【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合40

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1名無しさん@ピンキー
     _      ここは「ゼロの使い魔」「グリーングリーン」に代表される
    〃 ` ヽ    ヤマグチノボル氏の作品のエロパロを書くスレなのよ。
    l lf小从} l  / 荒らし、それに反応する輩はシ……あたしの虚無で一発なんだから!
   ノ=(*゚ヮ゚ノハ /  ご・・・ご主人様が好きならSSを書いてみなさいなのねー!
  ((/} )竜({つ′  あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててね。
   / '"/_jl〉` j    立てないとお仕置きだかんね!
.  ヽ_/ノヘ.)〜′   分かったら返事するのねーっ!きゅいきゅい!
前スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合39
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1263049943/
過去スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合38
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244386525/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合37
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236733145/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合36
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230205708/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合35
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224087980/

これより古い過去スレ(34スレ以前)については、下記のまとめサイトを参照するといいのね!
まとめサイト ゼロの保管庫wiki
http://zerokan.g.ribbon.to/
2名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 01:04:22 ID:ntYOjvNZ
>>1
3名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 02:18:13 ID:li2ZW/PD
乙させてくださいまし
4名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 04:31:22 ID:cUBnugHn
いちおつ
5名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 11:30:34 ID:CY6Up7pa
い・・>>1乙だかんね!
6名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:12:31 ID:xKP8fqJO
前スレに貼っていた者ですが、続きを投下したく思います。

【注意事項】
・キャラ改変注意
・陵辱注意

7名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:13:37 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第093回

 タバサの身の上を聞いた後、俺が物置小屋に帰ろうとすると、キュルケが後を付いてきた。タバサの話はそれとして、久し振りに可愛がって欲しいと言う。
俺は了承し、まずは一緒に風呂に入り、次いで互いに全裸のままリビングで酒を飲むことにした。
「んはぁ、ダーリンどうぉ? はぁん、あたしの身体ぁ、はうぁ、ちゃんと見てくれてるぅ?」
 キュルケは立ったまま頭の後ろで両手を組み、中腰になって膝を外側に向けている。所謂ガニマタだ。
その状態で踊り子のように胸と腰を淫らに揺らし、濡れた淫裂を俺の前に見せ付けている。
やはり露出狂の資質があるらしく、愛液はまだ透明で濁ってはいないものの、褐色の肌は赤みを帯び、目まぐるしく動く乳房の先、乳輪と乳首は膨れ上がっている。
俺はソファに座って酒を飲みながらそれを眺め、自分の陰茎を扱き続けているのだが、そろそろ我慢できなくなりそうだ。
「お前が見て欲しいのは身体全部じゃねえだろ? ちゃんと言ってみろ」
「あふぁ、オマンコぉ、んくぁ、オマンコ見てぇ、はふぁ、はしたなく垂らしたぁ、んあぁ、オマンコ汁もぉ、ふあぁ、もっとよく見てぇ、んくぁ、目に焼き付けてぇ」
 淫語を話し出した途端、キュルケの秘裂から白い液が薄っすらと滲み出てきた。一物を見つめ続けている瞳にも、淫靡な陰が宿り始めている。
「そろそろ出そうだ。もっと股を開いとけ。お前のだらしないマンコにかけてやる」
 俺の言葉に嬉しそうに頷くと、キュルケは腰を下げて陰部を差し出してきた。俺は手の動きを速めながら立ち上がり、陰唇の間に亀頭を当て、そのまま放出した。
「くふはああっ、温かくってぇ、ふはんああっ、素敵な気持ちぃ」
 精液を局部に浴びせられながら、キュルケは悩ましく身体を震えさせ、亀頭に膣口を押し付けてきた。
「ちょっと待て、じっとしてろ。まだ出るから、もう少し――」
「んふうああっ、ごめんなさいぃ、あくうふあっ、もう我慢できないぃ、んくふあああっ!」
 止めさせようと腰を引いた俺にキュルケは叫びながらしがみ付き、片足を絡めて立ったまま抱き込むと、ゆっくりと膣に陰茎を呑み込んでいく。
「おい、ちょっと待て、こんな。痛くねえのか? おい?」
「んひくはあぁ……痛くてもいいのぉ……はうくひいぃ……その代わり後で見てぇ……うくはふあぁ……中に出されたのをぉ……ひうくはあぁ……出されたオマンコ見てぇ……」
 辛そうなに顔をしかめながら、キュルケは陰茎を根元まで咥え込んだ。放出後の膣内を見て貰いたいが為にここまでするとは、見上げた心意気と言えなくもない。
俺としてもキュルケの膣は熱く蕩けるような感触で気持ちよく、こうなった以上は存分に楽しみたいところだ。
「じゃあ、このままもう一度出すまで犯してやる。その後でじっくり見てやるからな」
 言いながら俺はキュルケの背中を抱き、奥深く叩き込むように自身の腰を動かし始めた。
8名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:14:42 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第094回

 立位のままリビングで膣に精液を二回追加してやり、赤白混じり合った粘液を垂らす膣内を観賞した後で、俺はキュルケを連れて外へと出た。
もう夜は遅く、辺りに人影がないことを確認すると、俺は玄関の前で正面から再びキュルケの膣に陰茎を押し込み、両足を抱え込んでやった。俗に言う駅弁体位というやつだ。
この状態で散歩に行こうと俺が言うと、他人に見られたりしたら恥ずかしいので嫌だとキュルケは拒んだが、歩き出しながら腰を使ってやると喘ぎ出し、そのまま文句も言わなくなった。
しばらくは物置小屋の周りを散策していたのだが、俺は物足りなくなってモンモランシーの小屋を訪れることにした。
 モンモランシーは俺たちの姿を見て目を丸くしたが、苦笑いしながらリビングへと招いてくれた。
俺はソファに座るとキュルケに自分で腰を振るように言い、隣に座ったモンモランシーと酒を飲み始めた。
「うわぁ、キュルケのクリトリス、こんな大きくなるんだ。ここもヒクヒク変な動きしてる」
「あおくああっ……そんなに見ないでぇ……はううああっ……見ちゃ嫌ああっ……」
「なによ、見られて喜んで腰振ってるくせに。協力してあげてんじゃない。うわっ、臭い」
「んはううあっ……嗅がないでよおぉ……あひふはあっ……嫌なの止めてええっ……」
 座位の状態で腰を振り続けるキュルケを言葉でいたぶりながら、モンモランシーは時に鼻を近づけて繋がった陰部の臭いを嗅いでいる。
交尾を見せ付けられて興奮しているようで、酒を飲みながら服を一枚ずつ脱ぎ、既に全裸の状態だ。
キュルケも口ほどは嫌がっておらず、瞳孔を開いたまま身体中の突起を尖らせ、先刻まで処女だったとは思えないほど艶かしい腰使いをしている。
露出狂と淫臭狂、いいコンビかもしれない。シエスタ・ジェシカ組とは違う楽しさがある。
「キュルケ、そろそろ出すぞ。何回目だか覚えてるか?」
「ひくひうあっ……ここに来て四回目ぇ……あひくはあっ……あたしもイっちゃうぅ……」
「ほおら、やっぱり見られて気持ちいいんじゃない。感謝してよね」
「いいぞ、イっても。ちゃんと自分はここに来て何回目なのか言えよ? ほら、受け取れ」
 俺は隣のモンモランシーの乳房を指先で擽りながら、キュルケの膣内へ今回七回目の精を放った。
「んぐひふあっ……熱くて素敵いひぃ……あひゃふひぁ……じう三回目イくふううああっ!」
「あはっ、はしたなぁい。オマンコの隅から、精液、泡立てて漏らしてる」
 モンモランシーは全身を引くつかせているキュルケを馬鹿にしたような目で見ると、漏れ出した精液を指先にすくい取り、くんくんと臭いを嗅ぎ始めた。

9名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:15:51 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第095回

「んふぅ、ほらぁ、はあっ、もっと嗅ぎなさいよぉ、んんっ、この臭いが好きなんでしょぉ?」
「むぶんぐうっ……んむぶむおっ……おごぶむおっ……ぶごむぶんっ……あばんびおっ……」
 現在はベッドの上、膣から溢れた精液の臭いを嗅いでいたモンモランシーは、キュルケにあっさりと性癖を見破られ、頭を押さえ込まれて精液塗れの膣の中に鼻を埋めている。
当初は多少抵抗していたのだが、現在は身体を弛緩させてキュルケの成すがままだ。小便を三回も放っているところを見ると、相当に臭いで気持ちよくなっているのだろう。
攻守の立場を変えたキュルケも最至近距離で陰部を見せ、嗅がれ、膣内に鼻を入れているだけあってうっとりとした表情だ。
二人とも俺の存在を忘れているようで割と哀しい。ここに来たのは失敗だったかもしれない。
「んはぁ、ほらほらぁ、あふっ、初物よぉ? ふあっ、血の臭いもするでしょぉ?」
「おぶぐもぼっ……んびぶあばっ……うむぶおあっ……んびぐむおっ……むぶぐもおっ……」
「うふぅん? んはあっ、なに言ってんのよぉ、はうあっ、判んないわよぉ、ふうあっ、この小便垂らしぃ、んはあっ、
やだぁ、うあはぁ、あたしもオシッコぉ、くはあぁ、したくなっちゃったぁ、んうあっ、このまましてもいいわよねぇ?」
「ぶむぐもあっ……んもむもおっ……おむもぐあっ……むぶおぶんっ……もぐばびあっ……」
「なあ、お前ら、そろそろ俺も――」
「んくはあっ、ほら受け取ってぇ、はぅんっ、あたしのオシッコぉ、んんくっ、あはああっ!」
「んぐごくむぶおっ、むぐぶぼごぶっ、おばべびあっ、んぶむごっ、むぼごぶうぶぼおっ」
 楽しそうだが、完全に二人の世界だ。どうも俺は邪魔者らしい。帰ろう、と俺は思った。
10名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:16:46 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第096回

 翌日の夕方、俺は授業の終わったルイズを連れて街へと出た。たまには服でも買ってやろうと思ったからだ。
ルイズには賭場で勝ったと話してあるので、多少の大盤振る舞いをしても問題はない。ワンピースと靴を選んでやるとルイズは喜び、自分も買いたいものがあるから一緒に来てくれと言い出した。
俺が頷くとルイズは紳士服店で俺のシャツとズボン、下着などを買い、もう一件寄りたい店があると言い出した。
「こ、これ、ど、どう?」
 試着室のカーテンを開け、ルイズが恥ずかしそうに尋ねてきた。ルイズが着ていたのは淡い桃色のネグリジェだ。だが、透けている。以前のタバサと同じように乳房もパンツもはっきり見える。
ルイズはキュルケからこの店のことを聞いたようで、店内には扇情的な下着やネグリジェなどが所狭しと陳列されている。男の客は俺一人で、正直、俺の方が恥ずかしい。
「色々と見えてんだけど、いいのか?」
 俺が言うとルイズは俯いてカーテンを閉め、中でゴソゴソと音をさせてから、もう一度姿を見せた。
「ここ、こっちのがいい?」
 そう言ったルイズが着ていたのは同じく透けたネグリジェなのだが、色は白で、赤く染めた肌の色まで丸判りの代物だった。
下着も替えたらしく、何と言うか、超ローレグとしか言いようのない紐のパンツを穿いている。
「色々と、もっと見えてんだけど」
 俺はそれだけ言うのがやっとだった。キュルケ・モンモランシー組の痴態を見せ付けられたままお預けを喰っていたせいで、既に陰茎は行為の準備が出来ている。
このままだと試着室の中で事に及んでしまいそうだ。
「も、もっと凄いのあるから、ちょ、ちょっと待ってて」
「ちょっと待て」
 俺は再度カーテンを閉めようとしたルイズに声をかけた。もっと凄いのなど見せられたら、本当に我慢ができなくなりそうだ。
「ちょっとで済むから。ほんとに凄いんだから」
「だったらそれも含めて、全部俺が買うから。この場でなくて、お前の部屋で見せてくれ」
 そう言うと、ルイズは少しだけ拗ねた顔をした。
11名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:18:14 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第097回


 結局、もっと凄いのお披露目はルイズの部屋でなく、俺の小屋の寝室で行うことになったのだが、着替えたルイズを見ただけで俺の陰茎はこれ異常ないほど硬くなった。
それはコスプレ衣装としか呼べない代物で、猫耳付のカチューシャ、乳輪をやっと隠すほどの幅しかないチューブブラのようなもの、尻尾の付いた超ローレッグカットのパンツ、
そして指先の開いたロンググローブとオーバーニーソックス。全て黒で統一され、更に黒の首輪にはご丁寧に金色の鈴まで付いている。
どこから見ても愛らしく扇情的な黒猫の成りで、細いルイズの身体にはそれらがとてもよく似合っている。
 それだけでも身悶えしそうなほどなのに、ルイズは甘えるようにこう言った。
「きょきょきょ、きょ、今日はあなたがご主人さまにゃんッ!」
 こんな可愛い黒猫ルイズには躾が必要だ。俺は勢いよく服を脱ぎ捨てて全裸になると、ベッドの上にルイズを押し倒し、チューブブラの上から乳首を触り、舐めた。
指先と舌先で行える全ての行為を駆使していると、ルイズの口から切ない喘ぎが漏れてくる。
「あんっ……そんないきなり……はあぁ……そこばっかり……ふあぁ……もうばかぁ……」
 もどかしくブラをずらし、勃起しかかった乳首を口に含んで舌先で弾き、片手をパンツの中に入れて秘裂と陰核に指を這わせる。
もうこのまま犯してしまいたい。ルイズの膣内深くまで陰茎を入れて何度も何度も子宮に精液をぶち込みたい。
「やんんっ……焦んないでよぉ……んはあぁ……嫌がんないからぁ……んくうっ……もっと優しくぅ……ふわあっ……入れてもいいからぁ……あはあっ……ねえってばぁ……」
 息が精液臭くなるように口の中に何度も射精し、尻穴も犯して腸内を精液塗れにし、小便を垂れ流して嫌がっても身体中の穴という穴を全て犯し続けたい。
「はうああっ……そこ気持ちいいっ……んくふあっ……そこ好きもっとぉ……」
 陰茎を入れたまましがみ付かせて抱き上げ、トイレも風呂場もどこに行くにも延々と繋がっていたい。乳房も乳首も膣も尻穴も――。
 そこまで考えて、意識が飛びそうな快楽に俺は身体を震え上がらせた。気が付くとルイズの腹に射精していた。どうも精神が暴走していたらしい。
「……悪い、出ちまった」
 俺が言うと、ルイズは息を乱しながらも唖然とし、次いで口元をニヤリと歪めて笑った。

12名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:19:13 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第098回

「んあっ、他に私と何がぁ、はあっ、したいって思ったのぉ、んくっ、今さっき言ったたことの他にもぉ、ふあっ、色々と考えてたんでしょぉ、あんっ、
ユニークとしか形容しようのないぃ、はあっ、笑える動きで出しちゃったくせにぃ、くうっ、頭の悪い犬みたいなことぉ、んんっ、思ったんでしょぉ、んくっ、その口で言いなさいよぉ」
 ルイズは馬鹿にした口調でそう言うと、露出させた下半身の動きを加速させた。俺の射精後からずっとこの状態だ。
仰向けに寝た俺を跨いで陰茎の上から秘裂を押し付け、小悪魔モードの黒猫ルイズは腰を前後に揺らし続けている。
蕩けるようなその感触に、もう俺は二度目の射精が近い。
「い、息が精液臭くなるまで口に出したいとか……」
「はうんっ、あんたそんなことぉ、んくふっ、考えてたのぉ、はうあっ、犬のくせにぃ、うふあっ、
何度も子宮にぃ、あふあっ、出すことの他にぃ、んうあっ、変態ねぇ、んくうっ、まだあるんでしょぉ、あくうっ、全部言いなさいぃ」
「ルイズ、もう出そうだ」
「んふあっ、ダメよまだダメぇ、はんくあっ、全部言うまでぇ、あふうあっ、出しちゃダメぇ」
「し、尻穴も犯したいとか、延々と繋がってたいとか、これで全部だ、出すぞ」
「くはうあっ……仕方ないわねぇ……あはくはあっ……ちゃんと愛してるって言ってぇ……」
「ルイズ、愛してる。くっ」
「あくふああっ、あっ、あっ、んくっ、わ、私も愛してるぅ、ああくっ、んふうああああっ!」
 言葉と同時に射精すると、ルイズは歓喜の声を上げて仰け反った後、俺の胸へと倒れ掛かってきた。
その小さな身体を抱き留めながら、俺は呆けた意識の中でルイズの言ってくれた言葉を何度も反芻していた。
13名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 20:25:00 ID:xKP8fqJO
零の使淫魔・第二章 国獲編 第099回

 どうもルイズの暴走はパチンコの大当たりのようなものらしい。どこに導き出すスイッチがあるのか判らないまま、突然当たりを引き当てたり、その後に別モードに突入したりする。
今までに確認できた大当たりは隷属モードと小悪魔モードの二種だが、まだ他にモードがあるのならば早目に把握しておきたいところではある。
「んれぉ……んくぱぁ、これ好きぃ……かぷっ……はむぷっ……んろれ……んむ……」
 現在は隷属モード、暴走継続中だ。ルイズは腹と秘所に精液を塗したまま、胡坐をかいた俺の股間に顔を埋めて懸命に一物を綺麗にしている。
甘えるように陰茎に舌を這わせ、時に発情しきった瞳で俺を見上げてくる。
風呂に入る前だったのでカリ首には一日分の恥垢が付着していたが、それさえも舌先で擦り取った後に小さく喉を鳴らして呑み込む始末だ。
その様子は堪らないほど愛らしく、心底犯してしまいたいのだが、やはりルイズの処女はそれなりの準備が整った後で奪ってやりたい。
「んもごっ……ぱふぁあ、大きくなってきたぁ……んぽおっ……むごっ……んろれろれ……」
 再び勃起し始めた一物を大事に育てるかのように、ルイズは口中で亀頭に舌を優しく絡めていく。
舌の温かさと唾液の滑り、そして柔らかな内頬肉の触感に陰茎は膨張を続け、やがて準備完了となった。このまま口腔にぶちまけたいところだが、それも少し面白みに欠ける。
「ルイズ、そこに四つん這いになって、ちょっと待ってろ。すぐ戻るから」
 そう言って俺はキッチンへと走り、目当ての品を手に取ると、寝室のベッドの上に戻った。
指示通り四つん這いになっていたルイズの腹と股間から手のひらで精液を寄せ集め、手にした小皿の中に擦り付ける。
たいした量じゃないが仕方ない。俺は小皿をルイズの前へと置いた。
「ほら、ミルクだぞ。今すぐ追加も入れてやるからな」
 ルイズは俺の意図をすぐに理解し、蕩けたように微笑むと、小皿の中身を舐め始めた。
その子猫のような痴態を眺めながら、俺は濡れた陰茎を手で扱いていく。
「ぺれろ……んるろ……るらろ……んろれ……んるれ……ぺおっ……んれぉ……」
精液を舐め続けるルイズは舌の上を白く濁らせ、時折幸せそうに粘液を飲み下している。
そんな素振りを見ていると、ほどなく陰茎に限界が訪れた。
「ほら、子猫のルイズにミルクの追加だ」
 言いながら俺が小皿の上に放出すると、まだ温かい精液をルイズは夢中になって啜り込んでいく。
全て出し終えた俺が食事を終えるのを見守っていると、ルイズは瞬く間に小皿の淵まで舐め上げ、唇の間に糸を引きながら囁いた。
「んっ、んくっ、ぱふぁあ、……けぷっ」
(今回分、終わり)



※残りストックが心許無くなってきましたので、残り分の見直しも含めて再び何日かお休みさせて頂きます
  3月初旬には再開する予定ですので、何卒ご了承ください
  ほんじゃ、また
  
14名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 22:10:51 ID:EAuvTI0E
乙!!
俺の唯一の楽しみが・・・3月まで寝て過ごすぉ(´Д`)
15名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 00:14:46 ID:Z6sp1sHa
乙です
ルイズの新モード期待
16名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 05:33:52 ID:WFJlilEt
GJ!
17名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 18:18:52 ID:kGr0krrT
なん…だと…?
18名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 21:05:50 ID:UnKPMDrH
gj!
19名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 22:50:46 ID:VzejwmzX
俺の精子のストックも尽きかけてたよ。
3月までオナ禁して待つか。
20名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 01:53:29 ID:Gg3bmQtI
ようやっと規制とけた乙
21名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 10:58:34 ID:x1+bVfg3
叩かれてここに逃げたか乙www
22名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 12:28:59 ID:bQs/q7aw
ルイズが良い子すぎて涙出てきた
ルイズ愛されてるなあ(´;ω;`)
23名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 01:02:23 ID:fKCVaQEP
久々に来たら新スレになってるわラッシュだわでビビった
24名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 03:30:16 ID:b6+9Wtom
3月になったし、また全裸ネクタイ姿で正座して待つか。
25名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:21:22 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第100回

 翌日の朝、小屋に泊まったルイズを部屋に送り届けると、俺はその足でコルベールの研究室へと向かった。
先日、俺が元の世界の科学の説明と機器の製作を依頼してから、コルベールは有給を取って研究室に篭り続けている。
どうやら俺の予想以上に早く、依頼した品々が出来上がりそうな気配だ。当然、たっぷりと研究資金も渡してある。
 製作中の機器の説明を受け、不備な点を指摘しながらコルベールと話し込んでいると、もう日が暮れていた。
話の合間に持参した保存食を分け合って食べたので空腹ではなかったが、頃合だと思い、俺は挨拶をして研究室を後にした。
 物置小屋に帰ると、タバサがリビングで俺の帰りを待っていた。本を読んで時間を潰していたらしく、テーブルの上の届けてくれた本の配置が変わっている。
まあ、それはいい。問題はソファに座っているタバサの服装だ。前回同様、マントで全身を覆っている。もの凄く嫌な予感がした。
「この本、ありがとな。後で俺から図書館に返しておくから」
 服装の件には触れず、取り敢えず俺はそう言ってみた。だが、タバサは無言で一度頷くと、その後は俯いて俺と視線を合わせようともしない。
その頬は透けネグリジェの時以上に真っ赤だ。これはやはり、マントの下は全裸ということだろうか。
「ちょっと待ってろな、今、酒の準備でもするから」
 俺は逃げ出すようにキッチンへと行き、ワインとグラス、チーズなどを用意しながら対応策を考えてみたが、何も浮かばない。
あまり席を外しているのもタバサに悪いと思い、用意したものを持ってリビングへと向かう途中、先日モンモランシーに言われた言葉を思い出した。
その言葉を頭の中で何度も反芻してみる。正直、タバサのことは好きだ。女として好きと言うよりも、保護対象として好きだというのが本心だが、それでも惚れている、ような気がする。
そんなタバサに寂しい思いはさせたくはない。他にも女のいる俺と本心から何かしらの行為を望むのであれば、可能な限り応えてやりたい。俺は覚悟を決めた。
だが、その前に言っておかなければならないことがある。
「悪い、待たせたな」
 俺がリビングに戻ると、タバサは顔を上げて微かに微笑んだ。迷った挙句、俺はタバサの隣に腰掛けた。向かいのソファに座るより、近くで話した方がいい。
「なあ、タバサ。少し俺の話を聞いてくれるか?」
 タバサは不思議そうな顔をしながらも、当然といった様子で頷いた。
「タバサ、いや、シャルロット・エレーヌ・オルレアン。俺は多分、お前が隠していることを知っている」
 案の定、タバサは俺の言葉を聞いて目を見開き、次いで身を竦ませながら哀しそうに俯いてしまった。シャルロット・エレーヌ・オルレアンとはキュルケから聞いたタバサの本名だ。
キュルケとは本人に話さない約束をしていたが、秘密を知って黙ったまま、タバサと今後も付き合っていくことは俺には出来ない。
「勘違いしないでくれ。お前を脅そうとか言うんじゃない。むしろ、お前に協力したいと思ってる。けどな、今の俺の力なんかじゃお前の役に立ってやれそうにない。だから、少し時間が欲しい」
 タバサは顔を上げ、怪訝な表情で俺を見つめてきた。そんなタバサに俺は国獲りの計画を明かし、力を得た暁には協力を惜しまないと告げた。
考えてみればタバサに計画の件を話すのはこれが初めてだ。誓紙の時にも簡単な説明をしていたとはいえ、タバサも驚いたらしく、再び目を見開いている。
「だから少しだけ待ってくれ。家族を取り戻して、お前がいつも笑っていられるようにしてやる。その為なら俺はどんなことでもするつもりだ」
 言って俺が黙り込むと、今度はタバサが朴訥と自身の身の上を語り始めた。思い出すのが辛いのか、時々堪え切れない様子できつく目を閉じながらも、言葉を止めようとはしない。
その内容はキュルケの推論通り、父親を殺され、母を廃人同様にされ、一度も言葉を交わすことなく妹を奪われた十二歳の少女の辛く悲しい話だった。
 タバサが一通り語り終えると、リビングに沈黙が訪れた。俺は自分とタバサのグラスにワインを注ぎ、それを渡してやってから、頃合を見て言葉をかけた。
「正直に言えば、俺はお前を守ってやりたいとは思うが、お前に惚れているかどうか、自分でもよく判らない。
だから、お前が嫌なら俺に身体を任せる必要はない。そんなことをしなくても俺はお前に協力する。約束する」
 俺の言葉を真剣な面持ちで聞くと、タバサはソファから立ち上がってテーブルの上にグラスを置き、マントを取って幼い裸身を晒しながら、誓うように囁いた。
「それでもいい。気持ちも身体も、全て捧げる。わたしが捧げたい」
26名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:22:08 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第101回

 捧げたいと言ってはくれたが、既に保護欲を抱いている俺に取って、惚れた云々を抜きにしてもタバサが大切な存在であることに変わりはない。
そんな相手にいきなり奉仕や陵辱、ましてや薬の使用など出来る筈もなく、俺はタバサに自分のシャツを着せてやってから、改めて一緒に酒を飲むことにした。
 ぶかぶかのシャツを全裸に纏ったタバサは、まるで自分の娘のように可愛い。今となってはジェシカも娘として可愛いのだが、年齢以上に身体が育ち過ぎている。さながら長女というところか。
比べて次女のタバサは身体つきも幼く、無垢な分だけ愛らしくもある。再び酒を飲み始めてからは常時照れたように微かに笑い、穏やかな眼差しで見つめてくる。安心しきった笑顔だ。
可能な限り早く、いつでもこんな笑顔でいられるようにしてやりたい。
「抱っこ」
 不意にタバサが小声で呟いた。隣を見ると、頬を染めて恥ずかしそうにしている。俺の膝の上に載りたいのだということは判ったが、タバサはシャツ一枚の姿だ。
丈が長い為に秘所も尻も隠れてはいるが、この状態で抱っこなどしたら理性が保てる自信がない。現にそう思っただけでズボンの中の陰茎が勃起を始めている。
「いや、そんな格好だし、今日はこのまま――」
 だが、タバサは立ち上がって正面から俺の膝の上に載ってきた。肝心な場所は見えてはいないが、少しだけ裾が捲くれている。
「おい、見えちまうぞ」
「かまわない。全部捧げる」
 タバサは本当に気にした様子もなく、ゆっくりと俺の首に腕を絡めてくる。勃起しかかった陰茎にも気づいているのだろうが、怯えた素振りもない。
小さな身体の重みと感触、そして甘く香る体臭に、俺は堪え切れずにタバサをそっと抱きしめた。触れた場所に当たる身体の温かさが心地いい。
一頻り互いに無言で抱き締め合ってから僅かに身体を離すと、タバサは顔を俺へと向けて目を瞑り、俺は何の迷いもなくその可憐な唇にキスをした。
27名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:23:11 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第102回

 翌日の夜、俺はアンリエッタから届いたばかりの手紙を持って調剤小屋へと向かった。
伝書フクロウの届けてくれたその手紙には、王城周辺の土地の入手状況と共に、即位が五十日後に決まったことが記されていた。
これである程度の期限が切られたことになる
 モンモランシーと二人で改めて計画を見直してみると、やはり危惧すべきなのは俺が貴族になるための理由だった。
当初は適当な理由をアンリエッタに用意させるつもりだったのだが、それで他の貴族が納得するか確信が持てない。
例え反対があってもアンリエッタの力で貴族になることは出来るだろうが、無用な敵は不要だ。可能であれば自分で貴族になる為の正当な理由を確保しておいた方がいい。
まずは第一段階として貴族にならなければ、その後の計画を実行することが困難になる。
「どんな理由なら、他の貴族が納得する?」
「そうね、武功っていうなら、国境周辺の小競り合いを沈静化させるとか。理由としては弱いけど、長い間、問題になってることだし」
 詳細をモンモランシーに尋ね、俺は首を横に振った。現時点で戦力と呼べるほどのものを、俺は持っていない。
「うーん、あとは、貴族を専門にしてる泥棒を捕まえるとか。やっぱり理由としては弱い気がするけど、結構たくさんの貴族が被害に遭ってるらしいから。
そうすれば多くの人が、あんたが貴族になることに賛同してくれるかも」
 再度詳細を問うと、建物の壁などを魔法で土くれに変えて侵入を図っていることから『土くれ』と名付けられた件の泥棒は、貴族のみを相手にし、
所持する秘宝、特に稀少な魔法具を好んで盗んだ後、大胆にも領収のサインを残していくのだと言う。
相手をバカにしているのは明らかで、被害に遭った貴族にしてみればこんな不愉快な話はないだろう。
被害はこの国だけでなく各国に渡り、治安を担う衛士隊などに一度も捕まっていないということは、かなりの腕前の魔法使いに違いない。
「でも難しいわよね。誰も捕まえたことのない相手だし。第一、この国にいるのかどうかも判んないし。言い出しといて悪いけど、やっぱり無理ね」
「……いや、そいつを捕まえよう」
 他国の兵も絡んでくる国境の件よりは何とかなりそうだ。策を練れば戦力のない俺でもどうにかなる可能性がある。
『土くれ』が男か女か、一人か複数かは判らないが、貴族だけを狙うということは逆に誘き出すことも出来るだろう。
問題はアンリエッタから兵を借りずに自力で捕らえる方法だ。仮に兵を借りれば、平民である俺を軽視して手柄を横取りされかねない。
どうしても無理なら当初の考えの通り、貴族になる理由をアンリエッタに用意させ、納得しない貴族を潰せばいいだけの話だ。
「相手が女とは限んないわよ?」
 俺の言葉に目を丸くしながらモンモランシーが言った。俺が『土くれ』を女と見込んで捕らえたがっているとでも思ったのだろう。確かに女なら色々と面白い。
「別に女じゃなくてもいいんだよ」
「嘘ばっかり」
 モンモランシーはそう言って、呆れたように溜息を吐いた。
28名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:23:45 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第103回

 一通り『土くれ』の対処法をリビングで相談した後、モンモランシーは酒の準備をし、服を脱ぎ捨ててソファに座ると、俺にも全裸になって欲しいと頼み込んできた。
風呂に入ってからにしてくれと俺が告げると、言うことを聞いてくれるまで絶対に風呂は貸さないと言う。どうも体臭が目当てらしい。仕方なく俺は裸になって隣に座った。
すると今度は、優しくするから自分の膝の上に載ってくれと言い出してきた。俺は宮沢賢治の『注文の多い料理店』を思い出しながら指示に従った。
壷の中の塩でも身体に揉み込まれるのかと思ったが、モンモランシーは違う場所を揉んできた。
「あはっ、これが玉? ほんとに丸っこいんだ。あっ、こっちにもある。動くのね、これ」
 何かされるのは予想していたが、モンモランシーは両手で俺の陰嚢だけを愛撫し始めた。俺の体臭を嗅いではいるが、陰茎には手を触れようともしない。
延々と陰嚢責めだ。だが、その手付きは優しく気持ちよく、既に勃起していた陰茎からは先走り汁が溢れ始めている。
「おい、モンモン。いい加減にチンポも握ってくれ」
「もうちょっと待って、もう少し形なんかを把握してから。うわぁ、袋ってこんな伸びるんだ」
 ルイズのようにモード名を付けるなら、現在は興味津々といった感じの加虐実験モード。残りは加虐淫臭モードと被虐淫臭モードとなるが、まだそっちの方がいい。
考えてみればルイズ同様、モンモランシーもどこに切り替えスイッチがあるのか判らない。いずれは全ての女にモード名を付けてやろうと思いつつ、俺は半ば諦めることにした。もう好きにさせてやろう。
「ん、だいたい判った。それじゃ御希望通り、握ってあげるわね」
 俺が観念すると同時にモンモランシーは陰茎を扱き出した。完全に遊ばれている気がする。
「うふっ、もう先っぽこんなに濡らしてたんだ。ごめんねぇ、よしよ〜し」
 穏やかな口振りとは裏腹に、その手付きは容赦なく一物を擦り上げ、俺はもう限界間近だ。
「モンモン、もう出る」
「まだダ〜メ」
 意地悪くそう言うと、モンモランシーは手の動きを止め、陰茎を強く握り締めた。尿道が圧迫され、出したいものが出せない辛さに俺は顔を歪めた。
「ふふっ、苦しそうな顔。こんなにビクビクさせちゃって、可愛い。こうすると、どう?」
 一物を強く握り締めたまま、モンモランシーは手を上下に動かし始めた。根元の皮膚が引きつるものの、これはこれで恐ろしく気持ちがいい。
「出せなくて辛いんだ? まだビクビクさせてるもんね? 出したい?」
 微笑みながら問いかけてくるモンモランシーの言葉に、俺は呻きながら何度も頷いた。
29名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:24:38 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第104回

 加虐と被虐は表裏一体とはよく言ったものだが、通常はどちらかに傾くものだとばかり思っていた。
タバサは不明だが、シエスタとアンリエッタは間違いなく被虐、恐らくジェシカも被虐、どちらかと言えばキュルケも被虐、ルイズは加虐だろう。
もちろん各々反対の要素もあるだろうが、どちらが強いのかと言えば前述のようになる、と思う。
だが、当初は加虐だとばかり思っていたのだが、モンモランシーだけは今一つ判別がつかない。
バランスがいいと言えばそうなのだろうが、俺を嬲っている時も、俺に嬲られている時も幸せそうにしている。流石は本物、奥が深いと言うべきか。
「んはぁ、嗅がせてよぉ、んんぁ、お願いだからぁ、はあぁ、嗅がせてぇ」
 いたぶられた後、先日のように固定して精液をかけてやると言うと、モンモランシーはいそいそとベッドの上で大の字になった。が、仕返しもせずに望む行為をしてやる俺ではない。
固定液を垂らして身体の自由を奪い、調剤室からガラス容器と刷毛を取ってくると、俺は一人で自慰を始めた。
惣菜としてモンモランシーの裸は見るが、近づくこともなく既にガラス容器の中に二回の射精を終え、現在は三回目の放出間近だ。
モンモランシーは一物の臭いを、せめて容器の中の精液の臭いを嗅がせてくれと言ってくるが、それでも放置されながら乳首を尖らせて秘所を濡らしている。
息も乱れ、この状況に興奮しているのは明らかだ。
「んはぁ、ねえしちゃおう、ふあぁ、もう入れちゃおうよぉ、はあぁ、ねえってばぁ」
 懇願するモンモランシーを横目に俺は新たな精液をガラス容器に出すと、その容器と刷毛とを持ってベッドに上がった。期待に満ちた目でモンモランシーが俺を見上げてくる。
「で、この中に三回分の精液が入ってるわけだが」
「うんうんっ、どうするのぉ、それぇ? 私のお鼻に全部入れちゃうのぉ?」
 俺は苦笑した。三回分の精液を鼻で飲むつもりか。いや、よくよく考えればこの縦ロール少女は本物だ、やりかねない。試してみたいが、当人の望む行為では仕返しにならない。
俺は刷毛を容器の中に入れて粘液を絡め取ると、それをモンモランシーの右膝に塗りつけた。
「あんっ、ねえ、んあっ、そんなとこじゃなくてぇ、ふあっ、もっと近くにしてぇ」
 俺は答えずに刷毛で右膝から脛までを精液で塗り上げると、次に左足に移った。同じく膝から脛まで塗り残しがないように丁寧に刷毛を這わせていく。
「んうっ、くすぐったいぃ、んあっ、近くに塗ってぇ、はあっ、お願いぃ」
 両足が終わると今度は手だ。まずは右手から肘まで、そして左手から肘へ。今の状況では絶対に臭いを楽しめない箇所だけに精液を塗していく。
モンモランシーは必死に首を傾け、鼻を引くつかせているが、物足りないのだろう、辛そうな顔をしている。
「んくはぁ、お願いだからぁ、はんんっ、謝るからお願いぃ、はうんっ、ごめんなさいぃ」
30名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:28:33 ID:XT0T33b8
零の使淫魔・第二章 国獲編 第105回

 適当なところで虐げるのを止め、容器の中に残った精液を顔にかけてやった後、俺は絶頂し続けるモンモランシーを抱えて風呂に入った。
モンモランシーは嫌がったが、近い内に身体中にかけてやると言うと渋々と身体を洗い始めた。
共に浴槽に入り、背中を抱いて両の乳房を後ろから揉み上げていると、モンモランシーは後ろ手に陰茎を握って優しく扱き始め、俺はそのまま湯の中に精を放った。
再度洗い場で身体を洗ってからリビングに戻ると、もう夜が明けようとしていた。
「帰っちゃうの?」
 脱ぎ捨てていた服を俺が拾おうとすると、モンモランシーが尋ねてきた。裸のままソファに座り、飲み残しのグラスにワインを注ぎ足している。
「もう朝だしな、そろそろ帰って寝るよ」
「もう少し一緒にいたい」
 黙って隣に腰掛けると、モンモランシーは嬉しそうに笑いながら俺に身を寄せてきた。
「……この前、ここでキュルケとしてたよね? なんで私には入れないの?」
 拗ねた口調でそう言うと、俺の胸に手を這わせてくる。
「最初はキュルケが勝手に俺のを入れたんだよ。後は勢いでしちまっただけだ」
「答えになってないわよ。なんで私には入れないの?」
「何だよ、入れて欲しいのか?」
 モンモランシーは俺を見上げ、真顔で頷いた。キュルケへの嫉妬かとも思ったが、どうも本心から望んでいる様子だ。そうしてもいいのだが、惜しい気もする。
俺は正直に気持ちを打ち明けることにした。今更、隠すこともない。
「入れないのは、まだ処女のお前を楽しみたいからだ。そんなお前と色々するのは刺激があるしな。興奮もする。いずれはお前のマンコもケツ穴も犯すが、今は充分満足してる。答えになってるか?」
 モンモランシーは頬を染めながら再び頷いた。
「や、やっぱりお尻にも入れるつもりなんだ?」
「当たり前だ。お前も前に入れてもいいって言ってたろうが」
「もしかして、もっと酷いこともするつもりなの?」
 口調が変わっていることに気づき、俺はモンモランシーの顔を見つめた。どうやら興奮し始めているらしい。
そういえば以前に自分から、言葉にも敏感だとか言っていた気がする。どの程度敏感なのか、確認してみるいい機会かもしれない。
「もっと酷いって何だ? ケツ穴にバイブ入れたまま、マンコを犯したりすることか?」
「そ、そんなこともするつもりなの?」
「普通だろ? ケツとマンコにバイブ入れたままチンポをしゃぶる方がいいか? だらしない小便穴を責められたり、鼻で小便飲まされたりする方がお前の好みか?」
「い、入れられたまま、はぁ、オシッコの穴、んぁ、鼻で飲まされたり、あぁ」
 呻くように言いながら、モンモランシーは全身を紅潮させている。アンリエッタが嬉ションした時の状況にそっくりだ。
だが、アンリエッタは愛撫も受けての放尿だ。モンモランシーは言葉だけで放つことが可能かもしれない。俄然、面白くなってきた。
「後は、そうだな。縛って全部の穴にバイブ入れたり、ケツ穴の中に小便したり」
「あふぁ……ちょっと……はんぁ……ちょっと待って……ふあぁ……もう言わないで」
「お前の好みで言えば、身体中に精液付けたまま、屋上から小便なんてどうだ? みんなの見てる前で。ちゃんとできたら一日中、好きなだけ汚れたチンポの臭いを嗅がせてやるぞ?」
「んはあっ……一日中ぅ……んうんっ……汚れたぁ……はああっ……んはああああああっ!」


※ちこっと再開です
 煮詰まっててストックが増えず、次回貼るのはまた数日後になりそうです すんません
 ある程度溜まり次第、見直しをかけて貼るつもりですんで、宜しくどうぞ
 ほんじゃ、また
31名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 07:31:02 ID:BA3RX0tn
うはー

このエロ魔人め!GJ!!
32名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 19:42:22 ID:cl3KcZFK
鯖が落ちてタブ更新できてなかった間に投下きてたのか・・・乙。
そしてチョン許すまじ。
33名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:31:41 ID:Lz+e2n/A
使淫魔の人乙


>24
何日正座してるつもりだったんだよw
結果的に、すぐ投稿があったわけだけれども。
34名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 01:13:30 ID:M7xn7ioA
グッジョ乙

>>32
チョンの「一部」な。とらえ違いしちゃ「一部」と同列扱いされてもモンクは言えないぞ

>使淫魔の人
あのう、出来ればコテを名乗っては貰えんでしょうか?
保管庫に納めるのに困るんじゃあ…
35名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 12:48:16 ID:9mOzImlO
>>34
>チョンの「一部」な

攻撃の参加者10万人だからなー
一部のアホと割り切るのも難しかろうて
36名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 13:08:03 ID:yOncpfN0
ニュー速でやってくれ
37名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 17:31:59 ID:8TDtNZou
最近のニュー速は「ネトウヨ」「ネトウヨ」煩くて敵わん
やるならVIPなり+なりへ行った方が(ry

と云う訳で、使淫魔の人乙
38名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 23:23:13 ID:aC0nuXwG
使淫魔の人乙です
もっともっとー!
39名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 21:49:28 ID:SkTFslY9
test
40名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 09:35:28 ID:9uv5E5Kv
hosyu
41名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 13:27:23 ID:2pqY6KHq
ルイズがシェフィールドに捕まってガリアに攫われる作品って今までであったかな?
虚無魔法で性奴隷になったりシェフィールドとジョゼフに弄ばれるルイズとかご飯何倍でもいけそうだ
42名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 01:02:26 ID:+PxjFt84
虚無魔法で奴隷にするのは胸のでかいあの人が専門だっていう不思議
43名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 01:15:09 ID:L8HR9JY3
ベアちゃんか。あれは良かったな。ちょっと読み返してくる
44発情期の過ごし方1/10:2010/03/07(日) 20:33:43 ID:mkN30PEn
 俺、平賀才人は非常に困り果てていた。この状況はいったい何なんだろうか?
 俺は結婚するまではルイズと、その……、いたすことはしないと愛する女の前で誓ったのだ。
 そうあれは実に苦しく、あんなに綺麗なルイズの裸体を目にして自分の押さえきれない肉欲を押さえ込むのは、まさに拷問と言っても過言ではかった。
 なのにこの状況はいったい何なのだろうか?俺の一世一代の決意を揺るがすつもりなのか、と俺はギリギリと目の前の光景を見つめ歯ぎしりをした。
「くぁ!ルイズ、やめるんだ!約束したじゃないか!」
 俺は自分の股間に顔を埋めている、桃色の髪を生やした少女を押しのけようとするが、
「フヴヴヴヴヴ!」
 と、髪の毛を逆立たせ可愛らしい顔を激しく怒りに歪ませ、自分の情事を邪魔しようとする俺を威嚇する。
「ル、ルイズ。お願いだ……。俺の理性があるうちに早くどいてくれ!」
 ルイズはそんなのお構いなしに俺の肥大化した肉棒に舌を這わせ、チロチロと執拗に舐める。赤黒くなった亀頭にルイズの八重歯が当たると、俺はまるで電気が走ったように快感で体が震えた。
「はぁ、ふ。じゅる、じゅぷ、はむあむ。にゃ、う゛ぅ。はぶ、じゅる……」
 ルイズは肉欲に溺れた瞳で肉棒を必死に舐めながら、俺に何かを訴えかけるように上目遣いで見上げてきた。
 その間も絶え間ない水音が暗い室内に響き、ルイズの頭に生えた猫の耳も忙しなくピクピクと動いていた。
「ぐ、ぁぁぁ!はぁっ!ルイズ///」
 俺はルイズから与えられる快感に必死に耐えながら、この様なことになった数時間前の出来事を思い出していた・・・・・・。


45名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 23:33:25 ID:u5chCYVu
支援  wktk
46名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 23:47:35 ID:/al1R7ao
あれ?ネコミミルイズちゃん?
47発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 21:59:51 ID:vM2roVHg
 数時間前のド・オルニエール領内の屋敷の一室。
 ルイズはあれから毎日の日課と言っても言い程、丹念に虚無魔法の特訓をしている。己の精神力の強化、
魔法の威力をもっと見直し、この聖戦で自分もサイトと一緒に戦うんだ、とルイズは非常にそう意気込んでいた。
 もう守られっぱなしは嫌だ、ルイズは少なからずそう思っているのだ。
「イリュージョン!」
 ルイズの口から朗々とした呪文が紡がれた後、数多もの兵士や竜に騎乗した騎士たちが部屋中に現れる。
 これはルイズの作り出した幻影で、その幻の軍隊は創造主であるルイズに武器を向け、しずしずと行進し始めた。
 ルイズもすかさず新たな呪文を唱えたのだが、もう精神力が限界の上、おまけに今日ルイズは風邪を引いていて体調が優れないのであった。
 大量の汗を流しながら呪文を唱え終えたルイズは、自分へと突進してくる軍隊へと杖を振り下ろすと、
「エクスプローション!」 
 ドッカーン!チュッドーン!ドドドドッカーン!
 激しい音と煙と共に軍隊はまるで煙のように消え去り、これで今日の特訓は終わりと思ったのだが―。
48発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 22:16:20 ID:vM2roVHg
今回のルイズは魔法の威力の加減ができなかったのか、事もあろうに自分にも魔法を食らわせてしまい、ルイズの小さな体は爆風と共に激しく壁に叩きつけられた。
「―ッ!」
 ルイズはあまりの痛さに悲鳴を上げることもできず、床に力なく横たわる。 
「ルイズ!どうしたんだ!」
 庭で素振りをしていた俺は屋敷内で聞こえた轟音に驚き、真っ先にルイズの部屋へと駆けつけると、そこはまるで台風が通り過ぎたかと思うほど荒れ果てており、ガラスの破片などが散らばった床にぐったりと横たわるルイズの元へと駆け寄る。
「ルイズ!しっかりしろ!ルイズッ!」
 俺の問いかけに返事するでもなく、ルイズは息を吐くのに精一杯という風であった。
 俺は慌ててルイズを抱え、寝室へと運ぶのであった。
「ありがとうございました―」
 俺はヘレンお婆さんに呼んでもらった医者にむけてそうお辞儀した。
 その医者によると体のどこにも異常はないが、得体の知れない魔法をもろに食らったので、何かしらの後遺症は残るだろう。
 それが医者の下したルイズの現状態であった。
 俺はベットの上で穏やかな顔つきで眠るルイズを見下ろし、ようやく血の気が通った可愛らしい頬を優しく撫でた。
「ルイズ、お前がどんなになっても俺はずっとお前のそばにいるよ……、だからゆっくり休め」
 すると、ルイズの目に覆い被さった睫がぴくりと震え、閉じられていたルイズの目がゆっくりと開き、綺麗な鳶色の瞳が俺の顔を捉えた。

49発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 22:34:16 ID:vM2roVHg
「ルイズ!目が覚めたのかッ!どこか変なのところとかないか?」
 俺の問いかけに答えるでもなく、俺の顔をぼぉーと虚ろな瞳で見つめると、不意に俺の肩を掴み勢いよくベットの上に押し倒した。
「うわッ!ルイズ!」
 女の子の腕力では大の男の俺をたとえ油断していたとしても、押し倒すなんて到底不可能であった。
 しかし、今のルイズは意図もたやすく俺をベットの上に組み敷いた後、仰向けに横たわる俺の上に上乗りになった後、
「フヴゥゥゥゥ!」
 ルイズは俺の顔をのぞき込み、激しく威嚇し始めた。その様はまるで怒り狂った猫そのものであった。
 俺はルイズに威嚇されながら、そういや前からルイズって猫みたいだなぁ、なんて呑気に物思いに耽っていると、
「ガヴゥゥゥゥゥ!」
 まるで無視するな、と言いたげに俺の肩に思い切り噛みついてきた。
「いててててて!何すんだよ!ルイズッ!」
 俺があまりの痛さに思わず語気を荒げて言うと、ルイズは涙目になって俺を弱々しく睨む。
「フゥ〜」
 俺はそんなルイズの姿に胸がずきんと痛むのを感じ、慌ててルイズの頭を優しく撫で宥めることにした。
「ごめんねぇ〜、ルイズ。俺は怒ってないから早く泣きやもうね〜」
「ふにゃ、みぃ〜、みぅ〜」
 俺の手がふわふわのピンクブロンドの髪が生えた頭を撫でるたび、ルイズは気持ち良さげに顔を綻ばせた。
50発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 22:46:06 ID:vM2roVHg
 それからルイズは何だがむず痒そうに頭の天辺をかしかしと掻いていると、ピョコンとピンク色のふさふさしたネコミミが、ルイズの頭から生え出てきたのだ。
 それはまるで本物のようにピクピクと動き、俺は呆然とルイズを見つめた。
「ル、ルイズ。大丈夫か?」
「フゥゥゥヴヴ!!」
 ルイズは頭を撫でる手が止まったのに不満に思い、俺の肩を再び思い切り噛んだ。
 俺はこれ以上噛まれたらたまらない、とすぐさまルイズの頭を撫でるのを再開した。
「ふにぃ〜〜〜〜〜」
 ルイズはうっとりと目をつぶり、気持ちよさそうに身をよじる。
 しかしそのうちにルイズはモジモジと股下を擦りあわせ、
「ふ、ふみゅう〜」
 と、切なげに鳴いた。俺はルイズの頭を撫でるのを一旦中断し、ルイズの顔をのぞき込んだ。
 ルイズは焦点の合ってない瞳で俺を見つめ返し、事もあろうに俺の下半身へ移動したかと思うと、何やら股間のあたりでゴソゴソとおっぱじめたのだ。
「ルイズ!なにやってんだ!」
「ヴゥゥゥゥ!」
 ルイズは口で器用にジッパーを下ろし、萎んだままの俺の息子を取り出し、興味津々に息子をしげしげと見つめたのであった。
  
51発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 22:59:00 ID:vM2roVHg
 それからルイズは舌でチロチロと息子を舐め始めたのだ。
「くぁぁ!ルイズ//////」
「はぁむ、あぶぅ!ペロペロ、ちゅるあむぅ!」
 ルイズのザラリとした舌がが俺の亀頭に当たり、俺の息子は一気に勢いよく勃起した。
 それを目のあたりにしたルイズはパァァァと嬉しそうに瞳を輝かせ、一心不乱に息子を舐め始めたのであった。
  
 それが数時間前の出来事。
 あれからルイズは小一時間ほど俺の息子を巧みに舐め続けており、俺が絶頂寸前になると舐めるのをやめるので、焦らされ続けた俺はいい加減我慢の限界であった。
 このままルイズを押し倒し、ルイズの中に荒ぶる息子を突き入れて、汚れのないルイズの子宮へと俺の精子を溢れるほど注ぎ込みたい。
 そんな野生じみた欲望が俺の中で膨れあがる。
 しかし、俺はかすかに残る理性とルイズへの愛情を総動員して、ルイズへと最終警告を出した。
「ルイズ、俺からどけ。退くんだ―!」
 ルイズは俺の悲痛な願いを無視し、息子の先をカリッと尖った八重歯で軽く噛んだ。
「!!!」
 俺はその瞬間脳髄にとてつもない快感を感じ、それは焦らされ続けた息子には耐えられるなく、俺はルイズの顔へ向けて大量の精液を放出していた。
「ふにゃ〜!ヴゥ〜!」
52発情期の過ごし方2/10:2010/03/08(月) 23:05:07 ID:vM2roVHg
 ルイズは顔にかかった精液を指ですくい、興味深げにスンスンとそのにおいを嗅ぐと、
おもむろに精液の付いた指を咥えたのだ。
 ルイズは美味しそうに精液の付いた指を綺麗に舐めとると、自分の腕に付いた精液を舐めとり始めた。
 俺はその姿を見て、かろうじて残っていた理性が消え去るのを感じていた。

 今日はここまで。えらく長くなってしまいました・・・・・・。エロ本番は次からです。
 みなさんにエロシチュを是非とも考えていただきたいと思います。
 sexの経験のない私にはよく分からないので、是非ともお願いいたします。
53名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 23:36:01 ID:KfRdTirH
読んでないけど、投稿の仕方を考えてくれ
54名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:04:14 ID:6Wyubent
>>52


経験無いぶん、思いっきり無茶なエロシーンを描いてくれることに期待。
55名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:25:59 ID:uWYaO3us
乙です

せっかく猫になったんだからアクロバティックに、とか
抽象的でごめんね、でも期待
56名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 07:48:05 ID:WW22PegK
gj
57名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 10:20:38 ID:i0KWMaqd
┌─────┐
│   乙    |
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
58名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 22:25:13 ID:FDpM+0+a
まだぁ〜
59名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 15:32:58 ID:dhAMmGhG
前スレの「零の使淫魔」はまだ保管庫には掲載されていなのでしょうか?
久しぶりに来たらちょうど1スレ分進んでいたんで前スレのSSが読めないし、
ログがないので当然まとめWikiに上げることも出来ません。
どなたか気が向いたらよろしくお願いします。
60名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 16:56:38 ID:904DQo5+
零の使淫魔貼ってる者ですが、えらいすんません 
ちょっと予定外のことが多々ありまして
再開する気はあるので、もうしばらくお待ち頂けると幸いです

>>59
手元の文書は見直しかけてる最中でして、まだまとめにうp出来る状態ではないです
本当に重ね重ねすんません
加えて私もログないです、どうか平にご容赦ください
61名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 17:17:31 ID:VhLTSCMe
全く木にする必要なしだ
主は淡々とエロを書き続けてスレにうpしてくれw
62名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 21:49:14 ID:zQx/URt/
age
63名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 21:43:22 ID:n7oDjLJa
アメリカンジョーク風ゼロの使い魔


『俺がここを抑えておく!お前は早く行け!』

モンモランシー
 「自らを犠牲にして仲間を先に進ませる。
  男の子向けのお話だけど、ちょっとだけ憧れちゃうわね・・・」

ルイズ
 「あら、女だって似たようなことあるわよ」


昨晩 〜寝室〜
「ミス・ヴァリエール!私が押さえつけている内に早く!」
64名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 00:30:47 ID:b5QvIUL+
つまりシエシエのセリフってことか
65名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 05:47:39 ID:AFdkF1+1
サイトのこと好きなシエスタが
肉棒をルイズにゆずることなんてあるのか?w
66名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 09:43:25 ID:eRUzWl9u
シエスタはホラ、サイトの処女を頂くから。
67名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 13:57:35 ID:F6vJAOxi
>>65
あれ?シエス子って13巻あたりで…
68名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 01:31:57 ID:RnMagcCE
あれ、いつの間にこんなに過疎ったんだ
69名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 20:07:05 ID:k4fL1W9e
アメリカンジョーク風ゼロの使い魔


ヴァリエール領へ里帰りしたルイズ。
久しぶりに家族水入らずで一週間ほど過ごしていたある日、
ヴァリエール公爵は娘のルイズが何やら書き物をしているのを見つけた。

「ルイズ、何をやっているんだい?」

「あ、お父様。毎日お忙しい女王陛下にお慰みの手紙を書いているんです」

「それは良いことだ。だが、それなら女王陛下を犬と書くのは止めなさい」
70名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 19:21:32 ID:KsAULHJ/
ワロタw
71名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 16:30:25 ID:mFb7SpVh
カショッ!
ひははんだ
72名無しさん@ピンキー:2010/03/30(火) 03:19:12 ID:4hgX/Shk
あ。
73名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 18:14:21 ID:fVIB7Ko5
なんか最近の良い流れはどこに…零の使淫魔さーんorz
もう13日からこっち2週間以上も過ぎてしまいましたよー?
…4月1日にカムバック??
74名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 23:58:51 ID:LYsJx3Sz
姫のお気に入りの騎士の顔を見てやろうと呼んだら、実は性別を偽った男装の騎士だった。
となれば、普通は手を出すよね。


つまり、エレオノールさんは女王の実姉。
75名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 13:32:04 ID:ROw94SEr
零の使淫魔のまとめはないのかー=!!
プリーズ
76名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 14:30:26 ID:PqXGR6sH
77名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 20:19:47 ID:5jEQc4L3
前スレDAT
http://www.age2.tv/rd05/src/up4844.zip.html
PASS:zero

まとめにうpされるまでこれでがまんしろ
78名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 21:07:02 ID:ROw94SEr
>>77
ありがてぇ、ありがてぇ。
79名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 21:09:32 ID:m18OsMmS
wikiから直接は飛べないけど
wikiの過去ログページの下の方にある、HTML一覧には一式有るぽい
DAT上げてる人がWIKIかけねってまとめの方の掲示板で言ってた
80名無しさん@ピンキー:2010/04/04(日) 22:22:33 ID:J6U58V40
というか、wiki編集のためのパスワードがわかんねえんだよ。
81名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 03:30:27 ID:sdXdQ66W
マジで使陰魔の人来ないの?ずっと待ってるんだが
82名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 04:43:36 ID:xzp4xoTc
使淫魔なら俺の隣で寝てるよ
83名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 10:25:45 ID:TrQeUeaA
>>81
時間作っては書いてますんで、もうしばらくお待ちください
ほんと、すんません
つーか、こんなに実生活で忙しくなるとは思ってなかったもんで
来月中盤くらいになれば、少しまとまった時間が作れそうなんですけど
84名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 11:09:06 ID:3EMnLzlr
生存報告キタァァァー(^∀^)
85名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 21:36:24 ID:0FGQH0V8
おお、生存報告だけでもありがたい
また書けたら投下してくださいねー
86名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 11:50:45 ID:pMrdlcnN
>>74
幼き日のエレオノールに「どうして私だけ髪の色が違うの?」と聞かれて(ry
87名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 23:40:14 ID:XrX+F1RJ
無事にゲルマニアに嫁入りしたアンアンが、アルブレヒト3世に開発される話が読みたい。

中年にじっくりねっとり弄られる17歳。
夫の立場と体は与えても、心だけはあの人にと決めていたのに、日々帝国の維持発展に心を砕く
姿を見ているうちにいつしか愛が…

とかそんなやつ。
88名無しさん@ピンキー:2010/04/10(土) 23:44:50 ID:FRRYkFB+
欲しいのは本人ではなく血筋だけなので、一子を生んだ後は全く顧みられることない、調教されきり疼く身体。


という続編を……
89名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 00:18:59 ID:4Sqq2BTu
>>88

アルブレヒトも40過ぎなので、ソコソコ大きな子供もいるはず。
「父上が必要としているのは始祖の血筋だけ。私は違う!」
嫡男16才に言い寄られて禁断の関係が…
90名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 12:12:48 ID:/PEBGgcm
源氏物語みたいだな
91名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 16:42:41 ID:4Sqq2BTu
源氏物語だとこうかな。

アンリエッタの女官としてゲルマニア入りしたルイズに引っ付いていくサイト。
特に武功を立てたわけでもないので、使い魔扱いで相変わらずルイズの傍にいる。
生まれたアンリエッタの娘の養育係の1人にルイズが指名された。
物心がつけば、日本や地球のことを話して幼心が大喜び
「わたし、大きくなったらサイト先生のお嫁さんになるの」
92名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 17:10:20 ID:WPQJ8AUA
イイな…でもオリキャラになっちまって難しいか
93名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 17:40:20 ID:7cvJvIu6
エルザはロリババアだし、ゼロ魔にはそういやちゃんとした幼女キャラがいないな。
94名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 21:25:45 ID:74uzJhyT
平家物語みたいだったら嫌だなw
95名無しさん@ピンキー:2010/04/13(火) 07:16:17 ID:qgOgmfue
嫁いだアンリエッタ 平家物語Ver

ハルケギニア大王ジョゼフの后となったアンリエッタ。
真面目に政務に取り組むアンリエッタ自身の姿は、失墜していた王家の求心力に一定の回復をもたらした。
南部諸侯は離反したままであり、ロマリアとの講和もなっていない今、ジョゼフ派の貴族達は、多少窮屈な
思いをしてでも普通の王を欲していた。

そして生まれる第1王子。
両用艦隊が全滅し、陸軍が半減して内憂外患に喘ぐガリア国民にとって、久しぶりの明るいニュースだった。
アンリエッタは、若く、美しく、誠実であり、トリステインに加えてアルビオン王家の血も引いている。
さらには、ハルケギニア大王の冠と最高の血統を持つ次代の大王をもたらしたのだ。
ジョゼフとの感情的な確執すら、アンリエッタの人気にはスパイスにしかならなかった。

しかし、イザベラ王女にとっては自身の行く末に暗雲をもたらす呪われた赤子。
同い年の継母というだけでも腹に据えかねるのに、大王の后などといってガリアの政治に口を出す。
挙句の果てに自分からガリアの王権を奪い去ってしまった!
ロマリアの甘言に惑わされた彼女は、元素の兄弟を差し向けた。
しかし、あろうことか、余興だといって立ちふさがったジョゼフが4兄弟と相打ち、最愛の主を失った
シェフィールドも自刃して果てる。
同時に、やっとのことで国内の意思統一をしたゲルマニアが侵攻開始、国庫を絞りつくして集めた軍の
中からオルレアン派の離脱を許したアンリエッタは、なすすべもなく北の海へ追い詰められる。


大王の后としての立場を捨ててトリステインに逃げこめば、命だけは助かるかもしれない。
アルブレヒト3世は冷徹で抜け目ない男だが、冷酷でも強欲でもない。力押しの愚も分かっているはず。
だが、トリステインに戻ったところで、なんになるというのだろう。
並み居る重臣たちの反対を押し切って飛び出し、勝手に結婚した挙句、全てを失って敵に追われているのだ。
力を失った女王など惨めなもの。祖国に、民に多大な迷惑をかけ、操り人形に戻るというのか。

それに、この子は見逃してはもらえない。3王家の血を引く狂王の子に、ハルケギニアで生きる道はない。
決して望んで得た子ではなかったが、今では深く愛している。この子を待ち受ける残酷な運命を思うと、
胸が潰れるようだ。

「サイトさん、ルイズ、ウェールズ様……疲れました。」

暗い冬の北海が、アンリエッタの心をどこまでも飲み込んでいく。

このあと、息子と入水したにも関わらず一人だけトリステインの浜に打ち上げられて保護されるんだが、
読み返すと展開がいろいろ苦しいw
あと、さすがに平家物語を下敷きにしたんではエロくならんかった
96名無しさん@ピンキー:2010/04/18(日) 19:50:16 ID:XM1ni2TF
茨の道だなw
息子は死んで一人だけ生き残るなんて、これは相当ツライぞw

そんな欝展開よりもエロエロラブコメのほうがいい
97名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 23:28:15 ID:deFv+X9O
アン様には幸せになってほしい。
中年の他国の王族や貴族と結婚するのはやめて (>_<)
98名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 02:59:35 ID:JmqJgM/u
せめてここでは…ねえ
99名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 18:31:50 ID:pRzwoMoE
ここでwww加齢にwwwwうぇwwwうぇwwwウェールズwwww惨wwww状wwww
アンリwwwwwエッタwwwwwはwwww俺様がwwwwしっぽりとwwwww
いwたwだwくwぜwwwwwwww
100名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 16:27:52 ID:syl1M8iY
ウェールズの面影もねえぞ腐り果てたゾンビ野郎
バカテスF組のお化け屋敷版召喚獣は成仏してろ
101名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 16:37:40 ID:2bDWXR0C
アン様とローションプレイしてヌルヌルに絡みあいたい…
102名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 19:20:44 ID:ydLoj2+r
アン様と、合体したい…
♪1億と2千年前からあ(ry
103名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 23:46:21 ID:klsUVXFE
アンアンアン とっても大好き〜♪
104名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 23:48:55 ID:e/SH/aPC
トリステイン〜〜♪
105名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 00:32:21 ID:L8G2NRdv
アンリエッタてことはフランス語読みか、今更だが
106名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 16:25:42 ID:w55T0BPe
hosyu
107名無しさん@ピンキー:2010/05/03(月) 01:24:56 ID:6HeS3pdp
>>106
hosyu-otu
108名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 01:05:34 ID:eq0Cf00U
アン様を四つん這いにさせて下着おろしてお尻出させてスパンキングしてやりたい
ぷりぷりのお尻が真っ赤になってアン様が泣き出すまで
109名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 04:01:15 ID:1qqRgvQ4
残念ながらアンリエッタを喜ばすだけに終わりそうだな。
110名無しさん@ピンキー:2010/05/05(水) 17:55:15 ID:eq0Cf00U
それはそれで
111名無しさん@ピンキー:2010/05/06(木) 10:58:44 ID:rTkiZ2Ft
零の使淫魔
マダー?
112名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 13:15:52 ID:YTcQTsaj
もう我慢できないから
ローションヘルスか泡いくことにする

ノシ
113名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 15:05:02 ID:Qu7vmlrf
無茶しやがって…
114名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 21:11:56 ID:lIwaa3eo
零の使淫魔の人も失踪してしもうたか
もう終わりだぁ!
115名無しさん@ピンキー:2010/05/07(金) 21:53:40 ID:EaNCAYTf
2年くらい正座して某作の続きを待ってるがなんともないぜ
116名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 00:39:00 ID:c9UxP7YY
>>114
煮詰まって進んでないんですが、今月中には何とか再開する予定です
何度も何度もすんません
117名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 01:11:25 ID:iYCQmFeZ
いたんですかwww
118名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 07:30:45 ID:lp/mTxAS
>>116
につまる 【煮詰(ま)る】
(動ラ五[四])
(1)長時間煮て、水分がなくなる。
「みそ汁が_・る」
(2)十分に議論・相談などをして、結論が出る状態になる。
「計画が_・る」

つまり零の使淫魔の人は、もうすぐ投下準備完了と言いたいのですね。期待してます!



……『煮詰まる』と『行き詰まる』の意味を混同してる人って、すごく多いよね。
119名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 11:10:35 ID:LdFnbySA
>>115
某作って?
120名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 12:06:48 ID:fBuxEOGs
誤用もそのうち広辞苑とかに第三の意味として乗るようになるんだろうけどそうじゃない限りはできるだけ気をつけていきたい
121名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 22:40:42 ID:maZ8rxZH
くだらねぇ揚げ足取りして楽しいか? あ?
122名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 23:08:29 ID:DGHjrAsl
2chでいちいち噛み付くなよ
123名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 23:13:15 ID:M7Ter1xZ
というかお前ら、こんな過疎スレで喧嘩してどうすんだ・・・
もう今更スレの空気もクソも無いぞ
124名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 01:53:57 ID:mBJHfSRG
かつてはエロパロ板のうちでも有数の才能が集まり、輝いていたスレだったのにな・・・
125名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 01:58:27 ID:SfhcaLPI
あんなに居た職人達って今何やってんだろうな、マジで
126名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 02:13:53 ID:WOWyMJ6P
アニメ終わったのにお前ら何やってんの?
127名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 06:28:34 ID:oNb56INk
本編がもうグダグダだからなー
128名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 08:26:07 ID:iGdhKgRr
アニメはキャラを使っただけの別物だったじゃねーか…
2期以降1話見ただけで残りは見てないな
書き手が多数いた頃が本当懐かしいな
129スルー推奨:2010/05/12(水) 14:48:57 ID:LYuhEj8s
>>128
見なくて正解
だがあのアニメで知名度・人気が天井知らず的にく(ryルイズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
となったのも恐らく事実
だって最近のラノベ出身ので3期やれる、やれてるのって他にあるか?スレイヤーズは懐古主義に作り手が陥ってしまってアノザマだし
ボンズの如くどっかの賢者なアニメ屋が1巻からフルスロットルでもう一度初めからやり直しして貰う以外に超天元突破はありえねーだろうよ
ゼロのサイトの一対七万を描き切ってくれなきゃね300なんて目じゃねえモノを俺らは観たんだきっちりそいつは確かなロマンだったんだ
ノボル、ここを知ってるか?お前の切り出したデカくてフットいやいばに俺らはしこたま酔ったんだ酔いを冷ますような真似だけはしてくれるなよ
130スルー推奨:2010/05/12(水) 14:55:24 ID:LYuhEj8s
あとノボル総合スペルマスレッドライターズも帰って来いや
131名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 22:20:33 ID:6bDv3IEO
ふいたwww
132スルー推奨:2010/05/12(水) 23:51:48 ID:LYuhEj8s
>>131
おう、それは俺にか
一笑に付して頂けたなら
それはそれで光栄
そうでないなら掘るぜ?目茶掘るよ?
133名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 23:56:50 ID:wPlFYFgX
SS書いてくれや、調度誰もいないし
134名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 00:20:02 ID:0UzZwzXO
>>95
壇ノ浦夜合戦記というものもあってだな。
135名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 00:50:55 ID:5odcGpMj
恥ずかしいからスレチとは知りつつここで聞く

おまえら、ケツ毛剃る時どうしてる?
136スルー推奨:2010/05/13(木) 01:53:39 ID:2ctH/8kW
>>135
剃らねえボーボボボウボウ

>>133
お、俺?う、うぅ
実は一回だけ書いたことあんのよ評価はまあ次頑張って貰おうかみたいなー
137スルー推奨:2010/05/13(木) 02:08:13 ID:2ctH/8kW
ありがとう評価みたいなこと言ったけど内心と言うか胃はキリキリ舞いさ
138スルー推奨:2010/05/13(木) 02:14:55 ID:2ctH/8kW
ヌいて頂くには考え甘かったよと

じゃケツ毛の話しようぜ
139名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 03:37:15 ID:0AVgaKjY
ルイズ「そ、そ、そ、そんなこと言えるわけないじゃない!!!!」

シエスタ「…サイトさんが、剃って下さいます。お返しに剃って差し上げてるんですけど」

キュルケ「女に聞く質問じゃないわよね? まあいいわ。 女としての身だしなみよ? お風呂で自分で剃るに決まってるじゃない。コルベールは生えててもイイって言うんだけど」

タバサ「…生えてない。…そう。前も」

アンリエッタ「サイトさんに縛られて責められたときに、前から後ろまですべて剃られてしまいましたわ」
140スルー推奨:2010/05/13(木) 03:53:48 ID:2ctH/8kW
ヌけねえよダンディーのたんこぶだがキャラクターの特徴はよく掴んであるな
でID:0AVgaKjYお前さん自身のケツ毛はどうなんでえ以下ID:0AVgaKjYへの叱咤激励とケツ毛の話をしてもらおうじゃねえか
141スルー推奨:2010/05/13(木) 17:01:40 ID:2ctH/8kW
>>139
よく読み返すとアン様はちょっとイイぞ

俺の弟のケツ毛がどうなってるか聞いたことねえ今度あったら下ネタ全開で聞いてみるとしようあいつ俺でもかあちゃんでも電話してもでねえんだ東京にい…
142名無しさん@ピンキー:2010/05/13(木) 19:29:39 ID:9uP9JVku
ルイズはもじゃもじゃ。
シェスタは剛毛。
アンリエッタのロイヤルヘアーは堅すぎて、下着を引き裂かんばかり。
143スルー推奨:2010/05/13(木) 19:54:26 ID:2ctH/8kW
却下
144スルー推奨:2010/05/14(金) 08:36:12 ID:gxemPZ6f
なんか俺がいるとみんな萎縮してレスしねえんじゃないかとだから1週間ほどROM専にまわるわすまなかったなシンジじゃねーよすまなかったなみんな
145名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 14:38:14 ID:0i2zDvLd
一生ROMれ
146名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 14:40:47 ID:stEvtl5B
来世でもROMれ
147名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 17:38:50 ID:xyNGiDe9
6000年ROMれ
148名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 00:19:56 ID:X8xLKmb6
>>1乙とー2千年乙しても乙してる〜♪
149名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 00:55:03 ID:X8xLKmb6
6千年乙したころからもっと>>1乙したくなあーった♪
150名無しさん@ピンキー:2010/05/16(日) 01:02:19 ID:v/Vv0TtU
もうここはダメだな
151名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 20:40:44 ID:sCOKHd14
カリーヌのSS誰かしりませんか?
152アトピック ◆Xz18YlHQYY :2010/05/18(火) 23:49:06 ID:DQpHHuly
「ほら、アニエス。きちんと股を広げなさい」

アンリエッタの私室、ここにいま彼女の親衛隊隊長であるアニエスは鎧に身を包み、スカートをたくしあげ
下着を脱ぎさらし、下半身をちょうどM字開脚の形で晒していた。自身の主の前で。

「っ………」
「へぇ、綺麗な色ですね。まるで処女みたい」

アンリエッタは綺麗に整えられているアニエスの恥毛を軽くかきわけ、アニエスの秘所を見やるとポツリと
感想をのべた。そして、アニエスは羞恥に顔を染めていた。

「それでも…、もうそうじゃないんですよね」

そういいつつ、アンリエッタはしゃわしゃわと刷毛を鉢の中でかき回して泡を立てていく。

「どうでしたか?サイトさんのモノは。気持ち良かったですか?」
「なっ!?」
「気持ち良かったですよね、あんなにいやらしく気持ちよく喘いでいましたものね」
「な、なぜそれを!?」
「そんな事、どうでもいいじゃないですか。初めては痛いって聞いていたんですけどね。まさか三回も…
 いや、胸と口でしたのを加えれば4回でしたか。あとはお尻だけですね。それよりも初めてなのにもう
 赤ちゃんが欲しいのですか?ゆっくりと楽しんでからでも遅くはないと思いますのに」
「な、何でそんなことま…ひゃっ…」

冷静な声でそう告げるとアンリエッタはアニエスの秘所に泡がたっぷりとついた刷毛を滑らしていく。
慣れない感触に思わず上ずった声をあげるアニエス。

「あら?くすぐったかったですか?まぁ、でもここは大事なところですから」
「はっ…ん…、ア、アンリエッタ様。どうか、おやめ…」
「だめですよ、アニエス。部下の身だしなみを整えるのも上司のしごとですから」
「や、そ、そこばっかり…あぅっ…」

アンリエッタは巧みな刷毛裁きでアニエスの陰部を泡で覆いつつも的確にクリトリスの位置を探し当て
細かく刷毛で刺激していく。慣れぬ感触からくる快楽にアニエスの声は次第に艶がかってきた。

「あら?なんでしょうね、糸引いてるじゃないですか。もしかして上司に剃毛されてるのに感じてるんですか?」
「そ、そんな事は…」
「やはり一度殿方の味を知ってしまうと感じやすくなってしまうんでしょうかね。こら、アニエス。
 きちんと脚を支えていないと危ないですよ」

度重なる刺激に、アニエスの脚の支えが失われていくのを剃刀を持ったアンリエッタはたしなめた。

「いま、剃って綺麗にしてあげますからね」
「ぁぁっ………」
153剃毛の儀:2010/05/18(火) 23:49:44 ID:DQpHHuly

ショリショリと剃刀は慣れた手つきでアニエスの秘所を滑って行く。剃刀が通った後はもちろん、毛が一本も
残らずただ、ひくひくと動くアニエスの縦筋がくっきりと見えた。自身の恥毛を自身の上司に剃られていく様
を見てアニエスは恥辱に顔をしかめた。

「剃った後の手入れも大事なんですよね」
「ぅあぁっ!あ…リエッタ様、そこはぁっ!!」

あらかたアニエスの恥毛を剃り終えたアンリエッタは今度は剃った後の肌のお手入れと言わんばかりに秘蔵の軟膏
をアニエスの陰部へ塗っていく。そして、ひと際大きく塊っているのを指に絡めるとそのままアニエスの秘所に挿入
した。

「あぁ、やっぱり処女膜破られちゃってるんですね」
「こ、これ以上は…やめてくださ…」

アニエスの膣内に軟膏をまんべんなく塗るように指を動かしながら、奥に進めていったところで。アンリエッタは
アニエスの処女膜が破られた事を再確認した。

「ふぁ、あった、あぁっ…」
「っと、はい、アニエス。終わりですよ、お疲れ様でした」

王家直伝の房中術で女の弱点を突き、アニエスが絶頂に達しかけたところでアニエスは指を抜いた。
つーっとアニエスの秘所とアンリエッタの指に淫らな愛液の橋が作られ、ちぎれる。

「あ、ありがとうございました…」
「はい、これからも励んでくださる事を期待します」

はぁはぁと息をあらげながら、下着とスカートを整えアンリエッタにお辞儀し。ふらふらな身体を引きずってアニエス
は部屋をでていった。こうして、アンリエッタが即興で思いついた主従の忠誠を確認する儀式は終わりを告げたのである。

(はぁっ…、はぁっ…。か、身体熱い…姫様に弄ばれた事があるとはいえ…これは…)

自身の体に宿る燃え盛るような淫らな肉体の火照りを抱えたまま、アニエスは自室ではなくそこから外れた別の場所に歩み
を進めた。

(今頃…アニエスの体は…、ああ、今夜もきっといやらしい声で喘ぐんでしょうね)

アニエスの体に火照りを植え付けた張本人はどこかうっとりとした顔でほほ笑んでいた。

(火照りきったその身をサイトさんに再び委ねて…、孕む事も恐れず子種を受け止めるんでしょうね)

元々、毛を剃る前にまぶした泡には媚薬を混ぜており。毛を剃り終えた後に塗った軟膏は媚薬そのもの。
それも即効性であり、それを一番感じる部分に塗られたアニエスの火照りたるや計り知れないだろう。

(ああ、今夜はサイトさんの方も精の付く物を与えられておいたから…どんなまぐわり方をするのかしら)

アンリエッタの机に置いてある水晶玉がぽうっと光ると、そこにはサイトが滞在している部屋が写し上り。
ちょうど、そこにアニエスが入っていったところであった。
アンリエッタは水晶玉を見ながら、自身の秘部に手を伸ばした。下着越しからそこはすでに濡れ切っているをアンリエッタ
は感じ取った。
154アトピック ◆Xz18YlHQYY :2010/05/18(火) 23:52:42 ID:DQpHHuly
このトリステインもうだめかもしれんね。

これから行われるアニエスさんの痴態はもちろんあなたの脳内でご想像ください。
ちなみに私は抱かれている時は年相応の女になって素になるアニエスさんとか、
微笑みながら赤ちゃんに母乳を与えるアニエスとかが好きです。
155名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 23:59:52 ID:tE6zV1NJ
>>154
乙!!!!
そしてナカーマ!
156名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 00:08:12 ID:eDJOTuwk
アトピックさんありがとおおお
157名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 00:50:09 ID:ZZtp5mQQ
まだ希望が残されていたか…
GJ!
158名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 04:38:07 ID:QNjV6tFY
>>154
ありがとう、ありがとう。
アニエスは女の子としての幸せを感じて欲しいね。
159名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 11:23:49 ID:/AIG9dSv
>微笑みながら赤ちゃんに母乳を与えるアニエスとかが好きです。
ありありと想像出来る
アニエス大好きだわ
160名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 12:22:07 ID:/La4jsD+
久々な感じじゃのう、GJ!
161名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 00:20:44 ID:6coEqACE
ワレワレハアルイミアマカッタ

http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1271464086/
162名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 19:46:25 ID:Q0gF3OQY
楽天、新助っ人・ルイーズ内野手を獲得
163名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 03:33:04 ID:HXCtVms9
待て、それはルイーjうわ!何をする!放せは・な・せ・え・え・え!!う(ry
164名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 20:53:27 ID:PON2rgCm
ヒゲの配管工兄弟の弟のほうですか
大きなキノコが好きなところは共通点かも知れませんなぁ
まぁ彼女が口にするのは日本産のマツタケ限定なわけですが

165名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 03:28:21 ID:eSMuCie5
諸君、私は女騎士が好きだ
166名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 00:42:48 ID:4vIqGGv+
誰かカリーヌさんで書かないもんか
167名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 21:33:41 ID:53+Dc4JP
カリーヌを書きーぬ
168名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 21:42:34 ID:haJGwD13
>>167のせいで投下可能性はゼロになりました
169名無しさん@ピンキー:2010/05/29(土) 13:25:42 ID:2N4/BFSA
お股を掻きーぬ
170名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 17:55:40 ID:EoXLABVd
シエスタ→脱げばすごい人
ティファニア→いるだけでエロい人
カリーヌ→恐れ多いお方
171名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 19:55:03 ID:NlVKnRHu
来日初ヒット♪
172名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 17:45:42 ID:h+Ooy5Ea
19巻では新キャラのエルフの譲ちゃんで話が作れるくらい設定できるかな。
173名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 12:25:06 ID:ry9NsPdx
新刊では、また才人がルイズパパにボコられるよ!
174名無しさん@ピンキー:2010/06/12(土) 23:50:21 ID:4pLHAsy2
175名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 02:59:21 ID:pZSMVu7M
テファのサッカーボールをヘディングしたい
176名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 17:54:10 ID:b4fcKNPE
最後に零淫魔の人が投稿してからあと少しで約四ヶ月か・・・やっぱり失踪しちまったな
177名無しさん@ピンキー:2010/06/24(木) 20:50:21 ID:PXF2XRqg
原作がなかなか終わらないもんだから連載は落しどころがむつかしいな
178名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 13:55:48 ID:m3qP8eML
>>176
伏見つかさスレのエロカワや海の御先スレが同一作者じゃないの
179名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 23:25:14 ID:37K5O7EO
保守
180大人才人:2010/07/09(金) 06:54:15 ID:IlTVG4XD
注意事項
処女作
明らかに駄文
長編にチャレンジ
携帯厨の為、規制で死亡
時間が無い場合、投下途中で切れる

設定注意
・才人年齢上昇、社会人スタート
・他キャラも改変有り
・今回投下分はエロ無し
・徐々にエロくなる……筈、エロむずい

テスト代わりの為、反映されたら夜に投下
181名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 10:03:12 ID:09w2pBFJ
>>180
待ってるぜ
182大人才人:2010/07/09(金) 19:54:37 ID:IlTVG4XD
>>180
プロローグ
峠に高いエキゾーストが響く
男は久し振りの休みに峠にツーリングに出ていた。ライディングジャケットに下にはパーカー、ジーンズに、ノートパソコンや道具類をバッグに背負う
十国峠から下る途中、左直角コーナーから右ブラインドコーナー
前を走る車がかなりの勢いでクリアしたのを見て、度胸一発で同じ速度で飛び込む
左コーナーから右ブラインドコーナーに入った瞬間、センターラインを割り、迫る対向車どう見ても避けられない
「ヤバい、こりゃ死んだ、母ちゃんそれに・・・」
追突したバイクが落下するのを見ながら、自身も飛ばされたのだが、その先に鏡の様な物が出現したのには、男は気付かなかった
どんっ!!
「あだだだだ」
「きゃあ〜〜、ギーシュ〜!!」
何かを下敷きにした感覚で、とっさに下を見る
「ああ悪い、大丈夫か」
ヘルメット付きでの体当たりを、もろに食らった相手からの返事は無い、只の屍の様だ
「ちょっと、どきなさいよ」
「あだ、幾ら何でも事故にあった人間突き飛ばすたあ、非常識だぞ」
「ちょっと」
金髪縦ロールの少女が倒れた生徒の介抱を始めるのを見て、端と気付く
「あれ?待てよ、あのまま落ちるなら林だよな?何で草原?」
183大人才人 プロローグ2:2010/07/09(金) 19:57:19 ID:IlTVG4XD
「ちょっと、あんた」
「それになんでこんなに人が?」
「こっち見なさいよ」
「まさかこれが死後の世界って奴か?」
「だからこっち向けって、言ってんでしょうがぁ!!」
ドゲシッ!!
「ぐはっ!?いきなり蹴り入れるたぁ、どういう了見だ?」
「あんたが、こっち向かないからでしょうが!?」
ライディングジャケットのお陰で大したダメージは無いので、振り向くと、今迄見たこと無い様な美少女が立っていた
背丈は低いが髪は桃色がかった金髪、肌は白磁の如く白い、ブラウスにスカートに膝上迄有るニーソックス、右手には指揮棒の様な物を持ち、背後にはやや短めのマント?
胸はこの草原より起伏が無い、正に平原
う〜ん、それだけが残念だ

「此処は何処だい?」
「トリステイン魔法学院、あんたは使い魔召喚の授業で呼び出されたの」
「はい?」
「召喚門をくぐって来たでしょう?」

「何だいそれ?」
少女は持ってる棒で差し示す
その先には空中に固定されてる鏡の様な物が消えつつあり、その面の延長線上に先程の生徒が倒れ、少女が介抱してるのが見えた
そこでようやく男は合点がいく
「どうやら君が助けてくれた様だね、ありがとう。おっと、俺は平賀才人、君は?」
184大人才人 プロローグ3:2010/07/09(金) 19:58:57 ID:IlTVG4XD
「ルイズ。ルイズ=フランソワーズ=ル=ブラン=ド=ラ=ヴァリエールよ」
「えらい長い名前だなぁ。どっかの貴族みてぇ」
「どっかの貴族みたいじゃなくて、貴族よ」
「ふうん、さっきは助かったけど、今度は帰してくれないかな?」
「無理ね、帰し方知らないもの」
「マジかよ」
顔に手を当て空を仰ぎ見ると其処には月が二つ見え、才人は愕然とする
「月が二つ!?」
「は?何言ってるの?月が二つ有るなんて普通でしょ?」
才人は才人自身にしか解らない理由で落ち込む
「ははは、異世界か別惑星に飛ばされたか、これじゃ死ぬのと変わんね」
「何ブツブツ言ってるの?あんた魔法は使える?」
「魔法ってあれか?ゲームとかで、炎出したり雷バリバリしたりするあれか?」
「良く知ってるじゃない、それよ」
「出来ねぇよ、それに普通は可燃物に点火するか、静電気起こしたり発電すんだろ?」
「点火?発電?何それ?あんた平民なのね。コルベール先生やり直しさせて下さい」
「ミスヴァリエール、使い魔足る者を召喚したのですから、きちんと契約しなさい。例外は認められません。出来ないのであれば貴方は落第です」
「う〜、あんた、あたしの使い魔になりなさい」
185大人才人 プロローグ4:2010/07/09(金) 19:59:44 ID:IlTVG4XD
「使い魔ってぇと、魔女っ娘が黒猫や烏を使役したりする奴か?」
「それよ」
「使い魔ってのはどんな仕事するんだ?」
「主人を守る為に、爪や牙で戦ったり、偵察したりするんだけど、あんたには無理ね」
「実も蓋もねぇなぁ。確かにその通りだ」
才人は苦笑する
「だからあんたは主人の身の回りの世話をしなさい。洗濯とか掃除とか」
「報酬は?」
「使い魔なんだから出ないわよ。その代わり、寝床と食事は用意して上げるわ。それとも行く所有るの?」
「確かに無いな。良いだろう、使い魔って奴になってやるよ」
「決まりね。貴族が平民にこんな事はしないんだけど今回は特別なんだから、感謝しなさよ」
「我が名はルイズ=フランソワーズ=ル=ブラン=ド=ラ=ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔と成せ」
ルイズは背伸びをして才人の唇に自身の唇を重ねる、才人はびっくりして硬直してると、左手に灼熱と激痛が走り、思わず左手を抑え膝をつく
「ぐぁっ!!事故った時に痛めてたか」
暫くすると、痛みが引いたので、今迄してた革グローブを外し左手を見ると、見慣れない文字が甲に刻まれていた
「これで、今からあんたはあたしの使い魔よ」
186大人才人 プロローグ5:2010/07/09(金) 20:02:23 ID:IlTVG4XD
才人の左手に出た文字を、写し終わったコルベールが号令をかける「ミスヴァリエールで使い魔召喚の儀も、無事とは言えませんが終了しました」
「ミスタグラモンもミスモンモランシーの介抱で、意識が無いだけで問題無さそうですね、一応医務室に運んでおいて下さい」
「では本日の授業はこれまでとします、解散」
ぞろぞろと生徒達が帰りの路につく際、ルイズ達に話かける
「流石ゼロのルイズ。何回も失敗したと思ったら、平民を呼び出しやがったよ」
「オマケにギーシュ迄KOするたぁ派手な召喚だったなぁ」
笑いながら去っていくのを見て、才人はルイズを見ると、唇を噛み締めてたルイズが、才人の視線で毅然とした表情で才人を睨む
「行くわよ」
「何処に?」
「あたしの部屋、あんたの寝床にもなるんだからね」
「あいよ、ご主人様」

ルイズの部屋
「あんた、何処から来たの?」
「日本、多分異世界だ」
「はぁ?」
「此処は何処だい」
「トリステイン魔法学院女子寮のあたしの部屋」
「じょ、女子寮、ハァハァ、じゃなくて、国の配置とかの話」
頭の可哀想な子を見る目を、才人に向けながら答える
187大人才人 プロローグ6:2010/07/09(金) 20:08:57 ID:IlTVG4XD
「此処は小国トリステイン、北に大国のガリアとゲルマニア、西にアルビオン、南に宗教国家ロマリア、東にサハラ、更に東にロバ・アル・カイリエが有ると言われてるわ、日本なんて何処に有るの?」
「だから、別世界だって」
「証拠は?」
「おし、見せてやる」
バッグからノートパソコンを取り出し、電源を入れ、えろい方のダミーで入れてた、ある工程を表示する
「良し、壊れて無かった」
「何それ?」
「パソコン」
「魔法で動いてるの?」
「うんにゃ、科学」
「カガクって何?」
「物理法則で動かすシステムだよ」
「何それ、訳解んない」
「やっぱりネットには繋がらないか」
作動確認後、電源を落とす
「これだけじゃ解らないわ」
「手厳しい事で。ご主人様の歳は?」
「16、あんたは?」
「26」
「随分歳上ね」
「好みのタイプかい?」
「冗談言わないでよ。貴族が平民に興味持つ訳無いでしょ。あんたなんか其処ら辺の犬よ、犬」
「はぁ、さいですか」
「今日は疲れたから、寝るから着替えるわ」
「そうか」
「何言ってるのよ?あんたが着替えさせるの」
「へ?それ位、自分でやりなよ」
「あんたの仕事は、あたしの身の回りの世話でしょうが」
「言われてみればそうでした、でも俺、男なんだけど」
「犬に見られても、恥ずかしい訳無いでしょ」
「いつか犯すぞこのアマ」
「何か言った、犬?」
「いえ、何も」
男として意識されずに、際どい着替えを手伝わさせるのは、非常に屈辱だと才人は確信した
「では可愛いご主人様の為に、この使い魔が添い寝をしてしんぜよう」
「はぁ?何馬鹿な事言ってるの?」
「でもベッド一つしか無いじゃん」
「あんたは其処で寝なさい」
指で床を指す
「そうですか」
ルイズはランプを消し床ににつく
「そのランプも魔法かい?」
「そうよ、結構高いんだから、おやすみ」
「おやすみなさい、ご主人様。(こりゃ先が思いやられるわ)」

188大人才人:2010/07/09(金) 20:14:40 ID:IlTVG4XD
以上、投下終了です

ナレーション削って、台詞回しで回すの大変ですな
その台詞も、ナレーション同様大量に削ってる
やりはじめたから、もう止められん

目指すは完結

注意事項補足
ストーリー展開上、オリキャラを配置しなきゃならない場合が有るので、今の内にご了承下さい
189名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 20:19:35 ID:uT/gBUm/
GJ!だがルイズが金髪なのは何か理由があるんだろうか?まぁ続きも頑張って下さい!
190名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 21:43:56 ID:IlTVG4XD
>>189
最初期の設定です
ルイズとカトレアは桃色じみた金髪
エレオノールはブロンド
191名無しさん@ピンキー:2010/07/09(金) 23:47:48 ID:B8xfl33M
>>188gj!   続き期待
192名無しさん@ピンキー:2010/07/10(土) 00:19:44 ID:V2rXbVqA
おおッ!
新しいの来てる GJ
これで少しでも活気が戻れば…

使淫魔の人どうしたんだろうか?
193名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 06:17:54 ID:XzXpnl5k
最近はノクターンノベルズで連載してるやつもいいよね
頑張って欲しい
194大人才人:2010/07/11(日) 14:04:19 ID:i1sHZO8m
イルククゥでシルフィードなのね、きゅいきゅい
大いなる意思から、此処なら本編の進行具合に関係無く、喋り倒して構わないって言われたので来たのね〜
支援が有ると助かるのね、きゅい
では注意事項なのね
・多分ギーシュのターン
・才人年齢上昇
・エロ?
・多分駄文
・キャラ改変有り
きゅいきゅい

では反映されたら投下開始なのね〜、きゅい
195大人才人 科学とルーンの力:2010/07/11(日) 14:11:30 ID:i1sHZO8m
科学とルーンの力

才人が来てから数日が経ち、多少は慣れて来た
今日の授業はコルベール
コルベールは箱にふいごを付けた者を教壇に置き、ふいごを数回動かした後、才人からは指揮棒に見えた物をある穴に入れると音がなり、箱から玩具の蛇が出たり入ったり始める
あれが魔法使いの杖だと、才人はここ数日の経験で認識していた
「これが愉快な蛇君です」
「それが何の役に立つんですか?」
「そんなの、魔法を使えば良いじゃないですか」
生徒の評判は悪い
才人は、それが自立して動く様を見た瞬間、思わず立ち上がりながら叫んだ
「スゲー、エンジンだ」
周りの視線が集まる、その中の殆どは、平民が馬鹿な事言い始めたと視線が語っている
その中に興味深い視線を送ったのは三人、コルベール、キュルケ、後一人は、視線を本に戻した為、才人は気付かない
「まさか、エンジンが見れるとはなぁ。コルベール先生でしたっけ?発言して良いですか?」
「使い魔の発言自体、前代未聞だが、言ってみなさい」
「余計な事しないで」
ルイズが小声で言うが、それに肩を叩くだけで、教壇に向かい皆に向きなおる
「この玩具が、何の役に立つかって聞いた奴居るよな?」
「あぁ、言った」
「これ自体は確かに玩具だ、だけどこれを動かしてる原理は結構応用が効いてね。一つ聞くけど、魔法で光が届かない海の底や、星々の海に浮かぶ月に行けるのかな?」
「無理だな」
コルベールが即答する
「この原理を発展させると、今言った星々の海に浮かぶ月や、光すら届かない海の底にも、行ける様になるんだよ」
コルベールだけがそれに目を輝かせるが
「嘘付け」
「ゼロのルイズの使い魔は、ほらも大したもんだ」
「事実だよ、俺が住んで国は其をやっていたからね」
「口では何とでも言えるって」
「そうだ、そうだ」
ブーイングの嵐にも関わらず、コルベールだけが才人に話かけた
「使い魔君」
「才人です、平賀才人」
「才人君、今の話は本当かね?」
「勿論」
「放課後にでも、詳しく話を聞かせてくれないかね?」
「良いですよ」
「では放課後、私の研究室に来てくれたまえ」
「解りました」
その中、ルイズが唇を噛み締めてるのを、才人は見逃さなかった

放課後、才人とルイズは、コルベールの研究室に向かう途中
「何であんな事したのよ?」
「コルベール先生の授業の事かい?」
「そうよ」
196大人才人 科学とルーンの力2:2010/07/11(日) 14:15:58 ID:i1sHZO8m
「何言ってるんだ?独力でエンジンの原理を発明し、更に製作迄してるんだぜ。職人としても研究者としても、本当に凄い先生じゃないか。ああいう先生好きだぜ、俺」
「でも、あんた迄・・・」
「周りの連中には言わせとけ。あれの素晴らしさが解らん魔法が使えるだけの貴族なんざ屑だ」
一人がその言葉に立ち止まる
「ちょっと、言い過ぎよ」
「言い過ぎなもんか。大体魔法が使えるだけで威張り過ぎなんだよ。ルイズだって魔法が上手く使えないからって萎縮すんな。魔法が使えなくてもルイズはルイズだろ」
「でも、此処は魔法学院」
「良いから、ルイズは魔法に成功してる。だから自信を持て」
「成功なんてしてない!!」
ルイズの両肩に手を乗せこちらに向かせ、顔を捉える
「今、お前の前に居るのは誰だ?生意気だけど、可愛いご主人様を守る、ちょっと身勝手な使い魔だ。きちんと魔法成功してるだろ?他の屑なんざ放っておけ」
ぼんっ!!
ルイズから音がなり
耳迄真っ赤になる
才人はそれを見て逆に心配し始めた
「大丈夫か?ルイズ、風邪でもひいたか?」
「な、何でも無いわよ、馬鹿犬」
「でも見るからに体温上がってるだろ?」
額に手をやり、熱くなってるのを確認する
「ちょちょちょっと、休憩してから行くから、あんた先に行ってなさい」
才人はルイズのおでこに額をちょこんとくっつける
「随分熱あるな?あれ?更に上がったか?」
「いいい良いから離れなさい馬鹿犬。ややや休めば、だだ大丈夫だから先行ってなさい」
「辛いなら部屋に戻れよ」
「大丈夫だから心配しないで(不意打ち過ぎよ馬鹿)」
才人が先に行くと、何処からか黒髪のメイドが彼にくっついて話かけるのを見かけ、別の意味で更に血が昇る
「ああああたしの前で他の女といちゃつくなんて」
才人自身は何もせず、メイドからくっついているのは目に入らない様だ
才人に別の生徒が話かけるのが見える
「其処の使い魔、さっき聞き捨てならない言葉を聞いたんだが、もう一度言ってくれないか」
「何の事だい?女足らし」
「君も中々の様だがね。確か貴族なんぞ屑って聞こえたんだが、もう一度言ってくれないか?」
「何度でも言ってやるよ。貴族なんざ屑だ。魔法が使えるだけじゃねぇか」
「あの、才人さん、謝った方が」
「訂正したまえ」
「やだね」
197大人才人 科学とルーンの力:2010/07/11(日) 14:22:27 ID:i1sHZO8m
「僕としては訂正すれば穏便に済ませる積もりだったが、召喚時の分もあるし、軍人たる父と兄の名誉を汚されては仕方ない、決闘だ。逃げたりしないね?」
「ああ、構わんぜ。場所は?」
「ヴェストリの広場で待ってる」
「解った」
側を見るとシエスタは既に居なくなってて、代わりにルイズが立っている
「ちょっとギーシュ、決闘は禁止されてるでしょ?」
「貴族同士の決闘が禁止されてるんであって、貴族と平民の決闘は禁止されておらんよ」
「ちょっとあんた、謝っちゃいなさいよ」
「嫌だ、それよりヴェストリの広場は何処だい?」
「あんた、死ぬわよ?」
「死ぬかもしれないのは、仕事で慣れてるよ。ヴェストリの広場は?」
「こっちだ、平民。付いてきな」
「解った」
才人はそのまま案内役に付いて行く
「もう、使い魔の癖に言う事聞かないで、勝手な事ばかりするんだから」
広場に着くと、物見高い生徒達が多数集まっている
「さて、使い魔」
「才人、平賀才人だよ」
「僕は青銅のギーシュ、ギーシュ=ド=グラモン」
薔薇の造化が杖らしい。そこから花びらが一枚落ちて、青銅の彫像が現れる
「何!?」
「僕はメイジだ、メイジが魔法で戦う、文句は無かろう」
だが、その後の行動はギーシュの予想を裏切った
「スゲー!!魔法スゲー、ちょっと良く見せて」
いつの間にか彫像に近寄り、細部を色々観察し始めた才人
「うぉ、この細工凝ってる、何この繊細さ」
「鎧部分もスゲー綺麗だな」
「正に戦う乙女だな。ギーシュスゲー、こういう細工って難しいの?ってか必要?」
「嫌、本来はゴーレム造る際は、そんな部分に迄注力したりしないんだけど、戦闘力としては変わらない上に魔力を余分に消耗するし」
つい才人の質問に答える
「それを敢えてやるのか、ギーシュは凄いんだな」
手放しでの賞賛につい顔が綻んでしまい
「才人だったね?君程、僕のワルキューレを誉めてくれた人は居ないよ。今からでも遅くないから、先程の発言訂正すれば決闘を辞めにして、出来ればその・・・ゆ」
「それとこれとは話は別」
ギーシュは心底哀しい顔をする
「残念だよ、才人。いくよ」
「あぁ」
ギーシュのワルキューレが才人に襲いかかる
才人は回避しようとするが失敗し、打点をずらした状態では有るが顎に貰ってしまう
「痛ぅ、流石銅製だ、重い。速さは人と同じ位か。ってぇと、銅で人型か・・・」
198大人才人 科学とルーンの力4:2010/07/11(日) 14:31:06 ID:i1sHZO8m
思考をまとめ、決断し、一気に詰める
狙うは膝関節、銅なら全体重を掛ければ曲がる筈
ワルキューレの攻撃をサイドステップでかわし、膝関節に全力で横から蹴りを放つ
ごいん
鈍い音がし脚がしびれる
「どうだ?」
「へぇ、驚いた」
ギーシュがそう言った矢先にワルキューレの右脚が微妙に曲がり、歩行の反応が悪くなり、脚がもつれて自重で倒れる
もう起き上がれないだろう
「これで後はギーシュだけだな」
才人は脚を踏む度に激痛が走る
骨にヒビか折れてしまったのだろう
脂汗をかきつつ、ギーシュを睨む
「誰が一体だけと言ったんだい?」
「何だと!?」
ギーシュが更にワルキューレを造り出す
これには才人も唖然とする
「平民にしては良くやったかな。ではこちらの番」
ワルキューレが詰め寄り才人を殴り飛ばす
両手を顔の前で十字にするクロスガード
しかしガードした右腕から鈍い音がする
「ぐぁっ!?」
続けてワルキューレが攻める
肋骨が折れ、あちこちに裂傷が出来、片目は腫れて前も良く見えない
それでも才人は立っていた
「もう止めてギーシュ、決着はついたでしょ!!」
ルイズが叫ぶがギーシュは聞かない
「ルイズ、才人はそんな事は望んでないよ。だから僕は、貴族の誇りを掛けて最後迄相手をする。結果がどうなろうとだ」
才人はそれを聞いてニヤリと口だけを動かし、ボロボロの身体をギーシュに向けて歩き出す
それを見たギーシュは剣を造り出し才人の前に投げつける
「君は素晴らしいよ、才人。でもこのままじゃ君に勝ち目は無い。剣は貴族に歯向かう平民達の牙だろう、それを取りたまえ。何、気にする事は無い、君は今迄素手でやってたんだ、例え今取った所で、誰にも文句は言わせない」
「ボロボロの状態からなら、最初から渡しなさいよ」
「ルイズは黙ってろ」
才人が怒鳴る。ギーシュはそれを見て顔を綻ばせる
「さぁ、来たまえ」
才人は一瞬悩むが剣を取る
どうせ、取った所で使えないから意味無いだろうと
そして左手で剣を握った瞬間にそれは起きた
身体が軽くなる、痛みが引く訳では無いが無視出来る
左手のルーンが光るのを才人は気付かない
そして、常人に有り得ない速度でワルキューレに詰め寄り一閃
ワルキューレが両断される
「何!?」
ギーシュが慌ててワルキューレを数体造り出すが、それも才人の突進を阻む術にはなりえない
199大人才人 科学とルーンの力5:2010/07/11(日) 14:33:52 ID:i1sHZO8m
才人がワルキューレ達を仕留める間に、盾として最後の一体を造り出すが、それすらも両断される
そして折れた右腕でギーシュの顔を掴みそのまま押し倒し、馬乗りになりながらギーシュの顔の右側に剣を突き立てる
「続けるか?」
「ま、参った」
先程は冷や汗で顔を青くしたギーシュは、何故か顔を赤らめながら
「君は凄いな、あの、さっき言った件考えてくれないかな」
「もう平民とは言わないからさ、僕が謝るよ」
徐々に才人の顔が近づいて来て、ギーシュの顔が更に赤くなる
「え〜と、今は君の治療のが優先だろう、だからその、そういうのはまた今度に、ね」
「……」
「さ、才人待ってくれ、僕も二人きりなら吝かでは無いが、今はほら、他の皆が見てるから、だから駄目だって」
「……」
「だ、駄目、才人らめ、お嫁に行けなくなっちゃう!!」
ギーシュが叫ぶと同時に、才人がギーシュに覆い被さる
「皆見てるのにぃ〜〜〜!!」
「……」
「あ、あれ?才人?」
「……」
「気絶してるわよ」
モンモランシーが近づいて、診察を行いながらギーシュに冷たい目線を送る
「サイト!!」
ルイズが駆け寄り、それにギーシュの知り合いも近づいて来た
ギーシュに対して生温かい視線を送る
「レイナール,ケティ,キュルケ,ギムリ,マリコルヌ」
「「「「聞いたぞ」」わよ」」
「ギーシュ様って、そちらもOKだったのですね」
「おお、僕の可愛いケティ、誤解だよ」
「恋の前には、性別すら障害では無いのね、素敵」
「おお、麗しのキュルケ、誤解だ」
「まさか、お前がそんな奴とはなぁ」
「レイナール、これはだな」
「まさか、僕を越える男がこんな所に」
「マリコルヌ、それは断じて違う」
「俺には近付かないでくれよ」
「ギムリ、だから違うって」
「モンモランシー、サイトの容体は?」
「悪いわね、手持ちのポーションだけじゃ無理だわ、治療も私だけじゃ無理みたいっと、応急手当終わり、動かして良いわよ」
ふわりとサイトが浮かぶ
見ると、タバサが来て、レビテーションを掛けてくれたらしい
「医務室?部屋?」
「私の部屋で」
「解った」
ルイズとタバサ、モンモランシーはサイトを連れ寮に戻る
「ルイズ、僕が行っても・・」
「今は治療の邪魔になるから駄目ってか、あんた男でしょ?女子寮に忍び込む気?」
「あ、いやそれはだね……解った、治療の邪魔になるから暫く待つよ」
200大人才人 科学とルーンの力6:2010/07/11(日) 14:36:55 ID:i1sHZO8m
ルイズはギーシュを睨み付け、ギーシュは複雑な表情で頷いた

才人が目を醒ますと、ベッドの上で、ルイズがベッドの脇で寝息を立ててるのが見えた
「ん〜、あれからどれくらい経ってんだ?」
ルイズを見る
「もしかして、ずっと看病してくれてたのか」
ルイズの頬を優しく撫でると、その刺激でルイズは目を開けた
「おはよう、ルイズ」
「ん、やっと目を醒ましたわね、馬鹿犬」
「いくらなんでも馬鹿犬は無いだろう?」
「ふん、ご主人様の言う事聞かないで、大怪我するんだから、馬鹿犬で十分よ」
「確かにそうだな」
苦笑しながら頷く
「あれから、どれくらい経ったんだ?」
「3日よ」
「その間、ずっと看病してくれてたのか」
「当たり前でしょ、あんたはあたしの使い魔なんだから」
照れながら、そっぽを向くその態度に、才人は思わず手を頭の上に乗せ、優しく撫でる
「なな何すんのよ」
「ルイズ、有り難うな」
優しい気持ちで、自然な笑顔をルイズに向けながら、頭を撫でる
ルイズの顔がどんどん紅くなるが、才人は無視して撫でる
「あああああんたの事なんて何とも思ってないんだから。あああああくまで主人の義務なんだから。勘違いしないでよね」
「ん、そうだな」
ルイズはそのまま目を閉じ、気持ち良さそうに暫く撫でられていた
201名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 15:07:04 ID:0SVoaawE
とりあえず支援
202大人才人:2010/07/11(日) 15:11:34 ID:i1sHZO8m
投下終了なのね〜、きゅいっ

大人才人タクティクスなのね
解説はコルベール先生なのね、きゅいきゅい
「私なんかで良いのかな?では今回才人君がワルキューレの膝関節に全体重を掛けた蹴りをして、一体行動不能にしてるけど、物理的に可能かと言われればイエスなんだ」
「まず青銅系の合金と言うのは非常に柔らかく、他の金属に傷を付けない目的で使用されたりするんだね」
「また、比重も鉄より重い為、軽い場合は衝撃がそのまま運動エネルギーとして吹っ飛ばされる訳だが、その重さが、そのまま逆に衝撃を吸収してしまうんだね」
「そして関節と言うのは非常に脆い、特に人間が膝を砕かれたらそのまま、生涯歩行不能になるんだ」
「つまり、敢えて人型を忠実に再現してしまったワルキューレは、其処を上手く才人君に突かれてしまったんだね。そう、才人君は銅合金の特性を知ってたんだ」
「但し、劇中みたいに自身の骨を逝かせる程度で、変型させる事が可能かは少し疑問が残る。5ポンドクラスの大ハンマー両手振りなら、余裕で可能だろう」
「あれ?ハンマー一つでワルキューレ相手には勝てるのは、どうんなんだろうね。最も被弾したゴーレムを直ぐに土に戻して再造成すれば厄介だろうね。文字数の都合で省略してるけど、実はギーシュ君はそれをやってるんだ」
「さて、私は次の授業の準備が有るので、これで失礼するよ」

コルベール先生、有り難うなのね〜、きゅいきゅい
実はプロローグでも、ルイズは地理を才人に教え間違えてるのね

だから、座学でもお姉様に勝てないのね〜
やっぱりお姉様が一番なのね、きゅい

蛇足迄付き合って貰って有り難うなのね〜
では、また此処で遊んで欲しいのね、きゅいきゅい
203名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 12:43:53 ID:l+6yBtV3
感想聞きたいのでアゲ
204名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 13:09:34 ID:gg95KwwJ
まずは物語を進めてくれ!みんな観てるから感想はその後だ!
205名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 14:02:56 ID:oGGUSsQ0
>>204
偉そうに威張るな
206名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 21:31:58 ID:S9sSDZfd
かといって偉そうじゃなく威張るのはかなり難しいぞ
207名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 00:21:36 ID:dBioRkRL
理想郷の技術者がうんたらって作品のパクリか、あるいは、作者本人が投下しているようだな。
あちらで叩かれたからってここで似たような作風の作品をやられても叩かざるをえないんですがねぇ?
208名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 04:44:44 ID:7hJdPv/h
>>207
今投稿してる分の作者だが、ゼロ魔関係全てに検索かけてる訳じゃ無いもんで、初めて知ったよ

いじり易いし、似た様なもん考える人はやっぱり居るんだな

完結迄の道筋自体は既に決まってるので、文章で肉付けしてる段階
初期だと出来る事少ないから、ある程度出て来た時点で、パクりかどうか見てくれないかね?
それでも同じ様な展開だったり、文章の癖迄一緒だったら、パクりと言われても感受するよ
場所は教えないでくれ
本当にパクりになったら嫌だ

今、ワルドいじってるけど、ワルドいじり易くて困る
一話分が予定の4倍位になりそうorz
これじゃ、先に進ませる為に、シエスタ分削った意味が無いorz
209名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 12:46:09 ID:NJuygGPS
書き込み時間がなんか怖い
210名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 15:45:19 ID:CofTEOVz
変態紳士が少なくなってきたな、この板
211名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 22:39:34 ID:DAObPMIx
>>208
シエスタの話をもっと書いてください
ルイズなんかどうでもいいんで
212名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 22:43:58 ID:DqF9VpDb
ボルポ先生帰ってきて・・・(泣
それと「蒼から始まる〜」の続きも・・・
213名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 12:07:57 ID:Te1r2vat
「物語の続き」ってのは自分で創り紡ぎ出すもんなんだぜ?
214名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 20:03:14 ID:U2+WOMqZ
他人の作品の続きを勝手に書くのかw
215名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 06:56:27 ID:fpxjjegN
このスレのことですね。分かります。
216名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 11:23:28 ID:oUtZhWNi
>>214
似た設定同カップリングの別作品って意味じゃね?
いわゆるオマージュ。
217名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:05:48 ID:66dE3e5v
サイト「お前最近トイレにこもりっきりで何やってんだ?」
ルイズ「見て分かんないの???ウンコしてんのよ!!!!」
サイト「…でかいのか?」
ルイズ「ええ。それはもう見事な一本具疎がぼとんと出るのよ!」
サイト「ほぉ」
ルイズの腹がギュルルルルルルと鳴る
ルイズ「うはぁ!きたきた!」
ドタバタとルイズはトイレに駆け込んでいく
トイレに入りズボンを下しいざ用を足そうとした瞬間、トイレのドアが開く
ルイズ「きゃあ!」
サイト「ルイズのウンコ…みせてくれよぐへへへへへ」
ルイズ「仕方ないわね…裸見られたんだもの。ウンチしてるところ見られたって今更だわ」
サイト「ふしゅしゅしゅしゅしゅしゅ」
ルイズ「ぅぉぉぉお!!!キタキタ!!!ほらみなさいサイト!!!ぅ!出る!!!」
ぶぼおおおおおおおおおおおおおおぷりぷりムリムリムリムリぼヴぉヴぉヴぉぶすーーーーー
218名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:08:32 ID:66dE3e5v
サイト「でけぇ…これがルイズのH狙か!」
ルイズ「ふふん。どう?ほれなおした?」
サイト「へへ まぁな なぁルイズ」
サイトはおもむろにルイズの髪の毛を掴んでルイズの顔面を便器に突っ込んだ
ルイズ「ぐもも〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
サイト「食えよ  へへへへ 自分から出たもんだ。食えるだろ?ふひゅ」
ルイズ「ぎゅぼぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!がぼぼぼぼぼ」
219名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:10:57 ID:66dE3e5v
ルイズはうんちを食べてうんちまんに変身して地球を守りましたとさ


おしまい
220名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 20:22:52 ID:wA6vwvzS
まぁなんだ。乙
221名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 21:02:33 ID:Z+zA/vFq
あれ?
南の方だともう夏休みなん?
222名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 05:48:27 ID:wArSWB9o
一本糞シナリオかよ
223名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 02:15:46 ID:USLTYASq
新刊が出るというのにこの廃れっぷり…('A`)
あれだけ賑わっていたのがひどく懐かしい
224名無しさん@ピンキー:2010/07/23(金) 13:16:58 ID:kvHJYkyp
文字だけで読ませるのは技量要るからねぇ
お話作るの好きな人はAA紙芝居やってるんじゃないか?
あれだと地の文とかほとんど必要ないし
まあシュチュエーションがほとんど語りつくされたって感もある
225名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 07:03:13 ID:jLw2Cm4U
>>224
ハルケギニア語でおk
226名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 07:06:45 ID:jLw2Cm4U
もうコピペ合戦はいいから
227名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 07:07:52 ID:jLw2Cm4U
誤爆した
お詫びに100万のアン様に特攻してくる
228名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 17:37:28 ID:/dmZx/jp
ID:jLw2Cm4U?
1兆人のマリコルヌと何ねちょねちょ愛撫しあってるのん?
229名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 08:32:18 ID:stXJmKEW
アン様が百万人もいたらハルケギニアは干からびてしまうわ。
230名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 08:54:19 ID:yxViRrJg
>>228
馬鹿かお前は
1兆人もマリコルヌが居たら共にアベック狩りに繰り出すに決まってるだろう!?
231名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 14:03:40 ID:epdfjkwT
マリコルヌはオーガすら孕ませそうで恐い・・
232名無しさん@ピンキー:2010/07/25(日) 18:21:23 ID:twX3SCTa
ちょうどバキ読んでたからどういう状況かと思ったぜ
233名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 22:29:22 ID:rsl4yJvY
やめてーやめてーwマリコルヌフラグ建てないでww
234名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 02:49:54 ID:HcYV19NU
テファもうエルフの国でサイトと住んじゃえよ
235名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 15:30:56 ID:7nTWbg5R
次巻ではアンさまの大立ち回りが観れるよ!・・・観たいんだ・・・
236名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 22:12:06 ID:NVKdaRSr
>>229
それでも才人なら…才人ならきっと…
1000001Pとかどんだけ時間がかかるんだろう。
237名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 22:51:20 ID:72tsZuxY
>>236
大丈夫、魔法で才人を無限増殖させればあっという間に(ry
238名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 23:56:18 ID:Xawj6usa
>>237
ハルケギニアが妊娠するわw
239名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 15:09:03 ID:iFfb6Mtd
SS投下

・テレビ版
・才人×ロングビル(フーケ=マチルダ)
240名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 15:15:38 ID:iFfb6Mtd

行き遅れ? とんでもない!!




「う…っ…く…っ……すげェ……気持ち良い…」

俺は今、闘っていた場所から離れた森の中で、自分の肉棒を柔らかく温かい肉の割れ目の中に挿入している。
ココに肉棒を入れるのは初めてだ。今まで想像したことはあったけど想像と現実とでは全く違う。
小学校高学年の時に(男が女の人とエッチしたがるのは何でだろうな?)
って考えてたけど、実際にしてみて分かった…。
こんなに気持ちが良いならしたくもなるって。
俺自身こんな状況だってのに、ダメだって分かってるのにエッチして良かったと思えるほどに気持ちいいんだ。
それを今更止めるなんて考えられない、考えたくもない。
正直彼女には感謝している……俺たちを、俺を襲ってくれてありがとうって
だって彼女が襲ってくれなかったら、俺はエッチのセックスの気持ち良さを味わうことが出来なかったんだから。
俺は彼女を見る……俺が肉棒を挿入している緑色の長い髪の女の人を。
俺の肉棒を優しく包み込み、気持ち良くしてくれている女性を。
彼女の名はミス・ロングビル。
またの名を土塊のフーケ……。

「ぁ…………っ………んっ…」

気を失っているにも関わらず、彼女の口からは小さな喘ぎが漏れている。

どうしてこんな事になっているのかというと……偏に俺の好奇心と性欲の為だ。
仕方ないだろ? エッチをしたことがない俺の目の前で、気を失っている大人の女が居るんだから。
それと若干の復讐心もある。


241才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:17:45 ID:iFfb6Mtd

俺たちはフーケの隠れ家と思われる小屋にて破壊の杖を発見したその直後、フーケのゴーレムに襲われた。
ルイズ達にはタバサのシルフィードで魔法学院に応援を呼びに帰ってもらい、俺は一人ゴーレムと闘った。
斬っても斬っても倒せないゴーレムに、最後の手段と破壊の杖こと、ロケットランチャーを構えて発射。
筒から飛び出たロケット弾はゴーレムに向かって真っ直ぐ飛んでいき
轟音と共に大爆発。あれ程しぶとかったゴーレムを物の見事に粉砕した。
何とかゴーレムを倒した後、森の中でフーケを捜していたミス・ロングビルが駆け寄ってきたので
先程使用したばかりのロケットランチャーを彼女に渡す。

すると彼女は正体を現し、俺に向けて破壊の杖を構え、自分がフーケだと名乗った。
眼鏡を外し、髪をほどくロングビルさん…いや、フーケ。
切れ長の鋭い目つき、腰の辺りで一つに括られた膝まで届く真っ直ぐな緑色の長い髪、少し荒い口調。
さっきまでの優しいお姉さんといった雰囲気とはまるで違う。
こっちの方が彼女の素顔なのか?
優しく穏やかなロングビルさんとしての彼女もいいけど、こんな彼女もいいな。
ただ、正直なところショックだった。
あの優しいロングビルさんがフーケだったなんて…

ハルケギニアに召喚された日の夜、眠れそうもない俺がルイズの部屋を抜け出して
学院の中をうろうろしてた時に出会ったロングビルさん。
その時、彼女が重そうな荷物を持ってたから運ぶのを手伝ったんだ。
それが切っ掛けとなったのか、ロングビルさんは色々と相談に乗ってくれたり、話を聴いてくれたり
ギーシュとの決闘の際には間に割って入ってくれたり
学院に来ていたモット伯爵の“シエスタを妾にする”って話を偶然一緒に聴いていて、飛び出しそうになった俺を引き留め
何やらモット伯爵に耳打ちして、顔面蒼白になった彼を引き下がらせたりと
何度も俺を助けてくれたのに……それが全部この時の為の演技だったんだからな。



「盗んだは良いけど、使い方が分からなくて困ってたの」

ロングビルさん…いや、フーケは不敵な笑みを浮かべながら話しを続ける。
俺の複雑な心境になど気づいていない…

「魔法学院の誰かを連れて来れば、きっと上手いこと使ってくれると思ってねぇ」
「それで持ち逃げしないで学院に戻ってきたのか…」
「教師じゃなくて生徒が来たのは少しあてが外れたけど……使い魔くんなら出来ると思ったわ。流石ガンダールヴね」
「ガンダールヴ?」

フーケが言ったガンダールヴというのが何か分からない。
俺は聞き返したけど彼女はそれを無視して

「学院の中の人間で、あんただけは気に入っていたから残念だけど………さよなら」

別れの言葉を一言告げ、俺を葬り去ろうとロケットランチャーの発射ボタンを押した。
しかし、筒から弾は発射されずに カチンッ、カチンッ、と虚しい音が鳴るだけだ。
当たり前だ、さっき俺が使ったんだから弾なんて残ってない。

「な?! ど、どうしてっ!?」
俺はその隙を突いて素早く駆け寄り “ドスッ!”
「ううッ!……あ……」
フーケの腹を剣の柄で突き、彼女を気絶させた。
「生憎コレは単発式でね…ロケットランチャーって言う、俺の世界の武器だ」

そして暫く気絶したフーケを見下ろしていた俺は
あることを考えて彼女を背負い、森の奥まで移動した…


242才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:21:09 ID:iFfb6Mtd


森の奥に来た俺はデルフがきっちりと鞘に収まっていることを確認して、少し離れた場所に置いてからフーケを見た。
地面に寝かせたフーケのスカートが少し捲れ、中から生足が見えている。
ゴクンっ 思わず唾を飲み込む。男なら誰でもこの奥が気になるものだ。
俺だって例外じゃない。と言うか気になる…。だからここまでフーケを連れてきたんだし。
足に目が行っていた俺は、少し視線を上げて胸部を見る。
背負った時に背中に感じた胸の大きさも……結構大きいかったよなぁ…。

ゆったりとしたローブを盛り上げているフーケの大きな胸を見ている内に触ってみたくなった俺は
服越しに彼女の胸を揉んでみた。
“もみもみもみ…”や、柔らかい、まるで大きなマシュマロを揉んでいるみたいだ。
“もみもみもみ” やみつきになるな、この柔らかさは…

そして胸を触った俺はもう歯止めが利かなくなってしまい
スカートを腰まで捲り上げてから、服をはだけさせ、おっぱいをさらけ出させる。
俺の目に飛び込むふくらみ。

「やっ、やっぱり大きい…」

たわわに実った二つの果実は予想してた通り大きく、頂点にある鮮やかなピンク色の乳輪と乳首が自己主張していた。
さっき揉んだからか? とがった乳首を見ながら思う。
それにしてもこんな綺麗なおっぱいを生で見れるなんて、これは始祖ブリミルって奴に感謝しなけりゃな!
早速手の平でその新鮮な実りに触れてみる。“むにゅ”

「お、おお…っ、おおおお…っ、」

な、なんて柔らかいんだっ! 弾力と張りのある乳房はどんなに揉んでも ぽよんっ、と元の丸い形に戻る。
少し力を入れて手の中で形が潰れても同じだ。
続けて唇をふくらみの頂点、ピンクの乳首に寄せ、それを口に含んで吸ってみた。
“ちゅうちゅう”音を立てて吸ってみる物の、母乳は出てこない。
まあそうだよなぁ…けど、何となく美味しい感じがするから止められない。

243才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:21:51 ID:iFfb6Mtd


暫くの間フーケの胸を揉んだり吸ったりしていたけど、このままじゃ先に進めない。
おっぱい好きであることを自覚している俺ではあるけど…

「やっぱり、こっちを優先しなきゃ!」

そう言っておっぱいから手を離して向けた視線の先は……フーケの股間の白いパンツ。
正確にはこの奥にある、俺がこれから入る場所だ。

「じゃあ、ちょっと失礼して…」

俺はフーケのパンツに指を掛け、するすると下ろしていく。
脱がせて足から引き抜き。ホカホカと温もりを帯びた白いパンツを見る。
この色は正直以外だな。フーケの雰囲気から考えると、黒か紫が似合いそうな感じなんだけど…
取り敢えず俺は脱がせたパンツを自分のズボンのポケットに仕舞うと
閉じた脚を開かせてフーケの股間の割れ目を指で左右に拡げてみた。
アダルトビデオやエロ本でもモザイクとかで直接は見ることが出来ないココは完全に未知の領域だ。
とにかくじっくり見させてもらおう。

「ん…っ…」

俺に膣を触られ ピクンっ と反応するフーケ。
ぱっくりと口を開けたソコは綺麗なピンク色をしていて若干の湿り気を帯びている。
開いているから奥へと続く穴もしっかり見えていて、ソコを指で触るとヒクヒクと動く。
少し上にはクリトリスもあって、見れば見るほど男と違って複雑な構造で
初めて見る女の性器は一見グロテスクに見えるけど、それでもやっぱり綺麗だって感じるし
なんか惹きつけられる物があった。
見た目を分かりやすい物に例えると、ピンク色のあわびかな?
もう少し拡げて観察しながら弄っていると、真ん中に空いた穴からじわじわと愛液が滲み出てきた。

244才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:22:55 ID:iFfb6Mtd


「俺のがこのあわびに食べられるのかぁ…」

想像する。フーケの割れ目が俺の息子を咥えているところを…
ま、まずい、想像しただけでイキそうだ。
それが証拠に息子はムクムクと大きく育ってきて、入るべき場所に入りたがってる。
でも身体以上に正直なのは俺自身の思い。
男としての本能なんだろうな…このぱっくりと開いた子宮へと通じる穴に“挿れたい”って思うのは…

「ダメだ……我慢できねぇ…」

俺はズボンを脱ぐと、続けて欲望に命じられるまま、自身の思うまま
さらけ出されたフーケの膣口に肉棒を宛がう
肉棒の先端と濡れた膣口の粘膜が触れ合う。愛液が竿を伝ってきて実にいい感じだ。
このねっとりした感触が堪らねぇ。でも、入り口に当てただけでこれなら
中はどれくらい気持ちいいんだ?
それを確かめるために腰を前に出して亀頭を潜り込ませる。

ずぶっ
「うわっ! すげ…っ」

中に挿れた瞬間、亀頭に膣肉が吸い付いて、穴が閉まるように収縮した。
ゆっくりと奥に挿れていく物の、三分の一まで入ったところで進まなくなる。
外から入ってきた異物を押し出そうとしているのか? 拒んでいるのか?
けど、そうはいかない。ココは俺の入るとこなんだからな。
そう思い、少し力を入れて押し込もうとした時だ。

「………っ……ぁ……っ」

目を瞑り、依然気絶したままのフーケの頬に赤みが射し、少し口を開いて身を捩る。
彼女の口から漏れた声に(気がついてしまうのでは?)と思い、竿の半ばまで挿れた所で一度止めた。

「だ、大丈夫……だよな…?」

ちょっとビックリしたけど、冷静に考えりゃ自分の膣に肉棒を挿れられて無反応な訳がないよな。
仮に自分がフーケの立場だとしてこうして繋がったら気がつくだろう。
俺は念のため、フーケの身体をまさぐってある物を探す。

「お? あったあった」

懐にもう一本隠し持っていたそれ……杖だ。
メイジの武器にして絶対の象徴である杖。これが無いとメイジもただの人。
逆に言えばこれ一本で俺なんか殺せるんだよな。
俺はフーケの杖をへし折って投げ捨てた。これで良し!
これでエッチしてる時に目を覚まされても大丈夫だ。

245才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:24:31 ID:iFfb6Mtd



俺はフーケの様子を見て、起きる気配が無いのを確認すると
再び腰を前に出し、フーケの膣内に肉棒を埋め込んでいく。
ずぶずぶずぶ…
やっぱり抵抗があるな。俺はさっきみたいに力を入れて押し込む。
今度は目を覚ましても大丈夫だからな。
途中、引っ掛かりを感じたけど俺は気にせず根元まで挿入した。

ずぶ…ぅ…ブチ…
「ッ…ッッぁ…!」

一瞬喘ぎ? と言うか小さな悲鳴みたいな声を上げたフーケ。
顔を見ると苦悶の表情を浮かべて、閉じられた目の端から涙がこぼれ落ちた。
気絶してても痛み感じるのか……もっとゆっくり挿れてやればよかった…
俺は別にフーケを苦しめたい訳じゃない。
“裏切られた”って思いがある上でこんな事してるから説得力が無いけど…。

俺の肉棒は完全にフーケの膣内へと入ってしまった。
温かくってぬるぬるしてて気持ちが良い。 
肉襞が絡みついて、まだ動かしてないのに締め上げてくる。
どんなふうになってるんだ? と思って繋がっている所を見ると
結合部からは赤い血が滲み出していた。

「や、やべ…っ、フーケって処女だったのか…」

抵抗があるのに無理矢理押し込んだせいで、膣内が傷ついたからかも知れないけど
あの引っ掛かりはたぶん処女膜なんだろうな。
とにかく奪ってしまったものはどうしようもない。
それなら、せめて処女を奪ってしまった者として精一杯気持ち良くなろう。
自分に都合の良いように考え決意した俺は、好奇心と欲望と復讐心を満たすためにフーケを犯し始めた…

246才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:25:51 ID:iFfb6Mtd

そんなわけで俺は今フーケを犯してる。

ずぶ、じゅぶぅ、じゅぶ、
「あ……ん………は…」

フーケの膣内に肉棒を擦りつけるたびに、彼女の口から熱い吐息と共に甘い声が漏れる。
起きても良いとは考えてたけど、最初の内はなるべく起こさないように浅い所で出し入れしてた。
でも溢れ出る性欲の前には無駄な事だったようで、すぐに満足出来なくなってくる。

「もっと…っ、奥まで挿れよう…ッ、」

俺はフーケの脚を抱えて腰を引き寄せ、勢いを付けて膣の奥深くまで抉り込むように突き込んだ。
ずぶぅッ!! と肉棒の根元まで挿入した。俺の陰嚢が彼女の股間とくっついた時
今までに無い強い締め付けが襲ってきた。

「う、あッ、す…凄く…締め付けられる…ッ」

余裕って程でもないけど、一応まだ出るとこまではいってなかった。
けどこの締め上げは俺を絶頂に導くには十分過ぎる快感を与える物で
肉棒の奥からは快感に誘われ、精液が…精子が込み上げてくる。
出ることが分かった俺は“グッ、グッ、”と肉棒を押し込み
フーケの子宮口に鈴口をくっつけ、吹き出した精子を迷わず子宮の中に注ぎ込んだ。

ドクンッ ドクン ドク…
「……ッッ…ぁ…あ……な…に? あ、熱い…ッ」
「げッ…お、起きた…?」
「あ…、あんた…、なに…して…?!…んッッ…あぁぁ…ッ!」

俺が中に出したことで、流し込まれた精液の熱さに反応したのか
とうとうフーケが目を覚ます。
気がつくと同時にフーケも達したようで、絶頂の声を上げながら“ビクビクッ”と身体を震わせた。

「ハァッ…あはァ……あ、あァ…ッ」
「く…ッ!」
ビュク…びゅく……びゅ…

ここで俺の精子は出し尽くされたのか、射精が止まる。
気持ち良かった…。胸を張って言える。人生で最高に気持ち良かったと…
頭の中を満足感に支配されながら、ふとフーケを見る。
彼女は仰向けのまま自分の胸をさらけ出され、スカートを目一杯まで捲られ
開いた自分の脚が俺の膝に乗っかり、
腰を抱き寄せられて…何も着けていない股間同士がくっついていることを確認するように見回した後
自分が何をされているか理解し、ただでさえ紅潮している顔を更に真っ赤にして俺を睨み付けた。

「う…ぅ……こ、この…クソガキ…ッ…よ、よくも…ッ!」

未だ身体が繋がっているのと、達した直後のせいか声は弱々しく、正体を現した時のような迫力は無い。
彼女は懐に手を入れて何やら取り出そうとしたが…

「杖はもう無いぞ。俺がへし折ったからな」
「くッ! わ、わたしを…どうするつもりだい…?」
「えっ…? そ、それは…」

どうするかと訊かれても、俺…何も考えてなかった。
フーケを倒して、それから犯して…ここまでだ。ここまでしか考えてない…
そもそもフーケを犯したのだって仕返しと好奇心以上に何かある訳じゃないし。
とまあ、フーケに指摘されて頭が混乱をし始めた時だった。

247才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:26:52 ID:iFfb6Mtd


「なっ、なななな、なっ、何やってんのよーッッ!!」

この場に居ないはずの第三者が叫び声を上げて、俺達の方を指さしていた。

「ル、ルイズっ!? お、お前何でここに?!」
「ほ、他の先生呼んで帰ってきたら、誰もいないから森の中を探してたのよッ!」

そ、そうか、もう応援呼んでさっきの小屋の前に着いていたのか。
よく考えたらシルフィードで空飛んでくるだけなんだよな……早く着いてもおかしくない。

「そッ、それで見つけて来てみたら、あ、あんたが、ミ、ミ、ミ、ミス・ロングビルを押し倒してッ、」

ルイズは顔を隠して話しながらチラチラと俺達を見ている。

「ち、違うんだ! こッこれは、これはだなッ、」

必死に言い訳を考える。何故なら今の状況ではどう説明したって俺が強姦しているようにしか見えない。
いや、事実 強姦だから余計たちが悪い…
せめてロングビルさんの正体をルイズが知っていれば何とかなったのかも知れないけど
彼女の正体を知っているのは俺だけで、その俺がこの状況だとどうやっても強姦魔にされてしまう!
どっ、どうしよう! どうすれば……え、ええーいっ、こうなったらヤケクソだ!!

「じ、実は俺とロングビルさんは婚約者同士なんだッ!!」
「なっ……なんですってーっっ!!」

俺は話す。ルイズに呼ばれる前にハルケギニアに来たことがある。
その時ロングビルさんと出会って恋人になって婚約までした。
けど嵐に巻き込まれて気がついたら元の世界に戻っていた。
その後、ルイズに召喚された…と

「お、俺がフーケを撃退した後、ロングビルさんが倒れているのを見つけて…」

次から次へと出てくる嘘。

「気がついてから訊いたら“フーケに襲われた”“怖い、抱いてなぐさめて”って言ったから、抱いてたんだ!」

よくこんな嘘がスラスラと言えた物だと自分自身感心…じゃなかった、幻滅する。

「そうだよなロングビルさん!!」

俺は自分と繋がったまま仰向けになっている彼女に話を振った。
フーケだってここで捕まりたくないだろうから、話を合わせてくれるはず。
そんな希望的観測を抱きながら彼女の反応を待つ……すると、

「え、ええっ、サイトさんの仰る通りですわ…!」

やっぱり!
フーケは俺の話に合せてくれて、さっき俺が言った内容をなぞるように捲し立てた。
この様子じゃ、何が何でも捕まりたくないって感じだな。
俺としては非常に助かったけど…

248才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:27:52 ID:iFfb6Mtd


俺が話した時はちょっと疑ってる感じだったルイズも、フーケの話を聴くと信じてくれたようで
「わ、わかった、分かったから早く服着なさいよッッ!!」と顔を赤くして言ってきた。
そうだった。俺まだフーケと繋がったままだったんだ。
俺は膣から肉棒を引き抜くと、手早くズボンを履く。
フーケも捲れていたスカートを下ろし、はだけた服のファスナーを閉めて立ち上がり
ほどいていた髪もポニーテールに括り直し、眼鏡をかけ
いつもの“ミス・ロングビル”の姿に戻った。

「まったく……事情は分かったけど、そうならそうと最初から言ってくれたら良かったのに…」
「いや…その、ロングビルさんに迷惑が掛かるかもって考えたら言い出せなかったんだ」
そこへフーケが援護に入る。
「申し訳ありませんミス・ヴァリエール……」
「謝らないでくださいミス・ロングビル。本当は貴方の婚約者を使い魔にした私が謝らないといけないんですから…」
「いえ、貴族でもない私にそんな……」

その後も延々フーケ…もといロングビルさんとルイズの遣り取りは続いたが
流石は盗賊“土塊のフーケ”俺が作った嘘を本当のことのように話し続け
俺達の存在しないはずの過去を完璧に作り上げてしまった。
ロングビルさんとの話しが終わったルイズは「で、肝心のフーケは?」と訊いてきたので
「ゴーレム倒した後に出て来なかったから逃げられたと思う…」と答えておいた。

応援に来てくれたメンバーと合流して学院に帰った後、オールド・オスマンに一通りの報告をした。
その際、ルイズが「サイトとミス・ロングビルを同室にして頂けないでしょうか?」と言い出し
俺とロングビルさんが“婚約者”であることを話してしまったのだ。
その場に居たコルベール先生は何だか突然笑いだし、俺の肩に手を置いて「ミス・ロングビルを幸せにしてあげてください」
と言って部屋を出て行き、オールド・オスマンは「人妻では仕方ないのう…」とか言って少し残念そうにしていた。
で、結局俺はロングビルさんの部屋で寝泊まりすることになった。
もちろんルイズの使い魔も続けることになるけど、俺とロングビルさんの“関係”を知ったルイズは
「卒業までは使い魔を続けてほしい」と言い期限を決め「空いてる時間はミス・ロングビルの側に居てあげて」
と言ってきたから理由を訊いたら、自分にも婚約者が居るから俺達のことが他人事とは思えないそうだ。
だから出来るだけのことをしたいらしい。

ただ、この話しをキュルケやタバサ、更にはギーシュにまで聴かれてしまい
数日後には学院中にまで広がってしまったのは誤算だった。
“フリッグの舞踏会”で俺とロングビルさんが踊ったのも重なり
一部には結婚しているとまで見られるようになってしまった…

249才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:29:00 ID:iFfb6Mtd



「ふぅ…舞踏会で踊るなんて久しぶりだから疲れたよ」

そう言ってベッドに腰掛け、脚を伸ばすロングビルさん。
すでにドレスは脱いでいるけど、いつもの秘書としての服を着ている訳でもない。
ネグリジェ姿である。
ここは彼女の部屋だ。今夜から俺はこの部屋で寝泊まりすることになる。
ルイズやキュルケの部屋と違って、何というか質素な感じだ。
おっと、そういえば確かめて置かないといけないことがあるんだった。

「……なぁ、さっき言ってた“付き合ってあげます”ってなんだったんだ?」

そう、さっき舞踏会で踊ってた時に耳打ちされたんだ。
一体どういう意味だったんだろ?

「決まってるじゃない、あんたの作ったこの嘘よ。ここまで広がったらもう“嘘でした”なんて言えないでしょ? お互いにね」」

まぁ、そうだよな…けど、こうなる原因作った俺に怒りとか無いのか?
正直、状況が状況だけに殺すことは出来ないだろうって考えてはいたけど
俺がロングビルさん…フーケにしたことは理由はどうあれ、彼女に取っては許せないことだと思うんだ。
そのあたりどうなのかを訊いてみたら

「初めてを奪われて頭にきたけど、冷静に考えたらあんたがあたしを犯したからあたしは助かったとも言えるのよ…」

あの時、俺が変な気を起こさなければ自分は“土塊のフーケ”として捕まっていた。
そうなれば当然死刑は免れない。だから結果として俺は命の恩人となった。
自分を襲ったことは命が助かった言うことと差し引きしてチャラにしてやる。
それと俺のことは元々人間的には気に入っていた…ということらしい。
まさか襲うとは思ってなかったみたいだけど…

「けど、残念だったねぇ。あたしみたいな行き遅れとこんなことになって……ま、自業自得だと思って諦めるんだね」
「い、行き遅れって…そんなに若くて綺麗なのに…」
「は、はぁ!? あ、あんた何言って…」
「いや、俺…嬉しいくらいなんだけど」

だってそうだろ? こんな美人で胸も大きくてスタイル抜群で
これ程のいい女って、そうそう居るもんじゃない。

「それに行き遅れって、あんた何歳なんだ?」

女性に年齢を訪ねるなんて間違ってはいると思うけど、行き遅れなんて歳には見えない。
するとフーケは少し口籠もりながら答えた。

「……に、23…だよ…」
「23!? それで行き遅れだってのか!? 全然行き遅れてねぇよ!!」

し、信じられねぇ…23で行き遅れって、どうなってるんだよこの国。
ひょっとして、ハルケギニアではそれが普通なのか?
俺には理解出来ないな。

250才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:30:34 ID:iFfb6Mtd



「じ、じゃあ、あんた本気であたしと“婚約者”になって嬉しいってのかいっ?!」
「だから、さっきからそう言ってるだろっ!」
「……っ!!」

俺がそう言い切ったら今度は下を向いて黙ってしまった。
何なんだよ一体…照れてる…とか?

「フーケさん。おおーいフーケ」
「……じゃない」
「へ?」
「調子に乗るんじゃないよっ!! それにその名前で呼ぶな!!」
「な、なんだよっ、」
「ここではロングビル…ミス・ロングビルっ! いいね?!」
「わ、わかったよ、」
「……ふんッ!」

捲し立てるように言った後、フーケ…じゃなかった、ロングビルさんは布団を引っ被って
見向きもしなくなった。
俺も暫くはその盛り上がった布団を眺めていたんだけど、夜も遅いし疲れたから床に転がり目を閉じた。

ただ床が硬くて冷たいせいか、一時間くらい経っても眠くならない。
このまま朝まで一睡も出来ないのかなぁと考えていると

「……入りな」

と、ロングビルさんが声を掛けてきた。
まだ寝ていなかったのかと思い振り向くと、彼女が布団を開けて俺を待っていた。
女の人と同じ布団でってのは期待半分、恥ずかしさ半分って感じがしたけど
せっかくなので入れてもらうことにして、ベッドに上がり布団の中に入る。

「枕…あんたの分も用意しないといけないわね」
「あ、ああ…ありがとう…」

何も考えずに横になった俺は、ロングビルさんと向かい合って寝る形になってしまった。
ここで反対を向くのも気まずくなるような気がしたから、そのまま彼女と見つめ合って話す。
ああーなんだかドキドキしてきて顔が熱くなってくる。
寝るために布団に入れてもらったのに、逆に眠れなくなりそうだ。

「ヒラガ・サイト…だったわね。フルネーム」
「そう…だけど」

前に自己紹介はしてたけど、上の名前は自信がなかったのか確認するように訊いてくる。

「マチルダ」
「え?」
「マチルダ・オブ・サウスゴータ。あたしの本当の名前さ…学院外で二人きりの時はマチルダって呼んで…」

俺を見つめながら本名を伝えてくるロングビルさんに、俺が頷きを持って返事をすると
彼女は俺に顔を寄せてきて自分の唇で俺の唇をふさいだ。

251才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:31:45 ID:iFfb6Mtd


「んっ…」

突然のことに驚いたけど、俺も腕を彼女の背と首の後ろに回して触れ合う唇をこじ開け
口内に舌を入れて、彼女の舌に絡める。

「んっ、あむっ、んふぅっ、んんっ、」

ぴちゃぴちゃと舌が絡み合う音が耳に聞こえ、甘酸っぱい唾液を呑ませ合い
お互いの唇を貪り合う、深く長い口付けを交す。
頭の中が熱くなり、身体も芯から熱くなり、彼女を求めずにはいられない。
それでもこのままずっとキスだけをしている訳にもいかないので、名残惜しくもゆっくりと唇を離す。
ねっとりした透明の唾液が俺と彼女の唇を繋いでいる。

「…ふふっ…まだ離れたくないって言ってるよ」

繋がったまま切れない唾液の糸を見たロングビルさんは言った。
俺もそう思っていたところだけど、それなら別の場所で繋がればいい。
唇よりも深く深く、身体の奥まで繋がり合えば…

「わかった…それじゃマチルダ、今度は…身体全体で繋がろう」
「いいよ…でも、ここは学院の中…ロングビルですわ、サイトさん…」

言葉遣いを改め、ミス・ロングビルとしての口調に戻る。
んー、どうせなら本来の口調でいて欲しかったけど、ここじゃ仕方ないな。

「了解、ロングビルさん」


252才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:33:04 ID:iFfb6Mtd



全裸で仰向けに寝るロングビルさんの股間の割れ目は潤いを帯び、俺を迎え入れる準備は整っているようだ。
昼間と同じような体勢だけど、昼と違うのは彼女が目を覚ましていて、合意の上の和姦であること。
俺の方も裸、正真正銘の肌と肌を触れ合わせる関係の始まり。

くちゅ…
「あっ…」

割れ目に先端を触れさせると、ロングビルさんの身体がピクンッと震える。
恥ずかしそうに目を瞑る彼女がかわいい…
やっぱり目に見える反応があるのはいいな。
気絶している彼女を犯している時も良かったけど、合意の上で一緒に抱き合えて
俺もロングビルさんも互いに気持ち良くなれるのが一番だ。

「挿れるぞ」

グッと腰を前に出し、割れ目の中に挿入。
ずぶずぶっと肉棒が沈み込んでいき、膣内に充満していた愛液が隙間から溢れてくる。
処女を失ったばかりだからかキツい。
でも仕方ない、俺もロングビルさんもまだ二回目なんだし…

「あ…あは…ぁっ…サイ…ト…さ」

違う。ロングビルさんに取っては実質初めてだ。
何せ挿入の瞬間は体験してないんだから。
ゆっくりと挿れていき、一度根元まで挿入してしまう。
肉棒が入っていくのに合せ、ロングビルさんの口から息が吐き出される。

ぐぷん
「あッ」

先端が子宮口に当たった瞬間、ロングビルさんの身体がビクンッと跳ねた。
膣内が締まり、射精を促してくる。我慢だ我慢!

「全部、入ったよ…ロングビルさん」
「は…い、感じます…っ、サイトさんがっ…私の奥に…っ……入って…います…っ」
「痛い?」
「いえ…、寧ろ気持ちいい…」
「よかった…。それじゃ動かすから」

俺と繋がることで快感を感じてくれているロングビルさんの返事に、嬉しい気持ちでいっぱいになりながら
彼女の唇に軽く口付け、腰を動かし始めた。

ずっ、ずちゅっ、
「あぁ…ッ! ひぁぁッ…あンッ……はぁぁ…ッ!」

ぎりぎりまで腰を引いて、勢いよく前に押し出す。
俺の抽挿に大きな声で喘ぐロングビルさん。

253才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:34:13 ID:iFfb6Mtd



「いいッ! はぁッ…き、気持ちいいッ! サイト…ッ、サイトさん!!」

彼女は俺の名前を呼びながら必死に身体を擦り寄せてくる。
触れ合う肌は汗にまみれてビショビショだけど、ちっとも気持ち悪いとは思わない。
互いの背中や腰に腕を廻して撫で回して、触れていない部分があれば触れ、深く強く抱き合う。
気持ちいいな…昼の時とは比べものにならない…
していることは同じ、ロングビルさんの膣内に肉棒を差し込んで擦りつける行為。
だけど、ロングビルさんと“一緒に”セックスをしているだけでこんなに変わるんだ。
俺は腕の中で気持ち良さそうに喘ぐ彼女を見る。すると彼女も俺を見て視線が絡む。

「ぁ…ぁ…サイ、ト…すき……好き…」

頬を紅く染め上げて潤む瞳で見つめながら俺が好きだと言うロングビルさん。
俺はその言葉に胸の奥が熱くなるのを感じて気づく…俺もロングビルさんが…マチルダが好きなんだって
理由なんて無い、きっと彼女もそうだろう…
でもさ、恋をするって…愛し合うって…そんな物じゃないか?

「俺も…ロングビルさんが…好きだ…んっ」

彼女に返事を返して唇を奪いながら、肉棒を子宮の入り口まで挿れてグリグリ捏ねくり回す。

「んんっ!? んん―――っっ…!! んんん―っっ!!」

それが気持ちいいみたいで、俺に唇をふさがれたままよがる。
正直俺も、もう持たない……奥深くまで入り込んでるから、このまま中に出そう。

「ぷはぁッ! このまま中に出すからッ!!」
「えッ?! あぅッ! まッ…待ってッ…きッ、きょう…は、あぁッ…危な…いッッ…」

唇を離して限界を伝える俺に、危険日だって言う彼女。
けど、それでもいい! 

「悪いッ、けど…くぅ…ッッ!」
ドクッ!
「あはぁッ」
ドク ドク ドク ドク…
「はぁぁああぁッッ…あッあぁぁぁぁ―――ッッッ!!」

最後に力を入れて押し上げたことで、亀頭が子宮口まで入り
そこへ身体の奥から込み上げてきた白濁液を、一滴余さず注ぎ込んだ…
俺は絶頂に打ち震えるロングビルさんと抱き合いながら、彼女の耳元で呟いた。

「もし、妊娠したら……生んで欲しい…俺、責任取るから…」


254才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:36:20 ID:iFfb6Mtd


セックスが終わって良い感じに疲れている中、俺はロングビルさんの髪をほどいて指で梳く。
艶やかな長い髪が指の間をすり抜けていく……彼女は俺の腕の中で何も言わず目を閉じている。
激しく絡み合った後のまったりとした時間は、何もしてないってのに心地良いな。

「……サイトさん…」

髪を撫でていた俺に彼女が話し掛けてきた。
俺達は抱き合ったまま互いの目を見て話しをする。
さっき言ったこととか、お互いの気持ちとか色々だ。

「本当に責任取ってもらいますよ…危ない日だというのに昼と今、二回も中に出したのですから」

嘘で始めた“婚約者”だけど、どうも本当になりそうだ。
俺としては不満なんて無い。彼女に言ったように嬉しい。
自分の気持ちに気づいたから尚更だ。

「もちろん責任取るよ。俺、ロングビルさんが好きだし」
「……何故…私を好きになったのですか?」
「一目惚れ…みたいな感じかな? でも色々助けてくれたから“いいな”とは思ってた……ロングビルさんは?」
「そうですね…気に入っていたのもありますけど…。私も……似たような感じです…」

元々お互いに好印象だったから、こうなる種は有ったのかな?

「んっ…!」

考え込む俺は不意打ちでキスをされた。


その後も寝付けなかったからおっぱいを揉ませてもらったり、更にもう一回セックスしたりしたんけど
相変わらずの秘書モードを続ける彼女に、素の方がいいって言ったら
「それはまた今度」と丁重に断られてしまった。

彼女が妊娠するかどうかは、それこそ神のみぞ知るだけど
するしないに拘わらず、これからのロングビルさん…マチルダとの関係は
“結婚”を視野に入れて置こうと決意した初体験の一日だった。

255才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:37:49 ID:iFfb6Mtd


「ああ、それから…返してくださいね」
「なにを?」
「昼に盗った私の下着……どっかのジジイじゃないんだからパンツ愛でたりするんじゃないよ……いいね?」
「は、はい…」





「ふぇっくしょんッッ!! ……誰か儂の噂でもしておるのかのぅ…」

256名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 15:40:14 ID:Ko8bFPEa
終わりかな?
心からGJと言わせていただく。
GJGJGJGJ!
257才人×ロングビル:2010/07/28(水) 15:41:32 ID:iFfb6Mtd
終わりです。

258名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 16:54:30 ID:6c9a1xkh
>>257 GJ! 更にGJ!! そしてGJ!!!
259名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 17:08:46 ID:cwniKEgV
なんという俺得
続くよね!続くよね!
260名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 22:02:22 ID:jtdb0F0j
GJ!
261名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 10:52:40 ID:wwmYqGxW
話書いてたら、バックアップ忘れて、3万文字400字詰め原稿用紙75枚分アボンorz
頭の中から今、書き直し中
書き貯めた400枚分の内75枚分は痛いっす
262名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 12:16:18 ID:QRo1GxX7
>>261
楽しみに待ってるのでがんばってください
263名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 00:21:28 ID:/1+RqeRw
ガンバッ
264大人才人:2010/08/07(土) 03:12:20 ID:C/9Ax2qg
一文字2バイトだったから、半分の15000文字37.5枚だったorz
バックアップ迄すっとぶと、相当落ち込むから、明けてから出来上がった分、毎日更新しま
作家が、キャラが一人歩きするって良く言うけど、本当なんだな〜と実感した。途中から、殆ど全員勝手に動き始めて、えらい困った
作家って職業マジスゲー
暇な人支援よろ
ではオヤスミ
265名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 05:33:38 ID:zX1gh67I
はい、お待ちしております。
266大人才人:2010/08/07(土) 22:33:16 ID:C/9Ax2qg
シルフィードでイルククゥなのね
まだエロは大人しめなのね〜
注意事項なのね〜きゅい
・才人年齢上昇
・フーケ登場
・キャラ改変有り
・ちょい長めの為、多分支援必要

では、反映されたら投下開始なのね〜
きゅいきゅい
267大人才人:2010/08/07(土) 22:34:28 ID:C/9Ax2qg
剣士と土くれ

「なぁ、ルイズ」
「何よ?」
「ルイズ達で一番成績の良い奴って誰?」
「あたしよ」
「本当か?」
「疑ってるの?」
「だって、実技でマイナスされてると思うんだが?」
「う〜、座学に関してはTOPクラスよ!!」
「一番じゃないのか」
「一人どうしても適わないのが居る」
「誰?」
「タバサよ」
「どの子?」
「ツェルプストーが絡んでる青髪の子が居るでしょ?」
「あぁ、あの娘か」
「そんなの聞いてどうすんの?」
「ん〜?文字とか教えて貰おうかと思って」
「そんなのあたしが教えて上げるわよ」
そこで、才人がルイズの耳元に口を近付けひそりと話す
「ルイズの友達を増やせれば良いかなって」
ぽんっと顔が紅くなる
「よ、よ、余計なお世話よ」
「使い魔たるもの、主人が過ごし易くなる為に動くものであります、サー」
耳元で囁く刺激と言葉にルイズはくらくらする
「馬鹿犬は私の側に居なさい」
「ま、大丈夫だって、この前みたいな事は起きないだろ」
決闘後、才人やルイズを直接からかう相手が激減しての台詞である
特に、ギーシュと連れだって行動する事が多くなり、女生徒はおろかメイドや教師に迄注目を浴びる様になり、ちょっとした有名人になってしまったのである
また、コック長たるマルトーの男惚れっぷりは強烈であり、才人の非難をしよう物なら、食事があからさまに減ったり品数が減ったりするという事が頻繁におき、成長期の少年少女には、非常に堪える仕打ちに皆口をつぐんだ
同じ平民たるメイド達からの人気は凄く、黒髪メイドのシエスタが頻繁に彼の元に居るのが目撃されてる為、ルイズは気が気でないのだが、勿論才人がそんな事には気付いてない
そんな訳で、例え自分の為でも、女の子に近付いて欲しくないルイズは不機嫌なのである
序でにギーシュバイ説は、広まりが抑えられない状態で、ギーシュ自身も最早諦めてるらしい

「あらダーリン、ようやく私の誘いに乗ってくれるの?」
「それも良いね、でも今回はタバサに用が有るんだ」
「んもう、連れないんだから、ダーリンの為なら何時でも扉は開いてるんだから」
「用って、何?」
「この前俺を運んでくれたんだって?ありがとう。実はさ、文字とか魔法の基礎を教えて貰えないかなって」
268大人才人 剣士と土くれ2:2010/08/07(土) 22:36:51 ID:C/9Ax2qg
「貴方は平民、文字はともかく、魔法を使えないのに何で?」
「だからだよ、ギーシュとやりあった時は、ギーシュが温情を示してくれたから勝てた。でも、そんな事はまず無いからね。対策が練れる方が良い」それを聞いたタバサは、眼鏡を直し才人を見上げる
「…構わない」
「やっぱり駄目か、変な事頼んで悪かったな」
「ダーリン、構わないって言ってるわよ」
「へ?良いの?」
タバサはこくんと頷く
「頼んでばかりだと何か悪いな、俺に出来る事無い?」
「…貴方の国の話を聞かせて」
「そんな事で良いのか?」
再度こくんと頷く
「有り難うな、タバサ」
タバサの手を取りぶんぶん振る
タバサが興味を示す事に、キュルケは興味をそそられた
『あのタバサが、本以外に興味を示すとはねぇ』
横目でルイズを見ると、才人の様子に、燃え上がる様にタバサを睨むのを、何とか避けてるルイズが見える
他の生徒があからさまに避けて、其処に一人座っていた
『あらあら、ヴァリエールったら、あんなに余裕無くしちゃって、ダーリンってば、確かに面白いけど、其処迄執着するものかしら?』
其処でいたずらを思いつく
「ねぇ、ダーリン」
「何?キュルケ」
「あたしも参加して良いかしら?」
「良いのか、タバサ?」
タバサはこくんと頷く
「やぁん、タバサ有り難う」
タバサをキュルケがその胸で抱擁する
タバサは抱擁そのままで、読書に勉める
269大人才人 剣士と土くれ3:2010/08/07(土) 22:39:56 ID:C/9Ax2qg
羨ましいかなと才人が思ってると、ガタっと音がして、ルイズが近付いてきた
「ここここの馬鹿犬は、あたしの使い魔だからあたしが教える」
「ヴァリエールじゃ、実践を教えられないじゃない」
「そそそれでも、ツェルプストーにだけは、任せられないの」
「タバサ、良いのか?」
再度、タバサが頷く
「じゃ、皆で教えてくれ」
「じゃ、放課後図書室ね」
キュルケが仕切る
「…解った」
「はいよ」
「し、仕方ないわね」
女生徒と連れだって教室に入って来たギーシュが、最後の部分に反応する
「才人が勉強するんだったら僕も」
周りの女生徒がギーシュに生温かい視線を送りながら
「あら、ギーシュ様、私との勉強はお嫌ですの?」
「私とは?」
「私達より、殿方とが良いんですのね」
「やっぱり、あの噂は本当でしたのね」
「……ねぇ、ギーシュ。一度楽になってみる?」
背後からの声に女生徒達が逃げ去り、ギーシュ一人が取り残される
「や、やぁ、僕のモンモランシー、何の事だい?」
「あら、解りきってるのに、そういう事言うの?」
「とりあえず、頭冷やしなさいな」
トプンと水に包まれる
「ガボボボ!?」
「本当に楽になりたいなら、そう言ってね?」
水の中で必死に頷く
すぐに解放されるが、モンモランシーは去って行く
誰にも聞こえ無い様にギーシュは呟く
「僕だって、解ってるさ」
モンモランシーも廊下で呟く
「まったく、どいつもこいつも不器用すぎよ」

「何をやってるんだ?ギーシュは?」
才人が様子を見て呆れる
「モンモランシーとギーシュは、いつもあんな感じよ」
「そうなんだ」
才人はそれ以上考えるのは止め、タバサに小声で話かける
「で、本当に二人を参加させて良かったのか?タバサの邪魔にならないか?」
「…キュルケは炎の応用力が非常に高いから、その線では私より上、ルイズは理論だけなら、私でも適わない部分がある」
「そっか、有り難うな」
コクンと頷く
思わず手が伸びタバサの頭を撫でる
「…///」
タバサを撫で始めてから、タバサの顔色が少し良くなった感じがする
それを見た瞬間、ルイズが一瞬にして沸騰する
「……馬鹿犬」
「……わん」
「何で他の女の頭を撫でてるのかしらぁ?」
「撫でちゃ駄目なのか?」
「駄目よ」
「理由をお教え下さい、マイロード」
「そんな事言える訳無いでしょ!!」
「そんなんで納得出来るか!!」
「駄目なもんは駄目〜〜〜」
「グハッ!?」
270大人才人 剣士と土くれ4:2010/08/07(土) 22:45:27 ID:C/9Ax2qg
ドロップキックをまともに喰らい、才人が吹っ飛ばされる
「ねぇタバサ、頭撫でられただけよね?」
コクンと頷く
「良かったの?」
コクンと頷く
「魔性の手だねぇ」
「…キュルケもして貰えば解る」
「じゃあ、放課後にして貰おうかしら」

放課後、才人達は先ずは全員で図書室に入り、ハルケギニア文字と発音の修得に入る
その時、初めて違和感を才人が感じた
「なぁ、俺の言葉解るか?」
「何言ってるの?当然じゃない」
「…どうしてそう思う?」
「なんて言うのかな?発音としゃべってる意味が一致しないんだよ。俺が喋るのはハルケギニアと違う言葉なんだけど、ハルケギニア語じゃないのに、ハルケギニアの皆に意味が通じてるんだ。全く知らない違う言葉で話してるのに、意味が完全に通じるなんて変だろ?」
それを聞いてルイズが首を傾げる
「タバサ,キュルケ、使い魔って皆言葉通じるよね?」
二人とも頷く
「多分使い魔契約のせいじゃ無いかしら?」
「契約前から通じてたぞ?」
ルイズはうって詰まる
「召喚門をくぐった時かしら?」
キュルケがそれを受けて答える
「…そうだとすると、こちらの文字にも影響があるかもしれない」
タバサは簡単な単語録を持ち出し、才人に示す
「…この単語の発音と意味を教えるから、復唱して」
「解った」
タバサの予測は当たり、才人は単語をどんどん吸収していく
一時間もすると、簡単な文章なら書ける様になっていた
「凄いじゃない」
「流石はダーリンだわ」
「いやいや、此は明らかに魔法の影響だって。こんな短時間に修得なんざ出来ないよ」
「…今日の仕上げにこれ読んで聞かせて」
渡されたのは、イーヴァルディの勇者
子供向けに優しい文章で書かれてる物語を持って来ていた
「では」
「才人、奇遇だね」
「やぁ才人、ギーシュが図書室に行こうって煩くてさぁ」
「なんだ、ギーシュとマリコルヌか、おまいらも勉強か」
才人がギーシュ達と話始めると、タバサが本を広げ読み始めた
何時もと違う仕草にキュルケが気付き、ルイズに肘打ちで知らせる
「何よ?」
「タバサがヘソ曲げた」
「解るの?」
「えぇ、才人の朗読楽しみにしてたみたい、ルイズは?」
「そりゃ、あれだけ出来る様になった成果を見るのはね」
「じゃ、決まりね」
「あたしがやるの?」
「ダーリンは優しいから」
「解ったわよ」
「後でご褒美貰えば良いじゃない、ほら撫でて貰う奴」
271大人才人 剣士と土くれ5:2010/08/07(土) 22:49:03 ID:C/9Ax2qg
一瞬で真っ赤にゆで上がる
「知ってるの?」
「知らないわよ、むしろ知りたい位だわ」
「絶対駄目」
「何でよ?」
「あんなに気持ち良くて安らぐのは、絶対あげない」
そして席を立ち、ルイズはギーシュ達に話かける
ギーシュがしぶしぶ引き下がる間に、キュルケはタバサに話していた
「ねぇ、タバサ」
「…何?」
「ダーリンの手って、気持ち良くて安心出来るの?」
コクンと頷く
「どれ位?」
「…癖になる」
「あらあら、歳上の魅力かしらね?」
ルイズが事情を才人に耳打ちし、才人が慌てて、タバサの所に来る
「タバサ、ごめん遅れた」
ふるふると首を振る
「…構わない」
「じゃあ改めてっと」
朗読を始めてから、タバサの眼は才人から見ても、非常に楽しそうに映っていた
「三人とも今日は有り難うな」
「…ん」
タバサは、撫でやすい位置に移動し、才人はタバサを撫でた
和らいだ表情でタバサは撫でられ続けるが、桃色のオーラが段々激しくなる為、途中で切り上げる
すると次はキュルケが才人に催促する
「ダーリン、あたしも」
皆子供っぽいんだなぁと思いながらも、キュルケにも撫でる
キュルケも暫くすると淘然とした表情を浮かべ
「やだこれ、良いわぁ、癖になっちゃう」
「ツツツツェルプストー」
「邪魔しないでよ、ヴァリエール、今日の報酬よ」
「う゛〜〜〜」
キュルケを撫でた後、ルイズが期待に満ちた目を才人に向けるが、才人は本日の報酬をタバサに話かける
「タバサ、今日はどんな話が聞きたい?」
「…今日は貴方の国の言葉が気になった、それを知りたい」
「解った。じゃあ平仮名からだな」

部屋に戻ると、ルイズは振り向き抱きつく
「どうしたルイズ?」
「撫でて」
「ん?」
「頑張ったご主人様にご褒美!!」
「ルイズは良く頑張ったな」
「うん」
「仲良くなれそうか?」
「ツェルプストーは嫌い。でも凄い」
「タバサもキュルケもルイズの事、褒めてたぞ」
「二人の事よりサイトは?」
「俺?」
「サイトは?」
「偉いぞ、ルイズ」
「うん」
抱きつながら、寝てしまったルイズを、ベッドに運び着替えさせて寝かせる
生殺しはマジキツイなと思いながら、才人は外に出た
272大人才人 剣士と土くれ6:2010/08/07(土) 22:58:10 ID:C/9Ax2qg
「こりゃ見損なってた、兄ちゃん使い手かい?」
自身を握った才人に、インテリジェンスソード「デルフリンガー」がそう話かける。此処は王都のとある武器屋、ルイズが剣を買ってくれると言うので、二人で武器屋巡りをしていたのだ
「兄ちゃん俺を買いな」
「ふむ」
才人はその剣を見る
日本刀に酷似した片刃の反り、刀身は柄迄含めると、才人の身の丈に近い大剣、斬馬刀か?長年手入れをしてないせいだろう、全体的にボロい
剣の台詞が才人には引っ掛かる
「主人、こいつをくれ、幾らだい」
「デルフだったら只でいいわ、持ってってくれた方が助かる」
「ちょっとサイト、そんなボロい剣より、マシなの有るじゃない」
「大丈夫だってルイズ。それにこいつ面白いし」
「そんな理由で選ばないでよ」
「ま、心配すんな」
「もう」
「主人、砥石付けてくれ」
「あいよ」
「これからよろしくな、相棒」
才人の為の勉強会はギーシュとモンモランシーを加え、参加者にとって、基礎を含めた復習になり、各々に成績向上をもたらす結果となった。マリコルヌは参加したりしなかったりするのだが
報酬となる才人の話にコルベールが飛び付き、最早補修授業と実践授業の領域になっていた
マリコルヌに言わせると
「面白い時と、全然解らん時の落差が激し過ぎる。良く皆、付いて行けるな」
との事
その時の話で、盗賊『土くれのフーケ』を捕まえる為、才人に剣を渡そうと、ルイズとキュルケが張り合ったのが前述の話になる
キュルケからは立派な剣、ルイズからデルフを貰い、才人はデルフを使おうとしたのだが、賭けでキュルケの剣を使って捕まえる事になった
「相棒、研ぎ方上手いねぇ、プロだろ?」
「ねぇ、才人」
「なんだ?」
「暇さえあればボロ剣を研いでるけど、キュルケの剣のが良いんじゃない?」
「フーケの時には使うって決まったから使うけど、デルフも中々良い剣だぞ」
「流石相棒、解ってるじゃねぇか」
「解るの?」
「元々、鉄とかの金属を加工する職人だからね、多少は解る。それに俺の国の太刀に似ているし、多分俺には使い易いと思う」
「じゃあ、何であの時」
「見栄は二人ともあったかもしれないけど、善意で動いてくれたんだ。受け取らないとね」
「馬鹿」
「何を今更」
「ふん」
『サイトがあたしの剣のが使い易そうだって、ウフフフフフフフ』
才人は無言でデルフを研ぐ
「相棒」
「なんだ、デルフ」
「嬢ちゃんから気持ち悪い笑い声が」
273大人才人 剣士と土くれ7:2010/08/07(土) 23:02:01 ID:C/9Ax2qg
「聞かなかった事にしとけ」
「相棒も苦労人だねぇ」

どうやってフーケを捕まえるか考えるてる内に、学院内の倉庫から破壊の杖が盗まれる事件が発生
此に追跡部隊として志願したのは、キュルケ,タバサ,ルイズ,サイトである
ミスロングビルの案内で、森の小屋迄追跡したルイズ達
偵察に才人が小屋に着いた瞬間、扉が弾け出現するゴーレム
「でけぇ、ワルキューレより三倍でかくないか?」
「下がって」
キュルケとタバサが同時に呪文を詠唱し、それぞれ炎と氷の槍が出現する
ゴーレムの一撃を剣を握ったバク転で回避した才人の後方から、二本の槍がゴーレムに突き立つ
「「やった!!」」
突き立った場所を破壊したは良いが、すぐに形状を復元され、キュルケは頭を抱えた
「あちゃ〜、こりゃ駄目だ。練習通りには行かないわね。タバサ、アイスストームは?」
「…ゴーレム相手じゃ意味無い。爆炎」
「タバサのジャベリンにファイアランスの威力合わせたせいで、魔力足りないわ」
「…ブレイド」
「あれ相手じゃ、死ぬわね」
「…撤退」
「しかないわね」
バキン!!
「なんだ、この鈍は〜!?ギーシュの剣のがましじゃねぇか!!」
剣が折れたらしく、牽制攻撃を仕掛けてた才人から、怒声が上がる
ヒュイ
タバサが口笛で飛竜を呼ぶ
「ダーリン撤退よ」
「ルイズ連れて下がれ、殿をする」
「嫌よ」
「…ルイズ」
「馬鹿な事言わないで!!あんたの失敗魔法で相手出来る奴じゃないわ」
キュルケとタバサの二人から説得されるが、ルイズは構わず才人の方に走り出す
「サイト!!」
「何でこっち来てんだ!!この馬鹿!!」
才人は折れた剣を手に、ゴーレムの攻撃をキュルケ達からそらす様に、何とか誘導していたのだが、ルイズが来たので台無しである
「だって」
「だってじゃねぇ!!全体を見ろ!!俺の脚なら振りきれるが、ルイズじゃ無理だろうが!!さっさとタバサの風竜で逃げろ」
『サイトは貴族じゃないのに、サイトが戦ってるのに貴族のあたしが逃げる訳』
サイトは、その間もルイズから注意をそらす為に、必死にゴーレムに攻撃をかわしながら、斬撃を繰り出す。が、浅い斬撃はすぐに再生してしまう
「敵から逃げないから貴族なの!!」
ルイズは魔法の詠唱を行いゴーレムに杖を向けるが、パンとなるだけで何の効果も無い
274大人才人 剣士と土くれ8:2010/08/07(土) 23:10:46 ID:C/9Ax2qg
それに気付いたゴーレムは才人からルイズに目標を移し、その巨体からの拳をルイズに差し向ける
更に詠唱を行い攻撃するが効かない
攻撃が向けられた時点で、ルイズは硬直する
「ひっ」
拳が届く刹那、ルイズは抱きしめられ、何かと一緒に転がる
我に返ると男の胸が眼の前、そして頭が何か暖かいもので濡れるのを感じる
「サイト?」
「大丈夫か?ルイズ」
「サイト、血が」
「頭の皮が切れただけだ、キュルケ、頼む」
「解った、ルイズ、こっちよ」
二人が転がったのを見て、キュルケが駆け寄りルイズを引き渡す
「だったらサイトも」
「俺達の仕事はなんだ?」
「フーケを捕まえる」
「違う、破壊の杖の奪還だ」
「だったら、あたしも」
「ルイズ、今のでまだ懲りないの?私達が居ると、ダーリンの足手まといになるの。ダーリン死なせたい訳?」
ピタリとルイズの動きが止まる
「い、犬。きちんと破壊の杖を奪還して、ご主人様に手柄を立てさせなさい」
「いえす。マイロード」
小屋の方に走りながら、ブイサインを送る
ルイズ達はタバサの風竜で離脱した
「どうやら小娘達は、あんた見捨てて逃げ出したみたいじゃないか。麗しい友情だねぇ」
フーケが姿を現し、才人に話かける
「ダンスの相手としては不服かな?お嬢さん」
「あんたなんかに、アタイのダンスに付き合えると思うのかい?かばった時に、左腕効かなくしたんだろう?」
「ありゃ、バレてら」
「アタイのゴーレム倒せたら、ダンスの相手してやるよ。何ならベッドの中でも構わんよ」
「熱いラブコールだねぇ。ようし、パパ頑張っちゃうぞ〜」
「誰がパパなんだい!?」
才人がフーケの台詞の後半から、一気に駆け小屋を目指す
当然ゴーレムが先を塞ぐが、フェイントをかけ、股下を潜り抜け小屋に入る
フーケはその速さに改めて驚く
「さっきから見てるが速い。あれは人間の動きじゃない」
小屋の中に破壊の杖と呼ばれる物が無いかと見回すと、すぐに見つかったが、逆に才人を驚愕させる
「こいつは?」
小屋に一撃を加えたゴーレムの脇に行く為、窓から飛び出し、左手を無理やり動かし破壊の杖を展開、セーフティを解除しゴーレムに照準を合わせる
「ベッドの約束守れよ!!フーケ!!」
トリガーを引くと、ロケットが飛び出しゴーレムに直撃
爆発と共にゴーレムが四散する
「きゅい!?」
風竜が驚き声を上げる
「サイト!?タバサ、降ろして」
275大人才人 剣士と土くれ9:2010/08/07(土) 23:11:28 ID:C/9Ax2qg
「まだ駄目、状況が解らない」
「ルイズ、さっき言ったの忘れたの?」
「サイト、サイト、サイト」
ゴーレムを撃破した後、ホッと一息着いた時に、後ろから破壊の杖を奪われる
「おわっ!?」
フーケが直接奪ってこちらに破壊の杖を向ける
「ベッドの話はまた今度になりそうだねぇ。破壊の杖を奪ったのは良いが、使い方が解らなくて困ってたのさ」
「ありゃ、ロングビルさん」
爆風でフードが外れて、素顔が露出している
「魔法学院の連中なら誰か使い方が解るだろうと、餌撒いたんだけど、一発で釣れるとは思わなかったよ。じゃあ、使い方も解ったし、お別れの時間だねぇ」
「いやいや、これからベッドルームの時間だと思うよ」
「随分余裕だねぇ、じゃあ、さよならだ」
「余裕って訳じゃ無いんだけどね」
カチ、カチ、カチ
フーケが幾らトリガーを押しても、何も反応しない
「なんだい、一体どうして出ないんだい?」
「そいつの名前は破壊の杖じゃなくて、M72ロケットランチャー、単発なんだ」
「単発って、なんだい?」
フーケが混乱している最中、才人は一気に詰め寄り、慌てて杖を構えたフーケの杖を折れた剣で両断し、脚を掛けて押し倒し首筋に刃を当てる
「さて、ベッドの時間かな?」
「アタイの負けだ。好きにしな」
それを聞いた才人は、刃は軽く当てたまま、フーケの唇を奪う
舌を絡め、先程迄の戦闘の余韻がお互いの興奮に火を付ける
「ふぅ、ん」
互いの口内を犯し、すすり、ねぶり、また犯す
唇を離した時、フーケはすっかり出来上がっていた
「此処でするのかい?アタイは構わないけど」
「いやぁ、怖いご主人様が上で待ってるからねぇ、お預けだね」
「じゃあ、捕えるかい?」
「捕える気にもならんのよ。話は聞いたけど、フーケみたいな泥棒好きなんだよ。キャッツみたいじゃん」
「キャッツ?」
「俺の国の美女怪盗3人組」
「変な男だね。じゃあどうしたいんだい?」
「何でこんな事してるんだ?食わせなきゃいけない連中でも、居るのかい?」
フーケが硬直する
「うっわ、解り易っ」
「だ、だったら、なんだって言うんだい?」
フーケが開き直る
「泥棒なんか止めて、真当な仕事するってなら、逃がす」
「何馬鹿な事言ってるんだい?アタイは泥棒だよ?音に聞こえた土くれのフーケに説教かい?」
「さてね。後ろで食わせてる子達に、誇れる仕事をしなって言ってるだけさ」
「何も知らない癖に」
276大人才人 剣士と土くれ10:2010/08/07(土) 23:13:45 ID:C/9Ax2qg
そっぽを向きつつ赤面する
「そうだな、今度会った時にでも聞かせてくれ」
「逃がす積もりかい?」
「こっちは、どうとでもなるから気にすんな」
「ちっ、アタイも焼きが回ったよ、剣貸してくれ」
下げてた道具袋から、人形を取り出し、それに自ら指を傷つけ、血を足らすとフーケがもう一人出来た
「スゲー、コピーロボットみたい、何これ?」
「スキルニル、本人の身代わりになる最高の人形さ、以前忍びこんだ屋敷で逃走用に仕入れてね」
「あんたの命令は聞く様にしてある。こいつを置いて行くから、これを捕まえれば、あんたの面目も立つだろ?それにアタイも距離を稼ぐに丁度良い」
「しかし、フーケってスタイル良いなぁ」
「じろじろ見るな!!馬鹿!!」
「あだ」
全裸のスキルニルを上から下迄観察し、フーケにはたかれる
フーケは自身の服をスキルニルに着せ、マントだけで離脱する
「その格好だと痴女だな」
「うるさい!!借りはいつか返す」
「おぅ、ベッドで待ってる」
「馬鹿!!」
フーケが去って行った後、スキルニルに軽い拘束をし、フーケを連れ、空から見える所で合図をする
風竜が降りて来てルイズが才人に抱きつく
「サイト!!」
右手を頭の上に乗せ
「終わったよ。ルイズ」
其所で初めて、才人の左手が動いてないのにルイズは気付く
「サイト、左手は?」
「ゴーレムとやりあってた時にやっちまって、痛だだだだだだ」
今迄ルーンと脳内麻薬で無視してた痛みが全てぶり返し、一気に才人を襲い才人は悶絶する
「も、駄目、後頼むわ」
才人はあまりの痛みに気絶した
「サイト!?」
「ダーリン!?」
「…痛みで気絶しただけ。一応軽い手当は私がする。キュルケはフーケ、ルイズは破壊の杖を頼む」
「「解ったわ」」
277大人才人:2010/08/07(土) 23:38:04 ID:C/9Ax2qg
以上投下終了なのね〜
きゅいきゅい

大人才人タクティクスなのね
今回もコルベール先生宜しくなのね
「また私かい?今回は劇中にて、大人才人オリジナルスペルとして、ファイアランスが登場してるが、此は炎のラインスペルで、ジャベリンの炎版と思って欲しい」
「スペルとしてはジャベリンと同じく強力なんだが、使い手は余り多くない」
「炎使いに共通の特徴として、『一発派手にやったれ』というのが炎使いであり、わざわざ槍型に成型して撃ち出すのは、面倒くさいってのが理由なんだ」
「私の二つ名である炎蛇は、このファイアランスを、更に変形させて行使してると、理解して欲しい」
「つまり、私の様な使い方する方が稀なんだ。其処に今回は、勉強会で才人君が提案した素案を、タバサ君とキュルケ君で実行に移そうとしてるのだが、見事に失敗している」
「勉強会エピソードを、シエスタ君のエピソード同様削ってる為、本編読んでも理解し辛いと思い、此処で補足させて貰うよ」
「シエスタ君のエピソードは、大いなる意思により復活するかもしれないね」
「勉強会は多分絶望だろう。書いても冗長するだけだから、カットするってキッパリ言ってる」
「漢字を多用するのは、文字数の圧縮の為に不可欠なので、我慢して欲しいそうだ」
「其では、溜った研究の為に失礼させて貰うよ」

有り難うなのね〜
では明日も更新予定なので、支援宜しくなのね
きゅい
278名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 06:40:20 ID:RaDnMXFx
>>277
GJ
実に素晴らしい 続き待ってます
279大人才人:2010/08/09(月) 06:24:51 ID:VwiYEuG+
イルククゥで、シルフィードなのね〜きゅい
昨日は話書いてて、そのまま寝落ちした、大いなる意思は馬鹿なのね〜
きゅいきゅい
今書いてるのも、やっぱりキャラが暴走しっぱなしで、困ってるらしいのね、幾ら書いても終わらないって泣いてるのね、きゅい
では、注意事項なのね
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・誰かのターンだけど、誰のターンかは書いた作者も解らない
・仕事により、投下中断有り。30分以上空いたら仕事等
では反映次第、投下開始なのね〜
280大人才人:2010/08/09(月) 06:26:43 ID:VwiYEuG+
乙女達の闘争
次の日、ルイズ達を学院生の歓声が包む
だが、その中に才人は居なかった
怪我が元で式典に参加出来なかったのだ
「才人さんはやっぱり凄いです。林檎剥いたので食べて下さい。はい、あーん」
此処はルイズの部屋
学院の不始末で負傷したので、本来は医務室に運ぶべきなのだが、ルイズが頑に首を縦にふらなかったのだ
モンモランシーは最早、才人の主治医と化している
才人の世話を焼いてるのは勿論シエスタ
マルトーから、
「我らの剣が、不自由無く行動出来る迄、帰って来るな」
と送り出されたのだ
「なんであんたは、またボロボロなのよ。左手なんか機能してるのが不思議だし、脚の筋肉も断裂してるじゃない。魔法にだって限界有るんだから、もっと自分を大事にしなさい」
「モンモン、毎度毎度悪いな」
「モンモン言うな、この馬鹿。あんたのせいで、治療魔法ばかり上達しちゃってるじゃない。第一こんなになる相手とやりあって怖くないの?」
それを聞いて、シエスタが真剣な目をして才人を見つめる
「怖く…、ないんですか?」
「怖いに決まってるさ」
「じゃあなんで?」
「可愛い女の子を守る為なら、男は百人力を出すのです」
右手でガッツポーズを作る
「ふざけんのもいい加減にしなさい、この馬鹿」
「あだ」
モンモランシーに頭をはたかれる
「今日の治療魔法で歩ける迄にしとくけど、暫く安静よ。トイレは其処のメイドに頼みなさい」
「済まんね、シエスタ」
「いえ、構いません!!むしろ、ばっちこいです!!」
シエスタが張り切って答える
「済まないんだけど、早速小の方が」
「はい!!準備出来てます!!」
しびんを取り出し、早速ズボンを脱がすが、モンモランシーはそのまま座っている
「あ〜モンモン」
「何よ?」
「ちょっと恥ずかしいかなぁと」
「私は恥ずかしく無いわよ?」
「乙女の恥じらいは何処行った?」
「あんたの裸なんか散々見てるわよ」
「それもそうか」
「それとも見られると興奮するの?」
「溜ってるから、否定出来そうに無い」
其所でシエスタが真っ赤になる
「あの…才人さん、そういう事が必要なら私に言って下さいね」
「え〜と」
才人が答えに窮してる間にも、しびんを才人の股間にセットし、竿を手の平で刺激しながら誘導する
「あ〜シエスタさん」
「はい」
「もしかして、わざとですか?」
「勿論です」
顔に唯一動く右手を当て嘆息する
「ねぇ」
「何?モンモン」
281大人才人 乙女達の闘争2:2010/08/09(月) 06:27:47 ID:VwiYEuG+
「もし、今回みたいにルイズじゃなくて、私が襲われても、同じ様に守ってくれる?」
「ギーシュが居ればギーシュに譲るぞ」
「ギーシュじゃなくて、あんたに聞いてるのよ」
「当たり前な事聞くな」
「ミスモンモランシ、それはどういう意味でしょう?」
シエスタが刺激をずっと与えてた息子が、握力に潰されそうになる
「握るなぁ、あだだだ」
「別に大した意味は無いわよ。この馬鹿は、私が貴女でも同じ答えを返すもの」
「才人さんはそういう人ですもんね」
シエスタの笑顔が怖くなる
「ええ、そうね」
モンモランシーもにっこり返す
「それより、そろそろ離さないと、小より泡が出てるわよ」
「きゃぁ、才人さん」
才人は泡を吹いて気絶していた

「モンモン、何であんな事聞いたんだ?」
才人が気絶から目を醒ますと、シエスタは先程の尿の始末と食事の用意で席を外していた
「ん〜、少し不機嫌だったのは認める」
「それだけか?」
「私にも色々あるのよ」
「そうか」
「聞かないの?」
「聞いて欲しいのか?」
「まだ、そこまでじゃない」
「俺で良ければ話せる時に話してくれ」
「ん、本当に優しいのね」
「気のせいだろう?」
「また、そうやって煙に撒くんだから。あんたが人気有るのも当然ね」
「そうかい?」
「ねぇ、私の事どう思う?」
「毎回迷惑かけて、非常に済まないと思ってる」
「そうじゃなくて」
「女としてか?」
こくりと頷く
見ると、拳を膝の上で握り締め、緊張している
「スタイルは綺麗だし、とても魅力的だよ」
「ルイズより?」
「ルイズとは違う美しさだと思う」
「嘘つかないで」
「真面目に聞いてる時に、茶化したりしないさ」
「だって、私そばかすあるし、胸もキュルケみたいに大きく無いし」
「そばかす含めて、綺麗だって思う俺は変なのか?」
「本当に?」
「ああ、それに香水も強すぎない香水で凄く良いね、俺の国じゃ香水使う習慣が少ないから、ひたすらキツイ香水付ける女性多いんだよ」
「怪我人相手に強いのなんか使わないわよ、馬鹿」
「香水の二つ名は伊達じゃないと」
282大人才人 乙女達の闘争3:2010/08/09(月) 06:33:41 ID:VwiYEuG+
才人は軽く目を閉じた為、モンモランシーの表情を見逃した
「ねぇ」
「何だ」
「溜ってるんでしょ?」
「貴族のお嬢様が使う言葉じゃないだろう?」
「茶化さないで、私は水のメイジよ。身体の仕組みは、医者には劣るけど、他のメイジより知ってるの、当然男の生理も把握してるわ」
「まさか?」
「私じゃ駄目?」
「さっきのは此の前振りか?」
「やっぱり駄目なんだ」
「勘違いするな。OKなら、むしろやりたい位だ。でもこんなに世話になってるのに、其処までして貰う必要は無いよ」
「強情ね」
「世話になってる相手に、うぐっ!?」
突然唇を塞がれる
ただ、それで精一杯の様で、特に舌を使ったりはして来ない
相手からはして来ないので、試しに舌を入れてみる
嫌なら離れるだろう
「ん!?」
モンモランシーの舌に舌を這わせる。初めての刺激にモンモランシーは最初びくつくが、次第に積極的に絡める様になってきた
呼吸が厳しくなった所で離れる
二人の間で唾液がつーと繋がる
「キスって、凄い」
「本当にする気か?」
「嫌なの?」
「身体動かないし」
「解ってるわよ、だから口でなら良いでしょ?」
「ギーシュに悪いし」
「ギーシュは関係無い!!」
「成程、悩みはそれか」
「いつもは鈍い癖に、なんでこんな時は鋭いのよ、馬鹿」
「ギーシュとモンモンは似合いだぞ」
「似合いじゃない。何も知らない癖に」
「そうだな。ギーシュの事嫌いなのか?」
「大事よ」
「かわすねぇ」
「そうとしか答えられないのよ」
「それと先程のが関係するのか?」
コクンと頷く
「でも言えないと?」
再び頷く
「俺にそういう事すると、楽になれるのか?」
三度頷く
「解った。お願いするわ。但し口だけな」
「うん。初めてだから教えてね」

「うく、そうそこ、玉を舐めて」
モンモランシーが才人の股間に顔を埋め、懸命に舐める
「う、駄目だ。一度出すから、亀頭を含んで、出たのは全部飲んで」
モンモランシーは言われた通り、口に才人を含み舌で転がしてると、才人が射精する
才人にしても、生殺し状態が続いていた為、非常に大量の精を吐き出し、ついモンモランシーの頭を押さえてしまう
モンモランシーは特に嫌がる事無く、精を飲みこんだ
「あ、まだ少し中に精が残ってるから吸い出して」
才人の言葉にモンモランシーは吸引を開始する
「おっおっうっ、ふぅもう良いよ離して」
283大人才人 乙女達の闘争4:2010/08/09(月) 06:34:53 ID:VwiYEuG+
「精の匂いってこんななんだ。変な匂いだけど癖になりそう」
ピチャピチャ
才人の息子を続けて舐め始め、才人は快楽に任せたいが、モンモランシーを何とか引き剥がす
「あん、もう満足?」
「シエスタが来るだろ?」
「見せても構わないわよ?」
「俺が困るから止めてくれ、それより楽になったか?」
「どうしよう、もっと欲しくなった」
「はぁ〜〜〜、気分の方は?」
「ん〜〜もう少し」
才人の胸に抱きつき
「撫でて」
「はい?」
「ルイズには良くやってるじゃない」
「っ解ったよ」
右手だけで撫でる
モンモランシーはそのまま目をつむり、撫でられる感触を楽しむ
「ふふふ、ルイズが撫でられたがるの解るわぁ」
「そういうもんか?」
「そういうもんよう」
暫く撫でてると、寝息が聞こえてきた
「寝顔は凄く可愛いな」
「モテるねぇ、相棒」
「空気読んで出て来たのは褒めてやる。でも誰にも言うなよ」
「解ってらぁ。折角の使い手たる相棒が、ミンチにされる所なんざ見たかねぇ」
「良く理解してるこって」
才人は苦笑する
「才人さん食事を持って来ました。口移しで食べましょうね」
「シッ!?」
才人に胸の上で、モンモランシーが抱きついた状態で寝ている
「あれ?ミスモンモランシ寝ているんですか?」
「俺の治療でずっと気を張ってたからな。悪いけどこのままにしててくれないか」
「別に良いですけど、私が居ない間に何かありました?」
「何で?」
「ミスモンモランシ、とっても幸せそうな寝顔だから」
「そうか」
その言葉に才人は微笑を浮かべる
ぽん!
「どうしたのシエスタ?顔紅いけど?」
「才人さんのたらし」
「???」
才人には訳が解らない
「所で食事どうしましょう?」

「この状態じゃ無理だな。モンモン起きる迄我慢するわ。シエスタは先に食べててくれ」
「ぶ〜」
「シエスタ、ぶぅたれた顔は可愛いくないぞ」
「ぶ〜」

放課後になり、ルイズが帰って来て扉を開ける
「サイト〜、加減はどう?オスマン校長がサイトに話が……」
扉を開けた場所で見ると、机の上に食事の用意がしてあり、その椅子ではシエスタが寝ており、ベッドではサイトが寝ていて、胸の上に、モンモランシーが幸せそうな寝顔で寝ている
「あああたしでもまだ許してない、そそそ添い寝してる」
『実はそれ以上許してんだがね』
デルフは独りごちるが、其所でルイズがデルフを抜き事情を聞く
「ボロ剣、どういう事か説明しなさい」
284大人才人 乙女達の闘争5:2010/08/09(月) 16:57:22 ID:VwiYEuG+
「あのな嬢ちゃん、あの香水の嬢ちゃんが治療疲れで相棒の胸で寝ちまって、相棒はそれを退けずにそのまま待ってたら寝ちまって、メイドの嬢ちゃんは、食事をすぐに二人出せる様に待ってたら、寝ちまったって話だぜ」
「つつつまり不可抗力って事?」
「おう」
「じゃあ、何であんなにモンモランシーが幸せそうなのよ?」
「本人に直接聞いてみれば良いんじゃね?今起きた所みたいだし」
「ちょっと、モンモランシー」
寝ぼけ眼で辺りを見回すモンモランシーは、才人の顔を見つけると笑みを浮かべそのままキスをし、首筋に抱きつく
そのまま寝ようとするのだが、桃色の殺気に当てられ、急速に覚醒する
「え〜と、あれ?ルイズ?」
「モ ン モ ラ ン シ ー 説 明 し て く れ る ?」
「やぁね、寝ぼけてただけよ」
「本 当 に ?」
「ええ、そうよ」
「そそそそれなら仕方ないわね」
「そうね、仕方ないわね」
『香水の嬢ちゃんスゲー』
完全にポーカーフェイスで答えるモンモランシー
デルフは内心感嘆する
「所で、うちの馬鹿犬が、どっかの眠り姫のお陰で食事を取れ無かったって、ボロ剣に聞いたんだけど」
「嘘、何で起こさないの?」
「モンモランシーも知ってるでしょ?サイトはそういう奴なんだから」
「才人起きて、食事しないと回復しないわよ」
口調の変化にルイズは気付き、更に口元が引きつる
「あたしの時と違うんじゃない?」
「あら?そうかしら?」
『こ、怖えぇ、起きたくねぇ』
実はルイズが殺気出してた時点で、完全覚醒してたのだが、あまりに恐ろしい応酬に狸寝入りしていた
でも、此処で起きないとこの恐怖は去りそうに無い。仕方無く眼を醒ます
「んぁ、おはようルイズ、モンモランシー良く寝れたか?」
「えぇ、凄く楽になったわ」
「そりゃ良かった」
才人に受け答えるモンモランシーは、常の表情と違い、非常に柔らいでいる
ルイズは面白くないがサイトに聞く
「ねぇ、サイト。何かあったの?」
「見ての通り疲れてたから、寝るに任せて、すっきりしたんだろ?」
「ん〜、うん」
いまいち、納得し難いが納得する事にルイズはした
「それより、腹減ったから飯食わせてくれないか?、まだ身体右手しか動かないんだ」
「そうよね、じゃ、あたしがやる」
「私がやるから、ルイズは見てて良いわよ」「一眠りしたんなら、魔力回復してるんじゃ無いの?むしろ回復魔法唱えてよ」
285大人才人 乙女達の闘争6:2010/08/09(月) 16:59:23 ID:VwiYEuG+
魔力は確かに回復してる
モンモランシーは、才人を覗き込む様にし眼で聞く
才人は頭を撫でながら
「ルイズの言う通りにしてくれ」
「ん、解った」
モンモランシーは詠唱に集中し始めた
その様子を見たルイズは
「やっぱり、何かあったんじゃない?」
と、疑惑の念を捨てきれずにいた
「すいません、才人さん寝ちゃってました。ミスヴァリエール、申し訳ありません、才人さんの看病を、きちんと出来ていませんでした」
此処で起きたシエスタが才人とルイズに謝る
「シエスタは良くやってくれてるよ、有り難う」
「馬鹿犬が、ああ言ってるから大丈夫よ」
「今から食事ですよね?ミスヴァリエール、私がやりますので、下がっていて頂けますか?」
「私がやるから良いわ」
「ルイズ」
「何?」
「シエスタは、マルトーの親父さんにキツク言われてるんだ。仕事を取らないでやってくれ」
「あたしにされるのが嫌なの?」
「ルイズ、こっちにおいで」
「何よ」
モンモランシーの詠唱の邪魔にならない様、ベッドの反対側につく
「俺が怪我したの、自分のせいだと気にしてるだろう?」
コクリ
「大丈夫、モンモンも治してくれるって言ってるし、貴族は逃げないってのは立派だぞ」
「うん」
「だから、次は上手くやれる様にすれば良い。魔法だけが手段じゃ無いぞ」
「うん」
「シエスタに仕事させて貰えるかな?」
「うん」
ルイズはシエスタに振り返る
「うちの馬鹿犬もああ言ってるし、マルトー料理長に言われてるなら仕方無いわね。シエスタに任せるわ」
「有り難うございます。ミスヴァリエール」
シエスタに食べさせられる才人に、ルイズは話かける
「そうそう、オールドオスマンが、サイトが動ける様になったら来てくれって」
口に入った食べ物を飲み込んでから才人が答える
「オールドオスマンって、誰?」
「学院長よ」
「感謝状ならルイズが貰ったろ?俺はどうでも良いよ」
「サイトに話があるみたい」
「そういう事か。解った」

才人が回復し、動ける様になったのはそれから3日経った日である
モンモランシーは泊まり込みしようとしたのだが、ルイズとモンモランシーとの応酬に疲れた才人が、ルイズをモンモランシーの部屋にモンモランシーと一緒に泊まってくれと頼み、怪我人に気疲れさせる物じゃないとモンモランシーに説得され泊まる様になった

モンモランシーは治療の名目で公休を処遇して貰い、堂々と才人の側で治療術をかける事が出来た
286大人才人 乙女達の闘争7:2010/08/09(月) 17:03:56 ID:VwiYEuG+
どうも治療に関してはコツを掴んだらしく、治療術のみならラインに手が届きそうとの本人の談である
其を確かめる為か、学院教師にトライアングルメイジが居るにも関わらず、モンモランシーは魔法実技の実習も兼ねてると主張し、頑に自分だけでやってしまったのである
才人としては、傷が治るならどちらでも良いのだが、一応聞いてみた
「何で一人でやるんだ?」
「実技の研鑽」
「本音は?」
「今なら独占出来るから」
「シエスタも居るじゃん」
「貴方の周りに居る人数から考えたら、居ないと思えるわね」
「さいですか」
才人は肩をすくめるだけにした
その間、隙を見つけては、モンモランシーの方から、口で才人の下の世話迄こなしたのも事実ではある。

完治した才人は、ルイズに案内されて学院長室の扉を叩いた
「どうぞ」
「失礼します」
「ルイズ、悪いけど一人で」
「解ったわ」
学院長と二人きりになる
「さて、何から話そうかのう」
「色々聞きたい事あるんですが」
「儂もじゃよ、ミスロングビルの唇の味はどうじゃった?」
老人の身体を鼠が登り肩に乗る
「使い魔使って覗きたぁ、良い趣味してますね」
「何の何の、お主じゃなければ、破壊の杖は帰って来なかったであろう、それ以外は些事じゃよ」
「食えねえ爺さんだ」
才人は肩をすくめる
「あっ、この爺まだ生きてやがったか」
背中に背負ったデルフが自ら鯉口を切り喋る
「デルフ知ってるのか?」
「知ってるも何も、事と次第によっちゃあ、ブリミル以上の化物だ」
「これデルフリンガー、人を化物みたいに言うでない」
「良いか相棒、オスマン爺は300年前には、既に爺だったんだよ」
「は?推定年齢300歳以上?」
才人は魔法の能力に愕然とする
「さて、見て貰いたい物が有るんでな、お主の質問は歩きながらで構わないかの?」
才人は頷く
歩きながら、才人は自身のルーンが、伝説の使い魔ガンダールヴである事を知り、破壊の杖の出自を知り、帰る手掛かりである事が消えた事に落胆する
「振出か、そう上手く行く訳無いか」
「さて、着いたぞ」
宝物庫に着き、オスマンと共に中に入る
「実はの、この中にはどうやって使うかも解らない様な、ガラクタが結構あってだね。お主が使える様な品が有れば、持っていって構わんぞい」
「良いんですか?」
287大人才人 乙女達の闘争8:2010/08/09(月) 17:11:20 ID:VwiYEuG+
「ああ、構わんよ。此がお主への、学院からの報酬じゃ」
「そういう事なら有り難く頂きます。でも掘り出し物有るかね?」
「相棒。俺っちも手伝えば直ぐだ直ぐ」
「デルフ、目利き出来るのか?」
「武具だけだけどな」
「それで充分だ」
オスマンが言った通り、才人からみてもガラクタが多い。その中にある、破壊の杖は異様である
「魔法の品ばかりって訳じゃないんだな」
「見ろ相棒。此処ら辺刀剣類だ」
「ほう、どれどれ」
一本一本取り出しては確認すると、デルフがあーだこーだ言い始める
「中々厳しいな、デルフ」
「当たり前だ、相棒を守る武器は、俺っち並に使える業物じゃないと、相棒の生死に関わる」
「何気に自身の評価高いんだな、デルフ」
「伊達に経験積んじゃいねぇよ」
「頼もしいねぇ」
そして、奥に収まってた一本の刀を取り出す
「正真正銘の日本刀だ」
「相棒早く抜いてみろ」
すらりと抜くと刀身が結露してる
試しに振ると霧が撒き、辺りに冷気が広がる
「相棒、魔法剣か?」
「違う、妖刀だ。村雨丸。確かありゃ、架空の刀だった気がするんだが」
「ほう、そいつに眼を付けたかいの」
オスマンは顎に手を当てながら、面白そうにしてる
「それは呪いの剣での。抜いた者は、ひたすら人に斬りかかる物騒極まりない代物で、扱いに困って此処に放り込まれたんじゃ。何でもメイジが魔法使いながら、斬りまくったって、話もあったでな」
「相棒、これにしろ」
「良いのか?デルフ?」
「相棒にしか使えん代物だろう?呪いはどうだ?」
「そういえば、さっきから、刀が爺さんに切っ先向けようと、頑張ってるな」
「無視出来るのか」
「ん〜」
ルーンが輝きの度合いを増し、才人が村雨に話かける
「俺と来れば、使ってやれるがどうする?」
衝動が収まる
「収まった」
「俺っちと一緒か」
「何の事だい、デルフ?」
「何でもねぇよ」
『武器の気持ちは武器にしか解んねぇさ。やっと自身の使い手が現れて、嬉しいんだろ?なぁ村雨』

「お帰りサイト。遅かったじゃない。その剣は何?」
「オスマンの爺さんに今回の報酬って事で貰ったのさ。此は村雨丸って銘の、俺の国の刀っていう剣さ。ルイズは触るなよ」
「何でよ」
「呪いがかかってる妖刀だ」
「呪いって、あんたは大丈夫なの?」
「あぁ、俺にしか使えん代物だから貰った」
「嘘ばっかり」
「なぁ、デルフ」
「あいよ」
「俺とデルフなら抑え込めるか?」
288大人才人 乙女達の闘争9:2010/08/09(月) 17:12:02 ID:VwiYEuG+
「嬢ちゃん、魔法上手く使えないみたいだから、大丈夫だろ」
ルイズはまだ不機嫌だ
「論より証拠、ほれ抜いてみ、ルイズ」
ルイズに村雨を渡し、デルフを抜く
「私には大きいじゃない、う〜抜けた。思ったり軽いし、何より凄い綺麗」
「だろ?それが日本刀さ」
「何にも起きないじゃない、あれ?この剣濡れてるの?此に紅いのが塗れたら、更に綺麗になるわよね?」
才人に振り向き詠唱を唱えながら斬りかかる
「糞、やっぱりか」
「相棒、峰だぞ」
「解ってらぁ」
ボン!!ガイン!!
爆発が壁をえぐり、村雨がルイズの手から滑り落ち、床に叩き付けられる
手から離れた衝撃で、ルイズは我に返る
「あれ?あたし?サイトを?」
「これで解ったろ?二度と触るなよ?」
真っ青な顔で頷く
「何でこんな物騒な代物貰って来るのよ。返してきなさいよ」
「予備の武器はあった方が良いし、出来れば業物のが良い。鈍掴まされて苦労すると、ルイズを守れない」
ルイズの顔が一気に紅くなる
「勝手にしなさい、馬鹿犬」
「わん」
『しっかし、相性無視の杖兼用かよ。マジで厄介だなおい』
ルイズは自身が何やったか自覚がなさそうだが、才人は想像以上のリスクで頭を抱えるハメになった
289大人才人:2010/08/09(月) 17:30:53 ID:VwiYEuG+
以上投下終了なのね、きゅい

大人才人タクティクスなのね
今回はエピソード削らて激怒してる、メイドのシエスタなのね
「皆さん、才人さんのメイドのシエスタです。信じられません。私がモブ扱いなんて、絶対間違ってます」
「聞いて下さい。才人さんと私とマルトー料理長が、どんな事してたか、全部削るなんて酷すぎます。私の夢が、才人さんが板前で、私が女将の小さな旅館の夢が削られるのが、始祖ブリミルのおぼし召しだなんて、絶対有り得ません!!」
「一騎当千のシエスタファンが100人集まれば、私と貴方達で10万と1人の大軍勢になれるんです!!」
「この軍勢が力を合わせれば、この私をモブ扱いから、大人才人一番の萌えキャラにする事が出来るんです!!」
「私の出番を出す為に、『シエシエを出せ、馬鹿作者』と言えばきっとやってくれます」
「奇跡は起きます!起こしてみせます!集え全国のシエスタファン!!」

とても、熱い演説だったのね
本編にて、オリジナル武器が出てるけど、大いなる意思によると、趣味って事にして欲しいと言ってるのね
では、次の更新は明日の予定なのね
きゅいきゅい
290名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 19:14:55 ID:B742Vc6k
>>289
GJ
291名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 19:52:34 ID:fjpzxmIo
いいね
292名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 19:59:58 ID:sLXJhlE0
サイト「おいルイズ。これ見てくれよ」
ルイズ「あによ」
ルイズはサイトの指さす場所を凝視するが、何も見えない
ルイズ「何も見えないじゃないのよ〜」
サイトはルイズが機を取られてる隙に背後にまわる
サイト「ウルァ」
ルイズ「ぐぇぇ…」
サイトはルイズの首を思いっきり絞めた
サイト「てめぇ…いつもいつも人の事コキ使いやがって…ユルさねぇ…」
ルイズ「ぐぉぉ…いぎできな…っぐ…」
ビチャビチャビチャ
ルイズは首が締まり過ぎておしっこを漏らしてしまった
サイト「クセェんだよ ルイズが」
サイトはッペとルイズの顔面に唾を吐きかけるとそのままどこかに行ってしまった
ルイズ「しゃ…しゃいとぉ…」
293名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 01:45:12 ID:QCUJJ/X6
>>289
どのキャラもみんな可愛いなあ

GJGJ
294大人才人:2010/08/10(火) 23:18:47 ID:DJMopU7y
シルフィードでイルククゥなのね〜きゅい
寝落ちしながら話書いてる、大いなる意思は馬鹿なのね〜
早くシルフィードを本編でも喋らせるのね、きゅいきゅい
では注意事項なのね
・才人年齢上昇
・アン様,アニエス登場
・エロ分?

では反映されたら投下開始なのね、きゅい
295大人才人:2010/08/10(火) 23:21:50 ID:DJMopU7y
トリステインの王女とアルビオンの王子

「相棒」
「あ〜いぼ〜う」
「なんだデルフ?」
「村雨ばっか相手してねぇで、俺っちも相手してくれよ」
「ん〜」
「泣くぞ」
「ん〜」
「怒るぞ」
「ん〜」
「あえぐぞ」
「すんません、それだけは勘弁して下さい」
此処は、才人が学院内に自作した風呂場の湯船の釜の中
才人は風呂に入りながら村雨を抜いた状態で、何やら考え込んでいた
「で、何を考えてるんだ?相棒」
「村雨って杖にもなるじゃん」
「そうだねぇ」
「ガンダールヴって全ての武器を使いこなすんだろ?魔力の無い俺にも、杖の機能も使いこなせないかと思ってさ」
「そいつぁ、新境地だね」
「だが、どうやってやろう?」
「試しにルーン唱えてみりゃ良いんじゃね?」
「それもそうだな」
ルーン自体は勉強会で基礎と応用の組み合わせ方法、普段頻繁に使われる呪文は教えて貰っていた
自身の系統なぞ知らないので、4系統適当に唱えるか
試しに着火を唱える
剣先にごく弱い炎が一瞬だけ着き消える
ウィンドブレイクを唱える
ごく弱い風が才人を少し撫でる
釜に向け錬金を唱える
釜の縁にほんの少しだけ錆が増える
ウォーターバレットを唱える
風呂のお湯から水滴がほんの少し飛び上がる
「……使いこなしてるじゃねぇか、相棒」
「……確かに使いこなしてるな」
「「これじゃ使えねぇ」」
はぁ〜と、深い深いため息をたてた
ハルケギニアでも、世の中は甘く無いらしい

自身への模索が続く才人と、それには気付かないルイズの前に、純白の衣装を着た亜麻色の髪の女性が来訪した
才人は彼女を見て感嘆する。ルイズと違い、出る所は出、引っ込む所は引っ込む
正に完全無欠。少々儚さをおびた表情は、庇護欲と征服欲を同時にそそられる
『なんで、ハルケギニアは美女,美少女ばかりなんだ。我慢するこちらの身にもなって欲しいわ』
と、突っ立って考えてたら
膝をついた礼をするルイズから、叱咤が飛ぶ
「サイト、姫様の御前よ、臣下の礼をしなさい」
「んな事言われても、臣下になった憶えも無いし、礼も知らん」
「うっ、あたしの真似すれば良いでしょ。使い魔なんだから言う通りにしなさい」
「使い魔が、臣下の礼をしなきゃいけないなんざ、初耳なんだが?」
「貴方が噂のルイズの使い魔さん?使い魔さんの言う通りですね。ルイズの負けです。使い魔さんはそのままで構いませんよ」
「それでは」
ルイズの隣で臣下の礼をする
「なんで、最初からしないのよ」
「納得出来なかったからさ」
「今は納得したの?」
「ああ」
「何処によ?」
「胸」
「あああ後で憶えておきなさい」
クスクスクスと笑い声が響く
「本当に面白い使い魔さんですね。私のルイズが、そんな風に人と接するのは、初めて見ますわ」
「そんなお言葉、勿体無いのうございます姫様。この犬めはまだまだ躾が足らぬ無礼者でして、姫様の御前で無ければ、無礼討ちが本来妥当というものです」
「酷い言われ様だな」
姫様の名はアンリエッタと名乗り、依頼をルイズに持って来た
曰く、アルビオンの王子に手紙を届けて欲しいと
ルイズは感激し、二つ返事で承諾するが、才人はいまいち面白く無い
「報酬は?」
「な、何言ってるのあんた?姫様の依頼なんて大変名誉な事なのよ?」
「良いか、良く聞けルイズ。報酬を貰うってのは仕事を行うとして当然なんだ。例え友人にしか頼めない事であっても、金銭が絡めばそれはプロとしての仕事を要求される事になる」
「つまり、本当に姫様の為を思うなら、なぁなぁでこなすのではなく、報酬を貰う事により、自身の行動に責任を持て」
アンリエッタは、動きを止める
「あんたは使い魔の身分で、報酬欲しいからそう言ってるんでしょ?」
「いいえ、ルイズ。使い魔さんの仰り様は、正に真っ当であり、国の根幹に関わる部分に於いて、非常に重要な示唆を含んでます」
「私の方がお友達に気軽に頼む程度に考えており、その考えの浅はかさを、覚まして下さった使い魔さんには感謝致しますわ」
「姫様、この犬に其処までの言葉は勿体無うございます」
「これはアルビオン迄向かう為の費用です。報酬は改めてお支払い致しますわ。ルイズ、貴方が信用出来ると判断した者を伴うのは構いません」
「それも別途お支払致しましょう。使い魔さん、私のルイズを宜しくお願い致しますね」
其所でアンリエッタが才人に向けて手をかざす
『これは確か、映画とかで見る手の甲にキスをしなきゃいけない場面だよな。でもハルケギニアじゃ口同士かもしれないし』
「何やってるのよサイト。キスしなさいよキス」
ルイズは小声でキスを促す
「キスね」
才人はおもむろに立ち上がり、アンリエッタの唇にキスをする
アンリエッタが驚き目をみはるが、更に舌の侵入を許し、パニックに陥る
右手で頭を抑え、左手を腰に回し、全身の感触を楽しみながら、アンリエッタの口腔内を存分に犯すと、アンリエッタはその場に崩れ落ち、真っ赤な顔で呼吸を整えた
今まで見た事無い大人のキスを眼の前で見せられ、ルイズは怒りより興奮を憶える
才人のキスが何をやってるかは解らないが、姫様が才人の動きに合わせて、身体をビクビクさせるのを見てしまい、言葉を失った
「いいい犬、あんた何やってんの?」
「キスしろって言ったの、ルイズじゃん」
「手の甲にキスしろって意味だったのよ」
「え、そうなのか。すいません姫様。間違えてしまいました」
「い、いえ、構いません。忠誠には報い無ければなりません」
崩れたままの状態で息も絶えだえ、アンリエッタは言う
そしてそのままの姿勢で手の甲を差し出す
『立てないのか』
才人はそう判断し、今度は間違えずに手の甲にキスをするが、アンリエッタがハンカチを取り出し、声を出さない様に食いしばるのをルイズは紅い顔して見る
「ちょちょっと才人、何してるの」
「見ての通り、やり直し(敏感過ぎだけど)」
「じゃあ、何で姫様があんなに苦しそうなのよ?」
「それは姫様に聞くべきだろう?」
「何でもありませんルイズ。使い魔さんは悪くありませんから」
「ですが」
「ルイズは使い魔さんとしてないのですか?先程の……とか」
「してません」
「あら、勿体無い」
「どういう意味でしょう?」
「そのままの意味ですわ」
「姫様、立てますか?」
段々険悪な空気が流れ始めたので、割って入る
こちらを見たアンリエッタは眼を潤ませ、かぶりを振る
「今日は何で来られました?」
「馬車ですわ」
「ではそこまで送りましょう、失礼します」
そういって才人はアンリエッタを背負う
「ひゃいっ!?」
アンリエッタはつい声を上げる
「ちょっと馬鹿犬、いきなり無礼よ」
「歩けないんじゃ、仕方無いだろう?」
才人に両足を抱えられ股間や胸が密着する
歩き出した才人により、その刺激はアンリエッタの脳髄が、溶ろけるには充分過ぎた
つい股間の密着を擦りつけ、胸が密着出来る様に可能な限り力をいれる
才人の首筋に、アンリエッタは顔を寄せ、悩ましい声を才人に送り続ける
「あ、はっ、ん〜〜〜〜っ」
「あの〜、姫様?」
「はっはっは、ふぅ」
「ルイズが見てますよ?」
「あ、何でしょう?」
耳打ちしながら、そのまま舐められかねない
「そんなに良かったですか?」
「はい、とても」
「想い人にだけ、見せた方が良いですよ。こちらも我慢するのは辛い」
かぁっと、アンリエッタは赤面する
「‥‥あの私達王族は」
「ストップ、それ以上は、この犬めには重いでしょう」
「申し訳ありません、つい」
「いえ、手紙の相手は想い人なのでしょう?」
「解りますか?」
「俺は異国の人間なので、手紙がどれだけ重要なのかは解りません」
「が、手紙一枚を届けるには大仰過ぎますし、其れほど大仰にしなければならないなら、それだけの危険が待ち受ける可能性があり、その危険を犯してでも、届けたい相手は限られますからね」
「家族又は恋人、重要な商談といった所ですか。姫様みたいに年頃なら多分恋人かなと」
アンリエッタは眼を丸くする
「使い魔さんは、本当に凄いですね」
「一応社会人だったもので、多少の経験は」
「経験だけで、身に付くものではありませんよ」
「買い被りですよ」
「謙遜なさるのね」
「あの、秘密とかで無ければ構いませんか?」
「そういうのであれば」
「実は、望み薄なんです」
「それでもですか」
「はい」
「大丈夫です。きっと気持ちも届きますよ」
「何故そう思いますの?」
「俺が仕事を承けたからです」
「先程とは違って、自信家ですのね」
「仕事と評価は別ですから」
「まぁ」
アンリエッタは楽しそうに笑う
「あんな姫様初めて見る、む〜」
馬車が見える所迄見えると、一人の騎士が此方に気付き、駆けて来る
「貴様、高貴なる姫様に触るとは無礼だぞ。即刻離れろ」
才人に剣を突き付ける
「アニエス、下がりなさい」
「ですが」
「この使い魔さんは、私が立てないのを知るや、此処までおぶって来て下さったのですよ。礼を言いこそすれ、剣を突き付けるとは何事です!?」
「此処は魔法学院ですし」
「私の恥を衆目に晒せと?」
「は、失礼しました」
「使い魔さんに謝りなさい」
剣を収め才人に向き、頭を下げる
「済まん」
「気にすんな。俺がお宅の立場なら、そうするさ」
其処でアンリエッタの腰が、微妙に動いてるのに気付く
「ちょっと待て貴様。やっぱり私が替わる」
「だ、そうですが、姫様?」
「使い魔さんは馬車迄持ちそうですか?」
「何とか」
「ではこのままでお願いします。アニエスは警護を」
「はっ」
「はいよ」
「馬車の中迄お願いしますね」
「了解しました」
馬車に着くと中に入り、アンリエッタを腰から席に座らせる様に降ろす
「使い魔さん」
アンリエッタは才人の手を取り、スカートの中に導く
「姫様凄。大洪水」
「使い魔さんのせいです。もし気持ちが届かなかったら、契約不履行の責任取って下さいね」
「はははは(どうしろと?)」
馬車から降りると、先程の剣士が話しかけて来る
「先程は済まなかったな」
「気にしない気にしない」
「しかし貴様、一体殿下に何をしたんだ?」
「見ての通り、おんぶ」
「なら何故、あんなに?」
「姫様に聞いてくれ。俺にも解らん」
「そうか」
「仏頂面ばかりじゃ、せっかくの美人が台無しだね」
「貴様、女なら誰でも良いのか?」
「只の感想だよ」
「モテる気は無い」
「勿体無い」
「仕事では不要だ」
「それは真理だね」
才人は深く頷く
「変な奴だな貴様。名は?」
剣士は目をぱちくりさせて尋ねる
「才人。平賀才人だよ」
「私はアニエス=シュヴァリエ=ド=ミランだ。改めて礼を言う。では」
「笑った顔は可愛いね、アニエスさん。またね」
アニエスは驚いた顔をし、馬車の護衛に戻って行った
「あぁ!?」
「どした?ルイズ」
「そういえば、姫様は水のトライアングル」
「へ、って事は?」
「自分で腰治せたんじゃないの」
「んな事は、俺は知らんぞ」
「解ってるわよ。やってくれるじゃない、あのアマ」
桃色のオーラを出し、才人はそれに震える
「才人、今の女性は誰だい?」
タイミングを見計らってたのだろう、マリコリヌが話かけて来る
ルイズを見ると首を振っている
「ルイズの友達さ。腰が抜けたんで、馬車迄送ってた所だよ」
「ルイズ、今の女性を紹介してくれないか?」
「い、嫌」
マリコリヌの気迫に思わず下がるルイズ
更にマリコリヌが、ルイズの手を取ろうとするが、マリコリヌの鼻先1サントに刃が突き付けられる
「はい、踊り子さんには手を触れない」
「わ、解ったから、これしまってくれ、才人」
「ったく、次からやり方考えろよな」
チン、村雨を鞘に収める
「わ、解ったよ」
「ルイズに触って良いのは、俺だけだっての」
「…馬鹿犬」
「…わん」
「今、聞き捨て出来ない言葉を聞いたのだけど、気のせいかしら〜?」
「何の事でしょう?マイロード」
「あんたがあたしの所有物であって、あたしはアンタの所有物じゃない!!」
「ギャン!?」
股間を痛烈に蹴られ、悶絶する才人
「ふん」

所変わって、ルイズの部屋
「はぁ〜、剣を突き付けたサイトカッコ良かったぁ」
「『ルイズに触って良いのは俺だけだ』ですって。ウェヘヘヘヘヘ」
『相棒。早く帰って来てくれよう。嬢ちゃんキモチワリィよう』
おぶる際に邪魔なので、置いて行かれたデルフである

301大人才人:2010/08/11(水) 00:09:48 ID:uMPun3D8
投下終了なのね〜きゅい
大人才人タクティクスなのね
今回はモンモン事モンモランシーなのね
「モンモン言うな、あほ竜。えっと何で私?劇中に水のオリジナルスペルが出たから?えっと私は攻撃が苦手だし、人を傷つけるのも嫌なんだけど、あ、ギーシュは別ね」
「ウォーターバレットは水のドットスペルで、効果範囲が、其なりの水量が有る場所に限られる、非情に使い難いスペルなの」
「今回は湯船の水から取ったんだけど、普段使うなら、河川,湖沼,湿地,海とかになるわね」
「効果としては、水滴を散弾として、面制圧に使う場合に効果が有る範囲魔法の一種ね。ドットの癖に、その特性上、トライアングルクラスの魔力が込められないと、範囲が狭く上手く使えないお馬鹿スペルなの」
「で、この条件を比較的簡単に満たす場所が実は有るの。何処かと言うと戦場」
「そう、敵若しくは味方の死体から、水を取り出して使う。味方が壊滅した水メイジが、使う場合が多いみたい」
「そういう時は血の不純物そのままで使う事から、『ブラッディレイン』と呼ばれて、余り評判が良くないの。水メイジなら使いたがらないわね」
「水滴なので、炎使いには簡単に焼き払われるし、汎用性はウィンディアイシクルに劣る。やっぱり、水メイジは戦闘に向かないわ」
あほ竜だなんて酷いのね〜きゅい
では、明日以降予定の更新は、一話が偉い長い話になるのね
キャラの独走が始まる回なので、宜しくなのね〜きゅいきゅい
302名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 00:18:34 ID:Pp+kjTaW
>>301
GJ
とても読みやすい
しかしルイズがえらく残念なキャラになっておる・・w
303名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 02:21:43 ID:hCAdyOc+
ルイズは原作からして残念なキャラな気が
304名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 06:24:00 ID:uMPun3D8
>>303
だよねぇw
>>302
その残念っぷりを楽しんで貰えたら、作者としては、やった甲斐有るなとw
ルイズの構成要素を、こちらの鎔で再構築したら、やっぱり原作と同じく残念になってしまったw
ちなみに、一番ルイズ動かすのが難しいわ
コンプレックスの塊だから、中々動いてくれないわ、動き始めたら自爆かますわ、周りなんぞ全く見えないわ
だが、それが面白いw
305大人才人:2010/08/12(木) 14:19:23 ID:SG8fq07O
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
昨日もやっぱり、話書いてて寝落ちしてた大いなる意思は馬鹿なのね〜
本編も浮かんでは居るとけど、それ以上に外伝ネタが浮かんで来る状態で、誰か助けてって言ってるのね、きゅい
本編ですら2編有るのに、書ききれるかしらと泣いてるのね〜
2編構成考え直さないとキツイのね〜
大いなる意思の自業自得ぷりは、見ていて笑えるのね〜きゅいきゅい
外伝は
イーヴァルディと二人の王子
シルフィの冒険
イーヴァルディと騎士団
の三編がネタに出てるらしいのね
何れ出す予定だけど、今は本編やるのね、きゅいきゅい
では注意事項なのね
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・一話分の内、プロローグ部と第一夜
・きっと、誰かのターン

反映されたら投下開始なのね〜きゅいきゅい
306大人才人:2010/08/12(木) 14:21:14 ID:SG8fq07O
再会、覚醒

トリステインの牢屋に一人の男が入って来る、装束は牢に似合わぬ風体。時間は深夜丑三時
ある牢屋にて足を止める
「土くれのフーケだな?」
精気の無い顔を、男に向けると、そのまま人形に戻る
「え?何で?」
キィ
「お、あったあった。そろそろ効果切れるから回収してって思ったら、案の定だったね」
「な、風のスクウェアのこの私に気付かせないとは、何者だ貴様?」
男は杖を構えるが、女は気にも止めない
「誰でも良いんじゃない?アンタのお陰で楽に忍び込めたから、誰にも言わないでおくよ。じゃ、バイビー」
「な、ちょっと待て、この私を無視するな!」
スタスタ去る女を、男は慌てて追いかける
「だから、待てと言うのに」
「煩いね。アタイは此でも忙しいんだ。アンタに構ってる暇は無いんだよ。まともな仕事探さないといけないんだ」
「そういう事なら、私がまともな仕事を紹介しよう。だから私を無視するな」
「断る」
「何?」
くるりと振り向き答える
「こんな時間にフーケに声かける様な、怪しい奴の仕事なんてご免だね」
くるりと振り直り、スタスタ歩きだす
「私は怪しくなぁい!!」
「充分怪しいじゃないか」
その後もしつこく声をかける男に対し、相場の3倍をふっかけ、前金5割じゃないと仕事しないと言い切り、了解を取り付ける
「…あの、もう少し安く」
「じゃ、他当たりなよ」
「…暫くパンの耳と水だな」
ガクリとうなだれる
「じゃあ明日、彼処の酒場で前金払いに来たら契約成立ね」
「わ、解った」
女はそのまま踊る様に歩く
『よっしゃ。此で余裕出来たら、借り返しに行けるね』
鼻唄を出し、腕をフリフリ、腰をフリフリ、宿に戻って行った

*  *  *

「あら、ルイズお使い?ダーリンが行くなら私も行くわ、タバサも一緒に行こう。シルフィード居ると便利だし」
「…解った」
「ルイズ、姫様の依頼だって?何で僕に、声をかけてくれないんだい?断られても、ついて行くよ」
「あら、私は戦わないわよ。其でも良いの?」
上から、押し掛け,便乗,押し売り,ルイズからの依頼の順である
街道を珍道中する一行、酒場にて酔客とトラブルが起き、才人が抜きかける
「酔客相手に抜くのは、どうかな?」
其処に一人の貴族が割って入る
青い羽帽子にマント、仕立ての良いシャツに同色のパンツ、腰にはレイピアを下げている
307大人才人 再会、覚醒1-2:2010/08/12(木) 14:24:06 ID:SG8fq07O
鍛え抜かれた証の偉丈夫。モダンな口髭を生やし、印象は気障の一言
「ワルド?」
「何?ワリオ?」
「姫様の依頼書にあった同行者って、ワルドなの!?」
「ワリオとワルドじゃ、髭親父って共通点しか無いな」
うんうんと、才人は一人頷く
「ギーシュ、才人が何を言ってるか解る?」
「僕程度に、才人の思考を理解出来る訳無いだろう?」
ギーシュは肩をすくめる
「主人、このテーブルに、エールを振る舞ってくれ。私の連れが迷惑をかけた」
ピンと金貨を弾き、店主は受け取る
「こりゃあ良い。話が解る貴族様だ」
ジョッキを手にした酔客は、忘れる事にした様だ
「こんな所で逢えるとはね。始祖ブリミルのお導きだろう。私のルイズ」
ワルドはルイズの肩に手をかけようとするが、ワルドとルイズの間に刃が走り、動きを止める
「何のつもりだ?」
「今度は酔客じゃないから、構わないだろう?」
「ほう」
ワルドの眼に、剣呑な光が宿る
「君はルイズの何かね?」
「使い魔だよ、色男」
「私はルイズの婚約者だよ、使い魔君」
「そうかい。ご主人様に触れないで頂こうか?」
『この前の本気なんだ?あたしってば、罪なオ・ン・ナ』
「しかし、随分珍妙な格好した使い魔だな」
「ライディングジャケットは、通気性と運動性に優れた軽量防具だよ。着飾るのは、此処に要るような、可愛い女のコ達だけで充分だ」
其を聞き、
キュルケは当然と言った態度
モンモランシーは満更でも無い様子
タバサは無表情だが、キュルケから見たら喜びの表情を
ギーシュは落ち込む
「僕はどうでも良いのか・・」
そして、何故かルイズは怒っていた
「才人、剣を収めなさい」
「嫌だ」
「剣を収めて」
「嫌だ」
「私の婚約者なのよ?」
「其がどうかしたのか?」
才人は気にも止めない
「な、何で、言う事聞かないの?剣を収めなさい」
「銘で呼ばないで良いから、せめて刀と呼んでくれ」
「別に剣でも良いでしょ?」
「日本刀は俺の国の美と強さの象徴だ。村雨は、俺の国に繋がる、か細い蜘蛛の糸だ。貴族ってのは、自分の誇りだけで、他人の誇りには敬意を払えないのか?」
「そんなの今はどうでも良いでしょ?とにかく剣を収めなさい」
「嫌だ」
「使い魔君。君の言い分と仕事熱心さは解った。私が下がるから、その剣、刀と言ったか?とにかく収めてくれないか?」
ワルドが言う通り下がったので、才人は村雨を鞘に戻す
才人はテーブルのエールをブン取り、一気に飲む
308大人才人 再会、覚醒1-3:2010/08/12(木) 14:31:13 ID:SG8fq07O
「才人、それ僕のエール」
「残念だよ。ミスヴァリエール」
カウンターから酒を受け取り、階段を登って行く
「聞いた?」
「今、ミスヴァリエールって」
キュルケとモンモランシーは、顔を見合わせた
「一体何なのよ?もう」
「…解らないのなら、貴女は自分自身で思うより、ずっと幸せな人間だって事」
テーブルの料理を殆ど平らげ、タバサは立ち上がり、部屋に戻って行く
「ヴァリエール。残念だけど、私もタバサと同意見だわ」
キュルケも立つ
「僕もそう思うな」
「私もよ」
ギーシュとモンモランシーも立つ
「…どういう事?」
皆が部屋に去り、ルイズとワルドが残された
「ルイズ、二人きりになってしまったが、再会を祝おう」
「今はいい、あたしも部屋に戻る」
「そうか。では、また明日だ。私のルイズ」

酒場の2階が宿になっており、女性陣と男性陣で部屋が離れている
部屋割りは、
ルイズとモンモランシー
キュルケとタバサ
才人とギーシュである
モンモランシーが才人達の部屋に行くと、扉の前でギーシュが立っていた
「ギーシュ、扉の前で何してんのよ?」
「モンモランシーも来たのかい?キュルケもタバサも来たんだけど、才人に追い返されちゃって、僕も入れてくれないんだ」
「明日にはちゃんとするから、今は独りにしてくれって」
「そう、才人、入るわよ」
「来るなっ」
ガチャッ
モンモランシーが入ると、才人がベッドの上で、一際強い蒸留酒の瓶を直接煽っている
「来るなっつったろうが」
才人の側にはすぐに向かわず、隣のベッドの毛布を取り一度出る
「はいこれ」
「有り難う。モンモランシーはどうするのかい?」
「此処に居るわ」
「…意味解って言ってる?」
「勿論。でも多分無理ね。才人はどんな時でも優しいもの」
「其でもかい?」
「私を取られるのが嫌?其とも貴方がしたいから?」
「…聞こえてる状態で、言わせるつもりかい?」
「貴方も早く楽になりなさいな」
「出来るなら、そうしてるさ」
「じゃ、お先にね」
パタン
「…僕も楽になりたいよ、才人」
ギーシュは毛布の前を合わせ、冷える夜に備え寝る姿勢に入った
「今のは例の会話だろう?何で俺に聞かせるんだ?」
「原因があんただからよ」
「そうか」
「聞かないのね」
「今の気分じゃ聞きたくない」
酒を煽る才人
「部屋に戻れ」
「嫌よ」
309大人才人 再会、覚醒1-4:2010/08/12(木) 14:34:16 ID:SG8fq07O
モンモランシーはベッドに歩み寄り、腰を降ろす
「ねぇ」
「……何だ?」
「帰りたい?」
「解るのか?」
「解るわよ。じゃないと、ルイズの言葉に彼処迄、反応しないじゃない」
「……ふぅ、俺もまだまだだな」
酒を呑む手は緩めない
モンモランシーは深呼吸してから話しだす
「私は、あんたに居て欲しいと思ってる」
「…」
「あんたが来てから、学院の雰囲気が凄い変わったのよ?解る?」
「俺が来る前なんざ、俺に解る訳無かろう」
「それもそうね」
クスっと笑ってから、モンモランシーは続ける
「まず、雰囲気が変わった。何かを馬鹿した様なのが、凄い減った」
「平民なのにメイジに勝った。それだけでも凄い」
「…ありゃ、ギーシュの温情だ」
酒を呑む手を止め答える
「あんたが何かやる度に、皆、自分が何かをおろそかにしてる事に気付かされた」
「あんたは貴族平民男女の別なく等しく接した。使い魔に対し、私達がおろそかにしてた部分を気付かせた。あれで、あんたを馬鹿にするのは居なくなった」
「…ありゃ元々、マルトーの親父さんがやってた事で、俺は代理だ」
「その料理長が言ってたじゃない『俺でも彼処迄は考えて無かったし、あれだけの使い魔達に合わせた食迄、考えてらんねぇ。やっぱり我らの剣は凄ぇ』って」
「…何で知ってる?」
「あんた、何時も午前中はルイズの洗濯とか含めて、大抵授業に居ないでしょ?昼前にロビン含めた使い魔の大半が、消える様になったのよ。其で繋いだら、何時も昼時にあんたに食べさせて貰ってたわ。他の使い魔の主人達も同じじゃない?」
「…バレバレか」
「バレバレよ。只の平民と思ったら、私達には無い見識と教養を身に付けた人間だと。皆が気付くのに、そう時間はかからなかった」
「ギーシュのワルキューレを褒めたでしょう?ギーシュは凄い喜んでたのよ」
「変か?」
「変よ。ゴーレムの説明受けたでしょ?ギーシュのは、ゴーレムとしては無駄が多い落第なのよ。メイジとしては、けなしはしても、評価はしないわね」
「あんなに綺麗じゃないか」
310大人才人 再会、覚醒1-5:2010/08/12(木) 14:40:24 ID:SG8fq07O
「其処よ。あんたは私達に見えて無いモノが見えている。良いことは良いと言い、悪い事は悪いと言う。誰が相手でも曲げず、決して引かない」
「あんたは仕事だからと言って、皆が怯む事にも敢然と向かい、一番危険な事を進んで行った」
「コルベール先生が、あんたの話目当てで勉強会に来てたでしょ?私はあんたが来る迄、只の変人だと思ってた」
今でも変人扱いだけどねと、付け加える
「コルベール先生があんたのリクエストに答えて、其にあんたが更に別の方法を提示して、それに先生がまたやって。キュルケやタバサも目を丸くして」
「メイジでも無いのに、何故そんな事が出来るのか、私には理解出来なかった」
「そんな中でも、一番変わったのは、ルイズよ」
「あんたが来る前は、失敗失敗また失敗。何をやっても、ゼロ、ゼロ、ゼロ。浴びる言葉は嘲笑,冷笑,侮蔑に無視。寄って来るのは、大貴族の名前目当てのおべっか連中」
「正直、視線合わせるのも辛かった」
「でも、あんたは違った。小さい事でも褒めた。とにかく褒めた。魔法だけが全てじゃないと言い、実際にそうして見せた。身を以って教えた」
「フーケの時にルイズが指揮をしていたんですってね。『サイトが教えてくれたから、あたしにも出来る事があるの』って、凄い喜んでたわ」
「…」
「その後、あんたが担ぎ込まれた時、『あたし一人、撤退判断間違えたせいで、サイトに大怪我負わせた』」
「『モンモランシー、サイトを治して。今此しか無いけど、必ず全部払うから』って大泣きしながら言ってきて、見てられなかったわよ」
「…」
「最近のルイズの話題はね、殆どがあんたの話題よ。今日はあの女が、あたしの使い魔に近付いたって、話が殆どだけどね」
クスクスと笑う
「でもね、最後に必ずこう言うのよ。『サイトはハルケギニア最高の使い魔よ。始祖ブリミルでも、サイトには遠く及ばない。私、全ての運をサイトを喚ぶ為に使っちゃったみたい。でも大丈夫。サイトが居るんだもの』ですって」
「毎回言うから、すっかり憶えちゃったわ」
「…あんにゃろう」
「此でも、……帰りたい?」
「…やり残した事が有るんだよ」
「恋人?」
「彼方には居ないよ」
「じゃあ、此方で出来たんだ」
「何でそうなる?」
「彼方ではって、言ったじゃない」
「なら、訂正だ。恋人は何処にも居ない」
モンモランシーは才人に寄り添う
311大人才人 再会、覚醒1-6:2010/08/12(木) 14:43:34 ID:SG8fq07O
「私じゃ、駄目?」
「は?」
「私じゃ、…駄目?」
「ギーシュはって、関係無いんだったな」
ふぅと、溜め息をつく
「俺は、使い魔だ」
「知ってる」
「俺は、異邦人だ」
「知ってる」
「俺は、今の状態じゃ、いつ死んでもおかしくない」
「知ってる」
「貴族は、貴族同士婚姻するのが常なんだろう?」
「関係無い。あんたを知ってしまった。あんたが良い」
「俺には、女を愛する余裕が無い」
「構わない。私があんたを愛せば良い」
「後悔するぞ」
「あんたの側に居られない方が、ずっと嫌」
「浮気したらどうする?」
「あんたは、モテるから覚悟する」
「何を?」
「…相手を、許す事を」
「俺は許さないのか」
才人は笑う
「えぇ、そうよ」
「良い女だな、モンモン」
「あんたには、勿体無い?」
「ああ」
「そうやって、逃げる積もりでしょ?」
「ありゃ、もうこちらの手品のタネを見抜いたか」
「ええ、そうよ」
モンモランシーから才人にキスをし、服を脱ぎ全裸になる
「ねぇ、私綺麗?」
「ああ」
「どこが綺麗?」
「流麗なスタイル、形の良い胸、引き締まった腰、小ぶりで丸い尻、美味しそうな太ももが堪らん」
「ソバカスは?」
「とても可愛い」
312大人才人 再会、覚醒1-7:2010/08/12(木) 14:44:31 ID:SG8fq07O
「匂いは?」
「今まで嗅いだ事無い、魅力的な匂いだ。正直クラクラする」
「私の最新作よ。あんたに喜んで貰えて、とても嬉しい」
モンモランシーは、そのまま才人に抱きつき、言う
「あんたの匂いも素敵」
「酒臭い男がか?」
「あんたの匂いは全て好き。私にとって最高の香水よ」
「変態だな」
「こうしたのは、あんたよ」
「…そうか」
「ねぇ、抱いて」
「あぁ・・・」
「どうしたの?」
「スマン、呑みすぎた。起たねぇ」
「なら、水魔法で」
杖を取るモンモランシーから、才人は杖を取り上げる
「止めてくれ、今シラフになったら落ち込む」
「臆病者」
「落ち込んだら、結局出来ないぞ」
「あっ、そうか」
「…なら、このまま一緒に寝て良い?」
「あぁ、服着ないのか?」
「嫌よ、あんたが脱いで」
「解ったよ」
二人して裸で同じベッドに入る
「ねぇ」
「何だ?」
「次は、お願いね」
「あぁ」
「オヤスミ」
モンモランシーは才人の胸で眼を閉じる
「オヤスミ、モンモン」

*  *  *
313大人才人:2010/08/12(木) 14:58:36 ID:SG8fq07O
投下終了なのね〜
今回は一話分が長すぎる為、分割されてるので注意なのね〜
大人才人タクティクスなのね
今回は、え〜と誰にしよう?
ギーシュにするのね
「何で皆して、僕の扱いが酷いんだい?泣きたくなってくるよ」
「僕だって頑張ってるってのに。そりゃ才人の隣に居たら霞むけどさ」
「何やっても敵わない相手って、実際に目の当たりにする迄、信じられなかったよ。此が、父上が言ってた心境なのかな?」
「え?原作と違って、僕とモンモランシーの仲が変だって?うん、僕だって色々悩んでるんだ」
「これ以上言うと、始祖ブリミルの教えに反して怒られるから、此処で失礼するよ」
有り難うなのね〜
きっと、ギーシュも幸せになれると思うのね
では、明日以降の更新で、また宜しくなのね〜きゅい
314名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 15:48:04 ID:iRPP5nq1
おつー
>>306の最初、何が起こってるのかわかんなかったorz


モンモンかわいいよモンモン
315名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 18:04:37 ID:baNtEfVH
>>313
GJ
しかしギーシュが不憫でならんぜ…
ハッピーエンドで頼む
316名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 19:46:41 ID:GmE5Gub9
>>313
GGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJ!!!!!
317名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 20:49:03 ID:JLtlaGml
>>313
GJ
漢字変換のしすぎで今の書き言葉になじみにくい漢字があるのが残念だけど
話はとても面白い
これからも是非続けてほしい

もう1回。GJ
318大人才人:2010/08/13(金) 16:10:29 ID:jkhOT5AP
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
評判が出てきて大いなる意思も喜んでるのね
きゅいきゅい
尚、wikiに投下はやり方知らないし、やる時間有るなら、創作に費やしたいらしいので、お暇な方の親切に期待するらしいのね
現在一話作成するのに、8時間以上かかるのね
最初は短くて2時間有れば作れたのにね〜きゅい
キャラが暴走するから、ひたすら長くなるのね
タクティクス部分は、原稿無しのぶっつけ本番だから、ロストしたら終わりなのね、きゅい
では注意事項なのね
・才人年齢上昇
・再会、覚醒の2日目午前
・ちょい長め、30分投下切れたら、多分要支援

では反映後、投下開始なのね
319大人才人 再会、覚醒2-1:2010/08/13(金) 16:11:32 ID:jkhOT5AP
「ふぁ〜、あたたたた、頭痛ぇ。呑みすぎた」
才人が起きると、下半身がぬるぬるしている
「おはよう、才人」
「おはよう、モンモン」
モンモランシーは股間を才人に擦り付けている
「起きたら股間が何か濡れてんだけど、おねしょ?」
「あんた、解って言ってるんでしょう?」
「あだだだだだ」
モンモランシーは、思い切り才人の頬をつねる
「ててて、悪い悪い。モンモン、一人でしたのか?」
「したわよ、あんたの胸の上じゃ、我慢出来なくてつい」
「可愛いぞ、モンモン」
「こんなの見せるの、あんただけよ」
「最近、モンモンと言っても怒らないな」
「モンモンと言うのはあんただけ、言って良いのもあんただけよ」
「殺し文句だな、それ」
「この程度で殺される相手なら、私も楽なんだけどね」
クスクスとモンモランシーは笑い、水差しから水を飲み、才人に口移しで飲ませ、杖を取り、そのまま詠唱を始める
「済まないモンモン、楽になった」
そのまま詠唱を行い、下半身の洪水後を浄化する
「此で良しっと、そろそろギーシュも来るわね」
「それじゃ、何時も通りにいきますか」
才人は伸びをし、服に着替える
「……せて」
「え?」
「着替えさせて!!」
「はい?」
「ルイズにはしてるんでしょう?」
「…何で知ってる?」
「ルイズから聞いた。『あたしのサイトは、こんなに優しく着替えさせてくれるの〜』ですって」
「んな事迄、バラしてんのか。やきもちか?」
「ん」
「解りました、姫。不肖、この犬、姫様の珠玉の玉肌に衣服を纏わせる栄に浴する事を、誇りに思いまする」
「ウム、良きにはからえ」
「ハハッ」

着替えが終わった頃、扉がノックされる
「才人、そろそろ良いかい?」
「良いぞ」
ガチャ
「おはよう。昨日は済まなかったな、ギーシュ」
「おはよう。構わないよ。独りになりたい時もあるしね」
「ギーシュ、お前は良い男だよ」
「そうかい?」
ギーシュは寂しそうに笑うが、才人は気付かない
「…何も、聞かないのね」
「僕は才人を尊敬してるんだ。それに、僕のモンモランシーにも、自分の気持ちを大事にして欲しい」
「本人の前で、言う台詞じゃないな」
才人は苦笑する
「だから二人共、何時も通りに接して欲しい」
「了解」
「解ったわ」

*  *  *
パタン
モンモランシーが部屋に戻ると、ルイズは既に起きていた
320大人才人 再会、覚醒2-2:2010/08/13(金) 16:13:00 ID:jkhOT5AP
「モンモランシー、一晩中何処に行ってたのよ?」
「才人の所よ」
「嘘!?」
「本当よ、凄い荒れてたわ、彼」
「サイトが荒れる?冗談でしょ?何時も笑ってるじゃない」
「そうね。特にルイズの前では、優しく笑ってるわね」
「じゃあ、何で?」
「そうしたのは貴女よ、ルイズ」
「あたし、何をしたの?」
「其が解らないなら、貴女はずっとゼロのルイズよ」
「教えて」
「嫌よ。今度は、才人は優しく教えてくれないわ。自分で考えるのね」
「うぅ〜。所で、酒の臭いは解るけど、何でサイトの匂いが付いてるの?」
才人の体臭に付いてだけは、ルイズの嗅覚は犬並である
「一緒に寝たからよ」
「なっ!?」
「別に良いでしょ。貴女も婚約者が居るじゃない」
「…サイトはあたしの使い魔で」
「使い魔の恋愛に、何癖付ける主人なんて初耳ね」
「……でも、貴族と平民」
「関係無いわよそんなもの。貴女の言う通り、才人の替わりなんて、ハルケギニアには居やしないもの」
「うっ」
「そうそう、ワルドと結婚したら、才人の使い魔職をクビにして、ワルドに守って貰ってね。才人は私が貰うから」
「…そんな」
「さてと、先に朝食に行くわね。早く行かないと、才人と朝食取れなくなっちゃうわ」
全てをポーカーフェイスで言い切り、モンモランシーは部屋を後にする
「……嘘、サイトが私から離れるの?嘘、嘘だよね?」
ハルケギニアに喚んでから、自分の事を唯一認め、いつ如何なる時にも、傷を負う事すらいとわず守り、今居る仲間達との仲すら取りなした。
今となっては、絶対の信頼と、それ以上の感情を、知らずに寄せる存在
その存在を知らずに傷つけ、その事に自分自身だけが気付かない事実に、暫くルイズは呆然とし、動く事が出来なかった

「聞こえてたわよ、モンモランシー。話を聞きましょうか?」
廊下にモンモランシーが出ると、キュルケとタバサが居た
表情は、キュルケは撫然、タバサは剣呑
其でもポーカーフェイスで、モンモランシーは答える
「あらあら、二人共恐い顔しちゃって、聞きたい話って何かしら?」
「…才人としたの?」
「イエスと言ったら?」
「タバサが止まらなくなるけど」
タバサからは、感情が高まり過ぎて、制御出来ない魔力が漏れ、周囲に冷気を放出し、実際に気温が下がる
「あらあら、タバサ迄。残念、答えはノーよ」
「…本当に?」
321大人才人 再会、覚醒2-3:2010/08/13(金) 16:16:21 ID:jkhOT5AP
「本当よ。此方からも質問。才人の何処に惹かれたの?」
「…私達には無い思考。其に驕らない姿勢。それに優しい手。男女貴族平民の別なく接し、こんな私にさえ優しい。こんな事、家族にさえされてない」
「使い魔の特性じゃないのね?」
「…其は、彼の本質じゃない」
「流石、良く解ってるじゃない。じゃあ、私からも。私やルイズに遠慮せずに、アタックしちゃいなさいな」
「…良いの?」
タバサはモンモランシーを見上げる
「勿論。でも、始祖ブリミルより手強いわよ」
「あら、其処で始祖ブリミルを出すのかしら?」
「ええ、そうよ。荒れてる時でも優しくて。何をやってもかわされる。感情をぶつければ全て受け止め、包み込んでくれる。其で、誰よりも強いだなんて反則よ」
「其は確かに反則ね」
「でしょ?」
「…ん」
タバサは手を出す
「どうしたの、タバサ?」
「仲直り」
「気にしなくて良いのに」
「一個借り」
「律義ね、タバサ」
モンモランシーは握手を交わしながら話す
「そうだ、一つ約束して欲しいんだけど」
「…何?」
「もし、落とす事に成功したら、貸し出してくれないかしら?」
「…逆も有り?」
「そうね。有りにしましょうか?」
「乗った」
「交渉成立ね」
「プ、ク、アハハハハハハハ。最高に面白いわよ、アンタ達」
キュルケは爆笑し、モンモランシーはつられてクスクス笑う
322大人才人 再会、覚醒2-4:2010/08/13(金) 16:21:59 ID:jkhOT5AP
「それじゃ、先ずは食事ね。恋の戦も腹が減っては、戦は出来ないのよ」
「アッハッハッハ。モンモランシー、それ迷言よ」
「あら、そんな事無いわよ。あれにも体力使うじゃない。ひょっとして、タバサもそれ見越して食べてるんじゃ?」
キュルケの胸を杖で差し示し
「…羨ましいから」
「才人が喜べば良いのよ」
「…才人は胸が大きい女に目が行く」
「…此は私も頑張らないとね」
「も、駄目。アッハッハッハ」
キュルケは笑うに任せながら、三人は階段を降りて行った

*  *  *

「何だ、キュルケが笑ってんな?」
「笑えるのは良いことさ」
6席のテーブルで、才人とギーシュは食事を取っている
ギーシュの手には、食後の紅茶
「にしても、良く食べるね、才人」
「ムグムグ、そりゃメイジと違って、アグアグ、身体が資本だからな、モグモグ、昨日棄け酒で食わなかった分食わないと、ぷはっ」
水を飲み、一息入れて、また食べる
「悪いが才人、食事に集中してくれないか?食べ滓が飛んでくる」
「お、済まん」
全てを空にし、更に注文する
「まだ、食べるのかい。タバサ並だね」
「よせやい、あれには敵わねぇよ」
三人が降りて来て、才人達に挨拶を交わす
三人が降りて来て、才人達に挨拶を交わす
キュルケはモンモランシーの肩に手をかけ、必死に笑いを噛み殺している
「「おはよう」」
「「おはよう才人」」
「僕には挨拶無しかい」
ナチュラルに無視され、軽く凹むギーシュ
「どしたのキュルケ?」
「上で話した時の話題が、壷にハマったみたいなの。気にしないで大丈夫よ」
「そうなのか、タバサ?」
モンモランシーが事も無げに言い、タバサは頷く
「お、おは。駄目、もう限界。アハハハハハハハ」
才人の顔を見た瞬間爆笑しだし、才人とギーシュは顔を見合わせた
三人は席に座り、注文する。その際、ちゃっかり才人の隣に座ったのはタバサである
モンモランシーはタバサの対面に座り、視線が交叉する
それを見たキュルケは、又笑いの発作が止まらない
「クックック」
「随分面白いネタだったのか?」
「そうみたいだね。そういえば、ルイズはどうしたのかな?僕のモンモランシー」
「まだ、準備してるみたいよ」
「昨日の髭親父も来てないな」
「髭親父とは私の事かね?」
「お、来たか色男」
「名前で呼んでくれたまえ、使い魔君」
「聞いて無いのに呼べんよ」
323大人才人 再会、覚醒2-5:2010/08/13(金) 16:23:25 ID:jkhOT5AP
「おっと、此は失礼した。ジャン=ジャック=フランシス=ド=ワルド。爵位は子爵。トリステイン王国魔法衛士隊グリフォン隊隊長をしている」
「魔法衛士隊隊長だって?」
「知って居るのか雷電。じゃなくて、ギーシュ」
「雷電って何だい?そういえば、才人は知らないか。魔法衛士隊ってのは、トリステインに3つ有る衛士隊で最高の軍人が集うんだ。其の隊長ってのは、凄い事なんだよ」
「って事は、此処に居るのはトリステイン最強の軍人の一人って事か?」
「そうなるね」
「ふむ」
才人は考え込む
『こりゃ、思った以上に厄介な依頼だな。全員守れん可能性が高い。ルイズだけでも任せるか』
「君は魔法衛士隊を知らんのかね?」
「俺は異邦人なのでね」
「成程、其で珍妙な格好なのだな」
才人は立ち上がり、握手を求める
「此から宜しく、隊長殿。俺の事は使い魔で構わんよ」
「宜しく頼む、使い魔君。ワルドと呼んでくれたまえ」
二人は握手
「で、隊長殿、朝食は済んだかい?」
「まだだ(パンの耳と水だけとは言えん)」
「では一緒に取ろう。ギーシュが朝食が終わってるから、悪いが席を代わってくれないか?」
「了解だよ、才人」
「済まないね、え〜と」
「グラモンです。ミスタワルド」
「もしかして、グラモン元帥の?」
「はい、息子です」
「父上には御世話になっているよ。君からも、宜しく伝えてくれたまえ」
「解りました。父も喜ぶでしょう」
「と、いう訳で、朝食は隊長殿の奢りだそうだ。タバサ、存分に食べろよ」
「…解った」
コクリと頷き、追加注文をする。その量を聞き、ワルドはこめかみをひくつかせる
「ちょっと待て、使い魔。誰が奢ると?」
「おんや?普段世話になってる元帥の息子には、返さないとね。其とも、学生と無報酬の使い魔にタカる積もりかい?」
貴族の見栄に伴う正論
「ぐっ、わ、解った」
才人は済ました顔で漂々としている
「あらら、ダーリン凄いわね」
「何でそんな事が出来るんだい?」
「…才人に付いて行けば、食事には困らない」
「本当に逞しいわね」
「皆、礼を言おうぜ」
「「「「有り難うございます。ミスタワルド」」」」
トドメである
「ウ、ウム」
周りからは、笑いを噛み殺した声が聞こえてくる
その日のワルドの朝食は、少々塩味がきつすぎた

ルイズが階段を降りると、仲間が朝食を取って居る
6脚の椅子の内、一席が空き、ギーシュが立っている
324大人才人 再会、覚醒2-6:2010/08/13(金) 16:34:05 ID:jkhOT5AP
此から来る仲間の為に、其処までの気遣いを見せるのは一人しか居ない
そう、自分の使い魔だ
『昨日は荒れてたって言ってたけど、機嫌直ったのね。だって、あんなに笑ってる』
『大丈夫よルイズ。何が悪かったか、サイトから、さりげなく聞けば良いのよ。サイトなら、きちんと答えてくれる』
『やだ、学院で一人ぼっちだった時より、ずっと怖い。ずっと緊張する。勇気を出して挨拶するのよ』
呼吸を整え、声を出す
「おはよう、皆」
「「「「おはよう」」」」
その後に各々の呼び方が追加されるが、一つ違和感を感じる
声自体は一番欲しい声
でも、その言葉は
「おはよう。ミスヴァリエール」
ルイズはその瞬間、視界が真っ白になった

「……ズ、ルイズ」
「…何?キュルケ」
「呼びかけても、返事しなかったのは貴女じゃない。朝から白昼夢?しっかりしなさいよ、ヴァリエール」
「ほら、さっさと席に付いて、今日の朝食はミスタワルドの奢りだから、礼を言って存分に食べなさい」
「本当?」
「その通りだよ、私のルイズ」
先程迄の涙を流してたのを、微塵も見せずキリっとしてるワルド
其を見た才人とギーシュは、小声で会話する
「クックックック、狙い通り」
「才人、君は悪魔かね?」
「タバサの食費を受け持って貰えるなら、喜んで崇拝するね」
「確かに」
実は用意された路銀は、タバサの食費により窮乏の状態に陥っているが、タバサも遠慮してるのを皆が知ってる為、誰も何も言わない
其処に、鴨が葱背負ってやって来たのだ
しかも、この鴨はフェラガモらしい
美味しく頂くとしよう
「ギーシュ、耳貸せ」
「………了解」
ギーシュはワルドが視線を反らした隙に、ルイズに近寄り、耳打ちをする
「才人から伝言。ワルドに甘えて、此からの食費を受け持って貰える様に頑張れ」
ルイズはギーシュに耳打ちを返す
「確かに路銀はキツイけど」
才人を見ると、ウインクをしてる
『あれ?サイトが期待してる。さっきのミスヴァリエールも気のせいよね?何か記憶曖昧だし』
『そういえば、誰かから期待されたのってあったかしら?家族でも、慰められた事はあっても、期待は無かったよね?』
『もしかして、初めて期待されてる?その期待がサイトから?やっぱり、私の事認めてくれてるの、サイトだけなんだ』
『駄目で元々だし。良し、やろう』
「ねぇ、ワルド」
「何だい?私のルイズ」
「今回の任務が成功したら、どうなるかな?」
325大人才人 再会、覚醒2-7:2010/08/13(金) 16:35:18 ID:jkhOT5AP
「殿下の覚えがめでたくなり、私とルイズの結婚式に殿下を招待して、盛大に出来るだろうね。私の両親の墓前やヴァリエール公にも素晴らしい報告になるだろうね。私のルイズ」
「私のワルドなら、きっと凄い活躍をして、素晴らしい報告が出来るわね」
「そうだね、私に任せておけば万事解決だ。御学友の活躍も、併せて報告出来るだろうね。私のルイズ」
「私のワルドなら、これぞ貴族の鑑って気前の良い姿を見せて、私達の手本になってくれるでしょうね」
「勿論だとも、私が後進の君達の手本として、鑑になる事は一切の妥協をしないさ。私のルイズ」
「なら手本として、此からの私達の食費を全て受け持ってくれるわよね。私のワルド」
「勿論だとも。この私に任せれば万事解決。この先快適に…………あ!?」
「全員、礼だ」
「「「「有り難うございます。ミスタワルド」」」」
「つ、使い魔」
「俺が何かしたか?ルイズと喋ってたのは、隊長殿だろう?」
ワルドは暫く呆然とし、顔を伏せ、男泣きに泣き始める
其を尻目に全員で親指を立て、ぐっとルイズに突き出す
周りで見聞きした客達は、最早遠慮なく爆笑を始める
「ブワッハハハハ」
「もう駄目。腹痛ぇ」
「良いぞ、桃髪の姉ちゃん」
「ギャハハハハ」
「はい、皆さん。此方の貴婦人に拍手!!」
才人が音頭を取ると、周りから拍手と歓声、更にチップ迄飛んで来る
「うっそ、観衆を味方に付けちゃった」
「只のお調子者よ」
「才人、君には脱帽だ」
「…此で満腹出来る」
「…あたし、出来たの?」
「そうよヴァリエール、しかも最高のカタチでね」
「ハメたな、使い魔」
「さてね。まさか婚約者の前で、吐いた唾を飲むのかい?」
「ぐっ、飲むわけ無かろう」
「では、此から宜しくお願いします。パトロン殿」
才人は立ち上がり、大仰に礼をする
「…当然だ」
ワルドの顔には、嫌な汗が滴り落ちた

「ふぁあ。アタイは何時まで待機かねぇ。寝よ」
別の宿で、女は男との合流を待つ迄、寝る事にした

*  *  *

キィ
扉が開く音で目が覚め、傍らの杖を手に取る
「フーケ起きろ、うっ」
「触るな、既に詠唱は終えている」
フーケを揺り起こそうとしたら、杖を向けられ、男は硬直する
「解った。解ったから杖から手を離せ」
「ふん」
男が椅子に腰掛けてから、フーケは一度手を離す
「嫌われたもんだな」
「アタイが欲しいのかい?」
「遊びで良ければだがね」
326大人才人 再会、覚醒2-8:2010/08/13(金) 16:39:48 ID:jkhOT5AP
「そんな男はゴメンだよ」
其処で、男のマントの止め具が無くなってるのに気付く
「止め具、どうしたんだい?」
「してやられた」
「へぇ、誰に?」
「あの使い魔だ。あの使い魔が私をハメて。お陰でこの私が借金生活に。最近は子爵領も芳しく無いのに。糞、思い出しても腹が立つ」
「あんたの事だから、見栄切ったの利用されて、全額奢らされたんじゃない?」
「…更に今後の食費迄、負担するハメになった」
「アッハッハッハ。そりゃ、ハメた相手のが二枚も三枚も上手じゃないか」
「…私はそんなにハメ易いのか?」
「気付いて無いのかい?」
「くっ、だが戦いでは負けん」
「そうかい?アタイは、アンタより強くて速くて面白い男を知ってるよ。アタイはそいつに絶対勝てないから、もし会ったら逃げるからね」
「フーケ相手では、私でもキツイと言うのに」
「自信家だねぇ」
「私に勝てるのは、烈風カリン位だ」
「先代のマンティコア隊長かい?」
「そうだ」
「そいつはね、凄い強い剣士さ」
「メイジですら無いのか?」
「そうだよ、詠唱する暇なんぞ無いね」
「そんな男が居る等と、私の戦歴でも聞いた事無いぞ?」
「ハルケギニアも、まだまだ広いってこった」
「信じられん」
「そうかい?足元掬われ無い様にな。しかし、変な仕事だねぇ、成否関係無しだなんて」
「困難さを演出するのが目的だ」
「そうかい。で、どうするんだい?」
「移動だ、今夜仕掛ける。彼方のこの宿に誘導するから待機してろ」
地図で場所を示す
「了解だよ。移動迄時間有るんなら、ベッドで遊ぶかい?」
シナを作り、悩ましい表情をするフーケに、ワルドはゴクリと喉を鳴らす
「良いのか?」
ベッドに座るフーケに近付き、顔が5サントに縮まると、杖が突き付けられ、動きが止まり、冷や汗を足らす
「こういう所が、ハメ易いのさ」
ニヤリと笑みを浮かべた後、ケラケラ笑って、フーケはベッドに転がる
「くっ、からかうのもいい加減にしろ」
「アハハハハハハハ」
男は部屋から出る
暫く経った後に、フーケは一人ごちる
「ふん、アイツに借り返す迄、誰にも触れさせるもんかい。本当に、デかい借りになっちまったよ。お陰で、妹達に仕送り出来る」
「アイツ、今何してんだろ?きっと、アイツの側なら、貧乏でも面白いんだろうねぇ。今度は、仕事無しで相手して欲しいねぇ」

二人は、同じ人物を指してる事に、未だに気付いていない
327大人才人:2010/08/13(金) 16:55:07 ID:jkhOT5AP
投下終了なのね〜きゅい
大人才人タクティクスなのね
恋の戦ならこの人、キュルケなのね〜きゅいきゅい
「これは当然の指名ね、先ず、タバサが魔法行使を辞さない態度に出てるのはね、ハルキゲニヤでは普通なの」
「原作見れば解るけど、メイジって簡単に杖使うのよ」
「本来は恋の争いに対しては、男同士が一人の女を取り合う場合が殆どなんだけど、ダーリンの様に、女同士が取り合う状態ってのは珍しいにしても、無い訳じゃ無いのよね」
「で、そういう時には、当事者以外は仲裁も手出しもしないのが、暗黙の了解な訳」
「ダーリンに聞いた日本の諺で、人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえって奴かしら」
「ハルキゲニヤで恐いのは、恋敵を葬ってでも、自分がその座に収まるのを、躊躇しない所よね」
「ウフフ、私もゲルマニアの学院に居た時は、凄かったわぁ。余りに凄すぎて、トリステインに来るハメになっちゃった」
「それなのに、ダーリンったら、私の誘いは全部軽くいなすのよ?もう、プライドズタボロよ」
「誰か、ダーリンを上手く口説く方法、教えてくれないかしら?」
有り難うなのね〜
では明日以降の更新でも宜しくなのね
きゅいきゅい
328名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 17:08:56 ID:jkhOT5AP
あ、2-4コピペがダブってるorz
329名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 17:12:29 ID:gil8xvTR
今回も乙。
挨拶は大事だから2回繰り返したことにしておこう、うん。
330名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 20:20:20 ID:6bBL2mDG
>>327
なんだろう、あんたの投稿を見る度々、安堵とワクワクが止まらない
いつもお疲れ様、そしてGJ!!
331名無しさん@ピンキー:2010/08/14(土) 23:41:45 ID:x0hHsVJm
期待age
332大人才人:2010/08/15(日) 11:15:50 ID:rLxGqy1j
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
昨日は筆が乗ったせいで、更新度忘れして、寝落ちしてた大いなる意思は、やっぱり馬鹿なのね〜
キャラの独走は、最早大いなる意思には止められないと、完全に諦めたらしいのね
何とか枠を踏み外さない様にするのが、精一杯らしいのね
では注意事項なのね
・才人年齢上昇
・再会、覚醒二日目夜
・誰かのターン
・ちょっと長め、30分以上投下切れたら要支援

反映されたら投下開始なのね〜きゅいきゅい
333大人才人 再会、覚醒3-1:2010/08/15(日) 11:19:25 ID:rLxGqy1j
ルイズ一行は、次の宿場町に着いた後は港に向かう
夜、
「ん?何だ?」
シャワーを浴び終え、全裸の才人が頭を拭いてると、周りが騒がしいのに気付く
「ダーリン、襲撃よ」
「やはり来たか。相手は?」
「ゴーレムよ」
「解った。ルイズとモンモンの側に誰か居るか?」
「タバサが行ってる」
「ギーシュと隊長殿呼んで集合だ。着替えたら直ぐに行く」
「解った。ダーリンってアソコも立派じゃない、私の扉早く叩いてよ」
「今は冗談より皆の安全だ」
「もうイケズ」
パタン
話をしながら着替え、パーカーを着、ジャケットを羽織る
デルフと村雨を掴み、予め決めていた集合場所に走る
「俺が最後か」
「遅いぞ、使い魔」
「悪い、状況は?」
「ゴーレムが目標を探してる状態だな」
「なら宿に隠れてるのが得策じゃね?イタズラに刺激するもんじゃない。こちらに用が有るとは限らんしね」
「こっちに来た」
「逃げろ」
「……どうやら、我々に用が有るようだ」
「タバサ、どう思う?」
「…陽動。裏口から本隊が攻めて来る」
「隊長殿は?」
「私が敵でもそうするな」
「ギーシュ。ゴーレムのタイプみたいな物解るか?」
「ん〜と、ざっと見ると土ベースだね。あれは無尽蔵にある土使うから、再生力が半端ないよ」
「キュルケと隊長殿で潰せるかい?」
「あの型は、私との相性は悪い」
「爆炎一発撃ったら、もう一発撃てない魔力しか残らないけど良いの?また出されたら終わるわよ?」
「成程。そしたらこちらも本隊と陽動に分けよう。本隊は隊長殿に任せる。陽動は俺一人で行く」
「才人、それは危険だよ」
「隊長殿とタバサとキュルケが居れば、ミスヴァリエールとモンモンかばいながらも脱出出来るだろ?」
「僕は員数外かい」
「ギーシュは戦力側だ。きばれよ」
「解ってるさ」
「所で質問なんだが、使い魔」
「何だい隊長殿?」
「此処では使い魔がリーダーなのか?」
「少なくとも、隊長殿では無いな」
「はぐらかすな」
「リーダーは俺じゃないよ。ミスヴァリエールだ」
「……あたし?でもさっきから、何で姓で呼ぶのサイト?」
「今回の仕事は、無事に手紙を届ける事。その依頼を承けたのはミスヴァリエールであり、手紙も持っている」
334大人才人 再会、覚醒3-2:2010/08/15(日) 11:20:13 ID:rLxGqy1j
「つまり、何人倒れようと、ミスヴァリエールが手紙を届ければ、俺らの勝ち。だから、保護しなきゃならないのはミスヴァリエールと非戦闘員のモンモンであり、それ以外はぶっちゃけ捨て駒だ」
青褪めるルイズ
「素晴らしい見識と覚悟だが、御学友に迄、其れを強いるのかね?」
「そうしない為に、姫様が付けた隊長殿と使い魔の俺が居るんだろう?」
「ふん、その通りだ」
ニヤリとワルドが笑う
「貴様の腕前、この眼で見れないのが残念だ」
「仕事しろよ」
「愚問だ」
「…私も陽動に回る」
「駄目だ」
即答する才人
「…才人は剣士、敵は才人の強さを知らない。剣士を見た敵が、本隊に戦力を裂く可能性が高い。それに私は、才人の次に速く動ける」
「タバサの言う通りね。剣士だと警戒されにくいわ」
モンモランシーが此処で口を挟む
「ふむ、確かにそうだな。ではミスタバサも陽動に回って貰おう。此方は任せて貰おうか」
「解ったよ」
溜め息を付きながら応じる才人
「早速アピール?頑張って来なさいな」
「…任せて」
「頼むわよ。あの馬鹿、絶対無茶するから」
モンモランシーとタバサがひそひそ話をする
「では、落ち合う場所を決めたら、行動開始だ」
「「「了解」」」

ワルドを先頭、殿をキュルケにした本隊は、裏口からの突破を諮る
タバサの予測通り、襲撃者が襲って来たが、数は2、ワルドがルーンすら唱えずにそれを一蹴
「使い魔君の陽動が効いてる様だな、さっさと脱出するぞ」
「ダーリン並に強い!?」
「此が魔法衛士隊の隊長か、父上が目をかける訳だなぁ」
「才人とどっちが強いかしら?」
「ほう。使い魔君の腕がこの私並とはな。本当にこの眼で見れないのが残念だ」
ワルド達は駆け足で会話する
一人、ルイズは黙考していた
『サイトなら真っ先に皆を守る筈。陽動が大事なのは解る』
『でも、ワルドにあたしを任せて平気なの?なんで、サイト自身で守ってくれないの?』
『あたしの事嫌いになった?だから、ミスヴァリエールって言ったの?』
『サイトが居ないとあたし、何が良いのか解んないよ。あたし、サイトに何したんだろう?』

陽動に出た才人とタバサは、正面のゴーレムに向かい走る
「…才人、もっと速く走って良い」
「ん?良いのか?」
「…大丈夫」
「解った」
才人は村雨の柄に触れ、軽く速度を上げる
タバサを見ると、付いて来る
335大人才人 再会、覚醒3-3:2010/08/15(日) 11:27:23 ID:rLxGqy1j
「スゲーなタバサ、どうやってるんだ?」
「…風で身体を押している」
「こりゃ、驚いた」
ゴーレムを全容を見渡せる位置で、二人は止まる
「ちっ、コイツはとんだ災難だね。何でアンタが其処に居るんだい?」
ゴーレムの肩に乗り上げた人物が話しかける
「フーケか?ジャイアントロボかよ!?」
タバサが目を点にし、フーケはガクリとうなだれる
「アンタの言ってる事は訳解らんが、脱力するのは何でだい?」
「いやまぁ、此方の話だ。では改めて」
コホンと咳払いをし
「フーケ〜〜〜〜!!お母さんに親不孝する様な、悪い娘に育てた憶えは有りません!!お母さんはとっても悲しいです!!」
今度こそフーケはつまづく
「アンタから産まれた憶えは無いし、育てられた憶えもなぁぁあい!!」
肩で息をするフーケ

それを見ていた男は呟く
「フーケ、落ち着け」
「ア、アタイは冷静だ」
その隙に才人はタバサと小声で作戦を練る
「タバサ」
「…何?」
「……出来るか?」
「…やった事無いけど、多分出来る」
「じゃ、頼む。一番高い所で頼むわ」
「…解った」
才人はフーケに呼びかける
「お母さんは、悪い娘になったフーケに、お仕置きしなきゃイケマセン。お尻ぺんぺんです!!」
「ふざけた事ばかり言ってるんじゃ無いよ!!出来るもんならやってみな!!」
「お〜し、その言葉忘れんなよ」
才人がゴーレムに駆け出すと同時に、タバサが詠唱を始める
『才人の注文は何時も厳しい。けど、それは期待の裏返し』
『私なら出来ると思ってるから頼んでる。なら私は、期待に………応える!!』
「ラナ・デル・ウィンデ」
デルフを完全に抜き放った才人が高く跳躍し、最高到達点でタバサが魔法を発動させる
スペルはエアハンマー、普段は打撃に使うが今回は土台、ダメージを与えない様に制御しながらバネの役割も持たせる。才人の注文にタバサは、ドットスペルとはいえ、尋常でない集中をする
「タラッタッタタラッタ♪タバサ、にじゅうまるだ!!」
才人はエアハンマーを足場に、更に高く跳躍する
「「なっ!?」」
呆気に取られたフーケと男は、迎撃のタイミングを逃す
「やべっ!?着地点ミスった。落ちる」
「相棒がぶっつけ本番でやるからだ、あほう」
「風?」
「ちっこい嬢ちゃんの支援だな」
「タバサ、はなまるだ!!」
336大人才人 再会、覚醒3-4:2010/08/15(日) 11:28:56 ID:rLxGqy1j
才人は叫び、タバサのウィンドブレイクで着地点を修正され、フーケの左隣に着地、勢いそのままでフーケの腰に左手を回し、フーケを抱え上げ、デルフを左手に握り直す
「な、まさか本当に?」
「言っただろ?お尻ぺんぺんだ」
スカートをたくし上げ、魅力的な丸い尻に才人は右手を振り上げ
ぱぁん
「きゃいっ!?」
ぱぁん
「ひぐっ!?」
ぱぁん
「止めてっ!!」
ぱぁん
「許してっ!!」
「相棒、頭右」
才人が頭を右に傾けると、脇をウィンドカッターが突き抜け、頬をかすめ、血が垂れる
「危ねぇ」
「狙いが正確だから助かったな。相棒」
「向こうも凄腕って事か」
見ると追撃の詠唱を唱え始めてるのが見え
「ちと、やべぇな」
男を見てると、氷の矢が男に射掛けられ、男は此方に向ける攻撃を応戦に切り換えた
「ちっこい嬢ちゃんやるねぇ」
「やっぱ、タバサはスゲーな。これで安心だ」

「邪魔はさせない」
才人がフーケを捕縛してる。捕虜に出来れば情報が手に入る
タバサは、相手が才人に向かない様に牽制攻撃を仕掛ける
「くっ。やるな。私より速い。厄介な相手だ」
完全に牽制のみと解ってるが、非常に嫌なタイミングで仕掛ける為、男は決定打を打てない
337大人才人 再会、覚醒3-5:2010/08/15(日) 11:29:58 ID:rLxGqy1j
しかも隙を見せると、来るのは全て急所
「此方に専念せざるを得んな」
男はフーケ支援を諦め、迎撃に集中する

「さて、フーケ」
「……ヒック、酷い、酷いよ。人前でお尻叩きなんて、子供の時でもされてないのに、グスッ」
振り向くとすっかり涙目になったフーケがブツブツ呟いている
杖を握ってる事にも気付いてない。心が折れたか?
「もしかして、濡れた?」
ビクン!?
「本っ当に解り易いな、フーケ」
かぁぁぁとフーケは紅くなる
「杖で攻撃詠唱しないのか?」
「ゴーレム出しながらは、出来ない」
「ああ、成程ね。さてと続きだ」
「お願い、止めて、ヒッ」
叩くと同時に女の部分を撫でる
「きちんとした仕事しろと言ったろう?」
ぱぁん
「ご、ごめんなさい、ひぐっ」
「この仕事は?」
ぱぁん
「よ、傭兵。あひっ」
「雇い主は?」
ぱぁん
「い、言えない。きゃいっ」
「成功条件と貰う報酬は?」
「そ、相場の3倍。前金5割、成否関係無し、ひんっ」
叩く毎に、声に艶が乗る
「幾ら位の仕送りになる?」
ぱぁん
「は、半年から一年位、あぃっ」
「報酬の支払い先は?」
「あ、アルビオン。あひっ」
「解った、逃げろ」
ぱぁん
338大人才人 再会、覚醒3-6:2010/08/15(日) 11:37:07 ID:rLxGqy1j
「やだ、降参する。あん」
「報酬受け取れないだろ?」
ぱぁん
「い、要らない。アンタの捕虜になる。あはぁ」
既に尻は赤く、女からは、露が溢れ才人の手はぬるぬるである
「困った娘だな」
ぱぁん
「な、生殺しもうやだ。アンタの捕虜になるからぁ。お願いだよ、ひん」
「仕方無いな。此で我慢しなさい」
ショーツをずらすと、既に陰唇は開き、中が見え、扇情的にぬらりと光っている
才人は親指を膣に入れ、中指で陰核をこね始めた
「ん〜〜〜〜〜!?」
声にならない声をあげ、フーケは全身を硬直させ、ビクンビクンと痙攣する
集中が切れ、ゴーレムが少しずつ崩れだす
「フーケ、可愛いぞ」
「つ、続き、欲しいの」
「待ってる子達が居るんだろう?」
「ず、ずるいよ」
「じゃ、約束だ。お互い仕事終わったら続きな」
「本当に?」
フーケは、潤んだ目を才人に向ける
「ああ、約束だ」
「約束。名前は?」
「そういや名乗って無かったな。才人、平賀才人だよ」
「アタイの本当の名前はマチルダ。人前では呼ばないで」
「解ったよ、マチルダ。味方に救出要請しな、タイミング見て離れる」
「ん」
フーケはゴーレムをそのまま崩しながら、味方に声をかける
「何時まで遊んでるんだい!!牽制しておくれよ。逃げられないじゃないか!!」
「そんな事は解ってるが、どうにもならん!!相手が巧すぎる!!」
振り向きもせずに男は答える
「良しタバサ、ずらかるぞ」
「解った」
詠唱の合間を見計らい、シルフィードを呼ぶ為に口笛を吹く
男はその隙を見逃さず、才人に杖を向ける
「ラナ・デル・ウィンデ」
「相棒、右に避けろ」
「おっと、しまった!?」
才人は元ゴーレムの土で足を取られ、ついに抱えてたフーケを離してしまう
フーケはそのまま起き上がると、味方の男に駆け出した
「助かったよ」
「フーケが捕まると、私も困るからな。退却だ」
「解った」
二人はそのまま逃げ出した
「あちゃー、詰めを仕損じたな」
才人はそのままタバサに歩み寄る
タバサはそんな才人に杖を向ける
「タバサ、どして杖を向けるの?」
「…何で逃がしたの?」
「……バレてる?」
「風使いの目は欺けない」
「じゃ、相手も?」
「土が邪魔して相手の角度からは見えて無い」
「そうか、それなら良かった」
「…答えて」
「ん〜と、タバサは人に言えない事情とか有るかい?」
コクリと頷く
339大人才人 再会、覚醒3-7:2010/08/15(日) 11:40:11 ID:rLxGqy1j
「俺にも有るよ、そしてフーケにもね。ま、少しだけど情報も貰った。傭兵として雇われただけらしい」
「本当?」
「あぁ。敵わないのが解ったから、こっちの相手は適当にするってさ。此じゃ駄目かな?」
「…どういう事?」
「情報が漏れてるって事さ。この依頼は姫様直接だからね、後は解るだろ?」
「…内通者、又は管理体制の不備」
「正解。しかも姫様に近い連中で、だ」
頭をガシガシかく才人
「相棒、スゲー推理だな」
「タバサの方が、俺よりスゲーよ。タバサ、フーケの件含めて皆には内緒な?」
「…私が内通者だったらどうするの?」
「あぁ、それは無いよ。タバサは留学生だろう?政治中枢に近付くのは、同国民じゃないと難しい」
「それでも、もしそうなら、皆には何も知らない状態で居て貰った方が良い。友達同士が、本気でやりあうのを見せたくない。特にルイズにはね」
「…私を相手にやるの?」
「絶対やりたくないに決まってる。背中安心して預けられる相手なんか、そうそう居ないって」
「一個貸し」
びしっと指を才人に突きつけ、誇らしくタバサは言う
「利子付けて返さないとな」
「利子はトイチ」
「タバサ金融に借りると、尻の毛迄むしられるな」
才人は苦笑する
「きゅい」
シルフィードが降りて来たので乗り込み、デルフを鞘に収める
「そういえば、タバサ」
「…何?」
「ゴーレムの上、見てたか?」
「…牽制するので精一杯」
「そうか」
集合地点に向けて二人は飛び立った

「使い魔、無事だったか」
340大人才人 再会、覚醒3-8:2010/08/15(日) 11:44:08 ID:rLxGqy1j
才人達が到着した時にには、既にルイズ達は着いて居た
「相手が強くて時間食われたわ」
「才人、ほっぺ怪我してるわよ、治すからこっちに来なさい」
「モンモン、いつも悪いな」
「アンタがそうやって傷だらけになるから、ルイズが私に同行を依頼したんじゃない」
「確かに、本当に悪いわ」
タバサがシルフィードから降り、才人が降りた時、才人はそのまま転ぶ
「痛ててて、何だこりゃ?」
モンモランシーが駆け寄り、手早く診察した結果を話す
「またアンタ、無茶したでしょ?左足の甲、折れてるわ」
「…私のせい」
「どういう事?」
「…才人にエアハンマー唱えた」
モンモランシーが一気に険しくなる
「待て二人共、ありゃ俺が悪い」
才人が事情を説明する
「…無茶過ぎる。そんな使い方は私でも思い付かん」
「ダーリン、タバサがしょげちゃったじゃない。女のコ泣かせちゃ駄目よ」
「才人、どうしてそう、ぶっつけ本番で無茶をするんだい?」
「もう少しで捕まえて来る事が出来たんだって、なぁタバサ」
コクリとタバサが頷く
「ダーリンとタバサで出来なかったなら、しょうがないわね。確かに捕まえれば、尋問出来るからやるのは解るし」
「じゃ、この件は此で」
「そうだね。にしてもフーケかぁ。いつ逃げ出したんだろ?」
ギーシュは呟く
「トリスタニアに戻ったら、警備体制も見直ししなければならんな」
「モンモン、どれ位で治る?」
「此位ならすぐ治るわよ、今唱える」
モンモランシーは詠唱を始める
タバサは足を伸ばして座った才人に抱きつく
「ななな何してるのタバサ。才人怪我させたのは貴女じゃない」
「…才人は、はなまるくれた。ご褒美」
「確かにあげたな」
笑って才人はタバサを撫でる
「う゛〜〜〜」
「此処に居ても良い事無いな。また襲撃されるのも堪らんし、使い魔の傷が癒え次第、港に出発だ」
「「「了解」」」

*  *  *
341大人才人:2010/08/15(日) 11:55:46 ID:rLxGqy1j
投下終了なのね〜きゅい
大人才人タクティクスなのね
今回はデルフリンガーなのね〜きゅい
「おぅ、俺っちだ。おまえらの相棒デルフリンガーだ」
「相棒とちっこい嬢ちゃんが対フーケ戦で見せたコンビネーションは、勉強会って奴の成果が出始めたってこったな」
「相棒の注文は何時も無茶苦茶でよ、あの禿げのおっちゃんでも、苦笑しながらやる位なんだぜ」
「でも、一番無茶苦茶なのは、あの訳の解らん冗談だな。ありゃ一体何でぇ。ちっこい嬢ちゃんの支援の時に歌った鼻歌を聞いたらよ、スーパーマリオだと」
「俺っちにはさっぱりなんだが、おめえら、解るかい?」
有難うなのね〜
才人のネタは楽しいのね〜、皆解らないなんて可哀想なのね〜きゅいきゅい
では、明日以降の更新でも宜しくなのね〜きゅい
342名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 23:10:34 ID:Od9uJNWv
gj
続き期待してます
343名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 23:16:19 ID:S2BHa/1P
>>341
GGGGGGGGGGJJJJJJJJJJ!!!!!!
344名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 18:48:22 ID:AbvBiKwO
GJ、携帯から書き込みできなくなってもPCで続けて欲しいよ
345名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 18:11:03 ID:Fbqaz/pq
使淫魔何やってんの
346名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 23:11:19 ID:zVbySsae
>>345
このスレの断筆宣言、使淫魔の人じゃないの?
海の御先スレでやってるみたいだから、聞いてみたら?
文体一緒だから、多分同じ人だと思うよ

ま、ウリは自分自身の作品を練るので手一杯だ
練り始めたのは16巻時で、まだ第四の使い魔出てない時期に構築しちゃったからなぁ。原作と使い魔の能力違ってても、生温かく見守って下され
んで、頭の中身は本編17巻で止まってたりするw
外伝は騎士姫2巻迄読んだ
カリンの可愛いさは、ルイズを軽く越えているのは何でだろう?
347大人才人:2010/08/17(火) 23:24:31 ID:zVbySsae
イルククウでシルフィードなのね〜きゅい
大いなる意思は、執筆と投下、どちらを優先するべきか、ちょくちょく迷うのね〜
とりあえず、6万文字400字詰め原稿150枚分程、投下分を除いて上がってるのね(既に125枚分投下済)
アウ規制バリバリでも、何故かエロパロには書き込み出来たので、暫くは大丈夫かもしれないのね
いきなり死亡してもごめんなさいなのね〜
パソコンなんて高級品は、大いなる意思は持って無いので、諦めるのね〜きゅい
では注意事項なのね
・才人年齢上昇
・再会、覚醒2日目夜〜翌日
・キャラ改変有り
・ちょい長め、30分以上切れたら要支援


では、反映されたら投下開始なのね〜きゅい
348大人才人 再会、覚醒4-1:2010/08/17(火) 23:25:44 ID:zVbySsae
「アイツが相手だなんて聞いてない。アタイは降りても良いかい?」
「まぁ待て、しかしなんなんだ、あの男は?非常識の動きと発想だ」
「アタイは、絶対にアイツには勝てないんだよ。此で解ったかい?」
「この前言ってた奴とはあれか?」
「そうだよ。以前も軽くあしらわれた」
「あれが使い魔では非常に厄介だな。しかも、支援したメイジも相当な使い手だ。……待てよ?人間の使い魔だと?」
男は思考に耽る
『確かに強いのに、小物っぽいのは何でだろね?更新無しで、おさらばが良いかね?才人の傍のがずっと良いや。アッチも上手だし』
二人共、内心の思考に耽る
「……そうか、そういう事か。とにかくアルビオンに向かうぞ、フーケ」
「はいよ、着いたらきちんと報酬払っておくれよ」
「解っている」
二人も港に向かう

タバサの風竜で皆で乗り合いしようとワルドが提案したのだが、シルフィードが其を聞いて逃げ出してしまった為、徒歩で向かう事になった
「軟弱な風竜だな」
「…まだ、幼竜」
「其れもそうか」
タバサはシルフィードをけなされた為、非常に不機嫌になっている
「なぁ、ギーシュ」
「何だい、才人」
「やっぱり使い魔って、メイジに取って大事なモノなのか?」
心底驚いた表情をギーシュは見せる
「才人、君は自身の事を何だと思ってるんだい?」
「只の便利屋だな」
即答に対し、ギーシュは溜め息をつく
「良いかい才人。使い魔と言うのはメイジに取って唯一無二、生涯を供にする非常に大切な存在だ」
「例えハルケギニア全てが敵に回っても、使い魔だけは味方になってくれる。そんな使い魔を馬鹿にされて、笑ってられるメイジなんて居やしないよ」
「ふ〜ん。死んだら換えが効く程度の、便利な存在だと思ってたわ。俺、扱いが微妙に酷い気がするし…」
「あぁ、まあルイズだからねぇ」
ギーシュは肩をすくめる
「所で、港に向かっているんだよな?」
「そうだよ」
「何で山に向かってんだ?」
「アルビオンに行くからさ」
「港って言ったら、普通船で海路だろ?」
「船は使うよ、但し空路だけどね」
「はい?」
「勉強会でやらなかったっけ?」
「ありゃ、魔法の講習じゃないか」
「あ、そうだった。アルビオンは空に有るんだよ」
「はぁ?」
「まぁ、百聞は一見に然ずって事で」
「さっぱりだなこりゃ」

「船が出ない?」
349大人才人 再会、覚醒4-2:2010/08/17(火) 23:26:39 ID:zVbySsae
「戦争中で風石が足らないんですよ。それに、戦闘空域下に近い危険な航空になるんで、運賃も跳ね上がってるんですわ」
「戦争中だなんて聞いて無いぞ、おい」
「あら、ダーリン知らなかったの?こんなの常識じゃない」
「…皆、俺が異邦人だって事忘れてないか?」
「「「「忘れてた」」」」
ガクリとうなだれる才人
「……で、どういう戦争だ?」
「…レコンキスタと名乗る、共和制主義者と王党派の内戦、レコンキスタ優勢」
とタバサ
「俺らが渡す相手って確か……」
「うん、王党派の真ん中の人」
と、ギーシュ
「……一体何考えてやがるんだ、あの姫様」
「恋は盲目ね」
「はぁ〜。一個質問。アルビオンの識字率ってどれ位?」
「平民含めて?貴族だけ?」
「平民含めてだ」
「貴族は全員読み書き出来るよ。平民は出来る方が少ないね。何処も似た様なもんだよ」
「成程ね。じゃ、レコンキスタは、例え勝利しても失敗するな」
「何で、そう思うのサイト?」
「簡単さ、共和制にしたいなら、最初にするのは全員が読み書き出来る様にしないと駄目。情報が解らないと判断が出来ない。つまりレコンキスタと呼ばれる連中が、貴族として振る舞う様になるだけさ」
「何故そう思う?使い魔」
交渉をまとめたワルドが、会話に参加する
「俺の国は似た様な制度だし、共和制を実施してる国もある。基本的な判断を民衆に任せる為には、全員に読み書きそろばんが必要なのは自明なんだ。此処にはそれが足りないから、失敗すると言ってる」
一人、軽く身じろぎするが才人は続ける
「本当にしたいなら、下地から作らないと駄目だ。それをやって無いんだから、只の熱狂か、貴族に取って代わりたいかのどちらかだよ」
「サイトの国って、平民でも読み書き出来るの?」
「識字率なら90%以上だったっけ?病気等で判断出来ない人を除外したら、ほぼ100%じゃないかな?」
全員目を丸くする
「才人の国って凄いんだ」
「離れてみると、解る有り難み」
「それでもやってみないと、解らんのではないか?使い魔」
「ほぅ。どっちの味方なんだい隊長殿。俺らは王党派なんだろう?」
「…勿論、王党派だ」
「だよねぇ。交渉はまとまったかい、隊長殿」
「ああ。私が風石代わりになる事でまとまった。物資の関係で、乗せるのは3人迄だそうだ」
「選抜はどうする?」
「先ずは私とルイズ、後は使い魔だな」
「タバサのが、応用範囲広いぞ?」
350大人才人 再会、覚醒4-3:2010/08/17(火) 23:33:06 ID:zVbySsae
「貴様の方が強いと、全員が認識してる。私もその判断は正しいと思う」
「買い被りだって」
「ダーリンって、本当に謙遜するわよね」
「俺なんか、一人じゃ何も出来ないよ。皆がサポートしてくれるから動けるんだ」
「い、犬」
「わん」
「ご主人様を守るの………嫌?」
「滅相もございません」
「じゃ、ついて来なさい」
「あいあいさー」
『やっぱり、あたしを避けてるの?今もタバサに耳打ちしてるし……サイトが居なくなったら、どうしよう?』『そういえばあたし、サイトの事何も知らない。家族とか何人居るんだろう?サイトから話してくれる事って、無かったな』
『サイトの軽口、あたし向けにはめっきり減った。ワルドが居るから、婚約者に遠慮してるのかな?』
『そういえば、ワルドが来てから、撫でて貰ってない。タバサは撫でて貰ってるのに。む〜』
3人は船に乗り込み出発した

「行ったわね」
「あれ?何をしてるんだい?僕のモンモランシー」
「何って寝るのよ。あの馬鹿、またボロボロになるに決まってるんだから、魔力と体力を温存するの。見張り宜しくねって、きゃっ、何?」
モンモランシーの傍の地面が盛り上がり、モグラが顔を出し、辺りを見回す
「あれ?ヴェルダンデじゃないか?来ちゃ駄目だよって、言ったじゃないか」
ギーシュを確認するも、更に辺りを見回すヴェルダンデ
「もしかして、探してるのは才人かい?」
愛嬌のある仕草で肯定する
「君迄僕をナチュラルに無視かい?主人として悲しいよ。才人なら船に乗ってアルビオンに向かったよ。て、ちょっと、聞いた瞬間に帰る仕草は、酷くないか?」
「きゅい」
タバサがシルフィードを呼んで乗り込む
「あらタバサ、何処に行くの?」
「…アルビオン」
「ヴェルダンデ!?なんでシルフィードに乗り込むんだい?まさか才人に会いたいだけで此処まで?僕の事はどうでも良いのか」
凹むギーシュ
「タバサ、私も乗るわよ」
「私も乗るわ」
「僕も行く、そういえば、重量オーバーは大丈夫なのかい」
「…全員乗っても平気」
「さっきは逃げたじゃない、なんで?」
「…才人と私の考え」
「シルフィードを温存しろって事?」
コクリ
「でもダーリンは、アルビオンは空に有るの、知らなかったよね?」
「…退却用」
「成程ね、そしたらタバサ、一人でも軽くする必要有るんじゃなくて?」
皆の顔を見回しぽつりと喋る
351大人才人 再会、覚醒4-4:2010/08/17(火) 23:34:38 ID:zVbySsae
「…キュルケは私と共に迎撃、モンモランシーは治療、ギーシュは使い魔に指示。モグラが役に立つかもしれない。全員必要」
「あらあら、才人みたいね、タバサ」
タバサは胸を張る
「…出発、気付かれない位置で尾行する」


「空賊だ、逃げろ」
「空賊だって?」
一気に船内が慌ただしくなる
「貴族の旦那、迎撃してくれませんかね?」
「残念ながら、この船動かす分で打ち止めだ」
ワルドは肩をすくめる
「タバサやキュルケなら、迎撃出来たろうに。やっぱりミスったなぁ」
ブツブツ呟く才人
「サイトは迎撃手伝わないの?」
「手伝わない」
あっさり言う才人に対し
「何故だ?使い魔」
「隊長殿が打ち止めじゃないなら任せたけどね、今は自分達だけで精一杯だ。向こうにメイジが居ない期待は、しない方が良いだろ?」
「確かにその通りだ。成り行きに任せるしかないか」
空賊が停船信号を発するが、ルイズ達を乗せた船は無視して逃走するも、砲撃を一発喰らった時点で停船。賊が乗り込んで来る
「全員武装を解除して持ち場を動くな。抵抗しないならば命迄は奪わない。積み荷を改めさせて貰う」
「今私は杖を手放せん、この船の風石の代わりをしている」
「本当か?」
賊が船長に問い正す
「本当でさぁ」
「それは失礼した。船体維持に精励頂きたい」
「何かやけに礼儀正しい賊だな」
「其処の君は、何故武装解除に従わない?」
「可憐なる姫を、むざむざ賊に明け渡す程、人間出来てないもんで」
そう答えながら左手で鯉口を切り、村雨を何時でも抜ける様にする
何か有れば、抜き打ちを即座に出来る姿勢で相手を見据える
「成程、此方の姫の護衛か……ミスヴァリエール?」
「ウェールズ王子!?」
「へ?王子………様?」
今度は才人が仰天する番らしい
352大人才人 再会、覚醒4-5:2010/08/17(火) 23:46:07 ID:zVbySsae
ウェールズ王子の知己と言う事で、船体維持の為にワルドを残し、彼方の船にウェールズ王子と共に二人は乗り込む
「まさかウェールズ王子が空賊だなんて」
「あの船はレコンキスタ側に送られる物資だからね、……おっとこりゃ当たりだ、硫黄と硝石が大量に入ってる」
目録に目を通しながら喋るウェールズ王子
「硫黄に硝石、火薬の原料か」
「そうだよ、此方も不足しててね、彼方も風石不足で物資はカツカツだろうし、此は大収穫だ」
「王子自ら略奪ねぇ。昔の私掠船か通商破壊って所か」
「此方も台所は厳しいのさ」
ウェールズ王子は肩をすくめる
「兵力も……だろ?」
「……何でそう思う?」
「王子自ら汚れ仕事をやるには訳がある。神輿は綺麗じゃないと、皆が担げない代物さ」
「君の慧眼には感服するよ。名前は?」
「才人。平賀才人だよ。其処におわす方の不肖の使い魔だよ、王子様」
「ふむ、人間の使い魔なんて初めて見たよ。所でミスヴァリエール、幾らアンリエッタの友人とは言え、こんな政情不安なアルビオンに、どんな用が有るんだい?出来る事なら、このまま帰る事をお勧めするけど?」
「その事ですが、姫様より手紙を預かって来ております。此をどうか御読み下さい」
ルイズは懐から手紙を差し出し、ウェールズ王子に手渡す
「あぁ、其は受け取れない」
ウェールズは渋る
「何故ですか?姫様が私達を頼って迄、送った物ですよ?」
「内容は解りきってるからね」
「解るんですか?」
「あぁ、何度も同じ内容を貰った。多分今回も同じだろう。もっと酷いかもしれない」
「受け取って貰わないと困るんですがね」
「何でだい?才人君」
「俺達が仕事として承けた上に、気持ちも伝わると応えたからですよ。多分、王子様の予想通りなのかも知れない。それでも、其を読んでから、きちんと応えて欲しいんです」
「じゃないと、俺は嘘吐きになる」
「君の心情は関係無いのでは無いか?」
「えぇ、その通りです。ですがこの手紙を届ける為に、此処には居ませんが、仲間が命がけで働いてくれました。その仲間達に仕事を達成したと、報告する義務が俺達には有るんです」
「本当かい?ミスヴァリエール」
「はい」
「そうか、解った」
ウェールズは手紙を受け取り、封を開けて手紙を読む
そして溜め息をつく
「やはり……か」
「どうでした?」
「予想通りだ」
「何て書いてあったんです?」
353大人才人 再会覚醒4-6:2010/08/17(火) 23:47:55 ID:zVbySsae
「アルビオンを捨てて、トリステインに亡命しろと。民が居るのに出来る訳無かろう」
「立派な覚悟ですが、レコンキスタに任せる訳にはいかないのですか?」
「無理だ。奴らがやっているのは収奪だ。女子供には特に酷い。オークやトロル迄、兵力として使ってる」
「其処まで酷いのですか?」
「女子供がどうなるか、知らん訳ではあるまい」
「……はい」
「俺、知らんのだけど?」
才人の呟きは無視される
「まぁ、そういう訳だ。残念ながら応じる事は出来ないが、この手紙はきちんと私に気持ち含めて伝わった。アンリエッタにはそう伝えて欲しい」
「それで宜しいのですか?」
と、ルイズは聞く
「もう一つ伝えて貰えるか。私の事は忘れて欲しい。君に愛されて嬉しかったと」
「過去形ですか」
「あぁ」
「其処まで戦局が厳しいと」
「実はこの船が唯一残った戦力でね。粗方やられてしまったのさ」
努めて明るくウェールズ王子は言う
ルイズも才人も黙るしかない
「では残った拠点に案内するよ。此で最後だし、客人招いて騒げる唯一の機会だ。宴には是非とも、参加してくれたまえ」
二人共頷く

船は商船を曳航しながら、一つの港に入る
其処は大陸の絶壁の下から入る形で、偽装されていた
「スゲーな。本当に陸一つ浮いてるよ。ラピュタって、本当に有ったんだなぁ」
「ラピュタって何よ?」
「俺の国のおとぎ話」
「今度聞かせてよ」
「バルス位しか憶えて無い」
「其でも良いわ」
「はいな」
桟橋に着くと、出迎えが立って居る
「此は王子。収穫でしたな」
「喜べ爺。何と硫黄と硝石を積んでたぞ」
「其は大収穫ですな」
「それに客人も来ている。今日は宴だ」
「左様ですか、皆、宴の準備じゃ。客人は此方に、運悪く捕まってしまった船員の方々にも振る舞えよ」
「「「応!!」」」
収穫を聞いた者達が物資を運ぶ為に散り、宴の準備をする為に散る
久方振りの戦果に、皆表情が明るい
「やっぱり、王子は一味違うな」
「このまま、逆転の狼煙を上げたいもんだ」
「可能かもしれんぞ」
「確かに、向こうは火薬不足だが、今回ので此方は火薬に問題無くなる。こりゃ朗報だ」
「客人が福を招いてくれたかね?」
「これぞ始祖ブリミルのおぼし召しだろう?」
「ほぅ。皆明るいな」
「ウェールズ王子の戦果が、それだけ大戦果だったみたい」
354大人才人 再会、覚醒4-6:2010/08/17(火) 23:55:00 ID:zVbySsae
「此なら、追加部分は伝えなくて良さげかな?」
「だと良いわね」
「此なら、有り難く宴に参加出来るという物だ」
「そうだね、隊長殿」
「所で使い魔」
「何だい、隊長殿」
「何時になったら私を名前で呼ぶ?」
「さぁ?隊長殿も俺を名前で呼んで無いだろ?」
「貴様がそう呼べと言ったからだ」
「そうだね、隊長殿」
「……呼ぶ気が無いのだけは解った」
「気付いて頂き光栄の至り」
「貴様と話してると調子が狂う」
「皆さん、そう仰います」
才人はとぼけた口調で話す
『才人、からかってるの……かなぁ?何考えてるんだろう?』
『ワルドと私の事に関しても触れて来ないし。う〜』
『私、才人に嫉妬して欲しかったのに。才人は事も無げに振る舞うし』
『皆が気付いてたのに、私一人が気付かなかった事って、何々だろう?』
ルイズは一人悩みが尽きない

「きゅいきゅい」
「…しまった、見失った」
「タバサ、見失ったの?」
「…雲に隠れた所で見失った」
「大体の場所は解る?」
「きゅい」
「…シルフィードが憶えてる」
「そうか、なら大体の場所迄近付ける?」
「…出来るけど何で?」
「ヴェルダンデに行って貰うよ。ヴェルダンデ、才人の傍に行きたいかい?」
首肯するヴェルダンデ
「それじゃ、このハンカチの匂いを良く嗅いで、これ才人のハンカチだから匂いが付いてるよ」
匂いを嗅いで頷く
「じゃあタバサ、宜しく」
「解った」
タバサがシルフィードを絶壁に横付けする
「行っておいで、ヴェルダンデ」
ヴェルダンデは大地を掘り始め、進んでいった
「ふう此で一安心かな?」
「所でギーシュ」
「何だい?僕のモンモランシー」
「何で貴方が、才人のハンカチ持ってるの?」
「そりゃ、才人がメイドから貰ったハンカチを、借り受けたからさ」
「才人に内緒で?」
「勿論そうだと…………しまった!?」
「後で詳しく聞きましょうか?ねぇタバサ」
コクンとタバサは頷き、周囲に冷気を撒き散らす
「あ、あの、出来れば穏便に」
「ギーシュ、貴方本当にそっちの趣味も有るの?てっきり、出来の悪い冗談かと思ってたわ」
「あはははは」
キュルケの言葉に、苦い笑いを返すギーシュだった


355大人才人:2010/08/18(水) 00:06:11 ID:zVbySsae
投下終了なのね〜きゅい
眠いので一旦此処で幕引きなのね
大人才人タクティクスなのね
今回はお姉さまなのね〜きゅい
「…今回、才人は民主共和制と貴族共和制を間違えている」
「…でも、文脈的には筋が通ってるので、このままでやるらしい」
「…久しぶりに2巻読んで青くなった、大いなる意思もまだまだ未熟」
「私が家族云々の発言部分は、私の家族がどうなってるか、原作を確認して欲しい」

お姉さま、シルフィの事も言って欲しいのね、きゅい

ではまた明日以降の更新で、宜しくなのね〜きゅいきゅい
356名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 00:53:32 ID:kA3ECLbN
>>355
GGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJ!!!!!!
357名無しさん@ピンキー:2010/08/19(木) 20:40:23 ID:ze1dzTed
♪おっとっこー おっとっこー おっとっこーがもーえーるぅー それがさだめよー おとっこー
358名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 00:33:24 ID:ZMKUElrQ
期待age
359大人才人:2010/08/22(日) 18:22:50 ID:etoTGr6a
イルククウでシルフィードなのね〜きゅい
暫く空いたけど、今から投下するのね〜
今回はバトル部分丸々やるから長めなのね
wikiに投下して下さった親切な方有難うなのね〜
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・他キャラ改変有り
・再開、覚醒の多分クライマックス
・10レス以上予定、改行規制等でレス数変更有、30分以上止まってたら要支援

では、楽しみしてた方々お待たせなのね
きゅいきゅい
360大人才人 再開、覚醒5-1:2010/08/22(日) 18:24:50 ID:etoTGr6a
「では、戦果をもたらした客人と、此からの勝利を祈って、乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」
ウェールズ王子の音頭で宴が始まる
「乾杯って、俺ら何もしてないよなぁ?」
ワルドも苦笑して頷く
「何を言うんだい。君達が、此処まで船を運んで来てくれたからこその戦果だよ」
「まぁ、そういう事なら、有り難く頂きます」
才人は料理にかぶりつく
「所でウェールズ王子」
「なんでしょう。子爵閣下」
「偶然とは言え、戦果をもたらし、私とルイズはこの地で再会出来る事が出来ました」
「このアルビオンに運命的な物を感じます。どうでしょう、このまま此処で、私とルイズの結婚式を上げたいと思うのですが」
「…そうきたか」
才人は小さく呟く
ルイズはワルドの発言を聞き、硬直する
「……今?」
「ふむ、確かに神官もおりますし、此処で幸せになる人達も居た方が良い。ヴァリエール公にも良い話になるでしょう」
「賛成して頂けるので?」
「えぇ、勿論。今すぐ神官に隣の部屋で用意させましょう。済まんが宜しく頼むよ」
「慶事と言われれば、喜んで」
神官が用意をする為に、席を立つ
「此が貴族か」
才人は小さく毒づき、立ち上がる
「あ、サイト。何処に行くの?」
「トイレ」
傍らに掛けたデルフを手に、トイレを案内して貰ってそちらに向かう
『サイトが小さく吐いた。あれは貴族なんて屑って、言ってた時と同じだ』
『結婚自体は貴族には普通なのに、何が問題なの?理由無くサイトは怒らない』
『考えなさいルイズ。ワルドが強引に進めたから?あ、あたしの合意がきちんと取れて無いから、サイトは怒ったの?』
『そういえば、あたし、きちんと受けると返事してない。あたしはワルドと結婚したいの?』
『サイトがこのままだと、離れてしまうけど良いの?絶対、嫌。サイトが居ないと、ゼロのルイズに戻ってしまう』
『ワルドにサイトの代わりが出来る?無理だ、ワルドは貴族としての振る舞いしか知らない。サイトにはなれない』
『サイトの発想はサイトにしか出来ない。それは、サイトが異国から来た異邦人だから』
『家族も居る筈。もしかすると結婚してるかも。家族に会いたいんだろうなぁ…………』
「あぁ!?」
ルイズがつい小さい叫びを上げる
「感激の余り、暫く声も出なかったみたいだね。私のルイズ」
「え、違っ」
「流石に婚礼衣装は用意出来ないけど、ヴェールは用意出来るそうだ、彼方で用意してる様なので、先に行っててくれたまえ」
361大人才人 再開、覚醒5-2:2010/08/22(日) 18:26:48 ID:etoTGr6a
「でも、今はサイトに」
「ルイズ、先に行ってなさい。案内を付けて送ってくれないか。少々不安になってるみたいなのでね」
「解りました。では此方に」
「待って、今はサイトに言わなきゃいけない事が」
「使い魔なら、後から参加して貰うから大丈夫だよ。安心して行きなさい」
「ではミス、此方に」
少々強引に連れられ、隣の部屋に消えるルイズ
「少々強引では?」
「マリッジブルーと言うものでは有りませんかね?ウェールズ王子」
「ふむ、確かに急に不安になる女性が多いそうですな。ならば仕方無い部分も有りますか」
ウェールズ王子も頷く
「一つ、お伺いしたいのですが?」
「なんでしょう?」
「此方に居る方々で、全てなのでしょうか?」
「あぁ、式の参列者ですね?勿論、今居るのから、見張りを残した全員を参加させますよ。そうすると、此処に居るので、ほぼ全員ですね」
「クックックック」
「やはり少ないですかね?ヴァリエール公の令嬢と、ワルド子爵の婚姻ですし」
「いやいや、そんな事は有りませんよ。中々見付からないと思ったら、こんな所に潜伏してるとは」
ワルドから禍々しい魔力が立ち上る
「一体何の事を?」
「こういう事です」
レイピアを抜き、そのままウィンドカッターを周囲に放つ
一瞬にして、周囲には血しぶきが舞い散る。中には、そのまま首迄切断された者もあった
「乱心したか、ワルド子爵」
「如何にも。我はレコンキスタの一員ジャン=ジャック=ワルド。ウェールズ王子、共和制実現の為に、御命頂戴仕る!!」
「レコンキスタ!?クソッ」

「ん?何だいこりゃ?変なのが右目に見えるな。デルフ?」
トイレでデルフの鯉口を切り、話かける
「ああ、そりゃ使い魔の能力だよ。主がピンチになると、自動的に主人の見てるもんに繋がるんだわ」
「デルフ、そういう事は先に言え!!糞ったれ、泳がせ過ぎた!!」
デルフを背負いながら一気に走りだす
「泳がせ過ぎたってどういう事でぇ?相棒」
「この前言ったろ?内通者だよ」
「こいつぁ、マジでやべーな」
才人が宴の会場に戻ると一面の血の匂いと死体、首が切断された者も有る
才人は胃から逆流する物に耐えきれず、吐き出した
「ゲェェェ」
「相棒、死体を見るのは初めてか?」
「あぁ、でも此からは、慣れないとならんのだろう?」
「そうだな」
「何で殺られてる?」
「此は鋭利な切口から、風魔法か相棒と俺っち以外ねぇ」
362大人才人 再開、覚醒5-3:2010/08/22(日) 18:31:20 ID:etoTGr6a
「犯人俺かよ。ウェールズ王子は死体の仲間入りしてるか?」
「そのままの席配置だと、彼方だな」
「良し、居た。ウェールズ王子。生きてるなら返事しろ。誰に殺られた?」
身体を軽く揺すると、王子は目をあける
「‥‥あぁ、才人君か。ワルド子爵にやられた。レコンキスタだと」
「奴か。魔力も温存してるとはね」
「‥‥アンリエッタに伝えて欲しい。‥‥他に恋をしなさいと」
ウェールズ王子は静かに目を閉じる
「王子、王子。ちっ、まだ目は繋がってるな。此は隣の部屋か」
片手で礼をしながら軽く黙祷し、目に付いた指輪と遺髪を切り、ジャケットの内ポケットに収める
「相棒、遺品なんか後だ。急げ」
「視界繋がってるし、結婚式やってんなら、まだ大丈夫じゃ?」
「いきなりって事も、あらぁな」
「言われて気付く俺は馬鹿犬だ、クソッ」
才人は又走り出す

ワルドは、皆が何やらイベントを考えてくれてるので、後から来ると説明し、式を強行している
「……健やかなる時も、病める時も、老いたる時も変わらぬ愛を誓いますか?」
「誓います」
「…」
「ルイズ?どうした?誓わないのか?」
「新婦どの?」
「…イヤ」
「ルイズ?」
「イヤったらイヤ。サイトは?サイトは何処?」
「使い魔ならイベントの企画に参加しているから、心配するな」
「嘘、サイトはそんな事しない。サイトはあたしの意思を無視して、こんな事しない!!」
363大人才人 再開、覚醒5-4:2010/08/22(日) 18:33:27 ID:etoTGr6a
「あたしの使い魔平賀才人は、ハルケギニア最高の使い魔よ!!始祖ブリミルすら、才人には遠く及ばない!!そんなサイトが祝福してくれない結婚なんて、絶対嫌!!」
「なんと、罰当たりな。始祖ブリミルと使い魔を比べるなんて」
「そう。あの使い魔だ。だから、私と結婚するんだ、ルイズ」
ワルドはルイズの両肩に手をかける
「嫌、触らないで!!サイト、サイト、サイト」
ドサッ
神官が倒れる
其を見た二人の内、ワルドに拳が叩き込まれ、ワルドは吹っ飛ぶ
そのままルイズは、誰かの胸に抱き込まれる
「サイト!!」
「誰がルイズに触れて良いっつった、屑野郎」
「ザイド、ヒック。ザイド〜。ご免なざい〜〜。あたじザイドに謝らないどいげない事が〜、ヒック」
胸にそのまま抱きついてルイズは嗚咽する
そんなルイズの頭を撫で才人は言う
「ルイズ、今は後だ。此からキツイ事言うけど、頑張れるか?」
才人の言葉に目に力を乗せ、頷くルイズ
「良し、いい子だ」
才人はそのまま膝をつき、臣下の礼をする
『あぁ、なんてカッコイイんだろう。サイトは、何でいつも欲しい時に来てくれて、最高の時を魅せてくれるの?』
「我が清楚にして可憐なる主、ルイズ=フランソワーズ=ル=ブラン=ド=ラ=ヴァリエールに、御身が使い魔、平賀才人が申し上げる」
ドキンドキンドキン
ヴェールの下で、ルイズは紅潮し、鼓動が跳ね上がり、下腹部に熱が籠る
「此方におわす者、ジャン=ジャック=フランシス=ド=ワルドは、トリステイン王国魔法衛士隊グリフォン隊隊長という要職に有りながら、レコンキスタと通じており、あまつさえ、アルビオン王国ウェールズ王子以下、王党派を弑殺なさいました」
「トリステイン王国に禄を食む者としては、重大なる謀反と思われます。御決断を」
「…本当に?」
「然り、此方に王子の遺髪と遺品を頂戴しました」
才人は懐から、王子の遺髪と指輪を取り出し見せた後、またしまう
『才人は、隠し事はしても嘘はつかない。手を汚すって言っている。あたしにはやるなと言ってる』
「私、ルイズ=フランソワーズ=ル=ブラン=ド=ラ=ヴァリエールが、我が忠実にして勇壮なる使い魔、平賀才人に命じます」
「我が婚約者、ジャン=ジャック=フランシス=ド=ワルドの諸行、トリステイン王国に禄を食む者として、到底赦せません。即刻捕縛しなさい」
「捕縛が不可能ならば……」
364大人才人 再開、覚醒5-5:2010/08/22(日) 18:38:12 ID:etoTGr6a
『ならせめて……一緒に背負うのよ、ルイズ』
ルイズは息を継ぎ、言う
「…安らかに、死を」
「イエス、マイロード!!」

才人はすっくと立ち上がり、デルフを抜きにかかる
「よう、嬢ちゃん」
「何よ、ボロ剣」
「今から起きる事は、絶っ対見逃すなよ。今の相棒は・・・強えぇぞ!!」
ルイズは全力で頷く
才人が振り向くと、ワルドが仁王立ちで立っている。顔は憤怒の形相
「よう、ワルド。何で背中から襲いかからない?」
「初めて名前で呼んだな。貴様を狙えばルイズを巻き込む。それに貴様とそのインテリジェンスソードなら見切るだろう」
「そりゃ、買い被りだ。それにデルフをお宅の前で抜いたっけ?」
「一つ質問だ、何故今になって名前を呼ぶ?其にいつバレた?」
「もう『隊長殿』じゃないし、『子爵閣下』でもないし、『パトロン殿』でもない。今の形相じゃ『色男』ですらない。名前で呼ぶしか無かろう」
「内通を疑ったのは襲撃時だな。情報が正確に漏れ過ぎた。レコンキスタに通じてるのを疑ったのは港での会話だよ。王子の遺言で確信した時には遅すぎたけど。こっちも一個質問。魔力切れじゃ無かったのか?」
「ふん、殆ど見抜くとは化物か貴様。あの船はレコンキスタに物資を輸送する船だ。正体明かせば、すぐに演技に協力してくれたさ」
「此方にも風使いが居るってのに、良くもまぁ騙したもんだ。正直感心するわ」
「貴様は頭が切れすぎる。貴様が居るからルイズが私になびかない。貴様を殺してルイズを連れ去り、新しい虚無の使い魔を呼べば良い」
「略奪婚か、良いねぇ。男の浪漫だね。一個教えてやるよワルド」
「何だ?」
「使い魔は、本人の資質から、何が来るか解らんが、必要なモノを呼び出すんだろ?」
「その通りだ」
「俺は国に帰れば、何処にでも居る普通の日本人だ。つまり、ルイズが必要なのはそういう人間だ」
「何が言いたい?」
「まだ解らんのか?俺を従えられないワルドじゃ、ルイズがルイズである限り、何度やっても伝説の力は手に入らんよ」
「貴様の様な人間が、ザラに居るわけ無かろう。貴様を殺して終わりだ」
「それが居るんだよねぇ。なんせ1億2千万も居るもんで」
「何だと!?」
「だから、さっさと諦めて、お縄につきな」
「ふん、減らず口を。この私を前に、其処まで言えたのは誉めてやる。だが、もう終わりだ!!」
詠唱を始めるワルド
365大人才人 再会、覚醒5-6:2010/08/22(日) 18:40:09 ID:etoTGr6a
「相棒、相棒を見て思い出した事が有るから聞け」
「何だ?デルフ」
「俺っちは、初代ガンダールヴが使ってた剣だ」
ワルドのウィンドブレイクが才人の態勢を崩すべく強風を叩き、才人は其を避ける
「ヒュウ♪まさか、伝説の剣が、冴えない武器屋に転がってるとはな」
軽口を叩きながら、才人はワルドと接近、剣を一合交え、横に飛ぶ。其処にワルドが追撃のエアハンマー
才人は更に横に走る
「良いか相棒、ガンダールヴの力は心の震えの強さで決まる」
「ほう、そうなのか」
「相棒、守る者は有るか?」
「おぅ」
「心は震えているか?」
「おう!!」
「倒すべき敵は居るか?」
「目の前に居らぁ!!」
「では行け!!」
「応!!」
一気に接近しデルフを叩き付けるがワルドはレイピアを上手くしならせ、軽くいなす
いなし様、横に蹴りを与え、更にレイピアを突くと同時にエアハンマーを発動させ、周囲ごと飛ばす
「ぐはっ!?」
「ふん、魔法衛士隊隊長がお飾りと思われても困るんでな。速いだけでは、この私には勝てん」
「相棒、大丈夫か?」
「ってぇ。こいつザクとは違う。スピードもパワーも」
「相棒、何だそりゃ?」
「只の冗談だから気にすんな」
「こんな時に冗談言えるたぁ、余裕だね。相棒、左に避けろ!!」
「おわっ!?冗談でも言わなきゃ、やってらんねぇ位、強えんだよ」
「く、ちょこまかと」
更にウィンドカッターの追撃をかわしながら接近、今度は逆袈裟から切り込むが、今度は受け止められる
「ふん、甘い」
「頂き」
左手はそのままで、右手で村雨を抜刀し切り上げるが、舞った霧ごと、風が軌道を反らす
「ち、両手で居相しなきゃ無理か、糞ッ」
村雨を鞘にしまう
「中々やるな。肝を冷やした。だが、此処で終らせる」
「ユビキタス・デル・ウィンデ」
「何!?聞かせた?」
「相棒、ヤバい。ありゃ偏在だ」
「あの時襲撃したのは私だよ。風は偏在する。風使いたる私もだ」
ワルドが二人、二人から四人に別れる
「虚像にして実体。この四人からの攻勢、受けきれるか?虚無の使い魔」
「だぁ、分身の術かよ!?」
「相棒、それぞれが魔法も使って来るぞ」
「デルフ、指示しろ。こっから詰め将棋だ」
「おぅ、任せろ」
「行くぞ」
「端から追い込め、中央に捉えられるな」
「ラジャ」
見ていたルイズは息を飲む
「偏在って、スクウェアスペル。幾ら才人でもワルドが4人では」
366大人才人 再会、覚醒5-7:2010/08/22(日) 18:46:23 ID:etoTGr6a
左手のワルドに斬りかかり、合わせ様に蹴りを放って牽制するがワルドは無理せず下がる
「相棒、しゃがめ」
才人がしゃがむとエアニードルでワルドが右手から頭の位置を突いて来る
とっさにデルフを床に差し、両手を村雨にかけ、一気に抜刀
「何!?」
霧が舞い、霧が晴れ、ワルドが抜き打ちで斬られ、そのまま倒れる
「サイト凄い!?」
ルイズに剣筋を見れはしないが余りの斬撃に目を見張る。そしてそれは、ルイズ自身に熱をもたらす
才人はそんな事お構い無しに、次のワルドと床から抜いたデルフで剣劇に入っている
「相棒、今の斬撃は何だ?俺っちも、初めて見らぁ」
「居相抜刀、刀で行える、最速の抜刀術」
「何なのだ、今の剣技は?全く見えなかったぞ?」
ワルドも驚愕する
「だから、言ったろうが。刀と剣を一緒にするなってな」
『うっ。サイトが刀にこだわったの、こういう訳』
ルイズはもう二度と、刀を剣と呼ぶのは止めようと心に決める
「確かに刀は脅威だな、だが」
分身がまた増える
「マジかよ」
「これが偏在の厄介さだ、相棒」
「どうすりゃ良いんだよ?」
「本体見つけてぶった斬るか、全部同時に斬る」
「幾らガンダールヴでも、無理言うな」
「今の相棒じゃ、それしか対策がねぇ」
「無理を承知でやれってか?」
「おぅ」
「それじゃ、無理するか。可愛い女のコの前なら、百人力は嘘じゃないって証明したる」
「相棒、その意気だ。心の震えも上がってるぜ、っと、左に飛べ」
才人が左に飛ぶと、今居た空間の天井床に亀裂が入る
「くっちゃべってる暇ねぇな。次何処だ、デルフ」
「そのまま突っ込め」
「おう」
「杖に乗せた魔法には気をつけろ」
「正面狙え」
デルフを袈裟掛けに斬り込むが、エアシールドで受け止められる
「マズイ、後ろに飛べ」
才人はバク転をし、今迄居た場所の左右からエアハンマーが追突
ごぉん!!
「喰らったら、ぺしゃんこじゃねぇか」
「クソッ、こんな時に打開する方法、あった気がするんだが、思い出せねぇ」
「無い知恵絞れよデルフ、俺も考える」
相手との距離を保ち、攻撃をかけながら思案する
『確かコルベール先生は』
『戦闘詠唱は見せない、聞かせないのがポイント』
『それを見せる場合は、自己満足又は、強力なスペルを唱え、戦意を削ぐのが目的』
『熟練ならば、ドットやラインメイジでも聞かせない』
367大人才人 再会、覚醒5-8:2010/08/22(日) 18:47:30 ID:etoTGr6a
『詠唱と発動を別に制御する、ディレイ(詠唱遅延発動)技能者も少なからずいる』
『目の前で会話してても既に発動準備は終わってたりする時もある。この様にね。杖を持ってる限り、メイジに対しては警戒を解かない事だ』
『そのまま着火を発動させて、皆を驚かせたっけ』
攻撃を避け、仕掛け、回避、また仕掛け回避、回避、回避
『つまり、気付かせない。発動も制御の2点か』
『ワルドは発動制御はしてる様には見えねえ』
『以前俺が試した時は一秒程度、威力も範囲も並未満』
『ん、待てよ?攻撃に回さなきゃ良いのか』
『…良し』
「クッソ、思い出せねぇ、相棒左からだ」
「よっと」
「口数が減ったな、そろそろか」
「何言ってんだ。此からが見せ場だっての」
「なら、其を見せろ。使い魔!!」
「相棒、詰まれた!?」
「しまった!?」
四人の中央に立たされ、今迄誘導された事に気付く
「終わりだ」
四方からの詠唱と発動が才人に迫る
「……思い出した!!相棒、俺を上に掲げろ!!」
「おう」
才人がデルフを掲げるとデルフから光が発し、消えると其処には年代を感じさせない業物が一振り
そのデルフが魔法を全て吸い込む
「何!?」
「チャンス!」
デルフをそのまま上に放り、村雨の柄に手をかけ小さく詠唱
一気に詰め寄り、抜刀と同時に発動
正に刹那、霧が4ヶ所で舞う
368大人才人 再会、覚醒5-9:2010/08/22(日) 18:51:29 ID:etoTGr6a
霧が晴れると、才人が立って居るのは突っ込んだ正面ではなく、左隣
そして、村雨を振り下ろした状態で静止し、顔には汗が滴っている
カラ〜ン
デルフが床に落ちた音で、再び時は動き出す
「一体、何が起きたの?」
「貴様、最後にとんでもない動きをしたな。だが外れの様だ。此で詰みだ」
ぶんっ
才人は村雨を一祓いし、刀身に付いた血糊を露で払い、鞘に収める
チン
「まだ気付いて無いのか?終わりだよ。ワルド」
そのまま歩いてデルフを拾う
「おでれーた。確かに終わりだ。相棒、一体何をした?」
「ガンダールヴには加速装置が付いてるのに気付いてね。奥歯のスイッチ噛んだのさ」
「何だい、そりゃ?」
ぼととっ
音が四つ重なる
「お、おおおぉお!?腕が、私の腕が」
「嘘、あの一瞬で4人いっぺんに斬ったの!?」
杖であるレイピアを持った右腕を斬られ、偏在の分身も全て消滅する
「ぐぅうぅぅ。殺せ」
「嫌なこった。俺の命じられた仕事は、お前さんの捕縛。さて、牢屋が待ってるぞ、ワルド」
「ワルド、こっちだ。急げ」
「ありゃ〜。フーケかい」
ワルドは痛みで顔をしかめながら、腕とレイピアを拾い上げ、才人を睨む
「この屈辱、忘れんぞ。だが貴様らも終わりだ」
「レコンキスタの援軍が来てんだろ?」
「その通りだ。貴様の減らず口にわざわざ付き合ったのは、この為だ」
「才人、早く逃げないと」
「その前に捕縛しなきゃね」
「くっ」
ワルドはフーケの場所に走る
「先に行け」
「済まん」
「才人、悪いが脱出手段の船は此方が押さえた」
「フーケが来た時点でこうならぁな。一緒の船だったか」
「そうだよ。ずっと我慢したんだから。でも此処でお別れだね」
「そうみたいだな。今度は仕事無しで呑もうや」
「最後迄良い男だよ、アンタは・・・馬鹿」
フーケは踵を返し、去っていく
「サイト、フーケは敵でしょ?何で仲良いのよ?」
「仕事に誠実な人間は、例え敵でも大好きなもんでね」
「ふん。ねえサイト、あたし達は終わりなの?」
「終わりなのは俺だけさ、ルイズはレコンキスタに捕われたら、ワルドに引き渡されて、ワルドの要望通り、略奪婚の完成だ」
才人はデルフを握ったまま話す。汗は流れ続ける
「そんなの嫌、サイト」
才人にルイズは抱きつく
「何だい、ルイズ」
「さっきのあたし、頑張れた?」
「あぁ、はなまるだよ、ルイズ」
ルイズの頭を右手で撫でる
「じゃあ、ご褒美頂戴」
「今、あげてるだろう?」
369大人才人 再会、覚醒5-10:2010/08/22(日) 18:52:45 ID:etoTGr6a
「タバサと一緒じゃ、嫌」
「じゃあ、どんな褒美が御所望かな?マイロード」
「……ス」
「ん?」
「キス!姫様にしたやつ!!」
「いえす。マイロード」
ヴェールを上げ、デルフを握った左手を腰に回し、右手で顎を軽く上げる
ルイズはうっとりと才人を見つめ、そのまま目を閉じる
才人も唇が触れる瞬間に目を閉じ、唇が合わさると右手をルイズの後頭部に回し、首を固定する
そのまま唇に舌を入れ、ルイズの小さな口腔内を、ぬるりと舐め上げる
その瞬間、ルイズは歓喜で爆発する
両手は才人の首に回し、力一杯抱きつき、脚は股が才人に当たる様に、脚を開いて受け入れる
口からは声にならない声が漏れ、舌は才人を求めより深く、より絡まる様にぬるり、ぬるりと才人に絡みつく
更に身体を密着させるべく、力一杯抱きつき、そしてビクンビクンと痙攣をするも、才人からは離れようとはしない
才人が唇を離すと、唾液が二人の間に繋がる
目を見ると、其処には、才人を求める牝が居た
「サイト、サイト、サイト。あたしの使い魔、あたしだけの使い魔。絶対絶対絶対誰にも渡さない」
「だから何処にも行かないで。ミスヴァリエールって呼ばないで。もっともっと教えて。もっと撫でて。もっと抱きしめて。もっとキスして」
「……サイトのモノにして!!」
ルイズからキスを求める
才人は其に応じる
『全身悲鳴上げてて、応えられないんだけど。デルフ握ってないと倒れるわ』
更にエスカレートするルイズの求愛に、気絶した方が良いかなと思い始めた時、壁がぼこりと崩れる
二人ともびくりとして振り返ると、其処には人間と同等の大きさのモグラが一匹才人を見つめる
「あれ?ヴェルダンデじゃないか?てっきり、シルフィードに乗ったタバサが来るかと」
まだ興奮した頭で、まともに考えられないルイズ
「ねぇ、サイト。続きしよ。もう終わりなんでしょ?なら、サイトのモノになってから終わるの」
「待てルイズ。救援だ」
「サイトに呼ばれて身体中が痺れるのは、マイロードよね。そう呼んでめちゃくちゃにして」
「ルイズ!救援だ!」
「ねぇサイト、服破って無理矢理して………救援?」
「そう救援だ。脱出するぞ」
「じゃあ、救援にも見せちゃえ」
「あぁ、もう。ヴェルダンデ、行くぞ」
ルイズを抱え上げた姿勢で穴に入る
370大人才人 再会、覚醒5-11:2010/08/22(日) 18:58:35 ID:etoTGr6a
「やん、サイト狭い。こんな所でしたいだなんて、変態なんだから」
「良いから抱きついてろ」
「うん」
ルイズは首に手を回し、脚を腰に巻きつかせ、花弁を才人の股間に密着させ、ぐりぐり動かす
「駄目だ、完全に理性無くしてるわ」
「相棒、カッコつけすぎだ。彼処迄やられちゃ、大抵の娘っこは転ぶぜ」
「解るのか、デルフ?」
「まぁ、そういうのも見てきたからねぇ」
「流石6000歳、何とか正気に戻せんか?」
「一発やりゃ、大人しくなるんじゃね?」
「今は非常時だっての」
「じゃあ、脱出迄きばれよ、相棒。これは面白れぇ」
「剣は気楽に言いやがる」
才人は痛む手足を使い、ルイズを極力傷つけない様に穴を降っていく
「サイト、サイト。は〜や〜く、は〜や〜く。焦・ら・し・す・ぎ」
「だぁぁぁぁ、首筋舐めるな、落ちる!?」
とうとう手を滑らし、滑落を始める
「おわっ!?」
「きゃっ!?」
先行してたヴェルダンデも巻き込み、穴から落ち、空を落下する
「きゅい!?」
「シルフィード、急いで」
シルフィードが速度に合わせ急降下、タバサ,キュルケ,ギーシュがそれぞれレビテーションを二人と一匹にかけ、落下速度を緩めた下から、シルフィードが受け止める
「ふぅ、助かった。有り難う、皆」
「あん、サイト、空でするのも良いわね」
「……ヴァリエール?ダーリンどうしたの?」
「話せば長くなるけど、とりあえずルイズを何とかしてくれ」
落ちてる最中もしっかり離さず、シルフィードの背に居る今も、完全密着、しかも大洪水でサイトのジーンズもしみが大量に付いている
タバサが詠唱し、水がルイズにぶっかけられる
「きゃっ、何すんのよ。あれ?此処何処?」
「…アルビオン空域。シルフィードの上の才人の上」
顎に手を当て考え、ぽんと拳で手の平を叩くルイズ
「ん〜、サイトの上なら問題ないわ。ねぇ、サイトぉ〜」
また、猫那で声で始めるルイズ
ごん
「痛っ」
ごん
「痛っ」
ごん
「いい加減にして。杖で殴んないでよ。タバサ、喧嘩売ってんの?」
「…場合によっては」
振り返ると、完全に表情を無くした、才人が来る前の雪風が其処に居た
氷の瞳に見据えられ、完全に頭が冷えるルイズ
「才人から退いて」
「いいい嫌よ。サイトはあたしの使い魔なんだから、別に良いでしょ」
「本当にどきなさいよ、ルイズ。才人の様子がおかしいから診るわ」
371大人才人 再会、覚醒5-12:2010/08/22(日) 18:59:22 ID:etoTGr6a
デルフを鞘に収めた途端苦しみ、ぜいぜい吐息を洩らす才人に、ようやく気付くルイズ
「え、嘘?一体どうしたの?ワルドの魔法でやられたの?」
「ルイズ、何で才人とワルドがやりあうんだい?」
「…内通者」
「タバサ、知ってたの?」
コクンと頷き言う
「…才人に口止めされてた」
「何で皆に言わないのよ」
「…確証が無かった。才人以外、全員容疑者だった」
「…才人は自分と友達がやりあう所は、皆に見せたくないと」
「モンモン、事情説明すっから喋れる位で良いわ、サンキュ。タバサ、随分お喋りだな」
「…迷惑?」
泣きそうな顔になるタバサ
「あ〜、こっち来いタバサ」
才人に近付き、ちょこんと傍に座る
才人は頭を撫で、言う
「迷惑じゃない。只、あんまり恥ずかしい事言うな。頼むよ」
「…うん」
タバサは紅くなりながら頷く
才人はそれから事情を説明する
シルフィードは、既にアルビオン空域から離脱をしていた
「ワルドが謀反して、ウェールズ王子を殺害だって!?」
「早く王宮に行かないと」
「駄目よ。一旦宿を取る。才人の状態が良くない。路銀まだ有るでしょ?」
「うん、けど一泊分で終わり」
「じゃあ、一泊してから王宮にシルフィードで向かうで良いわね?ヴァリエール」
「えぇ、タバサ、悪いけどシルフィードで宜しくね」
「…解った」
*  *  *
372大人才人:2010/08/22(日) 19:11:21 ID:etoTGr6a
投下終了なのね〜きゅい
では大人才人タクティクスなのね
今回はフーケなのね〜きゅい
「アタイは敵だろう?え?そんな事無い?ま、まぁ良いや。あの戦いを一部始終見てたのは、才人の主人だけじゃ無いって事さ」
「アタイの出番が全く書いて無いって?そりゃ、アタイの得意行動は風のスクウェアにも気付かせない、隠密行動だからだよ。伊達に泥棒やってた訳じゃ、無かったのさ」
「ま、それは其として、原作と違って、ワルド偏在の分身量や、トライアングルスペルたるライトニングクラウドとか、使って無いのを不思議に思ったかもしれない」
「あいつは、その前で既に偏在を四六時中使ってて、なるべく魔力消費を抑える必要があったのさ。実際に船に取り残された時には、仮眠取ってたよ」
「傭兵隊を雇わなかったのは、アタイが思い切りぼったくったせいね」
「其でも才人みたいな剣士には十二分に通用するし、本来は其処までする必要すら無い」
「其でも、偏在をまた使わざるを得なかった状況に、才人が追い込んだんだから、やっぱりアイツはタダ者じゃ無いねぇ」
373大人才人:2010/08/22(日) 19:14:31 ID:etoTGr6a
誤って送信しちゃったのね〜
では有難うなのね
再会、覚醒はまだ残りが有るので、もう少しおつきあい宜しくなのね
きゅい

題名途中で間違えてのに気付いた大いなる意思は馬鹿なのね
374名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 20:18:02 ID:02QrXOMD
375名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 17:35:03 ID:4WCYN1Y8
>>373
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!
376名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 07:31:01 ID:YqO8g/Vq
wikiのカウンター見たら、600人前後は見てるんだなぁ
微エロが入ってる回のカウンターが、やっぱり回ってるw
377大人才人:2010/08/26(木) 23:00:47 ID:PcJjc+SN
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
筆が乗ったり体調不良でベッドで死んでた大いなる意思は馬鹿なのね〜
来月生き残り出来るかしらと泣いてるのね〜
ついでに車迄盗難されて泣いてるのね〜(注:本当)
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・再会、覚醒の打ち上げとエピローグ(分離有)
・エロい、かどうかは自信無し

反映されたら投下開始なのね、きゅいきゅい
378大人才人 再会、覚醒6-1:2010/08/26(木) 23:01:52 ID:PcJjc+SN

宿に着くと、ルイズは事情を書いた手紙を書き、アンリエッタに送る
才人はベッドで起き上がれずに居たが、モンモランシーが自分以外を追い出した為、傍に居るのは、モンモランシーだけである
曰く、
「ルイズ達が居ると、才人が平気な顔して無理するから駄目」
各々心当たりが有りすぎる為、素直に従い食事に降りて行った
「モンモン、毎回済まないねぇ」
「それは言わない約束でしょ。おとっつぁん」
「ネタについて来るとは」
才人は笑う
「すぐに冗談にするから読めるわよ」
「まだまだ修業が足りないか」
「冗談は此処まで。私には、全部話しなさい。何をやったら、此処まで全身をイジメられるの?」
「言わなきゃ駄目か?」
「誰にも言わないから安心しなさい。サイレンスも周囲にかけてある。私はあんたの主治医よ」
「相棒、俺っちも気になる。ガンダールヴなのに、何でそんなに運動でダメージを残す?」
デルフが抜け、話かける
「魔法だよ」
「才人、使えるの?」
「正確には俺じゃない。村雨の力を借りてる」
「どういう事でぇ?」
「デルフ、ガンダールヴは心の震えで強さが変わるんだろう?だから、心の震えが高まってた時なら使えると思ったのさ。村雨は杖にもなるからな」
「どういう魔法?」
「モンモンは、人間の身体が、通常時は身体が壊れない様に、全開で動かない様、枷が付いてるって話は知ってるか?」
「今、初めて知ったわよ。それは才人の国の医学?」
「そう。其を利用して、水魔法で肉体の枷を無理矢理外して、壊れるレベルで動かした」
「枷自体は脳内麻薬の分泌量で制御出来る程度。原理さえ知れば、ドットで出来る」
「効果時間は?」
「今回は一秒程度。心の震え次第」
「スペルは?」
「教えない」
「何でよ?」
「枷を外して無理矢理動くんだ。モンモンが使ったら死ぬぞ。ガンダールヴだから、この程度で済んでる」
「成程。才人専用スペルね」
「魔法衛士隊なら、使えんじゃねぇかな?」
「教える?」
「まさか、ワルドみたいなのに使われたら、為す術無く瞬殺されるわ。使った後、相手も死ぬかもしれんけど」
「それにガンダールヴの力を乗せたせいで、心の震えの許容量越えた運動で、ダメージ溜めたのか。相棒、馬鹿だねぇ」
「俺もそう思う。此処まで、反動酷いとは思わなかったわ」
379大人才人 再会、覚醒6-2:2010/08/26(木) 23:03:21 ID:PcJjc+SN
「ぶっつけ本番なんかでやるからだ。アホウ」
「本番じゃないと、閃かないから仕方ねぇ」
「ねぇ、才人」
「なんだ?」
「これからも使う気?」
「必要な時にはね」
「あんたの場合、やるなと言ってもやるか」
ふぅと、溜め息を付く
「じゃあ、私から忠告。それに耐えられる肉体になるよう、鍛えなさいな。重要なのは耐久力よ」
「どうやるんだ?」
「一番手っ取り早いのは、私とのエッチね」
「嘘言うな」
「乗せられなさいよ馬鹿。普段時に使って、壊れないレベルで負荷をかけ続ければ、耐えられる様になるわよ。最初は今みたいに地獄よ」
「敢えて使えと?」
「但し、傍に私が居る事。ポーションと魔法でケアしないと駄目」
「そうか、解った。宜しく頼む」
「此で、あんたは私から離れられない」
くすくすとモンモランシーは笑う
「……はめたな?」
「あ〜ら、私はきちんとした助言したわよ?そんな無茶な事するんじゃ、水メイジ要るもの。其とも、私以外のメイジに頼む?」
「いや、こんな事はモンモン以外に頼めん」
「私の部屋が近くなったわね」
「……完全に俺の負けだな、こりゃ」
「宜しくね、私の愛しい人」
「宜しくだ、俺の子悪魔モンモン」
「あら、子悪魔も素敵ね。二つ名変えようかしら?」
クスクス笑うモンモランシー
そのまま、才人にキスをする
そして詠唱を始め、終わると服を脱がせ、才人に身体を密着させながらポーションを塗る
「ん、おっきくなった」
「…何故か息子に入念に塗ったろ?」
「これ、ローションにもなるのよね」
服を脱ぎ、才人に乗る
「待て、モンモン」
「覚悟決めてないんでしょ?嫌よ」
「違う、そうじゃない。もう覚悟は決めた。やる時は俺が押し倒したい。今は身体が言う事効かない」
「凄い嬉しい。でも駄目、もう待てない。ルイズが完全にあんたに転んだ。私と一緒で、あんた以外見えてない」
「妊娠が怖いの?なら、あんたの前でこれ飲むね。避妊薬よ」
「そんなの迄、持ってんのか」
「私謹製の薬、香水以上の一番の売れ筋商品よ」
「学院内で?」
「此だけは、学院内外で」
「キュルケも?」
「キュルケは微熱。私からは香水しか買わないわ。ああ見えて、守る所は守ってる。結構純情なのよ」
「意外だな」
「そうね、私も、私が先にこうなるとは思わなかったわ」
才人を自分の花弁にあてがい、ゆっくりと腰を沈める
380大人才人 再会、覚醒6-3:2010/08/26(木) 23:09:01 ID:PcJjc+SN
才人は途中でつっかかりを感じるが、其を突き抜け、最奥に自身が到達したのを感じる
「は、あ、嘘。初めてなのに、気持ち良い。駄目、こんなの耐えられない」
「うぁ、こんなのすぐに出ちまう」
モンモランシーの中が才人を包み、才人の射精を導くべく蠕動し、子宮口が才人の鈴口にキスをし、精を飲む為に吸引をする
才人は堪らず射精をする
びゅくっびゅくっびゅくっ
才人の射精に合わせ、モンモランシーも才人を抱き締め痙攣する
「ふぅふぅふぅ。何で避妊薬が売れるのか、解っちゃった。其とも、あんた相手だから?」
「……あのさ。何かした?」
「何もしてないわ。あんたが中で沢山で、私はもう、一杯一杯」
「あのうねりと吸引は反則だ」
「経験有るの?」
「商売相手な」
「私、凄い?」
「あぁ、凄い」
「それ全部、あんたのモノよ」
「嬉しいね」
二人はキスを重ねる
モンモランシーの鞘に収まった才人の刀は、勢いを少しも緩めない
「全然萎えねえ」
「凄い固くて元気ね、ふふふ」
モンモランシーはゆっくり腰を動かし始めるが、直ぐに限界を迎える
「や、何でこんなに良いのよ。これじゃ、あんたに溺れちゃう!!も、だめぇっ!?」
モンモランシーの絶頂と共に、才人はまた射精する
「其はっ、此方のっ、セリフっ、うぅ」
才人はモンモランシーの尻を掴み、しっかりと固定する
「ん゛〜〜〜〜〜」

「つ、疲れた」
「……ごめん、残ってた体力絞り取っちゃった」
「短時間で5発は流石にキツイ」
「だってだって、凄い良いんだもん」
「そりゃ良かった。で、いつ離れるの?」
「明日の朝」
「あの………飯は?」
「………忘れてた」
「モンモン、離れたくないのは解ったけど、飯食わせてくれ」
「解ったわ。スタミナ食でタバサ並で良い?」
「どんだけ体力付けさせる気だ?」
「私が足腰立たなくなる位かしら?」
「……デルフぶん回す方が楽だな」
才人は苦笑する
「フフ。じゃ、持って来るわね」
今まで鞘に収まった所から、才人の刀が抜け、ドロリと血と共に白い露が垂れる
服を着、サイレンスを解くと、階下から大歓声が聞こえる
「なんだ?盛り上がってんな」
「注文するついでに、様子見てくる」
「モンモン」
「何?」
「垂れたまんまで行くつもりか?」
「そうよ、悪い?」
「多分、俺が殺される」
「そうはならないわよ。殺されるのは私」
「解ってるなら、処理しろよ」
381名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 23:09:26 ID:CI/2xwaM
シエンスタ
382大人才人 再会、覚醒6-4:2010/08/26(木) 23:10:14 ID:PcJjc+SN
「あんたのモノになるのに、恥ずかしい事なんて一つも無いもの」
「はぁ、何でこんなに度胸有るんだか。とにかくこっち来い」
才人はハンカチを取り出し、モンモランシーから垂れる自身の精を拭き取る
「はいてねぇ。確信犯だろ?」
「バレたか」
モンモランシーは舌を出す
「全く、一番手強いな。ほら、パンツ履いて」
「履いただけじゃ、垂れるもの」
「じゃあ、浄化」
「絶対嫌」
「はぁ、仕方ねぇ。此挟め」
才人はショーツにハンカチを重ねる
「何か厚ぼったい」
「我慢しろ」
「才人」
「何だ?」
「いつメイドにハンカチ貰ったの?」
「出発前」
「持って無かったんだ」
「あぁ」
「何で私に言わないのよ?」
「何でって言われてもなぁ。シエスタが世話を焼いてくれるのは、こっち来てからずっとだし」
「これ、メイドの手縫いよ」
「解るのか?」
「えぇ」
「それって凄いの?」
「女心に本当に疎いのね」
「悪かったな」
「あんたはそれで良いのよ。下手に知ったら、あんたじゃなくなるわ」
「…俺の知らない所で、凄い事になってる?」
「それはもう」
「俺は一体何をした?」
「あんたが私達の所に来た。それだけよ」
モンモランシーは笑う
383大人才人 再会、覚醒6-5:2010/08/26(木) 23:11:15 ID:PcJjc+SN
「はぁ、訳解らん」
頭をがしがしかく才人
「じゃあ、行って来るわね」
パタン
「……遂にやっちまったなぁ」
「後悔か?相棒」
「確実にしがらみになっちまった」
「帰りてぇか?相棒」
「此処に居るにしても、挨拶無しだったからな」
「…そうか」
「……味噌汁と白いご飯、食いてぇなぁ」

直ぐに降りず、扉の前で声を聞いたモンモランシーは涙を流す
「……絶対、才人が住み易い様にするんだから。私一人じゃ無理でも、皆となら……」
涙を拭き、階段を降りる
食堂兼酒場はお祭り騒ぎになっている
その中心に居るのは、モンモランシーの旅の連れ
テーブルの上には、予算オーバー確定の料理と酒がふんだんに有る
「ちょっと、こんなに酒と料理頼んで、支払いどうすんのよ?」
「あ〜、心配ないない」
キュルケが話す
「ほら、この宿、ワルドに旅費押し付けた所でしょ?其を見てた時のマスターと客達がさ、今回も面白い事してくれたら、酒は客達が払うって言って、食事はマスターが払うって言ってくれたのよ」
「誰がそんな芸したのよ?」
「あの二人よ」
キュルケが指した場所に、ルイズとタバサが何かやり取りをしている
顔の紅潮具合から、呑んでるのが解る
「一体何やってんの?」
「才人が襲撃者とワルドとやった時の話。もう二人ともノリノリで、タバサやルイズのあんな所、初めて見るわ」
「それが何でウケてるの?」
「才人の行動って非常識で、奇想天外でしょ?其れで締める所は締めるから、大人版イーヴァルディだって大ウケ」
「客が客を呼んで大変な事になっちゃった。其れでマスターは大入りに喜んで、テーブルの上の料理になった訳。私も現場見たかったわ。私も本気になろうかしら?」
「これ以上増えるのはちょっと、私の取り分減るじゃない」
「あら、治療とは言え、一人占めする人の言葉とは思えないわね」
「本気?」
「タバサの本気相手を取る積もりは無いわ。ルイズの本気相手なら取るけど」
「両方じゃない」
「そうなのよねぇ。だから悩んじゃうの。才人って罪な男よね」
「そうね。しかも自覚無しの鈍感よね」
「貴女のポーカーフェイスのが、ずっと性悪よ。才人の抱き心地は良かった?」
「全身にポーション塗った時に抱いたけど、凄い良かったわ」
「あら、それだけかしら。太ももに垂れてるわよ」
「その手は食わないわよ」
「あらら、手強いわね」
「だって、才人がきちんと処理してくれたもの」
384大人才人 再会、覚醒6-6:2010/08/26(木) 23:17:25 ID:PcJjc+SN
「それなら、確かに大丈夫よね………今、凄い事言わなかった?」
「あら、そうかしら?」
「あくまで、白をきるのね」
「違うわよ。愛されたのを、隠す積もりが無いだけよ」
「ルイズが聞いたら発狂するわね」
「この程度で発狂するんじゃ、この先大変よ。私は、一人占めするのは諦めてるもの」
「ご立派」
キュルケは肩をすくめる
「所でギーシュは?」
「才人の英雄譚聞いて、最初は皆で興奮してたけど、新しい客がある程度来ると繰り返してるから、今は彼処」
フォークで指した場所に、ヴェルダンデと共に居る
「良いんだ、僕は今回役に立たたなかったから、次は才人に肩を並べるんだ。呑もうヴェルダンデ」
「あらら、作戦会議での意見とか、最後にレビテーションで救ったのを、忘れてるのかしら?」
「ほら、タバサの援護やルイズを立てるのに較べたらね。貴女も見てきたら?面白いわよ」
「才人に食事持って行かないと」
「それ位なら私がやるわよ」
「ねぇ、キュルケ」
「何?」
「ゲルマニアに味噌汁ってある?」
「何それ?」
「私も解んない。才人の国の料理みたい」
「じゃあ、才人に届けるついでに聞いておくわよ」
「それは止めて」
「何でよ?」
「立ち聞きした奴だし、驚かせたいの」
「解ったわよ。だからそんな顔しない」
「有り難うキュルケ」
「じゃあ、行って来るわね」
両手に盆を持ち、キュルケは階段を上がって行く
モンモランシーがルイズ達を見ると、ルイズが自身に礼をする才人を演技してる
「…それでね、此処でこうやって礼をして、清楚にして可憐なる主に、御身が使い魔が申し上げるって言って、もうキャーなの」
「シルフィードと使い魔交換して」
窓の外で中を見てた、シルフィードを杖で指すタバサ
「きゅい!?きゅいきゅいきゅい!?」
大量の涙を流すシルフィード
「ぶわっはっはっは、ドラゴンより人間の使い魔のが良いんかよ」
「い・や・よ。あたしのサイトはあたしだけのなんだからぁ」
両手を頬に合わせ身体をくねらせるルイズ
其を見た観客から爆笑の渦
「……此は確かに面白いわ。二人の掛け合いなんて初めて見たわ」更に場面は移る
「それで相手が分身して。その相手の一人がこう突いて来て、こうしゃがんで、手に持った大剣を床に指したと思ったら、腰に挿してた刀を一瞬で抜いて相手をズバッ」タバサをワルドに見たて、杖を剣の様に振るい、才人の剣技を真似するルイズ
385大人才人 再会、覚醒6-7:2010/08/26(木) 23:19:21 ID:PcJjc+SN
「もうすんごい速くて、相手も斬られたの気付かない位で」
おぉ〜と声が入る
「それでね、凄い長生きなインテリジェンスソード迄、初めて見る剣技で、この斬撃は何だって聞いたら」
「居相抜刀、刀で出来る最速の抜刀術。刀と剣を一緒にするなって言って、やっぱりキャーなのぉ」
またまた頬に両手を添えて、身体をくねらせるルイズ
「やっぱり、使い魔交換して」
「きゅい〜きゅい〜きゅい〜」
此処でまた爆笑の渦
「アッハッハッハ、これ面白過ぎ、後日のネタに出来るわね」
夜は騒がしく更けてゆく

「ダーリン、入るわよ」
「あれ?キュルケか、モンモンはどうした?」
「夕食とってるわよ」
「そうか。お、スゲー豪勢な料理だな」
「タバサとルイズのおかげね。あの二人が芸見せて、マスターと客盛り上げたのよ」
「タバサもルイズもそんな事出来るのか。チクショウ、見てぇな」
「多分、ダーリンにだけは、見せないと思うわよ」
「何でだよ?」
「アレは、女としては見せられないわね」
「客には良いのか」
「ダーリンじゃなければ、良いのよ」
テーブルをベッドの傍に寄せ、料理を載せる
「何だそりゃ?さてと、頂きます」
両手を合わせてから食事を始める
「ダーリン。その手を合わせる合図は何?」
「ん?ムグムグ。此は俺の国の食前にする習慣だよ。生きとし生ける者を、自らの血肉にする為の、感謝の証だよ。キュルケも、こちらの宗教で感謝の祈りを捧げるだろ?」
「そうなんだ。私はあまり熱心な方じゃ無いのよね。ダーリンって、結構信心深いんだ」
「ん〜。それもちと違う感じだな。食べ物を食べないと生きていけないから、食料に対して感謝の念を抱くのは普通だと思うぞ?だから、美味しく頂く為の合図だな」
「本当にダーリンて、面白いわよね」
「そうか?ムグムグ」
「えぇ」
「…ご馳走様でした」全て食べた後、手を合わせる
「食べる速さはタバサ並ね、この量食べるのも凄いわ。食後の合図も有るの?」
「あぁ、有るよ。この一言で、料理になった食材、料理を作った人に感謝するのさ」
「凄い、教会の感謝の祈りより簡潔で、幅も広いわね。私も使って良い?」
「ん?良いよ。教会の祈りはしないのか?」
「長ったらしいから嫌いなのよ、あれ。料理冷めちゃうじゃない」
「確かに料理人と料理に対する侮辱だな。飯は美味しく食べる義務がある」
「其処まで言う?」
「当然だ」
386大人才人 再会、覚醒6-8:2010/08/26(木) 23:24:46 ID:PcJjc+SN
「普通、其処まで言わないわよ」
「食いたい物が食えない時には、身に染みるんだよ」
「……そうなんだ」
「済まん、しけた話しちまった。忘れてくれ」
「良いのよ。私も貴族だから、そういうのに困った事無いから、逆に新鮮なの」
「それは解る。俺も国に居た時は、全然解らなかったからな。きちんとやり始めたのは、こっちに来てからだ」
「へぇ、そうなんだ」
「そうなのよ。さてと、下にも行きたいけど、モンモンには無理して動くなって言われてるし、体力回復の為に寝ますか」
「添い寝しようか?」
「一番大事な人が出来た時の為に、取っておきなさい」
「あら、手を出すの?」
「そんな元気は無いよ」
「じゃあ、なんで?」
「非情時以外に、そゆ事は乙女はしてはイケマセン」
「あら、私は微熱よ」
「灼熱になっちゃう相手を探しなさい、それじゃオヤスミ」
布団を被る才人、キョトンとするキュルケ
「あら、一本取られたわ」
皿を片付け、部屋を出る
「モンモランシーが言ってた通りね。本当に手強いわ。ミスタと同じ位面白いわね」
階段を降りると、まだ馬鹿騒ぎは続いていた
「跳ぶ、跳ぶ才人」
タバサがよれよれ浮いて居る
其を指して大爆笑する客
「私の援護で、更に高く跳ぶ才人」
少し高くなったが、よれ具合は更に酷くなる
「は、腹痛ぇ。も、勘弁」
「ギャハハハハ。そんなんじゃ、撃ち落とされちまうぜ」
「そして、ゴーレムに着地」
ルイズの頭にとんと乗る
「ちょっと、頭に乗んないでよ!!」
「そういう事言う子は、お尻ぺんぺん」
降りたタバサが、ルイズをレビテーションで浮かせ、片手で抱える
「な、ちょっと」
「才人は捕まえた敵にお尻ぺんぺん」
ルイズの尻を杖で軽くはたく
「や〜め〜て〜!!悪のりし過ぎよ、タバサ」
客は腹を抱えて大爆笑する
「・・・駄目だこりゃ」
キュルケは天井を仰いだ

*  *  *

翌朝、動ける様になった才人は、ギーシュと共に階下に降りると、既に4人が座っていた
「お、おはよう。早いな、皆」
ビクッ
ルイズとタバサが何故か硬直する
「ん?どうしたんだ、二人共?」
「お、おはようサイト」
「…おはよう才人」
「やぁ、昨日は凄い活躍だったね二人共」
ギーシュが喋り出した瞬間、風に吹き飛ばされる
「な、何するんだ、タバサ」
ルイズが踏み付け、冷たい声を出す
「昨日は呑みすぎて記憶が飛んだの。アンダスタン?」
「サ、サー!!イエスサー!!マム」
387大人才人 再会、覚醒6-9:2010/08/26(木) 23:25:59 ID:PcJjc+SN
ギーシュはあまりの気迫に即答する
其を見たキュルケとモンモランシーは、笑いを噛み殺している
「何をしてるんだ?あの二人は?」
「何でもない」
タバサが即答する
二人が席についた所で才人達も注文し、待ち時間に話かける
「そう言えば、ルイズとタバサがやってた芸って何?」
「え、え〜と、呑み過ぎて憶えて無いのよね。タバサはどう?」
「…私も呑み過ぎて憶えて無い」
「そうか、キュルケやギーシュは?」
「ダーリン寝た後、しこたま呑んだせいで憶えて無いのよ、モンモランシーに二日酔い治して貰った所」
「僕も活躍したのは解るんだけど、やっぱり呑んでたせいかな?良く憶えてないや」
「モンモンは?」
「食べた後、すぐに寝ちゃったわ。疲れてたしね」
才人にウィンクし、才人は冷や汗をかく
「何だ、皆憶えて無いのかよ。損したなぁ」
「あぁ、アンタが昨日の…」
スパッ
通りすがりの客が、才人に話かけようとすると、頬に傷が出来る
「あら、かまいたちかしらね」
モンモランシーが側により、治癒のスペルを唱えながら囁く
「今話かけたら、死ぬわよ?」
完全に青ざめた表情で頷き、客は一気に後ずさる
それ所か、テーブルもずらす客達が続出し、才人達のテーブルを中心に空白地帯が出現した
「ありゃ?何で空白地帯が出来たんだ?狭いだろうに」
「そういう気分なんじゃない?」
「どういう気分だよ?」
才人はハテナマークを連発させてると、ウェイターが料理を持って来る。その身体は完全に震えている
「お、お待たせしました」
「お、どうも。風邪ですか?」
「そんな所です」
「お客さんに移すと悪いから、休んだ方が良いですよ」
「お気遣い、有り難うございます」
ウェイターは皿をテーブルに移すと去って行く
「よっしゃ来た。では」
「「頂きます」」
才人とキュルケが声を合わせ、両手を合わせ、食べだす
毎回祈りを欠かさないルイズやモンモランシーは、キュルケを見る
「キュルケ、何今の?」
「才人もしたでしょ?才人の国の食事前の感謝の祈りよ」
「あれだけ?」
「あれだけで、生きとし生けるモノが、己の血肉になる事に感謝と、料理を作った人に対する感謝も捧げるんですって」
「サイト、何で教えてくれないのよ?」
ルイズやタバサ、モンモランシー迄、恨みがましい目をする
「んぐ。だって、ルイズはきちんと祈り捧げてたじゃん」
388大人才人 再会、覚醒6-10:2010/08/26(木) 23:33:10 ID:PcJjc+SN
「こっちの祈りの方が良いわね。何より温かくて美味しい状態で食べられるわ」
キュルケはサクサク食べる
「才人。どうやるんだい?」
「ギーシュもかい?簡単だよ。こうやって両手を合わせて、『頂きます』って言うだけさ」
「へぇ、そりゃ簡単だ。頂きます」
ギーシュが両手を合わせて祈りを捧げる
「「「い、頂きます」」」
三人も慌てて同じ様にする
「無理して合わせんで良いぞ」
「いい良いのよ」
「あら、本当に簡単で良いかも」
「…こっちのが良い」
「ま、良いか。ご馳走様でした」
先に食べ終わった才人が、両手を合わせて祈りを捧げるのを見る
「サイト。今のは?」
「食べ終わった後の感謝だよ。食材と、其を作った料理人と、美味しく頂いた上での感謝だね」
美味しくの部分を強調して話す
「本当に?流石に、其処まで感謝を捧げる事はしてない」
ルイズは才人の習慣に感心する
「ご馳走様。本当に凄いわよね。たった一言に、沢山の意味が詰まってるんだもの」
「ご馳走様。こりゃ良いや、僕も使っても良いかい?」
「ああ、構わんぞ」
「ご馳走様。今日から、お祈り此方にしようかしら?」
「…ご馳走様」
「ご、ご馳走様」
「始祖に対する祈りはどうした?」
才人は苦笑する
「始祖に対する祈りも込めれば良いのよ」
ルイズはあっさり答える
「お、成程ね。頭良いな、ルイズ」
「此なら矛盾しないから、使っても良いでしょ?」
「あはは、決まりだね、才人」
才人は苦笑して頷いた

*  *  *

シルフィードで王宮に着くと、迎えの者が飛んで来る。手紙で事情を知ってるのか、直ぐにアンリエッタの側に案内される
但し、案内されたのはルイズと才人だけであり、他の者は別室で待機である

アンリエッタの私室の前では、アニエスが待機している
「あぁ、この前のアニエスさんだっけ?」
「貴様か才人」
微笑を浮かべるアニエス
「うん、やっぱり綺麗だ」
「私にその様な事言うのは、貴様位だ。この軟派男」
案内役がアニエスの微笑に驚く
勤務中に、笑いを浮かべるアニエス自体珍しいのだが、ルイズも才人も其には気付かない
でも、ルイズは才人が他の女を褒めた事自体が、シャクに障る
「姫様に用事が有るのよ。通して」
ぶすっとした態度で、アニエスに言うルイズ
「ちょっと待て。殿下、ミスヴァリエールとその使い魔が、到着なさいました」
「通しなさい」
「はっ」
アニエスが扉を開け、ルイズと才人が中に入る
389大人才人 再会、覚醒6-11:2010/08/26(木) 23:34:14 ID:PcJjc+SN
扉が閉まると、アンリエッタがサイレンスをかける
此で中の会話は外に漏れない
「あれ?そういや俺、得物取り上げられなかったな」
「使い魔さんは良いんですよ」
「何ででしょう?姫様」
「私達に何があっても、使い魔さんが守って下さるのでしょう?私のルイズ」
「そそその通りですが、でも」
「あら、手紙を拝見したけど、報告はたった三行で、それ以外は使い魔さんの話でびっしり10枚程、埋まってたではありませんか」
「何やってんだよ、ルイズ?」
「姫様!?それは内緒と、きちんと書いたじゃないですか!?」
クスクス笑って、ルイズの反応を楽しむアンリエッタ
「今後の対策も練らないとならないので、アニエスにも見せました」
「……まさか、あれ全部ですか?」
「えぇ、勿論です。私に気付かない情報でも、アニエスには気付くかも知れませんからね」
あわわわわと、ルイズは泡を食い始める
「お前、一体何書いたんだ?」
「そうですね、アニエスが笑ってたのを、私が初めて見た位のモノですわ」
「アニエスさんって、笑わないの?」
「少なくとも、私は見た事有りませんわ」
「先程、笑いかけられたけどなぁ」
「そんな事が出来るのは、恐らく使い魔さんだけでしょう。私では無理です」
「勿体無いねぇ。あんな美人なのに」
「では、貴方がお嫁にしたら如何でしょう?」
「俺は異邦人で平民ですよ。姫様」
「あら、案外すんなりいくかも知れませんよ。アニエスに並べる殿方は居りませんので」
「ササササイトは私の使い魔です。私の傍に居なきゃならないんです!!滅多な事言わないで下さい!!」
ルイズが堪らずに叫ぶ
「本当に、使い魔さんが来てからは変わりましたね。私のルイズ」
クスクス笑うアンリエッタ
「では、そろそろ本題に入りましょう。ルイズ、手紙の報告は事実ですか?」
「はい、ワルドがレコンキスタに通じており、ウェールズ王子以下王党派が壊滅。アルビオンは、レコンキスタの勢力圏になりました」
「依頼した件は?」
「手紙を渡し読んで頂けましたが、返事はノー。民を残しては行けない、気持ちだけは頂くと。私の事は忘れて欲しい、君に愛されて嬉しかったと」
「‥‥‥あの人らしいですね」
アンリエッタは溜め息をつく
「解りました。では、其を確認出来たので、此方をお二人に渡します」
「何ですか?これ?」
390大人才人 再会、覚醒6-12:2010/08/26(木) 23:39:35 ID:PcJjc+SN
「ルイズ、貴女には私付きの女官を正式に命じます。王宮内を自由に出入り出来る、許可証です」
「使い魔さん。確かサイト=ヒラガでしたよね?」
「えぇ、そうです」
「貴方には、トリステイン国内の武装許可証です。王宮でも軍事拠点でも自由に武装出来ます。ワルドを退けた実績を鑑み、何かあった時に、困らない様にしました」
「もしかして、既に発布済み?」
「勿論です」
「あぁ、だからか」
才人は納得する
「それと、此は今回の依頼の報酬になります。きちんと、人数分用意してるので、皆に渡してあげて下さい」
金貨の入った袋が5袋
「あれ、姫様。一袋足りないのでは?」
「ルイズは一足先に、仲間の所に渡して来て下さい。使い魔さんには、まだ話が有りますので、報酬もそれと一緒に渡します」
「ひひひ姫様」
「何ですか?ルイズ」
「ササササイトと二人きりだなんて、ゆゆゆ」
「少し頭を冷やしなさいな。ルイズ=フランソワーズ。本当に二人きりで、話さないと駄目なのです」
「し、失礼しました、姫様。では先に」
扉を開け、ルイズは退出する
「渡すのが遅れました。姫様、此方は遺品と遺髪になります。どうか受け取って、弔って頂けないでしょうか?」
「あの人の‥‥ですか?」
「はい」
「看取って下さったと聞いてますが、遺言は?」
「……他に、恋をしなさいと」
「‥‥いつも、私の気持ちは無視するのですね」
「申し訳有りません。気持ちは伝わると言いながら、結局は守れませんでした。俺の仕事は失敗です」
「‥‥責任、取って下さい」
「何なりと」
「‥‥胸で、泣かせて下さい」
「はい」
涙を溜めたアンリエッタが、才人の胸に飛び込み、嗚咽する
「うっ、うっ、うっ、あぁああああああ」
才人は片手で抱き、片手を頭に持っていき、落ち着く迄、無言で撫で続けた

「…落ち着きました?」
「ヒック、いいえ、まだです。まだこのままで」
「解りました」
才人の胸に当ててた手が背中に回り、豊かな胸が才人に押し付けられる
その感触は、男には到底耐えられるレベルを越えている
「あの〜姫様?」
「‥‥はい」
「もしかして、泣き止んでません?」
「そんな事は有りませんよ」
才人はその返事を聞いた瞬間、両肩に手をかけ、無理矢理剥がす
「あん」
「あ〜姫様。胸で泣くのは責任を取るので構いませんが、慰めは責任の内に入ってませんよ?」
「じゃあ、責任に含めて下さいまし」
「駄目」
391大人才人 再会、覚醒6-13:2010/08/26(木) 23:40:57 ID:PcJjc+SN
「ずるいですわ、ずるいですわ。ルイズばっかり。私には、使い魔さんみたいな人は周りに居ないんですよ。アニエスもです」
「なんて、手紙に書いてたんですか?」
「詳しくは乙女の秘密です。ですが私もアニエスも二人して共通した感想は、『ずるい』ですわね」
「本当に何書いたんだ?あんにゃろめ」
「アニエスのあんな所、初めて見ました。私以上に、手紙を熱心に読み込んで『こんな男が居るんだな』って」
「へぇ、あれ?まさか、さっきのも結構マジ?」
「アニエスからは、断らないと思いますよ。ねぇ、アニエス」
「殿下。途中でサイレンスを解くのはどうかと」
いつの間にか、室内にアニエスが入っている
「あら、つい」
サイレンスをかけなおし、ロックを追加する
アニエスは顔が幾分紅い
「照れてるのも可愛いね」
「貴様は何故、そういう事をすらすら言う?ロマリアの男か貴様?」
「いやぁ、アニエスさんは、反応が可愛いくてつい」
更に紅くなるアニエス
「ずるいですわ、ずるいですわ。私にはそんな事言ってくれませんの?」
「姫様は、言われ慣れてるんじゃないですか?」
「使い魔さんから聞きたいのです」
「凄く可愛いですよ、姫様」
「本当に?」
「勿論」
「嬉しいですわ」
そのまま才人に身体を預ける
「さっき泣いた雀がなんとやら……か」
才人は肩をすくめる
「‥‥遺言に従おうと、頑張ってるんですの」
「すいません、気付きませんでした」
才人は黙って従う
「アニエスも、使い魔さんの隣にいらして」
「ですが」
「命令です」
「はっ」
「使い魔さんの上着、邪魔ですわね」
アンリエッタはデルフとジャケットを脱がせて、ベッドに放り投げた
「え〜と(どうしろと?)」
「済まないが、私はこんな事をした事が無いのだが」
「無理し「私の様に、身体を預ければ良いのです」
「解りました。では」
才人の発言を無視し、アニエスも才人に身体を預ける
「両手に花ですわね」
「綺麗過ぎて困ります」
「殿下はともかく、私はそんな事無いぞ」
「アニエスさんは美人だよ」
「貴様はまたそういう」
「まぁまぁ」
アンリエッタとアニエスの抱き寄せ、軽く撫でる
ベッドに三人腰掛けた状態で、二人とも声も出さず、ただ身を預けた

暫くすると、才人が身体をそっと離す
「何だ?もう終わりか?」
「もっと、して下さいまし」
「……仲間が待ってます」
「そうだったな。では此方も本題だ。剣を抜け、才人」
「はい?」
392大人才人 再会、覚醒6-14:2010/08/26(木) 23:46:31 ID:PcJjc+SN
「アニエスが、使い魔さんの剣技を見たいそうです」
「ああ、だから入って来たのか」
才人はベッドからデルフを取り、抜く
「モッテモテだな、相棒」
「どうすりゃ良いんだ、俺は」
「全部食っちまえば良いんじゃね?」
「デルフの貞操観念めちゃくちゃだな」
「ブリミルん時から、一夫多妻なんざ普通だぜ」
「一夫一婦のが変なのか?」
「あのふざけた教会が出来てからだよ。何がブリミルの教えだ。ブリミル自身が多妻だっつの」
「そりゃ、確かに矛盾してるな」
「其処のインテリジェンスソード」
「デルフリンガーだよ。剣士の姉ちゃん」
「貴様、破戒的な事を言ってないか?」
「何言ってんだ。相棒を物欲しそうにしてる、姉ちゃん達みたいなのを解決する、最高の策じゃねぇか」
「……貴様」
「言っておくけどな、相棒を独り占めなんざしてみろ。殺し合い所か、戦争が起きるぜ」
「それ程か?」
「それ程だ。だから、剣士の姉ちゃんの目は狂いは無い。俺っちが保証すんぜ」
「剣ごときに保証されてもな」
「アニエスさん。デルフは6000歳な。人間なぞより、遥かに叡知を持ってるよ」
「本当か!?」
「おぅよ」
アンリエッタは考え込む
「‥‥なら、良いのかしら?」
「さて、お喋りは此処まで、行くぞ才人」
「だとよ、デルフ」
「おう、姉ちゃんは剣士としては中々だぁね。だけど、相棒の前じゃねぇ」
アニエスから仕掛けるが、才人と一合合わせて剣を落とす
「な!?」
「アニエスに剣のみで勝てる者等、トリステインでは居ませんよ?」
「ああこれ、使い魔の能力であって、俺自身の実力じゃないです。武器を持たなきゃ、只の人ですよ」
才人はあっさり種明かしをする
「其でも凄いな。イアイと言うのも見せてくれないか」
「じゃあ、アニエスさん、その剣替えはある?」
「有るぞ」
「じゃあ、剣を真っ直ぐ両手で立てて」
「こうか?」
「うんそう。いくよ」
デルフを床に刺し、村雨に手をかけ抜刀し、鞘に収める。抜き手は、二人には見えない
周りに霧が舞い、剣が気付いた様に両断され、床に落ちる
「……何だ、今のは?」
「ん?居相の抜き打ちだけど?」
「……全然見えなかった」
「凄いですわ」
剣先に居たアニエスはぞっとし、アンリエッタはほぅと紅くなる
「殿下、絶対味方にするべき人物です。敵対した場合、メイジですら敗北必至なのは、元魔法衛士隊隊長が立証してます」
393大人才人 再会覚醒6-15:2010/08/26(木) 23:47:39 ID:PcJjc+SN
「私も同意見です。アニエス、その為に動くのに躊躇いは有りますか?」
「いいえ、全く」
「では命じます。使い魔さんと仲良くなりなさい」
「はい?」
「具体的には恋人、愛人でも良いですね」
「で、殿下?」
「子供が出来れば完璧でしょう」
「本人の前で商品の品定めかい」
才人は強かさに苦笑する
「あら、後暗い事をしても、使い魔さんは軽く見抜くと書いてましたので、本人の前のが良いと判断しました」
「姫様もスゲーな。これが帝王教育の賜って奴かね?」
「ですが、私は」
「今、躊躇いは無いと言ったでしょう?其とも、使い魔さんは好みでは有りませんか?」
「そ、そんな事は……」
「姫様」
「何でしょう?使い魔さん」
「アニエスさんを余りイジメないでくれ」
「いつもからかわれてるのは、私の方ですのよ。たまには良いじゃないですか?」
「へぇ、アニエスさんもやるねぇ」
「で、命令を承けるのですか?承けないのですか?」
「……承りました」
「では、仲良くして下さいね」
「はい」
「使い魔さん、今欲しいモノは何でしょう?」
「実は剣技の基礎が全くでして、其を学べる機会が欲しいと」
「そういう事なら、私に任せろ才人」
「其処で抱きつけば良いのですよ、アニエス」
「殿下!!」
アニエスは真っ赤な顔して叫ぶ
「しがらみ追加だな、相棒」
「……そうみたいだな」
「では、此方は報酬です。皆には内緒ですよ、皆の3倍入ってます」
「へ?何で?」
「此からどんどん物要りでしょう?子供とか」
「…姫様マジっすか?」
近付いて耳打ちで話しかける
「本当は私が行きたいのですが、それは出来ぬ身ですので、私の腹心のアニエスをお願いします。とても素晴らしい女性ですの。中々素直になれないのが欠点でして」
耳打ちを返す
「解りました」
「殿下、具体的にはどの様にします?」
「アニエスには、王宮と学院を往復して貰いましょう。私の護衛は他の銃士を付けます」
「使いの竜騎士も付けますので、銃士隊の必要な任務以外は、なるべく使い魔さんと仲良くなるようにして下さい」
「それと、使い魔さんは女性に人気が有る様なので、他の女性と険悪にならない様にして下さい」
「そうそう、使い魔さんにベッドに誘われたら、断ってはイケマセンよ」
最後の部分に、アニエスはがくりと肩を落とす
「前途多難だ」
「同感」
「相棒と居ると、本当に面白れぇ」

*  *  *
394名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 23:55:41 ID:c00Rhk5j
C
395大人才人:2010/08/27(金) 00:12:45 ID:xuVWNw8a
投下終了なのね〜きゅい
大人才人タクティクスなのね
今回は、本編ではまだ先の登場だけど、マザリーニなのね〜
「トリステイン王国宰相のマザリーニである。今回は大人才人におけるハルケギニアの経済情勢について話そうと思う」
「気付いた方々も多いであろうが、本編では、意図的に通貨エキューを扱っていない」
「何故かと言うと、他国の通貨と貨幣価値の相場が無く、また金本位制で有るが為の金鉱山の説明が無く、国家経済を形成する事が物語上で不可能であるからである」
「どれくらい酷いかと言うと、国家の命運が左右される程であり、小さい所では、只の私生活の描写に迄影響してしまう為、一切放棄せざるを得なかったのだな」
「ハルケギニアに於いては戦争外交を繰り広げるのが常態で有り、そんな相手に『自国通貨の発行権』を渡す馬鹿な国は無い」
「また、宗教国家ロマリアが、仮に統一通貨を発行してると仮定した場合、ガリア、ゲルマニア両国を抑え付ける事が不可能である」
「また、戦争してるにも関わらず、通貨供給量を左右する、金鉱山を最重要目標としてない点にも注目して欲しい」
「通貨発行権が何れ程重要かと言うと、朝鮮戦争にて、原版を北に奪取された韓国,米国側が、日本に僅か7日で新通貨原版を刷らせたって実話が有る位である」
「つまり、戦争をふっかけられたら、通貨攻撃と言うオプションを取るのが普通なので有るが、物語上では、一切不可能なのだよ」
「また、エキューが各国に通貨として流通してるのは、他国も金本位制を導入してるせいでは有るが、少なくともゲルマニアエキュー,アルビオンエキュー,ガリアエキュー,トリステインエキュー,ロマリアエキューが無くてはならない」
「クルデンホルフ大公国はトリステインの保護国なのでトリステインエキューで構わないだろう」
「また、単式簿記で動いてるトリステイン王政府に於いて、改鋳は唯一取れる財政政策であり、実際に施行されてるが、全ての旧金貨を回収出来てない所から、実行力に多大な疑問が残る状態になっている」
「此でも言い足りないが文字数が足りないので、此処までにしようかの」
鶏の骨は説教も長いのね

また更新があったら、宜しくなのね〜きゅい
396名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 11:57:54 ID:g8LETEqN
GJ!!!!!
すごくいいです!!
この甘酸っぱさが、ああああああああああああ!!!!!
支援!!支援します!!
397名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 14:27:07 ID:ctmJIBDm
GJGJGJGJ!!
実に良い 続き待ってます
398名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 17:14:48 ID:QjIIE4XW
>>395
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!
399名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 18:10:17 ID:na4q65T9
GJ!
あまりの出来に驚嘆しました。というかどんどん上手くなっている。
ただエロが欲しいと思ってしまうのは、男の性分……。
頑張って下さい!応援してます。
400名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 23:23:52 ID:QbIfPBnp
>>395
今回も良かったです!
アニエスとのエッチに期待w
401大人才人:2010/08/29(日) 21:23:32 ID:Zo5tfHKW
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
wikiでの反映速度に内心びびってるのね〜きゅいきゅい
毎回写して下さる親切な方に感謝感謝なのね〜
ヘルプ見てもやっぱり解らないと、大いなる意思は匙投げたのね〜
コメントどう書けば宜しいのかしら〜?きゅいきゅい
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・シエスタのターン
・一話が長いので分割

では反映後、投下開始なのね〜きゅい
402大人才人 シエスタの日記:2010/08/29(日) 21:25:22 ID:Zo5tfHKW
シエスタの日記
〇月×日
ふう、今日も貴族の子息達の相手は大変
何で、何時もあんなに偉そうなんだろう?
私にも魔力が有ったら、ああなるのかなぁ?
死んだひいお爺ちゃんみたいな人って、中々居ないもんだなぁ
マルトー料理長は凄く嫌ってるけど、理由も良く解るなぁ
ひいお爺ちゃん、シエスタに、明日も頑張る元気を下さい

〇月×日
今日は学院での大変重要なイベント、使い魔召喚の授業があったけど、人間の使い魔が召喚されたって、大騒ぎ
また、ゼロのルイズがやらかしたって騒いでたたけど、確かミスヴァリエールの事ですよね?
貴族の皆様は馬鹿にしてましたけど、何時も一人ぼっちで寂しそうにしてたから、良かったんじゃないかな?
使い魔さんて男なのかな?女なのかな?
会ってみるのが楽しみ
でも、マルトー料理長の頭痛の種が、また増えます
使い魔達に、ご飯上げる貴族様って、本当に少ないの
皆、お腹空かせて可哀想
私も、マルトー料理長に習って、頑張らないと
ひいお爺ちゃん、私は元気です

〇月×日
噂の人間の使い魔さんに会えちゃいました
びっくりです。凄いびっくりです
ひいお爺ちゃん聞いて下さい
何と、ひいお爺ちゃんと同じ日本から来たんですって
私と同じ黒髪で、背は170サント位あって、身体付きも貴族達に比べて、筋肉が付いてて均整取れてる人で
黒髪の人自体凄い珍しいから、私の自慢だったんだけど、その人の髪見たら、ちょっと自身喪失
うぅ〜、男の人なのに、何であんなにサラサラなの?
顔はうん、ちょっと好み
私がね、ひいお爺ちゃんが日本人なんですよって言ったら、驚いてくれて
「そっか、だから懐かしい感じがしたのか。でも日本には、こんな可愛い娘は中々居ないなぁ」
ですって
此はたらし?たらしだよね?
でも、凄く柔らかく笑うんです
ちょっと、卑怯でしょう?
ひいお爺ちゃん、日本人って、皆こんな感じなんですか?
日本人侮り難し
マズイです。テンション上がってます
深い意味は絶対無いんだ。落ち着け、シエスタ

〇月×日
今日は、その使い魔さんが、お腹空かせて途方に暮れてました
なんだ、所詮ミスヴァリエールも貴族様だったんですね。幻滅です
でも、ちょっとチャンスかも。此処で出るのは、伝家の宝刀マルトー料理長です
私からお願いしてみました
「何でぇ、人間の使い魔にすら、飯食わせねぇのか、貴族ってのは。本当にムカつくわ」
403大人才人 シエスタの日記1-2:2010/08/29(日) 21:26:17 ID:Zo5tfHKW
「おぅ、シエスタ。賄い全部食わせて構わねぇから。食わせろ」
「有り難うございます、マルトー料理長。早速才人さん呼んで来ますね」
才人さんを調理場に入れて、私がシチューを出したら、目頭を抑えて、涙拭いてるんです
「あ、あの大丈夫ですか?これ、只の賄い料理ですよ?」
「情けない所見せちゃったな。只のじゃ無いよ。此は、俺には最高のご馳走だよ、シエスタ」
私、ズキンと来た
「頂きます」
両手を合わせて、一口々々、大事そうに食べた才人さん
「その合図、ひいお爺ちゃんと一緒」
「そうかい?そりゃ、良かった」
「何が良かったんですか?」
「君のひいお爺ちゃんが、立派な人だと解ったからね」
「何で、そんな事が解るんですか?」
「日本人なら、解っちゃうんだよ」
「合図でですか?」
「そうだよ。ひいお爺ちゃんの事、好きだったでしょ?」
「はい。厳しかったけど、凄く優しいひいお爺ちゃんでした」
「ほら、当たった」
私に微笑する才人さん
何だろう?日本人同士にか、通じない何かが、あんな合図にも有るんだ?
ズキンと来たり、ドキドキしたりするのは何だろ?
きっと、私が知らないモノを、色々知ってるんだろうな
才人さんに近付ければ、ひいお爺ちゃんが、時折寂しそうにしてた事も、解るかもしれない
でも、何より、あの微笑みは卑怯です!たらしです!ロマリア男より凶悪です!
絶対、引っかかったりしないんだから!
………凄く自信無いけど

〇月×日
ひいお爺ちゃん、聞いて下さい
才人さんが、賄いをちょくちょく食べに来る様になったんですけど、本日、マルトー料理長に会わせてくれって言うから、会わせたんです
そしたら、何て言ったと思います?
「食べさせて貰ってばかりで悪いから、何か働かせてくれ。皿洗いでも何でも構わない。やらせてくれ」
って、言って来たんです
びっくりです。ひいお爺ちゃんの教えと一緒です
『恩を受けたら倍にして返せ』
本当に、この目で見れるとは思いませんでした
此が、ひいお爺ちゃんの産まれ育った国の人なんだ
どうしよう、ドキドキが止まらない
「ほう。お前さん、包丁は持てるか?」
「家で飯作ってたんで、多少は」
「ふむ、流石にシェフの仕事や賄いは任せられん。賄いは若い連中の修業場だからな」
「確かお前さん、使い魔だったな?」
「えぇ」
404大人才人 シエスタの日記1-3:2010/08/29(日) 21:31:33 ID:Zo5tfHKW
「そしたら、こうしよう。実はお前さん以外にも、使い魔に飯を食わせてんだが、他にも色々困ってる連中が居るかもしれん」
「そいつらに、飯を作ってやってくれねぇか?もし必要なのがあったら言ってくれ。可能な限り用意すらぁ」
「解りました。でも使い魔に話通じますかね?」
「其処は安心して構わねぇ。使い魔にはきちんと話通じるから、話かけりゃ大丈夫だ」
「解りました。作業すんのに不慣れな場所なんで、シエスタ借りて良いですか?」
「おぅ、良いぞ。シエスタ、手伝ってやってくれ」
「はい」
才人さん外に出たと思ったら、低空を飛んでる風竜さんに声をかけたんです
「お〜い、其処の竜。お前さん使い魔か〜?」
「きゅい!?」
風竜さんが降りて来て、才人さんの前に座って
「へぇ、竜ってカッコイイなぁ。俺の言ってる事解る?」
ぶんぶん首を縦に振る風竜さん
「他の使い魔達には、話出来るかなぁ?」
風竜さんが何か悩んだ様な感じから、首を縦に振りました
「出来るのか?そりゃ有難い。今、食い物に困ってる連中を、集めてくれないかな?」
「きゅい」
風竜さんがまた飛んで、暫くすると沢山の使い魔さん達を乗せて、降りて来ました
「食い物探ししてる所悪いな。マルトー料理長に言われてさ、可能な限り、皆の食い物、何とかしたいんだよ」
「其でさ、皆の食べるモノを俺に教えてくれないかな?」
ざわざわ、使い魔さん達が騒ぎだす
「あ、そうか。言葉喋れないんじゃ無理か」
サラマンダーさんの頭の上に、鼠さんがちょこんと乗りジェスチャーを始めます
「おんや?」
「あ、学院長の使い魔のモートソグニルさんですよ」
「もしかして、一番の古株かい?」
鼠さんが頷きます
「ピクサーのアニメみてぇ。もしかして、ジェスチャーで、意思疎通を図ろうって事かな?」
鼠さんが頷きます
「おっけ。じゃあ練習だ。モートソグニルの趣味は?」
前足で何かいやらしい曲線描きました
ね、鼠の癖に
「…もしかして、人間の女の裸か?」
鼠が頷きます。もう、さんなんか付けない
「おま、種族として、アブノーマル過ぎんぞ、それ」
才人さんが苦笑します
「じゃあ、シエスタ。メモ用意して。文字書ける?」
「はい、大丈夫です」
「それじゃ、皆の取り調べやるぞ」
「はい、解りました」
「それじゃデカブツから、竜は肉食?骨食える?」
「きゅい」
鼠と一緒に頷きます
「おけ、次……」
405大人才人 シエスタの日記1-4:2010/08/29(日) 21:32:35 ID:Zo5tfHKW
凄いです。私達も知らない使い魔さん達の食性が、才人さんにどんどん調べられていきます
鼠が、また上手いジェスチャーするんだ
流石、学院一番の古株
「次、えっと、バグベアーだったっけ?」
「このロリコン共め!」
スコーン
才人さんが、バグベアーさんにチョップかましました
えっと、何で?
あぁ、バグベアーさんが、おっきい一つ目に涙溜めてる、ちょっと可愛い
「このロリコン共め!」
「…まさか、そういう鳴き声なのか?」
「このロリコン共め!」
「そうですよ、才人さん。知らなかったんですか?それより酷いですよ?いきなり、チョップするなんて」
「嫌、日本語だと、ちょっとあれな鳴き声だったんで。知らなかったとは言え済まん、謝る」
才人さんがバグベアーさんに頭下げました
才人さんって、人間も使い魔さんも、扱い変わらないんですね
其処も素敵です
バグベアーさんも、機嫌直したみたいです
「食い物はなんだい?」
バグベアーさんに問いかけると、鼠が何か嫌なジェスチャーをします
あれ、吸血鬼の噛みつきだよね?
「もしかして、血か?」
鼠が頷きます
「種類限定行くぞ。魚類,爬虫類,昆虫類,鳥類,補乳類,幻獣,竜種」
補乳類で縦振り
「補乳類全般か?」
横振り
「熊,牛,豚,馬,羊,犬,猫,猿,人」
人で縦振り
「量は?」
隙間を上手く表現
「少しで良いのか?」
鼠が頷く
「主人はその事知ってるのか?」
首を横振り
「解った。シエスタ、ナイフ持ってきて」
「はい」
私がナイフを持って来ると、才人さん躊躇いなく、自分自身の指を傷つけちゃいました
「俺ので我慢してくれ」
「このロリコン共め!」
また、涙浮かべるバグベアーさん
「良いから、さっさと飲め。次が控えてる」
「このロリコン共め!」
バグベアーさんが才人さんの指先に移動して、得体の知れないモノを伸ばして吸引して、すぐに離れました
「もう良いのか?」
「このロリコン共め!」
「そうか、次行くぞ」
その後も、どんどん食性が集まります
才人さん、せめて指治して下さい
「此で全部か。必要なのは肉と魚と骨とミミズと昆虫と、俺には良く解らん植物だな」
「才人さん指治して下さい」
「んなもん、後で良い。それより、マルトーの親父さんにそのメモ渡してくれ」
「……でも、指」
私が鼻につんと来たのを才人さんが見て、頭に手を乗っけて撫で始めました
凄い気持ち良い
406大人才人 シエスタの日記1-5:2010/08/29(日) 21:39:37 ID:Zo5tfHKW
「良いかい?俺はこの程度じゃ大丈夫。でも今調べた使い魔の中じゃ、此方に来てから、満足に食えて無い連中も居るんだ」
「何より優先するのは、そちらの方だ。ひょっとしたら、もう飢餓の限界に来てるかもしれないんだぞ?」
「だからほら、マルトーの親父さんにそれ渡して、用意出来る奴を早く用意して貰うんだ。解った?」
「グスッ、はい」
マルトー料理長に渡す為、厨房に行く途中、ちらりと振り返ったら
才人さん、使い魔さん達にもみくちゃにされてました
ああ、なんて凄い人なんだろう?
ひいお爺ちゃん、日本人って凄いです
私にも、ああ出来る血が、1/8入ってるんですよね?
私、テンションだだ上がりです
頑張るぞ、おー

〇月×日
次の日、マルトー料理長が農家の皆様に協力して貰って、色々揃えてくれました
はっきり言って全部です
才人さんも凄いって思ったけど、マルトー料理長の底力も凄いです
メモを渡した時の料理長、凄い鋭い目でメモを見て
「こりゃ、学院周辺じゃ、確かに集まらねぇのがある。昆虫とか種類迄特定してらぁ。此をきちんと調べるたぁ、あの兄ちゃん只者じゃねぇな」
「才人さんは日本人ですよ」
「シエスタ、そりゃ何だい?」
「私のひいお爺ちゃんと、同じ祖国の人です」
「へぇ、ほぅ、随分自慢気だな」
「だって、本当に凄かったんですもん。聞いて下さい、バグベアーさんなんて、人の血が食料なんですけど、才人さんは、其を知るなり、躊躇いなく指切って、自分の血をあげたんですよ?」
「……普通は躊躇うわな」
「そうなんですよ。才人さんは凄いんです!!」
「クックック。惚れたろ?」
「えっ?」
かぁって、顔がほてるのが解っちゃった
「いやいや、良いって事よ。シエスタに懸想してる、内の若い連中が泣くだけだから、気にすんな」
「……えっと、あの、その」
「仕入れしてる農家とかに、全力で集めて貰うが、今すぐはちと無理だな。早くて明日の朝だな」
「……若いコックさん達から、そんな風に思われてるなんて、全然知らなかったです」
「シエスタ?」
「そりゃ、気持ちは嬉しいですけど、やっぱり何というか。面と向かって言ってくれないと、お返事出来ないと言うか」
「お〜い」
「やっぱりですね、その、黒髪の男の人に心惹かれると言うか」
「もしも〜し」
「ひいお爺ちゃんみたいに、厳しくても優しい人が良いと言うか」
「シエスタ」
「ひゃ、ひゃい!?」
407大人才人 シエスタの日記1-6:2010/08/29(日) 21:40:55 ID:Zo5tfHKW
「俺が何言ったか、憶えてるか?」
「えっと、何でしたっけ?」
「食材が届くのは明日の朝だと言った。それと、その兄ちゃん、血与える為に指切ったんだろ?厨房のポーション使ってやれや」
「そうでした、ポーション持って行きます!!」
私、あれ位ダッシュで走った事は初めてだ
マルトー料理長や、周りに居たメイド仲間が、ニヤニヤしっぱなし
恥ずかしいなぁ、もう
「…成程ね、皆。明日迄、我慢出来るか?」
使い魔さん達が頷く
「良し、それじゃ、今日は此で解散。明日の昼前位で予定しててくれ」
使い魔さん達が解散する
そういえば、才人さんの指は?
…何で、ざっくりやったまんまなんだ、この人?
「才人さん、指。これ付けて下さい」
「ああ、有り難う」
上手く片手で使えないみたい
「私がやります」
「良いって」
「駄目です。何か才人さん、自分自身の事になると、もの凄いいい加減です」
「そうかね?」
「絶対、そうです」
「そうか」
才人さんが苦笑してる
ええい、構うもんか。強引にやっちゃえ
ポーション塗ったらキョトンとしてる
「え?もう傷治ったの?」
「こんなの普通です」
「魔法の有る世界の薬って凄いな」
一体、どういう意味だったんだろう?

食材が来た日に、生きた昆虫とかミミズとかは、流石に厨房に入れられ無いから、倉庫に持って行ったんだけど、何分量が有るから、ちょっと気持ち悪い
でも、才人さんを案内したら、凄い目を輝かせて
「スゲー、やっぱり違う場所の虫は違うなぁ」
「虫、好きなんですか?」
「子供の時は、虫取りとか良くしたっけ」
「そうなんですか」
「あぁ、さてと、活きが良い状態で皆にあげないとな」
そういって、使い魔さん達を呼び始めたら、例の風竜さんが使い魔さん達集めて来て、降りてきたの
「ようし、昆虫食とミミズ食の連中は、このままで食えるか?じゃあ、皆で分けあって食べろよ」
「調理して欲しい連中は?肉と魚と植物食か。植物は刻むだけ?おっけ。肉と魚は調理する?するのね。了解」
才人さんは、厨房に入ると包丁握って食材を刻み始めます
びっくりです。凄い速いです、あの包丁捌き、マルトー料理長より速いかも
「おっかしいな。俺、こんなに包丁使えたっけ?」
何で、才人さん自身が驚いてるんだろう?
本当に色々謎が多い人です
料理自体は薄めにしたみたいです。人間用だと、味付けが濃すぎるから駄目だって
408大人才人 シエスタの日記1-7:2010/08/29(日) 21:45:24 ID:Zo5tfHKW
以前の職業は、動物の調教師でもしてたのかしら?

〇月×日
ひいお爺ちゃんごめんなさい。私、逃げました
才人さん、置いて逃げました。ひいお爺ちゃんの曾孫失格です
才人さん、貴族の方に平気で屑って言って悪びれないんです
確かにそうかも知れないけど、全然謝らないんです
其所か、決闘申し込まれても平然として
私、あんな事出来ない
ひいお爺ちゃんでも、才人さんみたくするのかな?
怒った貴族は、私達平民には恐怖の対象
とにかく怖かった、私、必死に逃げて、様子を伺える場所に陣取って、其処から才人さんの様子見て
私、卑怯だ。調子の良い事ばっかりで、本当に大事な時に逃げてしまう
もう、自分自身の情けなさに泣きたくなった
でも、才人さんは違うんです
凄い、素手でミスタグラモンのゴーレム一体倒しちゃいました
その後ミスタグラモンのゴーレムにボロボロなのに、決して倒れないんです
ミスタグラモンも決して手抜きません。あんなにボロボロなのになんでです?
酷いです。そう思ってたら。剣を出して才人さんに投げました
何で最初から渡さないんだろう?
ボロボロになってからじゃ、ズル過ぎる
ミスヴァリエールもそう思ったみたい
「ルイズは黙ってろ!!」
あれ?何で才人さんが怒鳴るんだろ?
ミスタグラモンも何故か笑いかけてる
才人さんも笑いかけてる
決闘者同士でしか、通じない何かがあるんだ
才人さんが剣を握る
ひいお爺ちゃん凄い
才人さんたら、剣を握った途端に、まるで別人
いや、人間とは思えない速さで動いて、ゴーレムを両断していく
嘘嘘嘘、そのまま倒したミスタグラモンの側に剣を突き立て倒してしまいました
才人さんって強いんだ
凄い、凄い、凄い、こんなに強いのに、あんなに優しいんだ
強い事を鼻にかけたりしないんだ
こんな人、初めて見る
あ、才人さん気絶しちゃった
其から、私はもう無我夢中
浮いた才人さんが、貴族に運ばれる所に駆け寄って
「すいません!!」
「何よ?」
「私に、才人さんの看病させて下さい!!」
「あんた、さっきサイトに寄ってきたメイドじゃない」
「シエスタって言います。お願いします!!」
「嫌よ」
「何でですか?」
「あたしの使い魔だから、あたしがするの。サイトはあたしのなの」
ピンときた
思い切りピンときた
こ こ は 絶 対 引 か な い 引 く も ん か
「御言葉ですが、ミスヴァリエール」
409大人才人 シエスタの日記1-8:2010/08/29(日) 21:46:56 ID:Zo5tfHKW
「何よ?」
「その才人さんに、随分酷い仕打ちしてませんでしたか?」
「ああああれは躾よ」
「躾と称して、随分お食事抜いたみたいですね?」
「ああああんたがあたしの馬鹿犬に、餌付けしたのね」
「動けなくなる位、抜いた癖に、そんな事言うんですか?」
「うぐっ」
「ちょっと、ルイズそれ本当?」
「…やり過ぎ」
良し、ミスタバサとミスモンモランシを引き込んだ。頑張れ私
「其に世話ってのは、排泄物の処理迄するんですよ?失礼ですが、ミスヴァリエール、男性を見て、動じる事無く全てを世話する事が、出来るんですか?」
あ、泣きそうな顔したまんま赤面した
ちょっと所か、凄い可愛い
「ででで出来るわよ」
「男性のシンボルに触れるんですね?」
「ええええっと」
「ウンチに触れるんですね?」
あ、がくりと折れた
「わわわ解ったわよ。あんたも世話して良いわ」
「有り難うございます、ミスヴァリエール」

勝 っ た ♪

もう決めた
私の将来は今決めた
この人を絶対、私の旦那様って呼んでみせる
ちっちゃい旅館に、板前が才人さんで、私が女将で
そんな未来を手に入れるんだ
その為なら何でもやろう、とにかくアピールだ
ひいお爺ちゃん
私、凄い人に出会えました
その人は、ひいお爺ちゃんと同じ日本人で、人も使い魔も関係無く優しい人で、凄い強いのにちっとも鼻にかけない人
私以上に綺麗な黒髪と、私を魅了する笑顔を持った人
本当に謎が多くて、でも其すら魅力的な人
ひいお爺ちゃん、待っててね
墓前に、この人のお嫁さんになったって、必ず報告するからね
この戦いは、貴族を敵に回すけど、絶対引かない、絶対負けない
才人さんが見せた勇気の1/8は、私にも出せるんだ
いくぞ、おー

〇月×日
しまった、しくじった
自ら、敵増やしてどうするんだ?シエスタの馬鹿馬鹿馬鹿
事の起こりは決闘後の晩
私はついつい才人さんを自慢したくて、マルトー料理長に色々話しちゃったんです
マルトー料理長も決闘の話で大感激
「あの兄ちゃんの呼び名は、我らの剣で決まりだ。良いな、てめえら」
「「「我らの剣に、祝福を」」」
この統率力、毎度見るけど、一体なんなんでしょう?
此が料理人なんでしょうか?
マルトー料理長は本当に凄い
「さてとシエスタ、其を嬉しそうに話すのは良いんだが、自分のした事、解ってんのか?」
「才人さんは凄いんです!!」
「おぅ、その通りだ。我らの剣は凄い」
410大人才人 シエスタの日記1-9:2010/08/29(日) 21:48:28 ID:Zo5tfHKW
「じゃあ、何が問題なんですか?」
「周りを見てみろ、特にお前さんと同じメイド仲間をな」
マルトー料理長がニヤニヤしながら話すので、周りを見回したら
あれ?
「も、もしかして?」
「ハッハッハ。随分ライバル増やしちまったみたいだなぁ、シエスタ」
マルトー料理長が腹を抱えて笑う
「くっ、シエスタ一生の不覚……です」
「自分で蒔いた種だかんな。俺は高見の見物だ」
くうぅぅぅぅぅ
まさか、同僚迄参戦する気配を見せるとは
「皆、まさか」
「あ〜ら、シエスタ。話は全部、貴女からしたじゃない」
「凄い素敵よね、才人さん」
「才人さん平民だから、私でも大丈夫だもんね」

私は大馬鹿です
ひいお爺ちゃん
墓前に報告出来ないかもしれない
ぐすん

411名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 21:55:22 ID:uCiHmfIm
シエンスタ
412大人才人:2010/08/29(日) 22:04:50 ID:Zo5tfHKW
投下終了なのね〜きゅい
大人才人タクティクスなのね
今回はトリステイン魔法学院の陰の支配者、マルトー料理長なのね
「何が支配者だこら。そりゃ、俺はあのちっこいタバサ嬢ちゃんを贔屓したり、我らの剣を贔屓してるがな。きちんと仕事してるっつの」
「ったく、経理の野郎何時も何時も五月蝿いってんだよ。タバサの嬢ちゃん用にスペシャルメニュー用意した位で、ガタガタ騒ぐなってんだ。たかが、量で学生20人分程度だろうが」
「ちょっと高級な食材使った位で青くなりやがって。其でよ、学院長に経理の首引っ付かんで、怒鳴りこんだのよ」
「『あの嬢ちゃんより、優秀な生徒なんざ見た事ねぇ。ちっと位融通したって構わねぇじゃねぇか』ってな」
「そしたらよ。『ですが、ミスタバサの食費だけで学院の財政が逼迫してるから、自重してくれ』って、言いやがった」
「ったく、経理はケチだねぇ。ま、そしたら、学院長から、ちっと小言貰っちまったよ」
「『スペシャルメニューを出すのは、本人の食事量からしてしょうがないけど、材料は他の生徒と同じ物使ってくれ』だと」
「あの嬢ちゃんの食いっぷり、見ると嬉しいんだがね〜。はしばみ草が、常に在庫にストックされる様になっちまったよ」
お姉さま、竜のシルフィと、どっちが量食べるのかしら?
お姉さまとシルフィは燃費が悪いのね、きゅい
413名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 00:11:50 ID:i8i3VRvN
ヤバい、詰まった
シエスタ日記ネタと本編進行どっちにしよう
ネタが有りすぎて詰まるとはorz
414名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 00:13:22 ID:i8i3VRvN
しかも、また上げてるしorz
415名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 00:45:20 ID:+3me7p9G
>>412
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
416名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 00:55:10 ID:EzW6LP9w
同じ場面なら、本編やった後に日記がいいと思う。
違う場面進行ならどっちでもいいな。
417名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 02:08:58 ID:o3z/baIb
>>413
ぜひともシエシエで

オンナノコの初めてをサイトに捧げさせてあげてくらさい
418妄想オチ:2010/08/31(火) 17:43:04 ID:bF0pIsbk
「こ、こんなお尻を高く上げさせて、目隠しと拘束した上にそんな…」
「やなら、終わってもいいんだぜ」
「そ、そんな、こんな中途半端なところで」
「だから、教えた通りに言えたらちゃんと中出ししていかせてやるって」
「うう、し、始祖ブリミルよ、使い魔に身も心も捧げててしまった、あんっ!」
「ほら、最後まで言えよ」
「は、はしたない私めをお許し下さい、ああっ!」
「よしっ、思いっきり出してやるぜ!」
「あっあっ、あああーーーーーーーー!」

真っ青な才人の前に真っ赤になったルイズがいた。
「こ、こ、これはどういう事かしら、ベッドの上で四つん這いの私があんな…」
「だ、だからそれはその、あくまで妄想であって…」
しかし、弁明をしてもルイズの怒りは収まらない。
「世の中にはね、許せる事と許せない事があるの、分かる?」
「わ、分かります、だから怒りを…っていうか、だから人の妄想見るなって…」
そこまでいった才人の股間をルイズが狙った。
「う、うぐう…」
「開き直りかしら、余裕ね」
今回の妄想はルイズに怒髪天を衝く程の怒りをもたらしたらしく、
ルイズの周りに怒りのオーラが見える。
「まず、ご飯暫く抜きは当然ね、それから…」
「こ、こうなったら…」
「!?」
才人はルイズの隙を突いて押し倒そうとしたが、
反射的に繰り出されたルイズの蹴りが才人の大事な所を再度直撃した。
「ふふふ、ちょ、ちょっと甘やかし過ぎたみたいね…ご、ご、ご主人様にむかって…」
「うう、ま、また、男の大事な所を…」

その後、怒りのルイズの前に哀れな才人がどうなったかは想像に任せよう。
419名無しさん@ピンキー:2010/08/31(火) 23:40:05 ID:tBsvvnFl
期待age
420大人才人:2010/09/02(木) 23:07:26 ID:chBn+qmD
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
被害無しで車見付かったから良かったのね〜
最近寝落ち凄くて、気が付いたら時間過ぎてるのね
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・シエスタのターン
・シエスタの日記続き
・長め、10レス以上予定、30分以上切れた場合、多分寝落ち

では反映次第投下開始なのね〜きゅいきゅい
421大人才人 シエスタの日記2-1:2010/09/02(木) 23:08:25 ID:chBn+qmD
〇月×日
才人さんが使い魔さん達の食事を担当してから、使い魔さん達が才人さんに凄いなついてます
其を見た貴族の方々が面白く無いらしく、才人さんを呼び出して因縁付けてました
知〜らない、マルトー料理長に告げ口する口は、メイド全員なんだから、そんな事したら、自分自身に全部返っちゃうよ
でも内容は気になるから、追跡追跡
「おい、使い魔」
「何だい、貴族様」
「僕の使い魔に何をした?」
「僕のもだ」
「僕のバグベアーもだ」
「あぁ、あんたがあの子の主人か」
才人さんの目が、あの鋭い眼付きはカ、カッコいい
「どういう事だ?」
「一つ聞くけど、お前さん方、使い魔に飯食わせてんのか?」
「そんなもん、勝手に食べるだろ?」
「そうだそうだ」
「今迄、野生だったんだから平気だろ?」
「じゃあ、例え話だ」
「何?」
「お前さん方が、誰かに召喚されたとする」
「「「お、おう」」」
「其処は海の上で、今迄住んでた環境と全然違った」
「「「あぁ」」」
「其処でお前さん方が、使い魔の契約を交した」
「「「それで?」」」
「其処では、住む場所はおろか食べる物も無い。そして主人はこう言います『今迄生きて来たんだから、飯食わせなくても平気だな』さて、どうなる?」
「死ぬじゃないかそんなの」
「そうだな」
「………あぁ!?」
「気付いたか」
「何が問題なんだよ?」
「まだ解らないのか?今の例え話、まんま僕達の使い魔に当てはまるんだよ」
「「あっ!?」」
「……もしかして、僕達の使い魔に食事あげてる?」
「その通りだが?」
「「「……」」」
「………ごめん」
「違う」
「え?」
「謝るのは俺じゃない。使い魔にだ」
「そ、そうだな」
「あの、教えてくれ、僕の使い魔は何を食べるんだ?」
「僕のもだ」
「僕のも教えてくれ」
才人さんは皆の使い魔がどれか聞いて、きちんと答えてました
バグベアーさんの主人は、顔を青くしてましたけど
「あの、もしかして、君がずっと血を与えていたのかい?」
「そうだが?」
あ、泣いた
二人の貴族が、その肩を叩く
「有り難う、有り難う」
泣きながら言ってる
「礼はいい、せっかく呼んだ使い魔を、大事にしてやってくれ」
「うん、解った。君の事誤解してた。何でギーシュが、つるみたがるか解ったよ」
422大人才人 シエスタの日記2-2:2010/09/02(木) 23:09:28 ID:chBn+qmD
「アイツの使い魔への溺愛振りは、見習う必要は無いと思うぞ。彼処迄いくと、只の馬鹿だ」
三人が笑う
やっぱり、才人さんは凄いです
告げ口は無しにするよう、他の皆に言わないとね
こんな人なんだから、私は好きになったんだ
大丈夫、私の選択は間違ってない
才人さんのお嫁さんになる為に
頑張るぞ、おー

〇月×日
才人さんが寄る所、其は学院内のホットスポット。違うな、才人さんがホットスポットなんだ
そんな才人さんが、また何かやりだしました
「マルトーの親父さん」
「何でぇ?我らの剣」
「人間一人程度入る、火に強い容器って何か無いですかね?」
「なんでぇ、我らの剣、まさか釜茹でで人生終える積もりか?」
「大体そんな感じです」
「ハッハッハ。ま、何するか解らんが、此ならどうだ?」
「お、ナイス。この釜なら容量的にばっちり」
「それじゃ、使って無いから持ってけ」
「有り難うございます。さて、どうやって持って行くかな?」
カリカリ
此は使い魔さんが扉の前で呼んでる音です
私が開けてあげましょう
「お、フレイムか。丁度良いや、フレイム。此を運べるか?」
才人さんの側にサラマンダーのフレイムさんが寄って来て、試しに釜を載せてみると、そのまま外に向かい歩き始めます
「ふわ〜、フレイムさん力持ち」
「済まんなフレイム」
フレイムさんは才人さんを見ると、何か済ました顔してます
「フレイムさん、ご飯貰ってるから、気にするなって所ですか?」
軽く頷いてくれました
うん、才人さんと居ると本当に楽しい
「才人さん、フレイムさんが、何処に運ぶか聞いてますよ」
「お、悪い悪い、じゃあこっちだ」
到着したのは学院の裏のスペース
此処等辺は誰も来ません
材木と天幕に使う丈夫な布地迄有る
一体、何をする積もり何でしょう?
「フレイム、この釜はここで良いや。有り難うな」
そして4角に柱を建て、天幕を上に張り、材木を組み合わせて、簀を組み立てました
そして、釜に水を入れてます
あれ?もしかして?
「才人さん、もしかして、お風呂ですか?」
「ん?そうだよ」
「お風呂だなんて、貴族みたいじゃないですか?」
「日本じゃ、毎日風呂入るのが当たり前だよ」
ドキ、ヤバい、私臭く無いよね?
変な汗が身体から流れる
「此で良し。材木はこんなもんかな?フレイム、この釜の下の材木に、火付けてくれないか?」
423大人才人 シエスタの日記2-3:2010/09/02(木) 23:15:55 ID:chBn+qmD
フレイムさんが火を吐き、材木にあっという間に火が付きます
才人さんが手を入れて、湯加減みてます
「良し、良い湯加減だ。モンモンから魔法石鹸貰ってるし、此で風呂入ろう。シエスタも入るかい?フレイム、身体洗おうか?」
フレイムさんが遠慮なく、才人さんに身体預けて来ました
う、まさかサラマンダーに積極性で負けるとは。これは、女のコとしては駄目なような
才人さんがゴシゴシ洗うと、フレイムさん本当に気持ち良さそうにしてる
トカゲに負ける私
此は落ち込みます
「此で良しっと、綺麗になったなフレイム」
確かに、フレイムさんピカピカになってる
ノシノシ歩き去りながら、私を見て軽く火を吹きました
多分、お前も頑張れって感じかな?
良し、此処は一発、女は度胸
「それじゃ、次は私もお願いしますね」
ぱっぱと脱いじゃえ
私は脱げば凄いんだぞ
才人さんの前で全裸だ、どうだ?
「おっけ、そしたら此処座って」
はい、無反応?いやまぁ、確かに座ったけど?
頭からお湯ぶっかけられた
「わっわっわっわ」
「お、ごめん。それじゃ目を瞑って」
今度は何されるの?
まさかこういうプレイ?
キャー、ドキドキ
シャリシャリ
「あれ?頭洗ってるんですか?
424大人才人 シエスタの日記2-4:2010/09/02(木) 23:17:10 ID:chBn+qmD
「ヒック、そうです」
「才人さん、誰にでも優し過ぎです。女のコに夢を見せ過ぎです。ずるいです。卑怯です。たらしです。ロマリア男より、ずっと凶悪です」
「…」
「……才人さんのお嫁さんに、なりたいんです。う、うあぁああああ」
もう、我慢出来ずに泣き出した。そしたら才人さん、自分に付いた泡をお湯で流して、私を抱っこしてお風呂に一緒に入って、抱きしめながら撫でてくれて
私は才人さんに抱きついたまんま、わんわん泣いた
「才人さんじゃなきゃヤダ。才人さんじゃなきゃヤダ。才人さんじゃなきゃヤダ」
恥も何もあったもんじゃない
才人さんなら全部出しても大丈夫、私は今まで築いたシエスタを、才人さん一人に落城させられた
落ち着いてから才人さんを見上げると、困った様な、寂しい様な表情
あぁ、ひいお爺ちゃんの表情だ
今の私には解らない表情だ
その時に理解した。才人さんは、本当に何かに我慢してる
私には、何かが足りないんだ
ひいお爺ちゃん
才人さんのお嫁さんへの道は、凄く険しいです
私に力を貸して下さい
〇月×日
才人さんが、夜遅く厨房を訪れる時が有ります
それは、マルトー料理長と呑む為
大人の男の人同士、しかも、どちらも達人と呼ばれる人です
やっぱり話が通じるんでしょうね
私はたまたまトイレに行った時に、才人さんが厨房に向かうのを見て、またまた追跡開始
誰ですか?コードネームはスネークじゃないですよ
「遅ぇぞ、我らの剣。先に始めてらぁ」
「すいません、ちょっと、ルイズが抱きつきながら寝てしまったので、手間取ってしまって」
「随分となつかれたみたいだな。我らの剣」
「今だけですよ」
「どういうこった?」
425大人才人 シエスタの日記2-5:2010/09/02(木) 23:22:55 ID:chBn+qmD
「今はルイズは学生です。今迄、ルイズを全面的に支える人間が、居なかったせいでしょうね」
「でも、社会に出たら、否応なく揉まれて、強くならざるを得ません。今はその準備期間です」
「……おめぇ、結構非情だな」
「そうですかね?」
「…あぁ。お前さんが以前の国で、どれだけ働いて来たか良く解らぁ。だからこそ、優しく出来るんだな」
「買い被りっすよ。親父さん」
「ま、呑め」
「頂きます」
私には、二人のやり取りが解らない
才人さんが非情?
あんなに優しいのに?
「所でよ、シエスタの事はどう思う?」
「凄く良い娘ですよ。嫁にするには、最高でしょう」
才人さんが嫁にするには最高だって
キャーキャーキャー
「なら構わんだろ?嫁にしてやれ。シエスタはマジだぞ」
マルトー料理長素敵、最高、もっと才人さんに言ってあげて!!
「残念ながら」
才人さんは酒を傾けながら、当前の如く否定する
嘘?、何で?、泣きたい、でも駄目、今泣いたらバレちゃう
「何でだ?」
「俺は使い魔で異邦人です」
「シエスタのひい爺さんも異邦人だから、それは通用しねぇぞ」
「…ルイズが一人前になったら、俺は出て行く積もりですから」
「ほう、だからしがらみは増やせねぇって訳か」
「そんな所です」
嘘、才人さんが居なくなるの?
そんなの考えた事も無かった
「当ては有んのか?」
「無いですよ」
「其でもか?」
「えぇ」
「何する積もりだ?」
「帰る路を探します。恐らく、シエスタのひい爺さんの悲願でもあります」
あっ、才人さんの表情と、ひいお爺ちゃんの表情が一致した訳が、やっと解った
何で才人さんが、ひいお爺ちゃんを全く知らないのに、ズバズバ当てるのか解らなかったけど
同じ………心境だったんだ
「……日本ってのは、其処まで良い国か?」
「向こうで、やり残した事が有るんですよ」
「やり残しって何だ?」
どきん、知りたい、其を知らないと、才人さんの隣に立てない
どんなに頑張っても、才人さんはこの手から離れてしまう
早く早く早く
カタン
私は扉に力を入れすぎた
あ、才人さんが近付いてくる
逃げなきゃ、覗きしてたのがバレちゃう
動け、足
何で動いてくれないの?
動いて、動いてよ
キィ
扉が開き、私は才人さんの前に、無防備に立っていた
しまった、もう駄目だ
嫌われた。終わった
「何処から聞いていた?」
「グスッ、最初から」
「言いたい事は?」
426大人才人 シエスタの日記2-6:2010/09/02(木) 23:24:18 ID:chBn+qmD
「ヒック、ごめんなざい」
「違うよ、シエスタの気持ちの方」
才人さんは頭を撫でてくれる
「才人さん行っちゃヤダ。才人さん行っちゃヤダ。才人さん行っちゃヤダ。うわぁあぁぁぁぁ」
才人さんは優しく抱いて撫でてくれる
そのまま、私をマルトー料理長との酒の席に私を着かせてくれた
私はそのまま才人さんに抱きつき離さない
「すいません、親父さん」
「なぁに、良いって事よ。だから言ったろ、シエスタはマジだって。出てくなら、一緒に連れてけ」
「マルドー料理長ぉ」
「良いかシエスタ、置いてかれるのが嫌なら、付いて行けば良いんだよ」
「はいぃ、ヒック」
「焚き付けないで下さいよ、親父さん」
「おりゃあ、我らの剣より、シエスタのが可愛いんでな」
「確かに」
才人さんは笑って酒を呑んでました

ひいお爺ちゃん
マルトー料理長は凄い人です
才人さんも凄い人です
私には解らない位、二人共経験を積んでます
私は結婚出来る年齢だけど、全然及ばないです
こうやって出来る人の、お嫁さんになりたいって願望は、大それてないって思って良いですよね?
私が更に頑張れる様、見守って下さい
いくぞ、おー

〇月×日
どうも、本気見せ始めた娘が居ます
私自身の迂濶さが恨めしい
才人さんにお菓子作って来たりして、アピールしてる女のコがちらほらと
才人さん気持ち良い位、遠慮なく食べるし
一生懸命作ったけど、失敗した奴でも、喜んで食べるもんなぁ
お礼言った時の笑顔は、私には必殺の一撃だけど、他のコ達にも有効みたい
皆、赤面してるもんなぁ
このままでは、とてもマズイぞ、シエスタ
お菓子じゃ、他のコ達と代わり映えしない
そうだ、身の回りの物を何とか出来ないかな?
才人さんに聞いてみました
「才人さん、身の回りの物って、何が有ります?」
「見ての通り、着たきり雀さ、ジャケットは素材の都合で洗えないし、パーカーや下着類は、乾くの早いからね、毎日じゃないけど洗濯してる」
「…何にも無いんですね」
「着のみ着のままで召喚されたからなぁ、下手すりゃ、バイクもこっち来てたわ」
バイクって何だろう?
「あの、私、裁縫得意なんです。下着とか作りますよ」
「助かるけど、良いの?」
「はい、任せて下さい。じゃあ、採寸しますね」
「一つ、お願いあるんだけど」
「何でしょう?」
「下着類は、色はともかく、形は今の形状でお願い出来るかな?」
「はい、解りました」
良し、頑張るぞ
427大人才人 シエスタの日記2-7:2010/09/02(木) 23:29:42 ID:chBn+qmD
下着を見たけど、この裁縫凄い正確だけど、何か違和感感じる
人のやった形跡が、感じられない。一体どうやってるんだろう?
疑問は後だ、一週間分位は、上下と靴下用意しないと
此は結構、大仕事だ
とりあえず、一セット先に作って、替え用に渡さないと
仕事の合間にちくちくちくちく
才人さんに渡してみた
「此は凄いなぁ。助かるよ、シエスタ。有り難う」
才人さんが凄い感謝してくれた
裁縫覚えておいて良かった
「どんな感じで縫うのか、教えてくれないかな?」
「才人さん、裁縫に興味有るんですか?」
「シエスタが、どうやって作るか興味有るね」
顔が一気に熱くなってしまった
「じゃあ、此処に作りかけ有るんで、見て下さい」
ちくちくちくちく
「ふむふむ」
ちくちくちくちく
「へぇ、そうやるのかぁ。ちょっと、やらしてくれるかな?」
「間違った所、縫わないで下さいよ」
私が笑って言うと
「気をつけるよ」
渡してみたら
「ちょっ、ちょっと、待って下さい。何でそんなに速く、正確に出来るんですか?」
「嫌、何でと言われても、俺にもさっぱり。裁縫初めてなのに」
こう、私の牙城が色々崩れていきます

ひいお爺ちゃん
才人さんのお嫁さんになるには、あの包丁捌きと裁縫の腕を、越えないといけないんですか?
余りに酷く高いハードルです
うう、くじけそうだ
頑張れ私

〇月×日
意地でも、下着類は私だけで仕上げました
妻たるモノ、旦那様の身の回りの世話は、当たり前なのです
私を見たマルトー料理長は
「……今日は、仕事しないで寝ろ」
と、帰されちゃいました
そういえば、出来た下着を渡した際、才人さんも仰天してたなぁ
ミスヴァリエールが側に居たけど、何故かぷるぷる震えてた
一体、どんな顔してたんだろう?

〇月×日
大変だ大変だ
才人さんが土くれのフーケを捕まえた際に、大怪我しちゃいました
「マルトー料理長、才人さんが大怪我しちゃいました。メイジにも治せない傷負ってたらどうしよう。命に関わる傷だったら、私、私」
膝がガクガク震えてる
顔から血の気が引いてるのが解る
「シエスタ、お前に仕事をやる。其はだな、我らの剣が、不自由無く行動出来る様になる迄、世話してこい。終わる迄、一生帰って来るな。今のお前じゃ、使い物にならん」
「で、ですが」
「二度言わせる積もりか?使い魔の世話は、若いのに任せるから、心配せずにとっとと出てけ!!」
428名無しさん@ピンキー:2010/09/02(木) 23:29:54 ID:bTTDgPe4
応急支援
429大人才人 シエスタの日記2-8:2010/09/02(木) 23:31:21 ID:chBn+qmD
怒鳴りつけられて、追い出されちゃいました
私、どうやら相当参ってたみたいです
メイド仲間が心配そうな顔してました
扉の前に居ても仕方ない、先ずは医務室だ
「あの、才人さんは?」
「才人って、ミスヴァリエールの使い魔かい?使い魔なら、ミスヴァリエールの部屋に運ばれたよ。ミスヴァリエールが、何故か医務室使うの嫌がってね」
「有り難うございます」
ミスヴァリエールの部屋に行くと、扉の前にミスタグラモンが立ってました
「ミスタグラモン、才人さんがこちらに運ばれたと聞いて、具合とかご存知でしょうか?」
「君は良く才人の周りに居るメイドだね?才人は、今は意識失った状態だよ。全身が動かないらしい」
「そんなに酷いんですか?」
「障害が残る様な状態にはならないみたいだから、安心して。只、治療に時間かかるかも」
「良かった」
ほうっと一息をつく
「所で、ミスタグラモンは、何故扉の前で立ってるんですか?」
「ルイズが入れてくれないのさ。才人以外の男は、入っちゃ駄目だって」
「お見舞いでもですか?」
「そうらしい」
ミスタグラモンは肩をすくめてます
「あの、私、マルトー料理長に言われて、才人さんの看病に」
マルトー料理長の名前を出されて、ミスタグラモンは引くつきます
「料理長直々じゃ、僕は何も言えないな。ルイズ、料理長からのメイドが、才人の見舞いに来てるから開けてくれ」
「入って良いわ」
「失礼します」
ガチャ
扉を開けると、ミスモンモランシとミスタバサが、二人がかりで治療魔法を詠唱し、ミスツェルプストーとミスヴァリエールが、才人さんにポーションを塗ってます
才人さん、上着脱がされて裸になってます
「詠唱の邪魔したら、あんた、吹き飛ばすからね」
ミスヴァリエールがこちらを見ずに、平然と言ってのけます
「そんな事しません」
「何の用?」
「あの、私にも、才人さんの看病をさせて下さい。お願いします」
「嫌よ。今回は絶対嫌」
「ヴァリエール」
「私達は誰一人、役に立たなかったの。サイトに全部任せて、逃げるしか無かったの。あんたに、この気持ち解る?」
「私達全員貴族よ?メイジよ?しかも、トライアングルが二人も居たのよ?サイトは只の平民よ?何これ?サイトの言う通り、私達全員屑じゃない」
「なのに、何あんた?マルトー料理長の名前出せば、何とかなると思ってるの?それで、あたしからサイトを取るの?ふざけないでよ」
430大人才人 シエスタの日記2-9:2010/09/02(木) 23:34:46 ID:chBn+qmD
「今回のではっきりした。サイトはね、ハルキゲニヤ最高の使い魔よ。始祖ブリミルでも、サイトには遠く及ばない。そんなサイトを、あたしから取り上げる奴は、誰であろうと絶対許さない」
ミスヴァリエールは、堂々と宣言しました
始祖より上と、言ってしまいました
此が貴族の本気、生半可な覚悟では、絶対に通らない
マルトー料理長の名前なんか、こんな所じゃ通じない
私の言葉で、私の本気で答えないと、ミスヴァリエールには届かない
私には、覚悟が有るの?
……ある
本気の貴族と渡りあえるの?
……渡りあってみせる
才人さんが欲しい?
……才人さん以外見えない
なら、進め。敵に不足は無い
私は、私の気持ちで進むんだ
「私が才人さんの看病をしたいんです。マルトー料理長は関係有りません」
「間に合ってるから、要らないわよ」
「授業はどうなさるんですか?」
「授業?サイトの看病のが、大事に決まってるでしょ?」
「排泄物はどうなさるんですか?」
「サイトのだったら平気よ。以前みたいになると思わないで」
手強い。だからこそ、此処は退けない
「才人さんが授業に出てないミスヴァリエールを見たら、悲しみますよ」
「…怒られても、悲しまれてもするの」
ちょっと動揺した
「サイトを利用するなんて、ずるいわよ」
「利用させて頂きます。私も本気ですから。最初に大怪我の話を聞いた時、私、立つのがやっとの状態になってました」
「才人さんの命に関わる傷だったら、どうしようって、其を考えただけで、目の前が真っ暗になって、膝が震えて」
「その時に確信しました。私は才人さんが大好きです。いいえ、愛してます。才人さんが居ない世界なんか、要りません」
「才人さんのお役に立つ為なら、私なんかどうなっても構いません」
「ミスヴァリエール。大事な人を想う気持ちは、通じると確信します。私に才人さんの看病をさせて下さい。お願いします」
私は頭を下げ、ミスヴァリエールの返事を待ちます
其処で、伝書梟が窓に止まりホウと鳴きました
今まで詠唱に集中してたミスタバサが、ぴくりとし、一旦詠唱を中断
梟に寄り、手紙を見ると、無表情で有名なミスタバサが、痛恨の表情を浮かべたそうです
「…急用」
「…貴女、私の代わり。元々、私の治癒はモンモランシーより下。無いよりまし程度」
「タバサ、行くの?」
431大人才人 シエスタの日記2-10:2010/09/02(木) 23:35:29 ID:chBn+qmD
こくりと頷いて、ミスタバサは口笛を吹き、窓から飛び下ります
其処に風竜さんが飛んで来て、ミスタバサを空中で拾い上げ、行ってしまいました
「ねぇ、ヴァリエール。タバサの気持ちを無視するなら、私が許さないわよ。アンタにも解るでしょ?私達は、トライアングルなのよ?」
「……タバサの代わりじゃ、仕方ないわね。良いわよ、一緒に看病しても」
「有り難うございます。ミスヴァリエール」
「礼なら、タバサに言いなさい」
「はい、後で必ず」

ひいお爺ちゃん
才人さんは有言実行の人です
もう、貴族も平民も関係無く、才人さんに惹かれてしまってます
才人さんは起きた時には、きっと笑って、こう言います
仕事だから、大した事はしてないよって
本気の貴族の覚悟は、本当に凄い、本当に恐い
でも、私は其を承知で進むんだ
才人さんのお嫁さんへの道は、本当に険しい、本当に厳しい
でも、凄い充実してます
頑張るぞ、おー

*  *  *
432大人才人:2010/09/02(木) 23:46:16 ID:chBn+qmD
投下終了なのね〜
では大人才人タクティクスなのね〜
今回はモンモンなのね〜きゅい
「あんた、私の事モンモンって言うな。才人以外に呼ばれたくないんだから」
「気を取り直してっと。メイドが才人の下着類裁縫してるでしょ。あの枚数一気なら、多分2徹〜3徹してるわね」
「厚手の生地で、5サント四方を完全祭り縫いするだけで、大体1時間位はかかるわよ」
「ハンカチ位ならまだしも、上下と靴下7枚前後じゃ、洒落にならないわね。才人の為とは言え、無茶するわ」
有難うなのね〜きゅい
お姉さまは裁縫出来たかしら?
それとwikiの[再会、覚醒]の5と6が[再開、覚醒]になってしまってるので、親切な方は編集お願い出来ますでしょうか〜?きゅいきゅい

ではまたの更新で宜しくなのね〜
きゅい
433名無しさん@ピンキー:2010/09/02(木) 23:48:35 ID:bTTDgPe4
>>432
乙!超GJ!
434大人才人 シエスタの日記抜け落ち分:2010/09/03(金) 00:23:56 ID:fYsUXL1e
>>423続き
「あれ?頭洗ってるんですか?」
「そうだよ〜、今目を開けると、染みるからね〜」
う〜、手付きが慣れてる、しかも上手だ
ついつい、うっとりしてしまう
ザバー
頭から、またお湯かけられた
凄いさっぱり
「はい、次身体ねぇ」
今度こそ、あはんうふんですね?
才人さんってば、焦らし上手なんだから
ゴシゴシ
ん?
ゴシゴシ
あれ?
ゴシゴシ
まさか?
ゴシゴシ
普通に洗ってるだけ?
ゴシゴシ
いやまあ、凄い上手なんだけど?
身体の隅々まで、綺麗にされてしまった
「それじゃ、先に湯船に入ってね」
「は、はい」
えっと、凄いショックだ
私、完全に子供扱いされてる
才人さんが、そのまま自身の身体を洗ってる
才人さんの背中、男の人の背中。凄い広くて、頼り甲斐あって
気が付いたら、才人さんの背中に抱きついてました
「どしたの、シエスタ?」
声色すら変わらない
泣きたくなった
「私、魅力無いですか?」
「…凄い魅力的だよ」
「ヒック、だって、才人さん、ちっとも、そういう風に見てくれない」
「そんな事無いよ」
「グスッ、嘘つき」
「我慢してるんだよ」
「ヒック、才人さんは優しい嘘を付くから嫌い。でも大好き」
「そうかな?」
>>424続く
435名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 00:25:27 ID:fYsUXL1e
ごめん、コピペ投下ミスって丸々抜け落ち分追加
何とか上手く読んで下せい
436名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 15:40:28 ID:GCZncceY
ルイズは散々奴隷扱いされてるがアンリエッタはないのか
437名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 17:33:08 ID:61mRD/1S
保管庫にいくらでもある
438名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 22:25:08 ID:tUvbnuMR
>>432 >>435
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
439名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 23:16:07 ID:nA8v72nm
>>436
君は保管庫に行って作者一覧のページに行きたまへ
そしてボルボ氏の作品を見てくるんだ
このスレに居る以上ボルボ氏を知らないのはモグリを言わざるを得ない
440名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 19:29:07 ID:oqZ15LeN
・せんたいさん
・205氏
・バレット氏
も追加で
441名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 14:53:06 ID:d3VwYCd3
ボルボ氏は読んでてマジヤバかったなァ。
度肝を抜かれたよな。
442名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 19:50:14 ID:Gaz2DPM9
×度肝
○ケフィア
443名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 19:53:56 ID:xD+Bp8mg
>>442
くるみぽんちお
444大人才人:2010/09/05(日) 23:04:33 ID:82IxSdf4
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
幾ら書いても前に進まないと、大いなる意思は泣いてるのね〜きゅい
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・設定改変有り
・10レス前後予定
・30分以上投下無しなら多分寝落ち

では反映され次第投下開始なのね〜きゅいきゅい
445大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-1:2010/09/05(日) 23:06:19 ID:82IxSdf4
剣(つるぎ)の舞姫

一週間後、調整を終えたアニエスは先ず、学院長に挨拶に赴き、一通の命令書を携え、学院には安全以外には干渉しないと説明し、オールドオスマンの了解を取り付けた
アニエスが学院に来る様になり、生徒はおろか、教師も驚愕した
王女で有るアンリエッタが、宰相マザリーニに進言し、新設した平民で構成される銃士隊
その今、一番勢いが有る、しかも女性のみで編成される、銃士隊の隊長なのだ
アニエスはアンリエッタの懐刀として、その名が響いており、全員すわ何事かと思ったのだが、本人が一言
「才人に剣術等を教える任務だ」
と、答えた為、トリステイン一番の剣士の稽古なら納得と皆、気にしない様にはなった
何故王宮から来るのかは、ヴァリエールとの繋がりだろうと、勝手に解釈したのだ
但し納得出来ない者も居た。そう、才人と親交の深い女性達である
普段全然笑わないアニエスが、才人にだけ笑顔を見せるのである
「先ずは、才人の基礎能力を上げる為にはどうするかだな。武器は使い魔の能力が発動するのだろう?木剣はどうだ?」
才人に手渡し、才人は素振りをし、確認する
「駄目だ、アニエスさん。反応しちゃうや」
「木剣も武器と認識するのか」
「使い方次第じゃ、殺せるからなぁ」
「こいつは、困ったな。つまり適当な棒、しかも、撲殺出来ないレベルじゃないと駄目な訳か」
「結構厳しいな、それ」
「う〜ん」
「悩んだ顔も綺麗だね」
「お前は、何でそう言う?」
赤面しつつ答える
「いやぁ、つい」
「ついで、話の腰を折るな、馬鹿」
アニエスは笑いながら答える
「ん、待てよ?デルフ」
「お、何だ?相棒」
「ハルキゲニヤに竹刀とか、竹って無いか?」
「竹刀って何でい?」
「ちっ、無いのか」
「竹って何だ?才人」
「こちらに無いと、信じられんかも知れないけど、中が中空になった、節くれの有る樹木だよ、どっちかってと草に近い種類だな」
「特徴は?」
「強靭で凄いしなる。そして軽い。軽くてしなるから、其を束ねて稽古用に使うと、人を殺す事無く稽古出来る。昔から防具や防衛陣地に使われる素材で、今も俺の国の稽古用の素材として、引っ張りだこだな」
「ほう、そんな便利な樹木が有るのか」
「おでれーた。俺っちも初耳だ」
「此処じゃ無い物ねだりだね」
「そうだな。でも大分ヒントにはなった。要は、相手にダメージを与えなければ良いのだろう?」
「ん?確かにそうだね」
446大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-2:2010/09/05(日) 23:07:49 ID:82IxSdf4
「なら、ハルキゲニヤに出来る手段で、取れば良い」
「何かアイデア有るの?」
「魔法だよ」
「あぁ、成程。俺の稽古用の、ダメージを与えない魔法剣を作るのか」
「そういう事だ」
「具体的にはどんな感じ?」
「そうだな、水で刀身を作って、人に当たった時は散り、物や同じ刀身に当たった時は、固体形状を持つ様にすれば良いか。しかも、ダメージを与えない程度」
「そんな事出来るんだ?」
「魔法付与技能者の腕に因るが、色々出来るぞ」
「魔法って、本当に便利だなぁ。科学技術が発展しない訳だ」
「科学技術とは何だ?」
「話が長くなるから、おいおいで構わないかい?」
「そうだな、しかし貴様は本当に知識の宝庫だな。話をしていて飽きないぞ」
「お互い違う文化圏に住んでたんだから、俺も新鮮だよ」
「最初は殿下も粋狂な命令をと思ったが、案外役得かもしれん」
「あれ、惚れた?」
「そういう事を口にするな、馬鹿」
才人を軽くはたきながら笑うアニエス
「あた。やっぱりアニエスさんは笑顔だねぇ」
「貴様以外にも、見せても良いのか?ならそうするが?」
「どうやって笑いかけるの?」
「どうやって?ふむ…………」
「…思いつかないと?」
かぁっと、赤くなるアニエス
「そっちは無理しないで良いよ。その内出来るでしょ」
「あ、あぁ、解った」
「で、具体的には依頼出して、どれ位で完成するのかな?」
「アカデミーに、殿下の名前で無理矢理ねじ込めば、明後日には試作品が届くだろう。予備含めると、最低6本要るな」
「何でそんなに?」
「あぁ、才人は2刀使いだろう?だから、2刀の稽古しないと、駄目だからな」
「アニエスさんは2刀出来るの?」
「実戦じゃ無理だが、稽古程度ならな。舞姫で練習しまくったからな」
「舞姫?」
「稽古が始まった時の、お楽しみだ」
「そりゃ、楽しみにしますか」
「じゃ、今から手紙書いて竜騎士に渡すから、ちょっと離れる」
「行ってらっしゃい」
「相棒」
「何だ?デルフ」
「今迄の娘っ子の中で、一番相性良くないか?」
「ボロ剣」
「デルフさん」
「「デルフ」」
「「「「どういう意味かしら?」」」」
その声を聞き、才人はデルフを持ったまま、ゆっくりと振り返る
其処には4人の鬼が居た
才人は何時も以上の、凶悪な気配に震える以外ない
「え〜と、何時から居たのかな?」
「殿下も粋狂な命令を、辺りかしら?」
モンモランシーが答える
447大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-3:2010/09/05(日) 23:16:40 ID:82IxSdf4
「で、覚悟は出来てるの?犬」
「何のでしょうか?マイロード」
「…地獄の一丁目の回覧」
タバサが答える
「ミスモンモランシが居るから、心配しないで下さい」
「え〜と、4倍?」
「「「「16倍」」」」
「……デルフ、全部てめぇのせいだ」
「相棒、済まねぇ」

アニエスが戻って来ると、ボロ屑になった才人がモンモランシーに治療を受けていた
「才人!?一体何があったんだ?」
「ちょっと、貴女に妬いた人が多数居たのよ」
「何でこうなる?」
「あら、私達じゃ、才人に何か教える事なんて、出来ないもの。妬くのは当然ね」
「才人の人気はそんなにか?」
「其処に踏み込むんだから、貴女も覚悟するのね。シュヴァリエ」
「こう言うのも何だが、私は行き遅れだぞ?」
「あら、そしたら才人が最後のチャンスになるじゃない。私達はそう見るわよ?」
「私は、才人の周りの女性達と、険悪になる積もりは無いんだが?」
「なら、なるべく他の女性も連れるのね。そうしないとこうなるわ」
「やっぱり、前途多難だ」
アニエスは深々と溜め息をついた
「そうそう、シュヴァリエ、何処まで才人の事知ってるの?」
「何処までとは?」
「此れから、別の稽古するから」
「それは何だ?」
「その調子だと知らない様ね。才人、どうする?」
「どうすっかねぇ。あんまり知られたくないんだよなぁ。ルイズに知られちまうと厄介だ。ルイズが落ち込んじまう」
目を覚ました才人が言う
「ミスヴァリエールに、知られ無ければ良いのか?」
「他のメイジ全員。姫様含む」
「私は殿下に報告する義務が有るんだが?」
「なら此処まで、付いて来ちゃ駄目な」
アニエスは悩むが決断する
「殿下の最優先の命令は、才人と仲良くなる事だ。貴様が隠さねばならないと言うなら、守ろう」
「そんな命令受けてたの?」
「そ、しかも俺の目の前で」
才人は苦笑する
「他の者には、内緒にしててくれないか?」
「シュヴァリエも私に秘密を明かしたのね。才人、どうする?」
「モンモンに明かしたら仕方ないな。付いて来て良いよ。尾行に警戒してくれ」
「尾行する奴が居るのか?」
「おぅ、居るぜ。嬢ちゃん達が、相棒が何やってるか気になって、ちょくちょく来るわ」
「聞いてはいたが、凄い人気だな。解った」
三人は学院を出て、近くの森に入る
「デルフ、尾行は?」
「今日は大丈夫みてぇだな。相棒ボコったせいじゃねぇか?」
448大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-4:2010/09/05(日) 23:18:26 ID:82IxSdf4
「全く、何が転ぶか解りゃしねぇな」
「全くだ」
暫くすると軽い広場に出る
だが、広場になってるのでは無く、木が倒されてる状態になっていて、一つの樹木が無数の太刀筋が入れられている
「それじゃ、今日もやりますか」
「此方は何時でも良いぞ、相棒」
「モンモンは?」
「大丈夫、すぐに対処出来るわ」
「一体、何をするんだ?」
「見てのお楽しみよ。多分見れないけど」
「見るのに見れない?」
「本日は発動は、以前の1/5を目安にすっか」
「あら、もう上げるの?」
「モンモンの治療技術が、上がってるからな」
「褒めても何も出ないわよ。寧ろ絞りたくなっちゃうじゃない」
「そりゃ、勘弁。じゃ行くぜ」
才人が村雨を抜き、デルフと二刀で木に向かって走り、いきなり姿が消える
ガガガガガ
音が消えたと思ったら、才人が木の前に立って居た
木は先程より、1/8程削られている
村雨を鞘に戻し、デルフを突き立て、才人は倒れこんだ
「才人、口をこちらへ向けなさい」
「な、何が起きた?」
モンモランシーは才人が消えた瞬間に走り出しており、既に才人の側に膝を付いている

才人が何とか向けるとモンモランシーは口移しで薬を飲ませる。一度では足りないので、二度、三度、四度
そして直ぐに治癒の詠唱を始めた
「ふぅ、毎回この瞬間は生き返るわ。あんがとな、モンモン」
「で、相棒の状態はどうでぇ?」
「信じられないけど、耐久力が普通の人間に有り得ない速度で、上がってるわ。此も使い魔の力かしら?」
「それだけ、負荷が強いせいじゃねぇか?普通じゃ、有り得ない負荷だもんな」
「確かにそうね。でも、まだまだ実戦向きじゃないわよ」
「…さっきから置いてけぼりなんで、そろそろ説明してくれないか?」
アニエスが聞く
「絶対誰にも言わないでよ。もし漏れたら、私、貴女に杖向けるからね」
「剣に賭けて誓おう」
「魔法よ。しかも才人が開発した禁術」
「禁術?」
「そうよ。普通のメイジが使ったら死ぬわね」
「才人は死んでないが?」
「才人が持つ使い魔の能力が有るから、使いこなせるのよ」
「そんなに危険な術を開発して、どうして使うんだ?」
「今の見たでしょ?」
「あぁ、見えなかったがな」
「あれが効果よ」
「つまり、回避不能の攻撃か」
449大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-5:2010/09/05(日) 23:30:42 ID:82IxSdf4
「そう。才人はね、此れからも、そういう事に足を突っ込むの。だって、才人は使い魔だから」
「私はね、才人がそんな状態に追い込まれない様にしたいけど、出来ないの」
モンモランシーの頬に涙が伝う
「だからね、少しでも才人の負荷が減る様にしたいの。シュヴァリエ、才人に剣術を教えて、才人が死なない様にして下さい。お願いします」
モンモランシーはアニエスに頭を下げる
「頭を上げてくれ、ミスモンモランシ。私の事はアニエスで良い」
「私の事はモンモランシーで構いません、アニエスさん」
「才人の事はどう思ってるんだ?」
「未来の夫です」
「本気か?」
「多分、貴女も才人の側に居たら、そう思う様になりますよ」
「そう思ってるのは何人居る?」
「最低4人、いや、5人かな?」
「最低だと?」
「はい、此れから増えていきますよ。だって才人は、どんどん手柄を上げて出世するもの」
「俺は出世に興味無いんだけどね」
「あんたが無くても、周りが放って置かないのよ。諦めなさい」
「さいですか」
「そうよ」
「…殿下の命令は、慧眼だったのか」
「どうして、そんな命令を下したのかしら?」
「あぁ、ミスヴァリエールがあの時の報告で手紙を出してね。才人の話で、びっしりだった」
「あらあら、ルイズの事だから、すんごい美化してるんじゃないかしら?才人の事になると、見境無くなるのよね」
「話半分でも、充分凄かったぞ?」
「そうでしょうね。才人は凄いもの」
「アイツは本当に何書いたんだ?」
450大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-6:2010/09/05(日) 23:34:37 ID:82IxSdf4
「只のノロケ話さ」
アニエスはそう答える
「俺達は、ノロケ話に振り回されてんのか」
才人は苦笑する
「まぁ、そう言うな。私もノロケる心境には、憧れてるモノでな」
「才人の側に居れば、直ぐになれるわ」
「俺はノロケ製造機かよ?」
「あら、まだ気付いて無かったの?」
クスクスとモンモランシーは笑う
「今日の稽古は止める?」
「あぁ、話で時間食われたしな。今日は早く切り上げっか」
「解ったわ。ねぇ、才人」
モンモランシーから才人に寄り、そのままキスをする。アニエスの目の前でディープの方だ
「私の前で見せ付けるのか?」
「あら、貴女もして構わないわよ?私は独占しないもの」
「私は、まだ其処まではだな」
「あら、明日からは、貴女が才人にポーション飲ませるのよ?」
「は、何故だ?」
「あの状態はね、放っておくと才人が再起不能になるの。だから、二人居るなら、詠唱と投薬を、同時に出来る方が良いの。本当に時間との勝負なのよ」
「…つまり、今此処で慣れないと、明日からは困る事になると」
「そういう事ね」
「才人は?」
「この稽古をやる限り、俺には選択肢が無いんだ」
「嫌か?」
「美人とのキスは、大歓迎だ」
「……本当に貴様は」
「あ、そうそう、一つ言っておくけど」
「何だ?」
「夢中になるわよ?」
「キス程度でか?」
「…才人、手加減無しでやって上げて」
「ふぅ、どんどんモンモンは強くなるな」
才人は溜め息をつき、アニエスを抱き寄せキスをする
モンモランシーの言う通り、アニエスを逃さない様に頭を固定し、腰を抱き寄せる
そして舌を侵入し絡め、口腔をぬるりと舐め上げる
アニエスは最初、抵抗しようとするも、力の差で抗しきれない
日々の訓練は、アニエスより筋力を上げていたのを、才人自身は気付いてない
そして、暫くすると、抵抗を辞めだらりとした手が、才人の背中に回され、更にキツク抱き締められる
其から充分に絡めた後、唾液を繋げたまま離れると、すっかり上せたアニエスが居た
「あ、や、何で?もっと」
「ほうら、夢中になった。此で貴女は6人目ね」
かあぁと、アニエスは真っ赤になる
「モンモン、あんまいじめるな」
「あら、私はあんたに必要な事しかしないわよ」
「どう見てもイジってるって。本当に子悪魔だな」
「こんな私を知ってるのも、あんただけ」
「全く困ったもんだ。アニエスさん、大丈夫?」
「……何で、巧いんだ?」
「さぁ?本当にさっぱりです」
451大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-7:2010/09/05(日) 23:37:33 ID:82IxSdf4
「そうか」
今度はアニエスからキスをする
「此は、本当に、慣れないと、駄目だな」
才人の口を、アニエスは満足する迄ついばんだ
「本当にモテモテだな、相棒」
「勘弁してくれ、命が幾つあっても、足りないわ」

三人はそろそろと学院に戻り、アニエスは竜騎士に乗り、帰って行った

風呂上がりにルイズの部屋に戻ると、ルイズは不機嫌なのか何なのか、何か落ち着いていない
「どした?ルイズ」
「あああんた、今迄何処行ってたの?」
「ちょっとね」
「ご主人様にも言えないの?」
「そうだな」
「他の女?」
「何でそうなる?」
「……だって、あんた、その、モテるから」
しょげたルイズに、くしゃりと頭を撫で、才人は言う
「確かに協力して貰ってる人は居る、でも其だけだ」
「……私じゃ、駄目なの?」
「ルイズは心配するな。構ってやれなくて、悪かった」
「だって、剣術を教えに来たって、アニエスは言ってたけど、サイトは充分強いじゃない」
「あぁ、剣術に関しては、俺はズブの素人だよ。本当に学ぶ必要が有るんだ」
「あんなに強いのに?」
「そう、だから心配するな」
ルイズは才人に抱きつく
「才人は、あたしの使い魔だよね?」
「あぁ、そうだ」
452大人才人 剣(つるぎ)の舞姫1-8:2010/09/05(日) 23:38:44 ID:82IxSdf4
「勝手に、居なくなったりしないよね?」
「勿論だ」
「今、隠してるのも、あたしの為?」
「そうだよ」
「信じて良い?」
「信じなくても良いぞ」
「何でそんな事言うの?」
「ルイズは俺の事、疑いたい?それとも信じたい?」
「……信じたい」
「なら、ルイズは自分の答えに自信を持てば良い。俺はそれを手助けするだけだ」
「うん」
サイトに撫でられる感触に、そのまま身体を委ねるルイズ
「ねぇ、サイト」
「何だ?」
「床で寝るの、寒い?」
「もう慣れたな」
「寒いと言いなさい」
「寒いです。マイロード」
「つつつ使い魔が、かかか風邪引いたら困るからね。こここ今夜から、ベッドに寝なさい」
「いえす。マイロード」
「では、着替えますか?マイロード」
ルイズは全身を紅くするが、こくんと頷く
「あの、あたし、胸無いから」
「可愛いですよ。マイロード」
才人は声をかけながら、ネグリジェに着替えさせる
「才人はその堅いズボンと上着は脱いで」
「いえす。マイロード」
才人も下着姿になる
「ここここに寝なさい」
ベッドの真ん中をルイズは指定する
「いえす。マイロード」
才人が寝ると、ルイズは才人に抱きつき、顔を擦り寄せる
才人が腕枕をすると、丁度ルイズには良い高さになった
『う〜、何で今迄やらなかったのかしら?最初に添い寝するって言ってくれてたのに、あたしの馬鹿馬鹿馬鹿。凄い気持ち良い。安心出来るし。あったかい……』
ルイズは直ぐに寝ついてしまった
「ふぅ、まだ子供だなぁ」
「相棒、本当に扱い上手いな」
「そうか?」
「相変わらず無自覚かい」
「ま、俺も寝るさ」
「おぅ」

添い寝が、ルイズの自身への依存度を上げる事になってしまう事を、才人は気付く事が出来ない

*  *  *
453大人才人:2010/09/05(日) 23:49:41 ID:82IxSdf4
投下終了なのね〜きゅい
またまた長いので、一話分割なのね〜
では大人才人タクティクスなのね
今回はマリコルヌなのね
「何で才人の周りには、美女や美少女が集まるんだ?」
「ぼ、僕なんか、今の今迄女性にモテた試しなんか一度も無いってのに」
「才人を見てるとね、こう殺意が沸々と沸き上がるんだよね。実際に、女のコといちゃついた場面を見ると、トライアングルスペルが、何故か唱えられるんだ。其で此から始まる稽古中に才人に向けるんだけど、シュヴァリエなんか、喜んでやれって言うんだよね」
「でも、かわされる所か盾にされるんだ。才人って、男相手だと酷いよ本当」
「いつか、寝首かける位になってやる」
丸っこいのは、お姉さま並になってから言うべきなのね。きゅいきゅい
454名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 00:55:44 ID:GqBgHB53
>>453
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
455名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 02:20:52 ID:zjf9cIns
GJ
456名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 12:55:27 ID:yhfmVD/e
ハルキゲニヤ……
457名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 13:07:17 ID:VG7Mp8wy
ハルキゲニヤェ…
458名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 19:08:35 ID:LJHMTF2/
ありゃ、気が付いたらバージェスモンスターになってるよ
気をつけてたのになぁ
ちょっと、アノマロカリスに食われてくるorz
459名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 02:40:59 ID:AXdayPfz
>>453
            _             ,ー 、_
 _        _\ ̄ニー___  __,,,,.,.(;;;;;:::::::)~'>‐〜ー-、,,_ __
 \\|l;、_   __\ ̄ ヽ\ \.゙゙<,/ / /'' ヽ- '^ヽ / ゙゙゙゙\.-‐、);)       ____
   \\_\ヽ\ ̄"\;;, \, \,, \ \l(       / / ̄"'ヘ,;:'"'\   /
   ?_,ゝ/'二ニニー-,.,.,.,.,.,. ...,,,,__  .....,,,-   __(,〈-; .,,,__l; _Y  < 気にするな。乙。
    ∠ニ_ヽヽ \_ \_ ゝ_ ヽ.__ ヽ.,_ ヽ,,ーヘil||lllli=〉\   .,l;   ,) \____
         ゙゙゙"―.,.,.,.\_ \._ \._ >,ニ ̄   ~~~~'=|.  \_,/,  ヽノ
                ̄ "゙ ゙゙゙゙゙゙~ ゙゙          =ノ' \__ノ, ヽノ
                               =ノ'\.__ノ, ヽノ
                              ゞノ \ ,/'' ゝ/
                             ヾ/l ヽ/ノヽ/
                           ∠ ‐ " ー- '"
460名無しさん@ピンキー:2010/09/07(火) 10:08:21 ID:jzMWthYc
アロマノカリスェ…
461名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 18:14:06 ID:515FxFbg
ぐっじょ〜ぶ
462大人才人:2010/09/09(木) 23:26:10 ID:YUhAFJ2v
イルククゥでシルフィードなのね〜
2時間前に投下しようとしてたら寝てた、大いなる意思は馬鹿なのね〜
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・設定改変有り
・10レス以上予定、30分以上空いたら多分寝落ち

では投下開始なのね〜
きゅいきゅい
463大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-1:2010/09/09(木) 23:27:21 ID:YUhAFJ2v
ルイズが目を覚ますと、隣には才人が居なかった
眠り自体は、今迄で最高の快眠。不安も何もかも消し飛び、身体に活力が宿ってるのが解る
でも、才人が居ない。其だけで不安が増大し、涙が溜まる
「ふぇ、サイトは?」
涙が溢れるに任せ、ベッドの上で呆然とする
ガチャ
才人が水を汲んで戻って来ると、ルイズがベッドの上で涙を溜めている
「おはよう。どうした、ルイズ。怖い夢でも見たか?」
才人がルイズに近寄ると、抱きつき嗚咽する「ヒック、居なかったの」
「ん?」
「サイトが居なかったの!!」
「俺は此処に居るだろう?」
「起きた時に居なかったの!!」
「ルイズ、何か年齢下がってないか?」
「ご主人様の言う事聞きなさい!!」
「はいはい」
「ご主人様の寝起きには側に居なさい」
「はいはい、俺の我が侭なご主人様」
才人は撫でながら、軽く嘆息する
『一人前になる迄、えらい時間かかりそうだな』
才人の悩みは尽きない
コンコン
「誰?」
「私だ、アニエスだ」
「随分と早いな、開いてるよ」
ガチャ
アニエスが入ると、ルイズが才人に抱きつき、軽く嗚咽しながらも、陶酔してるのが見える
「おはよう、才人にミスヴァリエール」
「おはよう、アニエスさん」
「…あたしの使い魔との時間を邪魔しないで」
「ルイズ、挨拶しなさい」
「ふん、おはよう」
舌を出し才人からは離れない
「随分と才人を気に入ってる様だな?」
「サイトにしか笑顔見せない癖に、そういう風に言うんだ?」
「ルイズ」
「解ったわよ。サイトが困るから、此位にするわ。で、こんなに朝早く何の用?」
「ああ、例の稽古用剣が出来たので、才人に試して貰おうとね。上手く行かないなら、直ぐに返して、手直しさせたいからな」
「もう?」
「殿下が強権発動させて、徹夜させたらしい」
「無茶するな、姫様も」
アカデミーのスタッフに同情し、才人がルイズから離れ、剣を受け取る
「抜いてみろ」
「あぁ。本当に水の刀身だ」
「どうだ?」
才人は素振りし答える
「反応してない」
「良し、此で行こう。試しに私に剣をたててくれ」
パシャ
「ありゃ、本当に水になったわ」
「次、壁」
ガン
「お、きちんと手応え有るわ」
「剣と言うより、剣型のマジックアイテムだからな。でも、稽古に使うには充分だろう」
「はぁ、この目で見ても信じられんわ。本当に便利だなぁ」
「此で稽古が出来るな。手紙で本数揃える様に書いてくる」
464大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-2:2010/09/09(木) 23:29:03 ID:YUhAFJ2v
「俺からも姫様に伝言。スタッフに、余り無茶させない様にって」
「ハハハ。了解だ、殿下も才人の言葉なら聞くだろう」
アニエスは手を振り、手紙を書くために去って行く

「サイト」
「さてと、水汲んだから、顔洗って準備だな」
「う、うん」
「何か言いたかったか?」
「…アニエスって、朗らかに笑うんだね」
「だろ?それがムスってしてると、勿体無いって思わないか?」
「む〜、確かに」
二人は朝食を取りに食堂に降り、才人達の周りで一斉に頂きますの言葉が走るのは、最早恒例行事になっている
此は才人に近付けた印として広く認知されたのだが、何分始祖への祈りがおろそかにされてると、評判は宜しく無い
ルイズが軽く
「あら、あの言葉に、始祖への祈りも込めてるもの」
と、一蹴してしまった為、誰も何も言わなくなった
才人が絡むとこの主人は、例えゼロでも非常に恐ろしい事を、皆肌で感じている
其を見たアニエスは
「何だ?今のは?」
「俺の国の食前の祈りだな」
「何で、他の連中迄やっているんだ?」
「私達がしたいから」
タバサが答える
尚、タバサの食卓はタバサスペシャルで、常にはしばみ草サラダが付き、メインは通常の5倍は有ろうかと言うボリュームである
学年一の成績と、マルトー料理長のえこひいきが、この状態を生んでいる
その食いっぷりは、シェフ達に作り甲斐が有ると、非常に人気なのだ
「そうなのか?才人」
「俺は、やれとは言って無いんだよなぁ」
「凄い影響力だな」
アニエスは眼を丸くした
その後、授業にルイズを送り出した後、才人は洗濯物を持って水場に行くのに、アニエスは付いて行く
「洗濯か」
「ま、日課だね」
「ふむ」
「才人さんおはようございます、えっと、そちらはシュヴァリエですよね?」
「シエスタ、おはよう」
「アニエスで構わないぞ、え〜と」
「シエスタです。シュヴァリエ」
「宜しく」
「宜しくお願いします」
「シエスタ、今日の洗濯はどんなもんだい?」
「此方はシーツ類がメインですね」
「これやったら手伝うよ」
「有難うございます。才人さん」
「あ、才人さんおはようございます」
「「「おはようございます」」」
「お、皆おはよう。それ全部シーツかな?」
「はい、ちょっと大変です」
「じゃ、皆でちゃっちゃっとやっちゃうか」
「「「はい」」」
465大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-3:2010/09/09(木) 23:35:18 ID:YUhAFJ2v
「あ〜才人」
「何?」
「何でメイドの仕事迄、手伝うんだ?」
「俺の仕事も手伝って貰ってるからね」
「普通はやらんぞ?」
「そうかね?アニエスさん、此処に居るなら、勿論手伝ってくれるよね?」
「いえ、シュヴァリエに手伝って貰うなんて、とんでもないです」
「いや、やろう」
アニエスはメイドに混じり洗濯を始める
「ふ〜ふん♪」
才人は其を見、鼻歌を歌いながら洗濯をする
「才人さん、何か企んでますね?」
「俺はそんな陰謀家じゃないぞ?」
「嘘ばっかり」
シエスタは笑う
「本当だって」
「どうだか」
メイド達と一緒に洗濯し、洗濯物を全て干すと、メイド達はお茶の準備を始める
メイド達の休憩時間だ
午後は、貴族のお茶の給仕をしなければならない為、この時間になる
「才人さん、シュヴァリエ、一緒にお茶しましょう」
「いや、私はメイドの休憩を邪魔する訳には」
「こういう時はお呼ばれすんの。洗濯手伝ってくれたお礼なんだから」
「才人さんの言う通りです」
皆してクスクス笑う
「そういう事なら」
才人と一緒に席に着き、給仕の居ないお茶が始まる
「今日のお菓子、私が焼いたんですよ」
「お、美味しいね。また腕上がったんでない?」
「才人さんにそう言ってくれると、嬉しいです」
メイドの一人が紅くなりながら答える
「確かに美味いな」
「だよね。アニエスさん」
空から風竜が降りてくる
「きゅい」
「お、何だ?シルフィード。匂いにつられたか?」
「きゅいきゅい」
「シルフィードさんって、本当に食いしん坊ねぇ」
メイド達が笑う
「ほれ、口開けて」
才人がひと掴みすると、シルフィードの舌に載せ、シルフィードはぺろりと飲み込む
「きゅい」
「皆の分が無くなるから、此で終わりな。あの娘に礼を言って」
「きゅい」
466大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-4:2010/09/09(木) 23:42:36 ID:YUhAFJ2v
菓子を作ったメイドの顔を、そのデかい舌でべろりと舐める
「やだ、涎だらけ」
其を見たメイド達は笑い、アニエスもつられて笑っていた
「ん、良い傾向」
「才人さん」
「何?」
「やっぱり、何か企んでません?」
「俺はそんなに陰謀好きに見えるか?」
「女のコ喜ばす事にかけては、陰謀しますよね?」
「シエスタには敵わないなぁ」
「で、何が目的なんですか?」
「耳貸して」
「……あぁ、成程」
「肩肘張るのも疲れるからね」
「私にも、同じ位して欲しいです」
「やって無いかな?」
「シュヴァリエに焼きもち妬いてる位です」
「…頑張ります。で、協力してくれる?」
「はい、勿論です」
シエスタは笑って頷いた

「さてと、そろそろ昼の準備だね」
「はい、皆片付けるわよ」
才人が声を出し、メイド達がお茶を片付ける
「じゃあ、アニエスさんはどうする?」
「私か?才人が何かやるなら付いて行くぞ」
「解った。シエスタ行くよ」
「はい」
三人はそのまま倉庫に向かい、扉を開ける
其処には虫達とミミズが、うねうね動いていた
「な、何で倉庫にこんな物が?」
「使い魔さん達のご飯ですよ」
「成程」
アニエスはひくつくが、何とか耐える
「もしかして、アニエスさん虫駄目?」
「正直言うと、苦手だ。何と言うか、背中がぞわぞわする」
「じゃ、無理しないで良いよ。シエスタそちら宜しくね」
「はい」
二人が抱えて、アニエスは付いて行き、厨房前に行くと、既に使い魔達が待っている
「お、早いな」
「それじゃ皆さん、仲良く食べて下さいね」
シエスタが言い、虫が逃げない様にしてた蓋を外すと、使い魔達が順番に食べ始める
「アニエスさん、厨房行くよ」
「わ、解った」
厨房に行くと、一つまな板が空いており、普通の食材とは違う植物や、大量の肉と骨が用意されている
普段なら使わない屑肉の部分が多い
「お、来たか我らの剣。お前さんの包丁ショーを、若いのが待ってんぞ」
「親父さんのが上手いでしょ?」
「我らの剣には負けらあ。使い魔クビになったら、ウチに来い。お前なら副料理長だ。異論有るか、てめえら」
「「「「我らの剣なら、納得です」」」」
「何て言うか、料理人って凄いな」
「凄いでしょ?シュヴァリエ」
「さてと、それじゃやりますか。シエスタ、何時も通りに」
「はい」
才人が包丁を握り、ルーンが輝く
そして、包丁一閃
骨が両断され、更に包丁が閃く度に、細かく分断される
467大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-5:2010/09/09(木) 23:43:42 ID:YUhAFJ2v
屑肉も骨からあっという間に、こそぎ落とされ綺麗に切り分けられる
シエスタがそれらを仕分けし、並んだ寸胴鍋にぶちこむ
その間に一度洗った包丁と、ひっくり返したまな板で、堅い植物を有り得ない速度でざっぱに刻み、それはそのまま桶にぶちこむ
暫くすると鍋から良い匂いが漂い、それを才人が味を見、薄味である事を確認する
「良し、こんなもんかな」
「全く、何度見ても、我らの剣の包丁捌きはスゲーな」
マルトーが言い、皆が頷く
「才人、それ、まさか使い魔の能力か?」
「そだよ、俺は、こういう使い方のが好きだね」
「良し、てめえら。次は俺達が仕事する番だ、やるぞ」
「「「「ウィ、マルトー料理長」」」」
一気に慌ただしく、動きだす
厨房は喧騒に包まれた
才人とシエスタ、アニエスは厨房から、先程の鍋と桶を持ち出し、他の使い魔に邪魔にならない場所に置く
既に肉食と草食の使い魔達が待っている
「良し、お待たせ〜」
「きちんと仲良くですよ〜」
才人とシエスタがそれぞれ声を出し、使い魔が食べ始める
「使い魔達の世話迄してたのか」
「マルトー料理長には助けられたからね、代理でやってるだけさ」
「何かもう、本当に凄いんだな」
アニエスは本気で感心する
「じゃあ、シエスタ。ルイズの所に行かないとならんから、後お願いね」
「はい、解りました」
「才人待て、私も行く」
アニエスは才人に付いて行くと、ルイズ達の教室に入る
「お、来たか才人」
「とりあえず、ルイズを何とかしてくれ」
「何があった?」
「まぁ、見ろ」
才人達が振り向くと、ずっと何かを呟いていて、身振り手振りでパタパタやっている
「何やってんだ?」
「使い魔自慢スイッチが入って、朝からあのまんまだ」
「先生達は?」
「諦めた」
「はぁ〜」
才人は深い深い溜め息を付き、才人はルイズに近付く
「ルイズ」
「でねでねサイトったらねこんな事も出来てあんな事も知っててねそれでねそれでね凄く凄く凄くカッコいいのねハルキゲニヤで一番カッコいいのもうキャーなのキャーなのキャーなの剣振るわせたらハルキゲニヤで一番で凄くあったかくて凄く優しくて…」
「ルイズ、ルイズ」
「それでねそれでね………サイト?」
「どうしたルイズ、キョトンとして」
「え、あ、今の………聞いた?」
「何を言ってたんだ?」
「そそそそんな事言える訳無いでしょ!このっ馬鹿犬!!」
「グハッ!?」
468名無しさん@ピンキー:2010/09/09(木) 23:45:18 ID:5ZlRRjvm
支援
469大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-6:2010/09/09(木) 23:49:04 ID:YUhAFJ2v
ドロップキックをまともに食らい、吹っ飛ばされる才人
「…才人、蹴られる必要が有るのか?」
「……こうしないと、正気に戻らないもんで」
「……苦労してるんだな」
「あれ?今何時?」
「もうすぐ昼よ、ヴァリエール」
キュルケは呆れながら宣った

昼食をルイズ達と食べ、教室に戻ると、コルベール先生が才人を探してるのに遭遇する
「ああ、やっと見つかった。才人君」
「何でしょう?コルベール先生」
「ちょっと、ここら辺の事で、意見が欲しいんだが」
図面を広げ、才人に見せる
「此は何でしょう?」
「以前に才人君が言ってたのを、僕のアイデアでまとめたモノでね、蒸気を動力にしようかと」
「成程、蒸気機関か。これ単位は何でしょう?」
「サントだが、問題かね?」
「サントだとセンチと同等か。問題有りすぎですね」
「本当かい?」
「えぇ、先ずこういうのは、メイルの1/1000が基本単位で、実際に力を発生させる、駆動部分や摺動部等の細かい部分は、更にその1/100を求めるのが普通ですね」
「そんなにかい?」
「はい、其を求める為には、先ず計測器具が必要になります。マイクロメータはともかく、ノギスや計算尺は有りますかね?」
「ノギスと言うのはどういうのだい?」
「ノギスと言うのは」
才人が黒板にノギスを書き出し、各部の説明を始める
「ほうほう、そんな道具が有るのか。流石才人君だな。では先ずノギスの開発からだ。有難う才人君」
メモを取り、コルベールは礼を言う
「いえ、頑張って下さい」
「才人、今のは何だ?」
アニエスが聞く
「昨日言った、科学の一部。どっちかってと工学だけど」
「あれで一部か?さっぱり解らなかったぞ?」
「才人のカガクの話に付いて行けるのは、コルベール先生だけよ」
ルイズが呆れた声を出す
「何と言うか、才人は奥が深いな」

午後の授業の最後に今日は音楽が入る
貴族たるもの、余興程度でも楽器の一つは使おうというのが目的
担当はミセスシュヴルーズ
其処で初めてアニエスが授業に干渉する
「あの、シュヴァリエ、授業に干渉はしない約束では?」
「ちょっとした余興ですよ。楽器を演奏出来る者に指揮者が居て、更に此処には女剣士です。としたら、どうします?」
「あぁ、ですがあの曲は難しいので、余興にはならないかも知れませんよ」
「其でも構いませんよ。此方も才人に見せられれば良いので」
470大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-7:2010/09/09(木) 23:51:07 ID:YUhAFJ2v
「まさか、トリステイン一番の剣士のが此処で見られるとは」
「やってくれますか?」
「楽しい余興になりそうですわね」
「では皆さん、今日は予定を変更して、この曲を演奏しましょう」
変更した楽譜を皆に渡す
「げ〜、マジかよ」
「俺、これ苦手」
「俺もだ」
男性陣が悲鳴を上げる中、女性陣が歓声を上げる
「嘘、授業でこれやるの?」
「素敵」
ガタタ
同時に二つの席がなり、二人が同時に発言する
「「このバイオリンソロは私がやる」」
タバサとモンモランシーである。顔を見合わせ言う
「「この曲だけは譲らない」」
「二人ともハモらない。二人でやって貰いましょう。誰かピアノは出来ますか?」
「じゃあ、私がやるわ失敗しても許してね」
キュルケが手を上げる
「へ〜、皆楽器使えるんだ、ルイズは?」
「あたしはバイオリンとフルート」
「ソロには手を上げないのか?」
「あれは難し過ぎるもの、あたしにはフルートで精一杯」
「そういえば、前から音楽あったっけ?」
「サイトが午前中とか居ない時にやってたのよ、授業は先生の用事で結構変わるもの」
「ああ、成程ね」
「では、楽器を外に運びましょう。全員ピアノとか重い物は、レビテーションして下さいね」
「「「はい」」」
楽器が外に運ばれ
広場の一角が演奏場になり、其処に生徒達が譜面を立て用意する
指揮者はシュヴルーズ
そして広場にアニエスがレイピアを持ち、屈んだ状態で両手を広げ、顔を伏せていた
「おい、あれ」
「まさか、見れるのか?」
「はい皆さん、本日はシュヴァリエが余興として参加して下さります。シュヴァリエに負けない演奏をしましょう」
「「「はい」」」
「こりゃ、気合い入るな」
「うっわ、マジ緊張する」
才人は興味津々で何が起きるか見物する
シュヴルーズが指揮棒替わりの杖を振り上げ、キュルケがピアノの伴奏を始める
そして、アニエスがゆっくりと舞い始めた
伴奏から合奏になり、更にテンポが上がる
アニエスは剣を滑らかに弧を描きながら振るい、更に突き、斬り、踊る
剣士としての技量と踊り子としてのリズム感、どちらが無くてもなし得ない、正に剣の舞姫が其処に居た
そしてタバサとモンモランシーのバイオリンに切り替わり、一気にクライマックスに持って行く
その舞踊は更に激しく、更に剣は美しく
そして、最後は柔らかに、元の位置で伏せた
471大人才人 剣(つるぎ)の舞姫2-8:2010/09/09(木) 23:53:52 ID:YUhAFJ2v
パチパチパチパチ
才人は本気で感動し、拍手を贈る
それに演奏を終えた生徒達とシュヴルーズも拍手に加わった
歓声も上がる
「スゲー、シュヴァリエ最高」
「アニエスさん素敵」
アニエスは、才人の側により話かける
「どうだった?」
「凄い綺麗でした。本気で感動したよ。で、何て舞踊なんですか?」
「…歌劇イーヴァルディ 剣の舞姫」
「タバサ知ってるのか?」
「…ガリアで知らない貴族は居ない」
「トリステインでもそうよ」
モンモランシーは答える
「ゲルマニアでも有名よ、これ」
キュルケが答える
「へ〜、じゃあハルキゲニヤ中で知れ渡った曲と舞踊なんだな」
「でも踊るのは、一番難しいと言われる曲でね」
アニエスが答える
「何でです?」
「これの始まりは、一人の女剣士が舞踏会の余興で舞ったって、言われててね。剣士の技量が無いと、絶対踊れないんだ」
「なんつう剣士だよ」
才人は呆れる
「実は私がやったのも未完成でね」
「あれで?」
「本来は2刀で舞うのが正式なんだ。その女剣士は、2刀使いだったらしくてね」
「はい?」
「此の舞踊を極めるのに、剣を学ぶ踊り子が居る位だ」
「でも2刀って」
「かじった程度や踊り子じゃ、絶対無理だな」
「あれ?まさか?」
「お、気付いたな、才人。お前さんは通常の剣技の他に、この舞姫を修得して貰う」
「え〜と、必要?」
「踊りとは言え、舞姫は剣士の技量に直結するんでな。此を覚えておくと、色々応用効くんだよ。特に女の場合は、非力さを上手く補正出来る様になってる」
「あの踊りの中に、そんな動きが有るんだ」
「やる前は全員疑うんだが、やった後は確実に腕が上がるんだ。銃士隊の、稽古メニューの一つだぞ」
「そりゃ、やるしか無いか」
「そうそう、お前は2刀修得な」
「はい?アニエスさんでも未完成なのに?」
「2刀使いの自身を恨め、才人」
「あはははは」
才人は乾いた笑いを返す
「音楽はほら、生徒達に頼めば良いし、此なら楽しく練習出来るだろ?」
アニエスが才人に向けて笑うが、どう見ても此からのシゴキの喜びに満ちている
「その顔は、地獄見せる直前の顔にしか見えないんだけど?」
「当たりだ才人、例の剣持って来い。稽古開始だ」
「…イエッサー」
後に、アニエスには近付くなと言われる様になる、修羅地獄の幕開けであった

*  *  *
472名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 00:00:15 ID:6397hIUk
とりあえず、支援。
473大人才人:2010/09/10(金) 00:08:04 ID:QetCUV7q
投下終了なのね〜
まだ分割なので続くのね〜きゅい
ちなみに副題は、アニエスが見た才人の一日なのね〜
ちょっとレス数見誤ったのね〜きゅいきゅい
では大人才人タクティクスなのね〜
今回はアニエスなのね〜
「私を指名か?まぁ良い。劇中にて、貴族が音楽をたしなむ描写が有るが、此は貴族は文化の保護者だったと言う例を取り入れた結果だな」
「貴族が、生活能力が低い芸術家達のパトロンになったりするのは、洋の東西を問わない。大人才人のハルケギニアでは、音楽教師として、各家が雇ってるみたいだな」
「ちなみに私が貴族としての一芸は、劇中で見せた舞踊、舞姫な訳だ」
「舞踊と武術にはリズム等で共通点が有り、音楽と武術は密接に関係してる。現代に於いても、ボクサー等は音楽を流して練習したり、武道家もやってたりする。そういう訳で、無理は無いだろう」
有難うなのね
では、またの更新を宜しくなのね〜
きゅい
474名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 00:09:30 ID:QetCUV7q
眠いから今日は此処までっす
では、またねん
ノシ
475名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 00:40:54 ID:tEDcr87A
>>474
超乙乙!!
476名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 14:57:56 ID:pQFQGrDe
乙ー
477名無しさん@ピンキー:2010/09/11(土) 17:21:31 ID:p3iE771v
>>473
GJ!
478大人才人:2010/09/12(日) 23:35:33 ID:u9HZtpGD
イルククゥでシルフィードなのね〜
大いなる意思は推敲してたら、本日投下分忘れる所だったのね〜
危ない危ない
注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・剣(つるぎ)の舞姫の続き
・10レス前後予定

反映次第投下開始なのね〜きゅいきゅい
479大人才人 剣(つるぎ)の舞姫3-1:2010/09/12(日) 23:38:35 ID:u9HZtpGD
アニエスが才人の稽古に本格的に着手を始めたのは更に二日後である。魔法剣が届かないので待ったのだ
此は、アンリエッタが先にやらせようと逸ったのを、その日に帰ったアニエスが、才人の言葉通りだと、諫めたからである
アカデミー担当のスタッフは、アニエスから言付けを預かる際、目に隈を残し、疲れた仕草で礼を言ったのを見て、言っておいて良かったと確信する
「全く、殿下も職員に気を回す様にして頂かないと」
「まだ、殿下は17だからの。其に自身の猶予が決まっていては、致し方あるまいよ」
アニエスに話かけたのはマザリーニ宰相
王不在のトリステイン王国を動かしてる宰相で、鳥の骨と言われるが、手腕には定評が有り、堅い執政を行っている
「結婚ですか」
「うむ、ゲルマニア皇帝と決まった」
「親子程も違う男ではないですか。巫女役は?」
「ヴァリエール嬢にと、殿下の仰せでね。此を渡して来て貰えないか?」
「これは?」
「始祖の祈祷書と水のルビーだ。巫女が使う物でね」
「解りました」
「所で殿下の命令した人間の使い魔は、アニエスから見てどうだね?」
「解りません」
「どういう意味だ?」
「私程度では推し量る事なぞ、とてもとても」
「具体的には?」
「私自身が、彼の会話の中身に、付いていけないんですよ。学院の教師ただ一人だけですね」
「アカデミー向けの人材か?」
「剣士としても、メイジ殺しと言われる、超一流になるでしょう」
「それはそれは」
「其に料理人としても一流と、学院の料理長が太鼓判を押してます」
「は?」
「メイドに聞いたら、裁縫の腕も一流だそうです。仕立て屋も開けると」
「何?」
「洗濯掃除やらせたら、メイド達も敵わないと、メイド達が溜め息ついてました」
「はぁ?」
「使い魔達からの支持も絶大で、彼を理由無く攻撃すると、全使い魔から報復されると聞きました」
「………何者なんだ?」
「だから、解らないと言いました」
「……確かに」
「ああ、それと気になったのが」
「何だ?」
「食事の前にこう手を合わせて、頂きますって言うんですよね。全く違う文化圏だってのが、其だけでも解りましたよ」
「ほぅ」
「まだまだ、出して無いモノが出てきそうです。それでは」
「ウム」
アニエスが去った後、マザリーニは顎を撫でながら、一人呟いた
「………現であって欲しいモノよ」

*  *  *

480大人才人 剣(つるぎ)の舞姫3-2:2010/09/12(日) 23:42:44 ID:u9HZtpGD
アニエスの剣の稽古は正に苛烈を極め、しかも所構わず授業中の教室迄と言う状況で、才人は学院全員に対し苦情が殺到するハメに陥った
だが、苦情を出した瞬間をアニエスが図った様に稽古を開始する為、苦情を言った者が巻き込まれるという事態が頻発し、稽古が始まると全員が剣劇が移動する迄退避する様になった
学院長は
「元気があって宜しい」
と、一切気にしない態度を一貫しており、逃げ出すしか手段が無いのである
剣が人にダメージを与えないにも関わらず、巻き込まれると悲惨な状況に陥るのは、組み打ちと回避手段の盾として、平然と使われる為である
「ちょ、待ってアニエスさん」
「待つ敵なぞ居るわけ無いだろ、才人!!」
「だぁ、その通りですがぁ!?」
「おわぁ、才人こっち来るなぁ!!」
「隙あり!!」
蹴りを放つアニエス
ボゴッ
「ぐぁっ!?」
「ふぅ、助かった」
「……マリコルヌ盾にしやがったぜ」
「…本当に何でも有りだな」
「よっしゃ、此方の番だ」
「まだまだ、そんなしょっぱい2刀で何とかなると思うな!!」
「でぇい!!」
「甘い!!」
ガン、剣同士激突
「隙あり!!」
回し蹴りを放つ才人に、横っ飛びで回避するアニエス
ぼぐっ
「あがっ」
「今度はレイナールだぜ」
「あの二人、何故か良く居るよな?」
「マリコルヌはあれな趣味だから解るとして、何でレイナール迄」
「実はあいつもなんじゃね?」
「かもなぁ」
避難しながらも、見る分には最高の見せ物なので、見物する生徒達である

「ちょっと、アニエス授業中でしょ?」
「敵はそんな事気にしないぞ、行くぞ才人!!」
「だぁ、マジ勘弁!?」
「お前が私を教室から追い出せ!!」
ギンガンギン
「どっせ〜い!!」
体当たりする才人
「ふん!!」
軽くかわしたアニエス突進した先には
「止まれ才人〜〜〜〜!!」
ドガッシャァ
「今度の被害者はギーシュかよ」
「早く、特訓終らんかね」
「………だが、そこもいい」
「何か言ったか?レイナール」
「嫌、何も」

放課後は舞姫の訓練で、才人達に協力してくれる生徒達が、楽器を用意して待つ
「あんな目に遇いながら、協力してくれるとはね。マジ感謝だよ」
「シュヴァリエは任務だから聞く耳持たないし、使い魔が世話になってるし、何より、早く終わって欲しいんだよ」
「「「全くだ」」」
生徒達が頷く
「あはははは」
才人は乾いた笑いを返すしかない
「指揮は誰がする?」
「僕がやるよ」
481大人才人 剣(つるぎ)の舞姫3-3:2010/09/12(日) 23:47:57 ID:u9HZtpGD
「それじゃ音合わせ〜、はい」
ジャ〜ン
「良しオッケー。才人、シュヴァリエ。此方は準備完了だ」
「手順は憶えたな?才人」
「はい」
「じゃあ、最初から最後迄流すぞ。ミスタグラモン、宜しく頼む」
「行くよ〜」
キュルケがピアノを弾き、ルイズ,ギムリ,レイナールが主旋律を奏で、マリコルヌが太鼓を叩き、タバサ,モンモランシーがバイオリンソロをデュオで奏でる
その旋律に乗って、才人とアニエスは踊り出す
一曲終わった後
「ふむ、何で始めたばかりで、そんなに馴染むんだ?」
「アニエスさんの手本を、まんま真似してるだけだけど?それに、今迄握って来た時の経験が、活きてる感じもするんだよなぁ。デルフどう思う?」
「相棒、経験は自身に返るからな。蓄積された経験は、使い魔でなくても成果は出るだろうよ」
「成程ね、デルフ。ってぇと、真剣で練習するのも、メニューに加えた方が良いのか?アニエスさん、どう思う?」
「真剣じゃ、私が圧倒されるからな。舞姫なら大丈夫じゃないか?」
「なる。それじゃ、真剣でやってみよう。ギーシュ」
「解った、皆大丈夫か?」
「…お茶」
「あたしもよ、ダーリン」
「悪い、お茶の時間だった。アニエスさん、休憩にしましょう」
「ふむ、そうだな。一服してからでも良いか」
「皆さん、準備出来てますよ〜」
「シエスタ、いつの間に」
「舞姫を見ながら出来るなんて、素敵な時間は中々無いですからね。喜んで給仕させて頂きます」
既にテーブルが運ばれ、シエスタ合わせてメイドが三人程、スタンバっていた
どうやら演奏中に、準備していたらしい
「それじゃ、お茶とお菓子で一服だ」
皆頷き席に着いた

本日のメニューを終えた後、才人は森に行く
常にまとまると、厳しいお仕置きが待っている為、時間をずらしたりしてるのだ
「二人共、先に来てたのか」
「あぁ、モンモランシーは薬や香水に詳しくてな、色々教えて貰ってた所だ」
「アニエスさんでも、匂い気になるんだ」
「ん、まあな」
「この馬鹿たれ」
モンモランシーは才人の頭を思い切り叩く
「あだ」
「あんたの側だからに決まってるじゃないの」
「痛ぅうううう。今何か言った?」
「何でも無いわよ、馬鹿」
「何か理不尽に感じるんだけど?」
「イイヤ、今のは相棒が悪りぃ」
「そりゃ、悪うござんした。二人共準備は?」
「ん、ちょっと待て」
アニエスは装備を全部外す
482大人才人 剣(つるぎ)の舞姫3-4:2010/09/12(日) 23:49:29 ID:u9HZtpGD
「えっと、何で丸腰に?」
「邪魔だからに決まってる」
「はぁ、ま、いっか。じゃあ、今日もいきますか。モンモン」
「良いわよ」
「デルフ」
「おぅ」
「アニエスさん」
「何時でも」
「行くぞ」
才人が消え、直ぐに現れると剣を立て、ぶっ倒れる
木の幹には無数の太刀筋が刻まれ、また一段細くなった
「才人、此方向け」
身体が動かない才人を振り向かせ、アニエスは口移しで薬を飲ませる
二度三度四度。四度目には、そのまま口に舌を侵入させ、胸を密着させる様に抱く
その状態で、モンモランシーは治癒を詠唱した
暫くするとアニエスの舌に舌が絡まり、更にアニエスの口腔内に舌が侵入する
するとアニエスは更にキツク抱き締め、暫く抱擁を楽しんだ
「ふぅ、何で貴様は巧いんだ?」
「知らんっちゅうに」
「………その、何だ。今日の私はどうだ?」
アニエスが何かそわそわしている
『ん〜、良く解らんが、何かに気付いて欲しいのか?ん、あれ?』
アニエスから香りがする。普段は汗そのままで、其処が逆に才人には好感だったのだが
『ん〜、確かに良い事は良い。多分モンモンの入れ知恵か?でも何時もの匂いのが良いな』
「もしかして、香水付けた?」
「あ、ああ、どうだ?」
『普段凛々しい所ばっかだから、此は非常に萌える』
「良いと思うよ。でも…」
「やはり、私には似合わないか」
落胆するアニエスに憤慨したモンモランシーは、才人に杖を向ける
「先走るな、落ち着け。モンモンも杖向けるな」
「……でも、何だ?」
「やっぱり、気付いて無いのか。アニエスさん、そのままでも充分に良い匂いだよ」
「……嘘つけ」
「本当だって。アニエスさんの匂いマジで好きだよ。香水付けると消えてしまう」
「私は汗臭いだろう?」
「アニエスさんの匂いは、魅力的なんだって」
「本当か?」
「本当だって」
「そうか」
アニエスは明るく微笑む
「…才人」
「どした、モンモン」
「…今の本当?」
「ああ」
「……そう」
明らかに青い顔をしている
『あ、しまった。モンモンは香水だった』
「ま、待て。モンモン」
「何を待つの?私の香水は、シュヴァリエの香りに負けてしまうもの」
「モンモランシー。才人はそんな事言って無いが」
「言ったも同然よ。私は水メイジ。二つ名は香水。匂いに惹かれるのは、牡の本能だと知っている。私よりシュヴァリエの方が、才人には魅力的なの」
「だ、だが」
483大人才人 剣(つるぎ)の舞姫3-5:2010/09/12(日) 23:52:58 ID:u9HZtpGD
「私はそばかすよ。胸も無いわ。其でも匂いやスタイルにはとても気をつけてた。才人に褒められて抱かれた時、私、凄い嬉しかった。才人の腕の中はね、一番安らぐの」
「でも、何?シュヴァリエは、私の努力を全部あっさり越えてしまったの。ふふふ、本当に笑えるわ」
「モンモン」
「慰めなんか要らないわよ!!私なんか、私なんか、うわぁぁぁあぁぁぁ」
泣き崩れるモンモランシー
才人はアニエスをほどき、モンモランシーを抱き締める
「いや、離して!!」
「駄目だ」
「何でよ?私なんか只の薬箱でしょ?」
「違う」
「どう違うのよ?」
「モンモンは、俺の子悪魔だ」
「…」
「俺は、ルイズにも言えない事をモンモンに託してる。モンモンが居なければ、俺は既に死んでいる」
「…」
「モンモンの役割は、モンモンにしか出来ない。水メイジなら誰でも良いと思うなら、俺は、学院のトライアングルメイジに頼んでる」
「…」
「俺には、モンモンが必要だ」
「…本当?」
「本当だ」
「……まだ、愛せない?」
「済まない」
「……いつか、言わせてみせるんだから」
「期待してるよ」
「・・・そろそろ良いか」
「あ、ごめんアニエスさん」
「いや、良い。モンモランシーの気持ちも、解らなくもない」
「あら、解るのかしら、アニエスさん」
「機嫌直ったみたいだな。ああ解るとも。私も悩んだ時期は有る」
「あら、意外ね」
「私にも、10代はあったのだぞ?」
「そう言われれば、そうね」
「それと、先程ので質問なんだが」
「あら、何かしら?」
「才人に抱かれたのは、どうだった?」
「キスで夢中になったなら、こっちは溺れてしまうわね」
「そんなにか?」
「えぇ、そうよ。もしかして、経験無いの?」
「ノーコメントだ」
「俺の腕の中で、そゆ事言いますか」
「ふん、あれ以降梨のつぶての癖に、何言ってるの?何なら、今此処で押し倒しなさい。私はあんた相手なら、四六時中大丈夫なんだから」
「何時もの調子が戻ったな」
「今日も無し?」
「この稽古、マジでキツイんだよ」
「アニエスさんの剣稽古じゃ、息一つ乱さないのに?」
「正直、もう私より体力有るだろう?其でもキツイのか」
「えぇ、そりゃもう」
「ええと、もう既に一般的な軍人の体力より上なんだけど。まだ足りないの?」
「みたいだな」
「先は長いわね」
「全くだ」

*  *  *
484大人才人:2010/09/12(日) 23:59:33 ID:u9HZtpGD
投下終了なのね〜きゅい
成程、5000文字で5レス程度なのね〜
今迄気付いて無かった大いなる意思は馬鹿なのね
では、大人才人タクティクスなのね
ん〜と、今回はギーシュにするのね
「全く、才人はまた女増やしたよ。いやまぁ、明らかに偶々だからしょうがないけどさ」
「才人の向かってだけ、シュヴァリエは笑うんだよ。もう端から見てバレバレだよね」
「どうも、レイナールが、シュヴァリエ来てから様子が変なんだよね。皆はどう思う?やっぱり、マリコルヌと同じ趣味なんかなぁ?」

有難うなのね〜
では次回も宜しくなのね〜きゅい
485名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 00:04:31 ID:zKv2W2My
あ、原作じゃルイズ寝るとき穿いてねぇ
ま、良いか。今更、全部ひっくり返すの大変だし
参ったなこりゃ
486名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 00:11:12 ID:PKvD8k9d
GJ
こまけぇこたぁ(ry
487名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 05:17:19 ID:HEz1Y0gS
>>484
GJ!
488名無しさん@ピンキー:2010/09/13(月) 20:50:52 ID:eFBFjMz3
>>484
GJ!!
正直、このサイトならハーレムエンドも許せる・・・というかアニエススキーにはたまらんな(@ ̄ρ ̄@)
これからも頑張ってくれ!応援してるぜ!
489名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 15:57:19 ID:AW8z7442
やっぱ「馬鹿犬」だよなノボノボッ!
490名無しさん@ピンキー:2010/09/16(木) 20:48:52 ID:2ypIHVn+
とりあえず、喪主っとく
491大人才人:2010/09/17(金) 05:31:58 ID:SQ+8nJiJ
イルククゥでシルフィードなのね〜
昨日投下する筈だったのに、睡魔に負けたしまったのね〜
では、注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・キャラ改変有り
・また長いので一話分割
・12レス前後
・30分以上切れたら要支援
・6:30以降は仕事の為、昼休みか仕事終了後に持ち越し

では反映後投下開始なのね〜きゅい
492大人才人 ラグドリアン湖の精霊:2010/09/17(金) 05:32:47 ID:SQ+8nJiJ
ラグドリアン湖の精霊
ルイズの一日は才人で始まる
余りに快眠の才人の添い寝は、しばしば早い時間にルイズの眼を覚ます
そういう時はルイズは身体を絡め、頬を擦りつけ、ひたすら使い魔の匂いと感触を楽しむのだ
最近の悩みは下着が毎日汚れる事であり、其を自身の使い魔が洗濯してる為、バレバレな事である
そして其が為に、ショーツの消費が激しく、遂に取っておきに手を出すハメになってしまった
其は、姉であるエレオノールとカトレアから、入学祝いに贈られた物であり、いわゆる大人の下着である
「ふん、ちびルイズには、まだまだこんなの似合わないでしょ。其に、使う相手も居ないよねぇ」
「…姉さま。今回で婚約解消何回目でしたっけ?」
「…余計な事言う口は、此かしら?」
「いふぁい、いふぁいれす。姉さま」
「あらあら。私からはこれねルイズ」
「…ちい姉さま。これ、紐なんですけど」
「あら、此は殿方に、この部分をほどいて貰う物よ。それに、姉様のスケスケより良いと思うわ」
「こんな恥ずかしいの、二人共贈らないで下さい!!」
「まぁ、取っておきなさい。もし、相手が出来た時、困るでしょ?」
「…姉さまは、何時もその前に帰って来るのは何ででしょう?」
「このちびルイズ。ちょっと、この口はお仕置きよね」
「いふぁい、いふぁい、いふぁい」
「まぁまぁ。ルイズ、私も姉様と同意見よ。貴女はヴァリエールなのよ。其にふさわしい気品を持つのよ」
「ちい姉さま。それと、この下着と何の関係が有るんですか?」
「あら、淑女のたしなみよ」
「そういう事よ、ちびルイズ。貴方にも婚約者居るでしょ?いざとなった時に、相手に幻滅させる気?」
「う゛ぅ〜〜〜〜」
ブラが贈り物に無かったのは、当然と言う所である
ちなみに母たるカリーヌからは、ベビードールやネグリジェが贈られている
そんな訳で、今の下着はカトレアが贈った紐パンを身に付けている
其を才人にやらせたのは、流石にやり過ぎと自身で思ったが、其でも才人の世話が無くなる方が、嫌でしょうがなかったのだ
「サイト、今夜の着替えは此ね」
「はいはい、……なぁルイズ」
「何よ」
「何で、今回はパンツ迄有るんだ?」
「履き方解らないからよ」
「…これ、紐パンだな」
「そうね、紐ね」
「何でこんなの迄持ってるんだ?」
「淑女のたしなみよ」
493大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-2:2010/09/17(金) 05:33:33 ID:SQ+8nJiJ
「……さいですか」
溜め息をついた才人が着替えさせ、ルイズはパンツを履き替えされる時、自身の女が濡れるのが解り、真っ赤になるも、そのまま着替えさせた
『もう、この手は魔性過ぎる。この馬鹿犬』
そのまま、才人をベッドに文字通り蹴り倒し、そのまま抱きついて問答無用で寝たのが昨晩である
『あ、今日は早く目が覚めちゃった。そういえば、昨日はサイトをKOしたまんま寝ちゃってた』
「今のあたしの事褒めさせる積もりだったのに、ルイズの馬鹿馬鹿馬鹿」
「む〜、何とか起こすか其とも……あれ?」
膝に才人の股間が当たり、才人自身が硬くなっている
「こここ此ってもしかして、おおお男の人の興奮状態よね?ももももしかして、寝ててもあたしの魅力に、メロメロなのね」
「モンモランシーも、一晩一緒に居た位で何よ。ああああたしは毎日なんだから」
「ああああたしの魅力で、サイトはこんなになってるの。エヘヘへへ、サイト〜」
おっかなびっくりで、才人に触れようとするが、ピタリと止まる
「そういえばあたし、アルビオンでサイトのモノにしてって言っちゃったよね?」
「ああああれは非常時よ、あああれで終わりだと思ったから言ったのよ」
「でもあの時、凄く欲しかった。ででででも、サイトは平民よ、使い魔よ。落ち着きなさい、ルイズ」
「でも今の状態は、ちい姉さまに貰った、そそその、勝負用よね?」
「ああああたし、サイトに勝負用を褒めて欲しかったのよね?それってもう、あたしがその………だよね?」
「そそそそんな訳無いの。サイトは使い魔なの。だから、こんな事しても平気なの」
才人に股がり、才人自身に自身の女を擦り付ける
「あっ、はぁ、ん、サイト〜〜」
「何だ、ルイズ?」
ビクン!?
「ひっ!?」
声をかけられた瞬間に達してしまう
「っ〜〜〜〜!!」
「おはよう、ルイズ」
「……」
「質問なんだが」
「ん、ふぅ、な、何よ?」
「人の上で何してるんだ?」
「なななな何でも良いでしょ。ああああんたこそ、盛りまくってるじゃないの馬鹿犬」
「何処がだ?」
「え?」
いつの間にか萎んでる
「嘘、さっき迄」
「知らないのか。男は睡眠中に勝手に勃つんだよ。生理現象だ」
「え、じゃあ……あたしの魅力で」
「KOされたのに、魅力も何も無いだろ」
「…ば」
「ば?」
「馬鹿犬〜〜〜!!」
ドゴッ!!
「おぐっ!!」
「ふん!!トイレ」
パタン
494大人才人 ラグドリアンの精霊1-3:2010/09/17(金) 05:38:10 ID:SQ+8nJiJ
「くぅぅぅ、切ない所に膝は無いだろ。俺、何かしたか?デルフ」
「……何もしてねぇな、相棒。ってか、何時から起きてた?」
「あんだけデかい独り言じゃあな」
「で、魅力的だったか?」
「大いに」
「嬢ちゃんに言ってやれや」
「傷モノにする訳にはイカンよ」
「責任取れないからか」
「そんな所だ」
「男は辛いねぇ」
カタカタとデルフは笑い続けた

*  *  *
今日はアニエスが銃士隊の所用で来れないらしく、以前の平穏な雰囲気が流れている
「ふぅ、最近洗濯物多いな、暑くなってきたせいか?ありゃ、もうあのパンツ迄出してやがる。穿くもんあんのかアイツ?」
「才人さん、おはようございます」
「おはよう、シエスタ」
「お使いに出てから、ミスヴァリエールの洗濯物、増えましたよね。特に下着ばかり」
「何でだろうね〜?」
「…解って言ってませんか?」
「さぁ?」
「全くもう。……あの、その下着、何ですか?」
「ルイズのパンツ」
「……紐ですよね?」
「淑女のたしなみとか言ってたぞ」
「えっと、ミスツェルプストーの洗濯物以外で、見るのは初めてなんですが?」
「ヴァリエールって、家名だからかね?」
「大貴族は下着迄、気を使うんですね」
「穿きたいの?」
「私、貴族が穿く様な下着、持って無いんです。凄い高いんですよ」
「成程ねぇ」
「才人さん、動じてませんけど、慣れてるんですか?」
「俺は下着じゃなくて、女のコが好きだからね」
「すけべ」
「仰る通りでございます」
才人とシエスタは笑いあった

今日の洗濯は、シエスタが手伝ってくれたせいで早く終わり、比較的早い時間に教室に来ると、ルイズが真っ赤な顔で鎮座している
「お、今日は早いな才人」
「シエスタが手伝ってくれたんだよ、ギーシュ」
「才人、今日はアニエスさんは?」
「レイナール、銃士隊の所用だと」
「そうか」
「今日は君がボコボコになる様を見られないだなんて、非常に残念だ」
「言い方にトゲが有るだろ、マリコルヌ」
「ふっふっふっ。貴様の様なモテモテは、さっさと滅ぶが良い!!」
「いきなり杖向けんなコラ。やる気か?」
「今なら僕、ライトニングクラウドでも放てそうだ」
実際に魔力が帯電し、周囲にバチバチと音を放つ
「喰らえ!!非モテの天敵!!」
ドゴッ
「アガッ」
才人の蹴りがマリコルヌの腹に炸裂する
495大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-4:2010/09/17(金) 05:39:27 ID:SQ+8nJiJ
「……マリコルヌ、天敵ってのはな、絶対勝てない相手を指す言葉だぞ?」
ギムリが言う
「自分で負けフラグ立てるとか。何て言うか、馬鹿だなぁ」
ギーシュが宣い、男達が頷いた
「ったく、やれやれだ。ルイズ」
「な、何よ?」
「ちょっと耳貸して」
「何?」
「確か替え全滅だったよな?穿いてる?」
更に紅くなるルイズ
「穿いてるわよ」
耳打ちで返す
「あったっけ?」
「有るの。取っておき」
「まさか、また紐?」
「違う。………スケスケ」
「……何つうか、ルイズもムッツリだな」
「ち、違うわよ。あれは姉さま達からの贈り物で」
「貴族は贈り物で勝負下着なのか。結構スケベなんだねぇ」
此処まで耳打ち同士で返し、才人がニヤリとすると、パチンと軽く平手が入る
「ああああたしだって、好きでこんなの穿いてない」
「解った悪かった。それ以上声デかいと、バレるぞ」
「う、うん。才人」
「何?」
「誰にも言っちゃ駄目」
「メイドにはバレるけど?」
「そそそそれは良いの」
「了解です、マイロード」
マイロードと言われた途端に、相好を崩しふにゃあとなり、才人の腕を取る
「ききき今日は、なるべくご主人様の側に居なさい」
「解りました、マイロード」
「宜しい。此処に着きなさい」
才人がルイズの隣に席に付き、そのまま腕を取っている
「……本当に、才人が居る居ないで態度が豹変するわよね」
「そうなのか?モンモン」
「えぇ、そりゃもう」
周りに居た生徒達が頷く
「才人が来てからの百面相は、すっかり名物だな」
「見てて面白いもんな」
「ああああんた達、見世物じゃないわよ」
「「「「どう見ても見世物だ」」」」
声を完全にだぶらせて言われ、ルイズは真っ赤になり黙ってしまう
才人は笑い、ルイズの頭をくしゃりと撫でた

*  *  *
放課後、モンモランシーは直ぐに部屋に戻り、薬を調合している
「フンフンフ〜ン、良し出来た。この前の報酬で奮発した甲斐あったわ。此で、あの馬鹿に愛を囁かせてみせるわよ〜。待ってなさい」
「後はアニエスさん用の香水の調合もしないとね。あの馬鹿に気に入る香水にしないと。只でさえ回復薬でカツカツなのに、授業料支払い迄には稼がないと」
コンコン
「モンモランシー、入れて」
「あれ?ルイズじゃない」
ロックを掛けてた扉にアンロックをし、ルイズを招き入れる
「どうしたのよ?今日は、才人に一緒に居ろって言ってたじゃない」
496大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-5:2010/09/17(金) 05:44:19 ID:SQ+8nJiJ
「うん、その事で」
「一体どうしたのよ?言っておくけど、あんたはあたしの恋敵よ?」
「それでも、モンモランシーにしか相談出来ないのよ」
「全く、で、なんの話?」
「あの、男の人って、寝てると勝手に大きくなるの?」
「なるわよ。本人の意思と関係無いわね」
「……そうなんだ」
「勘違いして、遊び半分で、迫ってみたりとかした訳?」
「うっ」
「才人は大人よ。きちんと、覚悟しないなら止めなさい。そんなんじゃ、振り向いてくれないわよ」
「で、でもサイトはあたしの使い魔で」
「だから、それが何?貴女は、サイトの全てを受け入れられるの?」
「…使い魔の全ては、主人のあたしのモノで」
「アルビオンに行った時に、気付かなかった事には気付いたの?才人が結婚してて、子供が居たらどうするの?あんた、その時に奥さんと子供になんて言うの?」
「い、言わないで。お願い、それ以上言わないでぇ。あたし、サイトが居ないと。ふえぇぇぇ」
とうとう、ルイズは泣き出す
「気付いてた?」
ルイズは頷く
「謝った?」
ルイズは首を振る
「サイトを帰せる?」
「……イヤ。帰せる方法が有っても、イヤ」
「あんた、自分がどれだけ我が侭言ってるか、自覚有るの?才人は笑って付き合ってるけど、甘えてばかりいるじゃない」
「…そういうモンモランシーはどうなの?」
「私は才人に居て欲しい。その為にはなんだってする。何だって受け入れる。浮気しようが何しようが、才人が私の側に居てくれれば良い。でも、あんたを守ってあっけなく死んだら、私はあんたを殺めるわ」
「…才人は強いもの」
「そうやって、あんたを安心させる為に、どれだけ努力してるか知らないから、そういう事が言えるのよ」
「才人の隠し事、知ってるの?」
「全部じゃないけど、あんたよりはね」
「何で?」
「其も此も全部あんたの為だからよ。正直あんたの立場に嫉妬するわ。それでふざけ半分で迫るなら、止めてくれない?」
「教えて」
「嫌よ。才人が怒るもの」
「あたしじゃ、役者不足なの?」
「そう思うなら、成長しなさい。才人の言う通り、魔法以外に道は有るわ。私は才人の考えが好き。才人がこのまま出世すれば、多分上手く行く」
「でも、あんたを守って死んだら、それ全部が終わり。あんたを馬鹿にしてた、連中による世界のまんまよ?あんたはそんな世の中に耐えられるの?魔法が全ての世の中よ?」
497大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-6:2010/09/17(金) 05:45:47 ID:SQ+8nJiJ
「イヤ、もうイヤ。サイトが来る前の状態は、絶対イヤ」
「なら、主人じゃなくて、一人の女として考えなさい」
「どうすれば良い?」
「才人はなんか言った?」
「自身の答えに自信を持て、俺は其を手助けするだけだ」
「……本当にアイツってば。誰よりも教師に向いてるじゃない」
「何て言ってるか意味解る?」
「あんた、解らないの?」
「解るけど、自分に自信を持てないから……」
「なら、心往く迄悩みなさい。才人は待ってくれるわよ。あんたの言う通り、ハルケギニア最高の使い魔だわ」
「エヘヘ、サイトは凄いの」
「そうね、凄いわね。だから、手加減しないわよ」
「う゛ぅ〜〜〜手加減して」
「イ ヤ よ」
モンモランシーはクスクス笑い、つられてルイズも笑う
「ふぅ、喉乾いちゃった。これ、貰うね」
「え、あ、ちょっと。それ駄目。あ゛〜〜〜〜!?」
ルイズは容器に入ってた液体を、一気に飲み干す
「ヒック」
「ちょっと、此方見ないでよ?」
コンコン
「お〜い、モンモン居るかぁ?ルイズが此方来たって、聞いたんだけど?」
ガチャ
「おっ、開いてた。お、居た居た。そだモンモン、薬代も払うけど、どれ位有れば良い?」
「サイト?サイト〜〜〜」
才人にルイズが走り抱きつく
「ん〜?どうした、ルイズ?一緒に居ろって言ってたのに、一人で動くなよ」
498大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-7:2010/09/17(金) 05:52:52 ID:SQ+8nJiJ
「サイト、サイト、サイト」
「何だ何だ?何時もより甘えん坊だな。モンモン、ルイズどしたん?」
「えっと、そのう、惚れ薬、飲んじゃった」
「……あ〜、ちょっと待て。確か水使いは、精神操作がある程度出来るってのは知ってるが、惚れ薬ってやって良いのか?」
「……禁制品」
「だろうな。で、その禁制品が、何でこんな所に?」
「私が調合したから」
「成程。で、使用用途は?」
「あんたに飲ませる積もりだった」
「それでモンモンに惚れさせると。で、薬で手に入れて嬉しいか?」
「…嬉しくない。其でも欲しかった」
「ふぅ、解った。此方来な」
「うん」
モンモランシーが近付くと
ピシッ
「痛っ」
「此でお仕置きな」
でこぴんを一発放って、才人は言う
「ごめんなさい」
「詳しい効果教えてくれ」
ルイズは才人を抱き締め、頬擦りしている
「惚れ薬を飲んだ後、最初に見た人に惚れる」
「ふむふむ、効果時間は?」
「2〜3ヶ月」
「は?マジ?」
「うん」
「なんちゅう、危ないもん作ってんだ。解毒出来るのか?」
「出来るけど、材料が無い。ルイズが全部飲んじゃった」
「何が必要?」
「精霊の涙」
「それって、直ぐに手に入る?」
「無理。この前市場で見掛けて奮発して買った奴。滅多に市場に出回らない」
「何処に行けば手に入るんだ?」
「ラグドリアン湖」
「相棒やべぇ!!今直ぐ俺を抜け!!」
「何だデルフ?え?」
見るとルイズが才人の腰から村雨を抜き、微笑んで居る
「サイト、大好き。だからね、サイトをあたしのモノにするの。今からサイトの首を跳ねてあたしが抱き締めてね、たっぷり口付けしましょ♪」
「だぁぁぁ、サロメかよ!?」
才人は慌ててデルフを抜き下がるが、ルイズが跳躍し、一気に詰める
「ちょっと待て、何で速いんだ?」
ギィン!!
「相棒、嬢ちゃんが魔法使ってやがる。オマケに相棒の心が冷えてらぁ」
「震えてねぇからか。こりゃマズイ。モンモン、タバサとキュルケを呼んで来てくれ。俺でも抑えられん!!」
ギィンギィンギィン
刃が重なり、剣劇が続く
「ちょっと、何が起こってるの?」
「香水の嬢ちゃん、急げ。嬢ちゃんが、村雨の呪いに囚われちまった。村雨は呪われてんだ!!」
「呪いだなんて初耳よ!!」
モンモランシーは才人と逆に走りだす
「デルフ、広い所に出るぞ。廊下はお前には不利だ」
「おぅ。窓から飛び出せ。此処は2階だから、大丈夫だろ」
499大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-8:2010/09/17(金) 05:54:08 ID:SQ+8nJiJ
「ったく。何でこうトラブルばっか」
ガシャン
窓を壊しそのまま飛び出し、着地する
「サイト〜、待って〜、早く首をあたしのモノにさせて〜」
ガシャン
ルイズは着地する瞬間に失敗魔法を爆発させ、着地の衝撃を緩和し、着地する
「何であんな使い方出来るんだ?」
「あの使い方は、相棒みたいだな」
「この短時間で、魔法の規模の制御迄こなせる様になったのか?」
ボン!!
「なっ!?」
ギィン
「今のは、爆発を利用して加速したって?」
「間違いねぇ。ありゃ相棒だ。相棒の経験と使い方そのままだ。あんな無茶苦茶な使い方するのは、相棒以外ねぇ」
「いきなり、ルイズに使えるのかよ?」
ギィンギィンギィン
「でぇ、刃筋も通ってるし、この動きは舞姫じゃねぇか!?」
「村雨だ、村雨が相棒に使われた経験活かして、嬢ちゃんを動かしてらぁ」
「なんつう呪いだ?それじゃ、彼処に居るのは?」
ギィンキンキンキン
「おぅ、もう一人のガンダールヴだ」
「だぁぁぁぁ。デルフ、俺の心は震えてるか?」
「全然駄目だ。冷えきってらぁ。むしろ、通常より良くねぇ」
「やっぱり、ルイズ相手じゃ無理かぁ!!糞ったれ!!」
「サイト、大好き。だからね、大人しく二人っきりになろ?他の女になんか渡さないんだから。首だけなら大丈夫だよね?だからねだからね、大好きなサイトは首だけになるのが良いの」
「何とか抑えられねぇか、せめて魔法吸い込め、デルフ」
ギィン
「無理だ、嬢ちゃん攻撃に一切使ってこねぇ。俺っちに向けないから、吸い込めねぇ」
「大ピンチだな、おい」
ふわり
「…才人」
才人の隣にタバサが降り立つ
「タバサか、助かった。ルイズの手から村雨を叩き落とす。手伝ってくれ」
「…解った。折っちゃ駄目?」
「駄目。あの業物を越える武器はそうない」
「…かなり大変、あのルイズ、強い」
「頼む」
「タバサ、邪魔するの?そしたらタバサも首だけにしてあげるね」
「ラグース・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」
タバサがウィンディアイシクルを唱え、ルイズに放つ、ルイズは霧を撒き散らしながら、其を斬り払った
「マジかよ」
「…正に相棒だな」
すかさずタバサはアイスストームを放つ
ゴォッ
「此で足留めか?」
ボン
「相棒、かばえ!!」
ギィン
タバサの前に身体を投げ出し、デルフで受ける
「アイスストームを突破した?」
500大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-9:2010/09/17(金) 06:00:50 ID:SQ+8nJiJ
「…手加減はしたけど、あり得ない」
すかさずタバサはブレイドを展開、近接戦に切り替える
「糞ったれ、本当に厄介だ。行くぞタバサ」
「ん」
左右に別れ、同時に飛び込む
ルイズはバックステップした後、タバサに狙いを定め、爆発を利用し、一気に詰める
「受けるな!!避けろ!!」
デルフの叫びを聞き、タバサは杖で受けず、かわす
斬撃に迄爆発を乗せ、背後に合った木が綺麗に半ば迄両断され、其の判断が正しかった事を物語る
「…受けたら、ブレイド事断ち斬られた」
近接戦が得意でない事を差し引いても、タバサは自身の手に余る事を痛感する
「…才人、私では殺すしか止められない」
「私でもそうね」
キュルケが到着し、才人に話かける
「キュルケ、ギャラリーを近付けるな!!」
「はいはい、炎の民よ踊れって所かしら?」
キュルケがギャラリーを近付けない様に、炎で円陣を形作る
「俺が正面に出る、タバサ、援護」
コクリと頷くタバサ
才人がルイズの正面に立ち村雨を落とすべく、剣劇を再開する
ギィンキィンキィン
「あははは、サイトたっのしいねぇ。首だけになれば、もっと楽しいよ〜」
「ルイズ、落ち着け。村雨から手を放せ」
「なんでぇ?サイトの首落とせなくなるもん」
「イル・ウォータル・スレイプ・クラウディ」
「くっ、眠い」
ガクリと膝を付く才人
「相棒耐えろ、今吸い込む」
タバサがスリープクラウドを唱え、ルイズ事眠らせようとする
掛け値無しの全開
此で駄目なら、タバサに打つ手は無い
「ウル・カーノ」
ボン!!
ルイズが失敗魔法を唱え、スリープクラウドが飛び散る
「…散らされた」
「相棒、眼を覚ませ。嬢ちゃんが正気になった時に、生首と対面させる気か?」
「サイト、やっと落とせるねぇ」
村雨を大上段に構え、ルイズは膝を付いた才人に、一気に振り下ろす
ギィン
一際高い音が鳴り、才人はデルフで受け流し、すっくと立ち上がる
「相棒、相棒」
「う、あ?何だ?」
「相棒、前」
「え?おわっ!?」
ギィン
「腕力の差をきっちり自覚して、鍔競り合いに持ち込んでこねぇ。マジで厄介だな、相棒」
「今、俺どれくらい意識飛んでた?」
「んなこたぁ、後だ後。とにかく今は、嬢ちゃん止めろ」
「お、おぅ」
キィンキィンギィン
「くっそ、独楽みたいに回りやがって。せめて突いてくれれば、叩き落とせるんだが」
「魔法付きの舞姫があれだけ厄介たぁな。相棒イケるか?」
501大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-10:2010/09/17(金) 06:02:15 ID:SQ+8nJiJ
「イケるならさっさとやってるわ」
「ちげぇねぇ。スタミナ切れ狙うぞ」
「それしかねぇか。根比べだ、デルフ」
「おぅ」
「タバサ、イケるか?」
「…駄目、スリープクラウドで魔力使いきった」
「下がってろ、巻き込まれたらヤバい」
「…ん」
タバサは素直に下がり、キュルケの側で推移を見守る
「呪いとは言え、ルイズ凄いわね」
「…あれが才人の成果。刀に才人の経験が乗ってる」
「本当に才人が居ると、失敗すら活用しちゃうのね」
「モンモランシー、やっと来たの?」
「散々走り回されたんだから」
「ご苦労様」

「おい、何かルイズと才人が剣の稽古やってるぜ」
「ルイズ、とうとう剣士に転職か?」
「さっき迄、タバサと才人二人がかりで、抑え込めなかったぞ」
「マジかよ、ルイズの失敗魔法でどうやって?」
「それがスゲーのなんの。もう二度とゼロと呼ばねぇ方が良い。あんなん、命幾つ有っても足らんわ」
たまたま、通りがかったギーシュは立ち止まる
「才人とルイズが稽古?ちょっと君達、それ何処だい?」
「あぁ、女子寮の前だよ」
「有難う」
ギーシュは駆け出した
ギーシュが立ち寄ると、炎が阻んでいる
こんな事する才人に近い炎使いは二人、コルベール先生かキュルケだろう
姿を探すと、キュルケがあっさり見付かり駆け寄る
「キュルケ、一体何があったんだ?」
「どうもこうも、才人が持ってる刀っての?アレに呪いが掛ってて、ルイズが其に囚われちゃったのよ」
「どうすれば解けるんだい?」
「…ルイズが刀を手放す事」
「才人なら出来るだろう?」
「まぁ、見てみなさい。洒落になんないから」
「あぁ」
キィンギィンキィン
「……何で、才人と互角なんだ?」
「呪いだからよ。さっき迄、ダーリンとタバサの二人がかりで、抑え込めなかったわ」
「本当かい?」
「…魔力切れた」
「其程か。……ねぇ、ルイズを足留め出来れば良いんだよね?」
「そうね、出来るならしてるわよね」
「良し解った。才人、ルイズと距離を取ってくれ」
「解った!!」
ジャッ
才人がルイズと距離を取り、ルイズが詰めるべく爆発を使い、突進する
ビタン!!
「きゃん!!」
ルイズが突進中に前のめりで地面に激突する
見ると、足に土で出来た手が掴んでる
カラン
衝撃で村雨が手から離れた
才人が近寄り、村雨を鞘にしまう
「ふう〜〜〜、助かった」
「やるじゃねぇか、色っぺい兄ちゃん」
502大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-11:2010/09/17(金) 06:08:21 ID:SQ+8nJiJ
「僕だってたまにはね。アースハンド成功だ」
「本当にやるじゃない、ギーシュ」
「ハッハッハ、褒めてくれたまえ」
「…才人の1/100位」
「……其処で落としますか」
ガクリとギーシュは傾く
「ルイズ、大丈夫か?」
むくりと起き上がったルイズは、鼻血を出しながら泣き出す
「痛い、サイト〜。ふえぇぇぇぇぇ」
「あぁ、もう。モンモン、頼む」
「はいはい。ルイズちょっと来なさい」
「イヤ。サイトの側じゃないとイヤ」
「はぁ、少し待ってよ」
モンモランシーは駆け寄り、ルイズに治癒をかける
「ルイズ、痛みはひいたか?」
「うん、サイト大好き」
ルイズは抱きつく
「何、あれ?とうとう吹っ切れたの?」
「…腕、落とせば良かった」
「タバサ、怖い発言は止めなさい。私でも引くわ」
「イヤ、全く」
「ルイズ、良く聞いて」
「なぁに、サイト?」
「何で刀に触ったんだい?触っちゃ駄目って言ったろう?」
「サイトのお手伝いしたかったの」
「そっか、でも此からは、この刀には触っちゃ駄目だよ?解った?」
「サイトのお手伝いしたいの」
「此はね、難しい武器だから、触ると大変な事になるんだ。だから触っちゃ駄目。じゃないと嫌いになるぞ」
「嫌いになっちゃヤダ」
「じゃ、守るかい?」
「うん」
「良い子だ」
「エヘヘ〜…………すぅ」
「ありゃ、寝ちまった」
「あんだけ派手に動けばなぁ、どうする?相棒」
「どうするも何も、対策練らんと」
「私の部屋に来て、皆に知られると困るわ」
「あぁ、そうだな。じゃ、モンモンの部屋で」
才人は眠ったルイズを背負った

モンモランシーの部屋に皆で集まる
才人は、ルイズをベッドに寝かせた
「一体どうしたのよ?」
「先ず説明しなきゃならないのは、この村雨には呪いが掛ってて、俺以外が持つと、さっきのルイズみたいになるんだわ」
「それで、誰かが触らない様に、何時も帯剣してたのね。納得」
「才人、ルイズが魔法使ってたのは何でだい?」
「村雨は杖にもなるんだよ。しかも、契約や相性無視」
「うっわ、最悪ね、それ」
「だから、皆も触らないでくれ」
コクリと全員頷く
タバサが眼で問う
「タバサが何でそんな物騒なの持ってるの?だって」
「フーケの時の学院の報酬で、これ越える業物が無かったのさ。鈍掴まされると、フーケの時みたいに苦労するからね」
「剣士も大変だな、才人」
「いや、全く」
「あ、ルイズ起きたの?」
503大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-12:2010/09/17(金) 06:09:54 ID:SQ+8nJiJ
モンモランシーがルイズに話かけるが、ルイズは其を無視し、才人に飛び込む
「サイト、何で他の女ばかり見るの?私だけ見なきゃ駄目なの。サイトは私のなの」
ピシッ
空気が完全に凍てつく
「ちょっと、ヴァリエール。あんた空気読みなさい」
「…」
タバサから冷気が噴出する
「タバサ、魔力切れてたんじゃないのかい?」
ギーシュが冷や汗足らしながら、タバサに聞く
「…今なら大丈夫」
「サイト、早く部屋に戻って二人きりになろ?」
ピシピシッ
冷気が更に辺りを漂う
「あ〜才人。ルイズを離さないと大変な事に」
「其がなぁ」
「ダーリンも読まないのかしら?」
「否定はせんが、今回は、ちと違うんだわ」
「どういう事だい?」
「実はね、ルイズが惚れ薬飲んじゃったのよ」
「惚れ薬って禁制品じゃない。何でそんなのが有るのよ?」
タバサがモンモランシーに杖を向ける
「…卑怯」
「反省してるわよ」
「えっと、どういう事だい?」
「あぁ、成程ねぇ」
キュルケがニヤニヤしだす
「で、どうするの?」
「解毒薬作るのに、必要な材料が無いんだと」
「それって、何だい?」
「精霊の涙よ」
「どうやって手に入れるのよ、それ」
「今回はたまたま市場に出てた奴を買ったのよ。解毒薬を作る前に、ルイズが全部飲んじゃったのよ」
「じゃあ、また出る迄待つの?」
「危ないから賛成出来んな。今のルイズは判断力が非常に低い。また村雨抜かれたら、堪らんわ」
「確かに、あれが毎回じゃ、こちらも大変よね」
「駄目で元々だけど、ラグドリアン湖に行くしかないわね」
「其って何処に有るんだ?」
「ガリアとの国境に跨ってあるの。凄く綺麗な湖よ」
「じゃ、決定だ。行くのは俺とルイズとモンモンと」
「あ、私達はパスね」
「用事かい?キュルケ」
「えぇ、タバサが久し振りに里帰りするのに、付いて行くの」
「授業は?」
「もう休みを申請しちゃったわ」
「それじゃ、仕方ないな。居てくれたら助かったんだけど」
「報酬として、ダーリンが一晩付き合ってくれるなら考えるわ」
「…名案」
「今回は、努めてご遠慮させて頂きます」
「何よ、こんな美女に誘われて嬉しくないの?」
「嬉しいけど、遠慮する」
「もう、イケズ。準備有るから、私達は部屋に戻るわよ。そのまま出発するわ」
「解った。気をつけてな」
「えぇ、行くわよタバサ」
タバサは、ルイズが抱きついたままの才人に抱きつく
504大人才人 ラグドリアン湖の精霊1-13:2010/09/17(金) 06:11:23 ID:SQ+8nJiJ
「どした、タバサ?」
「…負けない」
「何にかな?」
才人はタバサの頭を撫でる
「全部」
「そうか。俺に出来る事があったら言ってくれ」
コクリと頷き、タバサとキュルケは部屋を出た
「さてと、ギーシュはどうする?」
「一緒に行くよ。ルイズが危ない行動したら、捕縛出来る人が必要だろう?」
「助かるよ」
「出発は、明日の虚無の曜日にしましょう」
「馬か馬車だな。学院の馬使えるかね?」
「才人、乗れるの?」
「鉄の馬なら乗れるんだけどね」
「そんな馬が居るのかい?」
「俺の国にはね」
「乗り方違うんだ?」
「大分違う。ルイズに乗馬付き合ったけど、下手くそだぞ」
「其でも良いか。休みと使用許可申請してくる」
ギーシュも部屋を出た
「才人、ごめんなさい」
才人はモンモランシーを撫でながら言う
「もう、言ったろ?だから、今度は解決する道を探ろうぜ」
「うん」
「サイト、話終わった?部屋に戻ろ?」
「あ〜解った解った。モンモン、今日は此で」
「解ったわ」
パタン

「…ふぅ。あれなら、私が飲んだ方が良かったわ」

*  *  *
505大人才人:2010/09/17(金) 06:20:53 ID:SQ+8nJiJ
投下終了なのね〜きゅい
では、大人才人タクティクスなのね〜
今回はキュルケなのね
「あっはっはっは。まさかモンモランシーが、あんな直接的な手段に出るとは思わなかったわ」
「いやぁ、本当に楽しいわ。ヴァリエールの伴侶が寝取られるのを見るのは、ツェルプストーの義務だからして、其を現在進行系で見れるのは最高ね」
「全く、ダーリンが私になびけば全部終らせるのに。ダーリンったらもう」
「でも、ミスタコルベールの炎も魅力なのよねぇ。勉強会で見た時、びっくりしちゃったわ。私でも、彼処迄制御無理だもの。しかも、他の系統も結構使えるのよね」
「やっぱり研究やってると、色々出来ないと駄目なのね。感心しちゃったわ」

有難うなのね〜
では今度の更新迄、しばしのお別れなのね〜
きゅいきゅい
506名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 12:50:51 ID:z2rgEOL8
>>505
超乙!!
507名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 17:06:45 ID:kP4fYlc1
>>505
ウルトラ乙!
508名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 08:28:22 ID:lXXoi7SM
今445KBか、次の投下次第で一杯だなぁ
今回ので40KB位使ったし
ちょっと投下量計算して来る
509名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 20:31:31 ID:DZuDzZzz
>>507
一瞬スレ間違えたかと思ったじゃねえかwww
510名無しさん@ピンキー:2010/09/19(日) 22:45:24 ID:ZcPXrM3i
age
511大人才人:2010/09/19(日) 23:48:36 ID:rc/mIcXB
イルククゥでシルフィードなのね〜きゅい
ちょっと遅くなったけど、今から投下開始するのね〜
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・他キャラも改変有り
・ラグドリアン湖の精霊の続き
・ルイズの攻撃?
・10レス前後予定。残り容量と相談有り
・30分以上投下無かった場合、多分寝落ち

では反映次第、投下開始なのね〜きゅいきゅい
512大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-1:2010/09/19(日) 23:51:12 ID:rc/mIcXB
「サイト、サイト〜」
「あぁ、もう、歩いてるのにじゃれつくな」
「だってだって、サイトが居るからイケナイの」
「じゃ、今日はどっかに泊まるわ」
「絶対駄目。サイトは、あたしの側に居なきゃ駄目なの」
「はぁ、解ったよ。ルイズ」
ガチャ
「ふう、着いた」
「サ イ ト」
「おわっ!?」
ドサッ
ルイズが才人に飛び付き、ベッドに倒される
「えっへっへ、二人っきりだね、サイト」
「ちょっと待て、落ち着け。村雨もデルフも持ちっぱなしだ」
「じゃあ、あたしが立掛けてアゲル」
「待て〜!!触るなぁ!!自分でやるから大丈夫」
才人が慌てて、二振りを立掛ける
「此で良いよねぇ。サイト、可愛いご主人様と二人っきりだよ。この前の続き……しよ?」
ルイズがベッドでスカートを捲り上げ、スケスケの下着を才人に見せ付ける
既にショーツは濡れており、太ももに少し垂れていた
その恥毛が無い無垢な三角地帯は、才人に生唾を飲み込ませるに、充分な破壊力を持っている
「昨日も思ったけど、ルイズって、生えてないんだな」
「ん〜?姉さまも、ちい姉さまも、お母様も生えてないよ〜」
「へ、家系?」
「んとね、貴族の淑女はね、そういう処理に時間をかけない為にね、初潮前に水魔法でね、首から下の体毛を生えなくしちゃうの。あたしも小さい頃はね、体毛あったの」
『そう言えば、モンモンもつるつるだったな。それでシエスタには、きちんと生えてたのか』
「その魔法って、ずっと効果有るの?」
「んっと、おっきな怪我とかしなきゃ、一回やっただけで、生えなくなるんだって」
「魔法版永久脱毛か」
「サイトは毛の有る女のコのが好き?」
「そんな事はない。ルイズのスベスベ肌は好きだよ」
「エヘヘ〜。サイト、これ、姉さまに貰った下着なの。サイトはこういうのは好き?」
いつの間にかスカートを脱いでる
「とっても大好きです」
「じゃあ、良いよね。サイト、この前の続き……しよ?」
「デルフ」
「あいよ」
「何か知恵無いか?」
「やっちまえば良いんじゃね?」
「お前なぁ」
「俺っちは、相棒がしがらみだらけになる方が面白いんでな」
「……お前に聞いた俺が馬鹿だった」
「もうサイト〜、ボロ剣よりあたしを見て」
見ると、ブラウスのボタンを全て外している
そのまま、才人にゆっくり近付いて来る
513大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-2:2010/09/19(日) 23:52:07 ID:rc/mIcXB
『マズイ、マズイ、マズイ、此の破壊力は、俺の理性を壊すのに充分すぐる』
才人はベッドの上で後ずさるが、上端に掛かり、ルイズがゆっくり上に乗る
「サイト、我慢しなくて良いんだよ?サイトはあたしのなんだから、サイトの全部はあたしが受け止めるの。だからねだからね、サイトはね、あたしをめちゃくちゃにして良いの」
「サイトのご主人様は可愛いくない?」
ルイズはその肌を才人に重ね、ジーンズの金具を外し、才人の股間を露出させる
ゆっくりと才人の上で身体をくねらせ、才人の性感を刺激し、抵抗の意思を削いでいく
才人は完全に勃起し、それに抵抗出来ない
「可愛いです、マイロード」
「どれ位可愛い?」
「押し倒したい位です、マイロード」
「押し倒してどうしたい?」
「獣の様に交わりたいです、マイロード」
「こぉの、ば・か・い・ぬ。世話がやけるんだから」
ルイズは才人の刀に自身の花弁を合わせ擦りながら、両手で才人の顔を寄せ口付けする
ルイズから舌を絡め、才人は其に舌を絡め、更にルイズの口腔を舐め刺激する
「ん、はぁ、サイトって本当に何でも上手よね。ね、どうすればサイトは興奮するの?ご主人様に教えなさい」
『くっ、駄目だ、我慢出来ない』
「ルイズ、こっちにお尻向けて、獣の様に四つん這いになって、顎をベッドに付けて」
「ん、こう?」
獣の様になり、顎をベッドに伏せ、膝立ちで尻をサイトに向ける
小柄な身体で有りながら、丸みを帯びた曲線と、スケスケなショーツから見えるルイズの花弁は、布に収まった状態でも割れ、其処から滴が染み、太ももに垂れる
その扇情的な光景を見、理性の箍がカチンと外れた音を、才人は聞いた
才人はゆっくりとルイズに触れ、ルイズはピクンと震える
「あん。あたしの馬鹿犬は、どういう風にするのかしら?」
才人はルイズのショーツを脱がし、直接花弁に口を付け、舌でなぞる
「あひっ」
ぬるり
「いひっ」
更に陰核に指をなぞらせ、剥き、軽く摘む
「あっあっあっあっ、駄目、強いの、もっと優しく、何か来ちゃうの、駄目駄目だめ、あぁ〜〜〜〜〜!!」
ビクンビクン
ルイズが絶頂に身体をのけぞるが、才人は構わず刺激を送り続ける
「やぁ、止ま、らな、いの、サ、イト、駄目、だめ、らめ〜〜!!」
暫く絶頂の痙攣をした後、ルイズは気を失った
「ふぅ、何とか切り抜けた」
「なんでぇ、やらねぇのか、相棒の相棒はやる気満々じゃねぇか」
「……いつか折っちゃる」
514大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-3:2010/09/19(日) 23:56:20 ID:rc/mIcXB
「お〜怖っ」
ルイズに毛布を被せ、一息つく才人
「此からずっとだと、絶対にやっちまうな。こりゃ本気でマズイ。寧ろ、寝ている間に襲われかねん」
「良いんじゃねぇの?」
「黙ってろ、デルフ」
「だってよ、俺っちも嬢ちゃん達と一緒の意見だもんよ」
「何がだよ」
「相棒は帰っちゃならねぇ」
「何?」
「その為に、しがらみだらけにならないと駄目なら、俺っちは嬢ちゃん達をけしかけるね。其こそ全員だ」
「剣の癖に使い手を裏切るのかよ」
「何言ってんだ。相棒が俺っちを置いて帰る方が、余程の裏切りだ」
「ぐっ」
「相棒が来てからよ、スゲー面白ぇんだよ。こんなに面白れぇのは、初代以来なんだよ。頼むぜ相棒。死ぬ迄此方に居てくれよ。相棒のガキ共見せてくれよ」
「……考えとく」
「頼むぜ、相棒」
コンコン
「才人さん、ミスヴァリエール。洗濯物をお届けに来ました」
「開いてるよ」
ガチャ
「失礼します」
シエスタの顔を見て、才人はピンとくる
「シエスタさん」
「何でしょう?才人さん」
「それ置いたら、ちょっと来て貰える?」
「はい」
シエスタが傍に来ると、ほっぺを両手でくにって摘む
「覗きの趣味は良くないなぁ。何処から?」
「ひょうひひにひっへ、ひひんれふか?」
「勿論」
「へっひなひょこりょかられふ」
「どう思った?」
「わたひもひへほひいれふ」
「メイドの嬢ちゃん、ガンガンいったれや」
「はひ、でるふひゃん」
才人はシエスタを摘んでた手を離し、頭をガシガシ掻く
「はぁぁ、周り全部敵だらけ」
「才人さんが、魅力有り過ぎるんです」
シエスタも才人の唇に唇を重ね、身体を預けた

*  *  *
夕食時、ルイズは才人の上に乗りそのまま夕食を取り、周囲を驚かせた
この場にタバサが居なかった事に、ギーシュ,モンモランシー,才人は胸を撫で下ろした
更にルイズの攻撃は続く
「サイトと一緒にお風呂に入るの」
「駄目。貴族は貴族のお風呂だろ?」
「じゃあ、サイトが作ったお風呂に一緒に入るの」
「あ〜シエスタ。助けてくれ」
「じゃあ、ミスヴァリエール。私と才人さんと三人で入りましょう」
「うん、サイトと一緒なら我慢する」
シエスタに事情を説明し、協力を取り付けたものの、何故か更に追い詰められている
「誰か、助けてくれ」
「相棒、諦めろ」
デルフはカタカタ笑った

「フレイム、毎度有難うな」
515大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-4:2010/09/19(日) 23:57:20 ID:rc/mIcXB
ノシノシ去るフレイム。キュルケに置いて行かれ、暇をしてるので、サイトはフレイムに風呂の火を頼んだ所である
鉈が無い為、薪は何時も、その場でデルフを使い割っている
村雨の方が短いので使い易いのだが、村雨を使うと切断面が濡れるので、薪割りには適さないのである
カコーンカコーンカコーン
「三人分ならこんなもんか」
「俺っちは、何時から鉈になったんだ?」
「その内、シャベルや包丁にもしてやる」
「相棒よう、一応人斬り包丁っつう誇りが、俺っちにも有るんだが?」
「慣れろ。人斬り以外で活用する方が、俺は好きなんだよ」
「相棒の誇りと俺っちの誇りじゃ、相要れないのは悲しいぞ、相棒」
此処で、声色を変えて才人が喋る
「やっぱりアタシ達、結婚するのは間違ってたみたい。別れましょう」
「そんな事言うない。俺っちの女房は相棒しか居ねえ。此からも二人三脚だ」
デルフが一際低い声で返す
「あはははは。才人さんにデルフさん。面白いやり取りしないで下さい」
シエスタは一人と一振りのやり取りを見、遂に吹き出す
「ねぇ、ミスヴァリエール」
「サイトと結婚するのはあたし。そんなボロ剣じゃない」
ぶっすぅと、ふて腐れるルイズ
「大丈夫ですよ、ミスヴァリエール。才人さんの何時もの冗談です。でも、才人さんのお嫁さんになるのは私ですからね」
516大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-5:2010/09/20(月) 00:02:52 ID:rc/mIcXB
「やる気?」
「何時でも」
「…喧嘩するなら、一緒に入らないぞ」
「「ごめんなさい」」
「はぁ、せっかく良い感じになったのに」
「相棒は苦労するねぇ」
「さてと、良い湯加減になったなっと」
デルフを使い、湯を混ぜる
「俺っちは混ぜ棒じゃねぇ!!」
「一番風呂じゃねぇか、デルフ」
「剣虐待で訴えてやる!!」
今度こそ二人共に笑った
「さてと、じゃ脱ぐか」
才人が二振りを立掛け、一気に脱ぐ
シエスタとルイズはそのままだ
「一緒に入るって言って、やっぱり恥ずかしいか?」
「違うの」
「違うんです」
「へ?」
「サイトが脱がせるの」
「サイトさんが脱がせて下さい」
「はい?」
「諦めろ、相棒」
「…みたいだな」
「じゃ、ルイズからな」
「うん」
何時もの如く手慣れた手つきで、マント、ブラウス、スカートを外し、片足ずつニーソックスをさっと脱がせる。すると、スケスケのショーツだけになる
「ミスヴァリエール。その、大胆な下着ですね」
「サイトがね、こういうの好きだって、褒めてくれたの」
「あぁ、もう。さっさと脱ぐ」
ぴちょ
ショーツと股間の間に糸が引く
「サイト〜。あたし綺麗?」
「綺麗だから大丈夫。自信持て。次シエスタね」
517大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-6:2010/09/20(月) 00:04:09 ID:rc/mIcXB
「はい」
「それじゃ、ちゃちゃっと」
バサッ
メイド服を脱がせ、下はズロウスと普通のソックス
豊かな胸がぷるんと揺れる
そのままソックスを脱がせ、ズロウスを脱がせる
股間には形良く整った黒い茂み
そして肌は、ルイズすら凌駕するキメの細かさでしっとりしている
「二人共脱いだね。それじゃ、身体洗って入ろうか」
二人共動かない
「…もしかして」
「サイトが洗って」
「才人さんが洗って下さい」
「…またですか」
「それじゃ、ルイズから。此処に座って」
「嫌」
「へ?」
「サイトが座って」
「何で?」
「良いから」
「あぁ」
才人が座るとルイズがその上に跨る
「洗って」
「……解りました、ご主人様」
ルイズは才人の上でご機嫌に髪を洗われ、身体を洗われる際に、才人の手を股間に導く
「沢山、洗って」
「手を誘導されると、洗えないんだけど?」
「此処を洗って欲しいの」
「あぁもう」
くちゅり
先程達してたせいか、才人の指の動きで直ぐに達する
「ひっ、ん〜〜〜」
くてりとなった身体を、才人はさっさと洗い湯で流し、湯船にルイズを沈める
「それじゃ才人さん、次は私ですね」
そのままシエスタもルイズの様に才人の上に跨る
518大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-7:2010/09/20(月) 00:05:41 ID:rc/mIcXB
「え〜と、シエスタさん?」
「三本目の手も使って下さいね」
ルイズで勃起した刀を、尻に撫で付けながらシエスタは言う
「はぁぁぁぁ」
頭を洗い身体を洗ってる間も、才人への刺激を止めないシエスタ
才人はしびれを切らし、シエスタの股間に手を伸ばす
「あ、は、ん」
陰核を剥き、執拗に刺激しながら、胸を揉み、唇を重ね、舌を重ねる
「ん〜、ん〜〜〜!!」
シエスタも絶頂し、才人に崩れ落ちる
才人は抱えてシエスタも沈めた
ようやく自分を洗う
「ふぅ、やっとだな」
「相棒、テク有るねぇ」
「知らんての」
「おかげで、どんどん相棒にハマってるみたいだぜ」
二人が、才人をとろけた顔で今か今かと待っている
「逃げる路は無いんかね」
「あったとしても、今はねぇな」
「…だろうな」
才人は洗った身体を湯船に沈めると、二人が横から絡みつく
「二人共」
「何ですか?」
「なあに?」
「節度を持ってくれ」
「旦那様相手なら良いんです」
「サイトはあたしのだから良いの」
「極楽って、地獄と紙一重なんだな」
才人は溜め息をついた

*  *  *
風呂から上がり、シエスタとは別れ、部屋に戻る
其処でルイズは当然の如く、着替えを要求する
519大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-8:2010/09/20(月) 00:06:45 ID:rc/mIcXB
勿論、薄いネグリジェと、正面が申し訳程度しかない紐パンである
才人は諦め、さっさと着替えさせた
自身は風呂場で替えた為、そのまま寝る姿勢に入る
ルイズは潤んだ目で、才人を見つめ、すがりつく
「サイト、今日ね、凄く良かったの」
「そうか」
「だからね、サイトはね、ずっと傍に居て欲しいの」
「そうか」
「サイトはね、帰って欲しく無いの」
「そうか」
「向こうに家族居るの?」
「一応な」
「結婚してるの?」
「さあな」
「結婚してても良いの」
「は?」
「此方に新しい家族作れば良いの。あたしがサイトの家族になるの」
「ちょっと」
「だからね、サイトは我慢しちゃ駄目なの」
「おい」
「サイトが我慢してるの、見たくないの」
「ルイズ?」
すうすう
才人の上で寝るルイズ
「全く、言いたい事一方的に言いやがって」
「相棒、ありゃ普段言えない嬢ちゃんの本心だな」
「だから、余計質悪いんじゃねぇか」
「揺らぐか、相棒」
「俺だって人間だ」
「それじゃ、もう一押しって所だな。もっと揺らげ、心を震わせろ」
「ガンダールヴには向かない人間だってのは、痛感してるわ」
「違えねぇ。此処まで感情抑えられちゃ、力なんざ発揮出来る訳ねぇ」
「全くだ、おやすみデルフ」
「おぅ」

*  *  *
翌朝、朝食を取り、予め頼んでおいた昼食を用意し、4人は一路ラグドリアン湖に向け、出発する
馬は3頭
モンモランシーとギーシュは一人乗り
才人とルイズが二人乗り
「あ〜ルイズ。ルイズのが乗馬上手いだろ。一人で乗ってくれよ」
「イヤ」
「馬も二人乗りだと、疲れるんだよ」
「イヤ」
頬をぷっくりさせて、首を振って断固拒否するルイズに、才人の方が折れた結果である
「才人、今は諦めないと」
「でも、馬が持たないんじゃないか?」
「いざとなったら、駅で乗り換えれば良いよ」
「駅?」
「馬を預かったり、貸し出ししてくれる所さ」
「あ、成程ね。鉄道の駅って、此が発祥なのか」
ふむふむと才人は一人納得する
「鉄道って何だい?才人」
「科学の一部だよ。連なる大きな馬車を、専用の道で通行する物さ。千人位は一度に運べる物が一度に多数走る」
「聞くだけじゃ、にわかに信じられないな。コルベール先生とのやり取りで、嘘は付いてないって、解るんだけど」
「俺も此方来てから、今迄住んでた所のが、幻じゃないかと勘違いしちまいそうだ」
「なら才人、此方を現実にしちゃいましょうよ」
520大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-9:2010/09/20(月) 00:13:15 ID:xhLPoRWH
「僕もモンモランシーに賛成だ」
「そうは言ってもだな」
「なんなら僕の所に来れば良いよ。君なら、兄上達も歓迎してくれるさ」
「サイトはヴァリエールに来るの。グラモンなんかにアゲナイ」
「…ルイズ、たまには才人を開放したらどうだい?」
「イヤ」
「ルイズ」
「ギーシュ、今のルイズには、何言っても無駄よ」
「そうだったね、じゃあ行こう」
ピシッ
手綱を軽く当て、三頭と4人は、一路ラグドリアン湖に向け、走り出した

*  *  *

キュルケとタバサは才人達と別れた後、荷物をまとめ、シルフィードで一路ガリアに飛び立った
「ねぇ、タバサ、ダーリンの前になると、表情豊かになるし、口数多くなるわね」
タバサは黙して本のページを捲っている
「ダーリンって確かに良いけど、何か無理してないかしら?」
「異邦人」
「もっと、気楽に行けば良いのに」
「今の価値観全て、魔法すら通用しない世界にただ一人」
「そんなの、発狂しちゃうわ」
「でも、優しい」
「其処が強がってんじゃない」
「違う、ハルケギニアに馴染むのを怖がってる」
「解るの?」
「…何時も優しいけど、寂しい」
「どうして解るの?」
「…最後の母様と、一緒だった」
521大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-10:2010/09/20(月) 00:15:05 ID:xhLPoRWH
「…そう」

シルフィードが、ラグドリアン湖畔のガリア領側の有る場所に降り立つ
門の所に有る紋章は、廃嫡の証として、×印が付いている
タバサが開門する前に扉が開き、一人の老執事が出迎える
「此はシャルロットお嬢様。お帰りなさいませ。此方の御婦人は?」
「友達」
「フォン=ツェルプストーですわ。ミスタ」
「何と、シャルロットお嬢様が、御学友を連れて来られるとは。このペルスラン、嬉しゅうございます」
「お母様は?」
「少々、何時もより酷うございますな」
「解った」
スタスタ入るタバサにキュルケは付いて行き、荷物はペルスランに預ける
「タバサ、シャルロットって」
「私の本名」
「そうなんだ」
タバサに応接室に通され
「此処で待っていて」
パタン
キュルケは一人残される
「まさか、こんなに訳有りとはね」
コンコン
「どうぞ」
「失礼致します」
ガチャ
先程の老執事が、茶器を持って、部屋に入って来る
「あの、メイドは?」
「おりませぬ。私と同じ位の料理人だけでしてな」
「…そう」
「此方に来られたと見て、シャルロットお嬢様から、話は伺っておりますでしょうか?」
ペルスラン自ら紅茶を入れ、茶器と菓子をキュルケに差し出す
「いえ、本名も初めて知った位よ」
「ミスツェルプストー、此方に来られたというからに、お嬢様からそれなりの信頼を得られた方と存じます」
「あら、そうかしら」
「ミスツェルプストー。貴女を見込んでお願いがあります。シャルロットお嬢様の支えになって頂けないかと」
「どういう事?」
「では、お話しましょう」
タバサがガリア王族である事
現国王ジョゼフにより、父シャルルが暗殺された事
シャルロットをかばう為、公夫人が自ら毒を飲み、心を狂わされた事
そして本人は、北花壇騎士として、12歳から汚れ仕事を負っている事
以前は朗らかな少女であったが、その苛烈な任務により、心を閉ざし無口になってしまった事
全てを聞いた時、キュルケは涙を流してるのに、気付かなかった
「それ、本当?」
「はい、全て起こった事にございます。門に廃嫡の証が有りましたでしょう?」
「そ、そうね」
「そういえば、さっき、生きてるのに最後の母様の笑顔が寂しいって」
「あぁ、シャルル様が帰らぬ日となった時の事だと思われます。翌日、夫人も薬で狂ってしまい」
「そうなの……」
「伏して御頼み申し上げます。どうか、シャルロット様のお力に」
522大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-11:2010/09/20(月) 00:16:32 ID:xhLPoRWH
「頭を上げて下さい、ミスタペルスラン。私で良ければ、幾らでも力にならせて頂きますわ」
「真ですか?本当に本当に」
「ですけど、最適な人物は私ではありません」
「何と?」
「現れたんですよ」
「誰がでしょう?」
「イーヴァルディの勇者がね」
キュルケはイタズラっぽく、ウィンクを返した

*  *  *
「タバサ、お母様の様子はどうだった?」
「これ読んで落ち着いて貰った」
タバサが持ってたのはイーヴァルディの勇者シリーズ。その人気作であり、歌劇になった、イーヴァルディと二人の王子だ
「イーヴァルディ朗読すると大人しくなる」「タバサの読書好きの原点かしら?」
コクリと頷く
「母様、良く読んで聞かせてくれた」
「また、取り戻せると良いわね」
其を聞き、タバサが目で訴える
「解ってるわよ。一番の人には、言わないから安心しなさい」
バサリ
「ホウ」
伝書梟が窓枠に止まる
タバサが其から書類を取り出し、目を通す

表情を雪風に戻し、屋敷から出る為、歩きだす
「ちょっと、タバサ。何処行くの?」
「任務」
「魔力回復しきってないでしょ?」
「……」
「もしかして、忘れてた?」
コクリ
「全く、そんなんじゃ返り討ちに合うわよ。今日は食べて寝ましょ。明日でも構わないんでしょ?」
コクリ
「じゃあ、明日は私と一緒に任務に出発だ」
「ガリア騎士の仕事」
「私がしたいから良いのよ」
「キュルケ」
「何?」
「有難う」
「何言ってるの。友達なら当然じゃない。今日は一緒に寝ましょ」
コクリ

タバサの帰宅で料理人が張り切り、豪勢な量の料理が並んだが、殆ど全てタバサが平らげ、料理人が感涙を流す
「シャルロットお嬢様の食べっぷり、料理人冥利につきます」
料理人自ら出て来て、ペルスランと共に、給仕をしてくれる
「所で、お嬢様方」
「何ですか、ミスタ」
「食前に妙な祈りを致しましたな」
「これ?先程言ったでしょう。イーヴァルディから教わったのよ」
「何と、真でしたか」
「えぇ、顔はまぁまぁって所だけど、とにかく面白い人なのよ。ねぇ、タバサ」
コクリと頷き、軽く頬を染める
「ほうほう、成程。お嬢様にも春が来ましたなぁ」
ペルスランは孫の成長を喜ぶ様に微笑む
「キュルケ」
523大人才人 ラグドリアン湖の精霊2-12:2010/09/20(月) 00:19:42 ID:xhLPoRWH
「あら、ミスタの喜ぶ顔見れたんだから、良いじゃない」
「一本取られましたな。シャルロットお嬢様」
3人に笑いが溢れ、タバサは其に微笑みを返した

風呂に入り、ベッドに二人して潜り込む
キュルケは男物のシャツをボタン外した状態で下着は紐パン
タバサはネグリジェにシルクのショーツ
タバサは直ぐに寝付き、キュルケの豊満な胸に顔を埋める
「……母様」
「ああんもう、可愛い。私なら何があっても貴女の味方よ。シャルロット」
ちゅぱっ
「はへっ!?」
ちゅぱっ
「ちょ、ちょっとタバサ」
ちゅぱっ
「ちょ、吸わないで。何の夢見てるのよ。全く」
ちゅぱっ
「あはっ。もう何時まで吸ってるのかしら」
「……母様」
ちゅぱっ
「あん、もう。しゃあない、サービスだ。たんと吸え、このスケベ妹」

キュルケは朝になって後悔する事になる

*  *  *
タバサが目を覚ますと、褐色の豊満な乳房をくわえ込んだ状態でいる事が解る
自分が何をしたか記憶に無い、ただ幼い時の母に抱かれた夢を見てた気がする
乳首から唇を離し、キュルケを見る
キュルケは腕で顔を隠してる
「…キュルケ?」
「……やられた、やられた。乳首吸われただけで、三回もイかされた。人が寝ようとした時に限って、激しくしちゃって。何よ、このテクニシャン。本当に年下なの?信じらんない」
「…キュルケ?」
「あんなの毎回やられたら、私、そっちに行っちゃいそう。……あ、タバサ。おはよう、起きたの?」
「……何かした?」
「あぁ、良いのよ。気にしないで。良く眠れた?」
コクリ
「それじゃ、今日はさっさと朝食食べて、サクッと仕事終わらせて、とっとと学院に帰るわよ」
ちょっと隈を作ったキュルケは、気合いを入れて宣った

*  *  *
524大人才人:2010/09/20(月) 00:26:58 ID:xhLPoRWH
投下終了なのね〜きゅい
では大人才人タクティクスなのね
今回はお姉様なのね〜きゅいきゅい
「………ルイズの首、落として良い?」
パラリ(本を捲る音)

お、お姉様?
「……」
パラリ
じょ、冗談よね?きゅ、きゅい
「…」
杖を振る

きゅ、きゅいきゅいきゅい
何でシルフィにお仕置きするのね〜?
ひ、酷いのね〜痛いのね〜
きゅいきゅい
525名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 00:32:39 ID:xhLPoRWH
何か今回改行引っ掛かりまくりますた
なので、細々になってます
526名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 01:27:37 ID:PCJALnZ4
>>524 >>525
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!
527名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 08:15:49 ID:fq4te0h6
>>524
>>525
GJ!!

タバサのテクニックなら大人才人も・・・
528名無しさん@ピンキー:2010/09/20(月) 23:17:26 ID:qDjOLoic
>>525
GJ!!

>>527
搾り取られてミイラになるのか?
529名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 02:08:10 ID:D67XnXzX
ほしゅ
530名無しさん@ピンキー:2010/09/22(水) 20:00:05 ID:qgoki5yR
age
531大人才人:2010/09/23(木) 21:17:27 ID:E7XO5Sx7
イルククゥでシルフィードなのね〜
とうとうwikiが15000HIT突破で感謝なのね〜
そういえば、タクティクスはwiki反映無しで、大丈夫なのかしら〜?きゅいきゅい
では注意事項なのね〜
・才人年齢上昇
・ラグドリアン湖の精霊の続き
・10レス前後、残り容量と相談有

では反映後、投下開始なのね〜きゅい
532大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-1:2010/09/23(木) 21:19:37 ID:E7XO5Sx7
馬が想像以上に疲れた為、才人の馬を駅で乗り継ぎ、ラグドリアン湖の最近の事情を聞く
どうも、湖水の水量が最近増えているらしく、周辺農民が困っているらしい
才人達は更に馬で走る
「此処が、ラグドリアン湖よ」
「デケエ湖だなぁ。琵琶湖位か?」
「琵琶湖って?」
「俺の国の湖さ。これ位有る」
「綺麗な所?」
「綺麗さなら、多分摩周湖や支笏湖のが上だな。でも、ラグドリアン湖は其より綺麗だ」
「良い所だろう、才人」
「あぁ、気に入った」
「何せ湖には、水の精霊が住んでるからね」
「へぇ、精霊迄住んでるのか。でも、此処迄綺麗だと納得だな」
「其でね、このラグドリアン湖の精霊の前で愛を誓うと、その二人は永遠に結ばれるって、言い伝えが有るのよ」
「へぇ、そうなのか。……何で皆、俺を見るんだ?」
「何でかしらね?」
「君の鈍感ぶりには、敬意を表するよ」
ルイズが其を見、サイトをキツク抱き締める
「えっと、何かした?」
「何もしてないから、イケナイのよ」
「理不尽だ」
「そう思うのは、君だけさ」
「さいですか」
才人は肩をすくめる
馬を木の幹に繋げ、湖畔迄歩く
「さってと。貴女の出番よロビン」
持って来たポーチの中から、使い魔である蛙のロビンを取り出し、自らの指に傷を付け、ロビンに塗る
「いいかしら、ロビン。古いお友達と連絡が取りたいの。水の精霊を見付けて、盟約の血に連なる者が話をしたいと告げて頂戴。解った?」
ロビンが頷きポチャンと、湖面に飛び込む
「さてと、後は精霊が呼び掛けに応じてくれるかどうかね」
「運任せか?」
「ええ。モンモランシ家って、昔はラグドリアン湖の水の精霊の交渉役の一族だったんだけど、何代か前のご先祖様が水の精霊怒らせちゃってね。今は別の人が管理してるの」
「へぇ、そうなのか。そりゃ望み薄だなぁ」
「そういう事」
「後は待つだけだし、ランチでも取ろうか」
「そうだな」
「才人と出掛けるって言ったから、量たっぷり持たされたよ」
「最近やたら腹減るんだよな」
「其だけの身体じゃねぇ。来た時より、格段に筋肉付いてないかい?」
「ん〜?そうか?良く解らんけど」
「とても良いと思うよ」
艶の有る表情をするギーシュ
才人は其を見、冷や汗を足らす
「あたしのサイトに色目使わないで」
ルイズは馬から降りた後も、ずっと抱きついたままである
「ルイズ、抱きついてて良いから、大人しくしてなさい。な」
533大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-2:2010/09/23(木) 21:21:43 ID:E7XO5Sx7

「うん」
才人に顔を埋め、一人うっとりとしている
「ねぇ、才人。そのままでも構わないんじゃないかしら?」
「そうだね。前より切ない仕置き、減ったろう」
「激しい仕置きされてます。ありゃ、拷問だ」
二人は顔を見合わせた
早めの昼食を食べ、寛いでいるとロビンが帰って来た
「ロビンお帰り。どうだった?」
湖面に穴が空き、人が通れる通路が出来る
「良かった。話を聞いてくれるみたい」
「じゃ、行くか」
4人は立ち上がり、水の精霊の元に向かう
「湖面が煌めいて綺麗だなぁ」
「本当に素敵」
「ハルケギニアで、水中遊歩道に入れるとはね」
「才人の国は、水の中も歩けるのかい?」
「透明な筒の中を歩くんだよ」
「行きたくなって来ちゃった」
「僕もだよ」
「良い事ばかりじゃ無いぞ」
「何処も変わらないんじゃない?」
「そうだね」
「ハルケギニアには、日本が逆立ちしても、絶対に勝てないモノが有るから心配すんな」
「あら、何かしら?」
「魔法かな?」
「女のコが、皆可愛い事だ」
「……それ、凄い事?」
「凄い事だぞ。右見てら美少女。左見ても美女。歳を重ねても魅力が非常にある。おまけに、俺の国の最高レベルの男すら敵わない、美男子迄居るわ。俺なんざ並だもんよ」
「……才人、本気で言ってる?」
「おぅ、本気だぞ」
「一応褒めてるんだよね?」
「絶賛してるんだが」
「何か釈然としないのよね」
「容姿ばかりじゃねぇ」
「自然も綺麗だな」
「取って付けた様に言わないでよ」
「全くだ」
「そうか?」
「そうよ」
クスクスとモンモランシーが笑い、ギーシュと才人も其につられ笑う
「さてと、着いたわね」
「へぇ、此が水の精霊かぁ、人型なんだなぁ。しかも美女」
「僕らと、話易いカタチを取ってくれてるんだよ」
「え、そりゃ親切だな。ルイズ、水の精霊の前だ。礼儀正しくしよう」
「サイトと離れるの、イヤ」
「……駄目か」
「モンモランシー=マルガリタ=ラ=フェール=ド=モンモランシです。モンモランシ家の末裔として、呼び掛けに応じて下さった事、感謝致しますわ」
「良い。此方にも用が有る」
「あの、先に此方の話を聞いて頂けないでしょうか?」
「良かろう」
「ええと。精霊の涙を少し分けて頂けないでしょうか?」
精霊が先を促す
534大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-3:2010/09/23(木) 21:27:09 ID:E7XO5Sx7
「此方におわす者の状態が、おわかりになりますでしょうか?」
「…我が力の影響を受けているな」
「其れを治す為に、分けて頂けないでしょうか?」
「我が力をどのように使うかは、我には興味が無い」
「ばっさりだな、おい」
「精霊と人間じゃ、価値観が違うもんなぁ」
「では、此方の用件を言って良いか?」
「…はい」
「アンドリバリの指輪を取り戻して欲しい」
「アンドリバリの指輪とは、何でしょうか?」
「我が力を凝縮した指輪で、我そのものである。精神操作や死体の操作等も出来る。以前に、我から人の子が強奪したのだ」
「其れは、どちらに有るのでしょうか?」
「知らぬ」
「其では、探し様が有りませんよ」
「そうなのだ。だから我自身で探す為に、湖の水量を増している」
「済まない。話に割り込んで、良いかい?」
「申せ」
「何で水量を増やすと、探せるんだ?」
「水は我そのものだからな。水が触れれば解るのだ」
「其ってつまり、世界全部水没させる気ですかね?」
「時間はかかるが、そうだ」
「…これ、凄く不味くね?」
「…僕もそう思う」
「モンモン、承けるしか無さそうだぞ?」
「そ、そうね」
「例の手の者が来たようだ。我に攻撃する意思を宿している。先ずは撃退して貰おう」
「質問ですが」
「何だ?」
「ご自身で戦わないのでしょうか?」
「相争うのは人の子の役目だろう。我には興味無い事だ」
「…駄目だこりゃ」
モンモランシーは完全に脱力してる
才人は其を見て、話を続ける
「条件付けて良いですかね?」
「申せ」
「人の子は、仕事を承ける時には、報酬を貰わないといけないんですよ。そうしないと、社会が成立しないんです」
「続けろ」
「とりあえず、今回来た連中は撃退しましょう。指輪を見付けた暁には、報酬として精霊の涙と、モンモランシ家の交渉役復活を要求します」
「良いだろう。但し、今来た者達を撃退してから応じよう」
「成程、腕前を見てからですか」
「そうだ」
「今、敵はどちらに居ます?」
「お前達と反対側から湖底を歩いている、二人だ」
「湖底だと力が出せないんで、敵事、陸に上げられますかね?」
「其くらいならば良かろう」
精霊は、4人に空気の層を設けたまま、一気に陸迄打ち上げる
「おわっ」
「ちょっと、激し過ぎ」
「勘弁してくれ」
陸に4人打ち上げられる
535大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-4:2010/09/23(木) 21:30:29 ID:E7XO5Sx7
「あ〜参った。こんなに手荒いとはね。怪我はしてないか、皆」
「私は大丈夫」
「僕もだ」
「ルイズは?」
「サイトの腕の中なら大丈夫だもん」
「さいですか。さてと、向こうに飛ばされたみたいだが、相手の気配解るか?デルフ」
「相棒、幾ら何でも無茶言うない」
「そうか」
ジャケットのポケットからグローブを取り出し、はめる
今回は森の中、下手な動きは手を傷つけ、握れなくなる可能性が高い
「ギーシュ、モンモンには解るか?」
「土の中なら有る程度解るんだけど」
「私は水が繋がらないと」
「じゃあ、雨降らすか。ウォーターバレットかシールド、又はフォール」
「私、ドットよ」
「出来る範囲で良い、そうすれば、其処は確認出来る」
「成程ね。じゃあ、行くわよ」
「範囲は?」
「前方直径20メイル位。範囲広めるから攻撃能力無し」
「上等。頼む」
モンモランシーがルーンを詠唱し、前方に雨を降らせる
ボン
「あら、向こうから教えてくれたわ。バレットに殺傷力有りと思って、焼き払ったみたい」
「良し、行くぞ」
「駄目、サイト行っちゃ駄目」
「ルイズ、今からお仕事だ」
「駄目なの。サイトは、あたしの傍に居ないと駄目なの!!」
「あぁ、もう。ルイズは、俺のお手伝いしたいんじゃなかったのか?」
「お手伝いしたいの」
「じゃあ、今は離れてな、其がお手伝いだ。解った?」
「うぅ〜。イヤだけど解った」
「モンモン頼む。ギーシュ行くぞ」
「解った」
「任せて。ルイズ、私と待ちましょう」
「うん」

「あったぁ、湖底歩いてたら、陸に打ち上げられちゃったわ」
「…追い出された」
「堪らないわ、ん?バレット、ちっ」
キュルケはすかさずフレイムボールを詠唱し焼き払い、タバサが風を送り、火力を上げる
ボン
「威力無い」
「水使いの索敵?しまった、教えちゃった」
「タバサ、あれやるわ。人間相手なら最小で済む」
コクリと頷く
二人で同士に詠唱し、ファイアランスとジャベリンが浮かぶ
「ダーリン直伝よ」
536大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-5:2010/09/23(木) 21:38:18 ID:E7XO5Sx7
音が鳴る方に向け、射出する
ドカン!!
「良し成功、次」
又、二本の槍が浮かぶ
ザザザザ
まだ音が鳴る
「ち、一発じゃやられないか。タバサ、方向指示」
杖で指す
「ファイエル!!」
ビュッ
ドカン!!
「次」
ザザザザ
「ああ、もう何なのよ?威力も範囲もトライアングル超えてるのに、何でやられないのよ。タバサ、方向合ってる?」
「合ってる」
「方向」
杖で差し示す
「ファイエル!!」
ドカン
周囲の木が次々爆風に巻き込まれ、薙ぎ倒される
「相手が速い、来る」
「ちっ、ダーリン居てくれたら楽勝なのに」
タバサがウィンディアイシクルを展開、キュルケはフレイムボールを複数作り出す
「喰らいなさい!!」
フレイムボールが広範囲に炸裂し、木々や下草が燃える
揺らぎを感知したタバサが、其処にウィンディアイシクルを叩き込む
「くっ」
手応えが無いのに気付き、アイスストームを放つ
ゴォッ!!
雪風にさらされ、延焼が消火される
「駄目、手応えが無い」
「くっそ、最悪だ。最後の一発」
キュルケがファイアランスを成型し、機を伺う
タバサはブレイドを展開し、突撃するタイミングを伺う
額には大量の汗、今迄でも、最悪クラスの強敵
537大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-6:2010/09/23(木) 21:39:54 ID:E7XO5Sx7
此処に、あの剣士が居てくれれば
ザザザザ
「そこ!!」
ファイアランスが威力の半分も出さずに消える
「嘘!?」
ザッ
タバサがタイミングを合わせ、飛び出しブレイドを斬りつける
「峰だ峰」
「どわぁぁぁぁ!!」
キィィィ、カチン
ブレイドにデルフが干渉し、吸い込む
杖を斬らない様にとっさに峰打ちに握り返したが、何とか才人は間に合う
「タバサにキュルケか。何してんだ?」
タバサとキュルケは二人してすとんと腰を落とす
「こ、怖かった。腰抜けた」
「あ〜悪かった二人共。タバサ、大丈夫か?」
ふるふる
タバサは首を振り、一気に涙を浮かべる
「……剣向けた」
「ごめんって」
「剣向けた!!」
「悪かったって」
「貸し、二個目!!」
「はい」
才人は苦笑して、デルフを収める
「立てるか」
ふるふる首を振る、タバサ
「タバサほら」
タバサをお姫様抱っこをすると、身体が震えている。そのままタバサは首に手を回す
「…怖かった」
「ごめん」
「もう、駄目かと思った」
「ごめん」
「…居て欲しかった」
「ごめん」
「ちょっと、ダーリン」
「何だい、キュルケ」
「タバサと差別じゃないかしら。私も立てないの」
「ああ、ごめんごめん」
538大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-7:2010/09/23(木) 21:40:48 ID:E7XO5Sx7
タバサを抱っこしたまま、キュルケの傍に座る
「悪かったよ、キュルケ」
「許さないんだから」
「ごめんって」
「これ位は良いでしょ?」
キュルケからキスをする
「賠償ね」
「高い支払いだな」
「次やったら、もっと酷いわよ」
「お〜怖っ」
「才人捕まえたかい?あれ?キュルケとタバサじゃないか?」
「ギーシュ、二人を呼んで来てくれ」
「解ったよ」

ウォーターバレットで大体の位置を掴んだ才人とギーシュは、一気に寄らず迂回して駆ける
「ギーシュ、無理すんなよ」
「あぁ、才人の動きには付いていけないからね。でも、ワルキューレを展開するよ。的を分散させる」
「お、助かる」
「おいで、ワルキューレ」
ワルキューレが複数出現し、その手に槍が持たれてる
「お、槍持たせたのか」
「いやいや、本来こちらが正式」
「手加減してくれてたんだな」
「素手だったじゃないか」
「…マジでお前凄いわ」
ザザザザ
移動で草と低木が鳴る
ワルキューレが展開し、更に進み、殿がギーシュである
其処に炎と氷の槍がワルキューレに突き立ち、派手に爆発し、ワルキューレ全てを巻き込む
「な、今のは?まさか」
「デルフ」
539大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-8:2010/09/23(木) 21:42:55 ID:E7XO5Sx7
「ありゃ、相棒が提案した、水蒸気爆発だろ?」
「そうだ、そんな事やる奴居るのか?」
「ハルケギニアも広いからねぇ」
「ギーシュ、ついて来るな。あれ食らったら、一発でお陀仏だ」
「解ったよ。確かに僕じゃ、回避出来ない」
「デルフ行くぞ。指示しろ」
「あいよ、村雨は抜かんのかい?」
「こんな障害物だらけで、2刀出来るか」
「そうだねぃ」
一気に才人は駆ける
「相棒、来るぞ」
ドカン!!
「くぁぁ、熱い上に痛ぇ、吸えるか?」
「吸ってるから、その程度なんだが」
「じゃあ、そのまま頼む」
「おぅ」
更に木々の間を走り抜ける
「来るぞ相棒」
ヒュッ、ドカン!!
デルフを爆心に差し出し、被害を軽減する
「くぅぅ、グローブしといて良かったわ」
「相棒の考えは凶悪だねぇ。あれ、相当絞ってるぜ」
「敵に回すと洒落にならんな、使い手に興味出るわ」
「まさかねぇ」
「何か気付いたのか、デルフ」
「いんや、来るぞ、手当たり次第だ」
「何?」
フレイムボールが複数炸裂する
「でえぇぇ、洒落になんねぇ」
「相棒、前」
「くっ」
氷の矢を斬り払いながら、吸収する
「なんつう、コンビネーション」
540大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-9:2010/09/23(木) 21:48:52 ID:E7XO5Sx7
「マズイ、アイスストームだ。暴風に巻き込まれる前に一気に走れ」
「糞っ。マジに洒落にならん」
両腕を顔の前で交差し、デルフで吸い込み突破する
「ファイアランスだ」
此を斬り払い、吸い込み、残り火が消える
「開けるぞ、イケる!!」
「峰だ峰」
「どわぁぁぁぁ!?」
才人の目の前に出たのはタバサである

「って、感じだな」
「ダーリンじゃなかったら、最初の一撃でケリ付いたじゃない」
「みたいだな、ま、デルフのおかげだ」
「…そんな事ない」
「そうか?」
「そうよ。ダーリンが的確な指示を出して無かったら、私達ギーシュを殺してたわ」
「確かに。正直、ワルドとやった時より生きた心地しなかったわ」
「それは此方の台詞よ。まだ震え止まらないわ」
「…私の最強の敵だった」
「タバサが言うんじゃ、余程よねぇ」
「そうなのか?」
「私達の中で、一番場数踏んでるのは、タバサよ」
「お褒めに預かり、光栄の至りって所かな?」
「一つ約束して」
「何だキュルケ」
「もう、剣を向けて欲しくない」
「俺だって、女のコに剣向けるなんざ、ご免だ」
「そういう所が良いのよねぇ」
キュルケがしなだれかかる
「ふぅ、タバサは大丈夫か?」
ふるふると首を振り、才人に引っ付いている
キュルケと同じく、震えが止まってない
「才人、連れて来たよ」
「サイト〜。…何で二人も、サイトにくっついてるの?」
「私も聞きたいわ」
「私達、腰抜けちゃったのよ」
「何で?」
「ダーリンを敵に回したから」
「そんなに?」
「貴女もやれば解るわよ、正に恐怖よ。あんなの二度とご免だわ」
タバサがコクコク頷く
「貴女達二人がかりで、才人に恐怖するのね。どんだけよ」
「皆揃った所で話を合わせるか。一体どうして、水の精霊を襲ったりしたんだ?」
「任務」
「タバサのガリア騎士の仕事なのよ。ラグドリアン湖の増水原因を絶てってね」
「だから水の精霊を襲ったのか。水の精霊はさ、探し物をする為に、増水してるんだと。んで、二人が奪った品の手の者だって言ったもんだから、此方は撃退を条件に精霊の涙をね」
「成程ね」
「タバサ、心当たり有るか?」
「…物は?」
「アンドリバリの指輪って奴らしい」
「…初耳」
「ふむ、降り出しか。って事は、誤解も有るんだな。タバサは増水が何とかなれば良いのか?」
コクリと頷く
「水の精霊さんよ。見てたかい?」
ザアァ
湖面に精霊が立つ
「見させて貰った」
541大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-10:2010/09/23(木) 21:51:44 ID:E7XO5Sx7
「どうやら、精霊さんの誤解も有るみたいなんだが?」
「だが、そちらの方から奪って行ったぞ?」
「だからと言って、其に全員通じてる訳じゃ無いんだよ」
「そうか」
「誤解を認めるかい?」
「認めよう」
「そりゃ、良かった」
「でさ、改めて依頼を承けるからさ、増水するのも止めてくれないかな?」
「最初の条件と違う様だが?」
「私達の要望よ」
「ならば、お前達も我の要望を承けるが良い。さすれば、元に戻そう」
「良いわ、ね、タバサ」
コクリと頷く
「では、此処に居る全員が、我の依頼を承けると言う事で構わぬな」
「あぁ、構わない」
「では、アンドリバリの指輪を探して貰おう」
「期限は?」
「お前達の寿命が尽きる迄で良い。全員死ねば、また増水すれば良い」
「長い刻を生きる精霊は違うなぁ」
其処で、モンモランシーが思い切って話かける
「すいません、せめて精霊の涙だけは、何とかなりませんか?」
「…ふむ、其処の男。手袋を外して、我に手を見せろ」
「ん?ああ」
才人はグローブを外し、両手の表裏を見せる
「モンモランシの裔よ、受け取れ」
「は、はい」
ガラス瓶を差し出すと、それ一杯に精霊の涙が満たされる
「こんなに」
「面白いモノを見せてくれた褒美だ。このままでは、役割に支障が出よう」
「役割?」
「短い生を生きる人の子では、預かり知らぬ事だ」
「それは?」
「我らは大いなる意思と呼んでいる。其が何かは、我にも解らぬ」
「有難うございます」
「水は、増やした月日を費やして減らそう、其で構わぬな?」
「タバサ、良い?」
コクリと頷く
「では、次はアンドリバリの指輪を持って来るが良い」
水の精霊は湖底に帰って行った
「ふぅ、何とかなったな。タバサ、キュルケ大丈夫か」
「ん〜、出来れば、まだこのままが良いわぁ」
タバサも頷く
「流石に、三人に引っ付かれんのは、大変なんだけど」
モンモランシーが問答無用で治癒をかけ、二人をしゃんとさせる
「此で良いでしょ?」
「ちぇっ、邪魔が入った」
「……」
タバサは首にかじりついて、離さない
「タバサ、報告が有るんじゃなくて?」
「才人」
「何かな、タバサ」
「この杖、先祖伝来の杖。折らないでくれて、嬉しかった」
「それは良かった」
「また、学校で」
「あぁ、気をつけてな」
コクリと頷き、シルフィードを呼ぶ
二人はシルフィードに乗って飛び立った


542大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-11:2010/09/23(木) 21:58:20 ID:E7XO5Sx7
「モンモン、此方も何とかなったな。上手くいって良かったわ。量的には足りるか?」
「充分よ。売って儲けられる位」
「そしたら帰るか。な、ルイズ」
「サイト、何で他の女ばかり見るの?あたしだけ見てくれないの?あたしは、こんなにサイトの事が好きなのに」
「そっか、そうだな。でも、何時までも夢心地じゃ居られないぞ?やる事有るんだろ?ルイズの夢は何だ?」
「んとね、サイトが隣に居てね、立派なメイジになるの。でね、お父様の後を継げる位、立派になりたいの」
「そうか、なら頑張らないとな」
「でもね、サイトが居ないと頑張れないの」
「解ったよ。俺の我が侭なご主人様。さぁ、帰るぞ」
「うん」
そんな才人達を少し離れて見る、ギーシュとモンモランシー
「ねぇ、ギーシュ」
「何だい、モンモランシー」
「良いの?」
「何がだい?」
「意地っ張り」
「惚れ薬飲まないと、本音も言えないルイズよりましだよ」
「あんたも大概よ」
「そうかい、さぁ、帰ろう」

*  *  *

学院に帰った時は既に日は落ちていた
帰りの工程は倍皆が疲労の為、倍の時間が掛ったのである
厩舎に馬を返した後、食事が有るか尋ねると、やっぱり無かったのだが、才人の得意業、厨房直接が炸裂し、皆、食事にありつけた
「どうしたい、我らの剣、早い帰りだな。シエスタから聞いたから、もうちょい時間かかるかと思ってたんだが。もう夕飯終わっちまったぞ」
「いやぁ、思ったより早く片付いちゃってさ。残り物で構わないから、皆に飯食わせてくれないか?」
「っておい、貴族の坊っちゃん嬢ちゃんじゃないか。こんな所で、食わせる訳にはいかねぇよ」
「あの、僕なら此処で良いですよ。軍人になれば、今までの様にはいかないでしょうし」
「何事も経験よね」
「サイトと一緒じゃなきゃ、嫌」
ニヤリとマルトーは笑う
「我らの剣と一緒だと、貴族様も変わっちまうのか。残り物で今から整える、ちっと待ってろ。空いてる奴、全員にワイン出してやれ」
「助かるよ、親父さん」
「何、それが俺の仕事だからな」
「流石、料理人」
「さてと、じゃあ俺も何か一品作るか」
スラリとデルフを抜く才人
「ま、待て、相棒。まさか俺っちで料理する積もりか?」
「うるせぇぞ、伝説の包丁。包丁らしい所見せてみろ。てめぇ、人すら斬ってねぇだろうが」
「い、嫌ぁぁぁぁ」
デルフの切ない声が、調理場に響いた
543大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-12:2010/09/23(木) 21:59:27 ID:E7XO5Sx7
「あれ、デルフをからかってるわね」
「そうだね、しかもちゃんと使ってるんだけど」
「使い魔が凄いのか、才人が凄いのか」
「どっちだろうね〜」
「うっうっう、もうお嫁にいけない、責任取ってね」
「お前とは遊びの関係さ、将来なんて考えてない」
「ひ、酷い、騙したのね。こんなにあたしの身体、弄んだ癖に」
「へ、良かったぜ」
ガクリと席から崩れるモンモランシーとギーシュ
「何なんだあの二人は?」
「何時もあんな感じなのかしら?」
「我らの剣、止めてくれ、手元が狂うわ」
「あ、ごめん親父さん、デルフ」
「おぅ、済まん、おっちゃん」
「おし、待たせたな」
「此方もサラダ出来たぞっと、さぁ食おうぜ」

*  *  *
ぐずるルイズをシエスタに任せ、才人は一人風呂に入り、部屋に戻る
「サイト。何で一緒に居てくれないの?」
「ルイズが可愛い過ぎるから」
「可愛いあたしは嫌いなの?」
「そんな事無いよ」
「何でこっち見ながら言ってくれないの?」
『また、破壊力抜群な恰好しやがって』
スケスケのベビードールに同じく、スケスケのショーツ
昨日からのヘビーローテーションは、才人がくらくらする
「ルイズ、それ、シエスタが着せたのか?」
「ううん、あたしが着たの」
「はぁ、可愛いぞルイズ」
「サイト、一緒に寝よ。家族作ろ」
「嫌、其はだな」
「だって、そうしないと、サイトどっか行っちゃうもん。サイトは子供好き?」
「大好きだ」
「じゃ、サイトの赤ちゃん、沢山産むね」
「だけどな」
「あたしはもう結婚出来るよ。ワルドとサイト同い年でしょ?問題無いよ」
「待て、落ち着け」
「何で?落ち着いてるよ」
「あ〜ルイズは子供好きか?」
「好き。ちぃ姉さまみたいに接したいな」
「俺の事は?」
「大好き」
「赤ちゃんは?」
「サイトの赤ちゃん?うん、沢山産むね」
「だから待て、両親に何て言う積もりだ。使い魔と子供作ったなんて、言う積もりか?」
「サイトだったら大丈夫だもん。ちい姉さまだって、協力してくれるって言ってるもん」
「ちい姉さまって、いつ会ったんだ?」
「サイトが来る前から、手紙でやり取りしてるよ」
「まさか、昨日送った?」
「うん、さっき返事来たもん。孫見たら折れるから、頑張ってだって」
「…まさか、惚れ薬でいってるとは思ってねぇだろうしなぁ」
ガシガシ頭をかきながら溜め息をつく
「サイト、早く服脱いで」
「はぁ、解ったよ」
544大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-13:2010/09/23(木) 22:05:46 ID:E7XO5Sx7
服を脱ぎ、シャツとパンツのみになるとルイズが絡み付く
「あ・た・し・の・ば・か・い・ぬ・あ・た・し・だ・け・の・い・ぬ」
首筋を舐め、腕を背中に回し、肌を重ね、太ももを才人の股間に擦り付け、身体をくねらせる
「我慢ばかりする嘘つき。他の女ばかり見る位なら、ご主人様に全部して」
「サイトがしたい事なら、全部あたしがされたいの」
ルイズが才人を押し倒し、才人はルイズを受け止める
「サイトは私の事、大事じゃ無いの?」
「大事だよ」
「サイトはあたしの事、好き?」
「好きだよ」
「女のコはね、好きな人には、えっちな事されたいんだよ」
ルイズがキスを求め、サイトが応じると同時に、ルイズの舌に何か乗せ、ルイズに飲み込ませる
舌を絡めると、途端に抱きつきが激しくなり、ルイズが股間を擦りつける
「ん〜〜〜〜〜」
軽くいったのだろう、身体がのけ反るのを必死に腕で離れない様にする
「ぷぁっ、今、何飲ませたの?」
ルイズは目をとろんとして、更に股間を擦り付ける
「ルイズが気持ち良くなる薬」
「やっとなのね、嬉しい……………すぅ」
「…気持ち良くお休み、ルイズ。明日には何時も通りだ」
「…相棒、眠り薬なんていつ用意した?」
「風呂帰りにモンモンにストック分けて貰った。今日徹夜で仕上げるとさ」
「香水の嬢ちゃん、そんなの迄持ってたのか」
「普通の作るの飽きてて、色々作ってたんだと」
「やっちまえば良かったのによ」
「うるせー。やるにしても正気の時だ」
「ほいほい、じゃ、その時に嬢ちゃんけしかけっからな」
「ぜってー折っちゃる。お休みだ、デルフ」
「おぅ」
ルイズをそのまま乗せた状態で、才人は目を閉じた

*  *  *
ドンドン
「相棒、客だぞ〜」
ドンドン
「起きろ〜」
ドンドン
「駄目だ。お〜い、二人共まだ寝てるぜ」
「入るわよ」
ガチャ
ルイズの部屋は、ロックが掛ってないので、直ぐに開く
「お〜、可愛い顔が台無しだな、嬢ちゃん」
「うるっさい、黙れボロ剣。やっと出来たのよ、才人起きなさい」
「お〜怖っ」
つかつか歩みより、才人の傍に行く
毛布を剥ぐと、才人の上ではルイズが寝ており、その恰好はモンモランシーに怒りを起こす
「才人が拷問って言ってたのは此か。ん〜と、してないわね。良し、許してあげないでもない」
「さて、殴るか水をぶっかけるか。水は駄目ね、薬にかかって成分変わったら駄目だわ」
545大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-14:2010/09/23(木) 22:07:27 ID:E7XO5Sx7
薬を机に置き、深呼吸。才人の耳を摘み、耳元で怒鳴る
「起きろおぉぉぉ、出来たぞ!」
「うわぁぁぁぁ!!」
才人はベッドの上で跳ねる
「何だ何だ?何が起きた?」
「薬が出来たのよ」
「え?お、モンモンか。おはよう。凄い顔だな」
「徹夜はお肌に悪いのよ。良いからルイズ起こしてよ。してないでしょうね?」
「やらない為に、眠り薬分けて貰ったんじゃないか」
「ま、信用するわ。あんた本当に堅いもの。全く、ヴァリエールは侮れないわね。キュルケより凄いじゃない」
「淑女のたしなみって言ってたぞ?母親や姉妹から、貰ったって言ってたな」
「モンモランシでは、此処までしないわよ。母様から、こんなの貰った事無いわ」
「大貴族ってのも、大変なんだな」
「どちらかと言うと、ツェルプストーのせいかも」
「あぁ、先祖代々の正当なる寝取られだもんなぁ。そりゃ、気合い入るか」
「クス、そうね」
クスクスとモンモランシーは笑う
「そろそろ、起こしてよ」
「モンモンが起こさないのか?」
「今のルイズじゃ、多分サイトじゃないと反応しないわよ」
「そうだな。ルイズ、ルイズ、朝だぞ。起きろ」
才人が身体を揺すりながら耳元で囁くと、ルイズはピクンとした後、寝惚け眼で目を開ける
「ふにゃ、サイト?」
「おはよう、ルイズ」
「おはよう、サイト。何で子供作ってくれないの?」
「ルイズが先に寝ちゃったんだろ?」
「ん〜と、そうだった。朝早く起こしたのは何で?」
「子供作るんだろ?」
「作ってくれるの?」
「あぁ。モンモンが、子供出来易くなる薬、作ってくれたからね」
此処で、初めてモンモランシーに気付くルイズ
「モンモランシー、本当?」
目の下に隈を出し、こめかみをひくつかせ、更に青筋立てて、モンモランシーは応じる
「えぇ、そうよ。机の薬がそれよ」
「ありがとうモンモランシー。サイト、飲ませて」
「はいはい」
ルイズをベッドの上で座らせ、サイトは起き、机の上の薬を口に含み、ルイズを抱き寄せ、キスをし、薬を流し込む
こくんこくん
ルイズの小さな喉が薬を飲み込み暫くすると、ルイズの顔が紅くなり、目を見開く
才人は目を閉じており、其には気付かない
ルイズは左拳を握り込む、隙間は僅か10サント
ゴスッ!!
「くぁっ!?」
無防備な肝臓にクリーンヒットし、才人が身体をくの字に折り、ルイズと才人の間に隙間が出来る
546大人才人 ラグドリアン湖の精霊3-15:2010/09/23(木) 22:08:29 ID:E7XO5Sx7
ルイズは膝を立て、左拳をフックの構えから、一気に身体中のバネを使い、才人の顎を立ち上がりながら打ち抜く
ガッ!!
「アガッ」
一瞬浮いた才人は、そのままたたらを踏みながら後退、そしてルイズが床に立ち、頭が無限の軌道を描き、左右から拳を連打する
ガンガンガンガンガン、ガン!!
ドスン
才人は顔から床に叩き付けられた
「嘘、嘘、今までのは、全部うそなのぉぉぉぉぉ!!」
「・・・リバーブロー、ガゼルパンチ、デンプシーロールのが、絶対嘘だ」
才人は小さく呟き、そのまま失神する
「こうしちゃいらんない。早くちい姉さまに手紙書かなきゃ」
「結局こうなるのね、お二人さん」
「報われねぇなぁ、相棒」

*  *  *
547大人才人:2010/09/23(木) 22:21:48 ID:E7XO5Sx7
投下終了なのね〜きゅい
丁度ギリギリなのね
大人才人タクティクスなのね
今回はキュルケなのね〜きゅい
「今回劇中描写で私達が腰抜けてたけど、メイジにとって、自身の魔法が全く通じないってのは、恐怖以外の何物でも無いのよね」
「オマケに私達はダーリン直伝のテクニックを、密かに練習して使える様にしたってのに、それすら最初以外通じなかったの。あれ威力下げても、スクウェアクラスの破壊力を出しながら、節約出来るスキルなのよ」
「其ほどだってのにダーリンには全く通用しないし、幾らデルフでも反則じゃないかしら?魔法吸収なんて、知らないわよ」
「そうそう、劇中のファイエルは、ゲルマニア訛りだから気にしないでね」

ありがとうなのね〜きゅいきゅい
それとスレ立ては誰かに、お願いするのね
携帯厨だとべっかんこ通したりして直リンは難しいからお願いしますなのね〜きゅいきゅい
548名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 22:43:32 ID:ONocVmxu
いつもながらGJ

次スレたてられるかやってみる
549名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 22:46:03 ID:ONocVmxu
たてた

【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合41
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1285249502/
550名無しさん@ピンキー:2010/09/23(木) 23:14:02 ID:UuMU/snh
どちらも乙乙
しかしこのレス番で次スレ行くんだからいいスレだよ多謝
551名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 00:31:42 ID:nP3ETDqR
スレ立て乙
552名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 00:41:48 ID:HQFvWydk
>>547
GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
553名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 19:56:06 ID:jxGBhYRm
>>549乙なのね〜
埋めネタ
シルフィのちっちゃい冒険
「お姉さま、お姉さま。何でシルフィ喋っちゃ、駄目なのね?シルフィも、早く才人と喋りたいのね〜」
「…韻竜がばれると面倒だから駄目」
「才人はそんな事気にしないのね〜。こうなったら、才人に人間の姿で話かけるのね〜きゅいきゅい」
ぼかっ
「い、痛いのね、お姉さま。酷いのね〜」

「胸有るから駄目」
「お姉さまは、此から成長するのね〜きゅいきゅい。其よりも、お姉さま、シルフィ新ネタ出来たから、感想聞かせて欲しいのね」
シルフィードは一冊の薄い本をタバサに渡す
「此は?」
ぱらり
一気に紅くなる、タバサ
「どうなのね?」
「な、何で、才人とマルトー料理長とオールドオスマン?」
「才人総受けなのね〜きゅい」
「ラグース・ウォータル・デル・ウィンデ」
「ひ、ひ〜ど〜い〜の〜ね〜」
きゅいきゅ〜いと、手加減抜きのアイスストームで、空に打ち上げられたシルフィード
キランと彼方に飛んで星の様に煌めいた
そんなシルフィードを尻目に、読書に没頭するタバサ
「こ、此は、ちょっと、良い」
マダムバタフライの隣に置いておこうと、タバサは決意した

「才人、才人〜」
「おんや?見た事無いメイドだなぁ。青髪も珍しいし、タバサみたいだな」
「お姉さまの事、どう思ってるのね?」
「おいおい、一応初対面だろ?名前は?」
「イルククゥ」
「知らんっての」
「そんな事無いのね。何時も才人の作るご飯は美味しいのね〜きゅいきゅい」
「ちょっと待て、俺が飯食わせてる相手は、使い魔だけだっての。まさか、あまりに腹減って使い魔用の飯、ブン獲ってんじゃなかろうな?」
「う、実はそうなのね。シルフィのご飯は美味しいのね。其にスキュラが才人の子種欲しいって言ってたのね、きゅいきゅい」
「シルフィードのは図体でかいから飯取るな、アイツはまだ成長期なんだよ。解ったな?」
「解ったから離すのね〜きゅいきゅい」
「ったく」
そのまま厨房にシルフィードを放り込む才人
「親父さん悪い、この欠食メイドに飯食わせてやってくれ」
「きゅい」
バタン
才人の肩に手を置かれる
「誰、スキュラか?ちょっと待て、怪力で何処に連れて行く積もりだ?」
そのまま近くの茂みに連れ込まれる、才人
「や、やめ、触手プレイは止めてぇ〜〜!!」


「あ、スキュラが側に居たの、才人に言うの忘れてたのね〜きゅい」
554名無しさん@ピンキー
                       , ---- 、___
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                |  i   /      ヽ        ヽ  ,
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