皇帝、王様、殿様、社長、王子様、若様、御曹司
資産家、政治家、宰相、英雄、将軍、領主、騎士……
地位、権力、金、名声など持った男をテーマに扱う総合スレ
現代でもファンタジーでも舞台は何でも自由
二次創作OK
幅広く受け入れますが801はスレ違い、絶対ダメ
腐女子の方はご遠慮願います
需要あるじゃろ
そうじゃな
供給があるか知らないけどな
権力にものいわせ、女を自由に出来るのが良いところ。
こんなスレ欲しかったかも知れない
総合だから便利そうだな
投下先に困った時は使わせて貰うわ
取り敢えずお気に入りに……
金持ちならとんでもない変態行為を好むんだろうね
金あると普通のsexに飽きるからな
要はお姫様スレの男版?
>>7 社会的地位持った人物には
ドM野郎が多い、と聞いた事はある。
後で利用する可能性高いから保守しとこ
権力を使って父親が美人と結婚出来るから、高貴な男は美形揃い。
姫スレ→主に王子様
男主人スレ→相手が女従者
より幅広いってことか、面白そう
>姫スレ→主に王子様
ってわけでもない
むしろお姫様とお嬢様の境界線引きが難しいんだよね、あそこは
>>7 俺の中では
金持ち=マザコン、赤ちゃんプレイ大好き…というイメージが定着している
龍が如く2にそんなんあったな
悪徳貴族のへたれボンボンが、
屈強な女義賊に逆レイプされるところが見たい。
「この僕を誰だと思ってるんだー!? パパに言い付けてやる!」とか喚いてくれると最高……。
とりあえず保守
>>16 幻想水滸伝4のスノウっつーキャラが思い浮かんだ
投下する時の為に保守
これで即死は免れるか?
投下町ほしゅ
高貴な男のエロといったら、やはりハーレムか?
FE好きには気になるスレだ
身分が高い男は近親相姦のイメージだなぁ
昔は多かったから
世間知らずお坊ちゃんと身分低いしっかり者な女の子の組み合わせが好きだ
例えば森薫のエマみたいな奴
世間知らずでも良いけど男が無能な感じはいやだな
地位でもてるだけってのはちょっとなぁ
【能ある鷹は爪を隠す】タイプの男が理想かも知れない。
理想って言ったらバスタードのダークシュナイダーかな
見てて清々しい
>>9 普段の生活で劣等感を持つ機会が多いとS、
優越感を持つ機会が多いとMになり易い傾向があると聞いた
だから金持ちにはMが多いらしい
特に意味はないけど、高貴な男は金髪がいい
>>33 せっかく金あるんだからドSのが見る分には面白そうだけどな
自分が責められる道具を自分の金で用意する男とか嫌だろ
>優越感を持つ機会が多いとMになり易い
地位あると重責がのしかかるから
社会的プレッシャーから解放され、女王様に全てを委ねたい・・・
というのもあるんだろうな
>>24 FEシリーズ好きだ。聖戦の系譜と封印の剣しかやってないけど
トラキアのトラバントがかっこいい
生き様に痺れた
史実の高貴美男子でもいいよ
チェーザレ・ボルジアとか
男の地位を利用して、自分の野心を満たそうとする女萌えな俺のためのスレですか?
それもいいな
したたかな女は良いね
高貴な男ね……俺のことか
うん、君のこと
英雄色を好む
極上の女を侍らせる
金あればロリともやりまくれるんだろうなー
ロリは心が痛むから無理
高貴な男になりたい
現代の日本だと、高貴って言葉には精神性の高さみたいなニュアンスが
どうしても含まれるからなあ。
生理来たばかりの妻だが政の安定のために子作りしよう、ならありでも
平民の娘を手当たり次第に一晩でポイみたいなのを高貴ってイメージで
括れるかって言うとさ。
>>52 確かに。
身分プラス精神の高潔さということか。
頭固いな
>>51 平民をおもちゃにするのは高貴な男ならではだろ
盛り上がらないな
病弱王子×年上の女将軍とか好きなんだが
権力が欲しい
高貴な男が華麗に保守
58 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 02:16:37 ID:lZJYpdaP
寂しい……
なにげにハードル高いんじゃね?
60 :
高貴な方の日記:2010/07/16(金) 18:47:52 ID:lFm7KsdG
〇月〇日
今日は私お気に入りのメイドのアンに友人である貴族ギルバートの世話を頼んだ。
アンは小柄で色白な可愛らしい少女で、せかせかと子リスの様に働くしっかり者だ。
女性に対して手癖の悪いギルバートの世話は他のメイドでは少し心配だったので少女であるアンに任せたのだが……今のこの私の気持ちをどう現してよいのか分からず、落ち着く為に日記を書いている。
そう…深夜になっても寝付け無かったのでチェス片手に友人の泊まる客室を尋ねた時だ。ノブに手をかけると声がしたので隙間から部屋を覗いた。
「アン、君の主人は僕の親友だ」
「…はい」
こんな真夜中にアンがギルバートの部屋に居る事を訝っているとギルバートはアンに向かって
「今日は僕の世話をまかされたよね?」
優しい口調だが威圧感たっぷりにギルバートは言葉を続けた。
「二度は言わない。そのスカートを自分で捲るんだ、そして足を少し開いて」
「…はい」
ランプの明かりの向こうでも頬を赤らめ、不安そうに眉値を寄せたアンがメイド服のスカートを恥じらう様にゆっくりと持ち上げ、下着を晒すと下着にうっすらと浮かんだ割れ目にギルバートを手の平を当てて擦り始めた。
私はまさかの事に(ギルバートが少女のにまで手を出すなどと誰が思うだろうか)そのままドアの前で硬直した。
「ひっ…ぁっ…っんギルバート様…そんなところ…き…たない…ですっ」
小さな体を震わせて初めての感覚に身を固くするアンにギルバートは空いた方の指を唇に当てて静かにと合図するとアンは持ち上げたスカートの裾を噛んで声を殺す。
「んっ…んんっ」
暫くするとアンは蕩けた様な目になり、ギルバートは下着の中に入れた指で卑猥な水音をさせた。
声を殺すアンの呻き声と水音が部屋を満たしていた。
ギルバートの手の動きが変わり、アンの動きも上下に身を震わせる。
私はこの時点で勃起していた。と言うか、取り出してシコッていた。
私のお気に入りのアンがギルバートの手によって怪我されているのに私ときたら興奮しまくっていたのだ。やがてアンをベッドに上げ、ギルバートが痛がるアンをぐちゃぐちゃに突き上げ…アンが喘ぐ頃に私も射精してしまった。
あのアンの姿を見て…後日自室に呼びだそうかと思ったが何か違うのだ。その妄想はあの時程の興奮も得られなかった。
そして行き着いた考えは……まさか自分が寝取られて興奮する主義だったとは…来週もギルバートを招待しようと思っている。
61 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 18:51:11 ID:lFm7KsdG
思い付きだったから誤字とかあったら見逃して
FF4かと思った
乙!
なかなか良かった
公爵
侯爵
伯爵
子爵
男爵
爵位ってなんか興奮する……
とくに伯爵が好き
理由は変態そうだから
何を根拠にw
俺は男爵が好き
>>65 カリオストロの昔から伯爵はロリコンと決まっていてな
(ロリコンという言葉が市民権を得るきっかけ)
あいては成人して修道院を出てきているのだが
割と名の知れた貴族系キャラを思い浮かべると伯爵が圧倒的に多い気がする
人数が多いから変態も多いように感じるのかも
パッと思いつくだけでドラキュラ伯爵、ドゥークー伯爵、モンテ・クリスト伯爵、ブロッケン伯爵…
逆に子爵、侯爵は少ない気がする
知らないだけかもわからんが
男爵って名前のバイブあるよな
公爵が好き
なんかストイックそうで
71 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 08:06:16 ID:jx+G1eMF
支援
ルネッサ〜〜ンスなスレ?
あああ・・・
「はぁ…」
春のうららかな昼下がり、緑に映える庭園の天蓋の下で、一人の少女がため息をついていた。
「今日で1ヶ月……あの方はまだ私の寝所へ来てくださらない……
一体私のどこが不満なのでしょうか…」
少女は栗色の巻き毛を指であやしながら、また何度目かのため息が洩らす。
少女の名はリリアント。
彼女はある地方領主の三女であり、このたび婚約したある騎士の邸宅に同居していた。
婚約者はディオール=ファーネンという騎士で、聖堂騎士団では名誉ある十剣士に数えられる
実力と地位を持った男であった。
容姿も決して悪くはなく、快活で大らかな性格をそのまま形にしたような威丈夫であり、初めて
顔を合わせた時、リリアントが思わず上がってしまったほどだった。
こんな男であるからには縁談の話はひっきりなしであり、リリアントが邸宅に住み込んでからも
何処そこから婚約の申し込みが後を絶たなかった。
もしこのままディオールがリリアントに手を付けなければ、リリアントは親元に返され、別の婚約者が
彼女の後に入るだけである。
「このままじゃダメよ!何としてもディオール様に女として認めてもらわないと!」
リリアントはやおら立ち上がって決意を新たにする。
故郷では両親や兄弟達が彼女の輿入れを心待ちにしていた。
ディオールと契りを交わす、それがリリアントの使命であり、御年16歳のうら若き乙女は人生を賭けた戦の真っ最中なのだ。
が、しかし……
「ただいま、リリアント」
「はうああーっっ??!!」
突然背後から声をかけられ、素っ頓狂な声を上げてリリアントが飛び上がる。
そこにはディオール本人が怪訝な顔をして立っていた。
「でっでっディオール様っ、いい、いつお帰りに???」
「今し方。帰宅の半鐘は鳴らしたから知ってたと思ってたんだが…」
「はわわわわ、全然気づいてませんでしたああああ!す、すみませんんんん!!」
「それはいいから、ちょっと君に見てほしい物があるんだ。一緒に来てくれないか」
「わわ、わたくしでよければぜひぃいいいー!!」
「じゃあ来て」「はいいいいー!!」
(やれやれ、これじゃ寝所に来るどころじゃないな。本当にいい娘なんだけどなぁ…)
表にこそ出さなかったが、ディオールはこの先リリアントと結ばれるかどうか、大いに不安を感じていたのだった。
さー次の人どうぞ
……続きは?
77 :
名無しさん@ピンキー:2010/08/21(土) 21:18:35 ID:0wffl6LE
エロまで書いてくれないと何とも言えん
高貴な我が輩のエロパロはまだかね?
吾輩は猫である
きっつい性格の貴公子から命令口調で責められたいです
君達、ageたまえ!
>>68 伯爵や侯爵が子爵位を持っていても、通常は上位の爵位しか使わないからね。
エロが無くても投下しる!
ディオールがリリアントを誘ってから約半時間後、屋敷の廊下にトボトボと頼りない足音が響く。
それは力無く肩を落としうなだれたディオールだった。
誰もが知る堂々とした振る舞いはどこへやら、今の彼からは聖堂騎士団のエリート、十剣士の
一員としての威厳やオーラは微塵も感じられず、しょぼくれた只の男以外の何者でもなかった。
「はぁ……結局今度も言えなかった…もう今夜しかないというのに…!」
溜め息とつぶやいた言葉の端に無念の思いがこもる。
帰ってきたディオールは、早速リリアントに今夜寝所へ行く旨を告げるつもりだった。
とりあえずリリアントは芸術が好きらしいとのことなので、取り寄せた絵画を広間に飾り、彼女に見せて
緊張を解したところで言おうとしたのだが、絵画を夢中で見入るリリアントの姿を微笑ましく思い、邪魔しないよう
静かにその場を後にしたところで本来の目的を果たせなかったことに気づき、自己嫌悪に陥ってしまったのだ。
リリアントが婚約者として此処にいられるのは今晩限り、事に至らねば明日にはこの屋敷を
去り、もはや永久に結ばれることはない。
それはディオールとリリアントにとって何としても避けねばならない事態であった。
にもかかわらず、うまく事にこぎつけられない自分の不甲斐なさにディオールは憤り、そして落胆した。
これからどうするべきか思案に暮れるディオールだったが、突然その背中を何者かが呼んだ。
「ディオール様、やはりしくじったんですね……」
振り向くと、そこには一人のメイドが立っていた。
背はスラリとして高く、軽いウェーブのかかった長い黒髪を後ろでアップで纏め、薄い褐色の肌をした
大人の雰囲気を漂わせる女性だった。
「リ…リサ…見てたのか…」
「しばし申し上げたいことがあります。こちらへ来て下さい」
「え?」「早く!ぐずぐずしない!」
メイドはディオールの手を取ると有無を言わさず、すぐ近くの空き部屋に彼を連れ込んでしまった。
(まいったな……)
メイドの行動にディオールは内心気まずい思いにかられ、暗澹とした予感を覚えた。
メイドの名はメリッサ=クラン、皆からはリサと呼ばれていた。
ディオールとは彼が武者修行に出ていた頃に知り合い、それからはディオールのメイドとして
身の回りの世話を始めとした諸々の事を取り仕切っていた。
その働きぶりたるや、良妻と見紛うほどの尽くしようであり、今のディオールが在るのは
リサの支えに依る所が多かった。
故にディオールは彼女に頭が上がらず、今回のリリアントの件で間違いなく叱責されるであろうことを覚悟した。
「まったく、情けない!」
ディオールと2人っきりの部屋でリサが口火を切った。
「十剣士の一人にして烈刃のディオールともあろう方が生娘に臆するなんて恥ずかしくないのですか!?
貴方が女にしてやらなくてどうやって妻にできるんですか!!騎士としての威勢や覇気はどうしたのですか!!」
(来た!!)
遂に始まったリサの容赦ない叱咤にディオールは肩をすくめた。
「リリアント様をお迎えするのはかねてからの悲願だったというのに、1ヶ月もの間いったい何を
グズグズしてたのですか!!そもそもこの時の為にどれだけの婚約が流れたかお分かりですか!?
どの方々も貴方様の本意を知らぬまま、結ばれる覚悟でいらして皆、無念の思いで去っていったのですよ!!
そうしてまで得た機会を無駄にするなんて、選ばれなかった方々に対して申し訳ないと思わないのですか!!」
「………」
ディオールに返す言葉は無かった。
確かに、ディオールと結ばれたいが為に何人もの娘達が婚約を取り付けたものの、ディオールは
彼女たちと結ばれるつもりなどなく、ことごとく破談にしてきたのだ。
それもすべてはリリアントと結ばれる為であり、今は亡き愛した女への誓いゆえ、であった。
「リリアント様とて貴方様と結ばれる覚悟で婚約に望んだはず、多少の難事などに臆したりするものですか!
そうでなければクラレット様に申し訳が立たないのではありませんか?」
「……!」
「クラレット様が亡くなられてからもう3年です……リリアント様は立派にお育ちに
なられました、それはクラレット様に劣らないほどに…」
「わかってる!!わかってるさ!!」
クラレット、その名前を聞いたディオールの表情に険しさが宿る。
それは愛しき思い出と忌まわしき過去を呼び覚ます、一生忘れられない名前だった。
「わかってる……わかってるとも……ああ、それくらいわかってるよ!」
自身に言い聞かせるように何度もつぶやくと、ディオールは深呼吸し自分を落ち着かせた。
「今夜、リリアントの寝所へ行く。すんなりとはいかないかもしれないが、やらなくては、な」
「そうですか」
決意を秘めたディオールの言葉に神妙な表情で応えるリサだったが、内心ではディオールが
奮い立ったことに安堵していた。
(その意気よディオール…頑張って、貴方とリリアント様のために…)
とはいえ、実はリサもディオールと同じ懸念を抱いていた。
何せ此処へ来てからというものの、リリアントはディオールと顔を合わせるたび、いつも緊張で
ガチガチに強張ってまともにコミュニケーションがとれないのだ。
日常ですらこの有り様なのだから、寝所にてお互い肌を晒し触れ合う段階でどうなることか、
ディオールの躊躇う理由がまさにそこにあった。
少女が女に変わる時に痛みは付きものだが、これではただ痛く辛く堪えるだけの交わりで終わってしまう。
同性であるリサとしてはリリアントにそんな初体験など味わわせたくはなかったし、肌を重ねて
愛し合うことの悦びを是非とも知ってもらいたかった。ディオールも一方的な性の蹂躙など
望みはしないだろう。
(こうなったらアレを使うしかなさそうね…)
この時、リサは脳裏にある妙案を忍ばせていた。
本来ならやらないに越したことはないのだが、今のリリアントとディオールには必要だと
確信したのだ。これなら少なくとも、リリアントが取り乱したり、苦痛を覚えることはない
筈である。
ディオールなら、きっと理解してくれるだろうとリサは願った。
「ところでディオール様、これからどうなさるおつもりで?」
ディオールが部屋を出る寸前、リサが尋ねてきた。
「ああ、夕餉までまだ時間があるから、リリアントの様子を見てから闘技の修練でもしようかと」
「そうですか…でしたら……」
室外へ出ようとしたその時、ディオールはリサに部屋の中へ引き戻された。
「リ、リサ!?」
「そういえば最後に致したのは1ヵ月前でしたかしら」
「おい、まさか今…」
「房事の修練も騎士の務めですよ、ディオール様?」
後ろ手でドアの錠を掛けると、淫靡な笑みを浮かべたメイドはうろたえる騎士のもとへすり寄っていったのだった。
>>74の続きでやす。次からエロくなるなる!
……たぶん
期待
できない
気長に待とう。
スレが逝ってまうわ
92 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/13(水) 18:40:28 ID:cT2bVMo4
高貴な男はチンポでかい
93 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 13:00:35 ID:nH0d5gsx
このスレッドは終わりました。
もう書けないので、早く潰れてくださいです。。。
まだだ、まだ終わらんよ!
95 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 20:45:52 ID:zliL624w
亀田興毅は高貴だろうか
名前はな
98 :
あい ◆meIj2RKt8c :2010/10/24(日) 18:27:16 ID:9rJBLvH8
awfr
娘、儂の相手をせい!
100 :
名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 09:17:46 ID:YwVSNUdj
かしこまりました!喜んで!
かれこれ2週間以上……高貴な男にエッチは似合わないのか?
男の属性より女の属性の方が想像力掻きたてるから
103 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/23(火) 03:05:38 ID:GGxQEYnD
イケメンでごめんなさい
104 :
名無しさん@ピンキー:2010/11/28(日) 03:07:35 ID:58NejWh8
許す
遅ばせながら、あけおめ!
姫始めもしてないなんてガッカリだよ!
108 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/09(水) 20:25:37 ID:rlhGvdDl
殿様は草食系かえ
109 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 11:39:15 ID:r/k6Kxjn
そうだよ
どっかのスレで自分からは一切手を出さず
勃たせろって命令下す王さま? って話を聞いて
このスレ向きの話だなと思った
ウィザードリィの過去スレのSSにそんなシーンがあったような
まあ王様はフタナリなんだけどね
どこに投下していいのかわからん。
取りあえず7落とすから、行き先教えてくれ。
御曹司×おもちゃの女
静かな屋敷だった。簡単な荷物のみをまとめ、大木 さやかはその門前に立ち尽くしていた。
家の回りの塀は高く、さらにその上に鉄柵が見えている。門の柱には『猛犬注意』というシールまで貼られている。
すでに帰りたい。そんな気持ちだが…大学生の夏休みのバイトとしては破格の値段で、面接に現れた50代のおじさんは、もし住み込みなら倍出すと言われた。
生徒の名前は、三宅 薫。年齢は、19歳。一年海外留学して来年大学を受験する。人見知りがひどく、予備校に行きたくないと我が儘な一面があってね。面接の時、そう言っておじさんは苦笑いした。
癇癪がひどく、これまでつけた家庭教師はことごとく全滅。プロの家庭教師より、似た年代の子が友達感覚の方がいいのかもしれないと親族で話し合いがあったらしい。
「でも…私」
プロの家庭教師がことごとく…と聞いてさすがに自信がない。すると慌てて、手を振られた。
「いや、気にしなくていい。薫さんも夏休みという感覚を味合わせてやりたいだけなんだ。ちょっと…親が厳しすぎてね」
ふと、さやか自身にも重なる部分があったので微かに笑った。
家族には自分達が泥沼かしているのがわからないが、回りから見て一息いれたらどうだというタイミングなのだろう。
「それで…夏休みいっぱい、住み込みと言う件はどうだろう?」
さやかは頷いた。もともと夏休みに実家に帰る習慣もない。
「お世話になります」
商談は成立した。
インターホンを鳴らすかどうか悩んでいるといきなり目の前の重厚な一枚板の扉が開いた。
「どちらさまで」
カッターシャツに身を包んでもがっしりした体格が分かる男が、さやかを見て聞く。抑揚のない低い声にさやかは少し怯えながら声を出した。
「大木と申します…家庭教師の」
あぁ、というように頷き男は大きく玄関を開けた。
バウッ!
「ひっ?!」
いきなり吠えられ、さやかが身を縮ませる。大きく開いた門板の影には男と一匹の犬がいた。大きい…。
「これが、門を気にしていたもので」
だから、インターホンを鳴らす前に気がついたのだろう。さやかは、恐る恐る中に入った。犬がさやかを唸りながら首を回す。
「栄音!やめ」
鋭い男の声で、栄音と呼ばれた犬は一気に興味を失ったようにくるっと身体の向きを替えた。
「薫様がお待ちです」
犬に気を取られていたが、はっと顔を上げたときなは男は庭の奥に向かい歩き始めていた。背の高い金木犀の影に隠れて行く。
門から玄関まで石が敷き詰められている。その回りには、膝あたりの低い灌木が並んでいる。人気がない…。
さやかは、キャスター付のスーツケースを軽く握り締めた。ゆっくりと玄関に向って歩き出した。
玄関には、一人の老婆がいた。てっきり薫の親族者だと思ったが違うらしい。表情のない顔で、さやかを黙って応接室に連れて行く。刺繍が施された高級感溢れたソファに座らされ、さやかは戸惑った。
てっきり薫、もしくはその両親が先にいると思ったのだ。まさか、独りで応接室に通されるとは思っていなかった分、いたたまれなかった。
「荷物は、お預かりいたします」
老婆の手が、さっさとスーツケースを持って行ってしまう。老婆が消えると完全に独りになってしまった。
「どう思う?」
白のスーツに身を包んだ20代の青年が面白そうに聞きながら煙草に火をつけた。マッチを軽く振って火を消しクリスタルの灰皿に投げ入れる。
「顔は、上等」
薄いブルーの絹のシャツを着たやはり20代の男が良く冷えたシャンパンを口にしながら答える。
「身体も、よさげじゃないか」
煙草の煙を吐き出しながら白いスーツの男が赤い革張りの安楽椅子に深く腰掛け足を組んだまだ若い青年を伺う。
「…薫、どうだ?」
三人の向こうにはマジックミラーに写るさやかの姿があった。さやかの前には、壁掛け鏡が飾ってありその縁に細かい飾りがついている。良く磨かれた鏡は触れる事すらためらわせるものがあった。
「頭も悪くない。親は、どちらかといえば堅めの職種だが…。誰か親の関係で知ってる奴いたか?」
すると、部屋の隅で存在を消していた50代の男が静かに答えた。さやかと面接した男だ。
「GK企業なら、森崎様が顧問でいらっしゃいます」
「どれぐらいの自由に出来る?」
「即解雇ぐらいなら」
男の声にスーツの男が笑った。
「充分じゃないか」
安楽椅子に腰をかけていた青年が切れ長の目でちらりと煙草を吸う男を見上げた。
「兄さん、自分の物にしたら?」
兄さんと呼ばれ、スーツの男が苦笑いしながら煙草を灰皿に押しつける。
「浅子に泣かれてしまうんでね」
「こっちに振るなよ?俺は今の所、美沙子で満足している」
「兄さんといい…徹哉といい」
薫は深く溜め息を吐き、安楽椅子に身体を沈めもう一度、目の前の鏡を見た。
誰も現れない事が不安で堪らないのだろう、薄いベージュのスーツのスカートの上で手を握ったり開いたりしている。手の平が汗ばんで気持ちが悪いだろう。
気がついたら、口元が笑っていた。なんだかんだと言っても、新しいおもちゃが楽しみじゃないわけがない。
「静様、徹哉様…お車が参りました」
さやかのスーツケースを持ったまま、お手伝いのふじが扉を開く。
「なにが入っていた?」
なんでもないような事で静と呼ばれたスーツの男が聞いた。ふじは別にと首を傾げる。
「安物ばかりでございました。捨ててよろしいですか?」
「処分して」
徹哉がシャンパンのグラスをテーブルに置きながら答える。
「さて、俺は下着でも買い揃えてあげようかな」
「…じゃあ、俺は服か」
静と徹哉が立ち上がる。軽く、薫の肩に手を置いて呟いた。
「栄音を庭に放すぞ。ボクサーだ。下手に噛まれたら死ぬと教えてあげろよ?」
「あと、この屋敷にはいろはとふじしかいないという事もね」
薫が頷く。
この屋敷には、さやかを出迎えたいろはと、お手伝いのふじ。そして自分とさやかしかいない。
さやかが持って来た荷物は全部処分される。さやかの親の処遇もこちらの手の中にある。この広い屋敷から逃げようと一歩外に出れば…栄音がいる。
「素敵なプレゼントだ」
こちらの話が聞こえているはずもないが、鏡の向こうでさやかが堪えられないよう半泣きの顔になった。
「…薫…さん?」
白のスラックスにバーバリーのポロシャツを着た青年が扉を開けた時、反射的に立ち上がったさやかは一瞬ほっとした顔をして、薫を見て驚いた顔をした。
「…薫様と」
「え…?」
薫の後ろからお茶をワゴンで運んできた老婆が鋭い目付きてさやかを見た。
「薫様と」
「ふじ。お茶が冷める。先にセッティングしてくれ」
命令することに慣れた口調で薫がふじを窘めた。ふじが低いガラステーブルの上に紅茶類を並べていく。
薫は庭に面した窓に立ち、栄音が嬉しそうに沈丁花の株を超えるのを見ていた。いろんな種類の樹々が植えられている。
広さから言えば、団地の公園など比にならない。高い塀にも遮られ、この屋敷はまるで異空間だった。
ワゴンが出ていく音がする。パタンと扉が閉められた。二人っきりになった応接室にさやかが困惑したように薫を見る。
「…あの…」
「なに」
さやかが困ったように首を傾げた。
「私、薫…さ、様って…女の子だと」
同年代の女の子だと思ったから、この話を受けたのだと言外にしたが、薫は聞いていなかった。テーブルに戻り、さやかの前に腰を下ろす。
「…私、勘違いしてしまって」
薫がマイセンのカップに手をかける。ふじが煎れる紅茶は、悪くない。
「…あの、お父様かお母様は…」
「さやかが来ると聞いて安心してスイスに行った。」
「え…」
さらに困った顔をする。柔らかいウェーブのかかった髪が肩の上で揺れる。ぱっちりしたアーモンド型の目がどうしたらいいのだろうという顔をする。細目に整えられた眉が軽く顰められた。
「私、帰ります。…お金、返しますから」
さやかが立ち上がろうとした瞬間、薫の手が大きく揺れた。
「きゃっ?!」
いきなり浴びせられた紅茶にさやかが思わず顔を庇おうと腕を上げる。
「さやかは、我が儘だな」
スーツの肩からスカートまで浴びせられた紅茶が染みていく。さやかは震え出した。
「僕の相手を住み込みでする。そう聞いていたはずだ。ただ、それだけだろう」
「私、女の子だと思ったんです!」
「知るか」
薫が立ち上がる。そしてぐいと、さやかの腕を取った。
「お金は振り込んだ。いったいなにが不満だ」
「親御さんが居ないなんて聞いていないわっ」
「親がいるかいないかで、バイト決めているのか?変な奴だ」
「違うっ!」
腕を取り戻そうと、さやかが暴れる。面倒になり薫は軽くさやかを突き飛ばしてソファにひっくり返した。
「きゃっ?!」
捲り上がったスカートをさらに膝で押し上げさやかの股の間で固定する。さやかは動けなくなりがたがたと身体を震わせた。
顔から血の気が引く。薫は約180近い身長で165ほどしかないさやかを簡単にソファに縫い止めていく。
「…乱暴…しないで」
歯の根が合わない。歯並びの良い白い歯がカチカチと細かい音を立てた。
「さやかが暴れたら、乱暴する」
「…暴れないから…乱暴しないで」
「もし、暴れたり逃げたりしなければ乱暴にしない」
薫のゆっくりとした口調にさやかはがくがくと頭を振って見せた。薫が目を覗きこんで…口元を上げて笑った。
「先に言っておいてやる。この屋敷には、さっきさやかを出迎えたいろはと、手伝いのふじしかいない。」
さやかの目が激しく動く。逃げる算段を考えているのだろう。
「庭には、栄音を放した」
はっとさやかが薫を見た。さっきの大型犬。
「勝手に庭に出たら食われるからな」
さやかの目に涙が浮かぶ。なんで…そこまでして…。
「お前は、この屋敷で俺と遊ぶ。それだけだ」
薫の手が、ためらいもなくスカートに潜り込んだ。ストッキングを破り、下着に触れられさやかは悲鳴を上げた。
「いろはっ!」
扉が開いていろはが音も立てず薫に近付く。悲鳴を上げてるさやかなどいないような振る舞いに、さやかの目から涙が迸る。目茶苦茶に暴れるさやかを面白そうに見ながら薫はいろはが差し出した革の拘束具を手慣れた様子でさやかにつけた。
「いやっ!帰してっ、うちに帰してっ」
「商談は成立した。お前はそれを受けた」
「こんなのは違うっ!聞いてないっ!」
「…この格好で帰りますか?」
いろはに言われて、はっとさやかが己の姿を見た。スーツの半分は紅茶で汚され、ストッキングは破かれている。だが…
「着替えがありますっ!」
悲鳴混じりに叫ばれ、いろはが首を傾げた。
「お持ちになりましたか?」
いろはの言葉の意味がわからずに、さやかは嗚咽を上げた。荷物はふじというお手伝いに渡したはずだ。
「ふじさん…が」
「ふじはもう帰った。夜はここには俺といろはしかいない」
ああ、と付け足す。
「栄音がいたか」
さやかはもう一度悲鳴を上げた。
いろはが新しい紅茶をカップに注いだ。軽く口に含み、薫が顔をしかめる。
「渋い…ミルクをいれてくれ」
「煎れ直しましょうか?」
いろはの言葉に首を振った。いろはが、カップにミルクを垂らす。渦を巻きながら紅茶が乳白色に変わっていく。
「さやかが暴れたせいですっかりお茶がまずくなった」
窓の真ん中にさやかが吊されていた。拘束具のクリップをフックにかけられて不自由な手では解く事もできない。無理矢理伸ばされた腕に顔を埋め泣いていた。
スーツはすでにしわくちゃでみすぼらしく、ブラウスはボタンが全て外されている。中のキャミソールのレースの縁取りがさやかのまだ幼さを可愛らしく見せていた。ブラジャーもキャミソールと同じデザインだ。
「いろは。さやかは何カップだと思う?」
「Dだと」
目算で答えたいろはに、さやかが視線から逃げようと身体を捩った。
「鳩胸か?」
「それは、外してみなければ」
いろはの言葉にさやかの泣き声が高くなる。その泣き声を気持ち良さそうに聞きながら、薫は紅茶を口に含んだ。
「あとでいい。なら、下はどうだと思う」
下と聞いて、さやかが足をきつく閉じる。ストッキングは吊される前にいろはにはぎ取られた。下着まで取られるのではと怖かったが、いろははそのままさやかを吊ったのだ。
「さて、質問の意味が」
「下着だよ」
「ああ。安物ですが、一応一通りでしょう」
安物と言われ、顔がほてる。ひどい…新たに涙が流れた。今度は羞恥だ。
「邪魔だな。」
薫の一言でいろはが立ち上がった。クリスタルを飾ってある棚の引き出しから鋏を取り出す。
「いやぁっ?!」
さやかが悲鳴を上げ、身体を大きく捩らせた。だが、いろはの腕がさやかの片足を抱え上げスカートのジッパーを下ろす。そしてその開いて窓から下着の端を引っ張りだしためらいもなく切った。
いろはの指が引っ張りだした下着を再びスカートの中に戻し…
ぱさ、と音がしてもと下着だった布が床に落ちた。
さやかがしゃくり上げる。もしこのまま、いろはが腕を放したら…スカートも床に落ちてしまう。
「おや、栄音」
いきなり、窓を叩く音にいろはが顔を向けた。ボクサーが後ろ足で立ち上がり中を伺っている。
「ヒイッ?!」
目の高さと変わらぬ栄音の大きさにさやかは、思わずいろはに身体を預けた。
「勘弁してくれよ…涎まみれじゃないか」
薫が笑う。栄音がガラスに鼻面を押しつける度、ガラスが白く曇った。
「このまま、庭にでますか?」
いろはの言葉に度肝を抜かれさやかが振り返る。いろはは別にそれでも構わないという顔をしていた。
「窓を開けたら飛び込んで来ますよ」
さやかは、言葉を発する事も出来ずただ、首を大きく横に振る。身体をじっとりと脂汗が滲む。
「なら、薫様にお許しを得ねばいけません」
訳が分からない。お許し?なにを?なんの?
バン!またガラスが揺れた。栄音がまるで獲物の見るようにさやかを見ている。
さやかは、出来る限りいろはに身体を寄せがたがたと震えていた。その形のいい耳にいろはが囁く。
「我が儘を言って、申し訳ありませんでした」
いろはの言葉にさやかが目を見開いていく。
「これからはさやかは、我が儘を申しません。薫様のおっしゃるとおりにいたします…と」
震える唇が、そんな…と呟く。いろはが、無表情にさやかを見下ろした。
「いろは。鍵を開けろ」
薫の言葉にいろはの指が窓の鍵にかかる。はっとさやかがそれを見た。
「いやっ!やめてっ!」
いろはは、カチンと音を立てて摘みを上げた。
それを窓の外から栄音も見ている。
もし…窓が開いたら…。
気が遠くなりそうだった。血の気が引き、頭が白くなる。
意識を失ったのを確認していろはが、さやかを担ぎ上げた。
続く
どこの板に行ったもんかね
ここで良いのでは!
ぜひ続きを待ってます
見回りお疲れ様です。覗いた人だけの楽しみに。
一気に落とします。
15です。
なにか音がする。なんの音?
意識が回復するにつれ、自分がものすごいきつい姿勢を取らされていることに気がつき慌てて目を開けた。
「きやっ?!」
いきなり視界に溢れたフラッシュに怯え、強く目を閉じる。
…なに…写真?!
「いやっ?!」
がむしゃらに動こうとして未だに両手首が拘束されたままなのに気がついた。
「いやっ!」
「起きたのか」
白いベッドシーツの上に薔薇の花びらが撒いてあった。その中央で足を大きくM字に拡げた格好で拘束されている。すっぱだかにされ、ポーズをとらされていたのだ。背中を支える者に気がつき恐る恐る振り返る。いろはが無表情に服を着たままさやかの上半身を支えていた。
「なん…なんなの」
空調が効いていてひんやりしている。窓もカーテンも引かれ部屋は夜の闇より暗かった。
「なんなのっ?!」
さやかが悲鳴を上げる。だが、自由にならない身体をただ揺さぶるしか出来ず再び泣き始めた。
シーツに乗せられてた踵が皺を作り寄せ、薔薇の花びらが場所を変える。
「…アングルが変わるな」
膝が揺れるため写真が安定しない。
溜め息をついて、薫はカメラをテーブルに置いた。
「いろは、腹が減った。運んでくれ」
急に、背中を支えていたいろはが動き、支えを失ったさやかはベッドに放り出された形になった。
天蓋を飾る刺繍が涙で滲む。涙が止まらずこめかみに流れ落ちて行く。髪が涙で湿った。でも構わず泣いた。
「何て言って欲しいんだ?」
急にベッド脇から声がして、さやかは身体を捩らせた。
「…帰して」
「何て言って欲しいと聞いた」
「うちに帰してっ!」
叫ぶような声を上げたさやかにやれやれと薫が頭を掻く。ベッドサイドに置いてあった椅子を持って来て座ってさやかを見た。
さやかの涙が溢れた目が薫を見る。泣きすぎて目が腫れぼったくなってる勿体ない、薫はそう思った。
「…写真…撮ったの?」
柔らかい曲線で出来た唇が震える。ふっくりとして愛らしい唇だった。
「それが?」
「今すぐ消してっ!」
ああだこうだとうるさい人形だ。薫は、深い溜め息を吐きながらカメラを指さした。
「消せって言われても無理だよ」
「消去してっ!」
何を言っているんだと薫が顔をしかめると、扉を開けながらいろはが答えた。
「薫様、デジカメと勘違いされているんだと」
薫が嫌そうな顔をした。慌てたのはさやかだ。デジカメじゃないカメラって何っ?
「…説明が面倒くさい。もういい、喋るな」
いろはが手際良くテーブルに食事を並べていく。部屋にいい香りが流れた。
「スープはなんだ」
「ジャガイモの冷製スープですね」
「ふじにしたら、珍しい」
薫が機嫌良さそうにテーブルにつく。裸でベッドにくくり付けられている女の横で、何事もない様子で食事を始める薫。
さやかは強く目を閉じた。狂ってる。この家は狂っている。
「いろは、アルコールは?」
「零時までお待ちを」
軽く舌打ちし、薫が炭酸入りの水を飲んだ。
「なにもかも、零時だ」
つまらなさそうに呟く薫にいろはが笑った。
「静様のを掠めてる事は存じてますが」
「人聞きの悪い。日本が厳しいんだよ…っとに」
小さくパンを千切りながら首を傾げた。
「お前は二十歳すぎてたな」
いきなり声をかけられ泣いていない事にさやか自身が驚いた。あまりの異常な事ばかり続くので頭が麻痺したようだった。
「質問に答えろ」
そう言われ、微かに頷く。
「少し素直になったか」
楽しそうに笑い、薫はデザートの果物を乗せた皿を引き寄せた。メロン、巨峰、マスカットなどが乗っている。
さやかは何となく分かった。この薫という男は…逆らわなければ…多分、ひどいことはしない。
だから…ひどい事をするなら…さやかは視線を薫の後ろで給仕をするいろはを見た…この男だ。
「質問に答えたら、食わせてやる」
ベッドが軋んだ。さやかの頭の横に薫が腰を下ろす。だが、それでもゆうに一人分大の空間がある。ベッドが異様に大きい。180ある薫が腕を伸ばしてようやくさやかの口元に手が届くぐらいだ。
「お前、20だろ?」
頷く。薫が嬉しそうにメロンをフォークで細かく切り差し出した。甘い香りがする。口元に差し出され薄く唇を開ける。唇に触れそうで触れない。さやかは困ったように目線を薫に向けた。
「舌を伸ばせ」
しばらく考えていると、メロンが口元に押しつけられた。慌てて口を開く。すると、またフォークが引く。
「なにをしてるんだ」
からかう口調に諦めたようにさやかは舌を伸ばしてメロンを口の中に落とした。
甘い…豊潤な香りと瑞々しい水分が口の中に拡がる。
「酒を飲んだのは幾つだ?」
同じフォークでメロンを口にしながら薫が聞く。さやかはメロンを飲み込み、一度溜め息をついた。
「お屠蘇なら…子供の頃からよ」
「…おとそ?」
首を傾げる薫にいろはが笑う。
「そう言われたら、薫様は正月は日本にいらっしゃいませんね」
「日本の風習か」
「正月の風習です」
ふうんと頷いて、薫が今度は巨峰を手に取った。丁寧に皮を剥いていく。紫の汁が薫の指を伝う。
「汚れます」
いろはが薫の膝にナプキンを敷いた。
「捨てればいいだろ」
「さすがに一日三枚捨てられたら、静様に呆れられますよ」
そういえば、応接室で会った時は白のパンツだったが…今は、バーバリー特有の柄が入ったズボンに変わっている。
「口、開けろ」
はっと反射で唇を開けると、巨峰を摘んだままの指が降りて来た。巨峰だけを噛もうとして…指が退けられず、目線で伺う。
「舐めろ。汚れた」
巨峰の汁で塗れた指を口に含まされ…さやかがためらうように舌を伸ばした。薫の親指と人差し指を舐める。薫が指先を包む感覚に軽く笑い、巨峰を落とした。
「煙草は?」
「吸わないわ」
巨峰の種をどうしようと軽く眉を寄せるといろはがぐい、と顎を掴んだ。
「んふっ…?!」
いきなり口に指を突っ込まれ種をすくいとられる。いきなり口の中に指を突っ込まれる感覚にさやかが再び涙を浮かべた。
「…ひどい」
薫に訴える。なぜか、そうしていた。薫といろはの力関係を感じたのだろう。薫は別に気にしてないようにいろはが差し出した皿に種を吐き出した。
「葡萄は嫌いか?」
そうじゃない…。ただ、いろはに触れられるのは…怖い。
「男はいつだ」
あっさりと聞かれた事にさやかは顔を赤く染めた。答えられず、口を噤む。
「…答えられない事か?」
不思議そうに薫が呟き、巨峰を口にした。
「答えろ」
ベッドが軋む。薫が膝で進みさやかの開かされた股の間に胡座をかいた。
「いやっ?!」
いろはがさやかの腰の下にクッションを押し込む。
「いろは、足の縄をもう少し長くしてくれ」
「いやぁっ?!」
さやかが悲鳴を上げた。50cm程、縄が伸されまた括られる。足の間にいる薫を蹴飛ばそうとしたが、あっというまにいろはに拘束された。
さやかの顔の上をいろはが跨ぎ、逆八の字に足を開かせる。腰が浮き上がるほど身体を屈折させられてさやかは再び泣き始めた。
「ひどいこと…しないで…」
暗いとは言え、ベッドサイドの灯は充分さやかの秘裂を照らす。いや…いろはがベッドサイドからペンライトを薫に差し出した。
カチと捩じる音がして眩しい光がさやかの視界を奪う。
「いやっ!」
「質問に答えないからだろう」
「いやっ!」
「いろは、どこだ?」
ペンライトの光が揺れる。いろはが身体を伸ばした。なにをしようとしているのか気がつき…さやかは呆然とした。
「これが、クリトリスです」
「…い…や…」
「なんだ…わかりにくいな」
薫の指先が触れた。
「興奮すれば、大きさが変わります」
「ペニスみたいだな」
「ま、そんな所です」
「いやよ…やめて」
さやかは強く目を閉じた。閉じた瞼をとおしても、ペンライトの灯が揺れるのが分かる。
やめて…見ないで。
「これが俗に言う花びら…というものですね」
「ああ、浅子さんがピアス開けた所か」
いやよ…やめて…お願い、見ないで。
さやかの身体にうっすらと汗が浮かび出す。いろはに掴まれたままの両足が震え出す。
さやかが、はう…と喘いだ。
「…今、口を開いたのはなんだ」
「そこが、おまんこです」
「いや…」
薫の指が軽く沈む。さやかは身を捩った。だがいろはは、足を放さない。
嬲られる…。さやかは軽く息を弾ませた。視線に犯されて、指で犯される…。
「いろは、これは毛は多い方か?少ない方か?」
「いやあっ?!」
いきなりの質問にさやかが悲鳴を上げた。いろはが笑う。
「まあ、普通といった所かと」
「サンドラにはなかったぞ?」
「あちらの国の事情でしょう。永久脱毛する女性もいますから」
ふーんと呟きながら、さやかの陰毛を指で捏ねあわせる。
「どういたしますか」
「邪魔だから、剃る」
「やめてぇぇっ!」
さやかが大きく身を捩った。なにかが壊されてしまう。そんな恐怖だった。いろはから逃れようと、足を闇雲に振り回す。腰の下に置かれたクッションは跳ねて転がった。いきなり暴れ出したさやかに薫が眉をしかめる。
「いろは!」
「動くな」
「いやっ…む…ぐ」
いきなりさやかの顔に体重がかかった。見開いた目にいろはのズボンの尻が当たる。
顔を潰すように腰を下ろされ、さやかは呻いた。息ができない…。暴れていた足が力なくシーツに投げ出され、さやかの身体からも力が抜けていく。
「…今度暴れたら、首を締める。いいな」
いろはの言葉が酸欠で耳鳴りがし始めた耳にようやく届いた。
分かった…というように手枷がはめられた両手首を一度鳴らす。ゆっくりといろはの身体がさやかの顔から離れていった。
「ひぃ…くっ、えっ…」
さやかの唇からは子供がしゃくりあげるような声しか上がらない。
壁に凭れ、コーヒーを飲んでいた薫が疲れたように軽く目を閉じた。
「兄さんも、徹哉もこんなに疲れたのか?」
いろはがさやかの足から手を放しながら笑う。強く握りすぎてさやかの足首に指跡が浮いていた。部屋の隅から縄を二本持って来て、さやかの膝を持ち上げて今度は枕元の柱に結ぼうとする。
「待て、いろは」
膝を掴んだままいろはが薫を待った。薫がコーヒーカップをテーブルに置き、ベッドに近付いて来る。さやかが涙が止まらなくなった目で薫を見た。
「暴れるからだ…怖かったか?」
思わぬ優しさで顔に手をかけられ、その優しさに必死に縋る。
「こ…わ、い…」
息ができないのは、ただただ恐怖心にしかならない。さやかが顔を添えられた手に大きく擦り付けるような動きをした。
「良い子だ。」
初めて、薫がさやかに唇を重ねた。コーヒーの香りがする。その香りを吸い込むようにさやかは自分から大きく口を開いた。薫の舌が絡む。少し苦いコーヒーの味がする。
薫が、唇を放した時、追いかけて舌を差し出したのはさやかだった。その舌に気がつき、軽く薫が歯先で噛む。
「いろは。このままでいい。準備しろ」
有無を言わせぬ薫の言葉にさやかは諦めたように息を吐いた。
綺麗に剃り上げられる間、さやかの両足を支えていたのは薫だった。だが、さやかが薫が触れる所にいることに安心したのか、抵抗はしなかった。
「暴れるなよ」
薫が髪を梳きながら額に唇を当てると小さく頷いてキスをねだった。それに答えてやる。
片刃の剃刀が丁寧に剃り上げていく。薫がそばに居る限り…いろはは怖くない。さやかは深く溜め息を吐いた。
「風呂の用意を致します」
「頼む」
さやかの秘部から顔を上げたいろはが小さな盆に乗せた道具を揃えて部屋から出ていく。いろはの姿が消え、初めてさやかが身を捩って薫に身体を寄せた。
「どうした」
「あの人に…触らせないで」
「いろはか?」
薫の言葉に、さやかが胸に顔を埋め頷く。軽く良い香りがした。ブルガリのトワレだ。薫が困ったようにさやかの肩を抱く。
「…いろはに触らせなかったら…後は構わないのか?」
深く意味を考えなかった。ただいろはに触られない事が約束してもらえればよかった。さやかが大きく頷く。その顎を捉えた。
「いろはに触らせない。」
薫の目に見つめられ、さやかは感謝のまなざしで薫を見つめ、顔を上げ口付けた。
「…だが、あとはいやは無しだ」
薫の言葉に小さく頷く。今度は薫がさやかに口付けた。
「すっかり嫌われましたな」
二人分のシルクの寝間着を揃えていろはがベッドの足元に立っていた。さやかが薫に身を寄せる。
「動くな。縄跡がひどくなる」
薫に鋭く言われ、さやかは身体を動かす事をやめた。
「私が縄を解いてもよろしいでしょうか」
慇懃に聞かれ、さやかが怯えたように薫を見る。薫が笑った。
「縄を解くぐらいは構わないだろう」
さっき、触らせないと言ったのに…そう反論しようとしている間に縄が解かれた。
「触れずにできました」
いろはの口調にさやかがきょとんとし、薫が大きく笑った。
手枷も外されて、ようやく自由に身体が動く。さやかは、紫色に腫れた手首と足首を見て半泣きになった。足首は特に擦過傷ができ傷になっている。
「ひどい」
「よく暴れたな」
感心したように薫が手首に唇を当てた。その手に海綿を渡す。
「洗え」
薫に海綿を渡され、何をどうしていいのかわからぬままさやかは洗い場に突っ立った。
「…何をしてる」
檜でできた小さな椅子に座った薫が呆れた顔で立ち尽くすさやかを見上げる。
洗えって…まさか、薫を?男の広い背中に戸惑う。人の身体など洗った事などない。諦めたように薫がさやかから海綿を取り上げた。
「おい、しゃがめ」
言われた事が分からずさやかが一歩後ろに下がる。あーもう、面倒くさいとばかりに薫が腕を振った。
「きゃあっ?!」
パアァンと良い音が浴室に響く。痛みよりも音と、尻をひっぱたかれた事に驚いてさやかは慌てて薫の前にしゃがみこんだ。
「ぶたないでっ」
「じゃあ、いろは呼ぶぞ」
「居ますよ」
脱衣所からいろはの笑いを含んだ声がしてギョッとさやかが振り返った。
「入ってこないでっ」
「お前がもたもたするからだろう」
薫がさやかの肩を掴み、自分に背中を向けさせる。白い薄い背中が震えていた。背中の真ん中を背骨が綺麗に走っている。肩甲骨の丘が二つ浮き出ていた。
「…今更、胸隠すか」
「いやっ!」
明るい浴室に、さやかの身体に羞恥の紅がさす。
「いやって言ったか?」
「言ってないっ!」
慌てて首を振ったさやかに脱衣所からいろはの忍び笑いが聞こえた。
薫がオリーブで出来た石鹸を海綿に擦り付け、2、3度揉む。そしてゆっくりとさやかの首に海綿を押し当てた。柔らかい感触にさやかが小さく震える。海綿を滑らそうとした時、脱衣所から声がかかった。
「薫様、掛け湯を」
薫がぽかんと口を開ける。その顔を見て…さやかも笑った。
大人がゆうに三人入れる広さの檜風呂に浸かり、さやかは大きく溜め息を吐いた。身体も心もほぐれる。だが…子供のようになってしまった秘部を見て顔を曇らせた。こんな身体じゃ銭湯にも行けない。
「どうした」
背中から腕が回り湯の中で引き寄せられた。さやかの背中に薫の胸が当たる。さやかの太股に薫のペニスが当たり、気がつかなかった振りをして身を捩って避けた。
「…お風呂の入り方も知らないなんて」
薫が指先でさやかの乳首を弄り出す。さやかの肩が震えた。
「留学が長かったんだ」
小学校からスイスの全寮制の学校にいた。高校からアメリカに留学して、そのままアメリカの大学に入った。そこを飛び級で卒業し…
「え…」
さやかが驚いたように振り返った。お湯が揺れる。
「来年…受験だと」
家庭教師のバイトでは、そう言われた。
薫がさやかの疑問に気がつき、頷く。
「日本の経済を日本語でちゃんと学ぶ」
「だけど…アメリカの」
「大学を二個出たらいけないなんてないだろう」
大学を二個と数える辺りが不安なんだろう。日本語の言葉は難しい。だが、日本で経済を動かすなら必ず必要になる。
「…私はなんの為に…ここにいるの?」
「俺の相手をするため」
唇を重ねられ、さやかが目を閉じる。そういう事ではないような気がする。なんだろう…この、囚われ感は。
「大木様は、最初から選ばれておいででした。」
脱衣所から聞こえて来るいろはの声に、さやかが耳を傾ける。
「薫様に、相応しい女性を探しておりました。」
あのさやかと面接をした男は200人近くの人間と会っている。その中で、大木 さやかが上がった。近辺調査までして親の会社まで調べた。
「父の会社…まで?」
さやかの手が震えた。だが…その切り札を見せたということは…さやかが薫を見る。
「…私は、何?」
「一応、おもちゃ兼、恋人兼、婚約者兼、愛人兼、妻兼…俺の筆下ろしをする人」
バシャンと大きく湯が揺れた。さやかが強く薫に抱き締められ深いキスを与えられる。
「目茶苦茶だわ…」
この半日、なにが起こったのか分からないままだった。荷物は消え、吊されて、気を失って…写真を撮られ、秘部を細かく調べられた。
いっぱい泣いた。このままここで飼い殺されるかと思った。
「…これだけ調べたら、普通、なんていうか自然を装って…」
薫は、目鼻立ちもはっきりしている。普通に歩いていても目を引くだろう。その薫とただ普通に出会い…そう考えていたら、また噛み付くように唇を重ねられた。
「そんな事してるまに、さやかは兄さんに会って好きになるのさ」
自嘲気味に言われ、さやかが首を傾げる。それをフォローするようにいろはが答えた。
「静様は、薫様が大変心配なのですよ」
薫に悪い虫が付く前に、虫を自分に引き寄せて潰す。薫が物心ついたころから静がしていた事だった。
「ただ、薫様も責任は考えていただくように…」
「いろは、出ろ。説教はもういい」
いろはの気配が消える。薫は深く息を吐き、湯船に身体を凭れさせた。
「…あなたは、なんなの」
薄ら寒くなる。この男は誰?なにもの?
「ただの坊だ。一族企業の本筋の次男坊だから期待はされてないが」
だが、スキャンダルはうるさい。ある程度なら揉み潰されるがさすが下世話な週刊誌に追い回されるのは真っ平だった。
一族は、二十歳すぎたらとっとと結婚する。あとは愛人がいようがなんだろうが構わないのだ。相手さえ選べばそれで許される。
「…私…怖いわ」
思わず呟いたさやかに優しく口付けた。
「安心しろ。さやかにも先輩がいる」
言われた意味がわからず、首を傾げる。
「俺の兄さんの嫁の浅子さんと、従兄弟の徹哉の婚約者の美沙子だ」
「会う事があるの?」
薫は頷いた。
「俺が気に入ったからな。さやかは、もう俺から離れられない」
「俺が私から離れられない…って言うのよ」
さやかが混乱している頭をそっと薫の胸に当てた。いろんなことを言われたが…自分も一つ、伝えていない事がある。
「…男は、19よ」
薫の手がさやかの髪を撫でた。
「初めてが良かった?」
「いや、今のさやかがいいから構わない」
はっきりとした口調にさやかは小さく溜め息を吐いて身体の力を抜いた。
のぼせる前に脱衣所に出ると、レモンの輪切りを浮かべた水差しが置いてあった。
「水飲めよ」
薫に言われて、グラス二つに水を注ぐ。そういえば、この屋敷に来て初めての飲み物じゃないだろうか…さやかが勢いよく飲み干したのを見て、薫がそのグラスに水を注いでやった。
「喉渇いていたのか」
「多分…」
あれだけ泣いた。脱水症状が現れなかったのが不思議なぐらいだ。
「寝室に戻るぞ」
軽く身体を拭き、そのまま歩き出した薫に慌てて、いろはが用意したシルクの寝間着を身に着けて追う。
先程の寝室の扉を開き…一瞬、薫の足が止まった。
「…なに?」
後ろから部屋を覗き込む。そして目を丸くした。
部屋中にばらまかれた花びら。薔薇の香りで噎返るようだ。テーブルには冷えたシャンパンとクリスタルの足の高いクリスタルシャンパングラス。そこには、一枚ずつカードが差し込まれていた。
『誕生日おめでとう!おめでとうの数だけ幸せがありますように。兄より』
『童貞卒業おめでとう。やっと知識が実践できるな。徹哉より』
唖然としたさやかの前で薫が悔しそうに徹哉のカードを握り潰した。
「あのやろ…」
覚えておけよ…と呟く薫がはっと時計を見た。
規制
「…零時すぎたのか」
しばらくなにかを考えるように時計を見ていたが、急に嬉しそうに口元を緩め、さやかの腕を取った。ずかずかと花びらを踏み散らし、ベッドにさやかを突き飛ばす。
いきなりの事にさやかが目を白黒させた。
「なに?どうしたの?」
「二十歳だ!成人したんだっ!」
喜びを爆発させるようにさやかの唇を奪う。
「だから、なにっ?」
「日本で、酒も煙草も好きにできる!これでどこに行っても、俺を束縛するものはないっ!」
…いろいろと、なんか言いたい事はあるが…さやかは、ちょっと複雑に笑った。酒も煙草も…早い人なら、二十歳待たずとも…。
だが、どうも目の前にいる青年は、そういう決まりは守るべきだと言われて来たんだろう。…そう思うと、少しかわいかった。
さやかの手が薫の手に重ねられる。
「…とりあえず…酒と、煙草と…私…どれからにする?」
薫が当たり前だろうと笑った。
「お前は俺のプレゼントだ。一番にいただく」
薫の手が、さやかの寝間着を乱暴にひんむいた。
ベッドで口付けを交わし、啄む口付けから舌を絡める口付けに変わる。舌が柔らかくさやかの口を蹂躙する。溢れた唾液を我慢できず、さやかは音を立てて飲み込んだ。
薫の指がさやかの乳房を一度試すように柔らかく揉み、指で柔らかさを感じる。さやかが身体を捩った。足を崩して座った太股に思った以上の早さで愛液が伝っていく。
「なんでもじもじしてる」
唇を放され、そう聞かれた。さやかが困ったように俯く。身体が期待している…初めての男、それも相手は未体験だという。口にしたらはしたないと言われそうだった。
「足が痛いのか?」
ふくらはぎに手を滑らせた薫に慌てて首を振った。薫の手を取り…恐る恐る自分の剃り上げられた秘部に導く。
薫の指が温かいぬるま湯のような状態のさやかの秘部に驚いた顔をした。
「…すごいな」
顔を赤くしてさやかが俯く。はしたない…。だが、薫は嬉しそうに差し込んだ指を揺らした。
「さやかは、感じやすいんだな」
薫の両手がさやかの股にかかる。口付けを交わしながら薫がさやかの足を拡げた。M字型をとらせるように開かせてさやかが落ち着くまで唇を重ねる。
「見るぞ」
そう呟かれ、小さく頷いた。薫の身体が離れる。さやかは強く目を閉じた。薫の指がつるつるになった秘部を片手で器用に寛げる。
「ぁ…ふ」
こぷ、とまた溢れた愛液にさやかは熱い息を吐いた。愛液が伝う。薫が笑った。
「シーツがお漏らししたみたいになるな」
「いやっ!」
慌てて足を閉じたさやかに、薫が表情を消した。
「開け」
「いやっ…」
薫の顔が険しくなる。
「いろはっ!」
さやかははっとした。いろはに身体を触らせない、だからいやはなしだと…
「いやっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ」
身体を起こした薫にすがりつこうとして突き飛ばされた。突き飛ばされてもまた、薫の腕にしがみつく。泣きじゃくりながら謝っていた。
「ごめんなさい…もう、言わないから…ごめんなさい」
「さやかは、我が儘だ」
冷たい口調で言われ、勝手に涙が零れた。我が儘なのはどちらなんだと思うが…なぜか、薫に言われると自分が小さな子供になった気がする。
「お呼びになりましたか」
いつの間にか、いろはがベッドの足元に立っていた。さやかが顔に手を当てて泣きじゃくる。
なんのことはない…ただ、からかわれて恥ずかしかっただけなのに…お漏らしなんて。
「さやかが、いやいやばかり言う」
溜め息を吐いた薫にいろはが、首を傾げる。
「いやがっているようには見えませんが」
薫にそう答え、さやかに聞く。
「いやなのか?」
さやかはいろはの言葉に首を横に振った。薫が目を丸くする。
「いやって言ったじゃないか」
「もう、言わないな?」
いろはの言葉に頷く。いろはが薫を見て笑った。
「だそうです」
薫がなにかを考えるようにベッドから下りた。足元に撒き散らされた薔薇の花びらを一枚ずつ拾ってシーツに落としていく。
いろはが、部屋の片隅のテーブルに置いてあったカメラを持って来た。ストロボの電源を入れる。古い形のカメラだ。いろはがフィルムを巻く音が部屋に響く。
なにが始まるのか…さやかはゆっくりと理解した。
「足を開け」
いろはがさやかの足元のシーツを伸ばす。皺を伸ばされたシーツの上に震える膝を薫に向って立てた。鼓動が早くなる。私は何をしようとしているの…。なのに勝手に身体は動く。
薫がいろはからカメラを受け取り、レンズの調整をする。
「いろは、部屋が暗い」
いきなり部屋の灯がつき、さやかは目を閉じた。膝が倒れそうになる。だが…堪えた。
「そのまま…開け」
足元に薔薇が散ってる。拳一つ開くのにも思った以上に辛い。
「さやか、顔上げろ」
目を閉じていた顔になにかが触れた。水で湿らせたタオルだと気がつき、目を開ける。いろはが涙で汚れたさやかの顔を拭っていた。
「薫様は、綺麗に撮ってくれます」
さやかが頷いて、また足を拡げる。いろはの手がさやかの腕を背中に回した。胸を突き上げる姿勢をとらされる。
「手伝いますか?」
いろはの言葉にさやかは涙を浮かべた目で頷いた。自分ではどうしても…これ以上足を拡げられない。
いろはの手がさやかの膝裏に回り…容赦なくぐいっと拡げた。ぱっくりと拡げられた秘部が外気に触れひんやりする。さやかが堪えられないようしゃくり上げた。
「動かずに」
いろはの手が離れていく。
シャッターを切る音が部屋に響く。しばらくすると、その音にさやかの甘い喘ぎが混じり出す。
身体が薄くピンクに染まり、下唇を軽く噛んだ歯がなまめかしい。軽く喉をのけ反らせ、肩で喘いでいる。喘いでいる呼吸に合わせ、尖った乳首が震えていた。
折り曲げられた臍が苦しそうに震え、すぐその下にあるはずの茂みは無い。恥丘のすぐ下からぱっくりと秘裂が拡げられ…クリトリスがツンと尖っていた。そして、たまに口を開いては閉じる腟口。
溢れる愛液は枯れる事を知らぬようにシーツに染み込んでいく。
「…綺麗だな」
ようやくカメラを置きながら薫が呟いた。薫もファインダー越しに興奮したのだろう、ペニスが鋭い角度で天を向いている。
いろはが頷いてカメラを受け取った。
「薫様…」
「なんだ」
「…言い忘れておりましたが…」
いろはが、軽く頭を下げた。
「女のいやは、甘えでございます」
薫が溜め息を吐いた。
「そうなのか?」
さやかが顔を赤らめて頷く。
「じゃあ、いやと言ったらどうしたらいい」
さやかが震える唇で答えた。
「…あなたの…好きにしていい」
いろはがカメラを持って部屋を出ていく。薫はゆっくりとさやかの拡げられた足の間に身体を進めた。
「どうしたらいい?」
さやかが目を閉じて呟く。
「…中を、ほぐして」
「はっきり言え」
薫の言葉に、泣きそうになる。だが、堪えた。
「…指を、入れて」
「おまんこにか」
いきなり薫の口から飛び出した単語にさやかの方が真っ赤になる。だが、頷いた。19歳で体験したが、二、三度で別れた。その後一年程自分でもそこに触れていない。
「多分…きついの」
指が軽く触れ、さやかは息を吐いた。軽く掻き回すようにしながら薫の指が潜り込んで来る。
「熱いな」
さやかが頷いた。さやか自身も熱い。しばらく指一本で中を探っていたが、一度抜かれた。
「二本、いけるか?」
さやかが頷く。
「大丈夫…」
中指と人差し指を揃えて薫が再び入って来る。さやかが軽く身体をのけ反らせた。
「…倒れて…いい?」
薫の片腕がさやかの背中を支えベッドに横にならす。
「中がうねってる…」
「お願い…あの…」
イキそうでイケない。強い刺激が欲しくて、さやかは身を捩った。
「なんだ」
「あの…」
薫には口にしないと伝わらない。さやかは顔を手の平で覆った。
「あの、ね…その上の…」
「…その上?」
薫がようやく気がついたようにクリトリスに目を向けた。昼ペンライトで見た時より確かに幾分大きくなってる。
「クリトリスがどうした」
さやかは、もどかしさと焦れったさで思わず自分の指を伸ばした。指をクリトリスに添えるようにして円を描く。
「あんっ…あ」
きゅうっと指を柔らかく噛む感覚に薫が驚く。さやかの指先の動きが早くなる。薫の指から愛液が手首まで伝った。
「動いてっ…」
さやかが思わず口走る。薫がゆっくりと指を動かし始めた。
浅く、深く…掻き回すように、天井のざらざらを擦るように。
「ひぁん…やっ」
指を取り巻く肉襞が次第に強い力で薫を捉えていく。
「…どうした」
「イキそう…」
「構わない…イけ」
薫の指がさやかの入口付近のざらざらを強く擦るように動かす。さやかが喘いだ。腰から快感が突き上げて来る。だめ…いや…
「いやぁっっ」
身体を突っ張らせてさやかは息を止めた。股を強く締め付け薫がさやかの痴態を上から瞬きもせず見下ろす。
胸から一気にさやかの身体が紅色に染まった。顎がかくっかくっと空気を求めて動く。
薫が耐え切れなかった。力が入ったままの足を無理矢理持ち上げさやかの身体を無理に折り曲げる。苦しげにさやかが呻いた。
閉じられた秘部の間に指を添え、そのまま、一気に突き込んだ。
「はあっ…いやっ…」
「狭い」
薫が呻くように呟く。叩き付けるように捩じ込まれ、さやかは泣きながら身体を捩らせた。
「苦しいっ…やめてっ」
だが、薫の耳には入らなかった。肩に担ぎ上げたふくらはぎに軽く歯を立て射精を逸らす。薫の息も荒い。
さやかも揺さぶられるまま再び、快感が襲う。
「締め付けるなっ!」
怒鳴りつけられて泣いた。自分ではどうしようも出来ないのだ。
「くそっ…」
さやかの中で、薫の強張りが強くなる。それを感じさやかがまた身体を捩じった。このまま…イケる。
「来て…」
さやかが腕を伸ばした。薫がきつく顔をしかめる。
「来てっ!」
さやかが叫んだのと、薫が激しく胴震いしたのとほとんど同時だった。
…笑い声に目が覚めた。ぼんやりとしていると横にいた男が身体を起こした。
誰…
「起きたか?」
そう顔を覗き込まれ昨日の事が一気に蘇る。また、下で笑い声が弾けた。
「誰…?」
ベッドの上で薫に身を寄せる。知らない声に怯えた。
軽くノックの音がしていろはの声がした。
「皆様お待ちです」
「わかった」
薫がベッドから下り、いつの間にか置いてあった麻のガウンを羽織る。さやかにも投げた。
「このままでいい。」
でも…とさやかが顔に手をやる。寝起きの上に…ガウンだけなんて…しかも、階下からは女性の声もする。
「気にするな。兄さん達だ」
「顔だけでも、洗わせて」
「3分で洗って来い」
薫が窓を開けながら笑った。
階段を薫に手を引かれながら下りる。昨日通された応接室の前にいろはが立っていた。
「お誕生日おめでとうございます」
「うん」
いろはの言葉に薫が頷く。そういえば、誕生日だと言っていた。さやかが思わず足を止めた。腕を引かれ、薫が振り返る。なんだ?という表情に…困ったように呟いた。
「お誕生日…おめでと」
薫が破顔して笑う。急に抱き締められてあっというまに抱き上げられた。
慌てて、さやかが首にすがりつく。いろはが笑いながら扉を開いた。
部屋の中には二組の男女がいた。麻のサマースーツを着た男が目を丸くして煙草を落しかけた。
「お姫様だっこか…」
その横で、胸元を深く開けたワンピースを着た女性が微笑む。ストレートに伸びた髪が開け放した窓から入る風に揺れた。
「薫さん、大喜びね」
昨日さやかが座っていたソファに座っていた二人も振り向いて笑った。男が軽く髪を掻き揚げる。
「あー、俺の支払いか」
「徹哉様が、変な事言い出すからだわ」
膝を叩く仕草に、仲がよさげに見え…さやかは少し肩の力を抜いた。薫が赤い革張りの安楽椅子に勢いよく座り、さやかの足を手摺にのせる。横抱きのまま座らされてさやかは顔を赤らめて薫の胸に伏せた。
「紹介する。あの煙草が兄の静だ。その横の人が義姉の浅子さん。ソファに座ってるのが従兄弟の徹哉で…」
さやかの前に、影が出来た。可愛らしい人形のような顔をした女の子がさやかを覗き込む。
「私が、美沙子です。」
軽く頬に唇を当てられさやかは困ったように頬を赤くした。
「なんの話をしてたんだ?」
薫が徹哉に聞いた。
「毎年の事だよ。」
うんざりという顔で天井を見上げる徹哉に浅子が笑う。
「薫さんが、無事にさやかさんと…ね」
続きを静が受ける。
「男になれてたら、徹哉が払うと言ったんだ」
「ああ、秋のクルージングか」
そう言って、薫が笑った。意味がわからずさやかが目の前に立っていた美沙子を見る。同じ年だろうか…。
「あなた、ダンスは出来て?」
美沙子に聞かれ首を横に振る。すると美沙子の横に浅子が立った。甘い香りがする。大人の女性の香りだ。
「見てるだけよりは、踊れた方が楽しいわ。毎晩パーティよ」
「シガーバーに、カジノにダンス。ショーにプールだ」
浅子の横に静が立つ。その横に徹哉も立つ。いつの間にか、薫が座る椅子の回りに輪が出来ていた。
「誕生日、おめでとう」
静が慈愛を込めて薫に祝いの言葉を述べる。薫が頷いた。
「ようやく、大人になった」
薫の目が光る。それをさやかは静かに見つめていた。薫の手がさやかの手に重ねられる。
「知らない事ばかりだ」
徹哉が笑った。
「当たり前だ。昨日までただの子供じゃないか」
「もう、子供じゃない」
薫の言葉に美沙子と浅子が笑う。
「仲間外れはなしだからな」
明るい笑い声が響いた。
終
規制中に番号間違えました。15/15です。
一週間後に、静×浅子落とす予定です。長編しか書かないので占有してしまうかもしれないと危惧してます。
ここの板のマナーを教えていただけたら幸いです
GJ!!
ここでいいんじゃないか
今のところ他の投下は殆どないし、一週間も間が空くなら占有にはならないと思う
GJ!
シリーズでぜひ続きが見たい
『栄音』という題をつけました。
11投下します。
静×浅子です。御曹司×おもちゃの女より8年程昔の話。
143 :
栄音 1/11:2011/03/01(火) 22:14:42.57 ID:CuyUdTwQ
身体が揺さぶられる。愛撫も何もないまま無理矢理捩じ込まれた物は身体の生理現象で少しずつ溢れた粘液で動きを助けた。
「…不感症か?」
胸を揉みくちゃにされても浅子は口を開かなかった。不感症かと言われたらそうかもしれない。
浅子は既に処女ではなかった。中学生の時、誘拐され父が身代金を準備している最中に犯されていた。
その時、学んだ。
こういう奴等は、暴れたら暴れただけ図に乗る。叫んだら叫んだだけ、笑いが起きる。泣いたら泣いただけ犯される。
犯人達は捕まったが、浅子も心に深い傷をおった。
そして…また…。
「…マネキンみてぇ」
つまらなさそうに男が呟いた。浅子が目を開けたまま天井を見上げている。背中はセメントで擦れ、傷だらけになっている。剥き出しにされた尻も赤く腫れている。
再び、生温い液体が臍あたりに撒き散らされた。
何分たった?ここについて…どれほど時間が過ぎた?
身体の中にも放出された。その感覚にだけ眉を顰めた。
男が萎んだ性器を抜きながら額に浮かんだ汗を拭った。
「なんか、つまんねぇな」
「話違わね?」
浅子を囲んでいた3人が首を傾げた。
「こいつ、ヤリマンだってミキ言ってたよな?」
ミキ…美紀…。ようやく後ろに隠れていた人間を見つけた。
刈谷 美紀。
バブルで急成長した建設会社の娘だった。高校から浅子の在学している学園に編入してきた。
あっというまに学校内で自分の取り巻きを作って夜な夜な遊んでいると噂が流れた。見た目も行動も校風にそぐわないと眉を顰める学生も多かった。
浅子は興味も無かったので気にもかけなかったのだが…。刈谷は何かある度に絡んで来た。つまらない話ばかりで、相手にもしなかった。だが、自分の存在が面白くないのだろうと容易に想像はついた。
決定打は…浅子の婚約だろう。一週間前の吉日、浅子は許婚の三宅 静と結納を交わした。桜の舞い散る池のほとりで静が笑わずに言った。
「出来たらこのまま東京に連れて行きたい、というのが本音だ」
浅子は黙って池を見ていた。
「だが、浅子の親の手前もある。無理強いはしない」
気を抜くなよ…。そう言われ、なんの事か分からないという顔をした。この男は誘拐は知らないはずだった。知っていたら、とっくに破談になるはずだと思っていたからだ。産まれた時からの許婚など。
144 :
栄音 2/11:2011/03/01(火) 22:16:11.45 ID:CuyUdTwQ
「うだうだ言ってんな。…金もらっただろうが」
下半身をさらけだしたままの男が、それでも不安気に携帯を耳に当てた。
「…おい、ミキ…」
相手がミキか…あの携帯さえ手に入れたら幾らでも調べられる。
浅子はゆっくりと当たりを伺った。既に暗闇が忍び寄っている。家の近くで拉致された時にはまだ夕暮れにさしかかる時だった。
家の近所だと思い、油断した。その思いが強かった。目を閉じると瞼に刈谷の怒りに狂った顔が浮かぶ。浅子の左手の薬指に輝くダイヤ。
結納の次の日はさすがに学校が湧いた。あの三宅 静と浅子の結納。許婚という古風なしきたりは今でも、憧れに足る物がある。結婚式は一年後、東京の一流ホテルだと聞いてまた、明るい笑いが起きた。
そこに呼ばれたい。呼ばれたら自分達もまた、違う未来があるかもしれない。
夢見がちな少女達の間で一人だけ殺気に近い視線を送る少女がいた。自分の取り巻きのはずの少女達も今は浅子に群がっている。浅子は一度合った視線を逸らさなかった。逸らす意味も無かった。
これが現実だからだ。刈谷は音を立て教室を飛び出して行った。
携帯を切った男が、引きつった笑みを浮かべながらカメラモードにした。
浅子の汚れた顔を写真に撮ろうとする。
「証拠がいるんだとよ…2倍金出すって」
浅子が顔を背けた。写真はさすがに…メールなどで回されたら回収仕切るか分からない。
「動くなよ」
顔を無理矢理固定させられて、初めて浅子は暴れた。口の回りに伸びた指に噛み付き、闇雲に身体を捩らす。
「動くなって!」
指を噛みつかれた男が浅子の腹を蹴り上げた。浅子が低い呻きを上げ身体を折り曲げた時…男が三人飛び込んで来るのを霞む視界に捉えた。手に警棒を伸ばしている。それが、青白く光った。高圧電流だ。
…遅い
「うわあっ?!」
いきなりの制裁に男達は悲鳴を上げた。完全に油断していた男達は下半身丸出しのまま、逃げ惑った。
悲鳴と逃げ惑う足音とガッという砂袋を殴り付けるような音。浅子は周りが静かになるのをただ待った。既に暗闇に当たりは沈み、汚された浅子の身体だけが白く浮き上がる。
「遅くなりました」
頭の上から声がして浅子はゆっくりと目を開けた。
「あいつらは?」
145 :
栄音 3/11:2011/03/01(火) 22:17:37.06 ID:CuyUdTwQ
部屋の隅に重ねられて呻いている。足と腕が違う方向に向いていた。浅子が身体を起こすと屈んでいた男がスーツを肩にかけた。その頬をひっぱたく。
「遅いっ!」
「申し訳ありません」
もう一度、ひっぱたく。深く男が頭を下げた。
人数が複数だった為、場所を確認してからの救出だった。それでも、乱暴され写真まで取られかけた。
「携帯を調べなさい。誰かがいるわ」
男が頷く。
「病院を手配して」
身体の傷もだが、病気も恐ろしかった。出来るだけ速やかに、密やかに。
婚約者がいる立場で、こういうゴシップは許されない。だが、誰かがこのゴシップを仕組んだ。許すつもりはないし、許すはずもなかった。
「必ず見つけて」
男が1人浅子の前に立って歩き出した。携帯で病院の手配をしている。浅子は脱ぎ捨てられたパンプスを履いて振り返ることもなくその場を去った。
病院で傷の手当てと洗浄をしてもらった。念のため、抗生物質の点滴も受けた。病院のシャワーを浴び身体の汚れを落としていく。
背中に固まってた血がお湯に溶けて薄いピンクの渦を作った。
半年後、HIVの検査までして…。四年前をなぞっている自分が初めて憐れになった。壁に頭を押し当てて…静かに泣いた。
どこに置いて来たの…自分を…。
レイプも写真も恐ろしかったはずなのに、悲鳴も上げなかった。泣きもしなかった。ただ、身体をさらけだし、救出が来るのを待った。その算段だけ幾度も繰り返している自分が憐れだった。
病院で用意された服に着替えて外に出た。暗闇に煙草の火が灯る。黒のセダンの後部扉に身体を凭れかけた静がいた。
「あなたが、つけてたのね」
短大の中にも、日常でも。あの中学の事があって以来、誰かがそばにいる気がしていた。そして、今、ここに静がいる。それだけの事だ。
浅子は指輪を抜いた。静に差し出す。
「理由はご存じね。汚れた女は嫌でしょう?」
静がゆっくりと煙草の煙を吐いた。
「今、看護師があいつらの血液を採取している。HIV結果なら一週間で分かる」
「…中に出されたわ。妊娠するかもよ」
146 :
栄音 4/11:2011/03/01(火) 22:20:58.70 ID:CuyUdTwQ
「だからどうした。お前の子供だ」
構うかと、首を振る。浅子が強く唇を噛んだ。
「昔の事も知っていたのね?」
中絶した。ひどい結果だった。だけど…なぜ、それならば…なぜっ?!
「なぜ、私と婚約などするのっ!」
「お前が浅子だからだ」
意味が分からず、思わず口を閉じた。静の携帯が震える。メールを確認し画面を閉じた。
「すぐ検査に回す」
「誰が後ろにいたの?」
浅子の言葉に静は答えなかった。
「答えなさいっ!」
悲鳴みたいな声が上がった。久しぶりの大声に自分でも驚いた。静が携帯灰皿に煙草を押しつけて消す。
「お前は、心配しなくていい。俺の問題だ」
「私の問題よ」
こんなにこの人と話した事があっただろうか。
「俺のモノに手を出した。俺の問題だ」
「人を物扱いしないでっ」
怒鳴られて静がきょとんとした。
「悪い」
謝られて無言になった。浅子が俯いてアスファルトを見る。静の革靴が街灯に照らされ鈍く光っていた。
「…助けてくれて…お礼を言うべき?」
「言わなくていい。俺の事だから」
静の中で浅子は一体だった。二歳の時、初めて会った浅子は白い産着の中で小さな口を開いて欠伸をした。
この命はお前の物だと祖父に言われ頷いた。許婚など知るよしもなかったが、この命は自分のものだという事だけで静には充分だった。
中学生の時、浅子の誘拐を知った。関東にいた静は何も出来ずただ、関西からの報告のみ聞いた。しばらくして浅子の縁者から許婚を取り下げて欲しいと言われて理由を聞いた。そして、聞かなかった事にした。
そのかわり8歳年下の弟をすぐにスイスの全寮制の学校にいれる手配を親にさせた。二人は守り切れない。そう判断したからだ。
弟の薫には五歳年上の従兄弟を同伴させた。スイスまでは手は出せない。あらゆる王国の子供が集う学校だ。警備も厳しい。
その代わり、従兄弟の徹哉にはくどく念を押した。薫には相応しい娘をあてがうから絶対に虫をつけさせるなと。ついでに酒も煙草も20までは駄目だと刷り込ませるよう頼んだ。
徹哉はあっさりと頷いた。ヨーロッパで絵の勉強が出来たら構わない。どちらにしろ、本家の静の言葉は絶対だった。
これを16の子供が決めた。
それから約5年。静は何も知らない振りをして浅子と接した。浅子は誘拐された後、表情を無くした。
147 :
栄音 5/11:2011/03/01(火) 22:23:24.13 ID:CuyUdTwQ
だが、構わなかった。それが浅子だからだ。自分の伴侶だと決めていた。とうの昔に。
だが、今回の事は許す気は無かった。相手が浅子個人の恨みや嫉妬であろうと、自分の物に手を出されて許すほど人間は出来ていない。
「明日、退学届を出せ」
再び、煙草に火が灯る。
「なぜ?」
「東京に移動する。お前はうちに来るんだ」
「勝手な事を…」
声が震えた。だが、静が腕を振り上げて車体を殴る方が早かった。
「なんの為に薫を海外に行かせたと思ってるっ!お前を守る為だ!俺1人ではお前しか守れない!なのに守れなかった!二度もだっ」
激しい口調に静が本気だと知った。静の腕が震えている。
「…短大まで親元に置いてくれと言われてこの有様だ。もういい!冗談じゃない!これ以上、お前が傷ついてたまるかっ!」
静が泣いている。浅子の手が伸びた。その唇を塞ぐ。塞いで知った。泣いているのは自分だということだった。
浅子はその夜、東京に静と共に移動した。結婚式は取りやめた。いきなり娘を東京に連れて行かれ戸惑った浅子の親が幾度か上京した。だが、静が会わせなかった。何があったかだけ淡々と話した。
そして浅子とは連絡が取れなくなった。一枚の葉書のみが親元に届いた。元気だから、心配しないでと。それだけ書かれていた。
浅子の過去の事もあり親はそれ以上追及するのはやめた。
ガッシャン!という音に静が跳ね起きた。階下ですごい音がした。
「なんだっ!」
すっぱだかでガウンだけ羽織り階段を駆け下りる。キッチンの入口にいろはが立っていた。
「奥様…」
「来たら駄目です!割れてしまったわ…」
いろはのがっしりした肩越しに中を覗き込む。淡いピンクのシルクのガウンを羽織った浅子が困ったようにキッチンの奥で固まっていた。
「怪我はないか?」
浅子が静を見て、申し訳なさそうに頷く。そして床に散らばったティーポットを見て深い溜め息を吐いた。
「…ふじさんになんて言ったら」
掃除道具を手にしたいろはが戻る。割れた破片を跨ぎいろはが浅子を抱き上げた。そのまま静に渡す。
静の胸に身体を預け、浅子は勿体ないという顔でキッチンを見た。
「何を割った?」
「多分…有田の窯物だと」
静が痛い顔をした。最近のふじのお気に入りだ。
「それだけの音だったか?」
「トレイまで落とされましたね」
いろはに言われて小さく頷いた。
148 :
栄音 6/11:2011/03/01(火) 22:25:31.80 ID:CuyUdTwQ
シルバーのトレイがキッチンの端でひっくり返っている。
「見ろ。驚いて栄音まで飛んで来た」
ピスプスと鼻をならしながら不細工な子犬が静の足元にじゃれる。
「あら…だめよ」
慌てて浅子が静の腕からすり抜けた。足元の栄音を抱き上げて、リビングに向かう。
「いろは、ごめんなさい」
肩越しに謝られていろはが軽く頭を下げた。
「お元気になりましたね」
静が頷く。無事に生理が来た。床にしゃがみこんで泣いていた。新しい…望んでいなくても…命を授かっていなかった事を神に感謝していた。
身体の傷もゆっくりと薄くなって来ている。静が目を怒りに震わせたのは腹に出来た内出血だった。だが、それも色が薄れた。
HIVも陰性だと出た。性病も心配ないといわれた。
なにもかも、表面上は落ち着いて行く。だが…心が少し不安定だった。まるで中学生に戻ったような素振りを見せる。もう一度、静の元で育ち直そうとしているように見えた。
あどけない表情が増えた。それが幼い浅子と重なる。
「いろは!栄音がお漏らし…」
リビングの悲鳴に静が溜め息を吐いて、いろはが雑巾の準備をした。
朝食を作る為に現れたふじは、深く溜め息を吐いて浅子の謝罪を受けた。
「一週間に一個ずつは勘弁していただきとうございます」
「ごめんなさい」
素直に謝る浅子にきつく言う事も出来ない。ふじは、ふと気がついたように浅子を見た。
「お茶を煎れてみたいのでございますか?」
ぱあっと浅子が顔を明るくした。そして頷く。お茶など煎れた事がないのだ。ふじのお茶はおいしい。その手順を見てみたかった。
「ふじ、浅子は思ったほど器用じゃない。火傷されたら困る」
静が溜め息を吐いて二人のやり取りを見ていた。浅子が振り返る。
「でも…お茶ぐらいかまわないでしょう?ここでなら」
東京の片隅にある広大な敷地の屋敷だった。庭も散歩が出来るほど広く、浅子は沈丁花などの香りを楽しんでいた。
屋敷を取り囲む塀は高く、さらにその上を鉄柵が並んでいる。完全に異空間だった。静など、すっぱだかでガウンのみでたまに庭に出ている。そういう屋敷なのだろう。
「駄目?」
可愛らしく首を傾げられ静が苦笑いする。
「じゃあ、浅子用の食器を買い揃えるところからだな」
ようするに、割れる前提だといわれ浅子が軽く頬を膨らませた。
「ひどいわ」
「おいで」
静の手が浅子に伸びる。時計を見て浅子が顔を染めた。
149 :
栄音 7/11:2011/03/01(火) 22:27:32.61 ID:CuyUdTwQ
「…時間?」
「そうだ。リハビリの時間だ」
静に手を引かれて階段を上がる。二階に上がるといろはがいた。
「始められますか?」
「大丈夫よ」
いろはと共に三人で寝室に入る。静が着ていたガウンを脱いだ。現れる背中に浅子が顔を赤くして俯く。
「奥様、どうぞ」
いろはが、浅子をベッドに乗せた。ただ1人裸になった静が浅子の腕に触れる。浅子の身体が怯えて震えた。静が手を放す。
「大丈夫…続けていい?」
浅子が少し顔を強張らせながら、横たわった静に触れた。
「奥様…口上を」
いろはの言葉に浅子が慌ててシーツの上で膝を揃える。三つ指をついて静に頭を下げた。
「…触れさせていただきます…でいい?」
「いい。おいで」
静に許され小さく息を吐く。男と女がベッドに入って裸になるときに口上がいると教えられた。
今は、まだ静の身体に触れる事しか出来ないが、…もし、浅子が静に抱かれても大丈夫だと思ったら、口上を代えたらいいといろはに言われた。
ご奉仕させていただきます。
とても、へりくだった言い方だが…なんとなく浅子に甘い疼きを起こした。なんだろう…胸が苦しくなるほど切ない。
静がベッドに伏せ、鍛えあげられた背中を浅子の前にさらけ出す。形よく筋肉がついている。不思議だった。
「背ばかり伸びていらっしゃると思ってた」
浅子の指が静の背中を押す様に触れる。静が笑った。
「背ばかり伸びた時期もあった。…なかなか、中味が追いつかず悔しかった事もある」
浅子が手の平を静のしまった尻に置いた。
「…固いわ」
静といろはが小さく笑った。浅子の物言いは小さな子供がなんでなんで?と聞くのに似ている。
「仰向けでも、大丈夫ですか?」
いろはに聞かれ、小さく頷いた。無意識に身体が緊張する。男性の性器を見るのはやはりどこか怖いという思いが強い。
静がゆっくりと身体を仰向けにした。形よく張り出した胸筋。日本人には珍しいスーツが似合う体型。軽く割れた腹筋。そしてやや力を込め始めている性器が茂みから立ち上がり始めている。
「好きに遊べ」
軽い口調で静が固まってる浅子に伝え目を閉じた。
「寝られましたよ」
動けない浅子を励ます様にいろはが小さな声をかける。浅子は困った顔をしていろはを振り向いた。
「目を覚まさない?」
いろはが頷く。
このいろはという男はこの屋敷の管理人みたいなものだった。
150 :
栄音 8/11:2011/03/01(火) 22:29:07.71 ID:CuyUdTwQ
庭の手入れから簡単な大工仕事までこなす。静が信頼を寄せている男だと聞いて無条件に浅子もいろはに心を開いた。
見た目は怖いが、優しい男だ。そう言って笑った静にいろはが苦笑いした。恐ろしい事もやってのける。三宅の人間に頼まれれば。そういう人種だった。主人にのみ忠実であれと教育されてきた。そして静の側に置かれた。
「静様は一度寝入ると深いです」
いろはの言葉に頷き、震える指を伸ばす。軽く上下する胸。そこばかり色がちがう乳首。胸の谷間にはうっすらと毛が生えている。
「こんな所に?」
「男ですから」
「いろはも?」
「私は熊並みです」
そう言われ笑った。いろははいつも糊の効いたカッターシャツを着ている。制服なんだろうと納得した。
指を下に走らす。くすぐったげに静が呻き、一度寝息が途絶え、また元に戻った。恐る恐る見ていた浅子が指先を静の臍辺りで止める。
「今日はここまでに致しますか?」
首を横に振った。今日はこれに触れようと決めていたのだ。鼓動が早くなる。
「どうしたらいい?」
いろはに聞く。いろはが顔を浅子に寄せた。
「ですが、さすがに静様も目を覚まします」
「構わないわ…お願い。出来ると思うの」
どうしても、触れたい。半起ちの性器が浅子を待っているように見えて仕方がない。
「おふざけなら、やめるべきです」
「ふざけてないわ。いろは、教えて」
浅子のしっかりした口調にいろはは顔を覗き込んだ。先程までのあどけない表情が消えている。正気に…戻られたか。
「続けられますか?」
浅子が頷いた。そして、ベッドの上でもう一度正座をしてみせた。いつの間にか起きた静が浅子を見つめていた。浅子が薄く微笑んで頭を下げる。
「ご奉仕させていただきます」
はっきりとした口調だった。いろはの手が浅子のガウンを脱がす。ようやく、初めて…二人とも裸で同じベッドの上にいることができた。
「大丈夫なのか?」
静が低い声で聞く。
「途中でやっぱり、は受け付けんぞ」
浅子が笑った。
「あなたなら…大丈夫。」
傷ついた身体も心も穏やかに見守っていてくれた。あれから一か月以上経った。たまになにかの拍子にフラッシュバックはあるが…この屋敷にいる限り心配することはないと、身体が覚えた。
この屋敷には、いろはもいる。
守られてる。その思いが強い。
151 :
栄音 9/11:2011/03/01(火) 22:31:12.26 ID:CuyUdTwQ
「大丈夫よ」
繰り返す浅子に静が笑った。
「先に言っといてやる。…俺は特殊な性癖があるらしい」
「ちょうどいいわ…私は不感症ですって」
受けてあげるわ。浅子が静に唇を寄せた。柔らかい乳房が静の胸に重なる。
静がゆっくりと浅子の背中に腕を回した。浅子の身体が静の足の間に引き込まれる。
「…不感症か」
面白そうに静が呟いた。浅子の心には傷はまだあるだろうが、どうにか咀嚼したらしい。
「まあ、口上が聞けただけありがたいがな」
静の指が浅子の背中から尻にかけて走る。所々で指先に擦過傷の痕が当たり面白くなかった。絹の様な肌に傷を付けた事は許される事では無いが、すでにその罪を受ける人間はこの社会にはいない。
「ね…全部教えて」
「最初から、教えてやる。」
そしてベッドの足元に立ついろはを見る。
「俺がいない間はいろはに教えてもらえ」
一瞬戸惑った顔をした浅子だったが、困ったようにいろはを見て顔を伏せた。頬が赤い。
「どうした」
面白がって顔を覗き込む。浅子が軽く睨んだ。いじわる…唇だけで呟かれ…腹の奥に鈍い火が付いた。
「いろは、浅子の腕を持て」
いろはが浅子の腕を後ろに掴み揃える。浅子はされるがまま、静から身体を引き離された。嫌がらない浅子によく出来たと唇を重ねる。
「口でするんだ」
意味がわからないという顔をする浅子に笑った。髪がほつれ頬にかかる。その髪を掻き揚げた。
「ゆっくりと、教えてやる」
頬に手を当てて深く口付ける。いろはに拘束された浅子はただ口付けを受けた。静の舌が浅子の舌を絡める様に動く。
そして、いろはが浅子の身体を引いて静のペニスに顔を寄せさせた。白い背中が赤く染まり震える。
「口に入れるだけでいい」
今日はそれでいい。これからは、違う。
恐る恐るというように口に含まれた感触に静が身震いした。
「歯を立てないように」
いろはの言葉に浅子が頷く。苦しそうに一度口を放して呼吸をした。そしてまた自分から顔を伏せる。
ようやく、己の物になった。静は微笑んだ。20年待った。この女を…自分の物にするために。
浅子の舌が堪えられないよう動く。苦しかった。静のペニスは喉を突く。だが愛しかった。
「離れろ」
静の声にいろはが反応した。浅子が腕を引かれて放される。
「…今日は、ここまでだ」
「…そう」
浅子がもの足りなさそうに呟いた。静が笑う。それでいい。
浅子の腕をいろはが放した。浅子が静のまだ立ち上がったままのペニスを見つめる。唾液で濡れ、鋭く光って見えた。
「…痛くないの?」
浅子の言葉に静が笑う。
「心地いい。今日は気にしないでいい」
浅子の身体にガウンがかけられた。浅子が袖を通す。
「…なんか、身体が変だわ」
浅子が呟いた。いろはが大丈夫ですかと顔を覗き込む。
「気持ち悪い所がございますか?」
「…いいえ」
しばし考えて、そう答えた。なぜか、いろはの顔が見れない。静が小さく笑った。
「下に行け。ふじが飯の準備をしてる」
「はい」
一度、浅子が静に口付けてベッドから滑るように下りた。いろはがスリッパを揃えて履かせる。
「お茶が冷めないうちにいらしてね」
扉に消えた浅子を見て静が笑った。
「不感症だと」
いろはが苦笑いする。
「知らないだけだと」
静がいろはが揃えたスリッパに足を収めて立ち上がった。部屋の一画をしめている棚の鍵を開ける。
黒光りする革が並んでいた。手枷に足枷、麻縄に竹竿。そして、ディルドにアヌスパール。クリップに首輪。
首輪を手に取る。そこには金のプレートがついていた。ASAKOというローマ字が並んでいる。
「…ピアスは何がいいと思う?」
「もうしばらくは、お待ちください」
いろはが慎重に答える。今、浅子は自分を取り戻したばかりだ。性急に事を進めたら…壊れてしまうかもしれない。静が首輪を軽く手の平に打ち付けながら考え込んだ。
壊した人間など、既に何人もいる。浅子に暴行するように仕組んだ娘は今壊されている真っ最中だ。知った事ではない。快楽漬けにして放り出せばいい。
あとは自分達でどうにかするだろう。
痛みだけの暴行と、快楽で破壊される暴行。
静が冷たい笑みを浮かべた。いろはの背中に冷や汗が浮かぶ。22歳の男が浮かべる笑みに見えない。
世の中の裏も表も見尽くした上にさらにそこで歩む。そういう覚悟を決めた男の笑みだった。
「石がいいか…飾りがいいか」
「静様、奥様がお待ちです」
「そうだ。浅子に決めさせればいい」
「お茶が冷めてしまいます」
ヒュッと空を切る音がした。いろはが呻きを飲み込む。静の手に乗馬鞭が握られ軽く揺れていた。
「今、行く」
いろはの裂けたシャツに血が滲む。いろはが頭を下げ部屋を出ていった。鞭と首輪をしまい静が棚に鍵を閉める。
「…ダイヤにするか」
呟いて頷いた。浅子には似合う。
花びらをキラキラと飾るダイヤ。泣くだろうか。泣いて喜べばいい。
「静さん?」
扉から覗き込んだ浅子に静が振り向いた。
「どうした?」
「もう。お茶がはいりました。」
「浅子がいれたのか?」
「ふじさんが淹れました。でも、ちゃんと見てましたわ」
そして部屋の中にいろはがいない事に気がつく。
「いろはは何処です?」
「さっき出ていった」
あら…と廊下を探す素振りをした浅子の手をとった。左の薬指に光る指輪。
「ダイヤが欲しくないか?」
プラチナの結婚指輪だ。浅子がきょとんとした。
「ダイヤなら、婚約指輪についてましたわ」
大切にしまってある。静はあの晩指輪を受けとらなかった。だが、次の日には結婚指輪が左手に嵌められていた。
「いつも、つけていられるようなダイヤだ」
静がなにか熱に浮かされた様に浅子の唇を塞いだ。浅子が、んっと軽く眉を顰める。
静の舌がゆっくりと浅子の舌を絡め擦り合わす。ねっとりとした口付けに浅子が軽く喘いだ。唾液で浅子の唇が濡れる。
唇が離れた時、浅子が軽く睨み付けた。
「ご飯、冷めてしまいますわ」
いきなり日常に戻され静が2,3度瞬きをした。
終
155 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 23:40:50.52 ID:eY2wdTv4
東尊は15歳の誕生日に順尊と藍子にあることを告げられ衝撃を受けた。
翌日東尊は家を出た。
しばらくして東尊は意を決して王宮に入る。
実は順尊は本当なら帝になっていて東尊はその正統な後継者だったのだ。
そして、東尊は夕夏の目の前に現れる。
夕夏が己の体で王宮を奪ったのなら己の体で王宮を奪い返すしかない!
東尊は指先と舌、そして下半身に神経を集中させながらそう思い夕夏に近づいたのだった。
?
?
158 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 22:35:49.87 ID:GQ89lXXY
誰もいないのか?
いますけど
160 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 12:42:14.47 ID:WlwOquds
俺より高貴な男っているの?
亀田高貴
163 :
名無しさん@ピンキー:2011/04/30(土) 19:33:35.57 ID:RmckH41Y
金欲しい
>>153 今さらだけど、すごく好きな2人だ。ぜひこのままシリーズ化して欲しい。浅子が切なかった。
165 :
名無しさん@ピンキー:2011/06/06(月) 22:51:50.93 ID:PiotLidZ
166 :
名無しさん@ピンキー:2011/06/07(火) 02:23:09.25 ID:YTzwjak+
167 :
名無しさん@ピンキー:2011/06/08(水) 10:08:47.98 ID:1eMPoRyg
>>113 もういないかな…。
もっと書いて下さいお願いします。
168 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/10(金) 17:10:49.40 ID:++J8i2HG
保守
169 :
名無しさん@自治スレで設定変更議論中:2011/06/22(水) 02:13:29.44 ID:X86YAjMr
ホシュ
高貴な男の一人称はやっぱり「私」か?
朕とか、我とか我輩とかw
ぼいんっ
俺様・・・
オラは殿様だぎゃ
「余」
176 :
名無しさん@ピンキー:2011/07/29(金) 21:45:27.76 ID:gWJVfjaW
チンポッポ ぼいんっ
177 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/17(水) 00:08:36.71 ID:LEHlT0tB
高貴とは何か
精神的高貴さは確かにあるのだけれど、それは性格や価値観に因るもので、人によっては高貴とは思われないこともある
だが身分からくる高貴なら野卑で下劣であっても、高貴な存在として扱われるだろう
高貴な男に云々というのは、どちらかというと女性的な感性な気がする。
男の場合は、普通は高貴な女と交わるとか堕とすとかの上淫嗜好の方が受けがいいでしょ。
180 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/24(水) 15:20:05.45 ID:3IQoSnVS
高貴な男の大奥ものが読みたい
181 :
名無しさん@ピンキー:2011/08/28(日) 02:23:47.39 ID:D1ae7iqK
殿!!
182 :
名無しさん@ピンキー:2011/09/03(土) 13:05:02.92 ID:lImqpFgg
高貴な男が毒婦に誑かされて
ジワジワ堕落していくのもいいなあ
それだと、ショタがいいな。
穢れない高貴な家柄の少年が、毒婦に筆下ろしされて妖艶な肉体に溺れていくみたいな。
権力が欲しい
ならば権力者とお近づきになりなされ
社交界デビューだな
モンテ・クリスト伯
188 :
名無しさん@ピンキー:2011/10/07(金) 01:34:49.17 ID:jVmcgLT2
社交界デビュー
家柄最高、頭脳明晰、超絶イケメン。
でも恋愛とかに一切興味がなく、ビッチでエロエロな女にしか興味がない、
処女に触られると蕁麻疹が出る、という欠陥野郎が主人公でもよかですか?
よかですよ
>>153 よかったよ 今度は従兄弟くんかな
愛妻家揃いで微笑ましい
小説書きたまったら投下してね
高貴なのに人格破綻者
超絶美形なだけでもありがたいのに
権力にものを言わせるとはイカスね
難ありでなければ 女性がほっとかんから 人格は破綻で余裕
モッコモコの超高級毛皮を
羽織った男がいい
美形すぎて男女構わす魅了されるので仮面着用
いいねぇ
197 :
名無しさん@ピンキー:2012/02/12(日) 01:45:00.27 ID:t2xM4U/c
保守
念のため、またまた保守しておく
199 :
名無しさん@ピンキー:2012/03/23(金) 17:06:30.17 ID:p0GndgOW
保守
高貴
201 :
名無しさん@ピンキー:2012/06/14(木) 23:47:16.01 ID:YjCBzOvO
神
よく判らなかったんだが
>>153は「結婚指輪にも石が付いていた」でおk
203 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/08(日) 19:48:48.79 ID:p9eA00ax
主人公が王子等のファンタジー系はありか?
204 :
名無しさん@ピンキー:2012/07/09(月) 20:55:24.35 ID:2edtiTLZ
早く投下して下さい
保守
男メインってのが難しいな
王子とか貴族とか将軍とか若様とか好きだけどさ
高貴ならばどんな男でもいい
例えキチガイ野郎でも
容姿がよくないとダメでそ
被り属性なしで「高貴な男」ってけっこう難しいな
保守
>>209 そうなんだよね…
登場人物を幼なじみ設定にすると幼なじみスレがあるし
高貴な男にはほの暗い座敷廊が似合うと思い妄想していくとヤンデレスレ向きになってしまう…
なかなかどっこい難しい
女従者やメイドも別スレがあるしなあ……
213 :
名無しさん@ピンキー:2012/08/07(火) 18:06:18.41 ID:UWramLIe
保守
ジャンプ連載されてたベルなんとかさんが高貴かつノーヤンデレだったな
魔女の子で幻覚能力を見込まれて座敷牢に飼われてるんだが
その狭い世界に満足してるから外に出る必要なんてないと言い切る
保守
アンダーザローズ面白かったよ
侯爵様
217 :
名無しさん@ピンキー:2012/09/18(火) 11:00:03.47 ID:US1f7BtE
保守
今は没落しているが端々からノーブルさが滲み出て
女王様に見初められる逆シンデレラはどうか
>>218 ありだな
ショタと年上女王様だったりすると萌える
全裸に蝶ネクタイをしシルクハットを被りステッキを持った貴族の男「月がきれいですね」
あ
222 :
名無しさん@ピンキー:2012/11/20(火) 03:02:04.05 ID:v1ru+i+q
ほ
か
224 :
名無しさん@ピンキー:2012/12/20(木) 07:42:23.22 ID:thmy5weU
ノブレス・オブリージュ
w
w
てす
保守
229 :
名無しさん@ピンキー:2013/02/05(火) 12:25:48.41 ID:jzN362Sb
保守
h
保守
イケメン王子様が主人公の話なんだけど今更需要ある?
あるから
はよ
a