【戯言・リスカ】西尾維新 Vol.11【化物語・刀語】

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1名無しさん@ピンキー
あらあら、どうしたのかしら。このスレッドに犬の死体でも見に来たの?
僕は犬の死体じゃねえよ!
何? ただの挨拶じゃない、冗談よ。
言い直すわ。
犬の死体のあなたがこのスレッドに何か用かしら?

書き込みが950以上になるか、容量が450kを超えたら次のスレッドを宣言してから立てること。
sage進行でお願いするわ。レスしたり投下したりする時はメール欄に半角で『sage』と入力するのを忘れないでね。
あなたの人間の小ささを私の器量でどうこうすることはできないわ。
だから荒らしはスルーすることね。スルースキルを高めて、阿良々木くんみたいに何にでも突っ込むようなマネはしないでちょうだい。
約束を守れないとあなたの好きなキャラが突然イタくなって、二度と蕩れることがなくなるかもしれないから気をつけてね。
わかった?

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【戯言・リスカ】西尾維新 Vol.10【化物語・刀語】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257998209/

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【戯言・リスカ】西尾維新 Vol.9【化物語・刀語】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253368328/l50

前々々スレ
【戯言・リスカ】西尾維新 Vol.8【化物語・刀語】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1248753509/l50

保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 16:11:31 ID:/3W4Up+y
さて、とりあえず

刀ぬるぽ
3名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 16:12:04 ID:Y5NqKXeP
>>1


そして刀ガッたり
4名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 17:52:45 ID:zvf3M9EG
こっちのまとめも
http://www29.atwiki.jp/nishiparo/
5名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 22:03:35 ID:Gx34iWM2
>>1
乙!
6名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 03:21:54 ID:y006QyO0
何でわざわざ規約違反(@wikiはエロ禁止)のwiki作ったんだろ?
7名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 06:45:19 ID:94AsmwOw
規約読まずに作ったんじゃね
8名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 20:51:53 ID:dzzAKcNb
>>7,6
まあ前向きに移行ぜ。
そして>>1
俺はorz
9名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 22:09:41 ID:cqOd1hv+
>>1
前スレ、小唄さんやいずむんのAAを期待してたんだけどな
10名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 23:38:31 ID:SMmf/VxI
前スレ埋め乙
11名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 00:53:56 ID:630Jzydv
前スレ最後のひたぎさん蕩れた!
忍の、ぱないの!も良かった!
12名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 17:11:03 ID:e9/iLHnU
ぱないの!の破壊力はヤバかった…
13名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 22:46:39 ID:3A7XcGSJ
ぱないの!は、アレはもう戦略級兵器だろ・・・w
14名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 01:05:01 ID:a1+VR8xX
そろそろなでこスネイクが手に入った人もいる時期か・・・。
どれだけ追加修正されてるのか、見物だな(性的な意味で
15名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 01:17:28 ID:jc2ZEhNL
>>14
正直あれはやりすぎw
16規制解除された ◆zO7AQfurSQ :2010/01/28(木) 07:05:49 ID:K9/D/i5O
新スレおつ。

冬コミでは何冊か忍本を買ったけど皆良い出来。アニメだけでなく原作読んでないと描けないから多くはないけども。
はぎやまさかげが最高だった。
本当に忍って可愛いよね♪

さあ、ハイパー忍タイム!
わっふるわっふる♪
17撫子スネイク買いに行かないと ◆zO7AQfurSQ :2010/01/28(木) 07:07:06 ID:K9/D/i5O
「世の男共は夢というか幻想を見過ぎじゃの」
いつものように我が家で最後の風呂に入ってシャンプーをしてやっていると、忍は突然呟くように言った。
「何だよいったい。幻想? 何に?」
「女に対してじゃよ。よくエロ漫画やAV、同人誌などにありがちじゃろ?」
「いや、だから何の話だってば」
ざあっとシャワーで泡で洗い流して僕は先を促した。
が、忍は黙って立ち上がって湯船に向かったので、僕も入って浸かると僕の脚の間に身体を入れて背中を預けてくる。
腰に腕を巻き付けていつものポジションと体勢になるとふうっと大きく息を吐き出し、さっぱりした顔で忍は続ける。
「女が感じることに対してじゃ」
「…………?」
「よくあるのが胸をいじるだけやキスだけでイったり、ひどいのになると言葉だけで達したりするらしいぞ」
「ああ、そういうことか」
「まったく。冬コミでもそんな敏感女が巷に描かれておったがどれだけ淫乱だというのやら」
メタ発言とかするなよ!
それをやっていいのは八九寺Pだけだ!
だけど僕は何の突っ込みも入れず、忍の垂れた髪をひょいと耳にかきあげる。
「これだから女を知らぬ童貞というのはあんっ」
忍の語尾が突然変になった。
ていうか僕のせいだった。
「みっ、耳っ……耳を、くわえるでない……んっ」
髪をかきあげて晒された耳を唇で挟み、強弱をつけながら軽く吸う。
かぷっと歯を立てて甘噛みするとびくんと忍の身体が跳ねる。
「忍、話の続きは? 胸だけでイくとかキスだけでイくとか有り得ないって?」
じゃあ忍の弱い耳はどうなんだ?
僕は舌を突き出し、忍の耳朶をなぞる。
穴に突っ込み、ぐちゅぐちゅと唾液を絡ませる音をわざと大きく響かせて激しくかき回す。
「ふあっ、あっ、ああっ!」
忍はだらしなく口を開き、切なそうな表情をして今にも泣き出しそうだった。
腰に巻かれている僕の腕をぎゅっと掴み、小さな身体をびくんびくんと震わす。
僕は舌を離して耳元で囁く。
「気持ちよくなってるみたいだね忍、別にそのままイっちゃってもいいよ」
「な、何を! 儂が耳なんかで……ひゃうっ!」
忍が言い終わる前に僕は反対側の耳を舌で刺激し始める。
今度は初めから激しくかき回し、容赦なく責め立てた。
「や、あっ……嫌じゃ、耳なんかで、耳なんかでぇっ」
こんなにも強い性感帯なのだが忍はそれを認めたくないらしい。
ちょっと責めてやるだけであっという間にふにゃふにゃになるくせに。
このままイかせる勢いで僕は舌を激しく動かす。
どうにかこうにか声を噛み殺した忍は僕の手を掴み、自らの脚を広げて股間に持っていかせる。
どうやら耳ではなく性器をいじられたからイくのだと自分に言い聞かせたいらしい。
まああまり意地悪するのも何だしな、素直にイかせてあげるとしよう。
中指を小さな割れ目に押し当てると、キツいはずの入り口からあっさりと奥まで飲み込まれてしまった。
そのままくいくいとかき回して膣内を擦り上げ、お湯とは違う温かい粘液に絡まれながら出し入れする。
親指で女性特有の性感帯である豆を探り当てて指の腹で刺激すると、忍は声が漏れそうになった口を慌てて自分の手で押さえた。
別にうちの風呂場は防音仕様だから声を出したって構わないのだけれども。
僕はもう片方の手で自分の口を覆う忍の手をどかし、口内に指を二本突っ込む。
「んぐっ、ちゅ、んむうっ」
忍は喘ぐ声を漏らしながらもその指にしゃぶりつき、舌を絡める。
鼻息が浅く荒くなり、絶頂がもうそこまできているのがわかった。
僕が指や舌の動きを早めて忍を導いていくと、上下の口にくわえられている指がきゅううっと締め付けられる。
「んっ、んふうっ、んんっ! んんんっ! ん……んんんんんううううううっ!」
ひときわ大きいくぐもった悲鳴をあげながら忍は達した。
ぐううっと身体がのけぞり、掴まっている両腕がぐっと痛いほどに握られる。
びくっびくっと身体を震わせて虚ろなその目を潤ませ、僕に全身を預けていた。
しばらくして痙攣も収まり、落ち着いてきたころに僕は責めていた穴を解放してやる。
口と下の秘口、そして耳。
「ふぁ……んっ」
微かな悲鳴を漏らす忍。
その表情を見ようと顔を覗き込もうとすると、忍は身体を反転させて僕の首に手を回し、抱き付いてくる。
これでは表情が見えないが、まあいいかと思い直して僕も忍の背中に手を回した。
忍の身体の柔らかさを堪能しながら、慈しむように背中を撫でる。
「…………何だかその余裕がムカつくのぅ」
え?
「立て」
「何だ突然?」
「いいから立て! 今度は儂がしてやる!」
「え、あ、うん」
正直先ほどまでの忍の痴態に興奮していたところだ、ここは素直にやってもらおう。
忍が耳だけでイきそうになるってわかったことだしな。
「ち、違う! あれは…………ええい、もう黙っておれ!」
湯船の縁に座りながらくすくすと笑う僕に忍は激昂しながらしゃがみ込む。
19来月トレカも出るらしいし ◆zO7AQfurSQ :2010/01/28(木) 07:11:46 ID:K9/D/i5O
開いた足の間に身体を入れ、そそり立った僕の肉棒にゆっくりと顔を近付けてきた。
「ふん、相変わらず似合わない立派なモノじゃの」
忍はそう言うなり、あーと口を開けていきなり喉の奥まで一気に僕のをくわえ込む。
そのままぎゅううっと口をすぼめて唇を締め付け、舌を絡めて強く吸いながらずるるっと引き抜かれる。
「くぅっ!」
突然の強い快感に思わず声が出た。
ちゅぽんと口内から解放されると、より固くより大きくなったモノが唾液の雫を撒き散らしながらびぃんと勢いよく反り返る。
「くくっ、まだ大きくなるとはな。小さななりをしてるくせに本当に似合わぬことじゃ」
「うるさい、背のことは言うな。自分だって小さいくせに」
「異なことを。儂は元々身長は高かったがお前様に小さくされたんじゃぞ、だから」
大きくなったお前様のも儂が小さくしてやる。
忍がそう言って肉棒の先端にちゅ、と唇を付けると、ピリッと快感の電流が僕の身体を走った。
そのままわずかに開かれた口に先っぽだけ含まれ、舌先でぐりぐりと尿道をほじられる。
「う、わ、あっ、あうっ」
忍の容赦ない責めに身体が震え、あっという間に射精感が押し寄せてきた。
だけど忍はすっと口を離してしまい、僕はイきそこねてしまう。
「あ…………」
思わず残念そうに漏れ出た声を聞いてにやにやと笑った忍は、そのまま幹の方に唇を這わせていく。
根元の方から袋に辿り着き、舌で転がされるともどかしい快感が全身を駆け巡った。
僕は忍に懇願する。
「し、忍っ……僕、もう……出したい……っ」
「駄目じゃ」
あっさりと忍は否定した。
口を離し、袋をやわやわと手で揉みながら意地悪く笑う。
「もっと我慢してからたっぷりと濃くなったのを出せ。なに、ちゃんと全部受け止めてやるから安心するがよい」
あー、と口を開けてチロチロと舌を淫らに動かす。
その卑猥な動きに僕はもう興奮を抑えきれない!
もともと我慢し続けていたのでもう堪えられなかった。
忍の後頭部に手を回して押さえ、柔らかな頬に肉棒の先端を押し付けながら自分でしごく。
「お、お前様!? ちょ、ちょっと待っ……ひゃっ!」
びゅるっ!と押し付けられた忍の顔で爆発し、我先にと飛び出る精液がびしゃびしゃと降り注いだ。
「うっ……う……っ」
「ん……あ……」
忍は首の角度を変えて、目を閉じながらこぼさないように顔で受け止める。
僕は懸命に伸ばされる舌と開かれた口を目掛けて幾度となく射精した。
20金かかるなあ ◆zO7AQfurSQ :2010/01/28(木) 07:13:12 ID:K9/D/i5O
前半の今回はここまで。後半は週末までには。

今年も忍と荒らしをよろしくお願いします(^O^)/
21名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 07:46:58 ID:uXB2fwLz
エロ忍がいきなりクライマックスだ!
22名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 09:48:12 ID:ExYKc1Rq
GJ!
忍かわゆすなぁ
それにしても暦は鬼畜じゃのう
23名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 19:09:42 ID:0V5ysUuN
耳内射精! 耳内射精を希望する!
24名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 20:49:11 ID:Bo90eRHy
ちょっとまて何故風呂場が防音なんだ
防音の風呂場で妹達と何をする気なんだ
25名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 21:02:07 ID:DPrirBWX
そりゃーおめー風呂場でやる事といったら歯磨きとかツイスターとかじゃね?
26名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 22:23:27 ID:ExYKc1Rq
風呂場でツイスターいいな!
27名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 22:25:22 ID:a1+VR8xX
石鹸の罠に気をつけろ!
28名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 22:26:09 ID:a1+VR8xX
前半が後半で生きてるなw
29名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 23:52:41 ID:XYYptwe6
>>24
そんなもん兄といちゃつくために妹達が小遣いはたいてだな
30名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 01:39:20 ID:Uxb2TYyg
歯磨木さんが本気出したら...
31名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 01:40:24 ID:02LH6GdJ
キテタアアア
32名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 02:35:13 ID:Q0RKwDFA
メメタアアア
33名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 15:40:32 ID:lBKX07nK
>>24
撫子さんによる改造とは考えられんか 流石に
34 ◆BAKEWEHPok :2010/01/30(土) 09:58:44 ID:G0PGmoJE
投下 規制のため携帯を使っております。
35名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:01:15 ID:G0PGmoJE
つきひスリープ

2段目のベッドに上ると月火は寝苦しいのか布団が最初からはがれており
水色をした薄いゆったりとした浴衣を寝巻きの代わりに着ていた。
暦がそろりと近づくところんと寝返りをうち仰向けになる。
「………………すぅ」

そうすると拍子に緩く結んでいた浴衣の帯がほどける。
肌蹴た隙間から慎ましやかなおっぱいが垣間見えた。
(これはこれで……)
一日一触をモットーにスキンシップをとっている小学生女子を
思い出したのかニンマリと笑い隙間を両手でさらに開放した。

月火のおっぱいに手を触れさせるとわずかに汗ばんだ肌が
しっとりとした手触りを暦に伝える。
「んぅ…………」
小さめで感じやすいようだ。

揉むというほどではないなだらかな双丘を指で撫で回す。
暦は崩れない生クリームの触感を味わいながら月火の力ない右手を取ってモノを握らせた。
そして自分の左手を被せ上下に擦り始める。

火憐の口内でたっぷりの唾液を塗された肉棒は月火の右手の中で
くちゅくちゅと音をたてながらしごかれて暦は気持ちよさそうだ。
妹の手をオナホールにしてるお返しにおっぱいをくすぐって
早くも尖りはじめた乳首を指先で擦る。
「……ふぁっ…………んっっ」
漏れた吐息は悩ましげで月火が眠ったまま感じているのが暦にもわかった。

月火の細いくせにぷにぷにと柔らかな手を、暦は被せた左手でぎゅっと握り
上下動の速度に変化をつけたり、捻るような動きを加えさせて
妹の手コキを何年も男のモノに触れ熟達してる女のように扱わせる。

男の手とは違う小さくて可憐な手はモノを握りきれないサイズなのに
暦の快感を引き出して、しごかせるたびに先走りが溢れていく。
中二少女の巧みな奉仕で快感を高めた暦は射精するために
ずっと右手で弄っているおっぱいに目をつけた。

以前眠っている火憐のおっぱいに肉棒を押し付け射精した経験のある暦は
挟むほどの大きさがなくても擦り付けるだけで気持ちがいいのを知っているのだ。
月火の手でしごかせるのを少しだけ名残惜しそうにやめるとおっぱいへ先端をくっつける。

ぷよぷよとしたおっぱいは小さくても先端が埋まって心地がよく
握ったモノを胸に纏わり付かせるように動かすと暦も月火も等しく気持ちがいい。

大きくなれと耕すようにモノでつついて掘り返しちっちゃく尖った乳首を尿道とすり合わせる。
汗と先走った液でヌルヌルした肌にこすらせると鈍く湿った音が響く。
「やぁっ……」
まだしこりがある敏感な胸を嬲られて月火は甘い声をあげる。
36名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:04:11 ID:G0PGmoJE
興奮してきた暦はさらに快感を味わうため体勢を変えると
横から肉の竿をおっぱいにくっつけて腰を振った。
肉棒の裏側が二つの乳首とコリコリ擦れて甘美な快楽を伝えてくる。

「……んぅっ〜〜」
と、月火がまた寝返りをうって仰向けから暦のほうへと横向きになった。
暦は驚く。
乱れきった水色の浴衣から伸びる華奢ながら柔らかそうな肉付きのいい脚。
その根元にはうっすら産毛が生えているだけの可愛い少女の性器が
はっきりと網膜に映し出されていたのだ。

(履いてないなんて……!?)
暦はゴクリと大きく唾を飲み込んだ
誘っているかのような妹のあそこ。開いた襞。滲む愛液。
「ふあぁっ……!」
手を伸ばし割れ目をなぞると嬌声が漏れ、潤いが指に残る。

妹の痴態に魅了された暦は月火と同じように横向きになり正面から抱き締めた。
「………………!?」
眠っているはずの月火は圧迫に身じろぐ。
素股の要領で猛ったモノを押し付けられるとビクッと止まった。

起きているのに気づいたが、もう今の暦には関係ない。
妹の亀裂へ肉の竿が擦れる愉楽だけを追い求め抱き締める力をますます強くする。
「あぁっ……」
柔肉と剛棒がクチュクチュと水音を鳴らし両者に快感を伝えた。

兄の厚い胸板に抱き締められた月火は耳を赤く染め子猫のように震えているが
それでも兄と交わる禁忌への期待と興奮で幼裂を淫らに濡らしていた。
先端が月火の中へと飲み込まれていく。
「はぁぅっっ……!」

ひっかかるような感覚とともに、血が繋がった所からわずかに流れる。
激感に月火は泣き混じりの声をあげギュッと兄の身体を抱き締めた。
「お兄ちゃん。やっと……やっと、私の処女を貰ってくれた……」
ずっと閉じていた瞳を開き涙で頬を濡らしながらも呟く。
「ずっと悪戯ばっかりするんだもん」
泣き笑いながら、膣内を埋める煮えたぎったモノに必死で耐える。

「お前が可愛すぎるからさ。処女だけは我慢してたんだ」
だがその我慢も情欲に塗り潰されてこの通りだ。
「そうじゃない。処女を我慢してほしくなかったの」
ぷくっと頬を膨らませる月火。
「大体眠ってると思って好きなだけおっぱい触って、手とか脚の間で出しちゃってさー
 お兄ちゃんの一回目をお口に出されるとすっごく濃くて飲みにくいんだから……
 火憐ちゃんはそれが好きみたいだけど……
 私も別にお兄ちゃんのだし嫌ってわけじゃないんだけどぉ……」
37名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:06:14 ID:G0PGmoJE
ぼそぼそ赤い顔で呟く月火。
「あー続きやっちゃっていいか」
「にゃう!あ、いたっ……」
大きな声のため膣内が動いて擦れてしまう。
「そうじゃなくてさあ。妹の処女を奪っちゃったお兄ちゃんとしての感想はないの?
 気持ちいいよとか大好きだよとか愛してるよとか妹に優しくすべきだよね」

「んー。月火ちゃんの中は気持ちいいし、大好きだし愛してるぞ」
「私の言ったことじゃん!」
たれめがわずかに釣りあがって炎がもゆる。
困り顔の暦は名案を思いついたかのよう目を輝かせ答えた。
「じゃ、ちゅーしよう。ちゅー」
「……お兄ちゃん、ほんとに妹の事馬鹿にしてるよね」

じっとりと兄を睨むものの、上向いて目を瞑った。
「ちゅー」
「ちゅっ……んぅ、んっ、くちゅ……はぁっ」
最初は啄ばむような軽いキス。
暦の舌が月火の唇に入り込んで舌と舌が触れ合うべろちゅー。
口内を舌で掻き混ぜられて月火は熱い吐息を零した。

「ちゅーだけでいっかなと思っちゃう自分が憎い……」
無念そうに溜息をつく月火。
「じゃあそういう事で動くぞ」
暦はゆっくりと腰を振り始めた。
横になったままでは早い抽送はできず月火の幼裂には暦のモノは大きく奥までは入りきれない。

「あぁっ!んぅっっ……んっ、んっ」
抽送に月火は苦痛の声を上げながらも兄を受け入れるため俯き胸に顔を押し付け耐える。
「先に謝っとく。ごめん月火ちゃん。我慢できない」
突然の暦の言葉に不思議そうに涙で濡らした顔をあげ兄の顔を見た。
「激しくするから」

横の体勢から月火を下に、暦が上になる。
そのまま暦は腰を月火の中へ撃ちつけた!
「ひゃうっ!い、いたい、あぐぅっ、お兄ちゃん痛いったら!」
まだ未成熟な膣を貫かれ削られて、快楽よりも痛みが勝ってしまう。
愛液と血が纏わりつくモノが月火を責め立てていく。

「月火ちゃん、すっごい気持ちいい」
妹の膣を激しく犯す兄は非情にも、責めを止める気はないようだ。
「うっうー ずるい、痛い、ずるい、痛い」
泣きながら兄を睨むが暴れたりはせず必死に耐える月火。

ぐちゅぐちゅと膣内を肉棒が擦られ、きつく絞めてくる。
先端がコツンと子宮口を叩きそのたびに月火は悲鳴をあげた。
暦は抽送しながらもちっぱいを揉んで撫でて月火の意識を少しでも散らす。
「んんっ、はぁっ、はぁっ、おっぱいは気持ちいいかも……」
38名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:08:32 ID:G0PGmoJE
それを聞いた暦は胸に口をつけ、小さくて固くなった乳首を啄ばむ。
「んにゃっ!」
変な悲鳴をあげる月火の反対側の乳首も指で擦ってあげると
膣内が少しだけ潤ってきた。

乳首ごとおっぱいをずずっと吸い上げる。
「やぁぅっ!」
わずかに膨らんだ胸が赤く色づきキスマークが残ると
暦はそれに興奮して胸の各所を好きなように吸った。

「あとのこっちゃうってば!」
そう言う間に、幾つもの内出血の痕が胸に残る。
「気が紛れただろ?」
月火をおっぱいの刺激に集中させて破瓜の痛みを分散させる。
そんな作戦という名の建前で、好き放題妹に自分の証しを刻み付ける暦。

それでもわずかながら効果はある。
「ふぁっ?う、うそ、あんまり痛くなくて……」
「なくて?」
「ちょっとだけへんな感じ…………はぁぅ」
月火は堅い肉の竿で自分の中を埋められる事に快楽を感じ始めていた。

「早くいくぞ」
「そんな、まだ無理、いやああああ!」
抜き出され、突き入れる。
じゅぶじゅぶと愛液を掻き混ぜながら激しく抽送する。

「ああぁっ!んっっ、やぁっ!」
だんだんよくなってきたのか、声がいつもより高い。
「月火ちゃん、気持ちいいって何度も言ってごらん」
突き入れながら悪魔のように囁く暦。
「そしたらもっとよくなるぞ」

「気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい……」
まだ苦しげな顔で月火は何度も呟く。
「僕のおちんちんが気持ちいいって言うんだ」
「お兄ちゃんのおちんちんが気持ちいい……」

月火は処女を失ったばかりの膣で感じる、痛みとわずかな快楽に戸惑いながら素直に従う。
「もっとだ!」
言葉とともに、妹のなかを怒張で突き上げた。
「んぁっっ!気持ちいいよ!お兄ちゃんのが気持ちいいよお!」

痛み混じりの快楽が月火の全身を襲い無我夢中で叫ぶ月火。
抽送する勢いはさらに激しくなり、肉棒が亀裂を穿っていく。
月火は腹の奥まで進入した堅いモノで粘膜が削られながら
泣いて、苦痛に呻き、内から押し広げられる激感に翻弄される。
39名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:11:24 ID:G0PGmoJE
「あぁぅっ!お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!気持ちいいから!
 気持ちいいから、もっと、もっと、私で気持ちよくなって!」
泣いているのに
痛くないはずがないのに
愛しい兄の欲望を甘んじて受けいれて
全身全霊で月火は兄と愛し合っていた。

モノが月火の膣内を抽送するたびに白く濁った愛液が飛び散って
苦痛よりも快楽が増しているのがわかる。
「ひゃっぅ!んっあっ!はゃぁっ!ねぇお兄ちゃん、んぅゅぅっ
 好きって言って!ぎゅっとして!」

「月火ちゃん好きだ。月火ちゃんが、可愛くて
 気持ちよすぎて、いつまでも、こうしていたい!」
上から圧し掛かるように抱き締め激しい抽送を続ける暦。
月火は体重がかかって苦しい事すら、兄と全身が触れ合っている幸せに感じていた。

堅さと柔らかさが混じる妹の膣を犯す快楽に酔う暦の腰が
ビクビクと震えだして射精の前兆を見せる。
「月火ちゃん、中で出すよ!嫌って言っても絶対出すぞ!」
否定を受け付けない宣言。当然月火の答えは決まっている。

「いいよ!出して!お兄ちゃんの精液、いっぱい私の中に出して!」
返事の代わりに子宮まで貫かんばかりにモノが叩き込まれた。
幼い膣の最奥を穿つ衝撃と快楽で失神そうな必死に月火は耐える。
暦の腰から性器へと移行する、震えを月火は膣内で感じ取り
本能的に男の精を受け入れようと脚を暦に絡めた。

「いくぞ!」
「あぁぁっぁぁっぁあぁっ!」
月火の膣内が複雑に蠢き、肉棒が最高の快感に包まれて
子宮口に押し付けられた亀頭が怒涛の濁流をぶちまける。
二度目だというのに、精液は止まらず月火の膣内を埋めて
子宮の中まで熱しようとドロドロの熱いマグマを注ぎ込んでいく。
「はぁぁぁっ、あ、あつい……お兄ちゃんのあついよう……」

妹の一番大事な場所を溺れさせた精液は噴出を続けて
薄桃色のすじからねっとりと溢れ出した。
零れる精液を気にせず二人は抱き合ったまま最後まで
最愛の快楽を味わい続ける。

「はぁっはぁっはぁっ、イっちゃった。」
えへっと笑う月火は幸せそう。
「妹の中にこんないっぱい出しちゃって。絶対赤ちゃんできちゃうんだから」
「月火ちゃんが可愛すぎるのが悪いんだよ。ぱんつも履かず待ちやがって」
「お兄ちゃんなら、きっと襲っちゃうって思って」
「んー。完璧に読まれてたわけか。策士だな」
「私が策士なら、妹に毎夜悪戯するお兄ちゃんは外道だよね」
中だしまでしちゃうしさー
そう言いながらもにやにやしてる月火。

40名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:14:44 ID:G0PGmoJE
「なあ、月火ちゃん。もっかいやっていいか?」
膣に入れたままのモノがまた硬化し始めていた。
「もー駄目って言ってもヤるくせにー お兄ちゃん妹の中に出しすぎ!」
そういいながら月火は腰をくねらせる。
「酷いキャラすぎる!けど言い訳できないな」
「今度は私も頑張るから。またぎゅってしてね♪」

両腕を開いて兄に向けた刹那。
「ずるい!!!」
突然傍らに梯子を上った火憐が現れて大音声をあげる。
「月火ちゃんの処女を奪ったのに、あたしのはいらないってのか!」
暦の暗視には、火憐の姿がよく見える。

ずっと妹と兄のSEXを聞いていた火憐は顔を真っ赤に
下着を濡らしながらもじっと耐えていたのだ。
「あたしも混ぜて。兄ちゃんに処女貰って欲しい」
熱っぽく懇願してくる。

「じゃ、火憐ちゃんも服脱げ。三人でやろう」
「流石兄ちゃん!」
暦の背中に火憐は圧し掛かってぷよんと胸が当たり
月火と火憐に暦はサンドイッチされた。
「お兄ちゃん、ほんと外道だよね。けどしょうがないかあ」

兄のモノを抜いて、火憐のほうへ向き直させる。
「んっ……火憐ちゃんにもしてあげて」
横向きの体勢で火憐の引き締まった肢体が暦に絡みつき、後ろからそっと月火が寄り添った。
41名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:17:05 ID:G0PGmoJE
終了
眠ってる所に悪戯だけするはずがよくわからないことに。
けれど次は高校生組みか千石でいきたいです。
なにしろ蛇ラチオですから…………
怪異が集まって触手フラグもありますしね。
42名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 11:44:24 ID:2YFBd9KH
>>41
流石鬼畜木さんだぜw
あと火憐ちゃんの続きを是非とも
43名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 12:14:07 ID:yuOb8LEw
>>41
さすが人畜さんw
外道すぎるwww
火燐の続きも熱く希望!
わっふるわっふる
44名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 15:30:23 ID:SuMpIpD7
>>41
お兄ちゃん外道すぎ!
人畜路線のロリリリさんいいなあw
45名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 23:56:01 ID:Wz4bAoCx
キテタアアア
46 ◆zO7AQfurSQ :2010/01/31(日) 02:10:35 ID:lbhv4aLA
>>41
怪異絡みだと途端に書けなくなる俺としては期待せざるを得ない!

さて、同人誌読んでてたまに思うのが、ところどころ阿良々木くんの一人称が『俺』になってる作品あるのが気になる。内容や絵がいいだけに残念だったりするところも。
まあ俺だって人様に言えるほど良いものを作っているわけでもないのだが。

ゲーセン限定プライズやゲーセン店舗特典栞、専用待ち受けのせいでしばらくゲーセンに通いつめてしまった。
来月もこうなるのか……

とりあえず後半戦開始!
わっふるわっふる♪
47名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 02:11:39 ID:Ppjj25Gj
よしこい
48 ◆zO7AQfurSQ :2010/01/31(日) 02:11:52 ID:lbhv4aLA
「はあっ……はあっ……」
しごいて全て忍の顔に射精し終え、僕は脱力して手を湯船の縁につく。
忍は終わったのを確認して目を開いた。
「何じゃ、いつの間にかこんなに溜めておったのか。それにすごく熱くて濃くて噛み切れないほどとはな。勢いも……って髪の毛にまで飛んでしまっているではないか」
顔中に飛び散った粘液を指で掬い取り、次々に口に含んでいく。
そして自分の髪を手に取って口元にあてがい、こびり付いたのをすする。
忍が。
金髪の美少女が。
大量に顔射されたのを喜んで。
その放たれた精液を美味しそうに口に含んで飲み下していく。
その様子を見ていて、気が付くと僕の肉棒は射精前と同じ大きさと固さを取り戻していた。
「ん? おお、こっちも綺麗にしてやらねばな」
そう言って舌を伸ばして開かれた口に、僕は忍の側頭部を両手で掴んで引き寄せて触れられようとしていた肉棒を突っ込ませた。
「んぐっ!?」
反射的に忍は僕の腕を掴んで押し退けようとしたが、それより早く僕の指が忍の両耳に差し込まれる。
「んっ、んふぅ……っ」
腕を掴んでいた両手の力が抜け、つり上がっていた目をとろんとさせながら甘い吐息を漏らす。
本当に感じやすい耳だなぁ。
抵抗の意志がなくなったのを確認して僕はゆっくりと忍の頭を前後に振る。
唇の輪っかが肉茎を這い、先端から半ばまでを行き来すると、全身を快楽の波が襲う。
少し動きを早めようかと思った時、忍が態勢を変え始めた。半立ちになって下半身を浮かせ、四つん這いに近い型になる。
くわえている僕の肉棒と身体を平行になるようにした。
そのまま前に身体を進めてくると、ずるるっと喉の奥に当たるまで僕のが忍の口内に埋まっていく。
だけど忍はそこで止まらなかった。
さらに奥まで飲み込もうとぐっ、ぐっ、と咽喉を押し付けてくる。
「お、おい、忍、もう無理だって……うああっ」
ぐぷっと空気が漏れるような音がし、忍の唇の輪っかが僕の肉棒の根元まで届いてきた。
亀頭がこれまで感じたことのない感触で締め付けられる。
もともと僕のをくわえるのが精一杯なくらい小さな口と身体の忍に、小さい方ではない僕のモノ。
下手をしたらこれは食道にまで届いてしまっているのではないだろうか?
止めさせようとしたが、やはり今まで感じたことのない顫動で刺激を受け、僕は思わず呻く。
「く……は……あっ!」
茎を舌が這い回り、根元を唇がぎゅっぎゅっと締め付ける。
49 ◆zO7AQfurSQ :2010/01/31(日) 02:13:52 ID:lbhv4aLA
早くも次の射精感が込み上げてき、気を抜いたら一瞬で終わりそうになるのをこらえて忍に訴える。
「し、忍っ……もう……出そう……っ」
僕が言うと忍はずるっと口内から肉棒を引き抜き、無言で身体を起こして口を開きっぱなしにした。
僕は湯船の縁から立ち上がってその口に射精寸前で膨らみきった肉棒を再びねじ込み、両手で忍の頭を固定して腰を前後に振って出し入れし始める。
忍は何も言わずとも僕に次々と口内で刺激を与えてきた。
舌を裏スジに押し当てて僕が腰を振るたびに強く擦らせ、唇をぎゅむぎゅむと不規則に締め付ける。
様子を窺うかのように僕の顔を上目遣いで見上げるその表情は一気に僕の情欲を促進させた。
思わず忍の頭を掴む力が強くなり、腰の動きが速くなる。
じゅぷじゅぷと激しく口内を出入りし、もう限界だった。
「出る……出るよ……忍の口に、出すよっ」
射精に向けて動きにスパートをかけ、歯を食いしばる。
忍が舌を亀頭の先の割れ目に押し付けて受け止める準備をし、それに伴い僕は忍の口内でついに情欲を爆発させた。
「う、うあ、あ、う…………うあああっ! あっ! あっ!」
びくんっと僕の腰が震え、押し留めていた精液が尿道を駆け抜けていく。
びゅるっ、びゅっ、びゅっ、と放たれた大量の粘液を咽せることなく忍は受け止め、搾り尽くすように刺激を与え続ける。
「あ、ああっ……し、忍、まだ……飲まないで! 口の中に溜めて!」
忍は少し訝しげな表情をしたがとりあえず僕の言葉に従い、射精し終わったあとも尿道に残ったものも吸い出して口内に溜めていた。
全身がうち震えるほどの快楽の波が引き、僕はようやく落ち着く。
まだ飲んではいけないのか、と問いたげな忍に僕はその疑問に答える。
「忍、そのまま自分でしてイく時に飲むんだ」
びくり、と肩を震わせて驚きの表情を浮かべた。
バレてないとでも思ったのだろうが、最初から僕は気付いている。
くわえさせて耳をいじった時から忍の両手は自分の下半身にあてがわれたままなことに。
「ほら、早く」
くいくいと耳の穴を指でいじくるとすぐにとろけるような表情に変わり、もそもそと両手を動かし始める。
お湯の中なので見えづらいが、右手の指で秘口を、左手の指で陰核をいじっているようだ。
もともとだいぶ高ぶっていたようで荒い鼻息が僕の下腹部に吹きかけられ、未だ肉棒を包み込む唇がぎゅっと締め付けられる。
「忍、もうイくの?」
忍はこくこくと頷いた。
50>>47反応早くね?(笑) ◆zO7AQfurSQ :2010/01/31(日) 02:16:13 ID:lbhv4aLA
「いいよイって。僕のを飲みながらイくんだ」
僕は左手を指でそのまま耳内を引っ掻くように擦り続け、右手を忍の喉に当てる。
目蓋がぎゅっと閉じられ、こくんと口内の精液が嚥下された時。
「ん、ん……んふうううぅぅぅぅぅっ!」
忍は絶頂に達した。
小さな身体をびくっびくっと震わせながら次々と喉を鳴らして溜められた精液を飲み下していく。
茎にこびり付いたものを舐め取り、尿道に残ったものを吸い出し、それら全てを飲み干して忍は口を離した。
僕は改めて湯船に入り、余韻に浸る忍を引き寄せて抱き締める。
忍も肩で息をしながら僕の首に腕を回して抱き付いてきた。
「…………腹が減った」
背中を撫でていると突然呟くように忍が言う。
「ん?」
「最近はお前様の体液をよく飲んではいるが、やはり固形物が無いと物足りんの」
「あー……じゃああとでミスドでも行くか」
どうせ固形物といっても欲しがるのはドーナツだろう。
こういうとき深夜までやってるミスドがあるのはありがたい。
「で、何が食べたい?」
「それはもちろん」
『ゴールデンチョコレート!』
声が揃った僕達は二人してくすくすと笑い合ったのだった。




終わりです。
暇つぶしででも読んでくださってありがとうございます。

他の方々のを見ているとタイトルつけたほうがいいのかな?って近頃思うので、この作品は『しのぶイヤー』と名付けよう。もちろん年ではなく耳のこと。耳が感じる女の子が大好きです。


ところで、たまにはキャラ性とか設定とか気にしないガッツリエロが書きたい。
なかなか本番行為をしないMY設定ですが、そんなの無視しているただエロ行為をするだけのSSって需要あるのかな?
今のところネタストックは3つ

1.以前書いた八九寺ストーリーの続き。ついに八九寺が初体験を行う。
2.上記とは関係なく、ただ阿良々木くんと八九寺ちゃんがえっちする話。ただし、八九寺が相当淫乱な設定。
3.妹二人をお風呂で調きょ……可愛がるお話。もちろん性的な意味で。


いや、書きたい話はまだまだあるけど、ある程度構想が固まってるのはこのくらいしかなくて…………
51名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 02:37:51 ID:Jss19fUg
外道木さんですねぇ
52名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 03:34:48 ID:6Mi3RYiM
えっちで可愛い忍蕩れ!

ガッツリエロカモーン!
53名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 03:53:57 ID:GPo6rEKl
3!3を期待わっふる
54名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 04:23:58 ID:RIsiutkE
乙でした〜〜
55名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 09:49:52 ID:u0MzoVD6
乙!忍蕩れ!
俺は3を希望w
だけど一度くらい忍とラララ木さんが
本番して欲しいかもしれない。
忍の寸止めが可哀相で可哀相でwww
56名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 10:07:00 ID:a1QLR7PS
月火ちゃんカモン!
57名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 19:24:52 ID:6Mi3RYiM
ひたぎロスト

http://u3.getuploader.com/eroparo/download/9/hl.zip  PNG画像版
http://u3.getuploader.com/eroparo/download/10/hl.pdf  PDF注意

刀語面白いね。ちぇりお!
58名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 20:46:18 ID:B4r3vvQM
>>57
読んだ。未読の人のために具体的な感想は控えるが、面白かった
つーか繋がりにくいwみんなアクセスしすぎw
59名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 21:20:47 ID:g0ZbDqIN
あはははは、幸せそうだな槇原敬之さんあはははは
60名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 21:42:20 ID:GYoqh2e7
>>57
これはなに?
ss?
61名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 22:15:29 ID:a1FD1cqv
>>57
> ひたぎロスト
>
> http://u3.getuploader.com/eroparo/download/9/hl.zip  PNG画像版
> http://u3.getuploader.com/eroparo/download/10/hl.pdf  PDF注意
>
> 刀語面白いね。ちぇりお!
>

これ、落とせないのは僕だけ?なんか接続がリセットされるんですけど・・・
62名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 22:18:08 ID:g0ZbDqIN
実際の化物語と同じような段組に構成されたSS。
ウィルスとかは少なくとも俺の環境では見つからなかった。
まあ、安心して落とせばいいとは断言できないが、
内容は面白いのでそこら辺自己責任で落としておkなら
落としてよむべし。
63名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 22:18:53 ID:g0ZbDqIN
ロダの鯖の調子とかでアレなので、ちょっと時間を置いて試すべし。
64名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 22:32:13 ID:a1FD1cqv
了解です。ありがと
65名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 23:11:32 ID:6Mi3RYiM
スミマセンお騒がせしました

>>62 フォローありがとうございます!
言葉が足りなかったですね
お手数おかけしてごめんなさい
次からは気をつけます
66名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 23:56:58 ID:UPOppBVc
>>46
忍イラマチオ風でいいですな
喉をまっすぐにして飲みこむのが凄い好きですよ
忍自身無茶でも出来るししたいと思ってそうなのがいい
ロリ淫乱大好き

ネタはエロ要素重視するんで2か3がぐっときます
ただ八九寺があまり人気がないような気がー
あと怪異ネタっていうかただの触手モノな予感
67名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 03:34:55 ID:31RFuQxk
携帯だと見れないのが悲しい
68名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 13:17:01 ID:iWj4cA5x
ああ、ケータイの人って結構多いのかしら
69名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 13:28:19 ID:7mqJ0pR6
…ふぅ
千石、エロすぎるぜ…

ついでにOPがなんというか今までと違ってみょーに癒されるつーか
あの撫子のはにかみ笑顔は反則だろJK
70 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/01(月) 14:40:08 ID:CKwLZd7D
もう! このスレのお兄ちゃんたち妹に期待し過ぎ!


あれ、八九寺ってひょっとして人気ない?
これは俺がエッチな八九寺の素晴らしさを広めなければならないかしら?

とりあえずどっちかで書いていきます。遅筆ですが御容赦を。
忍本番行為も書きたい……いや、いずれ絶対書く!


>>68
俺も携帯でつ……
71名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 14:44:50 ID:ZEU5PEPK
八九寺が人気無いわけじゃなくて八九寺にエロ要素を求める人が少ないんだと思う。
まったく逆の性質だけど多分神原も同じじゃないかな。
72名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 15:20:39 ID:ge8GAnt7
いやでも今までネタの殆どは妹か八九寺だったような……

八九寺ネタのインパクトが強すぎるのかな
73wikiの製作者です。:2010/02/01(月) 17:04:17 ID:8Ht0Ew+l
出会い頭の噛み台詞シーンで、否が応にもインパクトが出るのかも
 
 
>>6,7
まぁ、なんだ……細々とやってるwikiなら、見逃してくれるかなって根拠のない自信が……
あと、他のwikiより広告が目立たないと思ってさ……
 
っていうか、誰かwiki更新してくれよー。何のために編集ガイド作ったと思ってるんだよー
編集ガイドって、つまり、「これ作ったから、後はお前らやってくれ」って意味なんだかんね
俺は読むの専門なんだよ。自分で更新とか、その、正直たる(ry
なんかもうね、本当お願い。簡単だからさ。俺が作ったのは土台だけ。後はみんなでやろう。みんなのwiki。ね!
 
今回は作品も溜まってたし、新スレにもなったから更新したけど、次回もそうだとは限りませんからね!
74名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 17:07:10 ID:4zBGl8jS
>>73
応援してます
75名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 17:09:49 ID:yGKVcBbW
ひでえw
76名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 17:21:47 ID:EZc6IDWd
>>73
あいらぶゆー
77名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 17:50:12 ID:taV48aAL
レス代行をお願いしてます。
また携帯が規制食らってるのでわっふるさんが出てこれなくなったような気が。
>>61
拘りがなければいいんだけれど、まとめ用にtxtも用意したらどうだろう。
>>71
多分だが神原は淫語をどれだけ言っても違和感がない女として需要があるはず。
>>73
ガイド見てもあんまり意味がわからなかったんで触ってなかった。
78名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:10:18 ID:/4FV8ykc
ドコモで書けるかなと
79名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:15:00 ID:/4FV8ykc
規制議論板で規制人がピンク板全般を携帯規制対象外にしたらしい
なにごともなければこのままだがはて
80名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:18:48 ID:ajUgagjb
サイコロジカルの結末がよくわからなかったんだけど、誰か教えて
81名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:32:24 ID:Ie60SK77
ここってそういや戯言も含まれてたんだな
82名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:36:47 ID:ajUgagjb
>>81読んだ?
83名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 19:16:53 ID:Ie60SK77
読んだけど?結末教えたらエロパロ書いてくれんの?
出夢といーちゃんの絡みで頼む
84名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 20:38:42 ID:T50K+mi5
それは出来ないけど教えてくれ
結局神足さんは自ら被害者になったってこと?
85名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 20:59:45 ID:yGKVcBbW
本スレでやれ
86名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 21:06:25 ID:vy4xCE1O
ここは18歳未満が来るところじゃないですよ
87名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 21:08:33 ID:CKwLZd7D
うおお、良かった、夕方書けなかったけど今は書き込める!
>>79さん情報ありがとう!
88名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 01:57:37 ID:qtIO+Fq7
>>72
わっふるの人、八九寺あんまり書いてないような
七割ぐらい忍のイメージ
89名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 12:38:51 ID:uUKE43AZ
wikiをちょっとだけ編集してわっふるさんのタイトルを変えてみたのですが
変更前のページはどうやれば消せるのでしょうか?
90名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 19:58:19 ID:lIuR3MVZ
空にして保存すればいいんじゃないっけ
91名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 00:26:11 ID:xb/MlIkY
ある日突然火憐ちゃんが縮んで月火ちゃんが育っちゃう怪異はまだですか
92名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 01:01:04 ID:kE3pULo8
暦お兄ちゃんがわた…千石さんにメロメロになっちゃう怪異はまだですか
93名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 01:03:30 ID:+0cERRPc
胸の話?
94名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 01:26:04 ID:gzQqNmFF
>>91
Windows7 タッチパネル付に期待してください
95名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 05:05:59 ID:SLLabTAh
96名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 10:03:59 ID:g2G/3YQ9
ひたぎロストのダウン回数みる感じ
三百は見てる人いるのだろうか
あんまりいないように見えるのは
規制のせいかROMが多いのかどっちだろ?
こっちも携帯でしか書けないからめどい。
97名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 13:58:35 ID:kE3pULo8
せっかくだし、wikiの方にカウンターってつけられないのかな?
どのくらいの人がいるのかって、結構気になるよね
98名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 16:01:09 ID:UDlvAndv
え?
ついてね?
99名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 16:48:54 ID:+oDTzpld
規制が多いかと
100名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 23:22:28 ID:lybXOzOC
今更なんだけど、保管庫とwikiって競合してないの?
確か保管庫ってスレでまとめたら見放すって方針じゃなかったっけ
101名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 23:25:11 ID:kE3pULo8
いや、頼めばやってくれると思うよ
スレでまとめたら様子見するって方針だった気がする
102名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 18:31:47 ID:lXaWVind
書きたい奴か読みたい奴をつらつらと妄想すると
ドロガハラさんと添い寝エロ
委員長は阿良々木くん以外にも優しかったようですという感じのNTR輪姦
もしくは体育倉庫でおっぱい祭り
八九寺が忍と一緒に影に住み込んで3P
神原先生のBL講座実践編お尻的な意味で
撫子スネイクお祓い失敗、触手たくさんついでに神原輪姦
忍ちゃんが12歳ぐらいの姿でドーナツのために男達に自分を安売りしちゃう
など、エロ方面に偏って妄想はいっぱいあるんだけれど
なんかこう実生活や規制とかでモチベが上がりきれないそんな毎日。
103名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 18:58:24 ID:vuYhfsgv
「なでこスネイク」の直後に「暦お兄ちゃんにお礼がしたい」と撫子がカラダを差し出す
「戦場ヶ原先輩には黙っててあげるから、一緒にわたしも抱いて」と提案する神原
そのままホテルに直行し3Pに突入
104名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 19:17:34 ID:0gVkru6Y
俺が書けそうなのは
・ドロガハラさんと添い寝エロ
・八九寺が忍と一緒に影に住み込んで3P
・神原先生のBL講座実践編お尻的な意味で
くらいだな
二番目とか書いてみてえ(笑)
105名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:01:57 ID:vgvGtDfM
>>103
携帯が鳴って
「阿良々木くん、急に顔が見たくなったのだけど。写真、いいかしら?」
106名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:04:41 ID:lXaWVind
>>103
2人ともそれぐらいやるよね!
撫子のオーディオコメンタリー見たら物凄く自分の体を
過小評価してるから偽で誘惑とかする間になにが起きたか気になる。
>>104
これはどう見てもわっふるさん。
忍END的な方向で進むと八九寺が未来まで考えて一番相性いいと思うんだー
忍がロリ属性というくくりとはいえ、気にしてたり仲良くできるんじゃないかと。
107>>106何故バレたし(笑) ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:25:54 ID:0gVkru6Y
『おふろシスターズ』


夏休み。
真夏日。
こんな日はクーラーの効いている図書館で勉強に限る。
が、今日は午前中だけで終わってしまった。
羽川曰く、『一段落ついたから明日は小テストをやりましょ。あ、一夜漬けしちゃダメだからね、今日はもう勉強禁止。適当に頭を空っぽにしておいてね』とのことだ。
そのまま図書館に残るらしい羽川に追い出された。
いきなりそんなことを言われてもぽっかり空いた時間をどう過ごそうか。
戦場ヶ原はいないし神原はバスケの臨時コーチ。
帰りに八九寺にでも出くわさないかと思ったが、自転車を漕いでるうちに何事もなく我が家へと到着してしまう。
「…………まあ何をするでもなくだらだら過ごすのもいいか」
僕は階段を上がり、自分の部屋のドアを開ける。
そこに月火がいた。
「……………………」
「……………………」
そこに着物姿の月火がいた。
「……………………」
「……………………」
僕のベッドに着物姿の月火がいた。
上も下もはだけさせ、自らの手で弄っていたらしい月火が。
「えーと……ただいま」
「う、うん……おかえり」
ぎくしゃくとした挨拶しか出てこない。
とりあえず僕は深呼吸して落ち着くことにする。
「で、月火ちゃんは兄の僕のベッドで何をしていたのかな?」
「……何もしてないよ、ただ寝ていただけ。暑いから着物はだけさせちゃったけど」
本気で誤魔化せるとは思ってないだろう、月火はぷいと横を向きながら答える。
僕は荷物を傍らの机に放った。
「ふーん、じゃあ……これも汗なのかな?」
「ひゃん!?」
すっと何気ない仕草で僕は月火の脚の付け根に手を伸ばす。
いきなり触ってくるとは予想しなかったのだろう、月火は身体をびくんと震わせて小さな悲鳴を上げた。
「そ、そうだよ、お兄ちゃんの部屋、暑いから……んっ」
指に絡まる粘液は明らかに汗ではないが、身体をくねらせながらも月火は言い訳をし続ける。
この感じだとまだ始めて少しといったところだろうか。
僕は指を放してそのままひょいと月火をお姫様抱っこする。
「ひゃ、え、え?」
「そんなに汗をかいたのならシャワーでも浴びるといい。僕も帰ってきたばっかりで汗だくなんだけどな」
一緒に入るか?という質問に月火はこくんと頷いた。
そのまま脱衣所まで行くと感心したように月火が言う。
「お兄ちゃん、意外と力あるね」
「月火ちゃんが軽いんだよ」
たわいない会話をしながら僕達は服を脱ぐ。
108名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:26:57 ID:l0RmHkH7
>>106
もう一人の恩人である所の神原に感染した可能性が最も高いと思われる。
109 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:27:18 ID:0gVkru6Y
うちの妹達は朝風呂に入ることも多く、浴槽にはすでにお湯が張ってあった。
二人で軽くかけ湯をしたあと、なんとはなしにちゅっと軽く唇を合わせる。
啄むようなキスから少しずつ情熱的になっていき、舌を触れ合わせだした。
もっと激しく吸おうと月火の後頭部に手を回した瞬間。
「兄ちゃん月火ちゃんずるいぞ! あたしも混ぜろ!」
そんな叫び声とともに蹴破られる勢いでドアが開けられ、火憐が飛び込んできた。
そういや今日は二人とも用事無いんだっけ。
「ひどいよ兄ちゃん……月火ちゃんだけ構ってあたしを除け者にして……」
明らかに嘘泣きだとわかる啜り声をあげたが、どちらかというと怒らす方が怖いので僕は宥めに入る。
軽く頭を撫でながら僕は言う。
「ごめんな火憐ちゃん。ほら、一緒に入ろう。いい子だから服を脱いでおいで」
「兄ちゃんって時々あたし達を子供扱いするよね……」
そう言ったものの火憐は満更でもない表情をし、ぽいぽいと着ているものを脱ぎ捨てていく。
全裸になった阿良々木家の兄妹全員がこの風呂場に集結した。
そういえばこんな形で三人揃うのは初めてだな。
せっかく可愛い妹が二人揃ったんだ。
兄としては妹達の家族愛を深める為にもまとめて可愛がってやるべきだろうな。
僕は二人を椅子に座らせ、火憐の身体をボディソープで洗ってやりながらその滑りを利用してじっくりと愛撫してやった。
ただし、首や腹、背中や腕に脚といった感じで、強い性感帯には一切触れない。
そして待ちかねている月火も同じ様に泡まみれにしてやりながら、交互にねっとりと愛撫を繰り返した。
二人とも息が荒くなってきた頃、僕は次の行動に出る。
「じゃあ月火ちゃん、今度は月火ちゃんのお口の練習といこうか」
「え、う、うん」
「えー」
月火はちょっと驚き、火憐は不満そうな顔をする。
「兄ちゃん、なんであたしにはさせてくれないのさ?」
「火憐ちゃんはもう充分上手いだろ。月火ちゃんはほとんどやったことないんだから練習しないと」
今度は僕が椅子に座り、月火が僕の股間の前に跪いて小さな口からピンク色の舌を伸ばし、ペロペロと肉棒に這わせて奉仕している。
正直、火憐に比べると不器用なんだが、一生懸命に頑張るその顔はとても可愛らしい。
僕の背後からは火憐が抱きついてその発達中の胸を背中にこすり付けながら、キスをしつつ舌を伸ばして僕の顔や耳を舐めまわす。
「二人とも、そのまま自分でオナニーするんだ」
110名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:28:02 ID:vuYhfsgv
>>105
続いてバサ姉からも着信
「なんだか阿良々木君が、女の子二人をホテルに連れ込んでるんじゃないかって気がしたんだけど、
…まさか、本当に3Pとかしてないよね?」
111 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:29:11 ID:0gVkru6Y
僕が次の指示を出すと、火憐はすぐさま動き出した。
固く尖った乳首をより強く僕の背中にこすりつけながら、片手を自分の股間に持っていってぐちゅぐちゅといじり始める。
が、月火が僕のをくわえたままなかなか動かない。
僕は両手を伸ばして月火の胸に持っていき、乳首をきゅっとつまむ。
「ひゃんっ!」
「ほら、さっき僕の部屋でしてたようにするんだ」
「え、月火ちゃんバレちゃったの?」
その火憐の言葉から察するに今日が初めてというわけではないらしい。
いつから、と聞く前に月火の手が自分の股間を弄り始めた。
僕はくわえさせている肉棒を月火の口内から抜き、火憐も身体から離れさせて目の前に座って並ばせる。
「二人とも、脚開いて。いじってるところをよく見せるんだ」
火憐も月火もゆっくりとM字開脚をし、秘口を晒した。
そこに片方ずつ手を伸ばし、溢れ出る蜜の源泉に中指を差し込む。
「あっ!」
「あん!」
びくんと身体を反応させ、短い悲鳴があがる。
まだ指一本を埋めただけなのにきゅうきゅうと締め付けてきて、ものすごくキツい。
「ほら、早く続きをするんだ。僕も手伝ってあげるから」
「うんっ!」
「う、うん」
二人とも秘口の上方にある陰核に指を伸ばし、思い思いにいじり始めた。
「ふ……あ、あ」
「あっ、あ、あんっ」
泡だらけの身体をくねらせ、二人の指の動きがだんだん大胆になっていく。
妹達の淫靡な姿に僕はすっかり見とれてしまい、いつの間にか手の動きを止めていた。
「に、兄ちゃん……指、指動かしてよぉ!」
「お兄ちゃんに、お兄ちゃんにいじられながらイきたいのぉ!」
「ああごめん。ほら、見ててやるからイっていいよ」
くいくいと指を膣内でかき回し、二人の感じるところを的確に責めていく。
手前側を指の腹で擦ってやるとあっという間に二人は登りつめてしまう。
「あっ、あっ、イくイく! 兄ちゃん、イくううぅぅぅ!」
「あん、ああっ、気持ちいい! イっちゃうよぅ! ああああっ!」
どぷっと大量の愛液を吹き出して二人は同時に達した。
ぴんとつま先を伸ばして身体にぎゅーっと力を入れ、肩で息をしながらふっと脱力する。
「にい……ちゃん……イったよ」
「おに……いちゃん……見ててくれた?」
「ああ、二人とも可愛かったぞ」
指を抜いて二人にちゅ、ちゅ、とキスをし、頭を撫でてやると嬉しそうにはにかむ。
さて、次は僕の番かな。
「じゃあ二人でキスするんだ」
「ん」
「うん」
112 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:31:08 ID:0gVkru6Y
二人は椅子から降りて浴室の床に座り込み、躊躇いなく唇を重ねる。
「ん……くちゅ」
「ふっ……んっ」
舌を絡め合う二人の唇の間に僕は腰を突き出して、いきり立つ肉棒を割り込ませた。
つまり、妹二人による唇でのサンドイッチ状態というわけだ。
二人の頭を押さえ、そのまま腰をピストンさせる。
「はむっ…んはあっ…」
「あむっ…んむっ…」
小さく柔らかい二つの唇と舌に同時奉仕させ、僕の快感は否が応でも高まっていく。
このまま出してしまいたい誘惑をこらえ、僕は次のプレイに移った。
二人をぴったりと抱き合わせ、その胸の間に肉棒を差し込む。
今度は胸でのサンドイッチ、変形のダブルパイズリだ。
二人の暖かい体温と石鹸の滑りで実にいい感じだった。
「そっか、翼さんみたいにおっきくなくてもこうすれば兄ちゃんをおっぱいで気持ちよくさせられるんだ」
「お兄ちゃん、妹二人のおっぱい気持ちいい?」
「ああ、すごいよ。どうかなっちゃいそうだ」
僕がピストンを開始すると、二人とも一生懸命に胸をこすり付けてきた。
特に乳首が亀頭に当たるように責めてくる。
二つの発展途上中の胸に肉棒をもみくちゃにされ、その気持ち良さに限界が見えてきた。
「あ、もう……イきそうだ」
『だめっ!』
僕が限界を伝えると二人は制止の言葉を叫んで身体を離してしまった。
そのまま足を開き、指で蜜壷の入口を広げながら言う。
「出すならこっちだぜ兄ちゃん」
「勿体ないことしないでよお兄ちゃん」
「お前ら……本当に中出しが好きだな」
中学生のうちからこれでは兄として将来が心配になってしまう。
まあ。
そういう風に仕込んだのは僕な気がしないでもない。
「何言ってんだ兄ちゃん。明らかに兄ちゃんのせいだろ」
「そうだよ。お兄ちゃんのせいで私達、精子大好きな変態になっちゃったんだから責任取ってよね」
「わかったわかった。じゃあどっちからする?」
二人は顔を見合わせ、目だけで会話をした。
こくんと互いに頷き、僕の方に向き合う。
「じゃああたしからだ」
「火憐ちゃん最初仲間外れにしちゃったからそのお詫びってことで」
「よし、おいで」
椅子に座って両手を広げて招くと、火憐はそのまま抱きついてきて、自分の秘口に僕の肉棒を押し当てる。
対面座位の格好でゆっくりと火憐は腰を沈め、先端が埋まったところで一気に身体を深く落とした。
「んはああっ! 深いっ、奥まで来てるよぉっ!」
113 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:32:42 ID:0gVkru6Y
両腕両脚を僕の背中に回して絡み付き、思い切り抱き締めてくる。
それと連動したのか僕の肉棒を包み込む蜜壷がさらに締め上げてきた。
「か、火憐ちゃん、そんなに、締め付けるな……すぐに出ちゃうだろ」
「ひょ、ひょんなこひょ、いあえてもぉっ、いいっ! いいよぉっ!」
呂律が回っておらず、無意識のうちにか身体を揺すって肌や性器をこすりつける。
僕は堪えるのをやめ、欲望をぶちまけることにした。
火憐の腰を掴み、膣の最奥部に亀頭を当ててグラインドさせる。
「あひぃっ! しきゅうっ、しきゅうにとろいてるぅ! にいひゃんの、おくまれきてるぅっ!」
「火憐ちゃん、このまま出すよ。僕の精子、火憐ちゃんの子宮に流し込むよ!」
「らしてぇ! にいひゃんのせーし、あたしのなかにらしてぇ!」
「ぐ、う……出るよ、今出してやるからな、しっかり受け止めろよ」
「うん、うん、きて……きてぇ!」
「ん……く、ふ……うっ! ううっ! うあっ、ああっ!」
「んはあっ! きてる! れてる! にいひゃんのあちゅいせーし、なかにれてるぅ!」
びゅるびゅるびゅるっと物凄い勢いで鈴口から噴射された精液が火憐の子宮内を満たしていく。
「あ……ひ……いい……っ」
「んっ……ん……ふぅ……」
長い射精が終わり、火憐の身体を解放するとふらりと後ろに倒れそうになり、慌てて支える。
気を失ったかトんじゃったか目の焦点が合っていない。
「大丈夫か火憐ちゃん、今日はなんか感じすぎじゃないか?」
そう思って月火を見ると何だかバツが悪そうな表情をしているが、まさか。
「月火ちゃん、何かしたのか?」
「あー……うん、ちょっと」
月火の話によると、僕が火憐に挿入したところあたりから月火が火憐の身体を弄りだしたらしい。
反応があまりにもいいものだから調子に乗って後ろの穴とクリトリスを責め続けたらこうなってしまったというわけだ。
二穴とクリの三点同時責めともなれば、ともと敏感体質の火憐がこんなふうになるのも仕方ないかもしれない。
「でも限度ってのがあるだろうよ」
横たわらせた火憐の身体は未だにびくんびくんと痙攣していた。
だらしなく放り出された両脚の付け根の間から僕の出した白濁液がつうっと溢れて垂れ流れる。
「月火ちゃん、罰としてそれ、口で綺麗にするんだ」
「う、うん」
シャワーで石鹸を洗い流したあと、月火は四つん這いになって火憐の股間に顔を寄せ、秘口に口を当てて僕の精液をすする。
114 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:33:50 ID:0gVkru6Y
びくんと火憐の身体が反応したが声はない。
そのまま垂れたのを舌で掬い取り、次々と口に含んではそれを飲んでいく。
月火も咽せずに飲めるようになったんだな。
じゃあご褒美をあげないと。
僕の方にお尻を向けているのでちょうどいい、このまま後ろからしてしまおう。
月火に気付かれないようこっそりとぎりぎりの位置で肉棒を調整し、焦点を合わせる。
そのままお尻を掴んで勢い良く腰を突き出し、子宮口に当たるまで一気に埋めた。
「やっ! あああああっ!」
びくびくっと月火の身体が跳ね、ぐううっと背中が反り返る。
きゅきゅきゅっと柔肉が僕のを締め付け、逃がさないとでも言うように奥に引き込む動きをした。
「あ……あ……」
「月火ちゃん……ひょっとして今のでイった?」
「だ、だって……ずっと我慢してたのに、いきなり奥まで来るから……んっ」
「まあ僕はまだイってないからね、動くよ」
「ま、待って! いま動かれたら私、壊れちゃうよ!」
僕は身体を前に倒し、焦る月火の背中に覆い被さる。
そのまま耳元で囁いた。
「火憐ちゃんだって月火ちゃんに壊されそうになっただろ。それに僕の精液を膣内射精してほしいんだろ? だったら動かないと」
月火の返事を聞くこともなく僕は身体を起こし、腰を掴んでピストン運動をし始めた。
角度を様々に変えながら亀頭が見えるくらいまでゆっくりと引き抜き、子宮を潰す勢いで最奥部まで一気に突く。
ひと突きひと突きごとに月火は軽い絶頂を迎えてるらしく、小さな喘ぎ声が漏れて身体が痙攣している。
きゅうきゅうと締め付ける膣の動きで僕もどんどん高みへと登っていく。
「月火ちゃん、気持ちいいか? いいならいいって言って!」
「いい! いいよ! お兄ちゃんの、すごく気持ちいい!」
「僕もだ! 月火ちゃんの中、気持ちいいよ! 良すぎてもう出ちゃいそうだ!」
「いいよ! お兄ちゃんの精子、私の中に出して! 子宮が火傷するくらいに熱くて濃いの、いっぱい中出ししてぇ!」
「月火ちゃん! 月火ちゃん!」
「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」
互いが互いを連呼し、僕は激しく腰を打ちつける。
射精感が込み上げてき、限界までこらえて最奥部に突っ込んだ。
「出る……出るよ月火ちゃん……」
「イく……イくよお兄ちゃん……」
「く……う……うっ! ううっ! うっ! うっ!」
「あああああっ! あっ! あっ! ああん!」
115 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/04(木) 21:37:13 ID:0gVkru6Y
びゅくっびゅくっと月火の中に精液を注ぎ込み、それを受けて月火が大きく達する。
尿道を精子が駆け抜けるたびに僕達の身体は電気が流れるような痙攣を行う。
搾り尽くすような膣の動きに合わせて、最後の一滴まで出し尽くそうと僕は腰を揺すった。
「はあ……はあ……」
射精を終え、ずるりと体液にまみれた肉棒を抜くと、ぱったりと月火の身体は火憐の上に倒れ込んだ。
いつの間にか意識を取り戻した火憐は身体の位置を調整させて月火と抱き合う。
「月火ちゃん、気持ちよかった?」
「うん、お兄ちゃんのすごく気持ちよかった」
「あたしもどうかなちゃいそうだったぜ……兄ちゃんも妹二人への中出し気持ちよかったか?」
「ああ、最高だったよ」
僕の言葉に笑顔を浮かべた二人はちゅ、とキスをした。
僕がそこに自分の肉棒を近付けると、二人は承知したようにお掃除フェラを始める。
ぺろぺろと三人の体液を舐め取っていき、口に溜まったのを次々と飲み込む。
「月火ちゃん、先っぽくわえて吸い出して……そうそう、気持ちいいよ。火憐ちゃん、ここも舐めて」
二人に指示を出し、すっかり綺麗になった僕は浴槽に浸かる。
が、火憐も月火もまたキスをし、そのまま体位を入れ替えてシックスナインの態勢になった。
そのまま互いの性器に口を付け、僕の精液を啜り始める。
「じゅるっ、んっ、兄ちゃんの、兄ちゃんの精子、美味しいよぉ」
「ちゅ、ん、これがないと、もう生きていけない」
ヤバい、このままだとまたさらに発情してしまいそうだ。
僕は早めに退散することにしよう。
互いの行為に夢中になっているうちに僕は浴室から出て行く。
やれやれ、とんだ時間潰しになってしまったもんだ。
明日のテストに差し支え出ないよう今日はさっさと休むとしようか。





終わりです。
ふう、思ったより長くなってしまった。
いやー、エロい妹ってのもなかなかいいもんですな。
キャラクター性がおかしいとかはご容赦を。今回はそういうの考えずただただ妄想を垂れ流しただけなんで…………

はてさて。
次はエロエロな八九寺を書こうと思いますが、構わないでしょうか?
ちょっとだけ怪異を絡めますが、もちろんエロのためです(笑)
あと望んでいるかたには申し訳ないですが相変わらず鬼畜描写等やNTRは一切ございません。
健全ラブエロのわっふる印の提供でお送りしております。
116名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 21:54:02 ID:l0RmHkH7
今更構うものか! 私はお前を信じる!

・・・はい、FFT動画見てました。
途中割り込んですいません。
そしてエロエロありがとうございます。

GJと言わせていただきたい。
117名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 22:28:36 ID:MeQ8ea35
>>106
>>107
わっふる先生バレバレテラワロスwww

そして妹たちも変態すぎ!
お兄ちゃんは鬼畜すぎw
118名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 23:07:02 ID:JJvQbKRE
GJ!
なかなか激しいプレイですね
もう阿良々木さんは妹とエロパロしてても違和感ないなw
119名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 23:59:47 ID:EI/32Veg
 ここで書いてる人って私立直江津高校文化祭とかでるのかな。
こういう同人イベントって行った事無いんだけど、ここの物書きさんとか出展するなら行ってみたい。
120名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 02:01:01 ID:tWBmoc9Y
>>115
むおー 妹二人がぴったり抱き合った状態の胸に差し込む縦パイズリを先にやられてもーた。
女の子二人(はちしのorかれつき)と阿良々木さんのエロでちっちゃめおっぱいでの
サンドイッチパイズリを妄想してたのですよ。エロ漫画でもそうそうないんですが大好きなので。
あとエロい行為をどのキャラにさせるかっていうので3Pだと火憐、月火ちゃんが可愛い強すぎる。
お兄ちゃんが超好きでもそれがいいっていうかそうであってほしいっていうか。
エロエロ八九寺は超歓迎!あらゆるお口を使う事が得意だと思うんだー
121名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 07:18:50 ID:BCw15wAE
妹二人GJ!
いいもの見させていただきました!

>>119
小説は少ないからあんまりいないんじゃないかなあ。わっふるさんがコミケ参加してるのは見たことある。
122 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/05(金) 14:24:30 ID:IaUjKr6j
GJをくれた方達ありだとう!
八九寺も頑張ってみるよ。今月中には完成させてみせる。

>>117
鬼畜なとこなんかいっこもないですよー、ラブラブですよー

>>119
イベントは基本漫画同人誌で小説は少ないからどうなんだろ?
俺は一般でイってきます

>>120
ちっぱいずり(←ちっちゃいおっぱいでずりずりの意)いいよね。
是非そちらの妄想作品も見せていただきたい!


さあ、えっちな八九寺に取りかかるとしよう。
123名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 17:43:01 ID:BxFkcsmI
>>115
GJでした
最近妹愛が強い。アニメ出番少ないのに
124名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 08:38:59 ID:lbVS0nET
そういえば去年直江津高校の子と試合したことがあるヾ(゚∀゚)ノ
125名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 12:34:42 ID:cxemjXnR
これだけ近親ネタに嫌悪しないスレも珍しいなw
いいぞもっとやれ
126名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 13:11:52 ID:R86o9ZU/
だって元々が近親ネタ多めだし…
127名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 17:19:22 ID:GrulIeQ3
これもアギラオさんの人徳がなせる技
128名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 17:28:47 ID:yERGTivB
さすが最強……
129名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 18:31:39 ID:ePYffiWA
やはり天才か…
130名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:03:00 ID:yERGTivB
http://u3.getuploader.com/eroparo/download/12/gl.zip  PNG画像版
http://u3.getuploader.com/eroparo/download/13/gl.pdf  PDF注意

がはらレッスン


001

 八月六日。今日は、日曜日。
 ここのところ、僕は戦場ヶ原と羽川に勉強を教えてもらうという、
受験生としては……いや、そうでなくとも幸運といえるであろう毎日を
送っていた。
 二人とも学年トップクラスの成績、いや、羽川はトップクラスどころか、
本当にトップの成績だったのだから、これを幸運と言わないのなら、
何を幸運と言ったらよいのだろう。
 それは、勉強以外の色々な意味においても勿論そうなんだけれど、
まあ、そのあたりは、あまり深く突っ込まないでおこう。
 勉強を二人から同時に教えてもらう……というわけにはいかないので、
偶数日は戦場ヶ原、奇数日は羽川といった具合で分担してもらうことに
なっていた――でもこれは月曜日から土曜日までの話で、日曜日は休みの
はずなんだけど……
 それは、惰眠をむさぼっていた僕を起こした戦場ヶ原からの電話により、
急遽決まったスケジュールだった。「おはよう。お寝坊さん。ところで
今日は偶数日だから私の担当よね」「え、今日は日曜だけど」「あらあら、
嫌だというの」「そそ、そんなことないよガハラさん」「そ、それなら
いいわ。用意できたら来なさいな」――といった具合で。
 不自然な会話。ソワソワしていた戦場ヶ原。電話口でも、なんとなく
わかるくらいに。いや、ソワソワしていたのは僕もだった。
 何故なら。
 そう、それは、あれ以来初めての休日だったのだから――
 でも、折角の日曜なんだし、勉強じゃなくてもいいんじゃないか。
普通に会えばいいのに――
 それでも僕は嬉しくて嬉しくて、急いで色々と用意をし、自転車で
戦場ヶ原の部屋に向かってしまうのだった。
131名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:03:22 ID:yERGTivB
 ――階段を昇る。
 カンカンカンという古いアパートによくある鉄板製の階段の足音。
 戦場ヶ原の部屋は民倉荘の二階の端、二〇一号室。
 ここ以外では見ることのない錆た手すりと階段の音が、僕の中では
民倉荘のイメージになっている。即ちそれは、学校の外で彼女と会うことが
できるということを意味するわけで――僕はそれだけで嬉しい気分になって
しまう。
 戦場ヶ原は僕の足音に気付いたらしく、階段を半分くらい昇ったあたりで
扉を開け、優しい笑顔を見せてくれた。
「いらっしゃい。早かったのね、阿良々木くん」
 彼女はTシャツに長くないスカートという、この季節らしいラフな
格好だった。
 短かいわけではなく、あくまでも長くないという感じだけれど、私服は
長いスカートしか持ってないものだと思っていたから、ちょっと意外
だったりして。
 あ、でも、八九寺と出会ったときの、あの可愛い至福の瞬間を味わわせて
もらった私服は――ああ、あれはキュロットか……
 スカートの丈が少し短かくなったように――あれから彼女は少しずつ、
明るく、可愛い表情をすることが多くなった。ただ、それもまだ慣れて
ないようで、たまにはっと気付いたように恥ずかしそうな表情をする。
 恥ずかしがることないじゃないか! 別に自然なことなんだし。
 僕は正直、嬉しくてしようがなかった。
 ツンツンの戦場ヶ原も、それは魅力的(言っておくが僕はそういう
特殊な性癖は持っていない……つもり)――だけど、やっぱり女の子は
自然な方がいいと思っている。
 まあ、もっとも、あくまでも昔――というか出会った頃に比べてという
だけで、基本はツンツンの鉄仮面なんだけど。
 って、鉄仮面なんて(僕は)言ってるけれど、クールで……綺麗
なんだよな――出迎えてくれた戦場ヶ原の顔を見ながら、見つめながら、
そんなことを考えていた。
「……なによ」
「ん、なんでもないよ」
132名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:03:44 ID:yERGTivB


002

 彼氏彼女という関係で、休みの日に彼女の部屋に二人きり……
 ――特に何があるでもなく、当然のように僕達は勉強をしていた。
「はあ、このままじゃダメね」
 ちゃぶ台を挟んだ位置で、戦場ヶ原は言う。
「ええっ、いきなりなんだよガハラさん」
「はあ、このままじゃダメね」
「だから、何がだよ」
「阿良々木くんの全てを――脳みそから足の先まで私が管理してあげる
つもりだったのだけれど、正攻法ではダメみたいね」
「――監禁されたときのことを思い出して怖いんだけど」
「だから、今日は特別レッスンをします」
 相変わらず聞いてねぇな。人の話を……
「聞いてるわよ」
「心の声には地獄耳か!」
「ひたぎイヤーは地獄耳よ! ふふ――そうね。耳といえば、耳なし芳一
って知ってる?」
「ああ。あの、お経を全身に書いたっていう、昔話だろ」
「そうよ。こんな感じかしらね」
 戦場ヶ原はちゃぶ台の正面から、ちゃぶ台の横に移動した。少しだけ
二人の距離が詰められる。そして自分のシャツをちらっとめくってみせた。
「ちょ! ガハラさん?」
 その柔らかそうな、いや、実際に柔らかかったそこには、僕の苦手な
物理の公式が書かれていた。正確には公式が書かれたテーピングテープが
いくつも貼られていたのだけれど、それは、戦場ヶ原の綺麗な肌、余計な
ものはなにもない美しい部分にはあまりにも似合わない、ちょっと異様な
光景だった。
「本物の耳なし芳一とはちょっと違うけれど、それは勘弁して頂戴。
さすがに肌に直接というのは汚れちゃうし、何よりも……書き辛かった
のよ」
「試したのか……」
「ええ、試したわ。その後、テーピング用のテープではなくてセロハン
テープでも試したのだけどね。でも、やっぱり文房具は身体に使うものでは
ないでしょう? 私の玉のようなお肌が荒れちゃいそうで……」
 そっか、それでテーピングテープか――この女、頭がいいのか悪いのか……
付き合っている僕にも、たまにわからなくなる。
 ていうか、ガハラさん? 身体に使うものじゃないというその文房具を、
僕の身体に対しては色々と使ってくれたことは……もう、お忘れなので
しょうか――
 そんな僕の心の声を都合良く無視して、彼女は話を続ける。
133名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:04:05 ID:yERGTivB
「ふふ。よくあるシチュエーションじゃない? 男の子は、こんな漫画
好きでしょう?」
「いや好きだけど! ていうか夢だけど!」
 なんか変な漫画を読んだのか……濫読にも程がある! なんだか偏りすぎ
じゃないか?
「前に読んだ漫画にこんな場面があってね、阿良々木くんとやってみたく
なったというわけなのよ。ええと……タイトルは何だったかしら。
『いけない! ○○先生!』だったかしら? それとも『○○○の
プライベイトレッスン』だったかしら」
 なるほど。やっぱり。
 まあ、わかる僕も僕だけれど……いや、男なら、みんなわかるよね?
 ……よし、それなら!
「じ、じゃじゃじゃあ僕は、ガハラさんのお胸にある円錐の体積を知りたい
です! できれば手で測りたいです!」
「……阿良々木くん――頭大丈夫?」
「えっ?」
 あ、あれ? このシチュエーションはこんなノリで返すべきじゃないの?
あれ? どこか間違った?
「馬鹿じゃないの?」
 馬鹿って言われた――
 体中に耳なし芳一のごとく、テープを貼ってる女に馬鹿って言われた。
 蔑むような、まるで虫でも見るような冷たい目と声で、冷静に自分の
彼氏を罵倒する戦場ヶ原。ま、いつものことだから、いい加減慣れてきた
つもりだけれど――このシチュエーションで言われるのって、なんだか、
すごくショックだ……
「ええと……ごめん」
 謝ればいいのだろうか。そんな疑問を持ちつつ、どう対応したら良いか
悩みつつも、まずは謝っておいた。
「だって、あなた数学は得意でしょう?」
「……」
 なるほど――ええと、まあそうだけど。もう意味がわからないけれど、
ガハラさんなりのルールがあるんですね。
「じゃ、まずは物理のお勉強からね」
 何事もなかったように、話を続けだした。
 うーん、僕の発言とガハラさんの行為、どっちが馬鹿なんだろう――
 そんなことを考えながら、ガハラさんのプライベイトレッスンは始まった。
134名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:04:26 ID:yERGTivB


003

 ちゃぶ台の横から僕の隣へ、真横に移動してきた戦場ヶ原。
「まずは……私のかわいいおへそを隠してる公式を覚えなさい。それから――
私のことは、今からひたぎ先生と呼びなさいな」
 ひたぎ先生は、僕の目を見つめながらそう言った。
 なんだか、すごくクールな大人っぽい顔。本当に先生みたい。
 おへそのちょっと上までシャツはめくれていた。この体勢だと、スカートの
上からでも腰の悩ましいラインがよくわかる。はあ、ガハラさんの腰は
いいなあ――このくびれがなんとも……
 いやいや。今は物理の時間だ!
「わかりました! ガハラさ……いや、ひたぎ先生!」
「んふふ。いい子ね」
 よかった……今度は間違ってなかった。よし、このノリでいいんだな。
 いい笑顔で僕の頭を撫でるガハラさん。なんだろう。ちょっと――いや、
かなり嬉しいかも。
「じゃ、今覚えた公式を使ってこの問題を解いてごらんなさい?」
 もうなんだかノリノリなガハラさん。よし、今度はうまく合わせないと――
「はい! ひたぎ先生!」
「んふふ。いい子ね。正解よ」
 いい笑顔で僕の頭を撫でるガハラさん。なんだろう。ガハラさん、嬉しい
のかな?
「正解したら、もう剥がしちゃっていいわよ。んあっ――こら。ちょっと。
もっと優しく……丁寧に剥がしなさい」
 ごっ、ごめん! つい、緊張して、手が……
「次は――その上。おへそのちょっと上ね」
「はい! ひたぎ先生!」
 少しずつ、勉強を進める僕達。
 少しずつ、テープを剥がしていく。
 少しずつ、シャツをめくっていく僕。
 少しずつ、ひたぎ先生の綺麗な肌が露出してくる。
 少しずつ、扇情的な姿になってくるひたぎ先生。
 ――もはや戦場ヶ原は扇情ヶ原(このフレーズは何回使われたのだろう?
とうとう言っちゃった!)だ。
 それにしても、物理の勉強がこんなに楽しいなんて思わなかった!――厳密
には物理の勉強じゃないような気もするけれど……
「すごいじゃない。阿良々木くん。あれだけ苦手だった物理がこんなに
できているじゃない?」
「ひたぎ先生のおかげです!」
 実際、自分でも驚くくらい暗記できていた。あれだけ苦手だったのに……
135名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:04:49 ID:yERGTivB
「ちょっとだけ公式を覚えてしまえば簡単でしょう? あなたの得意な
数学と重なるところも多いわけだし。それにしても――ふふ。羽川さんには
このやり方はできないでしょう」
 ちょっと自慢気な、勝ち誇ったような表情のひたぎ先生。その可愛いのに
クールな顔と、このシャツを胸の半分までめくった姿の対比が、あまりにも
悩ましい。
「ひたぎ先生。でも、僕――」
 僕は理性を保つため、必死に頭を使って公式を暗記していたのだけど、
でも、それもそろそろ限界が――
「もう少しだけ我慢なさい。今はお勉強の時間よ。さ、次はあなたの大好きな
おっぱいよ」
 そして、次々と問題を解いた僕は、とうとう先生のシャツをほとんど
めくってしまった! 戦場ヶ原のかっこいい――綺麗な胸は、かわいいブラに
守られつつも、その姿を全てをあらわにしていた!
「ああっ、ひたぎ先生! もうテープがありません! それにシャツも、
これ以上めくれません!」
「ごめんなさい阿良々木くん。ここでテープなくなっちゃったのよ」
 ――用意周到なんだか、適当でいい加減なんだか……ひたぎ先生!
僕は、もうわからないよ!
「じゃ、じゃあ、そんなわけで、このシャツは脱いじゃうわね」
 なにがじゃあなのか、何がそんなわけなのか――全くわからないけれど、
するするとシャツを脱ぎ、ちょっとだけ乱れた髪を手でかきあげる彼女。
 上半身はブラだけ。そして戦場ヶ原にしては、珍しい長くないスカート
という姿。そして――何かを言いたげな目で僕を見つめる。
「戦場ヶ原っ」
 その姿と表情に我慢できず、思わず抱き締めてしまう僕。ブラの上から
だけど、やわらかい胸が僕の身体に密着する。
「ふふ。よくここまで我慢したわね。えらい阿良々木くんにはご褒美を
あげます」
 頭を撫でながらキスをしてくる戦場ヶ原。
「ぼ、僕……僕!」
「じゃあ、最後の問題。今度は物理じゃないわね。いえ、ある意味物理
かも――このブラの外し方は覚えているかしら?」
「勿論だっ! 戦場ヶ原っ」
「――でも、お願い。阿良々木くん。優しく、よ……優しくしなさい」
136名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:05:13 ID:yERGTivB


004

 その後の話というか、今回のオチ。
「あの――ね。その……抱いて……って言うのが、恥ずかしかったのよ。
というか、ええと、あの……」
 僕の横で、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに言うガハラさん。
「初めてのときは、その……理由があったでしょう?」
「そっか。そうだね――」
 僕は彼女の長い綺麗な髪を撫でながら、頷く。
「でも、理由なんて、いらないんじゃないかな」
 ちょっと、キザな台詞。普段だったら暴言が飛んでくるような。
「――ふふ、それもそうよね」
 柔らかな、恥ずかしそうな笑顔は、誰も知らない……いや、僕だけしか
知らない笑顔。
 僕だけのものにしておきたいけれど、やっぱり普通の女の子のように、
自然に笑えるような日が来て欲しい――
 そんなことを思いながら、僕は……いや、僕達は、幸せな時間を過ごして
いた。
137名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:50:27 ID:OvoRoi9e
萌えるな
138名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 21:35:38 ID:ePYffiWA
相変わらずお見事!!
139名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 21:45:53 ID:8JIBQp6t
GJ

言葉遊びがもっとほしいな
140名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 21:46:56 ID:ZnbhXxtN
なんというやり手…… ガハラさんで萌え殺させるつもりか
141名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 23:12:08 ID:tDVfsp+o
本文貼ってくれてありがとう。
鼻血出た。
142名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 23:52:10 ID:8gFLDVXc
GJすぎる!!是非ひたぎ先生とのセクロスシーン見たいですっ!!
全裸で待ってます!
143名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 04:30:32 ID:43+FUVjp
次は是非ともバサ姉でお願いします
144名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 12:49:12 ID:afobnXEM
作者によって特徴あるというかガハラさんのはラブラブ
年齢低いほうはエロエロだな。

書きたい路線が別れてるが逆もいいかもね
145名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 12:54:10 ID:dwCbN3aN
何故だろう。唐突に武道館でライブを開いて
「それじゃあ、皆、いっくよぉー!」って
言ってるバサ姐が思い浮かんだ。

中の人じゃあるまいし。
146名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 13:25:38 ID:NhQLo67e
キャラ的にはサービス精神旺盛なハッチーの方がアイドルに向いてるよね
みなさんコンバトラー♪
147名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 15:53:07 ID:Jb0WNY9r
>>144
おいおい、忍エロエロの書き手さんがいるけど忍は500歳だぜw
148名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 16:13:59 ID:T0ttKian
貝木のガハラ寝取りSSマダー?
149名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 16:56:00 ID:W9i/GGuC
乞食多すぎる
150名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 18:38:11 ID:6qplSZkk
まあアニメ化で来たにわかでしょ
他シリーズ読んだらすぐ居なくなるさ
151名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 21:54:53 ID:ZwD4Y+CQ
誰かしゃべってるスレのほうがどっちかといえば書き手が集まりやすいかと。
西尾自体何年も前から読んでたけど、このスレに来たのはアニメ化が原因なので。
152名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 22:28:11 ID:49UZp4OX
そう。そのつもりなら……雑談を、しましょう?
153名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 23:48:24 ID:T0ttKian
狐さんの友寝取りSSまだ?
154名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 03:19:04 ID:RJ8pDrbV
くろね子さあああああああああああああああああん
155名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 04:04:19 ID:z2D6n/bo
何の根拠も無い自論
156名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 12:33:51 ID:i4wpkU23
自分の価値観が絶対だと思ってんだろ
ほっとけ
157名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 18:47:54 ID:siQmInPT
ひょっとして……
神原が1番好きな俺は異端なのか?
158名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 19:21:03 ID:gKLKxceS
素晴らしい神原SSを書けばファンが増えるはず。
さあ、早く書くがよい!
159名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 20:25:37 ID:3zBbB420
>>157
そんな訳ないだろ!
俺がいるじゃないか!
160名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 00:19:57 ID:Xz/zE2si
「さあ、阿良々木先輩!私のケツマンコを鬼畜攻のように犯してくれ!」

など淫語を好きに言っても違和感を覚えない神原さんが素敵です。
161名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 02:28:19 ID:Fm0gGw7I
ケツマン○だのクチ○ンコだのって、一体いつごろから使われはじめたんだろう?
それと、手コキは手マ○コと言うのかな。
162名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 03:40:50 ID:jwWJkd9I
パイマンコ
163名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 06:27:07 ID:dYK8cIus
さすが神原さん、大人気だな。


「お、月火ちゃん、おかえりんこ」
「あ、お兄ちゃん、ただいまん……ま……もう! お兄ちゃんのばか! 知らない!」

「お、神原、おかえりんこ」
「おお、阿良々木先輩、ただいヴァギナ! って何を言わせるのだ阿良々木先輩!?」
「待て、何かおかしい!」


突然降って湧いた頭の悪い電波だから突っ込みなどは受け付けません。
164名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 10:06:15 ID:zD7ZfqpD
「おう兄ちゃん、ただいまんこ!」
「おかえりんk……ってあれ?」
165名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 10:44:59 ID:wN9n9x+S
ってか弱気な神原、マジで萌えない?w
166名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 12:19:45 ID:F+AfjE7f
神原の処女をガハラさんとの3Pで頂くことになった茨城さん
だが、アナラ木さんの処女をどちらが奪うかでヴァルハラコンビが喧嘩するとは夢にも思わなかったのである
167名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 12:25:43 ID:Y3nvEO2A
そこへ八九字登場。
姿が見えないのをいいことに、縛られて動けない新木さんにえいやっ!と捩じり込む。
168名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 13:47:43 ID:wN9n9x+S
そこに撫子登場。
一気にちゅらら木を咥え込む。
169名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 18:26:45 ID:4obqSqeK
妹の貞操を弄ぶことを趣味にしたデュララ木さん
170 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/09(火) 18:45:49 ID:dYK8cIus
>>165
弱気な神原か…………どんな感じだろう





「あ、その……阿良々木先輩……本当に?」
「なんだ神原、僕に抱いて欲しくないのか?」
「し、しかし阿良々木先輩には戦場ヶ原先輩が」
「その戦場ヶ原に言われたのさ、お前を抱いてやってくれってな」
「で、でも私は戦場ヶ原先輩ほど魅力に溢れてるわけでもないし羽川先輩ほど胸があるわけでもないし」
「神原、僕にとってお前はとても魅力的な後輩だよ」
「…………っ!」
「はは、照れてる顔も可愛いな」
「も、もう! からかうのは止めてくれないか阿良々木先輩!」
「からかってなんかないさ……服、脱がしてもいいか?」
「え……」
「駄目か?」
「え、えと、その」
「おいおい、いつも脱ぎたがるお前はどうしたんだ?」
「そ、そんなこと言われても、何故だか恥ずかしくって」
「ふふ、普段がアレなお前もやっぱり女の子なんだな」
「うう……」
「じゃあ脱がすよ」
「や、優しくしてくれるとありがたいのだが」
「ん、大事な後輩にひどいことはしないさ」
「あ、阿良々木先輩……っ」





うむ、アリかもしれんな
171名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 18:49:28 ID:wN9n9x+S
>>170
激しく乙!
是非とも続きをお願いします。
恥ずかしがる神原先生なんて最高じゃないですかっ!!!
172名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 22:18:26 ID:/0QhHjaC
「……阿良々木先輩……その、本当に……するのか?」
「ん? どうした、神原。お前がそんなに緊張してるなんて、何かいい事でもあったのか?」
「いや、その……いい事はこれからあるのだが……その、な? 実はだ、阿良々木先輩。
 私はエロ魔神の名を欲しいままにし、古今東西ありとあらゆるエロを網羅し、そしてそれらを
 全て実践してきたと豪語できる程度には嗜んできたつもりだが」
「嗜みの範疇に無いのは最早ツッコミ所ではないんだろうな……」
「えーっと……その、な……あの、えっと……だから、その、なんだ……これから、そんな私
 としては屈辱ですらある一つの事実を阿良々木先輩にお伝え申し上げなければならない
 という、まあM属性もある私としてはそれすらも快感なので特に問題は無いと言えば無い
 と言えなくも無いが、やはり阿良々木先輩がそれでがっかりしてしまうような気もするし、
 そうなっては私としては少しばかり気を落とさずにはいられないわけで……」
「落ち着け神原。要点を整理してしゃべってくれ」
「……要点を、整理、か。ならば、一言で言おう」
「ああ、一言で頼む」
「実は、私は処女なのだ」
「……は?」
「ああ、違うな、それでは正確ではない。正確に言うと、だ」
「……正確に言うと?」
「実は、私はペニス処女なのだ」
「それは僕にツッコめという意味のダブルミーニングかっ!?」
「おお! そこまで深く考えての発言ではなかったのだが、それでもすかさずそのような
 発想が出てくる辺り、流石阿良々木先輩としか言いようが無い。言葉遊びにかけては
 西尾維新も真っ青だな!」
「……戯言だな」

という具合に、男に抱かれた事が無いが為に、いざ胸騒木君に抱かれる段になって滅茶苦茶に
緊張している神原さんというのを想像した事はあるが、ここまでざっと書いた限りを見ると、
創造は上手くいきそうにないな。後半立ち直っちゃってるしw
というわけで、>>170よ……あとは、頼んだ……ぞ……ぐふっ!
173名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 12:18:00 ID:8ITrBpjk
>「……要点を、整理、か。ならば、一言で言おう」
ここで赤面が一気に消えて完全復活した神原が見えた
174名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 13:06:12 ID:ftoSUfvp
結局
神原は神原であることを捨て去れないということだな
175名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 17:55:33 ID:ip/8GKHh
デュララ木さんを寸止めしまくったら忍ちゃんが耐え切れなくて影から出てくるんだろうか?
176名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 18:45:02 ID:EfA3E+9M
>>175
神原と忍のタッグが見えた俺w
177>>176何その夢のシチュエーション ◆zO7AQfurSQ :2010/02/10(水) 18:56:19 ID:wbl2ZW7n
>>172
ザオリク! ザオリク!
実際書いてみないとわからないじゃないかっ!


フェラスキーな俺としてはちょっと物足りなかったので『おふろシスターズ』の後日談をあげてみようと思う。




勉強全くをしない夜なんてのはちょっと不安だけど、家庭教師たる羽川が言うのだから仕方ない。
次の日に備えてその夜はさっさと寝てしまった。
そして朝、微睡みながらだんだんと目が覚めていく。
が、何かおかしい。下半身に違和感を感じるのだ。
具体的に言うと気持ちいい。
良い夢でも見ているのかと思ったけど、はっきりしてきた意識がそれを否定する。
「あ、兄ちゃん、やっと起きたな」
「おはようお兄ちゃん」
さて、目の前の状況を整理してみよう。
ここは僕の部屋で、僕はベッドで目を覚ましたところだ。
で、僕のパジャマのズボンとトランクスは脱がされ、火憐と月火が下半身に乗っかってる。
で、楽しそうに僕の分身を交互にしゃぶっている。
「……何をしてるんだお前たちは」
「兄ちゃんを起こしに来たらなかなか起きなくて」
「でもこっちは元気一杯だったから」
理由になってねぇ!
そこは全くと言っていいほど繋がらない!
「いや、昨日兄ちゃんあたしたちの望んだとこに出してくれたじゃん」
「だから今度はお兄ちゃんの好きなとこに出させてあげようかなって」
二人が交互に答えながら舌を肉棒に這わせる。
さっきまでは大きくなっていたのは朝の生理現象だが、今は完全に二人のせいだった。
やれやれ、これはちゃんと責任を取ってもらわないとな。
「じゃあそのまんま僕を気持ちよくしてくれよ。当然いくまでしてくれるんだろ?」
「ん!」
「うん!」
いきなり亀頭が熱い粘膜に包まれる感触。
月火が嬉しそうに俺の肉棒をぱっくりとくわえ込んでいた。
その可愛らしい口いっぱいに頬張りながらゆっくりと上下に頭を動かし始める。
唇や舌の動きが昨日してもらった時よりもだいぶ上手くなっていた。
覚えが早いのは兄としては喜ぶべきなのだろうか?
月火はちゅぷちゅぷと唾液を絡めながら様々な箇所を舌で刺激してくる。
「うっ……気持ちいいよ月火ちゃん、上手くなったな」
火憐も負けじと思ったのか、陰嚢にしゃぶりついてきた。
口に玉を含んでは柔らかく刺激してくる。
そのまま舌を蟻の門渡りに這わせ、ためらいなく僕のお尻の穴に舌先を押し付けてきた。
「うああっ、火憐ちゃんっ!」
いきなりの責めに思わず変な声が出る。
178八九寺鋭意製作中 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/10(水) 18:58:28 ID:wbl2ZW7n
二人の責めに僕の肉棒はさらに固く大きく反り返り、そのままではやりにくいと月火は身体を僕の横に持ってきて頭を腹に乗せ、再び口と舌での刺激を再開した。
月火が抜けて僕の脚の間が広くなり、身体を寄せた火憐が僕の両脚を大きく開かせて舌をずぷっと穴の中に差し込んでくる。
「ぐ……ううっ」
歯を食いしばっても、与えられる快感に声が出るのを抑えきれない。
お互いに対抗意識を燃やしたのか、二人とも舌さばきが激しくなる。
尿道とアナル、二つの穴がぐりぐりと刺激された。
月火の唇による高速上下運動に、火憐のアナルドリル責め。
中学生の可愛い妹二人が、一生懸命フェラチオとアナル舐めの奉仕に没頭してくれてる。
こんな贅沢なモーニングサービスなんてほとんど他にないだろうな。
「う…………二人とも……もう、出そう」
僕が告げると二人はスパートをかけてくる。
月火はカリ首の位置で唇を締めて左右にすべらし、尿道口に舌を押し当てながら両手で肉茎を激しくしごく。
火憐は限界まで自分の舌を僕のアナルの奥に突っ込んでかき回し、両手の指で左右の玉をくりくりとやわやわと揉む。
「う……くっ…………うあっ! あっ! ああっ!」
腰の奥からの刺激が一気に先端まで駆け上がる!
びゅるびゅるびゅるっ!っと僕は月火の口内に勢いよく射精した。
「んんっ!」
その量に驚いた月火が思わず口を離そうとしたが、それより早く僕の両手が月火の頭を押さえつける。
「ううっ! つ、月火ちゃん……あっ……無理に飲まなくて、いいから……んっ……そのまま、くわえてて……ああ……っ」
ぽたぽたと唇の端から腹の上に精液がこぼれ落ちるのを感じながら僕は腰を揺すり、月火の口に最後まで出し切った。
強張っていた僕の身体からふっと力が抜けて両手両足を投げ出すと、二人とも僕の下半身から顔を離す。
そのまま二人はキスをして、月火の口内に溜まった僕の精液を舌で絡ませながら啜り合う。
そして僕の腹に唇をつけて、こぼれ落ちているのを口に含んでいく。
最後にまた肉棒にしゃぶりつき、茎に付着しているのを舐め取ったあと、尿道に残っているのを吸い出していった。
それら全てを飲み下し、二人は僕の方を振り向く。
「兄ちゃん、気持ちよかったか?」
「ああ、最高だったよ」
これなら今日はすっきりした状態で羽川のテストを受けられそうだな。
僕は二人の頭を優しく撫でてやった。



ふう……妹達可愛いよ妹達。
179名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 20:20:26 ID:EfA3E+9M
バサ姉気付くってw
GJ!
やっぱ姉妹いいね!
180名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 21:22:59 ID:+KTFF2Qy
妹の将来が心配すぐるw
気付くバサ姉も見てみたい!
181名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 04:49:38 ID:FYE1Xi+S
喉奥射精派だがフェラ大好きだー
妹の口は同じフェラでも盛り上がる
182名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 05:37:01 ID:ssuaLGwc
ヒロインの中で一番のおっぱいを誇るバサ姉
口内奉仕もいいが、おっぱい奉仕こそ華だと思うのですよ
思いっきり濃ゆいのを顔射して、メガネに付着してドロォ〜、がまた至高なのですよ

「は、羽川…お前、本当にこんなエロいテクどこで覚えてくるんだ・・・?」
「何でもは知らないよ。おっぱいのことだけ」
183名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 16:15:47 ID:BLJUcP/s
アララギハーレム全員(忍野以外)がベッドの上で仰向けに寝て、口を開けています。
阿良々木くんは初めに誰にナニをするでしょうか?
184名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 16:32:21 ID:FYE1Xi+S
想像して興奮した
いいな凄いいいな
まずは分身かな?
185名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 16:33:42 ID:zP4hWqwy
まず分身とか、発想がぱナイw
186名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 16:53:54 ID:2uAdPUmh
奴なら植物触手で全員同時攻めをしてくれると信じてる
だって、修羅場木さんには誰か一人を選ぶことなんてできないんだから…
187名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 17:52:37 ID:2v+ZLFwd
メンツ的に考えて阿良々木くん側からはなにもせず、皆からいいように責められ、搾り取られる。
ただし、忍によるブースト付きなのでちゃんと全員を相手にしてあげられる。


大長編になりそうだが、いつかは書いてみたいものだ
188名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 17:57:57 ID:zP4hWqwy
「……うくっ」
 そのたわわにむねったみのが、僕のナニを包み込んでいる。
 あまりの快感に、地の文すら噛んだ男子高校生が、そこにはいた。
 っていうか、僕だった。
「はね……かわっ……」
 こと、おっぱいにかけては、羽川は他の追随を許さない。少なくとも、戦場ヶ原の美乳や神原の
健康的な乳、千石や妹達の成長途上の乳、忍のまだろくに膨らんでもいない乳が有し得ない、
圧倒的な武器を、羽川のそれは備えていた。
「なにかな、阿良々木君?」
「おまっ……こんなテク、どこで覚えて……」
「うーん……どこで、という質問には、家で、と答えるべきかな」
 言葉を発しながら、その間も羽川の攻め手は緩むことは無い。自身でもその手管に自信が
あるのか、全く迷いなく、僕のモノを的確にはさみ、しごきあげてくる。その際にはぷるんぷるんと
地震にでもあったかのように揺れ、羽川のそれは僕の視覚をも刺激する。
「色々調べて、ね」
 圧倒的だった。圧倒的な――物量の勝利だ。仮にテクニックが無くとも、その物量で僕のナニは、
あっさりとやられていたに違いない。直江津高校の委員長は化け物か。少し頭を冷やす間もなく、
僕の頭の中は熱気に犯されていく。快感に、溶かされていく。
「お前はっ……なんでも、知ってるな……っ」
「何でもは知らないよ。知っている事だけ」
 いつもと同じ、羽川と僕との定番のやりとり。だが、羽川はそこに一言付け加えた。
「――これしか、私は知らないの」
 その言葉の意味が、溶かされつつある僕の脳髄に染み渡っていく。
「だから……他の事は、阿良々木君が……教えてね」
「……ッ!?」
 僕は、その言葉で限界を迎えた。
 音を立てる勢いで、白濁が羽川の顔を汚す。羽川は、驚くこともなく、その噴射ともいえる量を、
受け止めてくれた。白濁のいくらかは、唇をつたって口へと入る。だが羽川はそれを吐き出そうとも
せず、それどころか、唇の周りに付着したそれを自らの意志で舐めとっていく。
「本当に苦いんだ……知らなかった」
「……羽川は、何でも知ってると思ってた」
「いつも言ってるでしょ? 私は、なんでもは知らないの……何にも、知らない。だから」
 羽川は微笑んだ。その笑みは、僕の心臓をわしづかみにして離さない、魔性の笑みだった。
「私の知らない、阿良々木君が知っている事……全部教えてもらうからね……きゃっ!?」
 何も言わず、羽川の身体をベッドに押し倒している男子高校生の姿がそこにはあった。
 っていうか、僕だった。
189名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 17:58:38 ID:zP4hWqwy
>>182から電波が来たので書いた。
メガネの事は忘れていた。
反省はしている。
190名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:34:23 ID:2v+ZLFwd
偽物語の羽川だと思えば無問題。よくやった!
褒美に続きを書く権利をやろう。
191名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:36:25 ID:/olZX8Gj
もっと電波を送るんだ!
192名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 00:05:40 ID:Dw4gkbFO
ゆんゆん
ゆんゆん

さぁよんよんしてやんやんしてもらおうか
193名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 00:51:01 ID:ovi3FYXC
はやくはやく
かいてえええええ
194名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 01:02:24 ID:mHumDwr/
ところでアニメイトのイベント12店舗まわる訓練されたやつおるの?
195名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 01:14:14 ID:Hf/yLSX8
くじ引きじゃなければ頑張る人もいるだろうけどねえ
196名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 19:01:57 ID:fyX6gRvl
>>6,7
ものすごい亀レスだけど、法律上では小説って明確な年齢制限は一切なくて、全て自主規制で制限されてるだけ
未成年でも成年雑誌は買えなくても官能小説は買えちゃうのが現実
だから厳密にいえば、文章を載せるだけならアダルトコンテンツには該当しないと思う

まあ、ファイアーシスターズのように正義を胸に宿した人に通報されたら、運営の判断次第になっちゃうかもしれないけど……
197名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 21:29:53 ID:de8Wx97X
そんな自称・正義の味方という名の偽善者が台頭してるせいでどんどん窮屈な世の中になるんだよ
誰に迷惑をかけてるわけでもないマイナーサイトまで一々乗り込んできて縛らないで欲しいと思う
「『あたしの胸は正義が詰まってるからこんなに立派なんだ!』ってでかい妹が言うんだが」
「ほう」
「そう考えると正しさの権化である羽川がああなのもわからないでもないな」
「妹御のを浅間山とすると元委員長はまさに富士山といった感じじゃな」
「日本一ってか」
「かつての儂も同じようなものじゃったの」
「今のお前は……」
「…………」
「関東平野だな」
「表へ出るが良いお前様よ」
199名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 23:01:18 ID:GCRawJId
>>198
吹いたw
同じネタで駿河バージョンもできそうだな。
200名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 00:41:06 ID:irKYxzAe
表に出ろ、を使ってしまったから、今度は屋上か体育館の裏がよいね
201 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/13(土) 01:01:41 ID:tU1WNmb8
表へ出ろは以前の小ネタにも使ってしまったけどねw
会話場所を特定してないから一番自然なんだよなぁ

こういう小ネタは知己の絡みで忍が一番使いやすい。でもエロネタなら神原だな。
しかしエロパロスレなのにこんなのを投稿していいのだろうか?




「阿良々木先輩! やはり東京とはすごいところなのだな!」
「え? 何か見つけたのか?」
「女医ポリスだ!」
「…………」
「女医なのにポリスだぞ!? あーもう考えただけで濡れ」
「女医さんでもいいから一度そのピンク色の脳を見てもらえ。もしくは婦警でいいから捕まってしまえ」
202名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:11:18 ID:irKYxzAe
虎ノ門の「官庁街」とかどうする気だろうな(w

浣腸 Guy ・・・
203名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:49:09 ID:bIbtGc6b
神原の十八番の薔薇ですねわかります
204名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:59:35 ID:aXapmetN
体育館倉庫は羽川専用だしな
205名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 02:00:04 ID:aXapmetN
体育館倉庫は羽川専用だしな
206名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 02:00:50 ID:aXapmetN
連投スマン
207名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 02:02:27 ID:Q0fgFdij
大事なことだったんですよね。わかります。
208名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 03:56:54 ID:RYoiAdtp
書けないから描いてみた
スレチなんだがここ以外心当たりがなかったんだ
撫子↓

http://artemis.s9.dxbeat.com/up/src/artemis0705.jpg
209名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 06:08:15 ID:ECJ72ehS
>>208
似たシチュで羽川を描いてくれたら許す
210名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 09:23:48 ID:7+bRDkp2
>>208
心なしか上手いと思ってしまった俺がいるw
笑顔の方がいいな、と。
211名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 10:02:38 ID:KXVq7nNX
「なぁ、神原。」
「なんだ、阿良々木先輩。」

「お前って意外とMの気があるんじゃないのか?」
「ふむ・・・阿良々木先輩、確かに私は相手の趣向に柔軟に合わせて行為を楽しむ自信はあるが、だからといってMというわけではないと思うぞ。」
「ふーん・・・まぁいいからやってみようぜ。」
「む、阿良々木先輩、いつのまに私を亀甲縛りに」
「ん?ああ僕は元吸血鬼だからな・・・これぐらいは簡単なんだよ。」
「こういう時は蝋燭からなのかな?それとも鞭だったかな?ククク・・・」

「阿良々木先輩がただドSなだけなんじゃないだろうか・・・」


いや朝っぱらから何考えてんだ俺は・・・・
なんか別の扉を開いてしまいそうですねなにこれ怖い
212名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 10:24:31 ID:7+bRDkp2
>>211
その吸血鬼スキルはダメだろw
でもこの2人にはそっちの世界もいいんじゃない?
むしろ扉開いてくれよGJ!
213もいっちょ東京ネタを ◆zO7AQfurSQ :2010/02/13(土) 11:16:20 ID:tU1WNmb8
「阿良々木先輩、東京都庁というものがあるな?」
「ああ」
「あれは雌だな」
「え?」
「どこかに雄の建物が隠されてるに違いない」
「??」
「何故なら凹があったならば凸もなければバランスが取れ」
「思春期も大概にしやがれ!」




DVD六巻のパッケージ、忍キタアァァァ!
信じていて良かった…………
しかし来週本当に配信来るんだろうか?
214名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 11:31:00 ID:2It5lPhh
>>208
うめえな レベル高い
215名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 13:48:41 ID:O80org9S
来週中に「完成の予定」と言ってるだけで配信とは一言も言ってないな
配信は2月中にあればいいな位に思っとこうぜ
216DVD発売までには下もくるかな? ◆zO7AQfurSQ :2010/02/13(土) 23:50:10 ID:tU1WNmb8
「阿良々木先輩、コマ回しのコマは漢字で書くと”独楽”と書くらしいな」
「みたいだな」
「独りで楽しむ……」
「…………」
「…………」
「…………」
「エロいな」
「その発想はなかった!」
217名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 00:01:25 ID:tU1WNmb8
間違えた、四話配信だ。
あとトレカ発売はいつなんだろう?
218名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 00:08:35 ID:inxMGetv
>>216
俺にはもうお前が神原に思えてきたwwww
219名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 00:54:14 ID:kxjv/bxQ
発想がうめぇ
220名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 03:12:40 ID:DLD+UMTq
今日はバレンタインな訳ですが文字通り体を張って兄ちゃんにチョコを渡す火憐ちゃんはまだですか
221バレンタイン小ネタ:2010/02/14(日) 04:03:18 ID:yNbnQ8LU
「阿良々木くん、例のブツは持ってきたのかしら」
「……ほらよ」
「さっそく中をあらためさせてもらうわね」
 そう言って、戦場ヶ原はおもむろにラッピングされた袋を開けて中身を取り出した。
「……なあ、今更だけど何で僕がお前にチョコをプレゼントしているんだ。
しかも昨日の夜中にいきなり電話で命令されて」
「別にいいじゃない。ジェバ――阿良々木くんなら一晩でやってくれると信じていたわ
――ふうん、見た目は合格ね、阿良々木くんの癖に」
「それが妹達に冷たい目で見られながら徹夜でチョコを作ってきた男に対する台詞なのか!?」
「いきなり怒鳴らないでちょうだい。頭に糖分が足りてないのかしら
――うん、私の要求通りの甘みを抑えたビターチョコね。生意気に味も悪くないわ、阿良々木くんの癖に」
「あのなあ……。そもそも彼女がいるのに自分でバレンタインチョコを作るのがどれだけ惨めかお前はわかっ










「……んっ。愛してるわ、阿良々木くん――じゃあ、続きはまた今夜ね」

 ――あれ、こんなに砂糖いれたっけ。
 颯爽と去っていく戦場ヶ原を呆然と見送りながら、僕は口内に残った甘すぎる味を反芻して呟いた。





後日談というか、今回のオチ。

「続きは今夜ってコレのことかよ!?」
 期待に胸をときめかせて戦場ヶ原の家へ向かった僕を待っていたのは、
山と積まれた大量のチョコだった。
 ……ただし失敗作の。
 そういえば、料理が下手なんでしたね、ガハラさん。
 それと他にも――
「何かいやらしいことでも考えていたのかしら、最低ね」
「さすがは阿良々木先輩だ。いついかなる時でもエロスを忘れないその姿勢、
私も積極的に見習っていきたいものだ」
「阿良々木くんも、男の子、だもんねー。でも、そういうのは程々にしなきゃ駄目だよ」
「本当に性欲の権化なんですね、アラモードさんは」
「こ、暦お兄ちゃんはそんな変態さんなんかじゃないよ」
「む、あの山の中にゴールデンチョコレートが見当たらぬが、どこに隠したのじゃ」
 ――何故か勢揃いしているいつもの面子。

 どうやら今日はチョコレートパーティーをするらしい。
 そのおかげかはわからないが、みんなからやけに豪華な義理チョコをたくさん貰えた。
 ――それは、甘くて、ホロ苦い、青春のような味だった。
222名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 06:58:03 ID:A+oDt67q
>>上手いというか甘いというか。いや、苦いのかな。
八九寺はどうやってチョコを手に入れたのかちょっと気になるな。
223名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 07:49:15 ID:4ur8GlyC
きっとリュックに入ってたんだよ
224名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 08:48:15 ID:7lL1cbsh
てれれてっててー

ちょぉこれぃとぉ〜
225名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 09:05:30 ID:FFVBvuR/
女体ツイスター

千石撫子に呼び出された阿良々木君が、待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは戦場ヶ原、羽川、神原、千石、そして妹の月火ちゃん。
よってたかってタコ殴りにされるのかと思いきや、全員が水着に着替えたと思ったら、ビニールシートの上にゴロゴロと並んで寝そべる。
「ささっ、阿良々木君、ど〜ぞ」
ローションでぬるぬるになった女体のうえで奮闘する阿良々木君、
「じゃあ阿良々木君、まずはあなたのその不浄な右手で私の右のおっぱいを揉みしだきなさい」
「次はわたしね… 阿良々木君、空いているほうの手で私の左の太腿を、下から上へと撫でさすってちょうだい」
「阿良々木先輩、先輩の毛むくじゃらの左足で、わたしの股ぐらをグリグリと…」
「暦お兄ちゃん、撫子のおへそに、…キ、キスして」
すべすべの肌にまとわりつくローション、はだける水着、湧き上がる嬌声。
226名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 10:37:53 ID:KutUkt0m
>>221
ガハラさんは料理は下手じゃなかったような
ただ味付けがその家の個性が出るだけで
ああでもアララギくん気遣ってるのかな
227俺もバレンタイン小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/14(日) 16:33:45 ID:pCywZ5lV
「お前様、これをやる」
僕が自室でくつろいでいる時に突如影から出てきた忍は、そう言ってドーナツを差し出してきた。
「これは……昼に買ってきたやつじゃないか、食べてなかったのか?」
「いいから受け取らんか! さもなくば儂が食べてしまうぞ!」
「あ、うん、じゃあいただくよ」
手を伸ばしたときに僕は気付いた。
2月14日。
バレンタインデー。
忍から渡されようとしているのはゴールデン『チョコレート』。
「な、何を笑っておるのじゃ!?」
「いや、何でもないよ。ありがとう、忍」
僕はドーナツを受け取り、空いた手で忍の頭を撫でた。
くふふ、と嬉しそうに忍は笑い、さらさらの金髪が僕の指に絡みつく。
僕はドーナツを二つに割る。
「ほら、半分こして食べよう」
「ん」
僕達は少し固くなったゴールデンチョコレートを並んで食べ始めたのだった。




ヤマもオチもイミもないヤオイ小ネタでした。
ガハラさんや委員長などは他の方達が投稿するだろうから俺は忍ネタでいく!(キリッ
228名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 17:24:39 ID:Bq47uCfn
>>227
俺は全力で応援するぞ!(キリッ
229名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 17:47:30 ID:yNbnQ8LU
>>227
わっふるわっふる!(キリッ

>>226
非常に記憶が曖昧なんで自信ないんですが、
アラララさんが味と腕については言わぬが花だったみたいに言ってませんでしたっけ?
あるいはガハラさんが日々腕をあげているとかなんとか

まあ後日談見ればわかる通り、物語の整合性はガン無視してるんで至らないところはスルーの方向で…
230名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 19:58:21 ID:7lL1cbsh
「んー? これは何なのかな、阿良々木君?」
「いや、それはその……チョコ、だけどさ」
 時刻は夕方。今日もいつものように羽川ターンの家庭教師をしてもらった僕は、思い切って
その包み紙を差し出した。
「二月十四日……バレンタイン、だね?」
「そうだぞ」
「……逆チョコ、って奴……だったり?」
「あ、いや……そうじゃない」
 僕としては、それも考えないではなかったのだが――友チョコという奴だ――、今回の
これは……
「うちの、小さい妹の方がさ、羽川さんに、って」
「月火ちゃんが?」
「ああ。なんか、色々お世話になりましたし、お兄ちゃんのお世話もしてもらってますし、
 とか言ってた」
「ああ……ああ、そっか。そうだよね」
「本人が渡せばいいのにな。何か、月火ちゃん、恥ずかしがっちゃって。何を意識してんだか」
「そうだね。もう私と月火ちゃんは友達なんだから、気兼ねなく渡してくれればいいのにね」
 あれ?
 なんだか、羽川がおかしい。なんか、表情が……暗い?
「そっか……そうだよね……」
「どうした羽川? もしかして、チョコ苦手だったとか?」
 だったら、チョコなんて貰っても迷惑だよな。もしそうなら、月火ちゃんにそこの所を伝えて、
別のお礼の仕方を考えさせなくちゃならないが……
「ううん、そんな事は、全然。昨日なんて、板チョコ十枚分くらい食べたくらいだよ」
「……羽川、相当チョコが好きなんだな」
「あー……そうでもないんだけどねー」
 何故か、羽川は苦笑いを浮かべた。別にチョコが好きってわけじゃないなら、体調管理に
気を使う羽川が、一日で十枚も、こんな高カロリー食を食べるわけが無いと思うんだが……。
「……まあいいか」
 問題は、そこじゃあ無い。
「じゃあ……どうして浮かない顔してるんだ?」
 問題は、こちらだ。
「……ちょっとね。ちょっとだけ思っちゃったんだ」
「何を?」
「これが、阿良々木君からの逆チョコだったら良かったのに、って」
 ………………。
 ど、どういう事だ?
「ごめんね、阿良々木君。阿良々木君は優しいから、きっと私の事も色々考えてくれるから、
 だから……だから、ごめんね、阿良々木君。今言った事、忘れてもらえるかな?」
「今いった事って……」
「逆チョコだったら良かったのに、って所。戦場ヶ原さんとの約束、破っちゃう事になるし……」
「……羽川、それって……」
 いや、それは知っていた。羽川が、僕の事を憎からず思ってくれている事を、僕は知っていた。
 だが、それは一方的にだ。羽川自身は、自分の想いが僕に知られている事を、知らない。羽川に
憑いた猫が、知らせようとしなかった。
 なのに、今、羽川は……。
 一体、何がきっかけだったのかはわからない。
 何が、完璧な彼女を崩したのかは、わからない。
 だが、羽川は、確かに、自分の想いを口にしてしまった。そうする事で、様々な物が瓦解する事に
なる、だからこそもう一人の自分に託して、自らは秘して語らぬと、そう決めた想いを。
「月火ちゃんにも失礼だしね、せっかくチョコくれたのに。だから……忘れてくれるかな、阿良々木君」
「……それで、いいのかよ」
 僕は、体中に血がめぐる音を聞いたような気がした。
 熱くなっていたのだ。
「え? ……だって、そんな……阿良々木君だって迷惑だろうし……戦場ヶ原さんにだって……」
「僕や戦場ヶ原の事はどうだっていいだろ! お前は……お前はどうなんだよ、羽川翼!」
 僕は叫んでいた。
 どうして、そんな事を叫んでしまったのか、今となってもわからないままだ。
231名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 19:58:31 ID:7lL1cbsh
 だが、僕は……こんな羽川を見たくなかった。
 嘘をつく羽川を、見たくなかった。
 自分を騙す羽川を……見たくなかった。
 もう一人の自分に託すでもなく、ただ、今現在の自分を騙し、嘘を付き、やりすごそうとする、羽川を。
 それが、理由かもしれない。
「……阿良々木君……やっぱり、優しいんだね」
 そう言って、羽川は、月火ちゃんから贈られたチョコの封をほどいていく。
「本当はね、チョコ、作ったんだ。でも、渡せないな、って……だから、自分で食べちゃった」
 だから、と羽川は前置きし、チョコを一欠片口に含んだ。羽川の口の中で、舌がチョコを舐めとかして
いく。そして、羽川は僕に両手を差し出した。
「月火ちゃんには申し訳ないけど……約束破っちゃう事を、戦場ヶ原さんにも謝らなきゃだけど……」
 僕は……その両手に導かれるように、そっと羽川の背中に手を回していた。
「好きです……阿良々木君」
 羽川との初めての口づけは、チョコレートの味のする、それはそれは甘い物だった――






「という夢を見たんだが、これは一体何を暗示してるんだろうな?」
「持て余し気味さんが欲求不満だと言う事くらいしかわかりかねます」
「僕の名前を中学二年生の男子のように言うな。僕の名前は阿良々木だ」
「失礼、噛みました」
「違う。わざとだ」
「加味しました」
「何をだっ!? 何が加えられたんだっ!?」
 僕が持て余し気味とか、そんな評価がか!?
「私としましては、そんな相談を小学生女児に行う高校生という時点で、阿良々木さんは
 十分に色々と持て余してると思うのですが……」
「……いや、だって、お前にしか言えないよ、こんな話」
「私にだって言わないでください! デモクラシーは無いんですか!」
 なるほど。八九寺の場合、脳内会議とかで多数決の民主制なんだな。わかる気がする。
「まあ、阿良々木さんの羽川さんラブの度合いは、遂に淫夢を見せる段階にまで至って
 しまった、という事ですか。これは正式な彼女である戦場ヶ原さんにとっては由々しき問題なのでは?」
「いや……だって、戦場ヶ原は、別に最後に自分の所に戻ってくるなら、誰と浮気しても構わないって
 言ってたくらいだし……大丈夫なんじゃないか?」
「はぁ……これだからデリバリーの無い人は困ります」
 宅配で真心届けられても困ると思う。
「とにかく、こういう夢を見てしまった、という事は戦場ヶ原さんにちゃんと報告した方がいいですよ」
「げ、マジでか?」
「そうすれば……まあ、きっと、今日はバレンタインデーですし、きっと定番の展開とかが
 あるんじゃないかと私としては思うのですが……あの方も、結構パターンな方ですしねぇ」
「……まさか、戦場ヶ原に限って、そんなありがちな事をするとは……」
 とか言いながら、裸リボンで『さあ、好きなだけ甘い甘いチョコレートを食べなさい』といつものように、
それでいて頬だけは赤く染めた戦場ヶ原の姿を思い浮かべてソワソワしてる男子高校生がそこにはいた。
 っていうか、僕だった。
「で、ですね、阿良々木さん?
「なんだよ」
「この話のオチ、というか今回の後日談は?」
「……そんなもんねえよ」
「なるほど、今の阿良々木さんの状態そのままですね」
「その心は?」
「オチがつかない……落ち着かない、と」
「おあとがよろしい……のか?」
「いい事にしておきましょう」
 ちゃんちゃん。

                                                      終わり
232名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 20:02:19 ID:7lL1cbsh
ここまで投下です。

バレンタイン小ネタという名の非エログリフ。
羽川のキャラ造形に不安有りまくりんぐですが、お納めください。
尚、この阿良々木君の夢の中の羽川さんは、チョコ十枚分を使った本命チョコを
作成し、なおかつそれをぺろりと自分ひとりで平らげられるようです。
233名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 20:03:34 ID:FRlp6g+B
>>230
おおおお、うまい!(チョコだけに
234名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 20:07:14 ID:FumojnVv
>>232
良いものをありがとう
235名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 22:53:37 ID:kxjv/bxQ
羽川へのエンディングだ!と思ったら夢だった。ほんとうまいぜ
236名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 23:18:16 ID:4zYysgjt
>>208
> スレチなんだがここ以外心当たりがなかったんだ
こことか、どうですか?

化物語の画像 第7世界
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1263992432/
237名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 09:15:59 ID:KFiwvmfF
>>227
忍ちゃん、ゴルチョコ復活おめっ!
238名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 10:20:00 ID:Ee73RYo4
八九寺ってアニメで物に触れてなくないか?
木木木木さん*から*触れることはあっても
239名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 10:53:36 ID:9SGzw5R5
あららら木さんに蹴りぶっこんだりしてるから、真宵を認識できる「人間」を触ることは可能らしいよね。
で、一万円札貰って「きゃっほーい」って言っていたから、物体に触れるんじゃないかな。
んで、13話だっけ?「なんでバサ姐を選ばなかった?」のところって、何か飲み食いしてなかったっけ?
240名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 10:59:38 ID:Ee73RYo4
じゃあやっぱし触れるのか…すまん、ハチク木さん以外(の物体)とは
ほとんどインタラクションできないのかと思ってたよ
241名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 11:32:57 ID:9SGzw5R5
そういう特性がある、ってのも設定として面白いとは思うけどね。

あ、そう言えばバサ姐も真宵のアタマ撫でて、ついでにポカリってやっていたね。
242まだまだバレンタイン小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/15(月) 15:08:10 ID:dOM6OAXK
「聞いたぞ阿良々木先輩、戦場ヶ原先輩から手作りチョコレートをもらって『美味い美味い』と涙を流したらしいではないか!」
「ああ……」
「戦場ヶ原先輩はお菓子作りは得意でないと聞いていたが、なかなかどうして。やはり愛の力というやつかな?」
「違う、あいつはな、僕を監禁しやがったんだ」
「…………は?」
「二日間わずかな水だけ与えられて、日付がかわる直前に差し出してきた。そりゃあ美味いさ、何も食べていなかったんだからな」
「ふむ、戦場ヶ原先輩らしいではないか。阿良々木先輩だって逃げようと思えば逃げられたのにそれを受け入れたのだろう?」
「そりゃまあ……」
「それにこうは考えられないか? 戦場ヶ原先輩は自分以外からは阿良々木先輩にチョコを受け取って欲しくなかったのだと。だから当日まる一日誰にも合わせなかったのだと」
「…………」
「そう考えたら戦場ヶ原先輩もかわいいところがあるではないか」
「……ちょっと重いけど悪い気はしないな」
「まあそんなわけで一日遅れになってしまったが、私からのチョコだ。受け取ってくれ」
「あ、ああ、ありがとう」
「なに、深い意味はない。ただ私を阿良々木先輩の性奴隷にしてくれとの思いが詰まってるだけだ」
「ゴミ箱どころか危険物処理場行きだ! ……まあありがたくいただくよ。自分で作ったのか?」
「おばあちゃんが作ってるのを思いを込めながら見ていた」
「……ホワイトデーはお前のおばあちゃんに渡そう」




某漫画ネタをお借りしました。パクリじゃありません、アレンジです。(キリッ
八九寺がチョコを渡すのは想像しづらい。誰かお願いします。
243名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 16:53:31 ID:NVtWaz0M
>>242
ありがとうさん
八九寺も誰か頼む
244名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 19:27:30 ID:XFysTEpd
「ああ、そうそう忘れていましたが、チョコ好きさんにプレゼントがあったのです」
「名前にする程好きってわけでもねーよ。僕の名前は阿良々木だ」
「失礼。噛みました」
「違う。わざとだ」
「噛みまみた」
「わざとじゃないっ!?」
「たりらりらーんのこにゃにゃちわー」
「これでいいのか!?」
「まあ、そんなこんなでとりあえずお約束こなしましたし、本題です」
「ルーチンワークみたいに言うなよ……僕、結構好きなんだぞ、このやり取り」
「いえ、別にわたしも飽きたりしたわけではないのですが……それよりも大事な
 事が、世の中にはあるという事です」
「僕が八九寺の胸をもむ以上に大事な事がこの世の中にあろうか、いや無い。
 そういえば、そっちのお約束の方はまだこなしてなかっ」
「実は最近何故か携帯電話が使えるようになりまして、羽川さんには電話番号先日教えて
 頂いたばかりなんですが、まさかこんなに早くおかけする日がくるとは思いませんでした」
「さあ、冗談はさておき本題だ。で、なんだって? プレゼント?」
「……その変り身の速さにはいつも感心します」
「昨日はバレンタインだったけど……今日、プレゼント? 何をくれるんだ、八九寺」
「いえ、ですね、そのものずばりなんですけど。はい、これです。一日遅れてしまいましたが」
「……チョコレート、か?」
245名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 19:27:39 ID:XFysTEpd
「見てわからないのですか? カカオ豆をすりつぶし、砂糖と一緒に水に溶かし、
 冷やして固めたお菓子です」
「……いや、だからそれ、チョコだろ?」
「そうともいいます」
「しかし、板チョコか……義理チョコ、だよな」
「そうともいいます」
「お前からは、本命が欲しかったな……」
「……!」
「どうした、八九寺?」
「な、な、何を仰っているんですか阿良々木さん! 阿良々木さんが本命チョコを貰う相手は
 戦場ヶ原さんでしょう!?」
「何言ってんだ八九寺。俺は昔から、本命はお前だって言い続けてきただろう?」
「な、なんなのですかこの展開は……!? 阿良々木さんが……輝いて見えます!」
「さあ、八九寺……お前の素直な気持ちを聞かせてくれ……そうすれば、この板チョコは、その
 込められた想いによって、本命チョコに早変わりさ!」
「……あ、阿良々木さん……」
「さあ! さあ! さあ!!」
「す、好きです阿良々木さん! 大好きですー!」
「ありがとう、八九寺! 僕もお前が大好きだぜー!」
「……あ、あの……阿良々木さん……大好きなら……その……」
「どうした、八九寺? 何かして欲しいのかい?」
「ち……ちゅう、してくれませんか?」
「ああ……お安い御用さ……」
「あ、阿良々木さぁん……」





「という夢を見たのですが、これは一体何を暗示しているのでしょう?」
「……な、なんだか、その夢の中の阿良々木君、間違ったホストみたいで、ちょっと嫌だね……あはは」
「わたしもそう思います。正直、夢としては悪夢の部類でした」
「で、真宵ちゃんは、どうして私にそんな話をするのかな?」
「いえ、持て余し気味の阿良々木さんにこんな話をしたら、あらぬ勘違いをされかねないと思いまして。
 羽川さんなら、どういう意味の夢かという、適切なアドバイスが頂けるかな、と」
「うーん……夢判断はあまり詳しくないんだけどね……」
「そうおっしゃらずに」
「色々と、深層心理を読んだりもするけど、この場合は率直に、真宵ちゃんが阿良々木君に
 チョコレートを渡したかった、って事なんじゃないかな?」
「そうなのでしょうか……?」
「多分、ね。それが義理だとか本命だとかはともかく、渡したいって気持ちは、あるんだと思うよ」
「……実は、一応、板チョコの用意はしてるのですが……何故かリュックに入っていました」
「うーん……そだね……渡せばいいんじゃないかな? それこそ、夢の中みたいにさ」
「うぅ……なんだか……少し、恥ずかしいです」
「ま、それも青春だよ。うんうん」
「……。わ、わかりました! それでは、意を決して渡す事にします!」
「うん、その意気その意気! 頑張れ女の子、だね!」
「あれ? どうしたんだ? 二人でいるなんて、珍しいな」
「お、噂をすれば阿良々木君だ」
「……阿良々木さん! これ、受け取ってください!」




 その日、十年もののチョコレートによってお腹をこわすハメになってしまう男子高校生が、そこにはいた。
 っていうか、僕だった。
 八九寺のリュックの中身については、今度じっくり調査する必要がると思う。

                                                  終わり
246名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 19:29:47 ID:XFysTEpd
ここまで投下です。
まさかの夢オチ第二弾。

リュックの中から

てれててってて〜 ちょぉこぉれいとぉ〜

とばかりに取り出したら、八九寺がまだ生きてた頃の賞味期限だった、
というネタから浮かんでこんな感じになったんですが、わかりにくっ!?
247黒神 めだか▲X√\†$@φ ◆.ViewTanZM :2010/02/15(月) 19:51:12 ID:bQ9TDyd/ BE:4098341489-2BP(401)
「あ、デュララ木さん!」
「誰が池袋の首無しライダーだ。僕の名前は阿良々木だ。」
「すみません、病みました。ごほっ!」
「じゃあその病気は噛み噛み病だな!」
「それはそうと阿良々木さん。今年はいくつチョコをいただいたんです?」
「ふ、聞いて驚け。なんと去年の30倍だ!」
「な、なんですってー!」
「やけに誇大なリアクションだな。さては僕のモテぶりにか。」
「いえ、聞いたら驚けと申しましたので。」
 じゃあ聞いて揉まれろと言ったら揉ませてくれるのだろうか。
「まあ0には何をかけても0ですもんね。おめでとうございます。」
「めでたくないや! どうしてわかった!」
「そんなことは置いておきましょう。」
「ガハラさんにも貰えなかった僕の心にか!」
「私からあげましょう。十年物の愛が込めてあります。」
「おおおおおーっ! 込めてということは手作りか!」
「いえ、買ったものですが」
「じゃあ十年物じゃねぇ! よくて二日ほどだな! お前の月日の誇大ぶりに驚くわ。」
「間違ってませんよ。ずっとリュックに入っていたやつですから。」
「よく見たら賞味期限十年前!?」

つまらねえ代行をよくさせられたものだわ…。
私も好きでエロパロ板に来ているのではないのだぞ。全く…。

へまをしたら本気で乱神モードでぶん殴ってやるからな!
248黒神 めだか▲X√\†$@φ ◆.ViewTanZM :2010/02/15(月) 20:01:19 ID:bQ9TDyd/ BE:796900627-2BP(401)
賞味期限10年前のチョコレートなんて、
私は腹をこわすぞ。

かなりしけた恩賜の煙草や昔のパイプ用の刻み煙草を
吸ったこともあるが、不味くて吸えたものではなかったし…。
249まだまだまだバレンタイン小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/15(月) 20:06:23 ID:dOM6OAXK
>>246
GJ!!
この調子で全キャラ埋めていこうぜ! なんてなwww








「はい、阿良々木くん。チョコレート」
「…………」
「僕はこう見えても友チョコとかの流行が好きでね。お返しとか考えなくていいから遠慮せず受け取ってくれよ」
「違うだろ! 流れ的にここは千石とか妹だろ! なんで忍野なんだ!? だいたいいつ僕がお前と友達になった!?」
「えーひどいなあ阿良々木くんは。僕はこーんなにも阿良々木くんの事が大好きなのに」
「久々に会ったと思ったらそれか。僕はお前が大嫌いだよ………………ん?」
「BLの匂いがしたぞ! なんだ阿良々木先輩か」
「突然現れるなり何を言ってやがる神原」
「おやおや、僕たちの密会がバレちゃったね。ツンデレちゃんには内緒にしてくれるとありがたいんだがどうだろう、百合っ子ちゃん」
「うむ、わかった。ここから先の二人のめくるめくBLの世界を見せてくれるなら秘密は守ろう」
「お前らもう消えろ!」





はい、まさかの忍野メメでした。
即興で考えるの意外と大変。残りのヒロインはよろしく!
250名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 20:56:37 ID:tlmH9sbF
夢オチコンボナイスです!

そして、まさかのBL展開ワロスwww
251名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:21:28 ID:XFysTEpd
「お兄ちゃん……撫子、頑張ってチョコ、作ってきたんだよ?」
「おお、千石、義理チョコなのにわざわざ手作りしてきてくれたのか」
「もう……! 暦お兄ちゃん、わかって言ってるでしょ!」
「……ごめんな、千石。今まではぐらかしてて」
「いいよ、暦お兄ちゃん……撫子、ずっと……信じてたから」
「じゃあ、その作ったチョコレート……今、食べてもいいかな?」
「うん……一生懸命作ったから、いっぱい……いっぱい食べてね?」
「ヒャッハー! 女子中学生のチョコレートコーティングだぜー!」
「ああんっ! だめだよ暦お兄ちゃん……そんな所ばっかり舐めちゃいやぁ……」
「だって、ここから出てくる汁が、一番甘くて美味しいからな……」
「それ……チョコレートじゃ無いよぉ……」
「なんだって!? チョコレートじゃないなら……これは一体何なんだい、千石?」
「……そ、そんなの……撫子、言えないよぉ……」
「じゃあ、言いやすいように、もっとここ舐めてあげるね。そうすると、ぱっくりお口が開くから」
「あっ、だめっ、した、したはいってきちゃいやだよぉ……んっ、ああっ!」
「すごいな、千石は。中学生おまんこなのに、もうすっかり感じてる」
「いわないでぇ……」
「いつも自分一人でしてたのか?」
「し、してないもん……」
「だったら、このチョコレートじゃない汁がどんどん湧き出てくるのは……何でだろうな?」
「こよみお兄ちゃんの……いじわるぅ……」
「はははっ、ごめんよ、千石。でも、千石があんまり可愛いから、つい苛めたくなっちゃうんだぜ?」
「……かわいい? 撫子、かわいいの?」
「ああ……とっても可愛いよ、千石」
「え、えへへ……すごく、うれしいな」
「その可愛い千石の、中学生おまんこから溢れてるこれは、一体何なんだ?」
「……そ、それはぁ……」
「さあ、言ってくれ、千石。そしたら、もっと気持ちよくしてあげるから」
「……もっと? ほんとに?」
「ああ、僕は嘘はつかないだろ?」
「……うん。暦お兄ちゃんは……嘘はつかないよ。撫子、知ってる」
「じゃあ、言ってくれ、千石」
「……こ、これは……あい……えき、です……」
「声が小さいな。聞こえないぞ?」
「あ……あ、あ……愛液、ですっ!」
「じゃあ、それはどこから出てるんだ?」
「……おまんこ……です」
「中学生おまんこから、だろ?」
「中学生……おまんこから、ですっ!」
「よく言えました。千石はやっぱりやればできる子だな」
「……は、恥ずかしいよぉ……でも」
「でも?」
「暦お兄ちゃんに喜んでもらえて……撫子、うれしいな」
「ああ、千石は僕を喜ばせてくれたからね。次は、僕が千石を喜ばせる番だ」
「……あ、あの、暦お兄ちゃん!」
「なんだ、千石?」
「撫子……初めてだから……その、あの、えっと……優しく、して……ね?」
「もうしんぼうたまらーん!」
「きゃあああああああああ!? でもうれしいいぃぃいいいいい!!!」
252名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:22:18 ID:XFysTEpd





「っていう夢をみたいんだけど、どうしたらいいかな?」
「え? あれ? なんで僕なの? これ僕が聞くような話じゃないよね? 百合っ子ちゃんとか、
 その辺りの娘の担当でしょ? なんで僕? キャラクターコメンタリーのせい? まあいいや。
 いやよくないよ! しかもよく聞いたら願望!? ねえ、願望なの!? 僕にどうしろって言うんだい!?」
「くすくす……忍野さん、面白い」
「……あのねぇ、千石ちゃん? 僕はね、こう見えても常識のある大人なんだ。逆に言えば、常識で
 自分を制御している大人なんだよ。そんな僕にするような話なのかな、これは? しかも、自分で言う
 のはとても奇妙な気分だけど、wikipedia情報にはロリコン疑惑まで書かれてる、そんな僕にだよ?」
「えっと、神原さんが『忍野さんなら、大丈夫だ。枯れてるしな』って」
「……あの百合っ子ちゃんは、時にとんでもない暴言を吐くねぇ」
「で、どうすればこんな夢を、見れますか?」
「それを本気で聞いてるってわかるのが、最早どうしようもないというか、怪異なんかよりも人間の
 方が余程恐ろしいと再認識させられる事態なわけだけれど……夢は、もう見れてるんじゃないかな?」
「え? そうなのかな……?」
「はっきり言っちまうとだ、君はもう、十分夢見がちな少女で、年がら年中夢見てるじゃないか、って事」
「……よく、わからないです?」
「夢は寝て見るばかりとは限らない……現こそ夢なり、という言葉もあるくらいだしね」
「うーん……なんとなく、わかった」
「……まあ、わかっちゃう君の将来が心配なんだけどね、僕としては」
「既成事実が大事、って事だよね?」
「違うよ!? 全然違うよ!? ……ホントに、大丈夫なのかね、君って娘は……」
「撫子は、大丈夫だよ。暦お兄ちゃんがいるから♪」
「……あー、はいはい。もうそういう事にしときましょうかね」
「何かいい事あったらすいません。千石撫子と」
「忍野メメでお送りしましたー」
「無理やりだね」
「そうでもしなきゃ終わらないからね……」
                                            終わり
253名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:23:59 ID:XFysTEpd
ここまで投下です。

夢オチエンド三度と見せかけて、撫子がただのエロい娘になってましたという話。
バレンタインほぼ関係ねー。でもそんなの関係ねー!でもry
何か、千石で考えてたらナチュラルにエロ展開になったのは何故なんだぜ?
254名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:24:13 ID:tlmH9sbF
まさかの3連www
それにしてもうまいなぁ
255名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:56:11 ID:XFysTEpd
「火憐だよ!」
「月火だよ!」
「今日は兄ちゃんにチョコを渡す日だ!」
「彼氏いる設定とかどこ行った!?」
「でも、直接渡すのは何か恥ずかしい!」
「切ない妹心だね!」
「だからこんな風にしてみた!」
「うわお、まさかの羽川さん名義!」
「開けてびっくり、実は妹からのたまて箱!」
「お兄ちゃんが歳をとっても背は伸びない!」
「悲しい事実だぜ……」
「悲しい事実だね……」
「それはさておき、チョコを渡すのには成功だ!」
「それでは次回予告クイズー!」
「チョコに引っ掛けた問題を出そう!」
「チョコに引っ掛けたその心とは!」
「次回も無いのでクイズも無し!」
「まさかの展開だ!」
「チョコが全くかかってない!」
「それ以前にクイズが無い!」
「チョコだけにね!」
「何もかかってないけどこれにてしゅーりょー!」
「今度はOVAで会おうぜ!」
「出るかわからないけどねっ!」




「っていう次回予告はどうだろう? つばさキャットその3用」
「……来月分のダンスインザバンパイアバンドの仕上げさぼって何考えてんすか監督……」
「絶対同人でミナVS忍とか描く人いるだろうなー」
「さあ、戯言は程ほどにして、さっさと仕事に戻って下さい!」
「はーい」

                                     終わり
256名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 21:58:12 ID:XFysTEpd
ここまで投下。

つい出来心でやった。
今は反省しているような気がしないでもないが、
きっとそれは多分気のせいだ。
257 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/15(月) 22:01:06 ID:dOM6OAXK
>>253
また夢落ちだと予想したら違ったwww
GJ!
あとは妹s?










「おい阿良々木、これをくれてやろう」
「…………正直予想していた。が、やっぱりねえなと思っていたのに! 間違いなくお前とは友達でも何でもねぇぞ貝木!」
「何を言っている? 俺が一銭にもならないのにお前にチョコレートを渡すと思うのか?」
「逆に訊きたいが、お前が僕にチョコレートを渡すことによって何かが発生するのか? 二度と会わないとか言ってたくせに」
「発生するもの? それは決まっているだろう、愛だ」
「え、あ、ああ?」
「何度も言わすな。俺はできればお前と仲良くしたいと思ってだな」
「お、おい、何故にじり寄る? 息を荒げるな!」
「あ、阿良々木、俺はもう…………」
「アッー!」



「なんてことにならないよう私が今からあなたを保護します。あの男に会わせるわけにはいかないからね」
「ないから! 絶対ないから! だからこの手錠を外せ!」
「今日明日の辛抱よ。そうそう、私のチョコももちろん用意してあるから楽しみにしててね♪」
「♪をつけられてもちっとも喜べないよガハラさん……」





ごめん、さすがに貝木は無理だわ
258名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 22:04:05 ID:dOM6OAXK
>>256
更新せずに書き込んだら早くも妹が!
もう流石としかいいようがない!
しかも面白い。GJです
259名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 22:06:34 ID:XFysTEpd
でも、よく考えたら、あの次回予告考えてるのは西尾さんだったっけ。

まあいいやw

>>257
無理すんなwww
260名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 22:08:40 ID:nIdjrmH9
>>751
何だかんだ言ってありがとう。さすがめだかちゃん、頼りになるな。
フィルタ付き携帯しかなくて、これしか方法がなかったんだよ。これもシベリア代理だしね。ありがとうございます
それとめだかはジャンプで真っ先に読むと言っても過言じゃないよ。こんどからは投書箱に入れるよ
261ではラスト投下 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/15(月) 22:31:05 ID:dOM6OAXK
「もうね、影縫さんや斧乃木ちゃん、まさかのドラマツルギーたちまで出ても驚かない覚悟は出来ていた」
「…………」
「…………」
「で、予想はつくけど一応聞いておこう。君達は誰で、何故僕にチョコを渡そうとしているんだい?」
「そんな、お義兄さん!」
「受け取ってくれないんですかお義兄さん!?」
「君達にお義兄さんと呼ばれる筋合いはない!」
「だって妹さんが『兄ちゃんのハーレムの一員にならないとチョコやらねーぞ』って」
「『なるんだったらその証明としてお兄ちゃんに手作りチョコを渡してね』って」
「瑞鳥くん、蝋燭沢くん、悪いことは言わないからあんな妹達とは別れてしまいなさい」
「別れればお義兄さんのハーレムに入れてくれるんですか!?」
「別れます別れます! だから早速!」
「やめろ脱ぐな脱がせるな! どう考えてもこの展開はおかしいだろ!? アッー!」




「という可能性もあるからこの保護は必要不可欠なのよ」
「万に一つどころか兆に一つもねぇよ! あと何で妹の彼氏の名前まで知ってる!?」
「あら、阿良々木マニアの私が阿良々木くんのことで知らないことがあるわけないじゃない」
「もう神原のストーカー気質もBLの素養も全部お前が原因に思えてきたよ……」





さすがに疲れたのでもう止めておこうw
皆様、お付き合いありがとうございました(特に>>259
262名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 00:27:19 ID:cVG/tiX5
影縫さんのチョコがまだ(ry
263名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 00:29:17 ID:ekn2AOJH
まだまだだ
264名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 02:12:17 ID:b5+Y22ih
3人がかりでバレンタインデーを終わらせるとはやるのう。
265名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 04:58:40 ID:kJzfly2q
ID:XFysTEpd
おい、西尾本人か放送作家が光臨してるぞ
266名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 11:34:24 ID:KYQ0SDHv
たくさんきてる
有難う御座います
267Roseman(仮):2010/02/16(火) 18:25:06 ID:XCIsYhq4
どうして尾舞らそんなの書けるんだ…。
素人童貞補正の折れには2月14日は某国総書記の誕生日の前々日かヴァンアレン帯デーにしか見えないぜ…orz
268名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 19:26:58 ID:HqYOhvLl
三次元に絶望しているからこそ二次元を妄想し、その理想を描くことができる!
童貞すら守れない男に何が守れ、何を生み出せると言うのだっ!

ちなみに俺はホモチョ……友チョコを16個配った
269名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 14:41:56 ID:XeJnoNFj
アニメしか見てない人って忍ネタと妹ネタはスルーしてるの?
文章から補完してるんかな
270名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 17:56:55 ID:/OfEENsU
不問語買いに行ったら売り切れてた死にたい
271名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 20:40:12 ID:KJRSW8jc
過去ログ読んでて気づいたのだが、「戯言使いの非日常」を他のサイトで見たことあるのだが
272名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:24:27 ID:Rq01SHe/
はっきりした事が知りたいにしろ何にしろ、そういう話をこういう
匿名の場所でやっても、はっきりした事がしれるどころか、
無駄に荒れる元になるだけだったりするから、はっきりした事が
知りたいなら、その他のサイトとやらに問い合わせしてみるのが
いいと思うぞ。

大概、作者が自サイトに載せてただけ、とかいうオチだったりするしな。
273名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:25:41 ID:RKOie7/z
アニメで化物語を見てジャンプでめだかを読むくらいしか作品に触れたことがないんだが、時間あるし何か読んでみよう
何から読むべきだろうか
274名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:26:29 ID:wF+/5Pl3
読んでないなら化から
275名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 21:31:49 ID:Rq01SHe/
まあ、化からかなぁ。
一巻は、そこまでメタネタとかのアクの強いネタも無いし。
TAGRO絵が好きならキミボクも有り・・・って感じかな。
正直、戯言シリーズは、一巻だけだと微妙だったりするからね。
で、西尾文が合うようなら、色々読んでいけばいいと思う。

とか言いつつ、自分は刀語を未だに読んでなかったりw
276名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 22:09:47 ID:bknm40IM
人間試験から読んで刀語→クビキリ に行った私は多分邪道読み
277小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/17(水) 22:56:26 ID:M08UWA+E
「はぁ……」
「どうした神原、お前が溜め息なんか珍しいな」
「うむ、ちょっと悩み事がな」
「お前にも悩みなんかあるんだな」
「私だって年頃の女の子だからな、悲しみに堪えかねて夜な夜なシーツを濡らすことだって」
「枕な」
「おっと失礼、しかし悩み事の内容を考えれば大した違いは」
「もうお前の悩み事自体が大したことないのがわかったよ!」







やべえ
最近阿良々木くんと神原の会話が楽しすぎる
278名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 23:14:34 ID:Rq01SHe/
>>277
その気持はわかるw
俺もハッチーとラギさんのお約束会話ネタを考えるのが楽しくてw

で、悩みの内容と、それを解消する為にする事を詳しく描写するのは、
当然開始していると考えていいんだろうね? いいんだろうね!?
279名無しさん@ピンキー:2010/02/17(水) 23:23:41 ID:yx+iGQu8
クビシメから勘違いして読み始めたから挫けそうになった
280 ◆zO7AQfurSQ :2010/02/17(水) 23:50:54 ID:M08UWA+E
>>278
いや、小ネタだからそこまで期待されても…………書いてもいいかもなwww


>>279
このスレにその感想……つまり巫女子ちゃんのエロシーンがなくて挫けそうということかっ!?

「いっくん、お願いがあるの」
「…………」
「いっくんになら、いいよ」
「…………」
「良かったら……初めてをもらってくれる?」

みたいなシーンが欲しがったんですねわかります
281名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 00:05:53 ID:XvhXRVz8
続きマダー
282名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 01:16:45 ID:He39LGdY
いーちゃんの言葉責めで大変な事になったという意味では初めてな気も
283名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 01:46:30 ID:ijVhqxPY
>>270
個人的な感想なんだけど、佰物語のノリで買ったら・・・後悔したよ。
284名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 19:03:43 ID:u80t+eso
この流れの中であえておじさまの家に永久就職する証子ちゃんを期待しよう
285名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 19:06:09 ID:llA0CJuj
《傷物語映画化決定!ただしラスト10分の続きはwebで!》みたいなっ!
286超小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/18(木) 19:12:52 ID:zBbufpN3
「阿良々木先輩、ふと思ったのだが」
「ん?」
「ミルクセーキってエr」
「みなまで言うな!」
287名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 00:33:22 ID:iv915pqE
>>286
ミルクセーエキって読んだ俺は末期
288名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 00:39:27 ID:N5q7wHs/
>>287
なんだ俺か
289名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 01:15:19 ID:G6nKjAjK
なにこの神原パラダイスw
290名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 02:14:14 ID:Ppf6IZRE
>>287
ミルク+精液と読んだ僕の立場が無いじゃないか
291名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 02:25:57 ID:XbVoAWhJ
だってそういうエロゲがあるんだから仕方ないよな
292今日の小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/19(金) 12:08:43 ID:tftbjZ60
「なあ阿良々木先輩」
「何だ?」
「メスシリンダーというのがあるだろう。実験器具のひとつだ」
「…………」
「じゃあオスシリ」
「言わせねぇよ!」
293名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 16:52:07 ID:JlDDGhYV
保管庫にアクセスできないぜ
294208:2010/02/19(金) 17:48:20 ID:x2gVqQcq
>>236
遅レスすまぬ。ありがとう!次はそこで!
スレチなのに反応くれた人もありがとう。次描く気力もらった!
295名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 18:50:58 ID:Y0k4pYsw
なになに、カくのはこっちの方さ。
296名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 19:42:46 ID:gEqcCxHt
ああ、とっても大量にカくんですよね。わかります。
297名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 21:19:12 ID:CQ6AhjLD
>>292
言わせないどころか、一番言い切らせちゃいけないところで切っちゃってるじゃないかw
さすがツッコミのプロだぜ
298名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 21:25:31 ID:x1PpjNo8
オスシリで突っ込むとは先輩はソッチもいけるのか
流石、私の尊敬する阿良々木先輩だ
299名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 01:32:44 ID:FGN9P0N2
オシリスに突っ込むって見えた・・・
300名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 02:34:06 ID:VFv7iMq8
 飲酒によって脳細胞が破壊されるのはもちろん周知の事実なのだけれど、残念なことに日本からはその悪習がなくならない。
 突然こんなことを言うのには当然のことながら理由があって、それと言うのも僕自身、最近その悪癖に悩まされているからだ。
 と言っても、僕なんかは小学生のころに親戚の小父さんに飲まされた結果吐いてしまった苦い(むしろ酸っぱい)経験があるから、あんまり自分からは飲まない。
 問題なのは僕の小っこい方の妹であって。
「ただいま〜」
「月火ちゃんおかえり……っておおぅ!?どうした月火ちゃん、顔が真っ赤だぞ!?」
「うん、ちょっと飲んできちゃたv」
 飲んできちゃったじゃねえよ、中学生だろうが。
「飲んできちゃったじゃねえよ、中学生だろうが」
「なによ〜。お兄ちゃんのくせにお説教する気!?」
「むしろお兄ちゃんだからだ!お酒はハタチになってから!正義の味方のファイヤーシスターズが真っ向から法を破ってどうすんだ!?」
「あ〜、いいのいいの。むしろ国家権力は敵だし。人権どーの言いながら取調室の中ではひどいもんだよ?机蹴られるよ?灰皿投げられるよ?それも微妙にギリギリで当たらないように。ヤだよね陰湿だよねぇ〜?」
「そんな実感のこもった批判は聞きたくねえよ!つーかもうなにやっちゃってんだよ僕の妹ズは!?」
「正義を行使してます」
「言い切ったー!!無茶苦茶いい笑顔で言い切ったー!!」
「ちなみに警官の支給品であるニューナンブは五連装、けど一発しか弾が入ってないんだよ?」
「いらねぇよそんなトリビア!!全然ちっともきれいさっぱり知りたかねぇよ!!」





で、このあと月火ちゃんがグダグダ言うアリャリャ木さんに酒を飲まして(口移しで)べろべろになったところを誘惑→誘い受けでベッドイン→
形勢逆転でずっとこよみんのターン→その後も酒を使ってみだらな関係が続く。みたいのを書きたかったが、俺自身酒がまわった勢いで書いてるので流石に限界がきた。
だれか、余裕で誘惑し、責められて可愛くなっちゃう月火ちゃんを情景豊かに書き上げてはくれないだろうか?心の底からお願いします。

余談だけど、BD版なでこスネイクのオーディオコメンタリーで忍野がつきひフェニックスの伏線っぽいことを言っていたのだが、化二期はあるのだろうか?あったらいいな
301名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 02:56:54 ID:Q5nB4sel
酔っ払いわろすw
302名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 03:19:21 ID:PRnH+5SU
あぁ次は酔って 寝てる 所を襲いたい。
303名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 10:11:57 ID:MzRoTVh+
むしろもっと酒を飲んで、もっと勢いつけて続き書いてください!

あと、西尾は伏線を弾幕避けゲーの如くばらまいて、必要な時に必要なだけ回収するスタンスだから
今の段階では何とも言えないような気がする
まあ、興行的に考えるとこのまま続きは何もなしって方がおかしいとは思うけど
304名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 10:30:29 ID:jRjNjP+Q
>なでこオーディオコメンタリー
どっとかというと、偽まで買ってくれてる人に対してのファンサービスと言う気も…
305今日の小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/20(土) 16:04:38 ID:JQprLtE+
「そういえば阿良々木先輩」
「何だ?」
「エロイカより愛をこめてってあるではないか」
「……一応聞こうか」
「えろ」
「期待を裏切らないなやつだなお前は!」
306未成年の飲酒はダ・メ♪ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/20(土) 16:08:44 ID:JQprLtE+
>>300
ぬう、中学生のくせに飲酒とは実にけしからんな。




「とりあえず水でも飲んで酔いを覚ませ」
「んー、水ならここにあるよー」
そう言って月火が取り出したのは明らかにアルコール分の入った、いわゆる『ジュースみたいなお酒』だ。
止める間もなくそれをグイッとあおる。
「あ、こら……んぐっ」
取り上げようと近付く僕の首に手を回し、いきなり月火がキスをしてきた。
そのまま口に含んだのを僕の口内に流し込んでくる。
いきなりのことに混乱して戸惑っていると、さらに舌までが侵入された。
ぐちゅぐちゅと互いの舌が絡まり、頭がぼうっとしてくる。果たしてそれは酒によるものかキスによるものか。
ぷはっと唇を離すと、月火は頬を上気させながらえへへと笑う。
「つ、月火ちゃん」
「お兄ちゃん、女の子はね、お酒を飲むと大胆になっちゃうんだよ」
そう言ってはにかむ月火に僕の心拍数が一気に跳ね上がる。
月火ちゃん、大胆になるのは女の子だけとは限らないんだぜ。
そう心の片隅で突っ込みを入れ、僕は月火の持つ缶を取り上げて中味を自分の口に含む。
そのまま月火に口をつけて今度は僕の方から流し込んだ。
「んむっ」
喉に手を当てて飲み込んだのを確認し、さらに口内を舌でかき回す。
歯茎や頬の内側を這わせ、月火の舌を引っ張り出して思う存分吸い尽くした。
「お、お兄ちゃん……」
膝ががくがくと震えだしたのを見計らい、僕は月火を傍らのベッドに押し倒す。
着物の襟を掴んでその小さな胸をぐいっとはだけさせ、そこに数滴酒を垂らす。
「ひゃんっ、お、お兄ちゃん!?」
小さく悲鳴をあげる月火に構わず、僕はその滴に唇を付けて吸う。
全て吸ったあと再び垂らし、今度は舌で舐め取った。
「や、あっ……やめてお兄ちゃん、着物汚れちゃうよぉ…………」
されること自体は嫌ではないのか、否定も止めようとする手も弱々しい。
僕は身体を起こす。
「じゃあ脱いでよ月火ちゃん」
酒のせいか微妙に理性が働いていない。
有無を言わせぬ口調で僕は言う。
少し潤んだ目を逸らしながら月火は黙ったままそっと自分の着物の帯に手をかけた。




みたいなのを書きたかっただと>>300!?
酒に酔った勢いでもいいから早く書くんだ!
307名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 18:45:42 ID:2d6RRS/7
あああああ勃起したあああああああ
308名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 20:10:19 ID:fM0Zlzjf
ん、いいわ。そのままそこで正座して、続きを待っていなさい。
――じっとここで見ていてあげる。私以外で逸れを反応させた罰として
309名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 21:48:36 ID:kffJvviN
「なあ阿良々木先輩」

「なんだ、神原後輩」

「かきたてるって言葉はいやらしくないか?」

「いきなりなんだよ」

「だってかいてたてるんだぞ」

「あぁもうお前黙っとけ」
310名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 01:32:19 ID:UqET1NgL
つねにそんなネタを考えてばかりいるであろう神原後輩の日常生活が全く想像できん。
というか、化のヒロインたちって浮世離れしてて普段の生活が想像できんな。スーパーに買い物行ったりするんだろうか。
311名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 01:41:17 ID:O/aRy2/G
>>309
すっかり、神原後輩もここのスレの住人ですねw
312名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 08:20:14 ID:jORN21Ge
今近くにPCがない環境で携帯からなんだが、本編配信は来たかいのぉ?
313名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 08:38:41 ID:eenuMfrr
嘘だけどもう配信来たよ
314今日の小ネタ ◆zO7AQfurSQ :2010/02/21(日) 15:08:59 ID:dhvmyI7R
「ところで阿良々木先輩、小学校の時にジャングルジムみたいなのはあったか?」
「あった」
「登り棒は?」
「あったぞ」
「私はよくあれらで遊んでいたんだが」
「うん」
「何故好きだったのかとふと考えてみて、思ったんだ」
「…………」
「私ももう子供ではないんだな、と」
「おい、僕が今夜寝れなくなるだろうが!」





色々書いといてなんだけどここはエロパロスレだったな。
そろそろ小ネタとかはやめて何か需要ありそうなのを書かないと。
315名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 15:29:33 ID:vZkFrY8p
某日神原家にて

神原「あ、阿良々木先輩だめ、そ、そんな…ひゃんっ!」
神原「ま、まってくれ、私にも心の準備というものが…ぁあんっ!」
神原「そ、そんなとこまで…い、いやじゃないっ。嫌ではないんだが…ぁうんっ!」
神原「も、もう駄目だ阿良々木先輩、私ももう我慢が……」
阿良々木「何やってんだ神原……」
神原「                               」
阿良々木「神原?」
神原「        ハッ………あ、阿良々木先輩」
阿良々木「どうした神原」
神原「きっ……奇遇だな」
阿良々木「お前が昨日電話で来いって言ったんだろうが……」


みたいな
オナニーに夢中になりすぎて時間をすっかり忘れてしまった神原かわいいよ神原
このあとにゃんにゃんするかどうか各自の妄想の中で
316名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 16:43:37 ID:JoU709VM
むしろ服装を乱して道具を布団かクッションの下に入れたまま正座で説教される神原をだな
317名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:56:39 ID:CRucQXrT
神原メインのエロ小説ってあったけ?
実はネタでしか愛されてなかったりして
318名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 23:01:42 ID:UqET1NgL
神原はどんなエロ展開もボケで華麗にかわしていくからな。
ネタで落ち着いてしまう。
319名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 23:11:04 ID:+KyI/xdv
ぼく達は落ち着かないけどね!
320名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 23:46:51 ID:rGsEfXvY
オナニー神原を見て

むしろ、妄想をたくましくする為に、普段は下着姿(or全裸)なのに、
何故か妙に着飾ってて、それで色々とラフカディオさんに察知されてしまう

という電波を受信したんだが、大概だな!(色々な意味で
321名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 06:30:11 ID:ztHHS74k
まとめを見ると神原は大半がネタだよな。あとは3P要員とか。

>>314
最初意味が分からなかったwww
神原エロイなあ
322名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 18:45:14 ID:xd4Y7JVK
VIPに神スレたってたよ

阿良々木「みんなが僕のことを好きだって?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1266594547/l50
323名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 20:08:31 ID:F7z0TDfy
ついに14話がアップ寸前まで来たな。
果たして翼キャット上公式発売とどっちが先か・・・
324名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 21:17:38 ID:qmjC/TAk
同時じゃないか?
一応、密林からは発送メールが来てたが、
公式はまだだったっけ。>翼上
325名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 21:19:09 ID:VNGYrS0r
そういえば発送メール来てたな
326名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 00:28:59 ID:Cz0oz4Tu
>>322
>たってたよ

もうクローズになってるね。早いなぁ。
327名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 04:31:40 ID:lMPuLIJX
328名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 04:50:06 ID:0OCxSyTp
神原さん公式でしない河って命名されちまったなあ。
いざ荒木さんが行為に及ぼうとしたら全力でおどおどしそう。
329名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 08:40:04 ID:mfZVJ6Lb
翼キャットのOPは二種類あるらしいが、ひとつは羽川だとしてもう一個は何だろ?
暦が忍か全員集合か?
330名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 11:24:03 ID:KX3kjFSh
豪腕プロデューサーによる羽川音頭だろ
331名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 11:27:40 ID:mfZVJ6Lb
早ければ今日中クルー!
332名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 15:08:28 ID:sW618738
あれれれ?君のオープニング、はないか
333名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 19:33:55 ID:z0+MqSXa
VIPのツンドラひたぎさんいいなぁ
ひたぎさんはツンツンなのがいいんだけど
難しくて書けないよ
334名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 22:17:38 ID:z0+MqSXa
羽川音頭ではなかったね
ちょっと期待してたのになあ
八九寺Pの圧力が足りなかったか
335名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 05:04:37 ID:io3diTBW
>>332
同時期放送の絶望先生で歌ってたよ

・・・・八九寺Pの圧力じゃなきゃ一体どうしてピザ姉に・・・

・・・・・TNA版の羽川結構綺麗なんだよなあ・・・
336名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 07:30:18 ID:+2OEUD/q
TMAのっていつ発売なんだっけ?
337名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 08:24:30 ID:s36+cCbg
14話来た!
338名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 22:33:03 ID:4NS1rWpK
TMAってアレか、コスプレAVのか。

>>335
TNAだとハルク・ホーガンとかジェフ・ジャレットとかケビン・ナッシュとかになってしまうw
339名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 01:12:01 ID:qhyapMb6
羽川「You!!」
340名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 03:10:50 ID:n+bqZS0e
暦「羽川のオリンピックおっぱいスラム!」
341名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 16:43:26 ID:TIZCGASX
ちょっとパロディを書いてみようかな。
342名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 20:54:23 ID:m9clGOma
傾物語の次は……
『伊物語(イセモノガタリ)』
阿良々木さんがモテモテになるお話らしいよ!
343名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 22:01:43 ID:f/jBveSS
pv見てたらかれんビーに若干ふれてた。

OVAかなんかで偽と傷もやらんかね?
344名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 22:15:06 ID:qZuyUUMx
>>341
wktk
345名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 01:09:35 ID:Gd9U2I/0
では、へたくそですが

こよみサマー

僕、阿良々木は、二年間の時間を取り戻すつもりでいた。
それはなぜか、まともな大学に行くため。それもある。
だがもう一つ、大きな理由な理由があった。
それは、戦場ヶ原 ひたぎと同じ大学に行くためだった。
そのため、毎日交代で羽川と戦場ヶ原に勉強を教わっていた。
そんなある日、
「海へ行きましょう。」
簡単な一言だった。
「だけど戦場ヶ原、勉強はどうするんだ?」
「たまには息抜きしないと、体に悪いわ。それに羽川様、いや、羽川さんにも許可をとってるわ。」
「戦場ヶ原、また羽川に『様』ってけたよな?」
「そんなことあるわよ。」
「肯定した!!」
なぜ、羽川に『様』をつけるか、それは『偽物語』を読んでくれ。
「だから阿良々木君、勉強道具、水着、寝間着を持ってきてね。」
「あ、ああ。」
そして阿良々木暦は、家に帰った。

続きます。
346名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 01:41:18 ID:Gd9U2I/0
>>341>>345は同じ人
347名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 04:01:13 ID:pjcIKdmB
こよみサマー

僕こと阿良々木暦は二年間の時間を取り戻すつもりでいた。 取り戻すと言っても無駄にした青春ではない、無駄にした勉強時間である。
落ちこぼれの僕がなぜその気になったか。将来を考えてまともな大学に行くため。それもある。
だがもう一つの大きな理由、戦場ヶ原ひたぎとより多くの時間を過ごすために同じ大学に行く。動機が不純なのはわかっているが、別に悪いことでもないだろう。僕にとっても、家族にとっても、戦場ヶ原にとっても。
そのため高校最後の夏休みは羽川と戦場ヶ原に交代で毎日勉強を教わっていた。戦場ヶ原はともかく羽川には申し訳ないが大変ありがたいことである。
そんなある日。
「海へ行きましょう、阿良々木くん」
それは簡単な一言だった。
ともすればうっかり聞き流しそうになる戦場ヶ原の一言。
「海? だけど勉強はどうするんだ? 自分で言うのもなんだが、僕の成績にあまり余裕はないだろう?」
「たまには息抜きしないと体に悪いわ。それに羽川様、いえ、羽川さんにも許可をとってるわよ」
「おい戦場ヶ原、また羽川に『様』ってつけたか?」
「そんなことあるわよ」
「肯定したっ!?」
戦場ヶ原はなぜ羽川に『様』をつけるのか、それを僕は一応知っているが理由はまたの機会に。
だからまあこれはお約束のやりとりだと思ってくれ。
「だから阿良々木くん、勉強道具、水着、寝間着を用意しなさい。日時はまた知らせるわ」
「あ、ああ」
勉強道具って結局勉強するのかよ。
あと日時は相談じゃなくて一方的に決めるのか。
そんな突っ込みも出ないまま生返事をしてしまう。
『寝間着』
『寝間着』
『寝間着』
それは泊まり込みの意味に他ならない。
そして少し上の空でその日の勉強を終えた僕は帰路につく。


「いよっしゃああああああ!!」
348名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 17:58:15 ID:UNkAjUxE
続きはまだでしゅか?
349名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 23:32:31 ID:583XdY4t
はねかわああああ
350名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 00:38:41 ID:SKn5UmS/
くろね子さんに逢ひたひ
351名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 00:51:02 ID:I5dcs1ZD
えーと。こういう状況で続きを期待する場合は「わっふるわっふる」とカキコするんだったっけ。
352名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 01:33:15 ID:5t6MzBZI
八九寺のおっぱいが大きくなってるのに興奮した。
阿良々木さんのために大きくするなんてほんと八九寺はエロいなぁ
353名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 02:35:31 ID:XEVzw9Oj
え、八九寺の価値って成長しないところにあるんじゃないのか?
354名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 02:39:43 ID:5t6MzBZI
もちろんそれは正しい。けれど阿良々木さんが襲ってくる時には胸を大きくすることぐらいきっとできるよ!

修正で大きくするにしても月火ちゃんか千石越えそうなぐらいはあったよね。
355名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 03:04:56 ID:EtNDl1kz
そんなにあったか?
356名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 04:34:07 ID:5t6MzBZI
千石の手ブラと見比べると男の阿良々木さんの手がしっかり胸の隆起を揉んでて大きく見えるよ。
貧乳ロリでもいい。けどロリ巨乳でもいいんだよー 揉まれるgifは画像スレとか八九寺キャラスレとかにあるよ。
357名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 09:54:17 ID:38mw4BOA
もともと超小学生級って設定だろ
358名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 11:55:03 ID:8hmGT5s4
そして噛む力は骨を砕くw
八九寺にフェラだけはさせられんなwww
359名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 19:40:19 ID:6YdCUdUB
>>345>>347は何?
360名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 20:50:35 ID:Z7FfWl7A
傑作か?
361名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 00:40:49 ID:3pDV+kL4
ぶっちゃけXXXXX
362名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:00:47 ID:nARDA9G8
するがツーリング

放課後、僕が帰宅しようとすると、学校の正門のところで神原が待っていた。
「阿良々木先輩、新しく買ったという自転車というのはそれか?」
「ああ」
僕は傍らのぴかぴかの新しい自転車を止めて、相手にもじっくり見えるようにした。
ここのところ、僕の学業成績がとても良いのを両親がたいそう喜んで、ご褒美に買ってくれたのだ。
戦場ヶ原と羽川に交代で勉強をみてもらうようになってからというもの、僕の学力はめきめき上達し、試験の成績も
うなぎ登りに上昇していった。これはいわば、その成功報酬といったところだ。
「前乗ってたマウンテンバイクは壊れちゃったし、ずっとママチャリだったからな… ヘビーデューティーなやつを買ってもらったんだ」
「あのときはすまなかった、阿良々木先輩」
「あ、いや、そういう意味で言ったんじゃないよ」
「…実は、私もちょっと足腰を鍛えようと思って、祖父母にスポーツタイプの自転車を買ってもらったのだが」
「おう、神原も自転車買ったんだ」
「うん。GPSも付けてもらった」
「さすが、金持ってんなぁ〜」
「電動アシストなんかも付いている」
「…いや、お前には要らねーんじゃね?」
「サドルが気持ちい…」
「それは言わんでいい!!」
「それで、こんどツーリングにでも行こうと考えていたのだが、なにぶん、わたしは乗り始めたばかりの初心者なのでな… どうだろう、
阿良々木先輩、今度、私と二人でツーリングに行かないか?」
「そりゃ〜いいねぇ」
明るくて身体を動かすことが大好きな神原となら、ストイックな自転車ツーリングも、さぞや道中盛り上がることだろう。
「僕も新車の慣らしをしたいなと思っていたところなんだ」
ここんとこずぅー─っと試験勉強続きで、すっかりインドア派化してしまっていた僕としても、思いっきり身体を動かして、いろいろと
溜まったモノをズババァー─ッと発散したいところだった。
「チャリのツーリングだって、ソロでやるよりペアでやったほうが楽しいだろう」
「そりゃそうだ」
「セックスと同じで」
「だから、そっち方面に例えるんじゃない!」
363名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:02:34 ID:nARDA9G8
週末、お天気にも恵まれ、僕は早起きして神原邸へと向かった。
神原はすっかり旅支度を整え、門のところで待っていた。
「やぁ、阿良々木先輩」
まるでツール・ド・フランスを連想させるような、身体にピッタリとフィットしたサイクルジャージを見事に着こなした神原は、
見るからにアスリートといった感じだ。そして下は、お馴染みのスパッツ。
バスケで鍛えた無駄のない肉体が、ピッチリしたカラフルなサイクルウェアによって、さらに格好良く、美しく見える。
「お前、キマッてんな〜」
「私はシロウトだからな、カタチから入ってみたのだ。…阿良々木先輩はまったくもって普段通りだな」
「まぁな」
僕は上はスウェット、下はジャージというカジュアルな運動着。
「私としては、阿良々木先輩のほうも、身体のラインが出るような、ピチピチの出で立ちで来てくれるのを期待していたのだが」
「いや、そういったピチピチを着るのには抵抗が… ってか、そういうのって、スタイルによっぽど自信がないと着られないよな」
「確かに」
「自信あるんだ… ところで神原、今日はそのスパッツの下、…ちゃんと穿いてるんだよな?」
「ふふっ、ご想像にお任せしよう」
スパッツ関連にそれ以上言及するのは止めて、僕は神原のバイクに装着されたGPSの画面を覗き込んだ。
「おっ、タッチスクリーン式じゃないか。最新式だな」
「うむ、そうらしい」
「凄ぇなー、ナビ機能も付いてる」
「私にはよくわからないのだが」
「カーナビ感覚で使えるから、これがあれば、初めての道でも、目的地まで迷わないんだよ」
「そうなのか?」
「そうだよ」
「ふ〜ん」
「…なんと言うか、こういうのって、機械音痴のお前には、猫に小判みたいなもんなのかもしれないな」
「うん、私もそう思う」
「同意するんだ?」
「はげしく尿意」
「とっととトイレ行っとけ!」
364名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:05:02 ID:nARDA9G8
神原の用足しに同行して、まるで男友だちみたいに仲良くツレションしてから、僕たちは後ろにいろいろと荷物を括り付けた
チャリダースタイルで出発した。
取り敢えずは、チャリ道の先輩格として、僕が先導し、神原がそれに続くというフォーメーションで出発したのだが、のどかな田舎道を
のん気にだらだら走るだけのはずだった僕たちのツーリングは、しかし、のっけから弾丸と化した神原が猛ダッシュで捲ってきたのと、
僕がその挑発に大人気無くも乗ってしまったために、最初から抜きつ抜かれつのスプリント勝負になった。
「それそれそれそれ〜」
「なんのなんの〜」
いきなり始まった楽しいレースを僕たちは夢中になって楽しんだ。
久々に感じる、身体で風を切っている疾走感と、タフな好敵手とのチェイス、そして、競り勝った時の達成感。
市街地を抜け、すれ違う車が少なくなると、僕たちのつば競り合いはさらにヒートアップしていった。
僕は脚力にはけっこう自信があるほうなのだが、本物のアスリートガールである神原の脚力はその遥か上を行っていた。
ほっそりした太腿と、すらりと長い脛という華奢な見かけからは信じられないパワーとスタミナで、先行する僕をぐいぐいと
追い上げてくる。
追い抜き追い抜かれを繰り返すうち、いつの間にか、先を走る神原を風よけにするようにして、僕が続くという格好になった。
最初のころは追い風で、順調にスイスイ進んでいたのだが、次第に登り坂になってきて、おまけに向かい風が吹いてくると、
必死になって漕がないと前に進まない。そんなチャリにとって最悪のコンディションでも、神原はさながらトップスプリンターのように
空気抵抗をものともせず突っ切ってゆく。
僕はというと、そんな彼女の後ろに隠れて風圧を避けながら、追いすがるのがやっとだった。
神原の後ろ姿を拝みながら、僕は無意識に、彼女の贅肉の無い背中や、きゅっと締まったお尻、張りのある腿や脛などに
見蕩れてしまっていた。
どれだけ走ったろうか、随分と坂道を登ってきただけあって、僕たちはいつの間にか、うっそうとした山の中、薄暗い森に
囲まれた道を進んでいた。
心臓を早鐘のようにバクバクさせ、ふいごのように息を弾ませながら、やっとのことで後に付いていっていると、ふっと神原が
スローダウンして僕に並んだ。
「阿良々木先輩」
「はぁっ、はぁっ… どうした、神原」
紅潮した肌に汗をにじませているが、まだまだ息は上がっていない様子の神原が不安そうに言う。
「どうやら、道に迷ったみたいだ」
「迷った? GPSナビがあるだろ」
365名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:07:42 ID:nARDA9G8
「使い方がよく判らなくて…」
「…つうか、ここどこ?」
「わかんない…」
僕は神原の横に自転車を止め、GPSナビを覗き込んだ。女子の甘ったるい汗の匂いと、暖かい吐息に思わず、どぎまぎとする。
「いつの間にか県境まで来ちゃってるじゃんかよ! 今日中に帰れねーぞこんなん!」
とはいっても、これから元来た道を引き返すとしても、これまでに要したのと同じ時間と体力が要る。
神原はともかく、僕のほうは既にかなり消耗してしまっていた。
僕だけ残って、神原だけ一人先に帰ってもらおうかとも思ったが、神原が同意しそうになかったのと、こいつだけ返したところで
また迷ってしまう可能性大と考えると、一人で帰らせるわけにもいかなかった。
「となると…」
僕は、こいつの初ツーリングに同行していて良かったと思った。女の子がソロツーリング中に野宿というのは安全上、あまり
よろしくない。
「神原… どうやら、今夜はどこかに泊まることになりそうだ」
「ふふっ、阿良々木先輩と二人で?」
神原はどことなく嬉しそうだ。
「うん」
自転車ツーリングで道に迷ってしまったら、日暮れまでにその日の寝ぐらを確保しなければならない。
どこか屋根のある場所はないかと、僕は周りを見廻した。
「神原、シュラフは持ってきてないよな?」
「ああ、雨ガッパなら積んでるけど…」
「あれか…」
よりによって、あの雨ガッパかよ。
「…悪いけど僕、真っ暗の闇の中、あれを着た神原と朝まで一緒というのは、ちょっと勘弁して欲しいんだけど…」
「そうだな、申し訳ない…」
「そしたら、僕がその雨ガッパを着て寝るから、神原がシュラフを使ってくれ」
「いや、そんな…」
などと話しているうちにも、どんどん日は暮れてゆく。
取り敢えず、日が暮れてしまうまでは前に進むことにした。
366名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:12:23 ID:nARDA9G8
暗くなってきた道をしばらくゆくうちに、ふと僕は、小さな看板が道端に立っているのを見つけた。
生い茂った木葉になかば隠れていたその看板は、サビが浮いてボロボロになっていた。
夜目の利くヴァンパイア体質の僕でなければ見落としていただろう。
「神原、あれ!」
「なんだ、阿良々木先輩」
看板には、変色して消えかけた文字で『直江津温泉はこっち』とある。
「やったぞ阿良々木先輩、温泉宿だ」
「おかしいな、この辺に温泉なんかあったっけ…?」
「しかし阿良々木先輩、お陰でどうやら野宿は避けられそうだ」
神原に続いて、僕も看板に書かれた矢印の方向にハンドルを切った。
県道から外れて横道に入ると、あたりは林に囲まれ、月影すら届かない暗闇だった。
「あの看板、相当古かったな… もしかして、もうとっくに廃業してたりして」
「もしそうだったとしても、屋根があるだけましというものだ」
どこからか、川のせせらぎが聞こえてくる。最悪でも、飲み水は近くにあるようだ。
闇のなかを数十メートルも行かないうちに、ふいにぽっかりと開けた空間に出た。
それは、ある意味幻想的な、しかしあまりに即物的な光景だった。
僕たちの前に、山中には場違いな洋館がドー─ンッと立っていた。
赤や黄色、ピンクのけばけばしい外装、まるで砂漠の蜃気楼のようなアラビア風の尖塔、光り輝く色とりどりのネオン。
「神原、これは…」
「…どうやらここはラブホテルのようだな、阿良々木先輩」
「ホテルの名前が『直江津温泉』って… なんだよそりゃ…」
「いやしかし阿良々木先輩、これはまさしく天の思し召し」
「いや、でもな神原…」
「阿良々木先輩、いま私たちが置かれている状況では、えり好みなどしていられないのではないか?」
「それはそうなんだけど…」
「もっとも、阿良々木先輩が大自然の中、落ち葉のうえで私と性行為に及びたいというのであれば話は別だが」
「お前とそういった行為に及ぶつもりはねえよ!」
「冗談はこのくらいにして、阿良々木先輩」
神原が続けた。
367名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 10:17:41 ID:nARDA9G8
「実は、私もかなり疲れている。シャワーで汗を流して、ベッドの上でゆっくり休みたいのだ」
「…」
「もっとも、ステディである戦場ヶ原先輩とではなく、べつの女とラブホテルに入るというのは、阿良々木先輩にとって
はなはだ迷惑なハナシなのであろうが…」
「いや、べつに迷惑じゃない…」
こうなったら仕方ない。
「よし、ここに入るぞ神原」
「はげしく尿意」
「わかった、わかったから中に入ったら、さっさとトイレ行けよ!」
自転車を塀の横に止め、僕たちはホテルに入った。

売店でありったけのお菓子とペットボトルの清涼飲料水を買い、自転車を部屋まで運び込むと、僕たちは着ている服を脱いだ。
汗まみれのウェアを風呂場で洗い、水を切ってソファーの背もたれに広げたあと、バスタオル一丁の格好になった僕たちは、
向かい合って座り、お菓子をガツガツと食べ、ジュースをゴクゴクと回し飲みした。
「交代でシャワーを浴びようか… 先に浴びて来いよ神原」
「そうしよう… 左手の包帯も新しいのに換えたいし」
シャワーを浴びた後、僕たちはダブルベッドに身を投げ、無言のまま並んで横たわった。
僕の横、すぐ手の届くところに、胴にバスタオルを巻き付けただけの神原が仰向けで寝っ転がっている。
そういう僕だって、ハンディタオルを申し訳程度に腰に巻きつけただけという、あられもない格好だ。
彼女は、むき出しの素脚を投げ出すようにして、力尽きたように、ぐったりと横たわっていた。
本来ならば、僕はソファーで寝るべきだったのだろう。だが、ソファーの背もたれや手すりには、既に神原のスポーツブラやら
スパッツやらが掛けられていて(やっぱりパンツは穿いていなかった)、とてもリラックスして手足を伸ばせるような状況では
なかった。
「それにしても神原、お前強いな」
「そうかな〜?」
だらしなく尻をぼりぼりと掻きながら、神原が眠そうに答えた。
「お前、マジで世界選手権とか出られるんじゃね?」
「またまた〜 …まぁ、それもこれもみんな、この左腕の馬鹿力のお陰なのだがな」
「いや、左腕じゃなくて、その脚力のことを言ってんだよ。お前、なんか禁止薬物とか使ってんじゃね? テストステロンとか」
「そんなの使ったら、男っぽくなっちゃうじゃん… そんなことより阿良々木先輩、もう脚が張ってパンパンだ… すまないが、
マッサージをお願いできないだろうか」
368名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 11:11:44 ID:csbqCYVQ
神原きたあ
369名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 11:51:31 ID:Icdv6PsB
神原は自転車に乗れないのでは
370名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 12:02:25 ID:OXSFLnOo
というか二人の語尾や言葉遣いに違和感ありまくりなんだがわざとか? あと「はげしく尿意」がキモいし古い。
371名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 12:31:09 ID:4JYGh67b
俺は別に気にならんかった。
気になった点はひとつ。なぜ途中で切る。
372名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 13:08:21 ID:cAWcAQIG
>>370
そこはナチュラルにトイレに同行するらぎ子ちゃんに対してツッコむポイントだ
373名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 15:43:04 ID:OXSFLnOo
いや、「はげしく尿意」ってすげー昔の2ちゃん語じゃん……
374名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 19:15:21 ID:gxk894w3
はげしく尿意が出るたびに吹き出しちまった
375名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 19:19:37 ID:NBlwCmyS
ここは書き込めるのか
376名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 19:56:41 ID:635fObPF
はげしく尿意は面白かった。
まあ、ところどころ言葉に違和感(特に神原)はあったが、
基本的には>>371に同意w
377名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 18:44:26 ID:NS47nl7G
復活したか
378名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 22:04:30 ID:Jx5L1/aR
>>369
「だからこそ初心者と言っているのだ、いや、『初めて』の方が適切かな…それとも処じ…」
「わかった!わかったから神原!とりあえず走るぞ!」
379名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 02:41:23 ID:fZMoh7n7
>>378
佰では初心者どうの、じゃなくて「はげしく乗れない」状態で、
同軸上の二輪に体を預けて脚を回転させるなど恐ろしいとまで言ってるから、
買って貰ったからと言って練習ナシで乗れるってのは・・と言いたいんじゃないかな、>>369氏は。
380名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 02:45:40 ID:6rYmgh9a
百の設定までは知らないぜ。ある程度はしょうがなくね。
381名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 03:25:50 ID:vKPuXywP
レーパン(サイクル用のスパッツ)って基本パンツ履かないんだぜ…?
382名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 09:53:14 ID:5N8klAHE
なんだか公式設定と大幅に乖離したモンを書いちまったみたいだな…
便所の落書きと思って堪忍してくれや
383名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 09:58:37 ID:ZK2mfVZf
きっとタイヤにジャイロが仕込んであったに違いない
384名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 10:01:36 ID:05af5cNg
ニョホッ
385名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 21:42:15 ID:yWzJ1LIi
頑張れ
386名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 22:44:41 ID:BAqxbnOM
>>382
そんなに違和感はないと思うぞ。
神原っぽい感じが良く出ていると思う。
この前みかけたアリャリャ木さんがガハラさんを振って八九寺と恋仲になるっぽい話に比べたら
よっぽど公式設定に準拠してると思う。
387名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 00:12:14 ID:xZGAuA5n
他を貶さないと褒めることが出来ないってのは心が貧しい証拠だって
狐さんが言ってた
388名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 00:12:23 ID:Up5M/AnB
「実は補助輪が付いているんだ」
「背徳的な絵だな・・・」
389名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 00:58:54 ID:z+3hizCS
「嫌がる私を阿良々木先輩が無理矢理ッ……!」
「ただの特訓を紛らわしい言い方にするな、神原後輩。しかも強制されて悦んでたじゃねえか」
「ふふふ、阿良々木先輩の愛の鞭はなかなか過激だったぞ」
「すぐに乗りこなした上に、勝手に人の自転車を持ち去った奴の台詞じゃねえ……」
「うん、それについては本当に済まない事をした。許してくれ、このとおりだ。
 ただ、どうしてもあの自転車のサドルが欲しかった私の気持ちも理解して貰いたい」
「初耳だぞ!?なんだその衝撃の真実は!っていうかもうオチが見えたからそれ以上何も言うな!」
「さすが阿良々木先輩は慧眼だな。そうなのだ、実は私は毎晩サドルを使って――」
「だから聞きたくないっつってんだろうが!ちったあ僕の話も聞けよ!」
390名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 01:25:43 ID:GoytkCe5
>>386 のガハラさんを振る人畜さんの話が気になる
391名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 10:03:59 ID:+ter0exu
>>382
賑やかしとツッコミと、叩きと揶揄と、単なる混ぜっ返しは、各々分けて
考えるべきだと思う。続けて貰いたいものだ、と僕はキメ(w
392名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 16:29:51 ID:cFkgXR1P
わっふるわっふる
393名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 17:20:35 ID:5hjrHjgt
注意

ブルーレイorDVDを見ていない、もしくは見てもキャラクターコメンタリーを
聞いていない人にはさっぱりな内容が含まれています。
これから見るぜー! 見まくるぜー!な人はご注意ください。
また、見ているからと言って内容が理解できる事を保証するものでは
ありません。あしからずご了承ください。

では、小ネタですが、どうぞ。
394名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 17:21:33 ID:5hjrHjgt
「神原が自転車に乗れないという設定が問題?」
「ああ、まあ、そういう話が出てるんだが……」
「それなら、解決するのは簡単ね。阿良々木君が大学に受からないのより簡単だわ」
「なんだ? 自転車に乗れるようになる秘策とかあるのか? あいつは二輪特有のあの
 バランス取り自体が恐ろしいと言うレベルで自転車に乗れないんだが……って、
 僕が大学に受からない確率はそんなに高いのかよ!?」
「あら、これはなんというのかしら……ワカメツッコミ?」
「ノリツッコミだよ。なんで僕がパンツを常時見せびらかしながらツッコミ入れてるような
 言い方をされなきゃならないんだ」
「失礼。噛んだわ」
「いや、全然噛んで無いし、そもそもそれは八九寺の持ちネタだっ!」
「八九寺……ああ、あの私には見えない……。あの娘とはまだ一度も会話をした事が無いの
 だけれど、こんなネタを持っているの?」
「まさか、偶然の一致だと言い張るつもりなのか?」
「当たり前じゃない。私は自分のオリジナリティに絶対の自信を持っているわ」
「まあ、確かにお前の独創的な性格は、二つとあっちゃいけない類のものだけどな……」
「流石の自分大好きひたぎさんである所のこの私、戦場ヶ原ひたぎと言えども、自分の告白
 シーンなんてものをそう何度も見たいとは思わないから、化物語ブルーレイorDVD第二巻、
 まよいマイマイは、ほんの両手で数えられない回数くらいしか見ていないわ」
「見てるのかよ!? しかも十回以上! 喜んでいいのか僕は!?」
「あ」
「あ、じゃないぞ、戦場ヶ原……」
「失礼。滑ったわ。口が」
「……つまり、わざとなんだな?」
「パクりました」
「認めたー!?」
「朴哲弘がいた」
「総合格闘技のあんまり有名というわけでもない選手の名前とか誰も知らねえよ!山本KID徳郁と
 同じジムだとか言われてもさっぱりピンと来ないだろ!?」
「サインは貰っておいたわ、一応」
「貰ったんだ……」
「まあ、あまりやると八九寺Pの圧力バーイ羽川さん命名が怖いから、このくらいにしておきましょう」
「何なんだこのメタ含みなやりとりは……しかもブルーレイorDVD限定生産版持ってない人は
 置いてけぼりじゃないか……」
「あら、持っている人ならついてこれていると思っているのかしら?」
「それは言うな!」
395名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 17:21:43 ID:5hjrHjgt
「で、何の話だったかしら。阿良々木君がアクメ自転車男バージョンに果敢にも挑戦しようとしている、
 という話だったような気がするのだけれど」
「全然違うよ! 神原が自転車に乗れないって話だ! というか何に挑戦させるつもりだよ!?」
「ああ、そうだったわね」
「頼むぜ、ホントに……で、何か策があるんだろう?」
「ええ、簡単な事よ。神原を自転車に乗せるには、私が一言言えばそれで済むわ」
「なんて?」
「神原、自転車に乗れるようになりなさい」
「……ああ、そりゃ、確かに三分で乗れるようになりそうだな」
「もちろん、神原が何か自転車にトラウマのような物を持っていて忌避していると言うのならば、
 私としては無理強いする事はできないわけだけれど……」
「うーん、そういうのは特に無かったんじゃないかな? ちょっと何て言ってたか確認してみないと、
 はっきりとは言えないけどな」
「というわけで、神原については、公式設定との誤差を埋める方法は簡単よ。ひたぎさんが
 無理難題ふっかけた結果、こうなりました、と言い訳しておけばいいのよ」
「いや、でも……いいのか、それ?」
「あら、何か問題でもあるのかしら、阿良々木君?」
「なんか、お前のイメージが悪くなりそうな気が……」
「その点もぬかりは無いわ。どうしてひたぎさんがそんな無理難題を言ったのか、という疑問にも、
 ちゃんと答えを用意しているもの」
「へえ、用意周到だな」
「エロ魔神の名をほしいままにするエロロリ木君に無理やり言わされて……よよよ」
「待てぇ!? よよよ……じゃねえっ! それ、全部僕が悪いって事になるじゃねえか!?」
「阿良々木君の滅私奉公っぷりを考えた結果、このくらいは楽勝という計算になったのだけれど……」
「どういう計算だよ!」
「私持ち前の悪意に、盛大なイタズラ心をかけて、僅かな自制心を引いてみたわ」
「完全に暴走してるじゃねえか!?」
「失礼。加味し忘れました」
「……何をだ」
「私の阿良々木君への愛」
「……な、その……いきなりそういう事を言われると、リアクションに困るんだけどな……」
「失礼、噛みました」
「何をだ!?」
「私の阿良々木君への哀」
「憐れまているっ!?」
「ま、戯言なのだけれど」
「……そう言っとけば丸く収められる便利な言葉だよな、それ」
「ま、四割は戯言なのだけれど」
「六割本気だとっ!?」
「とにかく、多少の設定の誤差は、神原の場合は私や阿良々木君、私の場合は羽川さん、阿良々木君
 の場合は私や羽川さんに指令を受けてそうなった、という風に解釈をすればいいんじゃない?」
「その結論に至るまでに、僕の心をズタボロにする必要がどこにあったんだか、訊いてもいいか?」
「駄目よ」
「駄目なのかよ!?」
「とにかく、そういう感じで脳内補完及び設定上の言い訳は付くんじゃないかしら」
「まあ、そうだな」
「というわけで、本題はわずかニ、三行で終わったわけだけれど……オチが無いわね」
「いいよ、無理してつけなくても。だいたい僕がヒドイ目に遭うんだからな」
「そう。阿良々木君はノーブラがいい、と」
「なんでそうなる!?」
「それは簡単な話よ。オチはつけなくていい……つまり、オチはブラをつけなくてもいい……」
「どういう脳みそをしてるんだよお前は!? 神原のエロ師匠だっただけはあるな!」
「ま、上手い事言った所で、お開きにしましょう」
「あんまり上手くないぞ……それに、結局オチてないのな……」
「まあ、私は阿良々木君に落とされたんだけどね」
「またしても上手くない上に恥ずかしいだとっ!? ええい、終わりだ終わりだ!」

                                            gdgdなまま終わり
396名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 18:29:52 ID:Y3+ZmAUw
さっすが>>395!俺達に出来ないことを平然とやってのける!そこにシビれる あこがれるゥ!
397名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:41:03 ID:qCMPtaG3
この板に戯言のSSとか書いていいですか?
構想だけ頭にあるんですけど
398名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:47:08 ID:5hjrHjgt
全然問題ない。
戯言でもリスカでもニンギョウでも何でも来い来い。
399名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:13:33 ID:/WvBdrfs
だめ



な理由がない。むしろ早くするといい。

しかしつばさキャット下が6月とな
400名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:19:32 ID:5hjrHjgt
わぁお、な〜んてこった〜い。
401名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:22:28 ID:6TP6sp2Q
3ヶ月もしたらもう忘れてるがな
402名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 21:17:29 ID:JdnmxBnU
>>390
すまん、どこで見たか覚えてない。
なんかのSSを探していて間違って辿り着いた所にあった。
403名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 21:31:08 ID:GoytkCe5
>>402
あらま残念


>>395
ナイスガハラ!
ガハラ分が足りなかったので
満足しました
404名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 00:46:49 ID:ORcOcsLc
6/9って、なんだかエロいな!
405Roseman ◆QXQSREsB9Q :2010/03/05(金) 02:13:55 ID:KTC9I8uP
規制の間に書き溜めていたSSのデータが全滅した…死に体orz
昨日人からパクってきたばかりのカッターで僕を蜂の巣にして下さいガハラさん
406名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 06:50:14 ID:hQcnepii
>>403
記憶をたどって探してきた。
でもガハラさんは出てこないよ。
ttp://rinshan.hp.infoseek.co.jp/bakeff/bake01.html
407名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 16:38:30 ID:gOxilRqJ
エロがないとこ以外はむしろいい出来じゃない。
ただガハラさんと付き合ってないという設定なだけで。
まあこのスレの阿良々木さんはガハラさんと付き合ってるはずなのに
ガハラさんとエッチはほとんどしてないけどね!
408名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 18:01:46 ID:Fg6mwGpu
「らぎこちゃん、空気、好き?」
わからない。
「らぎこちゃん、水、好き?」
わからない。
「らぎこちゃん、青空、好き?」
わからない。
「らぎこちゃん、太陽、好き?」
わからない。
「らぎこちゃん、戦場ヶ原ひたぎのこと――好き?」
409神原と八九寺で2レスずつほどいただきます:2010/03/05(金) 21:29:30 ID:tmnCOkgk
阿良々木「よう神原。いったいどうしたんだ、こんなところに呼び出して?しかも慣れないケータイなんか使って」

神原「阿良々木先輩……/////」

阿良々木「どうしたんだ神原、そんなに顔を真っ赤にして。トイレか?」

神原「そ、その…………………す…………れ」ボソッ

阿良々木「え?なんだって?」

神原「わっ、わ…しに…す………て…れ」

阿良々木「鷲に捨てれ?」

神原「違うっ!」

阿良々木「なんだよ怒るなよ、それしか聞き取れなかったんだ。で、何?」

神原「うぅ……」

阿良々木「なんだかはっきりしないな。お前らしくないぞ、神原」

神原「だ…だからっ……!」

阿良々木「うん」

神原「わ、私にきっ、キスをしてくれっ、阿良々木先輩っ!/////」

阿良々木「うん……うん?」

神原「/////」カァァ…

阿良々木「え……」

神原「お願いだ阿良々木先輩……私に、キスをしてくれ」ギュッ

阿良々木「な……あ……え?(うわ……手、掴まれて……)」ドキッ

神原「阿良々木先輩……」ウルッ

阿良々木「ちょ……ちょっと待て神原。い、意味が……(神原の手、柔らかくて気持ちいい……)」ドキドキ

神原「私はこれでも女の子なのだぞ、阿良々木先輩。そんな女の子にみなまで言わせるつもりか……?」

阿良々木「そ、それって……(ぼ……僕のこと……)」

神原「阿良々木先輩……」グイッ

阿良々木「ぅわ……ちょっ、神原……顔、ちか……(神原の唇……柔らかそう……)」

神原「(あと少し……)阿良々木先輩……一回、一回だけでいいから……」スッ…

阿良々木「か、神原(かっ、可愛い)/////」ドキッ

神原「阿良々木先輩……(早く……!)」

阿良々木「神原……」ドキドキ
410すいません3レスで:2010/03/05(金) 21:31:45 ID:tmnCOkgk
ビ――――――――――――――――――――――――ッ!!!!

阿良々木「!?うわっ!?アラーム!?」

神原「……くっ、私の負けか……」スッ…

阿良々木「え?」

戦場ヶ原「惜しかったわね、神原。あと5秒あったら、私の負けだったでしょうね」

阿良々木「せっ、戦場ヶ原!?」

神原「ああ……本当に惜しかった」

阿良々木「何だ!?一体どうなっているんだ!?」

戦場ヶ原「説明してあげるわ。私と神原で勝負をしていたのよ、阿良々木君」

阿良々木「勝負?」

神原「阿良々木先輩は優しいから、女の子に迫られたらきっと流されてしまうだろうと私が戦場ヶ原先輩に言ったのだ。
   そうしたら、じゃあ1分間阿良々木先輩が耐えられるかどうか、試してみようと戦場ヶ原先輩が言うのでな。
   私がその役を買って出たのだ」

阿良々木「買って出たのだ、じゃあねえよ!僕がお前にキスしてたら一体どうするつもりだったんだ神原!」

神原「そりゃあもう。私の洗練された舌技を持って、貪るように阿良々木先輩の口腔内を犯しまくっていたさ」

阿良々木「ひい!?じゃあさっきのいかにも乙女っぽい恥らいを持つ神原は!?全部演技だったのか!?」

神原「ああそうだとも!」

阿良々木「堂々と言い切った!?」

戦場ヶ原「それはそうと阿良々木君、さっき神原に迫られた時、どんな気持ちだったのかしら?
     私の見間違えでなければ、顔が少し赤くなっていたような気がするのだけれど」

阿良々木「そっ、それは……!」

神原「阿良々木先輩……実はさっきまで私たちは阿良々木先輩に振舞うための料理をしていたのだ」ボソッ

阿良々木「それはとても喜ばしいことなのだけれど、それが一体全体どうしたというんだ、神原?」ボソッ

神原「わからないのか、阿良々木先輩?料理に使うものと言ったら……」

ビュッ!ドスッ!
411名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 21:32:12 ID:tmnCOkgk
阿良々木「……っ!ほ、包丁が……」

神原「コンクリートの壁にっ……!」

戦場ヶ原「コソコソ二人で話をするのはやめてくれないかしら、阿良々木君。それに神原」

神原・阿良々木『はっ、ハイい!!』

戦場ヶ原「あら、息ぴったりね。なんだか妬けちゃうわ」クスクス

神原・阿良々木『ひいっ!!』

戦場ヶ原「まあ私が言い出したことだから百歩譲って神原は許すとして……阿良々木君?」

阿良々木「はいぃ!!」

戦場ヶ原「……覚悟してね?」ギラリ

阿良々木「っ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

ドスンバキン

阿良々木「ゆっ、許してくれ戦場ヶ原!!いやお願いします命だけは!」

戦場ヶ原「あら何を許すのかしら、阿良々木君?」クスクスクスクスクスクス…

阿良々木「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい(ry」

ズドーン!ドコーン!バコーン!チュドーン!



神原「(阿良々木先輩と、キス……したかったなあ……)/////」
412八九寺のほう:2010/03/05(金) 21:34:34 ID:tmnCOkgk
八九寺「おや、ららちゃんじゃあありませんか」

阿良々木「僕を僕の下の妹の昔のあだ名みたいに呼ぶんじゃない八九寺。僕の名前は阿良々木暦だ」

八九寺「失礼、かみまみた」

阿良々木「お約束がはしょられている!?」

八九寺「そんなことより阿良々木さん」

阿良々木「なんだ八九寺」

八九寺「……うさみえちしあおをとこなたなあひさたw」

阿良々木「……?なんだその意味不明な台詞は。しかも最後に草生えてるぞ」

八九寺「……少し難しすぎましたかね、これくらいなら阿良々木さんにもわかると思ったのですが。
    ……まあ後日羽川様あたりにでも聞いてみてください」

阿良々木「お前まで羽川を『様』呼ばわり!?ていうか今のその台詞に意味なんかあるのか?」

八九寺「……さあ?知りませんねそんなこと」

阿良々木「……?まあいいか、それこそ羽川にでも聞いてみるよ」

八九寺「……本当は阿良々木さんご自身に気が付いてほしいのですが……」ボソ

阿良々木「え?今のそれってどういう意味なんだ、八九寺?」

八九寺「しっ、知りません、そんなこと!」

阿良々木「?」

八九寺「それではまた後日遭いましょう、阿良々木さん。それまでにきちんと答えを考えておいてくださいね」

阿良々木「ああ、わかったよ。またな八九寺」

八九寺「絶対ですからね、阿良々木さん!」ノシ(ブンブン

阿良々木「……」ノシ(ヒラヒラ

阿良々木「……まったくこんなの、羽川に聞くまでもないっつの」ハァ


阿良々木「いおやみずきたほずれちしあおとこねあもおむこおb」



駄文失礼
413名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 21:36:42 ID:kGGjKBaa

     /.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
    /: : :             \
  /: : : :            \
/: : : : : :               \     
: : : : : : : :.._        _      \    
: : : : : : : ´⌒\,, ;、、、/⌒`        l
: : : : ::;;( ● )::::ノヽ::::::( ● );;:::    |   
: : : : : : ´"''",       "''"´       l  
: : : : : : . . (    j    )/       /  
\: : : : : : :.`ー-‐'´`ー-‐'′    /         
/ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : イ\     
: : : : : : : : : :.``ー- -‐'"´        \      
: : : : . : : . : : .                   \

414名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 21:36:42 ID:HixqvlCW
なんていうかがんばれ
415名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 22:19:43 ID:tmnCOkgk
精進する
416名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 22:23:00 ID:3oKvV27M
うん、精進するなら応援する
G(がんばれ)J(じかい)
417名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 22:28:21 ID:G+rkA4Gr
携帯向けブログ等では改行を多用するらしい
418名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 22:30:20 ID:ORcOcsLc
なんだ、滅茶苦茶温かいなこのスレ!
心温かなお前らに感動したよ、書き手も読み手もGJ!
419名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 23:02:25 ID:U6xlLdsM
書き手スレってのがあってテンプレに基本(推奨)ルールみたいのがあったりするから読んでくるといいよ
420半実話 ◆VEKC7A6llk :2010/03/05(金) 23:04:10 ID:RN+/vr4W
えっと>>397です。
巫女子×いーちゃんです
ぶっちゃけ自分でなにしてるかもわからなくなってきました
駄文ですがどうぞ
421半実話 ◆VEKC7A6llk :2010/03/05(金) 23:05:06 ID:RN+/vr4W
「そんないっくんの事が、大好きです」
 彼女、葵井巫女子はそう言った
 ぼくこと戯言使いはこう言った
「喜んで、いいのかな」
 そしてこう続ける
「だけど、付き合えない」
 驚きと納得、喜びと悲しみという、相反してると言えなくも無い感情の入り混じった表情をしている巫女子ちゃんを無視して更に続ける、会話のキャッチボールなんてクスくらえだ
「ぼくには今のところ恋人は居ないけど、愛している、と言えばまぁ、間違ってはいない人がいる、うん、言うなれば愛人だね、愛人がいる」
 或いは変人だね、と更に僕は言葉を繋げる
 
「それで、その愛人から「浮気はダメ、ほっぺにちゅーまでならOK」って言われてるんだ、まぁ浮気とかそんな事忠告したりされたりするような嬉しいのか否か解らない関係になった覚えはないんだけどね。」勿論本当はそんな理由なんかではない。
ますます失敗したプースカフェみたいな表情になる巫女子ちゃん、ここまで来るとなんだか可愛らしいとさえも思う
 だが、止めを刺さなくてはならない
 だってぼくは戯言使いなんだから
      トドメヲ
        サソウ
    コノイタイケナショウジョニ
  トドメヲ
「だから君とは」
 付き合えない、と、今度は続けられなかった
 それは、ほっぺたに温かいナニカが当たったからだ。
 そしてぼくの意識を思考から視覚へと移すと、そこには巫女子ちゃんの首があった。
 それこそ絞めれば折れそうな、智恵ちゃんのように絞めてられれば、一分足らずで死んでしまいそうな首があった。
 極簡単に説明すると、ほっぺたにキスされた。
 そして巫女子ちゃんは言った
「ほっぺにちゅーから、始めてください」
 どうしよう、断る理由がない
 どうしようコロンブス先生、マグロあげるから助けて
 いや全く意味がわからないけど
「おねがいします!」
・ ・・まぁいいだろう、所詮は、勘違いで、傑作で、戯言なんだから
本当に、本当に本当に・・・戯言だ
422半実話 ◆VEKC7A6llk :2010/03/05(金) 23:06:52 ID:RN+/vr4W
すいません改行が変なのでかなり読みにくいです。
未熟でした
423名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 23:13:02 ID:dENUyI4j
キニスルナ
424名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 00:23:26 ID:LuJ/KDnj
《世界的若き天才マジシャン、ただしもうすぐ魔法使い》みたいなっ!
ともかく化以外の作品も増えるといいな。
425名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 00:29:15 ID:GVehePme
>>422
いや、それっぽい雰囲気もあって俺は好きだよ
ただ一つ言うことがあるとすれば、続きマダー?それだけです
426名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 01:05:04 ID:clE9gzpz
つまり纏めるとほっぺにちゅーからなんやかんやになるまでの過程が描かれるということだな
続きマダー
427名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 14:26:50 ID:3uqXZ2/I
>>422
状況描写と心理描写が甘い





続きマダー
428名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 16:16:53 ID:3rNmQOCw
哀川さ……潤さん、質問です
他スレで投下したSSの加筆修正をここに投下してもいいもんなんでしょうか?
修正前で約50kbなんですけど……
え? 内容、ですか?
決まってますよ
ぼくに吐ける言葉なんて
そんなもの
「戯言」
しかないでしょう?
429名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 16:19:54 ID:gqx9LZls
ふふ、誘い受けは不許可。
430名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 16:27:53 ID:IPAnbc2r
真理だな
431あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:41:31 ID:3rNmQOCw
その日、ぼくと零崎は困っていた。端的に言って困っていた。
「……傑作じゃないか、人間失格?」
「……いや、この状況こそ戯言ってヤツだろ、欠陥製品」
吹く風が冷たい。どころではない。バナナで釘が打てるとはよく聞く表現ではあるけれど、まさか生きている間にそれをこの眼で見れるとは思わなかった。
……屋外で。もう一度言う。屋外だ。
ほらほら、いーちゃん。優しいアタシはちゃーんとバナナ持って来たぜ、と。ぼくらをこんなところに拉致した赤い張本人は笑っていた。
笑って、いた。
――悪魔だ。
天災。
人間竜巻。
赤い征裁。
哀川潤は――悪魔だ。
ぼくはもう彼女の事を名前で呼んだりはしないだろう。アタシを苗字で呼ぶのは敵だけだ、と常套句の様にそう言われようと。
「そもそも、商売『敵』だしね」
「かははっ、確かにそうだ。傑作だな」
「戯言だよ」
ぼくらは笑う。「極地使用」のゴツいコートを着けて、吐息が口から排出された傍から凍っていった。
「で、ここはどこだよ、欠陥製品?」
「ぼくが聞きたいところだ、人間失格。多分、南極か北極かどちらかだとは思うけれど」
だけど正直、今のぼくらにとって踏みしめた氷の下に地面が有ろうが無かろうが、そんな事に何の意味が有るって言うのか。
「笑えねえな」
「いや、笑うしかないよね」
再度言う。ぼくと零崎は困り果てていた。

西東天――人類最悪がまた周期的に繰り返される痴事を始めたらしいと聞かされて。その一端に噛む事を決意したのが一週間前。
その後、彼が所有しているであろう殺し名呪い名からの、ボディーガードとして零崎がどこからともなく現れて。
まあ、零崎が神出鬼没なのは今に始まった事ではないけれど。
この間、京都のコンビニで少年ジャンプを立ち読みしてたし。
それは置いておくとして。
「おいおい、いーちゃん。そりゃ大問題だろ。いつまでも子供心を持ち続けていようぜ」
「……別にぼくは少年ジャンプを読んでいた事を咎めてる訳じゃない」
「お前と俺は水面の向こう側だ。一人だけ先んじて大人になろうなんてのは無理なんだよ。人生は諦めが肝心、ってな」
殺人鬼に人生を説かれたくなんてないな。
「ぼくはマガジン派なんだよ」
ちなみに人類最悪はサンデー派らしい。
――えー、こほん。話を戻す。
そして、なんやかんや有象無象が出て来ていつもの通りに全てが有耶無耶に雲散霧消した――その、挙句の果てに。
ぼくと零崎は何の因果か世界の果てに来ていた、と。
「ここから先は勇者一人で行かなきゃなんねぇんだよな?」
「それは『がいあのへそ』だ」
嗚呼、なんという戯言だろう。
432あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:42:14 ID:3rNmQOCw
「……で、いーたん?」
「なんだ、ぜろりん?」
いーたんぜろりん。なんかコンビ名みたいだ。それも二昔前の。
「どうやって帰るよ?」
ぼくは顔を背けた。決して返答に困ったからじゃない。ただ、顔面刺青が余りに見るに耐えなかっただけ。
決して返答に困った訳じゃない。
だって、顔面刺青って。
ねぇ?
どうなんだよ、そのセンス。
中学生かよ。
「おい、目と話を逸らすな」
「ぼくから『話を逸らす』を取ったら何も残らない」
「戯言遣い」が只の「遣い」になってしまう。初めてのお遣い、的な。
「だったら俺なんか散々だぜ、いーちゃん。殺し名の零崎一賊。殺人鬼の一員なのに『殺せない』んだからな。『鬼』なんて言われても反応に困っちまう。傑作だろ」
「いいじゃんか。これを機に真っ当に生きてみたらどうかな、ぜろりん」
そう軽く言うと零崎は刺青で彩られた少年のような顔を少し歪めた。
「こないだ、コンビニでバイトしてたら」
……殺人鬼がレジ打ちをするコンビニエンスストア。そもそも、よくそんなナリで採用して貰えたなあ。脅したんじゃないだろうな。
「そのコンビニ、俺がシフト入って二日目に廃墟になったんだよ」
そう言って、顔面刺青は溜息を吐いた。溜息はすぐに凍ってしまう。
「殺せない殺人鬼ってのは、格好の的だよなぁ、オイ」
どうやら、零崎は零崎で大変な人生を送っている様だった。ぼくとしては祈る事しか出来ない。
……祈る以上の事なんてしたくないし。
「だったらさ。このまま、ここに永住してみたら?」
うっかり殺してしまうような相手も居ないし、流石にこんなところ(極地)にまでコイツを殺しに来る暇な殺し名もいないと思う次第。
だって、彼らはプロだから。
仕事として割の合わない事は、やらないだろう。と言うか、普通にこんな所は来たくない。
「ヤだよ。だってここ、コンビニもカラオケも漫画喫茶も無えじゃん」
中々、零崎は賊っぽい訂正俗っぽい趣味の持ち主だった。
「つーかさ、こう寒いと肉まん食いたくならねえ?」
「ぼくはあんまん派なんだよ」
水面の向こう側。鏡写しの人間失格と欠陥製品の只一つの差異は、優しさとかそんなのじゃない。
勘違いしないで貰いたい。ぼくは決して優しくなんて、ない。
ぼくと彼の違いは、端的に言えば趣味嗜好の違いだ。
ぼくは紅茶派。零崎はコーヒー党。
何かにつけて、ぼくと零崎の間で共通認識は得られている、まるで双児の様なぼくたちだけれど。
こういった方向に関してのみ、一度として意見が合った時が無い。
いや、一つだけ共通していた。
人を殺すのが好きか嫌いか。
この質問にだけならば、ぼくらの回答は一致している。

「そんなのはどっちでも、同じ事」だ。
433あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:43:00 ID:3rNmQOCw
北極か南極か。とりあえず極地である事には変わりが無いそこ。
ぼくと零崎は掘っ建て小屋(前線基地?)で時間を潰す事にした。
当然と言うか、何と言おうか。西東天の元アジト(彼は秘密基地とか第三帝国とか言っていた)には人気が無い。静かなもので。まるで真夜中みたいに、ひっそりと静まりかえっていた。
第十一期十三階段は、既に全員撤退済みだ。
ちなみに。今回もノイズ君は哀川さんの引き立て役。
彼ももう、狐さんに付き合うのは辞めれば良いと思うんだけど。
あんな中年に付き合っても、良い事ないよ。もう七年は付き合ってるぼくが保障する。保障出来るのが、とても切ないけれど。
大体、ノイズくんってば。十一回出て来て、十一回ともリタイアの理由が「交通事故」って……名前は無いのに、凄く根性が有るよね。
以下、彼が意識を失う前に口にした台詞。
「……死にタイ気分ダ」
十三階段って労災下りるのかなあ……。下りねえだろうなあ……。

ぼくらがアジトの休憩室で救助が来るまで暖を取っていようとの合意に達して、その部屋の扉を開けた時。
ソイツは、そこにいた。
いつもの様に、偉そうに。
いつもの様に、大胆不敵に。
いつもの様に、威風堂々と。
「よお、また縁が『合』ったな、俺の敵」
西東天は、そこに居た。
休憩室に備え付けの自動販売機。ちなみにコカコーラ社仕様。
その機械の、下部の隙間に右手を差し入れている、見ようによってはヨガのポーズにも見えなくは無い、そんな体勢を取っている――。
――人類最悪がそこには居た。
……。
…………うん。確かに。最悪に格好悪い事は間違いない。
ぼく は 咄嗟に 他人の振り を したっ !
零崎 は 口笛を 吹き始め たっ!
「なあ、いーちゃん。こんな極地にもコカコーラの配達員って来るモンなんだな」
「ああ、ぜろりん。世界一の清涼飲料水メーカーの名前は伊達じゃないんだよ」

「おい、丁度良い所に来たな、人類最弱。お前に俺を助けさせてやる」

――無視。
「温かいコーヒーとか、マジで助かる」
「小銭持ってるか? ぼくはミルクティで頼む」
「おっけー」
「さんきゅー。愛してるぜ、ぜろりん」

「俺はそこのコーンポタージュだ」

――無視。
「オイオイ、『愛してる』なんて戯言にも程が有るだろ、欠陥製品」
「傑作、じゃないかな?」

「俺とお前らの仲だろ。固い事は言いっこ無しにしようぜ」

「黙ってろ」
「黙ってろ」
ぼくと零崎の意思が一つになった瞬間だった。
434あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:43:34 ID:3rNmQOCw
「で……どうするよ、いーちゃん?」
「……どうしようか、ぜろりん?」
その日、ぼくと零崎は困っていた。端的に言って困っていた。
弱り果てていた。
「どうするもこうするも無い。お前らに出来るのは一つだけだ。つまり、俺の右腕を救出する事だけだろう」
西東天は、人類最悪は、かつてのラスボスは、無様にも自動販売機相手に敗北していた。
「俺は小銭は持ち歩かん主義でな。財布には万札とクレジットカードしか入ってない」
「そうですか」
「だが、この自販機には千円札までしか入らない」
「まあ、普通の自動販売機はそうですよね」
「ふん、普通の自動販売機はそうですよね、か。しかし俺はこういったものとは『縁が無く』てな。そして俺はこの秘密基地に一人取り残されて……飢えていた」
「ああ、哀川さんなら貴方を置いていくでしょう。うん」
「つまり……今の状況だ。――俺はキメ顔でそう言った」
ソイツは偉そうに。心の底から偉そうに、潰れた蛙みたいなポーズのままでもキメてみせた。
当然だけど、キマってなどいない。
踏みてえ。
踏み潰してえ。
「なあ、いーちゃん。俺がソイツの右腕切ってやろうか?」
殺人じゃなくて救助だし、確かに狐さん相手なら哀川さんも大目に見てくれそうではあるけれど。
……出来ればぼくは中年がのた打ち回る所なんて見たくないなあ…………。
「おいおい、零崎の異端児。なんて物騒な事を考えやがるんだ」
西東天は言って、不遜なままにそう言って、そしてもがき始めた。
ジタジタと。
バタバタと。
足の一本だけを捕らえられた昆虫みたいに。
ジタバタと。
いい歳をした中年のおっさんが。
「……落ちてる小銭を回収する以外に選択肢は無かったんですか?」
「ふむ。俺もそれは考えた。薬缶で湯を沸かし煎茶を淹れる選択肢も、無くは無かった。……が」
チラリと、狐面がぼくを見据えた。その面が、哂ったように見えた。勿論、そう見えただけだ。面は表情を変えたりなんて、しない。
「代替可能理論(ジェイルオルタナティヴ)――手ずから茶を淹れようと、床に落ちている小銭を回収してコーンポタージュを買おうと」
そう言って、ソイツはゆっくりと一拍溜める。

「――それは同じ事」

つまり、何をやっていようとこのおっさんは自販機に腕を捕らえられる結果となっていたらしい。
ただ、単純にお湯を沸かすのが面倒だっただけだとぼくは思うのだけれど。
というか、ほぼその想像で間違いないのだろうけれど。
そこに「物語」が有るなんて、ぼくは思わない。思いたくない。
そんな物語は犬にくれてやれ。
「俺はいつか必ず世界の終わりに辿り着く」
ぼくには、狐さんが見せているその無様さ加減が、キャラ的に「終わり」に見えて仕方が無かった。
435あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:44:32 ID:3rNmQOCw
「おっさんは無視してさ。なあ、いーちゃん、この基地って基地ってぐらいだから通信施設くらい無いのか?」
零崎がブルーマウンテンを傾けながら、ぼくに聞いてきた。
「多分、有るだろうね。それで玖渚にでも助けを求めれば明日にでも迎えが来るよ」
ぼくは紅茶花伝を傾けながら、そう答える。
「ふん、無駄だぞ、人類最弱。ここに有るのは十三階段専用のホットラインだけだ。外部のネットワークとは遮断されている。解散した『チーム』の連中でも無い限りはこの基地への通信(アクセス)すら不可能だろう」
一々偉そうに言う人類最悪。
「俺をここから解放するのならば、知らん仲じゃない。木の実にでも救助信号を送ってやる」
「いや、いいよ」
至極あっさりと西東天の要求を突っ撥ねるぼく。
「ネットに繋がってるなら、『ちぃくん』が知らない訳無いだろうからさ」
っていうか「チーム」ってそもそもぼくが助けを求めようと思っていた玖渚達の事だし。
玖渚友が一週間以上もぼくからの音沙汰が無い状況で動かない訳は無い。
ぼくがアイツの前から消えれば、それこそ戯言でも何でも無く世界の危機だ。
「おー、流石は欠陥製品。顔の広さは人外レベルだよな」
「ぼくが知ってる人って、ほとんど人外なのが悲しいんだけどね、人間失格」
「あ? そりゃ俺の事か?」
「うん」
「なら、お前の事でも有るよな、そっくりさん。かはははは、傑作だぜ」
「うんにゃ、戯言だよ」
ぼくたちは一人途方に暮れる(狐面のせいで表情は読めないけれど)おっさんを置いて、顔を見合わせて笑った。

ぼくが通信施設を探してアジト内を歩き回っていると、通路に有った電話が鳴った。
……。
……うーん。
先ず通路に電話が有るのをツッコむべきなのだろうけれど。
ああ、十三階段って携帯電話持ってないヤツ多そうだしな。
――その前にこんな僻地、圏外に決まってるか。
「……やれやれ」
考える。一択。
電話の主は実は女の子の呼び声高い、姿は見せないあの人だろう。
まあ、予想が外れていても別に良いんだけれど。
どうでも良いし。だったら考える必要も無いか。
基本、ぼくって状況に流される人間だし。
「戯言なんだよ……と。もしもし」
腹を括って(と言うほど大袈裟な事でも無いけれど)ぼくは電話に出る事にする。
受話器から聞こえてきたのは意外や意外。
いや、よく考えたら意外でも何でも無いのかな。
それは懐かしい、大泥棒の声だった。
「お久しぶりですわ、ディアフレンド」
受話器の向こうから聞こえてきたのはどことなく楽しそうな声。
と言うか、彼女は基本的に楽しそうなのだけれど。
「お友達、長く連絡を致しませんでしたけれど、連絡も有りませんでしたけれど、十全かしら?」
「いえ、全然ですね。一全くらいですか。お久しぶりです、小唄さん」
大泥棒。
石丸小唄。
自称、人類最強の好敵手。盗み出せないものなど無いと豪語する、リアルルパン三世。純粋な個人で唯一哀川潤に匹敵する、そういう存在。
436あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:45:27 ID:3rNmQOCw
「えっと……用件を聞く前にどうやってこの場所に連絡をしたのか教えて頂けますか?」
「愚問ですわ、お友達。私の名前は石丸小唄。この名前は哀川潤に並び立つ唯一ですのよ?」
彼女はそう、言い切る。自称であっても、哀川潤を少しでも知っている人間には決して口に出せないそれを。
彼女は――彼女だけはそう断言する。
「あの女に出来る事で私に出来ない事はそうありませんわ。つまり、私に出来ない事はそう無いという事なのですけれど」
「なるほど、通信回線を『盗む』……我が物にする、くらいはお手の物ですか」
「理解が早くて助かりますわ、ディアフレンド」
……この人も大概何でも有りだよなあ。
「えっと……ああ、そうだ。真心は元気ですか?」
「十全ですわ」
彼女の口癖。けれど、それは十全と言う割には少しうんざりとした調子が混ざっていた……らしくない。
「人類最終、でしたか。少し元気が良過ぎるのが玉に瑕ですが。しかし、筋が良い事は間違いありません。流石はお友達のお友達ですわ」
……遠回しに馬鹿にされてないか、ぼく?
「彼女ならば躾ければ立派に二代目石丸小唄を名乗れるでしょう。三代目まで後一人。私の野望まで後一歩といった所でしょうか。十全と、言って言えない事も有りません」
「いえ、貴女にそんな方向の教育を頼んだ覚えはありません、小唄さん」
少し連絡を怠っていたばっかりに、ぼくの友達が道を踏み外す寸前だった。危ない危ない。
「あら、そうでしたでしょうか?」
「ええ。ぼくとしては真心ばかりでなく、貴女にも真っ当な道を歩んで頂きたいくらいです」
だってぼくの友達って、常識人居ないんだもん。
あの頃は普通って絡みづらいと思ったけれど。撤回する。今となっては頭巾ちゃんの退場が本当に、本当に惜しい。
彼女の普通さは、ぼくにとって清涼剤だったんだろうなあ、と。悔やんでも悔やみ切れない。
あーあ。過ぎてしまった事なんだけどさ。
それこそ、戯言だけどさ。
「真っ当な道、ですか。でしたら私は何を盗めば良いのでしょう、ディアフレンド?」
「いえ、盗みを止めて下さい」
泥棒は真っ当な職業じゃねえよ。
……いや、そんな事を言ったら請負人もだけどさ。
「そんな! お友達は泥棒から呼称を盗み出すというのですか!? これは……王泥棒ですわ」
ぼくの名前はジンじゃねえよ。
「私が『泥棒』を盗まれたら『大』になってしまいます。何が大きいのでしょう、お友達?」
「そのネタは先刻、ぼくがやりました」
ああ、この人面倒臭え。
「今、私の事を面倒臭いと思いましたね、ディアフレンド」
……見抜かれていた。
「筒抜けですわ」
見透かされていた。
「実は姫菜真姫とは私の二つ名の一つだったのです」
「マジで!?」
「変装は泥棒の基本スキルですわ、お友達」
「いやいやいやいやいやいや」
無い無い。こんなSSで設定をひっくり返すとか哀川さんでもない限りやっちゃダメだよ。うん。
「お気付きでは無いかも知れませんが、ディアフレンド。私、石丸小唄はシリーズを通じて必ず登場していますわ」
「衝撃の事実だ!?」
っていうか、その設定だと赤音さんと被りません?
「園山赤音も私ですわ」
「貴女は『大泥棒』じゃなくて今度から『虚言遣い』を名乗って下さい!!」
……こんなキャラだったっけ、小唄さんって。シリーズ終わってから長いし、どっかでキャラ変更でもあったのだろうか。
「ああ、それは兎も角。お友達、哀川潤がお話が有るそうですわ。替わってもよろしい?」
「哀川さんですか!? なんで!?」
今回の諸悪の根源。どうやら今は石丸さんと行動を共にしているらしい。
ぼくの事を放っておいて、良いご身分だな、おい。
437あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:46:44 ID:3rNmQOCw
「よう、いーちゃん」
その人は、声まで赤い。赤い台詞を、赤い声で、赤い口紅で彩られたその唇から放つ。
彼女は《死色の真紅(オーバーキルドレッド)》の二つ名で呼ばれる人類最強。
「元気ぃ?」
ぼくと零崎をこんな状況に陥れた張本人は、いかにも軽い口調で言いやがる。
元気ぃ、じゃねえ。
「いいえ。誰かの所為で地球の端っこに捨て置かれて非常に迷惑している最中です」
なのに、真っ向から反抗出来ないぼく、チキン。
「ああ、それな。悪い悪い」
「悪いと思ってるなら迎えに来るか迎えを寄越して下さい」
「嫌だね」
……おっと? 今、哀川さんは何と仰いました?
ぼくの耳が確かなら、嫌だ、って言ったように聞こえたんだけど?
「だってそこ、あのクソ親父居るじゃん。アタシの――哀川潤の名に掛けて人なんかやらねえよ」
「ぼくと零崎も居るんですが!?」
「ああ、それな。いーちゃんなら自力で脱出出来るって信じてる!」
……哀川さん。受話器口で今、イイ顔で親指立ててるんだろうなあ。
人類最強が、その名に掛けてぼくたちの救助をしないと、言い切ったという事は。
それはつまり、道は絶たれた、という事に他ならない。
玖渚機関も四神一鏡も、手を出せないという、そういう意味だ。
「あの……哀川さん?」
「潤だ。アタシを上の名で呼ぶんじゃねえよ。下の名で呼べ。アタシを苗字で呼ぶのは敵だけだ」
「ああ、すいません、哀川さん」
「いーちゃん……喧嘩売ってんだな?」
彼女の声に怒気が混じる。受話器越しでも感じる、確固とした威圧感(プレッシャ)。
肺に出し入れする空気が一気に重くなったように錯覚する、そんな重圧。
正しく、存在感。
だけど――だけど。
首元に刃物を当てられていたとしても、それでも戯言遣いは口を閉じない。
それが、ぼくの持つ、唯一の――誇り。
「ええ。喧嘩を売っていると解釈して貰って構いませんよ、哀川さん。見捨てたという事は貴女にとってぼくはもう、身内ではないのでしょう? 身内に甘い貴女が、身内判定した人間にこんな事をする筈がない」
身内でないのならば、哀川潤はぼくにとって、商売敵でしかない。
敵でしかない。
「だったならば。ぼくは貴女を敵に回さない理由が無い。敵に回す理由こそ、十分ですが」
「ふぅん。面白いじゃねぇか、いーちゃん。人類最弱でありながら、人類最強を敵に回すと宣言するかい?」
楽しそうに。愉しそうに。
彼女はいつだって好敵手に飢えている。
強過ぎるから。
最強であるが故の弊害。敵が居ないという障害。
誰とも並び立てない、生涯。
けれど。
「弱い」は「強い」に対して圧倒的に有利なのだ。
強者を倒すのは、いつだって弱者なのだから。
王政に革命を興すのは、市民でしかないという話。
「だから『哀川さん』。貴女の、人類最強の敵と成り得るのは。正反対のぼくだけなんですよ」
そう宣誓して。ぼくの膝は情けないけれど震えているのに。
ぼくの心は、震えている。
心臓は、打ち、震えている。
438あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:48:20 ID:3rNmQOCw
「卑怯者ですから。弱者は弱者らしく弱者の戦い方をしますよ。卑怯者は卑怯者らしく卑怯な手を使わせて貰います。それくらいは了承して下さい、『哀川さん』」
ぼくの啖呵に笑う彼女。笑う笑う笑う笑う哀川潤。
「良いね。分かってきたじゃねえか、いーちゃん。嫌いじゃないぜ、そういうの」
「でしょうね」
貴女が気に入りそうな言葉を選んできましたから。
「まさか、哀川潤とも有ろう人が、挑戦から逃げるなんてしませんよね」
「はっ! 誰にモノ言ってんだ、いーちゃん。このアタシが! 逃げる!? ねーよ。有る訳ねーよ」
ああ、ぼく、一番敵に回しちゃいけない人を敵に回してるんだろうなぁ、今。
けれど。
こればっかりは成り行き上仕方ない。
こればっかりは感情を抑え切れない。
「では、ぼくはここから動く事は出来ませんので」
「こっちから出向いてやるよ。砕氷船を真赤に塗ってな!」
砕氷船、哀川潤仕様。
……豪快だなぁ、この人。
「首を洗って待ってろ、いーちゃん」
「貴女こそ、寝首を掻かれぬように、気を付けて下さいね」
そう言って。ぼくは過去、最高難易度の喧嘩をする事になるのだった。
武器は……決まってる。
ぼくは「戯言遣い」だから。
武器は「戯言」だけだ。

「喜べ、人間失格」
「おう、喜んじゃうぜ、欠陥製品」
零崎は不思議な踊りを踊った。スパスパスパスパと。休憩室の椅子がテーブルがソイツの腕の動きに合わせて切り刻まれていく。
「助けは来ない」
「喜べねえ!!」
……「ズコー」とか器用な音立ててすっ転ぶんじゃねえ。そんなキャラじゃねえだろ、お前。
「でも、人類最強が来る」
「よっしゃ、助かった! ……ん?」
零崎が一瞬置いて怪訝な顔をする。
「なあ、いーちゃん。俺、嫌な予感がするんだけどさ」
「恐らく、その予感で正解だ」
「人類最強……哀川潤が来るんだよな」
悩む零崎を差し置いて、口を挟むのは狐さん。
「俺の娘が来るのか?」
「ええ、狐さん。貴女の娘さんがいらっしゃいます」
ぼくは頷く。そして、両の手のひらを上に翳した。お手上げ、ってヤツ。
「助けでは、残念ながらありませんけれど」
「なぁ。いーちゃん。俺は頭が悪いからさ。確認しておきたいんだけど」
「発言は挙手をして行え、ぜろりん」
零崎は素直に挙手する。はい、零崎人識くん。
「人類最強は、助けに来るんじゃないとしたら何しに来るんだ?」
ぼくは舌を出した。
「ぼくらを倒しに来る。てへっ☆」
439あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:52:23 ID:3rNmQOCw
「『てへっ☆』じゃねえよ! キャラじゃない事やってんじゃねえ! でもってなんで自分から死亡フラグ踏んでんだよ!!」
「いや、ほら。仕方ないって言うかさ」
ぼくは言葉を濁す。
「アレだよ、アレ。《なるようにならない最悪(イフナッシングイズバッド)》って、ぼくそんな能力の持ち主らしいから」
体質が悪いのであれば。これはもうしょうがないじゃん? ねえ?
「今回も考えられ得る一番最悪な展開になっただけでさ。っていうか、それがぼくのデフォルトだったりするし」
「自分だけにしとけ! 俺を巻き込むんじゃねえ! 死んで詫びろ! つーか、今俺が殺してやる!!」
「ぜろりん、震えてる。震えてる」
「怖ぇんだよ、あの女!!」
零崎はガタガタと歯の根を震わせていた。……コイツと哀川さんの間に何が有ったのかはよく知らないけれど、想像は出来るかな。
あの人の事だから、コイツもメッタメタだったんだろうなあ。
「死ね! 本気で死ね、いーちゃん! 介錯なら『非殺協定』もギリギリセーフだろ!?」
ああ、ぼくだって死ねるんだったら死にたい。
こんな人生は、死んでしまった方がマシだと毎日毎時毎秒考えるような人生は、終わってしまった方がきっと良い。
戯言だけれど。
心底。
正直。
本心から。
戯言だけれど。

ぼくは、それでも、「こんなん」でも、生きていたいんだ。

「落ち着けよ、零崎の異端児」
下方から、傲慢不遜な声がした。
「《いーちゃん》の所為だけじゃないぜ。俺が見る限りな」
自販機と床の間に挟まったままなのに、この人本当に偉そうな姿勢崩さないな。
ある意味尊敬。
「どういう意味だよ?」
零崎がジロリと西東天を睨む。それは殺意すら篭っていそうな視線だったが、けれど狐面に阻まれてそれはソイツには届かなかったようだ。
「ふん。考えてもみろ。生きているだけで厄災を呼び込むのは、何も《いーちゃん》だけの専売特許ってワケじゃねえ」
そう言って、西東天は哂う。哂う。
「俺もここに居る。なるようになど、なるはずが無い事は自明だとは思わんか、零崎人識」

「誇って言う事じゃねえんだよ!!」
「誇って言う事じゃねえんだよ!!」

ぼくと零崎の心は再び一つになった。
っていうか、この人自覚有ったんだ……。
440あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 17:58:43 ID:3rNmQOCw
「いいや、才能というものはどんな類であれ誇るべきものだ」
西東天はそう言い切る。
「周囲に対して『なるようにならない』ようにする才能の持ち主が二人も居る。そして、その能力の効果は俺の娘であっても逃れられん」
……確かに。ぼく一人であれば哀川さんであっても、その力ごとぼくが弄ばれるだけだけれど。
けれど。
ここには唯一と言っても良いだろう。
哀川潤を過去、手玉に取った男が居る。
「人類最弱」
「はい」
「人類最速」
「ンだよ?」
「そして人類最悪の俺。結束さえすれば、俺の誇るべき娘が相手だとしても、それほど勝ち目の無い話だとは思わんけどな」
狐面がニヤリと哂った。
哂った。哂った。
「だから先ずは……俺の腕をここから出せ」
最悪に無様な締め方だった。

「子荻ちゃんプログラム」
作戦室という名のパソコンが何台も並んでいる部屋の、モニタの一つに彼女が映っていた。
首吊学園の被害者。
策師。
萩原子荻がモニタ上で生首となって浮かんでいた。
「害悪細菌(グリーングリーングリーン)とかいうヤツに発注して作らせた、過去最強の、策戦(プログラム)を作成(プログラム)するソフトだ」
……。
……ぼくは何も聞かなかった。
何も聞いてない。
何も聞いてないんだ。
グリなんとか、なんて聞いちゃいない。
「当然だが本人には劣る。だがしかし、それなりのレベルには仕上がったそうでな」
モニタの中の子荻ちゃんは、生首だけでありながら、しかしそれは確かに素晴らしい出来栄えだった。
そう。あまりあの菌類を褒めたくは無いが、それでも。流石は元「チームの一員」だと。言わざるを得ない出来で。
正直、この生首の映像って注力し過ぎだろうと思う程に。
スクエニ真っ青の映像技術じゃねえか。
「私ノ名前ハ『子荻ちゃんプログラム』」
「喋った!?」
零崎が驚愕するけれど、ぼくとしては喋った事よりもその際の口元の滑らかな動きと声の再現具合に驚いていた。
……何やってんだよ、兎吊木…………。
「例エ相手ガ人類最強デアロウトモ、私ノ名前ハ『子荻ちゃんプログラム』。私ノ前デハ悪魔ダッテ全席指定、正々堂々手段ヲ選バズ真ッ向カラ不意討ッテゴ覧ニ入レマショウ」
「コイツにな」
狐面は得意気に説明する。
「登場人物と勝たせたい側……つまり今回は俺達だな。の情報を入力すればそれだけで最善最良の手を導き出しやがる」
そういうソフトだ、と。いや、勝ち誇ってるけど、アンタが作ったんじゃないよね?
「おー、すげー!」
そして零崎。お前も素直に褒めるんじゃない。
ぼくと丁々発止をやった頃の賢い系キャラはどこへ行った?
ぱっぱらぱーか?
441あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:03:57 ID:3rNmQOCw
「今回の登場人物は四人。ふん、シンプルで結構な事だ。子荻ちゃんプログラムに掛かれば一瞬で俺達が勝つ策を提示してくれるだろうよ」
萩原子荻。首吊学園開校以来の優等生にして策師。
その力は、ぼくもよく知っているし、狐さんはずっと渇望していた人材だった。
そう、それは。ある意味では哀川潤ですら敵わない才能。
哀川潤すら手玉に取りかねない、恐るべき少女。
それを、こんな形で復活させるなんて。
西東天は、やはり「最悪」だ。
呼称の方がチープになりかねない程に「最悪」の男だ。
……生首だけじゃなくて、胸部まで復活させろってんだ。
……。
……いや、戯言ですよ?
意気揚々と、西東天が登場人物を入力してエンターキーを押した。その瞬間にビープ音。
ブッブー、ってヤツ。
「無理デス。物事ヲ最悪ニ運ブ能力者ガ二人モ居ル以上、私ニハ策ノ立テヨウガアリマセン」
「ですよねー」
「だよなー」
ぼくと零崎が顔を見合わせて、そしてほぼ同時のタイミングで肩を落とした。
「……子荻ちゃんプログラムに計算出来ない……だと?」
「ドチラカ一人ガ退場シテ頂ケレバ、策ヲ立テル事モ可能デス」
「よし、零崎。その役立たずのおっさんを殺れ」
「やれやれ……久々に零崎を始めるか……しゃあねえな」
対哀川潤共同戦線、早々に崩壊。

対哀川潤対策会議。
休憩室で、先ほどの零崎の魔手を免れた幸運なテーブルと幸運な椅子に座って、ぼくたち三人はそれを開く事にした。
はずなのに。
全会一致で対策を練ると決定した、はずなのに。
「恥ずかしい告白大会しようぜ。一番、人類最悪。実は俺、何も考えてないんだよ」
早々に一人が役立たず宣言をして。
「なあ、いーちゃん。どう考えてもあの女に勝つ方法なんかねーよ。最強なんだぜ? 最強ってのは負けない、って意味なんだぜ?」
言い放った零崎は基地の食料を漁りに離脱。
ぼく、一人だ。
……ぼく……独りだ…………。
一人で、人類最弱が人類最強を相手にして、子荻ちゃんじゃないけれど、そんなのどう策の立てようも無いじゃん。
どうすんだよ、これ。
……どうしよう。
啖呵、切っちゃったしなあ……。
いつもの戯言でした、で胡麻化せないかなあ……。
「おい、《いーちゃん》。今からでも遅くない。俺の娘に謝れ。九割殺しではあっても生き残る道は残る」
九割ってそれ、殆ど死んでますよね、狐さん。
「九割九分よりはマシだろう?」
……性質悪いよなぁ、殺さない、って。
だって、殺さないだけだもん。
死なないだけなんだよ?
今回のノイズ君だって酷いモンだったんだから。
赤いスノーモービル(当然ながら人類最強仕様。スピードは推して知るべし)で、どかん。
絵本さんが言うには全治半年だってさ。
あの超敏腕おねーさんが付いてて半年だよ?
有様はそりゃもうグッチャグチャ。
「……死にタイ気分ダ……」
他にどんな気分にもなり得ないだろうとぼくは思うんだけど。
442あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:11:12 ID:3rNmQOCw
「そうだ、京都に行こう」
散々悩んだ結果としてぼくの脳は現実逃避を始めたようだった……違うって。京都に行く前にここから出る算段すら無いっていうのに。
行けるもんなら、行きたいよ……。
「ぼく、顔広いんですよ」
ぼくは対面に座る狐面へと話し掛けていた。
「ふん、『ぼく、顔広いんですよ』か。しかし、俺には及ばないがな」
「かも知れませんけど。とりあえず、呼べるだけの応援を呼ぼうと思います」
「ふん。通信は生きているが、しかしここは北極だ。どうやってお前の仲間とやらはここまで来るつもりだ? 瞬間移動でも使えるのか?」
ドラゴンボールじゃないんだから。さすがにそんな知り合いは居ませんよ。
「いいえ。ですが、玖渚機関にとって、北極なんてのは地続きと変わりません」
ぼくの持つカードの中で一番頼りたくない、けれどその切れ味は檻神付きの。
玖渚友。
元、死線の蒼。
元、歩く逆鱗。
元、青色サヴァン。
片目を黒く染めた今であっても、そのカリスマ性は健在で。
もしも玖渚が「死ね」と言えば。それだけで三桁の死者が出る。
そういう、女。
ぼくの――宝物。
「有りっ丈のカードを用意して、哀川さんを迎撃します」

ぼくは通信室のキーボードに打ち込んだ。
「玖渚友の名において、戯言遣いが回る鈴木に命令する。この回線を王の下に」
それだけ。たったそれだけのたった一文で、モニタに彼女が映り込む。
青い彼女が、映り込む。
「うにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
玖渚友は、絶好調だった。
「いーちゃんだいーちゃんだいーちゃんだいーちゃんなんだよ! 今日は何の日!? ちょっと待って! 今、ログを記録するから! はい、完了! さあ、いーちゃん! 僕様ちゃんに何でも言ってよ!」
玖渚友は、超絶絶好調だった。
「えっと……友。お願いが有るんだけど」
可愛らしく小首を傾げる彼女は、まるであの頃みたいで。
少なからず成長したその姿を見ても、まるで昔に戻ったみたいに、少しだけ錯覚してしまう。
「何?」
「哀川さんに殺されかけてる」
「分かった」
友は頷く。ぼくを至上とする、ぼくの至上の少女はただの一言で全てを理解する。
「いーちゃん。世界大戦になっても、いーちゃんは大丈夫」
少女は、青さを半減させた、それでも彼女は青い。
青く、強い。
「人類がぼく様ちゃんといーちゃんだけになるまで、潤ちゃんと戦うよ」
「おい、友!?」
「潤ちゃんの敵には出来るだけ回りたくなかったけど。でも、しょうがないね。いーちゃんの敵はぼく様ちゃんの敵だから」
人類最強を、愛の名の下に敵に回す事が出来る、そういう少女。
「いーちゃんは、ぼく様ちゃんが守るから。だいじょーぶ!」
世界の全てとぼくを天秤に掛ける事すら、彼女はしない。
……まあ、さ。
ぼくも逆の立場だったら同じ様な事を言うんだろうけど。
……戯言、なんかじゃなく。
掛け値無しに本気で。
443あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:17:17 ID:3rNmQOCw
「そしたら、ぼく様ちゃんに動かせるのを全部動かすね。玖渚機関の総力戦なんて考えてみたら初めてだよ!」
場違いに楽しそうに言う彼女。
「……友。えっと……非常に言いづらいんだけどさ」
「なになになになに!? なんでも言ってよ! いーちゃんの為ならなんでもやっちゃうよ、僕様ちゃん!」
なんでも。
その言葉は嘘でも誇張でもなんでもなく。
なんでもなく、なんでも。
なんでも、やるのだ。友は。
だけど。
ぼくはそこまでは望まない。
なんでも、なんて、しなくて良い。
ぼくは、出来るだけ、の関係が良い。
ぼくに出来るだけ。友に出来るだけ。
共に、出来るだけ、互いを、愛する。そんな関係が、ぼくは好きだ。
「えっとさ。応援をして貰いたいのは間違い無いんだけど、でも流石に世界大戦はマズい」
「うにー? でもさ、潤ちゃんと僕様ちゃんが喧嘩するってなったら避けられないと思うー」
それはそうかも知れないけれど。だけど、何事にもやりようって有るだろう?
友に避けられないなら、ぼくが避けさせるだけ。
「友」
「なにー?」
「ぼくは、友には悪いけど、結構大切な人が、結構たくさん居るんだ」
「うん」
「だから、その『戦争』ってのは無しにしよう」
玖渚は、笑った。にぱ、とでも音が聞こえてきそうなほど、鮮やかに、笑った。
ぼくの好きな、ぼくの一等好きな、ぼくの世界で一番好きな、その笑顔。
「いーちゃん、好き」
「ああ、ぼくもだ。ぼくも、友が好きだよ」
「ぼく様ちゃんが好きなのはいーちゃんだけ。でも、いーちゃんにはぼく様ちゃん以外にも好きな人がいっぱい居るけどね」
でも、良いんだよ、と。玖渚は微笑む。
「いーちゃんの嫁は僕様ちゃんだけだからねえ」
モニタに大写しで少女の細い薬指が映る。
ぼくのと、左手と、モニタの中のそれはお揃い。
「一番好きなのがぼく様ちゃんなら、それでいーよ? ねえ、いーちゃん?」
「なんだよ、友?」
「もう一回、言って欲しいなー。死線の蒼はね、とってもよくばりなんだよ」
その呼称、元って頭に付くじゃん。
いや、別に良いけどさ。
「分かった。だけど録画は無し。こういうのは、その場限りだから価値が有るんだ」
友は、困ったような、嬉しいような、そんな表情をして、そして手元のキーボードを弄った。
「あいあいさー。はい、これでおっけー。さあさ、いーちゃん。奥様が愛に飢えているんだよっ? いーちゃんにはしなきゃいけない事があるよねえ?」
分かってる。急かさないでくれ。
ぼくは、戯言遣いの戯言遣いたる意地に賭けて、言葉のプロとして、言葉を捨て、選び、玩ばなければならないのだから。

だけど、戯言の出る幕、無し。

「友、愛してる」

だけど、戯言の出る幕、無し。
444あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:23:35 ID:3rNmQOCw
「あ、ちぃくんからだ」
回る鈴木。凶獣(チーター)だから、ちぃくん。「チーム」の中の走査役。
彼に分からない事は、この銀河系には存在しないとか、そんな触れ込みだったはずだ。
「いーちゃん、バッドニュース」
玖渚は精一杯な神妙な顔をした。けれど、その表情は少しだけコミカル。
ニュースの方は、まるでコミカルじゃなかったけれど。
「さっちゃんとひーちゃんがやった妨害が失敗。僕様ちゃん達がそっちに着くよりも潤ちゃんがそっちに着く方が早い」
まあ、予想はしていたけれど。
妨害なんて、彼女には有って無いようなものだから。
トラック走の障害が例えトラックでも、きっと哀川潤には関係無いだろう事は知っていた。
「飛行機を墜落させても良いけど、多分無意味だねー。だって、潤ちゃんが本気で走ったら飛行機より速いもん」
……。
……うん。
……うん。あの人の事だから、まあ、予想はしていたけれど。
音速を超えるスピードで笑いながら走る女。
どんな人外だ。
《嵐の前の暴風雨》とか呼ばれるワケがソレ。ソニックブーム付きが哀川さんのダッシュのデフォルトなんだもん。
ぼく、とんでもない人敵に回しちゃったな。
今更だけど。
――本当、今更だけど。
「あ、でも良いニュースも有るよ。潤ちゃんはそっちに向かうのに真剣になってるから、僕様ちゃん達への妨害は無いみたい」
妨害は無い。けれど……それは、多分。
「いや、わざとだろ」
手持ちのカードを全て使って自分を楽しませろ、と。
哀川潤は、孤高の紅虎は。そう、ぼくに言ってきているのだろう。
「ふーん、なるほどねー」
「なあ、友?」
「はいやー」
「応援が到着するのは哀川さんがこっちに着いてからどれだけ後だ?」
「約三十分」
三十分か……三十分ね……。
「それが限界ギリギリの最速タイム。持ち応えられる、いーちゃん?」
モニタの中で心配そうな友。
ぼくは、お前にそんな顔をさせる為に生きてるんじゃないよ。
ぼくは、友に笑っていて欲しいから生きてるんだよ。
そう思うから。
「余裕」
そんな戯言を、ぼくは吐く。
そんな虚言を、ぼくは吐く。
「戯言遣いは時間稼ぎで誰にも負けた事が無いのが、自慢なんだ」
そんな睦言を、ぼくは紡ぐ。

彼女はぼくの妄言に、果たして、笑った。
それは、ぼくの大好きな、笑顔だった。
445あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:28:18 ID:3rNmQOCw
「三十分だ」
休憩室に帰ったぼくは零崎と西東天の二人にそう告げ……なんで二人して鍋突付いてんの?
それも、なんかちょっと和気藹々っぽいのが気に入らない。
ぼく、仲間外れかよ。
「俺の敵。よく考えてみろ。食材は有ったが俺にもぜろりんにも料理の腕は無い」
「おう。たかちゃんの言う通りだ、欠陥製品。俺に出来るのは材料ぶった切る事だけだしな」
ぜろりん?
たかちゃん?
西東天だから、たかちゃん?
お前ら、いつの間にそんなに仲良くなってんの?
「こういう時は切ったモンぶち込んで煮込むだけの鍋と相場が決まってるもんだ、俺の敵」
「男の料理ってヤツだな。かははははっ。体も暖まって一石二鳥だぜ、俺の敵」
……アレ? 零崎からぼくへの呼称に狐さんのものが伝染してない?
敵?
敵なの?
敵だったっけ?
いや、そりゃ、ちょっとピリピリした関係ではあったけどさ。でも、そんな中にも馴れ合いっていうか、そんな空気が有ったよね?
あれえ?
「ぼくが居ない間に――なんなんだ、お前らは?」

「なかよしさ」
「なかよしさ」
だから、そんな風にハモるのはぼくと零崎の……ああ、コイツら面倒臭え!!

「おい、ぜろりん。俺の敵も来た事だし、食材追加だ」
「あいよ、たかちゃん」
……ウゼエ。
……こいつら、一々ウゼエ。
「さあさ、お立会い。種も仕掛けも有りません、とくらァ。曲弦糸、極限の妙技だ」
そう言って零崎が右手の指を「くん」と動かす。その瞬間、鍋の横に有った皿が――跳ねた。
まるで、それ自体が生き物の様に。実はぼくが知らないだけで足が有って跳びはねたみたいに、ぼくには見えた。
野菜が、肉塊が、魚が、宙を舞う。
きらりと。それらの中を何かが疾ったのをぼくは見る。
「洗って刻んで並べて煮込んで――食してやるよ」
……過去、最低に格好悪い零崎のキメ台詞だった。
キマってないキマってない。そんな顔しても無駄。無意味。

哀川潤対策会議、再開。
「だからさ、三十分、持ち応えれば良いんだよ」
後は、玖渚が何とかしてくれる。アイツは、不可能をやってのける女。
ぼく一人の為に。たった一人だけの為に。過去、世界を壊すと脅しじゃなく、本心から言ってのけた女。
狂おしい程――訂正。狂っている。
玖渚友は、ぼくに、狂っている。
狂々。
くるくる。
狂々。
くるくる。
――狂っている。
446あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:32:00 ID:3rNmQOCw
伝染して。
ぼくも――狂っている。
週に一度、彼女の細い首を絞める夢を見るくらいには。
戯言遣いは、玖渚友に、狂っている。
「その、いーちゃんの相方は、あの人間災害を止められるような人外なのかよ?」
零崎が伊勢海老を皿によそいながら聞いてくる。ぼくは、豆腐を掬いながら、頷いた。
「ぼくが知る限りで、哀川潤に対抗出来るカードは二枚。面影真心と……玖渚友だ」
赤には青を。
紅には蒼を。
別ベクトルの力は、長さだけじゃ測れない。
「哀川さんが人類最強なら、玖渚友は人類最響だ」
彼女の小さな声は、世界の最果てまでもを巻き込んで、響き、轟く。
「そういうこと」
ぼくは口に豆腐を突っ込んで、そう締め括った。

ぼくらは、ご飯を食べて、そしてそれぞれに毛布を被って眠った。
腹が減っては戦は出来ぬ。寝不足も同様。
だから、眠った。
決戦は、およそ十時間後。
戦闘時間は、三十分。
一人十分、稼げば終わり。
十分。
頭数で割ってしまえば、たったそれだけ。
人類最強VS人類最悪。
人類最強VS人類最速。
そして――そして。
人類最強VS人類最弱。
対戦カードは、整った。

たった三十分の。
世界の最果てで。
けれどそれは、世界大戦に匹敵すると、言っても決して言葉に過ぎてはいないだろう。
ヒトというイキモノの、最果てが四人。
最強。
最悪。
最速。
最弱。
一人一人が核爆弾レベルの人災。
そんなモノが一同に会すれば、どうなるか。
そんなの――ぼくにだって分からない。
卑小なる戯言遣いにはそんな事、分かる、訳も無い。

眠って。
眠って。
その夜、ぼくはやっぱり、玖渚友をこの両手で絞め殺す、そんな夢を見た。
447あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:35:54 ID:3rNmQOCw
哀川潤到着一時間前。ぼくらはお互いに声を掛ける事も無く、それぞれに起き上がり、昨日の鍋の残りを使って雑炊を朝食としていた。
「なぁ」
「うん」
「これ、旨いな」
「当然だ」
「何が?」
「俺の基地に一流でない食材など無い」
「なるほど」
ぼくらは、言葉少なに朝食を終える。
きっと三人が三人とも、四十分後の地獄を予想していた。
「狐さん」
「なんだ?」
「この基地。基地ってぐらいですから火器とか無いんですか?」
「なあ、いーちゃん。よく考えろよ。俺達殺し名ですら火器なんざ通用しないんだぜ?」
「そういう事だ。有るには有るが、あの女には無意味だ」
ぼくは溜息を吐く。
「素手、って事ですか?」
「案ずるな、俺の敵。要は時間を稼げば良いだけだろう」
西東天の言いたい事は、分かる。
時間稼ぎは、ぼくと、そしてこの男の十八番だ。
「ふん。俺に掛かれば娘の扱いなど、児戯にも等しい」
……え?
何、言っちゃってんの、この人?
「あの……格好付けている所、本当に申し訳無いんですけど……」
ぼくはおずおずと挙手する。
「狐さん、哀川さんと世界規模の親子喧嘩何回やってるんですか?」
沈黙する一同。狐さんは雑炊の器をテーブルに置いて、そして静寂を切り裂くように言った。
「スキンシップだ」
そんな時でも、どんな時でも傲慢不遜に。
ソイツはそう言い切りやがった。

「そんな事よりも、だ」
西東天はぼくと零崎のジト目にもまるで堪える所が無いかのように平然と話題を変える。
「考えなければならないのは、順番だ」
順番。
誰が最初に哀川さんにぶつかるのか。
誰が最後に哀川さんにぶつかるのか。
正直、一番手などは捨て駒でしかない。
ぼくも、零崎も、西東天も。そんな事は分かっている。
「ここはやはり、ラスボスが最後なのが王道だと俺は考える」
「……ラスボスって誰だ、いーちゃん?」
「ふん『ラスボスって誰だ、いーちゃん』か。本当に分からないのか、零崎の異端児?」
そう言って、胸を張る元ラスボス。
……うん…………うん。
知ってはいたけど、この中年、本当に人間がちっちゃいよなあ。
「この中でラスボスの風格を纏っているのは俺しか居まい」
……いや、最近の貴方は評価だだ滑りですよ、狐さん?
自覚無し?
448あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:42:36 ID:3rNmQOCw
「と、言う訳だ。俺は最後だ。後は勝手に決めろ」
そう言って、急激に興味を失ったようにあらぬ方向を向くラスボスかっこわらい(笑)。
――だが、そうはいかない。
そうは、させない。
貴方のシナリオ通りにしか動けなかった頃と、今のぼくは違う。
ぼくだって、成長しているのだから。
「代替可能理論(ジェイルオルタナティヴ)」
狐さんの肩がピクリと動く。
「一番手が誰であっても、物語は、変わらない。物語は、それがそうであるように、修正される。確か、狐さんの持論でしたよね」
ぼくに。戯言遣いに。
舌戦を挑もうなんて、そんな事。ぼくを少しでも知っている人間ならばやらない。
そんな事をするのは、精々、哀川さんくらいのものだ。
「ふん。確かにそんな事を言ったかも知れん。が、それはつまりお前達にも言える事だろう。なあ、俺の敵」
まあ、そう来ますよね。
でも。
返答が予想通りという事は。
それはつまり、戯言遣いの術中と、そういう事なんです、人類最悪。
「ああ、そうそう。他にもこんな事を言っていましたね……」
戯言遣いに戯言で勝とうなんて、六十億程数が少ないんじゃないですか、西東天さん。
「……時間収斂(バックノズル)」
ぼくの言葉に、狐面がずり下がった。
「時間……収斂……くっ」
起こる事は、避けよう無く起こる。起こらない事は、どう足掻いても起こせない。乱暴な意訳だけれど、それが西東天の言う、時間収斂という言葉の意味。
「つまり、狐さん。そんな持論を持っている貴方が順番に拘る理由がぼくにはどうにも分からないんですよ」
過去にぼくを煙に巻いた言葉。
その言葉達が今、創造主の首に巻き付いて、締めあげていた。
「ぼくや零崎みたいな若輩は貴方みたいに悟っていませんから、そんな話は信じられませんけれど。けれど、貴方は違うはずでしょう、人類最悪?」
「……まあな」
そう。そうだ。こう言われれば。
西東天は、頷くしかない。
物語の終わりを渇望する、この人は。
この世界が物語だと、そう信じて疑わない、この人は。
その妄想を支えている根底の理論が破綻してしまえば生きる意味を失う。
ぼくは。
――ぼくは。
この世界が物語だなんて、思わないけれど。
全ては最初から決められているなんて、思わないけれど。

世界は自分が動けばその風景を変えるのだと。
道は無く、歩いているその足元が道なのだと。
道とは、未知なのだと。
そう教えてくれた彼女が、今回のぼくの敵。
別に、後悔はしていないけれど。
ぼくは、柄にも無く怒っているから。
裏切られる事にも、横切られる事にも。
見捨てられる事にも、見下げられる事にも。
慣れていたつもりだった。
慣れていた……つもりだった。
――慣れていた……つもりでしかなかった。
449あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:44:03 ID:3rNmQOCw
哀川潤。
赤い彼女は。
戯言遣いの。
ぼくの掛け替えの無い「身内」だと。そう思っていたから。
向こうにもそう思われていると。
なんて、甘い。
なんて、甘い考え。
でも、ぼくは。
自分にもそうだけれど。
それよりも、哀川さんに、怒っていた。

彼女は「ヒーロー」でなければならないのに。


「ヒーロー」は決して誰も見捨ててはならないのに。



哀川潤は、
     戯言遣いを、
           見捨てた。
450あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:50:09 ID:3rNmQOCw
ガリンガリンと。
派手な轟音を響かせて。
派手な彼女がやってくる。
死色の真紅が、やってくる。
「来てやったぜ、いーちゃん!! クソ親父!!」
真紅と。そう形容するのが相応しい彼女は。そう形容する以外にない彼女は。
その宣言通りに真赤に塗った砕氷船に乗って。その先端に仁王立ちして。
「アタシがわざわざ来てやったんだ! 覚悟は良いな!!」
格好良いなあ。
――凄く、格好良いなあ。
その姿は、いつか憧れた、あの頃とまるで変わらず。
だけど。
彼女はもう、ヒーローじゃない。
ヒーローじゃないって事は、つまり。
哀川潤はもう、哀川潤じゃない。
正義は必ず勝つと、彼女は口癖のように言うけれど。
正義は、彼女の側に無い。
見捨てる事が出来るような人に、正義なんて有りはしない。
ぼく達の側が正義だとか、そんな事を言うつもりは決して無いけれど。
けれど、今の彼女には正義なんて無い。
だから、哀川潤は変わらずに人類最強だけれど。
最強なのに。それなのに。
正義じゃないから「必ず勝つ」ワケじゃない。
それは、今の哀川さんは負ける事も有るって、そういう意味で。
それは、勝ち目が有るって、そういう意味。

一番手――人類最悪。

結局、彼は自分の妄想理論に押し切られる形で一番手となった。
押し切られるというよりも殉ずると。こう言った方がより正しいだろうか。
羨ましい事だ。
自分の中に殉じても構わない信念が有るなんて。
羨ま……アレ? 西東天って信念を持たない事が信念、とか言ってなかったか?
……まあ、いいや。
多分、いつも通りで「何も考えてない」んだと思うし。
うん、別にどうでもいい。
心底、どうでもいい。
……只の捨て駒だし☆
「なあ、いーたん?」
窓から外を覗う零崎がぼくに話しかける。ぼくは振り返った。
「なんだい、ぜろりん?」
「あの砕氷船、凄いスピードだな……」
「ああ。哀川潤仕様になると速度が三倍になるらしい」
嘘か真かは知らないけれど。
赤く塗れば三倍速の法則。絶賛発動中。
451あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:55:48 ID:3rNmQOCw
「でもよお……あれは砕氷船の速度じゃねえぞ?」
「あの人は何でも有りが許された唯一の登場人物なんだよ」
戯言みたいな、本当の話。
「なるほどな」
いや、そこで納得するなよ。
まあツッコまれても、ぼくだってこれ以上の説明は出来ないけどさ。
哀川さんだから。
この一文で全てが許されてしまう空気。
しょうがないんだけどさ。
そういうキャラクタだし?
でもさ。それにしたって、何でも有りとか、ぼくだってちょっとどうかと思う。
「なあ、いーたん?」
「なんだい、ぜろりん?」
「あの狐面のおっさん、玄関に陣取ってんだよな?」
「そうだね」
正々堂々、真っ向から殴りこむのが哀川潤スタイル。
だから、一番手は玄関に居なければならないのだ。
いつかのノイズ君みたいに。
……ん?
……いつかのノイズ君みたいに?
あれ? なんか、凄く嫌な予感がするけど?
あの真赤な船、全然スピード落としてないよ? もうこの建物まで眼と鼻の先だよ?
……これって?
……。
……あ。
ぼく、分かっちゃった。
読めちゃった。
この後の展開。分かり切っちゃった。
「西東天ファンの皆様、本当にごめんなさい」
「ん? いきなり何言ってんだよ、いーちゃん?」
電波さんを見つけた、とでも言いたげな眼で零崎はぼくを見据える。止めてくれ。そんな眼でぼくを見るな。
「いや、早目に謝っておこうと思って」
ぼく自身は特にあの人に思い入れは無いけれど、もしかしたら不快に思う人が居るかも知れない。
でもまあ、哀川さんのやる事だから死にはしないだろうし。
良いんじゃないの?
「零崎。そんな事より奥に避難だ」
「ああ? ……ああ、なるほど」
零崎はぼくが言わんとしている事に思い当たったらしい。多分、今頃は人類最悪も気付いているだろう。
でもさ。
時間収斂。
起こっちゃう事は、起こっちゃうんだから、仕方無いよね?
そういう運命だった、ってそれだけ。
これから引き起こされる大惨事の張本人だって――いや、彼だからこそ、誰よりもそこの所は分かってるはず。うん。
人生は諦めが肝心という話。
「はあ。……二人で三十分かよ」
「そう言うな、ぜろりん。これは多分、通過儀礼って言うか、原作へのオマージュって言うか、なんかそんな感じだ」
原作レイプと言われたら返す言葉も無いけどね。
「戯言大好き!」
「傑作だぜ!」
怒られたくないので宣伝してみた。二人して。
……ノリ良いなあ、零崎。コイツ、こんなキャラだったかなあ……。
452あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 18:59:05 ID:3rNmQOCw
ぼくらが基地の奥にダッシュしている、その途中で、凄まじい轟音と縦揺れが、ぼくらを襲った。
振り返る必要も無い。西東天、殉職の瞬間だった。
爆散。
南無三。
死して屍拾う者無し。いや、やっぱり死んではいないだろうけど。
「最後の台詞は『俺の屍を越えていけ』だったぜ、あのおっさん」
「聞こえたの?」
「いや、声を拾った。糸ってのは便利でよお」
そう言って零崎は指を見せる。そこには……恐らく糸が巻いてあるのだろう。細すぎてぼくにはキラキラと輝いているのしか見えない。
「糸電話の要領だ」
「なるほどね」
「俺にコレを教えてくれたヤツは山一つ囲えたんだけどな。流石に俺は専門じゃねぇから」
「今はコレが精一杯、って?」
「カリ城は傑作だよな」
「俺屍も傑作だ」
ぼくらは顔を見合わせた。それは、別れの、合図。
「じゃあな。次に会う時は殺し合いだ、欠陥製品」
「へえ、奇遇だね、人間失格。ぼくも、君が死んでくれればどれほど幸福だろうと考えていたところだったんだ」
いつか。
ぼくらはこう言って、別れた。
いつも。
ぼくらはこう言って、別れる。
道を、分かつ。
「楽しみは、後に取っとかねえとな」
「その通り」

ぼくらは、なかよしだ。

「戯言だけどね」
「傑作だろ?」
零崎が足を止める。ぼくは足を止めない。
彼の隣を行き過ぎる。
友達の横を走り過ぎる。
君の前から走り去る。
「――バイバイ、セリヌンティウス」
「――走れ、メロス」

背後から、声が聞こえた。
彼の十八番が。
「さて、と。俺も殺さないよう努力するのにいい加減飽き飽きしてたんだよ。こっからは全力で零崎をやらせて貰うぜ」
ぼくは、彼の言葉の、その続きに、同調した。
453あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:00:10 ID:3rNmQOCw
「殺して」
    「殺して」
「解して」
    「解して」
「並べて」
    「並べて」
「揃えて」
    「揃えて」


「晒してやるよ」
「晒してやるか」



さあ。
時間いっぱい。
思う存分。
殺りたい放題。
零崎を始めてくれ。
零崎――人識!!

建物の其処彼処で爆発音。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。
ぼくは階段を上る。
揺れる階段を、手摺を頼りに疾走する。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。
ぼくは屋上に辿り着く。
そこでじっと目を瞑る。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。
想像しか出来ない、二人のプレーヤーの戦い。
けれど、それは。
もぐら叩きでしかないのだろう。
きっと。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。
ナイフの刃の通らない相手に、零崎に何が出来ると言うのか。
逃げ回る以外に、何が出来ると言うのか。
人類最速の反射神経をもって。只……さながら爆撃の様相を呈する人類最強の拳を避け続ける事しか。
出来ない。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。
人類最強とは、そういう意味。
その存在を侵せないから、最強。
強いとは、腕っ節じゃない。それだけじゃ、最強まで上り詰める事は出来ない。
強いとは、存在が、強いのだ。
爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発音。爆発……音が止む。
これ以上は無理だと、そう判断して撤退したのか。
それとも、力尽きたのか。
人類最速は、最速なだけで。無尽蔵のスタミナなんてものは、持っていない。
まあ、良いさ。
死んでいないなら、ぼくと彼の事だから。
きっと、どこかでバッタリ会うんだろう。
『縁が合う』んだろう。
454あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:07:59 ID:3rNmQOCw
だから。
だから。
ここから先は、ぼくのターン。

人類最弱は、人類最強に挑む。
掛け値無しに、この身体一つで。
ぼくは無謀にも、ぼくのヒーローだった彼女と喧嘩をする。
ジェリコ941も無い。「無銘」も無い。
完全な無手。徒手空拳。
それは、戯言だけれど、実はとても正しい喧嘩の作法だった。
本当、戯言だけど。
これ以上無いくらい――傑作だ。

コツコツと。甲高い靴音を隠そうともしない。階段を上ってくる誰か。
誰か? 決まってる。こんな赤い靴音。
こんな正面から。姿を晒しながらの。大胆不敵な登場シーン。
彼女以外には、似合わない。
彼女以外には、許されない。
「……待たせたな、いーちゃん」
「……待ちましたよ、哀川さん」
彼女は、少しだけ眉を潜めただけで、ぼくの台詞を正そうとはしなかった。
自分を苗字で呼ぶのは敵だけだと。
そう、ぼくに言わない。
彼女がぼくを、敵と認識している証拠。
ぼくは――ぼくが。
この無力で無様な戯言遣いが。
この不実で不毛な人類最弱が。
人類最強の請負人に、敵と認定されている事実――現実。
震えた。
場違いだとは分かっているけれど。
勘違いだとは理解しているけれど。
お門違いも甚だしいけれど。
筋違いも良いところだけれど。
それでも――心が、震えた。
対等として、見て貰えている、状況に。
ぼくは、怯えるよりも、恐れるよりも何よりも――奮っていた。
「ふうん。悪くない。悪くないツラになってるぜ、いーちゃん」
彼女は笑う。気持ち良く笑う。見ているこっちが愉快になってくるような、爽快な笑顔を披露する。
「そりゃ、どうも」
「その顔は戦う決意を持ってるヤツの顔だ。それでこそ喧嘩のし甲斐が有るってな」
「戦う決意――ですか。ええ、腹は括っているつもりですよ。でも、哀川さん。貴女は一つ、勘違いをしているみたいですね」
言葉違いを、しているようだ。
「ぼくは貴女と殴り合いをするつもりは有りません」
「へぇ? 舌戦でもやろうってのかよ? この期に及んでか? そりゃ、いーちゃん、ちょっと虫が良過ぎるんじゃ」
ねえか、と。続く彼女の言葉をぼくは遮った。
人類最強の見せ場を、遮った。
「殺し合い、ですよ」
赤い、彼女の眉がピクリと跳ねた。
「奪い合い、でも構わない。請負人は、一人で、良い。そうは思いませんか、『哀川さん』」
455名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:11:13 ID:nXTYZMAX
456名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:11:42 ID:nXTYZMAX
、、
457名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:12:26 ID:nXTYZMAX
支援
458あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:15:48 ID:3rNmQOCw
「言うようになったじゃねえか、いーちゃん……いや……もういーちゃんって親しげに呼ぶ訳にもいかないよな」
××××。
彼女は、それを、口にした。
ぼくの名前を、口にした。
「……ぼくの前でその名前を口にした人は、三人。その三人がどうなったか、知らない訳ではないでしょう?」
「例外無く死んでるんだったか? だがな、アタシは『何でも有り』なんだよ」
「知っています……ただし、貴女には何も出来ない事も、またぼくは知っている」
何でも出来るから。
自分の意思で何かをしてはいけない。
何もしてはいけないから、哀川潤は人類最強で有りながら、請負人に身を窶(ヤツ)す。
「哀川さん。ぼくから仕事の依頼です。ぼくに、殺されて下さい」
「金額の折り合いが付かねえな、そんな依頼は」
「いいえ、付きますよ」
ぼくは――ぼくは。
「今から十分きっかり。六百秒たっぷり。貴女を人生で一番楽しませてやる」
そう言って、ぼくは駆け出す。人類最強に向かって、躍り出る。
「最高だ! いーちゃん、お前はやっぱ最高だぜ!!」
楽しそうに。心底楽しそうに。彼女はそう言って。ぼくにシンクロするように、踏み出す。
「さあ、来な、戯言遣い!!」
「貴女を! 『潤さん』を! ぼくは大好きでした!!」
叫びながら、ぼくは疾走したそのスピードを乗せて右拳を突き出した。
「ああ、知ってるよ、いーちゃん!! 愛してるぜ!!」
叫びながら、彼女は疾走したそのスピードを乗せて右拳を突き出した。
大好きでした。
過去形のぼく。
愛してるぜ。
現在進行形の彼女。
交錯する、拳。吹き飛ぶ、ぼく。そして吹き飛ぶ……哀川潤!?
「……手加減、ですか。余裕ですね、哀川さん」
「違っげえよ。アタシは、どうしても合わせちまうんだよ、相手に。アタシ程の天才になるとな、身体の強度とかまで自由自在なんだっつの」
そう、口の端から血を垂らして言う《赤い征裁》。ペロリと、赤く長く蟲惑的な舌でそれを舐め取る。
「ま、いーちゃんが武器でも持ってれば話は違ったけどな。戯言を使ってきたんなら、違っただろうけどな。徒手空拳。良いねえ。やっぱ、〆はそうじゃないとな!」
「言ったでしょう。卑怯者は、弱者は、卑怯者なりの、弱者なりの戦い方をすると」
ぼくは折れた奥歯を吐き出して答える。
そう。
哀川潤に対抗する唯一の手段とは。
正々堂々挑む事。
搦め手無し。策無し。奥の手無し。切り札無し。
そうされると、彼女は対等の条件を無自覚に自らに課してしまう。
つまり。
後は精神力。根性の勝負になるのだ。
「悪いですけど、哀川さん。ぼくは負ける気は有りません」
「アタシだってねーよ」
「無くても、負けて下さい。ぼくには……ぼくには帰る場所が有るからッ!!」
立ち上がって、走り出す。やはりシンクロするように走る人類最強。
「格好良いじゃねえか、いーちゃん! 愛する玖渚ちゃんの所に帰らなきゃならないから、負けられない、ってか!? 良いね良いね! 今日のいーちゃんは『分かってる』ッ!!」
「ええ! 今日の『分かっていない』貴女にだけは負ける訳にはッ!!」
いかないと。そう言う前に赤い彼女のハイヒールがぼくの鳩尾に決まる。
息が――止まる。
459名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:16:19 ID:nXTYZMAX
支援
460名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:20:10 ID:nXTYZMAX
支援
461名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:21:13 ID:Z8bW+1O0
今度からいくつに分けたか名前欄に入れてね
768/1024 とか
462名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:21:32 ID:nXTYZMAX
支援
463あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:22:21 ID:3rNmQOCw
「戯言は他所で言いな、いーちゃん! アタシには通用しないって言ってんだろうがッ!!」
息は――止まっても。だけど、身体が生命活動を止めた訳じゃない。
腕も、足も――まだ動く!
「違う! 戯言じゃない!」
ぼくの身体に埋まったままの哀川さんの右足に左肘を叩き込む。
「これは真言だ!!」
体に残っていた酸素を全て吐き出して、左肘を決めた、そこを支点にして身体を半回転。右の裏拳を、彼女の身体に打ち込んだ。
ぐらりと。揺らぐ人類最強。
だけど、彼女は人類最強。
「ウザってえっつのッ!!」
抜かり無くぼくの右腕を掴んで……そこでぼくの視点が浮いた。
右肘が、悲鳴を挙げる。
空が、見える。
空が――高い。
――裏投げ。
次の瞬間、ぼくは正面からコンクリートの床に叩きつけられていた。

「ゲームセットだ、いーちゃん!」

腕を掴んだままの彼女は、ぼくのその腕を極める。
「三分ってトコか。ま、いーちゃんにしては楽しめたぜ?」
まだ……まだだ。
まだ、こんなモノじゃ。
ぼくは痛いとすら思えないだろうが、哀川潤!!
ぼくは憎いとすら思えないじゃないか、哀川潤!!!!
「腕の一本くらいくれてやる!!」
ごきりと。
ぼくの無茶な動きで当然、右腕が軋んで折れた。思わず唇を噛む。そのまま噛み千切る。
「ぼくは、貴女を尊敬していたんだ!」
なのに。……なのに。
「ぼくは、貴女を『身内』だとそう思っていたんだ!」
左手を地面に付いて、半ば倒れたままのその姿勢から蹴りを放つ。
攻撃の為の蹴撃じゃない。ただ、距離を取るだけの、叩き付けるではない突き飛ばす蹴り。
見え見えの攻撃に後方に跳んで回避をする、その哀川潤をぼくは追い駆ける。
空中でなら、回避動作は取れないはずだ!
そして、ここは屋上!!
ぼくは突撃する。左肩から、彼女のがら空きの胸に。その腕の中に飛び込むように突進する。
その時、ぼくは見た。
ふ、と。笑う、哀川潤を。
まるで息子を愛するような眼をした、何も請負わない請負人の、素の表情を見た。気がした。
喧嘩の真っ最中だっていうのに。
抱き締められているとしかぼくには思えなかったと。
そう言ったら、笑うだろうか。
そう言ったら、笑われてしまうだろうか。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
雄叫びを挙げて。ぼくは哀川潤の身体を押し続ける。
屋上の縁まで、押し続ける。
464名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:23:28 ID:nXTYZMAX
私怨
465あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:23:47 ID:3rNmQOCw
このまま、一緒に飛び降りても、良いかも知れないと。間違って思ってしまった。
ぼくには帰る場所が有るのに。
この人と運命を共にしても良いかも、などと。
そう、思ってしまった。
哀川潤の十八番は読心術。
ぼくの浅薄な脳味噌なんて、バレバレだ。




「……おきゃくさん、どちらまで?」


いつの間にか、ぼくの両目から涙が、流れていた。
そんなもの、ぼくに出せるとは思わなかった。
そんなもの、ぼくに流せる訳は無いと思っていた。



「あなたとともに、いけるところまで」



貴女と共に、行ける所まで。
「ぼくはいきたかった」
ぼくは行きたかった。
ぼくは生きたかった。
貴女と共に――生きたかった。

ぼくと真っ赤な彼女は、中空へと、飛び出していた。
叶わない、願い。
過ぎた、願い。
ぼくの、お願い。
なるようにならない、最悪。
イフナッシングイズバッド。



「あなたとともに、いけるところまで、ぼくはいきたかった」


466名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:27:22 ID:nXTYZMAX
ニャハハハハハ
467あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:27:40 ID:3rNmQOCw










「その依頼、請け負った」








468名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:29:31 ID:omr/gS/b
あ、終わったら終了宣言してね
まとめて読みたいので。あと乙。
469名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:31:26 ID:nXTYZMAX
果たしてこの支援に意味はあるのだろうかと
疑問になりつつ支援
470あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:31:57 ID:3rNmQOCw
哀川潤はそう言って。
人類最強の請負人はそう言って。
「愛してるぜ、いーたん」
哀川潤はそう言って。
死色の真紅はそう言って。
「身内だから、特別にロハで請け負ってやるよ」
哀川潤はそう言って。
ぼくの大切な彼女はそう言って。
「一緒に、いこうぜ、いーちゃん」
哀川潤はそう言って。
ぼくの身内はそう言って。
「一緒に、行けるところまで行ってみようぜ」
哀川潤はそう言って。
やっぱりヒーローな彼女はそう言って。
「一緒に帰ろうぜ、いーちゃん♪」

寒い寒い空の中。
無重力と勘違いしそうになる落下の最中。
ぼくは潤さんとキスをしていた。

頭から氷点下の海に落ちていくぼく達。
「なるようにならないだ? 冗談じゃねえぜ、いーちゃん。アタシみたいなのが居る以上、ソイツは何とかなるんだよ」
ぼくを抱えたままで、彼女は宙で一回転する。
「良いか、いーちゃん! 人間はな! 努力さえすれば空だって飛べんだよ!!」
哀川潤は、跳んだ。
足元には空気しかないのに。
足場なんて何も無いのに。
哀川潤はそれでも――それが当然と跳んだ。
「良いか、いーちゃん! アタシはな! 身内を見捨てた事は一度だって無えんだよ!!」
哀川潤は、更にもう一段跳んだ。
何でもあり。
そういうキャラクタ。
分かってたじゃないか、ぼく。
「確かに、アタシは身内に厳しい所は有るだろうよ。だけどな! 出来ない事はやらせてない!」
哀川潤は身内に甘い。
それと同じくらい。
彼女は身内に厳しい。
ああ……なんだ。
見捨てられた訳じゃ……無かったんだ。
ああ…………そっか。
見果てられた訳じゃ…………無かったんだ。
「いーちゃんなら、アタシの規制なんか突破して帰ってこれただろ? なあ?」
……ああ………………ああ。
なんて――ヒーローだ。
471あなたとともに、いけるところまで:2010/03/06(土) 19:36:06 ID:3rNmQOCw
ぼくは、潤さんをもう、苗字で呼ぶ事は無いだろう。
「……無茶振りが過ぎますよ」
「そんだけ期待してるってコトだぜ。期待には、応えろよ」
「努力します」
「良いね。アタシはその努力って言葉が大好きだ。友情に次いで好きだ。勝利よりもずっと良い言葉だ」
「良い言葉は、なくなりません」
「戯言だな、いーちゃん」
「いいえ、傑作でしょう」
げらげらと。彼女は真心の声真似で笑った。
げらげらと。彼女はぼくを抱えて笑った。

こうしてぼくらは、盛大な喧嘩をして。
地球の端っこで、それはもう真っ当な喧嘩をして。
そして――そして。
「さて、帰ろうぜ、いーちゃん。そろそろぼく様ちゃんの乗ったヘリが来るはずだし」
「え? 友は上下移動が出来なくて……」
蒼ではなくなった青は。
演技でも何でもなく、段差を越える事が出来なくなっている、はずなのに。
「なあ、いーちゃん。アタシにはな、友情よりも好きな言葉が有るんだけど、なんだか分かるか?」
「ええ、分かりますよ」
言葉を操るなら、ぼくの十八番だ。

「愛、でしょう?」
「良い言葉は、決してなくならないんだよなー」
哀川さんは感慨深げに空を見つめた。その方向には黒い点。

「いいいいいいいいちゃああああああああんんんんん!!!!」
彼女の声は――人類最響。
どこまでも。世界の果てまでも。
玖渚友の、ぼくを呼ぶ声は。
――響き渡る。
「助けに来たよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
そう言って、彼女は。
ぼくの帰る場所は。
ぼくらの真上に来た所でヘリを飛び降りた。
それを受け取るのは――受け取るのは。

「……ぼく、右腕折れてるんですけど」
「締まらねえなあ」

きっとそんな感じ。

今日も、ぼくの日常は。
「戯言だよな、本当に」
「最高じゃん?」
きっときっと、そんな感じ。

"No one is <If nothing is bad>" is closed.
Thank you for reading!!
472 ◆.vuYn4TIKs :2010/03/06(土) 19:40:29 ID:3rNmQOCw
以上です。それでは「さよなら戯言先生」の再開を祈りながら脱兎。
473名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:41:56 ID:nXTYZMAX
乙乙〜
支援といいつつ妨害してたんじゃねえかって感じだがw、面白かったよ
ぶっ通しで読んじまった。
戯言読み返したくなったよw
474名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 19:49:24 ID:GVehePme
>>472
久々の戯言超大作、GJ!
この戯言特有のなんともいえない雰囲気が最高だった

>>473
ここはエロパロ板だから、支援でも割り込むのは微妙
次から支援は練習殴り書きや、誤爆スレにするのがいいかも
475名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 20:17:18 ID:3rNmQOCw

他に投下する人居ないなら21時からもう一本やります
476名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 20:30:28 ID:wlOZ4YoY
いや〜、めちゃくちゃ面白かった!!
>>475じゃんじゃんいってくれ!
477名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 20:41:52 ID:VA3Lfigg
ちょっとまて
今読んでるんだw
478名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 21:01:56 ID:3rNmQOCw
前半のみ数え間違えてなければ25レス
タイトルは「君は玖渚友の事が本当は嫌いなんじゃないのかな?」

それでは――零崎を始めます
ぼくたちはしあわせになった。
誰かを不幸にして、誰かを不快にして、誰かを不和にして、誰かを不遇にして。
それでも、ぼくたちはしあわせになった。
そんな中で、ぼくは考えるんだ。
ぼくたち。
ぼくたちの「たち」とは一体誰の事を指すのだろう、と。
ぼくは、今、しあわせだ。それは間違い無い。しあわせもふしあわせも、気の持ちよう。
少なくとも、ぼくは昔よりも色んな事が巧く出来るようになった。
少なからず、ぼくの周りでは人死にが減った。
少なくない回数、ぼくは笑えるようになった。
例えば、昔のぼくがそんなぼくを見たら、どう思うだろう。反吐を吐いて、戯言を遣い、後悔は無いのかと韜晦するだろうか。
後悔は、有る。
後悔ばかりだ。
後悔しない日は無いと言っていい。
後ろ向きな性格ばっかりは、どうにも変えようが無いみたい。けれど。
後ろ向きでも、前には進める。
人間の足は、前にしか歩き出せない訳じゃない。
後ろを向いて、後ろ歩きをすれば、それはきっと前進なんじゃないだろうか。
それはきっと前進なんだと、ぼくは思いたい。
一寸先は闇だと、そんな事はよく知っているし、ぼく以上にその言葉に身を抓まされる人間も少ないと思うのだけれど。
後ろを向いて、後ろに進めば、闇に向かって踏み出す事を躊躇しないで済む。
だから、ぼくは、色んな絶望を知り抜いた今であっても歩いていけるみたいだ。
それはきっと、希望とは違うのだろうけれど。
けれど、立ち止まっている訳ではないのは確かなようで。
それならそれで、別に構わないのかな、などと。そんな風に思ってしまう。
きっと、過去のぼくならそんな事は思わなかっただろう。
自分から立ち止まっている事を望んだだろう。
自分から踏み止まっている事を選んだだろう。
成長、と。それをそう呼ぶには些か問題が有るような気がするし、そんな言葉で美化するにはぼくの姿勢は余りに卑屈が過ぎる。
だけどぼくは、色んな人を笑わせられるようになった。
色んな人の、力になれるようになった――つもり。
七年も請負稼業をやってきて、それでも「つもり」だなんて付けなければならないのは悔しいけれど。
まだまだ、赤い彼女みたいには巧くいかない。
それでも。
ぼくは請負業を止めようとは、思わない。
ぼくの手がどこまで届くのか。
ぼくの手はどれだけの人の力になれるのか。
罪滅ぼし――なのかも知れない。
結局、ぼくは今も、あの頃の続きを歩いている。
ぼくは、ぼくでしかないのだから。
突然だった。部屋のドアから、黒板を爪で引っ掻いたような音がした。それも、爪は爪でも鉄爪とか鉤爪とか、そんな感じの。
人を切り刻めそうな、そんなレベルの不協和音。
次いで、喚き声。
「うぉわっ!? マジでかよ! ナイフの方が悲鳴を上げるなんざ、どういう造りしてやがるんだ、コイツは」
聞いた事の有る声。少年染みた声ではあるけれど、しかし、彼は少年と記載するには年が行き過ぎているはずだ。
正確な年齢は知らない。でも、青年の域に達している事は間違いないだろう。
そして、インターホン。連打。連打。
人類最速の反射神経をもっての連打に、十秒と持たずにそれは壊れてしまう。
このまま、居留守を続けると、恐らくぼくの住居も一時間掛からずそれと同様の顛末を辿るだろう。
そう思ったから。
「止めてくれ」
扉の向こうに向かってぼくは言った。
「住所不定無職が相手では損害請求も出せない」
「だったらさっさと出ろってんだ」
水面の向こう側からクレームが返ってきて。溜息を吐くぼく。
「インターホンを押すよりも先にドアを解体しようとするようなヤツを部屋にあげたいと思うほど、ぼくは奇特じゃない」
「なるほどな」
さらりと。特に悪びれた風も無く納得する彼は、まるで変わらない。
0=0。
零は、裂いても割いても零。
掛けても束ねても、零。
彼は、どこにも行けない。
ぼくはしかめっ面のままにドアをの鍵を外し、それを外側に開いた。
「やあ。久し振りだね、人間失格」
「よお。久し振りだな、人間失敗」
懐かしい旧友の顔が、相変わらずの顔面刺青を伴って、そこには在った。
零崎、人識。
人を識らない、殺人鬼。
「何の用かな。うん、まあ上がってよ。水で良いかい。と言うか、ぼくの部屋には飲み物の類が無いのだけれど」
コーヒーの粉はおろか、紅茶のパックすら常備していない。必要性を感じないからだ。
水の他にもう一種類だけ飲み物は無くもないけれど……あれは人に勧める類の飲み物では、無いだろう。
「だと思ってな。飲み物は持参してきた」
言って零崎は左手のコンビニ袋をぼくに差し出す。
「気が利くね」
「お前は気が利かないけどな。来客に水を勧めて悪びれないってのは、そりゃ頭が悪いのか?」
「それは可笑しな話だろう、零崎。ぼくが気の利かない人間ならば、君も同様の筈だ」
「かははは、戯言だな」
「いやいや、傑作だろ」
部屋の中にずんずんと入っていく零崎の背に向かって、家具を壊さないように言い含める事は忘れない。
「家具なんて有んの?」
「お気に入りの抱き枕なら」
「それはアレか。抱き枕カバーが大事なんだな?」
「プリントは水玉だよ。アニメ絵の少女じゃない」
ビニール袋の中身を確認しながら、ぼくは零崎の後を追う。
……チョコレート・スパークリングが二本。
今年度、初の地雷飲料。
「……良い物は決して無くならないよね」
「逆説、ソイツは恐らく再生産されない。気が利くだろ」
「ぼくは気を使って、奇を衒って貰う程に君とぎくしゃくした関係ではなかったつもりなのだけれど」
「気を回したつもりは無えけど、気が置けないとはお世辞にも口に出せない程度にはびくびくした関係にはしておこうぜ」
……なんだろう。
気を許すなという意味も込めた、あてつけだろうか。
「それにしたって、チョコレート・スパークリング、ねえ。バレンタインは過ぎたはずなんだけれど」
一人ごちるぼくに、座布団の一枚も無いフローリングそのままの床に座り込む零崎。
「気にするなよ、結構イケるぜ、それ」
「知ってる。先月の十四日に春日井さんから送られてきたから」
春日井春日。選ばない事を選んできて、これからも選んでいく彼女に有るまじきナイスチョイス。
……期待を裏切って飲めちゃうからこそ、ぼくはどうかと思うんだけれども。
黙って、二本有った内の一本を冷蔵庫に仕舞い込んだ。今度、崩子ちゃんにでもあげよう。
ぼくは冷蔵庫というよりは、もうこれは「チョコ・スパ保存庫」の気がしないでもないそれを溜息と共に閉めた。
「あ、零崎。君ってコップは使う人?」
「要らね」
「そう」
零崎にペットボトルを渡して、ぼくはコップに水を汲んだ。
この部屋に有る数少ない家具である所の卓袱台を挟んでぼくは零崎と対峙する。
「で、殺人鬼が真人間のぼくに一体、何の用? ああ、話は変わるけれど、ぼくは知人とはまめに連絡を取り合う性格でね。唐突に。本当、唐突なんだけど、君の顔を見たらなぜか佐々さんの顔が見たくなってきた」
斑鳩さんとは先日、仕事絡みで出会ったしね。
次は彼女の番なんだろう、恐らく。
「オイオイ。久々に会ったってのに、ご挨拶じゃあないのか、いーたん」
「毎回思うんだけど。そして仲良しである事に異論を挟む気は無いのだけれど。けれどこう、毎度毎度、和気藹々と再会するのもどうだろうね、ぜろりん?」
次に会う時は殺し合いだ。
その言葉は未だにぼくと彼の慣例で、しかしてその言葉は一度として真実となった例が無い。
緊張感が有るのか無いのか、分かったものじゃない。
「まあ、良いけどね」
今更、だしさ。
戯言、だし?
「用件は、無くも無いんだよ。なあ」
胡坐を組んで座る零崎がペットボトルを傾けながら聞いてくる。
「ここ最近、いーちゃんの周りで、なんっつったら良いか……変な事は起きなかったか?」
……。
……今、まさに殺人鬼とお茶をしているのだけれど。
……それは言わぬが華。
「訊く相手を間違えてないかな、零崎」
「かははは。違いない。だな。傑作に愚問だぜ」
零崎は哂った。少しだけ落ち込むぼく。
「いーちゃん相手に『変な事は無かったか』なんて、そりゃ訊くまでもないな」
訊くまでも、無かった。
言うまでも、無い事だ。
「ま、今更そんな事で悲観的になったりはしないさ。それがぼくの生活の糧でもあるし。無かったら商売あがったりだったりするからね」
今も。ぼくは二つばかりの問題を請け負っている真っ最中だったし。
請負業は右肩上がりだ。
まるで旅行に出た先で必ず殺人事件を呼び寄せてしまう探偵みたいで、気分が良いとは言えないけれど。
体質なんだから、仕方が無い。
そういう星に生まれついたのならば、これはもう「そういうものだ」と納得する以外は首を吊るしか出来はしない。
首は吊りたくないから、ぼくは納得する事にしている。
そういう、ものなんだ。
ぼくは、そういう「もの」なんだ。
「とは言え、殺し名や呪い名絡みではないのが、まだ救いかな」
「おう。それそれ。それなんだよ、いーちゃん」
我が意を得たり、と。そう言いたげにニヤリと唇の端を上げる殺人鬼。
「殺し名絡みで、俺は今日、お前に会いに来たんだ」
「お断りだよ」
即答するぼく。
「そんなのに関わっていられる程、ぼくは暇じゃない」
これは本音。暇ではない。
今だって、自室でのんびりしているように見えて、実は潜入調査をしている高海ちゃんと深空ちゃんの帰還報告待ちだったりするし。
ただ寝転んでいた、ように見えるだけという話。
そういう事に、しておいて貰いたい。
「それとも君はぼくの事を君と同じく自由人だと思っていたりするの? もしもそうだったら、その認識を改めて貰う必要が有るな」
ぼくはこれでも真っ当に真っ当な真人間のつもりだ。人非人である所の零崎みたいには、なりたくないし。
なりたくないし、なれそうにもない。
水面の向こう側。ぼくと彼とを別つ一線。
踏み出せない、死線。
踏み越えられない、紙一重。
溜息を吐くぼくに、けれどせせら哂う零崎。
「まあ、聞くだけ聞いとけって」
彼はせせら哂う。チェシャ猫染みた三日月の眼をして。顔面刺青を、ぐにゃりと歪ませて。
楽しそうに。
愉しそうに。
「どうせ、いーちゃんの事だからな。きっと、この件とは『縁が合う』さ」
縁が合う。
――縁。
切っても、切れない。
切りたくても、切り捨てられない。
ぼくの体に纏わり付く、歪な赤い糸。
「どうせ、いーちゃんの事だ。関わりたくないが故に、関わっちまうだろうさ」
関わりたくないから、関わってしまう。
なるようになど、なりはしない。
その「縁」とも「体質」とも言うべきそれは。
七年経った今も、変わらずぼくを縛り続けている。
「止めろ、零崎」
水面の向こう側に、ぼくは言う。
「知れば、向こうからやって来る。知らなければ、知らないままで過ぎ去るかも知れない」
「無えな」
水面の向こう側は、ぼくに言う。
「いーちゃんがいーちゃんである以上、それは無え。なあなあ、いーちゃん。お前はこちら側だぜ。勘違いすんなよ。筋違いだろ。人違いなんじゃないか? お門違いも甚だしいとはこの事だぜ」
一気に飲み干して、中身を無くしたペットボトルを零崎は弄ぶ。
まるで、ジャグリングでもしているみたいに、変幻自在の軌道できらきらと宙を舞う、ゴミ。
中身を失った、パッケージはゴミだ。
装いは、装いでしかない。
「そちら側の振りをしている、そちら側の生活をしているように見える――だけでな。そんなのは殺し名でも呪い名でも大勢居る」
一皮剥けば。人皮剥かれたら。
突然、そのペットボトルが軌道を変えた。でも、それがそう動くであろう事がぼくには分かっていた。
ぼくの顔の、その目の前で。文字通り眼と鼻の先で。それが解体されるであろう事も。そしてやはり予測通りに解体された事も。
ぼくには零崎の動きの全てが「視え」た。
ぼくと零崎の間に、本質的に「違い」なんて無い。
双児の様に。同じぼくたち。
逆児の様に。首に紐。
「一寸先は暴力の世界。お前が俺と歓談してるのが良い証拠だろ。ようこそ、逝と死の世界へ、ってな」
かははは、と。
かははは、と。
殺人鬼は哂う。失ったペットボトルの代わりに自前のナイフを中空で踊らせて、哂う。
「ま、ようこそ、なんてーのは『七年遅い』けどな。傑作だぜ」
「……戯言なんだよ」
本当。
心の底から。
ぼくの存在こそ、傑作に戯言だった。
瞬間、だった。
唐突に、何の伏線も無く、屋根裏が、爆ぜた。
「おにいちゃん!!」
そこから逆さまに飛び出す、白いワンピース。引力に引き摺られて、捲れるスカート。
……今日の下着は水玉。萌太くんの遺志はまだ生きている。
ありがとう、萌太くん。ありがとう、崩子ちゃん。
ぼくはこれで今日一日、生きていける。
「たああああああああああっっっっっっ!!!!」
天井裏から躍り出た崩子ちゃんは、天井の壁を蹴って跳躍。まるで弾丸の様な勢いで零崎に迫――れない。
その小さな体躯が、零崎まで後四十センチといった所で、止まる。
網に掛かった蝶のように。
この喩えがここまでしっくり来る場面はぼくの人生で三度と無いだろうと思うほどに。
崩子ちゃんは、バタフライナイフを零崎に向けて構えた侭に中空で、何かに捕らえられていた。
見るのは、二度目。
「う、動かないっ!?」
「動かないで正解だぜ、お嬢ちゃん。無理に動こうとするとパンチラどころじゃすまねえからな。かははは!」
哂う零崎と困惑する崩子ちゃん。そして一人、凝視するぼく。
大人気無くもぼくは絡め取られた崩子ちゃんのあられもない姿に心を躍らせていた……なんてね。
……いや、戯言だよ?
「……おい、零崎。お前、いつの間にそんなえげつない技を身に付けたんだ」
じたばたと。もがく事すら出来ずに固まった崩子ちゃんに近寄りながら、ぼくは言う。
「曲弦糸(ジグザグ)、なんて」
「いや、結構前からだ。七年前にはもう使えてたぜ」
「初耳だ」
「まあ、初出しだからな」
「どうでも良いけど、彼女に傷一つでも付けたら哀川さん筆頭に黙っちゃいないぞ」
ここで筆頭にぼくが出て来ない所がミソだ。
鷹の威を借る戯言遣い。
零崎哀川さんという言葉を聞いた瞬間に、びくりと。条件反射のように身体を跳ねさせた。
どうやら、何かのトラウマに直撃したらしい。顔が見る見る青くなっていく所からも一機減ったのは間違いないようで。
だけど負けるな、零崎人識。
どうか頑張れ、零崎人識。
哀川さんの影に怯える事無く、ぼくに少女のすらりとした生足を存分に堪能させてくれ。
……。
……いや、だから戯言だってば。
思ってないよ、そんな事。
「ちっ」
舌打ちが聞こえた。
「……コイツも哀川潤の身内かよ」
なるようにならない最悪。
イフナッシングイズバッド。
もしくはサービスタイム終了。
溜息と共に零崎が左手を振った。その途端、リモコンの再生ボタンを押したみたいにすとんと。崩子ちゃんが地面に落ちる。
尻餅を着いたりはせず、猫染みた動きで両足から着地するのは、流石闇口、といった具合。
ただし、その手に握っていたバタフライナイフは、捕らえられたままで。
抜け目無く、武装解除させておくのは、流石プロのプレーヤー、といった所か。
空になった少女の右手を、零崎は握り締めた。
「女の子と手繋ぐのって、僕、初めて」
「嘘吐け」
「ヤだね。戯言はいーちゃんの専売勅許じゃねえんだよ」
「…………ぼくのアイデンティティが……」
殺し名を前にして悠長に。溜息を吐くぼくを見て、崩子ちゃんが目を丸くしていた。
「闇口崩子と申します」
僕の隣に座った崩子ちゃんは、やや憮然としていた。まあ、無理も無いけれど。
殺し名を前にして、緊張するなと言う方が異質だし、殺し名を前にして、欠伸が出来るぼくの方こそ異常なのは理解してる。
平然と、異常。平常(ノーマル)では、それは無い事くらい、嫌ってくらいに理解してる。
「西園伸二だ」
平気な顔で嘘を吐く零崎。ここまで当然と嘘を吐かれると、なんというか、訂正するのが難しい。
難しい。訂正。馬鹿らしい。
「西園さん、ですか」
素直な良い子の崩子ちゃん。人を疑う事を知らない。
萌太くんとぼくの教育の結果だった。ちょっと誇らしい。
「聞かない苗字ですが、どこかの分家ですか? 殺し名の方ですよね?」
「ああ。えっと……うーん……なんっつーか、やりにくいな、このガキ」
首を捻るは顔面刺青。恐らくはどこの分家を騙ろうかと悩んだ末、少女の純粋な眼に困惑してしまったのだろう。
……気持ちは分かる。
ただ……後から困るんなら、無意味な嘘なんか吐かなきゃいいと思うのだけれど。
ぼくが言っても「どの口が言うんだ」って返させるのは分かっているから口には出さないけど、さ。
「それはともかく。ぼくのお気に入りの抱き枕をガキ扱いした事は訂正しろ、ぜろりん」
「あ? ああ……そりゃ、悪かったな。崩子ちゃん、とでも呼べば良いか、いーたん?」
「ちゃん付けはぼくの特権だ!」
こればっかりは、譲れない。
萌太くんの遺志は、ぼくが継ぐっ!
「崩子?」
「呼び捨てなんて許さない」
「オイオイ。だったら俺はこのガキをなんて呼べば良いんだよ? 大体、まるで所有物みたいないーちゃんの言い草こそ問題有るんじゃないのか?」
むう。確かに。零崎から崩子ちゃんへの呼称となるとぼくも頭を捻ってしまう訳だが。
闇口さん?
いやいや。意表を突いて「ほこたん」とか?
「わんこちゃん」
「『闇口崩子』のどこをどうしたらその呼称になるのかが分からないし、そもそもその呼称もぼく専用なんだよ、零崎!」
なんだろう。彼女を見てこの人間失格は「犬っぽい」とでも思ったのだろうか。
しかもちゃん付け。
「……メス犬?」
「人を呼ぶという括りではちょっと有り得ない暴言だよね!?」
少し心惹かれなくも無い響きだけど。
……今度、やってみようかとか、ちらっとでも考えてしまった自分に自己嫌悪。
……嫌だ。しかも崩子ちゃんならもしかしたら喜んでしまうかも、などと考えてしまうのが更に嫌だ……。
悩むぼくたちを尻目に、ぼくの隣で置物みたいにちょこんと座っていた少女が口を開いた。
「崩子はおにいちゃんの所有物『みたい』ではありません。所有物『そのもの』です、西園さん」
爆弾発言。
零崎、ジト目。眼を泳がせるぼく、チキン。
「……ロリコンで年下キラー……か。終わってる度じゃ零崎とどっちが上だろうな、いーちゃん」
戯言遣いには返す言葉が無かった。
チョコレート・スパークリングのペットボトルを両手で挟み、こくこくと喉を潤す崩子ちゃんは最早インテリアと言っても何の問題も無い愛らしさだと思う。
まあ、インテリアじゃなくて抱き枕なんだけどね。
それはさて置き。
「爆弾魔」
零崎の言葉にそう返したのは無論、ぼくじゃない。
「闇口に居た時に、聞いた事は有ります」
崩子ちゃんだ。
「おう。話が通じるな。そう、それ。十字炉……だったか。そんな通り名の二人組だ」
顔面刺青は崩子ちゃんから押収したバタフライナイフを手元で弄りながら応える。
ちなみに先程から崩子ちゃん、三度取り返そうとして三度失敗している。ニヤニヤ笑いの零崎に、どこか落ち着かない崩子ちゃん。
トムとジェリーみたい。
仲良くなら、存分に喧嘩して貰いたいものだ。見てるぼくとしてはそっちの方が余程微笑ましい。
血生臭いのは、ごめんだった。
「匂宮の分家だったか、本家だったか忘れたが。そいつらが京都に来てんだとよ」
「はあ」
今一要領を得ないぼく。
「空爆を遣う兄と、地雷を遣う弟のコンビだったかと記憶しています」
「縦横無残(クロスファイア)。こっちが爆撃機の兄貴。で、地雷往来(マインストリート)」
恐らく、そちらが地雷遣いの弟の二つ名だろう。
「二人合わせて縦横往来――十字路。十字炉ってな。ま、そんなヤツらは実際問題どうだって良いんだが」
言葉通りに、どうでも良さそうに伸びをする殺人鬼。
……どうでも良いなら、そんな気分の悪い二人組の話なんてすんなよな。
フラグ立っちゃったじゃん。
あーあ。
ぼくの体質上、この展開は仕方ないのかも知れないけどさ。
ヤだなあ。
関わりたくないなあ。
関わりたくない、って思っちゃうって事は、関わっちゃうんだろうなあ。
なんて……なんて戯言だ。
「まあ、そう悲観的な顔をすんなよ、いーちゃん。コイツらは所詮、三下だ」
疲れた顔を上げて、恨めしく零崎を睨み付けるぼく。
「その根拠は?」
「昔な。寸鉄殺人(ベリルポイント)っつー爆熱の殺人鬼が零崎に居たんだが」
「はあ」
「ソイツが居た頃は『爆弾魔』って言ったらいの一番にソイツの事を指した。つまり、その程度だって事だ。かはははは」
……格下。
……格下、ねえ……。
「ぼく、直接戦闘能力なんて無いに等しいんだけど」
「おうおう。ソイツはご愁傷様なこったな」
他人事。
どこまでも、他人事。
薄情と書いて、ぜろざきひとしきと読ますのかも知れない。
鏡写し。
それは、つまり。
薄情と書いて、ぼくの名前に読ます事もまた、出来るのだろう。
期せずしてカウンターパンチだった。凹むぼく。
「なあ、ぜろりん」
「なんだ、いーたん」
「ぼくたちって、友達だよな」
「……ハァ?」
意味が分からない、と。首を捻るぼくの友達。
「友達? 俺と、お前が? 良いな。今年聞いた中じゃ最高に傑作の戯言だぜ、いーちゃん!」
……。
……一方通行なら友情なんて言わないんだよなあ。
「おにいちゃんと、西園さんはお友達なのですか?」
心底不思議そうな崩子ちゃんの問に、ぼくたちは口を揃えた。

「なかよしさ」
「なかよしさ」

定型句にして、常套句。
名台詞にして、代名詞。
ぼくと零崎は七年経っても、こんな感じで。
互いが互いに、成長していないみたいに。
友達は友達でも、悪友だ。

「今日、お前に会いに来たのは別にそんな、くっだらねえ兄弟の話にしに来たんじゃなくってさ」
「なら、無闇にフラグを立てるんじゃねえよ」
ぼくのフラグ回収率を舐めるなよ!
この卑小なる戯言遣い。しかし、ここまでのCGは分岐を含めて全部回収してきた自負が有る!
……あ、らぶみさんルートは例外。
まるで攻略の糸口が見えないんだもん。やっぱりアレかな。お見舞いイベントとか踏んじゃいけないのかな。
むう。難しい。
「でしたら、西園さん。どうしてお兄ちゃんの所に殺し名である貴方がいらっしゃったのでしょうか?」
……そろそろ、崩子ちゃんの間違いを正してあげるべきだろうか。
でも、このままでも良い気もする。彼女は「零崎」なんかとは関わるべきじゃない。
ぼくとしては極力「闇口」とも関わらせたくは無くって。
結論。西園さんの侭でいいや。
実害は無いし。
「私としましては、お兄ちゃんには極力殺し名とは関わって頂きたくありません。出来るならば、早々に用件を告げて頂けないでしょうか」
言いながら。四回目のバタフライナイフ回収、失敗。ぐるると唸る崩子ちゃんも、それはそれで良いものだ。
「良い番犬飼ってんな、いーちゃん」
「良いだろ。あげないけどな」
三回廻ってわんと言わせた時の、あの苦渋に満ちた顔はぼくだけのものだ。
ぼくがそんな事を考えている事を知ってか知らずか、零崎は柄にも無く苦々しい顔をした。
そして漸く、本題を口にする。
「あー、まあ、言い難いんだけどな……」
「ごくり」
「……妹と逸(ハグ)れたんだよ」

ぼくが口を「は」の形にしたままに凍り付いた事は、書かずとも察して頂けると思う。
察するに、余り有ると思う。
零崎が おにいちゃんとか あるわけねえよ by戯言遣い
混乱し過ぎて戯言遣い、二文字も余らせてしまった。
瓦解誘発体質。
ぼくの持つ第一のスタンド能力。
そして、変態誘引体質。
ぼくの持つ第二のスタンド能力だ。
持ち主の意思に関係無く常時発動型なのが悩みの種。
今回は後者が求められているらしい。
「つまり、人識クンはそのいーちゃんの体質を見込んで話をしに来た、って事か。良いね良いね。頼るべきは友達だぜ、やっぱ」
「頼られていると言うよりも、馬鹿にされてる気がしますよ……ところで、哀川さん」
「潤」
彼女が睨んで、怖気付かない対象は数少ない。ぼくはその、数少ない例外だ。
「上の名で呼ぶな下で呼べ」
このやり取りはお約束。
赤髪危機一髪って感じ。楽しいけれど、遊び過ぎると首が飛ぶ。
無論、ぼくのである事は言うまでも無いと思う。
赤い彼女とぼくは駅前の喫茶店のテラスでランチと洒落込んでいた。
ちなみに。店内ではなくテラスである事には理由が有って。
曰く。赤い征裁が足を踏み入れた建物は一つの例外も無く崩壊する、から。
案外、その昔、骨董アパートが崩壊したのは彼女の所為なのかも知れない。
「アタシを苗字で呼ぶのは敵だけだ……って、そろそろいい加減にしておかないといーちゃんのかわいーかわいー崩子ちゃんを誘拐してオランダで結婚式あげちまうぜ?」
飛ぶのはぼくじゃなくて崩子ちゃんだった。
高飛び。
「それだけは勘弁して下さい」
ぼくは土下座した。
水面の向こう側。人類最速にも負けず劣らずの土下座速度だったと後に哀川さんは語ったとか語らないとか。
「いーちゃん。男なら簡単に頭を下げんじゃねえよ」
「ぼくは友達の貞操を守る為なら、こんな軽い頭幾らでも地面に叩き付けてやる」
戯言、なんかではなく。それは心からの言葉だったって……まあ、どっちにしろ戯言だ。
「で? アタシを呼んだって事は何か用件が有るんだろ、いーちゃん?」
「ええ。潤さんを人類最強の請負人と見込んで、お願いが有ります」
ぼくは切り出した。
「この件について、ぼく以外のぼくの周りの安全を、請け負って下さい」
「ふうん」
哀川潤は、死色の真紅は楽しそうに、笑った。
「カードの切り方を心得てきたじゃねえか、いーちゃん」
真赤なワインを真昼間だと言うのに豪快に飲み干して、そして愉快で堪らないと、真赤なスーツで固めた身を豪快に震わせて笑った。
「『ぼく以外』ね。良いぜ。そういうのは嫌いじゃない。どころか、大好きだ。そうだよな。男の子ってのはそうじゃないといけないよな」
「でしょうね」
真赤な彼女の好きなもの。
それは王道で構わない。
それは奇を衒う必要なんてどこにもない。
お約束の展開、王道のストーリー、どっかで聞いたことのある登場人物に、誰もが知ってる敵役。使い古された正義の味方にありふれた勧善懲悪、熱血馬鹿に理屈馬鹿。ライバル同士の友情にお涙頂戴のハッピーエンド。
それは奇しくも、戯言遣いが好きなものと同じだ。
「この街がですね。どうもぼくは好きになってしまったみたいなんですよ」
七年前のぼくにはどうしても言えなかった、その言葉。
「この街に生きる人達を、どうもぼくは好きになり過ぎてしまったみたいなんですよ」
七年前のぼくに聞かせてやりたい、紛れも無くぼくの口から出たその言葉。
「ぼくの住む街を荒らすようなら、それはぼくの敵なんじゃないかと、そう思い込むようになってしまったみたいなんですよ」
世界を殺すことも。
世界を壊すことも。
世界を終わらせることもできっこない。
でも。
世界を救うことはできる。
決めたよ。
ぼくは――ぼくは正義の味方になってやる。

七年前に決意した、その生き方。
七年前から変わっていない、ぼくの生き様。
「だから、潤さん。ぼくが戦えるように。ぼくがこの街を救えるように」
「おっと。そこまでだ。その先は要らない。アタシを誰だと思っていやがる。心得てんよ、いーちゃん」
彼女は皆まで、言わせない。
そこで言う言葉を、彼女は知っているから。
真赤な彼女の好きなもの。
「背中は、任せとけ」
それは王道で構わない。
王道に、王の道に、敵うもの無し。
人類最強の後ろ盾が有って、正義の味方に負ける道理など、どこを探しても、有るものか。
「ハッピーエンドの続きはな。しあわせでなくちゃいけないんだよ」
「同意します」
「しあわせでいる為には、しあわせを、守らなくちゃな」
「ええ」
きっと、それで正道。
ニヤリと、けれど気持ち良く朗らかに笑う彼女に、きっとぼくもニヤリと笑っていたのではないだろうか。
鏡が無いから分からないけど、どんな顔でも、笑っていたのは間違いない。
悪くない、晴天の正午だった。
「この店の勘定はぼくが持ちます。そもそも、潤さんは店内に入れないでしょう?」
というか。お気に入りの店を壊されたくないぼくだった。
建物に入れないって、日常生活を送る上でかなり高難度の縛りな気がする。
ぼくならとても無理だ。
「ああ。なら、それが今回の依頼料って事にしとこうぜ、いーちゃん」
言って、ウェイトレスを呼び付けワインのお代わりを注文する彼女。
真姫さんじゃあるまいし……哀川さんってそんなにお酒好きなイメージ無いんだけどなあ。
久方振りの再会だから、喜んでくれているのかも知れないと、そう考えているのはぼくの自意識過剰かな。
剣呑、剣呑。
「え? 依頼料?」
「なんだよ。追加くらいさせろっての。案外ケチ臭いな」
「いえ、そうではなくって、ですね」
哀川潤。
人類最強の請負人は。
人類最強の請負人だけ有って、引く手数多だ。
正直、彼女を動かすにはぼくの私財を切り崩す必要が有ると考えていた。
肩透かしも良い所。
「安過ぎませんか?」
ぼくの問い掛けに、しかしどうしてだろう? 意味が分からないと赤い彼女はぼくを見据える。
「高過ぎるくらいじゃねえの?」
哀川潤はそう言って、とても彼女らしい言葉を、続けたのだった。
「友達の友達を守るのに、本来なら金なんか受け取らねえよ、アタシは」
それが当然と。
それで平然と。
やはり、彼女には敵わない。
七年経ってもまだ、足元にも及べそうに無い。
でも、それがとても、愉快だった。
愉快で痛快で爽快な、それは京都の正午だった。
「馬鹿とハサミは痛快YO!!」
哀川さんによる姫ちゃんの物真似で、全ては台無しになったけれど。

哀川さんと別れて、城咲の化物マンションへと向かうぼく。
特に理由も無く、ぶらぶらと。
だらだらと。
気付けば城咲方面へとミココ号は向かっていた、というのが本音だった。
「まあね」
ベスパに跨ったまま、ぼくは一人ごちる。
「そろそろ、アイツが出て来ないとスレタイに偽り有りに、なっちゃうだろうし」
そんなメタ的な事を考えながら、ふらふらと。
へらへらと。
心ここに在らず的な、なんとなくうわのそらでスクータを運転をしていたからだろう。
もしくはスタンド能力一つ目が発動したのかも分からない。
いやいや。
二つ目だろうか。
いやいやいや。
多分、両方。
変態を呼び寄せて、物語はなるようにならなくなる。
ぼくの常道だ。

――その男は、決して出を外さない。
出を外さないから、ソイツはソイツだという背理証明。
まるで、出番を待っていたかのような。ここぞという時を狙い済ましたかのような。

「……縁が『合』ったな。俺の敵…………ぐふっ……」
ぼくは狐面のそのおっさんを問答無用で轢き倒していた。
……お呼びじゃねえんだよ。
出番でも無い。
出を外したら、それは単なる異様なファッションのおっさんでしかないという話。
哀川さんと別れて、城咲の化物マンションへと向かうぼく。
特に理由も無く、ぶらぶらと。
だらだらと。
気付けば城咲方面へとミココ号は向かっていた、というのが本音だった。
「まあね」
ベスパに跨ったまま、ぼくは一人ごちる。
「そろそろ、アイツが出て来ないとスレタイに偽り有りに、なっちゃうだろうし」
そんなメタ的な事を考えながら、ふらふらと。
へらへらと。
心ここに在らず的な、なんとなくうわのそらでスクータを運転をしていたからだろう。
もしくはスタンド能力一つ目が発動したのかも分からない。
いやいや。
二つ目だろうか。
いやいやいや。
多分、両方。
変態を呼び寄せて、物語はなるようにならなくなる。
ぼくの常道だ。

――使い回しじゃないよ?

彼女は、道端に居た。
赤いニット帽がやけに印象的なビジネススーツを着込んだその女性。なぜだろう。理由も分からないままに、眼を奪われるぼく。
なんか、どことなく針金細工、って感じ。そんな形容をする程細過ぎる訳じゃないのに。
なぜだろう。そう思った。
そう思った――その、数瞬。
時間にして一秒も無い。正しく一瞬で。
ミココ号の前輪が半分、無くなっていた。
唐突にそんな事を言われても全くもって意味が分からないかも知れない。言葉足らずである事も理解している。けれど、それ以外にどう言えば良いのか?
だって「無かった」のだから。
これでも出来る限り、正確に記載してるつもりだ。
がくん、と。
前に向かって倒れ込むベスパのハンドルを慌てて握り直した時には、前輪が半円型になっていたのだから。
それ以上にどうも言いようが無い。どう書きようも無い。
戯言遣いであっても、そこまで無茶振りなアドリブは、利かない。
ちなみに時速、四十キロ超。
「あちょおぉっ!?」
人間というものは面白いもので。予想外の事象には予想外の、柄でもない、キャラにも無い台詞を吐いてしまうようで。
あちょー、じゃねえ。
当然の帰結として、ぼくは為す術無く宙へと放り出された。
どうやら、他の女の子に目移りしたのがミココ号の逆鱗に触れたのだろうと、ぼくは無重力遊泳をしながら考えて。
ああ、それなら仕方ない。自業自得だ。
だけどね、巫女子ちゃん。流石に走っている最中にスクータの前輪を半円にしちゃうのはちょおっとやり過ぎじゃないかな?
智恵ちゃんにはちゃんと謝ったのかい? ねえ、思い返すまでも無くやり過ぎはよくないよ?
いや、まあ、怒らせたぼくも悪いのかも知れないけどさ。
その日、戯言遣いは空を飛んだ。
どうしようもなく、どうする事も出来ず、空を飛んだ。
ああ、太陽が眩しい。
「分かってるって。愛してるのは君だけだよ、巫女子ちゃん。だから、機嫌を直して欲しいな」
そんな戯言を言い終わると同時に、ぼくはアスファルトに叩きつけられた。
――暗転。
眼を覚ます。眼を開ける。目玉をぐるりと一回転。状況認識。現状確認。
横になったままで速やかに、損害報告(ダメージリポート)。
「第弐話。見知らぬ、天井」
オーケー。意識は有るし戯言も吐ける。
という事はぼくは大丈夫。
意識さえ有るなら、ぼくは――大丈夫だ。
それにしたって、ここはどこだろう?
こういう場合は鴉の濡れ羽島と相場が決まっているものだけれど。
……決まっているのが癪だけど。
だけど、部屋が白一色じゃない時点で、その可能性は否定された。
眼に映るのはチープな蛍光灯。これだけでもばっちりあの孤島でない事は証明できる。照明だけに。証明。
正真正銘、今のは戯言。
更に言うならどこにでも有りそうな壁紙の張られた天井。
お世辞にも寝心地が良いとは言い難いベッド。
まるで安モーテルだ。
……っていうかさ。ここ、どこ?
「あ、眼を覚ましましたかっ!? 眼を覚ましちゃいました!? 良かったあ――すいません、わたし、気付かずにしとめちゃったかと思って焦ってしまいました!」
仰向けのままのぼくの視界の中に入ってくるのは、記憶に新しい赤いニット帽。
黒いスーツ姿の可愛らしい女性だった。針金細工の様に、手足の長い印象を受ける。けれど、よくよく見たらそんなに長い訳でもなく。
……はて?
なんでぼくは彼女に針金細工なんて言葉を抱いたのだろう?
どうも頭を打った所為で、認識能力が落ちているみたいだ。
「あ、あの、どこか痛いところはありませんか!?」
……いや、ね。
……ぼくの状態を見ればその質問は有り得ないと思うのだけれども。
このマイペースな感じはなんか久々な印象。
巫女子ちゃん系。
「うん、痛い所だらけなんだけれどね」
「うわっ! やっぱり!? ワンバンでキャッチしたからセーフかと思ったんだけど、アウトでしたっ!?」
落ちた物でも三秒以内なら食べても良しみたいな、そんな言い方をされてしまった……。
人間を食べ物と同列に扱うとか、零崎かよ、この子は(悪口)。
……大体、一度でもアスファルトでバウンドしてみたら、そんな台詞は吐けないだろうと思う。
少なくともぼくならもう絶対に吐けない。
ワンバンでキャッチしたからセーフかと思ってました。
無理。
そんな戯言、とても吐けない。
戯言で戯言遣い、大敗北だった。
恐らく歴史上初。
そうでもない気がするけれど。
「まあ、でも、多分、動けないほどじゃないよ」
「あ、ちなみにおにーさんの左腕ぽっきり折れてます。すいません」
「重体だ!!」
本人が気付いてない所で重体だった。
あ。でも、これでらぶみさんに会いに行く口実は出来たか。
災い転じて福と為す。
今度こそ、CGを回収しないとね。
「じゃないよ! そうだよ、なんで病院じゃないの!? いや、病院じゃないよね、ここ!?」
「えっと、事故現場の近くに有ったラブホテルです。きゃっ☆」
「きゃっ☆」じゃねえよ。
……可愛いけどさ。って、違う! 流されるな、ぼく!
この手の手合は流されてそのペースに巻き込まれたら試合終了ですよ!?
「安西先生、轢き逃げがしたいです」
「ぼくは安西先生じゃねえよ」
轢き逃げしたのは彼女じゃなくてぼくだし。
轢き逃げ? んん? そんなのしたっけ?
どうにも記憶が曖昧。
記憶障害だろうか。どうやら思っていた以上に頭を強く打ち付けたらしい。
「たんこぶとか、この年で作りたくはなかったのになあ」
格好悪いじゃん。いい年した大人が。
スクータで転倒とかさ。未だバイクなら有りかも、だけど。
「大丈夫ですよ。おにーさん、童顔ですから。まだまだやんちゃしても良いと思いますよ」
そんなフォローに見せ掛けた暴言は要らない……要らないんだ。
「まだまだ、高校の制服とか着ていても違和感有りません!」
「それは女子高の制服じゃないだろうな!?」
トラウマ。
心的外傷。
七年も前の事くらい忘れさせて欲しい、いい加減に。
「えっと……とりあえず、救急車呼んでくれる?」
うんざりと言うぼくに向けて、首を振る彼女。
「携帯電話を持っていません」
「あー、えっと……ぼくの使って良いから」
そう言ってぼくは、(比較的)無事な右手を使ってポケットから携帯電話を取り出す。
パカリと開いて……そして更にうんざり。
画面に映る着信報せ。「着信:256件」。
……死にたい。
……もう、本当に。こういう時で無ければ特に何も思わないのだけれど。
泣きっ面に蜂。
いっそ殺せ。
殺さずに精神崩壊を狙ってくるのが、本当に、非常に性質が悪い。
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玖渚とぼくが結婚した後の、アイツのライフワーク……らしい。
イタ電。
電話番号を変えようと。
着信拒否に登録しても。
手を変え品を変え。電話番号を変え、ぼくの携帯電話のプログラムまでも変えて。
一日に256回のぼくへのイタズラ電話がライフワークの凄腕クラッカ。
……正直、どうかと思う。色んな意味で。どうかと思う。
「わあ、着信がいっぱい。お友達がたくさん居るんですね。羨ましいな、おにーさん」
無邪気な彼女の発言が、とどめ。
そんな気は無いだろうけれど、これ以上無いくらい、どどめ色。
「……覚えておくと良いよ。友達とは選ぶものだ」
ぼくはこんなヤツ、選んだ覚えは無い。細菌野郎め。死んでしまえ。
「わたし、友達少ないんですよ。その少ない友達から更に選ぶなんて、とてもとても」
悲しそうに言う彼女。アレ? ぼく、なんか地雷踏んだ?
「わたしの場合は、選ぶまでもなく、色々と終わってますから」
はにかむ。まるで姫ちゃんみたいに。
はにかむ。まるで智恵ちゃんみたいに。
切なく、笑う。
見てるこっちが切なくなる、笑い方。
「そんな笑顔は止めてくれない?」
「え?」
「うっかり惚れちゃったら、どうしてくれるの?」
そう言って。ぼくは、戯言を弄する。
泣いてるみたいな笑顔は、見たくない。
そんな笑顔はぼくの周りでは、もう、要らない。
「ぼく、不幸萌えなんだよ。不幸萌えで、薄幸萌えなんだ」
それを聞いて彼女は困惑と羞恥の絶妙なブレンドを表情で披露する。
そうだ。
その方が良い。
ミココ号にはまた振り落とされるかも知れないけれど。きっと振り落とされてしまうだろうけれど。
それも、ぼくの生き方だ。
そんなんで、ぼくは良い。そんなんが、ぼくにはお似合い。
「えっと、納豆がお好きなんですか?」
「醗酵じゃねえよ!!」
どうも、ぼくの格好良い生き方は彼女には上手く伝わっていなかった。
「えっと……おにーさん、救急って何番でしたっけ?」
ああ、たまに度忘れするよね。あるある。117(時報)押しちゃったりさ。
でも、結構忘れちゃいけないレベルでの常識では有ると思う。
「119」
多分、合ってる筈。
携帯電話を操作する音。ぼくは彼女の背中を見ながら眼を瞑る。
ちょっと眠くなってきた。
「えっと……おにーさん、火事か救急かって聞かれたんですけど?」
……。
……消防車呼ばれてもなあ。
……眠いのになあ。寝かせてくれないかなあ。
「どこも燃えてないからね。救急で」
「えっと……おにーさん、続けて住所を聞かれたんですけど?」
「そんなこと意識が無い内に運び込まれたぼくが知るはずないじゃん!?」
思わず声を荒げてしまった。
なんて事がありつつも、連絡終了。日本ではどこから連絡しても十分以内には救急車が到着するようになっている筈だ。
十分は寝るには少し短い。
救急車は寝るには少し煩いし。
「えっと……おにーさん」
「何?」
ぼくは寝転んだままで首を回す。彼女は窓ガラスに体を預けていた。
「わたし……実は国家権力とは相性が悪いのですよ」
「はあ」
……国家権力って。他に言い方は無かったのだろうか。
「なので、非常に心苦しいのですが、わたしはここで退場とさせて頂きます」
「……え?」
退場?
「……零崎に」
彼女の脚が跳ねる。ちらりと見えた太腿にはホルスタ。ぼくの眼は彼女のすらりとした脚に釘付けに――ならない。
ホルスタから飛び出した、跳ね出た、躍り出した……その凶器が視線を奪って離さなかった。
鋏。
鋏だ。
いや、果たしてそれを「鋏」と呼んで良いものなのだろうか。
その――人を殺す事を目的として造られたとしか思えないフォルムを認めながら。それでも尚それを「鋏」と呼ぶ事はぼくには出来ない。
「零崎に出会ったのが、おにーさんの運の尽きだと思って、諦めて下さい。ごめんなさい」
零崎。
零崎一賊。
それは、殺人鬼の集団。
それは、最果ての更に果て。
先も無く、戻り道も無い、終わっている人間の俗称。
賊称にして蔑称。
「ちょ、ちょっと!? 零崎って!?」
「何か問われたらこう言って下さい。加害者は『零崎舞織』と名乗った、と」
それだけで、治療費は全額免除になるはずですから。
彼女はそう言って。
窓ガラスを「切り裂いて」、針金細工の彼女はそこから跳び降りた。
「今日のためのおはようと明日のためのおやすみを言いたくて、闇口崩子通算四十三度目の戯言遣いのお兄ちゃんのお見舞いにやって参りました」
四十三という数字を告げる時に、少女の眉はへの字になったのをぼくは見逃さなかった。
四十三度目。
死んでないのが逆に奇跡な数字だ。
どんだけぼくはこの病院にお世話になっているのだろうかという話。
そして、それはそのままらぶみさんルートの攻略難易度の高さを示している。
ルート分岐がまるで見当たらない。それっぽい選択肢を選び続けているつもりなんだけど……うーん……。
攻略wikiの設立を今や遅しと待ち望んでいるぼくだった。
地球の皆、オラに知識を分けてくれ、的な。
「やあやあ、崩子ちゃん。態々足を運んで貰って悪かったね。でもお見舞いは必要なかったみたい。今回は入院は要らないってさ」
左腕の骨折のみ。後の外傷は、どうという事もないらしい。
流石、ワンバン。たんこぶ一つで済んでいる。
記憶障害については、諦められたけれども。
「いーいーの場合は記憶障害じゃなくて記憶崩壊だから、これはもうどうしようもないよね」
記憶崩壊らしかった。あの看護婦め。怪我人相手でも容赦が無い。
名探偵に甘さは要らない、とかかも。
「ああ、それにしても。入院が要らなくなったのは、進歩かな?」
「それは何のフォローにもなっていません」
怒られた。
「お兄ちゃんが傷付く事でどれだけの人が心を傷めているか、お兄ちゃんはまるで理解していないのですね」
叱られた。
「お兄ちゃんはもっとご自愛なされるべきです」
終には諭されてしまった。保護者失格だ。
負うた子に教えられ、ってヤツ?
……金言だなあ。
「うーん。だけどね、崩子ちゃん。今回ばっかりは天災というか、不慮の事故だよ」
ぼくだって、まさか運転していたらベスパの前輪が半円になるなんて夢にも思わない。と言うか、思うようならぼくはかなりヤバい。人として。
前代未聞。青天の霹靂。そんなのぶっちゃけありえない。
「……スクータ」
崩子ちゃんは無表情に言う。
「前輪、切り裂かれていましたね」
「うん」
……そこまで知られていては、煙に巻く事は、出来ないか。
戯言を遣う、隙も無い。
「真っ二つでした。あれはアマチュアでは為しえません」
「ミココ号、回収してくれたの?」
「わたしではなく、みい姉様が。今は市中見回りに出ていらっしゃいます」
きっと、今日のみい子さんのじんべえは浅葱色で背中の文字は「誠」だろう。
士道不覚悟は切腹。
「ので、お見舞いはわたしが仰せ付かりました」
「そっか……そっか。それは、マズいな」
今の京都は殺し名が闊歩している以上。
みい子さんが、危ない。彼女はぼくの関係者である以上。ぼくほどではないにしろ、そういったものに行き当たる危険性は無視出来ない。
ぼくの関係者。
それだけで、行き合う理由としては十分だ。
そして、行き合えばきっと彼女は、果たし合う。
敵前逃亡は、士道不覚悟。つまりは切腹ものだ。
だけどみい子さんは一般人。その枠を抜け出てはいない。以上、彼女を行き合わせる訳には、いかないだろう。
「崩子ちゃん。みい子さんを探して部屋に戻るように説得してくれるかな」
「嫌です。わたしはお兄ちゃんの身辺警護を言い付かっています。そして、わたしもそれを望んでいます」
「……ふう。分かったよ。だったら、ね、崩子ちゃん」
「はい、お兄ちゃん」
「命令だ。みい子さんを、守れ」
闇口にとって主の命は、絶対。
ぼくの関係者の安全は潤さんに頼んでいるとは言え。
出来る事は、しておくべきだろう。出来る手は、打っておくに越した事は、無い。
闇口であった彼女は、口答えはしなかった。ただ、ぼくの命令に唇を噛み締めて頷いた。
「どうか……ご自愛を」
そう言い残して、少女は音も無く消える。まるで闇に溶けるように、影も無く。ぼくはそれを見届けると(ぼくの動体視力じゃまるで彼女の姿は見えてはいないけど)、病室の天井に向かって呟いた。
「ああ、彼女に闇口はさせません。殺し名はさせません。今のはぼくからの純粋な『お願い』です。という事でどうか見逃してくれませんか、濡衣さん」
元より期待はしていなかったけれど、返事は無かった。だけど、沈黙は何よりも雄弁な肯定といった所だろう。
彼は、ぼくの戯言を恐れている以上。
返事は無くて、それで、当然なのだから。
濡衣さんが居ないのならば、それはそれで別に問題も無い。
「さて、と」
ぼくは左腕を固定している邪魔な三角巾を取り払った。
これから戦いに行く人間が、こんなものはするべきじゃない。
「立てば嘘吐き座れば詐欺師、歩く姿は詭道主義――」
病室の扉を歩いて抜ける。足元はしっかりしていた。それで十分。十全に上等だ。
「さあさ、皆様お立会い」
口さえ開けば、それで完成。ペテン師に、暴力は要らない。
必要なのは、口先三寸、二枚舌。
「零崎も爆弾魔も。それじゃあ、いっちょうまとめて」
戯言遣いの戯言三昧。
「殺して解して並べて揃えて、晒しに行くか」

そんなこんなで、はじまりはじまり。
病院では携帯電話の電源を切っておきましょう。じゃないと、きっと電話が来る。
それはこの日のぼくみたいに。
それは悪戯電話というには深刻な。
それは257回目の着信だった。
それはつまり、一回多かった。
「つまり玖渚友は特別変異なのだよ。特別に特別なのさ。特異の中の特異、変別の中の変別、それが彼女、玖渚友だ。
それも冗談としか思えないくらいにとびっきりの、冗談とも思えないくらいにタチの悪い、そんな類型の特別特異だ」
電話越しに兎吊木は言う。
「昔の話だがね。だがしかし、それは過去の栄光に留まらない。それはつまり未だに俺達が玖渚友に心酔して心底から心中を望んでいる事からも分かるはずだ。
けれど、だ。そこに返して見て君はどうだろう? 玖渚に死の危険を強要したあの七年前の行為は果たして好意と言えるのかな?」
電話越しに害悪細菌(グリーングリーングリーン)は言う。
「ああ、君にも反論はあるだろう。しかし俺にはそれが愛情だとはとてもじゃないが思えない。思えないんだよ。いや、俺には愛情なんてものがそもそも理解出来ないのだけれどね。
愛情。陳腐な言葉だ。愛憎ならば未だ理解出来なくはないか。独占欲、結構な事だ。とてもとても、人らしい。そして、俺には君がとても気持ち悪い。端的に言えばね。俺は君が嫌いなんだ」
喋るだけで人を壊す事が出来る、壊し屋(クラッカ)は続ける。
「君はね、玖渚友に、釣り合っているとは俺には思えないんだよ。いや、違うな。本質的には誰も玖渚友に釣り合う事なんて出来ないのだから。だから、それなのに、彼女の隣に居ようとする君が酷く滑稽に見える。
孤高とは、孤独なものだ。だが、それで正しい。頗(スコブ)る付きに正しいだろう。なぜ、なんて愚かな事を言い出さないでくれよ。それはそうであるように産まれてきただけなのだという事に、君だって異論は挟まないだろう?」
だけど、ぼくは思う。
それは、戯言でしかない。
「君はそれがそうである事が宿命付けられているそれを、それの隣を望むが故にそれをその高みから引き摺り下ろしたのだよ。これが害悪でなくてなんだろうか。本当に。俺にすら出来ない破壊だったよ。
ああ、見事だと、その手際に関してのみは喝采を送らないではない。だが。俺は許す事は出来ないし、死線の蒼は決して君を許さないだろう」
だけど、ぼくは知っている。
それは、真言の皮を被った、戯言でしかない。
「戯言遣いは、戯言を以って、死線の蒼という生き物を殺したのだよ。さあ、振り返ってみよう。君のあの行為は果たして愛かな?」
昔、ぼくは彼に言い返す術を持たなかった。けれどそれは昔の話。
昔話。
七年。七年だ。
それは成長するに決して短くなく。
それは老成するに決して長くない。

「君は玖渚友の事が本当は嫌いなんじゃないのかな?」

ぼくは、その言葉への返答に、二度と詰まる事は無い。
「兎吊木。ぼくはね、玖渚の事が」
それはいつか、彼女の前で誓った言葉。

「嫌ってほど好きで――憎たらしいほど愛してる」

戯言なんて、真言の前では露と消え逝く。
虚言なんて、真言の中では泡と溶け逝く。
それで、正解。
正しい、在り方。
電話の向こうから、溜息が聞こえた。
「……そうかい。残念だ。七年前の君はもっと素直な良い子だったよ。ああ、俺の問に対して返答に詰まる程度には、『知らない』などと強がる程度には、良い子だった」
「戯言遣いに、戯言を以って、戯言を封じようとする、戯言殺しの手腕は、もう飽きたんだ。兎吊木。何の用だ、なんて言わない。言ってやらない」
ぼくは不遜に、言い切る。
壊す事しか出来ない人間に、正義の味方が怯える必要なんて、どこにもない。有る訳無い。
正義は、決して負けない事を。ぼくは彼女から教わった。
「ふむ。なぜ、そう思うのかな、戯言遣い。後学の為に聞かせてくれよ。俺が君に用が有るなど、筋違いも良い所だろう?」
良いだろう。お前がそう言うんなら、だったら今度こそその鼻っ面に百点満点の回答を突き付けてやる。
「257回目だ。一回多い。つまり、この電話はプログラムじゃなく、兎吊木。アンタが自分の手で掛けている、って事だろう。話せよ、壊し屋。壊すだけじゃどうにもならない事が有るから、ぼくに電話を掛けてきたんだろ?」
兎吊木からのコールは毎日きっちり256回。二の八乗。スクリプトの関係か、そんな事は知らないが。
そのルールを自ら壊したという事は。
この男が、自分の手でイタ電をするなんて、そんな馬鹿げた事を、やるものか。
腐っても、壊れても、最壊の壊し屋が。
チームの一員が、そんなアナクロな事をするって、それは――。
「今、京都に爆弾魔がやってきている事は知っているかな、戯言遣い?」
……?
爆弾魔? いや、それは知っているけれど。
どうしてその単語が「兎吊木の口から出る」!?
棲み分けが、なっちゃいない。
そこは混ざらない場所だろう!? 混ざっちゃいけない……領域だろう!?
「……」
殺し名は。呪い名は。
「違う世界の御伽噺」でなければならない――筈なのに!?
「どうやら、知っているみたいだ。ああ、知っているものと思って離させて貰う。沈黙はこれ以上無い肯定だな」
そう言って、兎吊木は一拍溜めて、そして漸く「用件」を吐き出した。

「連中の狙いは玖渚友だ」

「……なっ!?」
「依頼人は――壊した。だが、殺し屋は依頼人が壊されようとどうやら関係ないようでね。依頼が出されてしまえば、取り消す術は無いらしい」
――壊した。
それは兎吊木にしてみれば赤子の首を捻るように簡単だっただろう。
破壊工作の専門家。自分の持つスペックのその全てを全て「破壊する」ただそれだけに費やした男。
兎吊木垓輔。
死線の蒼に。その気になれば万能の最強にすら匹敵するその能力を全部《破壊する》ためだけに費やした、ごく専門の、ごくごく専門の、専門過ぎる極まった破壊屋。とまでかつて言わせたこの男ならば。
それはコンセントを抜くように、容易いだろう。
だが。
兎吊木垓輔は……いや、兎吊木だけじゃなく。仲間(チーム)の連中は言ってしまえば所詮、プログラマだ。
どれだけ暴力的であっても。
どれだけ暴虐主義であっても。
それはネットの中だけの話。
純粋な暴力に対しては、赤子のように無力。
「ネットにさえ繋がっていれば君の手を借りるまでもないが。だが……いや、これは素直に敵の手腕を褒めるべきだろうな。俺達の手の届かない手を使う、とはね」
「仲間(チーム)は?」
「言われるまでも無い。動いている。だが、ぶつけられる駒が無い。そこで、君の出番と相成った訳だ。光栄に思ってくれよ、戯言遣い」
駒扱いは癪だったが。
事情が、事情だ。
玖渚の、危機だ。
玖渚友の危機に際してまで、それでもプライドを優先する程、ぼくは誇り高くない。
ぼくは、そんなものを誇りなんて、絶対に呼ばない。
「兎吊木。知っている事を全て話せ」
出番をみすみす見過ごして、後悔するなんてのは、もう、真っ平だから。
――真っ平、御免だから。
篝火戴空(かがりびたいくう)。爆撃機の兄。縦横無残(クロスファイア)。
篝火泰地(かがりびたいち)。地雷師の弟。地雷往来(マインストリート)。
二人合わせて縦横往来。十字炉(ブラムストリート)。
灰燼塵芥(ラッシュトゥアッシュ)の篝火兄弟。
「ソイツらの脅威は、まあぶっちゃけ火力だよな、火力」
零崎が笑いながらそう言っていたのを思い出す。
爆弾。
大型の建物を解体する時に、何が使われるのかはご存知だろうか。
大型の建物を破壊する際に、もっとも使われる手段をご存知だろうか。
そして、この京都で。
一番背の高い建物は?
「気付くのが遅いだろ、ぼく!」
引き篭もりがデフォルトである玖渚はきっと、今日も今日とてあのマンションに居る。
城咲の化物マンションで、引き篭もっている。
それは間違いない。そして、ぼくが今から避難を促したとしても。
彼女は一人では段差を越える事が出来ない。
蒼でなくなってしまった青は。
ぼくや直さん無しではあのマンションから移動する事すら出来ない。
「くそっ!」
急ぎたいのに。駆けつけたいのに。そんな時に限ってベスパは無い。
みい子さんがもう部屋に戻っているかどうかも分からない以上、フィアットを借りに行くのもダメだ。
そもそも回り道。
急がば回れ、なんて言ってられる場合じゃない。
考えろ。考えろ、ぼく!

「いや、そういう時は考えてもどうにもならないだろ、欠陥製品。『Don't think,feel.』ってな具合だ。考える前に動こうぜ、いーちゃん」
「そんな戯言を言っている暇は無いんだよ、人間失格!!」
「いやいや、戯言じゃねえし。現実を見ろって、いーたん」
「現実を見てるからこうして困って…………病院の玄関口で何やってんの、零崎?」

お約束の展開、王道のストーリー。
ピンチにはライバルが駆け付ける。
そんな――お約束。
そんな――都合の良い事ばかりも、たまには有りって事で。
不都合にだって、たまには休みが必要なのかも知れない。
なるようにならない?
違う。
違う。
赤い彼女風に言えば、それは。
なるように、していないだけ。
なら、なるようにするだけの話だろう?
正義の味方っていうのは、そういうものだったはずだから。
「ヒーロー見参、とかどうよ?」
殺人鬼はそう言って哂う。どの口が、どの口で、言っているのか。
全く、傑作に――傑作だった。
「で……えっと、実際問題、なんでここに居るの?」
「いや、怪我したって聞いてな」
零崎のネットワークも、今一つ良く分からない。
どこの誰から聞いたんだろう……ぼく、担ぎ込まれてから三時間くらいしか経ってないんだけど……。
「こうして見舞いにエロ本持ってきてやったんだが……どうやら、出番みたいじゃねえか」
人間失格は、ほくそ笑んだ。
「俺、マリオカートなら自信有るんだぜ」
「人類最速」は、チェシャ猫染みた三日月の眼で、哂う。
「ちなみに、ショートカットとか超得意」
「いや、ジャンプ出来る羽根とか落ちてないからな」
というか、SFCと同じレベルで語るんじゃねえよ。
「緑の甲羅ぶつけるのとか凄え上手い」
「だから、そんなのは落ちてねえんだよ!」
ぼくらは、なかよしだ。
――なかよしか?

スポーツカー(真っ赤なコブラではない。念の為)、接収。
「緊急事態だしな」
「緊急事態だからね」
ぼくたちは顔を見合わせる。
「大目に見てくれるよな」
「大丈夫。今更、窃盗程度のちょろい罪が増えた所で、ぼくも君も罪悪塗れだ」
ぼくたちは罰の方が追いつかないほどに、経歴は真っ黒だし。
「罪悪塗れの、大悪党だ」
運転席の零崎が違いないと哂う。
本来、生きているべきですら無い事がぼくと彼の共通点。
水面の向こう側。
だけど、ぼくらは生きている。だから。
例え、大悪党でも。
「だけど、だからと言ってしあわせになっちゃいけないって法律(ルール)は無いよ」
「だが、だからと言ってダチのピンチを見過ごさなきゃいけない道理(ルール)も無えだろうさ」
助手席のぼくは違いないねと笑った。

大悪党が改心して正義の味方に改宗する、そんな物語っていうのもさ。
それはそれで、王道っていうか、アリじゃない?

「シートベルトはしたか、いーたん?」
「ああ。頼りにしてるよ、ぜろりん」
「飛ばすぜ」
「異論は無い。飛ばしてくれ」
「今日こそは行くぜ、スピードの向こう側によッ!」
車がエンジンを唸らせる。ぼくはシートから投げ出されないように深く、沈み込んだ。
「ベストラップ更新を期待してる」
「任せろ」
人類最速が駆る、間違い無く今、この瞬間、最速の栄光を惜しみなく捧げられた、青いフェラーリF360(命名、青の六号)は走り出した。
坂道でも無いのに揺れの酷い車内。横揺れはジグザグ走行を繰り返しているから仕方ないのだけれど。
それにしたって、この殺人鬼、有り得ない運転技術だ。殺人鬼なんか廃業して、レーサになれば良いと思う。適材適所。
半年でアイルトン超えるよ?
そんな下らない戯言を頭の隅に追いやって、ぼくは舌を噛まないように注意深く言葉を紡いだ。
「ああ、そう言えば。零崎、妹さん探しはどうなったんだ?」
「んー? ああ、適当。こういうのは、出会う時にゃ出会っちまうもんで、出会えない時には何やっても無駄だ、無駄。探し物はなんですか。見つけにくいものですか、ってな。かははは」
探すのを止めた時、見つかる事もよくある話らしい。
ちなみに、探すつもりなんかさらさら無いのに、フラグが立っていたというだけで見つけてしまう事もまま有る話。こっちは実体験。
「その妹さん、ってさ。赤いニット帽で……」
「おー、それだそれ。赤いニット帽してていーちゃんが行き会っちまうなら、その女で間違いない」
「名前は零崎舞織?」
「ビンゴ」
喋りながらも(ぼく以外が見れば)驚くくらいのハンドル捌きを披露し続けている零崎。
余裕有るなあ。
反射神経だけなら哀川さんを超えるらしいから、今更ぼくは驚かないけど。
「ああ、つかぬ事を聞くけれど。零崎。君、免許は?」
「警察に捕まった事無いから、必要に感じた事が無えな」
……違う。捕まるから必要とかじゃないんだよ、零崎……。
無免許の曲して無駄に運転技術が高いのは……いや、まあこっちは別に不思議でも何でも無いけどさ。
無免で良いなら、ぼくも戦車の運転とか出来たりするし。
どんぐりの背比べだろう。鏡の向こうの自分と張り合っても、空しいだけだ。
「で? ウチの妹はどこで何してやがった?」
「……ぼくのベスパの前輪を真っ二つにしていったよ」
「へえ」
零崎は頷く。
「人じゃなくて乗り物狙うようになったのは、進歩だな」
……ぼくには「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」に思えてならない。
……そんなのは進歩じゃない。むしろ進化だ。
順調にレベルアップしてるの間違いだろう。
殺人鬼相手に、全くもって戯言だけれど。
「なあ、いーちゃん。コレが終わったら、ウチの妹捕まえんの手伝ってくれよ」
「依頼かい? ぼくは高いよ」
「金取るのかよ?」
零崎がじろりとぼくを睨む。余所見運転、ダメ、絶対。
前を向いてないのにハンドルを右へ左へ廻すのを見て、それでもそんな事を言うほど、ぼくは律儀じゃないけどね。
法律で縛れるような存在では、ぼくも零崎も無い。
法律で縛れるようなら、とっくの昔に縛られているのは――首。
縛り首。
「本来ならね。こっちもそれが仕事だからさ。でも、事情が事情かな。うん。今回はぼくが世話になるっぽいし、君に借りを作るのも違う気がする」
そう。ぼくはぼくがなりたい人間になる。だから。
「舞織ちゃんは『危うい』んだろう?」
「まあな。つか、零崎で危険じゃないヤツが居たら、ソイツは零崎じゃねえよ」
彼女は、彼のたった一人の家族。
零崎一賊は、七年前に全滅した。
その生き残り。
たった一人の兄と、たった一人の妹。
二人きりの兄妹。
「友達の家族のピンチなら、ロハで請け負うよ」
そんなので、お金を取るようになるくらいなら、ぼくはこの仕事を辞めてやるつもり。
「そうこなくっちゃな」
「ま、ぼくで何の役に立つのか、って話だけどさ」
「二人で京都市内観光でもしてりゃ、あっちから寄ってくるだろ」
零崎がそっぽを向いたままで(前を向こうよ……)鼻を鳴らす。
「男とデートなんて、ぞっとしないけどな」
「奇遇だね。ぼくも君とのデートなんて真っ平ゴメンさ」
「だが、事情が事情だからな」
「事情が事情だしね」
ぼくと零崎は揃って溜息を吐く。

「最悪に傑作だよ」
「最高に戯言だな」

ぼくたちを乗せた青の六号は碁盤の目の京都市街を、疾走する。

爆弾魔にして殺し屋。
殺し屋という事は依頼人が居るという事で。
つまり、依頼人が求めたのは爆弾魔であるという事に他ならない。
爆弾魔が、必要だった。
――爆弾が、必要だった。
「ゴール地点はどこだよ?」
「城咲。京都で一番高い建物だ」
玖渚友を殺そうと画策した場合。彼女の居る建物ごと殺してしまうのが一番手っ取り早い。
玖渚の所有するビル。そしてそこに居を構えるのはその玖渚のご令嬢。
例え殺し名であっても、彼女を殺すなんて一筋縄では、行きはしない。
真っ向からそんな事が出来るのは、赤い彼女くらい。
だったら。
――だったら、どうする?
ビルに入れないのなら。
その答えが、建造物解体。まるで模範解答みたいな、美しさ。
なるほど。兎吊木じゃないけれど、その機転だけは賞賛しよう。
「ああ、アレ」
零崎にも記憶に有るらしい。
いや、目立つしね、真白なあのビル。
「そ。アレ」
「高い塔に幽閉されたお姫様、ってか。かはは。傑作だぜ」
「何が傑作かって、王子様役だよ。ミスキャストも良い所だ」
配役ミスに関しては十年以上も前の話になるけれど。
王子様、なんて柄じゃない。
だけど。
玖渚を狙う彼らはそこを間違えた。
高い塔のお姫様には、それを守る騎士が居るって事。
彼女の危機には、必ず立ち塞がる正義の味方が居るって事に、彼らは気付けなかった。
「俺が殺ってやろうか、その兄弟」
零崎の申し出を、ぼくは断る。
「いいや。ぼくが殺る」
零崎は、哀川さんとの取り決めで、殺せない。
殺さない殺人鬼は、要らない。
殺せない殺人鬼では、この場合はいけないのだろう。
場違いだ。
それこそ、致命的なミスキャスト。
「玖渚に害を為すヤツは、正義の名において、殺す」
所詮、ぼくの道は血塗られた道。生きながら真赤な道で、逝くまで真紅が続く道。
どれだけ塗り直されても、塗り潰されても、赤は赤。
何も、変わらない。
何も、変わりはしない。
一人殺した所で。
二人殺した所で。
例え百人殺したとしても――千分の一。
増えるのは、たったそれだけ。
0,1%。それは零に肉薄する。
た っ た そ れ だ け の 数 だ。
一人殺した所で。
二人殺した所で。
例え百人殺したとしても――玖渚はぼくを愛するだろう。
た っ た そ れ だ け の 事 だ。

たったの、それだけ。

「……なあ、欠陥製品」
「なんだい、人間失格」

「お前が言う『正義』ってーのは、そりゃあ一体何の事だ?」

零崎が聞いてくる。僕は答えた。何の躊躇も無く、答えた。
「玖渚友という名前の女性の安寧」
死屍累々を踏み越えて。
「あるいはぼくみたいなのを好きだと言ってくれた人たちのしあわせ」
奇々怪々を踏み抜いて。

「手を汚すのは、ぼくだけでいい」

ぼくは汚い大人になった。
正義の理由を他者に擦り付ける、汚い大人に、ぼくはいつの間にかなってしまっていた。


誰かを不幸にして。
誰かを不快にして。
誰かを不和にして。
誰かを不遇にして。
誰かを不生にして。

――ぼく は しあわせ に なった。
――しあわせ も ふしあわせ も 気 の 持ちよう で しか ない。
504 ◆.vuYn4TIKs :2010/03/06(土) 22:29:11 ID:3rNmQOCw
えー、以上です。後半戦はまたいつか投下しに来ます。
ところで「さよなら戯言先生」の続きはまだですか?
505名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 22:29:37 ID:ZH3hr30D
Gj
506名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 22:30:43 ID:wlOZ4YoY
おっつ〜!続きが激しく気になる気になる木!
507名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 22:54:00 ID:wXYZdxuO
実にGJ

とりあえず、狐さんがギャグキャラにしか見えなくなった
責任は、続きを投下する事で取ってもらおうと思うw
508 ◆.vuYn4TIKs :2010/03/06(土) 22:57:35 ID:3rNmQOCw
宛 保管庫の中の人サマ
>>470
における「哀川さん」→「潤さん」
>>489 >>490
における「スレタイ」→「タイトル」
に変更しての保管をお願いします
509名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:18:14 ID:VA3Lfigg
おいおい、狐さんは最初からギャグ要員じゃないか
こう、存在的に
510名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:18:35 ID:VA3Lfigg
あ、乙ですだよ
じっくり読む
511名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 23:55:45 ID:+j4i2HPM
GJ、再現率高すぎ
思わず夢中になって読んだよ
それと狐さんは毎回最高に輝いてるな、使い回しってかコピペミスかと思った
512名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 00:11:35 ID:zy+4twZ4
すっげー面白かった。
ホントに普通に面白かったです。
戯言読んだのもう数年前だから、ちゃんと覚えてないキャラとかいたけど、
それでも凄くそれっぽい感じでした。
続き超期待してます。2日で90キロバイトくらい頑張ってください。
ホントGJです。
513名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 00:49:14 ID:McVRRXcP
乙です

つーか保管庫にいー友とか友いーが少ないのは仕様ですか?
514名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 02:34:06 ID:fcH2i0rG
とりあえず、青の6号は乙
うp主の守備範囲が気になる…
515名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 13:11:44 ID:3OoNqmzt
>>422 のお陰でこのスレに戯言風が吹いてきた
戯言だけどな
516名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 14:33:38 ID:tqsJ+H7+

「あなたとともに、いけるところまで」楽しく読ませていただきました。

掛け値なしに面白い。
ひさしぶりに原作を読み返してみようという気になりました。
ギャグやシリアスのバランスも良いです。
文章の技術的なことはわかりませんが、原作の解釈の仕方もわたしにはドンピシャでした。
哀川さんと喧嘩しようと思ったら、なるほど、確かにこれしかないですよね。
相手の格というか、キャラクター性、物語りに関われる、そんな濃い人だけ限定なんでしょうが、
必ず惹きつけ魅せるイイ勝負をしてしまうというのは、ヒーローな哀川さんの愛すべき長所であり短所。
……やっぱりカッコイイぜ。
そして冒頭から最後まで、人類最強にも負けず劣らずで、いーちゃんもカッコ良かったです。
この作品はどんなに出来が良くともssなのですが、まずは零崎や狐さんとのやり取りでニヤリでした。
掛け合いのキレはまったく落ちてないな。
本来これは原作に与えるはずの評価ですが、このssには自然としていて完全に引き込まれていました。
それと友との関係は、むしろ原作より丁寧だった気がします。
戯言シリーズには魅力的な女性キャラが多数居ますが、いーちゃんの嫁は友の一択しかありえませんね。
いーちゃんの為ならなんでもする友と、友には出来るだけしかしてもらいたくないいーちゃん。
首を絞める夢。――決して一般的ではないですが戯言遣いの最上の愛情表現なんでしょうね。
変わらない部分もあるし変わった部分もあるけど、このふたりはやっぱり狂ってても良いカップルです。
不覚にも最後の友の登場シーンで、目頭がほんのちょっとだけ熱く……。
人類最響。
これはオリジナルの設定?
だとしたらこれほど馴染んだオリ設定もないくらいに、なんだか個人的にはスッポリとハマりましたね。
小さな声でこれだけ影響力のある人間は彼女以外には居ないでしょうから。
こういうのは大概オリジナルの設定と馴染めず浮きますが、違和感なく友=人類最響が繋がりましたよ。
オリジナルの設定だと戯言のキャラには、やたら人類○○ってつけたくなります。
でもそのほとんどは原作にマッチしないのですが、これはオリ設定としては私的にベストマッチでした。

さて、やたら長々と益体のないコメントをしてしまいましたが、良作をありがとうございました。
グッジョブッ!!
517名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 19:30:33 ID:3jHklKgS
今日はこないのかな?
518名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 20:17:05 ID:KhtxGByY
またいつかって言ってたから、続きはそうすぐには来ないかなー。

おかげでというか何と言うか、戯言読みたくなって今読み直してるんだけど、
クビキリサイクルって最初読んだ頃思ったよりずっと面白いな。
なんでだろう?
519名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:25:30 ID:INEvvk3h
戯言は伏線を見つけながら読めるから2周目が一番面白いと思う
1周目だと気付かなかった伏線とかって結構あるよね

刀語思ってたより面白いな
全巻読破してみようかな
520名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:59:31 ID:kk/dJaYz
最近読み返して知ったんだけど、青色サヴァンと戯言遣いって両方とも締め方一緒なんだね。
なんか感動した
521名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 11:47:31 ID:LF9j0LF5
戯言もう一度読み返そうかな
やっぱり化物語より戯言だよ
522名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 12:43:20 ID:yaCtw9mt
もうちょいで零崎でるよねえ
523名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 13:20:49 ID:1FVAX2q3
神原は戦場ヶ原に頭が上がらない
戦場ヶ原は羽川に頭が上がらない
後は羽川が神原に頭が上がらなくすれば三すくみの完成だ
すべては神原のネチョテクにかかってる
524名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 17:04:27 ID:zFf6ShdB
そして誰にも頭が上がらないアタマ木さん
525名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 17:43:35 ID:rDYXIKiv
誰かひたぎさんが忍野のところで重さを元に戻すために儀式を始めたら
蟹に母親の手引きで男に乱暴されそうになる直前まで時間を吹っ飛ばされて
もう家族を壊したくなくて男に犯されるのを享受してしまうひたぎさんのSSプリーズ
526名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 18:51:16 ID:PeBmjMTK
>>525
阿良々木に愛されるためにまた同じことをすると思うが?
527名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:21:40 ID:YDGgaVW3
「……タイムスリップ、という事かしら」
「ああ、そのようだな、戦場ヶ原先輩! ちなみに私は半脱ぎだ!」
「……だいぶストリップ、という事かしら」
「流石戦場ヶ原先輩だな! こちらの意図を完全に読み取ってくれるその慧眼、素晴らしいを
 通り越して凄まじいと言えるレベルに達せられている!」
「まあ、戯言なのだけれど」
「ただ思いついただいぶストリップというネタを言ってみたいが為に私を半脱ぎにさせるとは、
 流石戦場ヶ原先輩だ! そこにしびれてあこがれて惚れる!」
「……半脱ぎになったのはあなたの自由意志でしょう、神原?」
「うむ。座右の銘は『隙あらば脱ぐ』。神原するがだ!」
「まあ、私も満足したからこれで終わりにしましょう」
「了解した! それでは全裸になるとしよう!」
「そうね、ここで阿良々木君がいたら『何がそれではなのか全然わかんねえよ!』とか言って
 突っ込むのでしょうけれど、生憎私は神原の自由意志を尊重しようと思うので、ツッコまないわ」
「隙があったので脱いだ! 神原するがだ!」
「逮捕されないようにだけは気を付けなさい、神原」
「了解した!」
「まあ……私自身としては、もうその時点ではあの馬鹿……もとい、阿良々木君に出会ってしまって
 いるので、母親との関係を壊したくない……違うわね、壊さない事ができるチャンスを与えられたからと
 言ってあの下衆のしたいようにさせる、という選択は採らないでしょうね。そもそも、それ以前に私の
 思い出を奪っていた蟹に、時間を超えさせるるような力があったのかどうかもわからないのだけれど。
 どちらにしろ、その設定自体に無理があると思うわ。もちろん……その設定で自分が書く、あるいは
 書きたい人がいるというのなら、止める権利は私には無いのだけれど」
「うわー、今日は雪が降っているぞ戦場ヶ原先輩! ほら、雪合戦ができるくらいだ!」
「あー、神原。神原。警察に逮捕されないようにするのももちろんなのだけれど、その前に風邪をひかない
 何とかだと思われないようにも気を付けなさい」
「その点はぬかり無いぞ、戦場ヶ原先輩! 何とかは風邪をひかないのではなく、ひいても気づかない
 のだから、単に風邪をひいた事が無い私は何とかではないという三段論法が成立する!」
「……まあ、あなたがそれでいいのならいいのだけれど」



                                   言いたい事言ったので終わり
528名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:29:51 ID:IYgRjXwJ
ここのところ豊作すぐる。
はあはあ。
529名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:38:59 ID:rDYXIKiv
なら昔の男が意外と忘れられなくてアララギを監禁してる間に貝木に抱かれに行ってたって設定でもおk
530名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:40:48 ID:dp6SQ0Z4
貝木って誰だっけ?
531名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:42:13 ID:rDYXIKiv
ひたぎさんの初めての男。間違ったことは言ってない。
532名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:55:25 ID:66GLTT68
初恋とは限らないんでね、別にいいけど
533名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:57:59 ID:aR5ZfEXo
>>525
あれだけ勝ち気な性格だったらその後、母親がペナルティで金持ち出して
家を傾け始めた頃にもう直接教団に出向いて交渉してるんじゃないか?

もう好きにしていいからそのかわり家にはこれ以上手を出さないで頂戴。
とかなんとか。
534名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 00:12:17 ID:/dEkTqMa
>>533
勝気な性格がいつ培われたかによるんじゃないかな。

あの頃のひたぎさんって、一生懸命いい娘になろうとしてたみたいだし、
その後、母親と離れ、父親と二人で暮らすようになり、
裕福な生活から暮らしが一変して以降なんじゃないか、あの性格が
培われたのは。自分に触れて欲しくないが為の攻撃性と、
誰かに助けてもらう必要を無くす為の自立性を、まがりなりにも
まだ三人で暮らせていた時期に持てているとは考えにくいように思う。

535名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 00:55:14 ID:wsAVmhmL
>>534
いいや。あの勝ち気な性格は昔からの物だと思うな。
だってほら、ただの女の子が幾ら襲われて必死だったとは言え
相手の男の頭をかち割ったりは普通できないだろう?

それでその勝ち気というか恐いもの知らずというか若さゆえの
過ちというか教団に乗り込んでは見たものの、そこでの数週間
あるいは一ヶ月だったかも知れない軟禁生活で受けたしうちは
そりゃあ勝ち気で初な女の子の想像を上回るものだったんだろうよ。

おまけにそこまでして約束だった筈の母親の持ち出しは止まらなかった。
それでお嬢ちゃんはそこで初めて大人の世界の常識を知った訳だ。
そりゃ性格も歪んじゃうよね。失礼。過剰防衛というべきかな?
そう僕は聞いたけどな。からだでお礼を受け取るときにさ?
あ、内緒にしといてくれって言われてたんだっけ?
536名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:06:05 ID:atXKzevz
そんな鬱展開ヤだわ…
537名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:08:11 ID:/dEkTqMa
>>535
いやいや、人間の持つ防衛本能について甘く見ちゃってるんじゃないかい?
ただの女の子でも普通に襲ってきた相手の男の頭をかち割ったりはするよ。
って、言っても、それがあくまで結果としての物なら、って事になるけども。
そして、それはあくまで結果としての物である、というのは現場の状況から
類推できる。得物となったのは愛用してたスパイクで、しかも事前に準備
していた物ではないわけだからね。これが事前にスパイクを押し倒される場所に
計算づくで設置しておいた、という事なら話は変わってくるけど、
ま、それは考えにくいだろうね。というか、どんな策士だ。ひょっとすると策師かもしれないねぇ。
手に取れる場所に武器があったら、身の危険に晒された時にそれ振り回すのは
普通だろうからね。件の例については、そういう状況であった、と考えるのが
最も妥当であると言えるだろう。

かち割ったのはただの結果であって、そうしようという意志の元にそうした
わけではない、という事だね。意志の元でそうしたのであれば、阿良々木君と
ニャンニャンできない理由は特に無くなると思うよ。自分の意志で自分の
身は守れて、尚且つそういう意志、つまりは母親の意向に逆らう意志を
その時点で持てていた、という事なのだから、それがトラウマになる事は
これまた考えにくい。そういう事をされたという事はベースにあるのは確か
だとしても、それから逃れられたのが偶然であるという事、そしてそれが
母親と自分の決定的な亀裂になってしまった事、このニ点がトラウマ化の
大きな要因になった、とまあ、こういう風に僕は考えるね。

ま、あくまで、心の機微にゃ疎い、門外漢の勝手な想像、なんだけどさ。

・・・ここまで書いておいてなんだが、これは一体誰なんだ?w
538名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:12:48 ID:q30+nTDs
キモい
539名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:14:39 ID:MVKqZR+9
まぁ、とにかく、ひたぎさんが輪姦されたり寝取られたりする話が読みたいなぁと思うのでした
540名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 01:18:11 ID:/dEkTqMa
スマンカッタw
夜中のノリとテンションで適当に書くのはよくないなw

>>539
読みたいなら自家発電オヌヌメだ。
ましてや、輪姦はともかく、寝取りについては、
なかなか書こうと思う人も、書ける人も少ないだろうからな。
どうしたって、原作との違和感は禁じ得ない。
そこら辺を納得させられるだけの寝取り話は、
正直俺にゃ無理だw
541名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 02:07:16 ID:3OUt5mot
リンカーンとかntrとかG姦とか好きな人ってどこでもいるよね。
ただ、阿頼耶識さんと扇情ヶ原さんはラブラブじゃなきゃヤダっていう
俺みたいなのもいるから投下するときはできれば注意書きがほしい。
542名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 02:27:26 ID:hVf4Q45K
へー、こっちにも沸いて出てるんだ?処女厨房(w

【とある魔術の禁書目録】御坂妹とミサカ妹達のスレ6
553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 19:45:04 ID:PWcqXtLU0
  学園都市のレンタルビデオ店に「常盤台レールガンのそっくりさん」て感じのタイトルで
  明らかに本人としか思えない似姿の少女のAVが並んでるんだろうなぁ
  当然スキルアウトに輪姦されてるシーンとかもあってマニアに大うけな感じで

【とある科学の超電磁砲】御坂美琴 ケロヨンシャンプー44本
399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 14:41:09 ID:PWcqXtLU0
  そうだな。たまには上条が美琴に惚れててでも美琴は上条にまったく興味なくて
  話かけられても「ふーん」て携帯ポチポチ弄ってて
  でも俺が通りかかったら突然笑顔で抱きついてきてイチャイチャし始めて上条涙目でもいいよな。

【とある科学の超電磁砲】御坂美琴 ケロヨンシャンプー44本
429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 19:15:36 ID:PWcqXtLU0
  美琴が寝てる隙に魔術回路組み込んで上げたい。
  能力使う度に血反吐吐いてのたうちまわる美琴可愛いよ可愛いよ美琴。

【化物語】戦場ヶ原ひたぎ蕩れ19【ひたぎクラブ】
907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 09:47:39 ID:PWcqXtLU0
  誰かひたぎさんが貝木に寝取られるSSあったら教えてください

【化物語】戦場ヶ原ひたぎ蕩れ19【ひたぎクラブ】
912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 17:57:10 ID:PWcqXtLU0
  母親がはまってた宗教の幹部の人間に大人しく抱かれてたら、
  アララギみたいな屑男に引っかかることもなく
  女の悦びを教えられて幸せな家庭のまま高校生活を迎えられていたのかと思うと不憫でならない。

【化物語】戦場ヶ原ひたぎ蕩れ19【ひたぎクラブ】
914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 18:54:17 ID:PWcqXtLU0
  ちょっとだけですか

【化物語】戦場ヶ原ひたぎ蕩れ19【ひたぎクラブ】
916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 18:59:48 ID:PWcqXtLU0
  思わぬ優しさだ

【化物語】戦場ヶ原ひたぎ蕩れ19【ひたぎクラブ】
918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/03/09(火) 19:34:09 ID:PWcqXtLU0
  昔の男が意外と忘れられなくてアララギを監禁してる間に貝木に抱かれに行ってたら興奮するのに

あちこちで精神異常だねぇ、何かエロいことでも咎められたのかい?
543名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 02:30:09 ID:hVf4Q45K
>>539
おまえの母親酔わせて聞いてみれば、もっとリアルに体験談しゃべるんじゃねーのか?
544名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 03:03:28 ID:JlNcKqOo
虹で陵辱系はどこでも荒れる元になるよね
気にくわないならただスルーすればいいと思うんだけど…
陵辱好きな人も一応スレチではないし、荒らすという程の頻度で書き込ん出る訳でもないし
545名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 09:19:33 ID:ejg/diiy
処女厨と嫌ntrは全く別物だと思うがどうだろう
546名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 10:03:42 ID:aLk++gLA
フィクションの中でくらい夢を見させてくれたっていいじゃないか
547名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 11:56:52 ID:+yft10i3
「非処女減点ではなく処女加点」という言葉があってだな
548名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 17:23:40 ID:XjT0PC9t
非処女加点があっても良いんじゃないか?
549名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 17:55:18 ID:4ZvW6Sky
寝取り属性って要は非処女加点ってことでは?
550名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 18:00:55 ID:1XXnklco
寝取られ嫌いだけど非処女は好きな俺が通りますよっと
非処女は過去の産物だけど寝取られは現在進行形
551名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 19:01:03 ID:JlNcKqOo
わかった!じゃあ処女やる!兄ちゃんにあたしの処女やるから!
552名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 19:01:36 ID:MVKqZR+9
ひたぎさんが寝取られるなんて興奮するじゃないか。
蟹の件の後で、忍野のところに通い妻の如く世話焼きに通ってて
情が移っても困ると、ひたぎを突き放すために忍野が彼女を強引に押し倒したら
抵抗しないでそのまま忍野の身体を受け入れようとするひたぎさんとかそんな感じで。
553名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 19:23:23 ID:wnsSizjH
注意書きさえあれば別に何でもいい
嫌な人が見ないで済む手段さえ確保されてれば
554名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 19:51:50 ID:2HwjkvjU
だが待て。ツンデレヶ原さんは処女であることを隠そうとした実績があるぞ。
フララギさんと公園でしてた会話。ヤリまくりとか無理な強がりで全俺を萌え殺した1件だが。
そういう彼女なら、フララギさんに攻勢をかける前に、重いバージンを大人の忍野に
処理してもらおうとかいう処女臭い奸計を巡らしそうだ。
555名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:11:31 ID:NLniwPQ4
西尾の日本語のセンスはどこからきてるんだろうか……
556名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:14:25 ID:MVKqZR+9
西尾って面白い話書く時は本当に面白いけど、たまに全力で糞な話作るよね。
557名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:44:25 ID:1XXnklco
戦闘シーンとかな
558名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:50:09 ID:pOS5lMi6
さかな箱とかな
559名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 21:44:29 ID:Z/TUAeac
てめー半袖ちゃんディスってのんか
560名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 23:29:55 ID:cVmdviQ1
さかな箱フイタ。魚屋さんじゃねえか
561名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 00:21:45 ID:0UqM70nz
>>556
>全力で糞な話

高熱となった後の火憐が家飛び出して、暦とバトルところまで、が
僕にはまさに「それ」だったな。何の意味があるのか、なんの足しになるのか
さっぱり不明だったし。
562名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 00:47:57 ID:VgbSG5jL
するがツーリングの続きまだ?
563名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 01:28:06 ID:o8sk+9gI
>>561
でも、バトル後のシスコン全開な阿良々木さんは良い味だしてたよ
こういう兄は凄い的な事を何度も繰り返して、妹達から絶大な信頼を寄せられてるんだなぁとわかったし
564名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 11:47:04 ID:yfNbpHfx
妹が馬鹿になるのも頷けるな
565名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 16:56:38 ID:ngng6hN2
ガバガバに……すまん忘れてくれ
566名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 18:00:15 ID:o8sk+9gI
僕はそれを忘れない。
この先、たとえ何があっても。
567名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 18:27:02 ID:CtvDwAbi
戯言引き続き読んでるんだが、こんなに面白かったっけ?ってくらい面白いなぁ。
化物と違って、会話の妙を表現するのに知識とかが必要な感じがするから、
自分ではあんまりエロSSは書けそうに無いがw

化物が趣味ん百パーセントの小説と自称される意味が、
何かわかったような気がするw
568名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 20:58:43 ID:i32ml43J
戯言読んだことないけれど、
あのSSで面白そうだなーと思った。
569名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 21:26:42 ID:tPq/C8OC
戯言を読まないなんて人生の十割を損してるぞ
570名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 22:39:29 ID:CtvDwAbi
あのSSで面白そうだと思えたなら、多分読んでも大丈夫。
ただし、化物的な軽妙な会話のやり取りは、無いわけではないが
メインになってるわけでは無いので、それを求めていると肩透かし喰らったような
気分になるかも。特に初期はそう。後半になればなる程、会話やり取りが
楽しくなってきたような覚えがある。現在クビツリを読み直してる所なので、
実際にどうだったかははっきり言えないがw
あのSSも、どちらかというとそういう成分多めではあったからね。
内容的な再現率とかはハンパなく高かったにしろ。

あとは、一応これは忠告しておいた方がいいのかな?というような
要素があったりするんだが、軽いネタバレになるかもしれないので、誤爆スレの方にでも
書いておくよ。もしも自分が凹みやすい性質だと思うなら、そしてネタバレ上等だと
思うなら、読んでおいてくれ。ネタバレとか勘弁してください!という時は、
読まない事をおススメする。予想がついちゃう所があるからね。
一応推理小説の体を取ってるわけだし、後半その要素がほぼ無くなるとは言え、
やはり予想はつかない方が物語は楽しいわけだし。

それでは、気が向いたら楽しい戯言人生(ライフ)を送ってみてくれ。
571名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 23:05:11 ID:Fzpvv+1u
戯言だけどね。
572名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 23:27:09 ID:CtvDwAbi
いや、傑作だろ。
573名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 23:45:56 ID:o8sk+9gI
ここは間をとって戯作ということで
574名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 00:15:09 ID:QadjJWzM
ところで>>345のこよみサマーの続きってどうなったんだ?あとまとめサイトで>>345の内容が>>347になってるけど同じ人なのかな。
575名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 09:54:44 ID:Myd2UpFx
戯言風、吹いてきたな
追走する書き手さんいないか?
576名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 11:33:21 ID:L6zmUYlD
隗より始めよ
577名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 13:42:35 ID:N4GUYOgP
俺は全く戯言受け付けなかったなー。
作者も特に意識してなかったし、化物語借りて読んでアニメ化してから同作者って事知ったときはあのクソ作品と同じかよ!?
って思ったもんだった。
まぁ、人に因るとしか。
○○だから大丈夫ってのは無いな。身近に持ってる人居たらまず貸して貰って一巻読んでみると良い。
578名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 15:27:14 ID:tKQz/MBv
まあ、主人公が全力で読者の感情移入を拒む作品だからなw
579名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 21:09:01 ID:MefPUQ89
戯言は面白いけど寝取られて欲しいキャラがいないから微妙
580名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 22:25:30 ID:eyTWi/Yr
なななななさんは?
581名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 22:53:10 ID:iB7EAqty
>>579
ネコソギ以降の友なんて人妻みたいなもんだぜ?
しかも黒髪。
582名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:17:19 ID:Q8MYqsno
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がはらプレイ


001

「なあ、ガハラさん」
「なあに、阿良々木くん」
「えっとさ……」
「なによ……」
「……歯磨きって好き?」
「なによ、いきなり」
「ええと……」
「その目……いやらしい。わかったわ――はあ……また、おかしなプレイを私
に強制するのね」
「いやまて! ほとんどのプレイはお前に強制されて……」
「うるさいわね。もぐわよ」
「どの部位をですかっ!?」
「決まってるじゃない。言わせたいの?」
「いやいや、やめてくれ」
「あなたの大事な……身体の真中にある、お――」
「あー! あー! わー! わー!」
「お・へ・そ。よ? どこだと思ったの? ――いやらしい!」
「いやまあ、お約束だとは思うけれど……ガハラさんの方が随分といやらしい
と思うよ。ってどさくさにまぎれて触ってるんじゃねーよ!」
「駄目? 私のも触る?」
「う――」
「それはともかく……うん、なるほど。わかったわ。これは年頃の女の子をい
やらしいと決めつけて、苛めるプレイなのね」
「どうみても苛めいじられてるのは年頃の男の子の方だろうが!」
「萌えるわね」
「萌えるのかよ!」
「燃やすわね」
「何をですか!」
「阿良々木くんのハートをよ」
「ああっ、またしたり顔! 別にうまくないから!」
「あら、うまくないかしら。私のこのテクニックじゃあ満足できないという
の?」
「そんなこと誰も言ってないだろ! ていうか、そろそろ、そこから手を離し
てくれません?」
「ちぇっ。じゃあ満足なのね?」
「……お前、恥ずかしくないのか?」
「なにが?」
「だってお前――」
「何、いやらしいことを考えているの。こっちが恥ずかしくなるじゃない」
「そんな顔を真っ赤にして――ガハラさんずるいよ」
583名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:17:40 ID:Q8MYqsno
「ずるかったらどうするのよ。阿良々木くん。歯磨きプレイでも強要するのか
しら?」
「したくない?」
「興味はあるけれど――」
「あるのかよ! って自分から振っといてなんだけど」
「まあ、以前、神原が喜気として話していたから、興味がないといえば嘘になっ
てしまうわね」
「やっぱりか。まったくこのヴァルハラコンビは――あ、ていうか、お前らセ
クハラコンビだよな」
「あらなに、そのしたり顔は。言っておくけれど全然うまくないわよ。ていう
か、私とキャラが被るじゃない。やめてくれない? ――もっとも、あなたが
被っているのはキャラだけじゃないのだけれど」
「やっぱりセクハラじゃないか! ていうか僕は被ってない!」
「いいのよ――私は気にしないわ。あなたのこと愛しているもの。それに日本
人男性の7割は……」
「そのネタはやめようよ……」
「あらそう。そんなに嫌がるならやめてあげるけれど――あまり落ち込まない
でね」
「もう意地でも被ってることにしたいんだな――お前、自分の男をそこまで貶
めて楽しいか?」
「はい!」
「なんていい表情でいい返事をするんだっ!」
「あなたの(ことを貶める)ためなら……私、なんだってするわ!」
「その括弧の中さえなければいい台詞なのに! 頼むから、そんな表情でそん
なに情感を込めて言わないでくれよ」
「まあ、冗談はともかく、その歯磨きプレイって、かなり危険そうなプレイだ
けれど――それ、本当に私に強要する気なのかしら?」
「――ガハラさん? 強気な口調と裏腹に、そんなに怯えたような目で僕を見
なくても。ああ、そんなに本気で……この場から逃げなくても――僕だって傷
つくんだぜ……って洗面所から歯磨きセット持ってきてるんじゃねーよ!」
「あーん」
「やる気まんまんだ!」
「あういあんあん?」
「ガハラさん、それはイメージ崩れるからやめてくれよ」
「あかった」
「わかってねーだろ!」
「ほあ、はあくひなはいお」
「じゃあ、するけど。させてもらうけど――」
「んー」
584名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:18:06 ID:Q8MYqsno


002

 歯ブラシに歯磨き粉を少し付け、ガハラさんの瞳を見ると――覚悟をしたよ
うに、あるいは催促するように頷き、僕の身体に抱き付く力を強める。僕は後
ろから抱くようにして、彼女の口に歯ブラシを入れる。歯磨き粉が唇に触れて
しまい、少しだけその部分が白くなる。これだけでも、ちょっとエッチだ。
 シャコ、シャコ……
 まずは全体になじませる。そして少しずつ挿入を深くして、奥歯から磨く。
 気持ちよさそう……
 でも――
 これは。
 健康的な。
 あくまでも――
 普通の、気持ち良さ。
 シャコ、シャコシャコ、シャコ……
 歯の内側を丁寧に磨く。彼女は満足げな表情を見せてくれる。自分の男に歯
を磨かせることで――そして快感を与えてくれる男へのご褒美として。
 でも……ここまでは――前戯だ。
 シャコシャコシャコシャコ……
「んっ、んっ、んっ――んー、んふっ」
 歯を、磨く――
 愛しい女の歯を。
 丁寧に――
 愛でるように。
 いやらしく――
 痛くないように。
 優しく――
 彼女は僕の歯並びを誉めてくれたけれど、この女の歯並びも相当に――セク
シーだ。興奮してしまう。既に僕達はこんな格好をしているのにもかかわらず、
だ。
 この魅力的な歯を。
 歯茎を。
 舌を。
 口腔を。
 身体の――内側を。
 専用の、道具で。
 いじる。
 なんて幸せなんだろう――まずは歯の表面から……そして、少しずつ歯茎
を――肉を。固く白い歯と弾力のあるピンク色の肉の隙間、くちゅくちゅに濡
れた溝をほぐすように、焦らすように――
 シャコシャコシャコシャコ……
 磨けば磨くほど――彼女の顔が弛緩してくる……普段は凛として整った――
知的で可愛い仕草を見せてくれる顔が……鋭いクールな視線で僕を見据えるは
ずの美しい瞳が……とろとろに潤んでくる。
585名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:18:48 ID:Q8MYqsno
「んふっ……んっんっ……」
 何かを僕に訴えかけるように。助けを求めるように、あるいは、もっと求め
るように。快感を、高みを、深い……快楽を――
 僕はこの行為を背徳的に経験していた――彼女に話せば多分、いや確実に殺
されるだろう――でも、けれど、この手慣れた行為に多分気付いている。気付
かされている。初めての経験の彼女は、その身体で直接――そんな背景も僕を
興奮させる。背徳的な危険で死と隣りあわせの快楽。もっとも、この女と付き
合うには、それは日常的なことになってしまうのだけれど。
 シャコシャコシャコシャコ……
「ん……んっ――んー……」
 彼女は、もう僕にその柔らかな身体を預けきってしまっていた。その全てを
見せ付けるように、少しずつ彼女の身体が弓のようにしなり、美しい曲線を描
く。そしてその動きは、まとめていた綺麗な長い髪をほぐしほどいてしまう。
一瞬、彼女はそれに気付いて焦ったようだけれど――快感に抗うことは叶わず、
髪が妖しく乱れるのを許してしまった。
 シャコシャコシャコシャコ……
 次は舌を攻める。一番敏感な裏の粘膜。そこにそおっと触れた瞬間、彼女は
一瞬痙攣する。この部分は連続してこするわけにはいかない。敏感な部分は丁
寧に扱わねばならない。粘膜は敏感なのだ。どの部分の粘膜も――例外なく。
 くちゅ。くちゅ――
 シャコ……シャコ……
 ぐちゅ。ぐちゅ――
 シャコ……シャコ……
 ――気付けば恍惚とした表情の彼女の口からは、一筋の涎が流れてしまって
いた。僕はそれを丁寧に舐めとり……歯ブラシの代わりに舌を深く挿入するこ
とで、このプレイを終わらせたのだった。


003

 その後の話というか、今回のオチ。
「確かに気持ちは良かったけれど、なんだか思っていたほどではなかったわね」
「ええ、そうなの? かなり気持ちよさそうだったけど」
「それよりもあなた、随分と手慣れたようだったけれど、どういったわけかし
らね」
「いやいやいや!」
「まあ、深くは突っ込まないでおいてあげる。また、どうせろくでもないこと
でしょうから――それにしても、やっぱり神原に聞いた頃にしておけばよかっ
たわ……明日もお願いね」
「しっかりハマってるじゃねーか!」
「明日は暦にもしてあげるわ。今日は、さっき髪がほどけて濡れちゃったから、
洗わなきゃならないのよ……本当は洗わずに済ますつもりだったのだけれど。
だから、先にお風呂から上がってて頂戴。ごめんなさいね」
「うん、わかったよひたぎ。じゃあ先に上がるな」
 僕はひたぎにキスをしてから風呂場から出た。すぐ隣の洗面台に歯磨きセッ
トを戻し、二人分の歯ブラシが立ててあるコップを見て思う――
 なんとなく――
 本当に。
 なんでもない。
 そんな、幸せを。
「相変わらず、あるじ様は鬼畜じゃの」
 美しい金髪でかわいい吸血鬼から、呆れた視線を受けながら――その成れの
果てに、からかわれながら。


おしまい。
586名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:24:46 ID:J2zmGwHH
GJ!
この後忍との歯磨に続くんですね
587名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 01:01:55 ID:aGgOfY+g
口のプレイが好きなんですが
>口腔を身体の――内側を。>一番敏感な裏の粘膜。
なんて一連の描写が素敵かなと思いました。
588名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:10:42 ID:eC8h52c4
いきなりですが投下します。

処女SSですんでボロクソです。


『just be sister』
589名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:22:10 ID:eC8h52c4
すまんが、携帯からやりずらいんで遅れる
590名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:34:21 ID:eC8h52c4
「ああ、明日僕の彼女が家に来るから」

夏休みも終盤に近づき、受験生にとっては夏に固めた基礎を応用、発展させ、あと数ヶ月に迫った受験シーズンに備えそろそろカウントダウンをする時期。

『…は?』

ちっちゃい妹月火ちゃん、でっかい妹火憐ちゃんの二人は最近の教育事情と若者にとっての夏の重要性なんかを語りながら、まぁ要するに夏休みの課題に文句を垂れながら宿題に取り組んでいた。

今日は羽川が外せない用事があるらしく、仕方無しに自主学習日となった本日。
朝のドリルは済ませたし、朝飯の後も夏休み直後に行われる課題テスト及びセンターマーク模試に向けての対策を羽川がいないなりに真面目にこなした。

小腹が減ったな、と思い時計を見たらなんと正午を過ぎて30分が経過していた。
僕も受験生としてなかなか様になってきたな、と自己満足して、お昼を食べようとリビングに出向くと、妹たちがリビングで数学の課題に頭を悩ませているところだった。
僕は朝食で余ったご飯でおにぎりを作り食べながら妹たちに少々ばかりの手解きをして、サンキュー兄ちゃん、ありがとうお兄ちゃん、といった感じで兄貴としての頼れるところを見せつけて、
まぁしっかり終わらせろよ、と一言言い、部屋に戻ろうとしたところで、ああそうだ、ぐらいの勢いで上のような台詞を言い、まるで不可思議なものを見るかのような顔で二人の妹たちが上のような感嘆詞をはいた。

そんな感じの今。

591名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:37:44 ID:eC8h52c4

「えっ、何、兄ちゃん、彼女いたの?」
「ああ、火憐ちゃんには言ってなかったっけ。実は5月の始めくらいにはもう」「初耳だよ!そんなの!」何故か激昂している火憐ちゃん。
「し、信じらんない…、兄ちゃんに彼女…彼女………………うぅ」
「なんか……駄目だったか?」
なんだそのテンション。
「じゃあ兄ちゃんは彼女がいるその手で、その唇であたしの初めてを奪ったって言うのか!もう最悪だよ!」
「最悪なのはお前の言い方だろが!明らかに悪意のこもった情報の省略があるじゃねぇか!」
僕が奪ったのは初ちゅーと初タッチだけだ。
「妹のおっぱい我が物顔で揉んどいてよくそんな発言ができるな兄ちゃん」
「そこまでノリノリではなかったよ!」
「ノれよ!」
「キレた!?」
「待って火憐ちゃん。お兄ちゃんも年頃なんだから彼女がいるのも最悪不思議じゃないよ」
中学二年生に年頃とか言われたよ。
そりゃお前らは僕より前に彼氏がいたんだけど。
「でもお兄ちゃんもお兄ちゃんだよ。私の初ちゅー初タッチまであんなに激しく奪っておいて」
「なんかお前らの記憶している僕は随分男らしいな」「彼女いるなら無駄な期待させないでよって話だよ」「き、期待!?」
どんな話だ!
「まぁでも丁度良いよね。明日お兄ちゃんの彼女が家に来るんでしょ?その彼女さんにお兄ちゃんが実の妹たちに働いた狼藉を余すことなく話せば万事解決だよ、火憐ちゃん」
「ん?ああそうか!それもそうだな月火ちゃん!何も焦ることはなかったよ」
「くっ、僕を脅しているのか……」
「なに、兄ちゃんはあたしらの処女を貰ってくれればいい。それだけの話だ」
「そうだよ」
「お前らの脅しのネタが増えるだけじゃねぇか!絶対ヤダよ!」
自らの身体さえ脅しに使うとは、この妹ズやる!
「じゃあどうするの?今お兄ちゃんの人権は私たちが握ってるんだよ」
「仮にお前らの処女を僕が奪えば僕の社会的人権は消えて無くなるんだよ」
「詰まり社会的に抹殺された兄ちゃんが家に引きこもり家事手伝いをしながらあたしたちと事実婚。こうゆう訳だな」
「ポジティブ過ぎる!」
バカばっかりだった。
いやしかし、それはともかくとして、明日戦場ヶ原が来る前に妹たちのことに気付いて良かったと思う。
もしかしたらこの妹たちが戦場ヶ原にあることないこと吹聴するかもしれないし、もしそんなことされたら僕の身に何が起こるか解らない。
今なら明日に向けての妹たちへの対策ができるからな。
「そこで、火憐ちゃん、月火ちゃん。処女やらなんたらのくだりはともかく、二人には僕の彼女が来るにあたって、明日は出来る限り極力最大限に静かに大人しくしていて欲しいんだ」
「具体的には?」
「家に居ないことがベストだ」
「却下」
ですよね。
まぁそう簡単にはこの妹たちは操縦出来ないことは分かっている。
「まぁ、もちろん…」
しかし、月火ちゃんは不敵に笑う。
「お兄ちゃんの態度と条件次第じゃ明日は静かに大人しく過ごしてあげてもいいんだよ」

−−−−−−−−−−−−
592名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:42:31 ID:eC8h52c4

朝目が覚めて真っ先に思い浮かんだのは、股間への違和感だった。
「んっ、あ?…………」
身体に掛かっている布団が下半身の部分だけ人一人分位盛り上がっていた。なんかモゾモゾ動いてる。

まさかアレか。
おはようなんたらのアレか。
と、寝起きの頭がやっと覚醒しはじめ、とたん焦った。
ガバッ、と布団を退ける。
妹二人がそこにいた。幸い僕はズボンを穿いている。「なにやってんだ、おまえら!?」
「いや、こうゆうのは彼女が来る前に何回かヌいておくのが彼女対策としてはセオリーだと思って」
「そんなセオリーありえねぇ!!」
あとヌくっていうな。
「でもいざ目の当たりにするとズボン下げるのも戸惑っちゃって」
いくらか照れた顔で月火ちゃんが言う。
「どうだろう兄ちゃん、今から一人でするのは」
「バカじゃねぇの!?」
「えっ、……いやでも、やってあげるのは少し恥ずかしいし」
「そうゆうことじゃねぇ!」
大体それが何の対策になるんだ。
「でもお兄ちゃん、お兄ちゃんは今日は私たちの言うことに従わなくちゃいけないんだよ。昨日約束したじゃん」
「うっ」
そうなんだよなぁ。
昨日そんな約束しちゃったんだよなぁ、確か。
「さあお兄ちゃん、自家発電!」
「それはちょっと………無理っていうか…」
「ん、何で?……あっ!オカズか!」
「ちげぇ!!」
「んーー…恥ずかしいけど………お兄ちゃんがそうゆうなら私も一人で……」
「いいから!やめて月火ちゃん!!」
「はっ、んんぁ、やぁ……はぁんっ!!」
「火憐ちゃんやめて!?」

−−−−−−−−−−−−
「お邪魔します」

九時頃に戦場ヶ原がきた。
朝の出来事は僕がトイレで一回ヌく、ということで妹たちは手を打った。
ちなみにヌいてはいない。できるか。

ふぅん、と戦場ヶ原はなにか納得したように頷く。
「阿良々木君の家にしては立派ね」
「まぁ僕の住んでいる家が僕の人間性だとか社会的実力に比例するわけじゃないだろ。高校生だし」
「そうね。もしそうだったら阿良々木君はトイレと共同生活しなくてはいけないことになるものね」
「そうかなぁ!?」
「でもそんな阿良々木君も素敵よ。そのときは私も喜んで便器と同棲するわ」
「何でだ………意味合い的には甘い言葉なのに全然恥ずかしくない………」
たまにこいつは、僕をわざと貶めてそんな僕を愛する自分が好きなんじゃないか、と思うときがある。

まぁデレだけど。
デレデレなはずなんだけど。

593名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:46:59 ID:eC8h52c4
さぁ阿良々木君、お部屋に案内して頂戴。たとえ今日は阿良々木君の家という少し特殊なロケーションであろうと、やることは変わらないわ。お勉強の時間なの」
「解ってるよ………」
「どうだか。さっきの私の、ヤること、なんてワードに密かに興奮しているような人間のそんな陳腐な台詞なんて信じられないわ」
「今のは防御不能だわ……」
僕はどうしたら正解なんだろう。
「でも大丈夫よ。優しい私はそんな阿良々木君のことも満足させられるの。つまり阿良々木君が我慢出来ないときは私も一人で……」「やめて下さいガハラさん!!」
「何を興奮しているの、阿良々木君?まだナニをするなんて言ってないじゃない。いやらしいわ」
「うっ……」
「一人でオナニーしてオナネタを提供するわ、と言うつもりだったのよ」
「最っ悪だな!!」

ガチャ
「あっ、お兄ちゃん、お客さん?」
「おっ、兄ちゃん、誰それ?」
僕が戦場ヶ原を部屋に案内し中に入ろうとしたとき、妹たちがリビングのドアを開けて聞いてきた。
まるで図ったようなタイミングだけど実際図っているので若干わざとらしい。
「ああ、僕の彼女だよ」
『えっ、(お)兄ちゃん、彼女いたの?』
「ああ、実は5月の初め位にはもう」
妙に気疲れする。
妹たちの目が怖い。
「へぇ、お兄ちゃんにも彼女ができたんだぁ。てっきり妹一筋で彼女は作らない主義だと思ってたよぉ」
「それには断固異議を申し立てるよ!」
「そうだよ月火ちゃん、それは違うよ。兄ちゃんにとってあたしたちはストック。使い捨てのインスタント妹だったんだよ」
「全然ちげぇし!」
「違うんだ。じゃあお兄ちゃんにとっての私たちはどの位大事なのかな?インスタント妹よりどうでもいいのかな?そこの彼女さんとどっちが大切なのかな?」
「そ、そんなの…」
「もう月火ちゃん、ダメだよ、そんなこと言っちゃ。兄ちゃんの彼女さんもいるのに」
「ふふふ、そうだね。あっ彼女さん、ゆっくりしていって下さい。後でお兄ちゃんの部屋にお茶持っていくからね」

ガチャバタン
「………………」
「………………」
なんだ今の空襲。
こっちはダメージしかねぇじゃねぇか。
大体インスタント妹って何だ!?
水をかけて戻るのか!?
一部フェチ層を刺激するのか!?
つかガハラさん見んの怖ぇ!
今の会話というか火憐ちゃんと月火ちゃんの発言はどうガハラさんにどう聞こえた!?
「……阿良々木君」
「……はい…」
うわぁ、もう駄目か………。
「早く入って。部屋の前にいられちゃ邪魔よ」
「えっ、あっ、……はい」
部屋の中でゆっくり言及するのかな…。
「あら、阿良々木君の部屋、結構片付いてるのね」
「ああ、まぁね」
あれ?
あれれれ?
何も無し?

戦場ヶ原はあまり僕の他の人間関係を詳しく聞く方ではない。というか勝手に当てられるし。
だから今の妹たちの発言がスルー出来る程鈍くないはずなんだけど。

594名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:48:28 ID:eC8h52c4

「……………………」
「……………………」
その後一時間位昨日のテスト対策した内容を戦場ヶ原の解説つきでおさらいした。

その間、戦場ヶ原の口から先程の妹たちに対する発言は一切ない。

はっきり言って怖い。

嵐の前の静けさみたいな。いや、ガハラさんいっつも静かなんだけど。

「だからね、4番の選択肢はこの傍線部を少し誇張して語ってるの。この時点で4番は消去されるわ」
「成る程」
「現代文は正解を想像するんじゃないの。正解を探す問題なの。本文を越えることも逸れることも許されないわ」
「ふんふん」
「だから現代文を解くとき最もネックなのは時間よ。逆にどんな難解な文章も時間が無限にあるなら完答出来ないものはないの」
「そうゆうもんか」
「ええ。だから阿良々木君に必要なものは活字慣れ。早く正確に日本語を日頃から読むことを薦めるわ」
「はあ」
「妹さんたちの発言、どうゆうこと」
「…………………」
「…………………」
「………………うそぉ」
今!?今それを聞くんですかガハラさん!?
「可愛い妹さんたちだったわね」
「本当に見てたか!?」
良く言えば堕天使的ではあるがな。
「阿良ヶ木君はシスコンだったのね」
「違う、誤解だ……」
「大丈夫。そんな阿良ヶ木君も素敵よ。阿良ヶ木君が望むなら妹にもなってみせるわ」
「いや、おまえには無理だろ」
「確かにそうね暦お兄ちゃん」
「切り替え早っ!スイッチどこだよ!」
どちらかというとお姉ちゃんだろ、身長的に考えても。悲しく切ない現実故に。
「で?どうゆう意味なの」
「えーっと…」
「…あの妹さんたちの発言から考えると………」
「いやいやあいつらバカだから。そんな深い意味ある発言はないよ」
「キスまでいってるかしら」
「なんでそこまで読み取れるんだよ!?おまえは何者だ!」
「…まさか本当にキスしてるの?」
「うっ………」
ミスった。
やってしまった。
「さすがね、モテモテ阿良ヶ木君。阿良ヶ木君の魅力の前では血縁も関係ないのね。彼女として誇り高いわ」


595名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 05:58:40 ID:eC8h52c4
「すいませんごめんなさい。許して下さいとは言いませんからその『モテモテ阿良々木君』はやめて下さいガハラさん」
恥で死ぬ。
「さて、どうしたものかしらね、実の妹にまで手を出すモテモテ阿良々木君?」
「僕は何をしたら良いのでしょうか………」
「その唇を切り取りましょうか」
「それだけはやめ………」ガチャ
「お兄ちゃん、お茶だよ」
「お邪魔するぜ」
かなり最悪のタイミングで妹たちが部屋に入ってきた。
おまえら間が悪すぎ…「キスをします」
「はいぃ?あぷっ…んっちゅ……は、んっ………」
いきなりキスしてきた。

火憐ちゃんと月火ちゃんは呆然としている。

てか、やっぱり。

怖いよ、怖いよガハラさん。

−−−−−−−−−−−−
596名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 06:00:53 ID:eC8h52c4
「それで名前が、戦場ヶ原ひたぎさん、ですか?」
「ええ。妹さん」
「妹さんはちょっと…。私が月火でこっちが火憐ちゃんです」
「むーーーー」
「わかったわ、義妹さん」
「いつの間に結婚を……」
「生まれた瞬間よ。暦お兄ちゃんは運命の相手だったの」
「どこのメルヘン処女なの!?しかも妹キャラ!?お兄ちゃん、流石に無理あるよ!」
「むーーーー」
「冤罪だ……」
この状況は色々苦しい。
月火ちゃんは友好的な態度を示しているものの、目は鷹のように鋭く僕を睨んでいる。
月火イーグル。
友好的な態度というのも何か裏を感じる。交友を深めておいて内側から破壊する、みたいな。
さらに火憐ちゃん。
さっきっからバグっている。
初期ファミコンみたいな作動音を発しながら頬を膨らませ、僕と戦場ヶ原を交互に睨んでいる。
こちらの目は糸目というかジトッとしていて、なんというか背中を向けたら危ないような、そんな目。
「それでひたぎさん、さっきはすみませんね。なんかいいところ邪魔したみたいになってしまって」
「いいのよ、あの後なにをする訳じゃないの。いつもの一時間おきのキスをしていただけ。問題ないわ」
「問題あるよ、それは……」
「むーーーー」
「おい、戦場ヶ原。嘘はつくなよ」
「ごめんなさい暦さん。いつもならあの後すぐベッドインするのよ、義妹さん」
「嘘はつくなよひたぎさん!あとお前いつもそんなに僕に敬意払ってねぇだろ!」
「お兄ちゃん………やらしい……」
「兄ちゃん………やらしい」
「違うから!」
「いいじゃない、焦らなくても。それとも何?妹さんたちに私たちがらぶらぶなことを知られることに不具合があるの?」
「それはあれだよ、ひたぎさん。好きな娘にファーストキスの相手がお母さんだということを知られたくない男子の心理みたいなものだよ。ね、お兄ちゃん」
「ね、じゃねぇ!同意する訳ねぇだろ!」
「あら、その論法でいくと私がお母さんかしら。本命は妹さんなの?」
「ち、違う違う!」
「私はね、阿良々木君。殺人だけは殺る気はなかったわ。でも死体がない、仕方がないわよね。私の哀憎、愛情を伝えるには阿良々木君を殺すしかないのだから」
「その文面からは殺意しか伝わらない!!」
「大丈夫だ兄ちゃん。あたしがお守りするぜ」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。私はお兄ちゃんの味方」
「お前らには殺意しか沸かねぇから!!」
「むっ、それは傷付くよ、お兄ちゃん」
「あっごめん。嘘です…」
弱い。
「まぁ取り敢えず休憩は終わりだな。お茶をありがとう妹たちよ。さあ、兄ちゃんはこれから勉強だからさっさと戻ってくれ。あとお昼頃に何か簡単なものを作ってくれると嬉しい」
「ふーーーんだ。なにが勉強なの、お兄ちゃん?さっきはちゅーのお勉強だったの?」
「違う。あれは、アレだ。たまたま」
「たまたまなんてやらしいな、兄ちゃん」
「そのピンク色の脳味噌をどうにかしてやろうか」
とまぁ、色々言って妹たちは出ていった。
「お昼なら私が作ったのに」
「ひたぎさんは僕の家庭教師じゃないですか。お昼を作らせるなんて雑用させられません。」
「何で敬語なのよ。私の料理は阿良々木君への愛が込められているのよ」
「愛の味しかしないんだもん」
愛は言葉に出来ないからな。
−−−−−−−−−−−−
597名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 06:04:03 ID:eC8h52c4
お昼を食べてから、戦場ヶ原は家庭教師の任務を全うしたら帰る旨を僕に伝えた。大体夕方には帰るっぽい
正直本当に何も無いとは思わなかった。
キスしかしてねぇ。彼女が彼氏の家に来たのに。
それとも、実際そんなものなのかな。
「ごめんなさいね、今日は少し都合が悪くて」
戦場ヶ原を家まで送る途中、平坦なトーンで話してきた。
「あ、いや。家庭教師にきてくれただけで嬉しいよ。彼女を自分の家に連れてくるっていう、ある種の願いも叶ったしな」
「今日は危険日なの」
「聞いてねぇ!」
「でも大丈夫よ。阿良々木君がトイレに行ってる間に阿良々木君のベッドの布団に私の匂いを擦り付けておいたわ。使って良いわよ」
「使うかよ!」
多分使う。
「お父さんの仕事を手伝っているのよ」
実は、みたいな感じでタネ明かしされた。
「へぇ。なんか欲しい物でもあるのか」
「夏休みの間に旅行に行きたいと思うの」
「いいじゃないか」
「阿良々木君も来るのよ」「……………ああ」
そしてね、戦場ヶ原は言う。
「出来れば神原も呼んで、出来れば羽川さんも一緒に、妹さんたちも来てもらっても構わないわ、この前阿良々木君が言ってた…撫子ちゃん?も構わない、いつかの八九寺……真宵ちゃんも。一回皆で温泉旅行にでも行きましょう」
「………………」
ふぅん。
へぇ。
はぁ。
なんと言うかこう。
「まぁ別に私は阿良々木君と二人きりでいいのだけど。モテモテ阿良々木君は色々な女の子と仲良くなりたいんだものね」
とんだツンデレだった。
「浮気性の彼氏を持つと苦労するわ」
………変わった。
ガハラさんはやっぱりデレた。
デレデレだった。
「………僕は浮気なんてしないさ」
「あらそうなの」
「戦場ヶ原一筋」
「気持ちいいこと言ってくれるじゃない」

「好きだよ」
「私もよ」
「愛してる」
「私もよ」

まぁ、さ。
結局さ。

「戦場ヶ原、蕩れ」

−−−−−−−−−−−−
598名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 06:06:10 ID:eC8h52c4
家に帰ったら妹たちがいない。
何処にいるのかな、と探していて僕の部屋をあけたら。

火憐ちゃんと月火ちゃんが自慰していた。

「このバカ妹!」
「ふぅん、はぁぁんぅ…はぁっ!兄ひぁゃん、別の女の匂いがするよぉぉ……」
「お兄ちゃんの嘘つき!嘘つき!このベッドでなにをしてたのぉ…………」
二人とも涙目で切なそうに息を吐きながら喘ぐように喋っている。
「兄ぃちぁゃん、切ないよぅ、やらしいよぉ」
「やらしいよぉ…ひぅぅ、お兄ひゃん、ひぃん!」
「ストップ。お前ら一回ストップ」

無理矢理落ち着かせた。
でも泣き止まない。
「泣くの止めろ」
「だってぇ、兄ちゃん大学行ったりしたらずっと彼女と遊ぶの?もうあたしたちとは遊んでくれないのぉ?そんなのやだぁ!」
「そんなことないそんなことない」
「でもお兄ちゃんは私たちより彼女を優先するんでしょぉ」
そんなのやだ、と月火ちゃんと火憐ちゃんが言う。
「でも仕方ないだろ。僕は一人しかいないし」
「じゃぁなんで私たちより彼女を優先するの?」
「お前らが家族だからだろ」
「何で家族だと駄目なんだよ!」

「わざわざ優先しなくても、一番大事な物だと解りきってるからだよ」

『え……………………』

だよなぁ。
極論で言えば戦場ヶ原とはどう頑張っても血は繋がんないしな。
いや、大好きだよ、ガハラさん。分かってね。

「世界一大事な妹だからだよ」

僕もデレた。

「大好きだよ」

「あたしも大好きだよ、兄ちゃん」
「私も大好きだよ、お兄ちゃん」

こうして僕ら三人兄妹は今回少しずつ仲良くなった
599名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 06:08:04 ID:eC8h52c4
終わりです。
うんこみたいなSSでした。
しかも一つsage忘れてるし。
色々ごめんなさい
600名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 07:25:48 ID:nLwE5rZm

いいんだよ。

いいSSだったよ。

人間だもの。

みつを
601名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 07:50:53 ID:aGgOfY+g
いや全然いいんじゃね。化物語は会話が無いキャラ多いから
その一例として有りかと。面白かったよ。sageはどうでもいいし卑下する必要は全くないない。
結局全員デレてるのはありだと思います。
602名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 08:43:22 ID:/yWI4/9J
そもそも原作がハーレムみたいなもんだもんなぁw
面白かったぜb
603名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 08:44:27 ID:eC8h52c4
皆が優しすぎて、俺は泣いた
604名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 08:51:31 ID:NR59GFHK
GJだぜ!
605名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 11:58:41 ID:Oeld6562
いや良かったよーGJ!
606名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 12:56:39 ID:n7ba1HGp
GJ!
普通によかったw
酒池肉林があれば完璧!www
607名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 15:46:24 ID:98+V4giQ
>>580
七々見奈波か…お隣さん?の女子大生でツンツンしてるあたりが確かにいい感じだな。
台詞や描写が少ないのが口惜しい…C.C.イメージすればいいのか

>>581
人妻渚もいいね。絶対者から平凡に埋没した感じがなんとも。
寝取られるには良い時期だな。

意外といいキャラいるもんだな戯言も。
608名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 17:22:27 ID:HsBpgtOy
グッドッ!
609名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 18:01:19 ID:KK9/S/ov
>>406の後編が更新されてた。
なんぞこれww・・・という展開だったが面白かったと思う。

610 ◆zO7AQfurSQ :2010/03/14(日) 00:35:34 ID:c6iWuThW
「阿良々木くん、今日はホワイトデーなのだけれど何かくれるのかしら?」
「日が変わった直後に拉致監禁されたら何も用意できねぇよ! 早くこの手錠を外せ!」
「そう……私には何もお返しするものがないというのね」
「少なくともこの場にはないな」
「そんなことないわよ。ほら、あなたの白いのがここにあるじゃない」
「お、おい、どこを撫でてるんだ!?」
「ふふ、ありがたくいただくことにするわ」
「やめてガハラさん! 脱がさないで撫でないでいじらないで!」
「大丈夫よ、今日1日の辛抱だから。あーん」
「う、うあっ! あっ、あっ!」




みたいなSSをホワイトデー記念に誰か書いて。
611名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 02:36:30 ID:2frHdVJf
ガハラさんはフェラしたことあったけなー
612名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 09:29:13 ID:Tu0wf9bc
そんな描写あったっけ?
613名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 12:06:50 ID:WDtvmvdk
一応無いかな。
ドロって以降は知らんがw

しかし、人間シリーズも延期しまくりだし、
猫やカブキはいつになるやら。
614名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 12:14:56 ID:Rj+XsJo/
噛み切られそうでこわいです!
615名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 14:02:11 ID:/Daz/its
噛みきるのは真宵だな。

ガハラさんは「勝手にイッたりしたらホッチキスね(はぁと)」とか言いそう。
「ん……ちゅ……あむ……」
「う、あ……あっ」
唾液の絡まる卑猥な音が耳に届く。
「気持ちいいかしら、阿良々木くん?」
「う、うん」
「そう、それは良かったわ」
戦場ヶ原は開かれた僕の脚の間に顔を埋め、そそり立った肉棒に舌を這わせる。
あの戦場ヶ原が。
してほしいと思いながらも断られるのが目に見えていて断念していた口でのプレイを。
その口と舌でのフェラを自ら僕にしてくれている。
どんな心境の変化があったのかと心の片隅で考えるが、与えられる悦楽にその意識は弾き飛ばされてしまう。
敏感な部分を舌が這い回り、温かな口内にずるるっと呑み込まれて僕は快感に翻弄され続けていた。
AVやエロ本などではこういう時に頭を撫でてやったりしていたが、今の僕にそんな余裕はなく、身体をくねらせて震えるだけである。
このままでは遠からず射精してしまう。
「せ、戦場ヶ原……もう、我慢できなそうだ……っ」
「いいわよ別に」
ちゅぽん、と口を引き抜き、根元部分を軽く指でしごきながら僕を見上げてくる。
「私の口は常に阿良々木くんを悦ばせるためにあるんだから、いつでも好きなときに出しなさい」
それではまるでいつもの毒舌や暴言が僕を喜ばせてるみたいに聞こえるぞ。
だけど戦場ヶ原の上目遣いと上気した表情で興奮した僕にそんなツッコミは出てこない。
戦場ヶ原の口でイきたかった。
いつもは毒舌などしか出てこないその口に思う存分、心行くまで情欲の塊を放ちたかった。
「僕は戦場ヶ原の口の中でイきたい……その、いいかな?」
恐る恐るといった感じで聞くと、戦場ヶ原は邪魔そうな髪をかき上げて再び僕のを口に含んだ。
「ん……っ」
温かく柔らかいぬるぬるとした感触に思わず呻く。
戦場ヶ原は目線をこちらに向けて僕の反応を窺いながら頭を上下に揺らし、舌で的確に敏感な部分を責めてきた。
亀頭や尿道口、カリ首に舌が這い回り、唇がきゅうきゅうと肉茎を締め付ける。
そこから更に両手で根元をしごかれて陰嚢をやわやわと揉まれてはたまらない。
僕はあっという間に登り詰めてしまう。
「せっ、戦場ヶ原っ、もう……イくよ! 出すよっ!」
無意識のうちに僕は戦場ヶ原の頭を掴み、腰を突き出して深くくわえさせていた。
「う、あ、あ……あっ! ああ……っ!」
どくどくっ!と物凄い勢いで精液が噴射され、口内に流し込む。
戦場ヶ原はそれを咎めず、最後の一滴まで受け入れてくれた。




やべ、ガハラさん可愛い
617名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 16:07:16 ID:ZbOvgKZo
>>616
それはこっちのセリフだGJ!
618名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 16:21:14 ID:24gLkjxg
ロリコン木さんのくせに女子高生もいけるとは生意気な
619名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 16:26:31 ID:ohsGkxKw
自分で書きやがったー!
フェラしてるのわりとイメージしやすいな!
620名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 17:07:41 ID:sFPVr/lm
他の人バージョンも頼む
621名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 17:21:28 ID:Tu0wf9bc
ああ、暦の代わりに貝木で頼む
622名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 17:25:32 ID:WDtvmvdk
まあ、それは悪夢だった、的なノリでその内書いてやんよ。
623名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 17:57:27 ID:Rj+XsJo/
ただし、その頃にはアンタは八つ裂きになっているだろうけどな。
624名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:20:00 ID:WDtvmvdk
だが今はまだその時期ではない……。
あいにくと、他の人バージョンではないのだが、
触発されて書いてみた。
とりあえず、エロに入る直前までだが。
625名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:20:26 ID:WDtvmvdk
「阿良々木君?」
「なんだ、戦場ヶ原?」
 僕はついにやってきたその瞬間に、心踊らせていた。
 Aはあの星空の夜交わして以来、なんどとなくやってきた。戦場ヶ原の唇の柔らかさに、
僕は虜にされていると言っても過言ではない。時折その唇が、僕の唇から外れて、僕の
首筋や鎖骨の辺りを啄む事があったりもしたのだけれど、そういう事をされる時に僕が
何を感じていたか――これはもう、いちいち説明するまでもないだろう。
 もちろん、普段は"それ以上の事"などあろうはずもなく、いたずらめいた笑みを浮かべた
戦場ヶ原の顔に見惚れる形で"行為"は終わるのけれど、そしてそれでも僕は満足できる
のだけれど、今日は少しばかり状況が違った。
 時間を少し遡る。
「阿良々木君」
「なんだ、戦場ヶ原?」
「今日が何の日か、覚えているかしら?」
 それは、いつものように戦場ヶ原の家で家庭教師をしてもらっていた時の事。
 まあ、なんとか大学には合格したものの、今の基礎学力では入学後の勉強に差し支えが
あるとの事で、春休み真っ只中で、他の大学合格者が遊び呆けている今現在も、相変わらず
戦場ヶ原による僕への家庭教師は継続されているのだった。
 ちなみに、羽川は既に世界周遊……いや、あいつの場合は世界修学か。何にしろ例の旅行
の下準備とやらで、既にアメリカにいる。したがって、僕の家庭教師は今現在、戦場ヶ原だけ
だった。
 毎回思うのだが、教師の家に生徒が出向いているのに、それを家庭教師と呼ぶのは
言葉の定義上間違いなのではないだろうか? まあ、そんな益体も無い事を考えたり
するくらい、僕と戦場ヶ原の間には間違いどころか、その気配すらもなかったりするわけ
だけれど――いや、したわけだけれど。
 だが、その日は何かが違った。
「今日って……三月十四日だよな?」
「……今日が何の日か、まさかわからないわけではないわよね?」
 突然、戦場ヶ原がそんな事を言い出した。
 今日が何かの記念日だとか、そんな事はありえるはずが無いんだが。なにしろ、僕らが
出会ったのは去年のゴールデンウィーク明けの事だ。それ以前の今日、三月十四日が、
僕らの記念日である事は、物理的にありえない。となると……これはもしや、僕の基礎知識
を試す問題という事か!?
 僕は頼りない脳みそをフル回転させて考えた。僕の得意な科目は数学だ。だから、その
方面から問題を出すという事は無いだろう。となると……苦手な社会関係の事件があった日、
と考えるのが妥当だ。となると……そこで僕の頼りない脳味噌に閃きが走った!
「そうか! 今日はあのバカヤロー解散があった日だな、吉田茂の!」
「そうね、阿良々木君がバカヤローであるが故にその生命を失う日でもあるわね」
 同時に、僕の眼球にも閃きが走っていた。具体的に言うとコンパスの針の。お前、そういうの
もう持たなくなったんじゃないのかよ!
「……流石に今のは冗談、よね?」
「そ、そりゃもちろん。……ホワイトデー、だろ?」
「それがわかっているのならばいいのだけれど……時々阿良々木君の事だから、
 そういう事を本気で忘れているのではないかと不安になる私を許してちょうだい」
「その前に僕の眼球を許してください……」
 その言葉に応じたわけではないだろうが、戦場ヶ原は僕の眼球からコンパスの針を避けた。
 ……何故かそれを筆入れではなく胸ポケットに直したのは、あえてツッコミを入れない方が
いいんだろう。僕だって自分の眼は惜しい。
 見ての通り、羽川による人格矯正プログラムを受け、一時はデレを通り越してドロの域に
達していたひたぎさんだったが、今はそのプログラム効果も薄れたのか――プログラム管理者で
ある羽川が日本からいなくなった事が大きいのか――、以前のようにツンデレキャラとしての
アイデンティティーを取り戻している。それが僕にとって良かったのか悪かったのかは微妙な所
だけど……まあ、この方がガハラさんらしいと言えばらしい、よな?
「さて、阿良々木君。話を戻すのだけれど」
「ああ、今日がホワイトデーって話だよな」
「そうね。でも……バレンタインの時、私、ひどい事をしたでしょう?」
626名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:21:18 ID:WDtvmvdk
「ああ……」
 それは今から一ヶ月前、二月十四日の事。
 まあ、恋人たちにとっては重要な日である所のバレンタインデーに、僕は寝込む羽目になった。
原因はと言えば、まあお察しは付くだろう。ガハラさんが作ってくれたチョコレートだ。
 戦場ヶ原の奴は、料理自体はソツなくこなすんだが――半一人暮らし生活が長いからだろう――
ことお菓子作りとなると、何がどう違うのか、さっぱり無残な有様を露呈してしまう。意外と神原の
方がソツなくこなしたりするのに驚いたりしたもんだ。
 でまあ、それでも無理して手作りでチョコを作ったはいいんだが、なにやら材料にうまく火が通って
なかったとかで、それを食べた僕は腸にダイレクトアタックを喰らう事になってしまった、というわけだ。
 もちろん、寝込んだと言っても次の日には回復する程度の軽症で、僕は全然気にしてなんか
いないんだが……被害者が気にしてない事でも、加害者が気にしているという事は、世の中では
ままある事なわけで。
「あの事なら気にするなって言っただろ? 別に受験にも大過無かったんだしさ」
「阿良々木君が気にしていなくても、私は気にするわ」
 まあ、その辺りは戦場ヶ原の性格からすれば、当然そうなるだろう。
 あの日、目を覚ました僕の視界に、涙に濡れた戦場ヶ原の顔が映ったって事で、僕としてはもう
十分にあの件は水に流していいと思ってるんだけどな。物凄く可愛かったし。っていうか惚れ直した。
 でも、そんな事をガハラさんに直接言うのも躊躇われる。ぶっちゃけ恥ずい。
「だから、ね? お詫び、と言ってはなんなのだけれど、お詫びになるかどうかもわからないの
 だけれど」
 僕が何と言っていいののかと逡巡している内に、戦場ヶ原は矢継ぎ早に言葉をぶつけてくる。
 いつもの、ノリノリで僕にぶつけている暴言や毒舌とは違う、何か……恥ずかしさを押し隠した
ような速さで、僕に言葉をぶつける。受け取って欲しいと、断らないでくれと、そう懇願するような。
「償いを」
 そこで、戦場ヶ原は言葉を切った。そして大きく息を吸い、
「……させて、欲しいの」
 そう、言った。
627名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:21:45 ID:WDtvmvdk
「……そんな、償いだなんて、そこまでする必要無いぞ」
 それに、もうしてもらったしね、とは言えない。言ったら多分、ガハラさんは本気で怒ると思う。
僕の眼球の危機、再び。眼球だけで済めばいいけど……少しだけ"その先"を想像してしまい、
僕は背筋に寒気が走るのを感じた。
「いいえ、阿良々木君にはなくても、私にはある。いうならば、これは私がしたいから、償いたい
 と思ったから、だからする――私が勝手に償うだけ」
「……久しぶりに忍野の名言を聞いた気がするよ」
 ちょっとアレンジ入ってるけどな。
「その為の準備も、してきたわ」
「へ?」
 その為の準備って……どういう事だ? 何か、償うのに準備するような事が、あるのか?
「今日、今、これから、ここで……私にエロい事をしなさい、阿良々木君」
「……」
 一瞬、僕の頼りない脳みそは、完全にその活動を停止した。
 そして動き出した次の瞬間、僕の脳味噌は選択した。
「はあああああああああああ!!!??」
 叫ぶ事を。
「ちょっと、阿良々木君。お隣さんに迷惑でしょう?」
「あ、ごめ……ってそうじゃねえよ!? なんだ、いきなりエロい事をしろって……まさか神原菌
 が伝染でもしたのかっ!? ええい、衛生兵! 衛生兵を呼べ!」
「落ち着いてちょうだい、阿良々木君。別に私は神原のエロを伝染されたわけではないわ」
「……まあ、そりゃそうだよな。そんなものが伝染るわけ」
「そもそも、私のエロがあの娘に伝染ったのだし」
「大元はお前かよ!」
「それに、あの娘はそうさしてあの年代の女の子としてエロいというわけではないわ」
「……それはちょっとばかり同意できかねるんだが」
「ただ変態が、あの年代の女の子にしてはありえないだけで」
「同じだろ!?」
 僕はほとんど条件反射のようなツッコミを入れながら、それでも頭の中では考えていた。
 エロい事をしろ。
 そう、確かに、あの戦場ヶ原が、あのひたぎさんが言ったのだ。
 Aまでは確かにした。あの初めてのキス……星空の下、あり得ないくらいにロマンに溢れた
場所で、そっと啄んだあいつの唇の甘さは――そう、それは実際に甘かったのだ――、今も
忘れられない。忘れようが無い。忘れる事なんか、無い。
 それ以降も、普通に恋人がそうするように……まあ、そりゃ、頻度自体はそう大した回数では
無かったかもしれないが、それでもキスは何度かしている。
 そして、今はそれで良かった。その先は、想像する事はあっても、時折戦場ヶ原の唇が僕の
首筋なんかを辿った時に、映像として思い浮かべてみたりはしたけれど、それを求めようとは、
そこまでは、思わなかった。
 それは、戦場ヶ原を想っての事ではある。いつか必ずという約束はあるが、それがいつになるかは
わからなかった。でも、そんな事の為に、そういう事をさせてくれないという理由が故に、戦場ヶ原を
捨てるという事は、僕には出来なかった。できそうになかった。
 ひたぎさんが言った、阿良々木君に嫌われるのが怖い。それ程までに僕に参っているという言葉は、
そのままそっくり僕にだって当てはまる。
 だから、それで満足できるように、己を律していた。もちろん、キスだけでも十分気持ちよく――それは
無論、相手が戦場ヶ原であるという事が大きな要因だ――それ自体でも満足できていたというのは、
これはこれでその通りなのだけれど。
 だから、今はこれで良かった。
 例え、この先ずっとそうでも、僕は構わなかっただろう。
 だが――約束の時は、突如として訪れた。
 そういう事も、いつか必ず。
 そういう事。
 つまりは、エロい事だ。
 私にエロい事をしなさい、阿良々木君。
 確かに、そう言った。
 幻ではなく。
 夢でもなく。
 現実として。
628名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:22:43 ID:WDtvmvdk
「ひゃっっほぉぉぉぉぉぉぉおぉぉい!!」
 と飛び上がりたい所ではあったが、僕は一つだけ気に掛かる事があった為、それを自制した。
 それは、とても大事な事だ。僕と戦場ヶ原にとって、とてもとても大事な事だ。
「……いいのかよ、戦場ヶ原?」
 元々、戦場ヶ原が"そういう事"をできなくなったのは、とあるトラウマが原因だ。今、こうして
「償いの為」という理由で持って"そういう事"をしてしまえば、それはトラウマを呼び起こしかねない
のではないだろうか。
 いや、それよりも何よりも、だ。問題は、そこにもあるが、それだけじゃない。
 そして何よりも、それこそが最大の問題だ。
「いや、いいかどうか聞く所じゃないな、ここは」
「……何を言っているのかしら、阿良々木君?」
「いいかどうかを、言う場面だ、って事だよ、戦場ヶ原」
「それは……?」
 そう、それは
「償い、なんて理由じゃ、僕はお前にエロい事はしたくない」
 僕はキメ顔でそう言った――のだけれど、妙にしまらないのは、やはり台詞のせいか?
「……ッ」
 だが、ガハラさんはと言うと、その言葉に動揺しているようだった。あるいは、それは僕がキメ顔で
変な事を言った事に対する動揺なのかもしれなかったが、まあそんなのはどっちでもいい事だ。
「僕は……お前が大好きだ、戦場ヶ原ひたぎ。だから、そんな理由で、償いなんて理由で、
 僕はお前との初めてを迎えたくない」
 ……いや、正直、理由とかどうでもいいじゃん!って言ってるデビル暦もいるんですけどね?
デビル暦は妄想力、みたいな感じの。でも、その悪魔の誘惑を、僕は跳ね除けた。
「阿良々木君のくせに……生意気ね」
「戦場ヶ原程じゃないよ」
「……でも、優しい」
 そう呟くように言って、戦場ヶ原は僕に頬寄せ、口付けた。
「貴方のそういう所、好きよ」
「……面と向かって言われると、照れるな」
 さっき自分で大好きとか言っておいて、何をいまさらという話だが。だいたい、それ以上に、突然と
言っていいキスの方にこそ照れているわけだし。
「とにかくまあ、償いたいって事ならさ、今度僕の部屋……は大して汚れて無いからアレだな。
 ……そうだ、今度一緒に神原の部屋でも掃除に行こうぜ」
「あの、魔窟を?」
 ……そういう認識なんだ。可愛い後輩の部屋なのに。
「まあ、それが償いになると言うのなら、喜んでさせてもらうわ」
 とにかく、話としてはそういう方向で収まりそうだった。
「まあ、それはそれとして」
 ……収まりそう、じゃない?
「気を取り直して、私にエロい事をしなさい、阿良々木君」
「なんでそうなるんだよっ!?」
 収まらせろよ、話を! 何かどんどん伸びてるぞこの話! もうそろそろレス数が想定の倍くらいに
なるぞ!? メタな話だけどなっ!
「……女の子に皆まで言わせようとするなんて、とんだ甲斐性なしね。それとも、Sなのかしら?
 普段あれだけMっぷりをさらけ出している癖に、いざ事に及ぶとなると途端にSに変貌するとは、
 この戦場ヶ原ひたぎさんの目を持ってしても見抜けなんだわ」
「なんで北斗の拳のリハクっぽく言うんだよ! しかも棒読み!」
「……ねえ、阿良々木君。本当にわからないの?」
 その小首を傾げる姿は、普段しないその仕草は、ただでさえ掴まれている僕の心を、さらにぎゅっと
握りしめた。最早アイアンクロー。フリッツ・フォン・エリックも真っ青だ。
629名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:23:08 ID:WDtvmvdk
 ……そこまで言われてわからない程、僕だって鈍感なわけじゃない。
「……そういう事、なのか?」
「……あなたが、そう思ってるなら……そうなのでしょうね」
 要は、そういう事か。
 "償い"だなんて理由は、ただのダシで。
 お鍋の中の昆布程の意味しかなくて。
 メインディッシュは、他にある。
 勝手に助かっただけ。助かりたいから助かっただけ。
 勝手に償うだけ。償いたいから償っただけ。
 勝手にするだけ。したいから、するだけ。
 したいから。そう、したいから。
「ひたぎさん」
「何かしら、阿良々木君」
「……お前って、案外可愛いところ、あるよな」
「あら、可愛い所しか無いつもりだけれど」
「確かに」
 戦場ヶ原の言葉に笑って。
 今度は僕の方から、戦場ヶ原に頬寄せ、口付けた。

 そして時間は現在に戻る。


630名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:23:51 ID:WDtvmvdk
ここまで投下です。
631名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:24:30 ID:j9/Veer0
もきゅもきゅもきゅもきゅ
632名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:27:58 ID:Rj+XsJo/
GJ!
やっぱひたぎさん可愛い!
633名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:38:25 ID:c6iWuThW
続きのエロシーンが投下されるまで毎日ミスドに通うことにする。
だから俺が糖尿病になる前に早く続きを書くんだ!
634名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 18:59:39 ID:TGm6th52
蕩れガハラさーん
こっちこっちー
635名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 19:10:57 ID:Tu0wf9bc
GJ!

こういうラブラブ展開の後に他の男を匂わせる描写があるとクルんだよな
636名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:12:20 ID:Rge44WIr
>635

しつこくNTR要求してんじゃねぇよ失せろ
637名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:16:49 ID:SBsHmwfS
ヒント:荒らしは構ってもらえると喜んで居座る
638名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:25:57 ID:bHjF3OOt
ヒント;他のスレにも要求してる
639名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:38:19 ID:+1qKGKOd
この間から変な奴が居座ってるね
640名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:38:23 ID:YRsXm5Dw
答え:構わない
641名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:43:43 ID:WDtvmvdk
とある戯言遣いは言ったそうな。

甘えるな

と。

その意味する所すらもわからないなら、素直にNTRスレで
寝取られ物投下を待った方がいい。

少なくとも、俺はそうやってなんでもかんでも寝取られに
持っていかれるのは、あまり気分がよくない。
俺は寝取られは寝取られで別個に嗜好する分には
全く問題ない、というかむしろ興奮すらする人間ではあるが、
それがダメな人の気持ちというのは無論理解できるし、
そういうつもりが全く無い自分のSSを、まるで寝取られの
下敷きのように扱われるのは、正直言ってかなり不快だ。
不愉快ではなく不快だ。

そこら辺について、何か言い分があるなら、誤爆スレで聞こうか。
特に言い分は無く、単にマナーや周りの人間への気遣いを用い得ない
だけの人間だと言うなら、重ねて言おう。

甘えるな
642名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:44:42 ID:WDtvmvdk
気を取り直して、続き。
エロ導入部。
掴んで扱いて銜えて舐めて、出させてやんよ
643名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:45:29 ID:WDtvmvdk
 というわけで現在。
「……これって、最初から……こう、なのかしら?」
 戦場ヶ原の目の前にさらけ出された僕の物は、既に臨戦態勢だった。
「聞いていた話と違うのだけれど……」
「誰から聞いたんだ?」
「言うまでもないでしょう?」
 という事は、きっと神原辺りから聞いたに違いない。まあ、あいつも経験は無さそうだったが、
知識だけは豊富だろうからな。
「羽川様からよいえもとい、羽川さんからよ」
「……」
 意外な名前だった。いや、まあ、そりゃ知識だけはあるだろうけどさ。
 というか、やっぱり様づけなんだ、デフォでは……。
「本当に、あいつは何でも知ってるなぁ……」
「結局、私は『何でもはしらないわよ。知ってる事だけ』というあの名セリフは聞かせて
 貰えなかったわ……」
 何故か、戦場ヶ原は悔しそうにしている。
 旅立つ前に聞かされた話によると、どうやらあの決まり文句は僕に向けてしか言ったことが
無いという事らしい。どうしてなのかと聞くと、羽川は笑って「んー? まあ、なんとなく、かな」と言って
いたが。あ、いや、今はそんな事を考えている時ではなかった。羽川のそういった事に対する知識の
度合いと、その実践経験については大いに興味があったが、それは今ここに羽川がいない状態で
考察しても仕方が無い事だ。
 それに何より。
 今、目の前には、ちゃんといる。
 僕の、愛する人が。
「お前が可愛くて、もう興奮してるんだよ」
「まあ、はしたない」
 ……言葉はキツイけどね?
「でも、時折こういった事をする際に、童貞の人は緊張の余り立たなかったりするという事がまま
 あるようだけれど……その点では、阿良々木君は肝が座っていると言えるのかしら。それとも
 キモイと言えるのかしら」
「間違いなく後者はねえよ!」
 どんな韻を踏んでんだ! ついでに僕の心まで踏むつもりだし!
 最早僕に向けた暴言は、息をするのと同じレベルになっているのだと、今更ながら痛感した。
 ……まあ、悪い気はしないけどな。
「なるほど、では肝が座っているという事にするけれど……阿良々木君?」
「なんだ?」
「本当に、阿良々木君は、童貞なのかしら?」
 さっきから、ロマンチックな、僕と戦場ヶ原の初めての瞬間が、ピシピシと小さな音をたてながら
崩壊していっているような気がしてならないんだが。
「……そういう経験は無いよ。僕も、これが初めてだ。こういう事、するのは」
 言ってて恥ずかしくなる。
 そりゃまあ、以前は街中の公園で――幸い周囲に人はいなかったが――童貞である事を赤裸々に
告白させられたりもしたけれど、こういう形で自分で自分が童貞だと、そう宣言するというのは、これは
また違った恥ずかしさというのがある。
644名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:45:54 ID:WDtvmvdk
「あらそう。私は初めてではないのだけれど」
「な……ッ!?」
 衝撃が走った。
 衝撃という以外なかった。
 そんな事……僕は知らないぞ!?
 少なくとも、僕と出会った時、出会ってすぐの告白を信じるなら、戦場ヶ原は男とこういう事を、自ら
の意志でした事は無いはずだ。それが……初めてではない、という事は……つまり、あの出会いから
今までの間に、僕ではない誰かが戦場ヶ原の心を虜にしていたという事に他ならない。
 あるいはそれは、僕を客観的に見ている人間がいるなら、笑撃とも言えたのかもしれなかったが、
まさしく当事者である僕にとっては、まさしく冗談ではなかった。冗談じゃねえよ!
「冗談だけれど」
 冗談だった。
 ………………。
 ま、まあ……もし戦場ヶ原が初めてでないとしても、それは別に問題ではない。誰との過去が
あろうとも、僕には戦場ヶ原しかいないのだ。そう思えるくらいには……僕は戦場ヶ原に参って
しまっている。嫌われていないのなら、何の問題も無い。もちろん、そんな恥ずかしい事、そして
情けない事、口に出しては言えないけれど。
 ……ホントダヨ?
「今のは阿良々木君を試したのよ?」
「すいませんひたぎさん僕は動揺してしまいましたごめんなさい!」
 僕は謝罪した。素早くだ。
 ……とあるハードボイルド小説で、主人公が行為に及ぶ際に服を脱ぎ捨てる場面の描写を模して
みた所で、僕の土下座して地面に額をこすりつけている情けなさが軽減されるわけでは、なかった。
当たり前だ。
 ホントに、僕は浮かれてるんだなぁ、と改めて自覚。なんだこの一優一喜の有様は。少し冷静に
なれ、阿良々木暦。
「……ごめんなさい、阿良々木君。少し、性質の悪い冗談だったわね。謝らせてちょうだい」
「いや、まあ……それで動揺しちゃう僕の方こそ、謝らなきゃいけないし、さ」
 どうやら、気が少しばかり動転してたのは、ガハラさんの方も同じだったらしく、珍しく、本当に
珍しく、顔を赤らめていた。……いや、僕のナニを見ても顔を赤らめていないってのはどういう事なんだ、
というツッコミをまず入れるべきなのかもしれない。でもまあ、らしいと言えばらしい、か。そもそも、
普通の女の子だったら、下着姿を――今戦場ヶ原は下着姿で僕のナニを見つめている、という事だ――
男に晒した時点で、最低限頬を染めるだろう。そういう意味では、こいつほぼ初対面状態の僕に
ほぼ全裸晒してたりして、全く恥ずかしがるどころか、挑発めいた事すら言ってたわけで、あまり
通常の価値基準をあてはめて考えても仕方が無い。
「……阿良々木君のそれ……舐めても、いいかしら?」
 だから、突然僕のナニを舐めさせて欲しいと戦場ヶ原が言ってきた時も、僕はさして驚く事は
あるよっ!? 何なんだよ突然!?
「あら、こういう時、男の人は女の人に舐めてもらうのではなかったの?」
「いや、まあ……そういう前戯もあるにはあるし、アダルトビデオとかでは普通なんだけな……」
「なら、いいわよね? 舐めさせて……いただけませんでしょうか……違うわね……舐めさせて
 くれてもいいじゃない……」
 でも、実際の性交渉においては、そういう行為、つまりはフェラチオというのは、実はかなり関係が
深まってからやる事なのだそうだ。実際、秘所というのは結構匂うし、味だって別にいいわけじゃない
らしい。それは男女共同じなので、女性器への口唇愛撫、まあつまりこれはクンニと呼ばれる行為
だけども、これもまた、あまりやる男はいないらしい。
 ……何もかもが"らしい"なのが、何とも情けない限りだ。
「私にそれを舐めさせなさい、阿良々木君」
 まあ、本当に情けないのは、そう戦場ヶ原が言ってくれた事を、飛び上がりたい程に喜んでいる事
の方だったりするんだけど。
 でもまあ、やってくれるって言ってるのを、無碍に断るのも、ねぇ?
 ……どうやら、デビル暦は根絶されていなかったらしい。
「……いいのか?」
「いいも悪いも無いでしょう? 私が勝手になめるだけ……そうではないの?」
 いや、それは勝手に舐めるのは不味いだろう。でもまあ、僕は別に口唇愛撫に拒否反応を示す
人間というわけではないので、願ったり叶ったりでは、ある。
「じゃあ、頼むよ」
「……」
 声を出さずに首肯して、戦場ヶ原は僕の物をその手に取った。
「……ッ」
645名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:46:15 ID:WDtvmvdk
 それだけで。
 ただ、手に持たれたというだけで。
 僕の全身を電気が流れたような感覚が走る。
「……痛かった?」
「あ、いや……全然。むしろ、その……気持ちいい、かも」
「手で握っただけなのに?」
 そうだ。手で握られた、それだけで気持ちいい。それだけで、これ程までに気持ちいい。自分の手で
慰める時とは比べるべくもない。少し手のひらが蠢くだけで、小さな電気が走り回る。他人の手で
されるのは気持ちいいとは聞いていたけれど、それだけではないだろう。
「……このまま、上下に擦るのよね?」
「あ……ああ」
 少しだけ、不安そうな表情で、戦場ヶ原は僕の物を見つめている。
 彼女だから。
 愛する女性だからこそ。
 気持ちがいい。
「上に……下に……」
「っあ……くぅ……!」
 ガクガクと膝が笑う。
 あっという間に、僕の物はその先端から液体を漏らし始めた。
「何か、出てきたわ」
「……先走りの汁、だよ……」
「カウパー氏腺液、ね。という事は……阿良々木君、気持ちいいのね?」
「そんなの……言うまでも無い……だろっ」
 言うまでもないのではなかった。
 実際は、言葉にならない。それが正解だ。
「……ここ、舐めると……もっと気持ちいいのよね?」
 戦場ヶ原は、その問い掛けに僕が答えるのを待たずに、先端を銜えた。
「ひぃぅ!?」
 電撃などという言葉では生ぬるい。
 それはきっと、あの春休みに僕が味わった地獄を、その時味わった苦痛を、そのまま快感に
置き換えて、それでもまだ余りがある程に、強く、鮮烈な刺激だった。
「……ひ……ひたぎぃっ!」
 僕は、その強烈な、激烈とも言っていい刺激に、耐えきれなかった。
646名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:46:31 ID:WDtvmvdk
ここまで投下です。
647名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:51:58 ID:YRsXm5Dw
オナニーを始めるのも悪くない
648名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:53:43 ID:Tu0wf9bc
正直すまんかった。今日はもう風呂入って寝る。
649名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 23:06:04 ID:7K95jT3D
>>641

>甘えるな

たかがラノベもどき原作のエロパロSS1本「自分が」落とすのに
何を御大層なw
650名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 23:29:24 ID:UXAL9jOi
その…何だ、非常に――乙
651名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 23:35:06 ID:MyWlKaNC
>>649
お前恥ずかしいな
スレタイ読めよ
652名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 00:31:31 ID:XLTRVVxy
馬鹿な荒らしの例だな
元ネタを理解してないのに構って欲しいがために二次スレにいく



あれ?でもこれはこれで思惑通りに行ってるのか
653名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 01:24:41 ID:6wmFVeZB
しかし彼はNTRの醍醐味を信じた書き手の"裏切り"という形で味わったのじゃないかな
醍醐味、というのは乳製品の脂っぽい感覚のことだそうだし
654名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 01:26:12 ID:/FYAJ53i
初歩のあぼーん
NGの製作

あたりに気を払おう。
655名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 01:36:50 ID://yabYKT
まったく阿良々木くんは早漏だなぁ。
656名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 02:11:06 ID:HISfKC+a
>>641
惚れた

うちに来て神原を犯していいぞ

でも
>>645
寸止めかよ!
もっとエロエロはお預けかよ!

もういい
全裸で正座して待つ
657名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 05:04:00 ID:kF+gwkB8
「阿良々木先輩!どうして裸なのにネクタイをしていないのだ!
 それではただの変態ではないか!」
658名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 05:24:35 ID:LUQcUzPm
ポリネシアの人また書いてくれんかなー
ああなるまでの経緯とか更にその後みたいな感じで
659名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 09:01:12 ID:YrvfRvR0
おはよう。最近はひたぎやら美琴やら良質なツンデレがいるのに
何故寝取られが無いのか不思議でならんです。
660名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 09:19:43 ID:nv3eC9Ol
>>659
好きなのは良いけどあまり言い過ぎると不快に思う人もいると思うよ
俺も禁書スレ行ってるけど地道に待ったほうが良いと思うんだ

スレチ気味すまん
661名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 09:21:14 ID:mTWAUNYV
正直ひたぎさんはツンデレかどうか微妙だと思う
662名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 19:33:53 ID:Od1U1t/i
スレの流れを読めずに発言してるやつはなんなんだ? 専門スレにいけよ
663名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 20:33:45 ID:KWqLwJFt
プッツンデレよ!
664名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 20:59:59 ID:S1X5JqgI
西尾キャラは記号的なテンプレの集合体かと思いきや
テンプレ達が自由気ままに化学反応を起こして、テンプレとは明らかに違う何かになってるよね
665名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 21:15:02 ID:M/nidecT
多分、油でじゅわっと揚げられたんだろうな。
666名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 22:01:22 ID:2qFT1f25
「それはtemperarでしょ。真宵ちゃん」
「何故わかるんで……って、はい?何です?天パのバーロー?」
「いやそんなファンキーな少年探偵みたいな言葉じゃなくて……temperarね。
 調理手法の一種を表すポルトガル語。
 元々てんぷらって外国から入ってきた料理だから、語源は外来語なんだよ。
 他にも、はじめは油を使った精進料理の一種として伝わったから
 スペイン語で『寺』の意味のtemploから来ている、という説もあるんだよね」
「はぁー……そうなんですかー。いやー羽川さんは本当に何でも知ってますねー」
「何でもは……あー、いや、南大門は知らないわよ」
「……いえ、無理に噛みネタをやろうとしないでください羽川さん」
「なら無理にあの言葉を言わせようとしないでね……」
667名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 23:05:08 ID:M/nidecT
無理にあの言葉を言わせようとさせられて、エロ拷問にかけられる
羽川様のSSはまだですか!?
668名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 23:10:21 ID:YrvfRvR0
子荻ちゃんとかもアララギに遭遇したらフラグ立てられて妊娠ルート突入しちゃうんだろうな…
669名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 03:43:13 ID:oCghFKCS
>>667
どんな状況だよw


「アララギ君、いくらなんでも冗談が過ぎるんじゃないのかな」
両手を後ろ手に縛られ、廃墟の床にペタリと座りこむ羽川が僕を恨めしそうに見上げている。

「僕は羽川のあの台詞をもう一度聞きたいだけなんだぜ、一言言ってくれさえすれば、僕の気は済むんだ」
そう言いながら僕は自分の影から忍が物質創造で創り出したもの、人の腕ほどもある黒光りするその塊を抜き出す

「さあ羽川、早く言ってくれ!
さもないとこいつをお前の中にブチ込むことになっちまうぞ!」
巨大なバイブを目の前に出され驚いているのだろう、羽川は完全に止まっている。
「それとも羽川、ひょっとしてこいつで虐められるのを期待してるのか?だからこんな状況になっても言ってくれないのかな」

羽川は俯いて、ふるふると肩を子刻みに揺らしだした、その瞳は前髪に隠れ見えないが、頬から首筋まで真っ赤に上気しているのがわかる
「そ・・そんなわけ・・ないじゃないっ・・いい加減怒るよ?アララギ君・・」




こうか?
670名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 15:32:54 ID:tlzoia7t
いや、あらあらまあまあ君は、「おまえは何でもしってるんだなあ」と
いうだけであの台詞は聞けるんだ
671名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 16:33:15 ID:cwjkfYu5
あの言葉って
『阿良々木くん、どうか私のノーブラおっぱいをモミモミしてください、お願いします』
『阿良々木くんにおっぱいを揉んでもらえるなんてとても光栄です』
『阿良々木くんに揉んでもらうためだけに、頑張ってこんないやらしいおっぱいに育てました』
云々じゃないのか
672名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:12:23 ID:Dmil11w7
羽川「話しかけないでくれるかな阿良々木君。あなたのことが嫌いなの。」
673名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:17:59 ID:a3jIYG2F
今気付いた。ひたぎがおさげにして眼鏡かけて委員長喋りした方がえろい。
674名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:28:08 ID:1tC9yO8z
今気付いた。羽川が真宵の服を着てパッツンパッツンになってる方がエロい。
675名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:35:08 ID:KGvdyxA8
今気付いた。忍が胸だけ羽川の大きさになってる方がえろい。
676名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:36:42 ID:uKkTNSiB
「羽川様、羽川さん、羽川ちゃん、羽川…羽川…」
「ん…戦場ヶ原さん? これは?」
「気づいたわね、羽川―そう、羽川、あなた、いえ、―"お前は何でも知ってるんだなぁ"」
「え? なに? なんで縛られて――」
「"お前は何でも知ってるんだなぁ"」
「手が、動かな、痛っ、ほどい――」
「"お前は何でも知ってるんだなぁ"」
「戦場ヶ原さん、なんで、私は散歩帰りで、声をかけられて――」

「"お前は何でも知ってるんだなぁ"」
677名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:40:30 ID:BNnulNG+
>>676
ガハラさんは委員長を苦手にしているつうか
マジで恐れているよなあ。
678名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 17:48:23 ID:5hiuD6NG
「おーい、戦場―ひたぎ、そろそろ夕飯にしないか? あれ、羽川じゃないか。来てたのか。そんな暗いところで何やってんだ?」
「阿良々木くん、すぐに行くからここは引いてくれないかしら? 大事な話の途中だから」
「そりゃいいけど…味噌汁が冷めるぞ」
「あのっ、阿良々木くん、私っ、その、――縛られて、助けて」
「"羽川、静かにしていてくれるかな"」
「…ひたぎ、戦場ヶ原ひたぎ、手が震えてるぞ。お前、何か僕に隠してることがあるんじゃないのか?」

ひたぎさん総受けのぴーんち
679名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 20:12:57 ID:KGvdyxA8
なんかそれっぽいの見たんで貼り ピクシブ注意
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=9342182
680名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 20:58:21 ID:oiVP9qAo
やべぇ、忍釣り楽しそうwww
681名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 21:07:42 ID:c4bWqQ3R
>>679
おもろかったw
ピクシブ、登録した甲斐があったなぁ。
682名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 22:30:26 ID:IlXBcNZC
かなりの文量書いてあるな。
普通に読みたいw
683名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 23:11:51 ID:4eGmvaHw
注意と言うくらいなら貼るなと小一時間
684名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 01:16:47 ID:BSCclCqd
そろそろガハラさんと暦以外の男の性的な絡みが見たいなぁと思うのでした
685名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 01:37:57 ID:f7+GB0P5
実は男の娘の神原ですね
わかります
686名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:01:31 ID:/d6Y6znu
人間失格 欠陥人間 人類最悪 お好きなものをどうぞ
687名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:06:00 ID:BSCclCqd
北海道に蟹喰いに行って旅館で人類最悪に遭遇、ゆきずりHて感じで
688名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:06:25 ID:mQzEBY+4
「ふむ、戦場ヶ原先輩、何か勘違いしていらっしゃるようだが、
 別に男根がなくとも処女を奪うことはできるのだぞ?」
「そうね、神原。その妄想を実行したらお礼にみっちりとお仕置きをしてあげる」
「ま、待ってくれ!今のはほんのパーティージョークで、
 そ、そう、本当は阿良々木先輩の処女を奪えると言いたかっただけなのだ」
「あら、そう。それならいいわ。大事な後輩に二度とお仕置きしないと誓いましょう」
「ああっ、そんな御無体なー」
「……どうしろっていうのよ」
689名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:07:37 ID:MKNbtQtJ
男の性的な絡みか……
阿良々木先輩と忍野さんだな!
690名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:10:45 ID:BSCclCqd
ガハラさんて不倫とか温泉旅情が凄く似合うと思う
691名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:25:03 ID:k6gyEoiI

・・・・

ID:BSCclCqd
692名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 02:27:17 ID:fn2taYBH
分かりやすいから即あっち行きだろう、無論書き手にとっても
693名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 03:13:41 ID:0EBsEgHl
中学生のガハラさんの話を拡大すればもっと酷くなりそうなんだがな。
神原も巻き込んだり
694名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 11:11:11 ID:4+Gy2fMu
不倫はともかく温泉旅情はいいな。

浴衣とか似合いそうだ。

…でも浴衣姿のガハラさん想像したら何故か急にみちのく湯けむり殺人事件とかいう文字列が頭に浮かんだ。
695名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 13:13:27 ID:xx/kuQPx
平和な温泉街で突如起こった凄惨な事件!
果たして幸薄き男子高校生、阿良々木暦の後ろの穴の処女を奪った鬼畜な犯人は誰なのか?
優秀な頭脳を持つ被害者の恋人の戦場ヶ原ひたぎの推理が冴え渡る!
犯人探偵シリーズ『ひたぎの推理』、まもなくドラマ化!
696名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 13:25:48 ID:ZX82eeVi
阿良々木くんって傷の治り、すごく早いのよね。
ならそんな傷どうってことないわよね。

けどまあ、心に負った傷までは消せないのかしら。
697名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 17:32:21 ID:hLTuDGB9
人識×出夢 人識×玉藻 のssを希望します。
698名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 19:31:19 ID:ZAKbmzAQ
ペロッ…これはss乞食!!
699名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 21:04:11 ID:MbRv0klA
せっかく単体作品スレではなく西尾スレなことだし
たまには厨妄想して他作品クロスするのもいいかなーなんてふと思ってみた

が、「神原とめだかが『1on1のはずなのにフルメンバーのオールコート戦に見える分身バスケ対決』を繰り広げる」
などとエロさの欠片も無いアホなことしか思い浮かばないのでやはりやめた
700名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 21:07:36 ID:BSCclCqd
そういうあれなら西東天と愉快な仲間たちがフラスコ計画潰すために活躍してもよくね
701名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 22:46:17 ID:MCw/LViU
個性の塊と言われている西尾維新の文章
ttp://crossroad-sky.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_5825.html

現在日本で最高の個性の塊と言われているポッポの文章
ttp://po-m.com/forum/myframe.php?hid=7944
702名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 14:54:02 ID:sAGqXLUu
10レス、お借りします
城崎、化物マンション前。
焼けたタイヤの焦げ臭い空気を肺に吸い込んで、ぼくは降り立つ。
――戯言遣い、大地に立つ。
「ありがとう、零崎」
「貸し一つだ、戯言遣い。今度、返して貰いに来るぜ」
ぼくの返答を待つ事も無く走り去る青いフェラーリ。
「……ああ、待っているよ」
遠ざかるスポーツカーを見送って、ぼくは前を向く。
一人の男がそこには佇んでいた。
眼を逸らせない不快感と、眼を離せない存在感を伴って。
「思っていたよりも敵の侵攻は遅かった。いや、予想以上に君の到着が早かった、と。ここは素直にそう褒めるべきか。お互い、持つべきものは仲間だな」
白のスーツに白のネクタイ。足元まで白の革靴の白一色。
ここ七年で伸びた髪すら真白に染め上げて。
背景に溶けるような白い彼。
黒い青が好きな色で全身を固める男。
その身に持つ緑という名前(アイデンティティ)さえ、焦がれる女の為に捨て去る事をまるで厭わない壊し屋。
兎吊木垓輔――彼は玄関の壁に身を凭れさせて、左眼を閉じたままに、右眼だけをゆっくりと開いてぼくを見据えた。
「玖渚友が部屋で君を待っている、戯言遣い」
「へえ……敵は?」
「気にしなくても良い。ここは俺が引き受けよう。何分、殺し名が相手では時間稼ぎしか出来ないが。しかし、妨害工作(ジカンカセギ)ならば俺ほど適した人間もそうは居ない。二度言わせるなよ、戯言遣い。死線の蒼が君を待っている」
そう言って、用件は終わったと、右眼も閉じる。
「……お前は」
目を逸らすのには、若干の意思が必要だった。
「お前は玖渚に会わなくても良いのかよ、兎吊木?」
白は彼女の好きな色。
玖渚友を信奉する、ソイツにとって真白のそれは礼装と。そう言えるのではないだろうか?
着飾るのは、見せる為。
コイツがその姿を見せたい相手は、決してぼくじゃない筈だ。
「俺がどう思っていようがそんな事は瑣末な問題だろう。重要なのは玖渚友であって、そして彼女が望んだのは君だ。俺じゃない」
兎吊木は恐らく彼にとっては屈辱極まるであろう、そんな言葉を口にする時ですら眉一つ動かさない。力み無く眼を閉じたままのその表情からは、何も読み取れない。
人はここまで感情を殺す事が出来るのだという、その見本を見ているようだった。
「彼女の望みは、俺たちの望みだ」
俺たち――仲間(チーム)。
彼らは、玖渚を至上とする彼らは、ただ玖渚を喜ばせる為だけに生きていると、そう言って憚らない。
そう信じて覆らない。
それはまるで誰かのようだ。
――まるで鏡のようだと。ぼくは何を間違えたか、そんな事を思ってしまった。
全壊の壊し屋と――塵芥(ジンカイ)の壊れ物。
塵芥(チリアクタ)の価値しか、ぼくにも兎吊木にも無い事なんて理解している。
選ばれたか、選ばれなかったか。
もしかしたら、彼もまた、水面の向こう側であったのかも知れない……などと。
そんな世迷言を脳裏に浮かべたぼくを見透かしたような的確なタイミングで、ソイツは言った。
「ああ、勘違いしないでくれよ。思い違いなんて止めてくれよ。シンパシーなど罷り間違っても抱かないでくれよ」
共感(シンパシー)。それを抱く事すら、兎吊木を貶める事になる。
選ばれた者が、選ばれなかった者に何を言っても、何を思っても。それは上からの目線でしかない。だから、彼は言う。
「俺は君なんて嫌いなんだ」
嫌いだと。本心を隠しもせずに。
「本音を言えばこの場で壊してやりたいくらいに、憎く悪(ニク)く思っている」
そう口にしながらも、彼がぼくと玖渚の逢瀬を止める事は無い。
それは、玖渚の望みでは無いから。
闇口のような滅私の境地に兎吊木は身を置いている。自己愛なんて言葉は欠片も持たず。自意識なんて端から存在を黙殺しているが如き。
だけど、そんなものは愛じゃない。
自己犠牲も自殺志願も、そんなものの価値は塵芥。
それは愛じゃない。それは只のゴミだ。
過去のぼくが後生大事に抱きかかえていたそれは、価値を見誤った子供だったからだと今なら言える。
ぼくはもう、取り違えない。
「……玖渚はぼくのものだ」
「アレは所有出来るような生物では元来、無かった。アレは独占出来るような存在では本来、無かった。玖渚友の本質を知らない――哀れだな、君は」
「哀れむ事は許さないよ、兎吊木。玖渚はぼくのもので、玖渚のものは一つ残らずぼくのものだ。害悪細菌、アンタが死線の蒼の持ち物を自称している限り、アンタもその例外じゃない」
ぼくは歩く。歩いて、過ぎる。
兎吊木が瞼を閉じて佇む、その横を通り過ぎる。
壊れて壊して、更に壊された挙句、救い上げられたぼくがこんなものに怯える理由などは無い。
皆無だ。
ヒーローは一度挫折して――何度挫折しても、立ち上がる。
そういうものを志すぼくが、壊し屋を恐れる道理なんて有るだろうか。
けれど、ぼくは認めよう。その在り方を。
「――いつか」
ぼくの周りに「ぼくたち」で無いものが、無い事を知った日から。
ぼくは何も、拒まない。
そう、決めた。
「いつか、皆で桜を見に行こう」
マンションの壁から背を離した兎吊木は、ぼくに向き直る。ぼくは一瞥もしない。
「それは、命令か? 蒼の名を喰い散らかした悪食悪口(フォウルトマウス)」
「ああ、命令だ」
死線の蒼の名を借りて、欠陥製品はその汚い口を開く。
「害悪細菌。玖渚友の従僕。お前は命令無しには呼吸すら許されない。死ぬ時さえ了承を得て、死ね」
「くっくっく……くっはははははははははははははははははっっっ!!」
マンションの玄関でパスコードを打ち込むぼくの背後で、兎吊木が笑った。
「くくくっ……そうかそうか。君が、そうか」
一人納得する男を、ぼくは振り返らない。暗証番号を入力されてマンションの扉が大仰に開く。
「くっくっ。七年前から漠然とではあるが空白を感じていたのは……死線の蒼の後釜は……そうか。こんなヤツか。くっくっ」
コツリコツリと。ぼくから離れていく足音。背中から声が掛かった。
「良いだろう。考えようによっては、それはそれで愉快と言えない事も無い。俺は君を受け入れよう。だが、果たして君に――戯言遣いに戯言以外が操れるかな? 壊す事しか出来ない俺を、御すなど出来るのかな?」
「……害悪細菌(グリーングリーングリーン)」
ぼくは振り返らない。振り返らずに背に居る男に意を下す。
「ぼくから初めての命令だ。アンタの新しい主から初めての命令だ」
ぼくは振り返らない。本来の主とは、臣下に礼を見せる必要など、無い。
君臨とは、そういう意味。
「玖渚友の笑顔を壊そうとする者を、壊せ」
完膚なきまでに。容赦なく。際限なく。
「壊したら、更に壊せ。壊して壊したら、壊れきったものを、更に壊せ」
破壊という破壊を破壊しろ。
「ここは死線の寝室だ。存分に乱れろ、ぼくが許す」
「良い命令だ。簡潔で、良い命令だ。良いだろう。俺の持つ破壊の全てをもって、害悪細菌の二つ名の尊厳を賭けて破壊の限りを尽くすと、そう約束しよう」
それ以上、ぼくから言う事は無かったし、彼から聞きたい事も無かった。それ以上何も言わずに、ぼくはマンションの扉を潜った。

「友」
「いーちゃん!」
灰色のバスローブを身に纏う玖渚友は、豪華な天蓋付きの寝台で横になっていた。
黒い髪をしたい放題遊ばせて。まるで嵐を収める目的で暗い海に投げ込まれた生贄の少女ように、自らの髪に溺れるその姿。
少しばかり成長した彼女は、それでもぼくには少女の様に見えた。
同い年にはどうしたって、見えないよな……ぼくも大概実年齢よりも下に見られるけどさ。
玖渚は、そんなぼくであっても引くくらいに、幼い外見をしている。……まあ、昔に比べたら確かに少しは出る所が出て来ているのだけれど。
背徳感を刺激される、エロい身体とそう、言えない事もない。
……。
……同い年。
……同い年だからね?
……ぼくは断じてロリコンじゃないよ?
合法だし。何より夫婦だし。
「遅かったね、いーちゃん! 先刻、さっちゃんから聞いたよ! いーちゃんがもう少ししたら来るって! さっちゃんには珍しくいーちゃんが来る時間までぴったりばっちり!」
それはあのやり取りが全て兎吊木の手のひらの上だった、って意味だろうか。
……うーん、偶然だと信じたいなあ……。
「まあ、いいや。本当はね……もう少し早く来るつもりだったのだけれど。途中スクータで転んじゃってさ。遅くなって悪かったよ。ああ、これでもぼくにしてみれば全速力だった事は酌んで欲しいな」
「うに? 分かってるよ?」
玖渚は寝台の上で膝立ちになって、ぼくに向けて小さく細い両手を広げる。
「いーちゃんが僕様ちゃんの所へ来るのに、躊躇う訳ねーじゃん?」
「うん。……うん、そうだ。友の言う通り」
友と会う事にを、憚る理由が今となっては何も無い。
……たまに掛かってくる直さんの電話口での皮肉が身に突き刺さる、それくらいかな。
「あ、そうそう。聞いてよ聞いてよ、いーちゃん!」
友は朗らかに笑う。そうして広げていた両手をそのまま上に掲げた。
自分を大きく見せるようなポーズ……なんでぼく、威嚇されてるんだろうか?
「見て分かる? 分かる?」
楽しそうに質問されても、ぼくには友が何を言いたいのか、分からない。
両手を大きく広げて……お手上げ? いや、違うな。
これはどんなシチュエーションなのだろう? 脳内データベースに最高速で検索を掛けてみる。
胸の内から懐かしい、声が聞こえた。
『むむーっ! ししょーにはデリカテッセンが足りねえです! 女の子がこんな事を訊く時は髪型を変えたとか、そういう事なんですよう! 全く細やかな気遣いの足りないししょーですう!』
ふむふむ。持つべきものは有能な弟子だね。ありがと、姫ちゃん。けど、デリカテッセンは別に足りなくても生きていけると思う。
ファストフード欠乏症とかホラー映画欠乏症とか、聞いた事無いし。
デリカテッセンじゃなくてデリカシー、ね。
一通りぼくの思い出の中に息づいている姫ちゃんを再確認した後で、さて、ぼくの奥さんに向き直る。
矯めつ眇めつ。じろりじろり。じろじろり。
髪型、変化無し。
バスローブ、見覚え有り。
どこからどう見てもいつも通りの玖渚友がベッドにちょこんと座っている。
これは……これは難題だ。
だが、侮って貰っては困る。このしがない戯言遣い、観察眼と愛にはちょっと自信が有る!
「む……」
「む?」
「胸が大きくなった!!」
……。
……友からの視線が痛い。見るな……そんな目でぼくを見るな(戯言)!
どうやら、ハズレらしい。
あれ? おかしいな?
そんな筈は……無いのだけれど。
揉めば大きくなるってアレは、都市伝説だったのだろうか。
「いーちゃん……残念だけど、そこはあんまり変わってないよ?」
「いや、冗談だって! 冗談!」
戯言遣い一流の戯言です。マジでマジで。
もうさあ、本気で受け取らないでよ。本気に取られちゃったら、なんだかぼくの方が滑ったみたいじゃん?
全く。会話の妙が分かってないって言うかさ。ホント勘弁して貰いたいね。
滑る所まで計算尽くのジョークなんだから。
時間稼ぎ……そう、時間稼ぎってヤツ。ぼくの十八番だよ? シリーズ終わって長いから忘れちゃった?
困るなあ。こっからやり難くなって仕方無いじゃん。時間はあげるからさ、思い出してくれない?
……。
……おい、そこの弟子。胸の内から指差すんじゃねーよ。
プギャー、でもねえし。
……はあ、やれやれ。
しかし……しかしだ。
となると、友はぼくに何を訴えかけているのだろう。
ヒントは友の外見。これは間違いない。部屋の模様替えをしたなどの彼女本人以外の要因ならば、そもそも彼女が腕を広げているのが理解出来ない。
……おっぱいではないらしい(強調)。
……ふうむ。
嬉しそうな楽しそうな笑顔はぼくが来訪した時のぼくの奥さんの常態だけれど。
それが一際輝いているような気が、注意深く見ればしないでもない。
奥さん……彼女はぼくの奥さんで、ぼくは彼女の旦那様。
ぼくと友は夫婦だ。
やるべき事は、やっている。
「……うん……ああ、そっか」
懸命に頭を回転させて行き当たる。一人頷いて、そして友の瞳を見つめた。
「分かっていたんだよ、最初から。いつかこんな日が来るんじゃないかと、ぼくも思っていた」
それの心構えはしていた。予想も予感も有って、なのにそれを突然と感じるのはきっと卑劣だからなんだろう。
そもそも、ぼくがそれで慌てるのは筋違い。
一番困惑しているのは、ぼくの奥さんの筈だから。
彼女の一番頼るべき相手が――ぼくがどっしりと構えていなくて、どうするんだ。
「うにっ!? いーちゃん、さっすがだね。さっすが僕様ちゃんの旦那様だぜ!」
「止してくれよ。これでも少しばかり抵抗は無かったとは言えないんだ。でも、それは受け入れられないってそんな意味かと言えば、答えはノー」
「器が広くて、僕様ちゃんは嬉しいよー」
空元気、か。
ハイテンションは不安の裏返し。
だから、いつもよりも、彼女は――だったら、ぼくはどんな声を掛けるべきだろう。
どんな事を言えば良いのだろう。戯言ばかりを口にしていたから、こんな時に何を言えば良いのか、分からない。
「器が広い……か。いいや。本来そんな事は迷いすら許されないとぼくは思う。それを過去の事でぐちぐちと悩みこんでしまう。ぼくは卑小で矮小だ。だけど、腹心算は決まってる」
彼か。彼女か。そんな事は分からないけれど。ぼくは、ぼくの所にやって来てくれるその子に、ぼくが出来る事を出来るだけしてやろうと決めていた。
溺れるほどに愛してやろうと、そう、決めていた。
「カッコイイぜ、いーちゃん!」
「ぼくは格好良くなんて無いよ、友。そんな事はぼくが一番良く知っている。何しろ、自分自身の事だしね。けれど、格好の良い父親にはなりたいと思ってるんだ」
なれたら良いなと。ここで希望的に語尾を濁すのは卑怯かも知れない。
自信は……残念だけど、有りはしない。
けど、友と一緒ならそんな風になれそうな気はしていたから。
「そうだねえ。いーちゃんならきっとなれると僕様ちゃんは思うなー。僕様ちゃんの方がむしろ心配だよ?」
「大丈夫」
言葉を濁すのが常の戯言遣いは、断言する。
「大丈夫だ、友」
「……そっか。いーちゃんが言うなら、そうなんだろうね」
「うん」
今なら泣けそうな、そんな感覚。ぼくにそんな人らしい感情を思い出させてくれた、彼らと彼女達にはどれだけの感謝をしても足りない。
「だから、そんな事は茶化して問題にするような事では無いんだよ、友。お前の口から、お前の言葉で、教えて欲しい。伝えて欲しい」
ぼくの言葉に、神妙に頷く恋人。お嫁さん。
一言一句、絵本を読み聞かせるように、彼女は言葉を紡ぐ。
「僕様ちゃん、今日は、一人で、お風呂に、入ったんだ」
「マジで!?」
驚いた。
それは素直に驚きだった。
風呂嫌いの友が。自分から率先して入浴を敢行するなんて。風呂場に突貫するなんて、前代未聞も良い所だ。
だがしかし。言われてみれば、確かに彼女の髪は艶やかに鮮やかに光を照り返している。
……え? 勘違いとかしてないよ?
最初から入浴の話してたじゃない? 違った? あれ? 意思の疎通に齟齬が発生してるなあ。
いや、妊娠報告とか、そんなん勘違いにも程が有るよ?
……ええ、ええ。お得意の戯言ですよ。そろそろ、何を言っても誰にも信じて貰えなくなりそうで、ぼくはとても悲しい。
「いーちゃんが来るって言うから、いーちゃんに頭を洗って貰おうと思ったんだけど、なんかそんな時間は無いっぽかったからさ! って事で、いーちゃん!」
友は引き続き、彼女にしてみれば精一杯の神妙な顔付きをして、ぼくの顔を物色するみたいにまじまじと眺めた後、にっこりと笑った。
「早速二人でいやらしー事しよーぜっ!」
親指をぐいっと立ててそう叫ばれてもリアクションに困る。余りにも大声であっけらかんと言い放つものだから、誰か聞いていないだろうなと辺りを警戒してしまったチキンは……誰あろうぼくで違いない。
「……え?」
困惑するぼくを置き去りにしてにっこりと笑う玖渚は、しかしエロスイッチ入ってる顔には見えなかったので、ぼくは更に困惑の度合を深めてしまった。
どんな時でも動揺しない、そんな強い心を持てるように子供には「凪」と名付ける事を本気で思案してしまうぼく。
ぼくみたいな浅い人間には、なって貰いたくないからなあ。
ちなみにぼくの名前は霧間誠一では無い。念の為。
閑話休題。
「いやいや、友。純粋無垢な顔で何言ってるんだよ、お前は」
「うん? いーちゃんらしくないぜー? 奥様が『旦那様が来るから』って理由でお風呂に入ってたりしたら、そんなん意味する所は一つしか無くね?」
無くね、じゃねえよ。
エロエロかよ。
……つか、衣装タンスがさり気に開いているのは自己主張か?
覗く白い絹布は、恐らくウェディングドレス。
表紙絵(ムカシバナシ)を汚す気満々だな、おい。
「ちなみに、バスローブの下は体操服です! デス!」
デス……いつの間に玖渚は石凪(殺し名第七位:死神)になったんだろう。ぼくはとんとそんなニュースを聞いた覚えが無い。
「……そうかよ」
曖昧に頷く。なんだろう……この場合、玖渚が殺そうと躍起になっているのは、ぼくの理性だろうか?
だとすれば、実に的確な攻撃をしてくると褒めてやっても良い。
こうか は ばつぐん だ。
「勿論、ハーフパンツなんて夢の無い仕様じゃ無いんだよ!」
自慢げに言う事では、それはきっと無い。半パン推進派に謝れ。
…………。
「どうでもいい事だけど。本当に意味の無い質問で申し訳無いんだけど。それこそ戯言なんだけれど」
と、前置きをしておいて。
「色は?」
溢れる好奇心を戯言遣い、抑える事が出来なかった。
いやいや、これは好奇心と言ってもその頭に「知的」って付く類だろう。うん。そういう事にして無理矢理納得しておく。
自分を騙すのは、それこそ得意分野。
「濃紺だよー」
玖渚は濃紺ブルマらしい。思わずバスローブの裾に眼をやってしまうぼく。そうか。これを引っぺがしたら玖渚は濃紺ブルマの体操服か……。
――抑えろ、抑えろぼく。頑張れ、理性。野性なんかに負けちゃダメだ!
「……良く分かってるね、友」
うんざり。嫌になるくらいぼくの奥さんはぼくの性癖を良く分かっている。
もう、本当。
止めて欲しいくらい。自暴自棄になるくらい薄い人間であるぼくは見抜かれている。
嬉しくないと言い切れない、ぼくもぼくだ。
あーあ。自己嫌悪。
「という訳で、僕様ちゃんの方はお膳立てをしておいたんだよ、いーちゃん!」
「頼んでないし、先刻までのシリアスな空気を見事に台無しにしてくれてどうもありがとう……」
完膚なきまでに。
兎吊木にすら出来ない鮮やかな破壊を見せて頂きました。
空気破壊(アトモスフィアストライク)。wikiの玖渚友の二つ名に誰かこれを追加しておいてくれると後々のぼくが助かる。うん。
「うに? 礼には及ばないんだぜい。これくらいは嫁必須スキル! キル!!」
うわあ……ヤる気満々だあ……。
「ちなみにぼくのベストはメイド服なんだけどね……」
完膚なきまでに。
それは……疑問の余地無く戯言だった。そんなさり気無いリクエストにも胸(零は裂いても束ねても零、って訳でも無いのかも知れないな)を張るぼくの奥さん。
「だーいじょーぶ! いーちゃんの趣味は僕様ちゃん、網羅だぜっ! もち、メイド服も常備してアリマス! マス!」
……。
…………枡?
デスとキルは分かるけど、マスって何だよ?
鱒(マス)。
サケ目サケ科に属し日本語名に「マス」がつく魚、または日本で一般にサケ類(ベニザケ、シロザケ、キングサーモン等)と呼ばれる魚以外のサケ科の魚をまとめた総称。
タイヘイヨウサケ属、タイセイヨウサケ属、イワナ属、コクチマス属、イトウ属などの魚の事。
豆知識。
取り敢えず川を泳いでる魚は鱒と言っておけば間違いは無いかも。
……じゃなくてえ…………。
ぼくは玖渚の座っている寝台の端に腰掛けた。
「友」
「何かな、いーちゃん!?」
「やらしー事をするのはぼくだって吝かじゃないし、それは別に異論は無いのだけれど……けどさ」
手を伸ばして黒く長い髪に、指を通す。手触りは、絹。背中に回すと、友の眉がぴくりと跳ねた。くすぐったかったのだろうか?
「えっちいのはまた今度にしない?」
ぼくは彼女を抱き寄せて、頬に顔を近付ける。意に沿わない事態にぷくっと、少しだけ赤く膨らんだ、その頬に口付けた。
苛立ちを溶かすように優しく。駄々っ子を優しくあやすように愛しさを込めて。
「今日はちょっとまずいみたいだし」
そう言って続け様、瞼にキスをする。彼女の身体がぶるぶると、震えたのを確認してぼくはキスを解く。
玖渚はぼくの唇から解放された大きな瞳を――黒い瞳をしかし、ぼくに向けた。
……睨まれていた。
あれ?
いつもなら、こんな感じで胡麻化せたりするんだけど?
同じ手ばっかり使い過ぎた? 知らない間に友に魅了耐性が付いちゃってる?
聖闘士に二度同じ技は通用しない、的な?
「……いーちゃん」
少しだけ怒気を孕んだ玖渚の声は小さくとも、ぼくを戦慄させるのには十分だ。
抱き締められている友は眦(メジリ)を下げ、請うようにぼくを見上げる。腕の中の彼女を見下ろせば、視界に入り込むのはバスローブの隙間から覗く淡い膨らみ。
間違い無い。コイツ、ノーブラだ!
「いーちゃんは奥様のスイッチを入れておいて、そのまま放置するのかな?」
ちゅーもなでなでも逆効果。
どうやら、ぼくは自分からエロスイッチを押してしまったらしい。
……やってしまった。
いや、ヤるのはこれからだけど。
……。
……違う! ヤりません!
戯言とか要らないっつの!
「いや、ほら! 玖渚の命を今、殺し屋が狙ってるらしいんだよ!」
「うに? 知ってるよ?」
「知ってんなら、やらしー事強請るなや!!」
緊張感とかそういう言葉は無視か? シカトか?
「ぼくとしては、ソイツらの件が一段落してからゆっくりと、また……」
シリアスシーンの余韻。
エロパロだからって安易にエロにしてたまるかと。そんな反骨精神が無かったとは言わない。
だけど。
据え膳食わぬは何とやら。
ぼくの中の言いようも無い部分は、最愛の女性の求めに何も感じていないかと言われればそれは……まあ、嘘になる訳で。
ほら、紳士なのは間違いないけれど、性的に異常が有るって訳でもないし。以上、言い訳。
つまり、ぼくとしては先刻から結構ギリギリの所で、理性の綱渡りを行っていたりした訳で。
その、一線が。
死線(デッドライン)は。
ぷつり、と。
切れて落ちる。
玖渚の小さな手で。服の上から胸板を撫で上げられただけで。
浅くて浅ましいぼくはびくりと隠しようも無く反応してしまう。
「例えばさっちゃんは、僕様ちゃんの為なら、死ぬべきなんだよ。僕様ちゃんのしあわせの為なら、命を賭けられるんだよ」
耳元で、囁かれる。ぞくりと。生暖かい吐息がぼくの耳を溶かす。
理性ごと、ごっそりと。溶かし尽くす。
青はたゆたう水の色。広大な空の色。沈み込む海の色。そして。
――そして、凄惨な毒の色。
「それとも、いーちゃんはさっちゃんみたいに僕様ちゃんに命はくれないの?」
その名残を片眼に残す、蒼。
その眼で見られたら――見られたなら。
ぼくの中の陰惨な破壊衝動が、眼を覚ます。
あの頃の名残が、牙を剥く。
愛しい少女をこの手でぐちゃぐちゃにどろどろにばらばらにしてしまいたいと。
ぼくの中のもっとも真芯に近い「ぼくらしいぼく」が、喚き立てる。
壊してしまえ、と。
汚してしまえ、と。
狂ってしまえ、と。
溺れてしまえ、と。
愛されてしまえ――と。
「ぼくの命は」
――多分、出会ったときから。きっと、最初から。
「ぼくの命は友のものだよ」
「知ってるよん」
楽しそうに。嬉しそうに。蒼の残滓が見え隠れするその笑顔は、ぼくの心を捕らえて放さない。ぼくの命を掴んで逃がさない。
「僕様ちゃんの命は、いーちゃんのものだよ」
共依存にして狂依存。
果たしてどちらがどちらのものなのか。
ぼくが玖渚のもので、玖渚がぼくのもので、玖渚のものはぼくのもので、ぼくのものは玖渚のもの。
誰が誰に縛られて、誰が誰に繋がれて、誰が誰に狂わされているのか。
溶け合ってしまえば。混ざり込んでしまえば。
ぼくらの命は一つになって。その所有権は明確になる。
他人であるから愛し合えるなんて、お為ごかしも良い所。
一つであるなら、最初から愛し合う必要すら無い。
……まあ、戯言だけどさ。
「友が望む事は、ぼくが望む事だ」
「いーちゃんが望むのなら、僕様ちゃんはなんでもしてあげる」
だったら。ぼくの望みは、一つ。
「友を……傷付けたい」
「いいよ。傷付けられてあげる」
「友を……滅茶苦茶にしたい」
「なら、滅茶苦茶にしちゃえ」
一つだけ、どうしても叶えたい、望みがぼくには有って。
「友に――愛されたい」
骨まで。骨ごと。丸ごと。残さず。
愛に飢えたこの身を。血塗られたこの身を。血腥いこの身を。罪深いこの身を。
瑕(キズ)も、染みも、痕(アト)も。過去も、現在も、未来も。
――愛して貰えたら、なんて。
子供みたいな事を、願って、止まない。
友は、優しく笑った。ふんわりと笑って、バスローブの前を解く。ぱさりと。軽い音を立てて落ちる布。
彼女は、何も着てはいなかった。所々骨の浮いた、美しい裸身をぼくに惜し気も無く晒す。
まるで子供のような、矮躯を。
「……嘘吐きだね、友」
「体操服を着てるって、そう言えばいーちゃんが襲ってくるんじゃないかと期待してたんだよう。うに、やっぱり体操服着てくるー? 着てた方が良いー?」
「いや、要らない。そのままで、ありのままで、十分、ぼくの奥さんは綺麗だから」
「うにい……あんまり素直に褒められたら困っちゃうぜい」
彼女はぼくの顔にその薄い胸を押し付ける。そして、ころんと。弱い力でぼくを押し倒した。
「……いーちゃん」
「何かな、友」
折れそうな白い腕に、僅かばかりの力が篭る。
「……いーちゃんこそ、嘘吐きじゃん。いーちゃんは、決して愛されたいんじゃないよ」
首を、抱きかかえられる。囁かれる。愛される。
「いーちゃんはね、愛したいんだよ」
「……知ってる」
「愛してるよ、いーちゃん」
「知ってるよ」
「愛し続けるよ、いーちゃん」
「ありがとう」
欲しかった愛は、すぐそこに有ったっていう、そんなオチ。
青い鳥は、結局どこにも行けないし、行かないのだろう。
気付くか気付かないかは、雲泥の差。
抵抗するのは、諦めた。
「……友」
「なにー?」
「エロパートは一時間だ」
「やいやいさー!」
水を得た魚という表現がぴったりと。玖渚友は、そんな元気の良い返事と共に、ぼくの身体に襲い掛かった。

ぎしりぎしり。
寝台が、ぼくらの動きに合わせて揺れる。
「いーちゃ、んっ……もっと……つよ……くっ…………し、ても……」
ぼくの下で喘ぐ彼女。
愛する女は身体を貫かれたままで気丈にも、笑う。
「ぼくさまっ……ちゃ……ひぅぅぅ…………な、んぅぅ…………こわれ……ないよ……」
身を振るぼくに、笑いかける。
「いーちゃ……んぅっ…………いーちゃ……なら、ふあぅっ……」
ぎしりぎしり。
心が、彼女の無理矢理に作った笑顔に悲鳴と歓喜を叫ぶ。
温かい、玖渚の中は狭く、ぼくを締め上げ、昂ぶらせる。
彼女の苦しそうな顔とは裏腹に、ぼくにもっと動けと強要する、恥知らずな肉。
まるで売女のように、ぼくを悦ばせる。
まるで娼婦のように、されるがままで、受け入れる。
「友っ……!!」
ぼくは彼女を抱きながら、思い出していた。
七年前を。

「いーちゃんは変わらないよね」
彼女の言葉。
「いーちゃんは変わらないよ」
彼女の言葉。
「いーちゃんは変われないよ、絶対に」
かつて、彼女の言葉は駆逐された。

「いーちゃんは変わったね」
ぼくは、変わった?
「いーちゃんは、変わってないね」
ぼくは、変わってはいない?
「いーちゃんは、ずっといーちゃんだね」
かつて、彼女の存在は駆逐された。

――変わったのは、君も。
――変えたのは、君と。
「しあわせになろう」
彼女の言葉。
「ふしあわせになろう」
彼女の言葉。
「どんな時でも、ずっとずーっと一緒にいよう」
彼女の言葉。
「二人でしあわせになって、二人でふしあわせになろう」
それは紛れも無い彼女の言葉。
「結婚しようぜ、いーちゃん」
とても不確かで不安定で、それゆえ不変で普遍の、魔法の言葉。

「いーちゃんはしあわせになるんだよ。僕様ちゃんがしあわせなんだから、いーちゃんもしあわせじゃないと困る。すげー困る。
だから、僕様ちゃんはいーちゃんばっかりふしあわせになるなんて許さない。そんなのはずるい。卑怯だ。
いーちゃんが手を汚す時、僕様ちゃんは傍に居る。一緒に苦しんで、一緒に泣くんだよ?」
喜びは倍に、悲しみは半分に。そんな都合の良い事は有りはしない。ぼくはそれを知っている。
喜びは半分に、悲しみは倍に。そんな都合の悪い事ばかりまかり通る。ぼくはそれを嫌という程知っている。
だから、ぼくには『ぼくたち』になる時に決意した事が有るんだ。

「いーちゃん、すき」
ぼくのとなりには玖渚友がいる。そうして僕らはならんで歩く。
そんな言葉で締め括られた、物語。

ハッピーエンドには、しあわせな後日談を。

ふしあわせなんてスパイス程度で、十全だ。
714 ◆.vuYn4TIKs :2010/03/18(木) 15:52:22 ID:sAGqXLUu
まだ続きそうです。エロパートはスパイス程度で、十全だ。

>>514
化物も書けなくはないと思いますが、化物には化物みたいな書き手がごろごろしていますので、ぼくの出る幕は無いかと。
まよいフォックス・ひたぎフェアリー・こよみラクーンドッグ 辺りが好きです
>>516
ありがとうございます。「君は玖渚〜」の篝火兄弟はオリ設定どころかオリキャラですが、しゃしゃり出たりさせませんので大目に見て下さい。

エロパートは……希望が有って指が動けば書くかも知れません。
魔法の言葉は「フレンチクルーラ」で。
715名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 17:43:04 ID:xLlR4P2Q
わっふr・・・ふ、フレンチクルーラ!
716名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 18:11:17 ID:8aFKTXP4
ぽんでらいおんぽんでらいおん
717名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 18:13:57 ID:ErjlzlEi
んー、エロパートがないとなると板違いになっちゃいますねー
718名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 18:19:51 ID:SCTJnBxg
こうして見ると西尾表現ていうか言い回しって冗長過ぎてダルいな。
5レス分くらい削れるんじゃねと普通に思っちまった。
719名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 19:27:21 ID:pxFmejzY
いいじゃない
720名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 19:38:06 ID:GYa3QLDQ
ここってエロパロスレだよな?
721名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 19:40:37 ID:0fk+mz1P
エロいパロディだけを落とすスレと言うことではない
まぁその辺は各人がどうするかだろ
722名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 19:52:27 ID:SCTJnBxg
ここじゃなくて自分のサイトにでも書いてた方が良かったんじゃね
723名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:16:44 ID:JTrGaSlE
俺二つ前のスレくらいからしか見てないけど、エロ:非エロ=1:1くらいじゃね? ここ。
てか確か他に投下するとこないからエロ以外もドンと来いみたいな感じだった気がする。
まあ>>714はエロあるからあんま関係ないけどさ。
724名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:25:02 ID:EusdEYKc
っていうか、この水準なら、エロ有ろうが無かろうが個人的には大歓迎だけどね。
自分があまり水準の高くない小ネタを投下しているから言うわけじゃないがw

本音を言えば、某板に勧誘してしまいたいくらい。
まあ、向こうは人稲だから、勧誘しても断られそうだなw

あくまで、そこら辺の意見の対立というのは、最終的には水掛け論になって
空気だけ悪くなって終わっちゃうものだから、あくまで個人の意見の表明に留め、
その意見通りにスレを動かしたい欲望については抑えた方がいいと思う。

皆大人なんだし、ある程度は自分の思い通りにならない事も許容しないと、ね。

あと、スレの流れはこうあるべし、という意志を持ってる人が、
自らの作品投下によってそれを為すのならば、何の問題も無いと思うよ。

思うよ!
725名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:31:47 ID:EusdEYKc
>>714
いや、いい最終回だったなぁ・・・って続くのかw
726名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:37:21 ID:iWNAgwkG
>>714
フレンチクルーラーフレンチクルーラー!


>>717
エロなし駄目っていったら相当な数のSSを駆逐することになるよ
かの名作、戯言先生だってエロなしな訳だし
>>718
……ここ一応西尾スレだったり
パロ元の戯言シリーズから西尾表現削ったら巻数が半分以下になっちゃう
727名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:45:45 ID:0fk+mz1P
>>726
他のレス見ても単なる難癖構ってちゃんじゃねーの
728名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:58:36 ID:9/w6RN/U
いや〜、舞ってたぜ!相変わらず面白いッスね!見たかったんだよいーちゃんと友のイチャイチャ!
729名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 05:13:33 ID:sewaizsT
1〜2レス程度の小ネタならともかく、長編ともなるとどうかな?って感じかな。
某板に書いてここで誘導するとかはどうだろうか?
730名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 07:50:05 ID:eHxO2y/9
まあエロなし二次創作は専門板があるわけだし分裂してもいいかもね
731名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 08:28:09 ID:YmBHhw+p
いやいやいや
732名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 09:42:17 ID:Pwx7jy3q
この板は「エロパロ&文章創作板」が正式名称だったりする。
733名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 10:17:27 ID:sewaizsT
それは「エロ(パロ&文章)創作板」ってことじゃね?
734名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 10:25:09 ID:OaduZNCH
要はエロだけ読みたいからエロ無いのはイラネっていうこのスレにおける優先度最下層の消費者様(笑)の言い分だろ
735名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 10:28:53 ID:rMH/n8nC
ああ、エロ無くて構わんから興奮出来る寝取られを頼む。
ひたぎか子荻がいいな。

しかし子荻だとシチュがまったく妄想できない。
736名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 12:31:46 ID:Bg3QF1lR
>735は子荻と寝ようとして寝床に忍び込んだところで玉藻に首を取られました

寝ようとして取られる・・・略して寝取られです。良かったですね
737名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 15:32:40 ID:XwbnJ94K
誰か忍野にラララ木さんを寝取られる八九寺でも書いてやれよ
哀れだから
738名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 15:39:13 ID:VeN25eSW
>>735一回自分で書いてみたら?
そしたらそれに感化されて書いてくれる人も出るかもよ
739名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 17:39:47 ID:TjfKNhoZ
この流れを見てると
〇〇なSS希望っていうのは〇〇イラネっていうよりだいぶマシなんだな
見てて生産的だ
というわけで>>735頑張れ
740名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 17:43:44 ID:mvRe/Vc9
もし、書くなら最初に寝取られと記入してくれ。
俺は嫌いだから、絶対に見ない。
741名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 18:19:46 ID:aexAOQuD
ふれんちくるぅらあ
742名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 18:19:59 ID:LaAvP2hk
NTRは大嫌いだけど、基本マゾな俺はついつい見てしまう。
後々後悔するのが分かっていても凄い興奮する。
同人誌でもSSでもNTRで大切なのは画力、文章力だよね。
NTR書ける人は尊敬するよ。
743名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 19:42:52 ID:w/xTzGT7

寝取られかぁ。刀語アニメを見た後、3巻読み返して、

虚刀流とは一人の人間を一振りの刀とする流派、
ならば千刀流の脱刀術で奪うことも可能!

という妄言が浮かんだ。
が、自分で書く気力は無かった。
でも、もし、7月放送で姉ちゃんのおっぱいが地上波放送されたら書く。
744名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 20:56:17 ID:wkek/Pnr
お姉ちゃんに胸なんてありまsn
745名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 21:11:18 ID:jlQiKCA6
草がっ!
746名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 22:36:55 ID:rotiBTf8
投下投下。

ホワイトデー終わっちゃったけど、ホワイトデーはまだ続きますな
ガハラさんと暦さんのイチャラブの続きですよー。
747名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 22:37:54 ID:rotiBTf8
 射精という行為を初めて経験したわけでは、無論無い。
 僕だって男だ。おかずを使って自分で処理したりした経験は、一度や二度ではない。
 でも、それは戦場ヶ原と出逢う前――いや、違う。僕が"今の僕"になる前の話だ。
 吸血鬼もどきの人間。人間もどきの吸血鬼。どちらでもない、中途半端な存在。咎を背負い、罪を
背負い、それが捨てられると知って尚背負い続ける事を決めた、愚かな存在。
 そうなってからは、何故か不思議と、一人でそういう事をしたいという欲求がなくなった。
 吸血鬼としての特性なのだろうか? それについては忍に聞いてみた事は無い。何となく恥ずかしい
からというのもあるが……というか、それしか無いが。
 とはいえ、エロい事をしたりされたりすると興奮はするし、むしろ下着とかに対する執着心は、そうなる
以前より増してるんじゃないかと思ったりもするんだが――既に阿良々木ハーレムby八九寺命名分は
コンプリートした。無論、戦場ヶ原には秘密だ――、まあそんな事はどうでもいい。
 問題は、そう。
 今、僕がしている事。
 これが、射精なのか、という事だ。
 これは、射精なのか、という疑問だ。
 だって――こんなに出せるもんなのか、人間の身体って?
「……!?」
 まず、最初の脈動と共に、戦場ヶ原の頬が、一気に僕の放出した白い奔流で満たされ、まるでリスの
ように膨らむ。次の脈動で、僕の物は戦場ヶ原の口から飛び出した。さらに三度目、四度目、五度目。
 どくんどくんと。
 びゅるびゅると。
 僕の物は跳ね続ける。
 僕の物は吐き続ける。
 たまらないから止まらない。
 止まらないからたまらない。
 そのはずなのに。
 どこにこれだけためていたのかと思う程に、亀頭の先端からは音が聞こえそうな勢いで、という比喩が
全く意味を為さない勢いで――つまり、音をたてながら――真っ白な物が放出され続ける。僕の意志から
遠く離れた場所で、僕自身と比喩される物が蠢き続けている。
 本当なら、恐ろしさすら感じてしまいかねないその光景に、だがしかし、僕は全く意識を囚われる事は
無かった。僕の意識は、ただ一点のみに集中していたのだ。
 気持ちいい。
 ただ、ひたすらに。
 気持ちいい。
 それ以外には何も考える事は無く。それ以外には何も感じる事は無く。それ以外には何も見える事は無く。
思考だけでは飽き足らず、触覚だけでは飽き足らず、視覚すらも、気持ちいいという言葉を目で見ていた。
 戦場ヶ原の口に咥えられたという、ただそれだけの事で。
 おいおい、大丈夫かよ、阿良々木暦?
 何がだよ。
 お前、フェラで、しかもパクっとやられただけで、この有様なんだぜ?
 まったくもって面目無い限りだけれど、もう一人の僕よ。
 何だい?
 お前だって、こんなに気持ちいいとは思ってなかっただろうが。
 ……否定はしない。
 まったくもって面目無い限りだよな、僕達は。
 ああ、まったくもってその通りだ。
 でも、考えてみれば。
 何だ?
 面目って……誰にとっての面目だ?
 そりゃあ決まってるだろう。
 ああ、確かに決まってるよな。
 戦場ヶ原。
 ひたぎ。
 ……あれ?
 ……そういえば。
748名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 22:38:16 ID:rotiBTf8
「あ……」
 我に返った僕の視線の先で、戦場ヶ原は真っ白に染まった顔で、笑っていた。
 顔は、笑っていた。
 顔だけしか、笑っていなかった。
 ……まあ、そりゃそうだよな。初めてのフェラで、いきなり顔射。怒らないわけがない。
「だ、大丈夫か、戦場ヶ原?」
「……阿良々木君、一言いいかしら?」
「お、おう」
「早漏」
 ぐふっ。
 おお、こよみよ! イッてしまうとはなさけない!
 そんな感じで、僕は続けてイッた後に逝かされる事と相成った。
 ちくしょう……顔だけにこやかで目は全然笑ってないという、そんな表情でそんな言葉を吐かれたら、
こっちのトラウマになるじゃないか……まあ、事実だから弁解のしようがないんだけどさ。
「……ごめん」
「ま、初めての男の人には、こういう事はままある事らしいから、許します。それに――」
「それに?」
「――それだけ、私の口や手で気持ちよくなってくれた、という事でしょうから、ね」
 戦場ヶ原は、まだ顔を僕の白で染めたままだ。
 それでも、わかった。
 彼女が、顔を赤らめたという事が。
 レアだ。
 激レアだよ、おい!
 自分の言葉に照れたのだろうけど、そういう風に照れるという事自体、この人に関してはほとんど
ない。さっきも言ったように、ほぼ初対面と言ってもいい僕相手に、自らの身体をみせびらかすように
曝け出し、頬を赤らめるどころか、僕の頬を赤らめさせたという経歴を持つひたぎさんだ。
 今僕は、猛烈に感動している!
「ところで、話は変わるのだけれど」
「お……? あ、うん。なんだ?」
 思わずトリップしていた僕を、戦場ヶ原の言葉が現実に引き戻す。
 もう既に頬の赤らみはどこかへ消え去り、いつものような鉄面皮が戻ってきていた。
749名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 22:41:44 ID:rotiBTf8
 その鉄面皮を覆う、真っ白なコーティング。……これ、僕が出したんだよな。
「普通は、こんなに出るものなのかしら?」
 当然の疑問だ。普通は――と言っても伝聞知識になるけれど――こんなに大量に、それこそ顔全体を
覆い尽くす程の量を、一度に出せるような人間は、そうそういない。全くいないわけじゃないらしいけど。
「普通は無理だと思うぜ。……でもまあ、僕は普通じゃないからな」
「そういえば、そんな話もあったわね」
 罪負い人。罪負い鬼。そのどちらでもない、ただの罪負い。
「そんな話扱いかよ」
 僕は苦笑しながら、近くにあったタオルを手に取り、戦場ヶ原の顔についた白濁を拭ってやった。
まったく、戦場ヶ原も、さっさと拭えばいいのに。こんなの顔についたままだと、匂いとか色々と――
「……あれ?」
 ――何か、忘れているような?
 戦場ヶ原の顔に出す前、僕の物はどこにあった?
 そこで、僕の物は破裂したんだよな……?
 だとしたら……?
「ひたぎ、さん?」
「何かしら」
「口に出た分は?」
「飲みました」
「感想をどうぞ」
「聞いていた程不味くはなかったわ。……阿良々木君の、だからかしら」
 ……。
 本当に、そういう気分になるんだな。
 自分が出した物を飲んでくれるという事に、男は凄く満足感を得るという話を聞いた事があった
けれど、今の僕は丁度そんな気分だった。
 感動、再び。
 本気で愛しい。
 僕は微笑みながら言った。
「無理しなくて良かったのに」
「無理しないと、窒息していたのだけれど」
「ごめんなさい!」
 僕は即座に謝った。感動してる場合じゃねえ!
「いいのよ、別に。それよりも」
 意外な事に、戦場ヶ原に怒った様子は無かった。かけられた事にも、口の中に出された事にも、
怒りは覚えていないようだ。という事は、さっき怒っていたのは……そういう、事か?
「さっさともう一度準備をしなさい、阿良々木君。さもなければ――すりつぶすわよ?」
「勃つものも勃たなくなるような事を言うな!」
「まったく、阿良々木君の癖に生意気ね」
「僕はメガネもかけてないし、ドラえもんはもうこの街にはいないだろ!?」
「言い直します」
 ……やっぱり、そういう事なんだな。
 僕だけさっさと満足してんじゃねえよ、という事だ。
 戦場ヶ原だって、気持ちよくなりたい。
 僕だって、戦場ヶ原を気持ち良くしたい。
 二人で一緒に、気持ちよくなりたい。したい。させたい。されたい。してもらいたい。
「今度は、私に……して、くださいませんか……違うわね……しても、構わないわよ……」
 言葉はもう、必要無い。何を求められているのか、戦場ヶ原がどうして欲しいのか、手に取るように
わかる。ここまで来てわからなかったら、どうかしてる。
 とはいえ、お約束はお約束。
「今度は私にしなさい、阿良々木君」
「やっぱり、最終的にそう落ち着くんだな」
 僕は言葉と共に、戦場ヶ原の唇を塞いだ。
 少しだけ、変な匂いが――僕の出した物の匂いだ――したけれど、気にはならなかった。

750名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 22:43:12 ID:rotiBTf8
ここまで投下です。
751名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 23:38:20 ID:dzzCxKab
…ふぅ乙
752名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 23:42:50 ID:VeN25eSW
GJ
最近ガハラさん多くて嬉しい。

あとこのスレってこんなに人いたんだな。
753名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 00:21:59 ID:Bnd0ZQpz
望んでいた続編はあんなに遠くにあったけれど
はぼく達は幸せになった
754名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 06:25:09 ID:5Hgimkn3
GJ!

なにか投下しようと思ったけどこの人の作品が完結するまで待とう
755名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 15:07:49 ID:6oK4uCh1
骨董アパートの面々と玖渚友って面識あったっけ?
756名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 15:40:56 ID:eo+BXpPK
もう要領的に次スレか、はやいな
757名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 20:11:16 ID:mJgC7IyS
もうちょい大丈夫なんじゃない?
と思ったが、450で立てるように、と>>1にあるな。
テンプレ案でも考えるか。


あらあら、荒木さん。
「僕は鉄仮面被った漫画家じゃねえ!」
失礼、噛みました。ところで阿良々木さん、こんなスレッドに何か現行犯逮捕ですか?
「……御用、と言いたいのか」

書き込みが950以上になるか、容量が450kを超えたら次のスレッドを宣言してから立ててください。
sage進行でお願いしますね。レスしたり投下したりする時に、メール欄に半角で『sage』ですよ。
尚、人の気分を悪くして楽しみたいような、そんな最低の人は、近寄らずに放置するのが一番です。
約束守らないあなた。私、あなたの事が嫌いです。近寄らないでください!
ご理解いただけましたでしょうか?

前スレ
【戯言・リスカ】西尾維新 Vol.11【化物語・刀語】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1264316959/

保管庫
2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/

西尾維新エロパロまとめ@wiki
ttp://www29.atwiki.jp/nishiparo/



作ってはみたが、八九寺っぽくならないなー。
758名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 22:49:29 ID:5Hgimkn3
荒木先生は鉄仮面じゃなくて石仮面じゃね?

まあ実際は450を超えたらじゃなくてギリギリまでいつも待ってるよねw
759名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 00:12:23 ID:0iCtdvi6
鉄仮面てなんだよ
スケバン刑事かよ
760名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 00:12:43 ID:qlLPqBgV
もう456Kになってるし
761名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 02:16:33 ID:kpblWtmD
レス950はよくあるけど容量450ってやや早いよな
他に見てるスレは480が多かっただけに
762名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 08:48:01 ID:nDYPgykt
>>758-759
間違えたw
やっぱりジョジョは一度読んどくべきかなー。

一応、即死判定にかかるようになるのが480からだったっけ?
763名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 21:42:43 ID:LgHdiEzR
ジョジョ読んでないのか。
西尾先生も「全人類に読んで欲しい作品」って言っているから是非読むべき。
764名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 04:14:08 ID:8eRV25Er
鉄仮面と言えば触手
765名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 21:23:40 ID:RqxHdPF7
もうすぐ零崎シリーズでるね。
また戯言のSS投下されないかなぁ・・
766名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 21:24:57 ID:gcI/sUb9
何故、萩原子荻との関係が無いんだ…おかしいだろ…
767名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 02:37:33 ID:NVHWNUbH
てかみんな412の
『うさみえちしあおをとこなたなあひさたw』
『いおやみずきたほずれちしあおとこねあもおむこおb』
の二つ意味判ってるの?
誰も追及してなくて・・・
もしかして・・・・解ってないの俺だけ・・・?
768名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 03:12:54 ID:wl9ZUsSb
いや、全然わからなくてスルーしてた。わからない俺らより聞かれない作者のほうが可哀相かも。
769名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 04:12:31 ID:YvO39JTr
ローマ字アルファベット→逆読み
770名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 04:21:16 ID:y8uI+5xR
えっ?普通にわかったけど?
最初から考えていたであろう八九寺はともかく、とっさに返せる阿良々木さんスゲェと思ったわ

昔金田一でやったネタだからすぐわかったのかも
771名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 04:36:24 ID:YvO39JTr
両方母音で始まってる、しかも明らかにおかしい子音で終わってるって辺りは分かりやすいんじゃないだろうか

昔流行った逆再生するおもちゃでこのとおり喋って(最後の子音はどうしようもないが)再生したら元の言葉になった気がする
772名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 04:53:43 ID:wl9ZUsSb
>>769-770が種明かしをするのを私はあらかじめ予測 していました。
773名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 05:09:21 ID:EfRszD6g
>>772
策張ったにしちゃロングパスすぎんだろwwwww
774名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 16:13:37 ID:n7KHnvIF
萩原子荻のぱらぱらパラドックス〜援助交際編〜とか み た い
775鷺白庭真:2010/03/23(火) 17:43:47 ID:Pa3eR0V1
>>767-773
かーばかーば。
よどけうろだんいならか分もかるって言を何が俺せうど、あま?
776名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 18:33:31 ID:y8uI+5xR
白鷺さん、下半身落としましたよ?
777名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 22:34:38 ID:4aZRP7TQ
乙(´・ω・`)

あ、いや落つ、かな?
778名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 22:36:53 ID:pHN6YHgj
言てっる……
779名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 07:34:10 ID:crj+Oq/t
ひたぎの一週間浣腸ダイエットのSSが読みたい。
だれかスカ板でもいいから投下してくれ…
780名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 07:54:25 ID:X/i4i8hi
ひたぎさんのあの身長で体重50sって結構理想的だよな
781名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 11:44:10 ID:xR8l3yJ3
撫子のオープニング見る限り、阿良々木さんの肩ぐらいまでの身長で
頭から肩までは普通20cm以上あるから阿良々木さんの身長が165あるとしても
撫子の身長は140ちょっとぐらいしかないような気が。
782名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 22:07:27 ID:aOe90AqE
小柄な中学生ならそんなもんだろ
783名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 00:19:44 ID:/GPEw8MY
てかあの並んで歩いてるとこだけ違和感…
脳内お兄ちゃんの身長じゃね?
784名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 00:22:20 ID:wyaXqSwg
ありえるなぁw
785名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 01:30:59 ID:/CDW4Miz
今のところ判明してるキャラの身長体重スペックって兄妹とガハラさんだけかな?
786名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 01:35:05 ID:pL3goewI
787名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 01:45:24 ID:/CDW4Miz
>>786
oh...
788名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:03:04 ID:ns/Sxgbe
撫子は暦お兄ちゃんのがちっちゃくっても全然気にしないよ!
789名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:05:36 ID:ns/Sxgbe
妄想してたら打ち間違えた…
暦お兄ちゃんがちっちゃくっても、だ
790名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:07:38 ID:FoU6BTw6
>>789
確信犯すぎるwwwwwwwwww
791名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:23:57 ID:qIC92CtK
>>789
うそだっっっっ!!!!!
792名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:27:36 ID:gWdPoKbY
暦「……僕のデリケートな身体部位が不当に貶められている……」
ひたぎ「あら、不当なのかしら、阿良々木君? 貴方のような薄くて弱い人間ならばそれに比した男性であって然るべきでしょう。いいえ、そうでなければならないのよ」
暦「千石みたいな限定をするな。キャラクタの個性は侵害してはならないと僕は常々思っているし、大体、それは最早罵倒じゃなくて迫害だ!」
ひたぎ「良いのよ、小さくても。早くても。例え阿良々木君が不能であったとしても、何の問題も無いわ」
暦「問題だらけだし、そもそも僕の性的機能に問題が有るのを前提に話されるのは心外にも程が有る!」
ひたぎ「あら、皮被りの阿良々木君にしては巧い事言ったじゃない。心外と侵害を掛けるなんて、褒めて上げる」
暦「ちょっと早いがお前の敗因を教えてやる、戦場ヶ原ひたぎ! 日本人男性の七割をたった今の暴言でお前は敵に回したんだ!」
ひたぎ「包茎、最高ね。ズルムケなんて品が無いわ。日本人の奥ゆかしさを体言しているようでとても素敵よ」
暦「……光速で掌を返しやがった……」
ひたぎ「ところで、阿良々木君。私は自分の事を貴方に釣り合わないレベルでは美少女だと思っているのだけれど」
暦「自分を持ち上げつつ僕を罵りやがった!?」
ひたぎ「そんな美少女の私の口から『ズルムケ』なんて卑猥な単語が出て来たのだから、劣情を抱いても別に自己嫌悪に陥る必要は無いのよ?」
暦「今のお前の台詞が無ければスルーしてたのに!?」
ひたぎ「まあ? 阿良々木君の事だから勃起してもその程度でしょうけれど。良かったわね、短小でもそれはそれで可愛いと思う心の広い彼女で」
暦「ぼくの股間を見ながら、さも僕の愚息が小さいように言われると誤解されそうじゃねえか! ……生憎、僕はこんな会話でいやらしい気持ちになったりはしません」
ひたぎ「あら、見掛けによらず紳士なのね」
暦「見掛けによらずってのはどういう意味だ、戦場ヶ原ひたぎ!!」
793名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:58:52 ID:piwbzjqZ
>>792
それだけキャラの口調を掴めてれば
会話の前に名前を入れなくても普通に読めるぜ
794名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 14:00:02 ID:wyaXqSwg
んだんだ。
おもしれーぞw
795名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 15:34:59 ID:gWdPoKbY
11レス、お借りします
「壊、れっ……ないよ?」
友の声でふと我に返る。最愛の彼女は、ぼくに向けて笑いかけていた。苦しそうで苦しそうで、だけど何故だろう、しあわせそうにも見える表情。
「僕様ちゃん……うんぅっ、はぅっ……なら……こわ、ないよ……いー……ちゃ?」
ぼくに、そう懸命に言って、笑いかける友。
壊れない。
そんな風に言わせてしまう、気を使わせてしまう。
本当はぼくだって。
壊れ物を扱うように彼女をそっと扱いたいのに。そんなぼくの思いとは。
裏腹に。
ちぐはぐに。
壊してしまいたいという、そんな汚い衝動がぼくの中には確かに有って。
愛したいのに。愛しているはずなのに。
相反して、背反して、確固と存在する醜い獣性は拭えない。
愛しいから、壊したい。
綺麗だから、汚したい。
その小さな頭をこの両手でもってぐしゃぐしゃに潰してしまえたら。
そうすればぼくはきっと絶望して、それでも欲情して、そしてそんな自分に絶望するのだろう。
その細い首をこの両手でもってぎりぎりと締め上げてしまったら。
彼女の美しい屍に、理性を置き去りに興奮してしまうのだろう。どうしようもなく、どうしようもない人間のこのぼくは。
「……友……とも……」
好きな女の子だから虐めたい。子供でも持っているそんなサディスティックな欲求は。どう足掻いても人間から脱却出来なかったぼくに付いて回る。肥大して、纏わり付く。
出会いから、傷付けて。
傷付けずには、今も傍に居られずに。
きっと終わるまで、傷付け続ける。
ぼくは、変われない。欠陥だらけの人間ではない、もっと真っ当な人間に生まれ変わりたいのに、どれだけ願っても変われない。
ずっと無様に足掻き続けるだけ。足掻いている所を誰かに見せて「ぼくはよくやっているよね?」と。誰かに許しを請う為だけに足掻く。
ああ、それは足掻いている――「振り」でしかない。
「いいん……だよ?」
そんなぼくであっても彼女は受け入れる。
そんなぼくであっても彼女は笑って受け止める。
彼女はその小さな腕で抱き止める。
ぼくはそんな風に愛されるべき人間では、ないのに。誰かに愛して貰えるような、価値の有る人間では、ないのに。
それでも無条件に愛されてしまうから、許されている気になって、勘違いを、してしまいそうになる。
自分は実は価値の有る人間なんじゃないか、と。
優しいその眼を見れなくなって、首筋に顔を埋めた。誤魔化すように、気取られないように、汚いこの欲求を見透かされないように。
細い、噛み砕けそうな白い鎖骨に、キスを降らす。
「……ごめん」
小さく、そう口から零れた。一番伝えたい相手にも聞こえない、音にもなってない空気の擦れでそう呟いた。
自己欺瞞。そんな事は分かってる。
謝れば、謝っている間だけは、少しだけ心が楽になれるから、なんて。
分かってるさ。
愛、なんて、ぼくに持てる道理が無い事くらい。
この気持ちは、愛じゃない。もっと汚くて、身汚くて、見汚くて、くだらないもの。
こんなものが、愛だなんて。そんな訳、有る筈無い。
これは性欲と、独占欲と、支配欲求。そういうものが綯い交ぜになって、どろどろになった、黒いもの。
愛じゃ――ない。
そもそも愛だなんてぼくみたいな人間が、間違っても口にして良い言葉じゃないのに。
……戯言、なんだよな――ぼくに吐けるものなんて、所詮は。
そう自嘲して……その時だった。か細い声が、聞こえた。
「……な、んで?」
ふらふらと。友はぼくの方に顔を向けて。
「なんで……謝るの? いー、ちゃん?」
そんな事を言うものだから。
ぼくの小さな小さな、声にもならない声は耳まで届く事なんて、有りはしないのに。
「……聞こえて、たの?」
驚いて、半自動的に動かしていた体が止まってしまう。
体を苛む快楽が一時的に弱まった事でだろう。焦点の合っていなかった彼女の瞳が、少しづつ実線を結んでいく。
「うに? 何も聞こえなかったよー。だけど、そう聞こえた気はしたぜい。だから訊いてみたら、やっぱりいーちゃんはなんか言ってた、ってそんだけ」
空耳じゃ無かったねと、押し倒されたままの彼女は――やっぱり微笑んでくれた。
愕然となるぼく。なんだ、それ。聞こえた気がした? そんな非科学的な事、有ってたまるかよ。そんな事、有る訳無い……無い以上。
友は、ぼくの様子から、ぼくの感情を感じ取ったのだろう。
なんて……なんて女だ。
鋭敏とか、そんなレベルじゃない。
「以心伝心ってヤツ? 愛してるからねー、伝わってくるんじゃない? こーいう事が有るとさ、いーちゃんと僕様ちゃんの絆の強さを感じて嬉しくなっちゃうよ!」
友の言う通り。
愛しているから。
全身の神経をアンテナにして。ぼくだけを。けれどぼくの全てをその身に焼き付けようとして、声になっていない声すら汲み取った。
繋がって、悦ばされて、狂わされて、弄ばれている最中であっても尚。
彼女はぼくを見失う事だけは自分に許さなかった。
結果、友は。情の深いぼくの恋人は気付いた。
セックスをしながらも、自虐を捨てられないぼくに。
セックスをしながらも、ぼくを忘れなかったきみは。
「……どうして、気付いたんだよ?」
見下ろして呟く。呆けるぼくに彼女はふんわりと笑った。とても幼く見える、変わらない、君の笑顔。
「そんなのは簡単だぜ、いーちゃん!」
そう言って。ぼくの顔と友の顔が近付く。
近付く。
近付く。
近付いて、これ以上近付けなくなるまで近付いて。
彼女の唇とぼくの唇が触れ合う距離で。
触れ合ったままで。
唇が唇の上で踊る。
「今日はちゅーが少ない!」
触れ合うだけのキスをしながら玖渚友はキスの不足を高らかに訴えた。
なんだそれ。
――なんだよ、それ。
全く。
そんなん、全く、まるで、全然、ちっとも、敵わないじゃん。
「だから、もっとちゅーしようぜ、いーちゃん!!」
君の愛の深さに、ぼくはまた、許されているような錯覚を覚えてしまう。
ああ、そうか。
だから――だから、ぼくにはお前なんだな、友。
欲に溺れるぼくには、欲を飲み込む君しか、ない。
他の組み合わせは有り得ないんだ。
「友」
「なに、いーちゃん?」
唇を触れ合わせながら。心が触れ合っているんじゃないかなんて子供染みた幻想を抱きながら。
この唇伝いに名状し難いこの想いが伝わらないかな、とか本気で考えてしまいそう。
「ねえ、友」
「うん、いーちゃん」
愛しているなんて、ぼくの口から出ても戯言にしか聞こえないだろうけれど。
自己愛すら持たないぼくに、他人を愛せる事なんて出来やしない。けれどそれでも。
しあわせには、なれそうな気がしたんだ。
君となら。
「なあ、友」
「なにかな、いーちゃん」
ぼくはこの気持ちを他になんて呼ぶのか知らない。
ぼくが彼女の名を呼ぶ度。彼女がそれに応える度に。ぼくたちの唇は擦れ擦れる。
その内、擦り切れてしまいそうな口付け。どれだけ優しく滑らせても、柔らかな君の唇を傷付けてしまいそうで。
それでも止められない、逢瀬。
肌と肌の触れ合い。
それはセックスと言うよりも、正しく――スキンシップってヤツなんだろう。
「ああ、友」
「だからなんだってーのさ、いーちゃん」
人間の距離感をよくヤマアラシに例えるけれど。きっとぼくと友ならば、相手の針を全身に受けながら、それでもその傷を誇るんじゃないかな、なんて。
傷付けあうのは、近過ぎるから。
だけど、近付きたいから。
体温を感じたいから。
こんなにも傷付きながら、あんなにも傷付けながら、それでも距離を縮める事を止めないぼくたちを、ぼくは勘違いにも誇ってしまいそうだ。
どうだ、凄いだろ、なんて。
戯言も良い所。
そして、これから口にしようとしている言葉も、所詮戯言。
「愛してる」
照れ隠しのように付け加える常套句――戯言だけどさ、と。そう言おうとしてその口を塞がれる。
君の唇でぼくの唇が塞がれる。
それは長く。それは熱く。それは強く。
赤く荒く――甘く。
絡め取る舌。唾液が溢れて、その唾液を奪い取られて、ぬめぬめと、ぼくの口の中で軟体生物が這い回る。
けれど、その感覚は不思議と嫌じゃない。
どころか心地良いくらい。
たっぷりと。
ぼくの肺が彼女の吐息で満たされるまで、彼女の肺がぼくの吐息で満たされるまでたっぷりとぼくたちはキスをして。
少しづつ増していく二酸化炭素に窒息をぼくが危惧し始めた頃。
このまま窒息してしまってもそれはそれで有りかな、なんてぼんやりした頭で気狂い染みた事を考え始めた頃を見計らった様に唇が離れる。
ぼくと友の唇の間で糸を引くキスの名残。ぺろりと、唇を舐め上げられて、唾液を回収すると君は言う。
「愛してる? そんなん知ってるよ、いーちゃん」
唇は、ぼくの唇の上に寛げたままで。
「それが戯言じゃないのも、僕様ちゃんはちゃーんと知ってるよ」
距離感を測る事を止めたのは何時からだろう。
子供から少年になって覚えた距離の取り方を、また手放したのは何時だった?
愛されて、溺れるほどに愛されて、それでも口を開いたのは矜持。下らないプライドなんて簡単に壊される事くらい、勉強した筈なのだけれど。
脊髄反射みたいに口から出る戯言。
「ぼくの口から戯言以外が出る訳ないじゃん、友。ぼくは『戯言遣い』だぜ?」
「うに? じゃあ、僕様ちゃんの気のせいかな?」
傷付けあって斬り付けあって、それでもぼくらはきっと死ぬまで身を寄せ合う事を止めないんだ。
体の一部を彼女の胎内に委ねたまま、それでも一つになれない、一人と一人。
でも、誰かが言ってたっけ。一人よりも、二人が良いって。
――あったかいから。
「いーちゃんの口から僕様ちゃんに向けられる言葉は」
素直な彼女の真っ直ぐな恋の言葉は、一撃必殺。
それはただ心臓を射貫く一撃。
恋の全てを愛の総てを想いの凡てを重いに変えて。想いを伝える、ただそれだけに特化した。君の言葉は重量級の魔法の言葉。
乾坤一擲。愛の言葉。

「全部、戯言じゃなくて睦言に聞こえてたんだよ?」

ぼくの全てを見透かす彼女がそう言うのなら、そっちがもしかしたら真実なのかも知れない。
――なんてね。
「愛してるんだぜい!」
何も言い返せない、優しい君のその笑顔。
戯言は凡て唾液で錆び付いてしまったみたいだ。
精一杯搾り出しても。
「……知ってるよ」
このくらいが精々。
愛してるってうわ言みたいに呟いて。
うわ言「みたい」でしかそれは無くて。うわ言みたいな、真なる言葉。
そんな、ぼくたちの日常茶飯事。告白劇。
ああ、ぼくは。
玖渚友のことが。
どうやら、大好きみたいだ。
こんなにも愛しちゃってる、みたい。
何を口走っても戯言になりそうで、でも今だけは戯言を弄するのはどうしても嫌だったから、言葉足らずの戯言遣いは友の細い体を抱きしめていた。
何かがおかしい――なんとなく、そんな気がした。
唐突に偉大なる先人の言葉を借りるのはぼくだってどうかと思うけれど、しかし借りられるのはつまりそれだけその人が偉大であるという事の証明でもあるという事で、どうかご容赦頂きたい。
そう。今は八月でも無いのに、それでも何かがおかしな、気がしたんだ。
隣で眠る玖渚の髪を撫でながら、ふと、ぼくの胸に去来したしこり。
何か、決して見落としてはいけないものを見落としている、そんな感覚。
気のせいに思えない事も無い。にも関わらず、確固とした存在感を持つ、それ。
静かな寝室で、引っ掛かったもの。
ぼくと友の呼吸音しかしない、静かな部屋で。
――静かな?
あれ?
なぜだろう?
どうしてぼくはこの部屋が静かである事に疑問を抱いてるんだ?
PCが乱雑に立ち並ぶ部屋も、ジャンクフードを大量に詰め込んだホテル仕様の巨大冷蔵庫がある部屋もここからは遠く。空調すらエアコンに頼らない事から、全くの無音。音の存在を許さない玖渚友の寝室。
この高級マンションが防音設備において完璧な事は言わずもがなだと思うから、そこを説明をするのは馬鹿らしいので詳細は割愛するとして。
結論としてこの部屋に音を出すようなものはぼくと友しかいない訳だし、そこに疑問を抱く方が、本来はおかしい。
おかしい――のに。
ぼくの中の何かはそこに疑問を抱いている。
どういう事だ?
静かで、何が悪い?
静かじゃ、いけないのか?
いや、いけない訳じゃない。寝た子を起こすな。それは構わない。友の幸せ一杯の寝顔を見ていられるのは歓迎しよう。
だけど――変だ。
何かが、間違っている。
何か、欠けている。音が、決定的に、欠けている――。
足りない音。
不協「無」音。
そうか。
今、この部屋は――防空壕なのだから。
「それ」が聞こえないのでは、場違いだ。
防空壕――爆弾魔の存在。忘れていた訳ではないけれど、友との逢瀬で失念していた。
今は、非常事態だ、って事。
爆弾魔、篝火兄弟。彼らの狙いは玖渚友。
その居城を守るは兎吊木垓輔。破壊の限りを極めて窮めて究めた専門家。
破壊と、爆弾。
ぶつかれば、爆発は自明じゃないか?
もしも両者が今、この瞬間に争っているのだとしたら……いや、争っている筈だ。なら、音は聞こえてこなくとも、壁材を通して振動くらいは伝わってこないとそれはおかしい。
まるで世界にぼくと友しかいないような錯覚を覚えてしまう静寂だけれど、実際にはこの世界にぼくと友しかいない訳じゃないのだから。
それを錯覚出来るような状況に、今、ぼくたちは無い筈なんだ。
勿論、兎吊木が上手くやっている可能性は否定出来ないし、友の機嫌を損ねないようにと静かに水面下での妨害くらいはこなしてしまいそうだけれど。
ここから離れた場所に誘導するとか、爆弾を使わせない特殊な条件を相手に課すだとか。
でも、ちょっと待って欲しい。
そんな真似が出来るのならば、そもそもぼくの力を当てになんてするだろうか?
ぼくの力など、知れたもの。
それに――嫌いな男の力を借りるなど、あの男が果たしてするだろうか?
想い人を守る為とは言え、いや、だからこそ、恋敵に助力なんて請うか?
答えは――否。
零崎は言っていた。爆弾魔――篝火兄弟のその最も警戒するべき点は火力だ、と。
プロのプレーヤーの中でも抜きん出た存在である零崎の異端児をしてそんな事を口に出させる以上、篝火兄弟。その爆発力は推して知るべし、だ。
でありながら爆発音も振動も欠片も感じないってそれは。つまり、この城咲の近辺に爆弾魔はいない。少なくとも爆弾を使用してはいないってそういう事だろう。
……いや、どういう事だよ。
兎吊木は言っていた。自分には時間稼ぎしか出来ない、と。
道を延ばす事は出来ても阻む事は出来ない、と。
矛盾する。
どうしようもなく、その台詞と現状は矛盾している。
「……えっと……何がどうなってるんだろう?」
「……うに? いーちゃん?」
思索に沈み込んでいたつもりが口からぽつりぽつりと言葉が漏れていたらしい。ぼくに関してのみ世界で誰より鋭敏な彼女が起きた。
「ああ、ごめん。起こしちゃったか」
「どうしたの、いーちゃん。怖い顔、してるぜ? 眉間に皺が寄ってるよ。こーんな感じ」
友はそう言って似合わない顔をする。でも、その顔はやっぱりコミカルで。
ぼくはこの女を守りたい。
そう思わせるのに、十分な可愛らしさだった。
正直、一寸萌えた。
「友、少し出てくる」
「うん、いってらっしゃい」
あっけらかんと友。ちょっと拍子抜け。
「何しに、とか聞かないの?」
「うに? 聞いて欲しいんなら、聞いたげるよ。何しに行くの、いーちゃん?」

ぼくたちはしあわせになった。
誰かを不幸にして、誰かを不快にして、誰かを不和にして、誰かを不遇にして。
それでも、ぼくたちはしあわせになった。
そんな中で、ぼくは考えるんだ。
ぼくたち。
ぼくたちの「たち」とは一体誰の事を指すのだろう、と。

ぼくには「ぼくたち」になる時に決意した事が有る。
たった一つだけ、心に決めた事が有る。

「ぼく『たち』のしあわせを守りに行ってくる」

それは、みんなでしあわせになるという、単純にして明快な、なのにこの上無く難しい決意だ。
でも、難しいだけ。
やればできただとかやらなかったからできなかっただけだとかそういう妄言を吐かす輩にだけは、もう戻りたくない。
マンションのエレベータは思考を纏めるには最適で。
四角い、小さな密室はぼくを一時だけ世界の全てから隔絶してくれる。
特有の浮遊感は、思考まで重力やその他の柵(シガラミ)から解き放ってくれそうな気さえする。
そんな中でぼくは今回の騒動を最初から見つめ直す事にした。
先ずは……零崎か。
零崎がぼくの所へ来たのがそもそもの始まりで。
彼がぼくに爆弾魔の話をしたのが、ぼくにとっては一連の事件の開始だったのだけれど……例えば、その前から物語が始まっていたと考えたならば、どうだろう。
そうだ。よくよく考えてみればオカしな点が多々有るよな。
零崎が篝火兄弟についてぼくに話したのからして、既におかしいじゃないか。
アイツがぼくを訪ねた目的は妹の捜索願であって、爆弾魔の処理じゃあ決してない。そんな事は零崎なら問題にすらならない。
曰く、格下の三下らしいし。
だったら、そんな話、端からする必要は無いだろう。
まあ、ぼくの「変態誘引体質」を知っている彼なりの心配なのかも知れないけれど……いや、待った。
――それも、違う。
一年ほど前か、匂宮五人衆。通称、断片集(フラグメント)を相手に共闘した時にそう言えば零崎はこんな事を言っていたっけ。
「殺しちまえよ、ソイツ。お前らに殺せるようなら、だけどな。信頼? 違っげえよ。こんな所で死ぬようなヤツなら、そもそも俺が殺してるってハナシなだけだ」
信頼されているのか、虚仮にされているのか。
虚仮脅しも良い所。戯言ここに極まれり。戯言遣いのぼくのお株が奪われっ放しだったあの事件。
まあ、その事件に関してはまた今度語るとして。
そんな男前な台詞を、多分本心から吐いてくれた零崎がぼくを心配して篝火兄弟の話をしたとは、どうにも考え難い。
となると、そんなどうでもいい話をした理由は一つ。
どうでもよくなかったから、だ。
そして、どうでもよくないとは何に関してか。決まっている。零崎がお願いしてきた本題にとって「どうでもよくない」んだ。
零崎の妹さん――舞織ちゃん、だっけ。彼女が爆弾魔に関係していると、そう考えるのがこの場合の筋だろう。
……考え過ぎ、だろうか。
いや。
否。
零崎は水面の向こう側。道を違えたぼく。
ならば、それくらいの伏線は用意して然るべき。
京都に来たという殺し屋。
京都で逸れたという殺人鬼。
線は、それこそ容易く結ばれるというものだ。

篝 火 兄 弟 の 目 的 は 、 零 崎 舞 織 な の で は な い か ?

そう考えた方が自然な道理。
友を狙ったなんて荒唐無稽な話よりも、余程自然で当然だ。
殺せない殺人鬼なんて、格好の的でしかない。
いつだったか零崎が皮肉めいてそう、ぼくに愚痴った事が有った。
殺し名序列第二位。殺人鬼の零崎一賊。彼らを殺したい人間は山のように居るだろう。
零崎の敵対者は例外無く皆殺し。禍根を残す余地も残さない。
けれど、それはお題目。普通に考えて、誰にも恨まれないように恨んでいる人間を一人残さず、なんて出来っこない。
一人殺せば二人恨む。二人殺せば四人が恨むの鼠算。
恨みつらみの無間螺旋。
山のように殺したのなら、星の数ほど恨まれていてそれは当然で。
依頼者なんて探すまでも無いはずだ。
けれど、それでも零崎人識が零崎舞織と一緒に行動していれば。それは復讐を怖れて手を出す事も躊躇うだろう……が。
彼と彼女はこの京都で逸れてしまった。
それは千載一遇というヤツなんじゃないかと、そう誰かが考えたとしても想像に易く。
そして、殺し屋がぼくらの街にやって来た。
……なるほどね。
玖渚が殺し屋の標的になる事がおかしいなとは思っていたけれど。
何せ、彼女は玖渚機関のご令嬢。
そんな事態に直さんが動かない訳は無いし、彼が知らないはずも無い。玖渚機関の情報網は、伊達じゃない。
直さんが掌握している権力のその全てがたった一人を守る為に動いたのならば。例えばこの街が封鎖されて焦土と化すくらいで丁度。
それが、無い。
なんで、気付かなかったのだろう。
友との逢瀬の間に、直さんからの連絡が一度でも有ったか? ぼく?
まるでそんな事実が無いみたいに……それが無いって事は――確定だ。
兎吊木の情報は、ガセ。
玖渚友はこの件に関与していない。だったら兎吊木は、どこからか手に入れた「京都に殺し屋出没☆」のニュースを利用して、ぼくに何かをさせる、もしくはさせた……って所か。
「あんの細菌野郎!」
ヤられた。完璧に手の内で踊らされた。
いや、これは素直に兎吊木の手腕を褒めるべきか。
ぼくにとって一番のウィークポイントである玖渚の危機をでっちあげるなんて。
そんな事をされてしまってはぼくが冷静を保てる筈が無い。
……ん?
でもさ。だとしたら、兎吊木の目的ってなんだ?
ぼくがやった事と言えば、友との逢瀬。それ以外に何もやっていない。
……友が望む事は、彼が望む事。その言葉に偽りは無いだろう。ならば。
彼の目的は玖渚友の充足。
そして、彼女は常にぼくを求めている。
……えっと。
それは、つまり。
友人の妹の危機がぼくたちの逢引の出汁に使われただけ、なのか?
いや。
いやいや。
それはちょっと。
幾らなんでも。
流石にどうかと。
でも。
……それをやっちゃうのが害悪細菌って男なんだよなあ。
人道? それって食える? 美味しいの? って感じだもん、アイツ。
あーあ。
ぼくの周りって本格的に碌な人間がいねえ。
そりゃ溜息の一つもまろび出ようってもんですよ。
「やってらんねえ」
低いエレベータの天井を仰ぐ。本当、戯言みたいな人間関係だよ、チクショウ。
そこまで考えて、でも未だ何かが引っ掛かっていた。思案は終わりにしてはいけない。ここが将に考え所だと、肩の辺りで誰かが訴える。
今回の事件を最初から構成し直せ、と。
過去の経験から得たその感覚を、こういった場合においてぼくは当てにする事にしていた。
沢山の犠牲の上に培われた第六感とでも言うべきそれ。彼らの死を無駄にしてなるものかと、これからの死を減らす為に産み出された、危険予知感覚。
ぼくは促される侭に目を瞑る。
狙われた零崎兄妹。
出没した爆弾魔。
偽情報を掴んだ壊し屋。
巻き込まれた戯言遣い。
登場人物はたったこれだけ。線を結ぶのは決して難しくないはず。
さあ、物語を導き出せ。
何が起こっているのかを理解して、そして、瓦解させろ。
矛盾は多々。それは引っ掛かり。それは点。
描かれた絵は真実の上に塗りたくられた偽の絵の具。だったら暴くんだ。
なぜ、零崎兄妹が逸れたのか。
なぜ、殺し屋が零崎兄妹を狙ったのか。
なぜ、壊し屋が違う世界の誤情報を握っていたのか。
なぜ、ぼくなのか。
そこにぴたりと当て嵌まる真実の現実。
見抜いて、出し抜け。
昔のぼくには、それは出来なかった事。翻弄されるだけで、事後になってからしか動けなかった頃とは、けれど、今はもう――違う。
ぼくは、自分から干渉する。
物語に干渉してやる。例え誰に望まれなくとも。ぼくの望む形にエンディングを書き直してやる。
そんな事も出来なくて、哀川さんに追いつく事なんて出来やしな……。
……あ……あ…………!?

哀 川 潤 ! ?

身体中に、電気が走った気がした。
なんだ、今、思い付いた全景!?
真逆……いや、でも。あの人ならやりかねない!!
そうだ。そう考えたら!?
零崎兄妹が逸れたのも!
篝火兄弟が頼まれたのも!
害悪細菌が現れたのも!
ぼくが巻き込まれた事すら全て!
納得出来る道筋が付いてしまう!!
一人一人思惑が違って。でも、思惑が合致したから、この騒ぎ。
馬鹿騒ぎは「あの人」の得意分野。

全ての点は、その時、ぼくの脳内で一本の線に繋がった。
深呼吸をして、見えた絵を推敲する。推敲すればする程、矛盾点は一つ残らず泡のように弾けて消えていく。
「……なるほど、ね」
操り人形に、噛ませ犬。
出し抜く事を考える者に、それを更に出し抜こうとする者。
壊す者に、試す者。
殺す者に、殺させる者。
使役者。偽りの標的。
「そうか……そういう事、か」
今回の仕掛け人が行った、たった一つのミステイク。
それは、そいつにだってどうしても譲れないものが有ったという、不可避のミスなのだろう。
それが無ければ、気付かなかった。
そして、それが決定打。
真実はいつも一つなんて言う気は無いし、人間は納得出来る推論に簡単に縋り付いて真実を見失う生き物だっていうのも知っている。
だけど。
そこに「それ以外に考えられない」という確証が有る場合は話が別。
物語の台本は見えた。だけど、ここからは台本通りにはいかない。
それは致命的なミスキャスト。
「なるようにならない最悪(イフナッシングイズバッド)」と呼ばれたぼくを配役するなんて、それでも脚本通りに行くなんて、楽観主義も良い所。
それじゃあ、折角の主役抜擢なんだし。ここからはぼくの主義でやらせて貰おうかな。うん。そうしよう。
誰かの掌の上でしか踊れなかったのは七年前。
だけどもう、掌じゃ踊るには狭すぎる。
さあ、演者はスタジオを飛び出して、アドリブを始めよう。
なるようになんてさせない。
なるようになんて絶対に、させてやらない。

と、意気込んでみたは良いものの。
全体像が見えた以上は出し抜く算段をしなきゃならないよね。
しなきゃならない……んだけど。
でもさあ。
携帯電話を片手に悩むぼく。……ああ、正直凄く気が乗らない。
いや、脚本をぶち壊す手段が無い訳じゃない。ないんだよ?
ないんだけどね……出来れば使いたくないって言うか。そもそもこちらから進んで関わり合いにはなりたくないっていう。
でも、「あの人」の裏を掻くには「あの人」しか、いないよなあ。
うーん。
……どうしよう。
迷ってる場合じゃないし、迷っていても他に手立てが見つかるとは思えないんだけど……こればっかりは……生理的に……うん。
ぶっちゃけ嫌なんだよね。
「ま、しょうがない、かな」
他ならぬ「ぼくたち」の為だ。
躊躇ってなんて、居られない。
立ち止まっている事を選び続けたのは昔のぼくで、踏み止まっている事しかしなかったのも昔の話。
ぼくは守るものが多くなって、弱くなった。でも、それで良いと思う。弱くとも、強(シタタ)かになれば差し引き零だ。
今のぼくが誰よりも何よりも怖いのは、喪失。失わない為なら、ぼくは。
「ぼくは形振りなんて知らないし構わない。そう、決めた筈だ」
覚悟を決めて、電話を掛ける。四回目のコールで彼女は電話に出た。
「やっほー、いーいー。お姉さんは仕事中なんだけど、まあいいや。うん。で、唐突にどしたの? 折った右腕が痛い? ふーふーしてあげるサービスも痛いの痛いの飛んでけも別料金なんでそこんとこ夜露死苦☆」
別料金って風俗かよ。相変わらずテンション高いなあ、この人。
……もしも本当にお金を支払ったらふーふーとかして貰えるんだろうか。一寸魅力的な提案では有る。
「ああ、もしかして、そのオプションサービス追加がルート分岐の条件だったりします?」
「ううん、違う。でもフラグの一つでは有るよん」
チクショウ、そんなフラグが有った事もオプションサービスも最初から言っとけってんだ。マックみたいにスマイル0円って看板に書いとけ。サービスの内容を秘匿するって地味に職務怠慢じゃないのかよ?
「それとも、いーいー。記憶障害の方で相談? でも、残念だけどそっちは現代医学では無理じゃないかなー」
「うっせえよ、この駄目看護婦」
「小粋な会話術もナースの必須スキルだよ、いーいー。あと、看護婦じゃなくて看護師だって何回も言ってんだろが。セクハラで訴えんぞ」
殺人罪で起訴されても、セクハラは御免なぼくだった。
「すいません。記憶力が無いんですよ、ぼく」
「あー、そっか。なら、仕方ないね」
あっさり肯定すんじゃねえ。患者の精神攻撃を得意とするナースなんて日本は必要としていない。少なくともぼくの知る限りでは。
「で、何の用? いーいーがこのらぶみさんに電話してくるなんて珍しいよね。しかも就業時間に。その辺はいーいー、心得てるとお姉さんは思ってたんだけど、違った?」
形梨らぶみ。
看護師で隠れ名探偵。彼女は時々、鋭い事を言う。丁度、今みたいに。
「それとも――何か早急な用件でも有るのかね、若人や?」
茶目っ気たっぷりな台詞でありながら、電話の向こうから聞こえる声のトーンがはっきりと落ちた。流石は名脇役と言うべきか。テンションのハイとローの使い分けを心得ている。
らぶみさんの勘の良さは、嫌いじゃない。
「はい。今日、救急車で運ばれた人に用が有りまして」
「ああ。なるほどねえー。薄々そんな気はしてたけど、やっぱりいーいーの関係者だったの、あの人? 胡散臭いもんねえ」
「ええ。胡散臭いイコールぼくの知り合いと思われるのは非常に迷惑な話では有りますが……生憎、知人ですね。病院の電話番号を知らないので、こうしてらぶみさんに掛けてみた訳です。仕事中にすいません。えっと、大至急取り次いで貰えませんか?」
「いや、仕事の方は別に良いけど。その人、私の担当だし、そろそろ回診の時間だったからねー。ただ、人違いだったら困るから、いーいー。患者さんのお名前をお願い出来る?」
「はい」
ぼくは満を持してその人の名前を口にする。
哀川さんすら出し抜ける、最悪の手札。ぼくが持つ災厄の鬼札。

「西東天、さんです」

無意味に出て来て無意味に轢いた訳じゃない。文章を割いた以上は登場人物。単なるギャグパートに見えても後々に重要な意味を持ってくる。
それがぼくが主人公である所の戯言シリーズの醍醐味だ。
……メタ言だけどね。
807 ◆.vuYn4TIKs :2010/03/25(木) 16:16:50 ID:gWdPoKbY
続きは後日。エロは書けませんでした。ごめんなさい
808名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 16:19:42 ID:cmPgB/9E
まだ読んでないけど乙。キャラ多彩っぽくていいね。
809名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 20:54:59 ID:mGrrl84f
>>807
わくわくしながら続きを待ってます。
本家本元も読めるし、いいことが多いな。
810名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 22:42:09 ID:FnwYYGc5
おっつー!読み終わった!っていうかラストwww
811名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 23:19:08 ID:wyaXqSwg
メタ言遣いとか、無敵じゃねえかwww

GJですよん。何と言うか、こう、物凄く"戯言"だw
812名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 00:52:43 ID:E/iDIv/A
ほんとうまいな。おい
813 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 16:57:13 ID:9wsXS6XE

阿良々木×神原で投下します。
814 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 16:57:53 ID:9wsXS6XE
「阿良々木先輩、少しお願いがあるのだがきいてくれないか?」

「なんだあ?珍しいな。」
帰宅途中に自転車を漕いでいる所で追いつかれ、
俺が漕ぐ自転車と同じスピードで走りながら会話を始めようとした神原駿河を押し留めて、
自転車を押しながらの会話だ。
それにしても随分急いで走ってきたようで顔が紅潮している。

「その前に、今日は阿良々木先輩は戦場ヶ原先輩と約束はしていないのか。」
「・・?ああ、別に今日会うような約束はしていないけど。」
俺の言葉にああ、良かった。と神原は胸を撫で下ろすようにした。

「なんだ、戦場ヶ原の方に用があったのか?だったらまだ学校に」
「違う違う、私が用があるのは阿良々木先輩だ。」
「だったらなんで戦場ヶ原が出て来るんだよ。」
「戦場ヶ原先輩には聞かれたくない話なんだ。」
そう言うと、神原はふ、と顔を曇らせた。

一瞬焦る。コイツはたまにこういう表情を見せて来て、
その度にあの時の事を、コイツの左腕の事を思い出してしまう。
例えば仕方の無いこととはいえ、やはり神原はバスケットボールを続けたかったんじゃないだろうか。
20になれば出来るようになるって事は逆に言えばそれまでは出来ないって事だ。

815 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 16:58:45 ID:9wsXS6XE

「阿良々木先輩にフェラチオをしてみたいんだ。どうだろう。」
「心配した僕が馬鹿だったよ。何があった?ん?言ってみろ。何があった?」

「何があったという程のものではないが、昨日買ったBL小説がだな。あ、BL小説というのは私が好きな」
「知ってるよ!」
「さすが阿良々木先輩。何にでも造詣が深い。」
「なんどもなんどもなんどもなんども説明してるだろうが!」

ここから違う話題に無理やり逸らそうかと思ったが、神原はぐいと拳を突上げた。
「昨日買った本は名作だった。やおい穴などと言う姑息な手段は使わず序盤は丁寧に男と男の友情と喧嘩、些細なすれ違い。
読んでいるこの私がやきもきしてしまうくらいのゆったりとした人物描写であった。しかしそこから怒涛の展開。裏切りと交錯、疑心暗鬼、
しかしラストにその誤解が解けた時、そこに必然的に生まれる愛情!」
「いや良く判らんがそこで普通は愛情は生まれないからな。」

「いや凄く良かった。名作だった。是非阿良々木先輩にも読んでもらいたい。」
「読まねえよ。で、なんでそれがその、、それに繋がるんだよ。」
神原がぐん、とこちらに顔を向ける。
「そうだ。私は阿良々木先輩にフェラチオをしたいという話をしていたんだったな。」
「しまった・・・」
「普通BL小説では男性同士のSEXは」
「聞きたくない聞きたくない!」
「それがその小説ではフェラチオ描写が秀逸でな。」
「何でお前が路上でそういう言葉を連呼できる?」
「ねっとり、たっぷりとした描写は10ページにも渡り、それはもう今までに見たことも無いような描写で濃厚かつ丁寧な描写だったのだ。」
「これ以上聞く事は断固拒否する!断固拒否するからな!」
「私がレズとはいえ、いや、私がレズだからこそこういう描写に必要以上の憧れや関心を抱いてしまうのも仕方の無いことと言え・・」
816 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 16:59:58 ID:9wsXS6XE
@@
「でだ。阿良々木先輩。私はそういう理由でフェラチオに関心を持った訳だ。」
「なあなんで俺はお前の部屋に来ているんだ?そしてお前は何でそんな恍惚とした表情をしているんだ?」
「先輩が男らしく俺について来い!といって私を引っ張ったんじゃないか。」
「嘘だっ!お前が僕を引っ張ってきたんじゃないか!」

まあとにかく。と神原は僕の前に座って一冊の本を取り出してきた。
「阿良々木先輩と戦場ヶ原先輩はまだ体験はしていないんだろう?」
「なあ何でお前にそんな事をいわなきゃいけない!?」

「だったら健全な男子高校生である阿良々木先輩の精液は溜まりきっているはずだ!
いかに阿良々木先輩とはいえ戦場ヶ原先輩と付き合っていながらの生殺し状態は辛いものに決まっている!」
「なあ俺はお前が何をいっているのか」
「阿良々木先輩に浮気をしてくれと頼んでいる訳じゃないんだ。私にこの本の通りにさせて欲しいと言っているだけだ。阿良々木先輩にも損な話ではない筈だ。
阿良々木先輩の好みからは程遠いかもしれないが、それなりに私の身体は同年代の女子と比べてもスタイルが良い方だし、顔だってそう悪くも無い。」

神原はぱらぱらと本を捲り、あるページを開いてから俺ににじり寄って来る。
「おい、神原、ちょっと待て。」
「・・・いやー、しかしさすが阿良々木先輩は受けとしての器の大きさは大きさを越えて地球規模といった感じだな。
全くこのページに書いてある通りだ。
『おい、ユスターシュ、ちょっと待ってくれ。』
まさか前もって予習していてくれるとは。私が想像も出来ない事を阿良々木先輩はしてくださる。
先輩がこうノリノリでいてくれるのであれば私もユスターシュ役をやりやすい。」

「ちょっと待て!俺は別に読んでも無いその本に書いている台詞を読んだ訳じゃいぞ!」
「いいんだ、僕の言う通りにすれば何の問題もない。カスト・・・じゃない阿良々木先輩。ふふふ。力を抜けよ。全部俺に任せておけば良いのさ!!」
「おい!待て!ちょっと待てぇ・・・!!!」
817 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 17:00:28 ID:9wsXS6XE
@@
男子高校生であればこの快楽に流されてしまうのは仕方の無いことと言えるだろうか。

神原が畳の上にへたりこんだ俺の股間に顔を寄せて俺のものを咥え、くっくっと熱心に首を振っている。
その横顔は紅潮していてこれが神原なのかと驚くほど艶っぽく、
そして神原の鼻先が俺の下腹部にあたるほど唇を奥に埋める度に、
神原のたっぷりとした唾液が乗った舌が巻き付く様に動く度に
甘ったるいというよりもやや甘すぎる缶の汁粉のような快感が背筋を這い登ってくる。

「…ッ……ぷ…はっ…ぁっ・・・ど、どうだ?あ、阿良々木、先輩・・・やはり、男、の事は男が一番判っているだろう?」

時節顔を上げて俺の眼を見ながら意味の判らない事言うのは横に置いたその本に書いてあることなのだろう。
「だから!お前・・・うっ・・・」
怒鳴った瞬間、かぽり、と熱い神原の口内に咥えられて呻いてしまう。
そして開いている手でとんとん、と本のページを叩く。
「ん?」
トントンとページのある部分を叩き、後は知らないとばかりに俺のを咥えたまま丁寧にゆっくりと首を振り続ける。

横目で神原が叩いたページを見た。
『ユスターシュの丁寧な口技にカストルの背筋からは快感が竜の如く立ち上っていた。
いつしかユスターシュの動きを抑えるようにしていたカストルの手は離れ、腰の辺りでギュッと握り締められている。
そしていつしか男だからこそ男のツボを心得たユスターシュの丁寧で甘い舌使いに身を任せてしまっている自分にカストルは気が付くのであった。
「ああっ・・・だめだ、こんなのだめだよ、ユスターシュ・・・」
「どうだ?カストル、やはり男の事は男が一番判っているだろ?」
頭を振るも何度も言葉でそう囁かれ、いつしか思わずカストルは頷いてしまう。
それだけではない。カストルはあまりの快感にもはや腰を浮かせてさえいた。
その様子にユスターシュの目がキラリと光る。
「ふふ、君の婚約者は、こんな事はしてくれないんじゃないのか?」
つつつ、とユスターシュの可憐な指がカストルの男の花の部分へと動いた。
「ああ・・・もう、苛めないでくれユスターシュ!いっその事!」
ユスターシュの指が悪戯に焦らす様にその周囲をなぞるとカストルが呻いた。


「・・・・・・!!ちょっと待て、無理だぞ、お前が考えている事は無理だから!!」
叫んだ瞬間天真爛漫といった神原の目がこちらを向いた。
ちゅぽん、と音を立てて唇を離すと微笑む。
818 ◆/pDb2FqpBw :2010/03/26(金) 17:01:28 ID:9wsXS6XE

「ふふ、戦場ヶ原先輩は、こんな事はしてくれないんじゃないのか?」
「だからしてないって言ってるだろ!!」

と、叫んだ瞬間、神原はすう、と素の表情に戻った。
と言ってもいまだ僕のものを掴んだままの姿勢だ。
そしてやや唾液で濡れた唇の端を上げたまま、少し深刻な感じで口を開いた。
「ところで阿良々木先輩。良くモノの本には赤銅色に広がり返った傘の部分という描写があるが阿良々木先輩のはピンク色で皮が・・・」
「やめろ!判ったからそれ以上は言うなよ。それ以上は言うな神原。」
「だが、さすが阿良々木先輩、凄く固くて熱く反り返って頼もしい。口の中に入れているとレズの私でもドキドキしてしまう。
私みたいな女にでもこんなにしてくれるなんて、やはり阿良々木先輩は優しい人だな。」
そう言いながられろれろ、と神原は唾液を乗せた舌を出して僕のものをアイスキャンディーでも舐めるように舐めてくる。

「気持ちいいか?阿良々木先輩。」
少し顎の上がった、少し真剣な顔。
神原駿河に良く似合う、真剣なのに少し笑顔に見える魅力的な顔。
普通なら胸が高鳴るシーンだろう。
その顔をしている当人が両手で僕のものを握り締めて唾液でぬるぬるになった僕のものを上下に揉み捲くってるのでなければ。

「手を離せ、神原。」
「一つ悩みがあるんだ。阿良々木先輩。この本ではその後ユスターシュ攻めで合体する訳だが」
「合体とか言うな!お前はどれだけ腐ってるんだ!」
「その後のシーンでは今度はカストル攻めに変わってそっちではカストルが焦らしに焦らした後、ユスターシュがカストルの口で果てるんだ。」
「何を言っているのか理解は出来るが、さっぱりわからないぞ神原。」
819 ◆/pDb2FqpBw

そう言うとにい、と神原は笑った。
そしてぐい、と頭を下げてきて、
「んんっ…んっ…!」
俺の肛門に濡れた感触が這う。
「う、うおおおおおっ!」

と、瞬間、神原が顔を上げた。
「こっちのシーンにするか、それとも。・・・んっ…!」
今度は上から咥え込んで来る。

最早これ以上はない位に大きくなった俺のものを2度程唇で扱いた後口を上げる。
「こっちにするか。阿良々木先輩はどっちがいいだろうか?」
どっちも嫌だ。後輩に尻の穴を舐められて果てるのもあえなく口の中に出すのも。

「あのな、そうしたら僕は神原の口の中に出す事になるんだぞ。」
「ああ、大丈夫だ。」
「なっ!」
「口からでは妊娠しない。だから浮気にもならない。そうか、阿良々木先輩はそっちがいいのか。ならそうしよう。口の中に一杯出してくれていいからな。」
「だから僕にはお前の言ってる事がさっぱり理解・・・っ」
叫んだ瞬間上から咥え込まれる。経験が無いから判らないが神原なりに工夫をした成果とでもいうのだろうか。
―じゅる、ずずっ、れろっ・・れろれろっ―
舌を巻きつかせ、首を振って頬を凹ませて吸うその姿は与えてくる快感と同じ位にいやらしく、片手でぬるついた竿を扱かれる事も相まってあっという間に持ち上げられてしまう。

気持ちとは別に出来るだけ神原の口内の奥にまでというように腰が持ち上がる。
と、瞬間、眼の前に本が突きつけられた。
神原は器用にも首を振るスピードはそのままに掲げたそのページをぐっぐっと突きつけてくる。

「な、なんだよ。・・・うあっ!」
神原に突きつけられた本に意識を集中させようとするが、下半身の甘い旋律は最早極限まで来ている。