どうにか完成したので投下します。悪ノリネタがあったり、勝羽さんの視力が冷静に考えると異常だったり、カオスになりましたが、その辺はあまり気にしないで下さい。
※内村視点は
>>779-783
直前の打者が三振。これにて現在、四回の裏二死。出塁出来なかった直前の打者からバットと謝罪を受け取り、打席に立つ。投手は最早顔芸と呼んで差し支えない表情で私を睨んでいる。まぁ、前の打席で完全試合に水を注したんだから気持ちは分かるけど。
「(どうせなら、あんな風に……とは言わないけど、せめて友好的に見て欲しいわね……)」
そう思い、私は右翼を見る。そこにいる内村さんの表情は運動とはいえ、敵を見るものとは思えない。
一方、相変わらず悪相の投手は投球動作に入った。精密機械を思わせた完全な均整は僅かに、だが確実に乱れていた。そして、指先から白球が離れる。速さは二回の時以上。だがしかし。
「(まるで全然!この私を打ち取るにはコースが甘いんだよね!)」
前回よりも容易く白球を捉えられた。そして、右翼方向へと飛んでいった。
「(アッー……)」
味方ベンチから歓声が上がり、投手が唖然とした顔で膝を付いた。まぁ、そんなことはどうでもいい。
「(ごめん、内村さん……)」
〜〜〜
そして放課後。いつもの様に帰宅……とはならなかった。
「(内村さんが帰宅路から外れた……?)」
偶にあったとはいえ、気にならないと言ったら嘘になる。
「(とにかく尾けてみようぜぇ……)」
〜〜〜
こっそりと尾けて数分、内村さんはゲームセンターへ足を踏み入れた。そして、一台のゲーム機の中に入っていった。
「プリクラ、か……」
そう、内村さんが入ったのは何の変哲も無いプリクラ。左右に抜けられるのは特徴と言えるかは分からない。
「(写し終わったら一緒に撮ろうと誘ってみようかな?)」
でも、理由が無かった。
「(どうしよう……)」
思考の間に撮影が終了した。
「(良し、向こうから出たら撤退、こっちから来たら誘う!)」
覚悟を決め、内村さんがこちらに来るのを待つ。が、来なかった。しかし、向こうから出たわけでもない。
「(連コイン…だと…)」
想定外の行動に軽く脱力。
「(か、仮にも人が待ってるのに……連コインはせめて誰も待って……ん?)」
……良案が浮かんだ。これなら自然にプリクラを撮れそうだ。まず……。
「え」
鋭いことに、脇下に腕を入れた段階で気付いたらしい。でも、遅い。
「ッキャァァァ!?」
予想よりも大きな悲鳴が上がった。だが、無視して鷲掴み……するには些か扁平な胸に両の掌が触れる。温もりと鼓動に普段は意識しない“命”というものを実感させられる。
とはいえ、あまり楽しんでもいられない。
「(お前は次に『離して』という)」
「は、離して!」
そう言って身を捻るが、こちらは既に解放済。
「まったく、全力で悲鳴上げるから驚いたじゃない。でも、一応は謝るわ。ごめん」
戸惑い顔の内村さんだったが、落ち着いたのか、おずおずと口を開いた。
「ど、どうして……」
どうしてここにいるか聞かれると少し困る。だから、先手を取った。
「ん?いや、待ってるのに連コインする不届き者がいたから」
この一言で質問を封殺。そして軽く罪悪感を引き出す。
「ごめん、今すぐ出るね」
来た!遠慮がちな内村さんなら連コインを指摘すれば退こうとするのは読めていた!ここで「一緒に撮ろう」と言っても多分通る。でも、敢えて一手置く。
「いや、お金を入れたのは内村さん。私は後で」
一度、引いて「仕方無い」という体にする為だ。ここで「分かった」と言われると困るが、内村さんの性格を考えるとそれは無い。
「でも、順番……」
身を引く内村さんの腕を掴んで引き寄せ、間合いが縮まって右腕の射程に入ったところで抱き寄せた。
「か、勝羽さん!?一体何を!?」
抱いた内村さんは骨っぽいのに柔らかく感じる不思議な抱き心地。
華奢で、力が掛かったらそれだけで砕けそうなのに、それでも抱きしめたくなる魔性の魅力があった。
「勿体ないし、一緒に撮っちゃおう、ね?」
私はせっかくだから頬摺りすることを選ぶ。すべすべ、もちもち、ぷにぷにの肌は時が許す限り、いや許さなくてもずっと頬摺りしたくなる程気持ち良い。なのに。
「ッ!!」
思い切り顔が遠ざかる。だから仕方無く、そう、あくまで仕方無く、少しばかり強く抱き締め、顔を寄せる。
「そんなに逃げたら顔が切れちゃうわよ。ほら、ポーズを取って」
斯くいう私もポーズを決めよう。股や胸に手をやる……のは魅力的だがまだ早い。抱き付くのも同様か。でも、ピースはありきたり。結局、左手で顔を覆った。大切な点は鼻筋と人差し指を合わせること。
そして、シャッター音が鳴り、画像が表示された。残念なことに顔が離れている。
「あー、顔が離れちゃった。勿体無い」
「か、顔を隠す方が勿体無いと思います……」
どうやら、内村さんは元ネタを知らなかったらしい。
「これは由緒正しいポージング、通称……」
……興味が無かったのか、無視して背景を選考していた。私の好みで選ぶなら夕方の海の背景一択だ。
二人で人の居ない田舎の海で、朝から一緒に遊んで、昼食は一緒に作った料理を分けあって、夜は旅館に一緒の部屋を取って、露天風呂に……。
「(……我ながら妄想乙、ね)」
意識を現実に戻す。テレパスの開眼か、はたまた偶然か、内村さんが選んだ背景は、私が目に止めた背景だった。このままだと見る度に妄想を思い出す、形ある黒歴史となる。……。
「あ、私にも貸して」
ごく自然にタッチペンを奪う。適当な効果で背景を塗り潰してしまおう。効果自体は何でも良かったが、敢えてハートを選択。
「ん〜」
鼻歌を熱唱する間に橙色は大凡桃色に塗り変えられた。
「(……なんか足んねぇよなぁ。せっかくだし、字も……そうだ)と、これも……」
タッチペンの直接入力に設定変更。思い付きを書き込む。
「L、O、V、E、っと。うん、出来た」
下手に弄られる前に印刷。写真字体の出来は残念にすぎたけど、内村さんと二人切りの写真を撮れただけで上出来と言える。そう思い、写真をポケットにしまう。
「良し、我ながら満足な出来」
内村さんの顔を見ると、本日最高の赤面があった。
「そうそう、内村さん、顔真っ赤よ?どうしたの?」
意地悪な問い掛けだ。そうさせたのは私なのに。
「こ、こういうハート模様は……その、愛し合う人どうしで使うものって印象があって……」
「(うっ!?)」
どんな風に恥じらうのか。それを見て楽しむつもりが、返ってきたのは強力なカウンター。逆に私が赤面する。見られたらイメージが一瞬で台無しになる。まずは何をともあれ、顔を逸らす。
「(冷静に、まず深呼吸……!)」
スーハーと深呼吸、新鮮な酸素を取り込む。そして、平静を装って反撃する。
「私だって、同じ認識よ!」
しかし、思ったよりも声が出なかった。そして、場が停滞した。
「(嗚呼、何で言っちゃったの、私!?安全に内村さんに告白して貰うはずが!)」
まず脳に過ったのは後悔。そして次は後悔したことへの後悔。
「(私の気持ちは言って後悔するような軽いもの!?いや、そもそも聞こえていなければ問題は……何で聞こえたら後悔前提!?)」
脳内に残った理性は落ち着け、冷静になれ、と警告している。しかし、分かっても思考のループは止まらない。
「勝羽さん」
全ての思考が一時停止。
「何?」
私は振り返りつつ、全力で笑顔を作る。内村さんは何と答えるのか。
「……また明日」
その微かな間はなんだったのか。
「ええ、また明日」
〜〜〜
自室。漸く冷静に今日を振り返ることが出来た。
憂慮するべきは一つ。それは告白の返答。もし聞こえていたら、どんな答えが返ってくるのか、私には分からない。それでも。
「悪い様にはならない筈……」
私は胸ポケットのプリクラを取り出す。そこには困惑しつつも満更でも無さそうな内村さんが写っていた。
終
一旦書いた奴だから楽だと思ったら甘かった。ちなみに理由はやっつけだからセリフの裏を一から考えなければいけなかったからです。
取り合えず、すぐには続きませんが、ネタが出来た時用に伏線っぽい物を用意したので、忘れた頃に再び書くかもしれません。御目汚し失礼しました。
GJ!続き楽しみにしてる。
「貴女が逝ってしまってから気付いたの、三代ちゃん」
墓の前で一人の老婆がつぶやく。
「私、初めて会った時から貴女のことを愛していたのね。」
こんな感じのばばあ百合を思い付いたけど誰得かな?
流石にエロはキツイ。なければまあ……
>>804 若かりし娘時代の甘酸っぱい思い出を前後どちらかに挟んでくれれば物語的にありだと思う
ふざけてキスした〜とか相手の婚約者に嫉妬した〜とか
しかしエロまでは発展しづらいね…
片方が亡くなった後に告白してる訳だから
何はともあれ完成を楽しみにしてます!
昔ベッドインした事がある、しかし年月プラス当時お酒を飲んでいたせいで記憶が曖昧。
むしろエロ無しのほうがいいかなって思ってる。
なんていうか若い娘たちの初々しさは無いけど精神的な話、心で繋がってたみたいな?
>>802 なぜネタに走ったw
続きいつでも待ってる
俺、775なんだけどさ。
なんて言うか、魔法も、奇跡も、あるんだな
ありがとう、頬の緩みが止まらない
自転車で一、二時間位の夏祭りにネタ探しに行ってきた
やれウゼーだのやれヤベーだの、聞いてて死にたくなった
でも幸せそうな顔でかき氷食ってる二人組の娘を見てそれだけで行って良かったと思った
それにネタも取れた。名も知らぬ娘よ、ネタをありがとう
夏祭りいいねぇ
ちがう味のかき氷を食べさせあってたりすると萌える
くだんちゃん二話をいつまでも待ち続ける
なんか
>>766で他スレ用に書いたものを晒されたような気がするので、リベンジにちょっと書いてみました。
でも紹介してくれたことはとても嬉しいです。
……
>>766が自作品のことじゃなかったら恥ずかしいですが。
今日こそ、ちゃんと言おう。
いつも通り、学校帰りに恵美のお宅にお邪魔する。
いつも通り、お仕事でご多忙なおじさまとおばさまはお留守で、彼女の広いお家に二人きり。
いつも通り、恵美の、いかにも女の子らしい可愛いお部屋に通された。
恵美はカバン、ブレザーをベッドの上に放り投げると、その隣に寝転がった。
私もブレザーを脱ぎ、カバンを下ろすと、それらを椅子の背もたれに掛け、彼女の横に座る。
そして、他愛もない会話に興ずる。
「英語の金子マジムカつくよねー、抜き打ち小テストとか、ありえねーよー」
「ん、そだね」
「あーでも妙子頭いーからなー、気にならねーでしょ」
「そんな事ないよー、やっぱいきなりはやだよー」
「だよねー。あ、そういえばさ、この前すっごく可愛いアクセのお店見つけたんだ」
「それって駅前に新しく出来た?」
「そうそう。なーんだ、妙子ももうチェック済みかぁ」
「ふふふ、今度一緒に行こうね」
「おー」
他にも、最近のドラマやマンガ、流行りの曲、新しい服などの話をする。恵美とのこういう時間は
とても楽しい。それなのに、二人の間にはそこはかとない白々しさが漂っている。
理由は明白だ。
二人とも、この後の流れを――いつも通りの流れを、意識しているのだ。
そしてその内会話が途切れ、二人の間に沈黙が流れた。
誘うのはいつも、恵美からだ。
「……しよっか」
「……うん」
中学の入学式で初めて会った時から私達は意気投合し、以来お互い気のおけない親友として、もう
四年の付き合いになる。最初はもちろん、いたってノーマルな関係、普通の、仲の良い大親友だった。
そんな私達が一線を越えたのは、半年ほど前。高校一年の、終業式の日。
あの日私は、1年想い続けたとある男子に勇気を持って告白した。
周囲曰く、思いつめるタイプの私。その、思いつめた末の告白だった。
恵美も、セッティングや根回しなどして、私の告白を手伝ってくれた。
しかし結果は、玉砕。
そのような、思いつめ、打ち砕かれた女子のご多分に漏れず、言葉もないほど酷く落ち込んだ私を、
恵美が今日のように家に誘い、慰めてくれたのだ。
最初の内こそ、そっと手を握って、ただ泣きじゃくる私の隣に黙って座っていてくれた恵美だった
けれど、いつまでも泣き止まない私に辟易したのだろう、恵美は私の背中を強く抱きしめ、言った。
「もう、妙子の魅力がわかんねー男なんか、忘れちまえ! あんな見る目のないやつの為に、妙子が
泣いてやる必要ねーよ! ったく、あのバカヤロー、こんないい子フりやがって……あたしだったら
ぜってー付き合うっつーのによ!」
恵美は私のことを思って、一生懸命励ましてくれたのだろう。
なのに、その時の私はいじけて、ひねくれたことしか言えなかった。
だから、あの、運命の言葉を口にしてしまったのだ。
「じゃあ何、恵美が付き合ってくれるの!? 恋人になって、私を抱いてくれる!?」
と。
「な……おい、何、言い出すんだよ。そういうことじゃ」
「じゃあどういうことよ! ねえ、どういうこと!? 言えないんでしょう!? その気も無いのに
思わせぶりなこと言わないでよ! それじゃ恵美も、彼と同じだわ!」
「あ、あんな男と一緒にしないでよ……あたしは、あんなヤツとは違う! 妙子をフったりしない!」
「だったら!」
彼女を睨みつけ、低く呻くように続ける。
「だったら、恵美が恋人になってよ。今ここで私を抱いてよ。私を、慰めてよ……っ!」
我ながら無茶苦茶だ。たぶん、意固地になった私は、恵美の困った顔を見たかっただけなのだ。
そんな私を、それでも恵美は受け入れてくれた。
「……妙子はそれでいいの? 本当に、それでいいのね? だったら……今だけ恋人になってあげる」
そして、私の顎を親指と人差し指でくっと持ち上げると、
「いーい? 後悔しない?」
と念を押した。
もう後には引けなかった。
でも、私は、恵美なら構わないと思った。
あんな男より私を理解してくれている、他ならぬ恵美、ならば……。
私は、返事をする代わりに、そっと目を閉じた。
そして私は、大事な大事な、一番の親友を失い、虚しい仮初めの恋人を手に入れたのだ。
今もあの時のように、恵美は私の髪を梳くように頭を抱き寄せ、優しく口付ける。
オードブルのような、軽いキス。キス。キス。
私の唇を啄みながら、恵美は私のタイを解き、そしてブラウスに手を伸ばす。
一つ、一つ、ゆっくりとボタンを外していく。白いブラが、露わになる。
ブラウスの前を全てはだけると、彼女は、私のお腹に抱きつく。そこに唇を這わせる。
ちゅう、ちゅう、ちゅうと、おへその周りにキスマークを付けていく。
そんな彼女の頭を、私はそっと撫でる。
それに応えるように、恵美はおへそに舌を差し込み、くすぐる。そこから胸に向かって、ナメクジ
のようにゆっくりと舐め上がってくる。ブラまで来ると、再び頭を降ろして、もう一度お腹を舐める。
脇腹を舐める。私を裏返し、背中を舐める。優しく優しく味わわれているうちに、私はお腹の奥の方
がじんわりと暖かくなってくるのを感じる。秘密の場所が、次第にいけない期待と欲望で溢れてくる。
そんな私の変化を鋭く見透かした恵美は、「ふふふ」と含み笑いをしながらスカートのホックに手を
掛けた。
そこで、私は我に返る。このまま流されるのは、もうやめにするって、決めたじゃない……!
私は恵美の腕を掴んで、制止した。
「恵美、ま、待って……私……」
「あ、ごめん。もしかして今日、ダメな日だった?」
「ううん、違うの。そうじゃなくて」
「うん、なあに? 体調が悪いんなら……」
恵美の言葉に首を振る私。
こうして、恵美はいつも私のことを気にかけてくれる。
それが温かくて、心地好くて、だからつい、私は彼女に寄り掛かってしまう。
でも、いつまでもそれじゃダメだ。
だから、私は、言った。
「……ねえ、あのさ……こういうこと、もうやめにしない?」
私はいつまでも恵美の重荷でいたくはない。
恵美を、私という呪縛から解き放ちたい。
だからそう言った。
なのに。
恵美は、ひどく痛ましい、苦しげな表情を見せた。
「……そう。……そっか。……妙子がそうしたいなら、そうしよ」
どうして?
どうしてそんな顔をするの?
私は、恵美にそんな顔して欲しくて言ったわけじゃない!
「ごめんね、妙子。今まで付き合わせちゃって」
違う……違うよ。
付き合わせてたのは、私、でしょう?
私の我儘に、恵美を引きずり込んだのよ。
なのに、どうしてそんなことを言うの?
「あはは、なんか、あれだなー。なんつーか、んじゃあ、今日はお開きってことで」
「……ごめん恵美……わ、私、勝手なこと、ばかり、言って……」
「いやいや、妙子はなんも気にすることないって」
「でも」
「いやー、あたしがさ、ちょっと、ん、あれだし、一人になりたいっつーか」
「恵美……」
「ごめんね、また明日、ね。……帰って……お願いだから」
「恵美……ん、わかった。明日、また、ちゃんと話そ」
私は後ろ髪を引かれる思いで、しかしその場の空気にいたたまれなくなり、逃げるように恵美の家
を後にしたのだった。
× × ×
初めて会った時から、妙子はあたしの憧れだった。
妙子は、あたしが欲しがっていたものを全て持っていた。
艶やかな長い髪、白くて滑らかな肌、細い指、落ち着いた物腰。
女らしさ。
気の合う友人として付き合ってる内にも、その想いは日増しに強くなっていき、
一緒にいれば、その内あたしも彼女みたいになれるって、そんな風に考えていた。
あたしの自慢の、一番の大親友。
……でも、これって親友なのかな?
あたしを好きでいてくれる彼女を、あたしは利用してるだけなんじゃない?
そんな葛藤を繰り返している内に、あたしは気付いてしまった。
この気持ちが、もっとおぞましいものだってことに。
そうか……あたし、妙子に欲情してるんだ。
あたしは葛藤から解放され、そして絶望した。
狂おしいほど手に入れたいものがすぐ目の前にあるのに、それは決して手に入らない。
だからといって、その場から去ることもできず、彼女の存在に癒され、同時に傷付けられるという、
気の狂いそうな日々を送ってきた。
だからあの時、妙子がフラれて弱ってる所に、あたしは卑怯にも付け込んだんだ。
「今だけ恋人になってあげる」
そう、彼女に呪いをかけて。
以来あたしは「恋人」として、何度も何度も彼女の体を犯し、心を陵辱し、自分勝手なおぞましい
欲望を満たし続けた。
思い出すだけでも怖気が走る汚らわしさだ。
それでも、その時のあたしは滑稽にも、全てを手に入れた気分だった。
今だけの恋人――。でも「今だけ」をずっと続ければ、その内それは「永遠」になるって、愚かな
あたしは信じていた。
ほんの、ついさっきまで。
ずっと続くものなんて、どこにも無かったのに。
後に残ったのは、親友でも恋人でもなくなった「ただのクラスメイトの妙子」と、
そして名状しがたい苦痛。
喪失感? 後悔? 悲しみ? 苦しみ?
呼び名なんか何でもいい。
あたしにとっては、どれも似たようなものだ。
今はもう、何も考えられない。
妙子を見送った後、あたしは一人、部屋で泣いた。
以上です。
気が向いたら続き書くかもです。
>>813 まさか待っていてくださる方がいらっしゃろうとは…
スイマセン、もう少しお待ちください…
>>820 急かしているようでこちらこそ申し訳ないです
一話が面白かったので楽しみにしてます
823 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/10(金) 09:15:58.68 ID:RNgOuMBa
825 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/11(土) 06:54:08.94 ID:SnquIYmi
え、なに、パクリかよ
◆DYW6d/nzvMの
>>171ネタの方が先(7/18)だからそれはない
もっとも控え室(8/2)の書き込みが別人ならそっちがパクりと言えなくもない
甘えん坊な娘にそっけなくする一方、その実ゾッコンで内心大歓喜なクールっ子どう?
「ねーねークーちゃーん(抱きつく)」
「何?(内心大喜び)」
「今、何考えてるのー?」
「さぁ?(ふぅ、幸せ…)」
みたいな
※ツノっコと猫耳っコの百合です。
※男も登場しますが、男とは絡みません。
※全3話の予定です。
※「第一話 くだんちゃん、失恋!」は
>>537-545 女の子同士の行為に感じてしまうくだんちゃん、
自身も知らなかったその性癖に困惑しながらも
身体はネコさんを求めてしまいます。
そんな時、くだんちゃんの前に現れたのは…
第二話「オオカミさんに気をつけて」
件(くだん)とは人頭牛身または牛頭人身の怪物の事ですが、
この物語の主人公・くだんちゃんは怪物なんかじゃありません。
バラ色の頬、つややかな濡れ髪、くるりとした瞳、
年相応に発達したボディラインの可愛い女の子です。
ちょっぴり小振りの胸を気にしてたりしますし、
小さいお尻は悪くないと密かに自負してたりする普通の女の子です。
でも、くだんちゃんは、苛めという程ではありませんが、
クラスの皆からは少し、少~しだけ浮いた存在。
それはくだんちゃんの頭ににょっきり生えた2本のツノのせい。
周りは可愛いケモ耳が生えたコばかりなのに、どうして私は…
くだんちゃんはいつも思い悩んでばかりいました。
でも。
目下、彼女の悩みは別の所にありました。
「…ネコ、さん」
ある日の夕暮。とある公園の片隅で。
ひとり、くだんちゃんはその人の名を呟きます。
くだんちゃんの目下の悩み、それはクラスメイトのネコさん。
思い起こすのも恥ずかしい、でもすごく気持良かったあの日の出来事。
そう、この場所、こんな時間…
「だ、だめぇ!」
…具体的な描写は主人公が嫌がるので差し控えましょう。
>>542-545をご参照ください。
「や、やだ…恥ずかし…」
なにかにつけあの日の事がつい思い出されてしまい、
そのたびにくだんちゃんはもう、どきどきが止まらなくなるのです。
そのたびに胸が熱くなり、目尻はとろんと憂いを帯び、
あまつさえ股間まで熱く潤ってしまい、下着にシミを付けたりしてしまうのです。
あれ以来、くだんちゃんの脳裏に去来するのはネコさんの事ばかり。
ふと眼を閉じればネコさんの顔が浮かんでしまいます。
「どうして…ネコさんの、事が…頭を離れないの…」
大きなため息。
「女の子同士、なんて…いけない事、なのに…なのに…」
それは明らかに、恋、でした。
お外で、女の子にされて、イヤらしい言葉を言わされて。
いけない、いけないと思いながらもアソコはしとどに蜜を溢れさせる。
自分はいけない行為に感じてしまうエッチな女の子だという事実を受け入れれば
きっと楽になれるはずなのに、常識という名の枷が、彼女にそれを認めさせません。
「そんな…!わ、わたし、そんなんじゃ…!」
むっ。
地の文に逆らうとは生意気な子です。
地の文に逆らうと言う事は作者に逆らうも同然。
「だ、だって…わたし…」
問答無用。
>>542-545を参照してごらんなさい。
くだんちゃんは背徳的行為に昂奮して感じてしまうMな女の子。
読者の皆さんもきっとそう感じているはずです。
ねぇ?
「ち、違う!違います!わ、わたしは…」
…聞き分けの無いコにはお仕置きが必要ですね。
と言う訳で、次章、くだんちゃんの恥ずかしい秘密を大暴露です。
「え、ええええええ!?」
まぁ、その事を思い出すとMなくだんちゃんは
もっと昂奮して感じちゃうかもしれませんけれど。
うふ。
※※※
あの日。
ネコさんとの初めての行為の後。
「!!!!!!や、やめて!やめてぇええええ!!」
くだんちゃんが何をしたか。興味ありますよね?
「や、やだやだやだやだやだやだやだあああ!!」
その事を思い出したくないのか、必死に頭をふるくだんちゃん。
その事を思い出すとまた、胸のドキドキとアソコの疼きが止まらなくなることを
無意識のうちに悟っているからでしょう。
「ち、違うもの!私、そんなえっちなコじゃ…!!」
だから。
問答無用。
※※※
「聞き分けのいいコは好きよ」
耳の奥にリフレインするネコさんの声。
ぼーっと夢見心地の表情で、くだんちゃんは自分の部屋に辿り着きました。
途中、お母さんに声を掛けられたような気もしますがよく覚えていません。
途中、お兄ちゃんが怪訝な表情を向けていたような気もしますがよく覚えていません。
くだんちゃんは夢見心地のまま、自室のベッドに倒れこみました。
ぼふっと。
(どうしよう…あんな事、しちゃうなんて…
ネコさん…お、女の子同士なのに…)
男のそれとはまったく違う優しい愛撫。
刻み込まれた快感が、その余韻が、身体中を浸食していくようでした。
(まだ…胸がドキドキしてる…それに…)
(…熱い、よ)
(身体が…熱い、よ)
そして、一番熱い場所は…
「ネコ、さん…!」
ゆっくりと、でも躊躇いなく。
くだんちゃんの右手は、一番熱くうずく箇所を目指します。
「…はわ…」
(熱いの…熱い…よ…)
「んんっ!」
スカートの奥、熾火のごとく熱を湛えたままのアソコ。
それは少しの刺激で簡単に、また火勢を取り戻すのです。
(だめ…こんな、こと…しちゃ…ダメ、なのに…っ!)
「あ…!」
(やだ…やだやだやだ…わ、私…)
(濡れて…)
(ダメ…!こんな事、いけないのに…!)
しかし、そんな理性の声とは裏腹に。
「んくっ…んはぁ…!」
左手は制服の裾から入り込み、乳首を目指します。
ツンと尖った尖端をつまみ、転がし、はじく。
そのたびに甘い快感が全身に響きます。
「ふぁ!あ!あくっ…はぅ…!んあっ…!」
(どうして…どうして…)
あの初めての快感を、再び呼び起こさんとする欲望が。
(と、止まらない、よぉ…)
「ふぁああ!あっ!あ!んあ!あふ!ふぁ…あんっ!!」
(止まらない…止められない…!)
(…止めたく、ない…!)
「ひやぁ…!ネ、ネコ…さん!ネコさんネコさんネコさんっ…!」
(…だって…気持ち、いい……!)
(気持ちいい!気持ちいい!気持ちいいよぉ、ネコさん…!)
「あ!ひぁ…あ…あ…あ………!!」
必死に声を押し殺しながら。でも激しく。
えっちなお汁をまき散らしながら。
「んくっ…!あ、あああああああああああああああああああ!!」
くだんちゃんは容易く絶頂を迎えてしまったのです。
「っ…!はぁ!はぁ!はぁ!はぁ…!」
(わ、私…イ…イッちゃった…の?)
(私…い、いやらしいコに…なっちゃった…?)
自分で自分を慰め、あまつさえイッてしまうなど、くだんちゃんにとって初めての事でした。
どちらかと言えば、これまでウブなネンネだったくだんちゃんなのです。
(どうしよう…どうしよう…!)
(すごく…気持ち、よかった…けど…)
(もし…もし、この指が…)
「ネコさんの、だったら…もっと…」
なんですって?
「!!わ、私!い、いま、何を…!?」
ふと漏らした自分の本音に頬を紅潮させるくだんちゃん。
「うぅ……!」
(どうしよう…どうしよう…)
※※※
というわけで。
作者によって強制的に恥ずかしい記憶を呼び覚まされたくだんちゃん。
どうなってしまうかというと…
「や、いやぁ…」
(また…また、アソコが、アソコが…熱く、て…)
「ダメ…!ダメ、なのに…!」
(こんな、こんな、所で…!!)
時系列を整理しましょう。
くだんちゃんは下校途中、公園の片隅で自身のいやらしい記憶を呼び覚ました所。
そう、まだ薄明かりの残る屋外にいるのです。
なのに感じちゃっているのです。
昂奮して抑えが利かなくなっているのです。
(誰か、来ちゃう…ダメ、ダメぇ…!)
「ネコ、さぁん…」
そう、くだんちゃんは。
お外で、女の子にされて、イヤらしい言葉を言わされて。
いけない、いけないと思いながらもアソコはしとどに蜜を溢れさせ、
おまけにその記憶をオカズにしてオナニー三昧してしまい、
その事実を否定したくても、その背徳感からお外にも関わらず
オナニーにふけってしまう。
いけない行為に感じてしまうエッチな女の子なのです。
Mなのです。作者が言うんだから(ry
その事実を受け入れればきっと楽になれるはずなのに、常(ry
「んんんん!んぁああああああああ…………っ!」
と、説明してるうちに、イッてしまったようです。お外で。
一体、くだんちゃんはどこまでえっちなコになってしまうのでしょう。
お父さんは心配で仕方ありません。
(だ、だめ…こんなんじゃ…満足、でき、ない…)
なんですって?
(はやく…帰って…もっと、もっと…もっともっともっともっと…!)
先行き不安です…いえ。
楽しみ、ですね。
※※※
今の行為を、お外でオナニーしてイッてしまった
恥ずかしい所を誰かに見られていなかったか?
周囲をオドオドキョロキョロと見回しながら、
くだんちゃんは足早に立ち去ります。
彼女は気付きもしませんでした。
全部、見られていた事を。
もし見られている事に気付いていたら…
Mなくだんちゃんは、もっと感じていたかも知れませんね。
「あのコが…くだんちゃん…」
雑木林の中、差し込む夕日がその人物の髪を照らすと、キラキラと黄金のような輝きが零れました。
そのてっぺんにはツンと尖った立派なケモ耳。オオカミの耳でした。
「…とっても、おいしそう」
日に当たると金色の輝きをこぼすケモ耳を持つ人物は
不穏な言葉を漏らしながら、くだんちゃんとは反対の方向に立ち去りました。
※※※
ところで。
皆さん、思い当たる節がありませんか?
くだんちゃんの様なオナニーの仕方では、オナペットへの思慕を募らせるだけ。
どれだけ自分を慰めた所で、一時の快楽を得られるだけ。
決して十全な満足を得られるものでは無いのだと言う事を。
だから。
「…はぁ」
爽やかな朝。
オナニー三昧の一夜を過ごしてもくだんちゃんの気分は晴れません。
それどころか、背徳感で一杯、披露困憊、おまけに寝不足の三重苦状態でした。
せっかくの可愛いお顔が台無しです。
「…元気ないわね?大丈夫?」
お母さんも心配そうです。
心なしか、お母さんの頭のツノもツヤがありません。
「だ、大丈夫よお母さん…お母さん?」
(ああ…もしかしてまた学校でいじめられてるんじゃないかしら!?)
(ごめんなさい…私のせいで…私がこんなツノをはやしてるせいで…!)
「お母さん?」
(でも、でもね、愛する私の娘よ…こんな私でも愛してくれるパパがいたのよ)
(貴方にもきっと、貴方の全てを受け入れてくれる人が現れるわ…)
(だから…だから、元気を出して…!)
くだんちゃんのお母さんは少し妄想癖がありました。
自分に酔いしれると周りが見えなくなることがたまにありますが、
基本的には娘思いの優しいお母さんです。ちょっと、ズレてるだけです。
「…行ってきます」
くだんちゃんは慣れたもので、自分の世界に入り込んでしまったお母さんを置いて家を出ました。
学校に行けば、ネコさんに逢えるのですから、こんな所でぐずぐずしている訳にはいきません。
※※※
ネコさん、ネコさん、ネコさんネコさんネコさん…
通学路で。校門で。教室で。
くだんちゃんはネコさんの姿を探します。
ネコさんはいつも大体始業ギリギリしか来ませんから、
必死で探したところで無駄なのですが、そんな事は関係ありません。
くだんちゃんは一途な女の子なのです。
(…来たっ!)
案の定、ネコさんはギリギリの登校でした。
明るい笑顔でクラスメイトに挨拶をしながら自分の席に向かいます。
今日こそは…!今日こそは私も朝の挨拶を…!
なんてことでしょう。
くだんちゃんはあの日以降、ネコさんとろくに言葉を交わしていなかったのです。
その事がなおさらくだんちゃんのネコさんへの思慕を増幅していたのかもしれません。
お預けをくらった犬…じゃない牛のようなものです。飢餓感はMAXです。
「ネ…!」
くだんちゃんが傍らを通り過ぎようとしたネコさんに、
決死の思いで声を掛けようとします。
ところが。
「あっ、おはよウサギちゃん」
「…あ」
くだんちゃんを無視するように、ネコさんは別のクラスメイトに挨拶。
くだんちゃんは、薄々、気付いてはいました。
ネコさんに無視されてる事を。
落ち込むくだんちゃんを尻目に、ネコさんは他のコと談笑しています。
がっくりと肩を落とすくだんちゃんを慰めてくれる友達はいません。
ケモ耳っコたちの間で、ツノを持つくだんちゃんは浮いた存在です。
やっぱりネコさんも、私の事なんて…
ネコさんの後姿を見やりながら、失意のどん底に沈んでいくくだんちゃん。
でも、神ならぬ身・作者ならぬ身の彼女には知る由もありません。
くだんちゃんに背を向けたネコさんが、その背でくだんちゃんの事をむちゃくちゃ意識していた事を。
他のコに笑顔で接しながら、その心中ではくだんちゃんの事をずっと気にしていた事を。
※※※
何よ。何よ何よ何よ!
私が誰と話していようが、私に話しかけたいなら、話しかければいいじゃない。
他のコと話してるならいっかー別にいいやー…って、その程度って事なの!?
私なんて、あんたにとって、その程度って、事なの!?
………
……
…
そんなの、ヤダ。
…
ただの戯れだった。オドオドしたあんたの顔を見ていたら汚したくなった。
ただそれだけだったのに…
ねぇ。
話しかけてよ。声、聞かせてよ。
※※※
おやおや。
何の事はありません。ネコさんもくだんちゃんの事を…
二人は両想いだったのです。
常識の枷に捕われているくだんちゃんと
いわゆるツンデレキャラのネコさん。
お互いに素直に自分の気持ちを認める事ができません。
…そう考えると、この二人結構お似合いだと思いません?
牛頭人身少女 くだんちゃん2(前篇)、了
ひとまず。第二話・後編は近日中に投下させていただきます。
こんないいところで切って…
くだんちゃんがえっちでかわいいです
GJでした!
後編も楽しみにしてます
まったく、御令嬢はじつにけしからん娘ですな
一人、ネコちゃんを思い出してするなんてかわいすぎる
私にはGJする事しか出来ない!
きてたー!超待ってました乙です
お母さんかわいいw
ネコさんだと思ったらタチさんだったGJ
牛頭人身少女 くだんちゃん2(後篇)
※ツノっコと猫耳っコの百合です。
※男も登場しますが、男とは絡みません。
※全3話の予定です。
※「第一話 くだんちゃん、失恋!」は
>>537-545 ※第二話「オオカミさんに気をつけて(前篇)」は
>>830-837 後篇は前篇よりちょっと長くなりましたm(_ _)m
>>839-842 ありがとうございます。
くだんちゃんはMっ気があるで見られてると昂奮すると思います。
この後もよろしく見守ってやってくださいm(_ _)m