【マスラヲゼンラー】林トモアキでエロパロ 2【ミスマルカ】

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1名無しさん@ピンキー
やぁみんな! 元気にしているかい? 私の名はゼンラーマン!
いや、職人さんたちの力で私は生まれ変わった!
真のゼンラーマン・フリーダム、
ゼンラーマン・Hと呼んでもらおうか!
なに、スペル? 固定観念にとらわれていては、自由への道は遠いぞ!
さぁ、君も自由に作品を投下してみないか?

前スレ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210936551/l50

保管庫@wiki
http://www37.atwiki.jp/hayashi-eroparo/

保管庫@livedoorwiki
http://wiki.livedoor.jp/stamen09/
2名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 20:20:35 ID:F0C0Yewi
          _人人人人人人人人人人人人人人人_
         >      ごらんの有様だよ!!!  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
_______  _____  _______    ___  _____  _______
ヽ、     _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、   ノ    | _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ  、  |
  ヽ  r ´           ヽ、ノ     'r ´           ヽ、ノ
   ´/==─-      -─==ヽ   /==─-      -─==ヽ
   /   /   /! i、 iヽ、 ヽ  ヽ / / /,人|  iヽヽ、   ヽ,  、i
  ノ / /   /__,.!/ ヽ|、!__ヽ ヽヽ i ( ! / i ゝ、ヽ、! /_ルヽ、  、 ヽ
/ / /| /(ヒ_]     ヒ_ン i、 Vヽ! ヽ\i (ヒ_]     ヒ_ン ) イヽ、ヽ、_` 、
 ̄/ /iヽ,! '"   ,___,  "' i ヽ|     /ii""  ,___,   "" レ\ ヽ ヽ、
  '´i | |  !    ヽ _ン    ,' |     / 人.   ヽ _ン    | |´/ヽ! ̄
   |/| | ||ヽ、       ,イ|| |    // レヽ、       ,イ| |'V` '
    '"  ''  `ー--一 ´'"  ''   ´    ル` ー--─ ´ レ" |
3名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 21:49:13 ID:HdtZfNaB
落ちそうで怖いな
4名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 22:51:42 ID:3ZPdUCcR
>>1

こっ、これは乙じゃなくてミドカルズオルムなんだからねっ!
5名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 12:41:30 ID:38alfQDG
>>1
ひいぃぃぃっ!? 乙かい? 乙なのかいぃ?!
6名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 17:13:31 ID:Cezwnjgm
>>1には褒美にこれをあげるの
っMI乙UNOのバット
7緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:28:38 ID:9zdM7tV4
誰も書かないからあえて「ばいおれんす☆まじかる!」で。
緋奈が終盤、エルシフに負けてた場合のifルート。
エルシフは魔王の息子で、エルシアやらの兄。
ちなみに、本編で緋奈は実力じゃ勝てないので、だまし討ちで勝ってます。

1/9
「……ここは、どこだ?」
緋奈は、見慣れない景色に戸惑いながら目をこする。
「ん、金かかってんなぁ」
緋奈は部屋の様子に目をやりながらつぶやいた。
彼女自身の家もかなりの富豪ではあるが、それよりもなお豪華だ。
見たことのない国の調度品が並んでいるが、なんとなくなにげに高価なモノだというオーラを発している。
ふと見れば、緋奈のまとっているやたらふりふりした衣服も肌触りからみて絹かなにかだろう。
「目を、覚ましたようですね」
目の前に現れた男は、涼やかな目元と白磁の肌、漆黒の髪。人間離れした美男子だ。
「あんたは、確か…」
「エルシフです。あなたの夫です。お忘れで?」
「あ、あぁ…」
寝起きで霞がかっていた緋奈の脳がようやく動き始めた。
緋奈は人質に取られた仲間たちを取り戻すため、、九重学園を占拠した魔族と戦った。
各階を上位魔族が守っていたが、目の前の男、エルシフは4階を担当していた。
エンジェルナイトに変身して戦うも、緋奈は圧倒的な力の差に敗北したのだった…。
8緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:29:16 ID:9zdM7tV4
2/9
「はい、あなたは負け。私は勝った。だから…」
「えっと、なんだっけ?」
靄のかかったような頭で緋奈は問うた。
「貴女の体と魂は私のもの。そのかわりに貴女のお友達を助け、貴女だけを永遠に愛する」
「…あぁ、よく思い出したよ」

ぶぜんとして緋奈はそっぽを向く。
エルシフはかなりの美形だ。こういうシチュエーションでなければときめいたという可能性もないではない。

「私の心ごと、って言ったのに。自由意志は残しているんだな。
こうして、あんたに反抗的な態度を取ることもできるみたいだし」
緋奈は、「べー」と言いつつ、まぶたの下を指でひっぱって、べろり舌を出してみせる。

「ええ。ペットにするのは簡単ですが、太陽のように気高く熱い魂が損なわれますからね」

くすくすと笑いながら、エルシフは右手で緋奈のあごを軽くつかみ、自分の方に頭の向きを変えさせる。
それから、彼はゆっくりと口づけをする。

「……ん」

緋奈の口腔内に、温かいエルシフの舌が侵入してきた。
ぐちゅ、ぐちゅとエルシフの舌は、緋奈の歯や口腔を複雑にうごめく。
不可避的に流れ込むエルシフの唾液を嚥下するごとに、
えもいわれぬ快感が電流のように緋奈の全身を駆け巡る。

(……んっ! んっっっんんっ!!)
9緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:29:43 ID:9zdM7tV4
3/9
ずいぶんと長い間唇を重ねていたようにも思うが、実際にそう長い時間でもないだろう。
唾液の糸を垂らしながら、エルシフは唇を離す。

「……学校でのキスの方が情熱的でしたね」
やや悲しそうに言うエルシフ。
「あぁ…あのときは、状況が状況だったしな…」
「そうですか…」

そのままエルシフ、ゆっくりと緋奈の下半身に手を伸ばす。
「……ぉ、おい、そこは…?」
「いけませんか?」
「い、いや……。別に……、いいけど」
顔を背けながら緋奈は答えた。エルシフの城のどこかにいる由香利たちのこともある。
ここでエルシフを拒絶するのはまずいだろう。

「私もヤクザの娘だ。約束は守るさ……」
「ええ、そうでしょうとも」

ぐちゅぐちゅ、とエルシフは緋奈の陰核を刺激すると、電流にも似た快感が緋奈の体を流れた。

(くぅっ、くうぅぅぅっ…)
緋奈は必死に声を押し殺す。
その刺激だけならまだ我慢もできただろう。エルシフはやさしく耳を甘がみした。
「……く……ぁん」
これが自分の口から出た声か、と驚く緋奈であるが、なおもエルシフは手を休めない。
乳首をやさしくこねくりまわすのに耐えかねた緋奈は、渾身の力でエルシフに抱きつき、背中に爪を立てた。
10緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:30:07 ID:9zdM7tV4
4/9
「んんっ、はぁ。…ずいぶんと、女のあしらいがうまいんじゃ、ないか?」
「…ええ。ですが、私の未来の女性は貴女だけです」

そう言って、エルシフは緋奈の体を押し倒し、緋奈の下着を脱がせてしまう。
たちまち、誰にもさらしたことのない桜色の陰唇があきらかになる。
「い、いやッ。おい、風呂とかシャワーとか…」
顔を真っ赤にして緋奈は抗議する。
ヤクザの娘だからと必要以上に強がってはいるが、緋奈とて年頃の乙女だ。
体を清めることのないまま秘所を凝視されるのは、かなりの羞恥心を感じる。

「貴女は綺麗ですよ。とても」
月並みな台詞を言うと、エルシフは緋奈に舌と舌をはわせる。

ぴちゃ……ぴちゃ、ずずず、と音を立てて緋奈の女陰がほじくられ、
むき出しにされた陰核は、ねっとりと唾液を含んだ舌でねぶられる。

「くっ……、ちょっと待て……。そ、そこま……あぁ」
異常なほどの快感の波に翻弄されながら、緋奈は必死で足を閉じようとする。
緋奈の太ももで圧迫されながらも、エルシフは舌と指を休めない。
実際、快感によって緋奈は両足に十分力を込められていないし、
仮に万全でもエルシフを跳ね除けることはできなかっただろう。
しつこく的確な攻めを受け、緋奈は名状しがたい危機感を感じた。

「…いや、らめ……。もう……っあぁぁぁぁ」

ぴゅーっ、ぴゅーつ、と勢いよく緋奈は潮を吹いた。

「あわっ……、そうじゃなく…」
涙目になった緋奈は、思わずあまり意味の分からない弁明をしてしまう。
そんな緋奈に軽く口付けをするエルシフ。
「もう……、準備はいいでしょうか……」
ぐっしょり濡れた秘所から、糸を垂らしながらエルシフは指を抜いた。

二度、深呼吸をした緋奈は、
「ああ」と平静を装って答える。
11緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:30:34 ID:9zdM7tV4
5/9
気がつくと、目の前にはいつの間にやらと露出されたエルシフの男根。
AVやらなんやらで見たことがあるにせよ、緋奈としては始めて見るモノだ。

(……ん。綺麗な顔してるクセに、グロい。
いや、サイズ的に大きい部類に入るのか)

内心をさとられないように、平静をよそおいつつそれを凝視する。
(……あ、っつ!)
先端が膣穴に少し埋没したところで、緋奈は反射的に腰をくねらせてずり上がる。
「……い、いや。すまない」
処女のずり上がりとか、枕上がりというやつ現象だ。
気を取り直したエルシフが少し亀頭を進めようとするたびに、緋奈の意思とは関係なく体が動く。
緋奈が寝かされていた寝台が一般家庭用のものならば、とうにベットから落ちているところだ。

「……もしかして、初めてで?」
「……さ、さあね」
「日本の性文化はおおらか、と聞いたのですが?
貴女くらいの年齢で経験しているものだと……」
「うっ、うるさいなぁ……。あんまりいじわるを言うな」
「無理やり押さえつけて、というのは私の趣味ではありません。
今度にしましょうか……」
緋奈にのしかかっていたエルシフは、上体を起こして緋奈から離れようとする。
「あ、待て……。その、なんんだ」

しばし考え込んだ緋奈は、ぐるりと体の向きをかえ、よつんばいになる。
そして、顔を布団に押し付け、目を閉じると、

「こ、これでいいだろ。この姿勢のが安定してるから……」
騎乗位なら自分のペースでできる、という選択肢もあったが、緋奈としては後背位のが羞恥心が小さいと判断した。
12緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:31:25 ID:9zdM7tV4
6/9
(い、いや……。冷静に考えると、これはどうも……)

性器から肛門まで、相手側にまる見えになる。
選択が失敗だったか、と思った瞬間、秘所を中心に体を引き裂かれるような衝撃が走った。

「ひぎっ……!」
視界一面にシーツが広がり、上体がベットに沈み込む。

「……あぁぁっ」
激しい痛みに、またも腰が前に進むが、ベットに体が沈むだけで男根は抜けない。
緋奈が慣れるまで、エルシフはしばし腰を動かさずに様子を見ていたが、
「そろそろ……、いいでしょうか?」
「……、うん」

ぐちょ、ぐちょ……
最初はゆっくりと、小さいな動きで。
しだいに、エルシフの動きはリズミカルに、激しいものになる。

「……あっぁぁっん、くぅうっ!」
緋奈はあえぎ声を必死でこらえる。
子宮口を男根がつつくたび、痛みとも快感とも判別しがたい感覚が体を流れる。
やがて、痛みが、徐々に快感に変わって来るとともに、理性がぼろぼろと剥がれ落ちていくのを感じた。

緋奈が慣れてきたと見たのか、自由になっているエルシフの手が、背後から緋奈の胸を弄ぶ。
「……、ひっ、ら、らめ……。ひくび、乳首を、さわるなぁ…!」
ろれつがまわらないなりに、緋奈は叫ぶ。
気が狂ってしまいそうだ、すでに緋奈は涙で顔面はぐちゃぐちゃである。

エルシフは、なおも緋奈の胸に指をからませつつ、緋奈の耳元に口をよせると、
「あなたを、愛しています…」
そう言って、優しく耳を噛んだ。

(……くっ、この…!)
何か言い返してやろうかと思ったが、口を開けばあえぎ声が出ることは必至だ。
声を出す変わりに枕を噛み締め、快感に耐える。

びくん、膣内で男根が震えたと思った瞬間、エルシフが精を放つ。

(…っ、がっぁぁつ!)
びゅつ、びゅっと、精液が子宮口に激しくぶつかるのを感じた瞬間、緋奈も激しい絶頂を迎える。
13緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:31:50 ID:9zdM7tV4
7/9
「…はぁっ…はぁ」
エルシフの動きが止まったことに気づいた緋奈は、ようやく噛み締めていた枕から口を離す。
そうしたところで、エルシフは緋奈の胸に当てていた腕を回し、ころんと緋奈を仰向けにさせる。

「…ん……あぁっ、見るなぁ!」
緋奈は両腕を使って顔面を隠す。
顔は涙でぐしょぐしょだし、口元からはだらしなくよだれをたらしている。
自分では確認できないだろうが、さぞかしひどい顔をしているだろう。

「……緋奈」
優しく、エルシフがタオルを差し出してくると、緋奈はひったくるようにタオルで顔を覆った。

(あぁ…。いいように弄ばれっちまった…。
こりゃ、もう完全にお嫁にいけない…)

それでも、涙を拭いてしまうと、ようやくに落ち着きが生まれてきた。

(……すぎたものは仕方ないか。
…それにしても、「らめぇ」とか本当に言うんだな。
いやいや、お嫁にいけないって…、我ながらいつの時代の人間だ?)

冷静になると、ようやく自分の行動を振り返る余裕もできていた。
さっきから、ぐちゃぐちゃになった顔をタオルで隠しているが、これもおかしな話だ。
後背位からやられたのだから、当然に秘所から肛門まで相手にさらされたのだ。
それも、愛液でぐちゃぐちゃになり、ちょうどつながっているところを見られたのだ。
いまさら、顔程度を恥ずかしがる意味が分からない。

よし、と気合を入れるため、タオルで顔をつよくこすると、緋奈はようやく顔を上げた。

「おい、お前のも綺麗にしてやる。こっちを向け」
緋奈はつとめて強い口調でエルシフに言った。
「おや、元気になりましたか…。なんだか乙女をいたぶったようで気に病んでいたところでした」
「学校でといい、ベットの上といい、あんたは結構Sだよな。
口ではいろいろ言いながら、私を叩きのめすまで攻撃はやめないんだから」
14緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:32:23 ID:9zdM7tV4
8/9
緋奈はしばし逡巡すると、手に取ったタオルを傍らに置いて、エルシフの一物に舌を這わせる。
「…、うっお?」
「やられっぱなしじゃ、気がすまない。
下手に…、動くなよ。こっちは…、初めてなんだ」
ずりゅ、ずりゅ…ちろちろ、音を立て、緋奈の舌は自分の破瓜の血や、愛液などで汚れた一物を舐めあげる。

(……ん。苦い。別段、おいしいものじゃないな)

経験がないものだから、正しいかどうかはさておき、AVやらなんやらで得た知識を総動員。
エルシフの反応を見ながら臨機応変に行こう、と上目遣いでエルシフを伺う。

(亀頭は粘膜だ。他のとこより敏感だろうから舐めれば効くだろう…。
ここがええのんか……?あ、そういえば、AV女優は頭動かしてたな。
舌だけでなくて適宜上顎なんかも使う感じか?)

さきほどと違い、一方的に攻撃するのは緋奈のみだ。
少しづつ、頭の方もまともい回転するようになってきた。

(なんかモノ足りないな。あ、音がないのか。
でも、盛大に音立て効果がかわるのか? まぁ、いい。音立てとけ)

じゅるじゅる、ちゅぱちゅぱと、唾液をからませて男根を舐めしゃぶる緋奈。
ついでに、思い出したように空いた手で竿をしごきあげる。
緋奈のテクニック的に言えば、稚拙と言えるだろう。
それでも、相手は血を分けてもいいとまで思った相手が、必死で奉仕しているのである。

「そっそろそろ…」

エルシフは緋奈の頭に腕を回し、男根を喉まで突き入れる。
緋奈としてはたまったものではない、強烈な嘔吐感に襲われた。

(…く、苦しい。このッ、このッ!)

普通、口の中の男根を外にだすためには、さらに大きく口を開く。
だが…、緋奈は逆に思い切り口を閉じる。噛みちぎらんばかりに歯を立てて。

「ッツ…!」

たまらず、エルシフの方が腰を引く。
15緋奈と魔界王子:2010/06/19(土) 01:32:53 ID:9zdM7tV4
9/9
「私だから良かったものの、人間のモノなら千切れてましたよ」
緋奈はむせ返りそうになるのを必死でこらえながら、ペッ、と口中の血を吐き出した。
「あ、ごめん。こないだのでクセになったのかも」
緋奈はばつわるげに謝って見せた。

「焦りはしません。今日のところは引き上げましょう」
そう言いながら、エルシフは着衣の乱れを直し始めた。
「……もしかして、怒った?」
「いいえ。ゆっくりやりましょう。時間はいくらでもあるのですから…」
エルシフは微笑みながらもそう言って緋奈の頬にキスをすると、部屋を出て行った。

(…どうしたものか)

これからのことを考えながら、緋奈は頭をかかえた。
なにはともあれ、フェラの最中、中途半端に高ぶった体を何とかせねば眠れそうにない。
…その日、緋奈は3回オナニーしてねた。
16緋奈と魔法少女:2010/06/19(土) 01:36:28 ID:9zdM7tV4
おまけ短編、エルシア登場篇。
上の作品の続編で登場人物は緋奈とエルシア。非エロです。


1/3
「〜退屈だな」

緋奈はテレビを眺めつつ、天蓋付きベッドでごろごろと転がりながらつぶやく。
お気に入りのNHKニュースでは、あいもかわらず政治家の汚職やら、環境問題がどうのなどを報じている。
人類の希望・エンジェルナイトが倒されたというのに、地球は今日も平和のようだ。
「人類を滅亡させる派」のエンペローゼあたりはエンジェルナイトとの戦いに功績があるものの、貧民街出身で発言力が弱い。
一方、「人類は滅ぼさない派」に魔王の側近だったアーチェスやらパーチェスやらという男がついたため容易に収集はつかない模様。
ついでに、円卓のノエシスプログラムがどうとかで容易に人類滅亡は実現しないようだ。

(ようは、ヤクザ間の抗争で勝って新しいシマを獲得したものの、経営方針でもめてるといった感じか)

そんなこんなで、エルシフは会議やらで緋奈の部屋にくる時間が短くなった。
ほんの数日前に知ったのだが、エルシフは元魔王フィエルの長男であり、かなり高位の魔族なのだとか。
エンジェルナイトになってから、実質的に始めて戦った上位魔族が魔王の息子だとは…。
RPGでいうならゲームバランスが崩壊しているとしか思えない。

ミウルスたちも、エルシフの城で保護されているはずだ。
会おうと思えば会えるのだろうけど、魔族に投降した自分がどういう顔して会えばいいのかわからない。
テレビ以外の娯楽品もエルシフに頼めば用意してもらえるのだろうけど、「おねだり」をするのはどうにも気が進まない。

(あ〜アレだ。ニートって一日の睡眠時間が15時間とかなんだっけ)

などと考えながらうとうとしていると、

「あら、結構な身分ね。もうお昼すぎなのに」

そう言って、緋奈の部屋に1人の少女が現れた。
白皙の美貌に涼し気な目元。腰までとどきそうな長い髪。
外観の年齢は自分と同じくらいか、さもなくばもうそこし若い。
もっとも、魔族であるならば外観の年齢と実体は一致しないことが多いのだが。
17緋奈と魔法少女:2010/06/19(土) 01:37:11 ID:9zdM7tV4
2/3
「あんた、誰?」
「はじめまして、あなたの義妹のエルシアよ」
「いもうと? そんなのがいたのか」

緋奈はしばし考え込んだ。
目の前の少女はどうみても日本人の血が混じっているように見えない。
緋奈の父親がどこかで子どもを作ったとしても、理屈に合わない。

「私はエルシア。フィエルの末娘。エルシフの妹よ」
「あぁ…あいつの妹ね…」
「退屈してるだろうから、挨拶を兼ねて話し相手になれ、とお兄様が」

そうは言っても、エルシアと緋奈の間に共通の話題というのはほとんどない。
また、会話を始めてすぐ判明したことだが、エルシアはひどく冷めた性格をしているようだ。
どうにも、楽しくおしゃべりできる相手でもない。
それに、思想的にノンポリなのか、魔界の政情などもほとんど知らないようだ。

(…まぁ、どこぞの落ちこぼれ天使みたいに世俗に染まりきっているよりはいいか)

話題が尽きて、どうにも気まずい沈黙が流れたこと、
唐突にエルシアが懐からなにやらプラステックケースを取り出した。

「そういえば、忘れていたわ。お兄様がこれを渡すようにと」
「へえ…。中身は、CD?」
「いいえ、DVD。動画が入っているらしいわ」

なんだろうと思いつつ、緋奈はゲームを機を引っ張り出し、DVDを再生してみる。
……軽快なテンポで流れるテーマソングが流れた後、画面上ではきゃるきゃるした衣装の女の子が登場。
格好いいポーズを決め「2人はプリ○キュア!」とか叫んでいる。
予想外の事態にフリーズする緋奈であるが、エルシアはなんの疑問も持たない様子で画面を眺めている。
18緋奈と魔法少女:2010/06/19(土) 01:37:48 ID:9zdM7tV4
3/3
「…あの、これは何?」
緋奈は、何の説明もなく黙り込んでいるエルシアに対してたずねた。
「好きなんでしょ? この部屋にテレビが届く前に放映された分。貴女は見てないでしょう」
「え、その話が見えてこないんだけど……」
「そうなの? お兄様が、貴女は魔法少女が好きと言っていたわ」
「わ、私はそういう風に見られていたのか……」

どうしたものかと、緋奈は頭を抱える。
実際、いい年して魔法少女などやっているのだ。客観的にはそう思われてしかたないだろう。
そういえば、緋奈が与えられて、今着ている部屋着もふりふりした感じで、妙に可愛らしい。
エルシフの趣味だろうと思っていたが、どうやら違うようだ。

「……おい、その」
緋奈はDVDを停止させようと腕を伸ばしたが、
意外にもエルシアが真剣に画面を眺めていることに気がついた。
(……ふぅん、無表情で冷めた風に見えるけど、この子はこういうの好きなのか)
なんとなく緋奈は微笑ましい気持ちになった。
一方のエルシアは、子供向けアニメを学術的な視点から眺め、
評論家のように人間の情熱やらなんやら、熱い思いを分析していたのであるが。

その日、緋奈は誤解を解かないまま、エルシアとともに「プリ○キュア」を視聴した。
後日、「プリキュア」のコスプレ衣装が大量に届けられたのは別のお話。
19名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 08:44:36 ID:dnqrmFhO

開幕からよもやの俺特
20名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 16:02:29 ID:ucwloDr6
新スレ立ってさっそく作品くるとは幸先良いな乙
21名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 13:42:12 ID:3Olwcg9u
懐かしいなあ、GJ

前スレ、もう落ちた?
22名無しさん@ピンキー:2010/06/22(火) 02:52:07 ID:BG5Qovaf
>>18
少し遅れたがGJ!
まさかエルシアまで出てくるとは素晴らしすぎる
23名無しさん@ピンキー:2010/06/23(水) 19:50:33 ID:esZofsuX
24名無しさん@ピンキー:2010/06/23(水) 23:05:40 ID:iEZMyOgV
鈴蘭、リップルラップル、エルシア、美奈子あたりは
本文中で貧乳という表記があるがそんなんばっかなんかね?
ウィル子は中学生体型でノアレは小学生体型だし、
まさかトモアキはヒンヌー教徒なんかね。
25名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 08:37:37 ID:x42Z9fe1
え?ヒンヌー教狂徒じゃないの?
26名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 07:36:26 ID:r+wdU6+f
改めてマスラヲ読み直したら美奈子が可愛すぎる
27名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 14:23:41 ID:Mp3tS2N6
漫画版の美奈子が可愛すぎるのはガチ
異論は認めない
28もじのくまさん:2010/06/26(土) 16:42:55 ID:SHl89kXX
でも浅井先生は美奈子の絶対領域を描き損ねてるやん。
29名無しさん@ピンキー:2010/06/26(土) 17:21:31 ID:I9mP12Ib
漫画マスラヲは女キャラ全員かわいいから困る
30もじの:2010/06/26(土) 17:52:01 ID:SHl89kXX
いいからとっととレースクイーンの
みーこ様をみせろおおおおおおおおおおおお!
宜しくお願いしまぁあああああああああああああす!
浅井先生!!
31ヒデオの30日間戦争:2010/06/27(日) 01:02:37 ID:1qHUGNMY
初心者なのですが、投下。


その日、ヒデオは近所のTUTAYAのAVコーナーにいた。
その原因は、このあいだ行われたヒデオの歓迎会にまでさかのぼる。
ヒデオの自室で行われた歓迎会中、ヒデオの所持するエロゲが千影らに発見されるというアクシデントがあった。
そこで、改めてヒデオは女性のエロゲに対する反応を目にしたヒデオは、
たまにはエロゲでなく、より健全なAVでヌこうと考えたのである。

この日、ヒデオが借りたのは『制服ト○ンス』と銘打ったコスプレもののAV。
4時間という長さの中、スチュワーデス、婦警、レースクィーンなどのプレイが楽しめるという。
なんとなくものめずらしさから食指が動いたわけだ。

まったく関係ないが、AVコーナーの8割強が新作か最新作なのだけど、
あれは一体どういうことなのだろうか?
繰り返し見られる名作ってのがあってもいいと思うのだけど。

(……こ、これはまずい!!)
DVDを再生したヒデオは、後ろめたさに襲われていた。
スチュワーデスとかレースクィーンは問題ない。
が、ショートカットの婦警はまずい、どうにもまずい。
なんというか、知り合いの婦警を連想するのである。
なにしろヒデオの妄想力はスカウターが吹っ飛ぶ53万。
最新のCG技術をはるかに凌駕する脳内補正によって、いまや女優は美奈子そのものになっている。
32ヒデオの30日間戦争:2010/06/27(日) 01:03:00 ID:1qHUGNMY
(ヌくべきかヌかざるべきか……それが問題だ。いや、ヌくわけにはいかない)
この世の男は2種類に分けられる。
知り合いをオカズにできる奴、できない奴だ。……ヒデオは後者だった。

「くぅ……美奈子さん」
これ以上、男根に奉仕する美奈子を見て入られない。
早送りしようと、ヒデオは血を吐く思いでリモコンに手を伸ばす。
「……い、いや。ヌかなければ問題はないのでは」
「いや、問題だわ」
と、どこからかゴスロリ衣装の小学生が現れた。
「……あ、ヒキニパ神」
「いや、そうじゃなくて闇の精霊だから」

いやそうな顔で闇野ノアレは頭を抱えた。
「もう、あまりにも惨めで出てきちゃったわよ。何をうじうじしているの?」
「いえ、その。こう、表現しがたいなにかがありまして……」
しどろもどろにヒデオが説明するが、まったく要領を得ない。
らちがあかない、とばかりにノアレはヒデオの心を覗き込む。
原因を悟ったノアレは、深く深くため息を吐き、意を決したように言った。

「――ヒデオ、ソープに行きなさい。
行って童貞を捨てなさい。そして男になってしまいなさい」
「……それを すてるなんて とんでもない!」
「こやつめ、ハハハ!!」
「ハハハ!」
何かがツボに入ったのか、深夜の寮で呵呵大笑する2人。
だが、突如真顔にもどったノアレは、
「……ヒデオ、ここ笑うところじゃないから。とりあえず、正座なさい」
ノアレがギロリと睨み付けると、根が小心なヒデオは思わず正座してしまう。
33ヒデオの30日間戦争:2010/06/27(日) 01:04:03 ID:1qHUGNMY
「あんた真面目にやる気があんの? 私たちは、観測してるヒデオの人生がつまんないと困るのよ」
「いえ、僕も一生懸命生きているわけで。でも、もう一歩が踏み出せないわけで」
「傷つくことを恐れちゃダメ。あたふた困って、傷つくヒデオを見たいんだけど……」

ため息を吐いたノアレは、懐から茶封筒を取り出した。
「ここに、3万円用意したわ。これで、ソープへ行きな――」
「だが、断る」
「……妥協しましょう。この3万円でソープに行くか、1ヶ月以内に女の子に告白するか、どちらか選びなさい。
期限切れでだと、本体の方を起こして人類を滅ぼしちゃうから。
別に、恋人をつくれとまでは言わないわ。簡単でしょ?」
「……その、人類を滅ぼすのはちょっと。それに1ヶ月というのは厳しい。仕事もあるし……」
「こういうのは具体的に期限を区切らなきゃダメなのよ。
それに、人類の運命を背負いでもしなきゃ、ヒデオは動かないもの」

難題を押し付けられ、ヒデオはうつむいてしまった。その隙をついてノアレは男根を握り締めた。
「どうでもいいけど、さっきから丸出しよ……。ん、ここがいいの?」
にやり、と悪意に満ちた表情でノアレは手コキをはじめた。
「……、う、そんなことをしてはいけない」
「じゃ、コレはなに? しっかりと勃起しているみたいだけど」
亀頭部分をなぶるノアレの手コキに、たちまちヒデオは射精しそうになる。
「……ん、ダメよぉ。出させない」
ノアレは、ぐっ、と根元を圧迫すると強制的に射精を止めた。
「……ぐぅ、あぁぁっ」
ヒデオが落ち着くのを待って、手コキを再開するノアレ。
「あはは! いい年してこんな小さな子にいじめられて恥ずかしくないのぉ?」
「……」
34ヒデオの30日間戦争:2010/06/27(日) 01:04:42 ID:1qHUGNMY
「答えないと、やめちゃうわよぉ? どうなの?」
「……はい、は、恥ずかしいです」
「ふぅん、情けないわね。握りつぶしちゃおうかしら?
一生童貞なら、タマなんかなくてもいいわよねぇ?」
ノアレが睾丸を握り締めると、ヒデオに鈍痛が走った。
「……ぐ、はぁっ!」
勢いよく精を放つヒデオ。
「え、きゃっ!」
ノアレは完全に予想外だったのだろう、避ける暇もなく白濁液で顔と指を汚される。
「……ヒデオ、あんたマゾだったの?」
「いや、その」
「まぁ、いいわ。今日はこのくらいで勘弁してあげる」
ノアレは、どこからか取り出した5千円札をひらひらさせる。
「……そのお金はどこから?」
「もちろん、ヒデオの財布からよぉ。ピンサロでなら1本で5千円は相場だと思うわ」
「それはあまりにひどい」
「もちろん、タダでもいいけど。でも、それだとヒデオのためにならないでしょ?
さ、ソープは勘弁してあげるから、1ヶ月以内に彼女を作りなさい」
「ハードルが、あがっている……」
「どの選択肢も選ばなかったから、難度があがったのよぉ。
拒否したら、この瞬間本体を目覚めさせるけど……恋人、つくれるかしら?」
「も、もちろんやる。トラストミー」
ヒデオの答えに満足したのか、ノアレはくすくす笑いながらどこかへと姿を消した。

――人類滅亡まで、あと30日!
ヒデオは恋人をつくることができるのか?
35ヒデオの30日間戦争:2010/06/27(日) 01:09:31 ID:1qHUGNMY
以上です。
ヒデオ×美奈子で行きたかったのですが、どうもエロに発展しねぇ!
ヒロインをノアレ、鈴蘭、カッコ、リップルラップル、みーこなら逆レイプも可能だし、
主役を貴瀬かドクターあたりなら陵辱モノも可能だというのに、
ヒデオも美奈子もあんま動いてくれん。
気が向けば続きを書く、たぶん
36名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 08:07:34 ID:v2vqf/o0
人類オワタ
37名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 10:33:48 ID:bRSZfyuG
下手したら戦争になるぞ
ヒデオ「抑止力の観点から特定の彼女を作ることは云々」

ミスマルカで旧文明が滅んだ原因これだったりして
38カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:20:54 ID:z1rVmi9s
カッコを使ったのが1個もないことに愕然としながら、投下。
前半分だけで、後半部はそのうちやる。
39カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:22:56 ID:z1rVmi9s
「すっずら〜ん!どういうこと?」

ヴィゼータは叫び声とともに伊織魔殺商会の会長室に押し入った。
室内にはたまたま用事があって来ていたのだろう、書類を手にした貴瀬社長がいた。

「おい、クソバカイカレ魔人。うるさいぞ、静かにしろ」
うんざりしたように貴瀬が言うが、ヴィゼータはかまいやしない。

「親友のワタシに無断で合コンを開くとはどういうこと?
仲間はずれなんてひどいひどい!」
「いやね、カッコ。別に仲間はずれにしたってわけじゃ……」
やべっ、忘れてた、と気まずそうに口ごもる鈴蘭。
「にゃ〜ん、聞いたもんね。長谷部先輩といい雰囲気だったって。
自分より可愛いワタシをのけ者にしたな!」
「そ、そいうわけじゃ……。あ、ちょっと私は用事が…。ご主人様、あとはよろしくッ!」
鈴蘭はこれ以上の追求を避けるため、戦略的撤退を始める。

まったく、と貴瀬は深くため息をつつ、
「あんな合コンでてもどうだと言うんだ? 参加者はわが社の社員だけだぞ」
「ワタシの目は誤魔化されないよ。川村ヒデオも来たんでしょ?」
「ん、あれに興味があったのか?」
意外そうに貴瀬が言うと、
「う〜ん、ほとんど話したことがなかったしね〜。
でもうまくいけば将来の魔王婦人!」
「……現金なやつ」

そう言いながらも、貴瀬は考え込んだ。
気がつけば、魔殺商会の幹部連中は女ばかりだ。
タイツを着用していない男性社員といえばドクターと自分くらい。
なんとはなしに居心地の悪さみたいなものを感じている。

「おい、クソバカイカレ魔人。俺がセッテングしてやる。川村ヒデオをオトセ」
「にゃ〜ん、オトスとは?」
「ハニートラップかけて弱みを握り、わが社に引き抜く。
見返りに、人材調達課長のポストをやる」
「なにそれ? どのくらいの権限があるの?」
「いま即興で作ったからな……。飲み食いしても、経費で経費で落とせることにするか」
「う〜ん、役員待遇が欲しいにゃ〜ん」
「……それは成功報酬」
「やるやるよ〜」

こうして、川村ヒデオをヘッドハンティングするべく、悪の組織が動き始めた。
40カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:23:36 ID:z1rVmi9s
日曜、昼過ぎになって起き出したヒデオは、特に目的もなくエロゲを楽しんでいた。
寂しい、といえばあまりに寂しい休日である。
そうしていると、突如静寂を破るようにピンポンを連打する音が部屋に響く。

「かっわむらさ〜ん。こんにちは〜」
爽やかな女性の声が響く。
ヒデオはパソコンをスタンバイモードにしたうえ、玄関に向かう。
パジャマ姿であるが、かまいやしないだろう。

扉を開けると、そこには伊達メガネとツインテールの女の子。
「にゃ〜ん、みんなのアイドル、カッコちゃんで〜す!
ヒデオ君、暇だよね? いおりん……じゃなくて、貴瀬社長がお呼びだよん」
「貴瀬社長が……」
激しくいい予感がしない。
「ささ、着替えて着替えて! 40秒で支度しな!」
相手が貴瀬だ。行くのも気が引けるが、行かなければそれはそれで怖い。
ヒデオは引きずられるように彼女の運転する車に乗り込んだ。

ヴィゼータの車がたどりついたのは郊外のゴルフ場。
「よう、ヒデオ! 遅かったな」
ゴルフバックを手にした貴瀬は犬歯を見せて笑う。

「……貴瀬社長、これは?」
「ん、接待に決まっているだろう。君も公務員になったんだ。
民間企業のオゴリでずいぶん甘い汁を吸ってきたろうに」
「いえ、僕は別に」
「まぁそう言うな。じゃ、友達どおし遊びに行くこという設定にしよう
俺と君とは、君が役人になる前からの付き合いなんだしな!」
貴瀬は強引にヒデオの肩を掴むと、ゴルフ場に連行していった。

ゴルフというのは接待の定番。
まじめにコースを回るとおよそ5時間程度かかるため、会話の時間がかなり長い。
体力を使うが、酒食をともにするよりもじっくり会話をするにはむいている面もある。

すでに午後なので、この日はハーフの9ホールのみ、ヴィゼータをキャディーにして貴瀬と2人で回る。
初心者のヒデオは貴瀬に教わりながらコースを回るが、これがなかなか楽しい。
貴瀬やヴィゼータと高校生時代の鈴蘭やら、聖魔杯の裏話を話題にしながら9ホール回ったころには、
ヒデオは貴瀬たちに対し、ある程度の親しみを感じるようになっていた。
41カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:25:16 ID:z1rVmi9s
「……すいません、ごちそうになってしまって」
気がつけば、時刻は夜の8時過ぎ。プレー後、貴瀬らと食事後、ヴィゼータの運転する車で帰路につきながらヒデオは言った。
「気にしなくていいんだよ。いおりんも遊び相手がいなくて退屈そうだったし。
私の方も鈴蘭が彼氏作ってしまってからめっきり付き合い悪いんだ……。
ところで、まだ帰るには早いけど、もう1軒行く?」
「もう、1軒……」
「うん、カラオケとかしようよ。いいお店知ってるの。
ただし、折半ね。ワタシはそんなお金もってないし」
女性と2人でカラオケ……。小心なヒデオは想像するだけで心臓が止まりそうになる。
「……ぼ、僕はその」
「で、近くにいいお店知ってるんだ。たっのしみ〜」
(……まずい、もはや言い出せる状況ではない)
そう思うヒデオだが、車を運転するのはヴィゼータである。
(まぁ、カラオケくらいなら……)
半日とは言え、ともにゴルフ場を歩き回った仲である。それなりに親しみも湧いている。
そう考えたところで車が止まった。

「はい、ラブホテル〜!」
大山のぶ代っぽい声マネをしつつ、ヴィゼータは西洋のお城っぽい建物へ。
混乱するヒデオをよそに、ヴィゼータは建物の中の駐車場に車を停めてしまった。
「……なんで、ホテル? カラオケじゃ?」
ヒデオはなかば混乱状態となりながら尋ねた。
「大丈夫大丈夫、何もしないからさ〜」
どこかうさんくさい台詞を言うヴィーゼータに、ヒデオは疑いの眼差しを向ける。
「何もしないのに、どうしてラブホテルに?」
「にゃ〜ん、ウチの給湯器が壊れてて。お風呂に入りたいの」
「なら銭湯に」
「ワタシ、誰かが入った湯船に入るのはいや〜。
ここなら、カラオケもできてお風呂も入れるよ」

(……そういう、ものだろうか?)
ヒデオは考え込むが、日本以外ではそもそも湯船に入る習慣がなかったりする。
どこで育ったか知らないが、魔人ヴィゼータが日本以外で育ったというなら、
共同浴場を厭うとしても不思議はないのかもしれない。

「ほらほら、絶対に何もしないよ。ね?」
にこにこと、まるで裏表のないような笑顔。
よもや嘘ではあるまい、そう思ったヒデオはいっしょにホテルに入るのだった。
42カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:26:14 ID:z1rVmi9s
(どうも、落ち着かない……)
ヴィゼータが入浴中、手持ち無沙汰なヒデオはぼんやりと備え付けのテレビでNHKの大河ドラマど視聴していた。
アダルトな作品が普通に見られるようだが、この状況でそういった番組を見る勇気はない。

「やっほ〜、いい湯だったよ。ヒデオ君も入りなよ。汗かいたでしょ?」
ちょうどエンディングが始まりかけたころ、バスローブ姿のヴィゼータが浴室から出てきた。
言われてみれば、日中はゴルフ場を歩き回っていたから、汗をかいている。
「家に帰ってから入るのもアレでしょ? ここ、ジャグジーとかあるから入らないと損だよ」
「……で、では」
落ちつかないながら、ヒデオは入浴を済ませる。
確かに、ヴィゼータの言うとおり、入浴施設はかなり充実している。
さっぱりとしたヒデオが部屋に戻ると、ヴィゼータがどこから持ち込んだのか、TVゲームなどしていた。

「遅かったのにゃ〜。では……」
「はい。お待たせしました。カラオケですね……」
「にゃ〜ん、何を言っているのかな〜」
てってって、とヒデオに接近したヴィゼータは、ヒデオの襟を取ってえいやと見事な払い腰。
ヒデオをベットの上に投げ飛ばすと、そのまま唇を奪う。

(……ん!)
突如として口内に侵入したヴィゼータの舌がヒデオをねぶる。
入浴中、歯を磨いたのだろうか、ヴィゼータからの舌からはミントの香がした。
くすぐったりようで、せつないような感覚がヒデオの体をめぐり、。
数分、いや数十秒かもしれないが、ヒデオにとってかなりの長い時間が経過すると、
ようやくヴィゼータが涎の糸を引きながら顔を離した。
43カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:28:00 ID:z1rVmi9s
「……ヴィ、ヴィゼータさん? 何もしないって……」
キスの快感からか、それとも名状しがたいなにかからか、びくびくしながらヒデオが尋ねる。
「君は本当にバカだなぁ。ワタシのキスでイチコロだね。
次はワタシの豊満な体で骨抜きにしてやんよ」
ヒデオにのしかかるヴィーゼータはバスローブをはだけさせ、胸元をあらわにするが……。

「……た、たいら?」
ヒデオが生で目にしたことのある女性の胸といえば母親のそれくらいだが、あまりにも平ら――。

 ――平能宗(たいら の よしむね、1178〜1185)
 平清盛の孫。人呼んで自害大夫。
 「平らなのが良い胸」という、進歩的な思想を持っていたことで有名。
 ちなみに、父親は平宗盛(たいら の むねもり)。平らなのに、ムネ盛り。
 (民明書房刊『平家の生き様』より)

「にゃ〜ん、ヒデオ君。失礼じゃない?」
「め、滅相もない」

ヴィゼータはヒンヌーだった(『お・り・が・み』の4巻カラー口絵参照)。
さくらんぼ状の乳首とかすかなふくらみがあるものの、平らである。

「む〜、揉んで大きく育てればいいんだよ。ささ」
ヒデオの手を取って平らな胸に当てるヴィゼータ。
ふに、とした触感があるものの、すぐ下にはあばら骨の感触。
うつぶせの上体でこれだ。仰向けになれば……。

「んん〜、サイコロステーキって好きかな、ヒデオ君?」
ヒデオの顔色から何かを察したらしいヴィゼータは、軽く殺意を込めた声で言う。
死の恐怖におののきながら、ヒデオは乳首に吸い付いた。
「ん……上手上手。くぅん!」
貧乳は感度がいいというが、ヴィゼータもそうなのか。
もてあそんでいるうちに、コリコリした乳首に芯が通ったように立った。
つたないヒデオの愛撫でもそれなりに感じているようだ。

快感に身をよじるヴィゼータを見ていると、ヒデオの胸にある感情が芽生えた。
(……もっと、感じさせてあげたい)
ヴィゼータの反応を見ながら、攻めを工夫するヒデオ。
攻める場所はほぼ乳首に限定されるが、その一点を舐めたり、
しゃぶったり、摘んだりと工夫をする。
44カッコ野望篇:2010/06/30(水) 01:29:27 ID:z1rVmi9s
前半部、以上です。
後半部は、たぶん、週末あたり……。
いつの週末かは不明ながら、今週末だといいなぁ。
45名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 08:17:00 ID:3WvXJmn4
カッコ×ヒデオとはまた新機軸だな。
後編を全裸で待ってる。
46名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 09:11:03 ID:nWr6YYjb
全裸にグリスアップで待ってる
47名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 03:06:29 ID:XbUjnu/T
全身ラメで高速振動しながら待ってる
48名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 20:39:07 ID:cYFKoVGV
カッコって、上田のイラストでは妙に優遇されているよな。
マスラヲから入った俺にとっては、本文中に出てこないくせに、
2巻のカラーイラスト2枚もででてくる謎のキャラだった。
49名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 20:52:36 ID:3x9sZoNI
俺もマスラヲから入ったから同じ事思ったわ
50カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:07:06 ID:SkeSk29g
>>39の後編を投下します。
4レス消費の予定
51カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:07:45 ID:SkeSk29g
「にゃ〜、次はワタシね」
上体を起こしたヴィゼータは、ヒデオのペニスに手を伸ばす。
「ふむふむ、可愛ね」
(……か、可愛いのか)
小さなころから目つきが悪かったヒデオにとって、「可愛い」など言われたためしがなかった。
ヴィゼータが手のひらで亀頭を軽く摩擦した瞬間、
「……あ、う」
ヒデオのペニスが痙攣すると、びゅっ、びゅーっ、と射精してしまっていた。

「え、早くない?」
「……そ、その」
さらり、と傷つく一言を口にしたヴィゼータに、ヒデオは羞恥心でいっぱいになる。
「……ヒデオ君、童貞?」

くすくすと笑い出すヴィゼータ。
「ごめんごめん。でも、ワタシに平らとか言ったからこれでおあいこね。
お互い、傷つけあうこを言うのはよくないよくない」

ヴィゼータは枕元から取り出したティッシュペーパーでヒデオのペニスをぬぐう。
若いからか、萎えかけたヒデオの一物はその刺激だけで再び臨戦態勢に入る。

「にゃ〜んと、若いと回復が早い早い。ん〜、どうして欲しい?」
にやにやと、馬乗りになったヴィゼータが問う。
「……どう、とは?」
「むむ、女の子に何てこと言わせるつもりなのかっ!
このエロ魔人、ど変態!」
なぜかキレて見せるヴィゼータの様子に、なかばヒデオは呆然とする。

「……」
「いま思い出したけど、ワタシは何もしない約束だよ。
カッコちゃんは、約束を守るので有名な子なんだよ」
そう言いながら、ヴィゼータの手はヒデオの乳首をもてあそんでいる。

「……い、入れたい、です」
「にゃ〜ん、60点。なになに、コーヒーをいれたいの? それともヤキを入れたいの?
違うのなら、何をどこにどうしたいのか言ってみなきゃダメダメ」
52カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:12:28 ID:SkeSk29g
「そ、その」
ベタな言葉攻めだ。だが、ベタな手法というのはそれだけ効果があるから使われる。
実際、ヒデオは想像以上の羞恥心から顔をそむけた。

「目を逸らすのもダメダメ。人と話すときは目を見るんだよ」
ヴィゼータは、下になったヒデオの頭を両手でつかまえて固定してしまう。

「ささ、どうしたいのかな?」

……どうした、勇気を出せ、とヒデオは自分を奮い立たせる。
言葉攻めで死んだ人はいない。自分は聖魔杯でさらなる艱難辛苦を乗り越えてきた。
この程度、エリーゼの使うミスリルの槍、地下で味わった絶望、アーチェスの剣に比べれば、
この言葉攻めなど「攻め」ということすら生ぬるい!

「おま……」
ヒデオが淫語を口にしようとしたところ、ヴィゼータはどこから召還したのか、
タバコの箱程度の機械をヒデオの口元に近づけてくる。

「そ、それは……?」
「ICレコーダだよ。まぁ、気にしないでおねだりしてごらん?」
「そ、そんな……。できません!!」

近代兵器ICレコーダって、もはやそれは言葉攻めとかいうプレイではない。
ネットにでもアップされたら、ヒデオは死ぬ、社会的に。
ていうかその前に自殺する。

「にゃんじゃそりゃ! 頬を染めたりして、貴様それでも男かっ! それとも乙女なのか!?
さぁ、言え。言って楽になってしまえ!」
「そ、その……くぅ!」
突如として、ヴィーゼータは上体をかぶせ、ヒデオの耳を甘噛みする。
達しようがない苦しみに、ヒデオは気が狂いそうになるが、理性が淫語を叫ぶのを耐えさせる。

「しぶとい奴め。……カッコちゃんは優しいからおまけね」
耳元でささやくようにヴィゼータが言う。その耳にかかる吐息だけでもどかしい思いになる。
「問題です。私のこと好き、それとも愛してる?」
「……え?」
にやにやと、いたずらっぽい笑みを浮かべるヴィゼータ。
「破格のサービスだよ? ワタシをめろめろにできたら、おねだりしなくてもいいんだよ?」
ある種、言葉攻め的性格は代わっていないが、かなりマシだ。
「ヴィゼータ…さんのことを、愛してます…」
顔を真っ赤にしながら、ヒデオは愛の告白を強要される。
「あんまりときめかないにゃ〜ん。でも、カッコちゃんは優しいから今回だけは特別ね」
53カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:13:41 ID:SkeSk29g
ヴィゼータはヒデオのペニスを掴み、ゆっくりと腰を落とす。
「んっ、えっと、あれれ。もう一回」
わざとやっているのか、それとも狙ってか。
ヒデオのペニスは外性器を擦り付けるだけで、中には入れてもらえない。

「ん〜、あんまワタシは上手じゃないんだ。
滑るなぁ、これ……んっ、はぁ」

中に入れずとも、性器どおしを擦り合わせているだけで、再びヒデオの絶頂が近づいている。
ヴィゼータのほうも濡れ濡れになってきている。

「お、お願いです……。ヴィゼータさん、ヴィゼータさん!」
じらされる苦しみにあえぐヒデオ。
やがて、何度目の挑戦か、ヒデオのペニスに痛みにも似た強い締め付けが加えられた。
「……っと。入ったね。どんな感じ?」
「……うぁ! 熱い、そしてキツイ!」

エロゲやAVで、また自分の右手では感じたこともない快感がヒデオの体を駆け巡る。
卓越した剣士であるヴィゼータだからか、内部は相当にキツイ。
動かずにじっとしているだけでも、ヒデオは強烈な射精への衝動をこらえねばならなかった。

「むむっ……、ちょっと一休み。そろそろ動いていい?」

問いかけにヒデオがうなずくと、ゆっくりと、ヴィゼータは腰を使い始める。

「…あっ、ぁぁぁぅ。イ、イキそうになったら言うんだよ。
あと、ワタシがイクまでとは言わないけど、我慢我慢だよ」

そんなことを言われても、挿入の時点で限界近かったヒデオは難しい相談だ。
全力でこらえつつ、同時に気を紛らわせるため、ヒデオはヴィゼータの胸に手を伸ばす。
もむ、というほど量がないので、乳首を重点的に指ではさでこねる。
54カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:14:06 ID:SkeSk29g
「ひゃん! ちょ……」
貧乳ゆえの感度のよさ。快感からヴィゼータの動きが一瞬硬直する。
(イケる……)
ヴィゼータがひるんだ様子を見たヒデオは余裕を取り戻したかに見えた。
「……あっ?」
だが、気が緩んだ瞬間、びゅーっ、びゅっとヒデオは射精してしまった。

「にゃ、にゃぁぁ! や、中で、中ぁぁっ」
膣内射精されたことの衝撃でヴィゼータはびっくりしたように嬌声を上げた。
「はぁ……、はぁ。っと、予告なしで中とは……。
イクとき言えって、言ったのに。ヒデオ君、鬼畜鬼畜」
「本当にすいません、いろいろと」
ヒデオは、ただひたすら謝ることになった。

結局、この日のホテル代は折半でなくヒデオが全額負担することで許してもらうことになったのだった。
55カッコ野望篇:2010/07/04(日) 02:16:03 ID:SkeSk29g
以上です。
とりあえず、続きとして今回のICレコーダの争奪篇が脳内でまとめてる。
できあがったら、カッコ策謀篇(仮)など投下するかもしれません
56名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 18:24:36 ID:uP0EOrdc
GJ!
57名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 01:58:20 ID:2pTgMcvl
GJ!
久しぶりにスレを覗いてみたら1スレ目は過去ログになってるわ保管庫に自分の作品が収められてて驚いたわ…
うん、久しぶりに書きたくなってきた…マスラヲとレイセン読んで妄想をためてくる

エリーゼ社長マジかわいい
58名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 07:04:44 ID:9EYGXXCa
>>57
たった一行で作品がわかる辺り、業の深い人だ……

>>50-55
GJ
うちに来てまな板をF●●Kしていいぞ
59@wiki:2010/07/06(火) 21:02:11 ID:0inTo7Nj
遅くなりましたがここまでの作品保管しました

>>57
勝手に保管しているので問題等ありましたらご指摘ください
60@wiki:2010/07/06(火) 21:16:54 ID:0inTo7Nj
追記

アップローダーレンタルして1スレのdatあげておきました
61ヒデオと実在青少年:2010/07/06(火) 23:01:33 ID:pMA9QJN2
ヒデオ×美奈子でSS投下。
非エロ。

1/3
「アダルトゲームで青少年は心を破壊され、人間性を失う」by国会議員

……間違ったのか? 僕たちは間違ったのか……?
どこか、ズレてしまった場所が思い出せずにいる。
こんなふうになっても、まだ……。

一回死んで、墓場を越えて蘇ったかのように生気のない表情のヒデオ。
床に正座させられている彼の手には、冷たい手錠が掛けられている。

「ヒデオさん……。これはなんですか?」
美奈子は、手にしたソフ倫のシールの張られたゲームソフトを示す。
「はい、エロゲ……です」
がくがく震えながら、ヒデオは返答した。

思い返すこと数時間前。
ヒデオの寮に遊びに来ていた美奈子が、不幸な偶然からエロゲを発見してしまったのである。

“あえてズレてしまった場所を言うなら、安易な場所に隠したことかしら?
 それとも、初めてエロゲを購入したとき?”

“……黙ってください、ヒキニパ神。
 僕は……。これより困難な試練を乗り越えてきた!”

あぁ、見える。聖魔杯で戦ったライバルたち……。
大佐の眼差しは、今の美奈子より鋭かった。エリーゼの使う銀の槍は、死をも覚悟した。
そして何より、トレジャーハンター千影を撃退した経験がある!

「……いいですか美奈子さん。エロゲ、イコール害悪という図式は誤りです。
 『ONE』は永遠 『Kanon』は奇跡 、『Air』は芸術、『CLANNAD』は人生なのです。
 これらの作品を通し、僕たちはかけないのなに何かを学ぶのです」
「そんなことは聞いていません。なぜ、こんなものが必要なのか、ということです」

ヒデオは、鍵っ子ではあった。だが、美奈子に対してはなんの効果もなかった。
聞く耳を持たない以上、ヒデオの『言葉』という刃は通じない!
62ヒデオと実在青少年:2010/07/06(火) 23:02:54 ID:pMA9QJN2
“美奈子殿。許してあげて欲しいでござる……。悪いのは、悲しき男のサガでござる”
同じ男の魂がそうさせるのか、見かねた岡丸がヒデオの援護に回るも、
「岡丸、うっさい!」
美奈子は一言で切り伏せた。

「このままでは、ヒデオさんの心は破壊され、人間性を失ってしまいます……。
そ、そうなっては……」

最悪の想像をした美奈子は、がくがく震える自分の体を両手で抱きしめるようにして恐怖に耐える。殺人鬼と化したヒデオでも想像したのだろうか。

「い、いえ。別に僕は鍵っ子なので、そのエロはさほど。
 むしろ、ゲームを通して擬似恋愛というかなんというか、そういったものを。
 原理的には、恋愛小説を読むのと大差ないわけでして」

「だったら、恋愛小説を読みましょう! 
 さもなくば、女性と付き合いましょう、現実の女性と!
 ヒデオさんはこんなゲームに逃げるような弱い人じゃないはずです!」

いや、無理。西から昇った太陽が、東に沈むくらいに無理。

「……やむを得ません。ヒデオさん、本官とデートしましょう!」
「……は?」
「ですから、デートです。も、もちろん恋愛小説でもかまわないんですが……。
 な、なんにせよ非実在の少女と擬似恋愛をするよりも、実在の女性の方がまだマシです」

“美奈子殿。擬似恋愛といえば現代にはキャバクラという施設もあるでござ”
岡丸が最後まで喋り終える暇もなく、美奈子は岡丸をテーブルに叩きつけて黙らせた。

「ヒデオさん! なんとか言ってください!」

つまりこの場合の選択肢は……。
1、適当にやり過ごし、美奈子が帰宅後、えろくてんかとういつの続きをやる。
2、美奈子おすすめの恋愛小説でも読む。
3、美奈子さんにデートしてもらう。

“ヒデオ、あんた分かってんでしょうね?
 現実なんだから、ネタに走るような選択肢選んじゃだめよぉ?
 あぁ、面白いことになったわぁ!”
けらけら笑うノアレ。
愚問だ。数々のエロゲをコンプしたヒデオはまさに未来視!
見事に最良の選択肢を選んでみせる!

「そ、美奈子さん。お勧めの、恋愛小説などを…教えていただけると」
脳内で、ノアレがせいだいにズッこける音が聞こえてきた。

「……わ、わかりました。い、今は手ぶらなので来週、一緒に本屋さんへ。
そこで、紹介するということでいいですか?」
「も、もちろん」

すでに時は深夜。
どこか気が抜けた様子の美奈子は、来週に会う場所と時刻を取り決めると、ヒデオの寮を後にした。
63ヒデオと実在青少年:2010/07/06(火) 23:06:23 ID:pMA9QJN2
3/3
(……これで、いいのだ)
「いいわけないでしょ」
突如現れたノアレは、ポコンとヒデオの頭に拳骨を落とした。
これまた突如現れたウィル子は、
「マスターの奥手っぷりは相変わらずなのですよー。
 ギャルゲでこんな選択肢、CG回収かフラグ折以外で選ぶ人はいないのです」
と、盛大にため息を吐く。

「ま、なんにせよ来週は本屋でデートなのでしょう? せいぜいうまくやるのよ」
「え、お勧めの恋愛小説を教えてもらうだけで……」
「だから、一緒に本屋に行くんでしょ? なら、それはデートなの。
 美奈子っての、なかなか策士ね。どっちに転んでも、デート以外ないようになってたわ……
 じゃね、ヒデオ。遅いから、私たちは帰るから」

え、いや、きっとそうではなく。

「マスターも、少しは女のズル賢さを学んだ方がいいのですよー。
 にははは!」
ウィル子も笑い声とともに姿を消してしまう。

い、いやそれはたぶん。
ヒデオは、てんかとういつを諦め、その日は寝ることにした。
64ヒデオと実在青少年:2010/07/06(火) 23:08:37 ID:pMA9QJN2
以上です。
「青少年」ってと、法律用語で少女や成人女性も含む概念らしいです。
ところで、知り合いの女性にお勧めの恋愛小説を聞いたことがあるけど、
どーしてこう、なんていうか……。俺は三国志とかのが好きだわ。
65名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 02:29:10 ID:lIc9pao+
誰かタイトルから「すわヒデオが男にもフラグを立てたか」と考えた者はいるかー?!
本屋デート編に期待

>>64
女性は会話において共感を求め、男性は結論を求める、とか聞いた覚えがある。
フィクションの好みも、それに近い基準が適用されるのかも知れん。
66名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 08:10:34 ID:NuTCMfB3
セギホノ セギホノ
67名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 21:11:38 ID:z53RDWaN
アヴェスタ アヴェスタ
68名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 19:49:26 ID:U0/yuk3J
お客様の中にリッチさんはおられませんかー?
リッチさーん?
止めてあげてー
69名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 06:35:47 ID:aHlxZGbC
>>68
リッチさんはいないが……エッチさんならたくさんいる
そして、エッチさんは止まらないんだな……これが
70名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 20:43:04 ID:+FUbdjKc
「諸君 私は貧乳が好きだ」
「諸君 私は貧乳が好きだ」
「諸君 私は貧乳が大好きだ」
「名護屋川鈴蘭が好きだ。ヴィゼータが好きだ。北大路美奈子が好きだ。リップルラップルが好きだ。闇野ノアレが好きだ。エリーゼ社長が好きだ。エルシアが好きだ。セリアーナが好きだ。そんな女性ばっか書く林トモアキが好きだ」
「海で川で 温泉で浴衣で 薄着で水着で プールでグラビアで この地上に存在するありとあらゆる貧乳が大好きだ」
「いい大人になって、背中と胸の区別がつかないような体型が好きだ。何年ぶりで会った従妹の胸に、中学以降の成長が見られないときなど心がおどる」
「わび、さびを体現する大和撫子の胸が好きだ。出張の移動中、たまたま買ったヤンジャンのグラビアがナイ胸だったときなど胸がすくような気持ちだった」
「メインヒロインが貧乳のギャルゲーが好きだ。体型にコンプレックスをもって卑屈な台詞を口にする様など感動すら覚える」
「背が高いのにまな板という、すらりとした様などはもうたまらない。運動に適したスポーティなシルエットも最高だ」
「お・り・が・みの4巻のカラーページでヴィゼータの胸がほとんど膨らんでいないという事実を発見した時など絶頂すら覚えた」
「総帥の逆鱗に触れて滅茶苦茶にされるのが好きだ。戦闘城塞マスラヲが漫画化され、浅井蓮次の手によって鈴蘭や美奈子に谷間が描かれていく様はとてもとても悲しいものだ」
「壁のような胸に押し潰されて殲滅されるのが好きだ。物を知らぬ連中からロリのそしりを受けるのは屈辱の極みだ 」

「諸君 私は貧乳を 平原の様な貧乳を望んでいる」
「諸君 私に付き従う同志諸君。君達は一体 何を望んでいる?」
「更なる貧乳を望むか?」
「情け容赦のない まな板の様な胸を望むか?」
「重力・運動・加齢、その他あらゆる弾圧に耐える至高の貧乳を望むか?」

 「 貧乳!! 貧乳!! 貧乳!! 」

「よろしい。ならば貧乳だ」
「我々は貧弱な鎌で、巨乳ブームという名の怪物に立ち向かおうとする蟷螂にすぎん。
だが、長い年月を社会的弱者の地位に堪え続けてきた我々に ただの貧乳では もはや足りない!!」
「大貧乳を!! 一心不乱の大貧乳を!!」
「我らは時代に乗れなかった好事家。千人に満たぬ狂人の群れにすぎない。だが諸君は 一騎当千の古参兵と私は信仰している。
ならば我らは 諸君と私で総兵力100万と1人の軍集団となる」

「我々を忘却の彼方へと追いやり、巨乳キャラばかり生産してる業界を叩き起こそう。
胸ぐら掴んで叩きのめし、この世の真理を思い知らせてやろう。
連中に、わびさびの精神を思い出させてやる。
連中に、我々の思想を思い出させてやる。
天と地のはざまには 巨乳ブームなどでは到達できない優しさががあることを思い出させてやる」

「一千人の貧乳好きの戦闘団で
世界を埋め尽くしてやる」
71名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 21:25:05 ID:EErdZq5e
>>70

おい、そっちにメイドと快傑ゾロと婦警が鬼のような形相で向かってるぞ
72名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 21:58:12 ID:KlK+w1Im
>>70
大佐あああ
73名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 11:20:04 ID:BjgRm/PP
世の中には72でアイドルやってる娘もいるんだしそんなに気にせんでも……
74名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 15:32:57 ID:OR+x8MlE
くっ
75カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:18:35 ID:Bwhq8AA6
シリーズ、カッコ。投下します。7スレ消費予定。
回線の具合悪いんで、途中で中断したら察してください。
76カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:19:09 ID:Bwhq8AA6
1/7
仕事が終わって時は午後の9時ころ。
ヒデオが何の目的もなくネットサーフィンなどしていると、ピンポンピンポンと、呼鈴を連打する音が部屋に響く。

(…こんな時間に、客だろうか?)

来客というには少し遅い時刻だが、そう思いながら扉を開くと、伊達メガネにメイド服の女性がいた。

「こっんばんは〜! カッコちゃんだよ。
ヒデオ君、こないだいおりんから車もらったんだよね?
何とか、っていう高級車を」
合コンでもらったクーペのことだ。

「名義の変更とかしないといけないんだって。
手続きのこととかあるから、あげてあげて」
「…はぁ。かまいませんとも」

てってって、とヒデオの部屋に入ったヴィゼータは、
いつの間にやらちゃぶ台の上にティーセットをなどを並べている。
「さぁ、飲んで飲んで。」
(…こんなティーセット、どこから?)
明らかにヒデオがいつも使っているカップとは違うオシャレな一品だ。
「みーこ様づきのメイドならこのくらい簡単簡単。
そうそう、車の話なんだけど」

実のところ、伊織からもらった車は燃料代が馬鹿にならない。
維持費もかかることだし、ヒデオは処分したいとすら思っている。

「にゃ〜ん。売り飛ばすにしても、車がヒデオ君のモノだって証明できなきゃ誰も買ってくれないよ。
ささ、名義変更の書類にさくさくサインサイン」
そう言って、ヴィゼータは鞄から何枚かの書類を差し出した。
77カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:20:12 ID:Bwhq8AA6
2/7
「まず、譲渡証明書ね。これは車の権利関係が変更したことを証明するための書類だね」
すでに必要事項は記載済みなので、軽く目を通してから『川村英雄』とサインし、判子を押す。

「次に印鑑登録申請書。これは譲渡証明書に押された印鑑が本物だと証明するのに必要な書面だね」
ややこしいな、と思いつつも軽く目を通してから『川村英雄』とサインした。

「で、委任状。代理人が印鑑登録申請書の交付を得るために必要な書面だね」
面倒になってきたが、軽く目を通してから『川村英雄』とサインした。
譲渡証明書を1枚作るだけなのに、そのために何枚も書類が必要だとは役所はどうかしていると思う。

「で、婚姻届。幸せな明日のために必要な書類だね」
ヒデオは軽く目を通し、『川村英』と書いたところで異変に気がついた。

「…こ、婚姻届?」
「にゃ〜ん、感づいたか」
不満げな様子でヴィゼータが舌打ちをする。

「あ、あの。これは車とは関係ないのでは…?」
「なになに、ヒデオ君はワタシと結婚したくないのね!」
「そ、そりゃ」
「ひ、ひどい! 体だけが目当てだったのね!」
先ほどとは打って変わって、ヴィゼータは顔を覆って泣き始める。

「そ、その。こないだは双方合意の上で」
「貴様、口答えするかっ!」

ヴィゼータはすばやくヒデオを押し倒し、
「抵抗しても無駄だにゃ〜ん。今日はメイド服だから奉仕などしてしんぜよう」
手早くズボンを脱がせると、ペニスを取り出した。

「ちょ、ちょっとその」
「こういうの、いいでしょ〜。えい」
すでに半立ちになっていたヒデオのものをくわえ込む。
78カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:21:05 ID:Bwhq8AA6
3/7
女性器のようにきつく締め付けるものではないが、じゅるじゅるとした口内は感触が違う。
じゅぱじゅぱと唾液を滴らせながら、ヴィゼータはざらざらした舌でヒデオのペニスを舐めしゃぶる。

「あっ…」
強烈な快感に、ヒデオは背中を丸めてもだえてしまう。
ヴィゼータは喋れない状況ではあるものの、明らかにヒデオの反応を見て楽しんでいるようで、
伊達メガネごしに見える瞳がにやにやと笑っている。

「ちゅぱちゅ…。どんな感じ?…じゅるる…」
上目遣いでヴィゼータが喋るたび、また違った刺激がヒデオを襲う。

そうしているうちに、なおヴィゼータの攻めは苛烈さを増していく。
(…まずい、もうイク)
ヒデオは男の意地で射精を必死にこらえる。
姿勢的に、このままでは一方的に攻められるばかりだ。

「そだ、イク前にはちゃんと言うんだよ」
ふと思い出したように、ヴィゼータはいったん喋るために口を離した。
もっとも、その間も手は休むことなく執拗にカリ首を攻めている。
「ふっふっふ、せいぜい可愛い声で鳴くんだよ」

「…その限界っ!」
ビクンとヒデオは痙攣し、びゅっびゅっと精を放つ。

「…え、きゃっにゃんにゃんじゃっ!」
避ける暇もなく、ヴィゼータの視界が白に染まった。
白濁液をメガネと顔に浴び、唖然とした様子だ。
そんな精液で顔を汚されたヴィゼータを見ていると、ヒデオはどこか支配欲が満たされるのを感じた。

(…あぁ、なんかすごいエロい)
一方、ヴィゼータは半泣きで汚れたメガネをはずす。
79カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:21:44 ID:Bwhq8AA6
4/7
「キサマー!顔射するとはこの外道が!」
「すいません、つい」
「むむ、顔射はダメ絶対!」

そういうと、ヴィゼータはがぶりとヒデオの首筋に噛み付いた。
甘噛みというレベルではない。
噛み千切ろうとするかのように、ヒデオの肉を加えたまま首を左右に振っている。

「イタッ、痛いです…!」
「痛くなけりゃ意味がないんだよ。反省する?」
「はい、もう顔射はしません!」
「うんうん、ちゃと謝れたね。えらいえらい」

先ほどまで怒っていたはずのヴィゼータは、笑顔でよしよしとヒデオの頭をなでる。
おそるおそる首をさするヒデオだが、特に出血のようすはない。
だが、触れた感じではかなり深く歯型が残っているようである。

「…ん、そうこうしているうちに回復してきたね。
せっかくメイド服を着てきたんだし、このままのほうがいいかな?」

ヒデオにメイド属性は特にないが、せっかくの機会なのでメイド服のままを希望した。

「ふっふっふ。ワタシをちゃんと気持ちよくさせること。さもないと…」

ヴィゼータはスカートを履いたまま、下着だけを脱ごうとするも、一瞬を動きを止める。
「こっちのがいいかな?」
そう言って、片足だけパンティから抜き、もう片足に下着を絡ませる。
「…え、エロイ」
唖然とするヒデオの反応を楽しむと、ヴィゼータは仰向けになったヒデオにゆっくりとまたがる。

「ぐ…あっ」
ぬるぬるとした感触がペニスの先端に触れたかと思うと、すぐに握りつぶすかのようにキツイ締め付け。
それでいてザラザラした感触に、入れたばかりなのにヒデオは発射寸前まで高められる。

やがて、とすん、とヴィゼータの尻とヒデオの腰が密着する。
(…やわらかい)
ヒデオは腰の上に乗せられたヴィゼータの尻に手を伸ばし、ぎゅっ、と布ごしに鷲づかみにする。
こうなるとスカートを履いたままなのが惜しい。
80カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:22:25 ID:Bwhq8AA6
5/7
もぞもぞと、スカートの下に手を伸ばそうとすると、

「…手つきがエロイよ?」
「え…、その」
ヒデオは自覚してなかったが、メイド服のスカートの中に手を差し伸べようとするなど、行為だけを取り出せば明らかに犯罪的だ。
それでも、ヴィゼータは少し腰を上げ、ヒデオの手をスカートの中に入れさせてくれた。

(…やわらかい)
やや汗ばんで水気を帯びたそれは、つきたての餅とか、粘土のような感触。
ヒデオの指はぎゅ、と尻肉に食い込んだ。
ぷにぷにとしたもみ心地は良好で、何時間でもこうしてもみ続けていられそうだ。

「ふっふっふ、でもそろそろ動いてもいいみたいだね。
とりあえず、お尻から手を離してほしいんだけど……」
我に返ったヒデオは慌ててヴィゼータの尻から指を離すと、
最初はゆっくり、やがて激しくでヴィゼータは腰を跳ね動かす。

「…あっ…あぁっ!」
上下に、またひねりを加えつつヴィゼータは踊るようにリズミカルにヒデオの腰の上を跳ねる。
(イッちゃ駄目だ…。イッちゃ駄目だ…)
間断なくヒデオのペニスは膣内で容赦なく締め上げられる。
また、ヴィゼータの膣壁がペニスをとろけさせるかのよう。

「んっ、そうそう。耐えるんだよ…。ワタシは、まだまだ満足してないんだから」
歯を食いしばるヒデオを見下ろすヴィゼータは妖艶な笑みを浮かべる。
まだまだ、ヴィゼータには余力がある。
81カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:23:02 ID:Bwhq8AA6
6/7
ふと思い立ったヒデオは、両手をヴィゼータの平らな胸に伸ばす。
上半身はメイド服を着たままであるが、ヒデオは手探りでエプロンの下の乳首を探し当てた。
それは貧弱で柔らかくもなく、むしろ肋骨の硬い感触だ。
ヒデオとしては、尻肉を揉んでいた方がよほど楽しい。

「ひ、ひゃん!」
電流でも流されたかのようにヴィゼータがびくりと身を震わせる。
小さいだけあって、感度はかなりよいようだ。

「あっ…あん。そ、そこダメなの…ひゃぅん!」
その様子を伺いながら、ヒデオは乳首を集中的に攻める。
「ダメっ…ダメだったらぁ…!」
ヴィゼータは背中を丸めてもだえている。
ヒデオとしては、もみ心地に楽しさはないものの、1人の女性をもだえさせているというのは精神的な喜びがある。

「うっ…はぁ。もう、イッていい…よ。ううん、イケっ!」
快感に耐えながら、ヴィゼータは一気に腰の動きを加速させた。
先ほどまでのリズミカルな動きとは異なり、ひたすらに速さのみを重視した動きだ。
自分がイク前に、ヒデオを射精させようと言うのだろう。

「…あっ…ヴィ、ヴィゼータさん。も、もう…!」
「い、いぃよ…。そ、そのまま中でっ!」

びびゅっ! びゅっ! とヒデオは激しく射精した。
まるでペニスが溶けてなくなりそうな快感に、ヒデオは我を忘れそうになる。

「ふっふっ…。まだまだだにゃ〜ん」
顔を上気させたヴィゼータは、つながったまま、倒れこむようにヒデオの胸元に顔をうずめた。
ここちよい疲れを感じつつ、ヒデオは両手でしっかりと彼女を受け止める。
82カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:23:28 ID:Bwhq8AA6
7/7
しばらくつながったまま一休みすると、ヒデオは卓の上に置きっぱなしになっていた婚姻届に目を落とす。
よく調べたもので、ヒデオの誕生日やら本籍は正確なものになっている。
ふと、ヒデオは記載に疑問を持った。

「…そ、そのこの婚姻届なんですが。高木嘉子(23)とは誰のことで?」
「にゃ〜ん。ワタシの日本人名だよ。
本名がVZだけど、レンタルビデオの会員になるときとかに使うの。
鈴蘭と高校通うときに高木嘉子で戸籍とったんだよ」

在日外国人の通名みたいなものか、一応、ヒデオは納得した。

「……そ、その。将来のことは、もう少しお互いを知り合ってからの方が…。
少なくともお互いの名前とか知らないのはまずい、のでは」
こういわれて、はたとヴィゼータも考え込んだ。

「それもそうだにゃ〜ん。妥協して、結婚を前提にお付き合いで」
「い、いやその」
「お付き合いで」
ひまわりのようなスマイルでヒデオの目を見つめるヴィゼータ。
すでに婚姻届への署名を拒んでいるのだし、これ以上断るのは気が引ける。

コクリ、とヒデオは首を縦に振った。
こうしてヒデオとヴィゼータは付き合うことになったのだった…。
83カッコ策謀篇:2010/07/17(土) 22:27:24 ID:Bwhq8AA6
以上です。回線速度1Mbpsですがなんとかできました。
最近、18Mbps以上に上がらないしすぐ落ちるんだよな…。
84名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 01:54:54 ID:tQqzgk08
GJ! ヒンヌー ばかり だな、 この スレ 住人 は
85名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 03:18:07 ID:Hp3RNvOQ
いやぁ、貧乳って、本当にいいものですねぇ。
GJ。


カッコとの生活は、胸の代わりに人生の起伏に富んでいるに違いない。
……逆に、体の起伏が激しく(妊娠してお腹やら乳腺やら大きく)なる頃には、穏やかな日々になる気がする。
86名無しさん@ピンキー:2010/07/19(月) 11:07:04 ID:Jf+rsrrK
         / ̄\
         |    |
        \_/
          |
       /  ̄  ̄ \
     /  \ /  \
    /   ⌒   ⌒   \      よくぞSSを投下してくれた
    |    (__人__)     |      褒美としてびーむを撃つ権利をやる
    \    ` ⌒´    /   ☆
    /ヽ、--ー、__,-‐´ \─/
   / >   ヽ▼●▼<\  ||ー、
  / ヽ、   \ i |。| |/  ヽ (ニ、`ヽ
 .l   ヽ     l |。| | r-、y `ニ  ノ \
 l     |    |ー─ |  ̄ l   `~ヽ_ノ____
87名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 16:53:43 ID:nJqfjygW
血が繋がっているかわからないけど・・・ミスマルカ辺りでは遺伝子大革命
が起こるんですよね>VZ

Cカップになるとか・・・>メインヒロインの位置から格下げだけど
88名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 22:28:23 ID:QQvZ4Nfx
バストサイズについて簡易まとめ

■平原派
鈴蘭→説明不要
リップルラップル→おりあがみ1巻。外見は5歳程度。
VZ→おりがみ4巻水着イラストで、明らかに胸が膨らんでいない。
セリア→おりがみ5巻。外見は5歳程度。
クラリカ→おりがみ6巻。ノーブラで走り回って支障がない程度。
美奈子→マスラヲ2巻。リュータの台詞。
エリーゼ→マスラヲ2巻。中学校は入りたてのような少女。
エルシア→マスラヲ5巻。みーことの会話。
ウィル子→レイセン1巻。中学生程度
ノアレ→レイセン1巻。小学生程度。薄着なのでイラストからも明らか。

■山岳派
ノルカ・ソルカ→マスラヲ2巻。かなりいい体をしている。
みーこ→マスラヲ5巻。エルシアをおちょくれる程度。
千影→レイセン1巻。服の上から巨乳と分かる程度。

■判別不能
沙穂→イラストだとそこそこあるように見えるが、薄着にならないので判別不能。
睡蓮→おりがみ4巻。鈴蘭の水着をキツイと感じるが、問題なく着用できる。
ハウちゃん→おりがみ6巻。セミヌードは背中なのでよくわからん。


イラストだと、
がろあ〜(おりがみ)は基本的にムネを書かない。
上田(マスラヲ)はそこそこ書くから、鈴蘭でさえ谷間がある。
浅井(漫画版)はインフレ状態。ただしエリーゼは平ら。
89名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 23:53:48 ID:hBdqY4Ap
ミスマルカは見た感じ何となく皆ある程度は胸ある気がする
90名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 11:52:07 ID:dO8zIbhf
パリエルはヒンヌーらしいけどな。
実際に揉んだマヒロが言うんだから間違いない
91全ヒロイン入場!!:2010/07/23(金) 07:12:10 ID:LlZ4MXZT
全ヒロイン入場!!

隻眼メイドは生きていた!さらなる研鑽をつんでアウターにだって勝てる!
白井沙穂の入場だァ―――ッ!!!!

マジカライズ・インジケーターはすでに我々が完成させている!
フローレンス枢機卿だァ―――ッ!

料理ができしだい食べまくってやる!!
食欲魔人 みーこだァ!!!

獣耳なら彼女の歴史がものを言う!!!
真の狐耳 セリアーナ・ヴァ―ゼンシュタイン!!!

神威を知らしめたい!!!
シスター・クラリカだァ!!!

本業は郵便局員だが副業で神霊班の副長だ!!
長谷部家当代 長谷部翔香だ!!!

バカ王子対策は完璧だ!!! 武装メイドパリエル―――ッ!!!

全てのウィルス・プログラムは私の中にある!!
電子の神様が来たッ ウィル子!!!

政略なら絶対に負けん!!
帝国の底力見せたる シャルロッテ・アルセイン・マジスティアだ!!!

戦闘員ならこいつが怖い!!
仮面の軍団 ホワイトだ!!!

グランマーセナル軍から光輝の剣が上陸だ!!
帝国三番姫 ルナス・ヴィクトーラ・マジスティアだ!!
92全ヒロイン入場:2010/07/23(金) 07:14:43 ID:LlZ4MXZT
三型具象神威が使いたいから異端審問会第二部に入ったのだ!!
浄化の炎を見せてやる!! シスター・マリエット

聖魔杯の土産に花婿とはよく言ったもの!!
錬金術師の秘術が今 実戦でバクハツする!!
爆弾娘 アカネ・インガルス・天白・ブランツァールだ―――!!!

メイド長こそミスマルカ近衛兵最高の肩書きだ!!
まさかこの女が来てくれるとはッッ エーデルワイス!!!

メイツを作りたいからここまで来たッ キャリア一切不明!!!
忍者の里頭領 七瀬葉多恵だ!!

私はインドア派ではない 超インドア派なのだ
ご存知落第天使 ミウルス!!!

関東機関の本部は今や魔人との協力体制にある!!
私の下で働きたいヤツはいないのか!!
局長・飛騨真琴だ!!

小さァァァァいッ!! 説明不明!!!
永遠のロリ体型!! リップルラップルだ!!!

ニンニンくんスーツは実戦で使えてナンボのモン!!!
葉多枝党から貴音の登場だ!!

パパは私のもの 邪魔するやつは思いきり殴るだけ!!
ヤンデレ司会者 霧島レナ

自分の歌を試しに聖魔杯に来たッ!!
地中海のセイレーン レミーナ!!!

巫女服に更なる改造をほどこし「脇巫女」名護屋川睡蓮が帰って来たッ!!!
93全ヒロイン入場:2010/07/23(金) 07:17:18 ID:LlZ4MXZT
未来のアウターに四角はないッッ!!
億千万の刃 ヴィゼータ!!!

おっとり系文芸部員の合気が今ベールを脱ぐ!!
九重第二から渡部由加利だ!!

リーゼルの前ならいつでも可愛いい女の子だ!!
民衆のアイドル シーナ・ミルローザ おめかしして登場だ!!

婦警の仕事はど―したッ
おにぎりも肉じゃがも思いのまま!! 北大路美奈子だ!!!

特に理由はないッ ヒロインが強いのは当たり前!!!
胸の話はないしょだ!!!
名護屋川鈴蘭が来てくれた―――ッ!!!

闇の世界で磨いたサドの話術!!
ヒデオの欲望と願望がそのまま具現化したゴスロリ妖精 闇理ノアレだ!!

お姉さんだったらこの人を外せない!!
元大陸最強勇者 アンゼリカ・ファリス・マクラーレンだ!!

高貴の魔人の高貴の魔術だ!!
生で拝んで驚きやがれッ 展望台の君!! エルシア!!!

ツンデレはこの少女が完成させた!!
ミスリルの切札!! エリーゼ・ミスリライトだ!!

若き魔法少女が帰って来たッ エンジェルナイト・ラピティアッ
俺は君を待っていたッッッ 与謝野緋奈の登場だ――!
94全ヒロイン入場:2010/07/23(金) 07:19:48 ID:LlZ4MXZT
ずいぶん古いコピペだが、ばいまじ帰って来てほしい、
という思いをこめて作った。軽く一晩かかったんだぜ
95名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 05:22:28 ID:8AALeiPP
何故かレナだけ紹介テンション低くて吹いた
96名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 12:58:52 ID:Uk+RDHcc
●ネトウヨ(ネット右翼)がみっともない12の理由
1.威勢が良いのはネット上だけで現実の行動は何もしない
2.2ちゃんねる発の噂を裏も取らずに事実と断定する
3.愛着を持っている日本文化が伝統文化ではなく漫画・アニメ・ゲーム程度
4.国防重視を説くくせに現実に自衛隊には入らないし入っても役に立たない
5.都合の悪いことはすべて反日勢力の自作自演ということにする
6.特亜・在日・創価・左翼以外の社会悪は平気で見過ごして批判しない
7.戦前戦中・終戦直後の今よりひどい貧困を味わった世代に敬意を表さない
8.自分は何もしてなくても過去の日本人の手柄を自分の手柄のように誇る
9.反中国のくせに高い国産商品より安い中国製品を買うことを恥じない
10.何の話題でも嫌特亜、反左翼に結びつけないと気が済まない
11.たまたま日本人に生まれただけで努力して何かになったわけではない
12.この文章を読んで「これを書いた奴はチョン」と証拠もなく勝手に断定
97名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 20:24:23 ID:DvgEFf2d
tes
98名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 00:12:33 ID:tpxvymZ9
作品投下したいが時間がない…。
あとネタを書ききる能力も。
99カッコ怒濤篇:2010/07/27(火) 23:12:52 ID:RRwM3B3k
カッコシリーズの3話目。
3スレ消費予定で、今回は非エロです。
100カッコ怒濤篇:2010/07/27(火) 23:13:42 ID:RRwM3B3k
1/3
仕事が終わり、アパートに向かうヒデオ。
帰路、晩御飯でも買おうかとコンビニに入ろうとすると、携帯電話がなった。
ディスプレイを見れば、ヴィゼータからの着信だ。

「もしもし、川村です」
「や、カッコやんだよ〜。いまは暇かな?」
「…ちょうど帰宅中でしたので、暇です」
「じゃあさ。ワタシの友達を紹介したいんだ。メールで地図を送るからそっちに来てね!」

ヒデオの返事を待たず、電話が切れる。
「…どう、したものだろう?」

コミュ力の低いヒデオにとって、初対面の相手というのは本質的に苦手である。
(そもそもどうして友達の紹介を…。トレンディドラマとかでやってるアレ?
僕の場合、紹介する友達が…いない…いや少ない)

割と暗黒な考えがヒデオの脳内をめぐる。
(だが、こう考えたらどうだろう?これを機会にうまく交友を広めることができれば…。
そう…目指すは、友達100人!)

かなりの精神力を使いながら、ヒデオは指定された店内に入る。
場違いなほどお洒落な店で、女性客ばかりだ。
店内を見回すと、ヴィゼータがこっちこっち、と手を振っている。
彼女の方に向かうと、卓にはメガネの女性が2人。

「こっちはラトゼリカね。ワタシの昔からの友達なんだ」
びくびくとしていたが、ラトゼリカならそれなりに面識のある相手なのでいくぶんかは気楽だ。
ぺこり、と頭を下げてから、ヒデオは座席についた。
101カッコ怒濤篇:2010/07/27(火) 23:14:35 ID:RRwM3B3k
2/3
「いいなぁ。呼んだらすぐ来てくれるなんて…」
うらやましそうな顔のラトゼリカに対し、ヴィゼータは得意げだ。
「ふっふっふ。年下の彼だからね。ワタシの言うことはみんな聞いてくれるよ〜」
「えぇっ! そうなんですかヒデオさん!」
「…は、はい」

心持ち顔を赤らめるヒデオだが、もとが無表情なのでどのみちラトゼリカには分からないだろう。

その後は、取り留めのないお喋りをした。
ヒデオは基本的に黙っていて相槌のみ打っていた。
だが、次第に打ち解けてくると話題がディープな方に向かうものだ。

「そういえば…。富士急に登場しましたよね、実物大初号機」
ラトゼリカはカクテルグラスに残った氷をカラカラさせながら言った。
「…あれは、いいものだ」
語りかけるように、ヒデオはラトゼリカの目を見つめる。

「うぅっ…分かってくれるのは、ヒデオさんだけです。
鈴蘭様は、偉い人にはそれが分からないんです!
そうだ、今度一緒に行きましょう! 撤去される前に!」
ラトゼリカの方も、うるうるとした目でヒデオを見つめる。

「って、なに人の男を誘惑しておるかー!!」
先刻から妙に静かだったヴィゼータがテーブルを叩いて怒鳴った。

「えっと…」

口下手なヒデオがすがるようにラトゼリカの方に視線をやる。
ヒデオと目が会ったラトゼリカは、ヒデオの意を察したようで、コクリとうなづく。

「あのね、ヴィゼータ」
「にゃ〜!通じ合ってるようにアイコンタクトするのが気に食わない〜!」
102カッコ怒濤篇:2010/07/27(火) 23:15:09 ID:RRwM3B3k
「…それにしてもラトゼリカは巨大ロボ好きだね。ガンガルとか。
ゼピルム幹部の前で、3時間も巨大ロボのプレゼンしたのとか伝説になってるよ」

少々あきれたように、ヴィゼータは微妙に違う名前を口にする。
が、ラトゼリカは慣れきってしまったのだろう、特に訂正しようともせず、

「ファーストからリアルタイムで見てますから!」
えへん、とラトゼリカが張ってみせる。
「にゃ〜。劇場版三部作とか見に行ったよね。
ワタシは途中で寝ちゃったけど」
ヴィゼータも苦笑してみせる。

「…リアル、タイム? 劇場版?」
ヒデオは一連の会話に不信感を覚えた。

――その瞬間、氷りついたように固まるヴィゼータとラトゼリカ。
たしか、ファーストガンダムの放映は30年前。
ならば、それをリアルタイムで視聴することができる人間は、当然に30歳以上だ。

「…ワタシと鈴蘭は高卒で魔殺商会に入社。今年で社会人5年目の23歳だから」
「え、そ…。ヴィゼータ…。あまりに」
あうあう、と言葉にならない思いのラトゼリカであるが、
「ラトゼリカとワタシは友達だから」

ヴィゼータは、「ね?」と、グラスを指で軽く叩きつつ、ラトゼリカにアイコンタクトを送る。
ラトゼリカは即座に、『つぶしてしまおう、記憶が残らないように』という心の声を読み取った。

「あらあら、ヒデオさんのグラス空ですよ。えっと、テキーラ好きでしたよね?
店員さん〜、テキーラ追加で」
「そうそう、学園祭の話とか聞きたいな。レミーナを負かした話でもいいよ。
ささ、とりあえずグッと、グッと」

それ以降、ヒデオの記憶は甚だ曖昧になる。
ただ、気がついたらアパートの部屋。
激しい二日酔いに苦しみつつ、年齢の話はやめよう、と硬く誓ったヒデオであった。
103カッコ怒濤篇:2010/07/27(火) 23:17:16 ID:RRwM3B3k
以上です。予定だと、あと2話くらいで一応の最終回。
問題は、ネタはあれど表現力がヤバイくらいに低いこと、だな。
レイセンに早くカッコを出してくれ。
104名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 21:39:34 ID:o6ECprx1
カッコに言うことなら何でも聞きたい。
105名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 08:54:39 ID:wGdjbL33
ジェスがユリカを救出後のイベント

ユリカ「ありがとう、ジェス。貴方は命の恩人」
ジェス「たいしたことはしてねぇ」
ユリカ「金獅子勲章をあげる。最高の名誉……
どうしたの?あまり嬉しそうな顔じゃない」
ジェス「勲章なんかで腹は膨れないからな」
ユリカ「じゃぁ、領地とかお城とかは? 当然、召使とかもつける」
ジェス「土地に縛られるのは嫌だ」
ユリカ(困った…。何もお礼できるものがない)
ジェス「もう行ってもいいか? 宮廷とかは落ち着かない」
ユリカ「じゃぁ、私は…?」
106名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 15:16:08 ID:Jpbm+BSu
過去スレみても、ミスマルカのエロパロってまだないんだよな。
あんま可愛いのいないからかね?
ルナスやらエーデルワイスは萌えというタイプじゃないし。
107名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 15:45:36 ID:XoDgUVKp
エーデルワイスが実はドMだったら萌える
108名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 18:30:13 ID:qO1sGcEW
ルナスとかもドMなかんじの、クリムゾンとかゲドマガ的なのを。
109名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 05:49:08 ID:HAmH9NI6
婿になったマヒマヒは今頃きゃっきゃうふふなイベントを経験してるのだろうか…
110名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 01:17:38 ID:4nJ26eoG
時期的に1巻直後、グランマーセナル軍がマヒロの知略によって撤退した日のこと。
夕食を終えたものの、いまだ興奮冷めやらぬパリエルとマヒロと部屋に向かおうとしていると、どこからかエーデルワイスが姿を現せた。
「殿下、後で私の部屋に来てください」
氷のような無表情で一方的に要件を告げ、立ち去るエーデルワイス。

「余は…、何か悪いことをしたかな?」
ただならぬ雰囲気にマヒロは、がくがく震えながらパリエルの意見を求めた。
部屋に来い、というのを意訳すれば「説教するから覚悟せいや」である。

「えっと、このたびはご愁傷さまで…」
「え、死ぬの前提なの? なんとかしてよパリえもん!」
「嫌ですよ、侍従長は怖いです!」
そう言い残すと、パリエルは脱兎のごとく逃げ出した。
マヒロも逃げたいところだが、今日逃げても明日が、明日逃げても明後日がある。
盛大なため息を吐くと、マヒロは重い足取りでエーデルワイスの部屋に向かった。


少々時間をおいてマヒロがエーデルワイスの部屋にやってくると、彼女は机の上でなにやら書き物をしていた。
「早かったですね。もう少し後でも良かったのですが」
「お説教なら早くして欲しいのです。早く寝なければ、余は過労で死んでしまいます」
「…では、手っ取り早く済ませましょう。ルナス殿下との結婚についてですが」
予想外の展開に、マヒロは声も出ない。
「ルナス殿下に求婚されたでしょう? お后候補として家柄、容姿、その他の条件に問題はありません。
何より、殿下の結婚で、帝国のミスマルカへの侵攻を防ぐことができます」
「いや、その余は…」
「王族の結婚は外交カードです。よもや恋愛結婚ができるとは思っていないでしょう?」
111名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 01:18:23 ID:4nJ26eoG
そうは言っても、マヒロは15歳。もっとこう、色々と思いがある。
「ときに殿下は経験はおありで?」
「えっと、時速200キロ突破の経験ならありませんが…」
顔を赤らめて返答するマヒロの様子を眼にしたエーデルワイスは、
「童貞、と。近日中に口が堅く、後腐れなく、信頼できる女性を見繕って殿下の部屋に行かせましょう」

「い、いやその。そういう世話がなくても…」
「別に殿下を楽しませるためではありません。フィリップ尊厳王の例もあります」

と、突如として講義を始めるエーデルワイス。
フィリップ尊厳王は「カペー家のシャルルマーニュ」と呼ばれる名君だが、初夜に男性機能が働かなかったらしい。
離婚問題に発展し、本人も困ったろうが、一番困ったのは国民だ。
王が教会の怒りに触れたため、フランス国内では一切の聖務ができなくなった。
ミサ、洗礼ができないはともかく、葬儀もできず死骸が放置されて伝染病とかがはやったのである(史実)。
だいたいが、王族なんて近親婚の繰り返しなため結構不能がいるみたい。

「殿下に種があるかはさておいて、最低でも勃起不全でないことの確認は必須です。
…一応、希望を聞きましょうか? 向こうの意向もありますが」

「えっと…」
混乱しながらも、マヒロの脳は忙しく働き出した。
「なければ、もう下がってかまいません。あとはこちらでやりますので」
「じゃぁ…、エーデルワイスを希望するとか?」

すぱぁぁぁん!
エーデルワイスのハリセンがいい音を立てた。

「えっと、言ってみただけで、他意はない、かな・・・」
「――いえ、そう、ですね。女衒の真似事をするのは気が進まないところでしたし、
特別手当の予算も削減できます。それでいきましょうか」
112名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 20:18:28 ID:CZLyWg57
わっふる
113名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 20:48:49 ID:7fLfFImR
つ・づ・き!つ・づ・き!
114名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 01:56:41 ID:IqENrTx8
「全力で冗談の方向で」
「いえ、本気です」
そう言うと、エーデルワイスはマヒロの方に歩み寄ると、無表情でマヒロの手を取ると自分の胸に押し当てた。

むにむにと、服の上からでも柔らかな感触が伝わってくる。
「余にとって君は乳母だ…。母親みたいなものだから、その、こういうことは不味いんじゃないかな…」
「パリエルのは揉んだり覗けたりするのに、私のはダメ、ということでございますか?」
心持ち、エーデルワイスの瞳がさらに冷たくなった。
「…な、なんのことで、しょうか」
地味に、マヒロはメイドたちの着替えを覗いたり、パリエルの胸を普通に揉むなど軽いセクハラをしてはいる(1巻とか参照)。
だが、彼は決してエーデルワイスに対してその手のことをしてこなかった。

「殿下の行動くらい、当然に把握しています」
能面のような彼女の表情が、マヒロにはいつにもまして恐ろしく感じた。
「べ、別にあれはスキンシップであって、性的な」
「そのわりに指は動いているようですが」
指摘されて気がついたが、マヒロの指はエーデルワイスの胸を揉みしだいていた。
「こ、これは余の意志ではい! 誰かが電波を…っあぁ!」
突如としてエーデルワイスの指がマヒロの股間に伸びる。
しかりと勃起したそれをズボンの上から撫で回し、
「勃起不全ではないようです。あとは実用に耐えられるか、でございますね」

エーデルワイスは数歩だけ移動して室内のベットにごろりと横になった。。

「さて、殿下。これからが本番です。やり方は存じていますね?」
115名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 01:57:45 ID:IqENrTx8
ごくり、と生唾を飲み込むんだマヒロは、さそわれるままにいそいそと彼女にのしかかるとメイド服の胸元をはだけさせる。

(…これが、おっぱい)

エロ本や覗きなどで見たことはあるが、これほどの距離で触れるのは初めての経験だ。
コリコリとした乳首を口の中で転がすと、本能的に心が安らぐのを感じる。
仮にもエーデルワイスはマヒロの乳母だった女だ。
幼児だったころの記憶だからすでに忘却の彼方だが、確かにこの胸に抱かれたことはあるはずだ。

「こうしていると、乳母だったころを思い出しますね」
エーデルワイスの方も、よしよし、と言わんばかりにマヒロの頭をなでる。

「昔から殿下は胸が好きで困ったものでした…。
ですが、殿下はもう大人でございます。下のほうに」

我に返ったマヒロは、スカートをたくし上げる。
クロッチ部分は軽く湿っており、下着に染みができている。
恐る恐る、マヒロは下着越しにもわかる土手の中心に指を押し当ててみる。

「一応言っておきますが、このままでは入りません。
下着を脱がせてから、準備のためにほぐし、濡らしてください」
何でもないことを指示するように、あくまでエーデルワイスの声は冷静そのもの。
マヒロははやる心を抑えつつ、下着に指を掛けてゆっくりと脱がせる。

「これが…」
陰毛を掻き分ければ、綺麗なピンク色の割れ目が見える。
それはまるで花びらのようだ、との印象を受けた。
エーデルワイスという、あまりにも魅力的な花だ。
マヒロは感覚の赴くまま、エーデルワイスの秘所に顔をうずめる。

「そう…。奥の方に、下を入れる、感じで」

声に従って、マヒロは夢中で舌を膣口に差し入れ、流れてくる愛液を飲み込んでいった。
116名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 01:58:26 ID:IqENrTx8
「…ぁ、はぅっん」
マヒロが淫核を舐めた瞬間、どこからか、甲高い嬌声が聞こえてくる。
(今の声、まさかエーデルワイスが?)
マヒロは思わず顔を上げて、エーデルワイスの顔を見る。
相変わらず氷のような表情だが、やや頬が上気している。

「…なにか?」
取り繕うようなエーデルワイスだが、確かにあえぎ声が聞こえた。
(エーデルワイスが、余の舌で感じたのか?)
もっとエーデルワイスの花びらを舐めていた気もするが、
今度は表情を確認したいとの思いから指での攻めに切り替える。
しっかりと愛液を垂れ流しひくひくとうごめく秘所を、ぐちょぐちょ、
と音を立てるように攻めるものの、エーデルワイスは依然として能面のような顔。

だが、一瞬だけこめかみが動いた。人体の構造上、歯を食いしばるとこめかみが動くのだ。
(…感じている! エーデルワイスが感じている!)
普段はお高くとまっているエーデルワイスが、必死であえぎ声を殺している…。
なんとも言えない征服感に、マヒロは指を動かすとともに、さらに乳首をも舌で攻め立てた。


「で、殿下…」
エーデルワイス乳房をしゃぶるマヒロの頭を持ち上げた。
普段は引き締まった表情が、明らかに緩み、頬が少し赤くなっている。
「私の方の準備は充分です。そろそろ入れてくださって結構です」
マヒロにもっと経験があればじらしたりできるのだろうが、如何せん未経験だ。
欲望に突き出されるようにしてエーデルワイスの足を開かせて、肉棒を突っ込もうとする。
「…あ、あれ。その」
何度も挑戦するが、マヒロのペニスはエーデルワイスの秘所の上を滑りどうしても挿入できない。
「殿下、あせらずに。ここでございますよ」
手を添えて、エーデルワイスはマヒロの一物を膣口に押し当てた。
「ゆっくり、確実に。一息にやろうとするから失敗するのです」
マヒロがもたもたしているうちに、エーデルワイスは若干の余裕を取り戻したようだ。
117名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 01:58:58 ID:IqENrTx8
言われたマヒロは、まず亀頭だけを入れることに集中する。
「…あぁつ、キツイよ、エーデルワイス!」
ほんの数センチ、亀頭を入れただけでマヒロは爆発寸前の状況だ。
「もう一息…ですよ」
エーデルワイスは両足をマヒロの腰に絡み付けると、一気にマヒロを締め上げるようにして互いの股間を密着させる。
「あぁつ、エーデルワイス! エーデルワイスッ!」

三こすり半などというが、マヒロの場合はそこまでいかず、ただ奥まで突き刺しただけで盛大に射精をしていた。
膣の奥で童貞少年の初モノを受けたエーデルワイスは少し顔をゆがめて声が出るのをこらえている。

「…充分で、ございますね。殿下は不能ではないようです」
マヒロの射精が終わったのを見計らうと、エーデルワイスは膣からペニスを抜き、体を起こした。
「かなり早いですが、問題はありません。お疲れでしょうから、部屋にもどってお休みなされますように」
氷の表情をとりもどしたエーデルワイスは、さきほどの情事が嘘のように淡々と言った。

「エーデルワイス…その」
「私の用件は済みました。後片付けはありますが、殿下のお手は不要です。
殿下の方はまだ何か、ご用件がありますので?」
冷たく言い放ちながらテュッシュを取り出してマヒロのペニスについた愛液をふき取っていく。

「…いや、別に…」
取り付く島がないとはこのこと。そこには余韻というものはまったくない。
「…ん?」
マヒロは、自分のペニスをふき取ったティッシュに赤いものがついていることに気がついた。
「まさか、エーデルワイス、君は…」
「私に擦り寄ってくる男はいませんでしたから。それが、なにか?」
ギロリ、と普段は表情を見せないエーデルワイスが、怒りを感じさえる表情でマヒロをにらみ付けた。

「さぁ、殿下の方の後始末はおしまいです。一応、シャワーを浴びるのがいいでしょう」
そう言うと、にべなくエーデルワイスはさっさとマヒロ部屋から追い出し、ガチャリと音を立てて鍵を掛けてしまった。

「…エーデルワイス」
拒絶を示すような鍵の音に呆然としながらも、しばらくの間、マヒロはエーデルワイスの部屋の扉を眺めていた。
この後、マヒロは「12歳以上35歳未満にメイド服着用を義務付ける!」とかは言わなくなった。
グランマーセナル軍の侵攻を受け精神的に成長したのかもしれないし、
そういった心無い発言で傷つくかもしれない侍従長に配慮をしたのかもしれない。
118名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 02:01:05 ID:IqENrTx8
終わりです。本当は早く仕上げたかったけど、
唐突に副業の方(本業は暇…)が忙しくなって遅れました。
地味に続き待ってた方はすいませんでした。
119名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 07:12:37 ID:CGbkyZhU
乙!
120名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 10:27:39 ID:SHWeww1X
気位の高そうなエーデルワイスを調教したい
結局ミスマルカのヒロインって誰なんだろうね
昨今のラノベにありがちな主役にフラグ立てるキャラいないし
121名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 11:09:28 ID:Gga69wa+
王子が全国の姫を結婚詐欺まがいの口説きで攻略して世界統一を目指すサクセスストーリーだから皆メインヒロインじゃないの?
122名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 22:27:10 ID:tKGW/pj7
戦国ランスかなんかと勘違いしてねーか?
あえてルートを考えるなら、

パリエル(エルクレセル篇) 幼馴染属性
ルナス(グランマーセナル篇) 調教されたいM向け
エーデルワイス(ミスマルカ篇)教育されたいM向け
チカ(ヴェロニカ篇) ロリ好きな人向け
アンゼリカ(ハイランド篇)ダダ甘お姉ちゃん好き向け
マリーちゃん(神殿協会篇) 隠しルート
123名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 00:22:04 ID:3NXCWSg/
共和国のお姉さんは?
124名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 00:49:34 ID:MXukE9eQ
非攻略対象だな。人気次第でファンディスクの扱いが変わる感じで。
つか、エミットとかシーナがメインなのに余裕でスルーは可愛そう。
125名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 11:48:40 ID:D9igrsh5
ユリカはNTR好き向けか
126名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 20:27:37 ID:MXukE9eQ
ユリカって誰かとくっついてたっけ?
127名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 14:16:55 ID:6OO1mOBR
ジェス君とそのうちくっつくだろ
128ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 00:17:47 ID:5ZDZJo9T
不景気もなんのその。なかなか羽振りがよさそうな魔殺商会本社。
ヒデオと睡蓮は出張という形で魔殺商会のドクターとともに怪しげな実験につき合わされていた。

すべての検査が終了し、帰りは送迎の車が用意されているという話だが、かれこれ20分は待たされている。

「…さすがは姉上の会社です。いい加減なところは姉上そっくりです」
えらく不機嫌な睡蓮。
検査で色々不愉快なことがあったのかもしれない。

「でも。好意で車を用意してくれるのだし」
「姉上を弁護するのですか?」
ふん、とばかりに冷たい目線を投げる睡蓮に対し、
「君のお姉さんはいい人だ。あまり悪く言わない方がいい」

仮にもここは魔殺商会の本社。あまり影の総帥を悪く言うのはよくないだろう。
そういう思いからヒデオはフォローに回った。

「…私の目には、ダメな姉としか映りません。
下賤な風俗に染まってしまっていますし、下女風情の服装で伊織の当代を御主人と呼んでみたり…。
名護屋川の姓を名乗る、自覚がありません」

「でも…」
ヒデオは少し考えてからこう言った。
「この間も言ったけれど…。君のお姉さんは、みんなを楽しませる天才だ。
人を、ひきつける魅力とか人望みたいなものがある。
家柄とかじゃなくて、自分の魅力とかで人の上に立っているのは…。尊敬できると思う」

「珍しく饒舌ですね。お前も姉上の魅力とやらにやられたクチですか?」
「…実際、女性として魅力的だと思う。
男女問わず人気があるみたいだし、モテるんだろうな…」
129ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 00:18:12 ID:5ZDZJo9T
彼女は聖魔グランプリでは頼もしい味方として、クロスフラッグでは誰より厄介な敵になった。
いつでも楽しげな鈴蘭は、ヒデオには少しまぶしかった。
クロスフラッグのとき、毅然として「運命に立ち向かう」と未来視に立ち向かう鈴蘭は身震いがするほど格好がよかった。
…いや、身震いというか、単に恐怖でガクガク震えていただけなのかもしれないが。

「にゃ〜んと!ヒデオ君って、鈴蘭のことそんなふうに見てたのか!」
背後から聞こてきた声にびっくりしてヒデオが振り返ると、いつのまにやらメイド服姿の名護屋川鈴蘭とヴィゼータがいた。
ニヤニヤと楽しげなヴィゼータに対し、鈴蘭はどこか居心地の悪そうな顔をしている。

「…その気配、とかは」
「ふっふふ一流のメイドとか執事はね、ご主人様の大切な時間を邪魔しないように足音がしないのだよ。
覚えておくといいよ」

いや、忍者かなにかと勘違いしていないか。
いやいや、問題はそこではない。

「いつから、そこに」
「えっと、睡蓮が鈴蘭の悪口を言ってて、ヒデオ君が君のお姉さんは天才だとか言うあたりから」

…聞かれたくない部分、まるごと聞かれているじゃないか。
「あ、あははは。そんな風に褒められたら…ね。
あ、アレだな! お、お小遣いか! お小遣いが足りなかったりするのか?」
どこか錯乱した様子の鈴蘭は、本当にポケットから財布を取り出そうとしている。

「いえ…」
ヒデオは戸惑いながら、丁重にお断りする。

「にゃ〜んと!今思い出したんだけど、ワタシは急用が入ったよ!
ヒデオ君と睡蓮の送迎は鈴蘭がやればいい。帰る方向、というか家が同じだからね」
「な! 私は挨拶だけで、送迎はカッコの仕事だろ!
あ、オイコラ、カッコ!」

マッハで走り去るヴィゼータ。もはや人類では追いつけないだろう。

「…姉上、結局私たちの車は?」
「うぅ…しかたない。私が運転します」

こうして、ヒデオは魔殺商会の総帥がじきじきに運転する車で帰宅した。
帰りの車の中、睡蓮の方は始終イライラとした様子で、
鈴蘭もどこかぎこちなく適当に相槌を打つだけという重苦しい雰囲気。
ヒデオの胃に穴があこうかというころ、ようやく寮に帰り着くことができた。

「ここがヒデオ君の家ね…。
そうそう、これからも私もをよろしくね」

と、姉らしい一言を最後に、鈴蘭たちを乗せた車が走り去る。
どうしてだろう、まるで悪の組織に住所を把握されてしまったかのような…。
130ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 00:19:45 ID:5ZDZJo9T
ニコ動で見た『魔王聖女リーサルすずらん』に影響されて書いた。
(笑)でなくてヒデオになったのは、色々
131名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 03:19:02 ID:WDDxR26V
>>130
GJ!GJ!
んで自分も今MAD見てきた
とりあえず原作読み直すかな
132ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 23:38:36 ID:5ZDZJo9T
ヒデオが鈴蘭の魅力について語ったその翌日。
名護屋川睡蓮は朝から機嫌が悪かった。
「訓練をします。かかって来なさい」
鬼気迫る睡蓮に、ヒデオは小一時間、ろくすっぽ抵抗もできずボコられた。

一方、鈴蘭は、やけにご機嫌だった。
花に話しかけながら水やりをしてみたり、鼻歌など歌いながら掃除をしてみたり。

「えへ、えへへへ」
と、ときたまだらしなく思い出し笑いなどしている。

全身タイツを初め、魔殺商会の構成員は全員が得体の知れぬ恐ろしさにがくがくしている。
「鈴蘭、君はなにかあったのか。妙にニコニコしているが?」
意を決した貴瀬が、構成員を代表して質問した。

「ふふ…。分かりますか、ご主人様」
100万ドルの笑顔で答える鈴蘭。
「この世には、見る眼のある男もいるってことです! 魔殺商会のタイツとかご主人様とは違って!」
グッ、と拳を握り力説。
「…そ、そうか」
深入りしてはいけない、そう感じた貴瀬はそれ以上の質問を差し控えた。

そんな会話をしていると、
「すっずら〜ん!大変、大変だよ!!」
どたばたと、カッコが乱入してきた。

「どうしたのカッコ? エリーゼ工業がカチコミでもしてきた?」
「違う違う! ヒデオ君がついさっき、救急車で病院に運ばれたらしいよ!
…いや、まぁ、それ自体は別にどうということはないんだけど…」

「え、すでに結構大変なことじゃない?まさか命に係わるとか?」
何事かと身構える鈴蘭であったが、
「驚くなよ鈴蘭…。どうも原因が、君の妹に腹を殴られたせいらしい」
「…え、えぇぇぇーっ!」
133ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 23:39:55 ID:5ZDZJo9T
いまだ麻酔が残っているようで、ヒデオは少しぼんやり天井を見つめていた。
手術自体はどうということもないが、夜になって麻酔が切れるとやはり痛いらしい。
看護婦さんの話だと、上司の那田が入院手続きなどをしに行ったらしい。

「おや、起きたのですか?
とりあえず、様子を見に来ましたが、寝ているので帰るところでした」

ふいに聞きなれた声。寝返りを打ってみると、睡蓮がいた。
病院では目立つだろうにこともあろうに巫女服だ。

「修練が足らないからこういうことになるのです。男のクセにひぃひぃと喚いて…」
「…す、すいません」
口をきくのもだるいけれど、ヒデオは本能的に謝ってしまった。

「これが実戦なら命はありません。
根性で耐え切る心意気こそが大和魂…」

睡蓮の小言は果てしなく続くかと思いきや、あっさりと中断された。
「睡蓮-――!」
と叫びつつメイド服がダッシュで駆けつけると、ポカン、睡蓮の頭に拳骨を落とした。
このメイド服こそ名護屋川鈴蘭その人に他ならない。その少し後ろには、花と果物などを抱えたヴィゼータが付いてきている。

鈴蘭は睡蓮の胸倉を掴みかかると、
「おい妹、お前ちゃんと謝ったんだろうな!
八つ当たりにヒデオ君をぶん殴って入院させるとはどういうつもりだ!
お姉ちゃんがモテるのがそんなに気に食わないか!」
134ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 23:40:17 ID:5ZDZJo9T
「…私は何も悪しきことはしてません」
強情に睡蓮が言い返す。
「お前がヒデオ君のお腹を殴って入院させたんだろ、ちゃんと聞いたんだからな!」
「鈴蘭、ここ病室だよ」
おろおろとヴィゼータが袖を引っ張るが、鈴蘭はおさまらない。

「あの、本当に。睡蓮は悪く、ないです。
手を。離してあげて、ください」
青ざめた顔色ながら、ヒデオは無理に起き上がろうとする。

「見ろ、ヒデオ君の優しさを。お姉ちゃんはこういう素直さが好きだな。
お前もヒデオ君を見習って、少しは…」

ダメだ、収集がつきそうもない。
かといって、麻酔が半分残った状態のヒデオが自分の口で説明するのは億劫だし、睡蓮では何を言っても聞いて貰えまい。
またヒキニパ神は基本的に傍観するだけでものの役に立たない。

そこに意外な救世主が現れた。神霊班局長の那田蒼一郎だ。
「…あ、取り込み中かな。ヒデオ君。
入院手続きと、ついでに病気休暇の手続きは私の方で済ませておいたが…」

「ヒデオ君の上司の方?…申し訳ありません、うちの妹が不祥事をしてしまいまして」
打って変わってぺこぺこ頭を下げる鈴蘭であったが、

「いや、それには及ばない。彼の病名は盲腸だ。内臓破裂とか骨折とかではない」
「え、盲腸…」
「ヒデオ君は単に盲腸で入院しただでね。最初は、てっきり睡蓮君がヤッてしまったのかと思いましたが…。
訓練中、睡蓮君の左フックが綺麗に決まってからヒデオが起き上がらなくなったけど…直接関係ない、たぶん」

那田に続き睡蓮も、ポツリ、と
「…だから言ったのです」

「とにかく、私と睡蓮君の用事はここまでだな。
私たちはもう帰るが、今のヒデオ君はゆっくり休むのが仕事だ」

そういい残すと、那田と睡蓮は役所に戻っていった。
135ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 23:40:50 ID:5ZDZJo9T
これで病室にはヒデオ、鈴蘭、カッコの3人となった。
「えっと、お花もってきたの。ワタシは花瓶に水を汲んでくるね」
止める暇もなく、唐突にカッコは病室を出て行った。
と思いきや、すぐに引き返してきた。
「えっと、10分くらい後に帰ってくるってことでいいかにゃ〜ん」
「カッコ、黙れ!」
「おおっ、怖っ! 鈴蘭怖っ!」
カッコはおどけながらダッシュで逃走した。

「えっと、ごめんね。ヒデオ君。色々と」
居心地が悪そうに頭をかいて謝る鈴蘭。

「いえ。その。心配してくれて嬉しかったです」
自分のために、あれほど心配してくれるというのは、どうとも大事に思われているような気がして嬉しかった。
それに、ああも慌てる鈴蘭というのは初めて見た。

睡蓮との喧嘩っぷりは、過ぎてしまえばなかなか…。
「うぅっ…痛、いたた」
思い出し笑いをしようとした瞬間、手術したばかりの傷口に激痛がはしった。
そういえば、看護婦さんが笑うと痛くなるから、と注意していた気がする。

「ヒデオ君、ちょっと大丈夫?」
「大丈夫です。ちょっと傷口が痛んだだけ」
びっくりして枕元に駆け寄った鈴蘭がヒデオの顔を覗き込んでいると、ガチャリとドアが開いた。

「にゃ〜ん、たっだいまぁ――」
見詰め合っているように見えなくもない2人の様子をみると、カッコは無言でくるりと方向転換をする。

「カッコ、違う、違うんだ!」
どたどたと鈴蘭も立ち上がって、出入り口に向かう。
「えっと、なにか不便なこととかあったら連絡してね。
魔殺商会でメイドを派遣するから!」

慌てて去りゆく鈴蘭を見て、ヒデオは再びくすりと微笑んだ。
次の瞬間、やはり傷口に激痛が走った。
痛いけれど、そうそう悪い気持ちはしなかった。
136ヒデオと鈴蘭:2010/08/14(土) 23:42:19 ID:5ZDZJo9T
以上です。
聖魔王さまが相手だと、恐れ多くてエロに行き着けません…。
機会があればエロも入れてみたいッスね。
137名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 04:01:11 ID:17t5ffny
>>136
GJ
続き希望と書き忘れたのに続いてくれるとは素晴らしい

...では今度こそ。続き希望です
138名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 11:49:52 ID:YSPaqpfx
主役コンビ、聖魔王コンビ結成だな
鈴蘭はおりがみのときっぽい印象
つか、総帥のクセにメイドやってんのかw
139136:2010/08/16(月) 23:34:34 ID:lkP2RRGQ
>>137
そう言って頂くと嬉しいです。頑張ってみます
とりあえず、フランス書院あたりでエロを学んできます
140名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 21:37:46 ID:wHUE5tfR
鈴蘭なんて魔王のなかでも一番の小物なの。
それがヒロインとはちゃんちゃらおかしいの。
どうして私の名前が出てこないか、疑問で仕方ないの。
141名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 22:56:27 ID:b6sWDioQ
鈴蘭「ご主人様、10月にレイセン新刊発売ですよ!」
貴瀬「そうか、では喘げ」
鈴蘭「…え?」
貴瀬「喘げ」
鈴蘭「(頬赤らめつつ棒)ああん、らめぇ!出ちゃぅう!れいしぇん新刊出ちゃぅう!」
貴瀬「…わかった。もういい。興ざめした」
鈴蘭「むぅっかあああああああっっ!!」
142名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 08:27:49 ID:MWPYbtZF
リップルラップルってやっぱ性的な意味でドラゴニックパーティとかしてんのかなぁ
143名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 15:35:47 ID:xRTerNrb
もう毎日取っ替え引っ替えなの。
年齢と恋人イナイ歴の一致する引きこもりとは違うの。
144名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 22:21:10 ID:K1Sh98PJ
>>143
「幼児体型を持て囃される程度で経験者気取りとは笑わせますね。あらあらかしこ。」
145名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 11:29:14 ID:+65CPwPa
ロリコンは病気です
146名無しさん@ピンキー:2010/08/25(水) 21:22:37 ID:HlR6Izsu
ロリコンは許さんという、総帥のお達しを忘れたか!
147名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 08:31:40 ID:S8ROFKhR
リップルラップルさんのタコ部屋に連行しろ!
148名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 11:28:32 ID:/u2AeV/a
ロリコンをタコ部屋に連行したら誰も居なくなった
149名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 22:04:38 ID:lc+r0U97
おりがみ一巻で貴瀬が描いたみーこの絵を見て、貴瀬が鈴蘭に「いつか君の絵も描いてやろう」とか言ってたなーと思い

「描いてやっても良いが、色気が無さすぎて想像力が喚起されん」
「たかが肖像画じゃないですか、想像力必要なんですか?」
「滲み出る内面を描くのにな…そうだな、バイブ挿れたまま一日過ごせばゼロがイチにはなるか?」
「そ、そこまでして描いてもらわなくてもいいですっ!」
「まあまあ、総帥の一枚画があれば社員の士気も上がるだろう。本物よりも三割…五割増しくらいで美人に描いてやるから安心しろ」

という話の流れでバイブやら描いてるときにも絵筆こちょこちょとかやる話を書こうとしたが、これただの吾川さんだと気付いて書く手が止まった。
150名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 22:32:45 ID:TWI8FEO2
>>149
余計なことを考えるな、感じるんだ。
151名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 16:19:17 ID:PrTeYRr8
わっふるわっふる
152名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 10:46:47 ID:cVmGW0j6
電話が鳴った。
「もしもし、名護屋川睡蓮ですが…」
「こちら川村ビデオの携帯ですが、マスターは外出中なのですよー。
要件があればウィル子が伺うのです」
「そうですか…」
「申し訳ないのですが、お仕事の話は無理なのです。
マスターはヒキコモるって聞かなくて…。」
「そうですか…。仕方ありませんね。では失礼します」
「本当にダメなマスターなのですよー」
ウィル子は電話を切った。「今度だけですからね。次はマスターが自分の口で説明するのです」
「……」
「本当にマスターはウィル子がいないと何もできないのですよー」


ノックの音がした。
「あ、鈴蘭さん久しぶりなのですよー」
「うん、たまたま近くまで来たからウィル子ちゃんの顔でも見ておこうと思ってね。
久しぶりだけど元気だった? 変わったこととかない?」
「相変わらずのものですよ。マスターはずっとヒキコモリっきりだし…。
ダメなマスターを持つと、ウィル子も大変なのですよー」
「そう…」
「マスターは寝てるみたいですけど、今から起こすんで待ってて欲しいのです」「あ、待って!
…その。無理に起こさなくても。お土産のお菓子持って来たからビデオ君によろしく言っておいて」
「ありがとうなのです。マスターも喜ぶのです」
「うん。じやぁ、ね」
……。
…………。
「ねぇねぇ鈴蘭。ダメだよ、このままじゃ」
「ごめん、カッコ分かってる。でも、どうしたらいいか分からないんだ…」


「いい加減にしたらどうかしら?」
「あ、エリーゼじゃないですか。久しぶりなのですよー」
「あんた、天界の仕事サボりっぱなしなんでしょ?
神としての自覚を持ちなさい」
「…でもウィル子はマスターのお世話を」
「私は鈴蘭たちほど優しくないから言ってあげる。
ビデオはもう死んだの、この世にいないの!」
「嘘です!今もマスターはその布団の中に…」
「あれはあんたが01分解で作ったビデオの形をした肉のカタマリなの!
あんたじゃ生命は作れない。毎日手入れしないと腐って行くんでしょ?」
「うっ……うわぁぁぁぁ!!」

その日、世界中のコンピューターが狂った。
153名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 11:56:27 ID:cVmGW0j6
「ウィル子、ずいぶん久しぶりね」
「…ノアレですか。ウィル子はマスターのお世話で忙しいのです」
「ヒデオが死んでから5年ほどたったっけ。外見だけじゃなくて心臓は動いてるわね。
ちゃんと脳からの電気的信号で自律的に呼吸なんかもしてるみたいだし」
「臓器や神経は複雑だけど、慣れたら簡単なのですよー」
「ふうん…。臓器の構造を理解するために、何人を犠牲にしたのやら?」
「さぁ?いちいち数えていないのです。
ただ、どうやっても意志を持たせられないのです…。
頭を切り開いても光学的にはもちろん、あらゆる方法で測定ができないし…」

「なんだかあなたが可哀想になって来ちゃった。
良かったら、ヒデオを黄泉がえらせる方法を教えてあげましょうか?」
「ッ!? それは本当なのですか?」
「ええ。これほど正確に人体を作れるんですもの。やり方さえ覚えたら簡単よ」
「どんな? どんな方法を使うのですか?」


ノアレは邪悪な笑みを浮かべ、こう言った。
「適当な卵子から核を抜いて、ヒデオの精子を入れるのよ。
このヒデオに魂や意志がなくとも、子宮の中でちゃんと生命体ができると思うわ」
「……確かに。01分解にウィル子はこだわりすぎてたようです」

ウィル子は満面の笑みを浮かべると、ノアレに対しペコリと頭を下げた。
「本当にありがとうなのですよー。ノアレ」
「いいのよ。頑張ってね」

数ヶ月後、ウィル子は膨らんだ自分の腹を撫でながら胎児に語りかける。
「マスター、マスター。ウィル子のマスター…。
うふふ、ウィル子の他にマスターを孕んだ女がいたなんて、嫉妬でどうにかなりそうなのですよー」
154名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 14:39:01 ID:jr4DycjC
怖いです
155名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 16:46:52 ID:DRhH5W/f
KOEEEEEEEEE!!!!!いいぞ、もっとやれ
156名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 01:12:20 ID:5hhoCPKD
nice boat
157名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 01:18:07 ID:dLCugd6o
見事だ、その調子で続きもだな…
158名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 10:49:11 ID:uuLCql0T
どうしてこうなったと言わざるを得ないホラー
159名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 11:02:06 ID:CgiDpF+T
だがそれがいい
160152:2010/09/14(火) 12:28:11 ID:QfSg7LPM
>>152->>153はスレを荒らして住民を不快にさせるために投稿した。
むしゃくしゃしてやった、今は反省している。だが、どうしてこうなった?
とりあえず午後から就職活動のためスーツ買って来る
161名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 23:07:31 ID:jGyR60WF
>>160
ウィル子がヒデオ一筋だから
162名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 23:20:31 ID:5hhoCPKD
エロパロ板だからエロが欲しいなあと保管庫更新頼む。
久しぶり見たが、2月ほど更新ないのに、1日に20人前後来てるみたいだぞ。
163@wiki:2010/09/15(水) 01:43:33 ID:Vvyt9oC6
テスト
164@wiki:2010/09/15(水) 01:45:09 ID:Vvyt9oC6
規制解除されたようです
ここまで保管しましたが、不備がありましたら指摘ください
165名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 04:48:14 ID:bdEo8NT8
てす
166名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 07:25:11 ID:5iegiXcY
ヤンデレウィル子……アリです。
167名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 10:11:49 ID:neYwxbFt
>>164乙。今携帯なんで夜見てみるわ。
で、以下はヤンデレウィル子。



膨らんだウィル子の腹を目にしたノアレは半ば呆れて言った。

「自分で孕むとは、ウィル子もずいぶん頑張ったわね。
鈴蘭あたりの暇そうな人間のお腹を借りた方が楽なのに」
「にははは!こんな美味しい仕事、そこらのメス犬には任せられないのですよー」
「実際、精子だけ作るより妊娠はずっと複雑なんだけど」


妊娠するというには、子宮だけ作ってもダメである。
ホルモン分泌のために卵巣などがいるし、ヘソの緒に血管を通したり母乳を作るための乳腺やら様々な器官が必要になる。


「でも意志を持った人間を作るよりよほど楽なのです」
「あらあら、妊娠機能を得るために何人の犠牲ry」
「そんなこんなどうでもいいのですよー。
あと、いい機会だからウィル子のアソコは人間の持ちうる最高の名器にしちゃいました。
これでいつマスターが求めて来ても大丈夫なのです」
「ちょっと欲張りしすぎじゃ……」
「あ、蹴りました!いま、マスターがウィル子のお腹を蹴ったのですよ!」
「ふうん……」
「ほらほら、ノアレもウィル子のお腹を触るのですよ」
「いいわよ、別に」
「ノアレはノリが悪いのですよー」
「…とりあえず、あなたが元気そうで良かったわ」

闇の精霊は若干ひきぎみであった。
168名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 10:17:32 ID:neYwxbFt
数ヶ月が過ぎた。

「う…いったぁぁぁ!! 尋常じゃなく痛いのです」
「ウィル子、そういうときこそラマーズ法よ。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー」
「ヒッヒッ……痛ィ!ハァハァ…うぅぅぁん!」
「……無駄にリアルな人体を作ったのがアダになってるわ。
あなた下手したら死ぬわね。殺しちゃおうか、子供?」
「だ、ダメなのです!」
「最高の名器とやら、しまりが良すぎてキツイんじゃないかしらね。
しかも、お尻も安産形とは言いがたいし。
これらの反省をいかして、また作り直した方がいいわよ」
「絶対に嫌です!
……そうだ、ウィル子のお腹を切ってマスターを取り出して下さい!」

「え、無理よ。やり方が分からないわ」
「大丈夫。お腹を開いてマスターを取り出すだけ…。母体の縫合とかはいらないのです。
子供さえ出してしまえばウィル子は出血死の前に体をPC内に避難させるのです」

ノアレは嗜虐的な笑みを浮かべた。

「いいわ。ただし、絶対に気絶しちゃ駄目よぉ?
そうしたら、本当に死んじゃうから」


「ひぎあっ!!……あっぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」


室内にウィル子の絶叫が響いた。
169名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 13:36:39 ID:pfRoMDtb
どうしてそうなった…
170名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 14:41:42 ID:f92UHP/a
うおおおおGJ!続きまってる!
171名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 20:19:12 ID:lP75vO6V
GJ! 続き期待
172名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 20:48:43 ID:FdyYPw/M
ヒデオの子じゃなくて、クローンを作っているって理解でいい?
卵子から核を抜く、ってのがイマイチよく分からんが。
173名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 22:06:33 ID:5iegiXcY
GJ!

これはウィル子の授乳プレイ来るか……!
174名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 10:26:06 ID:RTeLY9Cg
(このスレは開腹プレイなどグロテスクな描写を含んでいます。
無理な方はこのスレだけ飛ばして下さい)

開腹しやすいよう、M字型に開脚させられたウィル子の股間に冷たい包丁が当てられる。
次の瞬間、ノアレは容赦なく女の割れ目に沿って包丁を腹側に切り上げる。

「ひぎッ!!うぅぁぁぁぁっ!!」

叫び声に少し遅れて、どばどばと、血が吹き出す。
刃は子宮まで達した。だが、まだ切り口が浅いと感じたのか、ノアレは再度包丁を縦に滑らせる。
ウィル子の腰部は血液と羊水、さらには尿の混じった液体でグショグショだ。

「……ハァ、ハァ」
「まだ意識はあるわね?
そろそろ、手を入れるわよ」

包丁を脇に置くと、ノアレは刃で拡張され血まみれの性器に腕を突っ込んだ。
帝王切開のやり方というより、フィスト・ファックか、あるいはスナッフ・フィルムの撮影現場のような情景だ。

「あらあら。名器とやらも形無しね。ガバガバよ、ガバガバ!
ほらほら、見て!楽に手首まで入っちゃったわぁ!」
「うぅ……」
楽しそうなノアレに対し、ウィル子下半身を真っ赤に染めながら、
ひたすらヒデオを思い、体内をうごめく手の感触に耐えた。

ぬちゃ…ぬちゃ…
ウィル子の胎内を掻き回す音が響く。

どのくらい耐えたのか、朦朧としたウィル子に時間の感覚は既にない。
不意に腹の上から重りが取られ体が軽くなる感覚。
オギャア、オギャアと、生まれたばかりのヒデオの泣き声が響く。


「…よいしょ、っと。
お疲れ様。ヒデオを取り出したわ。
ヘソの尾切るから、もうちょっと待ってね」

バチン、とハサミが閉じられた瞬間、ウィル子は体を電子化させてパソコンに逃げ込み、意識を失った。
175名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 10:29:00 ID:RTeLY9Cg
(以上でグロ描写終わり)


「……う。マスター!マスターは!!」
「あ、ウィル子。起きたの?ヒデオならそこのベビーベットよ。
せっかく寝かせたところだから、起こさないでね」
「ああっ、マスター。ウィル子のマスター……」
ウィル子は宝物でも見るように赤ちゃんを見つめる。

「産湯に入れたりとかは、私がしておいたわ」
「…ノアレには本当に感謝しているのですよー。
…でも、絶対に切ってはいけない血管を切られたときはもう死ぬかと」
「私は医者じゃないから。切っちゃ駄目な血管とか分からないわわよ。
……でも、出血と激痛で悶えるウィル子は可愛かったわぁ!
次があったら、またやらせてね!」
「……さすがの私もそれは引くわ」
176名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 10:31:44 ID:RTeLY9Cg
「で、これからどうするの?」
「今さら何を言うのですか?
マスターを養育し、大きくなったらウィル子のお婿さんにするに決まっているのです」
「……やれやれだわ。確かに、この子はヒデオと同じ遺伝子を持ってる。
ただ、人格を作るのは後天的な経験や学習によるところが大きいの」
「……」
「ウィル子が育てても、この子はヒデオにならないわ」

「……ノアレには、何か案があるのですか?」
「もちろんよ。こういうのに最高のベビーシッターに心当たりがあるのよ。
彼女なら、この子をヒデオにできるはずよ」
「い、嫌です!マスターのお世話はウィル子だけの……」
「ならいいわ。でも、後になって『ヒデオはこんなこと言わない!!』とか言っても遅いのよ」
「……とりあえず、話だけは聞くのです。
そのベビーシッターは、どこの誰で、どんな方法を使うのですか?」
「うーん……。ただ、彼女も仕事があるの。
大人しく来てくれるかしら?」
「にほほ。そんなことですか!
この世にマスターのお世話以上に価値のある仕事はないのですよ。
言うことを聞かなければ力づくでなんとかするだけなのですー」
「あら、頼もしいわぁ!
えっとね。まずはね……」
177名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 10:43:15 ID:RTeLY9Cg
指摘あったんで考え直しましたが、ノアレが言った方法だと、クローンは作れませんでした。
体細胞クローン作るやり方に何パターンかあるんですが、いろんなの混じってしまいました。
裏設定としては、ノアレは俺並みに科学知識に乏しく、あのあとウィル子がググって調べ直したということで。
あと開腹プレイは相手の同意があってもたぶん犯罪なのでマネしないで下さい。
178名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 11:32:58 ID:WwfQL7XC
うひょー続き期待してる!

正直、エロパロだから細かいことは(ry
179名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 14:16:41 ID:o2VwZEO/
神に常識なんて通じる分けないから無問題
180名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 01:29:08 ID:WhVCKrdy
ヤンデレ・グロまで可とは……ここの住人のアウターっぷりがうかがえるな……

さて、高速で振動しながら続きを待つか
181名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 10:55:41 ID:/4JgXZbn
ペプシマンさんちーっす
182名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 22:44:10 ID:vHD54CuG
実際に「開腹プレイ」でググって見た。
俺は、開腹プレイ童貞のまま死にたいと思う。
183名無しさん@ピンキー:2010/09/25(土) 22:53:28 ID:cYV+BfpL
開腹プレイより回復プレイ
184名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 18:38:02 ID:TVhpULqD
レイセン新刊ゲッツ。


エリーゼ可愛いよエリーゼ
185ヒキニパの下僕:2010/10/05(火) 20:28:39 ID:ZCcdumzS
「・・・・」 気が付いたら、そこは闇の空間だった。
 闇・・・というか、黒い内蔵の中に居るというか、床も壁も何やら黒い血管の様なものが脈打っており、粘膜で覆われているかのようにヌメヌメと黒光りしている。
ムッとむせ返るような血の匂い、内蔵の生臭い匂いが充満している。
「これは、もしや・・・」 ヒキニパに食べられた?
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
 3秒ほど待った。いつもならば、ヒデオの思考を読んでノアレが的確なツッコミを入れて来るのだが、今回は頭の中にノアレの気配がない。
「これは一体・・・?」 ヒキニパ絡みであると確信しているものの、状況が不明だ。そもそもノアレからの脳内通信もない。
「僕に、何を、せよ・・・と?」
 腕を組んで首を傾(かし)げる。と、ここで自分に腕と首がある事が分かった。
 そう意識すると、ヒデオは全身を知覚できた。
 腕OK、足OK、体・・・なぜにパジャマ?

「ヒデオ!」 聞き慣れた声がする。振り返るとそこに睡蓮が居た。いつもの巫女服で、手足を内蔵の壁に絡め取られている。
「このような悪しきが許されると思っているのですか! さっさと解きなさい」 いつものように開口一番で罵声が飛んで来る。
 振りほどこうと、必死に力を込めているようだが、腕の2倍ぐらいの太さのある黒い血管の様なものでガッチリと壁に固定されており身動きが取れない。
「睡蓮、君は、一体、何を?」
 ヒデオの表情から、犯人がヒデオではないと気付いたらしい。睡蓮もヒデオの無表情から表情を読み取れるようになって来ている。
 状況を把握するため、睡蓮を観察する。睡蓮の四肢を縛り付けているのは、壁を構成するのと同じ材質、黒光りする血管のようなもの。
そして睡蓮は、身動きが叶わないのに暴れようとしたせいか、胸元がはだけかかったおり、今にも見えそうである。
巫女である彼女は、当然、日頃からブラジャーの様な洋風の下着は身につけてない。
(・・・すると、下は・・・)
 朱袴から伸びるスラリとした白い足・・・。
「ヒデオ、今何か悪しき事を考えましたね」
「・・・いえ、別に」
 この状況は・・・以前、ノアレが誘惑してきた状況にとても似ている。と、なれば闇の触手で睡蓮を・・・いやいや、そうなる前に助けねば。
「ともかく、ヒデオ、お前に頼るのは不本意ですが、早く助けなさい」

(・・・無理)
 素手でどうにかなりそうな代物ではなかった。丸腰を意識した刹那、パジャマの胸ポケットにサングラスがあった。ドクター特製のSUN.グラッシーJrだ。
「ちょ、待ちなさい!」 睡蓮も、ヒデオの胸ポケットのサングラスに気付いた。
 確かにこのサングラスの目からビームならば、血管ぐらい焼き切れそうだが、あの威力ならば、睡蓮も惨殺死体になりかねない。
例えるなら、チェーンソーで割り箸を切るようなものだ。威力が大きすぎて逆に危険だ。
「・・・」
「・・・」
 お互い、打つ手がないので無言。何よりヒデオの非力は睡蓮が一番良く分かっているのである。
186ヒキニパの下僕:2010/10/05(火) 20:30:13 ID:ZCcdumzS
(・・・無理)
 素手でどうにかなりそうな代物ではなかった。丸腰を意識した刹那、パジャマの胸ポケットにサングラスがあった。ドクター特製のSUN.グラッシーJrだ。
「ちょ、待ちなさい!」 睡蓮も、ヒデオの胸ポケットのサングラスに気付いた。
 確かにこのサングラスの目からビームならば、血管ぐらい焼き切れそうだが、あの威力ならば、睡蓮も惨殺死体になりかねない。
例えるなら、チェーンソーで割り箸を切るようなものだ。威力が大きすぎて逆に危険だ。
「・・・」
「・・・」
 お互い、打つ手がないので無言。何よりヒデオの非力は睡蓮が一番良く分かっているのである。

「ああ、もう、二人でお見合いしててどうするのよ!」
 バァンという音と共に空中にノアレが現れる。やっぱりこいつの仕業だったか。
「出ましたね。お前の仕業ですか。さっさと解きなさい」
「あら、これはヒデオが望んだ事よ」 コロコロと笑うノアレ。
 そういう命に関わる冗談は止めて欲しいのですが。
 案の定、それこそ目からビームを出しそうな凄まじい目付きで睡蓮がこちらを睨みつけている。
「いや、これは、ノアレが勝手に・・・」
「言い訳は無用です。さっさと解きなさい」
「だめよぉ。これからヒデオは睡蓮でイイコトをするんだから」
 小学生が何を言う! というかイイコトではなくてイケナイコトの間違いだろう。具体的にどうするのかはさておき。
「な、私に何をするというのですか!」
「それはぁ」 ノアレが睡蓮の耳元に口をよせ、ごにょごにょと何かをささやく。
「なっ・・・」
「で、こうなってぇ・・・」
「そ、そんなっ!」
「こうしてぇ」
「そのような世迷い言!」
「でも、そのうち睡蓮も・・・」
「戯れ言です!」
 みるみる睡蓮の顔が赤くなっていく。一体何を吹き込んでる、小学生。
187ヒキニパの下僕:2010/10/05(火) 20:31:02 ID:ZCcdumzS
 ノアレがヒデオのそばに戻って来た。
「な、何という破廉恥な! 身動きの出来ない女子(おなご)に対する乱暴狼藉! お前はそれでも男ですか!」 まだ何もしてないのに怒られた。
「僕が、一体、何をすると・・・」
「そのような事は、私の口からは申せませんっ!」
「さぁ、ヒデオ、思う存分、睡蓮を。うふ、うふふふふ」
 いや、どうしろと?

 しかし、このままにもしておけないので、睡蓮を助けようと、一歩前に出る。
「な、何をするつもりですか!」
「いや、助けようかと・・・」
「その手つきは、何です! ま、まさか・・・!」
 ノアレは何を吹き込んだのだろう? 救助を否定され、沈みこむヒデオ。

 睡蓮からすれば、いつもより悪しき目付きに加えていやらしいオーラを全快にしてヒデオが迫って来るように見えたのだ。

「これ以上、近づいたら、舌を噛んで死にます!」
 いや、だから、どうしてそうなる?

「あらぁ、それはダメよぉ。鈴蘭がどうなってもいいのかしら?」
「な・・・姉上に何を?」
「さっき言った事をフルコースで。でも、睡蓮が嫌だと言うのなら、仕方ないわよねぇ、お姉さんに責任を取ってもらわなければ」
「卑怯者!」
 睡蓮から睨まれる。いや、自分は何もしてないのですが。
「鈴蘭って5年前に力を失ってるのよねぇ。元魔王だし。きっと簡単に快楽(けらく)に堕ちるわよ。それとも壊れるのが先かしら。うふふふふ・・・」
 黒い、黒い笑みだ。さすが闇の精霊。

 睡蓮の顔に悔しそうな表情が浮かぶ。
「・・・好きになさい」
「いや、その・・・」 好きにと言われても。
「好きなだけ私を嬲れば良いでしょう。ただし姉上に手出しは許しません!」
「麗しき姉妹愛よねぇ」
「だが、私も名護屋河家四十四代当代、その程度の悪しきで、我が魂を汚せると思うな、下郎!」
 下郎って・・・。

「ヒデオを怒らせても知らないわよぉ。闇のテクは凄いんだから。初めてでそんな凄い目に遭いたいなんて、淫乱な巫女さんね☆」
「ちょ、待ちなさい」
「さあ、ヒデオ。今こそ闇の力を睡蓮に思い知らせてやるのよ」

 巫女と精霊が盛り上がってる中、一人途方にくれるヒデオだった。
188名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 20:32:42 ID:gD6VQkky
支援
はなくてもいいんだっけ覚えてないや
189ヒキニパの下僕:2010/10/05(火) 20:34:00 ID:ZCcdumzS
うーむ、投稿出来る文章の長さが今一つ分からない。しかも省略されたと表示されるのに、省略されてないし。分からん。
190名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 20:40:31 ID:gD6VQkky
専ブラつかってる?
191名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 21:01:51 ID:/IBLgIOw
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
↑のことなら無視してOK
板上位スレの表示で以下略になるだけでスレにはちゃんと書き込めてる
1レスの上限のことなら60行4000バイトぐらいだったかと
192名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 23:37:05 ID:+Me14NDz

なんというエロさ続きに期待します
193名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 00:03:38 ID:WrcG6q5Z
乙!!期待してる!!
194ヒキニパの下僕:2010/10/08(金) 22:08:19 ID:ppU1s7y1
「・・・・」睨んでいる。
「・・・・」困っている。
「・・・・」期待して待っている。

「・・・・」睨んでいる睡蓮。
「・・・・」困っているヒデオ。
「・・・・」期待して待っているノアレ。

「・・・・」それでも睨んでいる睡蓮。
「・・・・」まだ困っているヒデオ。
「・・・・」そろそろイラついてるノアレ。

 ヒデオは困っていたが、危機的な状況に追い込まれれば追い込まれるほど冷たく冴え渡る頭脳。知恵と運を総動員して現状を打破。それこそが魔眼。
 一体、どうすれば・・・。ノアレの言う通り、こういう欲望が全く無いと言えば・・・まあ、無いのだが・・・いや、ウソだが・・・誰もツッコんでくれないので、自分でボケる。
 さりとて実際に、こういう場面で、睡蓮に如何わしい真似が出来るかと言うと・・・無理。恐くて無理。
 ・・・睡蓮は睨んでるし、ノアレが、はぁはぁ荒い息で見てるし。

 いや、待て! 闇は自分が困る姿を見て楽しんでいるハズ! ならば何故、この自分の欲望を叶える手助けをしてくれるのか?
 この事態を終息する為に睡蓮に手を出すべきか?

 パイタッチ! パフパフ! 袴をめくって桃源郷だ、やっほう!

 ・・・ノアレやウィル子のツッコミがないのが寂しい。一瞬の脳内会議の結果、急進派の意見は瞬殺され、保守派が全権を握った。

 否! 断じて否。

 おそらく自分が睡蓮に手を伸ばした瞬間、睡蓮の戒めが解かれて、ボコボコにされるに相違ない。
そしてその自分の様子を見て笑い転げるノアレ。何と恐ろしくも狡猾な罠だろうか!
 そして、現在、自分は困り果てている。どう転んでも闇は面白いに違いない。

 ならば自分の取るべき行動は?
@欲望のままに睡蓮を襲う。
A闇に逆ギレしてノアレを襲う。
B何もしない。
195ヒキニパの下僕:2010/10/08(金) 22:09:40 ID:ppU1s7y1
 @睡蓮が恐いので却下。
 A見た目小学生のノアレを襲った場合、睡蓮から白い目で見られる事は必定! それだけは避けなければならない。
 Bそれだと、状況は一向に改善しない気が!
  ならば、動く!

「ところで・・・」
「何? 触手を使いたいの?」 はぁはぁと小学生が発情している。「いいわよ、太いのを貸してあげるわ! 1本、2本、ひょっとして3本、きゃあ、ヒデオったら。ダメよぅ。最初は優しくアプローチしなきゃ」
「否。ここは、一体、どこなのだろう?」
「闇の空間よ。ここでは睡蓮も法術を使えない、ただの小娘。うふふふふ。さあ、ヒデオ、その青い劣情を思う存分睡蓮にぶつけなさい! 大丈夫、睡蓮は頑丈だからそう簡単には壊れないわ」
 ヒデオの言葉に一瞬、我に返るノアレだが、すぐに元に戻る。というか、壊れてるのはお前だろう。
 そして、ノアレの言葉に睡蓮が歯がみする。先程から炎獄で手足を縛る戒めを焼き切ろうとしているのだが、炎獄は使えないし、弓矢の召還もできない。
 今、ヒデオがその気になれば、自分に抗う術はないだろう。しかも姉を人質に取られれば、自害も出来ない。このノアレという精霊は、カミと同様か、それ以上の力がある。自分の無力を痛感したのは何時以来か。

 一方、ヒデオの方は冷静だった。
 闇の空間。どうやら異空間であるらしい。しかも睡蓮は一切の技が使えないらしい。さらにどうやら、ノアレは自分の考えを読めないらしい。空間のせいかどうなのかは不明だが。闇を怒らせる事なく睡蓮と2人で無事に脱出するには・・・まだまだ情報が足りない。

「いや・・・睡蓮如きを手籠めにするのに、ここまで大掛かりな仕掛けが、必要か、と」
 とりあえず、時間を稼ぐ。
「如きとは、何です! 如きとは!」
 案の定、睡蓮が乗って来た。
「黙れ、普段からノーブラ・ノーパンで外を出歩く破廉恥娘が。あれで僕を誘ってたつもりなのか?」
「何という侮辱! 神聖な巫女装束を何と心得る!」 睡蓮が激高する。
 だが、ひょっとしたら訓練の時に見られていたのではないかと冷や汗をかく睡蓮。調子に乗ってポンポンとヒデオ投げ飛ばしていたが、あれは下から自分の袴の中を覗くためにワザと投げられてたのでは・・・。
 投げられたヒデオは床をのたうち回っていたが、あの態勢からならば、難無く睡蓮の袴の内を覗くことが可能だ。それこそがヒデオが発していた悪しき気の正体か!
 何という・・・女子の秘所を覗く為にそこまでするとは・・・。戦慄する睡蓮。世俗に降りて来て5年。世の中にそういう下賎な変態が存在しているという事は知識として知っていたが、まさか自分の身近に居ろうとは!
 やはりあの弱さは見せかけだったのだ。そもそも精霊を召還できるような人間があそこまで弱いはずはない。
 そして、睡蓮はここに至って気づいた。
 “毎日、見られてた!!!”
 ぼふっと、顔から湯気の出る勢いで赤面する睡蓮。

 全ては勘違いなのだが、ヒデオの魔眼には、それだけの説得力があるのだ。


 何だか、睡蓮が赤面して項垂(うなだ)れている。ここで言い合いになって時間が稼げると思ったのだが、アテが外れた。
 次なる策は・・・・。
196ヒキニパの下僕:2010/10/08(金) 22:14:31 ID:ppU1s7y1
 本来、187で終わってたのですが、続きを期待されたので、続けてみたのですが、こんな感じで良いのかいな?
 187までで、ヒデオに全く良い所がないので、魔眼を発動させてみました。
197名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 22:22:40 ID:eJ38G6jK
いいよーいいよー!続き待ってるぞうひょおおお
198名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 22:45:21 ID:3REohJ0g
GJ
オイオイ、最近夜は肌寒いんだぜ?
ゼンラー正座はキツイよ
199名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 23:19:16 ID:UsoT65mp
さぁ早く睡蓮を堕とす作業にもどって下さいお願いします
200@wiki:2010/10/09(土) 13:10:13 ID:WhLKU/bZ
保管いたしました。
201名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 13:26:12 ID:2QhiSDXS
乙です
202ヒキニパの下僕:2010/10/09(土) 21:56:12 ID:RNgjycCr



「せ・い・ま・お・う、キ〜ック!!」
 思案に耽(ふけ)るヒデオの目の前の何もない空間に突如、透明のガラスを割ったかのようなヒビが入って砕け、その向こう側から、ブーツの足が飛んで来た。
「ぐはっ」 顔に飛び蹴りの直撃を食らって吹っ飛ぶヒデオ。

「解説するのです! 聖魔王キックとは、メイド服のミニスカートから繰り出される飛び蹴りで、ミニスカであるが故に、狙われたマスターは逃れる事ができないのですよ」
 そう。一瞬だが、ヒデオにも白い三角形の何かが見えた。直後吹っ飛ばされたが。
「あら、ウィル子、遅かったわね」
「情報戦略会議が長引いたのですよ」 ヤレヤレと肩をすくめるウィル子。
「天界の?」
「いえ、ペンタゴンのです」 どうやら勝手に覗いていたらしい。

「睡蓮、無事・・・・」
 ヒデオを吹っ飛ばした鈴蘭が睡蓮の方を向いた。無事かどうか聞こうとして、壁に磔(はりつけ)にされてる姿は、どう見ても無事ではない。
「キサマ・・・私の妹に何をしたぁ!」
 キレて、ヒデオをボコボコにする鈴蘭。蹴り上げて浮かび上がった体の襟首を掴んで往復ビンタ。そのままグーで殴り飛ばし、追いかけて、倒れたヒデオの身体を上から更にゲシゲシと踏み付ける。
「まだ・・・何も・・・」
「まだって事は、これからするんだな! ウィル子ちゃんが言ってたように、睡蓮にあんな事やこんな事をする気だな! この変態! ゲス! クズ! 男のクズがっ!」
 なお一層、ヒデオを蹴手繰(けたぐ)り回す鈴蘭。

 ゴロゴロと転がって鈴蘭から逃れるヒデオ。何という暴虐。こちらの言い分は一切聞かず、一方的に暴力を振るうとは、流石は悪の組織の影の総帥。アーチェス氏、聖魔王と戦ったあなたは正義でした!

 このような暴挙が許されるのか? 否、断じて否! たとえ神が許したとしても、三千億の闇を従えるこの魔眼王が許しはしない!
 睡蓮にはヒデオから立ちのぼる悪しき気配が見えた。まあ、確かにあれは怒るだろう。完全な冤罪だ。あの姉は時々人の話を聞かない。

 ヒデオは、スクッと立ち上がり、魔眼と恐れられた目付きで鈴蘭を睨み据えた。
「人の話を聞きもせず、いきなりの、殴る蹴るの暴力三昧。 それは、これから成す事の代償、その先払いという事・・・」
「な、何を馬鹿な事を言ってるのよ!」
「では、なぜ、殴ったのかと・・・」
「い、妹の睡蓮をこんなにしておいて、よくも・・・」
「姉上、これは、そこの黒い精霊の仕業です。ヒデオは何も悪しきを成しておりません。そもそも、どうやったらヒデオにこんな事が出来るというのですか?」
 内臓の様な壁面から直接生えた生物的な黒い血管のようなもので壁に留められている睡蓮。人間のヒデオに出来るワザではない。
「うっ」
「そう、つまり、殴られたからには、あなたの言う、あんなことや、こんなことを睡蓮にしなければならない。残念だが」
 淡々とビジネスライクに告げるヒデオ。
 だと、すれば、これは、義務である。と。
「ちょ、ちょっと待ってよ、今のは私の早とちりというか、殴った事は謝るから」
「謝って済むようでは、悪の組織は務まらない。悪には悪の報いを」
203ヒキニパの下僕:2010/10/09(土) 21:57:16 ID:RNgjycCr
「ううっ」

「さすがは、マスター。凄い説得力なのですよ。でも、ここは一つ、殴られた分、あんな事やこんな事を鈴蘭さんにやってみては、どうですか?」
「ちょっと、ウィル子ちゃん!?」 味方だと思ってたのに裏切られた!?
 ウィル子が手を挙げると、壁からメタルなケーブルが伸び出し、鈴蘭の身体を搦め捕り、睡蓮同様、壁に張り付ける。
「うぐっ」 背中から壁に叩きつけられ。鈴蘭が呻く。
「姉上っ!」 睡蓮が姉の身を案じる。
「殴ったのは鈴蘭さんなのだから、その報いをみこみこ睡蓮が受けるのは変だとウィル子は思うのですよー」
「確かに」 ならばその代償、鈴蘭が体で払うのが筋というもの。
 一方的に殴る蹴るの乱暴を受け、ヒデオの頭から理性が吹っ飛んでいた。ドランカーズハイの状態になったのだ。そう、酔った時のヒデオは神となるのだ。
「なるほど、やるわね、ウィル子」
「にはは」

「いいの? 睡蓮。このままじゃお姉さんが・・・」 睡蓮の近くに浮いて行ったノアレが睡蓮に耳打ちする。
 非は姉の方にある。だが自分の身を案じて助けに来てくれた姉がひどい目にあうのは耐えられない。
「お待ちなさい。ヒデオ。姉の不始末は私の不始末。責任は私が取ります!」
「睡蓮っ!?」
 助けに来たはずが、助けられてる。しかも姉である自分の身代わりになろうとしているのだ。ホロリと来る鈴蘭。
 しかし・・・。
「それにヒデオも私の方が良いに決まってます」
「おい!」 せっかくホロリと来たのに台なしだ。
「ヒデオは姉上ではなく、この私を攫(さら)ったのです。姉上なぞ、眼中にないのです」
 庇(かば)ってくれてるのは、分かるのだが、もう少し言い方というものがあるだろう。睡蓮らしいと言えば睡蓮らしいが。だが、このままでは、睡蓮がヒデオの毒牙にかかってしまう。
「何を! 私の方が年上のお姉さんで、聖女で魔王で! 大金持ちの悪の組織の総帥だぞ!」
 姉妹喧嘩が始まる。身動きが取れないので、2人共お互いを助けようとしただけなのだが。
「私の方が、きゅーと あんど せくしー です」
「うっ」 確かに高校生の頃、妹はかわいい鈴蘭とか言われたりしてたけど。
 その後、悪に染まっていた自分に比べると、確かに妹の睡蓮の方が凛とした気品に満ちているのは事実なのだが。
「姉上なぞ、まるで洗濯板ではありませんか」
「い、言ってはならない事を・・・胸は大きさじゃない!」
「確かに女の価値は胸の大きさで決まるわけではありませんが、姉上には、そもそも胸がないではありませんか」
「な、ないわけじゃない。ただ、ちょっと大きくないだけで・・・・」
「そのような貧相なぼでーで殿方を籠絡しようなぞ、笑止千万!」
「うぐっ」
「鈴蘭とは、りりー・おぶ・ばれい。すなわち、『谷間の百合』。なのに、姉上には谷間がございませんね」
「ぐはっ」 精神的なダメージを受け、血を吐く鈴蘭。この妹は時々容赦ない。

「さあ、ヒデオ。姉上のような小学生がそのまま大人になったような貧相な身体の女は相手にせず、こちらに・・・」
 言ってる途中ではたと気づいた。つまり、ノアレが言っていた、あんな事やこんな事やそんな事までもされてしまうのだ。だが、姉がそのことで先に殴ってしまったのも事実。ならばヒデオの言う通り、身体で払うしか・・・。
「待て、ヒデオ君。こっちに来れば世間知らずでお嬢様の睡蓮よりもっと凄い事をしてやるぞ」
 自分でも何を言ってるんだろうな。と思いつつ、動けない身の上では、妹を守るにはこれしかない。
「姉上は、どこでそのような事を・・・はっ! 伊織、伊織貴瀬ですね」
「えっ、いや、ご主人様は別に・・・」
「伊織の事をご主人様と呼ぶ、そういう関係なのですね!」
「いや、あれはメイドとご主人様で、別にそういうやましい関係では・・・」
「長谷部家の愚息から聞いた事があります! 姉上は人前で伊織から抱きすくめられ、胸を揉まれて嬌声を上げた、と」
「違う、アレは違うんだ、睡蓮!」 身に覚えはあるが、アレはそういう事ではない。


「おお〜、何か凄いことになって来たのですよ」
「うふふ、面白いわねぇ。さてヒデオはどっちを選ぶのかしらん」
204ヒキニパの下僕:2010/10/09(土) 21:58:40 ID:RNgjycCr
「ついに鈴蘭まで登場したの。でも、この先どうなるのか、ぶっちゃけ作者も分かってないの。睡蓮と鈴蘭、どっちが襲われるのか、みんな賭けるの」

 いや、この先、どうなるんだろー? どんどん話がおかしな方向に向かってるような気が・・・。
205名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 22:02:48 ID:2QhiSDXS
どっちも襲うでFA

そんなわけでGJ!まじで続き期待してる
206名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 22:06:04 ID:/lWfodVs
ダメだこの姉妹、早く何とかしないと……
ヒデオのことだから結局手を出さずじまいっていうオチで二人をモンモンという方向性も(ry
207名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 00:08:00 ID:BFj9ofno
更にカオスにする展開も

どっちにしてもGJ続きに期待します
208名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 05:34:40 ID:h+qsYBwl
このカオスで、呆然として動かないヒデオにしびれをきらせた、ウィル子とノアレが襲う
209ヒキニパの下僕:2010/10/11(月) 19:55:03 ID:59cG8Lwg


 ぎゃーぎゃーと言い争う声が聞こえる。何だか、姉妹喧嘩が始まってしまったが、その間に冷静に戻った。よく考えたら鈴蘭の攻撃は、顔への直接以外は全部ガードしていた。普段、睡蓮から鍛練を受けている為、攻撃を受けるのは慣れているのだ。
 ・・・それもどうかとは思うが。まあ、訓練は無駄ではなかった。

 ヒデオの脳裏に引っ掛かる事があった。
 ノアレは何と言った?
『あら、ウィル子、遅かったわね』
 つまり、2人はグルであるということ。ウィル子がこの暗黒空間に鈴蘭を伴って難無く侵入出来た事からも明らか。
 そしてウィル子は、睡蓮ではなく、鈴蘭を襲わせようとした。それに対してノアレが言ったのは、
『なるほど、やるわね、ウィル子』
 ようやく構図が見えてきた。ノアレは睡蓮を、ウィル子は鈴蘭を擁立して、何らかの賭けか勝負をしているのだ。おそらく自分が襲うのを推した方が勝ち。
 片方は闇そのもの。もう片方は神とはいえ、元が超愉快型極悪感染ウイルス。名護屋河姉妹と自分が困る様を見て楽しんでいるのだ。
 ノアレの楽しみの方は、想像が付く。どう転んでも、闇にとっては面白い事態になる。先程考えた通りだ。では、ウィル子の方はどうだろうか?

「ウィル子・・・」
「はいはーい。ついに鈴蘭にする決心がついたのですね。ウィル子も手伝うのですよー」
 ウィル子の声に答えるように、床から銀色のケーブルが触手のように生えて来る。
「何と放電機能付きなのです」
 2本のケーブルの先端が近づくと、パチッと火花が飛んだ。
「ノアレの闇の触手よりも、面白い事ができるのですよー。ちなみに電圧は2万ボルトまで上げられますが、アンペアが低いので安全な電気ショックを楽しめるのです」
「さすが、電子の神。面白い機能ね」 とノアレ。
「さっそく鈴蘭に使ってみるのですよ〜。これがコントローラーです」
 と、言ってPSのコントローラーのような物を差し出すウィル子。
「ちょ、ちょっとウィル子ちゃん! 何で突然こんな事を!」
 彼女がマスター(ご主人様)と慕うヒデオを足蹴にしたから復讐されてるのかもしれないが、そもそもヒデオが闇の精霊を使って、睡蓮を闇に堕とそうとしている。という話を持って来たのもウィル子なのだ。
「うるさいのです」
 ウィル子がコントローラーのスティックをウネウネと操作すると、それに合わせた動きで銀色のケーブルがウネウネと床を這い、鈴蘭のスカートの中に消えた。
「え、一体、何が?」
 身をよじって逃げようとするが身動きが叶わないので逃げられない。
「ポチっとな」
 ウィル子が〇ボタンを押す。

「きゃふっ」 パチッと放電音がして、鈴蘭がのけ反(ぞ)った。
「姉上!」
「今のはわずか100Vです。でも最も敏感な所なので結構効いたはずなのです」
「う、ウィル子ちゃん・・・」
 はあはあ、と肩で息する鈴蘭。魔殺商会のメイド服は魔道皮膜(マジックコーティング)されている。特に鈴蘭のエプロンドレスは耐熱耐冷耐電防弾防刃の5重魔道皮膜が施されているのだが、下着は普通の物だ。
 スカートの下からケーブルを伸ばせば、防御力は皆無。すなわち! このメイド服は真上と真下が弱点なのだ。
「さあ、マスターも鈴蘭で遊ぶのですよ。Lボタンで電圧ダウン、Rボタンで電圧アップです。左スティックで左右、右スティックで上下。ケーブルを伸ばすのが十字キーの上で、下ボタンでバックします。
 このケーブルはエリーゼに頼んで作ってもらったミスリル合金製なので、鈴蘭のメイド服ぐらい軽く引き裂けるのですよ。まずは裸に剥きますか?」
 にひひ。と極悪ウイルスらしい意地悪な笑みを浮かべて、ヒデオにコントローラーを差し出すウィル子。
「ヒデオの好きなゲームで釣るなんて、さすがはウィル子! 恐ろしい子」
 ノアレが戦慄している。悔しいがヒデオの扱いに関してはウィル子の方に一日の長がある。
「ヒデオ! そのような悪しき! ・・・姉上ではなく、私になさい。私ならば悲鳴一つ上げずに耐えてみせますっ!」 我慢大会じゃないんだから・・・。
「あら、それも楽しそうね」
「ダメです。このおもちゃは鈴蘭専用なのですっ」

 外野が騒いでいるが、ヒデオの作戦は既に決まっていた。ここから抜け出すのに崩すべきは・・・。
210ヒキニパの下僕:2010/10/11(月) 19:56:57 ID:59cG8Lwg

「ウィル子・・・」
「にはは。本気になったマスターは頼もしいのですよ」
 ヒデオの目付きと気配を勘違いしているウィル子。
「否。君は僕の唯一無二のパートナーだった。苦楽を共にした、死にそうになった事もあった。全ての試練を2人で乗り越えてきた。
 辛くて苦しいときも、負けそうな時も、離れ離れになってさえ尚、お互いを信頼してた。そして、僕は君が神になるために、僕の全てを、命さえも捧げた」
「えーと、マスター、突然、何をそんなに真面目に?」
 これはヒデオの勝負モード。わくわくイケイケでウィル子が最も好きなヒデオなのだが、だが何故急に? しかも誰を相手に?
「その君が、僕に他の女で遊べと。他人の苦しむ様を見て、笑えと。そう言うのか」
 真摯な眼で見つめる。
「え、えーと、でも鈴蘭からひどい目に会わされたのはマスターなのですよ。マスターに二度と逆らえないように思い知らせてやるのですよ?」
 ウィル子の態度に自信がなくなってきている。もう一押しだ。
「否。これも愛の形の一つ。君は、僕に、鈴蘭に求愛せよ、と、言うのか」

「なぜ、そーなる! きゃうっ」
 鈴蘭がつっこんで、ウィル子がボタンを押し、鈴蘭が小さな悲鳴を上げる。
 外野、うるさい。黙ってろ。のウィル子の意思表示である。

「いや、確かにアングラでは、そーゆー愛の形もあるにはあるのですが・・・」
「僕の、気持ちを知った上で、他の女に、手を出せ、と」
「はわわっ、まさかマスターはウィル子を? いえ、マスターのお気持ちは嬉しいのですが、ウィル子の体は見た目だけというか、マスターが楽しめないというか、その、肝心な所がないというか、って何を言わせるのですかー!」
「否、そんな君は、僕が他の女に手を出すのを見て、何も、感じないのか、と」
「ウィル子は人間ではないので、嫉妬のような感情はないのですが・・・」
「僕たちの魂の絆は、その程度のものだったのか、と」
「はわわわっ」
 ウィル子が慌てる。普段、ヒデオをからかっているようだが、心の深い所ではパートナーという絆で結ばれている。それはウィル子にとって最も大切な宝物。
「所詮は、神と人間。僕たちの関係は、その程度の薄っぺらい物だったのか、と」
「ち、違うのですよ、これは違うのですよ、マスター! ウィル子は誰よりもマスターの事を思って!」
 泣きそうな表情でヒデオの方に飛んで来るウィル子。
「失望した・・・」
「ますたぁ〜」 ウィル子は瞳を潤ませ、泣き出す寸前である。


「ウィル子、ウィル子。ヒデオのペースにはまってるわよ」
 ノアレが冷静に呆れている。
「・・・はっ! これはまさかマスター十八番の策略!? 人の心を揺さぶる魔眼! さすがはマスター」
 よもや、元パートナーである自分さえ引っ掛かるとは思ってなかった。

 くっ。ウィル子だけならば、うまく説得できたものを。このっ、このヒキニパがっ!

「だが、僕の、心にウソはない・・・それは、君が一番良く知ってるはず」
「はうう〜。そこまで思われてるウィル子は幸せ者なのですよ〜」
 よし! とりあえずウィル子の極悪モードは解除した。

 そんな二人の様子を見て、鈴蘭は思った。
“聖魔杯の時からそうだったけど、ヒデオ君とウィル子ちゃんって本当に信頼しあってるんだなあ・・・でも何で私がこんな目にあってるのかなあ? 私、ウィル子ちゃんに何かしたっけ?”

 睡蓮は冷静に観察していた。ヒデオのこの魔眼モードは実は、はったりの交渉術である事はすでに見抜いている。ヒデオと睡蓮はコンビで活動する事が多いのだ。パートナーと言っても良い。
 今のヒデオに悪しき(=いやらしき)気配は感じられず、と、いうことはヒデオも精霊2人の騒動に巻き込まれているだけであり、何とか解決する為に、必死に動いているように見える。
 だが、しかし・・・胸中に去来するこの黒い感情は何なのだろうか?
“まさか、嫉妬! まさか、この私に、そのような悪しき感情があろうはすが! いえ、それ以前に、何故私があの2人に嫉妬など致しますか!”
 自らの感情に狼狽していた。
211ヒキニパの下僕:2010/10/11(月) 19:58:19 ID:59cG8Lwg
 カオス悪化中。そんな中、気付いたのですが、最初の方、『内臓』が『内蔵』になってる・・・変換ミスだ・・・。
212名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 20:10:21 ID:v28uSK1X
毎回乙ですー
このままウィル子√でも(ry
213名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:33:00 ID:nLwJI23W
嫉妬する脇巫女…実にイイね
今回も乙でした
214名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 22:39:56 ID:VR2EnzRS
2週間ぶりくらいに来たが、いつも乙です
続き待ってまーす
215@wiki:2010/10/12(火) 19:21:18 ID:W2N4xWZV
お聞きしたいのですが保管する際、明らかな誤字は訂正した方がよいでしょうか?
今は誤字脱字もそのまま保管していますがどうなのでしょうか
216名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 21:22:43 ID:jR1xKrZL
ウィル子かわゆす
いいぞもっとやれ
217名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 21:35:06 ID:YxUggJDD
>>215
誤字残ってるよりは訂正したほうがよいかと。
個人的には作品保管の際に修正箇所を書けばよいと思います
218ヒキニパの下僕:2010/10/12(火) 23:42:48 ID:dxwVq0+L
@wiki 様

 『内蔵』は明らかな誤字なので直していただけるとありがたいです。お手数をお掛けして申し訳有りません。
219@wiki:2010/10/13(水) 00:43:49 ID:rV2hKyw8
>>217
それがいいですかね。現在保管してあるものは時間があるときにでも見直しておきます。

>>218
修正・保管しました
220ヒキニパの下僕:2010/10/13(水) 13:29:00 ID:HrOtE3by
@wiki 様

 ありがとうございます。これから続きを投稿〜。
 でも、こんなに長く作品を続けても良いのでしょうか? 私ばかり板を占有していて申し訳ない感じ。
221ヒキニパの下僕:2010/10/13(水) 13:32:03 ID:HrOtE3by


 うふふっ、さすがヒデオ。本体が認めただけの事はあるわぁ。この状況で欲望に溺れる事なく、あくまで冷静そのもの。ウィル子を崩しちゃうなんて、本体の予測を超えてるわね。いいわぁ。惚れてしまいそう。くすくすくす。

「君が、一体、なぜ、鈴蘭を? 何か恨みでも?」
 鈴蘭も無言で聞き耳を立てている。
「実は社長から頼まれたのですよ。鈴蘭が最近、生意気だから柔順になるように躾(しつ)けてくれ、と」
「あの馬鹿メガネ! 何が柔順だ!」 鈴蘭が毒づく。
「マスターのパソコンにはエロゲがいくつもインストールされているので、社長からの頼まれごとを片付けるついでに、ここは一つ、マスターにも男の階段を上って、欲求不満を解消してもらおうと思ったのですよ」
 大人の階段、では?

「あ、あはは。私の貞操は、“ついで”だったんだ・・・」
 鈴蘭が目の上に縦線を浮かべて落ち込む。
「ヒデオ、お前は“ぱそこん”にそのような悪しき物を入れているのですか?」
「いや、その・・・嗜(たしな)む程度で・・・」
「最近は、巫女物が多いのですよ〜」
「ほう」 睡蓮が白い目でこちらを見る。
 勘弁して下さい、電子の神。それは個人情報の漏洩です。

「あ〜、でも、マスターがボコボコにされた分のお返しをしなければならないですし、社長と約束してしまったです。
 取り合えず、鈴蘭に1万ボルトぐらいの電気ショックを与えて、悔い改めてもらうっすよ。天に召しませ☆ なのです」
 今のはクラリカの物真似だろうか?
「ちょ、ちょっと待って! 1万ボルトとか、死ぬ、死んじゃうから!」
 死ぬほど痛かった先程のパチッが100ボルトだったのだ。一気に100倍である。
「そういえば」 と睡蓮。
「なに?」 助けてくれるのかと期待する鈴蘭。
「君の瞳は1万ボルトという歌が・・・」
「ない! 全然、関係ない!」 この妹は時々、素でボケる。
222ヒキニパの下僕:2010/10/13(水) 13:32:33 ID:HrOtE3by

「いくら電圧を高くしても、電流が小さかったら電気は流れ難いから安心なのです。高校の物理で習いませんでしたか?」
「えーと、私は文系だったから・・・」
 理系の科目は軒並み赤点だった事は伏せておく。

「1万ボルトとは言っても、電圧は静電気と同じぐらいなのですよ〜」
 したり顔で説明するウィル子。
「ぱちぱち君ではありませんか、姉上」 と、睡蓮。納得したように頷(うなず)く。
 どうして睡蓮は、そういう古いCMを知ってるのだろうか?

「人間の筋肉は電気信号で動いてますから、尿道括約筋が誤作動して、おもらしするかもしれないですね」
 にひひ、と意地悪く笑うウィル子。
 青ざめる鈴蘭。駄目だ、それは恥ずかしすぎる。ヒデオや妹も見ているのに。そんな状況でおもらしなんて!

 やはり、彼女は基本的に極悪であるらしい。ヒデオは嘆息した。説得工作により、自分が鈴蘭を辱める事はなくなったが、今はウィル子が自発的に動いている。
 それを止める為には・・・。あ〜、でも蹴られたしな〜。往復ビンタも食らったしな〜。別に止めなくても自分のせいじゃないから、問題はないかな〜。

「動画に撮って、社長に売り付けるのですよ」
「いぃやぁあああああ。 許して、それだけは許して!」
 ご主人様の手にそんな物が渡った日には、どんな目に会わされる事か・・・。そういうアイテムは効率的に使って相手を揺するのが悪の組織の王道なのだ。

『なあ、鈴蘭、このファイルを動画投稿しようと思うのだが・・・』
 そう言って無理難題を吹っかけて来るんだ。
『くくくっ、聖女様の痴態。神殿協会の権威も地に堕ちるよなあ。律子教皇聖下にでも買い取らせるか・・・』
 神殿協会にまで弱みを握られてしまうっ!
『長谷部のクソガキでも呼んで上映会でもするか? 鈴蘭』
 せっかく先輩とうまく行きかけてるのに! 何て極悪非道なご主人様!

「いやああああっ!」
 じたばたと逃げようとする鈴蘭だが、四肢を壁に繋ぎ留めてるミスリル合金製のワイヤーは、もちろんビクともしない。
「助けて! ヒデオ君、何でも言う事を聞くからっ!」
「姉上には誇りというものがないのですか? ぱちぱち君如きに耐えられずどうするのです!」
 睡蓮は、きっと冬のセーターを脱ぐ時のぱちぱち君と勘違いしている。
「睡蓮、お前はアレを受けてないから、そんな事が言えるんだ」
223ヒキニパの下僕:2010/10/13(水) 13:33:24 ID:HrOtE3by
「姉妹喧嘩はどうでも良いのですよ〜。
 では明日から鈴蘭はマスター専用のメイドになるのです」
「なる! なりますから、ヒデオ様!」 即答だ。
「社長に対しても柔順になるのですよ」
 と、言いながら、空中にウィンドウを展開するウィル子。

 そこには、椅子に腰掛け、ワイングラスを片手に高笑いしている伊織貴瀬と、その伊織の足元に絡み付くようにしな垂れかかる鈴蘭が、うっとりしたような目で貴瀬を見上げている絵が映し出されていた。かなり上手い絵だ。
「こんな感じで。『ご主人さまぁ〜』と甘い声で、瞳を潤ませて呼んで欲しいのだそうです」
「この絵はご主人様の筆遣い! 社長の仕事をサボって、いつの間にこんな絵を! っていうか、呼ぶか馬鹿ぁ!」

「くふふふふ」
 ウィル子の指がうずうずしながら、〇ボタンに掛かっている。
「ああっ。呼びます。呼びますからぁ! 私はご主人様の柔順なメイドさんで、身も心も社長の物ですぅ」
 シクシクと泣きながら鈴蘭。

「・・・・今、『後から覚えてろ!』 とか思いませんでしたか?」
「思ってない。思ってないです」
「マスター、どうしますか? ウィル子はボタンを押したいのですが」
「ヒデオ様、お慈悲を!」
「姉上には誇りというものが・・・」
「そんなものは忘れた!」 即答だ。

「どうしました、マスター。鈴蘭を天に召しませ☆ です」
「やめて、本当に天に召されるから! 1万ボルトとか洒落になってないから!」
「いや、○ボタンは電気ショック、では他のボタン何なのだろうか?」
「えーと、ドクターから貰った取説によると、
 『〇ボタン以外は危険なので、鈴蘭以外には使用しないで下さい』と書いてあります。
 鈴蘭に使うのはOKみたいなのですよ」
「ま、まさか、そのドクターって、ウチのドクターなの?」 と鈴蘭。
 だとすると、〇ボタン以外は本格的に危険すぎる。いや、○ボタンも十分危険なのだが。
「そうなのですよ〜。社長がドクターに直接依頼したのです。制御にはウィル子が必要なので、ウィル子専用の武装になります」
「あの2人〜!」 鈴蘭が歯軋りする。
「ウィル子。人の苦しむ姿を見て、笑うのは、良くない事だ」
「でも、さっき鈴蘭は、笑いながらマスターの事を蹴ってましたよ」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 コメツキバッタの陽にペコペコと頭を下げる鈴蘭。
「鈴蘭も、反省しているようだし」
「じゃあ、5千ボルトぐらいに電圧を下げましょうか?」
 どうやらウィル子はどうしてもボタンを押したいらしい。
「ウィル子、それは、いけない」
「ヒデオ君、ありがとう」
「・・・・」
「なんでお前が残念そうな顔をする、睡蓮!」
「いえ、別に・・・」
224ヒキニパの下僕:2010/10/13(水) 13:34:10 ID:HrOtE3by
 一行が長すぎてもエラーになるし、改行が多すぎてもエラーになるし、注文の多い掲示板だ。ヤレヤレ。
225名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 19:07:41 ID:cGLNQwk5
早く続編がきて期待が止まらない。GJ
しかし、睡蓮純粋でかわいいなー
226名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 20:12:46 ID:mbJbgWWo
ヒデオがこの二人を押し倒す事が想像できねぇw
押し倒されるなら想像できるのに

何わともあれGJ
227ヒキニパの下僕:2010/10/15(金) 00:21:34 ID:0dhTXZKw
「全然、エロくないっすよー。
 もっとこう、バーンッと鈴蘭さんや睡蓮さんを凌辱するっすよ」
「明らかな人選ミスなの。ヒッキーのヒデオには無理なの」
「じゃあ、誰なら良いっすか?」
「ずばり、エロ勇者なの!」
「俺かよ!」

 私もヒデオがこの2人を押し倒すシーンが想像できないです・・・。困った。
228ヒキニパの下僕:2010/10/15(金) 00:23:58 ID:0dhTXZKw


「はぁ。興ざめしたのですよ。ノアレ、そろそろお開きにするのです」
 ふわふわ浮いて様子を見ていたノアレの目が細められた。
「あら、宴(うたげ)はまだこれからじゃない」
 そう。鈴蘭がちょびっと電撃を食らっただけだ。本来の目的は果たされていない。
「でも、マスターは鈴蘭も睡蓮も、どちらも襲わないと思うのですよ」
 ヒデオはウィル子に同意するように首肯。
「あらぁ、そんなものは、やり方次第でどうにでもなるのよ」
 ノアレが妖艶にコロコロと笑う。だが目が笑ってない。危険だ。
「例えば、」

 言葉と同時に、ノアレがウィル子の直前に転移。驚くウィル子に強烈なストレート。

 ドガッ。ウィル子が吹っ飛び、派手に壁に叩きつけられる。
「ウィル子!」「ウィル子ちゃんっ!」

「がはっ」 ウィル子が空気を求めて喘(あえ)ぐ。殴られた胸の部分が大きく凹(へこ)んでいる。内臓があったら血を吐いていたに違いない。とりあえず、ウィル子の身体に胃袋しかなくて良かった。
「現実に干渉出来るって事は、現実から干渉されるって事よね」

 似たような事を睡蓮も言っていた。『見えるということは見られるということ』
 ウィル子はヒデオにチョップしたりグーで殴ったりできるが、ヒデオもウィル子を背に担いだりできたのだ。今更ながら、ウィル子は精霊なのだから、触れたのを不思議に思わなかったのが変なぐらいだ。当時のヒデオは何とも思ってなかったのだが。

「な、何するですかー」
 凹んだ部分は瞬時に元に戻り、割とノーダメージで、ウィル子が浮かび上がる。
 普段見えているウィル子は実体はあるが影。本体はネットワークの中にあるのだ。
「そういえば、聖魔都市でやられたお礼をまだしてなかったわ」
「やれるものなら、やってみるのですよ! ウィル子は神、ノアレは単なる闇の端末、格の違いを見せつけてやるのですよ」
 そう言って、自分の周囲にクリスタルの槍を展開させるウィル子。電子武装弐号ロンギヌスだ。
229ヒキニパの下僕:2010/10/15(金) 00:24:45 ID:0dhTXZKw

 何だろう? 今度はノアレとウィル子が喧嘩を始めた。
 一体全体、何がどうなっているのやら。
 だが巻き込まれたらタダで済みそうにないので、睡蓮の近くへと退避するヒデオ。今の睡蓮は身動きが取れない。流れ弾が飛んで来た時に、盾代わりぐらいには成れる。
 鈴蘭? 銃弾すらはじき返す5重魔道皮膜のメイド服を着込んでいるから、大丈夫だろう。
「ヒデオ・・・?」 睡蓮が不審気な目でこちらを見る。
「今の君は、動けない。ならば、僕が、盾になる」
 ちょっと虚を突かれたように目を丸くする睡蓮。
「無用です。それより姉上の方を」
「鈴蘭はメイド服を着てるから大丈夫だ」
「しかし、それではお前が・・・」
「君は、僕が、守る」 その言葉には強い意志が感じられる。
 これが、あのヒデオだろうか?
 目付きが悪く、話し声はボソボソ時に小さく、覇気が無く、そして弱い。甲乙丙丁の没。それがヒデオだったはずだ。
 だが、この黒い空間でのヒデオはどうだろう?(普段通りではある。逆に考えるとそれが凄い。このような事態に直面しても顔色一つ変えていない)
 これが姉の言っていた『いざというとき頼りになる感じ』だろうか? 人生を賭して練り上げた技が使えず、無力感に苛(さいな)まれる中、ヒデオに守られており、それを喜んでいる自分が確実にいる。
“惰弱な・・・” そんな自分を叱咤するが、かと言って出来ることは何もない。

「うふふ、ヒデオ抜きでどこまでやれるかしらぁ、電子ウイルスさん」
 ノアレがウィル子を挑発する。
「行けっ!」
 ウィル子が手をかざすと、クリスタルの槍が一斉にノアレ目指して飛翔する。
 だが、ノアレが手を一振りすると、黒い霧が現れ、その黒い霧の壁に触れた瞬間、ロンギヌスは消失する。相対質量が違い過ぎるのだ。
「くっ、ならば、電子武装参号、エクスカリバーっ」
 ウィル子が再び手をかざすと、頭上に巨大な長剣が出現する。

 ウィル子の手の動きに合わせて、ブンッ、と唸りを上げて振り回された長剣は、ノアレの闇の霧すら切り裂き、その鋭利な白刃がノアレに迫る。
「うふふっ」
 ノアレは妖艶な笑みを浮かべたまま、指先で長剣を止めた。
「なっ!」
 これにはウィル子が目を丸くする。
 指先2本で挟んだままエクスカリバーをポキリと折ってしまうノアレ。
「ウィル子が力を発揮出来るのは、電子世界から無尽の情報力を引き出せるからよね。
 でもここは本体の作った闇の世界。光ファイバーはおろか、電話線すら通じてない。もちろん無線LANや携帯の電波も届かないわよ。だって世界が違うんですもの」
 そう言ってコロコロ笑うノアレ。
「つ・ま・りー、ここでは私の力は無尽蔵だけど、ウィル子の力は限られてるって事」
「うううー」 ウィル子は言い返せない。
「つまり・・・南極でペンギンと戦うようなものだ・・・と」
 とヒデオ。
「・・・妙な譬(たとえ)ね。でも、そおね、そんな感じよ」
 ウィル子の真下に黒い触手が現れ、ウィル子を地面に引きずり降ろす。
「あうっ」
 別の触手が、ウィル子をなぎ払った。
「あぐっ」 再び壁に吹っ飛ばされるウィル子。
「ううっ」
 ウィル子の身体のあちこちからスパークが飛んでいる。関節の向きもおかしい。だが、今度は元に戻らない。いや、リソース不足で戻せないのだ。電子武装にリソースを使った為、身体を元に戻す余力がないのだ。
「うふふっ」
 触手の1本がウィル子の足首に巻き付き、逆さ吊りにする。
「さあ、このまま腕を引きちぎろうかしら? それとも足がいい? 胴体真っ二つもアリよねえ」
230ヒキニパの下僕:2010/10/15(金) 00:25:44 ID:0dhTXZKw

「ノアレっ!!!」
 ヒデオが叫んだ。それと同時に、銀色の触手が左右からノアレを襲う。
「あら?」
 体を倒して、紙一重で躱すノアレ。
 ノアレが目の端にヒデオを捉えた。手にウィル子のコントローラーを持っている。
 2本のケーブルが、まるで意志を持ったかのようにノアレを右から左から、上から下から、変幻自在に襲う。笑いながらそれを躱(かわ)すノアレ。
「あらあら?」

 銀色のケーブルは鞭のようにしなやかに、鋼のように剛直に、硬軟織り混ぜた攻撃がノアレを襲う。

「ヒデオ君、凄い・・・」 目を丸くする鈴蘭。
「お前にそのような技があったとは・・・」 同じく睡蓮。
「ゲーマーを、なめるな!」
 指先を小刻みに動かしてケーブルを操るヒデオ。

「当たらないわねえ、うふふ」
 速いとは言っても、ノアレは空中に浮いたまま、難無く避けている。
「女の子相手に、こんな真似はしたくはなかったが!」
 ヒデオは、そう言うと、○ボタンを押し込んだ。同時にR1・R2スロットルを全開にする。
 ちょうどノアレがケーブルを避け、2本のケーブルが1mぐらいの距離で交差した。

 刹那、
「あっ!!!」
 2本のケーブルの先端からスパークが飛び、落雷の落ちるかの様にノアレに電撃が走る。
 色っぽい悲鳴を残して力無く墜落するノアレ。

「い、今のは?」
 鈴蘭が驚く。電線は触れてなかったのにスパークが飛んだのだ。
「R2は電流アップなのですよー。危険なので言わなかったのです」
 闇の触手から解放されたウィル子が起き上がって来る。
「だって、電線が当たってなかったんだよ?」
「空中放電。雷と同じなのですよ。十分にボルトとアンペアが高ければ、電気は空中を走るのです」
「姉上は本当に学校を出たのですか?」
「ううっ、義務教育すら受けていない妹に馬鹿にされた・・・」
「説明してなかったのにマスター、良く分かりましたね」
「そんな、ことではないかと・・・」
 あのドクターの作る機械が危険でないはずがないのだ。
「“げーまー”の勘という奴ですか?」
「まあ、そんな所だ」
「ノアレも愚かですね〜。マスターを本気にさせたら恐ろしいのですよ」
 やれやれと首を振るウィル子。
231ヒキニパの下僕:2010/10/15(金) 00:34:51 ID:0dhTXZKw
 予定では、あと2回ぐらいで終わりそうな感じです。もうすぐ最初の方も消えてしまいますし、やっぱり長くなりすぎましたね。ごめんなさいです。
232名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 00:52:10 ID:sCQGzN1a
いつもGJ
もうヒデオは睡蓮に押し倒されるendでも
いい気がしてきたw
233名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 01:24:03 ID:eJ+oM7AB
乙です
なんか着々と睡蓮にフラグ立ててるなw
しかしここからエロイ方向に行くのか?
234名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 08:57:58 ID:ZBEPpIqS
このノアレにはお仕置きが必要だと思います!

>>231
ページの上または下の方にある"全部"を押すと幸せになれるかも
235名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 22:50:25 ID:BGNn1MwG
まさか携帯で投稿しているわけではあるまいな・・・w

まぁナニはともあれGJ
236ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:13:26 ID:xPYrClOK

「ヒデオには驚かされるわね」
 ノアレがムクリと起き上がり、そのまま空中に浮かぶ。
「・・・・」
 あれで、ノーダメージかよ! さすがに、あの程度で闇の精霊を倒せるとは思ってはいなかったが、せめて交渉に応じてくれる程度には弱って欲しかったのに。

 これは、無理。 全く、全然、さっぱり。

 ウィル子が回復する時間は稼げたから、あとはウィル子が何とかしてくれる事を期待する。
「そうね、人間だったら黒コゲで即死かしら?」
「マテ、コラ。そんな危険な機械を私に使ったのか!」
「だから、鈴蘭に使った時は、アンペアを下げてたから大丈夫だったのですよ〜」
 ウィル子が復活して来た。

「今度は、さっきのようには行かないのですよ。ウィル子も本気を出すのです!
 電子武装四号 七星剣!」
 鈍色に輝く直刀の太刀が現れた。
 イージス、ロンギヌス、エクスカリバーと来て、なぜ、突然、和物に?
「にひひ、この刀は丙子椒林剣とも呼ばれる聖剣で、何と聖徳太子が使ってた刀なのですよ。破邪の力があるのです」
「確かに霊験あらたかですが、それは、国宝でしょう」 と睡蓮。
 そうなのか、知らなかった。ゲームでは出て来るが、まさか聖徳太子の刀だったとは。
「ウィル子の01能力で分子レベルでコピーしました」
「これならば、闇の精霊も真っ二つなのです」

「あら、じゃあ、私も本気を出そうかしら?」
 そう言うと、ノアレがどこからかノートパソコンを取り出した。いや、召還したのか?
 というか、パソコンはウィル子の武器なのでは?

「そ、それはっ!!」
 ウィル子の顔色が変わる。
「電子世界から切り離されて力を発揮出来るという事は、どこかにコンピューターがあるのよねえ」
「あうう」
「でもこれはオフライン。スタンドアローン。これがウィル子の本体」
「か、返すのですよ!」
 ウィル子が手を伸ばす。
「その物騒な刀を捨ててくれたら考えてもいいわ」
 どうやらノアレも恐れる刀であるらしい。
「ヒデオもそのコントローラーを捨てなさい」
 武器を捨てておとなしく出て来い。と言われてる気分。いや、それだと自分が悪役か。
 だが、ウィル子の命には代えられない。ヒデオは、仕方なくコントローラーを投げ捨てた。ウィル子の七星剣も雲散霧消する。
237ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:14:50 ID:xPYrClOK
「さあ、それを返すのです」
「うふふ。い・や☆」
 考えるとは言ったが、返すとは言ってない。さすが、闇!

 ノアレはノートパソコンを開くと、画面を限界まで開き、限界を越えて開こうとした。
 ミシッとヒンジ部分から嫌な音がする。
「ああ、あああ・・・」 ウィル子が目に涙を浮かべている。
 バキッ。
「ああっ!」
「大丈夫よ、ボディが壊れてもフラットケーブルが繋がってるから。でも・・・」
 ノアレが、どこからか、アイスピックを召還した。
「この辺りかしら?」
 アイスピックの先端をキーボードの隙間に走らせる。ノートパソコンはキーボードの下にマザーボードやHDDがある。あれを突き刺されたら・・・。
「や、やめるのですよ、ノアレ」
 先程までの自信はどこへやら、ウィル子は青い顔をしてノアレの手元を凝視している。

 演算装置と記憶装置、双方が無ければ、ウィル子は電子の精霊として生きられないのだ。
「ねえ、ウィル子」
「な、何なのですか?」

 ノアレは答えず、コントローラーを手に取る。
「1000ボルトぐらいで、どうかしら?」
「や、やめるのです」 ウィル子は恐怖にカタカタと震えている。
 ケーブルの触手がノートパソコンに巻き付いた。力を込めればプラスチックの破片に変わるだろうし、電撃を浴びても電子回路は死ぬ。
「どうしようかしら?」
「う、ウィル子が悪かったのですよ。謝るのですよ」
 ケーブルは引っ込み、ノートパソコンは再びノアレの手の中に。
 ほっとするウィル子。
238ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:15:24 ID:xPYrClOK
 しかし・・・。
「うふふっ」
 ノアレが笑いながらノートパソコンにアイスピックを突き刺した。
「ひぎゃっ」
 ウィル子が悲鳴を上げる。
「今のは、何のパーツかしらぁ?」
「の、ノアレ・・・」
 ウィル子の身体から左腕が千切れ飛んだ。
 飛んだ腕はクルクルと回って鈴蘭の足下に落ちる。
「ひっ」 鈴蘭が短い悲鳴を上げた。

「ねえ、電子のカミさま、格の違いを見せつけてくれるんじゃなかったの?」
 ノアレが意地悪く笑っている。

 今のウィル子は、アーチェスにやられた時と同じだ。電子世界から切り離され、逃げ込むべき唯一の電子機器をノアレに押さえられている。

「この辺りはどうかしら?」
 ガスッ。 ノアレのアイスピックがマザーボードを貫いて、先端の刃がノートパソコンの底へと抜けた。
「あぐっ」
 今度は足首から先が飛んだ。ナタで断ち切られたかのようにすっぱりと。
 身体を支えきれず、その場に転倒するウィル子。
 人間ではないので血は流れないものの、傷口から火花が散っている。

「で、こうやって、ぐりぐりと・・・」
 まるで傷口を広げるかのように、突き刺したままのアイスピックをギリギリと回す。キーボードのボタンがいくつか弾け飛んだ。
「あ、ぎゃ・・ぎ、ああああ!!!」
 ウィル子が断末魔の咆哮のような悲鳴を上げて痛みにのたうちまわる。

「おやめなさい!」
 睡蓮が凜として命じるが、無力。ノアレは歯牙にもかけない。
「格の違い? ふふ、あの時、本体はヒデオに免じて退いてあげただけ。別にあなたが勝ったわけじゃないのよ、ウィル子」
 アイスピックの先端で、キーを1個1個飛ばしていくノアレ。
 もうウィル子は虫の息だ。痙攣するかのように、ビクッ、ビクッと身体を震わせて倒れている。瞳に光はない。
「ウィル子ちゃん・・・」
 鈴蘭はつらそうに見ている。魔王の頃ならいざ知らず、とても自分の敵う相手ではない。
239ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:15:51 ID:xPYrClOK
「やめろっ! ノアレっ!」
「やぁよぉ。こんな面白いおもちゃ」
「あの時の復讐ならば、」 自分に!
「それは、ダメ」 ノアレがヒデオの言葉を遮(さえぎ)る。

「だってヒデオは本体と契約してるじゃない」
 ヒデオの首にまとわりつくようにして、小声で囁(ささや)くノアレ。
「くっ」
 だから、その報いをウィル子が受けているというのか!

 ヒデオから離れて、空中を踊るように回りながら笑う。
「分かってないわね。
 恐怖、恥辱、後悔、苦痛、怒り、絶望。
 それこそが素晴らしき心の闇」
「神であるウィル子の恐怖と絶望は、まさに甘露だわ。
 さあ、ハードディスクかCPUを破壊しましょうか?」
「ノ、ノアレ・・・ヤメ・・・」
 サウンドチップがいかれたのか、ウィル子の声はカサカサした機械音声だ。そのウィル子の恐怖すら、闇にとっては糧(かて)なのだろう。

 考えろ! 何か、考えつけ! それこそが戦士の・・・ん? どこかで聞いたような・・・戦士と言えば、大佐。 大佐? そうか!
「ウィル子が、戻らなければ、天界が、黙っては、いない」
 エンジェルセイバーが、出て来る。
「あら? そうね、気づかなかったわ」
 よし! これで!

「じゃあ、こうしましょう。代わりにヒデオが睡蓮か鈴蘭を襲うの。壊れるまで☆」
 鈴蘭と睡蓮が息を飲んだ。

「相手が人間ならば、天界も出て来ないでしょう?」
 ヒデオが如何に策を弄しても、ノアレの方が常に一枚上手だ。

「目の前で姉妹が自分の身代わりに犯されるのに何も出来ない無力感、悔恨、絶望、怒り。
 想像するだけでも素敵だと思わない?」
「そして抵抗出来ずに凌辱される屈辱。神殺しの姉妹はどんな悲鳴で鳴くのかしらぁ」


「この外道!」 睡蓮がノアレを睨みつける。
「いいわあ、その目。その気の強そうな目からどんな涙がこぼれるのかしら?」

 ノアレはアイスピックの柄頭に指を当て、ノートパソコンの上で弄(もてあそ)んでいる。少しでも力を込めれば、CPUかHDDが破壊されるのだろう。ヒデオに選択肢はなかった。
240ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:17:03 ID:xPYrClOK
 自分で書いといて何だが、ノアレが外道だ・・・。
241名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 00:26:28 ID:u0cmlkhX
なら外道を超えるヒキニパ神の力を借り
ノアレにあんな事やこんな事なお仕置きをしようぜ
242ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:34:42 ID:xPYrClOK
否、それは、否。
鈴蘭や睡蓮から、最悪の、勘違いをされてしまう・・・。
243名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 00:39:23 ID:OkNCdEVP
エリーゼならヒデオが助けを求めたらやってきてくれるはず
244名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 00:49:22 ID:ElAZYQM5
困ったときのコナミコマンドですよ
問題はコントローラーを手放してることだが
245ヒキニパの下僕:2010/10/17(日) 00:52:26 ID:xPYrClOK
 あ、それは考えてなかった(作者の私が)。
 でも、エリーゼでノアレに勝てるかなあ?

 勝てなかったら、それこそ餌食になりそうな・・・って、これ以上、話をややこしくするな、私!
246名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 10:01:28 ID:2mZlaymR
レスするときはコテ外しておいた方がいいとだけ言っておくよ
247ヒキニパの下僕:2010/10/19(火) 00:37:22 ID:UOrKqGo1



「そうね、制限時間を決めましょうか」
 そう言ってノアレが取り出したのは、USBメモリー。
「ウイルスドクターのインストーラーよ」
 ノアレは、USBメモリーをノートパソコンのスロットに差し込んだ。
 液晶画面にインストール状況が表示される。インストールが完了すれば、ウィル子が駆除されてしまう!
 床で倒れているウィル子に抗う術があるようには見えない。
 もはや、時間稼ぎの猶予もなかった。

 ウィル子を助ける為に、鈴蘭か睡蓮を暴行するのか? 駄目だ、そんな事では。ノアレが満足した時点で3人共消されるのがオチだ。
 神との契約は対等なものではない。神にとっての人なぞ、退屈しのぎの玩具に過ぎないのだ。
いくら自分がロソ・ノアレと契約していると言っても、向こうは一方的に破棄出来るのだ。それこそが圧倒的な力。
 何か手立てが・・・ノアレにも何か弱点があるはず、それをこの時間で見つけられるのか?


 睡蓮の目には、魔眼モードでフル稼働中のヒデオが見て取れた。一瞬、こちらを悪しき目で見たのでドキリとしたものの、すぐに苦悩の表情に変わった・・・実はずっと無表情なのだが、睡蓮には分かるのだ。
 そのヒデオの表情が絶望に変わる(やっぱり無表情だが)。
 しかし魔眼は健在。絶望しても諦めずに足掻く。見苦しい程に。だが、それこそが真の格好良さである事を睡蓮は知っていた。
248ヒキニパの下僕:2010/10/19(火) 00:37:59 ID:UOrKqGo1

 鈴蘭は、覚悟を決めていた。ウィル子ちゃんと睡蓮を助ける為には、自分からヒデオを誘うしかない、と。
 あの様子だとヒデオ君は動けない。誰かを助けるために誰かを犠牲にするような事をヒデオ君はしない。犠牲にするのは自分だけ。それを聖魔杯の時にまざまざと見せつけられた。
聖魔王としての借りを返す時が今なのだ。
 あ〜、でも初めての時は痛いっていうし・・・でも私、何回も死んだからなあ。アレよりはマシだろうきっと。ナイフで首を切ったり、心臓を貫かれたり、割と酷い目に遭ってる。それから比べれば大した事はない。
 割と前向きな元聖魔王陛下だった。

「よし。ヒデオ君、私とHな事をしよう」
 鈴蘭が笑って言った。
「姉上、何と破廉恥な!」
「だって、ほら、私はヒデオ君を足蹴にしたから、借りを返すだけだよ」

 ヒデオは鈴蘭を見た。鈴蘭もウィル子を助けるために自身の身を犠牲にしようとしてくれてるのだ。それは痛いほどよく分かっている。

 そういえば、鈴蘭は翔希と付き合い始めたとか・・・今ならば勇者の彼女を自分が横取り出来る!
しかも鈴蘭の方から誘って来たのだ。据え膳食わぬは男の恥。何を躊躇(ためら)う事があろう。
勇者が手を出す前に、好きなだけしゃぶり尽くしてやるのだ。はははっ。

「ヒデオ、お前は何を悪しき気配を発しているのです!」
 睡蓮から怒られた。

 いけない、いけない。勇者が絡むと熱くなってしまう。今はそんな場合じゃないし。

 鈴蘭は穏やかな表情でこちらを見ている。その慈愛に満ちた笑顔。まさに聖女。

 ん・・・待てよ? 聖女?
 何かが引っ掛かった。ノアレは闇。
『ウィル子はそういう空気は好きではないのですよーっ!』
 いつだったか、ウィル子がかつて言った言葉が不意に脳裏に浮かんだ。

 暗黒神を撃退したのは、ウィル子が作り出した光の大砲だったが、本当にそうだったのだろうか?
 自分の全てが光に変換されて闇に打ち込まれたが、本当にそれがロソ・ノアレが退いた理由だろうか? ウィル子と自分は闇を倒したわけではないし、そもそも倒すとか倒されるとかいう次元の存在ではない。
 と、すると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 そうか!

 ヒデオは睡蓮の方を向いた。

「って、おい! 私は無視か! コラ!」
 聖女の笑顔が崩れた。素の鈴蘭が怒る。
“そ、そこまで女の魅力がないっていうの? 私には!”
 そして内心ショックを受ける鈴蘭。

 ヒデオは、スタスタと睡蓮の方に向かった。
 そして身動きの取れない睡蓮の目の前で止まると、睡蓮の肩を抱き、いきなり顔を近づけた。
249名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 01:00:07 ID:+lKIeuT1
一話分まとめて投稿しない?
250名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 01:06:46 ID:UOrKqGo1
では、続きは出来てからまとめて投稿しますです。
251名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 02:29:31 ID:dSgixCB4
乙 、続きをゼンラーでまってるぜ
252名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 18:58:31 ID:3UkrbSTr
あああ早く続き読みたいよおおおおお
待ってますうううう
253名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 02:04:33 ID:L+FVyzgY
乙です
私もゼンラー待機開始ですかなw
254ヒキニパの下僕の人:2010/10/21(木) 03:14:23 ID:8Nfaw0yl
 うーむ、睡蓮の巫女装束の構造が今一つ分からない。
 本文中に『千早の袖』とあるので、千早をまとっているのだと思うのだけど、イラストを見ると襦袢や白衣も着ずに千早のみを身にまとってるように見える。
 でも、それだと、緋袴の帯の下の横の開いてる部分から、丸見えになるので、白衣を着てないはずがないし、イラストでも、その部分は白色になってる。
 じゃあ白衣を着てるんだろうけど、それだと上半身のあの絵がありえねー。
 睡蓮の巫女装束は、どーゆー構造なんだ???

 気になって原稿が進まない・・・。
255名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 03:25:43 ID:h97iEavE
野暮な奴だな
256ヒキニパの下僕の人:2010/10/21(木) 03:50:56 ID:8Nfaw0yl
 文章が絵の助けを借りる訳にはいかないからな。
 レイセンの1巻を読み直してたら、P.26に『あまつさえ袂がはだけてしまおうとも』とか書いてあるし。
 袂と襟を間違えてる。

 よし、原作がてきとーみたいなので、こちらで設定し直そう。そうしよう。
 
257名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 09:33:34 ID:JjbCBuci
雑談したけりゃコテ外せks
できねーならくんな
258名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 15:24:45 ID:mVJwGRcJ
>>257
コテハンがうざいと感じたとしても、言い方というものがあるだろう。

>>ヒキニパ
忠告だが、基本的にコテハンでの雑談は嫌われるぞ。
反応がなくて不安になる気持ちも分かるが、保管庫のカウンタは昨日だけで50以上回ってる。
レスしない人間が多いだけで、お前の作品はちゃんと読まれてる。
あと、作品を投下もしないのにageるな。基本的にsageろ。
ルールではないから守らなくてもかまわないが、その場合は荒らしが沸く
259名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 20:45:45 ID:Hffjz9vX
今までのレスから見てエロパロ板に慣れてないんだろうとは思うがな
とりあえず書き手控え室まとめあたりを参考にしてみてはどうかと
SSは良いのにそれ以外の部分で評判落とすのはもったいない

控え室まとめ
ttp://hikaeshitsu.h.fc2.com/frame.html
260名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 20:49:38 ID:JjbCBuci
>>246でいってるわけだが
261名無しさん@ピンキー:2010/10/21(木) 22:28:44 ID:pCu+5KgK
なら御手本をみせるためにも何か投下しろよ
262名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:43:57 ID:W6qCRYMv
 あ〜。何となく分かった〜。
 作品以外の書き込みがレスで、名前の所に何も書き込まないのがコテで、E-mailの所にはsageと打ち込まねばならんのですね。
 専門用語が難しいのですよ。
 了解しました。ルールには従います〜。

 ところで、続きが出来たので、投稿します〜。
263名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:45:27 ID:W6qCRYMv



「おおー。さすがマスター、イザという時は大胆なのですよー」
 ノアレが手に持つノートパソコンからウィル子の声がした。 鈴蘭は顔を赤くして、キスしてる2人を見ていて気付いてない。
 ノアレは、Fnを押したまま1キーを連打してボリュームを下げる。せっかくこっちのシナリオ通り、うまく行ってるのに、ウィル子が元気な所を3人に気付かれてはぶち壊しになるからだ。
 画面にはウィル子が映っていた。手を振っている。
 床に転がっている方のウィル子は、瞳の色を無くし、死にかけたまま時折痙攣している。
「にはは。ノアレの言った通り、こっちが本体なのですよー」
 先程、アイスピックで貫いた穴は塞がってるし、キーやボディも元通り。どうやら自己修復したようだ。
「ウィル子、ウイルスドクターは・・・」 小声でパソコンに話しかけるノアレ。
「食べましたが? あんまり美味しくなかったのです」
 平然と言ってのけるウィル子。
「これ(ウイルスドクターのインストール画面を指さして)はダミーなのですよ」

 ノアレが、がっくりと肩を落とす。遊ばれていたのはノアレの方だったのだ。
「途中でノアレの意図に気付いたので、乗ったのですよー」
「じゃあ、おとなしくしててね」
「もっちろん、なのです。にひひ」
264名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:46:51 ID:W6qCRYMv
 睡蓮は思わず目を瞑った。だが想像していたような感触が唇に訪れない。
「時間がない。黙って聞け。
 闇は、“愛”に、弱い。
 ラブラブで、芝居を」
 聞こえるか聞こえないかの極小さな声でヒデオが睡蓮に告げる。

 姉の話では、ヒデオは一度、闇を撃退している。普段のヒデオの弱さから眉唾物だと思っていたが、そんな物が闇の弱点であるのならば、ヒデオ程度で暗黒神を倒せたのも頷(うなず)ける。

 ならば、このような中途半端な気遣いなぞ、無用。

 睡蓮は自らヒデオの唇を求めた。
 唇と唇が触れ合う。目を開くと、目の前に驚愕の表情を浮かべたヒデオの顔があった。普段から無表情か、暗い顔をしているので、このように目を丸くしたヒデオの表情(かお)は珍しい。

「な、何を?」 また小声でヒデオ。
 睡蓮がヒデオの肩越しに見やると、ノアレは何やらノートパソコンをのぞき込んでいる。
「気遣いは無用。“りありてぃ”が大事なのです。この愚か者!」
 小声で怒られた。
 確かにあの頃の自分とウィル子は本当に本気でお互いの事を想っていたが・・・。
265名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:48:19 ID:W6qCRYMv


「ヒデオ、なぜ、姉上ではなく、私なのです?」 普通の声高に戻して睡蓮。

「そうだ、そうだー。女を胸で判断する者に制裁をー!」 と、その姉。

 ヒデオも既に始まっている事に気づいた。睡蓮の目が、何者にも臆さない、いつもの自信に満ちた挑戦的なものに戻っていたからだ。
「君と最初にあった時、いきなり殴られて・・・」

「うわ、妹、お前、最悪っ」 今、明かされる2人の出会いに外野が野次る。

「目覚めたのですか?」
 いえ、何に?

「訓練では殴られたり投げられたり・・・」

「お前は、Sか、妹!」
「姉! うるさい!」 睡蓮が一喝する。

「でも、それは、僕を思っての事で・・・」
「先輩として後輩を鍛えるのは当然の事・・・あ、ヒデオ、何を?」

 ヒデオは睡蓮の脇に手を入れた。睡蓮の巫女装束は動き易くする為か、袖が身頃から離れた奇妙なデザインをしている。脇から手を入れれば、直接睡蓮の胸を触れる。
 そう、まさに我が神が、このような時の為に睡蓮の巫女装束をデザインされたに相違ない!

「このような悪しき事で」 睡蓮は顔を赤らめる。しかし、ヒデオに触って来る気配はない。
“この軟弱者!” 心の中で毒づく睡蓮。
「否、ならば全ての夫婦は、『悪しき』事になる」
 それも道理である。
「ふん、この程度で堕ちる程、名護屋河は安くはありません」
 “触って良し!” のアイコンタクト。
266名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:48:56 ID:W6qCRYMv

 何だろう、睡蓮がえらく乗り気だ。
「君は、他人にも、自分にも、厳しい」
「それは、はぁん」
 反論しようとするタイミングで触って来た。思わず色っぽい声が出てしまう。
 “卑怯者!” のアイコンタクト。

「そういう鎧で身を守ってる」
 初めて触る睡蓮の胸の柔らかさ、指に吸い付くような肌の滑らかさに感動を覚えながらも、我を失わないよう言葉を選んで行く。
「君が、生きて来たのは、そうしなければ、生きて行けない世界・・・」

 ヒデオの言葉に鈴蘭も息を飲む。まさに、同じような事を鈴蘭自身も思っていたからだ。

「それが神殺しのっ、ああっ」
 不意に乳首を摘ままれ、また言葉が途切れる。
 再び、“卑怯者!” のアイコンタクト。

「しかし、本当の君は、優しい。優しくなければ、強くは生きられない」
 そんな風に思われていたとは・・・。
 人を見る目は長けているつもりだ。ヒデオの今の言葉に偽りはない。と、すれば、ヒデオは本気で自分の事を・・・。
 どんどん胸が高鳴り、顔が紅潮して行くのを止めることができない。

 “こちらにも話させろ!” のアイコンタクト。
 ヒデオも目で了解の合図。自分の胸からヒデオの手が離れる。名残惜しそうにと感じるのは欲目だろうか?
 不思議なぐらい目だけで意志の疎通が図れる。
 最早、以心伝心の世界。いや、相思相愛だろうか?

「このような悪しき“てくにっく”、一体、どこで習い覚えたのです?
 これまで、何人の女を泣かせて来たのですか?」

「いえ、これは、その、ゲームで・・・」 ヒデオのオーラが軽く凹(へこ)んだ。
「そのように悪しき“げーむ”に興じるなぞ、お前は、きゃっ!」

 睡蓮がかわいい悲鳴を上げる。ふふふ、左の胸を触ったら、右の胸も揉まないと不公平というもの。
 と、いうか、顔を赤らめた睡蓮があまりにもかわいいので主導権はやらん。ここら辺りの駆け引きはゲームで慣れているのだ! ・・・あんまり自慢にならないような気もするが。
 睡蓮の両脇から、両手を差し入れ、両の胸を揉みしだく。

「職場を出たら、一人。 アパートの部屋に、一人。 アパートの建物にも一人だけ。
 恋人の居ない自分には、ゲームの中の女の子が与えてくれる笑顔だけが心の安らぎ・・・」
 確かに、あの部屋、あのアパートに一人きりなのは寂しいだろう。夜、聞こえて来るのはテレビの音だけ。容易に想像出来る。寂しすぎる。
 その思いをぶつけるかのように、両の手で激しく胸を揉んで来るヒデオ。

「きゃ・・ふ・・では、なぜ、巫女ばかりなのです? 
 ひぁっ、あっ、巫女を侍(はべ)らせて神にでもなったつもりですか、あふっ」
 快感に意識が飛びそうになるのを必死で堪(こら)える睡蓮。

「それは、その・・・君を重ねていたから・・・」

 普段の自分は巫女装束だ。ウィル子から『みこみこ睡蓮』と、からかわれるぐらい巫女である。
 つまりヒデオが巫女げーむに興じているのは、自分を想っての事!?
 そこまで想われていたとは、巫女冥利に尽きるといるもの!
 と、いう思考を巡らしている間も、ヒデオから両の胸を揉まれ続け、漏れる吐息は、どんどん色っぽくなっていき、思考回路もどんどんおかしくなって行く。
 まさにヒデオの思惑通り。
267名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:50:07 ID:W6qCRYMv
 もみもみ。
「・・・ヒデオ」
 もみもみ。
「何か?」
 もみもみ。それでも睡蓮の胸を揉み続けながら問うヒデオ。
 なんか、もう、指が離れない。
「・・・」 睡蓮は答えず、瞳をうるうるさせて身体をもじもじさせている。

“か、かわいい!”
 普段、なかなか見ることが出来ない、睡蓮の可憐お嬢様モード。これに悩殺されない男はいない!

「胸ばかり、弄(もてあそ)ばず、その・・・」
 ま、まさか、他の場所も触れ、と!?
 と、いうことは具体的には・・・。

 睡蓮が俯(うつむ)く。
 下の、方を、触れ。と?
 いや、いやいやいや、いくらリアリティの為とは言え、それはやり過ぎだろう。
 それは、男として、そのようにしたいという欲求はあるものの、それに溺れてはならない。ウィル子が死にかけの今、自分だけが、そのような快楽に耽るわけには・・・。

 一瞬振り返り、ウィル子の方を見た。虫の息で転がったままだ。ノアレは飽き飽きしたような表情をしている。
 やはり! この空間ではノアレは自分の心を読めないらしい。そして自分たちの芝居に引っ掛かっている。他人の睦言を見せつけられるほど、イラつく物はない。

「ヒデオ?」 考えに没頭して手が止まっていた。
「いや、それは、しかし・・・」
「見慣れているのでしょう?」
「ゲームではモザイクで・・・」
「いえ、私のを、です」
「は?」 ヒデオの目が点になる。
 いくら魔眼とは言っても、透視能力があるわけではない。そーゆー魔眼じゃないしー。
 実生活ではあまり役に立たない魔眼である。

「普段の稽古の時です。私から投げ飛ばされる度に、下から袴を覗いていたのではないのですか?」

 ・・・まさか、そんな事が可能だったとは!
 確かに睡蓮の足許を転がっていたから、見ようと思えば見れたのだ! 気づかなかった!
「そ、そのような悪しき・・・」 その可能性に恐れ戦(おのの)くヒデオ。
「それは、私の台詞です! では、なぜ先程、私が、その、履いてない、と申したのです」
「いや、それは、適当に・・・」
 ヒデオのうろたえようからすると、どうやら、そのような事は考えてもみなかったらしい。
“ふむ、ヒデオは変態ではありませんでしたか。それは重畳(ちょうじょう)”
268名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:51:31 ID:W6qCRYMv

「ヒデオ」
「何か?」
「手が止まっています」
「あ、ああ・・・」
 しかし、どうしたものだろうか? いくら芝居とはいえ、そこまでやっても良いものだろうか?
「お前ならば、良い。と申しているのです。」
「なぜ、僕に・・・?」
「私もずっと独りでした。独りの寂しさは身に染みて分かります。
 それに、私と話をしてくれる殿方はお前だけなのです。
 そのお前が、私の身体を望むのであれば・・・
 それに目付きの悪い者同士、似合いの“かっぷる”ですし、私も年頃。そろそろ身を固めて子供を・・・お前は、女子(おなご)の私に、ここまで言わせるのですか!」

 睡蓮が顔を真っ赤にして怒っている。だが、芝居抜きで睡蓮が実は自分の事を想ってくれていたとは・・・。
「口べたなので、うまく言えないのだが、
 君と一緒に、居られるのならば、これ以上の幸せは、ない」
「最初から、素直にそう言えば良いのです! だからお前は愚図の愚鈍なのです」
 睡蓮の顔が更に朱に染まっている。おそらく自分も同じようなのだろう。

「い、今のは、プロポーズ!?」 と鈴蘭。「何だ、妹、その勝ち誇った顔は! うらやましくも何とも無いんだからな」

 ・・・で、あれば、相思相愛なのだから、何の問題もないのでは? 睡蓮も子作りとか言ってたし。

 ヒデオは、その場にしゃがみこむと、睡蓮の緋袴の裾に手を掛けた。
「な、お前は、何を!?」
「いや、その、袴をめくろうかと・・・」
「なりませぬ! そのような悪しきは許されませぬ!」
「いや、でも、さっき、触って良いと・・・」
「そ、それは、そうですが・・・その、見られるのは・・・」

「往生際が悪いぞー。ヒデオ君、さっさとやっちまえ! ちなみに睡蓮はノーパンだぞ」
「な、姉上、妹の貞操が掛かっているのですよ!」
「許す! 姉の私が許す!」
「姉上っ!」

「総帥のお許しも出た事だし・・・」
「ちょ・・・」 待たない。
 ヒデオは睡蓮の緋袴をめくった。
269名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:52:37 ID:W6qCRYMv

 行灯型の緋袴なので襠(マチ)がなく、スカートのようにめくれるのだ。めくったら、中には白衣(びゃくえ)ある。
だが、睡蓮の白衣は、通常の物と事なり、丈がひどく短く、膝上である。更に袖のない、いわゆるノースリーブなので、ミニ・ノースリーブ白衣という特殊な物だ。これもおそらく動き易さ重視だろう。
 だが! この構造でパンツを履いてなければ、下からは覗き放題なのである。訓練で投げられた時に気づかなかった自分が恨めしい。
 めくった緋袴がヒデオの頭の上に落ちて来る。スカートの中に入り込んだ男の気分。

「痴れ者!」 だが睡蓮は身動きが出来ない。

 白衣の裾の合わせが開かれる。これは、見られている。常に身を清めておいて良かった。安堵する睡蓮。だが、
「ヒデ・・・ひあっ。そ、そのような不浄な所を、やめ、ああっ!!」

「睡蓮! どんな凄いことになってるんだ、実況しろ、実況!」
 姉が無茶を言って来る。と、いうか身悶える妹の姿を見て興奮している。
“この姉は・・・っ!!”

「な、なりません、そのような、悪しき・・・ぁ、くぅっ!」
 指で広げられて、舌で舐められているのだが、そんな事を姉に言えるはずがない。
「ヒデオ、やめ・・・ひうっ」
 身体に力が入らず、触手に支えられているような状態だ。下腹部は熱く燃え盛っており、ヒデオのザラつく舌が舐め上げる度に、歓喜の雷(いかづち)が脊髄を駆け上がる。

 ヒデオも初めてだったので無我夢中だった。だが、睡蓮は感じている! これで良かったらしい!
あとは最後の一線を越えるだけ!
 緋袴の中からヒデオが出て来ると、よっぽど自分のテクが良かったのか、睡蓮が頬を上気させ、瞳を潤ませて、こちらを見ている。
 後はっ!

 ヒデオが大人の階段を上ろうと意気込んだ所で、背後からノアレの声がした。

「分かったわよ。私の負けでいいわよ」 うんざりしたような口調だ。
 そうですか? 何か、すでにどうでも良くなってるヒデオがいた。そういえば、ウィル子が死にかけてたんだった。急がねば!
「にひひ。やっぱりマスターは凄いのですよ。マスターの一人勝ちです」
 ウィル子? あれ? 死にかけてたのでは?
「闇を桃色に染め上げるつもり? 私の空間で、これ以上はさせないわ。お開きにするわよ」

 え? ここまで来て? 睡蓮とラブラブで、今から一つになる所なのに?
 そんな、殺生な!
 せめてあと5分!

 そして闇は、いつものように意地悪なのだった。



 はっ! と目覚めるヒデオ。自分のアパート。自分の布団。
 外ではちゅんちゅんと雀が鳴き、日は既に高い。

 ・・・夢だったのかあ! しかし、夢でさえもいいところで邪魔をするか! ヒキニパ!

 しかし、こんな分かりやすい欲求不満の夢を見るとは・・・フロイト先生も爆笑だな。
 やれやれ。肩を落とすヒデオだった。
270名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:55:25 ID:W6qCRYMv
「ここまで引っ張って、夢オチなの。有り得ないの。作者を殴りに行くの」

 と、いうか、元々続く予定がなかったからなあ。既に600KBぐらいあるし。
 あと、1回、エンディングに続きます。それで終わりです。
271名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 01:15:40 ID:YNs63Qd/
ふぅ……GJ。最高のエンディングを頼みますぜ。
272名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 01:46:11 ID:fQ+6SsrU
乙なのですよー
EDwktk
273名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 02:03:08 ID:2EE/p3+H
GJ、エロいっすな。

どうにもアレだと思ってたが、初心者か。
新参は半年ROMれ、と言いたいとこだが、コテハンは「固定ハンドルネーム」の略。
「コテを外せ」は「匿名掲示板なんだから匿名で書き込め」の意味。
作品を投下する場合コテでいいよ。誰が投下したのか分からんと困るし、
下手をすると「なりすまし」がでるからトリップつけるとなお良し。
作品を投下する場合はageて可。質問あってスレを目立たせたいとき、スレが下がりすぎたときもageて良し。
248も言ってるが、こういうのはルールではないから自由にやれ。
274名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 19:57:36 ID:A/SyzrDu
GJ
こうやって作品が投下されるとこちらの創作意欲も徐々に沸いてくるなー
275ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:23:24 ID:2p7SJNDO




 同じ頃、名護屋河家。
 いつものように早く起きた睡蓮は、庭に出て、日の出と共に宮城遥拝。
 しかる後にしゃわーの冷水で身を清める。
 いつもの日課だった。

 だが、その朝は、いつもとは異なっていた。昨夜の出来事が夢ではなく現実だった事は分かっている。恐るべきは、その力。
 ヒデオが居なければ、ここに戻る事は叶わなかっただろう。

 あのノアレとかいう黒き精霊。やはり人に徒(あだ)なす悪しき存在でしたか。
 だが、あのように世界すら構築できる存在・・・。
 姉の話では、みーこ様でさえも及ばなかった程の高位の神。
「どうすれば・・・」 睡蓮が修めたどのような技を持ってしても墜とせそうにない。

“ラブラブで・・・” 不意に昨夜のヒデオの言葉が脳裏に蘇った。
 それと同時に昨夜の事が思い出されて、赤面する睡蓮。
 冷水を浴びているのに、身体がどんどん火照って来る。
“ヒデオの手が私の胸を弄(もてあそ)び、指と舌で私の秘所を・・・”
 我知らず自分の手が、胸を弄(まさぐ)り、そしてヒデオがやったように足の間を滑り・・・。

 はっ! 私は一体、何を!?
 こ、このような悪しき心、平常心にて邪を払う!
 心を空っぽにする。感覚が広がる。しゃわーの滴が止まる。一瞬が永遠に。時間が意味を成さなくなる。
 そうして、睡蓮は、世界が自分を祝福している声を聴いた。

「悪しきでは、無いと?」
 それこそが闇を払う力。いや、力ではない。これが、愛? 闇に拮抗出来る唯一の術(すべ)。されば古来より人は闇に呑まれずに済んでいたのだ。
 未熟、あまりにも未熟。そのような事に思い至らなかったとは。
 闇の精霊に取り憑かれたヒデオはすでに知っていたのだ。だから闇と共にありて、闇に呑まれず、ヒオデとして存在できるのだ。姉や伊織貴瀬、ほむらの言っていた事が今ならば分かる。
 そのような者が身近に居て、なおかつ自分に懸想しているというのは、何という僥倖!
 最高級の殿方では、ありませんか!(見た目は悪いが) いえ、男は中身です! 見てくれだけで中身のない男が多い昨今、そのような誠の殿方と出会えて、尚且つ求められるとは望外の幸せ。

 はぁ。
 小さく嘆息。
 それに比べれば、わたくしなぞ、まだまだヒヨコです。
 己の未熟さに恥じ入る睡蓮だった。
276ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:24:44 ID:2p7SJNDO


 母が朝食の準備をしてくれる。手伝おうとするのだが、母はその作業が楽しいらしく、睡蓮に手伝わせてくれない。おとなしく席に付く。
 その頃になって、ようやく姉が起きて来る。髪には寝癖が付いており、おそらく、未だ半分ぐらいは寝ている。
「おはよー、睡蓮。今日も早いね」
「おはようございます。姉上」
「何か、変な夢をみちゃってさぁ」
 さすが姉上。あのような悪しき世界に連れ込まれた事をちゃんと・・・・。

 睡蓮は凍りついた。
 すると、ヒデオからあんな事やこんな事をされたのを間近で見られてたのだ。これからどのような詰問を受けるのだろうか・・・。睡蓮は無表情に青ざめた。

『睡蓮もヒデオ君を誘ってたし、結構エッチな娘だったんだね』
『顔を真っ赤にして悶えてたけど、ヒデオ君のテクはそんなに良かったのかなあ?』
『で、睡蓮は、具体的にどこが感じるのかなあ?』
『あの時、袴の中のヒデオ君に何をされたの? さあ、お姉ちゃんに正直に言いなさい』

 などという愚にも付かない事を訊いて返答に窮する自分をからかうに相違ない。
 睡蓮は戦慄した。

「ど、どう変だったのですか?」 ちょっと吃(ども)ったが、姉は気づいていない。
「ん〜。何だろう? 覚えてないや。まあ、夢ってそんなもんだよね」
 ないす! 姉上様!

 いつもならば、軽蔑すべき所だが、今朝ばかりは姉のちゃらんぽらんさを褒め称えたい気分だった。

277ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:25:19 ID:2p7SJNDO
「さあ、朝ごはんですよ。鈴蘭も早く顔を洗ってらっしゃい」
 母のすみれが、いつものように食卓に料理を並べ始める。今日は洋風。“とーすと”と目玉焼きと“べーこん”。葉物野菜の盛り合わせ。『それはサラダだ』と脳内の姉からつっこまれた。

「母上様、折り入ってお伺いしたき儀がございます」
「あら、睡蓮、畏(かしこ)まって、なあに?」
「殿方との初めての夜を過ごすに当たり、どのような心構えで臨めばよいのでしょうか?」

 ずがしゃっ! ぴしっ!
 鈴蘭がコケた。母は固まった。

「す、睡蓮、お前、何を!」
「姉上、何をそんなに驚かれるのです? 私とて年頃。そのような相手の一人や二人・・・」
「二人も居るの!?」
 鈴蘭が勢い込んで睡蓮の言葉を遮る。
 まさか、あの堅物の妹に男が!? しかもいつの間に!?

「いえ、そこは言葉の綾です」
「母上には、私たちという娘が居るのですから、その、殿方との夜の逢瀬の・・・」
 自分で言ってて顔が赤らんで来る。つまり、母の色事を教えろ、と言ってるのだ。

 これは真面目な話だと悟ったすみれ。いつの間にか娘が成長していたのは喜ばしい事だ。だが、鈴蘭はともかく、睡蓮は世俗に疎い。ちゃんと話をしなければ。
「よいですか、睡蓮。女性(にょしょう)たる者、常に殿方を立てねばなりません」
「はい。母上」
「殿方の自信を失わせるような事は、絶対にしてはなりません。常に一歩退いた心構えで、相手の求めるまま、あるがままの自分を素直に晒すのです。
「はい。母上」
「されど、それは相手の言いなりになる。という事ではありません。愛とは2人で成すもの。
殿方が征服する喜びに満たされるのならば、女は支配する喜びに打ち震えるのです」
「はい、母上。ですが・・・」 睡蓮が口ごもる。
 支配する喜びとは、何の事だろうか? どうやら『愛』とは奥が深いらしい。
「睡蓮、お前は名護屋河の当代。厳格に生きねばなりません。
 されど、内にありては、女の幸せを求めても良いのです」

「そうか! ツンデレなんだ。お母さん、ツンデレだったの!?」
 この姉は時々、空気を読まない。

「ご教示、ありがとうございます。母上様」

「そのうち、お母さんにも睡蓮のボーイフレンドを紹介してちょうだいね」
「はい、必ず」
 この睡蓮がつまらない男に騙されるはずはないし、睡蓮の眼鏡に適うほどの男だ。母として楽しみでもある。
「それと鈴蘭、朝食の後、お話があります」
 母が笑顔で怒っている。こういう所は睡蓮の母親なんだなあ、と感心する鈴蘭。
「母上、とーすとが冷めてしまいます」
「あら、そうね。いただきましょう」

 何事もなかったかのように朝食を食べ始める妹を見て、やっぱりこいつは大物だ。と誇らしげに思う鈴蘭だった。
 そして、それはともかく、明日にでも長谷部先輩をデートに誘おうと固く決意する鈴蘭だった。妹に先を越されるわけにはいかないのだ!
278ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:26:16 ID:2p7SJNDO

 宮内庁神霊班。睡蓮の勤め先である。
 いつもならば、ヒデオが先に来て、掃除などを行っているのだが、今日はまだ来ていない。

 ・・・もしや、ヒデオは、未だあの闇の中に!?
 自分と姉は、闇の精霊に解放されたが、ヒデオは未だ捕らわれているのだろうか?
 “らぶらぶ”になるには相手が必要だ。自分が居なければ、ヒデオはその手段(て)を使えない。
 一人になった所を闇にいたぶられ、苦しみ、私に助けを求めている!
 そのような幻聴が聞こえた気がした。

「おはよー。睡蓮ちゃん」
 神霊班の副長 長谷部翔香が扉を開けて室内に入って来た。手にはいつものように競馬新聞。
「長谷部先輩!」
「睡蓮ちゃん、何かあったの?」
 睡蓮のただならぬ様子に緊張する翔香。
「ヒデオが、まだ出勤して来ぬのです!」 真顔でそう告げる睡蓮。
「・・・単に寝坊して遅刻してるんじゃないの?」
「しかし!」
 唇を噛む睡蓮。翔香に昨夜の事を説明するわけにはいかない。どうすれば・・・。

「二人とも入り口に突っ立って、何かあったのかね?」
 神霊班局長の那田蒼一郎が出勤して来た。髪をオールバックに固めた中年で、鉈(ナタ)の異名を持つ切れ者である。
「いえ、ヒデオ君が遅刻しているのを、睡蓮ちゃんが心配してるみたいで・・・」
「睡蓮君、何か感じる所でもあるのかね?」
 神霊班の中でも睡蓮は霊感が人一倍強い。というか本職だ。
 自分と長谷部君は凡人だが、睡蓮は何らかの異常を察知したのかもしれない。

「それは・・・」 口ごもる睡蓮。うまく言葉にして説明出来ない。

「おはよう、ございます」
 いつものように気配も感じさせず、唐突に現れるヒデオ。

 那田局長、長谷部副長、睡蓮の3人が入り口に立って、こちらを見ている。
「申し訳、ありません。遅れました」
 普通に謝るヒデオ。

 睡蓮ちゃんの勘違いだったかねえ?
「えーと、理由は?」
「申し訳、ありません。 寝坊です」
「次から気をつけるように」
「何事も無くてよかったじゃない、睡蓮ちゃん」
「ええ、まあ、そうですが・・・」

 ヒデオが自分を見る目は、いつも通り。
“まさか! 姉上と同様、昨夜の事を夢と忘れてますか!”
 それだと、一人だけ覚えている自分が馬鹿みたいである。それこそが闇の策! 『愛』を封じる為にヒデオの記憶を!
 いや、では、今朝の意気込みは一体、なんだったのだろうか? あそこまで言い切ったものを、今更、姉や母上に何と言えば・・・。頭を抱えたい気分の睡蓮。

 睡蓮が凄い目付きで睨んでいる。まさか昨夜の夢の内容を知られているはずもないが、隔離世を見ることが出来るのだから、人の夢を覗けるような人間離れした特殊能力を持っていたとしてもおかしくはない。

「先輩である私よりも遅れて出勤するなぞ、道場でお前の根性を鍛え直してあげます!」
 そう言って出勤して来たばかりのヒデオを、いつものように階下の道場に引きずって行く睡蓮。

「照れ隠し、ですかね?」
「まあ、たまには睡蓮君も間違う事もあるのだろう。ともかくヒデオ君に何事も無く幸いだ」
 最悪、ヒデオが拉致されたり、殺されたりという事態を想定していた為、安堵する那田。
「まあ、今から酷い目にあいそうですけどね」
「ま、それは日課のようなものだ。問題はなかろう」
 上司2人はいつもの日常に戻って行った。
279ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:26:42 ID:2p7SJNDO
 階下の道場では、日課の訓練が始まろうとしていた。
「さあ、どこからでもかかって来なさい!」
 いつもの訓練である。ヒデオが挑みかかり、睡蓮に投げられる。
 そういつもの・・・。

 否、これは夢のお告げか? 今日ばかりは投げられても勝てる!

 ヒデオの悪しき気配が増大している。その気の膨張が頂点に達した刹那!

 ヒデオが手を出し、その手を押さえられて円を描くように投げられ、床に背が着く瞬間、

 今っ! 全視神経を睡蓮の緋袴に集中。魔眼の威力を・・・。

 ぶしっ。
 睡蓮から顔を踏み付けられた。

 じたばた。じたばたじたばた。じたばたた・・・・ぱた。
 白足袋で顔を踏み付けられたヒデオが空気を求めて足掻き、そして落ちた。

「やはり・・・」
 今、ヒデオは、睡蓮の緋袴の中を覗こうとして来た。昨日までは、そのような素振(そぶ)りはなかったのだから・・・。

 気を失ってヒデオの弛緩した身体を抱き上げて活を入れると、ヒデオはすぐに意識を取り戻した。
「はっ!」

「ヒデオ、お前は昨夜の事を覚えてますね?」
「まさか、睡蓮、君は人の夢も覗けるのか!?」
「お前は、夢と現実(うつつ)の区別も付かぬのですか?」
 えっ? 現実? 夢じゃなくて・・・マジですか!!

「闇の精霊が夢という形で事を収めたのでしょう。姉上も覚えて居られませんでした。ですが私は名護屋河。その程度の欺瞞にごまかされはしません。あれは現実の出来事です」
 いや、ちょっと待って下さい。触手に搦め捕られた睡蓮の胸を揉み、あまつさえ・・・。

「否、ちょっと、待って、もらいたい。 あれは現実の事だった・・・と?」
「だからそう申しておるのです。お前は、私にあんな事やこんな事を・・・それとも、あれは、闇を欺(あざむ)く為の芝居だったとでも申すのですか!」

睡蓮が怒りと涙を同時に堪(こら)えるような表情をしている。

 ・・・ごめんなさい、世界。死んでお侘びを。
 ヒデオは首を吊る為のロープを探した。

「あの場で申した私の言葉に偽りはありません。お前は、どうなのです? ヒデオ」
「それは・・・もちろん・・・僕も」

「ならば何の問題もありません。“おふぃす”に戻りますよ、ヒデオ」
 プイと顔をそらした睡蓮がスタスタと道場を立ち去る。

“何の問題もない。とは!?”
 ヒデオは混乱した。自分はとんでもない事をしてしまったのに!
280ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:27:37 ID:2p7SJNDO

 階上(うえ)のオフィスに戻ると、那田局長はデスクに何やら書類を広げており、長谷部副長はデスクに競馬新聞を広げている・・・この人は、職場に一体、何をしに来ているのだろう? まあ、いつもの風景ではあるのだが。
 自分も自分の席に戻ると、睡蓮がお茶を淹れてくれる。そして自分の分のお茶も淹れると、空席になっているヒデオの隣の席に座り、ヒデオに、ピトッとくっついて来る。

 あの〜、睡蓮さん? 一体、何をなさりたいのですか?

 その異様な様子に、局長と副長の動きもピタリと止まる。

「あのさ、睡蓮ちゃん、体調が悪いのなら、今日は早退してもいいよ?」 と長谷部副長。
「いえ、私はそのような自己管理をおろそかにしてはおりません」
「ふむ、しかし、ヒデオ君が動き難そうだが」
「ヒデオが申したのです」
「ヒデオ君が?」 何を言えば、このようになるのだろうか?

「『君と、一緒に、居られるの、ならば、これ以上の、幸せは、ない』 と」
 やたらと文節を区切って話すのはヒデオの真似だろうか?

「いや、だからそういう直裁的な事じゃなくてね、ヒデオ君は別の意味で言ったんだと思けどねえ、あたしゃ」
 新人に一発かますと聞いて、いきなり殴りつけるような素直な娘(こ)だから。
「うむ、それだけ聞くと、まるでプロポーズの・・・」
 那田がここまで言った時、2人ははたと気づいた。

「「プロポーズ!?」」

「そうなのです。ヒデオは私に“らぶらぶ”なのです。困った後輩です。うふふっ」
 顔を赤らめて嬉しそうに笑う睡蓮。

 あれが現実だったということは、えーと、つまり、何だ?

「局長、式のときは仲人をお願い致します」
「それは構わないが・・・」
「古式ゆかしい名護屋河家としては神前式なのですが、“うぇでぃんぐ・どれす”も着てみたいですし。 あ、夫になるヒデオの意見も聞かねばなりませんね」

 ヒデオ、硬直中。
281ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:27:58 ID:2p7SJNDO

「ヒデオ君、睡蓮ちゃんを射止めるとは良くやった!
 お馬さんで儲かった事だし、お昼はお姉さんがおごってあげよう!」
「長谷部先輩、それでしたら、焼肉とか“すてーき”とかの肉料理をお願いします」
「お昼から?」
「ヒデオには精をつけてもらわないと・・・」
「ほほぅ」
「ち、違うのです。長谷部先輩。そういう意味では、ない・・・事もないのですが、ああ、どう言えば良いのでしょうか?」
 睡蓮が惚気(ノロケ)まくっている。

 ヒデオ、硬直中。

 家には姉上がいるから、しばらくはヒデオのアパートに泊まって一緒に出勤しても良いでしょうか? とか、おお同伴出勤とはヒデオ君もやるねえ。 とか、オフィスラブはどうかと思うから、そういうのは家に帰ってからやりたまえ。 とかいう会話が聞こえて来る。

 なに、この羞恥プレイは。

 ふと何かの気配を感じて胸ポケットからドクターのサングラスを掛けると、ノアレが姿を消したまま空中で笑い転げていた。

 ・・・・ちくしょう。

 やはり、どうやっても闇を喜ばせる事にしかならないらしい。

 でも、まあ、自分の腕に縋り付いて、幸せそうに笑っている睡蓮の笑顔がまぶしいぐらいにかわいい。
 この笑顔を見れたのだから、今回はよしとするか。

 堂々と惚気られて、戸惑いはするものの、悪い気はしないヒデオだった。

(おしまい)
282ひきにぱの下僕:2010/10/24(日) 21:28:44 ID:2p7SJNDO
(おまけ)
「くくくっ、那田の狸親父や翔香、鈴蘭の母親でさえ出番があるのに、この俺に出番がないとは、やってくれるではないか!」
 カキ。カキ。カキ。
「主(あるじ)様、何をなさっておいでなのですか?」
「なに、ちょっと不幸の手紙をな」
「この手紙と同じ内容の手紙を1週間以内に10人に出さないと・・・というアレでありますか?」
「この俺が、そんなチャチな嫌がらせをするか! もっと効果的で破壊力のある方法だ」
「?」
「婦警(美奈子)やエリーゼ、爆弾娘、霧島レナといったヒデオに馴染みの女どもに現状を知らせる手紙を送れば、くくくっ、あの睡蓮は嫉妬深そうだからな、修羅場は必定」
「それならば、エルシア殿は外せないのですよ」
「おお、確かに。しかし、沙穂、やけに協力的ではないか?」
「沙穂も出番がなかったのであります」
「よし、ではこの手紙を郵便に出して来い。速達料金を払っても構わん」
「了解であります」

 悪の組織は健在だった。

「ヒデオさんと睡蓮さんに幸せあれ。
 ちなみに、これ以上は続かないっすよ」
283名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 21:34:43 ID:nE2FaK//
想像以上のくおりてぃーにGJ
続かないと書いてるがこの後の修羅場も
いつか気が向いたときにでも書いてくれることを待ってます
284名無しさん@ピンキー:2010/10/24(日) 22:43:34 ID:fvGsrUxc
乙でした!

二人の新婚初夜が気になるなw
285名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 00:14:40 ID:JqQCL2t1
作品投下お疲れ様でしたー
らぶらぶなヒデオと睡蓮よかった。美味しかったですGJ
それと>>275のヒデオがヒオデになってる誤字報告
286ひきにぱの下僕:2010/10/25(月) 01:00:17 ID:UqxTCdlI
>>285
 あっ! ホントだ! これはミスです。
287名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 01:01:50 ID:UqxTCdlI
すいません。作品投稿時のままsage入力するの忘れて、また上げてしまいました。ごめんなさい。
288名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 04:55:40 ID:kjx+5Qnj
ゲラゲラ
おいらぁよお、しっかりと楽しませてもらったぜい


おまけのたぁくん……ナイスだ
289名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 18:51:41 ID:w3YKomDq
乙カレーGJ!
そして汚い流石悪の組織汚いいぞもっとやれ
290名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 22:13:02 ID:a1txWFsT
酒に酔って睡蓮の腋を舐めまわすヒデオ
そのまま腋プレイに走ってしまうという妄想をしてしまった
291名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 22:46:40 ID:WtNpkW//
川村ヒデ乙!
よい“くぉりてぃー”でした…
292名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 03:21:13 ID:G95M8YL+
GJ!
293名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 13:38:41 ID:lUgey69F
今号のザスニの水着カラーイラストで抜いてしまった。。
294名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 03:20:56 ID:UDyfY3e2
「彼女らは気にせず、真っ直ぐにノアレとウィル子を視線の先に捉えた」
「いくら豊かに実ったところで、所詮どの果実も自分のものではない」

・・・ふむ
295名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 09:06:01 ID:GqI8YG+M
つまり貧乳教徒ということか
296名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 00:53:09 ID:TUSzrxus
むしろノアレとウィル子の所有権をアピールしてると
297名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 03:37:58 ID:19DEuVtK
長い一週間だった、覚えてる人いるかな?
後篇はもう一週間ぐらいかかるかもねww
298名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 03:43:41 ID:19DEuVtK
(…………眼鏡っ娘)
 ショートカットの薄紫の髪に縁無しの四角い眼鏡、そして、その奥にある優しげな眼差し。
 優しそうな人、それがラティことラトゼリカに対するヒデオの第一印象だった。
 実際に話してみればよく相槌も打つし、話そのものもゲームやアニメなんかが主でヒデオにしても話やすい相手だった。
 聖魔グランプリ優勝後にだらだらごろごろし過ぎた罰から始まった、リトルチップスでのレミーナ戦後、ヒデオとウィル子、そしてラティは
千鳥足ながらも帰路に付いていた。
 「ヒデオさんかっこよかったですよぉ!あれをわざとクールに歌ってるところなんか、ギャップという名の萌!って感じでした」
 その言葉に多少の気恥ずかしさを覚えはしたが、確かに楽しかった。
本当に楽しかった。
 「あれを歌えばこうなるって、分かってたんですよね? やっぱりすごいんですね、未来視の魔眼って……!」
 褒められている、感激されている、そうわかりはしても、
やはりそれが騙りである、嘘である以上、少し悲しくなってしまう。それが己で決めたことである以上受け止めるしかないのだが。
 「でも、ヒデオさん、どう……」
 「まぁすた〜……、どうやってあの歌を覚えたのですくぁ〜」
半ば夢見心地なウィル子の声に、ラティがくすっと笑う。
訊きたい事は同じだったようだ。
 「……高校の、体育祭で。クラスの応援歌でした」
 「へぇ〜っ!すっごいお洒落ですよね、それって!」
 そう言われて、ふと思い出す。三度目の正直という諺。
 あの体育祭が大成功の裡に終わり、そうした結果として、自分にも何人かの新たな友人が出来た。卒業までの間にそうして出来た彼らも含め、何度となくカラオケに行ったりもしたのだ。
 だが、結局、高校を卒業してからはそれぞれが就職や進学でばらばらになり、自分は引き籠りになってしまった。これが一度目。
 そして今、ウィル子と出会い。半ば強引ではあったがこうして引き籠りの自分が優勝候補にして未来視の魔眼などと噂されている。これが二度目。
 過去・現在ともに自分に変化をもたらしたきっかけはいづれも他人。
 いい加減、自分から何かすべきではないのか?
 「……あ、じゃあ私はあっちの方ですから。今日はこれで。楽しかったです」
 十字路のところ、商業区と居住区の境目でラティが足を止める。
 彼女が指差した方向は道をまっすぐ。多少高さのある建物が見える。一方、自分達のアパートは道を左へ折れる。 ならば、そう。この道を右に折れもう一度右に折れれば、また商業区となるはず。
 動くべきだ、己の意志で。
 「…………あの、もう少し。飲みませんか」
 ヒデオはできるだけ平静を装って、けれどハッキリと発音する。
提案という形ではあるが意味合いとしては、懇願になるだろうか。
 それを聞いたラティは、少し目を丸めはしたが嬉しそうに頷いた。
「ええっ、よろこんで」
 やはり、良い人だ。 ヒデオは心底そう思った。
-----------------------------------
299名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 03:48:22 ID:19DEuVtK
そうして誘ってみてからはたとヒデオは気付いた。もう少し飲みませんか? 
そう誘っておきながら自分は特に何処か心当たりがあるわけではないという事に。
 やはり引き籠りは引き籠りでしかないのか、そう落ちこみかけ、口籠る。
 「じゃあ、ヒデオさん。私のよく行く所でもいいですか?」
 なんだろう、実はラティは魔人ではなく天使か女神なんじゃないだろうか。
 「……ええ。では、お願いします」
 「あー、ますたー。ウィル子はちょっと酔ったので、さきに帰っておくのですよー。にははほほ」
 唐突にそう言い置くと、どことなく常とは違う笑みを浮かべながらウィル子は左へと折れていった。
 なんというか、こう、祝福するような純粋に相手を思っての。そんな笑顔だった。
------------------------------------
 そうしてラティに案内された場所は名を"Barチキンブロス"と明朝体で書かれた上に、ザクロの設えられた看板のある少し妙な店だった。
 商業区の中心からは外れ、さっきの道を右に折れそのまま真っ直ぐの所。
 いつの間にやら組まれた腕に引っ張れらるまま店へと入ると、仄暗い間接照明に照らし出されるカウンターテーブルと、数組の丸テーブルと背の低い椅子。
 店内はそう広くはない。見渡しているとバーテンさんと
目が合った。そうすると、あちらは
「やぁ、ラティさん。それにチャンプ。こんなはずれまでよく来てくれたね。歓迎するよ」
 細目の垂れ目を緩ませてそう言った。
 なんにする? じゃあ、最初はワインで。
そんなやり取りを耳にしつつヒデオの頭は、僅かな混乱と多大な興奮が
渦巻いていた。なにせπだ。見た事も触れた事も無いモノがついさっきまで、布越しに腕に当たっていたのだ。
これで興奮しない男がいるだろうか? いや、居まい。
 ヒデオは奇妙な興奮の最中に居るのを自覚した。視界は渦を巻き、平衡感覚は何処かへ行ったまま帰ってこない。
 だが、確かに己が変革を遂げているのだと感じ始めていた。
「そう言えば、チキンブロスにザクロというのは。一体どんな理由が」
 ワインが来るまでの間繋ぎに、そう質問する。チキンブロスにザクロ
およそバーに似合うようなイメージではない。
 「ああ、それはですね。分かる人には分かるネタですよ。一応アニメにもなりましたしね」
 あまり要領を得ない答えが返ってきた。少しばかり悩んでいるとスッとワイングラスが差し出された。
 いつの間にやらワインが届いていたようだ、中は濃い赤色。
 「さぁっ!グイっとイッちゃてくださいヒデオさん」
 促されるままにヒデオはグラスを呷った。僅かに香る果実臭とテキーラに比べて格段に低い刺激に、グラス一杯を一息に飲み干す。
 顔を向けると前にはニコニコと笑顔のラティが居る。その笑顔につられるように笑おうとして、ヒデオは体が倒れ行くのを感じた。
---------------------------------------------
 魔人という種は、大抵強い者に惹かれる。それは魔族から生まれたが故の習性か。あるいは、生物としての当然の性質かはさておき。
 ラティも当然の様にその習性を有していた。とはいえ、単純に強さだけで好きになる訳でもないが。
 

 背中に感じる重みが、あんまりに軽いのでラティは少しばかり不安になった。本当にこの青年は、聖魔杯を勝ち残っていけるだろうか。
 あの後、ヒデオが酔い潰れてから、ラティはバーテンの提案を断って
ヒデオを背負って連れて帰る事にした。自宅のアパートには近い。
最初に受付で見た時の印象はとんでもなく怖い人だったが、二度目に地下迷宮の案内をした際には、僅かに違和感があった。
 そして、今こうして背負う彼には、もう何の威圧感も感じなくなっていた。
 実際に体に触れてみれとよくわかる。背中に触れても、肩や腋を触っても厚みも凹凸も無い。
 いくら未来視があるからといって、こんな体では決勝トーナメントでは勝ち進んでいけないだろう。
 それに、なんとも自分に近い気がするのだ性格や趣味が。話している最中、決してこちらの話しを遮る事は無かったし、知っている事、興味のある事もほぼ同じ。
 そうなると、ヒデオには別の目的があるのだろうか。優勝以外の目的が。 そうして思索に耽る内に辿り着いた結論に、ラティは、自分も大分酔っているなと思った。
 だが、素直にそうだったら嬉しいとも感じていた。
 背中のヒデオをベッドへ下ろし、ラティは一息吐いた。軽かったけれど、流石に十分も背負って歩くのは少々きつかったのだ。
 ぐっすりと眠っているヒデオのパジャマへ手を伸ばし、下着ごとと引き下げた。
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300名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 12:24:58 ID:bZEZR6B4
唯一のまとも女性キャラがキター
301名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 20:02:14 ID:Uzsv48+G
わっふるわっふる

302名無しさん@ピンキー:2010/11/08(月) 22:12:34 ID:hGCoeTy1
チキンブロスにザクロってなにー?
303名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 07:57:13 ID:QNGTfgBz
チキンブロスだけなら雪風を連想してしまうな
304名無しさん@ピンキー:2010/11/09(火) 14:24:49 ID:VoR0D2+5
>302
人肉。
305名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 08:28:25 ID:BGo3kJMD
最近寒過ぎてペンデュラムに元気が無い
306名無しさん@ピンキー:2010/11/22(月) 08:51:44 ID:bH3Dxrdz
俺のペンデュラムといっしょに垂れ下がってたんで一回age
307ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 00:59:30 ID:PHsBDGeD
 東京郊外、森を抜けた海の近くに瀟洒にして豪壮な屋敷が建っている。その4階の贅を凝らした執務室の窓辺に立ち、屋敷の主、伊織貴瀬は呟(つぶや)いた。

「おかしい」
「笑えばいいと思うよ。であります」
 エプロンドレスの腰紐に日本刀を佩(は)いたメイドが真顔で応えた。

「・・・・」
「・・・・」
「手紙を出してからかなり経つのに何の動きもない」
 渾身のギャグをスルーされた沙穂が凹(へこ)んだ。
「・・・それは、作者が作品を書かないからだと思うであります」
「なるほどな・・・」
 貴瀬の眼鏡がギラリと光った。これは伊織が何か良くない事を考えついた兆候だ。
「ま、まさか、『伊織×沙穂』篇が始まるのでありますか!?」 身の危険を感じて後退(あとじさ)る沙穂。
「いや、それは既に他の人間が書いてるからな。あれは秀作だぞ?」

「うむ、あの作品の沙穂は、なかなかにエロかったの」
 金襴の西陣織の振袖を着た黒髪の美女がふわりふわりと浮いて室内にやって来た。

「そういうわけで『伊織×沙穂』篇は、ない」
「では『伊織×リップルラップル』篇が!? だ、駄目であります。リップルラップル殿は萌えですが、色々と駄目でありますよ、主(あるじ)さま」
「なぜ、『貴瀬×みーこ』篇を飛ばして、リップルラップル篇なのじゃ?」
「と、いうか、どっちもありえん。そんな恐ろしい真似ができるか!」
「すると『伊織×葉月』篇!?」 沙穂の言葉にみーこも空中で後退る。
「ひいいいい! 貴瀬ぇ、ボクはいつでも準備OKなのさあっ!」
 白衣の眼鏡がぼさぼさ髪を振り乱して現れた。
「どこから現れるのじゃ、お主は」

 答:床から。

「落とし穴に妙なギミックを付けるんじゃないっ!」
「ところで、貴瀬ぇ、例の物が完成したよお」
「おお! さすがはドクターだな」
「例の物とは何でありますか?」
 沙穂の問いに、
「あれはぁ、いいものだぁ!」
 と、ドクターが叫び、
「うむ、あれが量産の暁(あかつき)には、我が魔殺商会は、あと10年は戦える!」
 伊織が拳を振り上げて応える。
 貴瀬がドクターのギャグには乗ったので、また凹む沙穂。何が違うのだろうか?

「よし、ではクソガキを呼ぼう」
「勇者殿を、でありますか」
「クククッ。うまく芝居しろよ、沙穂」
 ピポパピポパと電話機のボタンを押す貴瀬。

 トゥルルルー、トゥルルルー。
『何だ? 貴瀬か?』
308ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 01:00:23 ID:PHsBDGeD



 元勇者の長谷部翔希が自宅で携帯を取った。相手の番号は伊織貴瀬だ。どうせロクな用じゃあないだろうが、このところ暇なので暇つぶしぐらいにはなるだろう。
『きゃあああっ!』 耳をつんざく乙女の悲鳴。
「な・・・」
『ふふふ、沙穂、お前の着ているメイド服は主人に対する服従の証し。さあ、身も心も主人たるこの俺に捧げるのだ』
「おい! 伊織、貴様、一体何を!?」
『ああ、翔希か。なに、暇つぶしに沙穂を女にしてやろうと思ってな。実況してやるからありがたく聞いてろ』
『助けて、勇者殿、助けて』
 どたん、がたんと何かが倒れる音がスピーカー越しに聞こえて来る。沙穂の口調がいつもの軍人口調ではない。それほど切羽詰まってるのか!?
『ああっ!』 沙穂の短い悲鳴。
『クククッ、E0と呼ばれた、この俺に敵(かな)うと思ったのか?』
 ビリィッっと布の裂ける音がする。
『なかなか、かわいい下着ではないか、沙穂』
「伊織、何をやってるんだ!!」
『逃げる沙穂を捕まえて、床に押し倒して、ブラウスを引き裂いた所だ』
 別に実況して欲しかったわけじゃない。音だけで容易に想像できる事だ。
『ちなみに今日の沙穂のブラはピンクだぞ。下は・・・』
 スカートをめくるような音が聞こえてくる。
「貴様っ!」
『主さま、激しく恥ずかしいであります』
『気にするな、これからもっと恥ずかしい目に遭うのだからな』
「貴瀬ぇ!」

 ぷち。ツーツーツー。
 電話が切れた。
「待ってろよ、沙穂、今、俺が助けてやる!」
 勇者が猛然と駆け出した。
309ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 01:01:33 ID:PHsBDGeD



「今からバイクで来ても間に合わんのではないかの?」
 と、椅子を振り上げたまま、みーこ。
「ボクもそう思うねえ」
 と引き裂いた布を持ったまま、ドクター。
「そこが勇者なの」
 台詞の書かれたフリップを持ったまま、リップルラップル。
「これで良かったのでありますか?」
 直立したまま、沙穂。
「名演技だったぞ、沙穂」
 椅子に腰掛けたままの貴瀬
「それにしても貴瀬ぇ、悪役が板に付いてるねえ、ひひっ」
「悪の組織だからな。では、勇者のクソガキが現れるまでお茶にでもするか?」
「それでは支度するのであります」
 沙穂がメイドの仕事に戻る。みーこは空中で眠っていた。



310ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 01:02:08 ID:PHsBDGeD
「貴瀬ぇ!」 黒い剣を振り上げた翔希が伊織の部屋に踏み込んで見たものは、優雅にお茶をしてる伊織家の人々だった(人は伊織しか居ないが)。
「おお、来たか、クソガキ。予想より早かったではないか。またスピード違反して来たな」
「・・・沙穂はどうした、まさか・・・」
 翔希の脳裏に、凌辱されて涙に濡れた顔でベッドの上に横たわる沙穂の白い裸身が浮かび上がるが、
「沙穂は元気でありますよ☆」
 襲われていたはずの当の本人が、給仕をしていた。
「・・・・」 えーと、これは一体?
「面白い余興だったろう? お前が聞いたのは、沙穂の悲鳴と椅子の倒れる音、布の裂ける音、そして俺の解説だけだ。単にそれだけの情報から、お前は自分の頭の中で何を想像したんだ?」
「エロ勇者なの」
 リップルラップルの言葉を否定仕切れない自分が悲しい。
「で、本当は何の用件で俺を呼んだんだ?」
「なに、かわいい“弟”にプレゼントをと思ってな」
 『弟』という単語に背筋に悪寒の走る翔希。
「言うまでもないことじゃがの、翔希、貴瀬とぬしの姉が夫婦(めおと)になれば、ぬしは貴瀬の義弟になるのじゃ」
 みーこが解説する。だから姉の翔香が貴瀬と結婚するのが嫌なのだ。

「帰ってもいいか?」 その義兄である伊織貴瀬がくれるという物がろくなものであろうはずがない。
「まあ、そう言うな。ドクターの自信作だぞ」 悪い予感倍増である。
311ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 01:03:55 ID:PHsBDGeD

「入れ」 伊織が短く命ずると、隣の部屋のドアが開き、メイド服を来た鈴蘭が出て来た。
「名護屋河? ・・・いや、違う。誰だ?」 どう見ても名護屋河鈴蘭なのだが、名護屋河の胸はあんなに大きくない。
「翔希、お前、今、胸で鈴蘭じゃないと判断したな?」
「いや、まあ、その」
「さすがは、エロ勇者なの」
「いひひひっ。隅から隅まで本物そっくりだけど、胸だけは200%増量なのさぁ」
「そうか、聖魔王である鈴蘭の影武者か。しかし胸で偽物と分かるんじゃないか?」
「大きい方が好きだよねえ。男の子だもんなぁ」
 と大仰な身振りで、その鈴蘭の胸に触るドクター。指先がプニッと沈み込む。翔希はごくりと息を飲んだ。
「ふっ。これぞ我が魔殺商会が誇るメカ鈴蘭試作1号ゼフィランサス。通称はゼフィだ」
「め、メカ鈴蘭って、ロボットなのか?」
「初めまして、ご主人様。ゼフィとお呼び下さい」 とメカ鈴蘭が頭を下げる。その動きは人間そのものだ。そして声は鈴蘭のものだ。
「ロボットなのか?」 翔希は信じられずに繰り返した。
 鈴蘭が胸に詰め物をして、自分をからかってるのではないかと勘ぐった。と貴瀬は思ったので、
「サイサリス!」 開いたままの扉に短く呼びかける。
「はい、ご主人様」 もう1人の胸の大きい鈴蘭が入って来た。
「・・・」 えーと、これは鈴蘭の妹の睡蓮がコスプレしてるのだろうか? 違うだろうなという事は頭では理解しているのだが、感覚がついて来ない。
「試作2号機のサイサリスだ。ちなみに4号機のガーベラまで実働試験に入っている。買い物から炊事洗濯、掃除などの家事全般をこなす上に、夜は添い寝までしてくれる高性能、しかも性格は穏やかで優しい乙女設定。
ちなみに性格のモデルは、記憶を失ってた頃のみーこだ。はっきり言って本物の鈴蘭よりも高性能だぞ」
 何をしたいのだろうか、この悪の組織は。
「そういうわけで、試作1号機のゼフィランサスをお前に預けるから、モニターしてくれ」
「この子は、まだ頭の中が基本設定だけで白紙なのさぁ。量産に移る前に、様々なパターンのデータが欲しいのさ。ひひっ」
「何で、俺が!」
「鈴蘭が嫌いなのか?」
「いや、だからこれは名護屋河じゃないだろ!」
「胸と性格以外はほとんど同じだぞ。それとも貴様、貧乳教徒なのか!?」
「私の事、お嫌いですか。ご主人様」 ゼフィが瞳をうるうるさせて迫って来る。本当にロボットなのだろうか?
「いや、ウチには姉ちゃんがいるだろ? 何て言えばいいんだよ?」
「わしを家に連れ込んだ時と同じで良いのではないかの?」
「いや、あのときは・・・」
「翔香から、みーこを押し倒したと聞いたが・・・」
「さすが勇者なの」
「それは、事故で!」
「わしの事が嫌いだったのかの?」
「そうじゃないですけど!」
「だったら問題ないではないか」
 何かが根本的に違うような気がする。
「まずいだろ、倫理的に!」
「問題ないさぁ。未来では一家に1台、ロボットがあるのが普通になるのさぁ」
「メイドである必然性がないんじゃないか?」 翔希が食い下がる。
「家事手伝いなのだから、制服はエプロンドレスに決まっているではないか!」
 波濤をバックに力説する貴瀬。
「逆に、試作1号に普通の服を着せた方が、言い訳が難しくなると思うの」
「それは・・・確かに」 家に女の子を連れ込んだようにしか見えない。
「では、任せたからな」

 伊織の言葉を最後に、試作1号ゼフィが翔希の腕に腕を絡ませて来る。二の腕に当たる胸の感触は、これが作り物なのか!?

 何となく言いくるめられた気がしないではないものの、翔希は後ろに試作1号機を乗せて、家に帰ったのだった。

(つづく・・・・かも?)
312ひきにぱの兵隊:2010/11/28(日) 01:04:35 ID:PHsBDGeD
「お前が愚図愚図しているから、伊織に主役を奪われたではないですか!」
「では、初めての夜に、睡蓮がどれだけ、かわいかったかを・・・」
「そのような事は言わないでも良いのです!」

 えーと、ライトノベル板の方にメカ鈴蘭発売の記事があったので、膨らませてみました。
313名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 12:14:39 ID:lMEYhpCf

エロ勇者のこの後をワッフルしながら待ってるぜ
314名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 21:02:31 ID:vid7LMlu

続きを期待してもいいということですね
315名無しさん@ピンキー:2010/11/29(月) 01:55:48 ID:T84I0iBA
>>312

これは後で初代様と試作1号機の血で血を洗うバトルが勃発すると見たね

…アレ、でも胸と性格以外ほとんど同じだったら決着付かないんじゃね?
寧ろ胸の分1号機の方が(ry
316名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 18:20:06 ID:3Q3HSlzv
オリジナルの方なら乙女じゃないから戦闘ではエゲツない手をつ
317名無しさん@ピンキー:2010/12/01(水) 20:34:36 ID:YwITHEcZ
でも初代の胸2倍にしてもろくな大きさに(ry
318名無しさん@ピンキー:2010/12/02(木) 00:35:01 ID:xswcdI3o
弾幕戦になったら上半身の当たり判定が小さい方が有利ですよ。
319ひきにぱの兵隊:2010/12/02(木) 02:05:01 ID:+bovsb1G
 ホンダのCBR400RRが首都高を爆走する。後ろにメイドを乗せて。
 レーサーなのでカーブを曲がる時はバンクする。体重をかけなければならないので、後ろのゼフィも翔希にタイミングを合わせる。その為、ゼフィは翔希の腰に手を回し、身体を密着させている。
 車体をバンクさせたり、ブレーキを引く度に、革ジャン越しでも感じられる柔らかい物体が翔希の背中で跳ねる。
“くっ! これはっ!”
 かつてないプレッシャーが翔希を襲う。ともすれば全神経が背中に集中し、運転をミスりそうになる自分が恐い。
“これが200%の威力なのか!?”
 おそらく本物の鈴蘭を後ろに乗せても、こんな楽しみ、もとい、重圧は感じないだろう。かつて真琴を乗せてた時も、ここまではなかった。多少の何かが背中に押し付けられてただけだ。
 だが、ゼフィのこれは、明らかに違う! 別物なのだ!
“背中が寂しいとは、こういう事なのか!?”
 後ろに女を乗せる意味を、今初めて理解した翔希。これに比べれば真琴や鈴蘭なぞ後ろに乗せる価値がない。
 流石の勇者も思考が暴走気味だ。勇者である前に、男なのである。


 そして、そういう時に限って、ホテルのネオンが目に入る。
“家まで持てよ、俺の理性!”
 後席のゼフィが何を考えてるのかは分からないが、とりあえず、ピッタリくっついている。ホテルに直行しそうになる自分が恐い。
“ロボットだ。こいつはロボットなんだ” 頭の中で言い聞かせないと、背中の感覚に支配されそうになってしまう。
 そうした悶々とした煩悩を抱えたまま、翔希はバイクを走らせ続けた。
320ひきにぱの兵隊:2010/12/02(木) 02:06:39 ID:+bovsb1G
 どうにか事故らずに、家にたどりついた。途中、運転した記憶が何カ所か途切れてるのが恐ろしい。
「さて、どうしたものか・・・」
 だが、考えるより生むが易し。バイクの爆音を聞き付けたのか、姉の翔香が玄関の戸を開ける。
「帰って来たね。で、そっちがメカ鈴蘭の試作1号機とやらかい?」
 ゼフィがぺこりと頭を下げ、
「試作1号機ゼフィランサスと申します」
「礼儀正しいねえ」
「姉ちゃん、事情を知ってるのか?」
 式台から家の中に入りながら、姉に訊く。ゼフィは後ろについて来る。
「ああ、ウチのヒデオ君トコのウィル子ちゃんが、オフィスでこの子の電子頭脳の設計をやってたからねえ」
 なるほど! 電子の神が設計したのならば、このメカ鈴蘭の優秀さも頷けるというものだ。

「さすが20億だねえ、まるで人間みたいだよ」
 まじまじとゼフィを見つめる翔香。
「に、20億!?」
「一体20億円だから壊すな。と貴瀬から念を押されたよ。あたしも値段を聞いて驚いた」
「伊織の考える事が分からん・・・」
 20億かけてメカ鈴蘭を作る意味が分からない。
「量産型はスペックダウンして2億円ぐらいになるから、ボディーガード兼メイドとして、アラブの金持ちに売るよーな事を言ってたね」
「ボディーガードって・・・」
「出るんだろ? 目からビームとか、おっぱいミサイルとか、指が機関銃だったりとか」
 色んなアニメが混ざってる。
「私はベーシックモデルなので、特に武装はありません。試作2号機は、胸が核ミサイルだとドクター葉月に伺いました」
 翔香の問いに律義に答えるゼフィ。
「「か・・・核ミサイルぅ!?」」 翔希と翔香が思わずハモった。
 試作2号機とは伊織がサイサリスと呼んでたメカ鈴蘭だ。胸が核ミサイル・・・なんか、もう、どこから突っ込んで良いのやら。とりあえず、そういう物騒なのを預けられずに済んで助かった。背中に核ミサイルを押し付けられるのでは、生きた心地がしない。
 そういえば、本物も妹の方が物騒だしな、ははは。
 睡蓮が聞いてたら、弓の連続射撃を食らいそうな事を考える翔希。


「それでは、私は夕餉の支度を致します」
 そういえば、メイドロボなのだった。
「ああ、すまない。台所は・・・」
「こちらですね」 と翔希に案内されるまでもなく、長谷部家の台所の方に向かうゼフィ。
「ご主人様の家の構造は、最初からインプットされております」
 ああ、そうなんだ。
「ところで、そのご主人様というのを止めてくれないか? 伊織にでもなった気分だ」
 名護屋河が伊織貴瀬をそう呼んでいる。
「それでは、翔希さん。とお呼びしてもよろしいですか? あら、恋人同士みたいですね。うふふ」
 にっこりと微笑んで台所に入るゼフィ。ここら辺りの性格は、みーこさんのものなのだろう。思わず顔を赤くする翔希。

「はっ! ロボットにときめいてどうする、俺!」
「ロボットだ、ゼフィはロボットなんだ」 己に言い聞かせるように、ガスガスと柱に頭を打ち付ける。
 前途、多難だった。
321名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 11:13:00 ID:+F61XmpR
乙!

で、他の3体は誰に押し付けられるんで?
322名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 15:45:06 ID:wA9RtCVv

鈴蘭でこの戦闘力、素直であれが二割増な睡蓮なら死ねる
323名無しさん@ピンキー:2010/12/03(金) 20:59:13 ID:7unSsgFI
乙!

※ちなみにこれが物足りなく感じたらアナタは手遅れです、自決しましょう
324名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 01:33:59 ID:2KWmFzGl
乙!

しかし0は2倍しても0のままなんだz(ry
あれ?こんな時間にだれk...
325名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 21:38:53 ID:5oGHeyUm
翔希はクラリカも乗せてたけど、クラリカも胸がnaiのだろうか?
326名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 21:50:14 ID:s+DmZOFl
あるようには見えなかった
327名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 21:52:08 ID:s+DmZOFl
ミス、途中だった

どちらかというと中途で美乳系な感じっぽい
328名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 22:51:34 ID:69G//2CP
ちょっと上の方読んでて思ったんだが沙穂のたぁくんの呼び方って
「ぬし様」じゃなくて「あるじ様」だっけ?
前者のほうで記憶してたんだけども自身がない
329ひきにぱの兵隊:2010/12/04(土) 23:00:26 ID:5oGHeyUm
 おりがみの『天の門』では『ぬし様』と呼んでますが、『光の徒』では『あるじ様』と呼んでます。
 私は、『あるじ様』の方が好みなので、そっちを使ってますです。
 『ぬし様』だと、川の主とか沼の主みたいな感じで嫌な気が・・・。

 ところで、続きができたので、投稿するのであります。
330ひきにぱの兵隊:2010/12/04(土) 23:03:17 ID:5oGHeyUm
 純和風建築の長谷部家の居間。テレビがあってちゃぶ台があって、という日本家屋の一般的な居間である。
 今日の夕食は試作1号ゼフィランサスが作った。翔希も手伝ったが、その腕前はプロの板前も斯(かくや)というもの。見た目が鈴蘭なので、少しばかり違和感があるが、あのドクターがメイドロボとして作っただけの事はある。
 贅沢を言えば、メカ鈴蘭ではなく、メカみーこさん(※若い頃)ならば言うことなかったのだが。だが、その性能はあの伊織が20億円かけただけの事はある。
 しかし、20億円あればメイドぐらい何人でも何年でも雇えそうな気がするから、やはり伊織の金の使い方はおかしい。

「翔希ィ、お前は、色んな女子を拾うて来るのお。今度はぁロボ姉ちゃんかぁ?」
 上座に着いた祖父、長谷部轟希がゼフィの方をマジマジと見つめる。長谷部家の3人は食事中だが、ゼフィはロボットなので、彼女の前には料理がない。と、いうか、彼女のエネルギー源は何なんだろう? 伊織家で聞いて来なかった。
「翔希も勇者だからねえ」
「なんじゃァ、勇者っちゅう商売はモテるんかァ?」
「勇者は商売じゃねーよ」
「そうかい? 様々な職業の色とりどりの美女や美少女だけでパーティーを組んでるにも関わらず、部屋が一室しかない宿屋に平然と泊まるのが勇者だって聞いたよ」
「誰だ、そんなアホな事を言う奴は!」
「ヒデオ君だけど」
“あいつはー!”
「ゲームの中の勇者は、そうかもしれないけどな、俺がそうじゃない事は姉ちゃんも良く知ってるだろ?」
 祖父が伸ばした右手でゼフィの尻を触ろうとするのを、姉の翔香が牽制してる。
「このエロじじいが! ロボットのお尻まで触ろうとすんじゃないよ!」
 結局、触られたのだが、ゼフィはニコニコしたままだ。
「なんじゃぁ、つまらんのぉ」
 まあ、確かにゼフィの反応は変なのだが。そういえば伊織家でドクターから胸をつつかれた時も無反応だった。なるほど、これが初期設定だけで白紙の状態なわけか。
「でも、あんただって、あのクラリカと連(つる)んで色々やってたじゃないか。あと髪の長い、マリエットとか言ったかい? 神殿協会の枢機卿も金髪美人だったし、ヒデオ君の言うことも正しいんじゃないのかい?」
「それを言うなら、ヒデオだって結構、モテてるんだぜ」
「ヒデオ君は、自分がモテてる事に気づいてないんだよ。あんたは違うだろ、エロ勇者」
「何だよ、エロ勇者って!」
「俺はカッコいい! とか思ってんだろ?」
「うっ!」 図星なので言葉に窮する翔希。
「そこが、やらしいんだよ。カッコ良いから美少女が寄って来るのは当然! とか思ってるわけだ」
 思ってないと言ったらウソになる。だが、自分の回りには、この姉を含めて変な女しか居ないのだが・・・。
「で、今度はロボットなわけだ。あんたも手広いよねえ」
「ゼフィは違うだろ!」
 当のゼフィは姉弟の会話を興味深く聞いている。学習しているのだろう。良いのだろうか、こういう会話を学習させて。
「気を付けるんだよ、ゼフィ。こいつはエロいからね」
「“エロい”とは何ですか?」
 純真無垢な笑顔で翔香に尋ね返すゼフィ。どうやら、そういう方面の知識はインプットされてなかったようだ。まあ、確かにそういう方面を数値化して入力するのは、いくら電子の神でも難しかったのだろう。生まれたばかりの精霊という話だったし。色事には疎かったのだろう。
「うっ」 今度は翔香が言葉に詰まる。
「えーと、その、何だ。あたしは風呂に入って寝るから、あとは翔希にでも聞きな。覗くんじゃないよ!」
 実は意外と純情な姉は、顔を赤らめると、さっさと居間から出て行ってしまう。
「お前も難儀じゃのお、翔希。エロい事を教えてやれや」
「あー、まー、その何だ。とりあえず、洗い物を片付けてからにしよう」
「はい。では、私が片付けますね」
 いそいそと嬉しそうに食器を重ねていくゼフィ。こと、家事に関しては手際が良いのだった。
331ひきにぱの兵隊:2010/12/04(土) 23:07:23 ID:5oGHeyUm
 そして、夜。
 風呂から上がって自室に戻った翔希を、メイド服のままのゼフィが待っていた。そういえば、これしか服がないのだった。
“はっ! 下着とかどうすんだ? ロボットだから汚れないのか? つーか、下着を着けてるのか?
 姉ちゃんの服を借りて・・・。俺が買いに行くわけにはいかないから、あ、伊織が買い物は出来ると言ってたから、明日にでも買い物に行こう”
「えーと、ゼフィ?」
「はい、翔希さん」
「変な意味で訊くんじゃないんだが、その服の下はどうなってるんだ?」
 実は見えてる部分だけ人間ぽくて、服の下はメカが丸だしとかじゃないだろうか? あるいはメイド服が外装とか。
「服の下は、成人女性のボディがあります。基本身体データは名護屋河鈴蘭さんと同じで、胸囲の数値だけ2倍という事です」
 あ〜、そういえば、胸と性格以外は鈴蘭と全く同じだと伊織が言ってたなあ。
「鈴蘭と同じって、どうやって計ったんだろう?」
「お屋敷の玄関に三次元スキャナーが設置してあるとドクターから伺ってます」
 だから、伊織家にはどうしてそういう凄い機械があるんだ。
「あと、5年前に鈴蘭さんを改造した時にも遺伝子レベルで鈴蘭さんを解析したそうです」
「か、改造って・・・」
 名護屋河は改造人間だったのか!? いや、確かに普通の女の子は、遠距離からグーで殴って飛行空母を落としたりできないが、それは神殺しの血筋だったからじゃなかったのか!?
「沙穂さんと同じような強化人間なのだと思います」
 ああ、伊織とあのドクターならば、やりそうな事ではあるが!
「すると、その・・・」
「ご覧になりますか?」
 変わらぬ笑顔で、そういうと、シュルシュルとエプロンドレスの結び目を解(ほど)き始める。
「あー、ゼフィ?」
「はい、翔希さん」
「そういうのは、恥じらいを持って、顔を赤らめながらやるものなんだ」
 ゼフィの行動があっけらかんとしているため、今後の為にも、ここは一つ、そういう方面の常識を教えておくべきだろう。断じて、そっちの方が好みというわけではない。
「申し訳ありません。よく分かりません」 困ったような顔をするゼフィ。
 そうだなあ、どう言えばいいかなあ。
“そうか!” 翔希の頭の上で見えない電球が閃(ひらめ)いた。
 ノートパソコンの電源を入れて、ヒデオから借りてるエロゲを立ち上げる。百聞は一見に如かず。多分、自分が説明するより、分かりやすいはずだ。
「コンピューターならお任せ下さい。データリンク確立します」
 そう言って目を閉じるゼフィ。次の瞬間、ノートパソコンの画面が目まぐるしく変わる。
“あー、そうか、見た目は人間だけど、ゼフィの頭もコンピューターなのか” ウィル子も似たような事をやってたし。
「インストールしました」
「そう?」 手っ取り早くて助かる。

「翔希さんは、こういうのがお好きなんですね」
 何か、とてつもない勘違いをされたような・・・。
 だが、Yesと答えれば変態みたいだし、Noと答えれば女に興味のないホモみたいじゃないか!
 せ、正解が分からね〜! 頭の中で絶叫する翔希。

「分かりました。翔希さんが望まれるのであれば・・・。」
 突然、モードが切り替わったかのように、ゼフィは頬を赤らめると、ゆっくりとメイド服を脱ぎ始める。仕草が実に色っぽい。
 リボンを解き、エプロンドレスのボタンを一つずつ外して行く。
 時々、翔希の方をチラリと見ては、更に頬を赤らめて、脱いでゆく。エプロンドレスを足許に落とし、白の下着姿になったゼフィは手で前を隠そうとする。

 その様子から目が離せずに見ていたのだが、直後、自分がゼフィに『脱げ』と命じたという事に思い当たる。いや、直接、脱げと命じたわけではないのだが!
「いや、違うんだ。これは、そう・・・ゼフィがどの辺まで人間の身体と区別が付かないのかを知ろうと思って」
 想像していたように、ロボットみたく腕の付け根とか足の付け目に継ぎ目があるわけではなく、というか、下着姿の女の子のようにしか見えない。
“すると、アソコは・・・” いくら何でも、そこまで作ってはないだろう。
 しかも、魔殺商会製だ。翔希が下着を脱がせたら、そこには何もなかった! とかいうオチが付くに違いない。ははは、当たり前じゃないか。あの伊織のやる事だぞ。

332ひきにぱの兵隊:2010/12/04(土) 23:08:32 ID:5oGHeyUm
「ショーツも・・・脱いだ方がよろしいですか?」
 翔希の視線に気づいたゼフィがおずおずといった感じで聞いて来る。
 そう! 翔希の視線は目からビームを出しそうな勢いで、ゼフィのそこを凝視していたのだ。

 正直な所、見たい! だが、勇者としてそんな事を口にするわけには!

 だが、翔希の沈黙を是と受け取ったゼフィは、翔希の目の前で、ショーツの腰の部分に指を掛け、するりと下ろした。右足を抜いて、次いで左足を抜く。そして翔希の方を向く。

「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
 ぶばっ。翔希が鼻血を噴いて倒れた。

「翔希さん? 翔希さん!」
 自分を呼ぶゼフィの声が遠くなっていく。


 翌朝、翔希は庭の松の木に蓑虫のように吊るされた状態で目覚めた。
「・・・これは一体!」
「一体! じゃないよ、この馬鹿!」
「姉ちゃん」
「ゼフィを裸にさせて、あげく、鼻血を出して倒れたそうじゃないか、ロボットに欲情するなんて、このエロ勇者! あー、もう、姉ちゃん情けなくて涙が出て来るよ!」
「いえ、あの、違うんです。私が勝手に服を脱いだだけで、翔希さんは純情なんです」
 ロボットからかばわれてる。しかし、ゼフィのモザイクもかかっていない『そこ』は翔希には刺激が強すぎたのだ。なまじ勇者をやってただけに男女交際は清く正しかったのだ。
「しばらく、そのまま反省しな!」

 翔香がミニクーパーで郵便局に出勤後、ゼフィに下ろしてもらった翔希。

 勇者の前途は、ますます多難になりつつあった。
333名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 23:09:56 ID:5oGHeyUm
「ふ、だらしのない。その程度だから長谷部家の愚息なのです。ヒデオなぞ、初めてでも臆しもせず、私にあのような・・・って、何を言わせるのですか!」

 さて、どう続けようか? 行き当りばったりで書いてるので、オチをどうしようかと・・・。
334名無しさん@ピンキー:2010/12/05(日) 02:49:35 ID:Dk4kh+to
GJです!
恥じらいつつも行動は大胆なとこがいい!

個人的には、
メカ鈴蘭の巨乳の魅力を堪能

本人登場、メカ鈴蘭を破壊しようとするも勝負つかず

「こうなったら、胸の大きさが全てじゃないことを身を持って思い知らせてやる」とベッドの上での勝負に

…という流れが浮かんだ。
何故か伊織の方で。
335名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 02:46:59 ID:Cf7GKBnc
文章も似てるが、行き当たりばったりまで真似しなくてもw

本人登場ははずせないとして、不幸のメールが絡んで来たら面白いなぁ・・・
336名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 18:37:24 ID:P4cLjaVI
エーデルワイスが好きすぎてやばい
337名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 05:51:30 ID:rYtVHeaD
冷静に考えると胸囲2倍はヤバい
鈴蘭の胸囲が70センチだとして、その2倍だと140センチ
胸はおよそ10センチ毎に2カップ上がるから、足された分だけを考えてもZカップ。それでも2カップ分大きさ足りない。なんという魔乳・・・

いやまあ、胸囲といっても文字通り胸の部分だけだろうけどな!
338名無しさん@ピンキー:2011/01/01(土) 18:51:23 ID:3Cfh+aCg
きっと高さで計ってるんだな
339獅子姫、蛇を食らう(ルナスとマヒロ) 0:2011/01/06(木) 00:31:33 ID:dvd4d3Ph
 夜空を彩る色とりどりの光の花。
 ほう、と感嘆の声を漏らすルナスの隣には、無感情な一対の瞳があった。
 敗戦国といえども時間の流れは平等で、このミスマルカ王国にも新年がやってきた。
 きっとグランマーセナル帝国では盛大に来る新しい年を祝っているのだろう。花火もこちらより多く上がり、城全体を魔法で淡く彩らせたり、城の内外問わず呑めや歌えやの大騒ぎになっているはずだ。去年は新年を帝国本土で迎えたルナスにはその様がありありと想像できた。
 対してこのミスマルカでは花火が打ち上げられた程度。バルコニーから城下を見下ろしてみても祝宴の気配はない。
 帝国とミスマルカでは国力も人口も全く異なる。帝国での祝宴の規模と比べるのは間違いかもしれない。しかし他国の迎春の様子を全く知らないルナスは、結局自分が生まれ育ったグランマーセナルを物差しにするしかないのだ。
 だから余計にこのミスマルカが静かすぎると思う。そこにはルナスの心情も含まれていた。
 恐らくこの国は祝えたくても祝えないのだ。聞けば、祝い事や祭り事の際には真っ先にマヒロが城下に飛び出して仕切っていたのだという。そんな王子が祭り事を盛り上げるどころか公務以外で城下にも出てこない。この静けさはその戸惑いの現れなのかもしれない。
 花火の打ち上がる音が止む。常人よりも聴覚が優れている自負のあるルナスにしても、この国に新年を祝う華やぐ声は聞こえない。城下は勿論、城内からも。

「毎年新年の祝い事はこれくらい静かなのか?」

 しんと静まり返ったバルコニーにルナスの問いはやけに響いた。次の花火が打ち上がるのが先か、問いに答えが返ってくるのが先か。ルナスは内心どちらが早いかと拍数を数えてみる。過去のことなど振り返りたくないだろう。だからルナスは花火が先かと踏んでいた。
 しかし隣のマヒロはあっさり口を開いた。

「広場を解放して歌ったり踊ったり――他の国と同じようなものですよ。ただ今年はそういった企画自体上がらなかったそうです」
340獅子姫、蛇を食らう(ルナスとマヒロ) 2:2011/01/06(木) 00:34:12 ID:dvd4d3Ph
 上がらなかったのではなく上げなかったのだろう、お前が。
 ルナスにしては珍しく言葉を飲み込んだ。
 ミスマルカが帝国に敗戦してから約半年。
 マヒロは帝国側から与えられる仕事以外一切余計なことをしなかった。
 まるで自分が国を動かす歯車の一つであるかのように、マヒロ・ユキルスニーク・エーデンファルトという個人を徹底的に殺していた。それだけ多忙だったというのもあるのかもしれない。
 帝国の属国になった当初は確かに個人である時間を確保できるような暇もなかった。だが半年経った今、以前のように連日会議室に鮨詰め状態ではない。
 マヒロの父親が健在で、マヒロが王子であった頃に比べれば自由は利かなくなっているかもしれない。それでも気晴らしに剣や乗馬や釣り、彼がかつて好んだというオートバイに興じる時間くらいは与えてやっているつもりだ。
 民のことを第一に考えるのは王族の手本とも言えたが、ルナスが欲したのは型通りの美しい人形などではなく破天荒で狡猾な蛇だ。こんなもの、つまらないにも程がある。

「華やかさが足りん。ついでに盛り上がりもだ。こんなに湿気た年明けは初めてだ」
「ですから他の騎士の方が仰る通り、ルナス様は帝国に帰郷すれば良かったのです。何も帝国三番姫が属国で年を明かす必要なんてないんですから」

 マヒロがするりと言葉を吐き出した。
 嫌みったらしいことこの上ない口振りなのに声はどこまでも平淡で、まるで感情が篭っていない。マヒロが本心から言っているかどうかも怪しい。
 マヒロの言う通りルナスは本国からの召集を蹴った。召集というのは形だけで、実際中身は新年ぐらい家族水入らずで過ごしたらどうかという内容だった。
 ミスマルカ制圧により中原を掌握し帝国内も安定しているとはいえ、ゼピルム共和国とは睨み合いを続けている。
 西域がどのような状況かも分からず、新型魔法の件もあり気の抜ける状態ではないのは確かだ。
341獅子姫、蛇を食らう(ルナスとマヒロ) 3:2011/01/06(木) 00:35:07 ID:dvd4d3Ph
 それに自分だけが帰郷するのは下の者達に示しがつかない。彼らも来るべき新しい年を家族と共に過ごしたいはずだ。それを皇族だから将軍だからと優遇されるのは間違っている。

「私がいなくなったら騎士団の気も緩む。それではこの国の民達に示しがつかない。それに、」

 ドーン、と再び夜空に大輪の花が咲く。ルナスはその音に言葉を浚われて良かったと思った。
 今、自分が何と言おうとしたか。
 相変わらず感情らしい感情一つ浮かばない瞳でマヒロがルナスを見つめる。
 満天の星空、彩る花火、二人きりのバルコニー。その三点に気付き、また言いそうになった言葉の意味を並べてみると、途端にこの空気が変質してしまいそうな気がした。
 ここで踏み留まるような可愛らしい性格をしていなかったはずだ。姉のユリカが好みそうな恋愛小説の一節を演じてどうする。
 ルナスは一息吸い込んで剣を握るときと同じように心を落ち着かせた。

「それに私がいなくなったらお前は一人で年を明かすのだろう?」

 マヒロにはまだ伝えていないが、かつて彼が旅を共にした者達はペルグルンの帝国に対する抗戦に与している。
 カイエンやエーデルワイスといった昔からミスマルカに仕えていた者達は未だに城に残っていても、裏切り裏切られたという痼のせいか以前のような振る舞いは難しいらしい。
 マヒロ本人は恨んでいないと言う。その全て許されていること自体、裏切った側の罪悪感を煽るだけだというのに。あのエーデルワイスですら、憎まれて当然だとほんの少し顔を歪める。
 マヒロと親しかった者達の立場は変わってしまった。側にいたところで、それが手の届く範囲にいたところで、声は掛けられない。
342獅子姫、蛇を食らう(ルナスとマヒロ) 4:2011/01/06(木) 00:36:51 ID:dvd4d3Ph
 恐らくルナスが誘わなければマヒロは新年を迎える花火すら見ず、いつもの時間に眠りに就いていたはずた。
 単調に日々を消化している彼には日付が変わるのも年が変わるのも一緒なのだろう。

「私はお前が寂しがると思って残ってやったんだ。有り難く思え」

 ルナスの周りには常に人がいた。父や二人の姉、侍従、騎士。傍らに人がいない時間の方が圧倒的に少なかった。
 マヒロの周りがどうだったかルナスは知らない。
 あのパリエルとかいう剣士はマヒロの傍らにいたのだろうが、今考えてみるとそれが彼女の“風”としての役目だった。
 母同然に慕っていたエーデルワイスも役目のためにマヒロの側にいた――自分の姉が命じたこととはいえ、急にルナスはマヒロの隣に立つことに居心地の悪さを感じた。
 ぽっかりと空いた彼の隣を自分が埋めたところで、果たして代わりになるのだろうか。自分とマヒロは出会ってまだ一年ほどしか経っていないというのに。

「同情ですか」

 醒めた顔でマヒロが言う。思わずルナスの眉が跳ね上がった。

「なに?」

 自らの内心を読み取られたような気がして語気が強くなる。

「いえ……申し訳ありません。せっかくのルナス様のお心遣いに対して失礼なことを言いました」

 そう言ってマヒロは深々と頭を下げた。
 狗だ、これは狗だ。蛇だの人形だのそんな上等なものではない。ただの狗だ。
 マヒロの態度がルナスの神経を一気に逆撫でする。媚を売る素振りを見せないだけまだましだ。この謝辞も心の底からのものではなく形だけのものだ。
 満天の星空、彩る花火、二人きりのバルコニー――これらが揃ったからといって何だというのだ。マヒロは一向にルナスのことなど気にも掛けない、意識してすらいない。
343獅子姫、蛇を食らう(ルナスとマヒロ) 5:2011/01/06(木) 00:37:45 ID:dvd4d3Ph
「え、なっ!? ちょ……ルナス様!?」

 マヒロが慌てふためいた声を上げた。彼のここまで感情の籠った声を聞いたのは久々だ。
 ルナスはマヒロの手を取り、そのままバルコニーからマヒロの自室へ。
「痛い」と喚く声が聞こえるが無視した。痛みを訴える悲鳴すら、今のルナスにはやっとマヒロが感情らしい感情を発露したとしか思えない。壊れた人形がやっと動き出した。ルナスの胸をそんな高揚が塗り潰していく。
 引いた手を離すタイミング――マヒロをベッドに放り投げた。女とはいえルナスも一介の武人であり、力加減をしなければ今頃マヒロは壁に埋もれていただろう。ぼすん、と柔らかな寝具がマヒロの体を受け止めた。

「ルナス様、一体何を……」
「極東では“姫始め”という行事があるらしいな。それをやらないと夫婦間の新年は始まらないとか」
「誰からそんなことを……っていうかルナス様、間違ってます。間違ってますからそれ」
「煩い黙れ」

 自分もベッドに乗っかり、身を起こしたマヒロの上に覆い被さるような体勢を取る。
 極東からやってきたタクロー王子の言をルナスが全て真に受けている訳ではない。シャルロッテのように頭の回転も良くない。ユリカのように博識という訳でもない。
 それでもどさくさに引っ張り出したものにしては十分こじつけられる知識だった。
 覆い被さったまま顔を近づける。ある一定のラインを越えると、マヒロがその大きな目をぎゅうと閉じた。
 唇を触れ合わせれば、それだけでマヒロが緊張しているのが分かる。もっともルナスにしても今のがファーストキスであって、今は気分の高揚によって誤魔化されているものの時間が経てば羞恥に顔を真っ赤にするのは間違いなかった。

「私とお前は口約束とはいえ一応婚約した。お前が花火を見ても年が明けた気がしないと言うなら、私が身体で思い知らせてやる」

 少年特有の大きな瞳を目一杯見開いて、マヒロはルナスを見つめた。惚けた顔だが常の無機質な表情よりずっと良い。
 ルナスは口許を歪めてマヒロの首筋に噛みついた。
344名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 00:39:37 ID:dvd4d3Ph
ミスマルカ新刊に萌えたぎって書いた
エロまで持ち込む気力は残ってなかった
エロなしで申し訳ない

あと0ってあるけど1の間違いです
重ね重ね申し訳ない
345名無しさん@ピンキー:2011/01/06(木) 10:44:55 ID:cqY2+J4e
そんな些事は関係なくGJです
346名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 01:59:51 ID:1gb79K/Q
何だ神か
347名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 22:34:22 ID:VHcei3wR
ひきにぱーひきにぱーひきにぱー
348名無しさん@ピンキー:2011/01/14(金) 23:05:20 ID:Kn2tE+dE
最新刊さっき読み終えたんだけど戦国マヒマヒってこれから先どうなるの?

やっぱり正妻に命懸けで側室入りの説得しながら、義姉と幼馴染みとその他色々な姫とか人外とかとかを言葉とペンデュラムで征服していく展開?
349名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:34:50 ID:ti+pnKG5
武力行使不可って制限以外は、手段を選ばないマヒロだから、
ペンデュラムの出番がないとは言えない気がしなくもない
350名無しさん@ピンキー:2011/01/17(月) 17:44:56 ID:XddZj8yk
もしやマーラーの子孫…
351名無しさん@ピンキー:2011/01/19(水) 22:04:02 ID:lHSGEyg8
ああ蛇ってそういう……
352名無しさん@ピンキー:2011/01/21(金) 03:35:05 ID:BKeI89RT
フロイト先生的に考えるとありうる…
353名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 00:10:58 ID:C/3CLb0N
あー、エーデルワイスに機械的に性処理されたい
睡蓮にセクハラして赤面させて射ち抜かれたい・・・
354名無しさん@ピンキー:2011/01/25(火) 12:43:49 ID:d9xXsTP/
何故か去勢的な意味かと思った
355名無しさん@ピンキー:2011/02/02(水) 02:26:59 ID:QIU33O+s
ほしゅ
356名無しさん@ピンキー:2011/02/07(月) 10:22:23 ID:RJZO0Bd+
レイセン2巻を読み返して気付く翔香さんの可愛さ
357名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 16:30:43 ID:PSRfqGzJ
マスラヲが闘神都市モデルだとすると、Hシーンがどこに入るか想像できるかな。
美奈子は最終決戦前夜の会話中、エリーゼはクロスフラッグス、ラティは歌合戦、レナはデート中、
大家さんはジャバン戦?、ウィル子は地下での再会、アカネはバトル後
…そんなところで、選択肢がでるんだろうと思われる。
358名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 15:46:17 ID:Ro54MXks
今更なんだか、去年の秋頃上がってたヤンデレウィル子の続きが気になって仕方がない。
359名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 06:15:17 ID:MhLvxO/y
産むところから始める光GENJI状態なんじゃね
360名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 12:24:58 ID:0/HKfKnT
ようこそ ここへ
遊ぼうよ パラダイス
361名無しさん@ピンキー:2011/02/13(日) 15:43:07 ID:jgKSWHpz
>>358
就活でそれどころじゃないんだろ。察してやってくれ
362名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 07:53:58 ID:0J6VrH3M
闘神都市マスラヲでは、総帥のHシーンはあるのですか?
リッポーさんでも可
363名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:13:06 ID:POYVVB+N
ミスマルカのマヒロとルナスとエーデルワイスの小話投下
エロなし、バレンタインネタ、携帯からの投稿なので見にくかったらごめんなさい
五分割予定
364バレンタイン 1:2011/02/14(月) 22:16:58 ID:POYVVB+N
 一通り書類に目を通し、読み終えた書類の山に積み重ねる。読まねばならない書類も大分減った。
 マヒロは下を向いたままで張ってしまった首筋をほぐすように、ぐるりと首を回した。一回、二回、逆回転で一回。これぐらいの動きでは疲労は取れないらしい。
 格式張った書類を読むと肩に力が入りすぎてしまう。この国が抱えるものの重さが肩にのし掛かってくるかのようだった。
 帝国の属国となってからの数日で、このグランマーセナル帝国中原領ミスマルカの方針は決まった。マヒロの目の前に詰まれた書類は細々としたもので、最初の協議で取り決められた通り基本的にミスマルカの負荷になるようなものはない。
 それでもこの紙切れ一枚でこの国の一挙一動が決まるのだ。全て隈無く目を通し、納得した上でサインする。それが今のマヒロに出来る唯一の仕事だった。
 残りの書類も片してしまおうと一枚手にしたところで、ノック。こちらが返事を返す前にガチャリとドアノブが回った。

「失礼するぞ、マヒロ」
 ドアの先にいたのは帝国三番姫。甲冑姿ではなく、割と見慣れた黒の軍服姿だった。今はその上にメイドが着るようなエプロンを掛けている。
「これはルナス殿下、何かありましたか?」
 ふふん、と得意気にルナスが笑った。
 ペルグルン攻略以前ならばいちいち彼女の表情の変化も気に留めなかった。
 自分の感情を素直にさらけ出す戦姫の表情を真正面から見ようとも思わなかった。改めてまじまじと見る必要がないほど、彼女が分かりやすいというだけではない。
 ただ単に、マヒロ自身が空っぽになってしまったのだ。自分にも他人にも興味がなくなってしまった。
 ペルグルン攻略でほんの少し満たされた自分。だからこそルナスの笑みにも自然に笑い返せた。
「受け取れマヒロ。この私が作ったチョコレートだ」
「チョコレート……ああ、お茶の時間ですか」
 自分がどれ程机に向かい続けているのか、全く自覚がなかった。
 ふと時計を見れば休憩を取るにはいい頃合い。昼も摂っていなかったから、どうやら朝から今まで書類の相手ばかりしていたらしい。肩が凝るのも納得だった。
 それにしても、姫君自らお茶請けを用意するとは一体どういうことだろう。
 ルナスの態度や格好から見るに、メイドが用意したものをこの執務室に運んできたという感じではない。
365バレンタイン 2:2011/02/14(月) 22:20:41 ID:POYVVB+N
 書類が積まれたデスクでお茶をしては大事な書類が汚れかねない。マヒロは椅子から立ち上がると、そのまま後ろの窓を開けた。
「せっかくですからテラスでお茶などいかがですか、ルナス様?」
 今日は風も穏やかで暖かい。部屋に籠りきりだったせいもあり、少し外の空気を吸いたかった。
 ルナスは部屋に入ってきた時とは打って変わって、不機嫌な顔で唇を尖らせた。
「マヒロ、今日は何日だ」
「今日、ですか。えーっと……」
 先程まで目を通していた書類に記されていた日付を必死に辿る。ただの数字の羅列として捉えていたから、それが時間の流れを示すものだと認識するのに大分時間が掛かった。
「あ、」
「そうだ、二月十四日――バレンタインデーだ」
 ルナスが満面の笑みで、起源などすっかり忘れ去られた記念日を口にした。



「この国では女性が男性にチョコレートを渡すそうだな。今朝から侍従隊が忙しないから何かあるのだろうと思ったが――理由を訊ねたらなかなか面白いじゃないか」
「それでルナス殿下もメイドに混じってチョコレート作りを?」
「ああ。チョコレート限定、女が男に、という辺りが気に入った。今の時代、女も待っているだけでは駄目だということだ。良い慣わしじゃないか」
 そう言ってルナスは素手でブラウニーを摘まんで口に放り込んだ。彼女の後ろに控えるお付きのメイドが少し顔を顰めた。
「ルナ様、そこにフォークがございます」
「面倒だ。こんなのでちくちく刺していては食った気になれん」
「そこは『食った』ではなく、」
「分かった分かった。今は茶の時間だぞ? 少しぐらい肩の力を抜いたっていいだろう」
 メイドの苦言もあっさりと流されてしまう。
 とても一国の姫君とは思えない振る舞いだ。
 マヒロは苦笑を零しつつ、気取らない姫君の侍女が淹れた紅茶を一口飲んだ。目の前に置かれたフォークを手にし、ルナスお手製のブラウニーを食べる。
「美味しいです」
「だろう? この城のメイドたちに教えてもらいながら作ったんだ。我ながらこれはうまく出来た」
 そう言ってルナスはもう一つ口に運ぶ。作った本人が一人で食べきってしまいそうだ。
「ミスマルカでは確かに女性から男性にチョコレートを渡すことが多いですが、帝国だとまた違うのですか?」
「ああ。基本的には男女関係なしに、日頃世話になっている人間にカードや花を贈ることが多い」
366バレンタイン 3:2011/02/14(月) 22:24:15 ID:POYVVB+N
「国によって大分違うものですね……世話になっている人に花か」
「私としてはこちらのバレンタインの方が好きだな。菓子を貰い放題だ」
「貰い放題?」
 女性であるルナスが?
 マヒロが首を傾げると、控えていたメイドがその問いに答えてくれた。
「友チョコ、というものだそうです。ルナ様はこの城の侍従隊からも人気がありますから」
「ああ、なるほど。女の子同士でチョコレート交換するんだ」
「生チョコやトリュフ、ガトーショコラも貰ったぞ。勿論やらんが」
「結構ですよ。ルナス様が頂いたものでしょう? 僕はこのブラウニーだけで十分です。あの帝国三番姫お手製のブラウニーが食べられる幸せ者は、今現在僕だけでしょうし」
「なんだ、随分持ち上げるじゃないか」
「だって本当に美味しいんですって、これ」
 紅茶をもう一口飲んで、先程のブラウニーの味を流す。
 それからフォークを伸ばしてもう一つブラウニーを貰う。口一杯に洋酒とチョコレートの味が広がった。
 甘過ぎない味付けで、これならいくらでも食べられそうだった。
「お前も侍従隊や他の者からもチョコレートを貰うのだろう? 食べきれないようなら手伝ってやるぞ」
 ルナスが目を輝かせて言った。片手にブラウニー、もう一方の手にはティーカップ。
 それほど急いで食べなくても早々なくなりはしないのに。
 ルナスが持ってきたブラウニーはとても二人で食べきれる量ではなかった。
「ご自分のものはくださらないのに、僕のものは持って行くつもりですか」
「むっ……さっきは要らんと言っただろう」
「だって菓子を目の前にされたルナス様の顔を見たら、『いる』なんて言える雰囲気じゃありませんよ」
「仕方ないな、なら私が貰った菓子を分けてやるから……」
「申し訳ありません、殿下。残念ながら僕は生まれてこの方バレンタインデーのチョコレートを貰ったことがない」
「なんだと?」
「伊達に大虚けだのバカ王子だの言われていません」
「一国の王子だぞ? 一粒くらい貰うだろう」
「まあ、以前はパリエルがくれましたが……」
「あ……すまない」
「いえ。ルナス様が謝ることでは……」
 幼馴染みの近衛騎士は、もうマヒロの側にはいない。だから今年はルナスから指摘されるまでバレンタインデーという行事自体頭から綺麗さっぱり消えていた。
367バレンタイン 4:2011/02/14(月) 22:27:25 ID:POYVVB+N
「義理なんですからね、義理!」と言いながらも毎年チョコレートをくれた彼女。パリエルだけがマヒロにチョコレートをくれた女の子だった。
「エーデルワイスからは貰わなかったのか?」
 マヒロに近しい者で今もミスマルカに残る女性はエーデルワイスしかいない。ルナスが挙げた女性の名前に、マヒロは思わず吹き出してしまった。
「殿下はエーデルワイスがこういったことに関わるように見えますか?」
「あー……うん、すまない」
 あの“氷の女”がこんなイベント事に浮き足立つはずがない。
 仕える国が滅びかけようとも、こちらに裏切りを告げる際にも動じなかった女なのだ。
 それに、とマヒロは思う。
 エーデルワイスは、マヒロにとって母であり、姉であり――裏切られた今でもその気持ちは変わらない――とにかくそういった対象ではなかった。
 仮に彼女からチョコレートや菓子を貰ったとしても、世間でいうところの「母親から貰ったチョコレートはノーカウント」だ。
 今まではこの国の文化で考えてきたから、エーデルワイスから貰えたら、としか考えたことがなかった。
 しかしエーデルワイスも元はグランマーセナル帝国の出身だ。いくらマヒロが生まれる前からミスマルカにいたとはいえ、女性が男性にチョコレートを渡すというのは異国の文化に違いない。
 そうなると――
「帝国では男性が女性に花や菓子を贈るというのは一般的なんですね?」
「性別も贈るものも特にこれと言った決まりはない。ようは誰かに感謝する日だからな」
「本を読むだけでは他の国のことは分かりませんね。勉強になりました」
 マヒロの謝辞にルナスはきょとんと目を丸くした。
 今までの勝ち気な表情が一転し、戦姫の表情が綻ぶ。それは年の離れた弟を見る姉のような眼差しだった。
「少し目に輝きが戻ったな。面白いことを思い付いたのなら私も混ぜろ」
 眼差しとは違い、ルナスの声音はいたずらっ子のそれだった。
 テーブルに肘をつき、身を乗り出してマヒロの顔を覗き込んでくる。
 このお姫様は基本的にじっとしているのが苦手なのだ。そうでなければ大剣を掲げ、鎧というドレスを身に纏い、敵陣に嬉々として突っ込むはずがない。
「面白いというほどのことでは――ただ、ルナス様がこうしてミスマルカ式のバレンタインをしたのですから、僕は帝国式のバレンタインをしようかな、と思っただけです」
「なんだ、ではお前も花か」
368バレンタイン 5:2011/02/14(月) 22:29:47 ID:POYVVB+N
 つまらない、と口にしないまでもルナスの顔は不満を浮かべていた。
 苦笑を誤魔化すように紅茶を一口。菓子作りなどやったことがないから、ルナスには城下で評判のケーキで我慢してもらうことにしよう。
「ルナス様、ケーキはお好きですか?」
「ん? ああ、苺が載っているやつなんかが好きだな。他は上が寂しくて見ていて物足りん」
「分かりました。では明日のお茶会は僕が準備します。メイドたちが美味しいと言っているケーキ屋がありますので」
「よし、明日だな」
 ルナスが立ち上がった勢いで椅子がひっくり返った。控えのメイドはしずしずと椅子を元に戻している。
 爛々と輝く青い瞳が真っ直ぐにマヒロを見つめた。今の今まで彼女の瞳の色など知らなかった。
「は、はい。明日、必ず」
「明日か、ふふっ」
 メイドが元に戻した椅子に腰掛け、ルナスは子供のような無邪気な笑みを浮かべた。
 駆け引きや知略が一切ない会話など久々だった。
 常ならば血管に冷水が流れているのではと思うほど頭は冷えきっている。それが軋む音一つ立てずに回転を始めた。



 ノックすらしていないのに既に足が震える。ドア越しに“氷の女”の冷気が伝わってくるかのようだった。
 気持ちを落ち着けようと深呼吸。手にした花の凛とした香りが一瞬でマヒロの胸を満たした。
「エーデルワイス、入るよ」
 ノックの後、一言告げてドアノブを回した。
 思えば彼女の部屋を訪ねるのは今日が初めてだ。
「これは殿下……何かありましたか?」
 迎えたエーデルワイスは見慣れたメイド服姿だった。ヘッドドレスも外していない。
 どうやら就寝直前にお邪魔した訳ではないらしい。ひとまず胸を撫で下ろした。
 ふと、一切揺らがない瞳がマヒロの胸元に向けられた。
 その視線に気付き、マヒロはちょっと慌てた。
 特にこれといった言葉も用意して来なかった。
 己の中には言葉が満ち溢れていると思っていたし、いざとなれば口から勝手にするすると紡がれるものだろうと思っていた。
「ええっと、昼にルナス殿下から帝国のバレンタインの話を聞いて、ルナス殿下は僕にミスマルカ式のバレンタインをしてくれたから、僕は帝国式のバレンタインをしようと思って」
「ならばわたくしではなくルナス殿下に、ではありませんか?」
369バレンタイン 6:2011/02/14(月) 22:30:38 ID:POYVVB+N
「けどっ! この花は君の花だ、エーデルワイス」
 マヒロが手にした花束――白く愛らしい花、エーデルワイス。目の前にいる彼女の名と同じ花だ。
「帝国では、お世話になっている人に花やカードを贈るんだろう? 僕は毎年、バレンタインは君からのチョコレートを待っていたけど――ルナス様の話を聞いていたらこういうやり方もあるんだと思って」
「――殿下はわたくしからの贈り物などノーカウントに含めるのだと思っておりました。わたくしからのチョコレートを毎年期待しておられたのですか?」
「いや、えっと……確かにノーカウントはノーカウントだけど、実際貰うノーカウントと貰わないノーカウントには大きな差があってだね」
 貰えないものだと分かっていても、心のどこでは期待していたのだ。
 マヒロにとってエーデルワイスは特別な存在だった。母であり、姉であり、教師であり――何より憧れだったのだから。
「受け取ってくれるかな」
 照れ臭くて上手く笑えた気がしなかった。
 彼女に目に見える形で感謝を示したことはない。気恥ずかしさが上回って、この花束を押し付けて部屋を飛び出したくなった。
「ありがとうございます、殿下」
 マヒロが差し出した可憐な花束をエーデルワイスは一礼して受け取った。
 その途端に胸に得体の知れない熱が込み上げる。まるで一世一代のプロポーズを成し遂げた気分だ。
 氷の女の瞳が白く愛らしい花々に向けられる。普段ならば草木が凍えるほどの冷たさを有するその瞳が、ほんの少しばかり溶けたのをマヒロは見逃さなかった。





370名無しさん@ピンキー:2011/02/14(月) 22:32:13 ID:POYVVB+N
以上です
やっぱり5分割には収まらなかったorz
371名無しさん@ピンキー:2011/02/17(木) 01:26:25 ID:NwtaZUk3
エロパロじゃないけどグッドジョブ!
面白かったよ。
エロくないとレスつかんね〜w
372名無しさん@ピンキー:2011/02/18(金) 08:36:03 ID:clRgNvJI
GJ!
本編の中の日常を垣間見たようだ
373名無しさん@ピンキー:2011/02/20(日) 07:29:09.63 ID:OaaYEBRn
エーデルワイスを攻略とか難易度ヤバい
374ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 02:50:43 ID:5ULGKRBG
 せっかく続きが出来たのに、書き込めない〜〜!!(というのも書き込めないのだろうが・・・)
375ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 02:55:54 ID:5ULGKRBG
 あれ? 書き込めた・・・。今のは何だったんだ? 冒険の書???
 まあ、いいか。 続きを投稿する〜。



 白衣(びゃくえ)に緋袴のいつもの巫女装束ではなく、珍しく洋服を着た名護屋河睡蓮が、駅前に来ていた。
 今日はヒデオと“でーと”なのだ。待ち合わせ場所に急いでいると(本日の睡蓮は自宅の日。
彼女は基本的に名護屋河の自宅に住んでおり、時々ヒデオのアパートに泊まる)、
長谷部の愚息を見かけた。隣に女性(にょしょう)を連れている。

「姉上?」
 姉の鈴蘭のような気がしたのだが、睡蓮が家を出るとき姉は家に居た。
 それに何か、姉ではないような気もした。
 しかし、ヒデオとの約束の時間が迫っている。

『待ちましたか? ヒデオ』
『いや、今、来たところだ』
『それは重畳、さ、行きますよ』
 という“でーと”の重要な儀式を行わねばならないのだ。翔希と姉に似た女性の事は気になったものの、
ヒデオとの“でーと”の方が優先順位が高いので、取り敢えず、その事は保留にする睡蓮だった。


「睡蓮?」
 巫女服を着てなかったからすぐには分からなかったが、今のは鈴蘭の妹の睡蓮だった。
だが、こちらに気づかなかったのか、そのまま駅の方へと向かっている。
 翔希は隣にメカ鈴蘭のゼフィを連れている。やっかいなのに見つからずに済んで助かった。
 ほっと胸をなでおろす翔希だった。


 映画・食事・ショッピングとデートの黄金パターンを恙(つつが)無く満喫した睡蓮は、満足して帰宅した。
今日は“でーと”の日なのでヒデオのアパートには泊まらないのだ。
376ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 02:58:26 ID:5ULGKRBG
「ただいま戻りました」
 居間に入ると、姉の鈴蘭がソファーの上に転がっている。
「姉上、お行儀が悪うございます」
「お姉ちゃんは、一人無聊を託(かこ)ってるのに、妹はラブラブデートですか」
「なっ!」 睡蓮は目を丸くした。
「何? そこ、驚くリアクションと違う」 嫌みを言ったのに驚かれても困る。
「姉上の口から、『無聊を託つ』などという難しい言葉が出て来るとは!」
「驚くトコ、そこかい!」 妹の天然っぷりに思わずつっこみを入れてしまう鈴蘭。
「あ、いえ。しかし姉上も長谷部翔希と“でーと”だったのではないのですか?」
「長谷部先輩と? 私が? でも、まだ私と先輩はそういう関係じゃないし、私の方から誘うのも恥ずかしいし、ごにょごにょ」
 とか呟(つぶや)きながら、ソファーをゴロゴロ転がり、当然のようにドテッと床に落ちる鈴蘭。

「今朝、長谷部翔希と一緒に歩いておられる姉上をお見掛け致しましたが、あれはやはり姉上ではなかったのですね?」
「やはりというと?」
「いえ、どことなく姉上らしくなかったのですが・・・」
 ヒデオとのデート優先の為、確認しなかったとは言えない。
「もしや・・・」

「2人目の妹が!」「本当の姉上が!」 2人同時に思いついた事を叫ぶ。

「おかーさーん、睡蓮の他に私に姉妹って居る〜?」 鈴蘭が台所の方に向かって尋ねると、
「いませんよ〜」 と母すみれの声が帰って来る。

「ちっ、名護屋河三姉妹計画が・・・ところで、睡蓮、本当の姉上って何?」
「いえ・・・」 言葉を濁す睡蓮。

 実は睡蓮の脳裏で、

 泉に姉を落としたら、
『お前が落としたのは良い鈴蘭と普通の鈴蘭のどちらですか?』
 と泉の精霊(配役:マリアクレセル)から訊(き)かれて、正直に普通の鈴蘭と答えたら、
良い鈴蘭と普通の鈴蘭の両方を貰えた。

 などという愚にも付かないストーリーが一瞬で展開したのだが、そのような事は目の前の普通の鈴蘭には言えない。
377ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 03:00:55 ID:5ULGKRBG
「しかし、長谷部の愚息の隣に居たのが姉上ではないとすると・・・」
「まさか、長谷部先輩が浮気を!?」
 付き合ってもいない内から浮気も何もないものだが。
「浮気は男の甲斐性と言うではありませんか」
「じゃあ、睡蓮はヒデオ君が浮気しても平気でいられる?」
「ヒデオが浮気などするはずがありません」
 きっぱりと言い切る睡蓮。その自信たっぷりな様子が小憎らしい。
「言い切ったな。じゃあ、お姉ちゃんが誘ってみようかなあ?」 鈴蘭が小悪魔的な微笑を浮かべる。
「ふっ。無駄な事を。姉上如き胸無しがいくらヒデオを誘惑しようとも、堕ちるヒデオではありませぬ」
「ほお、言い切ったな。しかもさりげなく酷い事を言ってないか、妹?」
「とは申せ、姉上に似た女性が気になりますね」 さりげなく話題を変えようとする睡蓮だが、
「ひょっとして、その女性って、睡蓮なんじゃないの?」
「な、何を愚かな事を!」
「睡蓮なら、私そっくりだから、それで先輩を・・・」
「なぜ私が長谷部の愚息如きを相手にせねばならないのです!」
「ヒデオ君に続いて、先輩までも・・・おい、妹、実はお前、男なら手当たり次第の尻軽女だろ!」
「誰が尻軽女ですか! 自分がモテないのを僻(ひが)んで実の妹を愚弄するとは!
 そもそも長谷部の愚息が姉上に似た女性と歩いていたのを見たのは私なのですよ!」
「第一発見者が犯人ってパターン、多いよね?」
 駄目だ、この姉は。嫉妬と猜疑心でおかしくなっている。
「というか、その時間、私はヒデオと“でーと”の最中だったのです!」
「・・・」
 姉の瞳が微妙に紅く染まっている。鈴蘭が魔王の力を放棄してから5年。ただ人に戻ったのだが、名護屋河の力とは魂の力。
修練を積み魂を磨くことによって、姉の力は戻りつつある。
 往時の威力はないだろうが、睡蓮のみる所、プチ魔王レベルには達している。
 このままでは、ご町内を壊滅させるレベルの姉妹喧嘩が始まりかねない。
 睡蓮は目を三角にしてる姉は無視して、らくらくフォンMkVを取り出し、
ワンタッチダイヤル3のボタンを押した。ヒデオの携帯への直通ボタンだ。
ちなみに1は自宅で2は鈴蘭の携帯である。
378ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 03:03:09 ID:5ULGKRBG

「もしもし、ヒデオですか?」
『・・・』
「いえ、ヒデオにかけたのです」
『・・・』
 電話の向こうでヒデオが何か言ったらしいが、元々ヒデオは小声なので鈴蘭には全く聞こえない。
「ええ? いえ、そのことは良いのです。お前に頼みがあります、電子のカミをこちらに寄越して欲しいのです」
『・・・』
「別に秘密ではありませんが、詳細は後からウィル子にお尋ねなさい」

 ピッ。睡蓮が電話を切る。
 鈴蘭は、『なぜこの2人はカップルとして成立しているのだろうか?』と不思議に思った。傍から見てると主従(もちろん睡蓮が主)に見えてならない。
379ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 03:07:18 ID:5ULGKRBG

 そして待つ事なく、テーブルに置いた睡蓮の携帯の画面から、ウィル子が出て来る。何度見てもイリュージョンだ。
「マスターから言われたから来てやったですが、神をいきなり呼び出すとは、何なのですか! みこみこ睡蓮」
 取り合えず、呼び付けられて激しく怒っているらしい。そんな様子を意に介さず、睡蓮が用件を切り出す。唯我独尊な妹だが、ある意味、大物だと鈴蘭は思った。
「お前に頼みがあるのです。今朝、駅前辺りを長谷部翔希が歩いていたのです」
「それがどうしたのですか!」
 ウィル子は、まだ怒っている。
「隣に姉上に似た女性が居たのです」
「鈴蘭じゃないのですか?」
 ウィル子が怪訝な表情をする。
「その時間、私は家に一人寂しく・・・睡蓮はヒデオ君とデートだったのに・・・」 滂沱の涙を浮かべる鈴蘭。
 その様子に、ちょっと引くウィル子。
「電子の神である、お前様ならば、何か調べる事ができるのではないですか?」
「なるほど、それでウィル子を呼んだのですか。そうですね、駅前周辺の防犯カメラの動画データにアクセスして、翔希を探せば良いのですよ。
ちょうどCIAが対テロリスト用に開発した顔認識エンジンがあるから、テストを兼ねてやってみるのですよ」
 CIAとはまた穏やかじゃない単語が出て来たが、コンピューターの世界の神であるウィル子にとって電脳世界に不可能はない。
「この家にはパソコンとプリンターは・・・2階にあるのですね」
「それ、私のパソコン!」
 電子の神の前にはセキュリティなぞ、あって無きの如し。他人に見られたらまずいファイルが・・・。
380ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 03:11:46 ID:5ULGKRBG
 2階の鈴蘭の部屋に移動する名護屋河姉妹。明かりを点けると、勝手に鈴蘭のパソコンが起動しており、
『Will.CO21は、お仕事中です。しばらくお待ち下さい』
 と表示され、デフォルメされたウィル子のグラフィックがスクリーンセイバーのように画面のあちこちで鋸(のこぎり)で切ったり、
金槌で釘を打ったり、鉋(かんな)で削ったりしている。
「何の仕事をしているかー!」 とツッコミを入れたくなるのだが、入れたら負けなので、我慢して待ってると、ほどなくして、プリンターが・・・。
「あ、紙を入れなくちゃ」
 鈴蘭が用紙を入れ、リセットボタンを押すと、防犯カメラからキャプチャーしたらしい写真が次々とプリンターから吐き出される。
 仲良く並んで歩いている2人。ショッピング中の2人。大きな荷物を抱えた翔希。ラブラブデート中だ。
 そして正面から写った写真を見ると、確かに翔希と鈴蘭だった。

「これ、私? でも私じゃないよ???」 本人が言うのだから間違いない。
「確かに姉上にそっくりですが、胸が・・・」 本人を前にして言うのを憚(はばか)られたが、鈴蘭よりかなり大きかった。
「・・・」 鈴蘭も気づいた。
「にひひ、こういうのもあったですよ」 画面の中のウィル子が言い、
 プリンターからキスしてる最中のヒデオと睡蓮の写真が・・・。
「炎獄ッ!」
 プリンターごと焼き尽くされた。
「ふう、危ない所でした!」 これが監視社会の恐ろしい所だ。
「家の中で技を使うんじゃないっ! 火事になるだろっ!」
 スパーンっと鈴蘭に叩(はた)かれる睡蓮。

「しかし、これは誰だ? 私の長谷部先輩を!」 ちなみに鈴蘭の長谷部翔希ではない。
「直接、長谷部翔希に訊けば良いではありませんか?」
 と言って、鈴蘭の携帯を差し出す睡蓮。
「いや、だって、ほら、ねえ?」 歯切れ悪く答える鈴蘭。どうやら電話したくないらしい。

「あっ!」 画面の中のウィル子が何かに気づいたらしい声を上げる。
「どうしたのです?」
「ちょっと確認して来るのですよ」
 そう言って画面から消えるウィル子。

 しばらくして画面に戻って来ると、
「この件はトップシークレットなので、ウィル子は手を引くのですよ。では、さらば。なのです〜」
 言うだけ言って、逃げるように去るウィル子。

「姉上、“とっぷしーくれっと”とは?」
「最高機密の事だけど・・・」
「何か秘密があるのでしょうか?」
「うーん・・・」

 分かったのは、胸の大きい鈴蘭のそっくりさんが長谷部翔希とデートしていたという事だけだ。しかも、そのそっくりさんは睡蓮ではないらしい。
そして、その件は電子の世界のトップシークレットであるらしい。全てが謎のまま、翌日以降に持ち越された。
381ひきにぱの兵隊。:2011/02/25(金) 03:14:48 ID:5ULGKRBG
「睡蓮やウィル子まで登場したのに、何でヒデオが出ないのよ!」
「ちゃんと、デートと電話のシーンで」
「登場してない! これじゃ、面白くないわ。契約違反よ、引き籠もってないで、次回は出るのよ!」」
「いや、しかし、次回は修羅場になりそうな・・・」
「だから面白いんじゃないの」
「・・・(逃げよう)」

 むー。何だ? 書き込めたり書き込めなかったり。調子が悪いなあ・・・。
 では、また次回〜。
382名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 11:49:17 ID:UoXxr6nv
gj
褒美に宮内庁に突っ込んで睡蓮に告白する権利をやろう
383名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 12:55:31 ID:Ur9F0A+4

何故かこのヒデオからはベットヤクザな匂いがw
384名無しさん@ピンキー:2011/02/25(金) 17:01:05 ID:EO/xtbcZ
もっとくれ!
385名無しさん@ピンキー:2011/03/02(水) 07:48:15.78 ID:KdbGe99p
保管庫の更新って管理者しかできないのかしら?

まぁ、制限なくてもやり方が判らんから
ウィル子……なんとか、できない……のだろうか?
386名無しさん@ピンキー:2011/03/03(木) 20:12:37.82 ID:eS2ehHte
いいえそれはただのコンピュータウィルスです
387ひきにぱの発電:2011/03/14(月) 02:48:36.30 ID:Ksd3jHFM
 同じころ、長谷部家。
 ゼフィ用の衣服一式を揃えた翔希の財布は軽かった。20億のメイドロボを貰ったのに貧乏になるとは・・・。バイトでもするかな?
 だが、これでゼフィはメイド服以外の服も着れるから一人で買い物に行けるし、下着も翔希の好みに合わせたので・・・いや! 違う! ロボットなので自分の好みというものを持たないゼフィは、一々、これで良いかと翔希に尋ねて来るのだ。
 その結果、全ての衣服が下着まで含めて翔希の好みになっただけで、白やピンクが良いとか、縁にフリルがついていた方がかわいいとか、レースの模様がどうとか、断じてそんな事は!

 ちなみに今は家なので、ゼフィはメイド服を着て夕食の準備中である。

 ゼフィの料理の腕前がプロ級なのは昨晩分かっているので、今日は任せている。翔希も今で姉と祖父と一緒にちゃぶ台を囲んで待っている。
「何か、ゼフィちゃんの様子、変わってないかい?」 姉の翔香が首を傾(かし)げる。
「そうか?」
「やりおるのぉ、翔希。さすがぁワシの孫じゃあ」 轟希が快哉をあげ、
「・・・翔希、あんた、まさか!」 翔香が白い目でみる。
「ご、誤解だ。姉ちゃん! 俺はまだ何も!」
「まだ、って何だい。まだって!」 ゴッゴッと弟の頭を小突く翔香。「ロボットを脱がせて欲情しただけじゃ飽き足らず、アンタ、まさか!」
「いや、だから!」

「ご飯が出来ましたよ」 ゼフィが料理を運んで来る。
「どれ?」 轟希が電光の速さでゼフィのお尻を触った。
「きゃ!」 ゼフィは短い悲鳴を上げると、翔希の後ろに隠れた。
「ようした! 翔希!」
 ゼフィの反応は、昨晩と明らかに違う。昨日は触られてもニコニコとしてただけだったのに、今回は恥じらっている。
「翔希・・・」 姉が白い目で見てる。
「ゼフィのプログラムが進歩してるだけで、俺は何も!」
「あんたはロボットに何を学習させてるんだい!」
「そりゃあ、夜の勉強に決まっとるじゃろが」
「そんなわけ無いだろ!」

 長谷部家の食卓は、今日も賑やかだった。
388ひきにぱの発電:2011/03/14(月) 02:49:22.63 ID:Ksd3jHFM


 夕食後、後片付けを終えたゼフィが居間に入って来る。足取りが覚束無く何やらフラフラしているようだ。そしてパタッと倒れた。
「ゼフィ!」
 翔希が慌てて駆け寄り助け起こす。見た目に反して重かった。忘れがちだが、ゼフィはロボットなのだ。
「申し訳有りません、翔希さん。電圧が低下して・・・駆動系のバランサーが・・・メモリーの保全を最優先に・・・システム待機状態へ・・・」
 ゼフィが気を失った。
「ゼフィ、ゼフィ!」 
 翔希は狼狽していたが、姉の翔香は冷静だった。携帯電話を取り出すと貴瀬をコールする。

『翔香か、どうした?』
「ゼフィちゃんが倒れたんだけど」
『壊したのか!』 電話の向こうで伊織貴瀬の声色が変わる。
「いや、電圧がどうとか言って気絶したよーに見えたけど」
『ああ、それはバッテリー切れだな』
「・・・アンタの事だから、充電器は別売で100万とか言い出すんじゃないだろうね?」
 翔香の声が殺気を帯びる。
『なるほど、それは思いつかなかったな。早速ネコ耳型ソーラー充電器の開発をドクターに・・・』
「それはいいから、どうすりゃいいんだい?」
『ああ、ゼフィランサスは試作機なので高性能な発電器を内蔵しているのだ。ちょっと翔希に代わってくれ』

 怪訝に思いながらも翔香が携帯を差し出す。
「あんたに代われってさ」
「伊織、俺だ」
『ゼフィランサスの充電方法だが、そいつの胸をエロ勇者の青い欲望のままに揉んで揉んで揉みしだけ!』
「は?」
『ゼフィランサスの胸が大きいのは伊達じゃないぞ。高性能の圧電素子の集合体なのだ。だから胸を揉めば発電される』
 確かに握ると充電される非常用の懐中電灯があるが・・・。
「何でそんな機能を付けたんだ?」
『馬鹿者! 女性の胸は赤ん坊にお乳を与える為にあるのだ! 男が揉むためにあるんじゃない!』
 正論である。
「いや、だったら」
『ロボットは授乳しないからな。だからロボットの胸は揉まれる為にあるのだ! よって揉むエネルギーを無駄にしない為にその場所を発電装置としたのだ』
「・・・」
 悪の組織の考える事は分からん。だが、正しいような気もする。
『ちなみに下の方もだな・・・』
 続きは聞かずとも分かったので姉に携帯を返す。

「で、何だって?」
「ゼフィの胸は発電器になってるから揉めば充電されるらしい」
 電話の向こうでは翔香が聞いてるとも知らず、伊織が延々と説明を続けているらしい。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」

「貴瀬?」
『おお? 何だ、翔香?』
「殺ス」
 ピッ。と電話を切る翔香。

「仕方がないから揉んであげなよ」
「お、俺が?」
「女同士で胸を揉んでどうするんだい」
「いや、ゼフィは女じゃなくてロボットだし」
「ほなら、ワシが・・・」
 言いかけた轟希は、翔香のドスの利いた一睨みで黙る。
389ひきにぱの発電:2011/03/14(月) 02:50:14.57 ID:Ksd3jHFM


 ゼフィの身体を引きずって(電源の落ちたロボットボディは重い)、翔希は自室に戻った。
 柱にもたせ掛けたゼフィの身体を見て、ごくりと唾を飲み込む。

「これはゼフィを助ける為なんだ」 自分に言い聞かせるように呟き、ゼフィのブラウスのボタンをプチプチと外す。
 そしてブラジャーを・・・脱がせ方が分からなかったので、カップを下にズラすと、戒(いまし)めを解かれゼフィのたわわに実った果実がポロンとこぼれた。
「くっ!」 純情勇者は、それだけで鼻血を吹いて倒れそうになる。何という攻撃力!

 だが、ここからが本番なのだ。ゼフィの身体を後ろから抱き抱えるようにすると、意を決して両手でゼフィの胸を掴んだ。

 むにゅっ。

 柔らかい。とても柔らかい。指が自然と沈み込む感じだ。本物の女性の胸に触った事はないが、あのドクターが作ったのだから、本物同様であるに違いない。

“こっ、これがっ! これがおっぱい!” その柔らかさに驚愕する翔希。そして新しい世界が開けた。

 ぱららっぱっぱっぱー♪
 勇者はレベルアップした。

 手の平で下から支えると結構なボリュームがある。掴むと手の中に収まりきれない。翔希が指を動かす度に、ゼフィの乳房は応えるように形を変える。指に吸い付くような滑らかな肌。
 漢(おとこ)の本能のおもむくまま、無心にゼフィの胸を揉んだ。揉んで揉みしだいた。
「これは発電、何らやましい事じゃないんだ。発電、発電」
 発電という大義名分を得た事で、気絶した女の子の胸を揉んでいるという罪悪感を薄れさせる翔希。


「あ・・・」 ゼフィが気づいた。どうやら起動電圧に達したらしい。
「ゼフィ、これはっ」
 焦る翔希。ブラウスの胸をはだけさせ、ブラをズラし、両手はまだ彼女の胸を掴んだままだ。どう言いわけしようもない。
「翔希さんが充電して下さったのですね?」
「いや、その、そうなんだが・・・」
 よかった、ゼフィが知ってて。心の底で少し伊織に感謝した。
「ありがとうございます。でもまだ動けないので、続けていただけないでしょうか?」
 頼まれてしまった。そう、これは人助けなのだ。心の免罪符を得た翔希は、再びゼフィの胸を弄(まさう)る。
「あっ・・・」 ゼフィが小さな吐息を漏らした。ビクっとする翔希。
「すいません。こういうのがお好きかと思いましたので」
 そういえば、そういうゲームをインストールしたのだった。
「いや、別にゼフィが感じてないんだったら、そういうお芝居をする必要はないんだが」
「あふっ、胸部には特に高感度の接触センサーがありますから・・・翔希さんの指は・・・感じてます」
 それは、『感じる』が違う。会話中もゼフィの胸を揉んでいるのだが、ゼフィは喘(あえ)ぎながらも翔希と会話している。
「翔希さんの為に、こうしたいと思うのは・・・あ・・・間違ってるのでしょうか?」
「それは間違いじゃないな」 誰かの為に何かをしてあげたい。というのは愛だ。ゼフィは愛を感じ始めてる!?
「翔希さんは・・・こういうのは・・・はぁん・・・お嫌いですか?」
「いや、無反応よりは反応があった方がいいんだが・・・」
 だが、しかし、それだと発電がっ!

「あ・・・もっと力を入れても大丈夫です」
「そ、そうか?」
 ゼフィの言葉に、翔希は、少しだけ指に力を込める。
「あっ」 ゼフィが色っぽい吐息を漏らす。
 恋愛経験値の低い勇者には、それだけでもドキドキものだ。
390ひきにぱの発電:2011/03/14(月) 02:50:59.31 ID:Ksd3jHFM


「あの、翔希さん。そろそろお辛(つら)くないですか?」
 むぎゅむぎゅと、かれこれ10分以上は揉んでるか。だがゼフィの柔らかな胸では鍛えられた勇者の握力は落ちはしない。
「いや、大丈夫だが? 充電が完了したのなら、止めるが・・・」
「いえ、その・・・」 ゼフィが頬を赤く染める。
 その様子に翔希も気づいた。自分の体の一部が自己主張を始めている。
「こ、これは、その、ええと・・・」
「胸部よりも下腹部の方が発電効率が高いですし・・・」
 伊織の理論によれば、赤ん坊を生まないロボットに生殖器は必要ないのである。
 やはり、本物そっくりにつくられたソコも、ピストン運動を電気に変える発電機であるらしい。馬鹿馬鹿しいような現実的なような。


 そう! これは発電! ゼフィの為! 断じてエロくはないのだ!
「発電、なんだよな」
「・・・です」
 寂しそうに答えるとゼフィが翔希から離れて立ち上がり、エプロンドレスのスカートの中に手を入れて、もそもそとショーツを下に降ろして行く。今日、翔希が買ったピンクのフリル付きだ。
 そして壁に身を凭(もた)せ掛け、スカートをめくりあげて足を開く。

 足を広げた事により、薄い恥毛の下の陰裂が開き、翔希を迎えている。

 昨夜とは様相の違う女性器に翔希の目が釘付けになる。昨夜ならば既に鼻血を吹いて気絶しているのだろうが、翔希もレベルアップしているので、この程度で気絶したりはしない。というか、これからが本番なのだ。

「あの、翔希さん・・・凄く恥ずかしいです・・・」
「ああ、済まない。それじゃ、えと」
 自分もベルトをガチャガチャと外す。慌てているのでうまく行かない。見かねたゼフィが手伝ってくれる。
「ゼフィ・・・いいのか?」
「発電・・・です。でも・・・翔希さんを、お慕い致しております」
 泣きそうな表情でそう言うゼフィ。その顔に鈴蘭とみーこさんの顔が重なって見えた。
 そう。これは発電なのである。だが、男女の愛の行為を模したものだ。そしてゼフィは“愛”を感じ始めている。
 翔希は黙ってゼフィに唇を重ねた。
「んっ・・・翔希さん? 唇に発電能力は・・・」
「確かに発電だけど、俺はゼフィとこうしたいんだ」
 そう言うと、再び唇を重ね、そのままゼフィの身体を引き寄せて、一気にゼフィの中に突き進む。
「ああっ!」 ゼフィが歓喜の悲鳴を上げる。

 もう発電とかどうでも良かった。翔希は古来よりの雄の本能に任せて、ゼフィを求めた。ゼフィもそれに応えるべくタイミングを合わせる。

「ゼフィ、ゼフィっ」
「あ・・・翔希さん、激し・・・サージが、回路が壊れ・・・あああっ」
 翔希の激しい発電行為により、瞬間的に電位がコンデンサの許容値を超える。サージ電流が脳幹部の防壁を飛び越え、電子頭脳にまで到達する。
 プログラム格納領域にノイズが走るが、同時にゼフィはそれを快感として感じていた。

 翔希の発電行為はどんどん早まり、ゼフィの電子頭脳はノイズエラーを処理できず、思考が白く染まって行く。

「ゼフィ!」
「翔希さんっ!」
 2人が同時に叫び、2人とも頭の中が真っ白になる。そして力無く崩折れた。

 翌朝、勇者は短時間の急激なレベルアップによって最大HPが上がりまくり、現在のHPがレッドゾーンに達した為、ドクターの病院へと運ばれたのだった。
 ちなみにゼフィも精密メンテナンスを受け、そのプログラムの進歩具合はウィル子を驚かせたのだそうな。

(続く!  ・・・かなあ)
391ひきにぱの発電:2011/03/14(月) 02:51:36.32 ID:Ksd3jHFM
「何でヒデオが出ないのよ! 今回は出るって言ったでしょ!」
「このエロいシーンのどこに出ろと!」
「発電シーンなの。別にエロくないの」

 前回の名護屋河姉妹のシーンはエロ分が足りないと思ったので、今回、充電してみました。発電ですよ? エロくないですよ?
392名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 00:58:48.90 ID:CB8T4fZE
大義名分・・・便利な言葉だw
393名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 13:46:57.77 ID:+QaGULDi
さて、そろそろ鈴蘭さんにばれる頃かw
394名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 14:19:51.12 ID:kMtTrPcU
乙でした
これは仕方ない。もっと犯るんだ
395@wiki:2011/03/17(木) 14:59:32.26 ID:MupYYrBW
長らく放置していました申し訳ない。
ここまで保管しました。

>>385
一部ページを除いて基本的に可能です。
396名無しさん@ピンキー:2011/03/25(金) 09:02:15.01 ID:IQgXQG8q
目からホ〜〜〜シュ☆
397名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 11:18:04.20 ID:gCQl8H/u
エルシア最高
398名無しさん@ピンキー:2011/04/02(土) 21:17:17.05 ID:ham0X2/w
レイセン新刊よかったぜ・・・。
エルシアマジエルシア。
399名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 00:25:16.17 ID:YaoAVqio
新刊のリピートアフタミーと本スレ>>672-673の世界派生から妄想した。

 全てを焼く様な極光の中
 川村ヒデオは再びその身を世界に奉げようとしている

「面白くない・・・」
 闇の端末である少女は言った。
「面白くない!!」
 彼女は言う。
「呼びなさいよ!こんなときのための契約でしょ!!」
 少女の契約者たる少年―――川村ヒデオを呼び止める
「命じなさい!
 ほら! 全開放、闇よ来たれりっ
 これであんたは救われるのよ!?」
 いつの頃か、戯れでこの言葉を教えたこともあった。
 だが彼はついにただの一度もその力を振るうことはなかった。
 
 彼は止まらない、大切なものを守る為に

「そんなの面白くないわよ!
 呼んで!本体を呼びなさいよぉ!ヒデオぉ!!」
 
 まるであの時のウィル子みたいだな、とヒデオは思う

「大丈夫、もう君は1人じゃない
 それに、これが。僕の望んだ結末だ」
 いつも無表情の彼は不器用に、少しだけ微笑んだ

「いやよ!ヒデオ!!待って!!!」
 ノアレがヒデオに手を伸ばすが
「くっ!」
 その強い光が手を焼く
「どうして!どうしてなのよぉ!!」
 彼女のその叫びに答えるものはいなかった。

その日、川村ヒデオは愛するものたちのために身を奉げた。

何この痛いの・・・奉げる相手は適当に精霊界の最上位の光の精霊とかで(ry

お目汚し失礼しましたー
400名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 18:07:31.51 ID:5xzzC4P6
>>399
マリアクレセルが横からぶん殴りに来るぞw
401名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 18:17:54.69 ID:R68POcKA
ウィル子は海では英雄のパンツを脱がすのにガクブルだったがもしあの夜何事もなかったら
一人でこっそり英雄の元にいって興奮して震えた手で下はどうなってるのか確認しに行ったのではないだろうか
402名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 19:07:18.27 ID:MJlS8wjK
俺の電子の神がこんなに変態なわけがない
403名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 23:47:36.51 ID:sLi59eQb
エルシアの旦那様発言に妄想を禁じ得ない
404名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 23:48:49.92 ID:AIHu5o2x
早くその妄想を文章にするんだ!
405名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 00:08:16.19 ID:IC1XMm+A
ヒデオっていつ性処理しているんだ?
ウィル子に出会ってから今まで、ほとんど一人だけの状態がないし
今回でマリアクレセルにまで見られてると発覚。エロゲやりながら我慢してるとしたらもはや仙人の域だろ

と、ここまで書いて閃いた!!
ヒデオに性欲が無いのは彼が寝ているうちにウィル子やノアレ、さらにはマリアクレセルとかが勝手に処理していたんだよ!!
ウィル子は興味から顔を真っ赤にして。ノアレは遊びでニヤニヤしながら。マリアクレセルは暴走(いろいろな)を防ぐため使命から無表情に淡々とさ!
うん、理解した
406名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 00:14:53.37 ID:QpbR1RAq
>>405
早くその妄想を(ry
と書き込もうとしたところで自分も書きかけのSSがあったことを思い出した。
いい加減続き書くわ…
407名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 08:39:34.40 ID:rFDkDQW+
無表情な女子高生に夜な夜な手こきされてるとか俺得
408名無しさん@ピンキー:2011/04/06(水) 05:02:57.42 ID:94PhhV2+
エルシアがかわいくていきるのがつらい
409名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 00:45:56.46 ID:iQ5/UTye
ヒデオが冗談でエルシアにエロい事お願いしたら本気にされて押し倒される場面が見たい
お願いだからやめてと言っても今度は聞く耳持たずほぼ逆レイプ状態
その様子をウィル子、ノアレ、マリアクレセル等に視姦され精神までも犯され泣き崩れるヒデオが見たい
410名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 10:57:35.87 ID:2yM1IhiP
そして逆ギレして返り討ちに使用として返り討ちにあうヒデオ
411名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 00:26:46.00 ID:Zr/FLttF
各キャラの下着想像したらよく解らなくなった
睡蓮は巫女の時どうしてるのとか。リッポーさんはあの成りにあったものつけてるのか、とか
412名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 01:53:27.08 ID:wsKWKLZo
和服に下着はつけない

つまりそういうことだ
413アルテリア:2011/04/12(火) 02:09:24.07 ID:w5ELiLtX
我らが総帥は黒か白かはたまた縞か、それが問題だ。
414名無しさん@ピンキー:2011/04/12(火) 18:01:27.52 ID:M5e/x5hQ
>>412
腰巻きや肌襦袢は下着だから、下着は当然付けてるとマジレス。
え、パンツ?
そこは純粋培養みたいな娘だから(略



何故か睡蓮祖母に気に入られて婿に来いと言われたヒデオを、姉妹が互いに押し付け合う姿を想像した。
415名無しさん@ピンキー:2011/04/15(金) 13:01:45.95 ID:VjdfpsWO
奪い合われないのがヒデオらしいな
416メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:06:00.47 ID:pFXNRtCK
 続きが出来たので投稿する〜。


 睡蓮は曲がった事が嫌いな性格だ。黒は黒、白は白とはっきりしなければ気が済まないタイプである。

 昨日の長谷部翔希と姉に似た女性は、いかにも不審だった。
 手掛かりは有る。昨夜、何かに気づいたらしき電子のカミが“とっぷしーくれっと”などと言い残して消えた。なれば、精霊使いであるヒデオを問い詰めれば、答えは自(おの)ずと明らかになるはずだ。
 我ながら、惚れ惚れするほど論理的思考である。

「姉上、ヒデオに尋ねれば、件(くだん)の怪しき女性(にょしょう)の正体も明らかになりましょう。心丈夫にして吉報をお待ち下さいませ」
 隣の運転席でハンドルを握る鈴蘭に向かって力強く頷いて見せる睡蓮だが、
「本当は先輩とデートしてたのを、ヒデオ君とデートした様に見せかける為の口裏合わせを・・・」
 ブツブツと何かに憑かれたように呟(つぶや)く姉から、どんよりと黒いオーラが。
 嫉妬は心を蝕(むしば)むフォースの暗黒面。このままでは姉が普通の鈴蘭から悪い鈴蘭に堕ちてしまう! 

「姉上は、血を分けた実の妹が信じられぬのですか?」
 瞳を潤ませ、うるうると下から鈴蘭を見上げる睡蓮。

「か・・・」 かわいいっ! 思わず抱き締めたくなるぐらい可愛らしい。このままお持ち帰りしたいっ! 抱いて寝たいっ!
 はっ! いやマテ。睡蓮は妹で同じ家で暮らしてるから、チャンスはいつでも・・・って何を考えてる私っ! 睡蓮は妹だぞ、妹! それに私には、そっちの気(け)はない・・・いや、ないったらない!
 鈴蘭の内心の狼狽と葛藤を現したかのように、車が蛇行する。

「姉上、安全運転で願います」
「え、ああ、うん」
 睡蓮がいつもの睡蓮に戻った。それにつられて鈴蘭も元に戻る。

 危ない、実の妹に手を出す所だった。
 それにしても、睡蓮がこんなにも可愛かったとは!

“なるほどー。睡蓮はこうやってヒデオ君を落としたのか〜。メモメモ”

 心の中のメモ帳に書き付ける鈴蘭。何と言っても姉妹。睡蓮と自分は似ているのだ。
この目付きの悪い睡蓮が使っても、この破壊力。妹よりもかわいい自分が使えば効果絶大間違いなし!
“くくくっ。貰いましたよ、長谷部先輩” 心の中で黒い笑みを浮かべる鈴蘭。


 どうやら『捨てられた子犬の目』作戦が功を奏したようだ。母から教わった、心の清らかな乙女のみが使える名護屋河の必殺技である。
 嫉妬という邪心に満ちた姉の心が元に戻った。まだちょっと黒い気がしないでもなかったが、標的が自分から逸れたのならば、それで善し。

 そうこうしている内に、姉の運転する車が霞ヶ関に着いた。千代田区に位置する官庁街で、睡蓮の所属する神霊班のおふぃすは、その官庁街の外れにある。
417メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:08:11.71 ID:pFXNRtCK
 続きが出来たので投稿する〜。


 睡蓮は曲がった事が嫌いな性格だ。黒は黒、白は白とはっきりしなければ気が済まないタイプである。

 昨日の長谷部翔希と姉に似た女性は、いかにも不審だった。
 手掛かりは有る。昨夜、何かに気づいたらしき電子のカミが“とっぷしーくれっと”などと言い残して消えた。なれば、精霊使いであるヒデオを問い詰めれば、答えは自(おの)ずと明らかになるはずだ。
 我ながら、惚れ惚れするほど論理的思考である。

「姉上、ヒデオに尋ねれば、件(くだん)の怪しき女性(にょしょう)の正体も明らかになりましょう。心丈夫にして吉報をお待ち下さいませ」
 隣の運転席でハンドルを握る鈴蘭に向かって力強く頷いて見せる睡蓮だが、
「本当は先輩とデートしてたのを、ヒデオ君とデートした様に見せかける為の口裏合わせを・・・」
 ブツブツと何かに憑かれたように呟(つぶや)く姉から、どんよりと黒いオーラが。
 嫉妬は心を蝕(むしば)むフォースの暗黒面。このままでは姉が普通の鈴蘭から悪い鈴蘭に堕ちてしまう! 

「姉上は、血を分けた実の妹が信じられぬのですか?」
 瞳を潤ませ、うるうると下から鈴蘭を見上げる睡蓮。

「か・・・」 かわいいっ! 思わず抱き締めたくなるぐらい可愛らしい。このままお持ち帰りしたいっ! 抱いて寝たいっ!
 はっ! いやマテ。睡蓮は妹で同じ家で暮らしてるから、チャンスはいつでも・・・って何を考えてる私っ! 睡蓮は妹だぞ、妹! それに私には、そっちの気(け)はない・・・いや、ないったらない!
 鈴蘭の内心の狼狽と葛藤を現したかのように、車が蛇行する。

「姉上、安全運転で願います」
「え、ああ、うん」
 睡蓮がいつもの睡蓮に戻った。それにつられて鈴蘭も元に戻る。

 危ない、実の妹に手を出す所だった。
 それにしても、睡蓮がこんなにも可愛かったとは!

“なるほどー。睡蓮はこうやってヒデオ君を落としたのか〜。メモメモ”

 心の中のメモ帳に書き付ける鈴蘭。何と言っても姉妹。睡蓮と自分は似ているのだ。
この目付きの悪い睡蓮が使っても、この破壊力。妹よりもかわいい自分が使えば効果絶大間違いなし!
“くくくっ。貰いましたよ、長谷部先輩” 心の中で黒い笑みを浮かべる鈴蘭。


 どうやら『捨てられた子犬の目』作戦が功を奏したようだ。母から教わった、心の清らかな乙女のみが使える名護屋河の必殺技である。
 嫉妬という邪心に満ちた姉の心が元に戻った。まだちょっと黒い気がしないでもなかったが、標的が自分から逸れたのならば、それで善し。

 そうこうしている内に、姉の運転する車が霞ヶ関に着いた。千代田区に位置する官庁街で、睡蓮の所属する神霊班のおふぃすは、その官庁街の外れにある。
418メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:09:15.36 ID:pFXNRtCK

「おはようございます」
 おふぉすのドアを開け、礼儀正しく一礼。睡蓮はいつも通りの出勤時間なのだが、今日は珍しく那田局長や長谷部副長、ヒデオも出勤している。
「おはよう」
「睡蓮ちゃん、おはよー」
「おはよう、ございます」
 三者三様の挨拶が返って来る。

 ヒデオの対面に位置する自分の“ですく”に着いて、目の前で“ぱそこん”に向かっているヒデオに呼びかけた。
「ヒデオ」
「は」 短く答えるヒデオ。
 ヒデオは警戒した。もしや何か昨日のデートで気に入らぬ事があって、それを今から言われるのだろうか? 局長や副長の前で! 何をそんな羞恥プレイ。
 いや、睡蓮ならばやりかねない!
 ここは一つ制止を掛けて、
「勤務時間中、なので、昨日の事は昼休みにでも・・・」
「昨日は実に有意義な時間を過ごせました。それはともかく“とっぷしーくれっと”とは何なのです?」

「!!」
 違った! 昨日のデートの件ではなかった!
 では、まさか天井裏のエロゲが見つかったのか! あの一件以降、対睡蓮装備としてウィル子経由でエリーゼに作ってもらったミスリル銀製のスーツケースに厳重に保管してある上に、ありがたいお札で目張りまでしてあるものを!
 この巫女の超感覚は、破邪の聖銀(ミスリル)すら透過するのか!!
 神殺しの当代、おそるべし! である。

「最高機密、の英語です」 努めて平静を装って答える。

 だが、睡蓮の目は誤魔化されなかった。ヒデオは、いつも通りの無表情だが、明らかに動揺している。何より語尾が敬語なのがその証拠!
“ここは一気に畳み掛けます!”
「昨夜、うぃる子から聞いたはずです」 睡蓮が凄む。

 ウィル子? エロゲの件じゃないのか? 何の事だか分からないが、助かった!
「昨夜は、ウィル子は戻らなかったので・・・」
 実際、電子ウイルスから電子の神に昇格したウィル子は、もうヒデオの部屋のパソコンには住んでない。

「・・・」 ヒデオから真相を聞き出すという睡蓮の計画はいきなり暗礁に乗り上げた。
“このままでは、嫉妬に狂った姉上が、また悪い姉上に・・・” 完全なとばっちりなのだが、姉には彼氏がいないので気持ちは分かる。

「そうです、ヒデオ。お前は召喚師ではありませんか。うぃる子を呼び出して事情を訊くのです」
 今朝の睡蓮は冴えている。
「・・・・」 ヒデオは無言で携帯電話を取り出すと、ウィル子を呼び出すべく・・・。
「どこの世界に携帯電話で精霊を呼び出す召喚師がいるのですか!」
 思わずぐーで突っ込みを入れてしまう睡蓮。
「ぐはっ!」 ヒデオが給湯室まで吹っ飛ばされる。
「印を結んだり、祝詞(のりと)を唱えたり、魔方陣を描いたりするものでしょう!」

「ウィル子ちゃんは電子の精霊だから、かねえ?」
 翔香がため息をつく。いつものことではあるのだが、毎回吹っ飛ばされるヒデオも気の毒である。
 あ、よろよろと起き上がって来た。睡蓮が本気でないのも確かだが、ヒデオも割とタフである。

「・・・・」 気を取り直して携帯を開くヒデオ。
『にほほ。ウィル子は今、電源が入っていないか、電波の届かない所に居るので通話できないのですよ〜』
 と自動応答があった・・・携帯電話会社の自動応答システムを書き換えたのだろうか? というか、電源が入ってないって、何? システムダウンでもしてるのか、電子の神!
「ウィル子は今、電波の届かない所に居るらしく・・・」

 使えない召喚師である。さすがヒデオ。だが、これで本格的に計画は暗礁に乗り上げてしまった。
419メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:11:28.73 ID:pFXNRtCK

 凄い形相で睡蓮が睨んでいる(※実は固まってるだけ)。
 そう言えば、昨夜、睡蓮から電話があって、ウィル子が名護屋河家に行ったのだった。帰って来なかったので忘れてたが。
 もしや、ウィル子が何か悪さを? 元が超愉快型極悪ウイルスなので何か睡蓮を怒らせるような事をしたのだろうか?
 いや! 睡蓮はトップシークレットとは何か? と訊いて来たのだ。
 もしや睡蓮のパソコンや携帯から・・・いや、それだとトップシークレットとは何か? とは訊かない。いくら睡蓮でも自分のパソコンの大事なファイルぐらい把握してるだろう。
 だとすると考えられるのは、姉の鈴蘭のパソコンか何かからトップシークレットな情報を抜いたのか? それで睡蓮は姉の弱みを握ろうとしている?
 それならば自分もウィル子から、鈴蘭のトップシークレットとやらを聞き出しておけば、イザというときに・・・・初代聖魔王にして、魔殺商会の影の総帥兼メイド長である鈴蘭のトップシークレットって、知るだけで不幸になるような気がする。
 いや、それよりも、そもそも・・・。
「そもそも、何でウィル子を呼んだんだ?」 基本的な事を忘れていた。

「そういえば、失念しておりました。
 昨日、長谷部翔希と姉上に似た女性が歩いているのを見かけたのです」

「そりゃあ、ゼフィちゃんじゃないかねえ」 と副長の長谷部翔香が話に混ざって来る。
「ぜふぃ? 異人のようには見えませんでしたが・・・」

「副長、試作1号機のゼフィランサスですか?」
「ヒデオ、お前は何か知っているのですか?」
「ウィル子ちゃんが設計してたかじゃない。ここで」
「霞ヶ関のサーバーは、大きいらしいので・・・」

「ヒデオ?」 睡蓮が先を促す。
「ゼフィランサスは魔殺商会で、開発中のメカ鈴蘭の試作1号機だ」
「メカ鈴蘭・・・それで姉上そっくりだったのですか。しかし、何ゆえ姉上なのです?」
「メイドだから?」 と首を傾げる翔香。メイドは伊織貴瀬の趣味である。
「僕は、総帥が作らせたものかと・・・」
「何の為に、姉上がそのような悪しき物を作らねばならないのです!」
 昔の姉は、そのメカ鈴蘭とやらを作ろうとする伊織やどくたーを殴ってた。
「たとえば、アリバイ工作とか・・・」
「おお!」 ヒデオの言葉に、ポンと手を打って翔香が納得する。
「睡蓮が見間違えるのならば、警察ぐらい誤魔化せる」
「姉上が悪人みたいではないですか!」
 いえ、悪の組織の総帥ですが。
「貴瀬は、アラブの王様に売るような事を言ってたけどねえ・・・」
「それならば、モデルが鈴蘭である必要がないような・・・もっとグラマーな美人をモデルにした方が売れるのではないかと」
「確かにそうだねえ」
 何というか、鈴蘭も酷い言われようである。
420メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:12:41.40 ID:pFXNRtCK

「で、そのメカ姉上が、何故(なにゆえ)、長谷部先輩の弟君と一緒に歩いていたのですか?」
「貴瀬から頼まれて、ウチの翔希がモニターしてるよ。昨日はデートしてたみたいだね」
「機械と逢い引きするなぞ、先輩の弟君は、それでも日本男児ですか」
「でもゼフィちゃん、人間と変わらないし。とてもロボットとは思えないね、あたしも。
 ヒデオ君もメカ睡蓮ちゃんを作ってもらったらどうだい?」
「な・・・長谷部先輩、何をおっしゃるのですか!」
 姉の鈴蘭が怒っていたのも分かる。もし自分そっくりの偽物が作られて、その偽物にヒデオが心惹かれたら・・・即座に偽物を破壊する!
「いえ、苦しみが2倍になりそうなので、慎んで遠慮します」
 即答するヒデオ。その解答は睡蓮にとって面白くはない。別に照れ隠しというわけでもなさそうだし。
「お前は私の事を、何と心得ているのです!」
「さっき、殴られたばかりですが・・・」
「あれは先輩としての当然の指導です!」
「それに・・・」
「それに何です!」
「僕には、本物の睡蓮がいるので・・・」
「・・・」
 ヒデオの言葉が頭に染み渡る数秒の時を経て、
 ぼふっ、と頭から湯気の出る勢いで睡蓮が赤面する。
「お、お前は何を当たり前の事を言っているのです」
「だからメカ睡蓮に心を動かされる事はないかと・・・」
「そ、そのような恥ずかしい事を人前で、お前は!」

「分かったから、そういうのは家でやりたまえ」
 さすがに局長から怒られた。


 数分後、ちょっと“おふぃす”から抜け出ると、睡蓮はらくらくフォンMkVの1のボタンを押した。

 鈴蘭の携帯が鳴る。掛けて来た相手は、妹の睡蓮だ。
「睡蓮?」
『姉上、昨日、長谷部翔希と歩いていた姉上の偽物の正体が分かりました。めか姉上です』
「メカ姉上・・・って何?」
『伊織貴瀬とどくたーが作ったメカ姉上です』
 妹の睡蓮がメカ姉上と呼んでいるということは、ひょっとすると、量産型メカ鈴蘭計画! まだ諦めてなかったのか、あの2人は!
『昨日は、長谷部翔希とメカ姉上はデートしていたと、長谷部先輩(=翔香)がおっしゃってました』
 本物の私でさえ、長谷部先輩(=翔希)とのデートがまだなのに・・・。

 ゴゴゴッと鈴蘭の背後から黒いオーラが立ちのぼる。

 睡蓮との通話を終えると、魔殺商会総帥の直属部隊に電話を入れる。
「魔殺商会、武装メイド部隊は、フル装備で集合! 性懲りもなくメカ鈴蘭を作ってるご主人様とドクターに膺懲の鉄槌を!」

 総帥の命を受け、クラリカ以下の魔殺商会特務2課、通称、武装メイド部隊が喜々として銃火器の準備を始めた。伊織貴瀬とドクター、ついでに長谷部翔希の運命や如何に?

(つづく・・・・。と思う)
421メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:14:18.52 ID:pFXNRtCK
「ついにヒデオも本編進出ね☆」
「出たいっすー。あたしも本編に出たいっすー」
「クラリカさんは、次回辺り出番がありそうじゃないですか。
 本官なんか、本編で名前も出ないのに」
「そういえば、闇の精霊のノアレさんは、本編に出てないんじゃないっすか?」
「はっ、そういえば、私が出るのを忘れてたわ!」

 レベルが足りないので連投できないらしい・・・。レベルアップするにはどうすれば良いのだろう?
422メカひきにぱ:2011/04/16(土) 00:19:38.83 ID:pFXNRtCK
 しかも何か、二重投稿になってるし〜。戻ったら駄目だったのだろうか?
423 忍法帖【Lv=32,xxxPT】 :2011/04/16(土) 01:12:36.64 ID:qeHqeQJi
書き込みでクッキー作成Lv1
その24時間ぐらい後に書き込むとレベルアップ
最後のレベルアップから24時間ぐらい後に書き込むとレベルアップ
レベルは名前欄に !ninja で確認できる
クッキーは全板共通だが2chとpinkは別々
詳しくは忍法帖でググレ
424名無しさん@ピンキー:2011/04/16(土) 05:21:59.23 ID:tTkkuqai
投下乙でした
恋とはここまで人を素直にするとは⁉
ヒデオと睡蓮の関係に砂糖吐いちまったぜ
425名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 13:01:58.21 ID:zYYOQ6us
GJ
しかしさすがヒデオオフィスでノロケるとは
つか特務2課のくだりでパトレイバーが頭に浮かんだ
426 忍法帖【Lv=39,xxxPT】 :2011/04/17(日) 13:33:52.15 ID:nGp2jK3D
てs
427日曜日の昼に(前):2011/04/18(月) 19:26:20.91 ID:XJdpHaEN
日曜の昼。太陽は燦燦と輝き、さわやかな風が吹く。
そんな絶好の外出日和、ヒデオはエロゲをやっていた。
金曜の夜から完撤である。
眼は血走り眼光は鋭く、ノアレをしてどん引きするほどの邪悪さを見せていた。
「……」
"ねぇ……そろそろ止めたほうがいいんじゃないかしら?"
"エロゲのやり過ぎで死なれたらビックガンマグナムどころじゃない恥なんだけど"
確かに限界だ。意識が朦朧としている。
一度抜いて眠ることにしよう。
回想をクリックして、マグナムを用意。おもむろに自慰をはじめた。
"ちょっと……目の前で躊躇いなく始めないでよ"
フハ、フハハハハハハハハハハ
確かに未熟な頃は禁欲に苦しんだ。羞恥に震えた時もあった。
しかし悟った。覚醒した。僕は神だ!。
もはや恐れることは何も無い。むしろ興奮するというものだ。
ヒデオは手の速度を早めていく。
"徹夜で頭がおかしくなってるー!"
おっとマリアレクセルも見ているはずだ。
くくく、ゴスロリと女子高生に視姦されながらイける男がどれほどいようか!
まさしく勝ち組。ヒキコモリの頂点。
これこそ大ヒキニパ神の恩恵である!
"ちがう!ちがうわ!そんな神様にしないで!"
射撃用意…!ヒデオロケッツ発……

ピンポーン

「…………………………」
"目が覚めた?"
「ああ……」
"何か言うことは?"
「申し訳ない…」
428日曜日の昼に(後):2011/04/18(月) 19:27:56.45 ID:XJdpHaEN
いそいそとトランクスを履いてドアを開ける。
「こんにちは、旦那様」
「………」
黒い外套をまとった少女がそこにいた。涼やかな髪色に反して表情は柔らかいものだった。
「なぜここに」
「従僕が主のもとにいることは当然のことです」
「…なるほど」
ドアを開け招き入れる。
論理に納得したわけではない。
未だ慣れぬ姿に動転して、つい許してしまったのだ。
エルシアの後ろ姿を見ながら、さてどうしたものかと考えるヒデオ。
そこでふと思い至る。モニターの電源を落としていないことに。
止めなければ。いや、もう遅い。エルシアの視線はモニターに向いている。
「こんなもので何をなさっていたのでしょうか?」
考えろ。考えるんだ。起死回生の一手を。
と思考に沈んでいるうちにエルシアに押し押されていた。
「…なに…を?」
「ふふ、お任せください旦那様」
"きゃー!きゃー!卒業しちゃう!?カメラを用意したほうがいいかしら!?"
すみません。助けてくれませんか。
"いやよ。そんなことしたら面白くないじゃない"
せめて黙っていてください。
"善処するわ"
エルシアを見ると虚空を睨んでいた。
「無粋ね。321ページ」
「いやっ…ごめんないおねえ…むぐっ……むーっ!」
引き摺り出されたノアレは縄でぐるぐる巻となり床に転がっていった。
「お待たせしました」
エルシアの顔が眼前にあった。視線が混じり合う。
互いの瞳は引き合い、もはや逸らすことは出来なかった。
白く冷ややかな腕が蛇のように纏わりつき、もう片方の腕が男根へと伸びた。
しなやかで淫靡な感触。ヒデオは快感に表情を歪ませた。
布越しに尖る胸の先端。絡み合う吐息。今の喘ぎは一体どちらのものか。
氷のようだった身体がヒデオの熱に混じり溶かされ高め合う。
いつしかヒデオはエルシアを強く抱きしめていた。
その間もほうしは献身的に続けられていた。
快感に理性は崩れ行き、限界を感じて声を漏らした。
「エ、ル……シア…!」
柔らかい手のひらに包まれて爆発。果てた。
同時にヒデオは気を失う。連日の疲れが祟ったのだろう。
エルシアは頬に口付けをして一言。
「良い熱でしたわ、旦那様」
手を一甜めして、去っていった。

end
429名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 12:03:56.60 ID:gGWIOz7j
エルシアかわいいよエルシア
そして投下乙です

次は本番(ry
430名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 10:49:47.83 ID:nUmaszYl
乙です
手コキだけというのがまた等しいと思えるのも高貴な存在だからだろうか
431名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 12:49:55.90 ID:Rcs5E2Ge
GJ!!
震災の影響でこの前やっと新刊読めたからすごいタイムリーだった
エルシア様かわいいよエルシア様
432名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 11:56:48.22 ID:PdGa1DQb
エロにかける熱なら俺たちでもエルシア様に気に入られると思うんだ
433名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 12:47:55.13 ID:fu4HzPOg
ただ池ならぬ高貴なが先頭につく人だから
434名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 13:39:36.37 ID:X/SfLQlH
高貴なエロさが必要ってことだな!
435名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 15:49:56.96 ID:N15/ETAG
「それで、どこを、どうしたいのかしら。旦那様」
エルシアが冷たい瞳でヒデオを射抜く。彼女の眩しいまでの太ももが眼前にあるという事実に、ごくりと唾を飲み込んだ。
「旦那様の命ずるままに、スカートをたくしあげましたわ。さあ旦那様、次にわたくしはどうすればいいのでしょう」
エルシアのブラウスはボタンひとつ外されておらず、彼女はただスカートをたくしあげているのみ。露出らしい露出は脚しかない。
たくしあげられた黒のロングスカートの裾から、ちらちらと純白のショーツが見え隠れしている。スカートは小さく上下に揺れ動いて、その度に純白の輝きは隠れて現れてを繰り返していた。
この薄布の向こう側には、ヒデオが三次元で拝んだことのない秘境が待っている。そう思うと耐えきれなくなって、魔法で拘束されているのもすっかり忘れて手を伸ばそうとした。
結果拘束がヒデオの手をその場に留め、その願いが叶うことはなかった。ヒデオの様子を見て小さくエルシアが笑みをこぼした。羞恥のあまりヒデオの顔がさっと赤くなる。
「旦那様、おっしゃっていただければわたくしがすべてします。さあ、どうすればいいですか?」
「……パンツを。パンツを脱いでいただきた……ッ!!」
ヒデオの言葉が途中で途切れた。両手を拘束する光の輪がみちみちと食い込んでくる。
優しく語りかける口調とは裏腹に、エルシアの表情はサディスティックな笑みを浮かべていた。
「旦那様、『ぱんつ』などと俗な言葉では高貴なわたくしにはよく分かりませんわ」



高貴なエロってどんなんだと思って書きなぐったら、ただの言葉攻めになりそうになった。
出先だからエルシアの一人称確認できなかった……
436名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 01:22:12.30 ID:L6GCFmsn
>>427
今さらながらGJでした 素晴らしいです
ちなみにタイポかとも思いますが、マリアクレセルです念のため^^

>>435
続きが気になる...

そういえばマリアクレセルといえば、ばいまじで原発の中で戦ってたなぁ
別にだからどうしたという訳ではないんですがなんとなく
437名無しさん@ピンキー:2011/05/02(月) 12:00:14.23 ID:JTIKzr3I
鈴蘭ハァハァ
438名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 03:22:07.00 ID:ugCNEaHE
今更だけど総帥ってマリーチがランディルを暴走させなけりゃ人生終わってたよな
439名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 10:15:25.22 ID:vN9P95Uq
まあソープか温泉街行きは覚悟していたようだけどな。
440名無しさん@ピンキー:2011/05/10(火) 14:28:28.47 ID:LsJ2P4nM
落ち込んでる総帥って可愛いよね
441名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 11:56:02.91 ID:nqh8Y07C
それはギャップ萌えなのかおとなしくしてればかわいいなのか
442名無しさん@ピンキー:2011/05/17(火) 22:30:51.10 ID:9Btn4C36
総帥じゃなかった頃の総帥は可愛かったと思うよ不幸属性とか
443名無しさん@ピンキー:2011/05/19(木) 10:37:13.05 ID:FnL4Imil
今の総帥もそれはそれで…
444名無しさん@ピンキー:2011/05/20(金) 01:05:11.71 ID:q4bFG9Mk
いじられている総帥も可愛い
445名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 03:23:03.58 ID:j1YPbnzE
何故総帥のエロが無い……
446名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 10:14:17.94 ID:7l8zk4Bt
総帥だから
447名無しさん@ピンキー:2011/05/28(土) 22:19:31.19 ID:d50xlvif
この流れだから思い切っていっちゃう

俺、今だに総師と貴瀬の組み合わせが好きなんだ
448名無しさん@ピンキー:2011/05/29(日) 01:00:13.77 ID:PAhfqDmP
>>447
俺もだ
両方が牽引役でニトロでもあるっていう関係がツボ過ぎる

そしてお互いがマスター兼パートナーなヒデオとウィル子も大好きだ
449名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 06:19:51.49 ID:FE+xKSxA
>>448
同士よ…!
ヒデオとウィル子もいいよな!
あなたとはいい酒が飲めそうだ
450名無しさん@ピンキー:2011/05/30(月) 23:16:20.45 ID:odw31Vo3
>>449
ロケットダイブでお互いに銃口突きつけながら言い合うところとかマジ最高


そういえば、エルシアがいればノアレを拘束できるから、ノアレに見られないようにしてあれやこれやできそうだよね
451名無しさん@ピンキー:2011/05/31(火) 20:41:54.00 ID:hIWMPODu
>>448
あのシーンいいよな!
頭の中でなんの問題もなく再生されたよ
452名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 03:18:58.66 ID:g31QsnsD
先生、総帥のエロが読みたいです
453名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 10:28:36.04 ID:cLzjCoB3
総帥のエロか…
ダンジョンソロで潜ってて油断して触手に武器取られちゃうとか位しか思い付かない…

なぜなら総帥だから
454名無しさん@ピンキー:2011/06/05(日) 17:17:10.72 ID:FOvjrgxe
むしろ触手で(笑)を襲いそう
455名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 00:58:26.44 ID:itGTdbX4
マーラーさまにハメ倒されてれば良いんでね?
456名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 22:53:45.65 ID:nNRemj76
マスラヲのAAすくねぇ……
457名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 00:22:20.83 ID:xx1OhG9u
アニメ化されないラノベならやる夫AA録に保管されてるのでも多いほうだよ
458名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/11(土) 02:02:49.27 ID:EHC0uT7D
おりがみの方は皆無ですやん
459ロボひきにぱ:2011/06/12(日) 23:57:59.46 ID:0j2sGCEA
間が空いたので、またレベル1からやり直しですよ。
では、続きが出来たので投稿します〜。

 翔希は夢を見ていた。夢の中でうなされていた。
 手がギリギリで届かないぐらいの所にゼフィが立っている。そのゼフィがバラバラに解体されていく。服を切り裂かれ、四肢を折られ・・・ゼフィが悲鳴を上げるが、その声は翔希には聞こえない。
 あの柔らかかったゼフィの身体が、まるでハンマーで殴られたかのように、ベコベコになっていく。  目に見えない何者かがゼフィを殺(こわ)そうとしている。彼女の瞳から涙が零れた。

『・・・翔希さ・・ん』 彼女の唇は自分を呼んでいた。

 翔希は助けようとするのだが、身に纏わり付く空気がまるで水飴でもあるのように重い。全力を込めても体の動きがノロノロとしていてゼフィの下に近づけない。
 指先に魔力を集中。魔法を放とうとしても体の中から魔力が抜け出たように、魔力が集まらない。
 まるで泥の中を這い進むようにしてゼフィの下に近づいた時、彼女の首が引き千切られ、頭がゴロゴロと転がった。生気を失った瞳がガラス球の様に翔希を見返している。

「うわ、ああああああ!」 翔希は絶叫した。
460ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:00:15.96 ID:LIP5ounW

「あああああ・・・あ?」
 現実の自分も絶叫していた。自分でも夢であると自覚していたので、絶叫の途中だったが、夢から覚めたというのが分かった。
 体に感覚が戻って来る。
 ベッドに寝かされていた。点滴のチューブが左手に伸びている。ここは病院か?

 周囲の光景には見覚えがあった。ガラスのひび割れた薬棚。無造作に並べられている赤錆びたメス類。床や天井には血飛沫が飛んだような赤黒い染み。
 一見、不気味なマッドサイエンティストの研究室っぽい装飾が施されているのだが、その実、最新設備を備えた魔殺商会ドクターのラボ。やっぱりマッドサイエンティストの研究室だ。

“なぜ、ここに?”
 翔希の記憶はゼフィを充電(※あくまで充電である)した所で途切れている。
 何があったのだろうか? 確かめるべく身を起こした翔希の目に信じられない光景が飛び込んで来た。

 作業台の上でゼフィがバラバラになっていた。夢の通りに。魂を失ったガラスの瞳が、こちらを見返している。
 そして解体されたゼフィの四肢の向こうで、極悪電子ウイルスと闇の精霊が邪悪な笑みを浮かべていた(※翔希ビジョン)。
「うわあああああっ!」
 翔希は再び絶叫した。振り上げた指先に光の粒が集まる。
461ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:03:58.83 ID:LIP5ounW
「ライトニング・・・」
 ボカッ。呪文発動直前で、後ろから誰かに頭を殴られた。
「あんたは一体何を考えてるのよっ!」
「エリーゼ?」
 振り返ると翔希の目の前に凶悪な目付きをしたミスリル銀の精霊が浮いていた。どうやらエリーゼから殴られたらしい。
 ゼフィの方を振り向くと、ウィル子はゼフィの身体を盾にするかのように持ち上げて後ろに隠れ、ノアレは机の下に避難している。
「た、助かったのですよ、エリーゼ」 とウィル子。
「寝起き悪すぎね」
 ノアレがため息をついて立ち上がる。勇者専用の光輝系の魔法は、闇に対してクリティカル補正である。ノアレは闇の精霊なのでこの至近距離から光輝系の魔法を叩き込まれたら、さすがにタダでは済まなかった。
462ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:06:18.81 ID:LIP5ounW

「お前達、ゼフィに何をした!」
 右手をウィル子たちの方に向けたまま、翔希が問いただす。返答次第によっては、ぶっ殺すという殺意を込めて。

「試作1号機は修理中なのですよ」
「さすがは勇者様よねぇ」
「壊したのはあんたじゃないのっ!」
 と、三者三様に答えが返って来る。

「俺が・・・ゼフィを?」

「ミスリル合金製の腰部フレームが変形、腰椎シャフトは圧壊! あんたはどんだけ獣(けだもの)なのよ、翔希?」
「電子系も駄目なのですよ。過入力でフリーズしたので、現在、復旧中なのです」
「凄い硬さと強さだわ。ヒデオもそう思うでしょ?」
 と、また三者三様の答えが返って来る。

 ノアレが見やった方を見ると、そこには、いつものように無表情のヒデオが立っていた。

「マスター、今、妬ましいって感じましたね?」 無表情なのだが。
「ヒデオ、黒いオーラが出てるわよ」 無表情なのだが。

「いや、そこまで、凄いのだろうか・・・と」 とヒデオ。
「きっと鍛え方が違うのですよ」 と何も分かってないようなウィル子。
「男の夢よね」 と笑っているノアレ。
「凄くない! これが人間だったら、相手を殺してるわよ!」 と怒ってるエリーゼ。
463ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:10:42.27 ID:LIP5ounW
 えーと、つまり?
 この中で唯一話の通じそうなヒデオの方に視線を向ける翔希。

 ヒデオの説明によると、昨夜の充電行為中(※くどいようだが充電である!)または終了後に翔希は急激なレベルアップに耐え切れず、HPがレッドゾーンに達してダウン。
 試作1号機ゼフィランサスも、翔希の激し過ぎる充電行為に耐え切れず、損壊、活動を停止。ミスリル合金製のメインフレームが歪んだので現在、解体修理中。
 朝になって起きて来ない2人に気づいた翔香が、ここまで1人と1台を車で運んで来たのだ。ちなみに翔香はそのまま出勤した。
ヒデオは三大精霊から呼び出されてここに居る。今日は神霊班は休んだ。ズル休みなので後で睡蓮が恐い。

“よりによって、姉ちゃんに!” 翔香にとんでもない弱みを握られた事になる。

「つまり、馬車の中のトルネコ・・・」
 分かりやすい例えである。馬車の中のトルネコはHPの小まめな回復なぞ必要ない。んで、外で勇者たちが、はぐれメタルでも倒したらレベルが急激に上がり、最大HPも一気に上がる。
しかしトルネコの現在HPは、低いままなので、HPが赤色になるのである。
464ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:13:03.83 ID:LIP5ounW

「ちなみにぃぃ、HPとはぁぁぁ! Hなポイントの略なのさぁ!」 と、どこからともなく現れたドクター葉月が翔希を診察しながら絶叫する。
「勇者としてのレベルは高くても、男としてのレベルは低かったみたいね」 ふっ、と鼻で笑うエリーゼ。

 何というか、最悪である。少なくとも、翔香・ドクター・ヒデオ・エリーゼ・ウィル子・ノアレの6人にこの状況を知られてしまった。いや、伊織にも伝わってるだろう。ひょっとしたら、鈴蘭や睡蓮にも!
 真琴にまで伝われば、関東機関に顔出し出来なくなる! というか、家に帰れない!
“あああああ!” 頭の中で頭を抱える翔希。
 何だろう、すぐに首を吊りたくなるヒデオの気持ちが分かってしまった。
465ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:15:21.20 ID:LIP5ounW


「クソガキ、気づいたか!」 ドアを蹴破るようにして、伊織貴瀬が入って来た。
「伊織・・・」
 伊織のあの目は嘲ってる。もう駄目だ。死のう、今すぐ死のう。
「漢(おとこ)が細かい事を気にするな。この程度、みーこに食べられたのに比べればどうという事はない!」
 力強く宣言する伊織貴瀬。『食べられた』というのは文字通り食われたのだろうか、それとも比喩的な意味で実際は逆レイプされたのだろうか?
 コクリと無言で同意するヒデオ。こちらも彼女いない歴20年だ。
466ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:18:16.45 ID:LIP5ounW

「量産型メカ鈴蘭計画が鈴蘭にバレた。鈴蘭が本気になれば、工場が割り出されるのも時間の問題だ。すでに鈴蘭直属の武装メイド隊に招集がかかっている。こちらも直ちに迎撃に向うぞ」

「っていうか、伊織貴瀬、何で翔希をモニターにしたのよ? 鈴蘭にバレるに決まってるじゃない」
「でも、試作1号機は、自己を持ち始めてたのですよ。今、分析してるのですが、感情や人格といったデータやプログラムを超えて自己を確立しつつあるのです。これは凄い事なのですよ! 機械知性体の誕生なのです!!」

 言えない。ヒデオから借りたエロゲを読み込ませただけだとは口が裂けても言えない。

「うむ。俺やドクター、ヒデオがいくら相手をしてもロボットのままだったのだがな。翔香の話だと、わずかの間に随分と人間らしくなったようだ」
「勇者の力って奴?」
「そうとしか思えん」

 言えない。ヒデオから借りたエロゲを読み込ませただけだとは絶対に言えない。
467ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:21:16.72 ID:LIP5ounW

「そういうわけで、復活したのなら、お前も工場の防衛を手伝え、クソガキ」
「俺は・・・」
「ちなみに怒り狂った鈴蘭に工場を破壊されれば、ゼフィランサスの予備パーツが製造出来なくなる。修理不可能になるぞ」
「うぐ・・・」
「このまま行けば、新しい機械知性体を生み出せるのですよ。だから工場を壊されるわけにはいかないのです!」
「ウチとしてもメカ鈴蘭が量産化されれば、フレーム回りは全部ミスリル製だから、大口の顧客になるし、手伝うわよ、伊織貴瀬」

 かくして、メカ鈴蘭工場を守るために翔希も駆り出される事になったのだった。

つづく・・・はず。

468ロボひきにぱ:2011/06/13(月) 00:23:28.57 ID:LIP5ounW
(おまけ)
「マスターも空気になってないで、一緒に戦うのですよ!」
「ヒデオのダークフォースでメイド達を一網打尽にするのよ!」
「僕は、今回、無関係、なのだが・・・」

 どうやら、次辺りで終わりそうな予感。ヒデオが出て来ると主役を奪われるの法則。
 そしてレベル1なので連投出来ない上に、文字数も少ないみたいです。とほほ〜。
469名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 01:23:23.86 ID:BL0GRX1N
>>468
投下乙カレーです
GJ!
470名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/13(月) 02:47:37.76 ID:ZFjr4k41
乙でした
さぁ勇者よ、ここからが本当の地獄だ
続きを楽しみにまってます
471 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/06/16(木) 12:52:12.49 ID:N+Pk6rC6
乙です
ドクターはぶっ飛んでるから色々使えそうだw
472 忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/06/20(月) 12:55:25.95 ID:yo0r8F6D
 マスラヲとレイセンはイラストが同じ人だけど、睡蓮より鈴蘭の方が胸があるような気がする〜。
 5年の間に抜かれたのだろうか?
473名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 02:51:28.97 ID:IVVk0TBx
マリーチ×鈴蘭

敗北ENDとかいいよね!!
474名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 08:21:26.87 ID:tbNGSw1X
>>472
ネクストコナンズヒント
冥土服と巫女装束
475名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/21(火) 10:48:17.84 ID:Pe/b8iS4
つまりはパッ…炎が!炎が!?
476名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 02:33:28.88 ID:8L02XzI2
>>475
無茶しやがって……。

最近思うんだが、処女の女性キャラって何人くらいなんだろうな……
大半が経験済みな気がしてるんだが……。
477名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 07:13:49.87 ID:dKGPwhM6
とりあえず婦警は処女だな
478名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/25(土) 11:33:16.71 ID:fUFQm3QO
総帥はビッチそうでも永遠の処女
479ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:23:43.41 ID:jajL2weG
続いてますよ〜。

 陽が落ち、夜になろうという頃、鈴蘭率いる魔殺商会武装メイド部隊が都内各所から港湾地区に集結していた。エプロンドレスにヘッドドレスというメイド姿なのに銃火器で武装しているというシュールな集団である。

 魔殺商会が保有する物件の中で、メカ鈴蘭の研究開発が行われてると思(おぼ)しき施設は港の倉庫。普段は使ってない屋敷の備品とか、部品取りした自動車の残骸(魔殺商会の一部門であり社長直属の『伊織ワールドトレーディング』は高級車専門の中古車屋である)とか、
ドクターがどこからか入手してきた意味不明のガラクタなどが保管してある場所だ。普段は魔殺商会の社員もあまり寄り付かないので隠蓑(かくれみの)には最適だ。

「ドクターのラボがあるのに、なんで本社じゃないんっすかねえ?」
 外跳ね気味の赤髪のメイドが、ヘッケラー&コッホのMG4軽機関銃を構えながら鈴蘭に訊く。元シスターのクラリカだ。
 彼女の持つ機関銃は、機関部や銃身をミスリル軽合金でリビルドした特製のMG4で、元々軽いMG4が更に軽くなっている。
 同様に鈴蘭の周りには拳銃や手榴弾、果てはバズーカなどを装備した武装メイド達が建物の陰から陰に隠れるようにしながら接近して来る。
「お互い、みーこさんが恐いから・・・かな?」
 本社の建物は過去何回も壊れてるが、さすがに鈴蘭と貴瀬のケンカで破壊したらみーこが怒りそうである。
「なるほどっすね」

 夜まで待ったのは、昼間にドンパチをやらかすわけにはいかないのと、当該地区を完全に封鎖する為だ。警察を使って、この一帯に通じる道路を封鎖している。
鈴蘭直属の武装メイド部隊の中でも特に美女で構成される諜報部隊は、閣僚のオフィスにメイドとして潜り込んでたりするのである。
 人間、弱みの一つや二つは必ずある。特に男ならば・・・。
“弱みを握りさえすれば、あとはククク” 鈴蘭が『悪い鈴蘭』の黒い笑顔で嗤(わら)う。
 邪流伊織の当代である社長の伊織貴瀬には皇室というバックボーンがあるが、会長である鈴蘭は自らの組織力で日本政府を動かせたりするのである。いや、自分でも最近忘れがちだが、神殿教団の聖魔王でもあるので、その気になれば世界をも動かし得る。
480ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:24:49.91 ID:jajL2weG
 手に手にミスリルでリビルド軽量化して女性でも扱いやすくしたアサルトライフルやハンドガン、バズーカ砲などを携えて武装したメイド達が集合して来た。周囲を制圧しながら前進して来たのだが、これまでの所、社長サイドからの抵抗はない。
 目標とする倉庫は、あと2ブロック先だ。

「ご主人様の事だから、この辺りに防衛線を敷いてると思ったんだけど・・・」
 今のところ、現場に人影はない。
「貴瀬なら、水路の向こうで待ち構えてるの」
「リップルラップル!」
 いつの間にか鈴蘭とクラリカの間に青っぽい黒髪の幼女が居た。彼女は魔人なので、空間跳躍ぐらいはお手の物だ。
「あの橋を渡る以外に方法はないの」
 リップルラップルが指さす先には、何の変哲もないコンクリート製の橋がかかっている。欄干はなくガードレールのみなので、川向こうに敵がいるとすれば絶好の的になってしまう。
「さすがはご主人様」
 こちらを一網打尽にする腹か。戦力を分散させずに集中配備。さすがである。
「あたしたちなら大丈夫っすよ。サクッと突撃して蹴散らして来るっすよ」
 確かに橋を渡る間は無防備だ。攻撃される恐れがあるが、耐熱耐冷耐電防弾防刃の五重魔道皮膜が施された一着百万円の特製メイド服の防御力は伊達じゃない。戦車とガチで戦える程なのである。
481ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:26:14.70 ID:jajL2weG

「まあ、待つの」
 リップルラップルがバサッと地図を広げる。東京の港湾部は埋立地の集合体である。地図によれば、確かにここから先の区画へは、あの橋を渡るしかない。
網の目のような水路の至る所に橋がかかっているように見えるが、よく見ると、ここから先の区画へは、あの橋経由でしか行けないのだ。
 つまり目標は水路に囲まれた孤島と化している。だからこそ、いざというとき拠点にする為に魔殺商会が目を付けたのだろう。
「じゃあ、あの橋を・・・」
「渡っては駄目なの」 ふるふると首を横に振るリップルラップル。さっきと言ってる事が違う。
「端じゃなくて真ん中を渡れば良いとか?」
「一休さんじゃないの。渡ると同時に橋が落ちるように細工してあるの」
 なるほど。古典的な罠だ。
「そして落ちた鈴蘭を見て、貴瀬が笑うの。
 『はっはっはっ。お前達の重さに橋も耐え切れなかったとみえる。胸以外が太ったんじゃないか? 鈴蘭』 と」
 無感情な声で物真似するリップルラップル。
「むきー! 胸以外って何だー!!!」 地団駄を踏む鈴蘭。
「あー、あのクサレ社長の言いそうな事っすねえ。それじゃあ、サクッと飛ぶっす」
 水路の幅は5m程度。普通の人間ならば武装したまま、飛び越すのは無理だが、生憎彼女たちは普通じゃない。
「待つの。川には結界があるの」
「結界?」
 魔道スコープをオンにする鈴蘭。

 ・・・が、何も映らない。
482ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:27:19.14 ID:jajL2weG
「何も映らないよ?」
「馬鹿には見えない結界なの」
「・・・ムカつくお子様っすね」
 クラリカがこめかみに青筋を立てながら怒りを堪えている。リップルラップルが初代魔王なのを知ってるので手を出したりはしないが、どうやら彼女に遊ばれているようだ。
「向こう岸には、全身タイツ部隊が最新鋭の装備で待ち構えてるの。ニコンにキャノンにハッセルブラッドなの。ちなみにミノルタはソニーに買収されたの」
「リップルラップル、それ銃の会社の名前じゃないよ?」
 カメラメーカーである。
「キャノンは大砲なの」
「いや、それ、絶対違うから」
483ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:29:08.99 ID:jajL2weG

「突入するっす! 天に召しませ☆」
 遊んでいるらしいリップルラップルを無視して、クラリカを先頭に武器を構えて武装メイド隊員の精鋭達が川岸に突進し、一気に川を飛び越そうとガードレールに足を掛けた時に異変が起こった。

「きゃーーーーー」 沸き上がる悲鳴。次々にめくれ上がるスカート。フラッシュの砲列。
「おおーっ!」 どよめく抹殺商会の全身タイツ部隊。

「な、なにごと!?」 鈴蘭の下にも突風が吹き抜け、メイド服のスカートが勝手にめくれ上がろうとするので、必死になって両手で押さえる。

『慢心したな、鈴蘭。確かに魔殺商会特製のメイド服は耐熱耐冷耐電防弾防刃の五重魔道コーティグだが、唯一、防風機能だけはないのだ!』
 川向こう、スポットライトを浴びて、伊織貴瀬がハンドマイクで嗤(わら)っている。

 見ると、向こうの建物の屋上に巨大な業務用のファン(箱型扇風機)が幾つも据え付けてあり、水面目がけて下に風を送っている。水面で反射した風は、こちら側の岸壁を駆け上がり、上昇気流となってクラリカ達のスカートを襲ったのだ。その余波がこっちまで来てる。

 前進部隊は下からの風を受け、はためくスカートを押さえるのに必死だ。そして対岸からは引っ切りなしにフラッシュの閃光が弾けている。おそらくパンチラ写真を撮られまくっているのだろう。
484ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:30:33.13 ID:jajL2weG

「風如き、なめるなあっ!」
 悪鬼の形相と化したクラリカがガードレールに片足を掛けMG4を構えるが、武器を構える為に両手を使えば、スカートを押さえつける手段がなくなり、その結果、上昇気流を受けて、クラリカのスカートが盛大にめくれあがる。
 当然、下着が丸見えの状態になるが、実戦に比べれば何程のものか。カメラのフラッシュがいくら光っても弾が飛んで来るわけじゃない。
 それに見られて恥ずかしいおばさんパンツとかじゃない。武装メイド部隊は招集された時から勝負下着。クラリカのそれは花模様のレースに彩られた艶やかなシルク。

 銃撃でカメラを破壊すれば問題はない。クラリカ様の生下着を直に見た罪深き全身タイツは、後で記憶がなくなるまで殴る。オールオッケーっすよ。

 クラリカがカメラの砲列をなぎ払おうとした刹那、
485ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:31:40.84 ID:jajL2weG

『そこまでだ、イカレ!』
 伊織貴瀬が銀縁メガネのレンズを光らせた。手に何やらコードの伸びたスイッチを持っている。
“自爆装置っすか? ここら辺り一体を吹っ飛ばすとか” 伊織ならば、やりそうである。

 だが、伊織の隣に電子の精霊ウィル子が居る。
『にほほ。準備は完了しているのですよ。社長がボタンを押したら、クラリカの撮れたてお花畑写真集が全世界の画像・動画サイトに投稿されるのです』
「なっ!?」
 ネットに出回った写真の回収は不可能。銃弾が飛んで来る方がよほどマシである。
『もちろん、目線もモザイクも一切、入れてやらん』 きっぱりと伊織。
『名前とかスリーサイズなんかの個人情報も全部流出させてしまうのです』
『メイドマニアは多いからな。クククッ』
『全世界の男どもから今夜のオカズにされてしまうのですよ。にひひ』
 悪徳社長が邪悪に笑い、極悪電子ウイルスが無邪気笑う。
『ふむ、想像の中で犯される気分はどんなものだろうな?』

 とんでもなく物騒な会話を続ける悪党2人。
「このクサレ社長!」 叫びながらもスカートを押さえる。
『クククっ。今更遅いぞ。イカレ。お前達もだ。一発でも撃ってみろ、お前達の恥ずかしい写真が世界中を駆け巡るぞ』
 クラリカと共に川岸まで進んだ全員がパンチラ写真を撮られている。後退る精鋭メイド部隊。

『そうだな、クラリカの分だけ、フェリオールにでも送ってやるか? 奴も男だ。喜ぶかもしれんぞ』

「や、やめるっす! 卑怯っすよ!」
 スカートを手で押さえつつ、後退するクラリカ達。手が使えないので、本当に手が出ない。
486ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:33:11.44 ID:jajL2weG

「名付けて、風王結界なの!」
 と、のたまうリップルラップル。

「そんな扇風機!」 路肩の木箱から上半身だけ乗り出して、M16をぶっ放す鈴蘭。
 鈴蘭に続けとばかり、そこここからタタタタと射撃音が響く。確かにメイド服には有効な結界だろう。
しかし、所詮は風。銃弾を阻めるものではない。

 だが、
「ミスリルシールド!」
 エリーゼの張ったミスリル銀の薄膜により、全ての銃弾は巨大ファンに届く前に阻まれる。
 更にロケット弾が数発撃ち込まれたが、ミスリルの精霊の防壁は、その程度ではビクともしない。
 そしてファンは下方に風を送り出してるので、正面にシールドを張っても風を遮る事もない。

「鈴蘭さん、何で射つっすかー!」
 涙目で鈴蘭に迫るクラリカ。射ったらは写真をバラまくと脅されたのだ。あの社長ならば本当にやりかねない。
「え、あ、ほら、私、別に恥ずかしい写真撮られてないしー」
 てへ☆ と笑う鈴蘭。
「ひどいっすー」
487ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:34:18.26 ID:jajL2weG


「ふむ。間髪入れずに射って来たか。さすが鈴蘭だな」腕を組んで感心する伊織。
「アンタと同じぐらいの悪党ぶりね」 とエリーゼ。
「というか、貴瀬や、お主がそのように育てたのであろうが?」
 空中で浮いたまま嘆息するみーこ。暇なのでついてきたらしい。
「で、社長、どうしますか? アップロードの準備は出来てますけど」
「無視して射って来たのだぞ。意味はなかろう。それに『あんなの』でもウチの社員だからな」

「これで、膠着状態に陥りました。こちらは『負け』なければ良いのですから」
「しかし、ヒデオもやるわね。こんな手で鈴蘭たちを後退させるなんて」
 伊織の趣味により、防御力の高いメイド服は、全てスカート仕様である。ズボンタイプとかキュロットタイプがあれば、この作戦は成立しなかった。

「エリーゼ」
「分かったわよ。次の手ね」 そう言ってエリーゼが浮かび上がる。全身タイツの何人かが無意識にカメラを向ける。悲しき男の性(さが)だろう。かく言うヒデオも無意識にエリーゼを目で追っていた。
「あんたたち、上見たら死ぬまで殺すわよ!」
 目を三角にしたエリーゼに睨みつけられた。
488ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:35:42.01 ID:jajL2weG


 エリーゼが川の真ん中辺りまで浮いて来た。
「はっ! 全員物陰に隠れて! 魔道防壁最大!」
 聖魔杯決勝戦でエリーゼが見せた無限のミスリル剣の雨を警戒したのだ。

 だが。
「あっ! あたしの銃が〜」
 クラリカのMG4の銃身がサラサラと溶けて水銀のように溶けて流れて地面で丸い銀色のボールになる。
 鈴蘭のM16も同じく、プラスチックの部分を残して金属部分が溶けて無くなる。ガーターベルトに差していたミスリル製の短剣なども革のケースを残して溶解する。
 溶けたミスリル銀のボールは流れて集まって、エリーゼの方に向って行く。
「これがミスリル銀の精霊の力!?」
 女性用にミスリル銀で軽量化武器を使ったのが裏目に出た。全ての銃火器、刃物類を一瞬で全部失ってしまった。
489ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:38:03.62 ID:jajL2weG


「と、いうわけで鈴蘭たちを無力化して来たわよ」
 ストッとヒデオ達の側に降り立つエリーゼ。
「おおーっ、これはマスターのチェーンソーを溶かした時の技なのですよ」
「ミスリル銀の精霊だからね。これぐらいは簡単よ」
 ふっ。っと格好よく髪を掻き上げるエリーゼ。

「ヒデオの策がここまでとはな。敵に回すと恐ろしいが、味方だと頼もしい男だ。さすがは俺が見込んだだけの事はあるぞ!」
 と目を丸くして驚く伊織貴瀬。

 ここまでがヒデオの策略だったのだ。
 工場を守る。でも敵も味方も壮絶なメンツだ。しかも敵は鈴蘭。別に彼女やメイド達に恨みがあるわけでもない。敵にも味方にも全く損害を出さずに攻撃を諦めさせる。その為に知恵を絞ったのだ。

 このまま鈴蘭が退いてくれれば良いのだが、彼女の性格上、それはあり得ない。
 前進を封じ、武器を封じた。ならば次に鈴蘭が打つ手は何か・・・。

(後半戦に続く予定)
490ひきにぱカスタム:2011/06/25(土) 20:40:29.19 ID:jajL2weG
(おまけ)
「ひどいっすー。出番はあったけど、あたしの扱いがひどいっすー。スカートをめくられただけで終わったっすー」
「クラリカバリアーが発動したの。おかげで鈴蘭は無事なの」
「まあまあ、これでクラリカさんはご主人様に弱みを握られたわけだし・・・」
「な、何でそこで黙るっすか!」
「こういう美味しいアイテムは、うまく使うのが悪の花道というか・・・くふふっ」
「きっと写真をネタに強請(ゆす)られて、はぁはぁな事をされてしまうの」
「乙女の貞操の危機っす!!」
「いや、それは無い」
「あ、ご主人様」
「相手はクラリカだぞ。若作りしてるが、幾つになったと、ぐぼぁ!!」
「天に召しませ☆」
 張り付いた様なクラリカの笑顔が恐ろしい鈴蘭達だった。

 そして終わらないとゆー。
 前前回の感想に『つか特務2課のくだりでパトレイバーが頭に浮かんだ』とゆーのがあったので、そこから発展してこーなったとゆー。
あの時点では伊織邸で戦う予定だったので、とーぜん風ネタはなかったのですが、工場のイメージが特車2課棟になった時点でストーリーが変化しました。
 あと、レベルが上がったので1000文字ぐらい投稿出来る量が増えた。
 ・・・作品を書く人は、文字数が必要で連投が必要なのだから、このレベルシステムは逆なんじゃないかと思う私。
491名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/26(日) 10:17:22.38 ID:StUt6Ow5
乙でした
防風はないのはマジで盲点だわ
メイドのスカートをめくらせる事による無力化とは汚い流石、ヒデオ汚いw

そしてちゃっかりヒデオに協力してるエリーゼ社長マジ可愛いな
492名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/27(月) 02:23:21.11 ID:/Ja4VENs
乙―
社長が可愛い、それだけでコレからも生きていける
493名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 22:05:59.09 ID:8/9L0Vey
クオリティ高すぎるだろマジで
494名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/28(火) 22:30:57.68 ID:83X5VGhQ
おくればせながら偉大なるひきにぱ神乙です
495名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/29(水) 21:09:32.79 ID:iTDesAiY
うまいな
トモアキが書いてるのかと錯覚するわ
496名無しさん@ピンキー:2011/07/02(土) 20:08:35.14 ID:hm4rxk30
新しいミスマルカもなかなかに妄想広がる内容だったな。
497名無しさん@ピンキー:2011/07/05(火) 20:12:46.61 ID:xl/IJoTQ
ひきにぱの人は作者が息抜きにエロパロへ書きに来てるのかと思うわ
498名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 18:17:33.00 ID:hrXNSIb5
中原一斉蜂起して帝国瓦解した後のマヒロによる三姉妹への調教とかいいなあ。
エッチィ服着せられておもちゃ仕込まれた三姉妹が街中を引き回されるのとか想像したけどうまく文章にできない・・・
誰かお願いしますorz
499名無しさん@ピンキー:2011/07/11(月) 19:20:05.83 ID:CUXh7udr
ひきにぱーはやく来てくれー!
500名無しさん@ピンキー:2011/07/14(木) 11:29:27.74 ID:IQt0loFR
最後の紋章と引き換えにジェスに婚姻を迫るユリカ姫
ジェスとエミットがくっついたらユリカ姫壊れないかな、もちろんヤンデレ的な意味で
501名無しさん@ピンキー:2011/07/15(金) 01:54:08.59 ID:d/SE43w9
>>500
いやいや、ユリカ姫なら多分二番目でもいいから、みたいなことを言いそうだと思うぞ?
文献をいろいろ読むならドロドロした感じのも読んでると思うし。
というかエミットさんシスターだからそういうことダメなんじゃね??
502名無しさん@ピンキー:2011/07/16(土) 02:42:15.82 ID:KX78UbYC
今更だが漫画版の総帥可愛すぎじゃね?
503名無しさん@ピンキー:2011/07/19(火) 14:58:49.55 ID:3ICwvmBA
総帥自演乙
504名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 05:39:16.90 ID:2j9RYHWB
総帥は小説でも漫画でも可愛いよ。
でも、欲を言えばお・り・が・み一巻のまだすれてない純な頃の鈴蘭が一番可愛かったかな。
まあ、総帥なら全部好きだけど。
505名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 07:34:52.12 ID:FgiZtarN
がろあの絵は良かったな
なんで絵師かわったんだろ?
506名無しさん@ピンキー:2011/07/20(水) 18:04:02.60 ID:rRezD2Oz
手が遅いから
507名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 05:28:39.74 ID:4tJQ967f
がろあの挿絵はモノクロで印刷されるのに全部カラーだったんだよな。
そりゃ筆も遅いわな、
しかし、カラー版の挿絵も見てみたかったな、世にでないなんて勿体無い。
508名無しさん@ピンキー:2011/07/21(木) 19:50:31.47 ID:SGPbLqdI
がろあの描いたヒデオが見てみたい
509名無しさん@ピンキー:2011/07/22(金) 06:14:15.50 ID:j54Dclu2
>507
当人の出した同人誌があってな……?
510名無しさん@ピンキー:2011/07/23(土) 06:17:44.39 ID:rrxy5H/4
>>509
……つまり、それを買えば見ることが出来ると。ゴクリ
511闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:21:48.52 ID:KXarfkOJ
初投稿で長文、申し訳ありません。

「では、始めるわね?」
 ヒデオは目をパチクリとする。
 もともと鋭い目つき。他人からはそうと窺えないかも知れないが、ヒデオからすれば驚いた顔つきをしたはずだ。
「・・・いったい何を?」
 すでに時刻は宵の口を越え、夜半過ぎ。
 ようやく美奈子に解放され、取調べという拷問を終えたヒデオが明日からの仕事に備え、シャワーも浴びずに寝に付いたのはつい先ほど。
 始めるという声に目を開き、眼前に見えるはエルシアの顔。布団の横に横座りして自分を覗き込んでいると理解するに数秒。
 消していたはずの電気が目を開けた瞬間には点いており、寝付くときには確かに誰も居なかったこのアパートに、なんの気配もなくエルシアが居ることには疑問を持たない。
 自分には分からない何かなどというものは至る所にあり、そして彼女は自分が分からない何かを扱える何かだ。疑問に思うはずもない。
 分からないのは唯一つ。
 これから何を始めるのだ?
 いや、そもそもエルシアは、どこかはわからないが、ヒデオが監禁されてる間に帰ったのではないのか?
 二つになった。
512闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:24:56.66 ID:KXarfkOJ
「言葉どおりに。私は言ったわ。生涯あなたの思うがままになると」
 ああ。あれか。
 ヒデオは理解する。
 勝負だ。スライムだ。そのすべてをヒデオは忘れていた。
 否。
 あまりの疲労に加え、美奈子と岡丸による取調べという名を借りただけの拷問。 
 ヒデオの今日すべての記憶を塗りつぶし、ただひたすらに休息を求めるだけの存在になってしまって何の不思議があろうか。
 思い出し理解したヒデオは、今から何が始まるのか想像する。
 頭に響くエルシアの言葉。
 白いドレスに〜、剥いてもいいし、食べてもいい。
 ・・・食べてもいい。
「食べてもいいのか!?」
 思わず布団から身を起こし、叫ぶ。
 そのヒデオに、エルシアは軽く微笑み、言った。
「はい、旦那様」
513闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:26:58.72 ID:KXarfkOJ
"えらく簡単に誘いに乗るわね?
 身を起こし、エルシアの両肩を掴もうと手を伸ばした姿勢のまま、とまる。
"まあ、この展開は面白そうだし構わないけど
 嘲るような声。ヒデオは止まったまま。
"二代目聖魔王閣下の童貞喪失劇。アハハ、お金が取れるわね
 声は続き、ヒデオは冷や汗が流れるのを感じる。
 見られている。
 闇の端末に。
 見られてしまう。
 純潔が散るさまを。
"・・・まさか、自分の純潔ってわけじゃないでしょうね?
 少し呆れたような声。
 ヒデオは僅かに笑う。
 ふっ。
 そもそもあの勝負の結果はエルシアと自分、二人の力が合わさった結果。
 否。ただの砲弾であった自分。あのアウターと呼ばれる存在たちをも退けたスライムを吹き飛ばすほどの魔力を込めたエルシア。
 評価はどうあれ、どちらが勝利に貢献したかなど一目瞭然。
 そう、あの勝負はドローであったのだ。
 ゆえに自分は、このプリンセスの退屈紛れのお戯れを一笑し、この場をおさめよう。
"・・・そこで引いちゃうから、まだ童貞なのよ、ヒデオ
514闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:30:43.98 ID:KXarfkOJ
「・・・邪魔ね」
 ノアレの嘲り半分呆れ半分の言葉が終わると同時に、エルシアの手がヒデオの頭の横をかすめ、なにかを再び引っこ抜く。
「いた、いたた、痛いってばお姉様!」
「ただ見は、ダメよ。・・・161ページ」
 まるで再現された映像のように、光の鎖に吊るし上げられるノアレ。違うのは、今度は口だけでなく、目も塞がれてしまっていること。
 ・・・どうやら彼女は本気らしい。
 しかし、どうしていきなりこんな展開に。
 旦那様、夜のお勤めに参りました。うむ、苦しゅうない。
 そんなエロゲ脳を持ってはいても、素直に身を任せるにはタイミングを逃してしまい、ヒデオはただ困惑する。
 意図を探るように、エルシアを見る。
「旦那様が求められるのなら、下僕は答えます。貴方は旦那様。そして私は貴方の下僕」
515闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:33:06.92 ID:KXarfkOJ
 微笑みながらヒデオの心中を察したようにいうエルシアは、ただ美しく、それでいて可愛さを兼ね備え。
 高貴なるモノ。そういうモノだけが表現できる、そんな美しさ。
 自分が彼女の笑みに飲み込まれ始めていると自覚しながらも、ヒデオは問う。
「・・・いつ自分が求めたと・・・?」
 エルシアは微笑を絶やさぬまま、ゆっくりと視線を下に向ける。そう丁度ヒデオの股間付近にと。
 そこには雄雄しく隆起した、自分ではそう言いたいビッグマグナムが、はっきりとそこに存在を証明していた。
 ヒデオ自身気づかぬまま。
 やだ、なにこれ、疲れマラ?
 思わず手で顔を覆うとする。しかしそれより早く、エルシアはヒデオの手を取る。彼女は微笑みながら、ヒデオの目を真っ直ぐと見つめる。
 ヒデオは今度こそ完全に飲み込まれたのを自覚し、ゆっくりとエルシアの瞳に吸い込まれる。
 重なる唇。
 自分が知る限り。これが初めての。女性に対するアプローチ。
516闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:35:54.23 ID:KXarfkOJ
「っはぁ・・、ううん・・・」
 漏れる吐息。
 唇を重ね、次第に激しさを増す。舌先を、相手の唇に、先に触れさせたのはエルシアが先。自らの舌先を、相手の口腔内に、伸ばしたのはヒデオが先。
 唇を重ねながら、右手をエルシアの細い腰に回していたヒデオの手がエルシアによって、ゆっくりとだが、剥がされる。 
 気安かったか。
 思わず体ごと離れそうになったヒデオをエルシアは押さえつつ、剥がしたヒデオの右手を、自らの胸にとあてがう。
 微か、それでいて確かな膨らみ。服の上からでも分かる。想像と違う、しかしそれ以上に心地いい何か。
 思わず残る左手でもまさぐる。夢中になってしまう。もっと触れたい。服の上などではなく、手のひらで。直接エルシアの体温を感じ取りたい。
 重なり合った唇が、初めて離れた。エルシアは察したように微笑む。僅かにヒデオは彼女から体を離し待つ。ゆっくりと服に手を掛け、エルシアの白い肌が露になる。
 その寸前で。
517闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:39:12.41 ID:KXarfkOJ
「んんんーーん!むぐーーー!」
 天井から光の鎖で吊るし上げられた闇の精霊が、身悶えている。まるでうちあげられたエビのように。ヒデオはそこでノアレの存在を思い出す。
「気になりますか?」
 問うエルシア。
 少し不機嫌そうに見える。邪魔されたことによるノアレに対してなのか。はたまた、自らよりも吊るし上げられたノアレに視線を移したヒデオに対してか。
 エルシアはすこし息を吐いて、ノアレに指先を向ける。途端光の鎖は弾け、ノアレを開放する。
「ちょっと、お姉様!こんな面白そうなこと見せてもらえなかったら、私がここにいる意み、むぐぅ!」
 まくし立てるノアレに再び光の猿轡。
「いい?私が貴方を開放したのは唯一つ。私が旦那様からいただくご寵愛を、ほんの少し分けてあげる気になったから。そのためだけ。分かったのなら理解しなさい。分からないのなら、もう一度縛り上げて、剥いて、食べるわよ?」
 エルシアにノアレはコクコクと何度も頷く。それを見たエルシアはノアレを今度こそ本当に開放する。
 ヒデオは気づいていた。
 エルシアの言葉。寵愛を分けると言った瞬間。
 ノアレがそれも面白そうだと、瞳を輝かせたのを。
518闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:43:00.43 ID:KXarfkOJ
「・・・気持ちいい、ヒデオ?」
 問いながら、ヒデオの主砲を舌先でなぞるアンリの表情は、ひどく妖艶で。小学生のような少女では決して浮かべることの出来ないそれ。
 そのミスマッチ、アンバランス差が、普段の露出の激しい下着のような格好とあいまって、ヒデオをさらなる快感の坩堝にといざなう。
「アハハ、小学生みたいな私にこんなことされて、気持ち良いんだ?恥ずかしくはないの、ヒデオ?」
 言いながらもノアレは、ヒデオの主砲に添えた舌先を、手を、休めることはしない。
「っく。・・・うっ」
 未知なる快感に身悶えるヒデオに、ノアレはますます瞳を輝かせる。
「気持ち良いんでしょう?もっと声を上げなさい、ヒデオ。もっと分かりやすく喜んでくれないと、私も続けたら良いのか、やめたらいいのか、わからないじゃな―」
 言葉は最後まで続かず、ノアレはまさしく後ろ髪を引かれる。
 それまで黙って見ていたエルシアに。
「あ、あはは。わ、私、少し調子に乗ってたかも。後はお姉様にお任せするわ」
 ジト目というのだろうか。ヒデオは初めてみるエルシアの表情に、ノアレはそこそことヒデオから離れる。
 その表情が、エルシア以外の女性に与えられる快感に身悶えていたことに対する嫉妬と思うのは、自身のエロゲ脳故か。
519闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:47:50.69 ID:KXarfkOJ
「では旦那様」
 入れ替わり、エルシアがヒデオの主砲に手を添える。
 それだけでノアレによって限界近くまで高められた主砲は、ビクンと反応する。
 ヒデオの主砲をまるで、愛しいもののように、優しく両手で包み込み、エルシアはそっと先端部に舌先を添えた。
「く!」
 先ほどのノアレとは違う、若干たどたどしいそれ。しかし何もかも始めてのヒデオにとっては、それすらも強烈で。
 再び、あっという間に昂ぶり、もはや我慢の余地などなくなっていく。
「・・・口を、・・・離してください」
 それがヒデオに出来る精一杯の合図だった。
 しかしエルシアは顔を離すことは無く、むしろ小さなその口でヒデオの主砲をゆっくりと咥えこむ。
「ああああ」
 主砲を包む、柔らかくも暖かな感触。僅かに触れる歯先の刺激も心地よく。
 ヒデオにそれ以上我慢出来るはずも無く。エルシアの口内に、すべてを吐き出してしまう。
 エルシアは受け止め、口に含み、そのすべてが貴重な、高貴なものであるかのように、ゆっくりと、すべてを飲み込んでいく。
 飲ませてしまった。
 そのことが心配になったようにヒデオは荒くなった息もお構いなく、彼女に手を伸ばそうとする。
 エルシアは、ヒデオの喜びが、まるで自らの喜びであるかのように、黙って微笑むのみ。
520闇と下僕と魔眼王:2011/07/27(水) 20:50:00.77 ID:KXarfkOJ
今度こそ、完璧に、疑いようも無く。
 完全にエルシアに飲み込まれてしまったヒデオは彼女を抱き寄せ、その胸に抱いた。

 目覚めると、そこにエルシアは居なかった。
 何時もどおりの朝。
 否、何時もどおりのパジャマではなくヒデオは全裸。
 確かな記憶と、そして胸に抱いた確かな気持ち。
 それでも―
「ノアレ、僕はまだ童貞だろうか?」
"まあ、口だけじゃ童貞喪失にはならないでしょうね?アハハ、喜びなさいヒデオ。今のままを30歳まで維持できれば、魔法使いに成れるらしいわ!"
 嘲るノアレの言葉だが、ヒデオは気にしていなかった。
(・・・うん)
 ウィル子やノアレとは違う。それでもなにかが、確かにエルシアと繋がってる気がする。
 ヒデオにはそれで十分だった。
 またすぐ逢える。
 それだけ確信すると、再びヒデオは布団に身を預け、二度寝という、心地よい眠りにつくのだった。
521名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 20:52:30.56 ID:KXarfkOJ
以上、連投すみませんでした!
522名無しさん@ピンキー:2011/07/27(水) 21:46:17.00 ID:LDrdjfZP
GJ!!エルシア様最高!!
523名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 10:15:18.10 ID:WCX5cn3P
激しく乙!
それにしてもヒデオさんは相変わらず手コキやフェラはあるのに脱童貞できないな
524名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 15:12:32.12 ID:HJy4l8NT
童貞じゃないヒデオはヒデオじゃない
525名無しさん@ピンキー:2011/07/28(木) 15:32:14.70 ID:49ASqRnx
素晴らしかったです!!
526名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 21:27:38.49 ID:enqmgnWP
>>521
GJ!

水曜日のうちに読んだんだが、色々あって今までレスできなかったorz
エルシア様かわいいよエルシア様
527闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 00:50:15.13 ID:7F/LGvHZ
GJが嬉しくて、勢いで二作目書き上げました。

 廊下の向こうに、部屋の灯りが点いている。
 話し声は聞こえないが、誰か居るのだということは分かっていた。
 玄関には、見慣れぬブーツ。見慣れぬが誰のブーツかは分かる。
 さらに言うなれば、ヒデオが帰宅したときに、鍵は付いていなかった。閉め忘れていたのではなく、本当に付いていなかった。
 アパートの鍵の部分、そこだけが綺麗に扉から消えていた。抉り取られた、破壊された、そういったわけではなく、始めから付け忘れていたかのように、綺麗さっぱりと。
 ―今度、合鍵を渡そう。
 鍵を消失させられたことなどに憤りを覚えるわけでもなく、自然にそうヒデオは思った。
 なんか、ずいぶん変わったなーと自分でも思う。少し前の自分なら、他人に合鍵を渡そうという発想など、無かったはずである。
 まあこれも彼女のおかげか。ヒデオは素直に思った。
 はてさて、あれから初めて会うわけだが、なんと挨拶すればいいのか。流石に少し照れ恥ずかしい。
 そんなことを考えながら短い廊下を歩き、部屋の扉を開けると、小さなテーブルに座したエルシアの姿。
 そしてヒデオは固まった。
528闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 00:52:21.38 ID:7F/LGvHZ
 六畳間のクッションに横座りするエルシア。足元にまで届く黒い外套。
 そして手にはいつもの分厚い辞書のような書物、ではなく別のもの。
 厚さは辞書並み、サイズは通常の単行本より大きい。だが、そもそも本ではなく、ただの紙製の箱。中にはCDケースが一枚収められているだけ。慎ましやかに、ソフ倫のシールが張ってる、訳アリの箱。
 エルシアはそれを手に取り、しげしげと眺めている。ご丁寧に表だけでなく、色々際どいCGが印刷されている箱の裏側までも。
(・・・いったい・・・)
 何が起きた。
 エルシアが部屋に居るのは分かる。なんとなく分かるつもりだ。
 合い鍵を持たない彼女が、部屋の中に入るために、なんらかの手段を用いて鍵を消失させたのも分かる。
 分からないのは、何故エルシアが、収納の奥底にあるはずの、ほかに色々目に付きそうな漫画やゲームを差し置いて、ピンポイントに素敵ソフトだけをしげしげと眺めていらっしゃるのかが分からない。
 かける言葉も見つからず、ヒデオはただ立ち尽くす。
529闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 00:56:20.76 ID:7F/LGvHZ
 エルシアは、ヒデオの存在に気づいてはいたのだろうが、初めてそこで視線を素敵ソフトから、ヒデオに移す。
 表情も眼差しも、涼やかそのもの。
 嫌悪感を浮かべるわけでもなく、呆れるわけでもなく、怒りを浮かべるわけでもなく、ただ涼やかな、言うなれば何時もと変わらぬ顔。
 せめてエルシアが何かの表情を見せてくれていたのならば。なにかをヒデオは出来たはずだ。
 反応を見せないエルシアに、ヒデオは何を言うことも出来ない。
 そして先に動いたのはエルシアだった。
 パタンと、テーブルの上に素敵ソフトのケースを置き、静かに立ち上がる。
「・・・そう、わかったわ」
 それだけ呟いて、エルシアはヒデオの横を音も無くすり抜け、そして部屋から立ち去っていく。
 そのあいだ、ヒデオは、動くことすら、過ぎ去っていくエルシアにただの一言を、それすらも出来ず、ただ立ち尽くすだけだった。
530闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 00:59:11.90 ID:7F/LGvHZ
 ヒデオはエルシアが過ぎ去った部屋に一人、帰宅時と変わらぬスーツ姿のまま、ぽつんと座っていた。
 テーブルの上には先ほどエルシアが手にとって眺めていたエ○ゲが一本そのままになっている。
 なんでかなーと思う。前もこれが原因で苦労したなーと思う。
 奥のほうとはいえ、やはり収納にただしまうのではなく、天井裏、鍵付きの引き出しに、隠すべきだったのだろうか。
 いや、処分するべきだったのでは。
 エルシアとこうなったからには、綺麗さっぱりと。所詮、睡蓮をして悪しきと断ずるものなのだ。公僕たる自分が、エルシアと共にいる自分が、持つものではないのだ。
 ―いや。
 ヒデオは頭を振る。
 否、断じて否だ。
 今まで自分はどれだけ、これら素敵ゲームに救われてきた。感動を、夢を、希望を、愛を、それら全てを惜しみなく与え、なおかつエ○イ。
 そんな素敵なものの何処に罪があると言うのだ。
531闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:01:00.79 ID:7F/LGvHZ

 そもそも自分ではエルシアがどうこうと言い訳をしているが、結局、彼女となにがどうこうというわけではないではないか。
"まあ、ヒデオからは何もしてないわね
 ノアレに言われ、ますます凹む。
 そうだよなー。なにかするべきだったよなー。謝りたいなーと、色々思う。
 しかし、謝ろうにも、エルシアが普段何処に居るのか把握しているわけでもなく。
 いまも隔離空間都市だろうか?
 ヒデオは意を決したように立ち上がり、でもなーと再び座り込む。
 そんなのを何度も繰り返しているうちに結構な時間が立った。今度こそと意を決してヒデオが立ち上がると、カチャリと、アパートの扉が開いた音がする。
 ヒデオが視線を向けると、すたすたと何者かが歩いてくる気配。その何者かが部屋の扉を開き、言った。
「マジカルプリンセス、トワイライト・エルシアン。ただいま見参」
 
532闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:02:49.16 ID:7F/LGvHZ
 
 扉を開き、現れたのは、冷めた表情のまま、びしっとステッキを突きつけた、なぜかいつもの黒い外套ではなく、きゃるきゃるした衣装に身を包んだエルシアの姿だった。
 
 ヒデオの思考が停止する。
 様々な超常をその目にし、数多の勝負を、その頭脳で乗り越えてきた二代目聖魔王その人が、まるっきり理解できないように思考を停止させていた。
"・・・アハ、アハハハ!何?お姉様って、こんな趣味も持っていたの?アハハ!喜びなさい、ヒデオ!今のお姉様、ヒデオのゲームと同じ格好じゃない!
 ノアレの言葉にヒデオは、はっとする。バラバラだったピースが全て一致するような感覚。全てが繋がった。
「・・・お気に召しませんか?」
 ステッキを突きつけたまま問うエルシア。涼やかな表情のまま、少しだけ小首をかしげるように。
533闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:04:03.49 ID:7F/LGvHZ

 ああ、そうか。そういうことだったのか。
 今のエルシアの姿は、魔法少女そのもの。そして先ほどエルシアが眺めていたソフトは、まさしく魔法少女を題材としたもの。
 去り際のエルシアの台詞。彼女はわかったと言っていた。わかったというのはすなわち、ヒデオの嗜好だ。
 厳密にヒデオが魔法少女のみが好きというわけでは無いが、たまたま目に付いたいかがわしいソフト。そのヒロインの少女の衣装にヒデオが心奪われているとエルシアが思って、なんの不思議がある。
 そしてエルシアは、何処からかそれと良く似た魔法少女の衣装を用意し、今再びヒデオの前に現れた。
 普通、そういう関係になった相手がそういうソフトを持っていたのならば、軽蔑まではいかずとも、多少は心引くものではないだろうか?
 しかしエルシアは違った。ただ肯定するのでなく、実際にその衣装を用意し、しかも自ら身に着けて現れた。
 こんな素晴らしいことが、本当に、ありえるのだろうか?
 ヒデオはよろよろとエルシアに歩み寄り、思わず抱きしめた。
「貴方は・・・。本当に、すごい」
534闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:05:40.69 ID:7F/LGvHZ
 抱きしめられたエルシアは、ヒデオの胸の中、少しだけパチクリとする。
 ヒデオの下僕になると自ら誓ったのだ。その下僕が主人の嗜好に沿う格好をするのは、エルシアからすれば当然のこと。
 最初、ヒデオの部屋に訪れたエルシアは、なんともなしに、収納の扉を開いた。深い意味は無かったかもしれない。
 何か、彼の、ヒデオの熱に繋がるものがあればくらいにしか思っていなかった。そしてたまたま目に付いたものが、先ほどの紙箱だったのだ。
 その紙箱には、今の自分のような衣装をした少女が、そういうことをされていた。触手やらなにやら、色々と。こういうのがヒデオの趣味かと眺めていると、彼が帰ってきた。
 そこでエルシアはそういえばと、似た衣装を持っていることを思い出したのだ。
 さすがに触手やらは用意できないが、そこはあの闇の精霊に命じれば如何にかなるだろう。そう思い、急ぎ着替え戻ってきたのだ。
535闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:07:45.55 ID:7F/LGvHZ

(・・・暖かい)
 エルシアはヒデオに抱きしめられ、素直にそう思った。
 自分は人の子の熱を、いや、ヒデオの熱を感じたくて彼に会いに来た。この前に感じた熱、ヒデオのものを口に含み、体内におさめたあの熱。
 ヒデオが命を掛けた熱とはまた違う、だが心地よい熱。
―お前ってとことん冷めてるよな。
 はて?誰の言葉だったか。以前に言われた言葉を思い出す。
 言った相手の事は忘れてしまったが、そのときに思った、冷めた自分を暖めるほどの熱、それはもしかしたら手に入ったのかもしれない。
 なぜならば、ヒデオにこうしてただ抱きしめられるだけで、なぜこうも暖かい。
 心地よい熱に身を任せつつ、エルシアはヒデオが、もう一つ熱を与えてくれることを思い出して、その熱源にそっと手を伸ばした。
536闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:09:05.23 ID:7F/LGvHZ

 え?ちょっとまって。
 エルシアを抱きしめたまま、ヒデオは困惑する。
 いつの間にか、胸に抱いた彼女が、魔法のステッキではなく、ヒデオのステッキに手を伸ばしている。
 ズボン越しに触れられているというのに、ヒデオのステッキはあっという間にエネルギーの充填をすます。
「・・・あの」
 問いかけるが、返事は無い。エルシアは少しもたつきながらもズボンのチャックを開け、チャックを開けられると共にヒデオステッキが勢い良く露になる。
 ステッキの柄はエルシアに握られているが、密着しているために、本来の魔法ステッキなら先端の☆形にあたる、ヒデオステッキの亀形が、エルシアの短いスカートとニーソックスの間にある素肌、絶対領域に接触していた。
537闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:10:58.29 ID:7F/LGvHZ

 エルシアの頭部に隠れ、視覚で確認することは出来ないが、すりすりとステッキの柄をさするエルシアの手のひらに、先端に触れる柔らかな感触。
 次第に息が荒くなる。抱き寄せたエルシアの香りに加え、魔法少女に手でされているという異常な状況、ヒデオを高めるには十分で。
「・・・もう、手を・・・。衣装が―」
 汚れてしまう。そう続ける前にヒデオの唇は見上げるようなエルシアの唇にふさがれる。
 「っん!んーーーーん!」
 エルシアと唇を交わしながら、ヒデオステッキが限界まで溜め込んだ魔力を解き放つ。ステッキから放たれた魔法は、エルシアの衣装の腹部をスカートを、そして絶対領域を汚していく。
 しばらくし、放出を終えてから、ゆっくりとエルシアがヒデオから唇を離す。しばし見つめ合い、エルシアは自分を汚したヒデオの魔法を指で救い上げ、ヒデオの目を見つめながら、普段よりも幾分熱がこもった瞳で、それを口に含み、微笑む。
 ああ、そんなことをされたら。
 もう我慢が出来ないではないか。
538闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:12:11.96 ID:7F/LGvHZ
 そんなことをヒデオは思っていたが、当のエルシアは満足そうな笑顔を浮かべ、特に何も言わずに部屋から出て行った。
 汚れを落とすためにシャワーでも浴びるのかと思いきや、そのままの格好でアパートの部屋から出て行く。
 あれ?
"残念ね、ヒデオ。二代目聖魔王、いまだ童貞喪失ならず。アハ、アハハ、これはウィル子に報告してあげなきゃね
 いや、ちょっとまって。
"じゃあね、ヒデオ。―ああ、ヒデオがあんまり一杯出すものだから、床と壁まで汚れてるわよ?早めに拭いておいたほうがいいんじゃなぁい?
 嘲るような笑い声と共に、ノアレの気配も消える。
 正真正銘一人になったヒデオはしばらく呆然と佇んだあと、いそいそとティッシュを手に、部屋の掃除を始めるのだった。
 
539闇と下僕と魔眼王+:2011/07/30(土) 01:13:34.47 ID:7F/LGvHZ
 また長文で申し訳ありません。
 調子に乗って二作目です。失礼しました。
540名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 01:17:08.44 ID:I84iSTEc
まさかのリアルタイム遭遇とまたしてもヒデオ童貞喪失ならずワロタwww
既にリュータは過去の人か、まぁたしかにレイセンになってからまったく出てないもんなぁ。
541名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 09:18:03.57 ID:hgjyx1uT
リュータェ…
542名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 10:47:30.69 ID:MucRjfeQ
素晴らしい!

投下乙です!
543名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 12:00:29.43 ID:ccOJNVB8
精液がかかったまま外に出るとはなんてはしたないんだ
もっとやれw

乙です!
544名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 12:13:48.55 ID:KbOU31K5
ブラボー!おお、ブラボー!
リュータェ…。
545名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 12:46:51.91 ID:8axe4/n+
乙!!
やはり本番は無いのかww
546名無しさん@ピンキー:2011/07/30(土) 13:57:32.99 ID:wPKyDw6d
GJ!

……本番に期待してる奴も居るんだぜ?
寸止めも大好物ですが!w
547名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 15:36:49.87 ID:Zv2hcls+
>>539
再びGJ!
3作目も期待
548電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 17:48:47.64 ID:a/g80emg
とりあえず勢いで、また投下します。
正直リュータには悪いことをしてしまいました・・・。


 静かな時間が流れていた。
 ヒデオは、昨日の帰り寄った本屋でたまたま目に付いた小説のページをめくりつつ、ちらりと横を見やる。
 六畳間の小さなテーブル。それを挟み、横座りでクッションに座るエルシアの姿。その彼女は自分と同じく、文庫本に目を落としている。エルシアはヒデオの視線に気づいたのか、少しだけ文庫本から顔を上げ、ヒデオと視線を絡ませ、穏やかに微笑む。それだけだが。
 ああ。
 僕は今、幸せなのかもしれない。
 
549電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 17:50:34.60 ID:a/g80emg

 たまの休日、たまっていた洗濯物に、掃除を済ませ、昨日買っておいた小説を思い出し、読み始め、しばし意識が本に向けられ、気づけば隣にエルシアがいた。
 朝からノアレの気配も無く。突然現れたのか、それともごく普通に現れたのか、それはわからなかったが、ヒデオは特に気にしなかった。
 前回の魔法少女という衣装ではなく、いつもの黒い外套。エルシアは横座りしながら、ヒデオを観察するように見つめていた。正確にはヒデオの手にした小説に。
 ふむ。
 ヒデオは少し考え込む。たぶん、エルシアの来訪は、特に理由のあるものではないはずだ。彼女が本当のところ、何を考えているのかなどはわかるはずも無いが、翔希などと言った友達が、用事も無く、ただ遊びに来た。それに近いものだろうとヒデオは思う。
 まあ、流石に。以前のようにミルクセーキを要求されたり、いきなり命を掛けろなどとは今更言われないだろうが、このまま彼女を退屈させておくのも悪い気がする。
 とはいえ、インターネットで動画などが喜ばれるわけも無く。
 ああ。
 ヒデオは一つ思いつく。エルシアのよく口にする熱という言葉。彼女の感じる熱とは違うかもしれないが、ヒデオが昔、高校時代に友人達と熱くなった小説が、収納に今も眠っている。
 もしよければと前置きをし、ヒデオはエルシアに一冊の文庫本を手渡した。
550電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 17:53:32.44 ID:a/g80emg

 燃えよ剣。
 カバーにそう書かれた文庫本を、エルシアは何時もどおりの冷めた表情だが、特に何も言わず読み進めている。表情からは何も読み取れないが、エルシアが黙々と読み進める程度には好評をいただいてはいるのだろう。
 ヒデオも同じく、静かに小説を読み進めている。
 ああ、なんかこういうのもいいなー。
 普段の毎日が、霊だ、神霊だ、闇だ、電子だ、精霊だ。
 巫女だ、鬼だ、メイツだ、世界観だ。最近ではそれに十手だ、婦警だ、カツ丼だと、休まることが無い。
 ヒデオが考えに耽っていると、カチャリとテーブルに、二人分のカップが置かれる。
 エルシアが用意してくれたのだろう。丁度少し、喉に渇きを覚えていた頃だ。
 紅茶の香り。はて?紅茶の葉など用意してあっただろうか?
「・・・ありがとうございます」
 まあいいかと、ヒデオはカップを手に、エルシアに礼を延べ紅茶を口にする。
 ―美味しい。
 素直に思い、僅かに表情が綻んだのだろう。その僅かな表情の変化をエルシアは見取り、微笑んだ。
 ああ、いいなー。こういうのいいなー。
 ヒデオは幸せだった。今日一日、こうしてエルシアと静かに過ごすそう。そう思った矢先―
「にひひ!にほほっ!にほはははっ!!」
 ・・・・・・まあ、こんなもんだろう。
551電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 17:56:40.93 ID:a/g80emg

「・・・ひさしぶりですねぇ、まぁ〜すたぁ〜〜〜っ」
 あれ?なんか怒ってる?
「ウィル子が昼夜休み無く汗水流して働いているというのに、マスターは随分お盛んなようで・・・」
 突然現れたウィル子に言われ、携帯電話の液晶越しに、二、三言、言葉を交わすことは合っても、こうして直接姿を見せて会話することは、エルシアとそういうことになってから一度も無かったと思い出す。
「そういうこととはなんですか、未だ童貞の童貞マスターのクセに」
 思考を読まれている。いや、そういうことはタイミングであって。
「なにがタイミングですかマスター。エルシアに夜這いされて、ノアレと一緒に口でされて?魔法少女の格好をしたエルシアに手でされて?そこでマスターがちゃんと行動を起こしていれば今頃そんなもの早々と喪失しているのですよ、この童貞マスターが」
 酷い言われようである。
「だが、しかし。そういうのは相手の同意も必要なわけで・・・」
「同意も何も。嫌がりもせず、シャワーも浴びてないマスターのを咥えてくれる下僕宣言をした、魔法少女の格好をしてまでマスターの気を引こうとするエルシアが、本番も何もかもオールOKではない理由が何処にあるというのですか!」
552電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 17:59:01.25 ID:a/g80emg

 バシバシと頭部に懐かしい衝撃を受けながらヒデオは思う。
 やはり、そうなんだろうか。ヒデオは思わずうな垂れる。結局自分からは一歩も踏み込んでいない。こういうのはむしろ男性からアプローチするべきなのではないだろうか?それを自分は―
「そうやって色々考えんでしまうところが、マスターの美点であっても、最大の欠点でもあるんですよ!こう、若いんだから一瞬で服を脱ぎ去ってエルシアにルパンダイブするぐらいの甲斐性を―」
「―騒がしいわね」
 そこでエルシアは初めて文庫本から、視線をウィル子に移した。冷めた表情のままだが、微かに不機嫌そうな感じである。小さな表情の変化だが、最近エルシアと頻繁に顔を合わせる様になり、それくらいはヒデオもわかるようになってきた。
 隔離空間都市、真の支配者とまで一部で囁かれていた破壊神の冷めた目で見据えられても、超愉快型極悪感染ウイルスもとい電子の神は、一歩も引かず、今度はターゲットをエルシアに移す。
「エルシアもエルシアなのですよ!エロゲ主人公にも負けず劣らず早撃ち高速再装填大量発射のマスターが!たかが一回出したくらいで満足するわけないでしょう!」
 っは、としたようにエルシアはヒデオに向き直る。
 いやいやいや、早撃ち高速再装填大量発射とは、どういう了見だ。
 そして電子の神は、にやぁとイヤラシイ笑みを浮かべる。
「にひひひ、ここはウィル子が手本を見せるしかないようですねぇマスター・・・」
 いやいやいやいや。ちょっとまって。
「いいから、さっさとズボンとパンツを降ろせっつてるんですよ!この童貞マスターが!!」
553電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:00:45.95 ID:a/g80emg

 ウィル子がベッドの上に腰掛けたヒデオの主砲を口に含み、上下に口をスライドさせている。衣装はいつの間にか、以前二人が所属していた魔殺商会のメイド服に変わっていた。
「いいですか、エルシア。エルシアは遠慮が無いのはいいのですが、まだテクニックと、マスターを焦らすということが出来てないのですよ」
 ウィル子は口を離しても、手でヒデオの主砲を刺激続けることをやめない。柔らかな手で包み砲身を上下し、手のひらを使い砲口だけを包むように刺激しながら、指を使い発射ノズルをさする。
 エルシアはいつもの黒い外套のまま、ウィル子の横に座りながらその仔細をつぶさに観察するように二人のやり取りを見ている。
「ですが、前回の魔法少女のコスチュームは悪くなかったです。ヒキオタ童貞マスターには視覚からの刺激に弱く、シチュエーションの変化にもよわ―」
 言葉の途中で、ウィル子はヒデオの砲身の根元をキュッと締め上げる。
「なにイキそうになっているのですかマスター。まだまだ講釈は始まったばかりなのですよ?」
 いや、もう、勘弁してください。
 ヒデオは先ほどから、幾度となくウィル子に高められては、押さえられ。そのさまをマジマジと観察され、もう色々と、本当に限界まで来ていた。
554電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:02:29.39 ID:a/g80emg

「にほほほほっ、本当にこらえ性の無いダメダメ童貞マスターですね。エルシア、良く見ておくのですよ」
「・・・ええ」
 頷き、エルシアはジッとヒデオを見ている。幾分熱に浮かされたようでもある。
 再びウィル子はヒデオの主砲を口に含み、上下にスライドする。喉奥にまで飲み込み、舌を這わせる。
 砲口を口をすぼめて刺激し、わざと大きな音を立てながら吸い上げる。
 中学生のような少女が到底出来るとは思えないウィル子の口戯の数々に、ヒデオは、そのたびに暴発しそうになり、そのたびに抑えられる。
「口でするならば、こうして上目遣いで相手と視線を合わせつつ、時折言葉を交えるのを有効ですよ」
 言いながらウィル子は、ヒデオの目を見ながら発射ノズルを舌先でほじるように刺激する。
「マスターは、ドSの目をしたドMなのです。言葉で攻められて、気持ちよくなっちゃう性も持ち合わせているのですよ」
 ヒデオの弱点を知り尽くす、そしてノアレと同等の口戯の技術をもつウィル子。
 一体何処でこんなのを覚えた。
555電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:05:46.99 ID:a/g80emg

「にほほほほっ、本当にこらえ性の無いダメダメ童貞マスターですね。エルシア、良く見ておくのですよ」
「・・・ええ」
 頷き、エルシアはジッとヒデオを見ている。幾分熱に浮かされたようでもある。
 再びウィル子はヒデオの主砲を口に含み、上下にスライドする。喉奥にまで飲み込み、舌を這わせる。
 砲口を口をすぼめて刺激し、わざと大きな音を立てながら吸い上げる。
 中学生のような少女が到底出来るとは思えないウィル子の口戯の数々に、ヒデオは、そのたびに暴発しそうになり、そのたびに抑えられる。
「口でするならば、こうして上目遣いで相手と視線を合わせつつ、時折言葉を交えるのを有効ですよ」
 言いながらウィル子は、ヒデオの目を見ながら発射ノズルを舌先でほじるように刺激する。
「マスターは、ドSの目をしたドMなのです。言葉で攻められて、気持ちよくなっちゃう性も持ち合わせているのですよ」
 ヒデオの弱点を知り尽くす、そしてノアレと同等の口戯の技術をもつウィル子。
 一体何処でこんなのを覚えた。
556電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:07:03.75 ID:a/g80emg

「ウィル子は電子の神なのですよ。データを拾ってフィードバックさせればなんでも出来ます。この衣装だって―」
 言って、ウィル子の服が、次々に変化していく。メイドからレースクィーン、巫女服に婦警服。ナースにバニーに、ゴスロリに。七変化どころでなく、次々と変化していく。
「・・・ああ、マスターには」
 ウィル子はなにか思いついたように、いやらしい笑みを浮かべる。
「これが一番なのでは?」
 そういって次に変化したのは、タキシード姿。あわせて髪型までショートカットに変化し、イヤリングが揺れている。
 ・・・うぉい。
「にほほほっ、にはははっ!効果ありそうですが、これは次の機会にしておくのですよ」
 いって、直ぐにもとのメイド服に戻る。
「―さあ、そろそろ本番といくのですよ」
557電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:08:29.74 ID:a/g80emg

「エルシアはマスターの目を隠しておいてください」
「こう?」
 エルシアはヒデオの背後に回り、手でヒデオを目隠しする。
 あ、気持ちいい。
 後頭部に触れる柔らかな感触。エルシアの鼓動も伝わってきて。
 そして、痛みを覚える。
「っ!?・・・!?」
 目をシロクロさせるがもとより目隠しされているのでは何かわからないが、ヒデオの先っちょを軽く噛まれたことはわかった。
「・・・ウィル子がしているのに、なに考えているのですか、マスター」
 少し拗ねたようなウィル子の声。
 はい、ごめんなさい。
「まあ、いいです。さあ、ここからが本番ですよ」
 目隠しをされているのでわからないが、ヒデオの主砲先端に何かが触れている。ぬるっとして、それでいて熱を帯びている。
 え?まさか?とヒデオが思うと共に、それはずぷり、ずぷりとウィル子の重さと共に降りてきて、ヒデオの主砲を飲み込んだ。
558電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:10:22.89 ID:a/g80emg

「・・・っは、はぁ。いい表情ですよ、ますたぁ」
 ウィル子の声に熱が帯びている。今まで聞いたことの無い、酷く魅惑的な声。
「ふふ。どうですか、ますたぁー。もう、ウィル子のは、マスターのを根元まで飲み込んでしまったのですよ?」
「あ・・ああ・・・ああ!」
 声にならない。
 膝の上でウィル子がゆっくりと動く。上下するそれは、絡みつき、締め上げる。暖かくヌルヌルとしながら、肉を掻き分けて行くような抵抗があるのに、奥に奥にとヒデオを飲み込んでいく。
「っん、んん!ま、マスターのがウィル子の中で一杯で、ウィル子はとても気持ちいいのですよ?」
 ウィル子が耳元で囁く。
 ジュボジュボと卑猥な音が部屋に響く。ウィル子のはまるで、息をするように、締め付けの具合が、膣内の感触が変化する。
 ダメだ。もう我慢のしようが。
「・・・ふふ、マスターも限界のようですね。いいんですよ、そのままウィル子の中に、一杯出してください」
「っっく!あああ!」
 そしてヒデオはウィル子の膣内に、そのすべてを放出するのだった。
559電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:11:44.32 ID:a/g80emg

 はぁはぁとヒデオは荒い息を吐く。
 まさか、ウィル子とこういう事になるとは。それもエルシアの前で。
 ウィル子は紛れも無く、ヒデオの大切なもの。その彼女と一つになった。それでもどこか、罪悪感のようなものがエルシアに大してある。
「もういいですね」
 そういってウィル子はヒデオの上から体を離す。
 あれ?
 膝の上からウィル子の体重が消えたというのに、未だヒデオのものは何かに飲み込まれていて。
「エルシアも、もう目隠しをはずしていいのですよー」
 言葉と共に視界が開け、目の前にイヤラシイ笑みを浮かべたウィル子が立っていた。挿入感はそのままに。
 視線を自らの股間に移す。股間には何度かそういうお店で見たことあるカップ状のもの。TEN○Aとあった。
560電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:13:48.79 ID:a/g80emg

「にひひ!にほほっ!にほはははっ!!安心してください、マスター!マスターはまだしっかりと、童貞のままなのですよ!!」
 超愉快型極悪ウイルスが笑う。
「マスターがウィル子の膣内と思っていたのは、TEN○Aだったのです!ウィル子は、腰のグラインドに合わせて、手でTEN○Aを上下してただけなのですよ!」
「いや、しかし、確かに人肌のような熱が―」
「ウォーマーで、事前に暖めておきました」
「まるで生きていたかのような変化が―」
「先端のシールを付けたり剥がしたりしてただけなのですよ」
 ・・・やられた。完璧にやられた。
「にほほほっ!マスターはまだまだこれで十分なのですよ!―あ、そろそろ帰らないといけない時間ですね。にひひっ、ホットウォーマーは置いて行きますので、自由に使ってください」
 言って、ウィル子は携帯の液晶画面に消えていく。
 残されたのはヒデオとエルシア。それに使い終えたカップタイプのTEN○Aだけ。あ、コンセントにウォーマーが差してある。
「・・・旦那様」
 しばらく呆然とするヒデオにエルシアが背中側から静かに問う。
「先ほどの、タキシード姿にショートカットが好みというのは?」
 凄まじく冷たい。ほんとうに微塵も暖かさのないエルシアの声。
 ゆっくりと振り返る。
 ヒデオの正念場はここから。ここからなのだ。
561電子と下僕と魔眼王:2011/07/31(日) 18:14:52.80 ID:a/g80emg
勢いで書き上げ、勢いで投下したら一部重複・・・。
申し訳ありませでした。
562名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 19:16:29.21 ID:ShPRbMOl
投下乙
嫉妬するウィル子萌え!しかし、やっぱりレナに惚れてたか
563名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 20:16:42.14 ID:Zv2hcls+
>>561
続き期待

リア充爆発しr...いえなんでもございません。
564名無しさん@ピンキー:2011/07/31(日) 20:43:01.48 ID:RBBRhNEc
投下乙!タキシードは「嘘だっ!」の人のことか…。
565名無しさん@ピンキー:2011/08/01(月) 01:14:00.50 ID:OdkVkseO
投下乙!いいオチだった!!

566名無しさん@ピンキー:2011/08/03(水) 00:54:26.76 ID:IouR0TYD
遅ればせながらGJ
567名無しさん@ピンキー:2011/08/04(木) 05:27:24.68 ID:Ieq3DbWe
乙でした
なんと言う極悪ウィルスウィル子w
けどなんだかんだとあっさりやっちゃう当たり自分もしたかっただけではと
568名無しさん@ピンキー:2011/08/05(金) 17:10:02.39 ID:JQtAbAWZ
GJ
569名無しさん@ピンキー:2011/08/06(土) 00:14:11.12 ID:tQUnDkKG
GJ
570闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:20:27.20 ID:VSIjhH03
また書いてみたのですが、無駄に長くなってしましました。
申し訳ありません。

 ピンポーン・・・。
 ウィル子に騙されたあの後、エロゲのキャラだ、本の中の架空のキャラだ、そもそもタキシード姿のショートカットなど無かったと、無理やりにエルシアを誤魔化したのが先週の話。
 一人暮らしの休日に相応しい、遅めの朝食でも用意しようかと腰を上げていたヒデオは、自身が立ち上がると同時に鳴った呼び鈴に従って、玄関にと向かう。
 エルシアだろうか。ともかくヒデオは扉を開ける。
「あっ。・・・・・・久しぶりだね、ヒデオくん」
 扉の先にいたのは、明るい色のスーツ姿の、ショートカットがよく似合う綺麗な女性。
 あの大会以来始めて会う。少し懐かしくもあった。
「霧島・・・さん」
 ヒデオはそれだけをゆっくりと。レナは多少しおらしく、だけどあの頃と変わらぬ、人好きのする可愛らしい笑顔を浮かべ、微笑んでいた。
571闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:22:15.76 ID:VSIjhH03

「ごめんね?急にお邪魔して」
 ヒデオは「いえ」とだけ答え、レナの前に紅茶の注がれたカップを自身の分と共に並べる。
「あ、ありがとう。・・・駅からここまで歩いてきたから、少し喉が渇いてたんだ」
 そういって紅茶に口をつけるレナ。
 後から知ったのだが、紅茶はヒデオの知らぬ前に、エルシア付きの、双子のメイドが用意したらしい。疑いようの無い不法侵入なのだが、今更の話しである。エルシアの基準で選ばれた紅茶のため、ヒデオの部屋には似つかわしくない、妙に高級な茶葉だ。

「・・・おいしい」
 少し驚いたようなレナ。
 せっかくいい茶葉があるのだからと、ヒデオは前もって紅茶の入れ方について学んでおいた。まあ、ネットで調べた程度だが、それでもレナには喜んでいただけたらしい。
 本当は先週、紅茶を入れてくれたエルシアにお礼をするために学んだ知識なのだが。
「・・・ヒデオくんがこんな美味しい紅茶を淹れられるなんて、なんだか少し意外だな」
 そういって微笑むレナ。相変わらずの美人。そんな風に笑顔を浮かべられては。
 美人といえば最近のヒデオは、まずエルシアを思い浮かべる。しかしレナもまたタイプこそ違うが、また美人。ヒデオは心なしか自身の鼓動が早まったことを感じる。
「ヒデオくんのお家、鈴蘭様に教えてもらってたんだ。本当はもっと早くに会いに行きたかったんだけど、中々・・・ね」

「・・・お店のほうが?」
 なんとなく自身の鼓動が早まっていることを悟られたくなく、ヒデオから話題を振ってみる。
「ああ、うん。物産店マルホランドは好調だよ。エリーゼ興業からも商品を卸してもらえてるし。・・・・・・でも、売り上げても売り上げても場所代に取られちゃって・・・」
 ふふふふふっ、と少しだけ鬼の笑顔のレナ。あちらは相変わらずらしい。
「あ、お土産も持ってきたんだよ!パパがヒデオくんによろしくって」
 そういってレナは持ってきていた手荷物からいくつかお土産を取り出す。The・ナイルと印刷されたレトルトカレー数点に、なぜかあんころ餅。
「はは、暗黒司祭のあんころ餅。パパッたら相変わらずでしょう?」
 だが、それも。そうやって自分がしたことを人々に忘れさせず、なおかつ自身も前に進もうとしている、そんな決意表明のようなものなのではないだろうか。
「あとね、ほらこれ」
 そういってレナが見せたのは、パスタにいくつかの材料。
「覚えてる?いつかヒデオくんに本場のぺペロンチーノ作ってあげるって言ったこと」
 そういって笑うレナに、ヒデオはあの大会時のように、飲み込まれてしまうようだった。
572闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:24:56.15 ID:VSIjhH03

「・・・台所、借りていい?」
 言いながら立ち上がるレナに、ヒデオは礼を述べてから、どうぞと答える。確かパスタを茹でる程度の調理器具は、揃っていたはずだ。
 レナはこれまた用意していたのだろう、スーツの上にエプロン姿となる。
(・・・・・・)
 やはりいいものである。女性が台所に立つというのは。
 ふんふーん♪と鼻歌交じりに、準備を始めるレナ。レナ以前に台所に立った女性が用意してくれたのは、おにぎり大のよくわからないオカラの塊だったが、今回はそれと違いだいぶ期待できそうだ。

 ぴんぽーん。

 なにか手伝おうかとヒデオが立ち上がると、また呼び鈴がなった。
 来客の多い日だと、ヒデオは台所ではなく、玄関にと向かう。 恐らく勧誘かセールスか、ヒデオが扉を開ければ少し驚いたような顔でそそくさと帰ってしまう、そんな類のものだろう。
 ヒデオは覗き窓で確認などせず、扉を開ける。
 開いた先には足元にまで届く黒い外套に、腰まで伸びた長い髪。来客が誰か判別できた瞬間に、ヒデオは思わず扉を閉めようとした。しかしそれは扉が閉まるより先に差し込まれた黒いブーツに阻まれる。
 そのまま、無理やりに扉をこじ開けられて。玄関にと足を踏みいれた彼女は笑いながら言う。
「おはようございます、旦那様」

 正直、浮かれていました。ヒデオは認める。
 だが、それでも。
 久々に出会ったレナ。彼女は変わらず美しく、人懐っこく、以前の険も消えていて。そんな彼女がパスタを作ってくれるという。この状況で浮かれるなというのが無理な話で。
 ヒデオは最初の、レナが鳴らした呼び鈴は、エルシアだろうかと思った。思ったからにはエルシアの来訪はありえるわけで。そうなれば二人がかち合うのは当然。
(・・・まずい)
 なによりも最初、思わず扉を閉めようとしてしまったことがまずい。いかにも見られたくないことがありますと、ヒデオ自身が宣言しているようなもの。
(・・・否。今からでも)
 友人が、遊びに来て、ついでに料理を作ってくれている。
 そう居直ろうか。
 いや、居直るという表現もおかしい。そう、ただ友人が遊びに来ているだけではないか。翔希が遊びに来ているようなもの。レナと翔希。そこには、性差以外何も違いは無く、おかしい話ではない。
 何もやましい事などないのだ。
573闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:29:26.69 ID:VSIjhH03

「どうしたの、ヒデオくん?」
 台所から顔を出すレナ。スパゲティスプーン片手にエプロン姿の彼女は、・・・・・・はい。とてもただ遊びに来た友人には見えません。
 そんなレナにエルシアも気づき、レナもまたエルシアに気づく。
「・・・エルシア・・・様?」
「・・・そう、あなたなのね」
 レナを見て言ったエルシアの言葉に、ヒデオは彼女が『タキシード姿のショートカット』を、誰を指していたのか思い至ったと確信する。
「・・・どうしてエルシア様が・・・ここに?」
「私は彼のものになったの。双方合意の上よ。下僕が旦那様の元にいることに、不思議があるのかしら」
 エルシアの言葉に「・・・そうなの、ヒデオ君?」とでも言いたげな目でレナがこちらをみやる。一瞬否定しかけて、やめる。自分のものになったかどうかはともかく、以前と同じ関係というわけでもない。

「勝負をしたのよ。彼が勝ったら、私は彼のものになると」
 微笑むエルシア。まるで、勝利宣言するかのように。
 言われたレナはうな垂れる。しかし、しばらくしてから再び顔を上げた。その表情にヒデオは見覚えがあった。
「・・・でもそれって、本当にヒデオくんは同意しているのかな?」
 レナの言葉に、エルシアが微笑を消す。いつもの冷たい表情に、ほんの僅かな苛立ち。
「ヒデオくん、ボクがパスタの準備を始めたとき、嬉しそうな顔してたんだ。・・・ヒデオくんの表情の変化ってとても小さいけど、ちゃんとわかった。ねえ、エルシア様?
 もし、二人が本当にエルシア様の言うとおりの関係なら、ヒデオくんはボクが作るパスタなんて必要ないはずだよね?」
 まるでエルシアをからかうような言葉。気づけば、レナの仮面が切り替わってる。レナの瞳に危なっかしい輝きが宿っていた。
 やばい。
 このレナを何度か見たことのあるヒデオは直感的に思う。これは危ない。
「―そう」
 エルシアが呟く。そう危ないのは
「言いたいことはそれで終り?」
 本当に危ないのはエルシアの方。エルシアは魔道書を広げ、指先をレナに向ける。
574闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:30:51.33 ID:VSIjhH03
「待った!!」
 咄嗟にヒデオはレナを庇う。
 ヒデオが前に出たことに、エルシアは発動しかけていた魔道書を閉じ、強引に魔力の余波を押さえる。押さえきれずに、僅かにこぼれたそれさえ、アパートを揺らす。
「ハハ・・・ハハハハッ!ほら見ろっ!!ヒデオくんはボクを庇ってくれた!パパと同じで守ってくれるんだ!」
 魔力などわからぬヒデオでさえ、何かを感じるほどの何かだ。魔人であるレナには、自分に向けられようとしていたものが、どれほど危険なものであるか十分わかっているはずだが、それでも笑う。
「・・・そう、庇うのね」
 少しだけさびしそうなエルシア。
 いや、違う。そういうわけでは。庇ったのはレナだが、ヒデオはエルシアにそんな事をさせたくなかっただけで、だけど咄嗟に出た行動はまるで―
「うっふふっ。困ってるわね、ヒデオ。いいわぁ、助けてあげる」

 エルシアとレナの間に立ったヒデオにもたれかかる様にノアレは現れる。エルシアはそこにノアレが居ることは気づいていたのだろう。エルシアに表情の変化は無いが、レナは突然現われたノアレに困惑する。
「ふふ、正確には私自身じゃないけど、始めましてでは無いわよね?だって私を呼んだのはあなたのパパなんだから」
 ノアレがレナに手を振りながらあいさつのようなものをする。
「じゃあ、キミがヒデオくんと契約したって―」
「そうよ、よろしくね。・・・ふふ、お姉様の視線も痛いことだし、早速本題に入ろうかしら」
 ノアレがヒデオから離れ、改めて三人に向き直る。
「簡単よぉ。二人で勝負して、決めればいいの。ヒデオが誰を必要としているのか。もちろん審判はヒデオ。ここまで言えばお姉様はもうわかったんじゃないかしら?」
 笑いかけるノアレ。どういうことだ?

「・・・旦那様」
 訝しがるヒデオにエルシアはもたれかかる様に、絡みつく。魔道書を持っていたはずの手で、ヒデオの股間をさする。
 ちょっ、待っ―
「先行、お姉様。さあ思う存分、勝負なさぁい」
575闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:33:00.16 ID:VSIjhH03

 エルシアはスムーズにヒデオのチャックを開き、そこに手を差し込む。ボクサーパンツ越しに、今までと違い慣れた手つきでヒデオのをさする。
 「・・・いかがですか、旦那様?」
 エルシアは上目遣いで、ヒデオの首筋にわざと吐息を届かせながら囁く。
「あ・・・あ・・ああ」
 ぞくぞくする。なんだ、今日のエルシアは。
「気持ちいいのかしら?貴方のは直接触れて欲しいって言っているように思えるけど、旦那様の許し無くそんな勝手は出来ないわね」
 エルシアはヒデオの股間を弄りながら、ヒデオに問いかける。ヒデオのそれは既に硬く隆起していた。いつものエルシアなら、ヒデオの意を察し、既に直接手を触れているはずなのに、今日はしない。
「っつ・・・っく!」
「・・・命じなさい。私にそれを出来るのは、貴方だけ。貴方が一言、私に望みを言えばいい」
 薄い布地越しとはいえ、一枚隔ててこの刺激である。今のエルシアに、その手で、直接擦られ、刺激されれば、一体どれほどの快感が生まれるのだろうか。エルシアの甘い吐息に狂わされ、ヒデオは呟く。

「・・・直接、貴方の手で、触れて・・・ください」
 搾り出すような声だが、エルシアは満足そうに微笑む。
「・・・はい、旦那様」
 エルシアはヒデオを見上げながら、器用にヒデオのを取り出し、その手で慈しむように擦る。指先で亀頭に触れ、既に溢れていたカウパーを掬い、わざとヒデオに見せ付けるように濡れた指先を口にする。
「ふふ」
 エルシアの唾液とヒデオのそれで濡れた手で、リズミカルに上下する。そんなさまを見せられ、激しく、それでいて緩急をつけ攻められ、ヒデオはあっという間に高まり、エルシアの手の中で限界を迎えた。
576闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:35:43.83 ID:VSIjhH03

「・・・・え?」
 いきなりそんな事になった二人にレナは困惑する。
「ヒデオ第一射目っと。アハハ、お姉様、随分と上手になったじゃない。ウィル子の指導の賜物ね」
 観察するノアレが、ちらりとレナを見る。
「あなたはいいのぉ?」
「え?だって・・・」
「ヒデオが欲しいのでしょう?ならがんばらないと。今のお姉様は手ごわいわよ。・・・まあ、諦めてそのまま帰るのも手だと思うけど」
 わざとノアレはレナを挑発する。
 レナは迷いを見せるが、一瞬だった。直ぐにヒデオの元にと歩き出す。


「・・・ヒデオくん・・・」
 肩で息をするヒデオに手を貸し、レナはヒデオを椅子に座らせる。
「・・・霧・・島さ―」
 名前を呼ぶヒデオの口をレナが塞ぐ。少し雑に、しかし情熱的にヒデオと口付けを交わす。
「・・・私、結構長く生きてるんだけど、こういうことあんまり経験ないんだ。だからヒデオくんを満足させられないかもしれないけど」
 言いながら、レナはゆっくりとヒデオのズボンを下ろしていく。ヒデオは椅子に座った自分の前で、膝を立てて座るレナになされるがまま。
 かつての記憶がよみがえる。
 レナは何度も出向いてくれて、自分をちやほやしてくれて、気のあるそぶりを見せてくれた。あのころの自分につかの間のときめきを与えてくれた。
577闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:36:43.97 ID:VSIjhH03

 そのレナが、今。ヒデオの、放出したばかりで汚れたそれを手に取り、舌先で、汚れを落とすように、舌を這わせている。
「あっは。・・・すごい。もう元気になったね」
 あっという間に回復したヒデオに、レナは満面の笑みを浮かべる。
「・・・じゃあ、こういうのはどうかな?」
 そういってレナは胸をはだけた。ヒデオの前に露になる二つの乳房。大きく、形も整い、ハリもある胸。ヒデオは眼を瞠る。エルシアとも、ノアレとも、ウィル子とも違う、大人の女性のそれだ。それも素晴らしいほどの。
 レナは胸を手に持つようにして、ヒデオのそれを挟み込む。
「っっっ!」
 今まで味わったことの無い刺激。決して激しいものではないが、まるで肌が張り付くかのように、ヒデオのものに吸い付く。
 レナは自分の胸でヒデオのものをむにゅむにゅと圧迫し、揺らしている。

「・・・すごいね、ヒデオくんの。こんなに大きくしちゃって。私の胸で感じてくれているんだね」
 胸に埋まりながら、時折顔をだすヒデオの亀頭にちらちらと舌を這わせながら、感嘆したようにレナは言う。
 一気に高まっていく快感ではないために、その刺激的な光景が視覚を通し、ヒデオを興奮させる。
「我慢しなくていいからね。・・・ヒデオくんなら、私の顔に出してくれていいから」
 そんなことを言われ、微笑まれては、イチコロになってしまう。
「あああ!」
 ヒデオは高まり、微笑を浮かべたレナの顔を汚していく。
578闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:37:56.39 ID:VSIjhH03

「ヒデオ二射目っと。ふふ、あの子、自分の武器がよくわかってるじゃない」
「・・・ずいぶんと楽しそうですね。ノアレ」
「楽しいわぁ・・・って来てたのウィル子?」
 観察を続けるノアレの背後に、ウィル子が現われる。ウィル子の視線の先には、エルシアとレナ、二人に同時に攻められ、悶えるヒデオの姿。
「随分と・・・お盛んな様子で」
「ええ、そうよぉ。本当はお姉様と、睡蓮か美奈子がかち合った時にやろうと思ってたんだけど。ヒデオってばいつもされるばかりで、自分からは絶対手を出さないでしょう?だからこうしてあげたの」
「・・・二人に順番にさせて、マスターから先に求めたほうが勝者、そういうことですか」
「そう、我慢できなくなってヒデオから手を出したほうが勝ち。勝負って言えば絶対お姉様も睡蓮達も乗ると思ったもの、我ながらいい手じゃない?・・・でもなんか不満そうね、ウィル子?」
「そうですか?」
 楽しそうなノアレと違い、ウィル子はかなり冷めた目でヒデオを見ている。ヒデオは、ウィル子が現われたことになど気づいていない。ましてや見られているなど、たとて視界に入ってたとしても、意識がこちらに向けられもしないだろう。

「・・・・・・ターはウィル・・・・ものだという・・・・」
 小さくて聞き取りにくいが、怒りに震えるウィル子の声。
「ちょ、ちょっとウィル子!あなた私が最初お姉様の話したとき、笑ってたじゃない。手ほどきまでしておいて、何を怒っているのよ!」
「聞くのと、実際見るとでは大違いだったのですよ、ノアレ。・・・そもそも二人にいいようにされているあの男は、ウィル子の奴隷で使徒でマイ・マスター。・・・マスターは!ウィル子のものなのです!それを好き勝手にされちゃあ、ハラワタ煮えくり返るってもんですよっ!」
「・・・あら、おかしいわね。私の聞き間違いかしら?」
 激昂するウィル子と違い、ノアレは冷めた目でウィル子をみやる。
「あなたとヒデオはパートナーだった。それは認める。でも今は違うわ。今は私がヒデオのパートナー。すなわちヒデオは私の所有物で、一切合財すべて私のものなのよ?」
「・・・なら、ウィル子たちも勝負をしますか?」
「そうね。私も一度、はっきりさせておくべきだと思うわ」
 二人は冷めた顔で笑いあい、一度頷いて、ヒデオの元に向かう。
579闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:39:51.92 ID:VSIjhH03

「ますたぁー・・・」
「・・・ウィル子?」
 甘えるような声を、ウィル子はあげる。椅子に座ったままのヒデオの上に跨り、両腕をヒデオの首に回す。
「二ヒヒ。前回はマスターに目隠しをしていたので平気でしたが、やはり恥ずかしいですね」
 照れたように笑顔を浮かべるウィル子。ゆっくりとヒデオと口付けを交わす。唇が触れ、舌先が遠慮がちにヒデオの口腔内に差し込まれる。
「・・・今日のウィル子は、なんのデータも拾ってはいないのです。ですから、この前のようには行かないかもしれませんが・・・」
 言って唇を離すウィル子は前回のときと違い、すべてがたどたどしく、しかしヒデオにはそれがたまらなく。
「・・・ふふ、マスターのが大きくなってますね。わかりますか?マスターのがウィル子のに触れていますよ」
 ウィル子のスカート越しであるために視認は出来ないが、その中でヒデオのとウィル子のが擦れているのがわかる。先ほど発射したヒデオのそれが潤滑油になり、ウィル子はヒデオの上でゆっくりと動く。

「素股、なのですが。・・・んっ。っはぁ!・・・こ、こんなに刺激が強いものなの・・・ですね・・・」
 刺激が強いのは、ヒデオも同じで。ヒデオのものがウィル子の部分に触れ、擦れている。それだけのはずだが、脳内が痺れるほどの快感が。
「ふふ・・。んっ・・・。声に出さなくても、マスターの感情が流れてきて・・・ん!ああっ!・・・こんな、すごい・・・ですよ」
 自身が味わう快感に、接触する部分を通してヒデオの快感もウィル子に流れ込んでくる。心の一部がいまだ繋がっているのか、ヒデオもまた同じで、二人が共に感じいれば、同時に二人分の快感が、流れ込む。
「・・・あああ!」
 そんな快感に長く保つはずも無く、ヒデオは昂ぶり放出する。
580闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:40:58.55 ID:VSIjhH03

「・・・これで都合三回。アハハ、ヒデオったらそんなにイっているのに、まだ足りないんだ?」
 ノアレが寝そべったヒデオのそれを片足で挟み、さする。
「どう、ヒデオ?いい大人が、小学生みたいな私に足でされているのよ?興奮する?アハ、興奮しているんだ!」
 ノアレの足はヒデオのをこするだけでなく、踏みつけ圧迫する。多少の痛みすら、もはや快楽の一部でしかない。
「気持ちいいの?踏みつけられて、気持ちいいんでしょう?ほら、ヒデオも何かいいなさいよ。アハ、アハハハ!気持ちいいんだ?痛いのに、悔しいのに、それでも気持ちいいんだ?すごい変態ね、ヒデオ。でもいいわぁ、私はそんなあなたを愛してあげる」
 手と違い自由の利きづらい足でなお、ノアレはリズミカルに、ヒデオを攻め続ける。
「アハ、いい顔よぉ、ヒデオ。アハ、アハハ、すごい!ヒデオの感情が流れ込んでくる。ヒデオ、こんな状態で絶対イクものかと思ってるわね?いいわ、悔しさと気持ちよさが入り混じったその顔!悔しい、悔しいわね?だから、・・・そのままイっちゃいなさい!」
 ノアレが足に力を込める。ヒデオは抗うことが出来ず、悔しさとともに、吐き出す。
581闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:44:26.34 ID:VSIjhH03

 ヒデオは目覚める。
 気づけば日はとっぷりと暮れていた。まるでなにか、夢でも見ていたかのようだ。体に凄まじいほどの倦怠感がある。
 上半身だけを起こし、軽く見回す。六畳間の狭い空間に、肌を露出したまま、よほど疲れているのか、すやすやと寝息を立てる女性が4人。都合5人が、狭い六畳間に折り重なるように。いつもPCで眠っていたウィル子でさえ、姿を現したままである。
 まあ、夢ではないらしい。
「・・・起きたのですかぁ、マスター」
「・・・いつの間にかみんな寝ちゃってたわね・・・」
 次に目覚めたのは、電子と闇の精霊。その声によってか、エルシアとレナも体を起こす。
「・・・すごい惨状ね・・・」
「みんな髪までベトベト。・・・ヒデオくん、すごいから」
「16回までは数えていたけど、その後は覚えていないわ・・・」

 わいわいがやがやと、気づけばエルシアとレナも普通に会話をしている。雨降って地固まるというものだろうが。ここはシャワーの準備でもするのが出来る男というもの。
「・・・それで結局、誰の勝ちなのかしら?」
 エルシアが洩らした呟きに、喧騒がとまる。ヒデオも立ち上がりかけた中腰のままとまる。
582闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:45:23.36 ID:VSIjhH03

「・・・ウィル子が確認した限り、マスターからは一度も手を出してないのですよ」
「呆れた。・・・ヒデオから手を出させるには、いっそ世界規模の何か位じゃないとダメなのかしら?」
「恐らく、マスターのことですから。責任なら何やら、いろいろ考えてのことだと思いますが」
 再びわいわいがやがやと、騒がしくなったところで―
 
 ぴんぽーん。

 三度鳴った呼び鈴に、皆が注視する。とても扉を開けられる状況では無かったためにヒデオが固まっていると、扉は勝手に開いた。
 そして扉を開いたのは美奈子。
「ヒデオさん?部屋から呻き声と異臭がすると葉多恵さんから通ほ―」
「おや。すごいことになってますね」
 扉を開けて恐る恐る中を確認しようとした美奈子が、確認した瞬間真っ赤になって停止する。後ろに付いて来ていたらしい葉多恵の姿もあった。
「ひひひひ、ヒデオさんっ!あなた一体何を!?」
「いや、これは―」
 弁解しようとしたヒデオを押しのけ、ウィル子が美奈子の手を取る。
「にほほほ、丁度いいです。美奈子も参加するのですよー」
「あら、ウィル子。さっきまで独占欲まんまんだったのに、随分変わるわね?」
「二ヒヒ、どうせ決着をつけるなら、一度に全員としてしまったほうがいいのですよ」
「そうね、私も同感だわ」
 エルシアが言う。
「私も、あまり頻繁に会いに来れないから、はっきりさせておきたいな」
 レナまでも。
 そして四人は美奈子だけでなく葉多恵までも中に招き入れる。
「ちょ!待って下さい!本官まだ心の準備が!」
「どうもどうもー。お邪魔しますよー」
 どうやら。
 宴は、まだまだ続くらしい。
583闇と電子と下僕と魔眼王+霧:2011/08/07(日) 21:46:37.18 ID:VSIjhH03
 長文失礼しました。
 レスもいただけて、励みになりました。
 ありがとうございました!
584名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 01:14:19.11 ID:6KcPynvb
2828GJ
585名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 01:25:15.76 ID:HfP3rhGQ
16回以上とかヒデオすげぇwwwww
乙!
586名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 04:42:14.35 ID:dR9wu4Nz
まだ、童貞のままなのねw
587名無しさん@ピンキー:2011/08/08(月) 09:12:45.41 ID:lI9Pvykk
月並みだがGJ!
この調子でエリーゼとアカネをだな(ry
588名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 01:09:29.91 ID:vcgpitwo
エリーゼはまだかのう
(´・ω・`)
589名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 13:08:17.19 ID:tCvw+GBg
ブレザー姿の性銀の精霊はまだですかw
590名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 15:58:01.14 ID:hbIs8xfy
ミスリル銀のおぜうさまはまだですか?
591名無しさん@ピンキー:2011/08/09(火) 21:38:28.80 ID:0efE60tA
無駄に長い?いいえ、ご褒美です。GJ!
592名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 01:02:12.10 ID:rPvm4a1J
>>589
>性銀             , - ―― - .、
 おい               ,イ           `ヽ
              〃/ __......-‐_―.-ヘ  `:、
              .;'.:/.:/.:::::::::'`´_`___∧   ':、
             -=ニ  il>'   ̄ヽヽ  `_.V ', ミ=-
            ./  .:!ト.ト、_ト、「``ヽ「`^ `Vミi! \
            .'ー┐ 〃l'⌒`ー.、ノ 、ィ-イ__ l <|l { ̄,.イ
             / ,.ハ冫弋赤ミ  〃赤¨' ,'イ!ハ、.|.|
           '´ |::l ` ',``¨´   、 `¨´`,'| lヽ∧ト┤
                从',  :.、  ,..― 、 .ィl:|(⌒ヽY `'ヽ_
             j l |:'.  ';:>xl、___リイ{从li `ヽ ヽ_| .ノ }┐
               ,' .ノ:|l:',.. ';>}    l.乂メ,|  .,|  `ヽt.´_,|
            .,' 〃l||ハ l',_`ヽ、  _./ .jl|  ,'ト、    ィ\
              ,' l  l,ィヘ. ', 〉ヽ∧__,{_  |l| . ,'∧  ̄´/У、\
           i  | ,イ///∧.',  .|`〈 〉ヽ !l|: ,'//,ヽ._¨_.イリ  ヽ
          l.| :l{l/////∧.l\| .ヒヘ  `lリ ,'/////////
           |:| lW/////∧∨ハ 〈 l liリ:,'////////,'
593名無しさん@ピンキー:2011/08/10(水) 23:09:36.45 ID:dFHG7mJv
おくれたがgj
594名無しさん@ピンキー:2011/08/13(土) 20:49:33.87 ID:5mIRHJ0A
>>583
少々遅くなったがGJ!
595名無しさん@ピンキー:2011/08/17(水) 08:20:58.02 ID:Vr/J66Au
美奈子のエロはがちでみたい。。。あるべきなので期待。
596名無しさん@ピンキー:2011/08/22(月) 23:25:17.73 ID:hzuN+ztO
>>595
確かに見たい。
597名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 12:21:23.61 ID:jO6LUlCo
ムチムチボインになった精霊少女たちって見たい?
なんとなく構想(妄想ともいう)練ってるんだけど。
598名無しさん@ピンキー:2011/08/27(土) 13:48:20.38 ID:cHER85EG
ウィル子は一回なってるしいいんじゃね
ちなみに俺は見たい
599名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 03:13:27.77 ID:k2bXkZqb
>>597
( 0w0)つメモ帳
いいのよ!
600蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:52:03.89 ID:OWaYLwD/
随分と時間を置いてしまいましたが、前回の続きを書いてみました。
書き上げた勢いで投下させていただきます。

「いや!ですので!本官としてはこんな形でヒデオさんと結ばれるというのは!い、いえっ!・・・決してヒデオさんが嫌だとかではなくですね・・・・。その、本官は、こういうことは、ちゃんとしてからだとおもうので・・・」
 部屋に連れ込まれた美奈子は、まるでイヤイヤするように首を振っている。
 スーツ姿ではなく制服姿なのは、葉多恵からの通報を受けてだからなのだろうか。美奈子の言うことは、ヒデオからすれば至極真っ当であり、そもそも今のこの状況が異常なのである。
「―では美奈子はリタイヤでいいのですね?」
 確認するようにウィル子が言う。
 美奈子は何か言おうとして、口を開き、また閉じた。
「はいはい。ではお先にわたしですねー」
 ひょいひょいと足取り軽やかに葉多恵がヒデオに近づく。
「察するに、皆さんヒデオさんを取り合っていると。そういうわけですねー。うふふー。くすすー。こういうのは久しぶりですねー」
 笑顔のまま葉多恵は、むき出しのままのヒデオのそれに手を添える。
「おやおや、随分無理したみたいですね。でも安心してくださいヒデオさん。これでもわたし昔は、越後の二十重蜘蛛の葉多恵ちゃんとしてぶいぶい言わせたものなんですよー」
 葉多恵はヒデオに体を預けるようにしながら、ヒデオのそれを両手で優しく擦る。
 冷たい指先が、柔らかな手のひらが、心地よい。
 疲労困憊、撃ち尽くしたはずのヒデオのそれが徐々に熱を帯びる。
「うふふー。ヒデオさん、なかなか立派じゃないですかー。でも流石にお疲れのようですねー」
 葉多恵の言うとおりヒデオのそれは本来の状態にまでは達していない。
「はてさて」
 葉多恵はヒデオのを擦りつつ、辺りを見渡す。そしてテーブルの上に置かれたレナのお土産の一つ、あんころ餅の前で視線がとまる。
601蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:53:22.36 ID:OWaYLwD/

「いいものがあるじゃないですかー」
 一度ヒデオから離れ、ひょいひょいとあんころ餅を手に取る。
「疲れたときには甘味が一番。これでヒデオさんも元気ハツラツですよー」
 そういって蓋を開け、なぜかパラパラと白い粉を振り掛ける。
「・・・何でしょうか。それは」
「あんころ餅です」
「ではなく。その白い粉は」
「あしたのもとです」
「いや。あのL・グルタミン酸ナトリウムを主成分とした調味―というか普通甘味に振り掛けるものでは―」
「いいから喰えっ!」
 そのまま無理やり怪しい粉末の降りかかったあんころ餅を押し込まれると思いきや、葉多恵は途中でなにか思いついたように、にたーと笑う。
 あんころ餅を一つ手に取ると、そのまま自分の口に運ぶ。そしてヒデオの顎に両手を添え、口付けを交わす。
「むう!」
 少しだけ咀嚼されたそれが舌を通して、ヒデオの口に運ばれる。抵抗しようにも、葉多恵の舌がそれを許さない。抵抗すればするほど葉多恵の舌と絡み合う。
 やがて、それはただ情熱的に、舌をあわせ唾液を交換する口付けに変化していた。
「・・・ヒデオさん、随分とお上手じゃないですか。これもそれもみなさんの手ほどきのおかげですか」
 ゆっくりと唇を離し、葉多恵は皆を見渡す。全員が、一言も発さずに注視している。視線の種類は様々、しかし全てがヒデオと葉多恵の二人に向けられている。
「くすすー。完全復活ですねー♪ではいただきまーっす」
602蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:54:35.79 ID:OWaYLwD/

 かぶりついた。
 ヒデオのものを口に含み、まるで飲み込むかのように喉奥にまでくわえこむ。先端が、なにかに触れている。葉多恵は喉奥にまで含みながらも、口内で舌を這わせ、刺激する。
「ああああ!」
 口でされるのは初めてではない。しかし、今まで受けたそれとはまた異質な感触。
 思わずヒデオは葉多恵を頭を押さえつける。
「っむぅ!」
 苦しそうな声を葉多恵が上げ、反射的に手を離す。
「あらあら。気にしないでいいんですよ、ヒデオさん。こう、頭を押さえつけて、腰を打ち付けるようにしてくださいな」
 言って再び、ヒデオのそれを口に含む。
 先ほどの粉末状の粉のせいか、それともヒデオにもそういう気質があるのか。徐々にヒデオに、もっと喉奥に、葉多恵の頭を押さえつけ、腰を打ち付けたい衝動が。
 そしてそれに飲まれる。
 無理やりに頭を押さえつけ、乱暴に腰を打ちつけ。まるで物のをように扱う。
 ヒデオのそれの先端が、打ち付けるたびに葉多恵の喉奥に触れ、まるで擦り付けるように、刺激を、快感を味わうために葉多恵を使う。
 激しい刺激と、乱暴な征服感。女性をもののように扱う背徳感すらも快感に変わり。
「っ!くぅっっっ」
 両手で無理やりに葉多恵の頭を押さえつけ、欲望を吐き出した。

603蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:55:49.52 ID:OWaYLwD/

「うふふー。一杯でましたねー。ご馳走様でしたー」
 幾度放出したかも覚えていないが、それでも不自然なほどに大量に葉多恵の喉奥でヒデオは放出した。
 喉奥で放出された葉多恵は笑みを浮かべ、それを飲み干したのだろうか。扇情的でありながら、何時もとかわらぬ笑み。
 ヒデオは今まさに出したばかりだというのに、未だ何事も無かったように自分自身が痛いほどに起立していることに気づく。
「さすが若いですねー。まだまだいけそうじゃないですかー」
 両手でヒデオのそれをゆっくりと擦りながら葉多恵が言う。その口元から僅かに液体が漏れる。
「おっとっと。勿体無い。今ヒデオさんのもお掃除しますからねー」
 一度自身の口元を舌で拭ってから、葉多恵は再びヒデオのそれに舌を伸ばす。
「くすすー。このまま下の口にもご馳走してもらいましょうか?」
 ちらちらとヒデオのそれに舌を這わせつつ、葉多恵が笑う。
 視線はヒデオに向けられている。このまま本番にまで至ってしまうのだろうか。だが、こういう形で女性と結ばれるのにはヒデオに抵抗がある。それでも、葉多恵に目を見据えられて、抗うことが出来ない。我知らず、頷こうとして―

「待ってください!」

 美奈子が声を上げた。
604蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:57:06.58 ID:OWaYLwD/

「流石にこれ以上は本官見逃せません!」
「おや、美奈子さん。どうして見逃せないので?本番行為に金銭が絡んでいるならいざ知らず、成人した二人の男女の意思合意がある以上警察の出番はないのでは?」
 少しだけからかうような葉多恵に美奈子は押し黙る。
「それに、ヒデオさんのはこんなになってしまっていますよー。可哀想じゃないですかー。ここは葉多恵ちゃんが一肌脱いで、ヒデオさんが満足するまで鎮めて差し上げようと―」
「だから!その役目は本官が請け負うと!」
 美奈子が声を張り上げる。そして葉多恵はにたーと笑う。
「はいはいー。それではバトンタッチですねー」
 あっさりと葉多恵はヒデオから離れる。そのままハイタッチするように美奈子と手を合わせ、その背中を押す。
 押された美奈子はヒデオの胸にもたれかかるように抱きとめられる。
 触れた瞬間、美奈子が体を固くする。無理も無い。ヒデオは全裸で、あのような痴態を見せられたばかりなのだ。
「・・・無理はしないほうが」
 ヒデオが言うと、美奈子はこちらに顔を上げる。
 そもそもこんなことに、美奈子が付き合う必要ないのだ。
 ちらりとヒデオは闇と電子の精霊に視線を向ける。二人とも面白がりながら事の次第を眺め見ている。例によってあの二人が暴走しているのだ。それに付き合わされたエルシアとレナには悪い気がした。・・・葉多恵は楽しんでいそうだったが。
 それでもこれ以上美奈子を付き合わせるわけには行かない。

「帰ったほうが・・・いい」
「・・・嫌です」
 胸の中の美奈子がヒデオだけが聞き取れるくらいの微かな声で否定する。
「嫌です、ヒデオさん!ここにはウィル子さんにエルシアさん、レナさんもみなさんもいて!私だけ一人帰るわけにはいきません!私だってヒデオさんが!わたし・・・だって・・・」
"ヒデオ殿、ここは美奈子殿の意を汲んで欲しいのでござるよ
 岡丸の声がする。
 ヒデオは美奈子を覗き込む。潤んだ瞳。視線が合う。しばし見つめ合い、美奈子が目を閉じた。
 ごく。
 少し唾を飲む。美奈子が何を望むかはわかる。だが、自分から女性にしたのはただの一度だけ。ちらりとエルシアを見る。
 エルシアは冷めた表情、だが、微かに違う感情の色も見える。それが何なのかまではわからない。
 美奈子の両手が、ヒデオの腰に回された。再び、彼女に視線を向ける。閉じた瞳から、僅かに雫がこぼれる。
 ああ、くそ。
 激しく胸が高鳴り、こぼれた雫を唇で掬ってから、ヒデオは美奈子に自分から口付ける。
605蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 15:59:36.44 ID:OWaYLwD/

「・・・その、ヒデオさん。私、ほんとうにこういうこと経験無くて・・・」
 寝かせた美奈子を覆い被るように見下ろしながら、ヒデオは頷く。上着を脱がそうとし、美奈子もヒデオが脱がしやすいように僅かに体をずらす。ヒデオの手がブラウスのボタンに掛かると、ビクッと美奈子が硬直する。ヒデオは美奈子を安心させるように口付けをした。
 先ほどの唇を合わせただけとは違う、多少それを意識したキス。ヒデオは美奈子の唇を舌先でなぞり、彼女の下唇を自身の唇で挟み、ゆっくりと口を開かせ、歯先から少しだけ舌を美奈子の口内に伸ばす。
「・・・んっ、ああ・・・ヒデ・・・オ・・・さん」
 美奈子も遠慮がちにだが、少しずつヒデオの舌に自らのを触れさせる。ヒデオは美奈子とキスをしながら、少しもたつきながらブラウスのボタンを全てはずす。
 白い肌と、純白のブラにが露になる。
 ヒデオの視線を悟ってか、美奈子が両腕で胸を隠した。ならばとヒデオはスカートに手を掛け、脱がした。
「あっ」
 揃いの白い下着に、白いタイツ。それだけになった美奈子の頬が薄紅色に染まる。
 ヒデオは美奈子の胸に触れる。微かだが、柔らかなそれ。触れた瞬間に今まで以上に美奈子が硬直する。激しい鼓動すら伝わってくる。
 ホックは前だろうか。ヒデオはそう予測し、ブラをはずす。美奈子は固く目を閉じている。露になった二つの双丘。多少小ぶりで、寝ているために少し横に流れたそれを寄せるように手で触れ、先端の突起にヒデオは口をつける。
「んっ!ヒデオ・・・さん・・・」
 突起を口に含み、少し転がすようにする。胸全体に舌を這わせた。美奈子の吐息が荒くなる。洩らす声に熱が帯びる。
 ヒデオは手を美奈子の下側に伸ばした。緊張を解すように、太ももから触れ始め、次第に秘所に近づいていく。ゆっくりと、時間を掛けて、下着の上から指で触れた。下着が微かに濡れていた。それを確認するようにヒデオは中指で中心の割れ目にそうように指を這わせる。

 しばらくしてから、ヒデオは下着を脱がそうと手を伸ばした。気づいた美奈子が、少しだけ抵抗するようにヒデオの腕に触れた。ヒデオは彼女の瞳をジッと見つめる。美奈子は観念したようにヒデオの腕から手を離す。
 露になった秘所をヒデオは覗き込み、息を呑む。知識としては見知ってはいるし、今までもそうい機会はあった。しかし、こうじっくりと覗き込むことは今まで無かった。
「あの、ヒデオさん。私の・・・どこかおかしいですか?」
 ヒデオの緊張が伝わってきたのか、美奈子が恐る恐る尋ねる。
「そんなこと、ありません」
 緊張を悟られてはダメだ。自分がリードをしてやらなくては。はっきりと否定して、美奈子を安心させる。
606蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 16:00:37.02 ID:OWaYLwD/

 再び口付けながら、秘所に手を伸ばし、指を這わせる。指をにじみ出るように濡れすぼるそこに触れさせ、ゆっくりと一本だけ指入れする。
「ああ!」
 瞬間、美奈子が背中を反るようにして声を上げる。十分ほぐれたはずだが、それでも確かな抵抗がある。ヒデオは指を離し、掌で撫でるように、優しく触れることにした。
「ん・・・ん!ヒデオさん、・・・ヒデオさん」
 美奈子はヒデオの名を呼ぶ。その反応が可愛らしく、ヒデオは満足する。
「ヒデ・・・オ・・さん」
 もう一度呼ばれ、視線を合わせる。目が合うと、美奈子がコクンと頷いた。ヒデオは寝かせた美奈子の足を取った。
「・・・タイツは・・・脱がなくていいんですか?」
「それは必要です」
 確認するようにいう美奈子にヒデオははっきりと答えた。

 しかし、これ以上の行為はヒデオとしては躊躇いがある。こういったことは、こういったことで簡単に致していいものではないのだ。しかし、だからといってヒデオの痛いくらいに怒張したそれが収まるわけも無く。
 ヒデオは美奈子の両足を持ち上げ、太ももを合わせる。あわせた先に、自身のそれをまるで挿入するように差し込む。
「ん・・・あああ!」 
 ヒデオは美奈子の太ももに挟まれながら、彼女の秘所と自身のそれをすり合わせる。美奈子とヒデオからにじみ出たそれと汗で滑らかに出し入れする。
 ウィル子にされたとのは違うが、これも素股のはずだ。
 ヒデオのは美奈子の太ももの柔らかな肉に圧迫されながら、裏スジは彼女の女性器とすり合わせ、快感をえる。
 太ももの圧迫と、擦れ合わさった秘肉の感触。快感は美奈子にもあるようで、彼女は目を閉じながらも、微かに声を上げている。
次第に動きを早め、ヒデオも自身が限界に近づくのを実感する。
「・・・美奈子」
 思わず名前を呼ぶ。
「・・・うれしい。もっと・・・呼んでください」
 名前を呼ばれた美奈子が嬉しそうに声をあげる。
「美奈子・・・美奈子っ」
「・・・ヒデオさんっ!」
 そして二人は互いの名前を呼び合いつつ、絶頂に、二人同時で達した。
607蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 16:02:59.48 ID:OWaYLwD/

「後半いちゃいちゃしてて、ウィル子は少し不満なのですよ」
 少し不機嫌そうにウィル子がいう。
「そうね。私は名前を呼ばれたことなんてあったかしら」
 冷めた表情ながらも確実に不機嫌とわかるエルシアの声。
「ボクはあるけど、それでも美奈子さんばかりにあんなに積極的だったのは許せないな」
 これまた不機嫌なレナ。
「まあまあ、みなさん。まだまだ時間はたっぷりとあるじゃないですかー」
 楽しむように葉多恵が言う。
「そうね。不満があるなら、ヒデオにぶつけましょうか」
 完璧楽しむようなノアレの声。
 ヒデオはこの先の展開を予測し、卒倒したくなった。


「生きてるー、ヒデオー?」
 ノアレが目の前で左右に手を振った。だが反応しない。ただ虚ろな瞳。瞼は開いて瞬きもしているが、焦点が合っていない。
 ノアレの声がやけに近くて、初めて知った。辺りがあまりに暗いのは・・・夜が更けたからでも、電気が消されたからでもない。自分の目が見えなくなってきているから、なのだと。
 きっともう、自分には……それほどに色々足りていないのだ。
「流石にこれは抜きすぎたのでは、ノアレ」
「一人頭何発抜いたかなんて覚えていないわねー。少しやばいかしら」
「おやおや。では気付けにこれでも無理やり押しこみますか」
「やめなさい。本当に死ぬわ」
 口々に声だけ聞こえる。
 死ぬ。そうか、それもいいかもしれない。
 つらい・・・。
 体が動かない。あそこが擦り切れそうなほど痛い。もう一滴も出ない。全部全部投げ出したい。

「ふふ、川村ヒデオ。今のあんたがそこまで追い込まれるなんてね」

 微かに色を取り戻したヒデオの視線に、中空に漂う何かが現われる。
「なんか必死にやばげに困っているような声が聞こえたから」
 白銀の少女が腕と足を組み、目を閉じながら宙に浮いていた。
「べ、別に心配したわけじゃないけど、まあ暇だったし。神霊班ていうのはよっぽどやばい奴も相手にしているのね。わざわざ来て上げたからありがたく思いなさいよね」
 そういって閉じていた目を開く。
「さあ、川村ヒデオ。あんたをそこまで追い込んだ敵はど―」
 辺りを見渡して、自分が、誰一人衣服を纏わない男女に囲まれていることに気づいて、エリーゼ・ミスリライトは中空で固まった。
608蜘蛛と婦警と魔眼王+α:2011/08/28(日) 16:04:41.19 ID:OWaYLwD/
 今回は以上です。
 できればまた書きたいです。

 そして、ムチムチボインを楽しみにしていたと思います。
 ではありがとうございました。
609名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 18:25:56.13 ID:WJs6dFl9
乙!今回もエロエロながらも馬鹿らしかったww
610名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 18:26:45.18 ID:7+cc9Yi5
しゃ、社長ーーーーー!?社長はまだなのかーーー!!!
611名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 22:59:43.56 ID:A0Kdb/Ml
乙でした
二度目なのに学習しない社長w
それより美奈子よ、何故入れなかったし
612名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 04:09:03.60 ID:wi2WzKB5
ひゃっはーーー!!
613名無しさん@ピンキー:2011/08/29(月) 23:08:42.31 ID:m1eKtCsG
乙!GJです!
614名無しさん@ピンキー:2011/08/30(火) 04:16:12.87 ID:y7FL2iNr
鈴蘭と伊織のセクロスマダー
615名無しさん@ピンキー:2011/09/03(土) 16:20:06.13 ID:7z0crpsf
葉多恵ちゃん可愛いよ、可愛いよ葉多恵ちゃん。
婦警さん、本番は結婚してから派ですか?
そして待ってました、ミスリル銀のおぜうさま登場ですな!
616名無しさん@ピンキー:2011/09/09(金) 01:10:02.92 ID:b9k6VlDT
鈴蘭×伊織はおれも興味ある
617 忍法帖【Lv=7,xxxP】 :2011/09/10(土) 19:08:25.87 ID:JA/BIxg5
ようやくですな>ミスリル銀のおぜうさま
618聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:29:41.25 ID:99sBWIR8
書いて時間を置くと、恥ずかしくて投下できないので、いかせてもらいます。


「…もったいぶった登場をするから現状把握が遅れるのですよ、エリーゼ・・・」
「な・・・あ・・・わ?」
 エリーゼはプルプルと震えながら、こちらを指差しながら真っ赤になって固まっている。
 無理も無い。
 喚ばれてきた先が、このような状況になっていれば、誰でも固まる。ヒデオはそう、少しは回復した目でエリーゼを見ながら思った。
「落ち着くのですよ、エリーゼ」
 同じく中空に漂うウィル子にパタパタと手で仰がれ、エリーゼは2〜3回すーはーと深呼吸してから、ヒデオに向き直る。
「…川村ヒデオ。この状況は一体ナニ?」
 無理やり作った笑顔でエリーゼが問う。
「……いや。その」
「簡単に説明すれば、ナニをしていたのですよー」
 言葉に詰まるヒデオの代わりにウィル子が答える。
「あ?」
 びき、とひび割れるように、あからさまにエリーゼの表情が悪くなる。
「いや。つまりです、その」
「みんなでマスターをかけて勝負をしているのですよー。ただマスターが出すだけ出すくせに、一向に最後の一歩を踏み出さないので、延長に延長を重ねて、こんな状況になってしまったのです」

 だれか、この精霊の口を止めてくれ。

「シネっ!」
どごしゃあっ!
「このカス!!就職して間もない木っ端役人風情が調子に乗って!自分ひとりしか養えない男が一端にハーレム!?」
がすっ!がすっ!がすっ!
「人が!死にそうなこと言ってるから!心配して来てあげたらこの有様!?ムカつく!このカス!ボケクズ!」
619聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:30:54.70 ID:99sBWIR8

「え、エリーゼ!流石にそれ以上はマスターも死んでしまうのですよー!」
「エリーゼさん!今のヒデオさんにこれ以上は!」
「惜しい人を亡くしましたねー」
「・・・まだ死んでないでしょうが。これから死ぬかもしれないけど」
「いいから!とめないと、ヒデオくんが!」
 
 声だけが聞こえるが、ゆっくりと遠のいていく。そうか・・・死ぬのか。

「・・・161ページ」

 その声と共に痛みはぱったりと止まり、ヒデオはゆっくりと目を開く。
 霞む視界で、エリーゼが魔導性の鎖に腕を取られ動きを止めている。鎖でエリーゼを抑えたのは、エルシア。
「…ナニ?」
 ノアレを拘束した光の鎖を、エリーゼはまるで紙製であるかのように容易く引きちぎりながら、エルシアに問う。
「それ以上は止めなさい」
「止めないって言ったら?」
「止めさせるだけよ」
「…ふーん」
 エリーゼはゆっくりと、エルシアに向き直る。止められるものなら止めてみなさいという顔だ。
 不味い。
 このクラスの二人が、本気で。―いや、例え本気でなくとも、二人が争うだけで、とんでもない事態になることは目に見えている。

 止めようと、ヒデオは立ち上がる。
 そのつもりだったが、体が動かない。立ち上がろうとする足が震える。
―くそ
 エリーゼは自分を心配して、来てくれた。
 エルシアは自分を守ろうとして、止めてくれた。
 その自分が、二人の諍いを止めなくてどうする。ヒデオは震える足に、言うことを聞かない体に、無理やり激を入れ、立ち上がろうとする。

 どうせ一度使った命。今使わないで、何処で使う!

 ヒデオは立ち上がる。

 が、すぐに倒れて、エリーゼを巻き込んで、潰れた。
620聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:32:00.18 ID:99sBWIR8

「―あんた、どういうつもり?」
 エリーゼを押し倒すように潰れ、覆いかぶさるように倒れこんだヒデオに彼女が問う。
「いや、これは」
 止めようとして押し倒すなんて、一体何時のエロゲーだ。
 ヒデオが言葉に詰まっていると、エリーゼは、はぁと大きく息を吐いた。
「とりあえず、どきなさい。川村ヒデオ」
「そうしたいのですが…」
 直ぐにでもどきたいのだが、体に力が入らない。喋ることぐらいしか出来ない。
「……どれだけウィル子たちとシタのよ。このケダモノ」
 したというよりは、殆どされただが。ヒデオとしては必死に動こうとしているのだが、もぞもぞと体を動かす程度しか出来ないでいる。
「胸。さわってる」
 指摘されて気づく。どれだけベタなんだ。慌てて離そうとする。しかし、胸に触れていて今まで気が付かないなんて、ひ―
 ばきっ!
「あんた、今失礼なこと考えていたでしょう」
「・・・すみません」
 殴られた。
 とにかくどこうと必死に体を動かそうとするが、殆ど悶えているような動きにしかならない。
「・・・あんたも大概ね。早く誰か一人を選べば、そこまで消耗しなくて済んだのに」
 消耗したのは事実だが、半分近くはエリーゼのせいな気も―と思った瞬間、エリーゼの形相が怖くなったので、直ぐに思考を停止させた。

「―あんた覚えてる?」
 しばらくもぞもぞしていたヒデオにエリーゼは唐突に問うた。
「僕だって、君のような神さまから、名剣を授けられる、そういう、正義のヒーローに、だったかしら?」
 ・・・聖魔グランプリのときか。
「でもわたしはすでに、それを望む勇者に盾と剣を授けた。全てを切り裂き、防ぎきる。・・・わかるわね?川村ヒデオ」
 ―翔希。
 否定されたようなものだ。自分では勇者にはなれないと。
 だが、勇者にはなれないが、違うものに、きっとなれる。なれるはずだ。
「そう、あんたは勇者にはなれなくても、違うものにはなれた。たぶんきっと、あんたはこう呼ばれる。―英雄と」
 違和感を覚える。先ほどから、まるで。ウィル子やノアレと会話しているような。なんだこれは?・・・・・・思考が読まれている?
「馬鹿ね。今頃気づいた?」
 思考を読まれていると確信した瞬間、エリーゼが僅かに身を起こし、自らヒデオと唇を重ねた。
「わたしはあんたに名剣を授けられない。・・・・・・だ、だけど、何もあげないのも可哀想だから。あ、あんたには、・・・・わたしを・・・あげるわよ」
621聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:34:01.44 ID:99sBWIR8

 これは、デレたのだろうか。
 真っ赤になって顔を背けるエリーゼを見ながらヒデオは思った。しかしウィル子よりも若そうな、フォーマルなブレザー姿の中学校入学したてのようなエリーゼ。これでは犯ざ―
 ばきっ!
「・・・あんた、あの闇の精霊に手をだしといて、何考えてるのよ」
 だめだ、まだツンだ。
 殴られた鼻頭を押さえながら、ヒデオは思う。そしてふと気づく。先ほどまで満足に身動きすらできなかった体が、多少の倦怠感こそあれ、ある程度までは動くことに。
 ちらりとエリーゼを見やる。
 ヒデオの視線に気づいたエリーゼは再び真っ赤になって顔を背ける。
 先ほどのキスだろうか?
 理由はわからないが、多分そうだ。
 ヒデオは恐る恐るエリーゼに手を伸ばし、その白銀の髪に触れた。
 エリーゼはヒデオが髪に手を触れた瞬間、緊張したように体を震わせたが、それを悟られまいとしている。
 ―可愛い。 
 思考が読まれているせいか、ヒデオがそう思うと、エリーゼは照れたような真っ赤にした顔でこちらをキッと見やる。だが何も言わない。
 ヒデオは思わず、エリーゼの頬に手を添え、ヘアバンドで見せるようにしたその額に軽くキスをした。
「・・・あんた慣れているんでしょう?し、しっかりリードしなさいよね」
 彼女の額に唇が触れた瞬間に聞こえたその言葉に頷きながら、ヒデオはエリーゼを胸に抱いた。


 ヒデオがエリーゼの太ももに触れた。その白い陶磁の肌の感触を楽しむように擦る。
「―んっ」
 ヒデオの手になぞられ、エリーゼが僅かに声を洩らす。
 華奢だが、まるで掌に吸い付くような肌。ヒデオは手で太ももに触れながら、白っぽいほどの明るい銀髪に顔を寄せ、首筋に唇を這わせた。
「あっ・・・川村ひで・・・お」
 徐々にだが、漏れる声に艶っぽさが篭っていく。太ももに触れる手が少しだけエリーゼのスカートを捲し上げる。ヒデオはゆっくりと内股のほうに手を伸ばし、絹のような下着に指を触れさせる。触れるが、すぐヒデオは下着から指を離し、また太ももに手を置く。
「・・・じれったい・・・わね。早く、脱がせば・・・いいでしょう」
 わざとじらしているのだが。
 やはり思考が読まれているのか、エリーゼは真っ赤ながらも憮然とした顔つきで自分からブレザーの上着を脱ごうとする。
 ヒデオはそれを押し留め、ブレザーは着せたまま、少し着崩したブラウスのボタンに手を触れた。
 ゆっくりとボタンをはずしていく。わざと、時間を掛けてエリーゼの羞恥心を煽る。
 ボタンを外していくたびに、エリーゼの白い肌が少しずつ露になる。ゆっくりと外気に晒される肌を見られるのが恥ずかしいのか、エリーゼは顔を背ける。
 普段、これだけ短いスカートをはいて惜しげもなく太ももを晒しているのに、恥ずかしいのか。
「・・・あ、あんた。後で・・・覚えておきな・・・さい・・・よ・・・」
 
622聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:35:08.42 ID:99sBWIR8
 
 上着を着たまま、ブラウスのボタンを全てはずし、エリーゼの肌が露になる。
 白い下着だが、美奈子のシンプルなそれとは違い、随分と豪勢な、細やかな刺繍に彩られたものだった。
 真っ赤な顔で憮然としながら、ヒデオを真っ直ぐに見つめるエリーゼ。
 ヒデオは下着の上から胸に触れた。下着の硬さもあるが、胸そのものが未発達だ。ノアレを除けば、彼女が一番小さいと思えた。
「あ・・・んた!ほんと後でコロス!」
 そんなエリーゼの言葉は無視して、ヒデオは前側のホックをはずした。白い胸の先端に薄いピンクの突起が露になる。
 僅かなふくらみを集めるように手で挟みこみ、指の腹で、突起に触れる。
「ん!」
 それだけでビクンとエリーゼは体を震わせた。胸自体は未発達だが、感度は随分といいらしい。
「恥ずかしいことばかり・・・考えないでよ・・・」
 思考が読まれるということは、案外便利かもしれない。口には出さなくとも、相手に伝わる。
 だが―
「ああっ!」
 ヒデオがスカートの中に手を差し入れ、下着の上からエリーゼの秘所に指を触れた。
 こちらの思考は読まれても、エリーゼの思考はヒデオにはわからない。だから、こうして、声を上げて貰わなくては。
 倒れこみそうになるエリーゼの背中を左手で支え、右手で彼女の秘所に、下着の上から執拗に触れる。ゆっくりとだが、緩急をつけつつ刺激する。
「あ・・・ん!・・・だ、だめよ。川村ひで・・・お」
 エリーゼが、あのエリーゼが、ヒデオの腕の中で、甘い声を上げている。
 ヒデオは昂ぶりを覚え、エリーゼの手を自身のそれに導く。
「あっ・・・うう・・・。こ、こんなのどうすればいいのよ・・・」
 両手でヒデオのものをしっかりと掴まされたエリーゼが少し泣きそうな声を洩らす。ヒデオはエリーゼの耳元にキスをしつつ、呟く。
「ゆっくり、上下に擦るように。指で先端にふれてください」
「ううううーう」
 エリーゼは呻きながらも、ヒデオに言われたとおりに手を動かす。たどたどしい動きだが、あの強気なエリーゼがそうしているというだけで、ヒデオの快感は高まる。
「僕のは・・・どうなっていますか?」
「は、はぁ!?あ、あんた馬鹿じゃないの!」
「答えて」
「うううー!」
 エリーゼが、ヒデオのそれを握りながら、呻く。
「あ、熱くて、火傷しそう。・・・柔らかいのに、硬くて。な、なによ、これ」
「続けて」
「くうーーー!・・・な、なんか先端から変なものがにじみ出てる。ヌメヌメしてて気持ち悪いわ。そ、それが、わたしの手にもついてて。なんかテラテラしてて、・・・もうなんなのよ!川村ヒデオ!んん!」
 説明するエリーゼに満足し、ヒデオは再びエリーゼの秘所に手を添える。なぜか、エリーゼには妙にSッ気がうずく。こんな一面も自分にはあったのか。
「貴方のも、僕と同じです。わかりますか?」
 下着の上からにじんだそれを指につけ、わざとエリーゼの眼前に見せ付けるようにしてヒデオは言った。こちらを殺す様な形相で睨み付けられるが、ヒデオが軽く刺激してやると、すぐに表情が緩む。
「・・・も、もう。さ、さっさとしなさいよ」
 エリーゼの言葉にヒデオは頷き、彼女の下着を脱がした。
623聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:36:04.42 ID:99sBWIR8

 スカートは脱がさず、下着だけ脱がしたが、ヒデオのそれが触れる感触で、自身のそれがエリーゼの秘所に触れているのがわかる。
 エリーゼにも、このまま、美奈子と同じ素股でと思ったが、彼女は自らヒデオのそれを最後の一線を越えるべく、あてがった。
「・・・それは、いけない」
 抵抗からか、ヒデオは離れようとする。しかしエリーゼは掴んだ手を離さない。
「馬鹿に・・・するんじゃ・・・ないわ。川村・・・ヒデオ・・・」
 エリーゼが言う。
「わたしが、・・・覚悟もなく、こういうことをすると・・・思っているの?」
「しかし、このままでは。キミを傷つけてしまう」
「その考えが、馬鹿にしているのよ」
 今までの刺激に震えていたエリーゼとは違う。真っ直ぐヒデオを見ている。
「あんたは、逃げてるだけ。傷つけたくないなんて言い訳。自分が傷つきたくないだけ。だから誰も選ばない」
 エリーゼの言葉が、ミスリルの剣となってヒデオを切り裂く。
「ここにいる誰もが、多分きっとあんたを必要としている。必要だからここにいる。全員があんたに、一生で始めてのなにかをかけて、あんたを求めた。あんただけが、覚悟をもっていないのよ」
 エリーゼの言葉の槍が、次々に突き刺さる。
「そういうことは、結婚してから?誰か一人と決めてから?今選べないあんたは、きっとこれからも選べない、選ばない。自分が一人を選べば、ほかの人たちを傷つけるから。覚悟を決めてあんたを求めたみんなを傷つけておいて?
無理なら最初からしなければいい。そうじゃないのに、最後の一線だけは、踏み出さない。ふざけるんじゃないわ、川村ヒデオ。
いい歳してそんなことも理解しないあんたには、ここにいる全員を拒む資格は無いわ」
 エリーゼの言葉はこの上なく強烈だった。
 そうか、結局自分は、自分を傷つけまいとしていただけか。
 ここにいる彼女達の気持ちを無視して。ただ自分だけを守っていただけか。
「・・・いきます」
 ヒデオはそういって、自ら一歩を踏み出すべく、宣言した。
 エリーゼはそんなヒデオに、見たことも無い穏やかな笑みで答え、受け入れた。
624聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:37:19.83 ID:99sBWIR8

「ん・・・・はぁ・・・くぅ!」
 苦しげなエリーゼの声。既にエリーゼの膣内にヒデオのそれは半分ほど埋没している。途中なにか抵抗のようなものにふれ、押し留めていた。
「大丈夫・・・ですか?」
 気遣うが、ヒデオ自身それどころではない。半分ほどでも自身を包む、肉の感触が、絡みつき、抵抗があるのに、奥に奥にと導こうと、脈動している。
「いい・・・から!気にしないで・・・う、動きなさい!」
 エリーゼは痛みで、顔を苦悶に歪ませているが、ヒデオの背中に手を回し、必死に受け入れようとする。
 ヒデオは少しずつ、ゆっくりと残り半分を、全てをエリーゼのなかにいれようと、腰を沈める。
「くぅぅぅぅぅぅ!ううぅ!」
 エリーゼが痛みに耐えるように、ヒデオの背中に爪を立てる。ヒデオも少しでもエリーゼと痛みを共有するべき、耐える。
 肉壁を掻き分けるように押し入り、なにかを裂くかのような感触とともに、すべてがエリーゼの膣内にと納まった。

「っく!」
 思わず声が漏れた。なんだこれは。これが女性の、エリーゼの膣内か。
 入れているだけだというのに、すぐに達しそうになる。エリーゼの荒い息遣いと共に脈動する肉壁はヒデオを締め付け、感触を変える。
 気遣う、優しくする、エリーゼを悦ばせる、そんなことが次々に思い浮かぶが、それどころではない。ゆっくりと腰を上下に抜き差しするだけで、声を洩らすほどの快感が。
「ん・・・っく・・・川村ひで・・・お!」
 エリーゼがヒデオの背中をぎゅっと抱きしめる。
 自然一番奥にと導かれ、限界を覚える。
「・・・もう、だめですっ」
 引き抜こうとする腰すらもエリーゼは両足で押さえ込み、ぎゅっと抱きしめる。
 もう、耐えられない。
「あああああああ!」
 エリーゼの声と共に、ヒデオはすべてを、残っているすべてをエリーゼに注ぎ込み、荒い息を吐きながら、彼女の上に倒れこんだ。
625聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:39:00.03 ID:99sBWIR8

 行為を終えたヒデオとエリーゼを、ヒデオの部屋に集まった全員が複雑な表情で見ていた。
 これが勝負だとするならば、いままさに、勝負は決した。
 ヒデオはエリーゼを選んだ。
 そういう事になる。
 
 ヒデオがゆっくりと立ち上がった。エリーゼを気遣うように寝かす彼の仕草に、嫉妬すら覚える。
 ヒデオは彼女達に背中を向けていた。それがまるで疎外感のように思える。
「僕には・・・覚悟が無かった」
 ヒデオが背中越しに言葉を発した。
「答える覚悟も、答えない覚悟も。ただ流されていた」
 一句一句、ゆっくりと言葉をつむぐ。
「僕には、誰か一人を選ぶことなど出来ない。だから―」
 全員に振り返る

「ウィル子」
「イエス、マイ・マスター」
「ノアレ」
「なあに、ヒデオ?」
「エルシア」
「はい、旦那様」
「霧島」
「うん、ヒデオくん」
「美奈子」
「はい、ヒデオさん」
 全員を呼んでから、ヒデオはゆっくりと息を吐いた。
「僕は、これから。全員に、こたえる」
 そういって覚悟を決めた眼差しで、ヒデオは全員を見つめた。葉多恵が「何故無視した!?」と叫んでいるが、ヒデオはかまわず、全員の思いに答えるべく、一歩を踏み出した。
626聖銀と魔眼王:2011/09/11(日) 13:42:08.50 ID:99sBWIR8
これで終了です。
 
やっちまった感がありますが、こりずにハーレムルートに突入したいです。
では、ありがとうございました。
627名無しさん@ピンキー:2011/09/11(日) 16:19:24.03 ID:Ek1d3m/o
ぐっじょぶだ
 
なんでいきなりデレたのかはよくわからんかったが
登場からこっちの漫才がソレっぽくてたのしかった
628名無しさん@ピンキー:2011/09/11(日) 17:44:13.82 ID:ezcTG1N9
ぐっじょぶですな
おぜうさま可愛いよおぜうさま

しかし何故葉多恵さんと思ったがオチ担当だったのかw
629名無しさん@ピンキー:2011/09/11(日) 19:07:40.31 ID:YebJnaQ3
ぐっじょぶ、と言うにふさわしいの。

次回、巫女巫女睡蓮の逆襲にこうご期待!?

いやまあ自分の希望なんですけどね。とりあえずハーレムルートの方も期待してます。
630 忍法帖【Lv=8,xxxP】 :2011/09/12(月) 23:48:09.07 ID:qz3C9ehB
ぐっじょぶだ
ヒデオもとうとう卒業しちゃったかww
631名無しさん@ピンキー:2011/09/14(水) 14:02:57.79 ID:nhcsLXko
>>628
数百年後に真っ二つ〜とかやってるせーじゃね?
632名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 23:09:06.06 ID:wq5pZyRv
ようやくレイセン3巻まで読めたんだがマックルがいい感じだった
633名無しさん@ピンキー:2011/09/16(金) 23:52:31.41 ID:rbIVZXDT
>>626
今更ながらGJです
投下されたのは知っていたのですが、なかなか読めなくて
634名無しさん@ピンキー:2011/09/17(土) 12:18:30.98 ID:4QRUFcvd
よくやった!
ウチに帰ってニンニン君をファックして良いぞw
635名無しさん@ピンキー:2011/09/21(水) 22:56:10.94 ID:ySk5I1Cv
魔眼王シリーズもけっこうな長編になりましたな(良い意味で)
636名無しさん@ピンキー:2011/09/24(土) 23:42:51.63 ID:nvfCUHh2
>>626
2週遅れのGJ
637名無しさん@ピンキー:2011/09/25(日) 00:11:11.19 ID:/ir1isM0
ひきにぱさん来ないかな
638名無しさん@ピンキー:2011/09/28(水) 04:19:51.78 ID:EpBwk4Sr
             ____
          ,. .´          `  、
          / /‐ニ三二三ニ‐∨  ヽ
        /   /ニ==-―-==ニ∨   .',
      / / ハ/\/\/\/\/ヽi  i  !
      / i  | / ̄`    ´ ̄\ |  |  l
.     ィ′ |  | ___、    / __ . |  |  .ゝ
     /  |=〈 f'´テメ    f ヤメ 〉|=|   ヽ、 
    /イ  |.》 | 弋zソ    弋_メ | 《.|  ト-`
.      |  |=ト、、、、、   '  、、、、 |=|  |
       !r´〉, .从      ,、    小 | ̄ `ヽ
   r'´` ヽ∨」_>_      イ |.  |:::::::::::: }
  /二   ./´::::::::::::::::::::: ̄`¬=ー┴‐┴―- ミ卜、
. /´:::::`ゝ、. {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ::: ハ
. /´:::::`ゝ、. {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ::: ハ
639名無しさん@ピンキー:2011/10/05(水) 23:47:17.86 ID:KV18GVCy
鈴蘭のエロを誰も書かない不思議
640名無しさん@ピンキー:2011/10/06(木) 02:09:08.84 ID:EMvZjg+m
男優役の全身タイツがサブマシンガンで・・・
3秒しか妄想が持たなかったのは初めての経験だ
641名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 14:14:50.56 ID:Kh9Yfwdl
総帥かわかわ
642名無しさん@ピンキー:2011/10/10(月) 14:48:33.91 ID:cot05vIp
ヒキニパ神は光臨されんのか
643名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 01:10:45.02 ID:xzgACDG7
スライムにイカされまくる総帥とか妄想した
644名無しさん@ピンキー:2011/10/11(火) 03:03:01.81 ID:QjEsuwLs
スライムにイかされまくるのは吾川さん
総帥は逆にスライムをレイプする
645名無しさん@ピンキー:2011/10/12(水) 00:49:00.67 ID:UQ2ocS9q
マーラー×総帥、いける!!
646 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 :2011/10/14(金) 00:52:34.37 ID:ErDOm1Js
普通に伊織×総帥あるいは翔希さん×総帥でどう?
普通&文章かけなくてすまんが
647名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 20:10:18.74 ID:0SfNkyUX
そういや前に総帥×伊織で書こうとして結局挫折したな
あの二人はエロ方面での絡みを書くのが難しい気がする
648名無しさん@ピンキー:2011/10/18(火) 23:15:37.61 ID:EyNIcV/V
伊織×吾川さんなら問題なかったはずだ
649名無しさん@ピンキー:2011/10/21(金) 22:08:44.94 ID:BQaOD3Y6
疲れたりして生命力が減ると、子孫を残そうとして性欲が強くなるんだそうだ

つまり、二人が生命の危険を感じれば!
650名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 23:35:04.58 ID:JFeKTOYN
>>649
少なくともアウタークラスが動かないとあり得ない様な事を……
651名無しさん@ピンキー:2011/10/22(土) 23:58:48.20 ID:E6hb/C/9
>>650
みーこさん
652名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 01:53:15.45 ID:XlktJW0U
>>651
しそうに無くね?
堕ちる前ならともかく
653名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 09:21:30.50 ID:S0RTSNFt
堕ちるまえのみーこさんがちょっと目を覚ましたせいで世界の危機に
654名無しさん@ピンキー:2011/10/23(日) 21:16:01.50 ID:VXEAukTN
ミスマルカ編に突入する寸前なら・・・だめだ、この二人じゃ危険にならない=エロにならない
655名無しさん@ピンキー:2011/10/24(月) 20:21:46.83 ID:Kgx9SblK
そもそも根本的にエロに向いてないよね
656名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 01:10:35.82 ID:ba5uS73X
ヒデオってかマスラヲ中心に見るとエロゲっぽいんだが
ばいまぞ、おりがみ、ミスマルカはエロスが無いと言うか
群像劇っぽいというか……
657名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 02:01:37.61 ID:ba5uS73X
おぅ、自分で書いといてなんだが
「ばいまぞ」ってなんだよ
「ばいまじ」だろうによぅ……
658復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:03:26.59 ID:p1O/qMwk
 私のはエロでは無く、パロなので申し訳なく。
 では、久々に続きを投下〜♪


 鈴蘭率いる武装メイド部隊と伊織貴瀬率いる魔殺商会全身タイツ部隊は川を挟んで完全な膠着状態に陥っていた。
 ここまではヒデオの策略通りである。次は魔眼王最大の武器である“説得”が威力を発揮して・・・。
『ってどこのスパロボですか!?』 脳裏にウィル子の声(ツッコミ)が響く。精霊であるウィル子やノアレとは精神がリンクしている為、彼女たちが近くにいる場合、ヒデオの思考に適宜ツッコミが入るのだ。

 一方的に思考を読まれるのは不公平。精神が繋がっているのならば、こちらからもウィル子の考えている事も・・・・。
『01011011101010001011101010111010100011101100111・・・・・・』
 ・・・どこのマトリックスかと!
 どうやら電子の神は二進法で思考しているらしい。

 ならば、ノアレの方は・・・目が合った途端、猫の様に目を細めてニヤリと嗤(わら)うノアレ。
 精神の繋がった一瞬、コールタールのような粘(ねば)つく漆黒の、絶望が具現化したような・・・闇の精霊の心を読むのは精神衛生上良くないような気がする。凄く!

 邪悪な精霊達の心を読むのを諦めて、ヒデオが鈴蘭の説得を開始しようとした矢先、凜とした声が響き渡った。
「お前は仕事を休んで、このような所で何を遊んでいるのです!」
659復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:06:42.54 ID:p1O/qMwk
「ヒデオ、睡蓮が来たわよ」
「ふっ。想定の、範囲内・・・」
「マスター、自信たっぷりなのは良いのですけど、ウィル子の計算では、みこみこ睡蓮に勝てる可能性は0.01パーセントもないのですが・・・」
「ついに、壊れたか・・・」 嘆息するヒデオ。
「し、失礼な! ウィル子は壊れてないのです!」


「睡蓮、袴、袴!」
 自分もスカートの裾を押さえながら、睡蓮の下に駆けつける鈴蘭。
 馬鹿と煙は高い所に昇りたがるというが、睡蓮はあろう事か、川沿いの電話ボックスの上でポーズを決めていた。当然、上昇気流を受けて緋袴がバッサバッサと盛大に翻(ひるがえ)っている。
「問題ありません、姉上」 涼しげな顔の睡蓮に対し、
「見えちゃう、見えちゃうってば!」 鈴蘭は大いに慌てている。
「ご心配なく。ちゃんと履いてます」
 そう! かつての様に和装の下着である襦袢だけでは心もとないが、現在の睡蓮は洋装の下着(ショーツ)を着用している。
見えるはずも無く、ガードは完璧だし、いざ事に及んだ際にはヒデオが脱がす楽しみと、自分はヒデオの手で剥(む)かれる喜びと・・・はっ! いえ、そういう事ではなく!

「はしたない! はしたないってば!」 姉がまだ慌てている。
「水着の“びきに”の下と同じではないですか。あれが恥ずかしくないのに、なぜ恥ずかしがる必要があるのです?」
 かつての世相に疎かった睡蓮には、姉の鈴蘭が身に纏(まと)っていたメイド服や学校の制服のスカートすら大変に恥ずかしい物だと感じられたし、水着などは言語道断な所業だったのだが、世俗に降りて5年。睡蓮も世の中の常識というものを学習している。
“びきに”が恥ずかしくないのであれば、被覆率が同程度の“しょーつ”が恥ずかしいという道理は無い。
「水着と下着は、違〜う!」
 何が違うと言うのだろう? 変な姉だ。
660復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:07:31.26 ID:p1O/qMwk

 言い合う名護屋河姉妹に対してカメラが向けられる。
 ヒデオは、後でパンチラ写真を貰おう。と思って、全身タイツカメラ部隊の方を見たのだが、ヒデオに見られた全身タイツ達は、一瞬硬直した後、そそくさとカメラを下げた。

“俺の女を撮るんじゃねえ、殺すぞ! とか思われたのよ、きっと”
“にほほ、目は口ほどに物を言う。 ですよ”
 そんなつもりは無かったのだが・・・。いいんだ。いつもの事だから。どうせ殺し屋のような目付きが・・・。

「おや、ふむ。ヒデオ君も男じゃないの」 その様子に川向こうの姉妹も気づいていた。
「ふっ。私のヒデオなれば、当然の事です」 睡蓮がちょっと得意げだ。
 しかし、それはそうと、バサバサと袴の裾が翻るのは少々鬱陶しい。

 睡蓮は虚空から弓矢を召喚すると、目にも留まらぬ早業で向いの倉庫の屋上の大型扇風機を射貫いた。

 ズガンッ! ドカンッ!

 砲弾でも当たったかのような音を立てて、扇風機の内の1基が爆発した。

「な、何で矢が当たって爆発するのよ!」
 常識的な精霊であるエリーゼが驚愕する。そもそも、扇風機の立てる強風の中を直進して飛んで来るだけでも非常識なのに、ただの矢が爆発するなぞ非常識極まる。
「さすが、みこみこ睡蓮なのですよ〜」
661復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:08:18.17 ID:p1O/qMwk

「みたか、睡蓮の力を!」
 川向こうの鈴蘭が威張る。ガードレールに片足を掛けてポーズを取った途端に上昇気流を受けてスカートが盛大にめくれ上がる。
「きゃあああああ!」 悲鳴も盛大に上がる。クラリカの二の舞いなので、はっきり言って馬鹿である。

 ・・・だが、対岸からフラッシュが焚かれる事もなければ、シャッターが落ちる音もしない。
「って、あれ?」
 その静かな様子に鈴蘭が不審がる。


「シャッターチャンスだぞ、お前、撮れよ」
「いや、でも、総帥だし?」
「ワザとらしかったよな、今の」
「需要ないっつーか」
「メモリーの無駄というか・・・」
「萌えないし・・・」

 カメラをボックスに仕舞い始める全身タイツ達。

「ちょ、何だ、お前達、その反応は! 美少女のパンチラを前にして・・・枯れてるのか、枯れ果ててるのか? そうなんだな!?」

「ふう」 伊織貴瀬は盛大にため息をつき、やれやれと首を振る。
 隣のヒデオは、ぼーっと立ってるだけで無反応だ。

 何というか、クラリカ達の時とあまりにも違う反応。パシャパシャと写真を撮られまくって、伊織から辱められるのも嫌だが、何というか、無視されるというのも、こう、女のプライドが傷ついた。

 ちなみに翔希はレベルアップを果たしているので、鼻血を吹く事もなく鈴蘭のスカートの中をガン見していたが、不幸なことにというか、幸いにしてというか、鈴蘭は気づかなかった。

662復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:09:05.09 ID:p1O/qMwk
「睡蓮、やってしまえ!」 鈴蘭がプチッと切れた。
「元よりそのつもりですが、姉上は何を怒っておられるのです?」
「いいから!」 鈴蘭がダークオーラを全開にしている。
「分かりました」 嘆息して答える睡蓮。何か言うと矛先がこっちに向きかねない。

 睡蓮が二の矢を番(つが)える。

 そうはさせじとエリーゼが虚空に手を翳(かざ)す。
「ミスリルシールド!」
 エリーゼの手の動きに沿って、ミスリル銀の薄膜が展開される。

 だが!

 睡蓮の放った矢はミスリルシールドを難無く貫通し、2基目の扇風機も爆発四散する。

「な・・・あんたの妹はどんだけ非常識なのよ、名護屋河鈴蘭!」
 ライフル弾すら容易(たやす)く弾くミスリルシールドを貫かれてエリーゼがキレる。
「いやあ」 テレテレと照れる鈴蘭。
「褒めてない!」

 そんなやり取りの中、睡蓮が三の矢を番えた。
「ミスリルシールド!」 エリーゼがすかさず先程よりも厚みを増したミスリルシールドを展開、同時に、
「イージス!」 ウィル子が電磁障壁を展開する。

 だが! やはり睡蓮の矢は、ミスリルシールドもイージスも両方とも貫通し、最後の扇風機も破壊された。
「ああ・・・破邪の聖銀が・・・」
 エリーゼが、がっくりと肩を落とす。
「アレはカミを殺す為の技。気にするでないよ」
 とみーこがエリーゼを慰める。聖魔杯で互角に戦ったエリーゼの実力をみーこは認めているのだ。だが、名護屋河のワザは、それをも上回るのである。そのようにみーこ自身が仕込んだのだ。
「あ〜、イージスがぁ・・・って、だからウィル子は壊れてないのです!」
 後半のはヒデオに向けての言葉だ。ヒデオが何か思ったらしい。
663復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:09:53.50 ID:p1O/qMwk

「くくくっ。やるではないか。これでこちらも逃げ場が無くなったな。さて次はどうする、ヒデオ?」
 伊織は楽しげだ。
 巨大扇風機による風王結界とエリーゼによる鈴蘭達のミスリル製の武器の無効化で千日手に持ち込んだのだが、人間兵器 名護屋河睡蓮の投入によって戦力のバランスが崩れた。こうなると、橋が一本しかない陸の孤島である為、こちらは逃げ場を失った事になる。
「社長、撤収の状況、は?」
「あと少しで完了する
「では・・・翔希を」
「ヒデオ、俺は女は斬りたくない」 確かに翔希ならば睡蓮とも互角に、
「ぐるぐる巻きにして、川向こうに投擲すれば、かなりの時間を稼げるかと・・・」
「俺を売る気か!」
 おそるべし、川村ヒデオ!

「だが、睡蓮はどうする?」
「それは、これから説得を」
 始められなかった。
664復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:10:28.66 ID:p1O/qMwk



「これで落ち着いて話が出来るというものです。で、姉上、これは何の騒ぎなのです?」
「えっとね、睡蓮。川向こうにご主人様のメカ鈴蘭の工場があってね」
「なるほど、では五月雨(さみだれ)で・・・」
「って、待った、待った!」
 五月雨とは上空に射ち上げた矢が無数に分裂し、雨のように地表に降り注ぐ技だ。睡蓮の矢は先程の威力がある為、実質、空爆と変わらない。辺り一面、火の海になるのは必定。
「なぜ止めるのです? 姉上」
「向こう岸には、長谷部先輩やヒデオ君も居るんだぞ。無差別攻撃するんじゃない!」
「ならば、私(わたくし)が説得してみましょう」
 下手に実力があるが故に、物事を暴力で解決しようとする傾向のある妹の成長にホロリとする鈴蘭。


「伊織貴瀬! なぜ、めか姉上を作るのです!」
『悪の組織のロマンだからだ!』 拡声器で返事が返って来る。
「売るのならば、姉上よりももっと美人でぐらまーな美女モデルにすれば良いではないですか! さすれば、姉もここまで怒らないのです」
「おい!」 論点がズレてる。
『鈴蘭は神殿教団の聖女なのだぞ。それを鈴蘭が教団の仕事をしないから、代わりにメカ鈴蘭を派遣しようというのではないか!』
「姉上?」
「だって、ほら、私は魔殺商会のメイド長としての仕事が・・・」
『しかも性格のベースは、昔のみーこで、胸も大きく本物よりも優れた鈴蘭なのだ!』
「本物よりも優れた偽物なぞ、有り得ません! 胸以外は!」
「おい!」 この妹は・・・。
『ふっ。それは、どうかな?』 伊織がメガネを光らせた。
『メカ鈴蘭は、言葉を話せて、計算も出来るぞ』
「その程度、姉上にも出来ます!」
 当たり前である。メカ鈴蘭の性能の低さに頭を抱える鈴蘭。そんなのが微笑んでるだけで用が足りるのだから鈴蘭は教団に行きたくないのだ。というか、そんなのに負けたのか、私は。
『一人で買い物にも行けるし、料理も作れる』
「その程度、姉上にも出来ます!」

『八カ国語を自在に操れ、微積分を暗算で解けるが?』
「その程度、姉上にも」
「いや、無理だから」 涙目で遮る鈴蘭。どうやら本当に高性能らしい。
『その才媛ぶりは、勇者をも虜(とりこ)にしてしまうほどなのだ! ははははは』

「長谷部せんぱい・・・」 向こう岸には長谷部翔希も居る。
「いや、その、なんだ・・・」 翔希は歯切れが悪い。



「社長。ここからは自分が」 このまま鈴蘭と翔希を話させたら押し切られる。
「うむ。任せた」
665復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:11:03.35 ID:p1O/qMwk



『名護屋河先輩』
 ヒデオが伊織から拡声器を借り受け、睡蓮に呼びかける。『睡蓮』ではなく『名護屋河先輩』と呼ばれたからには、こちらも答えざるを得ない。
「話を聞きましょう、川村ヒデオ」
『翔希とゼフィランサスをくっつけたのは、実は、僕だ』

「余計な事を!」 隣で姉が怒っている。

『実は長谷部翔希は、総帥に心惹かれている』
 ヒデオの隣で翔希が慌て、睡蓮の隣で鈴蘭が小さくガッツポーズをする。

『だから、総帥以上のメカ鈴蘭試作1号機のゼフィランサスと翔希をくっつけた。これは僕の為であり、君の為だ』
「どういう事なのです?」 メカ鈴蘭と長谷部翔希をくっつけて、ヒデオと睡蓮に何の得があるというのか?
『万が一、翔希と総帥がカップルになったら・・・』
「どうだと言うのです?」
「っていうか、万が一って何?」 心惹かれてるってさっき言ったよね?

『どうしても聞きたいというのか・・・』
「言わねば分からぬでしょう」

『この手だけは使いたくなかっんだが・・・』
 そうもったいつけると、ヒデオは翔希の方を向き、

「兄さん・・・」

 ビシィっ! 空気が一気に氷点下まで下がった。兄さんと言われた翔希は凍りつき、鈴蘭やクラリカ以下の武装メイド部隊は顔を引きつらせ、伊織貴瀬やみーこ達は動きを止め、ウィル子・エリーゼ・ノアレの精霊3人娘は、浮力を失いポテポテと地面に墜落した。
666復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:12:52.87 ID:p1O/qMwk



「な・・・・お前は、一体何を!」
 もっとも早く衝撃から立ち直ったのは睡蓮だ。なぜヒデオが長谷部翔希を兄と!?

『鈴蘭は、睡蓮の姉。もし鈴蘭と翔希がくっつけば、翔希は僕の、義兄になる』
「それは、確かにそうですが・・・」
『すなわち! 睡蓮、君にとっても、翔希は義兄という事になる』

 ヒデオの言葉に頭を抱える睡蓮。そんな事までは考えてなかった。
 そんな睡蓮にヒデオが追い打ちをかける。

『睡蓮は、翔希の事を『兄上さま』と呼ぶのだろうか?』

 睡蓮が凍りつく。
 長谷部の愚息が兄、アレを兄と呼ばねばならないのか!?
 だが、ヒデオの言ってる事は正しい。

『更に長谷部先輩(=翔香)が、社長(=伊織貴瀬)と結婚するという情報もある』
 そういえば、そういう話が出ていたような・・・。
『そうなれば睡蓮、君の代で、名護屋河家は、伊織家と長谷部家と親戚という事に・・・』

「!!!」 そのあまりの衝撃に瞬間、睡蓮は思考能力を失った。
「邪流 伊織と傍流 長谷部と親戚に・・・しかも義兄・・・」
「いや、睡蓮、そんなに深く考えなくても、みんな仲良しになるだけだし、人類皆兄弟って」
「姉上!」
「な、何、睡蓮」
「姉上には長谷部の愚息はふさわしくありません。もっと良き殿方を探しましょう! 私も及ばずながらお手伝い致します!!!」


 よし! 睡蓮は落ちた。
「な、何という口車・・・」 ウィル子が唖然としている。
「さ、さすがヒデオね・・・」
 今のは闇の精霊にも心理的なダメージを与えたようだ。よろよろと浮き上がるノアレ。
 ちなみに、エリーゼはまだ倒れたままだ。

「言われるまで気づかなかったが、そういう事だったのか、ヒデオ?」
 そういう目的で、ゼフィを自分の下に預けたのか。
「いや・・・試作1号機が翔希の所に行ったというのは、壊れてから聞いた」
「と、いうことは今のは・・・」
「はったり・・・だったんだが、思いの他、効果があったようだよ。兄さん」

 べしゃっ。再びウィル子とノアレが墜落する。

「頼むから、それは止めてくれ」 翔希の腕に鳥肌が立つ。

「これで、かなり時間が、稼げたはずです。睡蓮は戦力外に・・・」
「う、うむ、敵味方に無差別に精神的ダメージを与えたが・・・よくやってくれた」

 かくして川を挟んだ戦いは振り出しに戻り、この間にも工場の移転作業は着々と進んでいたのである。

(終わらなかったので、行き当りばったりに更に続く予定)
667復活のひきにぱ:2011/10/25(火) 02:15:37.65 ID:p1O/qMwk
 あれ? 長文投稿が出来る。また仕様が変わったのだろうか???

(おまけ)
「この親戚関係が成立した場合、僕は社長の事を何と呼べば良いのだろうか?」
「睡蓮がヒデオの相手だから、奥さんのお姉さんの旦那さんのお姉さんの旦那さんね」
「何だか、よく分からない関係なのですよ」

 というか、偽作家の私が分からないので、誰か教えて下さい。

       翔香−貴瀬
        │
    鈴蘭−翔希
     │
ヒデオ−睡蓮

 という関係が原作のレイセンでも成り立つよーな?
 というか、それを思いついたが故に、また内容が変わったのだが。
668名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 04:11:44.42 ID:3WsFl9is
乙です!
その辺りの関係はどうなるんだろうな
まぁ一番ありそうなのは結婚しない、なんだけどなw
669名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 04:16:39.71 ID:Z6NTKKLA
きたーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!
670名無しさん@ピンキー:2011/10/25(火) 11:59:42.03 ID:vFE/U9LG
乙です‼
「ついに、壊れたか」で噴いたw
671名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 17:54:34.24 ID:hAArDDyx
更新乙です 
睡蓮は流石に強いですなw
672名無しさん@ピンキー:2011/10/26(水) 18:41:22.50 ID:lgvcbOYE
おおヒキニパ様が光臨なされていたとは!
673名無しさん@ピンキー:2011/10/29(土) 10:30:29.63 ID:xhsLIHdz
ひきにぱー、ひきにぱー
674名無しさん@ピンキー:2011/10/31(月) 00:38:49.04 ID:dPNoG3RX
ひきにぱ〜ひきにぱ〜
675名無しさん@ピンキー:2011/11/02(水) 23:43:34.46 ID:5us8bQQo
暇に明かせて作ってみた。

ヤバイ。 ヒデオヤバイ。
まじでヤバイよ、マジヤバイヒデオヤバイ。
まず弱い。もう弱いなんてもんじゃない。
超弱い。弱いとかっても蟻何匹ぶんくらい?とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無職。スゲェ!なんか単位とか無いの。何円とか何ドルとかを超越してる。
無職だし超弱いしかも勘当されてるらしい。ヤバイよ勘当だよ。だって普通は盆も暮れも帰省しないとかないじゃん。
だって帰省しないと困るじゃん。いつの間にか親死んでるとか困るっしょ。
逝っちまって、三ヶ月前は仕送りあったのに、いつの間にか仕送りないとか泣くっしょ。
だから勘当とかされない。話のわ
かるヤツだ。
けどヒデオはヤバイ。そんなの気にしない。勘当されまくり。職安が観測してもよくわかんないくらい無職。ヤバすぎ。
無職っていったけど、もしかしたら(今は)職があるかもしんない。でも職があるって事にするとじゃあ、ヒデオの職業ってナニよ?って事になるし、それは(一般人には)誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超目付き悪い。背筋が凍って1ケルビンになりそうなくらい。摂氏で言うと?272℃。ヤバイ。寒すぎ。バナナで釘打つ暇もなく死ぬ。怖い。
それに超無口。全然喋らない。それに超暗い。「死んで償いを」とか平気で言う。死んでて。小学生でも言わねぇよ最近。
なんつってもヒデオはハッタリが凄い。無職とか平気だしうちらなんて無職とかなったら死んじゃうから必死に職安行ったり、バイトしたり、ハロワ見たりするのにヒデオは全然平気。無職を無職のまま扱ってる。凄い。ヤバイ。
とにかく貴様ら、ヒデオのヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイヒデオを生み出した林トモアキとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。


お目汚しスマソ
676名無しさん@ピンキー:2011/11/03(木) 00:56:47.22 ID:PHjjBEUB
そんなヒデオも今では妖精に囲まれて
脇を見せる痴女にプレイを強要されつつも元気に過ごしているんだな
677名無しさん@ピンキー:2011/11/03(木) 02:57:34.67 ID:CK3Mu5Om
誰か鈴蘭と伊織のエロ書いてください
678名無しさん@ピンキー:2011/11/03(木) 04:56:49.21 ID:GVigUoJF
俺的には鈴蘭とヒデオが見たいな
679名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 16:18:26.85 ID:p3mUER0p
今更だけどヒデオ的に生き返りはどうなんだろ?
ありなのか、なしなのか
680名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 16:20:32.11 ID:P7hyAcjC
>>679
ヒデオは一回光になって死んでるから
681名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 18:17:31.12 ID:0Vp5qQeb
人間としては年取ってかなんかで死にたいとは思ってそうだけどウィル子なりノアレなりエルシアなりが頼みこめば
人ではない意識やらなんやらでまた行き続けそうな気もする
682名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 19:36:01.78 ID:xvw6eSwL
>>680
いやそうでなく
ヒデオの心情的にはどうなのかな? こと

683名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 20:50:21.03 ID:NlHsHb6A
ありなんじゃね?その辺は一般人の思想と変わらんと思う。
684名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 22:48:10.89 ID:8ev++2Si
パジャマ神として天界いけばいいじゃない
685名無しさん@ピンキー:2011/11/07(月) 23:31:32.76 ID:sn/htvFO
>>683
さんくー
いやさ、ほむらさんに切った啖呵思い出したらさ
蘇りとかも思想的にNGなのかな? と思ってさ
686名無しさん@ピンキー:2011/11/09(水) 18:48:16.65 ID:JwiFxfkS
伊織に胸を揉まれて感じちゃう吾川さんが見たい
687名無しさん@ピンキー:2011/11/09(水) 23:18:05.23 ID:IPuomhQH
ヒデオは人として生きてるからこそ闇のお気に入りなんじゃないかな、と
まあ人として死んだ後は頼まなくても誰かしらに魂確保されそうだけどw
688名無しさん@ピンキー:2011/11/10(木) 19:51:11.31 ID:/hgHNFzG
12/27発売 レイセン File4:サマーウォー 【著:林トモアキ/絵:上田夢人】
レイセンキタ―――――!!!
689名無しさん@ピンキー:2011/11/10(木) 21:08:00.23 ID:+xPjQQwV
サマーウォー……コミケ? ぼくらのウォーゲーム?
690名無しさん@ピンキー:2011/11/11(金) 12:40:25.62 ID:DLSOBRTG
天白サマーウォーズktkr!!

アカネの里帰り(という名の婚約披露)に付き合うヒデオが見られるのか…
親族ってことでキョジさんも出てきたら超うれしいんだが
691 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/11/11(金) 19:54:29.24 ID:YceACZD8
バーちゃん死んじゃうじゃねーかw
692 忍法帖【Lv=14,xxxPT】 :2011/11/12(土) 23:09:06.86 ID:jvj2+pfB
キョジさんいいよな
693名無しさん@ピンキー:2011/11/13(日) 15:39:08.05 ID:FAXo29vB
エルシアのエロが見たい
694名無しさん@ピンキー:2011/11/18(金) 03:27:57.78 ID:GcJAmRXP
信じられんが総帥のAA見っけた一つしかなかったけど……
695名無しさん@ピンキー:2011/11/18(金) 21:32:13.01 ID:po8a3eFJ
最近思うんだがエルシアってマゾだよな?
696名無しさん@ピンキー:2011/11/19(土) 00:33:59.45 ID:GnXCi6ia
マゾっていうより束縛されたい?
自分より強く自分をより楽しませてくれる者に自分を使って欲しいって感じに見えるな
697名無しさん@ピンキー:2011/11/19(土) 15:02:07.45 ID:GSAVCpSD
何にしても尻穴は弱そうだよね
698名無しさん@ピンキー:2011/11/19(土) 19:23:42.56 ID:0VA/OJYw
熱くなれる事と言われてヒデオが旦那さまとして野外露出調教をエルシアに施す
最初は興味本位だったが、すっかりどハマりして乳首、膣、アナルに道具をつけられた状態で
お硬い睡蓮やかつてのパートナーであるリュータなどに会い特殊な性癖にめざめる話し…
うん、まずヒデオはしないわな
699名無しさん@ピンキー:2011/11/22(火) 00:44:51.43 ID:gESwbqFV
っ酒
700名無しさん@ピンキー:2011/11/22(火) 23:17:51.86 ID:baQ2/uMi
ヒデオ主導のエロって難しい気がする
701名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 00:01:51.77 ID:vdhM4MGt
パジャマ神が全てのπをその手に・・・!
702名無しさん@ピンキー:2011/11/23(水) 00:22:40.88 ID:MTPBz3jx
堕天使とか暗黒神にも手を出すのか。
そうなったら晒せしものに匹敵するHENTAIになるぞ…

703名無しさん@ピンキー:2011/11/25(金) 12:59:26.98 ID:wHgemn75
エルシアー!
704名無しさん@ピンキー:2011/11/26(土) 04:14:50.85 ID:reVnk3i0
続巻まだかな。
705名無しさん@ピンキー:2011/11/26(土) 10:32:02.94 ID:Yp7lnCiv
>>704
年末まで待て@1ヶ月だw
706名無しさん@ピンキー:2011/12/04(日) 15:08:33.10 ID:qjfG3mRr
年末で忙しいからか完全に止まってるな
707名無しさん@ピンキー:2011/12/05(月) 00:03:32.29 ID:NEJ3oFH1
レイセンまでまだけっこうあるな
708 忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2011/12/08(木) 01:26:49.00 ID:V7umJ0kG
総帥の出番はあるのか
709名無しさん@ピンキー:2011/12/08(木) 13:29:53.51 ID:AMmXydVY
ミス丸かよりレイセンのが好きだわ
早く出してくれー
710名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 22:58:22.70 ID:uVZZF+O+
あとがきで言ってたトモアキのシナリオのエロゲは出ないのだろうか
……まともなヒロインが出る気がしないがw
711名無しさん@ピンキー:2011/12/16(金) 23:05:24.37 ID:cXyZq47p
>>710
とりあえず誰かしら、あるいは全員メイドなのだけは確定してるが
712名無しさん@ピンキー:2011/12/22(木) 15:28:42.76 ID:L+55fNAp
表紙来たな……メティ、ス?
713名無しさん@ピンキー:2011/12/28(水) 19:28:32.35 ID:5VczuaEc
閣下がエロゲーの主人公状態でワロタ、ワロタ…
714名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 01:17:11.47 ID:9m2+LU6+
ヒデオはフラグを折ってから繋ぎ直す事により寄り強固にするという高等技術を身につけてるなw
715貴瀬と吾川さん:2011/12/29(木) 02:25:37.08 ID:GcdVEB54
 客間に飾ってあるみーこの肖像画を見て、いいなぁ、とか、羨ましいなぁとか思ったことは確かだ。
 機会があれば君のことを書いてやる、と出会ったばかりの頃に言われたことも覚えている。その時はどんな風に描いてもらえるのだろうと胸を弾ませたものだ。
 それが、どうしてこうなったのだろう。
「むむむむむ無理です!何で脱ぐ必要があるんですか!」
「俺も久々に描くから勝手が分からんのだ!デッサンの練習がてら君を描くのだから、モデルの君が脱がねば始まらんだろう」
 スケッチブックを机に叩きつけ、呆れたように息を吐く貴瀬。その正面のソファーに座る鈴蘭は、申し訳程度にシーツが掛けられているだけで何も身に纏ってはいなかった。
 社長室を掃除しているときに、何となしに昔のことを思い出したのがきっかけだった。「そういえばご主人様、いつになったら私の絵描いてくれるんですか」と冗談半分で話を振った結果、どこの過程をすっ飛ばしたのか貴瀬が鈴蘭の裸婦画を描くという事態になっていた。
716貴瀬と吾川さん2:2011/12/29(木) 02:28:18.21 ID:GcdVEB54
「大体君のぺったんこな胸を見たって今更何も思わん。いちいちモデル相手に欲情していたら何も描けんだろうが」
「あー!いまぺったんこって!!ぺったんこって言った!」
「事実だろう。それに君の決して肉付きのいいとは言えない体は今まで何度も見ているし、俺と君はそれ以上のことまでしているのに、何を今更裸くらいで」
「ううううう……」
 そう言われると何とも言い返せない。事実、鈴蘭は何度も貴瀬に裸を見られているし、鈴蘭も貴瀬の体を知っている。
 今更といわれてしまえばそれまでだが、日が照る明るい昼間に自分だけ裸になるのと、月が照らす夜に二人で裸になって寝台に横たわるのでは恥じらいの度合いが違う。
 恥ずかしい格好も恥ずかしいこともしたし言ってきたのだ、昼間に体を見せるくらいがなんだ。
 鈴蘭は開き直りでもって唇を噛み締め、全身を隠していたシーツをゆっくりと床に落とした。





規制かかって投稿できないものだと思ってたが、試しに書き込みしてみたら普通に書き込めてびっくりしたw
携帯からなので見にくかったらすみません。
717名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 02:47:02.70 ID:PDjQA9aY
いいよいいよー
718名無しさん@ピンキー:2011/12/29(木) 09:01:53.69 ID:ncPgGAnd
GJ
なんか久しぶりにここでエロパロを読んだ気がする
719名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 02:50:29.01 ID:nkjXGKa+
>>718
まぁ殆ど非エロだもんな
720名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 03:36:49.96 ID:U4+I1PzB
トモアキ作品はキャラ単体なら魅力的でエロい妄想も出来そう(総帥以外)なのに、二人以上の絡みになるといきなりコメディ系になってしまって、そっちの妄想の方がエロより興味が沸いてしまうという呪いがかかってるもんな。
721名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 11:09:57.38 ID:zirNoXMS
二人揃えば漫才に・・・大阪人みたいだな
722名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 17:18:28.61 ID:P6UBSTic
ifなら書けそうなんだがな。本編準拠だとちとキツいな
723名無しさん@ピンキー:2012/01/02(月) 22:05:47.43 ID:HeMImwin
ifでもなんでもいいから鈴蘭×たあくんが見たい・・・・・・
724名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 16:32:24.31 ID:rkne3DZ0
むしろ総帥が絡んだ時点でギャグだよなぁ
本編でも不動のカリスマを誇るし
725名無しさん@ピンキー:2012/01/05(木) 17:39:21.27 ID:fS/0AvpD
たあくんなら萌っこ島の管理人させればシリアスに出来る
726名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 04:21:32.83 ID:iJGQgrzf
>>725
ミーコさんを調教して澱に墜とすルートと聞いて
727名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 06:33:25.78 ID:fuxACOzu
ロックバンド名だらけだったのと「最強の土方」しか思い出せない
728名無しさん@ピンキー:2012/01/07(土) 15:04:54.10 ID:3gIR20T7
>>726
なんだそのワクワクするルートは
罰としてクーガーさんが澱マリーチを調教するルートとまとめてここに提出するように
729名無しさん@ピンキー:2012/01/17(火) 21:58:54.54 ID:D/PZLB1M
730 忍法帖【Lv=16,xxxPT】 :2012/01/18(水) 00:47:10.84 ID:AyrV7i9O
マリーチはもう本編には出てこないんだろうか
731名無しさん@ピンキー:2012/01/22(日) 15:30:58.40 ID:GZ5NXlCz
>>729
続きが投稿されてるな
これはこれで……ゴクリ
732名無しさん@ピンキー:2012/01/25(水) 07:20:14.23 ID:x5wzbYrd
俺は4巻でフラグが立ちかけてるヒデオ×千影のエロパロが読みたいな
733名無しさん@ピンキー:2012/02/05(日) 18:31:01.89 ID:rwhKUk62
>>731
いや、やっぱり

お の れ 暗 黒 神 !
734名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 19:14:22.71 ID:SyGfo9Ib
レイセン発売されたね
735名無しさん@ピンキー:2012/02/09(木) 23:37:13.85 ID:EvenVVHv
いつの話をしているんだ
736名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 17:04:50.02 ID:dZwrUZuD
すみません。
近々ここに投稿しようと思うのですが、
表現はどこまでOKなのでしょうか?
直接的な単語はダメだろうなとは思うんですが、
線引きってどのあたりなのでしょうか?
737名無しさん@ピンキー:2012/02/23(木) 18:20:15.50 ID:tdVE4Lv0
エロパロだから自由だろ
トモアキ風の文章にする人が多いみたいだけど
738名無しさん@ピンキー:2012/02/29(水) 09:06:08.77 ID:zEXl+uox
基本的にはなんでも大丈夫だけど表現がえぐかったりするときは最初に注意書きをすること。

739名無しさん@ピンキー:2012/03/11(日) 05:19:51.00 ID:K9ohoB9J
それバグってるっていわね?
740名無しさん@ピンキー:2012/03/12(月) 22:08:20.03 ID:66d2jxhD
1日たって誤爆に気が付いた……
741名無しさん@ピンキー:2012/03/13(火) 00:30:50.57 ID:OE9hsuMI
これはひどいww
742名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 02:34:55.55 ID:180FBKpi
過疎......
743名無しさん@ピンキー:2012/03/18(日) 16:19:23.60 ID:/RPoIJjG
>>736
まだー?
744名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 15:18:10.20 ID:Mcz+Kx4f
>>736
もう来ても良いのよ?
745名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 15:24:16.15 ID:Gj5ijzdD
>>736
来ないのー?
746名無しさん@ピンキー:2012/03/26(月) 17:09:07.16 ID:LVdI06fF
>>736
きてよー
747名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 16:08:28.41 ID:4gclZTKu
>>743 から >>746 様。
まだ書き終えてません(涙)。
すみません。まさかお待ちいただいてたとは露知らず。
システムよくわかってないんです。
しかも近々、FEというウィル子の使徒になるための試験が
ありますので、4月中旬までは続きもかけません。
投稿はそれ以降にさせて頂きます。

紛らわしいことをして大変失礼しました。
748名無しさん@ピンキー:2012/04/01(日) 21:03:38.71 ID:e6YTi66y
>>747
布団のなかで待ってるぞ
749名無しさん@ピンキー:2012/04/11(水) 01:05:23.09 ID:TRc/i2sF
>>748
こいつ…誘ってやがる
750名無しさん@ピンキー:2012/04/15(日) 23:43:30.18 ID:199rdlWa
まだかな
751名無しさん@ピンキー:2012/04/16(月) 00:04:08.39 ID:199rdlWa

               ____
            ,. .´          `  、
            / /‐ニ三二三ニ‐∨  ヽ
          /   /ニ==-―-==ニ∨   .',
        / / ハ/\/\/\/\/ヽi  i  !
        / i  | / ̄`    ´ ̄\ |  |  l
.       ィ′ |  | ___、    / __ . |  |  .ゝ
         /  |=〈 f'´テメ    f ヤメ 〉|=|   ヽ、
      /イ  |.》 | 弋zソ    弋_メ | 《.|  ト-`
.        |  |=ト、、、、、   '  、、、、 |=|  |
         !r´〉, .从      ,、    小 | ̄ `ヽ
      r'´` ヽ∨」_>_      イ |.  |:::::::::::: }
    /二   ./´::::::::::::::::::::: ̄`¬=ー┴‐┴―- ミ卜、
.    /´:::::`ゝ、. {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ::: ハ
752名無しさん@ピンキー:2012/04/16(月) 06:17:36.17 ID:KT23kb80
デコピンしてもいいですか?
753名無しさん@ピンキー:2012/04/24(火) 22:14:24.86 ID:pXnYe07c
エルシア様のお御足をペロペロしたい
754名無しさん@ピンキー:2012/04/24(火) 23:23:34.13 ID:qrouDHB2
某所のSSではヒデオの足をエルシア様がペロペロしてたな
755名無しさん@ピンキー:2012/04/25(水) 13:17:50.41 ID:CUP7niKB
嫉妬に燃えるエルシア様もアリかと思いましたまる
756名無しさん@ピンキー:2012/04/25(水) 14:18:54.57 ID:yudAQ4nT
その某所が更新されてたね、エリーゼ様来襲フラグが立ってるし続きが楽しみだw
757名無しさん@ピンキー:2012/04/25(水) 14:46:21.74 ID:/5sWywGE
おのれ暗黒神
758名無しさん@ピンキー:2012/04/25(水) 15:34:10.64 ID:R6KDiG5t
そのSSってどこにあるん?
759名無しさん@ピンキー:2012/04/25(水) 20:49:37.60 ID:iQq3TZa9
ちょっと上にリンクがあるよ
760名無しさん@ピンキー:2012/04/26(木) 09:02:23.19 ID:WzkEnfkk
暗黒神的アンチラブコメシールドwww
761名無しさん@ピンキー:2012/04/28(土) 00:26:59.97 ID:SxSbt/yt
総帥のパイズリ
762名無しさん@ピンキー:2012/04/28(土) 02:45:44.87 ID:aLtWGjIK
おっぱいは装備しないと意味がないぞ!
763名無しさん@ピンキー:2012/05/02(水) 08:07:41.41 ID:a7Ix3mJQ
壁に擦り付けてるようだとか言われてキレる総師

密かに技を磨いて後日リベンジ

まで妄想した
764名無しさん@ピンキー:2012/05/02(水) 10:41:58.36 ID:GdsRp6Z8
tes
765名無しさん@ピンキー:2012/05/02(水) 15:48:00.53 ID:sxv2UOPA
新刊のウィル子が切ない
766名無しさん@ピンキー:2012/05/02(水) 21:12:30.76 ID:gFVrNOdL
ウィル子――――ッ!!!
素で目が潤んだぞおい
767sage:2012/05/03(木) 01:58:17.14 ID:0i+x/j8F
kwsk
768名無しさん@ピンキー:2012/05/03(木) 03:36:44.67 ID:/gIOm5dF
>>767
ミスマルカ10巻でウィル子登場
ウィル子が自分の事を「電子の亡霊」と称す
精霊の頃から知ってる読者のハート粉砕
769名無しさん@ピンキー:2012/05/03(木) 22:12:09.60 ID:PXfpU1fx
更新キタ━(゚∀゚)━!
770名無しさん@ピンキー:2012/05/05(土) 13:28:43.60 ID:EFVaNKb0
>>768
マジでか!?魔眼王閣下ー!!地獄の底から帰ってきて亡霊を精霊に、そして神に戻してくれーー!!!
771名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 00:35:09.16 ID:jK6MchE/
>>736は何処へ行ってしまったんだ……
772越智樫 土居:2012/05/08(火) 09:21:36.51 ID:duoEwKty
新刊に萌えて、その勢いで書いてみた
短い 非エロ ルナス×マヒロ ユリカ視点
タイトル 『悲劇と美談』

とある日の昼下り、私はテラスで本を読んでいた。何気なく中庭に目をやると、噴水の縁に仰向けになって寝ている彼を見つけた。
彼、私の妹であるルナスが婿としてこの国に連れてきた、ミスマルカのマヒロ王子。
彼がこの国に来てからどれ程たっただろう。いつからかあの場所が彼のお気に入りとなっていた。
今、中庭にはマヒロ以外誰もいない。この時間帯ならば兵や侍従には仕事があり、そうでない私達皇族には専用のカフェテラスがある。誰も中庭に来るはずがないのだ。
なるほど、水の音が気にならないならば、昼寝には最適の場所なのかもしれない。
しかしそんなマヒロの思惑も今日ばかりは当てが外れたようだ。数人の侍従をつれた三人組の一団が、中庭に現れたのだ。母上達だ。どうやらマヒロの寝顔を観にわざわざ来たらしい。
三人共マヒロを眺めながら何やら小声で話し合っていたが、ジョゼフィーヌ様がマヒロの頭を撫で始めた。三人の母親の中でもあの方は特にマヒロを気に入っている。
そのとき中庭にもう一人の女性がやってきた。……誰だろう、ここからでは良く見えない。彼女はマヒロと母上達を見つけると、すごい勢いで駆け寄った。
彼女の足音を気にしたのだろう、ジョゼフィーヌ様は彼女のほうを振り向くと自分の口元に人差し指を立てていた。『静かに』というジェスチャーだ。
彼女も、寝ているマヒロを気遣う母親の気持ちはわかったのだろう、小声でしかし不機嫌そうに母上達に何か言い始めた。
……さすがにもうわかる。後ろ姿しか見えないがアレは間違い無く我が妹、ルナスだ。ルナスが何を言ったのかはわからないが、母上達はマヒロから離れ、中庭から城内にもどるようだ。帰り際にマリス様がルナスに何か耳うちしていたのが気になる。
先程まで十人近く人がいた中庭も、今はルナスとマヒロの二人だけだ。ルナスは辺りをキョロキョロと見渡したあと、意を決したようにマヒロの枕元に腰を下ろし、マヒロの髪を触り初めた。最初は恐る恐る、やがて愛おしげに撫でていく。
その様子を見ていて良くわかる。普段ルナスは、マヒロのことを戦利品や所有物と言っているが、本当は心から彼に惚れているということが。
……マヒロのほうはどうなのだろう?
彼は自分の本心を簡単には見せない。
たった数時間前に会ったばかりの人類かどうかも怪しい敵の女の子の為に涙を流す、子供の様に純粋な優しさを持つマヒロ王子。
ただ面と向かって立っているだけで恐怖すら感じる、毒蛇の様な目でニタニタとワラっている、狂った凶気を放つ蛇の仔マヒロ。
どちらが、彼の本性なのだろう?私はその両方を誰よりも近くで見た。そしてそのどちらも嘘が無いように思えた。きっと彼にとってどちらも自分自信であり本性なのだろう。
……ならば、大丈夫。
カトリーヌの妄想ではないが、マヒロは姉上と仲が良い、入り婿となり皇族というカードを使うつもりなら、ルナスよりも姉上を相手にすべきで、彼にはそれだけの器量も、実力もある。
今までにルナスの想いを断る機会も、姉上を口説くチャンスもあった。だが彼はそれをせず自分の相手として姉上ではなく、ルナスを選らんだ。
蛇としては不自然、だからこれはたぶん、優しい、マヒロ王子のだした答え。
当の二人はというと、ルナスはいつの間にか、マヒロの頭を自分の太腿の上に乗せていた。ルナスはとても幸せそうでマヒロも安心して眠っているように見える。
そんな二人を微笑ましく思いながら、私は、いつか妹の恋敵になりそうな彼女との会話を思い出す。

「人間同士の殺し合いが、何を生み出すというの」
「教訓とすべき悲劇と、それにまつわる美談を生み出します。」

ルナスとマヒロ、もし二人が両想いなら、

戦争を終わらせる為、舅の首を斬り堕とした、ルナス。

そんなルナスを憎むこともせず求婚を受け入れた、マヒロ。

「これもまた一つの『悲劇と美談』なのかも知れない。」
そんなことを口にしながら、私は視線を本に戻した。

fin

  おまけ
大きな水音がして、驚いてそちらを向くと、不機嫌や怒りを隠そうともせず中庭を去っていくルナスと、噴水の中で何事かと呆けているびしょ濡れのマヒロがいた。
後日、理由を訊いたら「マヒロの寝言が女の名前」で腹が立ったらしい。

END
773名無しさん@ピンキー:2012/05/08(火) 12:51:47.70 ID:alHnAtfU
乙!
774名無しさん@ピンキー:2012/05/09(水) 18:28:22.95 ID:YNTBodH3
おつ!マヒロが呟いた名前は誰だったのだろうかw
775越智樫 土居:2012/05/13(日) 10:03:07.07 ID:kj26VtCF
母の日なので書いてみました。他にもSS書かれた方がいたり、あまつさえネタが被っていたりしたら本当にごめんなさい。当方相変わらずの駄文故保守投下とでも御思い下されば幸いです。
母の日ネタ故に非エロ 短い
タイトル『四ノ華』

 大戦争によりかつての文明は滅び、歴史は一度途絶え、人類が新たなる道を歩みだしてから数百年。暦は変わり旧文明時代の行事はそのほとんどが忘れ去られ消えていったが、何事にも例外はあるもので、今日、大陸各国では母の日であった。
 帝都シューペリアはロッテンハイム、皇室専用のカフェテラスでは皇后三人が楽しげに会話していた。
「あらエーデルワイス、ちょうどいい所に。ちょっとこっちへ来てちょうだい。見てほしい物があるのよ。」
 ジョゼフィーヌに呼びとめられ、近くを歩いていたメイドが足をとめる。風将エーデルワイスである。
「はい、なんでございましょうか。」
 彼女がテーブルに近づくと、マリスが話した。
「子供達からプレゼントを貰いまして。カーネーションと、花を模した髪飾りなのですが。」
 テーブルの上には、三つの髪飾りと十二本のカーネーションが入った花瓶があった。
「この髪飾りのデザイン、元の花の名前が知りたいのです、私達にはわかりませんでしたが、貴女なら見ればわかるかと。」
「かしこまりました。」
 エーデルワイスは髪飾りを一通り見ると口を開いた。
「ジョゼフィーヌ様のものがシャーロット、湖穣様のものが鬼百合、マリス様のものが月下美人にございます。」
 おそらくそれぞれの子供が自分のイメージに合った花を選らんだのだろう。
 エーデルワイスの答に満足したのだろう、ジョゼフィーヌがいう。
「ありがとう、ついでなんだけどこのカーネーション、四本ずつ私達の部屋の花瓶にいけといてちょうだい。」
「かしこまりました。」

 一日の仕事を終え、エーデルワイスは自身の部屋にもどる。世間は母の日だそうだが今の自分には関わりのない話だ。
 ふと部屋に違和感を感じ、よく見ると花瓶が一つ増えていた。
「……っ」
 その花瓶には四本のカーネーションがいけられ、花瓶の横には四枚のカードと小箱が置いてあった。

 翌日、いつもより本の少し、本当に少しだけ、にこやかに働くエーデルワイスがいた。彼女の髪にハルシャギクをあしらった簪があることに、気付いた者はほとんどいなかった。

fin

おまけ
「あの『伝説の暗殺者』の部屋に忍び込めだなんて、お姫様も無茶させますね〜。」
「たが頭領、これも仕事のうちだ。」
「わかってますよ〜。ところで貴月、今日は母の日だそうですね。」
「……」
「何故目をそらす。」

END
776名無しさん@ピンキー:2012/05/13(日) 15:14:57.42 ID:mdEDoYhm
投下乙。ほのぼのした
何故目をそらすww
777名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 13:37:49.25 ID:mdFU0KTz
テスト
778747:2012/05/16(水) 14:05:27.39 ID:mdFU0KTz
ちわー。
国家試験終わったっつーか落ちたっつーか書き終わったっつーかひと段落ついたんで投稿してみます。
素人が生まれてはじめてエロ小説書きました。
一応入れて全5話でやろうと思います。0〜4話。スンマセン長くて。
0話(プロロ−グ)があるのは、あまりにも趣味に走っちゃったので、林作品らしさが希薄になったからです。
というわけでさて、大丈夫かな・・・?
779ハーレムスピリチュアル(精霊) 0:2012/05/16(水) 14:08:52.13 ID:mdFU0KTz
精霊の庭。
現世においてカミや天使よりも稀有なる存在・「精霊」たちの故郷にヒデオは訪れていた。
二週間の冬休み。公務員としては奇跡のような長期休暇だった。
年末年始を挟んでいるため、周りの人々はそれぞれの実家に帰っている。それが風習というものだ。
ただしヒデオに関しては例外である。
まだまだ、両親との間には隔たりがあった。
で、このまま動画サイト巡りやらギャルゲー三昧やらしながら過ごそうかとか思っていた矢先、声を掛けてきたのがウィル子、エリーゼ、ノアレ、マックルら精霊少女たちだった。
「自分たちの故郷に遊びに行こう」、と。
ウィル子とノアレに関しては故郷ではないはずだが、そこは「帰るべき場所」という思いもあるらしい。帰巣本能だろうか。なるほどというか、なんとも言えない気分だった。
精霊というのは人間の想いから生まれるという。ならば彼女らの「親」は信仰心を持つ人間に他ならない。親がいる場所が故郷というならこの人間界こそがそれの筈である。

しかし、仲間が集う場所といえば精霊の庭なのだろう。

・・・・・・高校の同級生たちは、今、どうしているのだろう。
・・・・・・。
・・・・・・余計に実家に帰りたくなくなってきた。
「ちょっとちょっと。ヒデオはこんな所でもダークサイド状態?」
780ハーレムスピリチュアル(精霊) 0:2012/05/16(水) 14:10:53.85 ID:mdFU0KTz

そんなヒデオのすぐ頭上から、心配そうなのか楽しそうなのか
分からない声を掛けたのはマックルだった。
マックルイェーガー・ライネル・ベルフ・スツカ。
銃のかみさま。
否、今では精霊にランクダウンしている。
どこぞの世界観と同時期に出会った彼女とは、交流を続けているうちに
精霊であることがわかって以来、より深く付き合うようになった。
クロスフラッグの時に自分に出会っていれば結果は変わっていたと、
聖魔杯での出来事を(ざっくりと)聞いたマックルはとても悔やんでいたが、とんでもない。
(隔離都市でのあの日々に、変わってもいい部分など、あるものか・・・)
最初から最後まで、余すところなく、あれが最高最良なのだ。
(・・・・・・故にこその、奇跡なのだ)
ということで、とりあえず神霊班では当面活躍の機会はなさそうなのが困りごとだった。
閑話休題。
(・・・・・・・というか)
OKした次の朝には、目覚めたら既にそこは精霊の庭だった。ていうかウィル子から聞いた。寝てる間に連れて行く形で精霊の庭まで行ったらしい。
(・・・・・・・いや、これって・・・)
人間の自分をどうやって連れてきたのかをエリーゼから聞かされたが、意味の解らない単語とかが多すぎて、ヒデオにはよくわからなかった。
(・・・・・・・なんだか・・・)
しかしここは時間感覚はおろか遠近感まで曖昧になる。まるで夢の中のようだ。いま自分が寝ているのは、草原・・・・・?いや、・・・まっさらなシーツの上だ。
そして目の前に、自分の足と胴体が見える。上体を少し起こしているらしい。座椅子にでも寝てるのだろうか?しかしあったかいなこの座椅子。あとやわらかい・・・

「・・・・・・・え?」
「ん?どうしたのヒデオ?うりゃうりゃ♪」

ヒデオは裸だった。
そしてマックルも裸だった。


<続く>
781ハーレムスピリチュアル(精霊) 1:2012/05/16(水) 14:12:00.49 ID:mdFU0KTz
マックルは寝ころぶヒデオの頭を自らの胸のなかに抱き込み、細い腕をヒデオの胸板に添えていた。後ろからだっこするみたいにして、両足がヒデオの下腹部まで伸びていく。
目の前に両足の、長い、滑らかなラインが躍る。
「―――――!!!!!」
カニ挟みでがっちりと固定された。
現状に気付いた。
じゃあさっきから顔を左右から圧迫している、このスベスベのムニムニは・・・!
「ヒデオ・・・」
「!!」
背後からの温もりと、彼女の香りと吐息のせいで、瞬く間に体温が上がっていく。
声だけで心臓が跳ね上がる。
熱っぽい声が掛かる。
「・・・好きだよ・・・」
片手が頭に添えられ、さらに「ぎゅっ」と抱きしめられる。
言葉が出ない。
な。・・・・・・なんで、そんな、こと・・・い・・・うの・・・!?
「して(・・)。ヒデオ。ね?私を撃って。ばんばん、撃っちゃっていいよ」
「あ・・・・・あ・・・あ!」
顔から火が出るとは事実のようだ。
熱い。顔も。体も。思考などとうにマトモではなくなっている。
てか・・・。
(スベスベ・・・ムニムニ・・・。の・・・プルプル・・・!!)
体が勝手に動く。すぐ上の、マックルの顔を窺おうとしかし、
(でかっ!!)
ヒデオと一緒に赤くなっている美貌をおしのけて、眼前でむせるような香りの肌色が揺れる。まん丸な下乳が視界を占領していた。
首だけ動かしたから、ちょうど頭部が胸の谷間からすっぽり抜けだした形になったらしい。
釘づけになる。
782ハーレムスピリチュアル(精霊) 1:2012/05/16(水) 14:12:38.00 ID:mdFU0KTz
「いぇいいぇい♪・・・おっぱい好き?ヒデオ」
マックルが上半身をくいくいっと左右にひねる。
その度に2つの乳が引っ張られ、まるで胸からぶら下がった果実のように、
ぷるっ・・・ぷるっ・・・!
と揺れては、
ぺちんっ・・・ぺちんっ・・・
と乳同士がぶつかり音をたてた。
「いぇいいぇい♪ ほら。ほら。ほら。ほら。」
反応を楽しむように、それを何度も繰り返す。

ゆさっ・・・!ゆさっ・・・!
ぷるんっ・・・ぷるんっ・・・!
ぺちんっ・・・ぺちんっ・・・!

「・・・!!・・・!!・・・!!」
すごい。そして、
やば・・・・・・・・・い・・・。
(理性が、とぶ・・・)


<続く>
783747:2012/05/16(水) 14:14:23.23 ID:mdFU0KTz
やっぱ趣味に走りすぎだな・・・。
不快な気分になったとかだったらゴメンナサイ。
一週間以内にまた来ます。許されるなら。
784名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 17:45:41.62 ID:wbHCKv7y
俺はマックルを大変待っていた
というか巨乳をまっていたんだ!!
他のメンバーではできないあんな事やこんな事を楽しみに待っています!
785名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 17:58:27.44 ID:+2E+FaE1
マックルきたー!!!
786名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 18:15:40.63 ID:fdV5QTPM
Q.あなたは神を信じますか? A.ネットで見た
GJ
787名無しさん@ピンキー:2012/05/16(水) 19:40:52.36 ID:np1umYRA
GJ!信仰する!!
788名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 02:01:08.57 ID:MwxlSdir
マックルは何というか本当に気を許してそういう関係になったら1番エロくて大胆そうだよね
789名無しさん@ピンキー:2012/05/17(木) 19:23:43.06 ID:VwddOSI1
乙!
精霊娘ハーレムとか羨まけしからん!
790名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 18:27:48.09 ID:kjXGdE8V
>>774
多分エーデルワイスだろうよ。
791名無しさん@ピンキー:2012/05/21(月) 19:01:09.64 ID:vcE2UAiR
>>790
それだと寝言じゃなくてうなされてたんじゃ……
792越智樫 土居:2012/05/22(火) 10:40:00.01 ID:oFIo5Xau
自分772.775のオチガシです。
僕の脳内設定では、マヒロの寝言は
「近すぎだ」
だったのに寝言ゆえにルナスが聞き間違えの勘違い、というのがプロットでした。
感想ありがとうございます。
793名無しさん@ピンキー:2012/05/22(火) 10:41:44.97 ID:oFIo5Xau
sageわすれのコテはずしわすれorz
794747:2012/05/24(木) 15:20:27.69 ID:CMoue5s/
うげ。一週間経ってんじゃん。
とりあえず受け入れていただけたようで良かったです。
なんかマックル好きなひとにお褒めをいただきましたが、ごめんなさい当分出ません。
言い忘れていましたが、一話=一人のつもりでなのです。

でもまぁせっかくなんで、2人目行く前にちょっとマックルおまけ。
795ハーレムスピリチュアル 1・5:2012/05/24(木) 15:21:27.24 ID:CMoue5s/
「ほら。吸って。ヒデオ」
マックルは再びヒデオの頭部を二つの乳房で「もにゅっ」挟んだ。そして胸板を撫でていた両手を離し、それぞれの乳房に手を添えると、愛おしそうにヒデオの顔を、こねるように撫で回す。
むりゅっ。むりゅっ。むりゅっ。むりゅっ。むりゅっ。むりゅっ・・・。
・・・と顔全体を何度も圧迫されては、
しゅりっ、しゅりっ、しゅりっ、しゅりっ、しゅりっ、しゅりっ・・・。
・・・と両頬に乳房の内側の柔肌が、繰り返しこすり付けられる。
彼女の胸の、蜂蜜のように甘く、しかし汗の匂いまじった芳醇な匂いが口一杯にまで広がっていく。
(ああ・・・・・!ああっ・・・!)
瞬く間に意識が蕩けていく・・・。

むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ。
むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ。むりゅっ、しゅりっ・・・

・・・20秒くらい続けていただろうか。頬に固く小さいものが当たっているのに気づく。
乳壁の動きに合わせて、

つう・・・つうう・・・。

とヒデオの頬をくすぐる。
(ああ・・・・・・これは・・・)
少し覚醒した意識の中、心地よい摩擦を楽しむ。
固めのレーズンのような感触。いやもっと固いか?
何が当たってるかなど、もはやひとつしか考えられない。
おっぱい枕をかき分けながら、ゆっくりと顔を右に向ける。それだけで極上の感触を味わう。それだけでなく、
「ああんっ!ヒデオオッ・・・!」
マックルの切なげな声が聞こえる。しかしヒデオの目的は揺るがない。

ぺちんっ!ぺちんっ!ぺちんっ・・・

と寄せては返す乳壁の波に、唇で狙いを定め・・・
(来た!!)
「ああはあぁんっ・・・!!」
ひときわ高い嬌声が響く。
唇の少し上に当たった瞬間、「ちゅっ!!」とくわえ込む。そして口だけをつかって離さないようにする。要するに、吸い続ける。
(ああっ・・・!これが・・・!これが・・・!)
味は無い。強いていうなら皮膚と汗の味しかしない。
だが、美味しかった。
(美味しい・・・!すごい・・・!)
思う存分、吸いまくる。
「あああぁーっ!!あ、あ、あぁー!!な、なんで、あ!あ、吸ってって言った、ああんっ!!さっきなのにぃっ!な、なんで今吸うのよぉー!?ああ!い、いきなりぃ・・・あ!ああああああああああああーッ!!!!」

ちゅうちゅう。ちゅうううっ。ちゅうっ!

<続く>
796ハーレムスピリチュアル 2:2012/05/24(木) 15:27:53.91 ID:CMoue5s/

「ヒーデーオっ」
不意に声が掛かった。夢中になってマックルの巨乳をほおばっていた所にいきなりだったので、慌てて声の方を向く。
振り返る過程で唇がマックルの乳首引っ張り、勢いに任せて「ちゅぽんっ」と音を立てた。
「あんっ!」
聞こえたマックルの悲鳴に興奮しつつも、見れば、そこには一人の女が立って
いた。
柔らかく波打つ漆黒の髪。冷たささえ感じるような白い肌。モノクロ写真から出てきたような、
しかしそれらは余計な色彩を全て取り除いた、品格のある涼しげな色気を放ち。
滑らかなくびれにむっちりとした太もも。モデルも裸足で逃げ出すような完璧な八頭身。
そんな傲慢な肉体を、衣服というよりアクセサリーの延長のほうが適切に思えるほど艶めかしい装飾の、
黒いランジェリーとガーターベルトで彩っていた、相当な艶めかしさをもつ美女だった。
唯一色を持つ、真紅のルージュを引いた唇が眩しい。人は彼女のようなものを「妖艶」と表現する。
いや、というか、モデルというよりこの場合、グラビアモデルといった方がいいか。
(だってさ・・・胸がさ・・・)
ありきたりな表現だけどさ・・・・・・、

スイカ。
スイカップ。

リアルにスイカを2つ並べたような巨大な白い乳房が、カップの3割程度しか隠してないブラジャーに無理やり押し込まれていた。窮屈そうに束縛された左右の乳房はしかし少しも悪びれることなく、長く、美しい曲線の谷間を作って、「ほれほれ」とばかりに挑発してくる。
彼女がクスリと笑うと、はみ出まくった乳肉が「ばいんっ」と震えた。
「ふふ・・・・・・面白いことになってるわねぇ、ヒデオ?」
下の目蓋を持ち上げるような笑み。おかしそうな彼女の瞳はしかし、驚くほど深く、そして暗い。気分が沈んでるのではなく、単純に光の届かぬ、まるで黒曜石のような静かで穏やかな・・・
(・・・“闇”・・・・・・)
・・・・・・。
心当たりが一人。
「ノアレ・・・!?」
797ハーレムスピリチュアル 2:2012/05/24(木) 15:28:46.61 ID:CMoue5s/
「ふふふ・・・。ご機嫌いかが?聖魔王閣下。
あんたがいやらしい気分になってるから、私までこんな風になっちゃったわ」
・・・アンタいつも好きで幼女の格好してんじゃん。姿かたちは完全にアンタ次第だろが。
「いや・・・」
「見てよこのバスト。すごくやわらかい」
「!」
左右の手で乳房を差し出すように持ち上げ、
というより、両の手のひらに、その3倍の面積のありそうな下乳を乗せる。そして手のひらの上で、

たっぷん、たっぷん、ぼゆん、ぼゆん・・・

・・・と美味しそうな巨大餅が、ダイナミックに上下にバウンドする。その動きに目が離せない。
「う・・・っ!」
(ぼ、ぼゆんとか・・・ほんとにそんな音が・・・)
ノアレはまた微笑む。たわみ続ける巨乳の上では、細い鎖骨の覗く白磁のような肌がわずかに汗ばみ始め、そのさらに上では、真っ赤な薔薇に似た唇が咲いている。彼女が言葉を紡ぐと、唇が少し開いてキスマークが躍る。
「んふふふ・・・ほらほら。どーお?んふふふ・・・」

ぼゆんぼゆんぼゆんぼゆん。ぼゆんぼゆんぼゆんぼゆん・・・・・・

何度も揺らしたため、白い乳肉が規定の位置からからズレ、ブラジャーの生地からどんどんはみ出ていく。
(あ・・・っ!も、もう・・・!)
視界一杯にその光景をおさめようと、ヒデオは再び釘づけになる。しかし、
「見せてあげよっかー?」
「ッッッ!!」
彼女の言葉に震える。
ノアレは最後に、

ぼよよんっ!

と双乳を上に弾くようにして両手を離すと、すぐさま乳房が落下し終える前にブラのフロントホックに手をかけ、全くいきなりに、「バッ!!」と両腕を開いた。
「ほりゃっ」

・・・・・・!!

ヒデオは息を呑んだ。この衝撃的な現象を表す擬音が、見つからない。
容赦なく、目の前に、大迫力の大乳が飛び出した。
白い柔らかさの塊が2つ、惜しげもなく外気に晒されていた。

<続く>
798747:2012/05/24(木) 15:33:13.75 ID:CMoue5s/
っぷはあ!
だから妄想詰め込みすぎだっての。
次回は6月はじめとかになるとおもうんで、投稿したい人は先にどうぞ。

>>771さん
ここにいますよー。お待たせしましたー。
799名無しさん@ピンキー:2012/05/24(木) 20:06:20.66 ID:ufMaGpdc
乙 おっぱいおっぱい
800名無しさん@ピンキー:2012/05/26(土) 02:20:03.93 ID:fgO8w4v3
乙!ノアレちゃん萌え!
801名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 21:42:04.25 ID:rnj/Vyjc
ミスマルカってエロしにくい?
802名無しさん@ピンキー:2012/05/28(月) 22:36:02.40 ID:eAp2jrEv
鬼畜王マヒマヒがエーデルワイスにエロい命令をして、エーデルワイスがクールな顔を歪めながらも調教されちゃう妄想ならしたことがある
803名無しさん@ピンキー:2012/05/29(火) 11:48:00.46 ID:zZnDzkNl
個人的にルナマヒがストライクでよく妄想するんだが、ダダ甘になってしまう。
シャル→マヒの逆レ陵辱物なら……書けるとおもうけど
ただ、需要あるかな?
804名無しさん@ピンキー:2012/05/30(水) 23:59:05.12 ID:9BWhCi4T
803
あるにきまってる
むしろ好物。陵辱というより年上リード程度に抑えてくれればなおよし。
805名無しさん@ピンキー:2012/05/31(木) 10:36:11.94 ID:ez26Cq/c
すまん804、自分803だが
頭の中にルナマヒの固定カプ先入観がるから、
シャルロッテで某『女性上位で優しく(ryスレ』のようなSSは書けそうも無い。
『ショタ時代のマヒロをアンゼリカが筆降ろし』
なら書ける気がする。

ところで、容量ヤバくないか?
806名無しさん@ピンキー:2012/06/05(火) 12:16:00.38 ID:HbJAnQP5
496KBか、誰か次スレよろ
807747:2012/06/06(水) 16:30:20.48 ID:VeteTF2b
ノアレ完成。
投下っと。
808ハーレムスピリチュアル 2:2012/06/06(水) 16:33:03.66 ID:VeteTF2b
「んふふ・・・ほぉらヒデオ。おっきいでしょ〜♪」
ノアレは両手を後頭部に回して組んで、思いきり胸を前へと反らした。
「・・・・・・!」
差し出すようなポーズで左右のおっぱいが、目の前まで襲ってくるような勢いで前へと飛び出る。二つの乳肉は限界まで持ち上がると、重力に引っ張られ、しかし全く垂れずに元の位置まで落ちて、胸板でリバウンドして何度も波打った。

ぼよよよよんっ・・・。

「おお・・・!」

思わずそんな声が、自然に漏れていた。
他のものなど目に入らない。ノアレの超巨乳だけが視界いっぱいに揺れる。
「は〜あぁ。重いな〜このおっぱい」
モノクロ美女のノアレが、わざとらしく困った顔をしてグラマラスな肉体を上下に揺らした。
当たり前のように乳房も目いっぱい暴れる。

どいん!どいん!どいん・・・!

さ、さっきまでと迫力が違う!

乳房と皮と胴体の皮がぶつかり合う「ぺちん!ぺちん!」という音が、1メートル先のここまで聞こえてきた。
すごい。
(すごい。そして・・・・・・)
「ふふふ・・・♪」
ヒデオの思考を読んだのか、あるいは見ただけでお見通しなのか、さらに笑みを強めたノアレは、
「ねぇ・・・ヒデオ・・・?」
とびきりに蠱惑的な声の、悪魔の囁きだった。

「おっぱい・・・さわらせてあげよっかー?」

「〜〜〜〜っ!!!」
まるで無意識に、うなずいていた。

「うふふ・・・いいわよ。たっぷり触ってね・・・」

丸出しの乳房を惜しげもなく見せつけながら、
引き締まった細腰に片手を当てながら、

「そうやって必死の思いで崩れていく貴方の顔が・・・」

ボリュームたっぷりのヒップを左右に振り乱しながら、
起伏に富んだ脚線美を交差させながら、
ゆっくりとこちらへ歩いてくる。

「・・・大好きよ。ヒデオ・・・」

「・・・!」
気づけば、彼女の頬はほんのり赤く、肌も少し汗ばんでいた。
その笑みも、いつものようなしっとりとした色気だけでなく、羞恥も感じられる?
(あんたがいやらしい気分になってるから、私までこんな風になっちゃったわ・・・)
待て。彼女は「闇」の端末だ。しかし、その能力には限界があった。端末はあくまでも端末。ならば彼女自身は、精霊とどれほど違う・・・?
「え・・・?」
「あーもうっ!恥ずかしい!」
ぽかんとしていると、ノアレはくるっと優雅にターンして、ヒデオに背を向けてしまった。
後ろ姿は全面以上に肉体のラインを際立たせていた。満月のように白い乳房が胴体で隠しきれずに、左右で「ぷるんぷるんっ・・・」と揺れていた。
しかしそれより目を引いたのは、
809ハーレムスピリチュアル 2:2012/06/06(水) 16:34:40.78 ID:VeteTF2b
(お・・・お尻!ま、丸見え・・・!)
知らずに俯くノアレの下半身部分。美味しそうに実った二つの尻たぶが、裸の巨乳に代わってヒデオの眼前に差し出されていた。それも鼻息がかかりそうなほどの距離に。
左右それぞれがヒデオの手のひらより大きく、丸々として光る柔らかそうな尻肉は、しかしふるふると揺れて弾力を証明していた。触ったら「パアンッ!」と弾かれそうである。
両足を網タイツで彩り、腰や下腹部はガーターベルトで過激に装飾しているのにも関わらず、肝心の臀部だけはまるで見せびらかすように、細いヒモで出来たTバックのみだった。
Tバックのフロント部分、尻の谷間から唯一出た布が、丸出しの尻よりいやらしく見えた。
「・・・?あ!・・・ああもう。そうだった。ふふふ。これじゃ隠してるんだか見せてるんだか分かんないわ」
視線に気づいたノアレは慌てて前を向きなおったが、自分に呆れたのかいつもの調子に戻った。
「んー。せっかくこんなにキレイなお尻になったんだし、どうするヒデオ?お尻撫でちゃう?揉んじゃう?いいわよ好きな方で♪」
「はい!」、と両手を腰に当て、再び臀部をヒデオに見せた。どうぞ♪」と言わんばかりに。今度はわざとである。
目の前に広がる桃尻、桃尻、桃尻・・・。
(も・・・揉む!?お尻揉むって・・・!)
ゴクリと生唾を飲む。想像もしたことがない行為である。
「え・・・・・・じゃあ・・・」
「あ、でもー。折角おっぱいまくら状態なんだしー?ここはあえて重ねておっぱいよねー♪」
くるっと。
2度目のおあずけである。
ああ、やっぱこいつ性格逆噴射だわ。
「ヒデオー。やっぱりおっぱい好きなんだね。嬉しいな、もっといじめていいんだよね?」
上から声が掛かる。今もずっと肌色逆抱き枕アンド乳まくらを続けてくれていた、マックルである。見上げれば熱っぽく濡れた瞳で微笑んでいる。マックルはクスリと笑うと、

ぎゅっ!!

っと、ヒデオを頭を両乳でまた挟んでくれた。
ノアレの赤い唇は豊満で美味しそうだが、マックルの唇も美味しそうだ。お礼にキスがしたい。
でもヒデオの口には蜂蜜の香りの乳肉が。仕方ないので(笑)、やっぱり乳房を吸う。
「ああんっ!ヒデオォッ・・・!」
悶える声が耳に心地良い。
810ハーレムスピリチュアル 2
その時、左足に重みと、プニプニとした柔らかさと、熱い体温を感じた。
ノアレが太ももに跨り、両手で乳房を持ち上げ、差し出していた。
黒く、可愛らしい2つの突起物が、ヒデオを目の前にした緊張で固く尖っていた。
(おお・・・・・・!)
彼女の放つ熱が、足だけでなく体に伝わる。やはり恥ずかしいいだろう。
「ふふふ・・・どうぞ?ヒデオ。貴方の自由に・・・って、なんか委ねてばっかりね私。それじゃ・・・」

ぼにゅん・・・っ!!

「あ・・・」
「はぁ・・・んっ!」
感触に声を漏らしたヒデオ。
快感に声を濡らしたノアレ。
ヒデオの片手を両手で取ったノアレは、自らの乳房にそれを押し付け、沈めさせた。
ヒデオの手が、柔らかく弾力いっぱいの乳塊に、迎え入れられる。
(ああ・・・!)
左手に電流が走る。しかしそれは一瞬で快感へと変わり、極楽の極致のように甘美な感触が、手のひらの隅々まで行き渡る。滑らかな肌を食い破り、奥の奥まで届きそうなほど力を入れても、柔らかさと弾力によってかわるがわる反抗され、握る力緩めてしまう。
すると指の間から「むりゅっ」とはみ出た乳肉もそのままに、乳房はもとの形に戻る。ただし手のひらにぴったり張り付き、相変わらずのすべすべの肌の感触を感じさせながら。そしてこう懇願してくるのだ。
「もっと揉んで」、と。
「ああ・・・ああ・・・!!」
万感の思いで揉み続ける
揉んで揉んで揉んで揉んで。次々にひしゃげ撓むノアレの乳房は一向に元の形を変えず、「もっと触って、もっと触って」とひたすらに手のひらに覆い被さってくる。
「はああ・・・気持ちいいわあ、ヒデオ。すっっっごく気持ちいがいい。ああ・・・癖になりそう・・・♪ほら・・・ほら・・・ああん!!」
ノアレ自身も息を荒げ、美貌を赤く染めて嬉しそうに髪を振り乱し始めた。
おっぱいをえぐりこむように、前後左右だけでなく前や後ろにも力を加え、そして、容赦なく。

もみゅん!もみゅん!
ぷりゅん!ぷりゅん!
ばゆゆん!ばゆゆん!
きゅっ!きゅっ!
ぎゅうううううっ!!

「あああああっ!!いい!それすごいヒデオッ!揉んで揉んで!おっぱいもっと、もっとしてえええ!!」
(気持ちいいっ・・・!すごい!でも・・・)
永遠に揉み続けていたかったが、早くも握力の限界だった。筋力の問題もあるが、
(重い・・・重たぁ!・・・でも柔らかい)
初めに乳房を持ち上げた時、柔らかさの前にその圧倒的な重量に驚いた。手のひらに心地良い「幸せな重み」だったが、揉んでる以上は疲れはたまる。それすらも嬉しい疲れと言えるが。
(誰だよお風呂でおっぱい浮くとか言った奴・・・こんな重いもの・・・浮くわけないだろ・・・でも柔らかい・・・)
何ならこのまま巨乳の中で左手が動かなくなってしまうのもいいかも知れない。左手の墓場としては最高だろう。本望だ。
「あらあらヒデオ?手の力弱くなってるわよ?」
乱れた呼吸でノアレが言った。いつの間にか手に力が入らなくなっていたらしい。ホントに限界か?ああでも揉む手を右手に入れ替える時間が惜しい!
「はぁ、はぁ、・・・ごめんねヒデオ・・・私が、動かしてあげる」
ノアレはクスリと妖艶な笑みを向けると、もう一度揉ませている腕を両手で持ちなおし、巨乳の中で埋もれるまま、8ビートで小刻みに揺らした。

ぷりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんっ・・・!!

「んふふっ♪」
「・・・・・・」
もはや言葉もなかった。涙さえ出てきた。
「ほらほらほら!もっとしてあげるわよ・・・!ヒデオ・・・。気の済むまで触ってね・・・私のおっぱい・・・!ほーらほらほらほらああっ!!」

ぷりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんっ・・・!!
ぷりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんっ・・・!!
ぷりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅんっ・・・!!
ぷりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ・・・


そうしてそれからは何も言わず、触らせられるがまま、揺らされるがまま、乳揉み天国に身を委ねた。

<続く>