「ほら、これを使え」
「――あんたは?それに、このメダルは?」
「話は後だ。それは保管庫の鍵を開けるメダル『sage』だ。
そのメダルを保管庫に使え。今までに投下された作品が読める。
歴代ライダーの作品も揃ってる。参考にするんだな」
読み返したらちょっと崩しすぎた感があるので補足。
sage推奨。
ネタバレは前置きを置く&行間あけ推奨。
あと、もちろん「燃え」作品もOKだから!
抜けてたorz
>>1 乙! 番組バトンタッチの感じが出ていてグッド!
>>1乙
注意書き楽しかったw
映画ネタって公開後一か月過ぎたら投下OK?
避難所から代理投下予定のものがあるんだ。
テンプレに入ってないんで迷ってる。
>1乙!
>7 一応は映画ネタバレありって注意書きしとけば大丈夫じゃね?
優斗の中の人が心にケガして休養中なんだな。
好きだったから、早く回復して欲しい。
心に怪我?持病の腰痛だろ?
>>10 腰痛悪化で舞台降板→心労で、ってことらしいよ。
公式発表があったみたい。
今はきちんと休んで、また元気に帰ってきてほしい。
話の流れを切って、避難所からの代理投下です。
映画ネタ、翔太郎とレイカ。以下、職人さんの注意書き。
翔太郎とレイカを投げます
映画のネタバレ有りなので未見の方等は以下のタイトルでNGを
お願いします
(映画ネタバレ有)翔太郎とレイカ: "HEAT" - Joker Boy & Fire Girl -
自分は映画を一回観ただけなので、NEVERの設定とかは捏造してます
袋小路に追いつめられた事に気付き、レイカは苛立ちながら小さく毒づいた。
ヒート・ドーパントである自分をここまで手こずらせるとは。探偵事務所で一気に
片を付けるつもりだったが、あのジョーカーのメモリの存在とそれを手にした
あの男の戦闘能力の高さはまったくの予想外だった。
後ろを振り返る。用水路沿いに立ち並ぶ倉庫と倉庫の壁の間、その通路とも
言えぬ隙間をあの男、あの忌々しい黒い影が滑るような速さで追ってくる。
レイカは腹を立てながらもどこか浮き立つ気分を感じつつ、腰を落とし身構えた。
勢い込んだ影が襲いかかってくる。その一瞬の隙を突き、タイミングを合わせて
その腹にまともに廻し蹴りを叩き込んだ。
「ぐはっ!!」
叫んだ影は右の壁に叩きつけられ、騒々しくその壁を突き破りながら倉庫の中に
倒れこんでいく。飛び散る破壊された壁の欠片と濛々と立ち込める埃の中に、
間髪入れずにレイカも飛び込んだ。
影は床に転がりながら、破られた壁の穴から射し込む陽の光を背にシルエットと
して浮かび上がる敵の姿を目にした。再び有無を言わさず襲いかかって来る
その姿に慌てて横っ飛びに転がり、攻撃の間合いから外れる。
影は体を起こし片膝をついた。黒いマスクの鼻のあたりを親指で擦る。
その影。翔太郎が変身した仮面ライダー・ジョーカーは目の前に立つレイカに
向かい、やれやれと首を振った。
「まったく、とんだじゃじゃ馬だな。ファイアーガール」
ふん、と鼻を鳴らしたレイカは何故か心が高鳴っていた。
あぁ、楽しいわ。とても。
どうしてだろう。すっごくワクワクする。
最終的にはこの男を殺すことになるだろう。だが自分はこの戦いを楽しんでいる。
滅多に出会えない楽しい獲物だわ。ちょっとかわいい顔してるし。それに、強いし。
そう、この男は強い。少々呆れるほど強い。認めたくはないが、正攻法で戦っても
倒せそうにない。少し策を練らなければならないが、それもまた楽しみでもある。
私の役割はこの男に克己の邪魔をさせないこと。足止めして、殺す。
でも結果が同じなら。もうちょっと楽しんでもいいわよね。
レイカは変身を解いた。頭を左右に振り、絡まった長い髪を解きほぐす。
「おや?」と戸惑うように肩を竦めた黒い影も一瞬躊躇した後、変身を解く。
「降参かい?」
立てた人差し指を眉間に押し当て、男が気取って声をかけてくる。レイカは再び
鼻を鳴らしながら、無造作に男に近づいた。
「面白い男ね、つくづく。馬鹿で厄介だけど、面白いわ」
「素敵なレディに誉められるのは光栄だね。でもな、その可愛らしい唇にゃぁ、
馬鹿、なんて言葉は。似合わねぇぜ」
口調こそふざけているが、男は全身から緊張を解いていない。こちらがおかしな
動きをすればすぐさま対応できる構えを見せている。隙は無い。
前言撤回。馬鹿じゃ、ないわ。
「口の減らない男ね。まぁ、いいわ。少し休憩しましょ」
「レディから御休憩に誘ってもらって悪いが、野暮用があってね。ちょっと人を
待たせてんだ。のんびりはしてられ……」
そう言いかけた翔太郎の唇に、レイカは自分の人差し指をそっと添えた。
そして「しーっ」と。その言葉を遮る。
「そんなに焦らないで。私はもっと楽しみたいのよ、あんたと」
「そうしてぇとこだがな。これからおまえさんの仲間に会いに行かなきゃならねぇ。
そっちの奴もおまえさんと同様、どうにも聞き分けが悪くてよ」
「あの人もいろいろ忙しいのよ。こっちはこっちで楽しみましょう」
クスクス笑いながら耳元にそう囁きつつ、レイカは指先で翔太郎の頬や首筋を
愛撫するように撫でた。苦い表情を浮かべたその顔を見て、また笑う。
そしてふと思い出す。前回、この男に手の冷たさを指摘されたことを。
思わず指の動きを止めてしまった。最も知られたくない、自分の秘密。
この身体がぬくもりを持たない理由。
「相変わらず、冷てぇ手だな」
レイカには顔を向けずに、ぼそっと翔太郎が呟く。レイカは沸き起こった怒りと
羞恥に顔が紅潮し、その指の爪でこの男の頚動脈を切り裂いてやりたくなった。
だが翔太郎が次に口した言葉に思わずその怒りに任せた手の動きが止まった。
「まぁ、手が冷たい女は心があったかいって、言うしな」
予想外だった。
……言って、くれるじゃないの。
単純と言えば単純。だがこれまで、こんなことを言ってくれた男はいなかった。
一切の感情を持たぬ殺戮兵器として再生されたが、自分達NEVERのメンバーは
きちんと感情も心も残っている。だがそれを知っているのは同じ仲間達だけだ。
レイカは自分が柄にもなく、少々照れてしまったことに気付いた。
「それに俺はな、冷え性のレディは嫌いじゃねぇんだ」
僅かに頬を染めたままレイカがその顔を見ると、翔太郎がニヤリと笑った。
「特にこの季節はな。夏場はベッドでそういう女が横にいてくれると、ひんやりして
気持ちいいのさ。あんたのみたいな素敵なあんよは……」
ちらりとレイカの艶かしい太ももを見ながら、翔太郎はわざとらしく頷いた。
「かなり、俺の好みだぜ」
やっぱりこの男、馬鹿だわ。
レイカは呆れ返った。これまで殺してきた男達。みっともなく泣き叫び命乞いを
することはあっても、このように軽口を叩いてくる馬鹿はいなかった。
でもまぁ確かに。ちょっと、魅力的な馬鹿よね。
本人に意識があるか無いかはともかく、この男にはどうにも女の心をくすぐる、
そんな何かがある。何故か腹を立てることができない。
「……なら、冷やしてあげる」
レイカは翔太郎の開いたシャツの胸に手を差し込み、太腿をその足に絡めた。
少々心を揺らされていたとは言え、それはただの足止めのための手段、油断を
誘うための挑発に過ぎなかった。そのつもりだった。
だが、その手から伝わってきたものにレイカは息を飲んだ。
この男の体。
とても、熱い。あたたかい。
先程までの全力での戦闘がこの男の肌に燃えるような熱を残している。
男の体温。ぬくもり。自分の体が決して生み出さないもの。
手のひらから伝わる熱。NEVERのメンバーに抱かれても決して得られないもの、
どんなに求めても与えられないもの。
ヒートのメモリを初めて手にした時。求めていたものに出会えたと思えた。これで
もうこれまで憎んできたこのぬくもりを持たない体を恥じなくて済むと、自分の
冷たい肌を忘れられると、そう思った。
だがしかし、それだけでは足りなかった。あのメモリが生み出す造られた熱では
埋められないものがあった。あのメモリは本当に欲しかった物は与えてはくれない。
今、それがこの手の下にある。
それが肌を通して心に届く。その熱。人のぬくもり。あたためられる、喜び。
先程この男は、自分が最も気にしているこの肌の冷たさを、あっさりとどうでも
いいことと切り捨ててくれた。その言葉と今触れているこの肌の熱が絡み合い
レイカの心を溶かした。惹かれてしまう。抗えない。
あぁ……欲しい。私、どうしても……!
あまりに唐突に心と体に浮かび上がってきたその感情と激しい欲求。
どうして……?なんで、こんな!?
レイカは自身すらそれに驚き、慌てて欲望を堪えようとした。だが、無駄だった。
単純な性欲なら抑えられる。だが欲しいものはそれだけではない。肉の交わりの
先にあるもの。男と肌を合わせ体を重ねることにより得られる、心を満たす熱。
衝動に突き動かされ、いきなり翔太郎の体に抱きつき、しがみつく。
触れ合う体、そこから全身に伝わるこの男のぬくもり。
あぁ、あたたかい……何てあたたかいの。
「おいっ!おまえ、ちょっと待っ……!」
驚愕している翔太郎の体を、積み上げられた古い防水用シートの上に押し倒す。
むしゃぶりつくようにその唇に唇を重ねる。そこには熱がある。
男の体温が。吐き出される息の熱さが。ぬくもりが。
レイカはそれが欲しくて、欲しくてたまらなくなった。
男の体の上に跨り、レイカは上着とタンクトップを脱ぎ捨てた。
翔太郎は緊張を解いた。どうやら罠や騙し討ちの類ではないらしい。この女は
本気で欲しがっている。時間稼ぎかと思ったが、そういう様子でもないようだ。
どうしてまた急に火照っちまったんだい、ファイアーガール?
露わになった見事な乳房が目の前で揺れる。女が切なげな顔でその乳房を
持ち上げ、ぐい、と近づけてくる。
「触って」
「え?あ、あぁ……しかし、こんな。いくら御休憩つったって。こりゃぁ、ちょっと」
「いいから!早く!触ってよ!………ねぇ!」
「……仰せの通りに、レディ」
翔太郎はレイカの望み通りにした。両の手のひらでその二つの乳房を優しく覆う。
「あぁ……」
甘い吐息を漏らしながら、レイカは翔太郎の指の間に挟まれた乳首を近づける。
そしてせがむようにその唇に押しつける。早く、早く。
痛いほどに尖ったその乳首。それが滑るように翔太郎の唇に入り込んでくる。
翔太郎は覚悟を決めた。その唇に触れるものをいきなり激しく、強く吸った。
レイカが上げた悦びの叫びが、倉庫の中に高く響き渡った。
翔太郎の手のひらの熱。乳房全体にじんわりと沁みてくるその熱。
唇に含まれたその乳首の先を撫でてゆく柔らかく温かな舌先。レイカは快感以上に、
その熱そのものに狂った。さらに欲しくてたまらなくなる。
乳房を愛撫されながら、後ろに手を伸ばし何とか翔太郎のズボンを脱がせようとする。
だが体勢的に無理がある。仕方なく体を起こす。だが離れた瞬間、触れ合っていた
肌から熱が引いていく。冷めてしまう。
「いやっ!」
慌ててまた翔太郎の体にしがみつく。乳房を翔太郎の胸にぴったりと押し当て首筋に
自分の頬をすり寄せる。熱が戻る。安堵にも似た吐息を漏らしつつ、だがレイカは
どうしたらいいか判らず首を振りながら唇を噛んだ。
「脱ぎゃ、いいんだな?」
そう問いかけるとレイカはぴたりと体や頬をこちらに押しつけたまま、うんうん、と
声も出さずに頷いた。その様子にどこか可愛らしさを感じながら、翔太郎は何とか
自分のズボンと下着を膝のあたりまで引きずり下ろすことに成功した。
「いいぜ」
レイカが顔を上げる。どこか泣き出しそうな、怒ったような表情のまま、自分も慌しく
下着を脱ぎ捨てる。そしてまたぴったりと覆いかぶさってくる。
「早く」
短くそう言ったレイカの尻に両手を伸ばし、翔太郎はその肉を鷲掴みにした。
ひんやりとした、だがたっぷりとやわらかいその肉の手触りを楽しみつつ、体の上に
跨っている女の脚の中心にあるその場所、そこに自分の物を添える。
中心に当てられたその先端が股間の裂け目に割り込み、押し開くように触れる。
レイカはその熱を感じる。泣きたいほどにそれが欲しくなる。
体の外からではなく、中から。その熱を感じたい。それを一刻も早く自分の体の中に、
一番奥にまで突き入れられ、あたためられたい。
どんなにいいだろう。どんなに熱いだろう。それが全部、入ったら……!
「もう……!早くってば!!」
我慢できなかった。待っていられなかった。レイカは自ら腰を動かし、その股間に
添えられた熱く固い物を一気に自分の中に沈めた。
「………っ!!!」
翔太郎の肩に噛みつくように顔を押し当てているレイカが激しく息を吐き出し、喘ぐ。
痛いほどにまたしがみついてくる。腕を強く握られ、その爪が微かに刺さる。
「あ、ああぁぁぁぁっ!!!」
そして少し遅れて長く甘い叫びを上げた。
あぁ、思ってた通りだ。熱いよ。すごく、熱い。すごい。すご……い!
体温を持たない自分の身体。その中で。熱が脈打つ。この男の熱。凄まじく熱い。
その熱が沁みてくる。体の奥から全身に。溶けてしまうほどの熱が広がっていく。
これが欲しかった。この、熱が。ずっと、ずっと。
喜びにまた泣きたくなる。ずっと欲しかったもの。どうしても得られなかったもの。
このぬくもり。この熱が。いま、この身体の中にある。
だがレイカの欲望はさらに求め始める。もっと欲しい。もっと熱いものが。
どうすればそのさらなる熱が手に入るかは判っている。
レイカは動き始めた。この男からその熱を、自分の体の中に吐き出させるために。
「うぉっ!こりゃぁ……」
翔太郎はいきなり激しく腰を振り始めたレイカのその動きに思わず声を上げた。
「おい、おいって!そんなん……されたら。俺はその。何つーか、久しぶりで」
「欲しいの」
「あ?」
「欲しいのよ、中に。あんたのが!だから、早く。早く!」
レイカは自分の唇で翔太郎の唇を塞ぐ。舌を挿し込み、中の熱の全てを味わう。
その間にも腰の動きは止めない。やわらかく、きつく包み込み、先端から根元へ
繰り返し繰り返し叩きつけるように動かす。時に腰をまわし捻り、くねらせたその
動きで男の物に与える快感にアクセントを付けてやることも忘れない。
「気持ちいい?」
「あ、あぁ。すごいな、あんた」
「そうだよ。私のは……すごいのよ。ほら、もっと感じなよ。ほら、ほら」
先端ギリギリまで腰を引く。抜け落ちそうになる物にレイカのやわらかな襞が
まとわりつき、決して離そうとはせずしっかりと抱えてまた冷たく濡れたその中に
引きずり込んでいく。
「どう、いい?いいでしょ?ほら、我慢しなくていいんだよ。出してよ、中で」
「えー、っと。そりゃちょっといろいろ、まずくねぇか?」
「いいから!……ほら何してるの!あんたも動いて!」
翔太郎も下から突き上げ始めたことでレイカの白い尻がさらに激しく跳ね始めた。
女が続けざまに口にする淫らな言葉に煽られその柔らかな肢体に組み敷かれ、
翔太郎の興奮と快感も急速に高まっていく。徐々に限界が近づく。
「あ、あ。あれ?うわ、やばい。俺、そんな……あぁっ!だめだぁっ!!」
「そう、そうだよ。そう、そう!ねぇ来て。来て来て、来て!」
翔太郎の顔が快感に歪む。その顔を見てレイカも悦びと期待に震える。
もうすぐだ。もうすぐ。あの熱が来る。あれが。私の中に!
その時。うぉ、と唸りながら男が体を強く抱き寄せてきた。
背中と尻に大きく拡げられた手のひらが押し当てられる。まるで、できるだけ
この肌を男が自分の体温で包み込もうとするかのように。
固く抱きしめられる。ぬくもりがまた全身に伝わる。あたためられる。
あ……そんな。そんな……ぎゅって。どうして?
もしかして、あんた。判ってるの?私が欲しいものが。
何かがレイカの心に強く込み上げた。遠い過去に忘れて久しい感情が。
私を、あたためようとしてくれてるんだね。ねぇ、そうなんだね?
もし泣くことができたら。涙が溢れていただろう。
「……あんたみたいな男、はじめて」
「え?あ……っつぁ!な、なんだって?」
「ほんとだよ。初めて。あんたみたいに、こんなに”熱い”男は……」
ぬくもりと熱を与えてくれるこの男に対して浮かんでしまった強い思い。
その思いに駆られたレイカは翔太郎の頬をそっと両手で優しく挟んだ。そして
また唇を重ねる。熱を奪うためではない。まるで恋人に、愛しい男にするような
口づけと共に、快感を煽るのではなく甘くねだるように優しく囁いた。
「いっぱい、出してね」
その予想外の甘い囁きが翔太郎にとってはとどめの一撃となった。
「がぁっ!」
一声叫び、翔太郎はついに達した。レイカの体の奥でびくんと震えた物が
その熱を一気に迸らせた。
あぁ、来た!来てる……すごい!あぁぁっ!!
身体の奥を貫くような勢いで噴出してきたその熱。中でそれが震えるたびに何度も
繰り返し繰り返し注ぎ込まれてくる。身体が中から溶けてしまうのではないかと
思うほどのその熱にレイカは狂喜した。溢れてくる。たっぷりと溢れてくる。
「あぁ、熱い!すごく、熱い!いっぱい、来てるよ。あんた……あなたの!!」
まだ放出している最中のその男の物をまたきつく締めて包みこみ、さらに動かす。
根元から先端へ。その中に残るものすら一滴も残さず搾り取ろうとするように。
レイカは喜びに泣く。涙は流せない体で啜り泣く。今度は自ら男の体を抱きしめ
ぴったりとその胸に寄り添い、夢中で口づけを繰り返しながらその男のぬくもりを
心ゆくまで楽しんだ。
レイカは膝を抱え、その膝に額を押しつけながらうつむいている。
あれほどまでに自分に喜びを与えてくれたあの熱が。もうすっかり冷めてしまった。
自分のこの体は、ぬくもりをそのまま保っておくことができないのだ。
体温を持たないが故に、どんな熱を与えられても、それをつめたく冷ましてしまう。
この造り変えられた身体に課せられた呪い。
いくら求めても、どんなに熱く抱かれても、結局は。
あの男に抱かれ、欲しかったものを得たことで。逆にそれを思い知らされてしまった。
あの男が少し離れた場所の壁に所在無げにもたれ、こちらをちらちらと伺っている。
急に態度を変えた自分に戸惑っているのだろう。
あの男は……嫌いではない。欲しかったぬくもりと熱を与えてくれた。
ちょっと、好きかも。
だけど、でも。
自分にはやはり、帰るところは一つしか無いのだ。
NEVERの。同じ呪いと共に生きる仲間達のところに帰るしか。
鼻の奥がツン、と痛む。だが自分が涙を流せないことは判っている。
顔を上げ、立ち上がる。あの男を見る。溜め息をつく。
「あなたのこと、嫌いじゃないよ」
ヒートのメモリを取り出す。驚きの表情を浮かべたあの男に向かって、叫ぶ。
「だけど、どうしようもないの!」
想いを断ち切るようにメモリを高く放り投げ、胸元のコネクタを露わにする。
「おいっ!?待てっ!」
叫ぶ男を見つめたままのレイカのコネクタに落ちてきたメモリが突き刺さる。体が
変身を遂げる。ヒート・ドーパントに。熱が体を包む。あの男が与えてくれた甘く
優しい熱とはまるで異なる、焼けつく憤怒の熱。
この熱。これが私にお似合いの熱。私にはもう、これしか無いんだ……。
もし泣くことができたら。涙が溢れていただろう。
レイカは男に向かって走り出す。殺意を込めた腕を振り上げる。
「あぁっ!ちくしょっ!」
慌ててジョーカーのメモリを取り出し、翔太郎も変身する。襲いかかってきた
ドーパントの腕を蹴り上げて攻撃をかわし、後ろに回転しながら距離を取る。
「素敵なレディだと思ったのにな、ファイアーガール?」
無言で距離を詰めてくるその姿に声をかけながら、翔太郎は身構えた。
「どうしてだぁっ!?俺達は、ついさっきまで……!!」
ドーパントが放った炎が襲いかかり全身を包む。翔太郎はその問いかけの叫びを
最後まで終えることができなかった。
戦闘が再開された。
最初にこの場所に来た時と同じ姿で。つい先程まで二人で過ごした短く、だが
甘く熱いそのひと時がまるで無かったかのように。二人はまた死を賭した戦いの
ために、全力で走り出した。
─終
以上です。
今さらだが「何レス消費予定」って書くべきだったな。すみません。
>>18 代理投下乙でした!
>>12 いいよいいよ切ないよ!
心情描写うまいよなぁ
翔太郎もらしくていい
ひたすらGJ!
>>18 GJ!素晴らしいです!
映画の中ではレイカの苛立ちと怒りしか描写されなかったけど、
きっとこういう欲求も持ってたんだろうなあ。
てゆーか、翔太郎カッコよすぎ。すっかりハードボイルドじゃんw
乙!
くっそ、たまらんエロさだなレイカちゃん…
レイカかわいいよレイカ
この二人はなんか良いな〜、似合ってる
映画がDVD化される時に、二人のカットされてるシーンが
あるなら追加してほしい
避難所スレから代理投下。
※↓↓以下、職人さんの注意書き↓↓※
さて、さくっと、照井×亜樹子 SS投下させてください
舞台はフィリップ帰還後しばらくしてから。
いろいろ矛盾点があったらご勘弁
照井さん変身後が絡んできます
甘さ控えめ、なのに長め
苦手な方は、スルーもしくはNGでよろしくお願いいたします
タイトルは《以心変身》
「!」
照井が亜樹子の胸から唇を離して顔をあげると、亜樹子ははっとしたように口許に手を遣った。
「今…なにを…」
亜樹子の視線は照井を通り越して、この、彼の部屋の天井に固定されている。
今、亜樹子が発した名前によって、照井がこの半年ほど感じていた違和感の正体が解りそうだった。
「ち、ちがうの、竜くん!あの、あのね、聞いて!」
照井は亜樹子から身体を離すと、ベッドから足を下ろして腰掛けた。
「…ちょっと待ってくれ」
非常に混乱していた。
亜樹子とそういう関係になったのは、フィリップが消えてしばらくしてからだ。
照井は前と同じように、しばしば探偵事務所に顔を出すようにしていた。
左はなんとかして仕事をこなし、空元気にふるまっていたが、なにかと一人になりたがった。
亜樹子は左のために、安くてもよいからと、多くの仕事を探してきた。
犬猫探しはもちろん、ともすると便利屋がするような、引っ越し後の粗大ごみの片付けなど、身体を動かすものばかりを。
「翔太郎くんもさ、動いてれば、いろんなこと考えないで済むと思うんだ。疲れれば、夜だって早く眠れるだろうしね」
亜樹子はそんな仕事を一緒にしながら、左と以前のように馬鹿を言い合ってはいたが、その時間は圧倒的に少なくなっていた。
逆に照井との時間が増え、二人で過ごす時間が当たり前になり、やがては触れ合うのが当たり前になっていった。
風都にはまだドーパントがいた。
照井が現場に駆け付けるとき、大抵はジョーカーが先に来ていた。
既にメモリブレイクしている場合もあれば、照井の変身が必要な場合もあった。
戦いが終わり、変身解除する。
その瞬間の亜樹子の様子がどうもおかしいと気づいたのが、最初だった。
「どうした、所長」
「え!いや、いやいやなんでもない」
「泣いているのか?」
「ううん、違うよ!」
「目が充血している」
「んんっ?そう?そんなことないよ!そうかな?いや、そんなことないよ!」
時折、物思いに耽る亜樹子もいた。
初めは、激しい戦いに巻き込まれたことや、フィリップがいなくなったことなどにショックを受けているのかとも思った。
しかし、フィリップが戻ってからも度々、いや、却ってそんな時間が増えたようだった。
最近は、キスや行為の間も、目を閉じていることが多い。
照井はなんの疑問もなく、そんな彼女を抱いていたが、それも、先程の出来事から簡単に類推できる意味があったのだ。
以前、コーヒーを飲みながら、聞いたことがある。
「君は左のことが好きなのか」
亜樹子は特に慌てるでもなく、こう答えた。
「うーん、好きか嫌いかと言ったらスキ。でも、翔太郎くんは、家族なんだよ。それにさ。」
ちょっと微笑んで、続けた。
「なーんか、照れ臭くって。今さらね」
その気持ちは、とても不安定だ。
コーヒーから立ち上る湯気のように、いつその姿を変えてもおかしくない。
それでもいいと、照井は思っていた。
亜樹子が望むなら、そばにいよう。
亜樹子が求めた時に、手を伸ばせば届くところに、亜樹子を守れる距離にいる、それだけでいい。
そう思っていた。
……しかし、まさかこんな意外な伏兵が潜んでいたとは……
照井は顔を手で覆ったまま、「アクセルとは…どういうことだ説明してくれ、所長」
アクセル、それが亜樹子が呼んだ名前だった。
ああ、やっちゃった!油断した…
照井は背中を向けているが、亜樹子は慌てて、枕を抱えて正座した。
「は、ははいッ!実は…アクセルを…思い浮かべて…いました…」
最初にときめいたのは、アクセルに抱きしめられた時だ。
亜樹子は以前、オールドドーパントに襲われたことがある。
その攻撃に耐えられる照井は、アクセルの姿で亜樹子を守った。
「あの事件が終わって一息ついたらね、ああ、アクセル素敵だったなぁって…」
ひんやりした硬い腕。
表情のないはずの顔から読み取れる感情。
好みの低い声は照井のものだが。
「でも、あれから、いろいろあったじゃない、ひどいことがいろいろ…フィリップくんもいなくなって…」
亜樹子の声が曇る。
「それどころじゃなくなって…。」
照井の背中に残る火傷の跡を見つめながら、亜樹子は一生懸命に看護した日々を思いかえした。
「みんなで竜くんの全快祝いをした日、覚えてるよね?」
初めて身体を重ねた夜。
幸せで、泣いてばかりいた。
「あのあとから、竜くんがアクセルにならなきゃいけないのが、すごくイヤになったの。またひどい怪我をしたらどうしよう、死んじゃいそうで怖くて。だから、」
亜樹子は息を吸って
「変身に立ち会うたび、あたし、命が縮まる思いがしてた」
こんなこと竜くんには言えない。風都のために戦っているのに。
「変身解除すると、いつも、ああ無事に終わった、ってほっとして泣けちゃって」
いつか、照井に指摘されたことがあった。
「それがね、フィリップくんが帰ってからかな、変身解除を見るとドキドキするようになってね…」
――アクセルが歩いて来る。
フワッと装甲がひび割れ、微かな風を起こしながらはらはらと破片が散る中に照井の姿が現れる…
それはスーツ姿の男の人がネクタイを外す仕草にも似ているようで――
「それからね、夢にアクセルが出てきたの」
アクセルは荒々しかった。
声は照井だが、まるで別人だった。
亜樹子をベッドに放り投げ、剥ぎ取るように衣服を脱がし、亜樹子の意向などお構い無しに、どこをどうされたかよくわからないのだが何度もイッてしまって…
いつの間にか、照井が振りかえって横目で見ていた。
「…顔が赤い」
「ととととにかく!そういうことなの。アクセルは竜くんで、竜くんはアクセルだけど、やっぱダメだよね。最中に他のこと考えてるなんていやだよね。神聖な仮面ライダーで妄想はよくないしね。もう大丈夫、目が覚めたから。」
照井はふぅとため息をついてまた背中を向けてしまった。
「ごめんね、そんな気分じゃなくなっちゃったね、コーヒー入れるわ」
亜樹子は照井のTシャツを羽織ると、キッチンへ向かった。
ティファールに水をセットしてスイッチを入れていると、照井が着替える気配がした。
ああ、やっぱり今日はおあずけだ。仕方ない。
でも、アクセルに惚れるというのは、浮気になるのかな?中身は竜くんなんだけど。
ポンッと、お湯が沸いた音がした。
きっと、アクセルそのものではなくて、アクセルになった竜くんが、強くて、せつなげで、激しくて、グッと来るんだ。
竜くんのエッチはいつもトロトロのふわふわで、眠さと紙一重の春風に吹かれているように優しいけど、たぶんあたし、嵐のようにめちゃくちゃな竜くんも求めている。
…でも、言えないよ、そんなコト…
「竜くん、コーヒー入った…あれれ」
カチッ《アクセル!》
いつものレザーを着た照井が立っている。
「折角だが、冷めてしまうな…そのコーヒーは…」
ドライバーを取り出した。
「変………身ッ!」ブオンブオン
アクセルが現れる。
「えええ!?」
アクセルは、あわあわしている亜樹子を壁に押しやると、両手を頭の上にまとめて押さえた。
エンジンブレードが、Tシャツの裾から侵入してくる。
ひやりとした感覚に、亜樹子は息をつめた。
「や…ちょっと…待って」
声がかすれた。
アクセルの右手はブレードをサッと翻し、シャツを切り裂きながら上ってきた。
「ちょっ、Tシャツもったいな…」
「余計なことを考えるんじゃない」
刃先が顎に触れそうになって、亜樹子は顔をあげた。
「…覚えておけ、」
アクセルのマスクが目の前に迫っていた。
「お前を悦ばせるためなら、俺はなんだってする」
プチッと音がして、胸がはだけた感覚があった。
「俺は、お前に追いかけられていたはずだが」
アクセルは右手でエンジンブレードを構え直した。
「今では俺がお前を追っている」
亜樹子はアクセルのマスクを覗いたが、照井が怒っているのかどうかはわからなかった。
ガシャガシャン《エンジン!》《エレクトリック!》
瞬間、乳首にビリッと電流が走った。
「んあッ!痛ッ!」
甘い刺激を伴った痛み。
「…痛いだけか?」
今度は長く、刺激される。
「ん!ぁあ、あ…あんッ、や、や、いいっ」
痛みは先程より少なくて、赤く固くなった部分は刺激を受けて敏感さが増す。
「…いい?なにが」
「ゃ、ん、いいっ、気持ちいっ、ふぁあん」
亜樹子は抑えきれない声を漏らしながら、ともすると閉じたがるまぶたをあげると、アクセルがそこにいる。
目を閉じていれば声は照井だが、いつもの照井とは違う。
いつもは、愛してる、かわいい、好きだ、きれいだ、とくすぐったくなるような言葉しか言わないのに。
エンジンブレードが乳首に向けられているのが見える。
微弱な電流に混じって、時折バチッと音がするほどの刺激が与えられる。
腕は拘束され、身体を被うものは切り裂かれたTシャツだけ。
「ごめん…なさい、竜くん、もぅ、やめて」
亜樹子は、敢えて照井の名前を強調した。
アクセルはブレードを下げた。
「…壊してやる、さっきまでのお前を」
手首の拘束が解かれて、アクセルの冷たい左手が、立ったままの亜樹子の脚の間に分け入って来る。
「ぁ、」
ごつごつした指が強引にこじ開け、茂みに到達する。
「…鼓動が早いな」
「わかるの…?」
「アクセルは聴覚が鋭い。嗅覚も」
そう言っていきなり、指をずぶっと亜樹子の中に沈めると
「や、んはっ、ぅ」
耳元で、
「…濡れている匂いがしていた」
ざらついた太い指は、ゆっくりと出し入れされる度に粘液がからまって、ちょうどよく亜樹子の中を刺激した。
「あ、んはッ、ん、んあ」
指は亜樹子の腹の方へ折り曲げられ、小刻みに震えた。
「ぁぁああぅ、いい、いや、や、アンッ、いい、気持ちいい」
「言ってみろ、どこが」
「んッ、やだ、はッ、はずかしいよっ」
指は激しく中を掻き回し、亜樹子の耳にも、ぐちょっ、くちゅっ、と水音が響いてくる。
「…どこが?」
さらに烈しくなる。
膝がガクガクして立っていられない。
「ちょっ、や、ゃん、××××いい!ぁあぅあああん、もぅダメ、いく、いっちゃう!!」
耳元で囁かれる。
「…いってしまえ」
アクセルの熱い指が突き抜けて、身体の隅々にゆきわたるのを感じたまま、真っ白になった。
身体がふわりと持ち上げられる感覚で、意識が引き戻される。
立ったままのアクセルの腰の辺りに跨がされる。
「えっ?ちょっ、なに」
さっき濡れそぼった辺りに、なにかがあたっている。
それがドライバーだと気づいたときには、既に始まっていた。
アクセルの右手がドライバーを捻る。
ブオンブオンという音と共に、アイドリングのバイブレーションが亜樹子の花芯を捉える。
「ぁ、あ、あ、や、やん、ぃや、ダメっ!あんッ!」「…だめなのか?やめるか?」
「や、ぃや、や…め、なぃ、で、もっと…」
「自分で動くんだ、感じるところに」
亜樹子は少し腰を突き出すようにずらして、かすかに揺らした。
「んんンッ、あぅ、あ、あ…いくぅ…ッ…」
のけ反る身体をアクセルの左手が支える。
右手は、亜樹子に合わせるように緩急をつけてドライバーを捻っている。
「…どうする?お前ので、べとべとだ」
溢れる愛液はアクセルの脚を伝い、あるいは床にぽたぽたと落ち、
「い…じわ…るぅ…、あん、も、だめ、んぅ」
頬を上気させ、口許はだらしなく、視線の定まらない顔をあげて、アクセルの顔を見た。
竜くん…見てる?…あたし…やらしい…
「アンッ、また、いきそう、ぁああああいくぅッ…」
アクセルは亜樹子が尽きるのを待たず、そのままベッドに下ろした。
ヒュウンと音がして、照井の姿が現れた。
「…すまん、限界だ」
照井は亜樹子に倒れ込むようにして、顔を近づけた。
貪るようなキス。
衣服を脱ぎ捨てるのももどかしく、唇を重ねる。
お互いを探す舌が唇を飛び出して絡み合うと、皮膚がぴりぴりと反応する。
遠距離恋愛でやっと会えた恋人のように、そのやわらかい体温と、絡み付く舌と、汗ばんだ肌を感じる。
照井はやっと唇を解放して
「…キスが、したかった」
声がかすれる。
「あたしも…ちゃんと顔を見せて?」
亜樹子は、照井の顔にかかった髪を掻き分けた。
大きな瞳を潤ませて、困った少年のような顔をしていた。
両手で頬を包み、顔を近づけて唇を舐める。
照井は亜樹子に応えながら汗ばんだ身体を抱き寄せ、転がった。
「ごめんね。あたし、してほしいこと、ちゃんと言えてなかった、今まで。」
照井は亜樹子を見つめた。
「…何もかもを言う必要はない。でも俺は、もっと君のことを理解したい」
「竜くん…」
亜樹子は恥ずかしそうに笑って、照井の胸におでこをつけた。
「じゃあ…言うね、あたし、上に乗ってみたい!」
言うが早いか、照井に跨がった。
「!!!」
「どうしたらいいの?」
「…もう少し後ろに…」
「こう?…あ…ンッ…あ…入っちゃった」
「…動いてごらん」
照井が亜樹子の腰に手を添えて導く。
亜樹子の髪が胸の膨らみを隠すように揺れている。
少し開いた唇からは吐息が漏れ、丸い瞳は挑発するように濡れて、照井をみている。
「…綺麗だ」
亜樹子は頬を赤くして微笑む。
「竜くん、いつもそればっかり」
柔らかで、温かで、強くて、まっすぐで、敵わない。
「…愛してる」
亜樹子の瞳から雫がこぼれる。
「いつも、そればっかり…ん、ぅ、あ、あ、」
達しようとする動きに照井も合わせる。
「愛してる」
「竜くん…一緒に…来て…」
差し出された掌に、自分の掌を重ねて照井は思う。
所長、君は、俺が死ぬのが怖いと言った
まだ君には言っていない
あの初めての夜から、変身の度に、君を想っていることを
変身の掛け声をかけるたびに、君の白い肌を思い出す
絶対に生きて帰って、君とキスをするんだ
微笑みあうんだ
絡み合って眠るんだ
だから、俺は、死なない
言わなければならない
言っておかなければならない
毎日でも
呆れられても
「愛してる」と
明日死んでしまっても
君を愛していたことだけ遺るように
二人は果てた後、繋がったまま眠り込んでしまっている。
そのうち明日がやってくる。
それは、また少しだけ近づいた二人が迎える朝になる。
おわり
以上です。
変身解除ってなんだかエロス。
ってところから始まって
Wにやらせようとしたけど、初エロの自分には、あのメンツで3Pはムリだった
アクセルはなかなかいいツールをお持ちだったので、ご登場願った
亜樹ちゃんはアクセルに向かっても「竜くん」呼びなんだよね。
だからこの設定は無理があったかな
お目汚し失礼しました…
※↑↑代理投下終了↑↑ここまで※
31 :
名無しさん@ピンキー:2010/09/26(日) 00:07:54 ID:Y9AjmNX9
乙乙乙です!!!!
俺は死なないがここに繋がるとは・・・。感動すぎる。
本当に幸せになって欲しいよ。
最後の照井の独白泣ける。ほんと幸せになれ
しかしガワはいいなw
今日のアンクさん、アイスキャンディーを奪う仕草がやたらエロかった。
しかしアンクさんは勉強熱心ですね。
比奈への悪戯もたくさん勉強して、色々実践して頂きたい。
比奈がアンクの存在を知るのが意外なほど早くて驚いた
アンクが現れる→お兄ちゃん待って!どうしていきなりいなくなっちゃったの?みたいな流れがしばらく続くのかと思ってた
しかしそうするとあのOPが更においしくなるのかな
兄の体を乗っ取ったなんだかよくわからない腕怪物に、あんな切なげな表情で後ろから抱きついちゃったりするわけだから
いつ頃からあの二人がOPのような表情してくれるのか楽しみでならない
>>33 アンク「なるほど、これが人間の女の体か…おもしろいな。」
みたいな感じか。
オーズネタで何か書きたいんだが、どうにも映司のキャラが掴みきれん
全裸にパンイチでも全く恥ずかしがらない野生児系なんだろうか?
比奈が男のパンツ姿におろおろするSSに飢えてるんだ!誰か!タ ト バ!
でも比奈の中の人、まだ15歳なんだな…若すぎるよな…
確かに映司、つかめないなあ
エロから遠いんだよ
とりあえず、情には厚いんだよな
あと、助けあいだから
女「欲求不満で死にそうです…」
映司「大丈夫ですか!しっかりして!ぼくが(ry」
腕のままで比奈にあれこれしたら、比奈が痛がらないだろうかと
夢もへったくれもないことを考えてしまったわけだけど
でもあのキャラで、比奈の身体の為に気遣ったりするような展開を想像したら
やっぱり美味しいなこいつらと思ってしまう
紛争地域時代の映司なら、貧乏娼婦のお姉さんに
「泊まるとこないの?ウチ来る?」とホイホイ泊めてもらって
「シャワー浴びてきなよ」
「お金ないんでいいです、泊めてもらうだけで」
「いいからいいから、あんたカワイイし〜」
とホイホイセックスしててもありかなと思う。
とりあえずテキトーに書いてみたアンク(腕)と比奈
まだ二人の会話のニュアンスとか口調とか不明なまま書いたので全てが妄想
腕アンクに惚れている比奈、という無謀な前提
アンクが世の女性に対して暴言を吐きまくってます
これらがダメな人はスルーで
NGタイトルは アンク(腕)と比奈:"HAND-JOB"
どうしてこうなった?
アンクは宙にふわりと浮かび、真下でベッドに横たわりうっとりと目を閉じている
比奈の裸の体を、多少の混乱と共に眺めている。
俺を「好き」だと?どうかしてるぞまったく、この女は。
女、か。
しかしつくづく不思議な生き物だな、人間の女ってのは。
人間の女。アンクにはいまだに理解し難い存在である。いったい何なんだと思う。
まず何よりもその形と構造。これにはいまだに驚いてしまう。
どこをとっても丸みを帯び、壊れそうに脆い上に、呆れるほどやわらかい。
何かの冗談かと思うほど何の防御力もなく無防備な薄皮一枚の下にある肉と骨。
ちょっと強く爪を立てればすぐに傷がつき血が流れる。下手をすれば死ぬ。
こんな脆弱な生き物がよく絶滅もせず生き抜いて来られたものだ。
などと考えながらその頬を指でつつくと、比奈が目を開ける。
そして潤んだ瞳で見上げてきて、口元に嬉しげな笑みを浮かべる。
「アンク……」
比奈の手が伸びてくる。そっと添えるようにあてがいながら指先に頬擦りをされる。
この時を待ってた、嬉しい、と。その喜びを伝えようとしてくる。
ふん、かわいらしいことだ。
その肌に触れてみる。やわらかく、すべすべとした弾力のある手触り。
比奈が嬉しげに「あぁ……」と甘い声を漏らす。
こいつ、喜んでいる。
これもまた不思議で仕方がない。女。おんなのからだ。いったい何なんだ。
男に触れられることが嬉しくて仕方ないらしい。
あの小さな機械で調べたところでは恐ろしいことに、女という生き物は全身が
性感帯なのだそうだ。
愛情や信頼感など、これもまた理解できない複雑な感情と物理的な触れられる
感覚が混ざり合った時。何とも甘美な快感をその身体にもたらすのだとか。
どこに触れられても性的快感を得るように生まれついた、女の、体。
何ということだ。
バケモノではないか。
これでよくもまぁ、俺達グリードを怪物扱いできるものだ。
乳房を撫でる。切なげに鼻を鳴らした比奈の手が、アンクの手に重ねられる。
もっと、触って。
って、言ってるんだろうなと考えながらアンクは素直にそうしてやる。指の先で
比奈の固くなってきた乳首を、下から上へと撫で上げ、きゅっとつまんでみる。
「あっ!あぁ……ん。アン……ク」
喜んでいる。
一見、眉間に皺を寄せて苦しそうにも見えるがこれが悦びの表情であることは
既に理解している。これまたあの小さな機械でさんざんそんな画像や動画を見た。
実に気持ちが良さそうだ。乳首を撫でられるたびに体が震え僅かに身をよじり、
手の先がシーツをきゅっと握りしめている。
喜んでいる。
欲しがっている。
夢中になって感じ、身悶えている。
狂気の沙汰だ。
指をそのなめらかな腹の上から股間へと滑らせてみる。
比奈の身体。人間基準ではかなり整った可愛らしい顔立ち。艶かしく美しい肢体。
人間の男の目には、もう狂喜するほどに魅力的に映るのだろう。
だが女は。それだけでもまだ男の心を狂わせ足りないのか、こうして触れられ
愛撫されると、実に可愛い声で鳴くのだ。快感に耐え切れずに甘ったるい声を
漏らすのだ。ほら見てみろ。まださほど強く触れてはいないのに。この股ぐらの
やわらかいところを指先でつつき撫でているだけだ。それなのにこの生き物は。
恥ずかしげに手のひらで口を覆っている。「んっ……!」などと声を殺しながら
必死に快感と羞恥に耐えている。
こんな様子を見せられたら、人間の男ならひとたまりもないのだろう。
俺には理解できないが。
「顔を見せろ。その感じている顔を」
少し強い口調でそう言うと比奈はびく、と体を震わせ一瞬、目を開ける。こちらを
許しを乞うような瞳で見つめ、だが何故か逆に興奮が昂ぶってきたかのように
息が荒くなり、また切なげに目を閉じる。そして言いつけに従い素直に手を下ろす。
震えている唇。
それは羞恥のせいか。期待のせいか。
比奈の口が薄く開く。呼吸が荒くなってくる。豊かな胸が大きく上下している。
股間にあるものをまじまじと見つめてみる。見られていることを意識しているのか
比奈の太腿がもじもじとすり合わされ閉じる。だが容赦せずにその脚をぐい、と
開くと、「あぁ……」などと比奈がまた恥ずかしそうに吐息を漏らす。
その脚は諦めたようにもう閉じない。震えながらも大きくMの字に開かれている。
その股間にあるもの。ぷっくらとしたふくらみの真ん中にあるすっとした切れ込み。
何やら微かに、息づいているその裂け目。
何となく、メダルを挿し込んでみたくなる形状である。
俺がそこにセルメダルを入れ続けたら、何枚目でおまえは泣くかな?
などと不埒な考えが浮かぶが我慢する。比奈を泣かせたことがバレたら、あの
口うるさい映司が黙ってはいまい。どういうわけか奴はこの女には甘いのだ。
今日はやめておくか。またいつか、機会があれば試してみよう。
せいぜい優しくしてやるとも。
股間に指先をやや深く沈みこませ、早くもそこに滴っている雫をすくい取ってみる。
白い肌がまた震え、下唇を噛んだその口から「あぅ」とかわいい声が漏れる。
まったく、なんて柔らかいんだここは。
指で押してみる。ぷよぷよとしたそのやわらかな裂け目の中に何の抵抗もなく
その指先が沈み込んでゆく。複雑に重なり合った肉の襞が少しづつ開いてくる。
こんな。こんな部分までもが。何となく照れくさそうな、だが待ち侘びているような、
そんな様子を見せながらかわいらしく息づいている。
おんな。女の、からだ。まったく……まったく、何なんだ!
さらに呆れたことにここは触ると濡れる。何と驚いたことに濡れるのだ。自らが、
その体が雫を湧き出させるのだ。そのトロリとした雫を溢れさせ男を受け入れる
準備を整える。まったく考えられない。
こんな馬鹿げた話があるか。女の身体にとって明らかな異物であるはずの男の
物を、わざわざ入りやすいように、滑りが良くなるように。たっぷりと濡れやがる。
しかも、嬉々として。
指を動かすたびに溢れてくるその雫を眺めながらアンクは呆れ返る。
いったいどんな仕組みで他にどんな理由があるのか知らないが。
まったく狂ってる、としか。言いようがない。
指を強めに動かす。奥に隠されていた小さな突起をほじくり返す。
「あっ!!」
比奈が叫ぶ。また苦しげな悦びの表情を浮かべて身体をのけぞらせる。
「ここが気持ちいいんだな?」
そう問うと比奈はうんうん、と何度も繰り返し頷きながらまた切なげな顔をする。
指の動きに合わせ「あ」「ふぁ」と微かな吐息を漏らす。
ゆっくり、じんわりと攻めてみる。指先をくねらせ動かしその突起をこねくりまわす。
そのたびにぴくんと震える白い太腿。ほんのりと紅く染まる肌。
徐々にリズミカルに。爪で下から上へその最も敏感な突起を弾く。
「んぁ……あ。あっ。あっあっ。だ、だめ!」
比奈の手がこちらに伸びてくる。その淫らな指の動きを止めようとして。
強すぎる快感に怖れをなしているように。だがその手は手前で留まる。宙に浮いた
まま震えている。迷っている。
止めてほしい、でも止めてほしくない。そんな葛藤が見て取れる。白い手がゆっくりと
元の位置に戻っていく。
それを見て、また今度を少し強めにその突起をぐり、と抉ってみる。
「いやぁっ!!」
また手が急いで伸びてくる。だがまたギリギリで宙に留まる。また迷う。
なかなか楽しくなってきた。比奈の手のひらがひらひらと宙で踊る様子は見ていて
心が浮き立つ。人間が欲望と葛藤する姿を眺めるのはいつの時代も楽しい。
「あぁ……アンク……だめ。だめ!おねがい、いじわるしないで」
何が「だめ」だ。そんなに嬉しそうじゃないか。本当にだめなら逃げたり何なり好きに
すれば良いだろうが。それはしないくせに。
突起をくりくりといじくりながら、今度は別の指を一本、雫で溢れたその穴の周囲に
押し当てたりかりかりと引っ掻いたりしてみる。
ひっ、と小さく息を吸い込んだ比奈がさらに激しく揺れ出す。身をよじりくねらせ、
枕を抱えその顔を押し当て、シーツを強く掴み、また身をよじる。
おやおや。大騒ぎだな。
いったいどれだけの快感がこの身体を襲っているというのか。
「気持ちいいのか?」
「うぅ……あぅ」
「どれくらいだ?」
「そんなの。わ、かんない……あ。あんっ」
「教えろ。どれくらいなんだ?」
「す、すごく。すごく!……気持ち、いい……あぁっ!!」
不思議だ。人間ってのは何にでも単位をつけるはずだ。重さに高さ、長さ。その他、
さまざまな数の単位。それを律儀に、後生大事に生活の中で利用する。
ならば快感にも判りやすく単位をつけりゃいいものを。何故そうしないのか。
まったく理解に苦しむ。
まぁ、いい。そろそろ終わりにしてやろう。
不思議な溢れた雫を利用して指をその穴に滑り込ませる。中は熱い。指がきゅっと
やわらかく締めつけられる。
ゆっくりと抜き差ししながら比奈の様子を伺う。薄く生えた恥毛の向こう、白い砂丘の
ような腹が痙攣するように震え、その先に二つの乳房の山がある。
愛らしく揺れるその乳房の間にある比奈の顔。いやいやをするように首を振りながら
快感を味わい可愛がられる悦びに没頭している。
どれだけ夢中なんだ。まったく。
この拳を丸ごと入れてやろうか。
俺が拳を突っ込んで、中で思い切り手を開いたらどうなるかな。
再びそんな意地の悪い気分が浮かぶがもちろんそんなことはしない。
抜き差しする指の動きを早める。あくまでも優しく。同時にあの突起も繰り返し繰り返し
撫で上げると比奈の足が開きぴんと伸び始める。さらに激しく身をよじる。
「あぅ……アン……ク、あ。あんっ、ふぁ。あ、あ、あっ……んぁぁ!!」
透明でトロリとした雫が白く泡立つようなねっとりとした液体に変化する。
これもまた不思議の一つだ。どこまで淫らだ。普段は小綺麗にお洒落をして清楚、と
いうのか何なのか、虫一匹殺さぬような顔をした女が。今はこうして快楽に啜り泣き
股間にねばつく得体の知れないものをトロトロに溢れさせている。
口から下手をすればよだれを垂らしかねない勢いで。その目すらもとろんとさせて。
だらしない表情で。頬を染めて。ただただ、快感にその身を震わせている。
おお、まったく。女……。女、おんなぁっ!!
「いったい、何なんだ!」
「あ、あぁ……っ!え……?」
「女ってのはいったい、何なんだ!?」
「ひっ!……し、しらない……そんなの、わかんない!あ、あぁっ!」
「言え!女とは、何だ!」
「やっ。やぁっ!い、いや。いやっ!!」
「おまえ。おまえは!………何で、そんなに!」
突然、何やらわけの判らぬ感情が心に燃え上がり、アンクは絶叫した。
「何でそんなに、かわいいんだ!?」
比奈が息を飲む。瞳に大きな涙の粒が浮かび、そして叫んだ。
「アンク……アンク!!あぁ、あたし、もう!あぁぁ……あぁっ!」
比奈がクライマックスを迎える。喘ぎが甘くかわいい声から吠えるような唸るような
叫びに変わる。両手が伸びてきて強く、がっちりと掴まれる。これは先程のように
愛撫を止めるためではない。その逆だ。こちらを最後まで逃がさないためだ。
頂点に達した比奈が短く鋭い悲鳴を上げ、その全身がのけぞる。ピン、と伸びた足の
爪先がシーツを抉るように線を描く。
アンクはびく、びくんと震えているその薄桃色の肌の上をそろりそろりと這い上がり、
乳房をそっと掴み、撫でてやる。
比奈が目を開ける。少々の涙に潤んだその瞳がじっと、見つめてくる。
「ふわぁぁん」
泣き声を上げた比奈にぎゅっと抱き上げられる。乳房の間に挟まれて身動きできず
ジタバタと暴れようとしたが、諦めて抱かれたままになる。
指の先が触れた唇がちゅっと押し当てられる。その唇から漏れる囁き声。
「……アンク」
その目にまた浮かぶ大粒の涙。
「好き」
そして再び、全ての指に繰り返されるキス。
あぁぁ、やめろやめろまったく、甘ったるい!
自分に喉があれば掻き毟りたくなる気分に襲われつつ。やれやれと溜め息をつく。
だがしかし。まぁ、何と言うか。人間の女。確かに得体は知れないが。
悪くない。
まったくもってそれほどには。悪くない。
そろそろあの男の体に戻らねばと思いつつ。アンクは比奈からの熱烈なキスと抱擁を
もう少しだけ、堪能した。
─終
甘ったるいー!
GJ!気になってたから読みたかったんだ、腕と比奈!
お疲れ様でした!
何たる萌えの新境地。
赤い右手が手招くのにつられてルビコン川を渡ってしまった気がする・・・
GJ!これは新しい…
なんだかんだでデレデレなアンクがいいな
比奈のリアクションも可愛かった!
保管庫のパス入れても駄目なんだが…
アンクと比奈はディケイドの士と夏海になんか雰囲気が似てるな
>>41 素晴らしい!
おいしかったですよ。ごちそうさま。
>>50 前とPASSは変わってないはずだけど
>>52 「変わってない」のが混乱の元になってるっぽい。
新番組の開始時期に中の人が忙しい場合もあるだろうし、
今後は「現行作品」じゃなくて、「2010年開始の〜」辺りに
表記を変えたほうがいいかもと中の人に提案。
>>46、GJ!!
かわいいんだ!?ワロタw
しかし腕アンクさん、調べたって好奇心旺盛w
でも腕だけでも比奈抱こうととかだったら萌える
>>41 GJGJGJGJGJGJ!!
かわいいって思ったのか…w
職人さんもアンクさんGJGJGJGJ!!
いいな、腕攻め!!
アンクさんが、実はかなり比菜に入れ込んでるツンデレっぷりがたまらんwww
OPの布越し抱きつきが何回見ても、荒ぶる萌えを誘うよ。
アンクさんと比菜が正面から接触する日が待ち遠しい。
保管庫開かねえ・・・
オーズの放送開始月日で良いんだよね?
>>57 ヒント 保管庫の更新は随分前から止まってる
保管庫内の「現行スレ」の表記は11
なんで50そこらのスレも目を通さないんだ…
まだ開かない・・・二千何年何月何日の形式でいいんだよね?
自己解決しました
そういや去年の今頃は、Wネタでエロが出ないと嘆いていたな
その点、今回は最初から妄想のしがいがあっていいなw
確かにwww
オープニングから萌え転がれる日がまた来るなんて…
嬉しい限りだ
比奈に過保護な映司に萌える
刑事さん巻き込んだって気にしてるのもあるんだろうけど
いちいち見つけてせめて比奈は巻き込むまい巻き込むまいとしてるのがいい
その葛藤に気づかずお役立ちな協力者ヒロインになったらいいんだけどなー
「メズール? メズールって……あのグリードの……?」
自らメズールと名乗る少女を前にして、映司は我が目を疑わずにはいられなかった。
セーラー服をまとった清楚な容姿の少女は、映司より年下にしか見えない。
「なんだよ、人のこと"坊や"なんて言ったくせに、そっちこそ子供じゃないか」
先の邂逅で開口一番言われた言葉を持ち出し、映司は口を尖らせて少女に文句をつけた。
少女は人懐っこく、だがその可憐さとは不似合いな色香を漂わせて微笑う。
「馬鹿ねぇ。これは仮の姿。アンクから聞いてるんでしょ? 私たちが生まれたのは八百年も前のことよ。
――ぼ、う、や」
妖艶な笑みを浮かべた少女の背後に、メズール本来のあの姿が見えた気がして
映司の背筋を冷たいものが走った。
反射的に身構えた映司を見て、少女は浮かべた笑みを深くする。
「あらあら、やる気? だけど、この姿じゃあ、どう見たってあなたの方が悪役よねぇ」
少女は両腕を広げ、スカートの裾を翻して優雅にくるりと回ってみせた。
映司を睨みつけ、鋭く威嚇する。
「妙な真似をしたら大声を上げるわよ」
「そりゃあ困る」
映司は暢気に応じると、少女の脅しに構わずつかつかと彼女に歩み寄った。
「ほんとに馬鹿!?」
少女は呆れながら、軽い足取りで後ろに一歩下がる。
素早くその手を掴んだ映司は少女を引き寄せ、彼女が声を上げるより早くその口唇を塞いだ。
自分の口唇で。
強引に。
「んん……っ!!」
もがく少女を逃さずに、ぴったりと合わせた口唇から肺の中の空気を全部奪ってしまうように、
舌を絡めて長い長いキスをする。
暴れる力が弱まったところで映司が手を離すと、少女はぱっとその場から飛びのいた。
その顔が真っ赤に染まっているのは呼吸困難の所為か、或いは羞恥の為か。
「な、な、な……何をするのよ!!」
「何って、叫ばれたら困るから塞いだだけだけど?」
映司はぺろりと悪戯っぽく舌を出す。
「顔、真っ赤だよ。八百歳って言う割には、意外と可愛いじゃん、お嬢ちゃん?」
「オーズ……!!」
しれっと無邪気に笑う映司を睨みつけ、少女はわなわなとその拳を震わせた。
今日の放送を見たらなんか降ってきた。
本命はアンク×比奈なんだが、「坊や」と呼ばれてむっとしてる映司なら映司×メズールもありだと思った。
>>65GJ!この映司は過去にいろいろ経験ありそうだ、性的な意味で
ちくしょう、映司×比奈萌えしたばっかなのにこっちも萌えたw
>>65、GJ!
>>67 そういう映司と思うと
「ちょっとのお金と明日のパンツさえあれば」
ってセリフもちょっと深読みしたくなるなw
メズール様…!
>65GJ!!!
映司の余裕がたまらんなぁ。
まだ本格的な絡みはないけど、アンクさん×メズール様も実は期待している。
メダジャリバーで流れぶったぎり。
昨日我が家にお迎えした仔猫の名前が「イクサ」に決まりましたので、降ってきた小ネタ。
名護めぐでエロはなし。
これは何だろう?
名護は首を傾げた。
確か、さっきまで恵と一緒に寝ていたはずなのだが?
隣には白い猫が一匹、だらりと体を伸ばして眠っていた。
ぴくぴく動くひげのリズムがランダムで、ひょっとして夢でも見ているのだろうか?
「・・・どこから入った?答えなさい」
もちろん返事が返ってくるはずもなく。
そおっと触ってみると、温かく、毛並みもツヤツヤとキレイで、手触りはとても心地良い。
恵に似ているかな、なんて思ったのはどうしてか分からないけど、ちょっと嬉しくなって笑う。
なでて、小さな頭を包み込んで、耳をちょいちょいと触ってみたりしても、猫はスヤスヤと眠っている。
恵はどこに行ったのだろう?
探しに行こうかと考えたが、なんだかひどく眠くなってきて猫の隣に体を横たえた。
そっとまた猫をなでる。
ぬくぬくとした温度と手触りと命の優しさが心地良くて、名護はふんわりと微笑んだ。
今、ここに恵がいたら「この猫を飼おう」と相談したいところだ。
「・・・名前はイクサで決まりだ」
恵は「安易!却下!」と言いそうだが、押し切ってしまえばいい。
にゃーお
と猫が鳴いた気がした。
そうか、賛成か。
と思いながら、名護はもう一度眠りへ落ちた。
「起きなさいー!」
衝撃で目が覚める。
実に慣れきった健康的かつ武器でもある、妻の太ももに締められながら目を覚ます夫なんてきっと世界で自分だけだ。
「恵!離しなさい!」
「あーやっと目を覚ましたのね。よく寝てたけど、もうお昼だしさすがに起こさなきゃって」
「起こし方があるだろう!」
「一瞬で目が覚める方法を選んだのよ」
と、何か言い返そうとして名護は猫がいないことに気づいた。
「猫は?」
「は?」
「猫がいただろう、ここに」
「・・・いないけど?」
「そんなはずはない!」
あんなに暖かい感触は夢であるはずはない。
「・・・そういや、昨夜、やたら撫で回されたんだけど」
「何?」
「なんか、いつもより触り方が優しかったから何の夢見てるんだろうーって思ってたけど、猫の夢見てたのね」
「・・・夢だったのか」
少し、がっかりしてしまう。
「猫かぁ、いいかもね。飼っちゃう?」
「いや、いい」
「どうして?」
「俺には、こんなに気が強い猫がいるからな」
少し締めが弱くなった隙をついて、恵をベッドに押し倒す。
「ちょ、名護君!」
「いいかげん、名護君はやめなさい」
「や、無理」
「無理というのは君がまだ未熟だからだ」
「うわームカつく!」
と、言いながらも恵が名護の肩に手を置く。
すっかりその気なのは、よく分かった上での軽口の応酬が、この夫婦なのだ。
「爪立ててやるんだからねー」
「好きにしなさい」
夢の中の猫は可愛かったけど、やっぱり今ここにいる猫のほうが愛おしい。
白い毛並みより、白い肌を触るほうが楽しくて、名護は恵の体にゆっくりと溺れることに決めた。
アンクとメズール様には絶対、過去に男女のアレコレがあったはず……
>>70 こういうかわいいの好きだ
名護さんちは昼夜構わず大きな猫小さな猫がアンアンニャーニャー鳴いてそうである
大きな猫を泣かせてる名護さんの背中に子猫がちょこん、と乗ってきて、
とかいい感じ
>>71>妻の太ももに締められながら
753のリア充ぶりに嫉妬
朝も夜もめぐみんの締め技で修行する753ですね、分かります。
羨ましい…!
>>71 やだ、猫に対しても「答えなさい」と丁寧に問い詰める名護さんカッコイイ…
GJ
ちょっと待て、猫の夢=懐妊とか源氏物語であったような。
つまりはメグミンご懐妊で753Jr.誕生フラグ!?
エロなしでもかわいいよGJ!!
過去作品の中でも名護めぐは今でもちょこちょこ投下あって嬉しい
>いつもより触り方が優しかったから
いつもはどんなん?
ボタンむしりの要領で衣服をむしり取ります
空いてるみたいだから、投下させてください。
フィリップが見る夢の話。これを含めて6レス頂きます。
小ネタ3話から成るオムニバスです。
1:母の夢
2:ミックと照井竜の夢
3:翔太郎と冴子姉さんと若菜さんの夢
エロ要素は3だけ、少なくてすいません
翔×冴、フィリ×若 となっております
回避される方は↓NGでお願いします
「Pの夢はRじゃない」
寒い。
薄暗いガレージのソファーでフィリップは、ほんの少し覚醒した。
足元の薄っぺらなタオルケットをがさごそとひっぱりあげて、身体を覆った。
そうっとまぶたを上げて時計を見る。
まだ眠れる。
否応なしに引きずり込まれる夢の中へ、彼は落ちていった。
1:母の夢
僕は、寒い寒いと震えていた。
雑木林の中。
木々は葉を落とし、冬にむけて準備を進めているが、昼間だというのにどんよりうす暗い。
ここは、翔太郎や照井竜の話に聞いた、シュラウドの森だ。
何をしにきたのか自分でもわからない。
密かに見守ってくれていた礼をするためにか。
それとも、僕を復讐の道具にしようとしたことを詰るためにか。
シュラウド!と呼ぶべきか、それとも、母さん、と呼ぶべきか。
声を出しかねているうちに、霧の向こうから、黒い影が姿を現す。
一瞬ためらって、しかしその姿を確認し、僕は叫ぶ。
「マリアさん…!」
彼女はこちらに向かって歩いてきた。
カツ、カツ、とハイヒールの音が耳を突き刺すように響き、竜巻が枯れ葉を舞上げた。
僕は飛ばされないように腰を低くして顔を腕で覆った。
「あなたは、私の息子」
その甘い声に顔をあげると、ここは風都タワーの屋上だった。
マリアさんの黒いコートが風にたなびいて、彼女の胸元と脚を鞭のように叩く。
僕は寒さにガタガタと震えながら、彼女が抱きしめてくれるのを待った。
僕が震えているならば、彼女は抱きしめてくれるはずだった。
しかし彼女の顔はみるみる血の気を失い、膝をつき、前のめりに倒れた。
「母さん……!!」
抱き起こして仰向けにすると、それはシュラウドだった。
「あぁ……母さん……」
僕はその身体を抱きしめた。
それは空虚な入れ物。
風に飛ばされてしまいそうに軽く、動かない。
声をあげて泣いた。
寒いよ…寒いよ…僕を温めてよ…
僕は小さな来人になっている。
母さん…行かないで…そばにいて…寒いよ…井戸に落ちたあの日から、僕はからっぽなんだ。
その時、ふわっと、春の香りがした。
よく知ってる香りだ。
だが思い出せない。
南からの風が優しく身体を包んでくれる。
厚く覆われた雲の切れ目から、やわらかな陽射しが風都に降り注ぐ。
それは木々を萌やし、生き物を育み、ぽかぽかと温かく、希望に満ちている。
そうだ、僕はフィリップだ。
もう、泣かなくていいんだ。
そして香りの主を思い出した。
戦いから意識が戻るときに、彼女の背中で嗅ぐシャンプーの香りだ。
僕が暗闇で迷っているとき、彼女がいつも道標になる…
※※※
目覚めた。
フィリップは身体にかけられた厚手の毛布を手に、ガレージを出た。
「おはよう、亜樹ちゃん。毛布、ありがとう。助かったよ」
亜樹子はキッチンから顔を覗かせた。
「あ、おはよう!今朝はガレージ冷えたでしょう。まだ9月だからって、油断しちゃダメだよう?」
デスクで新聞を読んでいた翔太郎が顔を上げた。
「おぅ、フィリップ。…どうして、毛布かけたのが亜樹子だってわかったんだ?」
ん?そういえば、と亜樹子も不思議そうな顔をする。
「それは、僕が、フィリップだからさ」
そう言ってフィリップは、亜樹子におぶさるように抱きついて、聞こえないように呟く。
「幸せになってね」
シャンプーの名前は、"Mother-Of-Thousands"。
和名ユキノシタ。
花言葉は深い愛情。
「ねぇ翔太郎、夢の中に出てきたひとを好きになってしまったことが、君にはあるかい?」
翔太郎はちょっと眉をひそめたが、唇の左端をあげてフィリップの顔を見た。
※※※※※※※※※※※
昼下がりの鳴海探偵事務所である。
翔太郎は、さっきまでそこにいた相棒の姿が見えないことに気づいた。
「おい亜樹子ぉ!フィリップどこだ?」
電卓とにらめっこしたまま、亜樹子が答えた。
「さっきガレージに入ってったわよ。…やっぱりずいぶん計算合わないな。翔太郎くん、領収書出し忘れてるものない?」
「ん?…ん、いや、無いはずだな。フィリップじゃねえのか?」
亜樹子はやっと顔をあげて、立ち上がった。
ガレージのドアを開けて、中を覗く。
「あらま。寝てるわ」
ソファーに座ってうたた寝するフィリップの膝には、ミックがうずくまっていた。
2:ミックと照井竜の夢
僕は事務所のソファーでひとり、本を読んでいる。
正確にはひとりではない。
膝の上にはミックが丸くなっている。
そしてこのソファーはいつものソファーではない。
ガレージのソファーだ。
「そうか、これは夢だ。ガレージで眠ってしまったから」
それならば、夢を楽しもう。
「お茶にしよう。ミック、お前も飲むかい?」
ニャアと返事があがる。
湯を沸かしている間に、茶葉をブレンドする。
ミックは猫舌だから、冷めても薫りのよいアールグレイを多めに。
ゆっくり湯を注ぎ、茶葉を泳がす。
うん、いいにおいだ。
ミックの皿に落としてから、自分のカップに注ぐ。
皿にフウフウと息を吹いて、冷ましてやる。
「さあ、召し上がれ」
ひと声鳴いたミックが皿に口を付けようとした瞬間、事務所のドアが開いた。
「邪魔するぞ」
照井竜だった。
「検索を頼みたいんだが」
僕は微笑んだ。
「やあ、照井竜。二人は調査に出掛けている」
そうか、と、少しつまらなさそうに返事をして、彼は写真を取り出す。
「この男なんだが…」
彼はミックに気づいて言った。
「…猫を飼い始めたのか。…待てよ、この猫どこかで…」
僕は微笑んだ。
「そうなんだ、ミックはここで」
「貴様ッ…!幹部の猫…!!」
彼は目を見開いて叫んだ。
「照井竜、幹部¨の¨猫、という表現は、『幹部が飼っている猫』という誤解を与えかねない。それも間違いではないんだが、今、君が言わんとしていることとは違うだろう。正しくは幹部¨である¨猫、だ。しかしこれも文語的すぎて不似合いだ」
彼は僕の声が耳に入らない様子で、どたどたと事務所を出ていったかと思うと、エンジンブレードを抱えて戻ってきた。
「き…さま…ゆる…さ…ん!!」
息があがっている。
約30kgある剣を抱えて階段を駆け上がって来れば、当然だ。
ミックは彼の様子に驚いて、背中を丸めて毛を逆立てた。
「照井竜、なぜ変身しない?」
「…俺に質問す」
「ああそうか、理解した。
ミックは丸腰だものね。君は妙に律儀なところがある。
しかし僕の計算によれば、階段をあがるときだけでも変身すれば、782kcalの消費を抑えられる。血中酸素濃度に関していえば、15%の低下を抑えられる」
バキッ、ガシャン、ドカッ、フギーッ
「…まあ、君にとってはどうでもいいことみたいだけど」
僕が話を続けるためには、彼がぐわんぐわんと振り回すエンジンブレードをかわし、ミックの跳躍を遮らないように気を遣わなければならなかった。
と、足元のミックの皿に気を取られて、身体がふらついたことが、スローモーションで感じられる。
背後にエンジンブレードの気配を感じ、目前に、爪を出したミックのやわらかな腹が迫ってくる。
これはまずい。
避けなければ僕が、避ければ照井竜かミックのどちらか、あるいは相打ちで二人とも怪我をする状況だ……それならば、しかたない、僕が犠牲になろう…そういうことには慣れている……
その時、銀色の影が閃いた。「ファング!」
ファングはエンジンブレードを踏み台にして軌道を変えさせ、ミックの腹に体当たりし、僕の肩で止まって吠えた。
「ほら、ファングがやめろと言っているじゃないか」
ミックと照井竜は睨み合ったまま、しかしどうにか溜飲を下げたようだ。
「ミック、おいで」
ミックはさっと翻って、僕の腕に飛び込んできた。
「さあ、照井竜、ミックをもふもふするんだ」
彼の目が訝しむように細くなる。
「もふもふ…だと…」
僕は微笑んでうなづいた。
「そうだ、もふもふだ」
照井竜は最初こわごわと、次第に大胆に、ミックを愛撫した。
ミックは気持ちよさそうに、ごろごろと喉を鳴らした。
「よかったよ、君達が仲直りしてくれて。」
照井竜はすっかりミックを気に入って、その腕に抱きしめて頬ずりしながら言った。
「動物を傷つけるとBPOがうるさいからな。」
「ああ、BPO対策は重要だ」
僕は微笑んで続けた。
「エロパロ板のローカルルールもね」
照井竜はミックの肉球をべろべろと舐めながら上目遣いで答えた。
「それは問題ないだろう、さっき愛撫という単語を使った。ほら、ここだ『次第に大胆に、ミックを愛撫した。』」
僕は、彼にとってはその程度でエロになるのかと驚愕しながら、ファングの足をまさぐって恐竜に肉球がない理由を考えた。
「しかし照井竜、一番の問題は」
床に空いたいくつもの穴、壁にくっきりと残る猫の足跡、散乱した本、ウレタンが飛び出したソファー、引き裂かれたカーテン……
「これ、全部直したらいくらかかるんだろう」
彼はコーヒーを飲みながら、涼しい顔で言った。
「…15万ほどだろう。しかし大丈夫だ、これは君の夢の中だからな」
※※※
「おはよう、亜樹ちゃん。妙な夢を見たよ」
「あ、フィリップくん、起きたの。……あのね、帳簿が合わないんだけど、心当たりない?」
亜樹子が電卓を持って駆け寄ってきた。
「どのくらい合わないんだい?」
「それがねぇ、15万!ちょっと大きすぎるよねぇ〜」翔太郎が顎に手を添えて言った。
「そんだけありゃあ、事務所のリフォームできるな」
亜樹子が踵を返して翔太郎を見た。
「リフォームいいね〜壁紙張替えようか、水玉のね…」
「いや、それよりオレのハードボイルド部屋をだな」
「ないない、それはナイ」
「なんだとぉ!大体お前、電卓打ち間違えただけじゃねえのか!?」
フィリップは二人を凝視していた。
「どうした?フィリップ?」
翔太郎が彼の視線に気づく。
「いや、なんでもない。…亜樹ちゃん、それに関しては、照井竜にきいてみたらどうかな」
くすくす笑いながらキッチンに向かうフィリップ。
翔太郎と亜樹子は顔を見合わせた。
「お茶にしよう。ミックも飲むかい?」
※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※
今日も一日が終わる。
フィリップはガレージの電気を暗くして、ソファーへ横になった。
読みかけの本を枕の下に入れて、目をつぶる。
最初に浮かんだのは、風都タワーの遥か上を行く秋の雲だ。
空が高くなる、という比喩が使われる秋空は、まったく素晴らしい。
俗な感情を洗い流すように清々しく、それでいて、たまらなく人恋しくさせる風が吹いていた。
こんな叙情的な回想ができるようになったのは、就寝前の読書のおかげだ。
しかし、古今東西問わず、物語というものは、非常に興味深い。
さっき読み終えた物語の主人公たち、つまり作者は、悲劇的な結末を避けることだってできたはずだ。
なぜハッピーエンドではないのだろう……
3:翔太郎と冴子姉さんと若菜さんの夢
待ち合わせは風都中央駅。
広場の時計を見上げる。
約束の時間は過ぎている。
不安になる。
「来たぜ」
翔太郎の声に振り向くと、バイクが滑るように近づいてきた。
キッとブレーキをかけるのは、黒いライダースーツに身を包んだ女性。
その後ろから、ひょこっと出てきた顔が「フィリップくん!」
僕はうれしくなって駆け寄った。
「若菜さん!」
若菜さんは、よいしょとバイクから下りた。
ライダースーツの女性がヘルメットを外して長い髪を揺する。
「遅れて悪かったわね」
冴子姉さんだった。
「お姉様……本当にありがとう」
冴子姉さんは照れ隠しにか、若菜さんの顔を見ようとしない。
「お父様のことはなんとかするわ。後悔しないようにおやりなさい。でもね、」
やっと二人は見つめ合った。
「二度と帰ってきてはだめ。今からあんたと私は他人よ。わかったわね、若菜。……元気でね」
「お姉様……」
若菜さんの頬を涙が伝う。
冴子姉さんの瞳も潤んでいる。
「…そろそろ行けよ、相棒」
翔太郎が軽く鼻をすすりあげて、ぶっきらぼうに言った。
「おまえも、帰ってくんじゃねえぞ。けどもし困ったことがあったらよ、電話してこい」
僕は若菜さんと並んで、翔太郎と冴子姉さんに向き合った。
「ありがとう、翔太郎。亜樹ちゃんに、くれぐれもよろしく。僕は…僕達は、大丈夫だと」
翔太郎はなんともない風を装っていたが、左手を握りしめて、口許はかすかに震えていた。
「ああ、伝えておく」
僕は微笑んだ。
「じゃあ、行こう」
若菜さんは泣いている。
鳥が来た。
僕と若菜さんの身体がデータになって、エクストリームメモリに吸い込まれた。
翔太郎と冴子姉さんが、呆気に取られて僕らを見上げている。
「っだよ!電車じゃねえのかよ!!」
翔太郎が勢い余って投げつけた帽子をひらりと避けて、鳥は飛び立った。
エクストリームメモリの中は、白くて広い部屋になっている。
僕は若菜さんを見た。
「居心地、悪くないでしょう?」
彼女はまだ涙に濡れていたが、笑顔を作って言った。
「ええ、いい眺めだわ」
鳥の目を介した大型モニターに、眼下の風都タワーが映し出される。
僕はモニターの前に、ごろんと寝転がった。
若菜さんは僕の隣に、ぺたんと座った。
僕らはしばらく無言で風都の町並みを見ていた。
「あっ」
沈黙を破ったのは若菜さんだった。
「これ……お姉様に渡してこようと思ってたのに……」
ポケットから取り出したのは、クレイドールメモリだった。
「フィリップくん、どうしよう」
僕は少し迷ったが、
「行きましょう。居場所を検索します」
その方がすっきりする、と判断した。
暗くなった上空から、ネオンが灯りはじめた街の中へ。
鳥は大きく弧を描きながら降りていった。
「風都ホテル?」
スイートルーム。
僕等は窓の外から覗いた。
冴子姉さんは翔太郎と一緒にいた。
それどころか、部屋のエントランスで抱き合っている!!
「まあ、お姉様ったら」
と若菜さんは笑っているが!
え?ええ!?翔太郎!!その慣れた様子はどういうことなんだ!
冴子姉さんの顎をそっと引き上げ、唇にキスをする。
姉さんは、もう我慢できない、というように唇を僅かに開き、翔太郎の唇の中へ舌を忍び込ませる。
翔太郎の帽子がぱたりと落ちる。
禁断の果実を味わうように、じゅるっと音を立てて相手の舌を貪りあう。
翔太郎が姉さんの頬を手で包みこみ、時折、絡み合った舌をほどいては愛おしげにその唇を見つめる。
「待ちきれなかったわ」
「俺もだ」
軽く口づける。
「正直、ヤバいと思ってる」
翔太郎が言う。
「あんたは敵の幹部だ。霧彦の愛した女でもある。若菜姫とフィリップを駆け落ちさせたのも、なにか裏があるんじゃねぇのか」
姉さんは翔太郎の顔をじっと見つめた。
「何度も言うが、俺はライダーを辞めないぜ。あんただって、園咲を出るつもりはないんだろう?」
翔太郎が姉さんの髪を掻き上げ、その耳に舌を入れる。
甘い声が洩れる。
冴子姉さんは翔太郎の髪の毛を指で弄びながら、ぽつりと言った。
「あの娘の行動力には嫉妬してるのよ、私」
僕の隣で、若菜さんがごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
モニターの中の翔太郎。
姉さんのブラウスのボタンを外しながら、露わになる白い肌を舐めていく。
「私のメモリの名前、知ってる…でしょう?」
「さあな…あんたと俺は、いつも求めあってる…セックスにそれ以上の情報が必要か?」
姉さんが翔太郎の手を取り、ワルツのようなステップでベッドへ導く。
「そこに愛はない、と言いたげね」
翔太郎が最後に姉さんを抱きとめ、二人はベッドに転がり込んだ。「そうは言ってねえよ。俺達は似た者同士だ。わかるだろ?」
翔太郎の右手が姉さんのスカートの中に消えた。
姉さんが声にならない声をあげるのを、翔太郎は自分の唇で抑える。
姉さんの細い指が、翔太郎のネクタイを外し、シャツを脱がせる。
「私達、いい死に方しないわね」
「あんたの骨は俺が拾ってやるよ」
「それはこっちの台詞。あんたより先には絶対死なないから」
僕はそっと、若菜さんの様子を伺いながら言った。
「これじゃあ、メモリを渡すのは無理ですね。また今度にしましょうか」
若菜さんは頬を上気させて、
「え、ええ、そうね、無理かしら。でももう少し…」
モニターから目を逸らそうとしない。
僕もまた、モニターを見やった。
モニターの中の二人に、もう言葉はない。
横たわる冴子姉さんの乳房を、その柔らかさを確かめるように揉みながら、翔太郎は唇で突起に触れる。
「あっ……っふぅ……はあっ」
冴子姉さんは声を押し殺すつもりもないらしい。
強く吸い、柔らかく舌で転がし、ときに甘噛みし、その度に翔太郎は姉さんの反応を確認するように上目遣いをする。
右手はいつの間にかスカートを脱がし、ショーツの脇から指を潜り込ませている。
「あぁ…早く…欲しい…」
翔太郎が姉さんにキスをする。
「まだまだだろ?この辺も…」
レースの下で、翔太郎の指が激しくうごめく。
「あっ…あっ、あぁんやっ、んっ、そこ、うぅん、ああ、あん、」
冴子姉さんが恋をする猫のような声をあげる。
翔太郎はのけ反る姉さんの鎖骨に唇をつけて、ふと、僕達の方に視線を寄越した。
動きをとめると、ベッドからストンとおりて、こちらに向かって歩いてくる。
鳥は翻って隠れた。
姉さんの声が遠くに聞こえる。
「なに?どうかしたの」
翔太郎の声がする。
「ん、いや…気のせいだよな」
シャッ、とカーテンを閉める音。
モニターには、暗い夜空と眼下のイルミネーションだけが映っていた。
僕らは、ひしと抱き合って小さくなっていた。
若菜さんは僕の腕の中で、僕を見上げて、笑った。
「私達の姿は見えないのにね、焦っちゃった」
僕も笑った。
「焦りました。覗きですからね」
自分のその言葉に、さっき覗いていた光景が蘇ってきた。
僕は若菜さんの額に、そっと口づけする。
「フィリップくん…」
若菜さんが、少し身体を離す。
僕は首を傾げて若菜さんの唇に口づけた。
若菜さんは目をつむっている。
軽く何度も口づけた。
彼女の背中に手を回し、そっと寝かせた。
目を開けた若菜さんの瞳に、白い壁が反射してキラキラしている。
その中心の黒い影、それが僕だ。
「フィリップくん、少し、こわいの」
僕は微笑んだ。
「大丈夫、これは僕の夢の中です」
若菜さんにキスをした。
「……もう少しだけ、夢を続けさせてください……
あなたには、もう、ここでしか、逢えないから……」
声が震えてしまう。
若菜さんは僕の頬に触れ、身体を起こしてキスをした。
僕はたどたどしい手つきで、彼女のワンピースのボタンを外していった。
途中からは彼女が自分で外しはじめたので、僕は自分の服を脱いだ。
若菜さんは全裸になって、胸元をワンピースで隠して座っていた。
「…恥ずかしい」
僕はゆっくり首を振った。
「素敵です…若菜さん…」
そうっと抱きしめると、首筋から甘い汗の匂いがした。
これが夢だとは信じられなかった。
そっと若菜さんの手からワンピースを外してキスをした。
僕は彼女のつやつやとした髪の毛を何度か梳き、少し汗ばむ背中を指先で撫で、お尻の膨らみを手のひらで包んだ。
ひっ、と彼女は微かに声を出して、目を閉じた。
彼女を再び寝かせ、僕は彼女の胸の膨らみに触れた。
軽く触れるだけでふるふると揺れる。
そこに唇を這わせると、若菜さんの息遣いが荒くなる。
固く尖った部分を口に含み、舌にあたるその感触を味わう。
「あ、ん……フィリップくん、へんな感じ…」
「可愛い声です、若菜さん…」
僕の手はせっかちに先を急ぐ。
心臓から胃のさらに下、臍を通ってたどり着く繁みの奥。
淫らで大切な場所があるのを僕は知っている。
微かに潤っているそこに、そっと指を差し込んでみる。
「はぁん…」
ぬるぬるとした液が指の滑りをよくする。
時おり指が締め付けられ、その度に潤滑液が溢れ出す。
僕は指を抜き、目の前に出して見つめた。
「やぁん…見ないで…
その指の甘酸っぱい匂いをかぎ、たまらなくなってそれを舐めた。
「おいしい、若菜さん…」
もっと彼女を感じたかった。
彼女の脚を抱え、繁みに顔を埋めて、直接、蜜を味わった。
「フィリップくん?!やっ、あン、だめっ」
膨らんだ彼女の芯をくちゅくちゅと吸い上げ、舌で突き転がした。
「あぁ、あ、あん、あ、ああ、あぁあんいやッ、いやあぁぁーーッん……!!」
彼女は腰を突き出して数秒、息を詰めた。
彼女の身体から力が抜けたのを確認して、僕は顔をあげた。
額の汗と口もとのぬめりを手の甲で拭って、若菜さんの顔をのぞきこむ。
若菜さんは熟れた桃のようにとろけていて、淫靡だった。
ああ僕は悦んでいる。
でも、ちょっぴり胸の奥がチクチクする。
「ごめんね、こんな夢を見てしまって」
もう止めることは出来ないけれど。
彼女の顔の両脇に手をついて、口の中を味わう。生クリームのように甘く感じる。
それと同時に潤った場所に僕を挿入すると、背中から脳天を貫くように白い衝撃が走る。
「うぅんっ…ああん…フィリップくぅん…」
若菜さんが僕の首に手を回し、脚を背中に絡める。
「若菜さん…ずっとこのままでいたい…」
「私もよ…」
僕たちは何度もキスをした。
しかしあまり時間がない。
ゆっくりと動き出す。
目を閉じて、繋がっている部分を感じる。
「温かい、若菜さん…」
彼女の喘ぐ声も、息遣いも、汗の匂いも、その肉の震えも。
これが全て夢だというのなら。
若菜さんが姉さんで父さんも母さんも冴子姉さんも家族みんなが僕をおいていってしまった、
あれを現実というのなら。
僕の動きは自然に速くなった。
汗が額から髪の毛を伝い、彼女の頬にぽたりと落ちる。
彼女が悶えよがりながら僕を見つめる。
僕は全身で彼女を押さえこみながら、強く突いた。
「若菜さんっ…はあっ…はあっ…愛して、ます……ッ……」
「あぁフィリップくぅん…ずっと、一緒よ……」
僕の中で快感が爆発した瞬間、光がほとばしってあれもこれも彼女さえも押し流していった。
目の前が真っ白になる。
身体が熱く、ヒリヒリする。
キーンという耳なり。
それがおさまると代わりに目覚まし時計の音……
※※※
いつものガレージのソファー。
やかましい時計をひっぱたいて音を止める。
長い夢を見ていた。
汗をかいている。
怠い。
また、逢えるだろうか。
お腹がすいた。
腹は減るくせに、夢精すらできやしない。
さっきの夢だって、知識を基にしたシミュレーションじゃないか。
お得意の演算さ。
二進数が夢を見る?
何のために。
プログラムが人を愛するって?
ふざけるな。
自分で書いた筋書通りの夢に、なぜ苛ついている…?
ああせめて。
でも。
若菜さんが…若菜姉さんが、僕にくれた身体だ。愚痴はやめよう。
着替えて、ガレージのドアを勢いよく開けた。
ドアは翔太郎の顔面を直撃した。。
「あたっっ!いってーーっ!!」
「あ、ごめん、翔太郎。おはよう。
ジュリエットは死んだふりをしてロミオと駆け落ちする手はずを整えていたんだ。
だがロミオは、ジュリエットが本当に死んでしまったと勘違いして、自ら命を絶つ。
それを知ったジュリエットは絶望して、あとを追って死んでしまうんだ。
そんなことになる前に、何とかならなかったのかなと僕はゆうべ思った」
「なんだよまた、朝っぱらから…それはゆうべ読んだ本の話か」
翔太郎は鼻をさすりながら座り込んでいる。
フィリップは頷いて続けた。
「これはよくある話なんだ。ちょっとボタンを掛け違えただけで、全てが狂ってゆく。
小さなすれ違いが大きな悲劇になる。
しかし逆にいえば、小さなすれ違いから始まるラッキーもあるってことなんだ。
思い通りに行かない、だから面白いんだよね、翔太郎?」
若菜さんは僕の姉だった。
みんないなくなってしまった。
僕にはこの現実がある。
もう夢の中に若菜さんを求めるのはやめよう。
シナリオ通りの快楽はなにか違うんだ……
フィリップの顔を覗き込みながら、翔太郎は立ち上がった。
「ああ、そうだな。うん。だから今朝もカレーだ。いいよな?」
フィリップが目を丸くする。
「ええっ!もう四日目じゃないか!!毎食毎食いい加減…」
「しょうがねぇだろっ!亜樹子がこーんなでっかい鍋に作っちまったんだから!!文句言わねえで食え!」
「…うまくいかないね、翔太郎」
「だから面白いんだろ?」
フィリップは黙って微笑んだ。
おわり
6レスどころじゃなかった。
申し訳ない。
以上です。
3だけはなかなかまとまらなかった。
途中でやめようかとも思ったけど、
本放送の、翔太郎が冴子姉さんの最期を見届けたシーンが印象的で、
この二人はどうしてもやめられなかったよ。
やっとすっきりした。
ありがとうございました。
失礼しました。
GJ!!
いい夢見せてもらったよ
おお、GJGJ!
夢とはいえ、最初の雰囲気からこうなるとは思わなんだw
>>92 おだやかでいい雰囲気だなぁ〜とか
少し切ないけど和むな〜、と思う中に
唐突に入る笑いがすげえ
人ん家でムキになって猫と戦う照井とかシュールw
「電車じゃねえのかよ!!」もシュールw
翔太郎×冴子も、この微妙な関係でのエッチがいいな。
これもフィリップの妄想なんだけどもw
GJ!
フィリ若大好きなんだが供給少なくて悶々としてたんで嬉しい
凄い才能を見たぜ
GJ!
アンクと比奈のラブラブが書きたい、と勢い込んだ筈がなんだか違う方向に。
ヘタレなアンクが駄目な方はスルーよろ。
比奈ちゃんは天然悪女だったらいいなと思う今日この頃。
赤い手で黒い髪に触れる。
白い肌をなぞる。
くすぐったそうに娘が笑う。
その笑顔の意味を、アンクは知らない。
久しぶりに見る人間の世界は色の洪水だった。
けばけばしい色合いの人間がやたらと目につき、視界が胸焼けを起こしそうだ。
そんな人間達の中で、アンクの隣にいる娘は恐らく地味と称されるのだろう。
生まれついての雪の肌と、脱色も染色もしていない真っ黒な髪。
服装も淡い色が好みらしく、あどけない顔立ちと相まって大人しいと言う印象を与える。
しかし、見た目通りの可愛いだけの娘ではないのだ。
――あなたから、お兄ちゃんを取り戻してみせるから。
映司と同じ生意気な台詞を吐いて、そしてアンクのそばにいる。
睨もうと怒鳴ろうと、本性を剥き出しにした異形の腕を振り上げようと、アンクを
見据えて揺るがない。
比奈は、そんな芯の強さを持った娘だった。
アンクに対する恐怖心がない筈はないのに、怯えを隠して一歩も退かないのは
ひとえに兄への想いによるものか。
比奈の兄も、瀕死の重傷を負った身で尚ヤミーに立ち向かおうとしていた。
呆れる程によく似た兄妹だ。
その深い絆はアンクには理解不能で、そして癇に障る。
比奈に兄を返してなどやるものかと固く決意する一方、比奈からは兄を想う心を
奪ってやりたくなる。
人目のない二人きりの時にはアンクは右腕の擬態を解くが、比奈はもう異形の
赤を怖がらない。
以前は悲鳴を上げて失神したことが嘘のようだ。
その癖、他のグリードやヤミーと遭遇すると見事な悲鳴を上げる。
俺のこともちゃんと怖がれと腹を立てながら、アンクは赤い右手で比奈の頬を
撫でながら口づけた。
抵抗のない躯をベッドに押し倒し、ブラウスを脱がせて肌を露わにする。
恥じらいに目を伏せ、頬を赤く染めても、比奈は逃げ出そうとはしない。
最初からそうだった。
つきまとわれることにうんざりし、泣き顔でも見れば少しは気が治まるかと、
アンクが無言で比奈に口づけ、組み伏せたあの時。
――お兄ちゃんを傷つけないで。
我が身の危険も省みず、比奈はそう言った。
お兄ちゃんの躯を死なせないで。
何処にも行かないで、ずっとそばにいてくれるなら。
――あなたの好きにしていいよ、と、比奈はそう言ったのだ。
瞳には涙を滲ませ、小鳥のように震えながら、それでも気丈にアンクを見上げていた。
この娘は、我が身を犠牲にしても兄を守ると言うのか。
同族同士、平気で殺し合う生き物の癖に。
兄の為に、簡単にその身を投げ出そうとする比奈にアンクは何故か苛立った。
「麗しい兄妹愛と言う奴か。ご立派なことだな。――反吐が出る」
たかが人間の癖にと嘲笑を浮かべたアンクに、比奈はゆるゆると首を振る。
「違うの」
比奈の目から涙が一筋零れ落ちた。
「あたしがお兄ちゃんを好きなだけなの」
比奈が手を伸ばし、アンクの――信吾の頬にその手のひらをそっと押し当てる。
「あたしが――」
切なげに揺れる瞳は、アンクが今まで見たこともない色をしていた。
一途に兄が好きだと訴えかけるその色。
自分に向けられたものではないと知りながらも、アンクが初めて見るその色は否応もなく
アンクを魅了した。
だが、アンクの目を奪ったその瞳はふっと遥か遠くを見るようなものに変わったかと思うと、
堰を切ったように大粒の涙をぼろぼろとこぼした。
呆然と、比奈は心を失くしたかのような表情で虚ろに呟く。
――あなたがいなかったら、知らなくてすんだのに。
アンクの心がすぅと冷えた。
人間はいつも身勝手だ。
自分自身の欲望を、その醜さを、全てグリードの所為にする。
「八つ当たりをするな」
絶望の非難を冷酷に一蹴し、アンクは人形のような比奈を抱いた。
それ以来、比奈の感情的な涙は見たことがない。
服を脱がせ、生まれたままの姿を晒す比奈にのしかかり、その口唇に口づけた。
アンクが女にした躯は他の誰にも染まらず、教えた通りの反応を返す。
口唇を頬や顎、首筋へとずらし、時々きつく吸うと白い肌には血の色の花が散った。
そして比奈が小さく喘ぐ。
滑らかな肌を舌で舐め上げ、軽く歯を立てながら、両の手はふたつの豊かなふくらみを弄ぶ。
アンクは、やわらかだが強かで壊れることのない乳房に指を食い込ませ、痛みを与えない程度の
力で揉みしだきながら捉えどころのないその感触を楽しんだ。
互いの肌がじわりと汗ばみ、息が上がる。
張りを増した乳房にも口唇を這わせ、赤く色づく先端に舌を絡ませれば、比奈の声は一層高くなった。
鼓膜を突き抜け、脳髄を侵す甘い女の声。
もっと聴きたい。
もっと乱したい。
アンクは手のひらと口唇で比奈を責め立て、快楽に翻弄される比奈の姿が更にアンクを煽る。
煽り、煽られて熱を帯びる躯、磨耗する理性。
直接的な愛撫を受けたわけでもないのに下腹部は熱く熱を持ち、その存在を激しく主張した。
比奈の中心も男を待ちわびるようにしっとりと濡れそぼり、その花を淫らにほころばせている。
本能に従って自らを突き立て、思うさま揺さぶればいい。
それだけで快楽は手に入る。
だが、わずかな躊躇いがアンクの衝動を鈍らせる。
――あなたが、
鮮明に甦る、比奈の声。
――あなたがいなかったら、
あの時は気にも止めなかったその言葉は、時が経つ程に、比奈を抱く度に、重くのしかかっては
ひそやかにアンクを責めた。
知っている。
比奈は、アンクを憎んでいる。
兄の肉体を奪い、比奈の心の奥底から、報われることのない想いを目覚めさせた怪物を。
人間でもグリードでも、他人からどう思われるかなどということを、アンクはこれまで気に掛けたことが
なかった。
憎悪や悪意をぶつけられることは寧ろ快感ですらあったのに、何故だろう、この小さな人間の娘に
憎まれていると思うだけで身を焼かれるような痛みと共に心が軋む。
その痛みに名をつけることは容易い。
けれど、それはグリードであるアンクにはありえない感情であり、何を今更と冷めた気持ちがそうと
認めることを頑なに拒んだ。
何よりも、比奈が愛しているのは兄だ。
アンクの向こうに兄の姿を求め、アンクの腕の中で悦びの声を上げながら、比奈は兄に
抱かれる夢を見ている。
それが虚しい。
「……比奈」
喉の奥に苦いものが込み上げ、それを無理に飲み下しながらアンクは娘の名を呼んだ。
快楽にうっとりと閉じていた目を比奈がゆっくりと開ける。
「……な、に?」
不思議そうにアンクを見上げる瞳には何の敵意も窺えない。
人間の男ならば、こんな場面に相応しい台詞が幾らでもあるだろうに。
アンクはそれを見つけられず、気のない素振りで力なく首を振った。
「なんでもない」
「……そう」
比奈は問いを重ねることなく、ただアンクを見つめる。
そして、何を思ったのか傍らに置かれたアンクの右手をそっと手に取り、その手のひらに口唇を押し当てた。
「……アンク」
少し舌足らずにその名を呟き、比奈は引き寄せたアンクの手に頬擦りする。
気持ち良さそうに目を閉じて、それ以上はもう何も言わない。
アンクは触れた頬のぬくもりに誘われるように、比奈の中に身を進めた。
比奈が小さく声を上げる。
そこに嫌悪が感じられないことだけをよすがに、アンクは比奈をきつく抱きしめた。
つまらない感傷を頭の外に追いやり、浅く深く獣のように腰を揺らせて比奈を貪り喰う。
アンクは未だ知らない。
比奈が、アンクの右腕を恐れないだけでなく、兄の左手に対すると同じくいとおしげに触れることを。
アンクと兄、それぞれへの想いに引き裂かれそうな苦悩と葛藤を抱え、それでもアンクのそばにあろうとしていることを。
>>99 GJGJ
おお…イイ、ものすごくイイ…!
先週もお兄ちゃんコンプレックスとか言われてたけど、
やっぱ比奈もお兄ちゃんを慕いつつアンクを想うようになっていって欲しいよね
GJです!!!
切ないよ…アンク…
オープニングの比奈×アンクに通ずるものがあるな。
布一枚隔ててる感じ。
>>99 GJ!
気持ちの擦れ違いが、この先の悲劇を含んでいるようで切ない
思わず、アンク頑張れと応援したくなった
うおおおおおおおGJ
まだまだ燃料が少ない状況下なのにどうしてこんなに萌え苦しくなるのか
生理的欲求でムラムラしてきたアンクが対処法をネットで検索し、
手近にいる女ということで比奈を襲う話が読みたい
映司とアンクと比奈で小ネタを失礼。
========
「………。」
「…で!
比奈ちゃんを無事に逃がせたから良かったものの
またグリードが比奈ちゃんの近くに現れたらと思うと。
とにかく、比奈ちゃんの安全は確保しないとな……おい、アンク、聞いてるのか?」
「……五月蠅い。」
「なっ!何だよ、少しは俺の話も──」
「違う。話の内容の事じゃない。比奈比奈比奈比奈、何度その名前を出せば気が済むんだ。」
「いいじゃないか、刑事さんの大切な妹なんだから。」
人気の減った公園の一角
いつもの様に携帯を弄りながら、映司の無駄に真っ直ぐな会話を聞き流し
アンクは盛大な嫌みを込めた溜息をつく。
「お前は、そんなにあの女の事が気になるのか。」
「ああ、気になるよ。」
「好きなのか?」
「うん、好きだよ?」
「ならば、早く種を付ければいいだろう。」
「は?」
「…お前、あの女に自分の子を産んで欲しいんだろう。ならさっさとそうすればいい。」
「──〜〜〜〜はあああっ?!な、なn何○b×の■jn?!!」
「……五月蠅い。」
「だっ!! 急になに言ってんだアンク?!正気か?」
「お前こそ…今のは人間の言語か?それと、五月蠅い。」
「話をそらすな!怒るぞ!!」
「……もう十分怒っている気がするが。やれやれ……。」
キーン、と良く響く声を発し、明らかにうろたえた映司を流し目で一瞥しながら
先程よりも深い溜息を吐きだすと、アンクは続ける。
「この俺が永く生きて『お勉強』してきた経験から言うと
生物のオスが他人のメスを必要以上に庇うのは、子孫を残したい時だけだ。
お前を見ていると、あの女を随分と過保護に扱っているようだからな。
………図星だろう?」
「図星なワケないだろ!!比奈ちゃんはなぁ、だいたい──」
「………五月蠅い。」
アンクは本当にうっとおしげに呟く。
己の本体である赤い手を、彼女の兄の腕である反対の手で撫でながら。
「……あの女は、お前にはやらん。」
「はい?なんだって?」
「……なんでもない。」
すれ違う度に一瞬だけ見せる、あの切なげな表情の少女を想いつつ
映司と自分に同じ欲望が宿りつつある事実に、気付かれぬようにまた苦笑の溜息をついた。
>>109乙!
アンクと比奈の特殊な関係性は妄想しがいがあるね……
鳥の求愛行動(歌ったり踊ったり、立派な巣や綺麗な物を用意したり)
っぽい事をアンクが始めたら祭の予兆
>>110 求愛行動ww
野鳥の会的に見守りたいwww
何故か木の枝とかアイスの棒を集めて高い場所に巣作り始めたり
ちょっといい声で「ぴー」とか鳴き出したり「違う!人間の女には
これでは通じん!」と愛の言葉を一生懸命検索して「じゅてーむ」とか
練習してたり、妙に派手に着飾った姿で比奈を睨みつけるように
じとーっとした目で見つめてたりするアンクさんは怖いなぁ
すでにアンクは比奈ちゃんに口移しでエサを与えたくてウズウズしてるんじゃないかと思うんだ
名前的に
>>112 アイスの棒有まで効活用ですねw
比奈の周りを遠巻きに回りながらガン見してるアンクさん微妙w
全然関係ないんだが、アンクが兄の記憶を見たときに、行き過ぎた妹萌えとかちょっとまずいものに遭遇しなかったんだろうかw
アンクの当面のライバルってお兄ちゃんだよね。
↑ミスった。棒まで有効活用。
116 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 17:47:30 ID:QydX9ISz
そういや亜紀子って照井と結婚するんだし、初夜ネタとか投下してくれる人いないかな
言ったでしょ、ボクは犯る時は犯る男だって
>>117 ちょっw それスレ違い(キャラ違い)
蝶精神もすげー好きだからまだの人には見てほしい
「半分こ怪人」
「ん?なんだ?」
照井はぽつりと亜樹子が呟いたその言葉に振り返った。
開け放したホテルの窓から流れ込む夜風の中、髪を結ばず下ろした姿で亜樹子は
窓辺のソファに座って遠く暗い海の景色を眺めている。
体にぴったりとした白い薄絹の部屋着に身を包み、物憂げな表情を浮かべる亜樹子。
普段は色気、などとは程遠い彼女だったが、今夜の亜樹子どこか妖艶でもある。
ほんの少し、だが。
新婚初夜のマジックか。
照井はそんな亜樹子の姿に何故か少し照れくささを覚え、わざとらしく咳払いをした。
「あたしが初めて翔太郎くん達が変身するの見た時、そう思ったんだぁ」
「半分こ怪人、と?」
「うん、そう。Wってそうでしょ。体も半分こ。心も半分こ」
「そうだな」
「あたしねー、本当は。ちょっとうらやましかった」
「うらやましい?」
「翔太郎くんとフィリップくんって。何か、何ていうか……お互いになくてはならないって
感じで、本当の意味でパートナーでしょ。足りないとこ補いあって、ちゃんと半分こで」
亜樹子はまた遠い海へと、その視線を向けた。
「あたしは事務所の所長だったけど、Wにはなれないし。ああいう二人の関係って、
ちょっとうらやましかった」
そう言って亜樹子は、ほんの少し、寂しそうに微笑む。
「俺には、所長達3人が……その、うらやましかったが」
照井は思わずそう、本音を漏らした。
最初の頃とは違い、時を過ごすうちに3人の中に溶け込み四六時中事務所に入り浸る
ようにはなっていた。仲間になれた、と思った。
だが探偵と警察という関係上、超えてはならない一線もある。
警察という仕事を辞める気はなかったが、内心、忸怩たるものがあったのも確かだった。
「でもいいんだぁ」
亜樹子は急にぴょん、と立ち上がった。風に吹かれた薄い部屋着がふわりと舞う。
「これからはあたしと竜くんで…」
亜樹子が笑う。だがその目は、ほんの少し潤んでいる。
「所…、亜樹子?」
照井は驚き、亜樹子を見つめる。見つめたその顔が涙にくしゃ、と歪む。
どうした!と声をかける間もなく。亜樹子が胸の中に飛び込んでくる。
「おい!亜樹……」
「これからは、これからはあたしと竜くんで。ずっと、半分こだもんっ」
「亜樹子……」
「覚悟してなさいよぅっ。もうっ、離れてやんないんだからねっ」
亜樹子がぎゅっと胸に顔を押し当ててくる。その熱く、やわらかな体が押しつけられる。
照井はその体を強く抱き返す。自分も胸に込み上げるものに顔を歪ませながら。
「離れてやんない」だと?……望むところだ。俺も離しはしない!離すものか!
照井はそのまま亜樹子の体を抱き上げ、ベッドへと運んだ。
しがみついてくる亜樹子の首筋に唇を押し当てながら、片手でベッドランプの灯を落とす。
灯りの消えた部屋。照井の心は亜樹子のやわらかさ、亜樹子の香り、亜樹子の体温、
亜樹子の全てで満たされていく。
他の何も。どんなものも。その体と心に入り込む余地はない。
>>119 GJGJ!!
若い二人の新婚初夜だぁ…いいなあ…
愛と優しさに満ちてるよ…
なんだか自分も随分前にそんな夜があったようななかったようなどこへ行っちゃったのかしら的なゴニョゴニョ
>>119 GJ!!!!
ニヤニヤしてしまった…
照井は熱い男だな
>>119 GJ!
いいなあ、初々しいよ
これぞまさに正しい新婚さんの姿だ
でもって
>>120の意見に自分も禿げ同w
そんな時間もあったような気もかすかにするが……今となっては思いだすことすら難しいww
>>119 照亜樹ビギンズナイトごち
映画や終盤のデレのせいか照井は恥ずかしいこと平気で言うイメージがある
次の映画も恥ずかしい照井を期待
つつつ続きは?続きをぜひお願いしますハァハァ
この二人の思いっきり甘々な初夜のあんなことやこんなことをぜひ
保管庫に入れないんだが誰か入力の仕方が悪いのかな。
誰か教えてください。
>>125 保管庫に入れないんだが入力の仕方が悪いのかな。
誰か教えてください。
の間違いでした。
保管庫管理人さん行方不明だね
129 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 00:04:33 ID:vlksJxHX
>>127 すいません。いろいろやってみたけどダメでした。
差し支えない程度にヒントいただけませんか??
保管庫読みたいけど、携帯からだとパスワードのループで読めなくてねえ…
さて、週末だし、投下しますよ
鴻上トリオ
会長×秘書メインで、
後藤×秘書要素あるものの、後藤は居るだけです。
そのあたりの妄想にはつきあえないよという方、苦手な方はスルーもしくはNG↓でお願いします
タイトルは《人間》
結花は自室のベッドの毛布の中で指を動かしていた。
海堂がクリーニングに出すと言い玄関に置いていたジャケット。
それを勝手に部屋に持ち込んで着てみた、まではいいが、妙に体が熱くなった。
だから、ベッドの中に潜り込んだ。
海堂は結花よりも背が高いために袖があまる。その袖を自らの脚の間に押し付ける。
「んっ、海堂、さん…!」
声が漏れそうになり慌ててもう片手に袖口を噛む。とたん鼻孔から海堂の匂いが流れこんでくる。
まるで抱きしめられているようで、結花は強く目を閉じた。
指を先程よりも早く動かす。気持いい。
必死になって指を動かしながら、頭の中で海堂にいじられているのを想像する。
海堂さん、ごめんなさい。こんなことしちゃって本当にごめんなさい。
そう思うことはできるのに、指は止まらない。
「んっ、あふぅ、かいどっ…」
「おい結花」
ドアが突然開いた。結花は目を丸くする。声を聞かれたのかと慌てて毛布の中に首まで潜り込む。
勝手に部屋に入り込んできた海堂は、ずかずかとベッドのほうへ歩み寄る。
「お前、俺のジャケット知らねえか?
ちゅーかよぉ、そろそろあれも買い換えたほうがかもなあ。ぼろぼろだしよぉ」
「ごめんなさい、知らないっ、です…」
「ん、どした、体調でも悪ぃのか?顔赤けえぞ」
「なんでもないですっ、大丈夫ですっ!」
わざわざ海堂が近づいてきて顔を覗き込んでくる。
結花は顔を隠すように更に毛布の中に入り込む。
駄目だ、もし毛布をめくられたりなんかしたら何をしているのかばれてしまう。
海堂は訝しげな目で結花を見てから、ま、気ぃつけろよ、と言い残して部屋を出て行った。
「ふぅっ…んあっ」
指を動かす。達しそうなのを止められたせいで体は火照っている。
恥ずかしい。もしかしたら海堂さんに気づかれちゃったかもしれない。
恥ずかしい匂いが部屋の中に充満している気がする。
ごめんなさい海堂さん、海堂さんのジャケット、駄目にしちゃいました。
袖口を噛みながら、結花は指を動かし続けた。
わたしはソファーに座り、ケーキを食べている。
コンコン、とノックの音がした。
「失礼します」
後藤の声だ。
どきん、と心臓が跳びはねる。
が、気にもとめないふりをする。
「入りたまえ!」
会長の野太い声が部屋にこだまする。
ドアを開けて閉める音。
足音。
「お呼びですか」
会長が椅子から立ち上がった。
「後藤君。火野映司君をどう思うかね」
「つかみどころのない男です。
ふざけているかと思えば、次の瞬間には核心を突いてきます。
…使い方によっては危険かと」
機械のような声。
私の身体が知ってる後藤の声じゃない。
会長の足音がこちらへ近づいてきて、止まる。
「使い方ね…」
どすん、と私の横に、会長が腰を下ろした。
会長は私の肩を抱いた。
私は少し動揺した視線を向けたと思う。
でも後藤は身じろぎもしなかった。
その視線は、ものでも見るように私の顔に留まったあと、ゆっくりと会長ヘ移した。
「はい。彼は今、アンクと共同戦線を張りながらも、出方を伺っています。
アンクが彼のやり方に拮抗する行動をとった場合、彼はそれを阻止するでしょう」
会長が私の耳たぶをぴちゃぴちゃと舐めはじめる。
「あ、ふ」
ケーキの皿を落としそうになった。
後藤は構わず考察を続ける。
「しかし、アンク自身への情が募り、自己犠牲の精神が現れると厄介です。
例えば、メダル争いの末、アンクを葬ろうとするグリードに対し無茶な戦いを挑み、自滅しかねません」
会長の指はごつごつしているのに、器用だ。
ケーキの皿を取り上げてテーブルに置き、私のピンクのジャケットと、その下のシャツのボタンを片手で外していく。
「アンク君に関してはどうかね」
ボタンを全部外し終えると、ぐいっとブラジャーをずり下ろして、乳房を剥き出す。
それを目にして、ほんの一瞬、後藤の目が泳いだ。
「泉刑事の意識がどの程度干渉しているのかは不明ですが…」
会長はその先端を手の平で転がしながら、わたしの首筋に舌を這わせた。
「ンッ、あッ…かい…ちょう…」
「静かにしたまえ、里中君。…後藤君、続けて」
でも、愛撫はとまらない。
人差し指と中指でコリコリと乳首を弄る。「くっ…はあっ…」
「…アンクは、まだ現代の人間に不慣れです。
現代的な倫理の欠如や悪意に対して、少々計算が甘くなる部分があります。
それを補い得るのが火野映司だとして…」
わたしのスカートは既にまくりあげられていて、露わにされた黒いレースのパンティの上を、会長の指が何度もなぞる。
会長はわたしの顔を自分の方へ向けさせた。
熱い息がかかる。
会長の舌がぬるぬると私の唇を這いまわり、容赦なく口の中を犯しにかかる。
「二人に関しては、その関係性いかんで我々の脅威ともなる可能性があります」
「うぐ…後藤く…ん…では…クチュ…この、里中くん…どうかね…」
わたしは会長の舌を受け入れながら、ちらと後藤を見た。
「ご質問の意味がわかりかねます」
後藤は正面を見据え、直立不動だ。
「秘書のコスチュームは私が見立てているのだよ。
君は、どんなものに興奮する?」
わたしはソファーに寝かされ、脚を大きく開かれた。
「CA風に、紺のスーツにスカーフなんてどうだろう?それとも」
「お邪魔でしたら失礼しますが」
後藤らしくない言い放ち方だった。
会長が机の引き出しから鋏をとりだした。
パンティの恥丘部分を横一直線に切る。
「あぁ…会長…」
はらりと開かれた恥部は先程までの熱が嘘のようにひんやりと感じる。
「おお。随分と滴っているね、里中君……
邪魔?とんでもない。見たまえ、この里中君を。
君に見られて悦んでいるのだ。今、君に出て行かれて困るのは、」
会長は顔を上げた。
「わ・た・し、だ!」
もう、後藤への視線は隠す必要がなくなった。
会長に乳房を舐めまわされ、しゃぶられ、喘ぎながら、まっすぐ後藤を見つめた。
「やん、うぅん…はぁん…」
後藤もわたしを見つめている。
会長はわたしの茂みに指を走らせ、敏感な突起を捜し出した。
それに顔を近づけ、唾液と舌をあてがい、細かく震わせる。
「ひゃっ、会長、あ、あっ、や、あ」
同時に膣には中指を突き刺し、ぐちゅぐちゅに掻き混ぜる。
「会長、も、ダメですっ、あ、はあっ、いいですぅ…あんっ、は、あぅ、ああ、い、い、いい、や、い、いくっ」
後藤の瞳はさっきより少し、潤んでいる。
喉仏が上下する。
「ああああぁ…いくぅぅっいきますうぅぅ……んんッ……!」
いった瞬間、会長が唇から舌を入れてきて、体中が熱く、どこまでも膨れていくようだった。
「見たかい?後藤君。
このひそやかな泉から溢れ出す欲望!
淫することに限りはない!
自分を見失うことは恐怖か?
否、快感だ!!
実に美しい…原初の欲望!
実に人間だ!女だ!
里中君!感じたまえ!喘ぎたまえ!
すべて後藤君に見られているのだよ!!」
会長はそう叫びながら、わたしに覆いかぶさって一気に自身を挿入した。
わたしの中心が太い固いものに押し拡げられていく。
貫かれる快感に身をよじりながら、私はより深く求めて腰を上げた。
ひととき、後藤の存在を忘れた。
「あぁ会長、早く…はやくぅ…」
会長は焦らすように動かない。
「里中君、動くんだ!欲望のままに!」
わたしは起き上がり会長を押し倒すと馬乗りになって、ソファーが軋むほど腰を振った。
結んだ髪が乱れ、敏感になっている耳をくすぐる。
「あ、あんっ、は、はあっ、ん、んはっ」
会長はわたしを立たせた。
「ソファーに手をついて!腰を上げるんだ」
言われるままの姿勢をとると、後ろから貫かれる。
後藤がわたしを見てる。
乱れた顔を、揺れる乳房を、会長との接合部を、擦れて、締めて、絞り上げて、ぐちゅぐちゅに濡れて、べとべとにまみれて、熱くて、ああ、ああん
「いっちゃうっ」
後藤が目を閉じる
「も、いくうっ」
わたしも目を閉じる
会長の動きが激しさを増し、わたしの中も最高潮に達する
「ぃああああ………ッ………」
背中を快感が駆け上がって、ぼわん、と放り出される。
そこは眩しい空間。
膝に力が入らなくて、祈りを捧げるようにソファーへ突っ伏す。
会長は自身を引き抜いて、わたしの背中に精液を撒く。
「素晴らしい、里中君」
そう言い残して、会長はさっと着衣し、部屋を出て行ってしまった。
息が乱れ、まだ身動き出来ない。
わたしの背中を、後藤がティッシュで拭き取る。
「ありがとう…ございます」
たぶん、わたしの目から、涙が流れ落ちたのだと思う。
後藤が、手の甲で、それを拭った。
わたしは、その手に触れようとして、やめた。
この部屋には何台もの隠しカメラがあるはずだった。
おそらく会長には、知られているのだ、わたしと後藤が密通していることを。
でも、それを表に曝すのは危険だ。
その話題をふる隙を与えず、しれっとしていればよいのだ。
わたしも後藤も、なにも言わず、ただそこにいた。
後藤はなにを思っているんだろう。
会話がないのは不安だ。
心の中に不安がうまれて、膨らんでいく。
その気持ちは彼も同じなのだと思いたい。
わたしは彼の目を見つめる。
彼も、見つめ返してくる。
その視線は人間的だ。
欲望にまみれている。
「早く服を着た方がいい」
若干濡れているその声にほっとする。
「はい」
コスチュームを身にまとい、髪を整え、食べかけのケーキに手を伸ばす。
「失礼する」
後藤の目は、もう機械の目に戻っていた。
ドアの閉まる音を聞く。
わたしはフォークについた生クリームを舐めとりながら、会長の予定表を確認した。
おわり
以上です。
あのあと秘書がノーパンのままだったか否かはシラネ
お目汚し失礼しました
保管庫のパスは、鍵と月日をあわせて半角8文字だよ
がんばれ
何も考えずに投下したら変なとこに入ってて申し訳ない
まず服を脱ぎます
うわぁ…
ご、誤爆もうしわけない・・・
誤爆連発かいw
ID:BFPQdpLAとID:hinlhwmは投稿前に
リロードして確認する癖をつけるといいと思うよ。
>>135 GJ!エロいよ会長、エロいよエリカ!
>今、君に出て行かれて困るのは、」
>会長は顔を上げた。
>「わ・た・し、だ!」
最高だwwwwwwww
全裸四つん這いに海堂のジャケットを弄れば許していただけるんですね?
パスワードのヒントは、二人で一人の仮面ライダーだ。
>>135 GJGJ!
今日の本放送で思い出しちゃうじゃないか!
グリード達もなんか絡めそうだな。
カザリ×メズールとか
映司の住み込みの話を一人でトントン進める店長に企みを感じてしまったw
カザリ×メズールはありだと思った。
あの退廃的な雰囲気がいいじゃないか。
比菜の着物姿に好奇心を刺激されるアンクさん。
「これはどんな作りになってるんだ」
と帯を解こうとするアンクさんと、恥ずかしさからアンクさんを
投げ飛ばす比菜まで受信してみたwww
恵が名護さんではなく、渡と結婚する話を書きたい
147じゃないんだけど、新参の自分も知りたい
放送終わったら、IFルートの話ってのはだめなの?
>>149 そんなことないだろう。
>>148がどういうつもりで駄目と言ったのかは知らんが、
基本的に
>>1に書いてある通り、何でもあり。
前置きさえ書いてあれば、誰と誰が絡もうとOKですよ。
えっ、あっ、そっか!
やだ、恥ずかしくて逝ってしまいそ
名護さんなら仕方ないな
7話で怪我を負っただろうアンクと比奈が接したら、というもしもの話。
エロはなし、キスだけです。
ゆっくりと、水の中から浮かび上がるように意識が覚醒する。
同時に躯中の鈍痛を知覚し、アンクは目を閉じたまま盛大に顔をしかめた。
忌々しい出来事の記憶が鮮やかに甦る。
屈辱に、激しい怒りと憎悪が肚の底から湧き上がった。
殺してやる。
どうせコアメダルを全て奪い取れば、彼らは跡形もなく消えるのだ。
この借りはすぐに返してやる。何倍にもして、だ。
復讐の決意を固めると少し気分がましになった。
そして、傍らに人の気配があることにようやく気づく。
「……映司か」
訊ねるが答えはない。
仕方なく重い目蓋を無理に持ち上げると、映司ではない、別の人間の姿が目に入った。
いつになく厳しい顔つきでアンクを見下ろしているのは比奈だ。
気まずい、と人間のような感覚がアンクを襲った。
「何してるの」
表情とよく似た声で比奈が問う。
険のあるそれは質問ではなく詰問だ。
見れば判るだろうと言いたいのをアンクはこらえた。
比奈が怒っていることも、その理由も、判り過ぎるほど判っているからだ。
答えないアンクに、比奈はさっきよりも怒気を強めた声で言葉を重ねた。
「お兄ちゃんの躯に何してるのよ」
ほうら来た。
口を開けばお兄ちゃんお兄ちゃんと、この娘は兄のことしか頭にないのだ。
アンクのことなど兄の躯を奪った憎むべき怪物だとしか思っておらず――それが紛れもない事実だと
いうことは棚に上げ――、映司と比奈が揃って信吾の身ばかりを案じることがアンクは少し面白くない。
まったくどいつもこいつも。
脆弱な肉体に迷惑しているのはこっちの方だ。
「馬鹿じゃないの?」
そんなアンクの心境を知ってか知らずか、比奈は怒りの言葉を容赦なくアンクにぶつける。
「一人でふらふら危ないことして。どうしてそんな無茶するの? あなた、本当の躯はその腕だけなんでしょ?
躯はお兄ちゃんなんだから、少しは考えてよ。相手はあなたと同じ怪物なんでしょ?」
「おまえな!」
あまりの言われように我慢しきれずアンクは飛び起きた。
無茶をする羽目になったのは映司の馬鹿が勝手にヤミーと遊んでいたからだ。
メダルさえ揃っていれば、誰も好き好んで人間の躯に憑いたりはしなかった。
大体俺がいなければおまえの兄はとっくに死んでいる、と、そう言い返してやろうとしてアンクは絶句した。
比奈が泣いていたからだ。
アンクを責めながら、大粒の涙をぼろぼろとこぼしていたからだ。
「なにしてるのよ……」
泣きながら、比奈はしゃがみこんでアンクの手を取った。
人間の形をした左手ではなく、アンクの本体である右腕を。
「こんなぼろぼろになって、なにしてるのよ……」
馬鹿じゃないのと繰り返しながら、比奈はアンクの手を自分の頬に押し当てる。
流れるばかりの涙は止まることを忘れたかのようだ。
アンクは混乱した。
この涙は誰の為のものだ。
あの怒りは誰の為のものだ。
「泣くな。うっとうしい」
アンクはそう言ったが、自分の声に相手を従わせるだけの覇気がないことは自覚していた。
掴まれた手を振り払うことすら出来ないのは痛みの所為か。
比奈の涙がアンクの手に落ちる。
落ち着かない。
こんなのは困る。
比奈の涙がアンクの中のささくれ立った感情を溶かしてしまう。
力の源となる怒りや憎悪を洗い流してしまう。
とても困る筈なのに、拒絶する気が起きないのは何故だろう。
「誰の所為よ」
「俺だと言うのか?」
「他に誰がいるの」
比奈がアンクを見上げて睨んだ。
「あなたが離れたらお兄ちゃんは死んじゃうんでしょう。取り憑いたんならちゃんと守って」
「いっそ爽快な程に酷い言い草だな。兄の為なら俺はどうでもいいというわけか」
「当たり前でしょう」
比奈がきっぱりと言い切る。
だが、涙で潤んだ瞳にアンクへの悪意や敵意は見受けられず、ただひたすらにこの躯の
無事を願う祈りがあるだけだった。
何の衝動か、訳の判らない想いが込み上げる。
アンクは左の指先で比奈の髪をかき上げると、涙に濡れる頬にくちづけを落とした。
比奈は驚いた顔をしたが、嫌がる素振りは見せない。
大きな瞳に強い光りを宿し、射抜くような眼差しでアンクを見つめる。
「……お兄ちゃんを死なせたら、承知しないから」
「生意気なことを言う」
人間の小娘が大きな口を叩くと可笑しかったが、不思議と不快ではなかった。
右手をずらして比奈の小さな顎を掴む。
「覚えておいてやる」
アンクは低く囁き、まるで何かの誓いのように、目を閉じた比奈にくちづけた。
>>154 GJです。手を握るのとキスだけなのに雰囲気がエロイ
この後ルート分岐次第で
>>99へ行きそうで切ねぇ…
>>154 GJ!
こんな比奈は、アンクをつんつんしてる小学生をちぎっては投げちぎっ(ry
映司は性欲あんまりなさそうでエロが想像できそうもない……
比奈とで夕暮れの河川敷で二人で並んで沈む夕陽を眺めてる
映司までは妄想できた
「映司君、あの時、言ったよね。戦いに行く前に」
「何が?」
「自分が手を伸ばさなきゃいけない時に、伸ばさなかったことを後悔したくないって」
「そうだっけ?」
「あたしもそう思うの」
比奈はうつむき、頬を染め、そして。
映司に手を伸ばし、その手をきゅっと、握りしめた。
「比奈ちゃん……!」
「後悔したく、ないの」
「あ。その、俺は」
「だから…あたし」
比奈は顔を上げ、映司を潤んだ瞳で見つめ、その震える唇を
とりあえずここまで妄想が進んでる
保管庫の鍵何度やっても開かない…正しいパスワード教えて下さい
お人よしの多いスレだなぁw
パス関係はいい加減スルーでいいんじゃね?
テンプレ不備とはいえスレ読めば分かるんだし
>>160 が、がんばってくれ!
自分は、もうダメです!!
映司では…書け…な…い…
167 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 02:22:44 ID:yrCBQzut
ところで、「性欲」は欲望に入るよな?
だったら簡単にメダルを集める方法があるぞ。
まずメズールが街に出てだな・・・・・・。
人間モードでかつ全裸で夜中に人気のない裏路地をウロウロすればセルメダルを腐る程、生み出す素材が手に入る。とカザリ辺りに吹き込まれ
実際に実行するメズール。その策に引っ掛かる哀れなレイパー軍団
レイパー軍団がメズール人間モードをレイプ(メズール本人は遊んでるに等しい)
数分後。数十人単位にメダルを仕込んでホクホク笑顔のメズール人間モード。「首尾良く行ったらガメルにもメダルを分けてあげないと」
>>168 メズールの人間態ってJKじゃん、そんな不埒な行動・・・・・大歓迎だがw
しかし、今週ラストのアンク比奈は萌えた
アンクが求愛行動をとる日が楽しみだ
7話ベースでカザリ×メズール。
このメズール様は過去にアンクと何かあったかもしれない。
てっきり悪女キャラだと思ってたのに、メズール様テラオカンw
二人きりだった。
背中のかすかな重みがなんだか落ち着かない。
「どうしてその形を選んだの」
手許の雑誌に視線を落としたまま、カザリはぽつりと言った。
「どうしてって?」
同じ姿勢でメズールが訊ね返す。
「子供みたいじゃないか。いつもの君はすらっとして恰好いいのに、今は僕より小さい」
カザリの声には思いがけず不満の色が滲んでいた。
ああ、人間に化けた彼女の姿を初めて見た時の不快感はその所為だったかと、口に出してようやっと気づく。
「オーズを油断させられるかと思って」
メズールの答えは明確にして単純だった。
「人間は見た目で判断する生き物だもの」
「確かにね」
「それに」
メズールは首だけを捻じ曲げてカザリを顧みる。
「この姿だとあなたともお似合いでしょう」
さらりとした髪を揺らし、にっことり微笑む彼女は天使のように愛らしい。
けれどその微笑みは意味ありげで、何処か邪悪な気配を漂わせていた。
「あなたと私が手を繋いで街を歩いたりしたら、人間達はみんな微笑ましそうな顔をするわ。可愛らしいカップルね、
なんて言いながら、私達の正体も知らないで、ね」
あどけない少女の姿で冷ややかに人間を嘲笑するメズールは心底楽しそうだ。
カザリはそんな彼女を美しいと思う。
「……じゃあ、可愛らしいカップルの真似でもしてみる?」
「何を?」
カザリは膝の上の雑誌を閉じた。
背中のメズールが後ろに倒れないよう気をつけながらゆっくりと立ち上がり、彼女の手から取り上げた雑誌を
自分の分と一緒に投げ捨てる。
カザリが何をするのかと興味深そうに見つめてくるメズールの手を取って立ち上がらせると、小柄な少女の躯を
カウンターの上に押し倒した。
ご馳走を目の前にした子供のように、メズールの表情が輝く。
「痛くない?」
カザリは、少女の上に覆いかぶさりながら訊ねた。
「平気よ」
メズールが笑顔で答える。
「珍しいわね、カザリがこんなことしてくるなんて。どういう風の吹き回し?」
「さぁ。僕にもよく判らないな」
カザリは首を傾げる。
とぼけているわけではなく、本当に判らなかった。
たまたま二人きりで、たまたまメズールがカップルなどと言い出したから、としか説明がつかない。
カザリはメズールの姿をまじまじと見下ろしてから、腰のリボンに手を掛けた。
少し強く引っ張るだけでそれは簡単に解ける。
メズールは邪魔をするでもなく、手伝うでもなく、面白そうな顔をしてカザリを見ているだけだ。
服の上から撫でるように胸を触っても、その表情はまだ変わらない。
カザリはメズールの首筋にキスをしながら、ブラウスのボタンを外し始めた。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
外すごとに口唇をずらし、露わになる白い肌にキスを落とす。
半ばまで外したところで胸を覆う下着が目に入り、カザリはその動きを止めた。
服の下から現れた下着は、少女の清楚な容姿からは想像もつかない、毒々しいまでに鮮やかな血の色をしていた。
赤はカザリが最も嫌いな色だ。
それがメズールの肌を飾っていることが気に入らない。
「すごい色だね」
「綺麗でしょう」
カザリの声にはあからさまな嫌悪が滲んでいたが、メズールは気に止める様子もなく妖艶に笑う。
幼い躯に娼婦のような下着は不似合いで、その歪さが奇妙に隠微な雰囲気を漂わせて蠱惑的に映るのは確かだった。
その事実がカザリは嫌なのだ。
カザリはわざと乱暴に下着を上に押し上げた。
メズールはあらあらとやんちゃな子供を見るように少し目を見開いたが、カザリを責めることはしない。
露出させたふたつのふくらみを目にし、カザリは一瞬息を飲み、そして言った。
「……ちいさくない?」
多分、こういう場で女性に対して一番言ってはいけない言葉だっただろう。
だが、人間のサイズで言えばAか大きく見積もっても精々Bカップまでと思われるそれは、女の上に更に女を重ね着して
いるようなメズールが選んだにしては、控え目に過ぎると思えたのだ。
「バランスを考えたらこうなっちゃたのよ」
カザリの正直であんまりな反応にも、メズールは怒りもせずさらりと答える。
所詮は仮の躯に対する評価など彼女にはどうでもいいことなのか、それともカザリ以外の誰かの言葉なら傷ついたり
するのだろうか。
バランスが悪いというなら何故相応の躯を選ばなかったのか、訊ねてみたかったがやめておいた。
オーズを油断させる為、とどうせ先程と同じ答えが返ってくるだけに違いない。
カザリは乳房と呼ぶのが似つかわしくない無垢なふくらみに手を這わす。
手のひらにすっぽり収まるそれをやわらかく揉みながら、片方の胸には口唇を寄せた。
「ん……」
頂きを口に含み、舌を絡ませてきつく吸うとメズールが婀娜な吐息を漏らした。
「メズール……気持ちいい?」
野暮だと思いながら、カザリはメズールに訊ねた。
知識だけはそれなりに持っていても、カザリは男女の色事についてあまり明るくはない。
つたない愛撫に本当にメズールが感じているのか不安だった。
「ええ。いいわよ、すごく……」
メズールが気怠げに目を細める。
「本当に?」
「本当よ」
メズールが手を伸ばしてカザリの髪を撫でた。
そのまま下に降りた手は手のひらだけで頬をぺたりと撫で、指先がカザリの顎の線をなぞる。
しなやかで冷たい指に喉をくすぐられ、カザリの背筋をぞくぞくと寒気に似た感覚が走り抜けた。
「……ね?」
カザリを見つめるメズールは一段と色香が増したように見える。
「こうやって触れるだけでも気持ちがいいでしょう」
「……僕とメズールじゃ全然違うと思うんだけど」
思わずごめんなさいと土下座したくなった。
格が違う。
経験不足を言い訳にしたところで、幾ら場数を踏もうともメズールと対等に渡り合えるようになるとは到底思えなかった。
「馬鹿ね」
メズールがカザリの鼻先を軽くつねる。
「カザリが触れてくれるから嬉しいのよ」
そう言ってメズールは慈愛に満ちた笑みを浮かべ、カザリはそれにつられるようにして小さく笑った。
メズールの言葉を心の底から信じることが出来ればどんなに幸せだっただろう。
だが、カザリにはどうしても、彼女の言葉を文字通りに受け取ることが出来なかった。
――おまえは昔から疑い深かったが、復活しても同じだな。
アンクの声が耳の奥で甦る。
この世で一番嫌いな声が。
うるさい。黙れ黙れ。おまえなんか。
カザリは頭を振って不快な声を追い払おうとした。
「どうしたの?」
訊ねるメズールになんでもないと答え、目の前の躯に意識を集中させる。
気を抜けばアンクへの怒りに我を忘れ、手にしたやわらかな肌と肉を切り裂いてしまいそうだ。
せり上げる殺戮の衝動を必死で押さえ込み、内側の葛藤と混乱を隠してメズールに触れていると、しばらくして
メズールがもどかしげに身をよじり、腰の下へと手を伸ばした。
細い指が服の裾をつまみ、ひらひらと見せつけるようにはためかせる。
メズールはカザリの視線をしっかりと捉えてから裾をたくし上げ、その下のレギンスのふちに指を掛けた。
それをゆっくりと下げ降ろし、太腿が半分見えたところでおもむろに手を止める。
すい、とカザリの目の前にすらりとした足が突き出された。
「ね……脱がせて頂戴」
甘えるような、けれど有無を言わせない口調でねだられ、カザリはメズールの太腿に両手を伸ばした。
腰に残っていた下着ごと足を覆うレギンスを抜き取る。
足許に落とした黒いレギンスから赤いものがちらりと覗いた。
上と揃いで選んでいたのだろう。
カザリはメズールの足の間へ指を差し入れた。
既にしっとりと湿り気を帯びたその場所に恐る恐る指を沿わせる。
むきだしの肉を傷つけないよう、そっとそっと触れるのが物足りないのか、メズールがカザリの手に自分の手を重ねてきた。
こうして欲しいのだと教えるメズールの指を動きをカザリは愚直に真似る。
「ん……あぁ……」
たどたどしい動きしか出来ない指にも少しは快感を覚えるのか、メズールが甘い声を漏らし、触れた場所から滲み出た
ものがカザリの指を濡らした。
淫らな女の匂いがかすかに鼻腔をくすぐる。
それがカザリの意識を少し麻痺させ、カザリは無我夢中で指を動かした。
「う、わっ!?」
突如股間に衝撃を感じてカザリは声を上げる。
メズールがカザリの股間に膝をぶつけて来たのだ。
「ちょ、メズール……っ」
「どうしたの? 続けて」
思わず助けを求める顔でメズールを見たカザリに、メズールはにっこりと笑って行為の続行を要求する。
「じゃあ、足どけてよ」
カザリが腰を引くと、メズールはそれを追ってさらに強く膝を押しつけた。
「メズールってば」
「続けて?」
愛らしく冷酷に微笑む彼女は氷の女王だ。
何処かのスイッチが入ってしまったらしい彼女に逆らえる筈もなく、カザリは指に神経を集中させようとするが、
膝を押しつけられた部分が気になってしかたがない。
メズールの膝はぐいぐいとただ無遠慮に擦りつけられているようでいて、痛い筈なのに腰がずんと重くなって
鈍い快感が湧き起こってくる。
まるで勝負のように、負けまいと忙しなく指を動かすが勝てる気はまるでしなかった。
見えない手が頭の中を撫で回し、冷静な感覚をカザリから奪う。
荒れた部屋の中に響く乱れた呼吸が、メズールのものか自分のものか判らなくなる。
全身の血液がそこに集まったかのように熱くなり、窮屈さに耐え切れなくなったカザリは諦めて根を上げた。
「メズール……もう……」
「いいわよ、来て……」
頬を上気させながらもメズールはまだ余裕のある様子でカザリから足を離す。
カザリは震える手でベルトを外した。
カチャカチャと響く金属音が不慣れと緊張を大声で宣言しているようで気恥ずかしかったが、そんなことには構って
いられなかった。
メズールの足の間に躯を割り込みませ、取り出した自身を濡れた秘所に宛がう。
口を開けたその場所に先端が触れた途端、あっと思う間もなくその中に飲み込まれていた。
熱く濡れたような感触と苦しいくらいの圧迫感にカザリは息を詰める。
「あ……」
メズールが喉を反らせて甘い声を上げた。
「もっとよ、カザリ……もっと奥まで、来て……!」
ねだられるまま、カザリはメズールの奥深くへと身を進める。
狭い場所はカザリを適度に締めつけ、絡みついた襞が絶えず表面を撫で上げる感覚にカザリの全身が総毛だった。
カザリは何かに急かされるように腰を突き動かす。
技巧もないにもない乱雑な動きにも、快楽を得ることに長けたメズールはカザリに合わせて腰を揺らし、愉悦の声を
惜しみなくこぼした。
ゆるゆると快感に身悶えるメズールの姿に、性感を置き去りにしてカザリは彼女に見惚れる。
紅色に染まった頬、わずかに滲む汗、うっすらと涙の浮かぶ睫毛、濡れて薄く開いた口唇。
両目を閉じて快楽に身をゆだねるメズールは何よりも美しく、そして酷く遠く見えた。
魂にまで染みついた猜疑心がカザリの興奮に影を落とす。
またアンクの哄笑が聞こえた気がして不愉快だったが、それはどうしようもない事実だった。
カザリは動くのをやめ、メズールの耳許に口を寄せた。
「ねぇ」
――……君は今、誰を想っているの。
「アンクを潰したら、あいつのメダルはどうしようか……?」
低い囁きにカザリを飲み込んだ場所が切なく震え、それまでになくきつく締めつける。
「セルメダルは山分けにするとして、他人のコアメダルなんて、僕らには何の役にも立たないしね。人間みたいに
形見分けとかしてみる?」
読めないことは百も承知で、メズールの心を探るようにカザリは笑って言った。
今の自分はどんなに醜い顔をしているだろう。
「それとも、二度と復活出来ないように粉々に壊しちゃおうか」
「カザリの好きにすればいいわ」
メズールは聖母のような穏やかな笑みを浮かべてカザリを見た。
「アンクのメダルなんて、どうでもいいもの」
「そう……」
メズールは狡いね、と本人に聞こえるかどうかの小さな声でカザリは呟く。
君は狡い。
綺麗な顔の下に上手に仕舞いこんだ心は見せてくれない。
欲しいなら欲しいと言えばいいのに。
君が望むならあげるのに。
本当はすごく嫌だけど、君にあいつをあげるのに。
君は偶然だと笑うだろうけど、派手な下着の色はあいつのコアメダルと同じだったね。
その姿だって本当はあいつに合わせたんだろ?
金に輝くあいつの髪に、君のその黒い髪はよく映えるだろう。
君の闇色の髪は、あいつの金の髪を引き立てるだろう。
尊大な君に似合わない子供の姿はきっと、あいつが君の女の部分を嫌っていたから――
ただの卑しい邪推だと笑い飛ばすことが出来ずに、それはカザリの中で澱のように昏く降り積もるばかりだ。
メズールがカザリの腰に足を絡める。
つまらない話はそれで終わりだと言わんばかりにカザリを締めつけ先を促す。
カザリにしても、メズールの口から決定的な真実を引き出したい訳ではないのだ。
何も考えず密着した腰を動かせば、今まで耐えてこられたのが嘘のようにあっけなく限界は訪れた。
ぴんと張り詰めた糸が切れるように箍が外れ、熱く渦巻いていた欲望が勢いよく放たれる。
その衝撃に心臓が大きく脈打ち息が止まり、一瞬全ての感覚が消え失せた。
白く霞んだ思考がゆっくりと元の形を取り戻す。
耳許でざわざわと耳障りな音がすると思ったが、それは乱れた自分の呼吸だった。
メズールの躯の上に倒れこんでいたカザリは、鉛のように重く感じる躯を引きずるようにして起き上がる。
「……ごめん」
メズールを見下ろし、思わず詫びの言葉が口をついた。
恐らくメズールは満足とは程遠い状態だっただろう。
メズールの息はカザリほどに乱れてはおらず、疲労の色も見えない。
「充分よ。ご馳走様」
カザリが離れると、メズールは涼しげな仕草で髪をかき上げて躯を起こした。
「疲れた?」
メズールがカザリの頬を撫でながら訊く。
「……うん」
カザリは素直に頷いた。
椅子に腰を下ろし、カウンターにぐったりと躯を投げ出す。
「気持ち良かったよ。でも、疲れた……」
「カザリには合わないのかもしれないわね。こういうのって」
そうかもしれない。
メダルと同じく、大事な何かがカザリには欠けているのだ。
メズールは背中に手を回して下着をつけ直すと、ブラウスのボタンも留めて身なりを整える。
カザリものろのろと自身を服の中にしまった。
何かを成し遂げたという満足感はまるでなく、倦怠感だけが躯中にまとわりついている。
メズールが足の内側を流れ落ちる白濁を指で掬い取り、ちらりとカザリに流し目を送った。
「これでセルメダル何枚分、消費したことになるのかしらね」
それをぺろりと舐め、メズールは悪戯っぽく微笑む。
カザリはカウンターの上でますます伸びた。
「勿体ないことしたかな……」
「大丈夫よ。メダルなんて幾らだって手に入るわ。人間の欲望には果てがないもの」
「……アンクが邪魔をしなければね」
どうして嫌な話題を自分から口にしてしまうのだろう。
さすがにしつこいと思ったのか、或いはアンクへの嫌悪からか、メズールが不愉快そうに顔をしかめた。
「その為にウヴァとガメルに動いてもらったんでしょう。弱気なのはらしくないわ」
「僕の作戦が完璧だなんて思ってないよ。物事にはアクシデントがつきものだし、アンクにはオーズがあるからね」
彼らの全てが予想通りの行動を取るとは限らない。
「今回は、取られた分のメダルを取り戻せれば上等、ってとこじゃないかな」
「ウヴァがあなたのメダルを取り戻してきたら、ちゃんとウヴァのメダルを返してあげるのよ」
「知らないって言ってるじゃないか。君まで僕よりアンクの言うことを信じるって言うの」
カザリは拗ねた振りで空とぼける。
メズールの瞳に、ほんの少しだけ動揺が走ったような気がした。
「まぁ、いいわ」
メダルについて深く追求する気はないらしく、メズールは肩をすくめただけでふいと視線を宙に逸らせた。
「今回の結果がどうあれ、アンクには消えてもらうわ。近い内に必ず……ね」
視線の先にアンクの姿を思い描いているのか、メズールの表情は鋭く、残酷さを伴った冷たいものに変わる。
アンクへの殺意を高らかに詠うその声が、まるで愛の告白のように甘美に聴こえ、カザリは胸の奥底にちりちりと
焼かれるような痛みを覚えた。
「……そうだね」
カザリはメズールの言葉に同意を返す。
そうだね。
あいつを殺そう。
君の目の前であいつを殺そう。
あいつの欠片を前にした時の、君の顔が見たい。
心が知りたい。
それが僕の一番の欲望だ。
メズールの視線の先を追いながら、カザリはアンクへの限りない殺意を躯中にたぎらせた。
うおおおおGJ!
ふたりともエロい。メズールえろすぎGJ!
>>171 ギャップ萌えの自分としては、あのカザリが自信なさ気で弱ってる感じなのがたまらん!
アンクへの敵愾心もなぁ…上手いなぁ…
GJGJGJ〜!!!
>>176 エロい!切ない!GJ!
カザリ切ないなー
>>171 GJ!カザリは見た目が猫なだけじゃなく
中味がぬこ型あまのじゃくだな〜
>>169 亀だがJCじゃなかった?
カザリさん犯罪すぎるwww
>>151 こうですかわかりません><
「それは……だめ、と」
かたかた、ッターン。名護のタイピングが響く。
満足気に書き込みボタンをクリックする後姿に、新妻が声をかけた。
「名護君、楽しそうね。なにしてんの」
「恵。いやなにかくかくしかじか」
と、説明した夫に向かって。恵は困ったように笑う。
「それって表現の自由に反してない?」
「そうか?」
「どんなカップリングでも、どんな特殊プレイでも。妄想は自由であるべきでしょ」
「それは、そうだが」
不服そうな、子どもっぽい顔に、彼女の指が触れる。
「まあ。今ここにいるあたしは、ね?名護君しか……その、見えてないから、ね?」
顔を赤らめる恵を、名護は思いっきり抱きしめ、囁いた。
「つまり、君は俺となら如何なるプレイでも構わないわけだな!」
こうして、夜のイクササイズは深みを増していくのだった……めでたしめでたし
なんか面白いなww
いろんなバージョンが見たくなってきたw
>>182 ネラーな753ナイス!
是非夜のイクササイズの詳細を……!!
>>183 どういうキラーパスなの><っていうか尻の人口調軽く忘れかけてるんだが
霧彦は、新着レスに愕然としていた。
「何?どういうことだ、聞いていないぞ!」
「どうしたの霧彦さん」
涼しげな声に、彼は驚きながらも素早くシャットダウンに成功する。ほっと一安心、なわけもなく。
「さ、冴子」
振り返ると、(一応)嫁が微笑を湛えていた。
「……ドクターは、いいのか」
自分が死んでからも、彼女を見守っていた霧彦。
だから、彼には彼女の心がどこにあるかなんてとっくに思い知っていた。
「仕方ないでしょう?先生ったら回診に行ってしまったんだから」
けれど、いや当然の話かもしれない。
自分を殺した女に、未だに焦がれている彼が、誘いを拒絶などできやしない。
「さあ……、はじめましょうか。ナスカの力。あなたにも味あわせてあげるわ」
聞き覚えのある重低音が、響いた。
ただ個人的には、せんせーと仲良く3Pして欲しいと思う。
な・・・!!
アンクがあのお勉強の道具でここ見てたらおもしろいなあ・・・
とか妄想していたときに!!
>>185 無茶振りスマン、つい出来心でw
182ともどもGJ!
こんなにさらさらと話の展開が思いつくとは凄いな。
人間の性的な欲望を利用する筈が
自身がジワジワと着実に快楽に飲まれ堕ちていくメズールとか頭をよぎった。
隅っこで実は裏で暗躍してたカザリが
ウヴァのメダルを隠し持ってたのチクるからこんな目にあうんだよって謎の薬入りの瓶を持ちながら黒い笑みを
8話ラストは非常に萌えた。
三人の力関係は今後また変化していくのかな。
OPのようなアンクと比奈が見られることを楽しみにしつつ。
アンクと比奈で殺伐だったりほのぼのだったり。
ごめん、エロはないです。
うおぅ、ナンバリング間違えた!
次から4レス+αです。
ほんとに平気?
何かあったら大声で呼んでいいからね?
そんな話し声が聴こえた後、ノックもなしにドアが開いた。
「お邪魔します」
そう言って、アンクがねぐらとする屋根裏部屋に入ってきたのは比奈だった。
この女と関わるとろくなことがない。
つい先日力任せに放り投げられた時の痛みを思い出し、アンクは思い切り顔をしかめた。
「こんにちは」
険しい顔で見下ろすアンクに比奈は平然と声を掛ける。
「何しに来た」
「お兄ちゃんの顔を見に」
「人の部屋に勝手に入るな。出てけ」
「火野さんの許可は貰ってます」
「俺の部屋だ」
「火野さんの部屋です。あなたは居候でしょ」
可愛い顔ではっきりとものを言う比奈に、アンクはあっさり切れた。
横になっていた場所から音も立てずに飛び降りると比奈に足払いを掛け、バランスを崩した比奈の躯を抱えて
床に押しつける。
人間離れした怪力がその能力を発揮する前に、比奈の両腕を頭の上で押さえつけ、片方の太腿の上には膝を
乗せて反撃を封じた。
「調子に乗るなよ、女!」
比奈に目一杯顔を近づけ、アンクは低く唸る。
「おまえを生かしてやってるのは映司との取引だ。腕力だけで俺に勝てると思うな!」
びりびりと空気が震えるほどの怒気も露わにアンクは比奈を睨みつけた。
比奈は大きな瞳を更に見開いて、呆然とアンクの顔を見上げている。
泣くか、叫ぶか。
部屋の外に映司の気配を感じながら、アンクは比奈の反応を待った。
だが、比奈はただアンクを見つめるだけで身じろぎひとつしない。
ドアから映司が飛び込んでくることもなく、人形のような比奈の態度に飽きてアンクが躯を起こし掛けると、
「あっ」
ようやく比奈が声を上げた。
「そのまま……」
「あぁ?」
意味が判らない。
思わず動きを止めたアンクに、比奈は呆けた顔で言った。
「ちゃんと、お兄ちゃんの顔見たの久しぶりだから……。そのまま……動かないで……」
じっと、焦点が合っているのか判らないような目で比奈がアンクを見つめる。
そして、安心したように微笑った。
得体の知れない化物に組み伏せられながら、夢見るように幸せそうに。
アンクが兄の姿をしているという、ただそれだけの理由で。
馬鹿だ、この女。
映司以上の、本物の馬鹿だ。
アンクはうんざりして比奈から離れるように躯を起こした。
それを追いかけて起き上がり、比奈がアンクに迫る。
「待って。ねぇ、触らせて?」
「断る」
予想外の比奈の要求をアンクは即座に拒否した。
「お願い、痛くしないから」
「いた……!?」
なんだか酷く恥ずかしいことを言われた気がして、アンクはその顔に朱を昇らせる。
そして自分が赤面したという事実に猛烈に腹を立てて怒鳴った。
「これは俺の躯だ! 誰がおまえなんかに触らせるか!」
「……大声で泣くから」
「はぁ!?」
アンクを見る比奈の目がすっかり座っている。
「火野さんが、飛び込んでくるかも……?」
「……っ!!」
――この女、この女、この女……!!
アンクは爪が食い込むほどきつく手を握り締め、その拳をぶるぶると震わせた。
心の中で思いつく限りに口汚く娘を罵倒する。
「調子に乗るなと言った筈だぞ……!」
アンクは赤い手で比奈の首を掴んだ。
比奈は逃げない。
「いいか。知らないなら教えてやる。こいつは俺がいなければすぐに死ぬ。今ここで捨ててやってもいいんだぞ!?」
比奈はアンクの言葉に少し青ざめたが、毅然とした眼差しでアンクを見返した。
「お兄ちゃんは死なせません。あなたが離れたらすぐに病院に連れて行くもの」
「は!」
比奈の強がりをアンクは鼻で嗤う。
「間に合うか、そんなもの。余程兄の死体が見たいらしいな」
「あなたこそ、お兄ちゃんから離れてどうするの? そんなに都合よく、お兄ちゃんみたいな人がいる筈ないのに」
痛いところを衝かれてアンクはぐっと詰まった。
腕だけで行動することの不便さも、別の躯を探す困難さも嫌と言うほど味わったばかりだ。
ただでさえ腕力に於いて妙な自信をつけている比奈をこれ以上調子づかせたくはなかったが、既に沈黙が
比奈の言葉を、アンクの不利を肯定したも同じことだった。
「……お願い」
黙り込んだアンクに比奈が先程の言葉を繰り返す。
「お兄ちゃんに触らせて。少しでいいから……」
さっきまでの気迫が嘘のように、比奈は縋りつくような瞳をアンクに向けた。
儚げで頼りなさげなその顔は、アンクがよく見知ったものだ。
アンクは比奈の首から手を外した。
情けを掛けられたようで不愉快だったが、これ以上を無駄に意地を張ったところで埒が明かない。
少しくらいの恫喝では比奈を大人しくさせることは出来ないだろう。
「……少しだけだぞ」
苦虫を噛み潰した顔でアンクが告げると、比奈の顔に安堵の色が広がった。
「ありがとう」
脅した相手に――いや、この場合はこちらが脅されたのか――礼なんか言うなと、アンクはむっとして
横を向いたが、比奈からこっちを向いてと注文をつけられる。
仕方なく向き直ったアンクの前で比奈は居住まいを正し、おもむろに手を伸ばした。
そろそろと伸ばされた指先がアンクの、彼女の兄である信吾の頬に触れる。
指の先がほんの一瞬、触れて、そしてそれだけだった。
触らせろというあの剣幕から、一体どれだけべたべた触られるのかと密かに恐怖すら感じていたアンクが
拍子抜けする程の、それは刹那のことだった。
あまりの呆気なさにアンクは毒気を抜かれて比奈を見る。
「……へへ」
比奈はそれでも満足そうにはにかんで微笑い、兄に触れた指先をもう一方の手の中に大事そうに包み込んだ。
「馬鹿だろう。おまえ……」
ぐったりと体勢を崩したアンクが悪態をつくのに、比奈は「そうかも」とやわらかく微笑ってみせる。
それから少しの間、また沈黙が訪れたが、先程のような不快さは感じない。
「……あなたが離れたら、お兄ちゃんは本当に死んじゃうの……?」
静かな声で比奈が問う。
アンクは取り込んだ躯の中に注意を向けてから答えた。
「こいつの意識は見当たらないな」
「そう……」
覚悟していたのか、比奈はアンクの言葉に反発することも取り乱すこともなく俯いた。
その淋しげな姿に、アンクは何故か落ち着かない気分になる。
「俺の言葉を信じるのか。俺は人間じゃない。化物だぞ」
「全部疑ってたらきりがないから」
比奈が顔を上げた。
「それに、あなたが本当に信用できなかったら、火野さんはあなたと一緒にいない気がする」
「あの馬鹿をあてにしてると痛い目に合うぞ」
「火野さんが言ってたの。手を伸ばせるのに伸ばさなかったら、死ぬ程後悔する。それが嫌だから、
手を伸ばすんだって……」
「映司が言いそうなことだな」
「私も同じ……出来ることがあるのに何もしないで後悔なんかしたくない。だから、あなたのことも信じたいの。
あなたがいる限り、お兄ちゃんは死なないって……」
比奈がまっすぐにアンクを見つめる。
射るような、迷いのないその眼差しにアンクは小さくため息をつくと、比奈の手首をぐいと掴んで引き寄せた。
「えっ、な、何!?」
比奈の慌てた様子にアンクはざまあみろと胸の内で笑い、比奈の手のひらを自分の左の胸にぴったりと押し当てる。
そしてぶっきらぼうに言った。
「心臓は勝手に動いてるらしいな」
「……ほんとだ……」
比奈が目を見開き、感動したように呟く。
あどけなさの残るその顔がふんわりとほころんだ。
「あったかい……」
その言葉にアンクは初めて、自分に触れた比奈の手のぬくもりに気づく。
あたたかい、とそう感じる。
手のひらのぬくもりに応えるように、心臓が確かな鼓動を打った。
らしくない真似をしていると思いながらも、不思議なことに比奈の手を引き剥がす気が起きない。
心臓の鼓動に兄の存在を確かめようとする比奈の姿を、アンクは何とはなしに眺めた。
その視線の先で、比奈の大きな瞳が不意に揺れる。
「おに、ぃちゃ……」
震える口唇が兄を呼んだかと思うと、比奈の瞳からは大粒の涙が音もなく零れ落ちた。
兄への想いに心の箍が緩んだのか、子供のようにくしゃりと顔を歪ませた比奈が嗚咽を漏らす。
「おい、泣くな! 俺が何かしたみたいだろうが!」
突然の比奈の涙にアンクは思いがけず狼狽えた。
実際何もしてないわけではないし、泣き顔のひとつくらい見てやりたい気持ちはあったものの、
こんな意図せぬ場面で泣かれても嬉しくもなんともない。
「ご、ごめんなさ……」
素直に詫びた比奈が両手で涙を拭う。
だが拭う端から涙は尚も溢れて比奈の頬と手を濡らした。
自分では止めることの出来ない涙にどうしようと困惑を漂わせ、大きくしゃくりあげながら比奈が泣く。
そんな筈はないのに、アンクは泣きじゃくる比奈の姿を以前にも見たような気がした。
それは今よりも少しばかり幼い比奈で、黒いワンピースをその身に纏い、涙に濡れた赤い目を縋るように
アンクに向けている。
――比奈、泣くな。
ああ、こいつの記憶かと既視感の正体に気づくと同時に、アンクの手は比奈に向かって伸びていた。
震える背を撫で、華奢な肩に手を回し、ごく自然な仕草で比奈の躯を胸に抱きしめる。
手のひらよりもはっきりと感じる比奈のぬくもりと、心地よいやわらかさ、わずかな躯の重みにアンクは
はっと我に返り、全く意識せずに取った自分の行動に心底驚愕した。
――俺は何をやってる……!?
腕の中から、比奈もまた驚いた顔でアンクを見上げている。
突き飛ばして逃げろと念じてみるも、比奈は猫のようにアンクの胸に頭を摺り寄せ、そのまま腕の中に
落ち着いてしまった。
――この馬鹿女!!
どんな誤解と非難を受けようと構わない。
今こそ飛び込んで来いと半ば自暴自棄にドアに目をやったアンクだが、その向こうから映司の気配は
とっくに消えていた。
音沙汰のないドアから胸の中の比奈に視線を戻し、アンクは忌々しげに舌打ちをした。
これは信吾の意思だ。
意識はなくとも自らの肉体に宿った信吾の想いが、アンクの支配すら凌駕してその躯に命じたのだ。
妹を守れと。
たかが人間の分際でこの俺に命令するとは身の程知らずもいいところだと、アンクは本性そのままの
右手を腹立ち紛れにぎりぎりと鳴らした。
妹は兄を、兄は妹を。
お互いに相手を必死で守ろうとして、この二人を突き動かすものは一体なんなのだろう。
親のいない兄妹だということは知っている。
だからだろうか。
信吾の記憶の中で、意識の大半を占めていたのはこの妹のことだった。
自分の幸せよりも比奈の幸せを、信吾はそれだけを願っていた。
映司の腕を振り切ってまでアンクに食って掛かる比奈もそれは同じだろう。
自分よりも相手の幸せだけをひたすらに願う、言ってみればそれがこの二人の欲望だった。
呆れる程に強い想いではあるものの、メダルの足しにはなりそうもない。
無防備に自分に躯を預けた比奈を見下ろし、アンクは小さく息をついた。
羽根の生えた手で比奈の髪を撫でる。
やさしく、多分、信吾がそうしたように。
険のない声でアンクは言った。
「……さっさと泣き止め」
そして笑え。
初めて顔を合わせた時の、輝くような比奈の笑顔を思い出す。
他は信吾の記憶の中でしか知らない、屈託のない比奈の笑顔を見てみたいと、そんなことをふと思った。
「比奈ちゃん、入るよ?」
能天気な声と共にドアを開けた映司が、部屋の中のアンクと比奈の姿を見て能天気な顔を更に緩めた。
意外そうな笑みを浮かべ、アンクの横に腰を下ろす。
「……俺に断れ。全くおまえ達は揃いも揃って」
「比奈ちゃん、寝ちゃったんだ」
「聞けよ、人の話を」
映司への苛立ちを露わにするアンクの腕の中では、比奈がすぅすぅと安らかな寝息を立てていた。
比奈はアンクの腹に頭を預け、子供のように躯を丸くして眠っている。
両腕はアンクを、或いは兄を離すまいとするかのようにアンクの腰にしっかりと回っていた。
アンクは比奈の姿がよく見えるように両腕を大きく広げる。
「邪魔でかなわん。さっさと引き剥がして連れて行け」
「何言ってんだよ。可哀そうだろ、こんなによく寝てるのに」
映司の言葉にアンクは耳を疑った。
かつてはベルトを盾に比奈から離れろと脅した男が何を言い出すのか。
やっと比奈から開放されると思っていた当てが外れ、アンクは眉根を寄せて映司を睨む。
「おまえ、正気か?」
「よく寝てるなぁ……。お兄さんのことが心配でずっと眠れなかったんだろうなぁ?」
映司はアンクの問い掛けを無視し、人の良さそうな顔に意味ありげな笑みを浮かべてアンクを見た。
おまえの所為で、とその目が雄弁に語っている。
「おまえ、俺にこいつを近づけたくないんじゃなかったのか」
「そうだけどさ」
映司は胡坐を組んでゆったりとその場に座り直した。
「おまえがお兄さんじゃないって判ってて、それでもおまえの近くにいたいって比奈ちゃんが決めたなら、
それは邪魔したくないし。俺に出来ることなら、なんでも力になってあげたいし」
「それでこいつにつまらん入れ知恵をしたわけか」
「人聞きの悪いこと言うなぁ」
映司は不満げに口を尖らせても否定はしない。
「比奈ちゃんは女の子なんだから、もしもの時に俺が守るのは当然だろ。刑事さんには俺もお世話に
なったし、それくらいの恩返しはしないと」
そう言って、映司はすっかり比奈の抱き枕と化したアンクを見て朗らかに笑った。
「ま、思ったより上手くやってるようで安心した」
「俺は迷惑だ。いいから早く起こして連れてけ」
「いいじゃん。おまえどうせ暇なんだし、心配掛けた分、枕にぐらいなってやってもばちは当たんないよ?」
アンクの苦情は一切受け付けずしれっと酷いことを言う映司に、アンクのこめかみがぴくぴくと引き攣る。
「おまえ……」
右手を持ち上げて威嚇するアンクを気にすることなく、映司が比奈の寝顔を覗き込んだ。
それこそ兄のようなやさしい穏やかな顔つきで比奈を見つめる。
「可愛いよな。健気で一途でさ」
「何処がだ。ただの凶暴な馬鹿だぞ、こいつは」
アンクは憎々しげに吐き捨て、露骨に侮蔑の眼差しを映司に向けた。
それを受けた映司が面白そうに顔をにやつかせる。
「誰も比奈ちゃんのことだなんて言ってないけど?」
「……っ!?」
にんまりと笑う映司に、アンクは思わず歯軋りをした。
この状況、この流れで映司の言葉が比奈を指していると思うのは当然ではないか。
そう言い返そうとしたアンクに対し、映司はさらりと言った。
「まぁ、俺は比奈ちゃんのことを言ったんだけどさ」
チェシャ猫のような笑みを浮かべた映司に、アンクは二の句を継げずに脱力した。
喰えない。この男は本当に喰えない。
小娘の我侭に振り回され、パンツ男にからかわれ、どうしようもない疲労感がアンクを襲う。
自分の躯を取り戻すまで、ずっとこんな日々が続くというのか。
「なぁ、アンク」
ぽん、と映司が昔からの友人のような気軽さでアンクの肩を叩いて顔を寄せた。
「可愛いだろ? 比奈ちゃん」
「知るか!」
映司の陽気な笑顔がいつも以上に腹立たしく、アンクは勢いよく顔を背ける。
それでも、アンクが映司と会話する声は常より幾分抑え目で、アンクに躯を預けて眠っている比奈を
起こすまいとしているかのようだった。
以上です。
お粗末さまでした。
>>196GJ!!
リアタイでキタ━(゚∀゚)━ッ!!
映司つえええwwwアンクがんばれ、ちょうがんばれ
アンク入りだからか比奈に対して、映司の方が妹馬鹿な小姑みたいだw
こういう感じの3人すごい萌える
映司のぶれなさが好きだ。
この板的にはあんまり使えなさそうなんだけどw
萌えた、超GJ
OPのあれは本当に気になるよな・・・
ありがとう!
萌え転がりました。GJ!
>196萌えつつワロタ 映司容赦無いなw
>>196 ありがとうありがとう
超超GJです!
あ、あと12時間wktk
アンクさんが、なんだかんだ言って二人にツンデレまっしぐらでGJwww
アンク、三人のヒエラルキーでは今のところ最下層だよね……
205 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 09:39:55 ID:+WrVnMUA
比奈ちゃん前回まで火野さんだったのに今回から映司君呼びになりましたな。
しかしアンクの扱いみんな酷い
映司君呼びに驚きつつ
アンちゃん呼びに爆笑したwww
映司君呼びに驚きつつ
アンちゃん呼びに爆笑したww
しかし、若い男二人と女性一人が一つ屋根の下・・・
あれごめん、なんか変なことになった
「あの女、完全体になったら真っ先に喰ってやる・・・!」にたぎった
とりあえず(身体だけとはいえ)血の繋がった妹に言う台詞ではない
比奈のツンツンっぷりにも萌えた
グリードは人間を食べるのか
完全体アンクに襲いかかられ今にも頭から丸かじりにされかけてる
比奈がそっと目を閉じてアンクの首に優しく腕をまわしてただ一言
「いいよ、食べても」って言って
大きく口を開けていたアンクが一瞬固まって、ぎゅっと目を閉じて
苦しげに息を吐き出して
丸かじりの代わりに比奈の頬にそっと口づけをして
身動きできなくなった二人が互いに切なげな瞳で見つめ合うとか
想像しちゃうのでやめていただきたい
鷹は立派な肉食動物だもんな
でも相手はヒナだぞ
なんだかんだで喰うどころか餌を運んで来て与えまくって
巣立つまで見守るに決まっている
やはりヒナは鳥のアンクとの確執を意識しての名付けかね
アンク×ヒナもエイジ×ヒナもおいしいな
>>213 うまいことをww
でもそのままっぽくて萌えた
今回、メズールとガメルにもちょっと萌えたなwww
ガメルに性欲とかなさそうだけど
メズールエロいよメズール
前回見ても思ったが、とりあえず映司がSだという事は大体分かった
性欲なさそうなガメルたんを上手くたぶらかして、自分の性欲の捌け口にしているうちに
情がわいてしまって、面倒みてあげるようになるメズールのSSマダー?
>>218 いつもと同じ飄々とした表情のまま
激しい言葉攻めプレイとかギャップに萌えるw
メズール様が最高な回だった
ありがとうオーズ
比奈ちゃんのドSっぷりが素晴らしかったので。
ア「もういい! こんな身体捨ててやる!!」
比「え、アンクいなくなっちゃうの?」
ア「ああ、そうだ! おまえも清々するだろ」
比「……やだ」
ア「あぁ?」
比「いなくなっちゃ、やだ……」
ア「お、おい」
比「怒ったの? アイス取り上げたり、共食いさせたりしたから?」
ア「ま、まぁな」
比「ごめん、謝る……ごめんなさい」
ア「…………」
比「あなたがいなくなったら淋しい……」
ア「…………」
比「お願い、行かないで」
ア「……まぁ、おまえがそういう殊勝な態度でいるなら、考えてやらんこともないが」
比「ほんと? ほんとにいてくれる?」
ア「おまえの態度次第ではな」
比「これからは一日一本までならアイスも許すし、お肉もたまには豚とか鳩とか七面鳥とか色々混ぜるから!」
ア「それならもう少しいてやるとするか」
比「嬉しい! ありがとう、嬉しい」
ア「ちょっとだけだぞ! メダルが集まったらすぐに出て行くからな!」
比「うん。あの、あのね? あなたのことが嫌いで、あんなことしたわけじゃ……その、ないからね……?」
ア「……うん」
映「計画通り!」
顔文字入れたかったけどセンスがないので断念。
比奈ちゃんとアンクのやり取りに、トーク番組での良太郎の中の人とツンデレカフェの店員さんを
思い出してめちゃくちゃ面白かった。
>>222 色々吹いたwww
今はお兄ちゃん目当てだけど、そのうちアンクにも気移りしていくと良いね
えいじは何かにつけて比奈ちゃんの肩を掴むから良いよね
比奈ちゃんも色白いし意外と露出多いからたまらん
しかし今日は里中クンの猫っぷりとメズール様フルボッコが良すぎた
もしも、グリードがメダル奪われて装甲と言うか鎧?が無くなって不完全になったら人間体の服にも影響(裸になる等)が出た場合
ヤメなさい何するのよ。とウヴァとカザリに2人かがりで押さえつけられジタバタするメズール人間体
視聴率アップの為だ脱げとかメチャクチャな発言のウヴァ
こんな時間にこっそり投下。
書き込みどころかこの手のものを書いたのが初めてのお目汚し。
ホントは今週放送前に投下したかった…
なんだか比奈ちゃん強すぎとかアンクいじられすぎとか
火野さん呼びが変わっちゃったとか、色々と。
長くなってしまった上にあんまえろくない…(´・ω・`)すまんです。
比奈は最近、グリードやヤミーに襲われる事が多くなってしまった。
オーズである映司のそばにいるのだから当然と言えば当然なのだが。
いくら怪力とは言え、比奈は普通の女の子だ。
映司が出来るだけ守っているが、アイス代稼ぎなどで映司が動けない時はアンクが渋々代わりをする。
今日もアンクは比奈の手を引き、ライドベンダーでヤミーを振り切って来た。
普段なら、安全が確保されればアンクはいずこへか姿を消してしまうのだが、今日は違った。
比奈が頑なに家まで送って欲しいと言い張ったのだ。
アンクとしては面倒な事この上ないが、映司の耳に入ったりすると厄介だ。仕方なく付き合う事にした。
マンションの一室に比奈を送り、玄関の中まで見届けて帰ろうとしたその時だった。
ふわり、と背中が暖かくなる。同時に確かな重みを感じる。
アンクは一瞬動揺したかに見えたが、すぐに視線をそらし口を開いた。
「何のつもりだ」
少女は背中に顔を埋めたまま、やがて消え入りそうな声で想いを伝える。
「行かないで──」
「─お前」アンクは比奈を振りほどき、向き合う形になる。
「何言ってんだ」
肩を掴まれた比奈は表情を硬くしたまま俯いていたが、やがて決心したかのようにゆっくりと顔を上げた。
「そばに居て…」
アンクは整った顔を歪めて舌打ちをした。
こいつ─ 何を考えている。 何の罠だ。
比奈が、いつもいつも自分を切ない目で追っているのは知っている。
だが同時に、自分を見ながら自分ではない男の身をひたすらに案じている事も知っている。
俺をその男の身代わりにしようというつもりか。…そうは行くか。少し脅してやれば すぐに諦めるだろう。
アンクは意地の悪い笑みを浮かべると切り出した。
「それがどういう意味かわかってるのか?俺はグリードだぞ。何を欲しがるかわからない」
比奈はまた俯いた。
アンクはその様子にそれ見たことかという表情になる。
比奈はしばらく言い澱んでいた言葉を、やっとの思いで口に出す。
「ひとりに、しないで」
「自分が何を言ってるかわかってんのか!」
続けてアンクは普段から映司や比奈に言われている台詞を厭味たっぷりに言う。
「この身体はダイジナオニイチャンノカラダなんだぞ?!」
言い放ったアンクは比奈を見てギョッとする。
いつの間に顔を上げたのか、大きな瞳からポロポロと涙を零したまま、比奈はアンクを見据えていた。
「でも
あなたはお兄ちゃんじゃ ない」
何だ、これは。この人間は、この女は、何を言おうとしている?
そもそも人間なんぞに泣かれたぐらいで何故俺が動揺している。─動揺?この俺が?
くそっ、面倒だ。この女を黙らせりゃいいんだ。
いつかのように、あの細く白くしなやかな首にこの手を食い込ませればいい…
アンクの赤い右腕が比奈に向かって伸ばされる。
しかし、その腕は少女の喉に食い込む代わりに涙の流れるままの頬にぎこちなく添えられる。
馬鹿な!俺は何をしている?!
比奈は驚きの色を浮かべてアンクを見たが、やがて目を閉じ、頬に留まったままの怪物の手に自分の手を重ねた。
その感触を愛おしむ様に。
そして再び開かれた比奈の瞳は切なく目の前の男を見つめる。
やめろ、やめてくれ。何の冗談だ。
その小さな手を、己の未知の感情を、振り払おうとする思考とは裏腹にアンクの身体が動く。
そっと比奈に顔を寄せ、流れる涙を舌で一すくいした後、再度驚きに見開かれている瞳を覗き込み──そっと唇を重ねる。
比奈の身体が硬直するのがわかる。
俺は一体何を─
しかしひとたび柔らかな唇の感触に触れてしまったアンクはもう己を制御できない。
頬に添えた手に力を込め、唇のその柔らかさをもっと堪能しようと引き寄せる。
「んっ…」比奈が苦しげな吐息を漏らすが、構っていられない。ほんの少し開いた唇の隙間から舌を割り込ませる。
比奈の身体がますます緊張する。
それも気に留める素振りすらせず、自分が満足するまでキスを貪ると
唇に光る透明な糸を手の甲で拭いながらアンクは突き放すように言い捨てる。
「お守りが欲しいなら映司にでも頼むんだな」
「違…」
「何が違う!」
「映司くんじゃ…!」自らの思いも寄らない強い口調に比奈はハッとして一瞬口をつぐむ。
「映司じゃ、ダメなの…。お兄ちゃんでもない…アンク…あなたに居て欲しいの…」
待て。やめろ。
「お前、気でも違ったか!」アンクは狼狽した自分を気取られまいと悪態をつく。
「…お願い…」
あぁ!もう知るか!!
「後悔するぞ」
精一杯の勇気を振り絞って引き留めてはみたものの、
相手があんなに不機嫌では 楽しくお話、などと行くはずがない。
比奈は所在なげにリビングのソファに腰掛けていた。
アンクは苛立ちを隠さず、部屋を歩き回っている。
やがて大きな溜め息をつくとアンクはドサッと音を立てて比奈の隣に腰を下ろす。
「言ったよな」
「え?」
「何を欲しがるかわからないって」
射抜くようなアンクの目に、比奈は慌てて視線を逸らす。
「俺はグリードだ」
アンクは比奈の顎に手をかける。禍々しい赤色の手を。
比奈はされるがままにしている。それがアンクを益々苛立たせる。
苛立ちに任せて荒々しく口づける。
今度は比奈も恐る恐る唇を開く。すかさず舌を滑り込ませる。逃げる舌を捜し当て、強引に絡める。
二人きりのリビングに水音が響く。
「んっ…ふっ……」
比奈が艶めいた吐息を漏らし始める。アンクはその感覚に夢中になりつつ比奈を押さえる手に力を込める。
さしたる抵抗もなく、小さな身体はソファに押し倒されてしまう。
その口内を味わい尽くし、アンクが身体を離す。そして比奈を見下ろしたまま口を開く。
「俺は優しくなんて出来ない。お前を壊しちまうかも知れないぞ」異形の右腕を見せつけながら。
「こわく、ない」
アンクはまたしても舌打ちする。
「大したもんだな」憎々しげに吐き捨てる。
しかし口調とは逆の優しさで比奈の細い首筋に─さっきは締め上げてやろうとまで思ったその首筋に口づける。
びく、と比奈の身体に緊張が走る。それに構わず逆側の首筋を指先で撫でる。
「ひぁ…」小さな声が漏れる。
首筋を唇と舌で愛撫しながら、右手をずらす。
早い呼吸に上下している膨らみに手をかける。
「あ……」抑えた声が耳に心地好く響く。そのまま胸への愛撫を始めると甘い声が更に漏れ出す。
直接肌に触れたら、どんな反応を示すんだろうか。
アンクは興味を抱くものの、比奈の好む洋服は重ね着の上ボタンが並んでいる。グリードの手では少々扱い辛い。
引きちぎってやろうかとも思ったが
何の気紛れからかアンクは人目がある時の様に右腕を人のそれのカタチにした。
そして前に並ぶボタンを外し始める。比奈は事態に気付くと、上気した頬をさらに赤らめた。
怪物とは思えぬ慎重さで比奈を一糸纏わぬ姿にまですると、アンクは組み敷いた少女をまじまじと見つめた。
比奈は羞恥のあまり顔をそむけたまま、手探りでアンクの右手に自身の左手を重ね呟いた。
「アンクのままでいて…」
ちっ、何を言ってやがる。胸裏では悪態をつきながらも、望み通り右腕の変化を解いてやる。
「本当にいいんだろうな?」
アンク様ともあろうものが、たかが人間の小娘にお伺いを立てている─その滑稽さに笑えてくる。
比奈がこくんと頷く。
「アンク…」
それ以上は言わせなかった。
後に続く言葉は鈍く光る右腕と、唇と舌、そして視線の愛撫で全て奪い取った。
比奈は恥ずかしさと恐ろしさ、そして味わった事の無い感覚に晒されていた。
口からは自分でも信じられないような甘い吐息や喘ぎ声が溢れてしまう。
怖い。
今更だが、この場から逃げ出したくさえある。
涙が零れ落ちる。
アンクがその様子を見咎める。
「どうした…比奈…」
瞬間、比奈の中に熱い想いが広がった。
名前…わたしの、なまえ……
普段アンクは比奈に対してお前、そうでなければあの女呼ばわりをしていた。
期待はしていなかったものの、もし名前を呼ばれたらどんなにか嬉しいだろうと考えた事もあった。
それが今現実となった。さっきまでとは別の涙が溢れて来る。
「アンク…好…き…」
金に煌めく髪に手を伸ばしながら、掠れた声で囁く。
アンクは訝しげな視線を投げ掛けた後、比奈に口づけた。
唇を離すとアンクはこう告げる。
「俺の目を見ていろ」
様々な感情が一気に押し寄せ、目を閉じていたかった比奈だがその言葉に素直に従う。綺麗な目、とぼんやり思う。
と。赤い右手が腰に添えられ、アンクが一気に侵入してきた。
「───!!」
比奈は声にならない声をあげ、痛みに耐える。
「動くぞ」
「ひ、や、あぁあ…!」
アンクは比奈の様子に気付きながらも、容赦しない。
俺はグリードだ。欲しい物は諦めない。今はこの女の全てを手に入れてやる。
俺以外まだ知らないらしいこの白い華奢な身体も
その形の良い唇から漏れる甘い声も、切なげな視線も、そして兄を想う気持ちも…
最後の考えに至った時、アンクの身体は我知らず熱を帯びた。
全て奪ってやる。俺だけの物にしてやる──
アンクがずっと感じていた、比奈の視線。それはいつも彼を苛立たせるものだった。
何故そんなに苛立っていたのか、今全てが氷解する。自分を素通りしてその先に兄を見つめる比奈に我慢できなかったのだ。
「比奈」
痛みの為に閉じられていた瞼がうっすらと開かれる。
鷹を擁した右手がそっと頬に触れる。
「ずっと、俺だけを、見ていろ」
それだけ言うとまた比奈の身体を貪る事に没頭する。
比奈は痛みに耐えながらも、その先にある甘い感覚に気付き始める。
先程のアンクの台詞も彼女を幸せな気持ちにさせてくれていた。
涙の光る目で、アンクを見上げて弱々しく笑う。
その瞳がアンクを昂ぶらせる。他の何も考えられなくなる。
比奈の左手が何かを探す様に動く。
そしてアンクの右手に辿り着くと、苦しげな息遣いの下から小さな声で囁く。まるで熱に浮かされているかの様に。
「っは…お願…い…手を……繋…いで……あ…」
その声で、表情で、アンクの中で何かが弾ける。
比奈の顔の横でその細い指に赤い指を絡めながらアンクは自身の限界が近いのを感じた──
比奈はベッドで寝息を立ててしまっている。
アンクはそれを横目で見ながら、長い脚をだらしなく投げ出しベッドに寄り掛かっている。
幸せそうで、結構なこった。
一体、なんなんだ。これは。
たかだか人間の女に翻弄されたのか?この誇り高きグリードの俺が?
そんな思考を振り払うように頭を振る。
─いや、俺は自分の欲望に従って行動しただけだ。欲望のまま比奈を抱いた。
これからもこの女の全てを欲しいままにしてやる。
誰にも渡さん。あの小煩い映司にも、こいつの兄貴にもだ。
人間界ではその種の欲望には別の名があるのだが、アンクは決してそれを認めようとはしないだろう。
─終─
>>226 乙&GJ
今はヒエラルキー最下位だけど、いつかはこんな風になってほしいぜ!
ガメルに陵辱される比奈ちゃん。自慢のパワー系すら歯が立たず押さえつけられ、何度も中に出され
後日。メズールに対して比奈「お母さん息子さんを私に下さい!!」
メズールら一同「はいいいい!??」。
理由。物理的に現状、自分の腕力と釣り合いそうな男がガメルしか居ないから
でライドベンダーを抱えてみせてメズール納得
ウヴァ一目惚れの求愛開始の大混乱に発展
「欲望に理由はない」ってマジ名言だと思うわこのスレ的にw
アンクとツンな比奈でほのぼの。
エロなしで申し訳ない。
アンクに対して比奈がデレる日は来るんだろうか。
グリードの気配もヤミーの気配も感じない。
屋根裏部屋で一人ごろごろと惰眠を貪るのにも飽きて、アンクはクスクシエの店内に顔を出した。
丁度暇な時間なのか店内に客の姿はなく、カウンターの端で和やかに会話する映司と比奈の姿が見える。
二人は身振り手振りを交え楽しそうに笑っていたが、アンクの存在に気づいた途端、比奈の顔から笑顔が消えた。
別に笑って欲しいわけではない。
アンクが店の奥のいつものテーブルに着くと、絵に描いたような仏頂面で比奈がつかつかと近づいてきた。
「何食べるの」
「アイス」
「おなか冷えるから駄目」
「なら何もいらん。さっさと離れろ」
「何も食べないのにここにいられたら迷惑なの。お店のイメージが悪くなるでしょ」
「客なんかいないだろうが!」
アンクはテーブルを叩いて比奈を睨む。
威嚇が効かないことは百も承知だったが、比奈の手がアンクの手をめがけてテーブルに下りてきたので素早くよけた。
「いつお客さんが来るか判らないでしょ!?」
その比奈の言葉に呼応するように店のドアが開く。
ほら、と勝ち誇った表情で比奈がアンクを見下ろした。
ただし、笑みは一切浮かべずに。
「いらっしゃいませー」
いそいそと接客に向かう映司の声を聞きながら、アンクは舌打ちと共に席を立った。
と、その襟首を比奈に掴まれアンクの息がつまる。
「……殺す気か!?」
「座ってなさいよ。適当に持ってくるから。残したら本当に絞めるからね」
「ふん。死ぬのはおまえの大事な兄貴の方だぞ」
「……誰も首だなんて言ってない」
比奈はちらりとアンクの右手首に不穏な眼差しを向けて去って行った。
アンクは左手で右手を隠しながら渋々腰を下ろす。
程なくトレイを手にした比奈が戻ってきた。
どうせまた鶏肉料理だろうとアンクはあさっての方向に顔を向けていたが、意外にも何やら甘い、
いい匂いが漂ってくる。
匂いにつられてテーブルに向き直ると、そこには可愛らしく飾られたオレンジ色のケーキと、
あたたかそうな湯気を立てるカップが並んでいた。
これは一体どんな嫌がらせだろうかと、アンクは目の前のテーブルを凝視する。
「……なんだ、これは」
「……見て判んないの?」
少しがっかりしたような、呆れた声で比奈が言った。
「かぼちゃとさつまいものケーキと、ジンジャーティーよ」
説明されてもすぐには手が出せず、アンクは探るように比奈を見上げる。
「食べないの? いらないなら――」
「待て! 食う!」
下げようと手を差し出す比奈を遮り、アンクはフォークをケーキに突き刺した。
毒でも入っているのではないかと多少の不安はあったが、それを隠して切り取ったケーキを勢い良く口に運ぶ。
ほくほくとしたやさしい甘さが口の中に広がった。
アイスとはまた違った甘さと食感をアンクはすぐに気に入り、二口三口と続けて口に放り込む。
「誰も取らないんだからゆっくり食べれば? お茶も飲まないと喉つまるよ」
比奈に言われてもそれもそうかとアンクはカップに手を伸ばした。
紅茶ははちみつの香りがして、ジンジャーの刺激と程よいバランスだった。
こちらもアンクの好みに合い、こくこくと喉を鳴らして飲む。
「……ごゆっくり」
客に対するような言葉を残して比奈が席を離れる。
比奈がいなくなると、悔しいが緊張が解けた。
ゆったりした気分で甘いケーキと紅茶を味わっていると、一息ついたらしい映司がにこにこと寄って来る。
「美味そうじゃん」
「俺のだ。やらんぞ」
「取らないよ」
映司は笑って、アンクの耳許に顔を寄せると声をひそめた。
「それ、比奈ちゃんの特製メニュー」
「あ?」
店のメニューではないのかと首を傾げるアンクに、映司は比奈の様子を窺いながら小声で説明する。
「砂糖控えめ低カロリー。砂糖を減らしても甘さを感じるように、色々工夫してるらしいよ。
俺も食わせてもらったけど、ほんとに美味しいよな」
「……ふん」
映司も食べたと聞いて、なんだか面白くないと思ったが気にせずフォークを動かした。
「ちゃんとお礼言っとけよ」
「あいつが勝手に置いていったんだ。俺は仕方なく食べてやってるだけだ」
「はいはい」
喰えない笑顔を浮かべて映司は接客に戻っていった。
わざわざつまらない話をしに来ただけらしい。
訳が判らん、とアンクはケーキと紅茶に集中した。
空腹と言うわけでもなかったのにあっという間に平らげてしまう。
ジンジャーの効能か、躯がほのかにあたたまった。
アンクが食べ終えた頃を見計らって比奈が皿を下げに来る。
「残さなかったんだ」
絞められなくて残念だったろうが、不思議なことにその声は意外と満足そうに聞こえた。
「……まぁ、美味かったぞ」
お礼を、と言う映司の言葉に従う気はなかったが、正直な感想くらいなら言ってやってもいいだろう。
だが、それに対する比奈の反応は冷たかった。
「別にあなたの為に作ったんじゃないから」
アンクの顔が引き攣る。
早く全てのメダルを揃えたい。
完全な肉体を取り戻したら、真っ先にこの女を喰ってやる。
「甘いものが好きなんて、子供みたい」
トレイに乗せた空の皿を見つめて比奈が呟く。
「悪かったな!」
「お兄ちゃんも好きなの。このケーキ」
その瞬間、比奈の表情がふっと和らいだ。
それを見て、アンクの心臓がどくりと跳ねる。
なんだ、これは?
「ブラコン」
虐げられる仕返しにと、アンクは懲りもせずに悪態をついた。
「そんなに兄が好きか」
「好きよ」
比奈が素直に頷く。
「大好き」
そう言って比奈が笑った。
花が咲くようにふわりと、愛らしく笑った。
それはアンクに向ける険しい表情とは勿論、映司に対する信頼の笑顔ともまるで違う、兄の為だけの笑顔だった。
その笑顔も、好きと言う言葉もアンクに向けられたものでは決してない。
それでも初めて見るような比奈の笑顔にアンクは目を奪われ、厨房へと戻っていく比奈を呆けたように見送った。
心臓が騒がしい。
この感情はなんだろう。
確か、お勉強で覚えた中にこの複雑な心境をぴたりと言い表した言葉があった筈と、アンクは自分の記憶を
めまぐるしく探った。
やがて辿り着いたその言葉を、確信が持てないまま怪訝な顔でぼそりと呟く。
「……ギャップ……萌え?」
その答えは誰も知らない。
>>237 オィィィィィィィイ!!>ギャップ萌え
しかしGJ…比奈ちゃんかわいいよ比奈ちゃん
GJ!
「真っ先に食ってやる」はこのスレ的に名台詞だよな
アンクには右腕雑巾絞りが命に関わるわけかw
萌えながら読んでたのにオチで鼻水噴いたわ。
誰か早急にこの怪人からネット環境を取り上げろw
男でも女でもツンデレは正義
突然だが、映司と比奈の初めてで
「火野さん……」
「名前で呼んで?」
「え、えっと……映司、さん……」
「……嬉しい。すっげぇ嬉しい」
で、子供みたいに無邪気な笑顔になる映司を見て、比奈がまた映司を好きになる、
なんてのを想像してたんだが、本編であっさり名前呼びになってしまって
萌えればいいのか残念がればいいのか、こんな時どんな顔をすればいいか判らないの。
別に8話と9話の間に何かがあったとしてもいいんだけど
なんかこの二人にはあんまり進展しないで欲しいというか
刑事さんが大変なのにのんきに恋愛してられないと、お互いになかなか一歩が踏み出せなくて
見てるこっちがもどかしくなる程じれったい状態が萌えるという個人的我侭。
とここまで書いて、まだ「比奈って呼んで……」とかお互い呼び捨てを要求する余地はあることに気づいた。
この場合、双方を呼び捨て且つ呼び捨てにされてる(だろう)アンクの存在がいい刺激になりそう。
ついでに名前呼び小ネタ。
「今日からよろしくお願いします!」
「こちらこそ、よろしくお願いします。火野さん」
「あのさ、その、苗字で呼ばれるのってなんか堅苦しいから、名前で呼んでもらってもいい?」
「じゃあ……映司さん?」
「いや、さん付けもなんかちょっと……。ここでは比奈ちゃんの方が先輩なんだし」
「じゃあ、映司くん」
「はい!」
「……ふふ」
「……あはは。……嬉しい。なんか、すっげぇ嬉しい。ありがとう、比奈ちゃん」
「そ、そうですか……?」
「……たかが名前の呼び方だけで何やってんだ、あいつら」
「若いっていいわねぇ〜。素晴らしいわ!」
>>242 名前で呼んで?の部分で某リリカルマジカルな方々が頭をよぎった
>>242 最後の2行で自分にアンク×店長属性がある事に気付いた
人のぬくもりや優しさを信じられない(と思ってる)アンクを
店長がぎゅっとしたりしてアンクが「!?」ってなってたら萌える
店長から大いなる愛と同情心と母性と保護欲をもって
「アンクちゃん。苦労してきたのよね、もう安心してね。これからは私がついてるから」
「おまえ、何を、おいやめろ!なんだ、何で脱ぐ?何故脱がす!?うわぁぁぁっ!」
みたいに「喰われてしまうアンク」も捨てがたく思う今日この頃
これ好きなのよね?比奈ちゃんにはナイショね、って時々こっそりアイスキャンディとか貰って
そこはかとなく餌付けされていつの間にか距離が縮まってたりしてもいいと思うんだ
餌付けされた影響で地味に太ったりして腕の部分が前よりもふくよかになって
>>248 そんな次郎さん方式じゃあるまいし、流石に刑事さんの方が太るだろwww
体調管理といえば看病ネタも欲しいな
最近の急な冷え込みで刑事さんの体が風邪をひいてしまう。
風邪の概念をいまいちよく知らずパニックになるアンクを力ずくで看病する比奈ちゃんとかさ
風邪には葱が効く、と店長に聞いた比奈に無理やり生の長葱を食べさせられたり
熱冷ましの座薬を尻穴に突っ込まれ悶絶したりするアンクとか思いついた自分は
ここではなく外道衆スレ向きか
>249
今日だけですから、って枕元でカップのバニラアイスをスプーンで食べさせてあげる比奈ちゃんとかいいなあ。
どっちがヒナだよみたいなw
>>251 比奈「ほら、食べてください」アーン
アンク「自分で食う!大体なんで棒のじゃないんだ」
比奈「風邪ひいてるのに、お兄ちゃんの体に無駄な負担かけないでください。迷惑です」
アンク「…チッ」パクッ
>252
うわーもえしぬ!補完ありがとうございますw
文句言いながらも、まんざらではないアンクさん可愛いですよね。
比奈とアンクフィーバーしてんなあ
俺はメズールとガメルとかも気になるんだけんど
アンクもいいけど、いきなりの「エイジ君」呼びが自分はたまらんのだが
>>254 分かる
ガメルは純粋に懐いてる感じだけど
腕撫でたり「連れ出して」とか、
メズールがエロいw
自分も映司君呼びにズキューンとキタので勢いと思いつきで書いてみたが
残念ながらエロにはなりませんでした
ダメな人はスルーで
NGは 映司と比奈:「Secret-Secret」
閉店後のクスクシエ。
比奈は頬杖をつきながら、店のキッチンで皿洗いをしている映司の姿を眺めている。
映司が呟くように歌っている鼻歌が聴こえてくる。比奈には馴染みのない、異国的な
不思議な旋律。
旅してきた国の歌なの?映司君。
あなたは本当は、どんな人なの。
その目で、どんな光景を見てきたの。
これまでのやり取りから、彼がとても哀しい過去を過ごしてきたことは判る。
しかし、いま見ている映司の横顔からは。彼がそんな哀しみを背負っている様子は
伺えない。飄々とした、どこか呑気で穏やかな横顔である。
あなたは哀しみを、胸の奥に隠してきたのね。
誰にも知られないように。そうすることに慣れているのね。
強いのね、映司君。
だが比奈は知っている。彼のその瞳は、時折とても暗い翳が射すことがある。
そんな時の彼は、どこか遠くを見ているような目をする。
遥か遠い国で起きた出来事を思い出しているような目。
そして同時に、自分の心の奥底を覗き込んでいるような目。
ずるいよ、映司君。
そんな目、ずるい。
比奈は小さな溜め息をつき、テーブルの上に頬をつける。そして片手を伸ばして
氷の残ったグラスを指先で弾く。
壁のランプの灯り、そのオレンジ色の光に照らされたグラスがチン、と音を立てる。
何故か惹かれてしまう、あの目に。
あの瞳で見つめられると、吸い込まれてしまうような気分になる。
吸い込まれ、そして。まるで優しく抱きしめられながらどこか遠くの国の、砂漠の空に。
突き抜けるような青い空の下に連れて行かれるような気分になる。
ずるいよ映司君。そんな目は。
わたし、あなたのことほとんど何も知らないのに。
そんな目、されたら。
好きになっちゃうじゃない。
比奈は目を閉じる。映司の鼻歌を、静かな水音を、皿と皿が重なり合う時に立てる
微かなカチン、とした音を聴きながら。
彼がそばにいる。そのことに何かあたたかいものを胸に感じながら。
瞼の裏に、映司と並んで空を見上げている自分の姿が浮かぶ。
彼と手をつないで見上げる、突き抜けるように真っ青な空。
胸の奥からまた別の音が聴こえてくる。さらさらと流れるような砂漠の砂の音。
髪を揺らしながら通り過ぎる乾いた風の音。
比奈は胸の中のその音に耳を澄ます。
繰り返される砂の音。そして、風の音。
ふと目が覚めた。
ハッとして体を起こす。いつの間にか店の電気は消され、映司の姿は無い。
肩と背中から何かが床に滑り落ちたのを感じる。
え、なに?
慌てて拾い上げ、広げてみる。
映司君のシャツだ。
やだ。わたし、寝ちゃったんだこんなところで。
映司君に寝顔、見られちゃった。
恥ずかしい。だが肩にシャツをかけてくれた彼の気遣いが嬉しい。
ふわりともう一度シャツを肩にかけ、くるまってみる。
あったかい。
再び周囲を見回し、本当に映司が側にいないかもう一度確認する。
比奈はシャツの袖をこっそりと頬に押し当てた。すりすりと動かしてみると、シャツから
不思議な香りが漂ってくる。
映司君の匂いだ。
日なたの、匂い。
しばらくそうして映司の匂いとシャツの肌触りを楽しんだ後、比奈は迷う。
もう映司君、寝ちゃったかな。ありがとって、言いたいな。
でももう遅いし。今日はもう戸締りして帰って、シャツを返すのは明日にしようかな。
ちょっとだけ、お部屋を覗いてみようか。電気が消えてたら帰ろう。
うん、ちょっとだけ。
やだぁ映司君ったら。何も裸で寝ることないのに。
映司の部屋をそっと覗いた比奈は、彼がベッドで眠り込んでいる姿を見つけた。
彼は下着一枚の姿で丸まり、自分の体を抱きしめるような姿で眠っている。
兄との暮らしの中で男の裸体には慣れっこのはずだったが、やはり肉親の体と
他の男の裸では大違いである。
お布団、かけてあげよかな。そっとしたら、バレないよね。
薄闇の中でも彼の寝顔は判る。すやすやと穏やかな寝息を立てている。
比奈は微笑ましい気分と、微かな悪戯心を胸に浮かべてそっと近づく。
ふふ。
映司君の寝顔、かわいい。子供みたい。
このまま寝かせといてあげよう。きっと、疲れたのね。
乱れた映司の髪。それを指で整えてあげたい、というどこか欲求にも似た思いが
浮かんだが、我慢する。
アンクはいないのね。まったく、こんな時間にどこに行ったの。
お兄ちゃんの体、何か変なことに使ってないでしょうね。
明日文句を言ってやらなきゃ、などと考えながら。比奈はふと気付いた。
って。わたし今、映司君と二人っきり?
半裸の男の部屋に忍び込んでいる自分。このシチュエーション。
比奈は慌てた。違う、違うの、わたしは映司君にシャツのお礼を言おうとしただけ、
それにアンクもいると思ってたから!
だが第三者から見たらそんな言い訳は通じないだろう。
これじゃわたし、なんか変態みたいじゃない、やだ。やだぁ、もう!
慌てて逃げ出そうとした。音を立てないように部屋から出ようとした時。
ベッドの映司が、何やら「うぅ……」と呻く声が聞こえてきた。
え!?まさか!起きたの?
振り向いてその顔を確かめる。だが彼はまだ眠っているようだ。
しかしその顔には、苦しげな表情が浮かんでいる。
「だめだ……早く……だめだ」
うなされてる。
怖い夢でも見てるの?
そっとまた近づき、その顔を覗き込んだ時。比奈はぎゅっと胸を締め付けられたような
気分になった。
苦悶。それ以外にはあり得ない。映司の顔に浮かんだ表情。額には汗が。目元には
小さな涙の粒さえも浮かんでいる。
そして呟いている。何度も、繰り返し。
「だめだ……だめだ……!」
どんな哀しい夢を見ているの?何かを思い出しているの?
ねぇ、映司君、ねぇ!
起こした方が良いのだろうか。どうしよう、どうしよう。
迷っているうちに、映司の腕が、すっとこちらに向かって伸びてきた。
何かを、誰かを。守ろうとして。あるいは何かにすがろうとするように。
比奈はためらわなかった。伸びてきた手を自分の両手で掴み、そして手のひらで包む。
「しー。映司君、しーっ」
「だめだ……」
「だいじょうぶ。だいじょうぶだよ。夢なの。夢。ただの夢なの」
「俺は……」
「安心して。だいじょうぶ。ここにいる。わたしが一緒にいるから、ね?」
「俺……」
「独りじゃないの。映司君、だいじょうぶ。しーっ。しー……」
最後に映司の手がきゅっと強く比奈の手を掴み、そして。
彼はしばらくすると、また穏やかな寝息を立て始めた。比奈の手を握ったまま。
あなたはどんな光景を見てきたの。
どれだけ辛い記憶を、その胸に抱えているの。
比奈は自分の瞳にも涙が浮かんでいることに気付いた。
映司を起こさない程度にその手に力を込め、彼の手を握り返す。
そして胸の中で、小さく固い決意をした。
わたしはこの手を、離さない。
ねぇ、映司君。いつかちゃんと話してね。
あなたのこと。あなたが見てきたもの。その胸に隠しているもの、ぜんぶ。
だってわたし。あなたのこと。
好きになったから。
いつかわたし、あなたに抱かれる日が来るから。
判るの。不思議だけど女って何故か、そういうのわかるの。
いまじゃない。すぐじゃない。いつか。でも、必ず。
だから知りたいの。あなたのこと。
だからいつか、ちゃんとあなたのこと、教えて。
比奈は映司の手のひらに頬を押し当てながら、ベッドの上に頭を乗せる。
そして目を閉じる。肌を通じて、彼の鼓動が伝わってくる。
目を閉じた比奈の心は、その繰り返す彼の鼓動の音だけで満たされていく。
胸の奥に、先程の砂の音と風の音が甦ってくる。
いつかわたしは。この手を握りながら。
映司君と一緒にあの砂漠の、青い空を見るんだ。
映司君と二人で。並んで。
二人で。
「で、これはいったいどういう状況なの?」
「俺が、知るかっ!」
部屋の入り口で、店長とアンクが呆れたような表情を浮かべながら、ひそひそと
言い合っている。
二人の視線の先には、横たわり大口を開けて眠っている映司と、床に座り込んで
映司の胸にもたれながらすやすやと眠っている比奈の姿。
「やった……と、思う?あの二人」
「な!?やったっておまえ……あぁぁ、知るかっ!」
思わず叫んだアンクの大声に身動ぎを始めた映司と、まだ幸せなそうな表情で
眠っている比奈の二人の顔に。窓から射し込んできた眩しい朝陽が、ゆっくりと
照らし始めた。
─終
ムード満点だな〜GJ!
ラストのアンク店長の狼狽ぶりもいいよw
エイヒナいいい!GJ!
この二人好きだー、こういうの待ってたよー!
ひなエイジほのぼのいいよ!
アンクと店長ワロス!
エイヒナかわえええええええ!GJGJ!!
そしてカプ状況問わず苦労人なアンクさんwww
映司×比奈GJ!
この二人が急接近した場合、刑事さんが意識を取り戻した時ポカンとしそうな予感
一話の事情徴収では妙なパンツ男という印象しか持てなかったと思うw
アンクと知世子さんというのもなかなか良さげだな
「ちゃん」付けのインパクトが強かった分気になる
チョコアンって書くとなんか可愛いw
アンクさんが右なのは仕様です。
「大丈夫よ、アンクちゃん!私に任せて…ね?」
とか言っちゃう知世子さん大人の余裕。
看病ネタに便乗してアンク×比奈。
エロはお触り程度で。
本編もだけど、このスレも萌えの宝庫。
住民の皆様に感謝。
夕方を過ぎたクスクシエの店内はほぼ満席だった。
日々変わる店の雰囲気を楽しみに訪れる常連客に加え、最近はタイプの違うイケメン二人を
目当てとする女性客が増えたという噂があったりなかったり、夕食時を控えまだまだ客足の
伸びそうな店内を映司と比奈が忙しなく走り回っている。
商売繁盛で結構なことだ――と、アンクが奥のテーブルから高みの見物を決め込んでいると、
接客の合間を縫って比奈がぱたぱたと駆け寄ってくるのが見えた。
今日の店のテーマは"大正ロマン"だとかで、比奈は髪の一部を結い上げ、着物と袴にブーツと
言ういでたちをしている。
なぎなたでも持たせれば随分と様になりそうだ。
「ねぇ」
比奈が小声でアンクに呼びかける。
「お店、混んできたの。悪いけど上に上がってもらえない?」
客の目を気にしてか、或いは忙しさにくたびれているのか、いつもの高圧的な口調ではなく、
声もどことなく弱々しい。
いい気味だ、と大人気なく思いながらアンクは席を立った。
頼まれずとも騒がしいのはあまり好きではない。
「ありがと」
短く礼を言って踵を返した比奈の躯が不意に大きく傾ぐ。
目の端にそれを捉えたアンクは無意識のうちに腕を伸ばし、崩れた比奈の躯を抱きとめていた。
「比奈ちゃん!」
気づいた映司がホールから叫びながら飛んでくる。
こちらも袴姿で、襟元からシャツを覗かせた服装は"書生さん"とやらのものらしい。
「ナイス、アンク! 偉い!」
「俺は大失敗だ」
アンクは思い切り顔をしかめた。
アンクが手を出さなければこの女は床に何処かをぶつけて怪我をしていただろう。
それなのにアンクの躯は勝手に動いた。
それが忌々しい。
「比奈ちゃん、大丈夫?」
映司が呼びかけるが、比奈は目を開けない。
少し赤くなった顔にうっすらと汗が浮かんでいた。
映司が比奈の額に手を当てる。
「……熱がある」
そう呟くと、映司は何かを決意したような強い視線をアンクに向けた。
こいつがこんな顔をするとろくなことがない。
嫌な予感を覚え目を逸らそうとしたアンクに、映司はぐいと比奈の躯を押しつけた。
「アンク。比奈ちゃんを俺のベッドに運んで。それから、そばにいて様子を見ててやって」
「冗談じゃない。何で俺がこんな女の面倒を見なきゃならん」
「だっておまえ、接客出来ないだろ!」
至極真剣な顔つきで映司が断言する。
なんだか酷く馬鹿にされた気がして、アンクはじっと映司を睨んだ。
やってやれないことはないと思うが、しかしやれと言われればやっぱり嫌だ。
渋々比奈の面倒を見る方を選ぶ。
「運ぶだけだぞ! 見てるだけだからな!」
積極的に関わることはしないと念を押しながら、アンクは比奈を抱えて立ち上がった。
意識がない人間の躯は重いと聞くが、比奈の躯は羽根のように軽く、その頼りなさにアンクは
ほんの少し驚く。
こんな小さな躯の何処にあんな怪力が隠れているのか。
アンクは半ば呆れながら比奈を抱えて屋根裏部屋へと向かう。
背後で一斉に漏れた女性客のため息にはまるで気づかなかった。
アンクは比奈をベッドに寝かせると、その額に映司から手渡されたタオルと氷袋を乗せた。
脱がせたブーツは腹立ち紛れに部屋の中へと投げ捨てる。
「ったく、世話を焼かせやがって……」
ぶらぶらと右手を振りながら、アンクはベッドの傍らから比奈を見下ろした。
閉じた目蓋は泣いた後のように少し腫れて、薄く開いた口唇からは浅い呼吸が零れている。
さっきの比奈がいつもより大人しく見えたのは熱の所為だったか。
何かあったらすぐに呼べと映司から言われていたが、重大な異変が起こるような状態だと思って
いれば、そもそもアンクに任せたりはしないだろう。
自分に都合よく解釈し、アンクはベッドに背を向けた。
先ほど宣言した通り、見るだけなら上からでも充分出来る。
「……おにい……ちゃん……?」
たどたどしい呼びかけにアンクは振り返った。
比奈がベッドの中からこちらを見あげている。
熱に潤んで焦点の合わない瞳がアンクの姿を映したかと思うと、そのふちにうっすらと涙が浮かんだ。
「お兄ちゃん……!」
がば、と飛び起きた比奈がアンクに抱きついてくる。
たった今まで意識がなかったとは思えない勢いにアンクはバランスを崩し、比奈と一緒にベッドの中に
倒れ込んだ。
「……この馬鹿力……!!」
ベッドの上についた右腕で躯を起こしながら、アンクはぎりぎりと奥歯を噛み締める。
「誰がおまえのお兄ちゃんだ! 寝ぼけるのも大概にしろ。離せ!!」
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……!!」
怒鳴りつける声も届かないのか、比奈はアンクの首にぎゅっとしがみついてただひたすらに兄を呼んだ。
「会いたかった……! お兄ちゃんにずっと会いたかったの。淋しかったの……!!」
アンクの耳許に悲痛な叫びが響く。
ぼろぼろと零れ落ちる涙がシャツを通してアンクの肌にも伝わった。
「お願い、もう何処にも行かないで……ひとりにしないで……お兄ちゃん、お願い……」
それは初めて聴く比奈の声だった。
強気な眼差しと気丈な態度の裏に隠した、切ないまでに兄を慕い求める想いだった。
負ける気がしないとアンクに言い放った、あの自信と決意の理由をアンクは見た気がした。
人間は弱い。
だが、その欲望にメダルを無限に生み出す力があるように、ちっぽけな人間の中にある心と
言うものの強さは計り知れない。
自分にしがみついてただ泣き喚いているだけの娘に対し、アンクは何故か打ちのめされたような
気持ちになった。
化物の自分と大事な兄を間違えた比奈を馬鹿にし、笑い飛ばしてやる絶好の機会だというのに
その気が全く起きない。
どうかしている。
全く、どうかしている――。
アンクはぶるぶると頭を振った。
「判った。何処にも行かない。だから離せ」
「……ほんと?」
比奈が腕の力を緩めてアンクを見上げる。
こんな間近でもまだアンクが兄に見えているらしい。
高熱の影響か、兄に会いたいと願う心が比奈に幻を見せているのか。
「ほんとに、もう何処にも行ったりしない……?」
訊ねる比奈の顔はあどけなく、いつもこうであれば少しは可愛げがあるものを、とアンクは胸のうちで呟いた。
「ああ、ずっとそばにいてやる。だからさっさと寝ろ」
眉根を寄せた渋面も険しい声も、熱に浮かされた比奈の中ではやさしい兄の笑顔と声に変換されているのだろう。
はにかむように微笑み、比奈は大人しくベッドの中で横になった。
アンクが布団を掛け、タオルと氷枕を再び頭に乗せてやる頃には、比奈はまた眠りに落ちいていた。
寝顔の上で手を左右に振り、アンクは比奈が本当に眠っていることを確認する。
「……寝た、な?」
誰にともなく呟くと、アンクは床の上で大きな大きなため息をついた。
認めたくはないが、この女は怖い。怖過ぎる。
こんな理解不能な行動を取る生き物とどうやって渡り合えばいいというのか。
早々に縁を切ってしまいたかったが、この躯を依代にし続ける限りは叶わぬ相談だった。
アンクはベッドに寄りかかりながら、比奈の寝顔を見つめる。
指先で、林檎の色をした頬に触れてみた。
涙の後をなぞり、ほっぺたをつまむ。
同じ頬でも、自分のものや映司のものとは感触が全く違っていた。
比奈の頬はふにふにとやわらかく、鋭い爪を突き刺せば簡単に破れてしまいそうだ。
自分がされていることの仕返しに、思い切りつねり上げるくらいはしてやっても良かったが、
意識のない相手にそんな真似をしても反応がないのではつまらない。
「ん……っ」
息苦しいのか、比奈が小さく寝返りを打った。
熱をはらんだその吐息がアンクの耳朶を甘くくすぐる。
その途端、強烈な飢えに似た感覚がアンクを襲った。
くらくらと目眩がして、自我が一瞬、何かに黒く塗りつぶされる。
比奈に触れていた右腕が、アンク自身意識する間もなく本来の姿へと戻っていた。
喉が渇く。
内側から思いもかけない欲望が込み上げる。
何故、と多少の疑問を抱きながらもアンクはそれを拒まなかった。
欲望に理由なんかあるかと言ったのは紛れもない自分だ。
だからアンクは自分のしたいことをするべく、ベッドの上に身を乗り出し、眠っている比奈の口唇に
自分のそれを迷うことなく重ねた。
熱の所為でわずかに乾いた口唇を舐め、軽く噛み、それでは少しも足りないとばかり、無防備に
開かれた口唇の間から舌を忍ばせる。
比奈の口の中は酷く熱かった。
熟した果実のような比奈の舌に自身の舌を絡ませ啄ばむ。
濡れた水音が鼓膜に響き、比奈の熱が伝染したかのようにアンクの躯もにわかに熱を帯びた。
触れ合った口唇からどちらのものともつかない、熱い吐息が零れ落ちる。
熱い。そして甘い。
口唇を離しても熱は冷めず、アンクは比奈の白い首筋にむしゃぶりついた。
汗の浮かんだ肌にも舌を這わせて歯を立てる。
きつく吸うと雪の上に血の色が散った。
すべらかな肌触りを口唇で楽しみながら、着物の袷に両手を差し入れる。
両側に広げると、くっきりと浮かび上がった鎖骨と、淡い下着に覆われた豊かなふくらみが目に
飛び込んでくる。
着物の下には下着はつけないものと何処かで見たが、今と昔では作法も違うらしい。
アンクは鎖骨にくちづけながら、細かい飾りのついた肩紐に指を掛けた。
肩の方へそれをずり上げようと力を入れた、ちょうどその時――
かつん、とアンクの背後で何かが落ちる音がした。
ほんの小さなその音に、アンクははっと我に返る。
比奈の上から躯を起こし、音のした方を振り返ると、棚の上にあった写真立てが床に転がっていた。
映司や店のオーナーが来たのではないことに安堵したアンクだったが、同時に深い自己嫌悪を覚える。
――何をやってるんだ、俺は……。
人間の男のように比奈に欲情し、我を失くす程に夢中になって――
比奈に意識がなくて幸いだと、再びベッドに目を向けたアンクはその瞬間硬直した。
さっきの物音で目を覚ましたのだろう、比奈がその目をぱっちりと開けている。
寝ぼけるか、また寝てしまうか――アンクの希望的観測はどらちも外れ、比奈の瞳は少しずつ正気の
光りを取り戻していった。
むくりと、何処か人形めいた動きで起き上がった比奈は、自分の置かれた状況をすぐに理解出来ない
らしくきょろきょろと左右を見回し、やがてその視線を自分の胸許へと落とす。
そしてはしたなく肌蹴た胸許に気づくと、熱で紅潮していた頬へ更に朱を昇らせた。
素早く袷をかき合わせ、怒りと困惑の入り交じった表情でアンクを睨みつける。
大きな両目にうっすらと涙が浮かんでいるのは羞恥の為か、激しい怒りの為か。
「……何してたの……!?」
比奈が押し殺した声でアンクに問う。
何をしたかなど、アンクの方が訊ねたかった。
俺は何をした?
口唇を重ねて、舐めて、噛んで、肌にも同じことをした。
理由なんかない。
それはただの欲望だからだ。
自分のしたことを逐一白状すると益々気が滅入りそうで、アンクはそれらの行為をまとめて説明出来る
言葉を探した。
舐めて、噛んで――……ああ、これはあれだ。
「――試食だ」
開き直ってアンクは言った。
そうだ。
この女はいつか自分が喰うのだから、その味見をしただけだと自分に言い聞かす。
「……さ」
比奈の顔がますます赤くなり、まなじりが一気に吊り上った。
「さいってい……!!」
比奈が叫ぶ。
「馬鹿!! 痴漢!! 変態!!!」
叫びながら氷袋、タオル、枕とその場にあるものを手当たり次第アンクに向かって投げつけた。
その一つ一つをアンクは器用に掴み取る。
一通り投げ終わると、比奈は気力が尽きたようにベッドに沈み込んだ。
殴りかかる体力はさすがにないようだと判断し、アンクは簡易凶器を比奈の枕元に置く。
比奈はよろよろと枕を頭の下に敷きこみ、自分でタオルと氷袋を頭の上に乗せた。
憤懣やるかたない様子で、上目遣いに尚もアンクを睨む。
「……変態」
アンクは小さく歯を剥いた。
あんまりな言われようだがさすがに返す言葉がない。
「……言いつけたいなら映司にでも勝手に言え!」
ことの次第を知って激怒する映司の姿がありありと目に浮かんで、アンクはげんなりとため息をついた。
想像の中でも煩い男だ。
全くどうしてこの娘相手にあんな真似をしてしまったのか。
魔が差したとしか言いようがない。
「……手」
項垂れるアンクに向かって、比奈が布団の中から手を差し出す。
「……あぁ?」
「手、握っててくれたら、許す」
躯を横向きにした比奈が、拗ねたような顔をしてアンクを見上げていた。
もう寝ぼけてはいないだろうに、病気の心細さは偽りでも兄のぬくもりを恋しがるのか。
「安い女だな。ガキか」
憎まれ口を叩きながらも、アンクはなけなしの気遣いを振り絞って左手を比奈に差し出した。
その手をぎゅっと握り、比奈はもう一方の手もアンクに伸ばした。
「……赤いのも」
頬を膨らませた不機嫌極まりない顔つきで、ぶっきらぼうに比奈が言う。
比奈の要求にアンクは眉根を寄せた。
比奈が何を考えているのかさっぱり判らない。
握りつぶすつもりかと警戒しつつ右手を差し出せば、比奈は左手に対するのと同じくらいの力でそれを握った。
両手を掴まれたアンクは仕方なくその場に腰を落ち着ける。
見るとはなしに比奈の顔を見ていると、心の片隅からふとある疑問が浮かび上がった。
――こいつ、もしかしたら途中から正気だったんじゃないのか……?
例えば間近にアンクを見た時、或いは寝返りを打ったあの時。
それは、何の根拠もなくただそんな気がするという程度のもので、アンクは緩く首を振り、脳裏を掠めた
その考えを追い払った。
それが当たっているとして、だからなんだというのだ。
自分自身にすら説明のつかない衝動はあるのだ。
人間であっても、グリードであっても――
浮かんだ疑惑を口にする代わりに、アンクは首を曲げて比奈の顔を覗き込んだ。
目を逸らすと負けと言わんばかりに、じっと見つめ返してくる比奈との距離を無言で詰める。
鼻先をすり合わせるようにぶつけると、かすかに熱の匂いがした。
くすぐったがって目を閉じた比奈に、アンクはもう一度口づける。
比奈は目を閉じたままで、アンクの手を振り払おうとはしなかった。
もしもの問い掛けは聞かぬが花、言わぬが花というものだろう。
そして、全てを熱の所為にしてしまえばいい。
GJ!
はじめてリアルタイムで遭遇しました。
明日の放送無いけど妄想で乗り切れそうw
ご馳走様でした!!
放送が無い日の投下はホントお恵み。ありがとうございました!
>>268 GJ!
…病アンクをツン気味比奈が 独自 の方法で手厚く看病する
と言う逆verを探しにちょっと欲望の波に乗ってくるわ
保管庫鍵付きになってから一回しか来てなかったんだけど、現行作品の放送開始月日になってる?
前作品じゃなくて?
スレ内検索くらいしろと何度言わせるんだ
何度もこの手の質問くるけどさ
現行でエラーが出たら去年か、
って思わないもんなの?
試しに書いてみたが自分には難しかったガメルとメズール
人間体じゃなくてグリードの姿で書くべきだったか
9話で二人が戦闘から脱出してからの話
エロ部分はエロく書くより淡々と書きたかったのと話の都合上、中途半端
ダメな人はスルーで
NGは ガメルとメズール:「Take me Take me」
「メズールぅ。だいじょうぶぅ?」
横たわり苦しげな表情を浮かべているメズールの周囲をぐるぐると歩き回りながら
ガメルが心配そうに問いかけてくる。
「だいじょうぶよガメル。心配、しないで……」
本当はあんまり大丈夫じゃないけど。そう心の中で呟くと、メズールは手のひらを
瞼の上に乗せて、窓から射し込んでくる眩しい光を遮った。
ガメルに連れ出され、何とかオーズとの戦闘の場から脱出できた。今はようやく
隠れ家に戻り、床に敷いたマットレスの上に横たわったところだ。
まったく予想外だった。まさかあの男が、ラトラーター・コンボを発動させるとは。
あの男を見くびっていた。あんな度胸があるとは思わなかった。私のミスだ。
いや、あれは度胸じゃないわね。そう思いながらメズールは溜め息をつく。
あの男は知らなかったのだ。あのコンボがどれだけ危険か。私達にとっても、そして
自分自身にとっても。まったく馬鹿な男。
今頃、死んでいるかもね。
だが失策は失策。私はメダルを失ってしまった。貴重なコアメダルを。
失った。奪われた。おそらくは、アンクに。
そのあどけない顔を歪めながら、メズールは苛立ちに唇を噛みしめた。
今は人間体の、少女の姿を取っている。ラトラーター・コンボが発したあの灼熱の光、
それを全身に浴びてしまったダメージと、メダル喪失による倦怠感と身動き取れない
程の疲労感に対しては、グリードの姿でいるよりも人間体でいる方が少し楽だった。
そして何よりもこの渇き。彼女はあの灼熱により体中の水分を一気に奪われている。
「メズール、メズールぅ」
またガメルが問いかけてくる。彼もさすがに人間体だ。だが元々の体力が桁違いの
ため、メズールよりはダメージが低く済んでいる。
心配してくれてるのねガメル。かわいい子。
「お願いガメル。お水、ちょうだい」
メズールに頼まれ、慌てながらガメルは奥のキッチンへと跳ね飛ぶように駆けていく。
何やらガチャン、バリンと騒々しい音が聞こえてきてメズールは苦笑いを浮かべる。
しばらくすると大事そうに両手で水の入ったコップを持ち、彼が戻ってきた。
「メズール、お水」
「ありがと」
彼女は体を起こそうとする。だがただそれだけで眩暈を感じ、吐息と共に倒れ込む。
「メズールぅ!」
「だいじょうぶよ……あぁ。でも、ごめんねガメル。飲ませてくれる?」
「うぅ」と唸りながら彼はメズールの口元にコップを近づけてくる。
「あ、だめ。だめよガメル。それじゃこぼれちゃう」
「う。どうしたら。いいの?」
「お水、飲んで。自分で」
ガメルは「?」という表情を浮かべながら、それでも言いつけ通りコップの水を一口
啜り、そのままゴクリと飲み込んだ。
「違うの。飲み込んじゃだめ。口に含むのよ。飲まないの」
「ん、うぅ?」
彼はまた水を口に含む。今度はちゃんと飲み込まずに我慢しているが、それだけの
ことに相当苦労している様子だ。
「来て」
メズールは何とか片手を上げるとガメルの後頭部に手を添え、その顔を引き寄せた。
「いい、って言ったら。口を開けるのよ」
そして彼の唇を、自分の唇に押し当てた。
重なる唇。
メズールはその口を開く。「いいわ。ガメル。口、開けて。少しづつね」
彼はそうする。開いた唇から彼が含んでいた水が流れ込んでくる。
あぁ。
おいしい。
喉だけでなく、全身の渇きが癒される。潤う。メズールは舌を伸ばしガメルの口へと
挿し込み、その中に残る水分も貪るように舐め取る。
舌に舌を絡ませる。ガメルはくすぐったそうに身をよじるが、行儀よく我慢している。
いい子ね。
「ね、もう一回」
メズールがねだると、要領を覚えたガメルは自信満々な様子でまた水を口に含み、
今度は彼女が手を添えなくても自分から唇を押し当ててきた。
「んん?」
「いいわよ」
再び流れ込んでくる水。甘くておいしい。彼女はまた舌を伸ばし、じっくりと時間をかけ
ガメルの口の中の水分を味わった。
でもまだ、まだ。体の渇きは癒えない。
「ガメル、手伝って。脱がせて」
きょとんとしている彼の手を促し、自分の体から服を剥ぎ取らせる。
全ての服を取り去られ全裸となると、彼女は彼を見上げた。
「濡らして。私の、からだ」
「濡らすぅ?」
「あなたの手を濡らして、私の体に、肌に塗ってくれればいいの」
「うぅ。わかった」
彼はコップの水を自分の手にぶちまけた。
「ここから、ね」
彼女が指した胸元。そこにガメルの濡れた手のひらが触れる。
つめたい。
いい気持ち。
彼は撫で始める。おずおずと。濡れた手が彼女の肌を滑るように動く。
彼の指先や手から水滴がメズールの乾いた肌の上に落ちる。その水滴が肌の上で
弾かれて揺れ、ゆっくりと浸透していく。
メズールは潤っていく。その心地良さにまた甘い吐息を漏らす。
ガメルにしては繊細な手つきだ。それだけ自分のことを案じてくれているのだろう。
優しい子。本当にいい子。
乳房、頬、首筋、腹に太腿。ガメルは水が無くなるたびにまた汲み直してきながら、
メズールの肌をゆっくりと撫でて濡らし、潤いを与えていく。慎重な手つきで。
彼女は徐々に気力が甦ってくる。
もっと。もう少し。もっと。
「ガメル」
「んぅ?」
「舐めて」
「ん、舐める?」
「そう。舐めて。舌で。濡らして。私を、もっと」
「う。舐める。うん」
ガメルはコップの水をまた口に含み舌をたっぷりと湿らせ、そして舐め始める。
一途に、ひたむきとすら言える様子で。彼はメズールの肌に舌を這わせる。
耳元を、脇の下を、手の指先を。全ての足の指の間に至るまで。丹念に。丁寧に。
全ての肌の上を、全身を彼の濡れた舌と指先が滑る。
>>1-282 私は勉強して、学芸員の資格も持っています。
今は、昔やった大学での勉強以上に分類やデータベースの勉強をしてますよ。
医学や理系の論文は英文でのデータベース検索なんで、専門用語が英語で理解できない人には無理です。
大学や専門機関には何十万冊もある蔵書が有りますし、医学書は現在の広辞苑レベルの厚さ重さです。
今は分冊される位重いです。
話は変わりますが、
申し訳ないですけど、どれだけ社会に貢献してるのですか?
生家にある近くの公園はいい大人や中学生が汚く荒らして居ますが、近所の障害者施設の人たちがびっくりするほど綺麗に掃除してます。
また、自慢とか言われるかも知れませんが生家があるのは東京でも有名な高級な住宅地なんですが、
公共の場所でちゃんと自分の出したゴミもすてられないような人間は障害者以下です。
こんなところで時間使うなら朝早起きして家の周りでも掃除しなよ。
あぁ。
気持ち、いい。
渇きが癒えると共に気力が甦ってきたせいか、潤っていく心地良さとはまた別の
快さが、メズールの身体を火照らせ始める。
まぁ。今はそれどころじゃないのに。私ったら。
ガメルには下心などない。この行為に邪な思惑は一切ない。ひたすらに自分を
案じる、ただその思いだけしかない。
だが、そうであるが故に。メズールは昂ぶる。彼のその一途さ忠実さに、ぞくぞくと
した悦びを感じてしまう。
彼女の呼吸が荒くなる。彼の舌が動くたびに微かに身をくねらせ始める。
ガメル……気持ち、いい。とても。とても素敵。
「メズール?」
「ん……なぁに?」
あ。だめよガメル。やめないで。
「ここ、もう濡れてる」
彼が不思議そうに見つめているその場所。彼女の股間。脚の付け根。まだ彼の
指も舌も触れていなかったはずのその部分。
「まぁ」
「ここも?」
首を傾げながら問いかける彼の顔。彼女は一瞬、ためらう。本当はその必要は
ない場所。その潤いには別の意味があるその場所。
だが彼女は頷く。
「そうよ。そこも……ううん、今からはそこだけでいい。ね?」
「ん。うぅ。ん」
頷き、顔をそこに寄せ埋めて。彼は取りかかる。言いつけ通りに。
彼のその舌が触れた瞬間、口から漏れかけた甘い叫びをメズールは押し殺す。
彼の舌が動き始める。止まることなく。
ガメルはこの行為の意味を理解していない。そこには淫らな欲望など一切ない。
ひたすらに、ひたむきに。彼女を思う一心で。
彼は舐め続ける。
メズールは快感に耐える。まだ女としては幼く、未開発のこの少女の身体では、
そして彼の慣れない稚拙な「愛撫」では。彼女が真に求めるほどの快楽を感じる
ことはできない。だが先程、たっぷりとガメルの指と舌で全身を愛されたことに
よって。一番欲しい場所への愛撫に、この幼い身体も徐々に反応を始めている。
「ん……」
声を漏らすまいとする。身をよじるまいとする。彼を驚かせないように。
だがそれも徐々に難しくなってきた。
昂ぶってくる。堪えきれないほどに。
「あっ。ガメル。ガメル……っ!」
「う?メズール?」
彼が驚き、身を引こうとする。彼女は思わず両の太腿で彼の頬を挟んで押さえる。
逃げないで。だめ。ガメル。
ちらりと彼を見る。自分のまだふくらみきっていない胸の谷間の向こう、白い太腿に
挟まれた彼の顔が、またきょとんとした、だがどこか心配そうな表情で。こちらを
じっと見ている。彼女はその顔が愛しくなる。そして欲しくなる。さらに強く。
「お願い、ガメル」
「んぅ?」
「続けて。ね?」
彼はもう迷わない。仲良しのメズールに頼まれたのだ。
彼がまた股間に顔を寄せる。メズールはそれを見ている。自分の足の間、挟まれた
彼の顔の上半分が覗いている。その光景を見ている。
顔の隠れた部分、下半分がしていることは見えない。だが何が行われているかは
見えなくともこの体で感じる。その舌の動きをそこに感じる。
口元にうっとりとした笑みを浮かべながら彼女はその光景を見る。そして感じる。
昂ぶりが増してくる。呼吸がまた荒くなる。
かわいい子。ガメル。そう。そう。もっとよ。
もう彼は逃げない。彼女は安心して太腿を開く。彼の舌の動きに合わせて、その
内腿のやわらかな肉がぴくん、ぴくんと震えているのが見える。快感に。悦びに。
そうよ。そう。そう!
彼に対して、そしてさらに激しく反応を始めた自分の身体に対して。メズールはまた
鼓舞するように心の中で叫ぶ。
目を閉じる。その口から甘い吐息と喘ぎ声が漏れる。まだあどけないその顔には
似つかわしくないほどの淫らな喘ぎが。
彼の舌が一番敏感なあの部分を抉る。おそらくは意図されたものではなく偶然に。
だが彼女が上げたひと際大きな叫びから悦びを聞き取ったのか、彼はその部分を
重点的に、また丹念に舐め続ける。ほじくるように、どこか無骨さすら感じる動きで。
だがそれでも充分だった。この身体には。
彼の手と舌で滴るほどに濡らされた肌。また股間からは自らの雫を溢れさせながら
メズールは身体を快感にくねらせる。激しく動くたびに水滴が飛沫となって跳ねる。
彼女は上りつめていく。渇きを癒し潤すその水飛沫の中で。彼の逞しく強い腕に
両脚をがっしりと抱えられ、少女としてのその身体を悦びに激しく震わせながら。
「あぁ……っ!ガメル……っ!!」
そしてそれが来る。メズールにとっては馴染み深く、だがこの未成熟な身体には
初めての。貫くような絶頂が。
迎えた絶頂。身体の中心を貫く快感に彼女は背をのけぞらせる。無意識にまた脚で
彼の頭を強く挟む。だが彼は逃げることもなく舐め続けている。彼女が「止めて」と
言わない限り彼は続けるだろう。このまま、彼女の絶頂が終わっても。一時間でも、
二時間でも。彼女がいいと言うまで。彼女がそれを許すまで。
ガメル……!!
夕暮れの翳が射す部屋の中に響いた彼女の叫び、その残響が消えた後も、彼の
舌はまだひたすらに、彼女への思いとひたむきな熱意をもって動き続けた。
身体の震えがようやく落ち着いた後、メズールは目を開き顔を上げた。
「ガメル」
「んん?」
「もう、いいわ。ありがと」
彼が体を離す。愛しげにその顔を見つめたメズールの目に、彼が何故か苦しげな
表情を浮かべている様子が映る。
「どうしたの?ガメル」
「うぅ。なんか、体、変だ。痛い」
「痛い?どうしたの?どこが!?」
彼は自分の股間を見る。メズールは驚き、そして声を漏らす。
「まぁ。ガメル」
「熱い。ここ、痛い」
彼の股間。着ている物を押し上げ、破りそうなほどに。そこは膨れ上がっている。
痛いのは、その中にある彼の物が納まりきらないほどになっているせいだろう。
おかしいわね。ガメルには性欲は無いはずなのに。
これは彼の。人間体が持つ欲望なのかしら。
私のこの身体を見ていて。私が感じる声をずっと聞いていて。
そうね。欲しくなっちゃったのね、ガメル。
「脱ぐのよ。ガメル、服を」
「脱ぐ?メズール、みたいに?」
「そう。脱いでみて。きっと楽になるから」
彼はそうする。慌しく、下着も同時に、破り取るように脱ぎ捨てる。
その脱いだ勢いで彼のその膨れ上がった物が、びん、と弾けるように飛び出てくる。
あらあら。ガメルったら。大変。
「うん。メズール。痛くなくなった」
下半身を丸出しにした彼が嬉しそうな表情を浮かべ、だが自分の股間にあるその
物を訝しげな様子で見つめている。「何だこれは?」といった不思議そうな顔で。
その様子を微笑ましく見つめていたメズールの心に浮かぶ思い。
彼にも。ご褒美あげなきゃ。
私を助けてくれたし。渇きを癒してくれたし。そして。
気持ちよく、してくれたし。
だが彼女は迷う。彼にそんなことを教えても良いのだろうか。彼が「あれ」を知ったら。
これからどうなるだろう。今までみたいじゃなく。彼の体が私を求めるようになったり
しないだろうか。それは大いに有り得る。
それに私の今のこの身体は。まだ女としては未経験だ。耐えられるだろうか。
だって。彼の。ほら、すごく。大きい……。
ガメルは初めて。そして私の、この身体も。
何やら倒錯した欲望が彼女の心に生まれる。興味が湧いてくる。
わざとらしく、かわいい笑みとはにかんだような表情を浮かべながら、彼に向かって
心の中で呟いてみる。
ねぇガメル。私、初めてなの。優しくしてくれる?
ガメルは、優しくするだろう。それは判っている。だが彼の人間体の、男はどうだろう。
一度始めたら。始めてしまったら。優しいままでいられるだろうか。本能のままに、
私のこの体を、一切の容赦なく奪うのではないか。
想像してみる。ぐっしょりと濡れたこのマットレスの上で。体を重ねる二人。
二人の肌や濡れた髪から水滴が弾け、滴り、流れ落ちる。ガメルの吐き出す息は
熱いだろう。湯気を立てるほどに。そして私の息も。
彼は突くだろう。激しく突くだろう。私を優しく抱きしめながら。あるいは何の遠慮もなく
唸りながら、貪るように泣き叫ぶ私を突くだろう。
どうなるだろう。彼はどうするだろう。でもどちらにしても。
楽しそう。うん、きっと。楽しい。
彼女は脚を開く。ゆっくりと。彼に向かってまたその場所を見せつける。
そこは既に準備が整っている。熱い雫が溢れてきている。
彼がそこを見ている。彼女はその男の瞳を覗く。そこに欲望はあるか。堪えきれない
ほどの飢えはあるか。
ガメル、ねぇ。あなた、優しくしてくれる?それとも……?
答えはすぐに判る。
メズールは微笑を浮かべる。あどけなく、またこの世に生まれ出てから長き年月の
間に、欲望を知り尽くしてきた百戦錬磨の女の、淫らな笑みを。
微笑みながら彼女はガメルに向かって両手を広げる。彼を迎え入れるために。
「おいで、ガメル。ごほうび、あげる」
─終
ん、何か挟まったな まぁいいや
これを書きながらガメルとメズールがアンアンしてるところにウヴァが
戻ってきてメズールに誘われてそのまま3P、とか考えてる自分は
もう人としてダメですハイ
途中からしゃしゃり出てきたくせに最低
せっかくみんなで楽しくアンク×比奈に萌えてるのに
空気読んでほしい
釣られないぞ
ガメズールGJ!
>>290 うんうん、って待て
アンヒナは勿論、エイヒナも鴻上組もグリード組も皆大事な萌えでしょそこは!
ガメズールもGJ
最近の人外祭の影響か、過去ライダー作品とかでの人外萌えがまた再熱してきた
ガメズールGJ!
ご褒美も待ってるぜ!
なんか途中にコピペみたいなのあったけど気にせず投下してGJ!
ってか
>>289はコピペに向かってだよな?
GJGJ
ここは人外の怪人態もアリなの?
>>293 >ってか
>>289はコピペに向かってだよな?
いやいや、途中参加のウヴァさん宛てかもしれんww
怪人態…アリだよね?
アリだと信じてるw
グリードさんたちの造形、かなり好み。
まぁ文字でやる分には脳内補完も容易だからアリなんじゃね?
電王の時はタロスそのまんまとかあったしなぁ
メズール様のロングブーツ風美脚
エロかったなぁ、オーズのせいで脱げちゃたけど
290みたいなのいるとアンひな支持者って感じ悪いって思えるな
まだ若いのかあんひなアンチなのか…
前にもこんな流れがあったよな。
あの特定カプ厨が戻ってきたんだろ。
あーあ。
>>288 GJそしてその続きの3Pをワッフルワッフルワッフルワッフル!!!
人間態になってから初エロとかいいな
人の姿だと2人とも可愛い感じ
しかしウヴァさんが手を出すと途端に犯罪に見えそうw
>>298 今のガメルは割と可愛い感じなのに完全体ラオウ噴いたw
流石のメズール様でもらめぇ壊れちゃうなんじゃないのか
>>282 GJ!!
おかげでガメズールに開眼した、ありがとう
続きの2Pも全裸で待ってる
しかし、オーズはアン比奈、映比奈、ガメズル、カザメズル、ウヴァメズル、隊長秘書
どういう組み合わせでも萌えれるのがいいな
秘書といえば、OPで今後隊長と絡むような印象を受けたけど気になるな
このスレ的には会長やらドクターやらとも期待
ちょっと前のほうのレスに、会長×エロ秘書の話があったな。
自分的には映比奈が読みたい。
どんな展開がありうるのか興味津々!
保管庫、携帯から見れないからつまらん
何とか携帯からも見れるようにならんかな
>>306 間にもばじら噛ませるとかは駄目?>携帯観覧
最近は更新もされてないみたいだけれど、保管庫の管理人さんて今行方不明なの?
保管庫は9スレ目の半ばあたりから更新止まってるのかな
ここは投下が割と多いし、今から拾い直すのも大変だろう
Wの話とかでもう一回読みたいのがあったら過去スレ読むしかないね
何事も始めるのはちょっとのやる気と勇気でできるけど
続けるのは難しいんだよ。
そしてやめるのは簡単。
保管庫、携帯からでも確か見れたはずだけどな・・・
しこたまめんどくさかった記憶がある
管理人さんはこんな現状じゃいかんってんで
今新しく別のHP作成中じゃなかったっけ?
313 :
312:2010/11/12(金) 21:05:33 ID:fc1Cl2kh
>>306 携帯から閲覧できたよ
ずーーと次ページをクリックしていけばよろし
カテゴリの後に作品が出てくるよ
ただ色んな作品がごっちゃになって出てくるから
読みたい作品に辿り着くのにすぐの時もあればかなり時間がかかる時もある
健闘を祈る
>>313 カテゴリが上に表示されてるからそっちから探したほうがまだましかも
>>314 今見てみたけどこちらの携帯からだと上?にカテゴリが出ない
機種が古いからかな?
新しいのだといけるのかね
316 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 14:33:22 ID:HwaGm2Sn
流れをぶった切るようで申し訳ないが、これだけは言っておきたかった。
…なぜ今までに「G」が無い!?
釈由美子なのに!元グラドルなのに!
フィロキセラは触手を使うのに!
…けっこう本編も楽しめたし、一つや二つはあるかと思ったのに…orz
比奈→信吾前提で、アンク×比奈。
比奈ちゃんがかなり病んでる感じなので、そういうのが苦手な方と
ものすごく今更な気もしますが近親相姦要素が苦手な方はご注意を。
タイトルは好きな歌から拝借。
歌からイメージしたわけじゃないけど、書いてる内に思い出したら
個人的にイメージぴったりだった。
躯中の血液がまるで燃えるよう。
視界が白く眩んで息も出来ない。
今この時に息絶えることが出来ればといつも思う。
けれどまた目を覚ます。
生きているのだ。まだ。
子供の頃から使っている勉強机と、使い慣れた家具に囲まれた比奈の部屋。
学校の課題やお気に入りの小物で飾られた小さな空間は、比奈にとって紛れもなく日常の風景だ。
今は、その日常を非日常が侵食している。
それは例えばベッドの上。
兄の躯を乗っ取った、爬虫類に似た赤い右腕と輝くような金の髪を持つ人外の男。
そしてその男の前で平然と生まれたままの姿を晒している比奈自身。
人の躯で退屈を持て余した怪物と、兄に恋をした愚かな娘。
二人の利害が一致したのは幸運だったのか、不運だったのか。
兄にも映司にも、もう合わせる顔がない。
そう思いながら、兄の身を案じる健気な妹の顔で映司と接し、アンクとの関係を絶とうともしない。
何処で何を間違ったのかと多少の後悔を覚えはしても、たとえやり直しが利くとしてもきっと何度でも
同じ道を選んでしまうのだろうと諦めに似た確信があった。
比奈に覆いかぶさる男も衣服は身につけておらず、鍛えられた肉体が露わになっている。
それは刑事である兄の躯だ。
毎日のトレーニングで作り上げられた、兄の努力と仕事に掛ける情熱と誇りの証だ。
うっとりと見上げる比奈を、男が鼻を鳴らして見下ろす。
哀れむような嘲るような、そんな視線にはもう慣れてしまった。
両のかいなをあどけなく差し伸べて男の首をかき抱くと、男からのくちづけがゆっくりと降りてくる。
味見をするように啄ばみ、やがて熱を帯びて深くなるくちづけに比奈は喉を鳴らして応えた。
男の大きな手のひらが比奈の髪と頬を撫で、首筋を辿り胸許へと降りる。
少し速い呼吸に合わせて上下する胸をやわらかく掴み、感触を楽しむように指を沈ませて遊ぶ。
比奈がわずかに首を反らせると、男は天を仰いだ顎に喰らいついて軽く歯を立てた。
濡れた舌が喉を這い、首筋をきつく吸われて思わず吐息が漏れる。
胸をもてあそぶ男の手に力がこもり、手のひらと触れられた肌からじわりとした熱が生まれる。
固く尖り出した頂きにも男の口唇が触れ、強く吸い上げられて躯が跳ねた。
比奈の口からは淫らとしか言いようのない声がこぼれる。
笑いを含んだ満足そうな男の吐息が、震える比奈の胸許に落ちた。
男の手と口唇が肌をまさぐり、火を灯されたように熱く火照る躯と頼りなく溶けていく思考。
紅色を刷く肌の上を這い回る男の右腕を、比奈は潤んだ瞳で見つめた。
毒々しいまでに鮮やかな色をした異形の指には、古めかしいデザインの指輪が光る。
鋭く尖ったその爪が凶悪に伸びて、自分の喉や胸を引き裂く光景を比奈は幾度も夢見た。
恐怖からではなく、願いに近いその夢想が現実となったことは一度もない。
男の手は比奈が覚悟したよりもずっと穏やかで、意外なまでにやさしく感じられた。
初めの内こそ乱暴に扱われた気がするが、男の、何かの苛立ちをぶつけてくるような凶暴さは近頃
なりを潜め、傷つけまいと気遣われているような気さえする。
男から大切にされているようで、比奈はそれが少し怖い。
男の態度が変化する理由が判らないからだ。
何かあったのだろうか。
ただ、男の考えが変わっただけだろうか。
それとも、
――飽きた、のかな……?
自分に飽きてしまったのかと比奈は考える。
飽きて、比奈のことなどどうでもよくなったからと適当あしらう態度が、やさしく見えただけなのでは
ないだろうか。
もしかしたら、退屈しのぎの相手を他に見つけて、男の興味はそちらに移っているのではないかと、
下卑た自分の想像に比奈は身を強張らせた。
「……どうした?」
男が比奈の顔を覗き込む。
比奈の前髪をかき上げ訊ねる男の顔が、比奈を案じているように見えるのはきっと錯覚だろう。
「……他に、誰かいる……?」
「何がだ?」
「こういうこと、する相手……。私の他にも、いるの……?」
「はぁ?」
男が顔をしかめた。
とてつもなく不味いものを口に含んだように、酷く不本意そうな表情で比奈を見返す。
あてつけがましくため息をつき、男は顔を伏せると比奈の耳にかぶりついた。
「ひゃ……っ」
比奈は声を上げ、首をすくめる。
男がくつくつと、喉の奥で楽しげに笑った。
「わざわざ別に女を調達する必要があるか? おまえで用は足りるって言うのに」
男は比奈の耳たぶを噛み、耳の付け根にキスをしながら胸の中心を摘み上げる。
比奈が身を捩じらせて声を上げるのに、男は意地の悪い笑みを浮かべ言った。
「おまえは馬鹿だ」
軽い調子で吐き捨てられた言葉には、何処か自嘲の響きがあった。
男は比奈の胸許に顔を埋め、再び比奈を責め始める。
冷めかけた躯はすぐに熱を取り戻し、比奈は緩やかな快楽に身を任せようと目を閉じた。
不意に、肌をなぞる男の右手が異形から骨ばった人間のものへと変わる。
ああ、兄の手だ。
見なくとも判る、比奈が求めてやまない兄の手だ。
――お兄ちゃんの、手……。
そう思うだけで比奈の心は躍り、心臓が壊れたように早鐘を打つ。
手のひらの、指先の、ほんの些細な動きすら躯は敏感に感じ取り、何倍もの快感として受け止めた。
これまでも比奈を抱いていたのは兄の躯なのに、左手はずっと兄のままなのに、どうしてこんなに嬉しいのだろう。
兄の心が此処にはない、その事実は何も変わらないのに。
嬉しくて嬉しくて、どうしようもなく哀しい。
正直過ぎる心と躯の反応を比奈は自分で笑う。
男も笑う。
兄への恋心など愚にもつかないものはさっさと棄ててしまえと哂う。
けれど男は、愚かだと比奈を哂いはしても、その恋を否定したり非難することは決してなかった。
人の世の理に縛られない異形の男の腕の中でだけ、比奈は自由に兄に恋をすることが出来る。
兄を奪った憎い敵である筈のこの男が、比奈にとって一番安らぐことの出来る場所だった。
両脚を割り開き、男が比奈の中に侵入してくる。
比奈は激しい熱を伴った圧迫感に息を飲みながら、腕を伸ばして男の首を抱き寄せた。
「……アンク……」
兄の身代わりにしながら、だが比奈は兄ではなく男の名を呼ぶ。
この時に兄の名を呼ぶことはどうしても出来なかった。
身代わりにした男への気兼ねか、兄の躯と勝手に交わり穢してしまうことへの罪悪感か、
兄妹で最後の一線を越えることにまだ躊躇いがあるのか。
それとも、兄の心が此処にはないからか。
もしも兄の心が此処にあれば、心から幸せを感じることが出来たのだろうか。
兄の心がずっと此処にあったままなら、こんな愚かな真似をせずに済んだのだろうか。
男が比奈に口づける。
比奈を抱きしめて身を進める男に合わせ、比奈は躯を緩めて固く張り詰めた昂ぶりを最奥まで受け入れた。
深く息を吐き切ると、耳のそばに同じような熱い吐息が落ちる。
比奈は目を閉じて男にしがみついた。
男が動き出す。
貫かれ揺すり上げられ、比奈は背を弓なりに反らせて喘いだ。
いつもは人らしいぬくもりを感じさせない男の肌にも赤みが差し、その息は乱れて荒い。
ふたりして欲望を貪るだけの存在になり、押し寄せる快感に理性が塗り潰されて何も考えられなくなってゆく。
加速をつけて体温が上がる。
躯中の血液がまるで燃えるよう。
視界が白く眩んで息も出来ない。
今この時に息絶えることが出来ればといつも思う。
けれどまた目を覚ます。
生きているのだ。
――まだ。
熱と汗が引いて、壊れたような息遣いが静かになる。
ぼんやりとした意識の中、誰かが比奈の頭を撫でていた。
それが男だということは判っていたが、悪意のないその仕草は幼い頃に頭を撫でてくれた兄にそっくりで、
比奈は泣きそうになる。
比奈は目を開けて男を見つめた。
男は比奈が眠っていると思っていたらしく、少し驚いた顔をして、頭を撫でていた手をぎこちなく止める。
不自然な沈黙を割いて、比奈はぽつりと言った。
「……お願いがあるの」
男が不審げに目を細める。
「おまえが俺にお願い、とは。怖いな」
男はおどけた様子で皮肉な笑みを浮かべた。
「聞くだけ聞いてやる。言ってみろ」
比奈は頷いて口を開く。
「あなたが元の躯を取り戻して、お兄ちゃんの躯から離れたら――」
そこで一旦言葉を切った。
呼吸を整え、はっきりとした口調で言葉を継ぐ。
「一番に私を殺して」
男の顔から一瞬、表情が消えた。
比奈はまっすぐに男を見つめて続ける。
「お兄ちゃんが目を覚ます前に、私を殺して」
どうか、この世から消し去って。
兄の心を置き去りに、化物と通じて強引に兄を手に入れたその罪はこの命でしか贖えない。
それさえも身勝手な理屈だと承知している。
比奈がいなくなれば、兄は唯一の肉親を失うことになるのだ。
生きて、これまで通りに兄を慕う無邪気な妹を演じ続けることこそが、償いであり罰になるのかもしれない。
それでも、一度手に入れたぬくもりを永遠に失い、代わりにそれを手に入れる誰かと兄を笑顔で祝福する
ことなどとても耐えられそうになかった。
幸せそうに笑う兄と誰かの姿を目にする前に、消えてなくなってしまいたい。
男は答えない。
無表情のまま、比奈を見ている。
醜く、身勝手な最後の我侭は、目の前の男にも聞き入れられないだろうか。
怖い。
怖くて目を逸らすことも出来ない。
男が、指の背で比奈の目許を拭う。
そして初めて、比奈は自分が涙を流していることに気づいた。
「安心しろ」
男が言う。
「頼まれなくてもそのつもりだ。おまえみたいな生意気な女、生かしておいてもろくなことがないからな」
兄の顔に傲慢な冷笑を貼りつけて、男はきっぱりと言い切った。
赤い手が比奈の顎を掴み、男の顔が間近に迫る。
「……覚えておけ。おまえは俺が殺してやる」
低く響く囁きが耳に心地よい。
男の言葉が嬉しくて、比奈は涙に濡れた顔で微笑んだ。
「ありがとう……」
礼を言う比奈に、男は小さく舌打ちをして痛ましげに顔を歪めた。
比奈の肩に腕を回し無言で胸許に抱き寄せる。
比奈は男の心臓の音に耳を傾けながら、静かに目を閉じた。
きっと自分は今、切り立った崖の先端にひとり裸足で立っている。
いつか、比奈を抱き留める赤い腕を振り払い、或いは後押しされてその先にこの身を躍らせる日が来るだろう。
ぱっくりと口を開けた奈落の底の、その果てに何があろうと恐ろしくはなかった。
ツンデレ×ヤンデレGJ!
なんかすごく良かった
近親はこのくらい病んでる方が好き
精神的には怪物×少女
身体的にはガチで近親ってのがもう・・・
ガメズルktkr
最後のシーンで映比奈&チョコアンが定着してきてて和んだ
>>318 なんだろうこの気持ち…GJ
私を殺して〜からのくだりにある意味壮大な告白めいたものを感じちゃって
何かに目覚めてしまいそうだ
しっかしまぁ今日は人間態メズ姉の脚と女教師コスにもってかれた
ガメズール良いね
今日の放送で店長×アンクに目覚めてしまった。
店長の傍若無人な積極性に翻弄されるアンク笑えるwwwもとい萌え。
>>318 乙!
好きな雰囲気で引き込まれた。
>>328も書いてるが「私を殺して〜」の部分、いいなぁ。
ついでに今日の放送ときたらww
ガメズールがじわじわとくる。
あと店長、強いなwアンクその内完全に押し負けそうw
映比奈は微笑ましいし、犬猿なアン比奈もよかった。
「まぁまぁだな」って案外素直なアンクに噴いたわww
>>329 あの二人には皆何の抵抗もなく♀×♂なんだなw
つくづくアンクは女に弱いな
比奈がグリードに欲望を利用されないように調教を始める映司
アンクが更生するように調教を始める店長
つまりダブルフェラの形になるな…
鴻上会長がグリード駆除に積極的な方だったら
メダル奪還に飛び出したガメル不在の隙を突かれライドベンダー隊に襲撃されウヴァ1人では弱りきったメズールを守りきれず
メズール人間体は拉致され暴行陵辱されたり、対グリード兵器開発の実験の為にあんな事やこんな事をマトモな抵抗もできずにされちゃう可能性もあったんだよね
>>334 ウヴァさんェ・・・
そういやカザリは今後どこへ行くんだろう
>>334 555終盤で長田さんが捕まった辺りは本当にそんな感じだったな
567 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/11/14(日) 15:50:08.86 ID:Y7nelFvCO
>547
ラトラーターコンボに敗北したメズール。
痛む胸を押さえて這いつくばるその姿を見て、オーズの中で何かが弾けた。
メズール「!?いやっ」
そのままメズールの肩を突き飛ばすと、地面に押し倒し馬乗りになる。
左手でメズールの両手を頭上に掴んで抑え、空いた右手の指先で体のラインをなぞっていく。
メズール「……っ!!?」
胸の中央辺りで止まったオーズの右手が、メズールの体のセルメダルを掻き分けて体内に入ってくる。
ウナギのコアメダルを掴もうと動き回る指先が、メズールの理性を恐怖と未知の快感で蝕んでいく。
オーズ「…まず、一枚目」
左の胸から、ウナギのメダルを持った手をゆっくりと抜き出す。
激しく上がった息を顔に受けながら、オーズは次のメダルを探してメズールの体に指先を伸ばしていった。
ごめん死んでくる
思い付きでやった後悔はしていない
でもやっぱ死んできます
ヒナちゃんが余りにも生意気すぎるので
グリードの恐ろしさをたっぷりとその身に味合わせてやる二度と忘れられないくらいにな!とヒナちゃんをレイプする事にしたアンク
数時間後。お兄ちゃんとしちゃったお兄ちゃんとしちゃったと知恵熱だして寝込んでるヒナちゃん
今の身体は人間だったのをすっかり忘れていたと力尽き青い顔でグッタリしてるアンク
>>339 そろそろ全裸で待機してるのも辛くなってきましたので続きお願いします
>>342 アンクさんにとっても二度と忘れられない出来事になったんですね分かります
OPを見る限り比奈は後々アンクと仲良くなるんだろう
今の険悪ムードはその前振りみたいなもんだろうな
比奈がヤミーか何かに襲われてるピンチの時にアンクが現れて
いっつもケンカしてるのにどうして助けてくれるの?みたいな顔をしてる比奈に
「あの”まあまあ”のメシが食えなくなったら困るからな」
とか言いながら敵に立ち向かっていく彼の背中を見つめる比奈
その夜の夕食はアンクのごはんは大盛りてんこ盛り、みたいな
>>344 ファイズのOPもそんな感じだった。
ケンカばっかりしてるけど毎週OPの散髪シーン見てるせいか
こいつらは後々仲良くなるんだろうな、みたいな。
>>344 比奈ちゃんのデレ待ちだよねw
犯す殺す言う割に、扱いは慎重かつ丁寧なアンクさんとかもえる。
比奈ちゃんを遠慮がちにリンゴの電話的な触り方して欲しいw
なんかグリード達がAV見つけて興奮するみたいなの書いてみたがいかんせん自分の文才のなさを思い知った…
自分もウヴァ×メズールがまだ無さそうなので書いてみようとしたら
ガメルたんが仲間に入りたがりウヴァさんは人間体のままじゃ嫌だ
グリードの姿でやらせろと駄々をこねメズールは3Pどんとこいで
もうしっちゃかめっちゃかで手に負えんかった
ハロウィンにいいものが見れたので、いずれ比奈のメイド姿をクスクシエに期待したい
保管庫のパス正しいはずなのに何十回入力しても入れねえよ
年月日を入れているに2000ペリカ
>>351 PCなら問題ないはず
もしもしなら諦めろ
>>351 とりあえず過去ログをもう一度読んでみろ
かくいう自分も最初はうっかり年月日を入れて弾かれてたクチだがw
今日の本編見て、やっぱガメルとメズールの絡みは良いと思った
投下が減ってさみしい
ウヴァ比奈
個人的にオーズはシチュは思い浮かべやすいんだけど
それを広げてキャラを動かそうとする度に、いやこれは違うまだ早いよなって思考停止してしまう
それプラス虎さんもビックリする程の文才の無さが加わってもうorz
改めて職人さんの凄さを痛感
359 :
大戦異聞:2010/11/22(月) 04:13:54 ID:9kZuK9nC
最初に言っておくが、これはか〜な〜り〜長い!
レス消費するので先に謝っておく
スマン
オーズの流れをぶた切りで久々の士夏
しかも幻のトリロジーのイエロー没案ネタでパラレルネタ
最初レイパーな海東が夏みかんを食ってるので、ダメな人はスルーしてくれ
360 :
大戦異聞〜1:2010/11/22(月) 04:15:03 ID:9kZuK9nC
何故、こんなことになったのだろう。
「ふっ……くぅ、んん」
唇を噛みしめて堪えても、どうしても甘く媚びたような声が漏れてしまう。自分に裏切られ
たような思いがして、きつく閉じた瞳に涙が滲んだ。
「泣いてるのかい?夏海」
「っっ………!」
抵抗を示す両腕を腕力で押さえつけ、強引に自分を組み敷している海東の酷く優しげな声が
耳にすべり込むのと同時に、ぐん、と強く体の奥深い場所を突き上げられる。途端に背筋を駆
けのぼる感覚の正体は、どうあっても誤魔化しきれるものではない。
せめてもとばかりに、ことさら強く唇を噛みしめると、ぷつりと何かがはじけるような感触
と共に鉄にも似た味が舌先に広がった。
「あまり強くかむと、後で腫れるよ?」
労りの言葉と共に、柔らかな舌先で血のにじむ唇をなぞられる。拒絶の意を込めて首を小さ
く振ったが、そんなことでこの責め苦から解放されるはずはないことなど十分に分かりきって
いた。
仲間であるはずの相手に犯される頭の中には、何故、という疑問しか思い浮かばなかった。
それはいつもと何も変わらぬやりとりの筈だった。
士とユウスケが祖父に半ば強引に飲みに連れ出され、キバーラもまた珍しく用があるとかで
出掛けていた写真館で一人留守番をしていたところに、ふらりと戻ってきた海東に連れ出され
別の世界へとやってきた。
海東にしては珍しく、少し強引な気がしたのは確かだったが、自分と士の関係を知っている
のだから間違いを犯すことはないだろうと思っていた。それに、いざとなればキバーラが世界
を超えて自分の呼びかけに応えてくれるだろうと、些細な慢心があったことは否定できない。
穏やかな表情で幼い時の思い出を話してくれたこの海東が、自分の知る海東とは別の海東で
あることに気付いた時には、全てが手遅れだった。
「夏海……」
男にしては些か細く冷たい海東の指先が、呼気に合わせて揺れる胸の膨らみをゆるやかに揉
みしだく。一方的で強引な愛撫ならば、まだ絶望と怒りに身を委ねていられただろう。だけど
有無を言わさぬ力で抵抗を封じ強引に体を開かせておきながら、海東の指と舌は丁寧な動きで
確実に快楽の灯をそこかしこに灯してゆき、女の歓びを知る体は悲しいまでに敏感な反応を示
した。
「あっ……!!」
体の奥の弱い場所を突き上げられ、押さえきれなかった声が細く響く。甘く乱れたその声に
満足したのか、海東が幸せを噛みしめるように目を細めた。
「凄い…絡みついてくるよ。ここが気持ちいいんだね?」
「やっ!だ、めぇ……っっ!」
ゆっくりと、だけど力強く何度もそこを突き上げられ、体の中心へと何かが集まってゆく。
いつも抱かれる度に容赦なく責めあげられる場所ではあるけれど、圧倒的な支配力で激しく突
き上げてくる士とは対照的に、海東の責め方は優しいとすら思えるぐらい緩やかだった。
そんな違いが、愛する男とは違う男に抱かれているのだと言う事実をより一層際立たせる。
「どうし、て……」
怒りと困惑と悲しみと快楽が入り混じり、どうしようもなく涙があふれ出る。滲む視界で捕
えた海東の顔には、お宝を手に入れた時のあの独特な笑みだけでなく、どういうわけか自分以
上に深い悲しみが浮かんでいた。
361 :
大戦異聞〜2:2010/11/22(月) 04:15:40 ID:9kZuK9nC
「大樹さ、ん……何で…っっ!」
何度も口にした問いに、返答が返されることはない。答えを拒むように最奥まで入り込んだ
海東が、意図的にその場所で動きを止める。ぎりぎりまで引き絞られた何かが、憎むべき支配
者の楔を求め体の中央で妖しく蠢くのが分かり、無意識のうちに海東の体に足をからませてい
た。
「ぃや……っっ!」
頂きを目前に引きとめられ、理性を失い欲望に狂いかけている意識が大きく揺れる。苦痛と
快楽に歪む姿を満足げに見下ろした海東が、耳元に唇を寄せ甘く噛みついた。
「何も知る必要はない。君はただ、素直に感じながら、ひたすら僕を憎めばいい」
両手首を戒めていた手が外されたかと思うと、息が止まるほど強い力で正面から抱きすくめ
られた。そのまま、今までの動きとは一転し貪り食らう様な激しさで幾度も穿たれ、耐えきれ
ず声が迸る。
「あっ!ああっっ!!」
「夏海……夏海…」
「はっ……んんっ、んあっっ!!」
朦朧とした意識を打ち破り、獣染みた原始の欲求が全身を支配する。海東によって与えられ
る快楽の波に翻弄されながらも、士を思う心がどこかで軋みをあげ、胸の奥だけがキリキリと
した痛みを訴えていた。
「やっ…あ、ああああっっ!!」
絶頂へと押し上げられ、あられもない声が響く。その背に腕を回ししがみ付かないことだけ
が、最後の矜持だった。
「夏海……っっ!!」
切羽詰まったような声と共に、海東の体が離れる。痙攣する太股に熱い何かを感じたかと思
うと、海東の体ががくんと自分の上に崩れて落ちてきた。
「僕のことを、ちゃんと覚えていてくれ………夏海」
荒い息で囁かれた言葉を疑問に思い、重い瞼をこじ開ける。きらきらと、金色の砂のような
ものが目の横で踊っていたが、それがどこから飛んできたものなのかは分からなかった。
薄れゆく意識に映った海東の顔は、何故か今にも泣きだしそうな瞳をしていた。
362 :
大戦異聞〜3:2010/11/22(月) 04:16:54 ID:9kZuK9nC
一方的な行為の後の始末をつけ、最後に薄い肌掛けをその上にかけてやる。最後まで取り縋
ってはくれなかったその腕に、くっきりと残っている自分の指の後をそっとなぞる。
「夏海……」
まともに面と向かって呼んだことなどなかった名前を、今更のように呟く。絶望と快楽に押
しつぶされ、涙と共に意識を手放した夏海の頬を掌で包み込むと、いいようのない愛しさが胸
の奥からこみ上げてきた。
「………正真正銘の大馬鹿野郎だな、僕は」
自嘲の笑みと共に唇を歪める。涙の後をそっとなぞった指先から、黄金の砂のような粒子が
散ったが、全て自業自得だった。
自らの存在と引き換えにしても助けたい。
そう願うほど惚れた女に対し、こんな仕打ちしかできない自分は馬鹿の極みだ。
「………ようやくお出ましか」
世界を超え近づいてくる気配に気づき、名残惜しさと共に夏海から手を離す。なるべく後を
つけられないように気をつけたつもりだったが、思ったよりも早く追いつかれた。夏海の眠る
部屋の扉を静かに閉め階下へと向かいながら、事が済んだ後でよかったと内心で安堵しつつ、
そんな下らない考えを浮かべる自分に心底呆れた。
階段の手すりに身を預けて待っていると、荒々しい音を立てて玄関扉が開かれた。
「やあ。遅かったね、士」
「………海東」
殺気を隠そうともせずに目の前に立つ士は、記憶の中の士と何一つ違わない。夏海というた
だ一つの存在を求め怒り狂うその姿は、自分にとっては非常に見慣れた姿だった。
ずかずかと大きな歩幅で近寄ってきた士に襟を掴まれると、いつか見た光景が脳裏でフラッ
シュバックした。
「てめぇ……っっ!」
怒りの声と共に撃ちこまれた鉄拳を無造作に受け止め、思わずため息が漏れる。咄嗟に出て
くる言葉も自分への反応も、一から十まで自分の知る士と何一つ変わらないとなると、もはや
呆れというよりも感心すら覚える。
全くもって芸がないというか、相変わらずというか。
「全く、夏メロンが絡むと見境がなくなるのは、君の悪い癖だな」
「ふざけんな!夏海に何をした!!」
「何って……男と女が一緒にいたら、目的は一つだろ?そういうのを野暮っていうんじゃない
のかな」
答えは強烈な膝蹴りだった。あえて無防備に受けたその一撃に、流石に息が詰まる。すかさ
ず殴りかかってきた右ストレートは、条件反射でかわしていた。
「勘弁してくれ。君の本気の攻撃を受けてたら、命が幾つあっても足りない」
「だったら死んで詫びるんだな」
真っ当な怒りに燃える士の目は、自分の知る悪魔の目とは微妙に違っている。全てを拒絶し
たあの暗い瞳とは違うその姿に、本当に歴史は変わったのだと痛感する。
嬉しいような悔しいような、なんとも複雑な感情に思わず口の端が歪んだ。
「何がおかしい?」
目ざとくその笑みを見つけた士の声が、剣呑なものになる。怒りに彩られているとはいえ、
そんな生気に満ちた士の声を聞いたのは随分と久しぶりだったことを思い返すと、それすらも
懐かしくなる。
そういえば、最後に二人の姿見てから、どれくらい経ったのだろう。
「言われなくても、直に消えるよ」
「何だと?」
「君が望むと望まざると、僕はもうじきこの時間から消えてなくなる。僕の知る時間は消え、
新しい時間の中でもう一人の僕はこの僕とは違う人生を進むんだ」
言っている言葉がわからないとでもいうように、思いっきり怪訝な顔をする士の前に、証拠
となるパスを掲げる。それだけで、士には僕がどんな人間なのか理解できたようだった。
「電王のパス……つまり、デンライナーに乗ってきた未来の海東か」
「そういうことさ。僕は僕のお宝を取り返しにきた」
363 :
大戦異聞〜4:2010/11/22(月) 04:17:48 ID:9kZuK9nC
「お宝?」
「夏海のことだよ」
ぴくり、と士の頬が引きつった。だが、流石に今度は間合いを取っている分、間髪入れずに
拳が飛んでくるようなことはなかった。みるみるうちに不機嫌になっていく士の顔に、何故と
いう疑問符もしっかり浮かんでいるのを観て、ついつい笑いがこみ上げてくる。
最も、自分自身気づいていなかった感情なのだから、士や夏海にしてみれば寝耳に水だろう。
「そんな怖い顔をしなくても、きっちり説明するよ」
「当たり前だ。人の女寝取ったうえに、突然そんな世迷言を言いやがって。説明なしで逃げら
れると思うなよ」
「世迷言とは言ってくれるね。ま、こんなに夏海が好きだったなんて、自分でも驚きだったか
ら無理はないかな」
未だに警戒を解かずに仁王立ちになる士に向かい、本心からの言葉を告げる。階段に腰を下
ろしパスを持った手を見下ろすと、またしても光の粒子が散った。
「お前……」
「言っただろう、消えるって。僕は自分の時間を変えた。歴史が変わった以上、僕が僕として
存在し続けることはできない。僕の知る歴史は僕だけの記憶になり、世界は新しい時間を歴史
として受け入れ進んでいくんだ。そこに、この記憶は必要ない」
そこまで言って、深い呼吸を一つ吐き出す。僅かな沈黙の後に、ようやく落ち着きを取り戻
した士が低い声で問いかけてきた。
「一体何があった?お前のいた時間は、自分の存在を含めてすべて消し去りたくなるぐらい、
そんなに酷い世界だったのか?」
「ああ、覆せるのなら時間の掟を破ってでも変えたいぐらい、虚しい世界だった」
遠い目で思い返す歴史を、今この時間に生きる士に伝えるべきかどうか、一瞬だけ迷いが生
じた。
このまま何も言わず、全て忘却の彼方に押しやってしまった方がいいのではないかとも思っ
たが、きっと士は納得しないだろう。そして、今は眠りの中に沈んでいる夏海もまた、真実を
求め躍起になるであろうことは目に見えている。
ならば、士だけにでも事の顛末を伝えておいたほうがいい。
「君は覚えているかい?ライダー大戦が始まったあの時、僕が君に銃をむけたことを」
「忘れられるはずねぇだろ。いきなり人に向かって威嚇射撃してきたかと思ったら、次の瞬間
インビジブル発動しやがって。何がなんだか分からなかったぜ」
「敵を欺くためにはまず味方からというだろう?だが、この時間の君は誰を犠牲にすることも
なく、ちゃんとあの場を離れられた。間違いないね?」
「……てことは、お前の世界じゃ誰かが犠牲になったのか」
答えはきっと、言わなくても分かっているだろう。それでも、自分の罪をきちんと伝えなけ
ればならない。無言で左腕をまくり、今もはっきりと残る傷跡を士の目の前に掲げる。
「僕は君を助けたかった。だけど、夏海も君を助けたかった。君を助けるためなら、彼女は自
分の身の危険なんて省みないってことは、君が一番よく知っているだろう?」
無言のまま傷跡を見る士の顔から、一瞬だけ確実に血の気が引いた。その瞬間を思い出し、
知らず奥歯を噛みしめる。
銃口の前に飛び出した夏海の体が、鮮血に染まり倒れたあの瞬間の記憶は、今も鮮明に脳裏
に焼きついている。
「僕の撃った銃弾は、君を庇って飛び込んできた夏海の胸を撃ち抜いた。血に染まった彼女を
抱きしめた君の怒りと絶望を込めた一撃は、ディエンドの装甲をぶち抜いて僕の手首を抉った
んだ。そして始まったライダー大戦の中で、君は悪魔になった。全てのライダーを敵に回し、
小野寺くんすら敵とみなしたんだ」
「………それは同じだ。俺は全てのライダーを潰し、ユウスケも倒した。夏海がキバーラに変
身して止めてくれなかったら、次は海東を倒していただろう」
364 :
大戦異聞〜5:2010/11/22(月) 04:19:42 ID:9kZuK9nC
「だが、悪魔になった君の側には誰かがいてくれたはずだ。違うか?」
確信はないが、自分の知る歴史をなぞっているのであれば、全ての世界を敵に回した士には
何か支えがあったはずだ。悪魔となり、ライダーを倒すだけの力を与えてくれる理由が。
そう思ってカマをかけてみると、思った通りの答えが返ってきた。
「……………ユリコだ。居場所を見つけられないまま、死んだ後も居場所を探してた。だから、
俺がユリコの居場所になってやったんだ」
なるほど、と思った。時間はうまい具合に修正をかけて、できるだけ歴史の変動を押さえこ
んだのだろう。だがどこまでも似たような境遇ではあるけれど、そこにある意義は自分の知る
時間とは大きく違っている。
「君にとって、夏海がそうであったようにか?」
「やかましい」
素直に認めるはずはないと分かっていたが、あまりにも予想通りの反応だった。そこに僅か
な照れが入っているのは、それだけこの時間の士と夏海が幸せだということなのだろう。
自分の望んだ通りの時間が切り開かれたことに喜びを覚えるが、それと同じぐらいの悲しみ
が胸の奥に突き刺さる。
「僕の知る士も、同じように死人を連れていたよ。ただ大きく違うのは、君が前を向いている
のか後ろを向いているのかってことだ」
「まどろっこしい例えすんな」
「なら、単刀直入に言おう。夏海は死んで尚君の側にいることを選び、士は夏海のいない世界
を拒絶し滅ぼすことを選んだ。死人となった夏海を連れ、士は悪魔となって世界を敵にまわし
たんだ」
あの瞬間の衝撃は、どんな言葉でも形容しがたかった。
自分が確かにこの手で撃ち殺したはずの夏海は、生前と何一つ変わらぬ姿で士の傍らに寄り
添っていた。それだけでも十分に驚きなのに、二人は死という絶対的な力に逆らい心も体も結
ばれていた。死してなおその魂を留めるほどに彼女に愛され、そして強い思いで夏海という存
在の全てを捕える士の姿に強烈な嫉妬を覚えたことで、初めて自分も夏海に惹かれていたこと
を気付かされたのだ。
それほどに思い思われる二人が心から羨ましくもあると同時に、どうしようもない程の後悔
の念が胸の奥からこみ上げてきた。
もしもあの時、自分が銃を撃たなければと。
「当然、僕は夏海を開放してやれと士に言った。だけど士は、地獄の果てまでも夏海を連れて
いく覚悟だった。そして夏海も、どこまでも士と一緒に逝くつもりだったんだ」
アルティメットクウガとなったユウスケすら倒した士を前に、最後のライダーとして立つこ
とになったあの瞬間。本当は自分は士を倒すことよりも、士に縛りつけられた夏海の心と魂を
開放してやりたかったのだ。
だが、結果は。
「小野寺くんを倒した士を倒せるライダーは、もう僕だけだった。ダブルもスカルも、ライダ
ーというライダーは全て破壊されてしまっていたからね。だけど、僕もいい加減士に腹が立っ
ていたんだ。夏海をどこまで縛りつけるつもりなのかってね。だから、僕はもう一度士に銃を
向けた。けど……」
青ざめたこの時間の士の顔が、ほんの少しだけ曇る。きっと、言葉にしなくてもその瞬間何
が起こったのか即座に理解できたのだろう。
ちょっと考えればすぐに予測がつくはずなのに、その時の自分にはそんな僅かな余裕すらな
かった。
365 :
大戦異聞〜6:2010/11/22(月) 04:20:16 ID:9kZuK9nC
「僕はね、正直言って夏海のことを甘く見ていたよ。彼女は士を助ける為なら、何度でも危険
に身を晒す。何度でも……ね。そして僕は、同じ轍を踏んだんだ」
全く同じ光景だった。ディエンドライバーの向こうに、ディケイドの姿を捕えトリガーを引
く。放たれた銃弾が真っ直ぐに進む先に、突然長い髪を翻した夏海の姿が飛び込んで来て、あ
の時と同じようにその胸を貫くはずだった。
為す術なく呆然と立ちすくむ自分の目の前で、それまで銃を向けあっていたディケイドが突
然背を向けた。
「だけど、士は違った。あいつは全く同じ状況に陥ったと悟った瞬間、今度は自分の身を盾に
して夏海を庇ったんだ。その結果、僕の撃った銃は今度こそ士の胸を貫き、ディケイドの死の
おかげで世界は再び元の姿を取り戻した。小野寺くんも、少年くんも、その他全てのライダー
達は一人残らず蘇り、世界はもう一度時間を手に入れたんだ。二人を除いてね」
「二人?俺はともかく、夏海はライダーだ。そうなる運命だったってキバーラが言っていたし、
全てのライダーは蘇ったって……」
「それは君の知る時間の話だ。僕の時間の中で、夏海はライダーにはならなかったし、キバー
ラもそんなことは一言も言ってなかった。さらに厄介なことに、士は律儀に夏海の遺体を写真
館に届けていた。それを見たマスターは嘆き悲しんだまま、どういうわけか死神博士になって
いた。そして蘇ったライダー達はスーパーショッカーを倒し、光写真館に小さな悲しみを残し
たまま世界は平和を取り戻したんだ」
惨酷な事実をぴしゃりと突きつけると、流石の士も完全に顔色を失った。
誰もいなくなった写真館で、士や夏海や栄次郎の映った写真を見つめ一人で涙を流すユウス
ケの姿は、とても見られたものではなかった。主人を失いぽつんと残されていたマゼンタカラ
ーのカメラを手に取り、そのファインダー越しにユウスケの震える背中を捕えた瞬間、自殺行
為ともいえるこの計画を思いついた。
こんな歴史は、絶対に認められない。
灯の消えた写真館を見て、初めて自分がこの場所に安らぎを覚えていたことを自覚した。な
により、もう一度生きている夏海に会いたかった。この写真館の中で無防備なまでの笑みを浮
かべる姿を見、何の疑いのない声で自分の名を呼んでもらえたら、きっとこの胸の痛みは消え
るはずだと思った。
たとえその心に立ちいる隙など一片もないとしても、せめて憎しみでもいいから手に入れた
い。この時間の海東大樹ではない、今の自分という存在を夏海の記憶に留めたかったのだ。
366 :
大戦異聞〜7:2010/11/22(月) 04:20:45 ID:9kZuK9nC
「士も僕も、夏海を失って初めて自分がどれだけ彼女を愛していたのか思い知ったんだ。そし
て士は、その願いどおり夏海の心も魂もなにもかもを手に入れて逝った。一方僕は、彼女に思
いを伝えることはおろか、指一本触れることすらできないままだった。この悔しさは、君にも
分からないだろう」
「……だからお前は、デンライナーを奪って過去に戻り、歴史を変えたのか?」
「本当は自分を殺してしまいたかったんだけどね。残念ながら、自分で自分を殺すことはでき
なかった。だから、夏海に接触して動いてもらったんだ」
「そして夏海はお前の言葉を信じ、その結果時間が今に繋がったってことか…」
「そういうことさ。言ってみれば、僕は君達の仲を取り持ってあげんだ。感謝してくれたまえ」
最後に行きがけの駄賃を貰ったって、バチは当たらないだろう?
よせばいいのに、つい余計な言葉が口をついた瞬間、頬を掠めて飛んで行ったカードが背後
の壁に突き刺さった。
が、頬に走った一筋の傷も全く気にはならなかった。
「………残念だ。もう少し君の怒る所を見ていたかったけれど、どうやら時間が来たらしい」
目の前に掲げた手が、みるみるうちに光の粒子となって空に溶けてゆく。夏海には酷いこと
をしてしまったという自覚があるが、士にはこれぐらいの意趣返しはさせてもらっても十分お
釣りがくるはずだ。
少しずつ視界が白くぼやけてくるが、死ぬことも消えることも怖くはない。今の自分に繋が
る時間は全て失われるが、すくなくともこの士の記憶の中には自分達の辿った悲しい歴史が残
るはずだ。
自分達のような過ちを二度と犯さないでいてくれるのであれば、それこそが最高のお宝だ。
「士。この時間の夏海は、僕が全てを引き換えにして手に入れたお宝だ。大切に扱いたまえ」
「夏海には、何も言ってないんだろうな?」
「当たり前だ。もっとも、僕がこの時間の僕と違うってことだけは勘づいたみたいだけどね。
その辺は適当にフォローしておいてくれ」
「惚れたとかぬかしておいて、結果がレイプかよ」
「それは本気で悪かったと思ってる。だけど、一度だけでいいから夏海を手に入れたかった。
これだけはどうしても押さえきれなかったけど、君になら理解してもらえると思ってるよ」
「ざけんな。あれは俺の女だ」
「知ってるよ。だから、憎まれ役は退散するのさ。後は精々仲良くやってくれ」
なんとも言えない複雑な顔をした士に、腹の底から笑いがこみ上げてくる。こんな愉快な気
持ちになったのは、本当に久しぶりだった。
ありがとな、と本当に小さな声で呟いた士の言葉が、最後の記憶になった。
367 :
大戦異聞〜8:2010/11/22(月) 04:22:38 ID:9kZuK9nC
「やぁ……もぉ、だ…めぇ……」
「まだだ」
くたり、と体の下で崩れ落ちた夏海の懇願の声をはねつけ、達したばかりの体を再びまさぐ
る。酷く敏感になった場所に指を押し込むと、くちゅりと濡れた音が響いた。
「こんなに濡らしておいて、どこがダメなんだ?」
「ひゃぁ……っん!」
びくびくと全身を震わせる夏海の肌に、自分がつけたものではない痕をみつけ胸の奥がチリ
チリとざわめく。これ見よがしに思いきり吸いつき自分の痕へとすりかえながら、意識の欠片
も残らないぐらい容赦なく快楽の海へと沈めこむ。
息も絶え絶えに腕を伸ばしくてる夏海を抱き寄せ、その僅かな吐息すら奪い尽くす。涙を滲
ませ縋りついてくるその姿に、愛しいと思う気持ちと、もっと縛りつけ狂わせたいという欲求
がないまぜになる。
もう一人の海東が消えた後、気を失ったままの夏海を連れ、写真館へと戻った。
栄次郎もユウスケもベロベロに酔っぱらっていて、ちょっとやそっとの物音では起きそうに
ないことは確認済みだった。俺達の知る海東も、ここ数日トレジャーハントに出たまま戻らな
い。戻ったところで何を知らせるつもりもないが、流石に今あの顔を見たらはらわたが煮えく
りかえって本気でバトルをしかけるであろうことは目に見えていた。
死人となった夏海を連れ、全てを破壊して死んでいったという別の世界の自分。
俄かには信じがたいその話をもう一度頭の中で整理していると、どうしても意識は夏海へと
向いていった。静かに眠るその頬に触れ、温もりを確かめる。
もしもあの時、夏海が死んでいたら。
そう考えるだけで、全身の毛が総毛立つような絶望を覚える。生きていることを確かめたく
て、何気なく首筋にかかる髪の毛を梳いたその時、身に覚えのない紅い痕がつけられているこ
とに気づいてしまった。
そこからは、頭に血が上って正直よく覚えていない。
ただ、キスを繰り返すうちに意識を取り戻した夏海が、酷く狼狽していたことだけは覚えて
いた。海東に抱かれたことを負い目に感じているのか、必死で逃げようとする体を強引に押さ
えこみ、その肌に残る痕跡を全て消すことに躍起になった。
何度も何度も絶頂へ押し上げ、二回目を終えてもまだ、夏海を求める欲望は収まらなかった。
「士、くん……士くん…」
うわ言のように名を呼び、無心に口づけを求めてくるその姿に、一連の出来事で荒れて凍え
ていた胸の奥がじんわりと暖かくなる。
消えていったあの海東が、今の自分達の時間を繋いでくれたのかと思うと、本当に腹立たし
いが感謝するしかない。が、もちろん海東なんかにくれてやるつもりなんて、毛頭ない。
368 :
大戦異聞〜9:2010/11/22(月) 04:23:09 ID:9kZuK9nC
「夏海……」
大きく上下する胸へと唇を寄せ、心臓のある場所へ痕を刻む。
自分達は一度ならず二度までも、死によって隔てられた。
生きて夏海を手に入れた自分は、確かに幸せなのだと思う。もしももう一人の自分のように、
夏海を失っていたとしたら。そして、夏海がユリコと同じように死人となって目の前に現れた
ならば、自分もまた間違いなく同じ行動をとっていたと断言できる。
「分かるな、夏海?」
「士く…あんっ、んっ、んんっっ」
「お前の全身が、俺を覚えてるはずだ。もちろん、ここも…な」
「ああっっ!!」
濡れそぼった蜜壺へ自身を押し当て、一息に貫く。熱く熟れたそこは心地よい抵抗を示した
直後に、侵入した欲望へと絡みつき淫らに蠢く。吸いつくような奥処の心地よさに、思わず溜
息が零れる。
弱い部分をわざとはずし、じらすように内壁を軽くすってやると、もどかしげに腰が揺れた。
「やぁ、ん……もっ…と……」
「やらしいな……あれだけイったのに、まだ欲しいのか?」
意地の悪い言葉で劣情を煽ると、もう理性の欠片も残っていないのか、夏海は涙を滲ませた
瞳をうっすらと開けた遠くを見つめたまま、何度も力なく頷いた。
素直により強い快楽を求める体をぐいと引き寄せると、細い背中が大きく震えた。
「やぁ……んっ!あぁ、ん!!」
きつく絡みついてくる奥へと入り込み、欲望のままに腰を打ちつける。必死になってしがみ
付いてくる夏海も、いつの間にか自分から腰を揺らしていた。
あまりにも強い快感に、夏海と自分とを隔てる境界線のようなものが曖昧になり、一つに溶
け合ってしまっているような錯覚を覚える。
「士くん、士くん!!」
「はっ……そうだ、もっと呼べよ」
「士くん。士、く」
紅く染まった耳朶にかじりつき、舌を這わせると、突き立てた欲望を強く絡め取られ、思わ
ず奥場を噛みしめた。
「いいか、夏海。一度他の男に抱かれたぐらいで、俺から離れられるなんて思うなよ」
「あぅ…っん!はっ、ああ!!」
「他の野郎なんかじゃ感じられないぐらい、徹底的に俺を覚えさせてやるよ……お前は、俺の
ものだ。分かってるな?」
答えを聞くつもりなんてないから、震える唇はすぐに塞いだ。絡ませた舌で、吐息も声も何
もかもを捩じ伏せる。身も心も魂も、夏海の何もかもを捕えたいというこの願望は、きっとど
の世界の自分も同じだ。
「あっ、あああああああっっ!!」
全身でしがみ付いてくる夏海を抱きしめ、自分もまたその奥へ欲望を注ぎ込む。今更誰に何
を言われるまでもない。何があろうと、二度と夏海の手を離す気はない。
激しすぎる快楽に力を失っている夏海の瞳を覗きこむと、幸せそうにふわりと微笑んだ。そ
の笑みを見て、体の奥深い場所に満ちてゆく温もりを実感し、つられるようにこちらも笑みが
浮かぶ。
どちらからともなく重ねた唇は、とても甘い味がした。
369 :
大戦異聞:2010/11/22(月) 04:24:45 ID:9kZuK9nC
以上、オーズ祭りの中9レスも消費してマジですまない
読んでくれた人ありがとう
>>359投下乙〜。えろくてよかった
寝取られても絶対に寝取り返す士つえー
これはオセロとかでも絶対ムキになるタイプ
予想以上に萌えてしまったよ!ありがとうGJ!
海東切ないなー。こういう話すきだから嬉しかった!
>>369 GJ
自分もこういうのは好きだ
投下ありがとう
>>369 投下乙!
夏みかん可愛いよ夏みかん
今週のガメズール、いつもより女王様っぽいメズールも嫌いじゃないのは自分だけじゃないはず
グリード体メズールの投下あると嬉しいな
※避難所スレより転載です
以下、職人さんの注意書き↓
規制中なのでこちらに投下します。
アンク×比奈というか、比奈→信吾というか。
キスしかしてません。エロがなくてすみません。
タイトルは谷山浩子さんの曲から拝借。
特板のアンクスレにあった、お兄ちゃん昏睡状態に関するレスに非常に萌えて書いたんだが
もしあれ書いた人が此処を見てたら本当にごめんなさい。
クスクシエの建物から赤い何かが飛び出していくのが見えた。
一見鳥の姿に似ていたが、あれはアンクの本体だ。
グリードかヤミーが何処かに現れたのだろう。
映司のことが気になったが、それとは別の事実が比奈の心を奪った。
今、アンクは兄の肉体から離れている。
瞬時にそう悟った比奈は急いで店の中に駆け込み、映司とアンクが寝泊りしている屋根裏部屋へと急いだ。
今なら信吾を取り戻せる――そう信じて。
鍵の掛かっていないドアを開けると、果たしてそこに兄の姿があった。
アンクがねぐらにしているシーツの上で、ぐったりとその身を投げ出している信吾の髪は比奈がよく見知った
ライトブラウンに戻っている。
「お兄ちゃん!!」
比奈は信吾の腕を掴み、その躯をそっと床に降ろした。
「お兄ちゃん! 起きて、お兄ちゃん!!」
名を呼び、頬を軽く叩いてみるが反応はない。
目蓋は深く閉じられたままだ。
乗っていた車を怪物に襲われ、重傷を負ったのだと言う映司の話を改めて思い出す。
背筋に冷たいものが走るのを感じながら、比奈は救急車を呼ぶ為に携帯電話を手に取った。
ボタンを押そうとして、少し躊躇う。
兄の躯を使えなくなったら、アンクはどうするだろう。そして、映司は。
信吾という器を失ったアンクが映司と袂を分かつようなことになれば、映司はオーズに変身することが
出来なくなる。
目の前の誰かを助ける為の、怪物と戦う手段を失ってしまう。
そればかりか、逆上したアンクが敵に回る可能性もあるのだ。
比奈は震える手で携帯電話を握り締める。
自分の行動ひとつで、映司や他の大勢の人たちを危険に晒してしまうかもしれない。
それでも――。
世界を壊すことになっても、自分自身の命を落とすことになっても、兄を取り戻したい。
それが比奈の、偽りのない願いだった。
自分勝手だと判っていても、どうしても譲れない欲望。
――映司くん、ごめんなさい。
心の中で映司に詫びながら、通話ボタンを押す。
勇気を奮い立たせようと信吾の顔を見た比奈は、兄の顔色の変化に気づいてその手を止めた。
信吾の肌が、最初に見た時よりも青ざめてきている。
「……え?」
比奈は慌てて兄の頬に触れた。
冷たい。
さっきよりも明らかに体温が低下している。
「……嘘……っ! どうして……っ?」
呟く比奈の顔からも血の気が引く。
比奈は電話を放り出し、信吾の両肩に手を掛け激しく揺さぶった。
「起きて! お願いだから起きて! お兄ちゃん、お願い、起きてよ!!」
力を込めてどんなに揺すっても、信吾が目覚める気配はない。
「やだ、お兄ちゃん、やだ……! 目を開けてよ……お兄ちゃん……!!」
たまらず、比奈は信吾の口に自分の口唇を重ねた。
正しい人工呼吸の手順を踏む余裕などある筈もなく、自らの命を分け与えようとするかのように息を吹き込む。
だが、そうやって触れた口唇さえ冷たく、ただ比奈を絶望させるだけだった。
ぼたぼたと、信吾の顔に比奈の涙が落ちる。
「……どうして……」
冷たくなっていくばかりの兄の姿を、比奈は呆然と見つめた。
信吾の肉体はこんなにも傷ついていたのか――。
今までアンクがいるから気づきもしなかった。
アンクが憑いている兄の躯は、ちゃんとあたたかかったのだ。
比奈は恐る恐る兄の手を取り、両手でそっと握り締めた。
救急車を呼ぼうという気持ちはすっかり消え失せていた。
そんなものが兄を救ってくれるとは思えない。
今、兄の命を繋ぐものがあるとすればそれはアンクの存在だけだ。
人を人とも思わない、メダルを集めることしか頭にないあの怪物だけが。
信吾の躯に命を灯し続ける為には、兄の肉体をアンクに委ねるより他にない。
――……いいの?
誰かが比奈に問う。
――あんな人に、頼っていいの?
比奈の心の中から、別の比奈が問う。
――お兄ちゃんが、そんなことを望むと思う……?
自分自身に問われ、比奈は考える。
信吾は正義感に溢れた人間だった。
念願だった刑事になってからは殆ど休みも取らずに走り回り、帰宅出来ない日も増えたが、どんなに
疲れていても弱音を吐くことなど一度もなかった。
怪物に襲われて瀕死の状態になっても、まだ怪物に立ち向かおうとしていたと映司が言っていた。
意識を失う最後の瞬間まで戦い続けていた兄が、その躯を怪物に支配されてまで生き永らえたいと願うだろうか。
比奈の瞳からまた新たな涙が溢れた。
信吾なら、化物の力を借りてまで生き延びることを良しとせず、潔く自ら死を選ぶかもしれない。
けれど、比奈の為に、ただひとりの妹の為に、汚れても尚生きたいと願ってはくれないだろうか。
兄の願いと自分の願い、葛藤が、比奈にどちらの答えも選ばせない。
信吾の手を握り締めたまま、泣きながら自問自答を繰り返してどのくらい経っただろう。
実際にはそれ程長い時間ではなかったかもしれない。
開け放したままの窓から、赤い腕が飛び込んできた。
アンクは信吾の傍らに比奈の姿を見つけると、躊躇したように空中で停止する。
比奈は虚ろな目でアンクを見た。
兄の躯に戻れとも、戻るなとも言えずに、赤い異形をただ見つめる。
「なんだ。言いたいことがあるならさっさと言え」
アンクが苛立った声を上げるが、比奈は何も言えなかった。
口を開けば、自分が何を言い出すか判らない。
アンクは業を煮やしたように舌打ちし、比奈の横をすり抜けて信吾の右腕に舞い戻った。
比奈の目の前で信吾の髪が鮮やかな金髪へと変化し、その肌に赤みが差す。
即座に目を開けたアンクは素早く起き上がると、穏やかな兄の顔つきとは似ても似つかぬ表情で、
憎々しげに比奈を見下ろした。
「残念だったな。大好きな兄貴を取り戻せなくて」
比奈が握り締めた信吾の手にもぬくもりが戻る。
アンクは比奈に手を掴まれていることに気づくと、鼻を鳴らして比奈の手を乱暴に振り払った。
鋭い目つき、皮肉げに歪んだ口許、冷ややかな表情、全てが信吾とは違う。
だが生きている。
生きて、動いている。
刹那、比奈は自分が真に願うものを知った。
それがすべてだと心が叫ぶ。
比奈はアンクに向かって手を伸ばした。
警戒して身構えるアンクの頬に手のひらを押し当て、そのぬくもりを確かめる。
比奈の意図を量り兼ねてか、アンクは様子を窺うように不審げな目を比奈に向けるだけで特に動こうとはしない。
比奈は身を乗り出し、ゆっくりと顔を近づけてアンクにくちづけた。
触れた口唇にも確かなぬくもりを感じ、それが嬉しくも哀しい。
「……何の真似だ?」
不機嫌に顔をしかめてアンクが問う。
「……好き」
比奈はアンクを見つめてうっすらと微笑んだ。
こんなにも堂々と嘘の吐ける自分に驚き、呆れながら。
「何?」
「あなたが好き。だから……そばにいて……」
比奈はアンクの首に両腕を絡め、男の胸許にその身を摺り寄せる。
肌に感じるぬくもりが比奈にとって世界のすべてで、決心は一瞬だった。
生きていて欲しいのだ。
兄の心が此処になくとも、兄の望みが此処になくとも、本当の意味でそれを生きているとは呼べなくとも。
それが、信吾自身の想いを踏み躙ることになるのだとしても。
なんて醜い。
なんて愚かで、おぞましく身勝手な欲望だろう。
心の何処かが悲鳴を上げる。
お兄ちゃん、ごめんなさいと、兄への謝罪を幾度となく繰り返す。
それでも自分の決断に後悔はなかった。
兄のぬくもりが、その命が、その存在がこの世界から消えてしまうことが何よりもつらい。
触れて感じたぬくもりを守る為なら、目の前の男に縋りつくことすら厭うまい。
得体の知れない化物に自ら媚びることも、我が身を投げ出すことも、信吾を失う痛みに比べればなんでもないことだ。
信吾の肉体が回復し、意識を取り戻す時が来ると奇跡をただ信じて――。
「女狐が」
アンクが忍び笑いを漏らした。
比奈の肩を掴んで胸許から引き剥がし、心を見透かすような目をして比奈の顔を覗き込む。
「欲望の匂いがするぞ。随分と旨そうな、いい匂いだ」
嘲笑を浮かべた男の瞳は獲物を前にした肉食獣のそれに似て、比奈は自分の選択が正しくはないことを
今更のように思い知る。
だが退くまい。決して逃げまい。
いつの日か、兄が目覚めるその時まで、この男の人智を越えた力が必要なのだ。
赤い指先が比奈の顎を捕らえる。
「何を企んでいるかは知らんが……乗ってみるのも一興か」
愉しげに目を細め、アンクが比奈の口唇をくちづけで塞いだ。
感情のない、咬みつくようなくちづけを受けながら、比奈はアンクの腕をきつく握り締める。
信吾の身が無事であるなら、他には何もいらない。
たとえ信吾がそれを望まなくとも――。
己の心の浅ましさに吐き気すら覚えながら、それでも比奈は縋りついた男のぬくもりに安堵した。
GJ!!
何てこった・・・胸が締めつけられそうだよ
>>375乙&GJ!
美味そうな人間の欲望の匂いは分かっても
その内容がお兄ちゃんの身体目当てだとは分からないんですね
ウヴァとガメルとメズールをこっそり投げ(6レスほど消費)
・やってることは3Pだが実質ウヴァとメズールの話
・行為の最中に人間態→グリードになるので話の途中からは人外物?な感じ
・そもそもグリードの姿でこんなことが可能なのか?を含めて彼らの関係性なども
あれこれ捏造妄想あり
ダメな人には本当にダメでドン引き必至によりスルーで
NGは ウヴァとガメルとメズール:"Fifty-Fifty"
「カザリはどうした?」
部屋に戻ってくるなり、ウヴァは苛立った口調でメズールに問いかけた。
「まだ、戻って……来ないわ」
ウヴァには目を向けず、メズールは横たわっているガメルの上に跨り、ゆっくりと
腰を振りながら微笑んだ。
「気持ちいい?ガメル」
「うぅ。メズール。いぃぃ」
ウヴァは呆れながら首を振った。
まったく、あいつらは何なんだ。四六時中、盛ってやがる。
二人は共に人間態の姿で絡み合っている。下半身を丸出しにしたガメルの上で
少女の姿のメズールが腰を動かしている。その容姿にはまるで似つかわしくない、
淫らな、くねらせるような腰の振り方。
彼女が動くたびに、捲れたスカートの裾から白い太腿がちらちらと見え隠れする。
ウヴァは何と言えば良いのか判らなくなる。今さらやめろと言う気もないが、しかし
そんなことをする時くらい服を脱いだらどうだ、と注意するのもおかしい。
勝手にしろ!
彼は苛立ちながら窓辺に立ち、窓枠を拳でガン、と叩いた。
「ずいぶんイライラしてるのね、ウヴァ」
背後からメズールが声をかけてくる。快楽に陶酔しきった物憂げな、だがどこか
こちらの内心を探ってくるような口調で。
ウヴァは唸る。俺が苛立っているだと?あぁ、そうとも。
まったく、何をやってもうまくいかない。このままでは完全復活どころか、セルメダル
すら碌に集められない。
先日、首尾よくアンクを誘い出し袋叩きにしてやったが、惜しいところで逃げられた。
あの程度では気晴らしにもならない。
アンクめ。
オーズめ!
そんなウヴァの様子を楽しげに見つめながら、メズールがまた物憂げに呟く。
「あなたもこっちに来る?」
お茶でも飲む?とでも問いかけるような軽い口調。
ウヴァは唸った。彼女が自分にそんな誘いをかけてくるのは珍しい。どうした風の
吹き回しなのか。
「どう?」
再び彼女が声をかける。
「何が狙いだ?」
振り向いて訝しげに問いかけた彼をメズールは面白がったような顔で見つめ返す。
「別に。気分転換になるかな、と思って」
「それだけじゃないだろう?何を考えている?」
「考えてるのは私じゃない、あなた」
「なに?」
メズールはまたゆったりと腰を動かしながら、甘い溜め息を漏らした。
「ウヴァはいつも考えすぎるのよね。それで自分を追い込んで苦しむの」
「何だと!?どういう意味だ!」
叫ぶウヴァには答えず、またメズールは視線をガメルに移す。
腰を動かしながらガメルの頬を両手で挟み、舌先で彼の鼻の頭をぺろりと舐める。
「いい?気持ちいい?どう?」
「うぅ。いい」
「その気があるならいらっしゃい。私はどちらでもいいけど」
体を起こしウヴァを見もせずにまたそう呟くと、メズールは腰の動きを早めた。
立ち尽くすウヴァの耳に、本気になり始めた二人の淫らな吐息だけが聞こえてくる。
くそっ。
くそっ、くそっ、くそぉっ!!
ウヴァは自棄になり、メズールの元へとつかつかと近寄った。
彼女はまた面白がっているような瞳で、じっと彼を見つめる。
だが彼女は何も言わない。このタイミングで彼をからかうような言葉を口にするほど
彼女は愚かな女ではなかった。
無言のままメズールは、ガメルの体の上に跨るように立った彼のベルトを静かに外し、
下着と共に一気に引き下ろした。
目の前に現れた彼の物を彼女は点検するようにしばらく見つめ、微笑む。
「ウヴァのは初めてね」
彼は固く口を結び何も言わない。自分がつまらない意地を張っている事、それに
彼女が気付いていることすら判っているが、どうしようもない。
そんなウヴァの心の内を探るようにもうしばらくその顔を見上げていた後、彼女は
うつむき、小さく溜め息をついた。
「楽しんでね」
そしてかわいらしい唇を開き、舌を伸ばす。
ちろり、と。触れてくる。
舐めるというよりも。ぴたぴたとやわらかな舌先を押し当てるようにつつき、触れる。
先端の丸み、窪み。つながりの筋、幹の部分から根元へ。ゆっくりと顔の位置を
動かしながら彼女は繰り返し舌で触れてくる。
先端をそっと握り持ち上げ、根元よりも下、ぶら下がった物にも舌を押し当てる。
そして二つを交互に口に頬張り、飲み込もうとするかのようにやや強く吸う。
ウヴァの股ぐらが彼女がつけた唾液で濡れてくる。そこにまた熱い吐息がかかる。
少女の顔で行われるあまりにも淫らなその行為。ウヴァは興奮が高まると共に、
激しい苛立ちも覚える。彼女に向かって、もうそんなところはいい、早く咥えろ、と
叫びたくなる。今にも彼女の頭を掴んでその口の中に、喉の奥にまで突き入れ、
一刻も早くこの昂ぶった欲望をその中に解き放ちたくて堪らなくなる。
だがウヴァにも判っている。メズールは男のそんな欲求など百も承知なのだ。
承知の上でこのようにじっくりと時間をかけ、焦らしているのだ。
くそっ!
「気持ちいい?」
問いかけながら。メズールの舌がゆっくりと根元から先端へと戻ってくる。
ちゅっ、と音を立て、その先端の切れ目が吸われる。やわらかな唇で挟まれる。
ウヴァはその快感に顔を歪めながら耐える。メズールに自分が感じている様子
など見られたくはない。
だがぬめぬめとした舌先が先端の丸みに回転するようにまとわりつく快感には
思わず「くっ……!」と声を漏らしてしまう。
「気持ちいいの?」
もう一度、楽しげに。どこか勝ち誇ったような口調で問いかけるメズール。
言わせたいのか。俺にそれを言わせて、主導権を握った気になりたいのか!
ウヴァはギリ、と歯を食い縛る。拳を握り締める。意地と快感の狭間で揺さぶられ
屈しそうになる心を押さえ込み、彼は何とか一言だけ口走った。
「それを見れば判るだろう!」
メズールはそれを見る。ウヴァの先端から、一粒の雫が滲み出ている。
「意外だったわ」
嬉しげに彼女はその雫を舌でちろりと舐め取り、歪んだ表情の彼を見上げた。
「素敵よウヴァ。あなたの言葉にしては、洒落てる」
彼女は咥えてきた。今度は焦らすことなく。
すっぽりと、包み込むように。彼女は彼が望んでいた通り喉の奥まで飲み込む。
薄目を開けている少女の顔。その顔が淫らな行為に歪む。
頬をすぼめて強く吸う。頬の内側の肉に先端を押し当て、擦りつける。
押し当てられた自分の先端が少女の頬を内側から膨らませている様子を眺めて
ウヴァは気が狂いそうになるほど昂ぶってくる。
何て、淫らだ。
「ふふ」
メズールが咥えたまま微笑み、見上げてくる。ゆっくりとした動きで根元まで咥え、
そして引き抜くように先端まで戻る。往復運動が始まる。
さほど速い動きではない。だがたっぷりと唾液を含んだその口内のやわらかく、
あたたかい感触。小刻みに震えながらまとわりつく舌先の蠢き。
男のツボの全てを心得た動きで繰り返される刺激。包み込まれる快感。
ウヴァは荒く息を吐く。自分が早々と限界を迎えていることに気付く。
「いきたいなら、いってもいい。このまま、出して」
それを口にしたままで彼女が囁く。淡々と。また悪戯っぽい瞳で見上げてきながら。
男の上に跨らされ下から突き上げられ、そして目の前に立つまた別の男に股間の
物を咥えさせられている少女。
他の誰かが見れば、この少女は二人がかりで襲われているように見えるのだろう。
だがその顔には。淫らな笑みが浮かんでいる。自信と悦びに満ち溢れたその顔を
見れば、誰がこの場の主導権を握っているのかは明らかだ。
気が狂う程の快感に襲われながらウヴァは気付く。
メズールは。自分の肉体と俺とガメルの欲望を利用して、誰が支配者なのかを
俺達の頭に刷り込もうとしているのだ。
誰が命じ、動かし、結果を求める権利を持つのかを。自分こそが女王であることを。
とてもそうは見えない手段を使って。じわじわと、狡猾に。
くそ、くそっ、くそぉっ!!そうはいくか!
「メズール!!」
いきなりのウヴァの叫び。彼の限界を察し、その先端からほとばしり出るものを口で
受け止めようと舌を伸ばしていたメズールは、思わずその身を引いた。
「ウヴァ?」
彼は頭をぶる、と振り、そして唸りながら変身を解いた。元の、グリードの姿に戻る。
「おまえも戻れメズール」
「どうして?」
「おまえが、見たい。本当のおまえの姿を」
私が見たい?
メズールは少々警戒した。彼のその言葉の真意を測りかねちらりとその表情を探る。
彼が自分を、グリードの姿を愛してなどいないことは判っている。
何が狙いなの、ウヴァ?
「ガメル!おまえもだ!元の姿に戻れ!俺達はグリードだ!」
「んぁ?え、戻るのぅ?う、うん」
ガメルは横たわった姿のまま、変身を解いた。その瞬間、メズールが絶叫した。
「あぁっ!!だめっ!!ああああああぁぁぁぁっ!!!!」
ガメルが人間態から元の姿に戻ったことによりメズールの体内に突き入れられている
彼のその部分もグリードとしてのガメルの本来の大きさを取り戻した。
それは巨大であった。人間態の時よりもふた回り以上の長さと太さがある。人間態の
メズール、少女の肉体にとってそれは許容可能な大きさを超えていた。
一瞬にして身体を貫いている物の大きさが数倍にも思える姿に膨れ上がった衝撃。
彼女はガク、と背をのけぞらせ、声にならぬ叫びを上げた。
「あ……が、あぁ」
彼女は動けない。身動きが取れない。ほんの少しでも動けば張り裂けてしまうだろう。
気を失いかけている彼女の顎に手を添え、ウヴァはくい、と上を向かせた。
「早く元の姿に戻れ。その方が楽だろう」
彼は優しげな口調で、涙目で震えている彼女にそう囁く。だが彼は自分の股間の物を
彼女の口元にぐっ、と近づけた。彼の物も姿が変わっている。ガメルの物ほど巨大では
ないが、それは根元から先端までに、疣のような棘のような突起がびっしりと付いた
まさに凶悪そのもの、といった代物であった。
ぴたぴたとその先端を彼女の頬に押し当てつつ、彼は嘲笑った。
「俺はこのままでもいいが」
彼のその言葉に、メズールは怖れのあまり失いかけていた意識を取り戻した。
あんな物を咥えさせられたら、この脆弱な唇や舌はズタズタに切り裂かれてしまう。
彼女は慌てて変身を解く。元の姿に戻った瞬間、股間の凄まじい圧迫感が楽になった。
メズールの本来の姿であればガメルの物ですら何とか受け入れられる。
彼女はウヴァを憎悪の瞳で睨みつけた。
「やってくれたわね!」
「どうする?続けるか?このお楽しみを」
そして何かを思いついたかのようにニヤリと笑い、言い放った。
「その気があるならすればいい。俺はどちらでもいいがな」
それは先程、彼女がウヴァを誘う時に放った言葉だった。
何て子供っぽいことを。それで仕返しでもしたつもりなの?
だがメズールは彼のそんな子供じみた振る舞いを切り捨てる気にもなれなかった。彼は
確かに、予想だにしなかったやり方でこの場の流れを変えてみせた。見事に。
……あなたを甘く見るのは、少々剣呑ってことね、ウヴァ?
彼女は燃え上がるような怒りに体を震わせた。だがその怒りは彼女の欲望も煽り立てる。
思い通りにならない男を相手にするスリル。それは魅力だ。抗いがたい魅力だ。
いいわ、続けましょう。坊や達。
メズールは言葉もなく、いきなり目の前のウヴァの物を咥え、喉の奥深く飲み込んだ。
そして動き出す。往復運動を始める。先程までのような快感を与えるための動きではない。
一刻も早く、相手の体から一滴も余さず欲望を搾り取ろうとするための動きで。
「うお!」
短く叫んだウヴァもまた荒く息を吐く。見下ろすとこちらを睨みつけているメズールと目が
合う。彼女はわざとらしく、びっしりと生えた細い針金のような歯を剥き、咥えている彼の
物にその歯を軽く立てて見せる。
二人は目と目で語り合う。言葉がなくても歪むことなく互いの真意は伝わる。
私は一瞬でこれを噛みちぎれるのよ、ウヴァ。
ならば、俺はおまえの喉をこの鉤爪でいつでも切り裂けるぞ、メズール。
睨み合う二人。互いに興奮が昂ぶってくる。
ウヴァは荒々しく彼女の鰭のような突起がついた巨大な頭部を両手で掴み、自らも腰を
動かして彼女の喉の奥へ奥へと突き立て始めた。彼女も負けじと本当に噛みちぎらん
ばかりの勢いで咥えた物を強く吸い始める。
二人は共に唸りを上げる。興奮、スリル。そして快感。
二人の昂ぶりを感じ取ったのか、ガメルすらも唸りを上げながらメズールの腰を掴んで
激しく下から突き上げ始めた。メズールは狂喜する。彼女の肉体ですら飲み込むには
限界に近いガメルの巨大な物が、興奮のあまり無遠慮にガツガツと突き上げてくる。
おぉ、おおおぉぉっ!!ガメルっ!!
口いっぱいに頬張っている物に塞がれて声を上げられぬままメズールは気が狂う程の
快楽に激しく身をくねらせる。彼女も自分から腰を動かし、ガメルの根元へと自分の熱く
濡れたその場所を続けざまに打ちつける。打ちつけるたびに火花のように快楽が弾け
彼女は声の無い悦びの絶叫を上げ続ける。
3人は上りつめていく。快楽に耐え切れずメズールは拳でガメルの固い腹を殴りつけ、
爪が食い込むほどにウヴァの太腿を握りしめる。だが男達二人はその程度のことでは
動きは止めずさらに興奮を煽られ激しさを増した動きで彼女を責めに責める。彼女の
唾液に塗れた口の中と熱い雫がたっぷりと溢れた身体の奥が男達二人のその物で
突かれ、蹂躙され、意識を失いかけるほどの快楽が与えられ続ける。
これほどの快楽はいつ以来か。おそらくはこの長き人生でも初めてだろう。
ウヴァの「おぉ、おぉ」とどこか情けなくも耳に心地良い喘ぎが聞こえてきた。
その声に被さるようにガメルも唸っている。メズールは男達がついに達しつつあるのを
感じてまた狂喜した。どれほど良いだろう。上と下から同時に。この口と股間に同時に
男達の熱いものがほとばしるのを感じるのは。良いはずだ。良いに決まっている。
さぁ、坊や達!いくのよ、一緒に!私の中でいきなさい!
「メズール!い、く……ぞ!」
ウヴァが叫び、彼女の頭部をぐいと引き寄せ己の物を最も奥まで咥えさせた。
「メェズールぅ……おぅ、おおお!」
ガメルも吠えた。メズールは悦びに震えながら自分も頂点を迎えつつあるのを感じた。
来る!来るのね!あぁ、早く、早く!私も……いくわ!
彼女が達する直前、男達二人の欲望がほぼ同時に爆発した。
一瞬だけ早く、喉にそれを感じた。凄まじく熱いものが喉の奥に貫くように当たり、そして
さらにどくどくと流れ込んでくる。
股間にもそれが来た。ガメルのそれは大量だった。あまりの量の多さとその勢いは、
彼女の身体の最も奥深くにほとばしり出ると同時に彼女をずん、と軽く浮き上がらせた
ほどであった。
そしてガメルのその一撃が、彼女の絶頂への最後の一押しとなった。
「んあああああああああっ!!」
快楽の絶頂を迎えつつも彼女は本能的に唇と股間の締めつけを強め、自分の身体が
咥え込んでいる男達二人の物を離すまいとした。ガメルの胴には足で強く挟みつけ、
ウヴァの尻をしっかりと抱きかかえる。その姿のまま上下に流れ込んでくる男達の
欲望を全て受け入れる。ほんの僅かな滴りも逃すことなく。
だがついにメズールは快楽のあまりガク、とその身体をのけぞらせた。一瞬ウヴァの
物が口から離れ、その先端から放たれているものが彼女の顔や胸に飛び散った。
ウヴァは力任せにメズールの頭を再び抱えて元の位置に戻す。彼女はまたもう一度
それを咥え直し、まだ放出を続けているウヴァの物をじゅるじゅると音を立てながら
夢中になって吸い始めた。
痙攣するように身体を震わせ、鼻をどこか切なげに鳴らしながら。彼女は快楽の極地、
そして男達二人の欲望をその身体で同時に受け入れる悦びを堪能していた。
薄暗くなり始めた部屋の中で。それまで激しく蠢いていた3人の重なり合った歪な影が
しばらくの間、静かにその動きを止めた。
「うぅ……」
ウヴァがまた唸りながら身体を離した。メズールに最後の一滴まで吸い尽くされた事に
よる凄まじい倦怠感で眩暈に襲われ、みっともなく尻から床に倒れこむ。
どすん、と尻餅をつく。ウヴァの目に、ガメルの体の上から自分と同じように崩れ落ちる
メズールの姿が映る。彼女は横に身体を投げ出すように倒れ、床の上で艶かしく荒く
甘い息をついている。
見ていると彼女は指先で自分の胸の上にこぼれている物を拭い取った。
ウヴァが飛び散らせたもの。それが付着した指先を顔の前に掲げ、「これは何?」とでも
言いたげな様子でしげしげとそれを見つめる。
「ふふ」
吐息と共に彼女は舌を伸ばす。そして指先についたものをちろちろと舐め取った。
人間の物よりも一回り小さく尖ったその薄桃色の舌先が指に付いた全てを舐め、綺麗に
している。それを何かの戦利品のように。それが女としての当然の権利だと言うように。
たいした女だよおまえは、まったく。
ウヴァは頭を振り、大きな溜め息と共に天を仰いだ。
目を戻すと、彼女がこちらをじっと見つめている。
ウヴァは口元を歪ませる。そしてまた言葉もなくその目だけで彼女に語りかける。
今日のところは五分五分ってところだな?メズール。
そうね、そういうことでいいわ。今日はね。
共に歪んだ笑みを浮かべあう二人。
座り込むウヴァ。横たわるメズール。二人の姿をさらに薄闇が包んでゆく。
二人の間で。先程からぴくりとも動かず、この場で最も幸せそうな表情を浮かべていた
ガメルが。部屋の中に響き渡るほどの大きないびきをかき始めた。
─終
投下乙&GJ!
ガワでも人間体でもエロさ爆発なメズールが最高だ!!
何気にひたすらやりまくってるガメルのオチにワラタww
エロ過ぎる。。。GJ
なんだかんだで一番の勝ち組ガメルww
ダメだ。今日の本編でもガメル×メズールで萌えちまった…
>>388 ウヴァとメズールの関係が好みだ!
密かにウヴァメズ好きだから嬉しかったGJ
しかし本編はガメル×メズール推しでそれもまたおいしいです
メズール様撫で方えろすぎw
メズール様に出陣しちゃめっ!なガメルにも萌え
メズール様がガメル殺っちゃう説立ってるけど
そうなったらどうしよう…
394 :
転載:2010/11/30(火) 00:47:41 ID:VafnvrUw
※避難所スレから転載
・DCD海東と夏海
・都合により転載時にレスを分割(全11レス)
以下、職人さんの注意書き(注意書き内のレス番は避難所スレのもの)↓
とにかく、注意書き。
133の続きで海東視点。
エロはなしですが、ややBL要素あり。
海夏とBL要素が嫌いな方はスルーでお願いします。
395 :
海夏1:2010/11/30(火) 00:48:40 ID:VafnvrUw
あの人の事が気になりだしたのは、士くんが大ショッカーの大首領だとわかった時に、襲い掛かる怪人達から私を守ってくれた時から。
でも、あの人はきっと私の事なんか気にもとめていないはず。
だって、彼は……
「ん……美味しい……」
ある、のどかな昼下がり。
いつも賑やかな家の中だけど、今日は珍しく私一人。ユウスケも士くんも、それにおじいちゃんも出掛けてて、私はお留守番。
自分で煎れたコーヒーなんか飲んで、久しぶりにのんびりしてます。
「そう言えば、こんなにゆっくりしたのは久しぶりかも……」
思わず独り言。
それにしても。
あぁ、なんだかすごくいい天気。
こんなに天気がいいと私もどこかに行きたいなぁ……なんて。
でも、家に居たいんですよね。
多分、今日も来ると思うから。彼が。
私が待っているのは、いつもふらりと現れて色々掻き回してしまう彼、海東大樹。
私達の旅の邪魔をするかと思えば、遠回しだけど助けたりして、本当に何を考えているかわからない人。まさに、神出鬼没でミステリアス。
迷惑ばかりかけられているのに、気になって仕方がないんです。
大樹さんが守ってくれたあの時から。
士くんからも、ユウスケからも、守られることなんて、今までも何度もあったのに。
何故か、大樹さんにはドキドキしてしまって……
一度、ユウスケにそれとなく相談してみたら、「それって……海東の事が好きってことだよね?俺は、夏海ちゃんは士が好きかと思ってた」と、意外な顔をされてしまいました。
確かに、士くんは大事な人です。同じ世界を巡る旅を続けた仲間ですし。
単純に、士くんが好きか嫌いかで言うなら「好き」です。でも、士くんに対するそれは、恋人のような愛じゃなくて。どちらかと言うと、家族に対する愛のような感じ。
だって、士くんと恋人みたいにデートしたりとか、キスしたりとか、それ以上……
と……とにかく!そんな事、一度も思ったことありませんし。
でも、なんか、士くんて、放っておけないというか……
ユウスケにも言われたことありますけど、なんだか、目を離せない兄弟というか……お母さんみたいな感じになるんですよね。
なんて……母親になったことありませんけど。
でも、大樹さんに対する気持ちはまたそういう感じじゃなくて。
大樹さんの声を聞いたり、その姿を見るだけで、ドキドキしたり。彼がいるだけで嬉しくなってしまう。
やっぱり………これって、好き……って、事……ですよね……
でも、大樹さんはいつもいつも士くんの事ばかり。
いつでもどこでも、士。士。士。つかさ。つかさ。
あんまり考えたくないけど、大樹さんはきっと……
やだやだやだやだ、本気で考えたくない。
でも、そうとしか思えない。
恋のライバルが男の人だなんて……有り得ません!
「はぁ…………」
でも、それでも、大樹さんを待ってる私は間違いなく馬鹿ですね。思わず、大きな溜息が出ちゃいます。
「やあ、こんにちは」
そんなことを考えていた傍から大樹さんが現れた。
396 :
海夏2:2010/11/30(火) 00:49:16 ID:VafnvrUw
「あ、大樹さん。いらっしゃい」
「士は、いる?」
…………やっぱり。
大樹さんってきっと、士くんしか見えてないんでしょうね。他はどうでもいいって感じですから。
私なんか、一度大樹さんのせいで死にかけましたし。
それでも好きだなんて、自分でもおかしいって思います。
「士くんなら、ユウスケと出掛けましたよ?」
「ふーん、そっかぁ」
少しつまらなそうに言って、私が座ってるテーブルに近づく大樹さん。
「まぁ、いいや。夏メロン、僕にもコーヒーくれる?」
了承も受けずに私の向かいにの椅子に座り、笑顔を見せてくる。
どきんっ……
そんな、笑顔にドキドキしてしまう。
「私は夏みか……夏海です!」
ドキドキ、ドキドキ。
ああ、もう、煩い!私の心臓!!
内心はかなり焦りながら、カップにコーヒーを注ぐ。
私が煎れたコーヒー。大樹さん、美味しいって言ってくれるかな……?
「どうぞ」
「ありがと、夏メロン」
「夏海、です」
名前の訂正をしながら椅子に座る。ちゃんと名前、呼んでほしいな……
あの時、助けてくれた時みたいに「夏海」って。
そんな事を考えていたら、大樹さんはカップを手にして口に運ぶ。
あ……大樹さんって、指、細くて綺麗。
男の人なのに、睫毛も長いんだ……?
ぽぉっと見とれていたら、カチン……と、カップを置く音でハッとした。
あ、やだ、恥ずかしい。
でも、気付かれてはないみたい。
「うん、美味しい」
凄い笑顔。
う……どうしましょう………
嬉しい。
たかがそんな事で喜んでるとか、本当に私、馬鹿みたいです。
「あ……ありがとうございます」
思わず声が上擦ってしまった。
397 :
海夏3:2010/11/30(火) 00:50:09 ID:VafnvrUw
落ち着け、落ち着け。私!!
そんな私の内情なんか、知りもしない大樹さんはまた笑顔。
そして、沈黙。
……少し、気まずいです。
でも、大樹さんはあまり気にしてないみたい。
それにしても、大樹さんって……
無駄なお肉付いてなさそうで、スタイルいいし足も長い。顔だって、端整。
絶対、女の人が放っておかないタイプって気がします。
……多少……ううん、多々性格に難ありですけど!
そう言えば、似たような人をもう一人知ってます。
まあ……それは良いとして。
大樹さんって、今まで誰かと付き合ったこと……あるんでしょうか?(今は好きなのは士くんかもしれませんけど!!取り合えず、女の人設定で考えます!!)
こんな風に一緒に過ごしたり、たまにデートしたり。
それに、抱きしめたり……あとは、キス……とか……え……えっち……したりしたこと……あるのかな……?
あ……!なんだか、考えただけでイライラしてきました。
やだ……!すごくやだ!!
「あ、そうだ。夏メロン」
「えっ……あっ……は……いや、夏海です」
そんなことを考えていたら、いきなり声をかけられてすごく驚いてしまった。あぁ……もぅ、何度も恥ずかしい思いしたくないのに。でも、やっぱり大樹さんは私の事なんか気にもとめないみたいです。
「そう言えば、あの時のお宝。まだ貰ってないよ」
「えっ……?」
「世界を救う代わりにお宝。頂戴って言っただろ?」
……そうでした。
その後、問答無用で笑いのツボ押したんですよね、私……
「もしかして、あの笑いのツボ?だっけ?あれがお宝な訳無いよね?」
「でも、私……お宝なんて……持ってません」
困りました、どうしましょう。私、本当に宝物なんて持ってません。
それは、大事にしているものはありますけど、それを大樹さんが欲しがるとは思えません。
「じゃあ、さ……」
どうしましょう……
どうしましょう……
そう、考えていたら、いつの間にか大樹さんは私の隣に来て。
「君、が欲しいな」
って……
どきんっ!!
今までに無いくらい跳ね上がった私の心臓。
「ど……う……して……?」
ドキドキドキドキドキドキド……
ああぁぁあ……!!本当に煩い!!私の心臓!!
まるで、壊れたのかってくらいドキドキしてる。
これって……大樹さんも私を……?
「士が一番大切にしてるお宝が君だから。あいつから君を奪った時の顔を見てみたい」
やっぱり……
結局は士くん……なんだ。
大樹さんにとって、お宝以外のすべてが士くんの気を引くためのただの道具で。
私なんか、どうでもいいんだ……
考えてみたら、そう、ですよね……
そうじゃないなら、私、死にかけたりしてないはずですし……
あ、もう……泣きそう。
398 :
海夏4:2010/11/30(火) 00:51:12 ID:VafnvrUw
でも、それでもいい。
「わかりました」
「えっ……?」
「大樹さんの……モノになります」
だったらもう、一度だけでもいい。大樹さんのモノになりたい。
私は、戸惑いを浮かべてる大樹さんの首に腕を回し引き寄せて、唇を重ねた。
これが、私のファーストキス。
「ん……ぁ……ふぁ……」
「感じ易いね、君は……キス、気持ちいい?」
長くて深いキスの後、大樹さんは嬉しそうに微笑んで、また口付けてくる。
「んっ……」
私の唇を吸うようにしたあと、舌を入れてくる大樹さん。次第にちゅ……ちゅって、凄くいやらしい音が聞こえる。
恋人同士って、こんなキスするんだ……
キスの途中、大樹さんの舌が入ってきて、初めはなんだか気持ち悪いって思いました。だけど、舌を絡ませられて口の中を探るように動かれるうちに、ワフワするような、変な気分になってきた。
もっと……
もっとシてほしい。
いつの間にか、自分からも舌を絡めていた。
「はぁっ……」
しばらくしてからちゅっ……と、音を立てて大樹さんの唇が離れる。
やだ、もっとキスして欲しい。
でも、大樹さんは私の腰に触れてそのまま撫で上げてくる。そして……その……私の…………胸……を……
「きゃっ……」
「結構、大きいね」
大樹さんの大きな手で触れられて、今まで感じたことのない感覚が駆け巡った。
「だ……いきさぁん……」
自分でもびっくりするほど、甘ったるい声を出してしまった。
やだ……こんな声、恥ずかしい……
「可愛いね……士にもそんな声、聞かせてるのかい……?」
「……えっ……?」
大樹さん、もしかして、私と士くんがこういう関係だって思ってるんですか……?
あまりにも驚いて、何も言えなかったのを大樹さんは勘違いしたみたいで、楽しげにクスッと笑った。
399 :
海夏5:2010/11/30(火) 00:52:08 ID:VafnvrUw
「言えないんだ……?恥ずかしい?それにしても、律儀だね。断られると思ったのに……士にバレたら怒られるんじゃない……?」
「いいから……早く……してください」
どうして大樹さんがそう言うふうに思うのかわからなかったけど、自分から催促してしまった。
はしたないって思われたかも……
「じゃあ、君の部屋に行こうか?」
「えっ……?」
「冷たい床の上で抱かれるのがお好みなら、そうするけど?」
私、今から大樹さんから抱かれるんだ……
改めてそう思いながら、コクンと頷いた。
「あ……あのっ……わたしっ……自分で脱ぎますっ……」
「ダーメ。僕のお宝をどうしようと僕の勝手だろ?」
私の部屋のベッドの上。
大樹さんは私のブラウスのボタンを外していく。あまりに恥ずかしくてそう言ったら、きっぱりと拒否されてしまいました。
「お宝の中身もちゃんと確認したいしね」
そう言って、大樹さんはブラウスのボタンを外し、ブラウスとキャミを脱がせ、ブラのホックを外して………
あっと言う間に上半身裸にされてしまった。
「うん……やっぱり思った通り……綺麗な身体だ」
じっくりと見つめて満足げに言う大樹さん。初めて男の人に裸を見られて、凄く恥ずかしい。けど、褒められたから嬉しい。
でも、大樹さん。やっぱり……って言うか……
なんか、凄く慣れてるって感じがします。
大樹さん、初めてじゃないんですね……
以前、こうやって誰かを抱いたこと……
そんな事を考えている間に、大樹さんは私をベッドに横たわらせる。そして、キスをしてから唇を徐々に肌に落としていく。
髪を撫でる指が、肌に触れる唇が、凄く優しいけどそれと同じくらい熱くて、触れるたびにビクンと身体が揺れた。
「ぁっ……あん………やぁ……ん……」
「可愛い声だ……」
感じるところを、触れられ、揉まれて、舐め上げられて、凄く恥ずかしい。それなのに甘えた声が上がる。
だって、気持ちイイの……
もっと、シて欲しいの。大樹さん。
大樹さんの愛撫に翻弄されてるうちに、いつの間にかショートパンツも下着も脱がされて、本当に裸になってしまった。
「綺麗だよ」
大樹さんは、私の足の間に身体を割り入れて、一番恥ずかしいところに触れようとする。反射的に逃げようとしてしまう私。
「やっ……大樹さんっ……!」
「駄目だよ。今、君は僕のモノなんだから、反抗は許さないよ」
「…………」
そう言われるてしまうと、逃げられなくなってしまう。私はコクンと頷いた。
「いい子だね」
400 :
海夏6:2010/11/30(火) 00:53:04 ID:VafnvrUw
大樹さんは微笑んで、私の足を開かせる。私自身、何度かしか触れたことのないそこを指で開かれて、まじまじと近くで見られた。
………凄く、恥ずかしいです……
「うん……ここも……凄く綺麗だ」
と、つーっとなぞるように触れてくる。
「きゃっ!」
「凄いね……ほら、いっぱい蜜が溢れてたよ」
大樹さんの指が、入口で淫らに泳ぐ。まるで、どこをどう触れば私が気持ち良くなるのかわかるかのように。そんな、細くて綺麗な指に反応して、そこが熱く濡れてるのが自分でもわかった。
「あんっ!!あっ……!やぁん!!」
誰にも触られた事のないとこに触れられて、こんな声まであげて。
やだぁ……恥ずかしいです……
でも、それより気持ち良いのが強くて。もっと感じたくて自然に腰が揺れてしまう。いやらしいってわかっていたけど、もう止められない!!
「凄い……いやらしいね……可愛いよ、夏海」
夏海。
夏海って呼んでくれた……!!
嬉しい!!
「だいき……さぁん……もっと……」
もっと名前、呼んでください。可愛いって、好きだって、嘘でも良いから言って……?
私の言葉を聞いた大樹さんは、きっと勘違いしてる。「あぁ……」と、嬉しげに微笑んで、私の一番敏感な部分を集中的に攻めはじめた。
「きゃぁんっ!!」
ビクン……!!
身体が大きく跳ね上がり、今までよりもっと強い快感が、電流のように体中を駆け巡る。
やだぁ……凄く気持ちイイ!!
イイっ……!!イイのっ……大樹さんっ!!
「ぁっ……はぁっ……んっ……だいき………さん………」
「一回、イこうか……夏海」
そう言って、大樹さんが指の動きを早くする。濡れた、いやらしい音に合わせる様に、感覚が高まってきた。
もう少し……もう少しなの……大樹さんっ!!
もう少しで、わたしっ……!!
「だいきさ……だいきっ……わたっ……わた……しっ………ひぁん!!らめっ……らめぇっ!!あっ、あっ、やぁ……ふぁ……あっ……あああーーっ!!!!」
快感だけを追い掛けていたら、強い快楽が私を襲い、悲鳴じみた声を上げて頭が真っ白になった。
「イったね……可愛かったよ、夏海」
「……ぁんっ………」
耳元で囁かれて、それだけで感じてしまう。
私……大樹さんの指でイっちゃったんだ……
こんなこと、恥ずかしいけど……自分でするのとは……全然……違ってて……
その……凄く……気持ち良かった……
「今度は……僕の番だよ?夏海」
まだ、ぽぉっとしてる私にそう言って、全部服を脱ぐ大樹さん。凄く細いのに、ちゃんと筋肉質。思わず見とれてしまう。
「僕も……もう、こんなだよ……」
少し、余裕がない声で、大樹さん自身を私に見せてくる。興奮で膨張したそれは、赤黒くて少しグロテスク。初めて見る男の人のそれに、息を飲んでしまった。
そんなのが、私の中に本当に挿るの………?
ハジメテは凄く痛いって言うし……
やだ……どうしよう……少し、怖い。
でも、今更止めたいなんて言えない。
考えてる間に大樹さんは、もう一回私の足の間に来て、私のそこに大樹さん自身を添えた。
「挿れるよ……?」
怖かったけど頷くと、ゆっくりと大樹さんが入ってきた。
「やっ…!!いたぁ…い…!!」
まるで中を裂かれるような、鋭い痛みが走る。
やっ!!やだ!!
401 :
海夏7:2010/11/30(火) 00:54:14 ID:VafnvrUw
痛い痛い痛い痛い!!
こんなの無理!!
想像以上に痛くて、思わず涙が出てきた。
「や……だぁ……痛い……だいきさんっ!」
「痛いって、そんな。まるで初めて……えっ……?」
泣いて言う私に、困ったような表情を浮かべそう言ってる途中で顔色が変わる大樹さん。きっと、そこからは血が出てるんだと思う。
「君は………」
大樹さんは、はぁ……と溜息をついて、ゆっくりと腰を引いてくれた。
「だぃ……き……さん……」
大樹さんが私から出てくれて、正直ホッとしました。
でも、腰の奥はまだ凄くズキズキしてる。
「まさか、君が初めてだなんて……どうして言わなかったんだい……?」
「大樹さんが……かってに……勘違いしてた……だけです」
「それは……そうだけど……なら、どうして、こんな無茶を……」
参った、と言うふうに頭を掻く大樹さん。訳がわからないって顔してる。
「私、わ……たし……」
やだ、もう止められない。
「大樹さんが……好き……なの。だから………」
「…………!!」
「大樹さんが士くんの事、好きでも……ただの興味本位でも良いんです……一度で……良いから……だいき……さん……に……」
やだ、また涙が溢れてきた。でも、違うんです。振られるのが悲しいからじゃなくて……
そう!痛いから。痛いから涙が出てるんです!
「夏海……」
大樹さんは、そんな私の涙を拭って唇をそっと、重ねてきた。
それは、凄く凄く優しいキス。
やだ……もう、勘違いさせないで……
「だいきさん……」
「君は……士の事が好きだと思っていた」
「え…………?」
「好きだ」
「えっ……?」
「好きだ。夏海」
「う……そ………」
「君が士のモノでも良い。卑怯だけど、一度で良いから欲しかった……」
「だ……いき……さん……」
嘘……!
まさか、大樹さんも同じ気持ちだったなんて……
なんだか……今度は嬉しすぎて泣きそう。
「でも」
「えっ?」
「まさか、僕が士を好きだって思われてるなんてね……」
と、苦笑する大樹さん。とんでもない勘違いをしていたことが、今更恥ずかしくなってきた。
「だって……大樹さん、いつも士くんの事ばかりですから……」
「……まぁ、勘違いされても仕方ないかな………?」
苦笑する大樹さんに、私も笑う。
あぁ、なんだか幸せです。ハジメテは微妙でしたけど、同じ気持ちってわかったから。私って現金なんでしょうか……?
でも、もう一度、愛されてるって実感しながら抱かれたい……な。痛いの我慢するから。
だけど、今更ですけど、女の方からお願いするなんて、はしたない……ですよね。
でも……
「あ…あの……大樹さん……」
「ん……?」
「もう一度、私のハジメテ……貰って……ください」
「あぁ……今度は優しくするよ」
私の言葉に、大樹さんは驚いた顔をしたあと微笑んで、さっきと同じ優しいキスをしてくれた。
402 :
海夏8:2010/11/30(火) 00:55:43 ID:VafnvrUw
「んっ……んぁ……やぁ……ん……」
大樹さんの熱い舌が、私の大事なところを舐め回してる。
きっと、恥ずかしい蜜が溢れ出てる私のそこを指で開いて見つめる。そして、その奥に届くとこまで舌を入れて。多分、流れていた血も、全部舐め取られてしまった。
「凄い……次々溢れてくる………」
「や……言わないでくださいっ……」
わかっているから余計に恥ずかしい。
「僕は嬉しいよ……?僕で気持ち良くなってくれてるって事だから」
思わず顔が熱くなる。きっと、真っ赤になってる。
嬉しいの……?はしたないって、いやらしいって思わない……?
わたし……もっと、感じてもいいの……?
「もう……大丈夫かな……?」
唇を離した大樹さんはそう言って、指を一本ゆっくりと入れてきた。
「あんっ……!!」
舌より少し硬い肉の感じに背中がしなる。
でも、変な感じだけど痛くはない。私の反応を注意深く見てから大樹さんは中で小さく指を動かしてくる。探るように、くにくに動かされていくうちに、身体の芯がジンジン熱くなってくるみたいな感じになってきた。
「ぁ……ん……ふっ……」
「大丈夫………?」
コクンと頷くと、次第に大胆になっていく指の動き。それと一緒に、胸にキスされて、親指は私の中心を優しく擦って―――
「あっ……んぁっ……はぁんっ……」
また、私の感覚が高まっていく。それを察したかのように指はますます敏感なところを探り当てて刺激していく。
そして、いつの間にか、中の指は増やされていた。ゆっくりと、指を出し入れしはじめる大樹さん。
「はっ……ふぁ……ん……やぁっ……」
やだ、大樹さんの指が出し入れされるたびに、くちゅくちゅって音が聞こえてきます。
「痛い……?」
「ううん……」
平気。違和感はあるけど、全然痛くない。
……て、言うか……
恥ずかしいけど……すごく……気持ちイイ…………
さっき、大樹さんの指でイっちゃった時みたいに、いつのまにか腰が淫らに動いていた。
「そろそろ……いい……かな……?」
そう言って、大樹さんは指を優しく引き抜く。
「あっ………」
思わず、物足りなさげな声を出してしまった私。
やっ……私の馬鹿っ……!!
でも、大樹さんはそんな私をからかう事もなく、優しく髪を撫でて、また私の中心に大樹さん自身を添えた。
「いくよ……?」
「は……い……」
ゆっくりと、確実に、私の中に大樹さんが入ってくる。
「んっ……あぁっ……!!」
さっきと比べると、スムーズに大樹さんを受け入れてる。
だけど、やっぱり、指と違ってまだ痛い。指よりずっと大きいんです。大樹さんの。
私は、痛みを堪えるためにシーツをきつく握り締めて、唇を噛んだ。
「夏海、痛い?大丈夫かい……?」
「へ……い、き……」
大樹さんを安心させたくて言ったけど、上手く笑えなかった。
泣きたくないのに涙が滲んでくる。
403 :
海夏9:2010/11/30(火) 00:57:11 ID:VafnvrUw
「平気な顔していないよ。やっぱり、やめよう」
「いやっ!!」
腰を引いて離れようとする大樹さんを、離さないようにしがみついた。
「夏海?」
「我慢します!私、我慢するから!!」
ここまできて止めるなんて嫌!!
ちゃんと、抱かれて大樹さんのモノになりたい。
「夏海……無理しなくていい」
「やっ……!」
ブンブンと首を振ると、大樹さん、困った顔してる。
でも、嫌なの。
一つになりたいの。
だから、離さないで……!!
「……………じゃあ……夏海が痛くなくなるまでこうしてるから……」
「は……い……」
それからずいぶん長い間、大樹さんは動かないでいてくれた。私の気が紛れるように髪を撫でて、肌に触れて、何度もキスをしてくれて……
優しい、大樹さん………大好き………
でも……
大樹さんの方が辛そうな顔してる。
「だいき……さん……」
そっと、その頬に触れた。
「わたし……もう、へいき……だから……」
「ホントに……?」
「はい……………」
これは、本当。最初と比べると随分楽になってきてる。
「だぃ……じょ……ぶ……です……」
きて……?大樹さん……
欲しいの……
「じゃあ………動くよ……?」
ゆっくりと、私の奥の中に来て、入口まで腰を引く。
「んんっ……!!」
動かれると、やっぱりまだ痛い。
「夏海………」
「へいき……続けて……?この痛みも、しあわせだから………」
ホントなの。幸せ、だから。
「わかった……」
大樹さん……切羽詰まった顔をしてる。ずっと中で我慢してたんですね……
そのまま、緩く奥を突かれるたびに、痛みと一緒に、少しずつ奥のほうが気持ち良くなってきてるのがわかる。
「あ……あんっ……だいき……さん……」
「よくなってきた……?」
大樹さんの言葉にコクコクと頷く。大樹は嬉しそうに微笑んだあと、深く口付けてくれた。まるで、それがきっかけのようにますます気持ち良くなってくる。
「んっ……ふっ………んぅ………!」
堪え切れずに重ねた唇の隙間から漏れる声。さっき、痛かったのが嘘みたい。
気持ち良いの……!大樹さんっ……!
もっと……
もっと……!!
404 :
海夏10:2010/11/30(火) 00:58:44 ID:VafnvrUw
大樹さんの背中に腕を回して、しっかりとしがみつく。それに応えるかのように大樹さんの動きが早くなってきた。
「夏海……夏海っ……!!なつみ!!だめだ……もぅっ!!」
大樹さんに激しく中を掻き回されるけど、もう、全然痛くない。
「ごめ……ごめんね……!なつみ!!」
「いいの!!だいきさん!!きてぇ!!!」
私の最奥を貫いた時、大樹さんが中で弾けて、どくんどくんと注がれてるのがわかった。
「ふぁ……あん……」
大樹さんのが……中に……いっぱい……
わたし……訳がわからなくなって、あんな事言っちゃったけど……
……もしかしたら、赤ちゃん……出来ちゃうの……かな……?
そうしたら、どうなるんでしょう……?
わからない……
少し……怖い……
けど。
今、すごく幸せ……
「だいき……さん…………すき……」
大樹さんの腕の中で、私は意識を手放してしまう。薄れていく意識の中、唇に優しい温もりを感じた。
「大樹さんの……モノになります」
そう言われて、夏海の方からキスしてきた時、自分に何が起こったのかわからなかった。
絶対、拒否されたうえに軽蔑される。そう思っていたから、そうなったら無理やりにでも奪うつもりだった。
それで、士の怒りを買って殺されようとも構わない。どうせ、夏海とは二度と顔を合わせる事なんかできないだろうから。
もう、それでも良い。自分でも最低な男だと思うけど、夏海達にどう思われようが一度だけでも彼女が欲しかった。
旅をしながら彼等を見ていたけど、僕は夏海と士はお互いに強く想い合っているとずっと思っていた。
あの二人の信頼関係は普通じゃない。信じ信じられ、時には命を投げ出しても互いを守って。
だからきっと、誰よりも深く愛し合っているんだ、と。そう、思っていた。
そうじゃないなら、自分の命を危険に晒してまで士を庇うことなんてできないし、士も自分の命を分け与えるなんて、そんな事できないはずだ。
それなのに、まさか、夏海が僕の事を好きだなんて。
しかも、僕が士を………なんて。まあ、それはあながち間違いでもないけど……ね。
前は……だけど。
だから、最初は士が大事にしているあの娘が凄く邪魔で、疎ましくて、消えて欲しいとさえ思っていたんだ。
今思うと、僕は何を血迷っていたんだろうと思う。
もう、そんな事、考えられない。
何事もきっかけなんて単純なもので、夏海を好きになったのは、大ショッカーの攻撃から助けた時だった。
敵の攻撃から彼女を庇うために咄嗟に抱いた、その細い肩に驚き、自分を真っすぐに見つめる瞳に一瞬にして惹かれた。
本当は、この娘を助けておいて士に借りを作るのも良いかもしれない……って。そんな、ほんの気まぐれだったはずなのに。
いや、本当は気になっていたのかもしれない。わからないけど。
でも、士への想いもまだ抱いてたし、無理やり夏海への気持ちを押さえこんでいたのかもしれない。
とにかく、自分の気持ちに気付いたのはあの時だ。
405 :
海夏11:2010/11/30(火) 00:59:45 ID:VafnvrUw
「だいき……さん」
「ん……?」
夏海に呼ばれ、起きたのかと思ったけど、まだ夏海は寝息を立てていて。
「僕の夢、見てくれてるのかい……?」
夏海の乱れた長い髪を掻き上げて、その寝顔を見ると、気持ち幸せそうにも見える。
夢の中での僕は、君になんて言ってるのだろう。それに対して、君はそんな幸せそうな顔でなにを……?
そこまで考えて、ハッとする。
たかだか夢(しかも相手は多分僕)に嫉妬なんかしてどうする。情けないな、僕。
「わたしも………すき……」
「……っ……!」
ぎゅっと、胸を締め付けられるってこう言うことを言うのかな………?
凄く嬉しそうな顔で、確かにそう呟いた夏海。その言葉だけでこんなにも幸せになれる。
今、確信した。間違いなく夏海は僕の、最高のお宝。
「ありがとう、夏海」
僕は、幸せそうな寝顔を浮かべている夏海の頬に触れて、そっと唇に口付けた。
投下&転載乙
BL要素はアレだが、夏海がかわいいから良し
職人さんも転載人さんもそれぞれ乙!
確かに一部BL要素だが、自分は一応許容範囲だったw
そもそも公式の海東は、中の人達にすらホ@疑惑持たれてたしww
まぁ本編が本編だったしな>海東
自分は勿論男女のカプ、エロパロが好きだし、断じて今まで投下された
海東関係の小説をディスってる訳じゃないが、海東がもやしとお宝以外に
好意寄せてると違和感感じるくらいだw
で、結局照井は亜樹子に手を出しているのか、いないのか?
このスレ的には間違いなく前者なんだけど
公式の照井だと律儀に結婚するまで待っていそうな気もする……
子作りをしている照井さんよりも
9.8秒でこなすトライアルマキシマムオムツ換えな照井さんとか
エンジンブレードで哺乳瓶煮沸消毒な照井さんとかが
何故か頭に浮かぶ
ついでにこっそりとアンクと店長を書き逃げ
壊れ気味なエロ店長とややヘタレなアンクのくだらないネタ及びエロは行為なし
NGは アンクと店長:"SMELL" でお願いします
「それではもう一度復習してみましょう。アンクちゃん、お腹が空いた時は何て言えば
良かったのかしら?」
「……腹が減った。何か食わせろ」
「ノンノノノノノノノ、ノーッ!!」
ぴしぴしと何やら細長い棒のようなものでテーブルを叩きながら、生真面目な女教師、
といった表情と衣装の店長がつかつかとこちらに近寄ってきた。
「違います!そういう時はー、『お腹が空きました。何か食べさせてください』、です!」
これが正しい日本語ですよー。判りましたか?ではリピートアフタミー!」
もういい加減にしろぉぉっ!!
アンクは怒鳴りつけたくなる気持ちを何とか抑え込み、深く溜め息をついた。
今日はクスクシエの定休日。映司と比奈は買出しに行っている。その間にアンクは
店長から無理矢理「ただしいにほんご」の授業を受けさせられている。
それだけでも鬱陶しいのだが、何よりもアンクはこの場に漂う「匂い」に苛立っていた。
普通の匂いではない。グリードであるアンクだからこそ嗅ぎ取れるこの匂い。
それは「母性」の匂いであった。店長がアンクに向かって熱烈に放つこの母性。
大いなる愛と情熱。はた迷惑で一方的な慈愛に満ちたその甘ったるい母性の匂いが
しつこくアンクの鼻をくすぐり、体にまとわりついてくる。
これには本当に我慢ならない。
つまるところ、アンクは店長にいたく気に入られているのであった。
いや、ただ気に入られるどころではなく、店長はアンクを真っ当で真面目な青年として
育て直すことを自分の義務や責任、そして権利ですらあると思い込んでいる節がある。
それもこれも映司の奴がこの女に妙なことを吹き込んだせいだ!
アンクはさらに苛立つ。だが映司からはうるさいくらいに「店長の言うことは聞いとけ」と
念を押されている。彼女の機嫌を損ねるとこの店から追い出されてしまうからだ。
確かに野宿するよりはマシだが。
だが何もこんな。ああああぁぁぁっ!!
ガン、とテーブルに頭を叩きつけたアンクを見て店長が眉を上げた。
「あらあらアンクちゃん、疲れちゃった?ちょっと詰め込み過ぎちゃったかしらね。そうね、
もう3時だし。今日はこのくらいにしておやつの時間にしましょうか」
何も言わずテーブルに突っ伏しているアンクはそのままに店長はいそいそとキッチンの
奥の冷蔵庫から何かを取り出し、また嬉しげに戻ってきた。
「はいアンクちゃんアイスよ〜。これ好きでしょ?今日は頑張ったから2本ね」
俺はガキじゃないんだぞ!おやつなんかに釣られるか!
などと思いつつもアンクはふて腐れた顔で店長の手からアイスをひったくり、悔し紛れに
ガジガジと齧った。
つめたくて甘くてうまい。
ちくしょう。
「映司君が言ってた通りね。かわいそうなアンクちゃん」
「かわいそう、だと?」
早くも2本目を口に突っ込みながらアンクは憮然として顔を上げる。
「辛い環境で過ごしてきたせいでそんなにひねくれちゃって。本当は優しくてかわいくて
素直な男の子なのに。本当にかわいそう」
「おい。おいおいおいっ、おまえは何を言ってる!?」
「でも安心してねアンクちゃんっ!あたしがあなたを救ってあげる。そう、あなたの心の
奥にある本当のアンクちゃんを見つけ出してあげる。あなたを魂の暗闇から救い出して
あげるのよぉぉぉっ!」
急に立ち上がり、片手を天に差し伸べる芝居じみた仕種で目をきらきらと輝かせている
店長を見てアンクは呆れ返った。
いったいどうなってんだこいつは。
ミュージカル、とかいう演劇のラストシーンのように今にも歌い出しそうな様子の店長。
その姿から慌てて目を逸らしながら彼はまた一つ溜め息をついた。
まぁ、何だか判らんが好きにさせておけ。この女のすることは今ひとつ理解できないが、
勝手に感動してる分には特に害は無い。
「アンクちゃんっ!一緒に頑張りましょうねっ!」
「あぁ?」
「もう何も心配しないで。あたしに全てを任せて!」
いきなり店長はむぎゅう、とアンクを抱きしめた。頬に頬をすりすりとすり寄せたり胸元に
彼の顔を抱きかかえむにゅむにゅと押しつけたり大騒ぎである。彼が驚いて声を上げる
間もないまま、「だいじょうぶ」だの「安心して」だの「先生に任せて」だの、青春ドラマの
ようなセリフを次から次へと囁き続けている。
アンクはあの匂いにまた顔を歪めた。彼女が顔に押しつけてくるやわらかい乳房から
強烈に漂ってくる母性の匂い。甘ったるい香水の匂いと混ざり合って吐き気がしそうだ。
ついに彼は耐え切れなくなり、思わず彼女を突き飛ばしてしまった。
「あぁもう、いい加減にしろっ!!」
「きゃぁっ!!」
あ、しまった!
どすん、と尻から床に倒れ込んだ彼女を見て彼は慌てた。怪我でもさせてしまったら
映司が黙っていないだろう。少々、いやかなり厄介なことになる。
くそっ!
彼は立ち上がり尻餅をついている店長に渋々と手を伸ばそうとし、そして固まった。
ずり落ちた眼鏡。みっともなく開いた脚。彼女は床に座り込んだ姿で驚愕の目でアンクを
見つめている。その胸元を見てアンクは息を飲んだ。
突き飛ばした時に一瞬だけ右腕を元の姿に戻してしまったのか、彼女の白いブラウスの
胸元は爪で切り裂かれビリビリに破れている。
どうやら怪我だけはさせていないようだが、その破れた胸元からは彼女の片方の乳房が
ぽろりと覗いている。これまた純白のブラジャーとかいう下着に包まれたやわらかそうな
丸い乳房。彼女が肩を震わせるたびに、その乳房もぷるぷると震えている。
「あ、その」
アンクは言葉を失った。二人は共に身動きが取れない。
「……だめよ」
「はぁ?」
「だ、だめよ!だめよだめよだめよこんな、こんなこと!」
「何だ?」
「あぁ、どうしましょう!アンクちゃんが悪い子になってる!悪い子になってるわ!」
「お、おい」
「その目!その目は悪い子の目よ!欲望に飢えたケダモノの目!あたしには判るの!」
何だ?こいつはいったいどうしたんだ?
アンクは混乱した。店長は何故か顔を紅潮させて荒く息を吐いている。黒いストッキングに
包まれた脚が開きっぱなしでその奥がちらりと覗いているが何故か彼女は脚を閉じない。
そしていい加減気付いているだろうに破れた胸元も隠さない。
何故だ?
「そんな、だめよ。だめよだめよ!だって、だってだってだってあたし達は教師と生徒!」
だめよだめよと言いながら彼女はくねくねと身をよじっている。何故か興奮している様子で
鼻を啜り上げさらに息が荒く甘くなる。
「あぁ、ほ、欲しいのね。あたしが欲しいのね!欲しくて欲しくてたまらないのね!あぁ大変
あたしだってあなたくらいの年頃の男の子の性欲がすごいってことは知ってるけど、でも
だめなのよアンクちゃんっ!我慢しなきゃだめ!耐えなきゃだめよっ!」
「待て待て待て待て待てっ!おまえ何を、……ん?うぁ!?」
また鼻をくすぐるように匂いが漂ってきた。それは先程までの母性の匂いとは違うものだ。
彼女の全身、特に開いた股ぐらのあたりから強く漂い彼の体にねっとりと絡みついてくる。
その匂い。それは。
おい、おいおいっ!これは、これはっ!
欲望じゃないかっ!に、肉欲だっ!
「あぁでも我慢できないのよね。男の子ってそうなのよね。どんなにだめって言っても一度
欲しくなったらそう簡単には止められないのよ我慢できないのよ。あぁだめよだめよそんな
目であたしを見ないでそんなに愛と欲望に燃え盛る目であたしを見ないで!」
明らかに嬉々とした表情で彼女はだめよ見ないでと喚き続けている。だがその脚はまだ
しっかりと開いたままだ。
アンクはおぼろげに理解した。どうやら彼女は女教師と生徒、という関係性に異常に興奮
しているようだ。いったいどういうことなのか。本当の教師と生徒でもないのに。何故だ?
「でもアンクちゃん、あなた秘密にできる?一度だけのあやまちとしてこのことをナイショに
できる?もしできるなら、あたし……って、あぁっ!あたしったら何てことを!だめよだめよ
そんなことだめよいけないわいけないわ」
いけないわいけないわと言いながら彼女はあふんうふんと身悶えしている。アンクはまた
さらに強くなってきた彼女の欲望の匂いに頭がくらくらしてきた。
この女がヤミーを生み出したらいったいどんなことになるのか。
混乱して二の句が告げないアンクの元に店長がじりじりとにじり寄ってくる。熱っぽい瞳で
膝立ちになり彼の顔を見上げ、そっと太腿に手を添えてくる。
「我慢してね?」
そう言う店長を見下ろした彼の目に飛び込んできたのは、彼女がいまだ隠そうとはしない
あの白く丸い乳房。彼女は明らかに彼にそれを見せたがっている。ぷるんと揺れる様子を
その目に焼き付けたがっている。
おまえぇぇ!我慢させる気、ないだろうっ!?
「あぁ、どうしましょう。こんなになって」
店長がおずおずと、また嬉々としながら彼の股間にそっと手のひらを当てる。
おいっ!何をしているっ!触るなっ!撫でるなぁっ!
だがアンクは自分の、宿主の男の肉体がびくん、と反応したことに驚いた。彼としては
逃げ出したいのだがこの宿主の体は何故かびくとも動こうとしない。
この男、真面目そうな顔してた割には意外に……!?
「あぁぁ。すごいわ。もう、こんなにしてぇ。悪い子ね、ほんとに悪い子ね。あぁぁ」
だから撫でるなぁっ!熱い息を吹き、かけ、る……なぁっ!!
身動き取れないままアンクは店長のもの欲しげな手のひらに股間をなでなでされつつ
途方に暮れた。無理矢理にでもこの体を動かし逃げ出すことは出来なくもないが、もし
そうなったら今度はこの満たされぬ欲望を抱えたままのこの宿主の体を後からどうにか
しなければならなくなる。
そしてアンクは、そうなった時の人間の男の体を独りきりでどう処理すれば良いのか
さっぱり判らないのであった。
やるしかないのか!
彼は覚悟を決めた。店長のことはどうでもいいが、この宿主の体はどうにかしなければ
ならない。まるで気は進まないがこの際、やむを得ない。
まだハァハァと荒い息を吐きながら股間から手を離そうとしない店長の顔を睨みつけて
彼は叫んだ。
「おいっ!おまえ!」
「は、はいっ!」
彼女はびくんと震えた。だがその瞳は潤んでいる。欲しがっている。
アンクはこれまで、これほど熱く火照った人間の女を見たことがない。
「教えろ。こういう時は何て言えばいいんだっ!」
「え?……何て、って?」
「さっき言っただろう!?腹が減った時は『お腹が空きました。何か食べさせてください』
だったな?だったらやりたくなったらどう言えばいいんだ!言え!」
「あぁ、そんな!やりたいだなんて!」
店長は今になってようやく自分の胸と股間を腕で隠しながら、いやいやと体を揺すった。
だがその叫びにはどこか「待ってました」と言わんばかりの悦びが溢れていることを
アンクの耳は聞き逃していない。
「あぁどうしましょう!アンクちゃんがあたしのこのボディを見るたびに煮え滾らせてきた
溜まりに溜まった欲望が。それが今まさにマグマのように噴火しようとしてるんだわ!
彼はもう我慢できないのよ。彼はあの欲望に猛り狂ったアレで、アレで!このあたしの
やわらかく濡れそぼったこの秘密の、ナイショの、端的に言えばあそこに!ぶっすりと
突き入れずにはいられないんだわ!彼はその若くはちきれんばかりの欲望であたしを
前から後ろからもう攻めて攻めて攻め抜かずにはいられないのよ!あたしがどんなに
やめてって言ってもお嫁に行けなくなるって泣いても彼は絶対やめないわ止めないわ
やめたら承知しないわよあらいやだあたしったら何を。とととにかく。彼は絶対に最後
まで諦めないわ。あぁそんな。あたしをやりたい放題好き放題に抱いた上に、そして
ついにほとばしらせる欲望でこの美しい身体を汚してやりたいだなんて、そんなぁ!」
「そこまでは言ってないっ!お、おまえは何を言ってるんだぁっ!」
「あぁんっ!」
アンクに怒鳴りつけられて興奮の絶頂、といった様子の店長がまたその身をよじる。
苛立ったアンクは喉から絞り出すように再び叫んだ。
「早く……言えっ!!」
「あぁっ!欲しいって言って!先生が欲しいって言って!ずっと好きだったんだ先生が
欲しくて眠れなかったんだ欲しかったんだ欲しくて欲しくてたまらないんだ先生好きだ
好きだ愛してる先生を抱かせてください僕だけのものになってくださいって言ってぇ!」
「長いっ!覚えきれるかぁっ!」
「あぁぁもういい!もう何でもいいっ!もういいから来て!来て来てねぇ来てぇっ!」
来て来てと言いつつ。店長はいきなりアンクに抱きつくと床の上にガバと押し倒した。
驚いたアンクは驚愕の叫びを上げようとして口を開いたが、その口は店長がむちゅと
押しつけてきた唇によって、すっぽりと塞がれてしまった。
「アンク……おまえ、どうした?」
「わぁ。すごい匂い……。店長、それ何の料理ですか?」
ようやく新しい衣装の買出しから帰ってきた映司と比奈。映司は椅子に座り込んでいる
アンクのげっそりと憔悴しきった顔を見て驚き、比奈は奥のキッチンで何やら楽しげに
料理をしている店長に向かって声をかけた。
「あら比奈ちゃん映司君おかえり〜。これはね、創作スタミナ料理よ」
何故か肌をつやつやと輝かせて満足しきった表情の店長が、湯気の立つ料理の皿を
持ってやってくる。その強烈な匂いに映司と比奈の二人は思わず顔を顰めた。
「はい、これはヤツメウナギとスッポンと牡蠣のニンニク炒めよ。エスニック風に仕上げて
あるからちょっと辛いけど、食べたら元気が出るわよ〜」
「は、はぁ」
「ほらアンクちゃん食べて食べて!あなたにはもっと元気になってもらわなきゃ!」
女教師からエプロン姿の新妻、といった姿に変わった店長は世話女房のようにアンクの
横に寄り添い、うっとりとした表情でその顔を見上げている。映司と比奈にすらも、この
二人に何かがあったことは明らかであった。
「アンクおまえ……まさか?」
声には出さず口の形だけで「やったのか?」と問いかける映司と、目をまん丸に見開き
顔を真っ赤にして怒るべきか泣くべきか決めかねているような表情の比奈に向かって
アンクは顔を上げる。何か言い訳をするように、二人に助けを求めるようにその口を開く。
「お、俺は!」
だが次の言葉を続けようとした彼のその口に、店長が箸の先で挟んだヤツメウナギの
不気味な切れ端がぴと、と押し当てられた。
「はいアンクちゃん、あーん。ふふ。たっぷり食べて"元気"、出してね?」
やや涙目になったアンクはまた救いを求めて映司を見る。
だが彼の開いた口に、店長はあの大いなる愛と情熱をもって、鼻が曲がりそうな匂いの
料理を次から次へと押し込み始めた。
─終
店長怖えええw
しかし比奈と信吾があくまで普通の兄妹仲だったとしても
これは修羅場だ・・・w
おかしい、エロさ抜群のはずなのに萌えよりも笑いがとまらんw
店長の猛烈プッシュに手も足も出ないアンクが不憫すぎるww
エロも笑いも満喫させてもらった、GJ!!
GJwww
本編もここでの扱いも、こんなに放送前の印象と変わるとは思わなかったよ、アンクちゃんw
明日の包帯グルグル巻きアンクさんはまさか比奈ちゃんが勢い誤って・・・
なんて心配になった
店長怖すぎワロタwww
でも甲斐アナがスタイル抜群なのは事実だしな…
GJです!
さて、とうとう半死半生な兄の姿を目の当たりにしてしまったわけだが、
来週でアンクと比奈の関係に変化が起きるか否か
メズールとウヴァの会話の雰囲気に萌えたが、ガメルとの絡みも毎回なんかエロいな
いい図だった
しかし、膝枕・・・!
メズール様膝枕かぁぁぁぁ
ガメルいいなぁ
しかし
>>393フラグ回避出来て良かった…
しかしっ!メズール人間態も見たかったわ!ガワもいいけどねっ!でもね!
アンクの比奈呼び捨てが新鮮だった
これからは本人の前でも比奈呼びでいくのかね?
案外本人のいないとこでしか名前呼びしないみたいな感じになったら
何故か萌えてしまう
あと映司と比奈は絶賛仲良し中だねー
何と言うか補完いらずなぐらい順調だから不満はない
シャムネコヤミーがエロくて吹いたw
人間だったら完全にアダルトビデオだぜw
>>424 久々に出淵さん大爆発のセクシー怪人だったな
巨乳とコルセット?にガーターベルトとタイツとか素晴らしいな
アバンの店長とアンクのコントを見てる比奈ちゃん後ろからエイジ君の腰に手回して抱き締めてたんだが
仲良くなりすぎじゃないの?こりゃバカップル化するのも時間の問題だね。
会長「ハッピーバースデー!新しい後藤くん(=5103と里中クンの間の子ども)の誕生だ!」
今回の5103と里中君のシーンを見て
「こんなのも耐えられなくて世界が救えるとでも?」と鼻であしらうような態度で
自慢の美脚をフル活用する里中君と悔しさと快楽に蝕まれる5103のプレイを少し妄想した
429 :
転載:2010/12/06(月) 21:41:08 ID:7jKeYi0t
避難所スレから転載します
以下、職人さんから
規制中なのでお世話になります。
アンクと比奈でエロなし小ネタ。
いちゃつく二人が無性に書きたくなったので。
大きな木の上の枝に腰掛け、アンクはぼんやりと視界に映る景色を眺めていた。
間近には住宅街、少し離れたところには空を貫かんとそびえる高層ビルが立ち並ぶ。
封印されている間に世界はその姿を大きく変えた。
昔の面影を残す空と海でさえ、記憶にある風景よりくすみ澱んで見える。
進化と引き換えに人間が奪い、壊したもの。
欲望に満たされた世界――目の前に広がる光景がすべてメダルの源だと思えば、
それは少なからずアンクの心を湧き躍らせた。
「ねぇ」
澄んだ声が、下からアンクに話しかける。
「そんなところで何してるの?」
「別に。人間の世界を見物してるだけだ」
「悪巧みしてるんじゃないでしょうね?」
アンクを見上げながら、比奈が軽く幹に手をついた。
「考えるくらいいいだろうが! おい、揺らすなよ?」
万が一に備え、アンクは枝をしっかりと掴む。
今のところ、比奈が木を揺らす気配はない。
「高いところが好きなの?」
「まぁな」
「……煙となんとか」
比奈がぼそりと、暗号のような言葉を呟く。
「なんだ? それは」
「なんでも」
そう言って、比奈はアンクを見上げて小さく笑った。
よく判らないまま、アンクも同じような笑みを比奈に返す。
「何かいいものが見える?」
「さぁな。知りたいなら、おまえも上がってくるか?」
アンクは戯れに右手を差し出し、比奈を誘った。
スカート姿の比奈が木登りなど出来ないことは百も承知の上だ。
拗ねて頬を膨らませる比奈を見て笑ってやろうと思ったのに、比奈はアンクの予想を裏切って嬉しそうに笑った。
「いいの?」
「ん?」
比奈は両手で木の幹を抱くように掴み、くぼみに足を掛けて木を上り始める。
「おい、寄せ! 危ないだろうがっ」
「へい、き……っ」
一飛びで枝に降り立つアンクと比べ、比奈の木登りは見ていて危なっかしいことこの上ない。
今更やめろと言っても聞く筈のない比奈を見下ろし、アンクはいつでも右腕だけで動けるようにと構える。
やがて比奈の手がアンクがいる枝に辿り着くと、アンクは比奈の腕を掴んで一息に枝の上まで引き上げた。
比奈の躯を腕の中にしっかりと抱え込み、アンクは盛大にため息を吐く。
「この馬鹿……!」
背中から抱きしめた比奈の肩に額をぶつけ、アンクは唸るように怒鳴った。
「少しは考えて行動しろ! 怪我でもしたらどうするつもりだ」
「あなたが来いって言ったんじゃないの」
ゆったりとアンクの胸許に背中を預けた比奈が、拗ねたように頬を膨らませてアンクを顧みる。
その顔を見ても笑うだけの余裕がアンクにはなかった。
人間の娘に振り回される自分に腹が立ち、強烈な自己嫌悪に襲われる。
「それに」
恨めしげに顔を上げるアンクの右腕を、比奈が両手でそっと抱いた。
「もし私が落ちたら、ちゃんと助けてくれるでしょ?」
「おまえは……」
はにかむように微笑む比奈に、アンクは仕方なく苦笑いを浮かべる。
その通りなのだからどうしようもない。
アンクは比奈の頬に軽くキスをし、反対側の頬に手を添えて振り向かせた比奈の口唇にもくちづけた。
比奈が落ちないよう、広げた足の間に座らせ、両腕を腰に回して比奈の躯を支える。
「何かいいものが見えるか?」
アンクの腕の中で安心したようにくつろぐ比奈に問いかける。
「んー……家とか、ビルとか……空とか海とか」
「大していいものなんか何もないだろう」
「でも、楽しいよ。こんな場所から見たことないもの。なんだか、違う街を見てるみたい」
「そんなものか」
アンクには判らない。
何処から見ようが、世界は皆同じだ。
「嬉しい」
比奈が呟く。
「ん?」
「あなたと同じ場所で、同じ景色を見てるのが……嬉しい」
さらりとそんなことを言われて、アンクは返す言葉に詰まった。
好きだとストレートに告げられるよりも気恥ずかしく、ぐっと腹の底を掴まれるような、喉の奥を締めつけられるような、
不思議な感覚がせり上げる。
アンクは右腕を持ち上げ、比奈の頬にそろりと触れた。
指先で軽く摘んでむに、と引っ張る。
「やだ、何するの」
痛くはないからか、比奈はくすくすと笑いながら首を振ってアンクの指から逃げた。
アンクの肩にこつんと頭を預け、比奈が上目遣いでアンクを見上げる。
「照れてるの?」
「うるさい」
「照れてる」
「うるさい。黙れ」
アンクは楽しげに笑う比奈の頬をもう一度摘んだ。
そしてその手を広げ、小さな頭を抱きしめるようにして比奈の頬にぺったりと押し当てる。
そのやわらかなぬくもりが心地よい。
比奈の首筋に顔を埋め、アンクは静かに眼を閉じる。
同じ場所から同じ景色を見ていても、グリードであるアンクと人間である比奈の目に映る世界が同じである筈がない。
それは恐らく比奈も知っているだろう。
この穏やかな時間が永遠に続くものではないことも。
それでも今は二人、こうして誰よりも近くにいる。
それが嬉しいと比奈が言うのなら、この世界が比奈の生きる場所であり、彼女の目に少しでも美しく映ると言うのなら、
メダルを集めるそのついでにもうしばらくはこのまま、映司が平和とやらを守るのに力を貸してやろうと――
誓うように密やかに、アンクは思った。
帰りはアンクが比奈を姫抱っこして飛び降りればいい。
更にアンクがスカートの裾を気遣ってやったりしたら個人的に超萌える。
転載してくださる方がいらしたらよろしくお願いします。
投下ありのアナウンスだけでも構いません。
以上転載でした
>>429、そして職人さん乙&GJ!
いいなぁこういうエロなし作品も大好物です。
「比奈ちゃんちょっと代わって」って言いたいw
>429
GJ!!
アンヒナ、ほのぼのににやにやしました。ツンツンアンクおいしいです。
保管庫のパスってオーズのでいいんだよね?
入れないんだが
5103が車で立ち去ろうとする里中君を自販機バイクで追いかけて
いきなり彼女を車から引きずり出して
怒りのままにボンネットの上に寝かせた彼女を攻めまくって
なんだかんだ言いつつも最後には里中君大歓喜で
甘い絶叫と共に青空の下に彼女のきれいな脚だけが二本、
まっすぐにぴん、と高く伸びて
その青空をバックに微かに震えるヒールのつま先の遥か上を
ゆっくりと白い雲が流れていく
みたいな和やかな風景が目に浮かびます
>>436 車から降ろすまでが完全にターミネーターwww
ターミネーター想像してクソワロタww
>>429 GJ
甘いな〜このアン比奈を下から眺めたい
ついでに比奈のスカートの中うわなにをする
>>436 やってることは中々ハードなのに何この平和な空気はw
そしてターミネーターで腹筋崩壊wwwww
OOO本編で人間体のメズールが人間体のガメルを膝枕してたときは
女子高生が男を膝枕なんてなんかシュールな絵だなと思ったのと同時に萌えた。
MOVIE大戦2010見たが…
大ショッカーの方が面白かったな
>>441 スレ違い。
ここはそういうスレじゃない
いやあ、OOOも結構萌えるね。
まあ、平成ライダーで萌えないカップリングのない作品ってないんだけどね。
比奈ちゃんにも所長のスリッパのような有無を言わさぬ必殺技が欲しい
せっかくのパワー系なんだからアンクや映司を問答無用でベッドに
放り込んで卍固めくらいしてもいい
泣き顔で「好きなの!」とか叫びながらギリギリと関節技きめまくる
比奈ちゃんとか可愛いのに
比奈ちゃんの下で真っ蒼になって必死にもがいてるアンクの姿が
えらく鮮明に脳裏に浮かんできたww
>>445 巨根の科学者と組んでる貧乳マジシャンみたいだなw
>>443 つまり、萌えないカップリングがあるってことかよwww
小沢×焼肉とかか?
>>446 貧乳でふと思ったんだけど
いつも店長の肉感的ボディに目を奪われがちではあるものの、比奈もそんなにまな板ではないよね?
まさか某奇術師みたいにパット8枚詰めとかそんなんしてないだろうし
でもメズール様、比奈、里中君と脚に目が行くカットが結構多いから胸より脚好きな撮影陣なのかな
いやもう胸でも脚でもどんとこいって感じではあるんだけどね
>>449 というかオーズには今のところ明確な貧乳はいないかも
比奈ちゃんはグラビア見るに結構立体感のあるおっぱい
店長は完璧な巨乳
里中クンは超モデル体系、普乳だけど長すぎる美脚
メズール様はまだ中学生だけと腰がくびれてるのが凄い。あの子は将来エロい体に育つはず
と、目算してみる
アンクが憑依して首締めた時は咄嗟に腕捻りしてたけどその後お兄ちゃんだった!ごめんなさい!
って言ってて当たり前だけど比奈はお兄ちゃんだと気遣うんだな、と
でもまたアンクは兄の身体に戻ったし危機感薄れるんだろうな。
しかしこれアンクが日頃から脅しまくったりしてより狡猾な態度取ってたら
比奈のブラコン要素を利用してアンクが好き勝手するエロパロ的流れが簡単に出来上がるのに
そんなえげつない想像を打ち砕かれる感じがオーズらしいっちゃらしいわw
シャムネコヤミーが前回よりエロさが増してたのは気のせいか
次回はアンクのコアが登場するわ比奈も拐われる?わ、メインの三人の関係にそれなりの変化が見られそうなので期待
映司とアンクの喧嘩はコアと比奈どちらを優先するかが原因か?
シャムネコエロかったなあ。
エロパロ的に性欲強い人に寄生するヤミーはああいうのが良いな
里中さんは命令されればお金のためにいくらでもケーキを食べる
つまり命令されればいくらでも社長に尽くすんだな性的な意味で
今朝の映画宣伝番組見て思ったこと。
オーズ
映司と比奈のキス寸前に萌えた。
里中くんの美脚をスクリーンで見るのが楽しみだ。
ダブル
照井がすでに、亜樹子の尻に敷かれているようにしか見えなかった。
無関係のはずの翔太郎が、亜樹子に羽交い絞めにされててワラタwww
そして何より、おやっさんの余りのかっこよさに、抱かれてもいいと思った。
初日が楽しみだ。
ほう、おやっさん×455か、胸が熱くなるな
>>453 逆に考えるんだ、女医さんが性的にも…だって可能性がだな
>>455 映司が比奈ちゃんにベタベタなのがたまらん
今回もがっちり手握ってたし
さっさと2人で幸せな家庭でも作れよちくしょう!
>>455 > 無関係のはずの翔太郎が、亜樹子に羽交い絞めにされててワラタwww
個人的にはここは笑いつつなんか嬉しかった
照井と結婚てことになろうが事務所の人間関係は変わってないんだなあ、とw
> 無関係のはずの翔太郎が、亜樹子に羽交い絞めにされててワラタwww
尻には敷いてても、照井(旦那)にはできないご無体を翔太郎(実家)にはする亜樹子所長ですね、分かりますwww
まあそれでこそ、亜樹子だよな。
映司が比奈に優しいのは、見ててほのぼのするな。
手を握ってるの可愛かったが、ああいう握り方をしないと、比奈のパワーで潰されるからではないかと思った。
映画のキス寸前シーンでアンクがやってきたら楽しいのに、とwktkしてる。
>>459 いざ事に及んで
体を重ね合って互いの手を握り合った瞬間
「いっ!?ひ、比奈ちゃん痛い痛い!」
「えっ!?ごめんなさい!」
「(アンクの気持ちが分かったかも…)」
…普通に考えたら、痛がるのは比奈ちゃんであるべきだったのにwww
>>459 アンクはともかく、お兄ちゃんがショック死しそうだw
>>461 映司「比奈ちゃん…」ジリジリ
比奈「映司くん…」ジリジリ
「「んー…」」
アンク「止めろ!」
映司「!?…あ、アンク?」
比奈「み、見てたの!?」
アンク「……あ。」
アンク「口が勝手に動いた…」
アンク「何で止めた、俺?」
>>462 意外と元気そうじゃないか刑事さんww
アンクと比奈ちゃんが近づき始めた場合も、自分自身の身体が邪魔をするなんて可能性が出て来たら面白いな
464 :
転載:2010/12/15(水) 21:12:30 ID:eH0XFsh3
避難所より転載
以下、職人さんのレスです
またまたお世話になります。
規制解除はいつですかorz
バカップル兄妹と、気の毒なメダル怪人の話。
軽い小ネタギャグのつもりが4レス程度の長さになっちゃいました。
エロと程遠い内容ですみません。
「助けろっ!!」
「は?」
比奈の両肩を掴み必死の形相で迫るアンクを、比奈は怪訝な顔で見返す。
一体どうしたと言うのか。
いつもは比奈を避けるようにしているアンクが、比奈の休憩時間を待ちかねたように声を掛け、この屋根裏部屋まで
引っ張るようにして連れてきたのだ。
お互いにいい感情を持っていない比奈に助けを求めるくらいだから、余程切羽詰っているのだろう。
アンクの肉体は大事な兄のものである以上、自分が力になれるならと比奈はアンクを見上げて訊ねる。
「助けるって、どうやって?」
「触らせ」
比奈は皆まで言わせず、アンクの両の頬を掴むと渾身の力で捻り上げた。
「このセクハラ怪人……!!」
「いでぇ!! 離せ、痛い痛い痛い!!」
「お兄ちゃんの躯で痴漢なんてやめてよね! 前科がついたらどうしてくれるの!?」
「違う!! 俺じゃない、こいつだ!」
比奈の手をはがそうともがきながらアンクが叫ぶ。
立てた親指で自らを指し示し、
「こいつがおまえに触りたがってるんだよ!!」
悲痛な、それでいて何処か滑稽なアンクの絶叫が屋根裏部屋に響いた。
思い掛けないアンクの告白に比奈は絶句し、その両手から力が抜ける。
「……お兄ちゃんが……?」
「おかしいぞ、おまえら兄妹!」
赤く腫れた頬を押さえ、涙目のアンクが比奈を睨みつけた。
「何がよ」
「自覚がないのか。サイアクだな!!」
アンクは信吾の顔を不快げに歪ませ、赤い腕を振りかざしながらうろうろと落ち着かなく歩き回る。
ちらちらと比奈に視線を向けては、嫌なものを見るように目を逸らすということを数回繰り返し、やがて
堪えきれなくなった様子で比奈に向き直った。
「いいから、とにかく触らせろ!」
「きゃあっ!」
素早い動きで伸びてきた腕が比奈を捉える。
次の瞬間にはアンクの胸の中にしっかりと抱きしめられ、比奈は悲鳴を上げた。
「離して! ほんとに締めるよ、その腕!!」
「こっちも好きでやってるわけじゃない! あとで好きなだけ殴らせてやるから、大人しくしてろ」
比奈を抱きしめ、アンクがぜぇぜぇと苦しそうな息を吐く。
「ちょっと……大丈夫?」
どうやら本当に具合が悪そうで、比奈はアンクの背中に手を回してその背をさすった。
しばらくして、アンクがぼそりと吐き捨てる。
「……禁断症状だ」
「なんの?」
「言っただろ、こいつがおまえに触りたがってるって」
「うん。……って、あなたが私に触らないから、そんなになってるって……こと?」
「そうだ! 眠れないし、イライラするし、動悸息切れ目眩諸々って、おかしいだろ、こいつ!
どれだけ妹が好きなんだよ!」
アンクに低く怒鳴られ、比奈は赤面した。
確かに兄妹でのスキンシップは多い方だと思う。
しかし、触れ合いが減ったからといって体調に異変を起こすなんて聞いたこともない。
アンクの言うことが本当だとして、逆に言えば今までは禁断症状が出る暇もない程触れ合っていたと
言うことかもしれないが。
「兄妹なんだからいいじゃない。お兄ちゃんが私を好きだって。私だってお兄ちゃんが好きだもの。
あなたに文句言われるようなことじゃないわよ!」
「限度ってものがあるだろう。自覚がないようだから教えてやるが、おまえら本当に変だぞ!?」
比奈を抱きしめたことで禁断症状とやらか薄れたのか、アンクが憎々しげに声を荒げる。
アンクの背に両手を回したまま、比奈も負けじと怒鳴り返した。
「さっきからおかしいとか変とか! 何がよ!」
「大体べたべたとくっつき過ぎなんだよ。何かと言えば抱き合うわ、出掛けるとなればしっかり腕は組むわ!
変だろう、兄妹で!」
「別に普通でしょ、兄妹なんだから。それくらい誰だって」
「普通!? 普通で、『あーん』とか言いながら餌を食わせ合ったりするか!?」
「それは半分こしたりする時で、それにその方が美味しいし」
「おはようのキスに、いってらっしゃいのキスに、おかえりなさいのキスに、おやすみなさいのキスが普通か!?」
「誤解招くような言い方しないでよ! ほっぺたとおでこだけよ! あいさつじゃないの!」
「ガキじゃあるまいし、一緒のベッドで寝る兄妹の何処が普通だ!?」
「あれはお兄ちゃんが酔った時とか、しばらく帰れない日が続いた時とか……ってどうしてあなたが
そんなこと知ってるのよ!?」
「見えるんだよ、こいつの記憶は全部お見通しだ!」
自慢げに唸るアンクに、比奈の躯が怒りと羞恥でかっと熱くなる。
「……プライバシーの侵害よ! 勝手に人の躯間借りしてる上に覗きまでするなんて最低!!」
「うるさい! 勝手に流れて来るんだよ! こいつのシスコンに俺がどれだけ迷惑してると思ってる!」
「見ないでよ! 目も耳も塞いでて!」
抱き合いながら激しく怒鳴りあう二人の姿は他人の目にどう映ることだろう。
幸い、屋根裏部屋のこの騒動は階下にまでは届いてないらしく、ギャラリーが現れる気配はない。
いい加減喉と耳の両方が痛くなってきて、二人はどちらからともなく言葉を切った。
なんだか酷くくだらないことで言い争っているようで、黙り込んだ途端どっと疲れが押し寄せて来る。
比奈とアンクはお互いに睨みあったまま、大きくため息をついて肩を落とした。
そうして落ち着いてみれば、密着した男の躯からふと兄の匂いがする。
比奈はアンクの顔を見つめ、赤く腫れた頬にそっと手を伸ばした。
躯は兄だと判っているが、アンクが相手だと思うとどうしても手加減が出来ない。
痛みに顔をしかめるアンクの頬を指先で撫で、口唇で触れる。
宥めるようにもう一方の頬にもキスをして、比奈はアンクの胸許に顔を摺り寄せた。
比奈にとってもずっと触れたくて我慢していた兄のぬくもりに、ほっとして目を閉じる。
「……おまえら、絶対におかしいからな」
声のトーンを落としながら、アンクは自分の主張をまだ曲げない。
「そうかなぁ……」
「こいつの頭の中、おまえのことばっかりだぞ。メシは取ってるかとかちゃんと寝てるかとか学校の成績はどうだの、
変な虫がついてないかだの、躯の具合は大丈夫かとか泣いてないかとか」
「ちょっと黙って」
比奈はアンクの口を手のひらで塞いだ。
兄が自分を大事に思っていてくれることは知っているが、それを他人から赤裸々に暴露されるのは
気恥ずかしくて聞くに堪えない。
出来ればアンクの記憶からも消し去ってしまいたい程だ。
頬に朱を昇らせながら、比奈は兄との穏やかでやさしい日々を想う。
自然と言葉がこぼれた。
「ずっと、二人きりだったの。お父さんとお母さんが突然いなくなってからずっと」
その分、お互いの中で相手の存在が占める割合が大きいのは確かだ。
大好きで、大切で、ぬくもりを確かめずにはいられないのだと、アンクに理解して貰えるとは思えないまま、
比奈は自分達兄妹の過去を言葉で辿る。
信吾の記憶が見えるというアンクには今更の話かもしれない。
「お兄ちゃんもまだ若くて大変だろうからって、私だけ親戚の家にお世話になる話もあったの。でもお兄ちゃん、
私の面倒は自分が見るからって。大丈夫だって、頑張ってくれて、すごくすごく頑張ってくれて……それで、
ずっと二人で暮らしてこれたの。お兄ちゃんがいてくれるから、私、二人だけでも淋しくなくて……」
兄のぬくもりに包まれて、何も憂うことなく過ごしていたあの幸福が、もう随分昔のことのように思えた。
兄に甘え、頼るだけの無力な子供だった自分は、どれだけ兄の負担になっていたのだろう。
縋るばかりでは駄目だと決意したあの時から、今まで見ない振りをしてきたその事実が比奈に重くのしかかる。
比奈の前ではいつも笑っていた兄への申し訳なさで胸が痛い。
「でも、もし私がいなかったら、そしたらお兄ちゃん、もっと自由で、もっと楽でいられたのかなって……」
ごめんなさい。
お兄ちゃん、ごめんなさい。
声にならない想いが心にあふれる。
どうしてアンクにこんなことを話しているのだろう。
まるで懺悔のようだ。
どうせ、この男には何も届きはしないのに。
「違う」
不意にやさしい声が比奈の耳に落ちた。
アンクの口調とは違う、穏やかで甘い、懐かしい声が。
「俺だって、比奈がいるから、頑張れるんだよ」
いつもの笑顔が目に浮かぶ、そんな兄の声だった。
比奈は驚いて顔を上げる。
「お兄ちゃん……?」
「あぁ?」
だが、そこにあるのはやはり冷たい眼差しをしたアンクの姿だった。
それでも確かに、今聞こえた声は信吾のものに間違いない。
比奈は大きく目を見開いてアンクを見つめる。
そこにいるの?
私のそばに、今もずっといてくれるの?
「お兄ちゃ……」
呼びかける比奈をアンクが不思議そうに見返す。
その首が突然がくんとうなだれ、アンクの躯は比奈にもたれかかるようにしてずるずると沈み始めた。
アンクの躯を抱えながら比奈は膝を折って一緒に座り込む。
「ちょっと、アンク!? 何よ、どうしたの?」
「……むい」
「え?」
「眠らせろ。しばらく、ろくに寝、て……な……い」
呂律が怪しくなったかと思うと、アンクは電池が切れたように動かなくなってしまった。
「やだ、ほんとに寝ちゃったの? ねぇ?」
軽く揺すってみるがアンクの答えはない。
無防備に比奈に躯を預け、規則正しい寝息を立てている。
「……子供みたい」
比奈は小さく笑いながら呟いた。
「普段はあーんなに威張ってるのにね」
アンクの髪に指を絡ませ、頭を撫でていると安らいだ気持ちが広がる。
比奈はアンクを抱えてゆったりと座り直した。
アンクをベッドに移すのは簡単だが、そうしようとは思わない。
比奈は膝の上のアンクの顔をいとおしげに見つめた。
アンクの鋭い瞳が隠れると、その顔には兄の面影が色濃く表れる。
「兄離れしようと思ってたんだけどなぁ……」
いいのかな。
もう少しの間はこのまま、甘えていていいのかな。
愛されていて、いいのかな。
いつか、兄が目を覚ました時には甘えるだけじゃない、ちゃんと兄を支えられる一人前の人間になっていたい。
兄を守れるくらい強くなって、兄を驚かせたい。
でも今は。
比奈が比奈でいるだけで、兄の支えになっているというのなら、もう少しだけ小さな子供の比奈でいても
いいのかもしれない。
「お兄ちゃん」
あどけない笑みを浮かべ、身をかがめて信吾の顔を覗き込む。
「お兄ちゃん。大好き」
甘えるように囁いて、比奈は眠る男の額にくちづけを落とした。
469 :
転載:2010/12/15(水) 21:16:35 ID:eH0XFsh3
以上、避難所スレより転載しました
本スレ・避難所スレに投下してくれる職人さん
いつもありがとうございます
おおGJ!!
今更だが夏みかんの夏めろんは本物だったんだなw
連投スマソ
>>464&職人さんGJ!
サッカー後に和んだよw
兄妹!!兄妹!!
「おまえが言うなぁぁっ!」
「こらぁっ!パシーン!」
「…おまえが、言うな」
「踊ろう!母さん!あの日のように!」
「落ち着いてお父様ぁ」
「あんたの話じゃないの。先生、何とか言ってやって」
「いいですねぇジュペロッ」
「私はとっくに負けを認めている……」
「私、ショックです」
つくづくいいキャラが揃ってたなぁ
大ショッカーから変な電波を受信したので
懲りずにディケイドで投下
大した濡れ場じゃないが、百合・凌辱・3Pがダメな人はスルー推奨
もしも洋館からの脱出に失敗して捕まっていたらという捏造妄想
小夜×月影、士×夏海がベースで小夜×夏海×月影の3P
小夜がかなり病んでしまったが気にせず投下ww
478 :
呪縛 1:2010/12/18(土) 05:03:55 ID:t0sj/SXQ
悪い夢を見たような、最悪の気分だった。
瞼も頭も体も、何もかも鉛のように重たい。それでも、瞼越しに感じる明かりに覚醒した意識は、
条件反射のように目を開けることを強要する。億劫な気持のまま、それでもどうにか目をこじ開け
ると、見慣れない天井が視界に飛び込んできた。
「あ、れ……私…?」
ズキズキと鈍く痛む頭の奥で、停止したままの思考回路を無理やり動かす。ひと際強い痛みに頭
を締め付けられた瞬間、全てを思い出し体を跳ね起こす。
否、跳ね起こそうとした。
「……っっ!?」
何故か腕を動かすことができないことに気づき、ようやく自分の身に起こった異変を実感する。
ホテルのような室内も、重圧感のある大きなベッドも全く見覚えはない上に、下水でドロドロに汚
れていた筈の体や髪は綺麗に洗いあげられ、柔らかいバスローブに包まれている。なのに、両腕は
後ろ手に縛りあげられ、どうあがいてもその縄が緩む気配はなかった。
「何で…」
そこまで呟いて、意識を失う寸前の出来事を思い出し一気に全身の血が引いた。
地の石の力に囚われたユウスケに背を向け、階段を駆け降り玄関へと向かったものの、扉は固く
閉ざされていた。なんとかして開けようとドアノブを必死に動かすが、古く見える扉はびくともし
なかった。
『無駄ですよ』
背後から冷やかな声でそう言われたところで、首筋に鈍い衝撃を感じそのまま意識が途切れたの
だ。
「まさか、そんな……」
その声が月影のものだったことは、疑いようもない。捕まったのだと、そう理解した瞬間、ガチ
ガチと音を立てて歯が震えた。今までなら、敵に捕まったとしても、必ず士とユウスケが助けてく
れると信じられた。
だけど、もう誰も助けてはくれない。
「どうしよう…どうしよう……」
「何がどうしようなの?」
カタカタと全身を震わせながら、答えのない問いを呟いていると、場違いなぐらい柔らかい声が
かけられた。驚いた夏海が全身で振り返ると、そこには着替えを手にした小夜が、ひどく優しげな
笑みを浮かべて立っていた。
「小夜ちゃ……」
「やだなぁ、そんな怯えた目で見ないでよ。別に、とって食べたりはしないから」
にっこりと笑みを浮かべてそう言う小夜の姿は、年相応の少女のものである。しかし、夏海は確
かに目撃したのだ。
小夜が、地の石の力でユウスケを捕えるその瞬間を。
「汚れた服は捨てちゃったから、新しいのを持ってきたの。サイズは合うと思うんだけど、どうか
な?」
無邪気な声で言われたが、夏海は無意識のうちに体を後ろへ引いていた。目の前の少女が、ただ
の少女ではないということは全身で感じ取れる。それは、士達と共に旅を続けるうちに培われた、
五感を超える感覚だといっても過言ではない。
「何が目的なんですか?」
硬い声で問い返すが、小夜は構わずに手にしたワンピースを広げると、ひらりと夏海の目の前に
かざした。
「夏海さん、こういう可愛い服も似合うと思うんだけどな。スタイルいいし、背も高いから、クー
ルな服も似合いそうだし、結構迷っちゃった」
「小夜ちゃん……いえ、ビシュム、でしたよね?私をどうするつもりなんですか」
479 :
呪縛 2:2010/12/18(土) 05:04:21 ID:t0sj/SXQ
「どうもしませんよ」
再び違う方向から、冷やかな声が投げかけられる。冷や水を浴びせられたように背筋を硬くした
夏海の前で、小夜は平然と服を広げ続けていた。
「下着もね、同じ色で揃えたの。可愛いでしょ?」
「あ、あなた達の目的は一体何なんですか!?」
引き攣った声で夏海が問うと、ティーセットを乗せたトレーを手に入ってきた月影は、眉一つ動
かさずに答えた。
「何も。ただ、あなたは小夜様の大切なお友達ですから」
「友達?」
「そうです」
会って間もないというのに、何をもって友人と判断したのか。無言のままに夏海が視線で非難し
たが、月影は涼しい顔のまま手にしたトレーをサイドテーブルへと置いた。
「小夜様、今日はウヴァ・ハイランズにいたしましたが、いかがでしょうか?」
「ありがとう。夏海さんも紅茶でいい?」
この状況で交わす内容の言葉ではない。尋常ではない二人の気配に夏海が顔を青ざめさせている
と、小夜はゆっくりとベッドの上に乗り、その白い指を伸ばしてきた。
「そんなに怖がらないで。大丈夫、優しくするから」
「こんなことをして、何が大丈夫なんですか!」
「だって、こうでもしないと夏海さん行っちゃったでしょ?」
くすくすと笑いながら、小夜の細い指がつぅと夏海の頬を撫でた。そこに潜む無邪気な狂気を敏
感に感じ取った夏海は、ひゅっ、と軽く息を飲んだ。
小夜の首には、やはりあの地の石とやらがかけられたままで、そこから滲みだす邪悪な気配に夏
海の全身は確実に絡め取られていた。
「小夜ちゃ、ん」
「小夜、ずぅっと一人だったの。月影さんだけが、小夜の側にいてくれた。だからね、ずっとお友
達が欲しかったんだ」
冷たい指で両の頬を包み込み、妖しさすら滲ませた瞳で見つめてくる小夜に、夏海は激しい眩暈
に襲われた。ぐらぐらと頭の芯が揺れるような感覚に、全身の力が抜けてゆく。このままではいけ
ないと、本能が激しく警鐘を響かせるが、意思に反し体は全く言うことを聞かなかった。
人形のようにまったく身動きの取れない夏海に、小夜は酷く妖艶な笑みを浮かべると、悪魔の囁
きを呟いた。
「お兄ちゃんなんて、いらない。けど、夏海さんが小夜の側にいてくれるなら、お兄ちゃんには何
もしないって約束するよ」
幼さすら残す声が告げた言葉に、夏海の背を恐怖が走り抜けると同時に、一つの確信が生まれた。
士は本気で世界を征服しようとしてる。だけどそれは、小夜のいるこの世界を守る為、ひいては
全ての世界を破滅から救うために違いない。
なのに、肝心の小夜はその士を拒絶し、排除しようとしている。
今ここで小夜を拒めば、きっと小夜はビシュムとなって、士を大首領の座から追放するだろう。
ただの追放ならまだいい。もしも士の世界を超える力を大ショッカーが利用しただけなのだとした
ら、全ての世界が繋がった今士は用済みということになる。そうなれば、当然士の命はない。
絶望に凍りついた夏海の瞳を見て、小夜は満足げに微笑んだ。
「そう、お兄ちゃんはもういらないの。小夜にも、大ショッカーにも……夏海さん、お兄ちゃんの
こと好きなんでしょ?だったら、分かるよね」
そのまま、柔らかな唇が押しあてられる。もはや自分に選択肢など一つもないことを悟った夏海
の瞳から、一筋の涙が零れおちた。
それが、狂気の宴の始まりだった。
480 :
呪縛 3:2010/12/18(土) 05:05:14 ID:t0sj/SXQ
「やっ……やめて……」
絶望に支配されながらも、生理的な嫌悪感を押さえきれず拒絶の声が上がる。しかしその言葉が
意味など成さないことを知っている小夜は、一向にその手を止めようとはしなかった。
「綺麗……夏海さん、胸大きいだけじゃなくて、形もいいんだね。うらやましい」
ぺろり、と赤く小さな舌が胸の頂きを舐め上げる。逃げたくても、背後から月影にがっしりと体
を押さえつけられていて、身動きなど何一つできなかった。
女同士でこういう行為をすることもあるのだと、話を聞いたことはあっても、まさか自分がそん
な状況に陥るなど想像したこともなかった。
「初めてじゃないよね?だって、こんなに濡れてるもの」
細い指が、夏海の敏感な場所をそっとなぞる。ブラックの世界で命を分け与えられてからという
もの、事情がないかぎりほぼ毎日のように士に抱かれていた体は、小夜の愛撫にすら敏感に反応を
示している。夏海はそんな自分が信じられないと、何度も首を横に振った。
「だめですっ……やめて…お願、い…っっ!!」
「小夜も女の人とするの初めてだから、あんまり上手くないんだ。だから……」
そう言って、夏海の肩越しに小夜が何かを目くばせする。何やらよからぬ気配を感じた夏海が警
戒するよりも先に、小夜のしなやかな指とは違うものが前触れもなく夏海へと侵入してきた。
「やあぁぁっっ!」
「特別に、月影さんを貸してあげる。大丈夫、絶対お兄ちゃんより上手だから」
「あ、ああっっ!!」
繊細で焦らすような小夜の手とは全く違う、荒々しく大きな指が濡れた秘部を容赦なく責めあげ
る。より強い刺激を待ちわびていたその場所は、ようやく与えられたその愛撫に歓喜するかのよう
に、濡れた音を響かせ月影の指を飲みこんでいた。
「…さくん……ぃや…たすけ、て…つか」
「大首領様なら、ここではなく城ですよ」
無意識に士の名を口にした夏海の耳に、月影の冷たい声が突き刺さった。嘲笑にも似たその声に、
夏海の意識は否応なく正気へと引き戻される。逃げ場も、そして縋る相手もいないのだと、惨酷な
までの現実を突きつけられた夏海の目元へ、小夜の唇がそっと押し当てられた。
「お兄ちゃんことなんて、忘れよう……ね?」
涙を舐め取った舌が、柔らかく口腔内へ侵入してくる。重ねられた唇の奥で嗚咽を堪える夏海の
体を、月影が無言のままに貫いた。
両腕を後ろ手に縛られ、背後から何度も何度も突き上げられる。あまりの衝撃にベッドに崩れ落
ちそうになったが、月影の腕がそれを許してはくれなかった。立て膝をつくようにして、力づくで
体を起こされた夏海の正面からは、小夜が柔らかな愛撫を絶え間なく与えてくる。
「ふっ……ん、んんっ……」
喘ぎとも拒絶ともつかない声は、全て小夜の唇に封じられた。月影に荒々しく体の奥を支配され、
他の敏感な場所は小夜の手で責められ、次第に夏海の意識は快楽という毒に支配されその機能を停
止し始めていた。
481 :
呪縛 4:2010/12/18(土) 05:06:08 ID:t0sj/SXQ
自分さえ全てを諦めれば、世界も、そして何よりも士の身の安全が守られる。
それならば。
「そう……側にいてくれるのね。嬉しい」
夏海の絶望を読み取ったのか、小夜が唇を離し満足そうに呟く。その一言が合図だったのか、月
影が今までとは比較にならない動きで一気に夏海を責めあげてきた。
まるで幾度となく体を重ねてきた相手のように、敏感な場所を的確に責めてくる。体の奥からせ
り上がってくる感覚は、夏海にもどうしようもなかった。
「だめ………あ、ああああ!!!」
あっという間に絶頂に押し上げられ、あられもない声が咽喉を裂いて迸る。全身を激しく痙攣さ
せる夏海を、それでも月影は許しはしなかった。
「はぁ……あんっ!ああ!!」
「ふふ……ね、月影さん上手でしょ?」
たった今達したばかりだというのに、月影は何もなかったかのように再び夏海の奥を犯し始めた。
士に与えられる快楽とはまったく違うその刺激に、夏海は涙を零しながら狂ったように頭を振った。
「やめ……も、う………んんっっ!」
「大丈夫、もっと気持ちよくなれるから。ほら……」
「ふぅ……んっ…ん、くぅ……」
「士さんはお若いから、あまり長くは持たないでしょう?今日は存分に楽しませて差し上げますよ」
耳朶を這う月影の舌の感覚に肌を震わせながら、夏海はこの狂気に染まった夜の終わりが遠いこ
とを悟り、今はもう手の届かない愛しい相手の姿を思い浮かべ幾つもの涙を零した。
「ずぅっと小夜の側にいてね……約束よ」
切なくも狂おしい少女の呪縛に囚われ、夏海は静かに思考回路を停止させた。
乙!
病んでるなぁwww
比奈がかすーかにデレた記念
年内は絶望的かと思ってたのにごちそうさまでした
メズールはメダルを大量に失ったんだから消耗を抑えなきゃ駄目だ
人間体でいるならとりあえず身体以外の構成要素は省略すべき
つまり服を省いて……
ガメルもメズールもまさかの展開・・・泣きそうだ
アンクが比奈をかばって「…ありがと」のシーンで身悶えたw
朝の子供向け番組でなければ前回のぶっこ抜きでは黒タイツが破れたメズ人間体が
今回のレイープで服も下着もボロボロにしたメズ人間体が出現したのかも。
ひなちゃん助けに来た英司が白馬の王子様に見えたろうな。
ますますデレデレになりそう。
力失ってカザリにレイプされるメズールとか思いついちまったよ…
「最近人間の性交ってのに興味持ってるんだ。ちょうど良いや、君で試させてよメズール」とか。
>>477 投下乙&グッジョブ!寝取られエロス
【以下避難所より転載】
甘さ控えめエロ薄め。
「……ありがと」に激しく萌えて、可愛い話を書いてたつもりなのにおかしいなorz
今日は二度もアンクが比奈を庇ってて非常に幸せでございました。
悲鳴に似た嬌声が男の耳を打つ。
何処かにあどけなさを残したその声は悲痛としか言いようがなく、アンクは声を立てて笑い出したくなるのを堪えた。
傲慢で冷酷な笑みを浮かべ、組み敷き貫いた娘を見下ろす。
乱れて顔に貼りついた黒い髪、そこから覗く紅潮した頬、そして涙に濡れた大きな瞳。
日頃の生意気な態度からは想像もつかない、耐えるようにただ弱々しくその身を投げ出した比奈の姿は、
アンクの鬱憤を晴らし、その欲望だけが渦巻く心を満足させるのに充分だった。
比奈の気の強さも、人並みはずれた腕力も、信吾という盾の前では恐れるに足りない。
そうやってアンクは比奈の躯を手に入れた。
別に比奈が欲しかったわけではなく、比奈にとって最も屈辱と苦痛を覚えるだろう行為として選んだだけだ。
殺してはいないし、肉体も最初を除いて傷つけてはいないのだから、映司に文句を言われる筋合いもない。
卑怯者と力ない声で罵る比奈の言葉さえ心地よく、昼間の比奈の暴力すら可愛いものだと思える。
なんて楽しい。
なんて愉快なのだろう。
速い呼吸に合わせて上下する乳房にくちづけて、その頂点を口に含んでもてあそぶと、紅を刷いた白い躯が
震えるようにびくりと跳ねる。
すらりと伸びた足がもどかしげにベッドを蹴り、シーツの上に艶やかな波を描いた。
赤く濡れた口唇からは切なげな喘ぎと吐息がとめどなくこぼれている。
「比奈」
アンクは努めて低い声で名を呼び、比奈の注意を自分に向けさせてその顔を覗き込んだ。
潤んだ双眸にアンクの姿が映る。
アンクの目に映る比奈の姿は、彼女の瞳に、そして心にどう見えることだろう。
兄の仇と憎む怪物に抱かれ、乱され、快楽に溺れる比奈自身の姿は。
大切な兄を守る為に、比奈は怪物にその身を差し出しただけでなく、兄妹で愛し合うという罪を犯し、
自らがアンクに加担する恰好で信吾にも同じ罪を背負わせた。
その苦悩と葛藤がどれ程のものか、人ならぬアンクは知る由もない。
ただ、自らの行為に苛まれ苦しむ比奈の姿はそれだけで酷くアンクを酔わせた。
絶望と希望の間を揺れ動くその心が、傷ついて涙に濡れるその顔が、世界に見捨てられたように頼りなく、
兄の躯を持つアンクに縋りつくしかないその姿こそがアンクの快楽だった。
だからアンクは、時に比奈を手酷く扱い、時に信吾を真似てやさしく振舞ってみせる。
穏やかな声で比奈の名を呼び、大きな手のひらで頭を撫で、羽根のような愛撫で快楽を与える。
比奈にとってはアンクから与えられる快感が同時に苦痛であることを知って尚、比奈の心を惑わせ、
その躯がアンクから離れられなくなるように。
アンクは、何かから逃れるようにシーツを固く掴んだ比奈の手を取り、自分の首にしっかりと絡ませてから
激しく腰を揺すった。
耳許で比奈が声を上げる。
熱い吐息が掛かる。
もっと啼いてみせろと心の中で命じながら、何度も腰を打ちつけて比奈の中の欲望を煽った。
「あ……アン、ク……っ」
比奈がアンクの名を呼ぶ。
そうするようにとアンクが言い聞かせたからだ。
比奈の口から他の男の名は聞きたくない。
比奈に他の男の名を呼ばせたくない。
信吾は勿論、例えばそう、映司の名も。
アンクの脳裏を、映司のまっすぐな眼差しがよぎる。
比奈と信吾を守る、と映司は言う。
その言葉と想いが本気で、本物だということは知っている。
だからこそ面倒で厄介なのだ。
だが――と、アンクは映司の必死な表情を思い出し、鼻で嗤った。
だが、どうやって守る?
既に比奈はこの手に堕ちているというのに。
俺の勝ちだとほくそ笑むアンクだが、しかしその端から或いはという疑念が湧き上がる。
或いは映司なら、アンクから比奈を救い出し、宣言通りに守り抜くこともやってのけるのではないかと――。
「比奈……」
奇妙な焦燥感に駆られ、アンクは比奈を抱く腕に力を込めた。
声には出さず呟く。
映司などに守らせるものか。
比奈は俺のものだ。
俺だけのものだ――。
「アンク……っ、ア……ン、ク……アン……」
譫言のように繰り返される比奈の声がアンクの興奮を加速させる。
流れる涙ごと比奈の頬に喰いつくようなキスをして、アンクは自らの欲望を解き放った。
【転載ここまで】
494 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/19(日) 23:26:20 ID:OdaKJJDE
「下がってろ!」て厳しいアンクの声にキュンとしてた今日のヒナ見る限り
彼女は強い男に弱いとみた
「拡げてろ!」とか「くわえろっ!」みたいな
命令されたら溶けちゃいそう
>>491 乙!
やっぱり今日の回はなかなかに燃、いや萌えたなwww
ところで映画見てきた
ネタバレしない程度に萌えポイント語ってもいい?
>>496 わかった
以下一応ネタバレ注意、映画自体の評価も抜きで…
悪役のありんす姉さんがWキャラ最高の露出度でした。
ぴっちり肌色のタイツにプリプリのハミ尻
下手したらヒートちゃん超えたかもしれん…繰り返す、ハミ尻だ!
亜樹子はウェディングが普通に可愛い
照井に対しては意外とツン、いや構ってデレかもしれんwww
それにストーリーでも重要な役回りにもなってる。
照井、結婚後は尻にしかれそうだ
でも台詞から亜樹子にベタ惚れみたいだと痛感したぜ
あとはシュラウドさん。
おやっさんの関係が意外と真面目に萌える
顔はすでに包帯で見えないけど、若い頃は活動的でスタイル抜群だった事も。
アクションがセクシーでした
オーズは店長がコスプレで谷間解放してた!でも出番が…orz
ゲストヒロインは流れをgdgdにする原因にもなってて萌えづらいかと
これはかなり残念…
個人的に映画は映司x比奈が熱すぎてワロタwww
バイトといいながらデートしてるようにしか見えなくて楽しめたぜ!
極めつけは比奈ちゃんがエンディングで映司にかけた恋人スマイル。
あれには撃沈しました。
残念ながらアン比奈要素はゼロかと。
アンクの出番自体が…グリード一同も同じく
こんな感じかな?
>>493 GJ
二人それぞれの欲望が合体するとこうなるんだな!
アン比奈ってこう、関係性や今後を思うとエロも甘いもコントも微かに切なさが付き纏ってる感じがして
そんなとこもまた心をくすぐられると言うか…とっとにかく全力でGJ!
昨日は映司のヒーローぶりさすがだなって思ってたのに、「ありがと」「あ?」の不意打ち攻撃で頭真っ白にされて
カザリの悪党具合がエロに使えそうだなぁとか
「あなたが全部欲しいのよっ!」なメズールハァハァ
ガメズールどうなるのと心配になりつつ、どんどん欲しがっちゃってくださいもう本当に
映画ネタバレで自分も
自分はノブナガと先輩で萌えたな。ノブナガが太牙兄さん重ねてたせいもあるけど
友人に言われたがカブトの間宮麗奈回っぽい
まともに告白だのなんだのしてたらノブナガがもっと人間っぽくなってったのかとか考えると萌える
ただオーズは全体的に尺がたりなかった印象
ダブルはありんす姐さん萌えすぎた!あの尻!尻ずっと見てたよ
ところでメリッサと荘吉がくっついたら不倫になるんじゃないのかw
>>499 ありんす姉さんの尻は最高すぎたな
むっちむちにも限度があるだろwww
あの2人を説明するシーンがほぼゼロなのは残念
挙げ句滅茶苦茶な話になってしまったのは更に…
ただあの映画、映司や里中クンがなんか違って見えなかった?
里中クンがびびったり映司が挙動不審だったり、TV版と違う人に感じたよ…
おやっさんとメリッサは、最初時系列でパニックになったわwww
まぁあとからフォロー入ったから良かったと思うけど
>>500 通常の脚本が小林靖子、映画の脚本は井上敏樹
だからじゃないか?
ダブル、映画は1999年の設定なのになんとなく昭和な香りだったな
そりゃ本編一話出来上がる前に書いてるんだからキャラ違うのはしょうがない
メズールに屈辱と快楽と快楽を与えるために、カザリには股間に腕を突っ込んでグリグリして欲しかった…
ってか、最近そのシチュ妄想に萌えすぎて困る
>>503 子供も見るからそんなの絶対放送しないよ…
妄想だけにしておきなさいよwww
東映公式、メズール様人間態の写真がエロいです。
ヒナちゃんサンタと、見えそうで見えない秘書さんもw
誰か〜 ドライバー&メモリ返却して
雨降って地固まるな照井夫妻のエロ書いて〜
新婚旅行はどこに行ったのかな照亜樹夫妻は
温泉とか。照井が忙しそうだから海外は難しそうだ。バイクモードで嫁さん乗っけて行くんだろうか
しかしかわいい夫婦だな。末永くお幸せに
つまりこういうことか
夜・旅館にて
照井「夜酒はしみるな」クイッ
<ガラッ
亜樹子「りゅーくーんおまたせ、お風呂気持ちよかった!」
ふすまを開けて入ってきた亜樹子が、濡れた髪を拭きながら座敷の竜にもたれかかる。
火照った艶やかな顔が左肩に乗っかり、照井は思わず右手のお猪口を取り落としそうになる。
亜樹子「おっと、美人がお酌しますよ〜!」
上機嫌な亜樹子が、机の上の徳利に腕を伸ばす。
照井は意を決するように残った酒を煽ると、左腕で亜樹子の肩を抱き寄せた。
亜樹子「お、おっ?」
困ったように自分の事を見上げる亜樹子。
意図しない上目遣い、わずかにはだけた浴衣の内の白い肌。
照井「…振り切るか、亜樹子」
亜樹子「えっ、えっ」
そのまま敷かれた布団に亜樹子を連れていく。
机の上でこけた徳利が、ころころと下の畳へと転がり落ちた。
そんなことよりもうすぐクリスマスだ!
誰かー夫婦なのにエロが全く想像できない冴子霧彦夫妻をなんとかしてー
まずは自家発電から始めるっきゃない
そうか、もうすぐか、メリークリスマ
サンタさん、サンタさん
なごめぐ夫妻もお願いメリークリスm
513 :
753:2010/12/23(木) 01:05:37 ID:oXQLHQmd
クリスマスか…。
聞いたことはある。
若い男女が、人目も憚らずベタベタするけしからん日だと。
そんなことより教会に出かけて、世界平和を祈りなさい。
そして自分が世界平和のために何が出来るのか考えなさい。
……ん?恵?
クリスマスは仕事?
……そうか、気にするな。気にしなくてよろしい。
……だから、気にするな!俺は落ち込んでなどいない!
泣いた
753には申し訳ないが
映司と比奈、アンク(怪人態)と比奈の小ネタを2本投げ
どっちもエロなし(アン比奈の方はちょっとだけアリ)なので適当にスルーで
NGはそれぞれ
映司と比奈:"Welcome Home"
アンク(怪人態)と比奈:"Bird in the cage"
また助けてもらっちゃった。
比奈は前を歩く映司の後ろ姿を眺めつつ、ふぅ、と溜め息をついた。
アンクが何故か血相を変えてライドベンダーで先に帰ってしまったため、二人は
映司が乗ってきたバイクが置いてあるあの橋まで、歩いて戻るところだった。
彼は山道を歩きながら冬の高く青い空に向かって両手を上げ、「んあーっ」などと
言いながら大きく伸びをしている。
山からの冷たい風が吹く。比奈は襟元に手を当てぶる、と体を震わつつ、そんな
彼を微笑ましげに、そして感謝の念を込めて見つめた。
ありがと、映司君。
拉致され、車に監禁されていた自分を彼は追ってきてくれた。
そして助けられた。彼はいつも助けてくれる。守ってくれる。必ず、来てくれる。
この間の病院の時もそうだった。映司君のおかげでアンクが戻ってきた。あの
女医さんも救われた。院長先生も、女医さんの手術で助かった。
みんな、映司君のおかげ。
彼はいつも頑張ってくれる。彼は頼れる人。彼は信じられる人。
信じて待っていれば、必ず来てくれる人。わたしを守ってくれる人。
だけど、でも。
比奈はふと、足を止めた。
わたしは、何もできなかった。
いつも映司君に助けられるだけで、わたしは何にもできてない。
この理不尽な運命に巻き込まれてからの日々。
兄の体に取り憑いたアンクという存在。メダル、ヤミーにグリード。まるで理解できない、
まともに考えたら頭がおかしくなりそうなこの状況にも、徐々に慣れつつある。
だが慣れてきたが故に、ただ脅えたり待っているだけの自分に歯痒さを感じている。
もっと自分にも何かできるのではないか。
映司君に甘えてるだけじゃ、やだ。
まえに映司君、言ってた。
手を伸ばせる時に伸ばさなかったら、きっと後悔するって。
ほんとだ。
ほんとだね、映司君。
でもわたし、何もできなかった。
いっつも映司君に、迷惑かけてばっかり。
今日はアンクにも、助けてもらっちゃったし。
立ち止まりうつむいている比奈の体にまた冷たい風が吹きつける。
鼻の奥がツン、と痛む。映司に頼ってばかりの自分が情けなく、ちっぽけに感じる。
比奈は寒さと自分が何もできない切なさに、目に涙が滲みそうになった。
その時、吹きつける冷たい風が止まった。
いや、止まってはいない。周囲の木々の葉が風にざわめき揺れる音が聞こえる。
あれ?どうして?
比奈は顔を上げた。するとすぐそばに、映司がいた。
彼は風上に立ち、自分の体、その背中で比奈に吹く冷たい風を防いでくれている。
「比奈ちゃん、寒いの?」
彼は慌てたようにそう言うと上着を脱ぎ、比奈の肩にかけた。
だめだよ。
だめだよ映司君、そんなに優しくばっかしちゃ、だめだってば。
そんなふうにされたら……わたし。
また目に涙が浮かびそうになり、比奈は必死にその涙を押し殺そうとした。
こんなところで泣いたら、また彼に心配をかけてしまう。
うつむいて涙を堪える比奈の目に、慌てている映司の手のひらが映る。彼の手は
握ったり開いたり、泣きかけている比奈をどうしていいのか判らず、迷ったように
上がったり下がったりしている。
ひらひらと舞うその手は、風に弄ばれる木の葉のように見えた。
比奈は衝動的に、彼のその手を掴んだ。しっかりと自分の手のひらで包み、掴まえる。
冷たい手。
映司君の手もこんなに冷えてる。
涙を堪えながら比奈は映司のその手を握り、彼の顔を見上げた。
その時、ふとその言葉が口をついて出た。何かを考えていたわけではない。ただその
言葉を、彼にどうしても伝えたくなった。単純で、あたりまえの言葉。
潤んだ瞳のまま、比奈はくすんと鼻を啜ると、自分の彼への精一杯の想いを込めながら
その言葉を口にした。
「映司君、おつかれさま」
一瞬きょとん、とした表情になった彼の顔が、和んだ、嬉しげな顔に変わる。
「あ、はは。いやぁ、別に」
彼はそんなことを言われたのは初めてだ、という顔をしている。
人に感謝されたり礼を言われるためにやっていることではないが、確かにオーズとしての
日々を送り始めてから、誰かにねぎらいの言葉をかけられたのは初めてかもしれない。
「はは。いやー、おつかれさま、か。いいね、何か。うん、それ、いい」
彼は嬉しそうだ。そんな彼を見て、比奈も嬉しくなった。胸があたたかくなる。
わたしにできること。
映司君と一緒に戦ったりはできない。だけど、彼が寒い外から、戦いから帰ってきた時。
今みたいに、彼の冷えた手を、彼を。あたためてあげることはできるんじゃないか。
そうだ。彼が義務みたいに戻ってくるんじゃなく、彼自身が「戻りたい」って思ってくれる
そんな場所を。「おつかれさま」って迎えてあげられる場所を、作れるかもしれない。
それなら自分にもできる。あたたかい部屋。あたたかい飲み物と食べ物。戻ってきた
彼がくつろげる、そんな場所を作ることなら、わたしにもできる。
少し気持ちが楽になった。
ただ頼って、甘えて、待っているだけじゃない。自分が彼の居場所になれるかもしれない。
そんな希望が胸に芽生え、比奈は嬉しくなった。
映司に向かって微笑んだ彼女に彼も安心したような顔を見せ、二人は手をつないだまま、
また並んで歩き出した。
彼の居場所。彼が戻ってきたいって、思ってくれるあたたかい場所。それを作ろう。
握った彼のまだ冷たい手を嬉しげに振りながら、比奈はにこにこと頷いた。
「映司君は、わたしがあっためてあげますから」
「えっ!?」
立ち止まり目を丸くした映司の頬がみるみる紅く染まった。
「えって。え?」
首を傾げながら映司の顔を見上げた比奈は、彼のその表情を見て彼がその言葉を
どのように捉えたか、ようやく理解した。
あっためる、あっためるって。ちがう。あぁ。ちがうぅ!!
「ち、違うの、違うの映司君!そういう意味じゃな……!!」
恥ずかしさに大声で喚いた比奈は思わず、彼の手を握る自分の手にむぎゅ、と力を
込めてしまった。
「い、いててて!比奈ちゃん、痛いって!」
「わー!映司君っ。ごめんなさい!」
涙目で映司の手をさすりながら、比奈はそーっと映司の顔を見上げた。
互いに頬を染めたまま二人の視線が絡み合う。また冷たい風が二人の火照った頬を
そっと撫でていく。
ほんのしばらく。二人の間で、時が止まった。
「うぉほん」っと。わざとらしく咳払いをした映司が、照れくさげに笑みを浮かべた。
「あー、うん。じゃ、帰ろっか」
「ん。う、うん」
また二人は歩き出す。ほんの少しあたたかくなった互いの手をつないだまま。
あー。びっくりした。わたしったらなんてことを。
ドキドキが治まらないまま、比奈は妙に意識してしまった。そして目に浮かぶ。
映司が帰ってくる。彼をにこやかに「おつかれさま」、そして「お帰りなさい」と迎える、
エプロン姿の自分。まるで新婚夫婦のような二人。
玄関を閉めた彼が、冷え切った体で抱きしめてくる。その優しい抱擁をこの体で迎え、
彼の唇が頬に、耳元に、そして唇に重ねられるのをうっとりと受け入れ、早くも彼の手が
この体のあちこちをまさぐり始めるのを「こらぁ」と優しく叱りつけながらも、彼の冷えた
体を自分のこの体であたためてあげられる喜びに甘く吐息を漏らし、彼の首に腕を
まわし、繰り返されるキスと共に、その場に優しく押し倒され……。
わ。わっわっわっ。わぁっ!
頭をぷるぷると振って浮かんだ妄想を振り払った比奈の頬がカーッとまた紅く染まる。
映司と手をつなぎながら歩く比奈は、もうすっかり、寒さを忘れていた。
照れくささに「んーっ」と口をへの字にしている彼女をちらちらと横目で見ながら、映司も
どこかぽかぽかとした気分で、つないだ比奈のやわらかな手のひらを、そっと握り返した。
─終
見知らぬ部屋。
古びて薄暗い洋館の広間。壁の漆喰は剥がれ落ち、艶を失って黒々とした床板は痛み
隅には堆く埃が積もっている。
部屋の隅にある大きな置時計には蜘蛛の糸が張り、こそりとも音を立てない。
押し開きの窓の下、床に壊れて檻の捻じ曲がった鳥の籠が転がり、薄日を浴びている。
壁にかけられた絵画は斜めに傾げ、描かれた中世の貴族らしき女性が、悲しげな瞳で
こちらをじっと見つめている。
その部屋の中心に、比奈は独りぽつんと立っていた。
これは夢。ただの夢。
これが夢であることはぼんやりと意識している。ただ夢の中でも自分が不安を感じ、また
脅えているのが判る。
わたしは、待っている。
何を?誰を?
わからない。自分は何かを待っている。ここで起きることなのか、それとも誰かがここに
現れるのか。いずれにしても比奈は自分が激しく脅えながらも、その時が来るのを心の
奥底で期待しながら待っていることに気付く。
ふと、部屋の中の雰囲気が変わった。
来る。
周囲を取り巻く空気が濃密になる。窓から僅かに射し込んでいた夕暮れの陽が落ちて
光が薄れていく。何かが来る。途方もない何かが。
あぁ、来る。彼が来る。来る!
そんな考えが思い浮かんだ自分自身に対して「彼って誰?」と問いかけながら、比奈は
胸に渦巻く恐怖と、相反する期待にその体を震わせた。
来た。
比奈は振り向いた。部屋の扉に向かって。
だが既に、それは部屋の中にいた。窓からの光が届かない、最も暗い場所に。
比奈は短く、切り裂くような悲鳴を上げた。
巨大なその者の影。
恐怖のあまりへなへなとその場に膝から崩れ落ちた比奈に向かい、影はからかうように
腕を上げた。僅かな光の中に、その上げられた腕の姿が浮かぶ。
比奈はその腕を、その腕の持ち主を知っていた。
「アンク……なの?」
影が一歩、比奈に近づく。僅かな光の中に出てくる。その姿に彼女はまた慄いた。
彼女が知っている彼とはまるで異なる姿。兄の体を借りていた時より一回り以上大きい。
細部までは見えない。だがそれは、明らかに人間ではなかった。
グリード。これが彼の、本当の姿……。
影はまた一歩、比奈へと近づいた。
「俺は取り戻した!」
「え?」
「俺はついに取り戻したんだ!本来は俺のものだったコアメダルを、すべて!」
彼は高らかに叫び、ばさりとその翼を広げた。
その翼のあまりの大きさに比奈は息を飲んだ。決して狭くはない部屋の端から端までに
広がったその翼。羽ばたけば一瞬で吹き飛ばされてしまうだろう。
「あぁ……、そんな」
比奈は全ての希望を捨てた。こんな者を相手に、抗えるわけがない。
アンクが翼を丸めながら比奈に近づく。座り込んだ彼女の前に膝をつき、その顎を掴む。
翼が閉じてくる。ドームのような形に丸められたその羽根が二人を覆い隠す。
比奈は自分が囚われたことに気付いた。
彼女の胸に「籠の中の鳥」という言葉が浮かぶ。まさに今の彼女がそれだった。
彼の翼という檻の中に、彼女は完全に閉じ込められていた。
「俺は今まで自分の物を取り戻すことだけに躍起になってきた!だがこれからは違う!」
彼は比奈の恐怖に脅えた瞳を覗きこみながら満足げに喉を鳴らした。
「これからは欲しいものは全て手に入れてやる!この世の全てを、全部だ!!」
「欲しいもの……?」
「おまえだ!比奈!まずはおまえだ!おまえから手に入れてやる!」
彼はそう叫ぶと、いきなり彼女を抱きしめ、唇にその口を有無を言わさず押しつけてきた。
抵抗できない。
自分を抱いている彼の腕の力の強さもあるが、何故か比奈は抗う気にはならなかった。
これが夢だからか。そうかもしれない。だが別の理由もあった。
わたしは知っていた。心のどこかで。いつかこの時が来るのを。
彼に囚われ、奪われる日が来るのを。知っていた。そして。
待っていた。
比奈は目を閉じ、強張った体から力を抜いた。そのまま彼の胸にもたれかかる。
その胸に、その腕に抱かれる。この時が、ついに来たのだ。
身体を取り巻く彼の翼の羽根。それがどこか優しく、やわらかく。頬や身体を撫でる。
それが何故か心地良い。
「わたしが欲しいのね?」
唇を離した彼に目を閉じたまま問いかける。彼は哄笑と共にまた叫んだ。
「おまえだけじゃない!全部だ!俺が欲しいものの全部を……!」
「だめ、それじゃ。ちゃんと答えて」
「あぁ!?」
予想外の比奈の言葉に苛立ちの声を上げた彼の瞳を見据えて、彼女は再び問いかけた。
「わたしが、欲しいのね?」
姿を見せて以来初めて、彼は言葉に詰まった。
イライラと唸り声を上げながら彼は比奈を睨みつける。比奈は彼の怒りを感じる。だが怒り
だけではない。彼は戸惑っている。何故か彼女は、彼の心の中が手に取るように判った。
彼は何故、最初に手に入れるものに比奈を選んだのか。
彼は何故、この両方の腕で比奈の体を抱くことをこれほど切望していたのか。
再び唸った彼は、喉から振り絞るようにもう一度叫んだ。
「おまえは、俺の……ものだ!!」
彼はまた唇を重ねてきた。比奈にもうこれ以上何も言わせぬように。その口を塞ぐために。
荒々しく、だがどこか甘い口づけを受けながら比奈は感じる。彼の心の動きを、その怒りを、
戸惑いを。自分でも制御できない欲求を。
彼の愛を。
翼に閉じ込められたまま床に押し倒される。彼の逸る心を感じる。
彼はわたしを欲しがってる。この身体だけじゃない。わたしの全て。わたしの存在の全てを。
これほどの強い想いで求められたことがあっただろうか。あるわけがない。
着ている物を毟り取られながら比奈は思う。わたしが欲しいのね、アンク。いいわ。
わたしをあげる。あなたに。あなたの言う通りだもの。
わたしはあなたのものだった。たぶん、ずっと前から。
全ての服を取り払われ、比奈は彼の前に肌をさらけ出す。彼女は自分の裸の身体が彼の
瞳の中に映っているのを見た。
彼は見ている。わたしを見ている。
彼がのしかかってくる。また唇を塞がれる。比奈はそのキスを受け入れる。彼の手に乳房を
掴まれ、背筋に戦慄が走るがそれはどこか甘い。
彼に脚を開かれる。その間に彼が体を割り込ませる。彼が来る。
前戯すらなく、荒々しく、ただひたすらに求める激しい欲望と愛と共に、彼が来る。
貫かれた瞬間、比奈はそのあまりの激しさと身体に受け入れた彼の存在と胸に沸き起こった
喜びによって絶叫し、そして。
目が覚めた。
ぼんやりと彼女の目に見慣れた自分の部屋の天井が映る。やわらかく、あたたかいベッド。
夢、だった。
頬が熱くなる。わたし、何であんな夢を。
妙にリアルな夢だった。まだ夢の中で彼に抱かれた腕の強さを体に感じるほどだ。
体を起こし、はぁ、と溜め息をつく。ちらりと、目が覚めなければ良かったと。もう少し、もっと
長くあの夢の中にいたかったという考えが浮かぶ。
やだ、わたし。何でそんな。
そして気付いた。彼の腕の強さと同じく、体のまた別の場所に夢の、彼の名残りがある。
比奈はまた頬が熱くなった。
「着替えなきゃ」
彼女は下着を替えるために、立ち上がった。
そこだけではなく、寝汗で背中や胸元も湿っている。着替えるついでにシャワーを浴びる
ことにした。バスルームの灯りをつけ、中に入る。
鏡に自分の裸体が映る。そして夢の中での出来事を思い出す。
彼の瞳に映っていた、この身体。
わたしは彼に、この体をあげた。
夢の記憶を打ち消すように頭を振り、蛇口を捻る。流れ落ちてきた熱い湯に体を浸す。
シャワーを浴び、ぼんやりと立ち尽くしながら比奈は思う。
わたしは何であんな夢を見たんだろう。
わたしは心のどこかで、彼に抱かれたい、彼のものになりたいと思っているのだろうか。
そんなの嘘。嘘!
また蛇口を捻り、シャワーの勢いを最大にする。その中に頭も突っ込む。
流れ落ちる熱い湯の轟音の中で、比奈は自分の体を抱きしめながらその身を震わせた。
本当に、いつかあんな日が来るのだろうか。
アンクがメダルをすべて取り戻して、本来の姿に戻る日が。
その時、彼はどうするのだろう。もしあの夢みたいに、わたしを求めてきたら。
わたしが欲しいって、言ってきたら。そして……あんなふうに愛してくれたら。
彼はどうするのだろう。
わたしはその時、どうするのだろう。
比奈は気付いた。もう既に、自分は彼に囚われているのだ。
あの夢の中で胸に浮かんだように。彼のあの翼に、あのやわらかな優しい羽根の檻に。
わたしは囚われた。アンクに。
籠の中の鳥。
濛々と立ち込める湯気の中、比奈はうつむき、いつまでもその身を震わせていた。
─終
乙乙まさにW乙!!
映比奈は久々にいいカップルになりそうだなー、正統派というか
どっちも可愛いけど、どちらかと言えば映司がリードしてそうなイメージかな?
個人的にオーズはこの二人メインの回が楽しみ
アンク完全態はどんなデザインなのかね…
ゴーオンレッドみたいな顔してる説あるけど
もしそうなら人外プレイに支障があるなwww
とにかく乙です!
>>515 映比奈&アン比奈 超GJ!!!!いやあ眠気が吹っ飛んだ!
今まで映比奈好きだったけど、これ見て大好きになったw
映司の優しさと比奈の想いに胸が熱くなったよ…
映比奈はプラトニック・ラブな感じが本当にいい
いや、映司が実はドSでいきなり比奈を押し倒すとかも、かなりいいけどww
アン比奈はちょっと悲恋ちっくなイメージ(アンクって人間じゃないしね)
だがそこがいい
アンクが元の姿になった時、比奈はどんな反応するのかな
今からwktkが止まらないww
映画バレになるかもなので一応改行
照井がいまだ「所長」呼びなのは
名前で呼ばれるとあんなことやこんなことをされたことを瞬時に思い出してしまうので
照れまくった亜樹子が夜しか呼ばせてくれないからなんだろうなーと妄想した
>>515 GJ!かわいいなぁ
映比奈はゆっくりのんびりと二人が関係を育んでいく感じを
「はやくやっちまえよ映司!」な気分で見守る楽しみがある
アン比奈のムードも好き
腕があんな感じだからアンク完全体は全身ゴツゴツトゲトゲなのかね
526 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 00:47:24 ID:gdXCBn/P
メリークリスマス!
527 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/24(金) 17:34:48 ID:eycVwtyq
メリークリスマス!
オーズ組(映・比奈・アンク)やW組(翔・亜樹・フィリ・照)、ディケ組(士・夏・ユ・海)は
それぞれどんなクリスマスを過ごすんだろうなあ
なんか どれも想像すると微笑ましいww
>>528 光写真館
夏海「クリスマスケーキ、作っちゃいました!」
ユウスケ「おぉー!!!美味しそう!」
士「夏みかんの割には、よく出来てるな」パクッ
夏海「あ!切る前にイチゴ食べないでください!」
栄次郎「紅茶が入りましたよ、っと」
海東「甘いものだけでは物足りないだろう。チキンにおにぎりの差し入れだ、感謝したまえ」
鳴海探偵事務所
亜樹子「もう!フィリップくんはリボルギャリーに籠もっちゃうし、翔太郎くんもどっか行っちゃうし!」 <ガチャッ
照井「……所長、遅れてすまない」
亜樹子「竜くんも!新妻をほっといて何処ほっつき歩い…」
照井「すまない…これを、取りに行ってた」
亜樹子「わ、すごい花束…」
照井「メリークリスマス、亜樹子」
亜樹子「竜くん…」
翔太郎@街中「さて…上手くやれよ、亜樹子」
クスクシエ
「「かんぱーい!!!」」
店長「メリー・クリスマース!さぁ、アンクちゃんもこれ!」
アンク「この鹿の角はなんだ!なんでこんなの着けなくちゃならない!」
映司「まぁまぁ。せっかくクリスマスなんだし、愛想良くしてよ」
比奈「ご飯が出来ましたよー!」
映司「いただきます!……うん。いつもだけど、やっぱり比奈ちゃんの料理は美味しいよ」ニッコリ
比奈「ありがとう、映司くん!」
アンク「…ケッ」モグモグ
なんかすまん
思い付くままに書き殴ったらエロくも何ともなくなってしまった…
>>530クリスマスにプレゼントをありがとう!今日はいい夜だ
フィリップは、新婚さんに気を利かせたんじゃなく
現代におけるクリスマス文化とかを検索してるんだろうなぁ(笑
>>531 最終回なら脳内家族クリパの可能性も
ひょっとして脳内で冴若とデートも可能か?
>>532 このスレは初心者なんだが
冴フィリはフィリップがいじめられるとこしか想像できねぇw
>>533 買い物
冴子「さ。次の店、行くわよ」
来人「待ってよ姉さん…」
食事
冴子「随分食べるのね。財布が空になりそう」
来人「ごめん姉さん…」
ゲーセン
来人「大当たり!計算通りだよ姉さん」
冴子「荷物が増えたわ…」
おやつ
来人「アイスお待たせ。姉さんはミントや柑橘系が好きだったね」
冴子「よくわかったわね。流石…」
ホテル
来人「どこが弱いのか言ってみてよ、姉さん」
冴子「知ってる、くせに…んっ」
今夜は筆が進むわ
>>534 ホテルと最後の一言で盛大に吹いたw
どうも俺の中じゃ冴フィリはエロにならないらしいww
>>535 なんかもう書きたくて書きたくて仕方ない
お題要求したいくらいだ
明日予定あるのに
冴子さんは意外に母性愛ありそうだから
年下なフィリップには弄ばれそうなイメージがある
普段肉食な分、優しく愛されたらトロトロになりそうwww
>>531 検索してたら「性の六時間」なる単語が出てきて
実際に観察するために事務所に出てくるんですねわかります
エクストリーム鳥でいろいろ観に行くフィリップ
「これが松葉崩し…実に興味深い」
「クリスマスは楽しいねえ」
メリークリスマス、ライダーエロパロスレ!
>>534 冴フィリいいなあ
自分は
>>529と
>>531見て、いいとこで出てきちゃったフィリップを想像してしまった
翔太郎、照亜樹に気を使うならフィリップも連れ出すか亜樹子の方を帰しとけw
>>540 冴子さんは劇中(最終回除く)で最後までフィリップを人外扱いしてたけど
もし園咲家が普通の家庭だったならきっとエロ、いや良いお姉さんになってたと思うんだ
だが若菜との馴れ初めを見るに、フィリップの近親フラッガーは才能だと思うのよ
だから場合によっては冴フィリルートもありかなー、とか
どっちにしろベッドの中ではあの姉妹は弟に勝てない気がするwww
考えてみたらあのままほっといたら近親相姦するかもしれなかったんだよね。
フィリップと若菜姫。
543 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/26(日) 02:02:04 ID:xytwD6YD
メズール様をタコ缶プレイで拷問する映司とか妄想しちまった…
メズール…
裸の背中に湿布ペタペタとか密着チョークスリーパーとか
エイジとヒナが萌えすぎる
そしてガメルとメズールはどうなったんだろう
最期まで互いが大好きだった結果融合までしたメズール様とガメルに黙祷・・・
オーズの1番の和み要素が・・・
コアとセルさえ集まれば、バラバラにされても永遠に不死の存在なのかもしれないじゃないか
というわけで復活にも期待
人間体メズール様、最初は不安だったけど今回の熱演と想定外の色気には拍手したい
他にも映比奈の絡みや会長に引き始めた里中君と、女子の動きが活発な回だった
主要な敵側が二人同時に終了したのに、あんなのあっさりしすぎだわ
きっと復活する。私の勘は当たる。これ結構ホント
してくれなきゃ困る。
ガメルとメズール様の持つ最大の欲望はきっと愛だね
メズール様がああああああああああああ
嫌だああああああああああああああああ
メズール様とガメルは生きてて欲しい…いや、きっと生きてる!
今日のガメルとメズールのやりとりにドキッとしたわww
そういえば今日何処かで映比奈が舞台挨拶したんだっけ?
二人きりとかどういうこったww誰か行った人とかいないかなあ
ガメズル退場で涙が止まらないけど
今日は素晴らしい映比奈があったから我慢する(´;ω;`)
ガメズル追悼の中、失礼します。
ヘタレアンク×やや病み比奈でエロなし、ややダーク。
16話の内容に触れているので未視聴の方はご注意。
ガズメル切ない、グリード切ない。
アンクは比奈ちゃんに慰めてもらえばいいよと思った結果がこれだよ!
何処で間違ったのか自分でも判りません。
薄暗いクスクシエの店内で、散乱した食器や照明器具の片付けに追われる比奈の腕を誰かが乱暴に掴んだ。
それがアンクだと知った比奈が、片付けを手伝うようにと口を開くよりも早く、アンクは比奈の腕を掴んだまま
無言で店の奥、屋根裏部屋に続く通路へと引きずり込む。
比奈の躯を壁に押しつけ、アンクがその口唇をくちづけで塞ぐ。
呼吸ごと奪うような激しいくちづけに、比奈はいきなりの行為と息苦しさからアンクの胸を両手で押しはがして逃れた。
「……なんなのっ? まだ片付け残って……」
「黙れ」
短く命じ、アンクが再び比奈にくちづける。
今度は逃げられないよう、両腕を比奈の背と腰に回し、自らの躯をぴったりと比奈に密着させて。
「ん……っ!」
骨がきしみそうなほどきつく抱きしめられて、少し苦しい。
アンクが強引で身勝手なのはいつものことだが、今は何処か追い詰められたような雰囲気を肌で感じて
比奈は戸惑った。
まるで、小さな子供に縋りつかれているような気がする。
躯から力を抜き、アンクの背中に手を回すと、手のひらがかすかな震えを感じた。
驚き、注意深く神経を集中させれば、背中だけでなく比奈を抱きしめる腕も同じように震えていることが判る。
比奈から抵抗の気配が消えたことを悟り、アンクの腕が少し緩んだ。
長いくちづけからようやく開放され、比奈は大きく息をつく。
「……どうか、したの?」
アンクを刺激しないよう、比奈は小さな声で訊ねた。
「……何もない」
アンクが比奈の首筋に顔を埋める。
顔を見られることを嫌がっているようだ。
アンクの口唇が肌に当たり、見える場所に痕をつけられるのは困ると思ったが、比奈はアンクを突き放すことが
出来ない。
落ち着かせるように、アンクの背をやさしくただ撫でてみる。
比奈のぬくもりを感じながら、アンクは埋めた首筋に牙を突き立て、抱いた腰や背に爪を喰い込ませ、
その肌を裂いて血肉を引き千切りたい衝動に必死で耐えていた。
そんな風に簡単に壊れてしまう癖に、人間は人間である限り、その細胞が零れ落ちたりはしない。
メダルが揃わなければ常に不安定な状態にさらされ、他人のメダルを取り込んだだけであっけなく自我を失い、
ただの怪物と化すグリードとは違う。
その命は短く脆くも、強靭で強かな肉体を持つ人間が妬ましく、そして憎い。
自らの欲望からグリードを生み出しながら、忌避すべきものとして彼らを封印した人間が憎い。
何かを渇望する存在として創造されて、けれど何も与えられずにいるのならばこの手で奪うよりないではないか。
奪われた何か、失われた何かをひたすらに追い求め、この手を伸ばし続けるしか――。
込み上げる衝動は嫉妬だ。
壊したい。
この手に何も掴めないのならば、永遠に満たされることがないのならば、無意味に自分達を生み出した人間と
この世界を壊してしまいたい。
例えばこの腕の中の人間の娘を。
赤い腕で白い喉を裂けば、それだけで事切れる。
大きく目を見開き、赤い肉を覗かせながら鮮血を噴き出して崩れ落ちる小さな躯。
夢想の中でアンクは歓喜の声を上げながら、しかし、血溜りの中、娘の亡骸を抱え絶望する自分を見る。
人間の、そのやわらかな躯と小さなぬくもりにもまたアンクは飢え、焦がれているのだ。
比奈と言う名の娘に。
グリードにはありえない感情を抱いて――。
「……ひ、な」
搾り出すように、アンクは比奈の名を呼んだ。
「……なに?」
甘い声が返る。
「ひな」
「……はい」
「比奈。比奈、比奈、比奈……!」
欲しい、壊したい、欲しい。
ふたつの欲望がアンクの中で渦巻く。
どちらを選べばいい。
どちらを。
「……アンク?」
何があったのだろうと比奈はアンクの異変に想いを馳せる。
グラスが割れて照明が落ちたあの時、まず映司が、続いてアンクが店を飛び出していった。
きっとグリードが関わっていたのだろう。
もしかしたら、前の時のようにメダルを失って機嫌が悪いのかと考えたが、今のアンクは怒るというより
情緒不安定の状態だ。
映司にばかり無茶をさせてと多少アンクに憤っていた比奈だが、アンクにも抱えるものはあるのかもしれない。
元々比奈は、アンクのことを殆ど何も知らないのだ。
映司から少しの事情は聞かされているが、比奈を巻き込みたくないという配慮からか映司は多くを語ろうとしない。
ただ、それでも判ることはある。
それは、アンクがひとりきりだということだ。
仲間からは離れ、一緒に戦う映司とも完全には判り合えず、比奈に対しても心を開いているとは言い難い。
孤独そのものが不幸だとは決して言えないが、もし比奈がアンクの立場であれば淋しくて耐え切れないだろうと思う。
信吾が行方不明だという報を受けた時の、足許が崩れ落ちるような不安と恐怖は今も忘れられない。
けれど今、多くの人に支えられて比奈は笑うことが出来る。
同じ夢を追う友人たちや、明るく陽気な知世子の頼もしさ、まっすぐに前を向いた映司の力強い眼差し、
そしてアンクの存在。
口が悪くて、手が早くて、意地汚くて、冷たくて、意地悪で、信吾とは似ても似つかないアンクへの想いは、
比奈自身認め難いものだったが自分の心に嘘はつけない。
少なくとも、アンクをひとりにしてはおけないと思う。
「そばにいるよ」
アンクの髪を撫でながら比奈は言った。
「ずっとそばにいるから」
「嘘をつけ」
「本当だよ」
「どうせ、こいつのだろう」
拗ねたような声だ。
「お兄ちゃんのそばにもいるし、アンクのそばにもいるの。何もおかしくないでしょ?」
「……強欲にも程がある」
「そうかなぁ。……耳許でしゃべるのやめてよ。くすぐったい」
比奈の言葉にアンクが顔を上げる。
随分久しぶりにアンクの顔を見た気がした。
アンクの目が充血していることには気づかない振りをする。
比奈は背伸びをして今度は自分からアンクにキスをした。
アンクが比奈を見つめる。
「……比奈」
「なぁに?」
「俺は、おまえが……」
アンクが苦しそうに眉を寄せる。
どうしたのと訊ねる言葉を比奈は飲み込んだ。
遮ってはいけないとそんな確信があったからだ。
「俺は……」
アンクが言い澱む。
赤い手が、比奈の喉に伸びる。
「俺は、おまえが」
――欲しい、と。
かすれて、聞き取れるかどうかの声が比奈の耳に届いた。
アンクの手が比奈の頬を包むように触れる。
「いいよ」
比奈は迷うことなく答えた。
「いいよ、あげる」
比奈が笑顔を向けると、アンクは呆気に取られたように目を丸くし、それから顔をしかめていつもの皮肉で
冷ややかな表情を取り戻す。
「簡単過ぎるだろう」
「そんなことないよ」
比奈は両腕でアンクの首を抱いた。
「それに、もうとっくにあげてるつもりだけど? まだ足りないの?」
悪戯っぽく問う比奈に、アンクが低く笑う。
「足りないな。俺はグリードだ。足りるということを知らんように出来てる」
「どっちが強欲よ」
比奈もくすくすと笑った。
心に差した昏い陰はおくびにも出さず、無邪気な素振りで笑った。
迷っていたアンクの右腕、その心。
アンクが欲しがったのは比奈の心だろうか、それとも命だろうか。
――いいよ、どっちでも。全部、あげる。
いつの日か、アンクが比奈を殺す日が来るのかもしれない。
それでも比奈に迷いはなかった。
アンクに恋をして、兄と交わった、それは多分、誰にも許されない罪だろうから。
裁きを受けるその覚悟は出来ている。
――だから。
その時にはどうかためらうことなく。
愛しい男の手に掛かる、それはこの上ない幸福なのだと、どう伝えたらいいだろう。
「……好きよ」
比奈はありったけの想いを込めてアンクに囁く。
一緒に行こう、アンク。
欲望の果てまででも、一緒に行くよ。
これから先に何があっても、
――決してあなたをひとりにはしないから。
ガメルとメズールがああああああああああ(泣)
どっちも好きなキャラだったからすげえ悲しいわ…
このスレ的にも悲しい…
メズールがコアと一緒に処女も奪われるSSマダー?
>>557 先週からならこんな感じか
メズール「か、カザリ……?どうしてっ…」ガクリ
カザリ「コアメダル盗られた途端にこの様、か。情けないね君も」ドンッ
メズール「うっ!」ドサッ ゴロゴロ
カザリ「僕はね。前から君が気に入らなかったんだよ」グイッ
メズール「駄目、カザリやめて!どこに手を入…」
カザリ「ウヴァとガメルを手懐けて、弱いくせにリーダーを気取ってさ」
メズール「私、が、…?あッ!!」
カザリ「ただメダルを奪って、君をバラバラにするのは簡単さ。でも僕はしない」モミッ
メズール「う…うッ!?」ビクッ
カザリ「君の全てを奪って、それから消してあげるよ。コアメダルも、セルメダルも、心も全部…!!」
メズール「ヤだ、許してカザリ…いやぁぁぁッ!!?」
前に書いたのをちょっと改変。
ベタベタ。
ゴミ袋に倒れ込むメズールが事後にしか見えない。
バックから散々やられまくった後とか。
>>554 GJ!
今後アンクの事情を比奈が知ることはあるのかな
今週のメズール様はあれ絶対カザリにやられてるな
その後ウヴァの屑ヤミーに捕まってまわされてたりして
いつもは冷静なメズール様が
明らかに様子のおかしいガメルと一緒になって自爆状態だったのは
カザリと屑ヤミーに連続レイーポされて心が壊れちゃったのかなと思った
映司とアンクはまだメズールがJCだって知らないよな?
知らなくてクズから助けたのかな?
>>561 アンクは気付いてたら助けないと思う
少なくとも何か発言してたろ
映司もしかり
でも、という事はアンクは自然に人間守った事になるな
やっぱり良い奴なんだろうか
>>561 少なくとも映司は知らない。
戦ったの怪人体の時だけだし
>>554 GJ!
縋るアンクがナイス
タイトルはあの曲かな。確かにぴったりw
565 :
名無しさん@ピンキー:2010/12/27(月) 23:46:03 ID:e7JJK255
前にもあの人の曲名がタイトルになってるのあったね。
良い具合の暗さが安定してて職人さんGJ
グリードって満たされたら終わってしまうとこが少し悲しい
>>566 つまりメズールは永遠に満たされないと…
しかしメズールを見捨てたウヴァはやっぱり虫頭だな
ヤミー製造機兼性奴隷とかにしとけばよかったのに
>>568 ウヴァの虫頭許すまじ
でももしかしたらメズール様は消滅覚悟で拒否りそうだ
>>569 メズール「ハァ、…ううっ」ギロッ
ウヴァ「……何だよ、その目は」
メズール「もう離して、ウヴァ…」
ウヴァ「黙れ」ズブッ
メズール「ひぁっ!?」
ウヴァ「お前のコアメダルを奪わない理由はわかるよな?」
メズール「はぁっ!ぁ、はぁ、、、!」
ウヴァ「お前のセルメダルは稼げるからな。使わせて貰うぞ」コツコツ
メズール「……」
メズール「…もう、いやよ」ポロポロ
メズール「………ガメル、助けてよ…」
>>570 そこでまさかのカザリ登場ですね分かります(泥沼化)
>>571 <コツコツ…
メズール「?」
カザリ「やぁ」
メズール「カザリ…!?」ビクッ
カザリ「ウヴァに会いに来たんだけど、居ないみたいだね」
メズール「はぁ、イヤ、寄らないで…!」
カザリ「可哀想に。なんてザマだ、君ともあろうものがさ」ツンツン
メズール「ぐっ……」
カザリ「そんなに睨まないでよ。せっかくの美人が台無しだ」ズブッ
メズール「っ!!!?」
カザリ「君の最後のコアメダルは…」グリグリ
メズール「やだ、嫌やめてカザリ、死んじゃう…!」
カザリ「これかな?」グッ
メズール「いやぁぁぁぁぁぁッ!!?」
カザリ「ふふっ。封印された時のあの苦しみ、思い出しちゃった?」
メズール「 」ガクガク
カザリ「体をバラバラにされる恐怖…きっと僕らでないと味わえない感覚だよね」
メズール「…」
カザリ「ウヴァが帰ってくるまで、もう少し続けよっか」
ダメだ、凌辱書くとクリムゾンのエロ同人みたいになってしまうwww
でもコア残り一枚の状態ならソフトかつキツい拷問できるよね
ウヴァ「おい、安全マットを用意しな」
カザリ「みんなでセルメダル量産してやるぜ」
復活を期待しつつ、メズールとガメルでエロなし16話ネタ。
一瞬でもふたりの心は安らいだと思いたい。
>>564,566
ご存知の方がいらして嬉しい。
書きながら、「これしかない!」と思いましたw
メズールは突如目覚めた。
何も見えない、何も感じない、我が身の存在さえおぼろげな無の中で。
――どうして?
メズールは考える。
何故、自分はこんな場所にいるのか。
――封印された? また?
メズールは混乱した。
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
やっと、八百年の眠りから目覚めたばかりなのに。
グリードにとって八百年は長い時間ではない。
だが、自由を奪われ封じられるなら一瞬も永遠も同じだ。
――八百年?
靄が掛かったようだった直近の記憶が、徐々に甦ってくる。
――ああ。
絶望がメズールを襲った。
裏切られたのだ。
カザリに。
ウヴァに。
共に封じられ、共に甦り、共にメダルを分け合ってきた仲間に。
お互いに心の底から信頼し合っていた訳でないが、それでも生まれを同じくする同胞に裏切られ、
メダルを奪われ、そして――。
"あなたが全部欲しいのよ……!"
最後に覚えた欲望を思い出す。
そうだ、ガメルに出会った。
彼は、あの子は、あの子だけは決してメズールを裏切らない。
無心にメズールを慕い、メズールの望むことなら喜んで従う。
だから、メズールもガメルには唯一心を許し、惜しみない愛情を注ぎ続けた。
だから、ガメルはメズールの望みに喜んでその身を捧げた。
そう、取り込んだのだ。
あの子を、この身に。
『……ガメル?』
メズールはガメルの名を呼んだ。
その声は、無の中でメズールの耳にすら届くことなく消える。
『ガメル、何処? いるんでしょう? ガメル?』
応えはない。
メズールの意識を無限の無が取り巻く。
『ガメル! 何処!?』
メズールは声を限りに叫ぶ。
『お願いよ、来て! 私のそばにいて! あなたがいないと淋しいのよ……!!』
ウヴァもカザリもアンクもいらない。
欲しいのはただガメルだけだ。
――淋しいの……!!
メズールの頬を涙が流れた。
ガメルは消えてしまったのだろうか。
確かにこの身に取り込んだのに。
ひとつに、なった筈なのに。
『ガメル……!!』
メズールの悲痛な叫びが無の中にこだまする。
その時、メズールの切ない叫びに応えるように、無の中で何かがかすかにうごめいた。
『……ル』
誰かの声が聴こえる。
ここで目覚めて初めて、メズールは自分以外のものの存在を感じた。
喜びを、感じた。
無の中に、浮かび上がる影がある。
懐かしい、愛しいものの姿が。
『……メ……ズール……』
影がメズールを呼ぶ。
メズールは必死で目を凝らし、必死で手を伸ばした。
『ガメル……!!』
影がガメルの姿を描き出す。
いつものようにきょとんと首をかしげ、ガメルはメズールに満面の笑みを向けた。
『メズール。いた』
『ガメル!!』
ガメルが姿を現したと同時に、メズールも無の中で肉体を取り戻していた。
メズールは両のかいなでガメルを力一杯抱きしめる。
ガメルも同じくらいの力強さでメズールにしがみついた。
『メズールがいないから、淋しかった』
ガメルが言う。
『私もよ。ガメルがいなくて淋しかったわ』
メズールは、ようやく取り戻した愛し子のぬくもりを確かめるように、何度も何度もガメルの頭を撫でた。
ガメルの額や頬、鼻先にやさしくキスの雨を降らす。
安堵の吐息を漏らし、メズールはガメルの逞しい躯にゆったりとその身をゆだねた。
『今はもう淋しくないでしょう……?』
『うん。メズール、いる。俺、淋しくない。メズール、もうどこにも行ったらだめだ』
『ええ、行かないわ。ガメルは、ずっと私のそばにいてくれる?』
『いる。俺、メズールのそばに、ずっといる』
ガメルの言葉にメズールは微笑む。
満たされていた。
この世に生み出されてからずっと抱え続けていた、身を焼き焦がすような欲望はもう何処にもない。
幸福は既に彼女の腕の中にあったのだ。
『ずっと、一緒ね……』
メズールは夢見るように呟いた。
『いい子ね、ガメル……好きよ……』
固く抱き合ったふたりの躯の輪郭が崩れ、再びその形を失ってゆく。
完全に融合し、ひとつとなったメズールとガメルの意識は穏やかな眠りにつきながら、無の中へと静かに溶けた。
>>575-577 GJ!!!!
前回のアン比奈は萌えさせていただいたけど、今回のメズール様とガメルは
読んでて萌えるどころか目から水が止まらないよ
本当に一瞬でもあの二人に安らぎがあったことを祈る
そして、いつかは二人で復活を!
でも、リアルタイムでアップされていくの初めて見たのでそれも嬉しい
>>573 同志ハケーンw
自分も凌辱系というとクリムゾンのエロが頭に浮かんでくるww
>>575 GJ!!
ガメルもメズールも切なすぎて涙線が崩壊しそうだ……
>>575 乙!
実際ガメズル融合時にはこんな感じだったんだろうか
それにしても、800年振りに蘇ったのに裏切りレイプ後に爆殺とか悲惨すぎる
グリードの出自も含め、オーズにもだんだん鬱フラグが…
>>579 エロ漫画の入門書だよねwww>クリムゾン
>>575 泣いた 素晴らしい
メズール様の名前の由来は「愛する」欲望なんだよな・・・
俺はずっと
ずるいおんな
↓
女ずる
↓
メズール
だと思ってた
>>581 普通に悪女だと思ってた
ガメルやウヴァを切ってでも生き延びるタイプだと
でもガメルに対しては本当に優しかったのね…
ウヴァやカザリにも基本的にそうだったし
マジ慈愛の女神>メズール様
584 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 00:53:17 ID:Lva4BSRC
明けましておめでとう!
今年もライダーで萌えていこう!
>>576 GJ!!!
この二人マジで本編で復活してほしいです…
う〜む
・記憶を失いJC態で児童養護施設に保護される
・初めは言いようの無い違和感の為、周囲に馴染めずに孤立する
・しかし自分を姉のように慕う幼い子供たちによって次第に人間の様な心を持ち始める
・数ヵ月後そこにはすっかり明るい少女のようになったメズールJC態の姿が
・平和な刻は長くは続かず、残り1枚のメダルを狙うぬこ&蟲の魔の手が
・子供達を守る為JC態で戦うなかフラッシュバックする過去の記憶
・グリードとしての記憶を取り戻すも、施設で過ごした日々で得た人間らしい心に戸惑う
・ついにぬこ&蟲の魔の手に堕ちるメズール
俺、文才無いんでこんな感じの奴誰か書いてくだちい
あと、池沼はいらないです
スルー推奨
なんだこいつ
テスト
>>587 そこまで考えてるんだったら自分で書けば?
文才なくても別に大歓迎だぞ
エロパロの仕事の8割は妄想
あとはおまけみてえなもんだ
>>592 おやっさんwww
思ったんだが、おやっさんの女性関係ってどんなんだろうな?
亜樹子の母親(自分の妻)とメリッサの他にも慕ってる女がいるっぽい事をマツが言ってたし
マツが「泣かせた女の数を数えてみたらどうだ」とか言ってた辺り、かなりの数の女がいるんじゃ…
そういや、ずっと疑問に思ってたんだがアンク以外のグリードの人間体ってアンクみたいに一般人に憑依したのかな?
でもガメルとメズールが合体した時人間体のままメダルになっちゃったから人間に変身でもしたのかな?
>>593 あんなハードボイルドがモテない訳がない
嫁さん一筋だから断ったor友達止まりかと
>>594 どっちとも言えないが…個人的には擬態だとおもう
アンクと同じだったら先週の回で完全に犠牲者になってしまうんでは
って事で映司x比奈投下するよー!
半年ぶりの投下だぜヒャッハー!
以下注意点を羅列。
・16話直後、クリスマスコスの比奈ちゃんで。タイミング的に
>>551と丸被り。ごめんなさい。
・映画MOVIE大戦COREの予告でやってた映比奈キスシーンのネタバレあり。注意。
・ガチエロなし。リア充的イチャイチャ+α。αのほうがメインかも。
・映司はこんなに積極的じゃない。
あと16話エンドにガメズルの件でしんみりしてたはずだけどそこはスルー設定でお願いします。
・お正月にクリスマスネタという季節ガン無視です。
それじゃーフィリップ共、タイトル兼NGワードは『Christmas Wedding』だ。行くぜ。
「もう、なんなの…」
砕けたグラスを袋に詰めながら、比奈は天井に向かってため息を吐く。
店内で催されていたクリスマスパーティーは、突然の停電によってほとんど中止に追い込まれてしまった。
知世子は客の見送りで店先に突っ立ったきり、アンクと映司も外へ飛び出したきりで、比奈は1人、厨房の掃除に明け暮れていた。
「さっきのも、グリードのせいなのかな…」
呟きながら、ガラスの破片をゴミ袋に放り込む。
グリード。兄の体を支配する怪物。
信悟の命を繋ぐ希望にして、諸悪の根元。
今でも比奈の目には、アンクに見捨てられて施しようを失った兄の顔が浮かぶ。
死人のように固まった表情、握っても力を全く感じない手。
「…………あれ?」
グラスの欠片を摘んでいる指先が、次第にぼんやりと霞んでいく。
口の端が力んでいき、瞼が落ちてくる。
いつの間にか涙目になっている自分に気付いて、比奈はその場で固まってしまっていた。
「なに泣いてるのよ。今日、クリスマスじゃない……」
欠片が指先から落ちて、床に転がる。
痙攣するように震える頬の筋が、涙腺を虐める。
嗚咽が出そうになるのを堪えながら、比奈は片付けを続ける為に落としたガラス片に手を伸ばした。
「ただいまー…。あ、比奈ちゃん」
裏口から、映司が帰ってきた。
「あぁ、ごめんごめん!片付けとかは俺がやるから、比奈ちゃんは先上がっててよ」
クリスマスのコスチュームのままで床にうずくまる比奈を見て、映司は飛びつくように駆け寄った。
「あ、え、映司くん…」
「ほら、寒いしさ。風邪引いちゃうよ」
映司の笑顔が、比奈を覗き込む。
比奈が泣いているのには気付いているはずだが、全く動じていない。
両手を比奈の肩に添えて立ち上がらせると、映司は彼女を店の奥へ連れて行く。
触れられた肩の肌から手のひらの体温を感じながら、比奈はなすがままに引きずられていった。
「えーと…着替えどこだっけ?」
厨房の隣、知世子が様々なコスチュームをしまい込んでいるクローゼットがある部屋に入り、映司は電気をつけた。
「映司くん」
「なに?……あっ」
比奈に話し掛けられ、映司ははっとしたように返す。
「ごめん、俺出てくね!着替えらんないか」
「そうじゃなくって」
「?」
また涙が溢れてくる。
考えないようにしたくても、必ず脳裏に浮かんでくる結末。
「お兄ちゃんは…もとに戻るんでしょうか」
「……」
「アンクが、グリードがいなくなったら、死んじゃうんでしょうか」
「それは……」
明らかに言葉を選んでいる映司を見て、比奈は自分の言動を後悔した。
彼に言ったって、どうにかなる話ではない。
むしろ映司は、アンクと取引のような形で、命を懸けて戦わされている身なのだ。
自分の無神経さに嫌気がさして、比奈は映司に背中を向けた。
「ご、ごめんなさい、私なに言って…」
そこまで言いかけて、比奈は背中に触れる衣服の感覚に気づく。
続けて回された腕が、素肌を晒したままの自分の肩を暖める。
映司に後ろから抱きつかれている事を比奈が理解するまで、しめて数秒かかった。
「えっ、え、映司くん?」
「聞いて」
聞いたことのない声音に、比奈は自分の左肩に寄りかかる映司の顔を覗く。
「比奈ちゃんは、頑張ってるよ。
刑事さんが…お兄さんが死にかけで、怪物に乗っ取られてるのに、こんなにしっかりしてて」
映司の言葉が、比奈に目の前の現実を確かめさせる。だが、
「私は、何も出来ませんから」
「そんなことないよ。比奈ちゃんがいるから、俺も、戦えるから」
「えっ?」
「比奈ちゃんが危険な目に会うと思うと、居ても立ってもいられなくなる。オーズになって戦う時も、いつもより勇気が出る」
映司の両腕に、力が入る。
「比奈ちゃんがいるなら、俺、オーズになる事、辛くないよ?」
そこまで言って、映司は比奈に回した腕を緩めた。
「あ……ぁ、ごめん。ちょっと、どうかしてた」
「待って」
比奈の手が、映司の手首を元の位置へ戻す。
「寒いですから、このままでいいです」
「…比奈ちゃん?」
「映司くん。あんなベタベタな告白は、どこの国で習ったんですか?」
「え、あ、いや、その…」
顔を背けてどもる映司を見て、比奈はクスクスと笑いながら言った。
「でも、嬉しいです。涙も止んじゃいました」
「えっ?」
「お兄ちゃんだけじゃなくて、私の事まで思ってくれて」
そう、最初はそうだった。
怪物に乗っ取られたあの刑事さんを、助け出すため。
そしてそのたった1人の妹に、兄を取り戻してやるために。
だが映司の中で、それは次第に変わりつつあった。
優しい笑顔と暖かい手料理で、クスクシエを帰る家にしてくれた比奈。
他人の不幸を悲しみ、身の危険も省みずそれに立ち向かう比奈。
流浪の身であるこんな自分に、運命と戦う勇気をくれる比奈。
いつの間にか彼女の事を求めていた自分自身を睨みつつも、映司は涙を流す比奈の肩に、手を伸ばさずにはいられなかった。
「映司くんは、お節介というか、お人好し過ぎます」
「…やっぱ、そうかな」
「ええ、超が付くほどの」
2人の口から、耐えきれずに笑いがこぼれてくる。
寄り添って立ったまま、2人は堪えるような笑いを続けた。
それが、止んだ後。
映司は右手を上げて、比奈の長い髪を指で梳く。
「んー…」
「髪、長いよね」
「じゃあ、切ってくれます?」
「それは、無理かも」
左腕が、腰に回る。
髪を梳いていた映司の右手が、比奈の頭を自分の顔に寄せる。
比奈の頭から、コスチュームの赤いナイトキャップがずり落ちた。
「んん…」
「駄目?」
「案外、大胆ですね」
「泣いてたのは、比奈ちゃんの方じゃない」
「意地悪」
「なら、もう少し」
映司の頬が、比奈の頬にすり寄る。
柔らかい香りが鼻に入って、映司はますます深く、比奈の体を抱き締め、髪に顔をうずめた。
「ふ、ぁ」
「比奈ちゃん」
「映」
頬をつたって、顔が降りてくる。
右手が比奈の頭を傾ける。顔が向き合い、視線が合う。
「じ…、く」
比奈の頭が、映司の右肩の上にすとんと落ちる。
顎が上がって、少し上を向いたその唇に向かって、映司は自分の唇を重ねた。
止めようと思えば、止められたキスだった。
だが、冷えた肩を暖めてくれる映司の腕の中にいるうちに
比奈の頭は兄の事から、映司の姿と告白の言葉で満たされてしまっていた。
「はぁっ」
「んっ…」
映司の細かな表情の変化が、唇を介して比奈に伝わる。
吐息が、心臓の拍が、体温が。
全身の触覚が伝える映司の全てが、比奈には急に愛おしく思えた。
「ふぅっ…」
互いの口の端から、息が漏れ出す。
比奈は腰を抱く映司の左手に、自分の左手を重ねて強く握った。
これ以上の触れ合いを怖れて、残った理性が鳴らした警鐘だった。
「あ、ぇっ…?」
だが、手には全く力が入らない。
いや、もう比奈の体のどこにも、比奈の理性が通じる場所は無かった。
「ん、んぅ…っ」
さらに深く重なった映司の唇が、唾液を潤滑油に比奈の唇の上を滑る。
比奈がぼやけた頭で理解している事は、映司の優しい温もりだけで。
膝も、手も、唇も、自然に閉じた瞼も。
全て映司に力を奪われたような感覚だった。
自分の持つ何もかもを、背後に立つ映司に委ねたくなる感情が、比奈の思考を強く支配していた。
「は、ぁー…」
長いキスが、終わった。
ゆっくり離れていく映司の顔。
互いの唇から、糸のように細い唾液が二本、つーっと伸びて途切れた。
「はぁー、ぁ……、っ!」
蘇った理性が、比奈に事実を思い出させる。
慌てて口を拭う比奈を見て、映司も我に返ったように比奈から身を離した。
「あ……。ひ、比奈ちゃん!」
手の平で口を押さえている比奈の背中に向かい、映司は申し訳なさそうに言った。
「俺、とんでもない事を。その、比奈ちゃんに。だから」
ごめん、の一言が映司から出る前に、比奈が口を開く。
「……こんな事に、なるんだったら」
振り向いて、比奈が映司を見据える。
前髪の掛かった比奈の表情は、映司からは見えない。
だが、トーンの落ちた彼女の声が、映司の罪悪感を煽る。
殴られても仕方ないと観念して、映司は少し身をすくめた。
「結婚式場のバイトでも、ホントにしちゃえば良かったですね」
少しだけ、顔を上げる。
映司の目の前には、白い肌をほんのりと染めた、比奈の嬉しそうな笑顔があった。
それは、結婚式場パンフレットの写真撮影のアルバイトで、
二人で新郎新婦のモデルをしたときの笑顔と、とても似ていたが、ちょっと違った。
「あの時は、キス、寸止めだったよね」
「私も、ちょっと作り笑顔でした」
じゃあ、今は?
そう聞こうとする前に、比奈は映司の胸元に歩み寄り、ぽん、と額を置いた。
「……いつになるかは、わからないですけど」
映司に寄りかかり、俯いて、少しくぐもった声で、比奈は言う。
「いろんな事が、みんな済んだら…映司くんは、ああなりたいですか?」
¨ああ¨の意味を思う。
アルバイトではなく、結婚式場の赤い絨毯を歩く、比奈と自分の姿を一瞬だけ浮かべて。
それでも映司は、少し悲しそうに言った。
「相当、ワガママな欲だよね」
「いいんですよ、今日くらいは」
「どうして?」
「だって今日は、クリスマスですよ」
映司は再び、比奈の体を強く抱き締める。
強い欲望や我が儘は、決して好ましい物ではない。
―――だけど、今日くらいは。
腕の中にいる華奢なサンタクロースに向かって、映司はもう一度だけ、ささやかなクリスマスプレゼントを要求した。
―終―
終わった
誤字等ありましたらすいません。
あと展開が滅茶苦茶、ごめんなさい。
本当は映司に、比奈ちゃんのエロ可愛いサンタコスを引き裂いて欲しかったんですが
どう妄想してもベッドインまではしてくれませんでした…
生みの親たる小林靖子の言うとおり、映司は動かしにくいです。
あと書いてて、映司x比奈はユウスケx夏海に似てる気がした。
真面目x敬語ちゃんだから似てるのかな?
とりあえず、今年のこのスレの投下処女はいただきました!
そしてスレ汚し失礼。撤収します。
605 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 02:47:59 ID:FrWnSBmh
>>596GJ!
ホント映司×比奈はラブラブだよなw
ところで、映画のためにWを見返してたら女子高生情報屋二人組にハマってしまった。
しかも勢いで書いてしまったんで投下w
・エロパロ初書きのため駄文注意。
・クイーン→翔太郎、エリザベス→フィリップ
・援交ものなので苦手な方はスルーで。
以下、『恋のためなら・・・・・・』
606 :
『恋のためなら・・・・・・』:2011/01/05(水) 02:49:10 ID:FrWnSBmh
ネオン煌めく夜の風都のホテル街で一際輝くラブホテル、「ストロベリーFU-TO」。
その7階にある一室の扉を、クイーンとエリザベスはノックした。
「やあ、いらっしゃい。待ってたよ」
ドアを開けた小太りの男は、二人を部屋の中に入れた。
部屋にはベッドが二つ。それ以外は特に装飾らしいものは見当たらなかった。それは即ち、彼らの財布の中身を表している。
そして三人の男が、備え付けの椅子に座っていた。
彼らは全員四十代かそこらで、髪には所々白いものが目立つ。しかしその瞳だけは、ギラギラと輝いていた。
男たちは二人の姿を見るやいなや、ベタベタと体に触れてきた。
「クイーンちゃん、今日は俺からでいいよね?」
「いや、私は今日のために体を念入りに洗ったんだ。まずは私から・・・・・・」
そんな二人の男を見ながら、妖しく微笑むクイーン。
「何なら、二人一緒でもいいですよ?」
一方、エリザベスにはもう一人の男と、先程ドアを開けた男が近づいた。
「エリザベスちゃん、相変わらず素敵な脚だね」
太ももを舐めるように撫でるメガネの男。
「もう、手つきがやらしいですよ?」
ニコニコ笑いながら、エリザベスは男の手を撫でる。
「立ったままなのも何ですから、お二人ともベッドの方へ・・・・・・」
リーダー格と思しき小太りの男が、クイーンとエリザベスをいざなった。
――もう、コイツらマジ最低。
ベッドに座らされたクイーンは上着を脱がされ、はだけたブラウスの下から露わになった黒いブラジャーの上から胸を揉みしだかれていた。
その間に、もう一人の細身の男がいやらしく唇を重ねてくる。
――コイツは鼻息荒すぎだし、こっちは・・・・・・
浅黒い肌の筋肉質の男は、胸を揉む力が強すぎる。気持ち良さよりも痛さが先行する。
――もっと優しく、上品に出来ないの?
そんなことは、口に出すことも出来ず。
「んっ・・・・・・、気持ちいい、です・・・・・・っ」
キスの合間からそう言った。男たちは気を良くしたのか、さらに激しく求めて来た。
――『彼』だったら、もっと優しくしてくれるのかな・・・・・・。
クイーンの脳裏に、ソフトハットを被った半熟卵のような探偵の姿がちらついた。
隣のベッドではエリザベスがメガネの男から脚を舐め回され、小太りの男に服の上から胸をぐにぐにと触られていた。
「エリザベスちゃん、脱いでみようか?」
「は〜い♪」
そう言ったエリザベスがブラウスのボタンを外すと、中から可愛らしいピンクのブラジャーに包まれた大きな柔らかい塊が二つ出てきた。
「おお・・・・・・!」
男たちの声が挙がる。クイーンの胸より一回り以上大きく柔らかいエリザベスのそれは、男たちの手で形を変えられていった。
――こうやって触られるの、嫌いじゃないんだけどな〜。
しかし、意中の『彼』はあまり自分に興味を示してくれない。
『彼』が見ているのは、いつも本ばかり。
――フィリップ君は女の子に興味ないのかな。それとも、私に魅力がないのかな。
モヤモヤとした思いを抱えながら、エリザベスは男たちのなすがままにされていた。
607 :
『恋のためなら・・・・・・』:2011/01/05(水) 02:51:48 ID:FrWnSBmh
「クイーンちゃん、もうガマンできない!」
クイーンの胸を揉んでいた筋肉質の男がズボンを下ろし、収まっていたモノを取り出した。
「わ、私も!」
二人のそれはヒルのように醜く黒光りし、どこか不気味だった。
男たちはクイーンの下着を剥ぐように脱がし、体のあちこちに唾液を付けた。
「クイーンちゃんの乳首、小さくて可愛いなあ」
二人は腰をクイーンの体に当てがいながら、胸を強く揉んだ。
「あ・・・・・・。お二人の『モノ』、今日は特に硬いですね♪」
クイーンは二人のモノを手でさすり、さらに刺激を与えた。
「それじゃ、失礼しま〜す」
クイーンはその内の一つを口にくわえ、上下に動かした。
「うっ!・・・・・・いいよ、クイーンちゃん。もっと激しく・・・・・・」
「ちょっ、クイーンちゃん、こっちも頼むよ」
「・・・・・・んむっ。分かってますよ〜」
もう片方をくわえると、相手は背をのけぞらせた。
――臭いし汚いし、できればしたくないわよ、こんなこと。
しかし彼らの発する臭気が、徐々にクイーンの意識を朦朧とさせていく。
「エリザベスちゃん、胸でしてよ」
「は〜い♪」
突き出された眼鏡の男の『ソレ』を胸の谷間で挟んだエリザベスは激しく上下させ、男の快感を高めた。
「いい、いいよエリザベスちゃんッ!」
「ふふっ、気持ちいいですか?」
たぷたぷとした柔らかい塊に包まれ、男は至福の顔だった。
――フィリップ君も、感じてるときはこんな顔をするのかなぁ?
魔少年の優しげな瞳を思い描いたエリザベスは、胸の奥がチクリと痛んだ。
その時、もう一人の小太りの男が言った。
「エリザベスちゃん、僕のこと忘れてない?」
「そんなことないですよ〜。今から――キャッ!?」
考え事をしていたエリザベスの体を、男はベッドの上に押し倒した。
「な、何ですか?」
「いや、もう『こっち』を頂いちゃおうかなって」
男はエリザベスの脚を左右に開かせ、その股の間に体を入れた。
完全に不意を突かれたエリザベスは抵抗する暇も与えてもらえなかった。
「おっ!いい感じになってるじゃないか。じゃあ早速・・・・・・・」
醜いモノを、男は躊躇することなくエリザベスの奥に沈めた。
608 :
『恋のためなら・・・・・・』:2011/01/05(水) 02:52:28 ID:FrWnSBmh
「ん・・・・・・ああああっ!」
エリザベスの甘い叫び声が響いた。
「くっ、気持ちいいよ、エリザベスちゃん!」
性欲の塊と化した男は、エリザベスの奥にずんずんと腰を突き立てる。
「クイーンちゃん、こっちもいくよ」
細身の男のモノを口で相手している間に、スカートを脱がされ四つん這いになったクイーンの尻を筋肉質の男が掴み、自身を中に入れた。
叫び出したかったが、口の中は別のモノでいっぱいになっているため、くぐもった声しか出せない。
――こいつホントに最悪!いきなり挿れて・・・・・・あ、ああんっ!!
挿入された驚きに浸る間もなく、激しく腰を振られた。
「やっぱり女子高生の膣は最高だ!」
さらにその揺さぶりに呼応して動く口が、男にさらなる刺激を与える。
「これ・・・・・・いいよっ!!」
男も自ら腰を振り、クイーンの喉に自身を叩きつけた。
「エリザベスちゃん、もう一度胸でしてよ」
男は仰向けになるエリザベスの上半身に跨り、突き立てられてゆさゆさと上下に動く胸に挟み、彼も前後に腰を振った。
二人の女子高生が、二つのベッドで四人の男の相手をしていた。
クイーンのくぐもった喘ぎ声とエリザベスの甲高い叫び声、そして男たちが腰を振る乾いた音だけが部屋に響いていた。
「クイーンちゃん・・・・・・そろそろ限界・・・・・・!」
クイーンの中で腰を振る男が言うと、呼応するように、
「お、俺も!」
「エリザベスちゃんのおっぱい気持ち良すぎ、もうイくっ!」
「いいよね、エリザベスちゃん!」
それを聞いたクイーンは、
――うそッ!アタシはまだ・・・・・・ああんっ!全然・・・・・・んっ!なのにッ!
一方のエリザベスは、
「はい・・・・・・ああっ!・・・・・・早く、くださいっ!」
口の端から唾液を垂らし、虚ろな目で叫んでいた。
そのエリザベスの言葉が引き金となり、男たちは腰の動きをさらに加速させた。
「ああ・・・・・・もうダメ。イく、イく、イくっ!」
「出すよ?いいよね?」
男たちは自分の欲望だけを口にし続ける。
「はい、熱いのいっぱいくださいっ!」
エリザベスが叫ぶ。
――まだ・・・・・・ダメに決まってるでしょ!
しかし男たちの動きは早くなるばかり。そして――
「もう我慢できない、イくっ!!」
クイーンの口で、エリザベスの胸で、そして二人の中で、男たちの熱く白い欲望が弾けた――。
609 :
『恋のためなら・・・・・・』:2011/01/05(水) 02:52:59 ID:FrWnSBmh
翌日、鳴海探偵事務所。
「フィリップく〜ん!」
緑の服を着た少年に抱きつくエリザベスの声が、部屋に反響した。その少年といえば、字の書いてない白い本とにらめっこしていた。
「はいそこ、フィリップくん苦しそうでしょ。・・・・・・はい、翔ちゃん。頼まれてたもの」
クイーンが茶封筒を青年に手渡した。
「おう、サンキュー」
青年――翔太郎はキザっぽく一礼した。
格好いいのだが、どこか可笑しい。思わず笑みがこぼれてしまった。
「それにしても、あの風浜高校の生徒名簿なんて、よく手に入れられたな。どうやったんだ?」
それを聞いたクイーンとエリザベスの眉がピクッと動いた。
しかしそれを彼らに感づかれる訳にはいかない。二人が何をしたのかなんて。
クイーンは努めて平常に言った。
「それは・・・・・・」
抱く気持ちを奥に潜めて。
「ヒ・ミ・ツ♪」
終わり。
610 :
名無しさん@ピンキー:2011/01/05(水) 02:55:24 ID:FrWnSBmh
以上。
通し番号入れるの忘れちまったorz
一応これの続きも書いてるけど、めちゃくちゃ時間かかるかもw
しかし・・・・・・キャラがけっこう違うなぁw
どうも、お目汚し失礼しました。
うおおおお!GJ!
クイーンもエリザベスも切ないなあ
実際こんな風にしないと情報手に入んないんじゃないかとは思ってた
かなり萌えたよ!ありがとう!
>>604 >>610 甘々ラブにガチエロと立て続けに来たな、GJ
映比奈が夏ユに似てるか…わからんでもないな
ただ映司はユウスケよりも手慣れてるイメージある
たとえどちらも童貞だと仮定しても映司の方が上手そうw
WのJK2人は確かにこれぐらいやってそうだ
翔太郎お墨付きの情報量も体で取引したと考えれば…
でもこれに当人の恋愛感情が絡んでくると、途端に切なくなるな
曰くアマアマでベッタベタな新婚生活を送っている照井夫妻は夜のほうはどうなんだろう
パジャマ姿の亜樹子がなんとも
>>596 甘々な映比奈GJ!!いつもより積極的な映司いいな!
この映司ならエロも想像できそうだ
この調子で比奈のサンタコスをびりびりに破く話も頑張れww
全裸で待機してるw
>>604 GJ!!映比奈カワイイなちくしょーw
切ないアン比奈大好物だが、映比奈もいいな
>>614 映司ってなんでこう、ケダモノになる姿があまり浮かばないんだろうか
普段から比奈に対して優しいから、ベッドに放り込んでも優しくしか接してくれない気がする
比奈がちょっとでも痛がったら「大丈夫?」とか言葉掛けて
比奈が嬉しがること(例えばハグとかキス)はどんどんやってって
行為よりも、相手が満足するまで時間かけて前戲しそう
あれ、こういう濡れ場もありか?
性欲は人並みにありそうだけど、淡泊なイメージ
でも比奈ちゃんもまだ色気少なめだし釣り合いとれてるかもね
でも、ああいう穏やかな人って、逆にキレるとかなり恐そうだよな(サ○エさんのマス○さんみたいな)
比奈に言い寄る男を見て嫉妬に駆られる映司とかいいかもしれん
嫉妬のひとつでもしてくれれば多少は想像しやすいのになあ
パンツ連呼してるくせに爽やかな映司ぱねえっす
映司にも「知りたいという欲望」が生まれた
彼も変化している
これはグリードを生み出した欲望の塊であるコアメダルを使って
変身を繰り返すうちに彼にも影響が及んできたと推測される
放送第一回でカマキリヤミーやアンクが言ってたリスクはこれだろう
ある日ついに制御を失った彼が鼻息も荒く目を血走らせて
比奈と店長とついでに里中君を三人いっぺんにヒィヒィ泣かせる日が
まぁ、来ないわな
映司は良い人すぎて逆に動かしにくいって事だね
>>618 なるほど!
じゃあ例えば比奈に何かと構われるアンクに妬いた映司が
コンボ後の手当とかで2人っきりになった瞬間に比奈を押し倒して
「どうしてアンクばっかり…俺だって本当は…」
比奈をベッドで巣立たせた後、クスクシエ一階で鉢合わせしたアンクに
お前も意外と強欲なんだなと言われて複雑な顔をする映司まで想像した
>>620 クウガ、アギト、響鬼とかもそうだよね
まあ響鬼さんは妻子持ちって裏設定があるらしいけど
>>622 五代、翔一、響鬼さんは本当にいい人だからなあ…無欲な感じだよね
>>621 何という素晴らしい想像!
最後の、映司の複雑そうな顔とかかなり想像できるわww
アンクとか、キャラの特徴が掴めてていいな
その割りには響鬼さんに関してだけだとエロパロで登場数多かったね
ヒビキさんは大人って感じだからかな。
この流れ、保管庫の響鬼さんが読みたくなってくる。
ヒビキさん妻子持ちだったのか
今知った・・・
ヒビキさんは年齢と性格的に「やることはやってる」雰囲気があるよね
長生きゆえというか、ベテランの重みというか
映司もそれに近いとは思うんだけど、いかんせん五代以上に若いからなぁ…
どうしても¨ひょっとしたら?¨って見方が沸く分、難しい
比奈ちゃんを異国でマスターしたテクニックで一方的に開発するも良し
ウブな二人でキャッキャウフフしながらゆったりと愛を深めるも良し
でもそのどちらにも合理性と違和感が残る不思議なキャラだよ
今更ながら
>>596と
>>605GJ!!
映比奈はとにかく可愛い。ニコニコしてんの見るだけで悶えるw
情報屋コンビは援交とはいえ、本編や前の映画で
翔Qの絡みもE→フィリっぽいのも好きだったから嬉しい
今日も素晴らしい映比奈でした!
アン比奈もGJ!
今日のオーズは映比奈もアン比奈もヤバかったな…(勿論いい意味で)
マフラーとかメダルボックスとか公式GJと言わざるを得ない
子供みたいにすげえ喜んでる映司と、口には出さないものの、かなり気に入った様子のアンク
どっちもいいなあ
買い物帰りの夕暮れの冬の街を並んで歩く映司と比奈
寒そうな比奈の首に貰ったマフラーをかけてあげようとする映司
「ダメです!それじゃ映司君が寒いし!」と慌てる比奈に
映司は「じゃ、こうしよっか」とマフラーを半分づつ自分と比奈の首に巻く
一つのマフラーを仲良く分け合いながらまた並んで歩き出す二人
まで妄想済み
アンクへのメダルホルダーを置くためにそーっと部屋に忍び込んだ比奈が
「何よあいつさっきのあの態度はっ」とかブツブツ言いながらも
アンクのベッドにこっそりとよじのぼってみたり、ふかふかの布団にぽふ、と
顔を押しつけてみたりしてる姿を想像するとちょっとかわいい
「比奈ちゃんのマフラー、比奈ちゃんのマフラー。あー、やっぱり手作りっていいなぁ。
なんていうか、ぬくもりがあるよなぁ。本当いい子だなぁ、比奈ちゃん」
「さっきからうるさい。独り言ならもっと小さい声で喋れ」
「そういうアンクだって、それずっと触りっぱなしだろ。随分気に入ってるじゃん、比奈ちゃんからのプレゼント」
「馬鹿言うな。俺はメダルを――なんで比奈からだって知ってる!?」
「じゃーん。比奈ちゃんのメッセージカード。おまえ、ポケットから落ちたの気づいてなかったろ」
「……!!」
「まったく、こういう大事なものを落としちゃ駄目だろ。メダルの代わりにこっちを手の中に入れとけば?」
「やめろ! 勘違いするな! 俺はメダルを見てただけだ。別にこんなもの気に入ってなんかないからな!」
「何度も開け閉めしたり、並び替えたってメダルは増えないよ?」
「だったらさっさとメダルを取り返して来い!」
「うん、約束だからね。メダルでそれ埋めたの比奈ちゃんに見せたら、きっと喜ぶよ」
「だからおまえは!!」
「何騒いでるんですか?」
「あ、比奈ちゃん。アンクがこれ、すっごく気に入ってるって。良かったね」
「そんなわけあるか! おい、比奈! おまえが余計な真似したおかげで、映司の馬鹿が酷くなってるぞ!
なんとかしろ!」
「はぁ? 何よそれ。もういい! いらないなら返せばいいでしょ!(ぶんどりっ)」
「あ」
「(メダル入りホルダーを)ふにゅーーーーー!!!」
「「わーーーーーー!!!?」」
どうしてもこういう三人が好きだ。
映司って天然どSだと思う。
>>635 OP初見時はまさかこんな力関係になるとは思わなかったよな
アンコさん・・・w
メダルホルダーには販促的な意味でちょっとツッコミたくなったが
あのマフラーは比奈の手作りだったの?
エジプト旅行帰りの現地お土産って意味で「手作り品」かと思ったわ
手編みマフラーとかベッタリカップルでもなかなか貰えない品だよな
映比奈最高すぎるwww
販促的な云々は確かに…でも、あのアンクへ贈る物としてのチョイスとしては、よく分かってるんだなぁとセンスを感じた。
もし、一回目に渡そうとしてた時にスルーされないでその場で渡してたらどうなってたんだろう?
また喧嘩スイッチ入ること間違いなしかw
話変わるけど、ウヴァ、女子トイレw
>>638 思った思ったww
間違いなくそっちの意味で剣道少女に怖がられてたよな最初www
>>637 旅行行ってたのは知世子さんだけじゃね?
店入る前の会話からして
映司比奈もアンク比奈も別方向で萌えたー今週も楽しかった
ほのぼのとぎすぎす両方楽しめるとか俺得すぎる
男女カプはあんまり期待しないで見始めたのに、どんどん嵌っていくw
連レスすまん
>>640 あれ、そうなのか
冒頭の立ち位置と次回予告でてっきり女2人旅かと
今日のOOOは萌えシーン結構あったな。
今回ので、比奈は自分の恩人には心底尽くすタイプだと解釈した
手編みのマフラーみたいな、他人のために苦労する作業が好きで
かつそれをプレゼントするのとかはもっと好きな、そういうタイプ
「映司くん、なんて無茶したんですか!死んじゃうとこでしたよ!?」
「痛た…でも、ああしないと比奈ちゃんが危なかったし」
「危なかった、って…自分はどうなっても構わないんですかっ!」ウルウル
「え?」
「映司くんまでいなくなったら、編み物をあげる相手が、いなくなっちゃいますよ…っ」ポロポロ
「わ、わぁ、泣かないで!わかった、俺比奈ちゃんの前からいなくならないから!ずっと一緒にいる、約束!ね?」
「…本当?」
なんかヤンデレみたいになってしまった
だが、とりあえず男性陣がもっと命張って比奈を守れば、ますます手厚いお礼を期待できるはず
メダルホルダーって実は比奈ちゃんの手作りってことはないよな
手編みもこなし、友達作と言うホルダーまでもが実は比奈お手製だったら良かったのに。
あのマフラーだと映司と二人でぐるぐる巻きするには余裕がなさそうだから
いつかより映司への想いが深まったら今度は長いのを編んで、是非二人でぐるぐるしてほしい。
ついでにそれを見て心底欝陶しげな眼差しを向けるであろうアンクまでもを巻き込んで
三人揃ってぐるぐる巻かれてくれたらもっと良い。
マフラープレイ、パンツプレイ、アイスプレイ…全部捨て難い
アイスプレイって何だよw
>>648 映司「比奈ちゃんとアイス屋デートってこと?」
アンク「違います。好物と女の体を舌で同時に味わう至高の一時です」
「友達にこういうの得意な子がいて…」は
その子の指南を受けて比奈が手作りした、と自分は解釈した。
そうであって欲しいな。
てす
>>649 今は寒いから、夏まで待ちなさいw
終盤な時期的にアイス喰ってる場合じゃないかもしれないけど
オーズはOPの布越しにアンクに抱きつく比奈のところでニヤニヤが止まりません
いつあんな感じになりますか
>>653 個人的には少なくとも春辺りまで待つ覚悟を決めている
その前に距離が縮まったら万々歳だが
※OPはイメージ映像です。
……ということにならないか非常に心配。
色々と想像をかき立てられる映像だけに、却って製作側の意図が読めないんだよね。
素直に受け取れば、一度目は布を払ってる内にお兄ちゃんがいなくなっちゃったから
今度はもう布ごと掴まえちゃえってことなのかと思うけど、それにしては比奈の表情が
ただ「お兄ちゃん、大好き!」って感じじゃないのがなんかもう。
恋する乙女の顔に見えるのはアン比奈好きの欲目かもしれないけど。
抱きしめられたアンクが比奈の腕を払いもせずになすがまま、
本編じゃしたことのない、憂いを帯びた切ない顔してるもんだから何があったのかと問い詰めたくなる。
>>655 互いに¨満たされるものを探して¨るんだろうと妄想
比奈ちゃんは常にお兄ちゃんを求めてたけど
次第にアンク=お兄ちゃんになってきて
好き=お兄ちゃん=アンク、すなわち好き=アンクになっていく
アンクはアンクで、人間に取り憑いて人間を求めるうちに
比奈のお兄ちゃんへの愛が欲しくて欲しくて仕方なくなって
話反れるがメズールもガメルを、ガメルもメズールを求めてた
つまりオーズは他人を求める者たちが織りなす愛と欲望の輪廻なんだよ!
ひょっとしたら平成ライダーで一番エロパロ向きな作品かもしれんね
あとは映司が目覚めてくれれば
>>652 屋内なら大丈夫だ問題無い。
寒いなら、暖め合えばいいんじゃないのかなぁ?
アイスキャンディーって造形とか存在とか食べ方が何と言うか、…ね?
>>655 アン比奈フィルターがかかってるとつい色々と勘繰りたくなっちゃうよね
こうさ、いかにもな恋愛を彷彿とさせるような贅沢な展開を望むつもりはないのだけれど
もし終盤にアンクが居なくなる方向なら、お兄さんも大事だけどアンクのことも純粋に心配し心で葛藤する比奈。
ってのがあの映像の持つ意味だったら嬉しいなー
ぐらいには思ってしまう
人間の欲望に焦点当てた作品だしな。
人間のエゴの最たる愛に関してはスルーできないだろうしな。
問題はグリードって人間の欲望を糧にしてる割には人間については
醜い欲望しか見てないってことなんだけど。
やっぱり作られた存在だから、その辺の情緒が欠けてるのかな。
でもメズール見てると親愛の情がないってわけでもなさそうだし。
そういやOP映像に切ない要素が全くなかったのはWが初めてか
OOOも曲だけなら平成随一の明るさだし、画面の色も鮮やかなんだけど、本編の登場人物達の関係が意外とシビアだったりするんだよな
※OPはイメージです って言えばアギトの後期OPだよな
氷川さんが小沢さんに銃突きつけたり翔一くんが真魚ちゃんところから去ってったり
葦原さんが水に沈んでるのはいつもどおりだったけどなw
連投失礼
>>658 他がギスギスしてる中、唯一メズールが仲間意識?やら愛情やらを見せたのは、
欲望の中でも特に愛欲を体現したグリードだったからなのかね
とはいえ別にカザリがやたら身を飾りたがってるようにも見えないが
いつの間に自分書き込んでたっけかという流れが。
夢を見すぎず、といってもここ数週の変化にあれこれ掻き立てられるわけだが…最後まで見守って行きたいと思う。
あと後藤くんがいつか(最終回を迎えるまでに)努力が報われますように。
本編はアメとムチを卑怯なぐらい使ってきてる気がする。
悶えて頭冷やして悶えての繰り返しで、何とも言えない関係や距離感が好きな人間にとっちゃたまらない流れだ。
先がどうなろうと野暮な事は言わないからその調子で思う存分餌まいてくれ。
飴鞭かw
新年早々すごい飴貰ったよなぁ
手編みのマフラー疑惑でナチュラルカップルの映比奈、
反発しあう関係から一歩進んだデレにフラグ臭むんむんなアン比奈、
どちらも猛烈に美味しいしありえる・・・!
>>662 そういや、後藤さんと里中君こそ※OP映像はイメージですになりそうな・・・
ディケイドOPの2ケツ見たかった・・・
映画でしてなかったっけ
オープニングだけだった物か……あまり考えてもみなかったが……
俺は、たっくんの髪を真里が散髪してるのが本編になかったのが少し残念、最終回にやっても良かったくらいだ
後は悲しい感じが多いよな
翔一が真魚の前から居なくなるのとか
ひよりのイラストが消えて泣き叫ぶ加賀美とか
未だにディケイドヲタで士夏職人な自分は
むしろ目隠し→写真撮影を本編で見たかった
>>666 TV編ならキバの世界の最初とアマゾンの世界のラストで2ケツしてる
冬映画でも最終決戦に行くときに一緒に乗ってた
あれ、意外としてるな
もっとよく見るべきだった
>>670 なんかそれ卑猥な響きだな
電王前期の涙ぐむハナと台無しになるバースデーケーキは、今思えば出生の秘密に繋がってたような気がしなくもない
>>674 あったあった、水原とかに「お前は勝手に俺を班長にしたやつに似てる」とか言ってでてった後だよな
お、改めて考えてみると結構「※OP映像はイメージです」って事にはなってないみたいだな
個人的に「OP映像は釣りか…」と思ったのはディケイドかな。
サビ直前で9人の平成ライダーの後ろに佇む夏海のところ。
あれを初めて見たときは実は黒幕で後々覚醒するんじゃないかとか
色々考えながらwktkしてたのに 何もなかったww
夏映画で夏海が祈ったら(?)ライダー全員出てきたけど、あれってタイミングが重なっただけだよなあ…
久々にディケイド一話から見直そうかな
ちなみに第一話でも何気に士夏2ケツしてるな…士は変身してるがなww
スレチかもしれないけど、ディケイドの一話で夏海がバイクから落ちるシーン
あれ、もしかして吹き替えじゃなく本人だったのか?
>>676 自分も同じこと思ったw
平成ライダーに守られた(あるいは奪われた?)夏海を士が奪い返すのかと密かに期待してたんだが
結局あの映像の部分は本編にも映画にも関係なかったなww
>>675 あったよな?よかったよかった
今確かめようとDVD探してたとこで見つからなくてさ
ディケイドはすぐあるからディケイド見るかな
OPっていえば、電王のOPの良太郎とハナさんの背中合わせのシーン
あれを見たときに「二人はそういう関係なのか」とか思っていたら
愛理さんとの背中合わせもあったから、「あれ?まさか姉弟で…!?」
とか思っちゃったよ。
今考えれば身内ってだけなんだろうか。
>>676 >サビ直前で9人の平成ライダーの後ろに佇む夏海のところ。
思った思った。
9人が夏海を守る騎士のように見えたりもしたから、夏海が世界を守る封印みたいなものかと想像した。
白いドレスとか、瓶を叩き割ったりとか、夏海はもっと物語の鍵になる印象だったけど。
考えてみれば、OP映像が本編のイメージなのは当たり前なので
>>655は
「※OPはイメージ映像につき、本編の内容とは異なる場合があります」
と書くべきだったと今更ながら訂正。
ディケイドはな……
最初はもっと違う構想もあって夏蜜柑もその時は
世界の鍵みたいな役割だったんだろうなとは思うよ。
予知夢とかも含めてさ。
それが色々あって仮面ライダーキバーラに。
おいしい要素はかなりあったと思うんだが、上手くまとまらなかったというかなぁ。
今でももったいないと思うよ、本当に…。
それでも好きなんだけどな!
夏みかん変身でキバーラも嬉しかったし!
555劇場版の散髪シーンは、文句言いながらも顔はにやけてる真理のツンデレっぷりが素晴らしいw
巧も文句言いながらもされるがままだし。
主人公が記憶喪失の悪の帝王
それを目の敵にする謎の男
その過去を知る2号ライダー
悪夢を見るヒロイン…
こんな魅力的な作品が上手くいかないわけが無ry
ツンデレといえば、キバのゆりも凄まじいツンデレだよなwww
久々の投下です。
ドキドキするな。
タイトルは
「映司と比奈とセックス」
そのまんまの内容です。
ちょっと長くなっちゃった。すいません。
苦手な方はスルーでお願いします。
アンクと映司の部屋。
アンクはいない。
おおかた、残暑をしのげる場所でアイスでも喰っている。
映司はいま、バイトの休憩中だ。
ランチタイムが片付いたので、昼食にしていいと言われた。
知代子さんの賄いは旨い。
ノックの音がする。
「映司くん、入りますよ?」
比奈の声だ。
ドアから彼女がひょこっと顔を覗かせた。
「失礼します……一緒に食べてもいいですか?」
映司は皿から顔をあげた。
「どうぞどうぞ!」
小さなテーブルのはじに寄って比奈のスペースをつくり、器用にスプーンを回してはパスタを口に入れる。
普通のスピードで普通の量で食べているはずなのに、なぜか、皿のパスタはみるみるうちに減っていく。
比奈は珍しいものを見る目でそんな映司をみつめ、空いている椅子に腰掛けた。
「おいしそうに食べますねえ」
映司が顔をあげて答える。
「だって、美味しいもの。この地中海風カレーパスタ」
比奈は笑って、
「いただきます」
と小さな声で言うと、自分も食べはじめた。
部屋にはカチャカチャと食器の音だけが響く。
映司は最後のひと口を収める。
比奈は手を止めて、目を伏せた。
「……私、処女なんです」
映司がぶふぉっ、と吹き出した。
「げほげほごほ…な、なに!いきなりなんの話!?」
比奈はフォークを口に運びながら平然と話した。
「昨日友達と、そんな話になったんですけど。
……付き合った人がいなかったわけでもないんです。
でも、いざ、そーゆーことになりそうになると、お兄ちゃんのこと考えちゃうんですよね。
お兄ちゃんびっくりするかな、とか、お兄ちゃん怒るかな、とか」「はは…面白いね」
「みんなに、やっぱりブラコンだ、って言われました。
けど……相手が映司くんでも、同じなのかな」
映司の顔をのぞきこむ。
彼の頬が引き攣った。
「あの……それはどういう」
「いやですか、私じゃ」
比奈の顔は真剣そのものだ。
映司はしばらく比奈を見つめ、クスクス笑い出した。
「いつも一生懸命だよね……そんな比奈ちゃん、好きだよ、俺は」
比奈は顔を真っ赤にした。
なんてことを言ってしまったんだろう、私!
映司はきっと、返答に困ってしまったのに違いない。
「ごめんなさい、変な話して。
今のは忘れてください!」
映司はコップを手にとった。
「忘れなきゃ、ダメ?」
「え」
彼はコップを軽く揺らしながら、水の底の向こう側を見ている。
「スイッチ、入っちゃったみたいだ」
映司の顔がゆっくりと比奈の方を向いた。
比奈は映司を見つめる。
二人は見つめ合っている。
動かない。
少しの間、沈黙。
「―――ませ、6名様?こちらへどうぞ〜。
……ちょっと、映司くーん、お客様おねがい!」
時間が動き出した。
「はーい!今行きます!
比奈ちゃん、バイトのあと、予定は?!」
映司の勢いに圧されるように、
「学校へ、課題を提出に……」
「迎えに行く!」
映司はどたばたと階段を下りて行った。
「……スイッチって……え、ええーっ!?」
16時40分、正門前。
比奈ちゃーん!と手を振る影がある。
「比奈、アレ、誰?」
「あ……」
バイト中は、さっきの話について何も話せなかった。
自分の方が早く上がったので、そのまま出てきてしまった比奈だった。
とりあえず、この友人たちになにから説明すればいいか、迷う。
「ヤダ、彼氏?!いつの間に!!」
「結構イケメンじゃん!ファッションは……個性的だけど」
戸惑いながら、
「お兄ちゃんの、知り合い」
とだけ言って、先に帰る旨を伝え、ライドベンダーに跨がる映司のもとに走る。
「あの、映司くん、さっきの……」
顔が熱くなるのを感じた。
「乗って!」
映司は比奈の頭にヘルメットを被せた。
座ったのを確認して、彼女の腕をとり、自分の腰に回す。
おもむろにバイクはスタートした。
碧い風。
バイクの風がこんなに気持ちいいものだとは。
ほてった顔に、その涼しさが優しい。
バイクがカーブに差し掛かると、映司に合わせて重心を移動しなければならない。
流れる景色は自動車から見るそれと同じはずだが、世界が針路に倒れ込んで来るようだ。
疾走感。
エンジンの唸り、震え。
新鮮な驚きに満ちていた。
映司の背中は思ったより広く、温かだった。
海沿いの工業団地の一角に、映司はバイクを停めた。
比奈は下りてヘルメットを外した。
「映司くん、あの、私」
映司は悪戯っ子のような笑顔を見せると、
「走るよ!」
と言って比奈の手をとり、走り出した。
わけがわからなかったが、比奈は一生懸命走った。
映司に遅れないように。
映司の足手まといにならないように。
すぐに汗が、こめかみを伝う。
工場の間を抜け、日が暮れかかった路地を曲がり、
青白いライトに照らされはじめたコンビナートを回り込み、
ひとけのない通路を走る。
二人とも、はぁはぁと息が跳ねて苦しくなってきたころ、
唐突に、広くはない野原に出た。
「きゃっ」
足がもつれて転んだ比奈を守るように映司が抱き留め、二人はクローバーの絨毯をごろんごろんと転がり、やがて止まった。
比奈は背中の下に、ひんやりとした柔らかい草を感じた。
映司は肩で息をしながら、比奈に軽くくちづけた。
「さっきから、ずっと、想ってた、君に、触れたい、キスしたい、って」
比奈の胸は激しく上下して、なかなか呼吸が落ち着かない。
「欲望、ですか?」
もう一度、軽いキス。
「おかしい?」
映司の髪から汗がひとつぶ、滴った。
比奈はやっと状況を飲み込んで、急に照れて上半身を起こした。
「あ、あの、聞きたいことが沢山あって、」
映司は比奈の髪を優しく梳いて、屈託なくニコッと笑った。
「聞きたいこと?」
彼女は頭を巡らせた。
スイッチが入るとはどういうことか。
なぜこんなところに連れてきたのか。
これからどうするのか。
しかし、何を訊ねても、おそらく結論は一つである。
「あのぅ……『する』んですよね、私達」
へんな言葉を選んでしまった。
「うん」
「やっぱりここで、ですか」
「うん。ねえ、見て……」
映司が顔を向けた方向には、海があった。
工場のフェンスとコンビナートの塀の合間に見える。
空き地に飾られた絵画のように奇跡的に、海と、そこに沈み行く夕陽と。
空はオレンジから青へのグラデーション。
真上には早くも星が出ている。
比奈は感嘆の声をあげた。
「すごい……きれい……」
「俺、何回かここで寝泊まりしたことがあるんだ。
この景色が気に入ってね。
でも、こんなに綺麗な夕陽は初めて。
急いでみて、よかった」
映司はいつもの笑顔で、彼女を見つめた。
そして急に真面目な顔をして、
「俺じゃ、いやですか」
昼間の比奈の言葉を真似る。
照れてうつむく比奈は、その言葉の深い意味に気づかない。
映司が心の底で感じていた切なさに、気づかない。
彼の行動は突飛なようでいて、揺るぎないものの上にある。
だがそれを隠すのは、とてつもなく上手なのだ。
「帰ろうか。明日からも、何事もなかったように過ごせるよ、俺。
だから、無理はしないで」
いやなわけがない、自分から言い出したことだ。
半分は、冗談で済ますつもりだった。
でも、残りの半分は本気だ。
映司は人を利用したり、悪いように扱うことはないと、比奈は信じている。
顔をあげる。
優しく見つめる映司の顔は、今日最後のオレンジ色を反射している。
この人、映司くんと、これから……
「……あ!映司くん!
あの…ええと…それにはなんというか、必要なものが……」
「……?……あ、アレね」
ごそごそとポケットを探って、小さな四角い袋に入ったそれを取り出して掲げる。
「メイド・イン・ジャパン!」
比奈は、ぷっと吹き出した。
「海外じゃ評判いいんだよ?日本製は!」
「え、いつも持ち歩いてるんですか?!」
かすかに、比奈の胸が嫉妬に締め付けられるが、本人は意識していない。
「まさか。使う相手もいないよ。
買ってきた。ドラッグストアで、12個入り。……残りの11個は、どこに隠せばいいんだろうね?
アンクに見つかったら面倒だなぁ」
フフッ、と映司は笑って、比奈を見た。
「他に、質問は?」
比奈はカアッと頬を赤くしてうつむくと、消え入りそうな声で言った。
「……ありません」
額縁の海はすでに真っ暗だが、
この空き地には光が届いている。
二人は、高く積まれた金属製の足場板の陰に座っている。
ごくたまにトラックの走る音が聞こえるが、人の気配は全くない。
「ここは……くすぐったい?」
映司が、吐息混じりに、比奈の耳に囁く。
彼女は照れ隠しに、「はい、少し」とくすくす笑う。
「セックスなんて、くすぐりあいの延長だもん」
言いながら、映司は耳たぶから耳の中まで舐める。
「ふふっ、あっ、くすぐったい……んっ」
映司はぴちゃぴちゃと音を立てながら、
「かわいい声……それに、いいにおい」
舌は比奈の首筋をたどり、唇にたどりつく。
とろりとそれが入ってきて、比奈は戸惑う。
映司の舌が比奈の舌を探す。
比奈がおずおずと差し出すと、映司の唇が優しく吸い上げる。
お互いの口の中を行ったり来たりしながら、呼吸があわさっていく。
二人はそっと身体を離して微笑みあった。
「ドキドキします」
「俺も」
「嘘……映司くんは、大人です」「大人はドキドキしないのかな」
映司は自分の上着を脱いで、敷いた。
比奈を抱き寄せて、ゆっくりと寝かせ、比奈の手に、自分の手を絡める。
映司の指は、長くて細い。
比奈はその手を持ち上げてゆっくり眺め、そうっと頬ずりした。
突然、バチッと音がして、辺りが真っ暗になる。
「6時だ。工場の電気が落ちたんだよ。もう、誰も来ない」
比奈は映司の影の向こうに月を見た。
細い、針金細工のような月だった。
映司はゆっくりと、彼女の身体を探っていく。
初めての痛みに不安を抱かないように、優しい声を囁きながら。
背中を指でなぞり、反応を確認したあとは、何度も同じように攻めた。
「あんっ、映司くん、もう、くすぐったいとかじゃなくて……」
「どんな感じ?」
「ん……へんな……感じ」
「ここは?」
太ももの内側を指でなぞる。
丁寧に、そして、脚の付け根から秘部へ。
比奈の身体がびくんと固くなる。
「大丈夫、力を抜いて……ちょっと触るだけ……」
耳元で彼が囁く。
「ほら、少し、濡れてる」
恥ずかしくなって、比奈は顔を逸らした。
映司は比奈の頬に触れると、自分の方に向けさせる。
さっきよりも柔らかく、比奈の舌は映司を受け入れた。
くちゅっ、ぴちゃっ。
口の中が映司で満たされている。
「ん……ふぅ……」
声にならない吐息が洩れてしまう。
キスを続けながら、映司の指は比奈の胸のボタンを外していく。
手際よくブラのホックまで開放すると、尖った先端を指で弄ぶ。
「んっ、ぁん、ふぁ」
映司は唇を離した。
「気持ちいいの?やらしい顔してる」
そう言うと、はだけた比奈の胸に顔を埋め、乳首を口に含んで転がした。
「見える?」
彼は上目遣いで、比奈の乳首を舐めている。
時折軽く噛んだり、わざと舌を出して舐めて見せたりする。
「やだ……はずかしい……です」
いつの間にか、比奈の中に映司の指が入り込んでいる。
ゆっくりと内壁を擦りはじめてから、彼女はそれに気づいたらしい。
「んんっ……ぃあん……」
「痛い?」
「ううん、だい、じょう、ぶ」
映司は、比奈の顔にかかった幾筋の髪をそっと払ってやった。
いつもきつく結ばれている唇が、だらしなく緩んでいる。
虚ろな瞳、上気した頬、すべてが愛おしく、口づける。
と同時に、その愛おしく刹那なるものを壊してしまいたくなって、映司の指が激しく動く。
「ン、やっ、こわい、」
はっとして、彼は動きを止める。
目を閉じて、深い呼吸を2回する。
待て。落ち着け。
自分に言い聞かせる。
目を開けると、しかし変わらず淫らな比奈がいる。
「比奈ちゃん……好きすぎて、俺……おかしくなりそう」
比奈は、潤んだ瞳で彼を見つめる。
「俺……」
――俺は
「君を」
――誰よりも
「愛してる」
映司は、そっと、自身を挿入する。
柔らかく閉じられたそこを、ゆっくりと、本能的に動かしながら、こじ開けていく。
比奈の顔がかすかに歪み、涙が頬を伝う。
痛みは想像より酷くない。
なのになぜ自分は泣いているんだろう、と彼女は思った。
胸の奥からなにかがじわじわとこみあげてきて、涙が止まらない。
映司はゆっくりと動く。
できるだけ彼女を苦しませないように。
できることなら彼女に悦びを与えてあげられるように。
彼女の頬を拭いながら、口づける。
「俺を」
――俺だけを
「見ていて」
比奈の目には、映司も泣いているように見えた。
しかし、本当のところはわからない。
彼の頬を手でつつむ。
「映司くん……愛してる……」
その言葉を聞くと、もう映司に余裕はなくなった。
だんだんと動きが速くなる。
比奈の身体を抱えこむように、抑える。
彼女の耳に、映司の熱い息が叩きつけられる。
「ッ……い…たい……」
さすがに比奈にも痛みが出てきた。
映司は少しだけ身体を浮かせたが、
「ごめん、すぐ、終わらせる」
と動きをやめない。
「映司く……ん……」
映司の大きな手が、彼女の髪をぐちゃぐちゃと掻き乱す。
今だけは。
この唇。不安に揺れる瞳。
服の合間から揺れこぼれる柔らかな乳房。
背中に食いこむ冷たい指と爪。
俺を締め付ける熱く秘めやかなここ。
俺だけの「比奈ちゃん……!」
俺はなんて強欲な。
自分勝手な。
欲望の、かたまり。
「くッ……」
映司の動きが止まった。
比奈は、ぴたりとついた胸から、映司の鼓動を感じていた。
息遣いも荒く、果てていた。
「映司……くん?」
彼女の呼びかけに気だるく頭を持ち上げる。
「痛い思いさせて、ごめん」
比奈は首を振った。
「大丈夫!大丈夫です!
思ったより痛くなくて……」
映司はそろそろと身体を起こして、後片付けを始めた。
その背中に、比奈は声をかけようとした。
しかし、なにかがさっきまでとは違う。
距離を感じる。
「ありがとうございました……
うれしかった……愛してる、って」
一瞬の間をおいて、映司が振り向いた。
「俺も、うれしかった」
にっこり笑って、比奈を見る。
そこにさっきの、自分の全てをぶつけてきた彼はいない。
「俺、比奈ちゃんが好きだよ」
「私も、映司くんが好きです」
軽いキスをする。
「さあて、帰ろうか」
服装の乱れを直しながら、立ち上がる。
映司が比奈の手をとる。
「暗いから、気をつけて……
あ、そういえば」
比奈は彼を見上げる。
「お兄さんのこと、思い出した?」
映司に愛撫されているとき、比奈の頭の片隅をかすめる影があった。
それは兄ではなかった。
兄だが、兄ではない、赤い影。
「いいえ」
と微笑む。
嘘はついていない。
「そっか」
映司は、比奈の手をぎゅっと握りしめて、微笑んだ。
比奈がどこにも行かないように、彼は指を絡ませた。
おわり
以上です。
お目汚し失礼しました
すいません、
知代子→知世子
だ。
サンバに揉まれてきます……
>>685 エロい中にも切なさが見える…、投下GJでした。
さぁ、新作の誕生を祝おうじゃないか!ハピバースデー!
乙!
野外とはなかなか大胆に来たなwww
なんかこのスレ見てると映司がヤンデレに見えてきて怖い
いつか比奈ちゃんめぐってアンクを始末するんじゃないか
ってくらいの勢いあるよね
>>694 GJ!!!
素晴らスィィィ!!
兄じゃない赤い影ってw
どっかの腕怪人が嫉妬に狂って荒らぶる鷹のポーズでアップをはじめるんですね、わかります
あのグリコポーズでキレるとかちょっとシュール過ぎるだろw
映比GJ!
比奈がちょっとアンクの事を掠めるのがいい。
その頃アンクは、戻ってこない二人に苛々してアイス食べ過ぎて
店長に怒られてるといい。
>>699 グリコポーズが頭から離れなくなったじゃないかwww
>>680 遅レスだが、ディケイドOPの内容の意味深なカットは
(始めから意図してたわけじゃないだろうが)完結編に繋がるような内容が多い。
夏海の手で叩き割られる「ディケイドのフィルムが中に入ったビン」をそのまま
「破壊者・ディケイドとしての士」と考えると完結編の展開そのままだし。
ということで某スレよりOPの考察をコピペしてみる
■フィルムだらけの真っ白な場所にいる士→手に持ったビンを振り上げる夏海→士が振り向く→床を転がるビン
・ビンは士の象徴で、中に入っているフィルム(ディケイドの姿が写っている)は、士が旅の中で得た記憶を現している
(ビン=肉体、中のフィルム=精神)。
・士がいるフィルムだらけの場所は士の心(=ビンの中)の世界であり、フィルムはビンの中のフィルムと同じもの
(士が旅の中で得た記憶)。
■ビンを地面に叩き付けて壊す夏海→それと同時に衝撃を受けたように倒れていく士
・冬映画で仮面ライダーキバーラ(夏海)によってディケイド(士)が殺され、「破壊者」としての役目を終えたことの暗喩。
・倒れていく士の顔に浮かび上がる平成ライダー達のマスクは、ディケイドがライダーを破壊して手に入れた力の象徴。
■座り込んで涙を流す士にカメラを渡す夏海らしき手→士がいるのと同じフィルムだらけの場所で微笑む夏海
・冬映画で復活した士に夏海がカメラを手渡したシーンと同じように、夏海が士を破壊者としての役目から解放し、
自分だけの世界を写せる未来(=カメラ)を取り戻したことの象徴。
・フィルムではなく生身の夏海が士の心の世界にいる理由は、夏海が記憶の中だけではなく、現実でも常に士のそばにいる
(一緒に旅している)から。