不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part13
スレ建て乙です
今回も無事に着床できますよーに
いちおつ。
もうPart13か。思えば遠くまで来たものだ・・・
>>1乙
>001 名前:黒い欲望 [] Date:01/09/11 19:50 ID:5DVg2b/.
>無限大の「ぱにっくプリンセス」の天然ボケの性格良さそうな魔法使いが
>淫虫の虜になって人格壊れちゃうところはサイコーだったね!!
>他にも「奴隷戦士マヤ」とかVHSでは「淫獣女教師」とか。
>触手で感じる程度でなくカラダにもぐり込まれて品性まで犯されちゃう
>ような激しい漫画・小説・VHS、キボーン!!!
こんな建て逃げみたいな文面のスレが建ってからもうすぐ9年目か……
9年といえば生まれたばかりの寄生体が小学校に入学しちゃうくらいだぜ
6 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 20:47:48 ID:bxTRefOk
アメリカ同時多発テロのほんの数時間前か
胸があつくなるな
1乙
>>1乙
>>5 「寄生体が小学生の女の子に侵入して…」と読みそうになっちまったじゃないかw
>>1乙
バレンタインに寄生されて逆チョコと称して寄生を広めていく女の子希望
まぁぱにっくプリンセスや奴隷戦士マヤが名作なのは事実
>>1様
新スレ立て乙でした。これで心おきなく投下出来ます。
という訳で永久の果肉続きを持ってきました。
お暇な方は是非お目をお通し下さい。
以下NGワードです。
(エロ無し、陰鬱、おしっこ)
予告した通りにエロはありません。ほんとすんません。
次回はエロちゃんと用意するつもりなので(というか今書いてます)、
勘弁して下さいぃ。
第2話 捨てる神あれば、
「――おしっこ」
寝ぼけ眼を擦りながら、リオは生理現象に叩き起こされた。
寝汗と垢で身体中がべた付いて気持ち悪い。
が、痛みと不快は慣れっこだったので後回しにした。
「――んん〜。見えないー」
カーテンが締められた寝室に光源は無い。リオは寝ぼけたまま手探りに部屋の中を進み、
――ガシャン。
「ひゃっ!?」
机の上に手を掛けると、何か食器のような物を引っ掛けた。
それが何かは気になったが、急な音に驚き、溜まっていた物がこぼれそうになる。
リオは尿意と格闘しながら何とか扉まで辿り着き開いた。
「――ほっ」
部屋を出たリオは、月明かりが漏れる渡り廊下を、厠を目指して歩き始める。
ここはリビディスタの屋敷の離れだ。そして厠は母屋の方にしかない。
こういう事は多々あるので母屋の勝手口の鍵は携帯している。
(こっちにもおトイレ在ればいいのに)
などと無いものねだりしながら先を急ぐ。ドアを閉める余裕は無かった。
ドアの隙間からリオの落とした物体が、月明かりに照らされうっすらと浮かび上がる。
銀のプレートに並んだ質素な料理。そしてその脇にメッセージが添えられた便箋がある。
それにはこう書かれていた。
『明日は絶対脱がすからね! これ食べて精をつけなさい!
――リオのマブダチ、パセットより』
だがこの手紙をリオが読む事はない。
***
トイレに向かう途中、リオはそれに気付いた。
メイド達も寝静まった深夜。
起きているのは自分だけかと思ったが、小さく、本当に小さく話し声が聞こえてくる。
『あの娘を……つもりですか…』
『あいつとの……約束……するまでは…』
父と母の声だった。母と言ってもリオの母はもうこの世に存在しない。
この場合はマリオンの母と言うことだ。二人の声は父の寝室から聞こえてきた。
こんな夜中に大人がする事といえば――とリオは邪推してしまう。
だがどうにもそういう色っぽい気配は無い。
なら一体、こんな夜更けにこそこそと何の話を? リオは意識を集中した。
『そんな事を言って本当は手放すのが名残惜しいだけなのでしょう?』
『どういう意味だ…?』
『メイド達の噂になっていますよ? 貴方が、あの娘を何度も抱いていると』
背筋が凍った。そうだ、こんなにも大勢の人間が住んでいるのだ。
父との関係がバレても不思議じゃない。
『そんな与太話を信じるのかお前は?』
『そうは言いますがね。最近、わたくし達ご無沙汰していますよね?
昔はあんなに激しく求め合ったというのに』
『それはお前の体を思って』
『あははっ! 可笑しな話ですわね?
あの泥棒猫にあれだけご執心だった貴方が、今更わたくしの体を気遣うと?』
『……』
『聞けばあの泥棒猫も、娘と同じで、貧弱な体をしていたそうではありませんか?』
そうだ、実の母リシュテアはリオを出産した後、衰弱死したと聞いている。
『貴方はか弱い女がいいのですね?』
『そんな事は…』
『違うとおっしゃられるのなら!
今すぐにあの目障りな小娘をわたくしの前から消して下さい!』
『馬鹿な。そんな事が出来るわけが…』
『あら、そんな事ありませんよ? 食事に毒でも混ぜればいいのです。
ああいえ。薬草ですね、はい。世話係のパセットがいるでしょう?
精の付くものだと吹き込んであの娘に料理を運ばせればいいのです。
バカな娘ですから疑いもしないでしょう』
『正気か? そんな事が出来るわけが、』
『もうわたくしは我慢の限界なのです! あの女の娘が! わたくしの家で!
剣も持たずに、魔術も学ばずに、のうのうと過ごし!
あまつさえ貴方の心を奪っていることが!』
母の言葉がリオの胸に突き刺さる。
リビディスタの人間から、メイド達から疎ましい目で見られている自覚はあった。
だが、ここまで明確な憎悪、殺意をぶつけられたのは初めてだった。
(…怖いっ)
脚が竦み、その場から一歩も動けなくなる。
父に犯された挙句、母に殺す、と言われたのだ。
ショックで尿意も引いてしまった。
(私、お義母様にそんなに恨まれていたんだ…!)
父がする事も痛く、ただ辛い。だがそこには少なくとも、求められる、という事実がある。
それは誉められたものではない。
ないが、だがこうやって、真正面から全存在を否定されるよりはマシだ。
父は果たしてどうするのか。
何度も小さな体を求め、好きなように調教したのだ、情も移っているだろう。
リオは早鐘のように打つ心臓の音を煩わしく感じながら。
淡い期待を抱いて父の言葉を待った。
家の者に蔑まれてもいい。
いつでも好きなときに抱いてくれても構わない。
どれだけ痛くても我慢する。
だから、どうか――
(私を見捨てないで!)
『――分かったお前の言うとおりにしよう』
***
アレエスの街は四方を山に囲まれた盆地だ。
それも森林地帯を切り開き開拓した地なので街の周囲は深い森に囲まれている。
リビディスタの屋敷は街の最北端に存在し、それにも理由がある。
リビディスタの優秀な戦士達が、山に生息する魔物相手にいつでも実戦を行う為だ。
無論、森からは魔物達が入り込めないようにと、永続的に魔術結界が張り巡らせれている。
これによりリビディスタ家の者以外は、外から内に入る事は出来ないようになっていた。
ただし、中から外に出る事は自由に出来る。
現に今、非力な少女が身一つで山の中へと歩いていた。リオである。
「はあ…はあ…っ!」
体力の無い彼女は、屋敷を出て十分も歩かないうちに息を切らせていた。
(リビディスタに私の居場所は無かった)
あの父にすら見限られたのだ。あそこに居てもいつか母に殺される。
いや、違う。そんな事よりも、パセットに人殺しの手伝いをさせたくなかったのだ。
(辛い思いをするのは、私だけで十分)
けれどそれももう終わらせる。
この森で、魔物達にこの身を捧げて、惨めで救いようのない人生に幕を下ろそう。
そう、どうせ自分は誰からも必要とされていないんだ。
だったら魔物達の糧にでもなればいい。
「あはっ、あははははっ!」
不意に笑いがこみ上げてきた。
実の父に犯され、腹違いの母に憎まれ、今魔物達の餌になろうとしている。
母の命を吸って生まれた娘の人生はたった十二年。それで終わりだ。
そんなのおかしすぎる。リオは笑った。気が触れたと思うくらい笑った。
笑わないと悲しみに押し潰されて狂ってしまいそうだったから。
笑って笑って、むせて、また笑って。森中にリオの声を響かせた。
けれど涙は溢れて止まらなかった。
どれだけそうしていたか。
涙も声も枯れそうになった頃、横手の茂みが、ガサリ、と音をたてた。
「っ!?」
恐る恐る音がした方に目を向ける。
月明かりに照らされながら、木々の合間から『それ』が現れた。
巨大な花に下半身を埋めた女性型の魔物。
上半身は確かに人間の女性に見える。
惜しげもなく晒された裸身は深い緑色。
赤い瞳を爛々と光らせ、獲物を――リオを見据えている。
その表情はまさしく捕食者のそれで、獰猛だ。
(…私、食べられちゃうんだ…)
触手を蠢かせ、色っぽい唇を真横に裂き、魔物はこちらににじり寄ってくる。
それをリオは立ち尽くしながらただ眺めた。
鎌首をもたげながらヒュンヒュンと風きり音を鳴らす雄しべのような触手が目に映る。
あれで絞め殺された後に、頭からバリバリと食べられてしまうのだろうか。
ひょっとしたら直に、食べられてしまうかもしれない。
(もう好きにして)
痛みも苦痛も慣れている。それで楽になれるなら、それでもよかった。
リオは全身から力を抜いて虚ろな瞳で呟いた。
「――私を、食べて」
『ジャアアァァアァアアァァッッ!!』
「っひくっ!?」
途端に真正面から叩きつけられる咆哮。
人外の化け物が放つ殺意に、麻痺していた恐怖感が、呼び覚まされる。
ジョロジョロと、ため込んでいた小水を漏らしてしまった。
「や、っあっ…! ――きゃあぁっ!」
震える体を触手に掴まれ、引き上げられる。
「は、離してっ、離して下さい!」
(いやだ、食べられたくない! 死にたくない!)
ここに来て生物としての生存本能が機能した。
身に迫る危機に恐怖が溢れ出し、無茶苦茶に暴れまわる。
だがもう遅い。
触手に引き上げられた小さな体は、魔物本体の前で固定される。
同じ目線に綺麗な女性の顔。それはリオの体を舐めるように見ると舌なめずりをした。
ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。
初めて父親に抱かれた時と同じだ。
自分がどれだけ美味しいか、見定められている。
「あっ…やだっ、食べないで下さい! 私、全然美味しくないです!
体も弱くて、あのっあのっ! きっとヘンな病気にかかっちゃいますから!
だから、だからっ…!」
がしり、と両手で顔を挟み込まれた。
「…ひっ!?」
恐怖に染まるリオの顔をアネモネは満足そうに一瞬眺め、
次の瞬間大きく口を開いた。
「いやああああっっ!!」
目を閉じ、体を強張らせ来るべき激痛に備える。
世界から全ての音が消えた。
だが。いつまで経っても痛みを感じる事は無かった。
「――っぷっ」
なんだろう。この、笑いを堪え切れずに吹き出しました、みたいな声は。
リオは恐る恐る、目を開いた。
「あははははっ!」
何故か、目の前の異形が爆笑している。
状況が飲み込めずに腹を抱えながら笑う異形の女を、ぼんやり見つめた。
「――はあぁ、ごめんね驚かせちゃって? 怖かったでしょう?」
ひとしきり笑ってから、魔物は人語を喋った。
まるで人間とでも話をしているような錯覚を覚えてしまう。
だからかどうかは分からないが思わずコクリと、素直に頷いて、
(あ、失礼だったかもっ)
「あ、ご、ごめんなさいっ。こんな綺麗な人なのに、怖いだなんて…」
「もう、人じゃないわよ…でもありがとう。君、いい子ね」
「え…? そんなこと無いです…」
「謙遜しなくてもいいわよ。私みたいな化け物相手にまで気を遣ってくれて。
それに礼儀正しくて。君、もっと自分に自身を持ちなさい。ね?」
「あ、はい。ありがとう、ございます…」
そこまで話してふと気付く。
どうして自分はこんなところで触手のモンスターと世話話をしているのか。
(あ、あれ? なんで、こんな事に?)
死ぬつもりで家出したのにそのモンスターに命を救われた挙句にお喋りとは。
皮肉を通り越して喜劇的だ。
「あーでもあれね。こんな時間にこんな所に来る辺り、お利口さんとは言えないわね」
「……だって私、死ぬつもりでしたから」
人間相手でないことがかえって緊張を和らげたのか、スルリと、その言葉は出たきた。
女の魔物と言えば真剣な表情でリオの瞳を見据えた後、ふうと、ため息をついて、
「めっ!」
べしりっ。
「いたっ!?」
脳天を触手ではたかれた。
「命を粗末にするんじゃないの!」
腰に手を当てながら人差し指を立てて怒っている。子供をしかりつけるように。
まるで母親のように。
「――ふぇ…っ」
急に胸の内から何かがこみ上げてきた。
「ふえぇぇぇんっ!」
「えっ!? ちょ、ちょっと君っ?
やだもうあたしってば…ごめんなさい、痛くし過ぎた?」
「びええぇぇん!」
優しい気遣いが心に染み渡り、また泣く。
「あぁもう…しょうがないわね…」
その魔物は穏やかな顔になると触手でリオの体をさらに引き寄せる。
小さな体が優しく抱き締められた。
「あたしの胸で良いなら、いくらでも貸してあげるわ」
「うええぇぇぇぇぇっん!!」
かくしてリオは、女の胸に顔を埋めて、おんおんと泣き続けるのだった。
***
いつまでそうしていただろうか。
涙なんてとうの昔に枯れ果てたと思っていたのに、随分と長く泣いていた気がした。
「よしよし」
女の魔物は、しゃくり続けるリオの頭を優しく撫でている。
それがとても気持ち良くて、ずっとこうしていたい気持ちに捕らわれた。
魔物なのに、今まで出会った誰よりも優しい。
「どう? 少しは落ち着いた?」
「…はい…あの、おかげざまで」
涙でくしゃくしゃになった顔を見て女がクスリ、と笑みをこぼす。
リオは恥ずかしくなって、ずるるぅっ、と鼻水を啜った。
「それにしても本当によく泣いてたわねぇ。
――ねえ? よかったら、何があったのかお姉さんに話してみない?」
「え…?」
「悲しい事、あったんでしょ?
あー。えっと、そう言えば君、名前はなんて言うの?」
「…リオです。リオ=リビディスタ」
(…あ)
リビディスタの名前を出してからしまったと思う。
かの家にとって自分はただの癌でしかないからだ。
だがリビディスタの事情を知らないモンスターは優しく微笑んだ。
「リオか…可愛い名前ね」
「えっ?」
名前を誉められる事など一度もなかったのでどきりとしてしまう。
「ねえ、リオ。あたしじゃ力になれないと思うけど、話くらいなら聞いてあげられるわ」
リオは少しだけ考えてから、このモンスターに全てを話そうと思った。
「あの…私のお母さん。その――夜のお仕事をしていたんです…」
「…あら…」
目を丸くした魔物の反応に少し肩を落としながら、リオは先を続ける。
「今から十三年前の話です。私のお父様が遠征先の街でお母さんと出会って、
――その、えと、何度も愛し合ったみたいです」
こんな話人に聞かせる事なんて無かったので、とても恥ずかしい。
甘えるように抱きつきながら、時折チラチラと女の反応を伺う。
自分の母も、そして自分も褒められるような生は送っていない。
こんな話を聞いて、喜んでくれるのだろうか、と不安に思う。
だが、それも杞憂のようだった。
女は笑顔で、こちらの話を聞いてくれていた。
「あら、良かったじゃない」
「…そんな事は、ありません――実はその時、お母さんは病気で体を弱めていて。
私を生んでから衰弱して――」
「まさか…」
予想した女に。リオは弱々しく微笑む。
「私はお母さんの命を吸って生まれたんです」
「そう…」
「それだけじゃありません。
お母さんを失って、行き場を無くした私をお父様は引き取ってくれたんですけど。
お父様は、リビディスタっていう代々武術と魔術の両方を重んじる家系で。
その、ようするに血筋を大切にするところだったんです。
お母さんから虚弱体質を受け継いだ私に、リビディスタには居場所がありませんでした」
女はリオの話を真摯に聞いているようだった。
真剣な表情でリオを見詰め、何か思うところがあるのか思案に耽る。
「…魔術は? リオには使えないの?」
ふと口にした女の言葉にリオはまたしても力なく笑う。
「才能無いって、言われました」
「――本当に?」
念を押して聞いてくるアネモネを不思議に思いながら、リオは話しを続ける。
「本当ですよ? それで剣も魔術も使えない私は、『リビディスタ家の汚点』って。
そう言われ続けたんです。特にリビディスタのお母様は、私の事を目の敵にして――」
先程の事を話す。子を毒殺しようという両親の企み。
それに唯一の友達を利用しようてしたこと。
その友達、パセットの話もした。
可愛くて真っ直ぐだった彼女が、大好きだった事を話した。
父の話もした。実の子を陵辱するおぞましく、恐ろしい存在。
だが、彼がリビディスタの中で、唯一の居場所だったという事。
全部、包み隠さず話した。
話を終えたら、また泣きそうな気持ちになった。
そんなリオを、モンスターは優しく抱き締めてくれた。
「ごめんなさい。あたし、命を粗末にするな、なんて偉そうなことを言って」
「いえ、いいんです。実際、私はあの時に、死にたくない、って思いましたから。
バカな事をしたと思っています。でも――」
(もう、リビディスタに戻る事は出来ない)
「私もう分からないんです。これからどうすればいいのか…」
自分が何を出来るのか分からない。どんな人に必要とされているのか分からない。
身の回りの事はパセットが全てしてくれていたので家事もろくに出来ない。
父親に仕込まれたせいで床の上なら何か出来るだろうが、この虚弱体質では限度がある。
リビディスタの名も、ただの飾りだ。
自分の味方は誰も居ない。
誰からも必要とされないなら。
(私、一体何の為に生まれてきたんだろう)
「リオ。あたしの仲間になりなさい」
突然だった。何を言っているのか分からなかった。
「直感したわ、リオ、君はあたしと一緒に来るべきだわ」
「どういう事ですか?」
「あたしこう見えてももう二百年は生きてるんだけど。時折人肌が恋しくなるのよね」
「…え?」
「誰かと交わっても刹那的なものだし。
だからと言って派手にやらかせばすぐに人目について、退治されそうになるし。
今も追われている身なのよね。あたし暫く一人だったから。この逃亡劇も結構辛くてね。
やっぱり独りは寂しいわぁ」
「はあ――そうですか」
(あれ、そう言えば。私、この触手のお姉さんの事何も知らない)
「あの、結局、お姉さん、一体どういう…?」
その質問にモンスターは一瞬固まり、すぐに照れ隠しのような笑みを浮かべた。
「もう、いやだわ。あたし、リオの話ばっかり聞いて、自分の事何も話して無いじゃない。
ゴメンね? こうして誰かとちゃんと話すのなんて何年ぶりだったの」
こほん、と一つ咳払い。
そしてモンスターは腰に手を当ててたわわに実った胸を反らすと名乗った。
「あたしはネーア。アネモネのネーアよ。宜しくね、リオ」
にっこりと笑う彼女の表情は、魔物とは思えないほど穏やかで、優しさに溢れていた。
第二話終了です。
えー。ネーアだって。どこかで聞いた名前だなぁw
という訳で旧キャラ判明しました。無限の果肉シリーズのヒロイン、ネーアです。
前作から二百年後の世界なので色々成長しています。
精神もそうですが主におっぱいとかおっぱいとかおっぱいとかです。アネモネ効果です。
人外化すると体がエロくなるのは触手に媚薬くらい当たり前ですね。
次は二人のヒロインがぐっちょんぐっちょんに交わりますよぉ。
触手寄生和姦だ! 筆が乗るぜ!
ところで連投寄生って何回くらいでしたっけ?
二十回くらいなら二話分まとめて投下も出来るんですが。
ガイドラインやQ&Aを見てものっていないし。
知っている方、もしいらっしゃれば教えてくれると助かります。
乱筆失礼しました。今回はこの辺で。
幼女――万歳。
連投すると寄生されるのか?それとも連投しないと寄生されるのか?
実に気になりますなぁ
GJっしたぁ!
いよいよいよいよですかな?
幼女マンセーに禿同しつつ、楽しみに次回待ってます。
ちょ、このアネモネはネーアさんだったのかwww
なんという成長っぷり(性的な意味で)、これなら幼女さんも幸せにしてくれるはず
もう妄想が止まりません><
|┃三 /::::::::ハ、\、::::::::\\::::::::::::',
|┃ i:::::::イ `> ー─--ミ::::::::::::|
|┃ {::::::::| ::\:::/:::: \:::リ-}
ガラッ. |┃ ',::r、:| <●> <●> !> イ
|┃ ノ// |:、`{ `> .:: 、 __ノ
|┃三 |::∧ヘ /、__r)\ |:::::|
|┃ |::::::`~', 〈 ,_ィェァ 〉 l::::::》
|┃ |:::::::::::::'、 `=='´ ,,イ::ノノ从
|┃三 ノ从、:::::::::`i、,, ... ..,,/ |::::://:从
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃
|┃┃ ピシャッ!
|┃┃
前作魔物「アドニス」と「アネモネ」は名称違うけど別種なの?
無限の快楽で200年経た果ての進化系か?
妄想が膨らむぜ。
前スレ埋めSS、すごく良かったよー。寄生和姦LOVE!!
前スレラストGJ!
甘いのもいいけど半ば強引なのも悪くない
前スレの人お疲れ様
寄生成分が少ない気がしたけど、なかなかよかったよー
できればまた違ったものを書いてほしい
26 :
25:2010/02/17(水) 04:56:22 ID:NeP2yDGc
撤回する 時間が無くて最後だけしか読んでなかった
本当GJすぎます お疲れ様でした
寄生前 >25
寄生後 >26
僅か5時間で、ここまで人格を変えてしまうとは……流石前スレ>626だ
乙×風さんの作品が生殺しすぎる
今日も裸で待機するか…
前スレ626さん投下お疲れ様でした。
貴重なエロ分を補充できたのでマジ嬉しいっす。
さて、今日も投下させて頂きます。
連続投稿による規制云々ですが自己完結しました。
連続投稿回数に上限が設定されているようではないみたいですね。
連続投稿する際の間隔の長さに下限があるだけのようです。
ひょっとしたら違っているかもしれませんが。
まあ、取りあえずは投下してみます。文章量も思い切って多めにしました。
しかしもしかしたらこちらの不手際で投下途中に規制が掛かるかもしれません。
その場合はどなたかが書き込んでこちら規制を解除してくれると助かります。
以下NGワードです。
(触手、フェラ、ロリ、猥語、種付け)
ネーアがあの性格だから和姦になる予定でしたが割とがっつりやります。
ではどうぞ。
第三話 人よりも優しい魔物
ネーアと名乗ったモンスターを改めて眺める。
(おっきなお胸)
少し恨めしい。
「あら。あたしの裸に見とれた?」
良いながら男を挑発するように、妖艶にポーズをつける。
光沢のある萌葱色の肌が波打ち、それだけで妖しい色香を放つ。
同姓だというのに余りのエロティックさにドキドキした。
「ふふ。良いわね、その初な反応。女冥利に尽きるわ」
ふと思い出す。
以前、暇つぶしに読んだ、モンスターの図鑑にアネモネの事が載っていた。
彼女達は『アドニス』と呼ばれる寄生型植物と同化させられてしまった人間の女性だ。
今からおよそ二百年ほど前、大量に繁殖したモンスターである。
巨大な花にその身を埋めた彼女達は、理性を蕩けさせる催淫ガスを放つ。
そしてガスを吸い込み正気を失った人間の女に『アドニスの種子』を植え付けるのだ。
『種子』は子宮に植え付けられ、被害者の体液、或いは精液を糧に『芽』へと成長する。
『芽』は子宮に根を張り、膣を通って体外へと伸びる。
『芽』と名付けられたがその形は『花』そのものだ。
被害者の陰唇から花が生えたような格好になる。
この状態になると被害者の理性も危うい。
『芽』の最奥部、つまり胎内では新たな『種子』が既に生成されているのだ。
こうなると本能のまま、新たな犠牲者を犯し、自分がされたように『種子』を植え付ける。
『芽』は更に成長する。
被害者の下腹部が膨らみ、妊婦同然に膨れ上がると、『芽』が体外へと排出される。
だがこれで犠牲者達が解放される事は無い。
体外へと産み落とされたそれは『花』であり、これが『アドニス』。
それ自身が自我を持ち、自分を産み落とした母体を或いは他の女を陵辱し、体液を啜る。
『花』となったそれの成長は早い。
産み落とされてから三日程で『成体』となる。
この三日間の間で、母体を陵辱し、子宮から体内構造を作り変えてしまう。
『花』と『母体』は子宮を通して完全に繋がり、意思も神経も同調する。
肌の色が浅葱色へと変化し、被害者は『アネモネ』となる。
こうなったら人間としての心は完全に消えている。
『芽』が生えた状態では操られている、と言えなくも無い。
だが『成体』となったら自らの意思で嬉々として人間を襲う。
こうして彼女達は無限に増殖していくのだ。
二百年前に起こったアネモネの大量増殖もそうだったらしい。
最終的に、かの偉人ウラヌスが秘術を用いて彼女達を『無力化』したらしいが。
らしいと言うのは当人がその秘術を使用した時点で命を失っていた事。
そして大量増殖した被害者達はアネモネから人間へと戻り、当時の記憶を失っている事。
この二点が事の仔細を不明瞭にしている。
それは、兎も角。
問題は眼前に本物のアネモネが居る、という事だ。
資料に寄れば彼女達は人の姿をし、人語を操るが、その実態はやはり化け物。
人間を襲う事を生業とする、モンスターだ。
それにしてはどうにもこのネーアというアネモネは人間臭い気がするが。
「――あの、その。ネーアさん、アネモネ、なんですよね?
私も、その、されちゃうんですか?」
「ん? 何? 興味ある?」
「ちち、違います!」
「あら? 顔が真っ赤よ」
「…からかわないで下さいっ」
「うふふ♪ 冗談よ――そうねぇ…」
にんまりとした意地悪な笑みが一転。ネーアは穏やかな表情を浮かべた。
「最初はね。リオとしようかと思ったんだけど。止めておくわ」
「どうしてですか?」
「どうしてって、体、弱いんでしょ? 無理させたくないもの」
「あ――」
気を使ってくれている。こんな自分に。
(どうして、こんなに優しいんだろう)
自殺を決意した自分を叱咤てくれた。
つまらない身の上話を聞いてくれた。
泣いたら抱き締めてくれた。
今まで、こんなに親身になってくれる者はいただろうか。
話しているだけで、心が安らぎ、不安や恐れが消えていく。
人間じゃないのに。いや、今では人間の方が恐ろしい。
それに父親も母親も、姉も。友達も。自分にはもう何もない。
(そっか。私、失う物、何も無いんだ)
元より捨てるつもりだったこの命。
彼女が望むなら、
「…ん? リオ? どうしたの?」
「――ってもいいです…」
「え?」
「仲間になってもいいです」
彼女の目を見て、はっきりと言った。
迷いは無かった。
「私を、アネモネにして下さい」
「……いいの?」
「もう、リビディスタに私の居場所はありません。それにこんな体ですから。
何処に居ても、誰かに迷惑を掛けてしまうんです」
毒殺される。誰かに迷惑をかけながら無様に生き長らえる。野垂れ死にする。
どう転んでも、幸せな人生は歩めそうにない。
「でもネーアさんは。優しくしてくれました」
「…そうかしら? あたしはモンスターよ?
あなたを油断させる為に芝居をしてるかもしれないわ」
「それはきっと違います」
「あら? どうして?」
「上手く言えないんですけど。私、何となく分かるんです。ネーアさんは優しい人って」
「もう。おだてても何も出ないんだから。でもありがと。
あたしも優しい、なんて言われたの久しぶりだわ。悪い気はしないわね」
クスクス、と二人で笑い合う。
リオは確信する。
屋敷では得られなかった、人の優しさは、人をやめる事によって初めて得られるのだと。
「それじゃあネーアさん。お願いします」
「あー。こっちから言い出しておいてあれなんだけど。本当にいいの?
人間、止める事になるわよ?」
それはつまり、今度は人間を『襲う側』になるという事だ。
確かに、見知らぬ誰かを傷付けたりする事は悲しいが。
心も、体も、もう散々穢れている。今更罪の一つや二つ、怖くは無い。
何よりも。
「ネーアさんの傍に、居たいんです」
「…参ったわね」
「私、家に未練もありませんから、本当にいいんです。
それに、この体、私嫌いなんですから」
「やっぱり、体弱いの気にしてるの?」
「それだけじゃありません。髪の色とか皆と違うし。
それに私自分の体臭が、気になって仕方ないんです」
父親に穢されるので、雄の匂いが染み付いていないか、というのもある。
だがそれ以上に。自分の匂いは普通の子と違う気がする。
パセットがじゃれついて密着する機会が多いのでそれは確かだ。
父親も、よくこの体の匂いを嗅いでいた気がするし、何だか気になるのだ。
「そうかしら。あたしはリオの髪、好きよ。綺麗なピンク色。
サラサラしてて頭を撫でてる時気持ちよかったわ。
その瞳も変わってるわよね? オッドアイって言うんだっけ?」
「あはは…皆、薄気味悪って言ってます」
「そんな事無いわよ! 何と言うか、神秘的な感じがするわ」
「え? あの、本当ですか?」
「本当よ? リオは自分の容姿にもっと自信を持って良いと思う」
「でもでも、私、変な臭いしてませんか?」
「そうねぇ――」
「きゃっ」
脇に鼻っ面を押付け、すんすんと匂いを嗅がれる。
猛烈な恥ずかしさに襲われた。穴があったら入りたくなってくる。
そういえば最後に体を清めたのはいつだっただろうか。
「んー。変な匂いなんてしないわよ? これは日向野の匂いね。
きっと日当たりの良い部屋なんでしょ」
「あ、え…、は、はい。そうですね。暑いくらいで、私、すぐ汗掻いちゃうんです」
「ふふ、確かに。汗の臭いもするわ」
「やっ!? 嗅がないで下さい!」
「そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よ。リオの体、甘い、良い香りがするわ。
香水とかの匂いじゃないし。きっと体質ね」
「そ、そうなんですか?」
男の精を何度もうけた体は、いやがおうにも汚く思えるが、それは思い込みだったのか。
「そうよぉ。何十人も女の子を抱いてきたあたしが言うんだもの。間違いないわ。
まあでもおしっこの匂いは普通ね」
「――ぁ」
空気が固まる。
そういえばさっき、ネーアに驚かされて派手に失禁した気がする。
(やだ! 私、オシッコでベタベタになってる!)
「いやああぁぁっ!」
「あらら。もう…おしっこぐらいで大げさね」
「そんな事ありません! いやっ、もう離して下さい! 臭い嗅がないで下さい!」
「クンクンクンクン♪」
「だからぁっ! もうっ、セクハラですぅ! 変態ですう!」
ピタリ、とネーアの動きが止まる。変態は言い過ぎだったか。
(どうしよう。傷つけちゃったのかな?)
「あ、あの。ごめんなさい。酷い事言っちゃって」
何気ない言葉が人の心をどれだけ傷つけるのか。
それはリオ自信が身を持って知っていたので、申し訳ない気分になった。
「ねえリオ。やっぱり。モンスターになるなんて嫌?」
「え? どうしてそんなこと言うんですか?」
「だ、だってさっきから嫌がってばっかりだし。
あたしのことは変態呼ばわりするし。
ひょっとしたら、嫌いになったんじゃないかって…」
目を伏せながら喋るネーアの言葉には覇気が無く、怯えた子供のよう。
(あ…そうか…そうなんだ)
この時リオは理解した。人肌が恋しいというネーアの言葉。
あれは冗談でも何でもなかったと言う事に。
(ネーアさん。寂しがり屋なんだ)
片や親から見捨てられた醜いアヒルの子。
片や人に追われる人の心を持ったモンスター。
(私達、お似合いかもしれない)
「ネーアさん。大丈夫ですよ? 私、ネーアさんの事、嫌いになったりしませんから」
「本当に?」
「はい」
「あたしの仲間になったら…毎日、エッチな事するわよ?」
「そ、それは――の、望むところです!」
「それじゃ――」
「んっ!?」
突然唇を奪われた。
初めてのキス。しかも同性とのそれに目を白黒させる。
だが驚きはしたがショックではない。男に捧げる操は二ヶ月も前に散っていた。
それに今更素敵な殿方と甘い恋がしたい――そんな稚拙な希望を抱ける訳も無かった。
だから喜んでネーアの舌を迎え入れた。
唾液を送り込まれ、歯茎と咥内に舌を這わされる。それに合わせるようにこちらも動く。
チュプチュプ、と粘液をかき回す音が頭の中で響き渡る。
余りのいやらしさに胸が怪しく高鳴る。
舌と舌が絡まり合うと蕩けるような愉悦に頭がぼうっ、とした。
(あ、これ、気持ちいい…っ)
催淫ガスのせいもあるだろう。
だがそれを差し引いても、父親とのキスなんかよりもよほど官能的だった。
まるで粘膜が性感帯になったように甘く痺れる。
ふんふん、と鼻に掛かるネーアの吐息が甘く香り、更なる興奮を呼び起こす。
股下が、じゅくり、と甘く疼くのを自覚した。
「ちゅうぅぅ――ぷはっ――ふうぅっ、こんな事毎日しちゃうわよ?
普通のキスとかしないんだから」
最後に舌を啜ってからディープキスから解放したネーアが優しく微笑む。
激しく甘い口付けにリオは虜になりそうだった。
(それは…嬉しいかも)
だがリオは酸欠とキスの余韻で喋ることも出来ない。
かと思えば優しいアネモネは心配そうに顔色を伺った。
「あ、…ごめんなさい。少し刺激が強かったかしら?」
「だ、大丈夫――です――はあぁ、はあ…」
リオは息を整えると恥ずかしさに顔を背けながら、それでも正直に言った。
「その――気持ちよかったです」
「…可愛い!」
「え?」
「どうしてそんなに可愛いのよもう! もうお姉さん我慢できないわ!
エッチよ! 契約よ! 種付けよ!」
いきなりネーアのテンションが上がる。
リオが受け入れてくれた事が余程嬉しかったらしい。
ぞわぞわと足元の花弁が蠕動し、そこら中から触手が生え出す。
花の中心部――つまりネーアの埋まった所から、甘酸っぱい、花の香りが漂ってきた。
(あ、いい匂い)
図鑑にはそれが、人間を欲情させる効果があると載っていた。
だが、知っていたからと言ってどうしようも出来ない。
フニャフニャになっていく体を触手に拘束され、慣れた動作で着ている物を脱がされた。
「あ…やだ、裸、見ないで下さい…」
月明かりに幼い少女の裸体が浮かび上がる。
病弱な体は少し線が細い。
更に言えば胸は勿論の事、腰回りや、尻の肉付きなど、控えめななものだ。
だが紅潮した肌は押せば返すような張りを持っている。
小さな臍や、寒さのせいで徐々に充血する乳首も愛らしい。
あばら付近から、小さな胸や、羞恥の丘へと続くなだらかなライン。
それが今後の成長を期待させる。
見るものが見れば、こんな未成熟な体でも十分魅力的に見える。
何よりも恥じらいに頬を赤くし、俯く少女の顔が可愛らしかった。
「かーわーいーいー!! きゃーー! リオちゃーん!」
「ちょっ、ネーアさんっ!?」
「ぷにぷによっ! ぷにぷにだわ! ああこの肌すべすべ! たまらないわぁ!」
「ひっ、やっ」
胸や腹、肩口やわき腹など、優しく撫でられ、揉まれる。
それが他愛の無いじゃれあいだという事も分かる。
だが裸体を触られる以上、それが性行為だという事も考えてしまうのだ。
ともすればセックスで苦痛を受けてきた体は、反射的に強ばってしまう。
「……えーと、…リオ?」
芳しくない反応にネーアが首を傾げた。
「ご、ごめんなさい」
「んー。ガスも撒いてるのに、中々解れないわね」
「本当にごめんなさい。私のせいで」
「そんな事言わないで、ね? 今まで辛い思いをしてきたんでしょ?
無理もないわ。でも大丈夫。そんなの気にならないくらい。感じさせてあげるから」
「ひゃっ!?」
いきなり脇の下を触手になぞられた。
「ふふふ。ガードが固い方が、あたしも燃えるからねー。
ちょっと本気を出すわよぉ?」
ふっ、と耳元に息を吹きかけられる。
ぞくぞくとした感触がして『にゃぁっ!?』とおかしな声が出た。
「ふふ。可愛い声出しちゃって」
「ひゃん!?」
今度はうなじ。
「体、ぷにぷにだわ。気持ちいい。良い匂いもするし。
リオのお父さんが夢中になるのも分かるわ」
「あっ!? うぅんっ」
愛撫は、吐息から触手によるタッチへ。
首から胸へ。胸から腹部へ。触れるか触れないかという絶妙な力加減で撫でられる。
くすぐったいようなじれったいような性感に、リオの中で欲情の炎が燻り始めた。
膣が疼いて汁を搾る。リオの甘い体臭に酸味のあるメスのフェロモンが混じり始める。
(私、興奮してるんだ…)
自覚すればその先に更なる官能があった。
雄しべのように花弁の付け根から伸びる触手。
それらに乳輪を、腋の下を、臍のすぐ傍を、撫でられる度にぞわり、と肌が粟立つ。
外で裸になっているから――それだけの理由ではない。明らかに感じている。
(頭、ぼーってするよぅっ)
はあはあ、と自分の呼吸音が聞こえる。まるで犬みたいで、少し情けない。
だが徐々に肌を撫でられるだけの刺激では物足りなくなってきた。
さっきから敏感な場所はネーアの手も、触手も触れていない。焦らしているのだ。
「んん…っ、ネーアさんっ、意地悪ですっ」
「んー? 何の事かしらぁ?」
そう言って妖艶に笑う姿は、やっぱり魔物。
けれど彼女の手が、陰部を目指して徐々に下がって来るとリオの体は緊張した。
快楽に期待して、胸が怪しく高鳴る。
それが淫らな気持ちだとは、思いもしない。
エッチがこんなに素晴らしいものだとは、思いもしなかったから。
「ふぅっ♪」
「きゃぁあん!?」
いきなり耳に息を吹きかけられ声が裏返る。完全に不意打ちだった。
「隙あり♪」
ネーアの指先が、左の乳輪をクルクルとなぞるように動く。
もどかしい快感にリオは身じろぎした。
だが、乳輪をなぞる円は徐々に幅を狭めて、小さなポッチとニアミスする。
再び淫らな期待に胸がときめいて、
「――と見せかけてこっち♪」
パクリと、触手の先端に右の乳首をくわえられた。
「きゃんっ!?」
そのままコリコリと甘噛みされる。
胸にピンク色の電流が流れて、視界内で火花が散った。
その快楽。比喩でもなんでもなく、未知の領域だった。
(こんな…っ、すごい! お父様にしてもらった時と全然違う!)
「はあっ…はあぁ…っ!」
鼓動が早い。吐息も艶めかしくなる。
女芯から、ジクジクと発情汁が溢れてくるのが分かった。
股下のべた付きは、小水よりも愛液の割合の方が遥かに多い。
「だいぶ、解れてきたみたいね?」
「――っ…」
ネーアの言葉に顔が真っ赤になった。
「ネーアさんの手がいやらしすぎるんですっ」
「あら。それはアネモネにとっては最高の誉め言葉だわ♪」
「もうっ、知りませんっ」
「拗ねた顔も可愛いわ――もっと見せて頂戴」
触手に捕まれたまま体の向きを変えられ、再び向かい合う。
と、触手に力が入り、リオの脚が開いていく。
「だ、駄目です!」
小水と愛液でドロドロになった自分の性器なんて、他人に見せられる筈がない。
何より使い込まれたヴァギナが他人と違っていたら、気持ち悪いと言われたら。
そう思うと気が気でない。
「駄目じゃないわ。あたしはリオの全部が見たいの。綺麗な所も、汚い所もね?」
そうしてあっさりと、足は開かれた。
さらけ出された幼い羞恥の丘に、痛いほど視線を感じる。
「――リオったら。綺麗なアソコしてるじゃない」
「え? 本当ですかっ?」
「本当よ。勿体ぶってどうなってるのかと思ったら。ビラビラだってはみ出してないし」
くちり。
「あっ!」
細い指が涎を垂らす割れ目を開く。
「粘膜も、サーモンピンクの綺麗な色をしているわ」
「あっ、あのっ! どこか変な所とかは…」
「大丈夫よ。リオのアソコ、どこもおかしくないわ」
「ふえっ…」
(良かったぁ…)
「リオ。ここ綺麗にしてあげるわ」
「え? え!? ここっ、て駄目です! そんな所、汚――あぁ!?」
ゾロリ、と割れ目に舌が這わされ、仰け反る。
反応を見て気を良くしたネーアはクンニを続けた。
割れ目に沿って舐めあげたり。肉ビラを一枚一枚磨き上げるように舐めたり。
膣の浅い位置に舌を差し込まれ、抜き差しする。
「あっ!? ふあっ!? はぅ!?」
痺れるような快楽だった。
苦痛に対してある程度我慢も出来るが、純粋な快楽には殆ど免疫がない。
チュプチュプと解れたヴァギナから卑猥な水音が鳴る度にアソコが痺れる。
喉からはしたない喘ぎ声が洩れてしまう。
(駄目っ! 気持ち良すぎて、頭変になりそう!)
びりびりとした純粋な快楽に意識が混濁する。
運動した後のように息が荒くなり。幼い顔は火を噴くかと思うほど真っ赤になっている。
女芯からは愛液が大量に湧き出し、リオの甘い香りを辺りに振りまいていた。
「あっ! はぁ! ネーアさん、ふあっ!? ま、待って! 待って下さい!
んあぁあぁぁ…! それ以上されたら私っ、おかしくなっちゃいます!」
返事の代わりに肉色の真珠に舌を這わされた。
「きやぁあんっ!?」
宝石でも磨き上げるように丁寧に、そして執拗に、性感の固まりを舐め解される。
身体中に電気が走り抜け、頭の中で星が散る。
強すぎる刺激に腰が引けてしまうがネーアに抱き付かれ、逃げられない。
ちゅぅっ…!
「あっ!? 駄目えぇっ!」
とどめとばかりにクリトリスを吸引され、そして解放された。
「ご馳走様♪ リオのお汁、とっても美味しかったわ♪」
これは男にくれてやるのは勿体無いわねえ、と明るくのたまっている。
余りの刺激に、前後不覚になっていたリオには言葉を返す余裕も無かった。
「はあっ…はあーっ…!」
「ふふ。涎垂らしちゃって。よっぽど気持ち良かったのね。
アソコもグチョグチョで、リオのエッチな香りがするわ♪」
「あーうっ」
指摘されて赤い顔がさらに赤くなった。
「リオったら可愛い♪」
「ば、ばかぁ…!」
余りの快感に肩で息をするリオは照れ隠しでそういうのが精一杯だった。
(あっ! どうしょうっ、馬鹿って言っちゃった)
「あら、悪い事を言う口ね?」
「ご、ごめんなさいっ」
「そんな口にはコレよ!」
「んむぅ!?」
花弁の根本から特に太い触手が生え、リオの小さな口を割って入る。
『舐めて』と言われるがままに特大触手にフェラを始めた。
(うわぁ。お父様のより大きい。
それにエラの部分が多重になってて…もしこんなのを入れられたら…)
過酷な陵辱がフラッシュバックすると、解れていた体も再び緊張してくる。
それでもネーアの期待には応えたくて、磨き上げた舌技で触手に奉仕した。
「あんっ…リオったら上手じゃない」
リオの不安を見越していたのか、ネーアはピンク色の長い髪を梳くように頭を撫でる。
頭を撫でられると心が安らぐ。リオは嬉しそうに目を細めると奉仕に夢中になった。
「あむ…ちゅ…っ、ぺろぺろっ…ちゅるっ」
(ん。本当に、大きい。エラエラに舌が削られちゃいそう)
これに比べれば父のモノなど可愛いものだ。
(お口だけじゃ、おいつかない、かな?)
ふと思い付き、せわしなくうねる胴体部分に両手で優しく触る。
「あん…!? リオ、いいのよ。そこまでしなくても」
リオは返事をする代わりに、触手をくわえたまま上目遣いにネーアを見た。
照れ臭そうに微笑んで、
にちゃっ、にちゃっ――
「ああっ!? リ、オっ…!」
両手を使い、触手の銅をしごきあげる。
(あ――ネーアさん。感じてくれてるんだ――嬉しい…)
胸の内から幸福感が込み上げる。
眉をハの字に歪めたネーアに、リオの中に眠っていた奉仕精神が覚醒した。
「れろぉっ…ちゅぷちゅぷ――ぷあっ…はあっ…ペロペロ、
ネーアさんっ、もっと――ちゅっ…、感じて下さいっ――ちゅるっ」
凶悪な雁首に、丁寧に舌を這わせた。
先から漏れる淫汁を啜り、軽く歯を立てる。
恥垢を舐めとるように雁と雁の間を丁寧に舐め上げる。
疣疣のついた先端部分を口の中に招き入れる。
そして亀頭部分を飴でも舐めるように舌で磨き上げた。
当然、この間にも手コキは続けている。
角度を変え、力加減を変え、長く太い触手の胴をしごき続けた。
「あっ!? ぁん! リオっ、上手すぎよぉ! はっ! はぁ、んっ…!
ああっ、あっ、あっ、あっ…! ダメ! このままじゃ私っ」
(イって下さいっ、ネーアさん。私のお口の中にネーアさんの沢山出して下さい!)
舌使いもそこそこに口をすぼめて触手を締め付ける。
少ない肺活量を限界まで使って吸引すれば、小さな口内も女性器の代わりになる。
顔を前後にピストンさせて触手を受け入れると喉の粘膜が何度も小突かれた。
たまらず嘔吐してしまいそうになるのを涙を流しながら必死に堪える。
「あっ!? ごめんっ、リオっ! 私っ、もうっ、我慢っ…あっぁあっ! あぁぁあっ!!」
勢い良く先端を喉奥に突き込まれる。次の瞬間、触手が脈打った。
ビュル! ドプドプドプっ!
「んんんっ!?」
(凄い量! お父様よりもずっと多い!)
喉を叩く熱い感触に吐き気を催す。
だがそれは単なる肉体の反射であって心の方は違う。はっきり言うと充実していた。
父のをくわえてもこんな気持ちにはならなかった。
だが、今はネーアを射精に導いた事に達成感すら覚える。
「うっ…はっ、…ぁっ!? 御免なさい、リオっ」
ずるりっ、と音を立てて触手が引き抜かれた。
びゅるびゅると触手が水をぶちまけるホースのように暴れ回り、顔を汚される。
顔を叩く熱い粘液を感じながら、口に溜まった粘液を飲み下した。
(あ、美味しい…)
濃厚な体液は甘い、蜜の味がした。
それをある程度飲み下したところで、大きく息を吸う。
「っ…! げほっ! げほっ!」
慌て酸素を取り込もうとしたのがいけなかったのか、盛大にむせてしまう。
「あぁもう私ったら! ホント馬鹿なんだからっ…ほらリオ? 大丈夫?
無理させてごめんなさいね」
ネーアが背中をさすってくれている。
上目遣いで見上げれば今にも泣きそうな表情をしていた。
なんだがかえってこちらが申し訳ない気持ちになってしまう。
変わった人だ。いやモンスターだけど。
けれども今まで出会った誰よりも優しかった。
「あ、ありがとうございます。も、もう…大丈夫、ですから」
「…本当に?」
そう訪ねるネーアの表情は叱られた子供のように不安げだ。
それが彼女の妖艶な姿とのギャップも相まって、本当に可笑しい。
「もう何よ。人が心配してるのに。笑う事ないじゃない」
「あはは…あ…ごめんなさい。何だか可笑しくなっちゃって」
「…嫌じゃなかった?」
急に真顔に戻ったネーアの問いにリオは笑顔で答えた。
「少し苦しかったですけど…全然嫌じゃないですよ」
(自分でも不思議。お父様のは辛くて苦しくて、嫌なのに。
ネーアさんのは全然嫌じゃなかった)
こんな、得体のしれない触手なのに。
催淫ガスのせいだろうが、それ以上に相性もあると思う。
なんだか肌に合っている気がするのだ。
「なら、良かったわ。私ったら一度火が着いちゃうと自分じゃなかなか抑えられなくてね。
リオの可愛い顔、ベタベタにしちゃった」
ちゅ、と蜜を舐めるようにキスをされる。
それも一度ではなく何度も何度も。顔中に降り注ぐキスの雨がくすぐったい。
でも、それだけじゃ、何だか物足りなかった。
舐め取られていく蜜も、勿体無い気がする。
「ネーアさん…」
「…っ!?」
呼びかけに応じ、こちらに注意を向けたネーア。
そんな彼女の唇を今度はリオが奪う。
唇を合わせるだけのような、甘いものじゃない。
かつて父にそうされたように舌を捻じ込み、相手の唾液を啜る。
じゅるじゅると音を立てて、自分の顔を汚した体液を啜った。
それをネーアの舌と自分の舌でこね回し、攪拌し、思う存分味わってから飲み下す。
「リオ、あなた…」
「蜜、美味しかったから」
頭が回らない。自分が何をしたのかもよく理解していない。
何を言っているのかも良く分からない。
只、酷くアソコが疼いている。かつて無いほど、淫欲に支配されていた。
ガスのせいだろうか。それとも蜜にも同様の効果があったのか。
その両方か。それともそれ以外に理由があるのか。
「ネーアさぁん…」
とんでもない猫なで声だった。甘く、男を誘惑する声だ。
自分が発したものかと思ってしまう。
本当は自分の中に『何か』が居て、それが体を乗っ取ったのではないのか。
その考えは実は当たらずとも遠からず、という事をこの後リオは身をもって知る事になる。
「アソコ、疼くんですぅ…」
言いながら彼女の体に我が身を摺り寄せる。
さっきから子宮がじくじくと疼いて本当に、堪らない。
トイレを我慢するように太ももを擦り合わせて、その辛さを訴える。
いつの間にか滲む涙で、視界が濡れていた。
媚びるような訴えにネーアは喜び勇んで犯してくれるものかと思った。
だが彼女はリオの蕩けた顔を見て、表情を引き締める。
「分かったわ。貴女を抱いてあげる」
そう宣言すると彼女は淫蕩な笑みを浮かべた。
アネモネの本性が剥き出しになり、細い触手達から更にガスを噴き出す。
甘く香るそれに、なけなしの理性が削られる。視界が薄い桃色に染まった。
リオは自分から腰を押付け、あろう事か自ら割れ目を割り開く。
ふしだらな行動だとは思う。だがそれを止められない。止める気も無い。
「スケベな子。リオってやっぱり『こっち』の才能があるんじゃないの?」
ぐちょり、と割れ目に指を沈み込まれた。
ヴァギナから甘い電流が流れ、『あぁんっ』と甘ったるい喘ぎを上げてしまう。
リオの反応に気を良くしたネーアは小さな体を更に責め立てる。
「んあっ!? そ、それぇっ」
左の乳首に細い触手を絡ませ、搾られる。
痛いほどの刺激なのに、子宮がきゅう、と蜜を絞った。
「ほら、こっちも」
「あはぁんっ! いい、いいよぉっ」
立て続けに右の乳首もぎりぎりと絞られ、快楽に目がチカチカした。
気持ちいい。こんなに気持ちいい事、この世にあっただなんて、信じられない。
今まで父親に散々嬲者にされてきたのはなんだったのか。
「乳首だけでそんなんじゃ、耐えられないわよ?」
「ひゃぁあっ!?」
陰核に触手が巻き付く。それだけで乳首を搾られるのと同様の快感が走る。
だがそれだけで終わる筈も無い。
巻きついた触手は宝石でも磨き上げるように、真っ赤に充血した肉真珠を扱き始めた。
「にゃああぁぁっ!?」
びりびりとした官能がリオの神経を焼いた。
強すぎる快感にピンク色の短髪を振り回す。
だが前髪の下にある表情が苦痛を堪えるそれではない。
眉根を寄せ、舌を垂らすその顔は、快感を受け止める雌の表情だ。
へっ、へっ、と息を切れしながら、唾液を飛ばし、ネーアの胸元を汚した。
(すごい、すごいよぉっ、アソコ、痺れちゃうぅっ)
「もっとぉっ、ネーアさぁんっ」
「はいはい分かってるわよ。今度は、全部いっぺんにしてあげるわっ」
宣言通り、両の乳首とクリトリスに絡みついた触手が同時に三点を扱き挙げる。
しゅこしゅこしゅこっ。
「んはっ!? はっ、あっ、ぎっ! んっ! にゃっ、あぁぁっ!!」
びんびんに勃起した三点から破滅的な快楽が送り込まれる。
時には引っ張られ、爪弾かれ、とアクセントまでを加えられて。
女を感じさせる事を主眼においた愛撫だ。
大量の催淫ガスを吸い込んだ少女には刺激が強すぎた。
次々と送り込まれる官能の嵐に、体が痙攣する。
子宮がきゅうきゅうと収縮をし始めた。
(や、くるっ、なんかきちゃうよぉっ)
実は。リオは役二ヶ月間父親と肉体関係を持ったが、今まで一度も絶頂を迎えた事がない。
基本、本の虫である事から、そういう知識は知っているが経験は無かったのである。
そしてこの時彼女は本能的にこれが女の悦びである事を悟った。
快楽の果てにある更なる快楽。そう思うと始めてのエクスタシーも怖くは無い。
いや、むしろ、感じてみたい。
どこから出てきたのか。『どろり』とした情欲が胸の中で渦巻く。
快楽に、貪欲になっていく。
(いきたい、イきたイきたいっ)
リオはネーアに抱きつくと、触手に巻き付かれたままの乳首を、陰核を。
豊満な胸に、お臍に、押し付け、自ら擦り始めた。
「あ!? もうっ、本当にスケベなんだからっ」
ネーアの言葉も、その殆どを理解できない。
今は、快楽を貪る事しか考えられなかった。
「これっ! いいっ! すごいっ! ああっ! とん、じゃうっ!!
頭、真っ白にっ! ああっ! あぁっ! あっ! いいよぉ! いいっ!
もっとぉ! もっとぉ!! 気持ちよくしてぇ!」
「ふふっ、だったらお望みどおりにしてあげるわっ!
さあっ、とんじゃいなさい!」
ぎりっ。音がするほど、三っつの頂点が捻り上げられた。
「ああっ! ああっ、あ、あ、あっ! あっ! ああああっ!
ああぁぁぁっ!!! ああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!
にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっっ!!!」
視界が真っ白に染まった。
子宮が強烈な収縮運動を繰り返し、下腹部がきゅうきゅう言っている。
(イっ、てるっ…私、イってるよぉっ)
どくどくと子宮が痙攣している。
下半身が、いや、全身が蕩けていく錯覚に襲われる。
意識は忘我へと飛ばされた。
――しゃぁぁぁっ――
二度目の『粗相』をした事にも気付かない。
「あら、勿体無い」
リオとネーアの合わした股下から零れ落ちていく黄金色の体液に触手が殺到する。
ちゅるちゅると音を立てて小水を啜っていると分かれば恥ずかしさに抗議しただろう。
だが今は初めてのアクメの余韻に浸り、暖かい人肌の温もりを感じていたかった。
「――ふふっ、どうだった?」
「かららがぁ…ふわふわしまふぅ…」
呂律の回らない言葉だったがネーアは意味を理解してくれた。
「こんなんでよければ毎日でもしたげるわよ。あーでもちょっと刺激が強かったかしら」
「あ、ん…気持ちよ過ぎて…あたま、変になるかと、思いましたぁ…。
あれが、イくって…ことなんですねぇ」
「あら? あの、リオ? ひょっとして、イった事、ないの?」
「…? ありませんよぉ? だからぁ、とっても気持ちよかったですう」
ネーアは、あっちゃぁ、と片手で顔を覆った。
何か心配事でもあったのだろうか、リオはぼんやりと考える。
「ごめんリオー。あたしったらてっきり経験済みだと。
だってお父さんと何度もしているんでしょう?」
「…はい。でも、イかしてもらったことはありませんから」
話しているうちに大分頭がすっきりしてきた。
まだ体が心地良い気だるさに包まれているが、徐々に自分が仕出かした事に気付く。
(ああ、さっきから私、いやらしい事ばっかり口にしてるっ)
かあ、と頭が羞恥心で茹で上がる。
今思い出すと、達する直前とかは本当にもう正気ではなかった。
というかあれは断じて自分ではない。
いくら父親に仕込まれたからと言ってあんなにいやらい女ではない。
「なんで顔真っ赤になってるの?」
「なななな何でもありませんっ!」
「リオって面白いわねえ。さっきまであんなにアンアン気持ち良さそうに喘いでいたのに。
今じゃ乙女チックに頬を赤らめたりなんかして♪」
「い、言わないで下さい! さっきは、どうかしてたんです!
あ、そうだ! ガスのせいです! きっとそうです!」
「ああ、これ?」
「ふわっ!?」
ぶしゅう、と顔面に甘ったるいガスを吹き付けられた。
肺に入り込んだそれはたちまち体を犯して、再び体中を淫欲で支配する。
「どう?」
「ど、どうってっ、ネーアさん、酷いです! 体、疼いて、きたじゃないですか!」
「それだけ? いやらしくなってるのは体だけ? すけべな気分じゃないの?」
「は、はっきり言わないで下さい!」
「ふーん? でもそういう事言えるって事はまだ理性は残ってるのよね?
さっきなんかは、もう、すごかったのに。エロエロだったわよ?」
まるで別人みたいにね、と付け足すネーアにリオも閉口する。
確かに、さっきの自分はおかしかった。
いやらしい気持ちになる、とかそんな生易しいものじゃない。
どろどろした情欲に囚われて、快楽を貪る事しか考えられなくなっていた。
ガスのせいだけでは、ないのだろうか。
「まあ別にいっか♪ 続きをしましょう?」
「え、あの。続きって…」
「今のは前戯よ前戯。準備運動みたいなものよ。今度は本番」
ずるうぅっ、と音を立てながらネーアの下半身が埋まった場所から触手が生えた。
雌しべに似た形状をしたそれは、先程フェラをした巨大な触手だ。
「これで、リオを犯すわ」
どくり、と心臓が脈打つ。同時に子宮がざわめいた。
浅葱色をした美しい肌とは対照的な、肉色の生生しい肉の蔦。
先端には多量の疣が張り付いている。そして男性器にも似た雁首は多重。
そしてそれは、リオの二の腕よりも太く、長い。
女を悶えさせる為に特化した、卑猥な形状だ。
(あれが、私の中に…)
どくどくと心臓が早鐘を打つ。子宮も新鮮な愛液を搾り出す。
頭がまたぼうっとして、体の中で燻っていた淫欲が鎌首をもたげた。
『どろり』と狂おしいほどの淫欲が胸から溢れ出す。
(欲しい…ネーアさんの触手…私のおマンコに欲しい…)
まただ。体を、心をドロドロの情欲に支配される。
理性がごっそりと削られ、快楽に飢えた、一匹の雌へと変わっていく。
まるで自分が、何か別のものへと変貌していくような感覚だった。
「あはぁ…」
太く、グロテスクな触手を欲情した瞳で見詰める。
突然豹変したリオの態度に、ネーアが訝しげな目を向けた。
「…リオ? 貴女また?」
「ネーアさぁん…触手ぅ、早く下さいぃ…私のおマンコに、突っ込んで下さいぃ…」
猫撫で声が上がる。やはり、さっきと同じだ。リオは正気を失っている。
「一応聞くけど、今からするのは『種付け』よ?
貴女の子宮にアドニスの『種子』を植え付けるの。
一度寄生したらこれは簡単には取り出せない。
貴女は『種子』に操られるように男を漁って――すぐに人間を止める事になる。
そうなったら、もう、戻れないわよ? それでもいいのね?」
「いいですからぁ。ネーアさんと同じになってもいいですからぁ。
だからぁ、私の子宮にぃ、種付け――あはぁ…種付けして下さいぃ」
自分自身の言葉に酔うように、種子の植え付けを望む。
実際のところ、人間の生活に未練はない。むしろこちらから願い下げだった。
それが人間を止める事で叶うのなら、別に構わない。
それに。ネーアの傍に居られるなら、人間を止めるくらい造作もないことだ。
まあ、そういう諸々の理由は正体不明の情動に全て流されていた。
今はネーアに犯されたい一心で性交を望んでいる。
正直、何度も確認を取るネーアの態度が少し疎ましいくらいだった。
「まあ、こうなったらしょうがないわね。元々そのつもりだったし。
あたしも腹をくくるわ。リオ。貴女も覚悟しなさい」
真剣だった表情を妖艶に歪めて、
「泣いても叫んでも、止めないからね?」
「――あ、んっ」
体をゆっくりと横倒しにされる。花弁をベッドに見たてて、仰向けに寝かされた。
視界の中にはネーアの美しい裸体。それに花弁の根元からしゅるしゅると伸びる触手。
そしてネーアの根元から伸びる、生殖用触手。
覆いかぶさるように、ネーアの顔が近付く。
唇を突き出すと、答えるようにキスの雨が顔面に降り注ぐ。
それにタイミングを合わせて、こちらから唇を重ねた。
一度唇同士が合わさってしまえばそこからは貪るようなキスへと変わる。
人で無いものと、人を止める事を決意したもの同士、競うように舌をねじ込む。
唾液を送り、舌をくまなく咥内へと這わせ、相手の弱点を探り出す。
歯と歯茎の境界を。舌の付け根を。或いは口蓋を。
時には唇を柔らかく噛み、時には相手の唾液を音を立てて啜る。
ちゅるちゅる、じゅるるる、じゅぅぅっ。
ふんふんと鼻から出た息がくすぐったい。
だがそれも、唾液が絡まりあう卑猥な音と、痺れるような愉悦に覆い隠される。
心音が、これからの快楽に期待して際限無く高まっていく。
「はあっ、ちゅっ、じゅるっ、ちゅうっ、ネーアさ、んっ。ネーアさんっ」
「はっ、んっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅるるっ! リオっ、可愛いっ!
もうっ、犯すわよ? 種付け、するわよ? あたし、我慢できないからっ」
にちゃり。陰唇にぶつぶつとした感触。
(あ…今から、私、犯される)
犯され、種付けされ、アネモネになってしまう。
人を止め、人を襲う、化け物へと変わってしまう。
ぞくり、とした。
「犯して、下さいっ、ネーアさんっ」
倒錯的なシチュエーションに背筋がぞくぞくした。
欲情し、濡れた瞳で正面からネーアの瞳を見る。
彼女もどうやら理性が飛んでいるらしい。
唇を横に裂き、魔物らしい嗜虐的な笑みを浮かべた。
次の瞬間、
ずるるるるぅぅぅっ!
「んっにゃあぁぁぁっ!!?」
一息に、触手に刺し貫かれた。
ごりごりとした疣に膣穴を削り、解される衝撃に目前で火花が散る。
(あっ、すごっ、これっ、気持ちいいっ)
父親に比べれば一回りも二回りも大きな触手に貫かれれば、とんでもなく痛いと思う。
だが実際は苦痛の一つもないのだ。精々膣が突っ張るような感触がある程度。
おかげで挿入されただけで達してしまうところだった。
「はぁっ…イイわぁっ、幼女のマンコ…っ、凄い絞め付けっ、たまんないっ」
ずっちゅずっちゅ!
「あっ!? にゃっ! んああぁっ!!」
雌しべ触手にずんずんと子宮の入り口を小突かれると、その衝撃に色っぽい声を上げた。
気持ちいい。父親にされた時と全然違う。
膣壁全体が敏感になっている。それこそ何年もかけて開発されたように。
そこをごりごりと疣疣に削られると、甘い愉悦が走りぬけ、腰が溶けそうになるのだ。
力強い突き込みを受ければ子宮が揺さぶられ、まるで落ちて行くような酩酊感に襲われる。
子宮壁の外側にはボルチオと呼ばれる性感帯があるからだ。
セックスになれた遊女が、深く激しい挿入を望むのはここが開発されているからだ。
ところが今のリオの体はそこらの遊女よりも数段敏感になっている。
およそ十やそこらの歳では考えられないほど。
「あっ! あっ! あっ! いいっ! いいよぉ!
セックス! 気持ちいいよぉ!」
「はぁっ! あっ!? うあっ! ――何よ、いきなり締め付けがっ」
快感に蕩けていたネーアが戸惑いの表情を浮かべた。
「父親に開発されてたからって、これはっ。うっ、あぁっ!」
びくり、と自分を犯す触手が打ち震えた。
一回り体積を増して、更にリオを悦ばせる。
(ネーアさんの触手っ、びくびくしてる…♪ 私の中、きもちいいんだぁ)
「はっ! あっ! んっ! ネーアさぁんっ! 私のおマンコっ、気持ちいいですか!?
あっ! にゃっ! あんっ! ……いいっ、ですよねっ? んっ、んっ!
だってっ、はぁっ、はぁっ! さっきから、触手チンポっ、びくびくしてるからぁ!」
卑猥な言葉をワザと使って気持ちを昂ぶらせる。恥ずかしいが、それがいい。
今の自分はつくづく変態だと思うが、ネーアの快楽に歪む顔を見るとどうでもよくなった。
それどころかもっと悦ばせたい、と思ってしまう。
その衝動に身を任せてみた。
するとどうだ、まるで熟練の売婦のように膣圧を調整し、触手を悦ばせる。
精をねだるようにうねり、圧迫し、収縮する肉の穴に締め付けられ、ネーアは呻いた。
「あぁっ!? ちょっ、り、リオっ! どこでそんな、やらしいっ、ああぁっ!?」
今度は8の字を描くように腰を動かす。
(あはっ、これ、おマンコの中、ぐちょぐちょに掻き混ぜられちゃうよぉ♪)
ぶつぶつとした感触に膣を余す所無く蹂躙される。
じゅぷじゅぷと愛液に空気が混じる卑猥な音が耳朶に響いていた。
その度に甘い電流がヴァギナから全身へと広がるのだ。
肉壷に揉み解されて触手も悦んでいるのが『本能的』に分かった。
それだけじゃない。触手の『弱点』すらもなんとなく分かってしまう。
膣壁を掘り返している疣が大量に張り付いた触手の先端部分。
小豆色をしていて、男根よりも二回り程大きい。
野苺を楕円形にしたような形状だ。
その先端部分――ではなくて、そこから少し下の部分が弱いらしい。
ペニスで言うと亀頭と雁の間くらいか。それも少し亀頭よりの部分。
試しにその部分に膣圧を集中させてみた。
「きゃあぁっ!?」
可愛い悲鳴が上がり、びくびくと触手が打ち震える。
「あはぁっ、ここがぁ、いいんですねぇ? ネーアさぁん…」
信じられない、といった顔をするネーアの瞳を覗き込む。
あの優しい女性が、この幼い体で悦び、同時に怯えている。
そう思った瞬間。胸のうちからまた『ドロリ』とした感情が溢れ出る。
それに体と心を満たされていく感覚は官能的ですらあった。
気のせいか背中と頭がじくじくと疼く。
赤い瞳に映る自分の瞳が、両方とも赤くなっているのは気のせいか。
「ち、調子に乗るんじゃ、ないわよっ」
「んっきゃぁん!?」
肛門に異物感。不浄の門に触手が侵入していた。
小娘にいいように責められたのが癪に障ったのか、ネーアは本気で陵辱をするつもりだ。
細い触手が一本、また一本とアナルへと差し込まれていく。
リオの小指よりも細いが、それらが束なり、腹を圧迫していく。
「あっ、はぁっ! お腹っ、裂け、ちゃいますっ」
「大丈夫よぉ、リオはスケベだから、これくらい、なんともないわぁ。
それにぃ、慣れればこっちだってイイわよぉ?」
「んにゃああん!?」
ぎゅるり、と束になった触手が捻り、回転する。
まるでドリルのように回転し、腸壁をごりごりと削る。
普段排泄物をひり出す穴から、じわり、と官能の渦が巻いた。
(あ、すご、私、こんなので感じてっ)
「ほらほらっ、おマンコもめいっぱい可愛がってあげるわよ!」
ずっちゅ! ずっちゅ! ずっちゅ!
「んにゃぁっ!! あああっ! ひにゃあぁぁん!!」
(すご、すごいぃ! しきゅー、がつがつ小突かれてるうっ)
組み伏せられ、花びらへと押付けられた背中が反動で花弁の先端へとずり出されていく。
花弁の内側には女を狂わせる粘液が溜まっていて、背中と擦れてずじゅずじゅと音がなる。
それだけ激しいストロークだというのに痛みは殆ど無い。
あるにはあるが、快楽の総量が圧倒的に勝っていた。
「ほらほらっ! お尻も、アソコもっ! 一緒に苛めたげるっ」
ずこずこずこずこっ!
「あっあぁぁっ、あぁっ、あっぁあっ、あぁっぁうにゃぁぁぅ!!」
アナルを犯していたドリル状に束ねられた触手。それが激しいピストンを開始した。
ヴァギナを犯す触手と連動するように、交互に強烈な付きこみを繰り出す。
違和感、とした形容出来なかったアナルの官能。
だがドリル触手の強烈なストロークに、凄まじい勢いで腸壁が開発されていく。
いや、ひょっとしたらそれはヴァギナが感じた快楽だったのかもしれない。
腸壁と膣壁。二枚の壁越しに行われる苛烈なピストンにどちらがどちらか分からなくなる。
(おしりと、おマンコ、どろどろに溶けて、つながっちゃうっ)
リオは白目を剥いて、顔を振り乱した。
少女が受け止められる快楽ではない。舌をだらしなく垂らし、涎を零す。
挿入される雌しべと陰唇との隙間からは白い本気汁が泡となって下品な音をならしていた。
甘い、アルラウネのガスの香りに混じって、リオの女の香りが空気を淀める。
「いー顔になってきたわぁっ、さあ、これで、飛ばしてあげる!
とばして、種付けをしてあげるわっ」
ネーアの言葉はもう聞こえなかった。
二穴を穿つ触手のピストンに、意識が飛びかけている。
余りの快楽に膣が収縮し、細かなアクメを何度も迎えていた。
だから、三本の触手が勃起した三点を狙っているのに気付きもしない。
「あひっ! あひっ! にゃ、にゃああぁぁっ!! しぬぅっ!
こわれっ!! ひぎっ! あはっ! きもちっ! いいっ!
にゃっ!! んにゃあぁっっ!! んああぁぁぁっ!!
も、いぐっ!! ああぁっ! にゃぁぁぁっ!! ああぁぁっ!
ああああっ!! あぁぁぁぁぁぁぁっっっあぁぁぁっ!!!」
小さな波に何度も押し上げられ、本格的なアクメに打ち上げられた。
全身が、突っ張り、壊れたように全身をがくがくと痙攣させる。
そこに追い討ちをかけるように、二つの乳首とクリトリスに、触手が張り付いた。
「ぎっ――」
十字の切れ込みが入った先端で三つの頂点が咥え込まれる。
その直後、
ちゅううぅぅっ!!
「にゃぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁあっっっっ!!!!?」
もぎ取れる、かと思うほどの強烈な吸引。
高みへと打ち上げられた性感は更に高みへと打ち上げられる。
完全に白目を剥き、獣のような咆哮を上げる。
ぶしゅう、と派手に潮を噴いたのを聞いた気がした。
「んあああっ!! 出るうっ!! 種子がっ! リオに種付けしちゃうううぅぅ!!
ああああぁぁぁぁぁあぁんんっ!!」
ごつっ、と音が聞こえるほど雌しべ触手を子宮口へとめり込ませ、
ビュルビュルビュルビュルビュル!!
「ひにゃぁああっ!!? にゃあぁぁぁぁあっ!!!」
精を直接流し込まれる。
子宮の内側まで敏感になっていた。熱い液体が子宮壁を叩く度にびくり、と体が震える。
(あはぁ…ネーアさんのぉ…精液ぃ…あっつうい…♪)
ぼこん。
びゅーびゅーと注がれる精液に混じって何か固形物が腹の中に入った気がして、
直後に意識が飛んだ。
***
以上で三話終了ですぅ。
無事投下を終えてほっとしましたw
さて、次回投下分ですがまたしてもエロは無いかもしれません。
シリーズの構成的に、『エロ話』『メインストーリー』を交互にする事になりそうですね。
普通のSSに比べればエロシーンは少なくなりますがその分1シーンを濃くするつもりです。
こんなところですか。いつものように感想等もお待ちしております。
それではまた。
幼女っ、万っ歳っ。
幼女! 万っ歳ーーーー!!
ょぅι゛ょ!ょぅι゛ょ!ょぅι゛ょ!
相変わらずエロいぜ……ふぅ
俺はロリコン趣味なんてないはずなのに、琴線に触れまくりだ
リオよりむしろネーアに感情移入しているせいかもわからんね
乙×風氏の中で無限の果肉がどう終わったのかはわからんが、
今回の内容を見るに伝承が偽物なのかな?
あるいはネーアだけ取り逃がしたのか……
リオがエロ覚醒する理由(単に本性?)も含めて、伏線が多くて好みだなぁ
>>43 GJ!!!
ロリ属性触手属性共に大有りの私…正直ドはまりしました。
しかも、ド甘展開w
すごいっすw
ただひたすらにGJ!!
甘々の寄生ものとか・・・悶え死ぬところでしたよwww
徹夜の合間に読むんじゃなかった、甘々シチュが良すぎて読み疲れてしまったぜ…
自分は変化後の変わりようが好きだからこれはイク寸前だったです
種付け⇒変容⇒ネーアさんと同じ感じに←ここが好き
この後が超期待! お疲れ様でした
保守
皆様お待たせしました。
永久の果肉、続きです。
しかし前回投稿分のレスを読ませてもらいますとロリコン変態紳士様がなんと多い事か。
話やキャラもそれなりに練り込んでくれるので感情移入してくれるのはほんと嬉しいです。
仕事のし甲斐もあるというものですな。
さて今回のお話ではエチ無しの予定でしたがほんのちょっと入れました。
シチュは『触手が刺さったままでピロートーク』。みたいな?
うん。一応NGワードも書いておきましょう。
(本番無し、微エロ、ピロートーク、ネタバレ過去話、糖分多め)
ネーアが過去話を語ります。
無限の果肉のおさらいと、その結末についてですね。
あわわ。こんな中途半端な形で終わらせてしまってほんと勿体無い事をしてしまった。
重ね重ね、皆様にはご迷惑をおかけします。
うん。前書きも長いですね。この辺りにしておきます。
では、ごゆっくりどうぞ。
以下本編で11レス消費します。
復活ktkrw
色々な意味で復活キター!!
怪談レストランで人面瘡か…
まあ乗っ取り成功しないのは仕方ない話だが、ちょっと興奮させてもらいました
ここ向きの話っぽいと思ったので書き込んでみる
やっと読めるぜ
リアルタイムキター!と思ってパンツを下ろしてから24時間が経ちました
これが・・・サイバーテロ・・・!
今回のサイバーテロで一番堪えたスレはここだったり
不気味な火病に攻撃されてぐんにょりしたスレ住民!?
これはひどいじらしプレイw
じらし通り越して放置プレイかも試練w
死んだ祖母から貰った眼鏡を掛けたら祖母に身体を乗っ取られる。
お前の婆ちゃんは不気味なのかww
この流れなら言える!
頼む!
ネーア肉体変化シーンを入れてくれぇっ!
>>55 身体を乗っ取られ、その乗っ取った妖怪とだんだん意識が同調していくのもいいかも
感覚が同調していて快楽に酔わされるか
その身体がいろんな悪いことをして、それを見ていた自分が共感していくとか
それはこのスレじゃなくあっちかw
66 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 13:36:23 ID:YvLtz9QT
>>65 乗っ取りよりそっちのほうが好物
意思を無理やり捻じ曲げられてるにしろ、悪魔で本人の意思で行動するのがいいな
新着レス15件で期待したが残念がる前に吹いたw
改めて降臨に期待
乙×風たん… 自らに規制した生物に飲まれて…
もうだめだ…このスレは… と見切ったんですね
分かります
しかしこのスレに寄生されてた本能がよみがえること願う
月曜の夜以外は投下する暇がないんじゃね?
普段は幼女を愛でるのに忙しいんだよきっと
>>69 寄生してもまだロリコンへの抵抗心が残っているということか…!
米国政府も使っているサーバーだと気づいて自粛したかな?
>>70 数文字抜いて解読してみた。
普段は幼女 で 忙しいんだよきっと
たぶんこう。
普段は幼女、そして寄生生物によって執筆を強要されてるんですね
幼い身体を強制的に発情させられ、さらに
小説を書かない限り疼きを治めることを許してもらえないという…
パルスを照射してもっと書くように仕向けるんだ
あー。皆様、ご心配をおかけしました。乙×風です。
ちゃんとこれからも投下し続けますのでご安心下さい。
というか私のキャラがどうにも一人歩きしていますねw
私は只の幼女が好きな訳ではありません!
ヤンデレロリッ子。ロリババア。それにエロリっ子が好きなだけの只のおたくです!(キリッ
それはともかく。先日のようなサイバーテロはもうこりごりですな。
タイミングも悪かったですが……なんで前書きだけ投下出来たのか不思議です。
お陰で図らずとも皆様に対して壮絶な焦らしプレイをw
何やら今週の土曜日に第二波があるとかないとか。どれだけ暇なんでしょう。
まあ、愚痴っても仕方ないですね。
ここから先が本編となります。NGワード等は月曜日のレスにて確認下さいませ。
ではごゆるりと。
第四話 血の秘密
激しい性交の直後、ネーアは後悔していた。
(や、やっちゃったぁっ)
「あたしの馬鹿、馬鹿っ、やりすぎよぉっ」
白目を剥いて気絶しているリオを見下ろしながら、ネーアは頭を抱えていた。
よほど具合が良かったのだろう。
少女は潮とか尿とか精液とか愛液とか、諸々の体液を結合部から噴出している。
それを美味しそうだなぁ、と見詰めて――顔を振って邪念を払った。
「反省しなさいよあたし…」
(うわもう自己嫌悪で死にたいわ)
病弱な人間の娘をどれだけ徹底的に陵辱すれば気が済むのだ。
いや、でもリオに限っては普通の女の子と一線を画していた、というか。
父親の調教のせいか、もう、兎に角エロかった。
(人間じゃなくてサキュバスか何かじゃないのこの娘?)
当人の話を聞く限り父親も母親も人間のようだが。
ネーアはさっきリオを犯しながら一瞬背筋に冷たいものをが走ったのだ。
スイッチが切り替わってまるで別人のように、淫乱に豹変したリオ。
フェラをした直後と同じだ。この娘は何か一定の条件で、性格が反転している。
気がする。気がするだけ?
(でも、一瞬、この娘、瞳の色が変わったような?)
紅と蒼のオッドアイが、両方とも血のような真紅に変わった気がする。
「まあ、あんまり考えてもしょうがないわよね」
今は目下、マグロ状態になってしまったリオの安否が心配だ。
体に相当な負担が掛かった筈だ。
フェラの時飲ませた蜜は、こんな虚弱な娘に種付けをする為に、滋養効果があるものだが。
一体どれほど効いているのか。
これでもし死んだりしたら夢見が悪くなるなんてレベルの話じゃない。
一生もののトラウマになりそうだ。
(ああ、それにしても。
気絶してるのにリオのアソコッたら今でもキュウキュウ締め付けて、たまんないわ)
「ってだから自重しなさいあたし」
これ以上負担を掛けるのも可哀想だ。
種子の定着を助長する為にも生殖器で子宮に蓋をした方がいいのだが、今は抜いておこう。
「――ぬいちゃ、や、れすぅ…」
「り、リオ!?」
呂律の回らない声が耳朶に沁み込んだ。
うっすらと開いた瞼の下のオッドアイが、こちらを見詰めていた。
大した体力だ。あんなハードプレイの後、すぐに喋れるようになるなんて。
虚弱体質とか信じられない。
「貴女、大丈夫なのっ?」
「んん…っ、気持ちよかったれふぅ…」
「いやそうじゃなくて」
(あー、そんな口が利けるなら大丈夫かしら)
なんだかどっと疲れた気がした。
最近体力的にも精神的にも疲労が絶えなかったし、種子を植え付けるのも消耗するのだ。
暫くは活動を控えた方がいいかもしれない。
「リオ。悪いけど少し体動かすわよ」
「ふえ? ――ぁにゃぁんっ」
小さな体に触手を巻きつけて持ち上げる。
雌しべの触手は突き刺さったままだ。
そのまま自分の胸へと抱き寄せて、徐々に体に巻きつけた触手の力を弱めていく。
すると当然、重力に引かれてリオの体は下降して、
「あっ!? にゃっ! あぁっ! ふかっ、いっ、よっ! あ、はぁっ…!」
花冠の中心部から真上へと生え出した雌しべ触手へと体重を預ける。
きゅうきゅうと敏感な触手が締め付けられて、うっとりとしてしまう。
「大丈夫。大丈夫よ、リオ」
はあ、と熱い吐息をリオの前髪に噴きかけながら、彼女の体をしっかりと抱き締めた。
幼子独特のぷにぷにとした感触が堪らない。久しぶりの人肌の温もりに心が癒される。
「はぁ、はぁっ、…んっ…ネーア、さん?」
「なぁに?」
「わたし、ネーアさんのものに、なったんですね」
「ええ、そう。種子はちゃんとリオの子宮に定着している。
あとは『栄養』をあげれば、立派なアドニスが咲くわ。
そうすれば、リオはあたしと同じになる」
もう、戻れないわよ。
桃色の髪を梳きながら、静かに付け足した。
「ネーアさん。私、後悔してませんから」
きゅう、とリオから抱きついてきた。
まるで赤子が母親に甘えるように。
いや、実際そうなのかもしれない。
誕生と共に母を失い義母から憎しみを受けて育った彼女は誰にも甘える事は出来なかった。
(あたしが、お母さんの代わりなのね)
まあ、それもいいだろう。
誰にも甘えられない孤独は『誰よりもこの自分が知っている』。
だからこそこの子を仲間にしようと思ったのだ。
あまりにも不遇な彼女を、自分と重ねて。
「あたしって、ひょっとして信頼されてる?」
冗談交じりの問い掛けだった。
リオが顔を上げる。どこまでも屈託のない、太陽のような笑顔がそこにあった。
「はいっ」
その余りにも真っ直ぐな表情に思わず顔を赤くしてそっぽを向く。
背中がむず痒いような、でも心地良いような、何だか複雑な気持ちだった。
本当に我ながら、人間臭い魔物だな、と思う。
「も、もう変な子ね。
酷い事ばっかりされてきたのに、そうそう簡単に誰かを信用出来るものなの?」
「ネーアさん、優しいから」
「…そうでもないわよ」
そうだ、優しいなら、後先考えずあんな陵辱まがいの性交など誰がするものか。
自分は魔物だ。本能の赴くまま女を犯して、種を植え付け、快楽を貪る化け物だ。
「覚えておきなさいリオ。人を止めたら、本能に抗えなくなるわ。
どれだけ理性を保っても、魔物としての衝動には逆らえないの。
例えそれが、大切なものを傷付ける事になってもね」
「私の事、心配してくれたんですか?」
「そりゃ、そうよ。病弱だ、ってきいてたから。
だからあたし、もっと優しくするつもりだったのに。それなのにあんなに激しくして。
本当、馬鹿よねあたし。最低だわ。ごめんなさいリオ」
「ほら、やっぱり優しいじゃないですか」
「え…?」
リオはずっと笑顔だった。
「私の事、気遣ってくれてる。
出会ったばかりなのに、家族みたいに、心配してくれる。
それに自分のした事を悔やんで、それにちゃんと謝ってくれました」
「…だってそれは、その、当然じゃないの…?」
「私の家族は、そうじゃなかったですから」
「そう……大変だったわね…」
「そうですけど、でも、おかげでこうしてネーアさんと出会う事が出来ました。
お義母さまに殺す、って言われなかったら、私達、出会う事もなかったと思うんです。
だから、お義母様にもお父様にも、少しだけ感謝してるんですよ」
あんまりにも健気だった。
誰だこんな子を殺すとか言う母親は。見つけていびり倒してやる。
父親もだ。オナホ触手で赤球が出るまで精を吸い尽くして裸に引ん剥いて逆さに吊るすぞ。
(それに比べてリオったらっ)
「ああんもう可愛い!!」
リオの可愛さに胸がきゅんきゅんした。
母性が疼いて猫可愛がりしたくなる。
というか、する。
「きゃ、ネ、ネーアさんっ?」
「可愛い! 可愛い! 可愛い!」
ちゅっ、ちゅっ、と顔にキスの雨を降らせる。
いやらしい口付けではない。あくまでじゃれあうように。
性的な欲求は種付けを行った事で随分大人しくなった。
それでも素面に戻ったリオはこんなキスでも顔を真っ赤にして俯くのだ。
『あうぅ…』とか言いながら。
それがまたとんでもなく可愛く思える。悶え殺す気だろうかこの娘は。
「んー。リオったらこのギャップが堪んないわね♪」
「え? ギャップ、って何ですか?」
「なぁに言ってるのよ。エッチの時なんかもうエロエロだったじゃない?
リオはHの時性格変わっちゃうのね♪」
「あ、あれはっ」
「『セックス気持ちいいよぉ!』とか叫んでたわよねぇ?」
「ちちちちちちちがいます!! あ、あれはっ」
「『触手チンポ、びくびいくしてるからぁ!』とかねぇ?」
「やあぁぁぁぁっ!! 言わないで下さい!! あれは私じゃありません!」
「そーいえば喘いでる時は『にゃーにゃーっ』って、まるで猫みたいだったし」
「ですからそれは…っ、その、つい言っちゃうんですよぉ…」
涙目になりながら弁解するリオに真にハートブレイク一歩手前。
お父様の時はこんなんじゃないのに、と弁明する姿が、もうっ、
「たまらないわぁ! このまま第二ラウンドいっちゃいましょう!?
っていうかするわ! 覚悟なさいリオ! アネモネの真髄見せてあげるわ!」
「いえあの流石に疲れたので今日はお休みさせて下さいー!?」
「あはははっ。冗談よ冗談。そこまで無理させられないって」
「もうっ、意地悪です、ネーアさん」
「ごめんごめん、謝るからさ。許してちょうだい。ね?」
頭を撫でてご機嫌を取る。胸元で、うー、と可愛らしい呻き声が上がる。
『……』
不意に会話が途切れた。
さらさらと、桃色の髪を梳く音が響く。
僅かにそよぐ風が木々を揺らし、虫達が美しい声を上げる。
夜の帳が下りた森に、静かで優しい音色が響いた。
二人の間に舞い降りた沈黙は、気まずい物ではない。
密着した互いの体温から優しさが伝わってくる。
出会ってものの一時間程度しか経っていないのに、二人には確かな絆がある。
それは先程、少女の腹に種子を植え付けた事で確固なものとなった。
「寒くない?」
「ん。平気ですよ。ネーアさん。あったかいですから」
「ふふ。ありがと」
再び沈黙。
このまま少し眠ってしまおうかと思ったが、一つ、気がかりな事があった。
リオの事だ。
セックスの時のあの豹変振り。先程は茶化したが、どうにも引っ掛かるのだ。
それに体液を飲ませたとはいえ情事への耐性の高さ。
瞳の色が変化したのも、気のせいでは無いかもしれない。
「…あ…っ」
「リオ? どうかしたの?」
「あの、その、なんか、お腹、じわあっ、って熱くなって…」
「種子が定着しているのよ。
神経とか、徐々に繋がっていくから、暫くはその感覚が続くわ。
悪いけど少し辛抱してちょうだい?」
「あ、はいっ」
子宮に入り込んだ種子が神経の根を下ろしているのだ。
下腹部が疼くのだろう。リオは触手と繋がったまま腰を揺すり始める。
「んっ…はぁっ…んんっ…」
(ちょっと辛そうね)
切なそうに吐息を吐くリオを見ながらどうしたものかと思案する。
そもそも普通なら種子の定着はもっと時間を掛けて行うはずだったような。
(――あ、ら? この子の魔力…上昇してる?)
ふと気付く。
エッチ前に比べて魔力が上昇しているのだ。
それは種子の定着と、彼女の子宮の疼きと同調するように徐々に。だが確実に。
アネモネと化せば魔力は上昇するが、ここまで劇的に変わるものではない。
(もしかしてこの子…)
頭の中である仮説が組みあがった。
成る程、これなら確かに性行為中の、あの豹変にも納得出来る。
「リオ。辛い?」
「はぁ…はぁっ…だい、丈夫です…」
「本当?」
体を少し離し、正面からリオと視線を交わせる。
少女の右目が、ゆっくりと赤と青に明滅していた。
「――疲れた顔をしてるわ。今日はもう寝ましょう?」
返事を待たずに、触手からガスを噴出させる。
アドニスの花本体から生成し、催眠効果を持ったガスだ。
リオが、きゃ、と僅かに驚いた声を上げる。
かと思うとすぐにトロン、とした表情になった。
「あ…私、まだまだ、ネーアさんと…お話、したいのに…。
私、ネーアさんの事、何にも知らない、のに…」
「そういえば、そうね。あたし、自分の事なーんにも話してないものね。
でもそれはまた今度にしましょう? 今は、ゆっくり休みなさい」
きゅ、とリオの顔を胸元に抱き寄せる。
それから丁寧に髪の毛を梳いてやった。
「……ネーア、さん……」
それだけで、この小さな女の子は眠ってしまった。
すーすーと可愛らしい寝息を立てている。
本当に可愛い子だ。
桃色の髪も。甘い匂いも。その仕草も。声も。オッドアイも。
他人を引き付けてやまない。
人間としての理性を残したままとはいえ、人外のネーアが、こうも魅了されたのだ。
彼女の魅力は天性のものだ。
そしてそれは恐らく彼女の母親から受け継いだものなのだろう。
「リオ。貴女、元からあたし達と同類なのかもしれないわよ…」
呟く声は、夜風に流れ、溶ける。
***
メイド達の朝は早い。
この日も、リオの世話係パセットは夜が白み始めると共に目を覚ます。
むくり、と身を起こすと欠伸と共に伸び。
「よっし」
両頬を軽く叩いて気合を入れるとベッドから飛び降りて身支度を開始。
鏡台の前で栗色の髪を梳き始める。
「あー。今日も頑固者ですなー」
パセットは癖毛持ちだ。
頭頂部から耳辺りに掛けて髪が外側へと跳ねる。
そのせいで、犬耳に見えなくもない髪形になってしまう。
「リオっちの髪はあんなにサラサラなのにねー。
ええい! 遺伝子の性能の差が外見の決定的差ではない事を、教えてやる!」
意地になって髪を触る。
ツインテール。ポニーテール。三つ編み。サイドテール。
(……うん。今日はツインテールな気分である)
「よしっ。パセットは可愛い!」
鏡の前で笑顔でサムズアップ。
自分でやってて空しくなってきた。
(リオっちはいいよねぇ。お母さん似で。パセットなんて明らかにお父さん似です。
この狸みたいな顔とかね!)
実際リオの母親を見た事は無いが少なくともこの屋敷に住む旦那様とは似ても似つかない。
あの桃色の髪も、オッドアイも、可愛い顔も母親から受け継いだものだろう。
そもそも体が弱いという時点で屈強な戦士である旦那様とは違う。
優秀な戦士の血を受け継いでいる筈なのだが。
「そーいえば最近リオっちのオッパイおっきくなってる気がするなー」
自分の方が二つ年上の筈だがリオの方が明らかに発育がいい気がする。
今日こそは脱がして確かめる気だった。主に触診で。
でも絶対リオの方が大きい自身がある。
(は!? これも遺伝子の差か!? おのれ遺伝子! 許すまじ遺伝子!
まあいいや。世の中、いろんな需要があるのさ。
貧相な体の方が好きな野郎にパセットは貰われるよ! きっと!)
「こっちの娘はちっちゃいぞー♪」
なんて意味不明な歌を歌いながら自室を出る。
すれ違う同僚のお姉さま方が珍獣でも見るような目付きでこちらを見るが気にも留めない。
それはパセットの人柄故だ。
兎に角前向きな性格なのである。多少の事があってもへこたれない。
だから最初、リビディスタの『汚点』とまで言われたリオの世話を押付けられた時。
やりがいのある仕事だと思ったのだ。
「昨日のご飯は食べたかなー♪」
晩御飯を抜いていたので夜食として軽いものを作ってこっそり置いていたのだ。
食べていてくれるとありがたい、というか嬉しい。
そう言えば昨日は大したおしゃべりも出来ずに追い出されてしまった。
実はたまにあるのだ。ああやって体を触ろうとすると情緒不安定になる事が。
昨日は特に酷かった気がするが、パセットの方は特に気にしていない。
あの日かー、しょうがないなー、程度にしか思ってないのだ。
「今日は、オッパイ揉ましてねー♪」
すれ違うお姉さま方の視線が突き刺さる。
勿論パセットは気にせず紅い絨毯の敷かれた廊下をもくもくと歩いた。
目指すは屋敷の離れ。屋敷の庭園の隅にある建物だ。
リオはそこで生活していた。
仮にもリビディスタの末娘である彼女が何故母屋で寝泊り出来ないのか。
それは奥様が腹違いの娘であるリオを嫌って隔離したから、というのがメイド達の見解だ。
そういえばこんな噂もある。
『旦那様が人目を忍んでリオ様と密会している』、と。
「旦那様はロリコンだー♪ っとととこれはマズイなー」
口ずさんでから慌てて周囲に人が居ないか確かめる。
離れへと続く中庭の道は清清しい朝の陽光が降り注ぐばかりで自分以外誰も居ない。
まあ、本当のところ。パセットはそれを只の噂としか思っていない。
というか自分の娘を手篭めにする父親なんて居るわけがないと思っている。
「ほんとだったらぶん殴るぞー? 旦那様ー♪」
その辺も今日、それとなく聞いてみようかな思った。
そして離れに到着。ドアをノックする。
「お嬢様。本日もご機嫌麗しゅうござんした!!」
無駄に声を大きく、無駄にテンションを上げ、意味不明な言葉遣いがパセット流の挨拶だ。 更に脳内で勝手に色々シチュエーションを捏造して盛り上げる。
「入るよー? 踏み込むよー? 何!? 着替え中だと!? ならば尚の事ッ!」
ばたんと蝶番が軋むほど音を立てて入り口を開く。
「おはようございました!!!」
静寂が、パセットを迎えた。
「ありゃ? リオっち?」
そこにはもぬけの殻になったベッドと。
料理と共にひっくり返された銀食器しかない。
その光景を見て、パセットの脳は一つの結論に達した。
「分かったかくれんぼだ!」
(ほっほーう。体力では敵わないと思って知的戦術で勝負を挑む気だね?)
よろしい。ならばかくれんぼだ。
「先ずはベッドの下!」
居ない。
「んじゃクローゼットの中!」
居ない。
「むう。一筋縄ではいかないとな? そうこなくては遊び甲斐が無いというもの!
パセットも負けず嫌いだからね! 頑張って見つけるよ!」
再びリオの捜索開始。
と言っても離れ自体は小さな建物だ。
親を失ったリオがリビディスタに引き取られる際、納屋であった所を改装したのだ。
故に大きさも四メートル四方の部屋が二つ連なっているだけ。
片方は寝室、もう片方は書籍だ。
厠も風呂も、母屋までいかなければならない。全く不自由なものだ。
兎も角そういうわけで。
パセットは薄々気付いていた。
ここには隠れる所など無いも同然。
だがそれを認めたくは無かった。
空元気も元気と言う言葉に従い、離れの中を隅から隅まで探して。
「リオっち…いい加減出てきてよ…もう、パセットの負けでいいからさ…」
部屋の中をリオの着替えや書籍で散らかし、部屋の真ん中で力無く尻餅を付く。
見当たらない。こんな朝早くから一体何処に行ったのだ。
「……うんっ! 分かった! きっとトイレだな!」
都合の良い思考回路はとことん前向きに考える。
(だったら仕方が無いなあ。よしっ。部屋の中に隠れて帰ってきた所を驚かす!
無駄な体力を使わせた罰だ! どさくさに紛れてオッパイも揉む! 揉みまくる!)
「はーやく帰ってこないかなー♪」
だが、いつまで待っても、部屋の主は帰ってこない。
そしてそれから一時間も経った頃。
パセットは青い顔をしながら屋敷の中を探し回った。
探し人は見つからなかった。
***
昔話をしましょうか。
むかーしむかし、あるお屋敷に偉大な魔術師が住んでいました。
彼はおおらかで、優しい人物でした。
身寄りの無い小さな子供達を拾い、自分の屋敷に住まわせていたのです。
当然の事ですが。
顔も良く、人柄も良く、頭も良い彼は、自分が拾った女の子達に慕われる事になります。
そしてこれも当然事ですが。
拾われた少女達全てが、彼のような善人ではありませんでした。
アーネという女の子が居ました。彼女は、彼が最後に拾った孤児でした。
ところが彼女は物覚えが悪く、使用人として働く事になってからも粗相ばかり。
彼はそんな彼女に目を掛け、優しく接しました。
そしてそれが火に油を注ぐ行為だとは思ってもみなかったようです。
役立たずの上、彼に特別扱いされるアーネに、他の使用人達は嫉妬しました。
陰湿な虐めを施し、数々の性的虐待を加えました。
処女も散らされました。
ですが何の事情も知らない彼は、落ち込むアーネを見かねて優しく接してくれます。
それが新たな嫉妬を生み――屋敷の中に淀んだ悪循環を生み出しました。
虐待は日を追う毎に酷くなり――そんなある日、アーネは運命の出会いを果たします。
彼女は偶然にも彼が封印した魔物、アドニスと出会ったのです。
異形の姿に最初はアーネも戸惑いました。
ですが使用人達に散々な目に遭わさていたからでしょう、すぐに魔物を受け入れたのです。
それどころかアーネは子宮にアドニスの種をもらい、歓喜しました。
何の役にも立たない自分が、初めて誰かの役に立てる――と。
アドニスに見初められてからのアーネは変わりました。
苦手だった仕事をそつなくこなし、仲間のいびりにも屈しません。
何より美しくなりました。
アドニスは魔物とは言え、彼女にとっては主で、男だったのですから、当然でした。
変化したアーネは使用人達に疑われる事になります。
一体あの娘に何があったのか――と。
そして皆が寝静まった夜、魔物と密会するところを見つかってしまいます。
使用人達は話合い、魔物とアーネの処断を考えました。
このようなおぞましい化け物、焼き払ってしまえ――と。
ところがアーネは自分達の逢瀬が見つかっていると気付いていなかったのです。
何時ものように何本もの触手に犯され、愛され。
愛の言葉を囁き、乱れ、別れの挨拶をしました。
そして次の日の夜、焼き払われた魔物の死骸を目にする事になります。
アーネは悲しみに明け暮れ――それが終われば怒り狂いました。
主を殺した犯人を見つけ、復讐する事を誓いました。
そしてそれは速やかに行われる事になります。
胎内に植え付けられた種子がアーネに命じます。
女を犯せ、仲間を増やせ――と。
アーネはそれに従い、次々と使用人達を襲いました。
一人、二人、三人。
一人犯せば、その者が別の者を襲います。
そうして復讐を始め三日も経った頃。
最初にアドニスの種子を受けたアーネは花へと成長したそれを出産しました。
アーネに犯された女達も次々とアドニスの花を産み落とします。
復讐を始めて一週間も経った頃、屋敷の中はアドニスの花で埋め尽くされました。
廊下で、客室で。場所を問わず、花に跨り、犯される女達が悩ましい嬌声を上げます。
彼女達は皆幸せそうに犯されていました。
花と同化し、アネモネと化すのも時間の問題です。
そしてアーネは既に完全なアネモネと化していました。
本能の赴くまま女を犯し、仲間を増やす魔物になっていたのです。
それを救ったのは彼でした。
彼は魔術を使い、使用人達からアドニスを分離させ、浄化したのです。
ですがアーネはそうはいきません。
彼女の体はアドニスと完全に同化しているのです。浄化は彼女の消滅を意味します。
優しい彼にはそれは出来ませんでした。封印する事も、拒否しました。
彼はアーネに特別に目を掛けてきたのです。
魔物と化した彼女を、退治したり、封印するような事は出来ません。
彼は最後の手段を使いました。
それはアーネの体はそのまま、心だけを浄化するというものでした。
魔術が発動し、アーネは人間の心を取り戻します。
ですがその代償に、彼は命を失いました。
どうか僕の分まで、生きてくれ――と言い残して。
アーネは決心しました。
この命は彼を犠牲にしてまで貰ったのだ。絶対無駄にしない――と。
かくして彼女は屋敷を飛び出し、当ての無い旅を始めました。
めでたしめでたし。
――じゃないわよねぇ。ほんと。
大変なのよ? アネモネの一人身って。人肌は恋しくなるし。
体はすぐに火照って欲情するし。
だからって田舎で女の子一人でも『食べて』みなさいよ?
すごい勢いで増えちゃうのよ? もう鼠算式に。
一回それやっちゃってねー。あの時は失敗したわぁ。
人間達に目を付けられて、しつこくしつこく追い掛け回されたのよー。
もー堪ったもんじゃなかったわ。おかげで逃げるのは得意になったけれどねえ。
――あっ、いいのよ寝てなさい。これ、独り言だから。返事しなくてもいいの。
それで、えー、どこまで話したかしら?
あそうそう。逃亡生活ね。これって現在進行形なんだけど。もうほんと不便だわー。
中途半端に良心が残ってるとねー、人間相手にも同情しちゃってねー。
アネモネになってからは人間が使う魔術とかと似たようなものも使えるんだけど。
殺しちゃうわけにもいかないじゃない? かわいそーだし。何より寝覚めは悪いし。
でもでもっ、向こうはあたしの事本気でやりに来るのよ!?
あたしは手加減してるってのに不公平だと思わない!?
――あー、えっと、あはは。ごめんごめん。独り言だから。答えなくていいから。
ごほん。それは兎も角。
そんなこんなで、もー疲れちゃったのよ。
悔しいし、何よりあの人の意思もあるから、簡単に死にたい、なんて言わないけど。
溜息ばっかり出ちゃう。
「でも。もう私が居ます」
我慢出来ずに、口を開いていた。それをネーアは笑顔で返す。
「もう。独り言だって言ってるのに。この子は。
でもほんと、その通りなのよ。リオに出会えたおかげで、救われた気がするわ」
「それは、私も同じです」
「そう? なら良かったわ」
くすくすとお互い笑いあう。
(でも、ネーアさん。
自分の昔話が恥ずかしいからって、女の子の名前を『アーネ』にするのって)
ひっくり返しただけで安直すぎではないだろうか。
なんて、失礼な事を考えていると、突然ネーアが口を開いた。
「あたしね。リオの事、他人とは思えなかったのよ」
「はい。私も、そう思いました」
さっきの『独り言』。あれはどう解釈してもネーアの生い立ちだ。
そしてそれはリオが思っているより、遥かに辛く、悲しい話だった。
悲劇のヒロイン気取りだった自分が少し恥ずかしい。
「本当はね。リオの事見つけた時は仲間にする気なかったんだけど。
貴女の話を聞いて、考えが変わったわ。というか放っておけなかった。
まるで、昔の自分を見ている気がしたの」
「…はい」
「人を止める事で手に入るものもある――それを貴女なら分かってくれると思った。
今思えば、これってあたしの我が侭でしかないんだけど」
「大丈夫ですよネーアさん。私も、同じ思いですから」
「…うん…ありがと…」
少し寂びそうに、でも嬉しそうに笑うネーアの顔が目に焼きついた。
大魔術師ウラヌスが死亡したアドニス大量発生事件がおよそ二百年。
事の張本人であるネーアが今までどのように生きてきたか。
どのような想いだったか。
今の泣き笑いのような表情が全てを物語っている気がした。
「あーっ、何だか疲れちゃったわ。あたしも一眠りしよっかな」
「あ、それじゃ私も」
「んー。それは無理かも」
「え? どうしてです?」
「今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う」
「え、ええ!? じゃ、じゃあどうすればいいんですか!?」
「リオ。それが『人間を止める』って事よ」
「あ…」
「あたしと一緒に生きたいと思うなら、それだけは覚悟して。
貴女はもう、人間と同じようには生きられない。
人を襲い、仲間を増やす。それだけしか考えられない化け物になるの。
理性は、一応は残るわ。記憶もね。
でも魔物としての本能には絶対逆らえない。あたしも昔はそうだったから。
だから魔物、っていうのよ」
今更ながらだが。本当に自分はアネモネへと変わってしまうんだなぁ、と思う。
まあ、リビディスタで家族に殺されるよりかはマシだ。
それに、
「私、ネーアさんと一緒に居たいから……だから頑張ります」
「そう…だったら、もうあたしは何も言わないわ。
リオと二人で、魔物としての生を謳歌する事にしましょう。
そうねー…試しにこの街をアドニスの花で埋め尽くしましょうか?」
「いえあのっ、いきなりそんな大きな目標を設定されてもっ」
「そう? でもあたし達アネモネなんて、増える事が存在意義みたいなものよ?」
「あのでも、お話を聞いているとあまり派手に動いても目を付けられるようですから」
「はー。そうなのよねぇ。だから面倒臭いのよー。
こう、誰にも邪魔されずに一日中エッチしていたいわぁ」
(……ネーアさん、いやらしいです)
「まあ、今はそんなの無理ね。夢物語だわ。リオの言うとおり、堅実に行きましょう。
そうねー……当初の目標は貴女の種子の成長ね。
取り合えず街に行ってエッチしまくってきなさい」
絶句した。
「ん? 何? どうしたの? リオ? まさか知らない訳じゃないでしょ?
アドニスは男の精液を吸って成長するのよ」
「いえ。知っていましたけど。あんまり深く考えないようにしていました」
「あー。あーあーあーあー。そうよねぇ。普通知らない男とエッチするの嫌よねえ?
うんうん。リオも女の子だからね」
そう言ってネーアは気味の悪いくらいにっこりと笑顔を浮かべる。
甘い事言ってるんじゃ無いわよ? と言外に叱咤されている気がした。
「えと、その…頑張って来ます。
あのでも私、途中で倒れちゃったりしないでしょうか?」
「んー。種は大分定着しているから、体力だけならもう普通の人間と変わらない筈よ?」
「ほんとですか!?」
「…どうしていきなりテンションが上がるのかしら?」
「だってだってっ、体力ついたらな走ったりしても大丈夫じゃないですか!?
あの試しにの辺を走ってきてもいいですか!?」
元より本の虫だったので、健康的な体で外を好きなだけ走り回ってみたかった。
それが今叶う。嬉しくない筈が無い。
「そっか。人を止める事で得るものもある――その一つね」
「はいっ!」
「快楽もそうよねー?」
「も、もう! ネーアさんはすぐそうやっていやらしい話を振ってっ」
「あははっ。ごめんごめん。でもアネモネってエロスの権化みたいなものよ?
猥談の一つや二つ、笑って流すくらいじゃないと」
(十二歳の女の子に求める事じゃありませんよね、それ?)
だがそれも『人間の世界』の話だ。
これから踏み込むのは、魔物としての領域。
ふと、思った。
「ネーアさん? お仕事をしている時のお母様って、どんな気持ちだったんでしょうか?」
「リオのお母さん? 売春婦してたんだっけ?
んー……そーねー。まあ、あたし達と違って、お金を稼ぐ為にエッチするんだから。
やっぱり嫌々していたんじゃない? まあ、相手とか気分にもよるだろうけど」
「お母様…すごいです。私、お父様の時でもあんなに辛かったのに。
それを知らない人ばっかりが相手だなんて…」
「多分、才能があったのよ。それも生まれ持ったとびきりのね」
「え?」
ネーアは何故か上機嫌で笑っていた。
自信満々で、まるで母の事を知っているように言う彼女の態度に疑問を覚える。
「それにリオ、貴女はそんなお母さんの血を受け継いでいるの。
大丈夫。貴女もきっとエッチの才能あるわ! あたしが保障してあげる!」
「そんな保障いりませんー!?」
夜が明け、白み始めた空の下。
森の中で、二人の笑い声が静かに響く。
***
リオは山を降り、リビディスタの屋敷を迂回すると街へと向かった。
わざわざ屋敷から遠ざかるように移動した事には理由がある。
近付きたくないのだ。いや、近付けないのだ。
子宮の中のアドニスの花のせいか、それとも何か別の要因があるのか。
屋敷周辺に張り巡らされた結界の影響をもろに受けてしまう。
すでにこの身が人よりも魔へと近付いてしまった証拠だった。
現に何分も山道を歩いているのに息一つ切れない。
健康になった体が嬉しくて、山の中を無駄に走り回った。
そんな時である。
がさり――茂みが揺れ、その向こうから異形の影が現れた。
「…ひ…っ」
「あらぁ?」
人語を発した異形は下半身が蛇、上半身が人の女――メデューサと呼ばれる魔物だった。
リオは失念していた。
この森はリビディスタの戦士達が実戦を行うほど、魔物が多いのだ。
昨晩、ネーアと二人っきりになれたのは、彼女が何かしらの手段を講じていたからだろう。
「なかなか美味しそうなおチビちゃんじゃない?」
ちろちろと舌を動かしながら下半身をくねらせてメデューサが接近する。
リオはすっかり腰を抜かしていて、逃げる事も出来ない。
(ネーアさんっ、助けてぇ!?)
「おチビちゃん? あなたに選ばせてあげるわ。石になりたい?
それとも頭からバリバリ食べられたい?」
「あ、あのあの、どっちも嫌です!」
「そう♪ じゃあ石になりながら頭からバリバリ食べられたいのね♪」
「違いますー!?」
「ふふふ馬鹿な娘ね。こんな所に護衛も付けずに一人身で来るだなんて。
これじゃ食べてくださいって言っているようなも――うん?」
メデューサの動きが止まった。
訝しげな様子でリオを見詰めている。クンクンと鼻を鳴らして、
「――なあんだ。『お仲間』じゃない。あなたアネモネでしょ? 匂うわ。
アドニスの花のいやーな匂いがする。紛らわしいわね。人間と勘違いしちゃったわ」
「え?」
指摘されて自分の匂いを嗅ぐ。
ネーアの匂いが移っているのか、自分の体臭以外にも甘酸っぱい花の香りがした。
リオは知らなかったがアドニスの催淫香は人間を誘惑する事だけが目的ではない。
この香りは凶悪な魔物達には悪臭に感じられ、それらを追い払う効果もある。
昨晩、二人がこの森の中で何の気兼ねも無く情事に耽られたのにはそういう理由があった。
「ああいや待って。なんか『アネモネ以外』にも混じってるわね? 混合種かしら?」
「え? それってどういう、」
「あーもう期待して損しちゃった。久しぶりの獲物だと思ったのに。
人間の娘を食べるなんて贅沢、一度でもいいからしてみたかったのに。
ここってあれよねー? 街はあんなに近くにあるのに中には入りづらいしぃ。
でも向こうからは殺気立った魔術師とか剣士とか流れ込んでくるしでサイアク。
そうそう。ちょっと聞いてよ!」
気が付いたらメデューサのお姉さんと気軽に世間話をしていた。
ひょっとして自分は人間に生まれてきた事自体が間違いなんじゃないかと思う。
いや、母親に失礼かもしれないがそう思わずにはいられなかった。
(…なんか、魔物さんって、怖いイメージがあるけど…皆割りと普通にお話出来るね?)
自分だけかも知れないが。
「さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?
いつもの剣士達と違って装備が貧弱でねえ、あんまり強そうじゃ無かったのよ。
それでこれは日頃の鬱憤を晴らすチャンスだと思ったわけね」
「は、はい…」
「ところが連中、なんか殺気立ってる上にやたら強くてさぁ。
傭兵かしらね? 危うく殺されちゃうところだったわ」
「えぇ? どこか怪我とかしたんですか!?」
「ええ。髪を切られたわ。もう治ったけどねぇ」
しゃー、と髪の毛と同化してウネウネしている蛇が鳴く。
つくづく自分の常識が通用しない世界だなぁ、と実感した。
「そうそう! こう見えてもわたしって結構いい体してると思わない?」
「え? ええと…」
言われて青白い色をした上半身に目を向ける。
体型としてはスレンダー型、と言ったところだった。
リオよりは成熟しているが、ネーアとは比べるべくもない。
人間なら十八くらいだろうが、それにしては胸のサイズが自分とさほど変わらない気が。
「ちょっとどこ見てるのよ!? 上じゃなくて下よ下! ほら見なさいよ!
この太さ! この長さ! 鱗の色も艶もそこらのメデューサなんかには負けないわ!」
(…あ…そっちなんですか?)
駄目だ。人間の常識が全く通用しない。
「それがあのオッサンどもと来たら!
『胸の小さい女に用はねぇ!!』って言うのよ!?
失礼しちゃうわもう! 何よあんた達だって下半身でものを見てるくせに!
なんで私の下半身を見ないのかしら! 胸がなんだっていうのよ!」
ひょっとして自分の体にコンプレックスでもあるんだろうか。考えても答えは出ない。
「あなたも気を付けなさいよ? あのオッサンども、まだこの辺りにいるかもしれないわ。
人間じゃないってばれたら、殺されちゃうわよ? あなたちっこいし」
「あ、はい…気を付けます…」
「それじゃ私は行くわ。あーどこかに人間の捨て子でも落ちていないかしら。
お腹空いたわー」
「あ、あの!?」
「ん? 何よ?」
去り際のメデューサに声を掛ける。
普段ならこういう野暮ったい事を聞かないのだが。
人間をやめて、気さくに魔物と会話が出来たからだろう。
ネーアと出会った時から疑問に思っていた事を口にした。
「あの…裸じゃ、恥ずかしくありませんか?」
「はあ? 裸が恥ずかしくてメデューサが出来るわけないでしょが。
それに体につられて寄ってくる馬鹿な男もいるしね。
っていうかそういうの、アネモネであるあんた達が本分でしょうに」
それじゃあね、と今度こそメデューサは背を向けて森の中へと消えていく。
何だか色々と為になる話が出来た気がした。
「モンスターって実はあんまり怖くないのかなぁ?」
人間の方がよっぽど怖い、と思う自分は心まで魔物になっているのか、と思った。
***
以上で第四話終了です。
うん。週に一回この分量を投下とか、かつてないペースです。
誤字とかありそう。皆様、見つけたら是非ご報告をお願いします。
勿論感想もお待ちしております。
尚、テロ中の書き込みにあった『ネーアの変異シーンを入れてほしい』という要望ですが。
ひょっとしたら後々の話で差し入れられるかもしれません。
まあ、無理かもしれませんが。あまり期待しないで下さい。
ちなみに次の話は大体書き終わってます。現在推敲中と言ったところですか。
サイバーアタック中に悶々としながら書いた分ですね。
40KBオーバーですがwww なんだこの筆の速さはwww 何だこの量はwww
おかげで一話一話のボリュームが増してしまって皆様お疲れでしょう。
大変申し訳ないです。
というわけで次回はいよいよリオ覚醒話です。
リオ関係は色々複線を張ってましたが一気に消化しますよ。正体とか。
おかげでエロエロです。全編エロシーンです。あ、成る程。だから筆がのっているのかwww
とまあそんな感じで、次回も宜しくお願いします。
最後に恒例になりつつある、アレを。
幼女ぉ!! 万歳ぃ!!
――これもそろそろ自重した方がいいのでしょうか。
ktkrーーーーーーーー 乙×風氏待ってましたー
それもリアルタイムw
アーネさん もといネーアさんにそんなことがあったんですね
いや〜感動しました そしてまた次を期待してしまう予告してからにw
乙×GJ!!!
お姉ちゃんご一行に殺害されるだろうメデューサの末路を思うと全俺が泣いた
>>89 GJ!したぁ!!
サイバーアタックへの鬱憤をエロに変えられた訳ですね?嬉しいですw
しかし、パセット切ない…ちょっと寂寞感に胸が痛みました
更新きた!これで一週間頑張れる
次回は覚醒した幼女が迫り来る大人達を千切っては投げる痛快活劇ですね!幼女マンセー!
>>92 これ以上胸が痛まないように貧相な体の方が好きな俺がパセットの身元を引き受けてあげよう
安心するがよい
GJ!
ところでネーアさんの話はあれで終わり?
連鎖シーンとか魔術師の最後とか読んでみたいっすね
×幼女万歳
○妖女万歳
こうしておけばおけ。
投下お疲れ様でしたー!
ょぅι゛ょ マンセー!!
ヒルの様な生物を撒き女性に寄生すると体から触手が生え出しながら精神崩壊してイクイク言わせたり、
蛇の様な生物をアナルだかクリだかわからんがどっちからか入れてラミアっぽくしたあと、巨大な水槽の何人か入れて巻き付け合いながら精神崩壊させたり、
クラゲみたいな生物を女性の頭に付けて耳・鼻・口から触手を入れて犯してアヘ顔になりながら精神崩壊させる様な夢を昼休みの20分ほど寝たら見た。
今さら乙×風さんの永久〜を1話から読みはじめたものですが
1話でヒロインの幼女の眼が蒼穹と赤って書いてあって
その少し下に父親の眼について書いてあるところを読むと
同じように翡翠の眼という風にあったんだけど
↓引用元↓
>しかしその右目は蒼穹のような色。そして左目は血のように真っ赤なのだ。
>少女と同じ翡翠の眼に
結局ヒロインの眼は赤×翡翠(緑)なのか赤×蒼穹(青)なのかどっちなんでしょうか・・・
著者に「翡翠」と「蒼穹のような色」の区別が付いてないだけだろ
なんとなくカッコイイから、という理由で自分の把握していない表現をしたがる中二病人間のなんと多いことか……
このメデューサさんはわかってないな…着衣のエロさを
かっこよさそうというだけで空気をぶち壊そうとするやつのなんと多い事か……
エロSS読むというのに脳内補完さえできないのか
ヘテロクロミアだってことだけ把握してれば何の問題もないもんな
多少の誤字や描写違いには目を瞑るのがお互いにとって平和
指摘されるまで全然気付かないってのは幸せなのかなぁ……
104 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 02:21:47 ID:OCTN5SzP
結膜炎で一時的に赤くなっただけじゃね
実は複線
瞳の色が変わる描写がところどころに
>>103 ヘテロクロミアって言われると金銀妖眼って訳が浮かんで金と銀のオッドアイなイメージに…
元ネタ思い出せないけど
ロイエンタールも罪作りなことを……
ょぅι゙ょの眼だから問題ないな
蒼翠なら(ry
ょぅι゛ょの神秘!!
どうも乙×風です。お待ちかねの新作を投下しに来ました。
ですがその前にリオの瞳について少し説明します。
98様が指摘された『青か緑か一体どっち?』
との質問ですが――リオの右目は青、左目は赤となっております。
この疑問は私が『翡翠』と『蒼穹』の区別が付いていなかったが原因です。
劇中、右目が青になったり赤になったりする描写はありますが、それとは別の話ですね。
99様の言っている通り、こちらの不手際です。
ほんと、なんでこんな簡単なミスをしたんだか。
ちなみに作家というものはかっこ付けなのです。私だけじゃないと思いますよ。
それだけなら別いいと思いますが私の場合、正しい意味を調べていなかったのが問題です。
おかげで一部の読者の方々に不快な思いをさせてしまったと思います。
申し訳ありません。この場を借りて謝罪させて頂きます。
ですがまあ。あまり堅苦しいのもどうかと思います。
こういう場所ですからね。私以外のSS作家さんも居ますから。
あまりギスギスして、その方達が投下しにくくなるのも考え物です。
なのでリオの瞳の件に関してはこれで勘弁して下さい。
はい。という訳で気を取り直して投下といきましょう。
今回は皆様のご想像通り、リオ無双ですよぉ。
NGワードは以下の通りです。
(自慰、猥語、レイプ、人外化、悪堕ち、輪姦、逆レイプ)
胡散臭い言葉が目白押しですな。
今回は完全実用性重視です。人外になったリオに好きなだけ搾り取られて下さい。
ではどうぞ。以下、15レス消費します。
第七話 先祖返り
――アレエスの街は元々小さな集落だった。
周囲の森には薬を作る為の原材料が群生しており、それを採取する拠点に過ぎなかった。
この頃はアレエスという名も無かったという。
ただ、手に入る薬の原材料という物が希少で且つ高価で森に入る者が後を断たなかった。
しかしである。
この森は生物にとって住み易い環境だった為に、様々なモンスターまで生息していた。
薬草を採取するのにも命懸けだったのだ。
今から二十年程前の話である。
当時、若くして名の知れていたグリーズに、件の森の魔物退治が依頼された。
剣神『アレス』の称号を国王より享け賜わった彼には体のいいクエストだった。
彼の後の妻となるドルキも彼と同行していた。
彼女は優秀な魔術師であり、グリーズともに数々の以来をこなしていた。
彼が剣神の称号を持つ前から、大いなる魔女『メディア』の称号を持っていた程である。
かくしてグリーズとドルキ、そして数名の部下を引き連れ、名も無いその集落に赴いた。
大した障害も被害も無く、剣神グリーズによる魔物掃討作戦は成功。
件の薬草付近の異形達の大半を殲滅した。
希少種である薬草を大量に手に入れ、彼は富と、更なる名声を手に入れた。
そしてその功績を称えられ、国王にその地を治める領主の資格を貰い受ける。
グリーズは妻ドルキと一考した。
数は減ったが、この森には多種多様な魔物が生息している。
それら相手に実戦を行い、最強の兵士を育てよう。
剣神であるグリーズ。魔女と謳われたドルキ。
二人の子はきっと優秀な戦士となる。
すぐに、二人の考えは実行される。
森を切り開き、街を作ったのだ。
武を重んじる英雄の町。グリーズの称号から名を取り、アレエスと名付けられる。
アレエスの街にはドルキを初めとする魔術師達の手によって結界が張られた。
更に強固な外壁で街を覆い、半端な要塞よりもよほど堅牢な地となる。
市場には森から採れた高価な薬草が出回り、英雄を一目見ようと人が集まる。
街の人口は右肩上がりに上昇した。
グリーズは領主として、また一人の将として道場を開いた。
歴戦の勇士達の手によって鍛え抜かれた戦士はそれだけで脚光を浴びる。
グリーズの元には次々と門下生が訪れ、屈強な戦士達を輩出した。
名門リビディスタが名実ともに世に認められた瞬間だった。
――これが武芸の街アレエス誕生の背景である。
そのリビディスタの末娘であるリオも、それくらいの事は知っていた。
義母のドルキに教えられたのである。
『一応。貴女もリビディスタの娘ですからね。これくらいは知っておきなさい』
彼女は自分を憎んではいるが、父のグリーズと共に歩んだ道のりをさぞ嬉しそうに話した。
それは親切でもなんでもなく、自慢がしたかっただけだろう、と幼心に思ったものだ。
まあ、それは兎も角として。
「どうやって中に入ろう…」
まさか自分が『侵入者』になるとは思ってもみなかった。
眼前の、天まで届けといわんばかりの外壁を見て思わず溜息が零れる。
良く見ると上の方には見張り番まで居る。流石武芸の街と言ったところか。隙が無い。
(お父様ってすごかったんだなぁ…)
改めて父親の偉業に感心する。自分の娘を性欲の捌け口にする最低の親だが実力は本物だ。
「やっぱり正面から?」
昼間なら、旅の者や行商の者を受け入れる為、正門の結界は張られていない。
そこから堂々と入る事も出来る。
だがこの髪にこの瞳。リビディスタのお嬢様である事など人目で分かってしまう。
そうなったらあの屋敷に逆戻りだ。それだけはなんとか避けたかった。
あそこには、もう戻りたくないのだ。
(ネーアさぁん、私どうすればいいの?)
男を漁れと言われたが今更それが難題だという事に気付いた。
(森の中に、訓練に来た男の人を捕まえればいいのかな?)
だったら屋敷に近い方がいいのだろうか。
「うーん…」
額に皺を寄せて唸る。そんな時だった。
ずくんっ。
「あっ」
(何っ? お腹、急に疼いてっ)
急に子宮が疼き始める。
腹の中に焼き石でも突っ込まれたみたいだ。
「やっ、これぇっ、んんっ」
寝巻きの上から股を押さえる。
じゅくぅ、とお漏らしをしたように水滴が零れた。
むわり、とリオの甘い体臭が雌の発情臭と共に鼻を突く。
『今は少し落ち着いているけど、リオのお腹の種子ね。
すぐにまた疼き始めるわよ。そうなったらもう抑えられないと思う』
ネーアの言葉が脳裏で再生された。
(こんなに、疼くだなんてっ)
ずくんっ。ずくんっ。ずくんっ、ずくんっ、ずくんっ――
「あっ、やだっ、やだぁっ…! 我慢出来ないよう!」
劣情にまみれるように、下着の内側へと指を滑らせる。
「にゃぁっ!?」
ぐちゅぅ。卑猥な音がしてヴァギナに電気が走る。そこは既にどろどろだ。
(こ、こんなに濡れて…それに、すごい敏感になってるっ)
思い切って指を割れ目へと差し入れた。
「あっ、!? はぁっ…!」
膣壁に爪先が擦れ、蕩けるような快楽が走る。
それは脊髄を駆け上り、リオの脳へと達する。
性的快感に脳内麻薬が分泌され、頭がくらくらした。
(きもち、いいっ)
快楽が理性を削り取る。
リオは我慢出来ずに、二本目の指を挿入した。
じゅくり。
「んにゃぁんっ」
膣が圧迫され、二本の指が締め付けられる。
敏感になった肉ヒダは窮屈そうな二本の指の形を鮮明に感じ取る事が出来た。
(アソコ、気持ちいいっ、止まらないよぉっ)
ぐちぐちぐちぐちぐちっ。
「はぁっ! にゃっ、あぁっ! んんっ! はあっ!
いいっ! 気持ちいいっ! オナニー気持ちいいよぉっ」
二本の指を捻り、或いは爪先で肉のチューブを内側からガリガリと削る。
そのあまりの快感。目の前が霞み、心地良い興奮が体を満たす。
寝巻き姿で、こんな朝早くから、魔物が徘徊する森の中でマスターベーション。
正気じゃない。
(こんなのっ、おかしいっ、やめないとっ、私、変態さんになっちゃうっ)
だが指は止まらない。それどころかその動きは激しさを増す。
指は三本に増えていた。
捻り、掻き回すような動きは、ネーアに犯された時のようにピストンへと変わっている。
(奥っ、奥の方が、いいのにっ、届かないようっ)
あの長い触手で子宮に穴を開けんばかりの勢いで、ずこずこ犯されるのがいいのに。
いや、違う。今は子宮に、熱い体液を飲ませて欲しい。
溺れるくらい、破裂するくらい子宮を精液で満たして欲しい。
「んんっ! やあっ! 切ないっ、切ないようっ!
おチンチンっ、欲しいようっ! 指じゃ、いけないようぅっ!」
こんなに体は敏感なのに、全然達する事が出来ない。
肉壷を犯す指はもう四本になっている。
あの巨大な触手を受け入れた所だ。フィストファックオナニーでもしてやろうか。
だがどれだけハードなプレイをしても根本的な解決にならない。
この状態は、アドニスの種子が成長の為に男の精を欲しているから起きているのだ。
男と交わり、膣内射精されない限り収まらないだろう。
そう考えるとぞっとした。
それまでこの状態が続くなら、きっと自分は発狂してしまう。
「やだっ、やだっ、やだあっ!」
いや、もう狂っているのか。
リオは気付いていない。未成熟な性器に自分の腕が差し込まれている事に。
それでも貪欲に快楽を貪る。
空いた手で乳首を抓り、或いはクリトリスを抓る。
それも千切り取らんばかりの力だった。
「んにゃあぁぁぁぁっ!!!」
激痛と、それ以上の快楽に背筋が弓なりに反れる。
だがそれでもイけない。子宮に根ざした種子が、アクメを阻害しているのだ。
(いやあぁっ!! イけないっ! どうしてぇ!!?)
「やらぁっ! やらぁ! イけないっ! イかしてよぉっ!」
リオはこの時、獣だった。
だらしなく口を開き、涎が垂れ、瞳は虚ろ。
『イかして』か、『おチンチン』か、『セーエキ』のどれかしか言葉にしない。
精神崩壊の寸前。
だから彼女に近付く人影にも、気付く事は出来なかった。
「……こりゃたまげた」
「おいおい。まだガキじゃねーか」
「こんな小便臭そうなガキがこんなところでオナってるって、世も末だなぁこりゃ」
男の、声が聞こえた。それも三人。
「ふぁあ…?」
リオは虚ろな瞳で、この場に現れた三人の乱入者を見る。
騎士甲冑を着てはいるものの薄汚れた装備。剃り残した無精髭。
エリート揃いのリビディスタとは少し風体が違った。
『さっきもさぁ、むさいオッサンが三人でいきなり絡んできたのよ?』
先程出会ったばかりのメデューサの話を思い出してた。
(あ、この人達が…そうなんだ…)
「…おい。このチビまじでやばくないか? 薬でもやってんじゃないのか?」
「そうだな、そうじゃないとこんなアブねー真似、出来ないわな」
「おーい嬢ちゃん。大丈夫かー? おじさん達が家まで連れてってやろうかー?」
リオは男達の言葉を聞いて無かった。
突然の事態に思考が追いつかない。
(――男の人)
思考は追いつかない――が、本能は追い付いた。
『どろり』と体の内側からどす黒い衝動が溢れ出す。
それはネーアと交わっている時にも起きた感覚だ。
自分が、自分ではなくなっていく感覚。
爛れた情欲が心を満たし――ついには体をも犯していく感覚。
「あ、はぁぁ…」
熱い吐息を吐き出す。
湯にのぼせたように頭がぼやける。快楽を貪りたいという意思が体を突き動かした。
「…おい、なんかこいつ、雰囲気変わってないか…?」
「あ、ああ…」
「こいつ、目が…オッドアイなのか? 珍しい…」
男達がうろたえている。
それだけではない。欲情しているのだ。この体に。
(あは。メデューサのお姉さん可哀相。
このおじさん達、私みたいな小さな女の子で、欲情してるよ?)
それは種子から放たれる催淫香のせいだ。
だがそれだけではない。リオ自身の匂いのせいでもある。
この時リオの体は、確実に変化を始めていた。
『アネモネとしてではなく、別の何かへ』と。
「おねがいしますぅ…私のここ…おじさん達の逞しいおちんぽで鎮めて下さいぃ♪」
立ち上がり、自ら割れ目を開きながら猫撫で声でおねだり。
リオのヴァギナはドロドロだ。
肉ビラが露出し、オスをねだるようにヒクヒクと脈打っている。
未成熟だと思われる少女の性器に、剥き身の貝を思わせるような生っぽさがあるのだ。
そのギャップに、男達が生唾を飲み込んだ。
全員股間のイチモツを膨らませているのが手に取るように分かる。
嗅覚まで敏感になっているのか、三人の先走りの匂いすら判別出来た。
「あは。もうびんびんじゃないですかぁ? 遠慮しなくていいんですよぉ?
私の、幼女の生おマンコにこってりザーメン好きなだけ注いでいいんですよぉ?」
「…ち。最近の若いもんは全くけしからんな」
「ほんとうだ。すけべで。破廉恥で。恥じらいってもんがねえ」
「そんなに犯されたいならやってやるよ。
俺達は元は傭兵でな。貰えるもんは貰う主義だ」
「あぁん…ありがとうございますぅ♪」
「ああ畜生ガキの癖に色っぽい声出しやがって!」
乱暴に突き飛ばされる。
逞しい腕が自分を押し倒した瞬間、汗と雄の匂いを嗅ぎ取り、胸が高鳴った。
心地良い動悸が体を支配して、『にゃぁん…♪』と再び媚びる声を上げてしまう。
「やべぇ。むっちゃ興奮してるぜ」
「ああ、このチビ、良く見ると上玉じゃねえか。
髪とかピンク色だぜ? 珍しい」
「それにこの匂い、たまんねぇなぁっ」
男達の手が無遠慮に触れる。
肩を撫で、髪を触り、脇の匂いを嗅がれる。
それはネーアに比べて乱雑で、時に痛みを催す。
だがこのレイプ紛いのシチュエーションに、リオ自身も酷く興奮していた。
欲情した男達から匂い立つ発情臭にこちらも発情する。
我慢できなくなって男のうちの一人から、不意打ち気味に唇を奪った。
「んっ…! ちゅっ! じゅるっ! ちゅううっ!」
「おーおー。嬢ちゃんやるねぇ」
「こいつの口臭いだろ? 昨日俺のチンコしゃぶらせたからな!」
横合いから掛けられた言葉の意味が一瞬分からなかった。
だが彼ら全員から、彼らの精の匂いがごっちゃになって交ざっているのが分かる。
何か理由があったのだろう。どうやら彼らは男同士でしていたらしい。
尤も、今のリオにとってそんな事は大した問題じゃない。
彼らがホモだろうが両刀だろうが興味はない。
だが出してしまったのなら、今回得られる精の量も大した事ではないのでは?
と実に『魔物らしい』思考が脳裏を掠めた。
(だったら、しょうがないかなぁ…)
悪いとは思うが、『搾り取る事になりそうだ』。
下手をすると死んでしまうかもしれない。
(仕方ないよね? だっておじさん達は、私の『獲物』なんだから)
どろり、と黒い衝動が体を駆け巡る。
自分を犯す筈の屈強な男達が、哀れな子羊に見えてきた。
彼らは、食べられる方だった。
それを自覚した瞬間、リオの中で何かが目覚めた。
全身を巡る父と母の血、そのうちの片方――母の血がざわつく。
同時に体が作り変えられていく。
リオに流れる『血』が、少女の体をより相応ものへと変えていく。
例えば唾液。
分泌量が増え、匂いが濃厚になった。
それを人間に飲ませればあっと言う間に欲情し、理性を失った獣へと堕ちる。
「ぐっ、はっ、はあ! このガキ! ディープキスとか、生意気なんだよっ!
もう、犯してやる!」
「お、おい、いきなりどうしたんだよ?
ガキに唇奪われたのがそんなにショックだったか?」
キスをした男は、目を血ばらせ、鼻息を荒くし、傍から見ても正気ではなかった。
鬱陶しそうに鎧を外し、下半身を露出させる。
取り出された肉棒は臍まで反り返って、天を向いていた。
(あ、お父様のよりも…おおきぃ♪)
小さな鼻が雄の匂いを嗅ぎ付ける。
ペニスの先から漏れる濃厚な精の気配を感じて、全身を駆け巡る『血』が歓喜した。
自ら足を開き、挿入しやすいように指でヴァギナを開く。
テラテラに濡れた肉ヒダが――蠕動する肉壷の内側まで露出される。
それでキスをされた男の理性は粉砕された。
「このっ、メスガキがっ」
ずりゅりゅぅっ。
「んにゃぁぁぁんっ」
毛の生えていない幼い割れ目を、男の肉槍が貫く。
(あはあっ! おチンポっ! お父様以外のおチンポ!
私食べちゃってるよぉっ! ふわっ! いいよぉっ!)
餓死寸前にありつけた食事は美味の一言だった。
散々焦らされ、敏感になり、高められた性感のせいだろう。
挿入されただけで達しそうになる。
雄の交わりを知覚して、アクメを阻止していた種子が神経の束縛を解放したらしい。
自分の体がイけるようになったと、リオは本能的に理解した。
「う、おっ!? こいつっ、絞め付けがっ」
一方リオに『食べられている』男は少女の肉壷に自慢のブツをしゃぶられ、狼狽していた。
声を裏返して、必死に快楽に耐えているのが分かる。
(おチンポ、びくびくしてるぅ♪ もういきそうなんだぁ♪)
「我慢しないでいいんですよぉ? 私のおマンコの中で、思う存分ズコズコしてくださぃ♪」
正常位の状態から足を男の腰へと絡ませ、引き寄せる。
人外化が進んでいるのか、密着した腰は力強く固定され、離れそうに無い。
ぐちぃっ。
「んにゃぁん♪」
勢い良くペニスを咥え込んだ事で子宮口にペニスが食い込んだ。
その衝撃に体が痺れ、反射的に催淫効果を持った吐息を男の鼻っ面へと吹きかけた。
とろん、とした目で、男の瞳を見詰める。
男の黒い瞳に映りこんだリオの右目――その瞳が青と赤に明滅していた。
リオは本能的に理解した。
この赤い瞳には魔性が宿っている。
母親から受け継いだこの瞳は、男を誘惑し魅了する力がある、と。
「く、くそぉっ!」
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ!
「あっ!? にゃっ! んあんっ!」
この男も例外ではなかった。
リオの瞳に、匂いに、唾液に、体に、魅了されてしまった。
今思えば、父親のグリーズはとうの昔からリオに宿る魔性に魅せられていたのだ。
だからこそ近親相姦などという非行に走った。
(私のせいだったんだ…)
真実を理解して愕然とする――だがそれも一瞬だ。
(ふふ。実の父親を無意識の内に誘惑するなんて、私の体すごい♪)
倫理や常識を覆す魅力が、この体には詰まっているのだ。
武芸の街に住む男達――脳が筋肉で出来ているような人間などひとたまりもない筈。
現に目前の男も、この幼い体に夢中になっているではないか。
「はっ! はっ! すげっ! 幼女のマンコっ! 最高だっ! おっ! おおおっ!」
「んにゃっ!? あっ! そこっ! いいっ! 奥っ、いいのぉっ!
おじさんっ! もっと突いてっ、んあん! もっと突いて下さぁい!」
ごつごつと膣の最奥を小突き上げられ子宮が悦びに打ち震える。
種子が根を張り、その上でさんざん焦らされたそこは性感帯の塊だ。
ガチガチの肉竿に一突きされる度に、蕩けそうな快楽が溢れる。
本当はもっとペニスの感触を味わいたいのに、快楽を貪るのに夢中になってしまう。
細い腕を男の首へと回す。両手の指を組んで男の首に引っ掛けた。
こうすれば自重を少しは軽減出来る。自分から、腰を動かす事が出来る。
試しに腰を使う。
父親に散々躾けられた体だ。やり方なんていくらでも知っていた。
男の突き込みに合わせて、自分から腰を迎えに行く。
「う、うぉおっ!?」
「んっにゃぁん!?」
ずんっ。と子宮が振るえ、頭が一瞬白む。
膣が収縮し、ペニスをぎちぎちと咥え込んだ。
(あはぁっ、これぇ、いい♪)
ぱつぱつぱつぱつっ!
恥骨同士がぶつかり合が当たりに響く。
男の首にぶら下がるリオの体が、激しいピストンによって上下に揺さぶられる。
痛いほど勃起した陰核が男の陰毛に覆われる肌とぶつかり合う。
痺れるような快楽が脳髄を走り抜けた。
「あっ! あっ! すごっ! いっ! よっ! おじさんのっ!
私のしきゅーっ、ごつごつ叩いてっ! んあっ!?
あはぁっ! あっ! にゃっ! にゃぁ! いぃ! いい!
もっとぉっ! もっとぉごつごつしてぇ!」
「おっ! おおおっ!! はぁぁあ!」
ぱたっ、ぱたたっ。
獣のような咆哮を上げる男から零れた唾液がリオの顔に降り掛かる。
発情したオスから流れるそれには精液ほどとは言えないが多量の『精気』が詰まっていた。
試しに口を開いて彼の唾液を飲み込むと、まるで酒でも飲んだかのように体が熱くなる。
男の精が、美味い。
(あ…私、ひょっとして…)
ここに来てようやく。リオは自分の正体に勘付き始めた。
いや、自分の正体というより自分に流れる血か。
だがそれも吹けば飛んでしまいそうな思考だった。
「あっ! あっ! あっ! あんっ! あっ! にゃっ!」
子宮を揺さぶられる激しいセックスに、再び夢中になってしまう。
そしてそんな交わりを見て、周りの二人も居ても立ってもいられなくなったらしい。
「…もう我慢できん」
「ああ……くそっ、昨日あんだけ抜いたのに…」
いそいそとペニスを取り出すと、乱雑に扱き始めた。
(あ、おチンポ、しこしこしてるぅ♪)
自分をオカズにオナニーをしている。
その事実がリオの自尊心を充足させた。
「はっ! ああっ! もっ、でるぞっ! 中出し、しちまうぞ!」
「あっ! あんっ! はいっ! リオの中にっ!
幼女の子宮に新鮮ザーメンどぴゅどぴゅしてくださいっ!
あっ! あっ! あっ! あっ! あん! にゃん!
膣内射精してっ、おじさんのせーえきで種付けしてくださいぃっ!!」
卑猥な言葉で男達の神経を煽る。
その声にすら魅了の力は宿っている事を知っていた。
男達の理性はリオの猫撫で声に犯され、麻痺している。
大量の脳内麻薬を分泌し――そして果てた。
「うっ、ぐっ! うおおぉぉぉっっっ!!!」
咆哮を上げ、子宮口に亀頭を食い込ませる。
ぎちり、と子宮の入り口が軋む音を聞いた気がした。
びゅるっ! どぴゅどぴゅどぴゅっ!
「んにゃっ!? にゃああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!」
(出てるぅっ! リオのしきゅーにっ、こってりザーメン流れ込んでくるぅ!)
熱い。ぐつぐつと煮立った濃厚な媚薬を直接腹の中に流し込まれている気分だ。
新鮮で濃厚な精を含んだ白濁液が子宮壁にぶち当たると、蕩けるような感触に襲われる。
(中出し、気持ちいいよぉっ! すごすぎるよぉっ!!)
「あっはぁっ! イッちゃう!
リオ射精されてイっちゃ、んああぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっ!!!」
びくん! びくんっ!
アクメを迎えたリオの体が痙攣する。
きゅうきゅうと子宮が収縮する感触が破滅的なまでに気持ちいい。
父親に犯された時とは全然違う。
膣内射精なんておぞましくて、気持ち悪いだけだった。
ところが今はどうだ。気持ちいいだけだ。
(これが、セックス…! たまんない…っ、癖になっちゃうよぉ♪)
「この、ガキの癖にエロ顔しやがって!」
「どろどろにしてやるっ!」
びゅるびゅるっ! どぷどぷどぷどぷどぷっ!
「んにゃあぁぁぁぁっっっ…♪♪」
だらしなく弛緩させていた少女の顔に、両脇からスペルマのシャワーが降り注いだ。
その熱さ。粘っこさ。匂い。そしてそれに凝縮された精気にうっとりとする。
その表情は、堕ちたメスそのものだった。
どくんっ。
「にゃぅっ…!?」
突如、子宮の奥が疼いた。
どくどくと、まるでそこに心臓があるかのように脈動し続ける。
アドニスの種子が精液を吸収し、成長しているのだ。
神経の根が更に深く子宮を犯し、膣を犯し、内蔵を犯し、体を作り変えていく。
陰核が膨張し、膣の肉ヒダが深く、複雑になる。
平坦な胸の丘陵に膨らみが生まれた。
全身が敏感になり、種子から発するアドニスの催淫フェロモンの香りが強くなる。
アネモネへと徐々に変化しているのだ。
しかも肉体の変容はそれだけに止まらない。
(体が、熱いっ)
成長する種子と同調するように、全身が火照ってくる。
まるで体を流れる血が、沸騰しているようだ。
「んにゃあぁぁぁぁっっ!!!」
吼えた。自分が変わってしまう。その恐怖に。
その期待に。
唐突に、視界が真っ赤に染まった。
赤と青に明滅していた右目が、赤一色へと変わる。
ぎちぎちと八重歯が伸び、立派な牙になる。
パジャマの背の部分が引き裂かれ、その内側から蝙蝠の羽が飛び出した。
「っ!? なんだ、こいつ!」
「人間じゃなかったのかっ!?」
顔中にスペルマのパックをしてくれた男二人が狼狽している。
ぼんやりとした様子で彼らの顔を眺めた。
ぴょこん。そんな可愛い音がなった気がする。
頭がなんだかむず痒い。試しに触ってみればそこには何かふさふさとした感触が。
「にゃぁ?」
三角形をしたそのもさもさは引っ張るとぴんと突っ張って僅かな痛みを覚えた。
男二人が顔を引き攣らせる。
彼らの目には。
『猫耳を生やした悪魔にしか見えない幼女が映っていた』。
(あー。やっぱり…私、悪魔だったんだ)
完全に魔物として覚醒した自我が、自身が何者であるかを本能的に理解した。
リオは男の精を食らう悪魔――いや、淫魔と言った方が分かりやすいか。
しかも混合種だ。
『ネコマタ』だったか。それと『シュトリ』と呼ばれる読心術に長けた悪魔。
どちらも異国から流れ着いたモンスターで、自分はそのハーフらしい。
それが人間と交わり、何代も何代も世代を移し、血が薄れ――今のリオが居たのだ。
(『ネコマタ』と『シュトリ』と、人間と――それにアドニスの種まで植え付けられて…)
全く、ちゃんぽんにも程がある。それに如何わしい種族ばかりだ。
甘い体臭も。赤い瞳も。このピンク色の髪も、きっとそれが原因なのだろう。
今になって淫魔として覚醒したのもある程度予測がつく。
子宮に寄生したアドニスの魔力と反応したのだ。
ネーアと交わった時から、精神的にも肉体的にもおかしかったので、時期的にも符合する。
(あはは。道理で…お母様がああいう仕事をするわけだ…)
そういえば、ネーアは母親の事を知っているような口ぶりだった。
エッチの時に、この体に淫魔の血が流れている事に気付いたのかもしれない。
(まあ、別にいいかな。そんな事は)
そうだ。そんな事より、今は他にすべき事がある。
「このチビっ、騙しやがったなっ」
「ガキだと思って油断したぜっ」
二人の男が剣を抜いた。それを冷ややかな目で見詰める。
リオの体は今し方セックスした時の体勢のままだ。
正常位で組み敷かれ、自分で男の腰に足を絡みつかせ、身動きが取れない。
まあ、その男も、精気を吸収されたせいで泡を吹いて気絶しているわけだが。
実質二体一には変わり無い。
しかも向こうは修羅場をくぐってきた傭兵上がりの騎士。
まともに戦えば勝ち目は無かった。
尤も、最初から戦うきなど無かったが。
「おじさん達は、私とエッチしてくれないの?」
「舐めるなよ…! 人間じゃないって分かったらこっちも容赦しねえ!」
「その通りだ! あーしかし俺達女運ねえなーおい!
きれーな人間のねーちゃんが抱きたいぜっ」
「そんな事言わずにね?『私としようよ』」
言葉に魔力を乗せる。
淫魔の囁きはそれだけで人間の理性をたやすく削り取る。
それを、紅く染まった両目で後押ししてやる。
魅了の魔術だ。魔術に精通しているものなら防御のしようもあるだろう。
だがこの三人の男達に、それを防ぐ術は無かった。
「……あ…う…」
交わる視線を通して、リオの魅了の魔術が二人の男に叩き込まれる。
二人が握り締めていた剣が、同時に滑り堕ちた。
「ふふふ♪ そう、いい子♪ 私、おじさん達の事好きになっちゃうかも♪」
あー、と痴呆のように二人の男が呻いた。
その瞳は、ガラス玉のように虚ろだ。
男達はリオの据え膳と化していた。
「くすくす♪ 本当に美味しそう♪」
最早リオの目には男達は餌にしか映っていない。
この時少女は気付いていなかった。
自分の心が、すでに人でなくなっている事に。
(体、熱い。力が、漲ってくる♪)
生まれ変わったようだった。
だがその力は邪悪なものだ。魔物として、人を喰らう為の力だ。
その力をどす黒い衝動の赴くままに行使する。それが何と心地良いか。
(あはっ。気持ちいい♪)
殺気を漲らせていた男達がリオの魅了の魔術に心を食われ、呆然としていた。
レイプする――そう宣告されればそれに大人しく従い、時が過ぎるのを待つ。
心を殺して、人形のように言いなりになる――あの頃とは違うのだ。
今は、その逆。食う側なのだ。
リオは思わず笑みを浮かべた。
幼い顔が歪む。それは本物の悪魔の笑み。
快楽を得る為なら人を貶める事も厭わない、そんな極悪人の笑み。
(…このおじさん邪魔)
繋がったままの男を蹴飛ばす。
がす。男の体が宙を舞った。
「え?」
リオの方が目を丸くした。
蹴られたボールのように、気絶していた男は遥か後方へと吹っ飛んだのだ。
そしてノンバウンドで数メートルほど飛行した後、木の幹にぶつかってやっと止まる。
「え? あれ? やりすぎちゃった?」
さっきのセックスで誤って『吸い過ぎた』せいで彼に精は残っていない。
用済みなので多少手荒に扱っても大丈夫――そうは思ったがまさかあんな盛大に飛ぶとは。
(力の加減、難しいなぁ)
ひょっとしたら、戦士としての父親の血が影響しているのかもしれなかった。
剣神とまで謳われた男の娘なのだ。
人外化の影響もあって、今の肉体のスペックは予想以上に高いらしかった。
(剣も魔術も使えなかったのに、人間止めたらその両方が同時に出来るようになるなんて)
なんとも皮肉な話だ。しかも力を持て余している。
「ふふふ。だったら、おじさん達は練習相手かな?」
無害化した男二人を見据えて、ふと気付いた。
「んー。この格好じゃあんまりかなぁ?」
白のネグリジェを見下ろすと、腕を組んで考える。
折角淫魔になったのだからもっと色っぽい格好の方がいいだろう。
それにこの服は嫌いだ。
外に出る事が少なかったリオは、寝巻き姿でいる時間が多かった。
このネグリジェもそう。愛用していたのだ。
つまりこれは人間の――あのひ弱なリオ=リビディスタの証のような物なのである。
「おじさん達ちょっと待っててね?」
ぴょん、と反動を付けて起き上がる。寝そべった猫が飛び起きるような動きだ。
相手をしてもらう筈なのに待ち惚けは少し可愛そうだが、ちょっと我慢してもらおう。
(? 人間止めても、そういう気遣いは出来るんだ? 変なの)
まあ、どっちにしろ食べるものは食べるのだが。
リオは男達の目前で服を脱ぎ始めた。
衣擦れの音を響かせながら、幼子の肢体が晒される。
丸みを帯びた肩。
肩甲骨辺りから伸びる一対の羽。
平らだったバストは、幼子、というよりも成長途中の女子のそれだ。
押せば返しそうな膨らみは、人の頃に比べれば二周りは大きくなっている。
ブラを付けても良いほど成長していた。というか多分姉よりも大きい。
やせ細っていた腹や尻、太股は僅かに肉付きが良くなった。
それなのに腰の細さはそのままで――幼い体が僅かに色っぽく成長したのが分かる。
尾てい骨から伸びた猫の尻尾と矢じり型の尻尾が、色気にアクセントを加えていた。
(…何だか『また』やらしい体になってる気がする)
『リオっちってさ、何だか発育いいよね?
そのオッパイとかパセットよりも大きいんじゃない!? けしからん!』
パセットが以前そんな事を言っていたのを思い出す。
そんなに気にする事でも無いだろうに。やっている事はどんぐりの背比べだし。
それが今では――可哀想に。今では確実にこちらの方が大きい。勿論胸の話である。
まあそれは兎も角。
脱いだ服を陽光に透かせる。
(少し勿体無い気もするけど…人間を止める、踏ん切りくらいにはなるかな?)
軽く上方へとそれを投げ放った。
風に吹かれ、重力に引かれ、芯を持たない衣服がひらりひらりと落ちる。
その瞬間、リオが目を見開いた。
赤い瞳の中で縦長の瞳孔が細まり、頼りなく宙に漂う衣服を捉える。
「しゃっ!」
目にも留まらぬ速さで、上方の空間を引き裂いた。
僅かに遅れてバラバラに引き裂かれた、ネグリジェだった物が舞い落ちてくる。
「あはっ♪ 上手く出来た♪」
陽気に笑い、自分で喝采する。
その指先からはナイフかと思うほど鋭い、紅い爪が伸びていた。
これで宙に舞った寝巻きを切り裂いたのである。それも一瞬で。
昔、稽古場にいた父親に見せてもらった芸なのだが、それを真似してみたのだ。
やはり自分は父の娘だ。健康的な肉体なら戦士として戦う事も出来る。
「――これで、すっきりしたかな? さよなら、過去の私」
さよなら弱い私。
さよならパセットちゃん。
さよならお父様。
さよならお義母様。
さよならお姉様。
そしてこんにちわ。淫魔の私。
(さあ。想像しよう。良家のお嬢様が不良になって、淫魔へと身を落としたら)
そんな娘はどんな格好が似合うだろうか。
頭の中でイメージを膨らませると、欲望に忠実な魔力はすぐに反応した。
黒い霧が溢れ、眩しい少女の裸体を包む。
それは黒いワンピースとなって具現化した。
幼い体のその手を。肩を。胸を。腰を。黒い生地となって包み込む。
生地の裏側には多量のフリルを。
ブーツはパンプスだ。
下はどうしようか。黒のガーター?
流石にまだ似合わないだろう。もうちょっと成長したら付けてみようと思う。
だからそれまでは黒のストッキングで代用。
頭には勿論ヘッドドレス。
それも猫耳の可愛らしさの邪魔にならない程度に、つつましいサイズだ。
「――こんな感じ、かな? おじ様方、いかがかしら? なんちゃって」
スカートの端を摘み、くるり、とその場でターン。
涎を垂らして『待て』の状態である男二人の顔色を伺う。
彼らの瞳には、黒いゴスロリ服を着、猫耳を生やした悪魔が映っていた。
男の目を鏡代わりに、リオはポーズを付け、角度を付け、自身の姿を吟味する。
何しろ生まれ変わった自分のデビュー戦。
淫魔として、女として、格好に手を抜く訳にはいかなかった。
「――色気が足りない」
ぽつりと呟いた。
これでは只のゴスロリ娘だ。
ワンピースの内側から羽や尻尾は生えているが、それだけじゃ味気無い。
何よりこれは人間の着る服だ。
(もう少し、淫魔らしくならないかな?)
再びイメージ。ゴスロリ衣装は脛付近以外を殆ど覆ってしまう。
それでは淫魔の肉体が隠れてしまって、意味が無い。
そうだ。スカートを切り裂いてしまおう。
再び黒い霧が溢れ出す。
黒いつむじ風が軽くスカートを撫でた。するとどうだ。
スカートの前面と後ろ側に大きく裂け目が出来る。スリットだ。
そうだ。胸元も少し開けよう。
自慢できる程のものではないが、喉、首元、それに丸い肩を見せればそれだけで色っぽい。
黒い霧がゴスロリ服を削り取り、胸元と肩の生地が消滅。
黒のパンプスも何だか味気ない。その先端にデフォルメ気味のドクロの飾りを添える。
そうだ。どうせなら背中もばっくりとやってしまおう。
ワンピースの背中側がVの字に切り裂かれ、見る見るうちにその面積が狭くなる。
生地は腰の辺りまで消滅し、羽の生え際どころか肩甲骨、それに背骨までが見える。
スカート部の背面のスリットからは二種類の尻尾が顔を覗かせる。
悪魔の尻尾にはピンク色のリボンを。猫の尻尾には鈴を取り付けた。
スカートの切れ込みは長く、深い。
尻尾が少しでもスカートを押し上げれば、その向こうにある桃尻が見えそうになる。
前面もそうだ。
スリットは内股まで伸びており、見る者が少し屈めばその内側を覗いてしまうだろう。
下着はいらない。
その方が、男達は喜ぶし、こっちも興奮する。
何よりセックスをする時に脱ぐのが面倒臭い。いや、ずらせばいいのか。
それともパンツごと挿入? それも一度やってみたいかもしれなかった。
(ふふふ。私もすっかり変態さんだね)
そうだ。色っぽさと言えばこの髪、もう少し長い方がいいだろうか?
短い方が動きやすいが、セックスの時、長い方が跳ねたり波打ったりして面白い。
何より髪型だって好きに変えられる。
(よし、やろうっと)
髪質はそのままストレートで。長さは肩に掛かる程。
リオのイメージと同調して黒い霧が桃色の髪にまとわり付いた。
その髪が霧を吸収して、しゅるしゅると伸びていく。
「これでいい、かな? ――あ、あれ?」
伸びた髪を一房手に取り、視界内へと移動させてみると、期待していたものと少し違った。
黒い霧で延長した部分は、鮮やかなピンクではなく濃い紫色だったのだ。
どうやら魔力で編み出した髪は、本来の色とは違ってしまうらしい。
「…ピンクがいいのに」
(ネーアさんも、パセットも褒めてくれたから)
まあよしとしよう。グラデーションが掛かった髪も中々面白い。
色も、艶っぽさという点ではクリアーしている。
でも髪は自力で伸ばして、最後には全てピンク色にしようと思った。
「さあ、今度はどうかな?」
完成した淫魔の姿で再びターン。スカートは摘まない。
自由気ままに手を広げ、回転する。
広げた上腕の下、健康的な脇が剥き出しになる。
バイオレットの髪先の下から、うなじが覗く。
尻尾の下から、愛らしい尻肉が弾むのが見えた。
風に煽られたスカートが僅かに翻り、毛も生えていない少女の性器が晒される。
それらは全て一瞬。
ターンが終われば、爽やかな陽光の下、リオの甘いフェロモンが辺りに香っていた。
悪魔『シュトリ』の読心の力が、男達の精神を読み取る。
さっきの只のゴスロリ服より、遥かに興奮しているようだった。
「……はぁ……はぁ……」
興奮の吐息を放つのは、は男達だけでない。リオもだ。
生まれ変わったこの姿に、気分が高揚している。
「ふふふ。どうですか? 私のこの姿…気に入ってくれましたか?」
高鳴る胸の動悸が、興奮が心地良い。
散々待たしてしまったのだ。魅了の魔術で精神支配しなくても、押し倒されるだろう。
というか精神支配を解いた。
「待たせちゃってごめんなさい」
悪びれる風でも無く謝り、だがその代わりに地面に四つん這いになった。
尻側を男達の方へと向け、背中越しに視線を送る。
眉をハの字に寄せ、何かに期待するように濡れた瞳。
愛らしい口から、はあ、と熱い吐息を漏らし、興奮に頬を紅潮させている。
そんな、歳に似合わない流し目を男達に送った。
「もう、『いいですよ』?」
両腕と膝で体重を支え、尻を高く持ち上げる。
スリットの向こうから生える二本の尻尾がスカートを割り開き、ぷりんとした尻を見せた。
「にゃぁん…♪」
尻尾と一緒に尻をゆらゆらと揺らす。
ちりちりと鈴の音が響き、スカートの中からリオの甘い匂いが撒き散らされた。
そこで二人の男は獣へと身を落とした。
***
先を争うように二人の男が同時に手を伸ばす。
折角作り出したゴスロリモドキの服を引っ張られ、皺が寄ってしまった。
「はあっ! はあっ! たまんねっ! 幼女の体っ」
「きゃぁんっ♪」
ベタベタと汗まみれの手で衣服の中へと入り込み、無遠慮に撫で回される。
膨らみかけの胸を力強く揉みしだかれ、僅かな痛みを感じるが、それでも淫魔の体は反応。
じゅくり、とヴァギナから蜜を吐き出す。
「あぁんっ♪ はやくぅっ、おじ様達のおチンポ、リオにハメハメして下さいぃ♪」
何もまぐわりが待ち遠しかったのは男達だけではない。リオ自身もだ。
先程の男は飢餓感に耐え切れず、一瞬で吸い尽くしてしまって『味わう』暇も無かった。
だが今は違う。
体が完全に覚醒した今なら、性欲に振り回される事も無い。ある程度なら抑制出来る。
つまりじっくりと、男達の精を味わう事が出来るのだ。
それをさっきから期待しているのだから卑猥な言葉の一つも出てしまう。
「このっ、雌ネコがっ! なら遠慮無くくれてやるよ!」
ずりゅりゅぅっ!
「うにゃぁぁあぁっ!!?」
(あ、熱いっ、これが、男の人のおチンチンっ)
一息に突っ込まれた肉棒の感触に思わずうっとりしてしまう。
肉ヒダをかき回す立派な雁首。
子宮口を穿り返す亀頭。
胴の弾力。それに熱さ。
何よりもそれに詰まった精気の濃度に淫魔の本能が涎を垂らした。
「おいしっ、美味しいよぉ♪ おじ様のおチンポっ、美味しすぎるよっ♪」
肉棒を味わおうと膣に力を込める。
敏感な膣はエラの深さ裏筋の感触、浮き上がった血管にいたるまでその形状を把握する。
(あっ、このおじさんのチンポ、長ぁい♪)
さっきからぐりぐりと子宮口が抉られている。
これでがつがつと犯されたらどれだけ気持ちいいだろうか。
「はぁっ! くそっ! ただのビッチだと思ってたら、なんて絞め付けしてやがるっ!」
挿入しただけだというのに男は息を切らしている。
乱暴に犯されると期待していただけに、肩透かしを喰らった気分だった。
(ふふふ。面倒なおじさん。少し煽ってあげないと♪)
「にゃー…? おじ様、もうギブアップですかぁ?
ふふふ、だったら無理なさらなくてもいいですよぉ?
リオはぁ、もう一人のおじ様とエッチしますからぁ♪
そこで大人しく見ていてください♪」
「な!? なめんじゃねえぞっ、このメスガキ!!」
効果覿面。
プライドを傷付けられた男は挿入したままのイチモツは引き抜き、すぐさま撃ち込んだ!
ぐちぃっ!
「んにゃあぁぁああぁっ!?」
がつん、と子宮が揺さぶられ、快楽が弾けた。ハンマーで頭を殴られた気分だ。
「はあっ! はあっ! ガキがっ! 調子にっ! 乗ってんじゃねえぞ!!」
「あっ! にゃっ! にゃあぁ! にゃぁう!」
ぱつっ! ぱつっ! ぱつっ! ぱんっ!
(あはっ♪ やっぱりっ。おじさんの長チンポっ、子宮にがつがつ当たって!)
バックスタイルで犯される。
まるで畜生でも扱うように――いや半分そうなのだが、乱暴に扱われる事に興奮する。
それでなくても後背位というのはより深く結合出来る体位の一つだ。
さっきから、子宮に穴でも空け、とばかりにペニスが撃ち込まれ、昇天しそうになる。
(でも、やられっぱなしじゃ…ないっ)
イニシアチブを取られっぱなしというのは癪だ。
快楽を貪るのも悪くないが、やはり男を手玉にとってこその淫魔なのだから。
という事で反撃開始。
シュトリの力で、この男の弱点を探る。
(――ふふふ。やっぱり、基本は先っぽだよね♪ ――あ、カリも弱そう♪)
一人目の男でコツは掴んだ。同じ要領だ。
ピストンのタイミングに合わせて膣圧を変化させ、カリの部分を締め付ける。
「ぐあっ!?」
「あはっ♪」
背中越しに男の顔が快楽に歪むのを見た。
その表情に背筋がゾクゾクしてしまう。思わず、ぺろり、と舌なめずりをしていた。
「ふふふ。ここですかぁ? ここがいいんですよねぇ?」
背中越しに流し目を送りながら、腰を使う。
ペニスを咥えたまま捻り、絞め付け、或いは回転させる。
そうして膣圧をコントロールされた肉のチューブがピンポイントで男の弱点をつくのだ。
密度が濃く、彫りの深い肉ヒダを強く押し当てられ、擦られ、男は呻き声をあげた。
「あはっ…はぁっ…♪ あにゃぁん♪ ほーら、おチンポ、ぐりぐりぃー♪」
「ぐっ、このっ、うあっ! 畜生っ」
「はあっ! はぁ! おじ様は、楽にしてていいんですよぉ?
リオがぁ、ちゃぁんと気持ちよくしてあげますからぁ」
男を手玉に取る快感にリオは上機嫌になった。
あん、あん、と甘く喘ぎながら男を徐々に追い立てる。
挑発するように二本の尻尾をゆらゆらと振って――
「だから、調子に、のるんじゃねぇ!」
その二本の尻尾を一纏めに掴まれた。
予想外の衝撃がリオを襲う。尻尾が敏感だったのだ。
掴まれただけでびりびりとした官能が下半身へと流れ込み、力が抜けてしまう。
まずい――と思った瞬間には、力いっぱいそれを握り締められた!
「ぎにゃあぁぁぁぁっ!!?」
まるでクリトリスを思い切り抓り上げられたような衝撃。
激痛とそれを上回る快楽が二本の尻尾から同時に流れこんで腰砕けになってしまう。
あまりの刺激に、目がチカチカしていた。
(し、尻尾、こんなに敏感だなんてっ)
「へへっ、こいつはいいなっ、ほれほれ、さっきまでの威勢はどうしたぁ!?」
きゅっ! きゅっ!
「あっ!? にゃぁっ! それぇっ! だめぇ!」
リズミカルに尻尾を握り締められる。
そして力が抜けたところに再び強烈なピストンが開始された。
ぱんっ、ぱんっ、と恥骨同士がぶつかり合う音が響く。
「あっ!? にゃあぁっ!! だめっ! 変ににゃるぅ!
おかしくにゃっ――んあっ!? にゃんっ! あんっ! にゃぁんっ!」
「まだまだ、だぜ!」
「ひにゃぁっ!?」
羽の生え際にざらりとした感触。
(な、舐められてるっ! 私の羽、べろべろされてるっ)
尻尾を握りながら、男が舌を這わせてるのだ。
羽は尻尾ほど敏感では無いが、どうもその生え際は別らしい。
尻尾動揺、びりびりとした快楽が背筋を駆け上がり、脳を焦がす。
「あっ! あんっ! にゃんっ!」
バックで犯されながら。
「にゃっ!? にゃぎぃぃっ!?」
尻尾を弄ばれ。
「にゃぁあっ…!」
羽を舐めしゃぶられる。
(ダメぇ…気持ちよすぎるよぉ…!)
もう頭がおかしくなりそうだった。
このままプライドも意地も快楽に流されてもいい、そんな事を思った。
その時だ。
「おいおい、いつまで仲間外れにさせとく気だ?」
三人目の男が、イチモツを曝け出したまま眼前に立っていた。
快楽に濁った目で見上げると、三人目の彼は不敵な顔をしながらこちらを見下ろしている。
二人目と夢中になっていたせいですっかり忘れていたが、彼らは三人組だったのだ。
一人、ずっと待ち惚けにされていたのである。
「ほらっ、お嬢ちゃんっ、俺も気持ちよくさせてくれよな!」
「むぐぅっ!?」
快楽に喘ぐ小さな口に、容赦なく二本目の肉槍が突き込まれる。
(んにゃぁっ…このおチンポ…っ、凄い匂いっ)
体質だろうか。他の二人に比べて雄の匂いが濃厚だ。
咥え込んだ状態でもイカ臭い香りが鼻腔をついた。
昨日までの自分なら吐き出していたかもしれない。だが今は。
「んにゃぁ♪ ちゅっ、ちゅううっ…れろっっ…! はぁっ、臭チンポ♪
美味しい…ちゅるっ、じゅうっ…! 美味しいにゃぁ♪」
目の前に精気が詰まった玉袋が揺れている。
悪臭を放つペニスはそれだけ精気の濃度も高い。
ネコマタの本能が濃い精を嗅ぎつけて咥内の腐肉にメロメロになってしまう。
「こいつっ、美味そうに俺のしゃぶりやがって――うおっ!?
舌がっ、ざりざりしてっ、やべ!」
ピストンが開始された。
自慢の気を乱雑に掴まれながらのイマラチオ。まるでオナホールにでもなった気分だ。
「おらおら! もっと腰使えよこの発情ネコ!」
「淫魔じゃなかったのかよ? チンポ咥えてるだけじゃねえか!? この肉便器が!」
(私、レイプされてる♪ 輪姦されてるよぉ♪)
獣の姿勢で前と後ろからサンドイッチファック。
頭上から浴びせかけられる罵声。
自分が獣どころかただの道具まで成り果てた気がして――ぞくぞくした。
(あっ? おマンコ、きゅんきゅんしてきたぁ♪ イッちゃう、私イッちゃうよぉ♪)
もうどうでもいい。
このままペニスをしゃぶりながら、一度果ててしまおう。
だがその後は――
「はあっ! はあっ! 出るぞ! 中出しするぞ!
この淫売っ! 良かったなっ!? てめえの子宮に俺のザー汁注いでやる!」
「んむぅぅぅぅ!?」
ぎちり、と子宮口にペニスが食い込む音を聞いた気がする。
(おチンポ、中に入ってるぅ♪ 子宮に直出し、されちゃうぅ♪)
男の長めのそれはまさに肉槍となって子宮の中へとその先端にめり込んだのだ。
僅かな痛みと法悦。相反する刺激にリオは高みへと押し上げられた。
同時に男も果てる。
「ぐおぉぉぉぅっ!!!」
びゅるっ! どくどくどくっ!
(んにゃあっ♪ あついっ…! あついよおっ♪)
収縮運動する子宮の内側に精液が叩き付けられる。
アドニスの種子が体液を啜って成長し、更に精気を吸ってネコマタの本能が悦ぶ。
「くっ、こっちも出すぞおぉぉっ!!」
びゅくっ! どぷどぷどぷっ!
そして口の中に続けざまに吐き出される精。
(こっちは、とっても濃厚♪ 臭くて、ドロドロで、堪らないよぉ♪)
「ぐぁっ! はあっ! まだ、絞め付けんのか!?」
「はぁっ! 口マンコっ、たまらんっ! 搾り出されるっ!」
二本の肉棒を上と下の口でしっかり咥えて逃がさない。
絶頂の瞬間。粘膜同士を通して、彼らの肉体からも直接精気を吸い取る。
二人の男は射精の快感に酔い痴れながら、精を搾る取られるのだ。
――やがて射精を終えた男達は、どちらからともなくペニスを引き抜く。
そして荒い息を吐きながら、その場にへたりこんだ。
一度の性交でへばってしまう彼らが情けないとは言えない。
精気を吸われたせいで、消耗が通常の性交よりも遥かに激しいからだ。
ところがリオの方はと言うと。
「んぐっ、ちゅるっ――ごくっ――んくっ」
咥内に吐き出されたスペルマを舌の上で何度も転がして、味と臭いと感触を十分に愉しむ。
三人の中でもっとも濃く、美味なそれを愉しむと、ゆっくりと嚥下していく。
「ぷはぁ♪ 美味しかったぁ♪」
そしてあれだけの扱いを受けていたのにも関わらず眩しい笑顔を浮かべる。
――かと思ったら淫蕩な笑みを浮かべて、舌なめずりをした。
(ふふふ♪ それじゃ、今度は私の番だね♪)
散々犯されたのだ。お返してしないと気が済まない。
自分の口にペニスを突っ込んだ男に四つん這いで這いよっていく。
「ねーおじ様? リオ、おじ様のチンポ気にいっちゃった♪
とっても臭くて、濃厚な精気なんだもの♪ だから今度は下のお口で飲ませて♪」
「…まじかよ…少し、休ませ――あが!?」
萎えかかった肉棒を鷲づかみにして力を込めた。
男が痛みにのたうつ。それが何だか可愛くて、ぞくぞくして、うっとりと見詰めてしまう。
「あのね? おじさんの早漏クサチンポがもう役立たずっていうならね?
ここで握りつぶしちゃってもいいんだよ? でもそんな事したらおじさん死んじゃうし。
そんなの可哀想だから、こうやってお願いしてるの。分かるよね?」
「分かった! 分かったから勘弁してくれ!」
「ふふふ。そうこなきゃ♪ 足腰立たなくなるまで、エッチしようね♪」
楽しげに笑うリオの瞳が捕食者の目つきに変わった。
***
「あんっ♪ あんっ♪ あんっ♪」
森の中、少女の甘い喘ぎが響く。
リオが淫魔に覚醒してからもう一時間近く経とうとしている。
じゅぷ、じゅぷ、じゅぷ。
卑猥な音を立てながら、彼女は三人目の男を押し倒し、騎乗位で繋がっていた。
熟練の娼婦のように、腰を捻り、回転させ、前後左右、角度をつけながら、男を責める。
「はぁっ! はっ…! もっ、出るっ! またっ、出ちまうっ! ぁあああぁぁっ!」
びゅるっ。ぴゅるる。
「ふにゃぁ♪ 出た出たぁ♪」
子宮に流れ込んでくる精の感触に、うっとりとする。
(んにゃぁ…気持ち良い♪ でもちょっと少なくなってきたかなぁ?
まあ仕方ないよね? もう五回くらい出してるし)
これでも三人目、一人目、三人目、二人目、三人目、一人目、三人目、二人目――
と言った具合にローテーションを組んで交わっていたのだが。
少しづつとはいえ精気を吸ってしまうとそれだけで男の消耗は激しくなる。
もうこの男の精も大分薄くなってしまった。
残り二人など今にも赤球が出そうなほど疲労している。
(まぁ、こんなものなのかな?)
デビュー戦としては上々の結果だろう。何よりセックスの素晴らしさを知った。
「おじさん達、ありがとう♪ 私、とっても気持ちよかった♪
機会があったらまたしようね♪」
ちゅ♪ ちゅ♪ ちゅ♪
ご褒美に三人の頬にキスをする。
精気を吸われて痩せこけた頬がほんのりと赤く染まったのは気のせいか。
リオはあえて彼らの心を読まなかった。
「さて――どうしよう、かな?」
立ち上がり、んー、と大きく伸びをする。
体中に力が漲っていた。男達から吸収した精気がリオの魔力へと変換されているのだ。
お肌がつやつやになっている気がする。
(ふふふ。今ならなんでも出来そうな気がする)
精気を大量に摂取して、ネコマタとしての本能は満足してしまった。
だがこの身にはあと二つ、人外の衝動に飢えている。
悪魔シュトリは女の弱みに付け込み、堕落させるという本能を持っている。
堕落させた女に悪魔の邪な魔力を送り込み、魂を穢して自分と同じ悪魔へと変えるのだ。
そして子宮には順調に成長するアドニスの種子がある。となればする事は。
「次は女の子とエッチかな♪」
通りすがりの女を犯すのもいい。
だが完全な魔物となったこの体では結界を突破する事は不可能だ。
結界の無い正門を通る手もあるが、人外とバレた時は面倒な事になる。
目立ってしまえば森で休息しているネーアも含めて今後動き辛くなるだろう。
となると――どうするか。
「――あ、そうだ。結界、解除してもらえばいいんだ」
魔物になってすっかり忘れていたがこの身は元々リビディスタ家の令嬢だ。
そして足元には気絶した男が三人。
これらを駆使すれば、結界内に張り込む事なんて造作もない。
「ふふふ♪ こういうのが悪巧みって言うんだろうね♪」
そうと決まれば行動開始だ。
リオは足元に転がる三人の男の内一人の足を引っつかむ。
「上手くいくかなー♪」
ずりずりずりずり。男を引きずり、歩き出す。
男は上半身を覆う甲冑を着たままなのに、全く重さを感じない。
人外の体を誇らしく思いながら、リオは足取りも軽く、森の中を歩いた。
***
以上で第五話終了です。変身シーン力入れすぎたYO!
最近やったエロゲーで猫耳悪魔ロリっ子とか二匹程見かけたので思い切って採用しました。
反省も後悔もしてません。むしろなんでもっと早くこれを考え付かなかった俺w
うん。やっぱり悪堕ちだね! 書いていて楽しかった!
私も一度幼女に押し倒されてみたいです。
チャームなんか使われなくても一秒で堕ちる自身がありますw
次回は久しぶりにマリオンのターンです。過去花とかやる予定です。
Hシーンが入るかどうかは、ちょっと分かりません。入れられる、かな? 無理、かな?
まあ、ゆるーくお待ち下さい。
感想もお待ちしております。
また、誤字や脱字、気になる事があれば遠慮なくご報告下さい。
ミスの指摘『だけ』ならこちらも歓迎ですから。
あと、補足というか蛇足ですが。
『シュトリ』という悪魔は私の過去作品で一度出てきてますね。
女の子を堕落させて自分と同じ悪魔に作り変えてしまう、素敵な魔物です。
ここで投下した作品ではありませんがエロパロ板内のものです。
兎も角、舞台も時代も違うけど世界設定は共通という事で。
長々と失礼しました。今回はこの辺でお暇します。そして、いつもの、
ようじょ、ばんざーーーーい!!!
乙×風さん、投下おつかれさまでした!
あと98の質問についてはなんかごめんなさい・・・
そしてありがとうございます
とうとうきたか… 乙×風様と呼ばせてもらいます
最初は淫魔かと思ってましたがネコマタとはw
いや〜もうリオの性格が変わっていく様子が最高でした!
禁欲したかいがあった ほんと素敵なSSありがとう
130 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 23:06:45 ID:+NDcZuHx
>>127 GJ!
該当スレみてきたけどネコ耳に羽娘な悪魔っ娘は四年前からネタを暖めてたんだなw
gj
熟成悪魔っ娘いいぃ!!
淫魔のハイブリッドだと!?
新しすぎw
しかし近親相姦お父さん悪い人じゃなかったんだね、娘が淫魔じゃしょうがないね不可抗力
申し訳ないが目がオッドアイで噴いてしまった
ネコマタ+シュトリ、そしてこのあと恐らくアネモネ・・・
これは・・・淫魔の宝石ばk(死
「なんでこの娘は喘ぐときににゃんにゃん言うんだろう…」と思ったらまさかの伏線
アネモネに加えて淫魔と猫とか俺の性癖にストライクすぎるでしょうが!
あーリオに搾り取られてー
それと話数が7話に飛んでるけど、これはミスなのか故意なのか…
138 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 03:19:13 ID:3KxuCtte
傭兵達は女運無いと言うが全然ありまくりな件
「マリオン」と一緒にアネモネの「ネーア」を退治に向かう
「メデューサ」さんと会った後淫魔と猫と植物のハイブリッド幼女「リオ」とにゃんにゃん
全部で4人の良いおにゃのことふれあえたのだから
>>138 そうはいってもオニャノコにふれあったせいで野郎同士でやってるんだからなw
part5あたりからROMってましたが、初書き込みです。
SS書いてみたんですが、投下してみてもよろしいですか?
属性的には巫女・寄生・洗脳・etcな感じですが・・・。
バッチコーイ
とりあえず脱いだ
――― 最っ低!! 最悪!!
綾音は心の中で何度も何度もそう吐き捨てた。
人一倍プライドの高い彼女にとって、下等妖魔ごときに服を汚されるなどあってはならない事。
今日も妖魔撃退の要請に応じて出動したものの、現場に居たのは知能・妖力ともに劣る淫蟲型の妖魔。
少しでも上位の妖魔を華麗に倒し、自分の優秀さをアピールすることに生きがいを感じている彼女にとって下等妖魔の撃退など、
言ってみればドブ掃除と同じくらい地味でつまらなく忌避すべき仕事であった。
そこに油断が生じていた。
通常、妖魔は祝詞や霊力を込めた御神刀で滅すると砂のように崩れ去り、塵となって消える。
しかし今日の妖魔は致命的なダメージを与えた瞬間、断末魔の叫び声をあげ パチュッ!!という音を立てて弾け飛んだのだ。
予想外の事態に反応が遅れた綾音は至近距離で弾けた妖魔の体液を浴び、そのまっさらな白衣と緋袴を汚してしまった。
「おつかれ〜」
「今日のお仕事は簡単だった、ですね」
同じ巫女装束に身を包んだ同年代の二人の少女 結絵と美樹が揃って綾音にねぎらいの言葉をかける。
「・・・えぇ、まぁ大したことない相手ですから」
毒づく心の声をぐっと飲み込み、綾音は努めて冷静に言葉を発する。
何事にも前向きで明るい結絵と、名家の出身で良家のお嬢様という言葉がピッタリとはまる美樹、
そして百年に一度の退魔師と呼ばれ、天才の名前を欲しいままにする綾音。
この三人の少女こそ現代の日本において対妖界の切り札とされる退魔師なのだ。
普段はこの程度の仕事はもっと下級の退魔師が出動し解決するのだが、今日は全員が出払っていたこともあり
彼女達の上司兼頼れる姉的存在である麻衣に出動を指示された。
「お疲れ様。悪いわね、あなたたちにこんな仕事を回しちゃって」
「い〜え、いつもいつも上級妖魔ばっかりだと肩が凝っちゃう! サクサクっと終わる仕事もたまにはいいんじゃないかと!」
「ええ、結絵さんの言う通り。 たまにはこんな仕事も良いですよ」
「・・・・・」
速攻で仕事を片付けたことにはしゃぐ結絵といつも通りのマイペースな美樹。
そんな二人を横目で見ながら綾音は早く家に帰ってシャワーを浴びたいとずっと考えていた。
結絵たちの話が盛り上がる中、綾音は彼女たちに帰宅する旨を伝える。
「・・・じゃあ、お先に失礼します」
「あ、おつかれ〜!!」
「お疲れ様です」
「ゆっくり休んでね、綾音」
そして部屋を後にする綾音。
しかし、綾音を見送る三人の中に
妖魔の体液のシミが残る巫女装束の後姿を見て
「・・・・フフ 」
微かに笑みを浮かべる女がいた。
「最低な一日だったな・・・」
ベッドの中でぽつりと綾音はつぶやく。
家に帰りシャワーを浴びて身を清めた後、夕飯もそこそこに綾音は床に就いた。
嫌なことはさっさと忘れて眠ってしまおう、綾音はそう思った。
明かりを消して15分ほど経ち、彼女が少しまどろんで来た頃に異変は起こった。
昼間彼女が浴びた妖魔の体液の中には、よくよく注意せねばわからぬほどの小さい糸ミミズのような淫蟲型妖魔が紛れ込んでいたのだ。
妖魔の体液が放つ悪臭と妖気の陰に隠れて、その微力な妖気は綾音の霊感を持ってしても検知できないレベルにかき消されてしまっていた。
彼女の艶やかな黒髪の中に紛れ込んでいたその妖魔はゆっくりと服の間を潜り抜けてうっすらと淡い恥毛が生えそろうショーツの中に入り込む。
そして妖魔は淫蟲の本能に従い、迷うことなく綾音の未開の膣口に侵入する。
「っっ!?」
ここに来て綾音はようやく己が身に起きた異変に気付いた。
僅かだが妖気を纏ったモノが、あろうことか自分の大事な部分に入り込む感覚に、彼女の背筋にぞっとしたものが走る。
「嫌っ!!」
綾音は短く悲鳴を上げると、ベッドの上に起き上がり急いでパンティを降ろす。
あわてて自分の秘部を見てみるが既に妖魔の姿は確認できない。
しかし、確実に体内に潜り込もうとしている妖魔の動きを感じることができる。
全く濡れていなかった処女の膣口だったが、妖魔は己が粘液と細身の体を生かして既に綾音の膣の中ほど過ぎまで侵入していた。
「嘘!ふざけないでよ!!」
蟲を祓うため右手の指先に霊力を込め左手で秘所をくつろげるものの、今まで性交はもちろんオナニーもしたことのない綾音は
膣内に指を入れることを本能的に拒否してしまっていた。
そうやって綾音が逡巡している間に妖魔は綾音の膣奥、子宮口にまで達する。
「くっ・・・」
膣内に指を入れて直接祓う事をあきらめた綾音は、今度は手のひら全体に霊力を集めて蟲の活動を少しでも抑える作戦に切り替えた。
精神を集中させて霊力を集める綾音だったが、
「ひぅっ!!!!」
集めた霊力が霧散してしまう。
それもその筈、膣奥にまで達した蟲は迷うことなく子宮口に食いつきさらに奥へ奥へと侵入する。
軽いパニックになり次に何をしたら良いかが思いつかず、蟲にされるがままの綾音。
真夜中の奇襲、自分の大事な部分を侵略されている感覚、明らかに格下の妖魔からの翻弄。
すべての要素が彼女にとってマイナス方面に働いていた。
やがて
その淫蟲型妖魔は綾音の細い子宮頚管を通り抜け、最奥の子宮に鎮座する。
結局、綾音はその夜一睡もすることが出来なかった。
「・・・・くぅ ちくしょう 」
周りの人間に聞き取れないほどの小声で毒づく綾音。
焦燥感と後悔と不安を胸に一夜を明かした彼女の眼もとにはうっすらと隈ができ、かわいらしい彼女の相貌に影が差している。
当然・・・綾音は誰にも相談してなかった。
子宮に侵入された後、もしそのまま胎内を食い破ろうとでもしたならば、いくらプライドの高い彼女でも応援を呼ぶことはやぶさかではない。
しかし、淫蟲は目的の場所に達してからは全くと言っていいほど動きがなかった。
こんな恥ずかしい所へ侵入され、しかもそれが自分のミスが原因であったのでは他人に相談することは気が引けた。
とりあえず破魔のお札を秘所に張り体内の霊気をお腹に集中させていることが功を奏しているのかもしれないが、蟲を滅するレベルには至ってないらしい。
何より普通退魔師は妖魔を火花散る戦闘の末に撃退するものであって、
自分の体の中に入り込んだモノを撃退することなど滅多にあるシチュエーションではない。
こんな時どうしたらよいかわからない綾音は手探り状態だった。
「絶対に滅してやるんだから・・・!」
綾音は心に誓った。
三日後
「 っ! 嘘・・・!」
綾音の背中を嫌な冷たさの汗が流れ落ちる。
胎内に感じる違和感は時が経つにつれて大きくなり、集中力を欠くようになった綾音は徐々に日常生活に影響をきたすようになった。
目を閉じて、そんな乱れがちな精神をぐっと集中させ自分の胎内の異物を霊視する。
すると
「やっぱり間違いない・・・こいつ 成長してる・・・」
綾音の霊視通り、糸ミミズほどだった淫蟲は今や小指ほどの大きさに成長していた。
そのせいか若干体も重い感じがする。自分の体にいつものキレがない。
とりあえず表だって何か悪さをしてきているわけではないが、自分の胎内で妖魔が成長しているという現実に綾音は言いようのない不安に苛まれる。
綾音はぐっと拳を握りしめてある決断をした。
「どうしたの? あなたから相談があるっていうのも珍しい話ね」
二人っきりの麻衣の部屋。
綾音は本部の中にある綾音の個人の部屋を訪れていた。
彼女は身の回りで一番信用できる麻衣に相談を持ちかけたのだった。
今でこそ綾音たち三巫女の上司兼マネージャーの様な役割の麻衣だが、十年ほど前まではこの業界において知らぬ者などいない名うての巫女だった。
ある事件がきっかけで彼女は退魔師業は引退することになったのだ。
といっても彼女はもとより、事の顛末を知っている一部の人間も揃ってその件に関しては口を噤んでいるために、
具体的に何があったのかは綾音は知らない。
ともかく、引退してからの彼女はそれまでに得た知識や経験をベースにし、更には東洋医学も含めた現代医学を学んで、
綾音ら次世代の巫女たちを全面的にバックアップする裏方に徹するようになった。
今でこそ天才少女と言えば綾音の通り名のようになっているが、もともとは麻衣のために在った言葉。
よく昔の麻衣と比較されて嫌な気分になったこともあるが、何より綾音は麻衣の優秀さに関しては素直に認め、かなりの信頼を置いていた。
なので麻衣に相談を持ちかけたのも当然の流れと言える。
「実は・・・」
綾音は重い口を開き、この数日間に起こった出来事を伝える。
当初びっくりした表情で綾音の話を聞いていた麻衣だったが、綾音が話し終えると
「何でもっと早く相談してくれなかったのかしら?」
真剣な表情で綾音を見据えて麻衣は怒る。
予想通りの反応だ。
「・・・ごめんなさい」
やや俯きがちの綾音は素直に謝罪の言葉を口にした。
「あなた達は周りの人たちの期待も背負っていることだし、あなた達の体はあなた達だけの物じゃないのよ。
・・・っていうのもあるけどね、あなたの身に何かあったら悲しむ人たちが周りにいるっていう事を忘れないで頂戴」
そういうと麻衣は綾音の顔をそっと胸に抱きよせてそっと包み込むように抱いた。
「あ、ありがとうございます」
やっぱりこの人に相談したことは間違いじゃなかったんだ。
綾音は暖かい麻衣の胸の中で自分の取った選択肢は間違いじゃなかった、とホッと胸を撫で下ろした。
――― コン コン!
扉がたたかれる音が響く。
明くる日、綾音は再び麻衣の部屋を訪ねていた。
綾音は昨日の相談の後、綾音の数倍の霊視能力がある麻衣に診察をしてもらい、その後明日また部屋に来るように言われていた。
「どうぞ、開いているわよ」
凛とした麻衣の声が不安に駆られる綾音の心を解きほぐす。
部屋に入った綾音はおずおずと麻衣に尋ねる。
「あの、何か対策は見つかりましたか?」
「ええ、とりあえずはね。昨日も言った通りあなたの体の中で成長し始めた蟲は既にあなたの体と癒着をし始めているの。
このまま放っておいたら取り返しのつかない事態になるわ。かと言って外科的な手術をしてしまうと多分あなたは一生子供の産めない体になってしまう」
衝撃的な麻衣の言葉に綾音は言葉を失う。
「心配しないで、綾音。そうならないように最善の道を探したわ。摘出することが無理なら投薬で子宮の中の妖魔を滅する以外ないわね」
「投薬・・・ですか?」
「そう、直接これで蟲を滅するのが一番あなたにとって負担が少ないと思うの」
直接。その言葉が綾音の中で引っ掛かった。
「直接っていうと、具体的には何をするんですか?」
「ちょっと待ってて」
そう言うと麻衣はガラス戸の戸棚を開け、中からスポイトの様な物と透明な薬瓶に入った白い液体を持ってきた。
「このスポイトで薬液を直接あなたの子宮の中に注入して胎内の妖魔を滅します」
「え・・・!?」
なんとなく想像はついていたが、まさか本当に直接子宮内に投薬をするとは俄かに信じ難かった。
「まぁ、びっくりするのも無理はないわ・・・。でもこれがあなたの体の為には一番負担が少なくてベストな選択肢だと思うの。私を信じて頂戴」
真正面から綾音を見据えて麻衣は言う。
あの綾音がベストの選択と言うのなら間違いはないはず。何よりこのままジリ貧で悪化していくよりも何倍もマシなのではないか。
結局、答えは最初から決まっていた。
「お、お願いします」
それでもやや躊躇いがちに綾音は承諾したのだった。
「じゃあそこのベッドの上にあがって、下を脱いでもらえるかしら」
言われた通り綾音はベッドに上がり、スカートと下着に手をあてて降ろすとベッドの上に仰向けになった。
「そう、そのまま力を抜いてリラックスして。ゆっくり足を広げてね」
麻衣は綾音の膝に手をかけるとそっと左右に割広げる。
いわゆるM字開脚の態勢をとらされた綾音は思わず顔を真っ赤にして目を背ける。
いくら同姓だから、治療のためだからと言っても他人の前でこのような格好をするのが初めてな綾音は羞恥心で頭がいっぱいになる。
「う〜ん、困ったわね。こんなにがちがちに緊張されると先に進めないわ・・・」
そう言うと麻衣は先ほどの戸棚に向かうと、注射器とアンプルを持って来た。
「これは筋肉の緊張を緩和させる注射よ、麻酔ではないから感覚は残るし呼吸もできるけど、体は動かせなくなるからね。まぁ心配しないで」
麻衣は注射器の中に中身を移すと、色白ですらっとして青い血管の浮く綾音の太腿に注射をする。
「うっ」
冷たい液体が血流に乗る感触に綾音は思わずうめき声をあげた。
数分後、綾音の体から無用な力が抜ける。
「じゃあ続きをするわよ」
麻衣は綾音の女陰を優しくくつろげると、スポイトで透明なローションのような液体を彼女の膣に流し込む。
「あなたの中が傷つかないようにする為よ」
人肌の温度に温めてあったとはいえ、綾音は違和感をぬぐえない。
そして麻衣は例の薬液をスポイトに移し取った。
その薬液は思ったよりも少し粘度があるようで、なかなかスポイトに入らない。
綾音は顔を動かせるほど力が入らないため、横目でそんな様子を眺めていた。
やがて細身のガラス管いっぱいに薬液を含んだスポイトを手に、麻衣は綾音の真正面に陣取る。
麻衣はクスコと呼ばれる医療器具を優しく綾音の膣に挿入すると、そのくちばしを広げ綾音の膣口を拡張する。
ライトを照らされ、初々しいピンク色の中身をさらけ出した綾音の膣は、本人の意思とは無関係にヒクッヒクッと絶えず動く。
「ちょっと苦しいかもしれないけど我慢してね」
麻衣は綾音の処女膜を傷つけないように慎重に細身のスポイトを中に入れる。
やがて綾音の膣の最奥に突き当たると、軽くスポイトの先端で綾音の子宮口をつつき、挿入するタイミングを見計らう。
そして、何回も子宮口をつついている内に一瞬パクっと子宮口が口を開けた瞬間、麻衣は隙を逃さずスポイトをさらに奥まで挿入する。
一番の関門であった子宮口を過ぎた後はほとんどなんの抵抗もなく奥まで入り、やがてスポイトの先端は綾音の子宮底に近いところまで達する。
「薬を注入するわね」
そう言うと麻衣はスポイトのゴム球を握り、綾音の子宮内に薬液を注入する。
「ひぃっ つ、冷たい・・・」
その薬液は温度以上の冷たさを持って、確かに子宮内の注ぎこまれたと綾音に主張する。
二度三度とスポイトのゴム球を握り、白い液体が綾音の子宮内に吐き出される。
やがて麻衣は中身が全部注入されたことを確認すると、ゆっくりと彼女の膣からスポイトを引き抜く。
「はい、今日はこれで終わり。お疲れ様、綾音。この治療は一回や二回で終わらないけど根気よくやれば確実に良くなるわ。
明日もまたここにきて頂戴ね」
麻衣は綾音に優しく微笑む。
綾音は今日の治療が終わったことと、確実に良くなることに対する安堵感で久しぶりに不安を忘れていた・・・。
一週間後
「・・・っん はぁ」
麻衣の部屋で綾音は継続して治療を受けていた。
初めの数日間は麻衣の前で股を開くことに抵抗を感じていた綾音だったが、もう既にほとんど恥じらいを感じることはなくなっていた。
今日も綾音に例の薬液を注入してもらう。
治療が功を奏しているのだろう、胎内の蟲はあれから成長している様子は無い。
しかし
「・・・ん、 くぅ。 ・・・はぁ はぁ」
綾音は別の症状に悩まされていた。
さして室温は高くもないのに綾音のすらりとした太腿に大粒の汗が流れる。
よく見ると綾音は太腿だけではなく全身に珠のような汗をかき、虚ろな眼差しでもぞもぞと全身をくねらせる。
傍から見る分には風邪かインフルエンザにうなされているようにも見える。
だが、今しがた薬液を注入するためにスポイトが差し込まれていた綾音の女陰からは
潤滑を良くする為のローションが、何故か使用した量以上になって膣口から溢れ出てくる。
「はぁ はぁ はぁ」
何とか呼吸を整えた綾音は濡れタオルで体をふき、重い体に鞭を打って身なりを整えた。
「ま、麻衣さん?」
「ん、なぁに?綾音」
「あの・・・何かここ数日、ちょっと変なんですけど・・・」
「変ってどういう風に変なの?」
「それは・・・」
綾音は言い淀む。
「え・・・っと、一日中、特に夜とか・・・気分が落ち着かないんです。集中力が乱れるというか」
「治療方針を変えたほうが良いかしら・・・?」
「い、いえ。ここで治療を受けるとしばらくの間はすごく落ち着いた気分になります」
「そう、ちなみに体のほうは?何か変なところはない?」
体・・・そのフレーズを聞いた瞬間に綾音の頬は真っ赤に染まる。
「だ、大丈夫です。体のほうは特に問題ありません」
「そう。だったらしばらくこのまま治療を続けて様子を見ましょう。一度癒着した蟲を引き剥がすのは容易なことではないわ。
蟲の活動自体は弱まっているから治療方針に間違いはないと思うけど、念のため明日からは少し薬液の量を増やしましょうか」
「わかりました、よろしくお願いします」
「ええ、じゃあお大事にね」
「ありがとうございました」
パタン―――
軽い音を立てて麻衣の部屋のドアが閉まる。
綾音はまだ軽い動悸が続いていた。
『体のほうは?』
麻衣にそう聞かれた時に、綾音は素直に答えることができなかった。
何故なら、
(薬液を子宮に注入されると、気持ちいいです・・・)
そんなことをそのまま口に出しては恥ずかしくて死んでしまうかもしれない。
だが実際あの白い液体が子宮に注がれると、今まで感じた事の無い多幸感と快感を感じてしまう。
けれどもこれは治療なのだ。
治療とはあくまで体の悪いところを治す医療行為なのであって、断じて快感を得るための行為ではない。
綾音は自分自身にピシャっと言い聞かせる。
しかし、心のどこかで毎日この時間に麻衣に治療してもらう事を楽しみにしている自分がいる。
「・・・はぁ」
綾音は新たな懸案事項が出来てしまったことに軽く嘆息をし、帰宅の途に就いた。
その日の晩、綾音はベッドの中で身悶えていた。
「ん・・・あ ・・くっ・・・・」
ちらり、と時計を見ると麻衣に治療を施してもらってから6時間ほどが経過していた。
綾音の体はやり場のない焦燥感に苛まれ、体をくねらせて綾音の中で燻り続ける炎にじっと耐える。
この正体不明の焦燥感は日に日に大きくなり、綾音が安らかに寝付こうとする事を許さない。
彼女の寝巻は大粒の汗を吸収し、じっとりとしている。
「・・・薬・・ 薬が欲しい・・・」
治療を受けるとこの身を焼く焦燥感が消えることを綾音は気づいていた。
この状況を打開するにはあの薬が必要だと直感的に綾音は感じる。
このまま身を持て余していたら、今晩は眠ることはできないだろう。
綾音はベッドの上で身を起こすと、濡れて重くなったショーツをゆっくりと降ろす。
ショーツは汗とは違う液体をたっぷりと含んでおり、その液体は布地と綾乃の秘所との間に透明な架け橋を架ける。
「・・・やだ ここ、こんなになってる・・・」
綾音の膣は後から後から愛液を分泌し、ヒクっと収縮する度に中から濃厚な愛液があふれ出す。
彼女は今まで進んで触れたことのない穴に恐る恐る指を挿入する。
「あん・・・!!」
愛液でぬめる狭い膣口に指を挿入すると、足先から脊髄にまでビクン!っとした電流が走る。
初めて体験するその電流は綾音にはちっとも不快に感じられなかった。
むしろもう一度その電撃を体が欲し、もう少し深くまで指を突っ込む。
「んく・・・ あはっ あっ あっ・・・」
綾音はまるで快楽に教えられるようにその指を動かした。
やがて綾音は挿入した中指をいつも治療で使っているスポイトに見立てて膣の最奥、子宮口付近にまで深く挿入した。
通常、閉じているかパスタ一本分くらいしか開いていないはずの子宮口は、度重なる麻衣の治療によって開き気味になっており、
膣が収縮するタイミングに合わせてパクパクと口を開いていた。
綾音は挿入した指をかき回し子宮口を探り当てると、ぐっと指先に力を入れて子宮口に中に指を入れる。
くちゅっ
「ああぁぁぁっ!!」
その瞬間綾音は絶頂を迎えて大きく下腹部を蠕動させる。
頭の中が真っ白になり、その一瞬は不安感や焦燥感などあらゆる心配ごとから解放され、まさに体に翼が生えて天にも昇る幸せを感じていた。
「はぁ はぁ はぁ はぁ」
荒く、肩で息をしている綾音だったが、絶頂の大波が過ぎるとまたあの焦燥感が徐々に体を蝕むのを感じていた。
何かが足りない・・・。どうやらこれでは根本的な解決にはならないらしい。
しかし他に有効な手段を持ち合わせていない綾音は、明日朝一番で麻衣の部屋に行こうと決心しつつ、
その晩は疲れて気絶するまでオナニーをし続けた。
――― コン コン!
綾音は震える手で麻衣の部屋のドアをノックした。
「どうぞ」
「・・・失礼します」
「あら、随分早いのね。どうしたの?」
そう尋ねられると綾音は堰を切ったように言葉を発する。
「薬が!薬が欲しいんです!! 昨日なんかまともに眠ることができませんでした! 助けてください・・・」
「わかったわ、ちょっと落ち着きなさい。 とりあえずちょっと様子を見せて。 ベッドに上がって下着を脱いで頂戴」
綾音は言われるがままに下着を脱ぎ、ベッドの上でM字開脚の姿勢をとる。
麻衣のところに来る前に、綾音は一応シャワーを浴びてから来たのだが、綾音の秘所は既に潤み切っており、その愛液は太腿にまで垂れていた。
「フフフ・・・」
発情しきって熟成された雌のフェロモン臭を発する綾音の秘所を見て、麻衣は満足げな笑みを浮かべた。
「綾音、これが欲しいの?」
麻衣はいつもの薬液とスポイトを手に綾音に尋ねる。
綾音はその白い液体を見るとカクカクっと首を縦に上下させた。
昨日の晩から待ち焦がれていたものを見て、綾音の表情はうっとりとしたものになる。
「ふふっ、もうローションなんか使う必要のない位濡れてるわね・・・」
麻衣はちゅうぅっと薬液をスポイトに吸い取ると、綾音の濡れそぼった膣に挿入する。
そしてスポイトの先端は子宮口を貫通すると、子宮の奥深くでその白濁を吐き出す。
「はぁぁぁっ・・・・」
薬液が子宮全体に沁みわたると、自分の体が軽くなって羽毛のようにひらひらと空を舞っているような錯覚を感じる。
圧倒的な快感と多幸感で、普段は凛々しい綾音の相貌はだらしなく緩み、口の端からは透明な雫が垂れる。
10分後、ようやく瞳に理性を取り戻した綾音に麻衣は告げる。
「どうやら今がヤマのようね。あなたの胎内の蟲を退治するにはこまめに薬を注入してあげる必要があるわ」
そう言うと麻衣は紙袋に入ったスポイトと白い液体が入った薬瓶数本を綾音に手渡す。
「これで必要に応じて自分で薬を注入して頂戴」
「はい・・・わかりました」
「薬が無くなったら私のところに来てね、代わりのをあげるから」
綾音は思いがけず必要としている薬を手に入れることが出来、喜びを隠しきれずにいた。
「はい!ありがとうございます」
綾音は満面の笑みを浮かべて礼を言ったのだった。
「っはぁぁ・・・」
とあるコンビニのトイレの中。
綾音は肺の奥から絞り出すように艶っぽいため息を漏らした。
体を駆け巡る狂おしい程の快楽に身を委ね、くぱぁ、と左手で膣口をくつろげたポーズのまま綾音は脱力する。
今しがたスポイトを抜き取ったばっかりの子宮口は、もっと、もっと、とより多くの薬液をねだる様にヒクつき、
手を放しても尚、だらしなく口を開いたままの膣口からはダラダラと止めどなく愛液が垂れ落ち、便器の中の水と混じっていく。
あの日麻衣から薬を受け取って以来、焦燥感を感じる度に綾音は薬液を使用した。
初めの内は日に二回程の使用で済んでいたが、今は就寝前、起床後、妖魔との戦闘前、戦闘後、更には今のように少し体がむずっとした時など
日に日にその使用頻度が増えていた。
綾音の中の時間の感覚と平衡感覚が奇妙に混ざり合う。
時間と空間の区別が無くなる感覚を感じながら綾音は便座に全体重を預けて、薬液がもたらす至福の快感の中をたゆたう。
やがて
―――コンコンコン
ドアがノックされる音に綾音の意識が暗がりの奥深くからゆっくりと浮上する。
綾音は気だるそうにトイレットペーパーで愛液に汚れた秘所を拭うと、身なりを整えて個室から出る。
ドアの前にはそのコンビニの女性店員が立っていた。
「あの、大丈夫ですか? どこかお体の具合でも悪いのですか?」
「い、いえ。大丈夫です。」
慌てて否定すると、飲み物だけを買ってそそくさと店を後にする。
携帯電話で時間を確認すると、コンビニに入った時から30分以上時間が過ぎていた。
その事実に軽い衝撃を受けつつ、綾音は再び歩き出した。
淫臭漂う綾音の部屋。
カーテンを閉め切った薄暗い部屋の中、綾音はベッドの上で思う存分心地よい気だるさを甘受していた。
今日は起きた時からずっと断続的に薬を使っていた。
泥のようにベッドの上に横たわる綾音の秘所は、傍目には失禁したと見紛うばかりの愛液を垂れ流し、シーツにシミをつくる。
綾音の白いお腹は、時折思い出したかのようにビクッ、ビクッ、と痙攣をする。
時間の感覚がまるで解らない。
一時たりとも子宮内の薬液が空になることを受け付けなくなってしまった綾音は体の要求に従って薬液を子宮の中に注ぎ込む。
吸収される量よりも多くの薬液を注ぎ込んだ結果、子宮の中は一杯に満たされて綾音の下腹部は僅かに膨らみを見せた。
「もう少し・・・入れようかな・・・・」
快楽に濁った瞳のまま、綾音はぽつりと呟いて薬瓶を手にする。
「あ・・・」
しかし、手に取ったその瓶は既に空だった。みるみる落胆の表情を浮かべる綾音。
他の瓶に目をやるが、そのどれもが中身が無く瓶の向こう側の景色を無情に映している。
名残惜しく、瓶の中のやや生臭い薬液を指でこそぎ取ると、滔々と蜜をしたらせる蜜壺の中に塗りたくる。
「あぁぁっ ああぁん ああ・・・」
くちゅくちゅと指をかき回して一通りの快感を貪ると、綾音は新たな薬液を貰いに行くことを決意する。
(あの薬が無いと、わたしはもう生きていけない・・・)
それは偽らざる本音だった。
綾音は愛液に汚れた体を気にする様子もなく、そのまま上から服を羽織るとパンプスをつっかけ麻衣のもとに向かった。
「どうぞ」
麻衣の声に誘われるようにして綾音が麻衣の部屋に入る。
「・・・・くすり・・・ くすりを・・下さい・・・」
うわ言のように薬液を求める言葉がついて出る。
「フフフ・・・綾音、あなたすごい匂いを出しているわね。 いやらしくて、とっても素敵よ・・・」
麻衣は綾音から発しているねっとりとした淫臭を胸一杯に吸い込んで言う。
「でもごめんなさい、あの薬はいま品切れなのよ」
「え・・・!?」
「まぁまぁ、そう焦らないで。 だから今日は直接あなたに薬液を注ぎ込んであげようと思って」
「・・・?」
彼女の言っている意味がよく解らず、綾音は頭の上に?を浮かべる。
「いつも通り服を脱いでベッドの上で待って頂戴」
その指示に従って綾音は裸になり、ベッドの上でいつもの態勢をとる。
麻衣は奥の戸棚を開け、ギラっと銀色に光る手錠を二つ持ち出すと
ガチャリ!!
綾音の両手をベッドの端のパイプに万歳の態勢で固定してしまった。
いつもとは少し様子の違う麻衣の雰囲気に綾音は気圧されながら、麻衣をじっと見つめる。
麻衣は着ていた服や下着を脱ぎさって、一糸纏わぬ姿になる。
その日本人離れしたグラマラスなボディに綾音が見惚れていると、麻衣はその体を見せつけるようにして綾音の傍に歩み寄った。
「ねぇ、綾音。 あの薬はどうやって作っているか知ってる?」
その問いに綾音は首を横に振って返事をする。
「ふふっ、いいわ。 じゃあ今それを見せてあげる」
そう言うと麻衣は突如二本の指を己が膣口に突っ込むと、奥にある何かを引っ張り出そうとするようにクチュクチュとしはじめた。
突然始まった麻衣のオナニーショーに綾音は目を丸くして驚いていたが、更に信じられない光景を目の当たりにする。
「あっ 出ちゃう・・・出ちゃうのぉ・・・ああぁぁぁっ!!」
その膣奥の『何か』を探り当てた麻衣は苦痛よりも快感に意識を失わないように我慢をしながら、ずるずると細い触手の様なものを引っ張り出した!
「あふぅ・・ はっ はぁっ・・・」
軽い絶頂に達してしまった麻衣は呼吸を整えると、膣から生えているへその緒の様な細い触手を綾音の顔に近付けた。
「きゃあっ!!」
綾音は短く悲鳴を上げる。
美しい麻衣の肢体から生えているその触手は、ウネウネと何かを求めるように宙を彷徨い、綾音の頬に一筋の粘液の線を残す。
何故麻衣からそんなものが出てくるのか意味がわからなかったし、その姿はグロテスク以外の何物でもなかった。
「そんなに嫌がらないで頂戴・・・これからあなたの大好きなあのお薬が出来るんですから」
麻衣はそう言うと、左手で乳房を揉みしだき、右手でクリトリスを刺激してオナニーをし始めた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
犬のように舌を出し、快感を享受している麻衣の体は先程の絶頂の余韻が残っていたために、程なく高みへと上り詰める。
「あ、綾音・・・出す・・わよ ああぁぁぁっん!!!」
ぶっ!! ぶびゅる!!びゅるるるーーーっ!!
ひと際大きい喘ぎ声と共に、細い触手の先端からは白濁した濃厚な粘液が噴き出した。
大量に噴出した粘液は綾音の顔や髪、体などに隈なく降り注ぐ。
全身に熱い液体を喰らった綾音は、その液体の匂いを吸いこむ。
青臭く若干栗の花を思わせるその香りは間違いなくあの薬液と同じ物だ。ただ、匂いの強さは圧倒的にこちらの方が濃い。
その匂いを吸いこむ度に綾音の表情は陶酔したものへと変化する。
「ふふ・・・どう?原液の香りは。 あなたにはこれを薄めたものをずっと処方していたのよ。
あなたの淫乱な体ではもう薄めた物じゃ満足できなくなっているみたいね」
その言葉を聞いた綾音は僅かに残った理性が
(淫乱・・・? あれ? わたしは治療をしてもらってたはずでは・・・?)
という疑問が頭をよぎったが、呼吸をして粘液の匂いを吸いこむと、吐く息と一緒にその疑問は頭から流れ出てしまった。
代わりに綾音の口からは沸々と沸き上がる肉体の欲求に従って卑猥な言葉がついて出る。
「ま、麻衣さん お願い、挿れてぇ!! わたしの子宮の中に注ぎ込んでぇ!!」
「あらあら、いやらしいわね。そんなおねだりをするなんて。 わかったわ、あなたの子宮の中、これで一杯にしてあげるわ」
麻衣は触手の先端を綾音の膣口に当てると、ずぶずぶと腰を進めて奥に挿入する。
「くっ・・・あっ あっ・・・」
指ともスポイトとも違う柔らかで筋肉質な物が、自分の大事な所を割広げて侵入する感触は想像以上に気持ちが良かった。
やがて触手は緩みきった子宮口を貫通し、綾音の小さな子宮の中でとぐろを巻いた。
「さぁ、綾音。 二人で楽しみましょう」
麻衣はそう言うと、綾音の膣から噴き出す大量の愛液をローション代わりにして貝合わせを始める。
「ああぁん はぁ はぁっ はぁ・・・」
「あっ ひぃ ひぃ・・・きもちいぃ・・・きもちいいよぉ ・・・」
うわ言のように呟く綾音の唇を麻衣は奪うと、舌を絡ませて泡立った唾液を交換する。
初めは受け身であったが、勝手がわかると綾音の方から積極的に体を擦り付ける。
二匹の盛った雌はぬめった体を絡ませて、お互いに快楽の質を高めてゆく。
「ふああぁあぁぁっ!!」
そして綾音が絶頂に達しようとした瞬間、麻衣はピタリとその動きを止めてしまった。
「・・え・・・?」
宙ぶらりんのまま放り投げられてしまった綾音は何事かと麻衣を見る。
麻衣は妖しい笑みを浮かべたまま綾音に問いかける。
「どう?綾音 続きが欲しいかしら?」
綾音はコクコクと首肯する。
「この続きが欲しいなら、今ここで妖魔界に対して忠誠を誓いなさい」
(・・・え?どうして・・・妖魔界は私たちの敵の筈じゃあ・・・)
続きを欲しがっている体と、幼い頃から教え込まれた妖魔は敵だという概念が綾音の中でぶつかり合い、返答に窮してしまった。
麻衣は即答できずにいる綾音を見ると
「そう、残念だったわね・・・」
そう言ってズルっと腰を引いて綾音の子宮の中に入り込んでいた触手を抜きにかかる。
「!!!」
綾音は背筋に冷たい汗を感じた。
ここで麻衣に見捨てられたら、生きていけない・・・。自分はあの薬が無ければ明日から生きていけない・・・。
彼女は慌てて麻衣に忠誠を誓う
「誓います! 妖魔界に忠誠を誓います!! だからお願い、見捨てないでぇ!!」
「即答できなかった人を信用するほど、私もお人好しじゃないのよ」
「ごめんなさいぃ!!絶対に誓いますからぁ・・・信じてください!!」
なりふり構わず懇願する綾音の姿を見て、麻衣は満足げにほくそ笑む。
(ふふっ、堕ちるところまで堕ちたわね)
洗脳が完璧に成功したことに麻衣は満足した。
ここまでこうなってしまっては仮に洗脳が解けてしまっても、その肉の疼きは一生彼女を解放することはないだろう。
その時はまた洗脳し直してやれば良いだけのこと。
捨てられた子犬のように心細げな瞳で自分を見つめる綾音を見て、麻衣は愛情の様なものを感じていた。
「良く出来ましたね、綾音。さぁ、一緒に妖魔界に忠誠を誓って気持ち良くなりましょうね」
「はい!!誓いますっ!!」
麻衣は抜きかけた触手を再び綾音の子宮の中に挿入すると、綾音と貝合わせの続きを始める。
くちゃっくちゃっ、と粘ついた水音と雌の喘ぎ声が響き渡る。
やがて、
「あああぁぁあぁっっ!!」
「あああぁぁあぁっっ!!」
シンクロした二人の声と共に
ドクッ、ドクッ、ドクッ・・・・
綾音の子宮内に薬液とは比較にならない程濃厚な白濁が注ぎ込まれる。
「はぁぁぁ・・・」
かつての凛々しい顔を微塵も感じさせない白痴のような表情で綾音は大きくため息を吐いた。
触手を引き抜いた麻衣が下に目を落とすと、満足げにヒクつく彼女の下腹部には、
妖魔界の雌奴隷となった証の文様が焼印のように浮かび上がっていたのだった。
長くなって済みません。
とりあえず綾音編は終わりです。
続きもあるんですが、文章のレベルが低い等であまり評判が芳しくなさそうなら尻尾を巻いて逃げますw
もし宜しければ明日も投下させて下さい。
ツヅキマダーバンバンバンバン
よかった。続きにも期待
文章のレベルなんて書いてれば上がってくる
とりあえず、タイトル考えておいてー
>>157 GJ!
レベル低い?とんでもない!充分に使えるレベルでしたよっ!(何にだw)
続きwktkしながら待ってます、子宮姦イカスーッ!
よし、あと二人と事件の詳細も任せた!(ぁ
なんか昔と比べたらみんなレベルたけーなww
乙×風さんはどんどん成長してるし
156さんという新たな作家さんも文句なしでGJ
妄想しやすい=上手い なのかなやっぱり
リオの妄想があまりにも膨らみすぎて困る
もっと絵が上手く描ければ…悔しいぜorz
忘れてた、エロ巫女さんも非常にGJです
GJ言って下さった方々、ありがとうございます。
初めて知ったんですが、自分好みのシチュエーションを書いてるはずなのに何故か自分のSSを見てもヌけないんですね。
興奮はするんですけど…。
ですのでレベルが低いかもと心配になってしまいました。
今日と明日で終わるつもりです。
タイトルは考えてなかったのですが、『贖いの巫女』とかで良いですかね?
ではよろしくお願いいたします。
(今日の属性は 蟲・背徳・触手・SMです)
身を切るような清冽な空気を切り裂き、美しい少女の声と人ならざるモノたちの叫びが木霊する。
ここは周りに民家のない山の中。
結絵・美樹・綾音の三人は妖魔退治の出動要請に従った。
「祓へ給ひ清め給へと 白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す」
鈴が響くような美しい祝詞を朗誦し、美樹は霊力のこもった一撃を妖魔に喰らわせる。
グギギゲェッィィイィ!!
妖魔は美樹の祝詞に反比例するかのように醜悪な断末魔の叫びをあげ、塵になって消えていく。
今日の妖魔は20体ほど。一抱えほどの大きさのあるナメクジの様な妖魔だ。
あまり強い妖気を感じないことからおそらく下等妖魔と思われる。数が多いのは厄介だが結絵と綾音と三人で力を合わせばこの程度は物の数ではない。
結絵と綾音は少し離れた場所で各々同型の妖魔を相手にしていた。
おそらくすぐに決着がつくであろう。
いつも冷静な美樹だったが、相手が下等妖魔だと見くびって、ほんの僅かであったが心に隙が生じていた。
「掛けまくも畏き 伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊ぎ祓へ給ひし時に・・・」
短期決戦を仕掛けるため、自分の周囲の妖魔を一斉に殲滅させる祝詞を朗誦している最中、美樹の死角から一匹の妖魔がにじり寄る。
そしてやおら、ぷしゅぁっっ!!という音を立てて死角にいたナメクジ型の妖魔は粘液を美樹に吹きかける。
「きゃあっっ!!」
突然のことに、美樹は集中力を完全に失ってしまった。
途中まで織り上げていた霊力はまるで霧のように、文字通り霧消する。
「いや・・・何なの?」
頭からほぼ全身にわたって粘液をくらってしまった美樹は自分の体を見回す。
そして、血の気がさーっと音を立てて引いたのを美樹は聞いた気がした。
粘液に混じって十数匹の蛭の様な形をした数cmの蟲が美樹の体の上を這っていた。
「いやぁぁっ!!」
いくら下等妖魔とは言え、うら若き少女にとって自分の体の上に蛭が這っているという構図は、精神的に堪えるものがある。
一瞬軽いパニックに陥った美樹は、祝詞の詠唱もなしに潜在的な霊力を暴発させる。
―――ごうぅぅぅっっ
グゲィィギギギッ!!!
ギャギィィィッッ!!
突然周囲に竜巻のように吹き荒れた美樹の霊力は近くにいた妖魔も巻き込んで塵に帰してしまった。
「はぁ はぁ はぁ・・・」
妖魔を殲滅した安心感と大量に霊力を使ってしまった脱力感で美樹はその場にへなへなとへたり込む。
「はぁ〜、良かったです。 あ、結絵さんと綾音さんを助けに行かなくちゃ、ですね」
そう言って立ち上がろうとした時、美樹は腕にチクっとした痛みを感じた。
「・・・っ痛」
何事かと袖をまくってみると、そこには美樹の腕に先ほどの蛭の一匹が喰い付き、血を啜っている姿があった。
「きゃっ!」
台風の中心が意外に無風なのと同じように、先ほど吹き荒れた霊力の嵐も偶然に中心付近にいたこの一匹だけは逆に生き残ることが出来たようだ。
ちくんとした痛みは最初だけで、あとはそれほど痛くはなかったのだが、美樹の腕に食いついた蛭はみるみるその体を膨張させ、彼女の血液を奪う。
美樹は恐る恐る指先に霊力を集中させると、
「えいっ!!」
と掛け声とともに蛭を潰す。蛭は断末魔の叫び声をあげることも無く、しゅうぅぅ、と塵に帰る。
「ふぅ・・・」
美樹は安堵感に胸を撫で下ろす。
しかし・・・先程の感覚は何だったのだろう?
ちくんとした痛みの後、蛭が丸々と膨らんでいくにしたがって蛭が噛みついていた部分から甘い痺れの様な感じが伝わってきた。
正直に告白すると、その感触は決して不快ではなかった。
いや、むしろ気持ちよかったと言ったほうが正しいかもしれない。
美樹は複雑な心境のままその場を後にしたのだった。
「・・・ちゃん・・・美樹ちゃん、どうしたの?」
「え!? いえ、何でもないですよ」
美樹は結絵の問いかけにあわてて返答する。
ナメクジ型妖魔を殲滅させた明くる日、美樹は結絵と共に遊びに出掛けていた。
色々なお店を回り、財布の中身と相談しながらたくさんの服やCDや本を買い、最後に立ち寄った喫茶店で結絵とお喋りをしていた。
趣味の話やTVの話など色々な話に熱中していた二人だが、お互いに話の種が尽きて生まれた短い沈黙の間、美樹は昨日の出来事を反芻していた。
脳が昨日の記憶を思い起こしてくるのと同時に、肉体はあの一瞬に味わった未知の快感を鮮明に思い起こす。
それに意識の大半を費やしている時、不意に結絵から呼びかけられたのだ。
「美樹ちゃんどうしたの? ぼーっとしちゃって。 熱っぽいのかな? 何か顔が赤いよ?」
「いえ!大丈夫です。つい考え事をしてしまって・・・ごめんなさい」
「う〜ん?な〜にを考えていたのかにゃ? 彼氏か?彼氏だな〜?」
「前にも言った通り私にはお付き合いをしている男性はいませんよ、そんな事は考えてません」
「ちぇ〜、つまんないの! じゃあなんか楽しいことでも想像してた?」
「・・楽しいこと・・・。 そうですね、楽しいことを考えていましたよ」
「え? どんな?どんな?」
「それは秘密です」
「それも秘密? まったく美樹ちゃんは秘密主義者なんだからぁ」
愛らしく口を尖らせてむくれる結絵を見て美樹はにっこりと微笑んだ。
その夜、麻衣からの出動要請に結絵・美樹・綾音の三人は昨日の山中に程近い現場に急行する。
今日の妖魔も昨日と全く同型のナメクジ型妖魔だった。
ただ一点、昨日と違うのは出現した妖魔の数が昨日よりも若干多いこと。
「手分けして退治しましょう!」
結絵と美樹にそう呼びかけると、綾音は足早に森の奥へ消えていく。
「そうですね、綾音さんのおっしゃる通りその方が良いかもしれませんね、良いですか?結絵さん」
「うん!いいよ〜!! じゃああっちにいる奴らをやっつけに行くね〜」
「ええ、わかりました。気を付けてください」
結絵は、ぱちっと美樹にウィンクを投げると茂みの奥に消えて行った。
そして、美樹の近くの10匹程の妖魔は様子を窺いながらじりじりと間合いを詰めてくる。
昨日はちょっとした油断から遅れを取ってしまった美樹だが、今日はそんなミスは犯さない。
四方八方に注意を払いながら魔を滅するための祝詞を朗誦する。
「祓給ひ清給ふ事を 諸聞食せと宣る卜部等 大川道に持退出て祓却と宣る」
刹那、霊気の雷が龍神のように辺りを飛び回り、魔の気を放つ存在を悉く喰いつくす。
1対10で一見数的に不利に見えたこの戦闘は蓋を開ければ美樹の圧勝だった。
そもそも油断さえしなければこの程度の妖魔はいくら出てこようが物の数ではない。
この戦闘を制圧した美樹は結絵か綾音の援護に駆けつけようと走り出した足をはたと止めた。
先程の龍神にその場にいた妖魔は全て滅せられたと思ったが、一匹だけ半身を食いちぎられながらも生き残っている。
美樹はそのナメクジにとどめの一撃を喰らわそうと近寄り御神刀を上段に構えた時、食いちぎられた腹の中から一匹の蛭がうねうねと頭を覗かせていた。
「!」
その存在を確認した美樹の無意識は同時に昨日の甘美な快感を思い出す。
戦闘中だというのに、美樹の視界は妖魔の真っ赤に裂けた腹の中に蠢く蛭が大写しになり、一杯になった。
美樹は振り上げた御神刀を鞘に仕舞うと微かに震える指先で恐る恐る蟲を摘み上げる。
そして、昨日と同じ柔らかな腕にそっと近付けると、蛭は喜んで美樹の血を啜り始める。
「・・・っはぁぁ ん・・・、はぁ はぁ」
蛭の腹が膨らむにつれて咬まれた美樹の腕からは今まで感じたことのない心地よさが全身に広がる。
「・・・んぁ、 だ・・め こんなこと・・・ おか・・しく なる・・・」
快楽の津波の押し流されまいと、美樹に残った一片の理性は必死の抵抗を試みる。
しかし、押しては引き返す快楽の波状攻撃に理性の欠片は儚くも流されようとしていた。
「 ひぃ・・・な、なにか くる! いやっ・・・こわい ひぃっ・・・あああああぁぁっっ!!」
ビクン ビクンッ!
美樹は声をあげて生まれて初めての絶頂を迎える。
だが、性的な経験が一切ない美樹は、たった今自らが享受した快楽が性的快感と同一であることを知らない。
放心状態の彼女の無垢の花園からは透明な蜜がとろとろと流れ、ショーツにシミを作っていた。
―――数分後
ようやく虚脱状態から脱した美樹は、満腹になって地面に転がっていた蛭を滅すると、いまいち力の入らない下半身に鞭を打ってどうにか立ち上がる。
湿ったショーツがべたべたと張りつき、不快を感じる美樹。
しかし、そんなことはどうでも良くなる程の禁断の蜜の味を知ってしまった。
(・・・・・あのアダムとイブが食べてしまった果実はこんな味がしたのかしら・・・それとも不老不死の桃の味?)
快楽の余韻が残る美樹の頭の中はそんな取り留めのない考えが渦巻いていた。
―――数日後
キシャァァ!!
「またあいつかぁ、なんか最近あいつらいっぱい出てくるね。なんなんだろ、ほんとに」
結絵の言うとおりだった。
ここ最近、妖魔撃退の出動要請は増加気味なのだが、その中でも目立って増えてきたのがこのナメクジ型の妖魔であった。
「う〜ん、異常発生するってことはやっぱり地球温暖化と何か関係があるのかな?」
「そんなことはないと思います、よ」
どうやら本気で言ってるらしい結絵の天真爛漫なボケに、美樹は一応突っ込みを入れる。
今日の妖魔発生ポイントは二つ。
綾音は事情があって来られないという連絡は先程麻衣から受けたので、今日は結絵と美樹の二人組だ。
「・・・・・」
美樹はある計画を秘めていた。
「結絵さん、ここは私が引き受けます。結絵さんはもう一つのポイントのほうに向かっていただけますか?」
「え? だってこっちの方が向こうよりも数が多いよ?二人で力を合わせたほうがいいんじゃない??」
「いえ、大丈夫です。この位でしたら朝飯前です。結絵さんは先に行ってください」
「? うん、わかった。じゃあ先に言ってるね!」
結絵はいつもの美樹らしくない少し強引な提案に若干の違和感を感じながらも、美樹の言葉を信じてその場を後にする。
美樹は結絵が去っていったことを確認すると祝詞を朗誦する。
「天津菅麻を本刈り断ち末刈り切りて 八針に取裂きて 天津祝詞の太祝詞事を宣れ!!」
刹那、ぱあぁぁっと青白い霊力のフラッシュが瞬くと、その光を浴びたナメクジ型の妖魔たちは金縛りにあったようにその場に転がる。
術が成功したことを慎重に確認すると、美樹は懐から苦無を取り出す。
そして一番近くに転がる妖魔のもとにしゃがみ込み、まるでカエルの解剖のように妖魔の腹を真一文字に切り裂く。
ギャッ・・・ギャァァ・・
美樹はうめき声をあげる妖魔を気にする様子もなく、臓物の中を探ると目的の物を探し当てる。
それは、あの蛭がたくさん詰まった子袋だった。
薄膜に包まれた半透明な子袋を切開すると中の蛭を摘み出す。
中に居た蛭も先程の美樹の術の影響を受けているようで、その動きは非常に緩慢だ。
美樹は懐から蓋つきの瓶を取り出すと、一匹一匹丁寧にその蛭達を採集する。
やがてその瓶は採集された蛭で一杯になる。
まるで宝物のように大事に瓶を持ち上げると、美樹その中の蛭をうっとりと眺める。
端正な顔立ちの少女。その瞳の奥には確かに暗い狂気の光が存在していた。
そんな様子を見守る一つの人影。
その正体は今日ここには来られないと連絡があったはずの綾音だった。
綾音は先程からの美樹の行動の一部始終を観察していた。
採集に熱中している美樹には気づく由もない。
「・・・フフ」
綾音はかつての仲間がまばゆいばかりの光の彼方から暗い暗い闇の深淵に堕ちて行く様を見て、嬉しそうにその口の端を歪めた。
その夜、
彼女の部屋の机の上に乗った瓶を眺めると、美樹は期待で胸がいっぱいになる。
瓶の中身である蛭は金縛りの術の効力が切れ、今はいつも通りの動きを取り戻している。
互いに絡み合い、瓶の内壁にも粘液の跡を残しながら這いずる蛭達を見て、美樹は一種の愛しさの様なものを感じていた。
「・・・・・」
美樹は無言で立ち上がると、瓶を持ってバスルームへと移動する。
そして美樹は着ていた服を脱ぎ、そのギリシャの彫像の様な豊満な肉体を晒すと、湯が張られていない空のバスタブに入る。
美樹はおもむろに瓶のふたを開けると、中から一匹の蛭を摘む。
「・・・こ、こんなことって・・・・」
彼女の指はぷるぷると小刻みに震えていた。
それは緊張からだけではない。期待・不安・そして背徳感・・・、それらが綯い交ぜになった何とも言えない高揚感が彼女を包む。
巫女である自分が妖魔を使って快楽を得る。
そんな巫女としても人間としても倫理上許されない行為に手を染めようとしている。
そのシチュエーションが知らず知らずの内にスパイスになり、彼女が自覚していなかった生来のMの素質が、暗い情念のように燃え上がろうとしていた。
美樹は摘んだ蛭の口をそっと左腕に近付ける。
蛭は本能で己が欲する物が近くにあることを悟り、白く柔らかな美樹の二の腕にカプっと噛みつく。
「・・・っ」
美樹の腕に軽い痛みが走る。しかし、この痛みも美樹にとってはすぐに甘美なものへと変化する。
「あぁ・・ んっはぁ・・」
蛭は体を脈動させて御馳走を目一杯頬張る。
実はこの時、蛭は一見単純に血を吸っているように見せて、吸う・戻す・吸う・戻すを小刻みに繰り返していた。
蛭の体内に取り込まれた血液は、瞬時に人間に中毒性の強い快楽物質に変質し、蛭がそれを再度人間の血流に流すことによって
血を吸われている人間は快感を感じるという仕組みである。
「いいっ!! あっはぁ・・・気持ちいいぃ ひぃ・・・ ああああっ!!!」
美樹の喘ぎ声がバスルームに響き渡る。
絶頂を迎えて肩で息をしている美樹だったが、ゼイゼイとした呼吸を整えると再び瓶の蓋に手をかける。
そう、今日は自分の部屋だ。この前の戦闘中のように誰に気を使う必要はなく、朝までエンドレスに快楽を味わえる・・・。
そう考えただけで彼女の胸ははち切れんばかりに高鳴った。
美樹は新たな蟲を一匹摘む。
そして一瞬躊躇った後、乳首にそっと蟲を近付ける。
かぷっ・・・
その蛭は迷わず目の前に差し出された柔らかい桜桃に咬みついた。
「ふあぁぁぁああっ!!」
美樹はたまらず快楽の雄叫びを上げた。
確信はなかったが、美樹はここを吸ってもらったら気持ちいいのではないか、という本能の囁きに従ったことが正解であったことに満足する。
腕の動脈ほど思うように血が吸えず四苦八苦している蛭を見て、美樹は母性を感じさせる笑みを浮かべる。
美樹は乳首に蛭がぶら下がっている乳房を持ち上げると、母乳を絞り出すようにゆっくりと揉みしだく。
「ああ・・ん っはぁ・・・気持ちいぃ もっと吸ってぇ・・・」
そんな思いが通じたのか、蛭は一心不乱に美樹の乳首に吸い付いて心地よい疼きを与える。
美樹は再び瓶を手にするともう一匹蛭を摘み出す。
元気良く体をくねらせる蛭を、美樹は自分の秘所に近づけた。
蟲はどこに食い付くか一瞬逡巡したのち、一番の突起物であるクリトリスに咬みつく。
ちゅっ・・・
「ひぃあぁぁぁぁっっっ!!!」
敏感な部分に牙を立てられ、ひと際大きい嬌声を上げて悶える。
神経が密集した陰核を直接咬まれた感覚は想像を超え、美樹の目蓋の裏にはいくつもの火花が飛び散る。
「あっ・・ はぁっ・・ はっ・・ はぁっ・・・」
美樹の脳と肉体は享受できるギリギリの量の快楽を受容して、その証となる淫蜜を滔々と膣奥から垂れ流すのだった。
「あぁぁん・・・だめぇ・・・」
結局、美樹は体力と意識が続く限り蛭が与えるその快楽を貪り続けた・・・。
――― 二週間後
「素敵・・・」
美樹はうっとりとした表情で心情を吐露する。
今、目の前ではバスタブが一杯になる程、蛭で溢れ返っている。
連日の戦闘の最中、結絵たちの目を盗みナメクジ型妖魔から採集した大量の蛭を全てバスタブに放ち、湯の代わりに蛭で一杯にする。
ウネウネとまるでひと固まりの生き物のように蠢く浴槽を目にして、美樹の膣は既に愛液を垂れ流していた。
(この中に入ったらどうなってしまうんだろう・・・)
もちろんタダで済むはずがない。場合によっては生命の危機にさらされる可能性もあるだろう。
しかし、美樹の本心はそんな冷静な理性の答えを踏まえた上で、この中に身を沈めたいと本気で思っている。
体中の皮膚を食い破られ血を吸われ、場合によっては膣や肛門にまで蟲が侵入してしまうかもしれない・・・。
それでも、狂ってしまう程の快楽に身を委ねたい。
そんな破壊衝動に駆られ、想像するだけでも美樹は絶頂しそうになる。
「足だけなら・・・大丈夫よね・・・」
頑固に反抗する理性を無理やり納得させるように、美樹は足先を恐る恐る浴槽の中にずぶっと沈める。
かぷっ・・・かぷっ ちゅっ・・ちゅっ
美樹が足を沈めた瞬間、蛭達は目の前の御馳走に我先にと喰い付く。
「ああっ!!ああああぁぁっっ!!!!」
蛭達にもたらされる快楽にすっかり慣らされてしまった美樹の体は、瞬間的に絶頂に上り詰める。
ぷちっ・・・
頭の中で自分の理性を保っていた最後の糸が切れる音を美樹は聞いた気がした。
美樹は発作的に浴槽に身を投げ、肩まで蛭達の蟲風呂に浸かる。
かぷっちゅっ、ちゅっ・・ちゅっかぷっ・・
腕 太腿 乳房 陰唇 首筋 蛭達は一斉に余す所なく美樹の体に喰らい付いた。
「ひぎぃっ!!ぐっぁぁっ!!ああああぁぁっっ!!!」
美樹はとても人間の少女が上げるとは思えない獣の様な声を上げ、暴力的で苦痛を伴う快感に晒される。
そして水圧のように美樹の体に四方八方から押し寄せる蛭は、容赦なく絶頂を迎えて緩んだ膣口や肛門や尿道の中に侵入する。
にゅるん にゅるっ・・・ かぷっ ちゅぷっ・・
「・・・・・・ぃ・・・・・っ!!!!!」
体の表面だけでなく、内臓までも咬みつかれてしまった美樹は、金魚のようにパクパク口を開けて声無き声を上げる。
まるで嵐の中の木の葉のように体を痙攣させ、神楽を踊るように右に左に体が舞った。
普段の美樹からは想像もつかないほど淫らに開いた口の端からは透明なよだれが垂れ、膣口からも白濁した愛液が後から後から分泌される。
目の焦点が合わぬまま、美樹の膣口は繰り返し繰り返し潮を吹く。
美樹は人外の快楽に人間の尊厳を売り渡すと、いつ果てるとも知れぬ快楽に身を委ねた。
ガラッ!!
突如、バスルームの扉が開かれた。
しかし美樹の視線と意識は遥か遠くに飛んでいて、その闖入者を認識することはできなかった。
「あら、随分と気持ちよさそうなことをしているじゃないですか。でもお楽しみのところ申し訳ないですが、少し中断させていただきますよ」
その闖入者は
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
普通の人間には聞き取ることが出来ぬ呪を唱えると、たちまちの内に美樹に喰い付いていた浴槽内の蟲達がヘドロのように溶けていく。
快楽物質の供給がストップされ、快感に蕩けきっていた美樹の脳が少しずつ回復する。
「・・・あや・・・ね・・さん・・・?」
美樹は無意識に目の前に佇む少女の名を呼んだ。
「美樹さん、あなた退魔の巫女という立場を忘れ、よりによって妖魔を使って快楽を得るなど、巫女として許されない事をやっている自覚はあるんですか?」
美樹の意識は未だ快楽の海をたゆたっていたが、彼女に蔑んだ目で罵倒されているという事は認識できる。
「何とか言ったらどうです、美樹さん。あなた、人間以下の雌豚に成り下がっているんですよ?」
綾音に詰られた美樹は、正論を吐く凛々しい彼女の姿と、浅ましく快楽を追い求めヘドロまみれになった醜い自分の姿を見比べて
「あ・・はぁぁん そうです・・わたしは 醜い雌豚ですぅ・・・」
と、自らを貶める台詞を呟くと、彼女の膣からは白濁した愛液がごぼっと溢れだす。
「ふふっ・・・自分の醜さを認めるんですね。 いいでしょう、そんな素直な美樹さんには素敵なプレゼントを差し上げます」
綾音はまた短く呪を唱えると、彼女の手の上に一抱えほどの妖魔が姿を現す。
「美樹さん、これを見てください。これはあなたの為に作らせた特注の妖魔なんですよ・・・。ほら・・・」
綾音はその妖魔を両手で広げると、妖魔は絡まっていた触手をほどき、ショーツの様な形を形成する。
「姿形は違いますが、これは美樹さんの大好きなあの蛭と同系統の妖魔です。
これを穿けば、美樹さんの血液の中にこの妖魔の体液を循環させて、寝る時だって、食事中だって、いつだって天にも昇る快感を感じられますよ」
「ほ・・欲しい・・・ 欲しいですぅ・・」
「でもお願いするだけでは駄目です。美樹さんは未来永劫、妖魔に身を捧げる事を誓えますか?」
綾音が紡ぐ甘美な誘惑は、まるでまっさらな紙に書かれた文字のようにストンと美樹の心に上書きされた。
「はい!・・・誓います! 私は醜い妖魔様達の雌奴隷です!!」
美樹は空腹の犬が餌に飛び付くような勢いで隷従の言葉を口にした。
「ふふっ、良く出来ました。じゃあ美樹さんにこれを差し上げます」
そう言って綾音は美樹に触手パンツを差し出す。
美樹は受け取って初めて気付いたが、そのショーツの内側にはちょうど膣と肛門のあたりに男性器よりも一回り大きい肉の突起が聳え立っていた。
ごくっ・・・
美樹はおぞましさとそれ以上の期待感で無意識の内に生唾を飲み込んだ。
そして美樹は触手パンツに足を通すと、肉の突起を膣と肛門にあてがい、ゆっくりと装着する。
にゅる・・・くちゃっ・・・
「ふぁぁあぁぁん!!」
どちらの穴も未開通の通路であったはずだが、散々快楽に慣らされて淫蕩になった美樹の肉体はその二本の剛直を苦もなく呑み込んでいく。
「はぁ はぁ はぁ・・」
美樹はとうとう奥まで剛直を呑み込み、しっかりと触手パンツを穿いてしまった。
その時、美樹の胎内深くの剛直に変化が顕れる。
楔のように胎内に打ち込まれた肉の棒からは更に細い触手が次々と発生し、美樹の膣奥や直腸、更には子宮口をこじ開けて子宮内にまで達する。
それらが美樹の肉壁にズブっと突き刺さると、瞬く間に彼女の血管との融合を始めた。
そして、その触手パンツは突如 ドクン!ドクン!と脈動を始める。
「ひぃぃぃっっ!!」
美樹は脳幹がしびれる程の快感に思わず絶叫を上げる。
触手パンツは美樹から血液を吸い取ると、その中で自身の体液と混合させ再度美樹の血流に戻す。
その体液は脳や内臓は勿論のこと、全身に隈なく行き渡る。
妖魔の血液透析は細胞の一つ一つはおろか、美樹の魂の欠片まで汚しぬいていた。
とある昼下がり
いつものように美樹の部屋に遊びに来た結絵は、お?って言う声と共に
「あれ?美樹ちゃん。さてはまたここが成長したな、このぉ〜!!」
結絵はそう言うと美樹の背後に回り込み、両手でがしっと美樹の胸をつかむと、むにゅむにゅと揉み始めた。
「ちくしょ〜、あたしなんて全然大きくならないのに〜」
そこまで言うと結絵は美樹のリアクションが無いことに気がついた。
(あれ・・・?てっきり「やめてください!!」とか「女の子同士で馬鹿なことしないでください!」って言うと思ったのに・・・?)
結絵は不思議に思って両手を離すと美樹はそのまま前のめりに倒れる。
びっくりした結絵は慌てて様子を見る。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
美樹は肩で息をし、表情は虚ろだ。尋常ならざる事態なのは一目見ればわかる。
苦しげに開いた口から見える舌はやけに生々しくて、それを見た結絵は思わずドキリとしてしまった。
「美樹ちゃん大丈夫!?ごめんね、調子悪かったの?」
「・・・はぁ・・・い、いえ、大丈夫です。ご心配かけてすみません」
「でも全然大丈夫そうにみえないよ?救急車か麻衣さんを呼ぶ?」
「・・では、麻衣さんを呼んでいただけますでしょうか・・・」
「うん、わかった!ちょっと待ってて」
結絵はそう言うと携帯電話を取り出して麻衣に電話を繋ぐ。
状況を一通り説明すると結絵はパタンと携帯をたたむ。
「今すぐに来てくれるってさ、ちょっとがまんしててね!」
「・・・はい」
20分後、ピンポンと呼び鈴が鳴る音に反応して結絵が迎えに出る。
そこには大きなバッグを持った麻衣が立っていた。
結絵は麻衣を部屋に招き入れると美樹のもとへ案内する。
美樹は頬を上気させて麻衣を見上げた。
「美樹、もう大丈夫よ。 それで結絵・・・ちょっと申し訳ないんだけど、今日は家に帰ってもらえるかしら?」
「え!?」
「診察するには上を脱いでもらったりしなければならないから・・・、それに今日のところは美樹を休ませてあげて」
「はぁい、わかりましたぁ。じゃあ美樹ちゃん、お大事にね!」
そう言うと結絵は美樹の部屋から出ていく。
―――ガチャン・・・
玄関が閉まり結絵が部屋を出ていったことを確認すると、美樹を冷たく見降ろして言い放つ。
「美樹・・・あなた結絵に胸を揉まれて、はしたなくイってしまったのね?」
「はぁ・・い 結絵さんに揉まれて我慢できずイっちゃいましたぁ・・・」
罵られれば罵られるほど快感を感じる美樹は、麻衣の冷たい視線を感じるだけでもう一度イきそうになる。
「わかったわ、それじゃあいやらしい雌豚のいやらしいおっぱいを見せてもらえるかしら?」
美樹は命令されるまま服を脱ぎ、ブラジャーと触手パンツのみになる。
しかし、一見ブラジャーに見えた『それ』は布で出来た代物ではなかった。
ピンク色と言うよりかは肉色と言った方が正鵠を射た色で、
美樹の両の乳房の間にぶら下がっている肉塊は、まるで心臓のようにドクンドクンと絶えず脈打つ。
それは美樹が穿いている触手パンツと同じく、触手で編まれたブラジャーだった。
美樹の大きい乳房にピッタリと密着したそれは、常に美樹の乳首をテロテロと舐め回す。
そして内部から突き出る針金状の細い触手は美樹の乳腺から乳房の中へ網の目状に根を張り、そこから美樹の血液や母乳と妖魔の体液を交換していた。
吸い取られる快楽と注入される快楽が同時進行的に美樹の体を駆け巡り、呼吸もままならないほど脳髄を痺れさせる。
上と下から絶えず送られてくる悦楽に美樹は体を右に左にくねらせて身悶える。
そんな美樹を見た麻衣は、持って来たバッグの中から鞭を取り出し
ピシィィィッ!!
美樹の背中を激しく打擲する。
「親友の結絵が心配してくれているのに、あなたはその隣で股を濡らして快楽を貪っていたのかしら?
人間失格ね・・・まさに雌豚という言葉はあなたの為に存在しているんじゃないかしら」
そこまで言うと麻衣は再び鋭く鞭を振り下ろす。
妖魔の体液は血流に乗って美樹の体の細胞を隅々まで侵し続け、やがてそれらは痛みすらも悦楽に変換するよう変質していた。
皮膚を裂くような鋭い痛みがもたらした快感に美樹は堪らずぷしゃぁっと潮を吹いたが、
触手パンツに阻まれてその潮が外に出てくることはなかった。
「はぁぁん・・ そうです・・わたしは、醜い 雌豚ですぅ・・・」
「そうね、その通りだと思うわ。 でもあなただけがこんなに気持ち良くなっているなんて不公平でしょ?
結絵にもこの気持ちよさを教えてあげるのが親友としての最低限の義務なんじゃないかしら」
「・・結絵に 教えるのが 最低限の・・・義務 ・・・?」
美樹は麻衣の言葉を何度も何度も噛みしめるように復唱する。
「そうよ、それが優しさというものよ」
麻衣が美樹に囁く狂った価値観は何の抵抗も無く彼女の脳に沁みわたる。
「はぁい・・結絵も 一緒に・・気持ち良くなりますぅ」
「良く出来たわね、美樹。でも、それにはまず妖魔界にその身を捧げることを誓わなくてはならないの、わかる?」
「はい・・・誓います 私の体の血の一滴まで、妖魔界に捧げますぅ・・・」
連日の麻衣と綾音による調教で、既に彼女が十数年間培ってきた価値観や倫理観の大半を壊されていた美樹は、あっさりと妖魔への忠誠を誓った。
「わかりました、それではご褒美を上げましょう」
麻衣は再び鞭を振り下ろして美樹に数多の赤い蚯蚓腫れをプレゼントする。
頭のてっぺんから足先まで痺れるような甘い快楽を受け止める美樹。
まさしく豚の様な鳴き声を上げて立て続けに絶頂を迎える。
その彼女の下腹部には綾音と同じ妖魔界の雌奴隷となった証の文様がくっきりと浮かび上がっていた。
とりあえず今日の分は終わりです。
いやー、ほんと巫女ってエロいですよね。
というのも、『古事記』や『日本書紀』に描かれている日本神話は最初から最後まで、そこはかとないエロさを感じます。
例えば「天岩戸隠れ」では引き籠ってしまったアマテラスを外に誘い出すために、
アメノウズメが大勢の神の前で胸や陰部を晒して踊り狂うという一節があります。
(参考wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/天岩戸)
最近では「神話は現実を元にして作られており、100%の創作はほとんど無い」と言うのが割と定説の1つだと思いますが、
だとしたら現実には、八百万の神とアメノウズメの輪姦もしくは乱交に混ざりたくなって、アマテラスは外に出たのではないでしょうか。
現在の神話を知らない日本人にも、そのDNAが脈々と受け継がれているからこそ、こんなに巫女にエロさを感じるんではないでしょうか。
そんな事を常々妄想しています。
まぁ、何が言いたいかと言うと、巫女とエロの相性は抜群だぜイヤッホウゥゥということです。
明日まで宜しければお付き合い下さい。
GJ
蛭パンツとはやってくれる
>アメノウズメが大勢の神の前で胸や陰部を晒して踊り狂うという一節があります。
そのへんは孔雀王でやってるのみたな
孔雀王も寄生ネタ多い
ちゃんと作ってる感がいい
月見里の話がgdgdなアレは余裕で超え、空の俺的名作も超えたかも
タイトル付けてくれてありがとう〜
今回もGJ
このまま最後まで楽しませてください
>>175氏に乾杯!!
明日までと言わず、是非ともゾクゾクと
…あれ?やっと寄生が解除されて書き込めたけど
…なんだろう、このポッカリと何かが空いたような物足りなさは
ああ、それでも空の巫姫がアレでソレになる話は捨てがたいぜ
>>175 GJ!明日が楽しみです
日本の神様はエロいっすよねー
己の姿を鏃に変じて用を足している女のマンコに潜り込んで孕ませたりとか…凄い事するのもいたしw
しかし、祝詞とかどっから引っ張ってきてるのでしょう?創作?じゃないですよね??
あと、折角タイトル決めたのでしたら、名前欄に入れてはいかがでしょうか?トリ付きで
一応、ご提案まで…
ありがとうございます、こんな駄文を援護して頂けるなんて正直嬉しいです。
>>177 そう言って頂いた後で気まずいんですが、プロットも書かずに妄想と勢いで4日(2日で書いて2日添削)で書いた物なので、
どこかしらに論理的な破綻があるかもしれません。
見直しは何度もしましたが、その場合はご容赦を・・・。
>>180 今回投下し終わったらまた半年ROMるつもりです。
もっといい文章が書けて実力が付いてきたら、その時はトリなりコテハンなり使わせて頂きます。
ちなみに祝詞は本物の祝詞です。こんな事に使ったら罰が当たるかも・・・。
明日の夜、残りを投下したらそのまま2泊3日で島根の出雲大社にお参りに行ってリアル巫女さんを見てきます。
趣味はクルマと神社巡りなんです・・・。
出雲大社の主祭神のオオクニヌシはスクナビコナと一緒に日本国を整備した事と共に、数多くの妻を娶って子を残した
日本神話でも有数の性豪としても知られています。
お参りする事によって、何らかのインスピレーションが得られればいいですね!
>>181 角煮の天照スレもオヌヌメ
リアル巫女さん楽しむなら、早朝の方がよいと思われ
更に言えば、本殿より神楽殿の方がウロウロ率高い
近くで楽しむなら、八重垣の方が楽しめるかもw
どうぞ、良い参拝行を
メイデンフォースのパクリだな
どんな作品もどこかしらパクリなものよ。
一昨日から長々とこの場をお借りしましたが、今夜で最後です。
今日の属性は、MC・浣腸(スカ注意)・出産になります。
苦手な方はご注意ください。
ではよろしくお願いいたします。
「っくぅぅ・・・くるしいよぉ また出ない・・・」
結絵は便座に座ったまま脂汗をかく。
年頃の女の子にありがちな事だが、結絵もスタイルを気にするため食が細い。
当然そうなると便秘になりがちなのだが、結絵の場合はもう1週間以上も便が出ていなかった。
今回こそは!と期待してトイレに入ったものの、またしてもそれが出てくる気配はない。
「だめかぁ・・・」
結局、結絵はそれ以上頑張ることを諦めてトイレを出た。
「結絵さん?顔色が優れないようですけれど、どこか体調が優れないのですか?」
美樹は結絵の顔を覗きこみ、心配そうに言った。
「えっ・・・ううん、大丈夫だよ!」
「そうですか・・・」
結絵はとっさに強がって見せたが、肌の艶はなくなり、いつもの元気も影を潜めているのを見れば、彼女が本調子でないことは容易に見てとれる。
(美樹ちゃんに隠し事はしたくないな・・・)
そう思い直した結絵は、思い切ってここ最近の悩みを美樹に打ち明ける。
「え!?1週間以上もですか?」
「し〜っ!!美樹ちゃん声が大きいよ!!」
「あ、すみません。 でも1週間以上はさすがに普通ではないですね。 美容にもよくありませんよ。
それに便秘はこじらすと最終的には大腸ガンの原因にもなったりするって言いますし・・・」
「そうだよねぇ・・・ガンは怖いなぁ・・」
二人の間に沈黙が流れる。
「そう言えば、便秘に良く効くお薬があるとお母さまから聞いたことがあります。あした結絵さんに持ってきてあげますね!」
翌日
美樹は小さな紙袋を結絵に手渡した。
「お薬と言ってもこれはお浣腸なんですが・・・、効き目は優しいって言っていました。良かったら使ってみて下さい」
「うん、ありがと!」
結絵は自分の部屋に帰り、今しがた美樹に手渡された紙袋を開ける。
中から出てきたのはいわゆるイチジク型の浣腸だった。
正直、結絵は浣腸にまで手を出すのをためらって敬遠していたのだが、親友の美樹がわざわざ用意してくれたものを無駄にするのは気が引ける。
それに結絵自身、便秘による体調不良を我慢するのが限界に近かったことが後押しした。
それらの一つ一つはパッケージに入っておらず、どうやら一般に流通している物とは少し違うようだ。
結絵はそのうちのひとつを手に取ると、ぬるま湯で浣腸液を温めてからトイレに入る。
「うわぁ・・・緊張する」
初めての経験に不慣れな様子の結絵だが、気持ちの悪い感覚を我慢してどうにか肛門に挿入することに成功した。
―――つむっ・・・
「あっ・・・」
馴れない感触に結絵は思わず声を上げた。
―――ちゅうぅぅうぅ じゅりゅ・・・・
結絵はそのまま浣腸液を全て腸内に出すと、ゆっくり浣腸器を引き抜いた。
それから5分余り、結絵に久しぶりに訪れた便意は最高潮に達した。
結絵は括約筋の力を徐々に抜くと肛門からは久方ぶりとなる便が次々に出てくる。
「はぁぁぁ・・・」
結絵は一週間以上ぶりの排泄にほっと胸を撫で下ろした。
体に痞えているものが無くなり、結絵の体は文字通り軽くなった。
「明日、美樹ちゃんにはお礼を言わなくちゃ」
結絵は自分を心配してくれた美樹に感謝するとともに、やっぱり持つべきものは親友だなと感じていた。
しかし、結絵は気づいていなかった。
先程注入した浣腸液の中には小さい透明な卵の様なものが無数に含まれていたことを。
そして、注入された卵のほとんどが排泄されずに腸の襞の中に留まっていることを。
―――翌日
「美樹ちゃん、ありがとう助かったよ! おかげで絶好調だよ」
「ふふ、それは良かったです。また何かありましたら言って下さいね」
「うん!ありがと、美樹ちゃん」
太陽のように明るく微笑む結絵。
しかし結絵は、美樹の笑顔の下にどす黒く渦巻く本心に気付くことが出来なかった。
「う〜ん、また使おうかな・・・」
結絵はまた3日ほどお通じがなかった。
基本的に食生活は変わっていないので、一度排泄した所でまた再び便秘になることは自明の理だ。
きっとこれ以上体に溜め込んでは毒になるに違いない。
結絵はそう思ってまた美樹にもらった浣腸を使う事に決めた。
彼女は前回よりスムーズな手つきで浣腸液を腸内に注ぎ込むと、訪れる便意をじっと我慢する。
「くはぁぁぁ・・・・」
10分後、我慢に我慢を重ねた便意を一気に解放して黄金色の塊を一気に放出するカタルシスは病みつきになりそうだった。
―――2週間後の夜
美樹にもらった浣腸は3日前に使い切ってしまった。
定期的に排泄をしたので、そのままお通じのサイクルが正常に向かうことを期待したのだが、やはり自然な排便と強制的な排便では違うらしく、
また3日前を最後にぱったりと止まってしまっていた。
(明日あたりまた美樹ちゃんにお浣腸もらおうかな・・・)
結絵はベッドの中でそんな事を思っていた。
明くる日、美樹の部屋に遊びに来ていた結絵は、美樹にまた浣腸用意してもらうようお願いする。
「ええ、構わないですよ。前回少し余分に貰って来たので帰る時にお渡しします」
「えへへ、美樹ちゃん、ありがと!」
結絵はそう言って出された紅茶に口をつける。
その瞬間、
ぷちっ・・ぷちぷちっ・・・
何の予告も無しに結絵のお腹の中が突如熱をもったように熱くなる。
「ああぁっ!! いやぁぁぁっ・・・な、何なの・・・?」
それは、結絵の腸内に留まっていた卵が一斉に孵化を開始した瞬間だった。
孵化をした小さな線虫のような生物たちは、ビチビチと腸液の海を跳ねながら手近な腸壁に頭を潜り込ませる。
「ひぃぃっ うう・・・」
体の中心を熱く灼かれ、結絵はほとんど体を動かすことが出来なかった。
「あら?ついに孵りましたか。ふふっ、結絵さん。腸内で卵が一斉に孵化する感覚はいかがです?
結絵さんのお腹の中の蟲達は、今まさに頭を潜り込ませて結絵さんと同化しようと頑張ってるんですよ」
身動きが取れない程、もがき苦しんでいる親友を前に美樹は淡々と嬉しそうに喋る。
「そういえば結絵さん、またお腹の中に不要なモノを溜めこんでるんですよね?
家に帰ってからと言わず、今ここで出してしまったらいかがですか?」
美樹はそう言って立ち上がると、部屋の奥の引き出しから巨大なシリンダーとあの透明な卵がたくさん入った透明な粘液を持って来た。
「やめ・・てぇ・・・」
結絵は拒絶の意思を表すが、美樹は結絵が体を思うように動かせないのをいい事に、彼女のスカートを捲り、下着を降ろす。
そして結絵の体をうつ伏せにして尻を突き上げた格好を取らすと、美樹はシリンダーの中になみなみと粘液を充填する。
「さぁ、力を抜いてくださいね・・・」
―――つぷっ・・・
美樹はそう言うと、結絵のこじんまりとして可愛い菊門にシリンダーの先を挿入する。
「いやぁぁっ!!」
結絵は力を振り絞って液体が流れ込むのを阻止しようと尻を振るが、
「結絵さん、あんまり動いてしまっては腸壁を傷つけて取り返しのつかない事になりますよ」
優しく脅迫する美樹の言葉に怯え、結絵は抵抗することをやめた。
美樹がシリンダーの後端を押すたびに、ひんやりとした粘液が結絵の腸内に流れ込む。
結絵はその地獄の責め苦を甘んじて受けるほかなかった。
やがて中身を全て注ぎ込んだ美樹は、結絵の肛門からシリンダーを引き抜く。
その時ぷしゃっ、と力の入らない結絵の肛門からは注入した粘液が溢れ出てしまった。
「あらあら、お尻に力が入らないんですか? でしたらこれを貸して差し上げます」
そう言って美樹はアナルプラグを取り出して結絵の肛門にぎゅっと挿入する。
「うっ・・く いやぁぁ!!」
異物を肛門に詰められ結絵は思わず声を上げる。
そして美樹は結絵の体をひっくり返し、仰向けにしておしめを取り換えるようなポーズを取らせると、
大量に粘液を注入され、膨らんだ結絵の下腹部を愛おしそうに撫で、何物も踏み入った事のない結絵の膣口に舌を挿しこむ。
ぺろっ・・・ちゅっ にゅっ にゅるっ・・・
「いやぁっ・・・やめて 美樹ちゃん・・・そんなとこ 汚いよぉ・・・」
そんな結絵の懇願を無視して美樹は一心不乱に結絵の膣内を舐めまわす。
一通り舐め終わった美樹は結絵の秘所からすっと口を離すと、
「汚いなんて事ありませんよ。結絵さんのものでしたら例え排泄物であっても口に出来ますわ」
そう言って今度は結絵のクリトリスを口に含む。美樹は丁寧に唇で皮を剥き、現れた小さい若芽を舌先で優しくこする。
「ひぁぁぁっ!!」
今まで触れた事のない神経の塊を優しく愛撫され、拒絶する意識とは別に徐々に結絵の体は快感を感じ始めていた。
美樹は手技と舌技を駆使して徹底的に結絵の秘唇を責め立てる。
すると、やがて
―――ぐるるるっ ぎゅるる
抵抗することを半ばあきらめて、されるがままでいた結絵の下腹部がごろごろと音を立て始める。
「ふふっ、結絵さん。そろそろこちらがキツくなって来たんじゃありませんか?」
コクンと首を縦に振る結絵。
「そうですか・・・、では出したくなったらお願いをして下さい」
「え・・・?お願いって?」
「そう、お願いですよ。何をどうしたいか解りやすく私に伝えて下さい」
(うそ・・・、そんな事言えないよ・・・)
結絵はそう思った。
「言いたくないんでしたら結構です。そのままそこで指一本動かせずに悶え苦しんでいて下さい」
―――しばしの沈黙。
美樹にお願いすることを拒んだ結絵は大腸や結腸が蠕動する苦痛に耐え、じっとりと全身から脂汗を浮かべていた。
排泄できない苦痛に悶える結絵を忖度する様子もなく、美樹はまた黙々と結絵の膣を舐めまわす。
少量ならばともかく、あれだけ大量に浣腸された結絵の我慢はそれほど長く続くはずもなかった。
「うぅ・・・出したいよぉ・・」
結絵の秘所から口を離し、美樹が尋ねる。
「何を出したいのですか?」
ストレートに聞かれた結絵は口篭もる。
「・・・う ・・んち 出したいです・・・」
「何ですって?よく聞き取れません。それが他人にお願いする態度なのでしょうか」
「うんちを出したいです!!もう苦しいの!助けてぇ!!」
涙で潤んだ目で結絵がはっきりとお願いをしてきた事に、美樹は全知全能の神になったような支配する悦びを感じていた。
「可愛いですね、結絵さん。私も結絵さんがそんなにも苦しむ姿を見たくありません。 いいでしょう、結絵さんを解放いたします」
そう言って美樹は結絵のアナルプラグに手をかけた。
「ちょ・・・えっ? ト、トイレに連れてってくれるんじゃないの?」
「いえ、そのままここでして頂いて構いませんよ」
「いやっ!恥ずかしい!! 床が汚れちゃう・・・」
「私は構いませんよ。先程も言った通り、結絵さんに汚い所なんて無いのですから・・・」
美樹はアナルプラグを躊躇いも無く、ぐっと引き抜いた。
―――ぶしゃあぁぁぁっ!!
「いやぁぁぁっ!!」
結絵の悲鳴と共に茶色い液体が結絵の肛門から噴き出す。
しかし結絵はトイレ以外の場所で排泄するショックを感じる間もなく、予想外の感覚に戸惑う。
「・・・なにこれ・・・ き・・きもちいぃ・・・」
排泄物の塊が大腸を通り、肛門を通過する度に結絵は信じられないような快感を感じていた。
「気持ちよさそうですね。 結絵さんの腸と肛門には先程の蟲たちが喰いついて同化を始めてるはずです。
その仔達は結絵さんの神経と直接つながって、何らかの刺激を受けるたびに
宿主である結絵さんに人外の快感を提供するんですよ」
美樹の言葉はほとんど結絵に伝わっていなかった。
腸内の排泄物が移動する度に頭が絶望的な快感が襲ってきて、結絵は正気を保つのが精一杯だった。
結絵がその小さな肛門から黄金色の迸りを出すたび、膣から愛液が溢れ出てくる。
「あ・・・あがっ・・・あはぁっ・・・」
可愛い顔を醜く歪めて、結絵は暴虐的な排泄の快感を小さな体で受け止めていた。
結絵が目を覚ますと、そこに美樹の姿はなかった。
自分が排泄したはずの汚物は綺麗に片づけられ、汚れてしまった体まで綺麗に清められている。
鉛のように重い体を動かすと、結絵は美樹の部屋を後にした。
夕暮れの街の中を結絵は疾走する。
心臓はオーバーレブし、呼吸も限界だったが、それでも彼女は走った。
結絵は親友だと思っていた美樹があんな風に豹変してしまった事に深いショックを感じていた。
『美樹ちゃんを助けたい』
一心にそれだけを願うと、力になってくれるに違いないもう一人の仲間のもとに急いだ。
―――ピンポンピンポンピンポン!!
結絵は乱暴に呼びだしのベルを鳴らした。
はい、という言葉と共に中から綾音が出てきた。
「どうしたんですか?そんなに急いで」
そんな自然体な綾音を見ると、結絵の心が一瞬で安らぎ、代わりに堰を切ったように大粒の涙が両方の瞳から溢れる。
「ひっ・・・ひぐっ みきちゃんがぁ・・・みきちゃんがおかしくなっちゃったぁ・・・」
玄関前で大泣きをし始めた結絵を見て、綾音は自分の部屋の中に招き入れる。
「どうぞ、これでも飲んで落ち着いて下さい」
綾音は電子レンジで温めたホットミルクを結絵に差し出した。
結絵はミルクにちびちびと舌を付けると、体と一緒に心まで温まってくる気がする。
「それで、美樹さんが一体どうしたんですか?」
結絵は一呼吸置いてから喋り出した。
「何か・・・美樹ちゃんがいつもの美樹ちゃんじゃなかったの・・・。何かに乗っ取られてるって言うか・・・。
普段なら絶対に言わないような冷たい言葉を言ったり、いやらしい事をしてきたの・・・」
ふん・・・と一瞬考えたような仕草を見せた後、綾音は口を開く。
「いやらしいって、どの位いやらしかったのですか?」
「え?」
結絵は質問の意味が理解できずに聞き返した。
ポカンと口を開けている結絵を尻目に綾音はやおら立ち上がると、ふぁさっと突然着ていた服を脱ぎ始め、結絵の前で全裸になってしまった。
想像の斜め上を行く綾音の行動に結絵はマグカップを持ったまま固まってしまう。
「結絵さん、この私と美樹。どっちの方がいやらしいですか?」
綾音はそう言うと結絵の目の前で濃厚なオナニーを始める。
膣に挿入した指を鉤状に丸め、反対の手で形が変わる程胸を揉みしだく。
ちゅっ くちゅっ くちゅっ・・ ぐちゅっ・・・
「うん・・あはぁっ・・ くはぁ 」
ごぷっ、と膣から溢れて来た愛液は早くも白濁し、綾音が本気で感じている事を証明する。
思考が停止して現実感が全く湧かず、TVの中の出来事のように眺めていた結絵だが、意識がふと我に返った。
「きゃあぁぁぁっ!!」
結絵は持っていたマグカップを床に落とすと、縺れた足のまま何度も転びながら玄関まで行く。
ほんの数メートルしかない廊下がひどく長いものに感じられる。
玄関に置いてあった靴を何とか握りしめると、裸足のまま結絵は綾音の家を飛び出した。
「なんで・・・なんで・・・」
結絵は誰に問うわけでもなく疑問を口にする。
「美樹ちゃんだけじゃない・・・綾音ちゃんもおかしくなってる・・・」
頼る人がいなくなってしまった結絵は、最後の望みの綱である麻衣の部屋に向かって全力で走っていた。
何とか靴を履き走る事が出来た結絵だが、足の裏は砂利で傷つき、両膝や肘も転んで擦り傷をたくさん作ってしまっていた。
体中のあちこちから、もう限界だと悲鳴が上がる。
綾音の家から麻衣の部屋まではこんなにも距離があったものなのか・・・。
日が沈んで辺りは暗くなり、人影がほとんど無い道を走っていると、
結絵はこの世界に自分の味方が居なくなってしまったんじゃないかと急に心細くなる。
美樹と綾音。共に誰よりも信頼していた二人に裏切られたショックは、結絵の心を限りなくネガティブにしていく。
それでも結絵は必死に歯を食いしばって麻衣の部屋に向かっていた。
―――ドンドンドンドンドンッ!!
扉が壊れてしまうほどの勢いで激しくノックする結絵。
今の時間ならおそらく麻衣は居るだろう。
「麻衣さん!・・・っ麻衣さん! 開けて!! 助けて!」
力強く打ちつけて赤くなってしまった拳は、それでもなお必死にドアを叩き続ける。
―――ドンドンドンドンッ!!
そんな彼女の後ろからすっと近づいてくる人影があった。
しかし夢中でノックをしている結絵は背後に迫る人影に気づかない。
そして、
すっ・・・
「むぐっ・・・!?」
大きく肩で呼吸をしていた結絵は、口元にあてがわれた布から発する刺激臭を思わず吸い込むと
結絵の視界は途端に暗くなり、そのまま意識を失ってしまった。
「・・・・んっ・・・」
結絵は軽く呻くとゆっくりと目を覚ます。
ぼんやりとにじむ視界が徐々にクリアになる。
そこは見た事のない部屋だった。
うっすらと寒さを感じると思ったら、結絵は着ていたはずの服を脱がされ全裸になっていた。
「痛っ・・・!」
痛みに違和感を感じてそちらに目をやると、彼女の細い両手首は太い麻縄の様なもので拘束され、
爪先立ちになるかならないか位の位置で天井から吊るされている。
結絵は気を失う前の記憶を手繰り寄せ、状況を整理する。
(あれ・・・確か 麻衣さんの部屋をノックしてたら、急に変な匂いがして意識を失ったんだっけ・・・?)
(っていう事は麻衣さんも誰かに襲われてしまったかも・・・!!)
―――ガチャッ
突如、ドアが開く。
部屋に入ってきたのは麻衣だった。
「麻衣さん! 無事だったんですね!! 良かったぁ・・・」
結絵は麻衣が無事な事を確認するとほっと胸を撫で下ろした。
「麻衣さん、これ 手首が痛いんですぅ。 解いてくださ〜い」
ようやくこの辛い体勢から解放されると思っていた結絵だが、目の前で腕を組み、全く縄を解いてくれる素振りを見せない麻衣を見て
とてつもなく嫌な予感に襲われた。
「え・・・? まさか・・・麻衣さん?」
麻衣は妖艶に微笑むと、扉の外に向かい呼びかける。
「あなた達、入りなさい」
結絵は反射的に扉の方を向くと、そこから綾音と美樹が中に入ってきた。
「ひっ・・・!!」
部屋に入ってきた二人は何も感情を持たないガラス玉の様な瞳で結絵を凝視し、麻衣の後ろに控える。
「フフ、そうやって縛られている結絵の姿、とっても素敵よ」
「麻衣さんも・・・おかしくなっちゃったんですか・・・?」
「おかしくなった? いいえ、私はしっかりしてるわ」
「もしかして、3人とも妖魔に操られているんじゃぁ・・・」
「確かに、私たちは妖魔界に身を捧げる事を誓ったわ。でも、私も綾音も美樹も自ら進んでそれを選択したのよ」
「やっぱり・・・。麻衣さん、美樹ちゃん、綾音ちゃん、お願いだから目を覚ましてぇっ!!!」
「結絵、あなたは勘違いしているわ。本当に目を覚ますべきなのは結絵、あなたなのよ」
「どういうことですか!?」
「あなたも妖魔界に身を捧げなさいと言っているの」
「なんで!?妖魔は悪い奴なんだよ!そんな奴らに操られちゃだめぇ!!」
「妖魔が悪い? それは本当なのかしら」
「そうに決まってるじゃないですか! だってそんなのは昔から誰もが知っている事じゃないですか!!」
ふぅ、と一呼吸置くと麻衣は結絵に問いかける。
「何故、妖魔が悪者なのかしら?」
(何故って言われても・・・)
「妖魔は悪い奴だよ!! だって人間に危害を加えるもん」
「確かに知性の低い下級妖魔は、偶然その場に居合わせた人間に危害を加えてしまう事もまま有るわ。
だけど、それがどうかしたのかしら?」
「え!?」
「偶然人間に危害を加えてしまったとして、それは妖魔全体を滅しなければならない程の理由なの?」
「うぅ・・・ そうだよ!妖魔は滅しなければならないもん!」
「そう・・・では、あなたの理論だと人間に危害を加えたライオンという種族はこの世から根絶やしにしなければならない。そういうことなのね?」
「・・え ??」
結絵の頭は混乱していた。
幼い頃から妖魔は敵だ、倒さなければならない敵だと教え込まれ続けたので、今の今まで妖魔を滅する事に何の疑問を持った事も無かった。
しかし、いま改めて問われると麻衣の言う事の方が筋が通っている気がする・・・。
今までの価値観と新たな価値観が結絵の頭の中でせめぎ合い、彼女の思考回路がショートする。
結絵の頭のショートした空白地帯に悪魔の様な麻衣の囁きがするりと滑り込む。
「ねえ、結絵。本当は平和に暮らしていた妖魔達の世界を脅かした侵略者は他の誰でも無い、私達退魔師なんじゃないかしら」
「・・・本当の悪者は、 あたし達・・・?」
麻衣の言葉が紡ぐ新たな価値観は、まるでウィルスのように結絵の思考に寄生して増殖すると、あっという間にその思考を汚染する。
「・・わたしたちが ・・・・・わるもの・・・?」
結絵の瞳は段々と光を失い、濁っていく。
麻衣は結絵のアイデンティティーがガラガラと音を立てて崩れて行く様子を見てニンマリと微笑む。
「そうよ、本当に悪いのは私達なの。 悪い事をしてしまったら何をしなければならないの? そう、償いよ」
「 つぐない?・・・ですか?」
「今まで私たちが滅してしまった妖魔の数を元に戻すよう、妖魔界に貢献するのよ」
「な・・・なにをするんですか?」
「妖魔を産むのよ」
「妖魔を産むんですか・・・?」
「そう、減らしてしまったのだから増やせば良いだけ。簡単な話よ」
「・・・・・・・」
沈黙が部屋に響き渡る。
結絵の心は九分九厘麻衣に従おうと決めていた。
しかし、最後の最後で何かが結絵を踏みとどめる。
心の中で葛藤を続ける結絵の体を、突然ふわりと良い匂いと温かい体温が包み込む。
ふと見上げると裸の結絵の体を美樹が抱きすくめていた。
「結絵さん、無理をしないで下さい。 心配しないで。さぁ、私達と一緒に罪を償いましょう」
「み・・みきちゃぁん・・・・」
結絵は聖母のように優しく抱擁する美樹の胸元に顔を埋めると、今まで味わったことのない安心感に包まれる。
「そうですよ、結絵さん。 妖魔界に償いながら私たちも気持ち良くなれる・・・こんな素敵な事は無いんじゃない?」
綾音はそう言いながら結絵の背後に回り込むと、結絵の後ろの窄まりにそっと指を入れる。
くちゅっ
「ひぅぅっ!!」
「さぁ、結絵さん心と体に素直になって・・・全てを受け入れましょう」
ぐっちゃ ぐちゃ くちゃっ
すっかり忘れていた快感が瞬時にフラッシュバックする。
「あぁ・・・き、きもちいいよぉぉ・・・」
美樹に頭を撫でてもらいながら綾音に肛門を掻き回してもらうと、結絵はえも言われぬ幸福感を感じる。
肛門を責める綾音の指は1本から2本に、そして2本から3本に数を増やしていくと、結絵の膣口からはそれに比例するように愛液が流れる。
「あひぃ・・・みきちゃん おかしくなるぅ!・・・おかしくなっちゃうよぉ!」
快楽と恐怖に結絵は怯え、美樹の胸元で悲鳴を上げる。
「今、楽にしてあげますね」
美樹はそう言って結絵の両手首を拘束している縄を解いてやると、結絵は小さな子供のようにがばっと美樹に抱きつく。
「ひぃ!! ひぃぃ!! もう・・・だめぇ・・・」
下半身からせり上がってくる快感の波に呑まれないように一層強く美樹にしがみつく。
そして、徐々に挿入する指の数を増やしていった綾音が遂に拳を丸々肛門の中に挿れてしまう。
「あぎゃぁぁぁぁっ!!!!」
蟲に寄生された結絵の肛門は柔軟性に富み、裂ける事無く綾音の拳を受け入れる。
ぐちゅっ!ぬちゅっ!!ぎゅちゅっ!!!
綾音が拳を突き入れるたびに結絵の薄い腹はボコッ!ボコッ!と膨らみを見せる。
常人では苦痛以外の何物でもない行為だが、腸壁や肛門に同化した蟲達の尻尾は
刺激を受けるたびに何倍にも増幅した快感を結絵の神経に伝える。
愛液なのか腸液なのか尿なのか区別のつかない液体を撒き散らしながら結絵は拳を受け入れた。
その傍らに寄り添って麻衣が呟く。
「10年前、上級妖魔との闘いに敗れた私は妖魔達の苗床にされるべく、犯しつくされたわ・・・。
でも残念なことに、私の体は妖魔を受胎することが出来なかったの。
私を苗床にすることを諦めた彼らは、私の子宮を人間の物とそっくりなダミーのものにすり替えたわ。
その後解放された私は救助され、全身を洗浄され清められた。
だけど周りの人は勿論、私自身も子宮そっくりに擬態した妖魔になっていた事に気付かなかったの。
それから10年、子宮に擬態した妖魔は少しずつ少しずつ私の人格を乗っ取ったわ。
そう、私の中の子宮が囁くの・・・。『償え・・・苗床を、苗床を妖魔界に捧げよ』ってね。
あなた達ほどの霊力の高い若い子宮なら上級妖魔をたくさん産む事が出来るわ。 思う存分その身を捧げなさい」
美樹が結絵に優しく話しかける。
「だそうですよ、結絵さん。 これから頑張って元気な赤ちゃんを一杯産みましょうね」
「産むぅ!! 赤ちゃんいっぱい産むぅぅぅ!!!!!」
「そうそう、美樹。あなたはその触手パンツを穿いたままでは妖魔を産むことはできないわね・・・。
あちらに行ったらあなたの心臓をその触手パンツと同じ機能の物に取り換えてあげるわ。
想像してごらんなさい、きっと気持ちいいわよ・・・。 心臓が鼓動する度にあなたの中の不浄な人間の血が浄化されていくのよ」
「はい!! ありがとうございます・・・」
背後から結絵の菊門を奥深くまでフィストファックしながら、綾音は結絵に尋ねる。
「じゃあ結絵さん、そろそろ聞かせて下さい。妖魔界に未来永劫忠誠を誓いますか?」
「忠誠を誓います!!私の体は妖魔様にささげますぅ!!!」
「よくできました。それでは結絵さん、イってください・・・」
綾音はズン!をより一層奥まで腕を突っ込むと、結絵の腸内をメチャクチャに突く。
「あひぃ・・何か来るぅ!! イっちゃうう イっちゃうよぉ・・・ あああああぁぁぁぁぁああっぁぁっ!!!」
涙、鼻水、よだれ、汗、愛液、尿、潮、腸液・・・・結絵の体の全ての体液を噴出し、壮絶なアクメを迎えた結絵。
しかしその顔はどこか安らいだような表情を見せ、結絵の意識は闇に沈む。
その下腹部には美樹や綾音とお揃いの刻印が浮かび上がっていた・・・。
妖気と瘴気が織りなす異次元の空間。
妖魔界の片隅で三人の少女は仰向けになって横たわっている。
少女たちは一様に皆、年齢に不相応な大きい腹を抱えて、終わりの無い凌辱に身を委ねている。
それは、かつて退魔の巫女のホープと呼ばれていた少女達のなれの果てだった。
彼女たちの傍にはヒト型の形をした妖魔達がぐるりと彼女達を取り囲むように立っており、白濁の粘液にまみれた彼女らを見下ろしていた。
妖魔の中でもヒト型を維持できる妖魔は数少ない。よって、彼らはかなりの上級妖魔と推察できる。
彼らの影から生まれた触手はいたいけな少女達の性器をこれでもかという程掻き回す。
一時も休むことなく挿入され続けた彼女らの膣は無残にも赤く腫れあがっていた。そこに追い打ちをかけるように妖魔達は熱い粘液を射精する。
誰が見ても明らかに身篭っているのにも拘らず、妖魔達は手を緩めることなく全力で快感を与え続ける。
それは、仔を宿してから出産するまでの間母体がイけばイく程、より強大な力を持った妖魔が産まれてくるからである。
食事をとることも眠ることも無いまま、イかされ続ける彼女達であったが、
それぞれの体に寄生している蟲や妖魔が瘴気をエネルギーに変え宿主に供給する為、彼女達は休息を必要としなかった。
どれほど時間が経ったのだろう。
不意に大きな腹を揺らしている巫女の一人が声を上げる。
「はぅぅぅ・・・ 産まれちゃうよぉ!!」
びちゃっ ぶしゃぁぁぁっっ!!
絶頂よりも激しく下腹部を波打たせながら、大量の羊水を胎外に排出する。
「あぁ・・・羨ましい 私も産みたい・・・」
「あぁん! はぅぁん! 結絵 さん がんばって・・・」
隣で結絵が産気づいた事に気付いた綾音と美樹は、羨望の眼差しで結絵を励ます。
結絵は出産に備えて股を大きく広げ、虚空を掴むように足の指先をぎゅっと丸める。
「ひぎぃぃぃ!うまれるぅぅ!!!!」
出産することに苦痛は無い、そこに待ち受けるのは絶望的な程の巨大な快楽。
結絵が絶叫すると産道はこれ以上ない程拡張を強要され、ボトっ・・・という音と共に中から臍の緒のつながった異形の物が生み出される。
―――アギャァアァァァ!!
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「ふふっ、また元気の良い仔が生れたわね。これで何体目かしら?」
どこからともなく現れた麻衣は結絵が産み落とした妖魔を拾い上げると、臍の緒を丁寧に切る。
「じゃあ、続けて頑張ってね、結絵」
まだ目も開かぬ妖魔の仔を両手で抱えると、くるりと踵を返す。
周りにいた妖魔達は少女の腹の中が空になったことを確認すると、一斉に大小無数の触手を出産直後の膣に突きたてる。
その凄まじい触手の圧力は、出産をして元に戻った腹を再び臨月間近の妊婦のように膨らませた。
「あひぁっ! ひぃっ だめぇ イきすぎちゃうよぉ・・・あたまおかしくなるぅ」
膣が快感でビクビクっと収縮する度に、結絵の乳首からは噴水のように母乳が噴き出る。
「あひぃ・・んぁ・・・あ あっ・・・」
「うぁぁっっ! くはっ・・・んはっ・・・ひぃぃ 」
「きもちぃぃ もっとぉ・・・ もっと突いてぇ・・・」
ぐちゃぐちゃとした水音と少女達の喘ぎ声は永遠に途切れることなく、無限の彼方まで木霊する。
これからもずっと彼女達は妖魔の仔達を生み続けるだろう。
そして、その末路を知る者は誰もいない。
―了―
以上で終わりです。お付き合いいただき有難うございました。
>>182 情報THX
時間があれば八重垣と美保もまわりたいです。
>>183 ご指摘ごもっともです・・・。
以前私もメイデンフォースを読んだ事があります。素晴らしい内容のSSで自分好みのシチュが多く、感動しました。
今回、妄想に任せて書き殴っている途中、正直に言うと、自分でも似ているなと思ってしまいました。
なので違いが出るように色々修正を加えて、一応あちらのSSと一線を画す物が出来たと自分では思っていました。
ですが、そうご指摘を頂いたという事は、単純に私の力量が無かった事に他なりません。
今回投下したのは、今までSSと言う物を書いた事が無かったので、
次回以降またSSを書くことがあった時に皆さんの批評を参考にしようと思い立ったからです。
ですので、他人の褌で相撲を取り二匹目のドジョウを狙ったつもりは毛頭ありませんでした・・・。
不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません。
後学の為に、他の方々もネタは勿論、文章の読みにくかった所などを指摘して頂けると嬉しいです。
もっと実力が付くまで勉強して来ますので宜しくお願いいたします。
有難うございました。
あ、読み返したらミスを発見しました。
麻衣は10年前に彼女の子宮を子宮そっくりに擬態した妖魔と交換させられました。
あとは脳内補完よろしくです。
>>196 初めてとは思えない、素晴らしいエロい作品だったぜ……ふぅ
蛭に線虫と生理的嫌悪感を催すようなものを寄生させたところとか、凄い好みだ。
個人的には乳を改造されるとか、触手を生やすとかして欲しかったが……w
確かに既存の作品に似てしまうところはそれを知ってる限り仕方ないと思うが、
そこを差し引いてもこれだけのクオリティを見せられれば十分だ。
>>127 乙×風氏
読み終えるたびに期待感が増すばかりです
そういやあのシュトリさんも桃髪に紅眼のロリっ娘か・・・
もう4年経つことにも驚きだけど、そこらの書籍よりよく作り込んでるなぁ
>>195 GJでした、下着依存症なおにゃのこ大好きです
巫女さんがエロいのは同意なんで、機会あったら巫女服を活用したシチュもお願いしますw
「妖魔界に対して忠誠を誓いなさい」っていう追い込みの台詞が入るところとか、もろメイデンフォース
投薬と称した精子中毒、堕ちの印が現われるくだりとかも、
こうなると・・・と考えざるをえなくなる
私にとっても好みのシチュだし、文章も頑張ってるし、工夫もしてると思うけど、
一線を画すところまではいってない・・・と思います
特定の作品がどうとかいうよりまず空っぽいと思ったな
空の短編とか心研の外伝とかでありそうな話だった
即堕ち連鎖堕ちは大好物なんで美味しく頂いた
最近空の更新も無いし次も楽しみに待つことにする
>>196 GJ!…半年なんて言わないで旅先から帰ったら即新作の執筆を是非に是非に
そのためにも素敵な参拝である事を祈っております
(もちろんエロパロ板的な意味でw)
個人的には、今回は結絵のお話で帰結させといて、妖魔界の3人陵辱&出産シーンだけでもう1話欲しかった所です
まぁ、何だ、折角出雲に行くんだから
黄泉比良坂で、岩の先に潜って何かに憑かれてくるとイイのが書けると思われ
…おや、こんな時間にふすまの向こうから物音が…
「〜〜に忠誠を誓いなさい」ていうくだりは責め台詞としてよく使われる
精子中毒にいたって二次元ドリーム文庫の常套手段
堕ち刻印とか紋様だって、SMにおける首輪のように、悪堕ちジャンルでは人気ファクターの一つ
この程度が類似がパクリっつうと、エロパロ創作なんかやってられなくなる
この作品は紛れもなく
>>196さんのものであり、作者は負い目を感じる必要は何も無い
まあメイデンフォースを知らない人もいるわけで これはこれでいいとおもうよ
作者さんは205の言うとおり負い目を感じるのはまったくないわけです
自分もSS書きで最初はパクりから始まったよ
でも今に妄想していたらオリジナルのいいものができたし
ただ自分の作品で抜けないのと、長編だと創作意欲が突然となくなってしまうのがネックだがw
最初でこれならGOODとしか言いようが無いです!
今頃になって巫女作品よんでたけど
一番最初の子のシーン別の巫女作品で
似たようなの読んだことある気がする
まぁこういうの好きだから似てても全然構わない
むしろもっと来てもおkだけど・・・
ID:7+38ODKuは元ネタ知らないんだな
神は丸いものに寄生されていいものに生まれ変わるんだぜ?
要はGOD+O=GOOD ってだけのことだが(
誰馬GJ
空め…新作をうpしおった…
いいぞもっとやれ!!!!
ふう……全く触手がもげてもげてしょうがない。
贖いの巫女の方GJでした。もし続きがあるなら期待しています。
パクリ云々については……私からはあまり強く言えません。
読者の方の気持ちも理解出来ます。
ですが初めてのSS、それに加えて退魔モノというメジャーなジャンル。
設定やシチュが被るのもしょうがないしょう。
どっちが正しいとかそういう問題ではないと思います。
なのでパクリ云々に関しては、あくまで読者の一意見として受け止めるといいと思います。
その意見を生かすも殺すも作家次第。ってな感じです。
以前の私が書いた退魔モノのシチュも、とあるエロ漫画からパクったものですからねw
だから『パクり』という言葉に過剰に囚われる必要もないです。
ですがそれに甘えるのもどうかと思うのです。
大なり小なり自分なりの味付けをして、作品の個性を出せばいいじゃないでしょうか?
神社参りや、旅行が趣味ならそれで得た知識も大きなアドバンテージになるでしょう。
私は基本面倒臭がりなので必要最低限の資料集め以外は全くしませんしw
祝詞とかさっぱりです。
リアル巫女さんも私は年に一回見れたらいい方なのでちょっぴり羨ましいですよぉ。
さて。何様だよお前的な世話焼きもそろそろ見苦しくなってきたでしょうか。
ここからは私のターンといきましょう。
いつものように永久の果肉、投下します。
前回エロ話だったので今回はエロ控え目です。
前半はマリオンの過去話や死んだリオのお母さんのお話です。
後半は覚醒リオの悪巧み。新キャラの女魔術士がその毒牙に掛かります。
以下NGワードです。
(過去話、新キャラ追加、股からお花、エロ微量)
ではどうぞ。16レス消費します。
第六話 リビディスタの事情
それは今から十二年前のお話。
『あら、マリオン! 良く来てくれたわね!』
思い出の中、その女性の笑顔は輝いて見えた。
腰まで伸びる桃色の髪。赤と緑のオッドアイ。女として成熟した体。
自分には無い魅力を、その女性は全て持っていた。
彼女の名前はリシュテア=セイレン。
リビディスタの隣町で娼館を運営している女性だ。
訳あってリビディスタの街に引っ越してきた。
リオの母親である。
『ほんとマリオンくらいよ? 私のところに来てくれるのは。
あの人もたまに来てくれるけど、すぐに帰っちゃうし。ドルキなんて来る筈もないし。
親があんなのじゃマリオンも苦労するでしょう?』
『うん。してる。お父様もお母様も厳しい』
武芸の家柄であるリビディスタの末娘として生まれたマリオン。
この時、彼女はまだ六歳だったが既に両親から英才教育を施される。
他者より優秀であれ。他者よりも強くあれ。親も超える戦士となれ。
剣の特訓を見物させられ。文字の読み書きと共に魔術の基礎を叩き込まれる。
だが若干六歳の少女にとってそれは苦痛でしかなかった。
けれどリシュテアと一緒にいる間は、楽しい。
彼女の家は代々娼館を営むらしく、そのおかげで色んな人達と出会ったらしい。
歴史があれば評判もいい。店の女達もだ。
そしてそれを取り仕切るリシュテアもまた、いい女だった。
気さくで人付き合いが得意。面倒見の良い姉御肌。
その上見た目も特徴的でスタイルは完璧だ。
母のドルキも魔術師としては優秀だが、リシュテアの足元にも及ばない。
人間として。また女として。
だからマリオンは隙を見てはリシュテアに会いに行くのだ。
こっそりと屋敷を抜け出して。
帰ったらきっと母の雷が落ちるだろう。別に構わないが。
『ごめんなさいね。折角来てもらったのに、ろくなもてなしも出来なくて』
そう言って女性は儚く笑う。
『いい。私が勝手に来てるだけ』
『そう言ってくれると助かるわ――あ、そうだ!
ちょっと待っててね? こないだあの人が美味しい紅茶を持ってきてくれたのよ。
素直に大丈夫か? 調子はどうだ? とか言えばいいのに。
あの人ってば物で人のご機嫌取ろうとするんだから。ほんと不器用。
という訳でちょっと待っててね?』
『あ、別にいい。無理しないで』
『えー。折角のお客様だもの。お茶くらい淹れさせてよ』
『でも、横になってないと』
『マリオンが来るまで、ずっと横になっていたわ。
少しは立って動かないと、足が退化しちゃうもの』
『いや。しないし』
よっこいせっと――声を上げてベッドから降りるリシュテアを不安な面持ちで見詰める。
寝巻き姿で床に降り立つリシュテア。その彼女のお腹は異常な程膨らんでいた。
彼女は妊婦だった。もうすぐ妊娠十ヶ月だ。体に無理をさせられる時期ではない。
『っ!? げほっ! げほ!』
『ほら。もう、横になって』
急にむせ込んだリシュテアをベッドに押し戻す。彼女の顔色は悪い。
妊娠のせいだけではない、病に掛かっていたのだ。
リビディスタのお抱えの医者が薬を持ってきてくれるが、妊娠中なので強い物も使えない。
タイミングが悪いとしか言いようが無かった。
『お茶、自分で淹れるから。お義母様の分も』
『うー。ごめんなさいねぇ? もてなすどころかこんな事までさせて』
『お義母様に無茶させるよりかマシ』
『でもマリオン? 貴女お茶の淹れ方知ってる?』
『――知らない』
『全く。あの脳筋どもは。仮にも良家のお嬢様なんだから。
お茶の淹れ方の一つや二つ教えなさいっていうの――マリオン、私が指示するわ』
その後、リシュテアの言葉に従い、マリオンは初めての給仕をする事になる。
息が詰まりそうな剣と魔術の勉強よりも、それはよっぽど楽しかった。
だが結果の程はと言うと。
『――熱っ!?』
『あ、ごめんなさい…そう言えばお義母様、猫舌だった』
『あーん。いいのよ。普通の人なら丁度いい熱さだと思うし』
『私、ふーふーする』
『ふふふ。ありがとう。マリオンは優しい子ね』
『ふーふー』
褒められるのが恥ずかしくて、照れ隠しにリシュテアの紅茶を必死に冷ましていた。
その間、リシュテアは色々話を振ってくる。
この街は活気もあって人も多いけど華がない、とか。
武装している剣士が殺気立ってておっかない、とか。
いい薬草が取れる筈なのに私には何の役にも立たない、とか。
将来はどうするの、とか。他にも――
『ねえマリオン? この子の名前、どうしようか考えているんだけど』
リシュテアが、自分を腹を撫でながら問いかけてきた。
本当に幸せそうな顔をしていた。まるで聖母のような。
(ドルキお母様も、私がお腹の中に居た頃はあんな顔を浮かべていた?)
自分の母が慈しみの表情を浮かべるところはちょっと想像出来なかった。
むしろ気持ち悪い。あの人には仏頂面しか似合わない。
『女の子? 男の子?』
『女の子よ。半分しか血は繋がってないけど貴女の妹よ』
『妹…』
その言葉の響きに、胸がジーンとしたのを覚えている。
お姉さんになる。その事実が少し誇らしかった。
そしてもし妹が生まれたら、自分のように辛い目にあって欲しくない、そう思った。
『――リオ。リオがいい』
『リオか――うん! 決定! 可愛い名前じゃない!』
『え? いいの? リオで?』
『何よマリオンが言い出したんじゃない。
――ってあら? マリオン? リオ? マリオン――
貴女、自分の名前から二文字取っただけ?』
『ばれた』
『あははは! 何よそれ! もうちょっと考えてよ! 私の大事な娘なのに!』
『じゃ、じゃあ、お義母様は何か考えたの?』
『んーそうねぇ――クロとか!』
『いやそれダメだと思う』
『じゃあシロで!』
『どうして猫っぽいの?』
『にゃーん♪』
『…………』
『やだちょっと白い目で見ないでよっ。
自慢じゃないけどね、私の猫さんのコスプレとか、お客様に大うけなんだからね。
元気になったら、マリオンにも見せてあげる』
『歳、考えれば?』
『何か言ったか小娘』
笑顔で言ったその時のリシュテアが怖い事怖い事。目が笑っていなかった。殺気を感じた。
子供心に大人の女性を怒らしたら命が無い、と感じたのを覚えている。
『――ってお母様が言ってた』
だから取り敢えずは母に罪をなすりつけた。
『って、ああドルキねっ? あはははっ。嫌だわ私ったら早まっちゃって。
それにしても――ふふふ。あのアバズレ。いつか目に物見せてやるわ♪』
ほんと。大人の女は怖い。
(でも、面白い)
リシュテアと話をしている時だけが、安息の時間。
だが。それがすぐに潰える事になるとは、この時思ってもみなかった。
『――それでね。あの人ったらベッドの上だとまるで野獣みたいになるの』
『男は皆、狼だ』
『いいえマリオン。あの人の場合、そんな生易しいものじゃないわ。
鞭は使うわ。汚い言葉は使うわ。人の事を畜生扱いするわ。問答無用で中出しするわ。
あいつは鬼ね。悪魔ね。何が英雄よ。ただの鬼畜だわ』
『…あのお義母様? ひょっとしてお父様の事、嫌い?』
『んー。まぁ、どっちかって言うと、嫌いかな?』
『え。でもお義母様。お父様と……その、何度も……』
『エッチしたわよ? そりゃもう何度も何度も。なかなか会えなかったからね。
一日で四、五回くらい平気でやってたわ』
『――あの。一応、私、まだ六歳なんで。そういう生々しい話は』
『いいじゃない。どうせ他に誰も聞いてないんだし。
それに女ってね、体よりも心の方が先に大人になるものよ。
耳年増くらいで丁度いいの――って話が逸れたわね。ええと――』
『どうしてお父様とそんなに愛し合えたの? 嫌いなのに』
『あそうそうそれ! 私、というよりセイレンの家系がね?
あんまり子宝に恵まれないのよ。だからする時はもう、しまくりなの』
『……どういう事?』
『赤ちゃんが欲しかったから沢山エッチしたのよ。当然じゃない』
断じて当然ではないと思った。
『――ああ、言葉足らずだったわね。
ほら、あの人ってスケベな上に甲斐性無しで鬼畜で脳筋だけど。
一応剣神、なんて称号が貰えるくらい凄い戦士じゃない。
私はその遺伝子が欲しかったのよ。お金持ちだったしね』
『お義母様、変わってる』
『あははっ。私もそう思うわ。正直、白馬に乗った王子様とか柄じゃないわね。
そんなもやしみたいな男いるかー! ってなっちゃう。
やっぱり男はワイルドなのがいいわ』
――そうすれば、生まれてくる子もきっと元気に育ってくれるから――
穏やかに笑いながらそう言ったリシュテアの顔を見てなんとなく気付いた。
『……お父様よりも、赤ちゃんの方が好き、って事?』
『そう! 正にその通り! マリオン賢い!
ああでもね? あの人の事だってどうしようも無いくらい嫌いなわけじゃないわよ?
あの人ね、あれでも結構寂しがり屋なのよ。それでドルキの性格がアレでしょ?
家じゃ甘えられないからって私に甘えてくるのよ? 体を求めてくるのはそれが理由かな。
けどあの性格でしょ? 素直に、甘えさせてくれ、って言えないのよね。
だからエッチの時も鬼畜になっちゃうのよ。ほんと、男って見栄っ張りばっかりだわ。
でもでも♪ おっかしいと思わない? あの剣神様が、私みたいな女に甘えてるのよ♪
巷じゃね、そーいうのをツンデレって言うんだって。
…あれ? ムッツリスケベだったかしら?』
『それなんか違う気がする』
『違わないわよ。あの人、ちゃんと優しいところもあるもの。
病気だって分かった時、真っ先に様子を見に来てくれたしね。
週に一度はお見舞いに来てくれるし。不器用だけなのよ』
『……そうだったんだ』
父も母も厳格だ。だがすぐに感情的になる母と違って父は感情を表に出さない。
マリオンも感情表現が苦手な子供だったので、性格は父に似たのかもしれなかった。
いつも眉間に皺を寄せていて、会話も必要最低限。
何を考えているか想像もつかない人物。それがマリオンから見た父の人間像だ。
『お義母様。父様の事、良く分かってるね。私、父様の事、全然分からない』
『ふふふ。それはしょうがないわ。私もね、今言った事全部に確証は無いの。
女の直感、って言うのかしら? 肌を通して相手の心が何となく分かっちゃうのよ』
『凄いぜ姉貴』
『そんな言葉どこで覚えたのよ……まあ、そんな訳だから。
あの人、そんなに悪い人じゃないのよ。エッチの時以外はね』
その言葉で、マリオンはふと気付いてしまった。
一度、屋敷を抜け出してリシュテアに会いに行くところを父に見られた事がある。
その時はてっきり、何処に行くのか詰問されるのかと思ったのだが。
まるで何も見えなかったように無視された。
今思えば、あれはリシュテアに会いに行くのを黙認していたからなのかもしれない。
『そういえば、私、お義母様に会いに行っても、お父様に怒られた事が無い』
母にはシコタマ怒られるが。
父も、厳しい性格をしているので、こういう事は絶対に許さないと思うのだが。
『ほらやっぱり。多分、あの人はね?
自分で私の相手をするよりか、貴女に相手をさせた方がいい、とでも思ってるのよ?
ほんと、素直じゃないんだから。いいマリオン?
貴女はあの人みたいに捻くれた大人になっちゃ駄目だからね?』
『…頑張る』
『よし。それでこそ私の娘だ!』
くしゃくしゃと髪を乱雑に撫でられる。
髪の毛が無茶苦茶になってしまうが、この瞬間がマリオンにとっては一番幸せな時だった。
しかし、
『――げほっ! げはっ! げほげほっ!!』
『お義母様っ』
急に咳き込んだリシュテアに駆け寄る。
ぴしゃり、と口元を押さえた彼女の掌に紅い液体が飛び散った。
それが血であるとすぐに分かり、息を呑む。
『はっ――はぁっ…! ――ふふふ。参ったわね。
丈夫だけが取り柄だったのに。運が無かったのかしら。
妊娠中に、変な病気に掛かっちゃって』
『私、お医者様を呼んでくる!』
『待ってマリオン』
背中に掛かった声は思ったよりもずっと強く、はっきりしていた。
土気色をした顔は死人のよう。なのにオッドアイには誰よりも強い意志が宿っている。
『私、貴女にお願いがあるの。聞いてくれる?』
『うん』
『お腹のこの子、リオはリビディスタの屋敷に置いて欲しいの』
『え?』
『私は、ドルキに毛嫌いされてるから、屋敷に入れてもらえないけど。
リオは、あの人の娘でもあるから、まあ大丈夫なんじゃないかなって。
実は私の家の家訓に、娘には必ず家を引き継がせろ、ってのがあるんだけど。
正直その気はないのよ。娘に娼館の仕事を教えるのもアレだし。
それになんだかんだ言ってこの商売も楽じゃないしね。
稼ぎは不安定だし。変な病気は移されるし。ろくな事がないのよ。
私、この子にはそんな思いをさせたくないわ。
だから、リオはリビディスタに引き取ってもらって、立派なレディになってもらうの』
『でも、私の家は、』
『知ってるわ。かの名門リビディスタ。魔術と、剣のエリートを養成する武門の家柄。
でも大丈夫。リオにだって才能あるわ。あの人の血を受け継いでるもの。
それに私だって魔術使えるわよ?』
『え。うそ』
『チャームだけね♪』
『…なるほど』』
からからと笑うリシュテアを見ているとさっきまで血反吐を吐いていたとは思えない。
けれど彼女に救う病魔は、確実にその命を蝕んでいた。
『マリオン。私、長くないかも知れない』
『え?』
『自分の体だしね。分かるの。もう、ぎりぎりよ。
でも、安心して。この子だけは、産んでみせる。それまで、絶対死なない。
ええ。死んでやるもんですか』
『――絶対死ぬみたいに言わないで。私、お義母様がいなくなったらっ』
『ふふふ。マリオンは甘えんぼね。でも貴女もうお姉さんなのよ? しっかりしないと』
『うん…』
『いい子ね。この子も。貴女が守るのよ?
私の娘というだけで、この子はきっと辛い目に遭ってしまうと思うから。
だからこの子が一人前になるまでは、貴女が守ってあげるの。
お姉さんである貴女が、ね? 約束出来るかしら?』
『うん。約束する。リオは、私が守る』
『そう。じゃあ指切りしよう?』
『何それ?』
『ああ。私の家に古くから伝わる――まじないみたいなものよ?』
『どうするの?』
『こう、小指同士を絡めて、呪文を唱えるの。二人一緒にね』
『呪文? どんな?』
『教えてあげる』
ゆーびきーりげーんまーん。
うーそつーいたーら針千本のーます。
『指切った♪』
『指切った』
じっと自分の小指を見詰めた。
リシュテアの血に触れて、紅く穢れた小さな指を。
『――指切ったのに痛くないよ?』
『これをした人たちは皆そう言うわ♪』
『針千本も飲んだら死んじゃうよ?』
『それは約束を破ったら。破らなければ大丈夫よ』
『…がくがくぶるぶる。私はお義母様に脅迫されている』
『あはははっ。そんな事無いわよ。そんな事しなくても、貴女は約束を守ってくれるもの』
だってマリオンは優しい子だから。
だから、お願い。
リオを。私の娘を。どうか守ってあげて。
それから一週間後。
リオは無事誕生し、リシュテアは死んだ。
***
時は戻って。リオが淫魔として覚醒した直前の出来事である。
マリオン=リビディスタは我が家の門をくぐった。
ヘスペリスとして王都に着任してからおよそ二年。
今も、アネモネ追跡の任務の途中だが――図らずとも久しぶりの帰郷となった。
「帰ってきた」
屋敷の大きな門には見慣れたレリーフが描かれている。
筋骨隆々とした男が右手と左手に剣を携え、その背後に幾本の剣を突き刺さっている――
最強の戦士、剣神アレスの肖像だ。
それを眺めていると、里帰りした、という気分になってくる。
「っ!? マリオン様!?」
「お勤めご苦労様」
「はっ! 恐縮です!」
武装した見張りの門番二人に労いの言葉を掛けると、敬礼と羨望の眼差しが返ってきた。
歳なら自分よりも三つほど上に見えるが、彼らからすれば自分は有名人だ。
この顔も、名前も、肩書きも、全て知っているだろう。
だからこそ彼らの、まるで女神でも見ているような視線が少し恥ずかしい。
「――本物だ。本物のマリオン様だ!」
「なんというか、こう。気品というかオーラが溢れ出ているようだったなあ」
「俺、下っ端だけど、この仕事やってて良かった、って思う」
「ああ、俺もだ」
背後から聞こえる門番二人の会話を聞いていると背筋が痒くなってきた。
頬が赤らんでいるのが自分でも分かる。
(しっかりしなさい私)
久しぶりの里帰りとは言え、両親は二人とも厳格な人物だ。
へらへらしていたら何を言われるか分かったものではない。気合を入れないと。
だがそれよりも先に、する事があった。
(リオに会わないと)
この世でたった一人の大切な妹。
マリオンがリビディスタを出たのは王都で成果を上げて、両親に一人前と認めて貰う為だ。
そしてその暁には、リオを引き渡してもらい、二人で王都で住むつもりだった。
実際王都でヘスペリスとして活躍し、今では十分な蓄えがある。
リオと二人で生活するだけなら何の問題も無い。
今日は両親にその事を報告しようとも思っていたのだ。
ただ少し心配だったのは、この屋敷に残してきたリオ本人の事だ。
母親のリシュテアが妊娠した直後に彼女は病に掛かった。
しかもこの地で取れる薬草では治癒不可な珍しい病だ。
金に物を言わせて薬を取り寄せる事も出来た。
だが、それでは母体への負担が掛かり過ぎ、結果的にお腹の子供も死んでしまう。
故に特効薬は使えなかった。
そして大した薬も使えなかった彼女の症状は次第に悪化し、体力をすり減らし。
リオを生んでからすぐに他界した。
しかも問題はそれだけではない。
病を患っていた間に出産した事で、娘のリオは先天的な虚弱体質になってしまった。
武芸の家リビディスタに、病弱な妾の子がいる。
魔力感知の結果、リオに魔術師の才能が無いと判明した事が、状況をさらに悪くした。
(正直、私は少し信じられないけど)
リシュテアにはチャーム程度の魔術ならば使えたと言う。
その血を引くリオにもそれくらいの魔力はあると思うのだが。
能力としては戦士である父の血を受け継いでしまったのだろうか。
まあ、それは兎も角。リオは屋敷の中で完全に孤立してしまったである。
生前のリシュテアが懸念していた通りだった。
そしてそんな中に一人置いて王都に行ってしまったのは本当に申し訳ないと思っている。
だがそれも未来の試金石を稼ぐ為に必要な事だった。
それにここにはマリオン自ら声を掛け、雇ったメイドが居る。
リオ専属の世話係パセットだ。
彼女なら自分が居ない間もリオの面倒を見てくれる。
明るく、表裏の無い、とてもいい子だ。庶民の出だが、能力も高い。
きっとリオの友達になってくれる。
パセットがいるから、心置きなくこの家を出る事が出来た。
(リオ、もう少しだから)
リシュテアとの約束。リオを守る事。彼女の姉として。
その約束を、一時も忘れた事は無い。
(お義母様。お義母様との約束、もう少しで果たせそうです)
「マリオン様!?」
屋敷の離れへと向かう途中、庭園でパセットの姿を見た。
リオの様子を聞こうかと思ったが――どうにも様子がおかしい。
息を切らし、顔は蒼褪めて、あの人懐っこい笑顔が不安と狼狽で歪んでいる。
嫌な予感がした。
あのパセットがこんな表情をしているなんて、ただ事ではない。
「どうしたの?」
悠長に挨拶をしている状況ではないらしい。単刀直入に尋ねた。
嫌な予感は、的中した。
「リオっちが、居なくなったんです!」
(居なくなった? 行方不明って事? 何で?)
「どういう事?」
「昨日の夜までは確かに居たんです! お昼頃に起こしてっ、いつもみたいにふざけて!
でも、気分が悪い、ってリオっちに追い出されて!
でもでもっ、食べないと元気にならないから、夜に、様子見ついでに食事を持って行って!
その時は確かに居たんです! でもっ、でもっ、今日目が覚めて部屋に行ったら!
もぬけの空で! 何で! どうしてっ!?」
(どうして、ってそんなのこっちが聞きたい)
パセットのいう事を聞いていると徐々に苛々が募ってきた。
行方不明? 追い出された? 何だそれは?
「役立たず」
「ひっ! ご、ごめんなさい! マリオン様っ」
「ごめんさないじゃ済まない。何の為に貴女を雇ったと、」
そこまで言って、ふと、パセットがぽろぽろと涙を流している事に気付いた。
そうだ。リオが突然居なくなってショックを受けたのはパセットも同じ。
それもリオが物心付いた時からずっと傍に居たのだ。
パセットとリオの関係は主従というよりも友達のそれに近い。
友達のリオが突然居なくなって、一番悲しい思いをしているのは誰だ。
「ごめんなさい。ちょっと言い過ぎた」
すぐ頭に血が上ってしまうのは自分の悪いところだ。
パセットはずっと自分の代わりにリオの面倒を見てくれた子だ。
感謝はしても、泣かすような事をしてはいけない。
(冷静にならないと…)
「パセット。屋敷の中はもう探した?」
「ぐすっ…ひくっ…それが、お屋敷の中には、どこにも居なくてっ」
「リオの体ならそんな遠くに行けない筈。手分けして探そう」
言ってからある事に気付く。
屋敷の中が静か過ぎるのだ。リビディスタの令嬢が行方不明になったというのに。
そう言えば門番の青年二人も、暢気なものだった。何かおかしい。
「リオが居なくなった事、お父様とお母様には報告した?」
「しました! でも、奥様は『反抗期なのでしょう。放っておきなさい』って!
旦那様は旦那様で『探す必要は無い』の一点張りでっ。おかしいですよっ。
リオっち。体弱いから、家出なんて出来るわけないのに!」
パセットの言葉の意味を考える。
母親は、まあいい。元々リオの事を毛嫌いしていた彼女の事だ。
悩みの種が消えてくれた、程度にしか思っていないのだろう。
だが父親の、この淡白な反応はどういう事だ?
探す必要は無い? ドルキと同じく、放っておけ、という事か?
仮にも自分の娘が行方不明になったのに心配ではないのだろうか?
(……どっちにしろ、冷たい事には変わりない)
「それだけじゃないんです!
旦那様っ、リオっちが居なくなった事、誰にも口外するなってっ。
余計な事はするなってっ!
それじゃまるで『探すな』って言ってるみたいじゃないですか!」
「…何それ」
それでは誰かがリオを保護する可能性すら消えてしまう。
リオが家に戻って来なければ、野垂れ死ぬ可能性すらある。
まあ、あの外見だ。屋敷の者が見つければ保護するだろうが。
心配な事には変わりない。
『あの人、ちゃんと優しいところもあるもの』
ふと、古い記憶から、尊敬するリシュテアの言葉を掘り起こした。
父は、見た目によらず優しい人間だと。
厳しく、感情を出さない人間だがそれは単に不器用なだけだと。
だがその言葉も、今の状況ではなんの説得力も無かった。
(お義母様。お父様は貴女が思っているよりも酷い人だった)
「パセット。貴女は屋敷の外を探して。
屋敷に残ってる門下生に声を掛けて、一緒に探すの」
「え、でもそれじゃ旦那様の言いつけを破る事に…」
「構わない。責任は私が取る。『マリオン様の命令だ』って言えばいいから」
「わ、分かりました! パセットは命に代えてもリオっちを見つけます!」
「危ない事はしなくていいから。…私は森を探してくる」
「森って、街の外ですか!? どうしてです!?」
「最悪の事態も、考えておかないと」
もし、何かしらの理由でアレエスの街を出てしまったら。
この城壁の向こう側は魔物の巣窟だ。虚弱体質のリオに生き延びる術は無い。
そして屋敷の北側には、森へと続く訓練用の出入り口があるのだ。
そこからならばリオ単身でも外に出る事が出来る。
(まさか…お母様、この事を想定して、結界の性質を…)
アレエスの街を取り囲む結界は外に出るのは自由だが中に入る事は出来ない。
これは表向き、門下生達の為という事になっているが。
自殺願望を持った者を――リオを後押しする為、と解釈する事も出来る。
「それじゃ私は行く。あんまり無理をしないで」
「あ――お気遣いありがとうございます!
マリオン様もどうかお気をつけて!」
「ん」
返事と同時に転移魔術を起動させる。
今は一秒でも時間が惜しい。歩いて移動する暇は無かった。
転移先はここから一番近い、城壁の勝手口。
リオが街を出るなら、そこを使う確立が高い。
「待ってて。リオ」
足元から溢れる転移の光が、マリオンの体を包み込んだ。
***
アレエスの街を守る城壁は巨大だ。
周囲の森には凶悪な魔物達が潜んでおり、それらから街を守る為には当然の事だ。
城壁は、高く、分厚い。
見張り台は当然として、ある程度の居住空間すらあった。
しかし大きくは無い。二、三人が談笑したり、本を読むくらいのスペースのものだ。
大抵の場合、此処には結界術士と呼ばれる魔術師が常駐している。
彼らは街を守る結界に干渉出来る者達だ。
森へ訓練に出かけた戦士達を迎え入れる為、結界を解除する事が仕事である。
また、有事の際には結界の強度を上昇させ、敵の侵入を防ぐ役割も担っていた。
しかし基本的に彼ら彼女達は暇人である。
仕事量が圧倒的に少ないからだ。
だからする事と言えば同じ結界術士同士で愚痴を零し合うか、勤勉に励むくらいだ。
だがこの日は違った。
「リオ様の姿を見かけませんでしたか?」
居住空間にて下っ端魔術師の前に現れたのは美しい女だ。
緩やかにウェーブのかかった銀髪。
しなやかな体躯を包むのは蒼の法衣だ。肩の部分には紋章が張られいる。
杖と、それに灯る8つの星。これは魔術師としての位を表すエンブレムだ。
見習いなら杖のみ。見習いを卒業でその杖に光が一つ灯る。
そしてその後も、魔物を退治したり、称号持ちの人物の推薦にて光は一つずつ増えていく。
光の数は最大で十二。それ以上は固有の称号を得られる事になる。
ドルキの『メディア』や、グリーズの『アレス』がそれに当たる。
と言えばリビディスタの創設者であるこの二人がどれだけ強いか想像も容易い筈だ。
そして星無しが当たり前の結界魔術師達にとって、目の前の女魔術師も相当な実力だった。
彼女の名前はクロト=ラプキンズ
ドルキも一目置いている、優秀な魔術師だ。今年で二十歳を迎えた。
自分に厳しく、他人に優しくが彼女のスタンス。
それに加え、歳の割には幼い顔立ちや、ぱっちりとした瞳。
可愛らしさと可憐さを併せ持ったその容姿に惹かれる者も多い。
おっとりとして純情。同性にも異性にも人気のある人格者った。
そんな彼女がこのような、出来損ない達の吹き溜まりに来た事には勿論理由がある。
「リオ様ですか? いえ、我々は見ていません」
「そうですか……」
(やっぱり、そう簡単には見つからない…か…)
クロトはリビディスタの長であるグリーズからある命を受けていた。
行方不明になった娘を探して欲しい、と。
ただしこれには条件があった。
一つ。彼女が居なくなった事を出来るだけ口外しない事。
二つ。発見した場合は速やかに保護する事。
三つ。保護した場合。屋敷には連れ戻さず所定の場所へと護送する事。
以上である。尚、所定の場所と言うのは山を一つ越えた隣街だ。
そしてこの命令は他にも何人かの優秀な人員に与えているらしい。
実に奇妙な話だった。
リビディスタの門下生全員で事に当たればすぐにでも見つかる筈なのに、そうしない。
条件も、隠密行動を前提としたものばかり。
屋敷にいる誰かにリオの捜索を勘付かれたくない――そんな風に思える。
勿論理由を聞いた。返答は得られなかったが、恐らく込み入った事情なのだろう。
ドルキとリオの関係はリビディスタに居るものなら誰でも知っている。
それに加えてグリーズとリオの近親相姦疑惑。
恐らく首を突っ込んではいけない話なのだろう。
(近親相姦なんて…只の噂だと思うんだけど…)
実のところ、クロトはグリーズに恋愛感情を抱いていた。
彼の強さに惚れこんだのもある。が、彼が時折見せる優しさに心を打たれたのだ。
訓練を終えた後、極稀に労いの品が門下生宛てに届けられている事がある。
それがグリーズからの贈り物だという事に、クロトは気付いていた。
ポーカーフェイスの下に不器用な優しさが隠れているのだ、と。
そのグリーズからの直々の命。なんとしても果たさなければならない。
「そのリオ様が、どうかされたのですか?」
「…いえ。なんでもありません」
愛想笑いで結界術士達を誤魔化す。
ふわふわとした優しい笑みに結界術士達がだらしなく頬を緩める。
しかしクロト本人は心中は穏やかでなかった。
探査魔術を駆使して足取りを何とか追ってきたが、リオはどうやら街の中にはいない。
(森の中に入った可能性が高い…でも、そうなると…)
生存している確率も低いだろう。病弱の少女が一人、生きていける場所ではない。
急がなければならない。いっその事、この者達にも捜索を手伝わせようか。
グリーズを裏切る事になるが、娘が死ぬよりかはいいだろう。
クロトは訝しげな表情を浮かべる結界術士達を見渡し、
「…あの、実は貴方達に、」
どん。大きな音が外から響いた。
「…っ!? 何だ!?」
結界術士達が血相を変える。
どうやら結界になんらかの異常があるようだ。さっきの音と何か関係があるのだろうか。
「結界術士っ! 結界を解けっ! 早く!」
階段の上から見張り台の怒声が響いた。
「女の子が魔物に追われてる!」
考えるよりも先に体が動いていた。
「ごめんなさい!」
二人の結界術士を押し退け、城壁の外へと通じる通用門を開く。
視界が開け、眼前に乱立する木々が現れる。
門から三歩ほど離れた位置に薄い光の膜があり、それがアレエスを守る結界である。
結界の外側には騎士甲冑に身を包んだ一人の中年男性が仰向けに倒れていた。
外傷は無い。恐らく結界に向けて投げつけられてしまったのだろう。気絶しているだけだ。
そして――
「誰かぁ! 誰か助けて下さい!」
森の中からこちらへと駆けてくるのは一人の少女。
遠目からでも分かる鮮やかな桃色の髪。そして赤と蒼のオッドアイ。
見違える筈も無い。探し人のリオだ。
クロトは駆け出した。加速の魔術を使い一息で彼女の元へと踏み込む。
「…!? 貴女はっ」
「お話は後にしましょう?」
ゴシックロリータの衣装を身に纏った小さな体を抱きかかえ、結界を越える。
術士達がきちんと仕事をしたらしく、すんなりと城壁の中に入る事が出来た。
「暫くここに居て下さいね。外に居る騎士の方を連れてきますから」
「は、はいっ、気をつけて下さいっ」
(怖い目に遭っている筈なのに、人を気遣う事が出来るんですね)
流石、グリーズの娘だと思った。
だが悠長にもしていられない。魔物はそこまで迫っている。近くに気配がするからだ。
まるですぐ傍にいるように。
クロトは再び門を開け、外に飛び出す。
(…あ…れ…?)
そして違和感に気付いた。魔物の姿が見当たらないのだ。気配は近くにあるというのに。
まあいい。取り敢えずは騎士を結界内に運び込めればいい。
結界を越えれば魔物にはどちらにしろ手は出せないのだから。
クロトは男を担ぎ上げようとし――あまりの重さにすぐに諦めた。
大人一人の重量に加えて騎士の甲冑だ、女の細腕では到底持ち上げられない。
引きずって運ぼうかとも思ったがそれも無理だった。
「見張り番の方! この方を運んでいただけませんか!?」
「あっ――は、はいっ、ただ今参ります!」
見張り台の男に声を掛けるとすぐに彼は応じてくれた。
これで、取り敢えずは当面の問題はクリア、か。
警戒はしながらも男の到着を待つ。
魔物の気配は未だに近くにあるが、攻めあぐねているか襲い掛かってはこない。
臆病な性格なのだろうか。
(……でも、この人を倒している)
仰向けになった男の甲冑は強烈な打撃を受けたように腹部がへこんでいる。
パワー型のモンスターに攻撃されて、吹き飛ばされたのだろう。
ミノタウロスか。サイクロプスか。その辺りだろうか。
そこでふと気付いた。
「魔物の姿を、誰も見てない?」
見張り番の男は言った、女の子が魔物に追われている、と。
襲われている、ではなく、追われている、だ。
そうだ。誰でも、必死の形相で女の子が走っていれば魔物に追われていると思い込む。
この森ならなお更。
クロトは探索魔術を起動させた。
地面に青白い魔術陣が浮かび上がると、それを起点に魔力の波紋が広がっていく。
これは周囲の魔物や人間を発見する為の魔術。
自分を中心に、魔物なら赤で、人間なら青の光点として脳裏に描かれるのだ。
(魔物の姿を誰も見てないらなら、森の中から騎士の人を投げつけた事になる)
「――あれ…?」
ところが雑木林の向こうに魔物の反応を示す赤い光点は無い。
もっと奥に行けば反応はあるだろう。
防御もそうだが探索魔術はクロトの十八番だ。その効果範囲は半径三キロにも及ぶ。
魔力の波紋はゆっくりと森の中へと広がっていき、
そこでふと気付いた。
結界の内側に、赤い光点が一つある事に。
「えっ!? えぇ!? 嘘っ」
探索魔術を解除して自分が今し方出て来た門を見据える。
魔物が、侵入していた? いつのまに?
(そんなぁ、ありえないです。
さっき私が飛び出したタイミングで、魔物が結界内に入る事なんて出来ない)
そこまで考えて、ふと気付いた。
さっき自分が中に招き入れたのは『リオにしか見えない』少女一人だという事に。
「…まさか」
嫌な予感が背中を走った。ひょっとしたら自分はとんでもないミスを犯したのではないか。
クロトは騎士を放置し、再び門をくぐった。
重い、鋼のドアを手前に引き、空ける。
「っ!? これって!?」
城壁の内側に設けられた居住スペース。
その五メートル四方程度の空間内は、黒い霧のようなものが充満していた。
「おかえりなさい。魔術師のお姉さん」
笑顔で迎えたのは黒いゴスロリ服を着たリオだ。
そして彼女の傍らには結界術士が二人、それに見張り台の男が一人倒れ伏している。
間違いない。魔物の気配はこの少女、リオから放たれていた。
それを認めた瞬間。意識が研ぎ澄まされる。
普段はおっとりとしたクロトだが、これでも幾度か死線を潜り抜けた一流の魔術師だ。
部屋に充満している黒いガスは毒性のもの、と推測し、即座に防御魔術を展開する。
「ふふふ。凄いなぁ。一瞬で的確な判断をしてる。八つ星ともなると伊達じゃないんですね」
「リオ様、これは…一体――いえ、貴女は本当にリオ様なんですか?」
探索魔術では間違いなく魔物を示す赤い光点がそこにあった。
この状況下では、疑いようが無い。
「? ああ。魔物さんがリオ=リビディスタに化けてると思っているですね。
でもそれは外れ。私は、リオ=リビディスタ本人。
それよりも私はお姉さんの事が聞きたいな。私の事、探している様子だったし」
正直に話すべきか少し悩んだ。目の前の少女は自分がリオ本人だと主張している。
だがこの状況でそれを信じるべきではない。
(でも、もし本当に本人なら…事情を知ってもらった方がいいんじゃ?)
そしてもしも偽者なら――その時は倒してしまえばいいだけの話だ。
「良かった♪ お姉さん話す気になってくれたみたい♪」
(…え? あれ? 今、私顔に出てた?)
思考を先読みされている気がした。
「私はクロト=ラプキンズ。ドルキ様の門下生です。
グリーズ様より特命を受けて、リオ様を保護しに来ました」
「――え?」
少女は目を見開き、信じられない、と言った表情を浮かべた。
その反応に、むしろこちらが困惑してしまう。
自分がした事を分かっているなら、親が助けを寄越す事を想像出来る筈だ。
だがリオは、まるで助けられる事を想定していなかったような様子である。
「助ける? 父様が? 私を?」
「そうですよ? 私の他にも何名が腕を立つ者を選んでいたようです。全員で十名程でした。
大勢で探した方が効率が良いと思いますけど…きっと何か理由があるのでしょうね」
「――他の人に見つからないように、とか?」
「え、ええ。この事は口外しないようにと指示を受けましたから。
内密に事を運ぶ理由があったのだと思います」
「そっか――やっぱりそうなんだ…」
リオは肩を落とし、俯いている。
安心しているのか、それとも落胆しているのか表情が読めない。
だが精神的に不安定になっているのは確かな筈だ。
クロトは彼女を励ますように言葉を掛ける。
「リオ様の身に何があったのか私は知りません。
ドルキ様との間柄も重々承知しています。
ですが――ですけど…今一度グリーズ様とお話をしてみればいかかですか?」
余計なお世話なのかもしれないが、クロトはリオを連れて帰る気だった。
父と娘がこんな形で離れ離れになるのはあんまりだと思ったからである。
「ほんとに、何も知らない」
「え?」
リオが顔を上げる。
恐ろしい程、明るい顔をしていた。
笑顔の裏側に狂気が垣間見えた気がして、背筋に悪寒が走る。
「だって今帰ったら、父様と義母様に殺されちゃうから♪」
「…そんな…何を仰っているのですかっ」
「信じられない? でもねクロトさん。
私は、父様と義母様が二人で私を殺そう、っていう話をしているのを聞いたの。
しかも友達のパセットを利用してね? だから屋敷を出たんだよ?」
「そんな事、信じられません!」
ドルキに限っては、まあ百歩譲ってありえるとしよう。
だがグリーズに関しては娘殺しの疑いなど、認められる筈もない。
「よりにもよってあのグリーズ様が、リオ様を…! きっと何かの間違いです!」
「? クロトさん、やけに父様の肩を持つね? どうして?」
「そ、それは…っ」
お慕いしているから、そう正直に話せばどれだけ楽か。
だがグリーズは妻子持ちで、リビディスタ家の長だ。
この恋心が絶対に叶わない事を知っている。
そしてそれを他人に打ち明ける事も、クロトには出来なかった。
「あの人は、本当は優しい方なんです! 少し不器用な、」
「あははははははははははは!!!」
クロトの言い訳は、リオの狂った哄笑に両断された。
リオは、可笑しくて可笑しくて堪らない、と言った様子で腹を抱えて笑う。
それが不気味であると同時に、腹が立つ。
グリーズへの想いを、侮辱された気がしたのだ。
「一体何がおかしいんですかっ」
「あはははっ! ごめ、ごめんなさいっ! ふふふっ…! あはははっ!
そっかっ、そっかぁっ。そういう事かぁっ! ふふふっ。成る程ねぇ。
それなら父様を擁護したくもなるよね?」
「…何を、言って、」
「だってクロトさん、好きなんでしょ? 父様の事が?」
図星を言い当てられて口が『あ』の形で固まる。
(ど、どうして!? 私、そんなに分かり易いの!?)
「クロトさん。幸せだね。才能があって。美人で。性格もいい。人気もあるし。
でも一番幸せな事は『好きな人の汚い所を見ていない』事だと思う」
「ど、どういう意味ですかっ」
「一つ、いい事を教えてあげるね?
屋敷の噂、知っているよね? 私が父様とエッチしている、っていう」
「え、エッ……だ、駄目ですリオ様! 仮にもリビディスタの令嬢ともあろうお方が!
そんな卑猥な言葉を使っては駄目ですぅ!」
「…うわ…クロトさん…純情……皆に人気があるのもしょうがないね。
ふふふ♪ 妬ましいな♪ 羨ましいな♪ その人気、私にも分けてくれればいいのに♪」
「ちゃ、茶化さないで下さい!」
「割と本気なんだけど……まあいっか♪
そう、それでね。さっきの話の続き。あの噂、ほんとだから」
あっけらかんと衝撃の事実を告白され、今度こそ言葉を失った。
ふらふらと後ずさり、鼠色の壁面に背中を押付ける。
「…そんな……ありえません…」
実の娘を強姦する? そんな馬鹿な事があってたまるか。
あの人に限って、そんな愚かな事をする筈がない。
「クロトさんってば乙女なんだね♪ 頭の中、綺麗な父様ばっかり。
本当の父様の事、何も知らないのにね」
くすり、と目の前の少女が笑った。
人の闇を、穢れた部分を知ってしまった者、特有の笑みだ。
甘い蜜の味を覚え、自らの欲望を、他人の不幸を求める者の笑みだ。
これが、若干十二歳の少女が浮かべる顔か? これでは堕落した大人と変わらない。
「ねえ? クロトさん? ベッドの上の父様は、凄いんだよ?」
「っ! な、なんですか、いきなりっ」
手を後ろ手に組んで、少女はゆっくりと近付いてくる。
暗い、濁った微笑を浮かべたまま。
「剣の訓練をする時も厳しいけど…ベッドの上じゃね、父様は獣なの」
「こ、来ないで下さい!」
「ううん。きっと夜の父様がほんとの父様。
剣を持つ時は、自分を抑えているだけ。
一度でも欲望を開放すれば、あの人は悪魔になる。
嫌がる私を無理矢理犯して、」
「い、嫌ッ! 聞きたくない!」
「いう事を聞かなかったら叩かれるんだよ?
ふふふ。痛かったなぁ…おかげで私、どんどん体がエッチになっちゃった」
「そっ、そんなの嘘に決まってます!」
「それなのに義母様と結託して私を殺そうとするんだもの。
ふふふ。ほんとおかしい。そんなあの人に優しさなんてあるわけない」
ばじり。リオが伸ばした手が、クロトの防御魔術に弾かれた。
「痛っ…!」
火傷した時のように、慌ててリオが手を引っ込める。
クロトは防御と探索に秀でた魔術師だ。
彼女の使う防御魔術は効果が強く、巨人族の鉄拳すらも跳ね返す。
そうだ。大丈夫だ。彼女の言葉も、きっとこちらの動揺を誘う虚言だ。騙されるな。
そして防御魔術がある以上、目の前の少女に自分が倒される心配はない。
少し、冷静になってきた。
(結局、この女の子は一体何者? 何の目的でアレエスに侵入したの?)
「仮に、もし仮に貴女の言う事が本当だとします」
赤く腫れた手にふぅふぅと息を吹きかけて、そう言ってるのにぃ、と少女は呟いた。
「もしそうだとして。何の為にこの街に潜入したのですか?」
「……私はね。森の中である魔物さんに命を救われたの。
私はその魔物さんに恩返しがしたいだけ。そう、例えば――
この街を、アドニスの花で埋め尽くしたり、とかね?」
少女の瞳が、見開かれる。
瞳孔が猫目のように細まり、オッドアイの瞳が両方とも赤く染まった。
「ねえクロトさん?『リオのお願い。防御魔術を解いて』♪」
甘ったるい、猫撫で声が耳朶に響く。
人外の瞳に意識が吸い取られるような感覚した。
(これは…チャームの、魔術…っ)
完全なる不意打ちに、精神防御をする余裕が無かった。
物理障壁では防御不能の精神攻撃に、抵抗の意思が萎えていく。
彼女の言葉に、無条件で従いたくなってくる。
――気が付けば、防御魔術を解いていた。
「ありがとうクロトさん♪ 私、クロトさんの事大好き♪」
「……っ!?」
抱き付かれ、唇を奪われた。
(私の、ファーストキス…、なのにっ…!)
それも唇を触れ合わせる、そんな生易しいものじゃない。
舌を差し入れ、涎を流し込まれ、ぐちゅぐちゅと攪拌される。
「ふは…ちゅっ。ちゅぅっ。クロト、さぁんっ♪ ちゅるるっ♪」
「――っ!? んんっー!?」
鼻先をくすぐる少女の吐息。唾液が混ざる卑猥な音。そして粘膜同士が擦れる感触。
そのどれもがとてつもなく甘い。特に少女の唾液。まるで蜂蜜のようだった。
官能的、背徳的な行為に心臓が早鐘を打つ。
だがその鼓動はどこか心地良く、まるで夢見心地の気分だ。
(力が…入らない…)
精気を吸われているのか。
濃厚なキスに心は昂ぶるのに、体に力が入らない。
「ちゅぅぅぅぅぅ♪ ――ぷはぁ♪ あー美味しかった♪」
最後に混ぜ合わさった二人分の唾液を啜り取られ、少女から解放される。
精気を吸って満足したのか桃髪の少女の肌はツヤツヤだ。
「これはもう必要ないかな♪」
部屋を満たす黒い霧が少女へと収束されていく。
と同時に渦巻き、彼女の体を包み込んだ。
黒い霧はゴシックロリータの衣服を卑猥に引き裂き、
黒いパンプスにドクロのアクセサリーを追加し、
彼女の桃色の髪先から、暗い紫色の髪を生やす。
さらに頭から猫耳を生やして、
ばさり。蝙蝠の翼が少女の背中から生え、はためいた。
「変身完了♪ どうクロトさん? この格好♪」
(…なんて…いやらしい格好…)
剥き出しの肩や、深いスリットからちらりと覗く内股。
下着を着けていないのか、すこし屈めば未成熟な割れ目が見えてしまいそうだ。
「ふふふ。ね? いやらしいでしょ?
リオはねぇ。森の中でアネモネさんとエッチして、魔物になっちゃったの。
どうもご先祖様が淫魔だったらしくて、先祖帰りしちゃった♪」
(そんな…事が…)
「あるみたい♪ だからぁ、リオは本物のリオだけどぉ、淫魔だから♪
エッチな事して精気を吸うのが生き甲斐なの♪
しかもぉ――んっ…」
はぁ…はぁ…と淫魔の少女は色っぽく息を荒げる。
もどかしげに太股を擦り合わせ、辺りに淫魔のフェロモンを撒き散らした。
少女の甘い体臭に、脳髄が痺れてくる。
「はぁ…♪ 私の子宮には、ん――はぁ…っ、アドニスの種が、植え付けられてて、
はぁっ、はあっ――あはっ♪ 成長してるっ♪ 子宮の中で、びくびくしてるよお♪
さっき、外のおじさんと、その仲間の人とも、沢山エッチしたから、育ってるんだぁ…♪」
左右にばっくりと割れたスカートを摘み、引き上げる。
毛も生えていないツルツルの性器が晒された。
だがそこは白っぽい愛液を流し、しとどに濡れそぼっている。
陰唇の内側が丸見えになるまで解れ、サーモンピンクの肉ビラがひくひくと蠢動していた。
普段ならそんなグロテスクでいやらしい同性の性器など、目を背けるだけだ。
だが淫魔に魅了された精神は、少女のドロドロの性器に見とれてしまう。
リオはそんなクロトの視線が気に入ったのかうっとりと顔を緩ませて、
「――あっ!? しきゅーっ、びくびくするよぉっ! アドニスが、育ってっ!
ああぁ! 芽に、なってるよぉ! にゃっ! あっ! あっ! 出てくる!
出てきちゃうっ! リオのドロドロおマンコからっ、アドニスの花、咲いちゃうっ!
咲くっ、あっ!? にゃっ! だめっ! イくっ、イって!
にゃはぁっ!? にゃっ、あ! あぁっ! にゃっ、んにゃぁぁぁぁぁぁああぁっ!!」
ずるずるずるずるっ!
少女がスカートを摘み上げたままガクガクと体を痙攣させた。
イってしまったのだろう。顔をだらしなく弛緩させ、舌を垂らし、涎を零している。
そしてその少女の股間からは、肉の花が咲いた。
くちゃぁ、と音を立てて四つの花弁が上下左右に開く。
花弁の内側は陰唇のように粘液に濡れ、肉色の粘膜をてらてらと卑猥に輝かせていた。
そのあまりにも淫靡な光景にクロトは生唾を飲み込む。
「あはぁ♪ リオのおマンコから、お花咲いちゃったぁ♪」
淫魔の少女は絶頂の余韻を噛み締めているようだった。
「にゃぁん♪ これ、気持ちいい♪ 膣の内側が、ごりごりされてるぅ♪
お腹の内側からおチンポに犯されてるみたい♪」
(いやぁ…そんないやらしい言葉、使わないで下さいぃ…)
ドキドキ、してしまうから。
いつもは仲間達の猥談についていけず、一人蚊帳の外になるというのに。
少女の淫魔特有のフェロモン。アドニスの花から放たれる催淫香。
この二重の匂いに心がかき乱されてしまう。
「ふふふ。クロトさん? 我慢しないで? 自分に素直になろ?
エッチな気分になって、どうしようもないんでしょ?
リオはね、心が読めるから。そういうの分かっちゃうの」
成る程。会話をしていると考えが読まれていた気がしたのはそういう事か。
だが、だとしたら尚更この少女には歯が立たない。戦いようが、無い。
「そうそう。別にリオもクロトさんと戦う気なんて無いから。
リオはねぇ。クロトさんに気持ちよくなって欲しいの♪」
「……ぁっ」
ゆっくりと、壊れ物でも扱うように押し倒される。
蒼の法衣をシーツ代わりに石畳の上に敷き、そこにゆっくりと組み伏せられる。
抵抗する気力は無い。
只、何をされるのかは薄々感づいていたので、恥ずかしさに顔を背けるくらいは出来た。
「クロトさん可愛い♪ ネーアさんの気持ち、分かった気がする♪」
ネーアという人物が一体誰なのかを想像する前に、キスの嵐が降ってきた。
ちゅっ、ちゅっ、と頬左の項に、右の頬に、或いは唇に、時にはおでこに。
更にキスをされながら、服も脱がされる。
胸元の留め金を外され、法衣が左右に開く。
その下から現れたのはブラウスと、脛まで伸びるスカート。
淫魔はブラウスのボタンを手際良く外し、スカートの横側にある留め金も外す。
Eカップのブラとリボンの付いた白いショーツが曝け出された。
「いや…見ないで、下さい…」
下着姿を他人に見られている。そう思うと羞恥心で頭が茹で上がった。
いやいやと首を振るが自分では何をしているか理解していない。
晒された半裸の体は肉付きが良く、女性特有の丸みを帯びたラインを持っている。
胸も尻も成熟し『くびれ』もある。清純なイメージとは裏腹に艶かしい体だった。
「うわ…♪ クロトさん着痩せするタイプだったんだね♪
エッチな体してる♪ きっと父様も気に入ると思うよ♪」
(……え? グリーズ、様が?)
少し大きめの胸などはどちらかと言えば邪魔だった。
肩は凝るし、同性からはからかわれるし、男達からは下品な目で見られる。
青の法衣もこの体を隠す為に着ているようなものだ。
だが、愛しのグリーズはそんな体の方が喜ぶと言う。
「うん♪ でもね? クロトさんはもっと綺麗になれるよ?
そしたら父様、きっとクロトさんにメロメロになっちゃうね♪」
それは悪魔の囁きだった。
人間の弱みに付け込み、堕落させる。悪魔達の十八番。
普段ならそんな甘い言葉に騙される事はないだろう。
だが、
「ねぇ? クロトさん? 父様と一緒になりたいでしょ?
繋がりたいんでしょ? いいよ、リオがその願いを叶えてあげても?」
「あ、ああ…」
耳元で囁く淫魔の声が、心に染み渡ってくる。
抗い難い、甘ったるい悪魔の魔力が精神を冒す。
「でもその代わり、リオのお願いも聞いて欲しいの。
ね? どうする? 私のお願い、聞いてくれる?
聞いてくれたら、クロトさんの願いも叶えてあげる。
父様とずっとずっーと一緒に居させてあげる」
淫魔のチャームに毒された心では、誘惑を振り切る事が出来なかった。
「……私は…グリーズ様と…一緒に、なりたい…」
意思の光が消えた瞳に、邪悪に笑う少女が映る。
***
以上で六話終了です。
あ、そうだ忘れてました。
前回の投稿分、冒頭では第七話になってましたが第五話の間違いです。
プロット段階では七話だったのを、そのまま使ってしまったらしいです。
なんつーうっかりさん。細かいミスがほんと直らない。
ドウスレバインダ-。まあ性格なんでしょうけれどねぇ。
そして前回の感想を頂いた住人の方にも感謝感激雨あられです。
淫魔状態のリオは自分でもお気に入りです。
頭の中で常に誘惑してきやがる困ったちゃんですよ。
ちなみにシュトリの設定は四年間暖めてきたと言うよりただ単に使い回――ゲフンゲフン!
さて次回はリオとクロトの本格エッチです。
ここに来て新キャラかよ。みたいな?
次回以降もちらちら出番があります。エロ的な意味で。
おっとり純情娘が種子を植え付けられてエロエロ展開だ!
乱文失礼。今回はこの辺で失礼します。
それではまた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――ヨウジョバンザーイ。
乙×風さんおつ
何というかどうしてこうなったというか
もっと素直になればよかったのにという話ですね・・・
まぁそうなったらこのスレ的においしい展開なくなりますが
しかしヨウジョいいなぁ・・・ヨウジョ・・・
そろそろ毎週月曜をょぅι゙ょの日に制定してもいい気がしてきたw
(別に月曜投下を強要するわけじゃないですよ、念のため)
投下乙です、家帰ったらじっくり読ませていただきます
232 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 21:30:47 ID:Ih6TV7W4
あああリオたんえろいなあもう
次回は堕ちシーンあるようだし毎度毎度続きが気になるわほんと
いつもいつも素晴らしいエロい話を投下してくれる乙×風氏に寄生されてもうメロメロですよ
どうしてくれるんですか!!1
新キャラ登場もいいけど、姉貴の過去話にしんみりしてしまった……
スレ的にはマリオンもパセットも寄生される(よね?)んだろうけど、
ここまでボタンを掛け違えてしまうと登場人物皆が不憫でなりませんな
せめてエロエロで幸せになりますように……ナムナム
しかし、本格的に乙×風氏の術中に嵌りつつある…ヨウジョバンジャーイ
こうイイハナシダナーだとリオが父親の愛に気づいて人間に戻りハッピーエンドという話も読みたくなるから困る
もちろんリオが皆を堕としまくるのも見たいが
乙×風氏が絶妙なタイミングで話を持ち越すせいで
俺の脳内にも猫リオの甘い囁きが・・・!
ヨウジョバンジャーイ
はあ…リオっちになりたいなぁ…
乙×風さんGJっしたぁ!
しっかし、過去話とかギリ間に合わなかった姉様とか…
切ねぇ…切なすぎる;;
泣かせ要素たっぷりなのにエロい所はちゃんとエロいのが凄ぇっす
で、リオたんがエロくなればエロくなるほど…なんか切なさが増す…
年齢表現は「若干」じゃなくて「弱冠/若冠」かな…?
細かい用法は気にしない主義だけど若干気になったんで、リオ様に頭下げながら報告
検索してみたらこのスレ内の「若干」の量が凄いのね
自分は全くといっていいほど使わない単語だから
こういうのを見るのも面白いね
豚切でスマヌが、先のSS読んで、つい空の巫姫堕ちの所を見に行ったら…
地味にエロく加筆修正がされていた
思わず緋袴着てヌいてしもたわ
ああいう更新なら随時バッチコーイだな
空の巫姫について調べてたぜ、今度ゆっくりと見よう……
ran.sakura.ne.jp/~mirage/sky/index1.htm
空を知らない人もいるのか
空はいい……
まぁ空自身は検索避けかかってるし
えっちな文章に取り込まれて外界との関わりを絶ったサイト…ってか
>>245 あああれ検索避けかかってたんだ。どおりで引っかからないわけだ
964 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/04/08(火) 22:53:27 ID:bqwKMc3/
空が更新されたというので見に行ったんだが、
掲示板で空管理人が話題にしている「巫姫編」って
心霊研究部のどれのこと?
>>247 いまは「巫姫編」話題にしてなくね??
心霊研究部読んだこと無いなら最初から読んだほうが良いよ
心霊研究部はどの順番で読んでいけばいいのか分からないんだよなー
Flash版だけは一応読んだからものすごく興味あるんだが、オススメの順番ってある?
>>249 気の向くまま、蟲の導きに従えば良いかとw
巫姫堕ちのトコはかなり前にエロく加筆されてたな
結構こまめに覗いてるけど、久々に日記が更新されてて、文章もあったな。
>>251 その加筆の後も、特に触れてはいないがエロ描写が何回か書き足されてる模様
あれ?こんなキャラいた? みたいなのが緋袴の下で白濁液垂らしてるとかエロ過ぎだろとw
ひっそりと文も増殖しております
蟲さまが妄想を吸ってより巨大に、より強力になってスレに光臨・・・
::::\\::::::::::::', ┃|
─--ミ::::::::::::| .┃|
/:::: \:::リ-}.┃|
<●> !> イ┃ニヤリッ
.、 __ノ .┃|
r)\ |:::::| .┃| グ・・グ・・グ・・続きまだーーーーー!!
ィェァ 〉 l::::::》.┃| ∧∧
='´ ,,イ::ノノ ┃| ((; ))
. ..,,/ |::::://: ┃| ⊂ \
巫姫気になる人は真田(飛鳥)編見れば幸せになれるんじゃないかな
探す時間を含めて楽しめ…ってことなら
思いっきり蛇足で申し訳ないんだけどさ
スーパーロリータタイムはっじまるよー♪
うん。少し自重しようか私。
前回分の投稿にて誤字の指摘を頂きました。ありがとうございます。
『若干』と『弱冠』ですね。辞書引いて調べましたよ。
作者の学の無さがどんどん露呈されていきますよ? これ以上は無いと思いたいほんと。
そういえばマリオンとリシュテアお母さんの回想シーンでもおかしな所が。
『チャームだけね♪』
『…なるほど』』
』』って何だw
まあ、瑣末ですが。お涙頂戴的シーンなだけに自分で気になってしまいました。
どうして投下する時に気付かないんだー。
――気を取り直しましょう。
クロト編後半戦です。ALL ERO。
リオがやや鬼畜な上にヤンデレになりつつあります。NGワードはこんな感じです。
(洗脳、猥語レッスン、レズ、種付け、堕落)
ではいってみましょう。
以下、13レス消費します。
第七話 Desire Seed
「……私は…グリーズ様と…一緒に、なりたい…」
虚ろな瞳をしたままクロトが呟く。それを見て、リオはほくそ笑んだ。
(気持ちいい…♪)
官能的な快感ではない。
だが、人の心に付け入り、甘い言葉で誘惑し、そして堕落させる。
その一連の行動に、悪魔シュトリとしての本能が充足を覚えるのだ。
穢れを知らない純情な乙女を、オスに飢える淫らな獣へと堕とす。
自分の力で他人を歪ませる。なんという快感だろうか。
才能に恵まれ、人徳に恵まれ、環境に恵まれ、将来も約束されている。
自分には無いものを、クロトは全て持っていた。
羨ましい。妬ましい。
自分は辛く苦しい思いをしてきたのに、その間この女はチヤホヤされ続けてきた。
そんなの理不尽だ。
だから、この女も同じ目に遭わせてやろう。
無理矢理レイプし、苦痛を与えてやろう。
その上で、種子を植え付けてやるのだ。
神から二物を授かった幸福な女に、抗う事の出来ない快楽を教え込むのだ。
そして最後には、身も心も花の化け物に変えよう。
「契約成立だね♪ それじゃ、遠慮なく♪」
魔力で爪を生成する。黒い霧を凝縮させ、作り出した禍々しい紅い爪。
業物の刀剣には叶わないが、下手なナイフなどよりもよっぽど切れ味がいい。
その爪を一閃。クロトの体を、縦一文字に切り裂く。
恐怖心が麻痺しているのかクロトは瞬きすらしない。
一瞬後、白のブラとショーツが左右に両断された。
「…あ…」
「ふふふ。クロトさん。おっぱいおっきい♪ 羨ましいな♪」
「…いやぁ…見ないで、下さい…」
「そう言う割りには…こっちはドロドロ♪」
「ひゃあっ…!?」
爪を引っ込めて、割れ目に指を差し入れた。
暖かい肉の泥濘に指が沈み込み、くちゅり、と音がする。
「ほーら。クロトさんのマン汁でリオの指、ネチョネチョだよぉ♪」
濡れた指の間でくちくちと糸を引かせる。
そうやってクロトの羞恥心を散々煽った後、汚れた指先を彼女の鼻先に突きつける。
「リオの指が汚れたの、クロトさんのせいだからね? 綺麗にして♪」
「…でも…」
純情なこの女は自分の愛液を舐めるのには抵抗があるらしい。
チャームで散々心を引っ掻き回しているのに、本当に初心な女だった。
(そんなクロトさんを、自分からおチンポをおねだりするスケベさんに変えたい♪)
「ふーん? 嫌なんだ? まあリオはいいけど?
でもそれならクロトさんの『お願い』も聞いてあげられないかなぁ?」
「…あ…っ、や、やります…やりますから…」
慌てて掌を返す年上の女を見てぞくりとした。
八つ星の一流魔術師を、手玉に取っている。
淫魔として、人外としてのプライドが満たされていく。
「ふふふ。そうそう。リオはぁ、素直なクロトさんが大好きだから♪
リオの指を父様のおチンポだと思っていっぱいペロペロしてね?」
「…っ、……グリーズ様の…」
「おチンポだよ♪ おチンポ♪ はい言ってみて♪」
「お、おチ……ん…ぽ…」
「クロトさぁん。聞こえないよぉ?
リオ、そんなんじゃクロトさんのお願い、聞いて上げられないかも?」
「あ、言いますっ、ちゃんと、言いますからっ」
「そう? それじゃ言ってみて♪ お、チ、ン、ポ、ってね♪」
「は、はい――はぁ…はぁ…」
呼吸を整え、腹を括るクロト、破廉恥な言葉を言おうとしている――
そんな彼女の心が羞恥心で今にも爆発しそうなのが分かった。
(はぁ…クロトさん、すっごいどきどきしてる♪ 私も、どきどきしちゃうよぉ♪)
こんな所で猥語の発音練習をするなんてなんて背徳的なのだろうか。
聞く側のこっちまで興奮してしまう。
はあはあ。はあはあ。荒い吐息はもうクロトだけのものではない。
クロトの羞恥心がリオの興奮を呼び、二人の心は徐々に高まっていく。
どくっ、どくっ、というクロトの心音が、ここまで聞こえそうだった。
「――お、チンポ…」
確かに聞こえた。小さいがはっきりと聞こえた。
あのクロトに汚い言葉を言わせた。けれど、少し物足りない。
「もっと大きく」
「っ――おチンポ…っ」
「もっと」
「…おチンポっ…」
「もっとっ」
「おチンポっ!」
「あはははははははははははははははっ!!!!」
最高だ。最高の気分だ。楽しすぎて頭のネジが外れてしまいそう。
いやもう外れているのか。
「良く出来ましたクロトさぁん♪
ご褒美にリオの指、好きなだけペロペロしていいよぉ?」
「あ、ありがとうございますっ――はむっ…ちゅるっ…! ぺろっ…!
れろれろっ…あふぁ…っ! グリーズ様のっ…ちゅっ…! んんっ」
「ふふふ。美味しい? 父様のおチンポは?」
口から離すのが勿体無いのか、ぶんぶんと首を縦に振るだけだった。
行儀が悪いと思うが、別にいい。彼女の堕落っぷりは見ていて気持ちが良い。
クロトは指に付着した自分の愛液は勿論、指の間から爪先まで丁寧に舐めしゃぶっていた。
べろべろと一心不乱におしゃぶりをされて、指がふやけてしまいそうだ。
(あはっ♪ くすぐったい♪)
「ふふふ。そう、そう♪ クロトさんエッチな事才能あるよ♪
父様はエッチな女の子が大好きな変態さんだからきっとお似合いだね♪」
「…あ…それ、本当、ですか…?」
「うん♪ だからぁ…もっといやらしい子になろうね♪」
どん、とクロトの体を突き飛ばす。
抵抗の無い彼女はあっさりと尻餅を付き、虚ろな瞳でこちらを見上げた。
(そんな目で見られたら…私、我慢できないよう♪)
脱力したクロトの股はあられもなく開かれている。
その奥で羞恥の丘が解れ、愛液に濡れて光っているのだ。
クロトの女の臭いが鼻腔を満たし、子宮の中でアドニスの花が疼き出す。
どくん。
「んっ!? にゃぁっ…♪ 奥からっ、出てきちゃうっ♪
アドニスの触手チンポ、出てくるよぉっ♪」
ヴァギナに咲いたアドニスの花は、言わば第二の性器だ。
花の中心部はまるで女性器の大陰唇のような形状をしている。
そしてその奥は膣同様の肉ヒダ連なるトンネルになっているのだ。
その、花の茎に当たる部分は子宮の内側まで続いており、その最奥に『雌しべ』がある。
勿論、花の内側は人間の女性器よりも遥かに敏感な性感帯だ。よって、
ずるずるずるぅ!
「にゃっ!? にゃあぁぁぁぁぁああっ!!!」
花開いたアドニスの中央から雌しべがせり出した瞬間、リオは絶頂した。
(ふにゃぁ♪ きもちぃぃよぉ♪)
それは人間のペニスを何重にも重ね、亀頭部分に大量の疣疣を生やした凶悪な触手だ。
太さも、さっき精気を頂いた騎士達と同等以上。
そんな凶悪な触手に子宮の内側から犯され、あっと言う間にエクスタシーを迎えたのだ。
「はぁ…はぁ…にゃあん…♪ これが、アドニスの生殖器……触手チンポ…♪」
これが生えたという事は、この小さな体の中でアドニスの種子が生成されたという事だ。
目の前の女に種付けする為の種子が。
「はあっ、はぁ!」
「…あっ…」
仰向けに倒れるクロトに覆い被さり、マウントポジションを決める。
頭が回らなくなってきた。
雌しべ触手が生え出した瞬間大量のフェロモンが漏れ出し、自分の理性すら溶かしている。
「クロトさんっ! クロトさん! この触手チンポで、ズボズボしてあげるからねっ。
この触手チンポを、父様のものだと思って、エッチするんだよっ♪」
「…グリーズ様の、と…思って――きゃ…っ」
「んにゃぁっ♪」
雌しべの先端が肉ビラを掠める。
それだけで触手ペニスから蕩けそうな快楽が流れ込んできた。
胎内から生え出した瞬間はあまりの快楽で気付かなかった。
だがどうやらこの雌しべ自身も相当敏感らしい。
つまり。内側から犯される快感と、犯す快感の両方を同時に感じてしまう事になる。
(だめぇ♪ 触手チンポっ、気持ちよすぎるよぉ♪)
更にこれを女の膣へと挿入すれば――きっと気が狂いそうな快楽が待っている。
(あっはぁ♪ もう我慢できない♪)
雌しべの先端をクロトのヴァギナへとあてがう。
そして躊躇いも遠慮もなく、一気に最奥まで貫いた!
ぶつ。
「――い、いたぁい…っ!」
「んにゃああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっっ♪」
クロトの処女が散った瞬間、二人は正反対の反応をした。
クロトは激痛に涙を流し、リオは腰が抜けそうな快楽に涎を垂らす。
(すごっ、すごいよぉっ♪ 女の子のおマンコっ、とっても気持ちいい♪)
まるで肉のぬかるみ。暖かく、柔らかく、そしてドロドロに濡れている。
こんな所にペニスを突っ込んだら、それは気持ち良いに決まっていた。
(父様の気持ちが、分かった気がする♪)
こんなに気持ちのいい事、そうそう止められるものじゃない。
淫魔になって初めて父の気持ちが理解出来るなんて、皮肉な話だった。
「どう? クロトさぁん? おチンポ、気持ち良い?」
「い、痛いです…っ…とっても、痛いですっ」
はっ、はっ、とクロトは短く息を切らしている。
アドニスの催淫香とリオのチャームを持ってしても破瓜の痛みは軽減しきれないようだ。
だが、それでいいのだ。
「ふふふ♪ そうだよねぇ♪ 始めては誰でも痛いよね♪
でも私はもっと痛かったんだよ?」
未熟な上に弱い体を始めて蹂躙された時、物理的にも痛いのは当然だった。
だがそれ以上に精神的苦痛も大きかった。
自分を脅し、強姦し、雌と罵る父親が恐ろしかった。
それに比べれば、今のクロトの苦痛など大したものではない。
「だからぁ…今だけは沢山痛い想いをしてね♪」
ずりりりっ――ゆっくりと、腰を引き、触手を抜いていく。
「いっ!? あぁっ!」
多重のエラがガリガリと処女幕の残骸を削り、クロトに更なる激痛を与えた。
ところが痛みに対する反射で膣が収斂し、より深く触手をくわえ込む。
「んはぁ♪ クロトさんのおマンコっ、締まって…っ、気持ち良いよぉ♪」
自分の膣の感触、クロトの膣の感触。
それらが触手の敏感な粘膜を通して快楽へと変換される。
気持ちよすぎて、腰が止まらない。
ずりゅりゅっ!
「いっ、がっ!?」
「んにゃああぁぁっ♪」
引き抜いた触手を一気に突き込んだ。
無理矢理高められ、柔らかく解れた膣壁が触手ペニスを満遍なく締め上げる。
雌しべ触手は敏感で、腰砕けになってしまう。
男達のペニスと同じで、どうやら先端に近い場所に性感が固まっているようだった。
特に亀頭周辺の疣疣はその一つ一つがクリトリス並に敏感だ。
ともなると快楽に対して貪欲になったリオはそれを心ゆくまで味わおうと思った。
じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ!
「いっ!? いやっ! いたいっ!」
「はあっ! はあっ! 触手チンポっ、いいよぉ!」
がつがつと雌しべでクロトの女を蹂躙する。
亀頭を子宮口に強く打ちつけ、快楽を貪る。
(蕩けちゃうよぉ♪ 腰が止まらないよぉ♪)
娼婦のように腰を使い、だらしなく顔を弛緩させる。
フリルをふんだんに使ったスカートが揺られ、ちりちりと尻尾の鈴が鳴る。
伸びた八重歯の間からダラリと舌を垂らし、クロトの胸元へ涎を零す。
快楽で頭が回らなかった。
悪魔の本能が、女の心を責めろ、汚い言葉で貶めろ、と囁くがそんな余裕は無い。
アドニスから与えられる快楽が、これほどとは思っていなかった。
淫魔でこれほど狂うのならば、只の人間ならこの快楽に絶対に抗えないだろう。
(アレエスの街をアドニスの花で埋め尽くす――ほんとに出来るかも♪)
男達の精気を吸って自身は付けたつもりだが、本当にそれくらいは出来るかもしれない。
命の恩人であるネーアに、恩返しが出来るかもしれない。
そしてその為には。
「はあっ! はあっ! 出すよっ!? クロトさんの子宮にっ、種付けするよ!?
アドニスの種を、植え付けちゃうよ!?」
「あっ、いやっ、いやですっ! そんな事されたらっ! ああっ!
いやっ、抜いてっ! 抜いて下さいっ…!」
「やだやだっ、種付けするの! 触手チンポからザーメンどぴゅどぴゅ出して!
アドニスの種子をクロトさんにプレゼント、するのっ!」
ぎちり、と露出した乳首を抓り上げる。
「いぎいいぃっっ!?」
血が僅かに滲み、クロトが激痛に絶叫する。
ぎゅぅ、と雌しべが締め付けられた。
(あにゃ♪ もう限界♪)
「んにゃああぁぁっ♪ しまるぅ♪ あっ♪ あっ♪ あぁっ♪
でるぅ♪ でちゃぅっ♪ クロトしゃんに種付けしちゃうぅ♪
にゃ、あぁっ、ぁぁぁあぁぁぁぁあぁんっ!!」
亀頭を子宮口にぐちり、と食い込ませる。
触手ペニスと子宮がどろどろになって同化してしまうような感覚。
どくん、と子宮の中でアドニスが脈動した。
次の瞬間。
びゅるっ! どぴゅどぴゅっ! どくどくどくどくどく!
「にゃっ!? にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁああ!!!」
(にゃにこれぇっ…!? 頭、おかしくなっちゃぅぅっ♪)
初めての射精。その快感は予想を遥かに超えていた。
元々敏感な器官である上、雌しべ触手自体は子宮の奥から伸びているのだ。
長さは30センチを優に超えている。
そしてその中を平均男性の三倍近い量の精液が通り抜ける。
丸くて柔軟な、固形物と共に。
男の快楽を知らない少女が、戸惑うのも無理の無い話しだった。
「しゃせーっ、きもちよすぎるよぉっ♪」
取り分け、輸精管の中をごりごりと削りながら種子が通り抜ける時など意識が飛んだ。
だらしなく舌を垂らしながらぷるぷると体を震わせて射精の快楽に溺れる。
蝙蝠の翼も、二本の尻尾もぴん、と突っ張っていた。
「いやぁ…っ、入ってくるぅ…アドニスの種子が…私の中にぃ…」
一方クロトは激痛に呻く事も忘れ、寄生植物の種を植え付けられる感触に絶望していた。
アドニスの種子を植えつけられれば目の前の少女のように淫欲の虜になってしまう。
そして男を漁る淫婦となって股からアドニスの花を咲かせるのだ。
いや、それどころか新たな犠牲者を求め、さ迷い歩くだろう。
最後には、心も体も完全な化け物――アネモネへと変異してしまうのだ。
(ふふふ。分かる。クロトさんが絶望しているのが♪)
だがそれもすぐに、目も眩むような快楽に押し流されるだろう。
子宮に根付いたアドニスの意思に、誰も逆らう事は出来ないのだから。
さあ、これからが本番だ。この乙女に快楽を刻みこんでやろう。
純情な年上の女が淫乱な雌へと変貌するところを想像し、胸が高鳴る。
(にゃぁ…でもちょっと、休憩…)
だがこちらも足腰が馬鹿になりかけていた。
射精の余韻が抜けてから、第二ラウンドを開始しよう、そう思った。
***
種付けされてしまった。アドニスの種子を。
それもこれも全て自身が招いた事だ。この少女の姿をした魔物に油断しなければ。
(……あれ? 思考が…戻ってる…?)
一体どういう事か。チャームの効果が切れていた。
「ふふふ。その方が面白いと思って♪」
目の前で淫蕩に笑うのは猫耳を生やした淫魔だ。
この体にグロテスクな触手を挿入したまま彼女は愉しそうに笑う。
「こ、後悔、しますよ…っ、正気に戻れば…意識を操られなければ…貴女なんかにっ」
「にゃん? 意識を操る? 違うよぉ。
リオはぁ、クロトさんの願望を引き出してあげただけ♪
さっきクロトさんが『おチンポ♪ おチンポぉ♪』って言ってたのもぉ。
リオの指がふやけるまでペロペロしてくれたのもぉ。ぜーんぶクロトさんの意思だよぉ♪」
「そ、そんな訳がありません!」
「ふふふ♪ 必死になっちゃって、クロトさん可愛い♪
まあ、否定するのは構わないよ♪ どっちが正しいかすぐに分かるから♪」
「な、何を言って…」
どくん。
「…っあっ」
子宮が強烈に疼いた。
「ふふふ。いいこと教えてあげるよクロトさん。
女の子はね? みいんなスケベになる素質を持っているんだよ?」
「ち、違いますっ、私はっ――あぅっ…!?」
どくどくと子宮が疼く。アドニスの種子が、子宮に定着しているのだ。
(そ、そんな…、これ、いくらなんでも早すぎるんじゃ…?)
資料では種子を植えつけられても体が発情するまでタイムラグがある筈だ。
ついさっき種付けされたばかりでこの反応は異常だった。
「どうしたのクロトさん? 顔、真っ赤だよ? 興奮してるの?
いやらしい気持ちになってるの? 純情系じゃなかったの?」
「だ、黙って下さいっ…! これくらい、耐えてみせますっ」
「我慢は体に毒だよぉ? 楽になろうよ? ねぇ?
そうすれば、とっても気持ちよくなれるんだよ?」
(き、気持ちよく?)
その言葉がとても甘美に聞こえて、心のどこかでそれもいいかな、と思ってしまう。
「――って駄目ですいけません! そんなふしだらなっ、エッチな事はいけません!」
ぶんぶんと首をふり、邪念を払う。
(そうだ、この子の声も、瞳も、魅了の効果がある…耳を傾けては駄目…!)
「ふふふ。今更対策しても遅いよぉ?
それにぃ、この部屋はアドニスの催淫香が充満してるし。
呼吸し続ける限りエッチな気分は治らないよ?」
――だからさ。クロトさん。楽になろうよ――
耳元で甘く囁かれ、全身から力が抜けた。
(駄目駄目! 気をしっかり持ちなさい! ここで私が堕ちたら、大変な事になる!)
「あははっ。無駄な努力だよクロトさん。
もうクロトさんの中にはアドニスの種が根付いてるんだよ?
その快楽に耐えられるわけないから♪」
「そ、そんな事、試してみないと…」
「――えい♪」
ぐちゅり、挿入されたままの触手を軽く捻られた。
「ひゃあぁぁっ!?」
それだけで、体中に電気が走った。
(な、何今の…っ? 体が痺れて、ふわぁっ、って…!)
「気持ちいいでしょ♪ それが女の快感だよ♪」
「い、今のが…?」
「……なんか、ほんとに反応が初々しいよね?
ひょっとしてクロトさん、オナニーもした事ないの?」
(……え? オナニーって、何でしょうか?)
「クロトさん…ほんと純情キャラだよね……
まあいっか♪ その方が堕とし甲斐もあるしね♪」
「な、何を言って…」
「そうだ! 良い事思いついた! ねえねぇクロトさん?
リオの触手チンポ使ってオナニーしてみて!」
「あの、それ以前にオナニーって何でしょう?」
「簡単だよぉ♪ 自分で自分を気持ちよくするの♪
――あ、そうだ! そのままじゃ動きづらいよね? ――よいしょっと♪」
抗議する暇も無く脇下を小さな手に掴まれ、引っ張り上げられる。
「え、あ…っ、ちょっと待って下さ、」
気が付いたら体勢が逆転していた。
リオが仰向けに寝転び、自分の体が起き上がっている。
万有引力の法則により、垂直になった体に重力が押しかかって、
ぐちゅぅっ。
「ひゃあぁぁぁぅ!?」
挿入したままの雌しべに深く貫かれた。
(あっ、な、何でっ、痛くないのっ)
ところが驚くべき事に、痛みが全く無い。
さっき処女を散らされたばかりなのに、あの引き攣るような痛みが完全に消えていた。
それどころか――
(びりびりして…これ…き、きもちいい、の…?)
にんまり、と仰向けの淫魔が口元を綻ばせた。
「お腹の中のアドニスがクロトさんの体を作り変えてるんだよ♪
さっき沢山リオのセーエキ中出ししたからね♪
クロトさんの体、どんどんスケベになっていくよ♪」
「そ、そんな…」
「ということでぇ、リオの触手チンポ使って早速オナニーしてね♪」
「い、嫌です! 無理です! そんな事、出来るわけありません!」
「我侭言うとそこで寝てる三人みんな殺しちゃうよ」
背筋が凍った。
感情の抑揚が全く無い、平面な声。
脅しと言うより、ただ事実だけを伝えているようだった。
人間を殺すのに、何の躊躇いもないのだと。
赤い猫目がこちらを見ている。
獣の目だ。人間と違って、感情のない瞳だ。
何を考えているか分からなくて不気味だ。狂ったように笑っている方がよほど人間らしい。
――かと思ったら少女の顔が急に破綻し、無邪気な笑顔となった。
「という事だから、頑張ってオナってね♪」
歳相応のあどけない笑みと先程の冷酷な表情のギャップが堪らなく不気味だった。
得体の知れない何かを、相手にしているようだ。
(…刺激しては、駄目だわ…この子、何をするか分からない…)
今はいう事を聞くしかなかった。
「んっ――あ…!?」
とりあえず軽く腰を揺すってみると痺れるような刺激がヴァギナに満ちた。
(あ…っ、アソコっ、じんじんしてっ…!)
未知の刺激に脳が茹で上がる。どきどきと胸が高鳴り、全身から甘ったるい汗が吹き出た。
「はっ♪ にゃっ♪ そうそう♪ もっとぐりぐりして?
色んな角度からおマンコを苛めて、気持ちいいところを探すの♪」
「う…は、はい…」
はしたない事をしている、そういう自覚はあるが止めるわけにはいかない。
手を抜いても心を読まれれば激怒されるだけだ。
(し、仕方ないの…オナニーしないとこの方達が殺されてしまうから)
仕方ないのだ。
クロトは腰を使い始めた。
騎乗位の体勢で前後左右にぎごちなく、ゆっくりと腰を動かす。
じわじわとした官能が敏感になった肉ヒダから流れ込み、思考を溶かす。
(あ、これっ、触手の、段差みたいになってる所が…こりこり擦れて…っ)
「あっ…はっ…やっ…だ、めぇっ…!」
多重エラが陰唇の肉ビラと充血した肉ヒダをかき回す。
その度に蕩けてしまうような官能が下半身に満ち、甘い声を上げてしまう。
セックスなんて不潔なものだと思っていた。
ところが淫魔とアドニスに汚染されたこの体は、それを甘美なものと感じてしまう。
いや、正直に言おう。セックスがこんなにも気持ちいいものとは思わなかった。
「――んっ……あっ、んっ――ひゃっ!?」
ぐり、と腰を捻った瞬間、電気が走り抜けた。
(な、何今の!? びりって、したっ)
少なからず淫らな願望があったのだろう。
思い切って腰を動かしてしまったのだが、どうやらそれが『弱点』に当たったらしい。
陰核の裏側に位置する膣壁だ。その辺りにこりこりとした『しこり』がある。
「ふーん。クロトさん、そこが良いんだ♪」
「ひゃぁん!?」
ぐり、と亀頭の先を擦り付けられると、余りの快感に声が裏返った。
目の奥がつーんとするような感覚。
耳鳴りがして、腹の奥からじわり、とした痺れが広がった。
(し、知らないっ、私、こんな気持ち良いの知らないっ)
無自覚のまま、クロトの中で欲望が膨れ上がる。
未知の快楽に、自分の意思を無視して体が動き始めた。
「んっ! ぁあっ! あぁん!」
腰を上下に動かし、触手を敏感な所に擦り付ける。
びり、びりと強い快楽が背筋を駆け上って嬌声となって喉から漏れた。
あぁん、という喘ぎが自分の声かと疑うほど色っぽく、そして恥ずかしい。
(あっ、いやっ、止まらないっ、腰、止まらないっ、どうしてぇ!?)
「あっ! あっ! いやっ! こんなのいや! どうしてぇ!?
あっ! ああっ! ああんっ! 気持ちいいっ! 気持ち良いのっ!
エッチな事っ、駄目なのにぃっ! 汚いのにぃ!」
「いーんだよ? 思いっきり気持ちよくなっても?
だってそうしないとリオが怒っちゃうからね♪
だからぁ、仕方なくクロトさんは気持ちよくなってるの。
ね?『仕方がないの』。だから、誰も怒らないよ?
誰もクロトさんの事、責めたりしないよ? 嫌いになったりしないよ?」
(そ、そうよ。そうだわ。私は脅されてこんな事をしているの)
だったら、どれだけ乱れても構わないではないのか?
そう思うと心が軽くなった。それどころか必死で欲望を堪える事が馬鹿らしく思えてくる。
そうだ、仕方ないのだ。いやらしく振舞えば、目の前の淫魔も喜ぶ。
ならそれでいいではないか。そう、これは三人の男の命を救う為なのだ。
その思考が、リオによって誘導されたとは気付く由も無い。
「そうそう♪ それにねクロトさん?
リオの魔力で種子の成長速度を上昇させてるから、普通の人に抵抗出来る訳ないの♪
最初から、無駄なあがきだったんだよ♪
だからぁ。好きなだけ気持ちよくなればいいんだよ♪」
淫魔の囁きが、心の鎧を溶かして消した。
「あっ? ああぁっ! いいっ! 気持ちいいっ! 気持ち良いの!
セックスするの、気持ちいいですっ!」
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ!
クロトが豹変した。
快楽を受け入れ、自ら積極的に腰を動かしていく。
(触手の先、いぼいぼが気持ちいいです…っ)
それを弱点に押付けるように腰を動かす。
結合部からは白っぽい愛液が空気と混じり、卑猥な音を立てている。
リオに放たれた精と愛液の臭いが攪拌されて、辺りに濃厚な性臭を振りまいた。
豊満な胸が上下にぶるんぶるんと生物のように震え、ピンク色の先端が残像を生む。
肩まで伸ばした銀髪が水母のように漂い、広がる。
「あっ! あっ! あっ! いいっ! 腰っ! 勝手に動くんです!」
「はぁっ♪ はあっ♪ ほんとだっ♪
クロトさんっ、腰をくねくねさせてすごいやらしい♪
きっと父様も喜ぶよ♪ 父様も好き者だから♪ とってもお似合いだよ♪」
(グリーズ様が…喜ぶ…?)
「うん♪ だからもっとスケベになってね♪」
心が、開放されていく。
「あっ! あんっ! あぁんっ! いいっ! オナニーいいですぅ!」
「はあ! はあっ♪ どこ? 何処が気持ち良いのっ?」
「アソコっ、アソコですっ――あぁんっ!」
「そこ、はっ…おマンコって言うのっ」
「おマンコっ、おマンコいい! 蕩けちゃいますっ!」
「どうしてっ? どうしてクロトさんのくさマンコ蕩けちゃうのっ?」
「それはっ、触手にっ」
「触手チンポっ、だよっ♪」
「触手チンポに、犯されてっ」
「違うっ、触手チンポハメてオナってるから、だよっ♪」
「は、はいっ! あ、あんっ! 私のくさマンコ!
触手チンポハメてオナってるからっ、どろどろに蕩けそうなんですぅ!」
(あぁっ…言ってしまったぁ…)
卑猥な言葉を、こんなに大きな声で叫んでしまった。
(でも、ゾクゾクする……♪…)
いやらしい気持ちが溢れて止まらない。
最初は人質に取られた三人の男の命を救うためだった。
だが今は何の為にこんな淫らな事をしているのか分からない。
(違う…私、気持ちよくなりたい…もっと…もっと…)
どうして今までこんな素晴らしい事を敬遠していたんだろう。
こんなに気持ちいい事なら、もっと前からしておけばよかったのに。
「クロトさん♪ だったら今から沢山エッチすればいいんだよ♪
今までしてこなかった分をね♪ こんな風にっ」
ぐちゅんっ。
「ぁああぁんっ!?」
思い切り下から突き上げられて意識が一瞬飛ぶ。
(すご、すごいっ。もっと、もっと気持ちよくなれる!)
「それっ、もっとして下さいっ」
「だーめ♪ もっといやらしい言葉を使って、おねだりしないとしてあげない♪」
それは、さっきのような卑猥な言葉を使えという事。
自分を浅ましい存在へと自ら貶めろ、という事だ。
「――下さい…」
「んー?」
「私のクサマンコに、リオ様の触手チンポでハメハメズボズボして下さいっ!!」
催淫香で、或いは胎内の種子が、クロトの心を浅ましく歪めていく。
自分を堕とす、背徳的な行為に脳が痺れる。
(あぁ…快感…です…♪…)
「――あはぁ♪」
下になった少女の顔が淫蕩に蕩けた。
そして赤い猫眼に映る自分の顔は――まさしく雌そのものだった。
「いいよぉ♪ 犯したげる♪ リオ、クロトさんの事大好きになっちゃったから♪
だからぁ、触手チンポでズンパンしてクロトさんを悶え狂わせてあげるぅ♪」
直後から、淫魔が本気を出した。
じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ!
「んああっ!? あああっ! ふか、ふかいっ!」
がつがつと下から突き上げられる。子宮が突き破られるかと思うほどの勢いだ。
(あぁっ…♪ すごいっ…! おマンコっ! 痺れちゃうっ! 変になる!)
だが種子に犯された子宮も膣も、今では性感帯の塊。
強いストロークで子宮が揺さぶられると、頭の中が真っ白になり、甘い喘ぎが漏れる。
「はぁっ♪ はああっ♪ クロトさんもぉ♪ 動いてぇっ♪
もっと、気持ちよくなれるよぉっ♪」
「あっ! はぁっ! はいぃっ!」
ピストンのペースが僅かに落ちる。きっと経験の少ないこちらに合わせてくれたのだろう。
その気遣いに感謝しながら、快楽を貪る為に腰を使う。
少女の突き込みに合わせて腰を落とす。
じゅくうっ、と結合部から白い泡が吹き出し、子宮が揺さぶられた。
「はあぁぁああぁっっ!?」
その衝撃に、体がぴん、と突っ張る。
視界が真っ白にそまり、膣がきゅう、と収斂した。軽く、達してしまったのだ。
「にゃぁぁっ♪ クロトさんのマンコ、きゅうきゅうしてるよぉ♪
ちょっとイっちゃったんだねぇ♪」
(い、今のが、イク?)
子宮がきゅん、として文字通り意識が飛んだ。
全身に甘く、蕩けそうな痺れが広がっている。
なんて素晴らしい感覚だろう。これさえあれば、他に何もいらない。
「ほらほらぁ♪ どんどんイクよぉ♪ 今まで我慢してきた分、沢山イっちゃおうねぇ♪
さ、クロトさん♪ 腰を引いて♪」
言葉と同時に淫魔が突き込みの反動を利用して腰を引く。
言われるままこちらも腰を引いて、
「ぁああぁぁぁあっっ!?」
ずるずると多重エラがGスポットを削り、触手が引き抜かれていく。
一度達した膣内は酷く敏感で、またアクメの細波に襲われた。
(ああ、またぁ…っ♪ またおマンコ、きゅんっ、ってなってますぅ…♪)
「もう、一回っ」
引いた腰で再び淫魔が突き上げを繰り出した。
タイミングを合わせてこちらも腰を落とす。
ぐちょんっ。
「んああぁぁぁぁんっ!」
再び子宮に衝撃。意識が浮上する。
さっきより深く、濃密なアクメが襲い掛かってくる。
全身が痙攣し、半開きの口からたらたらと唾液が零れた。
力が入らない。思考が働かない。
だというのに腰だけが動き、快楽を貪ってしまう。
「はあっ! あっ♪ クロトさんのマンコっ、最高っ♪
イきっぱなしでっ、触手チンポがむしゃぶられちゃうぅ♪」
じゅぷっ! じゅぷっ! じゅぷっ!
「んあぁっ!! すごっ! いっ! あぁぁっ!! 腰っ! 止まらなっ!
ああんっ!? らめっ! あああんっ!! きもちいいっ! いいんれすうっ!
マンコっ、びくびくしてぇ! ああああぁぁぁっ!!」
頭の中はずっと真っ白だ。視界では常に星が散っている。
押し寄せる絶頂の波に髪を振り乱し、涙と汗と涎を飛ばす。
馬乗りになった体がロデオのように上下に揺れる。
少女の体に手を付いて辛うじてバランスを取っているがその細腕もガクガクと震えていた。
「はぁっ♪ はあっ♪ 駄目ぇ♪ もう駄目ぇ♪ 触手チンポから、ザーメン出しちゃう♪
にゃぁあっ! クロトさんにっ、こってりスペルマ搾り取られちゃよぉ♪」
びくびくと、胎内の雌しべ触手が脈動した。
それが射精の前兆だと理解して胎内の種子が歓喜に打ち震えた。
「下さいっ! わたしのぉっ、クサマンコにぃ!
どろどろ精液注いでくださいいっ!! あああっ!!?
くるくるくるくるくるくるくるっきちゃ、きちゃうきちゃう!!
大きいのがっ、ああっぁぁっ!!? いやあああっ! ああぁぁぁぁっっ!」
かつて無い大きな絶頂の気配に背筋が寒気が走る。
それを迎えれば自分は今度こそ自分でなくなってしまう。
だが快楽を貪る腰は止まらない。
そして止めるつもりも無かった。
「ふにゃあぁっ♪ でるでるでるでるでるぅ! しゃせーするぅ♪
あっ! あぁぁっ♪ あっ♪ ああっ♪ あっ、あっ、あっ♪
しゃせーアクメきちゃううにゃぁぁぁああぁぁぁぁぁあっっ♪」
「イっくぅぅぅぅうぅぅぅううぅぅぁぁぁああぁぁっ!!!」
二人同時に、絶頂した。
きーん、と耳鳴りがして、意識が飛ぶ。
がくがくがくがくがくっ。電流でも流されているかのように体が痙攣している。
美しい顔は鼻水と涙と涎にまみれ、見るも無残なものだ。
エメラルド色の瞳も白目を向いて――あさましい雌犬のよう。
(あー、しゃせー、されてますぅ…♪)
びちゃびちゃと子宮のアドニスに精液が吹きかけられる。
「あはぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっっ…♪」
「にゃあぁぁぁぁぁぁぁんっっ♪」
種子を中心に性感が発達しているらしい。
ねばねばとした熱いスペルマの感触を受けるたびに、腹の奥が甘く蕩ける。
その感触があまりにも心地良い。
アドニスの種子と同調した心と体が、膣内射精こそが最大の幸福であり快楽だと自覚する。
舌を突き出して涎を垂らす淫魔もさぞかし気持ち良さそうである。
(もう、どうなってもいいですぅ)
人間でなくなっても構わない。こんな快楽に、元から抗える訳などなかったのだ。
ぶしゅぶしゅと潮だか小水だか分からないものが二人の腰周りを汚している。
自分の粗相か淫魔の粗相か。きっと両方だろう。
キツイ雌の発情臭にアンモニアの臭い、それと淫魔と寄生植物の催淫臭が混じる。
脳が、心が、犯される。侵蝕される。
「あはぁ♪ エッチ、気持ちよかったよね♪」
良かった。これ以外何もいらないほど。
耳朶を打つのは淫魔の声。その声に、はいぃ、と素直に答える。
「うん♪ それでいいの♪ その調子でどんどんエッチしてね♪
きちんと出来れば、父様と沢山エッチさせてあげるから♪」
(グリーズ様と…?)
あの人と、こんな激しい交わりを出来る。
それはきっとこれ以上ない幸福だろう。
その時、この身は人間のものではなくなっているかもしれないが、別に構わない。
「ふふふ。それじゃ、そういう事だから、次のステップに移ろうかな♪
――よっと。ちょっとどいてね♪」
淫魔に覆い被さっていたこの体を、優しく退かされる。
あれだけ激しい交わりをしたのにも関わらず淫魔の体力には余裕があるようだった。
「ふふふ。何言ってるのクロトさん?
リオのザーメン、あんなに搾り取ったんだからクロトさんもまだまだ元気な筈だよ♪」
(……え…?)
靄が掛かったような思考の中、体を動かしてみる。
クロトの体は、気だるく、溶けて無くなりそうな絶頂の余韻が体を支配している。
だが、腹の底には、熱い精の感触が残っており、そこから力が漲ってくる。
(あ…ほんと…だ…まだまだ…私動ける…)
横たわっていた体を起こす。
びゅるうぅ、と子宮の中から精液が逆流して、腰周りをどろどろに汚した。
(……エッチ、したいかも…)
体が動くと分かれば性的欲求が再び溢れ出してくる。
アドニスの種子がもっと精を集めろ、と訴えかけてくる。
そうすれば、更なる快楽を与えてやろう――と。
「リオ様ぁ…私ぃ…」
自分でも驚くほどの猫撫で声が出た。
これが先程まで処女だった女か。自慰も知らなかった乙女か。
「分かってるよぉ♪ まだまだシ足りないんだよね?
でも安心して? 相手はまだ三人も居るよ♪」
ぱちん、と淫魔が指を鳴らす。
うぅ、と呻き声を上げて二人の結界術士、それに見張り番の男が一人、目を覚ます。
「……あぁ…♪」
また、あの快楽が味わえる。子宮に、精を受ける事が出来る。
淫らな期待に胸がときめき、じくり、と膣から雌の汁を絞り出す。
立ち上がり、ふらり、と幽鬼のような足取りで男達に近付く。
「……え? く、クロト様っ!?」
「…あ? な、何だっ! どうなってるんだ!?」
正気に戻った男達がこちらに気付き、次々と驚きの言葉を投げかけた。
顔を真っ赤にして、この裸身に見とれる男達の反応がとても愛しく思える。
「……何も考えないで? 皆で気持ちよくなりましょう?」
淫魔の精を吸い、急激に成長したアドニスが催淫香を吐き出す。
それはリオの催淫香と混じり、濃度を上げ、男達からあっと言う間に理性を削りとっていく。
「私の事、皆さんで沢山犯してくださいね…♪」
尻を男達へと向け、指で自らヴァギナを割り開く。
肩越しに男達に流し目を送る。
魅了の魔術を掛けられていないにも関わらず、その瞳は虚ろだった。
***
「あっ…♪ んっ…♪ あんっ♪」
城壁内の居住空間にて、女の嬌声が響いていた。
内部は濃密な雄と雌の発情臭で満ちており、素面の人間ならばむせ返ってしまうだろう。
「にゃっ♪ クロトさんもっ――にゃんっ♪ 上手になってきたね♪」
結界術士の男の上に跨りながら、同じように騎乗位で精を貪るクロトを見やる。
銀髪の女は見張り番の男に跨り、気持ち良さそうに腰を振っていた。
上下左右前後。右に回転。左に回転。緩急をつけ、捻りを加える。
その動きは男の精を搾り取り、快楽を貪るメスのものだ。
やや童顔気味のその顔も、今では官能に蕩け、だらしなく弛緩している。
(ふふふ。もうすっかりエッチの虜になっちゃって♪ 可愛い♪)
心を覗けばクロトはもう快楽を得る事しか考えてない。
アドニスの種子に精神を支配されてしまったようだ。
――と、突然自分がくわえ込んでいたペニスが精を放った。
「にゃぁぁぁうっ♪」
びゅるびゅると子宮に注がれる熱い感触に甘い声を上げる。
軽く達し、全身が痺れ、蕩けるその余韻にどっぷりと浸る。
(にゃぁ、でもこっちの人はそろそろ限界かなぁ?)
腹に注がれた精は、薄く、水っぽい。
精を放った男の頬は痩せこけ、口の端から泡を吹いていた。
クロトの下になっている男も同様の状態だ。
そしてすぐ脇には既に精を搾り取られ、意識を失った結界術士が一人転がっている。
(まあ、こんな可愛い女の子二人と何回もエッチ出来て幸せだったよね♪)
こっちもお腹いっぱいになって幸せだ。
二人の男に、ちゅ、と感謝の気持ちを込めて頬にキスをした。
「さってと。そろそろ動こうかな」
立ち上がり、肩をぐるぐると回す。
クロトと二人で三人の男から精を吸収し、淫魔の力は更に強大になっている。
(この街をアドニスで埋め尽くす。それくらい、ほんとに出来る気がする♪)
だが自分は知っている。リビディスタに住む父と母はこと戦闘ではほぼ無敵だ。
一人一人の能力も高いが、コンビを組んだ二人と戦う事になろうものなら勝ち目はない。
せめて、どちらか片方をおびき出し、戦力を分断しなければ。
こちらの戦力は少ない。一対多の戦闘は避けられないだろう。
そう言えば森で出会ったメデューサは三人の騎士達とどうやって戦ったのだろうか。
(――あ。いい事思いついた)
「クロトさん? ――おーい、クロトさーん?」
絶頂に達したらしい。恍惚としたクロトに声を掛ける。
彼女は暫く体を痙攣させた後、虚ろな瞳でこちらを見た。
「……? リオ様ぁ? なんでしょうかぁ?」
「ここの結界、クロトさんで操作出来るよね?」
元々結界術士達は落ちこぼれの仕事だ。
専門的な知識も大なり小なり必要だが、クロト程の使い手なら問題ない。
「…はいぃ。出来ると思いますぅ」
「うんっ。それなら城壁の結界、片っ端から解除していって♪」
アレエスを包む結界は六つの区画に分かれており、それぞれが独立している。
城壁の内部にて所定の魔術を発動する事で、それらの解除、増強を行うのだ。
もし、それらの結界が全て解除されればこの街はどうなるか?
きっと森の中の魔物達が雪崩れ込み、街は混乱するだろう。
だがここにはリビディスタの屈強な戦士達が居る。きっと崩壊するような事はない。
いや、してもらっては困る。そう、魔物達には、戦士達の気を引いてもらえればいい。
「はいぃ。お任せ下さいぃ。リオ様ぁ」
虚ろな瞳でクロトが微笑んだ。
忠実な僕を手に入れて、リオも邪悪な笑みを浮かべる。
(あ、そうだ。一回外に出て、森の魔物さん達に報せてこよう♪)
結界を内側から無効化する、と森で言い触らせば魔物達はこぞって街へと集結するだろう。
さっきのメデューサをもう一度見つけて話をしてみるか。
(ふふふ。これでアレエス陥落も夢じゃない)
ただ、事を急いでもしょうがない。
時間はある。ゆっくり、確実に、外堀を埋めていくのだ。
ふと浮かんだのは、犬のように人懐っこい、メイドの女の子。
その子の笑顔を、快楽で無茶苦茶に歪むところを見たくなった。
(パセットちゃんがアンアンよがり狂うところも、見てみたいなぁ♪)
魔物達が集結したら次は屋敷だ。パセットを皮切りにメイド達に種付けしてやろう。
そうだ。アドニスの種を産み付けてからありったけの魔力を注げばいい。
そうすれば種子の成長も早くなって、すぐに他の女を犯すようになる。
屋敷の中のメイド達は仲間を犯し、すぐにアネモネだらけになるだろう。
そして、最終目標は、あの女。
大切な唯一無二の友人を利用し、この身を毒殺しようとしたあの人でなし。
あの、血も涙も無い女に復讐するのだ。
「ふふふ。待っていて下さい、義母様?
もう少ししたら、その首、貰いに行きますから♪
あは、あはははははははははっっ!!」
リオは血の繋がらない母の顔を思い出し、狂った笑いをあげた。
以上で七話終了です。
誤字脱字絶対ある筈なので見つけたら報告をお願いします。
最近、股から生えた触手チンポとふたなりペニスとどっちがエロイのかと悩んでいます。
触手チンポをアソコから生やした方が寄生モノらしいとは思うのです。
が、チムチム化した陰核は、なんというか想像しやすいというか生生しいと思うのです。
グロテスクな化け物の器官。
女に生えるチムチム。
どっちも捨て難い。まあ両方しちゃえばいいんですが。
何の話だこれ。まあいいか。しかもなんとなくデジャビュが。
最近空と此処以外にろくな寄生要素が無いのが残念です。
児ポがどんどん改正されるせいで最近は鬼畜なゲームもどんどん減ってる気がします。
モンスターパークっていうエロゲにオニャノコのクリに寄生してフタナリ化とか。
他にも子宮に寄生して中で延々と振動する虫とか。
っていうのがありましたがそれも去年の末のゲーム。
何か他に真新しい寄生モノないですかねー。
あ、そうだ。次回予告忘れてました。
取り合えずエロ無さそうです。今回濃かったので勘弁して下さい。
リオを探しに森に入ったマリオンがネーアと遭遇してマジ切れするお話?
珍しくバトルばっかりになる予定です。
それでは今回はこの辺で。
YOHJO☆BAN☆ZAHHHHI!!
投稿をリアルタイムで読んじまったよ、ごちそーさまでした GJ!!
今日も神が巡礼して下さった・・・
お疲れ様です
クロトさんが無事堕ちたので安心しました
もう心残りなど・・・
あります!! 続き期待です
>>270 堪能させていただきました。
>股から生えた触手チンポとふたなりペニス
好みとしては前者ですが、後者には「入れるのと入れられるのを同時に出来る」という
機能的な優位点があるので捨てがたいですね。今回のシチュなら
クロトと結界術師を同時に…なんて使い方も出来ますし。
ちょうどいいタイミングで来てた!GJ!!
ネーアさんはこの暴れっぷりに対してどう思ってるんだろうかwktk
ふたなりの方が扱いやすそう(?)で感覚も直結なイメージかなぁ
いや、触手も神経同化とかで馴染めばそうかもしれないけどw
玉のないクリペニスは見た目が妖しい感じになるので好きです
なんとなく『ふたなり+触手+淫魔尻尾+猫尻尾』の4人責め想像したけど、流石にこれは多すぎる…かな?
リオに猫耳が生えた時からパセットのくせっ毛が猫耳になるフラグだと思ってたが今回を読む限りなさそうだな
猫耳スキーなのでちょっと残念
しかしリオは姉のことどう思ってるのかな…妬ましく思ってるんだろうか
パセットは犬っぽい気がする
リオにとっての姉は何考えてるか分からないけど尊敬してる人
だったんだろうけど歪んでそうだからその辺も期待
乙×風さん乙でした
乙が二つ並ぶのが少し不思議
tst
>>278 まさかこのスレでこの絵を見る事になるとは。
SO2の漫画でMCしてた子に似てる
今日もロリータデイがやってきました。
最近れでぃ×○と!とか幼女の裸をプッシュする番組が多くて大変よろしい。
でもみみなちゃんのチクビまで見せるのはどうかと思うよ!! 嬉しかったけど!
はい。自重します。チラシの裏にでもって奴ですね。スレ違いだし。
>>278 何この娘可愛い。ハグされたい!!
葉っぱやら何やらで大事なところが見えない所がかえってエロスですな。
補足ですが、アネモネになると人だった時の足は無くなります。
下半身=花本体、みたいな。
そういう意味ではデビルメイクライ4のエキドナさんに近いか。
あ、そういえば、キメラシードって寄生要素かw
デビクラでエロSSは何か違う気がするけどw
さて。今回投稿分はエロシーン無しです。ごめんなさい。
内容はサブタイトル通り。NGワードは、
(エロ無し、バトル多め)
戦いの末に友情が生まれるかもしれません。なんという少年漫画。
そんなノリですが、それでもよろしければどうぞ。
以下、15レス消費します。
第八話 ネーアVSマリオン
マリオン=リビディスタは森の中を駆けていた。
日は昇り、太陽光が木々を縫って真下へと降り注いでいる。
早朝、リオが居なくなってから五時間程度が経っていた。
魔物が闊歩するこの森で、五時間もの間生存出来る可能性は、低い。
(――おかしい)
そこでマリオンはふと気付いた。
森の中に足を踏み入れてから二時間程度経つが、今まで一匹も魔物と遭遇していない。
偶然なのか、それとも何か理由があるのか。
マリオンは脚を止め、意識を集中し、探索魔術を展開する。
青い魔術陣が足元から展開し、その余波で茜色のマントが揺れる。
探索魔術の範囲は半径300メートル程度。
その範囲内に存在する人や魔物の気配を捉える事が出来る。
熟練の魔術師ならもっと広範囲に渡って探索を掛ける事が出来るのだが。
(こんな事なら、もっと探索魔術の勉強をしておけばよかった…っ)
マリオンの魔術は攻撃と強化に特化している。
高等と言われる転移魔術すら扱えるので、魔術師としてはむしろ優秀だ。
母から施されたスパルタ教育の賜物と言える。
(でも、どれだけ強くてもっ、これじゃ意味がない!)
大切な妹を守る為に力をつけた。だがその守るべき対象が居なくなってしまったら。
自分は何の為に今まで生きてきたのか。
(――? 強い魔力反応がある)
探索魔術の範囲ぎりぎりの所で覚えのある魔力反応を感知した。
これは――あのアネモネの反応だ。
アネモネの撃破は、ヘスペリスとしての任務だ。放っておく訳にはいかない。
(でも、今は)
今はリオを見つけ出すのが最優先だ。アネモネはお呼びじゃない。
しかしそれにしてもこのモンスターは見つけ易い。
アネモネは催淫ガスは人間を引き寄せるだけではない。
獰猛な魔物を遠ざける効果があるのだ。これは最近判明した事である。
今までも、探索魔術でモンスターの少ない所を探し出す事で、アネモネを追跡したのだ。
(この辺りに魔物が少ないのはあのアネモネのせい――あ…)
ちょっと待て。
と、いう事はこの辺りは、森の中で唯一『人間にとって最も安全な場所』という事では。
最後の望みが見えた気がした。
マリオンは探索魔術を切り上げ、アネモネが居た方向へと走る。
木々の密度が増し、徐々に視界がピンクの靄で染まる。
走りながら防御魔術を展開し、催淫ガスを防ぐ。
リオが生きているかもしれない。
だが楽観視も出来ない。アドニスの種を植え付けられている可能性もあるのだから。
(いや、大丈夫。定着するほど、まだ時間が経ってない。今なら間に合う)
アドニスの種子を分離する術はこの二百年の間である程度研究が進んだ。
完全にアネモネ化していない限りは、人間へと戻す事が出来る。
精神や肉体――主に子宮を中心に少なからず後遺症は残るが、社会復帰も可能だ。
「――いた」
木々のカーテンが途切れる。
視界が開けたその先は、小さな泉だ。
その端で、蕾上となった肉の花が鎮座していた。
脚となる触手を泉に浸し、水分を吸収しているのか。
そう言えばここは日当たりもいい。植物らしく光合成でもしているのだろう。
(――寝ている?)
ゆっくりと近付けば花の様子を観察する。
しゅうしゅうとガスを撒く花は、人が呼吸するように一定の間隔で膨らみ、萎む。
足元の触手は微動だにしない。
(リオは――居ない、か)
探索魔術を使って辺りを調べるが泉周辺にはこのアネモネしか存在しない。
そしてアネモネの魔力反応が強すぎてその中に人が居るかどうか判別は出来なかった。
(花びらの一枚でも切り取って、中を覗いてみよう)
気分としては散々引っ掻き回されたので一刀両断でもしてみたい。
だが中にリオが居る可能性がある以上、そんな事は出来なかった。
(起こさないようにしないと)
目が覚めたら、中に居るリオを人質に取られる可能性もある。
マリオンは腰の鞘から愛用のサーベルを引き抜いた。
刀身にやや反りがある、細身の剣だ。異国の地にカタナと呼ばれる類似種があるらしい。
マリオンはゆっくりとアネモネに近付く。
動作は一瞬だ。花弁の根元に剣を突き刺し、切り裂く。
中を覗いてリオが居るなら素早く取り戻して、すぐに転移魔術を起動。森の外へと、
『んふふ。いいわぁ。リオのぷにぷにお肌。病み付きになりそう♪』
閉じた花から、声が聞こえた。
『肌だけじゃない。この匂いも、その声も。だいすきよぉ♪
あたし、もう貴女を絶対に手放さない♪』
ぎり、と剣を持つ手に必要以上の力が篭った。
『ほらぁ。リオもいいでしょう? 気持ちいいでしょう?
アネモネの触手、癖になるでしょう? いいのよ? 好きなだけ味わって?
そしてエッチな声をあたしに沢山聞かせて? んふふ。んふふふふっ』
ぶちん。自分の血管が切れる音を聞いた気がした。
強化魔術発動。サーベルを納刀し、ロッドを両手で持つ。
足元で魔術陣が浮かび上がり、淡い光がマリオンの両手を包み込んだ。
光が晴れれば白いグローブの上にびっしりと魔術文字が浮かび上がる。
強化魔術の作用を表すそれは魔術文字の密度が濃ければ濃い程威力も比例する。
そしてマリオンの二の腕は魔術文字の光で真っ白に埋め尽くされていた。
これがどれくらいのものなのか――5メートル程度のゴーレムと殴り合いが出来る程度だ。
「死ね」
両手で握り締めたロッドをフルスイング。
渾身の力を込めてにっくきアネモネに怒りの一撃を、
「――っ!?」
足元の触手が急になぎ払われた。
こちらの胴を狙う横薙ぎの一撃だ。
しかしそれも牽制のつもりだったらしく、威力も、速さも大した事はない。
反射的に身を翻らせ、距離を取ってかわした。
「――寝込みを襲うとは、やってくれるじゃない」
着地し、眼前を見据えた瞬間、肉の花が咲いた。
ぐぱり、と音を立てて四つの花弁が割れる。
中から現れたのは豊満な肉体を持った浅葱色の肌の女。
何度も苦汁を舐めさせられた、アネモネだ。
――そう、花肉の中にはアネモネしか居なかった。
「ってあら? また貴女なの? いい加減しつこ、」
「リオは何処」
「え? 何、貴女リオの知り合いなの?」
「質問に答えて」
「は。最近の子供は礼儀がなってないわねぇ。それが人にものを頼む態度なのかしら?」
「人が相手なら、敬意は払う。でも貴女はモンスター」
「あら。あたし、これでも中身は立派な乙女よ♪」
ウィンクをするアネモネに向けてロッドを突きつけた。
魔力を収束させ、いつでも雷撃の魔術を発動できるようにする。
「私、そういう冗談は嫌い。もう一度だけ聞く。リオは何処」
こちらの心中を察して、アネモネは大袈裟に肩を竦めた。
「さあねぇ。何処に居るかまではちょっと分からないわ。
まあでも何をやっているかは想像つくけど?」
「何を、やっているか?」
「分かってるでしょう? あたしはアネモネ。リオは人間。
アネモネに魅了された女の子がどうなるか」
「種子を、植え付けたのっ?」
「それがあの子の望みよ」
「え?」
今、何と言った。
(リオが、望んだ?)
自ら、進んでアドニスの種子を受けれた? そんな馬鹿な。
あの子は優しくて、臆病な子だ。
魔物に襲われて、犯されて、そして自らも魔物へと変わる事を、恐れない筈がない。
「嘘。リオに限って、そんな事ある筈ない」
「は。笑わせるじゃない。貴女にリオの何が分かるのよ」
「分かる。だって私はリオのお姉さんだから」
そうだ。リシュテアの意思を受け継ぎ、あの子を守るとあの日誓った。
そしてその為に強くなった。
厳しい父と母の教育にも耐えて、ヘスペリスになり、過酷な任務をいくつもこなした。
その間、リオの事を忘れた事など一度もない。
「貴女の言う事なんて信じない。きっとガスのせいでリオはおかしくなった。
だからアドニスの種子を受け入れた。そうに決まってる」
「貴女、救いようのない馬鹿ね」
心底呆れたような声だった。
いや、その表情の奥底に、別の感情が垣間見える――それは、怒り。
「モンスターに説教される謂れはない」
「あっそう。丁度良かったわ。話し合いの通じる相手じゃないな、って思ったところよ」
「化け物と話す舌なんて持ってない」
「それは残念だわ。あたし貴女の妹さんとは楽しくお喋りしたのに」
「嘘。そんな筈ない。貴女は卑怯。リオの事を話して、私を混乱させようとしている」
だったらもう言葉はいらない。
「リオを探すつもりだったけど、もういい。先に貴女を始末する」
「やれるものならやってみなさい。でも泣いても謝っても許さないわ。
貴女みたいな分からず屋の頑固者は一度きつーくお灸を据えてあげなきゃね?」
骨の一本や二本、覚悟しなさい。
そう、アネモネが宣言すると同時に、ロッドから紫電を放った。
不意打ち上等。問答無用の四連射。
それらを大した狙いも付けず、巨体に向けて放つ。
「ふん。おざなりな攻撃ね」
避ける気もないのか、四つの雷撃は四本の触手に迎撃され、消滅する。
だがそれは只の牽制。次弾を放つ為、注意を逸らしたに過ぎない。
ロッドに収束させていた魔力のストックはまだある。
次は計八発の雷撃を生み出し、放つ。
ばじばじ。空気が爆ぜる音を響かせ、紫電の矢がアネモネを襲う。
「数撃てば当たるって? 芸のない攻撃ね」
触手が再びなぎ払われ、五つの電撃が消滅した。
残る三発はかすりもしない。雷撃をわざと拡散させたのだ。
そのせいで一発はアネモネの上方へと逸れ、一発は森の奥へと吸い込まれる。
だが最後の一発は違う。
適当に撃った七発の雷撃に交えて、こちらは狙いを定めていた。
魔術の集弾率を広げ、あたかも適当に打ったと見せかけて。
最後の一発、その狙いは、泉の水面。
「――っ!?」
アネモネがこちらの意図に気付いた。が――遅い。
彼女が、泉に浸した触手を水面から引き上げるよりも早く、雷撃が水面に着弾した!
「きゃあぁっ!!」
悲鳴を上げ、アネモネが体を仰け反らせる。
だがダメージ自体はそれほどではない。魔力をセーブし威力を搾ったのだ。
次の一撃で終わらせる為に。
ロッドを放り出し、腰のサーベルに手を掛ける。
何故愛用の剣が『サーベル』なのか、勿論理由がある。
魔術と剣術の両方を体得する為、マリオンはとある近道をした。
魔術にしろ、剣術にしろ多種多様な種類があり、戦術がある。
魔術なら攻撃、防御、回復、補助、探索。
剣術にしてもそうだ。そもそもどんな剣を使うかで覚えるべき技術も変わる。
女の細腕と低い体力で切り合いをするならば、速度と技術に特化した短期決戦しかない。
マリオンは父と母と共に考えた。
父の戦士としての才能。母の魔術師としての才能。
それら両方を生かす為に、娘にどんな戦闘スタイルを身に着けさせるべきか。
結果、魔術にしろ剣術にしろ、汎用性を切り捨て、たった一つの戦術を極めた――
剣の柄に手を添えたまま、アネモネに肉薄する。
「っ、このっ、小癪なまねをっ」
ダメージから回復したアネモネが触手を繰り出す。
その瞬間、体内にストックして魔力を開放。転移魔術を発動させる。
「っ!?」
そして転移先は、目標を失い、混乱するアネモネの真後ろ。
――マリオンの戦術は実にシンプルだ。
攻撃魔術はあくまで牽制。敵の注意を引き付け、本命を叩き込む為の布石。
ダメージを与え、弱らせる事も目的ではあるが、それで終わらない時もある。
本命は剣による直接攻撃。
しかし、女の腕では限界がある。
スピードによるかく乱も、緻密な技術も、通じるのは人間同士の決闘だけだ。
こと魔物相手には兎に角、威力だけが求められる。
そして女の力では限界がある。
それ故の強化魔術だった。筋力を上昇させ、一撃必殺を狙う。
そしてその戦術に最も適正な剣はサーベルだ。
レイピアのような『突き』に特化した剣では威力が足りない。
ロングソードのような『叩く』に特化した剣では技術が生かせない。
剣神の血より与えられた技術と速さを生かす為には『切る』事に特化した剣が良い。
その為の『サーベル』――
「転移魔術!?」
勘の良い魔物はすぐにこちらの居場所に気が付いた。
体を捻り、触手を繰り出す動作に入り、
サーベルが抜き放たれた。
きいぃぃん。
抜刀の余力で刀身が鳴り響いていた。
真上から降り注ぐ陽光を浴びて、きらきらと輝いている。
振り抜いた曲剣はアネモネの胴体の左側から右側へと横一文字に『通り抜けている』。
――魔術で体勢を崩した相手に近付き、強化した膂力にて必殺の『居合い』を放つ。
それこそがマリオン=リビディスタのスタイル。
戦士であり、魔術士である彼女の、常勝の戦術だった。
サーベルを振り、アネモネの体液を刀身から払う。
勝負はついていた。アネモネは動かない。
マリオンは背中を向け、サーベルを鞘に収める。
――きん。
鞘に刀身が完全に納まった瞬間。
ずり、と生々しい音を立ててアネモネの体が横へと『スライド』する。
構わずにマリオンは歩き始めた。
ぐちゃり、と背後で熟れた果実が潰れる音が響く。
彼女がどうなったかなど、見るまでも無かった。
(余計な時間を取られた)
リオの生存は確認出来たが、本人の顔を見るまではまだ安心出来ない。
今頃は、体内のアドニスに操られるまま男と交わっているかもしれないからだ。
『いや、アソコ、疼いてっ、止まらないっ、助けてぇ! 切ないよぉっ』
「……ぁぅ」
乱れる妹の姿を想像して赤面してしまう。
アネモネを追撃している間、種子に犯され、正気を失った女性を何人も見てきたのだ。
その被害者達の顔が、リオと入れ替わり、あられもない声を発している。
(何考えてるの私っ)
「まだまだ、安心出来ない。これから、なんだから」
そうだ。見知らぬ男とセックスするなんて、絶対認めない。
もし、もうしていたら、その男も両断してやる。
今切り捨てたアネモネのように。
「そうね。これからね」
「っ!?」
背後から聞こえた声に驚き、振り向く。
左腰のサーベルに手を掛け、腰をやや落とし、いつでも迎撃出来る体勢を取った。
「びっくりしたわぁ。振り返った瞬間に――ばっさり!
剣筋が全然見えなかった。『切られた!』って気付いたのも貴女が背中を向けてからだし」
ずりりりりり。
肉を引きずる音を立てながら、花弁の上で触手が蠢いている。
上半身と下半身の断面から細かい触手の束があふれ出し、繋ぎ合っているのだ。
(再生している?)
「でも残念。『切断』じゃ、あたしは殺せないわよ?」
再生を終えたアネモネが、腰に手を当てて胸を張る。
浅葱色の艶かしい肌にはもう傷一つ付いていなかった。
得意の居合いは通用しない。
しかも必殺の一撃は不意打ちである事が大前提。敵も二の轍は踏まないだろう。
(だったら、焼き殺すっ)
サーベルを抜き放ち、雷撃の魔術を付与する。
下手な飛び道具は通用しない。剣を通して、直接雷撃を叩き込むしかない。
「今度はちゃんと殺す」
「そう? まあ頑張って頂戴」
「舐めるなっ」
遠距離から抜き身のサーベルを振りぬく。
魔力を帯びた高速の斬撃。それは雷撃を纏いながら敵を両断する剣圧となる。
それも低い位置から横一文字に放った一撃だ。
体の大きいアネモネには避けられる筈もない。
当たれば、ダメージ。防がれれば距離を詰め、剣による直接攻撃を行う事が出来る。
どちらにしろ、こちらが優位になる流れを生み出す事の出来る一手だ。
だが、
「よっ――こらせぇ!」
だむっ! 大地を震わす衝撃音。
それと同時にアネモネの巨体が宙を舞った!
(なんて出鱈目っ)
飛び上がったアネモネの足元を剣風が通り抜ける。
予想外の行動に対応が遅れた。マリオンはその場に立ち止まり上空のアネモネを見据える。
巨大な影が、足元に落ちる。アネモネは真上だ。
(迎撃するっ)
ワイバーンやハーピーを両断した経験もあるのだ。
巨大な的が、向こうからやってきてくれるのなら、むしろ好都合というもの。
剣を再び鞘に収め、居合いの構えを取る。
「ネーアスパイラルシュートぉ!!!」
(変な名前!)
心の中で即座に突っ込んだ。
アネモネは花弁の下の触手を螺旋状に束ね、自らの体も錐揉み回転させ、こちらに急降下!
直撃を受ければ、マリオンの使う下位の防御魔術では防ぎきれない。
だが問題ない。こんな直線的な攻撃、すれ違いざまに切り抜けばすむ事だ。
タイミングは体が覚えている。ミスなどしよう筈も、
「――カッコ嘘!」
(えぇ? 嘘? 嘘なの?)
何が嘘なんだろう。ネーアスパイラルシュート? 名前が嘘なのか?
それとも何か別の意味があるのだろうか。
唐突に足元がぐらついた。
「っ!?」
ぼこり、と地面が波打ち、次の瞬間下から何かが飛び出してきた!
(これはっ、!? 木の、根っ!)
反射的に飛び退き、下からの不意打ちを紙一重で回避する。
アネモネのドリルキックの軌道から僅かに逸れ、居合いの間合いからも離れた。
カッコ嘘、とはドリルキックが本命では無かったという事か。
「続けて『触手の檻』!」
まだ何かあるのか。多芸なアネモネだ。
頭上のアネモネから触手が凄まじい勢いで延びる。
(取り囲むつもり!?)
ずむ! ずむずむずむずむずむ!
こちらを包囲するように触手が地面に次々と突き刺さる。
気が付けば頭上に、アネモネの本体が。
(好都合)
こちらを包囲したという事は、どこに攻撃しても当たるという事だ。
だが剣を警戒しているのか触手の包囲は思ったよりも広範囲だ。
半径五メートル程だろうか、剣の間合いよりもかなり遠い。
ならば、と防御魔術に割いていた魔力を使い、雷撃の魔術を展開する。
あとは何処でも良い、この魔術を放てばこのアネモネは黒焦げだ。
そして動けなくなった所をじっくり料理してやればいい。
「私の勝ち」
「いいえ。貴女の負けよ」
ハッタリに耳を貸す気は無かった。
頭上のアネモネ本体に向けて、中位の雷撃魔術を放つ。
それとほぼ同時にアネモネの真下、つまりマリオンの頭上に蒼の魔術陣が展開された。
下位の攻撃魔術だ。別段珍しい事ではない。
人型や知性を持った魔物なら人間の使う魔術の真似事くらい出来る。
強大な魔力を持ったこのアネモネならおかしくはない。
だが中位の雷撃を迎え撃つのに下位の攻撃魔術では打ち勝てない。
相殺し、こちらが押し勝てる。
そう思った瞬間。頭上の魔術陣から『大量の水が零れ落ちてきた』。
しまった、そう思った時にはもう遅い。
火事の時に使用される放水の魔術だ。付近に水場があれば、威力も上昇する。
ばちばちばちばちばちっ!!
雷撃が、流れ落ちる大量の水に押し返され、こちらに牙を向いた。
バケツをひっくり返したような水が、防御結界にぶつかり、魔力同士で摩擦を起こす。
自ら放った雷撃が、水を通してこちらの防御魔術を削り取る。
雷撃に使用した魔力は防御魔術のそれよりも遥かに多い。
慌てて防御魔術を補強しようと魔力を集中させるが――少し遅かった。
防御魔術が耐久限界を超え、砕け散る。
と同時に全身に大量の水が降り掛かり、感電した。
「…っあ、あぁっ…! あぁぁあぁっ…! ――あぁぁっ!!」
電流が全身を焼く。
救いだったのは、水を通した事で威力が大幅に減衰していた事だ。
防御魔術と相殺し合った分も含めて、人を殺す程の威力は無かった。
(……何て、無様…)
だがダメージは少なくない。
アネモネと戦うどころか、剣を握る事すら出来ないくらいだ。
「……リオ…ごめんなさい…」
呟き、その場に倒れ付す。
視界がぼやけ、脳が働かない。
「殺す、なんて言った割には呆気無いものね」
(…うるさい)
「貴女、腕はいいのに単純なんだから、行動が読み易いわ。まだまだ半人前ね」
(うるさいっ)
「雷撃の魔術なら私の触手にでも撃てばダメージは通るのに、貴女はそうしなかった。
わざわざ私の胴体を狙って真上に魔術を放った。
それって、心の贅肉よ? 触手に撃てば、カウンターの放水も威力が落ちていたのに」
放水という性質上、それは重力に従い落下する。
さっきのネーアの反撃は、マリオンが真上に向けて雷撃を放つ事前提の作戦だったのだ。
(そんな事、言われなくても分かってる!)
そうだ。雷撃は感電という便利な特性があるからマリオンも好んで使っているのだ。
硬い鱗や、鎧を着込んだ敵にもダメージを与えられる。
剣に付与する事で接近戦でも優位に立てる。
だがこのアネモネを相手にしていると、すぐに頭に血が上ってしまう。
(どうして…?)
切れやすいのは性格と分かっているが、このモンスターはそれを差し引いても――苛つく。
その態度や仕草が、癇に障る。
いや、それだけではない。何か、何かあるのだ。
さっきこのアネモネと少し会話をして――駄目だ、上手く言葉に出来ない。
何か、気付きかけている。
だがそれは、喉に引っ掛かった魚の小骨のように、あと少しのところで出てこない。
「リビディスタっていうのはそんな人間ばっかりなのかしら?
強くなる事だけを考えて、本当に大切なのがなんなのか、気付いていない」
触手が体を拘束する。
剣を取りこぼし、花弁の上へと引き上げられた。
待ち受けていたのは、眉根を寄せて、こちらを睨むアネモネの女だ。
「ねえ? 貴女さっき言ったわよね? 自分はリオのお姉さんだって」
「…だから…なに…」
「少しでも、あの子の気持ちを考えた事はあるの?」
「あるっ、あるに決まってるっ…」
リオは健気な子だった。
厳格なリビディスタの家で育った彼女は我侭を言わない、素直な子になった。
物心付いた頃。自分の髪や瞳の色が他人と違う事に気付いた。
そして、自分がリビディスタの家に歓迎されていない事も。
父は無関心。義母は赤の他人どころか、仇を見るような目でリオを見た。
次第に、リオは世話係のパセットしか心を開かなくなった。
「リビディスタに居ても、リオは幸せになれない。
だから私は、強くなって。父様と母様に認めてもらって。お金を稼いで。
屋敷からリオを連れて出て行こうと思ったっ」
それが、十二年前リオの母リシュテアと交わした約束だ。
その約束があったから、父と母の厳しい教育にも。
そしてヘスペリスの任務にも耐えてこられた。
マリオンは目前のアネモネを睨み付けた。
剣は無くても、体がいう事を利かなくても、戦う意思は残っていた。
視線が交錯する。
それは一瞬か、それとも永遠か。
何十秒と続いた睨み合いの末、先に引いたのは人外の赤い瞳だ。
「この、分からず屋ぁっ」
ばちいん! と、張り手が炸裂した。
叩かれたのは無論、身動きの取れないマリオンだ。
が、何故叩かれたのかが理解出来ない。
自分はリオの為を思って今まで行動してきた。
褒められはしても、咎められる事は無い筈だ。
「ど、どうしてっ」
「貴女、ほんっきで馬鹿ねっ。
そこまでリオの事を思ってるなら、どうして今まで一緒に居てあげなかったのよ!?」
「だから、それは、お金を稼ぐ為にっ」
「いらない! いりません! そりゃ貧乏が良いって訳じゃないわよ。
でもね。その為にリオの傍から離れる必要は無かった。
ううん。離れちゃいけなかったのよ」
このアネモネの言い分も少しは分かる。
リオの事が心配なら、片時も離れるな、といいたいのだろう。
出来れば自分もそうしたい。
だが、将来の事を考えると、ほんの少しの間だけでも、傍から離れる必要があったのだ。
「屋敷には、面倒見のいいメイドがいる。
その子は賢くて、優しくて、リオとも仲がいい。だから、」
「馬鹿。それって単に貴女がそのメイドの子に甘えてるだけじゃないの」
「それは、」
「違うとでも言うの?
じゃあ聞くけど、そのメイドにも手に負えない事態が発生していたら?
貴女がリオの傍を離れたせいで、リオが危ない目に遭っていたとしたら?」
「……何それ。自分の事を棚に上げて、よくそんな事が、」
「リオはね。実の父親にレイプされてたのよ」
自分の耳を疑った。
まさか。ありえない。母なら何かしでかす可能性もあったかもしれない。
だがあの厳格な父親が自分の娘に手を出すなど。
『旦那様っ、リオっちが居なくなった事、誰にも口外するなってっ。
余計な事はするなってっ!
それじゃまるで『探すな』って言ってるみたいじゃないですか!』
不意に、パセットとの会話がリフレインされた。
父の真意は分からない。感情を表に出さない人だ。彼の考えなど理解できない。
だが、このアネモネの言葉。そしてパセットの言葉。
それらを統合すると――
(――口、封じ?)
娘を犯した、という事実を隠蔽する為、リオの探索をあえて行わなかった。
病弱な娘だ。放っておいても野垂れ死にする事を見越して。
そう考えれば、辻褄が合う。
ぞっとした。あの父親が、そんな汚い一面を隠し持っていた事に。
「貴女が居たら。そんな事にはならなかったんじゃないの?」
「それは…」
「貴女が傍でリオの事を見ていたら。お父さんとの関係にも気付けたんじゃないのっ?」
「……っ」
「お金もっ。名声もっ。どうだっていいわよ!
どうしてずっとあの子の傍に居てあげなかったのよ!?
傍に居てあの子の悩みを聞いてあげればよかったのよ!
お姉ちゃんが相談に乗ってあげるから、って!
あの子の味方になってあげれば良かったのよ!」
この時になって、ようやくマリオンは気付いた。
目の前の魔物が、リオを今まで放っていた自分に対して本気で怒っている、と。
「傍にいて、抱きしめてあげればよかったのよ!
リオは親の温もりを知らずに育ったんだのよっ。
だから貴女が甘やかしてあげないといけなかったのにっ」
「…ごめんなさい」
「…今更謝っても遅いわよ。
もう、あの子は道を踏み外してしまった。
実の父に身も心も犯されて、汚されて。
だから、あたしみたいな化け物に縋ってきた。
あたしから与えられる、仮初の温もりに依存した。
可哀想な子……もう、人には、戻れない…」
それっきり言葉が途切れた。
二人の間で重々しい空気が流れる。
(このアネモネは…嘘なんて一つもついてない)
目を見れば分かる。
この魔物は、リオの事を親身になって心配してくれていた。
そして自分を叱ってくれた。まるで母親のように。
(――あ、そうか。そうなんだ)
やっと分かった。このアネモネと会話をし始めてから、気に掛かっていた『何か』。
喉元まで来ているのに中々出てこない正体不明の感覚。
それは、郷愁だ。
(このアネモネ……雰囲気がリシュテアお義母様とそっくりなんだ)
身振り手振りを使った大袈裟な仕草。話し方や言葉遣いも似ている。
それに何よりも、他人の世話を焼きたがるところがそっくりだ。
魔物如きに尊敬する女性の真似事をされていると思って、腹が立っていたんだろうか。
(ほんと、私は馬鹿)
不器用で、気が利かなくて、すぐに周りが見えなくなる。
リオの事を考えたつもりで、結局全部が空回りだった。
どうしようもない、お姉さんだ。
「私、リオに会いたい」
「…会ってどうするのよ?」
「分からない…でも会いたい」
会って、どうしようか?
先ずは挨拶だろうか。
ただ今。遅くなって御免。寂しくなかった? いい子にしてた?
それとも、ごめんなさいだろうか。
辛い思いをさせてしまった。
予想も出来ない事だったが、だからと言って『しょうがない』で片付けられる訳もない。
(どうしよう?)
考えれば考えるほど何をすべきか分からなくなってくる。
しょうがないので目の前の『お姉さん』に助言を頼んだ。
「私何を言えばいいの? リオに何をしてあげれば、いいの?」
「あら簡単よ。ぎゅー、って抱きしめてあげればいいの」
「…え? それだけ?」
「だって、言葉になんて出来ないでしょ? 貴女の気持ち。
だったら、行動で示してあげればいいのよ」
(私の気持ち……)
そうだ。どうせ不器用なのだ、言葉で伝えようと思っても、きっと上手くいかない。
「ありがとう」
あっさりと、その言葉は出てきた。
「あれ? 私、ありがとう、って今言った?」
自分でも信じられない。
ありがとうなんて言ったのはいつ振りだろうか。
しかもさっきまでいがみ合っていた、魔物相手なのに。
「あはは。何よそれ? あたしにそれ、どうリアクションしろって言うの?」
アネモネは愉快そうに笑っている。
その表情が、死んだリシュテアと一瞬被った。
(お義母様……私、約束破るところだった)
リオを守る。そう誓ったのに。
危険はやはりというか、すぐ近くに潜んでいた。
父も母も、もう信用出来ない。
そして真実を知った今こそ、リオを救ってみせる。
「いい顔になったわね」
「……じろじろ見ないで」
「堅苦しい事言わないでよ♪ どうせ今から『親密な仲になる』んだし♪」
「……え」
忘れていたが目の前の女はアネモネである。
アネモネは人間の女に種子を植え付け、繁殖するモンスターだ。
(そんな事分かってる)
分かってるが、あまりにも人間臭いので忘れていただけだ。
「そういえば、お互い自己紹介もまだだったわね? あたしはネーアよ」
「いきなり馴れ馴れしくなるのは種付けの前フリ?」
「もう。こっちが名乗ったんだからそっちも素直に名乗りなさい」
「……マリオン=リビディスタ」
「マリオンね。素敵な名前じゃない」
真正面から笑顔で言われて面食らってしまう。
名前を褒められたのはリシュテアに一度あるだけで、それ以来だった。
「べ、別に普通」
「あははっ。何照れてるのよ。そういう時は素直にありがとう、って言えばいいのよ」
「…お節介」
「あら。そうだった? ごめんね。こういう性格だから」
(ほんと、お義母様と似てる)
「それでねマリオン?」
「…何」
「種付けさせてくれる?」
「死んでも嫌」
「素直でいい子ね。ますます種付けしたくなったわ♪」
「ほんと、止めて」
虚勢を張ってはいるが体の痺れは抜けていない。
この状態で催淫ガスを使われればあっと言う間に理性を失ってしまうだろう。
そうなったら終わりだ。
「あははっ。冗談よ冗談♪ 本気にするんじゃないの」
「え? 種付け、しないの?」
「また次にしましょう。あ、ほんとはあたしも種付けしたいわよ?
でも少しだけ待ってあげるわ」
「どうして?」
「リオの事なんだけどね? あの子、自分から望んで人間を止めたい、って言ったの。
ひ弱な体も、居場所の無い屋敷も、怖い両親も、全部要らない、ってね」
「……ん…」
「あたしは最初からリオの味方よ。
あの子がモンスターとして生きるというなら、それについていく。
でも貴女はどう? アネモネになってまで、リオについていく?
それとも、リオの意思を無視して、あの子を人間に戻す?」
「……まだ、分からない」
「そうでしょうね。
だから、実際貴女がリオと会って決心するまで、貴女に種付けするのは止めておくわ」
「助かります」
正直いきなり犯されて、アドニスの種子を植えつけられるのは御免こうむる。
しかしリオが望むのなら。一緒にアネモネになって欲しいと思っているなら。
(それも、悪くないかもしれない)
「ま、そういうわけだからゆっくり考えて頂戴。
――あ、そうだ。それよりも少し聞きたい事があるのよ。
リオのご両親って…二人とも普通の人間なの?」
「え?」
(何でそんな事聞くの?)
少なくとも父のグリーズは人間だ。
彼は幾多の魔物を葬り去ってきた英雄であり、マリオンの剣の師でもある。
魔物などよりもよっぽど化け物じみた強さを持つが、普通の人間のはずだ。
その心は、おぞましい化け物かもしれないが。
「父様は人間。間違いない」
「お母さんの方は?」
尋ねられて、考え込んでしまった。
人間、だとは思う。仮に魔物だったというなら父が子供を設けようとは思わないだろう。
何か特別な力があった訳でも無い。
強いて言うなら。
「リシュテア義母様は魅了の魔術を使えた――みたい」
「チャーム、ね……他には?」
「オッドアイだった。右目が緑で。左目が赤。髪はピンク」
「身体的特徴はリオにちゃんと受け継がれてたのね。他には何かない?
どんな些細な事でもいいから。マリオンが気付いた事」
「と言われても」
何しろ十年以上も前の話だ。
見た目や声、雰囲気は何となく思い出せるが……細かい事は流石に。
「…お義母様の家、ずっと娼館をやっていた、って聞いた」
これは関係ないか。
「ふぅん。生まれてくる子に店をずっと継がせてきたのね。何か理由があるのかしら」
「決まりだって、言ってた。気がする」
「気がするだけなのね……他には? 何かない?」
「……そう言えば、勘がいい、みたいな事を言ってた」
「気がする?」
「真似しないで――私、父様にずっと剣を教えてもらってたけどあの人の事全然分からない。
でも、義母様は私が子供の頃から、父様の事を理解してた」
「へえ。愛の力かしら?」
「……えと、肌を通して、心が分かる、って言ってた」
「気がする?」
「気がする」
「ふぅん? 何かしらね? 読心能力かしら?」
「ん。今思えばそうとも思える」
「他には何か無い?」
「――あ」
思い出した。特徴的というか、どちらかと言えば個性というか。
「猫っぽかった」
「は?」
「にゃーん」
「いや、リアクションしにくいんだけど」
「猫舌だった」
「……それだけ?」
「リオの名前は最初はクロとかシロでした。名付け親はお義母様」
「ネーミングセンス無いわね」
「貴女、人の事言えない」
ネーアスパイラルシュートとか触手の檻とか。
「他にも猫さんのこすぷれしてたみたい」
「あー。そんなサービスまであったのねぇ」
「にゃーん」
「いやもうそれ分かったから。うーん。猫ねぇ。成る程ねぇ。
でも猫のモンスターなんて居たかしら?」
「異国の地に『ネコマタ』というモンスターが居る」
「流石、そういう事は詳しいのね。そいつどんな奴なの?」
「それは――ごにょごにょごにょ――」
「ずばり当ててあげましょうか? サキュバスの親戚みたいな奴なんじゃない?」
「すごい。どうして分かったの?」
ネコマタは男を誘惑して精気を吸うモンスターだ。
何分異国の魔物なので生態系を含めてその詳細までは分かっていないが。
「んー。まあ何となく、ね。でもそいつって魔術とか使えないでしょ?」
「分からない。ネコマタは、普通の猫が長生きして、魔力を蓄えて、それで魔物になる。
だから、魔術っぽい何かは使えるかもしれない」
そもそも魔術自体がその異国とやらに存在しない可能性が高いのだ。
魔術はこの国でウラヌスが研究し、発展させたものだから。
「と、なると――ネコマタ以外にも混じっているのかしら」
「魅了の魔術と言えばサキュバス」
「他には…セイレーンかしら。リオのお母さん、歌とか上手かった?」
「……聞いたこと無い」
「スケベだったとか?」
「お義母様の事馬鹿にしないで」
ついキツイ口調になってしまった。
「あ――ごめんね? そういうつもりで言ったわけじゃないの」
が、本当に申し訳なさそうに謝罪するアネモネの顔を見て、冷静になる。
「――ん……こっちも言い過ぎた…ごめんなさい」
ネーアは、決して義母の事を嘲ったり侮蔑しているわけでは無い。
悪気は無かったのだ。
だが、その義母の事を悪く言う人間は、リビディスタにいくらでも居た。
その代表ともいえる人物は――言うまでもない。母ドルキだ。
母はリシュテアの事を汚らわしい毒婦、とよく罵っていた。
見舞いに行く時も、あんな女の所に言ってはいけません、と何度も怒られた。
あんなに、素晴らしい女性なのに。
皆知らないのだ。リシュテアが、どれだけ魅力的な女性か。
面倒見が良くて。優しくて。面白くて。それに、強い。
力が強い、という意味ではない。心だ。
病を患っているとは思えないほど、あの人はバイタリティに溢れていた。
無茶――と言われていたリオの出産も、無事に成し遂げた。
自分の命を犠牲にして。
その覚悟がどれほどのものか。
マリオンは、その時この指に絡めた温もりを通して、良く知っていた。
だから、リシュテアを馬鹿にする者は許せなかった。
「――正直に話すわよ?」
不意に、アネモネが切り出した。
真剣な表情だ。何か大切な話があるらしかった。
「今の話の流れで薄々感づいたと思うけど、リオのお母さん、人間じゃないかもしれないわ。
いえ。正確に言うと、人間じゃないモノの血が混じってる」
「……うん」
そう言われて、不思議と納得できた。
あの瞳や髪は勿論、声や仕草に至るまで、彼女は魅力的過ぎた。
それは人ならざるモノのみが、成せる事なのかもしれなかった。
「実は、リオと……その、している時にね?」
ちらちらとこちらの顔色を伺いながらネーアは話す。
もうしてしまったのだから堂々と話せばいいのに。いや切れるかもしれないけど。
自分の妹に種付けした張本人が目の前に居るのだから即座に叩っ切るのが普通だけど。
なんか、もう。話しているとそんな気も失せた。この魔物は悪い奴じゃない。
現に今も、こちらに気を遣って慎重に言葉を選んでいる。
悪戯をした子供が親に謝罪するように。
「もう、別に怒らないから。普通に話して」
そう助け舟を出すと、一瞬呆気に取られた顔をして、
「――ありがと。貴女、いい子ね。切れやすいけど」
「一言多い。次は十七つに分割して欲しい?」
「あはは。謹んで遠慮させてもらうわ」
緊張していた空気が僅かに緩んだ。
こういう空気は、嫌いではない。
ヘスペリスの仲間達には気のいい娘も居たが、ここまで気楽に話す事は無かった。
「そうそう。リオの事だったわね。
実はエッチしている時ね。あの子、急に性格が変わったの」
「え?」
「エロエロだったわ」
「え、エロエロ…?」
「ええそれはもう。凄かったわ。
事こういう事はあたし達アネモネの専売特許なのに。リオも負けてなかった。
っていうかあたしちょっと自身無くしちゃったわ。
あんな小さな子に好き放題されて。
敏感な所を膣圧でピンポイントで締め付けるとか、あの子の歳で出来る訳ないじゃない」
「――ごくり」
「ちょっと興奮した?」
「どきどきしてる」
「雰囲気作りにガスでも撒く?」
「それはいらない」
「あら、残念――ええぇと、それでね? 言葉遣いもエロエロだったわ。
なんかおマンコとか触手チンポとか言ってたし」
「……そ、それは嘘っ、リオが、そんな事っ」
「んふー。そう? そう思うわよねぇ? でもねぇ…うふふふ。
真実は残酷なのよ? あたしと出会う前からあの子はエロスの権化だったのよ?」
「うぅ。いかにもそれが真実みたいな言い方は止めて」
自分の妹がそんないやらしい女の子だったとは思いたくなかった。
「事実よ。でも、理由がちゃんとある。リオね。性格が変わったって言ったけど。
同時に魔力も上昇していたわ。凄い勢いでね。
あれって、あたしの体液を飲ませてからだわ。リオの中で、何かが変わったのよ」
「どういう事?」
「眠っていた魔物の血が、目覚めたのよ」
変わり者の母。その血を継いだ娘は人外と交わり、豹変した。
「あの魔力の質は、人間よりもあたし達魔物に近かった。間違いないわ。
リオも、リオのお母さんもモンスターの血を引いてる」
「……そんな」
「エッチしてる時、やたらとにゃーにゃー喘いでるなー、って思ったんだけど。
ネコマタか……でも、もう一種類が分からないわ。
魅了の魔術を使う魔物の血が、混じっている筈なのよ」
候補としてはサキュバスか、もしくはそれ以外の何かか。
「あたしの勘では、そのもう一種類が、ちょっとやばい奴かもしれない」
サキュバスやネコマタなら単に『食事』の為に人間を襲うだけだ。
それも人間側からすれば、迷惑な話だろうが、人が家畜を殺して食うのと変わりない。
だが魔物の中には、純粋に破壊を愉しむ者もいる。
人を騙し、堕落させる事に快感を覚える者も居る。
リオがそういう類のモンスターであった場合、事は深刻になる――という事か。
(――あれ?)
「今、気付いた」
「ん? 何?」
「アネモネは、体内のアドニスを通じて互いに繋がってる」
「そうよ。上下関係が強い種でね。
種付けされた女は自分に種付けをした女に逆らえないの。吸血鬼とかと一緒ね」
「だったら、貴女がリオの事を調べたり、言う事を聞いてもらう事も出来る」
種付けをしたのがこのアネモネなのだから、リオはこの女に絶対逆らえない筈だ。
今のリオの様子も、このアネモネには分かる筈である。
「その筈なんだけど……どうにも繋がりが悪いのよねぇ」
「何それ」
「リオ自身の魔力が強すぎるのかしら、アドニス同士の繋がりが阻害されてるのよ」
話を聞けば聞くほど不安になっていた。
リビディスタの屋敷を出ておよそ二年。
その間に守るべき妹は穢された挙句、正体不明の魔物へと変容しつつあるというのだ。
「触手、放して」
「どうするつもり?」
「おしゃべりはここまで。リオを探しに行く」
「体は大丈夫なの?」
「まだ少し痺れが残ってるけど、じっとしてられない」
「そう。まあ、しょうがないわね。
あたしも少し心配してたところだし、一緒に行きましょうか」
「一人で大丈夫」
「…貴女気付いてないの? 一人じゃ無理よ多分」
「何で」
「探索魔術使ってみなさい」
「?」
意識を集中し、魔術を発動。半径三百メートル付近を調べ上げる。
「――うじゃうじゃいる」
魔物が。それもその筈。会話の為にアネモネがガスを撒いていないのだ。
暢気におしゃべりに夢中になっている間にすっかり取り囲まれてしまった訳である。
「全員蹴散らす」
「ちょっと待ちなさい。様子がおかしいわ」
アネモネの言葉を聞いて、再び探索魔術を展開。
(移動、している?)
時間を掛けて魔物達の動きを見ていると、彼らはこちらを無視して移動していた。
移動先は――アレエスの街。
「何で。街には結界が張ってるのに」
それを分かっているからこの森の魔物達は街には中々近付こうとしない。
攻めても無駄、と分かっているのだ。それが何故今になってこんな行動を。
「あ。これはまずいわ」
「どうしたの」
「リオの居場所が分かったのよ。何処だと思う?」
「勿体ぶらなくていい」
「街の中よ」
「ならいい。森の中よりかは安全」
「そうじゃないのよ。今繋がりが少し戻ったんだけど――
あの子、もう人間じゃなくなってるわ」
言われてどきりとした。それはつまり、
「アネモネに、なっちゃったの?」
「そんなに早く種子は育たないわ」
「でも、今、人間じゃなくなってるって」
「恐れていた事が現実になったわね…」
アネモネは肩越しにアレエスの街を見詰める。
その視線の先に、リオの姿を見ているようだった。
「結局、どういう事なの」
「繋がりが戻ったのはアレエスの結界が無くなったからよ」
「っ!? そんな、ありえないっ。だって結界は内側からしか解除出来ないからっ」
「だから、内側から空けてもらったのよ。
きっとリオがそう、仕向けたんだわ。完全に魔物になってしまった自分が潜入する為に」
「でも、入ったなら結界はまた張り直せばいい!
わざわざ解除するなんて、どうしてそんな事をするか、分からない!」
「理由は、そうね……はっきりとは分からないわね。でもこれだけは言えるわ。
今のリオは、貴女の知っているリオじゃないかもしれない」
「え?」
「そうか――結界を解除したのは魔物を招き入れて、街を混乱させる為。
自分が動きやすくする為ね。全く酷い事を思いつくものだわ。
人間の時のリオなら、絶対にこんな酷い事はしないのに」
「結局何なの? リオは一体どうなったのっ。教えてっ」
「この魔力の反応には覚えがある。ドス黒くて、どろどろしていて。
触るとこちらが腐ってしまいそう。……そう。あいつらは人の負の感情を好む。
純情な心を、汚く穢し、堕落させる事に快感を覚える最低の連中よ」
アネモネが振り返った。
美しい顔は、悔しそうに唇を噛み、苦々しい表情を浮かべていた。
「あの子の正体は、悪魔よ」
以上で八話終了です。
何時の間にか全体の半分を過ぎてますね。まあプロット段階では、ですが。
勿論ここから話が伸びたり縮んだりする可能性もあります。
尚、今回のバトルシーンですが慣れないモノを書いたと思うので色々間違いがあると思います。
もし何か気になるところがあれば遠慮なく言って下さいね。
――実際サーベルで居合抜きとか出来るんだろうか。
まあ、出来なくてもマリオンのは居合専用に調整しているという事で。
あそうだ。次回ですが、ちょっと思い立って予告っぽいのを考えてみました。
――親友であるリオを必死に探すパセット。
だがどれだけ探してもリオは見つからない。
絶望に明け暮れるパセット。
しかし突如、その前に探し人が現れた。
涙を流しながら喜ぶパセット。
だが彼女は知らなかった。目の前の唯一無二の親友がすでに人でない事を。
そして、人の姿をしたリオが悪魔のような笑みを浮かべている事にも気付かない。
魅了の魔術を使われた事にも。
気が付けば、パセットは見知らぬ場所に居た。
人気の無い細い路地裏。その奥に、人々に忘れ去られたような一軒家がある。
その中でパセットが見た物は。
メイドの背中で、悪魔が邪悪な笑みを浮かべている。
彼女の運命は決まっていた。
リオの数々の責め苦に、パセットは喘ぎ悶える!
次回、永久の果肉、第九話、
『ドッグ・ハント』
――あはは。やめときゃよかったwwww
もうやりませんよ次回予告。私の羞恥心的に。
いつものように感想や誤字脱字の指摘等承りますー。
まだまだ修行が足りませんね色々な意味で。
それでは今回はこの辺で。
幼女万歳。
って今回幼女出てないし。まあいいか。
乙×風さんおつかれさまでしたー
リオ第一のマリオンが可愛くなってきた
しかし、次回予告があると来週が気になる・・・
あと
>>282の
>アネモネは催淫ガスは人間を引き寄せるだけではない。
この部分 ↑ と
>>290の
>リオは親の温もりを知らずに育ったんだのよっ。
この部分の語尾がおかしいような気が
こまけぇこたぁいいんだよ すべて脳内変換で乙
そして乙×風氏お疲れ様です これが楽しみに一週間生きてきた
そして今回のバトルものも分かりやすくもう頭で戦闘アニメが繰り広げられてましたよ
はやく姉と妹の再開が待ち遠しい!
わたし 予告 あると とても 気になる
リオっちの行く末が気になって生きるのがつらい
たぶん「魔天使」級に、人間世界的に救いようの無い展開になるんだろうなぁ…
だがそれがいい(AA略
先週忘れたから、今週こそ乙&GJと言わせて貰う!
自分の中ではマリオンさんが某アセリアと被って仕方が無い
ネーアと仲良しになってる辺りも萌えポイント
そしてリオとの再会が悲しいお知らせになりそうでガクブル……
二次元エンドなら、最後の理性を振り絞ったマリオンがリオを殺すとか?
みんな仲良く魔物になって大団円になるといいなあ……
アネモネだけに姉もね!……ナンチテ
まーた面白くなってきたなチクショウ
月曜日が楽しみになる日が来るとは思ってなかったぜ
火〜土まで別々の作品が投下されるようになったら毎日が楽しいのに
なにげに「十七つに分割」というワードにニヤリとしたのは俺だけじゃないはず・・・
な、なんだこの蔓は!?ちょっ・・・ま、まって・・・!!
うはwwwみなぎってきたwww
ちなみに↑で出た絵師のサイトは結構このスレ住人的には常連さん多そうな気がする。
確かなんでも殺せる人のやつだっけ
乙×風氏GJ、結構長いのにいざ読むともう半分過ぎちゃったのかって感じです
やっぱりリオは暴走モードだったのか・・・ますます期待が膨らむぜ!
これほど待ち遠しい「月曜」が来るとは思わなかったw
>>305に安価つけたつもりで忘れてた失礼
お詫びに出番のなかったリオさんを預かっt(ry
メイデン・フォースが
310 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 02:12:28 ID:4jKxpDzC
乙x風さんgj
そういえば永久の果肉の前作って完結してたっけ
ネーアが主人公のやつ
完結してないよ
615 名前:乙×風 ◆VBguGDzqNI [sage] 投稿日:2010/02/10(水) 18:13:12 ID:jWO+6BHz
==========省略============
尚、前作『無限の果肉』シリーズですが。
キャラが多すぎて収集が付きません(´・ω・`) 自業自得ですけど。
まあ、大筋は大体決めています。エンディングも考えてます。
だがそこまでの経過を書くのが辛い。ひたすらエロシーンですから筆が進まんのです。
ですから『永久の果肉』に続投の旧キャラに、過去話という形で『無限の果肉』の顛末を語らせるつもりです。
ファンの方々、今まで期待させておいて大変申し訳ないのですがそういう事でどうかお願いします。
その分今回のお話はきちんと完結させるつもりです。キャラも絞りましたしね。
長々と失礼しました。
今は筆が乗っているので多分、次週くらいには投下出来ると思います。
それではこれで。
さすがのネーアもクラスチェンジしたリオの前では
アネモネリンクを逆利用されて下剋上堕ちしそうな予感
エッチなことは知り尽くしてるのに堕とされるのか…それはそれでいいな
もうスレ容量400kとか飛ばしすぎだろ…
俺の触手が持たないジャマイカ
あと3つくらいで500かねー
今月中には埋まりそうだなー
これが13スレの威力か…さすが不気味な数字
今週もウルトラマンデーの時間がやってきました。
今回はエロオンリーですぞ。
まあ、前回のエロ無し話も思ったより評判が良かったので実はほっとしています。
ただし、297氏が指摘してくれた誤字は…もう何というか。
やっちまった感が漂います。シリアスなシーンなだけにほんと悔しいですわぁ。
さて、気を取り直して投下といきましょうか。
(二穴攻め、乱交、百合、ふたなり、逆レイプ、焦らしプレイ、精神崩壊)
NGワードはこんなもんですか。
今回はリオがパセットを堕とす話ですー。
15レスほど消費します。
第九話 ドッグハント
アレエスの街を一人のメイドが駆けている。
街を東西に分断する中央通りだ。そこを北上しながらメイドは叫び声を上げていだ。
「リオっちーーーっっ!! 何処行ったのーー!! 返事してーっ!!」
大声を上げているのはパセットだ。
出店と人でごった返す大通りで、人目も憚らずリオの捜索をしている。
街行く人々が何事かと奇異の視線を向けてくるがそれに構っている余裕は無かった。
太陽はすでに真上までに上っている。
彼女が消えてからもう何時間経つのだろうか。
(プチ家出とかだったらいいんだけどっ。もうほんとにリオっちは人の気も知らないで!)
「見つけたら絶対おっぱい揉んでやるんだからぁ!!」
逆切れ気味に叫んだ時だった。
「…あのパセットちゃん。街中で何大声で叫んでるの?」
「へ?」
背中から馴染み深い声が聞こえた。それは、もう何年も聞き続けた声だった。
淡い期待を込めて振り返る。
熟れた桃のような髪。そしてゴスロリドレス。
愛らしい顔はややはにかんだ様子で――探し人はそこに居た。
「リオっち!? リオっちだ! どの面下げて帰ってきやがったこんちくしょう!
うわあぁんバカあぁぁぁっ!!! 心配したんだからぁぁぁっ!!」
「え!? あれ!? パセットちゃんっ?」
「バカバカバカバカバカ! ロリロリロリロリロリロリ!
本気で心配したんだゾ!? プチ家出か!? 家出なのか!?
するならするでどーしてパセットに一言声掛けてくれないのさ!?
パセットとリオっちの友情はそんなもんだったのか!?」
「パセットちゃん…」
ぎゅう、と小さな体を抱き締める。
「パセットは怒ってる。分かるよねリオっち?」
「うん。ごめんなさい」
「謝っただけじゃ許さないから。昨日作ったげたご飯だって食べてくれなかったし。
いや、体調が悪かったんなら別にいいんだけど?
いやいやそうじゃなくて心配掛けた分、ちゃんと罪を償いなさい!
主に体で! 具体的にはオッパイ揉ませろ!!」
我ながら無茶苦茶な事を言ってるな、と思う。
だがそれが自分らしい。冗談を言えるくらいには、本当に安心した。
(良かった…リオっち、帰ってきてくれて、ほんと良かった…っ)
抱きついたのは泣いているところを見られたくなかったからだ。
まあ、半泣きの顔はバッチリ見られたと思って、
「いいよ? 私のおっぱい揉ませてあげるから、許して?」
(ほうほう、リオっちにしては中々殊勝な心掛けだ。
このパセットの無理難題冗談冗句を真に受け自らのてオッパイを差し出すとは)
「って何ですと…!?」
がば、と離れてリオの顔を伺う。
何やら顔が赤い気がするのは気のせいか。
いや、それ以前に。
(あれ? リオっちって、右目、青色じゃなかったっけ?)
どうして、彼女の目は両方とも赤い?
そんなこちらの疑問を読んだように、リオはくすり、と笑う。
その表情が何故かとても艶かしく見えて、どきり、としてしまった。
(な、なんか今のリオっち、ちょっと変だ…)
自分がお世話をしていた少女は、どちらかと言えば陰鬱な子だった。
気弱で、言いたい事が言えないような、自己主張が下手な子だ。
それにすぐに情緒が不安定になる。
可愛い顔はいつも悲しい表情をしていた。パセットからすれば実に勿体無い話である。
それがどうだ。
今のリオは明るい笑顔を浮かべている。
どことなく色っぽい雰囲気も、なんだか小悪魔っぽい感じがしてとても可愛らしい。
自信と幸福に満ちた表情は、そこらの男も女も関係無く惹き付けて止まないだろう。
(うっわぁ。リオっちやっぱり可愛い。完全敗北です。
わたくしめのようなタヌキ娘では歯が立ちません。バタンキュー)
「ふふふ。パセットちゃんも可愛いよ♪ 私大好き♪」
くらりと来た。
いやもう妖しいとかリオらしくないとか果てしなくどうでもいい。
これが我が主。リオ=リビディスタその人である。
一言で言うと、可愛いは正義!!
「好きなら是非おっぱい揉ませて下さいな!」
何言ってるんだ。頭おかしいんじゃないのか。
しかしリオの甘い体臭を嗅いでいるとどうにも頭がすけべな方向に行ってしまう。
それに、すっ、と細めた少女の瞳とか、はふぅ、という艶かしい吐息とか。
何だこのエロオーラ。こっちまでドキドキしてきた。
(あ、れ、なんぞ? 頭、クラクラしてきた…)
「いいよ? オッパイくらい。迷惑掛けた御礼に、沢山触らせてあげる。
でも、その前に、『私の我侭、聞いて欲しいな』」
リオの声は耳朶を打ち、脳に響き、心にまで染み渡る。
少女の色香に惑わされた精神は、ゴスロリ少女の言葉に何の疑問なく聞き入ってしまう。
「…うん。いいよ…パセットは…リオっちのメイドさんだから…」
「ありがとパセットちゃん! 大好き♪」
ちゅ。とほっぺたにキスをされる。
(あぁぁぁぁぁあぁぁっ…幸せぇ…)
暖かい感触に心が幸福感で満たされた。
赤い両目。どことなく淫靡な雰囲気。
それらに対する警戒や疑心はそれで綺麗さっぱり流された。
だから、こちらを見る紅い目が、狩猟動物のように細まっている事にも気付かない。
リオが、薄ら寒い笑みを浮かべている事にも。
「じゃこっち! こっち来て! パセットちゃんに見せたいものがあるの!」
手を引かれ、大通りから外れる。
狭い路地に入り、ジグザグに進んでいく。
人通りが徐々に少なくなり、表通りから聞こえる喧騒が泡沫の夢のように感じる。
こちらの手を引きながら走る少女の足取りは、軽やかだった。
どこにそんな体力があるのか、ぼんやりと考える。
(元気になったんだねぇ…)
思考がうまく働かない。まるで夢の中のようだ。
そしてそれが悪夢のような現実である事に、すぐに気付かされる事になる。
「さ、着いたよ♪」
ぱん、と手を叩かれる。
「――はれ?」
猫騙しの音で正気に戻った。
(何だかぼーっとしてたなぁ…)
大通りから随分離れた所に来てしまった。
そもそも何処をどう通って来たのかも思い出せない。
「んで此処は何なのさ?」
見るからにオンボロの一軒家が目の前に鎮座している。
薄汚れて、黴が生えて、メイドとしての本能が疼いてしょうがない。
「? ここを掃除すればいいの?」
「あははっ。違うよ。取り敢えず中に入ってみれば分かるから」
「ふーん。ま、いっか♪ 鬼が出るのか蛇が出るか♪」
どっちでもないよ。背中からリオの声が聞こえた。
同時に勢いに任せて入り口の扉を開ける。
「あっ!! あっんっ! いいっ! もっとっ! もっと下さいぃ!
貴方様の逞しいおチンポで、私のクサマンコをズボズボして下さい!!」
「家を間違えました」
「合ってるよ♪」
速攻でドアを閉めようとするがリオが戸口に腕を挟み、阻止された。
「ほらほらパセットちゃんも入って入って♪」
「え、いやパセットはこんなアダルティックかつエロティックな家には、ってきゃわ!?」
ぐい、と背中を押されて無理矢理家に入れられてしまう。
この華奢な少女はこんなに力が強かったか?
いやいやそんな事よりもこの現状を何とかしないと。
「あん! あん! いいっ! おチンポいいっ!!」
(うっわぁ…っ)
一軒家の中では現在進行形で激しい情事が繰り広げられていた。
リオの部屋と大して変わらない大きさの室内では、二人の男が一人の女を犯している。
そこは居住区画の余ったスペースに作られた一軒家だ。
今にも壊れそうな安物のベッドが二つと、クローゼットが一つ。窓は一つだけ。
無論屋敷にあるような調度品も無く、埃臭いそこは浮浪者が住むような家だった。
その中に四人の屈強な男と、うら若い女が居る。
男は皆逞しい腹筋とそそり立ったペニスを露出させ、女も絹のような柔肌を晒していた。
彼らは二つあるベッドの内の一つを占領し、騎乗位に女を犯している。
一人が下から突き上げ、一人がその背後から尻穴を穿ち、残り二人はマスを掻いている。
(え、ええ? あれっ、ひょっとしてお尻にも入ってるの!?)
がつがつと腰を交互に打ち付けられ、女の体がリズミカルに踊る。
だが銀髪の女は二本の怒張を受け入れながらも、その激しい性交に感じているようだった。
涎をだらしなく垂らし、眉根をハの字に寄せ、甘い嬌声を上げている。
垂れ目の翠の瞳はしっとりと濡れて、実に色っぽい。
(ってあれ、ひょっとしてクロト様じゃ!?)
そうだ、どこかで見た事があると思ったら。
確かドルキの門下生の魔術師だ。腕が良くて頭も良くて人も良くて顔も良い。
パセットすらも羨望を覚えるほど完璧な女性。
それもドルキに将来を約束された一流の魔術師だ。
それがどうしてこんな所で、こんな乱交紛いの事を。
(クロト様って、こんなエロエロだったんだ…)
快楽を受け止め、悦に浸るその表情。
唾液に濡れ、艶かしい喘ぎを漏らす唇。
カーテンの隙間から漏れる光を受けて、汗と精液に濡れた裸体がヌラリとした光沢を放つ。
細い腰がそこだけ別の生き物のように捻り、くねり、男を貪っていた。
(うわ…家の中、凄い匂い…っ)
女と男の性の匂い。それに汗の匂いが交わり、鼻が曲がりそうだ。
だが、不思議と不快ではない。むしろ、こちらも胸がドキドキしてくる。
濃密な性の匂いに混じり、甘い、何かの花のような匂いがした。
「ドキドキしてるね♪」
「り、リオっち…これ、どうなってるの?
あれ、クロト様でしょ? どうしてこんな事、してるのっ?」
「簡単だよ。クロトさんはね。自分に素直になっただけ。私もそう。
そして、今度はパセットちゃんの番だよ?」
「…え? な、何言ってるのリオっ――っ!?」
いきなりキスされた。
柔らかい唇の感触が押し当てられて、それだけでどきり、としてしまう。
不意打ちだったので抵抗する暇も無い。
目を白黒している間にリオの舌がこちらの咥内に入り込んできた。
(っ舌っ、リオッちに舐められてっ)
唾液に濡れた舌同士を擦り合わされる。
「くちゅっ――ちゅるっ、んちゅっ♪ れろれろ♪ じゅるるっ♪ じゅるじゅるっ♪」
「んーー!? んーー! んんんんんっっ!!!」
咥内を舌で蹂躙されて、反射的に体を暴れさせた。
ところがしっかりと抱き付かれているせいでビクともしない。
(どうしようっ、リオッちに、キスされてる!?)
キス自体は嫌ではない。ただそれは男と女でやるものだと思っている。
それに親友だと思っていた娘から唐突にされるのも衝撃的だった。
それもじゃれあうようなキスではなく、性的な意味のものを。
どろり、と大量の唾液を送り込まれる。
甘酸っぱいそれを自分のものとぐちょぐちょと音を立てて掻き回される。
いやらしい音に頭がどうにかなりそうだった。
ふんふんという互いの鼻息がこそばゆく、真正面の愛らしい顔にどきどきしてしまう。
唾液の量も徐々に増えて――ごくり。思わず飲んでしまった。
(うあ…リオッちの涎、飲んじゃった…どうしようっ)
別に死ぬわけではないのだが。
それでもこれで只の主従や親友との関係からそれ以上のものへと変わった気がした。
「♪ んんっ、ちゅるるるるるるっっ♪」
「!? っ!! っ!!」
思いっきり舌を吸引されて、閉じた瞼の裏で火花が散った。
舌の粘膜が性感帯のように敏感になっていて、蕩けそうな愉悦が走ったのだ。
背筋にぞくりとしたものが走り、キスによる官能を思い知らされる。
「――ぷあっ♪ あ、はあぁ♪ どう? パセットちゃん? ちゅー、気持ちよかった?」
「んああぁぁぁ……パセットはもう駄目ですぅ…」
真っ赤な顔になって膝が落ちた。
縋りつくようにひらひらのスカート部分に抱きつく。
じゃれてるのではない。力が入らないのだ。
(やばいよやばいよパセット。凄いドキドキしてきた)
体は蕩けたように力が入らない、長風呂の後のように頭がぼうっとする。
(――うん? あぁ、リオッち、むっちゃ良い匂いするなぁ)
抱きついたスカートの向こうから甘い匂いがする。
この娘特有の匂いだが、それがまた今日は一段と強いような。
「ううん、リオッち、良い匂いぃ…堪んないよぉ…」
クンクンと匂いを嗅ぐ。嗅げば嗅ぐほど頭に靄が掛かるようだ。
そしてそれと比例するように胸のドキドキが大きくなる。
更に、じくり、と股下が疼くのを自覚した。
(…うぅん…パセットってば、まさか…エロイ気分になってるの?)
アンアンと喘いでるクロトが目に入り、気持ち良さそうだな、と思ってしまう。
「あっ♪ あぁんっ♪ イきます、いきますっ♪ あはっ、はぁん♪
ウンチの穴も、ドロドロマンコもっ♪ あぁんっ♪ いいっ♪
あっ、あっ、あっ、ああっ♪ キュンキュンします♪
あっ♪ あ、あっ、ぁ、あ、あ、あ、あ、あ、あっああぁぁ♪
イクイクイクイクイクイクイクあぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁんんん!!!!」
ビクンビクン…!
あられもない声を上げて、目の前で尊敬する魔術師の女は達した。
体中を痙攣させながら、半開きの口から涎をタラタラと零している。
魔術師なんてそこには居なかった。今目の前に居る女は只の雌だった。
アクメを迎えたクロトを祝うように射精が行われる。
ヴァギナに。アナルに。
そして彼女の左右から更に男が二人、その端正な顔に、美しい髪に。
どぴゅどぴゅと淫らなパックを施していった。
「あはぁ…熱うい…♪」
クロトはそれを目を細めながら受け止めている。
(…え、エロ過ぎる…)
それは自分もか。さっきから股下がじくじくと疼いてしょうがない。
クロトの嬌声が耳について離れず、また立ち上るオスの匂いに頭がどうにかなりそうだ。
ずるり、と二本の穴からペニスが引き抜かれた。
あん、とクロトが甘い声を漏らし、その結合部から白濁液を逆流させる。
「――って、何あれっ?」
ペニスが抜けた結合部。
女性器があるべき所に何かが張り付いていた。
(…何? 花、なの?)
上下左右に広がる肉色をした四つの花弁。
その中央に陰唇そっくりの穴が開いており、解れたヴァギナ同様にひくついている。
「ふふふ、あれはね、アドニスっていう魔物なの」
「へ? ま、魔物!? あの花みたいなのが!?」
「うん♪ 子宮の中から生えてるんだよあれ」
(いやいやいやいや。そんなエロイモンスター、居るんだ?)
「アドニスはね。女の子の子宮に寄生して、その中で男の人の精液を吸って成長するの。
母体をすけべな体に徐々に改造しながらね♪
だからアドニスに寄生された女の子はおっぱいがおっきくなったりするんだよ♪」
「な、なんですとっ」
(そ、それは聞き捨てなりませんな)
「でしょう♪ だから、パセットちゃんにも寄生させてあげるね♪」
「……え? いや、リオッち、何を言ってる?」
「ふふふ。お腹の中でアドニスが成長しちゃうとね? その中で種子が作られるの。
そして寄生された女の子は、お腹の中のその種子を別の女の子に植えつける。
種子を植えつけられた女の子の中でアドニスは成長して、また新たな種子を作る。
そうやって無限に増えていくんだよ♪」
「…ちょっと待って。それじゃ、もしかして…リオッちも…?」
「あったりー♪」
リオがスカートの端を摘み、するすると引っ張り上げていく。
露出された彼女の股下には、クロトと同じ、肉の花が咲いていた。
「そ、そんな…」
変わってしまった親友の姿に愕然とした。
この、得体の知れないモンスターのせいで、リオは変わってしまったのか?
「うーん。半分当たり、かな? 元々私、人間じゃなかったみたいだから」
「…は、え?」
股から生やした花が発する甘い匂いのせいで上手く思考が働かない。
半分当たり? 人間じゃない? さっきから何を言っているのか分からない。
「まあ、これは見てもらった方が早いかな?
昨日までは病弱虐められっ子だったリオ=リビディスタ。だが実態は!?
へーんしん♪」
「うわわっ」
ノリノリの掛け声と共にリオの体から黒い靄が溢れ出した。
黒い靄は少女の体を包み込むと、あるべき姿へと変えていく。
衣服を淫らに改造し、蝙蝠の翼をはためかせ、二本の尻尾を生やす。
桃色の髪の先から、艶やかな紫色の髪が伸びた。
最後に、ぴこん、と猫耳を生やしてそれは終わった。
「じゃーん♪ 淫魔リオだよ♪」
にゃん♪ と声色を作って猫っぽいポーズ。
パセットは変わり果てた友人の姿に硬直した。
悪魔と猫を足して割ったような姿は確かに愛らしい。
快活になった今の彼女に相応しい姿と言える。だが、
「……え、」
「?『え』?」
「エロ過ぎるわぁぁぁあああーーーーー!!!」
「にゃうっ!?」
怒りの一喝に淫魔はたじろいだ。
「肩、肩見せるんじゃないの! っていうかそのスカートは何なのさ!?
バックリ中見えてる! 見えてるの! 何考えてんのさ!?
露出狂っ? 羞恥プレイなの!? そんな変態を育てた覚えはありません! キリッ!」
「うにゃぁん? パセットちゃん、この格好、気に入らない?」
お尻を向けて、挑発するように腰を振る。
二本の尻尾がユラユラと揺れて、そのすぐ下から、
「だから見えるのっ! は、破廉恥すぎだよもうっ! 普通の服に戻ってよう!
でないと、パセットは、パセットは!!」
「おかしくなっちゃう?」
図星をつかれて硬直した。
そう。わざわざ大声を上げたのも怒ったのも自分の感情を誤魔化す為だ。
湧き上がる、性欲を。
この友人と、一緒にふしだらな行為に溺れてみたいという情欲を。
「ふふふ♪ いいんだよ? パセットちゃん?
ううん。私、パセットちゃんと一杯気持ちいい事してみたい。
ねえ? エッチな事、一緒にしようよ?
私だって、もうおマンコ、疼いて、しょうがないから」
踏み出したリオに気圧される。
膝を突き、腰に力が入らず、女の子座りの大勢のまま、両手を後ろに付き、仰け反る。
リオは四つん這いになって、こちらににじり寄った。
同じ目線に、紅い獣の瞳がある。
蛇に睨まれた蛙ってこんな気持ちなのかな、と心の片隅で思った。
「で、でも、パセットは、そんな気持ち悪い花、いらないっ」
「にゃぁ、これが気持ちいいのに」
「い、いらないったらいらないっ!」
「ふーん? それじゃあいいよ?
パセットちゃんにはアドニスの種子、植え付けないようにするから」
「ほ、ほんと!?」
「うん♪ その代わり、私達のお花に、たっくさん『栄養』を貰うね♪」
「…え?『栄養』?」
「うん♪ それじゃ、よいしょっと♪」
「ふやっ!?」
体を軽々と持ち上げられる。
「パセットちゃん、軽い♪」
「え、ええ!?」
あんなひ弱だった娘が、いつの間にこんな力持ちに?
「だから。私、モンスターなの♪ 悪魔と、猫さんモンスターのハーフなの♪」
説明をしながらもお嬢様抱っこをされた体は運ばれる。
「いや。そんな事、いきなり言われても」
「? 分かりにくいかな? 別にいいよ♪
パセットちゃんには生まれ変わった私の相手をしてもらうから♪」
ぽす、とベッドの上に着地。
隣のベッドではクロトがメンツを入れ替えて再び二穴攻めを味わっていた。
あんあんと甘い声がすぐ横から聞こえて、もうそれだけでどうにかなりそうだ。
「ふふふ。クロトさんのエッチに見とれてる場合じゃないよ?」
「わっ…リオッち、顔、近いっ」
「ふふふ♪ 可愛いパセットちゃん♪ もっと可愛くしてあげるから♪」
ちろり、と舌なめずりをするリオを見て、この娘は本当に悪魔かも知れないと思った。
というか怖い。
「それじゃまずはご開帳ー♪」
「え、ええ!? ちょ、やだっ! リオッちストップ、ストップーっ!!」
「待った無しー♪」
じゃきん、とリオの指先から凶悪な爪が伸びる。
ぞろり、とそれに舌を這わす姿は快楽殺人の犯行者のそれ。
はあ、と熱い吐息を漏らしながら、その切っ先を襟元へと押し当てる。
「ちょ、リオッち、落ち着こうよ? ね?」
「黙って。動くと死ぬよ」
その冷たい声に、ぞくり、とした。
目の前の女の子が、リオに似た『何か』に思えてしょうがない。
魔物。モンスター。悪魔。人間の敵。
今この瞬間、確かにこの娘は人の心を持たない化け物だった。
びいいいい、絹の裂く音が響く。
淫魔の爪は鋭い。皮膚に触れれば抵抗も無く切り裂かれるだろう。
ごくり、と生唾を飲み込む。隣のクロトの喘ぎがどこか遠くの事に思えた。
「――はい。おっしまーい♪」
メイド服を縦一文字に切り裂いたリオはご満悦の様子だった。
いつもの愛らしい表情に戻っている。
(……さっきの、気のせいだったのかな?)
さっきのリオは石ころでも見るような目で、こちらを見ていた。
無機質な声も、気味が悪かった。全部、思い過ごしだったのだろうか。
「ふふふ。どうだろうね♪」
「…あれ? 今パセットの脳内に突っ込みを?」
「それよりもパセットちゃん! アソコ、毛生えてるんだね! 羨ましいなー」
「ひゃぁ!? み、見ちゃやだ!」
メイド服の下には慎ましい肉体が潜んでいた。
なだらかな胸は二歳も年下のリオに比べて発育が遅れている。
剥き出しになった四肢は細くも無く太くも無く、齢十四の少女に相応しい。
ただ、密かに濡れた女の丘陵にはうっすらと恥毛が生えていた。
それを見られた事が妙に恥ずかしく、両手で隠そうとする。
大した力も入らないので勿論リオに阻止されたが。
「隠さないで♪ いっぱい見せてよ♪ もうこれで見納めなんだから♪」
(あれ? 今、何か不穏な事言いましたか?)
見納めって何ぞ。
「あっ! 花! 変な花植え付けるんだやっぱり!
パセットはいらないって言ったのに! リオッちの裏切り者!
悪魔! エロスの権化! ロリ!」
「うーん。全部当たってて何も言い返せないよう……
じゃなくて。種子は植え付けないよ? 別のモノを生やすけどね♪」
「…? 別のモノって、何さ?」
「すぐに分かるよ♪ ――えい♪」
ぶうん。リオが伸ばした手の先、魔術陣が現れる。
黒く、僅かな熱を持ったそれはパセットのヴァギナに押し当てられた。
「あ、あつっ!?」
「ちょっと我慢してね?」
次の瞬間、黒い靄がリオの体から噴出し、魔術陣に目掛けて収束した!
「ひゃわあぁぁぁぁっっ!?」
唐突に、脳天に快楽が叩き込まれた。股から強すぎる刺激が送られてくる。
黒い靄が、魔術陣を通してパセットの女性器に流れ込んでいるのだ。
いや、正確に言うと陰核に。
(く、クリが、びきびきって、なってる…!?)
黒い靄がピンク色の真珠に流れ込むと、目も眩むような官能が巻き起こる。
目がつーんとして、耳鳴りがなった。力が抜けてしまった体ががくがくと震える。
「こ、これぇっ、ダメェっ! 止めて! リオッち、止めてよぉ!」
「はぁ…♪ はぁ…♪」
正体不明の官能に恐怖し、助けを求めた。
だが友人はどこかうっとりとした様子で艶かしい吐息を漏らすだけ。
びきびきっ。
「んぎゃんっ!?」
陰核が軋む音を聞いた気がした。
刺すような刺激が、疼きを含んだ官能へと変わっていく。
痛みよりも、快楽が勝っているのだ。
何かが、おかしくなっている。
だがそれを確かめようと思っても、股には黒い靄が纏わり付いていて様子が分からない。
「はぁ♪ ふふふ♪ もういいかな♪」
リオが手をゆっくりと引いていく。
その動きに合わせて押し当てられた魔術陣もヴァギナから離れていき、
「ひゃ!? ああぁぁぁぁっ!!」
快楽が弾けた。
まるで陰核をしごかれるような感触だった。
魔術陣が徐々にパセットの女性器から離れ、『それ』が姿を現す。
最初に確認出来たのは逞しい胴だ。
皮に覆われたそれは足の親指よりも遥かに太い。
次に浮き出た血管。そして凶悪なまでに張り出された雁首。不気味な裏筋と続く。
(え、これってっ、これってぇ!?)
「じゃーん♪ できましたぁ♪」
ぶるぅん。僅かに空気を震わせながらそれがパセットの股下で屹然と現れた。
真っ赤な亀頭部分を天に向けて、びくびくと脈打っている。
それはどう見ても、
「これはもっといらないーーっ!?」
(ち、ちんちんだ! パセットに、ちんちん生えちゃった!? 何で!?)
「ふふふ。それはね私の中の悪魔としての力。
女の子におチンポを生やして、そこから精気を吸い取るの」
「何てエロイ悪魔だ…!」
「…うぅ。否定はしないよ…。でもでも、きっと気持ちいいよ♪ ――ほら♪」
「ひゃぁ!?」
逞しいフタナリペニスを優しく撫でられると、目も眩むような快楽が弾けた。
びりびりとした刺激はまるで肉の真珠を触られた時と同じ感覚だ。
「それは当然だよぉ♪ クリちゃんをおチンポに改造したんだから♪」
「い!? じょ、冗談でしょ!? そんな事されたらっ」
「きっととっても気持ちいいよ♪」
でも、壊れちゃうかもね。と息を荒げて言うリオに再び背筋に冷たいものが走る。
猫目が細まり、ぺろり、と舌なめずり。
逃げようと思った。
「ふふふ。だーめ♪」
パチン、と淫魔が指を鳴らす。黒い靄が現れ、パセットの二の腕に纏わり付いた。
それは蛇のように細まり、細い腕を縛り上げる。力強く、振り切れない。
黒い触手とも言うべきそれは、パセットの腕とベッド脇の手すりを繋ぎ合わせた。
拘束されている。そう自覚した直後、黒い霧は姿を変え無骨な鎖と変化する。
「はぁ♪ はぁ♪ 初めてのエッチがフタナリチンポで拘束プレイだなんて興奮するね♪」
「い、やだぁっ、外してよぉっ、これ、とってよぉっ」
そうは言うが心の中ではリオの言う事を肯定していた。
淫魔の体臭が。アドニスの催淫香が。幼い精神を歪めている。
「ふふふ。嘘ばっかり。パセットちゃん。期待してる癖に」
「し、してない! こんな変態プレイで、興奮しません!」
「フタナリチンポこんなにびくびくさせてるのに?」
「ひゃぐっ!?」
ぴん、と軽く爪弾かれて珍妙な悲鳴を上げてしまった。
痛みよりも快楽の方が大きい事に驚いてしまったのだ。
(こ、こんな事されてるのに、気持ちいいよっ、おかしいよ! こんなの!)
「ふふふ。意地を張らないでパセットちゃん? 一緒に気持ちよくなろ?
それで、私のアドニスの花にたくさん新鮮なザーメンを注いで?
そしたら、私の中のアドニスが育って、種子を沢山作れるの。
それから、沢山女の子を犯すの。
泣いて、謝って、絶望する女の子達に無理矢理種付けするのっ。
はぁっ、はぁっ――クロトさんも、そうだったっ。
嫌だ嫌だっって言って、でも今はこんなにエロエロになって…!
ん、はあぁっ――ふふふっ、そうやって、ここに居る女の子を皆犯すの!
皆、犯して、堕落させるの! ふふふっ! あはははははっっ!」
「…リオッちじゃない…」
興奮しながら真意を告げた魔物は、自分の知ってるリオではなかった。
「ふふふ。何を言ってるのパセットちゃん? 私はリオだよ?
でも、昨日までのリオとは違うの。生まれ変わったの。
パセットちゃんにはね、生まれ変わった私のお手伝いをして欲しいの。
してくれるよね? だってパセットちゃんは私のお友達なんでしょ?
私の、メイドさんなんでしょ? だったら、私のお願い『聞いてくれるよね』?」
正面から紅い双眸が叩き付けられる。
その瞳も。声も。魅了の魔術となってパセットを襲う。
どんな理不尽な命令にも応えたくなってしまう。だが、
「やだ!」
「え? あれ?」
真正面からその瞳を睨み返した。
何が不思議なのか、リオは狐に摘まれたような顔をしている。
「今のリオっちは正気じゃないんだよ! きっとその花に、操られてる!
一度屋敷に戻ろう? 戻って、その花を取ってもらおう? そしたら、」
「パセットちゃん?『私のお願い聞いてくれないの』?」
きいん、と耳鳴りがした。視界がぼやけ、リオの声のみが頭に入り込んでくる。
(駄目駄目! リオっちの為だもん! こんな訳のわからん事で、負けてたまるかー!!)
「そんな我侭な子に育てた覚えはなーい!!」
「…一度目は効いたのに…どうして?」
本人の意思? 流石パセットちゃん――ぶつぶつとリオが呟いてた。
「リオっち! 一緒に帰ろ? 旦那様と奥様に事情を説明して、」
「うるさい」
「…リオっち?」
「『元』友達だからって少し調子に乗りすぎだよ」
「え?『元』って何?」
「いい。もう知らない。優しくしてあげようと思ったけど、やーめた」
無言で掌をフタナリペニスへと伸ばす。
魔術陣が展開し――ばちん!
「っ!!!!」
電気が走ったような感覚に目を剥く。
直後にパセットのペニスに、『束縛』を意味する不気味な魔術文字が浮かび上がった。
「これでオッケー♪ さ、じゃあ初めよっか♪」
目を白黒させるパセットの股上にリオが押し乗った。
(む、無理矢理する気!? パセットから、精気を吸うつもりなんだ!)
「半分当たり♪ ――えい♪」
ずりゅりゅぅ、と敏感な肉棒が柔らかい肉穴に包まれた。
「っ!? ひゃっ! あぁぁぅ!」
「にゃ、にゃあぁぁっ♪」
敏感な粘膜同士の接触にお互い甘い声を上げる。
(こ、これぇ! い、いくらなんでも…はううっ…き、きもちよすぎるよぉ!)
うぞうぞと蠢く肉の穴は粘液まみれでドロドロだ。
クリペニスが深い彫りの肉ヒダに揉まれ、しゃぶられると溶けるような官能が生まれる。
淫魔の膣から生えた花の中は狭く、うぞうぞと蠢いている。
まるで花開いたそれに、ペニスを食われているようだった。
「はぁっ♪ にゃぁんっ♪ パセットちゃんのフタチンポ、美味しいよぉ♪」
ぐちり、とリオが腰を捻る。
「ひゃあん!?」
キツイ茎の中で肉竿が捻られ、快感が背筋を駆け上がる。
(駄目っ、こんなのっ、耐えられないっ)
女の中がこんなにも良いものだとは、思っても見なかった。
ましてやペニスと化した陰核が送り込む刺激も凄まじく、脳はショート寸前だ。
「ふふふっ、さぁっ、動くよパセットちゃん!」
だというのに騎乗位の淫魔は腰を使って上下運動を始めた!
ずっちゅっ! ずっちゅっ!
「ひっ!? きゃぁぁぁあっ!」
「にゃっ♪ にゃぁんっ♪」
じゅぷじゅぷと、花開いた結合部から粘液と空気と混じる音が響く。
それがいやらしいと思う暇も無い。
どろどろの花肉の中で膨張した陰核が舐めしゃぶられ、しごかれる感触は正に法悦。
びりびりとした痺れを伴う快楽に、爪先がぴんと張り、腰が震える。
「どうっ? パセットちゃんっ!? にゃっ――にゃんっ♪
フタチンポっ、気持ちいいでしょ!? 私もっ、リオもっ!
にゃっ、あんっ♪ にゃん♪ にゃぁん♪ あ、はあぁ♪ いい♪ お花いいのっ♪
お花の内側、おマンコよりも、感じるのぉっ♪ 腰、止まらないのっ♪」
じゅっぷっ! じゅっぷっ! じゅっぷっ!
「ちょっ! 待っ…、あっ!? あひっ…やっ!? んあああぁぁっ!!
そんなにっ、激しくっ、したらぁっ!」
びくびくとペニスが脈動する。
どろどろの粘膜を何度も擦り合わせる内に、それらが溶けて一つになるような気がした。
(……っ!? なんか、根っこに、溜まってっ!?)
巨大陰核の根元に、重い疼きが溜まっていく。
それは徐々に肉棒の先へと向かっていた。
じわり、とした愉悦が陰核の中心をゆっくりと進行する。
射精、してしまう。
「で、でちゃうよぉっ…! パセット、女の子なのにっ、せーし出しちゃうよぉ!」
「にゃはっ♪ いいんだよっ、パセットちゃんっ! にゃん♪ …にゃぁんっ、にゃん♪
はぁっ、あはぁ…っ♪ 私の中に、どぴゅどぴゅしても♪
私のお花に、たっくさん栄養を頂戴♪」
「だ、だめだめっ! そんな事したら、種子が、出来ちゃうっ!」
そうなったらまた別の娘が犠牲になってしまう。そんな事はさせられない。
「我慢するだけ無駄だよパセットちゃん♪
淫魔の腰使いに、耐えられるわけないんだから♪」
それっ、と声を掛ける。同時に腰が時計回りに捻られた。
「ひゃあうっ!?」
「にゃ、あぁぁんっ♪」
亀頭をぐるり、と擦られ、甘い官能が渦巻く。
「次っ、逆、回りっ――んにゃぁん♪」
「ひゃあんっ…!」
左回りの回転に再び脳天に快楽が叩き込まれた。
「は、あっん♪ パセットちゃんの、フタチンポっ、おっきくて、お腹広がっちゃう♪
リオの中、パセットちゃんのチンポの形になっちゃうよぉ♪」
「そ、そんないやらしい事っ、」
止めて。そんな淫らな言葉を使わないで。
元でも暴力的な快楽でどうにかなりそうなのに。
今にも噴出しそうな精液を、必死に堪えているのに。
顔を真っ赤にしながらプルプルと震えてしまう。
「パセットちゃん可愛い♪ ね、私は? リオは可愛い?」
「ふ、ぇ?」
馬乗りになった少女を思わず見返してしまう。
『ぎらり』とその紅い瞳が輝いた気がした。
「リオも可愛いよね?『パセットちゃんは、私の言う事何でも聞きたくなるよね』?」
魅了の魔術が、精神を犯す。
(あ、駄目、だめ、だめ…負けちゃ、駄目)
駄目なのに。赤い瞳に映る自分の青い瞳が、徐々に虚ろになっていく。
「『フタナリおチンポ気持ちいいよね?』」
「うん、うん! 気持ちいいっ、リオッちに生やしてもらったちんちん、いいの!」
「でしょ? んっ――にゃっ、ん♪」
「はぁっ、んっ、はぁっ、溶けちゃうっ、パセットのおチンチン、とけちゃうよぉ…!」
「そうでしょ? おチンポっいいでしょっ、にゃんっ♪ にゃんっ♪ にゃぁん♪
でもっ――にゃっ、ん♪ ドピュドピュしたらもっと気持ちいいよ♪
だから『我慢しないで』♪」
(あ、そんな事、言われたら…)
腹に込めていた力が抜ける。もう、我慢できそうに無かった。
「あっ!? あっ! あっ! あ! あ! だめっ! 出ちゃうっ!
セーエキ出ちゃうっ! 駄目なのに! だめだめだめっ!」
「駄目じゃないよ! 早く出して! リオのお花に、ザーメン注いでぇ!」
「いやだめぇぇぇぇぇっ!!」
びくびくびくっ!
ペニスが脈動する。精液が陰核の中央を通り抜ける感覚に意識が白む。
だが、
(……、う、そ…で、ないっ)
「出ないよぉ!? どうしてぇ!?」
フタナリペニスはどくどくと脈打つだけで白濁液を噴出す事は無かった。
にたり、と淫魔の少女が禍々しい笑みを浮かべる。
「おしおきだよ」
「な、なんでぇ!?」
「パセットちゃんが言う事を聞かないから。このチンポ、ドピュドピュできなくしたの。
ふふふ。どう? パセットちゃん? 苦しい? 苦しいでしょ? ふふふ。
あはははははははははっ!」
「いやぁぁぁっ! 許してぇ、リオッち、パセットが悪かったからぁ!」
「だーめ♪ お仕置きだって、言ったでしょ!」
じゅっぷ! じゅっぷ! じゅっぷ!
「んきゃぁぁぁぁっっ!? あ、ああ、あああああ!!」
淫魔が自らピストン運動を開始した。
小さな体を上下に動かし、快楽を貪る。
「にゃん♪ にゃっ♪ あっ、にゃっ、にゃぁん♪
チンポっ、チンポいいのっ♪ パセットちゃんのチンポ、大好きぃ♪
にゃっ、にゃぁ、にゃっ、にゃ、んあぁんっ♪」
「だっ、めっ! しぬっ、しんじゃうぅ!! おちんちん破裂するう!!」
淫魔の責めは壮絶だった。
只のピストンではないのだ。
ところどころで腰に捻りを加え。回転を加え。
かと思えば動きを抑え。次の瞬間には激しいストロークが開始される。
流水のような腰使いに、改造陰核の耐久値はあっと言う間に限界を超えている。
びくびくと脈打つが、束縛の魔術を施されたフタナリペニスは射精が出来ない。
だというのに、腹の底から新鮮な精液が次から次へと肉棒へと輸精される。
「あはっ♪ すごいよぉ♪ パセットちゃんのチンポ、どんどん膨れてく♪」
「いやあぁ! 許してぇ、許してよぉ! おちんちんっ、破裂しちゃうよぉ!!」
比喩でもなんでもない。
現に肥大陰核の体積は徐々に増している。このままでは本当に破裂しかねなかった。
「許してあげようか?」
突然の呼びかけに、思考が止まった。
「私の言う事、ちゃんと聞いてくれたら、射精させてあげる。どうパセットちゃん?」
「うんっ、うんっ、分かった…! 分かったから…」
「ふふふ♪ いい子だねパセットちゃんは♪
じゃあ、まずは私の事、『リオ様』って言って見て?」
「…え、でもっ」
「おちんちん破裂しちゃうよ?」
「は、はいっ、リオ、様ぁ」
この瞬間、パセットの中で何かが壊れた。
(あれ? パセットは、リオッちの友達なのに、なんで、様なんて付けてるの?)
「ん? だってパセットちゃんは私のメイドさんでしょ?
それじゃ、ちゃんと様付けしないとね♪」
(あ、そっか、そうだよね、リオ様は、パセットのご主人様だもんね)
「うんうん♪ パセットちゃん偉い♪
私、パセットちゃんの事見直しちゃった♪ だーいすき♪」
ちゅ、と頬に愛情の証。
それだけで幸せな気持ちが溢れてくる。
何かが間違っていると心の片隅で思っても、それを追求する気力は残っていない。
「はぁっ、はぁっ、リオ様ぁ…おちんちん、切ないですうっ」
「あ、御免ね? フタチンポ、ビュービュー射精したいよね?」
「はい、はいい! しゃせーさせて下さい!」
「うん、いいよ♪ でも、条件があるの♪」
「な、なんでしょうかぁっ?」
心が酷く廃れている。卑屈になったそれは、数分前のパセットとは別物だった。
人懐っこくて、前向きで、どんな事があってもめげない少女はそこに居ない。
パセットはリオの操り人形と化してしまった。
「実は射精自体はもう出来るように魔術を解いてあるの♪
でもねぇ、それは特定の場所――ううん、『穴』かな? 平たく言うとね?
パセットちゃんのチンポはクロトさんのお花の中じゃないと射精できないの」
なんだ、そんな事か。それなら、
「クロト様ぁ、お願いですぅ…パセットのおちんちん、鎮めてくださぁい…」
「う…ん…?」
何度目かの絶頂に達し、その余韻に瞳を曇らせていたクロト。
そのエメラルドの瞳が、こちらをぼんやりと捉えた。
「はぁ…♪ おチンポぉ♪」
元でも垂れ目だったクロトの瞳が淫蕩に細まる。
すぐに彼女はその場から起き上がり、ベッドを降りた。
そしてベッドに上体を預けると、膝立ちになり、尻をこちらに向ける。
流し目を背中越しに送りながら、クロトはオスを誘うように腰を振った。
ぶじゅり。花開いたアドニスの陰唇から精液が逆流し、催淫香を放つ。
我慢なんて、出来る筈も無かった。
「はぁ、はぁっ! クロト様っ、クロト様っ!」
息を荒げながら、横並びの二つのベッドの隙間に降りる。
そしてこちらを挑発する雌へと狙いを定め、肉棒を花の中心へとあてがう。
鼻息も荒いその姿は、発情したオス犬そのものだった。
「あ、そうそう言い忘れてたけど、」
ずりゅりゅりゅ!
「あっはぁぁぁんっ♪」
「ひゃわぁん!?」
リオが何かを言い掛けた瞬間、フタナリペニスが花の中へと沈んだ。
小さなご主人様に比べれば若干ではあるものの締め付けは緩い。
こちらを搾り取るような動きも甘く、突っ込んだ瞬間射精する事態にはならなかった。
それでも花の中は普通の女の膣とは比べ物にならないほど具合はいいのだ。
(気持ちいい! 気持ちいい! 腰、動いちゃう!)
ずちゅっ! ずちゅっ! ずちゅっ!
「あっ!? いいっ…♪ もっとっ、ついてっ、下さいっ♪」
パセットがはっ、はっ、と舌を垂らしながら滅茶苦茶に腰を使う。
アドニスの内部をぐちゃぐちゃに攪拌すれば、自分の肥大陰核が蕩けそうな快楽を訴える。
魅了の魔術に汚染された精神は、貪欲に快楽を求めて、
「おーいパセットちゃん。聞こえてる? 今クロトさんのアドニスはね、大分成長してるの。
元々私の中で育った種だからね成長が普通のよりずっと早いみたい。
それでね? パセットちゃんのフタチンポも私の魔力を注いで生やしたから、少し凶悪。
淫魔の精気が凝縮されててね。そのザーメンを今のクロトさんに注いだら――ふふふ。
多分あっと言う間にアドニスは成体にまで成長するね♪」
(え? 何? リオ様なに言ってるかわかんないよっ)
今はクロトを犯すのに夢中だった。
勢い良く腰を前後に振り、ピストン運動にて目の前の女の腰に叩き付ける。
粘液が空気に混じる音とは別に、ぱつっ、ぱつっ、と恥骨同士がぶつかる音が響いた。
こんなに、気持ちいいことがあるなんて知らなかった。
「ふふふ♪ そうでしょ♪ でもねぇ、ドピュドピュしたらもっと気持ちいいよ♪
でも、そうしたらクロトさんのアドニスは成長しちゃうね。
きっと、お花を出産しちゃうよ? そうしたら、もうアネモネになるまですぐなんだから。
分かる? パセットちゃん?」
パセットちゃんが、クロトさんを化け物に変えちゃうんだよ?
「え?」
魅了の魔術が、急に途切れた。
正気に戻ったパセットの脳内でに、先程のリオの言葉が反芻される。
射精すれば、クロトが人間ではなくなってしまう、と。
「いや、だめっ、そんなの駄目っ」
(パセットのせいで、クロトさんがモンスターになっちゃうっ)
そんなのは駄目だ。認められない。絶対に阻止してみせる。
そう、心では思っているのに。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
「あっ!? やだっ! なんで!? 腰っ、止まんないようっ!」
自分の意思とは無関係にクロトを犯してしまう。
散々焦らされた肉体は、理性よりも本能を優先させていた。
封じられていた射精の快感を味わいたい、と。
「いやあっ! いやあっ! 止まって! 止まってよぉ!」
「どーしたのパセットちゃん? そんなにズンズンパンパンして?
しゃせーしちゃうよ? 淫魔の魔力が凝縮したこってりザーメン、ドピュドピュするよ?
そんな事したらクロトさん、大変な事になっちゃうよ?」
「らってぇ! だってぇっ! 気持ちよくてっ、止まらないのぉっ!」
「私も、気持ちいいですっ」
「ひゃぁう!?」
きゅぅ、と花の内側が締まる。クロトが力を入れたのだ。
「そ、そんなに締め付けたら、出ちゃうよぉ! せーし出ちゃうよぉっ!」
「出して下さいっ! 私の中に、あついザーメン注いで下さい!
びゅるびゅるっ、って、注いでくださいっ!」
クロトの声が、脳髄に染み渡る。
「ほら? パセットちゃん? クロトさん、おねだりしてるじゃない?
欲しいんだよ。こってりザーメン。お腹の中にいーっぱい。
だからさ。ほら。我慢しないで? 射精してあげて?」
耳元で主人の声がする。チャームの魔力はそこには無い。
だが焦らしに焦らされた精神が、快楽を求める本能が理性を屈服させていく。
「あ、でも、でもっ!」
「あんっ! あんっ! あんっ! おチンポっ! ザーメン!
びゅるびゅるっ! して下さいっ! クロトの花マンコに!
あんっ! あっ、あっ、あっ、あっ! しゃせーして下さいっ!」
「いやぁぁぁっ! そんな声出さないで下さいぃ! ほんとに、もうっ!」
ペニスがビクビクと脈動している。
さっきは魔術で無理矢理射精を封じられていたのに、今度は自分の意思で我慢している。
だが、それも限界だ。もう、後少し、少しだけでも背中を押されたら。
「あははははは!」
突如、リオが腹を抱えて笑い出した。
「嘘だよ! 嘘、嘘! 一回ビュルッ、ってしたぐらいじゃ大丈夫!」
(え? そう、なの?)
「ほんとにもう、パセットちゃんってば私のいう事鵜呑みにして我慢しちゃうんだもん。
尊敬しちゃうよ。でも大丈夫だよ? 一回くらいなら、しゃせーしても平気だから♪」
(あ、れ? それじゃ、パセットは、もう我慢しなくていいんだ?)
「うん♪ だからぁ遠慮無く、どぴゅどぴゅっ、てしてあげてね♪」
その言葉が、引き金になった。
「あ、あぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっっっっ!!!!」
陰核の真ん中に穿たれた輸精管の中を、大量の精液が流れていく。
ペニスの根元に溜まっていたそれら全てが、出口に向かって殺到する!
びゅるるっ!! どぷどぷどぷどぷどぷっ!
「ひああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっっっっ!!?」
陰核の真ん中からねっとりとした粘液が噴出される快感に、パセットは目を剥いた。
(き、きもちよすぎるぅっ!!)
散々焦らされた挙句の大量射精。その開放感と快楽は、筆舌し難い。
焼けるような快楽がペニスの根元から先まで溢れ、全身へ広がっていく。
「あっ、あぁぁぁっ、おぁぁぁっ!!」
獣の咆哮を上げながら、目が白目を剥いた。
ガクガクと体が痙攣し、犬のように舌を垂らす。
だというのに射精はまだ終わらない。
どぴゅどぴゅどぴゅどぴゅ。底を知らないようにクロトのアドニスへと精を吐き出す。
その度にパセットの小さな体が痙攣した。
「あっ、はぁ…♪ そんなに、しゃせいーしたらっ、私っ、イキますっっ…!
しゃせーだけで、イってしまいますぅ…! あぁぁぁあぁぁぁっ!!」
続けてクロトが達した。
いつものように雌の表情を浮かべながら、アクメを噛み締める。
すると子宮に連動してアドニスの花もきゅうきゅうと痙攣し、
「んあおおぉぉぉっっ!!? おおおぉぉぉっ!!!」
射精し続けるパセットの肉棒を絞め付ける。
さながら雑巾絞りのようにうねる、その責めに、フタナリペニスは再び勢いよく射精。
(しゃせーっ、止まらないっ、止まらないよぉっ!!)
「しんじゃうっ! きもちよくて死んじゃうぅぅ!! あああぁぁぁぁぁぁっ!!!」
髪を振り乱しながら犬が吼えた。
涙と涎でベタベタになった顔に、栗色の髪が張り付く。
「はぁ…♪ パセットちゃん、可愛いよぉ♪ 可愛すぎるよぉ♪
にゃぁん♪ パセットちゃぁん♪ 好きぃ♪ 大好きぃ♪」
主が背中から忍び寄り、アクメ顔をペロペロと嘗め回す。
その感触すらも快楽に直結し、再び射精。
射精射精射精。
フタナリペニスは壊れた蛇口のように精を吐き出し続け、
「あはっ」
いつしか、パセットは笑った。
大量射精による快楽の無限地獄で、その純粋な心は、とうとう壊れてしまった。
「しゃせー止まらないっ、いいのっ! しゃせーいいのっ!」
快楽に悶える顔が、快楽を喜ぶ顔へと変わっていた。
「びゅーびゅー、って気持ちいいのぉ!」
涎を飛ばしながら、腰を使う。
下半身の感覚は、眩い快楽以外、何もない。
それは只の反射か、捻じ曲がった本能の産物だった。
「びゅるびゅるっ、もっとするっ、もっとしゃせーする!」
アヘ顔のまま、再びピストンを開始。
「あっ!? おチンポ、またおっきく!? あっ! ああんっ!
いいっ! いいですう! もっと、もっとハメて下さいっ!
お花に、ザーメン注いで下さいっ!」
クロトと二人揃って激しい性交を開始。
魔物に寄生された女と、淫魔の魔力を注がれた女。
二人は気絶する事も、死ぬ事もない。そして飽きる事も。
「ふふふ。やっと、素直になったねパセットちゃん♪」
いつ終わるかも知れない二匹の獣の交わりに、淫魔は残虐な笑みを浮かべた。
***
何度貴女の笑顔に助けられただろう。
貴女は私を孤独から何度も救ってくれた。
嫌な事を言っても、追い払っても、次の日にはまた笑顔で会いに来てくれた。
嬉しかった。
でもその度に、――自分はなんて矮小な人間なのだろうか。
この太陽みたいに笑うメイドさんに比べて、なんて情けないお嬢様なんだろうか。
――そんなコンプレックスに苛まれた。
そう。貴女が居たから私は救われた。
でも。貴女が居たから、私はずっと惨めだった。
好き。でも嫌い。
相反する筈の二つの感情が、私の中でずっとせめぎ合っていた。
でも。
壊れてしまった貴女を見てから、思った。
やっぱり、好きだったんだ、って。
大切な物は、失ってからそれが大切な物だって気付く。
それを、今思い知らされている。
ごめんなさいパセットちゃん。
酷い事をして、ごめんなさい。
でも。パセットちゃんは、壊れても私のメイドさんだよ。
ずっと、一緒だよ。絶対絶対、離さないからね。
大好きなパセットちゃん。
次回、永久の果肉第十話、
『Devil May Fawn』
悪魔だって、甘えたいんだ。
***
要望があったので懲りずに次回予告を入れてみました。
ちょっと切ない話になりそうです。
でもフルエロにする予定だけどね!!
さてさて9話終了です。話も佳境へと突入してきました。
作者の中ではエンドはある程度決まっています。
というか、こーなればいいなー、みたいな。
死人は一人も出したくありませんねー。
シリアスな話は好きですけど、だったら尚更ハッピーエンドになったらいいなぁ、とか。
本編中で辛い目に遭った分、最後は幸せになって欲しい。特にリオには。
まあ、人外になっている時点で、幸せの定義付けが問題になってくるとは思いますが。
さあて、今回はこの辺でお暇させて頂きます。
いつものように感想や誤字脱字の指摘お待ちしております。
それと一人でスレ容量使いまくってしまって申し訳ない。
もうすぐ新スレとかどんだけー。
ではではまた来週お会いしましょう。
幼女万歳。
不覚にも「家を間違えました」て吹いた
しかし乙×風さんが規制に巻き込まれなくてよかった
本当によかった
乙×風さんお疲れ様でしたー
あと3つはスレに投下できるだろうという自分の予想は
今週のエロエロ展開で木っ端微塵に砕け散った・・・
しかし、ここからどうハッピーエンドになるんだろう・・・
次回予告もエンディングも気になってまた生殺しの一週間が始まる
良すぎるのも考え物だなー
くそう、軽い気持ちで読んだら寝るのが2時間近くも遅くなっちまったぜ…
もうパセットがヒロインにしか見えない、犬娘かわいいよ犬娘
>>332 夜勤明けでごちそーさまでした。
相変わらずの睡眠妨害っぷりであります。
>>334 なぜ短編に終わるw
チアとか水泳部辺りをぐっちょんもっちょんした描写も在れば…!
根底のコメディ臭が落差を出すからいいんだろうか。わからんけど良かった。
先日、贖いの巫女を投下した者です。
半年ROMるとか言ったそばから何ですが、あれからもう一つ書き上げたので投下させてもらって良いですか?
と思ったのですが、次スレにしたほうがいいですかね? 話の長さはこの前とどっこいどっこいですが。
よろしければ最終チェックをしてから明日の晩にでも投下します・・・。
メモ帳で大きさどれくらいになりますか?
余裕もたせるとして40KB越えてるならスレ容量足りないかもしれないので
次スレで投下するか次スレ立ててもらったうえで
スレまたいで投下するかした方がいいと思います
>>340 64KB位です。
今回は途中で区切らずに一気に投下した方のが良さげなので、次スレにします。
また夜になったら戻ってきます。
ス…スレが容量オーバー?二ヶ月も経たずにか?
>>341 了解しましたー
少々容量あきますが先に次スレ立てときます
埋め
埋めてどうにかなるサイズでもない気がするw
今回のスレは堕とし甲斐のある強敵ですね、と
. ____
| |・∀・| /⌒⌒ヽ
| |\ |`イ ノハぃ) カク
. (( |_|_ィ⌒`」 ‖' 、 ソ|
ノ と、_入`_,つ λ う
_ノ(
,、-――ー-- 、___, て
// / __,ノノノ、 く (
/ / 、_, 从 | イヤア
//l/ / o=,、 ''、!| l|ノ i |l
イ | l|イ! `' , l;;メ川l ,,
!l川 ノ| " (`ヽ "川 "''ー- 、,, _ あー
モミ ノVl|ハト、_ `´ ノノノ |  ̄`l
モミ ノノ _ '´⌒ヽ ,-、 | | やっぱり○稚園児の
/ / nノ´ ´ l´)_,ヽ .| |
| l l´ ) :r;: Y ノ / | | シマリはいいYO!!
. ズッ `/ ゙ | / /● | |
. ズッ // / ̄`ヽ / / |
__ / / ' / ヽノ /// / /
/´  ̄ ̄' ´ l⌒l ヽ /_ /
/ // lλ ' ヽ \ ヽー''" _) /
ノー----/::::,'、_ _,ノ `ー`ヽ ヽ―''"´ /
/', `''‐- |::ノ(| ゚。 ̄/// ( \ ヾ /
/ /`) '、:::: ''‐- 、,, / `ヽ、つ_) l |
/ u`" // "'' ヽ/ / ノ ノ
`'' - 、,, J r‐、 ', /
"'' - / / ', / ズッ
とはいえ、放っておくわけにも行かないだろうからなぁ。
ということで埋め。(笑)
見習いの人は、こっちに投下して埋めてくれるんだと思ってたんだが…いい意味で裏切られた。
おかげでこの13スレたんが寄生体に生殺しの目にあってるんだけどな!!
埋めるよー
久々に寄生解除されたんだけどどうせまた寄生されるんだろうな……
何回も寄生と解除を繰り返す内にいつの間にか段々と寄生が始まるのを心待ちにしている自分がいるわ……
今度の寄生は更に大規模になったりするんだろうか……
楽しみだな……
早く来ないかな……
寄生解除って、やっぱ寄生体が分離するのか?
利益があるから寄生するのに、わざわざ宿主から離れてどうするのか……
アレか?倫理観とか同情とか安っぽい理由なのか?
大規模な寄生、は何となく身体の色々な所に寄生されるとか、
親が同じ寄生体が色んな人に……という妄想はできるけれども。
ファンタジーにリアルを求めるなよ!って言われそうだけど、埋め草だからコレくらいはいいよな?
放置プレイした方がその後美味しくいただけるんです
空気を読まないで本当に申し訳ないんだけども、
今日、即興で30kb位の話を一本書いたので投下してみてもいいかな?
寄生SSといえば寄生SSなんだけど、ちょっと空気が違うので
次スレに投下するのがためらわれる内容・・・。
だからスレの残りを埋めるのにちょうどいいかな・・・と。
「マジで空気嫁」っていうなら帰ります、ごめんなさい。
待ってる人の空気読んで投下してくださいお願いします
大作来たから次スレ建てたわけであって残り30レスとか数kbじゃないんだから
普通のレスじゃ埋められる訳無いわな
普通のレスだと200レス以上必要になる
>>353 >利益があるから寄生するのに、わざわざ宿主から離れてどうするのか……
そりゃあ、別の利益があるからだろ。
食い物のためなら、宿主に寄生してた方が有利だが、
生殖のためには離れる必要がある、とか
すみません、ありがとうございます。
このスレの温かい住人の方達のおかげで涙が出そうです。
今日のSSの属性は、純愛・近親相姦そして鬱注意です。
長さが短いので、あまりエロいシーンが多く出来なかったのが心残りですが・・・。
実験的な要素を含んだ内容なので、あまり期待せずに読んでやって下さい。
では、お願いいたします。
『 a genuine love 』
ああ。
僕はなんて馬鹿なんだ。
何で今日に限って沙夜を車道側に立たせてしまったんだ。
後悔先に立たず・・・僕は今ほどこの言葉が身に沁みて実感した事は無い。
「沙夜ぁっ!! 沙夜ぁぁぁっっ!!」
僕はあらん限りの声を出して愛しい彼女のもとに駆けだした。
「ねぇ、おにぃ。今日は何食べよっか?」
くるくると良く動く瞳と愛くるしい笑顔で沙夜は僕に問いかける。
「ああ、何でも沙夜の好きな物で構わないよ」
「ほんと!?じゃあじゃあハンバーグがいいかも!!」
そう言った途端、沙夜はにぱぁっと向日葵の様な笑顔を全開にして喜びを表す。
「じゃあお買い物行こ〜。ハンバーグ!ハンバーグ!」
夕食一つでここまで無邪気に喜ばれると僕としても気分がいい。沙夜の笑顔は僕に元気をくれる。
「よし、じゃあ行こうか」
飛び回ってはしゃいでいる沙夜の華奢な手を取り、僕は立ち上がった。
沙夜。世界で一番愛しい僕の妹。
僕達には両親が居ない。
いや、正確には居ないと思っている。
何故ならば、あんな男と女を両親とは思っていないからだ。
あの男・・・、生物学的にいえば僕の父になるんだろう・・・。
あの男は僕と沙夜にひたすら暴力をふるった。
ろくろく仕事もせず、1日中ひたすら酒をあおると
「何こっち見てんだぁ!このクソガキ!!」
と全く意味のわからない難癖をつけて、その度に僕や沙夜の顔が変わってしまうんではないかと思うくらい、ひたすらに殴りつけた。
こっちが抵抗できない子供なのをいいことに、あの男は自分の鬱憤が晴れるまで思う存分暴虐の限りを尽くした。
そして、あの女・・・。いわゆる僕らの母親だ。
あの女は徹底的に僕らが発信しているSOSを無視し続けた。
それどころか記憶にある限り一度も母親らしい愛情をかけてもらった事は無い。
今で言うネグレクト、育児放棄ってやつだろう。
あの女は自分の旦那に愛想を尽かし、他で男を作って遊んでいるのは幼いながらも薄々感づいていた。
あの男もそれはわかっていたのだろう。
しかし、口論になると間違いなく負けてしまう事は目に見えているので、そのムシャクシャの矛先は全て僕らに向けられた。
一刻も早くここから抜け出したい・・・。
だが、僕はまだ中学生。沙夜もまだ小学生。
何の生活能力も持たない僕らは、ただただその理不尽な暴力の嵐に耐えてじっとしている他なかった。
しかし、そんな生活は突然終わりを告げる。
ある日、僕は学校が終わり家に帰ると、玄関に入った瞬間にいつもと少し様子が違う事に気付いた。
いつもはあの男がひたすら酒を飲みながら大音量でTVを見ているはずなのだが、中から物音がしない。
靴はあの男と沙夜の分があるので間違いなく家に居るはずだ。
不審に思って僕は物音を立てないように忍び足で中に入ると、奥の部屋から
「・・・っ ぐすっ・・・ ひぐっ・・・・」
すすり泣くような声が聞こえてきた。
またあの男が沙夜に手を上げたのか・・・。
僕はそう判断し、中の様子を窺うためにその部屋の引き戸をそっと数センチ開けて中を覗き見る。
「・・・っ!!」
最初、僕は何が行われているのか理解できなかった。
蒲団の上に裸で仰向けにされた沙夜の上に、あの男は覆いかぶさり、沙夜のまだ女性器と呼ぶには遥かに幼いその部分へ醜悪な逸物を突っ込んでいた。
当時、悪友たちの噂話でしか情報源の無い貧弱な性知識しかなかったが、これはどう見てもSEXと呼ぶのもおこがましい、
あの男の独りよがりなオナニーだということは理解できた。
そして、すべてを理解した瞬間、僕の中にマグマより熱く煮えたぎる憤怒が爆発した!
「うわぁぁあぁあああああっ!!!!!」
僕は自分でも何を言っているんだか分らない雄叫びをあげると、近くに転がっていた空のビール瓶をを掴み、ドアを蹴破って部屋に乱入する。
「だあぁあああうわぁぁぁぁぁああああああああ!!!」
肺の中の空気を全て外の押しやるように叫び声を上げ、沙夜を犯すことに夢中になっていたあの男の頭を目がけて力いっぱい腕を振り下ろす。
ゴンっ!!
「・・・・ぉろ・・・」
手が痺れるような衝撃と共に、鈍い音が辺りに響く。
沙夜に覆いかぶさったままの汚らわしい男は間抜けな呻き声を上げて力無く崩れ落ちる。
TVドラマで見るように、粉砕すること無く男の頭を割ったビール瓶にはドロリ、と通常の血よりも濃い塊の様な何かがへばり付き、
それは重力に従ってポタリと床に垂れ落ちる。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
荒く息をする僕の呼吸の音だけが部屋に響く。
僕は沙夜を下敷きにしているその男を力ずくで横に転がす。
ドロリ・・・
恐らく僕に頭を割られたと同時に射精したのだろう。
沙夜の大事な部分から抜けたその汚らわしい逸物は、精液と沙夜が散らした処女の血にまみれていた。
「・・・ひぅ・・・うえぇぇっ・・・・うぇぇぇん」
突然の出来事にしばらく声を失っていた沙夜が再び泣き出した。
股から血と精液を垂れ流し、無防備に泣きじゃくる沙夜。
そんな彼女を守れるのは僕しかいない。
「行こう!沙夜。僕と一緒にここを出よう」
沙夜に服を着せ、とりあえず手当たり次第に荷物をバッグの中に詰め込むと、彼女の手を取り家を飛び出した。
一生沙夜を守り抜くんだ。 この時、僕はそう心に誓った。
近くのスーパーへの道すがら、僕は数年前の出来事を反芻していた。
先日あの日以来初めてあの家の様子を窺いに行ったのだが、既にそこには別の人が住んでいるようだった。
当時、立ち寄ったコンビニで新聞を隈なくチェックはしていたので、殺人事件として取り上げられることは無かったので、
おそらくあの男は死んでおらず、どこかで生きているんだろう。
あの後、家を飛び出した僕と沙夜はあちこちを転々として、今では何とか小さいアパートを借りて慎ましく生活をしている。
僕のアルバイトの収入と沙夜の内職の収入だけでは心許なく、決して豊かな生活が出来ているわけではないが、ここには僕らを迫害する人間は居ない。
僕は沙夜と一緒に居るだけで、無上の喜びを感じる。
「・・・? おにぃ、なんか怖い顔してる」
「ん、ああゴメン。ちょっと考え事しててな」
「もぅ・・・、じゃあ明日の朝食は何にするって話聞いてなかったでしょ?」
「え!?明日の朝飯? まだ夕飯も食べてないのにもう明日の心配してるの?」
「そうだよ〜! だってご飯は大事なんだよ〜」
沙夜の頭の中には食べる事しか無いのか・・・。
思わずクスっと笑ってしまい愛おしい彼女を見つめる。
沙夜はふんふんとご機嫌に鼻歌を歌いながら、歩道と車道の境界の白線を跨ぐようにして飛び跳ねている。
「おい、沙夜。そんなに飛び跳ねていると危な・・・」
ドンッ!!
僕の言葉はそこで途切れた。
僕と顔を見合せて歩いていた沙夜は、一瞬の瞬きの後、僕の視界から消えた。
背後から猛スピードで迫って来た車が、沙夜を跳ね飛ばしたのだ。
沙夜はまるで人形のように脱力した姿で地を転げる。
それは出来の悪いドラマのワンシーンのようだった。
沙夜を跳ね飛ばした車は一度も止まる気配を見せずにそのまま逃走してしまったが、そんな事はどうでも良かった。
彼女さえ無事であれば。
「沙夜ぁっ!! 沙夜ぁぁぁっっ!!」
吸った空気と吐いた声が同時にぶつかり、僕の胸は悲鳴を上げた。
しかし、そんな事には構わず僕は力の限り彼女の名を呼んだ。
10m近く跳ね飛ばされた沙夜のもとに走り寄ると沙夜の体を抱き抱える。
あれだけ飛ばされたというのに、彼女の体は多少の掠り傷しかなく、単に眠ってしまっているだけのように見える。
「沙夜っ! 大丈夫か?沙夜ぁぁっ!!」
だが僕の言葉には一切の反応を示さず。沙夜は僕の腕の中で眠り続ける。
僕はあらん限りの声を張り上げて彼女の名を呼び続けた。
「その子はもう死んじゃってるよ」
ふと正面からそんな声が聞こえた。
何だと!! 僕は一瞬にして頭の中の血液が沸騰した。
馬鹿な事を言うんじゃない、沙夜は気を失ってるだけだ。
そう怒鳴りつけてやろうと声のする方を見た僕は、阿保みたいに口を開けたまま固まってしまった。
そこに居たのは蝶ネクタイとサスペンダー付きのズボンを穿いた子供だった。ご丁寧にステッキなんぞも持っている。
流暢な日本語を喋ってはいたが、国籍はどこなのかわからない風貌の子供といえば何となくわかるだろうか。
しかし、日本人か外人かなどという以前に、僕はこのマセたガキが人間では無い事を悟っていた。
何故ならば、その子供は地に足が付いてなかったからだ。
意味がよく理解できず、沙夜を抱えたままボケっと少年を見つめていた。
「あれ? 聞こえなかった? その子はもう死んじゃってるんだよ」
その少年は僕に向かって二度目の言葉を口にした。
その言葉は茫然自失の僕の鼓膜を揺らすと、ようやく脳が活動を始める。
「て、適当な事を言うなっ!! 沙夜はまだ死んでなんかいない!」
「悪魔の僕がそう言うんだから間違いはないよ。 試しに心臓の音でも聞いてみたら?」
まるで全てをお見通し、みたいなしたり顔で淡々と喋るマセガキに腹を立て、やっぱりお前の言う事は嘘だったじゃないかと言い返すために
僕は沙夜の上着を脱がすと、彼女の胸に耳を当てる。
しかし、
心臓があるはずのその位置からは、何の音もしなかった。
僕はその事実を認めたくないがために、耳の当てる位置を何度も変えて、沙夜の命の鼓動を確かめようとする。
「ふぅ・・・諦めの悪いお兄ちゃんだね」
少年はお手上げのポーズを取って僕を見下す。
僕は必死になって沙耶が生きている証拠を見つけようとしたが、いつまでたってもそれが見つからない事に僕の心は折れかけた。
「・・・まさか・・本当に・・・・・死んじゃったのか? 沙夜・・・」
気のせいか、僕の腕の中の沙夜の温もりは少しずつ失われているように感じる。
「ふぅ・・・ようやく認める気になった?
その子は死んじゃってる、お兄ちゃんには悪いけど、それを認めてくれないと話が先に進まないんだ。
でも今回、僕は悪い話をしに来たんじゃないよ、その子を生き返らせてあげようと思ってここに来たんだから」
・・・何だと?
「それは・・・本当の話なのか?」
「うん、本当だよ。 じゃなかったらわざわざこんな所まで来たりしないって」
目の前のちびっ子悪魔はひらひらと手を振りながら言う。
「どうすれば・・・どうすれば沙夜は生き返るんだ!!」
そこにぶら下がる一縷の可能性に期待して、僕は少年の肩口を掴み、ユサユサと揺らしていた。
「ちょ・・・ちょっと落ち着いてよ、お兄ちゃん。 手を放してってば・・・」
僕が力いっぱい揺すった事で、少年は少し涙目になっていて、ケホケホと咳払いをしながらクシャクシャになったシャツを整える。
「あー、苦しかった。 もうちょっとで僕も死んじゃうところだったよ・・・」
「済まない・・・取り乱して。 で、どうすれば沙夜は生き返るんだ? 教えてくれ、頼む!!」
僕が頭を下げて頼みこむと、少年はごそごそと自分の上着のポケットを漁ると、そこから得体の知れないモノを取り出す。
ドクン・・・ドクン・・・ドクン・・・
それは無数に青黒い血管が浮き出した卵の様なものだった。
鳥や爬虫類の卵の様にのっぺりとした形ではなく歪な形をしていて、真ん中には大きな眼球がついていた。
その卵は、生命と意志を思っている事を主張するかの如く、不気味に少年の手のひらの上で脈動していた。
「そ・・・それは?」
醜悪な事この上ない不気味な卵に目を奪われ、やっとの事で絞り出した僕の声は掠れていた。
悪魔の少年は屈託のない笑顔を浮かべる。
「これがその子を生き返らせてくれる卵だよ。 この卵をその子の中に入れれば生き返るんだ」
・・・何だって?
「入れる・・・って、その卵を沙夜に飲ませるって事なのか!?」
「う〜ん、ちょっと違うかな〜。 この卵をその子の体の中心、言ってみれば子宮だね、に寄生させる事によって
人間としては消えてしまった命の灯火を、もう一回蘇らせるって言ったほうが正確かな?」
僕はその物言いに少し引っ掛かるものを感じた。
「人間としては・・・って、蘇ったら沙夜は人間じゃなくなっちゃうのか? そういうことなのか?」
「うん、確かに蘇った時にはもう人間じゃないね。 さっき、人間としての命は終わっちゃたんだから当然っちゃ当然だけど。
でもだからと言って、蘇った後にその子が悪魔になるわけでも悪い事をするわけでもないよ。 それは保証するよ」
僕は迷った。
何が何でも沙夜を生き返らせたかったが、目の前のこいつは見た目は幼くても紛れもない悪魔。
悪魔との取引は必ずしっぺ返しが付き物と、大昔から決まっている。
そんな僕の心中を見透かすようにして悪魔の少年は語りかける。
「まぁ、無理強いはしないよ。 別に僕にとってお兄ちゃんがどっちの選択をしたって、あまり関係がないからね。
お兄ちゃんの後悔のないようにじっくり考えてから決めてみてよ」
だが、僕の心は初めから決まっていた。 今さらこいつに言われるまでも無い。
例え、沙夜を生き返らせる代わりに僕の魂を持って行くと言われたって、喜んで僕はその条件を飲んだだろう。
少年をじっと見据えると、僕は頭を下げた。
「僕は沙夜を生き返らせたい。 例え沙夜が人間じゃなくなってもいい、沙夜が沙夜であればいい。
お願いだ、沙夜を助けてやってくれ・・・」
悪魔の少年は、僕が頭を下げて頼みこんだ事にニコっと嬉しそうな表情を見せると、
「うん、いいよ〜! じゃあその子を生き返らせるのはお兄ちゃん自身の手でやってね」
そう言うと、少年は僕の手に先程の不気味な卵を握らせた。
鳥の雛のようにビクビクと手の中で脈動する生命体の体温を感じる。
その卵はカっと眼球を見開き、僕の事を睨め付けた。
僕の手のひらは緊張の汗でじっとりと湿っていた。
「え・・・、これをどうすればいいんだ・・・?」
「んもう、さっき言ったでしょ? これは女の子だったら子宮に寄生するんだって・・・。
子宮にそれを入れるんだったらどこから入れればいいのかって、さすがにお兄ちゃんでもそれ位わかるよね?」
「まさか・・・」
これを沙夜の・・・膣に入れろってことなのか?
「その通り、それを女の子の大事な部分から入れればいいんだよ」
しかし・・・
百歩譲ってこれを沙夜の大事な部分から押し込むのは仕方ないとして・・・、こんな往来のど真ん中でそんな事が出来るか!
「もしかして、恥ずかしいって思ってるの? それなら大丈夫、いまこの半径5mは普通の人には認識できない空間になってるよ。
当たり前だね、だって僕の姿を見られちゃ大騒ぎになっちゃうでしょ?
だから人に見られるとかそういう心配はしなくていいよ」
何から何まで気が利いてるな・・・、僕は半ば呆れながらそう思った。
「じゃあ善は急げだね。 死んでからあまり時間が経っちゃうと生き返るものも生き返らなくなっちゃうから・・・」
悪魔のくせに善は急げというのも変な話だが、僕はその言葉に衝き動かされるようにして沙夜のスカートに手をかける。
沙夜のお気に入りだった可愛いひらひらがついたスカートをそっと捲り上げると、中から純白の質素なショーツが現れた。
僕は震える手で、その小さな布切れを下にずり下げると、そこには無毛の沙夜の陰唇があった。
数年前、あの男によって処女を散らされてしまった沙夜だったが、そこは無垢という言葉がぴったりと当てはまる程
まるで穢れを知らず、割れ目は綺麗に口を閉じていた。
そんな清浄な所に僕は今からこんなグロテスクな物を入れようとしている・・・これではまるで、冒涜だ。
僕は左手の親指と人差し指でくぱっと割れ目をくつろげると、中にあるその幼い膣口に不気味な卵を押しつける。
すると・・・
しゅるるるるっ!!
沙夜の割れ目に押しつけられた面から生え出した細い触手が、驚くべき勢いでその小さな穴の中に侵入し、
彼女の体が抵抗しない事をいいことに、触手は幼い子宮に先端を引っ掛け、それを足がかりに本体を徐々に膣の中に潜り込ませていく。
ぐにゅ・・にゅっ・・・うにゅっ・・
指が入るかわからない程だった大きさの沙夜の膣は、今や見るも無残に拡張されていた。
卵は全て沙夜の膣内にその身を隠したが、彼女にとって大きすぎるサイズのそれは、ポコンと沙夜の下腹部を膨らませているので、
どこまで中に入ったのかは、彼女の薄い腹肉を通して手に取る様にわかった。
沙夜にもし意識があったなら、これは想像を絶する激痛だろう。
彼女が悲鳴をあげなかった事が、僕にとって唯一の救いだった。
やがて沙夜の胎内を蠢く不気味な塊は、彼女の臍の下あたりで侵入をやめると、突如ドクンドクンと胎動を始める。
「・・・うぅ・・ あぁ・・・・・・」
沙夜の口から呻き声とも喘ぎ声ともつかない言葉が漏れだしたのを僕は聞き逃さなかった。
「沙夜ぁっ!! 大丈夫か、沙夜ぁっっ!!」
僕は全身を痙攣させる沙夜の上にかぶさって、必死に彼女の体を抱きすくめる。
何分程そうしたであろうか・・・
ようやく落ち着いてきた沙夜の体からそっと離れ、彼女の顔を覗き込むと、
沙夜がうっすらと目を開けたのがわかった。
「・・・お・・・・にぃ・・・・・・・」
弱々しく、掠れた声で僕の名をを呼んだ瞬間、僕の両の目からは止め処なく涙が零れ落ちた。
「びえぇぇぇぇん!! うぇぇぇぇぇぇん・・・」
闇夜を切り裂くような沙夜の無く声に、僕はふっと目が覚めた。
どうしたのかと沙夜の傍に近寄ると、何となく彼女の御機嫌を損ねた理由の想像がついた。
「ああ、もしかしてウンチ出ちゃったか? 待ってろ、今すぐオムツ換えてやるからな」
僕は沙夜の股間を覆うオムツを解くと、やはり彼女が泣いた原因がこれであったと確信する。
排泄物で汚れてしまった沙夜の股間を綺麗にウェットティッシュで拭ってやると、新しい換えのオムツを彼女に穿かせる。
「・・・・ぐすん・・ぐすん・・・」
オムツの中の不快な物を取り去ったからだろうか、沙夜はようやく泣きやむ。
「よし、これでOKだ。 じゃあ沙夜が寝るまでずっと兄ちゃんが付いててやるぞ」
「きゃっ!きゃっ!」
言葉が通じたのか、沙夜は嬉しそうな声をあげる。
僕は沙夜が再び寝付くまでずっと頭を撫でながら傍についててやった。
やがて、すやすやと軽い寝息を立てて沙夜は再び夢の中へと旅立って行く。
その天使の様な寝顔を眺めながら、僕は沙夜が第二の人生を歩むことになったあの日の事を思い出していた・・・。
「どういうことなんだ!? これは!!」
僕は軽いパニックになり、目の前の悪魔の少年を問い詰める。
再び蘇った沙夜は、第一声こそ僕の名を呼びはしたが、その後は全く意味不明な声をあげるばかり。
全く元通りに生き返ると信じていた僕は、ショックを隠せないでいた。
「う〜ん、詳しい事は良くわからないけど、きっとその子は記憶が全部なくなってしまって、
赤ちゃんに逆戻りしちゃったんじゃないかな?
イレギュラーなケースだから僕も自信を持って言えるわけじゃないんだけど・・・。
まぁ、その子が生き返ったことには間違いないんだし、別にいいんじゃない?」
他人事のような気楽さで言い放ったその台詞に、僕は一瞬で頭に血が上った。
「別にいい? ふざけるな!! 沙夜は俺と生きてきた記憶も無くしたってことだろ?
適当な事言ってんじゃねぇぞ! コノヤロー!!」
怒りで我を失った僕は乱暴に少年の襟元を掴んで吊るし上げる。
「ゲホっ! く、くるしい ・・・ちょ・・・お兄ちゃん・・・放して・・・・」
その声に少し冷静さを取り戻してきた僕は、顔を真っ赤にして訴えてきた少年をドサっと下に放り投げる。
「ゲホっゲホっ!・・・ 全く、お兄ちゃんは乱暴すぎるよ・・・。僕はその子の命の恩人なんだからもうちょっと感謝してよね。
それにこうなったのだって、お兄ちゃんがその子の中に卵を入れるのに手間取っていたのも無関係じゃないんだからね!
言ったでしょ? 善は急げって。早くしないと助かるものも助からなくなるよって」
確かに・・・こいつはそんな事を言っていた・・・。
「まぁ、さっきも言った通り、記憶をなくしたと言ってもこの子が生き返ったことには変わりないんだから、結果オーライじゃないの?」
そう言われると何も言い返せなくなる。
沙夜が轢かれて、あのままコイツが現われなかったら、確実に沙夜の命は助からないでいた。
いちいち発言がムカつくが、こいつには感謝するのが筋なのかもしれない。
「まったく・・・少しは感謝してよね。 その子が生き返ったのは誰のお陰だと思ってるのさ・・・。
「ああ、僕が悪かった。 沙夜を生き返らせてくれて本当にありがとう。 この恩は忘れない」
僕が素直に感謝の意を述べると、その小悪魔は満足そうに両手を腰に当ててふんぞり返った。
「まぁ、わかってくれればいいの。 それでこそ助けてあげた甲斐があるんだから。
んじゃ、そろそろ僕は向こうに帰るね」
そんな感じで、ふんぞり返ったまま歩きだした小悪魔だったが、ピタっとそこで足を止める。
「あ・・・やば・・、大事なこと言い忘れた」
さらっと吐き出した小悪魔の気になる事を呟きを僕は聞き逃さなかった。
「ちょっと待て。 なんだ?その大事な事って?」
「え・・・!? あ、う〜んとね・・・」
悪魔の少年は僕の想像を絶する注意事項を今頃になって説明したのだった。
―――ぐっ・・
「・・・ん?」
僕は袖を引っ張られる感覚を覚え、まどろみの中から目を覚ます。
どうやらあの日の事を回想しているうちに、僕も沙夜の横で一緒に眠ってしまったらしい。
ふと見ると、僕の袖は沙夜の華奢な手によってしっかりと握られていた。
沙夜は僕の事を潤んだ瞳でじっと見つめ、無言の内に催促をしている事が感じてとれた。
「ああ、わかったよ・・・」
沙夜の催促は食事の催促だった。
と言っても、それは朝昼晩に摂る普通の食事ではない。
人外として生き返ったが為に、毎日欠かさず摂らなくてはならないもう一つの食事・・・。
それは、あろうことか近親者の精液だった。
もちろん人間の体を維持するために通常の食事も必要なのだが、沙夜の子宮に巣食うもう一つの生命体は、
その活動を維持するために定期的に子宮内に精液を注入する事を必要としていた。
当初、この『食事』に強い抵抗を覚えた僕だったが、回数を重ねるにつれてその抵抗感は薄らいでいった。
「沙夜はお腹が減ったんだな? ちょっと待ってな・・・今からあげるから」
そう言うと、僕は数刻前に沙夜にに穿かせたばっかりのオムツを脱がす。
「きゃっきゃっ! くふぅ・・・」
沙夜は自分の要求通りに食事を与えられる事を知って、喜びの声をあげる。
手足をバタバタさせて喜びを表現する沙夜を落ち着かせて、オムツを取り去ると、そこには華奢な沙夜の下半身が露わになった。
良く見ると彼女の慎ましい陰唇からは、とろりとした透明な愛液がよだれのように垂れ落ち、
これから与えられる御馳走を、今か今かと待ちわびる。
ごくっ・・・
僕は思わず生唾を飲み込んでしまった。
地上に降りてきた穢れのない天使のような美しさが僕の心を魅了する。
何度も何度も僕の陰茎を挿入したにも拘らず、沙夜の秘部は相変わらず男を知らぬような清純さを秘めていた。
僕は自分のズボンのバックルを緩め、既に天に向かっていきり勃つ逸物を取り出す。
「沙夜・・・入れるよ・・・・」
片手で彼女の割れ目を押し広げ、露わになった彼女の膣口に亀頭を押し当てると、
そのまま、ずいっと腰を沙夜に押し付ける。
ぐちゅっ・・・
僕の陰茎は根元まで沙夜の中に呑み込まれた。
「きゃふぅうぅぅぅ・・・あっ あっ ・・あっ あっ・・・・」
我慢できず、腰を打ちつける僕のリズムに合わせて、沙夜は切ない喘ぎ声をあげる。
沙夜の膣内は恐ろしい程気持ちが良かった。
普段は小さく狭隘な穴であるのに、僕が陰茎を挿しこむと沙夜の膣は僕の物の形に合わせて柔軟に形を変え、
理想の形となって僕の逸物を搾ろうとする。
先日、初めて沙夜で童貞を捨てたばっかりで経験値の少ない僕は、貪欲に絡みつく沙夜の膣にあっさりと音をあげていた。
「ぐっ・・・沙夜ぁ 無理だ! イく・・・イくよ、沙夜ぁ・・・」
ビュルッ!!ビュルルルッ・・・!!
僕は沙夜の中の一番奥深くに腰を押し付けると、子宮に最も近い所で白濁の塊を吐き出した。
「ふにゃぁぁぁぁっ・・・・!!」
熱い塊を奥深くに注がれ、沙夜は猫の様な叫び声をあげる。
プルプルと震える愛くるしい沙夜を両手いっぱいに抱き締めると、代わりに彼女の膣は天使の優しさで僕のモノを包んでくれた。
たっぷり10分ほど、そうやっていた僕たちだったが、そろそろ沙夜の中から出ようと腰を引くと、
沙夜は突然両足を僕の腰に絡ませて、僕が沙夜の中から出ていかないようにする。
「むぅぅぅぅっ!!」
「え? 沙夜、まだしばらくこうしてたいのかい?」
僕は硬度を失って半勃ち状態の逸物を、再び彼女の中に挿入すると、沙夜はにぱっと嬉しそうな顔をする。
「うぅぅ・・・きゃはん うぐぅ・・・」
何を言いたいかはイマイチわからないが、とにかく再び挿入した事についてはお気に召してくれているようだ。
僕はそんな沙夜の膣の柔らかい感触を再び楽しむ。
すると・・・
―――つむっ・・!!
「うわぁぁっ!!」
僕は亀頭の先端、尿道口に感じた違和感に思わず悲鳴をあげる。
沙夜の胎内の奥深くから伸びてきた1本の細い触手は、半勃ちの僕の陰茎に狙いを定めると、
その先端の鈴口から普段トイレで小便をする時と逆のベクトルで僕の尿道を突き進んだ。
思わず腰を引いてその触手から逃れようとするが、沙夜の両脚は一体どこにそんな力があるのか不可解な程のパワーで
僕の腰をがっちりと固定する。
沙夜を突き飛ばすわけにもいかず、前にも後ろにも行けなくなった僕は、沙夜の膣内で甘んじてその責めを受けざるを得なかった。
にゅっ にゅる・・・くちゅっ・・うにゅっ・・・
「・・・くはっ・・くっ・・・・」
僕の尿道を逆流してきた触手は、何の遠慮もなく僕の陰茎の奥へと踏み込むと
そこにある敏感な前立腺を丁寧に舐めまわす。
「うわぁぁぁっ!!」
突如、下半身を襲う射精時と同じ気だるい快感に、僕は再び悲鳴をあげた。
ずちゅっ くちゅっ ずちゅ ずちゅっ くちゅっ・・・
僕の前立腺を掻き回す細い触手は、その手を緩めることなく前立腺地帯をピストン運動をする。
僕は永遠に射精し続けているような錯覚にとらわれていた。
沙夜の膣内で僕の陰茎は奥の奥まで串刺しにされ、今まで固形物が触れた事のない敏感な地帯を触手は執拗に抉る。
顔を歪ませて快感に耐える僕の目の前には、相変わらず天使の様な無垢な笑顔で僕を見つめる沙夜の顔があった。
その沙夜の清純な顔と淫らに絡みつく下半身のギャップが、僕の焼き切れそうな脳髄に追い打ちをかける。
―――ちゅぽん・・
「くはぁっ・・・」
一体どれほどの間そうされていたであろうか。
僕の陰茎の中を蹂躙していた触手がようやく引き抜かれる。
苛烈な責めから解放された僕の逸物は、その労をねぎらうように、さわさわと優しく沙夜の膣で包まれると、
半勃ち状態だったそれがみるみる硬度を取り戻していく。
「きゃはっ・・・きゃっ きゃっ!!」
沙夜は自分の胎内に収まる陰茎が再び勃起し、次のラウンドの用意が整った事を知ると、無邪気な笑い声を放つ。
「わかったよ・・・ じゃあ、もう一回しよう・・沙夜・・・・」
そうして僕らはこの日の2ラウンド目を始めた。
「沙夜っ! 出る 出るよ!!」
「あうぅぅぅぅっ!!」
僕は声をあげると、びくんびくんと腰を震わせ沙夜の胎内に精液を吐き出した。
しかし、それは濃さ・量共に普段の時の半分以下で、やっとのことで射精をしたという感じだった。
無理もない。今日はこれで5度目なのだから・・・。
日を追うごとに、沙夜の食欲は目に見えて増進した。
最初の内は1日に1度胎内に射精してやれば食欲は満たされていたようであったが、
この所、1日に1度の性交では沙夜は満足しなくなってきていた。
手狭な子宮の中では納まりきらなくなるほど成長を遂げた化物は、入りきらなくなった触手を彼女の子宮口の外に出す。
純粋無垢な外見とは裏腹に、沙夜の膣内は化物の触手が蠢く卑猥な肉壺と化していた。
無数の触手が蠢く彼女の膣を始めてこの目で目の当たりにした時は、僕は我慢できずその場で嘔吐してしまった。
それでも、沙夜のために仕方なくその肉壺に僕の陰茎を挿入すると、その触手たちは僕の陰茎に余すところなく絡みつき、
ぐいぐいと締め付けてくる彼女の膣肉と連携して、僕の陰茎から精液を搾り出そうと貪欲に動き始めた。
以前、中学時代の悪友が「女はグロいマンコほど気持ちがいい」と嘯いていたが、それはあながち嘘ではないのかもしれない。
僕から精液を搾取する事に特化した沙夜の膣は、僕に絶大な快感を与えながらグネグネと蠢く。
僕は沙夜にされるがまま、温かい胎内を目がけて果て続けた。
「くっ・・・」
僕は疲労困憊の体を動かし、沙夜の胎内から逸物を引き抜くと、ごろりと彼女の横に転がった。
「・・・っ!?」
脱力して放りだした手が彼女の下腹部に触れると、その触れた手の甲からドクンドクンという脈動がはっきりと伝わってくる。
慌てて体を起こして沙夜のなだらかなお腹を見る。
今まで気が付かなかったが、彼女の下腹部はそこに脂肪が付いたかのように元より僅かに膨らみを見せ、
さらに注意深く観察すると、彼女のお腹はドクッドクッと定期的に鼓動していた。
まさか・・・と思って彼女の胸に耳を当てると、予想通りそこからは心臓の鼓動は聞き取れなかった。
考えたくはないが、僕の直感が正しければ、
恐らく沙夜の子宮に巣食っているあの化け物が彼女の心臓の代わりを務め、血液を循環させているのだろう・・・。
改めて沙夜が人間ではなくなってしまった事を認識し、僕は少なからずショックを受けた。
「うぅ・・・??」
暗澹たる気分になっている僕の脇に沙夜がすり寄ってくると、今しがた彼女の胎内から引き抜いたばかりの
愛液と精液にまみれた陰茎を優しく握り、しごき始める。
僕は、沙夜の言いたい事が良くわかった・・・。
足りないのだ。 あの程度の精液の量では。
だが・・・
既に僕は限界だった。
今日はこれ以上は一滴たりとも出ない自信があった。
物欲しそうにねだる沙夜の頭を撫でながら、僕は彼女をなだめた。
「悪い・・沙夜。今日はこれ以上出来ないんだ・・・わかってくれ・・・」
しかし、沙夜は僕の切実な願いに耳を傾けてはくれず、僕に挿入する気が無いのを悟ると大声をあげて泣き叫んだ。
「びぃぃぃえぇぇぇぇっ!!! うぇぇぇぇぇぇえ!!」
駄々っ子のように腕と足をバタバタしながら泣き叫ぶ沙夜は手がつけられなかった。
僕は、初めの内は優しく彼女をなだめていたが、火が付いたように泣き叫ぶ沙夜は一向にその勢いを弱めようとしない。
沙夜の手に余る傍若無人さ加減に段々イライラを募らせた僕は、遂に限界点に達してしまった。
「いい加減にしろっ!! 無理なものは無理なんだ! 少しは言う事を聞けっ!!」
そう言うと、僕は平手をばっと振り上げた。
「・・・ひっ・・」
その姿を見た沙夜はひぃっと息を飲んで泣きやんだ。
怯えるような表情で僕を見上げ、彼女の細い体はぶるぶると恐怖に震える。
そんな彼女の姿を見た僕は、振り上げた手のやり場が見当たらず、そのままの態勢で固まってしまった。
きっと頭の記憶が無くなっても、彼女の体に刻まれた虐待の記憶は、手を振り上げる僕の姿をあの男とダブらせてしまっているんだろう。
彼女の瞳には僕のこの姿が悪鬼のように見えているに違いない。
所詮、僕もあの男の血を引いているんだな・・・。
今まで頑なに認める事を拒んでいた事実をまざまざと痛感し、僕はいたたまれなくなってしまった。
僕は手近にあった服を着ると、財布だけを持ってふらふらとアパートの部屋を出ていく。
そして、ガチャンとドアが閉まると、扉の向こうから再び大声で泣き出した沙夜の声が僕の鼓膜に響き渡った・・・。
―――ガチャン
数時間後、僕は帰宅した。
僕の手には近所のホームセンターの紙袋が握られている。
部屋の奥に入ると、そこには泣きつかれた沙夜が裸のまま小さく蹲っていた。
沙夜は僕が近付いてきた事に、びくっと体を震わせて警戒をする。
彼女に無用な恐怖を与えてしまった事に、僕の心は罪悪感で押し潰されそうになる。
違うんだよ、沙夜。 僕は君を怖がらせに来たんじゃないんだよ。
「・・・沙夜・・・・・」
そんな僕の心が伝わったのか、彼女は徐々にその警戒心を緩めてくれる。
僕は持っていた紙袋を投げだすと、シャツやズボンを全て脱ぎ去り、沙夜と同じく全裸になった。
「沙夜・・・ごめん、続きをしよう・・・」
全身で優しく沙夜を抱きすくめると、僕はふにゃふにゃのままな陰茎を彼女の柔らかいお腹に擦りつける。
僕は下半身で沙夜のお腹の温かい体温を感じていると、柔らかかった僕の逸物が徐々に固さを取り戻していった。
「入れるよ・・沙夜・・・」
沙夜の膣内に、今日何度目になるかわからない挿入をした。
―――ずちゅっ・・・
先程のセックスからかなり時間が経っているにも拘らず、沙夜の膣は念入りに前戯がされていたかのように潤み切り、
スムーズに僕の陰茎を受け入れてくれた。
「きゃはっ!! むぅ〜・・きゃっ、きゃはっ!!」
沙夜は大好物な物を与えられて、途端に機嫌を治してくれた。
やっぱり沙夜には笑顔が良く似合う。
僕は沙夜の膣内で抽挿を始める前に、さっき放りだした紙袋を引き寄せ、その中の物を取り出す。
それは引っ越しなんかで使うトラックの荷造り用のラッシングベルトだった。
僕はそのベルトを沙夜と僕の胴体にくぐらせると、ぐっとベルトの端を引っ張り、僕と沙夜の体をきつく縛りあげた。
「うぐぅぅぅ・・けほっ・・・けほっ」
「苦しいか? 沙夜、ごめんな。少し我慢してくれ」
紙袋からもう1本のベルトを手に取ると、同じようにして2人の体を密着させた状態で拘束する。
今この瞬間、僕と沙夜の物理的な距離は0になった。
「沙夜・・・ごめんな。 お兄ちゃん頼りなくて。
もう、お兄ちゃん逃げたりなんかしないよ。 何が何でも沙夜から離れたりしない・・・」
そうだ・・・僕はそう誓ったではないか。
数年前にあの家を飛び出したあの時に。
一生、沙夜の事を守り抜くんだって・・・。
そして、僕は沙夜の頬に優しくキスをした。
・・・・・
・・・・
・・・
いつもは閑静な住宅街。
今日に限ってはそこは騒然としていた。
赤色灯を煌めかせるツートンカラーのクルマが何台も外に止まり、辺り一帯には立ち入り禁止の黄色いテープが張り巡らされた。
その騒動の現場と思われる室内にはトレンチコートを着た男達と鑑識道具を持った男達でごった返している。
やがて、やはりコートを着た胡麻塩頭の年配の男性がやってくると、深々と目の前の白骨遺体に手を合わせた。
ひとしきり成仏を祈る念仏を唱えると、刑事と思しき年配の男性は顔を上げる。
その顔に深く刻まれている無数の皺は、彼が今まで数々の荒波を乗り越えてきた事を雄弁に物語っていた。
彼は苦虫を噛み潰したかのように苦い顔をすると、彼より早く現場に到着していた30代位の男に話しかける。
「こりゃあ、一体どういう事だぁ?」
若い男は胸元から手帳を取り出すと、生真面目な表情のまま返答する。
「まだ鑑識に回していないので確定はできませんが、ガイシャはここに住んでいた10代の兄妹だと思われます。
数ヶ月間家賃を滞納していたため、大家がその催促をしに何度も足を運んだようなのですが、ずっと不在のようでした。
不審に思った大家が合鍵を使って中に入った所、そこで白骨化した遺体2つを発見したとのことです」
「ああ、まぁそれはいいんだがな・・・。 なんでこの二人は荷造り用の紐で結ばってるんだい?」
「それはまだはっきりしません。 室内に荒らされた形跡はありませんが、心中にしてはやや不審な点が残ります。
今のところ、物取りと心中の両面から捜査をするのが妥当と思われます」
「そうかい・・・。 ふぅ・・・何ともやりきれねぇな、おい。
引退間近な老いぼれにこんな訳の分らん事件をやらすたぁ、世間様は冷たいもんだねぇ・・・」
老刑事はひと際大きく嘆息すると、両手をすくめてそう一人ごちた。
・・・・・
・・・・
・・・
瘴気漂うここは魔界。
何百人単位で収容できそうな広さのある謁見の間に蝶ネクタイとサスペンダーを付けた幼い悪魔が
緞帳の向こうにいるであろう何者かに向かって話しかけていた。
「ねぇねぇ、聞いてパパ。 人間って人間ってホント馬鹿なんだよ〜。
一番大事にしていたものを自分の手で汚してしまった上に、最後には自分の命まで失っちゃうんだから・・・。
まったく救いようがないよね〜・・・」
そう言うと悪魔は腹を抱えて笑いだす。
「あ〜、楽しかった。
じゃあ次はどんなおもちゃで遊ぼうかな〜」
ケタケタケタ・・・・・
幼い悪魔が上げる乾いた嘲りの笑い声は、いつまでもいつまでも響き渡り、ずっと途切れる事はなかった・・・。
―了―
以上です、ありがとうございました。
実はあの交通事故が最初から仕組まれていて、ひき逃げ犯はあの小悪魔に唆された
主人公達の父親なのではないか・・・と考えるといたたまれなくなります。
厨っぽい三文SSでごめんなさい。
この話は1人称のSSを書いてみたくて作成しました。
ですが、男視点の1人称では、この先どんなに話を膨らましてみてもエロさには限界がありますね。
これもまたいい勉強になりました。
「こんなエロくもない鬱SS投下しやがって」という批判は甘んじて受けますが、
少しでも読んだ人を「おっ」と思わせたなら成功だと思っています。
ありがとうございました。
GJ!
ちょっちせつねえ
でもエロいw
サスペンダーと蝶ネクタイ。バーロー脳内再生余裕でした
381 :
埋田 手恥:2010/04/14(水) 15:42:53 ID:+pDK+AOY
「それにしても…」
-圧倒的だな、我らが勢力は-
響くような、しかし穏やかな声に背後を見ると
自らが出す粘液により光沢を放ち、桃色と肌色を足したような艶かしい肉手の草原がある。
其所に居るのはいずれも幸せそうに笑い、快楽を享受する数百、数千もの男女だ
と、その肉の草原から幾本かの触手が伸び、人の形を作る
『まさか短期間の内にこれだけ同胞を増やせるとは思わなかったぞ』
「私もまさかこれほどになるとは思いませんでした。嬉しいことではありますが、流石に人に哀れさを感じてしまいますね」
『なに、皆で幸せになればいい。そのための我なのだから…』
その言葉と同時に無数の触手が私の身体を這い登ってくる
「そう、ですね。ハァ…皆で幸、せに…なりましょ。ご主人様ぁ」
そして私も、ご主人様に包まれて快楽の草原に身を躍らせるのであった
埋めネタってこんな感じでいいんかね?
ok
383 :
埋めネタ:2010/04/15(木) 11:14:28 ID:zs4qaPDG
彼女が大学のゼミを休んだ。
昨夜からメールに返事もないし、電話をかけても出ないので下宿を訪ねてみた。
そしたら、チンコ蟲に寄生されて、ベッドの上でシコってた。
「……ひぐっ……直くん……止まんないよぉ……」
あー、おととい彼女がエスニックが食いたいと言い出して、チンパブエ料理の店に連れて行ったっけか。
チンポン菜のサラダにでも蟲の卵がついてたのだろう。愛想だけはいいけど衛生管理の怪しい店だったし。
俺も同じもの食ったけど、男の体内では育たないんだよな確か、チンコ蟲の卵って。
彼女はパジャマのズボンとパンツをずり下ろし、猿みたいな勢いで股間のチンコ蟲をしごいてる。
前にオナニーのやり方を白状させたときは最初に胸を弄ると言ってたが、いまはそちらは手を出してない。
チンコ蟲に寄生されるとチンコで抜くことだけで頭がいっぱいになってしまうのだ。
チンコ蟲を駆除するには、患者にチンコではなく女の快感を思い出させてやるしかない。
俺は彼女を抱き起こして後ろに周り、首筋にキスしながらパジャマのボタンを一つ一つ外した。
そして前をはだけさせ、もろ出しにしたオッパイに横から吸いついた。
(埋めネタなので続きは省略されました)
わっふるわっふる
(埋めネタなので途中経過は省略されました)
「ひゃうっ!? 直くんっ……ひゃんっ!! あぁんっ……んくぅぅぅっ!!」
俺は彼女に背面座位でぶち込んでいた。
ベッドのスプリングを利用しながらの突き上げで、彼女の身体が面白いように弾む。
やーらかなオッパイも俺の手の中で、ぼいんぼいんと弾む。
ついでに股間のチンコ蟲も揺れて、ぺちぺちと間抜けに彼女の下腹を叩いている。
脱がせたパジャマを使って後ろ手に縛ってやったので、彼女はチンコ蟲をしごけないでいる。
兵糧攻めというやつだ。いま彼女が味わってるのは女の快感だけ。
チンコ蟲はチンコの快感を味わえず、悶え苦しんでいることだろう。
俺もチンコを持つ身として、ちょっぴり同情しないでもない。
「ひぐっ!? 直くん……あたし、もう……イッ、イッちゃ……!!」
「ぐぉぉぉぉっ……!」
俺はストロークを早めた。このまま一気に上り詰める、彼女と一緒に!
「あっ、イッ……あああああっ……!!」
――どびゅっ! びゅっびゅっ!!
俺は彼女の中に思いきり精をぶちまけた。
淫らに乱れまくってくれてるこんなときでなきゃ、中出しなんてできないからな。
一方、チンコ蟲の奴は射精もできないまま、ぐったり萎えている。このまま放っておけば死ぬのだろう。
「はぁぁぁ……直くん……」
陶然としている彼女の股間に、俺は手を伸ばし――チンコ蟲を、しごき始めた!
「……ひっ!? 直くん、な……何を……?」
「お前の乱れ具合が可愛かったからさ、しばらくチンコ蟲、生やしたままにしておこうと思って♪」
「イヤッ……イッ……ひぐぅぅぅっ……!?」
再びしごかれて、むくむくと元気になるチンコ蟲と、よがり乱れる彼女。
これでもうしばらく楽しめそうだ。 【完】
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次スレは↓
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1270710000/
まだ微妙に埋まってねえww
>>385 GJ!
埋めネタにしとくには惜しいww また別のシチュでも読んでみたい。
やっぱりチンコ蟲の生えた娘にヤラれちゃうとチンコ蟲が生えちゃうのかな?
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