立場だけの交換・変化

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434名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 18:43:47 ID:JPOGyYF8
FT-type2の新作、美味しいところに入る前に終わってしまった
435次期当主はメイドさん!?:2010/10/05(火) 01:38:24 ID:RtVmTfcx
 食器を満載したお盆を両手で持ち、メイド長の晴香のあとに続く。
 ちなみに、「メイド長」という大層な肩書がついているものの、この屋敷に常勤するメイドは彼女以外にふたりしかいない。あとは、臨時アルバイトが水金と火木、土日にそれぞれひとりいる程度だ。
 紫は、まだ学生との二足の草鞋だし、葵直属ということもあって、厳密にいえば晴香の指揮系統には所属していない。
 もっとも、調理・清掃・裁縫といったメイドに必要な家事技能もさることながら、仕える相手を思いやり、快適な生活をサポートするという点において、先代メイド長である母の薫陶を受けた晴香は、非常に有能だった。
 その流れるような挙措と言い、的確に主の意を汲んで動くタイミングと言い、メイドとして見習うべき部分は多々ある。
 (……って、まじめなユカねえなら、考えるだろうな)
 実際、今まで給仕される側だったから気付かなかったが、紫の立場に立てば見えてくるものは色々あった。「ゆかり」としても、それだけでこの入れ替わりは実行してよかったと思う。
 また、前から思っていたように、やは自分は人から指示されて動くなら、それなりに器用な働きを見せられるようだ。
 (何せ、これまで見てただけのメイドさんの業務を、それなりにしっかりこなせてるもんなぁ)
 いくら常日頃「見ていた」とは言え、また、彼が家庭科方面に秀でているとは言え、ぶっつけ本番に近い紫の代役を、こうもスムーズに果たせているのだ。やはり人間、適性というものはあるのかもしれない。
 ──もっとも、実は、そればかりが理由ではないのだが、幸か不幸か「ゆかり」はそのことに気付かなかった。
 座敷に入り、晴香と手分けして料理を卓上に並べ終えたちょうどその時、「あおい」──葵の格好をした紫が、部屋に入って来た。
 「おはようございます、葵様」「……ございます、「あおい」様」
 傍らの晴香に一拍遅れて「ゆかり」も頭を下げて挨拶する。
436次期当主はメイドさん!?:2010/10/05(火) 01:38:45 ID:RtVmTfcx
 「おはようご……おはよう、晴香さん、「ゆか姉」」
 どうやら「あおい」の方も、何とか間違えなかったようだ。
 チラッと「ゆかり」が目配せすると、「あおい」も小さく頷いた。
 程なく、この家の当主である葵の父、桐生院馨が姿を見せた。
 「「おはようございます、旦那様!」」
 今度は晴香と声を揃えて挨拶することが出来た。
 それにしても、自分の父親に対して「旦那様」と呼びかけるのは、何だか奇妙な気分だった。
 もっとも、今の彼は「ゆかり」なのだからコレが自然だし、考えようによっては、あの厳格な父を悪戯(ペテン)にかけているようなモノだから、これはこれで面白いかもしれない。
 今朝は紫が給仕をする当番のようだが、その程度なら普段のみよう見真似でもなんら問題はない。
 「ゆかり」はメイド服のスカートの裾さばきに気づかいつつ、楚々とした動作で馨と「あおい」への給仕を済ませた。
 朝の食卓は、いつも通りほとんど会話らしい会話無しで進んだ。重苦しい沈黙、というわけではなかったが、当主の馨が食事中の会話をあまり好まないので、こればかりは仕方がない。
 もっとも、ここに葵の母にして馨の妻たる夕霧がいれば、まったく様相は異なったのだろうが……。
 いかにも淑やかな大和撫子風な外観に似合わず、夕霧は気さくで話好きなタチだった。彼女がそこにいて笑うだけで、この厳格な屋敷の空気も、随分と明るく華やいだものに変わったものだ。
 「──紫くん?」
 馨に呼びかけられて、一瞬追憶に入りかけていた「ゆかり」は自分を取り戻した。
 「へ!? あ……何でございましょうか、旦那様?」
 かろうじて、「メイドのゆかり」らしい態度を保持する。
 「いや、そんなに畏まらないでくれたまえ。以下の話は、「葵付きの侍女」としてではなく、「我が姪にして葵の従姉」たる君への話だと思ってくれ」
 意外な馨の言葉に、「ゆかり」のみならず「あおい」もまた、驚きに軽く目をみはる。
 しかし、それ続く彼の言葉はさらにふたりに当惑をもたらすものだった。

#なんというノロノロ進行! まぁ、保守代わりと思ってください。
437名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 21:39:36 ID:zIZX3HBT
投下継続中の「次期当主はメイドさん」も嫌いじゃない(というか、むしろ大いにアリ)なんだけど、
個人的には、女子高に通う16歳の女の子(やや腐女子・ショタ趣味アリ)と、小学6年生の男の子(スポーツ大好き元気少年)の入れ替わりとか、妄想してみると胸が熱くなる。
小学生男子になった少女は「生ショタキタ! ハアハア……」と歓喜(もちろん、入れ替わりはコチラが仕掛けた)。少年の親友を誘惑して、エロいことしてしまう。
(親友は親友で、「どうしよう、男どうしなのに、なんか最近アイツが色っぽく見えて、その……困る」状態)。
女子高生にされてしまった少年は、最初は戸惑うものの、持ち前の天真爛漫さを発揮。ほぼ幽霊部員(この高校は部活参加が義務)だった少女と異なり、運動系の部活に積極的に顔を出すようになり、先輩に気に入られる。
(部活は、少年っぽさを残すならソフトボールとか剣道とかだろうけど、あえて逆の新体操部とかフィギュアスケートで。バレー部や水泳部もアリかな)

2年後、(性器以外は)外見も精神もリッパな男子中学生(しかも厨二病気味)となった元・少女が、テレビでインターハイで活躍する(やはりアソコ以外は)どう見ても美少女な元・少年の姿を見て、オカズにする……とかね。
438名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 22:25:37 ID:mFg4X9V8
>>437
そこまで出来てるんなら、楽しみに待ってるよ
439人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:35:57 ID:kPBFnld9
私はそこそこ(というよりも割と)名前の知れている大学に通う女子大生です。
多分、普通の女の子よりもかわいい部類に入ると思う。
そんなことを言ったら自意識過剰な女だって普通だったら言われるかもしれないけど、
そういうのには理由があってモデルや女子アナを
多数輩出している大学のミスコンに去年最終候補まで残って、
グランプリは逃したけど、準優勝はもらったのです。
それでミスコンに出てから読者モデルをやらせてもらえることになって、
お嬢さん系女子大生御用達の某雑誌にも毎月私の写真が載っています。
そして普段からもお化粧したり、食事にも気を使って太らないようにしたり、
ファッションにもお金をかけていかに自分の女子力を上げて、
女の子を楽しむことに毎日充実した日々を送っています。
だからまあまあカワイイ女の子っていうことを信じてもらえたら嬉しいなって思います。
それが私の自信になっているからね。
440人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:36:24 ID:kPBFnld9
そんな私ですが、中学校の同窓会に行ったのです。
元々の友達もいたけど、男子だと卒業以来5年ぶりって人も多かったので懐かしかったです。
やっぱり5年経つと変わっている人は変わってて、
ガリ勉(死語?)風の男子がそれなりのイケメンになってたり、
垢抜けてると見てて楽しいなって思いました。
でもその中で人目を引いたのが太志っていうデブだったんです。
太志は中学時代にいじめられっ子で割と男子にひどい目に合わされていました。
太志は当時からものすごく太ってた上に不潔で、
そして私はよく分からないのですがアニメが大好きだったみたいです。
彼は勉強が出来れば高校に行って世界が変わったのかもしれなかったのですが、
残念なことに成績が悪かったので、いじめっ子(不良)と同じ高校に行ってしまい、
そこでもいじめられて学校を中退したらしいです。
私は全く接点がなかったし、話をしたことは多分なかったと思います。
なぜ太志のことをそんなに知っているかというと、
太志は私が中学3年間ずっと一緒のクラスで名前と顔だけは覚えていたのです。
そしてそんな体型やひどい顔だったので、目にはつくのです。
卒業後についてはたまたま、太志と同じ高校に行った友達が行ったので
人づてに中退の話を聞いたのです。

なぜここで太志の話を書いたかというと、その太志に話しかけられたからです。
彼は非道におどおどとしながら私に近づいてきて、

「あやかさんって今どうしているの?」って聞いてきたのです。

私はそいつに嫌悪感を感じながらもできるだけそれを外に出さないようにして、
近況を簡単に説明してきました。
太志は髪の毛も顔も脂ぎっているし、ヨレヨレのアニメ(萌え系?)が
大きくプリントされたTシャツを色あせたジーンズにインをしていました。
そして靴下(白のスポーツソックス!!)は黒ずんで穴も空いていました。

「あやかさんはいいな、そんなに楽しそうな生活をしてて。
ぼ、僕もそんな風に暮らしてみたいよ」

太志はニヤッとして私から離れていきました。正直ドン引きです。
なぜそいつは話したこともない私に声をかけてきたのでしょう?
441人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:36:50 ID:kPBFnld9
そんな同窓会から約2週間後のことでした。
その日は自分が出ている雑誌をはじめとした同じ系統の女性誌の発売日で、
自分が出ている以外の雑誌を購入しようと学校の本屋に向かいました。
自分が出ている雑誌は毎月送られてくるので買う必要がないからです。
それ以外の雑誌を買っておしゃれの傾向をみたいので毎月複数冊を書い揃えているのです。
私はいつもどおり好きな女性誌を手にとってレジに向かっているはずでした。
しかし自分が手に持っていたのはアニメ雑誌だったのです。
それも巨乳の女の子が描かれた萌え系のです。
なぜ自分がそんなものを手に持っているのか全く理解できませんでした。
それぐらい自然な行動だったのです。
でもそれを買ってしまいました。非常に恥ずかしかったのですが、
レジが終わるとなぜか別に気にならなくなって、
それを家に持って帰って自分の部屋で封を切りました。
帰りにコンビニで買ったビックサイズのポテトチップスの袋に手を突っ込み、
コーラのペットボトルをラッパ飲みしながら、そのアニメ雑誌を読んでいました。
女子高生もののアニメに出てくる脇役のロリ顔で巨乳の女の子がすごく気に入って、
ネットでそのアニメや登場人物のことを一晩中調べてしまいました。
そしてその日中にECサイトでアニメのDVDボックスセットを注文し、
2日後にそれが到着するやいなや1日学校をサボってそのアニメを何度も見たのです。
今までアニメなんてほとんど見たことはなかったのですが、
ストーリーもそうですがその登場人物、
特に好きなロリ顔の女の子にものすごくときめきを覚えたのです。
こんなにカワイイ女の子がいるなんて。

「はあ、はあ、まみたん、すごくかわいいよ」
442人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:37:25 ID:kPBFnld9
休日ですが普段は渋谷や新宿の某ファッションビルに行って服やコスメを選ぶことが多いです。
ちょうど新しい季節物が並び始めた時期で、
好きなブランドがだしているワンピースやブラウスをチェックしたいと思っていました。
しかし私が向かったのは秋葉原のアニメ関係のお店で、
そこでまみたんのフィギュアを3種類も買ったのです。
そしてさらに同人誌もまとめ買いしてしまいました。
その金額は私が新しい季節物の服を買おうと思っていた予算をすべて消化してしまうくらい。
これで私は次の季節の新作を買えなくなってしまいました。
でも私は満足していたのです。
いとしのまみたんのフィギュアを部屋においておくことができるのですから。
買った同人誌はどれも18禁というアダルトもので、まみたんが複数の男のペニスを咥えて喜んでいたり、奴隷になっている内容のものです。私はそれを読んで非常に興奮し、その日はオナニーを3回もして果ててしまいました。
443人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:37:47 ID:kPBFnld9
その後1ヶ月間私は普通に学校に通って友達同士でわいわいおしゃべりを楽しんでいました。その中である友達から
「あやか、最近ちょっと太ってない?」
と言われたのです。
確かに体重はひと月で10kg近く増えていました。
毎日のポテトチップスとコーラにはまっているのが原因だと思います。
アニメやネットをしていると口が寂しくなるのでつい手元に常備したくなるのです。
おまけに顔の油分が増えてニキビが出てくるようになり、
髪質もちょっと変わってきたのです。
「ううん、そんなことないよ」
と私はその場を取り繕いましたが、確かに最近の私はちょっと変です。
今まで全く興味も関心もなかったアニメにどっぷりとはまってお金を注ぎ込み、
ここ何年も食べも飲みもしなかったものに中毒状態になってしまって。
でもそれがどうしてなのかわかりませんでした。
単なる自分の嗜好の問題かな、と一方であまり重要にも考えていなかったのです。

その後、私は今までの自分では考えつかなかったような行動にどんどん出ていきました。
まず部屋を片付けなくなりました。
それまでは汚れ一つなく、毎日家に帰ったら服を綺麗にたたんで、
部屋を掃除機をかけて、アロマを焚きながら本を読むのが日課でした。
しかし服は脱ぎっぱなし、ゴミは片付けないので、
コーラの空ペットボトルなどは異臭を漂わせていました。
足の踏み場と座るところがあれば十分なので綺麗になんてする必要はありません。

そして化粧をするのが面倒になったのです。
手間も時間も朝かけたくないし、
夜遅くまでアニメを見たりネットの掲示板に書き込みをしたりしてて眠いので寝ていたいのです。
それに化粧にお金をかけるのがもったいない。
髪だって手入れを全然していません。色がプリンになってきましたし、
まともにクシでとかさなくなったのでボサボサで、
たまに寝癖がついたままになっているほどです。

服も体のサイズに合わなくなったので買い換えることになったのですが、
スーパーの特売で500円で買えるTシャツ、スボンは中学時代のジャージで十分でした。
服だの化粧だのそんなお金があるんだったら同人誌やキャラグッズをもっと買いたいのです。
444人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:41:14 ID:kPBFnld9
そんな私から友達は自然と離れいきました。
私は学校で一人ぼっちとなりましたが、どういうわけか全くそれを悲しいと思わず、
むしろおしゃれな女の子は苦手になっていました。
むしろチャラチャラとおしゃれをして、
男とのデートを繰り返す彼女たちを憎むようになっていました。
ビッチどもになんの興味もなく、二次元の女の子たちの方がなんの汚れもない、
私の理想像として君臨していました。
彼女たちのことを思い浮かべながらオナニーするのが私の至福となっていました。

そんな日常が当たり前になって2ヶ月が経過する頃、
私は学校にも全く行かなくなって一日中家にいる生活で、
外出するのはアニメ関連のグッズを買いに行くときだけとなっていました。
私はアニメ雑誌を買いに行くために半月ぶりに近くの本屋に外出しました。
体重は20kg以上増えて、顔はニキビだらけで脂ぎっていました。
格好は首周りがダルダルになったよれたTシャツにゆったりしたジーンズでした。
今までのおしゃれな服はどこかに消えてしまい、
家のクローゼットには安い服しかはいっていないのです。
そして外に出るのも着替えるのも億劫だったのです。
445人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:42:40 ID:kPBFnld9
本屋で私はアニメ雑誌を手にとったあと、
別のコーナーのある雑誌の表紙を見て声を漏らしそうになるほど驚きました。
それは自称愛されお嬢様系、実施は糞ビッチ御用達の女性誌の表紙が、
あの太志だったのです。
太志はふんわりとした女性を全面に出した格好をして、髪もかるく巻いたロングヘア、
顔はきっちりとメイクをして、口角を上げて微笑んでいました。
でもどう見ても表紙は男の太志なのです。
私はお金が惜しいと思いましたが、それを購入しました。
太志は読者モデルから専属モデルに格上げして、
そのデビューということで表紙だったのです。
太志は私の目から見ればどうみても男ですが、
雑誌の中では誰も違和感を持たずに専属モデルの女の子として扱われていました。
「太志ちゃんの秋の愛され女子大生着まわし30日」なんて特集も組まれていました。
糞ビッチらしくインタビューでは恋愛観なども話していました。

そして私はすべてを思い出しました。
もともと私がその雑誌の読者モデルであり、
専属モデルとしてのデビューの話もいただいていたのです。
太志はその私の立場をすべて奪ったのです。
446人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:43:03 ID:kPBFnld9
その直後でした。私の携帯電話が鳴ったのです。
「もしもし、太志です」
私は息を飲み込みました。
「ついに気づいたかな? じゃあそろそろお互いに会わない?」
太志の言葉の意味がわかりませんでしたが、会って確かめなければなりません。

翌日公園のベンチで待ち合わせをしました。
5分ほどベンチで待っていると、太志が到着しました。
太志はブランド物のバッグを腕にかけて、高そうなコートを羽織って現れました。その格好は完全にモテ系のお嬢様という服装でした。
「あらあら、あやかさん随分変わっちゃったのね」
対する私はどこからどうみてもただのデブで、しかも髪も顔もアブラギッシュ、
濃い緑のチェックのネルシャツをお腹が冷えないようにズボンに入れていましたし、
汚れたリュックにはアニメキャラのシールを張って、
その中には同人誌も詰まっていました。完全にキモオタの格好です。
「いったい、何をしたの?」
私は震える声で言いました。ひどく緊張していたのです。
「まあ、簡単にいうとあやかさんの立場と私の入れ替えたのよ。
キモオタで高校中退の私と、有名大学の準ミスキャンで人気モデルのあやかさんをね。
あやかさんはゆっくりとキモオタへの道を進んでいき、
キモオタ化が完了したのと入れ替わりで、私があやかさんの立場を手に入れたのよ。
私はもともと男だけど、みんな私をかわいい女の子としてみてくれているのよ。
あやかさんを見ていた視線をそのままにね。
あなただけよ、私が男に見えるのは」
「うう、うう、そ、そんなことが、で、できるなんて・・・」
私は緊張のあまりひどくどもってうまく声が出てきません。
447人気モデルの堕落:2010/10/05(火) 23:43:33 ID:kPBFnld9
「あなただってこの2ヶ月のキモオタライフを楽しんでいたんでしょう?
アニメにどっぶり使っているのを知ってるのよ。
引きこもってアニメキャラでオナニーばっかりしてるただのド変態。
どこからどう見たってそうにしか見えないわ」
「う、うるさい、このメスブタが!」
と震える声で叫びました。
「女の子にそんなことを言うなんてちょっとひどくない?
ファッションにも見た目にも興味をなくした代わりに、
二次元に逃避して現実に対して卑屈な態度を取るようになっていったのね。
ただのひきこもりのオタとしてあなたは一生生きていけばいいのよ」
「うるさい、このヤリマンの糞豚女が!!」
私はその場で駄々っ子のように叫ぶことしかできませんでした。
「本当に下品なキモオタね。こんなところで大声で叫んで恥ずかしくないの?
それ以上、私に何か言ったら警察を呼ぶわよ」
私はそれにビビってしまって、何も言えなくなってしまいました。
その様子を太志は勝ち誇った目で私を見下しました。
私は呆然としてそこに座り込んでしまいました。
太志は微笑んで「じゃあね」と回れ右をして去って行きました。

揺れる太志のミニスカートを眺めながら、私は憎しみと欲望を覚えてたのです。
3次元の女に興味をもつなんて驚きながらも、
家に帰ってからオナニーを3回もしました。

その後人気モデルとしてテレビCMにも引っ張りだこになった太志を
オナニーの対象としながらも、
私は彼女に対する罵詈暴言をネットの掲示板に書き込みまくっていました。
あるとき書き込んだ殺人予告が警察の目についてしまい、私は逮捕されてしまいました。
こうしてミスキャンで、人気モデルだった私は、
不潔な100kg近いアニメとアイドルヲタで前科持ちのキモデブに落ちてしまったのです。
448437:2010/10/06(水) 00:50:13 ID:xNkSUOYq
439さん乙です。
太志は、顔はともかく体型的には女性モデルっぽくなってるのかな? ヲタあやかが欲望抱いてるし。


>438
了解。他スレでの連載が終わったら書いてみます。
449名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 03:31:07 ID:GEMclSeN
>>439
とんでもなく凄いのきてたGJ!
久しぶり、読んでて脳がしびれるほど興奮した
450名無しさん@ピンキー:2010/10/06(水) 07:03:03 ID:IWwAu42D
ヲタあやかがめっちゃ良いですね。
さらに考えると
学歴などの立場も入れ替わったのだろうかとか
あやかが昔からデブでいじめられっこで
成績の悪い高校中退者になっていて
太志が今は大学生って事になっていて
あらゆる過去も交換されてたりとか考えます。
家から消えたおしゃれな服は太志のものと
勝手に入れ替わっていて住んでる所も知らぬ間に
太志の安アパートとあやかのマンションが入れ替わってたりとか…
451名無しさん@ピンキー:2010/10/07(木) 23:52:17 ID:b6P0c8mU
美人モデルとキモヲタの超絶立場入れ替わりキテター!!
真逆な二人がゆっくりとお互いの立場に馴染んでいくのが自然でイイ!!
太志を妬みながらもオナニーするあやか、、、自分に正直すぎるwww
素晴らしいシチュでした、ごちそうさまでしたw
452名無しさん@ピンキー:2010/10/08(金) 19:52:52 ID:4AnCMS6b
オツオツオツ!!!11!!1
じわじわとキモヲタになっていく描写に興奮しました!11
453名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 13:25:21 ID:5AY0pD2J
#「次期当主はメイドさん」作者です。そちらの展開を練りつつ、気分転換も兼ねて、437の妄想をテキスト化してみました。

『美幸16歳、職業・男子小学生』

 「ハァ、ハァ、ハァ……」
 まだまだ残暑が厳しい8月の末だというのに、その部屋の主はドアも窓も閉め切って、ひとり部屋に籠っていた。
 ドアを入った真正面には勉強机があり、棚の上には教科書類が並べてある。
 また、机の前の椅子に黒いランドセルがかかっており、壁の一面には、ロボットアニメと特撮ヒーローのポスターが貼ってある。どうやら小学生の男の子の部屋らしい。
 さらに向かい側の壁にかかったユニホームや、部屋の片隅に転がっているサッカーボールからして、どうやらこの部屋の主はサッカー好きのスポーツ少年といったところか。
 「ハアハア……この布団の匂い……へへっ♪」
 しかし、その部屋の主は今、机の脇のベッドの上に寝そべって「ひとり遊び」の最中だった。
 無論、小学生だって早熟な子ならオナニーくらいする。ユニホームのサイズからして5、6年生くらいだろうから、覚えたて自慰行為に夢中になっていてもおかしくない。ないのだが……。
 どことなく、「彼」の様子は変だった。
 うつ伏せに布団に突っ伏して、まるで何かに酔ったように懸命に深呼吸を繰り返す。
 あるいはゴロンと仰向けになり、部屋の中を見回して「フヒヒ……」と不気味な笑いを漏らす。
 さらに、壁から外したサッカーユニホームを顔に押し付けながら、半ズボンとブリーフをズリ下げ、性器を弄ぶ。
 いや、待った! サッカー少年にしては妙に生白い肌も奇妙だが、それ以上におかしなコトがある!
 「彼」の下半身には、男なら老若問わず存在しているはずの突起物が見当たらない。代わりにそこにあるのは、薄い柔毛におおわれた割れ目──平たく言うとオマ●コだ。
 よく見れば、Tシャツを着た胸も僅かだが膨らんでいるように見える。
 それでは、この「少年」は、単なる男装趣味の少女なのだろうか?
 ──実は、それも正解ではなかった。
 「くはっ! あたしが……ショタっ子に……アイツの立場になってるかと思うと……ひはっ! そ、それだけで感じちゃう!!」
 少女は、いつものように乳首や襞をいぢろうとする手を自制し、クリトリスへの愛撫に専念する。まるで、それが自分のペニスであるかのように。
 「おほっ! ち、チンチン、あたしの……オレのちんちん、シゴくと気持ちいいよぉ!」
 ワザと卑猥な言葉を口にしつつ、慣れない小突起への愛撫に没頭していると、精神的なものもあるのか、本当に感じてきたようだ。
 程なく、「少年」のふりをした少女は、ビクンビクンと身体を震わせてイッた。その際、股間から、まるで精液のように潮を吹いた事柄も、よりいっそう彼女の歪んだ性的嗜好を満足させてくれた。
 「ククク……やった! ついにクリトリス……ううん、ペニスだけでイケるようになったゾ!」
 下半身丸出しのまま、ムクリとベッドの上に起き上がった「少年」は、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべていた。
 「ははっ、今頃、アッチの……あの子の方はどうしてるかねぇ」
 ショートヘアながらそれなりに整った容貌の少女なのに、その笑みはひどくいやらしく歪んで見えた
454美幸16歳、職業・男子小学生:2010/10/10(日) 13:26:07 ID:5AY0pD2J
 彼女──早川美幸(あさくら・みゆき)が、その奇妙なアイテムを見つけたのは、ほんの偶然だった。
 パッと見はちょっと地味な文学少女風の(そして実際、名門学園に通う高校一年生でもある)美幸だが、実はバリバリのヲタク少女である。
 いや、男性向けアニメを好んで見つつ、少年同士の関係に想いを馳せる彼女は、むしろ腐女子と言うべきか。もっとも、まだ自分で描く域までは踏み込んではいないが……。
 そんなインドア派な彼女の腐関連以外の数少ない趣味が、フリーマーケット巡りである。と言っても、遠出することはめったになく、近所で開かれる2、3のフリマを覗きにいく程度なのだが。
 その日も、冷やかしに近い気持ちで、駅前公園で開かれたフリーマーケットを覗いてみたのだが……中にひとつ、妙に気になる品が出品されていたのだ。
 「「鳥魚相換図」? 何て読むんだろ?」
 古ぼけた2枚の水墨画は、しかし妙に彼女の琴線に触れたのだ。「ティンと来た!」というヤツである。
 「あ〜、それは「ちょうぎょそうかんのず」って読むらしいよ。なんでも、さる旧家の家宝だったとか」
 黒いフード付きパーカーを着た軽薄そうな店番の青年が、見かけによらず落ち着いた口調で説明してくれる。
 「家宝って……こんな小汚い水墨画が?」
 別段、日本画に詳しいわけではないが、教科書などで見た狩野何某とかのソレと比べても、明らかにその絵の技術は稚拙で、さほど値打ち物とは思えない。
 「ははっ、確かに、ソレの美術品としての価値は大したことはない。せいぜい1万円かそこいらさ。でも……それには特別な付加価値があるんだ」
 悪戯っぽい笑みを浮かべた青年が説明してくれたその絵の「機能」は、とても信じ難いものだった。
455美幸16歳、職業・男子小学生:2010/10/10(日) 13:26:33 ID:5AY0pD2J
 この2枚の絵を枕の下に敷いて眠れば、目が覚めた時、そのふたりの「立場」が入れ替わると言うのだ。
 「正確には、「入れ替わってるように見える」と言うべきかな」
 「どういうこと?」
 「つまり、AさんとBくんが、この絵を使うと、その後、本人達以外の人には、Aさんの姿がBくんに、Bくんの姿がAさんに見るようになるらしいね」
 万が一それが本当なら、とてつもない値打ち物だ。
 美幸にだって変身願望くらいはある。ブスとは言わないまでも十人並みのルックスしか持ってない自分が、たとえば全校生徒の憧れの的の美人生徒会長と入れ替われたら……なんて考えただけで胸が熱くなる。
 小遣いをもらったばかりで懐が暖かったこともあって、美幸はついソレを5000円で買ってしまった。

 もっとも、青年いわく、このアイテムにはいくつか発動のための必要条件があるらしい。
 多少のズレがあってもよいが、同じ時間帯に寝ること。
 使用の際に両者の合意が必要とされること。
 たったこれだけだが、これでは見知らぬ他人に勝手に使うと言うのは難しいそうだ。
 それに、本当に効果があるのか、事前に実験しておく必要もあるだろう。
 しかし、実験相手については美幸には心当たりがあった。
 ちょうど今夏休みということで、県外から家に泊まりがけで遊びに来ている従弟がいるのだ。
 浅倉要(あさくら・かなめ)という、小学6年生の元気な男の子で、多少ガサツなきらいはあるものの、ショタ趣味もある美幸からすると、「すごく美味しそうなコ」だ。
 無論、リアルで年端もいかない従弟に手を出すと色々マズいので、ごく普通に「親戚のお姉ちゃん」をしているのだが、無意識に優しく接しているせいか、要は美幸のことを「お姉ちゃん」と呼んで慕っていた。
 ──あの子なら、あたしの言うことを聞いてくれるはず。
 そう確信している美幸は、実験台(イケニエ)として要を使うことを決意していた。
456453:2010/10/10(日) 13:28:37 ID:5AY0pD2J
#以上です。ネタ元の方に異論がなければ、続けます。
#ちなみに、美幸の女性視点で始まってますが、次回は女子高生として暮らす要くんに焦点を移します。タイトルは「要12歳、職業・女子高生」です。よろしければ、気長にお待ちください。
457名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 15:42:29 ID:1K7p+YeJ
また新作が来てたっ!
いいですねぇ、女子高生とショタの立場入れ替えも(*´∇`)
どちらにもメリットがあってお互いに楽しめそうw
続きが楽しみ!期待してます!
458437:2010/10/12(火) 11:39:52 ID:EU5l7/po
>>456
問題ない。続けたまえ……ってか、ぜひお願いします
459名無しさん@ピンキー:2010/10/12(火) 13:52:53 ID:tZWKguBs
最近は人が多くていいね
楽しみにしてます
460名無しさん@ピンキー:2010/10/15(金) 21:37:27 ID:HHjIkcvL
>>456
どうも
要くんが自分の女下着にハァハァしたり
女子更衣室で他の女の子の裸にハァハァしたりするのかな
461『要12歳、職業・女子高生』その1:2010/10/16(土) 04:42:40 ID:wrExkWWV
#「当主メイド」の人です。先に要くんの話の冒頭部が書けたので投下します。


『要12歳、職業・女子高生』その1

 「早川美幸」(はやかわ・みゆき)と呼ばれる「少女」は困っていた。あるいはフリーズしていたと言ってもいいかもしれない。
 「コレ……着ないといけないんだよね?」

 * * * 

 早川美幸が通う星河丘学園の高等部は基本的に全寮制で、彼女もまた寮暮らしだ。ただ、今年の一年の入寮生が奇数だったため、運良くひとりで寮の部屋を占有することができている。
 例年にもまして暑かった8月も終わり、今日は二学期が始まったばかりの9月2日。「美幸」も一昨日の31日の午後に女子寮に「戻り」、学校に通う準備を整えてはいた。
 「そのお陰で」、始業式のある昨日は、それほど大きな問題もなく過ごすことができた。

 星河丘には中等部も併設されており、高等部における内部進学者と外部生の割合は、おおよそ半々といったところだ。
 早川美幸は高校からの外部進学組ではあったが、それにしたってすでに一学期のおよそ3ヵ月半ほどをこの学園で過ごしている。
 夏休みをはさんだとは言え、そろそろこの学校にも慣れそうなものなのだが、新学期からの「彼女」の挙動にはどこか新鮮な驚きと戸惑いが見られた。
 まるで、「初めてこの学園に来た」かのように……。
462『要12歳、職業・女子高生』その1:2010/10/16(土) 04:43:23 ID:wrExkWWV
 ──思わせぶりな表現をしたが、もうおわかりであろう。
 本物の美幸が小学6年生の男の子として暮らしている以上、ここにいる「美幸」は偽物なのだ。
 無論、その正体は、美幸に自分の名前と立場を取られた従弟の浅倉要(あさくら・かなめ)にほかならない。
 いや、「取られた」と言うのは少し異なるか。「(強制に近い)合意の上で、入れ替わりに同意した」というのが正確な表現だろう。例の「家宝」は使用者双方の同意がない限り発動しないのだから。
 また、従姉の勢いに流された部分があるとは言え、要も多感なお年頃の男のコだ。「年上の少女の肉体」に(性的なものも含めた)好奇心や興味は大いにあった。
 と言うか、あの小汚い絵に、まさか本当にそんな能力があると信じていなかった……というのが一番大きかったが。「やれるものならやってみろ」というヤツだ。
 もっとも、そんな彼の心境をよそに、見事に鳥魚相換図はその効果を発揮し、本人同士以外の人の目には、要は「美幸」に、美幸は「要」にしか見えなくなったワケだが。
 
 もっとも、当初ふたりは、仮に成功しても2、3日で元に戻るつもりだった。
 美幸の方はあくまで「本命」の前の「実験」のつもりだったし、要だって、泊まりがけで遊びに来ている美幸の家から帰るときには、元の自分でいようと考えていたのだから。
 ところが。
 浅倉家の事情(父方の祖父が危篤?)で、要が予定を1日くり上げて帰らねばならなくなったことから、非常に困った事態になってしまったのだ。
 要の両親が早川家に迎えに来た際、当の要は「美幸」として駅前のゲームセンターに遊びに出かけていた。
 その代わりに、早川家には「要」にしか見えない美幸がいるワケで、巧い言い訳を考える前にあわただしく「美幸」は車に乗せられ、早川家から遠く離れた祖父の家へと連れて行かれてしまったのだ。
 無論、ゲーセンから帰ってきた「美幸」な要は、極力平静を装ったものの、内心は焦りまくりだ。
 幸いにして要の祖父の容体が深夜には小康状態を取り戻したため、翌朝美幸の方から電話がかかってきたのだが、ふたりとも、すぐに元に戻る方法は思いつかなかった。
 やむなく、しばらくは無難に互いのフリをする……ということを不承不納得するしかなかったのだ。
 結局、要を含めた浅倉家は、祖父の容体が完全に落ち着くまで祖父の家に留まることとなり、そうこうしているうちに8月も残すところあと少しになってしまう。
 不思議なことに、小六男子に見られている美幸はともかく、女子高生のフリをしている要の方も、周囲から特に怪しまれるようなことはなかった。
 無論、互いに家族の目を盗んで電話で連絡を取り合い、必要と思える知識を教えあうようにはしていたが、それだけではどうしても不備が出る。とくに年上の少女に扮する要の方は、なおさらだ。
 しかし、知識が足らずに戸惑うような局面であっても、なんとなく思いつきで動いたら、うまくやり過ごすことができていた。あるいは、コレもあの鳥魚相換図の力なのかもしれない。
463『要12歳、職業・女子高生』その1:2010/10/16(土) 04:44:49 ID:wrExkWWV
 ともあれ、結局、「要」な美幸が浅倉家に「戻った」のは、30日の夜になってからだった。31日の午後には美幸は学園の寮に戻る予定だから、まさにギリギリのタイミングである。
 しかし……。
 「え! 戻るのを延期する!?」
 美幸から「自宅に戻った」という電話を受けて、ホッとしていた要だが、思いがけない相手の言葉に驚く。
 「うん。そもそも、夏休みが終わる1日前にわざわざ「要」が「おじさんの家」に遊びに行く理由がないでしょ」
 「じゃ、じゃあ、ボクの方がソッチに……」
 「それこそ、説得力がないわよ!」
 確かに、美幸が浅倉家に遊びに来たことは片手で数える程しかない。
 「じゃあ、どーすんのさ!」
 「まぁ、落ち着きなさい。再来週の日曜の翌日が敬老の日で休みになるから3連休でしょ。その時、寮からウチに戻って来るのよ。あたしの方も、適当な理由つけて「遊びに行く」から、その時一緒に昼寝でもして戻ればいいわ」
 「えぇ〜、それじゃあ、ボク、これから3週間もお姉ちゃんのフリをするのー?」
 「そういうコトになるわね。でも、これはアンタにとっても悪い話じゃないはずよ。男子の憧れの秘密の花園である女子寮に堂々と入れるなんて、ラッキーじゃない」
 確かに、そう言われるとそんな気もしてきて、要の抗議の矛先も鈍る。
 「それに、アンタ、いつも「早く大人になりたい」とか言ってたじゃん。女子とは言え、高校生の立場を経験できるんだから、一時的にその夢がかなうわよ。
 ウチの学校、何気に設備は整ってるし、体験留学でもするつもりで気楽にドーンと構えてなさいな」
 「ええっと、お姉ちゃんがソコまで言うならいいけど……でも、さすがにボクじゃあ勉強とか全然わかんないよ?」
 外で遊ぶのが好きな元気少年にしては要の成績は悪くないが、しょせんは公立小学校の6年生。名門高の授業についていけるとは思えない。
 「アハハ、だいじょーぶ! あたしだってたいした威張れた成績じゃないから。そうね、授業中にノート取るのだけキッチリやってくれればいいわ」
 こうして、理論的な退路を断たれ、また少なからず好奇心も刺激された要少年は、「早川美幸」として、しばらくのあいだ学園の女子寮で暮らすことになったのである。
464『要12歳、職業・女子高生』その1:2010/10/16(土) 04:45:23 ID:wrExkWWV
 そこは、(たぶん母親の手が入っているだろう)早川家の美幸の部屋とはうって変って、何と言うか「女の子らしくない」部屋だった。
 「女の子の部屋」と聞いてミユキが連想するぬいぐるみも、レースのヒラヒラも、パステルカラーの家具類もまるで皆無。代わりに、何か(実は萌えアニメ)のキャラクターらしいフィギュアが数点、本棚に飾ってある。
 壁に男子向けアニメのポスターが数枚貼られている点は、ミユキとしても親近感が湧くが、カーペットやベッドの上に雑誌類が散乱しているのにはゲンナリする。こう見えてもミユキは綺麗好きなのだ。
 家から持ってきたボストンバッグを、ひとまず洗面所に置き、ミユキは着替えもせずに部屋の整頓にとりかかった。
 さすがに他人のものを勝手に捨てるワケにはいかないので、雑誌は紐でくくって部屋の隅へ。本は本棚に戻せるものは戻し、入りきらなかった何冊かは、机の端に大きさを揃えて積む。
 よく見ると埃がたまっているようなので、窓を開けたうえで、洗面所の隅にあった掃除機のスイッチを入れる。
 「ふぅ……こんなトコロかな」
 途中、ベッドの下から見つけた「男の人(?)がエッチなコトをしてる本」(BL同人誌)には流石に焦った。
 健全な男子小学生としてのメンタリティを持つミユキとしては気持悪かったが、おそらく男子にとっての「お宝本」と同じような代物だと推察されたので、黙って元に戻しておいた。
 武士の情けというヤツだ。よくデキた小学六年生である。
 ──実は、この時点でソレを目にしたコトが、あとあと「彼女」が送る学園生活に大きな影響をもたらすのだが……まぁ、それは別の話である。

 汗をかいたので軽くシャワーを浴びて、そのまま部屋着──長めのTシャツとショートパンツといった格好に着替える。
 「ふぅ、やっとひと心地ついたよ〜」
 コロンとベッドの上に転がるミユキ。
 服自体がマニッシュだが女物なのと、成長途中の中性的な容貌があいまって、仮に例の入れ替わりが発生していなくても、今の彼は素で「ボーイッシュな女の子」に見えた。
 むしろ、ある意味ヲタクと腐女子に半分足突っ込んでる美幸本人より、よっぽど清楚可憐に……。
 「──このベッド、お姉ちゃんの匂いがするな」
 ……訂正。匂いフェチとは、コチラも相当なモノのようだ。
 「そう言えば、ベッドだけじゃなくて、服もそのはずだよね。この数日であまり意識しなくなってたけど」
 クンクンと(決してクンカクンカではない)、小鼻をひくつかせるミユキ。
 どうやら特殊な趣味ではなく、単にバカ素直に感じたことを口に出してるだけらしい。
 「ふわぁ〜、これから一ヵ月近くも、無事に過ごせるのかなぁ……」
 当面やるべきことをやって、気が抜けたらしい少年は、どうやらおねむのようだ。
 ベッドカバーの上に突っ伏したまま、ゆっくりと眠りの世界へと引きずり込まれていく。
465『要12歳、職業・女子高生』その1:2010/10/16(土) 04:45:55 ID:wrExkWWV
 ──ターラッタ、タッタッター、ラーラー♪
 しかし、ミユキの意識が完全に睡魔の手に墜ちる直前、部屋のスピーカーから、彼にも聞き覚えのあるメロディーが流れて来たため、寝ぼけ眼を擦りながら、起き上がった。
 「これって……シューベルトの『マス』?」
 一学期の音楽の時間に習った曲のことを思い出す。
 「でも、いったい何だろ?」
 『──夕食の用意ができました。現在寮にいる生徒の皆さんは、ただいまから1時間以内に1階の食堂に降りて、夕食をとってください』
 スピーカーから流れるアナウンスがミユキの疑問に応えてくれた。
 なるほど、寮とあれば食事が出るのも道理だ。
 昼に早川家でご飯を食べてから、6時間以上経っていたため、ミユキも結構お腹が空いていたので、急いで部屋から出る。
 食堂の場所は知らないが……まぁ、他に生徒もいるのだからわかるだろう。

 そしておよそ30分後、ミユキは寮の食事とは思えぬ豪華な夕飯のメニューを堪能し、お腹をさすっていた。
 本物の美幸に釘を刺されていたので、おかわりこそしなかったものの、それでもご飯粒ひとつ残さない気持ちのいい食べっぷりだ。
 ちなみに、本日のメインディッシュはニジマスのキノコのムニエル。選曲は、これに合わせたのだろうか?
 デザートの杏仁豆腐とホット烏龍茶まで堪能したうえで、さて部屋に戻ろうかと思ったところで……。
 「あれ〜、みゆみゆが魚残さずに食べるのって珍しいね?」
 背後から声をかけられた。
 振り向くと、「彼女」よりひと回り小柄で、背中にかかる程の長さの赤茶っぽい髪をサイドポニーにした娘が、お気楽そうに笑って立っている。どうやら美幸と、そこそこ仲が良い知り合いらしい。
 「う、うん。今日はお腹が減ってたから……」
 当たり障りのない返事をするミユキだったが、相手──元気の良さそうな赤毛の少女は首を傾げる。
 「……ま、いっか。それよりさ、こないだ貸したCD返してもらっていいかな?」
 「へ!? うん、いい…わよ」
 従姉の口調を思い出しつつ、しゃべるミユキ。内心は汗ダラダラだ。
 (どうしよう……お姉ちゃん、何のCD借りたのかな?)
 こうなったら、忘れたフリをして相手に聞くしかあるまい。
 女の子を部屋に招き入れ、CDラックに歩み寄りつつ、できるだけ自然な切り出し方を考えるミユキだったが、生憎それは徒労に終わった。
 「ねぇ……キミ、誰? みゆみゆじゃないよね?」

#いったんココで切ります。冒頭の部分まで半分くらいか。いや、女子寮初日は飛ばそうかとも思ったのですが、いくつかお約束な萌えシーンを思いついたもので……次回は、ちょいエロ(つーかフェチ?)なシーンもある見込みです。
466名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 15:52:46 ID:O+XCGUkK
MMO-RPG「マビノギ」のゲームガイド的存在にしてアイドルである「ナオ」と、
お色気モンスターとして人気の高い「サキュバス」の立場交換。
清純派(?)アイドルとして陽の当たる場所でチヤホヤされて、満更でもないサキュバス娘。
何より、「無理に人を襲わなくても生きていけるのって素晴らしい!」と人間的生活を堪能。
想いを寄せてくれるイケメン騎士にドキドキしたり、思い切って告白して両想いになったり。
その一方で、サキュバスの一体として薄暗いダンジョンの奥深くにさらわれた(ただし、周囲の認識では、そこが彼女の住処)ナオ。
ある時は上位の悪魔に身体を貪られ、ある時は襲ってくる冒険者を心ならずも撃退し、いずれの場合も男の精を上下の口からすすらないと生きていけない身に。
「どうして私がこんなメに」と思いつつ、知らず知らずそんな女淫魔としての生活に馴染んでいくナオなのだった……ってな明暗クッキリな立場入れ換え話。

ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=707164

↑このイラストを見てから、つい妄想しちまったい。
467名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 10:08:54 ID:Fqlx/ZIK
>>466
衣装交換モノのイラストって、そういう妄想(ユメ)が広がるよね。
ぜひ、SSを!!
ただ、ひとつ言っておくと、ナオさんは現状でも十分にエロい!
……と思うのは、同人に毒され過ぎてるせいかしら。
468名無しさん@ピンキー:2010/10/19(火) 12:58:16 ID:TNsw4XRK
どこで見たのか思い出せないんだけど、昔読んだSSで
「主人公(成人男子)の元に「女の子になってみませんか?」的なダイレクトメールが来る。
 興味を持ってその広告の住所に行くと、SFやオカルト要素なし(たぶん)の
「変装」で小学六年生の女の子(プロフィールも偽造)の格好にされ、薬で声も
変えられる。
 時間制限はあるものの、小六女子の立場を満喫する主人公だったが、弾みで
おもらししてしまいベソをかいているところに、親切なお姉さん(中学生?)が
通りかがり、家につれて行かれ、パンツその他を着替えさせられる。
 タイムリミットが近づき、焦って待ち合わせの場所に急ぐ主人公。ギリギリ間に
合い、元に戻してもらったものの、後日その時の経験を懐かしく思うのだった」
って話を見た記憶がある。アレで偽装する相手が実在の小六娘で、服や下着も
その娘のモノだったり(当然、その間はその子が主人公の服を着ている)、
タイムリミットが過ぎて元に戻してもらえなかったりしたら神作品なのになぁ。
469名無しさん@ピンキー:2010/10/20(水) 01:37:58 ID:PrZrf1uK
>>468
「IFな設定が見たいのなら、自分で書けばいいいじゃない」
by まりー・あんとわねっと
470468:2010/10/20(水) 10:54:30 ID:+l2PZ7DA
そりゃそーだけど、言われて即書ければ苦労は……(^;ω;^)
でも、まぁ、気長にがんばってみる
471次期当主はメイドさん!?:2010/10/20(水) 23:37:41 ID:PrZrf1uK
#ご無沙汰しましたが、ちょいと続きです。

 ふたりを執務室へ招き、楽にするように言うと、馨は話を続けた。
 「実は、夕霧の容体がだいぶ安定してきてな。今すぐというワケではないが、ひと月後くらいに退院して、自宅療養に切り替えて様子を見ることになる」
 桐生院家当主たる馨のその言葉は、その場にいる誰にとっても朗報であり、緊張していた「ゆかり」と「あおい」は、ホッと胸を撫で下ろした。
 「お…おばさまが!? それはおめでとうございます」
 かろうじて「お母さん」と言うのを堪えた「ゆかり」こと葵が、晴れやかな笑顔を見せる。
 「よかった。長かったね、お…父さん」
 こちらも「おじさま」と呼ぶのを間一髪言い直す「あおい」こと紫。
 「うむ。アレがいない間、おまえたちにも色々苦労をかけたな。とくに、葵」
 普段の「厳格な当主」としての顔ではなく、珍しく「我が子を慈しむ父親」の表情になって、息子(に見える紫)に馨は声をかけた。
 「? 何でしょう?」
 「昨日、その件でアイツに怒られたよ」
 「「!」」
 夕霧の体調がよいこともあって家族の近況報告などをしていた際、自分の仕事の一部を葵に「当主見習い」として代行させていると言ったところ、こっぴどく叱られたらしい。
 いわく、「子供は勉学と遊ぶことが仕事」、「そもそも、カヲルさんだって当主の仕事を始めたのは大学時代の、しかも成人後」、さらに「息子の体調不良に気づけないようでは父親失格」。
 「いちいちもっともで耳が痛かったぞ」
 苦笑しつつも嬉しそうなのは(別に罵られるのが好きなマゾだからではなく)、妻とのコミュニケーションを十分に行うことができたからだろう、たぶん。
 「そういうワケで葵、今預けている仕事はともかく、今後新しく仕事を預けることは──少なくとも高校在学中はしないでおこうと思うが、どうだ?」
 そう問われた「あおい」(=紫)は、素早く頭を回転させる。
 「そうですね。仕事を減らしていただくという点については、正直ありがたいです。
 ですが、我がままを承知で言えば、重要度の低い仕事を今の半分程度任せていただけるなら、半人前のボクでも何とかなります」
 傍らで聞いている「ゆかり」(=葵)などは「えっ!?」と思ったのだが、何か考えがあるのだろうと、この場は自分を演じる従姉に任せる。
 「ほぅ……いいのか?」
 「はい。その代わりと言ってはナンですが、正式にゆか姉──紫サンをボクの秘書兼相談役として任命してもらえませんか?」
472次期当主はメイドさん!?:2010/10/20(水) 23:38:28 ID:PrZrf1uK
 「──なるほど、独力では無理でも二人三脚ならば、と言うワケだな。ふむ。ワシとて、金勘定の面では弟の輝の助けを借りているわけだし、信頼できる腹心を持つのも、当主の度量か。
 どの道、紫くんに関しては、卒業したらそれに近い立場になってもらうつもだったのだから、少し早まるくらいはいいだろう。それと……」
 謹厳実直な馨にしては珍しく、いたずらっぽい光が目で踊っている。
 「これは、夕霧や輝夫婦とは内々に話し合っていたことなのだが……紫くん、君は葵のことをどう、思っているのかね?」
 あまりに直球な質問に、顔にちょっと困ったような表情を浮かべつつ、内心では「ちょっと」どころではないパニックに陥る「ゆかり」。
 「えぇっ!? そ、それは……そうですね。従弟であり、もっとも親しい幼馴染であり、大切な弟、というトコロでしょうか」
 立場を入れ替えていることもあり、とりあえず無難なコトしか言えない。
 当然、その程度の答えでは、当主は満足しなかった。
 「ふむ……では、葵、お前の方はどうなんだ?」
 「ゆかり」としては、「あおい」の方も、当然、それに類する無難な返事をすると思っていたのだが……。
 「──幼馴染のイトコ、というのはもちろんですけど、それ以上に、守りたい、そして共に歩んでいきたい、大事な人です」
 その言葉は、明確にそれ以上の関係──恋人、いやむしろ「伴侶」という関係を視野に入れたモノだった。
 「ほほぅ、言うではないか!」
 息子(実は、姪っ子)の漢らしい物言いに、ニヤリと笑う馨。
 「紫くん、葵はこう言ってるが、キミの気持ちはどうなのかね?」
 「あの、その……こ、光栄です」(ポッ)
 今なら、仮に例の認識変換が行われていなかったとしても頬を染めて恥じらう葵の姿は「女の子らしく」可憐に見えたことだろう。
 「はははっ! うむ、ふたりとも両想いなら、問題ないだろう。実は、盆で一族が集まる際に、紫くんを正式に葵の許婚とすることを発表しようと思っているのだ」
473次期当主はメイドさん!?:2010/10/20(水) 23:38:59 ID:PrZrf1uK
 上機嫌な馨と2、3言葉を交わしてから、ふたりは執務室を出て、葵の私室へと戻って来た。
 「ふぃ〜、やっぱり緊張したわね」
 さすがの学園一の才媛も、やはり一族当主の迫力の前では、少なからずプレッシャーを感じるらしい。無論、「今のふたりの状態」も関係しているのだろうが。
 「そりゃ、ね。でも、ユカねぇ、あんなコト言って良かったの?」
 「あら、アオイちゃんは、わたしと結婚するのは嫌なのかな?」
 「そんなワケないよ! 僕にとってはユカねぇは憧れだし……。でもユカねぇなら、桐生院家を出て行っても自由に生きられるし、僕よりもっといい男性(ひと)だって見つか……ムグッ!」
 言い募る「ゆかり」の唇を、「あおい」が自らの唇で塞ぐ。
 そのまま長い口づけを交わすふたり。
 いつの間にか、「ゆかり」が「あおい」の胸にすがるような格好になっている。着ている服もさることながら、「あおい」に「ゆかり」が抱きしめられていることもあって、まるで本当に「男」と「女」のように見えた。
 ようやく、ふたりの唇が離れた時、思いがけないキスに頬を染め、目を潤ませている「ゆかり」の瞳を、「あおい」が覗き込んだ。
 「馬鹿。そのつもりがあるなら、2年前にこの家で学生兼業メイドになろうなんて思うはずないじゃない。言ったでしょ、「守りたい、そして共に歩んでいきたい、大事な人」だって」
 「! ありがとう……すごく、うれしい……」
 よりいっそう真っ赤になりつつ、それでも素直にそう答える「ゆかり」を見つめながら、「あおい」はニヤッと人の悪い笑みを浮かべる。
 「──そう言えば、小さいころのアオイちゃんの口癖は、「ぼく、ゆかおねーちゃんのおよめさんになる」だもんね♪」
 「はぅわッ!」
 それは葵にとって、遠い日の思い出したくない記憶のひとつ、いわゆる黒歴史というヤツだ。
 当時は、「けっこんする」と言うことの意味もよくわかってはおらず、ただ、好きな人と「けっこん」するには「およめさん」になればいいのだ、程度の知識しかなかったため、そんな言葉を漏らしてしまったのだ。
 「……お、お願いだから、忘れて、ユカねぇ」
 「だ〜め。それに、今の状態なら、ソッチの方が自然でしょ、「ゆか姉」?」
 都合良く、この立場入れ替わり状態をネタに「あおい」にからかわれる「ゆかり」なのだった。

#桐生院家雪解けフラグ、そして「葵がお嫁さん」フラグ、構築です。ココのスレの王道ですし、皆さんも展開が読めているとは思いますが、このあと……。
続きは、日曜深夜あたりになるか、もしくは「美幸」の方を書くかと。
474『要12歳、職業・女子高生』その2:2010/10/25(月) 06:07:07 ID:Y/ABQZ+6
 ミユキ──「早川美幸」のフリをした従弟の少年、浅倉要は、女子寮に来て早々にピンチに陥っていた。
 「ねぇ……キミ、誰? みゆみゆじゃないよね?」
 夕飯後に、本物の美幸の友人と思しき女の子から、いきなりそう問い詰められたのだ。
 いや、実際には相手はノホホンとした口調で「問い詰め」とかいう雰囲気ではなかったが、やましいトコロがあるミユキには、そう感じられた。
 「な、何を根拠にそんな……」
 焦っているせいか、従姉の口調を真似できてるかは微妙にアヤしい。
 「んー? だってさっきの晩御飯の時、みゆみゆが魚残さなかったし〜」
 「あ、アレはたまたま……」
 「わたし、CDなんて借りた記憶ないし〜」
 どうやらカマをかけられたらしい。
 「だ、だよね。道理で思い出せなかったはずだ、わ。や〜、他の人と勘違いしちゃった」
 それでも、何とか誤魔化そうとするミユキだったが、そこに少女がトドメをさす。
 「そ・れ・に……いつもなら、美幸ちゃん、わたしが「みゆみゆ」って呼んだら怒るじゃない」
 これ以上の言い訳は無駄らしい。観念したミユキ──要は、美幸のクラスメイトにして寮のお隣りさんである少女、長谷部奈津実(はせべ・なつみ)に真相を打ち明けることにした。

 「──ってワケなんです。こんなコトになったのは、不幸な偶然が重なった事故って言うか、その……」
 自分の正体から、この入れ替わり劇を強行した経緯に至るまで、ミユキは自分の知る限りの情報を奈津実に話した。
 「なるほどね〜。偽・美幸ちゃんは、本当はイトコの人なんだ」
 「はい」
 相変わらず笑顔のままでいまいち表情の読めない奈津実の確認に、神妙に頷くミユキ。
 と、その瞬間、小さな静電気のようなモノがミユキの身体に走る。
 「ひゃっ!」
 思わず自分の身体を抱きしめ、俯くミユキ。
 「! どうかしたの?」
 「い、今、なんか、バチッと……」
 心配そうに尋ねる奈津実だが、顔を上げたミユキを見て息を飲む。
 「あ! 要ちゃん……だっけ? さっきまでと違って、確かに美幸ちゃんと違う人に見えるよ」
 「えぇっ!?」
 もしかして、例の絵の効果が切れたのだろうか?
475『要12歳、職業・女子高生』その2:2010/10/25(月) 06:08:09 ID:Y/ABQZ+6
 「ううん、そうじゃないと思うよ。あのね、パッと見は確かに美幸ちゃんとよく似てるんだけど……でも、キミが「小早川美幸」本人じゃないって、認識できるの」
 「?? えぇーっと……」
 小学六年生の少年には、奈津実の説明は少々難しかったが、どうやら「絵の効果」が完全に解けたわけではないらしい。
 「うーんと、ね。ホラ、お話とかマンガとかでも、幻覚を使う敵の術を見破ったら、効果が半減するじゃない? そんな感じ……なのかなぁ」
 どうやら奈津実にもうまく把握できてないらしい。
 要するに、奈津実がミユキの正体を見破り、それをミユキが認めたことによって、少なくとも奈津実に対するあの絵の効果が薄れたのは確かなようだ。
 「え……そんな中途半端な状態、困るよー」
 元気が取り柄の男の子とは言え、よく知らない場所で不測の事態に陥ったミユキは、泣きそうになる。
 と、その時、そっとミユキは背後から奈津実に抱きしめられた。
 「ごめんね、要ちゃん。わたしが、好奇心に負けていろいろ追求したから」
 小学生の男の子を泣かせてしまったことに、どうやら罪悪感を覚えているらしい。
 「グス……ううん、奈津実さんは悪くないよ。元はと言えば、ボクと美幸お姉ちゃんのせいなんだし……」
 「お詫びの代わりに、要ちゃんと美幸ちゃんが元に戻れるまで、わたし、色々フォローしてあげるから」
 優しく慰める奈津実は、従姉である美幸よりも「お姉さん」らしく見えて、ミユキは安堵感に包まれた。
 「うん……ありがとう、奈津実さん」
 「じゃあ……まずは、寮の談話室に行ってみようよ。その「絵」の効果が薄れたのが、わたしに対してだけなのか、それとも他の人全員なのか、確かめないと」
 奈津実に手を引かれ、恐る恐る1階の談話室へと降りるミユキ。
 その結果、美幸の顔見知り何人かと出会い挨拶などした感じでは、入れ替わりについて他の人間は誰も気づいていないようだった。
 さらに、お茶を飲みながら軽く雑談をしてみたものの、異状を指摘する人間は皆無だった。
 「ふぅ、良かった。これでちょっとだけ安心だね〜」
 美幸の部屋に戻ったふたりは、ホッとひと息ついた。
 「うん……じゃなくて、はい」
 「ああ、別にいいよ〜、敬語なんて使わなくても。て言うか、同学年の友達なんだから、普通にしゃべる方が自然だし」
 「……奈津実さん、いいの? ボク、本当は小学六年生なんだよ?」
 ミユキは遠慮がちに奈津実に尋ねる。
 「うーん、でも、要ちゃんは、これからしばらく「ミユキちゃん」になるんだから、できるだけ不自然なトコロはなくさないと。それに、わたしはミユキちゃんとお友達になりたいと思うんだけど、ダメかな?」
 ニッコリ笑う奈津実に、慌てて首を横に振るミユキ。
 「そ、そんなことない!」
 「じゃ、決まり〜。寮だけでなく学校でもできるだけフォローしてあげるから、安心しておねーさんに任せてね〜」
 災い転じて福と言うべきか、こうしてミユキは寮生活一日目にして心強い味方を得ることができたのだった。
476『要12歳、職業・女子高生』その2:2010/10/25(月) 06:09:44 ID:Y/ABQZ+6
 明日からの学校生活に関して簡単な相談を終えたところで、奈津実がふと壁にかかっている時計を見た。
 「あ〜、もぅこんな時間だ〜」
 釣られてミユキも時計を見れば、確かに10時前だ。そろそろ寝る準備……いや、その前に、明日の学校の準備をすべきなのだろうか。
 (でも、高校生なら、12時くらいまでは起きてるんじゃないのかな? ボクだってお昼にうたた寝したせいか、まだあんまり眠くないし)
 しかし、当の奈津実は、そんなミユキの思惑から大きく斜め上にズレた発言をする。
 「ミユキちゃん、そろそろお風呂に行かないと〜」
 「! い、いや、さすがにそれは……」
 ミユキ──要だって思春期の男のコなのだから、年上のお姉さんたちの裸に興味がないと言えば嘘になるが、この状態で「覗き」みたいな真似をするのはさすがに憚られた。
 ところが、奈津実の方はそんなミユキのささやかな純情をアッサリ無視してくれた。
 「気にするコトないよ〜。小学生に見られたってそんなに気にならないし。それに、今はキミがミユキちゃんなんだよ。年頃の女の子が毎日お風呂に入らない方がよっぽどヘンだよ〜」
 一応各部屋に簡易シャワーは付いているのだが、キチンとした浴槽は一階の大浴場にしかない。
 結局、「ちょっと変わり者なトコロのある本物の美幸ちゃんだって、お風呂には毎日入ってたんだから〜」と、力説する奈津実に説き伏せられ、ミユキは大浴場に一緒に向かうことになったのだが。
 「あ、そ〜だ。ミユキちゃん、今どんな下着付けてるの?」
 「ブッ! な、奈津実さぁん……」」
 スケベな中年オヤジみたいな奈津実のエロ発言に、さすがに噴き出す。
 「あ! 誤解しないでね。ホラ、脱衣場で着替えるとき、ヘンな下着着てたら怪しまれるじゃない」
 なるほど。言われてみればその通りだ。
 「え、えっと……ちゃんと、美幸お姉ちゃんのパンツを履いてるから……」
 さすがに恥ずかしいのか、僅かに頬を染め、小声になるミユキ。
 「ふーん。どんなの?」
 「その……白にピンクの水玉が入ったヤツ……」
 答えつつ、ますます赤くなるミユキを「可愛いなぁ〜」と思いつつも、奈津実は追求の手を緩めない。
 「じゃあ、上は?」
 「え?」
 「あ〜、その調子だと、ブラジャーしてないでしょ。ダメだよ〜、高校生の女の子が、いくら寮内だからってノーブラなのは」
 多少マセてるとは言え、それでもやはりミユキ──要は小六の少年だ。現役女子高生にそう説得されれば、そんなモノかと思ってしまう。
 「うぅっ……でも、ボク、ぶ…ブラジャーの付け方とか知らないし」
 「だいじょ〜ぶ! わたしが教えてあげるよ〜」
 そこまで言われてしまっては、ミユキも断れない。
 隠してミユキは、奈津実の「緊急女の子講座その1:ブラジャー編」を受けるコトになるのだった。
477『要12歳、職業・女子高生』その2:2010/10/25(月) 06:10:14 ID:Y/ABQZ+6
#とりあえず、ココでいったん切ります。うーむ、「立場入れ替え」萌えのこの板的には、バレなしの方がいいのかなぁ。でも、個人的には少数にのみ秘密を知られてるのって萌えると思うんですよ。
478名無しさん@ピンキー:2010/10/25(月) 06:16:16 ID:AZZMPrhg
乙です
バレ禁止ではないと思いますよ
ただ誰も気づかず、当人たちも徐々に違和感を覚えなくなるその異常性も醍醐味だと思います
479名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 16:42:00 ID:s0HBLU4H
乙です
頑張ってください!
480次期当主はメイドさん!?:2010/10/31(日) 19:14:16 ID:elio+hkR
 「ところで、どうするの、コレ?」
 「ゆかり」の立場になっている葵は自らが着ているメイド服をつまんで、紫──「あおい」に改めて聞いてみた。
 「今晩、もう一回、アレを使って元に戻る?」
 「あ、今晩は無理ね。あの鳥魚相換図って、一度使ったら最低でも中一日は空けないと使えないらしいから。たぶん、魔力だか霊力だかが溜まるのに時間がかかるんじゃない?」
 「ああ、そう言えばそんな注意書きもあったね。でも、24時間なら昨日より少し遅めに寝ればいいんじゃないの?」
 「その時間の計算が、「使用者が朝目覚めた時」からの計算だったら? 溜まりかけた力を無駄に浪費するだけだったら意味ないでしょ。それに……」
 ふと真面目な顔になって「ゆかり」の肩に両手を置く「あおい」。
 「さっき、叔父様とああいう話になったけど、アオイちゃんも精神的にはまだ疲れてるんでしょ。明日までこのまま、わたしが残りのお仕事を処理してあげるから、アオイちゃんは「ゆかり」としてのんびりして頂戴。
 今朝も言ったけど、「ゆかり」の仕事の方は今日の5時までで、明日はお休みだから」
 「えーっ、そんなぁ……ユカねぇに悪いよ。明後日からは学校あるのに」
 精神的ストレスが主体の葵と異なり、メイドと女子高生を兼任している紫は身体を休める時間が必要なはずだ。
 「いいからいいから。弟分のピンチを救えないなんておねーちゃん失格でしょ。それに、実際問題として、さっき叔父様にああいうタンカ切った以上、「あおい」が真面目に仕事に励んでみせないと不自然だし」
 正論と感情論を交えて説得されては、押しの弱い葵に抗するすべはない。不承不承うなずく。
 「……わかった。今回は、ユカねぇにお願いする」
 「アハハ……もぅ、そんな顔しない。
 ──じゃあ、これからボクは部屋に籠るから、「ゆか姉」はメイドのお仕事、頑張ってね」
 部屋のドアから送り出しつつ、「ゆかり」のほっぺにチュッと軽くキスする「あおい」。
481次期当主はメイドさん!?:2010/10/31(日) 19:14:39 ID:elio+hkR
 許婚のそんな愛情表現に、つい舞い上がってしまった「ゆかり」は、ボーッとしたままフラフラと歩き出し、気が付けば紫の部屋のベッドに腰かけていた。
 「あれ、いつの間に……」
 そう思いながら立ち上がる。
 ふと傍らの姿見を覗き込むと、そこには幸せそうに顔を上気させた「メイド娘」が映っていた。
 「や、やだ……あおい様にキスされたって、わかっちゃうかな?」
 とくにキスマークなどがついてるワケでもなかったが、このまま台所に行ったら晴香さんあたりには見透かされそうな気がする。
 自分の気を落ち着ける意味も込めて、「ゆかり」は鏡に向かって髪と服装を整え、軽くリップを引く。
 「……これでよし、っと」
 時計を見ると早くも10時半を回っている。そろそろ昼食の手伝いをしに台所に行ったほうがいいだろう。
 パタパタと忙しく「自室」を出て台所に向かう「ゆかり」は、だから気づいていなかった。

 自分が、ごく自然に「あおい」のことを「あおい様」と呼んでいたことを。
 とくに気負うでもなく、ごく自然に「女の子としてのみだしなみ」を整えていたことを。
 そして──誰から教えられたワケでもなく、今日の紫の予定が頭に入っていたことに。

#「当主メイド」の方は、ちょっと間が空いてしまいました。その割にやっぱり短めですが……。ようやく「鳥魚相換図」の真の効果が発揮され始めました。これから二人がどんな風になっていくのか、よろしければご期待ください。
482名無しさん@ピンキー:2010/11/01(月) 02:50:26 ID:DkeAZZuR
続き期待乙

と、気がついたら、もうすぐ500kbじゃん
新スレ立ててくる
483名無しさん@ピンキー
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1288547534/

向こうのスレとこちらのスレの立場を交換します