc
>>野に咲く花のように
GJ
実にいい作品だったよ。

>>290
花には蜜というものがあってだな(ニヤリ
それになにより、苺なんかはきちんと果実がなるぞ。
293名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 19:38:09.44 ID:+d3AdJSE
植物化最大の問題は、動けないから感情表現が乏しい点だと思う。
294名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 20:27:53.43 ID:129ZtjYF
つまりミドリムシやハエトリソウならばッ!
295名無しさん@ピンキー:2011/06/02(木) 20:53:09.14 ID:01zd3eQh
俺が植物化するとしたらオジギソウだろうな・・・
風が吹いてもお辞儀するで^^
296名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 12:05:43.94 ID:aOl8Bol0
>>295
真っ先に魔界のオジギソウが思い浮かんだ俺は負け組
297名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 15:40:51.58 ID:LbTfuZ3+
ここはひとつ、トリフィドになるという大技で
298名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 19:30:00.19 ID:J/L3oC5T
http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?multiverseid=201837

ダフネとかネムの木とかあるけど両方意思なくなるよなぁ。
変身とは言いがたい・・・
299名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 19:58:48.03 ID:NODp5PnH
家族のために苗床になる作品あったよね
あんなの好き
300名無しさん@ピンキー:2011/06/03(金) 23:25:48.47 ID:Lo5/swYA
パンドラの塔すごいな
ヒロインが化物化するなんて斬新過ぎるw

スレのみんなでこのゲーム買おうぜ
301名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 04:05:17.80 ID:QuzwylkC
動画見たけどかなりこのスレ向きなゲームだなw
Wiiを買い戻すしかないな

302名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 15:59:26.56 ID:Jl41peJy
ゲームと言えば海外産のだがこういうのもあるな
全然エロくないけど
http://www.skullgirls.com/home

>スカルガールズ
>スカルハートは女に志望を聞入れるアーチファクトです。でも、女の心は清浄がなければ、「スカルガール」と言う強力な悪魔に変身されます。
303名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 21:13:24.11 ID:b6MGWzyt
>>302
こんなもので抜く海外の同志は哀れすぎるな
304名無しさん@ピンキー:2011/06/04(土) 23:08:22.13 ID:5+K6a8Jp
>>302
抜ける絵じゃないけど等身の高いパワパフみたいでかわいいな
アルカナみたいな女の子しかいない萌え(?)格闘ゲームってあっちでもあるのが何か意外だ
305名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 00:05:07.26 ID:HfjxWa1C
>>303
うのまことが描いたそのゲームのヒロイン

ttp://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima120823.jpg
306名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 23:06:12.76 ID:F/rTI6h3
このスレ的にはアフタヌーン7月号の田中雄一『まちあわせ』は
ヒットなんじゃないだろうか
異形で純愛でSF
307名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 03:15:26.43 ID:txjTYOc4
kwsk
308名無しさん@ピンキー:2011/06/09(木) 06:52:07.86 ID:DkDiN8s9
>>307
詳しくは読んでほしいけど
他の生物の精巣(精子)を取り込んで
出産のために繭と呼ばれる巨大な木のような異形に変化する生物
との純愛譚というか

この生物が孤児のため自分の正体について知らずに
普通の学生として学校生活をおくっていたような感じ
309名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 12:45:22.92 ID:HfThJgNr
保守

某TCGのショタがイカ娘に犯されてる妄想したが文章に出来ないのが歯痒いな
310名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 13:56:18.63 ID:abNjLOvj
>>308
ああそれ俺読んだな
面白かった
でも完全に木みたいになれば動けないし意思疎通できないしでここの住人的にはどうだろ?
311名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/14(火) 19:15:50.68 ID:SCYTvn5E
>>310
植物化って元々TFか物品化か曖昧なとこにあるよなあ
SF、変身(物品化含む)、切な系純愛、の三つとも好きな自分には稀に見る傑作だったとは言えるんだけど
あんな感じの変身譚もっとないものか
312名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 06:54:40.90 ID:8JJkAyj0
>>311
TFという括りで言えば物品化もTFの中の1つでしょ。
TFの中に獣化とか軟体化とか女体化とか物品化とかといったジャンルがある訳で・・・
313名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/15(水) 07:32:45.39 ID:iPu+Fpbt
>>312
あー、それもそうか このスレと物品化スレどっちの範疇か、に脳内変換頼むorz
314名無しさん@ピンキー:2011/07/03(日) 15:01:37.79 ID:kqpsefkh
このあいだザ・フライを見て、変身するのが女性に変えたらエロい話になるんじゃないかと思った。
しかし変化していくにしても、顔から胸までは人間のままのほうがエロとしてはいいかもしらない。
315名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 01:08:12.06 ID:uEpMWixr
ケモナーとTF好きって似て非なるものと思ってたんだけど
ケモナーの友達の日記にTFネタ入れたコメ入れたらtransfur乙って看破された
ケモナーかつTF好きって意外といるのかな?

まぁだからといってケモナーの友達にも
強制変身させて困惑させるのが大好きってのは絶対言う気はしないけど
316名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 01:26:53.26 ID:wlx2I6PW
そりゃ変身後の姿を愛せないTF好きは少ないだろう
いないとは言い切れないが
317名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 01:33:45.20 ID:XUDm5lZo
海外ケモノコミュニティのFurAffinityにTransformationがジャンル登録されてる時点で…
まぁ変化後の姿が可愛かったりすればケモ的にも萌えるだろうし
TFが好みでなくても人外系関連ジャンルの一つとして、知識としては知ってる人はそこそこ居るとは思う
318名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 06:37:37.34 ID:sednidNh
>>315
ケモナーの質や好みにもよるだろうけど、
狼男とか定番だしある程度繋がる物はあるんじゃないかとは思う。
319名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 12:51:55.36 ID:uEpMWixr
そんなもんなのか
TF好き→変化そのものが好き
ケモナー→動物が好き

ってイメージだったから
320名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 07:13:20.60 ID:vSWY05hG
悪魔っ子とか虫女とかラミアだのスライムだのはいけるがケモノだけは何故か興奮しない

という俺みたいなケモノ以外は大体いけるTFスキーもいる・・・のか?
狼女だの狐女だの猫又だののTF一切魅力を感じない俺はやっぱ変なのかなぁそうなのかなぁ。
悪魔化なんて角生えるだけで賢者になれるのに。
321名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 08:01:05.72 ID:YdpQBxd6
好みは人それぞれ。
どんどんネタ出していけばいいと思うよ。
別にここだって獣化に特化してる訳じゃないんだから。
322名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 20:58:54.16 ID:GiWofStR
>>320
それ、哺乳類が あんまりって毎になんじゃないか?
自分もほぼ同じ感じだ
323名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 21:00:17.11 ID:GiWofStR
ミス!
「あんまりって事」 が正しいです。
なぜか予測変換でおかしくなってしもうた
324名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 23:00:30.24 ID:vSWY05hG
>>322
あ、まさにそのとおりかも
同士がいて助かった。しかし何なんだろうね、その原因。ケモノ化楽しめない自分は何か損をしている気がする
325322:2011/07/11(月) 23:27:38.61 ID:GiWofStR
>>324
自分の場合はリアルの方の哺乳類も可愛いと思えないんだ
だから毛が生えてるタイプのTFは今ひとつ楽しめん
一方、根っからの爬虫類好きな自分は竜とか鱗モノのがメ
チャクチャ大好物。
326名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 23:34:26.28 ID:F1r46vpE
>>325
逆に俺は猫が凄いかわいいと思うし蛇や蛙や虫は気持ち悪いと思うが
TFの萌え対象的には逆転するな、…ゴキブリだけは無理だが
327名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 23:37:26.33 ID:9I/opqoU
猫毛アレルギーの人が猫化したら…地獄だな。
328名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 06:56:02.75 ID:mkRsC6+h
>>324
俺も哺乳類より虫とか爬虫類とか化け物ほうが好きだぜ
変化後のギャップが大きくて、そのギャップに困惑するのが好きだ
329名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 02:17:53.92 ID:dy1RvRNP
気持ち悪いものに変わるのがいいんでないの?
猫とか犬みたいなライトなのが好きなヤシもいるのか
330名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 07:14:23.71 ID:dZMxgAsS
好みは人それぞれ。
だから良い。
331名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 13:30:26.25 ID:xSz3qZUL
ところで、どれくらいの人外度までエロとして許容可能?
尻尾や角が生えるくらいか、下半身までとか、あるいは人間の面影がまったくなくてもOKとか。
332名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 19:58:57.97 ID:0Cnv6Sbd
俺はどんなに異形になっても少し面影や変化前の特徴を残していてほしい
面影があると変化後の恥じらいが強調されると思うから
333名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 22:16:20.36 ID:epdoa3Sa
異形に少女のものを思わせる仮面が浮かんでいるとかも良いな。
334名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 22:53:05.01 ID:kOoOP1LW
契約は成し遂げられた。
少女が支払うべき代償は、人の姿を捨てて101年と1日の間悪魔に仕えること。
かつて滑らかだった肌は鱗に覆われ、頭には角を手足には鈎爪を生やし、背にはコウモリの翼を背負う。
全くの異形と化して悪魔の前に跪く「少女だったモノ」は、その顔だけが過ぎし日のまま愛らしかった。

「主よ。何故私の顔を変えないのですか?」
悪魔は笑った。
「汝の姿を決めるのは我の権利だ。汝の容貌、かなり気に入っておるのだぞ」
悪魔は手に持っていた品を、少女だったモノに投げ与えた。漆黒の仮面だ。
目だけが描かれ、鼻も口もない。
「人間の前に出る時は、それを付けるが良い。女子は顔を傷つけぬようにせねばな」
冗談めかしているが、人間に顔を見られて身元を知られぬためである事は明らかだ。
なにしろ、これから彼女が行うのは文字通り「悪魔の所業」なのだから。

顔を残し、身元だけは隠せる。主の配慮に感謝して仮面を着けた彼女は、主の命じるまま
人間界に不幸を配達すした。

しばらく後に、彼女は顔を残したことを後悔することになる。かつて愛した男に仮面を割られることで。

#と>>333氏の逆パターンで小ネタをやってみた。
335名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 04:19:39.21 ID:letU/AcV
>>334
はいGJ!GJきたよー
336ハム女様:2011/09/01(木) 23:50:45.42 ID:lrT8WuqR
ここはとある王国のお城
王が病に倒れたため、その娘の公女より冒険者に対しおふれが出された
その内容は、万病に効くサラマンダーの羽を手に入れろというものだった
凶悪なサラマンダーの前にいくつもの冒険者ギルドが破れ去り
もう誰もこのミッションをこなせないだろうと思われていたが
どこからともなく現れたギルドによって瞬く間にクリアしたのだった
そして今そのギルドの冒険者がサラマンダーの羽を持ち公女に謁見しようとしていた
「冒険者達よ、よくぞサラマンダーの羽を取ってきてくれました、感謝します」

「おいおい、ハム女って言うから、豚みたいな女が来ると思ってたのに普通に美人な女かよ拍子抜けだぜ」

「いや、私は公女であって、ハム女では」

「いやいやハム女様、そのお姿と肩書きのギャップ大変でしょう
私たちがあなたをその肩書きにふさわしい姿に変えて差し上げましょう」

「いや、そんな事よりサラマンダーの羽を」

「よしカスメ、ハム女様にあれをかけて差し上げろ」
「了解、変化の呪言」

「いったいなにを、ひぎぃっ」

冒険者の一人が何やら呪文のような物を唱えると
公女の体に変化が現れた
まずは全身に緑色の獣毛が生えはじめる
骨の形が変わりはじめ、二本の足で立てなくなる
引き締まっていたお腹は見るも無残に膨らんでいき
きれいに膨らんだ胸を飲み込んでしまった
そして手、足の指は無くなり蹄に変わる
そしてお尻から尻尾も生えてくる
そして変化は頭部にも及んだ
きれいな青い髪は全て抜け落ち、鼻は豚の鼻へと変化する
それに合わせるように口も獣の口へと変化し、大きな牙が生え揃う
そして目の色が真っ黒に染まり、公女の変化は終了した

そこにはもう美人で巨乳な公女はいなかった
いたのは見るからに獰猛そうな暴れ猪がいるだけだ

「ぶひぃ、ぶひぶひ」(元に戻してください)

「よかったですね、ハム女様、これで見た目もハム女っぽくなりましたよ」

「ぶひぶひぶひ」
「おやおやハム女様、そんな大声を出したら危ないですよ
今のあなたの見た目はモンスターにしかみえない
そんなあなたがこの場所にいるのを見て城の兵士達はどう思うかな」

「ぶひぃ・・・」
「そうだそれでいい、ということでこの王家の秘宝は貰っていくぜ、何心配することはない
近くの樹海までは連れてってやるよ
そこでモンスターとして第二の人生を歩むんだな」


この後、王宮より公女の捜索のおふれが出されたが、公女は見つかることは無かった

337名無しさん@ピンキー:2011/09/02(金) 00:47:19.01 ID:leOYsDZx
おお良いねぇ、GJ
338名無しさん@ピンキー:2011/09/07(水) 00:05:16.22 ID:k80mO2kN
ナイスデース
339名無しさん@ピンキー:2011/09/13(火) 21:49:46.40 ID:Ft3B9Lmx
今週のジャンプが俺的に当たり回だった
ハンタとぬらりがどっちもTF好き的にはよろしかった
340名無しさん@ピンキー:2011/09/26(月) 23:13:57.41 ID:DhuZ8q5j
ぬらりひょんは変化してくれないんだろうなあw

90年代までのジャンプ漫画ならやりかねないと思うけどw
341名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 13:49:50.72 ID:rX8rBCtv
ぬら孫は、もうちょっと変化してる過程の描写が欲しかったね。
残念。
342名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 11:40:17.23 ID:LtMxc2IC
オレとしては前田愛のバラエティ子役、高校くらいが今だにベスト
343名無しさん@ピンキー:2011/11/03(木) 01:10:04.69 ID:TzhJMOFo
同人の「堕落の金曜」が良かった俺に、なんかお勧めのを教えてくれ。
蟲もいいけど獣系とかで
344名無しさん@ピンキー:2011/11/04(金) 13:41:23.77 ID:FViHivhG
まずはその堕落の金曜とやらについてkwsk
345名無しさん@ピンキー:2011/11/05(土) 01:35:33.90 ID:uips41Z6
>>344
「堕落事故調査委員会」っていうサークルが作ったセーラームーン系の同人で、
ビーナスとかが主に猫とか蟲とかに変えられる話
セーラームーンとか苦手でも大丈夫かと
346名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 09:11:58.28 ID:fBkDBwyQ
亀だが>>336萌えた
森の猪や魔物に犯されたりして更に屈辱を味わうハム女様とか
逆に罰が当たって冒険者たちも獣化するとか見たい
347名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 10:07:49.66 ID:IRiXKHsZ
獣化・蟲化した男女が交尾するシチュって珍しいのかな
探してもなかなか見つからない
できればそのまま本能に蝕まれて野生の生活に入っていくのが好みなんだけど
348名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 16:46:17.01 ID:71eVDozB
知性は維持されても本能に支配され
行動は人外そのものの行為になるというのも良い。
349名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 16:58:28.81 ID:eDAmr29H
まんま俺らだな>醜い外見と本能のままの行動
350名無しさん@ピンキー:2011/11/13(日) 05:34:27.84 ID:pKKpKY/6
もう俺らみたいな異形に変えたらいいんじゃね?
351名無しさん@ピンキー:2011/11/14(月) 09:02:45.35 ID:t1tcub6q
男体化やブサイク化というジャンルもあるにはあるが自分になられても…
自分の顔や声で、仕草だけ女なカマっぽい姿を見せつけられるとか、
ヘタすりゃ変化した本人よりこちらの方がダメージ大きくてこれなんて精神的ブラクラw
352名無しさん@ピンキー:2011/11/14(月) 11:56:49.94 ID:Lj+6ZCzZ
ヒロイン醜化改造とかもっと広まればいいのに
353名無しさん@ピンキー:2011/11/14(月) 13:27:25.88 ID:GuWBN6mI
風祭の土人変化とかツボ
354名無しさん@ピンキー:2011/11/14(月) 16:31:30.61 ID:hHn7qo/j
某文庫と某鏡以外にそういうとこあったっけ
355名無しさん@ピンキー:2011/11/15(火) 07:51:43.92 ID:HKIJ666n
某鏡ってなに?知らないんだけど
356名無しさん@ピンキー:2011/11/16(水) 16:13:03.72 ID:348b8+cX
へんなかがみってそこそこ有名じゃないんか
357名無しさん@ピンキー:2011/11/16(水) 16:59:52.54 ID:nElJWPOg
そもそも異形化系サイトのリンク辿っていけばそれほど見つけるの難しくも無いのに
聞く方も聞く方なら答える方も答える方だわ…
サイト名晒すとか…せめてヒントにとどめとけよ
358名無しさん@ピンキー:2011/11/16(水) 18:15:14.72 ID:2Pl7lI9j
接続人数制限でもしてるの?
359名無しさん@ピンキー:2011/11/17(木) 04:45:54.87 ID:GrTASbVs
そういう細かいこと言う人ってモテなさそう・・・
360名無しさん@ピンキー:2011/11/17(木) 05:06:58.41 ID:AfjeNYBw
人が増えたせいで何かトラブルが起きて閉鎖ってのは昔よくあったパターンだから
こういう慣例にも一応意味がある
361名無しさん@ピンキー:2011/11/20(日) 15:48:54.90 ID:Ek8EBhYk
同じ異形化でもロボット化とナマモノ化で結構趣味分かれるよな
362名無しさん@ピンキー:2011/11/21(月) 17:28:10.00 ID:iKJ6va0y
ロボットは専スレがあったような
363名無しさん@ピンキー:2011/12/01(木) 00:55:37.79 ID:iyL+6SvJ
     ハ△ハ
   〜( ゚ω゚) お〜
  〜 (∪ ∪
   〜 )_ノ           (・ω・`;) こっち来んなよー
                   ( O┬O
              ε≡ ◎-ヽJ┴◎ キコキコ


                           ハ△ハ
                         〜(  ゚(;´>д<) ハァハァ
                        〜  (∪( O┬O
                        ニ  ◎-ヽJ┴◎ キコ…

                             グググ
                             _,ハ''''';
                             ( ゚ω・) うぅ・・・ぉお
                             ( O┬O
                           ◎-ヽJ┴◎

                                              ハ,,ハ
                                         ( ゚ω゚) お断りします
                                         ( O┬O
                                  ε≡ニ ◎-ヽJ┴◎ キコキコ
364名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 02:19:59.84 ID:nsnZHV1H
>>363
不覚にも勃起した
365名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 11:04:32.45 ID:WDXJM2dG
身体操作の主導権は取り憑いた側にあるけど、取り憑かれた側の意識も残ってて
変わり果てた自分の体が勝手に動くのをなすすべなく見せつけられ続けるとかいいよね

それでいて感覚も残ってて、体がエロいことするたび嫌なのに感じてしまうとかだとなお良し
366maledict ◆sOlCVh8kZw :2011/12/10(土) 16:58:38.67 ID:KUgNsP9j
ご無沙汰しています。5スレ目が立ったことを最近まで認識していませんでした。
投下できるSSが書けたらまた投下したいと思っています。

それと、宣伝ですが、このスレ出身の職人の方がまとめたTFアンソロジーに、
昨年夏に続き書かせて頂きました。冬コミ三日目に出店し頒布予定だそうです。
氏の紹介サイトのリンクを貼ろうとしたのですが、少し上のやりとりを見て、
ちょっと不安になったので、とりあえず当方のサイト(>>1にもリンク有り)の
リンク貼っておきます。そちらのトップのリンクで詳細はわかります。
ttp://book.geocities.jp/maledictarum/
…逆に、アンソロに便乗して自サイトの宣伝に来たみたいで、恐縮です。
367maledict ◆sOlCVh8kZw :2011/12/10(土) 21:38:05.01 ID:KUgNsP9j
>>366ですが、主催者のclown氏(「rained mantle」他の著者の方)に
問い合わせたところ、別に構わないそうなので、告知サイトのリンクを改めて
ttp://n-ap.com/tf/off-line/index.html#TFfes
他に例えば「ベルゼブブの娘」の著者の方も参加します。
通信頒布の予定もあるそうです。

…宣伝に2レスもすみません。


>>363様, >>364
2-3コマ目のシークエンスもいい感じですが、
>>365様の状況を想定すれば4コマ目も、
また2-4コマ目の帰結を知った上で逃げまどっているとすれば1コマ目も、
興奮できますね(その部分をねっとりした描写で詳しく敷衍したりとか、好みです)
368名無しさん@ピンキー:2011/12/31(土) 18:16:58.19 ID:h50uMtay
かそあげ
369名無しさん@ピンキー:2012/01/01(日) 08:30:35.55 ID:KBa757//
>>366
買えましたおつでした
辰でなにか考えようかな
370名無しさん@ピンキー:2012/01/03(火) 23:56:06.61 ID:BLvV6jfA
自分的には獣から虫、とりつきや融合、入れ替えに異形までいける

gjなssこないかなぁ
371名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 23:24:36.25 ID:4DZON0b4
ネタは思いつくのに、どうしても起承までしか考えられずに
落ちが思いつかないから困る。そろそろ何か書きたいんだけどなぁ
372名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 07:13:08.70 ID:Ch3n/6LH
>>371
逆に、こういう所だとネタッつーかその魅せ場だけでも良いんじゃね?
あんまり序盤からだらだら書かれて途中で力尽きられてもなんだし、
かといってネタだけ箇条書きで書いて「誰か形にして書け」ってのも困るけど。
373名無しさん@ピンキー:2012/01/08(日) 22:49:05.11 ID:6D/fIKI9
見せ場だけでいいよ、導入からなかなか本題に入れず終わるのとかもうね・・・
374名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 14:01:01.78 ID:+LwgUBUx
ほす

爬虫類
ケモノ
TF

三刀流の奴っている?俺みたいな
375名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 19:30:02.58 ID:N27+Ljkb
余裕
376名無しさん@ピンキー:2012/01/09(月) 19:40:16.00 ID:QBX+fDmr
むしろ基本
377maledict ◆sOlCVh8kZw :2012/01/17(火) 17:55:54.97 ID:x0LfdBvN
>>369
遅れましたがありがとうございます。早々に完売したそうです。
感想等頂けると執筆者大喜びかと思います
辰SSも書けましたら是非是非

>>371
TFが描けた時点で目標は達せられたわけで、ことさらにオチは不要では、
と自分も思いました。
378名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 14:01:27.16 ID:IVwqV1NA
「あんたたち、おにあいのカップルだよ。」
 おにあいと言われ、彼女のほうは悪い気はしない。彼氏も勿論だ。彼氏は最高の
彼女を手に入れつつあったのだから。そこは、川の橋の下だった。
 だが、そのカップルは人間ではなかった。犬の連れ合いである。雄はたくましい
筋肉質な体躯、グレーの体毛を持つ柴犬だ。彼は街の野良犬たちのボスである。そして
雌は赤毛の、正確にはピンク色の体毛、垂れた両耳は真紅な愛くるしいアメリカン
コッカスパニエルに似た犬だった。
 その雌はただのコッカスパニエルではない。人間の少女、渡メルモが天国の母親から
贈られたミラクルキャンディーにより犬に変身した姿である。キャンディーは彼女を
外見のみならず、その中身、人間としての精神をブレンドした独特のフェロモンを
放つ魅力的な雌犬に変身させた。顔は美しい。人間だった時のメルモは、本来の少女
の姿は体型はずん胴だがかなりの美少女で、大人に変身した彼女はスタイルのよい絶世の美女となり、
男を虜にしたが、犬に変身した彼女の顔はその面影を残していた。もしも、渡メルモが初めから犬として
この世に生を受けていれば、きっとこのような姿だっただろう、思わせる美しい顔だった。垂れた耳は
まるで美女の髪のようだ。
 雄もただの柴犬ではなかった。本来は生後数か月の子犬なのだが、大人の野犬に苛め
られるのを不憫に思ったメルモによって、青いキャンディを食べさせられ成犬に変身
したのだ。キャンディーによって逞しい身体と知恵を得た彼はたちまち野犬のボスと
なった。それだけでなく逆に弱い犬達をいじめるようになったのだ。彼の名はビリケン。
ビリケンを元の子犬に戻そうとしたメルモだが、彼は拒否した。性的にも雄として
成熟したビリケンは、赤と青の食べあわせで美しいコッカスパニエルに変身した
メルモに求愛をした。その後色々なことがあり、最初はビリケンを相手にしなかったメルモも雌としての本能で
発情をしていたこともあり、たくましい柴犬に惹かれつつあった。
 並んで座るメルモとビリケン。ビリケンはメルモの垂れた右の耳を長い舌で舐めた。
「クウウウウウウン!」
 甘い雌犬の声が流れる。そこはメルモが感じやすい場所だった。ビリケンは得意になり、
愛撫を続ける。メルモは嫌がるそぶりを見せずに彼に甘える。ビリケンの母ララはそんな二匹をお似合いだと言ったのだ。
 ビリケンもララもメルモが人間だとは夢にも思わず、美しいだけでなく知恵がある
彼女を家族の一員として迎え入れたいと考えていた。
 人間としてのメルモは二人の弟を親代わりに育てていたが、犬としてもメルモはビリケン
とララの愛に守られていた。ここちよい、愛の視線に見守られたメルモは初めて犬に変身した時のことを思い出していた。

379名無しさん@ピンキー:2012/01/19(木) 15:13:37.92 ID:IVwqV1NA
たくさんの土管が並んだ空き地、そこは街の下水道整備事業の拠点なのだが、
大人の事情で工事は中断し、いまは子供たちの格好の遊び場となっていた。
 その日は腕白な子供たちの姿はなく、野犬たちが五匹いて、小さな子犬を
追いかけまわしていた。
「まあ、あんなにちいさな子をいじめてかわいそうに。」
 学校の帰り道、一人で歩いていた愛らしい少女渡メルモだった。子犬がいじめら
れているのは何回かみていた。子供としての正義感で何とかしてやりたいと思ったメルモ。
「そうだ、わたしにはミラクルキャンディーがある。これであの子をおおきく
してあげよう。」
 メルモは得意になって、子犬に近寄ろうとするが人間を警戒する子犬は少女に吠えた。
「キャンキャン!」
「そっか、人間がこわいのね。」
 子犬から離れ、メルモは空き地の端っこ、高い草が生えているところに身を隠した。
「わたしが犬になってキャンディーをわたせばいいんだわ、メルモあたまいいわ。」

 ランドセルを地面に置き、中からミラクルキャンディの瓶を取り出したメルモは
赤いキャンディー、青いキャンディーを手のひらに踊らせた。
「赤いのを一つ、青いほうをひとかけら、これで犬にへんしんできるわ。」
 青いキャンディーを一かけらにしてから二つのキャンディ―を口入れたメルモは
光に包まれ、赤いキャンディーの効果で淡い快感とともに若返りはじめた。
「あぁああ」
 小さな声を上げながら、メルモは犬になりますようにと心で念じた。
 9歳の少女の身体は、5歳くらいの幼女になり、たちまち赤ん坊になる。メルモ
の視界が真っ白になった。一粒で10歳若返る赤いキャンディーの効果はここまで
のはずだったが、犬に変身したいという願いによって胎児になり、さらには受精卵に
までなった。受精卵のDNAの配列が人間から犬へと書き換えられる。
 青いキャンディー一かけらの効果で、光に包まれ受精卵は成長をはじめた。それは
急速に細胞分裂を繰り返し、魚のような形となった。やがて四本の小さな足が現れ、
頭からは耳が生え、徐々に赤い体毛も現れて犬らしい形となっていく。
 光が作る疑似胎内でメルモは犬の胎児として成長を続け、やがて人間だった時に身
に着けていた青いブラウスの上で四本の足で立ち、子犬から育ち盛りの雌犬へと成長
を続ける。光が消えると、そこには愛くるしい赤毛のコッカスパニエル似の雌犬に
変身したメルモが尻尾を振って舌を出して立っていた。
 前足を一歩前に踏み出し、変身した自分の姿を確かめる。
「クウウウン!(へんしんできたわ。)」
 人間の言葉を話したつもりが、それは犬の物だった。視界は低く、ぼんやりして
いる。広がる光景はセピア色だった。なにより人間以上の嗅覚があらゆるものの臭いを
捉えて脳に達する。最初は犬の五感に戸惑ったメルモだが、二三分もすればすぐに馴染んだ。
はじめての犬への変身。後にその体で様々な冒険をするのだがそんなことは知らない
メルモだった。

380名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 02:08:35.12 ID:H0mj9GOy
>378-379
乙です!受精卵から犬の体に成長していく描写がいいね
381名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 12:12:39.71 ID:cfuNsEKZ
それは少女が夢見ていた不思議な世界
 山奥の深い秋の森を、一匹の牝鹿が駆けていた。年齢は三歳くらいだろうか。
人間でいえば20歳前後に相当するその牝鹿はとても美しかった。
 ぶどう色の瞳はよく見るととても澄んでいて優しく、知的な感じがした。ピンと
伸びた可愛い両耳は外敵を警戒し、ピクピク動いている。首から尻までのボディ
ラインはしなやか且つ筋肉質であり、大きな尻は丈夫な仔鹿を産めること
を牡鹿にアピールする。上下、左右に尻尾が可愛く動いていた。四本の足は
スラリと長く肩までの長さは他の雌より高い。何より、そのアーモンド色の
体毛は毛並みがとても美しい。模様がないのは、今が鹿達の繁殖期の証しだ。
 その美しい牝鹿は人間の少女、渡メルモが天国の母親から贈られたミラクル
キャンディーで変身した姿である。キャンディーは彼女に他の牝鹿達、
生まれながらの鹿達以上に、丈夫で体格の良い、美しい身体を与えたのだ。
 その牝鹿、いやメルモはふと立ち止まり、後ろを警戒する。ハンターと
その猟犬たちをなんとかやり過ごしたメルモだった。つぎに前方を見る。
 外敵を警戒しつつ、彼女は一匹の牡鹿を探していた。
 危険を冒して鹿に変身した理由は、森を訪れていたメルモを命の危機から
救ってくれた牡鹿に「お礼」をしたかったこと。連れ合いをハンタ―に殺さ
れた彼を慰めたかったこと。そして、多くのハンター達から狙われている
ことを伝え森の奥深くへ逃げるよう諭したかったからである。
「チュイイイイイイイイン(どこにいるの)!」
 牝鹿の甘く甲高い声が森に響くのだった。

「ミイイイイイ!フウウウウウ!」
 森のさらに奥深くから、牡鹿の声が聞こえてきた。
(あのひとだわ!)
 可愛らしい耳がピクンと動き、鼻が牡鹿の放つ体臭を嗅ぎ分ける。美しい
牝鹿は再び駆けだした。
382名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 12:14:54.86 ID:cfuNsEKZ
 人間の尺度で500メートル程走ったところでメルモは一匹の牡鹿を見つけた。
黒い瞳は力強い意思と知恵を感じさせた。雄の象徴の角は三又に別れ、太く長い。
その角からハンターたちからは彼は「オオツノ」と呼ばれていた。
 グレーの体毛を持つボディは筋肉質で、太いが長い四本の足がその素晴らしい
体躯を支えていた。
 オオツノは山手のほうへ歩いていたが、近づいてくる牝鹿に気がつくと足を
止め、顔は下のほうへと向いていた。
 駆け続けたメルモは会いたかった牡鹿のオオツノに出会えてうれしく小躍りしながら
彼のもとに踊り出た。顔を一瞬後ろへ反らせた後、オオツノを見つめたメルモ。すると
身体の深奥、腰の奥深くでポッと明かりが灯った。
(え、なんなの?)
 戸惑ったメルモは一瞬目を閉じた。つぎに瞼が開いた時、メルモは牡鹿の力強い
視線に釘付けととなった。大きな尻が左右に揺れる。次に立派な角に見とれた。
角は牡鹿の象徴、繁殖期の雌達は、交尾の相手を決める際、まず角を見ると言う。
 筋肉質な体躯とそこから発せられる臭い、「人間だった時の」メルモには獣くさい
その臭いは、鼻から脳へと流れ、雌としての種族保護本能を刺激する。変身した目的
など忘れ、一匹の繁殖期の牝鹿として、メルモは目の前の牡鹿に魅せられていた。
 オオツノも同じように他の雌とは明らかに違うフェロモンを放つメルモに惹かれたよう
で首を後ろにそらし、前足を交互に上下させる。それは雄の雌への愛のアピールだ。
 二匹は一瞬で恋に落ちた。熱い口づけを交わす一組の鹿のカップルが森の風景
に溶け込んでいた。
 それは少女が夢見ていた不思議な世界だった。数日前、人間だった時のメルモ
は夢の中で牝鹿に変身し、牡鹿と恋に落ちる夢を見た。その夢のとおり、
今、メルモは鹿に生まれ変わり、逞しい牡鹿と出会ったのだ。
 デジャブを感じながら、鹿に生まれ変わったメルモはオオツノとのキスに
酔った。キスの後、オオツノはメルモの美しい姿態を毛繕いした。お返しにメルモも
オオツノを毛繕いしてやり、身体を寄せつけたりもした。暖かい体温、鼓動が伝わってくる。
このひと時、自分が本来は人間だったことを忘れていた。オオツノに
助けられた時の記憶も頭をよぎっていたが、その時の自分の姿は鹿に置き換わり
、彼の連れ合いが殺されたシーンもその時そばにいた己の姿はやはり鹿の姿だった。
383名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 12:17:52.26 ID:cfuNsEKZ
>>380 ありがとうございます。メルモちゃんが鹿に変身するバージョンも
投下します。アニメのOPから発想したものです。たくましい牡鹿と恋に
落ちたメルモちゃんはやがて・・・・・
384名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 13:41:47.43 ID:Nlmyb6eV
犬はどうなったんだ
385名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 14:10:52.55 ID:f2A592n/
続きはないのですか
読みたいです
386名無しさん@ピンキー:2012/01/20(金) 23:58:30.61 ID:cfuNsEKZ
>>379
 メルモは青いキャンディー一つを口に含ませて歩きだした。子犬を大きくするために。
 子犬はビリケンと言う名で、一時間と言う約束で成犬にしてやった。
「ひゃっほー、これが俺かい!すげえや。」
 ビリケンは大喜びで街を駆けて行った。メルモは優しい眼で彼を見つめる。
(わたし、いいことをしたわ!)
 それから毎日、メルモは放課後に空き地に来てビリケンを成犬にした。彼は今まで
己を苛めていた野犬たちを子分とし、街の野犬の群れのボスとなった。
 最初は1時間の約束を守っていたビリケンだが、一々もとに戻る面倒くささに
拒絶するようになった。本来の子犬をの姿でいるのがバカバカしくなったのだ。

 それは、メルモがビリケンにキャンディーを与えた五日目、金曜日の午後だった。
「さあ、ビリケン、もとにもどりましょう。」
 ビリケンはメルモの言葉を無視し、彼女の美しい姿態を舐めまわすように見つめた後、
前足を撫ではじめた。
「ちょっと、何をするのよ。」
 メルモは拒絶した。
「おまえさあ、おれの連れ合いになれよ。」
「はああ?」
「大事にするぜえ!縄張りは俺たちのもんだ。おまえはおれの子供を産むんだ。」
 大人の犬になり、強い力を得てビリケンは群れのボスとなった。次に欲しいのは
丈夫な子犬を産む連れ合いだ。それもとびっきり色っぽい雌を彼は欲した。目の前に
いる赤毛の愛くるしいコッカスパニエルのメルモは、ボス犬となったビリケンにふさわしい雌だった。
「なあ、俺は絶対お前を守ってやる。いいだろう!」
 ビリケンはメルモの前足、マズル、背中を舐めまわした。独特のフェロモンを放つ
犬のメルモは、野犬、飼い犬を問わず雄犬達を虜にしつつあった。川の向こうの隣町の
犬のボスはメルモを狙い、ビリケンの縄張りに侵入し始めた。また、人間たちは美しい
毛並みを持つコッカスパニエルが首輪も付けず、「野良犬」でいることを不審に思い
はじめていた。メルモ自身は気が付いていなかったが、ビリケンはそんな彼女を守って
やりたいと考えていたのだ。雄としての欲望だけではないのだった。
 一方、求愛されたメルモは戸惑った。ついこの前まで弱弱しい子犬だった彼が、犬としては
大人にちかい自分に言いよるのが可笑しかったし、本当は自分が人間だというプライドもあった。
人間である以上、犬たちをやはりどこかで見下していた。今の自分は、
犬としての自分はあくまで仮の姿なのだから。
 ビリケンの愛撫は続く。じっと耐えていたメルモだが、前足で左前足で制止した。
「ちょっと、やめて!わたし、なめられるのいやなの!」
 ビリケンはひるむことなく舌で舐め続け、それはやがて垂れた左耳に達した。
「クウウウウウウン!」
 甲高い甘い声が空き地に広がった。淡い快楽の電流が、垂れた真っ赤な耳から全身
に流れたのだ。ビリケンはしめたとばかりに耳への愛撫を続けた。そこはコッカスパニ
エルに変身した少女にとってとても感じるスポットの一つだったのだ。
(やだ、わたし、どうしちゃったんだろう。)
 メルモの身体は硬直し、たくましい柴犬の愛撫に身を任せた。俺と一緒になろうという
彼の言葉が頭の中を反芻する。毎日夕方だけだが数時間雌犬に変身しつづけたメルモは
雌犬として心が芽生え始め、身体は種族保護本能にしたがって発情を始めたのだ。
 トロンとした目で、赤毛の愛らしいコッカスパニエルは、野犬のボスの逞しい体躯を
見つめるのだった。
387名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 01:24:02.98 ID:Hh/q/QIl
>>382
メルモは後見役でもあるワレガラス医師と秋の山にやってきていた。二人の
弟たちを親代わりに育てるメルモに気晴らしさせるべく、○○県山の奥村に紅葉
狩りにきたのだ。
 山で道に迷った二人は嵐にあう。偶然出会ったハンターの遠山とともに、山を
降りようとするが、道を阻まれ、秋の雨に打たれた三人の身体は体温が低下し、
命の危機を迎えてしまった。
 そんな時、三人の前に逞しい牡鹿のオオツノが現れた。オオツノは人間たちを
小さな洞穴へと導いた。そこには鹿や猿の群れ、猪のつがい達がいてお互いに
身を寄せ、温めあって嵐がやむのを待っていたのだ。
 彼らは哀れな人間たちを黙って受けいれた。メルモはオオツノの温かい身体に
寄り添い、冷え切った身体を温めた。この時もメルモはデジャブを感じた。
(夢に出てきた鹿さんだわ。)
 ハンターの遠山から牡鹿がオオツノと呼ばれ、ハンター達から畏怖の対象である
事を聞いた。彼はハンター達の手口を覚え、あらゆる(鹿達にとっての)危機を
乗り越えてきたという。また、最近は人里に下り、畑を荒らすこともあるらしい。
 オオツノは寄り添ってくる人間の少女のメルモを優しくも力強い瞳で見つめ受け
入れた。少し獣臭いのが気になったが、冷え切った身体は暖かい身体、体毛で
どんどん暖かくなってくる。逞しい牡鹿に持たれてメルモは眠った。メルモと
オオツノ、運命的な出会いであった。

 嵐が去り、動物達は洞穴を出た。体力を回復したメルモら人間達も続いた。鹿の群れは
牡鹿のオオツノ、牝鹿が五匹、仔鹿が三匹だ。群れを率い緩やかな斜面を上がって
行くオオツノにメルモは手を振った。
「ありがとう!オオツノさーん!」
 少女の可憐な声にオオツノは立ち止まって振り返った。
「ミイイイイイ!フウウウウウウン!」
 牡鹿が吠えた。メルモを愛おしむかのような遠吠えに群れの牝鹿の一匹が
嫉妬したのか、オオツノに身体を寄せ、メルモのほうを睨んだ。その時、ダー
ンと銃声が響き、その牝鹿が額を撃ち抜かれて倒れた。
 遠山が絶好の機会とばかりオオツノを狙ったのだが、彼の連れ合いに当たったのだ。
 鹿の群れは一目散に逃げた。メルモは驚き、ハンターの遠山に怒りをぶちまけた。
「ひどいわ!鹿さんたちは私たちをたすけてくれたのよ!」
 100メートル程駆けのぼってから、オオツノは立ち止まって振り返り、悲しい声
を上げた。
 
388名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 01:27:57.17 ID:Hh/q/QIl
 麓の温泉街に宿を取ったワレガラスとメルモ。遠山が経営する旅館に泊まったの
だが、そのロビーには熊、猪、そして鹿の剥製が並べられていた。
 遠山は昼間の事をメルモに謝ったが、少女の怒りは収まらず、悲しみは癒えなかった。
(あのオオツノさんはもっとかなしんでいるわ。なぐさめてあげたい!)
 夜、ワレガラスの鼾で眠れないメルモは布団の中で考えていた。それと、数日
前の夢にあのオオツノなる牡鹿がでてきたことに、まだ、子供のメルモだが本能的に
なにか運命的なものを感じていたのだ。
 
 翌朝、早くにメルモは一人で旅館を出た。山に入って行った牡鹿のオオツノに
出会うために。
「鹿に変身しよう!そしてオオツノさんをなぐさめよう!たすけてくれたお礼も
しなくっちゃね。」
 子供的な正義感がメルモを突き動かしていた。
 都会っ子のメルモにとって、山の森は険しかった。昨日の嵐で地面は湿り、所々
ぬかるんでいて、赤い靴、白いソックスは泥だらけだった
 メルモは青いキャンディーを一つ食べ、セクシーな大人の美女に変身した。
足が長い大人の姿のほうが、早く移動できるからだ。山の奥には不釣り合いなスタイルの
良い、けれど子供の服を着た美女が紅葉の美しい森の中をさ迷っていた。足元の
悪い道なき道を、大きな胸をプルルンと揺らしながら。
 小さな谷で、メルモは座り込んでいた。鹿には一匹も出会わなかった。
「変だわ。鹿なんていない。何処に行けば会えるのかしら?」
艶のある声が谷に響いたあと、遠くで鹿の声が聞こえた。その声にメルモの心は
キュンと鳴り、豊かな乳房の頂は隆起し、スカートに守られた花芯はジュッと濡れた。
モデルのように美しい美女は、ミラクルキャンディーの瓶を取り出した。ここで変身することに決めた。
「赤いキャンディーを二つ、青いほうを一かけら、鹿に変身しますように!」
 キャンディ―は白い掌を踊り、口に入り、赤、青と順番に噛み砕かれた。全身をまばゆい光が包み、美女は
本来の姿へと若返りはじめた。さらに少女から幼女に、赤ん坊へと。身に着けていた衣服は地面に落ち、その上
で光に包まれた赤ん坊はさらに胎児となり、やがて受精卵になった。メルモの意思に従いDNAの配列は人間から
鹿に変えられた。卵は鹿として成長を始めた。
389名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 01:39:49.75 ID:Hh/q/QIl
 ミラクルキャンディーが作り出した光、エネルギーフィールドは人間の少女が
若返った受精卵を優しく包んだ。光は結界を作り、外界とは違う時間の流れの中で
卵は宙に浮き、ニホンジカとして成長を始めた。細胞分裂を繰り返し、魚のような
形となった後、尾は消え、二本ずつの手足、ではなく四本の足が生えてきた。足には
指のかわりに蹄ができ、顔にはマズルが形作られ、耳がピンと上に伸びはじめた。体毛
が生え、小さな尻尾も伸び出てきた。
 メルモはキャンディーのパワーが作った疑似胎内ともいえるエネルギーフィールド
の中で鹿として生まれ変わりつつあった。愛くるしい仔鹿のメルモは光に守られながら
地上に降りた。ふらつきながら四本の足で立った仔鹿は一瞬、母親の乳を探すような
しぐさをしたが、どんどん成長をし、やがてアーモンド色の体毛を持つ、美しい牝鹿に
なったところでエネルギーフィールドから解放された。
 牝鹿への変身を終えたメルモは瞼を開けた。ぶどう色の瞳が森をとらえた。人間と
は違う広い視野、緑と紅葉の入り混じった森はセピア色に映り、木々は平面的に
映った。その視界に違和感を覚えたが一瞬のことだった。
可愛らしい両耳はピクピク動き、早速外敵を警戒しはじめた。細長い脚はしまりの
ある身体を支え、先端の蹄は、メルモが「人間だった時に」身に着けていたブラウス、
スカートを踏みつけていた。牡鹿を魅了するであろう大きく形のよい尻は早速左右に
振れ始め、小さな尻尾も同じようにダンスを踊っていた。
 森の様々な臭いが鼻から脳へと飛び込んでくると、首を後ろにそらし、その後、首を
左に曲げ。毛繕いしながら自分の新しい身体を確かめるのだった。
(へんしんできたわ。ほんとうにキャンディーってすごい!)
 メルモは自分が衣服を踏みつけていることに気がついた。そばにキャンディーの
瓶が転がっている。服を口で咥え、草むらの中に隠した。スカートや下着、靴下
靴も同じように。続けてミラクルキャンディーの瓶をまじまじと見つめた。
(これがもしなくなったら、わたしはにんげんにはもどれなくなる。ちゃんとかくさ
なければね。あなでもほろうかしら?)
 メルモはキャンディーの瓶を咥えた。赤と青の沢山のキャンディーがカラカラと音
を立てる。僅かに差し込む日光が当たり、瓶がキラリと光った。
 その時、鼻がピクっと動き、右耳もピクンと動いた。嗅覚と聴覚が何かを捉えた。
(にんげんだわ!これはにんげんのにおい!それとイヌもいる!)
390名無しさん@ピンキー:2012/01/21(土) 01:47:06.70 ID:Hh/q/QIl
 人間を、鹿に生まれ変わったばかりのメルモは敵の接近と認識した。今や美しい
牝鹿の彼女にとって人間は自分とは違う異形の種族だ。
 メルモが振り返った瞬間、ポッと光る物が見えた。同時にダーーーンと音がした。
それは、人間、しかもハンターが放った猟銃の弾丸だった。弾はキャンディーの
瓶に当たり、瓶は牝鹿の口から弾け飛んだ。
(いけない!だいじなキャンディーが!)
 もし無くなればメルモが人間に戻れなくなる大切なキャンディーの瓶は、割れは
しなかったが谷の下へと落ちて行く。それを拾おうと思ったが、鹿としての本能は
ここから一目散に逃げることを命じた。受精卵から完全に生まれ変わったメルモ
は精神は「まだ」人間とはいえ、鹿の本能、習性からは逃れられないのだ。
 左目は落ちて行く瓶を捉えながら、同時に前方の逃げ道を探し、右目はハンターの
いる方向を警戒しつつ、前方を見る。後ろ足に力を入れ、メルモは飛びあがり、谷の下
へと駆けおりた。変身して初めて四本の足で駆けるが何の違和感もない。
(キャンディーはあとでとりにくればいい!いまはにげないと!)
 ハンターの再び放った弾が右耳を、尻尾をかすめた。傾斜している地面は
ぬかるんでいたが、メルモの長くスラリとした四本の足は難なく駆けおりて行く。
(すごい!にんげんだったときはあんなにあるきにくかったのに!)
 谷底まで降りた牝鹿は、水の中をバシャバシャと走った後、向こう側の斜面を駆け
上っていったが、ハンターにとっては格好の的となってしまった。
 ハンターは狙いを定め、引き金を引いたがすばしっこい牝鹿には当たらない。
牝鹿は斜面を登りきった後で立ち止まり、ハンターのほうに振り返ったが森の中へと消えた。
ハンターは、三匹の猟犬を放ち、牝鹿を追いかけさせた。
「あれ程美しい牝鹿はみたことがないな。この遠山様が絶対に仕留めてみせるさ。」
 鹿に変身したメルモは、オオツノに会う前にハンターの遠山と猟犬の獲物となった。
勿論、遠山は人間の少女が変身した姿だとは夢にも思わない。
 
 緑と紅葉が調和した美しい森の中を、哀れな牝鹿が三匹の猟犬に追われ駆けていた。
人間の少女、渡メルモが変身した姿であるその美しい牝鹿は恐怖で涙を流しながら
全力で逃げるが、三匹の猟犬、柴犬たちは獲物に追いつきつつあった。
 美しい紅葉など目には入らない。入ったところで今のメルモに色の違いなど
認識できない。黒い柴犬がメルモの右後ろ足に飛びかかったが、反射的に蹴りあげ
キャインという悲鳴とともにレースから脱落した。次に茶色の柴犬はメルモの
背中に飛び乗ったが、すぐに振り落とした。白い柴犬は数メートルの距離を保ちながら
追いかけ続けてくる。
(なんとかにげられそうだわ。こんなところで、こんなすがたでしにたくない!)
 メルモの脳裏に、泊まっていた遠山旅館のロビーに飾られた鹿の剥製が浮かんだ。
(いやよ!いやいや!はくせいなんかにされてたまるものですか。)
 走り続け、集中力が切れてきたメルモを悲劇が襲った。
「ピャ!チュイイイイン!」
 甲高い牝鹿の悲鳴が響く。鹿や猪一匹分くらいの大きさの落とし穴だった。前両
足が、落ち葉でカムフラージュされた穴に落ち、前につんのめった後、頭と背中が穴
の壁に叩きつけられた。ドサッと音がし、メルモは穴の中に倒れこんだ。猟犬達から
ほぼ逃げ切れたと思ったメルモだが、実は罠に追い込まれていたのだ。
「ワンワン!ウオン!」
 白の柴犬が穴の上から追い込んだ獲物に吠える。程なく、黒色、茶色も穴のそばに
辿り着いた。気を失い、倒れ込んだメルモを見下ろす。
「ワオオオオオオオオオン!オンオン!」
 三匹はそろって勝利の雄叫びをあげた。そのあと、ボスらしい白色は今走って
きた方向、つまり主人たるハンターのいる方向に吠えた。
「アオオオオオオオン!オンオン!」
 白い柴犬の声でメルモは意識を取り戻した。背中に痛みが走るが力を振り絞って
たちあがる。幸い骨折はしていない。立ちあがったメルモに三匹の猟犬は
上からワンワンと吠え続けた。
391名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 00:13:58.37 ID:y71Pxdin
>>385
どっちを?
392名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 10:41:05.98 ID:R1gqZ6Mm
同時に2作品バラバラに投稿されると、混乱するな
393371:2012/01/23(月) 00:16:32.64 ID:9XYmaVn1
とりあえず、思いついたネタで適当にSS書いてみたけど
ちょっと待ったほうが良さげだなぁ
ごちゃごちゃしそうだし
394名無しさん@ピンキー:2012/01/23(月) 00:19:21.28 ID:nx65sKcT
>>393
まってる
395371:2012/01/24(火) 23:08:56.83 ID:vj6dIryZ
特に反応も無かったので投下します
396蟲毒:2012/01/24(火) 23:12:46.48 ID:vj6dIryZ
「今から、あなたたちに殺し合いをしてもらいます。」

これが、HRで突如先生が言った言葉だった。
はじめは誰も本気にしなかった、もちろん私もそうだった
今更バトルロワイヤルでも見たんですか?wとかと教室内は笑いにつつまれたぐらいだ
しかし私たちの反応をよそに、先生は話を続けた

「すまない、説明が足りなかったな。お前らは蟲毒というものを知っているか?」

誰も反応はしない、私も漫画の知識で知ってはいたがわざわざ反応するのも恥ずかしいので黙っていた。
だが誰か答えるまでこのままの状態が続きそうだと悟ったのか私の友達でクラスの学級委員をやっている黒田マナカが手を上げた。


「たしか、古代中国で行われていた呪術で、壷に毒をもった蟲をたくさん入れて戦わせる
そして生き残った1匹が、他の蟲の恨みを背負った蟲となり、強力な呪具となるというものでしたよね。」

「だいたい正解だ、ただ少々間違いがある。入れるものは壷でなくてもいい、密閉された空間ならな、例えばこの教室のような
あともう1点は・・・そうだな、この問題を答えた黒田、お前にサービスだ。」

その時である、マナカの体に異変が起こり始めた。

「えっ、えっ何、私の体がなんか変。」

メキメキ、ミシミシ、それはまるで体の中が作り変えられているような音だった、いや作りかえられていた。
彼女の綺麗な黒いストレートの髪が抜け落ちていき、体の至るところに紫色の粒が出来ていた。

「蟲の毒って書くが、実の所蟲以外でも蟲毒は可能なんだよ、それが蛇のような爬虫類でも、毒を持たない犬でも
そして人間でも可能なんだよ。」

その話を聞いた瞬間、皆の顔から血の気が引き、教室のドアから我先にと脱出しようとした。

「なんで、あかねーんだよ!!」
「ここから出してくれよ!!」

「さっき言っただろ、密閉された空間ってな。もうとっくにここには結界が張ってあるよ。誰一人としてここから出ることはできない。
なに、心配するな、お前らもじきに黒田のように変化が始まる。」

私の頭はパニック状態だった、今すぐこの場から逃げたしたいと思う反面、苦しんでいる友人をほってはおけないという思考が入り乱れていた

「マナカ、大丈夫?」

大丈夫なわけが無いのは分かっている、でも混乱した状態で出せる言葉はこのくらいしか無かった。

「ハァハァ、何かどす黒いものが私の中に入ってきているの、お願い逃げて、自分の体を理性で抑えれる自信が無いの。」

近づいて分かった、マナカの皮膚から出ている紫の粒は鱗だった、全身から鱗が生えてきているのだった。
聞いたところで事態が好転するわけも無いのはわかっていたが、私はこの異常な状況を見て聞かざるをえなかった。

「先生、いったいマナカに何をしたの?あなたはいったい何者なの?本当にいつもの先生なの?」

「いつもの先生だよ、ただし外見だけだけどな。彼女にはただ、蟲毒で生き残った生物を融合させてやっただけさ。
俺は呪術師でね、蟲毒で作った生物での呪殺を生業としてきたんだけどな、ある日気づいてしまったんだ。
感情という物が無い、生物の恨みでさえこれだけの力が出るんだ、これを感情豊かな人間でやったらどうなるんだと
そこでこいつの体を奪ってこの教室に侵入したってわけさ、何心配せずとも全員に強力な奴を融合させてやるよ。」
397蟲毒:2012/01/24(火) 23:13:50.22 ID:vj6dIryZ
そして教室の至る所からうめき声と体がきしむ音が聞こえてくる
そしていち早く融合させられてしまっていたマナカの変化は最終局面を迎えようとしていた。
体中に鱗が生えそろうと、全身の骨が砕かれているのかというくらいの、激しい音が鳴り響く
そして体が縦に伸び始め、体の凹凸が全て無くなっていく、いつも気にしていた貧乳も、お尻も
手足でさえ胴体と一体化していく、顔の変化はまるで粘土細工のようだった
一度顔が平べったく潰されたかと思うと、平べったくなった部分は残し、一番上の部分から新たに頭が生えてきた

「キングコブラ・・・。」

マナカは巨大なキングコブラに変化してしまったのだ
そして教室のみんなも変化している、あるものは全身に無数の足が生えそろい、またあるものは巨大な毒針を持った尻尾が生えていた。

そして私にも変化が始まってしまった。
頭に触覚が生え、目が複眼に置き換わり視界が急激に変化する。

「いやぁぁぁぁ・・・ハガァ!!」

叫び声をあげようと口を大きく開けた瞬間、あごが大きくはずれそこから虫の大顎が姿を現した。
変化は顔だけでなく体にも始まった。私の体を突き破り羽と3対目の腕が生えてくる
そして元からあった手と足も、現れた3対目の腕と同じように昆虫のそれへと変化する。
全身が外骨格へと変化していき、お尻の部分が一段と膨らみ、その先に毒針が形成される。
私は広がった視界で自分の姿が見えてくる、できれば見たくないこの姿を
私は人間サイズの蜂へと変化してしまったのだった。


「フフフ・・・、ひとまず全員の変化は終了と、後は誰が生き残るか楽しみですね。」

蟲毒たちの殺し合いが始める前に一人脱出した呪術師の笑い声が鳴り響くのであった。
398嘘次回予告:2012/01/24(火) 23:18:19.75 ID:vj6dIryZ
「お願いやめて、私たち友達じゃない!!」

本能に飲まれ、殺し合いを始める生徒たち

「祭りの場所は、ここかぁ!!!」

激化するバトルロワイヤル

「絶対にこの恨み晴らしてやる!!」

膨れ上がる恨み

「どうやら決着がついたようですね。」

バトルロワイヤルの結末は!?

次回「戦わなければ生き残れない」をお楽しみに
399名無しさん@ピンキー:2012/01/24(火) 23:22:17.62 ID:vj6dIryZ
とりあえず1つの妄想ネタを膨らませてみただけだからこれだけです。
やっぱりネタは思いついても文章にするのは難しい
そしてそれをきれいにまとめるのはもっと難しい
400名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 00:44:00.71 ID:GmPVnSGH
>>390
「ピャ!ケケケケ!(うるさい!あっちへいきなさいよ!)」
 鹿の姿のメルモも負けずに鳴いて抵抗する。犬に変身したこともあるメルモだが、今は
猟犬たちの「言葉」は理解できなかった。だが、犬達がハンターを呼び、猟銃を構えた
彼が近づいてきていることは分かった。
 殺されたオオツノの連れ合いのように、頭を撃ち抜かれ、鉄パイプに四本の足を
縛り付けられて山をおろされていく自分の姿を想像するメルモ。
(いやよ!いやだわ!たすけて、てんごくのママ!)
「チュイイイインチーーーン!」
 人間として10年近く、鹿として数十分生きてきたなかで最悪の恐怖を感じる
メルモは、力なく鳴き、むなしく前足を上下に動かすのだった。
 恐怖の時間が過ぎて行く。ハンターの吹く笛が聞こえた。鹿としてのメルモの最後が
近づいてきた。穴の中で哀れな牝鹿はぐるぐると回る。
(なんとかにげるほうほうがあるはずよ。きっとある!)
 メルモは回るのをやめ、穴の壁を見、続いて上を見た。犬達が唸って見下ろしている。
(そうだ!あのてをつかおう!)
 人間だった時、メルモはクラスメイトの男子に交じって廃工場へ忍びこんで
遊んだことがあった。子供にとっては高い壁を登ったのだが、体格の良い
男子に四つん這いに、踏み台になってもらい侵入したのだ。それを思いだした。
(あいつらにふみだいになってもろおうじゃないの)
 メルモは穴の壁に身体を三度叩きつけ、その後、後ろ足に力を入れてたちあがり、
前足をジタバタさせながら鳴いて猟犬たちを威嚇した。
「ケ、ケ、ケ、ケ!ピャ!ピイイ!(こっちへきなさい!さあ!かかっておいで)」
敵意をむき出しにして叫ぶメルモ。一瞬、人間だった時の二本足で歩いた感覚
が蘇る。さらにメルモは五回、壁に身体をぶつけ、再度立ちあがる。すると黒色の
奴が挑発に耐えきれず唸りだした。メルモは後ろ足をピョンピョンさせ、両前足を
ジタバタさせる。
「ピャ!ゲゲゲゲ!ピイ!(さあ、このよわむし!おりてきなさい!)」
 心の声が聞こえたのか、黒色の猟犬は穴に飛び降りた。メルモはすぐに前足を黒色の背中
に乗せ、さらに後ろ足を乗せてからジャンプした。前足が穴の外の地面にかかった。
白いボスが吠える。踏み台にされたことを怒った黒色の前足がメルモの大きな尻を
かすめた直後、なんとか穴から這い出ることが出来た。すかさず、メルモは白いボス
に頭突きを喰らわせた。やはり、人間だった時、女子をいじめる乱暴な男子にメルモは
頭突きをして仕返しをしたが、それを思いだしたのだ。
401名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 00:49:25.34 ID:GmPVnSGH
「キャインキャイン!」
 白い柴犬、猟犬のボスは鹿のメルモの体重をかけてきた頭突きを受けて悲鳴を上げ
て転げ回った。次に穴の淵で吠えている茶色い奴にもメルモは頭突きをし、穴に突き
落とした。自分も勢いで再び落とし穴の虜になりそうなところだったが、メルモは何
とかこの場を勝利した。
「チュイイイイイン!フィイイイ!」
 牝鹿には似つかわしくない勝利の叫びをあげるメルモ。それは人間の言葉
では現わせない感情だった。空を見上げていたメルモの左耳がピクンと動き、
鼻も同時に鳴った。すぐ近くに人間が迫っていた。興奮していたメルモは身体の
向きを変え、「敵」を観察しようとする。
(ハンターじゃないわね。)
 少し落ち着いてきたメルモに人間的な思考が蘇ってきた。人間は30メートル
程まで近づいていて、何かを手にしていた。カシャカシャっと音がし、それに驚いた
メルモは上の方向に向きを変えて駆けだした。すぐに白い猟犬のボスが追いかける。
(あのおとは、なんだっけ?にんげんだったときにきいたことがあるわ。)
 その音はカメラのシャッターを押す音だった。カメラの持ち主の男は美しい牝鹿を
茫然と見送った。
「なんてきれいな雌鹿だろう!賢そうだし、力もありそうだ。いい写真が撮れた。」

 白いボスは諦めずに牝鹿を追い続ける。逃げ切れない恐怖がメルモの心を襲う。
右目は白い犬と、前方に崖がそびえたっているのを同時に捉えていた。
(もうだめかな?)
いよいよ万事休すかと思ったメルモだが 崖が目前に迫ってもスピードは落ちず、
足を置けるポイントを両目が見つけ、ピョンピョン、ヒョイヒョイと険しい灰色の壁
を細長い脚で駆けあがっていく。
(すごい、こんなことができるなんて!)
 今日変身したばかりだというのに、生まれながらの鹿のように、あるいはそれ以上
の身体能力にメルモは驚きつつも、満足した。自分の意思ではない、鹿として本能
だ。メルモは身も心も鹿になりつつあったのだ。
 崖を登り切ると、牝鹿は身体を止め、崖下で悔しそうに吠える白い猟犬を見下ろ
した。
「ケケケケ!チイイイ!(わるいわね!つかまらないわよ!)」
 そして前足に力を入れて腰を突きだしたあと、元の態勢に戻り、身体をブルッと震
わせてから、身体を毛繕いした。落とし穴に落ちた時に付着した落ち葉や小さな虫等
を払い落すために。
(やああん、からだがよごれちゃったわね。オオツノさんにはずかしくてあえないわ。)
 メルモは負け犬の遠吠えを聞きながら毛繕いを続ける。
(そうだ、わたしはあのひとにあうためにこのすがたになったのだわ。はやくしな
ければね。)
 メルモは大きな尻を左右に振って、犬に別れを告げ、山の森をさらに奥深くへと
姿を消した。
                             >>381 へと続く(戻る)
 
402名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:08:00.05 ID:GmPVnSGH
 >>381 >>382
 熱い口づけを交わす牡鹿と牝鹿が秋の森の風景に溶け込んでいた。この山の
ハンターから畏怖と畏敬の念をこめてオオツノと名付けられた逞しい牡鹿
としなやかなボディラインを持つ美しい牝鹿に変身した人間の少女渡メルモ、
種族を超えた夫婦が今、誕生しようとしていた。
 種族を超えたとは言っても、今のメルモはミラクルキャンディーの力で生物学的に
完全なニホンジカの雌に変身しており、DNAに人間として10年近く生きてきた証拠
はない。異種族同士の恋とは言えないかもしれなかった。
 完全に鹿に変身しているがゆえに、その中身、精神は人間でも牝鹿としての
本能が徐々に彼女を変えていくのは仕方のないことだった。森は赤い紅葉に包まれ
つつある。それは鹿達の恋の季節、繁殖期の雌として、メルモは雄を誘うフェロモン
を膣から放ちはじめていた。
 キャンディーはメルモを、美しく体格の良い丈夫な身体を、雄たちを魅了する
身体を与えた。子供とはいえ、人間としての精神がブレンドされたフェロモンは
牡鹿をメルモの虜にした。
 何度目かのキスを終え、二匹は互いを見つめ合った。
「やん!どうしてじっとみるの?」
 メルモは鹿の言葉、人間には聞こえないささやきのようなもので語った。鹿達
は人間にも聞こえる鳴き声、鹿同士のみに聞こえる囁き、そしてテレパシーの
ようなものでコミュニケーションを取り合っている。
「おまえはきれいだ。おまえほどうつくしいメスはみたことがない。」
「うふ、ありがとう。わたしもあなたのようなオスにあえてうれしいわ。」
 オオツノの立派な角がメルモを魅了する。
「どこからきた?どこへいくのだ?」
「どこからだっけ、うふ、どうでもいいじゃない!それに、どこにもいかないわ。」
「ほんとうか?ずっとここにいてほしい!おれのなわばりにいろ!おれはおまえを
まもってやる。」
 オオツノは毛並みの美しいメルモのボディを舐めまわす。何と色あgのあるメスなのか
と関心し、惹かれながら。
「ほんとう?ずっとそばにいてもいいの?わたしなんかでいいの?」
「ああ、おまえしかいない!おれといっしょになれ、そしておれのこをうんでくれ!」
 俺の子を産んでくれという言葉にメルモは酔った。腰の深奥が熱くなる。オオツノ
と二匹の間に生まれた仔鹿とともに春の森を駆けまわるビジョンが頭をよぎる。
涎が口から流れ落ち、落ち葉を濡らした。変身した目的など頭になかった。山で
一番の牡鹿に求愛されたことは繁殖期の牝鹿としてこの上ない喜びだった。
403名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:20:55.80 ID:GmPVnSGH
 美しい牝鹿のメルモは二三歩後ずさりし、身体の向きを変えて尻を軽く振りつつ
歩きはじめた。
「どうしようかな!うふふ!」
 歩きながら悪戯っぽく振りかえり囁くメルモに、オオツノは首を後ろに反らせ、
歯をむき出しにして興奮した。ミミミミミ!ミイイイインと雄叫びが森に響く。
「おねがいだ、やくそくしてくれ!おれのつれあいになってくれ!」
 愛の叫びをあげ、オオツノは唸りつつメルモを追いかけ、追い抜き、前に回り
こんで向き合う。右足と左足を交互に数回ずつ上下させる。それが求愛のサインだと
本能でわかるメルモは顔を下げ、牡鹿を見上げた。素晴らしい三又の角にメルモは見とれ
たあと、牡鹿の右側に飛び出して逃げるように走り出す。
 逃げるとは言っても追いつけるスピードだ。時々立ち止まっては大きな尻を左右に
振る、そんなことを繰り返した後、メルモは完全に立ち止まり、首を上に伸ばし、木の枝
と葉っぱを見あげた。オオツノは追いついてメルモの尻を舐めまわし、腰の上に顔を
乗せる。尻尾は下に垂れて左右に揺れていた。
 変身してからずっと走り続けたメルモは空腹感に襲われていた。オオツノを
振りはらい、後ろ足に力を入れて立ち、木の枝に生える葉を食べ、前足を降ろし、
木の葉を噛みしめる。鹿の習性が食べられる葉、そうでないものを瞬時に見分ける。
(あら、おいしいわ。)
 メルモの舌は木の葉を美味いものと認識した。
「なあ、いいだろう?やくそくしてくれ!」
 噛み砕かれた葉は、胃に送られた。4つの胃と口とを行き来し、反芻消化する。もう
何日も何年もそうしてきたかのように。
「わたしをまもってくれる?たいせつにしてくれる?」
 育ちつつあった牝鹿の心が問うた。
「ああ、やくそくするさ。」
 胃から戻ってきた葉をもう一度噛み砕き、膨れたほほを見せながらメルモは
オオツノのほうをむいた。
「いいわ。わたし、ここにずっといるわ。やくそくする。」
 この時、メルモは自分が人間だったことを忘れていた。そこにいるの繁殖期の
美しい牝鹿だった。
 求愛の承諾にオオツノは小躍りし、メルモの周りを駆けまわった後、大木に身体を
こすりつけた。そんな彼を微笑ましく見つめるメルモはジャーと尿をだした。変身
して初めての生理的行為だった。オオツノはその音を聞くと駆けより、メルモの
尿で濡れた地面に身体をこすりつけた。その後立ちあがるとあっけにとられる
メルモの陰部を舐め、さらに彼女の腰に左右の前足を置いた。
404名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:38:07.80 ID:GmPVnSGH
「チュ!チュイイン!」 
 たくましい牡鹿の行為に反して甘く甲高い牝鹿の声が響いた。
「あん、まだはやいわよ!」
 交尾の姿勢に入ろうとするオオツノをメルモは牽制しようとした。発情はまだ
最高潮ではない。身心とも準備ができていないものの嬉しかったのも事実だ。
 興奮するオオツノの半身がメルモの背中に乗る、舌で愛撫をしながら交尾の
態勢はできつつあった。オオツノの角がメルモの首に、陰部に固い物が当たり始めた。
「ミミミミミ!フーーン!ヴォヴァ!」
 ミラクルキャンディーによって最高に美しい牝鹿の身体を与えられたメルモが放つ
フェロモンが森の主を興奮させた。
「おまえはおれのものだ!もう、がまんできない!いくぞ!」
「いいわ、きて!」
 メルモは観念し、目を閉じて力を抜いてオオツノを受け入れようとした。前足に
力を入れ、腰を伸ばし牡鹿が行為をしやすいようにする。人間の少女が変身した
牝鹿が逞しい牡鹿と結ばれようとしていた。
 だが、するりとオオツノの身体がメルモから滑り落ちた。交尾は途中で終わった。
(え?もうおわり?うそでしょ?)
 メルモが振り返ると、オオツノは下の方向、麓のほうを向き鼻と耳をピクピクさせ
ていた。不安げなメルモは向きを変え、オオツノに寄り添った。
「どうしたの?なに?」
「にんげんだ、にんげんが、イヌといっしょにこちらへむかってくる」
「にんげん?ハンター?」
 鹿の言葉で人間に相当する単語を聞くや、メルモは自分が人間だったことを
思いだした。変身の目的も。牡鹿に身体を擦りつけて語りかけようとした。
「あなたにつたえなくてはいけないことがあるの!あのね…」
「ミイイイイイイ!フィイイイイイイ!フィヨー!」
 メルモの囁きを遮り、オオツノは叫び声を上げた。二匹の鹿に危機が迫っていた。

 メルモはオオツノの逞しい体躯にピッタリと寄り添っていた。オオツノは麓の方向を
睨みつける。
(そんな!あのハンター、イヌたち、もうおいついてきたの?はやすぎるわ。)
 ワンワンと猟犬の声が聞こえてくる。すこし靄がかかっているので姿は
見えないが、すぐ近くまで迫っているのは間違いない。
「イヌはたくさんいる。にんげんもひとりじゃない。」
オオツノはつぶやいた。
え、とメルモはオオツノの顔を見上げた。
(べつのハンターなのかしら。そうよね、ほかにいてもおかしくはない!)
 靄の中から、五匹の猟犬が現れた。柴犬ではなく大型の恐ろしい洋犬だった。
「チュイイン(こわいわ)!」
 不安なメルモはオオツノにさらに身体を寄せつけた。両耳から尻尾、蹄に至るまで
恐怖で震えるが、牡鹿の体温、鼓動が伝わり、少しは落ち着けそうだった。
「おれとしたことがふかくだった。これほどちかづくまできがつかないとは。」
「わたしのせい?わたしが、わたしが?」
「ちがう、おれのせいだ、おまえのいろけにふぬけになった」
色気があると言われ、嬉しかったが今は喜んでいる時ではない。
五匹の洋犬はオオツノとメルモ、二匹の鹿に吠えたててきた。もう目の前にまで
迫ってきていた。
「おまえはにげろ!やまのうえのほうへな。おれがあいつらをひきよせる。」
「いや、いっしょににげて!いっしょじゃなきゃいやよ。」
 逞しい牡鹿は敵を見ながら愛するパートナーに諭し、牝鹿は首を振り、身体を
こすりつけて拒絶する。
(オオツノさんとはなれたくない!)
405名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 01:45:03.62 ID:GmPVnSGH
↑混乱すると言われたのでメルモちゃんが鹿に変身したSSのみを
投下します。アニメのメルモのOPで牡鹿とキスする鹿に変身した
メルモちゃんが元ネタです。最終的に牡鹿と結ばれるところまで
書こうと思います。
406名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 13:15:22.34 ID:blqOnX8y
>>371様 >>396-398「蟲毒」

バトロワ プラス 、雷句誠の短編(タイトル失念)という感じで、
理不尽な強制獣化という展開は萌えました。
これで終わり、ということでも十分楽しめると思いますが、
気が向いたときにワンシーンもの(獣化シーンでも、
バトルに抗いながらも、本能に屈服するようなシーンでも)
を投下する、というような展開もありかなと思いました。

メルモちゃんシリーズはまとめて感想書きます。すみません
407406:2012/01/25(水) 13:16:54.54 ID:blqOnX8y
>>406
あ、コブラとか蜂とか、「獣」化じゃないですね。失礼しました。
408名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 21:29:55.80 ID:4NAZFjpx
>>396
なんというGJ!
409名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 22:50:28.14 ID:2hda1sZP
蟲化すきだあ
爬虫類も
410名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 23:34:04.90 ID:u/V19hv+
昔、銀河鉄道999で「昆虫の星の蛍子」って話があった
セーラー服をきた美少女が裸で羽根の生えた赤い目の
昆虫人間に変身する!身体の色は青系だったはず
あれで何回抜いたことか
411名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 01:45:10.92 ID:wWJLbZbV
 オオツノはメルモから離れて数歩前に出て、頭を屈め犬に向かってその自慢の
大きな角を振り立てた。
「フィイイイ!ケケケケケ!」
 オオツノは猟犬たちを威嚇する。メルモも横に並び出て唸るが、牡鹿の迫力に
はかなわない。
「かならず、あとをおいかける。やくそくする。」
「ほんとう?やくそくよ!」
「もし、おれになにかあったら、なかまがいるからたよればいい!」
「いや、そんなのいや!」
「はやくいくのだ、このままでは2ひきともやられる!」
「いや、いや、いや!あなたといっしょにいたいの!」
 メルモはかぶりを振った。オオツノはメルモのほうを向かずに彼女を説き続ける。
 オオツノを愛する心、育ちつつある牝鹿の心が悲しむ。ピンとたった可愛い耳から
蹄まで、大きなお尻の尻尾の先までが牡鹿を愛し始めていた。せめて別れの前にこっち
を向いてほしいとメルモは思った。その願いが通じたのか、オオツノは唸って
メルモに近寄るよう命じた。メルモが顔を寄せると、オオツノは首を右に曲げ、
愛する連れ合いのぶどう色の瞳をみながら口づけを交わした。一瞬だけ。
 淡い快感が口から膣へと一瞬で伝わる。大きく形の良い尻が左右に振れた。
 オオツノの意を無駄には出来ない。メルモは犬達をにらみながら後ずさりし始めた。
 いつの間にか靄は晴れ、猟銃を構えた二人のハンターの姿が見えた。
「おお!オオツノだぞ!メスと一緒だぜ!」
「メスもなかなかのものだ。二匹そろって剥製にして飾れば絵になるな。」
 猟銃を構えたハンター達の会話が耳に入る。メルモはしっかりと聞き取りゾッとした。
(そんな、いやだわ、はくせいなんて!にんげんってなんてざんこくなの?)
「ミイイイン(はやくいけ!)」
 メルモは意を決し身体の向きを変えて走り出した。猟犬の一匹が彼女を
追いかけた。すかさずオオツノは飛びかかり角で刺した。刺された犬は急所
をやられ即死だった。
 血で真っ赤になった角を振りかざし、オオツノは残りの四匹の猟犬たちを威嚇する。
猟犬たちは牡鹿に飛びかかる。ハンター達は銃を構えるが、撃てないでいた。
 また一匹になって逃げる羽目になった鹿のメルモ。後ろで銃声が聞こえ立ち止まって
振りかえる。犬の悲鳴が聞こえ、その後牡鹿の叫びが聞こえた。
「チュイイイイイイイン、チュイイイン!」
 メルモは気持を抑えきれず、泣き叫ぶと、森の緩やかな斜面を登りはじめた。
(かならずかえってきて!わたしのところに!)
412名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 03:51:34.15 ID:u8Pvxqn2
260?nihyakurokujuu?
413名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 03:54:41.15 ID:u8Pvxqn2
atuiocyachyawonomunotwjha?
414名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 08:49:27.48 ID:8IEM+p6G
oh my god
415名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 23:01:07.01 ID:Ba9uoc5K
メルモ二次SS…なかなか細やかでいいですね。
ここから彼女がどうなるのか…鹿として生きるのはもちろんそこから人に戻るとしても…気になります。
416名無しさん@ピンキー:2012/01/26(木) 23:50:12.28 ID:M7892H9d
>>406>>408
ありがとうございます、また思いついたネタがまとめられたら投下します

>>409
自分も蟲化大好きなんで、思いつくのは基本蟲がらみばかり
417名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 01:02:06.41 ID:V7rmTZJ0
 愛する連れ合い、かつて出会ったどんな牝鹿よりも美しいメルモを守るため、牡鹿
のオオツノは闘っていた。その、意思に報いるため、メルモは彼と一緒にいたい気持ちを
抑え、森を駆けていた。アーモンド色の体毛の下には波打つ程良くしまった筋肉が見えた。
四本の脚はスラリと長い。首から尻までのボディラインはくびれた人間の女体のようだ。
ニホンジカ、正確にはホンシュウシカのDNAを与えられたメルモだが、他の雌よりは
大きく、エゾシカのようでもあった。DNAレベルで完全な鹿に変身した彼女に人間と
して10年近く生きてきたことを証明するものはない。彼女の記憶だけがその証左だ。
 だが、人間とは違う視界、嗅覚、四本の脚で歩いたり走ったりする感覚が、彼女の
人間としての記憶は急速に薄れていた。鹿に変身した理由も忘れていたと言ってよい
状態だった。季節は秋、鹿達の繁殖期だ。ミラクルキャンディにより美しい牝鹿とし
ての身体を与えられた彼女は、種族保護本能により発情をはじめていた。最高に美し
い身体は、最高に丈夫な子孫を残す能力を持つ、最高に性的に感じやすい身体でもあった。
 陽が傾きはじめた山の森、美しい牝鹿のメルモは小さな沼で喉の渇きを癒した後、地面から
生えている草を夢中で食べていた。オオツノのことも気になったし、早く逃げてオオツノの
「仲間」に合流したかったが、空腹には勝てなかった。
 沢山の食物を食べ、反芻消化すため、メルモは沼の側の草むらに座りこんだ。
(オオツノさんだいじょうぶかしら?)
 頬をふくらませながら、メルモはボーっとしていた。ふと、残してきた人間としての二人
の弟、一緒に山の奥地区へやってきたワレガラス医師の顔が白昼夢のようにうかんだ。
 しばらくはそれが何を意味するのか分からなかった。既に彼女にとって人間は異なる
種族であり、鹿達にとっての天敵のひとつなのだから。
 だが、真実を思いだすのにそう時間はかからなかった。自分が本当は人間であることと
鹿に変身した目的を。
(そうだ、わたしはにんげんだった、みんなわたしがいなくなってしんぱいしているわ。)
 最初にハンターに襲われた時、ミラクルキャンディーの瓶が谷へ転がっていったことも
思いだした。もし、それが無くなれば、メルモは人間に変身、いや戻れなくなる。
(キャンディーのびん、まだあそこにあるのかしら?オオツノさんにあったら
きちんとおはなししよう、ひとざとへはおりてはだめ、ハンターがねらっているって
あぶないからやまからおりないでってやくそくしてもらおう!)
 約束、という鹿の言葉での単語に反応した。自分もオオツノとずっといる、夫婦に
なると約束をしたのだ。鹿達にとって約束の意味は重たかった。
(わたし、たいへんなやくそくをしてしまったかもしれない!)
418名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 01:17:20.57 ID:V7rmTZJ0
>>415 ありがとうございます 牡鹿と恋に落ちたメルモはどうなるのか
色々考えています 鹿としての本能に逆らえないメルモちゃんの活躍に
ご期待ください 何ちゃって!
419名無しさん@ピンキー:2012/01/27(金) 02:16:04.81 ID:V7rmTZJ0
満腹となり、うとうとしていたメルモは牡鹿の体臭で目を覚ました。
(オオツノさん?いやちがう?)
座っていたメルモを見下ろす一匹の牡鹿がいた。オオツノと同じくらいの歳のようだ
が少し粗野そうなところがあった。角は同じように三又だが、やや細く貧相に見えた。
雌にとって魅力はない角だった。また、オオツノのような気品は感じられなかった。
メルモはチュイインと鳴いた。
「だあれ、あなた?」
「ほおお、ごっつういろっぽいメスのうわさをきいてたんやけど、おまえのことけ?」
 メルモは鹿に変身してから、オオツノ以外の鹿に会うのは初めてだったが、彼女は
は他の鹿達から遠くから見られ、牡鹿の情報ネットワークでは既に噂になっていたのだ。
 牡鹿は座っているメルモの後ろに回り、尻に顔を近づけ、陰部を舐めはじめた。他の
牝鹿にはない独特のフェロモンが彼を刺激する。嫌がってメルモはチインと鳴いた。
「やめて、だれがあなたなんかと!」
 メルモは叫び、口を空に向けてパクパクし始めた。これは交尾を求める牡鹿に対しての
牝鹿の拒否のポーズである。普通はそれで牡鹿は退散するのだが。
「そんなこというなやあ!」
 その牡鹿は色気のあるメルモを諦めず、愛撫を続けた。たまらなくなってメルモは立ち
上がり駆けだすが、消化が終わっていない胃が悲鳴を上げ、すぐに立ち止まった。牡鹿が
駆けより、さらにメルモの陰部を撫で始めた。
 駆けるのをやめたことを牝鹿の合意のサインと解釈した牡鹿はメルモへの愛撫を続ける。
「へへへ、ぐふふ!そのきがあるんやろう!なあ、わるいこといわへん!わしのもんに
なりいや!」
「い、いやよ!わたしにはきまったあいてがいるんだもん!」
 身体が動かないメルモは天に向いて叫んだ。
「おまえのあいて?オオツノか?あいつはさっきにんげんにやられたで!」
「そ、そんな!う、うそよ!」
 メルモはその美しい顔を品のない牡鹿に向けた。一瞬、視線が合い、メルモは嫌悪し、
牡鹿は歓喜する。
「うそちゃうでえ!わしのなまえはナラや。ここらのヌシはきょうからわしや。」
 遠いところから人間に連れてこられたナラは、品がないが口による愛撫のテクニックは
巧く、メルモの尻はリズミカルに左右に揺れ始めた。膣から放たれるフェロモンが増加する。
メルモは口を開け、気持よさそうに鳴いた。
「チュイイイイイイン!」
 甘く甲高い牝鹿の声が森に響く。オオツノは死んだと言う。牝鹿の本能が新しい
連れ合いを求めはじめたのだ。メルモは前足に力を入れ、伸びをして腰を上に向けた。
尻尾を左右に振り、陰部をナラに見せる。交尾を求める彼に対する承知の記しだった。
ナラは上唇を上にあげ、歯をむき出しにして唸った。
(やぁん!からだがかってにうごくわ。や、やだああぁあ!)
 ナラはクンクンと鼻をならし、長い舌をだしてメルモの陰部をクンクンと舐める。
(あぁあ!な、なんかきもちがいいわ。どうしてえ!)
「へへへへ!い、いくでええ!」
 ナラは顎をメルモの腰に乗せ、スルスルと背中に進ませ、前足は美しい牝鹿のボディ
を挟み込む。
(だめ、だめ、オオツノさんとじゃないといやなのにい!)
 ナラのよだれがメルモの背中に垂れ落ちた。彼は最高の雌を手に入れつつあった。
牡鹿の固いものが陰部に当たってくるのをメルモは感じた。拒もうとするが身体は
別の反応をする。力を抜いて交尾に臨もうとするメルモの今の身体。
(ごめんなさい!オオツノさん、わたし、やくそくをまもれない!)
 メルモはぶどう色の瞳を閉じて観念した。
420名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 00:02:40.14 ID:V7rmTZJ0
「フィイイイイイイヨー!ケケケ!フィイイイ!」
 すさまじい牡鹿の声がした。それはオオツノのものだ。彼は人間のハンター、猟犬
達との戦いに勝ったのだ。彼は死んでいなかった。オオツノが死んだとナラに言われ、
半信半疑だったが悲しみの暗雲に覆われつつあった牝鹿の心はパッと晴れた。ナラは
メルモを騙し、彼女を手に入れようとしたのだ。ナラはメルモから離れ、声のほう
に向いた。
「なんやねんやあ!せっかくええとこやったのに!」
 美しい連れ合いをもう少しで取られるところだったオオツノは、交尾寸前だったメルモ
とナラの前に現れた。メルモも身体の向きを変える。大きな角が牝鹿の目に入った。
(オオツノさん、いきていたのね。)
 メルモは彼の生存を喜んだ。愛する連れ合いにまたも助けられたことをも。
 すさまじい気迫のオオツノは立ち止まり、ナラとにらみ合う。ほんの一瞬、メルモを
向き、優しい視線を投げかけた。
 二匹の牡鹿は間合いをとりながら、唸っていた。一匹の、山で一番美しい牝鹿を巡って
の戦いが始まろうとしていた。
「ケケケ!フィイ!フィイ!」
 オオツノが上唇をあげ、白い歯を見せ、自慢の角を振って威嚇する。ナラも負けじと
角を振る。カチャツ!と音を立てて二つの角が突き合った。
「あいつはおれのものだ。それにここはおれのなわばりだ。」
「ちゃうでえ!わしのもんや。あんなええメスはわしのくににもおらんかったわ。
わしがもろたんや!」
 オオツノと突き合うナラの数メートル後ろにメルモはいた。
(そうだ、うしろからナラをついてやろう!そうしたらオオツノさんはかつわ!)
 けれども身体は動かない。雄同士の戦い、とくに雌をめぐってのそれに、牝鹿
は介入できない。それも本能、習性だった。
(どうしてうごかないのよう!)
 それに万一、オオツノが負けた場合、メルモはナラのものとなる。その時は
メルモの種族保護本能がより強い雄を交尾の相手に選ぶのだ。
(おねがい、オオツノさん、かって!)
 美しい牝鹿はただ祈るしかなかった。

 人間の尺度で20分程経って、二匹の牡鹿の決着はついた。
「きょうはこれくらいにしといたるわ!」
 ナラは強がりを言って離れていった。
「チュイイイイン!」
 メルモは鳴きながらオオツノに駆け寄った。角の先には血がついていて、全身は
傷だらけだ。二人のハンターと猟犬たちに勝利した代償だった。
 オオツノは駆け寄ってくるメルモを優しく見つめた。連れ合いを取り戻してホッよ
したようだ。メルモは傷を負った牡鹿の身体を舌で舐めていたわった。
「だいじょうか?あぶなかったな。」
「ごめんなさい、わたし、わたし、」
 ナラと一線を超えかけたことを詫びようとしたメルモにオオツノは優しくキスをして
制した。メルモの目が涙で潤んだ。
「いこう!おれたちのばしょへ!」
「ええ、」
 オオツノは山手へ向かって歩きだし、一歩続いてメルモも歩く。オオツノが駆けだすと
メルモも軽快に走りだす。二匹の呼吸はぴったりと合っていた。
 メルモの視界にたくましい牡鹿の角、筋肉質な体躯が映る。フェロモンが鼻から脳、
子宮へと伝わる。紅葉と緑(鹿には判別できないが)が入り混じった秋の森が前から
後ろへと流れていく。風が心地よい。
(ここがわたしのばしょ、オオツノさんがわたしにとってかけがいのあいてなんだわ)
 これから始まる二匹の幸福な生活を信じて、鹿に生まれ変わったメルモは走り続けた。
 だが・・・・・
421名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 02:29:42.88 ID:Ti7ScY10
おほん!わしはワレガラスじゃ。メルモ達の後見人であり、ワレガラス医院の院長、
出身はチッチャイナ国じゃ。二人の弟達の世話に明け暮れるメルモに息抜きをさせよう
と○○県山の奥村へやってきたんじゃがぁ。ちなみに弟らはわしの知人に預けとる。
 山で危ないところを救ってくれたオオツノとかいう牡鹿に礼を言うため、連れ合いの
雌を殺された彼を慰めるためになぁ、あいつはキャンディの力で鹿に変身しよった。
 すぐ戻ります、という書きおきを信じておったんじゃが、夕方になっても帰らんので
な、わしは宿を出て山に入ろうとしたんじゃ。そしたらオオツノらしい牡鹿に襲われ
たハンター二人が温泉街に運ばれてきて、わしゃあ治療をすることになった。村に
医者はおらんのでなあ。
 ハンター達によるとオオツノのそばには、美しい牝鹿がおったらしい。間違いなく
メルモじゃナ。あいつはキャンディーで大人になるとべっぴんさんになるし、動物
になると雄をとりこにしてしまう。
 動物に変身すると、その本能、習性から逃れられなくなる。今は鹿達の恋の季節、
メルモもいずれ、雄たちの誘いを断れなくなるじゃろ。ハンターに獲物として撃ち取
られるかもしれん。なんとかせねばならんのじゃが、怪我人をそのままにはできん。
幸い、誰もまだメルモの失踪にはきがついとらんがな。さて、どうしたものかの。

422名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 02:35:11.77 ID:Ti7ScY10
「トトオちゃん、早くしなさい!ようちえん、おくれるわよ。わたしも学校ちこく
しちゃう!」
 幼稚園の制服を着た弟のトトオがメルモの前に現れた。
「おねえちゃんはね、もうがっこうにいかなくていいんだよ。」
「え、どうして?」
「だっておねえちゃんにんげんじゃないもん。シカにうまれかわったんでしょう。」
「な、なにを言っているの、え?きゃああ!」
 メルモは驚いた。自分の両手が変化を始めたのだ。五本の指がくっつき、黒い蹄へと
変化すると少女は四つん這いになった。いつの間に両足も形を変え細くなっていく。
手も同様で両手は前足となった。
「や、やだ、トトオちゃんたすけて!あん!」
「おねえちゃんはシカになってもりでくらすんだよね。」
 黒いショートの髪が抜け落ち、耳は頭の上へ形を変えながら移動する。やがてピン
と立つ耳となった。鼻は黒くなり、口とともに前へ伸び、マズルを形成し始めた。
「やだ、どうなってるの、わ、わたし、わ、たぁあしいいちいいちいいいいいいい!
チイイイイイン!チュイイン!チイイイン!ピャ!ケケケ!ピャ!」
 口の変化とともに人間の言葉は鹿の鳴き声へと変わる。目は白眼の部分が無くなり
ぶどう色の丸いものとなった。短い四本の足は長く伸び、ずん胴の身体は尻が大きく
なり、腰は少しくびれて行く。すでにブラウスとスカートは破れ、白いショーツ
だけが大きくなった尻にひも状になって申し訳程度についていた。
 平べったい乳房は移動をした。白い肌にアーモンド色の体毛が、尻には尾が生えた。
メルモは美しい育ち盛りの雌鹿へと変身をした。
「おねえちゃん、さようなら!げんきでねえ!」
「チュイイイイン!」
(いやよ、トトオ、タッチ、わたしのかわいいおとうとたち、わかれたくない。いやよ。)

423名無しさん@ピンキー:2012/01/28(土) 02:38:59.63 ID:Ti7ScY10
「チュイイイイン!」
 メルモは自分の叫びで目を覚まし、起き上がった。夢を見ていたのだ。
(え?どういうこと?)
 四つん這いになっている自分に戸惑ったメルモ。目の前に広がる光景はセピア色で
平面的、視界はとても広かった。耳をピクピク動かしながら、変化した己の身体を
確かめる。
(そうだ、わたし、シカにへんしんしたんだっけ。もう、あさなのね。)
 鹿のメルモの周りには牝鹿が四匹、可愛い仔鹿が三匹いて木の葉、草を食べていた。
メルモが立ちあがった時はギョッとして見ていたが、すぐに外敵に警戒しつつ食事に
戻ったのだ。今、メルモは鹿の群れの中にいた。
(わたし、なにをやってるんだろう。)
 変身しているとはいえ、鹿の群れの一員となっている自分が滑稽だった。
 昨日、オオツノに連れられ、山奥へとやってきたメルモ。二匹の幸福な生活が始める
と思ったものの、オオツノが守る牝鹿の群れの一員となってしまった。
(わたしはたくさんいるメスのうちのいっぴきにすぎないんだわ。)
 鹿達は基本的に雄と雌では別れて群れを形成する。繁殖期にだけは雌の群れに雄が
入り込んだり、雄が雌を支配下において群れを作ったりする。
 今、オオツノは別の雌を求めて群れを離れていた。より多くの子孫を残す為に。
 繁殖期の本能に支配されたメルモは発情し、牡鹿のオオツノと恋に落ちたが、今
この時は人間としての自分を取り戻していた。
(かえろう、やまをおりてにんげんにもどろう、ワレガラスせんせいしんぱいして
いるわ。)

424名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 09:44:48.26 ID:BvxhBfwg
メルモは群れを抜けるべく歩きだした。すぐに雄の子鹿が駆け寄ってきた。
「どこへいくの?」
 それはトクという雄の子鹿で、初夏に生まれたばかり、角も無い。小さな
身体を美しい姿態に寄せつけた。
「むれをでるのよ。わたしはやまをおりるの!」
「どうして、ねえ、どうして?」
 トクはメルモが人間だった時、目の前で殺された牝鹿の子供だった。母を亡くし
た彼は、群れの中で育てられていたが、新しく仲間となったメルモにすぐに懐いた。
「わたしはね、ここにいてはいけないの。ここはわたしのいばしょではないのよ。」
「やだよ、いかないで!」
 トクはメルモを追い抜き、前に立って制止した。
「チィイン!チュウイン!」
 子鹿の甘える声が森に響く。母性本能をくすぐられたメルモは小さな身体を毛繕い
してやった。
(わたしもこんなかわいいこどもがほしいわ。)
 さっきまでの人間的な思考は急速に沈んでいく。
 母を人間に殺されたトクはメルモに甘え、メルモもそれを受け入れた。他の雌達は
そんな二匹を微笑ましく見守る。オオツノに昨日連れてこられたメルモは、他の雌たち
より体格が大きく、スタイルもよく、独特のフェロモンを放ち、嫉妬をされたが、みなしご
となったトクが懐いたことで受け入れられたのだ。
「フィイイイ!フィイイイイヨオオオ!」
 遠くで牡鹿のオオツノの声がし、程なく彼が一匹の牝鹿を連れて群れに戻ってきた。
 オオツノはメルモに優しい視線を送ったが近づいてはこなかった。
(どうして?どうしてなの?)
 寂しい顔をするメルモに、トクが身体を掏りよせてくる。
 オオツノはもとからいた牝鹿たちと戯れた後、空に向かって叫び、群れを率いて
歩きはじめた。群れは食物の多い場所へ向かって移動することになったのだ。メルモ
はトクと並んで最後尾を歩いた。
 オオツノは時折チラチラっと振りかえってメルモを見た。そのしぐさにメルモは
少し安心した。きっと古参の雌に配慮をしているのだろう、と思ったのだ。
(オオツノさんはわたしのそばにいたいのをがまんしているんだわ。)
425名無しさん@ピンキー:2012/01/29(日) 09:57:45.66 ID:BvxhBfwg
 牡鹿のオオツノの群れはメルモを含めた六匹の雌、三匹の子鹿計10匹で構成され
森を歩いていた。そこは標高2000メートルの山の森だ。雌達のうち、三匹は交尾
を終えていた。メルモと他の二匹はまだ交尾をせず、甘いフェロモンを膣から放っていた。
特にメルモのそれは強烈で、オオツノがチラチラ彼女を見るのは、独特のフェロモン
に強く惹かれているのだった。彼としては早くメルモと交尾をしたかった。
発情は最高潮にならないと交尾は成立しない。変身してから丸一日がたとうとして
いたが、メルモの発情はまだ初期段階と言えた。
 それでも、他の牡鹿達が群れに近寄り、強いフェロモンを出すメルモを狙っていた。
そのたびにオオツノは彼らを追い払う。そのことにメルモは気がつかない。早く交尾
をしないと他の雄に奪われるのではないか、ある意味焦ってもいたオオツノ。
お昼頃、オオツノが他の牡鹿と闘っている時、メルモは群れを離れようとした。
だが、すぐにオオツノはメルモに追いつき、前にたちふさがって彼女を群れに戻す。
(メスをころされてかわいそうとおもったけど、もうわすれているわ。ひとざと
へおりてはだめ、ハンターにねらわれているっておしえようとしたけど、ふもと
へはいこうとしないし・・・、もとのすがたにもどらなくては)
 群れの真ん中に移動させられたメルモは自分に問うた。
(たすけてくれたおれいをしようにも、あのときのわたしはにんげんのすがただった。
にんげんだったことをはなすわけにはいかないもん。)
 しばらく経って、先頭を歩くオオツノがメルモに振り返った。目が合う二匹。
育ちつつある牝鹿の心がキュンと鳴った。
(わたし、なんのためにここにいるんだろう)
「ふ、そりゃ、ボスの、オオツノのこどもをうむためさ」
 メルモの心の声を理解したのか、オオツノよりも年上らしいララと
という牝鹿が隣を歩きながら言った。
「オオツノさんのこども?」
「あたりまえだろう!あんたいろっぽいけど、ちょっとかわっているよね。」
 雌達の中でメルモは一番大きく目立つ。そんなメルモを見上げながらララは言う。
「オオツノはかしこく、ちからもつよい、あのつのをみてごらんよ、なんてふとくて
ながいんだろう!あんなボスのこどもをうめるわたしたちはしあわせもんだよ。」
 ララは既に今年の交尾を終え、胎内には新しい命が宿りはじめていた。メルモの腰の
深奥が熱く灯った。彼女は夢想した。子鹿を育てる未来の、鹿としての自分
を。乳首に吸い付く可愛い子鹿を毛繕いし、オオツノが外敵を警戒しつつ優しく
見守る。そのあと視線が合う二匹、といった光景を。
「わたしにこどもをうんで、そだてられるかしら?」
 それは人間として生まれ育った自分に出来るのかという意味だ。いきなり成熟
した牝鹿に変身したのだから。メルモには子鹿として過ごした時間はない。それと身体の
中身の構造まで完全に鹿に変身しているのをメルモ自身は分からない。
「できるさ、メスにうまれたんだからね。さいしょはみなふあんさ。」
 まさかメルモが人間の変身した姿とは知らないララが言った。
(そういうことじゃないんだけどなあ。)
 ワレガラスが動物の繁殖について講義してくれたことを思い出しながら、繁殖期の
鹿の群れの一員としてメルモは歩き続ける。動物達は誰に教えられるでもなく、DNAに
刻まれた本能、習性で交尾、出産をし、我が子を育て上げるのだ。受精卵にまで戻った時、
メルモのDNAは完全に配列を書き換えられた。このまま鹿の姿でいれば、彼女はいずれ
牡鹿と交尾をし、立派に子孫を残すだろう。
未来の自分の子鹿達の顔が、人間だった時の二人の弟の顔へと変化した。
(やはり、わたし、もどらないといけないわ。しんだママとやくそくしたんだもの。
おとうとたちをそだてるって。)
426名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 02:21:07.90 ID:L6DvxZfp
 オオツノへの想い、彼との間に生れるであろう子鹿への期待、人間へ戻らなければ、
という焦りが何度も交差しながらメルモは鹿の群れの一員として歩き続けた
 オオツノに率いられた鹿の群れは、緑の森から出てしまった。たくさんの木々がいき
なりなくなり、平原のような場所に出たのだ。森の緑に遮られていた陽の光がまぶしい。
メルモは目をパチパチさせた。太陽は牡鹿に率いられた鹿の群れに光を注ぎ、美しい毛
並みとその下に隠された引き締まった筋肉を輝かせた。特にボスであるオオツノの鍛え
抜かれた筋肉と威厳のある太く長い角、人間の少女メルモが変身した美しい牝鹿のしな
やかな姿態、アーモンド色の体毛は格別に輝いていた。
群れのボスは平原に出てしばらくしてから唸りだした。

「おのれ、にんげんめ!ここもやられた。」
「どうしたの?」
 メルモはしなやかな姿態をオオツノに寄り添わせて言った。
「ここにはたくさんたべるものがあったんだ。それがにんげんのために・・・・・」
 地肌が見えていた平原に看板が立っていた。そこにはこう書かれていた。
『山の奥村スキー場(仮称)建設予定地 昭和48年12月オープン予定』
 メルモはその看板の文字には気がつかなかったが、人間が「乱開発」をしているこ
とはわかった。豊かな森はスキー場として開発されつつあったのだ。森のあちこちの
木が倒され、草は引き抜かれ、地面が掘り起こされていた。
「元人間」としてメルモは鹿達に申し訳ない気持ちになった。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「なぜ、おまえがあやまる?」
「だって、わたし、わたし、」
 オオツノは皆に見られているのを承知でメルモと口づけを交わした。思わず大きく
形の良い牝鹿の尻が左右に振られ、尻尾が上下に揺れた。牡鹿の体臭、伝わってくる体温、
鼓動にキュンとなるメルモ。
(やっぱり、ずっとここにいたいかも。わたし、どうすればいいの?)
 近い将来、広いゲレンデになるはずの平原の真ん中で五匹の牝鹿、三匹の子鹿に囲ま
れた美しい鹿のカップルはしばらくキスをし続けた。
 そんな二匹を見ているのは群れの鹿達だけではない。他の牡鹿たちも遠くから悔し
そうに見ていた。彼らは隙があれば、オオツノの連れ合いたちを奪おうとしていた。
特に、メルモの綺麗すぎる姿態とその膣から放たれるフェロモンは彼らを魅了し、何
とかして手にいれようと策略を練っていた。今、群れの隙をうかがっている牡鹿
は五匹。彼らはそれぞれ別の方角から狙っていた。その中には一度はメルモ
と交尾寸前までいった、遠い土地から人間に連れてこられた牡鹿のナラもいた。
「たまらんなあ、かわいいケツをプリプリふっとるわ。ぜったいわしはあいつ
をてにいれたるでえ。」
 ナラ達のいやらしい視線に気がつかず、メルモはオオツノと甘いひと時に酔っていた。
427名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 02:39:17.99 ID:L6DvxZfp
群れは建設中の広いゲレンデを超え、再び森の中に入った。そのあと悲劇が起った。
大きな熊が群れを襲ったのである。メルモは熊に噛まれる寸前でオオツノに助けられ
たが、群れに入ったばかりの雌が食べ殺された。天敵は人間だけではなかった。メ
ルモは鹿として生きることの厳しさを思い知らされた。
熊の騒動の後、群れは細い林道を超えた。
(このみちをずっとしもへいけば、ふもとに、ひとざとへもどれるわ。)
 林道に出た時、メルモは考えた。そんな彼女をオオツノは心配そうに見つめた。視線
を返して微笑むと、安心した群れのボスは前を向いて小さな崖を駆けのぼり、メルモ
をはじめ牝鹿達、子鹿達もあとに続いた。
 林道を横断して10分後、小さな沢で群れは一休みした。喉の渇きを癒した後、
メルモはゆっくりと群れから離れた。
(オオツノさんといたいきもちもある、でもわたしはほんとうはにんげんだもの。
ここにいてはいけない!もとのすがたにもどらなくては)
 時々後ろを振り返りながら数十メートルほど歩いた後、オオツノがすごい剣幕で
走ってきて、メルモの前に立ちはだかった。
「ミミミミ!ミィイイ!フウウウウウン!」
 首を後ろに伸ばし、上唇をひきつらせて白い歯を見せて大きく鳴いた。怒っていた。
牡鹿はメルモが群れを離れようとするのが理解できない。メルモが自分を受け入れて
いる、愛してくれていることは間違いない、それがわかるだけに牡鹿は理解できない
のだ。前足を交互に上下したあと、口づけを迫った。
 目の前に立ちふさがるオオツノの大きく長く太い三又の角に一瞬ウットリしたメルモ
は、口を近づけかけて首を小さく振った。
(だめだめ、わたしはここにいてはだめなの。)
 キスをすると見せかけて、右方向に素早くダッシュしたメルモは林道に向かう。オオ
ツノもすぐ追いかけ、前に回り込む。
「ミミミミ!ミイイイ!」
「チュイン!チイイン!」
 二匹の鹿の悲しい鳴き声が森に響く。牡鹿はなんとしても美しい連れ合いをとどめようとし、
牝鹿は彼と一緒にいたい気持ちと人間の家族への想いを戦わせながら、この場を
離れようとする。いや、鹿としての種族保護本能と沈みゆく人間としての理性との戦い
といえるかもしれない。
「いくな!どうしてなのだ!」
「おねがい!いかせて!」
「おれがきらいなのか。」
「な、なにをいうの、すきよ、だいすきだわ。」
「それならいくな!おまえはおれにとってだいじなつれあいだ。とくべつな、いちばんの!」
「いちばん?う、うれしいわ。でも、だめなの!」
 最年長の牝鹿ララがいつのまにか二匹のそばにいた。
「そんなにここをはなれたいのなら、いかせてやりなよ!」
 ララが言い放つとオオツノは動きを止めた。隙をついてメルモは駆けだす。目からは
涙が流れていた。
(ごめんなさい、なんどもたすけてくれたあなたといっしょにいたい!でもわたしは
にんげんなの、ここにいてはいけないの!)
 メルモの姿はオオツノの前から消えた。
「くそ、なぜいってしまうのだ!」
「あのこ、ふしぎなこだよね、なんかわけがあるみたいだよ。でも、いっぴきで
いきていけるかしらね。」
「おれはあいつをうしないたくない!」
「だいじょうぶ、きっともどってくる、メスのかんだよ!」

428名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 02:54:00.80 ID:L6DvxZfp
 自由の身となったメルモは林道に出た。標高で500メートル程下に、温泉宿があ
り、そこへたどり着くまでの間の場所で、メルモは今の姿に変身した。ミラクルキャ
ンディーの瓶と衣服がちゃんとあれば、元の姿に戻れる。キャンディーがあればの話
だ。もし無ければ、だれかに持ち去られていれば、メルモは一生、鹿の姿で過ごさな
ければならないのだ。
(そういえば、キャンディーのびん、たにそこにころがっていったっけ。だいじょうぶ
かしら。)
いてもたってもいられないメルモは林道を駆けだした。程なく遠くで銃声がし、四本
の脚は動きを止めた。
(ハンターだわ、わたし、みつからずにたどりつけるかしら?)
 再び脚を動かせる。数歩歩いてから、メルモは後ろを振り返った。
(オオツノさん、おいかけてきてはだめよ!わたしはあなたとはいられない。)
 メルモは歩き続ける。元来た方向から牡鹿と牝鹿が戯れる声がしたような気がした。
(ほんとうにおいかけてこないわねえ)
 大小の石が転がるくねくねした林道を歩きながら、メルモは何度も振り返る。
(どうして、おってこないのよ、わたしはとくべつ、いちばんだっていったくせに!)
 声からすると、オオツノはメルモを忘れ、他の雌達と遊んでいるのだろうか。オオツノ
のたくましい体躯とフェロモンが思い出され、膣と子宮がうずいた。種族保護本能が
牡鹿のもとへ戻れと命令するが、なんとかそれを制しようとする。
 さらに30メートル程歩いてからメルモは立ち止まった。四本の細く長いあしは小刻み
に震えていた。
(わたしってそれだけのものなの?くやしいわ。)
 最近つけられたらしい対向車を映す新しいミラーが、目に入りその下にメルモは走った。
ミラーには見上げる美しい牝鹿の姿態が映っていた。
(わたし、ほかのメスにまけてないわ。)
 たくましいオオツノの角と筋肉質な体躯がまた頭をよぎり、腰の深奥が熱くなった。
人里に、人間に戻らなくてはという決意が急速に隅に追いやれて行く。
 メルモは身体の向きを変え、元来たコースをたどり始めた。
(ちょっとだけよ、オオツノさんにわたしをあきらめるよう、もういちどねんおし
するだけ!)
 突然、林道に牡鹿が飛び出してきた。一瞬、オオツノかと思ったがすぐに別の雄と
分かった。それは、前に操を奪おうとしたナラだった。彼はメルモの行く手を遮っ
429名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 02:58:12.24 ID:L6DvxZfp
 牡鹿のナラが飛び出してきて、メルモの行く手を遮った。
「へへへ!またあえたなあ。おまえをもらうでー。オオツノはほかのメスとイチャ
イチャしとる。たすけになんかきやへんでえ!」
「や、やん!だれがあなたなんかと!」
 メルモは後ずさりしたが、後ろには別の牡鹿がいた。オオツノよりもずっと歳が
いった雄だ。いつのまにか二匹の牡鹿に挟まれてしまった。
メルモはオオツノに助けを呼ぼうとした。思いっきり鳴けば気づいてくれるだろう。
「ブフゥオ!」
 後ろの牡鹿が聞き慣れない声で鳴いた。その声を聞いた瞬間、メルモの身体は硬直
し、動かなくなった。
(どうして!からだがうごかない!)
 ナラはメルモの側に寄り、その神々しく美しい姿態をなめまわすように見つめた後、
舌で愛撫を始めた。首筋から背中、腰へと一方的な求愛が続く。悪寒が走り、メルモ
は心の中で悲鳴を上げ、何とか逃げようとするも身体は剥製のように動かない。またしても
貞躁の危機だ。メルモは激しく後悔をした。
(さっさといけばよかったわ。)
メルモの後ろに立つ、牡鹿は不思議な力を持っていた。彼はじっとメルモを見つめていた。
「なんや、まだおったんかいな。おっさん、もおええで、あっちへいき!やくそく
どおりな、わしのむれのメスはぜんぶおっさんにやるさかい!」
「せっしゃにはイガというながある。ナラよ、きがかわりもうした。そのメス、もらい
うける!」
「なんやてえ!そんなことあっかい!」
 ナラは愛撫をやめ、イガとにらみ合い、すぐに角を突き合わせた。イガが唸ると
メルモの身体は自由になった。オオツノの群れをうかがっていた五匹のうち、三匹が
共謀したのだ。一匹がオオツノを見張り、ナラとイガが群れから出たメルモを追いかけた。
イガの不思議な力を使って、ナラは目的を遂げかけたのだ。老練なイガもメルモに魅了
され、ナラを倒して美しい牝鹿を我が物にせんと戦うことにした。だが、戦いの気が、
メルモを縛っていた不思議な力を消してしまった。
(いまのうちだわ!)
 角を突き合わせるナラとイガを残して、メルモはその場を逃げ去った。
林道から森に入って駆け続けたメルモは、すぐに群れの場所に近づいた。
そこでは、オオツノと牝鹿たちが仲良く追いかけ合ったり、毛繕いしたりしていた。
メルモのことなど忘れたかのように。
(どういうことなの?わたしのこと、どうでもいいの?)
430名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 09:45:32.23 ID:L6DvxZfp
鹿に変身してから一日半 メルモちゃんは人間に戻ることを決意しますが
牡鹿への想い、鹿としての本能には勝てず また彼のもとに舞い戻ります
たくさんの牡鹿たち ハンターに狙われる彼女は無事 人間に戻れるの
でしょうか いや 牡鹿と結ばれるのでしょうか 最終的にどうなるのか
はさておき そろそろ 恋するニ匹の鹿を結ばせたいと思います  
431名無しさん@ピンキー:2012/01/30(月) 21:52:26.17 ID:Z7KtS66a
>>430
どちらの結末にしてもメルモの二次創作としてはなかなかの出来ですね
でも結ばせてしまったら果たして人に戻れるのか否か
これも気になります
432名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 02:32:11.74 ID:LA5nvTsX
気づかれないように、気配を消してメルモは群れを観察していた。オオツノは2歳
の牝鹿リロとじゃれ合っていた。鹿としての肉体年齢は三歳であるメルモは、自分より
幼い雌とじゃれ合っているオオツノを見て衝撃を受けた。いつかはすべての雌と交わる
ことは分かっていても、ついさっきまで群れにいた自分を追いかけずに他の雌、じぶん
より若いリロと仲睦まじくしているのが許せなかった。
(でも、いいわ。これでにんげんにもどれる。もう、あんなやつどうでもいいわ。)
「ミイイイイイイ!ミミミ!」
 オオツノが叫び、その2歳の雌リロと交尾をする態勢に入った。メルモには気が付いて
いないようだ。リロは少し前かがみになってオオツノの行為を受け入れる姿勢を示した。
「チュイイ!」
 リロが甲高い声で鳴くと、オオツノはマウントし、腰をガンガン打ち付ける。
(あああぁあ!な、なんてことなの、そ、そんな!)
 メルモは鹿の交尾を初めて見た。見ただけでもショックなのに愛するオオツノが他の
雌と愛し合っているのがつらかった。だが、メルモの牝鹿の心、子宮、膣は興奮し、発情
の頂点へと急速に向かいつつあった。膣から放たれるフェロモンが自分をも酔わせ、
人間としての精神は急速に闇に沈んでいく。
(わたしもあんなふうに、し、したい!オオツノさんと、オオツノさんと・・・)
 オオツノと初めて出会った人間だった時、鹿の姿で出会いキスをした時のことが頭に去来する。
身体の深奥から熱いものがこみ上げてくる。
 交尾を終えた二匹は、お互いに愛撫を続けていた。彼らを見守っていた牝鹿のリーダー
的存在のララがメルモに気がつき、嘲笑の視線を投げかけた。
(わたし、まけたくない!ほかのメスにまけるなんて!いやよ!いやいや!)
「チュイイイイン!チュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」
 身心ともに広がる性欲を抑えられず、メルモは空に向かって激しく鳴いた。愛する
牡鹿への想い、広がる性的な衝動への戸惑い、自分こそ一番の雌だという自負が、
変身して以来最も激しい鳴き声を森に響かせた。そこにいるのは美しい、盛りのついた
牝鹿のメルモだった。その鳴き声に群れの鹿達はようやくメルモが戻ってきたことに気が
つき、角を突き合わせていたナラとイガも戦いを終わらざるを得なかった。
 空に向かって鳴いた後、メルモは全力で駆けだした。群れの中心で二歳の牝鹿と戯
れるオオツノに向かって。
433名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 02:44:15.63 ID:LA5nvTsX
 突然舞い戻ったメルモに、オオツノをはじめ群れの鹿達は驚いた。オオツノは
歓喜し、トクは小躍りして喜びを示し、ララは思った通りとうすら笑いを浮かべた。
交尾の余韻に浸っていたリロは茫然とした。
 オオツノの前を通りすぎた後、立ち止まったメルモは大きな尻を小刻みに左右に
振って誘惑をする。彼を思う気持ちが、牝鹿の発情を最高潮のものにしようとしていた。
 オオツノはメルモに顔を上下に動かしながら向かっていくが、すぐに彼女は逃げ始めた。
勿論追いつけるくらいのスピードで。
「チュイン、チュイン!」
 からかう様な声を出し、尻を振りながらメルモは「逃げた」。オオツノは舌を出し、
鼻で牝鹿の膣の臭いを嗅ぐようにクンクンしながらメルモを追いかける。
 メルモは立ち止まり、後ろを向き、尻を大きく左右に振った。
「チュウイイン!ミュウウン!(うふふ、はやくきてえ♪)」
 ピークを迎えつつある発情が、メルモの心を変え、鹿の言葉でオオツノを呼ぶ。
たまらなくなったオオツノは、首を後ろにそらし、歯を見せた後メルモの陰部の
臭いを嗅ぎ、舐めはじめた。
「チュイン(あぁ)!」
 オオツノの舌の動きに反応し、首を回しながらか細い声をメルモは出した。淡い快感
が陰部から子宮へ届き、全身へと広がった。
 メルモとオオツノは群れから離れるべくしばらく駆けた。二匹っきりになるとメルモ
は大きく形の良い、真ん中が白い尻を左右に大きく振り、オオツノを誘惑した。興奮
した牡鹿は牝鹿の陰部を舐めまわす。耳がピンと立ち、地面を向いた乳首がピンと
隆起する。口は開かれ、白い歯と桃色の舌が見え、よだれが垂れ始めた。
 オオツノはメルモの尻の上、腰に顔を乗せスルリと背中へ顔を滑らせた。舌で
アーモンド色の体毛を舐めつつ、前足は身体を挟んでいく。メルモの首に牡鹿の
角がカチャカチャと音を立てて当たる。痛みはない。その感触も心地良い。
 メルモは少し前かがみになり、オオツノを乗りやすくしてやった。牡鹿は牝鹿の
背中に乗せた顎をさらに前へとずらしながら、前足はさらに力を入れて彼女の
身体を挟み込み、後ろ足を前へと運び、交尾の姿勢へと入っていく。
 メルモはオオツノの固いものが当たるのを感じ、後ろ足に力を入れて膣を広げよう
とした。オオツノの体温、鼓動が背中から伝わってくる。肉棒はなかなか入らな
かったが、五回ほど入口をうかがった後、強い力で膣輪を押し広げて中へと侵入
してきた。
(あぁん♪はやくきてぇ!)
 一瞬、痛みがあり、人間としての理性がためらったが、程なくメルモは固い牡鹿
の肉棒の力に飲み込まれていく。今まで何匹もの牝鹿に入っていった太い淫棒は
膣内の愛液をかき分けながらどんどん中へとはいって行くのだった。
 初めて雄を受け入れたメルモの膣は狭まり、行く手を阻むが、すぐに馴染み、
初めての来客を逃すまいと奥へ奥へと誘っていく。挿入の快感がメルモの全身
に広がっていくのだった。
434名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 02:49:25.05 ID:LA5nvTsX
「チュイン!チミュウウン!」
「ミィイイ!フウウウン!ボツ!」
 快感に耐えられず、牝鹿と牡鹿の喘ぎ声が森に響く。人間の言葉に訳すのは野暮だろう。
オオツノの後ろ足は宙に浮き、腰を打ちつけはじめた。メルモの身体も揺れ動く。肉と肉が
ぶつかり合う音がし、木漏れ日が二匹の体毛の下で躍動する筋肉を輝かせ、ピチャピチャと
した音が小鳥のさえずりとハミングをした。
 たくましい筋肉質な森の主と畏怖される牡鹿と、世界でただ一匹の人間の少女が変身
した美しい牝鹿が今、結ばれようとしていた。オオツノは腰を振るだけではなく、舌で
首筋を愛撫し続ける。膣から子宮を経て全身へと広がる快楽の電流によりメルモは
悶え続けた。
 人間として10年近く、鹿として一日半生きてきた中で、最も心地良い感覚だった。
それは人間ならあと10年ほどしなければ踏み込めない世界へ、メルモはミラクル
キャンディーで鹿に変身したことで今体験をしつつあった。
(あぁん!いい、かんじちゃう!きもちイイわぁん!)
 鹿の交尾は4〜5秒、長くても10秒ほどで終わる。だが、二匹はすでに30秒も交
わったままだ。キャンディーの力で最高の力を与えられたメルモの膣がオオツノの肉棒に
パワーと持続力を与え、メルモが放つフェロモンがオオツノにもっとこのひとときを
味わいたいという欲求を与えていたのだ。
 カシャカシャと音がした。オオツノはメルモとのまぐあいに夢中で気がついていない
ようだった。至福のひと時を邪魔する異音に腹を立てたメルモだが、聞き覚えのある
音に、彼女の心が変化する。人間の男が鹿の交尾をカメラに収めていた。
(このおと、まえにもきいた、わたしだけでにげたときにんげんがもっていたもの)
 メルモな音の方向に向いた。遠くで人間が何かを持って交尾する二匹をみている。
(あれは、カメラだわ、わたしたちのしゃしんをとっている!カメラ、にんげん、)
 メルモの脳裏を人間だった時の生活が掠めた。二人の弟、事故死した母、その母
が天国からもたらしたミラクルキャンディー、偏屈だが優しいワレガラス。
(わたしは、わたしは、にんげんだった。人間!わたしは渡メルモ、人間の女の
子だわ。こ、こんなことをしていてはだめよ。シカの赤ちゃんができちゃう!)
435名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 02:51:02.28 ID:LA5nvTsX
 人間の心を取り戻したメルモにとって、今の行為は恥ずかしく、危険だ。交尾
の末、妊娠したら、二度と人間に戻れない気がした。
 全身に広がる快楽の電流をこらえ、オオツノを乗せたまま前に数歩駆けた。彼は
動じず、腰を打ちつけ、愛撫を続ける。次に腰を左右に振り、何とかオオツノを振り
おとそうとした。
 オオツノはメルモがじゃれていると思い、ますます前足に力を入れて抑え込もうとし、
打ち付ける腰の力を増大させた。メルモはなんとか彼を振り落とそうともがくが、
その腰の左右の動きと、オオツノの前後に打ちつけるそれがしだいにシンクロしはじめた。
「ピャツ!ケケケ!ピャ!」
 牝鹿の気持よさそうな声が森に響いた。腰の動きが一瞬だが激しい快感をメルモに与えたのだ。
意に沿わぬ快感は、取り戻された人間の心を急速に隅へと追いやった。メルモは
いつのまにかオオツノと同じように腰を前後に激しく揺らせていた。
 メルモの膣は入り口、真ん中あたり、子宮口でオオツノの肉棒を締め付け続ける。
快楽の森を駆けていたいオオツノも我慢の限界だった。
 一度、オオツノは肉棒を抜き去り、メルモは瞬間失望の吐息を出したが、すぐに力を
こめて突きさす。膣の圧迫を受け、一層大きく固くなった雄の象徴は子宮に達せん
ばかりに突き刺された。大きな快楽のうねりが膣から子宮を経て全身へ、四肢の先端の
蹄、脳天にまで雷のように伝わった。
「チュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」
「ブフォ、ミミミ、!」
快感を抑えられず、メルモはまたも激しい声を山の森に響かせた。天に向いた耳をピクピクさせ、
上唇を上にあげて白い歯を見せ、絶頂の瞬間を味わう牝鹿。オオツノは短く唸り、
体重をかけて身体の動きを止めた。硬直したメルモの身体の芯を、牡鹿の肉棒が暴れなが
ら、白い愛液をまき散らしていた。
 元気なオオツノの精子達はすさまじい勢いで膣から卵管へと流れて行く。二匹の鹿が
快楽の余韻に浸り始めたころ、待ちうけていた牝鹿のメルモの卵子に一つの精子が到達、
受精した。山の主であるたくましい牡鹿と、世界でただ一匹の人間が変身した牝鹿が
今結ばれ、あたらしい命が誕生しようとしていた。
436名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 07:14:43.03 ID:uIxvKymf
ついに結ばれ新たな命が芽生える…
こうなるとその命が生まれ育つまでは人には戻れない。
と言うよりもメス鹿の本能と喜びを知った彼女はもう戻る事はないか…
そう思わせるほどの描写が細やかで。
そして次の段階がどう描かれるか…気になります。
437名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 21:16:26.53 ID:LA5nvTsX
>>431 >>436 ありがとうございます
芽生えた新しい命・・・うーんこの表現も良いですね
母親(メルモ)は元人間ですが、子鹿ははじめから鹿として生まれてくるのだから
(子鹿にとっては)関係ないですよね 弟たちへの愛、子供へのそれ、
メルモちゃんはどちらを選ぶのでしょう?色々考えています 
それと天国のママが今のメルモの姿を見れば、嘆き悲しむでしょう
幸せのキャンディーが子供達を不幸にしてしまった、と
でも 鹿として生きていくことが必ずしも不幸とは言えないかもしれません
ママを登場させるかどうかは迷っています
438名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 22:44:18.53 ID:LA5nvTsX
行為が終わると、オオツノは身体をスルリと滑らせて、メルモの背中から降り、棹
を抜こうとした。快感の波間に漂う牝鹿は臀部に力を入れ、膣をすぼめて一物
を抜きさせまいとする。
(あぁん!ぬかないでぇ♪あぁん!)
 オオツノは優しく背中を愛撫し、ゆっくりと抜いた。トロンとした表情で木漏れ日
に照らされ動かないメルモをいたわりながら。オオツノは汚れたメルモの陰部を舌で
舐めて汚れを取り、綺麗にしてやった。そのあと、アーモンド色の美しい体毛を優
しく毛繕いし、そのあと前に回ってキスをする。優しく優しく。
 メルモはオオツノと結ばれた喜び、生まれて初めて経験した快楽の絶頂の余韻、
母となることへの期待と不安、そして妊娠することにより、もう二度と人間に
戻れなくなるのではないかという戸惑いと恐怖がないまぜとなり、心は茫然自失
となっていた。
 オオツノはヴォッと叫ぶと、残してきた群れの方向へと消えた。ただ一匹残された
メルモ。写真を撮った人間の気配は既になかった。数歩前へと四肢を進めると、ジャー
と尿が、ポトポトっと黒く丸い糞が放たれた。
(わたし、なんてことをしてしまったのだろう、も、もう、にんげんにはもどれないわ。
おなかのなかにはあかちゃんができる )
 人間だった時、ワレガラスが講義した内容を反芻する。大人の女、発情期の動物に変身
したとき、万一、性交をしてしまったらすぐに元の姿に戻れと言われていた。
「早ければ数時間、遅くても二、三日で妊娠し、あたらしい命が子宮に宿る。それから、
元の姿に戻ったら、その新しい命を殺してしまうことになるんじゃ。母性本能が高まる
前になんとかせねばならんのじゃ。わかったかメルモ!」
(わかっているわ、でも、もどるっていったって、キャンディーはとおいところにおき
っぱなし。もどれない、もどれないのよ。)
メルモは首を後ろに曲げ、そのあと身体をまげて全身を毛繕いする。それが終わると
十数メートル走って止まった。自分の(鹿としての)身体が自分の者でないような
気がした。傍から見ると、雄を知った彼女の身体の動きはよりしなやかに、セクシ
ーになっていた。
 二人が結ばれた十数メートル後ろに淡い光が灯り、オオツノよりも大きな牡鹿が突然
現れた。鹿と言うよりも子馬のような巨体、五又の威厳のある角、フサフサとした鬣
(たてがみ)、筋肉質な体躯、そしてなにより体毛が真っ白であった。
439名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 22:48:04.32 ID:LA5nvTsX
「メルモよ、人間として生まれ、鹿に生まれ変わった少女よ。」
 白鹿は人間の、大人の言葉でメルモの心に語りかけた。その荘厳な声に驚き、彼女
は後ろにしなやかに動いて綺麗な身体の向きを変えた。
「あなたは?だあれ?か、かみさま?シカのかみさまなの?」
「さすが、知恵のある者は違う。お前の胎内には新しい命が芽生えようとしている。
わかるな。」
「わ、わかっています。オオツノさんのこどもです。」
 白鹿は歩幅の広い長い脚でメルモに近寄った。メルモも脚を進める。
「その子は運命の子だ。勇気と力のあるたくましい牡鹿と、人間の知恵を持つ牝鹿
との間に生まれる鹿だ。いずれ、鹿と人間たちの関係を変えていくだろう。」
 白鹿はスキー場の建設地のほうに顔を向けた。
「人間はこの山の森を好き勝手にしすぎた。罰を与えねばなるまい。」
「あのぅ、かみさま?わたし、にんげんにもどりたいんです。わたしにはおとうと
がいるの。ママのかわりにそだてなければいけないの。ママとのやくそくです。」
 白鹿は顔をメルモのほうに向きなおして、彼女を見下ろし優しい視線を投げかけた。
「戻れないことはない。ミラクルキャンディーを口にすれば人間に戻れる、いや
変身出来ると言った方が正確だな。だが、そうするとお腹の子供は消滅する。」
「し、しぬってこと?」
「そうだ、子供を殺せる母がどこの世界にいる?お前は子鹿の母親だぞ。」
 メルモは後ろ脚を交互に上下させた後、後ずさりした。
「で、でも、わたしはにんげん、にんげんです!」
「生まれてくる子鹿にとっては関係ない。子鹿の母は人間の渡メルモではない、
ニホンジカの雌、メルモだ。」
「そ、そんな・・・・・」
「メルモよ、お前はもう鹿なのだ。もはやつまらない人間の姿に戻ることはない。
獣の姿で雄と交わる喜びを知ったのだろう。」
 メルモの膣に残る快感の余韻が大きくなってきた。無意識に尻が左右に動く。
「たとえ、人間に変身したとしても、お前は鹿として生きた日々を忘れられず、
鹿に戻るだろう。人間に変身・・」
「へんしんじゃないわ、もどるの!」
「変身だ。人間に変身したい気持ちもわからなくもない。けれども、お腹に新しい
命を得た喜びも感じているはずだ。」
「そ、それは・・・・うれしいきもちも、あ、あります。」
「オオツノが戻ってくる。さらばだ、メルモよ。よく考えなさい、今、その姿でいる
意味を。それともう一つ、お前はとても美しい。牡鹿達はお前の虜になっている。」
 白鹿の姿はスーッと消えた。程なく、オオツノが群れを連れてやってきた。雌達
も、子鹿達もメルモがオオツノと結ばれたことを祝福した。オオツノに全身キス攻め
にされながら、メルモは白鹿の言葉の意味を考えていた。
「うんめいなの?わたしがシカになったことは?」
440名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 22:54:57.22 ID:ilOEmQUM
うらやましす
441名無しさん@ピンキー:2012/01/31(火) 23:18:51.72 ID:LA5nvTsX
 星が瞬き始めたころ、メルモはオオツノに交尾をせがんだ。交わってからメルモ
が放つフェロモンと性欲は、減るどころか性交の喜びを知ったことで高まっていた。
これは妊娠を、子孫を残すことを確実にするための本能的な行動だった。
 オオツノもメルモの魅力に抵抗出来ず、その夜から夜中にかけて四回交尾をした。
二匹は知らなかったが、最初の交尾のあとオオツノの精子はメルモの卵子に受精し、
子宮に着床していた。
 それから・・・・・
442名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 09:46:48.93 ID:9LWnrAQD
 メルモが鹿に変身してから五日目の朝、オオツノは山の奥村の一番高い場所へと
群れを率いていた。群れの牡鹿はボスのオオツノ一匹、牝鹿は最年長のララ、メルモ
を含め十五匹、子鹿は八匹の計二十四匹の大所帯となっていた。それからのメルモは
ずっと鹿の姿のままで過ごしたのだ。
 メルモと結ばれたオオツノは、彼女によって鍛えられタフになり、新しい交尾の
テクニックを得、連れ合いの雌を急速に増やした。新しい雌には子連れもいた
ため子鹿も増えたのだ。だが、雌を取られ、あぶれた牡鹿たちは面白いはずは
なく、ある者はオオツノの群れから隙あらば雌を奪おうとし、ある者は諦めて人里へ
降り、森、田畑を荒らし、人間に乱暴する者もいた。
 メルモは、すっかり群れの一員でいること、鹿の身体でいることにも慣れて
いた。年長の雌のララを立てつつ、他の牝鹿、子鹿の世話をした。母を失ったトクの親
代わりも務めている。雄の「味」を知った身体はよりセクスィーとなり、しなやかな
姿態と身体の動きは雌達をも魅了した。
 交尾を終え、すでに妊娠しているというのに膣から放たれるフェロモンは減るどころか
何故かますます強くなっていた。これはある意味オオツノにとってはたまらないことだ。
子を宿している牝鹿に交尾をすることは、母体と胎内の子に良い影響をあたえないことを本能的
に知っているのでメルモに交尾はできない。その鬱憤は他の雌に向けるしかない。
群れの雌が急速に増えた理由はそこにもあった。
 それとメルモの放つフェロモンは、風に乗って遠くへ流れた。多くの牡鹿が山を越
えて最高に美しい牝鹿を求めてやってきた。山の奥村付近の牡鹿の数は、例年の何十倍
にもなり、人間たちは困っていた。沢山のハンターが地区に入ったが、メルモに興奮
させられた牡鹿は凶暴で、ハンターや登山客、湯治客に怪我人が続出していた。
 ハンター達の間にも、オオツノの新しい連れ合いに美しすぎる牝鹿がいると話題に
なっていた。メルモは牡鹿たちにとっては恋の相手として、ハンター達には狩りの獲物
として狙われていたのである。
 不思議な事件もあった。村と他の市町村を結ぶ唯一の県道が、地震も雨もないのに
土砂崩れや路盤の崩壊をあちこちで起こし、村は孤立していた。何かの意思がそうさ
せたかのように。数年前、診療所が無人となった山の奥村、たまたま居合わせたワレ
ガラス医師は怪我人、病人の治療、診察に忙殺され、鹿に変身した(人間からみれば
行方不明となった)メルモを探しに行くことを出来ずにいた。好都合なのは、ワレガ
ラス以外、メルモの「失踪」に気が付いていなかったことだ。もし、警察沙汰にでも
なれば話がややこしくなる。おそらく鹿に変身したメルモは森のどこかに衣服とミラク
ルキャンディーの瓶を隠しているはずだ。それが警察に見つけられ、押収でもされたら、
メルモは人間に戻れなくなってしまう。
443名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 09:51:44.38 ID:9LWnrAQD
そんな騒ぎを知ってか知らずか、メルモはオオツノのすぐ後ろと群れの最後尾を行った
りきたりしながら、山の森を歩いていた。
 鹿になって五日目、人間だったことを忘れたわけではない。ただ、群れの鹿が増え、
鹿の「言葉」でコミュニケーションを取ることが多くなったこともあり、自分が人間
だったことを普段は意識しないようになっていた。ふと思い出しても食事をしだすと
反芻、消化することに集中し、そのあとは睡眠を取るし、オオツノや他の鹿と戯れ
たりすると忘れてしまうのだ。例えるなら、メルモが元の人間に戻れば、鹿だった
時の記憶は徐々に薄れるだろう。鹿に変身した日々を忘れることはないだろうが、
普段は生活に追われ、忘れるはずだ。常に自分は鹿だったと思うことなどない。
その逆のことと言えるだろう。
「ことしのふゆはさむくなりそうだね。」
 ララが並んで歩くメルモに言った。群れの雌で一番足の長いメルモは普通に歩くと
ララよりも前に出てしまうから、時々立ち止まったり、歩幅を狭めたりしていた。
「ええ、きょねんもゆきがたくさんつもって、わたしひもじいおもいをしたわ。」
 群れで一番美しい牝鹿のは答えた。だが、彼女は鹿になって五日目ではなかったか。
(なんで、わたしきょねんのことをしっているのだろう?)
 雪で草や葉が埋まってしまい、木の皮にかぶりついた時の「記憶」が脳裏に浮かぶ。
 肉体年齢は三歳くらいでも、人間から変身したばかりのメルモに去年の冬の、さら
に子鹿だった時の記憶などあるはずはない。ところが、あるはずのない去年の鹿の姿
で生きた記憶、子鹿「だった」時の記憶が交尾した次の日から急速に移植され始めて
いたのだ。
 一昨日、ララにメルモは親、兄弟はいないのかと聞かれた。人間としての母は交通事故
で死んだ。弟はワレガラスの知人に預けられ、姉の帰りを待っている。
「わたしのママは、にんげんのくるまにはねられてしんだの。」
 母の記憶は、人間ではなく、メルモのような美しい牝鹿の姿に置き換わりつつあった。
その母である牝鹿が林道を走るトラックに跳ねられて死んだ記憶とともに。さらには
二人の可愛い弟、トトオとタッチの顔の記憶も人間ではなく子鹿に変わりつつあった。
 それでいて、ハンターが話す人間の言葉ははっきりと聞き分けられ、何度か群れの危機を救った。
オオツノはメルモの美しさだけでなく知恵にも惹かれ、頼りにするようになった。
 群れは川を、滝のような川を跳びはねながら登っていた。オオツノが先頭に立って走る。
母を人間に殺された子鹿のトクが嬉しそうに水しぶきを上げながら駆けている。
「チュイイイイン!」
 メルモはトクに警告した。毎年、子鹿が足を踏み外すポイントにはまろうとしていたのだ。
トクは危うく難を逃れた。去年、何匹もの子鹿がそこで危険な目にあった「記憶」が
メルモを動かしたのだ。
 メルモは最後尾に移り、怖がる子鹿たちの尻を鼻で押したりして群れを滝のような川を
登らせた。オオツノが最後に登りきったメルモを待っていてくれた。
「ごくろうだったな、おまえがいてたすかる。」
「それだけ?ごほうびは?」
 メルモは顔を下げ、下からオオツノを見上げて甘えた。オオツノはメルモに熱いキスを
与えるのだった。甘い幸福なひと時がメルモを包んだ。人間だった時のメルモは二人の
弟を守り、育てていた。今は牡鹿のオオツノに愛され、守られている。
444名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 10:02:08.97 ID:9LWnrAQD
山の頂上付近、雲海を見おろしながら24匹の鹿の群れは身体を休めていた。何の
目的でここへ来たのか、メルモには分からなかった。頂上地点には標注があり、○○岳
2345メートルと書かれているのが読めた。その標注から10メートル程離れた草むら
に群れはいた。そこは森ではない。草や美しい高山植物の花、大小の石が転がる場所だ。
(ずいぶんたかいところへきたのねえ)
 メルモが心の中でつぶやくと、標注が眩く光り、その傍にあの白鹿が現れた。
(あ、かみさまだわ。)
 オオツノは白鹿に頭をさげた。ララもあとに続くのを見てメルモもこうべを垂れた。
「オオツノよ。山の主よ。面を上げよ。」
 オオツノは頭を上げ、威厳のある表情で白鹿に向いた。神を敬ってはいるが恐れて
はいない。堂々としている。
「今年はたくさんの連れ合いを得たようだな。ララも元気そうだ。」
 ララは嬉しそうに頷き、オオツノは後ろにいるメルモに前へ来るよう眼で合図
した。メルモは牡鹿達を魅了してやまない大きく形の良い尻を左右に振りながら
前へ出た。他の雌達からその艶ややかな動きにため息が出る。
「すばらしいつれあいにであえました。ごしょうかいします、メルモです。」
 知っているはずよ、と言いかけたメルモを白鹿は目で制した。メルモは白鹿に
一度礼をしてから神々しい体躯を見上げた。
「美しく丈夫そうな雌だな。知恵と勇気もありそうだ。オオツノ、メルモとやらを
しっかり守ってやれ。きっと立派な子供を産んでくれるだろう。大切にしてやれ。」
「はい、にんげんたちからまもります。ほかのオスたちからも。」
 と言ってからオオツノはメルモの首筋を撫でた。メルモは気持ちよさそうに鳴いて
からぶどう色の瞳を閉じてオオツノに寄り添った。
「メルモとやら、幸福そうだな。なにか望みはあるか。」
「はい、わたしは、しあわせです。ほしいものはもうわたしのおなかのなかにいます。」
「他に欲しい物はないのか?」
白鹿は念を押すように言った。メルモの脳裏に二人の弟の姿が浮かぶも、すぐに彼ら
は二匹の子鹿に置き換わった。優しかった母と過ごした日々も頭によぎったが、牝鹿
と森を駆ける子鹿だった時の自分の姿に変わった。白鹿の試すような視線が痛い。
「ありませんわ。」
メルモはきっぱりと言った。
「そうか、それならば良い。立派な子を産むのだぞ。お前たちの子供に会うのを私は
楽しみにしている。オオツノ、人間たちに気をつけろよ。」
 そう言うと白鹿は24匹の群れの前から忽然と消えた。

445名無しさん@ピンキー:2012/02/01(水) 12:20:02.76 ID:9LWnrAQD
頂上から縄張りへと鹿の群れ達は降りて行く。大小の石をメルモの細くスラリと
した四肢が器用に除けながら歩を進める。彼女の胎内では新しい命が着実に育ちつつ
あった。森が近づいてくるのが見える。やがて森は長い冬の訪れとともに白い雪に
覆われる。厳しい冬を耐えしのんだあと、メルモは可愛い子鹿を産み落とすのだろう。
鹿として生きて行く覚悟を固めつつあったメルモだが、人間に戻りたいという気持ち
も完全に消えたわけではない。急速に薄れつつある人間だった時の記憶、かわりに埋
められていく鹿として育った四年近い年月の偽りの記憶が人間としてのメルモの心を
あざ笑う。あれは夢だったのだ。お前は鹿だ。他の何者でもない。誰よりも美しい
牝鹿の身体を与えられ、最高の牡鹿に見初められ、その子を身ごもった。何の不満が
あるというのか。覚悟を決めよ、と。
 たくましい牡鹿のオオツノがすぐ前を歩いている。三又の太く長い角、鍛え抜かれた
筋肉質な体躯にメルモは思わず見とれてしまう。交わって快楽の絶頂を味わった至福の
ひと時が脳裏に浮かび、全身に淡い電流として流れる。思わず、甘い吐息が漏れ、大きな尻が
左右に揺れる。前を向いているオオツノはメルモにマウントしたい衝動を必死に抑えて
いた。
(わたし、どうすればいいのだろう。このままでいいの?)
 かといって人間に戻る決意をしたところで、メルモが人間から鹿に変身した場所、
ミラクルキャンディーがある(正確には谷底に落ちていった)ところは遠く、群れから
離れようとしてもオオツノが許さない。彼は身体を張って阻止するだろう。
 お腹の中で新しい命が動いたような気がしたメルモは森の中に入り、生えている
植物から鹿に適したものを選んでを食べ始めた。自分と新しい命のために。
 メルモが鹿に生まれ変わってから五日目の朝は、こうして平穏に過ぎていた。
オオツノはまた、他の雌と食べ物が多い場所を探して群れを離れた。メルモ達牝鹿は
子鹿を囲むようにして外敵を警戒しながら食事をし、反芻消化をした。眠気が
皆を襲い、交代で睡眠を取り始めたころ、10匹もの牡鹿達が群れに近づいていたのを
メルモもララも気がつかなかった。
彼ら牡鹿達は雌からあぶれた者、メルモの噂を聞いたり、そのフェロモンに惹かれてこの
地区にやってきた者たちである。牝鹿として幸福を掴んだメルモにとってさらなる
試練が待ち受けていた。そんなことも知らず、胃から戻ってきた植物を歯で噛み砕き、
可愛らしく頬を膨らませるメルモは、オオツノと子鹿、三匹で森を駆ける白昼夢
を見ながら幸福な気分に浸っていた。
446名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 22:39:13.66 ID:hC7jIh8L
 ボスが不在の群れは大混乱に陥っていた。周囲で窺っていた十匹の牡鹿達は
オオツノが近くにいないのを確かめると、群れに侵入してきたのである。
「ケケケ!ピャ!ケケ!」
 メルモとララは侵入してきた見慣れぬ牡鹿たちに抵抗すべく並んで甲高く鳴いた
が、牡鹿達には通じなかった。ボスの代わりに群れを守るのがメルモとララだと
分かっているようで、二匹の雌の間に七匹の牡鹿が割って入り、両者の連携を
分断した。メルモの周りには五匹の鹿が取り囲み、少しずつ群れから離され始めた。
二匹の牡鹿がララを抑え、あとの三匹が他の牝鹿達を追いかけまわしていた。
「そいつらはあんたがめあてなんだ!きをつけるんだよ!」
 ララがメルモに警告をする。
「わたしが?どうして?」
「わからないのかい?あんたがいろっぽすぎるからさ!」
 九歳の人間の少女、渡メルモはミラクルキャンディーで美しい牝鹿に変身をした。
元のメルモも可愛い少女だったが、天国の母から贈られたキャンディー、青いほう
一つ食べると、欧米のモデルもびっくりのプロポーションを誇る美女に変身し男
達を魅了した。貞躁の危機も何度か経験をしている。
 赤と青のキャンディーの組み合わせで動物にも変身出来るメルモは、ネズミ、ウサギ
犬などに変身をした。動物のメルモも色っぽく変身し、雄から求愛をされた。五日前
鹿に変身したメルモは、一旦受精卵にまで若返った後、DNAを書き換えられて完全な
繁殖期の雌となった。キャンディーは彼女に体格の良い丈夫な身体を与えた。その肢体
は、必要以上に美しく、性的に感じやすい、丈夫な子供を産めるものだった。鹿の
メルモは人間の精神がブレンドされた凄まじいフェロモンを放って雄達を誘惑した。
 鹿に変身した目的は、命の危機を救ってくれた牡鹿のオオツノにお礼をし、連れ合い
の一匹を殺された彼を慰めることだったが、種族保護本能によって発情し、オオツノと
恋に落ち、群れの一員となり、交尾、妊娠をしたのだ。変身の目的など忘れて。
 メルモ自身は変身した鹿としての自分がどれほど美しく、雄達を虜にしているか
わかっていなかった。群れの最年長の牝鹿ララにはそれが分かっていて警告をしたのだ。
「なら、わたしがこいつらをひきつけるわ!ララ、みんなをつれてにげて!」
 普通、交尾を終え、妊娠をすると雄を誘うフェロモンは出なくなる。しかし、キャン
ディーの作用により、メルモの放つフェロモンは減るどころか、オオツノと五度も交尾を
したことでますます甘く激しいものとなっていた。メルモの噂、フェロモンに惹かれて
他の地区からやってきた牡鹿たちはここ数日でさらに激しく性的に興奮し、見境が
なくなっていたのだ。彼らが侵入したことで平穏だった群れは大混乱になった。
(わたしのためにみんながあぶないめにあうなんて。オオツノさんがもどってくるまで
みんなをまもらないと。それにおなかのこも。)
447名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 23:25:07.05 ID:735LxDJK
>>440獣になっているめるもちゃんが
うらやましいってこと?
448名無しさん@ピンキー:2012/02/02(木) 23:30:22.57 ID:hC7jIh8L
 大混乱に陥った群れ。ついさっきまでは平和だった。十五匹の牝鹿のうち、交尾を
していない四匹は三匹の牡鹿に追い回され、交尾を始めさせられた。彼女達が自らの
子鹿を前にして無理やり交われされているのがメルモに見えた。
(ひ、ひどい!わたしがみんなをまもってみせるわ!)
「チュイイイイイイン!チューーン!」
 メルモは息を吸ったあと、オオツノとの甘いひと時を思いながら鳴いた。自分でも
驚くくらい色っぽい声だ。メルモを囲む五匹は空を仰いだり、傍の木に身体をこすり
つけたりして興奮し、うめき声をあげた。ララや他の牝鹿に向かっていた牡鹿たちも
メルモに色気のある鳴き声に興奮し、注意を彼女のほうにむけはじめた。
(いまよ!にげて!)
 メルモはララに眼で合図をし、身体の向きを変えるとわざと大きく美尻を振って駆
け始めた。五匹はすぐに追いかけてきた。前方と後方を同時に見ることができる鹿の
目が、他の牡鹿たちも自分達を追いかけはじめたことを捉え満足した。程なくララは
群れをまとめてオオツノのもとへ合流するだろう。これで命を助けられた恩返しができ
る、とメルモは思った。初めてオオツノと会った時はまだ人間だった。山で雨に打たれ、
命の危機を迎えたメルモはオオツノに洞窟へ連れられ、雨をしのぎ、冷え切った身体
を温めてもらった。その時の光景が脳裡に浮かぶが、その時の自分の姿は鹿になっていた。
 だが、誤算があった。食事をし、反芻消化中だった胃が悲鳴をあげた。腹部の痛みに
走れなくなったメルモはやむなく速度を落とすしかなかった。五匹のうち、太い
足を持つ牡鹿がメルモの前に回り込む。角を振り立て両足を交互に上下し、白い歯を
見せて唸る。その気迫にメルモは立ち止まった。左右には各一匹、後ろには二匹が
並ぶ。メルモを中心として、彼女からおよそ2メートル離れ、五匹の牡鹿は取り囲んだ。
「ケ、ケ、ケケ、チュイン!」
 これから起こることを予感して、哀れな牝鹿は不安な声を上げ、細い四肢をばた
つかせた。前を塞いだ「太足」と左の牡鹿の間が少し開いていたので、そちらへ飛び
出そうと試みるも、すぐに間隔は狭められた。やむなく後ろへ下がる。次に牡鹿たちと
メルモの距離がじわじわ縮み始める。
(こわい!オオツノさん、どこにいるの、たすけて!)
 後ろの二匹のうち、額に傷がついた者が突然飛び出し、小刻みに震えるメルモの腰に
マウントをした。「額傷」は一番体格が大きく、ボスのようだった。
(な、なにをするの?)
 メルモは驚き、額傷から逃れなければと思ったが、身体は別の反応をした。前足に
力を入れ、気持腰を上にあげ、後ろ足を開け、交尾を受け入れる態勢を取ったのである。
449名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 00:21:01.37 ID:mxWlBR+v
(ど、どうして、あぁあ!)
身体の無意識の反応と快感に戸惑ったメルモ。すでに五回もオオツノの肉棒を受け入れて
いたメルモの膣口は柔らかくなっていて額傷の挿入を簡単に飲み込んだ。それを拒もう
としたメルモの意思は一部だけ叶い、膣が狭まった。それにより額傷の棹はより感じて
しまい、激しい腰の打ちつけをさせることとなった。
「ミイイイン!フウウン!」
 牝鹿の口から喘ぎ声が漏れる。たくましい肉棒を打ちこまれた喜びが精神を変容
させようとする。普通の鹿の交尾ならここで射精をして終わるのだが、ミラクル
キャンディーで艶めかしい牝鹿に変身したメルモから放たれるフェロモンと、彼女の
強力な生殖器が額傷に愛液を放つのを留まらせた。もっと感じ続けるために。
「ブフォ!ミミミ、ミュウウウン!」
 今まで何度も雌と交わった額傷が感じたことのない性的な興奮をメルモはもたらし、
喘ぎ声を出させた。彼女のフェロモンに惹かれ、彼は山をいくつも超えてやってきたの
だ。牡鹿はメルモの背中から首筋を愛撫し、腰を打ちつけ続ける。
(だめ、こんなことをしていてはだめ!)
 メルモは尻を振って額傷を振り落とそうとした。初めてオオツノと交尾をした時、
一時的に人間の理性を取り戻したメルモは、オオツノを振り落とそうと腰、尻を大きく
左右に振った。だが、オオツノの腰の打ちつけとシンクロしてしまい、さらなる快感の
渦に引き込まれた。今度もそうなるかもしれないが、他に方法はあるまい。
 メルモは腰に力を入れて、美尻を左右に振る。膣内で暴れていた肉棒が抜けかけた。
(もうすこしだわ。もうすこしよ。)
額傷の体躯も左右に大きく振れる。振り落とされまいと前足で牝鹿の身体を必死で掴む。
メルモに同調して揺れる額傷だが、しだいに再度腰を前に打ちつけ始めた。またして
もメルモの身体は牡鹿の腰の動きに同調し始め、気がついた時は額傷の腰の打ちつけ
に応え、自らも腰を激しく前後に振っていた。
(そ、そんな、そんなことって、あぁん♪でも、きもちいい、かんじちゃう!)
 前、左右、後と四匹の牡鹿に見られていることもメルモをより興奮させた。
「ピャ!ケケケ!チュウイン!」
 快楽の電流が膣から子宮を経て全身へと流れていくのをメルモはどうすることも
できず、喘ぎ声が、肉と肉がぶつかり合う音とともに森に響いた。ピストン運動
を受け続ける膣粘膜が雌汁を絞りだし、ピチャピチャとした音も聞こえる。擦られ
続けた膣は、入り口、真ん中、子宮口で淫棒を閉めつけていき、牡鹿を快楽の頂点
へと誘う。
「ブフォ!ミイイイ!フウウウウウン!」
「チュイイイイ!チュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」
 耐えられなくなった額傷は、白い愛液をメルモの膣内でばら撒いた。結ばれた二匹
は絶頂の叫び声を緑と紅葉が美しい森に響かせた。
450名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 00:27:18.10 ID:mxWlBR+v
交尾が終わると、額傷はすぐに肉棒を引き抜き、哀れな牝鹿から離れた。オオツノ
のように陰部をきれいにしたり、愛撫を続けいたわると言うことはなかった。
 お腹の中には既にオオツノの子がいるというのに他の牡鹿と交尾をし、さらに
絶頂を感じた自分に戸惑い、茫然自失のメルモだった。
(でも、きもちよかったわ。オオツノさんほどじゃないけど。)
 ここ数日オオツノは交尾を求めてこなかった。それは当然のことだが熟れ始めた
牝鹿の身体はほてっていて、不満を感じていたのも事実だった。久々に味わった
性交の快感に満足した牝鹿の自分が心の中にいた。
 いつのまにか額傷はメルモの前にいた。太足は何処に行ったのか、と首
をキョロキョロさせた時、背後に気配を感じ、何者かが腰にマウントしてきた。
(う、うそ!そ、そんな!)
 額傷に替わり、今度は太足が交尾を求めてきたのだ。今度もメルモの身体は
腰をしなやかに伸ばし、牡鹿を受け入れる。スッと太足の淫棒が挿入され、腰
の打ちつけによるピストン運動がメルモを快感の渦に引き込んでいく。
 今度はすぐに牡鹿の動きに同調し、メルモは自らの腰を前後に激しく振った。
あとの三匹が喘ぐメルモに興奮して、前足を左右交互に上下させている。メルモ
はゾッとした。このまま順番に三匹の牡鹿たちに交尾され続けるというのか。
 視界には後から追ってきたあとの五匹の牡鹿たちの姿も見えた。メルモを中心
とした六匹の鹿の周囲をグルグル回っている。
(ちがう、あときゅうひき?そ、そ、そんなあ、い、いや!わたしがなにを
したっていうの?)
 太足の腰の打ちつけは激しくなってきた。足が太いだけに力が入るのか額傷
よりもそれは激しい。品はないが、オオツノの時よりも快感を得始めていた。
「チュイイイイン!ミュン!」
 メルモは喘ぎ声を堪え切らず出し、太足はその声に我慢できなくなり、最後の
力強いひと突きとともに膣内に射精をした。肉棒が竜のように暴れまくる。
「チュウウウウウウウイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」
 膣から子宮を経て、快楽の雷(いかずち)が全身に広がった。首筋、ピンと
立った両耳、マズルの黒い鼻、四肢の先端の蹄、クルクル動く尻尾、そしてアー
モンド色の体毛の先端までが快楽の渦の底に引き込まれた。人間の少女から美
しい牝鹿に生まれ変わった喜びを全身で感じるメルモは悶え声を止められない。
 太足が淫棒を引き抜こうとすると、メルモは膣口を締め付け、そうさせまい
とする。もっと感じ続けるために。想いを遂げた太足は唸りながら棹を引き抜く。
そのあと、ジャーっと尿が放たれた。
 前に立つ額傷が近寄り、品の無い口付けをし、メルモはぶどう色の瞳を閉じて
受け入れた。額傷は元の位置に戻ると、メルモの左側に立つ牡鹿に眼で合図をした。
彼はメルモの後ろに回り、前足を掛けてきた。太足がメルモの左側に陣取る。
(うふふ、きもちよかったわ♪あと、はちかいもこんなきもちのいいこと
ができるのだわ♪)
 先ほどの絶頂が、人間の少女が変身した牝鹿を淫獣へと変えてしまった。メルモは
快感の波間に漂いながら、腰を突き出し美尻を強く左右に振って次の交尾を待った。
もはや、自分が人間だったことなど完全に忘れ去ったメルモは、愛するオオツノ
の事も胎内に芽生えた新しい命のことも忘れ、快楽の底なし沼に溺れていった。
451名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 01:06:45.26 ID:mxWlBR+v
 ララはメルモの犠牲をむだにしないために群れを率いて、オオツノのもとへと
歩いていた。群れの危機に駆け付けてこなかったボスに腹を立てていたが、オオツノ
は額傷が放った牡鹿三匹に決闘を挑まれ、動けないだけでなく群れの危機を察知でき
なかったのである。
 ララは一度群れの最後尾まで走り、メルモと自分を除いた二十一匹がいるかどうか
を確かめた。こんな時メルモがいれば、と思ったがどうしようもない。今頃彼女は
どんな目にあっているだろう。メルモを母親のように慕うトクは悲しむだろう。
(あれ?トク?あのこがいないじゃないか!)
 一旦は群れに従って逃げた雄の子鹿トクは、メルモが心配で元来た道をたどって
戻った。牡鹿達に囲まれ、森の奥深くに消えた彼女が心配だったのだ。
(ぼくがまもる、ぼくがメルモをまもるんだ!)
 目の前で母親を人間に殺されたトク。悲しみにくれる彼の前にメルモは現れた。
群れのボスのオオツノが連れてきたのだ。一瞬でトクはメルモを好きになった。母を
守れなかったくやしい気持、人間を憎む気持を持つ彼を美しい牝鹿のメルモは優しく
受け止めてくれた。
「わたしもにんげんにママをころされたわ。あなたもオオツノさんのようににんげん
におそれられる、にんげんをだしぬけるおじかになりなさい。」
 メルモの言葉がトクの脳裏に響いた。まさか彼女が人間の少女が変身した姿とは
夢にも知らないトク。トクはメルモを母のように想い、必ず人間や熊、他の牡鹿から
守ると誓っていたのだ。そして自分が大きくなったら、オオツノを倒し、自分の連れ
合いに迎えよう、と密かに決めていた。一度は逃げたことを恥じつつ、トクはメルモ
の臭いを嗅いで救出に向かっていた。自分を優しく毛繕いしてくれ、乳首に吸い付い
ても拒まなかったメルモの美しい姿が白昼夢となって浮かぶ。母親代わりであること
はオオツノも群れの鹿達も認めてくれていたから、美しく、知恵のあるメルモはトク
にとって自慢の「母」だった。その母の変わり果てた姿をトクは目撃してしまうこと
になる。
トクがメルモが牡鹿たちに代わる代わる交尾させられている現場に着いたのは太陽が
南の空に見えたころだった。トクにとっての母を中心として五匹の牡鹿が囲み、順番に
交わっていた。五匹の周りにはさらに五匹が周囲を警戒しつつ順番を待っていたが、
牝鹿の放つ喘ぎ声、フェロモンに影響され、監視を怠りはじめていた。
「チュウウウウウウウイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」
 快楽の絶頂に達したメルモの声に、トクはショックを受けた。声だけでなく自ら
腰を振り、口を開け涎を垂らしている姿にも。まるで別の生き物のようだった。
メルモがオオツノと初めて行為に至った時、トクは傍にいなかった。その後
四回、二匹の行為の最中はララに連れられ、メルモから引き離されていたのだ。母の
ように慕うメルモが牡鹿と交わる気持よさそうな表情、声ははじめて見た。
 すでにこの時、五匹目の牡鹿との交尾を終えていたメルモは、首を後ろにそらし、
甘い声をだして次の牡鹿を誘った。無理やりではなく、自分の意思で牡鹿を誘っている。
自分の知っているメルモではない。一体彼女はどうしてしまったのだろう。
452名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 01:25:35.36 ID:mxWlBR+v
痩せた細い角を持つ牡鹿がメルモにマウントをする。交尾の経験の少ない彼のために
メルモは腰を上下に振って、快楽の海に誘ってやっている。
「チイチイ!チュイイイイン!」
 たまらなくなったトクはメルモに向かって鳴いた。そして彼女のもとへ駆けだした。
すぐにボスの額傷が走ってきて行方を阻む。オオツノの群れを観察していた
彼はトクのことも知っていた。おそらくメルモの子供だろうと思っていた。
 額傷は角を振り立て、うなりながら威嚇する。ここを去れ、あれはもうおまえの母
ではないと言うかのように。
「チュイン!チイイン!」
 トクはメルモを呼ぶが、痩せた牡鹿をリードして交尾に浸るメルモは気が付いてく
れない。トクは元来た方向に首を振る。もうすぐオオツノがやってくると示した。
 額傷はじっとその方向の空を見て考えていた。潮時と考えた彼は、メルモの六匹目
の交尾が終わるのを見るや、牡鹿たちに向かって吠えた。
「フィィ!フウウウウウン!」
 トクは茫然としたが、彼らはメルモを置いてここを去ると思った。その後メルモを
連れて群れに戻ろうとも思った。額傷はトクから離れ、牡鹿たちの先頭に立って歩き
はじめた。すると何と言うことだろう、メルモも牡鹿たちとともに歩き出したのである。
交尾できなかった四匹は額傷と太足に抗議したが、彼らは一喝した。 
 トクも後を追いかける。牡鹿達は陣形を作り始めた。そう時間をかけずに陣形は
完成した。メルモを中心として五匹の牡鹿が囲み、さらにその外の周を他の五匹が
囲む輪型陣を組んで彼らは歩きはじめた。
 中心のメルモはトロンとした目をし、リズミカルに美尻と尻尾を振って歩き続ける。
たまらなくなったまだ交尾していない牡鹿が接近を試みるが、太足が警告し、以後
陣の形は乱れなかった。メルモの顔は前を向き続ける。トクが何度も呼ぶが気が
つかないのか無視をしているのかはわからないが、優しかったメルモが彼の方を向く
ことはなかった。
 額傷はメルモを山の向こう、自分たちの住む場所、人間の境界線、県境を越えて連
れて行こうとしていた。もしそうなれば、メルモはオオツノには二度と会えず、人間に
戻ることもできず、見知らぬ地で鹿として一生を終えるだろう。快楽の虜となったメル
モは、自分が人間だったことも、オオツノの愛も、お腹の中の新しい命も、我が子のように
可愛がったトク、そしてララ達群れの仲間のことなど忘れ、子鹿の視界から消えた。
453名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 01:35:39.47 ID:mxWlBR+v
人間には戻れない雰囲気のメルモちゃんですが牝鹿としての幸福はつかみ
ました そんなメルモちゃんを悲劇と試練が襲います 彼女は
遠い山の向こうからきた牡鹿たちに狙われ つれていかれようとしています
彼女を救うのはオオツノでしょうか 母がわりに慕うトクでしょうか それとも…
一方、人間社会もそろそろメルモちゃんの失踪に気がつくはず… ワレガラス
はどうするのでしょう 彼女は人間にもどれないのでしょうか
お話はまだまだつづきます…
454名無しさん@ピンキー:2012/02/03(金) 07:09:42.72 ID:4jaKPX3a
色々な意味で崩壊したと言う感じのメルモ…
何かこのままだと鹿としての歪んだ再生を果たし…
と言う見方もできますけど本当にどうなるかですね。
と言うか仮に救われたとしても人に戻った場合は色々後に響きそうですし…どうなるか気になります。
455名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 21:55:52.12 ID:6eqOKpe4
 建設途上の山の奥村スキー場(仮称)その上級者コース予定地、傾斜40度近くの
斜面を鹿の群れが昇っていた。木が切り倒された斜面にはリフトの支柱が何本も立っ
ている。鹿の繁殖期の秋である。普通この時期の群れは牡鹿一匹が数匹から十匹の
牝鹿、子鹿を連れている。だが、そこにいる群れは真ん中にいる美しい牝鹿を中心と
して十匹の牡鹿がいた。
 勿論メルモ達である。彼女のフェロモンにひきよせられた牡鹿たちによってメルモ
は交尾の快楽の虜とされ、彼らの住む遠い地域へ連れて行かれようとしていた。斜面
を登り切る前に、群れの実質的なボス、額傷が合図をし、まだ交尾を果たしていない
牡鹿にメルモへの接近を許した。
「チュイイイイン!」
 甘い牝鹿の声がゲレンデ予定地に響く。想いを果たした牡鹿がメルモの背中から降り
ようとした時だった。パーーーーンと銃声が響き、牡鹿は倒れ込み、ゴロゴロ斜面を
転がり落ちていき、リフトの黒い支柱に激突した。
 ハンター達が森の中から群れを狙っていたのだ。銃声が続き、あっという間に四匹の
牡鹿が撃ち取られた。額傷はフィィっと鳴くと斜面を登り始め、残りの牡鹿達も続く
快楽の余韻に浸るメルモはサブリーダー格の太足に尻を押され歩くも歩みは遅い。直後、
太足も銃弾に倒れ、メルモはようやく危機を実感し、斜面を駆け始めた。
 銃声は続き、次々と牡鹿達は撃たれていく。森の中に飛び込んだ時は、額傷とメルモ
だけとなっていた。すべての牡鹿が撃ち取られたわけではないが、生き残った者も
方々に散って行った。
 森を早駆けしながら、メルモはすこし前を走る額傷を見た。
(あれは、オオツノさん?ち、ちがうわ。だれなの?)
 群れの仲間たちもいない。自分は何をやっているのだろう。快楽のひと時の余韻
は消え、メルモは鹿としての自分を取り戻しつつあった。人間だったことは、いまだ
忘却の彼方である。
 前を走る牡鹿の額傷から逃れなければ、と思うもののたった一匹でハンター達から
逃れられるとも思えない。種族としての鹿を保護するため牝鹿の狩猟は禁じられて
いるのだが、流れ弾に当たったとか、誤って撃ったと言えば認められることが多いため、
雌も安心はできない。
(でも、このままとおいところへつれていかれるのはいや!どうすればいいの?)
 山の尾根に達すると額傷は立ち止まった。メルモも並ぶ。ここを降りていき、
また一つ山を越えれば、彼の住んでいた土地に着く。最高に美しい牝鹿を連れて戻る
事が出来るのだ。それはメルモにとっては完全にオオツノ達と引き離され、二度と人間
に戻れないことを意味する。
メルモは後ずさった。逃げなければ、逃げてオオツノのもとへ戻らなければと
思った。額傷はメルモに向き唸りだした。しばらくにらみ合った牡鹿と牝鹿の側に
二匹の牡鹿が現れた。かつてメルモをオオツノから奪おうとしたナラとイガである。
456名無しさん@ピンキー:2012/02/04(土) 23:07:48.69 ID:6eqOKpe4
「ふうう、やっとおいついたでえ!このやまのメスをうばおうなんでゆるさんでえ!」
 メルモは助かったとばかりナラとイガの後ろに回り込んだ。
「むすめよ、はやくオオツノどののもとへもどられよ。みなあんじておる」
「ありがとう!でも、どうしてたすけてくれるの?」
 メルモは額傷とにらみ合うナラとイガに問うた。
「このやまのぬしのオオツノにあんたをとられるんはしゃあないけどなあ、よそのとち
からきた、えたいのしれぬやつらにつれていかれるんはゆるせへんねん。」
「まあ、われらもよそものではあるがな。」
「ちゃうわい、ここにきてもうなんねんもなるんや。よそもんちゃうでえ!」
 イガが一歩前に出、額傷に角を振り立て勝負を挑んだ。額傷は受け立つ姿勢を示し、
二匹は角を突き合わす。
「ナラどの!むすめをつれてにげられよ!にんげんにみつからぬようにな。せっしゃが
なんとかするゆえ!」
 メルモは嬉しくなった。自分に好意を寄せたものの、相手にしなかった。それなのに
二匹の牡鹿、ナラとイガは助けてくれるという。
「ありがとう、ありがとう。」
「れいはええ!さあ、くるんや!」
 決闘をするイガと額傷を置いて、メルモのナラは山を駆けおり始めた。

森を駆ける二匹。メルモは魔の手から救われた。前を走るナラには申し訳ない
が助けてくれたのがオオツノだったらどんなに良かっただろうと思うのだった。
 メルモは細く流い足でしなやかに駆け続ける。前足が地面を蹴ると四肢は宙に
浮き、続いて後ろ左足の蹄が土に接する。右足もそれに倣い、両の後ろ足の蹄
が天に向いた時は左の両足が地面に付き、すぐに勢いよく大地を蹴った。鹿に
変身して五日しかたっていないのに、メルモの足の運び方は早いだけでなく
優雅だった。再び、身体が宙に浮いた時、オオツノの優しい顔が浮かんだ。
(あいたい、はやくオオツノさんにあいたい!)
 突然黒い影が飛び出してきて、ナラに襲いかかった。それは額傷だった。
(どうして?もうやってきたの?)
 メルモは細い四肢をばたつかせて止まる。額傷はイガを倒し追ってきたのだ。
ナラは態勢を立て直し、額傷に角を振り立てる。勝負するしかないようだ。
「はよいき!オオツノのもとへ、わしのことなどきにすんな!」
「で、でも、でも」
 メルモは小刻みに震えながら言った。
「はよしいや!にげんかい!わしかてまけへん!らいねんはあんたをもらうでえ!」
 ナラに申し訳ないと思いながらメルモは逃げた。するとどうしたことか額傷はナラ
を置いてメルモを追いかけはじめた。
「まて、しょうぶすてるんかい!」
 ナラも走り出す。三匹の鹿が森を駆けた。
メルモの四肢は額傷より長く、より早く駆けられる。だが、体力は牡鹿に叶わない。
しだいに距離は縮まっていく。
457名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 00:14:05.07 ID:kKv+6cpn
 額傷の鼻息が、メルモの尻尾、陰部にかかりかけた時、二匹の身体は宙に浮いた。
(え、どういうこと?)
 二匹は谷底へと落ちて行った。牝鹿と牡鹿の断末魔の叫びが山に響いた。
「チュイイイイイイイイン!」
「フィイイイイイイ!」
 メルモの身体は岩に激突し、谷底へと転がり落ちて行った。額傷は岩と岩の間から
伸びる木の枝に心臓を突きぬかれ絶命した。何回転もしながらメルモは落ちて行く。幸か
不幸か谷底は梅雨の大雨の時の土砂崩れで出来た天然のダム湖があり、美しい牝鹿は
そこに落ちようとしていた。湖面に映る四本の足をジタバタさせる自らの姿を見てメルモ
は驚愕した。
(え、どういうことなの?)
 バシャーーーンと水しぶきの音がした。湖面に叩きつかれる直前、メルモは自分が落ちていく
速度感、恐怖感から精神が変化し、人間だったことを思い出した。自分が鹿の姿をしていることに
激しい違和感を持ったのだ。
 ダム湖の底にでメルモは沈んでいく。水が鼻から口から、膣、肛門から無慈悲に
侵入する。牝鹿は水の中でもがく。人間だった時のメルモは水泳が得意だった。クロール、平泳ぎ、
背泳ぎ、なんでもできた。ただ、今の彼女の身体ではそれらの泳法は身体の構造上不可能だった。体育
の水泳の授業の時、短い自由時間でクラスメイトとともに犬掻きで泳いだことを思い出したメルモは前足
で水を掻き、後ろ足で湖底の泥を蹴った。なんとか
態勢を立て直すと身体は浮きはじめ、湖面に顔を出すことが出来た。
「チュイイイン!」
 自分の声を聞き、生きていることを実感する。助かったわ、と言ったつもりが鹿の
鳴き声だった。鹿に変身して以来久しく失われていた人間の精神がにわかに蘇ってい
たメルモは、犬掻きをして何とかダム湖を作っている天然の堤防によじ登った。
(う、いたい!いたいわ!)
 腹部、胸部に激痛が走る。全力疾走したあと谷底へと転がり落ち、身体が岩に激突
したあと、水の中を泳いだことでメルモの身体は危険な状態になっていた。美しい姿態
は地面に倒れ込み、悲鳴をあげていた筋肉は痙攣し、心臓は激しく鳴った後、その鼓動を
止めた。瞼は閉じ、ぶどう色の瞳は見えなくなった。メルモが人間から鹿に変身して
五日目の午後、彼女は息を引き取った。閉じた目からは涙が流れ、細い四肢はもう大地
を駆けることはないのだろう。そこに倒れる美しい牝鹿の亡骸に彼女が人間だった
ことを証明するものは何もなかった。
458名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 00:30:02.04 ID:kKv+6cpn
(え、どういうこと?)
 鹿としての自分の身体を、メルモは見下ろしていた。天然の堤防に倒れこんでいる
美しい牝鹿。それは人間から変身したメルモの身体だ。
(でも、わたしはここにいる!)
 ダム湖の水面から数メートルの所に浮いているのは分かった。でも澄みきった湖面に
自分の姿は映っていない。しばらくするとナラが駆けおりてくるのが見えた。ナラは
クンクンと臭いを嗅いだ後、美しい牝鹿の肢体を鼻でつついたり、撫でたりする。
「あかん!しんでるわ!」
 ナラが鹿の言葉で叫んだ。
「しんでる?なにをいっているの、わたしはここにいるわよ!」
 だが、メルモの言葉はナラには届かない。もう一度叫ぼうとすると空が光り、何者
かが舞い降りてきた。ナラは何故か気がつかないようで、横たわる牝鹿の身体を撫で
続けている。空から降りてきたのは五匹の白い羽根が生えた子鹿、そして二匹の銀色
の美しい牝鹿だった。子鹿達はメルモの周りを飛び回り、銀の牝鹿はメルモの前に宙に
浮いて並んだ。
「な、なんなの?あなたたち!」
「メルモ。お迎えにきました。さあ、一緒に行きましょう。ためらわずに。」
 銀の牝鹿は同時に話しだした。格調の高い声だった。
「おむかえ?どこにいくの?」
「勿論天国です。あなたは死んだのです。」
 メルモは空中で足をばたつかせ、首を左右に振った。
「なにをいっているの?わたしはいきているわ。」
 銀の牝鹿達はナラと動かない牝鹿の身体のほうに顔を向けて行った。
「あれをごらんなさい。あなたの亡骸です。」
「で、でもわたしはここにいるわ。なんでういているのかわからないけど。」
 メルモは首を曲げ、胴を毛繕いする。生きている実感はある。
「ちゃんといきているもん!これがわたしのいまのからだよ。」
「それは身体ではなく、あなたの魂です。魂は生きていた時の身体を映すのです。」
「そ、そんな・・・・・」
 見るとナラは動かない牝鹿の身体から離れて行く。
「しんでまいよった。オオツノにしらせにゃならんなあ。」
「ま、まって、わたしはここにいるわ。」
 銀の牝鹿は声をそろえて言う。
「彼にはあなたの声は聞こえないわ。さあ、いきましょう。」
「ま、まって、たましいはいきていたときのからだをうつすっていったわね。じゃあ、
おかしいわ。わたしはにんげんだもの。たましいがにんげんのすがたをしていないの
はへんだわ。しんだなんてうそをいっているのね。」
 銀の牝鹿達は互いに顔を見合わせた後、メルモのほうに向いて微笑んでいった。
「あなたは牝鹿です。とびきり綺麗な牝鹿です。さあ、行きましょう。」
 メルモの周りを飛んでいる子鹿たちが、美尻を押す。メルモの魂はゆっくりと上昇を
はじめた。
459名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 01:11:12.03 ID:kKv+6cpn
鹿の姿のメルモの魂は、女神らしい銀の牝鹿達、羽根の生えた子鹿の天使たちに
導かれ、空へと舞い上がっていく。メルモは首を左右に振り、四肢をジタバタさせて
抵抗しようとする。
「いやいや!しんだなんてうそよ!わたしはにんげんよ、これはなにかのまちがいよ。」
「メルモ!下をみなさい。現世にお別れをするのです。」
 下を見ると、山の奥村の緑の山々が見える。トボトボ歩くナラ、額傷の亡骸も目に
入った。
「あ、オオツノさんだわ。」
 オオツノの逞しい姿が見えた。額傷が放った刺客と戦い、傷だらけになった彼は、
ララに率いられた自分の群れと合流していた。ララはメルモを襲った悲劇をボスに報告し、
それを聞いた彼は天を仰いで茫然としている。子鹿のトクはたった一匹で森を彷徨っていた。
麓の人里、温泉街ではワレガラスが地元の人数人と山に入ろうとしていた。メルモ
を探しに行くのだろう。遠い向こう、東京近郊では姉の帰りを待ちわびる二人の弟が
いるのが見えた。やがてそれらの光景はどんどん小さくなっていく。
「ごめんなさい。オオツノさん、ララ、トク、みんな。そしてワレガラスせんせい、かわ
いいおとうとたち。」
空が眩しくなってきた。絶望感が高揚感に変わっていく。子鹿の天使たちに頬笑みを返すメルモ。
先を行く銀の牝鹿たちもメルモを振り返って笑顔を見せる。
「さようなら。メルモはてんごくへみちびかれていきます。」
 
「チュウイイイイイイイイン!チュイイイイイイイイン!」
 メルモの魂が現世で発した最後の言葉は、人間の言葉には訳せない、鹿独自の物だった。
「さあ、メルモもうすぐ天国です。」
 銀の牝鹿の声がした。人間として十年近く、鹿として五日生きた渡メルモは天上界へと
導かれていった。背中にはうっすらと羽根が生えている。四本の細長い脚で大地を走るように天に向かって駆けて行くのだった。
460名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 01:27:19.11 ID:kKv+6cpn
天上界の入り口では、たくさんの鹿の魂が並んでいた。牡鹿、牝鹿、子鹿。ニホン
シカだけでなく、トナカイ、ヘラジカなど世界中の鹿の魂が集まっているようだ。
満たされた気持ではあったが、メルモはなんとか生き返れないかと考えていた。順番に
鹿の神様のもとへと歩いて行くが、気の遠くなるような時間が過ぎたあとメルモの順番となった。
 緑の草が生えた丘の上に銀色の巨大な牡鹿の像が立っていて、その下に金色の牡鹿
四匹がいた。彼らは鹿の神様なのだろうとメルモは思った。
「おまえはどんな行いをしてきた?申し立てるがよい。」
鹿の神様のうちの一体が言った。
「あの、わたしをいきかえらせてください。わたしがしんだのはまちがいです。」
「まちがい?どういう意味じゃ?」
「わたしは、わたしはにんげんです。ワタリメルモというなまえもあります。ここが
シカのてんごくなら、にんげんのてんごくにママがいます。ママがくれたキャンディ
―でわたしはシカにへんしんしたのです。」
「じゃが、おまえは、魂としてのお前は美しい牝鹿じゃが。」
 メルモは改めて自分の姿を見た。確かに鹿の姿だ。
「でも、しんじてください。わたしは・・・」
「そんな話、信じられるか。おまえは天国でしばらくすごしたあと、また鹿に生まれ
変わるのじゃ。さあ、行くがよい。次の者よ・・・」
「お待ちください!」
 メルモの後ろから荘厳な声がした。思わず振り返るとそこには現世の森で出会った
白鹿がいた。助かったと言う気持ちと自分が人間だと主張するところを見られバツが
悪い気持がないまぜとなった。
 白鹿はメルモの横を通り過ぎ、金色の鹿の神々の前に立った。
「この者が言うことは真実です。彼女は人間でしたが鹿に変身、いや生まれ変わりました。
彼女は運命の牡鹿の母となります。鹿達の未来のためにも何とかなりませんか。」
 メルモはハッとした。やはり自分は生き返るにしても鹿として生きて行くしかないのか、と。
 金色の鹿の神様のうち二体が突然角を合わせ決闘を始めた。しばらくすると片方の神様
の角がポロリと落ちた。意味がわからないメルモだが、白鹿は満足げにうなずいた。
「おお!角が落ちた。では、この者を生き返らせてくださると?」
「白鹿よ。決まり故認めよう。じゃが、人間だという主張をそのメルモとやらが取り下げることが条件じゃ。
鹿として生きて行くのなら許そう。」
「お任せください。」
 白鹿はメルモのほうを向いた。思わず後ずさった彼女を優しく見つめる。
「メルモよ。人間として生まれ、美しい牝鹿に生まれ変わった少女よ。生き返ることができるぞ。」
「ほ、ほんとうですか?」
「だが、人間に変身せず、鹿として生きて行くことが条件だ。よいな?」
「そ、そんな、わたしはにんげんです。」
 首を振ってチュイイインとメルモは鳴いた。
「メルモよ、未来は決まっている。見よ。」
461名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 01:34:53.22 ID:kKv+6cpn
 白鹿が見よ、と言うと、銀色の牡鹿の像の前に巨大なスクリーンが現れた。
「見なさい。メルモ、おまえの未来の姿だ。」
 そこにはオオツノと交尾をする鹿のメルモの姿が映った。快感に溺れる自分を見て一瞬
眼をそらす。次に冬の雪原を駆ける牝鹿が映り、やがて春になって腹が膨れ乳房が
張った牝鹿の映像に変わった。メルモは息を飲んで見守る。
「見よ、未来のお前が新しい命を産むぞ。」
 陣痛に苦しんで初夏の森に横たわる牝鹿は、四肢の膝をつき、腰を上げて胎盤ごと子鹿を
産み落とした。付着する胎盤、羊膜を優しく舐め続けると真っ黒だった子鹿は茶色の体毛に
白い斑点を持つ愛くるしい姿となってふらつきながら立ちあがった。子鹿は母鹿に
まとわりつき、乳房を探し求めた後、母乳を飲んだ。子鹿を慈しむ牝鹿。メルモは
うっとりと巨大なスクリーンに映る鹿の親子を見続けた。
「わたしもあんなこしかをうみたいわ。」
 思わずつぶやいたメルモに白鹿は優しく言った。
「だから言っているだろう。あれはお前なのだ。」
 歩けるようになった子鹿を連れ、夏の森を駆けるメルモの映像が流れたあと、
秋が来て再びオオツノと愛し合うメルモが映り、スクリーンは真っ白となった。
「終わりではないぞ。これを見よ。」
 スクリーンには青色を背景に人間の家系図のようなものが映った。家系図と違うの
は人名のかわりに鹿の顔が映っていたことだ。系図の頂点にはオオツノと鹿としてのメルモの
顔があった。写真のように静止してはいない。動画のようでオオツノと視線を合わせる幸福
そうな自分の顔をメルモは見た。
 二人の間から伸びる金色の線はどんどん下へと枝分かれしていく。初めは大きかった
オオツノ・メルモ夫婦の顔は小さくなり、家系図はどんどん広がっていく。夫婦から伸びる
金色の線は九本あり、うち七本がどんどん下へと広がっていた。鹿の家系図は立体的で
グルグル回っていた。
「メルモよ。おまえはオオツノと結ばれ九匹の子鹿をもうける。」
「き、きゅうひきも?わたしがうむのですか?」
「そうだ、うち二匹は子鹿の時に命をおとすが、七匹はさらに子をもうける。オオツノ
の逞しさ、統率力、メルモの優しさ、人間としての知恵を受け継いだ子孫はどんどん増え、
鹿達を救う。中には人間とともに宇宙の彼方へ羽ばたく者も現れる。そのうちの
一部はとある星で進化をし、やがて文明を築くことになる。」
「す、すごいわ。わたしのしそんが・・・ち、ちがう!わたしはにんげんなの!」
「メルモよ。もう運命は決まっているのだ。お前は鹿として生まれ変わった。今は死んで
しまったが、生き返り、使命を果たすのだ。」
 鹿のメルモは下を向き首を振って、涙を流す。白鹿はそんなメルモを優しく撫でた。
「二人の弟なら心配はいらぬ。立派に育つ。だが、人間になればお前の子孫は歴史
から消えてしまう。何より、鹿として生きることを承諾しなければお前は死んだままだ。」
 再びスクリーンの家系図を見上げたメルモは、自分の子孫だというたくさんの鹿達の
映像を見て考えた。その頂点がアップとなり、幸福そうな牝鹿のメルモが見えた。自分の
決断によって彼らが生まれてくるか否かが決まる。そんなメルモに白鹿はやさしく口づけをした。
「チュイイイイ!」
 驚いて鳴くも拒絶はしない。それは父親の愛のようなものだと分かったからだ。人間
としての父親の記憶がほおとんどないメルモはそのキスに酔った。
(うんめいなの?わたしがシカのすがたでいきていくことは?)
 メルモは決意せざるを得なかった。
「わかったわ。わたし、にんげんをすてます。シカとしていきていきます。」
「そうか、わかってくれたか。」
 白鹿は様子を見守っていた金色の鹿の神々のほうに歩みよった。
「話しは終わりました。彼女を現世へ戻してください。」

462名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 08:50:23.33 ID:+7o365TN
余りにも衝撃的な展開でメルモの鹿人生確定決定…
一応IFルートと言う事になりそうですけど、本編でも一つ間違えればこう言う展開もありえたかもですね。
(特に手塚先生の腕なら)
むしろ何かの手違いで彼女が人に戻れた場合逆に悲しい事になりそうで。
とにもかくにもこの物語の終着が気になります。
463名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 09:51:03.75 ID:kKv+6cpn
>>462 ありがとうございます
魔の手から逃れたメルモは鹿としての自分 人間だったことも思い出した
直後に命を落としました その魂の姿まで鹿の姿であることに
衝撃を受け、生き返れそうになるも鹿としての未来の自分 果ては子孫まで
見せつけられ 覚悟を固めざるをえなくなります ひょっとしたら天国へ
行ったのでなく そういう記憶を何者かに植えつけられただけかもしれませんが…
本編のメルモが動物に変身して雄に求愛されるシーンは何度かありました 本編で鹿に
はなりませんでしたが OPで鹿に変身して牡鹿とキスするメルモは子供心に
衝撃でした キスのあといったいどうなるのだろうかと思ったものです
ネタバレになるかもしれませんが




メルモを人間に変身 いやもどそうと考えています そして人間として生きる(家族を守る)のか
鹿として生きていくのか(牡鹿との愛を貫くのか)悩んだ末 決断をすることになる予定です
鹿として生きていくことになれば人間社会は大騒ぎですが 鹿社会?でも大きな影響力
をもっているので 人間に戻れば鹿達も衝撃をうけそうですね そういった観点からも
彼女は悩むと思います
464名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 16:43:49.23 ID:FTTVCvMQ
犬のやつもあったけど、鹿終わったら書くのかな?楽しみだ
465名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 00:51:28.46 ID:4Pzbfy26
>>464 ありがとうございます
鹿編が終わったら犬編再開したいと思います
保健所に捕まったり、人間に戻れなくなったり 野犬たちがメルモを求めて
街や学校に侵入して騒ぎを起こしたり、悪徳ブリーダーに捕まったり
記憶を失ったり 人間に拾われて飼い犬となったり といった展開の予定
です そしてやっぱり雄犬たちを虜にする犬のメルモです
466名無しさん@ピンキー:2012/02/06(月) 07:09:24.46 ID:Bd14x3kH
>>464
>>465
何か鹿編はもちろん犬編も戻れるが故の苦悩と葛藤・そして魅力的なメスに変われる故のアクシデントと言うのがメインになるのですね
改めて人としてはまだまだ幼いのに様々な動物達の本能と官能を知る事になるメルモの行方はいかに…ですね
467名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 00:09:36.20 ID:ZDKVSjmH
>>461
銀色の牝鹿二匹に導かれ、鹿のメルモの魂は現世に降りてきた。ダム湖の水面の上、
三メートルくらいの高さを漂っていたメルモは、地面に倒れている美しい肢体を見下ろし
てため息をついた。足は細く長い。愛らしい顔からしなやかな首筋、胴へと視線を移す。
腰はくびれていて牡鹿を惹きつける美尻の大きさを際立たせる。絶対に他の牝鹿には
負けていない、とメルモは自信を持った。
「きれいなからだだわ。」
 考えて見れば、鹿に変身してから五日目だが、変身後の身体をじっくりみたことはあまり
なかった。いや、水面に映る姿、林道のミラーに映る自分をみたことはあるが、顔から足の先、
胴から腰、尻などをじっくり、胴体全体、尻やお腹の白い毛、胸や腹では
なく、陰部に近い位置にある四つの乳頭などははじめて見た。たくさんの牡鹿に狙われる
のが分かったような気がした。
「さあ、メルモ、お行きになさい。今なら間に合います。」
 銀色の牝鹿たちに促され、メルモの魂は美しい牝鹿の身体に重なった。

「ミイイイイイ!ヒィー!フーン」
 牡鹿の声がした。愛するオオツノの鳴き声だろうか。
(オオツノさん?なの?)
「もどってこい!おれのところへ!」
 オオツノの声はメルモの心に響く。太く長い角、威厳のある面構え、筋肉質な体躯
が思い出される。心臓は鼓動を再開し、瞼がゆっくりと開いた。細長い脚がピクピク
動き始めるが、まだ、全身に力は入らない。
 子鹿の声も聞こえた。きっとトクだ。母を失ったトクはメルモに母親を重ねたのか
すぐに懐いた。小さな身体をメルモに擦りつけてきたり、乳首に吸い付いてきた心地
良い感覚が思い出される。人間だった時のメルモが山に入らなければ、悲劇は起こらなかった
かもしれない。罪悪感もあって、母性本能をくすぐられ、メルモはトクを愛した。
(オオツノさんのもとへ、みんなのもとへもどらなければ・・・)
だが、まだ身体は動かない。
「メルモちゃんしっかりなさい!ここで倒れては駄目よ」
 人間としての母親、ひろみの声がした。
(ママ?ママなの?)
「弟たちが待っているわ。メルモちゃん、立って!」
 牝鹿はなんとか立ちあがった。首と尻を振り、二、三歩歩く。身体の痛みは消えて
いた。天国の計らいで、谷底へ落ちた時の打撲は「治療」されていた。胎内に芽生えた
新しい命も無事だった。
周囲を見回すも鹿も人間もいなかった。鷹が一羽、木に止まっていて不思議そうに
牝鹿を見下ろしていた。オオツノやひろみの声は幻だったようだ。
(ゆめ?ゆめをみていた?たにぞこにおちて、およいでここにあがってからたおれたん
だわ)
 メルモは立ち止まり、首をまげて左しなやかに右交互に毛繕いをする。天国へ行った
記憶は失われていた。ただ、天国で見たスクリーンの映像、子鹿を育てる鹿としての
未来の自分の姿、自分とオオツノを頂点とする家系図、未来の子供、子孫たちの姿は
夢として記憶に残っていた。毛繕いしながら、「夢」を思い出す。思い出せない部分は
想像で補った。
(わたしがこのすがたになったのはうんめい。オオツノさんのもとへもどらねば・・・)
 ダム湖を離れ、谷底の川を注意深くメルモは歩いた。歩くたびに尻が左右に揺れ、
腰の深奥が熱くなる。オオツノと愛し合った甘いひと時が思い出されるが、同時に
見知らぬ牡鹿たちに捕らわれ、快楽の虜、奴隷、淫獣と化した時間も思い出された。
それはつい先ほどのことだが、何日も前の事のように感じられた。
(だめだわ。わたしはよごれてしまった。もうオオツノさんにあわせるかおがないわ。)
 目覚めた、いや生き返った時、心に響いた人間としての母の声が思い出された。
(そう、わたしはにんげんだもの。にんげんに、にんげんにもどろう。)
 メルモは決意し、歩みを速めた。鹿の神々が知れば卒倒するか、大いに怒るであろう
が、「死んだ記憶」を失っていたメルモには関係のないことだった。
468名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 00:37:40.66 ID:Q6WNtQDs
上手いなあ
なんていうかエロ抜きでも普通に続きが気になるわw
469名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 00:52:35.94 ID:ZDKVSjmH
川を下っていく牝鹿のメルモ。遠くで雌を呼ぶ牡鹿の声が聞こえる。オオツノの声で
はない。繁殖期の本能が声に応えようとするのを必死に抑え、メルモは緑と紅葉のコン
トラストが美しい秋の森を歩き続けた。
(ここは、きたことがあるわ。)
 陽が西に向かって動いている頃、メルモはかなり山を降りていた。そこは五日前、
人間だったメルモが鹿に変身した小さな谷だった。鹿に変身した直後、ミラクル
キャンディーの瓶を咥えて立っていたメルモにハンターが放った銃弾が放たれ、弾は
瓶にあたり、谷の下へと落ちて行ったのだ。瓶を取りに行っていては危ないと本能が
教え、メルモはその場を逃げたのだった。
 水面にキラリ光るものがあった。ミラクルキャンディーの瓶が川の水面に浮いていて
何度も岩にぶつかってクルクル回っている。もしも、雨が降って水量、水流が激しく
なっていたら下流に流れていっただろう。だが、幸運なことに瓶は三分の一だけその
姿を水面の上にのぞかせて、持ち主であるメルモの帰りを待っていたのだ。
「チュイイイイイン!」
 嬉しくなって思わず叫んだメルモはバシャバシャと水しぶきをあげながら駆けよった。
(あった、あったわ。キャンディーがあった。これでにんげんにもどれるわ。)
 嬉しさを抑えきれず、メルモは小躍りした。チュインチュインと何度も鳴いた後、瓶を
咥えた牝鹿は谷を駆けあがった。すぐ近くに衣服があるはずだ。
 メルモが変身した場所に、綺麗にたたんで草むらに隠したはずの衣類は、あるにはあっ
たが、何者かに触られたり、踏みつけられた跡があった。青いブラウスと黄色いミニスカートは
三メートル程離れ、白いショーツとソックス、赤い靴は五メートルほど上のほうに散乱していた。
(ひどい!だれがこんなことをしたの?)
 それは鹿のメルモが放つフェロモンに惹かれた牡鹿達が、彼女を求めそこにやってきた
証しであった。彼らはメルモの臭いを嗅いだあと、また森を彷徨って行ったのだろう。
突然腹が鳴り、メルモを空腹が襲った。思えば、群れから引き離されてから何も食べて
いなかった。変身するのだから関係ないのだが、メルモの視覚と嗅覚が美味しそうなササ
を捉えた。本能に負けて唾を飲みこんだメルモは思わず口を開き、咥えていたデキャンディー
の瓶を落としてしまった。
(しまった!)
 瓶はすぐ下の獣道に転がり、さらに下のほうへと転がっていく。慌ててメルモは追い
かける。瓶は小さな岩にぶつかって止まった。すぐに追いつけるだろう。そしてほぼ
追いついた。メルモが瓶を咥えようとしたその時、左後ろ足が何かに引っ張られ、瓶には
あと80センチというところで前へ進めなくなった。
(な、なんなの、なにがおこったの?)
 メルモの左後ろ足にはワイヤーが掛っていた。彼女はハンターがしかけた罠にかか
ったのだ。蹄のあたりに掛っていた締め付け具はメルモがもがけばもがくほど
膝あたりまで上がっていく。キャンディーの瓶はすぐそこだと言うのに届かない。
(どうして!どうしてなの!わたしがなにをしたっていうの?)
 メルモの脳裏にオオツノの顔が浮かんだ。彼を裏切って人間に戻ろうとした報い
だと言うのか。メルモの両目に涙が浮かんだ。この罠にかかった状態でハンターに
見つかれば撃たれるか、よくて捕らわれの身。牡鹿に見つかれば交尾を迫られる。
「チィイイイイイイイン!」
 絶望感から出た牝鹿の甲高い声が小さな谷に響いた。
470名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 01:14:24.84 ID:ZDKVSjmH
 罠にかかった哀れな美しい牝鹿の目の前に子鹿が一匹現れた。それはオオツノの
群れの一員、子鹿のトクだった。彼は快楽の虜となり、額傷たちに連れ去られた
メルモとはぐれた後、一匹で森を彷徨っていたのだ。メルモの臭いと声を捉え、彼
はここへやってきた。トクは小躍りしてメルモの前に現れた。トクが現れた時の
メルモは鳴き疲れ、涙も枯れた後だった。
「よかったよ、さがしていたんだよ。」
 喜んだのもつかの間、メルモが罠にかかっているのを見て悲痛な表情をした。
「にんげんのわなにかかったのよ。きっとばちがあたったのね。」
 メルモはトクに淡々と言った。
「ばち?なんにもわるいことをしていないじゃないか。」
 メルモは目を閉じた。人間だった時の自分が山に入らなければ、トクの母は死な
なかっただろう。オオツノに、トクに、ララにずっと一緒にいると誓ったのに人間
に戻ろうとした。白鹿、鹿の神様にも同様に誓ったというのに。それらの罰があた
ったのだろうが、トクに説明は出来ない。
 トクは罠のワイヤーを噛み切ろうとしたが勿論不可能である。罠から逃れる方法は
ただ一つ、ミラクルキャンディーで人間の姿に戻ることだ。そのキャンディーの瓶
はメルモから80センチ下のほうに転がっている。
「トク。おねがいがあるの!あれをとって!」
メルモは瓶を鼻で指した。トクはそれがなんなのかは分からなかったが、駆けよって
鼻で押して転がし、メルモの前足の側に置いた。瓶は戻ってきた。
「なんなの?これ。」
「これがあるとね、にんげんがよってこないのよ。トク、もうひとつおねがいよ。ちかくに
おじかがいるとおもうの。よんできて。」
「ボスをかい?」
「いいえ、ボスじゃないわ。ちかくにいるおじかでいい。さんびきあつまったらいい
ちえがうかぶかもしれないわ。」
 瓶が手元に、いや足元に戻った今、トクにはここから離れてもらうしかない。彼の
目の前で変身するわけにはいかない。メルモが人間だと言うことを知れば、トクの心を
傷つけてしまうし、変身するところを見られたくない。例えるなら、人間の少女が
着替えを見られるのを恥じらうように。それとオオツノを人里に近いこの場所に呼ん
だら彼を危険にさらす。だから、他の牡鹿を呼べと言ったのだ。
「わかったよ。きっとよんでくる。まっていてね。」
トクは勇んで駆けあがって行った。彼の姿が見えなくなると、さあ、変身しなければ、
とメルモは思った。
 蹄で瓶を抑え、赤い蓋を咥えて開けると、赤と青のキャンディー各一粒が転がり
落ちてきた。
(あかいほうをひとかけら、あおいほうをひとつぶ、それでにんげんのおんなのこに
へんしん、いや、ちがう、もどれるわ) 
 色覚が乏しいので、濃い色のほうが赤だろう思い、上下の犬歯で噛み砕いた。一度
それを地面に置き、青い方と一緒に食べようとした時だった。風が吹き、草が揺れる音
がした。そこにもたくさんの美味しそうなササが生えていたのだ。
(おいしそうだわ。)
 食欲がキャンディーの事を、人間に戻ることを忘れさせ、メルモは届く範囲に生えて
いるササを口にし始めた。犬歯でササを噛み切り、臼歯ですりつぶし、第一第二胃に送る。
それらは口に戻され、さらに細かく噛み砕かれて第三第四胃に送られ消化されるのだ。その後、
遠くで何匹かの牡鹿の声がし、近づいてくるのがわかった。雄のフェロモンも嗅覚が捉えた。その後、
メルモの尻が左右に振りだし、腰の深奥が熱くなってきた。
471名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 01:20:30.78 ID:ZDKVSjmH
「チュイイイイイイイン!」
 牡鹿を呼ぶ甘い声を出すメルモ。牡鹿達は探し求めていた雌の声を聞き、喜びの
声をあげだした。
「ミイイイ!フウウウウウン!」
「フィイイイイイ!ミイフウウウウウン!」
「ミュウウ!ミイイイイイ!フウウウウウ!」
 まだ姿は見えないが、牡鹿たちの声は確実に近づいてくる。
 食欲と性欲に行動を制御されてしまったメルモは、牡鹿の声を聞いて、オオツノ、額
傷たちとの交尾の快感を思いだし、尻を左右に振りだした。
(こんなこと、しているばあいじゃないのにい!)
 闇に沈みかけていたメルモの人間の理性、精神が抵抗をするも、それらも変容を始めた。
 メルモは右足の蹄でキャンディーの瓶を勢い良く蹴り、首も左右上下に振りだした。
瓶はまた下のほうに転がっていくが、今のメルモの視界には入らない。
「チュイイイイイン!チュイイイイン!(ここにいるわよ!はやくきてええん!)」
 人間に戻れる直前になって、メルモはまたも人間だったことを忘れ、牡鹿達を求め
始めた。種族保護本能には逆らえないのだ。
 パーン、ダーーンと銃声がした。牡鹿たちの一匹が撃ち取られ、他の雄も銃声に
驚いて逃げていった。しばらくして雄達の声、臭いがしなくなったことでメルモは
性欲から解放された。キャンディーの瓶は再び届かないところにある。足元にある赤い
キャンディー一かけら、青いほう一粒だけがチャンスだ。失敗は許されない。メルモは
それらを口に含み、臼歯で赤青の順に噛み砕いた。そして願いを心で唱えた。
(にんげんにへんしんできますように!)
472名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 01:23:40.84 ID:ZDKVSjmH
 メルモの身体を眩い光が包み、牝鹿は若返りはじめた。細く短くなった足は罠
の締め付け具から逃れた。両目を閉じると肢体は宙に浮き、四肢の膝から下を交差
させ、背中を丸めてどんどん若返っていく。そして胎内の新しい命は消滅した。
美しい牝鹿は愛くるしい子鹿となり、体毛は鹿の子模様になったあと、短くなり消えた
子鹿が胎児になると光は疑似胎内を作り、胎児は受精卵になった。受精卵はDNAを
ニホンジカ・ホンシュウジカからホモサピエンスに配列を変え、再成長を始めた。
 受精卵は光の中で細胞分裂を繰り返し、魚のような形となったあと、手、足が生え、
尾は消え、人間らしい形、胎児となったあと、優しい光の中で成長をしていく。光は
赤ん坊になったメルモをゆっくりと地面に下ろし、うつ伏せの赤ん坊の頭には黒い髪が
生えると幼女となり、そして本来のメルモの姿、十年近くこの世で成長をしてきた
可愛らしい少女へと変身を終えた。
 光から解放されたメルモは、生まれたままの姿でササの葉に囲まれ、地面に倒れて
いたが、ゆっくりとたちあがろうとした。
「ハ、ハ、ハ、ハクション!」
 秋の風が全裸の少女には応えたようでくしゃみがでた。前足ではなく両手を顔の
あたりにつき、力を入れて立ち上がる。蹄ではなく五本にわかれた指が視界に入った
あと、四つん這いになり、ゆっくりとふらつきながら立ちあがった。緑の葉と紅葉が
美しい。鹿だった時は分からない色の感覚だった。
「もどれたわ。人間にもどれたんだわ。」
 心の声が、そのまま人間の言葉として口から出た。頬に両手を当て、お腹をさすり、
尻に尻尾がないことを確かめたあと、メルモは足を前に一歩進める。二本の足で
歩く感覚に違和感があり、頭の中にはまだ鹿の「言葉」が渦巻いていたが、とにかく
人間に戻れたことを実感し、喜んだメルモは裸のままで小躍りした。
 しかし、鹿だった時の胎内にいた新しい命は消えてしまった。罪悪感を持ち、メルモ
はもう一度おなかをさすった後、天に向かって目を閉じ、合掌をした。
「おなかにいたシカのあかちゃん、ごめんなさい。ママをゆるしてね。」
 メルモはさっきまで自分を苦しめた罠を谷底へ投げつけたあと、キャンディーの瓶
を拾い、斜面を駆けあがって衣服を拾い集めて、ブラウスに袖を通し、スカートを履いた。
 緑の葉と紅葉が美しいのがわかった。鹿だった時は分からない色の感覚だった。
「おーーーい、メルモーーーおるのかーーー」
 懐かしいワレガラスの声がした。メルモを探しに山に入ってきたようだった。
「先生―――!ワレガラス先生!ここよーーーーー。こっちよーーー。」
 人間の少女、渡メルモは鹿に変身して五日目の夕方、人間に戻ることが出来た。
(オオツノさんには悪いけど、私は人間だもの。元の生活にもどるわ。みんな
私のことなんてすぐにわすれるわよね。)
 メルモはワレガラスの声がする方向へ歩き出した。今日の夜にでも家に帰ることに
なるだろう。いつもの生活が始まるはずだと少女は思った。メルモはわかっていな
かった。鹿に変身した自分の、鹿達へ与えた影響の大きさを。自分が人間社会に戻ると
言うことは、鹿の社会から、鹿としてのメルモが消えるということ、その重大さを。
そして胎内で育ちつつあった新しい命を摘み取った罪を。この時はそれらのことを
全く分かっていなかったのだ。
473名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 02:01:16.47 ID:ZDKVSjmH
その頃、いや、その頃と言う言い方は適切ではないだろう。近い未来、四年後の
山の奥村ではある異変が起ころうとしていた。
 スキー場は既に開業していて、お客の入りがよく、拡張工事が始まっていた。
今年の、昭和五〇年、1970年のシーズンも多くのスキーヤーで賑わうだろう。
季節は秋、鹿達の繁殖期だ。二期工事のゲレンデ予定地では、七歳位の美しい牝鹿
が去年と今年生まれた子鹿二匹を連れて歩いていた。その牝鹿のぶどう色の瞳は
よく見るととても澄んでいて優しく、知的な感じがした。ピンと伸びた両耳は
外敵を警戒し、ピクピク動いている。首から尻までのボディラインはしなやか且つ
筋肉質であり、大きな尻は丈夫な仔鹿を産めることを牡鹿にアピールする。上下、
左右に尻尾がしなやかに動いていた。四肢はスラリと長く肩までの高さは他の雌以上だ。
何より、そのアーモンド色の体毛は毛並みがとても美しい。模様がないのは、今が鹿達の
繁殖期の証しだ。その美しい牝鹿は人間の少女、渡メルモが天国の母親から贈られたミラクル
キャンディーで変身した姿にそっくりである。いや、待て、メルモは人間の姿に戻り、この山
から去ったはず。メルモではないだろう。
 その美しい牝鹿を、森の中から見つめる視線があった。それは牡鹿の視線だ。二又
に分かれた角から三歳と分かる。まだまだ育ち盛りだが、将来は大物になるのでは、
と思わせる風格があった。あの山の主、オオツノを思わせる。彼の牝鹿を見つめる視線
は交尾の相手を求めるものとは違っていた。
 美しい牝鹿の身体が突然淡い光に包まれ、硬直した。四肢がス――と消え始めた。
三歳の牡鹿は慌てて、森から飛び出そうとするが、彼も光に包まれた。ただ、彼を
包む光は強い光だった。牝鹿は子鹿とともに光諸共消えてしまった。

「フィイイイイ!ミイイイイン!」
 牡鹿は恐怖で叫ぶ。何が起こったのか分けが分からない。
「牡鹿よ。トトよ!オオツノとメルモの間に生まれた若き牡鹿よ」
 荘厳な声がトトと呼ばれた牡鹿に聞こえた。彼の前に淡い光に包まれた白い鹿が現れた。
鹿と言うよりも子馬のような巨体、五又の威厳のある角、フサフサとした鬣(たてがみ)
彼は山の守り神、鹿の神様だった。
「か、かみさま!メルモは、ママはどうなったのです。きえてしまった。」
牝鹿はメルモだという。それも彼はその息子だという。彼の牝鹿への視線は母親を
見つめるものだったのだ。
「トトよ。お前の母、メルモがかつては人間であり、お前を身ごもった年、鹿に生まれ
変わった。知っているな。」
「ええ、しっています。ママがおしえてくれました 」
何と言うことだろう。トトはメルモの息子であるだけでなく、母が人間だったことまで
知っているというのだ。
「何者かが歴史を変えた。お前の母を人間にしてしまった。メルモは人間としてこの山を
去り、人間として生きて行くことになってしまった。故に鹿としてのメルモ自身と子鹿
が消えたのだ。」
「でも、ぼくはきえていません。」
「お前も消えるところだった。それを私がお前の周囲に結界を張り、時空の流れから
独立させたのだ。」
「ぼくはどうすればいいのですか。」
「トトよ。お前は過去へ飛び、メルモを守るのだ。人間に変身させようとする企みから
守り、お前の父、オオツノと結ばせるのだ。歴史の流れを正しく戻せ。そうしなければ
お前も程なく消える。行け、オオツノとメルモの子、トトよ。」
 トトの身体は光とともに消えた。彼は過去へ、四年前、1971年の世界へと跳んだ。
歴史を「正しい流れ」に戻す為に。最愛の母を鹿の姿に戻し、父、オオツノと結ばせ、
自分達子供が生まれてこれるようにする為に。
474名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 02:04:52.96 ID:ZDKVSjmH
 その頃、いや、その頃と言う言い方は適切ではないだろう。近い未来、四年後の
山の奥村ではある異変が起ころうとしていた。
 スキー場は既に開業していて、お客の入りがよく、拡張工事が始まっていた。
今年の、昭和五〇年、1975年のシーズンも多くのスキーヤーで賑わうだろう。
季節は秋、鹿達の繁殖期だ。二期工事のゲレンデ予定地では、七歳位の美しい牝鹿
が去年と今年生まれた子鹿二匹を連れて歩いていた。その牝鹿のぶどう色の瞳は
よく見るととても澄んでいて優しく、知的な感じがした。ピンと伸びた両耳は
外敵を警戒し、ピクピク動いている。首から尻までのボディラインはしなやか且つ
筋肉質であり、大きな尻は丈夫な仔鹿を産めることを牡鹿にアピールする。上下、
左右に尻尾がしなやかに動いていた。四肢はスラリと長く肩までの高さは他の雌以上だ。
何より、そのアーモンド色の体毛は毛並みがとても美しい。模様がないのは、今が鹿達の
繁殖期の証しだ。その美しい牝鹿は人間の少女、渡メルモが天国の母親から贈られたミラクル
キャンディーで変身した姿にそっくりである。いや、待て、メルモは人間の姿に戻り、この山
から去ったはず。メルモではないだろう。
 その美しい牝鹿を、森の中から見つめる視線があった。それは牡鹿の視線だ。二又
に分かれた角から三歳と分かる。まだまだ育ち盛りだが、将来は大物になるのでは、
と思わせる風格があった。あの山の主、オオツノを思わせる。彼の牝鹿を見つめる視線
は交尾の相手を求めるものとは違っていた。
 美しい牝鹿の身体が突然淡い光に包まれ、硬直した。四肢がス――と消え始めた。
三歳の牡鹿は慌てて、森から飛び出そうとするが、彼も光に包まれた。ただ、彼を
包む光は強い光だった。牝鹿は子鹿とともに光諸共消えてしまった。

「フィイイイイ!ミイイイイン!」
 牡鹿は恐怖で叫ぶ。何が起こったのか分けが分からない。
「牡鹿よ。トトよ!オオツノとメルモの間に生まれた若き牡鹿よ」
 荘厳な声がトトと呼ばれた牡鹿に聞こえた。彼の前に淡い光に包まれた白い鹿が現れた。
鹿と言うよりも子馬のような巨体、五又の威厳のある角、フサフサとした鬣(たてがみ)
彼は山の守り神、鹿の神様だった。
「か、かみさま!メルモは、ママはどうなったのです。きえてしまった。」
牝鹿はメルモだという。それも彼はその息子だという。彼の牝鹿への視線は母親を
見つめるものだったのだ。
「トトよ。お前の母、メルモがかつては人間であり、お前を身ごもった年、鹿に生まれ
変わった。知っているな。」
「ええ、しっています。ママがおしえてくれました 」
何と言うことだろう。トトはメルモの息子であるだけでなく、母が人間だったことまで
知っているというのだ。
「何者かが歴史を変えた。お前の母を人間にしてしまった。メルモは人間としてこの山を
去り、人間として生きて行くことになってしまった。故に鹿としてのメルモ自身と子鹿
が消えたのだ。」
「でも、ぼくはきえていません。」
「お前も消えるところだった。それを私がお前の周囲に結界を張り、時空の流れから
独立させたのだ。」
「ぼくはどうすればいいのですか。」
「トトよ。お前は過去へ飛び、メルモを守るのだ。人間に変身させようとする企みから
守り、お前の父、オオツノと結ばせるのだ。歴史の流れを正しく戻せ。そうしなければ
お前も程なく消える。行け、オオツノとメルモの子、トトよ。」
 トトの身体は光とともに消えた。彼は過去へ、四年前、1971年の世界へと跳んだ。
歴史を「正しい流れ」に戻す為に。最愛の母を鹿の姿に戻し、父、オオツノと結ばせ、
自分達、子供が生まれてこられるようにする為に。
475名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 02:08:31.22 ID:ZDKVSjmH
作者です>>473に一部誤りがあったので >>474 再投稿します
今日の物語の投下は終わりです
>>468 ありがとうございます
476名無しさん@ピンキー:2012/02/07(火) 07:44:31.85 ID:UKDYmQJz
辛くも人に戻れたメルモ・それは因果律にまで影響を及ぼす羽目になるとは。
壮大を通り越して色々トンデモな展開になりそうですね。
果たしてこの因果律の綱引きはどんな幕引きをするのか、かなりややこしい展開になりそうです。
477名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 00:29:22.87 ID:l/bTw28A
メルモはワレガラスと村の消防団の男三人に保護され、山の奥村の温泉街へと向か
った。何日も山で過ごし、衣類は皺くちゃで土などで汚れきっていたが、メルモ自身
の身体は少しも汚れていなく、風呂上がりのようにいい香りがしたことを男達は
不審に思ったが、口にはしなかった。男に背負われたメルモは疲れからすぐに眠って
しまった。おそらく鹿に変身したであろうメルモを叱りたいワレガラスだったが、それ
は明日に持ち越すことにした。彼女の心の疲労を考えてのことだ。
 その夜、ハンターの遠山が経営する温泉宿、さくら屋でメルモはワレガラスと引き
続き泊まることとなった。帰ろうにも他の市町村へ続く道路は何か所もの土砂崩れ、
路盤崩落で通行止めとなっていた。早く帰りたいメルモをまるで山から出さないと
いう何者かの意思が働いているかのようだった。
 早く帰って愛する弟に会いたいと言う気持ちも勿論あったが、オオツノら鹿達
がいるこの山の奥村から離れ、罪悪感から逃れたい気持ちも強かった。
 宿につき、風呂に入ったメルモは湯船のなかで自然と四つん這いになっていた。
ハッとなり、湯船から二本足で立ってあがるも、違和感があった。頭の中に鹿の言葉
が駆けまわる。五日も鹿の姿で過ごしたのだから仕方ないと思うメルモだった。
風呂で疲れを癒したメルモは、ワレガラスと宿の食堂へ入った。食堂前のロビー
には、鹿や熊、猪などの剥製が並んでいて、とくに牡鹿の剥製を見ると心が痛んだ。
 食堂には鹿だったメルモを獲物として狙った宿の主人遠山が、青年と何やらテーブル
に広げ、議論をしていた。その青年の前には一眼レフのカメラがあり、メルモは彼に
会ったことがあるような気がした。
「やあ、ワレガラス先生、メルモちゃん見つかってよかったですね。メルモちゃん、
ゆっくり休みなさい。」
 メルモが獲物だった美しい牝鹿だとは夢にも思わない遠山は笑いながら言った。
「ご主人、何を見ておられる?」
「ああ、この青年が撮った写真です。例の牝鹿ですよ。」
 メルモはテーブルの上に広げられている何枚もの写真を見た。そこには変身して
いた自分の鹿としての姿、愛したオオツノの姿がたくさん映っていた。変身したメルモ
のことは、ハンター達を通じ、村の人々、温泉の湯治客、登山客らの間で噂になっていた。
「オオツノの連れ合いらしいのですが、先週までこのあたりにはいなかった。どこか
ほかの村からきたようですな。」
 遠山は写真を一枚手にとってワレガラスとメルモに見せた。
「本当に美しいですなあ。これほど美しい牝鹿は、狩猟を始めて35年になり
ますが見たことがない。ほんとうにきれいだ。」
 変身した姿を褒められ、メルモは悪い気はしない。ありがとうございます、と言って
しまい、ワレガラスはテーブルの写真に手を出してごまかそうとする。
「おや?こ、こ、これは、け、けしからん!」
ワレガラスはオオツノとメルモが映った写真に釘付けとなった。
 それはメルモの背中にオオツノがマウントしている交尾中の写真だった。メルモは
顔を赤らめた。猟犬に追われていた時、交尾の時、カメラの音を聞いたことを思い出した。
この宿の客である青年が自分を撮っていたのだ。
「メルモ、お前はなんということを。」
「ご、ごめんなさい。でも、わたし・・・・」
 二人のやりとりを遠山と青年は不思議そうに見守る。遠山は言った。
「そうだ、この牝鹿にも名前をつけよう、お兄さん、何かいい名前はないかい?」
「名前ですかあ。オオツノが連れ合いなんだろうけど、他の牡鹿とも交尾をしていました。」
 メルモの顔がますます赤くなり、ワレガラスの鼻息も激しくなった。
「たくさんの牡鹿を虜にする牝鹿かあ。そうだ!マドンナっていうのはどうだろう。」
「そ、そんな名前、わたし、いやです!」
 二人の視線にメルモは小さくなった。
「な、なんでもありません。変なこと言ってごめんなさい。」
 当の本人の意思はともかく、メルモが変身した鹿の名前はマドンナに決まった。
478名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 00:33:29.69 ID:l/bTw28A
「フィイイイ!ミィイイインフウウウウン!」
 悲しみに満ちた牡鹿の鳴き声が標高およそ2千メートル山の森に響いていた。
 愛する連れ合いを失った山の主、牡鹿のオオツノは悲しみに沈んでいた。群れを
留守にしていた時、メルモを襲った悲劇をララから聞いたのだ。さらに、牡鹿の
ナラが谷底へ落ちて死んだメルモの亡骸を見たと言う。初めは嘘だと思ったが、
ララが彼は嘘を言っていないと断言した。その後群れからはぐれていたトクが戻って
きてメルモが生きていると言ったものの子鹿の戯言と相手にしなかった。
 今まで何匹もの牝鹿と交わったオオツノだが、彼女ほど魅力的な雌は初めてだった。
優しい眼差しの瞳、ピンと立った両耳、顔から首筋、背中、腰、尻へかけての美しい
ボディライン、細く長い四肢、愛くるしい尻尾、素晴らしい毛並み、すべてが美しく
セクスィーだった。
 勿論、彼はメルモが人間の少女が変身した姿とは知る由もない。ミラクルキャン
ディーはメルモを究極に美しい牝鹿に変身させ、人間の精神をブレンドさせた独特
のフェロモンを放ってオオツノや多くの牡鹿を虜にしたのだ。
 外見だけでなく、知恵と勇気のあるメルモは群れのボスであるオオツノを助け、
ララ達古参の雌をうまく立て、母を人間に殺された子鹿のトクに優しく接し、あっと
言う間に群れに溶け込んでいった。群れに襲った危機を、メルモは自らを犠牲にして
救ったと言う。そして彼女は命を落とした。ひょっとしたら、お腹には新しい命
がいたかもしれない。
 食物を噛む頬を含まらせた可愛い顔、森をしなやかに駆けるしなやかな姿態、目を
閉じて身体を擦りよせて甘えてくることもあった。それらが交尾の時に出した艶の
ある声とともに脳裏をかすめた。交尾と言えば、メルモの膣は良く締り、オオツノに
至福のひと時をもたらせてくれた。メルモを取り戻せるならどんなことだって出来る、
とオオツノは思うのだった。
 そんなオオツノに一匹の牡鹿が近づいてきた。二又の角を持つ三歳位の牡鹿だ。彼は
未来からやってきたオオツノとメルモの息子、トクだった。オオツノは悲しみをこらえ
自慢の威厳のある三又の角を振り立てて追い払おうとするが、トクは受けて立つ気配
はない。
「オオツノさま、あなたにおはなしがあります。きいてください。」
 どこかで会ったことがあるような気がするトクに、戦意を失ったオオツノは彼の
話を聞くことにした。
479名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 00:40:49.25 ID:l/bTw28A
>>476 いつも深い感想ありがとうございます 励みになります
壮大かどうかはともかくとんでもない展開にはなりそうです 
これからもメルモちゃんには試練が襲いかかる予定です。
480名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 02:12:12.12 ID:NnihhbI8
>>410昆虫惑星の蛍子やね。
私はもう昆虫の本能でしか生きられない、
昆虫人間になってしまったの。と感情のない
声、下腹部、胸を隠す緑色の髪、かげろうの
ような羽根、薄い緑色のからだ、赤い目、
萌えたなあ。ベッドのシーツをなおすしーンもよし。
481名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 06:13:19.37 ID:hNU5fTci
>>480
どっかに動画ないすか
482名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 14:13:32.28 ID:nR6BjY01
メルモの最終回で出てくる神様はあくまで「人間だけの神様」で、
他に「鹿の神様」(や「犬の神様」)もいる、ということだとすると、
なんだか手塚の『超人大系』みたいですね。
483名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 16:56:34.95 ID:l/bTw28A
 夜も更けて、メルモはワレガラスと二階の紅葉の間で床についた。
 食事の後、ワレガラスに説教をされたメルモ。今日は何も言わないつもりだった
ワレガラスだが、メルモが鹿になった時、交尾をしていたと知るやこっぴどく叱った。
すでにいびきをかいている初老の医師の説教の言葉をメルモは思い返す。
「よいか。秋は鹿たちにとっては子孫を残す季節なのじゃ。子孫を残そうとする本能
が鹿達の行動を左右してしまう。変身したお前さんもその本能には逆らえなかった。
だから牡鹿を好きになって交尾をしたんじゃ。変身したお前は牡鹿に人気があったよ
うじゃなあ。それと五日も鹿の姿でいれば、妊娠の初期段階じゃったろうな。おまえ
さんは人間にもどれてよかったがぁ、鹿の赤ちゃんはしんでしまっただろう。それと
もう少し鹿のままだったら、身も心も完全な鹿になって人間に戻れなくなったかも
知れんぞ。いいか、もう二度と鹿にも他の動物にも変身してはいかん。」

 牡鹿に助けてくれたお礼をしたい、連れ合いを殺され可哀想だから慰めたい、
人間に狙われたていることを伝えたい。それらの子供的な正義感で鹿に変身した
メルモ。結局、お礼は言えず、連れ合いを失った悲しみはあまり感じなかった、
人間に狙われているのは伝えるまでもない。変身した意味はなく、目的も果たせ
なかった。ただ、牡鹿のオオツノに恋をし、彼も愛してくれた。その事実だけが
残った。
「わたし、なにをしていたんだろう。」
 仰向けに寝ているメルモは布団から両手を出してみた。細い五本の指を持つこと
が不思議だった。風呂では四つん這いになった。食事の時、大好きなハンバーグ
は食べる気がせず、あまり好きでないホウレン草のおひたし、山菜などをたくさん食べた。
それらを噛み、飲み込んでも反芻しないこと、飲み込んだものが口に戻らないことに
戸惑った。鹿の「言葉」が頭をよぎる。今まで何度となく動物に変身したが、人間に
戻るとすぐにその動物の感覚はなくなったのに、森で人間に戻って五時間程経っても
メルモには人間の身体の感覚に違和感を持ったままだ。
「おまえはもう鹿なのだ。つまらない人間の身体に戻ることはない」
 鹿の神様、白鹿の言葉も蘇ってくる。
「鹿の神様、ごめんなさい。メルモはやっぱり人間です。人間の生活に戻ります。」
 疲れからメルモはワレガラスのいびきをものともせず、眠りの世界に引き込まれた。
遠くで牡鹿の声が聞こえ、どんどん人里へ近づいてくる頃にはメルモは夢の中にいた。
 夢の中で、メルモは鹿の姿で草原を駆けていた。オオツノが丘の上で立って遠くを
見ている。メルモに気がつくと、優しくも力強い視線で見つめてきた。駆けてきた
メルモはオオツノの前で立ち止まり、互いに見つめ合った後、口づけをかわした。
 夢の映像はオオツノとの交尾となり、子鹿を育てるシーンとなり、その後、天国で
見せられた(メルモは夢と思っている)メルモとオオツノを頂点とする家系図に変わった。
そこに映る逞しい牡鹿のオオツノと幸福そうな鹿のメルモ、子供達、たくさんの子孫を
見た時、夢は終わりを告げた。牡鹿の鳴き声が宿の近くまで迫っていたのである。
484名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 17:06:12.83 ID:l/bTw28A
 夜中の温泉街を、オオツノは突然現れたトトと一緒に駆けまわっていた。トト
はメルモが生きていて人間に捕まっていると語った。信じられなかったものの
一縷の望みをつないでオオツノは山を降りてきたのだ。道を激しく鳴きながら二匹の
オオツノは歩いていた。道端のゴミ箱を倒したりして物音をたてたことで温泉街の
人々の多くが目を覚ましてしまった。メルモもその一人だ。
 布団から出て、窓のカーテンの隙間から道を見下ろすと、一匹の牡鹿がいた。
「オオツノさん?」
 だが、それはオオツノよりも若い二又の角を持つ牡鹿だった。オオツノに容貌が
似ているように思えたその牡鹿は、メルモを見上げると鳴いた。
「フィイイイイ!フィイイ!」
その声に反応して、他の牡鹿の声がした。
「フィイイイイ!ミイイーフウウウン!」
 それはオオツノの声だ。トトが人間のメルモを見つけ、オオツノを呼んだのだ。
オオツノが駆けてきた頃には布団に戻った。掛け布団の中でメルモは震えた。
「どうしよう、オオツノさんだわ。わ、私を、私をおいかけてきたんだわ。」
「ミイイイイイ!フウウウウウウン!」
 雌を呼ぶ牡鹿の声がした。メルモが旅館さくら屋に捕らわれていると思っているの
だろう。オオツノはメルモを感じたのかさらに激しく鳴いた。メルモの心がキュン
と鳴った。
「ふぁあ!なんなのじゃ!」
さすがのワレガラスも眼を覚まし、声のする方向を気にしだした。その時、階下で
激しい物音がした。ガラスが割れる音もした。それはオオツノが旅館の玄関の扉を突き
破ったのだ。
 メルモは布団を出て部屋を飛び出し、廊下を経て階段を下りた。鹿や熊、猪の剥製が
並ぶロビーにはあのオオツノが立っていた。壊れた戸の外ではトトが立っていた。鹿の
剥製を見上げていたオオツノは、ロビーに入ってきた人間のメルモと視線があった。
(オオツノさん、わたしのことわかったのかしら。)
 オオツノは首を後ろにそらし、前足を交互に上下し、興奮しだした。人間の姿のメルモ
と会うのは二回目である。眠り込んでいた牝鹿の心が大きくなってきたメルモはオオ
ツノに向かって歩きだした。
(わたしはここにいるわ。たすけて!)
 意思に反して鹿の言葉が頭で流れた。牡鹿は優しくも強い視線でメルモをじっと
見つめる。
(かえってこい。かえってくるんだ。)
 オオツノがそう言った気がした時、宿の主人遠山が銃をもってロビーに入ってきた。
弾は言っていないものの、オオツノは銃を警戒し、後ろ向きに歩いて外にでた。ワレガ
ラスがロビーに降りてきた時はオオツノとトトの姿は消えていた。
「やっぱり、わたしを追ってきたのね。それともう一匹のオスの鹿さん、山では会わ
なかった。でも、どこかであった気がするわ。」
485名無しさん@ピンキー:2012/02/08(水) 17:11:10.82 ID:l/bTw28A
 オオツノとトトはその後も外で暴れ続け、怪我人も発生し、ワレガラスは診療所へ治療
のために向かった。宿を出る時、彼はメルモにきつく言った。
「よいか、メルモ。決して鹿に変身してはいかんぞ。可哀想、とか、逃げるように言わ
なくては!とか変な気を起こすんじゃないぞ。」
夜が明けるころには二匹の牡鹿は山の森に入って行ったが、遠山達らハンター達も
銃を担いで森に入っていく。勿論、オオツノを撃ち取るためである。
「まって!オオツノさんをうたないで。オオツノさんはきっとメス鹿を、おじさん
たちがマドンナってなまえをつけた鹿をさがしにきただけよ。」
「メルモちゃん、どうしてそんなことが分かるのだい?」
「そ、それは・・・・・」
「マドンナが捕まったとはきいてないよ。山から一匹で降りてくることなど考え
られない。それにオオツノは人間に迷惑をかけた。退治しないとねえ。」
 遠山は少女の訴えを退け、森へ向かった
「たいへんだわ。私のせいでオオツノさんが山からやってきて、ハンターにねらわれる
なんて。私のせいだわ。どうしよう、どうしよう。」
 メルモは緑のリボン付きの黒いブラウスと赤いミニスカートに着替え、ワレガラス
を手伝いに行きます、と遠山の婦人である女将に言って外に飛び出した。変身しては
ならないとの言いつけが頭をよぎる。
(変身はしないわ。人間のことばで山へおかえり!って言うの。きもちをこめたら
きっと伝わるわ。)
 オオツノが人間のメルモを鹿が変身した姿と分かっているかどうかは分からないが
気持ちは伝わるはずだと思ったのである。
 変身しないと言いながらミラクルキャンディーに紐を付け、腰にぶら下げてメルモは
林道を上の方向へと歩きはじめた。運命に引き寄せられて・・・・・。
486名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 07:24:57.36 ID:X4SGHb8+
やはり心のどこかでメス鹿の本能と官能に取りこまれていたメルモ、やはり再変身は確定みたいですね。
歴史の修正力(と言うより強制介入力)ならずともこのままでは…と言う感じで。
そういう点では鹿の神は焦り過ぎたのかはともかく、この収拾自体は本当に気になります。
せめて例の小鹿を生んだ後人に戻れば…と言う手もあるのでしょうけど。
487名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 14:25:06.48 ID:wY6euOdi
 夜が明けきった頃、牡鹿の声はどんどん遠くになっていた。メルモを諦め、オオツノ
は去っていったのだろうか。
(そんなの嫌だわ。)
 オオツノに山へ帰り、人里へは降りてこないように言うためにメルモは山に入ったの
に矛盾した考えだった。既に少女は青いキャンディ―を一つ食べ、セクスィーな大人の
美女に変身し、林道を歩いていた。子供一人で歩いていたら怪しまれるのと、大人の
長い脚でのほうが早く進める、という考えである。それとミラクルキャンディ―を
持ってきたのは鹿に変身するためではない、という言いわけでもあった。
 だが、山奥には不釣り合いな19歳のスタイルの良い美女が子供服を着て歩く様
はある意味、子供のひとり歩きより、よほど目立ったし、長い脚で歩幅は広くなった
が靴は子供サイズで。かかとは宙に浮いた状態。歩きにくく早く進めるかどうかは
怪しかった。
「フィイイイイイイイヨーー!フィイイイイ!」
 遠くでオオツノらしい牡鹿の声がした。目を閉じて耳をすませてみる。縄張りを
主張する声だ。
「ミイイイイフウウウウウウウウ!フィイイイイ!」
 それは牝鹿を呼ぶ声。きっとメルモを呼んでいるのだろう。
 メルモは鹿だった時、オオツノとキスをし、交尾をしたことを思い返した。
すると、どうだろう。乳房の先端がより隆起し、下腹部の蜜壺がジュッと濡れた。
「なんなの、身体が変だわ。」
 なんだか立っていられなくなり、メルモは砂利道の上で四つん這いになった。
鹿の姿で森を駆けまわった時が思い出され、二本足で歩くよりその姿勢が楽に
思えた。またオオツノらしい牡鹿の声がして、それを聞くやメルモの大きな尻
は左右にリズミカルに動く。男が見たら思わずしゃぶりたくなるような美しい尻だ。
「ハ、ハックション!」
 朝の秋の風が冷たい。子供サイズのブラウスは裾が上がって腹回りが露出し、瑞々
しい豊かな胸の谷間も女をアピールする。ミニスカートは超ミニとなり、ひも状と
なった白いショーツも丸見えだ。
 甘い吐息を吐きながら、オオツノへの想いが胸を圧迫する。鼓動はどんどん早まって
くる。心の声、牝鹿の心の声が声帯を動かした。
「オオツノ、オオツノさん!会いたいよーーー。私はここにいるのよ。」
 鹿の言葉で言ったつもりが、口から出たのは日本語、人間の大人の女の声だった
ことに戸惑うメルモ。左の肘を地面につけ、右手で思わず左の豊かな乳房の頂を、
続けて右をもてあそぶ。あっ!と喘ぎ声が漏れる。自分で触りながら、そんな声が出た
ことと乳頭が胸にあり、四つではなく二つであることにも違和感を持つ。
(どうして私、人間なの?初めから鹿として生まれていれば、こんなに苦しまなかった
のに。)
 「ミイイイイフウウウウ!フィイイイ!」
 またもオオツノの声が聞こえるも、距離は確実に遠くなっていた。
「い、嫌!行かないで!待って!」
488名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 14:27:47.58 ID:wY6euOdi
メルモは腰に紐を付けてぶら下げてあるキャンディーの瓶に右手を伸ばした。
人間の心は失ってはいなかったが、沈んでいたはずの牝鹿の心によってその行動は
左右されていたのだ。その時、蛍のような光がメルモの周りを飛び、首に止まった。
それはすぐに消え、彼女は気がつかなかった。
 だが、変身は果たせなかった。温泉街の方向からトラックの音が地響きとともに聞
こえてきたのだ。林道の真ん中で四つん這いのメルモは立ちあがり、道の端っこの
岩肌にもたれて車をやり過ごそうとした。
 スキー場工事の資材を運ぶの為のトラックが轟音とともに大人に変身したメルモの
前を通りすぎる。運転をする30歳位のヒゲを伸ばした男と助手席の痩せた20歳位の
出ッ歯の男がメルモの美しさに驚いて口を大きく広げていた。トラックはメルモの前を
通り過ぎてから止まり、バックしてしてきて止まった。
(な、何なのかしら?)
 運転席からは鉢巻をし、土で汚れた作業服を着ていた男が降りてきた。身長は今の
メルモより低い160センチくらいだが、土木作業で鍛えられたのかがっしりとし、
腕はとても太かった。美しいメルモの肢体を舐めまわすように見ていた。思わずメルモ
は右手で胸の谷間を、左手でスカートを持ってショーツを隠そうとしたが、不覚にも
男の放つフェロモンに乳首はピクンと動き、下腹部の花芯はうずいた。
「姉さん、そんな格好してどこにいくんだよ。」
 メルモは牡鹿の声がした方向を指さす。恐怖で声が出ない。
「へえ、偶然だねえ。俺たちもあっちへ行くんだ。乗せてやるよ。」
 メルモは首を左右に振って断った。

489名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 14:39:51.35 ID:wY6euOdi
数分後、轟音を立てて走るトラックは男二人と、山奥には不釣り合いな美女を乗せて
林道を走っていた。メルモはついに断り切れず、「親切」に甘えることにした。
「姉さん、俺は下村っていうんだ。スキー場の建設現場で働いている。そいつは品川、
俺の舎弟みたいなもんだ。」
 品川と紹介された男はヒヒヒ!と下品に笑った。
「私は、メルモ、渡メルモって言います。」
「メルモちゃん?変わった名前だなあ。お父さんは米兵かい?」
 下村はメルモの名前と日本人離れした美貌から、外国人とのハーフだろうと思った
のである。
 トラックはでこぼこ道を上下左右に揺れながら走る。揺れるたびにメルモのあぁん
という喘ぎ声が漏れ、豊かな胸が上下左右に揺れ、ブラウスからこぼれそうになった。
伸びきった黒い布地の下には均整のとれたロケットの先端のような乳房の
白い肌と桃色の乳輪がうっすら見え、下村は唾を飲みこみ、それらをチラチラ見ながら
ハンドルを握っていた。品川は窮屈そうな美女の長い足、とくにむっちりとした太腿
に心を奪われていた。メルモは揺れるトラックに気分が悪くなり始めたことと、男
たちのイヤらしい視線を感じ、下を向いていた。
 突然ブレーキがかかり、メルモの身体は前に飛び出しそうになった。
「あぁん、どうしたの。」
 下村の舌うちとともに前を見ると、一匹の牡鹿が道を塞いでいた。
「オ、オオツノさんだわ。」
「へえ、姉さん良く知っているなあ。」
 三又の太く長い角、筋肉質な身体、威厳と気品にあふれた表情。間違いなく山の
主オオツノだった。人間のメルモは思わず彼の逞しい体躯に見とれてしまう。
 下村はクラクションを鳴らす。それを物ともせずオオツノはトラックの運転席を
見上げる。
「フィイイイヨー!ゲゲッゲ!」
 縄張りを荒らされ、雌を取られたかのように叫ぶオオツノに下村はクラクション
を激しく鳴らし、アクセルを踏んでエンジンをふかして対抗する。しばらくして
オオツノは端により、道を開けた。
 オオツノは運転席を見上げ続ける。助手席の窓越しに大人の女の姿のメルモと
オオツノは視線があった。轟音とともにトラックは牡鹿の横をすぎる。メルモは
後ろの窓からオオツノを見た。荷台がカラなのでこちらを見上げる牡鹿の姿が
良く見える。オオツノは走り出して追ってきたが、カーブを曲がるとその姿は見え
なくなった。
「ミイイイイ!フウウウウウウン!」
 姿は見えないが悲しい鳴き声が聞こえた。メルモは前を向いた。やっと会えたと
いうのに今のメルモの姿は人間、鹿とは異形の種族だ。愛し合うことはできない。
「あれはなあ、姉さん、雌を呼ぶ声だよ。あのオオツノとか言う鹿はよ。ひょっと
して姉さんに気があるかな。なんかこの村には昔、牡鹿と牝鹿に姿を変えた村娘が
夫婦になったていう伝説があるらしいが。」
(そんな昔話があったなんて・・・まるで私みたいだわ。)
 メルモはやはり運命なのかと心の中でつぶやく。
「下村さん、オオツノにはとびきり綺麗なメスの連れ合いがいるらしいですぜ。
大柄でスタイルがよくて足が長くて甘い声を出す。人間の男でもホレボレして
しまうベッピンさんの牝鹿らしい。ハンターによると先週まではいなかった
のに突然現れたんですってさぁ。」
「へえ、まるでこの姉さん、メルモちゃんって言ったっけか。あんたみたい
だなあ。ハハハッハ、」
 恥ずかしさと苦しさで下を向く美女こそその噂の牝鹿だとは夢にも思わな
い、股間が熱くなっていた二人の男を乗せてトラックは走り続けた。
490名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 14:55:35.94 ID:wY6euOdi
>>482 >>486 ありがとうございます
犬の神様もきっといることでしょう(笑)
鹿の神様はなんとかメルモに人間を捨てさせようとしています
歴史の流れを守るために とはいってもメルモが鹿として生きる
未来は本当にきまっているのでしょうか 無限に分岐する可能性の
未来の一つにすぎないのではないでしょうか 謎です
結末は彼女を人間に戻すか 鹿として生きさせるかかなり迷いましたが
ほぼ自分の中では固めつつあります まだしばらくは続きますが よければ
おつきあいください
491名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 23:36:03.50 ID:wY6euOdi
 少し広くなった道、気がつくとトラックの右横を牡鹿が一匹駆けていた。
吐きそうになるのをこらえているメルモは一瞬オオツノかと思ったが角
が二又なので違うと分かった。
(旅館にオオツノさんと来た牡鹿だわ。)
 その牡鹿はトト。今のメルモは知る由もないが、近い未来からやってきた
オオツノと鹿のメルモの間に生まれた牡鹿である。オオツノとは親子なの
で似ている。長く細い脚は母親譲りだろうか。トトとメルモも運転席の
窓ごしに目が合う。何かを訴えるような若い牡鹿の目。どこかで会った
ような気がするが、どこで会ったかは今のメルモには思い出せない。
「なんだ、こいつらわああ!」
 気がつくと林道の端、岩肌、木々の間にたくさんの牡鹿がいた。群れの連れ
あいの雌を連れている雄もおり、鹿の数は数えきれないくらいだ。
「下村さん、なんかヤバいですよ。」
 品川に言われるまでもなく、気味悪くなった下村はアクセルを踏み、ギアを
ニ速から三速に上げ、その場を逃げようとする。
「そういや、品川よ、さっき言っていたベッピンの牝鹿が現れたせいかどうかは
知らんが、牡鹿の数が急に増えたってハンターのおっさんが言っていたなあ。」
「その牝鹿が十匹の牡鹿を引き連れて山を越えようとしていたって話も聞き
ましたぜ。」
(違う!あれは私が連れて行かれるところだったのに。でも私ってそんなにモテ
ていたのかしら。)
 男の話を聞きながら、それほど自分が牡鹿達を虜にしたのかと信じられない
思いのメルモ。吐きそうなのをこらえながら、耳にはトトの鳴き声、その後に
続く牡鹿たちの声を聞き、改めて牝鹿に変身した自分の影響力の大きさを実感
するのだった。
 
 走り去るトラックを追いかけたオオツノはすぐに足を止めた。牝鹿のメルモの
フェロモンを感じ、トラックの前に立ったもののそこには人間の大人の女性が
いるだけだった。その女性がどこかで見たことがあるような気がしたことに戸惑
ったオオツノ。向こうも彼を見ていた。
 見知らぬ牡鹿のトトの言われるまま、人里へメルモを探しに行ったものの、彼女
がいると思われる建物にいたのは、前に一度会ったことがある人間の少女だった。
 愛する連れ合いがいると思った場所にはいつも人間の女がいる。何故なのか、
オオツノは混乱する。やはりあいつは死んだのだ、とトトと別れたオオツノは林道
から森に入り、ララ達が待つ標高約二千メートルの場所へと向かった。
 しばらく歩いた後、オオツノは足を止めて振りかえる。やはり、この森のどこかに
メルモがいる気がしてならない。目を閉じれば彼女の愛くるしい表情で甘えてくる
しぐさ、形の良い舐めわしたくなるような美しい尻を振る姿が浮かんでくる。
「ミイイイイ!フウウウウウン!」
思わず牝鹿を呼ぶ声をあげたあと、オオツノは再び駆け始めた。 
492名無しさん@ピンキー:2012/02/10(金) 00:26:55.46 ID:hDbqSEoD
トラックはエンジンを止めて停まっていた。メルモが吐き気をこらえきれず、道端
で吐いていたのだ。四つん這いになって尻を振りながら汚物を吐きだすメルモ。
背中をさすりながら、煙草を吸う下村はこの美しい女を自分の物とする決意をしていた。
 そうとも知らず、メルモは地面を向いていた。四つん這いでいるとやはり落ち着く。
無いはずの尻尾が動くのを感じる。下のほうから牡鹿の声がすると、メルモの乳房
の頂はピンと隆起し、ブラウスの内側で擦れる。そこから発した淡い快楽の電流
が下腹部に流れ、甘い蜜を出していた。
 人間の身体でいることの違和感は人間に変身、いや戻ってからずっと感じていたが、
大人の身体でいる今はそれに性的な衝動、興奮が加わってくる。子供の身体でいた
ときは交尾をしたことは覚えていても、細かいシーン、快感の大きさは思い出せな
かった。それは子供の精神の崩壊を防ぐためのミラクルキャンディの作用だ。
 だが、大人になった今は、オオツノに舌で陰部を撫でられたこと、背中で感じた
彼の鼓動、体温、そして膣内で暴れまわった肉棒の感覚が蘇ってくる。
「はぁん!あぁあん!」
 絶頂の瞬間を思い出し思わず声を上げたメルモ。鹿のそばで男たちが股間を抑えて
いることは気がつかなかった。
 トラックは再び動き出し、何度もカーブを曲がってから、資材倉庫の前で止まった。
スキー場の工事は冬の訪れを前に今年度はほぼ終了しており、倉庫には誰もいない。
「あそこで休もうか。」
 と言って下村はメルモを抱き上げ、トラックから倉庫へ歩く。メルモは下村の
逞しい胸に抱かれ、少し煙草臭いのが鼻についたが、男のフェロモンに感じてしまい、
「親切」に甘えることにした。
後ろからは品川がヒヒヒと笑いながら後を突いてくる。
 「ミイイイイ!フウウウウウン!」
遠くで牡鹿の声がしたが、この時のメルモの耳は入らなかった。
倉庫には黒く長いソファーがあり、メルモはそこに寝かされた。品川が石油ストーブ
に火をつけた後、仰向けに横たわるメルモの視界に入った。下村が来ていた作業服の
上着を脱ぎ捨てランニングシャツ一枚になった。
 品川がメルモの肩を掴み、下村は太ももをしっかりとつかんだ。
「な、何をするの?」
「何って決まっているだろう。メルモちゃん?初めてじゃないだろう?」
 メルモは恐怖でそれ以上声が出なかった。
493名無しさん@ピンキー:2012/02/10(金) 00:34:14.24 ID:hDbqSEoD
(わたしが、わたしが何をしたって言うのよ。)
 メルモは万歳のポーズを取らされた後、両手首を紐で縛られた。黒いブラウス
は引き裂かれ、豊かな両胸、桃色の乳輪、乳首が露わになっている。手首は
品川が、太ももを下村が抑えている。下村の口はメルモの顔の鼻、頬、口、そして
首筋、鎖骨を代わる代わる撫で、左手は両の胸、右手は下腹部の恥丘を攻めていた。
 不満そうな品川のために下村は上半身を彼に下半身に専念することとした。
下村の顔は手を膝に移し、両太ももに顔を埋めた後、陰部を撫で始めた。
「あぁん!あん!」
 メルモの悶え声が倉庫に響く。不覚にも喘ぎ声がでた。鹿だった時、オオツノ
に陰部を撫でられた快感が蘇った。下村の口はむき出しの秘豆に吸い付き、同時に
品川の口がイヤらしい手つき乳房を揉み上げた後、乳頭に吸いついた後、舌で
右の先端に吸いついた。
「はうぅ!あぁん!い、いやぁん!」
快楽の電流がメルモの大人の身体に流れる。何故こんなことになってしまったのか。
自分のせいで命を狙われるオオツノを助けたいという思いだけだったのに。
二人の男に攻められながら、メルモの両目は高い天井に向いていた。そこには白鹿
の、鹿の神様の姿が映っていた。実態なのか映像なのかは分からない。
「メルモよ。美しい牝鹿だった人間の女よ。お前は愛し合った、何度も命を助けて
くれたオオツノを捨てた。仲間を裏切った。そしてお腹に芽生えた新しい命を殺した。」
(捨てた?裏切った?殺した?これはバチが当たったって言うのですか?)
白鹿はメルモの問いには応えず、悲しそうな顔をしてスーッと消えた。その代わり
メルモの視界に入ったのは、全裸になって立つ、屈強な男、太い肉棹をぶら下げた
下村だった。恐怖で身震いするも、彼の肉竿にオオツノの角を重ねてしまいほんの
一瞬、うっとりとしてしまった。その表情を見逃さなかった下村は再び、ソファの上に
身を置き、挿入を始めた。
「なあ姉さん、いや、メルモちゃんか、待っていたんだろう。」
「い、いや、いや、やめてぇえ!許して神様、鹿の神様、私が、まちがって、あ!」
「なにわけ分からないことを!品川!しっかり押さえていろよ。」
 下村によって十分に愛された割れ目はすぐに開き、最初の訪問者を歓迎した。メルモ
自身は身体をこわばらせ、膣を狭めて抵抗しようとするも、身体は別の反応をするのだ。
一瞬の痛みの後、膣は肉棒を受け入れ、からみついて離すまいとする。
(あの時と同じだわ。オオツノさんとの最初の時と同じ。どうしてなの?)
膣の中で暴れながら淫棒は子宮口で止まった。その形、動き、固さが感じられる。
渡メルモは九歳にして、大人の十九歳の身体を与えられて、人間としての処女
を失った。勿論、鹿としてのそれは喪失済みである。
痛みはすぐに快感に変わる。下村は腰を使ってピストン運動を始めた。
「はぁう!あぁん!い、いやぁん!やめてぇ!あぁん!」
 痛みが快感に変わるのにそう時間はかからなかった。下村の腰の動きにメルモの
腰も胴調し、リズミカルに前後に激しく揺れる。
「だめなの!私は、私は、本当は・・・・・」
 思わず本当は私は鹿なの、と言いかけて口をつぐむ。下村に攻められながら、牡鹿の
オオツノとのひと時を思い出しているメルモだった。
「私は、こ、子供なの、す、杉村小学校三年に、二組はぁん!だから、こんなことは。はぁん!あぁん!」
「そっか、じゃあ俺は三年四組だ。」
(助けて!オオツノさん、私を許して!そ、そして助けて!)
494名無しさん@ピンキー:2012/02/10(金) 00:44:22.43 ID:hDbqSEoD
メルモの両目には涙が流れ、それをスクリーンにしてオオツノとの日々が映された。
猟犬に吠えられ、ハンターに狙われたところを必死で守ってくれたオオツノ。他の
牡鹿に狙われたところを助けてくれたオオツノ。熊に襲われたところを助けてくれた
オオツノ。お前がいてくれて助かると言ってくれたオオツノ。そして全身で愛を注いで
くれたオオツノ。
(あんなに愛されたのに、私は、私は裏切ってしまったわ。あああ!)
 メルモの精神が崩壊するのを防ぐため、キャンディの力がその精神を変容しようとして
いた。それがわかるが故にメルモは恐怖した。キャンディは身体だけでなく、
その精神も変えてしまう。大人になったら難しい漢字が読めたり、深い思考ができる。
動物になれば彼らの「言葉」を理解する。繁殖期になれば発情し、交尾に快楽を感じる。
 そして、今メルモの精神は性交に対し、恐怖ではなく快楽としてとらえる淫靡なもの
に変えられようとしていた。メルモはその予兆を感じ下村の淫棒を抜こうともがくが
下村の強い力には抗えなかった。
「いくぜぇ!」
 膣の圧迫で膨張しきった淫棒は瞬間的に引き抜かれた後、深く突き刺された。
「あぁああああああん!だめぇえええええええええ!あぁん!」
 膣から子宮を経て、電流が頭のてっぺん、足の爪の先にまでながれ、メルモは
大柄なプロポーション抜群の女体を激しく反らせ、震わせた。
 快感の谷間を漂うメルモは、涙を流しながらも微笑んでいた。
(あぁん!気持ちよかったわあぁん!でも、鹿だった時のほうが、人間よりも感じるぅ!)
絶頂を経て、メルモは淫靡な心を持つ女へと変わった。
「もっと、感じさせてぇ!今度は四つん這いになって、し、したいなあぁ!」
 メルモは下村の萎えた肉棒を優しく撫で、微笑みながら言った。

「チュイイイイイイン!チュゥイイイイイイイイイ!チィン!」
 森に牝鹿の悩ましい鳴き声が響いた。誰にも、どの牡鹿にも聞こえたわけではない。
オオツノは確かに聞いた。それはメルモの声だ。交尾に悶える声であるが助けを求める
声でもあった。オオツノは愛する連れ合いが生きていると確信し、身体の向きを変えた。
495名無しさん@ピンキー:2012/02/10(金) 07:24:59.83 ID:MoDwdLpo
よもや大人メルモでもそうなってしまうとは…
こうなると汚された心と体をいやす意味でも鹿となる事を望みそうですね。
無限の分岐の可能性…この物語が描く可能性はどんなものになるのか。
改めて見届けがいがある物語です。
496名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 00:34:08.85 ID:z5SpnbiF
下村と結ばれたメルモは、彼に違う体位を求め、四つん這い、後背位になって
今また腰を打ちつけられていた。肉と肉がぶつかり合う音が倉庫に響く。
「あぁあん!いいわぁん!中がとろけそう!ああん!」
オオツノだけでなく、たくさんの牡鹿と交わった、自分が鹿だった時間を思い出し
メルモは悶え続けた。何より四本足で立っている状態に近い感覚が彼女を燃えさせた。
(ずっとこうしていたい。気持ちがいいわぁ!)
 心の中ではお花畑を駆け廻る牝鹿となっているメルモ。下村を恐ろしかった牡鹿
額傷に見立てる。額傷の交尾はオオツノ程ではなかったが激しい快感を得、牝鹿のメルモ
を不特定の牡鹿たちとの交尾の虜にしてしまった。
(でも、やっぱり人間より、鹿だった時のほうが感じる。そして誰より、オオツノさんが
いいわ。オオツノさんに会いたい!)
 山の主と言われるだけあって、オオツノの足腰は強く、故に力のある腰の打ち付けを
メルモにした。何より深い愛情が伴っていた。
下村は最高の女を手に入れた幸福を噛みしめ、メルモの芸術的な腰の括れを掴み、
連打し続けた。彼も無数の女性と交わってきたが、今、眼下の四つん這いで悶え続ける
メルモ程の美女は初めてだった。もう、彼女を離すつもりはなかった。よもや、獣の
ような格好で喘ぎ声を上げる美女が九歳の少女が変身した姿だとは、また、つい昨日
まで噂の牝鹿となって森を駆けまわり、牡鹿達を虜ににしたとは想像もできないだろう。
一方の品川は面白くなさそうにストーブにあたっていた。ただ、マシュマロのような
メルモのバストがプルンプルンと揺れるのを見るのが慰めだった。
 その時、ゴンゴンと木製の扉を叩く音がした。誰か来たのだろうか。建設会社
の上役だったらさすがにまずい。下村は品川に眼で見てこい、と合図をした。メルモの
口をふさぎ、下村はピストン運動を続ける。扉の音はメルモにも聞こえていたが、誰かに
見られるかもしれないと思うと余計に感じた。それは額傷たちの虜となったとき、牡鹿
たちに囲まれ代わる代わる交尾させられた時の感覚と同じだった。
 扉が開き、中に光が差し込むと同時に品川の悲鳴が聞こえた。悲鳴と同時にメルモは
下村によって二度目の絶頂を与えられ、身体を反らせた後、肘をつき、拳を握りすべての
快感の波を逃さず受け止めようとしていた。メルモの膣には一度目も含め、たくさんの
下村の子種がうごめき、卵子への受精を狙っている。
品川の悲鳴は続く。メルモが後ろを振り返ると、牡鹿が一匹は言っていて、前足で
うずくまる品川の背中を連打していた。メルモはオオツノが助けに来てくれたのか
と思った。牡鹿の動きは早く、彼がオオツノなのかどうかは分からない。牡鹿の
侵入により、メルモは正気を取り戻し、自らの行為に羞恥心を抱いた。また自分は
汚れてしまった、と。
 メルモから棹を抜いた下村は、倉庫の壁際にあった鉄パイプを両手で握ると牡鹿に
向かって振り落とした。
「いいところを邪魔しやがって!このバカ鹿がぁ!」
下村の怒りの声が響く。品川も何とか逃げ、下村同様鉄パイプを持って構えた。
牡鹿一匹と人間の男二人の戦いが始まろうとしていた。
497名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 00:37:51.99 ID:z5SpnbiF
 快感の波間から抜け出したメルモは、裸のまま床に座り込み戦いの行く手を見守るが
牡鹿は次第に追い詰められていく。一度ならず二度も、下村の振り落とす鉄パイプ
が背中に当たり、牡鹿は悲鳴をあげた。
(このままじゃオオツノさん死んでしまう。何とかしないと。)
 牡鹿は激しく角を振り立て、前足を上下に振って威嚇をするが決定打はない。倉庫の
壁に後ろ足がつき、もう、後がなかった。
(助ける方法は一つしかないわ。)
 メルモは床に転がっていたミラクルキャンディーの瓶を拾い、手にした。
(私が鹿に変身するの。そうすれば、変身するところを見てあいつら腰を抜かすわ。
それに、このまま大人の姿でいたら赤ちゃんが出来ちゃう。)
 リスクもある。オオツノらしい牡鹿に変身するところを見られたら、自分が人間
だったことがばれてしまう。軽蔑されるだろう。よりによって愛した連れ合いが天敵
の人間だったとは、と。それと他の人間に、下村達に変身するところを見られたら、
例え人間に戻ったとしても好奇の目にさらされ、社会では生きていけないかもしれない。
(でもこの場を乗り切るには他に方法がないわ。)
 メルモは瓶の蓋を開け、赤と青のキャンディーを一個ずつ手のひらに踊らせ、青い方は
爪先で削って一かけらにした。見ると下村が鉄パイプを振り落とそうとし、牡鹿は覚悟を
決めたのか固まっていた。
「ちょっと待って!こっちを見なさい!」
 男二人と牡鹿の視線を受け止めるとメルモはキャンディーを口に入れ、鹿に変身する
よう願いながら赤、青と順番に噛み砕いた。たちまち美しい肉体年齢19歳の美女
の身体は眩い光に包まれ、座った姿勢で若返りを始めた。胸は小さくなり、くびれは消え、
尻は小さくなっていく。思春期の少女、本来の姿9歳の少女、5歳位の幼女を経て
赤ん坊になる。
「な、何だぁ!化けものだあ!」
 男の悲鳴を聞きながら、赤ん坊になったメルモは目を閉じ、宙に浮き、身体はまるく
なっていき、程なく胎児となる。彼女を包む光も小さくなり、光の中の胎児は豆粒ほどに
なると受精卵にまで若返った。受精卵、メルモの母、ひろみの胎内で父の精子と卵子
が受精した瞬間と同じ状態になると少女の願いどおり、ホモサピエンスのDNA配列
はニホンジカ・ホンシュウジカの雌のものに書き換えられた。
 青いキャンディーの作用で受精卵は鹿として成長を始めた。細胞分裂を繰り返した
末、受精卵は魚のようになり、四本の足が生え始める。徐々に顔が形成され、耳らしき
ものが現れ、マズルを形成し始める。足の先には蹄が形付けられ、体毛、尻尾が生え
始めると、光が作ったエネルギーフィールドの疑似胎内の中からゆっくり地上に降ろ
される。優しく包む光の中で、何とか立ちあがった子鹿は目を開き、一瞬、母の乳房
を探す仕草をしたあと。身体を震わせる。
「ぎゃああああー!下村さん、鹿になりましたよう!」
「品川!やっぱり化け物だ。あの姉ちゃん、もののけだあ」
 男の声が耳に入るも鹿になったメルモはそのまま成長を続ける。鹿の子模様の体毛は
グレーとなったあと、アーモンド色になる。耳はピンと立ち、足はどんどん伸び、
体長は前後に伸びる。やがて光が消えた時、人間だった渡メルモは美しい牝鹿に変身
を終えていた。頭胴長は130センチ、体長80、つま先から肩までの高さは80
センチ位か。DNAは完璧なホンシュウシカの雌だが、体格はエゾシカにちかくて
大きく、足は細長い、尻は大きく形がよくて立派な子鹿を産めることを牡鹿にアピー
ルするだろう。一度目の変身同様、メルモは美しすぎる牝鹿として生まれ変わった。
498名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 08:15:36.03 ID:EudFuXTM
ついにやってしまった…と言う感じですね。
人前で変身する事と言い色々な意味でトンでしまったと言う感じが強烈です。
そして再び鹿となったメルモ、これできまるのか否か。
われわれが眼にする事になる「可能性」はどんなものなのか…。
499名無しさん@ピンキー:2012/02/11(土) 23:41:07.27 ID:tGICMMKo
「チュイイン!ケケケ!ピャ!」
 メルモは精一杯男達を見上げ、威嚇する。変身に驚き、この場を逃げ出すだろうと
思っていた。ところが、男たちはメルモに向かってくるではないか。
「この化け物めええ!」
 下村は鉄パイプを振り落としてきたが、鹿になったメルモはすばやく身体をひる
がえし、ついさっきまで悶えていたソファーに前足を置き、後ろ足を置くと同時に
跳躍をした。ソファーの裏側に飛び降りると前足が人間だった時のメルモが身に着けて
いたスカートを踏み、思わず滑ってしまった。
「ケケ!ピャ!」
 短い悲鳴をあげ、メルモの白い体毛に覆われた腹が倉庫の床に当たる。態勢を立て
直そうとし、素早く起き上がったが再び振り落とされた鉄パイプが顔をかすめた。それ
ほど広くない倉庫の壁に行く手を阻まれ、メルモは男たちに向きあった。
(だめだわ。わたしにむかってくるなんて・・・・・)
「うわぁ!痛い!」
 突然、下村が鉄パイプを落とし、倒れ込んだ。牡鹿が体当たりをし、さらに倒れた
背中に前足で攻撃をした。品川が鉄パイプを上段に構えるが、凄まじい気迫で体当たり
をした。素早い牡鹿の攻撃にメルモはウットリとなった。
(さすが、オオツノさんだわ。)
 牡鹿は品川が倒れるのを見届けず、すぐに出口へ向けて飛び出して行った。メルモに
は見向きもしない。
(そんな!まってよ)
 メルモは倒れ込んだままの下村を踏みつけ、牡鹿を追いかけて外に飛び出した。
 倉庫の前は、大型のトラックが10台ほど止められる広場になっていた。その端に
牡鹿は立っている。
(やっとあえたのにつめたいわ!)
 メルモは走って追いついた。牡鹿はメルモのほうを向き、彼女は四肢をばたつかせて
立ち止まる。牡鹿もメルモのほうに向き、二匹は向きあった。気持ち牝鹿は顔を引き、
牡鹿も一瞬首をそらせたが、初めて会った時のようにメルモは牡鹿に口づけをした。
(やっとあえた、いとしいあなたに・・・ん?)
 メルモはパッと口を彼から離した。オオツノと思っていた牡鹿は別人、いや別鹿だ。
(にている。そっくりだわ。おやこかきょうだいみたい。でもちがう。オオツノ
さんじゃない!)
 確かに顔は似ている。身体の作り、筋肉も似ているが少し小柄な感じがした。何より
角が二又で、オオツノより明らかに若い。二人の男と戦う時の身のこなしが早く、
分からなかったのだ。メルモは細長い四肢を数歩後退させて言った。
「あなたはだれなの?」
500名無しさん@ピンキー:2012/02/13(月) 01:36:43.55 ID:DMtbNF+z
>>498  ありがとうございます
やっちゃいましたねえメルモ 牡鹿を助けるために変身しましたが
変身する理由が見つかった喜びを感じているのではない
でしょうか 
501名無しさん@ピンキー:2012/02/15(水) 21:39:18.45 ID:q7C1Xh6g
kasoho
502名無しさん@ピンキー:2012/02/16(木) 02:12:12.43 ID:dUaC+atO
>>499
「ぼくはトト。みらいからやってきたあなたのこどもです。」
 牡鹿は鹿に変身したメルモをしばらく見つめた後、開いた距離を縮めてから言った。
メルモは驚きのあまり形の良い両耳をピクピク動かした。
「こども?わたしの?そ、そんな、まさか・・・・・、おとうさんはだれなの?」
「もちろん、あなたがだいすきなオオツノですよ。ママ。」
「ママ、わたしが?」
 メルモは細い四肢を震わせながら目の前の牡鹿を見つめた。確かにオオツノに彼は
似ている。オオツノを少し若くしたような感じだ。それに足の形は、心なしかメルモ
に似ている。
「あ、あなた、どこかでみたとおもったら!」
 メルモは思い出した。夢で見た(本当は鹿の天国で見たのだが)未来の自分の
ビジョン、メルモとオオツノを頂点とする家系図に彼が映っていたのだ。やはり
彼の言うことは真実なのか。メルモは首を振った。
「そ、そんなはずはないわ。わたしはね、にんげんなのよ。みたでしょう?わたし
がすがたをかえるところを。このシカのすがたはね、かりのものなの。」
 メルモはトトと名乗る牡鹿の周りをグルグル回って言った。しなやかな姿態が木漏れ
日によって輝いていた。大きな牡鹿達を魅了する美尻がプリプリ動く。
 確かに自分はオオツノを愛したし、最初の変身では交尾をした。子鹿を身ごもった
ことを鹿の神様、白鹿から教えられた。しかし、一度人間に戻り、新しい命は
消えた。今度の変身もオオツノに会い人里へ降りてこないよう、説得し、お別れを
するつもりだった。トトなる牡鹿の言うことが本当ならば、今回の変身で再度
オオツノと結ばれ、妊娠、出産することになる。それは二度と人間に戻れない
事を意味するのか、それとも彼を産んでから人間に戻るのかどちらかなのだろう。
「ママはぼくだけでなく、メスのこしかを2ひきうんだのですよ。」
(え、ということはわたしはずっとシカのままってこと?)
「ぼくのなまえはにんげんだったときのかぞくからとったっていっていたよ。」
(トトオちゃんのこと?)
「ママはいっていました。にんげんからシカにうまれかわったとけどこうかいはして
いない。オオツノさんにであえて、かわいいこどもたちをうめてしあわせだって。」
 トトの言葉にメルモは、オオツノや子鹿達と森を駆けまわる未来の鹿としての自分
の白昼夢を見、おもわずボーっとしてしまった。どんどんトトのペースにはまって
いくメルモはまた首を左右に振った。
「でも、みらいからきたなんて、そんなことできるはずないわ!」
 その疑問には素早く回答がされた。トトは、子鹿達と歩いていたメルモが突然消え、
自分も消えかけたこと。それを鹿の神様、白鹿に救われたこと。白鹿曰く何者かが
過去を改変し、メルモを人間に戻した。それを防ぐ使命を帯びて神様の力で過去へ
やってきた、と。トトの言葉を聞き、白鹿ならやりかねないしできるだろう、とメル
モは思った。
「ねえ、ママ、いまのきぶんはどう?」
 気分と聞かれ、メルモはハッとなった。鼻や耳の先から四肢の蹄、大きな尻から
生える尻尾に至るまで気分がいい。自分が鹿の身体でいることの違和感はない。
昨日、人間に戻ってからつい先ほどまで、人の身体でいることの違和感があった
こととは対照的だ。鹿に変身して一時間も経っていないのにもう今の身体に
馴染んでいる。
「ママ、ママはたしかににんげんだったけど、もうシカなのですよ。それもとびっきり
きれいなメスシカです。ぼくのじまんのママです。」
 未来から来た「息子」の言葉に、やはり運命なのかと自らに問うメルモであった。

503名無しさん@ピンキー:2012/02/16(木) 09:34:09.45 ID:eFIq1RBB
毎回メルモが可哀想なんだがそれでいてエロくて萌えてしまうなー
元々メルモ自身は善意で行動してたのに周囲の都合や身勝手さに振り回されっぱなしなのが不憫
それともキャンデーという、人には過ぎた力を持ったことに対する罰だというのか…
504名無しさん@ピンキー:2012/02/17(金) 17:39:54.38 ID:rQYbx68Y
書籍化して欲しいレベル ハアハア
505名無しさん@ピンキー:2012/02/17(金) 19:23:59.32 ID:wabAmCfy
>>502
しばらく二匹の「親子」は見つめ合っていた。
倉庫の方で物音がし、人間の呻き声が聞こえた。本能が逃げよと命じ、メルモは
トトに付いてくるよう促し、森に飛び込んだ。今の彼女にとって人間は異形の種族且つ
天敵である。トトは喜々として従った。三歳になるトトは、既に母親からは離れて生活
している。母鹿と一緒に行動することはありえない。彼は嬉しかったのだ。再び母で
あるメルモとともに過ごせることを。
 しばらく歩いてからメルモは立ち止まって、後ろを振り返った。
(いけない!わたしったら、キャンディーをおきっぱなしだわ。やっぱりひきかえさない
と。)
 身体の向きを変え、トトの横を静かに通り過ぎるメルモ。視線は倉庫のほうを向いて
いる。ついさっきまで、彼女は人間だった。大人の姿に変身していたメルモは倉庫
の中で男たちに強引に処女を奪われたのだ。それは恐怖と快楽が同居する体験だった。
 その倉庫にはミラクルキャンディーと衣類一式が置きっ放しだ。衣類はともかく、
キャンディーが無くなるか持ち去られるようなことがあれば、メルモは二度と人間に
戻ることは出来なくなる。それが可能性なのか、決まった歴史なのかは分からないが、
倉庫に引き返さなければ、と今は美しい牝鹿の姿をしているメルモは思った。
 そんなメルモの思考を読み取ったのか、トトが近寄り、若き母の臀部を撫でた。
「チュイイン!」
 悩ましい声を出し、メルモは尻を左右に振った。腰の深奥に灯りが灯ったのだ。変身
して一時間も経っていないが、美しい牝鹿は早くも発情を始めた。つい先ほど、下村に
肉棒を膣に挿入された時の快感の記憶が蘇り、メルモは腰と尻をくねらせた。続いて
オオツノとの交尾の時に身心ともに結ばれた時の快感も蘇り、激しく首を振り、前足に
力を入れ、腰をピンと伸ばす。
(だめ、にんげんにもどらないといけないのに!)
 「息子」が見ているのに、メルモはオオツノとの愛の日々を思い返し、人間に戻ら
なければ、という意思は意識の隅に追いやられた。腰の深奥から湧き出る衝動が
牝鹿に悩ましい声を出させた。
「チュイイイイイイン!チュイイイイン!」
「ミイイイイイイイ!フウウウウン!」
「ミイイイイ!フウウウウウウン!」
「フィイイイ!ミイイ!フウウウウウウウン!」
 牡鹿を呼ぶメルモの鳴き声が森に響くと牡鹿たちの鳴き声が森に響いた。その中には
愛しいオオツノの声もあった。
(だめ!こんなきもちでオオツノさんにあったら、わたし、また・・・・、あんなことを
したら、こんどこそ、にんげんにもどれなくなるわ!)
 腰をくねらせたり、伸ばしたりしながら、メルモの心は揺れた。
「ママ、らくになりましょうよ。ママはもうにんげんじゃないのです。シカなのです。
オオツノと、ぼくらのパパとあって、あいしあってください!」
 メルモは喘ぎながら「息子」を見た。もし、自分が人間に戻れば、彼は生まれてこなく
なると言うのか。二人の人間としての弟の顔が脳裏に浮かぶが、だんだんぼやけていき、
その姿は鹿に変わった。子鹿として過ごした偽りの記憶が再び蘇る。
(ごめんね、トトオちゃん、タッチ、おねえちゃんをゆるして!)
「チュイイイイイイイン!チュイイイイイン!」
 メルモは完全に自分の意志で鳴いた。愛おしい牡鹿のオオツノを呼んだのだ。
506名無しさん@ピンキー:2012/02/17(金) 19:34:06.29 ID:wabAmCfy
 メルモが今日、山に入った目的は、オオツノを山に帰すことだった。初めは変身する気は
なかった。いや、場合によっては鹿に変身するかもしれないとは思っていた。大人に
変身し、男たちに襲われているところを鹿としての息子と名乗るトトに助けられ、逆に
人間たちに殺されそうになった彼を助けるため再び鹿に変身したメルモ。今彼女は
繁殖期の牝鹿の本能により、発情を始め、オオツノを呼んでいた。それは未来からやって
きたトトの思惑どおりであった。
 程なく、たくましい牡鹿のオオツノが二匹の前に現れた。時間にすれば一日会わなかった
だけなのに、何年振りかで会う様な気がしたメルモ。目は潤み、喉の渇きを覚えた。
 太く長い、威厳のある角には泥がついていた。全身が泥まみれではあったが、躍動
する筋肉は隠せない。目は鋭く、知恵と勇気と気品を感じさせた。人間が見ればどうと
言うことはないが、今のメルモは発情期の牝鹿だ。逞しい体躯を持つオオツノの姿、
体臭、いやフェロモンに頭がボーっとし、口からはよだれが流れる。
「ゲゲゲ!フィイイイ!」
 オオツノは一瞬だけ、メルモを見た後、傍にいるトトを睨みつけ、自慢の角を振り立て
威嚇した。トトにけしかけられ、オオツノは危険をおかしてメルモを探すべく山を降りた。
結局、愛する連れ合いに似た臭いを発する人間の少女には会えたものの、目的は果たせ
ず、オオツノはトトと別れて山に入った。それなのに、今、トトがメルモと一緒にいる
のはどういうことなのだろう。困惑と怒りがオオツノの戦意を掻き立てた。
「おのれ!どういうことなのだ!おれのつれあいをどうするつもりだ。」
 オオツノは角をトトに向け、決闘を挑む。繁殖期の牡鹿として当然の行動だが、トト
はあとずさり応じようとしない。メルモは二匹の牡鹿の間に割って入った。それは牝鹿
としては考えられない行動だ。雌は雄同士の戦いには決して介入はできない。
「まって、ちがうのよ。かれはわたしをたすけてくれたのよ。」
 だが、オオツノはメルモにどけと言わんばかりで威嚇する。一瞬、後ろにさがった
メルモ。なんとか「親子」の決闘はやめさせなければならない。
「やめて!わたしをたすけてくれたのよ、それにかれはわたしたちの・・・!」
 トトはメルモに向かって首を振るや、身体の向きを変え、走り去った。
「フィイイイイ!フィイイイヨゥーーー」
 オオツノは白い歯を見せて空を見上げ、勝利の雄叫びをあげた。トトが去り、ほっと
したメルモは、オオツノを見つめ、これから起こるであろうことを想像し、ウットリ
として目を閉じた。きっと彼は口づけを迫ったり、陰部を舐めてきたりするだろう。
 だが、瞼を開けた時、ぶどう色の瞳に映るのは牡鹿の尻だった。
(え、どうして?どういうことなの?)
 オオツノは当然メルモがついてくるものと思い、元来た方向、山の上の方向へと歩き
だした。慌てて数歩遅れでメルモは歩きだす。
(オオツノさん、どうしちゃったの?)
 倉庫の方向でトラックのエンジンの音がし、メルモは立ち止まって振りかえった。おそ
らく二人の男達、下村と品川がその場を離れたのだろう。彼らが致命傷をうけていない
事を安堵するとともに、キャンディーの行方が気になったし、人間から鹿に変身したこと
を言いふらされないかを気にしたメルモは振りかえったまま動けなかった。
 オオツノは歩みを止めて、戻ってくるとメルモの首筋を撫で、歩きだすよう促した。
「チュイイン」
 撫でられた瞬間、甘い声が出た。キスを期待するもまたオオツノは数歩先をただ歩く
のだった。メルモは戸惑うばかりだ。
(どうしちゃったの?わたしにあえてうれしくないの?)
 牡鹿は首を上下させつつ歩き続け、牝鹿は尻を振りつつ続いた。緑と紅葉がいり
交る秋の森、絵になる鹿のカップルであった。
507名無しさん@ピンキー:2012/02/18(土) 01:15:02.28 ID:TdFcDidd
 グレーの体毛、泥だらけの身体の下に躍動する筋肉、太くて長い三又の角、それが
山の主とされる牡鹿のオオツノだ。その2〜3メートル後ろを歩く牝鹿のメルモ。
アーモンド色の体毛、美しい毛並みの下にはしなやかで雌なりに筋肉質で、耳はピンと
立ち、腰はくびれていて、尻は大きく美しく、そして四肢は細く長い。彼女は人間の少女、
渡メルモがミラクルキャンディーの力で美しすぎる牝鹿に変身した姿だ。他の雌よりやや
大きな体格だが、DNAは完全なホンシュウシカの雌のもの。だが、人間の精神がブレンド
されたフェロモンを放っていた。
 メルモは何も語らないオオツノに付いて歩いていた。逞しい彼の肢体、泥と体臭が
ハーモニーを奏でた雄のフェロモンがたまらない。やっと会えたのに何故彼は黙って
いるのだろう。
(ひょっとしてわたしがにんげんだったことにきがついておこっているのかしら?)
 メルモはたまらなくなって彼に駆けより、身体をこすりつけた。ついさっき変身
したばかりで、汚れていない身体に泥が付着する。一緒にノミなども付いてしまうの
だが、そんなことはどうでもよい。
「チュイイイイン、チイイイイイン!」
 甘い牝鹿の声が森に響く。メルモの瞳にオオツノ自慢の角が映る。牝鹿達にとって
角は牡鹿を交尾の相手に選ぶ時の最も重要なポイントの一つだ。
(なんてりっぱなつのなの!)
メルモが鹿に変身しオオツノの群れに取り込まれてから、彼と二匹きりで過ごすのは
最後の交尾以来だ。このひと時を楽しみたいのにオオツノにその気はないのだろうか。
「チュイン?」
 突然オオツノが立ち止まり、メルモは驚きの声をあげた。思わず身体を彼から離す。
オオツノは身体の向きを変え、メルモと向き合った。力強いが優しい視線だ。
「わるかったな。おれがむれをはなれているあいだ、たいへんなことになった。」
 メルモが最初に鹿に変身して五日目の朝(と言っても昨日のことだが)、オオツノが
群れを離れた後、他の地域からメルモのフェロモンに惹かれてやってきた牡鹿たちに
群れは襲われた。彼らの目的が自分の身体だと知ったメルモは、彼らを引き付け群れを
救った。その後、メルモは牡鹿達に順番に交尾され、その虜となってもう少しで遠い
ところへ連れて行かれるところだった。
 その恐怖の時間が蘇ったこと、詫びとねぎらいの言葉を駆けられ、メルモの澄んだ
ぶどう色の瞳は涙で潤んだ。オオツノはメルモに近寄り、首筋から背中、腰、尻へと
愛撫をしながら言葉を続けた。
「もう、あえないとおもっていた。しんだとおもっていた。だが、おまえがいきている
とわかいオスにいわれ、おまえをさがしにいった。」
 オオツノはメルモに口を近づけた。一瞬、ためらった後、牝鹿は牡鹿と口を重ねた。
メルモの陰部がジュッと湿り、美尻が左右にリズミカルに揺れた。
「どこにもいなかった。おまえのにおいとおもったら、そこにはにんげんのメスしか
いなかった。」
 ひょっとして正体がばれたのかとメルモは恐れた。人間だったことを知られたくは
なかった。
「だがいい。こうしておまえにあえたのだからな。」
 オオツノは再び歩きだした。メルモは追いかけ、身体を擦りよせる。
「わたし、こわかった。それにあなたにあいたかった。おねがい、もうわたしを
はなさないで!ずっとあなたのそばにいたい。あなたのこどもをうみたいの。」
 メルモの中で急速に育った牝鹿の心が叫びをあげた。
508名無しさん@ピンキー:2012/02/18(土) 14:10:16.93 ID:4OK4qx0W
ところで、トトって最初に変身した時に身ごもった子供なの?
それとも、これから身ごもる子供なの?
未来で消えかけてた事からすると前者の様だが、
だとしたら人間に戻る時に消滅しちゃったから
いまさら変身しなおしても復活はしないんだよね。
509名無しさん@ピンキー:2012/02/19(日) 00:24:01.36 ID:qll3xzRj
タイムパラドックスを解決する方法はただ
一つ!考えすぎないことよ!
510名無しさん@ピンキー:2012/02/19(日) 07:37:41.01 ID:tlx4MH9U
実際未来が改変された世界で改変を免れた主人公が歴史を修復する為に過去にさかのぼる話は多いですし、
今回は鹿の神が因果律を越えた保護をしていると言う所でしょうか。
とりあえずトトはそれによりこれから鹿メルモが生む小鹿と言う事に「因果修正」がされるとかで。
どちらにしろ完全に鹿の本能とフェロモンに押し流されたメルモ、いよいよ確定か否か…。
まだまだ予断を許せませんね。
511名無しさん@ピンキー:2012/02/19(日) 11:25:37.03 ID:7wLGaNlR
 メルモの想いに応えるべくオオツノは美しい牝鹿の身体を毛繕いし、陰部を舐めた。
火照ってきたメルモは追いつけるくらいの速さで逃げ、立ち止まっては雄達がむしゃぶり
つきたくなる美尻を左右に振ってはオオツノを誘惑する。
 楽しい時間が続き、オオツノは立ちどまったメルモの尻に顔を乗せ、前足で彼女を
挟んで逞しい身体を滑らせた。メルモの背中越しに牡鹿の体温、鼓動が伝わる。舌が
彼女の美しい毛並みを撫で、陰部には固い物が当たる。肉棒が蜜で溢れた壺への侵入
を試みるが、一度人間に「変身」し、再度鹿へと「戻った」その身体は、肉体的には
交尾は初めてであり、その扉は固くなかなか開かない。
 オオツノは夢中でメルモへの愛撫を続け、悶えた牝鹿は首を後ろへ反らせる。牡鹿の
自慢の角がコツコツと当たる。前足は牝鹿の美しい肢体をしっかりとはさみ、逃すまい
とする。メルモは目を閉じ、力を抜いた。そこにいるのは人間の少女ではない。身も心も
繁殖期の種族保護本能に支配された美しすぎる牝鹿だった。
 牡鹿は牝鹿の背中に乗せた顎をさらに前へとずらしながら、前足はさらに力を入れ、
後ろ足は宙に浮いた。メルモはオオツノの固いものが当たるのをさらに感じ、後ろ足に
力を入れて膣を広げようとした。オオツノのぬくもり、心臓の音が背中から伝わり続け、
瞳には涙が潤んでいた。
いよいよ、肉棒が強い力でメルモの膣輪を押し広げて中へと侵入してきた。扉はようやく
開かれようとしていた。
(もう、ひきかえせないわ!)
 メルモは覚悟を決めた。一瞬の痛みの後、固い牡鹿の肉棒の力にゆっくりと飲み込まれていく。
何度かメルモの中に入ったオオツノだが、最初の時のようになかなか入らない
ことに戸惑った。一度、人間に変身し、鹿に戻った身体、その膣は医学的には初めて雄の象徴を
受け入れたことになるのだ。勿論オオツノには想像すらできないことだ。
 生物学的に初めて雄を受け入れたメルモの膣は狭まり、行く手を阻むが、すぐに馴染み、
愛しい牡鹿の物を逃すまいと奥へ奥へと誘っていく。挿入の快感がメルモの全身
に広がっていくのだった。
「チュイン!チミュウウン!チュイイイン」
「ミィイイ!フウウウン!ボツ!ミイフウウウン!」
快感に耐えられず、牝鹿と牡鹿の喘ぎ声が森に響いた。
オオツノの後ろ足は宙に浮いたまま、腰を打ちつけはじめた。メルモの身体も揺れ動く。肉と肉が
ぶつかり合う音がし、木漏れ日が二匹の体毛の下で躍動する筋肉を輝かせ、ピチャピチャとした音が
二匹の喘ぎ声と調和をし、森の風に乗って山を流れた。
 たくましい筋肉質な森の主と畏怖される牡鹿と、世界でただ一匹の人間の少女が変身
した美しい牝鹿が今、再び結ばれようとしていた。オオツノは腰を振るだけではなく、
舌で首筋を愛撫し続ける。メルモは首を振り、オオツノを乗せたまま腰をピンと張った
 鹿の交尾は4〜5秒、長くても10秒ほどで終わる。だが、二匹は数分間交わり続けた。キャンディー
の力で最高の性感を与えられたメルモの膣がオオツノの肉棒にパワーと
持続力を与えた。
「チュイイイイン!チュンィン!チュイイイイイイン!」
 膣の中で暴れる肉棒の動きを感じ、さらに悶えてしまうメルモ。もう我慢が出来ない。
それはオオツノも一緒だ。棹を抜き、再び打ち付ける。竜のように暴れながら、オオツノ
の淫棒は愛液を膣にまき散らした。快楽の雷(いかずち)が膣から子宮を経て脳天を
貫いた。さらに激しい声が口から放たれた。
「チュイイイイイイイン!チュイイイイイン!チイイン!」
 細い四肢が大地を踏みしめる。マズルの先の鼻、ピンと立った耳から蹄の先、美尻から
垂れる尻尾まで広がる快感を噛みしめ、全身で逃すまいとする。人間としてこの世に生を
受けた美少女が、美しい牝鹿に生まれ変わり、今また雌として喜びを感じていた。
(トト、これでいい?ママはあなたをうみます。)
 人間としての弟達の姿が一瞬、白昼夢の中に浮かぶ。
(ごめんね、おねえちゃんはシカになったの。かわいいこしかをうむわ。いつかは
にんげんにもどってみんなのもとにかえる。でも、いまはこのすがたでいたいの、
いさせて!)
 オオツノの放った体液のなかで激しく泳ぐ精子達は、メルモの卵管のなかで待ち受ける
卵子に向けて競争をし、そのうちで一番元気な者が受精をした。新しい命が再び芽生え
ようとしていた。
 未来からやってきた牡鹿のトトは遠くから交尾をする二匹を見続けていたが、白い光に包まれ、
森から消えた。その瞬間は満足そうな顔をしていた。使命を果たせたからだ。
512名無しさん@ピンキー:2012/02/19(日) 23:40:27.78 ID:7wLGaNlR
>>503 >>504 ありがとうございます メルモはいつも自分のことは考えず
自分以外の幸福のために行動しているのに可哀想ですね 書いている私が言うのも
なんですがそんなメルモがエロいです これからもこんなSS(Sでない?)
でよければハアハアしてください

>>508 >>509 >>510 深い考察ありがとうございます 励みになります 鹿の神様の
言う歴史が正しいものなのか否かはわかりませんが メルモが人間に戻った時お腹の中にいた
トトは消滅しますが 二度目の交尾で復活することになります 受精した瞬間 トトは未来へ
帰って行きました 鹿の本能に取り込まれたメルモ 果たしてもう人間にもどること
ができるのか もうすこし話は続きます
513名無しさん@ピンキー:2012/02/22(水) 22:23:07.35 ID:Iw21tkSm
 前足でしっかりと身体を挟まれたメルモは、オオツノに強く腰を打ちつけられ、牝鹿
としての喜びを全身で味わっていた。首を左下に動かすとオオツノの太く長い前足、
蹄が見えた。蹄は小刻みに震えていた。最高に美しい牝鹿と交あう喜びにうち震えて
いるのだろう。背中越しに暖かい牡鹿の体温、鼓動が伝わる。彼の肉棒は何度も抜いたり
刺したりした末に、メルモに激しく突きささり子種を膣にばら撒いた。
「ケケケ!ゲッ!チュウイン」
牝鹿の悶え声が森に響いた。
オオツノは舌で愛撫を続けつつ、スルリと身体を美しい牝鹿のボディラインから降ろし、
陰部を優しく舐めまわした。メルモは膣に撒き散らされた白い愛液に困惑しつつも喜んだ。
 二匹が結ばれた直後、鳥たちが騒ぐ声が聞こえた。煙たい臭いが鼻を突く。
メルモとオオツノは身体を離し、何が起こったのかを見極めようとした。
「もえている。もりがもえている。」
 オオツノは呟いた。山火事であった。火元は倉庫の方向だった。闇に沈んでいた人間
の心が浮上したメルモの脳裏には、ミラクルキャンディーの瓶が炎に包まれるビジョンが
浮かんだ。
(たいへんだわ!あのそうこのほうだわ。キャンディが!キャンディがもえちゃう!)

 人間だった時のメルモが、大人の美女に変身していた彼女が襲われ、二度目の鹿への
変身をした倉庫を中心に山が、森が燃えていた。火は風に乗って広がろうとしていた。
鳥達が逃げるのとは逆にメルモとオオツノは火もとへ向かって駆けた。オオツノは理解
できなかったが半狂乱になって駆ける愛する連れ合いをほおってはおけず、付いて
走ったのだ。
 倉庫は完全に火に包まれていた。メルモには知る由もなかったが、メルモのフェロモン
に惹かれた数匹の牡鹿が無人の倉庫に入り、ストーブを倒して火が燃え広がったのだ。
(もえちゃう!キャンディがもえちゃう!)
 燃え盛る倉庫の前で、鹿のメルモはオロオロ動き回った。炎は強く、中に入ること
などできない。牡鹿のオオツノと再び結ばれ、その喜びを感じていたメルモだが、それ
はいつかは人間に戻れるという計算があるからだこそだった。今、炎の中にあるミラクル
キャンディーが瓶ごと燃えれば、メルモは二度と人間には戻れず、鹿として一生を過ごさざる
を得なくなる。その覚悟はメルモにはあるようでなかった。
「ケケ!チィン!チュイイイイン!」
 悲しい声を上げつつ、メルモはジャーっと尿を振り撒いた。もう二度と人間には戻れないと
いう恐怖が美しい身体を震わせる。細長い四肢が小刻みに震えた。オオツノは茫然と
していたが、メルモの側に寄り、腰から首にかけて愛撫をし、口づけを迫った。
 恐怖で震えるメルモはオオツノのキスを受け入れた。
「これでいいのよ!メルモ!」
 どこからともなくそんな声がした。それは偽りの記憶の、メルモの鹿としての母親の
声だった。
「あなたはわるいゆめをみていたのよ。にんげんとしてすごしたながいながいゆめを。
あなたはほんとうのじぶんにもどったの。さあ、あなたにはオオツノというりっぱな
ついれあいがいるわ。しあわせをかみしめなさい。」
 オオツノはメルモを愛撫し続けた。首筋から尻へと舌が動いた後、メルモもオオツノ
の尻に口を近づけた。その後、森の中で二匹の鹿がクルクルまわった。
 下の方角から消防車のサイレンが聞こえたころ、雨が降り始めた。メルモが鹿になって
初めて経験する雨だ。オオツノは首を振って、高地へとメルモを誘った。メルモには異存
などない。人間に戻るすべが失われた以上、オオツノに付いて行くしかないのだ。
お似合いの鹿の夫婦は、まだ、燃え盛る倉庫を後にした。
514名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 01:20:27.30 ID:4u/b0rM4
 雨は激しく山の奥村に降り注ぎ、不幸中の幸いだが山火事は大きく広がることなく鎮火
した。消防団の消防車に続いて、温泉組合の車で火元の倉庫にやってきたワレガラスは、
激しい炎に多少の煤がついたものの、持ち主の帰りを待つミラクルキャンディの瓶を見つけた。
「メルモ、おまえさんはどこへいったんじゃ。」
 旅館さくら屋の女将によると早朝、メルモは外に飛び出したと言う。林道を走る彼女
を見たという新聞配達の少年がいた。林道を長身の美女が歩いていたという証言が山菜
取りをしていた婦人から寄せられた。トラックに乗った二人の男は女が鹿になった!と
言って半狂乱になっていた。考えられるのはただ一つ。
「メルモはオオツノに会うために山に入り、鹿に変身したんじゃなあ。」
 いち早くバイクで燃え盛る倉庫に着いた消防団員によると、倉庫の前にはオオツノと
マドンナと呼ばれ始めた美しい牝鹿がいたと言う。
「まるで、メルモを人間に戻させないとする力が働いているようじゃな。」
 ワレガラスは山の上のほうを見た。
「チュイイイイイイン!チュイイイン!」
「ミイイイイイ!フウウウウウウウン!」
 愛し合う牝鹿と牡鹿の鳴き声が響いていた。キャンディーの瓶をギュッと握りしめ、
ワレガラスは傘もささず、雨に打たれながら誓った。
「メルモ、わしはお前さんを人間に戻す。戻して絶対に連れて帰るぞ。」
初老の医師の脳裏に可愛らしい、自分を犠牲にしても人に優しくする少女、渡メルモの
笑顔が浮かんだ。

 メルモはオオツノに連れられ、群れに戻った。最年長の牝鹿ララは歓迎し、メルモを
母のように慕うトクは小躍りして喜んだ。メルモはここが自分の居場所だと覚悟をし
また「元の生活」に戻ったのだ。
 そして数日が過ぎた。
515名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 01:22:43.05 ID:4u/b0rM4
 ワレガラスは一人で、山の中にいた。スキー場予定地の草原を一人で歩くチッチャ
イナ人の初老の医師は、座り込み、息が切れていた。
「ふう、さすがに無理じゃったかの。一人で山に上がるのは。」
 ワレガラスが水筒に口を付けると、背後に視線を感じた。振りかえると小高い丘の上
にたくさんの鹿達がいたのだ。その中にとても美しい大柄の牝鹿がいて、ワレガラスを
見つめていた。その鹿は均整のとれた顔だちをしていて、ぶどう色の瞳は知恵と母性を
感じさせた。首筋から背中、腰、尻へと続くボディラインは艶やかで、細く長い四肢、
アーモンド色の体毛とともに群れの中でひときわ目立たせた。他の鹿達の体毛はグレー
で、体格も小さいというのに。
「何と美しい鹿じゃあ。ち、違う、メ、メルモか、メルモじゃな。わしじゃ!わかるか!」
 キョトンとした美しい牝鹿は、丘を駆けおりようとしたが、子鹿と別の牝鹿達が制止
した。牝鹿は彼女達に何やらささやき、子鹿を毛繕いすると丘を駆けおりてきた。上下
に動く首、四肢の運び方、くびれた腰と小刻みに揺れる尻の動きが色っぽかった。
 牝鹿は座り込んでいるワレガラスを静かに優しい眼で見下ろした。
「メルモ、メルモじゃな。さあ、帰ろう。人間に戻るんじゃ。」
 ワレガラスは懐からミラクルキャンディーの瓶を取り出した。カラカラと瓶の中で
たくさんの青と赤のキャンディーが揺れる音を聞くや、牝鹿の耳はピクピク動いた。
ワレガラスが差し出すキャンディーの瓶を牝鹿は見つめ、クンクンと臭いを嗅ぐ。
そのあと、彼女は天を仰ぎ、白い歯を見せて鳴きだした。
「チュイイイイイン!チイイン!」
 鳴いた後牝鹿は首を左右に振る。ぶどう色の瞳には涙が潤んでいた。首を振った後、
ワレガラスに寄り、顔、首をこすりつけてきた。
「よしよし、人間に戻りたくても戻れなかったんじゃな。さあ、キャンディーをお食べ。
急いで人間に戻るんじゃ。」
 初老の医師は、瓶から赤と青のキャンディーを取り出し、手のひらで踊らせた。
「さあ、お食べ。」
 群れのほうを一度振りかえったあと、キャンディーをじっと見つめた牝鹿。左右の前足を
交互に上下させ、口を近づけた時だった。
「フィイイイイイイイイイイイイイ!フィイイイイヨオオオオオオオ!」
 木々の中から牡鹿の激しい声が聞こえた。牝鹿は顔を声の方へ向け、数歩あとずさった。
ゲレンデとなる予定の草原に牡鹿が、オオツノが首を激しく振りながら飛び出してきた。
「な、なんじゃ、オオツノか?」
 オオツノは角を振り立ててワレガラスに突撃してきた。メルモが変身したと思われる
牝鹿と彼の間に入ると自慢の角を振り立て、威嚇する。
「ゲゲゲゲゲ!ブフォ!フィイイイイイイ!」
 今にも角で突き刺すような気迫でオオツノはワレガラスに迫った。
「チュイン!チュイイイン!」
 牝鹿はオオツノに擦りより、なにやらささやく。それでも牡鹿が落ち着かないと見るや
、ワレガラスの前に立ちはだかり、オオツノを見上げてキスをねだるようなしぐさをした。
オオツノは一度首を後ろにそらし、白い歯を見せると牝鹿に激しく口づけをした。牝鹿
はそれに応え、尻を左右に振ってうっとりとした表情をした。
「メ、メルモ・・・おまえさん、ほんとうに身も心も鹿になってしまったのか。」
 口づけを終えると、オオツノは茫然と見下ろす群れの牝鹿、子鹿達に叫んだあと、
傾斜を登り始めた。メルモらしい牝鹿、いやメルモもそれつづく。時折チラッとふり
かえり、ワレガラスを気にするしぐさを見せた。
「フィイイイイ!フィイイイイ!」
 オオツノが天に向かって叫ぶと、オオツノとメルモの周りを牝鹿、子鹿達が二匹を
守るように取り囲んだ。メルモは座り込んだままのワレガラスにもう一度振り返り
見つめるや鳴いた。
「チュイイイイイイイ!ミュウウウウウウン!」
 一匹の子鹿がワレガラスのもとに駆けてきて精一杯威嚇すると群れに戻った。オオツノ
とともに歩くメルモは振りかえることなく、群れの鹿達に守られて森の奥に消えた。
516名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 01:28:10.02 ID:4u/b0rM4
 オオツノに連れられて群れに、「元の生活」に戻ったメルモ。数日が過ぎた日の昼前。
森からスキー場予定地の草原に出、丘の上に立つと人間の姿が見えた。オオツノは
群れを離れ、他の牝鹿を探しに行っていた。群れを守るのはメルモとララだ。
 メルモがその人間の男を見下ろしていると、彼は振り向いて何やら叫んだ。
「○×▼$£※○×。∴、▽π、√、√■◆€、√■◆×◎▽。×○$◎!△▲□\!」
 人間が何を言っているのか分からないメルモはキョトンとして首を傾げた後、丘を駆け
降りようとした。その人間は自分が良く知っている男のような気がしたからだ。
「だめだよ!いっちゃだめだ。」
 メルモを母のように慕う子鹿のトクが制止し、ララ達三匹の牝鹿も同じように彼女を
止めた。皆、もう二度とメルモを失いたくはなかった。群れのボスであるオオツノ
だけでなく牝鹿、子鹿たちにとっても鹿になったメルモは掛け替えのない存在だ。前に
オオツノが留守の時、メルモを失ったことで彼女達はメルモをなんとしても「守ろう」
としていたのだ。トクやララ達の気迫に驚いたメルモ。人間のほうをチラッと見る。
「そうだよ。にんげんにちかよってはだめだよ。」
ララは言った。ララ達の親切に感謝しつつも、メルモは男が誰なのかを認識し始めた。
彼女が人間だった時、後見人だった医師ワレガラスだ。
「だいじょうぶよ。あのにんげんはわるくないわ。あんしんして。」
 メルモはララにささやいた。子鹿のトクはなおも制止する。母を失ったトクは、母の
ように慕うメルモを一時的に失った。もう二度と「母」を失いたくはなかった。
「だいじょうぶだってば。しんぱいしないで。わたしはもうどこにもいかないわ。」
 メルモはトクにささやきつつ、やさしく毛繕いしてやると、首を上下に、尻を
左右に振りながら丘を駆けおりた。ワレガラスの側に着くと優しい眼で彼を見ろした。
(ワレガラスせんせい、わたしをさがしにきてくれたのね。でも、わたしはもうにんげん
にはもどれない。きょうがおわかれのひなのね。)
 メルモはワレガラスを見つめつつ思った。
「メルモ、メルモじゃな。さあ、帰ろう。人間に戻るんじゃ。」
 今度は彼の言葉を理解できた。人間に戻る?ミラクルキャンディーが炎の中に消えた
今、それは果たせない。もう自分は鹿として生きて行くしかないのだ。それも悪くは
ないと思う今のメルモだった。
ワレガラスは懐から何やら取り出した。それは燃えたはずのミラクルキャンディー
の瓶をだった。カラカラと瓶の中でたくさんの青と赤のキャンディーが揺れる音を
聞くや、メルモは耳をピクピクと動かした。
(そ、そんな、キャンディ?もえてなかったの?)
ワレガラスが差し出すキャンディーの瓶をメルモは見つめ、クンクンと臭いを嗅ぐ。
(まちがいない。すこしすすこけたにおいがするけど、もえてなかったのね。)
そのあと、メルモは天を仰ぎ、白い歯を見せて叫んだ。
「もどれるんだわ!にんげんに!」
 鳴いた後メルモは首を左右に振る。ぶどう色の瞳には涙が潤んでいた。
(だめだわ。わたしはもうにどとどこにもいかないって、オオツノさん、ララ、トクに
やくそくをしたんだもん。それにみらいのこしか、トト、あのこがうまれてくるため
には、わたしはシカでいつづけないといけないわ。)
メルモは首を振った後、ワレガラスに寄り、顔、首をこすりつけた。
(でも、トトオちゃん、タッチのこともしんぱいだわ。ママとのやくそく、おとうと
たちをまもるやくそく。わたし、どうしたらいいの?)
「よしよし、人間に戻りたくても戻れなかったんじゃな。さあ、キャンディーをお食べ。
急いで人間に戻るんじゃ。」
 ワレガラスの優しい人間の言葉に、メルモの心は揺れた。初老の医師は、瓶から赤と
青のキャンディーを取り出し、手のひらで踊らせた。
「さあ、お食べ。」
 メルモは群れのほうを一度振りかえったあと、キャンディーをじっと見つめた。
(もどろう、にんげんに・・・)
メルモが左右の前足を交互に上下させ、口を近づけた時だった。
「フィイイイイイイイイイイイイイ!フィイイイイヨオオオオオオオ!」
 木々の中から牡鹿の激しい声が聞こえた。メルモは顔を声の方へ向け、数歩あとずさった。
(オオツノさん、もどってきたんだわ。)
517名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 01:30:27.84 ID:4u/b0rM4
ゲレンデとなる予定の草原に牡鹿が、オオツノが首を激しく振りながら飛び出してきた。
オオツノは角を振り立ててワレガラスに突撃してきた。メルモと彼の間に入ると自慢の角
を振り立て、威嚇する。
「おれのつれあいだぞ!にんげんめ!それにここはおれのなわばりだ!」
 今にも角で突き刺すような気迫でオオツノはワレガラスに迫った。
「まって!そのにんげんはわるくないわ!」
メルモはオオツノに擦りより、懇願した。それでもオオツノが落ち着かないと見るや
、ワレガラスの前に立ちはだかり、牡鹿を見上げてキスをねだった。
オオツノは一度首を後ろにそらし、白い歯を見せるとメルモに激しく口づけをした。
メルモはそれに応え、尻を左右に振ってうっとりとした。
「メ、メルモ・・・おまえさん、ほんとうに身も心も鹿になってしまったのか。」
 メルモにワレガラスの言葉は聞こえていて、理解もできたがもはやどうでもよく
なっていた。口づけを終えると、オオツノは茫然と見下ろす群れの牝鹿、子鹿達に
叫んだあと、傾斜を登り始めた。メルモもそれ続く。ワレガラスを気にして時折チラ
ッとふりかえった。
「さあ、みんないくぞ!メルモをまもるんだ!」
 オオツノが天に向かって叫ぶと、オオツノとメルモの周りを牝鹿、子鹿達が二匹を
取り囲んだ。メルモは座り込んだままのワレガラスにもう一度振り返り見つめるや鳴いた。
「ワレガラスせんせいさようなら!おとうとたちをおねがいね!」
 トクがワレガラスのもとに駆けおり精一杯威嚇すると群れに戻った。オオツノ
とともに歩くメルモは振りかえることなく、群れの鹿達に守られて森の奥に入っていった。
「こんなことになったのも、わしのせいじゃ。メルモ、待っていろよ。わしは
お前を必ず人間に戻すぞ。」
 ワレガラスは諦めていなかった。
518名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 15:40:38.36 ID:0jJY3oLM
ど、どうなるんだ一体……
519名無しさん@ピンキー:2012/02/24(金) 23:37:00.09 ID:2NP2HWJR
 メルモは鹿の群れの一員として山の森を歩いていた。オオツノに率いられた群れは
メルモ、ララを含めた17匹の牝鹿、トクを始め9匹の子鹿、計27匹の大所帯と
なっていた。一度群れを離れたメルモが再び戻り、悲しみに沈んでいたオオツノは
表情には表わさないが喜んでいたし、ララ達牝鹿、トク達子鹿も然りであった。
 オオツノに愛されるだけでなく、知恵と慈悲の心で群れのを支えるメルモの存在
はとてつもなく大きくなっている。彼女はオオツノだけのものではなかった。
太く長い自慢の角、筋肉質な体躯を見せつけてメルモの前を歩くオオツノに愛撫
したい気持ちを抑え、メルモは歩いている。母親のいないトクはメルモの前、横
後ろを行ったり来たりし、美しい母親代わりの牝鹿とともにいられる喜びを隠せない。
時より、擦りよってきたり、四つの乳首に交互に吸いついたりする子鹿をメルモ
は優しい瞳で見つめ、時には毛繕いしてやる。群れから遅れ始めた雌がいれば、
駆けよって尻を押したりしてやった。そんなメルモをオオツノは頼もしく思い
満足していた。年長の牝鹿ララ同様、メルモのお腹には新しい命が宿っていた。
 群れは既にメルモにとって家族であり、山の森は故郷である。ここで生きて行く
覚悟はできている。夢で見た(本当は天国で見せられたのだが)鹿としての未来の
自分のビジョン、家系図の頂点に立つオオツノと自分の姿に、鹿として生きて行く
ことの意味、責任を感じてもいた。
(ミラクルキャンディー、もえていなかったんだわ)
 倉庫の中で燃えたと思っていた。キャンディーがワレガラスの手に握られていた。
人間だった時のメルモの後見人、初老のチッチャイナ人の医師は牝鹿に人間に戻ろう
と訴えた。心が動いたメルモだったが、オオツノが戻ってきたことでワレガラスの
望みは果たされなかった。
(いつか、いつかはにんげんにもどれる。でもいまはここにいたいし、いないといけ
ない。わたしったら、なんどもおなじことをかんがえているわね。)
 群れの周囲には、オオツノの群れの牝鹿を狙う牡鹿が何匹もいた。彼らはとくに
メルモのフェロモンに惹かれていた。他の雌を気遣って群れの外にでたメルモに
一匹の見知らぬ牡鹿が近づいてきた。そこへオオツノが現れ、牡鹿を威嚇すると
ともにメルモを我が物であると見せつけるため、美尻を撫でた後、素早くマウント
をした。
「チュウウウン!チュウイン!」
 オオツノは前足でメルモの身体を掴み、後ろ足を強く蹴って柔らかくなった膣に
肉棒を挿入する。数秒交わった後、愛液が牝鹿の膣内にばら撒かれ、一瞬の快感に
メルモは悶え声をあげた。見知らぬ牡鹿はそそくさと退散する。オオツノはメルモの
陰部を舐め、胴を毛繕いしたあと何事もなかったように群れの先頭に戻った。再度変身
して数日、メルモは何度もオオツノと交わり、そのたびにエクスタシーを感じた。それ
が牝鹿をよりしなやかに、艶めかしく変えていき、余計に他の牡鹿を呼ぶことになった。
 もし、人間に戻ったとしても、獣の交尾の快感を味わったメルモは、人間の身体に違和感と
欲求不満となって再び鹿に戻るだろう。鹿の神様が言ったことだが、メルモ自身もそう思っていた。
(もう、にんげんにはもどれないわ。)
 気がつくと陽は西に傾いていた。
520名無しさん@ピンキー:2012/02/24(金) 23:43:22.04 ID:2NP2HWJR
 オオツノの群れは食事をし、反芻消化をする為座り込んでいた。牝鹿達が輪を作り、
輪の中で子鹿達が休む。牝鹿達は交代で敵が来ないか監視をしていた。オオツノはまた
新たな牝鹿を求めて群れを離れていた。他の牡鹿達が群れを窺うが山一番の牡鹿に愛された
彼女達が並みの牡鹿になびく理由はなかった。
 反芻消化をほぼ終え、ウトウトしていたメルモは一匹の見知らぬ牡鹿に気がつき、
目を覚ました。また、自分を狙う牡鹿が現れたことにうんざりしつつも、少しおもむき
が違う牡鹿に好奇心を持ったメルモはゆっくりと立ちあがった。細長い四肢に支えられた
しなやかで程良く筋肉質な肢体、美しい毛並みに雌達からため息が漏れた。
「どこへいくんだい。」
 ララが尋ねた。オオツノがいない今、またメルモに何かがあってはたまらない。
「すぐもどるわ。だいじょうぶよ。」
 幸い、我が子のように可愛いトクは他の子鹿達と並んで眠っていた。人間の尺度で
数十メートルほど歩くと、その牡鹿は走り去ろうとした。メルモは追いかける。その
牡鹿は気の毒なくらい足が短く、三又の角は細く貧弱で、毛並みはみすぼらしかった。
 足が長く体格の大きいメルモはすぐに彼に追いつき、追い越して彼の前に立った。
「あなたはだれ?あったことがあるようなきがするわ。」
「うむ。わかるか?わしじゃ、ワレガラスじゃよ。メルモ!」
「ワ、ワレガラスせんせい?そうなの?せんせいまでシカになったっていうの?」
 メルモはジロジロと牡鹿を見まわしながら言った。
「おまえさんをにんげんにもどすためじゃ。さあ、いっしょにかえるんじゃ。」
 人間だった時のメルモが大人に変身した時は、ワレガラスよりはるかに長身で彼を
見下ろしていたが鹿同士となった今も同様だった。
「それにしてもせんせい、もっとかっこよくへんしんできなかったの?」
「う、うるさいわい!さあ、はやくするんじゃ。いまはオオツノがおらんじゃろ」
 メルモは優しい眼で鹿となったワレガラスを見つめ、貧相な彼の身体を毛繕いして
やった。嬉しかったのだ。危険を冒して鹿に変身し、自分を追いかけてきてくれた
ことを。
「ありがとう、せんせい!でもだめだわ。わたしはオオツノさんを、ほかのみんなを
うらぎれないわ。」
 メルモは毛繕いを終えて言った。そして群れの方向をみた。群れの鹿達はメルモを
心配し、二匹の成り行きをみていた。寝ていたはずの子鹿のトトは今にも飛び出し
そうな雰囲気だ。
「わたしのかぞくよ、あのシカたちは。もしわたしがにんげんにもどろうとしてもね、
かぞくがけっしてゆるさないわ。」
「じゃがなメルモ、おまえのおとうとたちはどうなるのじゃ。あいつらはおまえの
かえりをまっているんじゃぞ。」
「わかっているわ。いつかは、いつかはにんげんにもどる、でもいまは、だめ!」
521名無しさん@ピンキー:2012/02/24(金) 23:51:21.38 ID:2NP2HWJR
「フィイイイイイ!フィイイ!」
 激しい牡鹿の鳴き声が聞こえ、猛スピードでオオツノが戻ってきた。メルモと鹿の
ワレガラスの間に割って入る。角を振り立て激しく威嚇する。ワレガラスは怖じ気づき
後ずさった。ララら三匹の牝鹿と仔鹿のトクがやってきて、メルモを群れへと連れもどす。
チラチラっとワレガラスに視線を送るメルモ。悲しそうな顔だ。
 やむなくワレガラスはオオツノの群れから離れざるを得なかった。

 次の日、移動をするオオツノの群れを付かず離れず鹿に変身したワレガラスは追った。
他の雌より大きく美しいメルモは良く目立つから見失うことはなかった。
(それにしてもじゃ・・・・・)
 ワレガラスは思う。
(メルモはなんとうつくしいシカになったのじゃ。オオツノがあいつをはなさないのも
わかるもんじゃ。)
 人間だった時のメルモは可愛らしい少女で、キャンディーで大人に変身した彼女は
モデルのような絶世の美女だった。今、鹿に変身した彼女はその内面のせいか凄まじい
フェロモンを放ち、牡鹿達を虜にしている。繁殖期の牡鹿の本能に支配されはじめた
ワレガラスもメルモを雌として、交尾の相手として意識し始めた。
(なんとまあ、かわいらしいしりじゃ。じゃぶりたくなる。あしはきれじゃし、みみも
かわいい。それにあのひとみがちえをかんじさせるのお。)
 身体の奥から沸き起こる衝動を抑えられず、ワレガラスは身体を木の幹にこすりつけたり、
泥の中に身体を沈めたりした。
(なんとかしてメルモをつれだしてこうびを・・・・・・いや、ちがう、にんげんにもど
さんとなあ。はやくせんとわしもみもこころもしかになってしまう。)
 だが、その日はメルモにちかづくことは出来ず、ワレガラスは一匹で夜を過ごすのだった。
 
 翌朝、朝陽を浴びて水浴びをする美しい牝鹿のメルモをワレガラスは遠くから見守って
いた。しばらくするとオオツノがよってきて、たがいに毛繕いをしたあと交尾をした。
(な、なんということを!まだこどものくせにふしだらなむすめじゃ。)
心の中で怒るワレガラスだが、メルモと交尾をする夢を見たことは忘れていた。
 メルモは美しいがオオツノの逞しい体躯に、鹿としてのワレガラスは嫉妬をした。
人間だった時にオオツノに助けられ、興味を持ったメルモが鹿に変身して彼と恋に
落ちるのも無理からぬことだとも思った。
「おまえもあのメス、メルモをねらっとるんか?」
 牡鹿が二匹近寄ってきた。ナラとイガだった。
「あれはオオツノどののもの、つけいるすきなどありはせぬ。」
 勿論メルモを人間に戻すたくらみなど離せるわけはない。
「いや、わしはあきらめん。なんとかして、てにいれたいんじゃ。」
 真剣な表情で語るワレガラスの気迫に二匹の牡鹿、ナラとイガは感じるところがあった
ようだ。二匹でなにやらささやいた後、ワレガラスのほうを向いた。
「わいはメルモのことはあきらめたんやけどなあ、このままオオツノにあれだけのメス
をいっぴきじめさせるんは、はらがたってしゃあないんや。なあ、イガやん。」
「さよう。ほかのメスをなんひきかもらいうけたいものだな、ナラどの。」
「きょうりょくしてくれるか?ありがとう。わしはワレガラスじゃ。」
「えらいけったいななまえやなあ。こっちこそよろしくたのむわ。おもしろうなって
きたでえ!」
 三匹の牡鹿は木々の中からオオツノの群れを見下ろした。
「チュイイイイイン!チュウウウウウン!」
 メルモの悶える鳴き声が響く。
「ひゃあ!たまらんわ、まえよりごっつういろっぽくなってきよったなあ。」
 なにも知らないオオツノの群れ。交尾を終えたメルモはトクを優しく撫で、いずれ
生まれてくるであろう自分とオオツノの間に生まれる子鹿に想いを馳せていた。
522名無しさん@ピンキー:2012/02/25(土) 00:11:18.00 ID:ixeg+PzJ
なんとワレガラスまで・・・
523名無しさん@ピンキー:2012/02/25(土) 02:20:38.21 ID:qSAXIOpl
 子鹿のトクは美しい牝鹿のメルモに擦りより、母乳など出るはずのない彼女の
乳首に吸い付く。
「あぁん!トクぅ!だめだって。」
 トクは乳首から離れるが、今度は元気に走り回る。メルモはそんなトクを追いかけ
ちいさな身体を撫でまわす。喜んでいる子鹿は立ち止まるとメルモを見上げて言った。
「ねえ、ずっといっしょだよ、そばにいてね。」
「ええ、いっしょよ。あなたがいいこにしていたらね。」
 母性本能をくすぐられたメルモはトクの耳、首、背中を撫でた後、鼻で小さな尻
を押した。くすぐったかったのか子鹿は小躍りし、数メートル駆けてから立ち止まり、
メルモに振り返って叫んだ。
「ぼくいいこにしているよ。おおきくなったらメルモをまもるよ。」
 トクは仲のいい雌の子鹿と一緒になって走って行った。
 陽は南の空に動いていて、群れは標高2千メートルの草原にいた。2匹の子鹿を優し
く見つめるメルモに、群れのボス、牡鹿のオオツノがのっしのっしと近ってきて並んだ。
鹿の夫婦は同じ方向を見つめた。じゃれあう子鹿達を見て自分たちの未来を夢想したのだ。
 メルモはオオツノに身体を寄せ、威厳のある顔を見上げた。山の主は、最高に美しい
牝鹿を見つめ、口づけをかわす。それだけで絵になるお似合いのカップルだった。
「もう、どこへもいくな、おれはおまえをまもる。そしておまえは・・」
「あなたのこどもをうむの、ね。」
 と言いながらも、鹿に変身したワレガラスのことを思い出したメルモ。彼はあきらめ
ないだろう。オオツノと引き離されてしまうのではないか、と不安になる。しかし僅
かに残る人間としての心はワレガラスの「救い」を待っているのだ。
 メルモはオオツノに身体をさらに擦りよせ、甘い声で鳴いた。オオツノはメルモの陰部を
撫でる。尻に顎を乗せ前足でメルモの身体を挟み、マウントの姿勢に入った牡鹿に牝鹿
は腰をピンと伸ばし、受けいれようとする。メルモの放つフェロモンにさすがのオオツノも
無警戒となり、牡鹿達が近づいてくるのに気が付かなかった。
「チュウイイイイイ!チュウイイン」
 ララの声がし、他の牝鹿達も鳴きだした。オオツノはメルモの背中から降り、振り返った。
5匹の牡鹿が群れに侵入し、雌達を追いかけ回していた。
「おうおう!みせつけてくれるやんけえ!」
 牡鹿のナラがオオツノに向かってきた。角を振り立て、オオツノに勝負を挑んできた。
その後ろにはイガが控えている。
(なんで、なんでいまさら・・・・・)
 メルモは困惑した。無益な闘いなどやめてほしかったが、オオツノは勝負を受けた。
雌は雄の勝負に介入はできない。混乱に陥った群れを守るべく、メルモは勝負する2匹から離れた。
5匹の牡鹿たちは牝鹿、子鹿を追いかけるがメルモには興味を示さない。
(どういうこと?わたしにむかってこないなんて)
 少しプライドを傷つけられたメルモ。他の鹿に暗示をかけられるイガによって彼らは
操られ、ただ群れに混乱をもたらすために5匹の牡鹿たちは動き回っていたのだ。
「メルモ!こっちじゃ!」
 それはワレガラスの声だった。岩の陰から鹿に変身したワレガラスが出てきた。
「せ、せんせい、まだシカのすがらでいたの?」
「あたりまえじゃ。おまえさんをつれてかえるまではな。」
「せんせい、うれしいわ。でも、わたしは、ここをはなれられないの。」
「なにをいっとるのじゃ。はよせんか!」
 ワレガラスはメルモの尻を押した。山のふもとの方角へと。いやいやと首と尻を
振るメルモに、この世でただ一匹の人間が変身した牡鹿は欲情し、彼女の腰に飛び
かかる。
「チュイイン!ゲケケ!」
 メルモは驚き、麓へ向かって走り出した。ワレガラスも追いかける。思わぬ自分
の行動が功を奏したようだ。
「チュイイイ!チイチイ!」
 トクがメルモを追いかけてきた。「母」を守るために。それをワレガラスが追い抜いて
後ろ足で蹴った。
「すまん、ゆるせよ!」
 トクの悲鳴を聞いて立ち止まったメルモにワレガラスが迫る。メルモはその気迫に
驚き、人里の方向へと駆けて行くのだった。
524名無しさん@ピンキー:2012/02/28(火) 02:32:31.36 ID:sHx3uVvE
 メルモのほうが足が長く、ワレガラスを置いてどんどん先へと駆けてゆく。だが、
鹿の習性としてしばらく走ると立ち止まり、後ろを振り返る。そこへ追いついた牡鹿に
変身したワレガラスが気迫で追いたてる。
 メルモはどんどん麓へ向けて駆けていかざるを得なかった。ワレガラスは何と
してもメルモを人間に戻し、弟達のもとへと連れ帰るつもりだったが、追いかける
うちに美しいメルモと交尾したい欲求が沸き上がり、必死にそれを抑えていた。
その欲求はメルモに対しての気迫となり、彼女を人里の方向へと追いたてるのに十分
だった。
 林道の対向車を行き違いさせるために拡幅された場所にワレガラスの車、黒いセダン
目産セドリッタが止めてあった。人間だった時のメルモはワレガラスが運転するその
車でこの山の奥村へとやってきたのだ。見覚えのある車の前でメルモは立ち止まった。
 程なくワレガラスも追いついてきた。息を切らしていたが、鹿に変身した彼の肉体
年齢は人間で言えば青年だから、平気であった。
「メルモや。さあ、にんげんにもどるのじゃ。」
 車から発せられる人間の臭いがメルモの脳に電流のように伝わった。その中には
人間だった時のメルモの臭いもあった。人間として生きてきた10年近くの日々が
蘇る。メルモは目を閉じた。
(やっぱりわたしはにんげんにもどるべきなのかしら?)
 ワレガラスが角を使って器用に運転席のドアを開けた。鍵はかけていなかったようだ。
口で鞄を咥え外に引き出す。
「このなかにキャンディーがある。それでもとにもどるんじゃ。」 
 メルモはワレガラスの側に寄ってきた。牝鹿のフェロモンが足の短い牡鹿を刺激
する。一瞬ワレガラスはメルモのほうをチラッと見た。その優しく色っぽい視線にドキ
ドキしながらワレガラスは鞄の中に顔を入れて中ををひっかきまわす。傍から見れば、
鹿の夫婦が人間の車に悪戯をしているようにしか見えない。
 ワレガラスが鞄から顔を出し、天を仰いでなにやら呻いた。
「せんせい、どうしたの?」
「な、ないんじゃ。キャンディーがない。ふくやさいふはあるんじゃが、キャンディ
―だけがない!」
「ええ、そ、それって?」
「まずい、にんげんにもどれんぞ、わしらはシカのまますごさねばならん。」
 戸惑いつつもメルモはどこか安堵していた。
525名無しさん@ピンキー:2012/02/28(火) 02:37:50.51 ID:sHx3uVvE
 茫然とし、車の周囲でキャンディーを探し回る二匹の鹿。メルモはともかくワレガラス
はかなり焦っているようだ。この車へたどり着くまで、ハンターの気配もした。下手を
すれば獲物として撃ち取られてしまう。ハンターでなくても、もし、オオツノが追いかけて
きたら、おそらくメルモは連れて戻されるだろう。
「ミイイイイイイ!フウウウウウウウウン!」
 遠くでオオツノらしい牡鹿の声がした。イガとナラを倒し、メルモを追いかけてきた
のだろう。
「チュイイイイイイン!チイイイイイン!」
 メルモが尻を振りながら甘い声を出す。ワレガラスはたまらなくなってメルモに近寄り
陰部を舐めようとした。人間の医師としての倫理が鹿としての本能に負けてしまった。
「いや、なにするの!」
 メルモは驚き、林道から森に入って言った。ワレガラスも車のドアを開けたまま追い
かけるのだった。
 美しい牝鹿のメルモが森を駆けていく。細い四肢がリズミカルに動く。後ろ足で地面を蹴る
と前足が大地に接するが素早く蹴りあげ、後ろ足がそれに続く。後ろ足が宙に浮いた時、美しく
大きな尻は天を向き、森に最高のフェロモンをばら撒いた。
 習性によって立ち止まり、追いかけてくるワレガラスを窺う。まだ距離があると見るや、
メルモは息を整え、背中を毛繕いした。前を向くと大きな大木があった。平面的にしか
みえない鹿の視界には、その大木のまえにうずくまる人の影は入らなかった。
 ブーンという音がし、大木から稲妻のような光が飛び出しメルモに当たった。光線
だった。その衝撃にメルモの美しい肢体は宙に浮き、四肢をばたつかせて地面に倒れた。
大木の前から二人の人間が歩いてきた。ハンターではない。彼らは身体にピッタリとフィット
した見慣れない青い服を身に着けていた。身長は二人とも2メートル近い。
 二人の人間の男は倒れていて動かなくなったメルモの前で立ち止まった。そこへ牡鹿
が飛び出してきた。ワレガラスだ。彼もまた稲妻のような光線に撃たれ倒れ込んだ。

 身体がしびれているが意識はあった。ワレガラスはメルモと並んで地面に並べられて
いた。二人の見慣れぬ装束の男はメルモの身体を何やら調べていた。
(なんなんじゃ、あいつらは?ハンターではない。まるでダイバーみたいなかっこう
をしておる。)
「サイズは135−82−68、この時代の雌のホンシュウシカの平均サイズは110−
70−68ですからかなり大きいですな。」
「美しい鹿だ。この鹿がすべてのはじまりだったのだな。」
 彼らの会話は興味深かった。メルモに興味があるようだ。
(このじだい?まるでみらいからきたみたいじゃな。ま、まさか・・・)
「DNAをスキャンしよう。」
 男の手に付けられている腕時計のようなものから蛍のような光が踊り出て、メルモの
身体の周りを飛び回った。
「DNAは完全な雌のホンシュウジカです。先に採取した人間の少女、渡メルモのDNAの
痕跡はまったくありません。生物学的に完全に鹿に変身しています。」
 男たちはメルモが人間の変身した姿だと知っているのだ。ワレガラスは驚いた。さらに
彼を驚かせたのは聞き覚えのあるカラカラとした音だ。ミラクルキャンディーの瓶が男
の手に握られていたのだ。彼らがキャンディーを盗んだのだ。
「このキャンディーが彼女を変身させた、すごいことだ。」
「この鹿、妊娠の兆候があります。すごいですな。人間が変身した牝鹿が子鹿を産むんだ。」
「うむ。その歴史的事実を知っている我々だが、それを目の前にすると興奮するな。」
 二人の男はメルモの細長く美しい四肢を鉄パイプにくくりつけ、担ぎあげた。
「よし、タイムテレポーテーションポイントへ移動だ。」
「この牝鹿とキャンディーを我々の時代で徹底的に調査ですね。この牡鹿はどうします?」
「調査の対象外だ。捨て置け!」
 ワレガラスは身体を動かそうともがくが、光線によって麻痺された身体は動かなかった。
(メ、メルモがつれていかれる。あいつらのいうことがほんとうならみらいのせかいへ
つれていかれる、なんとかせねば、じゃが、からだがうごかん!)
526名無しさん@ピンキー:2012/02/28(火) 03:22:36.42 ID:sHx3uVvE
 ワレガラスの視界からメルモが消えた。彼女は未来からやってきた男たちによって連れて
行かれようとしている。キャンディーとともに。
 しばらくして、足が少し動くようになった時、ワレガラスを逞しい牡鹿が見下ろして
いた。
「おきろ、メルモはどこだ。どこへやったのだ。」
「オ、オオツノよ、に、にんげんにつれていかれた。はやくしないと、た、たいへんな
ことに。」
 オオツノはメルモが連れて行かれた方角をじっと見た後、駆け始めた。
527名無しさん@ピンキー:2012/02/28(火) 03:24:01.11 ID:sHx3uVvE
 二人の男によって、鉄パイプにくくりつけられたメルモは担いで運ばれていた。今彼女
はオオツノの手に届かないところへ連れ去られようとしていた。
 二人の男は牝鹿を降ろし、息を整えた後、腕時計に向かって話をし始めた。
「オペレータ、ビームアップを頼む。我々二人と鹿一匹だ。」
「了解です。鹿ですか?過去の物を持ちかえるのは違法では?」
「心配ない。調査の後、この時代に戻す。詳細は帰還後報告する。以上。」
 会話の内容を完全に理解は出来なかったがメルモはどこかへ連れ去られる恐怖を感じ、
もがきはじめた。だが、足は固く縛られており、動けない。
 二人の男と牝鹿を青白い光がブーンと言う音とともに包み始めた。
「ミイイイ!フウウウウン!」
 激しい叫びとともにオオツノが飛び出してきた。光の中に飛び込む牡鹿。バリバリ
と激しい音がした。
「い、いかん、時空がひずむぞ。緊急停止だ。」
 光が止むと、オオツノは男の一人に頭突きをし、押し倒した。そして前足で激しく蹴り
続けた。
「うわあ、たすけてくれ!」
 もう一人の男が銃のようなものを構える。素早く向きを変えたオオツノは彼に飛びかかり、
銃を蹴り落とした。牡鹿の気迫に二人の未来人は力を失っていた。オオツノはメルモを縛って
いた紐を口で噛み切った。未来から来た彼らはこの時代の鉄パイプと麻紐を使っていたので牡鹿
は連れ合いを取り戻せたのだ。
「ゲゲゲゲ!フィイイイイ!」
 凄まじい声を上げ、オオツノは未来人を蹴り続けた。フラフラっと立ちあがったメルモ
も戦いに参加する。鹿の夫婦が未来からきた男を全体重を使って蹴り続けた。程なくして
彼らは動かなくなり、ミラクルキャンディーの瓶も地面に転がった。
「こちら本部です。応答してください。こちら・・・」
 腕時計から声がしていたが、オオツノはそれを踏みつぶした。メルモは転がっていく
キャンディーの瓶を追いかけ咥えた。
(これでせんせいはにんげんにもどれるわ。)
 咥えたまま、メルモはオオツノのほうを見た。
(また、たすけられた。わたしはもうかれからははなれられない。わたしまでにんげんに
もどったら、うらぎりになるわ。)
 オオツノはメルモに近寄ってきたが、通り過ぎ、唸り始めた。そこにはワレガラスが
立っていたのだ。メルモはオオツノを追い越し、キャンディーの瓶をワレガラスの方へ
投げつけた。
(せんせい、それでにんげんにもどって!わたしはここにのこる。オオツノさんといきて
いくわ。ここがわたしのいばしょ。)
 メルモは目で訴えた。オオツノは角を振り立て、ワレガラスに勝負を挑もうとするが
メルモは身体をすりよらせ、戦意を落とそうとする。
「はやくいって!ここからたちさって!」
 メルモは涙を流し、ワレガラスに別れを告げた。ワレガラスはキャンディーの瓶を
咥えるとお似合いの鹿夫婦の前から消えた。
「なにものだ、あいつは!」
「むかし、わたしがせわになったかたよ。」
「メルモ、たのむ、もうどこへもいかないでくれ。」
 メルモは美しい身体を逞しい牡鹿にさらに擦りよらせて言った。
「いかないわ。わたしはここにいる。あなたこそ、わたしをまもってね。」
 二匹は口づけをかわした。その後、オオツノはメルモの陰部を舐めまわし、前足で
彼女の身体を掴むと、顎を背中に滑らしマウントをした。彼の肉棒をメルモの膣は
快く受け入れ、肉棒は牝鹿の中で激しく動いた。
「ケ、ケ、ケ!チュイイイイイン!」
 竜のごとく暴れまわる淫棒の動きを感じ、メルモは悶え声を上げた。肉体と肉体が
ぶつかり合う音が、静かになった森に響いていた。 

 それから半年以上が過ぎた。
528名無しさん@ピンキー:2012/02/29(水) 07:02:46.02 ID:hCY3K2pB
いきなり未来人まで干渉しての展開はとりあえずメルモ鹿生完全確定の流れに…。
この辺りは手塚先生テイストも感じますけど、本当にこのまま着地するのか、それともさらにまた一ひねりあるのか。
毎度ながら先の読めない勢いを感じます。
529名無しさん@ピンキー:2012/03/02(金) 00:43:36.46 ID:/QXjNG25
 ○○県山の奥村に春が来て、さらに夏が来ようとしていた。
 昭和48年末オープンを目指して工事が続くスキー場予定地の草原を、一匹の
美しい牝鹿が歩いていた。夏の体毛、白い斑点が入ったアーモンド色の体毛、
いわゆる鹿の子模様の体毛、しなやかなボディラインを持つ大柄の持つその鹿は
人間の少女、渡メルモがミラクルキャンディーで変身した姿である。
 去年の秋、繁殖期に変身し、一度は人間に戻ったものの、本能と官能の世界
の誘(いざな)いにより、再度鹿に変身したメルモは逞しい牡鹿、山の主と
ハンターを始め、人間たち、他の牡鹿たちから畏怖されるオオツノと結ばれたのだ。
 牝鹿のメルモの右の白い腹は大きく膨らみ、時折ピクピク動いていた。乳房は張り、
四つある乳首はピンと隆起していた。彼女は妊娠していて、腹の中にはオオツノとの
愛の結晶が生まれ出るのを待っていたのだ。
 紆余曲折の末、鹿として生きていくことを決めたメルモ。繁殖期が終わり、やがて
厳しい冬が来た。お腹の子供が大きくなっていく喜び、愛するオオツノとともに暮らせ
る喜びは勿論あったが、食物は少なく、人間だった時は感じたことのなかった飢えを
経験し、積雪、雪崩、ハンターの銃により、たくさんの仲間が死んでいった。
 後悔という気持ちがないと言えば嘘だった。時には鹿として生きる決断を悔い、
残してきた二人の弟、トトオとタッチのことを思い出さない日はなかった。
 だが、人間に戻るに必要なミラクルキャンディーはもはや手元、いや足元にはなく、
お腹の子供のことを思えば木の皮でも食べて生き延びるしかなかった。事実メルモは
厳しい冬を生き延びた。雪が溶け、春が来るとオオツノは牡鹿の習性として群れから
離れた。
「どうしていっちゃうの?わたしはあなたがいるからここにのこったのに!」
 本能で分かってはいても、メルモは去りゆくオオツノに向かって何度も鳴いた。
半数に減った群れは雌と子鹿だけとなり、メルモを母のように慕うトクとお腹の
子のためにメルモは懸命に生きた。春が過ぎ、夏の足音が森に聞こえると、トク
は群れから離れ、牡鹿の群れに加わってメルモのもとから去った。
 梅雨が訪れ、毎日のように雨に打たれるようになると、雌達もバラバラになり、
それぞれ出産に備えるようになった。メルモは不安だった。人間から鹿に生まれ変わった
ばかりの自分に子鹿が無事産めるのか、と。自分が子鹿だった時の偽りの記憶が植え
付けられてはいたが、出産の記憶はなく、全くの始めてだった。
 草原を歩くメルモは食欲もなく、時々襲う陣痛に苦しんでいた。空を見上げると
今日は雲ひとつなく晴れ渡っている。そこには自分の偽りの記憶に登場するメルモ
の母である牝鹿の顔が浮かんだ。
(ママ、わたし、ちゃんとうめるのかしら、みまもっていてね。)
 母鹿の顔はやがて、人間としての母、ひろみの顔に変わった。
(ママ、そう、あれがほんとうのママだわ。わたし、じしんがないわ。)
 視線を下にうつすとオオツノが遠くで見守っていた。春以降、彼は原則としてメルモに
近寄らなかったが、遠くから見守っていてくれた。熊や人間に襲われそうになった時
は駆けよってきて助けてくれた。
(わたしはまもられているんだわ。オオツノさんに。)
530名無しさん@ピンキー:2012/03/02(金) 01:07:32.85 ID:/QXjNG25
(う、き、きたわ!)
 激しい陣痛が牝鹿を襲う。メルモは身体を横たえ、その時が来るのを待った。
(ママ、ママ、おねがい、みまもっていて!オオツノさん、まっていて、メルモ、
りっぱなこしかをうむわ。)
 数時間苦しんだあと、メルモは一度立ちあがり、また倒れた。程なく立ちあがろうと
するも倒れかけ、両足の膝を地面に付け、腰を突き上げた。しばらくして羊膜に
包まれた黒い雄の子鹿をメルモは胎盤ごと産み落とした。
(や、やったわ。わたし、ちゃんとうめたわ!)
 一見黒くてグロテスクな生まれたばかりの小さな命、逞しい牡鹿と人間が変身した
美しい牝鹿との間に生まれた子鹿を、メルモは愛おしくなって見つめ、舐め、羊膜、
胎盤を食べた。その後数時間舐められ続けた子鹿は黒い体毛が乾いて鹿の子模様
となり、ふらつきながら立ちあがろうとする。
(がんばって、がんばるのよ、わたしとオオツノさんのあかちゃん!)
 なんとか立ちあがった小さな子鹿は四肢に力を入れて立ちあがった。
「チイチイチーーーン!」
 か細い声で鳴いた子鹿は乳房をさがしあて、メルモの四肢の中に入って乳首に
吸いついて母乳を飲み始めた。自分の母親が人間から生まれ変わった運命の鹿など
と走る由もなく、子鹿は懸命に母乳を飲む。そんな子鹿を母となったメルモは優しく
見つめ、毛繕いをする。ふと、人間だった時の弟、トトオとタッチの姿が脳裏に
浮かんですぐに消えた。
(そうだわ、このこをトトってなづけよう。わたしがトトオたちをわすれない
ためにも、トトオたちのようにこのこをかわいがるためにも。トトってよぼう!)
母乳を子鹿が飲み終えると、メルモは少し歩いた。
「チチチ!チイイイ!」
 置いてきぼりにされるのを恐れたのか、トトと名付けられた子鹿はメルモのあとを
ヨチヨチとだが、一生懸命に歩く。メルモは足を止め、トトを毛繕いする。
(なんてかわいいんだろう、わたし、まちがってなかったわ、シカになってよかった。)
 そんなメルモとトトを見守っていたオオツノ。春に抜け落ち、今、再び伸び続けている
角を持つ彼は、とりあえず一安心し、気づかれないように姿を消した。
531名無しさん@ピンキー:2012/03/05(月) 02:49:53.80 ID:O8/SnQ+5
長い作品だから仕方ないけど、他の人がいるか判らないけど投下できるような雰囲気じゃないから、ある程度書き溜めてから書き込んでもらえる方が助かるかもねー
532名無しさん@ピンキー:2012/03/05(月) 15:49:17.84 ID:7UxBzKHo
作者ではないですが、平行して数本の作品が投下されるのはあっていいことなので、
投下予定の人には投下してもらえればいいなと自分は思います
533名無しさん@ピンキー:2012/03/05(月) 22:55:30.63 ID:z9YIGDF7
>>531 >>532 530の作者です 他の人が投下できない雰囲気を作っていた
ということでお詫びします そんなつもりはなかったのですが結果的に
そうなっていたということで・・・申し訳ありません 
あと5〜6回の投下で終了のつもりでしたが 自分の中で完結してから
また投下したいと思います しばらくお休みします 
534名無しさん@ピンキー:2012/03/06(火) 00:06:56.18 ID:gGYzeSIk
並行して作品投下するのは歓迎!なんだけど、投下する時にタイトル入れて欲しいな。追っかけるのが大変だというだけなんだが…。
名前欄かなんかにタイトル入れてくれると個人的には読みやすくて嬉しい。
535名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 19:35:53.83 ID:lZ/ldwTh
>>532,>>533
そして、だれも投下しなくなったとさ。
536名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 21:33:57.81 ID:znItBAwS
もともと過疎スレなんだから好きにやっていいよ
537名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 21:57:55.45 ID:Bu617KxV
楽しみにしてたのに余計なことを・・
538名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 22:09:23.47 ID:BWRHd5ku
特殊嗜好スレなんだから、sageてくれよ
539名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 23:29:23.22 ID:Bu617KxV
>>531
どうしてくれるの!
かわりにSS投下してくれるの?
投下しづらいからあんな書き込みしたんでしょ?
540名無しさん@ピンキー:2012/03/10(土) 23:37:06.90 ID:6lYX2nux
キチガイって居るもんだなあと思いつつ、同じ事考えてたけど黙ってたおかげで矢面に立たされずに済んで安堵。
541名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 00:07:05.10 ID:JW10kgu7
みんなみてたんやねえ 急に増えたカキコミ
542名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 01:58:20.00 ID:0XVpfTYa
ageんなアスペども
543名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 05:44:03.76 ID:CA9R2bMC
ID:Bu617KxV
544名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 08:03:38.16 ID:Ut4St9fP
2chの過疎スレは荒れたときにだけワラワラ住民が出てきて面白いよな
545名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 09:17:25.42 ID:ageTU832
毎日チェックしてたのは俺だけじゃなかったか
546名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 10:49:44.92 ID:pbRNKHvU
毎回投稿者が投稿した後の自演っぽいコメントを見に来てました(本音)
547名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 10:50:53.10 ID:0XVpfTYa
なんでもいいので作者さん出て来ていいですよ
548名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 16:18:03.02 ID:6zVsf/sO
>>546
俺もそれ何回も言おうとしてはやめてなぁwww
549名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 22:54:44.27 ID:ljWtMckS
短文レスは読者の一人、
長文レスは「自演」でもなんでもなくて「作者による次回予告」だと思って読んでたんですが…
550名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 00:19:12.57 ID:9xJ3GIVn
おめーらいつも職人に対してやたら優しいと思ってたけど
胸の内に隠してただけだったかw
551名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 00:57:43.29 ID:NQ0i477f
>>549
え、その通りだろ?
552名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 01:23:34.98 ID:ZpnBCIdw
誰もは皆心の中に獣を飼っている

しかし自らを見失う時、つまりその獣に負ける時

その獣に心もろとも身体を食い荒らされ、人は獣と化す

Fin
553名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 02:02:41.61 ID:LHmSUIfT
>>550
そりゃ「考えもしない」のが最善だろうけど、世の中そんな聖人ばっかりじゃないからなw
思ってても水を差さないよう口を噤むのは十分な優しさじゃないか。
554名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 04:39:28.20 ID:8gsWsox/
虎だ…虎になるのだ…
555名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 00:49:35.79 ID:bkVc8IoJ
>>553
やさしさというか紳士の嗜み?だと思ってた。
エロの社交場では性癖は見せれど本心は見せず、と
556名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 01:18:24.58 ID:uYqYvVoZ
まーぶっちゃけメルモwとか爺臭いネタ引っ張られてウザかったしな
消えてくれてよかった もう戻ってこなくていいよ
557名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 03:28:19.56 ID:pbB3fBF/
作者愛されてんなw
荒らしや批判が激しくなったのは良作だった証拠。
ぜひ最後まで完結させてほしい。
犬編も期待して待っています。
558名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 06:01:55.51 ID:pxb85I69
一気に人が増えて同窓会みたいな感覚なんだがw
559名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 22:20:34.60 ID:/QojT/6Z
>>558
わかるわかるww
まさに同窓会気分だわw
560名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 22:36:56.60 ID:i0S5FQag
お前らそうやって言うのやーめーろーよーwwwwwww
561名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 23:00:06.40 ID:8fCAKKvm
この同窓会の流れで>>396ですよ
562名無しさん@ピンキー:2012/03/14(水) 23:56:02.70 ID:4WDpryzW
>>561
その発想はなかったww
563名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 00:22:23.53 ID:uX0dHoxr
そして2週間が経とうとしているわけだが……
そろそろ寂しくなってまいりました
564名無しさん@ピンキー:2012/03/20(火) 10:24:43.70 ID:UoWJGiKy
三月が終わるまでには続きが読みたいところだが…
他の人でもいいので投稿してくれる人はおまへんか?
565名無しさん@ピンキー:2012/03/21(水) 01:20:46.75 ID:LU5igzAg
大干魃
566名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 16:34:24.25 ID:i6bmqnUb
まああんな流れのあとじゃメルモの人どころか他の作者だって来たくないだろうよ
567名無しさん@ピンキー:2012/03/22(木) 23:03:54.98 ID:P3zljpc5
最近書いては消し書いては消ししてる
568牝鹿になった少女:2012/03/23(金) 01:05:26.68 ID:8+xcpird
>>530
 子鹿のトトは草むらの中の窪地でスヤスヤと眠っていた。母親のメルモの姿は見えない。
生まれて間もない子鹿は母鹿とは一緒に行動しない。敵から身を守るための習性だ。朝、
昼、夕方、夜中、一日に三回から四回授乳のために子鹿のもとに母鹿は現れる。メルモは
愛おしい子鹿の側にいたい気持ちを抑え、森の中を一匹で過ごすのだ。
 夕方になり、メルモはトトのもとへと戻ってきた。子鹿はまだ眠り続けている。外敵
がいないのを確認した牝鹿は、ふと沈みゆく美しい夕陽のほうを振り返った。そこには
懐かしい人影が立っていた。いや、浮いていた。
(マ、ママ?ママだわ)
 それは人間としてのメルモの母、渡ひろみのゴーストだった。
「チュイイイイ!」
 メルモは思わずゴーストの母に鳴きながら駆け寄った。ひろみは鹿になり果てた
最愛の娘を優しく抱きとめた。
「メルモちゃん、会いたかったわ。」
「わたしもよ、ママ。でも、ごめんなさい。わたし、もうにんげんじゃないわ。」
 鹿のメルモは首を振り、涙を流しながらゴーストの美女にすがった。
「いいのよ、メルモちゃん。あなたは頑張ったわ。立派に子鹿を産んだ。それに
あなたがどんな姿をしていようと私の娘であることに変わりはないのよ。」
「ママ、トトオちゃん、タッチはどうしているのかしら?」
「元気に暮らしているわ。あなたは何も心配しなくていいのよ。それより、
子鹿ちゃんを見せてちょうだい。」
 ひろみはメルモの美しい顔を撫でながら優しく言った。相変わらず子鹿のトトは
眠り続けている。
「かわいいわね、わたしにとっては初孫ね。」
「ママ、おばあちゃんになったわね。」
 しばし幸福な時が流れた後、夕陽は山の彼方に沈もうとしていた。ひろみが事故死
し、天国からメルモに会いに、ミラクルキャンディーを渡しに来た時も夕方だった。
あの日の夕陽も今日に負けず美しかった。
「メルモちゃん、あなた幸福?」
 メルモは一瞬、考え込んだあと、愛する子鹿のすこやかな寝顔をじっと見つめた。
そしてひろみを見上げて言った。
「ええ、しあわせよ。もちろんつらいこともあったけど、オオツノさんにであえて、
こんなかわいいこにめぐまれたもの。」
 オオツノと結ばれた快楽のひと時が思い起こされ、メルモは母の視線から逃げる
ように後ろを向いた。人間としての生活に未練がないかと言えば嘘になるが、今の
メルモには一生鹿として生きていく覚悟ができていた。時にはそれが揺らぐ時もあるが。
「それならいいわ。でもメルモちゃん、いつかね、トトオちゃんがワレガラス
先生と一緒にこの山にやってくるわ。」
「ほ、ほんとう?」
「ええ、ミラクルキャンディーを持ってね。もしあなたが人間に戻るなら、それが
最後のチャンスよ。鹿として生きていくにしても、トトオにちゃんとお別れをして
あげて。それがね、あなたのお姉ちゃんとしての、最後の役目よ。」
 そう言うとメルモの前から、ゴーストの母の姿はスーッと消えた。
(ママ?ママ!いかないで!もっとおはなしがしたいわ。)
「チュイイイイイイイイイイイン!」
 悲しい牝鹿の声が、星が瞬きはじめた山の空に響いていった。
569牝鹿になった少女:2012/03/23(金) 03:01:42.16 ID:8+xcpird
 秋になろうとしていた。秋は鹿達にとっての繁殖期である。人間の少女、渡メルモ
が美しい牝鹿に生まれ変わってから二度目の秋を○○県山の奥村は迎えようとしていた。
 森の中を逞しい牡鹿が駆けていた。太く長い四又になった威厳のある角、首周りの
タテガミは鋭い目つきをした顔だちをより攻撃的に見せた。生え換わりつつある冬毛の
下には躍動的な筋肉が見え、太く長い四肢は交互に大地を蹴っていた。
 その牡鹿は、ハンター達村人、湯治客、登山客から畏敬、畏怖の念を込めてオオツノ
と呼ばれていた。彼は何年もの間、ハンター達を出しぬき、他の牡鹿達を抑え、山の主とも呼ばれていた。
 毎年繁殖期となるとたくさんの牝鹿達を群れに迎え、子孫を増やしていくオオツノ。
去年の秋は、彼にとって特別の年だった。それまでに出会ったことのない究極に美しい
牝鹿と結ばれたからだ。その牝鹿こそ、メルモである。
 オオツノは走りながらメルモの事を思った。あれ程美しい雌は他に絶対いない唯一の
存在だ。他の牡鹿には絶対に渡せなかった。
 喉の渇きを抑えられなくなったオオツノは、小さな沼を見つけると立ち止まって水を
飲んだ。飲みながらも思うのは美しい連れ合いのことである。興奮し続ける牡鹿は前足を
続けて後ろ足を沼に入れ、泥を掻きまわす。メルモの美しい顔が頭、ボディラインをよぎると、
今度は自慢の角を泥にこすりつける。次にメルモが大きな尻を左右に振るシーンが脳裏に浮かぶと、
たまらなくなって逞しい体躯を泥に沈める。オオツノの身体は泥だらけになっていく。
 鹿になったメルモはミラクルキャンディーの力で美しい牝鹿になったのだが、外見
だけでなく、生殖器はとても性的に感じやすく、雄にも激しい快感を与えるものと
なっていた。オオツノは何度もメルモと交わり、激しい性的な興奮を得た。彼は有史
以来始めて交尾の快楽を楽しむ牡鹿かもしれなかった。
 交尾の時、メルモの膣はオオツノの肉棒を掴み、離そうとしなかった。肉棒からは
精液が何度も放たれ、メルモの胎内で新しい命が芽生えたのである。交尾の瞬間を思うと、
オオツノはさらに興奮し、たちあがって大木に顔をこすりつける。
 メルモの膣から放たれるフェロモンは、オオツノ以外の牡鹿たちも虜にした。遠くの
山からやってきた牡鹿の集団は、メルモを輪姦し、彼女を快楽の奴隷として連れ去ろう
としたのである。
(なんとしてもあいつをてにいれる。ほかのオスたちにはわたせない!)
 本格的な繁殖期の訪れを前にオオツノは決意する。山の風に乗って雌の匂いが漂って
きた。メルモのものだった。たまらなくなったオオツノは雄叫びをあげた。
「ミイイイイイイ!フウウウウウウウウン!」
 メルモを求め、オオツノは再び走り始めた。

570牝鹿になった少女:2012/03/23(金) 03:05:18.53 ID:8+xcpird
 好奇心旺盛な子鹿のトトは、人里の外れにいた。
 逞しい山の主のオオツノと、世界でたった一匹の人間が変身した牝鹿のメルモとの間に
生まれたトトは、敏捷な運動神経と勇気をオオツノから、知恵と知性をメルモから受け継いでいた。
 トトは農家の納屋で、仲良くなった飼い猫と戯れていた。住人は農作業に出かけたのか
見えなかった。
「チュウイイイイイン!」
 牝鹿の声がした。トトは猫とじゃれあうのをやめ、山のほうを向いた。
「チイイイイイ!チイイイ!」
 優しく美しい自慢の母、メルモが迎えにやってきたのだ。程なくメルモが農家の敷地に
現れた。スラリとした長い脚、首から尻へと流れるしなやかなボディライン、アーモンド
色の見事な毛並みを持つメルモは、耳をピンと立て、澄んだぶどう色の瞳で我が子をいと
おしく見つめる。
「もう!トトったら、ひとざとへはいっちゃだめっていったでしょ。」
 メルモは我が子に傷でも付いていないか確かめながら優しく毛繕いをする。トトは
メルモの乳房にすがろうとするが、それは拒絶された。
「でもおもしろいんだもん。ともだちもできたよ。」
 メルモは猫を睨みつけると唸る。猫は母鹿の気迫に押され、後ずさった。敷地の端では
犬小屋に繋がれた柴犬がワンワンと吠えていた。あまりにうるさいのでメルモは犬に飛びかかり、
長い前足で犬を叩きつけるのだった。

 声がしなくなった犬小屋を含む農家の敷地を後にして、メルモとトトの親子は山を
駆けあがっていた。遠くで牡鹿の声がする。オオツノの声だった。
「ミイイイイイイ!フウウウウウウウウン!」
 メルモは足を止めた。三角の耳がピクピク動く。
「トト、あなたのおとうさまのこえよ。」
「おとうさま?」
「ええ、あいにいきましょう。オオツノさん、いいえ、あなたのおとうさまに。」
 メルモはトトを連れ歩き始めた。
(またこいのきせつだわ。)
 メルモは自分の身体が雄を求め始めつつあるのを自覚していた。いずれ牡鹿と、
おそらくはオオツノと結ばれ、また子鹿を身ごもるのことだろう。
(いいわ。わたしはシカだもの。シカとしていきていく。もうにんげんにはもどれない
のよ。でも・・・・・)
 人間だった時の母、渡ひろみのゴーストと会った時、ワレガラスとトトオが会いに来る
と予言をされた。しかし、彼らはいっこうに現れない。
 鹿に生まれ変わって一年、つらく長い冬を乗り越えて子鹿を産んだメルモ。幸福だと
思う。だが、後悔の念があるのも事実だった。逞しい牡鹿のオオツノと恋に落ち、
結ばれた。快楽の絶頂を何度も味わった。すっと彼と一緒にいたいし、いるつもりだった。
 しかし、山が積雪で真っ白になったころ、オオツノは群れから離れた。遠くで見守って
いることは分かっても、一緒に過ごすことはなかった。厳しい冬は仲間となったたくさんの牝鹿、
子鹿達の命を奪った。大きなお腹を抱え、空腹をしのぐため木の皮をかじりながら自分は何をしているのだろう、
と何度も思ったものだった。
 ワレガラスがトトオとミラクルキャンディーを持って現れたら、とりあえず一度は人間に戻ろうと思っていた。
そして、人間として生きるか鹿として生きるか考えるつもりだった。ところがワレガラスは現れない。そうこうする
うちに秋が、繁殖期が来ようとしている。本能が、オオツノの逞しい体躯を求め始めていた。
571牝鹿になった少女:2012/03/23(金) 03:10:48.02 ID:8+xcpird
 鹿の親子が林道を横切ろうとした時、車のエンジンの音がした。それと二人の人間の
匂いもした。
(ワレガラスせんせい?トトオちゃん?そうだわ。)
 メルモは足を止めた。程なく黒いセダンが現れ、メルモの前に止まった。
「メルモ!メルモじゃな!」
 運転席から懐かしいワレガラスの声がした。後部座席にはトトオがいた。
(せんせい!トトオちゃん、ママがいったとおりだわ。)
 最後に初老の医師と別れた時、彼は牡鹿に変身していた。どうやらちゃんと人間に
戻れたようだ。
 ワレガラスは車から降りてきた。手にはミラクルキャンディの瓶を持っていた。
「さあ、メルモ、人間に戻るんじゃ。一緒に帰ろう!」
(もどれるわ、にんげんにもどれる!)
 メルモがワレガラスの前に一歩進んだ。トトが心配そうに見つめている。とその時
だった。
「フィイイイイイ!ミイイイイフウウウウウン!」
 林道にオオツノが飛び出してきた。オオツノは角を振り立て、ワレガラスを威嚇する。
車の中からはトトオの泣き声がした。
「チュイイイイイイ!」
 メルモはトトオに心配しないでと言ったつもりだが、勿論鹿の鳴き声にしかならない。
一方オオツノは慌てて車に乗り込んだオオツノを窓ガラス越しに威嚇し続ける。
 メルモはオオツノに駆け寄っていさめようとする。そして、ワレガラスのほうを見た。
「チュウイン(はやくいって)!」
 ワレガラスは車をバックさせた。オオツノは追いかけようとするが、メルモが身体を
擦りよせて止めた。車が去ったあと、鹿の親子が残された。
「ひさしぶりだな。メルモ。げんきだったか。」
「え、ええ。わたしはだいじょうぶ。あなたのこどももげんき、ああ!」
 オオツノはメルモの口を奪った。口づけをしながらオオツノの立派な角が視界に入り、
うっとりとなった。無意識に尻が左右に振れる。
「あぁん!トトが、あなたのむすこがみているわ。だ、だ、だめ」
 オオツノは口づけをやめるとメルモの背後にまわり、陰部を舐めはじめる。
「あぁん、うふ!だめだって、あ、それは!」
 オオツノはメルモの腰に顎を乗せ、背中を滑り始めた。前足が美しい牝鹿の身体を
挟み込む。あまりの展開にメルモは驚く。オオツノは舌で牝鹿の背中を愛撫し続ける。
 メルモは発情しきってはいないが、オオツノは違うようだった。オオツノの淫棒は
メルモの膣を窺い始めた。固い物が扉をノックする。メルモの身体その意思に反し、
前足に力を入れ、腰をピンと伸ばす。すぐに淫棒は膣に挿入された。
「そ、そんな、はやすぎるわ。オオツノさん!あぁ!」
 棹の形を膣でダイレクトに感じる。暴れまわる竜が心地良い感覚を与えてくれた。
オオツノは腰をガンガン打ちつける。メルモは抗うことなく、自らも腰を前後に振る。
オオツノの体温、鼓動を感じながら。頭は真っ白になっていった。
「チュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」
 膣から脳天へと電流が走り、激しい声を上げるメルモ。オオツノとメルモは息子に見られながら再び結ばれた。
572名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 03:12:46.72 ID:8+xcpird
作者です 誰も投下しないので 続きを投稿しました 
573名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 08:02:32.22 ID:RgjshgSl
>>572
お前ならいらない
投下しない方がマシ
574名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 08:10:33.73 ID:mw643puF
↑こちらは、この状況ならトドメを刺せると踏んで勇んでレスしてきた荒らしでございます。
575名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 08:39:41.10 ID:o1QurMcZ
異形化もアンチが湧いてスレ潰しを仕掛けてくる程に認知されたジャンルになったか…
576名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 13:56:18.82 ID:Imggo1r/
>>572
投稿するのは構わないけどしっかり区切り区切り付けて投稿すれば文句は言われないよ
前回いろいろ言われたのはいつ終わるかもはっきり言わないでだらだら続けてたから
577牝鹿になった少女<終>:2012/03/23(金) 16:26:17.15 ID:8+xcpird
 それから一週間が過ぎた。牡鹿のオオツノは再び牝鹿達と群れを作り、メルモもそこ
に取り込まれた。何度も交尾をしたメルモの肢体の美しさにはさらに磨きがかけられ、
歩き方、しぐさの艶はよりセクスィーになった。その胎内には新しい命が宿っていた。
 メルモはオオツノの逞しい身体に身体を擦りよせ、崖の上から山を降りて行く黒い
車を見送っていた。ワレガラスとトトオはメルモと会うことが出来ないまま帰っていく。
森の中、彼らの声は何度も聞こえたが、オオツノは群れから出ることを許さなかった。
 ゴーストの母が言った人間に戻る最後のチャンスは遠ざかっていく。オオツノは身体
の向きを変え、森の奥深くへと歩いていった。美しい連れ合いが付いてくるのを信じて
疑わずに。
(さようなら。トトオちゃん、せんせい、わたしはこのすがたでずっといきていきます。)
 車はカーブを曲がり切る前に大きくクラクションを鳴らした。それはメルモへの別れの
挨拶だろう。
「チュウウイイイイイイイン!」
 メルモはお返しに大きく甲高い声で鳴くと、身体の向きを変えオオツノを追いかけた。
追いつくなりメルモはキスをねだり、オオツノは優しく最愛の連れ合いに口づけをした。
お似合いの鹿のカップルは森の奥深くへと消えて行った。
                               <完>
>>576 他の皆さま 色々失礼しました 長々と続きましたが
完結いたします 



578名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 21:18:16.77 ID:o1QurMcZ
色々あったけど長い作品をきちんと書き上げただけでも乙
579名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 21:23:36.50 ID:LVT4wOqK
紆余曲折の果てにメルモ鹿化エンド…
何か悲しくもしんみりした物語でした。
でもやはり仮に人に戻れたらと言うのも考えてみたりですし。
と言うのは二度目の変身の時点で厳しかったのでしょうけどそんな思いもわいてしまいます。
そう思えるだけの物語、本当にお疲れさまでした。
580名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 23:13:46.37 ID:2Or5uk4E
長かったなあ乙
581名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 23:30:35.99 ID:IJsNG0x4
この状況でちゃんと最後まで書き上げたのは素晴らしいと思う
読んでないけどGJ
582名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 23:33:54.95 ID:dFRDELBz
最後までsageてくれなかったのが心残りです
583牝鹿になった少女の作者:2012/03/24(土) 01:02:00.20 ID:LVma9vih
皆さまありがとうございます
>>579 の方はいつも朝に感想を書いていただいたかたでしょうか
応援ありがとうございました

もし許されるなら、メルモがもう一度人間に戻り、車で山を降りようと
するときに鹿達が車を囲み、そこで再度鹿に変身、という流れを考えて
いましたが・・・ だらだら続けているという批判もあったのでこれで
終わりにしました
犬編は・・・もし楽しみにしておられるという声があれば、投稿したい
と思いますが他の方が投稿されるのを待ってから、と考えています 
584名無しさん@ピンキー:2012/03/24(土) 09:11:58.00 ID:PMqrYSS1
sage厨www
585名無しさん@ピンキー:2012/03/25(日) 20:48:10.75 ID:MYmdLaR9
586名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 01:42:26.70 ID:iB/N189T
>>583
長い間お疲れ様でした。
最終的に本編からの分岐を選択なさったのですね。
二次創作の書き手としては、どちらをとるか悩ましい部分だったと思います。

ひらがなのセリフなど手塚原作に忠実な装いで書きつつ、
徐々にエロ要素ががんがん投入されるのが刺激的でした。

犬編も期待しています。
587maledict ◆k/fFCPdV8. :2012/03/26(月) 01:55:30.13 ID:iB/N189T
すみません>>586は自分です。
最近別スレでトリップを変えたのでどっちのトリップを使うのがいいのかなあ
などと悩んで結局名無しで書いたのですが、やっぱり新しい方使います

あと、実はアニメしか見てないのでひらがなのセリフが原作に忠実な演出
なのかどうかわからずに書きました。
メルモちゃんというと低年齢向け性教育アニメというイメージで、
「なんとなく低年齢向けな雰囲気」を感じたということでした。
588名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 09:09:38.94 ID:RGRwFaru
知ってた
589名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 11:52:41.91 ID:FKqq1Hw+
>>586 >>587様ありがとうございます  >>583です
パラレルワールドの一つということで分岐させました メルモちゃんは
鹿としていきていくことになりました

原作というかコミックはちらっと見たことがある程度で、幼児向けなので
当然ひらがなばかりでしたね
 私の物語上のセリフでは小学生のメルモは、簡単な漢字をまじえ、大人に
なった時は難しい漢字も入れました。そして鹿に変身した時がはひらがな、カタカナのみとしました。
これは、変身した身体の影響で難しい思考ができなくなるためと、実は鹿の「言葉」
で思考しているがひらがなに訳している、という設定です 他の鹿達もひらがなですが
鹿の神様は漢字を入れたセリフとしました 
590名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 12:42:14.46 ID:FKqq1Hw+
 場面によっては鹿の鳴き声の後でカッコ内でセリフを入れ、状況により鳴き声のみ
としました 
 メルモが鹿に変身した目的 命を救われたお礼を牡鹿にするは微妙ですが、連れ合
いを失って悲しんでいる(実はあまり悲しんでいない?)オオツノを慰める、は達せ
られたと思います。オオツノはセクスィーな牝鹿のメルモに夢中となり 彼女のため
に何度も戦いました そんな牡鹿に恋をし、彼の子供を産みたいと思い人間に戻らな
いことを決意したのです が、やはりここはエロパロスレなのでやはり鹿としての
官能の世界の虜になってしまった、ということでしょうか
 アニメ本編で鹿に変身したことはないメルモですが、犬、ウサギ、猫になったときは
やはりその色っぽさで雄から想われていました 今回の物語でも美しすぎる牝鹿の身体
を得たこと、精神は子供でも人間であることの知性と気品が醸し出す独特のフェロモンが
オオツノ以外のたくさんの牡鹿を夢中にさせました
 犬編を投下するかどうか分かりませんが 中断した部分からの続きではなくまた新しく
作るかもしれません 投下するにしても他の方が投稿されてスレが活性化してからでしょうか
 他に白鳥編 イルカ編 人魚編なんてのも構想にはあります
でも動物としてのメルモの姿が一番美しいのは鹿かなあと思います 自分としては
大人になった姿の綺麗さも捨てがたいので、大人のメルモも何度か登場させました
ありがとうございました
591名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 13:33:25.20 ID:VSbEtnBN
行頭をあけて「、」も使うのに「。」は使わない。改行位置がおかしい。
実に奇妙な文章だ。
ある意味異形化スレにふさわしい書き手なのだろう。
592586:2012/03/26(月) 19:57:18.82 ID:A95Fn8Jz
>>590
獣化で複雑な思考ができなくなるという描写だったんですね。
定番なのかもしれませんが、自分は『メタモルフォーゼ』第1話の
ライオン化された女性を思い出し、興奮し直しました
593名無しさん@ピンキー:2012/03/27(火) 22:45:23.78 ID:djnLrpM9
ここで叩かれながら続けるよりブログでも開設してリンクだけここに貼った方が
作者にとっても住人にとっても良いのでは?とマジレス
594名無しさん@ピンキー:2012/03/27(火) 23:10:35.55 ID:GGu8yhJf
ぶっちゃけスレ汚しでしかないからな
もすこし面白いハナシかいてください苦痛です
595名無しさん@ピンキー:2012/03/28(水) 01:26:56.21 ID:L/ZDQAka
と、書くこともできない能無しで心さえ醜い奴が言っております
596名無しさん@ピンキー:2012/03/28(水) 02:49:44.88 ID:6qFARnE4
こうして文字を追うだけで、鹿化したメルモの漫画が自然と浮かびあがってくる。
SS作者さんの力量はもちろん、手塚治虫の偉大さをひしひし感じるよな。
597フィクションです:2012/03/28(水) 03:09:11.89 ID:+DZtxvai
「ぶっちゃけスレ汚しでしかないからな
もすこし面白いハナシかいてください苦痛です」……と。

今日はこんなとこでいいかな。
我ながら絶妙なタイミングで奴の臓腑をえぐってやったわ。

594はリロードした画面で自分のカキコを再読しながら、
そういってほくそ笑んだ。

そのとき594は、背後に異臭を放つ「何者か」の気配を感じた。

(……ありえない。この部屋にはアタシしかいないはず)

594は、ドアが開いた音すら耳にしていないのだ。
混乱する594の後ろで、耳を覆いたくなる不快な声が響いた。

「合格です。あなたは『こちら側』の存在に生まれ変わることができますよ」

その言葉と共に、背後の気配は嘘のように消えてしまった。
だが、鼻につく異臭は消えなかった。
いや、消えないどころか、さっきよりもさらに強まったことに594は気付いた。
まるで、594の肉体そのものがその発生源になってしまったかのようだ。
「きゃああああっ」
何気なく目を移した自分の指のありさまを見て、594は絶叫した。
それはすでに「指」とすら呼べない、何百本にも枝分かれした
吸盤状の先端をもつ、触手の束に変容していた。
594が思わず見下ろした胴体も、もはや元の姿を留めていなかった。
衣類は焦げ落ちたような断片になって床に散らばっている。
そうしてむき出しになった自慢の豊かな乳房を、
小さなイソギンチャクのような個虫たちが覆う。
個虫たちの長い触手は絶え間なくざわざわと蠢いている。
その下の腹部には長い毛のような触手が密生し、
股間の大事な部分には巨大なポリプ虫が根付き、
淫猥な動きで、付近にあった野球のバットをくわえ込んでいる。
「くっ……は……はぁぁぁぁん……」
触手の動きでバットが飲み込まれていく摩擦が、強烈な快感を594の脳に送る。
バットの末端の膨らんだ部分が膣口を通過するとき、594は絶頂に達した。

快楽の炎が去り、冷静になった594の胸を占有したのは恐怖だった。
いったい、自分の顔がどうなってしまったのか。
恐ろしい現実から目をそむけたいという594の切なる願いは、
悪意ある存在の格好の餌食になってしまったらしい。
不意に594のパソコンのウェブカメラが起動し、594の顔を
ディスプレイ上にありありと映し出したのだ。
「いやああああああっっっっっっっっっ!」
その声と共に594の理性の最後の欠片は消し飛び、
594は完全に「あちら側」の存在と化した。
(終)

あ〜>>595を見ている内に何となく思いつきました。
>>594様ごめんなさい!
598名無しさん@ピンキー:2012/03/28(水) 07:16:57.87 ID:X4Au4dXz
うめぇw
599名無しさん@ピンキー:2012/03/28(水) 23:53:58.30 ID:cVQlEFTQ
うます
600名無しさん@ピンキー:2012/03/29(木) 02:03:05.43 ID:rIccP5Dk
このスレらしい荒らし対策だなw
不覚にも爆笑してしまったw
601名無しさん@ピンキー:2012/03/29(木) 02:10:33.79 ID:rIccP5Dk
牝鹿になった少女の作者さんには
是非ブログ(もしくはHP)を開設した上で
全文をテキストデータで載せて頂きたく思う。
この作品にはそうするだけの価値がある。
もっと多くの人に評価されるべきだと強く感じるのだ。
そして作者様が嫌でなければだが、
是非このスレでの連載も続けて頂きたい。
それだけが、私の願いです――
602犬になった少女:2012/04/02(月) 03:44:04.76 ID:NOUcXK1z
「犬になった少女」

 ある日の朝、杉村小学校三年二組の教室に少女は足を踏み入れた。
「あ、メルモちゃんだぁ!」
「渡じゃねえか!」
「もうびょうき、だいじょうぶなの?」
 クラスメイト達が少女に駆け寄ってくる。少女の名は渡メルモ。赤いリボンがアクセント
の青いブラウス、黄色いミニスカートを身につけた円らな瞳の美少女だ。彼女は
二週間ぶりに登校したのだ。
「みんな、おはよう!ごめんね、しんぱいかけて!」
 メルモは「病気」で「入院」したため学校を休んでいたのだ。本当は病気ではなかった
のだが。メルモは赤いランドセルを机の横にかけ、椅子に座った。
「ねえ、メルモちゃん!この前、メルモちゃんのおうちに行ったらね、すっごくかわいい
ワンちゃんがいたよ。」
「あ、わたしも見たよ。コッカスパニエルっていう高い犬だよ。」
「ちがわい!あれはプードルだぜ。赤毛のかわいい犬だったなあ。」
「ねえ、メルモちゃん、きょうおうちへ行ってもいい?あのワンちゃんだいてみたーい!」
 クラスメイト達が話題にする赤毛の可愛い犬、それはメルモがミラクルキャンディで
変身した姿だった。勿論クラスメイト達は知るはずもない。
 メルモは交通事故で母を失った。残されたメルモと二人の弟を不憫に思った母ひろみ
の願いがかない、天国の神々は不思議なキャンディーを少女に与えた。赤と青のミラクル
キャンディは赤いのを食べると10歳若返り、青い方は10歳成長する。メルモはそれに
よって時には大人になり、時には赤ん坊になって様々な事件を乗り切った。
 チッチャイナという国でワレガラスという医師に出会い、彼によってキャンディーが
食べ合わせによって動物に変身出来ることが分かった。メルモはウサギや犬、猫、鹿など
に変身し、たくさんの冒険をした。
 だが、動物への変身を生命への冒涜と見、キャンディー自体の使い過ぎを快く思わない神々により
メルモは罰を与えられた。犬に変身したあと、キャンディの力は無力化され、
メルモは人間に戻れなくなった。10日もの間、メルモは犬の姿で過ごした。だんだん仕草や行動が犬らしくなり、
野犬たちと仲間になり、ある雄犬に求愛されたメルモ。犬として生きて行く覚悟をした時、神々はメルモを許し、
可愛い雌犬は突然人間に戻ったのだ。

 10日もの間、犬として過ごしたことで、家の中は荒れ果て、メルモ自身、精神的な
疲れもあり、また気がつくと四つん這いで歩いたり、食べ物を手を使わずに食べたり、と
大変な状況であった。数日後、ようやく落ち着いてきたことで、今や後見人となったワレガラスは、
メルモに学校へ行ってもいいと許可を出したのだった。
「ご、ごめんなさい。あの犬はね、しんせきのお姉さんがつれてきたの。もういないの
よ。」
「なあんだ、つまらないのぉ」
 チャイムが鳴り、子供たちは席についた。メルモはほっとした。
603犬になった少女:2012/04/02(月) 03:46:48.16 ID:NOUcXK1z
「犬になった少女」2

 二週間も学校に行かなかったことで、メルモは授業についていけない。一時間目
の算数、そして二時間目の国語、漢字の書き取りテスト。メルモは頭を抱えていた。
(あーあ、人間にもどれたのはよかったけど、お勉強むずかしいわ。犬だったら
お勉強もテストもやらなくていいのに。)
 メルモは鉛筆の動きを止め、物思いにふけった。窓を見ると、青い空が見え、遠くで
犬の鳴き声が聞こえた。
(犬だったら、むずかしいことなん考えないであの空の下をかけまわれるのに。もう
いちど、犬になって原っぱをかけまわりたいなあ。)
(その願い、偽りはないな。しかと聞きとげたぞ!)
「へ、な、なに!」
 荘厳な声が頭に響き、メルモは思わず立ち上がった。級友たちはギョッとして少女を
見る。

 犬の鳴き声はどんどん大きくなり、人間の、子供たちの悲鳴も聞こえてきた。メルモの
教室は三階建ての新校舎の二階にあるが、悲鳴は階下の一年生の教室からであろうか。
 犬は何匹も、いや、10匹くらいはいそうだ。座りなおしたメルモは胸騒ぎを覚えた。
「ま、まさか、あの声は、そ、そんな、そんなことって!」
 杉村小学校は大混乱となりつつあった。平和な学校に、十二匹の野犬たちが侵入して
きたのだ。野犬たちは校庭に面した木造二階建ての旧校舎、鉄筋コンクリート三階だて
の新校舎、蒲鉾形の体育館を駆け回っていた。彼らは何かを探しているようだった。
 三年二組も授業どころではなくなり、児童たちは、校庭の方向、旧校舎の方の窓に
駆け寄った。勿論メルモも。新校舎と旧校舎の間は広場のようになっていて、そこには
灰色の毛並みの逞しい柴犬が三匹の犬を引き連れて歩いていて、何かを探しているよう
たった。その犬を、メルモは良く知っていた。
(ビ、ビリケン、ビリケンだわ。ま、まさか、私をさがしにきたのかしら?)
 メルモが犬に変身していた時、途方に暮れていた彼女を助け、支え、ついには愛を
育むにまでなった野犬のボス、ビリケンだった。そう、彼は愛する連れ合い、犬に変身
していたメルモを求めてここにやってきたのだ。
「あ、あの犬知ってるよ。メルモちゃんちのワンちゃんとよくいっしょにいた!」
 級友の一人が叫んだ。
 メルモは人間に戻れた。二人の弟達、後見人のワレガラスは人間の少女としての
メルモを取り戻した。だが、それは犬達から見ればかけがいのない仲間、ビリケンに
とっては愛する連れ合いの雌犬のメルモを失ったことになる。メルモはそこまで
は考えていなかった。
(どうしよう、たいへんなことになったわ。)
 メルモの視線に気がついたのか、ビリケンが新校舎の二階を見上げ、窓から見下ろす
人間のメルモと眼があった。
「ワオオオオオオン!オンオン!」
 ビリケンが吠えた。メルモの小さな胸の鼓動は早くなり、足は小刻みに震えた。これ
からおこることを予感させるかのように。

604名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 03:54:07.77 ID:NOUcXK1z
>>601 ありがとうございます。

賛否両論ありますが、スレ汚しかもしれませんが
犬編スタートします。前回の続きではなく新たに再構成します。
前回分も無関係ではないですが・・・・・
605名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 07:17:12.61 ID:e1eW5YFH
アンチじゃないし作品は好きだけどできればsageてね
好きな人は上がってなくてもチェックしてるし、特殊な性癖のスレだから悪目立ちしたくないし
メール欄に「sage」だよ
606名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 07:55:02.85 ID:pT4YU9oW
犬編スタート…メルモの変身が神々にもあまりいい印象を持たれなかったというのはかなり意味深ですね。
(命の輪廻とかの関係込みで)
見方によっては先の鹿編の分岐とも思えるであろう今度の犬編、「本編」ならなんとかそのまま終われたであろう物語をこの物語ではどう行きつかせるのか。
今回も色々気になる物語になりそうです。
607名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 11:04:44.87 ID:8FfV4M9w
GJ!
だけど少しレスを使いすぎてる傾向にあると思うので、短編以外はtxtにしてどこかのロダにあげたほうがいいかもしれないと思った
608名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 15:23:37.98 ID:fQW5sPY0
sagewwwwwwwwwwwwwwwww
609犬になった少女:2012/04/02(月) 18:04:05.26 ID:NOUcXK1z
「犬になった少女3」
 スピーカーからは教頭先生の声が流れた。
「全校のみなさん!教室に入って、外には出ないように!先生がた!先生がた!
児童を教室に入れたら至急職員室へ集合してください!」
 緊急放送を受けて、児童達と窓から身を乗り出していた三年二組の担任の手塚は、皆
を席に付かせると職員室へと走って行った。手塚の姿が見えなくなると、子供たちは
再び窓のほうへ群がる。メルモも一緒だった。
(あれ?ビリケンがいないわ。)
 窓の下にはビリケンの姿はなかった。他の犬達が数匹、走り回っていた。皆見覚えが
ある。犬だった時の大切な仲間だ。いや、家族と言えたかもしれない。
(ビリケン、どこに行ったのかしら?)
 とメルモが思った時、廊下の方で大きな犬の鳴き声がした。好奇心を持った男の子が
ドアをガラガラっと開けると、灰色の柴犬、ビリケンが飛び込んできた。
「きゃああああああああ!」
「わあああああああああ!」
 三年二組の教室は悲鳴が起きた。子供たちは前の黒板の方へ逃げる。ただ一人、メ
ルモだけが教室の後ろ、窓側の掃除用具入れの前に取り残された。そのメルモに向か
ってビリケンが歩み寄る。掃除用具入れにもたれ、メルモは足を震わせる。
「メルモちゃん!あぶない!にげて!」
 クラスメイト達は言うが逃げ場はなかった。ついにビリケンはメルモの赤い靴、白い
ソックスに鼻を近づける。クンクンと臭いを嗅ぐビリケンは、少女を見上げ、短く
唸った。皆、声を止め、少女と犬のやりとりを見守る。
(ビリケン、わたしがあの犬だってわかったのかしら?)
 次にビリケンはメルモの右膝を舐め、そのあと白い太ももをも舐めた。
「キャイン!」
 思わず悲鳴が静かになった教室に響いた。その悲鳴は甲高い犬の鳴き声のようで、
声を出したメルモも、ビリケンも、級友たちも驚いた。ビリケンは数歩下がり、メル
モを見上げ、じっと見つめる。力強く優しい眼だ。メルモの足の震えは止まり、野犬
のボスの視線を受け止めた。メルモの心に、ビリケンとともに月灯りのもとを駆け回
った記憶が蘇る。
「ウオン!オン!オン!」
 ビリケンが何かを訴えるように鳴き、メルモの足は自然と前に出てビリケンに近
寄る。二本の足で歩くことの違和感を持ちながら。
「こらあああああああ!」
 開いた扉から担任の手塚叫びながら飛び込んできた。受け持ちの児童の悲鳴を聞いた
からだ。ビリケンは教室内を駆け回り、また教室は大混乱となった。隙を付いてビリケン
は外に飛び出して行く。
610犬になった少女:2012/04/02(月) 18:10:05.46 ID:NOUcXK1z
「犬なった少女4」
 手塚や友人たちが、ヘナヘナと座り込んだメルモに駆け寄った。大丈夫か?と皆口ぐち
に言う。メルモはビリケンの犬の言葉が理解できた。
(かえってこい、そう言ったわ。ビリケンはわたしのことをわかっている。)
 再びスピーカーが鳴った。
「えー児童のみなさん、絶対に教室からでないように!もうすぐ保健所のおじさん
たちが来てくれます。三年二組の手塚先生!職員室へ報告をくださーい。」
「ほけん所?先生、ほけん所のおじさんたちが来たら犬たちはどうなるの?」
「決まっているだろう。捕まえて保健所に連れて行かれるんだ。悪い野良犬は処分
されるんだよ。」
「しょぶん?そ、そんな!悪いことしてないのに、あのワンちゃんたちは・・・・・」
「渡をこんなひどいめにあわせて、学校を無茶苦茶にした罰なんだよ。」
 手塚は児童達を着席させ、全員無事であることを確認するとドアを閉め、職員室へ
と向かっていく。
(ビリケンやなかまたちは私をさがしにきたのよ。私のせいでみんながつかまるなんて
ひどいわ。)
 保健所に捕まると程なく殺処分される。メルモも前に犬に変身したとき、保健所に
捕まって恐怖の一夜を過ごしたことがある。ペット業者に「引き取られる」こととなった
メルモが車に乗せられる寸前、ビリケン達が助けてくれたのだ。あの時のビリケンの
活躍がなかったら、今頃メルモはよくてペットとして、悪くて子犬を産むための「道具
」にされていただろう。
(こんどは私がみんなを助けなくちゃ。)
 メルモはランドセルからミラクルキャンディーの瓶を取り出した。隣に座っている
親友のター子こと妙子は怪訝そうに見つめる。
「どうしたの?メルモちゃん」
 メルモは立ちあがった。瓶を握りしめ、決意を固めたのだ。
「だめだって!教室はから出てはだめだよ。」
「ちょ、ちょっとトイレ、行ってくる!」
 窓の外でまた犬の声と悲鳴が聞こえた。妙子の他は皆、窓の方へ群がった。誰もメルモ
と妙子のやりとりなど気にしていない。
「だいじょうぶよ、ター子ちゃん、すぐにもどるわ、すぐにね。」

 メルモは決意した。ワレガラスからは禁じられているが、再び犬に変身してビリケン
達を学校から出そうと言うのだ。保健所が来ていることを言えば、出て行くだろうし
犬としての自分を一目みたら安心して街に戻るはずだ。
「えーっと、どこで変身しようかな。」
 トイレは駄目だ。すぐに人間に戻るとはいえ、キャンディーの瓶や脱ぎ捨てられた衣類
が見つかれば大騒ぎだ。というよりキャンディが持ち去られたら人間に戻れなくなる。
 (そうだ、あそこ!)
 新校舎が建てられる前、木造の二階建ての校舎が建っていた。校舎の側にやはり木造
の倉庫があって、それは壊されず残っていた。そこは鍵がかかってはいない。放課後
はともかく授業中はだれも来ない。変身を見られることもないだろう。
 新校舎の一階、東側の出口から出て、メルモは古い木造の倉庫の前に立った。大正
時代に建てられた古い倉庫。戦争中はアメリカ軍の艦載機の機銃掃射も受けた歴史
の証人でもあった。
 子供には重い扉を開け、埃だらけの倉庫の中に入る。汚れたガラス窓から光がさしこんでいた。
中には古い机、オルガン、跳び箱、姿見などが無造作に置かれていた。
「キャインキャンキャン!」
 犬達の悲鳴が聞こえる。早くしなければ彼らは保健所に捕まってしまう。
「待っていてね、すぐに行くわ。」
 メルモはミラクルキャンディの瓶を開け、赤いキャンディ一つ、青いほうを一つとり
出した。青い方を爪先で削って一かけらにすると、二つを口に入れ、噛み砕いた。ジュっと甘味が
口の中に広がっていくとメルモの身体は赤い光に包まれ、若返りを始めた。
611犬になった少女:2012/04/02(月) 18:13:17.41 ID:NOUcXK1z
「犬になった少女5」
 少女は赤いキャンディーの効果で淡い快感とともに若返りはじめた。
「あぁああ」
 小さな声を上げながら、メルモは犬になりますようにと心で念じた。
 9歳の少女の身体は、5歳くらいの幼女になり、たちまち赤ん坊になる。メルモ
の視界が真っ白になった。一粒で10歳若返る赤いキャンディーの効果はここまで
のはずだったが、犬に変身したいという願いによって胎児になり、さらには受精卵に
までなった。受精卵のDNAの配列が人間から犬へと書き換えられる。
 青いキャンディー一かけらの効果で、青い光に包まれ受精卵は成長をはじめた。それは
急速に細胞分裂を繰り返し、魚のような形となった。やがて四本の小さな足が現れ、
頭からは耳が生え、徐々に赤い体毛も現れて犬らしい形となっていく。
 光が作る疑似胎内でメルモは犬の胎児として成長を続け、やがて人間だった時に身
に着けていた青いブラウスの上で四本の足で立ち、子犬から育ち盛りの雌犬へと成長
を続ける。光が消えると、そこには愛くるしい赤毛のコッカスパニエルとプードルハ
ーフのようなの愛くるしい雌犬に変身したメルモが尻尾を振って舌を出して立っていた。
 視界に広がる光景はセピア色で、近視である。その代わり、鼻には人間の何億倍
ものあらゆる匂いが飛び込んできた。

 窓から差し込む光に照らされた犬のメルモ。全体的にピンク色の体毛だが、垂れた耳と
頭頂部の毛色は真紅でまるで人間の髪の毛のようだ。目は円らで美しく澄んでいて知性
を感じさせた。マズルの形は均整がとれていて美しい顔を形作る。何処となく人間の、
大人に変身したメルモの面影があった。もしも彼女が初めから犬としてこの世に生を
受けていれば、きっとこのような姿だっただろう。
 美しい体毛に覆われた肢体、ボディラインはきれいなくびれをもつ芸術的なもの、
お腹は僅かにへこみ、脂肪と筋肉がほどよくついた理想的な健康的な身体。肉体
年齢は二歳くらいか。犬の二歳は人間で言えば、20歳から24歳くらいにあたる。
そう、性的にも成熟している。人間としては子供のメルモは、犬としては立派なレディだ。
 姿見に映る自分の犬としての姿を見ても違和感はない。十日間も犬で過ごしたメルモ
は身心とも本当の犬になりつつあったのだから。長い舌をだした愛くるしい顔の自分
が、鏡に映る自分をみて思わず心の中で呟いてしまう。
(もどったんだわん!)
「そうだ、戻ったのだ。本来のお前の姿にな。」
 倉庫内の荘厳な言葉が、犬の言葉が響く。驚いて振り返るメルモだが、何もいない。
自慢の嗅覚も何も感じない。足はさっきまで着ていた青いブラウスを踏みつけているが、
それは犬のメルモに取ってはもはや意味のないものだった。 
「さあ、行くがよい!愛する連れ合いのもとへ!仲間たちのもとへ。」
 荘厳な声に促されるように、犬のメルモの身体は歩き始め、倉庫の外に出た。倉庫には
蓋が開いて床に転がったミラクルキャンディーの瓶、皺くちゃになった衣類が残された。
服の上には早くも抜け落ちたメルモの赤い体毛が何本も落ちていた。

 外に出ると、犬の鳴き声が聞こえた。その中から愛するビリケンの声を聞き分け、匂い
を嗅ぎわける。優しく逞しい野犬のボスのビリケン。そう二匹は愛し合っていたのだ。
(わたし、なにをしていたんだろう、はやくビリケンにあいたい!)
「キャイイイイイン!キャンキャン!クウーーーーーーーン!」
 メルモは甲高い声で吠えると、新校舎の裏側を西の方向へ向かって走り出した。
612名無しさん@ピンキー:2012/04/02(月) 22:54:09.10 ID:vPnkqb0l
再開ありがとうございます!
sageなら不必要に荒らす輩もこないだろうし、
これでごたごたも減って万々歳だな!
613犬になった少女:2012/04/03(火) 00:07:22.51 ID:NOUcXK1z
「犬になった少女6」
 ビリケン達は教師たちによって新旧校舎の西側の体育館の壁に追い込まれていた。
教師たちは箒やバットなどを持って犬達ににらみを利かせている。追い込まれた犬達
はビリケンを入れて九匹。他の犬は敷地内の他の場所で追い込まれているようだった
 愛する連れ合いを見つけられず、追い込まれたビリケンだが、遠くから雌犬の声が
聞こえた。それは変身したメルモの声。それはビリケンに向かって近づいてくる。
「ワオオオオオオオン!オンオン!」
 ビリケンは勝利の雄叫びをあげた。

 メルモは体育館の前に飛び出してきた。ビリケンは嬉しそうに駆けてくるメルモを
優しく見つめ、教師たちは野犬の群れに似つかわしくない愛くるしい赤毛のコッカス
パニエルのプードルのハーフの登場に驚いた。
「キャンキャン!」
 甲高い声を上げ、教師たちの間をすり抜け、メルモは追い込まれた仲間たちの輪に
加わった。すぐにでもビリケンに擦りよって甘えたい衝動を抑えるメルモは、それでも
彼の横に立って、犬達を追い込む人間たちを睨みあげた。
「キャンキャンキャイン!」 
メルモは今や敵となった人間たちに吠える。その中にはメルモが人間だった時の担任
の手塚もいた。
「どこにいたんだメルモ。ずっとおまえをさがしていたんだぞ。」
「ごめんね、ビリケン、はやくここをでないとあぶないわ。」
「ああ、おまえをみつけたんだ、もうこんなところにようはない。さっさといこうぜ。」
 ビリケンは南の方角、校庭のほうに身体を向けた。
「あっちはだめ、はんたいのほうへにげて。わたしがにんげんたちをひきつける。」
「おまえもいっしょにいくんだ。いいな。」
「わたしはいかないわ。わたしは、」
「ばかやろう、おまえをおいていけるか。いっしょにいくんだ。おれはおまえをまもる、
そうちかったんだ。」
 メルモは嬉しかった。ビリケンは自分を助けに来てくれたのだ。いつだって彼は
犬になった自分を助けてくれる。だが、自分は本当は人間だ。一緒に行くわけには
いかない。それを手みじかに説明するには犬の言葉の語彙は少なく、時間もなかっ
た。メルモが一緒じゃなければ彼らは学校から出ようとしない。
(どうしよう、いっしょににげるしかないの?)
 ビリケンは校庭の方向に向かって強硬突破をすべく、手下たちに指示を出す。メルモ
の身体も無意識にビリケンのそばにより、彼はそれを同意と見た。ビリケンの体臭が
鼻を付き、メルモの腰の深奥を刺激する。体毛に隠しきれない逞しい筋肉に一瞬見とれる。
「愛し合った」ひと時が蘇り、メルモは身体の奥から沸き起こる衝動を必死に抑える。
種族保護本能が、変身したばかりのメルモに発情を促し、膣からはフェロモンがはなたれ
ようとしていた。
「クウウウウウウン!」
 甘い声が出て、我慢できずメルモはビリケンに可愛らしい肢体をくっつけた。彼の
体温、鼓動が伝わってくる。ビリケンはサッと身体を動かし、メルモの右後ろ足の
膝を舐めた。
「クウウウウウウン!クィン!」
 またも甘い声を出すメルモ。
(あぁん、きもちいいわん、こんなときだっていうのに。)
「いくぞ、いいな。」
 その時、校庭の方向に土煙が舞い、車の音がした。白いトラックが三台校庭から体育館
に向かってくる。それは保健所の車で、荷台には檻や捕獲具が積み込まれていた。
(だめだわ。あっちへいったらつかまるわ。)
 メルモはビリケンから離れ、新校舎のほうを向いた。
(にげるならあっちだわ。あっちしかない。)
 ビリケンが不審がってメルモの側に立った。
「おねがい!わたしにまかせて!わたしがみんなをここからにげさせてあげるわ。」
 ビリケンはもとより、他の野犬たちにも異存はなかった。メルモは愛くるしいだけでは
ない。知恵と勇気がある。皆、それをよく知っているのだ。
「わたしがながくさけんだらね、おもいっきりほえてね。そしてね、わたしが、かけだしたらついてきて!いい」
「わかった。いいな、おまえら!」
614犬になった少女:2012/04/03(火) 00:13:15.49 ID:6tIW+LWk
「犬になった少女7」
 メルモは息を吸い込んだ。見上げると、担任の手塚がいた。見かけは格好よくは
ないが優しい先生だ。だが、いまや犬になったメルモにとっては敵であり、異形の
種族だ。箒を振る手塚にメルモは唸る。
「キャン!キャン!」
 思わずメルモは手塚に吠え、前足を伸ばし、腰を後ろに突き上げる。すると手塚の
横にいた別の教師がモップを振りおろしてきて、メルモのくびれた腰を直撃した。
「キャイン!キャイン!」
 あまりの痛みにメルモは転げ回った。ビリケン達が戦う姿勢を見せる。
「だ、だめ、かみついちゃだめ!わたしのいうとおりにして!」
 メルモは何とか立ちあがり、教師たちを睨みつける。
(いまのわたしはイヌなんだもの、にんげんたちはにくいてきだわ。)
「手塚先生、渡さんが、メルモちゃんがいなくなって、あ!」
 妙子が飛び出してきた。そして犬に変身したメルモを見て驚いたのだ。
「先生!そのわんちゃん、メルモちゃんの家にいた犬です!」
 妙子の声が聞こえた。すぐにもどるつもりだったのに、人間としての自分がいなく
なったと騒ぎになったら面倒なことになる。妙子の友人を想っての行動が疎ましかった。
 保健所のトラックが近づいてくる。もはや一刻の猶予もない。メルモは息を吸い込んだ。
「キャイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインン!」
 メルモが叫んだ。それを合図に雄犬たちが続く。
「ワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオンン!」
「アウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!」
 あまりの鳴き声の大きさに人間たちは耳を抑えた。教師たちの箒やバットが地面に
落ちた。
「いまよ、いくわよ!」
 メルモは人の輪をすり抜け駆けだした。ビリケン達も続く。新校舎の裏を通り、裏門
から外に出ようと言うのだ。右目に心配そうに見つめる妙子が映った。
「おりゃああああ!」
 だが、そこに竹刀をもった用務員のおじさんが出てきた。
(しまった、そんなあ!)
 メルモの進路は変わり、校舎の中に入ってしまった。廊下の窓には一年生たちの顔
があった。犬達の侵入に悲鳴が上がる。
(みんな、はしりきるのよ!)
 長い廊下を走って、メルモに率いられた犬達は新校舎の東側の出口から出た。すぐに裏門だ。
そこから小高い山を駆けあがれば逃げられる。メルモは足を止め、皆が出て行くのを見守ろうとした。
倉庫がすぐそばにある。ビリケンたちが出て行くのを見届けて、
メルモは人間に戻るつもりだった。
「はやくいって、わたしはいいから。」
「いや、あとさんひきいない、さがしにいく!」
 ビリケンは走り出した。メルモもあとに続く。倉庫が視界から消えた。
「オンオン!ワオオオオン!」
 ビリケン残り三匹を探して旧校舎の方へ走った。中から三匹が飛び出してきた。
「なにやってるんだ、おまえら。」
「ボス、すみません!メルモみつかったんですね。」
「みんな、しんぱいかけてごめんね。」
615犬になった少女:2012/04/03(火) 00:14:55.48 ID:6tIW+LWk
「犬になった少女8」

 五匹は裏門に向かった。
「ボス、メルモ、はやくきて、やばいよ!」
「すぐだ。さあいくぜ」
門をでた五匹、いや、四匹だけだ。メルモだけが門の中に踏みとどまった。ビリケンは何故?と振り返る。
「ごめんね、わたしはここからさきへはいけないわ。」
「どうしてなんだ。みなおまえのためにきけんをおかしてここにきたんだ。」
「それはうれしいわ。でも、わたしは。」
 人間だとは言えなかった。保健所員が迫ってくる。早くしなければ。
「おまえがいかないのなら、おれものこる。」
「そんな、それはだめ、にんげんにつかまるわ。」
「だったら、はやくいこう!」
 もし、ビリケン達と一緒に行けば、人間に戻れなくなる気がした。心の中
にはビリケンとずっと一緒にいたい気持ちもある。犬の群れに入ればその気持ちが
大きくなるだろう。
(キャンディだけそうこからもちだそう、それならだいじょうぶ!)
「わかったわ、ちょっとわすれものがあるの、」
 メルモは倉庫に向かって駆けだした、とその時、新校舎の廊下、東の出口から人間
が飛び出し、大きな網が放たれた。
(しまった!そんな!)
 網はメルモを捉えた。キャンディのある倉庫までもう少しだったというのに。
「キャインキャン!」
 メルモの悲鳴に応じ、犬達が保健所員に遅いかかる。ビリケンによってメルモは
網から救われた。
「さあ、いくぞ!いいな。」
 今度は頷くしかなかった。メルモはビリケンとともに門の外に飛び出した。後ろで
悲鳴がした。保健所員と揉み合う二匹の雄が捕まったのだ。
「たいへんだわ、ビリケン、なんとかしてあげて!」
「むりだ、にげるしかない!」
「そんな!ひどいわ!たすけようよ!」
「おまえのせいだぞ、おまえがさっさとにげていれば!」

 門の扉は閉じられた。遠くでパトカー、救急車のサイレンの音がした。メルモは
うなだれた。すぐに逃げていれば、彼らは捕まらなかっただろう。とにかく大変な
騒ぎとなった。
「また、たすけにいくさ、さあ、いこう!」
 ビリケンに付いて、メルモは駆け続けた。これで彼に助けられたのは何度目だろう。
始めて助けられたのはいつだっけ?たくましく躍動する雄犬の筋肉にみとれながら
メルモは犬として過ごした日々を思い返していた。
616犬になった少女の作者:2012/04/03(火) 00:25:26.80 ID:6tIW+LWk
お疲れ様です。
さいきんsageの意味がわかった作者です。
今日は時間があったので連続投稿しました。
鹿編と並行していた時の投稿を一旦リセットし、再構成しました。
人間に戻れたのにメルモはまた犬に変身します。そして犬として過ごした
日々を回想していきます。ベースとなるのはオリジナルのメルモのストーリー
「メルモと魔術師」です。この話でメルモは犬に変身して犬に戻れなくなります。
その話を膨らませたのが今回の投稿です。学校に犬達が侵入する話は私の完全な
オリジナルです。
犬として過ごすうちにメルモは様々な冒険をする予定です。そこで野犬のボスのビリケン
と愛をはぐくみます。ビリケンと言えば、え?
続きをご期待?ください。エロいシーンも登場予定です。
ではでは。
617勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:08:38.17 ID:Y30NV5gc
魔界の掟に背くものは罰を受けるのが魔界の掟。
そんな秩序があることなど知る由もなかった。
魔物に捕まったら殺されてそれで終わりだと思っていた。しかし魔界にはそれ以上におぞましい罰があったのだ。
女勇者一行は魔王の玉座まであと一歩というところで護衛に捕まってしまったのだった。

ー魔界の住人327名を虐殺、魔王暗殺未遂、その他の行為は残虐非道極まりないものであるー
ー勇者、その他二名はゴブリンの里送りとするー

物々しい声が魔王城に響き渡る。勇者一行はあっけにとられた。
何をされるかと思いきやゴブリンの里送り?旅立ちの町からそう遠くないあの里へ?
勇者達も旅の最初の頃に訪れた場所であった。
比較的知能の高いゴブリンは商いをし、知能の低い者は勇者達に襲いかかって来た。
旅立って間もない頃はレベル上げに適した場所であった。
しかし今の勇者一行にとっては赤子の手をひねるがごとく脱出できそうな場所である。
勇者、戦士、僧侶の三人は安堵の色を隠せなかった。
それが悲劇の始まりだとは知らずに・・・。
618勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:09:17.02 ID:Y30NV5gc
両手を鎖でつながれたまま三人は魔界の高度な術により、一瞬にしてゴブリンの里へとワープさせられた。
久しぶりに訪れたゴブリンの里はまったく変わっていない。
間抜けな顔をさらしながらゴブリン共がうろついている。
勇者「(いい?この護衛がいなくなったら鎖を引きちぎってすぐに逃げるわよ)」
二人もコクリとうなずく。
その瞬間、おぞましい気配に包まれた。
ゴブリン達がぎゃあぎゃあと声を上げる。
直後、三人の頭に重低音のような声が響き渡った。
「おろかな人間共よ、その場所に来た理由がまだわからぬか。
 その小鬼は今日から貴様らの主となる。たっぷり可愛がってもらうがよい。
 言い忘れておったがその場所には結界が張ってある。魔法はもちろん、常人ほどの力も出すことはできまい。
 せいぜいもがき、苦しむが良い!」
紛れもない魔王の声であった。勇者は悔しさのあまり顔をゆがめた。もう少し、もう少しであの
魔王に手の届く位置にさっきまでいたのに!
魔王の言葉どおり身体に力が入らない。まるでレベルが1に戻ったようだった。
三人は鎖でつながれたまま、ゴブリンの里に置き去りにされてしまった。
気のせいか、ゴブリン達の低い笑い声が聴こえて来るような気がした。

護衛が去り、しばらくすると代表者のような、少し貫禄のあるゴブリンがやってきた。
「これはこれは、ようこそ我らの里へ。とは言っても、ほとんどのモノはアンタ達を歓迎などしとらんよ。
 アンタ達、何年か前にこの里で大量のゴブリンを虐殺しなすった。友人や家族を殺された悲しみは
 我々とて同じ。アンタらにとっちゃ虫けら同然かもしれんが、我々の恨みは消えることはない。
 魔王様からのお達しじゃ。簡単に死なせはしないよ」
里のゴブリン達がげっひゃげっひゃと歓声を上げた。
「魔王様もシャレたことをお考えになる。ゲヒャヒャ!最高の褒美じゃないか!
 最底辺のわしらが勇者の上に立つとはなぁ!皆の衆!」
そういうとゴブリン達は拳を天に突き出し、声を上げた。節くれ立った下半身も呼応するかのように雄々しくそり立つ。
勇者達は初めて自分達の立場を理解した。
619勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:11:12.90 ID:Y30NV5gc
こうして三人は三日三晩犯され続けた。穴という穴に肉棒を突っ込まれ、いたるところから血が流れた。
僧侶は犯されながらずっと祈りを捧げた。戦士は必死に声を出さぬよう耐えた。
勇者は悔しさに涙をにじませた。それでも三人とも、自分を見失うこと無く、耐え忍んだ。
痛みから何度も気を失い、痛みによりまた意識を取り戻し、再び襲う痛みに気を失い・・・その連続だった。
股間がさけ、尻の肉はめくれ上がり、赤く腫れ上がっていた。
戦士は抵抗しようとして、顔を何度もぶたれたせいで顔中が腫れ上がった。
僧侶は前歯をへし折られ、うまくしゃべることもできない。
しかし三人は声をかけ合い、希望だけは忘れぬようにした。時折、旅の途中の楽しかった出来事を話して、
自分を見失わないようにした。そうすることで明日の絶望も乗り越えられると信じていた。
毎晩一回だけ用意される夕食は、ゴブリンが食べるものと同じもののようだった。
異臭を放つ、残飯のようなものだった。それでも生き延びるためには口に入れるしかない。
三人は何度も吐きそうになりながらも、無理矢理胃に押し込むのだった。
620勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:12:26.91 ID:Y30NV5gc
こうして一週間が過ぎようとしていた。僧侶の様子がおかしい。顔が段々土気色になり、口数が減って来たのだ。
「僧侶ちゃん、どうしたの?具合、悪いの?」
「いえ!そんなことはないです。ただ・・・」
「ただ?」
「いえ、なんでもありません。それより、明日も早いでしょうから、早く休みましょう」
次の日、ゴブリン達の性処理の時間。僧侶の反応が明らかに違っていた。
「かっ!神よ!あっ!んんっ!!このこえがきっきこえ・・・まっ!・・・あっ!んっ!
 あっ!きっきもちいっ!あっあっあああっっ!!」
「(僧侶ちゃん、まさか、感じてる・・・?!)」
「あっ!!やだっ!あっあっあっっあっっっ!!!らめぇ!!!いやあああっっ!!」
昨日までとは明らかにちがう悲鳴に困惑する勇者と戦士。
「あっあっあっああああ出ちゃうぅぅ、出ちゃうっあああああああ!!!」
そういって僧侶は血で赤く染まった潮を大量に吹き出した。
「あああああああ、ゆ、るしてぇ・・・」
そう言うと、僧侶はぐったりしたまま眠りに落ちてしまった。
それを見届けるとゴブリンもそれ以上は僧侶を犯そうとはせず、おとなしく帰って行ってしまった。

夜、僧侶は、ガツガツと夕食を食べ漁った。
いつもの上品な食べ方とはまるで違う、まるで本能的に食料を求めるように。
「僧侶ちゃん変だよ!やっぱり」
「(クッチャクッチャ、ズルズル)だって、おいしくて、ハァハァ、止まらないんです!」
「そんなわけないよ!いつもはあんなに嫌がってたのに」
「わかってます!わかってるけど、ダメ、止まらない!」
両手を使わず、犬のように皿に口を突っ込んで食べ漁る様は、まるで獣のようだった。
僧侶が食べ終わる頃、それを見計らったようにゴブリンはおかわりを持って来た。
僧侶はおかわりを持って来たゴブリンの首に両手を回して自分からキスをした。どうやら昼間僧侶の相手をした
ゴブリンと同じゴブリンのようだった。
僧侶は二人が見る前でも気にする様子も無く、ねっとりと舌をからませ、醜いゴブリンと激しくキスをする。
紫色の長い舌とピンク色のかわいい舌が絡み合う。唾液の固まりを落としながらくちゅくちゅと音を鳴らす。
勇者がふと横目で見ると、戦士も口を半開きにし、股間をムズムズさせているようだった。
「(二人ともおかしい!なんとかしないと!)」
長いキスが終わり、ゴブリンが名残惜しそうにその場を去ると、僧侶は再び皿に口を突っ込んで食事を続けたのだった。
621勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:13:19.60 ID:Y30NV5gc
「あっあっいい!あっあっあっもっともっともっともっと!!!」
僧侶の顔色はどんどん悪くなって行き、目つきも以前とは違う、ギラギラしたものになっていった。
かわいらしいピンク色の舌は徐々に変色し、ゴブリンと絡める舌は更に動きを増して行った。
股間がまるで別の生き物のようにぴくんぴくんと活発に動くようになり、ゴブリンの肉棒から精液を搾り取る。
いつしか祈りの言葉も口にしなくなった。
「んんっっ!!はぁ、はぁ。えっ?うん、気持ちよかったよ?」
「えっ?ほんとに?褒めてくれるの?ありがとう、ひゃっ、ひゃっ!」
どうやらゴブリンの言葉も理解し始めたらしく、たまに会話してるようだった。
「僧侶ちゃん!やばいよ!目を覚ましてよ!」
「勇者・・・さん??あれっ?誰だっけ?私、あれ??なんだか、あたまが、かんがえられない?あれ?
 まぁいいや、ひゃひゃひゃ!」
以前とは全く違う笑い声を上げる口には、前歯がいつの間にか生え揃っていた。
以前の真っ白で小さなものとは違い、鋭くとがったいびつな前歯が。

13日後、僧侶はすっかり変わってしまった。
性処理という立場には変わりないが、身体がすっかり人間とは別物の「悦び」を覚えてしまっていた。
「ゲヒャ!ゲヒャ!ゲッヒャ!キモチイイ!キモチイイ!!アッ!オウ!イグ!イグううぅぅぅ!!」
かわいい声はそのままに、どんどん下品な言葉が漏れて来る。それが聴こえるたび、勇者はたえられなかった。
容姿はそこまで変化はしていないものの、女性とは思えないような不潔感に満ちあふれていた。
旅の途中でも身だしなみに人一倍気を遣っていた僧侶だったが、今となっては一切気にならないようだった。
以前とは全く違う体臭と黒く染まった歯、いや牙といった方が正しいだろうか。
体中にハエがたかるも、僧侶は全く気にする気配がなかった。
黒く染まった長い爪は、時折相手をするゴブリンの皮膚に傷を作る。
透き通るような白い肌は汚れで真っ黒に染まり、体中のあちこちにシミを作っていた。
最近では勇者の言葉も届かなくなり、時折ギラギラした目で勇者の方を凝視してくる。
その度に勇者の頭にイヤな考えがよぎるのだった。
622勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:14:59.21 ID:Y30NV5gc
15日後、夜、眠りに落ちようとする勇者のもとに僧侶がふらふらと近寄って来た。
「僧侶、ちゃん?」
「ハァ、ハァー」
「僧侶ちゃん、どうしたの?」
「カラダが熱くて・・・苦しくて眠れないの・・・」
「大丈夫?どこか痛いの?」
「うん・・・とっても痛いの、新しく生まれた、ワタシの分身が・・・」
そういうと鋭い爪で勇者の頬を引き裂いた。
「痛っ!!」
「ゴメンね!ゴメンねユウシャさん!」
僧侶の股の間からは、今まで見たことも無いような巨大な肉棒が雄々しくそり立っていた。
「やだっ助けて!!」
「ハァ!ハァ!!ゆるして!」
僧侶は強引に勇者の股を開こうとする。その力は人間のものとは思えないほどの怪力で
勇者の身体は簡単に思い通りになってしまう。僧侶の爪が勇者の太ももに食い込んで血がにじんだ。
「ハァハァ、はやく、はやく!」
「いやっ僧侶ちゃん!お願いやめて!!」
僧侶の分身は強引に勇者の秘所に、ずぶりと滑り込んだ。
「いったっああああい!!きゃあああああああ!!!」
「アアアアア!!あああイイ!!イイよおおお!!」
「いやああああ!!やめてえ!!痛いよお!!」
僧侶はおかまいなしに快楽だけを求めて腰をずんずん突き動かす。
その辺のゴブリンとは比べ物にならないくらいの怪力に、勇者はなす術もなかった。
「アアっでる!!なにかがでちゃうう!!でちゃううああああああ!!!」
「やめて!!お願い!!やめっっっ」
勇者の膣内に大量の熱い液体が放たれる。接合部分からは白い湯気が立ち上っていた。
623勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:15:43.30 ID:Y30NV5gc
「うっううう、やめてって、言ったのにぃ・・・ううううう・・・」
「ハァ、ハァ、ハァー、ヒモヒイイ、ヒモヒイイよぉ、ナニコレ、さいっこう!!ウフフフフ!」
そう言うと僧侶は勇者にディープキスをした。生臭い舌が勇者の口内を蹂躙する。
「んっ!!っぷっ!!ちょっやめっ!」
「ーチュルルルルル、じゅぱっ、じゅぱっ、はぁ、ハァン!」
「んっ!!ちょっ僧侶ちゃん!目をさまして!!どうしてこんな・・・!」
僧侶は勇者の顔を引き離し、長い舌をシュルシュルと引っ込めた。
「今は頭がはっきりしてるから教えてあげる。勇者さん、もうじきワタシはワタシじゃなくなる。
 ううん、もうなってるのかも。でも生まれ変わるってとってもいい気分。
 もう昔の自分が正しかったのか、今の自分が正しいのか、わかんなくなっちゃった。
 でもこれだけはわかるの、この気分を勇者さんにもわかってほしい、仲間が欲しいのよ!
 だから勇者さんもいっしょになろ?ワタシたちナカマデショ?
 ズットイッショダヨネ!?ゲヒャヒャ!!アアっマタ、タッテキタ!」
「僧侶ちゃん、嘘でしょ、もうやめて?お願い!!」
「ウルセエ、サッサト、マタ、ヒラケ・・・」
「いや、来ないでええええ!!!」
僧侶が再び勇者に手を伸ばそうとした瞬間、突然後ろから何かが僧侶の身体を突き飛ばした。
戦士だった。
「勇者、いまのうちに逃げろ!」
「戦士ちゃん!」
「私の身体ももう長くない、お前だけでも逃げてくれ!村の裏に隠し通路があるだろ!
 あそこなら夜の警備も手薄なはずだ!」
「でも、戦士ちゃんが・・・」
「私もじきにコイツと同じになる、無事に逃げられたら、ここも焼き払ってくれ、頼んだぞ。さあ行け!」
勇者が数メートル走った所で、戦士の叫び声が響き渡った。
あふれる涙をこらえながら、勇者は監禁されていた小屋をあとにした。
624勇者の帰還:2012/04/03(火) 07:16:42.62 ID:Y30NV5gc
はぁはぁ、長かった。
もうすぐ、旅立ちの町まで、もうすぐだわ・・・・。
ああ、水、水が飲みたい。お腹空いた。
ゴブリンの里から町がこんなに遠いなんて、思わなかった。
はぁはぁ、やっと、町の門が見えて来た。
助かった、やっと、戦士ちゃんの、おかげ・・・。
幸い、魔物も襲ってこなかったし、ああ、門番だわ、見覚えのある、
これなら、すぐわかってもらえるはず。
はぁはぁ、門番もこっちに気づいたみたい、はぁはぁ、た・・・
「助けて・・・」
「!?」
「た、助け・・」
「魔物だー!!魔物が襲って来たぞー!!」
????なにを言っているの?どこにも魔物なんていないじゃない?
「この化け物め!!町には一歩たりとも入らせんぞ!」
????私に言ってるの?私のことがわからないの?
「私よ、覚えてないの、勇者よ」
「何をわめいているこの化け物め!皆が来るまで俺が相手してやる!」
「違う、私よ、ねえ、ちゃんと見てよ!」
「うおおおおっ!」
「やめて!」
ジャキン!
・・・・あれ、わたし、いま、素手で太刀を、受け止めた?
「こ、こいつ、かなりの強者だな・・・!このっ!!」
・・・剣の振りが、スローに見える、なにこれ、ふざけてるの?
パキン!
折れちゃった、簡単に・・・。ていうか、これ、私の・・・手?
そんな、そんなわけない!!
「ひいいい!!助けてくれええええ!誰かー!!誰かきてくれーーー!!」
やめて!大声出さないで!!
ズシャ!!
「うあああああああっ!!!だれ・・・か・・・」
嘘、ちょっと止めようとしただけなのに、そんなつもりじゃなかったのに・・・。
この爪、この手、私、どうなってるの!?
そうだ、町に中心に噴水が。水面を見ればきっと。
「いたぞ!あそこだー!!」
ちょっと、邪魔しないで、私は自分の姿が見たいだけなの。
ザシュ!!ズシャ!!グチャッ!!
はぁ、はぁ、ごめんなさい、でもやっと、自分の姿が、見れる、
私、ニンゲン・・・ダヨネ?

その後、勇者を生んだことで有名な一つの町が消えた。
原因は一匹の魔物の襲来によるものだったという。
周辺には強力な魔物はいないはずだったのだが、果たしてどこからやってきたのか。
今ではその町の周辺は強力な魔物が巣食う地として有名である。
魔王の勢力は未だ衰えることを知らない・・・。

END
625名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 07:18:33.21 ID:Y30NV5gc
メルモの流れぶった切って投下しちゃいました、スミマセン・・・
626名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 07:48:52.34 ID:7cx1jmhy
>>609
ついに犬に「戻った」メルモ…この時点で完全に犬の心になっているのがわかります。
今の時点ではキャンディを取りに戻ろうとしてもいますけどそのせいで…
そう言う経験とかつての流れがメルモを完全な犬としての生に導く、そのドラマが何か気になります。

>>625
これもダークさがなかなか濃いですね。
「価値観は立場で変わる」「英雄は別の見方では殺戮者」と言う半ばテンプレなフレーズでもないですけどそれに対する恐るべき報い…
しかし、魔王の勢力とその価値観も不変でもなくと色々難しい理屈も入り込みそうなのはともかくかなりダークにエロい変化は濃いです。
627名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 11:06:46.61 ID:RhHefNFE
ふむ
628名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 20:14:15.88 ID:lXfOo0mY
>>625
濡れたww これはすごくいいSS! もっと書いてください!
むしろシリーズ化希望しますw
629名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 21:14:36.20 ID:MAAByjLd
>>625
良かった!
具体的なTF描写が無いにもかかわらず凄くそそられた
630名無しさん@ピンキー:2012/04/03(火) 22:08:29.58 ID:krAZbbqq
マタンゴをリスペクトしていていい感じだ。
631犬になった少女:2012/04/05(木) 04:07:55.84 ID:TSlxCzWG
「犬になった少女9」
 メルモはキャンディーによって動物に変身するのが大好きだった。
 本来は人間なのに、様々な動物に変身することによって人とは違う視界、視点、
嗅覚を得てたくさんの冒険をし、不思議な世界を体験できる。そして恋もできる。
 どんな動物に変身してもメルモは魅力のある雌に変身し、雄達を虜にした。
 無人島でウサギに変身した時は雄ウサギに子供を作ろうと迫られたし、子犬の
ビリケンを大人の犬にしてあげた時も、彼に求愛された。鹿に変身した時は牡鹿
と恋に落ち、熱いキスをして牡鹿のハーレムに取り込まれた。交尾寸前までいった
ところで人間に戻ったが、もし結ばれていたらどんな結果になったか分からない。
 結果的に雄たちと甘い関係になったとはいえ、メルモが動物に変身した理由は
善意であり、好奇心である。決してよこしまな理由ではなかった。しかし、ミラクル
キャンディーを与えた天国の神々は、動物に変身し続けるメルモを苦々しく思って
いた。人間としての意識を持ったまま動物に変身するメルモは、彼らを見下し、雄達
の心をもてあそんでいる。そう見ていたのだ。事実、動物の神達から抗議もきていた。
 とくに鹿の神達はメルモを鹿として生まれ変わらせてほしいと懇願し、さもなくば
二度と鹿には変身させないでくれと訴えてきた。神々は夢を通じてメルモに警告を
与えた。けれども動物に変身して得られる快感を忘れられないメルモは、動物への
変身をし続けた。神々は彼女に罰を与えることに決めた。
 インチキな魔術師をびっくりさせようと、彼の舞台に立たされたメルモはキャンディ
でウサギや鳩に変身し、彼と観客をびっくりさせた。動物に変身できる魔法を手に
入れたい魔術師は、メルモの最愛の弟、赤ん坊のタッチこと太刀男を誘拐し、メルモに
「魔法」を渡すよう要求した。
 警察に通報するか、タッチを取り返すにしても人間の姿で、変身するにしても大人に
なればいいのにメルモは何故か犬に変身し、魔術師の芝居小屋へと駆け付けた。魔術
師の罠にかかったものの、メルモの放つフェロモンに惑わされた彼の飼い犬によって
救われ、メルモはタッチを取り戻した。そして家に戻ったメルモは・・・・

 赤毛の愛くるしいコッカスパニエルとプードルのハーフの雌犬に変身したメルモは
姿見の前でミラクルキャンディーの瓶の蓋を口で開け、畳の上にキャンディーを転が
した。色覚が弱い犬の視界でも赤と青の区別は何とかつくし、嗅覚でその違いも分か
る。犬のメルモは赤い方を牙で削って一かけらにし、青い方一粒と一緒に口に入れて
噛み砕いた。甘い味が口に広がった。光が彼女を包み、人間への変身をするはずだった。
「クウウウウウウウン!」
 不安げな雌犬の声が部屋に響く。何も起こらなかった。愛らしい赤毛の雌犬はその
姿を変えなかった。そんなはずはないともう一度メルモはキャンディーを口に入れるも
やはり何も起こらない。メルモは夢の中での神様の警告を思い出した。あれは夢では
なかったのだ。
(おまえは一生、その姿で生きて行くのだ。もう二度と人間に戻ることはできない。)
 荘厳な声が雌犬の頭に響いた。
(そんな、あれはゆめではなかったんだわ。もうにどとトトオちゃんや、タッチを
だいたり、あそんだりすることはできないんだわ。)
 鏡に映る自分の姿は、可愛らしいが無力な雌犬だ。クーンクーーンと悲しい声が
口から洩れる。
(ママ、ママ、たすけて!わたし、いやよ、にんげんにもどれないなんて、いやよ!)
 メルモは部屋の中をオロオロ駆け回る。二人の弟が不安げに今や犬になり果てた姉を
見つめる。畳の上で無意識に放尿するメルモ。早くも赤い体毛が抜け落ちていた。
「キャイイイイイン!ワオオオオオオン!」
 甲高い雌犬の声が響いた。その時からメルモの犬としての生活が始まった。

632犬になった少女:2012/04/05(木) 05:07:55.87 ID:TSlxCzWG
「犬になった少女10」
 カーテンの隙間から差し込む朝陽に気がついたメルモは目を覚まし、起き上がった。
勿論四つん這いである。一瞬違和感を持った元少女。そう、彼女は犬に変身し、人間に
戻れなくなったのだ。
(やっぱりゆめじゃなかったんだわ。)
 赤ん坊のタッチの泣き声が聞こえた。どんな姿であろうと姉であるメルモは弟達
を世話しなければならない。例えその姿が犬であろうと。

 夕陽の街を、愛くるしい雌犬が買い物籠を咥えて歩いていた。籠の中には大根、
白菜、味噌、コロッケなどが入っていた。犬となったメルモは買いたい商品を
口で咥えた鉛筆でメモをし、財布を籠にいれて近所の商店街に買い物に行った
のだ。
 最近出来た食品ス―パーには入れなかった。
「こらこら、うちは犬は入れないよ!」
 とスーパーの店長に追い払われたメルモ。幸い、昔からある八百屋、肉屋、
食品店は賢い犬の買い物を歓迎してくれた。商店街では偉い犬だねえと褒められ、
撫でられたメルモ。悪い気はしなかったが、家に近づくつれ、空しくなった。
 大人も子供も、毛並みの良い首輪をしていない雌犬が買い物籠をもって歩く
姿を不審に思い、奇異の目で見つめた。犬の視界には人間の膝から下しか入らない
から、彼らの視線は分からなかった。
(わたしがしっかりしないと、いぬになってもできるかぎりのことはしないと。
トトオやタッチがかわいそうだわ。)
 もう少しで家に着くと言う時、メルモの前に荒々しい雄犬五匹が立ちはだかった。
彼らはメルモが咥える買い物籠の中の野菜やコロッケの匂いに惹かれていた。野犬たちは
無力な雌犬に襲い掛かり、籠の中の食物を食べ始めた。メルモは籠を口から離し、道の
端に立って震えるしかなかった。
(ひどい、ひどいわ。わたしがなにをしたっていうのよ!)
 空腹を満たした野犬たちは、甘いフェロモンを放ち始めていたメルモを見た。肉体
年齢は二歳位のメルモは、人間で言えば20歳から24歳くらいの大人の女だ。種族
保護本能により、彼女の意思に関係なく膣からは甘いフェロモンが出ていたのだ。
 イヤらしい視線とよだれを垂らしながら雄たちがメルモに迫る。
「ククウウウ!クーーーーーン!」
 不安げな甲高い声が、雄達の性欲をさらにそそった。
(な、なんなのよ、いやだわ、いやよ!)
 メルモは買い物籠のことなど忘れて逃げ始めた。家とは反対の方角だった。
633犬になった少女:2012/04/05(木) 05:09:59.71 ID:TSlxCzWG
「犬なった少女11」
 街を流れる川、その河原に逃げ込んだメルモ。逃げ場はなく追い込まれつつあった。
雄たちの慰め物となるのは時間の問題だった。
「キャンキャン!キャイン!」
 恐怖から甲高く鳴くメルモ。心のどこかに雄たちと交わるのを求める雌犬の気持が
芽生え始めていた。
(そ、そんなのいやだわ。わたしはにんげんなのよ!)
 五匹の野犬はジリジリと赤毛の雌犬を追い込んでいく。とその時だった。
「ワオオオオオオオン!オンオン!」
 雄叫びが聞こえたと思うと、灰色の柴犬が土手を駆けおりてきた。彼は野犬の一匹に
体当たりをし、もう一匹の胴に噛みついた。メルモが良く知っている雄犬だった。
(ビリケンだわ。どうしてここに?)
 彼はメルモがキャンディーによって成獣にしてやった子犬のビリケンだった。子犬
に戻ることを拒否した彼は、メルモに求愛し、彼女もその気になりかけた。保健所に
捕まった犬のメルモを、ビリケンは救いだし、一緒に街を出ようと誘ったのだが、
本来人間であるメルモはそれを断った。ビリケンは旅に出た。もう二度と会うことは
ないと思っていたのに。
 あっと言う間に五匹の野犬をやっつけたビリケン。雄犬たちはビリケンに服従の
姿勢を取った。あっちへ行けと命令したビリケンは、あっけにとられるメルモに
寄ってきて、震える華奢な身体を口と鼻でなでた。
「クウウウウウン!」
 甘い声が星の瞬き始めた河原に響く。
「だいじょうぶかい。あぶないところだったな。」
「ありがとうビリケン。でも、どうして?たびにでたんじゃなかったの?」
「ああ、だがな、おまえのことがわすれられなかったのさ。」
「ほ、ほんとう?わたしのこと、おぼえてくれていたの?」
 ビリケンはメルモの垂れた右耳を撫でた。そこは犬になった彼女が最も感じやす
いスポットのひとつだ。自分を覚えていてくれことが嬉しかったメルモ。
「キャイン!」
 思わず歓声を上げる雌犬のメルモ。
「ああ、いろんなところへいったがな、おまえほどかわいらしいメスはいなかったぜ。
あんしんしな!おれはおまえをまもる!まえにやくそくしたろ!これからはずっと
いっしょだ。ここはおれのなわばりだ。おれのなわばりは、おまえのものだ。にひき
でここをもりたてようぜ。」
 ミラクルキャンディで変身したメルモは、愛くるしい身体を得て、人間の精神が
ブレンドされた魅惑的なフェロモンを放っていた。彼女は世界でただ一匹の人間が
変身した雌犬だ。代わりの雌などいるはずがなかった。
 ビリケンはつづけてメルモの左右の前足を撫でる。気持ちのよさにされるがままの
赤毛の雌犬は甘い声を出し続け、もっと撫でてと懇願した。
「そしておまえはおれのこどもをうむんだ。おまえにメスとしてのしあわせをあじあわ
せてやるよ!」
 そんなビリケンのことばにメルモは彼と一緒に子犬を育てる犬としての未来の自分
を夢想する。
(わたしはにんげんよ。にんげんにもどりたい!でも、すぐでなくていい!しばらくは
このままでいいかも。)
 二匹の犬は互いに見つめ合った後、星の光に照らされながら熱い口づけをかわした。
634犬になった少女の作者:2012/04/05(木) 05:18:43.97 ID:TSlxCzWG
学校に侵入したビリケンら野犬達。彼らに「救われた」犬のメルモは
ビリケンと過ごした日々、犬に変身したまま戻れなくなった十日間を
回想しています。
メルモが人間が変身した姿とは思わないビリケンは彼女を愛し、守る決意
をします。そんな彼の愛にメルモの心は揺れ動いていきます。
最終的に彼女が犬としての人生、いや犬生を選ぶのか、人間としての生活を
守るのか、今の時点では未定です。
635名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 13:38:34.00 ID:u4jloiaS
>>634
いいかげんスレ占有やめろ
ワンパターンだしジャマ
636名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 19:08:08.47 ID:KnjH6RUi
私は、>>634さんがいなくなったら、
また過疎化する一方だと思いますが、皆さんどう思いますか?
タイトルを含むコテハンで投稿して下さっているようですし、
他の方が同時に作品投稿や雑談をしても混ざらないと思いますよ。
事実、>>625さんによる投稿もありましたし、
通読して全く問題ないスレ状況にあると感じております。
637名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 21:23:08.93 ID:hmEh3tkY
>>636
いや問題ありだろこれは・・・グダグダ連載スレ占拠とかさ
いちいちあとがきぽいのも臭い、ブログでやるべき
638名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 21:31:22.25 ID:9477HiPR
他の作品の投稿は作者も住人も問題ないと見なしているのだからスレ占拠とは言えないでしょう。
合わなければスルーすればいいだけで(名前欄にタイトルいれているので、
NGワード設定もすぐできます)、
それはこういうジャンルではごく当たり前のことだと思います
639名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 21:49:09.65 ID:tS7mXR6S
長いのは別に良いけど、
>>634
>今の時点では未定です。
とか即興で作ってるっぽいのがちょっとなぁ
鹿の時からだけど、「誰かが指摘しないと永遠に続くんじゃないの」っていう恐れがある
せめてある程度の区切りまで書き溜めてから投下したほうが良いのでは
640名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 22:01:59.82 ID:PGwrSDPx
邪魔だとかいうレスが頻繁につく時点で問題ありなんじゃないの
ルールを守ってるのは確かだが、コレ以上続けてもどうせまた叩かれる
ブログでやれっていうのは、邪魔だからという理由だけじゃない
作者や読者にとっても平和に続行できるだろうと思うからだ
641名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 22:51:04.03 ID:I+/7kH3c
>>636
>事実、>>625さんによる投稿もありましたし、

その>>625さんも投稿する際に申し訳なさそうに断りを入れなければならなかった訳ですし
642名無しさん@ピンキー:2012/04/06(金) 23:08:08.29 ID:hmEh3tkY
なんだよね
メルモの人がいるから雰囲気が閉じてる
>>640の提案がナイスだ
643名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 00:06:38.86 ID:qEpyaCVR
雰囲気閉じてるって…
他のスレならそういう場合は自分で作品書いて新しい雰囲気の風を入れて押し流すもんだけどね
644名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 00:31:57.93 ID:LXHDKKst
そのせっかくの新しい雰囲気の風が一日ごとに塗りつぶされていくからな
>>639の怖れがあるから、「押し流す」=「ダラダラ更新を止める」にしかならないわけだが
645名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 05:26:03.74 ID:QOWPB4XG
エロパロってストーリー投稿する板じゃないの?
雑談に興じる方が場違いでは
646名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 10:31:37.14 ID:gOJsEFrc
投稿がとまったとたんに、誰も書き込まなくなるようなスレなんだから
何書き込もうとどうでもいいじゃん。
占有されるのが気に入らないなら、負けないように自分もどんどん書き込めばいいんだよ。
647名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 11:37:06.63 ID:aMKNIDxc
気にくわないものを、ただ何かと理由付けて排斥したがってるようにしか見えん。
雰囲気で言うなら、上げられてる小説をバッシングする雰囲気の方がよっぽど悪いと思うけど。
648名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 12:20:14.01 ID:Q0FdH87Q
出来上がってから一気に投下するかブログに上げてリンク貼るかしてくれたらそんなに叩かないよ
649名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 12:49:53.45 ID:xEyJambB
そう言うこといってるから、色んなスレで作者がpixivやらに流れてしまうんだろうが…。
650名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 13:58:27.75 ID:PncU2Oam
すまない、メルモ全部読んでるやつ以外帰ってくれないか
651名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 14:05:51.31 ID:INd/delJ
全部読むのもだれるくらいつまらんしだらだら続けてんのが問題なんだろ
652名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 19:41:33.63 ID:o0htdyhQ
一スレ目のベルゼブブの娘も不定期連載だったが文句など出なかったはず。
653名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 19:42:06.86 ID:66v5T3tU
好みでない作品読むのを強いられてるんだ!されてるわけじゃないしスルーすればいいだろ
視界のすみにチラッと映るだけでも嫌だとか?
何様だよお客様かよ。作者やスレに金でも払ってんのかよ
654名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 20:11:47.83 ID:bGcD1SNH
なんというか一応このスレに該当するんだろうけどコレジャナイ感がするものを延々と見せつけられてる的なそういう感じに個人的には思いますね。
某強制女体化スレも同じ様な流れになったし同じ様な人なんだろうなぁと言う感じですが

なのでコテハン付けてくれればまだコテハンでNG出来るけどただ物語のほうでNGワードだと新しい物語出されたときに対応するのでめんどくさいしそこらへんをどうにかして欲しいかなと思います
655名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 20:21:30.97 ID:+1eRmyFn
>>652
一スレ目時代からご存じなのですか! 頭が下がります。
ログを読めないので、詳しく知らないのですが、
「ベルゼブブの娘」もかなり長編だったのでしょうか。
文句の出ない完成度だとしたら、気になりますね。

>>634
>今の時点では未定です。

この作者さんの書き方について私は
「読者が展開を提案することを受け入れられる」
という作者さんの姿勢を示しているのではないかと思っています。
(作者さん、それで正しいでしょうか?)
匿名読者の反応や議論を見ながら丁寧に物語を紡いでいく。
それも一つの作品を高める手法ではないでしょうか。
ブログではやりづらい手法ですよね。
656名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 20:27:48.56 ID:sfF8e5PI
お前が下にスクロールすればいいだけの話だろ
657名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 20:52:35.29 ID:aIwERK7/
>>655
一スレ目から前スレまで、>>1の過去ログ倉庫に入っていて読めるけど?
658名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 21:26:24.28 ID:twJzN80L
いやもう「終わりが見えない」ってのが全てなの
例えば前作とか批判が無ければ今でも続いてるんじゃないの?

逆に訊きますけどね
作者の気分しだいで二年とか三年とか続けられても良いの?
659牝鹿、雌犬になった少女の作者です:2012/04/07(土) 22:49:11.46 ID:JTFwkmZZ
作者です
えらいスレが伸びているなぁと思ったら・・・・
私が書きこんだらさらに荒れるかもしれませんが逃げている、と思われるのもシャク
なんで。
皆さんに不快な思いをさせ申し訳なく思っています。他の方が投下出来ない空気を
作ってしまいましたね。投稿は当分自粛します、と書いてもいいのですが、>>635
さん以降の書き込みを見る限り賛否半々、僅かに支持してくれている書き込みが多い
ように思います。また、私以外にも投稿された方が現れて歓迎していました。決して
スレを占有しているつもりはありません。
ある程度書き溜めてから投稿を、という声もありますが、私自身、感想を励みにし、
>>655さんのおっしゃる通り、「読者の展開の提案」を受け入れ、参考にして物語を
進めていこうと思っていました。自分のブログでと言う声もありましたが、今の
ところ、そのつもりはありません。
 「今の時点では未定です」、に対しても批判がありましたが、物語の進行如何で動物の
姿で終わるのか、人間に戻るのか、先行きを決めたいと思っていました。
 数年前から書き溜めていた物を、アレンジして投稿したら予想以上に反響がありま
した。元々自分で楽しむつもりで書いていた物なのでマンネリ、とかワンパターンと
かの意見も最もだと思います。支持していただける書き込み、感想があるのなら今後も
投稿を続けたいと思います。不支持の声があまりに多くなったら、その時は投稿はや
めます。自分一人で楽しみます。
「終わりが見えない」のが全てだ、という書き込みもありました。ニ、三年、ということは
ないですが、確かに今も続いていたかもしれません。批判の声を真摯に受け止め、ダラ
ダラした展開をしないよう心掛けようと思います。続けるにしても、第一部、第二部
といったように区切りをつけた方がいいかもしれませんね。
 重ねがさねになりますが、スレを占有するつもりはありません。他の方の投稿も
楽しみにしています。お互いに切磋琢磨していけたら、と思います。この書き込み
への批判も承知の上で、投下します。
660名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 22:58:29.94 ID:eNRpOgbQ
>>654の人が言ってるみたいにこのスレの住人はどちらかというと強制変身好きの人が多いんじゃないかな
過去に投下されたSSもほとんど強制変身ものだし、それらに関しては荒れなかったし
だからと言って他に該当するスレがあるかと言われたら疑問だが
661名無しさん@ピンキー:2012/04/07(土) 23:41:04.24 ID:bGcD1SNH
>>660
あー、やっと胸のもやもやが取れたわ、
なんかコレ違う的な感じがした理由が強制変身か任意変身か、それだ
一応任意変身も該当するだろうからこっちでいいんだろうけどここの中だと主流派ではないっていうのでちょっときつい当り方になっているのかも

>>659
文章書くというか掲示板使う上での小ネタですけど、投下の際に使うレス番号を名前に書いて明示しておくと良いのでは?
後は今回の場合問題なのは数日単位で1話部分を書く感じのスタイルなのが占有に受け取られてしまっている点が大きいと思われますので
犬になった少女1話 2話 みたいな感じで小区切り単位書ききってしまって
もし読者反応をフィードバックさせるとしても次区切りの点にフィードバックさせたら如何でしょうか。
どうも読者反応を重視しすぎる余り逆に数日単位の占有という形を生み出して反感を生んでしまっている感じなので
そこらへんである程度メリハリを付けた方が良いような気がします。
662名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 00:14:27.63 ID:mP9YtpLI
個人的にはどっかにまとめてうpしてほしい気も
663名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 00:35:16.62 ID:3eDu1dLU
荒らし相手に何マジレスして釣られてるんだおまいら…
651みたいに技術的問題点も指摘せずただ「だれる」「つまらん」とか言い出してる時点で荒らし確定だろうに…
スルーしろよ
664名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 01:26:56.49 ID:PQjoTMzo
このスレの>>255>>617と、
あとmaledictさんがまとめサイトに載せて下さった
成瀬留美の変貌、佐織の変貌、マリベルの転職、おにゃのこが悪魔になっちゃう話を
過去に書いた者ですw
最近僧侶堕ちに傾斜してますが、自分はスレの流れに関係なく
書きたくなったら投下しますんでそのときはよろしくどうぞ
あと遅ればせながらmaledict様、恥ずかしいくらい稚拙な文章にも関わらず
まとめて下さってうれしかったです、ありがとうございました
665名無しさん@ピンキー:2012/04/08(日) 01:31:14.27 ID:EYu8GChu
まあ、あえて言うなら、2chは情報提供や雑談が主な目的で
実際に長編の作品を投稿するには、スレ毎に制限容量があるから不向きであることは事実
それに、2chはスレが流れると見れない人が出てくるから
作品を見てほしいなら、専用の作品投稿サイトであるPixiv等に登録して
リンクをこのスレに張ったほうがいいかもね。
666maledict ◆k/fFCPdV8.
>>664
遅れましたが>>617-624GJでした。
鬼畜な展開や僧侶ちゃんの二段階精神変化が興奮できました。
戦士ちゃんみたいな役どころも大好きです(その後ゴブリンに見つかり、
懲罰を兼ねた強制再洗脳を施される様子、などもつい想像してしまいました)
>>630様の言う「マタンゴのラスト」状態の勇者ちゃんの悲劇性もいい感じです。
ちゃんと認識していなかったのですが、前作一覧を見て、
「好きな方向性」が感じられてなるほどと思いました。
個人的には自分も、「完全に獣化してしまう」パターンではなく
「人間の原型をとどめつつ異形化する」パターンばかり書いていて、
その部分にも惹かれます。

サイトの更新は、当スレSSの再録に関しては4スレ目以降完全に放置中で、
心苦しい限りです。せめて、いずれ折を見て、>>664掲載作品を
同一著者の項目へまとめられればと思います。

>>659・メルモ獣化の作者様
精力的な執筆活動と丁寧で着実な文章いつも敬服しています。
ジュブナイルなノリにハードコアなエロシーンというミスマッチ、
メルモの精神が獣性に侵食されていくあたりの「可逆から
(事実上の)不可逆への移行」っぽい感じが素敵だと思います。
実は所々フォローできていない部分もありますが、次の展開に期待です。

掲載方法に関しては、>>661様の指摘はたしかに一理あって、
キリのいい部分で区切りをつけつつの投下は大事かと思います。
1スレ目の「ベルゼブブ…」はストーリーで引きつける話で、
長いとしても「終わりがある」ことがはっきりしていたのに対し、
本作は>>639様のような印象を与えてしまうのかもしれない、とも思います。
同じ1スレでも、物語より雰囲気重視の話(可逆・任意変身話)を
投下していた人物が叩かれていたのは、似た理由からだったのかもしれません
(但し同氏については他の要因もあったのかもしれず、詳しくはわかりませんが)。

強制か任意かとか、獣化の度合い等々は揉める元なので、
書き手としては「合わない人はスルーして下さい」と言うしかない部分で、
この部分は受け手の皆様にもご理解頂ければと思います。

pixivへの移行については、昔はそういう手頃な媒体がなかった、ということで、
移行は自然な流れのような気もします。自分はまた妄想がまとまったら
ここに投下したいと思っていますが、ここには>>665様の指摘する制限もありますし、
ここに投下した時点で著作権に関しては微妙なことになりますが
(投稿の際同意する著作権規定を読む限り、著作権を放棄したようにも解せます。
但しここのような創作投稿板での権利関係が厳密にどうか自分は知りません)、
他方、ブログやpixivならば問題なく「これは私の作品です」と著作権を保持できます。

以上長文すみません。
ところどころ非礼な面や言い過ぎの部分がありましたらご容赦下さい。