>>775 ガセじゃないよ
ソースは当時の堀井インタビュー
何でもいいけど、ここで書いてる分にはどんなシチュエーションでもどんなカップリングでも文句言う気はないわ
気に入らないなら読まなきゃいいし
>>777 あのストーリー展開なら削って正解だったのにな
1〜5章から積み重ねてきたのが崩れている
会話システムの所為かもしれないが
ラッキー7おめ
>>778 kwsk
いい加減スレチ
>>779 本当そう思うわ
「アテクシの気に入らないカップリングじゃないわ
アテクシの大好きな○○が××とじゃなくて△△と愛しているなんてありえない!!!
許せないから反省して謝るまで延々カプ論議続けるわ」
そう思うなら自分で書けと
文章書く職人>>>>まともな感想を言う読み手>>>>ROM専>>>>>超えられない壁>>>>>>>>>>文句言うアホ・荒し
書いていたのが60Kbチョイになってしまったんだけど、
このスレに投下してもだいじょうぶじゃろか。
主に容量的に。
時間的におしているので、とりあえず投下開始してみます。
投下がこの日になってしまったのに他意はないというか、
もっと早く仕上がる予定だったんですが……。
どこぞの企画の支援になるなら、それはそれでうれしいってことで。
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FE聖戦。セリス×マナ(ラナ代替キャラ)を投下させていただきます。
シリアスに見せかけるそぶりさえなく、ただのエロです。
以下の要素を含みますのでご注意ください。
「ひ……う!」
マナがか細い嬌声を上げたのは、セリスが自身を引き抜いた直後だった。
「マナ? もしかして、まだ足りない?」
セリスの声には、かすかな驚愕が混じっている。
それもそのはず、抜かないままに三回続けてマナの胎内に放った後だったのだから。
対するマナとて、数え切れないほど頂点に追い詰められ、幾度もの痙攣に腰も砕けていたはず。
最後の最後などは、セリス自身を締め付ける力さえ失われてしまい、
セリスは自らを高めるため、かなり手ひどくマナを突き上げなければならなかったのだ。
実際今も、マナの肉体はぐったりと、仰向けにベッドに沈んでいる。
ただし、上半身だけ。
「あ……いえ、その……」
こぼれてしまった唾液と涙のあとも拭わずに、マナは大慌てで目をそらす。
顔ごと背ける力は、もう残っていない。
それなのに彼女の腰は微妙に持ち上がり、その中心をきゅっきゅっと、収縮させているのだ。
やわらかくとろけた薄紅の襞がゆるむたび、真っ白に泡立った愛の雫が垂れ落ちる。
「すごく、物欲しそうだよ……」
そこを凝視していたセリスの喉が、ごくん、と鳴る。
同じ雫にまみれ、僅かに力を失っていた彼自身に、再び熱い脈動が戻ってくる。
「その……ちがうんです。体が、勝手に……」
呂律の回らない舌で、マナが抗弁する。
それと同時にまた一滴、愛の雫がこぼれて……。
マナの小さな小さなおしりが、きゅっとすぼまった。
「わかったよマナ。もう動けなくなるまで、満足させてあげるね」
セリスの親指が、マナの柔らかな肉に触れる。
吸えば吸い込めるのではないかというほどに蕩けたそこを、親指の腹で何度もなぞる。
ぷにぷにとした感触をもてあそび、ぐっとくつろげて中の雫を溢れさせ、いざその中を愛撫しようと……
したところでマナが、最後の力を振り絞って身をよじらせた。
「違っ……そこじゃ……!」
「え?」
思わずこぼれたマナの言葉に、セリスはきょとんとしてしまう。
逆にマナは大慌てで自分の言葉を取り繕った。
「あっ……。いえ、その……っ。今日はもう、これくらいで」
「そう? マナがそう言うなら……」
セリスは少しだけ名残惜しそうにマナのそこから手を離し、ほっそりした腰を抱き寄せた。
そうして抱き合って眠るのが、この若い夫婦の常だったから。
だけどセリスは、気がつかなかった。
腰を抱き寄せるとき、マナのおしりがもじもじと動き、少しでも恋人の手の感触を受け取ろうとしていたことを。
背に回されたマナの指先が、何かをえぐるような形で、わなないていたことを。
そしてマナが唇を噛んで、零れそうな吐息を押し殺していたことを。
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セリスが眠ってしまった後、マナは熱っぽい目を彷徨わせる。
腕の中の夫が、ちゃんと眠っているのか?
多少のことでは起きないか?
落ち着きの無い目で寝顔を探り、いまだわななく指先で、セリスを何度かつっついて。
セリスが少し身じろぎすると、パッと手が止まる。慌てて目を閉じる。
そうして、ほんの少しだけ寝たフリをして……。またすぐに、セリスの様子を伺う。
何かが待ちきれないというふうに。
やがてマナの目はもう完全に浮かされたものになってしまい、
セリスの様子を探るのを諦めてしまったようだった。
「セリス様……お願い、目を覚まさないでください……お願い……っ」
そう、小さな声で哀願して、マナは行動を開始した。
手をセリスの背から離す。その指がそろそろと行く先は、セリスの手。
マナ自身の腰を抱く、セリスの右手だ。
それにぐっと手をかけて、少しずつ、少しずつ、下へとずらしてゆく。
つまり、彼女の薄いおしりのふくらみのほうへ。
「はあっ……」
マナの息に、上ずったものが混じる。
それは期待と罪悪感がさせるもの。
ちらり、と目が周囲をうかがうのは、2人の体を包むものがなにもないから。
激しく愛し合って眠りに落ちる彼らは、なにもかけずに休むのが常だから。
……だから、いま誰かが覗きに来たら、マナが秘密裏にやろうとしていることはすぐにわかってしまう。
「でも……止められないんです……ごめんなさい、セリス様……!」
セリスの指先を、おしりの割れ目の上におく。
いまだ残る交情のぬめりに滑らせて、割れ目の中へと軽く押し込む。
指の先が、マナの後ろのすぼまりを掠めた。
「ああっ……!」
その瞬間マナが上げた声は、今夜の長い愛の行為の中でさえ、一度もあげたことの無いような声だった。
「ああっ……いい……ここがいいのっ……! ここがあ……っ!」
セリスの指を辿るようにして、自らの指をおしりの割れ目にねじ込む。
熱く疼くすぼまりに触れる。その中心の小さな穴に指先を押し当て、軽くこじ開けて……僅かに侵入した指の腹を、きゅっと締める。
自らの指としてではなく、愛しい人の指の代わりとして。
「セリス様のっ…… セリス様のゆびが、わたしの……っ!」
さっき零した愛の雫が、まだたっぷりと、おしりの割れ目の中に残っていた。
そのぬめりをかき集め、すぼまりのなかに押し込む。
「ああっ! ああっ! 入ってくる……!」
零れ落ちた泡立つ雫に刺激され続け、それでも慰めることかなわなかった快楽の園を、今マナは夢中になって弄っていた。
指の形は、先ほどわなないていたままのかたち。
中指ですぼまる穴の周囲を撫で回し、人差し指で穴をこじ開けくじる。
あまり大胆に奥へは進めない。だけど本当はもっと奥を刺激したい。
その本能に従って、マナの体はかすかに反り返る。指がより上手に、より長いものとして扱えるように。
本当は、胎児のように丸まりたい。
本当は前から手を回し、胎内にあふれる雫を指にたっぷりとからめて、思う存分おしりに注ぎ込みたい。
でも、それはできないのだ。セリスの腕に抱かれてしまっているから。
だからこうして、ひどく不自由な体勢で、自分を慰めるしかない。
いや、それさえも、本当ではない。
「セリス様の……セリス様が……入ってくる……っ!」
もしも今、自分のおしりを辱めているのが、セリス本人の指だったなら。
それを想像するだけで、マナの小さな胸は鼓動ではちきれそうになる。
あの力強くて、剣ダコでごつごつした指で、おしりの穴を広げられてしまったら。
中の傷つきやすい粘膜を、無慈悲にえぐられてしまったら。
「はふっ……!」
自らそこに爪を立て、マナは苦痛に身悶えた。
じゅわ……と愛の雫を蓄えた洞が溢れ、マナが自らいたぶる場所へと、あらたなうるみを供給する。
たまらずに追加されたもう片方の手指が、そのうるみをすくいとって、大きく広げられた中に塗りこみ、かきまわす。
「もっと……もっとほしい……! もっとぉ……!」
そう、本当はなにがほしいのか。マナにはよくわかっていた。
粗相をしたかのように濡れた場所を、ぐっと押し付ける。
先ほどまで、その場所を思うがままに貫いていた、セリス自身に。
「セリス様……!」
それが柔肉を割って往復するたびに、痺れるような快感に打ちのめされていた彼女である。
もしもこれが、いま、一番熱く燃えているすぼまりを突いてくれたなら。
この力強く脈打つものが、刺激に餓えた粘膜を強引に押し広げ、激しく往復してくれたならば。
どんなに、どんなに……。
「あ……あああ……!」
想像もできないほどの快感を想像してしまい、マナはぶるる……っと身悶えた。
飛びゆく意識のその片隅で、マナは一粒の涙を流した。
それは快感の涙ではなく……。
願ってやまない快感が、決して与えられることは無いのだと悟った、悲しみの涙だった。
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新王セリスと、王妃マナとの間には、まだ子供が無い。
「やはり相応の家柄の妻でなければ、直系の子は孕めないのではないか」
とは口の悪い旧臣たちの言葉だが、多くの人々は似たようなことを考えているようだった。
グランベルの場合、家柄というのはつまり、心身の資質のことであり……
ざっくばらんに言ってしまえば、聖戦士直系の配偶者は、多少なりと聖戦士の血を引くものが相応しいということである。
そうでなければ、直系が持つ力を配偶者側の因子が支えきれず、子の形にならないのだ……と。
迷信とも言われているし、事実だとも言われている。
実際、『そういうこと』には淡白そうな前フリージ公が2人も子を為せたのは、相手がファラの血を濃く引いていたからだ、
というのがもっぱらの噂ではあるし、
かなりの好色で知られたダナンの子が3人しかいないのは、平民出しかいない奴隷女たちと致すのが趣味だったからとも囁かれる。
「私はティルフィングの継承にはこだわらない。むしろ、絶えていいとさえ思っている」
セリスは常日頃からマナにそう言っているし、親しい家臣にもそう伝えている。
「子供を産んでもらうためだけに妻として迎えたわけじゃない」
とも。
とはいえ、セリスは別に子供嫌いではないし、内心、子供を楽しみにしている風もある。
子供が生まれれば、やかましい旧臣たちを少しは黙らせられる……ということもあるだろう。
その想いは、マナだって変わらない。
まして愛しい人の子供なら、この手に抱いてみたいと強く思う。
「ダナンにだって、結局は3人も子供がいるんだから。要はこなした回数の問題だよね」
「はい。いっぱいしましょうね」
以前、2人で限界に挑戦してみたときに、朦朧としながらそんな会話をした……とマナは記憶している。
あれはいつの頃だったか。
最近はそんな軽口も気軽に言えない雰囲気にはなってきた。
公にした結婚式から数えてみれば「まあ、まだ急がなくても」という程度の夫婦生活しかしていないけれど、
本当のところはリボー城制圧のあたりで、子供が二三人居てもおかしくないほど、愛しあってきたのだから。
(……もう随分、口で受け止めてない。かけてもらってもない……)
王でも王妃でも無い頃にやっていたことを思い出す。
まだ互いに未熟で、つたない快感に戸惑いながら、文字通りの手探りで愛し合った。
そんな性生活が、今はひどく贅沢なものに思える。少なくとも、セリスの精の扱いに関しては。
(はやく妊娠するために、全部、中に注いでもらっているから……)
マナもセリスも、それはそれで納得しているし、それが気持ちよくもあるのだ。
しかし、それだけでは物足りなくなってきたマナがいる。
特に、零れ落ちた愛の雫がすぼまりに流れ込む、その異様な快感を知覚するようになってからは。
「……おしりに入れてほしい、おしりで出してほしいなんて、今はとても言えない……」
安らかなセリスの寝顔を見ながら、マナはぽつりと呟いた。
散々に乱れてようやく落ち着いた今、悲しさとむなしさ、そして痴態を演じてしまった後悔だけが募る。
「……ううん。今でなくたって、そんなところが気持ち良いなんて言ったら、セリス様はどんな顔をなさるか」
かなり色々なことをやってきた2人だったが、『そこを使う』などという話は口に上ったことも無い。
むしろ、ずっと以前に『仲間がそこで楽しんでいる』のを知ったとき、セリスもマナもひどく困惑したものだった。
踊り子さんに頼めばそういう行為もできるとは聞き及ぶけれど、かなりの追加料金がかかるとも聞いている。
つまりは、あまり一般的な嗜好ではないのだ。
「……わたし、ヘンタイさんになってしまった……」
こんなことで悩むなんておかしいと、草原の娘としてまっすぐ育ってきたマナは思う。
しかし、そこで一番感じてしまうという事実から、目を逸らすことはできなかった。
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翌日、長らく望んでいた懐妊を告知されたときの二人の喜びは、想像してもらうしかないだろう。
周囲に走った衝撃も大きく、祝いを述べに来る者や、これを機に旧交を温めにくる者、はたまた過去の失言を取り繕ったり土下座したりするものと、以後数日は落ち着かない日々が続いた。
そんな喜びも一段楽し、夫婦ともどもおなかの子供の存在に慣れ始めたある朝のこと。
「……わあ」
目覚めた瞬間、目の前に突きつけられていたモノのご立派さに、マナは思わずうっとりした声を上げた。
若い血流でぱんぱんに張り詰めたそれは、窓から差し込む朝の光を浴びて、艶やかに輝いている。
その反り返り具合たるや、まだティルナノーグでいちゃついていた頃のそれにも匹敵し……。
「ごめんマナ。ちょっとおさえ切れないから、なんとかして」
「はい」
苦しそうな夫の顔を、かわいいと思いながら、マナはそれに頬を寄せた。
髪の毛を揺らして、張り詰めた先端部分をさらさらと刺激し、細めた吐息を付け根のほうに吹き付ける。
「……ううっ。それ、いいよ……」
たちまちセリスの腰が震えだす。溜まりに溜まったものの勢いに、自ら弄ばれるかのように。
妊娠初期ということで母体に負担をかけないよう、夜毎だったお勤めが差し止められた。
手指や口なら良いということで、たまにこうして睦みあってはいるけれど、回数的にも内容的にも若いセリスには物足りないところがある。
「マナがどんどんうまくなってくれるから、これはこれでいいんだけど…… ううっ……!」
夜着の合わせから突き出したものをびくびくと震わせて、セリスは果てた。
(このときのマナのお口のテクニックに関しては、またどこかで語られるときもあるだろう)
二度三度と腰を揺らし、マナの口の中に搾り出す。
マナの頭をゆるゆると撫でながら。
「……ほんとはちゃんと抱き合って、マナの体を感じたいなあ」
はだけられたマナの胸を見下ろし、そう嘆く。
抱き締めたり持ち上げたり縛ったりと、いままでは好きなようにしていたその体が、今は迂闊に触れられない。
こうして目の前にあるのに、いや、あるからこそ、欲求が募る。
ましてマナの乳房が、心なしか膨らんできているというのに。
「……そ、う……ですね……」
だが物足りないのはセリスだけではない。
むしろ、体を愛してもらえなくなったマナは、ひたすらに情熱をもてあましてしまっている。
おなかの中にいとおしくも脆い命が有るとわかっていても、それはそれ。
セリスの指が髪を梳いてくれる感覚に悶え、指先が耳を掠めようものならば、満たされぬ欲望のままに暴れたくなってしまう。
でも今の彼女にできるのは、こうしてセリスの前に跪き、舐めしゃぶることくらい……。
「……あ、あ……」
鼻腔いっぱいに広がる精液の香りにくらくらしながら、マナは衰えないものをひたすら貪り続けた。
そうすることで、少しでもごまかしたかった。
張り詰めた胸のふくらみの疼きを。失禁よりひどい濡れ方をしている秘所の渇望を。
そして刺激を求めてひたすら収縮する、知られてはならない場所の蠢きを。
「……セリス様の、いつもより大きいから……」
唇で輪を作り、その太さを確かめる。
ぐっと喉の奥まで飲み込んで、その長さを確かめる。
……それが、自分のおしりにねじ込まれてゆくところを想像してしまう。
「……んん!」
折り目ただしく座っていた脚が崩れる。膝を開き、おしりを寝具にぐいぐいと押し付ける。
割れ目の奥にあるすぼまりに、あたるように。
「マナ、あんまり強くしちゃダメだよ」
押し付けている場所を勘違いしたのだろう。セリスが心配そうに言った。
真実を口にすれば、多少の刺激は許してくれるだろう。
だがマナは、それを口にすることなどできない。だから、
「はい……」
と切ない瞳で応え、腰を僅かに浮かすしか道が無いのだ。
少しだけ刺激され、愛液で濡れてしまったそこは目覚めてしまい、掻き毟りたいほどに疼きはじめているのに。
「セリス様……」
口の中に含んだものに、少しだけ犬歯の先を当てる。
自分だけは満たされている夫へに対する、マナの心が許す限りの復讐だった。
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寝台に仰向けに身を沈め、マナは少しぼうっとしていた。
口元から溢れていたものを指に絡め、喉元から乳房へと塗り広げる。
それは、いままでに身についてしまっていた癖。
そして綺麗になった手指を、へその下あたりにもっていき、暖めるように包むのが、あたらしい癖。
まだ膨らむ兆候さえ見せていない痩せたおなかでも、その中には確かに、命を感じられたから。
そんなマナの手を、大きくて少しごつごつした手が包み込む。
「マナ、おつかれ。ありがとう」
傍らに跪き、セリスは恋人の目蓋にキスをした。
「マナにはいろいろ我慢させてしまって、すまない。でも今の私には、何もしてあげられないんだ。ごめんね」
「そんな……。そのお言葉だけで、十分です」
二人の愛の証の上で、指と指が絡む。ぐっと、握り締める。
することはするけれど、決していたわりを忘れない。それがセリスという人間だった。
その手が貴種らしからず節くれだってしまっているのは、その手で何でも扱って、仲間や恋人を守り続けてきたからだ。
きっとこれからは、2人のいとし子をも。
そう思うと、先ほど歯を立てたことでさえ、申し訳なくなってしまうマナである。
あの刺激で、ひとたまりもなく発射させてしまったことを、別としても。
忙しい一日が始まる前の、ほんの僅かな朝の逢瀬。
――今日は夜まで、顔を合わす間もないかもしれない。
そう思うと、2人は握った手を離すことができなかった。
「マナ、もしも私にできることがありそうなら、なんでも言って。なんでもするから」
「ありがとうございます。そうですね、それじゃあ……」
セリスの何気ない言葉に、何気なく答えようとして。
そこでフッと、マナの目つきが変わった。
「……マナ?」
「セリス様! なんでも、と仰いましたよね!?」
がばっとマナが跳ね起きて、セリスの顔を覗き込む。
握った手に力が篭る……。セリスが逃げられなくなるほどに。
「う、うん、マナには妊娠してもらったし、我慢もさせてるから……せめてものお礼とお詫びのつもりで」
「お礼とお詫び……。それなら、ちょっと無理なお願いでもいいですか?」
「国とか指揮権とかでなければ……」
「そんなものはいいんです! わたし、わたし……ああ……」
それ欲しさに戦争だって起こるものを「そんなもの」と一蹴しておいて、マナはなお、逡巡する。
言ってしまってもいいのか。それを口にしてしまってもいいのか。
だけど、この機会を逃したら、次の機会は無い……。
「……して、ください」
堅く堅く目を瞑り、頬を真っ赤に染めながら、しかしマナは、大きな声でこう言った。
「おしりで、してください! わたし、セリス様のを、おしりの穴に入れて欲しいんです!」
「……え、ええ〜……? そんなところで?」
その勢いに押され仰け反りながら、セリスはちょっと嫌そうな表情を浮かべていた。
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「はい、赤ちゃんのほうには問題ないから、いいですよ」
こと国王夫妻の問題だからと典医を買って出ていたシャルローは、その問いに対してもさらりと応対した。
「もちろん下腹部を強く圧迫するような体位は厳禁ですが……。ああ、セリス様が入れられるほうなら、かまいませんけど」
「「……そういうのもあり!?」なんですか!?」
シャルローが本当にさらりととんでもないことを言うので、国王夫妻のほうがびっくりする。
「カルチャーショックだよ。マナのおしり趣味なんて、まだまだ普通のことなんだなあ」
「セリスさま、あんまり大きな声で言わないでください……はずかしい」
「あはは、まあ恋人関係とかでするのは一般的ではないですけど、妊娠中の夫婦にとっては、選択肢のひとつだと思いますよ」
まあ普通は男性側の要望で採られる選択肢ですけど、という言葉をシャルローは飲み込んだ。
彼は別に、女性をいじめて喜ぶ性癖はなかったし、彼自身の場合も要望を出したのは女性側だったから。
(シャルローとその恋人の性生活に関しては、また別のエロ物語。またどこかで語られるときもあるだろう)
シャルローが、必要な道具や手順をひとしきり説明すると、最初引き気味だったセリスもだんだんと納得した顔になる。
「ちゃんと前もって準備しておけば、汚いとかも無いですから」
「う、うん。腐って落ちる、とか心配しなくていいんだね?」
「安心できるパートナーとなら、その心配は要りません。……手当たり次第・準備なしとかなら保障できませんけど」
「セリス様、わ、わたし、念入りに準備しますから……」
マナがもじもじと腿を揺らしながら言う。
「おなかの中、きれいにしておきます。だから……」
「……わかった。シャルローも問題ないって言ってくれてるしね」
セリスはぽんと膝を叩くと、マナの耳元でささやいた。
「約束どおり、今夜はマナのおしりに入れてあげる。いままで我慢させてごめんね。その分、たっぷり愛してあげるから」
「たっぷり……っ?」
セリスがそう言ったときのすごさを、マナは子宮で知っている。
彼女はがくっと膝から力が抜けるのを感じながら、今夜の快楽に思いを馳せた。
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(今夜いっぱいしてもらえる。おしり弄ってもらえる、入れてもらえる、出してもらえる……)
行水所の縁に腰掛けて、マナは指を噛んでいた。
噛んでいないと、声に出してしまいそうだったから。
その約束があったのが朝方のこと。夕方になる今の今まで、マナはほとんどそのことしか考えていなかった。
セリスが忙しく、一緒にいられないので、なおのこと想いばかりが募る。
想像の中にある、理想化されたセリスの指。そしてセリスの……。
それが、マナ自身が一番気持ちいいリズムでおしりを嬲ってくれる想像は、マナの意識を桃色に混濁させてしまう。
まして今夜は、その想像を超えることをされてしまうのだと思えば。
「ふ……うっ!」
とろとろになった柔らかな部分を、指で軽くなでると、それだけで一瞬上り詰めてしまう。
堅く尖った核を指の腹で揉みこむと、全身の筋肉がびりびりと張り詰めて、噛んでいるほうの指が痛くなった。
行水所といっても、要するに浴場の一種であり、布の一片たりとも身に着けては居ない。触りたいところはどこでも触れる。
まして質素で知られるバーハラの行水所だ。狭くて使用人もいないから、誰に見つかるわけでもない……。
このままひとりあそびで狂ってしまいたい。そんな即物的な欲求がマナに襲い掛かってくる。
「でも、でも……。今夜はしてもらえるんだから……!」
ぎゅっと腿を閉じて、脚の間の指が動いてしまうのを制する。
特に、濡れそぼる前の割れ目をたどって、後ろのほうまで弄りに行ってしまうことが無いように。
だがそうして脚を強く閉じてしまえば、柔らかな部分の奥にある敏感な神経が圧迫されてしまうのだ。
「あ、ああ……」
体が前傾しないように、おなかにだけは、無理な力が加わらないように。
今のマナにはそれを考えるのだけが精一杯だった。
だから誰かが入ってきたのにも、しばらくは気が付かなかった。
「……まぁマナ様、頑張っておられますね」
二つに結った銀の髪が、笑い声とともに揺れる。
マナのぼうっとした頭でも、それが誰だかはすぐにわかった。
「ティニー様。わざわざすいません、こんなこと……」
「何度も言いますけれど、フリージ公はあくまで臣下。『様』はいりませんよ、王妃様。でも、こんなお呼びなら大歓迎です」
自らの身に纏った白襦袢を珍しそうに弄りながら、ティニーは言う。
「女の子でおしりがスキって人、少なかったから。これで同志ですよね、私たち」
「はい、その節は、変な目で見てすいませんでした……」
上り詰めかけた肉体の熱と、それを見られたという恥ずかしさで、すでに真っ赤になっていたマナの顔が、過去の記憶でさらに赤らむ。
夜中、セリスと2人でいいことをしようと出かけた森の泉でティニーを見かけ、なにをするのかと見ていたら……。
人形のように愛らしい銀髪の少女が、物々しい器具で自分に浣腸しはじめた光景は、なかなか忘れられるものではない。
そして今日彼女にきてもらったのは、「そのやりかたを詳しく教えてもらうため」なのだから、二重三重に恥ずかしい。
「まあ私のも、人から仕込まれたものですから、どこまで正しいか……。そもそも正しいやり方なんてあるのかわからないですけど」
ティニーはそう言いながら、黒い皮袋を取り出す。
袋の端からは長くて細い管が伸びていて……つまりは以前ティニーが『使って』いたものと、同じ機能のものだった。
「最初は石鹸水で3回くらいかな。それで綺麗にしたら、指で仕上げ……と言いたいところですけど、はじめてさんにはちょっと刺激が強いかも?」
「あっ、は、はい。それに、できれば入ってもらう人は、その……セリス様に」
「せっかくですものね。じゃあ、その分、2回追加で。……マナ様、耐えられますか?」
「わ、わかりませんけど、頑張ります」
道具の解説も、石鹸水の調合も手際よく進めるティニーの姿に、「なんでそんなに慣れてるんだろう」と一抹の恐れを禁じえない。
「あ。ここのってぬるめのお湯なんですね。バーハラは行水だって聞いたんで、心配してました」
「普段は水なんですけど、病人と妊婦のためには、お湯が使えるようになってるんです」
「ああ、なるほど」
「……水だとまずいんですか?」
「体温奪われちゃいますから……。最初の1回くらいなら、冷たくて気持ちもいいんですけど」
ティニーは桶に調合した石鹸水を、ざぼざぼと皮袋に移す。
きゅっと、袋の口を閉じ、軽く頬擦りするのは温度を確かめているからか。それとも……。
「……これがマナ様のおしりに入ります。全部入りきるかな……? くすくす……」
「えっ……? それが5回分なんじゃ……」
「もちろん、1回分ですよ! さ、左を下にして横になってください」
「そ、そんな!? そんなにたくさん、はいりません!」
シャルローから説明を受けてきたから、何をしなければならないかは知っていた。
しかし皮袋にたっぷり詰められた液体の量は、想像を絶していたのだ。
「コップに半分くらいだと思ってたのに……」
だって、想定対戦相手のセリスのそれの体積は、それくらいだったから。
「大丈夫です。人間、詰め込めば入るようにできてますから」
「で、でも……」
「やらなきゃ、おしりでなんてできませんよ? それでもいいんですか?」
「そ、それは……」
ずるずると、ぐずりながらも体は動く。
憂いを帯びた顔で体を横たえ、マナは小さく息を吐いた。
「……おねがいします」
「大丈夫です、やさしくしますから」
こちらはむしろうずうずしながら、ティニーが持参の皮手袋に指を通す。
そしてゆっくりと、マナのおしりを押し開いた。
「まあ、きれいですね。でもちょっと小さいかな。良くほぐさないと、痛いかも」
「お、お任せしま……ひゃあっ!?」
マナの腰が、びくん! と前に跳ねようとした。
しかし、ティニーの手は相手を押さえ込むつぼを心得ていて、それをさせない。
だからマナは、耐えるしかなかったのだ。すぼまりにたっぷりと滴らされた、ぬめる油の感触に。
「ああっ……な、なんですか、これ……!」
湯煎されて人肌より僅かに高い温度にされたそれは、女性の柔らかな肌の上でよく滑る。
ティニーはそれを指先でこね回し、狭いすぼまりに塗りこめ始めた。
「何って、ほぐしてるんですよ。これしておかないと、差し込むとき傷つきますよ?」
「そ、そうなんですか……? でも……」
「大丈夫。初めてはセリス様に、ですよね? 奥までは入れませんから」
「は、はい……。あっ……ひっ……!」
「まあ、敏感。自分で鍛えてるんですか? それとも、生まれつきえっちにできてる?」
第一関節までをうずめ、ぐねぐねとを小さな円を描きながら、ティニーはマナに問いかけた。
悶え上気し、赤らみ始めた耳元で。
「……ちが……えっちなんかじゃ……」
「だって普通の人なら、最初は不快感ばっかりで、そんな甘い声なんて出せませんよ。私が最初にされた時だって」
ティニーの指に、そこから離れようとする力が入る。
しかしマナのすぼまりはきゅっと吸い付いて、入ってきたものを逃がすまいとするのだ。
暖かくぬかるむ油がたっぷりとあるはずなのに、ティニーの指はくわえ込まれたまま動けない。
「……すご……。セリス様のものでなければ、持って帰って一晩中いじめたいくらい。どれだけ欲しがりな穴なんです?」
「や、やめて。言わないでください。恥ずかしい……」
「いいえ、これは是非聞かせてもらわなきゃ。これはマナ様の素質なの? それとも、イザークの子はみんなそう?」
ずるっ……と音がしそうな勢いで、ティニーの指が第二関節まで入り込む。
そしてその中でカギの形をつくって、マナの体内に食い込んだ。
「ひぐうっ! ふ、深い……っ! そんな、急にされたら……」
おしりの中を支配され、もがき暴れることもままならず、マナはただ上半身をふるわせる。
噛み締めた歯の間から、とろりと唾液がこぼれた。
「答えてくれなきゃ、二本にしますよ。傷は絶対つけませんけど、ほぐれてないところに二本は、きついでしょうねえ……」
「言います! 言いますからぁ! だから、動かさないで!」
かふっ、と息を吐くと共に、顎の力がゆるむ。
暖かな湯気の中にあってなお白く濡れる吐息と共に、マナは懺悔の悲鳴を上げた。
「……してます! 毎日してます! セリス様が眠った後、その横で毎日……!」
「ですよね。そうでなきゃ、こうはならないですもん」
目を瞑り、マナのそこが締め付ける力を堪能しながら、ティニーは呟いた。
「マナ様は、おしりが大好きなんですね。私の同志ですね。ヘ・ン・タ・イさん」
「ああ、違う……違うんです……わたしだけじゃない……わたしだけじゃないはず」
マナははらはらと落涙する。
普段ならば決して考えない『自分だけがこんな目にあうなんて嫌』という利己的な心が、ことこの件に関してだけは強く強く浮かんでいた。
それだけ、マナの心は追い詰められていたのだ。
「……子供の頃、下穿き無しでヤクの背に揺られていたとき。気持ちよかったんです。前も……後ろも。今思えば、それが……」
「まあ」
ティニーの目が丸くなり、次いでとろんと蕩けた。
「それはとても、ちくちくしそうですね。ステキ……。イザークの女の子たちはみんな、そうやって目覚めてしまうのでしょうか」
「はい、だから、わたしだけじゃ……んっ」
涙ながらの告白は、短い嬌声で途切れさせられる。
つるんと、白んだ油の雫を飛ばしながら、ティニーの指が引き抜かれたのだ。
「これ以上虐めてはかわいそうですし、セリス様の前にいかせちゃいそうですから。今聞いたことでよしとしてあげましょう」
軽く指先を払い、手袋を水で清めながらティニーが微笑む。
その言葉に、こわばっていたマナの肉体は、ようやく安息を得ることができる。
ふぅ……と息を吐いたマナの背に、ティニーが一声かけた。
「マナ様。おしりの穴、少し開いちゃってます」
「ひう!」
あわててきゅっとすぼめるマナを見て、ティニーはごくりと唾を飲んだ。
――セリス様が寵愛なさるはずだわ。
本当にさらって帰ろうか、という考えが頭をよぎってしまい、ティニーはかぶりをふる。
「うらやましいです、セリス様。こんなかわいい子を妊娠させて、おしりまで捧げてもらうなんて、最高じゃないですか。私も好きな子を妊娠させられたらな……」
ティニーは心に強く思った。
この劣情、今夜従姉妹たち相手に昇華するとしよう、と。あと、早いうちにラクチェのところに遊びに行こうと。
(お預けを食った怒りと劣情をぶつけられた『従姉妹たち』やラクチェの苦難は、また別の物語である)
「うぅ……」
散々にいじられ、恥ずかしい言葉も聞かされて、マナはぐったりと脱力する。
荒い呼吸と共に上下する小さなおしりに、再びティニーの手が触れた。
「あっ……?」
「なに休んでるんですか? 本番はこれからですよ?」
その黒光りする手袋には、たっぷりと液体が詰め込まれた、例の器具。
マナの顔がさぁっと青くなる。そう、本当に必要な作業は、これからだった。
「あっ、ああああ…… 冷たい……っ! いやぁ……!」
入り込んでくる冷たい金属管の感触に、マナは悶える。
反射的にうつぶせになってしまいそうなのを、ティニーの手がガッチリと押さえ込む。
「左が下の体勢は保ってください。それに、もっと奥まで入れないと、ダメなんです」
「そ、そんな……! もう、こんなに深いのに!」
「まだ指の長さほども入って無いですよ。これじゃちゃんと液が入りません」
真っ白なおしりの中に、きらめく管がずるずると飲み込まれていくのを、ティニーはうっとりと眺めていた。
その光景自体も、摩擦の感覚でマナのおしりがびくびくっと痙攣するのも、どちらも楽しい眺めだったから。
「ひ、あ、あ……!」
そしてついに、いかなるものも触れ得なかった場所が、器具によって犯される。
度重なる快感と、精神的に打ちのめされた疲労で、マナにはもう抵抗する意思さえ残っていなかった。
ただ、時折指先を握りこみ、甘い叫びが零れそうになるのをこらえるだけ。
だがその指先さえも、ティニーの手によって奪われる。
「マナ様。手はここ。下腹に置いてください」
「は、はい。でも、どうしてです……?」
「それはね……ふふふ」
たぷん、と揺れる皮袋を手のひらでもてあそび、ティニーは笑った。
「……注入される初めての感触を、全身で知ってもらうためです」
ぎゅうっ……と。皮袋が少しずつ握りしめられる。
そのゆっくりした動きに反し、マナの体を襲った変化は、劇的だった。
「あっ! ひ! ああああああ!?」
生暖かい液体が、マナの柔らかな粘膜の中で弾け、たちまちその中を埋めていく。
胎内で射精されたときの感覚に似ていると、ショックで混乱する意識の中、マナは考える。
しかし決定的に違うのは、いままでそんな感覚を味わったことの無い場所に、注ぎ込まれていること。
そして、流れ込む液体に、終わりが無いということだった。
恐怖を覚えた肉体が、すぼまりをぎゅっと締め付ける。
しかし金属の管はたくましく、そんなマナの僅かな抵抗を無視して、液体を注ぎ込み続けるのだ。
「あああっ! んっ! ん〜〜っ! ま、まだ……!? まだですか!?」
じょろじょろと音がしそうな錯覚と共に、体の奥へと液体が流れ込んでいく感触があった。
マナを驚かせたのは、下腹を押さえる手のひらが、体内が膨らむ様子を感じ取ったこと。
――わたし、注ぎ込まれてしまっている。こんなに、こんなに……!
それは快感や驚きというよりも、純粋な恐怖となってマナを襲った。
「ああ〜〜っ! いやああっ!」
「暴れてないで、ちゃんと締めてください。でないと零れてやり直しですよ? それとも、やり直しで回数増やしたいほど、気に入ったんですか?」
「違……っ、違います! でも、でも……こんなの……っ!」
皮袋を握る手に力を込めながら、ティニーはマナの嬌態をじっくりと観察していた。
マナは気が付いているのだろうか、と思う。
この作業、次からはセリスの手で行われるということに。
いくらはじめてさんとはいえ、同性の、かつ愛撫を交えない処置でこんなになっては、
いざ恋人とことに及んだときはどうなってしまうのかと。
――マナ様、感極まって死んでしまうのではないかしら。
そんな心配までしてしまう。
こんなに色っぽい声を出して、腰をくねらされたら……。セリスは絶対に、手を出さずに居られないだろうと。
おしりに注入されながら、柔らかな割れ目を指でこね回され、口にはセリス自身をつきこまれるマナを想像し、ティニーはかすかに身震いした。
だが、精神的な絶頂を迎えるほどの想像よりもなお楽しみなのは、これから迎える甘美な時間だった。
「はいおしまいです。抜きますから、しっかり力込めてくださいね」
ずるり、ずるり……。と、マナの体内の熱を吸った金属管を引っ張り出す。
マナは既に息も絶え絶えだったが、その生来の素直さからか、ティニーの言葉どおり必要な場所に力を込めた。
つぽん……っと、数滴の雫をたらしながら、管が引き抜かれる。
ひくり、と濡れた色のまま収縮するすぼまりを見て、ティニーはホゥ……と嘆息してしまった。
それからほどなくして。
「うう……。く、苦しいですティニー様。おなかが、おなかが……っ!」
あれほど甘かったマナの声が、熱っぽくも苦しげなものに変わる。
おしりのすぼまりが、ぴくり……と盛り上がったのを見て、ティニーは慌ててそこを指で押さえつけた。
「ひっ……!? ティニー様、いま、そこ触ったら……!」
「別に汚しちゃってもいいです。そのための手袋ですから。でも、石鹸水の効果が出るまで、もう少し我慢してくださいね」
「は、はい、そうでした……。でないと体の中、綺麗にならないんでしたね……」
じわり、とマナの額に汗が浮く。
「大丈夫、大丈夫ですよ。壊れたりしませんから……」
ティニーはもう片方の手で、ゆっくりとマナのおなかをマッサージした。
たっぷりの石鹸水で張っている下腹から、新しい命が育つ場所の周囲を巡るようにして。
「う、うう……」
マナの額の汗がみるみる大きくなっていくのを見て、ティニーの心が僅かに冷える。
もしかして、マナの小さな体には、量が多かったのだろうか。過剰な負担をかけているのか……? と。
「マナ様、失礼」
ぐっと内股になり縮こまった両脚を、前に織り込むようにして、その隙間から覗きこむ。
散々に蹂躙され、無力に震えるそのすぼまりのすぐ近く、愛を交し合う本来の器官を。
そこは、皮袋の中身を間違えてぶちまけたのかと錯覚するほどに、濡れきっていた。
「あんっ……! くっ、はっ!」
マナのすぼまりを押さえる指に圧力がかかり、マナの苦痛の声が大きく……そして甘さを帯びたものに変わった。
「あ、問題ないみたいですね」
ぎゅっと指先を強く押し付けて、ティニーは笑った。
「も、問題なくないです……っ! まっ、まだですか……!?」
「まだまだ……限界まで我慢しないと効果は薄いです」
「そんなっ……。もう限界……!」
ティニーのほうに顔を向け、マナは涙を滲ませる。
苦痛と屈辱に染まった、哀願の瞳で。
しかしティニーは首を振る。
「まだまだです。本当に限界が来たら、声も出ませんから」
「でも、もう耐えられない……! で、出ちゃう……! もれちゃう……!」
ぷしゅ……と小さな音。
しかしそれはティニーが押さえている場所からのものではない。
さらに潤みを増した割れ目をうっとりと眺めながら、ティニーはくにくにと押さえる指をくねらせた。
「……! あ! あああ!」
「まだ感じられるくらい、余裕あるじゃないですか」
腰を堅くしたまま悶えるマナを、ティニーは上気した笑顔で眺めていた。
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もちろんセリスは王様だから、このバーハラのどこに侵入しても咎められない。
でも、他人の居る場所に入るときは、きちんと先触れするのを常としている。
もちろん、それが妻が待つ寝室であっても。
「……あれ?」
しかしその夜は声を掛けてみても反応が無い。
確かに先ほど「準備はできましたので、いつでも来てください」との連絡があったのに。
どうしても外せない仕事があったので少し遅くなってしまったのがまずかったか……? とセリスは思う。
「もしかして、待ちくたびれて寝てしまったのかな? だとしたら……」
悪いことをしたし、なにより残念だとセリスは思う。
マナをいつもとは違う場所で愛するために、彼なりに決意を固めてきたからだ。
とても苦しい決意だった。
そもそも、その場所につっこむとどんな感覚になるのかが、まるで想像ができないのだ。
欲望が湧くどころか、禁忌への恐れと、漠然とした恐怖心が先に立つ。
欲しがって泣くマナを前にして萎えてしまったとしたら、いったいどうしよう……。今日のセリスはそればかり心配していたのだ。
それでもやるしかないと、なんとか腹をくくってきたのである。
その決意をもう一度やり直せるか、彼ほどの精神力を持ってしても、少々自信が無い。
あるいは数日禁欲すれば、勢いでいけるかもしれないが……。
「まず今夜は禁欲かもね。寝てるところを起こすのはかわいそう……」
扉を静かに押し開け、中に踏み入る。
そこでセリスは、ベッドの上に横たわり、目を閉じているマナの姿を見た。
眠っているどころか、歯を必死に食いしばり、目を硬く瞑って、何かに耐えている彼女の姿を。
「はぁ……はぁ……はぁ……っ!」
ぎゅっと握り締めた両の手は、手首の布で乱雑に結わえられている。
おそらく、マナが自分で縛ったのだろう。その理由は、すぐに見て取ることができた。
「だめ……だめ……ひとりあそびはだめ……! セリス様にしてもらうまでは……!」
もじもじと太ももをこすり合わせ、小さなおしりをひくつかせながら、マナはうわ言を口にしていた。
絹の夜着はすでに汗で湿気を帯び、華奢な体の線を浮かび上がらせている。
ランプの赤みがかった光に明々と照らされた彼女は、淫らな衣装の踊り子のようだった。
どれほどの時間こうしていたのか。セリスの声も聞こえなくなるほどに発情した肉体を抱えて。
「マナ、そんなに……」
セリスが言葉を失う。驚きと、こみ上げてきた劣情ゆえに。
マナのかわいい姿はすべて見た、と思い込んでいたセリスだったが、ここまでひとりで乱れる姿を見るのは初めてだった。
「はあっ……!」
かくん、とマナのあごが上がり、かすかに突き出した舌から、きらめく雫が垂れる。
それと同時におしりの位置が僅かに上がり、その奥に力が篭るのが見て取れた。
「……マナ、そんなにそこに欲しいんだね」
その言葉は、音にならず、口の中で消え去る。彼の唇が、ぐっと引き締められた。
今朝のマナの告白を受け、セリスは今夜の行為の決意を済ませてきたつもりだった。
しかし、この光景を前にして悟ったのだ。自分の考えが、まだまだ浅かったと。
今までどれほどマナを渇望させていたかを知らず、それを満たすために必要な情熱を甘く見積もっていたと。
「マナ、私はがんばるよ。きっと君を満足させてあげる」
既に彼の分身は、マナの熱量に感化され、熱く立ち上がっている。
たとえ視線の先にある場所が、どんな感覚を与えてきたとしても、けして萎えはしまい。
マナが望む限り滾らせ続けてみせる。たとえ明日の朝までであっても。
セリスはそう、決意を新たにした。多少なりと、悲壮な決意ではあったけれど。
「マナ」
静かに、しかし力を込めて、愛しい人の名を呼ぶ。驚かせないようにゆっくりと、寝台に上がる。
身を震わせていたマナが、ゆっくりとその動きを止め、セリスのほうを振り返る。
焦点の合わない彼女の目に、セリスの青い姿が映りこむ。
その姿がぐっと大きくなったのは、セリスがマナを抱き寄せたからだ。
「セリス様……?」
いまだ結わえられたままの手が、何かを求めてさまよう。
セリスが指を絡めてやると、10本の指が争うようにしてそれに応えた。
その動きはまるでおぼつかない。何かを求めているのに、そのやり方を忘れてしまったかのように。
いや、まさにそのとおりなのだろう。
マナは情欲に浮かされた瞳のまま、ただひたすらに、セリスに体を押し付けた。
「セリス様、セリス様、セリス様……っ!」
抱き寄せた細い肩は、セリスの手のひらよりも熱い。
絡み合う指も、喉元にかかる吐息も、セリスを求めて押し付けられる肌の全てが……熱かった。
その尋常では無い熱量に、セリスは戦慄する。
「もしかして今朝からずっと、熱いまま……? 自分で慰めずに、ずっと溜め込んで……?」
先ほどのマナのうわ言を思い出し、それが事実であると確信する。
セリスは知らない。マナが体内を清める際に、気の狂わんほどの快楽に襲われていたことを。
それにさえ耐え切ったことが、どれほどの偉業かをまだ知らない。
しかし彼が察した事実だけでも、彼の胸を震わせるには十分だったのだ。
「マナ、ありがとう……。それほどに私を求めてくれて……」
セリスの唇が、何かを求めてわななきさまようマナの唇を捕らえる。
押し付けるように、支配するように、そして、その過ぎたる熱量を吸い取るように。
長く長く口付ける。
悶え続けていたマナのからだが、次第に脱力していく。
「あ……」
やがてマナの瞳に理性が戻り、セリスの姿を確認する。
いつしか枷もほどけていた腕が、よろよろとセリスの背に回り、互いに抱き締めあう形になった。
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「落ちついたかい、マナ」
「はい、なんとか……」
いまだバラ色の頬を恥じるように、マナは顔を伏せた。
「ごめん、随分待たせてしまっていたんだね。今日も、いままでも……」
「そんな……」
マナは首を振ろうとしたけれど、自分自身の姿に気がついてしまい、果たせない。
汗と熱気を吸った夜着は完全に肌に張り付き、半ば以上透けている。
欲求不満で濡れ切った人妻以外の何者でもない光景であった。素裸であったほうが、まだ健康的な姿だといえるだろう。
マナのそんな考えを肌で感じとり、セリスは彼女の服に手をかける。
「……すいません、こんな淫らな女で」
肌が冷たい夜の空気に触れてゆくにつれ、マナの心に後悔が走る。
あんなことを頼んでしまい、あんな姿を見られ、セリスに気までつかわせて。
草原に居た頃の自分であったら、おめおめと生きてはいられなかっただろう、と思う。
解放戦争を通じ、自らの居場所がセリスのかたわらであり腕の中であるとわかったからこそ、こうして居られるけれど……。
(……わたしは、堕落してしまった。性欲で動くヘンタイだ)
と、思うのだ。
そうでなければ、あのような場所を犯してもらいたいなどと思わないはずだ、とも。
「あの、やっぱり、今朝の話はなかったことに……」
上半身があらわにされ、セリスの手が下――イザーク人は夜着でも脚が二つに分かれたものを履く――にかかったとき、マナはそう言った。
自らのぬかるみに沈んだ後ろの穴が、喪失感にきゅっ……とすぼまる。
そしてそのすぼまりは、一気に夜の空気にさらされた。
「えっ……!?」
セリスの手は夜着を膝まで一気に引き下ろし、そのまま膝を持ち上げる。
マナはひとたまりもなく後ろに転がり、濡れたおしりをさらす形になった。
「やっ……!」
反射的に脚をぴったり閉じるのは、女性としての羞恥心がさせること。
しかし膝が持ち上げられては、命を宿した秘密の園や、小さくても艶やかな2つのふくらみを、隠すことなどできはしない。
ふくらみの奥で悲しく息づくすぼまりを隠すのが精一杯。
「セリス様、は、恥ずかしいっ……!」
「もっと恥ずかしがって。私はそんなかわいいマナが大好きな、好色家だから」
するすると、マナの膝から夜着を抜き取りながらセリスは言う。
「……気取った言い方はやめよう。私はマナの体で射精するのが大好きだ。今だってこんなに勃起してる」
「あ……」
マナの視線が、セリスのそこに集中する。
セリスの夜着が大きく盛り上がり、ランプの光によって鮮明な陰影を作っている。
彼の言葉に、嘘はなかった。
「マナが淫らなのは、私がこの欲望のままに、君の体を育ててしまったから。そして君の体が、良く育ってくれたからさ。嬉しいと思いこそすれ、謝って欲しいなんて思わない」
「で、でも。今夜のお願いは、ちょっと行き過ぎで……」
「そうだね。マナは私よりもずっと、好色な人になってしまったかな。私を欲しがってあんなに乱れるなんて。しかも、こんなところに欲しいって……」
セリスがさらりと放った言葉に、マナが打ちのめされずに済んだのは、彼の手がしっかりと彼女のおしりに触れていたからだ。
とろりとした体液にまみれた滑らかな皮膚を、ゆるゆると撫でていたからだ。
その奥で震える器官に、挨拶をするように。
「ずっと私が上だったのに、追い抜かれてしまって悔しいよ。また追い抜くために、私も新しい経験を積まないとね?」
「セ、セリス様……それじゃあ?」
夜の空気で冷えた皮膚が、体内で燃え盛っていた熱で、一瞬のうちに炙られる。
ほうっ……と暖かくて丸い息を吐き、マナは許しを請うように問うた。
「ああ。無かったことに、なんて言わないで。マナがあんなに私をもとめた場所だ、きっと気持ちいいに決まってる」
「ああ……」
その言葉に、マナの心はどきんと震えた。
驚きや悲しみではなく、とうとう満たされる、満たしてもらえる……という期待に。
目が泳ぐ。すぐ頭の上にあるランプへと視線がうつる。
「……セリス様、その……」
マナは少し体を起こし、セリスの前で膝を抱えるような姿を取った。
そしてランプを取って、セリスに渡す。
きりり……と唇の端を噛む。
「……お……」
膝をつけたまま、両足の指先が少しずつ距離を離す。次いで、ふくらはぎ。
その奥にある花園がセリスの瞳にちらりと映ったかと思ったとき、マナは僅かに腰を浮かせた。
おしりのふくらみががぴたりと合わさる線が、セリスに良く見えるように。
セリスの手にしたランプが、そこをあかあかと照らせるように。
「……おねがいします……」
胸の奥底からようよう搾り出した、消え入るような声。
その息と共に、マナは大きく膝を開き、その奥にあるものをセリスの目に晒したのだ。
「……これが、マナの……!」
セリスは思わず呟いていた。
そこはかつて、見てはいても目には留めない場所だった。
見つめるのも、触れるのも、口付けるのも、いつもその上にある柔らかな泉。
2つの小さなふくらみを愛撫することはあっても、奥底にあるそれに、意図して触れることはなかった。
だが、マナが羞恥におぼれそうな顔をしながら広げて見せたそこは、感動的なものだったのだ。
「……開いてる」
人差し指が入ってしまうほどの穴が、そこに生まれていた。
かつてそこを目にしたときは、かたくかたくすぼまっていたはずなのに。
今はとろとろの愛の雫に濡れながら、いかにも柔軟そうな色を秘め、奥の見えない空洞を形成している。
「……いっぱい準備したんです。きれいにするのと、セリス様に気持ちよくなっていただくために。そうしたら……」
きゅっ、と空洞が閉ざされ、また開く。
それはセリスが馴れ親しんだ膣の光景に似て、それよりも伸縮性に飛んだものだった。
おう……といううめきが、セリスの喉からもれる。
マナの胎内に入れば、いつも気持ちよく包み込んでもらえる。強く、弱く、時にきつく、時に滑らかに。
記憶と肌に刻まれた感覚が、今の光景と合わさって、より強烈なものとして神経を駆けたのだ。
(きっと、あそこでするよりも、きもちいい……)
いままで漠然としていた、そこで愛し合うというイメージが、セリスの中ではじめて確かな形を持つ。
刺し貫いたものの根元が、しなやかに締め付けられる様を想像し、セリスは胸を逸らせた。
(もっと良く見たい……)
ランプを寝台に置く。両の手で2つのおしりのふくらみをつかみ、左右に押し開く。
「きゃ……!」
まだまだ開く余地のあったそこは、一気に限界まで広げられてしまう。
マナの、恥ずかしい谷底があらわになってしまう。
他人の目どころか、自分の目、そして恋人の目からも隠されていた場所は、日の光を知らぬ弱弱しい白色。ランプの赤が良く映える。
だがセリスが見たいのは、そこでは無いのだ。
親指を、かすかに開いた穴のフチに沿わせる。
小さな悲鳴と共に閉じるその部分の動きは、先ほど見た以上に力強く、伸縮性に富んでいた。
そしてあまりにも艶やかで……ランプの光に溶け込んで、その部分の色がはっきりとは見えない。
もっともっと良く見よう……、そう思ってかけた指先はつるりと滑ってしまう。
その部分があまりに柔らかく滑らかな上に、直上の割れ目から新たな雫が溢れてきたから……だけではなかった。
ランプの光を反射する、てらりとした表面。その光の様子に、セリスは覚えがあった。
「……これ、油?」
かつて遊びで使ったときのことを思い出し、セリスはつぶやいた。
「は、はい。きれいにしたあと、滑りやすいようにって……」
そう答えるマナの膝は、がくがくと震えている。
持ち上げるように開く体勢が辛いのがひとつ。
塗りこまれているときの感触を思い出してしまったのがひとつ。
だがそれ以上に、自分のそこに愛しいセリスの指が触れている喜びから。
そして、こじ開けようとして滑る指の動きが気持ちよくて、声が出てしまいそうだから。
「あ……はっ……。その、希少な香油だとかで……、すべりが良くて、いい香りだって……」
「へぇ……」
と言われたセリスがとった行動は、反射的なものだった。
「……あ、本当だ。オリーブの香りかな……」
そこまで言って気がつく。
マナのそこに触れんばかりに鼻を寄せ、嗅いでしまったという事実に。
「セッ、セリス様……!? そんなっ! だめっ!」
マナの腰が逃げようとする。だがセリスの手は、マナのおしりをがっしりと捕らえて離さない。
いや、離さないのではない。離せないのだ。自分がとってしまった行動に動揺して、次の行動が取れない。
「セリス様……いけません! そんなところを嗅いでは……」
「だ、大丈夫。いいにおいしかしないから……っ!」
もう二度三度、鼻を動かして、セリスはようやく顔を離した。
その顔はかつて無いほど赤く染まっていて……つまりは性欲や興奮などとは桁違いに、
頭に血が上ってしまったことをあらわしていた。
「……うわぁ」
「……ああっ。こんなの……」
マナも自分の腕で顔を覆ってしまう。全身が赤らんで、息が荒い。
ひくり……と、セリスの指先にある部分が蠢いた。
その拍子に光の反射面がずれ、その部分の色が、良く見える。
「……素敵な色だ」
周囲の真っ白な皮膚と違って、そこは少し色づいているようだった。
セリスとのふれあいしか知らない柔らかな部分とも、違う色。
生まれてからずっと伸び縮みしてきた部分だから、色濃く、柔らかさよりも強靭さを感じさせる色合いだった。
(マナの膝の裏の色に、近いかも)
セリスはそう思った。その色合いが、その部分のしなやかさを保障し、引き立ててくれているのだ、と。
そして、その部分の奥に垣間見えた粘膜の、血のような赤い色をも引き立てている……と。
(……もっと奥まで見たい)
すぐに見えなくなってしまった奥の色を求め、セリスの血が騒ぐ
(入り口は、少し乱暴にしても大丈夫だよね。丈夫そうな色だもの……)
きつく絞られたすぼまりの中央。ちいさな皺が集まって、かすかに沈み込んだところに指先を押し当てた。
「ひいっ!?」
マナの声は悲鳴に似ていたけれど、確かに悦びの混じったものだ。
セリスの力に抵抗して、きゅっと力を込める。色づいた部分が内側に引っ込んでゆく。
だがセリスはその奥にあるものを見たいから、指先に力を込めてしまうのだ。
ぐい、と押し込む。すると丁寧に香油が塗りこまれた皮膚は、つるりとその指先を誘導して……。
「あっ……ああああっ!」
マナは顔を覆ったまま、かつて無いほどに声をはりあげた。
その細い腰が、セリスの力を振り切って跳ね上がる。
逃れようとしたのか、それとも、ずっとずっと欲しかったそれを、もっと味わおうとしたのか。
それはもうマナの意思を超えた肉体の反応だったから、マナは叫ぶしかなかったのだ。
そう、セリスの指が入ってくる感触におびえ、一瞬そこの力を抜いて……。
次いで肉体の反射が、ぐっとすぼまりの輪を閉じたとき、セリスの指先は、すでに彼女の中にあった。
「あっ……セ、セリス様ぁ……!」
痛くは、なかった。幾度もの洗浄でほぐされたそこは、柔軟に異物を受け入れる。
入り込んできた指の、爪の硬さまではっきりと、感じ取る。
(わたしのおしり、セリス様の指を、こんな風に感じるんだ……!)
自分の思うが侭にならない他者がそこを支配しているというのは、肉体に緊張を強いる。
マナの手足が張り詰め、おなかの筋肉が硬く締まる。
だが抵抗の準備を始めた肉体と裏腹に、マナの精神は幸福に満たされていた。
(広げられてる……。恥ずかしいところを、セリス様に広げられている。なのに、きもちいい……!)
ゆっくりと息を吐きながら、そこに篭ってしまった緊張を解く。
力を緩めて、ただセリスの指の感触だけを純粋に味わえるように。
その途中でぴくり、とセリスの指が動くと、それに刺激された神経から、えもいわれぬ感覚が走った。
それはあるべき場所を貫かれているときとはまったく違う、安心するような、それでいてむずむずするような、感覚。
その感覚がもっと欲しくなって、マナは再び力を込めてしまう。
「……マナ……吸い付いてくる」
セリスもまた、かつて無い感覚に戸惑っていた。
マナの体の中に指を埋め込むのは慣れている。しかしそこは馴れ親しんだ場所とは違い、もっと熱くて、きつかった。
くいしばる……。そんな言葉が浮かぶほどの力でセリスの指をぴったりと締め付ける。
筋力というものを感じさせる力は、良く訓練された動きで、そこに存在するものに圧力を加えてくる。
もちろん、本来は何のためにある筋力なのかは明白。だが今そこにあるのはセリス自身の指なのだ。
目的を果たそうとして果たせず、いたずらに締め続けてくるその動きに、セリスは訳もなく血が滾ってくるのを感じていた。
これをこじ開けてしまおう。もっと広く、奥まで覗き込めるように。
そんな心の声に突き動かされ、セリスはもう片方の指先を、色濃くなっているふちへとあてがう。
「マナ、開くよ。少し力を抜いて」
「……!」
マナからの返事は、顔を隠したままの、かすかな頷き。
そして、押し広げられた場所の少し上、いつもなら可愛がってもらっているはずの場所からとろりとこぼれた、輝く雫。
セリスはそれをもう一方の指先に絡めると、既に入り込んでいる指とマナの肉との僅かな狭間に、強引にねじ込んだ。
「ああっ、開いてしまうっ……!」
マナの腕が、顔を離れた。指が寝具を掴み、ぎりぎりと力を込める。足の指も同様だ。
だがそれは、セリスに言われたとおりに、その場所の力を抜くための緊張だった。
二本目の指はたやすくマナの中へと入り込み……もう一本の指と力をあわせ、マナのそこを左右にこじ開ける。
するとそこは、くにゅ……と。あっけないほどにやわらかくセリスの力を受け止めて…… 暗い空洞を、あらわにしたのだった。
「こ、こんなに……!」
さっきまで堅く堅く閉じていた場所が、これほどまでに従順に開かれる。
その事実にセリスは驚愕した。
押し開かれたすぼまりは、横に並べた指が三本は入ってしまいそうなほどに広がっている。
もちろん、縦の幅はそれほどでも無いけれど……。
「マナ、痛くない?」
「は、はい、平気です……! でも、そんなにいっぱい開かれたら、わたし……!」
マナがはぁっ……と熱い息を零すと、セリスの指に一瞬強い力がかかった。
気を抜けば、たちまちに広げた穴が戻ってしまいそうなほどの。
大きく広がり、小さくすぼまる。その柔軟性は、セリスがいつも弄っている場所には無いものだ。
セリスの体の奥が、一気に燃え上がる。
今夜これから、そこに自分自身を埋めるのだと思うと、くらくらするような興奮が襲ってくる。
倒錯的な行為への抵抗と期待が、初めてのときのような心理をよみがえらせていた。
セリスの視線の先、くつろげられた空洞は、ランプの光でかすかに内容を見せている。
真っ赤に息づいたそこは、小さな皺に覆われた入り口や、複雑な形を持つ前の空洞とは違い、滑らかな表面を保っているように見えた。
指先を少し奥に進める。たしかに、弱々しくも滑らかだ。
怪我をした皮膚が治るときに張る、生まれたての皮膚のように。
そんなか弱そうな場所をさらけ出しておきながら、マナはもっと奥へ……といわんばかりに、その小さな腰を前にずらすのだ。
とめどなく流れ落ちる愛の雫が、ポタリと空洞の中へと落ちた。
セリスは躊躇いなくその雫を追った。細く突き出した、彼の舌で。
マナはぼうっと霞む目で、自分のそこがセリスの好きなようにされる様子を眺めていた。
見ているだけでも、胸にどんどんど熱がわきあがり、こらえがたい快感へと変わっていく。
だから、セリスの顔がぐっとそこへ近づいていくのを見たとき、快感が見せた幻覚だと思ったのだ。
しかし、彼女の下半身を未知の快感が突き抜けたとき、それが幻覚などではなかったと、マナは理解する。
「いけませんセリス様! そんなところっ……! ああっ……! あ……!」
熱く濡れ蠢くものが、マナのそこをいっぱいに押し広げながら入ってくる。
指ならば、自分自身のものでも代用できた。だが『それ』ばかりは、肉体の構造上不可能なこと。
……考えたことさえも、なかったけれど。
「セリス様! 舌……舌でなんてダメ……! ひ、あ、ぁ、ぁぁ……」
両手でセリスの頭を掴み、押しのけようとする。
だがセリスは頑としてマナのおしりから顔を離さない。
暴れる脚を両手でつかみ、高々と差し上げて、よりそこが舐めやすいようにさえしてしまうのだ。
腰から下が浮き上がる。不安定な体勢は、余計に快感を増幅してしまう。
すぼまりに生じていた燃えるような疼きは、セリスの舌の動きで煽られて、マナの体をしびれさせる。
そして体の奥を舐められるという、あってはならない行為への戸惑いが、そのまま麻薬となってマナの脳を冒した。
「う……あ……! こんな……こんなの……はじめて……!」
マナは切ない息の中でなんとか声を絞り出す。
今まで、そこに感覚があるとは思っていなかった体の奥底。
そこをしなやかな舌がつつき、えぐり、ぐるぐると円を描いて踊る。
舌が活発に動くたび、舌の根元の形も変わる。押し広げられたすぼまりも、形を変えられてしまう。
さらに言うならば、お預けされて泣いていた本来の場所も、セリスの呼吸にくすぐられて健全な性欲を燃え立たせるのだ。
「ひうっ……! あ、ああっ、あっあっ……! セリス様……いいっ……。すごく、気持ちいいです……!」
マナの体が不規則に痙攣する。先ほどまで暴れていた脚が、今は素直に大きく広げられ、ただ指先に力を込めるだけになる。
丸一日の間こらえていたものが、一気にマナに襲い掛かろうとしていた。
溜まりに溜まったものは、一度決壊してしまえば、もう抑えることなどできない。
マナの喉から、今まであげたこともないような金切り声が上がった。
セリスの名を呼び続け、快楽が襲い来る様子を甲高い声で叫び続ける。
いつもの交わりならば、とっくに気をやってしまっているところなのに、
普段と違う場所で愛されているせいで、気のやり方をつかめずに居るのだ。
「わ、わたし…… おかしくなる……おかしくなってしまいます……ううっ!」
ぐぐっと仰け反った胸元には大粒の汗の玉。それを自らの指で跳ね飛ばし、薄い乳房を握り締める。
「ダ、ダメっ! 気持ちいいのに、気持ちいいのに……! ああ!」
がくりがくりと腰が揺れる。その動きでセリスの舌が抜けてしまう。
きらめく粘液の糸が、尖った舌の先から、ぽっかりと開いてしまった空洞の奥へと伸びていた。
セリスはその舌先で、もうすぼまりとはとても呼べない場所の縁を、つつっ……となぞる。
マナの体が反射的に屈みこみ、何かに耐えるような姿勢になった。
「はっ……ふぅ……っ」
一瞬金切り声が収まり、安堵の息が漏れる。それがすぐに、咳き込むような、笑いをこらえるような息に変わる。
「セリス様……。そこ、あ、熱いです……」
こめかみに流れる汗を拭う余裕もなく、マナは肩を震わせた。
散々に嘗め回され唾液と愛液にまみれたそこは、神経が過敏になってしまい、舌先の僅かな刺激にも反応してしまう。
熱いような、痛いような……そんな気持ちのいい感覚と同時に、おなかの中の深い部分が震え、力が篭ってしまう。
もう、外にこぼすようなものは何もはいっていないけれど……。
その感覚自体が、マナに残された理性を、粉々にかき乱していった。
「ああ、セリス様。お願いです、もう…… もう……!」
熱く掠れる嘆願に、セリスはようやく顔を上げた。
(……はじめてのときは、道具で濡らすといいと聞いていたけど、必要なさそうだね)
気をやるにやれず、ただ荒い息で身悶えるマナを見下ろしながら、セリスは口内に溜まったものを飲み込んだ。
不快な味は感じない。よほど丁寧に洗われていたのか、塗りこまれた油の風味と、滴るいつもの雫の味がしただけだ。
だが、締め付けられて痺れた舌の感覚が、あらぬ場所を責めたのだ……と自覚させてくれる。
萎えてしまうかと案じていた彼自身は、そんな心配などどこ吹く風で、痛いほどに高ぶっていた。
これから侵入するはずの場所を、じっと見つめる。
粘つく雫にまみれ、マナの呼吸とともに収縮する、虚ろな空洞。
あんなに柔らかくて、これほどまで広がるなんて、かつては考えたこともなかった場所。
それを、自分の舌でここまで広げたのだと考えると、わけのわからない感慨が胸を満たした。
艶やかに濡れ光る奥の壁に、誘われているような錯覚を覚える。
早くそこに入り込み、全ての感触を自身で味わいたい……。
そう思いはしても、その準備のために一度身を離すのさえ、惜しいと思えた。
だから、せめて、良く見ながら……と思う。
「……マナ、自分の指で、開いてて」
「は、はい……」
言われるがままに、マナの指が自らのそこに触れる。
しなやかにくつろげるしぐさは、良く慣れたもの。
四本の指に引っ張られ、マナの胎内はセリスの前に全てをさらけ出す。
ぐぐっと、奥の壁が盛り上がり、何かに吸い付かんとしているのが見えた。
「……はぁっ、はあっ……ああ……」
指先はわななき続け、その目は既に虚ろ。
もう半ば意識が混濁しているのか、なんの恥じらいもなく腰を反らし、その部分を誇示してみせる。
セリスはその素晴らしい光景を楽しみながら手早く自らの夜着を解く。
自身を開放するのには苦労した。
それは僅かに曲げることさえできぬほど、堅く堅くなってしまっていたから。
いつもなら喜ばしいとさえ思うその現象に、セリスは不安を覚える。
いつもの場所なら、マナは喜びを持って迎え入れてくれただろう。
だが、今回ばかりは、マナの体を傷つけてしまうことになるのではないかと。
あれほどに広げ、柔らかいと思えた場所も、自らを傍にあてがってみれば、不安になるほどに狭い。
大丈夫だろうか……。そう思いながら、すぼまりの少し上、いつも楽しんでいる場所との間あたりに押し付けると。
「違っ……セリス様……そこじゃあ……!」
マナの腰が限界まで反り上がり、セリスのそれを、自ら望むところにあてがおうとした。
お互いの雫でセリスの先端がぬるりと滑り、そこへと滑り込もうとする。
しかし、僅かに果たせない。マナの体はもう、ほとんど限界まで反っていて、ほんの僅かしか持ち上げられなかったから。
「はぐ……っ! ううっ……!」
マナの焦点の合わない目から、涙がこぼれた。
何度か口元が歪み、躊躇った後。彼女は喉も裂けよと叫ぶ。
「はやく……! セリス様! はやく……っ!!」
髪の毛が左右に暴れる。涙の粒が散る。
「入れてくださいっ!! 入れてくださいっ……! セリス様……っ! はやく……っ! お願いですから……っ! 入れて……っ!」
普段は立場をわきまえ、セリスにお願いなどしないマナである。
それなのに、これほどにはしたない願望を、叫んでしまった……。
それに絶望するだけの理性が残っていたのは、彼女の意志の強さゆえ。
だが同様に、恥を知る精神の強さと、肉体の健やかさゆえ……欲望と快楽も強くなる。
とても、逆らえないほどに。
そしてそれは、セリスも同じことだった。
「マナ……っ!」
いくよ、とも、力を抜いて、とも言わず。
セリスはただマナに覆いかぶさるようにして、自らの腰を沈めた。
くつろげるマナの指を押しのけるようにして。溜まっていた大量の潤みが押し出されるほど強引に。
マナの体内を守る門は、一瞬の抵抗をした後、歓喜のわななきと共に開放された。
セリスの耳元で上がる声は、すでに意味を持たない叫び声。
開放されたとはいえ、侵入して行く先はまだまだ狭く、ねじ込むような力を加えざるを得ない。
穂先の一番太い部分が、門を通過しようとする頃には、マナの体のあちこちがあらぬ方向へと暴れだす。
それが苦痛によるものでは無いと信じ、セリスはマナの手足を押さえつけ、ことを押し進める。
「あぐっ、かはっ……!」
何度か咳き込んで、マナの声が止まる。収まったのではない。もう、声にするだけの空気が、彼女の中には無いのだ。
なお痙攣し、ひゅうひゅうと喉を鳴らして、マナは声なき叫びを上げ続ける。
そんなマナを少しでも早く救おうと、セリスはさらに自らに力を込め……。
みしみしと、マナの骨盤がきしみはじめたその瞬間。重々しい衝撃と共に、セリスの先端はマナの内へと滑り込んだ。
「ううっ……!」
上がった声はセリスのもの。敏感な穂先はぴったりとした粘膜に包まれ、強烈な締め付けの洗礼を受ける。
窒息する……。かつて憶えた感覚が、再びセリスを襲う。今度は自分自身を媒介にして。
とても熱くて、痛いほどに狭い。そしてなによりも、マナの処女地を自らのものにした……。
たちまち射精感がこみ上げてくる。
このままこの入り口で、放ってしまおうか……。
そうセリスが思ったときだった。
快感に震えるセリスの唇に、甘くて柔らかいものが触れる。
「セリ……スさま……」
それはマナの唇だった。
汗と涙と唾液で濡れ、乱れた髪が何本も張り付いていたけれど。呼吸困難にあえぎ、少し青ざめてはいたけれど。
ずっとずっと口付けを交わしてきたマナの唇に間違いはなかった。
「あり……がと……」
光の戻った瞳には、無限の感謝がともる。
その身は貫かれる快感にのたうち、その精神は快楽に負けた屈辱に苦しみ、もしかして痛みもあるかもしれないのに。
マナがセリスに対して伝えたいことはただ、願いを叶えてくれたという感謝だけ。
「あり……がと……ございま……」
「マナ、いいよ。今は何も言わなくていいから」
セリスはあえぐマナの唇を自らの唇でふさぎ、腰の奥にぐっと力を込めた。
「今はただ、気持ちいいことだけ考えて」
答えは聞かない。ぐっと力を込め、ゆっくりと根元までマナの中に埋める。
マナの髪が再び宙に踊る。一見苦しそうに見えるほどに顔をゆがめ、身悶えるマナを見下ろしながら、セリスは一心に体を動かした。
「ふ、あ、ああ……!」
マナの舌が熱い息と共に伸びてくれば、それを吸ってやり、
寝具を握り締めていた手が宙を泳ぎ始めれば背に誘導してやり、
抱き締められて動きづらくなっても、体のバネを使って動き続け……。
やがて、あれほど暴れていたマナの体が、緩やかなリズムを刻み始める。
それはまだまだぎこちない動きではあったけれど、確かにセリスの動きにあわせたものだった。
「気持ち、いい……」
その言葉と共に、口から唾液がこぼれた。
光が戻ったと思った瞳は再び焦点を失っている。
大胆にひらかれた腿の内側が引きつり続けているのは、もう既に彼女の体が、快感の波に耐えられなくなっているからだろう。
いつもだったら数限りなく上り詰めているはずの快感が、そして今日は彼女の中で暴れ続けていた快感が、
今ようやく行くべき方向を見つけて一気にあふれ出そうとしている。
全てが満たされた幸福感。満たされるあまりはじけてしまいそうな圧迫感。
一番太い部分がごつりごつりと往復する衝撃と、ほんの僅かな痛み。
それが坩堝のように溶け合って、マナの意識はどろどろになってゆく。
最後の瞬間は、唐突に訪れた。
セリスの太い部分がぐいと引き抜かれようとする。
マナのそこは離すまいとしがみつき、体の外までも付いて行こうとする。
「ふあ……!」
その引きずり出される感覚に、マナがさらわれかけた瞬間。
セリスが一気に切り返し、奥の奥まで身を沈めたのだ。
「……!」
声なき叫びをあげながらマナは全身をつっぱらせた。
「マナ……!」
そのマナの表情と、根の部分を思い切り握りしめられたような感覚に、セリスの中からも熱が迸る。
だがその流れは、マナのおしりの力で押し潰され、中で一瞬で詰まってしまう。
「うあっ……!」
自分自身が詰まってしまうというはじめての体験に、セリスの腰が反射的に弾けた。
それは歓喜に震えるしたマナの心と体をさらなる高みにおしやり、
同時に更なる深みへセリス自身を導いて……。
行き場を失っていたセリスの熱が開放される。
後から後から押し寄せ、道を膨らませてさえいた精液が、
それは引き絞った弓もかくやという勢いで、セリス自身の中を一気に走りぬけてゆく。
それをマナの中に放出する瞬間、セリスもまた、声なき叫びを漏らしていた。
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マナをうつぶせにさせ、おしりのふくらみを押さえながら、自身を引っ張り出す。
その一連の作業を、セリスは自分の力だけでやらなければならなかった。
マナは目覚めてはいたけれど、ひどく疲労困憊していたし、
なによりおしりに物が入ったままではろくに体を動かせなかったから。
「……ごめん……なさい……セリス様、わたしまだ、慣れなくて……」
「いやいや、それがまたいいよ」
愛しい人のおしりを開いて眺めながら、セリスは機嫌よく言った。
「やあっ……。そんなに見ないでください」
マナは恥ずかしげに寝具に顔を埋めるけど、ぽっかりと開いてしまった穴が閉じる気配は無い。
それどころか、さっきの快感がまだ忘れられないのか、かすかに震えてさえいるのだ。
「わたし、体中しびれてしまって、なにがなんだか……」
「実にいい」
「セリス様……?」
あまりに上機嫌なセリスの声に不安を覚え、振り返る。
その視線の先には、衰えるどころかさらに太さと角度を増したセリス自身が聳えていた。
「こんなに初々しいマナは久しぶりだよ。初めてした頃みたいだ。あの頃の興奮が蘇る」
「そっ、そんな……! だって仕方ないじゃないですか!」
慌てて体の要所を隠そうとするマナの、その動きよりも早く、セリスの手が動く。
背後からマナの片足と脇を抱えあげ、不安定に立ち上がらせて、自由を奪ってしまうのだ。
「あ、ああっ、やめてください……っ! わたしのそこ、まだ……」
強引に、そしてはしたなく広げられた足の付け根に、高ぶったものの熱が押し当てられ、
しかもそれが前ではなく後ろ側に滑っていくのを感じたとき、マナは悲鳴を上げて哀願した。
だが脇から回った手が、胸を強くもてあそぶので、その悲鳴にも力が入らない。
まして、閉ざし方さえわかっていない部分に、再び熱いものが触れてしまえば。
「あっ……ああああっ!」
熱くて甘い嬌声をあげ、マナはセリスに体重を預けた。預けるしかなかった。
まともに動けないマナに対し、セリスは器用に腰を使って、思うまま攻め立ててくるのだから。
「マナ、かわいいよ。君がこんなに、されるがままなんて」
「セリス様……ずっ、ずるい……! セリス様のほうは、いつもと同じなのに……!」
「同じじゃないよ。さっきはすごかった」
先ほどの射精感を思い出しながら、セリスは自分が気持ちいいようにマナと自分を操る。
もう一度、さっきの感覚を味わえるように……と。
「まあ、マナを責める動きのほうは、慣れたものだけどね」
「やっぱり、ずるい! ずるいです……っ! ああっ……!」
「あはは。その分気持ちよくしてあげるから、許してよ」
非難するようなマナの目が、だんだん蕩けてくるのを見ながら、セリスは思った。
こんな風に言っていられるのも、ごく僅かな間だけなんだろうな……と。
(マナのことだから、後ろでの腰使いも、あっという間に習得するよね……)
恋人の閨における成長速度を実感してきた彼としては、
追いつき追い越されていく運命に、悲しみと期待を禁じえない。
(どんなきもちいいこと、してくれるようになるのかな……。でも、それまでは、こうやって好きにさせてもらおう)
早くもこみ上げてきた射精感を、マナの奥底で絞ってもらうことで抑制し、セリスは腰を使い続けた。
# おしまい
投下終了です。長々と失礼しました。
そして、注意書きの肝心な部分コピペしそこなうとか、どんなトラップなの……?
#以下の要素を含みますのでご注意ください。
#
#自慰・アナル・妊婦
#
とりあえず次立ててみる
>>822 ありがとうございます。お手数おかけしました。
失礼、スレ勃てに夢中になって申し遅れた
GJです
GJ
個人的にはティニーがツボだった。
GJGJ!!
でもとりあえずこれだけは言っておこうか
>「……わたし、ヘンタイさんになってしまった……」
まさかここでブレンを見ようとはwww
もしかして次スレが立ったのかな?