【精霊の守り人】上橋菜穂子総合2枚目【獣の奏者】

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1名無しさん@ピンキー
2名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 21:57:59 ID:WX2MZsKO
◆関連スレ◆

【精霊の守人】上橋菜穂子総合5冊目【獣の奏者】
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/juvenile/1250077293/
3名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 21:59:40 ID:dGnScarj
3ゲット
41:2009/10/09(金) 22:04:22 ID:rHHf5L/G
警告あったのにやってもうた・・・orz
関連スレ貼ろうとしてるけど、うちのIEがおかしいのかアドレスがちゃんと出ない。
下記以外全滅。優しい人貼ってもらえまいか。

獣の奏者 エリン 29
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1255008106/


5名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 22:31:01 ID:LvJdMzpo
>>4

関連スレは不要と思う

エロパロ板は上限500Kb
昨夜の時点で残り5Kb
あやふやな書き方した自分が悪いので、キニスンナーw
投下途中のを1から再投下お願いします。
6名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 23:11:22 ID:3MK95OIY
作品てどうなんの?
7名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:16:30 ID:LR5OXa/w
過疎るよりにぎわっているのはよいが、ここがあくまで2chということを忘れていたり、
容量少ないのをしっていて何が起こるか調べもせずに書き込む事など短慮な事が起こりすぎている。

そういうのエリンとかバルサとか嫌うんじゃないかな
84:2009/10/10(土) 00:59:52 ID:fvnbkV6s
>>7
気持ちはわかるが、1乙くらい言おうや。
職人がうっかり埋め潰すなんて、板的に珍しくはない。
テンプレ案を練る暇がなかったのが惜しいっちゃ惜しいが。
投下直後に雑談の流れにするのが嫌で曖昧に書いたのがまずかったな、と自分も反省してる。

>>6
どうなるって何が?
9名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 01:44:14 ID:oadtnsfi
>>1
乙。

確かに容量少なくなった時点で次スレの準備の相談始めるべきだったな。
自分もすまなかったよ。

という事で、次にスレ立てする時にはテンプレに「450kbを超えたら、次スレを準備しましょう」とかのお約束を入れる事を提案しておく。
101:2009/10/10(土) 05:00:21 ID:qT6fftKh
スレ立てに手間取ったので出直した
警告1個ってことはまだ大丈夫かと思ってしまった、スマンかった。
容量はどうやって見ればいいのかいまだに分からない、保存したやつは
形式のせいか94kbになってる
ちなみに閲覧&書き込みはギコナビ

他スレ見てみたが注意書きのあるスレ少ない、こうかな↓

・書き込みが950以上になるか、容量が450kを超えたら次スレッドを宣言してから立ててください。


ちなみに作品は保管庫見たら616までちゃんと入ってた、管理人の人ありがとう!
11名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 05:05:13 ID:qT6fftKh
じゃあ気を取り直して再投下

※続編ネタバレを含みます。未読の方は、回避して下さい。

オリ×ロランの投下です。
期待されたレベルかどうかは分からないけど、とりあえず自分が読みたかったところを
全力で書いた。
探求編の始めのほう、オリがタウロカ王子と遠乗りして、トゥラ国の人たちが帰ったあたり。
探求編後半の厩のシーン前後でやりたかったけど、ラーザが入ってきたりして物々しく
なってるし、王宮の厩からすぐにアマスルに発って、イミィルに行くって言ってるし・・・。

ところでロランはモテそうですね。
エリンに「この青年に誘われると、たいていの娘はうなずいてしまうのではないかと思った。
別に恋しているわけでなくとも、喜ぶ顔が見たいと思わせるような素朴な魅力が、この青年
にはあった。」とまで言わせてます。
始めは老若男女から好かれる好青年だとしか思ってませんでしたが、よく考えると↑コレは
天然系タラシの真髄ではないかと。
「無害そうな顔して・・・」ってやつですね。多分、「母性本能をくすぐるタイプ」とか言われてる
んじゃないでしょうか。

>>533>>535 を読んで、相手がガチガチの処女なら、最後までやらないほうがむしろモテ男
っぽいか?と思い、寸止めネタにしてみた。最後までやるのは、以下次号!!って感じ?
寸止め×処女な感じのエロさを追求してみたが・・・なんか割と短くなった。
12其の一:2009/10/10(土) 05:06:58 ID:qT6fftKh
あたりが宵の闇に包まれた頃、鈴の音が彼女の来訪を告げた。
扉を開けると、儀礼用ではない、質素な、それでいて品のある普段着に身を包んだ
小柄な娘が立っていた。
「――オリ」
「今晩は、ロラン。・・・聞いた? わたし、トゥラ王国に国賓として招かれたわ。」
彼女はロランの身体の脇をすいと抜けて部屋の中へ滑り込んだ。
「あなたと約束したとくらいには、うまくやれたと思うわ。御褒美に、何か歌を聞かせて
もらってもいいと思わない?」
薦められてもいないのに、部屋の中にある座椅子にすとんと腰を落とす。
「さすがは、大公城きってのお転婆姫、見事なお手並み。・・・といいたいところだけど、
男の居室を訪ねるには、少し、時間が遅くないかな?」
「姫はやめてって言ったでしょ。・・・楽師の部屋を訪れる時間としては、遅くないわ。
むしろ早いくらいじゃないかしら。」
彼は少し目を細めて肩をすくめると、この勝気な幼馴染に抵抗するのを諦めた。
窓の傍に立てかけてあるラッカルを手に取ると、弦の具合を見て、それから窓枠に
腰掛けて歌い始めた。
恋人が遠い異国に行ってしまったことを哀しむ女の歌だった。恋人への愛しい気持ちを
切なく甘く唄う。
タウロカ王子とのことに重ね合わせているのだろうか。
いつもそうなのだ。この男は。わたしが想っているのは、目の前の人なのに。多分分かって
いるはずなのに、こうやってはぐらかす。
それでもその甘い調べは、高く低く、彼女の心を揺らした。
その後彼は、彼女のお気に入りの曲をいくつか奏でた。
――この歌声を聴いて、心を蕩けさせない女がいるだろうか、と彼女はうっすらと考えた。
ロランは若いうちから、女にはよくもてていた。老若男女を惹きつける力があるのだから、
女とばかりもいえないのだが、人懐こい性質と、それに反して内側に見え隠れする奥深い
闇が、女心をくすぐるのだろう、子供のうちでさえ女官達にやたらと可愛がられていた
ものだ。
アシェ人である彼の容貌も、彼に興味を持つものにとっては忌避するものでなく、何か
興味をそそる対象になっているようだった。
彼があちこちの女と浮名を流すようになると、オリは随分やきもきしたものだが、どの女
ともそう長くは続いていない、というのが彼女にとっての救いだった。
彼女がかつて父と兄と義母をいちどきに亡くし、大公の重責を担わねばならなくなった長兄
にも頼れず、暗黒の中に突然放り込まれたようになったとき、傍に居てくれたのは
ロランだった。
あのとき彼女は8歳だったが、ロランもまた9歳だったときに戦で家族のすべてを失っていた。
彼の孤独が、ぎりぎりのところにいた彼女の闇と虚ろを埋めた。彼のほうもそういう部分が
あればいいのに・・・とオリは思っているが、実際のところはどうか分からない。
だが、噂を聞く限りでは、あのときのわたし達ほどの強い結びつきを持った女は居ない――
そう彼女は密かに思っていた。

13其の二:2009/10/10(土) 05:09:19 ID:qT6fftKh

「・・・このくらいで、いいかい?」
言われてオリははっとした。曲を弾き終えたロランがじっとこちらを見つめている。かれは
楽器をそっと元の場所に戻しながら、言った。
「――部屋に、帰りなさい。」
やわらかく、しみ透る様な声だった。
「嫌です。」
つとめて平静を保ちながら、彼女も言い返した。
「明日にはアマスルへ戻るのでしょう? その後はどこへ? またふらりとどこかへ行ってしまう
くせに。もう少し名残を惜しんでくださってもいいわ。」
ロランの瞳がわずかに揺れた。ああ――またどこか遠い国へ行く気なのだ、とオリは思った。つと立って、彼が座る窓の傍に寄り、腰をかがめてその唇に自分の唇を押し付ける。
「子ども扱い、しないで・・・」
彼女の瞳には、うっすら涙が滲んでいた。彼のほうが8つも年上だからなのか、気持ちを伝えようとしても、いつも軽くいなされてしまう。
「――オムリ。」
彼はそっとオリの袖を引いて、低くしゃがませた。二人きりのときだけ、と約した愛称に、
彼女の心臓が跳ねる。
「窓の傍では、外から見えてしまうよ。」
「かまわないわ。楽師との恋はよくあることよ。この歳では、傷にもならないわ。」
オリはあくまで強気でうそぶいた。
「君は・・・」
ロランの手が彼女の頬に触れた。とたんにその部分に感覚が集中して、部屋の壁がぐいと遠ざかったように感じる。
「まだ、子供だね。・・・帰りなさいというのが、大人扱いだと分からないくらいに。
大公の妹君を、傷物にするわけにはいかないだろう?」
「・・・わたしは、傷などおそれないわ。」
この鳶色の瞳に見つめられるのは、こんなにも世界を揺らすのだろうか。どのみち自分には
退く気などさらさらない。
「この勇敢な姫君は、御自分がどんな危険の中にいるかお分かりでない・・・」
それから彼は、彼女を見つめたまま、そっといたずらっぽく笑った。
「・・・ああでも、傷をつけない程度なら、いいかな?」
オリは動けずにいた。心臓が早鐘のように鳴っている。空気の粘度が急に増して、息が
出来ない。ロランの話す声も、どこか遠くで響いているようだった。
頬に触れる手がついと滑って顎を捉える。
「口付けは」
彼の瞳がすぐ近くで微笑んだ。
「そんなに力んでするものじゃないよ。――力を抜いて」
やわらかい唇が彼女の唇を捕らえた。そのまま幾度も触れ合う。
「大人の口付けの仕方は、知っている? 口を少し開いて」
親指の先が唇をなぞる。唇の中央に来ると、その爪先が彼女の唇を割り開いた。
「・・・委ねて・・・」
そのまま再度唇が重なる。彼女は、はじめて侵入される感覚に慄いた。
口腔の中で、入ってきた舌が動くたびに、頭の芯が痺れる。うねり、誘い、掻き回される。
身体の力はじきに入らなくなって、背中が床の敷物に触れた。
「声は聞きたいけど、抑えて。誰かに聞かれたら、後で面倒だ。秘め事は、そっと・・・ね。」
ロランは窓を静かに閉めながら囁いた。声とはなんだろう?
彼の手が横たわる自分の帯に触れた。慣れた手つきでするりと解き、合わせ襟を開く。
「――あぁ・・・っ・・・」
声の意味はすぐに知れた。
14其の三:2009/10/10(土) 05:12:04 ID:qT6fftKh

大公の妹として厳格に育てられたオリにとって、男女の営みは遠い出来事だった。年頃に
なっても乗馬を楽しみ、縁談も持ち上がる前に退け続ける彼女に、女官達はことさらに
そのことについて教え込もうとはしなかった。
「・・・あれだけで」
彼はオリの内腿に触れながら言った。
「随分、感じているんだね。こんなに、熱い・・・」
彼の言うことは半分くらいは分からなかった。何故そこが熱いと感じていることになるのか。あんなことをされても「あれだけで」なのか。何故触れられただけで、こんなに身体が熱を持つのか・・・。
彼の指が、唇が、舌が、普段は服で隠されている肌に這い始めると、彼女は鋭い恐怖を
感じた。
優しく触れられているはずなのに、そこから得られる快感は、あまりに強く身体の中心まで
響き、まるで自分の身体が噛み裂かれ、砕かれ、啜られているような激しい感覚を伴った。
この行為が俗に「食べられる」と隠喩されるのはこのせいなのか。その行為で彼女がまず
感じたのは、死に対する根源的な恐怖だった。
そして同時に、めくるめく悦楽でもあった。
自分の身体が無くなり、愛しい男に取り込まれる。相手の内部に入り込み、侵食する・・・。
彼女はその激しい恐怖と快楽に、か細く悲鳴のような声を上げる。
「・・・くぅ・・・っ・・・。・・・あぁあ・・・・・・んん・・・。」
その「声」さえも、自分の声とは思われなかった。こんな声は出したことが無いし、どこから出ているかも分からない。自分の意思とは関係なく出ているかのようだ。それでも彼女は言われたとおり、必死にその声を抑えた。
「――怖い?」
耳許で甘く囁く声がする。
怖い、怖い、こわい。こんな自分は、知らない。こんなあなたも、知らない。
世界が形を変えて、崩れる。自分もどこに居るか分からなくなる。
・・・悔しい。そちらばかり余裕だなんて。
オリは精一杯の虚勢で、かぶりを振った。
「可愛い・・・。オムリ、痛くはしないから、安心して。」
ロランは今度は衣を脱がせた脚を、膝のほうから上に向けて唇を這わせ始めた。オリにも、
徐々に分かってきた。この熱の中心へ向かっているのだ。オリは、自分が攻め上げられ、
追い詰められるのを感じた。早く来て欲しい。いや、怖い、来ないで欲しい。オリの中で
二つの気持ちが廻っていた。
しかしロランはなかなかその中心部分には触れようとせず、丹念に脚を愛撫した。膝を、
やわらかな内腿を、脚の付根の間接部分を。そこから快感が届くたび、中心部分は焦れて、
焦れて、焦れて。膝をすり合わせずには居られない。
オリの口から切なげな溜息が漏れてどうしようもなくなった頃、ようやくロランが口を開いた。
「・・・そこに、触れて欲しい?」
オリは顔を背けていたが、今度はごく正直に答えた。
「・・・分から、ない・・・」
――突然、彼の指がそこに触れた。
「ああぁあぁ・・・・・ッッ!!」
衝撃が全身に走った。たまらず身体を仰け反らせ、叫び声が洩れてしまう。
くちゅり、と水音がした。
ロランはゆっくりと外陰部をなぞり、花芯を捉える。
「ねえオムリ、ここを自分でしたことある?」
どこか意地悪げな彼の質問に、オリの顔がさっと赤らんだ。確かに、花芯の部分は自分で見えるので、
触ってみたことはある。しかしなんだか秘密めいて胸が高鳴ったものの、それだけだった。彼女はむしろがっかりして、そこに触るのをやめた。
あのときは、そこがこんな風に――使われるものだなんて、知らなかった・・・。
質問の答えは求めずに、ロランは続けた。
「経験が無いのなら、こちらのほうが感じやすいね?――きょうはこっちで、気持ちよくして
あげる・・・」
15其の四:2009/10/10(土) 05:14:02 ID:qT6fftKh
彼が、そこにあてた指を動かし始めた。
溶ける。甘い、甘い。甘く――蕩ける。
甘い痺れが、喉もとまでをぐっと詰まらせた。下半身が溶けてゆくような不思議な感覚。
頭の芯は完全に痺れて、何も考えられない。体の自由も利かなくなっていた。
ただ、彼の指の動きに支配され、翻弄され続ける。
ロランはふと、彼女の胸に頬を寄せ、唇でそのふくらみを弄る。彼が先端を含んで舌の先で
転がし始めたとき、それは起こった。
二つの快感が彼女の身体の中でぶつかり合い、増幅し、弾ける。頭の芯に白い光が瞬いた。
「――――や、あぁぁあぁ・・・・・・!!!」
同時に彼女の身体は硬直し、意識は霧散した。


「――目が覚めた?」
オリはロランの腕の中で目を覚ました。ずっと傍らに居てくれたのか、身体が温かい。
彼女が意識を失っていたのはそんなに長い時間ではないようだった。
快感の余韻で指が震える彼女に代わって、ロランが慣れた手つきで衣を着せてくれる。
他の女にもこんなふうにするの――と彼女は思ったが、その言葉は喉に引っかかって出な
かった。
部屋まで送るよ、という彼の言葉にも、もう抵抗はしなかった。
彼女の部屋の前で、幼い頃のように額に口付けて御休みの挨拶をしてくれた、そのすべてが
夢の中の出来事のようだった。
痺れたままの頭で夜具に突っ伏し、オリは先程までの出来事のことを思った。
16名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 05:16:17 ID:qT6fftKh
※    ※    ※    ※    ※    ※    ※

それからしばらくして、ロランはラーザへと向けて旅立った。
この国の誰も行ったことが無い、遠い敵国へ。
何年かかるかも分からない、生きて帰れるかどうかも分からない旅路へ。
泣いて、止めたかった。めちゃくちゃに泣いて、行かないでと駄々をこねたかった。
でも、かの国にどんな人々がいて、何を考えているのか。なぜ何度も敗退しながら、
この国への侵攻を止めないのか。それは彼だけでなく、兄上や、このリョザ神王国のために
どうしても、必要な情報だった。オリ自身も、どれだけそれを知りたいと思っていたか
分からないほどに。
それを出来るのは草原の民アシェの姿形を持ち、リョザ神王国の民の心を持つおれだけだと
思わないか、と問われれば、二の句はつげなかった。彼が、戦をどれだけ憎んでいるか知って
いればなおさら。
結局彼女には、黙って見送るしか出来なかった。
あの夜、どうして彼女に応えてくれたのか、それすら聞けなかった。
いつもの通り、彼女の我儘を聞いてくれただけなのか、あるいは気まぐれか。彼のほうにも
多少は彼女を想う気持ちがあったのか。
待とう――彼女は静かに、そう思った。
帰ってくる、と彼は言った。いままで彼は、彼女との約束を違えたことなど無い。
いつかかの国のことを伝えに彼が戻ってくる、そのときまでに、自分が何をすべきか、そして
どうしたいのか、彼にどうして欲しいのか、心を決めておかねばならない。揺れる心を委ねる
時間は、おそらくもう無い。
それまで自分には、彼の無事を祈るしか出来ないけれど。


あたりは見渡す限りのの砂漠。
ロランはクリウと共に、イミィルへと向かっていた。目以外の部分は布で覆っているが、砂塵に
なぶられて目を開けているのもつらい。
すべての生命を拒絶するかのような、この灼けた大地で、彼女のことを想う。そのくらいは、
自分にも許されているはずだった。彼女の身体に傷をつけないほうが、行為を完遂しないほうが、
却って互いの心に、身体に、深く残るということを彼はよく知っていた。深く刺さった棘のように、
静かに内側から身を焦がす埋み火のように。
元々、風のように異国を旅する自分は、彼女に触れる気もなかった。
なのに、命の保障さえないこの旅に臨んで、恐怖から彼女に縋り、繋がりを求めたのか。
あるいは、自分の知らぬうちに彼女が誰かのものになるのを怖れたのか。

――帰ってくるわよね? 絶対に、無事に、帰ってくるわよね?
――帰ってくるさ、オムリ。・・・・・・帰ってくるよ

あのときも、触れるような口付けをした。今度は自分のほうから。

彼女は気づいてしまっただろうか、自分が心の中で彼女の存在にどれだけ依存しているか。
あの夜に歌った歌に託した意味も。・・・遠い異国に行ってしまっても、思い出して欲しい、とは
決して言えないけれど。
大切な、大切なおれの姫君。
あの、いつ翔んで行ってしまうか分からない姫君と、きっともう一度くらいは逢える、そのことが、
この長い道程の中で、自分の心を繋ぐだろう。
あまりにも大事で、大切で、ゆえに何の約束も出来ないけれど。

この旅の果てに、もう一度逢おう、オムリ。


              ――end――
17名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 05:17:49 ID:qT6fftKh
其の五名前欄に入れ忘れたorz

またしても>>533>>535の口車に乗って書いてしまったw
ホントにネタ投下役も侮れないな!
筆遅いのに以下次号とか書いちゃったけど、正座してたら足が痺れます!寝て待て!
忘れた頃に次投下します・・・・・
1817:2009/10/10(土) 07:54:58 ID:qT6fftKh
しまった

○ 前スレ>>553->>535
× >>553->>535

だった。かさねがさねスマン
改行も一部忘れてたしな・・・
19名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 10:14:00 ID:fvnbkV6s
>>18
改めて乙andGJ。


>>保管庫管理人様
大量更新乙です。
相変わらず仕事がお早い。トムラ先輩関連の解説ワロタw
20名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 12:48:22 ID:fT6UIFs+
流れぶった切って悪いけど、誰かトムラ×工リン書いて〜
21前スレ533:2009/10/10(土) 13:12:11 ID:uMCgZBqX
>>18
スレ立て乙です&相変わらず冴えまくりのSSありがとうございます!
自分の妄想垂れ流しに近いリクエストが、あんな素晴らしいエロパロの
完成のきっかけの一つになれるのは何やら不思議な感じです。

自分的にロランは期待以上の超絶技巧ぶりでしたw これは行為完遂
バージョンが今から楽しみです。お言葉に甘えてマターリ寝ころがり
ながら待たせていただきます(でも半裸かもw)
22名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 19:43:26 ID:fT6UIFs+
次回予告の治療のシーン…なんかムッチャエロく見えた•••
23名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 20:03:08 ID:pQWcMRVd
予告の、いかにもエリンが欲情しそうなイアルの手だったな
指がきれいだと思う
24名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 13:38:02 ID:frFnZMuV
新スレおひっこしage
25名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 23:23:57 ID:bFmJjTrh
来週はエロそうだ
26名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 11:32:22 ID:JRDsNEtQ
いや!エロイんだ!!
27名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 12:32:03 ID:9zvxBITR
土曜日放映後は神降臨の予感w
28名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 20:19:31 ID:c03wqvbI
規制かと思った   >>1
土曜日wktkして正座してるAAry
29名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:28:40 ID:d1+Xv7q4
>>18
遅れましたが GJ!!
ロラン良い奴だな。
スレ立てご苦労様です。
すみませんでした。
前スレ最後一気に大量消費したのは自分です。
かなり反省…してます。


保管庫管理人様。
いつもありがとうございます。
30名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 21:10:07 ID:HZlO3iTt
明曰神降臨来るかな〜?
31名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 11:40:13 ID:pfXmvWFw
神作品降臨ラッシュの後だからかも知れんけど、みんなで反省しすぎて
静かになりすぎw
ちゃんと新スレに来れてるのかまで心配してしまう
今日の放送分で書き込み増えて点呼代わりになること期待してる

当然神降臨も期待
32名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 18:57:36 ID:mtuiSXir
どうしても、イアル→陛下に見えてしまう。
只のマザコンだと解ってるのに。
33名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 19:17:58 ID:PU8Wz+El
>>32
それも、考えた事ある…
真王×イアル、読みたいような読みたくないような…
34名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 19:41:50 ID:D0yH4Noq
今日のアニメ、少年時代のケガしたイアルが出てきたシーン、
ケガに触れる優しげな手から、てっきり次は母親の顔のアップが
出てくるもんだとばかり思ってたから、真王が出てきた時は心の中で
マジでズッコケたw

それにしても今回のエリンがイアルの怪我を治療するシーン、作画に
これでもかと力が入っててワロタw スタッフの気合いを感じたわ。

後れ馳せながら、保管庫管理人さん、マメな更新大変乙です。
何だかんだで説明文にトムラへの愛を感じますw
35名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 19:56:47 ID:F86HiKFc
アニメも何気にネタ投下してくれるなあ
原作じゃあ遅くなっても帰ったのに、まさか朝帰りとは・・・
夕方から早朝まで2人でいたんだよな(部下たち起きるに起きられずw)
そして一晩中デバガメてたキリク先生w
36名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 20:10:49 ID:iM9EB0X5
>>35
妄想が暴走するネタだったねwww
37名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 22:04:36 ID:vvOXMrjE
>>35
今回は神作画かつほとんどイアエリのターンだったなw
お互いまだ自分の想いすら自覚してないのに
あのままいつキスしてもおかしくない空気だった(*´Д`)ハァハァ
38名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 22:09:13 ID:5aUitsxW
今日の話たまらんです!イアル×エリン…ラブラブ二人の世界
キリク×エリン…情にほだされつつあるストーカー先生
ダミヤ×エリン…変態王族に目をつけられた緑の瞳の少女
トムラ×エリン…あれ?今回トムラ先輩の出番は?
39名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 22:13:54 ID:PnkGKJoD
カイル「あの娘、帰ったのか?」
イアル「ああ。お前、いつから起きていた?」
カイル「『私、初めてなんです…優しくして下さい』のあたりか…」
スチャッ
イアル「…お前は今起きた。そうだな?」
カイル「あ、ああ。勿論だ。刀を収めてくれ」
   (…冗談のつもりだったのに。そう言えば、今日は出目が悪かったな…)

なんて妄想。
40名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 00:45:01 ID:RavtGOPO
そういや二人で一晩すごしたのはこれで二回目か
41名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 02:44:56 ID:Zn8NVFbn
いつの間にか夜が明けてるし、エリンが妙にふっきれた感じだったので、妄想してみた。
エロなし。本編と先週の次回予告以上にエロいものは無理でした…





――情を隙と見るこの世界では、甘さが命取りになる。
   だから、そんなものは、とうに捨てた筈だった。あの、母がくれた竪琴と共に――


竪琴の音色が静かに響き、彼の耳に少女の言葉がよみがえってきた。
 ――私、この歌好きです。あなたが弾いていた時もとっても優しい響きがしていました。
    そんな歌を弾ける手で私のお友達を傷つけないで。


「俺は話すべきでないことを随分と話してしまった。もしかするとあなたもそうなのかも」
「そうかも知れません」
穏やかな緑の瞳がイアルを見つめている。
「あなたは少しも変わっていないのだな」
「……え?」
「いつも同じ真直ぐな目をしている」
彼の言葉にエリンは俯いた。
「そんなことありません。私は……」
エリンが膝に置いた手を強く握りしめた。
以前、彼が突きつけた刀の切っ先にも怯まなかった彼女の目に、迷いと不安が揺れているのを見て、
イアルの心がざわついた。
「私は、人と人の争いに獣たちを巻き込むのを卑劣なことだと思っていました。
 それなのに、私自身が、リランを争いに巻き込んで、あんな惨いことを……」
「エリン」
静かな声に、ハッと彼女が顔を上げた。
「あなたは俺と部下達の命を救ってくれた。それでもあなたは自分を許せないだろうか?」
彼女が室内をゆっくりと見回し、彼に視線を戻した。
「イアルさん」
ためらいがちに彼の名が呼ばれる。
彼女の髪が揺れ、彼の肩に重みがかかった。
「少しだけ、こうしていても、いいですか?」
「ああ」
すがりつくように彼の胸に顔をうずめた彼女の口から嗚咽が漏れる。
震える肩を抱きしめようとして、上げかけた彼の右腕が止まった。
少女が好きだと言った歌を弾いていた手は、もうない。
ここにあるのは竪琴を弾く手ではなく、人を傷つける手。大切なものを守れなかった手。
少しの逡巡の後に、イアルはその手を静かに下ろした。
どれくらい、そうやって固まっていたのだろうか。
泣きながら寝入った彼女の頭をイアルは、そうっとあぐらをかいた膝へとずらした。
静かな寝息をたてるその寝顔に、髪を二つに束ねた幼い顔が一瞬よぎった。
それから、髪を切りそろえた、真直ぐな瞳を彼に向ける少し大人びた少女の顔が。
少女の頃の面影を残しながらも、静かな気配を湛えた一人の女性として、彼女は今、目の前にいる。

夜明けの鳥の調べが彼の胸の中で鳴り響く。
彼女の頭の重みを膝に感じながら、不思議と安らいだ思いで、イアルは深く目を閉じた。


〈終〉
42名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 07:47:51 ID:W5Os/3RW
>>38
キリクがどんどんエリンに感情移入していくのがいい感じ。
43名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 12:59:06 ID:hY9W4G+5
>>41
GJ! いい意味で少女漫画っぽい。こういうテイストもいいね。
44名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 13:44:38 ID:CqJPlE29
>>41
超GJ(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
しかし何でイアエリはエロ無しのプラトニックなのにこうもエロいんだ・・・
45名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 17:03:03 ID:Iv8/id4T
そりゃあいずれプラトニックじゃなくなることを知ってるからでは?
清いイアエリもまた好しww
46名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 21:39:15 ID:ocIwKCgH
>>41
GJ!!
いい雰囲気!!!

本編エロかったよな何時間見詰め合う気だあの二人
原作脳になっててイアルさんも一目惚れか!この愛妻家め!
と言いそうになったが、アニメではずっと前からフラグ立ててるんだった。

>>39
ワロタ、GJ
イアルさんもいいがカイルさんかわええw
はじめ単に照れただけかと思ったが、イアルさんなにか
後ろ暗いところがあるのかw
まあアニメのままで充分後ろ暗いな
47名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 21:06:18 ID:2qU25h+K
>>46
しゃべっちゃいけない事べらべらしゃべっちゃったからな。
下手したらエリンが殺されるw
48名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 22:22:33 ID:A2RA70Ka
>>46
>この愛妻家め!
いかん、字面見ただけでにやけるw

アニメ版イアエリの新婚時代は竪琴の合奏とかしてそうだ。
49名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 23:26:59 ID:ObBjV/+5
二人があまりにも見つめ愛だったから悶えたWWW
>>39>>41GJ!!(゜∇゜*)ハァハァ

自分も妄想した

「……いや貴女の話を笑ったわけではない。俺は今日どうかしてるんだ…」

兵士A「”どうかしてるんだ”だってよ!」
兵B「隊長あのこの子のこと…!」
兵C「マジかよ!でも隊長遊女の所も行かないって噂の堅物だぜ?」
兵D「あんな何時間も見つめあって話合ってんだ!これはもう決まりだろ!」
兵E「良かった…!少し心配してたんだ…!隊長にもちゃんと…!」
兵F「あの距離で見つめ合ってチューも抱きしめもしないのかよ隊長!じれったいぜ…」
兵G「でも俺達セ・ザンは…」
兵H「馬鹿野郎!お前は隊長に幸せになって欲しくないのかよ!闘蛇の牙で怪我していたのに…!俺達を優先して…!(涙)」
兵I「あの子の話を含めてこの事は俺達だけの秘密だ!隊長を応援しよう!」
兵士達「オー!」



愛されイアルさん…?
50名無しさん@ピンキー:2009/10/20(火) 23:37:22 ID:2NHDWpvm
アニメの手当てシーンは非常に萌え悶えたんだが書けなかったので新婚さんイアル×エリン投下します。

原作寄り・同棲直後くらいのなので、探求編・完結編未読の方はご注意を。
冒頭のみちょっとだけ微エロ。
だいぶ前に書いてあったんだけど神降臨ラッシュの頃でネタがかぶってるのと、
こんだけエロがないのもどうかと思って放置してました。
いろいろ自分設定で書いてますが大目に見てください。

>>49 愛されイアルさん楽しすぎるww 部下想いのイアルは人望あるだろうしなー
自分もあのシーンはまさかチューするのかとハラハラしてしまった。
51イアエリ01:2009/10/20(火) 23:42:24 ID:2NHDWpvm
 胸の奥でほの暗いもやのように広がっていた罪悪感が少しずつ薄れていくと同時に、
闇の中で柔らかい肌に触れているのにもだいぶ慣れた。
 それでも、耳元で彼女の息遣いを感じては高まる欲望と、こんなことをしてはいけないと
反抗しようとする理性とがふとした瞬間に襲ってきて、強く歯を噛みしめて荒ぶる感情の波を抑える。
 仰向けに押さえつけ、自由を奪ったエリンの身体から少し上体を起こして
深く息を吐くと、イアルは彼女の顔を間近にまっすぐに見つめた。
「……エリン」
 名を呼びかけると、エリンはやや眉を寄せて閉じていた眼をうっすらと開く。
「エリン」
 もう一度名を口にすると、今度はしっかりと眼を開けて、
問いかけるような表情でイアルを見上げた。
 闇に紛れて色などわからないはずなのに、エリンの瞳が潤んだ光をたたえて
緑に輝いて見える気がする。吸い込まれていきそうなその光を見つめていると、
澱んだ懊悩が驚くほど簡単に消えていった。
 かすかに微笑んだイアルを見て、不思議そうにどうしたのと尋ねようとした
エリンの唇を、彼は貪るように何度も塞ぎ、白い女体に躰を沈めた。


 
 書き溜めてあった手記を見てしまったという事実を打ち明けられた後、
特に驚きも怒りもせず目立った反応を見せなかったせいか、
エリンは戸惑った表情でどうして怒らないのかとイアルに訊いてきた。
 イアルは曖昧に困ったような表情を浮かべることしか出来ず、
訝しむような彼女の視線を避けて横を向いていた。ややたって、
不意に手を伸ばしてきたかと思うと、彼女の頬に触れて親指の腹で
彼女の撫でる。そのまま胸に引き寄せると、ゆるく腕で囲った。
 緊張でこわばっていたエリンの体が安心したように徐々に弛緩していくのが感じられる。
52イアエリ02:2009/10/20(火) 23:46:19 ID:2NHDWpvm
 おれがひどく怒ると思っていたのか―― そう考えると、腕の中で小さく震えた
エリンを愛しく思う気持ちが増してきて、イアルは思わず笑みを漏らした。
 強く抱きすくめて、傷あとの残る肌に顔を埋めると、彼女は一瞬はっとしたように
身をすくめたが、その後のイアルの動作には決して抗おうとはせず、目を閉じて彼に身を委ねていた。


 夜が明ける前、目を覚ましたイアルはやけに強い月明かりが窓布の隙間から入り込み、
枕元まで伸びているのをぼんやりと見ていた。傍らで眠るエリンの穏やかな寝顔まで陰影強くくっきりと見てとれる。
 彼女は普段物静かでともすれば堅苦しい印象を受けるが、微笑を浮かべると
柔らかく優しい雰囲気になる。はじめて出逢った時に見たエリンの静かな微笑が、今でもイアルの心に残っていた。
(どうして怒らないの……?)
 エリンの寝顔を眺めていると、驚いたように、理解できないように、そう訊ねたときの
表情がふっと目に浮かんだ。
 あの書き付けは堅き楯を辞してから、自分の心の内を思いつくままに書き記してきた
ものだった。このまま独り朽ちていくのなら、自分が何を思い考えていたかを残して
おくくらいしてもいいかと書き始めた。
 途中から、もう会うこともないだろう、だが決して忘れえぬひとに語りかけるように書いていた。
怒るもなにも、エリン宛に書いておいた手紙を本人が読んだというだけの感覚に近い。
 そのうえ全ての書き付けは、エリンがこの家に現れた時からもう自分には必要のないものになっていた。
 それをどう説明したものか考えあぐねて、誤魔化して抱き寄せて、言葉にはせずに済ませてしまった。
 こんな状態が、いまだに慣れぬというより不思議であった。
 民衆の暮らしの中に埋没していくようにたった独りひっそりと生きていこうとしていた
この家に、エリンが突然訪ねてきたあのときから、醒めない夢がずっと続いている気さえする。
 夢でないことを確かめるように、イアルは腕をまわして眠るエリンを抱え込むように引き寄せた。
冷たげな月明かりがまともに顔に射し込んできて、彼女はわずかに身じろぎをして眩しそうに顔をしかめた。
 今夜は満月だったか、と胸元のエリンの頭に頬を寄せて窓に目を向けたイアルは、
ふと何か大事なこと思い出したような気がして眉を曇らせる。
(今夜が満月だということは、明日は確か……)
 多少厄介な事柄を失念していたことを思い出してしまった。
思い切り面倒だと考えつつ、イアルは溜め息をつきながら目を閉じた。
53イアエリ03:2009/10/20(火) 23:50:50 ID:2NHDWpvm



 その日ヤントクは、乳兄弟のイアルの家へ顔を出すことにしていて、
午後の作業を工房の職人に任せると、次に頼む仕事の材料を持って薄暗い路地へ足を向けた。
 彼が堅き楯を辞めたと聞いたときは、初めは喜んだ。今度こそ、彼は指物師として
まっとうな人間らしく生きていられるのだと。
 しかしその後の、民の間に埋もれていくというより存在自体が消えてなくなってしまうことを
望んでいるかのようなイアルの様子を見ていると、この孤独な幼なじみを哀れに
思う気持ちは以前よりも増すばかりだった。
 そう思うせいもあり、宮仕えを辞したとはいえ私怨のとばっちりを受けるかもしれないからと、
イアルはヤントクにあまりおおっぴらに家に来ないように言っていたのだが、それには耳を
貸さずヤントクは機会さえあれば訪ねるようにしていた。
 最近は用があってもヤントクの不在を見計らったようにイアルが工房に来ていることが多く、
しばらく顔を合わせていない。仕方ないので、留守にしている間にイアルが来たら次はいつ家に
行くからと言付けるように工房の見習いに言い含めておいた。
 今日は久々の訪問になるが、あいつはまたどんな面をしたものだろうか。
 重苦しさを胸の底に押し込んで、彼の住む家の前に立ったとき、何かが違う、とふっと感じた。
何がどう違うのか、わからぬままの妙な感覚で戸口をこぶしで叩こうとした瞬間、目の前の扉ががらりと開いた。
「――!」
「あ……」
 内側から扉を開け、自分を見上げているのが若い女だということに気が付いて、ヤントクは驚愕した。
 それに彼女の背後に覗く家の中の雰囲気も、前にここに来たときと大きく異なっている。
閉めきられた室内は薄暗く、ほとんどものが置かれていないのにどこか息苦しい印象が
るようなところだったのに、今や窓は開け放されて新鮮な空気が吹き込み、
明るい陽射しがきれいに磨かれた床板を照らしている。
 作りかけの細工物や作業道具しかなかったような部屋の隅には何やら荷物が置かれ、
使っているのを見たことがない竈の方からは、空腹を刺激するいい匂いが漂ってきている。
54イアエリ04:2009/10/20(火) 23:53:19 ID:2NHDWpvm
 ヤントクはぐるりとあたりを見回してイアルの姿がないことを確認すると、やりきれない気持ちと
怒りがこみ上げてきた。イアルが自分に黙って姿を消し、この家の新しい住人と鉢合わせをしてしまった
のではないかと考えたのだ。しかし、新しい住人らしき女はびっくりした表情をひっこめると、
自分より驚いているらしいヤントクの姿に、思案するような口調で言った。
「あの……もしかして、ヤントクさんですか?」
「あ……ああ」
 名前を言い当てられてたじろいだヤントクに、その女は困ったような顔つきで頭を下げる。
「ごめんなさい、イアルさんは留守なんです。頼まれていた物はもう出来てるそうですから――
ちょっと待っててくださいね」
 彼女は奥に行きかけて振り返ると、戸口で唖然としたまま立ち尽くしているヤントクに
向かって「上がってください」と促した。

 持ってきた荷物を置いて、イアルに依頼していた品を検分していると、彼女がお茶を運んできた。
ヤントクはぎこちなく礼を言って湯呑みを受け取り一口すすると、深呼吸する。
聞きたいことがありすぎて言葉にならないのだ。
「あー……それで……」
 ようやくいいづらそうに口を開くと、彼女は申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「イアルさんはいつ頃帰ってくるのかわからないんです。もしヤントクさんが来たら
品物を渡しておいてくれればいいと言われたんですけど」
「それは、かまわないんだが……えー……、あんたはいったい……」
 ヤントクの態度に戸惑ったように微笑んだ彼女は、居住まいを正した。
「ごめんなさい、名乗ってもいませんでしたね。わたしはエリンと申します。獣ノ医術師をしておりまして、ほんとうは
カザルム王獣保護場の学舎で教導師として働いているんですけど、今は訳あって要請を受けてラザルの
王獣保護場に勤めております。今日は休日ですが」
 獣ノ医術師、カザルム、王獣―― ヤントクにはまるで馴染みのないものばかりで、
その上それがどうイアルと繋がってくるのか検討もつかず、目を丸くしたままうわずった声を上げた。
「そ、それであんたは、ここに住んでいなさるんですか」
「――はい」
 エリンと名乗った女は少し照れたような表情でうなずくと、黙ってヤントクに頭を下げる。
 ヤントクはうーんと唸り、しばらくの間黙って顎を撫でていた。
55イアエリ05:2009/10/20(火) 23:56:21 ID:2NHDWpvm


 その日の帰り道、ヤントクは首をひねりながら、見てきたばかりの光景を頭の中で
繰り返し思い巡らせていた。
 幼なじみの暗く重苦しい様子を想像してきただけに、あの状況は予想外だった。
 ことを把握してから、彼女を質問責めにしそうになるのをなんとか堪えていたが、
イアルに依頼した品物の代金を渡して帰ろうとする直前、どうしても我慢できなくなって
イアルとはどこで出逢ったのか聞いてしまった。
 すると彼女は少し考えて懐かしむような声で答えた。
「カザルム王獣保護場で……真王陛下が行幸されたときに、あの人は堅き楯として
護衛についていらしていましたから」

(彼女は知っているのか……)
 そう理解したとたんにすっと胸が軽くなった気がした。
 あのイアルが――と考えると意外に思うところではないが、それだけにエリンという女の
柔らかい微笑を見たあとは胸に暖かいものが広がるのを感じる。
 しかし女だてらに王都に招請されるほどの獣ノ医術師であり、顔を合わせた時はあまりのことに
冷静に見ていたわけではなかったが、彼女の瞳は話に聞く霧の民のような緑色だった。
どう考えても職人階級の妻や娘たちのような普通の人生を歩んできたとは思えない。
 それ以外は、一見して普通の若い女だったが、子を産むたびに肉付きがよくなってきた
ヤントクの妻と違って、ほっそりとした体躯に陰のある目元が何やら神秘的で、不思議な魅力が漂うようだった。

 そしてその雰囲気はどこかイアルに似ていた。
56イアエリ06:2009/10/20(火) 23:58:23 ID:2NHDWpvm

(それにしてもイアルのやつ、逃げたな)
 ヤントクがイアルの家を訪ねる日にちはわかっていたはずなのに、
それを承知で外出したに違いない。おおかた彼女がいるときに出くわして
詳しいことの次第を説明するのが嫌だったのだろう。
 これはなんとかして問いつめなくてはなるまい。嬉しさと腹立たしさが
ごちゃまぜになった妙な気分で、ヤントクは鼻息も荒く決意した。

 その三日後、ヤントクに待ち伏せされていたイアルは、問答無用で酒場に引っ張りこまれ、
酔って管を巻くヤントクに、エリンのことについて洗いざらい喋らされるはめになるのであった。

end
57名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 00:59:31 ID:1oqP3W3s
>>49
GJ!愛されイアルさん、良すぎるw

>>50
GJ!微エロと言いつつもいい雰囲気だw
エロなくても充分楽しめる作品だと思う。このヤントク好きだw
58名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 00:36:31 ID:1kFXIwx9
>>49
部下達にも愛されイアルさんGJ!w

>>50
ちょwwwGJwww
イアエリエロだけでなく原作には描いてないヤントクがエリンとの出会いを
イアルから根掘り葉掘り聞き出す話を見てみたかったのだ!
また一人このスレに神が降臨したな
59名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 00:42:09 ID:HQpJIa8C
今度はエリンサイドで見たいな
ユーヤンにイアルとの出会いを根掘り葉掘り聞かれるパターン
意外性ではエリンのほうが断然上だろうw
60名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 06:12:59 ID:Tt3iy5M5
>49
イアルさんもやたら愛される人柄だが、部下達もいいやつ
揃いだな
こいつらイアルさんが闘蛇乗りになったとき、やっぱり
「イアル隊長スゲーよ!」になったんだろうかw

>50
待ってた
ネタかぶりはこんだけ離れてればまったく気にならないぜ!
というか、作家さんが違えばどれだけネタがかぶってようと
まったく違う作品
ここは神作品ぞろいなので、投下されるたびに嬉しいわ
特に最近イアエリ成分が不足していたのでこのタイミングは貴重

とはいえ、続けて投下してたら、後に投下した作家さんが一番気にする
パターンだったな、前スレのあの反応も気持ち分かる
次の作品も待ってるぜ!
61名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 17:26:35 ID:CP0q1MOm
アニメは萌えたけど、あれでエロを書く文才はありませんでした。

注意
一応,アニメ設定のつもりですが、原作のセリフも混ぜ込んでみました。
イアルさんのあの鎧は設定上、無いものだと思って下さい。
あれが、あると、脳内が盛り上がらなかったので…
肝心のエロはありません。
62no1:2009/10/22(木) 17:29:13 ID:CP0q1MOm
「今晩は……泊まっていくといい」
イアルは窓から細く儚げに差し込む月の光に目をやりながら言った。
「下仕えの者に用意させよう」
生々しい痛みのまだ残っている右手を庇うように、左手で体を支え
エリンに背を向ける。
「……いえ、帰ります……」
自らの過去を話していた時よりも、幾分沈んだ声を思わずエリンは
出した。しかし、振り向いたイアルに対しては、常の真っ直ぐな瞳
と声色を向けた。
「リランの世話があります」
「…しかし…この闇夜では…」
イアルは困惑した仕草を浮かべた。
常識的に考えて、女子供が一人で出歩く時間でもない。
「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫です。馬で来ましたし、
この辺の地理には明るいですし。」
先ほど、心に浮かんだ寂しさを振り払うように、淡々とエリンは答えた。

馬を繋いでおいた人気のない館の端にまで行く途中に出された、護衛をつけ
ようと言うイアルの配慮も、
「皆さん、少しでも体を休ませないと」
と、やんわりエリンは拒絶した。

*****

木の幹に繋がれていたエリンの馬が人気を察して立ち上がった。
「よしよし、大丈夫よ」
僅かに館の方から漏れて来る灯りと月の出す光しかない闇の中で、馬
が興奮しないよう、小さく嗜めるような声を出しながらエリンは馬の側に
そっと寄った。
馬はエリンの耳元に顔を寄せ、体の動きを止める。

「――ありがとうございました。イアルさん」
背をピンと伸ばしあらたまるエリンに、イアルは不可思議なものを見るよ
うな遠い瞳を向けた。
「あなたが私に礼を言う必要などは何もない」
困惑気味のイアルにエリンは首を振る。
「そんなことはありません……あなたのおかげで、私は一刻救われました。」
スッとエリンは一息を吐いた。
「あなたとお話をしている間……私はリランの事を忘れる事ができました。
……起こしてしまった事も、これから起こる事も…」
一語一語噛み締めるように話すエリンをイアルは複雑な面持ちで眺めた。

この国のゆがみがわかってしまった以上、この娘に安穏な先が存在しない事
は嫌でも想像出来てしまう。
――王獣を操る娘
その存在価値の重さを一番感じているのは、目の前の本人なのだろう。
「それは、良かった」
本心からイアルはそう思った。
また、そう思う事で自分の心をも落ちつかせたかった。
自分にもエリンにも穏やかな明日は無いと確信しているだけに、その思いは
心の深い所での真実だった。
63no2:2009/10/22(木) 17:34:13 ID:CP0q1MOm
*****

ふと、イアルの左頬に何かが触れた。
「??」
小刻みに震える、エリンの掌だった。
「死なないで下さい」
イアルは瞬間息を飲んだ。
「闘蛇にあれほど近づいて生きて帰って来た人は、あなたくらいです。
どうぞ、その命大切にして下さい」
エリンの脳裏には、闘蛇の口に刀を向ける猛々しいイアルの姿があった。
そして、あの時の後ろ髪引かれる身を引き裂かれそうな思いが胸の中に渦巻く。

「ありがとう」
イアルはエリンの柔らかな掌に、自らの掌をゆっくりと重ねた。
そして、しばらく掌中と頬の間にある温もりを惜しむように愛おしみ、
エリンの手をゆっくりと下へ導いた。

次の瞬間、イアルの手はがっしりとエリンの背中に回された。
突然の動きに、エリンはバランスを崩す。
そのエリンを庇おうとしたイアルも体を揺らす。
芝の上に二人は倒れ込んだ。
馬が驚いて息を鳴らした。

「だっ……大丈夫ですか??」
これ以上無いだろうと言うくらいに目を大きく見開き、エリンは自分の下敷
きになったイアルを見下ろす。
イアルからは満天の夜空に溶込みそうな、エリンの心配そうな表情が見えた。
「大丈夫だ」
イアルは目を閉じ、薄く笑った。
「本当に、今日はどうかしている」

エリンは後頭部に突然込められたイアルの掌の力に従った。
唇と唇が優しく触れ合う。
ゆっくりとそれを離すと、闇の中で互いの視線がぶつかりあった。
戸惑う様子を見せつつも、エリンは落ちついていた。
「私も…どうかしているのでしょう」
そう言って、今度はエリンから顔を近づける。
押し込むようにスッと、イアルの唇に唇を寄せる。
互いにその熱っぽさを味わうように、僅かに唇をずらす。
その際に漏れる吐息が、頬にあたり、イアルの指がエリンの背中をスッと這い
あがる。
上等の絹の上を優しく滑らすように指が動いた。
「!!」
瞬間、エリンは体の奥に生じた疼きに驚き、顔を上げた。
「あっ……」
頬の上部に熱っぽさが集中している。
この闇の中では、気付かれる事はないと思いつつも、エリンに気恥ずかしさが
こみ上げて来た。

64no3:2009/10/22(木) 17:36:48 ID:CP0q1MOm
*****

「星が綺麗だな……」
イアルはそんなエリンから視線を外した。
「夜空なんて、眺めたのは、いつの頃だったのだろう?」
自嘲気味に呟き、ゆっくりとイアルは瞼を閉じる。
「少し……休みたい」
夜空に投げ放つように小さく呟き、エリンの背にあった左腕を芝の上に落と
した。
「……そうして下さい」
エリンは体をイアルから静かに離す。
「あなたも…少し休むといい…」

強い風が流れた。
庭の大木を埋め尽くしていた薄桃色の花びらが、ほんの少しだけ、離れたこの
場所にも舞って来た。

エリンは少しの間、緊張気味にイアルの顔を見つめていたが、口元をふと緩め
ると、ゆっくりとその放たれた腕に頭を預けた。
そして、無防備に天空を仰ぎ見るようなイアルの隣に寄り添うように体を横た
える。
その腕は、ぎこちない動きをさせながら、エリンを自らの胸元に引き寄せた。



エリンはつかの間の眠りに落ちた。
闘蛇の甘い香りが、エリンの中に入り込んで来た。

fin


65名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 20:03:58 ID:VZYmrdgr
GJw
66名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 22:52:39 ID:pf0DCtTY
>>61 GJ!
エロは無いのにエロス感漂ってるなw
67名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 15:43:05 ID:JkVLOTaz
支援絵描いてみました。新婚エリンXイアルです。
http://uploader.sakura.ne.jp/src/up1220.jpg
68名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 17:31:25 ID:Z0GMVUVP
前にも書いてなかった?違う人?ローカルルールは読もうよ。
69名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 17:39:47 ID:JkVLOTaz
<67申し訳ございませんでした。画像は消しました。
70名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 19:35:54 ID:bMJ7yBZ8
>>61
GJ!

>>60
正直に言うと、前スレで取り乱していたのは自分です。
>>50さん、痛書き手と取り違えられて申し訳ない。
前スレでは、被っていた手記部分は省いて投下しました。
このスレの書き手陣は、凄過ぎて、正直凹むことがあるw

>>59
エリンからユーヤンへは、ひとまず手紙で報告ということで。小ネタ。
※偽関西弁注意。※紛らわしいけど、縦読みではありません。

― ― ― ― ― ― ―


『ユーヤン元気?カシュガンも子どもたちも変わりはない?
 きょうは、ちょっと驚かせる報告があります――』

ちょっ、聞いて! カシュガン、大変や! 昼間にエリンちゃんから来た手紙のことやねんけどな、
エリンちゃん結婚しててんて! ほんまやって!! うちの早とちりとちゃうんやって!
…それがな、相手はトムラ先輩とちゃうねん。なんや、王都で知り合った指物師って書いてるわ。
どうやって知り合ったかは書いてへん。えーと、
『きっと、ユーヤンは色々と知りたがると思いますけど、その人は冬の木立のような人です』やて。
…どんな人なんやろうな。
でも、ほんまに驚くなぁ。あの二人お似合いやと思ってたのに。
甲斐性なしって……うわ、そないに言うたったらあかんって。あんだけ仲良かったのに……。
ちょっ、あかん、あかん。ほんまに洒落ならへんやん。
トムラ先輩は、いい人やと思うで。
……けど、いい人すぎたんや。
やっぱ、女には、ちょっと影のあるくらいの人の方が魅力的に見えるもんやし。
なんや、冬の木立っていうのは、ようわからんけど、エリンちゃんにはお似合いかもしれへんわぁ。
え? なに? うち? もー、何言うてんのよ、うちにはあんただけやって。知ってるくせにぃ。
そんでな、赤ちゃんも生まれるらしいで。
ほんまやって! うちもびっくりやわ。
あのエリンちゃんがお母ちゃんやで。まあ、リランのお母ちゃんみたいなもんやったけど。
あー、生まれたら会いたいわー。男でも女でも、緑の目のべっぴんさんやろなー。
そや、うちの子たちのお古送ったろか?
赤ちゃんのもんは、使い込んでる方が肌当たりが良くてええし。
あかんって何で?
うちで使うって…そうやなぁ。そろそろ、…って、やん、いきなり…あかんって…。


おしまい。
71名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 19:37:49 ID:bMJ7yBZ8
連投申し訳ない。
原作イアエリ ↓5レス
家族旅行編 ジェシ3〜4歳くらい
※原作未読の方はご注意ください。
※ほのぼの家族旅行とエロパロとしっとり。色々詰め込んでごめんなさい。
※新婚から数年たって落着いた二人…の筈。
※NGはIDでお願いします。
721/5:2009/10/23(金) 19:38:34 ID:bMJ7yBZ8
空に近いせいだろうか、足元が覚束なくなるような不安を感じさせるほどの星空だった。
彼が生まれ育った王都やカザルムで見慣れている空とは、明らかに星の密度と闇の濃さが違っている。
ジェシが、見られているようで怖い、とエリンにしがみついて早々に小屋の中に入りたがったのも、
臆病さ故とは言いきれないだろう。
幼いながらも、魂の根源から起こる畏怖の念を感じたのかも知れない。
夏の山の芯から冷えさせるような冴えた空気の中で、イアルは空を見上げて立ち尽くしていた。
草原一面の花は日暮れと共に花弁を閉じたが、まだその芳香が大気に微かに残っているようで、
深く息を吸って、夜露で湿った草の匂いを肺に収めた。
保護場の王獣しか知らない彼ですら、王獣を見るたびに胸の底に痛みを感じていたのだから、
このカショ山で暮らす王獣を見てしまった彼女が、人の手で飼われ、飛ぶことすら奪われた王獣に
耐え難い思いを抱いたのは無理なからぬことなのだろう。
野に在るべきものを野に返したいという彼女の思いの源に触れることで、その強さが改めて
胸に迫り、イアルは目を伏せた。

カザルムの地に移り住み、数年が経つ。
指物師と女教導師という不釣り合いな夫婦に近隣の住人は移り住んだ当初は奇異な目を向けたが、
今では彼ら親子三人は、それなりに受け容れられている。
それには、やはりジェシの存在が大きいのだろう。夫婦二人であれば、王都に居た時と同じように、
特に近所付合いなどをすることもなかったかも知れない。
カザルムでも、近所の衆に頼るつもりも深入りする気もなかったが、ジェシの誕生前後の
慌ただしい時期には、なにくれとなく手と口を出してくる人々の存在には戸惑わされることも
あったが、素直に有難くもあった。
ジェシが赤ん坊だったころ、夕刻になると激しく泣き続け、どうしても泣きやませることが出来ずに
二人で途方に暮れていたことがあった。そこへ現れた近所に住む老婆が、軽く揺すっただけで
寝かしつけてくれた時には、心底ホッとしたものだ。
慣れぬ子育てにあたふたしているうちに、歳月が過ぎ、ジェシは赤ん坊からやんちゃ坊主になった。
華奢なジェシが年上の子どもたちの後を追いかけまわして、みそっかすになりながらも
楽しそうにしているのを見るにつけ、人は人の中でしか生きられないことを強く感じさせられている。
だが、人々の中で生き、情に触れるたびにイアルの心に暗い影が落ちる。
彼が討った刺客とて、誰かの良き父であり、夫であり、子であったのかも知れないのだ。
この国の歪みの中で奪った命の上に積み上げる幸福の痛みは、年を経るごとに
増していくようだった。

小屋の中から、妻と子の話し声がする。
妻の抑えた声に対し、息子の声は眠りに抗おうとするかのように、か細く甲高い。
戸を隔てているため、その内容まではわからないが、きっとまた際限のない質問で母を
困らせているのだろう。
この頃、息子は、何に対しても「どうして?」と「なに?」を繰返す。
時折り辟易とさせられもするが、あの年頃の子どもとは、えてしてそういうものだという。
自分が生まれてきた世界を与えられる回答を通して知り、再構築しようとでもするかのように
延々と質問を繰り返す。
寝床の中で寄り添う二人の姿を思い浮かべ、イアルはフッと笑みを漏らした。
あの二人はよく似ている。
手を繋いで草原を歩く二人の後をついて歩いた時に覚えたのと同じ感慨が胸に満ちた。
――あと何度、共に夏を迎えられるのだろうか? 
微かに聞こえる子守唄に、腹の底がぐっとせり上がるような疑念が湧起こる。
いつもは胸の底に上手くしまっている不安が、こんなに露わになっているのは、あまりにここが
静かで、今の自分が満ち足りていると感じるからだろうか。
幸せというものを素直に味わえない己に自嘲を覚えていると、かすれた軋みを立てて戸が
細めに開き、炉の灯りが彼の足元に長い影を作った。
ぬくもった空気と共に夜着に外套を羽織ったエリンが滑り出てくる。
「寝たか?」
「ええ、ようやく。興奮しすぎてなかなか寝つけなかったみたい」
エリンが戸を閉め、寒そうに肩をすくめた。
彼が半歩ほど身を引くと、そこに出来た隙間に彼女がぴったりと寄り添う。
頬にあたる彼の衣の冷たさに彼女が顔をしかめた。
「あなたの外套も持ってくるわ」
「いいよ。起こしたら、また面倒だ」
暖を取るように彼女の腰を抱き寄せると、ピクリと衣の下で彼女の肌が震えるのが掌に伝わってきた。
彼女が小さく息を漏らし、微かに唇を開いて彼を見上げた。
732/5:2009/10/23(金) 19:40:35 ID:bMJ7yBZ8
やましい気持ちで触れたつもりではなかったが、こんな目で見上げられると彼は苦笑するしかない。
咎めだてるような瞳の奥に戸惑いと強い欲望が透けて見えている。
この休暇のために二人ともこの一月ほどは慌ただしく過ごしていた。
それこそ、睦み合う暇もないほどに。
「――エリン」
ジェシが片言で話し始めて以来、互いの名を呼ぶことが減った。
だから、それが二人の合図になる。
エリンが慌てたように空に目を転じた。
「……綺麗でしょ。夕焼けも美しかったけど、ここは日の出もすばらしいのよ」
「そうか」
腰に回した手で外套越しに彼女の背をくすぐるように撫でると、エリンが眉を上げた。
「あのね、明日は川に行かない? 流れの静かな所があるの。浅いからジェシでも遊べるわ」
「ああ」
さわさわと背骨から臀部へと手が滑ると、彼女の身体が跳ねる。
もう一方の彼の手が彼女のうなじを揉みほぐし、指先を咽喉に伝わせると、その冷たさに
顔をしかめながらも、開いた唇から熱い息が漏れた。
何食わぬ顔をしながら手を休ませることのない彼をエリンが恨めしそうに睨む。
「……風邪ひくわよ」
「すぐに熱くなるよ」
「ああ、もう……たまには二人でゆっくり星を見たかったのに…」
拗ねたように頬を膨らませながら、エリンが彼の手を取ると両手で包み込んだ。
冷え切った彼の手をゴシゴシと擦り、温かい息を吹きかける。
再び、はぁっと開けて息を吸い込んだ唇をイアルの唇が覆った。
濡れた唇の内側がぬめり、無防備になった舌に熱い舌が絡まる。
「…あ……んっ」
ザラザラとした表と滑らかな裏が互いに擦り合い、競い合うように蠢く。
口内に溜まった唾液を飲み下すとどちらの口とも知れぬ辺りからチュッと甘い音が鳴る。
エリンの手に包まれたまま、彼の手が胸元に導かれる。
外套の前を開き、夜着の上から胸を揉むと、柔肉は掌にしたがって形を変えていき、
重なった唇の中の吐息が更に熱を増していく。
彼の袖をつかんで体重を預けてくる彼女の身体を戸の脇の壁に押し付けると、イアルは彼女の
首筋に唇を這わせた。
冷えて無機物のように感じられる彼の鼻と頬が咽喉に触れ、肌の熱が奪われる。
粟立つようなその感触も快感となり、吐息が漏れた。
イアルの唇が胸元へと滑り落ちていき、合わせ襟からこぼれた乳房に軽く歯が立てられる。
ひんやりとした空気が肌を打ち、より密着させようとでもするかのように、エリンが彼の頭を
両手で掻き抱いて、その冷えた耳朶を親指と人差し指でいつくしむように撫でた。
湿った舌で乳首を転がされて、彼女の下腹部が疼く。
両手と唇で胸を責め続ける彼の肩につかまり、じんわりと潤んでくるものを抑えるように
腿と腿を擦り合わせる。
乳房と脇の際から腹へと滑っていった手は、彼女の期待に背くように腰をさすったままで
それより下には行かずに留まっている。
もぞもぞと膝頭を擦り合わせる彼女の太腿を撫でながら、ひざまずいたイアルが
彼女の腹に口づけた。
腰骨や内腿をくすぐりながらも、肝心のところに触れようとしない彼に焦らされる。
「……意地悪……」
「何がだ?」
上目遣いに見上げた彼の瞳に人の悪い笑みを見てとり、エリンは鼻を鳴らした。
「知ってるくせに…」
夜着の裾をまくって袴の上から彼が軽く食むと、彼女の中心の疼きは更に強くなる。
思わず、彼の肩に爪を立てた。
「……イアル……」
息を乱しながら、甘えた声で名を呼ぶと、彼がゆっくりと彼女の袴と下着を膝まで下ろした。
星明かりの中で曝け出された肌が仄白く光る。
彼女の肌から熱を奪って温まった指が、茂みを分けて肉芽を探りあてる。
すっと滑った指が合わさった秘唇を開き、その中から滴り落ちる蜜をからめとった。
潤いを得た指が、彼女の肉芽を撫で、ぐちゅりと襞の中に潜り込む。
膝を開いた彼女が、もどかしげに片足から袴と下着を引き抜いた。
743/5:2009/10/23(金) 19:41:29 ID:bMJ7yBZ8
彼女の脚の間に潜り込むようにひざまずいたイアルが、顔を寄せ、両手で彼女の腿を開く。
露わになった秘所からは濃厚な牝の匂いが甘く漂い、彼の下腹部をひどく刺激した。
舌を這わせ、肉芽に舌を巻き、吸うと、彼女の身体が震え、彼の肩に置いた手に一層の力がこもる。
「……あ…っ…」
外套で覆われた彼女の腿の間からくぐもった水音が響く。
尖らせた舌が肉芽の皮をめくり、彼女が身体を仰け反らせた。
背を壁にこすりつけ、爪先立ちになって、強すぎる快感から逃れようとする彼女の腰を
彼が両手でしっかりと抑えつける。
「やっ……だ…め……」
与えられる刺激に葛藤が起こる。
身体は知ってしまっている。この刺激を受け続ければ、手っ取り早く絶頂を得られることを。
だが、更にその奥の下腹部には自身の空虚さを早く埋めて欲しいという渇望がある。
今すぐに彼が欲しいと疼きながらも、今の快感も貪り尽くしたい。
淫らな欲望に揺れる彼女の股間から彼の唇が離れ、太腿がゾロリと舐められ、歯がたてられる。
突然、そこから断ち切られた快楽に、不安に近い焦りを覚えた。
「――いかせて欲しいのか?」
抗いがたく響く声と添えられた指の熱さに思わず彼女は頷いた。
慣れた指が肉芽を転がし、瞬く間に彼女を高みに導いていく。
「ふぁ…んんっ……は…あ…――っ…! あぁぁっ!」
一瞬、彼女の身体が硬直し、彼の背に覆いかぶさるように身体が前のめりに倒れた。
荒い息が衣越しに彼の背を温める。
彼の肩についた手が滑り、イアルは立上がりざまに、彼女の身体を抱きとめた。
彼女の腕を自分の首に絡ませながら、腰を抱くと、更に細かい痙攣が彼女の身を震わせる。
膝をガクガクと鳴らし、しがみついてくる彼女の耳元に低い声で囁きを落とした。
「いいか?」
「……ここで?」
頬を上気させた彼女が戸惑いがちに問い返す。
ここまで盛り上がってしまうと、狭い小屋の中で声を忍んで交わることは出来そうにないが、
さすがに屋外で、というのは気が引けた。
「それとも、厩を借りるか?」
苦笑交じりの声にエリンも弱い笑みを漏らす。
厩では借りてきた荷馬車用の馬達が長旅の疲れを癒している。その眠りを妨げるのも気の毒だろう。
彼女はチラリと足元に目を遣った。夜露で湿った草の上では衣に染みがつきそうだ。
思案する彼女に焦れたのか、イアルが彼女の身体を引っ張り上げた。
彼女の肩を壁に押し付け、腰を強く引き寄せると、帯と自身の筒袴の前を緩め、濡れた屹立の先端を
あてがった。
「……だめよ…こんな所で……」
上ずった彼女の声が、やけに淫らに響いた。
なじろうとするのか誘っているのか、なおも開いた唇を唇で塞ぐ。
前がはだけ、もはや、衣を留めるという本来の用を為さない彼女の帯をつかんで身体を
少し浮かせると、腰を落とし、上へと向かって侵入していく。
「あぁ…っ」
いつにない性急な動きに、彼の昂ぶりが伝わってくるようで、エリンの欲望も高まる。
「……きもち、いい……」
吐息まじりの言葉とともに、拒むためではなく、より深くに迎え入れるために締めつけが起こり、
イアルが眉を寄せ、深く息を吐いた。
熱をおびた彼女の息が鼻に当たる。
たわめた膝を伸ばすと、窮屈な肉壁を押し広げながら根元まで深く突き入れた。
彼女の背で外套が壁とこすれ、身体がせり上げられた。爪先が浮き、突っかけただけの履物が
草の上に落ち、すらりとした彼女の脚が彼の腰に巻きつく。
彼の手が外套の中に忍び込み、まろみを帯びた尻を抱えると、彼がグッと腰を使った。
「くぅ――ッ…」
彼女が彼の肩口を噛締めて咄嗟に上がりかけた嬌声を呑みこんだ。
闇に浮かぶ白い膝がゆさゆさと揺れ、グチュグチュと結合部が鳴る。
深く呑みこみ、包みこまれる安心感の後には、より強い刺激が欲しくなる。
イアルは彼女の身体を下ろすと壁向きに立たせた。
外套が脱がされて、草の上に落ちる。火照った肌には突き刺すような夜気が心地よかった。
壁に手をついた彼女の背にイアルの腹が当たり、再び、彼女は満たされた。
馴らすように何度かゆっくりと出し入れされ、彼女の踵が規則正しく上下する。
彼女の唇から深い息が漏れ、彼は彼女の片膝をぐっと抱え上げて、身体を傾がせた。
754/5:2009/10/23(金) 19:42:10 ID:bMJ7yBZ8
屹立を深く突き立てると、側壁を先端が抉りながら奥へと到達する。
いつもとは違う場所を責められて、彼女が背をしならせた。
内臓を斜め上に持ち上げられるような強い刺激に、高い声が出る。
その声が広い草原に虚ろに響くようで、彼女は慌てて口を閉じた。
「…あ…あんっ! だ…めっ! ああぁっ!」
「何がだめなんだ?」
前に回した手で彼女の乳房を弄びながら、やや温度が上がってきた耳朶を舌でねぶる。
コリコリと押しつけるように動くと、彼の胸に彼女の背筋の震えが伝わってくる。
「……こえが…でちゃう」
喘ぎ交じりの呟きにイアルの頬が緩む。
手練手管ではない、正直な言葉なのだろうが、これほどに男を駆り立てるものはない。
もう数え切れないほど彼女を抱いているが、その度に見たことのない彼女の側面を発見し、
煽られる己を感じる。
乳輪をなぞっていた手を彼女の口元に移すと、腰を深く打ちつけた。
急に与えられた衝撃に彼女の脊椎に痺れが奔る。
彼女の喘ぎを受け止めた彼の掌に熱い空気の塊が広がる。
高まる快楽の行き場を求めるように、濡れた唇が彼の掌を食み、口淫を思わせる動きで舌が蠢いた。
抽送に合わせて、掌の中の熱が激しさを増し、ハッハッと短い間隔で息が打ちつけられ、
塞がれた口の中で声が振動に変わって、彼の手を震わせた。
「ふっ…んぅ…ぅっ…」
鼻から洩れる声に余裕がなくなり、よがり声がすすり泣きに変わるころに、ようやく彼は
抱えていた脚を下ろし、背後からまっすぐに貫いた。
奥底を打つ慣れた感覚に、彼女が安堵に似た声を漏らす。
口を覆っていた手を離すと、やさしく彼女の頬を撫でてから腰をしっかりとつかんだ。
小刻みな律動で互いの肌が打ち鳴らす音と水音が響く。
壁についた彼女の手が握りしめられ、身体が弓なりに仰け反る。
「…も、うっ…わたし……!」
「ああ……いっていいよ」
熱い息の混ざった声が耳朶を甘く打ち、彼女の身体に一瞬、力が入る。
きゅうっと締めつける熱い渦に絞られるように彼は欲望を解き放った。
765/5:2009/10/23(金) 19:43:26 ID:bMJ7yBZ8

懐から出した手拭いをあてがうと、ゆっくりと自身を引き抜いた。
溢れだしてきた己の欲望の塊が手拭いにじんわりと沁み込んでいく。
急激に汗が冷え、体温が下がっていくにつれ、頭も冷めていく。
「……まったく、こんな所で何をやってるんだろうな」
自嘲気味に呟くと、腕の中でエリンが鼻を鳴らした。
「今更、何を……わたしは、だめって言ったわよ」
頬を上気させ、快楽の余韻でトロンとした瞳で強がっても説得力の欠片もない。
「おまえのだめは、信用ならないからな」
彼は薄く苦笑を浮かべると、彼女の股に押し当てていた手に微妙に力を加えた。
「あっ…ん、…もぅ…だめだって……」
甘く蕩けた声に彼が微笑み、彼女のうなじにとどめとばかりに唇を押しつけながら、
指で尖った秘芯を弾く。
「あっ……」
彼女の顎が仰け反り、彼の胸に彼女の体重がかかる。。
くったりと力の抜けた身体を抱きかかえて腰を下ろすと、イアルは背を壁にあずけ、立てた膝の間に
彼女の身体を挟みこむ。
外套を拾い上げると彼女の身体と自身の膝を包み込むようにそれを広げた。
その中で気だるげに袴を穿き、衣の乱れを直すと、二人は黙って空を見上げた。
さっきとは星の位置が大分違う。
「――ねえ、何を考えていたの?」
「うん?」
眠そうな彼の声に彼女がクスッと笑みを漏らす。
「さっき、空を見ていた時」
一瞬、彼女の身体に回した彼の腕に微かに力がこもった。
まるで、彼女を離すまいとする己を制するかのような相反する動きが筋肉を震わし、
彼の惑いを伝える。
「……別に。ただ見てただけだよ」
静かな声にエリンが口を開こうとした時、サッと冷たい風が草原を吹き渡り、イアルが彼女を
強く抱きしめた。
その腕の中で身を縮めて風をやり過ごしながら、一人で立ち尽くしていた彼の背中を思い出し、
言葉を探した。凍てつくような光を放つ星空の下で彼は何を思っていたのだろうか。
だが、彼女の全てを包み込もうとするこのぬくもりに報いる言葉は一つしか思いつかなかった。
「……あなた、ありがとう」
「ああ」
何に対しての言葉なのか、訊き返すこともなくイアルは腕に力を込めた。
背中に感じる彼の体温と鼓動を刻み込むようにエリンは深く目を閉じた。
同じ空を見て同じ時を過ごしている。たとえ、見ている星は違っていたとしても。
今はそれだけで十分だった。


手で口を覆うのが間に合わず、盛大なくしゃみが数度続けてイアルの口から洩れた。
ポカンとしたジェシが一瞬間を置いて笑いだす。
「おとうさん、なんで、そんなにくしゃみしてるの?」
「山は冷えるからな。風邪をひいたみたいだ」
「なんで、おとうさんだけ?」
言葉につまった彼を見て、ふふっと笑ったエリンが素知らぬ顔で片づけを始める。
「……おまえがお父さんの布団をとったのを覚えてないか?」
「えー、ぼくとってないよー。おきたときには、ちゃんとぼくのふとんをかぶっていたもん!」
「いや、ひどい寝相だったぞ」
「ちがうよー」
「おまえは寝てたから覚えていないだけだよ」
子どもをからかうのはそれくらいにしてちょうだい、とエリンが苦笑し、手提げに入ったファコを
ジェシに見せる。
「川に遊びに行くわよ。魚を捕っておかずにしましょう。二人とも頼りにしてるわよ」
わー、と声を上げた息子を肩に担ぎあげると、イアルは戸を開けた。
夏の日射しを受けて花畑が輝き、眩しさに目を細めた妻が少女のように微笑んだ。


<了>
77名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 19:59:39 ID:dKC4z6W7
>>70-76
リアル投下だwGJ
ユーヤンはエセ関西弁でちょうどいいwイアエリファミリー編もいい
神作品ありがとう
78名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 21:21:03 ID:8sQ6fSg9
>>70
GJ!
79名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 23:31:36 ID:/1p/q5Fo
>>70
濃厚なエロを有難う。GJ
80名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 07:34:14 ID:GVpgDA3Y
>>70
GJ!
ユーヤンには手紙だよなやっぱw
イアルさんは「指物師」しか言う必要ないしな
エリンはユーヤンに約束してた「特磁水の成分を知ってる理由」はちゃんと
話したんだろうか 下手すると遺書代わりの手紙とかw


>>71
うわあぁあぁあぁあぁ!!!! GJです!!!!!!!
家族イアエリ無いなーと思っていたのです!
子供が生まれてもなんか新婚!!!
というか一緒の歳月を重ねた感じがエロくてイイです!!!!!
81名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 07:25:01 ID:1oxn5m7R
※続編ネタバレを含みます。未読の方は、回避して下さい。

ロラン×オリで、 >>12->>16 の続編です。
前作にGJ下さった皆様ありがとうございます!
少ないながらも濃いGJ頂きました。

完結編始まって1年後の設定です。前の話から数えて3年後。
初回読んだときは探求編から完結編の後半で再登場するまでラーザに行きっぱなしか?
と思ってたんですが、隊商都市のほうもウロウロしてるような記述があるし、何回か
帰っててもおかしくない・・・
いやむしろ手紙だけでは伝わらないことを報告するために少なくとも一旦帰るだろ、
ということで完結編冒頭の手紙から一年後にしてみました。
はじめ手紙が届いた数ヵ月後には・・・とやりかけたんですが、熟読するとやっぱすぐには
帰れなさそうなので。
スレ変わってるので年齢設定再掲。
ロランはオリの8歳年上、と言う設定で、
現在 ロラン→30  オリ→22
完結編は時の流れが速いから、すぐに年取ってしまうわ・・・。
オリが婚約発表するのがアマスル戦の後、ってことは作者的にオリにもアマスルの惨状を
見てから嫁に行って欲しかったんだろうな・・・。年齢が高くなっても。

オリは、活動的なので髪は結ってるイメージです。細かく編みこんであると面倒な
ことに(笑)なるんですが、毎朝ぐるっと結い上げて大きな髪留めで止めるようなやつです!
服は、チャイナ系の乗馬服(チャイナ服の両脇に深くスリット入って、ズボン型の筒袴と
組み合わせてるやつ。チャイナ服の原型と言ってもよし)で考えて書いてます。
なんだかオリが、婚約内定時で25歳ってことで、年齢をカバーして余りある価値、って
経験であって欲しいなあ・・・という願望から色々妄想設定入れてます。邪魔なほど。
このくらい設定無いと自分は萌えないんで! 読み飛ばしても可☆
それから、オリは前回「すぐにヤッちゃうのも躊躇われるほどの処女」って脳内設定だった
ので、そういえば寸止めでまだ処女だった今回も、その辺重視して書いてみました。
痛いの苦手な人も注意。
オリジナル設定苦手な人は、スルーでよろしく!
82其の一:2009/10/25(日) 07:27:47 ID:1oxn5m7R
オリは先を急いでいた。
息が上がって苦しい。心臓が早鐘のように鳴っている。
それでも、急いで、急いで、わたしの足よ。
「――!!」
人影が目に入って走るのを止める。通されるとき中庭にいる、と告げられたその人は、
ゆったりとした部屋着に身を包んで、花の傍に佇んでいた。
柔らかな午後の光が庭園の花達をいっそう輝かせている。砂漠と草原の彼方から戻って
きたばかりのその人は、久しぶりに見るこのアマスル城のみずみずしく美しい庭を、
どんな想いで眺めているのだろう。
「――ロラン。」
人影はゆっくりと振り向いた。褐色の肌に、鳶色の瞳。オリは、この国で彼以外にこの
組み合わせを見たことがない。
旅のあいだにどれだけの労苦を重ねたのだろうか、骨格は幾分逞しさを増していたが、
頬からも身体からも随分と肉が削げ落ちていた。瞳の影は深く、表情には憔悴の陰が
見られたが、わずかに目を大きくして驚いた顔になると、昔と変わらない気がした。
「・・・オリ?」
「・・・お帰りなさい・・・」
それだけ言うのがやっとだった。急に止まったせいで、汗が一気に吹き出て、喉が痛い。
次に起こったことも予想外で、更に言葉を失ってしまう。ロランが、いきなり彼女の
袖を引いて抱き寄せたのだ。
「逢いたかった・・・」 
彼は耳許で小さくそう囁いた。
訊きたい事が、たくさんあった。言いたい事も、たくさんあった。彼が一昨日アマスルの
城に戻ったという知らせを聞いてから、何から話すのかずっと考えていたはずなのに、
こうして広い胸に抱きしめられると、すべてが弾け飛んだ。
鼻の奥がツンとして、駄目だ、泣いてしまう・・・と思ったときには、もう涙が零れていた。
彼は腕の中で嗚咽をこらえる彼女を眺めながら、その涙が止まるまで長いあいだそうして
いた。

「共もつけずにここまできたの? 馬を駆って?」
いくら待っても彼女の共が現れないことを見て、ロランが尋ねた。
彼女の衣は、乗馬にも使える動きやすいもので、そのわずかな乱れ方と匂いから、馬車
ではなく彼女自ら馬を駆ってきたことは明らかだった。ただしその布地は豪奢な絹で、
壮麗な刺繍と相俟って、彼女の身分の高さを示していた。
「近頃では、そんなに珍しいことではないのよ。大公城からここはそんなに離れて
いないし。」
彼女は、2年前からわずかな護衛だけを連れて自ら馬を駆り、大公城を拠点として、
大公領の視察を繰り返していた。兄上の政(まつりごと)の助けとしてだけでなく、
只の「大公の妹」であるうちに見ておかなければならないものが、沢山あるような
気がしたのだ。
彼女は大公城に寄せられる陳情を、順に現地へ赴いて話を聞いた。陳情書を書いた者
だけでなく、官吏や専門家、身分の低い民の話も、積極的に聞くようにした。そうして
得られた見聞は、書面にまとめて、王宮に居る大公へと送っていた。
その関係もあって、近場で、官吏の詰所のような危険の少ない行き先なら、彼女ひとりで
出かけることもあった。
83其の二:2009/10/25(日) 07:30:54 ID:1oxn5m7R
「ああ・・・、姉上が言っていたよ、大公領のあちこちに出かけてるんだって? もう立派な
大公の右腕だって、褒めてた」
彼女の顔がさっと赤らんだ。アマスル伯の娘で、時期アマスル伯の妻である彼の姉の
言葉を、しかも彼女にとって過分の褒め言葉を、彼の口から聞くのはなんだか
凄く面映かった。
「そんなに買いかぶるほどのことではないの・・・。机上での勉強と同じくらいの気持ちで
始めてしまって。解決法を考えているのはわたしでなく、それぞれの当事者だし、
わたしのほうは勉強になるというよりは、分からないことばかりが増えて行くという
感じで。」
地方官吏のあいだでは、直接聞いたわけではないが、大公の一族がいきなり地方にやって
くることに不快感を示す者も少なくなかった。自分達の報告では不足なのか、という憤りが
あることは、彼女も感じていた。
それでも、敬愛する兄である大公が、彼女の働きを支持し、評価してくれているという
ことが、彼女の力になっていた。
彼は、彼女の働きが国にとっていかに重要か、しかも大公の妹たる彼女自身がそれを考え、
行動したことが民の目にどう映るか、姉から話を聞いたときにすぐに理解したが、いまは
それを言い募るのは止めた。
「ねえオムリ、」
彼は、この幼馴染を、呼びなれた愛称で呼んだ。
「異国への旅から帰った後は、とても人恋しくなるんだよね。・・・そんなときにひとりで
会いに来るってことは、どういうことか分かってる?」
「分かっているわ。」
彼女は即答した。
「わたしももう22なのよ。自分がしていることくらい分かっているし、その責任も取れるわ。
・・・3年前の続きを、してもらいに来たの。・・・わたしに、」
彼女は澄んだ瞳で彼を見つめ返した。
「一生消えない、傷をつけて。」


オリが通された彼の部屋は、懐かしい昔のままだった。そこに入っているものは違うの
だろうが、家具もその配置も変わっておらず、足を踏み入れた瞬間、ひととき少女の頃に
戻った気がした。持ち主が不在の間も行き届いた手入れがされていたのだろう、細かな
ところにも埃は無く、あの頃のように心地良い風が入っていた。
彼女がこのアマスルの城に来るときはいつも、この部屋に真っ先に飛び込んだ。部屋の
扉は彼女に対していつも開かれており、居心地のよいこの部屋で、彼女の知らない異国の
話や不思議な物語を聞くのが大好きだった。二人で外に出て、日が暮れるまで野山を
駆け回ることもあった。
年頃になったのだから慎みなさい、と周囲にたしなめられて、この部屋が急に遠のいた
のはいつの頃だっただろうか。少なくともその頃には、彼女の心には恋心が芽生えていた
ように思う。
84其の三:2009/10/25(日) 07:32:45 ID:1oxn5m7R
「あなたがアマスル伯にあてた手紙、わたしも読ませてもらったわ。」
手紙、というより報告書と呼んだほうがいいのだろうか。
彼からの手紙は数度にわたって密使によりアマスル城に届けられていた。敵国に秘する
ため機密扱いであったが、大公の妹たるオリにはそれを目にする機会があった。
それを読んだ人々は、オリの知る限り、例外なく驚嘆した。まずはかの国の大きさ、
豊かさに。それからこの手紙を書いた人物の観察眼に。
その記述は政の仕組みから商いの様子、信仰、習慣、風俗など多岐にわたっていた。
とりわけ政と信仰に関する情報は重要で、その文書は黄金以上の価値がある、と
言われた。兄上と真王陛下が望んでいるようにラーザとの和平交渉に持ち込むことが
出来れば、その価値は更に跳ね上がるのだろう。
だからだろうか、彼の記述は、かの国の人々の考え方の筋道がわたし達のそれとは
違うこと、何を喜び、悲しみ、怒り、そして忌避するのか、という部分に多くを
裂いていた。
それは決して、只の異邦人として立ち寄っただけで書けるような代物ではなかった。
注意深く読むと、彼が敵国の人間として狩られる危険を冒しながら、血の滲むような
努力をして彼らの暮らしに入り込み、労苦を共にし、共に泣き、笑って、彼らの心を
なぞり続けた姿が立ち昇ってくるようだった。
オリは、それについての言葉も散々用意していたはずだが、疲れが色濃く残る本人を
目の前にすると、称賛の言葉を口にすべきか、労いの言葉を口にすべきか、ひどく
迷った。
結局、口をついて出たのは
「・・・心配してた。」
という一言だけだった。
彼は少し笑って彼女のほうに手を伸ばした。近づく顔に心臓が跳ね上がったが、彼の
手は、彼女の頭の後ろで髪を纏め上げている髪飾りに触れた。彼の手が髪飾りをはずすと、
自由になった髪束がうねって下に落ちる。彼が髪の根元からゆっくりと指を通して残った
髪留めのピンを抜いてゆくあいだ、オリは息を詰めてされるがままになっていた。
「はじめてのときは、うんと優しくしてあげるつもりだったのに、自信がなくなって
きたな。・・・ひどく渇いた気分だし、君はあまりに魅力的だし。」
彼はしばらく彼女を見つめてから、言った。
「オムリ、――君が欲しい。」


彼はオリの身体を寝台に横たえると、上に覆いかぶさるようにして深い口付けをした。
彼女の豊かな髪が、寝具の上で乱れる。
熱く、甘く、ときに激しく、どこか渇望を感じさせる動きに、それだけで彼女は陶然と
してしまう。
彼は彼女の襟を解き、服を脱がせ始めた。艶やかな絹の衣が取り去られると、その下には
なめらかな白い肌が息づいていた。
彼はその褐色の指で、薄布の下着の合わせ襟を弄びながら、言った。
「いい声で鳴いて、オムリ。君の、声が聞きたい。」
ここは王宮ではなくアマスル城なのだから、万が一誰かに聞かれてもどうにでもなる、
とも。
「あ、あぁああぁっ・・・・・!」
彼の指と唇が、下着の下の胸の膨らみを這い始めた。
窓も扉もぴったりと閉じられているとはいえ、誰かに自分のこんな声を聞かれてしまうのは
恥ずかしい、とオリは思ったが、どうにもならなかった。こんな風にされては、もとより
声など抑えられるはずも無い。
彼の指は、まるで彼女の弱い部分を憶えているかのように、的確に責めあげた。快感に
身をよじると、別の部分があらわになり、容赦なく責め立てられる。
彼の腕の中で彼女は、逃げ場を失った獲物のように、なすすべもなく喘ぎ声を上げ続けた。
85其の四:2009/10/25(日) 07:36:56 ID:1oxn5m7R


「・・・もう、こんなに濡らして。」
彼女の下半身に触れたロランは、そう漏らした。
オリも、それは感じていた。触れなくても分かるほど、何かが、自分の中から溢れ出して
いた。とめどなく、果てしなく。
「きゃ、あぁあぁっ!?」
突然身体の中を駆け抜ける衝撃に、たまらず小さな悲鳴を上げる。
彼の指が彼女の花芯を捉えていた。
「触れただけでこんなに反応するなんて・・・随分敏感になってるんだね・・・?」
彼は少し意地悪く、耳許で囁いた。
「自分で使った?――それとも誰かにさせた?」
彼女はすぐに反駁した。
「大公の妹たるわたしに触れる男なんて、居ようはずもないわ。」
言ってしまってから、自分でしていたと告白したも同然なことに気づいて、さっと
顔が赤らんだ。
一度快感を覚えてしまった彼女の身体は、ときおりどうしようもなく疼くことが
あった。向かう先のないその疼きを、彼女は自分の指で慰めるしかなかった。
どうせ分かっていて訊いたのだろう、彼女の様子を愉しげに眺めながらロランは
言葉を継いだ。
「じゃあ、自分でするのとおれにされるのでは、どっちがいい?」
そんなもの、比べるべくもなかった。
むしろ、何故こんなに違うのか不思議でならなかった。
自分で触っても、それは所詮、自分の指だ。普通に触れば、触れている以上の何の
感覚も生まない。
ただ、あの夜、愛する男に触れられる歓びを知った、その記憶だけが、彼女を駆り立てた。
しかし、一度きりの快感の記憶はあまりにも儚く、曖昧で、思い起こそうとしても
いつも陽炎のように消えていった――なのに。
彼の姿を目にしただけで、血が逆流するかのようだった。
近づいただけで、総毛立った。
ほんの少し、触れられただけで、快感が身体の芯まで揺らした。
逢いたくて、逢いたくて、触れたくて、触れられたくて。
恋情が、心だけでなく、身体までも支配する。――こんなにも、強く。
「あぁ・・・、あ、あぁぁあぁ・・・ん・・・」
オリは身体が宙にに浮かぶような感覚を味わっていた。彼が答を待たず、その小さな突起
への刺激を始めていたのだ。
甘い刺激を受けるたびに、階段を一段ずつ昇るように、快感が高まってゆく。
ふと、あるところまで来ると、すいっと何かに導かれるように、急に高みへと昇っていく
感覚が来た。
どこまで昇るのか不安になるほどのその先で、――何かが、弾ける。
何かが。光が、なにか暖かいものが。はじけて、彼女に降り注ぐ。
それが、絶頂感だったことに気づくのは、すこし後のことだった。


「さっきより随分、柔らかくなってる。――そろそろ、かな?」
ロランは、オリの秘所に触れながらそう言った。彼女のまだ慣れていない蜜壷は、
どれだけ潤滑液を絡めても、指を差し入れただけでチリチリと痛んだ。
先程から何度も触っている彼がそういうのなら、そうなのだろう。ほとんどそこに
触れたことさえない自分よりも、余程女体に詳しいはずだ。彼女は黙って頷いた。
それから彼は彼女からしばし離れて服を脱いだ。彼女は、次の瞬間、目の前に現れた
モノを見て、息を呑む。
そういえば、前のときも、彼はほとんど服を脱いでさえいなかった。彼女は、そそり
立ったそれを目にするのは初めてだった。
86其の五:2009/10/25(日) 07:39:18 ID:1oxn5m7R
呆然と一点を見つめるオリに気づいて、彼は少し笑う。
「・・・ああ、見るの初めてだっけ? ・・・触る?」
ごく無造作に手を取られて、彼女はびくっとしてその手を振り払う。そのまま耳まで
赤く染めて、押し黙る。
・・・今何か、すべすべしたものに触れてしまった。
「――オムリ。」
彼はくすくす笑いながら、言った。
「これでも結構、抑えてるんだから、あんまり可愛く、しないで?」
そのまま彼女を寝台に押し倒す。
「それ・・・」
オリはおずおずと尋ねた。
「大丈夫なの、その、そんな大きいの、いれても。」
指の何倍もある。女官達の話だけでは、具体的な大きさまでは分からなかった。
「これで普通。最初は痛いけど、我慢してくれる?」
彼女は黙って頷いた。痛いのも、怖いのももう訊いて知っている。今日はすべて覚悟の
上で、ここへ来た。
彼は、彼女の両脚を開いてその間に入った。
「なるべくなら、力を抜いて。そのほうが痛くないらしいから。・・・できなければ」
自分の背に、オリの腕を廻させる。
「しっかり、つかまっていて。・・・離さないで。」
彼は屹立した自分自身を、彼女の秘所に当てた。そのまま何度も外陰部を滑らせて、
充分に愛液を纏わせる。
甘い刺激に彼女の唇から溜息が洩れ始めた頃、ようやくその先端を彼女の内部への入り口
に押し当てる。
「――行くよ。」
そのままゆっくりと圧を掛けて、慎重に彼女の中に侵入し始めた。
「――!!!」
それは彼女にとって、経験したことのない種類の痛みだった。身体の中心を太い杭で
貫かれるような、四肢をばらばらに引き裂かれるような、鮮烈な痛み。
―――― 「死」 ――――
強烈に、その概念が、彼女の心を覆った。この感覚はあまりにも、その概念に近い。
女は誰も、この行為の前と後とでは、同じで居られないという。乙女から、大人の女
へと変化する。それは、こうして擬似的な死をくぐり抜けるからなのだろうか。
彼女の知る女達もすべて、この痛みと向き合ったのだろうか。初めてのときは痛みが
ある、と控えめに語った女官達も。
「あぁっ・・・、ああぁあぁ・・・っ・・・!」
彼女は痛みのあまりか細く声を漏らした。しかしそれは、快感によるものと酷似していた。
彼の背に廻した腕に力を込めて、必死にしがみつく。自分の腕と、彼の肌の汗ばんだ感触。
それだけが、彼女の身体が現実(うつつ)にあることを示していた。
力を抜け、という助言も、確かに無意味だった。身体を引き裂かれながら力を抜ける女が、
どこに居るだろう?
「大丈夫?」
近くで、優しく深い声がした。痛みも、鋭い痛みから、鈍く脈打つような痛みに変わる。
彼が力を抜いたのだ。
「最後まで、入った?」
彼女は弱々しい声で、訊いた。
彼は少しだけ身体を離して、顔を彼女のほうへ向けた。
「いや・・・まだ。途中でどうしても止まるから、少し休んでから。」
何もかも、あまりに近い。顔も、身体も、声も。痛み以外の身体の感覚が戻ってきて、
やっと、もう「繋がっている」ことを実感した。
そうか、繋がりたいのだ、人は・・・わたしは。抱きしめあうよりも、近く。口付けよりも、
深く。
87其の六:2009/10/25(日) 07:41:56 ID:1oxn5m7R
ふいに、再会してからまだ言えていない言葉がせりあがって来る。
「待っていた・・・!」
3年前から。いや、もっとずっと幼い日から。
「追いかけて、追いかけて・・・。振り向いてくれたと思ったら、すり抜けられて・・・。
それでも、約束したから、帰ってくると、信じてた・・・。
わたしの許に。この、腕の中に!」
最後の方は、涙声だった。
「ずっと、好きだった・・・!」
彼の背に廻した腕に、もう一度力を込める。
「来て。・・・最後まで、貫いて。」
「オムリ・・・。」
彼は溜息をつくように切なげに、彼女の名を呼んだ。
腰に力を入れると、先程よりもずっと容易に、彼の刀身は彼女の中に沈み込んだ。
「くぅ・・・っ、う、うぅ・・・っ・・・」
オリは短く呻いたが、今度は先程のように長くは、鋭い痛みは続かなかった。彼の分身の
根元の部分が、彼女の腰に当たる感触があって、最後まで入ったのだと感じた。
彼は少しのあいだ、そのままの姿勢で、彼女を抱きしめていた。

それからおもむろに、口を開く。
「よく・・・頑張ったね。すぐに、終わらせる。長くしても、君がつらいだけだから。
・・・動くよ」
彼はゆっくりと、腰を動かし始めた。どのみち、長くは保ちそうになかった。
慣れていない彼女の内部が彼の分身をきつく締め付けていることも確かだったが、それだけ
ではない。久しぶりに逢った彼女は、彼の記憶の中よりも遥かに魅力的で、清楚で、
健気で、その上蟲惑的だった。
彼女が苦痛に耐える様も、背中に食い込む爪先の感触も、愛しくて堪らない。
獣のように無理矢理襲いかからなかった自分を、褒めてやりたいくらいだった。
彼はすぐに、下半身に衝動が湧き上がるのを感じた。
その衝動を抑えようとはせず、そのまま大きくなるのに任せる。
最後に腰を強く引いて、彼女の身体の上に、その衝動を放った。


オリは、随分長いこと、ぼんやりと呆けていた。
驚いたことに、あれほどの痛みだったのに、ほとんど血は流れていなかった。
無理を掛けなければそんなに出血するものではない、とロランは言ったが、そういうもの
なのか。
それよりも、あのことを、話さなければ・・・と思うのに、そう思えば思うほど、喉が
詰まって声が出なかった。気が付くと、開いたままの目から涙が流れていて、こんなのは、
自分を哀れんでいるだけだ・・・!と堪えようとしても、それは意思とは関係なく流れ続けた。
「・・・泣いているの? オムリ。」
ロランは、彼女の涙に気づくと、すでに羽織っている部屋着の袖で押さえるようにして
彼女の涙を拭いてくれた。
「今日は、よく泣くね?・・・君が泣くと、ひどく弱いんだけどな。」
声を出そうとしても、涙ばかりが溢れてしまう・・・。そんな彼女の様子を見て、彼は言った。
「さよならを、切り出さなければ、ならないから?」
オリは弾かれたように顔を上げた。
「・・・どうして」
気づいていたの。いつから。
「別れの気配には敏感なんだ、振られるのには、慣れてるから。」
「振られるほうなの?」
あんなにいろんな女達から想いを寄せられているのに。
「終わりの足音には女のほうが耳聡くて、見切りをつけるのも女ののほうが早い、大体は
そうだよ。・・・嫌だな、こんな話は。」
彼は少しきまり悪そうに笑うと、少し目を伏せて、言った。
88其の七:2009/10/25(日) 07:45:32 ID:1oxn5m7R
「隣国に、嫁ぐ気?」
「・・・そこまで、知っているの」
「噂話程度には。あれから何度も、トゥラ国に招かれていることは、ここに帰ってすぐ聞いた。・・・婚約はまだ、発表されてないようだけど。」
「してないわ。わたしも、婚約者がいるのに、こんな形で裏切れるほど、豪胆ではないの。」
「・・・君は」
彼はゆっくりと、言葉を押し出すように、言った。
「いつか大人になって、この国の在りようと、自分の価値を知れば、そういう道を選ぶと
思っていた。・・・ずっと前から。」
それから彼は、起きて話そうか、と身体を起こした。彼女の身体も寝具を軽く巻いて、
抱きかかえるようにして、立てた自分の脚に寄りかからせた。
「以前あなたが言っていた通り、このリョザは、外交が弱いわ。・・・それは今までは、
仕方のないことだったけど」
先に口を開いたのはオリだった。
この国はの真王は昔から、異国を穢れとして忌避してきた。この国が出来た頃は、国を
閉ざすというのもひとつの戦の避け方だったのかもしれない。
しかし、陸運も海運も発達した今では、他国とのかかわりが弱いということは、国力の
相対的な低下をもたらす。国を閉ざし続ければ、他国にやすやすと蹂躙されるような
弱い国が出来上がるだろう。
ロランが、言葉を継いだ。
「大公と真王の婚姻によって、君の価値も変わった。外交に実権を持つ大公の妹であれば、
政略結婚の相手として、不足はない。」
「それからトゥラ国には、海があるわ。陸より海のほうが輸送に適しているなら、交易
経路を確保することは、リョザの今後のためにに最も重要になる・・・。」
「君も、大公も、それから真王も」
ロランは表情を引き締めて話すオリを、微笑みながら見つめた。
「為政者のために民がいるのではなく、民のために為政者がいるのだと、考えている。
・・・ごく自然に。民のために最善を尽くすのが、当然だと。
それはとても大切なことだと、おれは思う。
為政者がそれを忘れないうちは、国はめったに斃れたりしないのだから。
君が、民とこの国ために最善を尽くそうとすれば、多分、他国へ嫁ぐことになるだろう。」
彼の表情も、声も、昔語りでもするかのように穏やかだった。
「この国のために、君のその選択ががどれだけ貢献するかは、簡単に推し量ることが
出来ないな。
君は賢く、思慮深く、美しく、どこに出しても恥ずかしくない大公の妹君だ。他国に
嫁げば、きっと君の夫は王になるだろう。そして君の子供もまた、王になるだろう。
君がもし、普通の男のの妻になったら、この国が掴み損ねた機会のことを、自分が
最善を尽くさなかったことを、いつか後悔するだろうね。それが君のせいでなくとも。」
「ロラン。」
オリが口を挟んだ。
「あなたちょっと、わたしのこと買いかぶりすぎよ。いくらわたしでも、子供とか
そんな先のことまでは責任持てない。
・・・それに、それだけでは、無いわ。」
彼女は少し目を伏せた。
「あなたは、この広い世界を渡ってゆく風。その歌声で、楽の音で、人々の心をふるわせ、
繋いでゆく・・・。
風は、繋ぎとめれば、死んでしまう。
わたしは、風が死ぬことを、望まない。・・・でも、わたしがあなたといれば、どんなに
風の自由を願っても、私自身があなたの柵になるでしょう。」
愛する人を、愛するがゆえに、輝きを失わせてしまう。・・・それは恐ろしい悪夢だ。
何度考えても、それだけは絶対に、避けたかった。
「それでも風は、必要なの。この国に。」
彼が繋いだ国と国との絆。彼が伝えた遠い国の姿。それは今のリョザでは、他の誰にも
真似できない成果だった。
89其の七:2009/10/25(日) 07:47:00 ID:1oxn5m7R
「・・・おれたちは、」
ロランは静かに言った。
「あまりに国を、愛してる。
自分自身よりも、互いよりも。
愛するものが多いことを、不幸だとは、思わないけれど。」
「・・・そうね、わたしも、それを不幸だとは、思わない。」
オリも静かに応えた。そのまましばらく、寄り添っていた。


「・・・それで」
ロランがまず、沈黙を破った。
「ここで終わりにしなきゃ、と思って泣いてるわけだ、このお姫様は。」
彼の口調が急に変わったことに気づいてオリが、目を上げる。
「好きだな、その、策略も駆け引きも一切なくて、真正面からぶつかっちゃう所。
君が皆から愛される所以かな。――だから意地悪、したくなるのだけど。」
彼は少し、愉しそうな表情になる。
「でもこれから、政治の世界に足を踏み入れるのなら、もう少し人間の汚い部分も知って
おいたほうがいいよ? すぐに、悪いやつに騙されそうだ。」
いいながら、彼女の長い後ろ髪を掻き分け、うなじに口付ける。
「――・・・っ。」
たったそれだけで、声を上げそうになってしまったのが恥ずかしくて、オリは必死に
声を押し殺す。彼女の様子をゆっくりと眺めながら、彼は言った。
「今の君は、触れれば落ちる果実。とても次に、いけるような状態ではないね。巷の女
たちなら、もっと上手に、別れを切り出すよ? どうして一度だけ、なんて思ったのか、
まず言ってごらん?」
いいながら背中の窪みにそって口付けを落とす。
「それは・・・っ、何度も逢えばそれだけ・・・、離れがたく・・・なる・・・」
「いいこと教えてあげる、オリ。逆なんだ。人は満足を知らないうちは、追い求めず
にはいられない。・・・でも、満足してしまえば、人の心は移ろうよ。・・・哀しいほどに。」
彼の声に影を感じ取ってオリは、くるりと彼を見据えて、言う。
「でも、変わらないものも・・・あると思うわ。」
ロランは、オリの言葉の強さに一瞬戸惑ったが、すぐに笑みを取り戻して、続けた。
「君は・・・、政治の話をしているときは美人なのに、そんなときはひどく、・・・可愛いね?
君のために言い換えるとね、燃え上がる恋心や、灼け付くような気持ちは、燃え始めた
時に消そうとすると、長引いてしまう。けれど、燃やしきってしまえば、いずれ落ち
着くんだ。
落ち着いた後に続けるかどうかは、まあ当人次第かな。」
彼は既に、向き直った彼女をそのまま押し倒していた。耳から首筋に掛けて愛撫する。
「おれにも、君にも、もう少しだけ猶予がある。上手な恋の忘れ方を教えてあげるから、
もう少しだけ、おれに付き合って?」
オリは思った。なんと甘く誘惑するのだろう、この人は。
これが御伽噺なら、こんな誘いに乗った娘はどこか異界に連れ去られて、戻って来れない
ところだ。
しかしわたしももう、幼い頃のように御伽の国にいるわけではない。
おそらくとっくに、欲と悪意と陰謀の渦巻く混沌の中にいるのだろう。
自分の行動には自分で責任を取ると言った以上、混沌に飛び込んで、泳ぎきるだけの
したたかさを身に付けなければならない。
どのみち、今のわたしには、この人の誘いに抗えるような力はない。
「あぁ・・・っ、あぁあぁ・・・ぁぁ・・・・・・んん、やぁ・・・っ・・・」
彼女は彼の腕の中で、再び乱れ始めた。


              ――end――
90名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 07:54:36 ID:1oxn5m7R
最後の最後で番号七と八を間違えた・・・! 無念。

ひとまず、自分が妄想したのはここまでですが、なんでか「もう少し猶予がある」とか
言ってるな?
あとなんか最後の方会話が転調したorz 才能無いな。
多分、3ヶ月くらいべったりラブラブして、それからそれなりに思い切って別れるの
でしょう。そこまで書いたほうが最後っぽいかな。
自分的に、オリが婚約した後は会ってもエロはありません。
ロランは3年後にラーザに捕まって出てくるので、またラーザに行っとかないとね!
拘束期間は数ヶ月あれば長期間って言っていいよな・・・。

以前からロラン×オリは読んでみたいと思っていましたが、不明部分が多すぎて
手が出せませんでした。
前スレでのネタ投下&談義で色々分かって執筆の機会が得られました。皆様に感謝です。

ロランは、ちょwwww 超絶技巧ってどんなwwww
そんなキャラ脳内に居ない! 記憶の新しいところにも居ない!!!!!
と、脳内を総ざらえして色々引っ張り出して、結局割と楽しく書きました。
>>21 さんにGJ貰えてひとまず安心です。

読み手としてはオリ×タウロカとかで、ロランとの情事で恋愛経験値の上がったオリが、
タウロカ王子を翻弄するとことかも見てみたいけど、書き手としてはそろそろ浅い底が
抜け落ちそうなので、今のところはひとまず止めておきます。
誰か書いてくれないだろうか・・・と無責任に言ってみる。
オリ×タウロカだと政治と経済の話題ばかりしそうなイメージなんで・・・。
トゥラ国は自分の中ではタイに近いイメージですけどね。リョザが北に山脈、西にシルク
ロード、南に海に面した国々、ってことでなんとなく。
91名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 10:28:45 ID:U1odxWju
>>90
GJ!
毎回、感服します。本当に読ませるのが巧い。
個人的にオリ×タウロカ(童貞)を激しく希望w
9221:2009/10/25(日) 10:50:08 ID:8APAtFAc
>>90
期待通り、いやそれ以上の行為完遂編、大変GJでした!

ロランの超絶技巧ぶりはエッチのテクだけでなく、当たり前なんですが
男女の情の駆引きにも当てはまるんですね。最後、お互い散々
楽しみ尽くしてから…というロランの持っていき方に
「やられた!」と思いました。さすがにそうくるとは思わず、
こちらも一本取られましたw

オリ×タウロカも是非読みたいですよねー。ただタウロカは原作文
読む限りではいまいちキャラがはっきりしなかった…原作で
番外編とかが出ないかなw
93名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 06:11:59 ID:+P6LavBC
>>91 >>92
GJ&コメント&リクまで、ありがとうございます。

>オリ×タウロカ(童貞)

タウロカ王子は探求編冒頭で23歳だから、完結編最後で29歳、婚約発表したら
30歳ですよ!! 可哀想だからせめて素人童貞で!!
王族同士だと婚約者同士で婚前交渉とか難しそうだしw

タウロカ王子の記述は、探せば割と詳しく書いてあります。

自分のイメージでは、虚空の旅人に出てきたサンガルの第一王子の若い頃みたいな。
(第一王子はすでに2児の父で落ち着いてたから、もうすこし元気な感じで)
政治能力に秀でていて、周りからの信頼も厚い。頭もよくて、空気も読める。
ちゃんと上品。 武術は未知数(ほどほど?)。 闊達で面白い。
多分自分にない能力を持った人が好き。
容貌は、醜くも無いが、美形でもない。でも多分オリも面食いではない。
南国は恋愛も活発らしい(?)から、嗜み程度に(笑)女性経験あり。
ただし恋愛経験値は低い。
・・・くらいで妄想してた。

問題はトゥラ国の設定のほうなんですが、政治・経済の話題はなるべくさせないで
気候・風土の話にさせれば何とかなるかもしれません。
(後は書き手としての底の浅さの問題がw)

タウロカ王子について話すロラン×オリの会話も用意してたけど、可愛い感じの会話に
なったので、シリアス基調で! と今回分からは削除してた・・・。
じゃあ順番に、ラブラブ期で、オリがロランにあんなことやこんなことをされながら(笑)
可愛い会話を繰り広げるとこからまたゆっくり書けば、結婚編もイメージ膨らむかも。
オリがあんまり積極的だとはしたない!って怒られそうなので、遠まわしに誘惑して欲しい!
・・・って具体的なイメージも無く願望だけ書いて大丈夫か自分。
結婚編ですよね? 婚前交渉は無しですよね? 
ホント筆遅くてすみません。いずれまた忘れた頃に投下します。
9492:2009/10/27(火) 19:28:48 ID:qb5JjCKB
タウロカ30歳真性童貞…そりゃ確かに可哀想だw

93さんのタウロカのイメージから自分も気付いたんですが、彼は
物語中の他の男性キャラに比べて「絶対的に欠けている何か」が
そんなに感じられないんですよね。ある意味それだけ恵まれてる
というか。
こういうキャラだと、冷静にオリとの結婚も政治的価値の有無だけで
捉えてそうだから、その冷静さがオリの魅力で段々揺らいでくる、
なんて風になったら面白そう な気がします。
ただの政略結婚がいつしかマジ惚れに…93さんの描くオリなら余裕な
気もしますw その前にロラン×オリのラブラブも読みたいし…
あああ、我が儘言ってすみません!期待してます!
95名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:03:05 ID:qb5JjCKB
>>94
ちょっと訂正。
タウロカは、オリとの結婚を政治的価値「のみ」で捉えてるって
程でもないか。あの場で遠乗りを申し出たオリの頭の良さも充分
察しているだろうし、多分 人間的に興味は持ってるはず。
スタート地点は「利害が一致していて且つ印象も悪くない」位かも
しれない。
男としての部分で考えれば、遊び相手には事欠かないだろうし
妻にそこまで「女」としての価値は求めていないかと…
そこをオリの魅力が覆す、とこんな感じでしょうか。

しかも下手すりゃタウロカにとって、女性にハマるのはこれが
初めて? 彼自身が自分の感情をもて余したりして、しかも妻は
時々 自分といても何処か遠くに気持ちがいっているようで…
あれ?これは彼の人生で初の大試練かもしれないw スレ消費スマソ
96名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 23:58:52 ID:VMN85fsi
ちょwww本命童貞王子様って、藻前はイアルさんかwww
9793:2009/10/28(水) 05:46:23 ID:uyXhe4xH
>>94 ,>>95
タウロカの考察、ありがとうございます!

>あの場で遠乗りを申し出たオリの頭の良さも充分
>察しているだろうし、多分 人間的に興味は持ってるはず。
おお、書こうと思ったらすでに書いてあるw
オリはシュナンが甘いせいでかなり恵まれてると思うんです。
嫁に行けとも言われないし、乗馬しててもはしたないと怒られないし、
頭がいい上に教養もかなり高そう。
その辺もかなり印象的だったはず!と。
ちなみに美人とは書いてないけど、シュナンがどう考えても美形なので、
オリも美人と言う脳内設定。
一方で多分タウロカは容姿には恵まれてません。
「昨夜、彼を出迎えた貴族たちが無礼にも失笑しかけたほどに」背が低く、童顔というのは、
可愛い感じで悪くないとは思うんですが、おそらく第一王子に必要な威厳に欠ける。
そこを逆に利用するくらいのしたたかさもありそうですけどね。

一方で、完結編中盤ではトゥラの方から縁組みの打診がされているし、オリがそれを
受けたとたん派手な行列を仕立てて大量の穀物を!
しかも将来の王妃の印象を安くするから、と婚約は次の春、とかね・・・。
いつの間にかベタ惚れされとる!
しかも、オリは充分にそれを分かって、一番良いとこで使ってる!!!
さらに「どんどん好きになっていける(←まだあんまり好きじゃないんだな?)」とか言って、
かなり冷静。魔性っぽくてイイヨ!

しかしおっしゃるとおりタウロカも冷静にオリの価値を測ってるかもしれませんね。
その方が面白いな。自分に書けるかか分からんけど。
トゥラ→リョザで使節団が来てることから見ても、リョザの方が領土は随分広そうです。
あと、オリはなんか愛され体質なので、あっちの宮廷とかでも人気ありそう。
なにより権力志向の男性は、自分の価値を充分に分かってくれる女性に褒められると
かなり嬉しいし、高級娼婦なんかもそこを狙って教養つけてるはずだけど、オリは
本物のお姫様だからな〜。
小さい頃から本気でいろんなことを考えてるし、機転も利くので、会話してると、
打てば響くような受け答えをしてくれるはず!と妄想しているが、ここが一番難しくて
どうやって誤魔化すかが問題orz
総合的にこういう女性を妻にする価値、ってのを考えてるつもりで、はたから見るとベタ
惚れとか。混乱してきた、ああ難しいw 

>>96
王子様が童貞ぽいのは上橋作品ではデフォ。
シュナンなんか多分完璧に清い体だったんじゃなかろうか
そこが萌える

9895:2009/10/29(木) 14:22:52 ID:JZ3610oP
>>97
>混乱してきた、ああ難しいw
そう言いつつも楽しそうに見えるのは気のせいですかw

何やら93さんのレスを読んでるうち、魔性の愛されキャラ、オリと、
見た目は子供、頭脳は(ry とまではいかなくとも、その辺のギャップが
結構オイシイ タウロカの二人の組み合わせが浮かんできましたw

オリが婚約をOKするまでにトゥラを何度か訪れていると原作には
ありますし、その間にタウロカの気持ちに変化があったのかどうかは
もはや読者が想像するしかないですかね。
逆に言えば、どの時点でタウロカがオリにベタ惚れするかは書き手さんの
お好みである程度調整可能で、その分幅も出てくる訳ですが。

シュナンが結婚時まで清い身体だと考えたら自分も萌えましたw
連チャンで書き込みしてても何なので、そろそろROMに戻りますノシ
99名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 23:48:09 ID:lE/nuvnx
タウロカ王子視点ではどうだ?
自分がそれで何か書けるわけじゃないが

自分への反感を隠せないバカな家臣に囲まれてる中で
機転の利いた受け答えのできる王女に興味を示したが
その王女が自分をこの国に呼んだ楽士と意味ありげな会話してるのを聞いてしまい
翌日の遠乗りでは互いに腹を探り合う、とか
100名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 16:36:56 ID:q5GUpPWd
話は上手いと思うがやっぱ脇役カプじゃいまいち萌えんなあ
101名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 20:27:24 ID:bbYbtq2u
脇役カプとは言え、今日のシュナン×セィミヤは萌えた。
102名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 23:00:01 ID:F4PWRlWY
訪れたトゥラ王国で
実は(防寒着を)脱いだら凄いんです、なタウロカに
目のやり場に困ってるオリとか

タウロカの方も薄着になって白い肌の際立つオリから目が離せない

ロランも気を利かせて”色々な”衣装をオリに持たせてる
103名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 02:00:25 ID:QwgL1jj5
>>100
萌えてる人間は大勢いる。
お前の嗜好を押しつけてスレの活力を落とすような事をするなよ。
スレ内での優先度はこんなモンだ。身の程を知れ。
ネ申>>>職人さん>>>越えられない壁>>>ミジンコ>>>お前
104名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:42:40 ID:Vc0FbUcn
馬に乗ったらすごいタウロカ

乗り物はある意味男の魅力を増強させるぞ
(バイクとかレーシングカーとか)

タハイアゼで闘蛇に乗ったシュナンもきっと
105名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:52:54 ID:HrghXvcA
あ、それじゃあトゥラ訪問時に二人で遠乗りしに行って、そこで
都合良くオリの馬が脚を挫くとかして帰りは二人乗りに。
前に乗せたオリの髪の毛のいい香りにドキドキするタウロカとか。
106名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 08:58:14 ID:HrghXvcA
>>105
…って、そこまで書いて思ったんだけど、オリとタウロカって
どっちが座高高いんだ? 普通男が後ろで手綱持って乗るんだろうけど
タウロカの方がちっちゃいと見た目残念な事に…(; ̄Д ̄)
107名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 09:55:51 ID:weCz0nrL
>>105の逆でオリに抱えられてるタウロカを想像した
だがそれはそれで
108名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 10:04:29 ID:HrghXvcA
>>107
それだとオリのやわらかな胸の感触がタウロカの背中に当たっ(ry

…確かにそっちもアリか。
109名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 12:23:35 ID:A0zR2N8+
大規模規制も終わったし、神こないかな…
110名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 13:11:12 ID:1dCjxuld
神はエロなしで再構成された作品を自サイトで続けていらっしゃる
エピソード増えてて面白いwこっちでも待ってます
111名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 14:46:15 ID:A0zR2N8+
>>110
それは知ってるが、書いていいのか?

誰と特定したわけではなく、前スレのラッシュが懐かしくなっただけw
112名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 15:56:23 ID:Vc0FbUcn
神の降臨を望むなら何か貢物(妄想等)が必要だろう
どんな神が降りてくるかは神の気分次第

つ供物
トゥラ王国に来て薄着で馬に乗ったらそれまでと勝手が違って
体のあちこちがエライことになってるオリ
113名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 17:07:20 ID:Vc0FbUcn
連投で申し訳ないが、オリは小柄だと3巻に書いてあった。
(原作読み直し中)
タウロカとオリはちょうど釣りあいの取れる体格じゃないか?
>>106
114名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 18:45:11 ID:HrghXvcA
>>113
女性で小柄っつーと、大体イメージで140後半〜150cm代前半程度?
男でちょっと笑われてしまう位の身長の低さ(童顔のせいもあるんだ
ろうけど)と描写されてるタウロカは、さすがにそれでも160〜cmは
あるだろうから、まあキスするのにちょうどいい位か。

神に捧げる供物……例えばイアエリで新婚台所エッチ物とかまだ見てない
から読んでみたい
115名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 18:50:49 ID:wVD2/UEV
>>114
エリン「イアル、ちょっと味見を…あん、そっちじゃなくて…」

こうですね、わかります。
116名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 19:51:10 ID:HrghXvcA
>>115
そうそう。
エリン「…っ…だめ…っ、ファコが焦げちゃう…っ…」
みたいな。
117名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 21:17:43 ID:CYK3c8MO
しかし今回のシュナン×セィミヤは良かった
シュナンは水も滴るいい男だし、昼ドラだし
告白の前に脅し文句で結婚を言い出すし
童○だから見つめ合ったら性急にキスしようとするし
美味しい所は全部ダミヤにとられちゃうし

何がいいたいかと言うと、トムラ先輩並に美味しいキャラだと

しかしどうやってエロパロにすればいいんだ?
トムラ先輩とは別の可哀想カテゴリーだから難しい
118名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:11:25 ID:Vc0FbUcn
焼き菓子に手紙を仕込んだ時にナミには余裕で迫れるのに
セイミヤには奥手になってしまうシュナン
119名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:21:20 ID:kh4Bjlsu
>>114
供物っていうか撒餌w?そんな餌に俺様がry
本番なしでサクッと。

「昼、食って行くか?」
ヤントクの口調にからかうようなものを感じ、イアルは苦笑しながら首を振った。
「今度は、彼女もうちに連れてこいよ」
ヤントクの隣に座った彼の妻も大きく頷く。
そろそろ三十路にさしかかろうとするのに、独り身であった彼のことを彼女も密かに
心配していたと、さっき聞かされたばかりだ。
「ああ、そのうちにな」
ヤントクの家を出て、ゆったりと家路を辿っていく。
日射しのわりには風が冷たい。
青い空は高く済み、冬の訪れを感じさせている。
細い路地に入り、漂ってきた匂いに彼は鼻をひくつかせた。

――魚の煮つけと野菜の汁物……つけ合わせは茸を炙ったものか?

「おかえりなさい」
「ただいま」
戸を開けた途端に感じる温かい空気にホッとして、今更ながらに外の冷え込みが感じられた。
竃の前にしゃがみこんでいたエリンが立上り、彼はひょいと鍋をのぞきこんだ。
「何? そんなにお腹減ってるの?」
「いや」
彼の満足げな表情に、エリンが不思議そうな顔をしながら、魚の煮つけを小皿にとった。
味を見て、と差しだされたそれを彼が口に放り込む。
「うん、美味いよ」
「……あなたは、何を食べても美味いしか言わないから、作り甲斐がないわ」
不満そうに鼻を鳴らす彼女に彼は苦笑を返した。
「実際そうなんだから、仕方ないだろう」
「もう……」
プイと横を向く彼女の頬が赤くなっているのに気づいて彼が目を細める。
「こっちも味見していいか?」
唇に触れた彼の指に、彼女の顔が更に赤らむ。
「また…そんなことを……」
言いかけた彼女の唇を素早く塞いだ。
舌と舌とが触れあうと、彼女の肩がピクリと震え、これ以上進むことを恐れるように慌てて身を離す。
「……魚くさい」
ボソリと呟く彼女に彼が苦笑いを浮かべる。
「でも、美味いだろ?」
「……もう」
「味見だけじゃ物足りないな」
薄く笑った彼の手が彼女の腰を引き寄せ、再び唇を覆った。
熱い息が互いの口の中で混ざり合い、イアルの手が彼女の合わせ襟を割って入る。
「――んっ…ちょっ……だめっ…!」
鼻に感じるきな臭いに彼の手から抜け出したエリンが急いで鍋を竃から下ろす。
「……焦げちゃった」
「あ……」
恨みがましい彼女の目にイアルはひたすら頭を下げるのだった。

おしまい。
120名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:27:04 ID:kh4Bjlsu
誤字てんこ盛り…
青い空は高く済み → 澄み
きな臭いに → きな臭さに

ついでに、>>110有難う。
神じゃないです。世間の荒波に揉まれています。更新のたびにパチと米が減る不思議サイトw
>>111も気遣いサンクス。でも、本人がのこのこ出てきてしまったw
121名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 23:04:12 ID:wVD2/UEV
>>119
乙w
122名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 23:16:34 ID:HrghXvcA
>>119
神が供物をお受け取りに…!w
撒き餌のつもりは無かったですが、もしそうだとすれば、いきなり
池のヌシが出て来た!な気分ですw

幸せそうなイアルの様子が拝めただけで、本番無しでも十分
嬉しいです。ありがとうございました!
123名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 10:35:40 ID:p0MU/KFO
>>119
美味しい話をありがとう!

>>117
同意!シュナンは使えると思う
124名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 22:03:01 ID:rGl/nAt+
>>119
イアエリの美味しい匂いにつられてやってきました(*´Д`)ハァハァ
お池の主様乙であります!!

神好みの撒き餌をした>>122もGJ!
125名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 22:27:23 ID:mf1qVFDb
新婚台所Hなら次は混浴だなw・・・と思ったが
あの家には風呂がなかった…orz
126名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 22:32:33 ID:MT/GHety
公衆浴場で片方壊れてて
夜中に終い湯使いに来た二人が一緒に入らせてもらうんだよ
127名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 23:10:55 ID:IxrsX/FF
最初は遠慮して、両端に使っていたけど
徐々に距離が狭まりって…感じかね。

湯やだと声が響くから、口にタオルでも噛ませて
背後からかな〜って鬼畜系かよorz
128名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 23:19:34 ID:qylqtmwl
>>127
やべぇ、萌えた自分は鬼畜系か…orz
129名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 23:20:43 ID:mf1qVFDb
濡れ髪イアルさんが素敵だったからエリンに頭洗わせてあげたいなと
癖毛がとれていつもと印象違うイアルにドキドキなウブいエリンw
イアルさんは夜目がきくけどエリンはイアルの身体まともに見たことないんじゃないか
130名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 23:36:13 ID:sySYqm82
この流れなら言える。
イアエリで蜂蜜プレイw
131名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 20:12:08 ID:dIsvbgqR
>>129
逆にウブなイアルさんはどうだろう?

「イアルさん、頭洗ってあげます」
「え…いや…」
「遠慮しないでください」
…ゴシゴシ…
「…エリン、もういい…」
「もうちょっとで終わりますよ」
(…頭の後ろで胸が揺れるのが気になるんだが……)

って、エリンさんに揺れるほどの胸は…
おっと、表に誰かきたy
132名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 00:40:17 ID:2KTBMsV1
頭より、体洗った方がエロバロ的にはおもしろくないだろうか?
133名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 02:33:12 ID:K31tI65Q
ジェシを洗ってあげたときみたく膝の間に座らせてか
134名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 09:08:55 ID:Mn6/TcEN
>>119
GJです!規制でGJできんかった。

※続編ネタバレを含みます。未読の方は、回避して下さい。
※注意! 非エロです。このカップリングに興味の無い方はスルーでお願いします。
※出番が少ないキャラの補完エピのため、補完分量が大増量しております。特にトゥラ国の
設定はまるまるオリジナルです。オリジナル設定が苦手な方はスルーでお願いします。

何だろうこの素敵な流れ・・・。
投下するより参加したいところだが、この木曜になってようやく規制の解けた自分が
餌を貰いに通りますよ!
タウロカ×オリ婚約編です。しかも前編ですorz
なんかタウロカ王子の話で盛り上がってきたので、出会ってから婚約までを先に書いて
いたら、なんだろうこのタウロカ人気・・・。分かりやすく1年に一回訪問して、6年目で婚約
・・・って予定でしたが、規制が解けたことで我慢が効かなくなって、4年目までで一旦投下します。
ネタ投下もなんか婚約前に集中してるし。
というか >>103->>108 の流れ見てびっくりした。ロラン×オリなんて喰いついてるの住人の
中でも2〜3人程度かと思ってたもんで。あとは見てるだけ(書き込めない)の読者がその数倍
くらいかと・・・。なんか結構読んでいただいてるようで、ありがとうございます。
原作を読んでる皆さんはお分かりのことと思いますが、婚約までだとエロシーンを入れる
余地がありません(自分の筆力では!)。従って非エロあるいは微エロです。充分に御了承ください。
オリ×タウロカって見たときからそうなるなとは思ってたんだ・・・。
婚約・結婚まで7年かかるし。エロを入れるなら出会いから結婚までを大幅にはしょる必要が
あるけど、なんかそこに興味がある人の方が多いみたいだし。
オリみたいに頭がよくて美人で意志の強い女性は、男にもてると言うより女にもてるん
だよなあ・・・と思った途端、凄い速さで外堀埋められて拗ねてるタウロカ王子が思い浮かんだ。
(美人は自分設定だが、探求編でセィミヤの侍女達にも微妙にもててる)
一応そのイキオイで書いてみたけど、遅筆。毎日ちょっとづつ書いてます。
トゥラ国は、以前書いたとおり、ほほえみの国、タイを参考にして、かなり設定捏造して
みました。ウス目で見て、ツッコむときは優しくしてくださいね・・・。
トゥラの国教は、上座部仏教的なモノだとでも思ってください。あと、原作に出てこないんで、
引き続きリョザには海はない・・・ってことで書いちゃってます。なんかアニメで出てきた地図に、
湖か海みたいなのが描いてあったような気もするんですが、もう何話目だか分からなくて
確認しきれないw
オリ×タウロカだと、まず政治的な話して説得力持たせてくれないと萌えないな〜、という
個人的嗜好のため、3年目前半まで非エロです。こんなのエロパロに落としたらスレ違いって
怒られるんじゃ・・・? と思いつつ書いたのに、調子に乗って長く書いた上、婚約まで行かず
4年目までで一旦投下って、我ながら最低だ〜!
一応エロの前フリってことで御了承くださいorz
タウロカは闊達で面白い人柄のはずなのに、なんか端っこでひねてるw 家族は陽気っぽい
けど。多分オリと話すときだけは明るく取り繕ってたはず・・・。
135其の一:2009/11/07(土) 09:10:20 ID:Mn6/TcEN
――少し、選択を、誤ったかもしれない。
タウロカはそう考えていた。あの娘――リョザ真王国で軍事を司る大公の妹君、オリ殿の
ことだ。
彼は、一昨年、リョザ真王国と友好関係を結ぶため、使節団を率いてかの国を訪れた。
彼がそこで見たのは、広く、美しい国土と、そこを治める人間達の奏でる不協和音であった。
彼は、大公に対しては好感を持った。あの国の大公であるシュナンと言う人物は、若くして
大公の地位に着き、無敵と噂される闘蛇の軍を操り、リョザの政治の中心である真王と、
軍事の中心である大公をひとつに纏め上げた人物らしかった。それなのに少しも尊大なところ
は無く、物腰は柔らかで語り口は真摯だった。
しかし彼の通された王宮では、真王は姿を現さず、真王に連なる貴族達は異邦人である彼を
軽蔑を含んだ眼差しで迎えた。
そればかりか、その眼差しは大公殿下にさえ向けられているようだった。
どういう理屈だかは知らないが、国に利する有能な人物が、下らない無能な連中に抑え
られているという国の構造は、あまり健全であるとは言い難かった。政情不安であるとして、
最低限の友好だけを約して帰るつもりだった。向こうがこちらとの同盟を欲しているのだから、
長引かせれば長引かせるほど有利な条件を引き出すことが出来る。
彼は、あの下らない貴族達の居ないところで大公と話したいと思い、軽い気持ちで遠乗りに
誘った。そのとたんに、場の空気が硬くなった。
かなり後から知ったことだが、あの国の大公は、わが国なら軍事に必須である乗馬を嗜まない。
彼にしてみれば、軍事と言えばまず騎馬が第一に来るもので、だからこそ贈り物にも駿馬を
選んだのであるが、その常識はあの国では通用しなかった。彼の申し出は図らずも、大公殿下
を窮地に追い込んでいたのだ。
ところが、場の雰囲気を一気に変えた人物がいた。大公の妹君である。
彼女はよく通る声で、
「それは、願ってもないお誘いですね。わたしでよろしければ、御一緒いたします。
お贈りいただいた、あの素晴らしい馬達を、昨夜、見せていただいたときから、ぜひ乗ってみたいと思っていたのです。」
と申し出た。それだけで、大公殿下が遠乗りできない事情があること、彼女が非常に聡明かつ
機転の利く人物で、自国のことをよくわかっている、ということくらいは、見て取れた。
彼は、彼女の申し出を受け、翌日遠乗りに出かけた。
彼女は明るく快活で、彼女の語るリョザは非常に魅力的な国だった。危うく前日の王宮で
見たかの国の不協和音のことを忘れそうになったくらいだ。彼女は大公の妹君で、この国の、
一度も姿を見せない真王にとっても義理の妹にあたる。
今後、実(じつ)のある話を出来るとしたら、こういう人物かもしれない。彼はそう考えて、
彼女を自国へ国賓として招いた。――しかしである。

「――お兄様!オリ様はどちらに?」
今年14歳になる二番目の妹が、頬を紅潮させて駆けてきた。
「こら。廊下を走るなんてはしたない。お客様だっていらしている時だというのに。
オリ殿ならまた母上につかまっていたから、向こうの奥の間に行ってごらん。
あくまで淑女らしく、上品に。」
「・・・はぁい。」
妹はドレスの裾を軽くつまんで、しずしずと歩いていった。
136其の二:2009/11/07(土) 09:11:56 ID:Mn6/TcEN
まったく、凄い人気だ。
他国からの使節に、その国の王族の娘が入っていることは、そんなに珍しいことではない。
だから彼も、それほど深く考えず、国賓として招いたのだが、強大な軍事力をもち、広い
地域の隊商都市を保護下に置く大国リョザからの大使が、美しく可憐な姫であるという
そのことが、異常なまでにトゥラ国の女達の心を捉えた。
この国の武人は馬を使うが、女達には、貴族でも平民でも騎乗の習慣が無い。
労働のために馬を使う平民も、曳くか馬車に仕立てることがほとんどで、男ならまだしも、
女が馬の背に跨ることはほとんどないし、第一、跨るのには向かない腰巻きの服を着る
ことがそもそも多いのだ。
そんな中で、リョザ国の艶やかな騎乗服をまとい、颯爽と馬を乗りこなす彼女の姿は、余程
格好よく映ったらしい。騎乗が趣味、と語った彼女の乗馬姿は、武人と違ってしなやかで
美しく、女達の羨望の的だった。ときには黄色い歓声さえ飛び交った。
さらに驚いたことに、昨年彼がリョザを訪れたときにはまったく彼女はトゥラの言葉が
分からず、完全に通事を通して会話していたのに、今回トゥラを訪れた際にはまず自分で、
トゥラの公用語を使って挨拶した。さすがに政(まつりごと)の話や長い会話は通事を
通して行ったが、簡単な質問などには通事を通す前に反応することも多かった。会話能力の
方もまだ片言だったが、すっかり彼女に夢中になっている女達のあいだでは、「あの言い様が
可愛い!」と評判だった。

――彼女の訪問は、リョザにとっては大成功だったに違いない。
トゥラとリョザは、国と国をを結ぶ街道のうち、互いに自国分を整備することに合意した。
彼女は、リョザのことなどほとんど知らぬわが国の国民と王族に、好印象を残すことに成功
したのだ。王妃であるタウロカの母は、来年の訪問も熱望したし、彼女もそれを承諾して帰った。
彼女が帰った後は、当然のようにタウロカとオリの縁談が持ち上がった。
「彼女が好人物であろうとも、リョザがわれわれにとって良い国であるとは限らない!」
彼は断固として反対だった。
あの国は身のうちに重大な不和を抱えていて、いつ斃れるかも知れぬ。通商だけならまだしも、
斃れゆく国の王族と縁を結んだとて、わが国の不利にしかならない。
第一、彼は結婚という概念が好きではない。女などに縛られるのもごめんだし、婚姻を経ることで、
男側の評価が上がるのも納得がいかなかった。そんな表面的なことで評価を変えられては
たまらない。それはまるで人を外見で判断するようなものではないか?
「タウロカお兄様がオリ様と婚姻すれば、あの方がわたしのお義姉さまに!!」
彼の14歳になる妹がうっとりして言い出した。
「そんなに彼女が気に入ったのなら、おまえがリョザに嫁げば良い。」
冷たく言い放つと、妹の方も多少は検討していたらしく、すぐに切り返した。
「リョザには妙齢で独身の王族がいらっしゃらないわ。第一、わたしが嫁しても、オリお姉さまが他所
に嫁いでしまわれたら無意味でしょう。
ああ!オリお姉さまが男性だったなら!今すぐお嫁に行っても良いのに!」
こんな調子で、周りの女どもは、どこかおかしいくらいに熱を上げた。
馬に乗ってみたいと言い出す女もいた。
訓練もせずに騎乗しようとするのは危ないので止めさせたが、牧場内で、曳き馬に横乗りするだけでも
彼女達はひどく興奮して、満足した。
その後しばらく、王宮内の女達のあいだで、曳き馬に乗せてもらうのが流行した。
137其の三:2009/11/07(土) 09:14:46 ID:Mn6/TcEN

2年目の訪問のとき、彼女のトゥラ語はめざましく上達していた。
日常会話には不自由しない程度に使いこなしている上に、発音もなめらかで美しくなっていた。
その上、礼儀作法も、リョザの作法でなくわが国の作法を覚えてきていた。
何よりわれわれを驚かせたのは、彼女がわが国の文化や習慣に広く精通していたことだった。
これほどの広く深い知識を得るには、さぞ高名な知識人を招いたのだろう、と考えたが、彼女は
言葉を濁してなかなか話そうとせず、わが国のめぼしい知識人のあいだで、去年から今年のあいだに
リョザに招かれたものはいなかった。
好奇心に負けた母や妹達が、彼女を囲んで楽しげに詰問しだした。
女の好奇心もたまには役に立つ。
だが、そこで彼女の口から控えめに語られた言葉に、タウロカは驚愕した。
トゥラの知識人などを招くことが出来なかったので、と彼女は語りだした。
トゥラとリョザのあいだでは、南の交易路を通しての交易が、少しずつ始まっていた。
彼女は、交易のためにリョザを訪れた商人を、次々と居城に招いたというのである。
彼らの中には、老いも若きもいた。家族連れもいた。
貴族の館や宮中に出入りするものもいた。そういうものたちは必要な礼儀くらいは憶えている。
彼女は彼らの語るトゥラの話を聞き、次々と質問をした。
年の行った者はそれなりの知識の深さを持っていたし、子供の話は率直で媚びが無かった。女達の
話は生活の経験そのものだったし、なにより広い地域を渡る商人たちは、異国人に自分達のことを語る
ことに慣れていた。
商人達は、知識と知恵いう、重さの無い予定外の商品が売れたことに満足し、帰っていった。
礼儀などはほとんど見よう見まねで補ったのでお恥ずかしい限りですが、と彼女は言葉を締めくくった。
しばしのあいだ、水を打ったように静かになったが、女達はすぐに堰を切ったように喋りだした。
タウロカはその脇で、じっと考えていた。
質が足りなければ量で、と彼女はたやすく言ったが、身分も教養も低い他国の商人達になにか
教えを請う、というのは、王族としての妙な自尊心を抜きにしても、なかなかできる発想では
ない。
しかも彼女の中にあるのは、聞きかじっただけのバラバラの知識ではなかった。それぞれの習慣の意味も
歴史も背景も、見事に統合されていた。彼女はその洞察力と知恵で、質も量も様々な
欠片を再構成して、生きた知識として自分の中に持っていたし、そうできる自信があったということだ。
「リョザの姫君に、そのようにしてまでわが国のことを学んでいただけるなんて、光栄の極みですわ。言って
いただければ、高等学院の学者でも、宮仕えの者でも、オリ殿のお望みのままに
派遣いたしますのに。」
母はすっかり感心した様子でそう言ったが、彼女は柔らかく応えた。
「宮仕えや学院の学者様などに遠いリョザまで来て頂いては、この国の方たちの学ぶ機会が損なわれて
しまいます。宜しければわたくしの方が、講義を受けに訪問させていただきたいと思い
ます。
ただ、礼儀作法については間違いがあってはいけないので、ちゃんとした方に教えていただきたいと思って
おりました。それから、この国の神学も、ひどく難しいところがあるので、そちらも是非。」
138其の四:2009/11/07(土) 09:16:54 ID:Mn6/TcEN
彼女のこの答えは父王にも伝わり、父をひどく満足させた。
トゥラの王は、神の第一の体現者である。
そこはリョザの真王と通じるところがある。ただ、この国の神は現人神でなく、人格のある神で
すらなく、理(ことわり)そのものである。
王は神の理を持って国を治め、それがゆえに国民の信任と尊敬を受ける。
彼女は明らかにとトゥラとの婚儀を視野に入れて行動しており、また充分にその資格も素質も
ある、と父は判断した。
彼女との縁談を断る理由が、一つ減ってしまった。
しかし、オリの学び方を見て、タウロカは少し自分を恥じた。
彼は確かに自らの目でリョザを見、自分の考えで判断した。
しかし彼女のように、真剣に相手国のことを知ろうとしただろうか?
彼の回りの人間にとって、リョザとはオリ殿の人となりであり、彼女の語る言葉であった。
彼女の語るリョザがひどく魅力的であり、トゥラの人々はそれに惑わされている、と思っていたが、
彼女に魅了された人々を逆に説得できるだけの何かを、彼は知ろうとしていただろうか?
彼女は帰国するまでの間に、言葉どおり高等学院を訪ねて何人かの学者に短い講義を受けた。


オリの3年目の訪問の頃には、タウロカの方もリョザの内情について少し詳しくなっていた。
リョザでは、政治を司る真王と、軍事を司る大公の二重権力状態が長く続き、十数年前に両者の
婚姻によってその統合を図った、というくらいは彼にも隣国の基礎知識としてあった。
しかし、リョザの民が、戦を嫌う真王の清らかさをこそ愛し、敬っていること、その信仰心こそが国を
支えていると思われていることなどは、彼にはなかなか理解できないものだった。
彼にとって、国の力とはまず軍事力であり、次に経済力であった。トゥラは小国であり、国のかたちを
保つには常に周囲にその力を示す必要があった。リョザは無敵といわれる闘蛇軍を持ちながら、何故
その力を抑えるように、無力な真王という存在が君臨しているのだろう?
しかも真王領の民は、大公領の民を蔑んでいるのだという。大公は何故そこまでして、国を守ることに
徹するのことができるのだろう?
彼女との会話は、初日はそのことに終始した。母をはじめとする宮中の女達にリョザのことを知らせる
いい機会だ。女達が知ったことは、いずれ男達にも伝わるのだから。
「このトゥラが神の理を信じることによって民の心を纏めるように――」
彼女は語りだした。
「リョザでは、真王の清らかさを信じることによって、民の心を纏めているのです。
人の心は、俗なるものであり、穢れ多きもの。俗も穢れもなくして日々の生活は立ち行きませんが、人心が
それのみに落ちてしまえば、世は荒れ、国は滅びるでしょう。
ゆえに、人は清きもの、聖なるものに限りなく憧れます。国を国たらしめる力、それがわが国では真王であり、
この国では神の理なのでしょう。
わたくし達が真王に従うのは、この国の王が神の理に従うようなものです。」
さすがに、頭の回転が速い。彼女はこの国の神学と絡めて分かりやすく話すと同時に、あっという
間に親近感まで植えつけた。
139其の五:2009/11/07(土) 09:19:42 ID:Mn6/TcEN
タウロカは言葉を継いだ。
「しかし神の理は、国を支える者達を蔑んだりはしません。」
「それは、真王陛下も同じですわ。陛下は、永く御身の危険のために、王宮から
出ることが出来ずにいらっしゃいました。それゆえ民の心から離れたこともございましたが、
いまは兄上がお守りになられていますので、リョザの隅々までご覧になることが出来るよう
になり、大公領の民の苦しみも、御身の苦しみとしてお感じになっていらっしゃいます。
国のあり方は、早急すぎて折れぬよう、粘り強く変えていかれるおつもりなのです。」
彼女は確かな口調で、きっぱりと言い切った。その顔には、敬愛しているという兄と、義姉である
真王への強い信頼が浮かんでいた。
彼は内心、舌を巻いた。
彼のリョザに対する疑念も、あっという間にリョザへの親近感と信頼となって周りの者に浸透
した。
強い意志と、聡明さ。人を惹きつける魅力と、場の流れを読む巧みさ。これほどの女が、トゥラの
貴族にいるだろうか?
母だけでなく、父王もかなり彼女に興味を持つようになっているのも頷ける。

次の日からは、いつもどおり女達に囲まれていた。そればかりか、4年前に18で降嫁した妹まで噂の
異国の姫君に逢おうと王宮までやってきたりもした。
いつも人に囲まれてさぞうるさかろうと思うのだが、決して嫌な顔を見せず、むしろ兄弟が少なく、
女きょうだいには恵まれなかったので嬉しい、とまで言った。
話し好きの女達のために、彼女はたくさんの話をした。特に、彼女が幼くして父親と次兄、義理の母
までを失ったという話には、みなが引き込まれていた。本当に女は泣ける話が好きだ。
彼の記憶では、それはリョザの内戦のときの話のはずだった。彼女が自国の内戦のときの話をする
ようになったのは、打ち解けてきた証なのだろうか。
少しだけ、自分のほうも彼女に興味が出てきた。

数日後、彼女を夕食後の散歩に誘う機会があった。母はちょうど用事があってはずしていたが、もともと、
タウロカとオリの縁談を望んでいる母達が、彼の方から彼女を誘ったときに、
割って入るはずもなかった。
外は夕闇の帳が落ちかけているところだった。この国では、日が昇っているうちはひどく暑いので、外を
歩くにはいい時間帯だ。そのために、この時間にはいつも、王宮の庭にはところどころ明かりが灯されていた。
夕刻の湿気を含んだ風が、彼女の衣に焚きしめられた香をあたりに漂わせた。
「あなたは、トゥラをリョザの属国になさるおつもりですか。」
タウロカがまず口を開いた。オリは、少し目をおおきくし、それからゆっくりと微笑した。
「・・・タウロカ王子様ともあろう方が、何故そんなことを?
わたくしが、今まで一度でも、トゥラを下に扱ったことがありましたでしょうか?
リョザが望んでいるのは、対等な、友好関係です。」
「いきなり、失礼なことを申しました。
しかし、わたしには、少し納得がいかないのです。大国であり、強い軍事力を持つリョザが、
小国であるトゥラをあえて対等に扱う理由が。リョザは、東の広い隊商地域も保護下において
います。通商のみなら、不自由はしていないはず。
トゥラによい条件で、トゥラとの国交に力を入れて、リョザに、それほどの利益があるので
しょうか?」
140其の六:2009/11/07(土) 09:22:50 ID:Mn6/TcEN
「利益は、ありますわ。東の経路は、遠くまで伸びているようで、その実、東の大国、ラーザ
とは国交がなく、敵対状態です。
一方、トゥラには、海があります。海運によって遠くの国の品まで手に入れることが出来る。
トゥラとの交易によってすでにわが国は、多くの利を得ています。」
彼女はそれから、すっと目を伏せて考え込むような表情になった。
「けれど・・・、そうですわね、貴方の問いは、力の差のあるリョザと近しくなっても、併呑される
ことなく、トゥラの安全と独立が確保されるのか? ということでしょう?」
タウロカは頷いた。さすがに彼女は、すぐに話の本質を捉える。
「結論から申しますと、トゥラが完全な主権を持った、対等な友好国であるということが、わが国
にとって最も利益があるのですよ。分かりますか、わたくしがどんな努力を払っても手に入れたい
その利益とは――戦のない、世の中です。」
彼女は強い瞳で、まっすぐに彼を見据えて言った。
「貴方は、わたくし達大公領の領民が、リョザの中で不利を強いられてきたことを御存知でしたね。
不平等は、恨みを生みます。恨みは、争いを。
わたくしとお兄様が、その構造にどれだけ苦しめられたか、そこから生まれる争いにどれほどの辛酸を
舐めさせられたか、そしてどれだけ戦というものを憎んでいるかをお知りになれば、少しは御納得
いただけるかもしれません。」
彼女はそれから、タウロカの求めに応じて話し始めた。
それは、リョザの国の歪みの歴史だったが、彼女自身の苦しみ、悲しみ、怒りの歴史でも
あった。数日前の午後に、母や妹達におだやかに語ったのとは違う、熱く、激しく、真剣な
語り口に、彼の心は激しく揺れた。そこにいる彼女は、いつもの、とりすましてよそゆきの顔を
した、異国の姫ではなかった。
怒り、泣き、笑う、血肉の通った一人の女だった。
彼女が語り終えたときには、夜も深くなっていた。
彼女の手を取って、泊まっている客室へ送りましょう、と言うと、彼女は
「こうして女性と歩くのに慣れていらっしゃるのね?」
と言って、軽く笑った。
「女の歩幅に合わせることも、段差で手を取ることも、ひどく巧みですもの。」
トゥラでは、恋は男の嗜みとして、相手が素人でも玄人でも、とにかく結婚前に慣れておくことが奨励
される。結婚前に幾人の女と経験したかを競うものも珍しくはない。
「ええ、慣れていますよ、嗜み程度にね。・・・夜のお相手の方も。」
彼は彼女の瞳をじっと見つめて、反応を待った。彼女はトゥラの習慣には詳しく、これで充分に分かる
筈だった。
母などがこの場に居れば、国賓の姫になんと失礼なことを、と叱咤されたかもしれない。しかしリョザの
民である彼女がこういう習慣にどう反応するのか、少し知りたい気分だった。屈辱に顔をゆがめるだろうか、
それともひどく怒るのだろうか。
しかし、彼女は微笑んだ表情をちらとも崩さず、言った。
「タウロカ王子様はお話ししていてとても楽しい方ですから、女性にも人気がおありでしょうね。
トゥラではそういう習慣だと、聞いております。
わたくしの方も嗜み程度に、恋の相手は居りましてよ。わたくしを、乙女だとはお思いにならぬようになさって
ください。」
彼女は遠まわしに表現したため、その意味を理解するのに、一瞬間があった。そのおかげで
かろうじて、動揺を表情に出すのを抑えることが出来た。
「・・・そうですか。」
我ながら、間抜けな答えだ・・・と、彼は思った。動揺を誘って反応を見るつもりが、いいように動揺させられ
ている。程なく彼女の居室についたときには、正直ほっとした。
最後に、彼女は、異国の王子様に自国の恥部を話し過ぎました、ほどほどに忘れてくださいね、と言った。
いつもの彼女だった。
141其の七:2009/11/07(土) 09:25:54 ID:Mn6/TcEN
しかしタウロカは、自室に帰って、寝台に横になってからも、心が乱れるのを抑える
ことが出来なかった。先程のあつく語る彼女の姿、ふと漏らした彼女の言葉が、頭の
中を駆け巡っていた。
大体、乙女でない、などということは、政略結婚ではよくあることだが、そういうものは
初夜の床ではじめて分かって、そのまま闇に葬られるものではないのか?そんなことを
今の時点で明かすことに、何の利があるのだろう。
・・・いや、確かに話題はこちらから振ったし、ひどく敗けた気分だが。
オリが帰国した後も、彼女の言葉はひどく、彼の中に残り続けた。・・・他の女を抱くときにも。
彼女は普通の女のように、あの唇から嬌声を漏らすのだろうか。白い肌をどんな男に
許すのだろう。
その想像はいつも、まるで現実味を持たなかった。彼の記憶に残る彼女はひどく清楚で、
聡明で、上品だった。
にもかかわらず彼の中には、全身の血が沸騰するような熱い衝動が残った。


4年目の彼女の訪問は、何人もの官吏を伴った使節団としての訪問となった。
以前から両国で整備を進めていた街道が開通し、それに伴って通商の約定を更新する必要が
あった。それはオリが何年もかけて繋いできた両国の絆が、確かなかたちになるということだ。
調印はリョザで行われるが、それまでに両国の官吏で細かな調整が必要だった。
彼女にはひっきりなしに両国の誰かが話しかけ、官吏たちの間を慌しく動き回らねばならず
、今までのようにゆっくりと座って話している暇はなかった。
気迫のせいなのか、今年現れたときから彼女は、はっとするほどに美しくなっていた。
母や妹も同じことを言っていたから主観のせいだけではないのだろう。
彼女は、紅と化粧の仕方を少し変えました、とこともなげに応えていたが、しっとりと艶めいて、
匂い立つような色香が加わっていた。
忙しく立ち振る舞っているせいなのか、すれ違うとき、隣に立って話すとき、今までより半歩は
近い気がした。彼女が近づくたび、湯を毎日使う習慣が出来てからは随分廃れたのですが、と
以前語っていた、彼女の衣に焚き染められた香が、これまでよりも甘く香った。

実務以外の話をほとんどすることなく彼女が帰った後も、あの香りが頭の芯に残るようで、同じ香を
捜し求めた。彼女の使うものにならなんにでも詳しい、タウロカの二番目の妹が、香木の
種類も銘柄もすべて把握していた。
しかし、手に入れてから気づいたのだが、こういった香りは、つける人物の匂いと混ざって完成する。
香炉でくゆらせてみても、他の女に纏わせてみても、彼女から立ち昇る、あの頭の芯を
痺れさせるような香りにはならなかった。
結局は、彼女の肌の匂いを嗅ぎたかったのだ、ということに気づいてタウロカは愕然とした。
動揺を隠し切れない兄に、妹が、今頃恋患いですか、と声をかけた。
「お兄様は鈍すぎます! ほかのことは何でもお出来になるのに、恋のことになるとてんで駄目
ですのね!
先日の訪問のときもそうですわ!ずっと見惚れてらっしゃるようなら、お姉様がお帰りになる前に
どこかにお誘いすればいいでしょう!」
「み・・・見惚れてなど、いない。」
タウロカは反論したが、妹はやれやれといった顔で聞き流した。
「見惚れているのは今回に限ったことではありません。オリお姉様がいらっしゃるとき、お兄様は
はじめからお姉さまばかり見ていらっしゃるくせに。」
それは異国の大使としてやってきた姫を観察していたのだ、と反論したかったが、妹のこの勢いでは、
何もかも無駄のようだった。
142其の八:2009/11/07(土) 09:27:19 ID:Mn6/TcEN
「お姉様だって、トゥラの王室に興味がおありの様子なのに!・・・ぐずぐずしている間に、他の
男に盗られますよ!」
「・・・彼女が他の男の方がいいというなら、それも仕方がない。」
彼の言葉を聞いた妹の眉が、みるみる釣りあがった。
「何を弱気なことを! リョザの男ならまだしも、近隣の他国に嫁がれたらどうなさるおつもり
なの!
お兄様もトゥラの男なら、私が貴女を世界で一番幸せにします、くらい言ったらどうなんですか! 
恋は奪って手に入れるものです!」
彼女がトゥラほど懇意にしている国は他になさそうだが、確かに彼女の情熱を考えると他国へ、
というのもない話ではなかった。
「オリ殿が他国の妃になったら、脅威だな。」
というか、悪夢だ。なにか、勝てる気がしない。
「そうでしょう? 大体お兄様を見てると、じれったくて仕方がないわ! 私が妙齢の男なら、
今すぐお姉様を奪いに行って差し上げるのに!」
「・・・おまえももう17歳で妙齢の娘なのだから、落ち着きなさい。」
彼は妹をたしなめたが、妹の言うことにも一理あった。少なくとも、彼女との縁談を断る理由は、
もうひとつもなかった。
彼は、トゥラの王子としても、一人の男としても、彼女が欲しいのだ、ということを、今はじめて
自覚した。自覚した以上は、行動せねばならないだろう。それが叶うとしても、叶わないにしても
――彼女がいつも、そうしていたように。
彼は、妹に軽く礼を言うと、父王に会うためにゆっくりと歩き出した。


              ――end――
143名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 09:28:32 ID:Mn6/TcEN
そして、5年目に続く!
以上、異国の姫の価値を冷静に量っているようで、じつははじめから気になってるタウロカでした。
くそう!6年は長い!ので最後妹に怒らせてみました。
あんまり早いうちからベタ惚れさせると待たされるタウロカが不憫で・・・(泣)
タイは性倫理ゆるめだし(オイ)、南国は人も動物も虫も恋が盛んだという話(偏見)なので、トゥラは
あんまり厳しくないって設定です。第一、30歳まで結婚延ばせるって、汚れた大人から見ると、
その間に遊べるの前提ってことだよな、と・・・。
オリは3年目の訪問はロランと再会前、4年目は別れた後(非処女)って設定で書いてます。
3年目の最後でオリが非処女宣言したのは、タウロカの性倫理観を様子見するためで、反応弱いな・・・
と思ってる話を、オリの方で先に書きたかったが、先に書きそこねw
5年目でプロポーズ、6年目で承諾するもアマスル戦があって訪問無し、7年目の春に婚約式で7年目
の秋に結婚、って予定です。
遠乗りネタはごっそり頂いていきます! 5年目のプロポーズの際には遠乗りして欲しいですね!
どうせ従者とかついて来るんだろうけど。どうするんだろう・・・。完結編でオリは明らかに返事して
ない状態だし、国同士の話になるから別に本人が言う必要もないんだろうけど。
国同士で縁談申し入れてあんまり放置しすぎると国際問題っぽくなるから、1年が限度かな?
144名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 19:51:25 ID:s5slZ661
お前ら的にありえない組み合わせって何?
145名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 19:57:26 ID:m64jp2k9
>>144
エク×リラン
146名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 20:02:00 ID:m64jp2k9
リラン×トムラ

エサル×キリク

エリン×エク

ソヨン×闘蛇♂

ソヨン×王獣♂
147名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 21:21:13 ID:H4DS3QvK
>>143
GJ!
あなたにSS神の祝福がありますように
そしてあなたにエロ神の降臨がありますように!

>5年目の遠乗り
あの二人なら従者なんか吹っ切って駆け抜けそうだ
148名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 21:36:02 ID:Y/dtbxqg
>>143
GJ!
14992:2009/11/07(土) 22:43:41 ID:dz5c+lNt
>>143
仕事立て込んでて板を覗けなかった間に嬉しい投下が(喜)
激しくGJです!

タウロカの気持ちの変化がダイレクトに伝わってきて「いいぞ
いいぞ〜w」て感じです。相手を好きになってるのを本人が自覚する
前に、まず嗅覚という五感に訴えるあたりが心憎いですw
この後の遠乗りエピでタウロカが念願通り、思う存分オリの香りを
クンカクンカできる事を期待してます!
150名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 00:32:21 ID:7nPOPqMA
>>144
ソヨン×王獣(♂)

イアル×エサル

エリン×闘蛇(♂)
151名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 21:00:44 ID:+XyCx+XC
>>144
人間同士、異性同士ならば何でもOKだ
152名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 20:21:01 ID:9dEHS8t5
人間同士、異性同士か・・・

獣姦は需要なしみたいだね。
153名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 22:33:50 ID:6/gPm06s
獣姦なんか好む奴の人間性疑うわ気持ち悪い
154名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 23:28:00 ID:C0xihArq
そんなの好みの問題だろ
こんなとこで何行ってんだか
155名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 23:37:19 ID:dUjCIqnl
書きたい話があるなら
警告付けて投下してみればいいのではないか?
読んで初めて己の中の隠された嗜好に気付いてGJ言ったこともある
156名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 18:16:14 ID:tiVN6r7y
まあここは原作信者が大半を占めてるからな
原作とは関係のないネタは認めたくないんだろう
157名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 21:16:28 ID:Xpbwmuu7
エク×エリンをぜひ読んでみたいです?
158名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 21:27:36 ID:LjIsqc8h
まあ最初に警告つけてくれれば自分は避けるから、とりあえず
投下してみればいいじゃん。そんな誘い受けみたいな書き込み
してないで
159名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 21:56:27 ID:rw8xNuaX
王獣たちがエリンを輪姦とか・・・
まぁ、嫌いな人もいるから注意書きだけはしておいたほうがいいぞ。
160名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 22:12:29 ID:60Z37fWz
王獣たちがエリンを輪姦する話とか面白そうだなw
あと、エクの夜のお世話をするエリンとか。
161名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 22:38:52 ID:iGRyJFqH
アニメや原作のスレでくだらんエロ妄想撒き散らすくらいならここにSS書きゃいいよ。
ただ、みさくらパクの台本形式とか勘弁なw
シチュスレ並のクオリティを求めはしないが、せめて抜きどころのあるもの希望。

邪神レベルなら、それはそれで美味しいがw
162名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 22:51:32 ID:NpdfziVu
王獣たちがエリンを輪姦する話とか面白そうだなw
あと、エクの夜のお世話をするエリンとか。
163名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 23:40:08 ID:0WvhuCTN
済み
164名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 14:35:18 ID:25JBp88u
>>162
ラザルの王獣たちに輪姦されるリランとか
165名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 14:54:41 ID:wUui5yit
>>156
原作関係なく変態嗜好のキモヲタは嫌われて当然

そんなことより来週再来週と、とうとうラザル王獣舎だ
神降臨ラッシュの予感
166名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 16:02:23 ID:SqV4AkJQ
「狐笛のかなた」みたく、エクが人形に変化すれば……


ダメだ、さっぱり萌えん。しかも不倫w
167名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 21:18:06 ID:M4gb9CvA
>>166
『変化』で何故か某トランスフォーマー的にとらえてしまった俺オワレ
168名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 22:36:06 ID:M4cT7ut3
>>166
人間に変身すれば、と書こうとしたらもう書かれとったw
しまった孤笛だけは未読だった

エク×エリンなら、10月はじめあたりにエリンとソヨンスレに
ごく短いの貼ってあったよな、あれは普通にワラタ
普通にやってあれ以上って難しくないか

バツイチで逢った途端の若い処女とヤッて孕ませた
フェロモンっぷりになにか感じるところがあるなら、
ヒトガタにすればSSになるんじゃね?
孤笛の変身方法は知らんが、ケモノがヒトガタをとるやり方は
ファンタジー的に色々あるよな。
そうすると、バツイチ妻子持ちでフェロモンたっぷりで中身はケダモノの
エロ的においしいキャラが出来るんじゃね
最後は夢オチにすれば、不思議設定もキャラ崩壊も多少は容認されるし、
誰の夢にするかで落とし方も色々考えられる
ちなみにエクは王獣としてはまともなヤツだと思うけどな

誰かなんか書けばいいじゃん 注意書きは忘れずに
話はそれからだ
169名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 23:28:55 ID:2ONZ/ZFE
>>168
あなたにエロSS神の祝福あれ
170名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 23:36:49 ID:OTm+/h7s
誰もそんなもん書きたいやついないだろ
171名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 00:42:00 ID:nzt1Ffdl
この前から否定ばっかしてる奴ウザー
172名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 11:08:24 ID:qmkLYK9c
くだらない妄想あちこちに書き散らしてるのは同じ奴か?
173名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 17:09:17 ID:LFwH09TJ
つか、否定されてる時点でお前がウザがられてることに気づけよキモヲタ
174名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 20:43:43 ID:s7FHoRHx
エリン「エサル先生、大変です」
エサル「どうしたの?エリン」
エリン「エクが発情して柱に性器を擦り付けてます」
エサル「まぁ・・・//////」
エリン「どうすればよいのでしょうか?」
エサル「良く分からないけど、抜いてあげなさい、きっと溜まってるんだわ」
エリン「わかりました。さっそくやってみます」
175名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 20:59:56 ID:7pVt/4Xa
そういや前スレで獣姦流れに持っていきたくて自演してた奴がいたな。
叩かれ覚悟で潔く投下でなく、その辺の回りくどいやり方が より変態
度合いを増して見せてるんだよな。
176名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 22:14:05 ID:nzt1Ffdl
エロパロなんて見てる時点で等しくキモヲタだろJK…
自分は違うとか思ってるならそっちの方がどうかと思うが
177名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 22:21:51 ID:7pVt/4Xa
>>176
まあ五十歩百歩と言われればそれまでだが、確実に五十歩の差はある訳で
つか、そんなに獣姦が好きかw
178名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 22:32:17 ID:nzt1Ffdl
好きだよ 普通のエロより好きかと言われたらそんな事は無いが
ただ読んでみたいから否定派ばっかで投下しにくくなるような
空気になるのは嫌なだけだよ
179名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 22:52:21 ID:7pVt/4Xa
>>178
だとしたら、ロムってた否定派を掘り起こして確実に投下しづらい雰囲気
になってるぞw いっそ何も言わず邪神(?)の気紛れにまかせておけば
良かったのに。まあ自分はヒトガタ変化とか夢オチな捻りが無い限り
否定派だけど
180名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 23:09:21 ID:UjNWL6my
たとえエロでも人間の異性同士なら理解もできるが
自分の好きキャラを獣姦のネタなんかにされて嬉しい奴はいねえよ
少なくともここでは原作愛好者が多いからな
お前のような変態趣味に付き合ってやる義理はない
181名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 23:35:11 ID:uRl7CTHt
おいらは、まあとりあえず作品読んでみてから判断するな
でも、今のところ落ちてる小ネタでは抜けない
182名無しさん@ピンキー:2009/11/13(金) 23:57:45 ID:PLcC5v0k
どうしても意に添わない話題だと言うのならば

たまたまエリンとイアルの結婚の儀の時に
遠くに出張してて不在だったけど
戻ってきたらエリンの腹が大きくなってて
変な方向に勘違いしちゃったトムラの話ってことで
読み流してみては?

後日ジェシがアルを「姉ちゃん」などと呼ぶから
妄想ぶり返すトムラとか
183名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 03:30:44 ID:Nj3MMQEF
あと、雄の王獣はエクしか発情してない(続編でやっとウカルも)って設定なので
輪姦は原作逸脱もはなはだしい
原作もアニメも見てないキモヲタか!ってなる

ただし本当に好きなら、書いてみて注意書きつけて投下すれば?とは思う
この板のスレタイざっと見たけど、獣ネタ少ないけど需要自体はあるんだな
愛があればここでも生存権あると思う

が、何かにつけてネタだけ貼って
キモイ!って言われて喜ぶ荒らし行為はどうかと思う
多分本スレとかにも出没してる荒らしさんが混じってるんだと思ってるけど
184名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 12:04:25 ID:R32GXVnm
そいつ一人の自演だろどう見ても
原作設定もキャラ設定も何も頭に入ってないエログロが見たいだけの
変態キヲオタじゃん
185名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 13:41:30 ID:adnEE32L
^^;
186名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 15:54:16 ID:p/AKKNkC
^^:
187名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 17:21:34 ID:myickEft
原作大好きだがこの板で原作逸脱とか言うのは正直どうかと思う
どんなもんだか見てみたいし個人的には獣姦も投稿して欲しいけどな
もちろん注意書きは必須だけど。変なネタならスルーすればいいだけだ
188名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 18:55:12 ID:Yby0iPCy
まさかサジュが出て来るとは…
189名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 20:09:39 ID:pnMfe4mz
ロリヲタざまぁwwwだったな
190名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 00:21:18 ID:PUYIwqRw
ここにも原作房がいるのかwww
191名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 00:29:57 ID:Tt6HSvP5
いやここ原作のエロパロスレだから
192名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 00:51:56 ID:PUYIwqRw
アニメのエロパロかと思ってた。
勘違いしてたみたいだな、すまん。
193名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 01:02:30 ID:p+by/Sg4
アニパロスレだと思ってた、スマン





エク人形・夢落ちが限界だなぁ…
しかもさわりで挫ける有り様、ヘタレも良いとこだ(笑)
叩かれるだろうな…たぶん
しかも原作無視だしな、きっと
194名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 01:13:31 ID:4tWRXOaQ
>>193
気にすんな。自慢じゃないが原作無視なんかいくらでもしてるぞ。
叩きとスルーが怖くてエロパロ書けるか。

が、誘い受けはいただけない。サクッと書いて注意書きつけて投下。これ最強。
195エク(人形)×エリン ヌルー推奨:2009/11/15(日) 01:33:08 ID:p+by/Sg4
辺り一面に真っ白い花が咲いている。
夜だというのに、月の光に照らされて明るい
「エリン」
聞いたことの無い声だけど、この場所に私1人では無いと振り向いた
私の目に映ったのは、月の光を受けて青白く輝く髪と蒼い目の男だった
「貴方は誰ですか?ここは何処ですか?」
男はゆっくり近づいて、私をそっと抱き締めた
思わず顔を上げて男の顔をまじまじと見つめた
「何するんですか?私を知ってるんですか?」
男は優しく微笑むと、頭を耳元に下げてきて
「エクだ、此処が何処だかは知らない。それよりも良い匂いがする」
耳の後ろに鼻の頭が当たってるのがわかる
「エク?エクは王獣の名前だけど、それに良い匂いって…」
196エク(人形)×エリン ヌルー推奨:2009/11/15(日) 02:13:02 ID:p+by/Sg4
強く抱き締められ、男の息遣いを耳元から感じる
「エクだ、お前達はそう俺の事を読んでるだろう。
あぁ、良い匂いだエリン…メスの匂いがする。」
私を抱き締める男はエクだと言い、私を離そうとしない
それどころか吃驚するような事を言ってる
「もし貴方がエクなら、どうして私にこんな事をするの?
リランの所に行かなくて良いの?」
「メスが発情して誘っているのに応えないオスは若いか老いてるかのどちらかだし
ここにリランは居ない、違うか?」
「発情!?私が!?」
耳元に掛かる息遣いが無くなって、目の前に男の蒼い目が近くにあった
何が起きたのか解らなかった
男に口付けられて、気がついたら押し倒されていた
解らないまま動けず、ただ目の前には星空がひろがった
男の息遣いが耳元から首筋に感じる
「やめて下さい。どうしてこんな事をするんですか!?」
「匂いが強くなった、感じてるんだろう?
エリンこそ何で俺を止めようとする?
男を待っているメスの匂いがしてるのに、どうしてだ?」
訳がわからず「やめて下さい!待ってなんかいません!」そう叫んだ
197エク(人形)×エリン ヌルー推奨:2009/11/15(日) 02:53:53 ID:p+by/Sg4
「待っているよ、解らないのか?
匂いもさっきより強い、それに此処からだけじゃない
体のあちこちから匂いがしてきた。」
そう言って男は私の体をまさぐり、あちこちに口付けてきた
不思議と抗う事ができなかった
そんな訳無いと思う、でも男がエクに思えてきて仕方なかった
「エリン どうした?」
男に顔を覗き込まれ、心配そうに聞かれ
「本当にエクなの?これは夢じゃないの?」
まじまじと見つめられ
「俺はエクだ、これが夢かどうかはわからない。」
そう言うと頭がゆっくり下がっていった
ふと視線を下げると、服は何一つ付けてなかった
胸元に下りていった頭に「エク?」と声をかけると
顔を上げて微笑みながら私の片方の乳房の先を口にくわえて強く吸った
「あぁぁぁっっ…」



目をあけると、そこは見慣れた自分の部屋の天井だった
どうしてあんな夢を見たんだろう…
「疲れてるのかな?」
そう自分に言い聞かせるように呟いてきつく瞼を閉じた







この先とか無理じゃ(笑)
ヘタレだわ、何だわでスマン
さらばだ
198名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 02:57:39 ID:PUYIwqRw
GJ!
199名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 10:00:26 ID:54PEivJ/
>>19
GJ!
>>193は誘い受けでなく単なる注意書きと前書きだったのか

夢オチは原作無視とは思わんな、雰囲気もいい
夢そのものの雰囲気も精霊シリーズの夢みたいな不思議な感じだ
せっかくだから最後までやって欲しかったけどな
200名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 11:29:38 ID:C7eDvfAE

今更ですが>>49ありがとうございます!!
投稿します!前スレからお世話なってますが、今回の話は心情描写が読み手によって「ねーよ」ってなりそうで申し訳ないです
NGはIDでお願いします
獣姦流れブチ切りのイアエリです。すまぬ
探求編〜完結編まで未読の方はご注意ください
真王と大公との謁見のあとの二人で妄想です
以外7レス
201No.1:2009/11/15(日) 11:30:10 ID:C7eDvfAE

怖くて堪らなかった。
大切な誰かを失うのは…もう嫌なのに。

「どうして…!」
拳に力を込め、肩を震わせエリンは夫を責めた。
ジェシを寝かし付ける頃、イアルは戻ってきた。
彼は謁見の後、大公とヨハルに呼ばれ数時間振りの再会だった。
「…これ以外思い付かないんだ」
静かに、彼は答えた。
「お前を一人で戦場に行かせる事は…俺には出来ない」
「…っ」
彼の言葉は、エリンの胸を刔るものだった。
「自分が出来る、最良の事を俺はしたいんだ。お前とジェシが…」
彼の言葉を遮る様に、エリンはイアルの胸に縋り付いた。
「行かないで…っ!」
叫ぶ様に声を絞り出して、エリンは心のままに言った。
涙腺が壊れたのではいかと思う程、涙が溢れてくる。
彼は腕を彼女の背に回し、何も言わずエリンの言葉を聞いていた。

泣き喚いて、彼に懇願していた。
傍にいてと、何度も何度も。
今自分は母ではなく、愛しい男に縋る、哀れな女だった。

初めて恋を知って、彼を望んだ。
ささやかながら幸せな10年を、彼と息子と過ごせた事で、大切なモノの為に後戻りの出来ない恐さを知りながらも、王獣を戦争に使う事を決めた。
202No.2:2009/11/15(日) 11:30:41 ID:C7eDvfAE
その先に待つ結末がいかなるものであっても、これが自分がしてきた事の答えと受け入れるつもりだった。
リランと出会えた事を悔いてはいない、そのことが贖罪などとは思わない。
そう思っていた。

しかしその意志を貫く根底に、夫と息子が護られている、自分勝手だがその意識がエリンを支えていたのも事実だった。


彼の胸を涙で濡らし、泣きつづけたエリンはゆっくりと顔を上げた。

静かな黒い双眸を見つめる。
しかしまた涙が湧いて出て、霞んで見えてしまう。
目に、旅立つ夫の顔を焼き付けたいのに…。

「エリン…」
「…抱い…てっ」
名を呼ばれると、もう止まらなかった。
分かっていた。真王と大公の前で、闘蛇乗りになると宣言した彼を、止められない事は。
ただ、イアルのなに一つも忘れたくなくて。
焚きつけられるように、言葉を発した。
彼はエリンの背を、宥めるように撫でた。
涙で見えないながらも、彼が薄く笑った気配を感じる。
「そういう台詞はきっと…俺から言うべきなんだろうな」
「…あなた?」
「俺はいつも受け身だな…」
そうイアルはいい放つと、エリンを腕を抱きしめる。
背が軋む程に強い力で、その腕に閉じ込められる。
203No.3:2009/11/15(日) 11:31:15 ID:C7eDvfAE
遠い昔の王獣舎での出来事を思い出す。
あの時…エリンが隣で眠っている時に感じた虚無感。
これから先も、自分は独りなのだと思い知らされた。
しかしその柵をエリンが壊してくれた。
自分に妻がいて息子がいて。いまでもたまに現実味がないそれは、手放せないほど大切なモノだ。
「ありがとう…エリン」
イアルはエリンの耳元で囁く様に言うと、腕に閉じ込めいた彼女を抱き上げた。

エリンは促される様に、彼の首に腕を回す形で抱きつく。
そのまま運ばれた寝具の上に横たえられ、額に静かに口づけを貰う。
今だに止まらない涙を拭う様に、瞼と濡れた頬に優しく唇が触れる。
目を薄く開けてイアルを見つめると、絡んだ視線の意図に気付いたのか、ゆっくりと唇を彼のもので塞がれる。
すぐに深くなった接吻は、時を忘れたかの様に長く続いた。
角度を変える度に漏れる吐息が、甘さを帯びていて、身体が素直に疼いて行くのをエリンは感じた。
「っ…ぁ…ん」
深く、舌を絡ませあう口付けをしながらイアルはエリンの腰帯を解く。
衣服の合わせ目から彼の手が侵入してきて、ゆっくりと脱がして行く。

204No.4:2009/11/15(日) 11:31:54 ID:C7eDvfAE
委ねてしまえる。この感覚がエリンは好きだった。自分が望むままに彼だけで満たされる、この瞬間が。
長い口付けが終り、彼の唇が首の弱い肌を撫でる程柔らかに辿る。衣服で隠れていた敏感な素肌に、触れた男の手が官能的に動き、身体の疼きを暴けだす。
「…ん…っはぁ…」
一ヶ月以上彼に触れられていないのだと、久しい熱に躯は正直だ。
本能のままに順応に、彼の愛撫に答えている。
ただ心は、これが終わってしまえば離れてしまうのだと、寂寥感を訴えていた。
だからどんなに拭われても、涙は止まらなかった。
抱いてと、その熱を欲したのは自分なのに。
「っ…いっ…」
弱い皮膚に朱い跡を残し、そこからゆっくりと肌を辿って行き、肉付きの薄い乳房の頂に有る尖りを、口に含んだ。
「あぁっ…」
蠢く舌が耐性のない弱い突起を嬲る。
堪らず彼の頭を抱き、高い声をだしてエリンは鳴いた。
もう片方の乳房は左手で弄られる。
「あ…んあ…あぁっ…」
弱い頂ばかり攻められて、喘ぐ声が止まらなくなっていった。
右手は肌を堪能するように動き、腹から下へ下へと降って行く。
乳房から顔を上げた彼は、舌先で肌を味わうように舐め、右手を追うように下へ降りていった。
205No.5:2009/11/15(日) 11:32:17 ID:C7eDvfAE
右手が大腿を撫で、イアルは両腿を掴み、大きく割り開く。
痴態を取らされて身じろぎすると、逃げられぬ様に押さえ付けられる。
何度肌を重ねても、こんな風に秘所を顕わにされて見られは、羞恥が込み上げる。
「…ゃ…見ないで…」
言葉になった拒絶に、イアルは一度エリンの顔を見ると、再び下肢に視線を戻して暴いた秘所に顔を近づけた。
気付いてエリンは藻掻いたが、意味など無かった。
既に蜜で濡れはじめた弱い花弁に、舌先で触れる。
「いやっ…あぁっ…」
拒絶から漏れた声は確かな手応えを伝えていて、彼は、吸い付くようにして弱い芯を愛でる。
「あ…ゃ…ぁ…ぁ…」
段々と彼女の体躯から力が抜けて行くのを感じた。
強張りが緩むと、快感に順応に身体を明け渡し、溺れて行くのがわかる。
溢れる蜜と唾液で濡れそぼる秘壺に、彼はゆっくりと中指を沈めた。
十分な滑りを感じて静かに、指を動かしはじめる。
「ぁっいいっ…んあっ…」
舌で執拗に弱い花弁を攻め、蜜を湛えた秘壺は増やされた指で掻き回される。
得難い快感を受け入れる為に自ら脚を開き、彼の前に全て晒した。
もっと深い快絶が欲しいと、敏感な肉が媚びている。
「もう…きてっ…あっ…」
206No.6:2009/11/15(日) 11:32:41 ID:C7eDvfAE
その言葉を聞くと、イアルは顔を上げた。
エリンは涙で霞む視線を合わせ、精一杯彼を見つめた。
快感に溺れ、思考なんてなんの役にも立たないのに、何故涙が止まらないのだろう。
するとまた静かに額に、接吻を落とされる。
腫れる目元にも、撫でる様に触れる口付けを貰う。
「エリン…」
耳元で名を囁かれ、解された秘壺に熱い質量が押し当てられる。
息をつめると、押し広げる様に狭い肉を割って、そそり立つ欲望が挿いってくる。
「いあぁ!!…あっあ…ん…」
硬い熱が膣内を満たす。
荒く息を吐くエリンを労る様に、熱が馴染むまでイアルは動かなかった。
「…も…いいわ…」
「無理するな…」
乱れる吐息の間から、切れ切れにエリンは言葉を発する。
久しい挿入の感覚に強張るエリンに気付いて、イアルは宥める為に彼女の髪を梳いた。
流し続ける涙を止めてやりたいのに、術が見付からない。
長い時そうやって彼女の髪を撫でて居ると、その手にエリンの手が添えられる。
輪郭をなぞる様にして濡れた頬を撫でると、エリンはその手に唇を寄せた。
そして泣きながら…壊れそうな笑顔をこちらに向ける。
「この手が…私は…好きよ」

207No.7:2009/11/15(日) 11:33:59 ID:C7eDvfAE
慈しむ様なその笑顔に、イアルは目の前が滲むのを感じた。
木を削る様を見ているのを、彼女は好きだと言った。
淡々とした作業をじっと見ていた彼女は、少女のように目を輝かせ、興味深そうに色々と質問責めにされた。
懐かしい事を思い出し、霞む視界の中、翡翠の瞳を見つめた。
添えられた手をとり、寝具の波に指を絡めて沈める。
それはまるで祈りを捧げる様で。
罪を背負い背徳感に苛まれ、今更、何に縋ることも出来ない自分達だが、小さな願を溶かすように、儀式のような口付けを交わした。
「エリン…」
「あっ!…ん…あぁっ…」
緩やかに始まる律動の中、互いに甘い熱に溺れて行った。


――方法は違えど、共に道を開こう。

愛する息子の為に。

自分達を支えてくれる人の為に。

人間の利己で縛ってしまった獣の為に。

二度と過ちを繰り返さないよう、二人は祈りを捧げた。

208名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 11:48:40 ID:Vtn/wcUK
別離前夜泣ける!GJ
209名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 14:30:01 ID:54PEivJ/
>>200

超GJ!!!!
イアルとエリンのそれぞれの切なさがよく出ていて
胸に迫ります

心情描写は、これだけ丁寧に読み込んであるものは
多少自分の解釈と違ったとしても
「ねーよ」なんて思う人は少ないんじゃないかな、もっと自身持ってください
210名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 15:06:07 ID:PUYIwqRw
>>200
GJ!!
211名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 15:51:37 ID:6cZ1lpzD
SSの神様ありがとう
どっちもGJだ!
212193です:2009/11/15(日) 22:31:59 ID:p+by/Sg4
GJありがとうございます
あの先は一度トライしたんですが、獣っぽくないので止めました
獣らしさを追及すると、話が短くなるわ盛り上がらないわで
書く事すらできなくて…いや、王獣って犬と猫と鳥を合わせたような感じなんで
原作読んでないんで、色々わからないんですよ(笑)
王獣の年齢設定もどうなってるのかも謎だし
エクって三十路男になるかならないかの年頃なのかな?とかね



キリクが悶々としてる話しが書きたいです
トムラが暴走しかかった所をシロンに諭されるとか
ムック(だよね?)が、どうしようもなくなって
学舎の裏の木のウロで自己処理する話しとか(たまらなく古いネタだ・笑)
誰か書いてくれないかなぁ
213名無しさん@ピンキー:2009/11/15(日) 23:44:55 ID:MaFhAWX0
「ハア〜」
エリンはまた、深いため息を吐いた。ここ最近疲れているのかよくため息が出る、しかも食事もあまり喉を通らない
「ハア〜私どうしちゃたのかな…」

(ん…あれは…)

「ハア〜」
「どうしたのかな、エリン先生?」
「あっキリク先生!」
「リランと上手く行かないのかな?」
「違います…」
「?」
そいうとエリンは顔を下げて話し始めた
「なんだか最近、特に悩み事がある訳でも無いのにため息をついたり、食事があまり喉を通らなかったり…」
「ふ〜ん」
キリクは頷きながら少しいたずらっぽく笑った。キリクの不思議な態度にエリンは戸惑いながら尋ねた
「あの…何が可笑しいんですか?」
「ハハハ、エリン先生君はきっと恋をしているんだよ」
「えっ!」
キリクのあまりにも予想外の答えにエリンは固まってしまった
「ん、エリン先生どうかしたのかな?」
「はっ!いえ何でもないです、し、失礼します!」
そう言うとエリンは慌てて自分の部屋に戻った
ガチャ…バタン…テクテク…バフ

枕に顔を埋めながらエリンは呟いた
「恋…」
その初めての体験にエリンは戸惑った。そして、誰に恋をしているか考えてみた
「誰だろう…もしかして、イアルさん?」
頭に浮かんだ名前をエリンは呟いた
(そういえば、最近イアルさんの事をよく考えたりしてたかな………イアルさんに…会いたい…)
「ハア〜」
そんな叶うはずもない願いを考えながらエリンはまた、深いため息をついた


おわり
214名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 01:04:09 ID:fKdwWgkh
え?終わり?これから始まるんじゃないの?
215名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 19:57:08 ID:r6UkiCXq
>>200
GJ!
>>213
投下乙!非エロ表記があれば、なお良しw
216名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 00:39:00 ID:HteKYfjx
※原作新婚イアエリ ↓3レス
※>>125->>129のネタを頂きました。
※鬼畜というにはぬるく、ラブラブwというにはマニアックなシチュ。NGはIDで。

>>127
>湯やだと声が響くから、口にタオルでも噛ませて
>背後からかな〜って鬼畜系かよorz

滾ったけど、既にそのシチュ書いてた…。
2171/3:2009/11/18(水) 00:40:01 ID:HteKYfjx
小さな燭台の灯りが揺らめく部屋に二人の荒い息遣いが響く。
布団の中に熱気がこもり、絡まる身体にとめどなく汗が流れ落ちていく。
「……あぁっ…あっ!……」
「……くっ……」
エリンを組敷いたままイアルが動きを止め、彼の汗ばんだうなじをエリンの手が撫でる。
その手が肩へと滑り、指先が肌の上を探るように動いた。
「……どうかしたか?」
「この傷、引き攣れになってしまったわね」
沈んだ彼女の声に、ああと小さくイアルが呟いた。
道具もろくにないうえに、獣ノ医術師である彼女が止むに止まれぬ状況で縫ったのだから
仕方ないことなのだが、その傷痕はエリンにはひどく痛々しく思えた。
「気にしなくていい」
頬への口づけを残して、エリンにかかっていた重みがなくなり、その刹那の空白感すら切なく、
彼女は小さく溜息をついた。
身体を起こした二人の耳に宵を告げる鐘の音が届く。
いつもならば、とうに湯屋に行っている時分だった。

「――悪いね、今日は、もう仕舞いだよ」
「え――?」
表に立つ湯番の親爺の渋面に思わず二人は顔を見合わせた。
「糞餓鬼どもが女湯に泥まみれの野良犬を投げ込みやがって、犬が湯船に飛び込んでドロドロ、
 女どもは大騒ぎになるわ、覗いた覗かないで男湯で喧嘩になるわで、しっちゃかめっちゃかさ。
 やっと全員おっぽり出して、静かにはなったが、早仕舞いする羽目になって、商売上がったりだ」
まさに湯気をたてんばかりに捲し立てる親爺の剣幕に再度二人は顔を見合わせた。
開け放した戸から覗いた女湯の脱衣所は、なるほど親爺の言うとおりの惨状を思わせる有様だった。
籠が飛び散り、そこらじゅうに泥の塊と犬が全力で走りまわった跡が残されている。
居合わせなくて良かったという安堵と当てがはずれた当惑がある。
ここ以外の公衆浴場だと二区画は歩くことになり、仕舞い湯に間に合わないかも知れない。
途方にくれた二人に気づき、まだブツブツとこぼしていた親爺が八つ当たりを詫びるように言った。
「男湯だったら使ってくれて構わないけどな。どうせ、こっちは後始末でまだ閉めらんねえし」
「じゃあ、わたしは先に帰ってるわ」
イアルに向けたエリンの言葉に親爺が眉をあげる。
「一緒に浸かっていきゃいい。他の客は入れねぇから心配すんな」
「でも……」
困り果ててイアルの顔を見上げると、彼が頷いて見せた。
「お言葉に甘えさせてもらおうか」
「おう、ゆっくりしてってくれ」
親爺の声に押されるように中に入ると、改めてエリンは顔を赤らめた。
「あの……先に行ってて」
こそこそと脱衣所の隅に隠れようとする彼女に思わずイアルは苦笑を漏らす。
つい先ほどまで裸で抱き合っていたというのに今更何を恥ずかしがっているのか、と思うと
おかしかった。
もう見慣れている、と心のうちでひとりごち、彼女を置いて浴場へ向かう。
篝火の灯りがゆらゆらと揺れる湯船につかると、大きく伸びをした。
男湯と女湯で浴槽が別れていたのがこの湯屋にとっては不幸中の幸いだった。
浴槽が中で繋がっている形式であったら目も当てられないことになっていただろう。
そろそろと戸が開き、前を隠そうと手拭いを精一杯伸ばしたエリンが入ってきた。
身体の中ほどは隠れているが、くびれた腰と張り出した臀部までは覆いきれずにいて、
彼女が歩く度に腿の内側がチラリと覗く。
ハッと息を呑んだイアルが慌てて目を逸らした。
彼女の肌は見慣れているはずだった。
それが、篝火の灯りのせいか陰翳がくっきりと浮かび上がり、やけに艶めかしく見える。
加えて、恥ずかしそうに頬を染めて俯く彼女の顔が新鮮に映り、男の本能が強く揺さぶられてしまう。
水音の後で、湯船に波紋が起き、彼女が爪先からゆっくりと湯船に身体を沈めた。
「……気持ちいい。やっぱり、入らせてもらってよかったわね」
「そうだな」
くつろいだ彼女の声ががらんとした浴場内にくぐもって響き、それすらも艶っぽく感じる自分に
半ば呆れながら、彼女の立てた波から逃げるようにイアルは洗い場に向かった。
(まったく、どうかしている)
憮然として椅子に腰かけると石鹸を泡立て始めた。
2182/3:2009/11/18(水) 00:40:44 ID:HteKYfjx
背後でちゃぷちゃぷと水を打つ音がしている。
「――イアル」
「……何だ?」
「あまり泡立てると石鹸がなくなるわよ」
(…………どうかしている)
呆けた自分に喝を入れるように乱暴に頭を洗い始めた。
その肩にあたたかい手が触れ、イアルは反射的に身を固くした。
「あ、ごめんなさい。驚かせた?」
「いや、どうした?」
「……こっち振り向かないで。あのね、刀傷は女性の手で揉みほぐすのが良いって言うの。
 ただの言い伝えかも知れないけど」
「そうか」
「この傷、冬になったら疼くかも知れないわね……ごめんなさい」
「謝ることなんてない」
イアルは彼女に知られないように小さく息を吐いた。
慈しむように精一杯丁寧に傷痕を揉みほぐそうという彼女がいじらしく、そんな彼女に劣情を
抱いた己が恥ずかしくもあった。
「――ついでに、洗ってあげる」
断られる前に、エリンがそうっとイアルの頭に指を立て、洗い始めた。
本当は湯船に今すぐに戻りたいくらいに恥ずかしい。だが、触れていたいという気持ちの方が勝った。
内心の動揺をおさえるために、獣の仔を洗うように無造作にエリンが彼の頭を洗い、湯をかけるのに
イアルは黙って従っていた。
頭を洗い終わった彼女の手が石鹸の泡を纏って彼の背を滑る。
その手が、背から前へと回り、二人の目が合った。
「……エリン、もういい」
「……そう」
我に返った彼女が恥ずかしげに眼を落とし、彼の膝の上の手拭いで止まった。
ちらと眼を上げると、彼が困惑しているのがわかった。
頬が赤いのは浴場の温かさのせいだけではないだろう。
困らせてみたくなった。
単に日ごろ冷静な彼が困る顔が見たいという好奇心もあるが、いつも一方的に翻弄されている
仕返しのつもりの悪戯心もある。
「……洗ってあげる」
「おまえは――」
呆れた声を出すイアルを無視して、手拭いで自分の前を覆うと、彼の前にひざまずき、膝の手拭いを
さっと取った。
「あ……」
「…………」
一瞬、あまりの恥ずかしさに目を逸らしかけた。エリンの顔が熱くなる。
これが自分の中に入って、これが行為の最中にぺたぺたとぶつかっているものか。
ふにふにとやわらかい袋の感触は可愛らしくすらある。
彼自身を手で包み、擦ると硬さと質量が増していく。
こんなものが……。
「――エリン」
不意に頭上から静かな声がした。
静かな怒気を察して、恐る恐る顔を上げたエリンにイアルが凍りつくような薄い笑みを見せた。
一度は静めた情欲を遊び半分で高められてはたまったものではない。
「いつの間にこんな悪さを覚えたんだ」
「あ、あのね、イアル」
しどろもどろに言い訳をしようとする彼女の腰が両手でつかまれ、彼の膝を跨ぐように乗せられた。
「――おまえが、こういうのが好きだとは知らなかった」
冷ややかな声で囁かれると、カッとエリンの耳朶まで熱くなった。
「……ち、ちが……」
イアルが彼女の手拭いを剥ぎ取り、乳房に吸い付く。飛び散った水滴が彼女の肌理の細かい肌の上を
球となって転がっていく。
「ちょっ…、だめ…」
上気した薄紅色の肌にさらに色鮮やかな朱の印が次々とつけられる。
その先の尖った濃い桃色の膨らみをやんわりと噛まれ、エリンが小さな声を上げた。
「…ん…っ、や、めっ…!」
「誘ったのはおまえだ」
2193/3:2009/11/18(水) 00:42:57 ID:HteKYfjx
イアルの両腕が逃れようとする彼女の細い腰をしっかりとつかまえて、背に回した手で執拗な愛撫を繰返す。
背から回された彼の手が尻の双丘の間を辿り、閉じ合わさった秘所に触れる。
人差し指と薬指で秘唇を左右に広げながら、中指が円を描くように潜り込み、じんわりと
滲んでくる蜜を指に絡ませて秘唇をなぞり、入口を掻き乱す。
「――うっ……」
脊髄から這い上がる刺激と疼きにエリンの腰が浮く。
イアルの手が彼女の頭をとらえて、下を向かせ、もう一方の手で彼女の腰をぐっと引き寄せた。
怒張が自身の入口にあてがわれているのを見て、慌てて彼女は顔を上げ、彼の首にしがみついた。
「見たかったんじゃないのか?」
恥ずかしそうに弱く首を振る彼女を見ながら、ゆっくりと彼が侵入してくる。
その動きをいつも以上に生々しく感じ、エリンの息が上がった。
「そんなにいいのか?」
「…は…ぁっ、……いじわる…っ!」
否定しながらも、さっき見た形状が脳裏にまざまざと甦る。
今、自分の中に何が入ってきているのか、釣針の返しのような張り出した部分が自分の中で
引っ掛るように動く様をつい思い浮かべてしまう。
あれが狭い肉壁を抉っている、そう考えただけでどうしようもなく身体が反応する。
「……あっ、あぁっ……」
「声を出すな」
低い声で命じられて、エリンの体が強張り、反射的に彼自身を締めつける。
咽喉から上がる声をこらえようと、眉をしかめて口を大きく喘がせる彼女の顔に彼の劣情が煽られる。
彼の肩に爪を立てる彼女を下から突き上げると、堪えきれずに彼女の口から呻き声が漏れた。
「聞こえるぞ」
隣の浴場からは人の気配はしない。湯屋の者は大方、女湯の脱衣所の後始末でもしているのだろうが、
敢えてそう言うと、彼女の締めつけが増した。
その感触と、声を堪えようとする彼女の様をもっと求めるように彼女の身体を抱え込むと
激しく突き動かした。
「……だ、めぇっ……」
上気した彼女の吐息が熱くイアルの頬を打ち、肩から背に回した腕に力をこめてしがみついてくる。
溢れる蜜が彼の腿にまで広がり、椅子をつたい、床にしたたり落ちていく。
細い腰をつかみ、身体を上下に揺すってやると橙色の灯りに照らされた咽喉が仰け反った。
「いいか?」
問いかけるイアルの声にも余裕がない。
彼女が懇願するように唇を震わせ、幾度も小刻みに頷く。
律動が速まり、二人は声もなく互いに絶頂を迎えた。

「……しばらく、あそこには行けないわね」
挨拶もそこそこに湯屋を出るとエリンがボソッと呟いた。
「気づかれてはいないよ」
「そんな問題じゃないわ」
「――そうだな」
「もうっ!」
平然と答えるイアルにエリンが鼻を鳴らし、言い返そうと息を吸って、ふと顔を上げた。
微かに眉を上げたイアルに何でもない、と首を振って見せる。
二人とも同じ匂いがしている。
同じ石鹸を使っているのだから当たり前のことなのだが、その当たり前が嬉しくて口元が緩んだ。
四つ辻に差しかかり、イアルが足を止めた。
「せっかく出てきたんだから、繁華街の方に行ってみるか?」
「……いっつも、そうやって丸めこむんだから」
イアルの頬に苦笑が浮かび、大きな手で彼女の頭を撫で、洗いざらしの髪を指で梳く。
「丸めこんでいるつもりはないんだが」
イアルの手にした灯りが宵闇を丸く切り取りながら進んでいく。
エリンは、灯りを持っていない方の彼の腕にしがみつくと、その小さな世界を満たす匂いを
吸いこむようにそっと彼の肩に頬を寄せた。


220名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 04:21:26 ID:H5ci0qV8
>>219
夜中に素敵な投下がw大変GJです!

あれ、湯屋の主人が中でナニしてるかお見通しで「若いってのはいい
やね〜w」とか思ってる気が(^^;

新婚ネタで台所→風呂→と来たら、お次は裸エプロン!(もちろんエリンの)
ですか?!

…いえ言ってみただけですw
221名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 08:08:55 ID:cZ3SlqGK
GJWW
供物をお受け取りくださってありがとう神様w
222名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 14:27:21 ID:4dZ5l8FG
>>219
GJです!!!
神様来てたww

湯屋の主人の粋な計らいに心の底から感激した。
お風呂といえば新婚!!
漂う新婚風味を満喫です。今回の二人はホント初々しいですね〜!!
223名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 17:27:01 ID:fqnCT8r8
>>219さま
GJです

実はちょっと書きかけているものがあるんですが、自分は小説初めてなので、
シーンによってセリフが浮かんでいるところと、ト書きしか浮かんでない
ところと混ざってて、全部形にするのがひとりの力では無理っぽい。
急に思いついてしまって昨日今日とコソーリ書き続けているんですが、
予想以上に時間がかかって、もう思いついていた結末を忘れかけてる orz...
ちまちま書き続けるのも、今のモチベーションがもたなそうだし。
断片をここに載せてしまうとなんかそこで折れそうだし。
こういうの、手伝ってくださる方っておられるのでしょうか。
224名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 19:00:21 ID:3McrAOij
>>219GJ!いちゃいちゃしやがって…!もっとやってくだしぁ!!
>>200ですGJありがとうございました!
コメント頂けて自信になりました!ありがとうございます。
また駄文投下しに来ます
。ウザがられないように頑張ります

>>223このスレで?それとも友人で?
225名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 19:48:41 ID:/wMb8hXs
>>223
初小説がエロパロとはチャレンジャーだなw
自分で無理と思うならカプとシチュのネタだけでも投下してみたら?
226名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 20:53:29 ID:4dZ5l8FG
>>223
普通の批評とアドバイスならここでしてもらえる

エロパロでエロネタ書いて叩かれた 原稿用紙3枚目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1257606616/l50

匿名掲示板だけに、他の手伝い方が思いつかない

ちなみに、自分も初小説はココ☆
しかも一作に2週間かけてる超遅筆
いいんだ書いてる間はずっと楽しいから・・・。

227名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 00:29:59 ID:oHkZVj72
>>219
神も湯屋の親父さんも禿しくGJ!!!
やっぱ新婚カプは初々しいエロスがええなあ(*´Д`)ハァハァ
228223:2009/11/19(木) 11:58:17 ID:jmFb/9gG
>>224-226
色々ありがとうございます。

Googleの捨てアカを使ってDocumentのコラボ的にできればなぁ...と何となく考えていました。
通勤中もずーっと頭の中にフレーズが泡のように浮かんでは消える状態で、早くきりをつけて
楽になりたいです。
てゆーか、何で急に書きたくなったんだ>自分
3,4巻一気読みしてエリンとイアル恋愛期間の描写が少ないので妄想で補完しようとしたら
大変なことにwww
多分はしかみたいなものだから、このまま仕事にかまけて手につかなければ忘れちゃえるんだと
思うんですが..
229名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 17:31:38 ID:9geLl7AG
>>228
手っ取り早くすっきりしたいならネタとあらすじを神への供物として
捧げることをお勧めする。希望があればあるだけつけて。
構想だけでも晒してしまえば俺はかなりすっきりするな。
時間はかかることもあるが神は大抵来てくださる
最後は他人任せだが、俺は
自分で書きたい<<<<希望のシチュで誰かが書いてくれるならそれでいい
派なのでそれで満足するけど
なんか、スレに直接貼らずうpろだ経由とかにすると、興味がないと覗かないし、
自分で削除できるのでそうする人も居るらしい? 詳しくは知らんが

せっかく自分で書き始めたんだから仕上げは自分で・・・とこだわり
があるなら、心の片隅に置いておいて脳内で楽しむか、
時間をかけて仕上げるといいと思う。

230127:2009/11/19(木) 19:50:53 ID:CXQR4ULw
>>216
神様GJ!!

この際、縛るとか…そっち系はダメ???
231名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 20:13:24 ID:iftPkkxH
イアルはわざわざ道具なんか使わなくても見動きできなくすることくらい
たやすいだろう
232名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 22:56:32 ID:PwCpZ6QN
>>230
ちょっと妄想してみた。


「エリン、帯なんか持ち出してどうした?」
「えっと、>>230さんが縛りなんてどうかと言うので……」
「――おれを、か?」
「多分……。ちょっと動かないで、両手首を合わせてて……」
「……」
「できた! ……え? ほどけてる?」」
「……エリン、確実に拘束したいのなら、まず、両手を後ろに回させるんだ。こんなふうに」
「えっと、こう?」
「そうだ。そのまま、右手で左腕を、左手で右腕をつかめ。この状態で、手首と腕をしっかりと縛る。
 これで、抜けないだろう? 親指同士を極めるという手もあるが、慣れないうちは手間取るからな」
「本当、抜けないわね……って……あれ? イアル?」
「…………」
ガバッ
「ちょっ…と……あっ……んんっ、…あぁっ!」


エリンのヘタレ攻めからお仕置きといういつものパターンになってしまったw
233名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 07:42:33 ID:7YpfX7D+
>>228
この板内の控え室スレがお勧め。
234名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 12:54:05 ID:tYZng6MS
>>232
吹いたw
235230:2009/11/20(金) 14:31:13 ID:88Zode80
>>232
話しの流れとしては当然そうなりそうだww
GJ!!


ネタ投下になるかどうかわからんけど

エリンが一人でエサルの元に一時帰った話しはあったけど
これが、二人で結婚報告に帰ったら…というのは想像した。

エリンの部屋はトムラの隣で、そこに泊まった二人が…
薄い壁一枚隔てて もにゃもにゃもにゅもにゅ展開は
どうでしょうか??

イアルのことだから、トムラの淡い想いにも気付きそうだし
エリンではなく、イアルの軽い嫉妬も面白そうだけど
236名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 17:43:52 ID:rMNLS7AM
原作でもアニメでもあのスルーっぷりを見てるとまるで眼中外というか
あまりの無関心ぶりにかえってエリンのほうが不安になりそうだ
顔にでないだけでわずかに手元が狂う程度には同様するかもしれないが
自覚はなさそう
237228:2009/11/20(金) 19:22:44 ID:UYjnxgaj
>>229
拙い書きかけで貴重なスレを無駄に太らせたくないんです。
はしかが治らなくてw今1万字超えたくらい(ト書きも込みで)。
捨てアカでgoogleドキュメントで作業中。
だんだん壁が見えてきた。

ちなみに書いているのはイアル×エリンですがエロなしです。今んとこはw
明日から帰省するのであまりいじれない orz...
238名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 20:40:17 ID:oI0sKauJ
>>230
そういえばプロのイアルさんGJ!
このあとエリンはおしおきになんか恥ずかしい目に
あうんですね、わかります

>>235
トムラ先輩はアニメではフラグ立ててたけど、
原作ではスルーされるのが主な仕事、みたいなキャラだから
イアルさんと絡むには役不足かな・・・。

でもイアルさんの嫉妬とかは見てみたいな
むしろ通りすがりのキャラのほうがフイを突いてくれたり

思い切ってアニメでは2大イケメンになってる
シュナンとかどうだろう
タハイ・アゼでシュナンを助けた場面の重要性は十二分に
理解しながら、他の男のために命を投げ打つなんて・・・と
ちょっと心の狭いこと言わせてみたりw
(ちなみにトムラ先輩もイケメンなのに3大イケメンにはならない不思議)

>>237
ガンガレ!待ってるぞ
エロなしなら投下するときに注意書きでね!
239名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 00:16:35 ID:gKfvxMia
戸村って別にイケメンじゃないだろ
カザルムの中ではって程度じゃね
240名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 00:26:11 ID:TYVQ7rRI
>>232
ちょwwwイアルさんムラッと来ちゃったかwww
イアルさんは一度一線越えた後は
開き直って割と欲望に素直になってそうだなw
同じ王獣舎で二人で夜を明かした時でも
王獣編と完結編では行動パターンが違ってるし・・・
241名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 13:41:49 ID:OFcZ74Yn
イアルさん専用キャラスレ落ちちゃったのか。まあここでニラニラしてるからいいか。
242名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 18:35:42 ID:R1Jqj/Kx
ハァハァ…
243名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 21:21:05 ID:pP5C5tx3
>>241
もう立ってるよ
それとは別に夫婦スレもあるけど
244名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 21:32:53 ID:OFcZ74Yn
>>243ありがとう見つけた。
今日のイアルさん原作以上に傷だらけなもんだから、思わずいろいろ
来週のお手当てを期待して'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ
245名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 22:06:46 ID:pP5C5tx3
原作じゃケガは一箇所だったのにやたら傷が増えてたな
特に足(太もも?)の治療はどうするんだか
やっぱりエリンが脱が…
246名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 00:32:57 ID:oHVBuhig
アニメのラザル王獣舎もネタの宝庫になりそうだなw
247名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 00:51:24 ID:pya08ZL/
もうネタ被りとか構わずに、お題「ラザル王獣舎」で競作くらいの勢いになるといいなーw
248名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 06:42:40 ID:SmOWtHTr
あー…
傷の手当てをしながらも、心の隅っこで
耐えてるイアルさんにドキドキしちゃうんでしょうかね?











って言うか、手当ての最中に密着した瞬間
イアルさんの体臭嗅いだら、意識しちゃうわ(笑)
私ならwwwwwwwwww
強い男の体臭は何か惹き付けるモノがあるんだもの
249名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 20:06:17 ID:sh7cCMqd
>>248

傷の手当てしてる間はドキドキする余裕はない
(何しろ相手の生き死にがかかってる)から、
あとから思い出して一気に来るんだろうな
王獣編までのエリンは恋愛脳部分は少ないから
むしろ王獣編終わってから来るくらいでもよし
まあ王獣舎で2ヶ月あるんだろうけどな・・・
アニメではやはりその辺全力でスルーなのか??

なんにせよ最大のネタ場面、ラザル王獣舎にwktk
250名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 20:13:43 ID:m1NKiSzp
原作者自ら、原作よりも、もうちょい、もろ(ハート)って言ってるからな
意味深な煽り方が上手いよ全くw
251名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 02:46:08 ID:EcQW9Ur+
※続編ネタバレを含みます。未読の方は、回避して下さい。
※出番が少ないキャラの補完エピのため、補完分量が大増量しております。特にトゥラ国の
設定はまるまるオリジナルです。オリジナル設定が苦手な方はスルーでお願いします。

アニメのラザル王獣舎にも期待しつつ、書き上がったので投下します。
タウロカ×オリ婚約編&結婚編です。
非エロ展開はもう飽きた!!もうこのまま、サイゴまで突っ走ってやるうう!! ・・・と、
エロ展開のある結婚編まで続けて書いてみました。
エロまで7年は長いってば・・・。あと、ネタ投下がどうして、どう頑張っても微エロにしか
ならない結婚前に集中してるんだろう・・・。国賓に王子があんまりいけないことしたら
それこそ国際問題・・・!とかいってもう早速5年目も怪しい微エロ展開だけど。

毎度濃いGJ下さる皆様、ネタ投下くださった皆様、それから間隔長いのに読んで頂いてる
皆様、ありがとうございます。
ネタは、イメージ合ってるといいんですけど。
それから、探求編ではじめにオリが登場したときに着ていた「綾織の着物」は、和服型の服と
解釈した!はだけてエロい服、と言えば和服の右に出るものはない! と、初夜にオリが
着用している服は和服と同じ形、として書いています。
タウロカの夜着は、ちょっとだけ南方の服を調べてみたけど、寝るときにどんな服を着て
たか・・・はあまり出てこなかった(ちょっとしか調べてない)。ただ、前ボタンのシャツ型
の服も「伝統的な服」として載っていたので、脳内では立て襟で前開きでボタンのあるシャツ
型の服と割と普通のズボン型の服を着てることになってる。ただ、男の方は割と描写せずに
済むので、サラッと流しました(オイ)。
あと、原作との整合性はいつも気を配ってきたのですが、5年目ですでに気が緩んで結構
進展してる・・・。原作の完結編で婚約を決めるときはまだロラン>>タウロカって感じの
悲壮感じゃないか、よく読んだら。こっちではすでにタウロカ>ロラン位のノリになってる。
えーと・・・オリも急に突っ込まれて思い出して盛り上がっちゃった・・・くらいで、原作読み
直すことがあったら適度に脳内補完でよろしくお願いします。

一気に投下・・・するつもりだけど、結婚編に気合入りすぎて本文だけで12レスのはずなので、
連投制限とか引っかかって手間取ったらスミマセン。
252其の一:2009/11/26(木) 02:49:53 ID:EcQW9Ur+
――これが、海か・・・・・・!
オリは馬上で頬をなぶる暖かな潮風を受けながら、雄大にたゆたう水の塊を見つめていた。
湖でも、大きくなれば波は立つ。しかし、海の圧倒的な存在感は、リョザの湖の比では
なかった。
外海に面したこの海岸では、遠くの波はひどく大きく、海岸に近づくに従って低くなり、
砂浜に広く泡立って打ち上げる。水平線は世界を抱きかかえるように、広く遠く伸びていた。
果ての見えないその先にも、陸があり、人があり、国がある。そう考えると、自分が、広大な
世界の中に浮かぶちっぽけな点のように感じる。
「わたくし、こんなに間近で海を見たのは、はじめてですわ!」
オリはわずかに上気した顔で、タウロカを振り返った。
「・・・気に入っていただけて、よかった。」
タウロカは微笑んだ。こんな風に輝く笑顔の彼女も、悪くない。
彼女がトゥラを訪問するのは、これで5度目だ。それなりにこの国を見ていると思っていたが、
馬車の窓越しでは何も分からない、と、タウロカの遠乗りの提案を彼女はひどく喜んでくれた。
行き先として彼女がまず希望したのは、港だった。
たしかに、この国の経済は海運が支えており、王宮に最も近い港がわが国最大の港でもある。
聡明な彼女らしい選択だ。
従者と共に二人が港に着くと、出迎えた技官が港の説明をした。
彼女は港の規模や、出入りする商船の国籍の豊かさにも素直に驚いたが、何より帆船を近くで
見ること自体が初めてらしく、その構造や技術について熱心に質問した。わが国の帆船技術
は優れており、長期航行が可能なことや、向かい風の時の船の進め方などの専門的な話を、
瞳を輝かせて聞き入っていた。
港から湾をひとつふたつ程度離れると、砂浜の海岸が続く。広い草原の無いわが国では、
潮の引いた後の海岸が、主要街道を除けば、最も遠くまで続く平らな道だった。
潮で平らにならされ、硬く黒く締まった砂の上に蹄の跡を残しながら、オリもタウロカも
思い切り馬を駆った。

存分に馬を駆ったあと、海岸の木陰で馬を休ませるよう誘った。彼女は息を弾ませながら、
馬を繋ぐ間も楽しげに話し続けた。
「海からの風は、潮を含んでいます。長い時間こうして浜にいると、全身についてしまって。
帰ったら馬も自分も、よく洗わないといけないのが難点です。
・・・ほら、もうあなたの髪にも、随分ついていますよ。」
タウロカはオリに歩み寄って、その額の脇にかかるおくれ毛をひとすじ指先でつまむと、
そのまますっと下に滑らせた。彼女は驚いて、反対側の髪をしきりに指で触る。それから
すこし目を伏せて、つぶやいた。
「本当に、少し、指に残るものがありますね。」
タウロカは、彼女から目を離さずに、言葉を継いだ。
「貴女とはじめて逢ったときも、こうして遠乗りをしましたね。」
「そういえば、そうでしたわね・・・。あの時は、大切な外国からのお客様を、こんな小娘が
お相手するなんて・・・と、ひどく緊張しましたわ。」
「貴女でも、緊張など、するのですか。・・・いつも、落ち着き払って、自信に満ちている
ように見えましたが。」
「まあ、随分な言われようですのね。・・・買い被られているのかしら。貴人の前に出るとき
はいつも、緊張し通しですわ。心臓が口から出るかと思いますもの。」
彼の心は騒いだ。彼女の言葉よりもむしろ、その印象に。
253其の二:2009/11/26(木) 02:52:25 ID:EcQW9Ur+
彼女は確かに、宮中で会話しているときも、ひどく緊張しています、と口にすることがあった。
しかしその口ぶりにはそつが無く、謙遜を演出しているようにさえ見えた。
けれどいま、目の前にいる彼女は、自分より大きな相手におののき、怖れ、それでも虚勢を
張って顔を上げる、小さなひとりの女だった。
彼女の心に触れている――その感覚が、ともすれば挫けそうな、彼の心を鼓舞した。
「オリ殿。」
彼はひとつ大きく息を吸い込んで、次の言葉を続けた。
「そんなあなただからこそ、どうしてもお願いしたい。私の妻になって、私と共に、この国を
治めていただけませんか。」
彼女は一瞬驚いた顔をして、それからゆっくりと、言葉を選んだ。
「・・・光栄です。」
「リョザの名代として、すぐに返事が出来ないのは、わかっています。
程なく、トゥラからリョザへ、正式な申し入れが届くでしょう。
ただ今は、あなた自身の、この申し込みに対する考えをお聞かせ下さい。」
彼の言葉を受けて、彼女の瞳に、すっと強い光が戻った。
「両国の未来のために、どうしても必要だと思っています。」
彼はようやく表情を崩して、微笑した。
「充分です。貴女がそう言うなら、必ず成るでしょう。
――これは、約束のしるしです。」
彼はそう言うと彼女を抱き寄せ、口付けをした。
彼女は一瞬だけ身体を硬くしたが、そのあとはゆるゆると、彼に身を委ねた。

――嫌では、なかった。
オリはまずそのことに、安堵した。
「男性との相性は、口付けすれば分かる」と、自信ありげに語る女官がいたからである。
頭では好ましいと思っていても、ある程度以上は受け付けないこともある。それが男と
女の相性というもの。
そんなことを言われていたので、初めて唇が触れるときはどうなるのかと、内心
びくついていた。
こんなに突然に、奪われることになるとは思わなかった。
つかの間、彼女は驚きのあまり、目を閉じることも、息をすることさえ忘れた。
彼の口付けは、情熱的で、熱く、激しかった。
そしてつよく彼女を抱きしめる腕と胸は、武人のものだった。
リョザとトゥラはいまだ軍事同盟を結んでいないため、トゥラの武術や軍事に関する
ことをオリが目にする機会は無いが、トゥラの国王はみずから軍を率いる。彼女の身体に
触れる感触から、彼が、けして日々の鍛錬をおろそかにしていないことが想像できた。
・・・自分と共にこの国を治めて、と彼は言った。
彼には歳の離れた弟がいるし、叔父や従兄弟もいるが、他の王位継承者と争う必要が無いほど、
彼は優れているし、認められてもいるのだろう。父王を助けて、政治のかなりの部分を代行
できる権限さえ与えられている。
その重圧を充分に感じながら、それでも挫けることなく、毅く前を見据える姿は、彼女の兄を思わせた。
しばらくしてようやく唇が離れたとき、彼女は甘い吐息を漏らした。
「・・・随分、情熱的ですのね。従者も居ますのに。」
彼の間近で見つめ、彼女は柔らかく微笑んだ。
「トゥラでは、珍しいことではありませんよ。・・・気になさることは、ありません。」
「タウロカ王子様は物事を冷静に判断なさるかたですから、わたくしに求婚なさるようなこと
があれば、それは諸々の条件をご覧になって、有利と考えられたときだと思っておりました。」
「条件は、判断していますよ。」
彼もまた、微笑んだ。
「貴女の言うとおり、リョザとの対等な同盟が可能であり、貴女との婚姻がその担保になるのなら、
充分に価値があります。
しかしそれは、他の手段を駆使しても得られる成果です。
求婚せざるを得ないのは、私が、貴女に、ひどく興味があるからです。」
254其の三:2009/11/26(木) 02:55:36 ID:EcQW9Ur+
「・・・興味?」
「そうです。貴女ははじめて逢ったときから、私を驚かせ続けた。
その能力や努力だけでなく・・・時折見せる弱さや人間らしさにも、ひどく惹きつけられる。近頃では
何をしていても、・・・国務に携わっているときさえ、貴女ならどう判断するのだろう、
と考えているときがある。美しいものを見たときや、何かに心震わせたときも、貴女に共に
見て欲しいと、願っている。
つまりは貴女に私と生涯を共にして欲しい、と熱望しているのですよ。」
「・・・帰りは王子の馬に、一緒に乗せて頂けるかしら」
オリは彼の言葉には答えず、そう申し出た。
「馬も充分に休んだでしょうし・・・。私の乗ってきた馬は、従者に曳いてもらいましょう。」

馬上から彼が手を差し伸べると、オリはその手を取って鐙に足をかけ、軽々と彼の前に横乗りになった。
「・・・横乗り、ですか。」
「ええ。馬上は内緒話に向きますのよ。蹄の音で他には聞こえにくいですし。
横乗りしていますので、来たときよりもゆっくり走って下さいな。」
タウロカは少し緊張した。城へはまっすぐに帰ればよいから、来たときよりも短い道のりで済むだろう。
しかし、その間中、ゆっくり走って、しかもこんなに近くに密着しているのか。
こんなにも、彼女の香の匂い立つ近さで。
「貴女は、私の理性でもお試しになるおつもりか。」
「王子は、紳士ですわ。・・・でも、御不快でしたら、話が終われば自分の馬に戻ります。」
彼女は悠然と笑った。彼女の身体は、腕でも背中でも、男の身体と違ってはっとするほど
柔らかく、軽く、女らしい曲線に満ちていた。その感触を感じるだけで、ぞくりとした甘い
痺れが彼の中を駆けるというのに、彼女の方はまるで意に介していないようだった。
それとも、むしろ誘っているのか。
「・・・王子」
ひどく近くで声がして、はっとする。トゥラの民は総じてリョザの民よりも身体が小さく、彼はその中でも
高い方ではないのだが、彼女はリョザの民の中ではひどく小柄な方だった。
結局、二人はそう変わらない背の高さだったので、顔が、ひどく、近かった。
「先程の件、お察しの通り、わたくしの一存ではお答えできません。
・・・兄の、信任を得ていないので。」
「リョザの政策としてではなく、貴女の独断で動いているわけですね。・・・ひどく、貴女
らしい。」
「ええ。ですから、タウロカ王子のような方に、あんなふうに迫られて、頷かない娘は
いないでしょう、とだけお答えしておきますわ。」
「貴女が、普通の娘だとは思っていませんが。」
「わたくしも、普通の娘ですのよ。・・・ごく、普通の。」
彼女は笑って言ったが、彼は、ひどく遠くを見たまま、先程から喉に引っかかっていた言葉を、押し出した。
「貴女には、他に、・・・想う方がいるのでは?」
「・・・は?」
彼の覚悟とは裏腹に、彼女はなにかぽかんとした声を出した。
「恋の相手が、居るとおっしゃった・・・。2年ほど、前に。」
「ああ。」
それでようやく、思い至った様子だった。
「憶えていらしたの・・・。あんな、戯言を。」
「戯言では、無い。」
彼女はいつでも、何に対しても、真剣だった。恋だけ、遊びでという筈は無い。
自分にそのことを仄めかすという大胆不敵な行為も、無意味な訳は無いのだ。
そのことに気づいた彼の心は、千々に乱れた。ひどく、苦しかった。
求婚を決めた後も、迷いと葛藤に満ちていた。
そんな彼に対して、彼女は静かに言った。
「もう、終わったことですの。・・・随分と、前に。すぐには、思い出せないほどに。・・・でも」
俯いた彼女は少し涙声になっていた。
「いまは、あなたがそれを覚えていてくださったことが、ひどく、嬉しいわ。
もう、あなただけですのよ。・・・恋する、相手は。」
255其の四:2009/11/26(木) 02:58:54 ID:EcQW9Ur+
彼女は力を抜いて身体をこちらにあずけて来た。彼の心臓が跳ね、心拍数が上がる。
これが、恋か――と、彼は思った。
相手の些細な行動に、心が乱されてしまう。四六時中相手のことを考えてしまう。
意外な顔を見つけると嬉しくて、更に知りたくなる。相手を追って、追って、追い詰めて、
自分だけのものにしたくなる。
病のようなその状態を、彼はむしろ嫌っていたはずなのに、気が付けば頭から足の爪先まで
その病に冒されている。そして、意外なことに、そんな状態の自分もまた、嫌いではない。
「あなたがいま隣国の王子とかと恋仲で、そちらを選びそうになっている、とかでなければ、
そう気にすることでもありませんがね。」
彼は少し冗談めかして、そう言って笑った。
「・・・なんですの、それ。」
「私が考えうる、最悪の展開です。」
彼がそう答えると、彼女は少しの間息を止めていたが、やがて堪えられなくなったように
くすくすと笑い始めた。
少し前までの彼にとってはそう笑い事でもなかったのだが、彼女のこの笑いっぷりを見て
いると、小さな不安も氷解した。
静かに涙を流す彼女もどこか艶かしいが、やはりこうして笑っているのが一番いい。
その後、城に帰るまで、彼女の乗ってきた馬は使われることは無かった。


次の年は、春から少し不穏だった。
春から長雨が続き、初夏に収穫する作物のうちいくつかはひどく収量が落ちた。トゥラ
では稲作が多かったが、もっと北の方、リョザの真王領では麦がひどい凶作、との
ことだった。
夏になっても曇る日が多く、稲の収穫も心配されていた。ただトゥラの方ではもともと日射
が強く、何度か晴れ間があったこと、夏の終わりには雲が晴れて強い日差しが降り注いだこと
で、なんとか例年に近い実りがあった。
雲の晴れなかった地域――リョザのいくつかの地域では、深刻な事態に陥っているという
噂だった。
トゥラの宮中でも、同盟国であるリョザの窮状に、なにか手を差し伸べるべきではないかと
言う者も多かったが、未だ両国の間にはそこまでの強いつながりは無いし、あまり下手に
出ても甘く見られる。あくまで支援はリョザからの要請があってから、とタウロカは押し留めた。
リョザには、オリ殿がいらっしゃるのだから、必要があれば必ず要請が来る、と言えば
大抵の者は納得した。
しかし、その後リョザから届いたのは「結婚の申し込みを承諾する。」という返事だった。
タウロカは唸った。なるほど婚約ということにもなれば、多額の婚資をこちらから贈ることに
なる。これならば何の担保も無く、支援を乞うという下からの交渉ではなく、わが国からの
要請を受けるという対等な――むしろ強い立場でわが国と相対することができる。彼女らしい、
ひどく彼女らしいやり方だった。
彼はすぐに大量の穀物を用意した。どのみち、国庫を開く手配も済んでいた。その一方で、
彼女が金で買われていくように映らないよう、婚約は当分のあいだ内約とし、発表は翌春に
するよう申し入れた。今更、反対する者もほとんど居なかった。
彼は両国の民の目にも為政者の目にも印象に残るよう、派手な行列を仕立てて穀物を贈った。
行列は、整備の済んだ街道を、リョザへと進んで行った。
ほどなくして、彼女からは丁寧な手紙が来た。リョザの民の命は自分の命であり、自分の命を
救ってくれた王子とトゥラの国に感謝する、という意味のことが流麗なトゥラ語で綴られていた。
それは明らかに彼を含む多数の人に宛てられた言葉であり、トゥラの宮中の者を満足させ、
感心させもしたが、彼は、もっと自分だけに宛てたものがあってもいいのに、と内心思った。

256其の五:2009/11/26(木) 03:03:11 ID:EcQW9Ur+

翌春の婚約式は、リョザの王宮で行われた。
式の大半は、トゥラとリョザが対面する形で行われた。トゥラの正装をしたタウロカの正面
の、随分離れたところに、リョザの着物で美しく着飾った
オリがいつも座っていた。
以前訪れたときと違って、リョザの貴族達はひどく神妙だった。彼らの
窮状をトゥラからの支援が救ったことは明らかだったし、それを大公の妹君が引き出した
ことも明らかで、タウロカにも大公にも以前のような態度を取れるはずもなかったが、
もうひとつ、前回は姿を見ることの無かった真王そのひとが、出席しているせいも、
あるかもしれなかった。
リョザの現人神(あらひとがみ)であるというその人は、背の高い、不思議な雰囲気の女性
だった。遠目にしか見なかったが、リョザの神を信仰していないタウロカの目にも、その人
のところにだけ、違う光が当たっているように見えた。
彼女の前では、真王側の貴族も大公側の貴族も、同じ神を頂くひとつの国の民として
そこに居て、不和の影は、表面上はすっかり影を潜めていた。

トゥラとリョザで分かれて対面する形が崩れたのは、ようやくすべての式が終わって、
晩餐式に入ったときだった。晩餐は巨大な円卓で行われ、その片隅に――おそらく席としては
中央なのだろうが――二人は並んで座ることが許された。
間近で見る彼女は、ひどく美しかった。艶やかな着物を身に纏い、髪にも服にも沢山の輝く
装飾品をつけていた。
しかしこうして窮屈そうに座る彼女よりも、簡素な服で生きいきと馬を駆る彼女の方が輝いて
いて魅力的だ、と思ってしまうのは何故だろう、とタウロカは思った。
卓よりも少し低い位置にある椅子の肘掛に、彼女の白い手が置かれているのを見ると、
彼はつと手だけを伸ばしてその上に自身の褐色の手を重ねた。
驚いてこちらを見る彼女に、タウロカはトゥラの言葉で話しかけた。
「お遭いできて嬉しいですよ、姫」
「・・・わたくしも、ですわ・・・。」
彼女はおずおずと応えた。
「最後にお遭いしてから随分経つのに、貴女からの便りはあれ一通きりですか?
私の為にもう少し艶っぽいことを書いてくれても良いのに、美辞麗句ばかりで、つれない
ひとだ・・・」
「すでに、わたくしからトゥラに送る手紙はすべて、公式文書扱いですのよ?
沢山の検閲者の目に触れる上、通事の直しも入る手紙に、そんなはしたないこと、とても
書けませんわ。
わたくし達は、今日の主役です。他の者に、見られてしまいます。・・・タウロカ王子様は、
もっと場をわきまえる方だと、思っておりましたが」
彼女は落ち着かなげに瞳を動かした。
「場は、わきまえていますよ。これが終われば、部屋に戻り、明日の朝には私は帰国する。
その間中、お互いに誰かに囲まれているのでしょう?
大丈夫、意外と見られていないし、婚約者と手を繋ぐくらい、別に咎め立てされることでは
ありません。」
彼は指の先で、彼女のほっそりとしてなめらかな指をなぞった。
「――――っ!!」
わずかに身じろぎする彼女に、彼は続けた。
「書けないのなら、いま、なにか言って下さい。まだ貴女を待ち続けなければならない、
私に。」
「・・・こんな場で・・・っ、御無理を、おっしゃらないで・・・!」
彼は指先に力を込めて、彼女の指と指の間に割り入れた。そのままゆっくりと指の付根
までの感触を辿りながら、彼女の伏せた瞳の睫毛が細かく震えるのを、細い眉根が
わずかに寄る様を、じっと見つめて愉しんだ。
ほどなくして料理が運ばれてきて、彼はやっと手を離した。
「これ以上は、やめておきましょう。私のほうが、我慢できなくなりそうですから。」
彼が笑ってそういうと、彼女はほぅ、とひとつ溜息をついた。
257其の六:2009/11/26(木) 03:07:05 ID:EcQW9Ur+
そのあとも近況や国の情勢などの話をしたが、彼女はほとんど食事に手を付けず、緊張して
いるので、と言って下げさせていた。彼や、彼らの席を訪れた何人かに対しては、帯が
きつくて苦しいのです、と答えていた。
彼女は始終目を伏せていたが、彼はそんな彼女を、伏せた睫毛がときおり瞬くのを、愉しげに
見つめ続けた。話の流れで彼女がふと目を上げて、彼と目が合うのに気づいて慌てて目を
逸らすのも、ひどく楽しかった。おそらく、傍から見れば自分達は睦まじげに見えるのだろうな、
と思いながら。


タウロカとオリの結婚は、確実にトゥラとリョザを結びつけた。
トゥラが、リョザの凶作に対して穀物支援を行ったことも印象的であったが、二人の婚姻を
以って、両国は軍事同盟を締結した。
これにより、トゥラとリョザは互いに互いの国境を侵さず、みだりに他国を攻めず、他国
からの侵攻に対しては互いの国に援軍を要請することが出来るようになった。
ある意味、トゥラはリョザの闘蛇軍に守られる代わりに、新たな戦を制限されることになる。
けれど近隣のどの国もはっきりした形を持つようになり、戦で領土を広げればいくらでも国
を広げられ、国が豊かになる、という時代でもなくなって来ていた。これからは、軍事に
廻していた資金を農業や他の産業、通商の整備に使える国が豊かになっていくだろう、と
タウロカは考えていた。

「――これで貴女の願いは、叶ったという訳かな?」
二人の傍についていた侍女達を下がらせてから、タウロカはオリに話しかけた。
ようやく、婚姻ノ儀もひと段落付いた所だ。
すでに国内でも人気のある異国の姫を、第一王子の妻に迎えるという慶事に、国中が沸き
立った。もともとトゥラの民は祭りが好きで仕方がない。リョザから続く街道にも、彼女を
ひと目見ようと大勢の民が詰め掛けたらしい。
王宮の中央にある祭壇で婚姻の宣誓を済ませ、二人で大広間に出たときには、詰め掛けた
民の多さと熱気に、儀式慣れしている彼もさすがに驚いた。トゥラの婚礼衣装に身を包んだ
彼女の方は、もうこの熱気にも慣れているのだろう、落ち着き払って手を振っていた。
「トゥラとリョザを繋ぐという願いのことなら、まだ始まったばかりですわ。
これからトゥラの方々には、リョザと縁を結んで良かったと、心の底から思って頂かなくては
なりません。
・・・他の国も競ってリョザと縁を結びたくなるくらいに。」
「私の妻になる人は、随分と貪欲だ。」
彼は微笑した。
二人は湯浴みを済ませ、新しい夜着を纏って寝台に座っていた。先程まで幾人かの侍女が
付いて、こまごまとした支度をしていたせいで、少し離れている。
寝台の四方には、白く透ける薄布が垂らされていた。
この寝台も、結婚が決まってから、新しく彼の寝室にしつらえられたものだった。二人分と
考えてもひどく大きく、寝室のほかの調度品を運び出さねばならないほどだったが、父の部屋
のものもこれくらいだったので、そういうしきたりなのだろう。
「理想を追い求めることを貪欲とするならば、その通りですわ。」
彼女は貪欲、と評されても少しも動じることなく、まっすぐに目を上げた。リョザで用意
された彼女の夜着は、白い絹の前合わせの着物で、彼女のするようにきっちりと足をたたんで
座る──正座と言うらしい──のが、正しい座り方らしかった。
258其の七:2009/11/26(木) 03:11:38 ID:EcQW9Ur+
彼は彼女に近づいて、ゆるく編んで脇に垂らされた髪に触れた。
「本当に貴女は、貪欲で、毅い・・・。貴女はいつか、私のことを、結婚も条件の有利不利で
判断する、と言ったが、それはむしろ、貴女のことでしょう。
貴女は、自分の理想のために、あるいは国のために、好きでもない男と結婚したところ
ではないのですか?」
それは求婚を決めたときから、心の中に澱のように溜まっていた疑念だった。彼女は
確かに、トゥラの王子たる彼との結婚の意思を見せていた。しかしそれはあくまで、
政略結婚としての性質のもので、彼女自身が彼に特別な感情を持っているという確証は無かった。
それでも彼女を、欲しいと思ったのだけれど。
彼の言葉に彼女は、少し驚いた目をして、やがて悠然と微笑った。
「聡いあなたが、いま、そんなことを仰るなんて。
・・・わたくしとしては、その通りですと申し上げて、切なげなあなたの御顔を眺めているのも、
一興なのですけれど。」
「私は時折、不敵という言葉は貴女のためにあるのでは、と思いますよ。」
彼女は国という衣も、大公家という衣も剥ぎ取られて、ただ彼の妻としてこの褥に居るはず
なのに、少しも臆した様子は無かった。今までも、彼女はなにかを嵩に着ていたわけでなく、
彼女自身として対峙していたせいかもしれない。
「不敵だなどと・・・わたくしの心ノ臓はいま、小鳥のように打ち震えていますのに。」
あくまで悠然と、彼女は言った。彼も苦笑して、応えた。
「そこまで堂々と態度と裏腹なことを言われると、いっそ清々しいものですね。」
「・・・確かめて、御覧になれば?」
彼女の白くしなやかな腕が彼に向かって伸びた。その指先が彼に触れるより一瞬先に、
彼の腕が彼女を掻き抱いて唇を重ねた。そして待ち続けた時間を埋めるように、彼女の
やわらかな唇を、その奥に隠れた舌を、絡め取るように貪った。
力の抜けたようになった彼女の身体をゆっくりと引き倒すと、寝具の上に押さえつける
ようにしてその胸に頬をうずめ、その拍動を確かめた。それは、彼と同じように速く強く騒いでいた。
「こんなにも力強い音を、小鳥のようにと言われるのか、貴女は。」
「女の体は繊細ですもの。・・・当然、でしょう?」
彼女の印象は小さく弱々しい小鳥などとはまったく重ならなかったが、それについては
それ以上何も言わず、彼はそのままの姿勢で深く息を吸い込んだ。夜着にはいつもの
服のように香は焚き染められておらず、湯をつかった名残の熱気と、洗い立ての肌の
香りがした。それは思っていた通り、どんな香りよりも彼の心を掻き立てた。
やわらかな胸のふくらみの先端は、薄布の上からでもはっきりと分かるくらいに硬く尖って
おり、指を滑らせて少し擦っただけで、身体全体がぴんと反って、彼女の唇からはか細い声が漏れた。
「あぁ・・・っ・・・」
「・・・貴女でも、そんな声を出すのですね。」
そう言う彼の方も、興奮と歓びを隠しきれなかった。
「女としては普通・・・、・・・やっ、・・・あぁ・・・ぁっ!」
普通な筈は無い。彼はわざと、言葉を遮るようにその硬いつぼみを布越しに摘まみあげた。
最後まで、声をほとんど出さない女も居る。玄人ならば、演じる女も多い。まだほとんど
触っていないのに、これほどの反応を返すのは、女の中でもかなり鋭敏な方だと言える
はずだ。・・・すべてが、巧妙な演技でもなければ。
普段の彼女の、折り目正しく、礼儀正しく清楚な様子からは、もっと鉛のように冷たい反応を
予想していた。彼女はいつも、彼の考えを上手に裏切る。
そのまま服の上から胸の両の膨らみを掌におさめ、弄ぶように揉みしだくと、彼女の細い身体は
彼の身体の下でくねり、艶めいた嬌声を上げ続けた。
259其の八:2009/11/26(木) 03:14:27 ID:EcQW9Ur+
「・・・そんなに暴れるから、もうこんなに、裾が乱れていますよ。」
彼は片方の手を、彼女の脚の方に滑らせた。そのまま掌で、はだけた裾の隙間から、絹より
もなめらかな太腿の感触を味わうように撫で上げる。
「・・・っく・・・ぅぅっ・・・、・・んん・・・。」
彼女はなにかに耐えるように、抑えた声を漏らした。
彼女の着るリョザの着物は、トゥラでよくそうするように、腰のあたりで襞を寄せて足さばき
に余裕を持たせていないので、少し足を動かしただけで簡単にはだけてしまう。片方の足
などは、着物の合わせ目から腿の付け根辺りまでの曲線が顕わになっていた。
「脚のほうも、感じるようだ。」
彼は彼女の脚の側に移って、少し立てさせた膝に口付けた。そのまま足先から脚全体を
唇と両掌で丹念に愛撫する。
乗馬で鍛えてある彼女の脚は、すらりとして均整が取れていた。トゥラの女なら膝下の足を
露出することも珍しくはないが、彼女の服はかならず長い筒袴が付いているか、正装ならば
踝まである着物かで、ちらとも脚の見えたことはなかった。ほとんど日の目をみことのない
その肌は、抜けるように白く、抑えた明かりの中で、彼の褐色の肌と対照的に浮かび上がった。
すでに乱れた着物の合わせ目を開こうとして彼は、秘所を覆う別布がないことに気づいた。
着物がやや裾の短いものと二枚重ねになっているので、そちらが下着ということか。トゥラでも、
特に伝統的な服では腰巻き型の女の下着は使われているが、これほど扇情的なのは彼女が
着ているせいか、それともはだけ易いせいか。
「これは・・・貴女が着ていると、古式に則っているのか、誘惑の為なのか、分からないな。」
「・・・古いしきたりの、通りですわ。・・・決まっているでしょう?」
「貴女なら、そう言うと思いました。・・・でも私は、誘惑されておきますよ。」
彼は開きかけていた裾を一気に帯のあたりまで折り返して、彼女の下半身を露出させた。
ゆるやかに丸みを帯びる腰も、密かに息づいていた茂みも、急に暴かれてわずかに震える。
「この衣は・・・」
彼は内腿の柔らかい皮膚をゆっくりと弄びながら彼女の膝を開いていった。
「貴女がしていたように、膝をきちんと合わせて行儀良くしていなければ、すぐに乱れて
しまうのですね? ・・・存外、艶かしい。」
彼はそれから、思いついたままを口にした。
「貴女も、そうなのでしょう? いつも貞淑に、慎み深く振舞っておかなければ・・・こうして、
すぐに乱れてしまうのでしょう?」
どれだけ抑えようとしても、まるで宝物を見つけた少年のように、彼の声はうわずって
しまう。
「・・・気に入って、頂けました?」
彼女はすこし紅潮した頬で、艶やかに笑んだ。何を指すか分からない、曖昧な表現で。
彼は、気に入るも何も、と答えようとして、茂みに分け入らせた指の感触にぞくりと痺れあがる。
そこは豊かに、潤っていた。奥へ行けばいくほど、惜しみなく、溢れるように愛液が
こぼれ出す。難なく彼の指の侵入を許した蜜壷は、肉襞を纏わり付かせてその指を迎えた。
何のごまかしも、演技も介入できないその感触が、彼女に確かに受け入れられているという感覚が、
彼の中にわずかに残った理性を弾け散らせた。
「もう、・・・我慢、出来そうにない・・・。」
絞り出すように発したその言葉で、彼女も察したらしく、横たわったまま、胸元に作ってある帯の
結び目を解き始めた。彼も、そのときやっと気づいたように、自分の前開きの衣を脱ぎ始める。
シュル、と絹同士の擦れる音がして、上半身を起こした彼女の脇に、ほどかれた帯が折り重なる。
彼女が優雅な所作で合わせ襟をまっすぐに開いて肩からするりとはずすのを、いくつもの紐の
結び目を解いて、下着の衣の下からなめらかな肌が姿を現すのを、タウロカは息をするのも
忘れて見入っていた。
260其の九:2009/11/26(木) 03:20:08 ID:EcQW9Ur+
「・・・何を、見ていらっしゃるの? 衣をはずすのを、女ひとりにやらせておいて。」
彼女は少し背を向けてそう言った。その背中の曲線までもが、ひどく優美で彼の男の部分を
そそる。
「貴女が、あまりに・・・美しいので。」
美しい、などという陳腐な表現では足りなすぎる。しかし今は、その言葉しか出てこなかった。
彼女は柔らかく笑って、言った。
「あなたは、他の事では駆け引きを忘れないのに、愛情表現だけは、いつもまっすぐなの
ですね・・・。好きですよ、そんな所。」
彼は耳を疑った。さらりと返した中に、彼女が今まで決して口にしなかった、しかし彼が
一番聞きたかった言葉が、含まれていたからだ。
「いま・・・、何といった。もう一度・・・。」
震える声で彼がそう言うと、彼女は今度は彼の耳許で、小さく、しかしはっきりと囁いた。
「・・・好き・・・。」
彼はそのまま彼女の身体に腕を廻して羽交い絞めにし、抱きしめたまま寝具に押し倒して
首筋を、胸元を、頬を、そして唇を、思いのままに貪った。彼女の膝のあいだに彼の腰を
割り込ませ、痛いほどに怒張した彼自身を、彼女の濡れそぼった割れ目に押し当てて、
小さくつぶやいた。
「もう、行きますよ・・・。」
「・・・御存分に。」
彼女も、短く応えた。彼はゆっくりと力を込めて、彼女のきつく締まった体内へと侵入していった。

──炎に、抱かれているようだ──
オリは彼の愛撫を受けているあいだ、そう感じていた。南国の男だからなのか、彼の愛撫は
いつも情熱的で、触れる掌は熱かった。そしてそれも、悪くはなかった。
憎からず想っている男に、情熱的に求められれば、当然、彼女とてときめいてしまう。それは
聡いタウロカには充分伝わっているはずだし、その手ごたえもあった。
なのに、今日は妙に絡んで、言葉にして欲しがった。婚姻という大きな変化を迎えて、不安で
なにかを確かめたいのか。
──随分と、可愛いではないか。
彼女はそう思うのを、止められなかった。可愛くて、上手に焦らしてあげたくなる。
──誘って、魅せて、そして逃げて、あるいは寄り添って。やさしく惑わせて欲しいのでしょう? 
あなたは。・・・男のひとと、いうものは。
「あ、あぁあぁあぁああっ!!!!!!」
抱き合ったまま、彼が、彼女の中に侵入してきた。経験済みとはいえ、数年も使っていなかった
のだから、はじめに入られるときには、それなりの痛みがあった。・・・もっとも、それはただの
ちょっとした痛みで、はじめてのときのように恐怖感を伴ったりもしないし、そんな感覚があった
ことさえ、すでに忘れてしまっていたけれど。
彼女は彼の背中ではなく、寝具に爪を立てて耐えた。
──快感とは、薄められた苦痛であるという──
そのあとに来たのは、耐え難いほどの、快感だった。動いていなくとも、繋がった部分から
痺れあがるように、快感が彼女を襲った。
「・・・痛いの、ですか?」
彼は心配げに、彼女を覗き込んだ。そんな彼に、彼女は、かぶりを振って応えた。
「・・・もう、痛くありません・・・」
なおも心配そうな彼に、耐え切れずに彼女は懇願した。
「動いて・・・っ・・・」
痛みに対する悲鳴も、快感にあげる嬌声も、ほとんど似たようなものなのだから、彼にとって
は、彼女が強がっているのか、それとも本当によがっているのか、判断しがたいところで
あっただろう。
しかし、かつて快感を刻み込まれた彼女の身体は、さきほど彼に触れられ始めたときから、
いや、もう触れられる前から、ひとりでにその感覚の予感に身を震わせて待っていた。
「ああぁっ・・・、んんっ・・・。や、あぁあぁぁ・・・んん・・・っっ・・・」
それでも、だんだん甘い吐息の混じった声を上げるようになると、彼も安心したようだ。
「痛いのではないということは」
彼は興奮気味に尋ねた。
「私に気持ちよくさせられて、そんな声を、出しているのですか?」
261其の拾:2009/11/26(木) 03:23:14 ID:EcQW9Ur+
「くぅっ・・・、は、はぁっ・・・、そう、で、・・・す・・・っ・・・」
彼が動きを止めようとしないので、答えも切れ切れだ。もう、長い台詞は紡げない。
さらに、彼女の答えを聞いた彼は、より深く彼女の中を抉り始めた。
──もう、駄目だ──
彼女はうっすらとそう思った。そういえばこんな俗語はさすがに語学では習わなかったな、
と思いながら、短くリョザの言葉でその状態を告げた。
「・・・・・・いく・・・っ・・・」

強く反って幾度も痙攣し、そのあとやわらかくくずおれるオリを見て、タウロカの方もその
意味を察したらしい。繋がったまま動きを止め、彼女の髪を撫ぜながら、トゥラの言葉で
訊いてきた。
「いま、・・・『来る』と、言ったのですか?」
オリは、トゥラではその言葉を充てるのか・・・と思いながら、小さく頷いた。
それから彼女は、戸惑う彼の身体を押しのけて、身を起こした。そのまましなだれかかるよう
にして、彼を押し倒す。なにか言いかけた彼の唇に、人差し指を垂直に当てて、その言葉を
制した。
「少しくらいはしたなくなっても、宜しいのでしょう?」
仰向けにした彼の身体の上に跨り、動いたせいで抜けてしまった彼自身を、自らの秘裂に
あてがい、そのまま腰を落とした。
「・・・っく・・・」
彼女は小さく呻き、身を震わせながら、自らの中に飲み込んだモノの大きさを味わうように、
腰を押し付けながら旋回させた。そして、彼女の下でなすがままにされている男を、愛しげに
見おろす。
──なんて、可愛い。
彼女は思った。ああ、いけない。殿方の心と言うのは繊細らしいから、不用意にこんな感想を
聞かれて、自尊心を傷つけるようなことの無いように注意せねば。
随分、面倒なこともある。でも、だからこそ、面白い。・・・王になる男の、妻になることは。
彼女は、自分から腰を動かし始めた。
女の方から体を動かすときは、受け身になっているときと違って、全身で快感を感じている
わけにはいかない。感じすぎると、力が入らなくなる。
しかし、その分、男の方の感覚は増しているはずだった。
彼女は身をかがめて、彼の耳許で甘く囁いた。
「未婚の娘の方から殿方に迫るなど・・・後からどんな者に誹られるかもしれないそんなこと、
できるはずもないでしょう? わたくしの方だって我慢しておりましたのに・・・。
そこのところ、解って、・・・頂きたいわ。」
なおも腰を使おうとする彼女を、下から衝撃が突き上げた。
「やっ・・・まだっ・・・、動かないで・・・っ・・・」
「こんな風にされては・・・私のほうも限界です、姫。」
「オリ、と・・・お呼びになって・・・っ・・・、もう、妻、・・・なのですから・・・」
身体の最奥を力強く突き上げられ、彼女はあっという間に力を失ってしまう。
「『来そう』なの、・・・ですね? ・・・あぁっ・・・わたくしも、い・・・一緒に・・・」
「・・・オリ・・・・・・」
衝撃が、いっそう激しくなった。もう、声さえも出ない。
彼女は、彼の動きと共にのぼりつめた。
262其の拾一:2009/11/26(木) 03:24:53 ID:EcQW9Ur+


最小限の始末をつけてから、オリの細い身体は、タウロカの腕の中にすっぽりと納まって
いた。
お互い服も着ないまま、広すぎるほどの寝台に、身を寄せて薄い寝具にくるまっている。
タウロカは戸惑いを隠せなかった。ことが終わったのに、まったく離れる気にならないなど、
初めての経験だった。すこし汗ばんだ彼女の肌は、吸い付くような感触がして、気を抜くと
再び弄り始めたくなってしまう。
彼女の方は、長旅の疲れと、長い儀式の疲れが出たのだろう、はやくも、小さな寝息を
立て始めている。乱れてしまったから、と彼女が自分でほどいていた髪に、彼は指を
絡ませて何とか気を紛らわせた。
訊きたいことは、まだ沢山あった。知りたいことも。彼女を知れば知るほど、それらは
さらに増えてきた気がする。
とりあえず、愛されている、などと自惚れるにはまだ早いが、少なくとも嫌われては
いないようだ。こうして無防備な寝顔を晒せる程度には、信用されてもいる。いまは、
それで充分だ。
彼女は自分の妻になったのだから、急ぐことはない・・・はずだ。明日も明後日も、
これからずっと、彼女の時間を占有する権利を、得ているのだ。
彼女は疲れ切っているのだから、起こすのはだめだ・・・と思いつつも、彼女の規則的な
寝息や、無防備すぎる表情さえもが、彼の心を締め付け始めた。だからといって、この
腕を離して別の場所で寝る、などという選択肢も、有り得なかった。
彼の、葛藤に満ちた夜は、まだ始まったばかりだ。


              ――end――
263名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 03:28:11 ID:EcQW9Ur+
で、眠れない一夜を過ごすのかまたやっちゃうのか・・・と思いつつ終了。
思ったより1レス分に多く入ったので12レスとか書いておいて、11レスで済んでしまいましたorz
わりと初心者なんで勘弁してください。
オリは、結婚前はタウロカに「不敵」と評されていたようですが(初夜で口に出したが、ずっと
そう思ってたという脳内設定・・・一応、5年目の独白にも)、結婚後はなんか「傍若無人」とでも
評されて欲しい感じです。オリには、「こんなに自分を抑えてお仕えしてるのに!」とか拗ねても
らって(←この辺が抑えてない)、もう二人で痴話喧嘩でもはじめてればいいです。
いや別に新婚期のことは特に妄想してませんけど。
264名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 16:03:10 ID:Y1r82yk3
>>263
待ってたよ。GJ!

ちなみにこの板は1レス60行までw
265名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 22:44:27 ID:ogAHU4MK
>>263
楽しく読めました
GJ!
266名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 12:21:07 ID:4V3ZbHmV
>>263
待ってました!禿しくGJ!

色んなw経験を経た上で、男を掌で転がせるようになったオリが
堪りませんw
この母性に限りなく近いSっ気に、今後もタウロカは翻弄されるんでしょうw
267223=228=237:2009/11/27(金) 18:57:53 ID:c81BDpcM
>>223,228,237 です。
はしかは継続中。約25000字超えました。はぁー疲れる。
結局、筋的に必要になったのでラブシーンを挟むことになったのですが、どうしても
その部分だけ書けないよー。困った...orz...
隠しようがないのでツレに小説書いてることだけはカミングアウトしたのですが(ツレ
も奏者ファン)、エロパロと言う勇気がないw
どなたか査読とラブシーンヘルプにご協力いただけないでしょうか...
268名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 20:37:06 ID:keFfV2Pc
書けないなら無理して書かなくてもいいし出来てから投下すれば
そんなにここで発表したいのか?
269名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 20:51:42 ID:Egi6PGfY
こういうの誘い受けっって言うのか?
ツレの話なんぞチラ裏か自分のブログに書いとけ不快だ。
270名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 21:03:22 ID:MrGhTK1N
>こういうの誘い受けっって言うのか?

     ↑www
271名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 23:26:44 ID:hmOy9hSZ
明日の放送はいよいよあの場面
神も職人もお供え(ネタ提供)も
みんな腕のふるい所だ






>>267
どこでもいいからとにかく投下すればいい
読者の反応が一番の教師ではないのか?
272名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 06:36:32 ID:D6tcFEGF
アニメ王獣舎編まであと少し!
フトモモの傷にwktkなんだけど、冷静になって治療手順考えると、
脱がすより普通服切るよなorz
いや冷静になってる場合じゃないし!




>>267
ここに書くのはあくまで書けるから、ではなく書きたいから、だと思うな
エロシーンではなくラブシーンって言っちゃうとこに照れが見える
エロ部分は二人の関係性、それを書き手がどう捉えているかがモロに
出る部分 そこを妄想するのが楽しいからエロパロが存在するのでは
他人の手を期待するより、自分に書ける範囲で「こういうことがあった」
とサラッと書くか、原作っぽく空白にするとか(笑)
>>226 にはってある批評スレに貼る勇気があれば行くけど(ろだ経由でも可)、
それ以外だと一時的なものとはいえ何らかの個人的な情報をココに張ることに
なりかねない 荒れてないとはいえ不特定多数が見る匿名掲示板
危険だしマナー違反になりそうだ
273名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 06:59:43 ID:yVoDl0J7
>>272
>服切る
あのエリンの小刀の出番が!
エリン攻めの服裂きプレイ…
274名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 18:50:05 ID:9KTANmll
ヤッベェ…!!
何か降りて来そうだ!!
イアルさん美味しすぎる!!
275名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 18:55:00 ID:WVOdaLhL
イアルの怪我さえ無けりゃ、あのまま押し倒しててもおかしくない展開w
今回 吉田脚本で良かった(嬉)
276名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 19:26:55 ID:yVoDl0J7
PC規制が恨めしい…(;ω;)
277名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 20:41:51 ID:DMB7om6I
>>267
強いて言えばこのスレ住人全員が査読者&ネタ投下人だよ
様々な感想や意見、あるいはこんなシーンが読みたいwという妄想をみんな率直に書き込んでくる
>>272の言う通り後はあなたが書きたいことを書けばいいと思う
ネタが気に入った人は喜んで感想カキコしてくるしそうでない人はスルーする
だからこれからも安心して萌えを投下してくださいwww(*´Д`)
278名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 01:14:31 ID:Fsfm9itf
イアルさんの太もものケガもちゃんと治療したよなエリン?
包帯が見えないってことはやっぱり一度脱がせてると考えていいのか
つか仕事速すぎwあのセ・ザンの装身具と上着一人で脱がせたのか
17話といい22話といい今回といいイアル他人に脱がされてばかりだな
279名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 01:35:29 ID:Q8g+66/B
麻酔ナシの手術だし肩んとこだけじゃなさそうだし
あまりの痛さに『粥のようなモノ』が出たんじゃないかと気になっている
280名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 13:29:58 ID:Z2ix33bG
あの後エロにもっていくのは難しいなあ…
なんだか美し過ぎちゃって。

エロなしで雰囲気萌えかな
281名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 15:07:46 ID:c8yOyfbC
>>279
え・・・痛いと『粥のようなモノ』って出る???
気になる〜。

>>280
俺はむしろ「まんまネタすぎる!!!!」って思ったな
太腿の傷とか、エリンがやたら積極的で押し倒しそうな勢いとか、
イアルさんも背中に腕廻したりとか・・・。

上橋作品では流血とエロは大体セット(色々出来ないからエロく
なり過ぎないってことか?)なんだけど、王獣編までのイアルさんの
場合は特に顕著  流血するたびエロくなる
更に泣き方までエロいとかなんだもうそれ


282名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 16:49:48 ID:Q8g+66/B
>>281
元ネタは「しぐるい」な
(麻酔なしの腕再切断)
283名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 18:13:28 ID:rYVcVDjq
エリンさん初ハグが半裸の男ってレベル高ぇなw
284名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 18:04:37 ID:8My4MyXp
>>280
同意。
もしくは、「王獣が見ている」的なベタな落ちしか出てこなかったorz
285名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 22:55:03 ID:CafIxdRl
>「王獣が見ている」

ちょwwwお茶吹いたwww
つかあの場面はまんま「王獣一家が見てる」だったよなw

アル「ままー。エリンおねえちゃんなにしてるの?なにしてるの?」
リラン「駄目よ二人の邪魔しちゃ」

王獣一家が二人をガン見してるおかげでせっかくのいい雰囲気がぶち壊しだったわw
286名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 03:40:57 ID:qtpBnuEW
久しぶりに原作読み返した。アニメと原作、どっちも違った味わいで
楽しめるからこの作品は美味しいよな。

イアルが闘蛇乗りに志願して旅立つ前夜、エリンはくるったように
泣いて、責めた って原作にはあったけど、多分これ、最後は泣き叫ぶ
エリンの口をイアルが強引にキスして塞いだんじゃないかと勝手に
妄想。その晩はいわゆる仲直りエッチでさぞかし激しかったんじゃ
ないかと…お互いしばらく会えなくなる訳だし。
287名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 23:43:55 ID:d3ZDIYJV
出兵前夜の夫婦の時間はかなり激しいと聞き及んでおりますw
288名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 00:58:19 ID:xqoiWOco
>>286
くるったように泣いて責めるって
今回のアニメラストもその片鱗が見えた気がするな
289名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 07:04:02 ID:UnC1m4rL
>>286->>288
>>200 で補完されてるけどな 確かに旅立つ前夜は美味しいな
それからたまに帰ってきたときとか

あとイアルからの手紙を受け取ったエリンのほうが、
若いときより恋する乙女のようだっていう意見があった。

イアルからの手紙にドキドキするエリン
逢いたくて溜息ついちゃうエリン
恋煩いみたいに食事も喉を通らなくなるエリン
ジェシに心配されて慌てて誤魔化すエリン

とか想像したら萌えた
290名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 17:52:56 ID:60a/xfIG
イアルが旅立った後は何をしていても虚ろ状態なエリンだからなw
291名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 22:33:15 ID:7ARSQirn
人型エク×エリンの続きが読みたい。
292名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 07:49:34 ID:DgLtTDYk
>>195 は美しかったな そっち属性のない俺も楽しめた
293名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 19:31:07 ID:DdbeITJl
明日はまだイアルは王獣舎にいるかな
原作ではいつ王獣舎を出てどうやってカイルと接触したのか
具体的に書かれてなかったからアニメでちゃんとフォローするか
294名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 05:13:09 ID:iSPT6HOi
>>293
カイルさんも既に追われてるから、毒先生から仮面手に入れるのかとオモタ
アニメのイアルさんイケメンすぎて、隣に立ってて気づかないとか不自然だし

が、来週雪の中で対決してるな
295名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 17:16:36 ID:YuRC6Q8n
原作ではダミヤすごく嫌いだったんだけど、アニメの石田声はエロイ
イアルさんに毒盛るために自分も飲むとかかっこよすぎ

この流れならタハイ・アゼの前にダミヤに味見されるセイミャもアリ、
とか思ってしまう

入浴シーンはエロさがなくて残念だった。
濡れてるから物凄く寒いんじゃ?! って思ったが
アニメネタでなくとも神への供物を捧げる人、もっといないかな
296名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 21:09:40 ID:X0u6Wo0J
リラン×エクが読んでみたい。
297名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 21:27:41 ID:ErHUKL9Q
「エリンはまだ王宮に来ないのかしら?
忙しいのなら仕方ないけれど」

ダミヤの真意を探ろうとするセイミヤ

「真王陛下の命令に背く彼女に何て寛大な言葉だろうね」
「……会いに来たくても来れないのかもしれないわ」

ダミヤの言葉に真実ではないものを感じ取るセイミヤと
盾から報告と今の言葉で、セイミヤが何かを察したことを見抜くダミヤ

「到着後すぐに陛下への謁見を申し出よとの私の言葉を
彼女に伝えてあるはずだが何か誤解しているのかもしれない」

(エリンが王獣舎を抜け出して何か吹き込んだのか?
このまま不信感を抱かれては危険だ)

「誤解?」
「実は王獣に陛下を守らせる訓練を私の口から命じていたのだが
訓練に失敗して左手の指を無くしてしまったのだ
そんな命令を出した私を恨んでいるのだろうか」

悲しげな言葉を鵜呑みにしかけるセイミヤ
ダミヤの毒牙が彼女に迫る



供物ってこんな感じ?
298名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 23:51:53 ID:uIrC/09d
イアルVSキリクは予告だけでももうイアルが優勢っぽいな
イアルの笑顔は反則的にかっこいい心身ともに満たされた男の余裕とでも
いうのかw
299名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 00:09:51 ID:dDqOj89A
>>298
ひとときエリンの傍で心を癒せたからイアルさんは元気になりました
300名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 00:22:59 ID:pOknKISB
>>298
>心身ともに
ちょっっwww
301名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 01:42:16 ID:dDqOj89A
エリン「目が覚めて、初めて見るイアルさんの寝顔にドキドキしました。そして寄り添う温もりが気持ちよくて…とても安心しました」
イアル「傷の痛みで目覚める事もあったがエリンの寝顔を見ると和らいだ。彼女を想うと俺の成すべき事が分かる」

イアル&エリン「>>300が思ってるような関係じゃないけどな!まだ」
>>300「まだ!?」
302名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 03:15:54 ID:VmDypJ77
イアル「ちょwwごめw清らかな乙女じゃなくしちゃったwwww」

キリク「!!!!!!!!!!……おまっっっ!!!!!」

なVSだったらいい
303名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 11:49:38 ID:d9aKAiQC
>>301
2回もエリンの前で行き倒れてたんだから寝顔どころか見放題だろw
「イアルさんて内股にほくろがあるんですね」
「え……」
「太ももの治療をしたときに見ました」
「…知らなかった」
いつの間にかイアル以上にイアルの身体を知ってそうだ
304名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 18:09:32 ID:0RhCFklK
195です
今、えらい間違いに気が付きました。
エクの目が赤い事をアヌメ見て気が付きましたorz
オスが赤い目で体毛が青くなり
メスが青い目で体毛が赤くなる
でした、ごめんなさい。
305名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 21:13:09 ID:Td+55cot
>>302
イアルさん軽すぎwwフイタww

>>304
俺は言われるまで気づかなかった。
二次SS書いてると、細かい設定とか、固有名詞を完全に間違えて書いてて、
誰かが指摘してくれたり、自分であとから気づいたりはよくある
作品の価値を損なう間違いじゃないから気にスンナ

それから神への供物ももちろん大切だが、GJだって大切なんだぜ
どう見ても ネ申!!!! なSSにGJが少ししかつかず、つくのも24時間
以内に止まっちゃうのを見ると切なくなる
俺も「こんな名作の感想にGJ! しか出てくる言葉がないなんて失礼では?」
とか、「誰が見ても神作品だから自分がわざわざ言うことないだろ、他の人も言ってるし」
と思ったこともあったけど、控え室みてると、どんな神だってGJを待ってるんだぜ
どれだけ亀でもいいから、良かった作品にはGJしてほしいな
306名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 21:36:58 ID:0RhCFklK
リラン×エクは簡単だな(笑)



この羽根の匂い気になる!?
何かしら?どうしてかしら?
クンカクンカ…気になる〜クンカクンカ…
あっ!?気になる匂いが近くに来た!!
何かに目覚めるリラン、恐るべし獣の本能
潤潤に濡れてくる生殖器半端ねぇ!!
アタシ、赤ちゃん産むわぁ!!
オス(エク)!!ヤるわよ!!交合よ!!
待っててね♪エリン、アタシ赤ちゃん産むから♪



てな感じかな?
色気もへったくれも無いな(笑)
307名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 21:49:17 ID:9xJKTsN9
色気はなくてもカラフルじゃないか
308名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 22:03:31 ID:pOknKISB
>>307
だれうまw


リラエク

エクの巨体が舞い、陽光を遮る。
その影に滑り込むように一回り小さいリランの身体が潜りこむ。
エクの生殖器の先端が、淡く色づいたリランの生殖孔を開いた。
透明な液の滲むそこに、先の濡れた生殖器がゆっくりと沈みこむ。
痛みに首を持ち上げたリランの背をエクが甘咬みする。
二つの身体が重なり、翼の動きが一瞬止まった。
中空を巨体が滑空し、地上に落ちる黒々とした影が瞬く間に動いていく。


こんな感じ?
309名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 00:39:37 ID:xhyiBw2T
作品以外で長文だらだら書かれるのもどうかと思うがな
310名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 02:04:00 ID:7+AwojeU
>>306
リランやる気満満じゃねえかwww GJ!
311名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 20:25:20 ID:vCmbaPJ9
エクってかなり性欲強そうだよね。
312名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 23:15:48 ID:DdhC0Kv/
あやつら実は超音波でも会話してて
エクは姿の見えないリランを生き別れの自分の子と同じくらいに考えてたけど
いざ会ってみたら適齢期の♀だったので
本能の赴くままやっちゃいました、と
313名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 14:14:08 ID:bT9OzHga
>>309 は、職人は作品だけ投下すればよし、談義イラネな人?
だったらむしろいつスレがいっぱいになっても 保管庫あるからおkな気もするが
(管理人様、いつも感謝しております)

あと>>306 と >>308 は作品だよな、王獣ネタGJ!!

近頃モフモフしたい人が沢山やってきてるが、ネタだけ落として荒らすより
小さくても作品にしてくれた方が嬉しいんだぜ
そっち属性がある人が書いたほうがケモノっぽくなる気がするし

314名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 20:10:11 ID:9lR867hF
どうでもいいけど「荒らす」って何だよ
315名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 20:14:27 ID:vD8/mj4Q
>>305
自分、神ではない職人ですけど、ありがとうございます。
ちょっと、嬉しかったです。
自分の作品の事を言っている訳ではないにせよ、そのように考えて
下さる方がいるのは、自分は嬉しいです。

最近投下が無いのは寂しいですね。
年末はいそがしいからかな?
以前、一瞬だけブログに上げたけど、引っ込めたのがあるので
エロはないのですが、萌え〜という意味で他の職人さんの投下を期待して投下します。

完結編、第八章別れ より

「……こうなることはわかっていて、それでもおれたちは、お前を産んだ。」
というイアルさんのお言葉から閃きました。
色々な解釈はあろうかと思いますが…お気に召さなければ見逃して下さいませ。
316no1:2009/12/10(木) 20:20:38 ID:vD8/mj4Q

イアルは湯のみを啜った。
朝、エサルがやって来た時に入れたお茶の残りだった。
渋みが残る冷たい茶で、イアルは唇を僅かに湿らせる。
奥の間からは、時々唸るような声がするが、特に目立った進展はないようだ。
先ほど部屋から厠に用足しに出て来た産婆も
「まだまだだね」
と、言うのみだった。

明け方近くに隣で寝ていたエリンから陣痛が始まったと告げられ、すぐに産婆
を呼びに行こうとイアルは慌てて飛び上がった。
「まっ、待ってよ」
エリンは困ったように強ばっていた顔の力を緩めながら言った。
「まだまだいいのよ。もっと、間隔が狭まってからで」
はち切れんばかりのお腹を擦りながら苦笑いをイアルに向ける。
「そんなに簡単に産まれてくるはずないじゃない」
夜着のまま外に飛び出そうとするくらいに平素を失ったイアルとは対照的に、
エリンは穏やかに目尻を下げた。

窓布から薄い陽射しが差し込んでくると、壁に背を預けたエリンはイアルに頼
み事をした。
「エサル師に、産まれそうだから、今日からしばらくお願いしますと伝えて来
て欲しいの。」
「それはいいが…大丈夫か?一人で?」
「大丈夫よ。そのついでに産婆さんに声もかけておいてくれれば見に来てくれるでしょう。」
イアルはその妙に落ち着き払った妻に困惑した。
たしかに、王獣や馬や羊の出産には慣れているのはわかる。
しかし、これは人間の、しかも自分の初めての出産だ。
――こんなに冷静で良いのだろうか?
常に冷静沈着であると評価を受けて来たはずの自分がそう考えるのも、いささ
か不似合いなような気がしたが、それくらい目の前のエリンは不気味に落ちついていた。
外から戸の開く音遠慮がちに響いて来た。
「そっ、その間に産まれでもしたら…」
声が僅かにひっくり返る。

エリンはゆっくりとイアルの入れた茶に手を伸ばし、香りを確かめながら
茶を静かに啜った。
「初産婦はそんなに早くは産めないものなのよ」
カチリとした口調と、落ちついた目元。
――対象が獣であっても、人であっても、自分であっても医術師は医術師
なのだろうか?

イアルは息を飲んだ。

317名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 20:28:28 ID:r256GyhK
>>308
超GJ!
318no2:2009/12/10(木) 20:29:40 ID:vD8/mj4Q
*****

家の前の路地に活気が出てくる頃、イアルがエサルと共に戻って来ると、
エリンは竃の前で食事の支度をしていた。
「あら?そんな具合なの」
仰々しく拍子抜けしたエサルをエリンはすまなそうに見つめた。
「わざわざ、来て下さったんですか?」
大きなお腹を下から持ち上げ、エリンはエサルの元によっこらしょと足を進め
た。
エサルは眉を僅かに引き揚げ愛おしそうに、そのお腹を擦る。
「そりゃ、もう、あの勢いで報告に来られれば、誰だって様子を見に来るわよ」
戸口に佇み、肩を小さくしたイアルを背に、エサルは常の口調で言い放った。
そして、その時の様子を思い出したかのように、噛み締めるように笑いをもらす。
「この様子じゃ、夜かしらね。」
エリンは、イアルにちらっと目をやり、はにかんだ。
「そうですね」
朝の清い空気に包まれながら淡々と女達は状況分析をし、待ちきれないとばか
りに溢れんばかりの微みを交わし合っていた。
イアルは、多くを語らずともわかり合える二人の姿を、複雑な安堵感と共に
眺めた。

三人はエリンの用意した遅めの朝食を食した後、お茶を飲み始めた。
「つっ…」
エリンは顔をしかめ左手でお腹押さえ、腰を僅かに前に曲げる。

隣に座っているエサルが、腰に手を添えゆっくりとさすり上げた。
これを見て古い記憶の中にある、母の出産時の事をイアルは思い出した。
数回あったはずだか、鮮明に覚えているのは一番下の妹が産まれた時の事だった
確か、ヤントクの母親がこうして母の背中をさすっていたような気がする。
自分とヤントクはそれを横目で見ながら、土間で遊びに興じていたが、
心の中には明るい高揚感があった。
新しい家族を迎える際のあのワクワクした気持ち。
今思えば、それはかなり無邪気なものであったと思い知る。
そんな子供の頃の自分がなんだか妙に罪のないぶんだけ腹ただしく思える。
(いかん……)
眉間にイアルはそっと手をあてる。
意味もなく過去の自分に苛立ちをぶつける、かなり余裕のない自分に戸惑った。

「じゃあ、授業が終わった夕方あたりにまた来るわ。がんばるのよ。」
エサルは立ち上がった。
瞬間、エリンの瞳の奥が僅かに歪んだ。
理知的だった光が、徐々に失せる。
「大丈夫よ。あなた達の子でしょ?」

エサルは、諭すように、慈しむように二人を交互に見つめた。


319no3:2009/12/10(木) 20:36:35 ID:vD8/mj4Q
*****

女を抱いたという事は、子供ができるということでもある。
そこに至るまでにもかなりの紆余曲折があり、ようやく結ばれるに至った二人
ではあったが、イアルは最後まで繋がることを最初から意図的に避けていた。
往生際が悪いと言われればそれまでだったが、正直、子を持つという事に対し
て容易に前向きにはなれなかった。

互いに、抜けられない世界を持っている夫婦。
そんな所に産まれて来た子供はどんな人生を送るのだろうか?

自分たちですら想像出来ない混沌とした未来の中に、無垢な者を巻き込む事
は避けたい。
そうイアルは思っていた。

簡単に手に入りそうであるのに、手に入れはいけない存在。
出来る事なら……この存在に関して触れる事なく時が過ぎ去っていくことを
都合良くイアルは願った。
エリンも何も言わなかった。
きっと、同じ思いなのだと思っていた。
二人静かに存在できていれば、それだけで充分だと……

だから、あの時
「赤ちゃんが欲しい」
と腕の中で呟かれた時……
何故?という疑問がまず先に浮んだ。
しかし、同時に喉の奥の奥の方に詰まる、何かを無視する事も出来なかった。
飲み込む事も吐き出す事も出来ない何か。
これが、自分の本音である事はわかっていた。
しかし、口を動かす事は出来なかった。

沈黙がその答えだと悟ったエリンの肩が小さく揺れる。
「そうね…」
くぐもった声が胸に当たる。
その湿り気を体の表面に浸透させながら、しばらく、ぼんやりと暗闇の中
見えないものを見つめるように、イアルは視点を宙に彷徨わせた。
そして、そのまま静かに目を閉じる。

夢と現の狭間で、
――何が無謀なんだ??
と嘲笑を帯びた低い音が小さく響く。
人の行き先というものは、良くも悪くも、どういう導入部分や経過があっても、
所詮結末は決められているのかもしれない。
それが運命というものであるのなら、自分はそれを受け入れてこの先生きてい
くしかないとイアルは思う。

――それならば、一歩踏み出してしまえ
腕に感じる確かな重みは、必然なのか、それとも……過ちなのか。
――どちらでも良いではないか
確かに結果が決まっているのであれば、例え過ちでも未来には脈々と何かは繋がって
いく。

不安や葛藤が完全に消えた訳ではなかった。
エリンを改めて組み敷いた時にも、まだ迷いはあった。
しかし、不安定な未来を確信しつつも、何かを得たい枯渇がイアルを強く支配する。

「黒い瞳の子がいい、あなたによく似た……」
エリンは上り詰める息の中でそう漏らした。
320no4:2009/12/10(木) 20:45:26 ID:vD8/mj4Q
*****

「そろそろ湯をタライにいれておいておくれ」
板戸の向こうから、産婆が威勢良くイアルに声をかけた。
我に帰ったイアルは急いで腰を浮かせ、竃に向かい柄杓をもつ。
「あちっ!!」
「旦那さん、気をつけなよ」
笑いを含んだ、産婆の忠告が部屋に響く。

正直、あの時は勢い半分であったとも思う。
でも、日々大きくなる腹に感じるものは、幸せとか、愛とか、希望とか……
温かく円やかなものばかりだった。
――新しい命というのは、存在だけで人をそんな虹色のオーラで包み込んでしまう
ものなのだろうか。
イアルは軽く目を閉じる。

すると、勢い良く戸を叩く音と開く音が同時にした。
エサルはタライの湯に目をやり、目を大きく開いてホッとした仕草で言った。
「あら、間に合って良かったわ。思ったより早かったわね。」

「ほら、もっと力を入れて!頭が出て来たよ!」
産婆の声が大きくなってきた。
「どれ、私はあちらを手伝いましょうか。」
エサルは生き生きとした顔つきで腕捲くりをし、タライを持ち上げ奥の間へ入
って行った。

イアルは息を飲んだ。
路地で遊ぶ子供達のわめき声が一瞬にして耳から消えた。
ドクドクと高鳴る胸の鼓動が、体中に響き渡る。
それを意識的に感じながら、今度は息を止めた。
そして、再び目を静かに閉じ、無意識に両方の掌を組む。

ふにゃふにゃと産声上がった。
「男の子だよ!」

大きく、大きく吐いた息と共に、イアルの瞳から涙が溢れ出て来た。



321名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 20:48:36 ID:vD8/mj4Q
王獣のネタの中に、どうもすみませんでした。
男って、最初はあまり進んで「子供欲しい」と思わないような気もしたので
こんな感じになってしまいました。
322名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 20:55:26 ID:/c+4yBPa
GJ!女性陣のやりとりがリアルでいいw
見たかったシーンの補完がまたひとつできたよありがとうw
323名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 21:34:25 ID:UF5NXpHG
>>321
GJです!
いついかなる時も冷静沈着なイアルさんが、愛妻の出産時ばかりは
オタオタしていて、そんな所が良かったですw
324名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 00:57:50 ID:IPUg3i2Q
そう考えると男の子で良かった。
もし女の子だったらイアルはきっとパパバカww
325名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 01:09:55 ID:lOOtRAr4
孫が女の子だったらジジバカになるかも
326名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 02:11:39 ID:gp8FuOPb
>>316-320
GJ!!!これまで人生で大切な存在を得る事を禁じられていたし
これからも様々な事情で避けていたイアルさんが、エリンと共に子供を持てて良かったと思いました
子供が生まれる事で頭の中が一杯になって突っ走ったりパニクってしまうシーンが
普段の静かで冷静なイアルさんとギャップがあってすごく良かったです!

OP主題歌の『雫』はずっとエリンとリランのテーマに合う(元ちとせ版)と思っていましたが
今はエリンが亡くなった後のイアルにも合うと思っています(スキマスイッチ版)
その場合の『君』は亡き妻エリンの面影です。でも
「突然夜が弾けた 光が空に飛び散った 堪らず閉じた瞼を開けると そこに君がいた」
以降の『君』はエリンの面影を持つ孫を抱いた時の祖父イアルの喜びの気持ちとして
捉えるとなんだか微笑ましいです
327名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 02:59:17 ID:8eykMz67
>>326
自分と同じ事考えてた人発見(嬉)
完結編読み終えた後にスキマの「雫」を聴いて、勝手にエリン
亡き後のイアルさんの心情にダブらせて涙した者ですw

来月スキマのライブに行くんですが、この曲の時は思い入れて
聴いてしまうだろうなあ。スレチな話でスマソ
328名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 08:33:19 ID:OOPvegQZ
>>321
全俺が泣いた。・゚・(ノД`)・゚・。
出産の時、当のお母さんは意外と冷静で
お父さんは傍で終始アタフタするしかないという噂はイアエリにも該当しましたかw
普段冷静なのに超アタフタなイアルさんに萌え!あざーす!
329305:2009/12/11(金) 21:09:32 ID:JmNr1BR1
>>315
こちらこそありがとうございます!
神作家さまに賛同していただけると説得力が違うw

でもGJする人はほぼ毎日チェックしてる人なんですかね・・・?
やっぱり1日以内にレス止まりそうな雰囲気。

>>321
ともかく超GJです!目から汁が・・・
イアルさんは強い人なだけにこういう女中心の出来事に弱そうです
自分が何の助けにもならない感じが。
普通なら妻を励ます役が廻ってきたりするんですが、エリン獣で慣れすぎw
出産の進行もやけにリアルです。
330名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 21:31:51 ID:dWEyCvUC
>>321
GJです。
イアルさん、孫(ジェシの子ども)のお産の時には、この時のことをさぞかし
懐かしく思い出したりしたんでしょうね。泣ける。

細かいことで恐縮ですが、原作でイアルは三男坊(兄二人は次々病死)という
記述があって、プラス生まれたばかりの妹ひとり のはずなので、
>数回あったはずだか、鮮明に覚えているのは一番下の妹が産まれた時の事だった
イアルは妹の誕生しか見ていないのでは...?
水を差すようでスマソ

でもGJ !!!!
331名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 22:06:17 ID:epXCCvc8
>>321
GJ!
332名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 08:03:32 ID:D5qAE35V
321さん
GJです
333名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 08:09:38 ID:D5qAE35V
王獣ネタで申し訳ないのですが、エクばっかりなので
リランでいきます(笑)
もちろんスルー推奨です

リラン(人型)×イアルです
334リラン(人型)×イアル:2009/12/12(土) 08:40:11 ID:D5qAE35V
ヒヤリとした何かが頬に当たり、驚いて目を見開くと
そこは真っ白な雪原だった、雲一つ無く月の光が明るく照らす
誰1人として見当たら無い…まるでこの世には誰も居ないかのような静寂さがあった
軽いため息を一つつき、視線を足元にやると
己の姿がいつもと違う事に気が付き深々とため息をついた
(何で裸なんだ?)
そう思ったが、色々考えてみるとおかしな事ばかりだ
寒さも感じず、裸足で立っているはずなのに立っている感じがしない
「ねぇ」
何の気配も無く、後ろから声をかけられ一瞬体は硬くなったが
その声が竪琴の様に美しさ軽やかな女のものだて感じて
少し警戒しながら後ろを振り返った
月の光を受けて輝く淡紅色の長い髪と空よりも蒼い瞳の若い女が
手を伸ばせば届く程近くにいた…しかも裸で
余りじろじろ見るのはどうかと思い僅かに視線をずらす女は小さく一歩踏み出し
「イアル」
と、自分の名前をはっきりと呼んだ
見た事すら無い者から自分の名を呼ばれ、視線を女の顔に合わせた
女の顔をまじまじと見詰めたが、何一つ思い浮かばない
335321:2009/12/12(土) 09:26:43 ID:usKKLGpT
GJ!どうもありがとうございます。
なんだか催促した形になり申し訳ないし、恥ずかしいわ…
エロを入れようと思って、悩んでいたのですが…
出産を絡めると、エロが書けなくなってしまった未熟者でした。
修行します。

>>329
そうですね。毎日とか数日に一回とか必ず見に来る方達でしょうね。
ただ、スレの流れで仕方の無い部分もあると思う。
でも、嬉しいです。ありがとうございます。

>>330
あれ?そうでしたっけ?
自分も原作を読んでから時間が経っているので忘れてる
三男という事と、子供が次々と死んだということと、8歳のイアルと
乳飲み子が残ったという記憶の中で書いたのであやふやかも。
すみません。以後気をつけます。
336リラン(人型)×イアル:2009/12/12(土) 09:28:34 ID:D5qAE35V
「エリンはあなたの事を<イアルさん>と呼んでいた、あなたはイアルという名前なのでしょう?」
女はエリンの知り合いなのかと思い小さく頷くと
さらにもう一歩近付き、もう体が触れ合うばかりになっていた
女からは嗅いだ事の無いような甘酸っぱい匂いがして
不思議な事に鼓動が少し速くなっていく
「リランよイアル、何故そんな怖い顔をするの?」
自分の体に起きる異変に戸惑い
「リランは王獣の名前だが…」
そう思ったまま呟くと
「えぇ、そうよ それよりも此処には私とイアルしか居ない他の者の匂いがしない」
何も言わずに黙っているとリランと名乗った女は少し苛立った様子を見せ
「もぅ!他の者が居ないって事は私達の縄張りでしょう!
縄張りを守るためにも群れの数を増やさないといけないのよ!」
そう言うとリランは抱き付いてきて、柔らかい体に刺激され
下半身が充血し、硬くなっていく
337名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 09:28:39 ID:usKKLGpT
>>333
これで終わり?ではないですよね?
338リラン(人型)×イアル:2009/12/12(土) 10:14:31 ID:D5qAE35V
リランはクスリと微笑むと腕をほどいて、とんっとイアルを雪原へと押し倒した
何故か逆らう事すらできず、されるがままに押し倒され
自分を見下ろすリランから、あの甘酸っぱい匂いがしる事に気が付いた
「オスの匂いがする」
そう言うとリランは跨ぐように膝をつきそこに顔を寄せる様に体を屈めた
フンフンと匂いを嗅ぐたびに、鼻の頭や唇がかすめその度に充血し硬さが増していく
「オスはメスに応えるものよ」
リランは体を起こし跨いだ姿でクスクスと笑いながら
両手で秘唇を割り開き、テラテラと濡れる秘処を硬くなったソコにこすりつけ
「立派な群れを作りましょう」
そう歌うように囁き、指一本動かせないまま
リランにされるがまま流される事に諦め、目を閉じた


―――…早鐘のようになっていた心臓の痛みにそっと瞼をあげると王獣舎の中だった
「今のは…夢…か?」
リランに持たれるように寝ていたのかと、一息つくと
まるで微笑むかのような顔できずにリランが顔を寄せ
温かい舌先でペロリとイアルの頬を舐めた
「まさか、夢を見せたのはお前じゃないよな?」
小さく呟くとフイッと顔を背け一声だけ鳴いた。


339名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:02:58 ID:ACBfhq86
GJ

リランの声ってやっぱりそうなんだろうなぁと納得した。
オスを呼ぶ声はあれだし
340名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 20:12:41 ID:DQ9QLhOb
>>336
GJ
341名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 23:17:21 ID:2779fS2I
>>336
GJ
でもなんとなくエクカワイソスwww
342名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 00:40:08 ID:4rpZ4prG
「エリンは誰に夜明けの鳥を教えてもらったんだ?」
「ジョウンおじさんとかイアルさんです先輩」

横で聞いてたユーヤンとカシュガンがお茶を噴く




予告集見てたらそんな妄想が沸いた
343名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 10:56:21 ID:2G1Razo4
>>336
GJ!

344名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 14:14:13 ID:zJkmGUdr
>>336
リランが可愛かった、GJ!
でも寸止めだったことには心の底から安堵した

一時間おきってことは書きながら投下かな
メールかメモ帳ソフトに一旦書いてまとめて投下した方が
誤字チェックも出来ていいんだぜ

ところで思ったが、この雰囲気でヒトガタリラン×ヒトガタエクとかどうだろう
誰かの夢で、夢見てる人がどっちかに同化しててもいい
予想外にリラン(人型)がエロ可愛かったので、ほのぼのラブラブもいいなと
345336です:2009/12/13(日) 18:33:43 ID:97fDpk8n
GJありがとうございます
344さん、色々ありがとうございます
携帯からなので時間がかかってしまいました。
携帯のメモ機能にチャレンジした事がありましたが
失敗したので(何回かやってみたのですが…泣)
チマチマ打ち込みながらの投下です
すいません


私の中のリラン(人型)の見た目は落とし物のイカロスさんに近いです(笑)
昨日の吹っ切れてるイアルさんは素敵でした
キリク先生も格好良かったです…けど死んじゃったんでしょうか?
生きててもらいたいです…どこかで
では、失礼します〜
夢落ち大好き〜
346名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 21:09:31 ID:5bFIIveW
本スレでまで獣姦にもっていきたがってる奴キモイんだけど
347名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 21:52:30 ID:7CI0gQ8s
>>336
GJ!!
348名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 08:45:20 ID:KKoGoaCF
>>345
PC:アクセサリ→メモ帳
携帯:メール作成機能

を使って、って言う意味です、念のため。
携帯で書いてる書き手さんは、メール作成機能で書いて、
宛先を入力せずに未送信メールとして(1レスずつ?)保存してる
方が多いみたいですね。
これでいつでもどこでも書ける、ってことみたい。メール機能を
外出先でのメモ用に使う人も
くれぐれも、宛先を入力してしまってはいけません
うっかり書きかけのエロSSを知人に送信することになりかねない(笑)
349345です:2009/12/15(火) 17:19:38 ID:nvy0TSFk
348さんありがとうございます!!
メール作成(宛名無し)で保存ですね
わかりました
頑張ります!!(何をと聞かれてもなんですが)
ちゃんと出来たら嬉しいです(笑)
ありがとうございました
350名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 21:56:59 ID:MOgYEuVT
※注意!陵辱表現を含みます。ソヨン×ナソンです。、苦手な方は、回避してください。
続編ネタバレをちょっとだけ含みます。ラストシーン付近です。
未読の方は、回避してください。
ナソンは断固として嫌い!!!な方もスルー推奨。
捏造設定も多し。こちらも苦手な人はスルー推奨。

続編で、エリン/ジェシでエピが繰り返し構造になってたので、ソヨン/エリンでも
繰り返してるんだろうとか考えてみました。エリンに霧の民から迎えが来てキッパリ
断ってるなら、ソヨンもやってるんじゃないかとか・・・。
ソヨンの性格は、エリンに激似ってことで考えてます。
でもソヨンとその母はなんか違いそう。娘の死の第一報で「あんな娘を育ててしまって
すみません」と土下座しててびっくりしたが、長老の一人で長老会議してたとこだって
気づいたのは漫画版見てからだった。

原作では安易に善人/悪人の境目が引かれたりはしないんですが、ナソンと戒律の民
はさすがに嫌いなんですよね・・・。アイツらなに考えてるか分からないから。
続編で明かされるかと思ったんですが、やっぱ分からないままのほうが不気味だから
なのか、彼らの行動原理は今ひとつ判然とせず。アニメで言われたとおり「みてるだけ」
なんだよな・・・。
アニメのほうで、ソヨンは帰りたいそぶりをちらとも見せなかったので、やっぱソヨンも
実はアイツら嫌いだったのかな、とずっと思っていました。
ひとまず、自分の解釈では、戒律の民は自虐思想のあるカルト集団ってことにしてみた。
ソヨン!ちょっとアイツらにびしっと言ったれ!!
まあ、そうするとエロ担当もソヨンになるんだけどー。
というわけで、若干本末転倒気味でソヨン×ナソンを含みます。
作風と需要層が合うか分からんので、まさに誰得。

年齢は、16で嫁いだはずでエリンが乳飲み子だから・・・17歳か18歳くらい?
アニメの若ソヨンはホント可愛い。

ついでにエリンの存在で、ソヨンが多少なりとも報われた・・・んだったらいいなとか。
あとアッソンはエリンが生まれる前に病で死んでるんですよね? 何の病か聞かれても
困るので、便宜上ここでは「流行り病」と書かせていただきました。
351其の一:2009/12/16(水) 21:58:29 ID:MOgYEuVT
村人が寝静まった夜更け、針ひとつ落ちても聞こえるような寂静の中で、ソヨンはひとり、
暗い窓辺に佇んでいた。漆黒の夜空に月はなく、銀砂を撒いたような星達のわずかな明りが、
そのほっそりとした長身を浮かび上がらせていた。
彼女の眉根が、わずかに寄った。
――蛍火が、呼んでいる・・・。
それは間違いなく、彼女のかつて属していた一族の使う、蛍火だった。
ふわふわと瞬いて、彼女を呼んでいる。暗い木立の中へ。
彼女は迷った。ひとまず行かなければ、ならないだろう・・・だが、子供は――エリンは、
どうしよう?
産まれて六月(むつき)ほど経つ彼女の赤ん坊は、先程乳を含ませたばかりで、よく寝ている。
具合が悪くなければこのまま2〜3トほどは寝てくれるだろうし、最近では朝まで目を覚まさず
に寝ていてくれることも多くなっていた。・・・短いあいだなら、連れて行かずに、ここで
寝かせていたほうが安全だ。
彼女は岩房に降りるときに使う外套を静かに夜着の上に羽織ると、足音を立てずにそっと
家を後にした。

夜露にぬれた草を踏みながら、ソヨンは蛍火の示した木立へ近づいた。
月のない闇夜でも、暗がりに慣れた彼女の目には、森の影に重なった人影がかすかに見える。
彼女が森の中の闇に足を踏み入れると、人影は更に奥へといざない、村からはけして見えぬ
ところまで来てやっと、ごく小さな明かりを灯した。
「――ナソン。」
彼女には、その人影が誰であるか、明かりをつける前から分かっていた。それは、彼女の
ごく親しい人物――戒律の民における、かつての彼女の婚約者だった。
「ソヨン。君を、迎えに来た。わたしと共に、霧の中へと還ろう。
君の子も、そろそろ背におぶって連れてこれるくらいには、成長したはずだ。
物心つく前に、戒律の民として育てれば、外の人間と交わった君の罪も、軽くなる。
君さえ良ければ、君の子は、わたし達の子として育てよう。」
「あなたは――まだ結婚していないの。」
ソヨンが一族から離れたとき、ナソンはまだ充分に他の娘を娶ることが出来る年齢だった。
ソヨンも、どうか彼に別の娘をめあわせてくれるように、と懇願していたのだったが。
「わたしは、今は、探索者だ。霧と共に漂い、人の世を見つめる・・・
けれど、君が帰るなら、わたしも共に一族の中に帰ろう。
霧は、霧に還る。・・・はじめから、こういう運命だったのだ。」
ソヨンは、なにか苦いものを噛み潰したように、顔をしかめた。
はじめから、こういう運命だった――とは、ソヨンの夫、アッソンの死の事を指している
のだ、とすぐに分かった。
霧の民――つまり、戒律の民にとって、戒律は絶対だ。それゆえ、もし戒律を破ろうとする
者があれば、必ずその者に災いが起こり戒律の中に引き戻される、と幼い頃から教え込
まれる。――そんなはずは、ないのに。
戒律は、ヒトが作り出したもの。災いを引き起こしてヒトを戒律の中に押しとどめる超越者
など、いはしない。そんなものがいるなら、ヒトの世はもっとうまく廻っているるだろう。
超越者が存在しないからこそ、厳しい戒律が必要なのだと、自分が気づいたのは、いつの頃
だっただろう?
アッソンは、流行り病だった。村でも何人か死んだが、感染に気づいたときにはあっという
間に悪くなっていて、手の施しようもなかった。彼の病と、自分の行いに関係など在るはず
がないと頭では分かっているのに、幼い頃から囁き続けられた世の理が、呪縛となって彼女
の心を締め付けた。振り払っても振り払っても、それはむしろ彼の死に対する冒涜だと言い
聞かせても、自分が戒律を破ったせいで彼は死んだのだ、と心の奥から声がする。
ソヨンはゆっくりとかぶりを振った。
「悪いけど、行く気には、ならないわ。」
ナソンの目が大きく見開かれた。断られるとは、思っていなかった――そんな表情だった。
352其の二:2009/12/16(水) 21:59:08 ID:MOgYEuVT
「私の娘は、戒律の民にはしない。戒律に縛られず、自由に生きて欲しい。」
「ソヨン。人は愚かだ。戒律で縛らなければ、災いを引き起こす。」
型どおりの、答えだった。ソヨン自身もまた、かつてはそんな受け答えをしていた。そこ
には、個人の考えなどない。
「奏者ノ技も、闘蛇に関する民の知識も教えなければ、あの子自身を縛る必要もない。」
「霧に還るのが、君にとっても、あの子にとっても、最善であるはずだ。
戒律の民は、霧の外では、霧の民として迫害される。夫という庇護者を失った今、君も
君の娘も、すでに辛い立場におかれているのではないのか?」
それは、その通りだった。あるいは、霧の中から、見ていたのかもしれない。
「たとえ迫害され、差別されるとしても、心だけは、自由でいられる。
私のあの子への愛は、戒律に縛らせない。」
戒律の民では、夫婦の情より、親子の情より、戒律が優先する。霧の外では、『霧の民は、
掟を守るためなら、わが子の命すら見捨てる。』と言われているが、あながち間違いでは
ない。ソヨンの母とて、戒律か娘の命かの選択を迫られれば、戒律を取るだろう。戒律を
至上のものとし、戒律のために生きる。それが、民の中では最も誇り高く正しい生き方で
あり、母はいつも正しい人だった。

そんな中、彼と出遭った。アッソンだ。
彼は鹿を追う途中で崖から脚をすべらし、崖の下に倒れていた。怪我自体は大したことも
ないのに、こんなに人里離れたところで、動けないまま放っておかれたら、命に関わる
・・・そう思って、意を決して彼の前に姿を現した。
アッソンは、どこか不思議な人だった。野放図なわけではなく、思慮深くさえあるのに、
その心はあらゆる呪縛から自由だった。・・・霧の民への偏見からも。彼は人々の心に巣食う
既成概念から柔らかく一歩退いて、何の色眼鏡もなしに見つめなおす、不思議な力を持って
いた。
霧の民に出遭った人は大抵、恐怖と侮蔑をあらわにして一刻も早く立ち去ろうとするのに、
彼は、ソヨンの瞳をまっすぐに見つめ、率直に感謝の意を表した。
そして治療が終わってなんとか村の近くまで辿りつく頃には、彼女に対して素直な好意を
示す様になっていた。
それだけではなく、脚が歩ける程度に回復すると、彼女と出遭った山に通いつめて彼女を
探した。ソヨンのほうも最初のうちは姿を隠していたが、あまりに通いつめると身体に障るのでは・・・と心配になって、彼の前に出た。
彼の口から愛の言葉が語られたときには、自分でも信じられないくらい、動揺した。
彼は闘蛇衆の長の息子であるにもかかわらず、闘蛇衆の掟からも、村の掟からもどこか
自由で、彼女にも従属を求めなかった。村を出て二人でどこかへ行ってもいいし、自分が
霧の民に入ってもいいとさえ言った。そしてその合間に、溢れんばかりの愛情をまっすぐに
吐露した。
彼と共に生き、彼に似た子供が欲しい――ソヨンがそう熱望するのに、さほど時間は必要
なかった。
従属を求められなかったからこそ、彼の村に自分が入っていこうと思えた。どんな苦労も、
この人と一緒なら辛くない。彼女は戒律を破り、二度と戻らないと約して一族を離れた。
霧の民に対する偏見は根強かったが、彼の人柄が、周りの人の態度を自然にやわらげた。
子供が出来たとわかったときには、飛び上がって喜んでくれた。
けれど。
善人ほど、その命は儚いと言う。
あれほど待ち望んだ娘の誕生をその目で見ることさえなく、病であっけなくこの世を去った。自分の死後も、ソヨンをこの村の人間として扱ったくれるように、との遺言を残して。
彼女は、二十歳にも満たぬ若さで未亡人となった。
353其の三:2009/12/16(水) 21:59:52 ID:MOgYEuVT


「君は・・・!」
ナソンは大声を出さぬよう、低く呻いた。
「一族が君の罪を赦し、戻ることを認めたのに、それを否定すると言うのか!」
赦す、とは一族の中では最も甘い響きを持って語られる言葉だった。戒律の民は、遠い昔
に犯した大罪の重さに苦しみ、赦しを求めて彷徨っているのだ。
だが、誰に赦しを請うのだろう。自分達がかつて悲惨な死に追いやった人々にか。それとも
観念上の超越者にか。
どちらにしても、この世の果てまで、赦しが得られることはない。
「ナソン、聞いて。わたしはあの子を産み落としたとき、わかったの。
人は誰も、罪を抱いて生まれてきたりしない。赦しなど、はじめから必要なかった。
一族のやっていることは、無垢な命に、過去の罪を負わせて戒律の名の元にその償いを
させることだわ。
そんなことをしても、過去の罪が減るわけでも、消えるわけでもないのに。」
「それでもわたしたちは、人の世を見ていなければならない!
災厄が、再び繰り返されることの無いように。」
「闘蛇は、すでにこうして飼われているわ。」
ソヨンは、強い口調で言い放った。
「何故かしら? オシク・ハサルの代に隣国が攻めてきたから?
一族が、災厄が再び起って人も獣も国土までが死に絶えるより、戦で国が滅びて人だけが
死ぬ方がましだ・・・と、説得できなかったからではないの? この国で、闘蛇を戦に使おうと
した人々を。
人は、争いを求め、争いは、力を求める・・・。
人の世の、このつよい衝動を、戒律の民のやり方で、押しとどめることが出来るのかしら?
闘蛇が戦に使われていることが、既にどうしようもない綻びなのだと、私は思うわ。」
「やめるんだ、ソヨン。それ以上、一族を冒涜しては、ならない。それは、罪だ。
人の力は弱く、世界に対して無力だ。しかしそれでも、霧と共に漂い、自らは食べる以上の
ものを殺さず、人の世に警告を与え、祈る。それが、霧の民だ。」
「わたしは既に破戒者だから、罪は怖くない。
同じ無力だとしたら、私の娘には、人を監視し、警告することではなく、人を愛することを、
伝えたい。
――これ以上の口論は、無駄だと思うわ。
さようなら。気持ちだけは、嬉しかったと、一族に伝えて。・・・かあさまにも。」
闇の中にくるりと踵を返すソヨンの手首を、ナソンの手が掴んで引き戻そうとする。
「――ソヨン!」
ソヨンは落ち着いた声で、かつての婚約者に話しかけた。
「あなたにも、悪かったと、思っているわ。
私の相手にさえ決められていなければ、別の人生が、あったかもしれないのに・・・。
できれば、別の相手と、やり直して欲しかったけれど。」
ナソンの顔が、いっそう苦しげに歪んだ。
「・・・・・・どうして、君の口から、そんな残酷な言葉を聞かねばならない!」
気づいたときには、遅かった。つよい力で引き倒され、押さえつけられていた。
彼女の身体をまさぐる手の動きと、荒い息遣いが、彼がしようとしていることを告げていた。
「やめて!ナソン!こんなことをしても、なんにもならない・・・!!」
大声は、出せなかった。霧の民と会っていたことが村人に知れれば、大ごとになる。それ
こそ、この村から出て行かねばならなくなるかもしれない。
しかし、理性をなくした男の耳に、その言葉は届かない。
彼の手で灯されていた小さな明かりは、ほどなくして消えた。
あとに残されたのは、息苦しいほどの、闇。
月のない空の下、星さえも見ていない、暗い森の中に、くぐもった小さな悲鳴が吸い込まれ
ていった。

354其の四:2009/12/16(水) 22:01:07 ID:MOgYEuVT


――初めて会った時から、不思議なほど惹かれていた。
彼女は、彼女が属する半族の中でも、明らかに賢く、際立って美しかった。
婚約の組み合わせは、大人たちが各人の性質や資質、その他諸々の条件を見て決めることに
なっている。ソヨンというその娘の相手に自分が選ばれたことが、ひどく誇らしかったし、
嬉しかった。
逢うたびに、成人したらこの娘が妻になるのだと、浮き立つような気持ちだった。
彼女のためにも、精一杯正しい行いをし、よき夫になろうと心に誓った。
しかしある日、対の半族に、掟を破って一族以外の人間と一緒になろうとしている者がいる、
という噂を聞いた。
ナソンがその娘の名を聞いたのは、すべて終わって、その娘が一族を離れてからだった。
娘の名は、ソヨン。
それを聞いたときの彼は、気が狂いそうだった。
何故、何故、なぜ。
彼女ほど賢く聡明な娘が、なぜ掟を破ったりする。
何が、間違っていたのか。どこから。
どんな娘も、彼女の代わりになるはずなどない。
彼女でなければ。彼女だけが。そう、彼女だけを。
――愛して、いるのだから。
彼女の夫が死んだ、ということを知ったときには、歓喜した。
そうだ。そうでなければ。間違いは正されるものなのだ。
彼女とわたしは、一緒になる運命なのだ。
――なのに。
彼女の言っている意味が分からなかった。
何故、一族の赦しを拒否するのか? これほど光栄なことはないはずなのに。
何故、わたしを拒否するのか。
わたしを、わたしを、わたしを。
掴んだ彼女の腕は、ひどくか細かった。
こんな腕で、抗おうと言うのか。たったひとりで。
一族に。外の社会に。偏見に。
――この、わたしに。
気がついたときには、彼女の身体を、枯葉の上に引き倒していた。
力ずくで押さえ込み、やわらかい首筋から胸元にかけての皮膚を、貪るように吸いたてる。
はじめて触れる彼女の体の細さと柔らかさに、頭の芯が痺れた。長いあいだ待ち望んでいた
邂逅に、体中が沸き立つ。なにか呻くように呼びかける声も、遠くで響いて頭の中には入って
来ない。
彼女の身体をまさぐり、合わせ襟を強引に引きあける。乳飲み子を抱えた女の衣ははだけ
易く、男を虜にするたわわな果実がまろび出た。
本能のままにその果実を掌におさめ、弄んで先端を口に含むと、彼女の口から小さな
くぐもった悲鳴が洩れた。
――間違いは、正されねばならない。
――彼女を自分のものとし、正しい道に戻すのだ。
彼の心は、その考えに支配されていた。
明かりは、そろそろ切れる頃だった。もともと、そんなに長く灯すはずでもない。
戒律の民は、暗闇には慣れている。かなりの闇でも夜目が効いたし、まったく見えない
ところでも、感触と音、空気の流れで周囲の状況を掴む術も心得ていた。
あたりが闇の中に沈むと、彼女の存在をいっそう強く感じた。彼女の肌から伝わる熱、
彼女の身体がつくる柔らかくまろやかな曲線、彼女の唇から洩れる細く高い声。どれも、
彼が手に入れるはずのものだった。当然のはずのその権利を主張することに、彼はもはや
躊躇しなかった。
女袴を脱がせ、下着を剥ぎ取る。抵抗する動きがいっそう強くなったが、身体全体で押さえ
つけた。女の中心が隠れている叢に手を這わせる。
355其の五:2009/12/16(水) 22:02:21 ID:MOgYEuVT
そこに何があるかは、知識として知ってはいたが、触れるのははじめてだった。叢を指で
掻き分け、丹念に調べるように指で辿る。
そこには、男には存在しない肉の襞があり、何度か形を調べているうちにぱっくりとふたつに
開いた。内部は湿っており、意外とつるりと何もないそのあいだを後ろの方に行くと――
入り口があった。
そこに指を差し入れると、彼女の身体がひときわ大きく跳ねた。何かを懇願するような声が
する。いまは、その声さえも耳に心地良い。
彼女の内部は、襞が複雑に絡み合っていた。いくら触っても形状の掴めないそこを指が
探るうち、奥から蜜が染み出してきた。それは女体の防御反応だったかもしれないが、
彼は当然のようにその蜜に夢中になった。どこを触ればもっと蜜が出るのか。どんな風に。
必死に探すうちに、くちゅ、と音を立てるほどに溢れ出す。
もう、指では飽き足らなかった。彼のそこは、とっくに痛いほどに屹立していた。手早く
自分の筒袴を脱ぎ捨て、彼女の脚を押し開いて、透明な液を先端に湛えたそれを彼女の
中心に押し当てる。腰を落とすと、彼のそれは、夢にまで見た彼女の中に入っていった。
彼女の蜜壷は、彼を迎え入れて熱く締め付けた。はじめてのその感触に、彼はたまらず
呻き声を上げる。
気がつくと、先程まで彼に抗っていた彼女が、今は沈黙している。受け入れられたのだ――
そう思った彼は、闇の中で彼女の耳元に、愛を囁く。
「ソヨン、ソヨン、ソヨン。
君を、愛している。ずっと前から、君だけを。
わたしたちは、一緒になる運命だったのだ。
君の事は、わたしが守る。だから、一緒に、霧に還ろう。」
彼はそれから、本能の導きに従って動き始めた。彼女とひとつになれたことが、嬉しくて
たまらない。何度も何度も、彼女の名前を呼ぶ。
時折彼女の唇からか細い声が上がると、彼の動きをいっそう掻きたてた。
彼女の身体をより深く穿つように、彼自身を繰りかえし突き立て続ける。
甘い愉悦の中、やがて彼は、彼の欲望を彼女の中に吐き出した。


――彼は、わたしに躓いた。
押さえつけられ、彼か何をするつもりか悟ったとき、その想いがソヨンを刺した。
彼は品行方正な男だった。一族の中で暮らすなら、良い夫になったと思うし、それなりに
幸せな家庭を築けたかもしれない。彼自身には特に不満を持っていたわけではない。
けれど、戒律の民として生きる者は、生まれながらにして罪を負うことになっており、
未来永劫償い続けなければならない。
戒律の民の母親達は、なぜ、無垢に生まれた命を、戒律に捧げてしまうのだろう?
・・・それほどに罪深いのであれば、子孫を残したりしないというのも、ひとつの選択なのに。
自分は、もういい。しかし自分の子供は、その子孫は、戒律という重い鎖に縛られず、
自由に生きて欲しい。例えば、野に生きる獣のように。
ソヨンが密やかに持っていたその願いが、一族以外と結婚する、という破戒となって現れた。
ナソンはまだ若く、やり直せるはずだった。
一族によって決められただけの婚約に、彼がそこまでこだわるとは、思ってもみなかった。
彼が自分に恋情を持っていたのだとしたら、彼女がそう思うこと自体があまりにも残酷だった
のだろうけれど。
それは妄執か、恋情か。
いずれにせよ、彼のような、静かに平凡に、戒律のままに生きる男が得るはずだった家族は、
粉々に打ち砕かれた。
わたしによって。この、行為によって。
彼女は抵抗を試みたが、理性を無くした男の力は、抗えぬほどに強かった。
彼はまだ、これが道を踏み外す行為だということに気づいていないのか。
これは罪。
彼はもう平凡な幸せを追い求めることは出来ないだろう。
妄執に縛られ続け、霧となって漂う――多分、最期のときまで。
偶然に、わたしの、相手に選ばれてしまったがゆえに。


356其の六:2009/12/16(水) 22:05:19 ID:MOgYEuVT


男が精を吐いた、そのときが狙い目だと、ソヨンは途中から気づいていた。
すばやく身体を離し、つとめて冷静な声で、こう告げた。
「・・・終わったのなら、もういいでしょう。帰るわ。
二度と、わたしの前に姿を現さないで。」
「・・・ソヨン」
「触らないで。」
近づく気配を、低い声でぴしゃりと制す。
彼女は、前をはだけられただけだった上衣と外套を掻き合わせ、じり、と、木立から抜け
やすい位置を探した。
「もう一度だけ、言うわ。
こんなことをしても、何にもならない。わたしとあなたの道は、交わらない。
けして戒律の中に、還る気はないの。」
「ソヨン、君を・・・愛しているんだ。」
「わたしは、愛していない。これから、愛することもないわ。」
暗闇で表情が見えない分、声に冷たさを含ませる。
そしてくるりと踵を返すと、星明りの下へと全速力で駆け出した。
泣くのはまだ、早かった。両手でしっかりと外套の前を合わせて、裸の足のまま駆ける。
ごぼり、と粘性の高い液が太腿を伝う感触がしたが、湧き上がる寒気をかみ殺して。
追ってくる気配は、なかった。しかし、けして振り返っては、ならなかった。


家に入り、筋交い棒で扉を閉ざすと、そのまま扉にもたれかかり、両腕で自分の肩を
抱いてへたり込んだ。
そのとき、やっと自分がひどく震えていることに気づく。
身体を使われたことが問題なのでは、なかった。彼女は生娘ではないし、夫がいる
あいだはその行為は日常だった。
けれど、夫との行為は、いつもめくるめく奇跡のようだった。声すら上げられぬほど、
体中が幸福感で満たされた。
対して、先程のそれは、暴力で、恐怖で、痛みだった。
怖い、怖い、怖かった、あなた――
けれど、頼る人は既に亡く、今の彼女は、娘でなく、妻でなく、母だった。
ソヨンはよろよろと立ち上がると、身を清めるため、乱された衣を脱いだ。ともかく
このままでは、我が子に触れることすら躊躇われる。
土間に桶を出して、水を使った。水に濡れて、体中に出来ている細かい擦り傷が痛む。
ともすればもう一度恐怖に支配されそうな心を、――赤子の泣く声が引き戻した。
無力で、母なしに生きていけない、愛しい存在。
何の理屈もなしに、行ってあげねば、求めていることをしてあげねば、と心が動く。
そのほかのことは、心から締め出される。
急いで代わりの衣を羽織り、娘の許に駆け寄る。冷え切った彼女の身体に、布団で
くるまれた赤子の体温は、ひどく暖かかった。
――愛しい、愛しい、わたしの娘、エリン。
願わくば、おまえが、自由な心で生きられますように。そして、幸せになってくれます
ように。
お母さんが、おまえのことを、守るから。もっと、強くなるから。
彼女は、幼子を抱きしめて、心の中でそう呼びかけた。
357305:2009/12/16(水) 22:07:58 ID:MOgYEuVT

※    ※    ※    ※    ※    ※    ※


「――あなたは、ジェシまで、殺そうとしたの?」
横たわるエリンにそう問いかけられて、ナソンははっとした。
傷つき、毒に侵されて、それでも必死に生きようとする、ソヨンの娘、エリン。
彼女の傍らには、彼女の夫と息子が、離れずについていた。
彼女の命は、長くはもたないだろう。――少なくとも彼には、そう見えた。
「いや・・・信じてくれなくともかまわないが、わたしは、きみやきみの息子が、
死ねばいいと思ったことは無い。ただ・・・『残された人々』が何百年かぶりに外へ
踏み出すのを見て・・・救えるものなら、失われる数千の命を、救ってみようと思っただけだ」
切れぎれの声で、エリンは続けた。
「そうね、信じられないわ。あなたはわたし達のことを見ていたのでしょうに・・・」
「霧も、万能ではない。たくさんのものを、取りこぼす。」
エリンは、しばらくナソンの顔を見つめ、それから言った。
「信じては、いないけれど。
結果的に、たくさんの命が助かったことは、事実だわ。それについては、お礼を言います。」
それから、ふいと視線を逸らして、つぶやいた。
「わたしの願いと、あなた達の願いが、ほとんど同じだったなんて、皮肉ね。」
エリンの言葉が、ナソンの胸を刺した。
ソヨン――
間違っていたのは、君だ。
その思いを抱いて、彼は今まで生きてきた。ソヨンが掟を破り、一族以外の――わたしでない
――男と結婚したときから、間違いは始まった。
君は、君の子を助けるため、大罪を犯した。
君の子は、成長して、自力で奏者ノ技を編み出すと言う、空前の大罪を犯した。
一族の警告も、ことごとく無視した。
ひとつの罪が、次の罪を呼び、いずれは止まらなくなる。
まさに、一族がそう教えてきた通りのことが起きた。
君の子は、大罪に大罪を重ねた挙句、災厄によって死に瀕している。
しかし、君の子の辿りついたところが、一族の願いとほとんど同じになっているのは、何故だろう。
エリンと戒律の民は、互いに憎みあいながら、同じものを待っていた。
人々が災厄を目の当たりにし、おののき、自ら災厄を避けるようになることを。
「そうだね・・・、ひどく、皮肉だ。」
君は、君の子の最期を見て、どう思うだろう。
いつか君の母が言ったように、この子を助けたことを後悔するのか。
それとも、最後まで良く頑張ったと、褒めてあげるのか。
「もう・・・行って。わたしに残された時間は、たぶん、もうあまりない・・・」
ナソンは頷いて、立ち上がった。
「君と、君の子孫に、幸多からん事を。」
そういって、部屋を後にする。
358其の八:2009/12/16(水) 22:08:48 ID:MOgYEuVT
なぜか、ソヨンは、エリンのすべてを認める気がした。
エリンは、いつも懸命に生きた。それこそ、命がけで。
獣を愛し、家族を愛し、人々を愛した。
その結果が、災厄に結びつくのは、人があまりにも愚かだからだ。
そう、人は愚かだ。
戒律の民とて、例外ではない。
ナソンがそのことに気づくのには、あまりにも長い時間がかかってしまった――
取り返しが、つかないほど。
今なら、ソヨンが願っていたこと、考えていたことが、分かる気がした。
自分がそれをひどく踏みにじっていたことも。
ソヨン――
君にとって、間違っているのは、わたしだったのか。
わたし達は、近くにいたようで、心はいつもひどく離れていた。わたしはそれに、
気づかなかったけれど。
それでも、わたしは、これからも、霧と共に漂い続ける。自らの罪の重さに慄き、
災厄を起こす人の愚かさと性質(さが)を、憎みながら。
そして君の事を、想いながら。
たとえその想いが、どこにも届かなくても。


              ――end――
359名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 22:13:46 ID:MOgYEuVT
以上です。お目汚し失礼しました。
あわわ・・・其の七が入るはずの名前番号に、ナゾの番号が・・・orz
レス番とは関係ございませんのでよろしく。

貼ったあとで気づいたんですが、もしや「エロ少なめ」も入れるべきだったのかとオモタ(遅い)
暗闇感出すために会話とか擬音とか視覚表現とかあんまりないんで、読みにくい?かも

原作者の上橋さんが、アフレコのリハで、「みてるだけ」をソヨン声で言われてた!と
大喜びしてましたが、やっぱり「ナソンうざっ!」とか思ってるのかな・・・。
自分も書いててイラッと・・・(じゃあ書くな)。
ソヨン×アッソンとかいう手もあるんだけど、ソヨンはなんか不幸シチュが合うんだよな・・・。

360名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 22:55:27 ID:4dzGAZ2c
GJ

ナソンは自分の中ではそれほど嫌なキャラじゃない。
あの一族は数が少ないから
将来生まれる子の結婚相手もどの家系の子とか決まってるんだろうと考えてる。
だからナソンはずっと独身なんだな、と解釈してた。
361名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 12:14:16 ID:9y3FN820
自己主張はせめて作品の後にしろ
書き手が最初からあれが嫌いだなんだと書かれたら読む気なくすわ
362名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 12:34:05 ID:jyrOP213
>>359



アニメでは、ナソンを含め霧の民は原作より人情味があるよね。
363名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 23:45:32 ID:NAgx+yC3
☆ミ
364名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 18:47:52 ID:BAvryEf1
最終回に案の上息子が出てたんだが
いつ身ごもったんだ、真王に会いに行く前に王獣舎で何かあったに違いない
という解釈を見て目からウロコが落ちた

原作とは異なる展開だが
誰か書いてくれたら喜んで読む
365名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 21:20:39 ID:mJxjzv7V
いやラザル王獣舎は前スレから散々ネタにされてるがw
原作続編出てから2人の初夜はイアルの家ってのが確定しちゃったからな
解釈次第では王獣舎で関係もってしまったけど、タハイ・アゼの後あれは
一時のあやまちだったと思い込もうとしたイアルさんていうのもありかもしんない
366名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 21:32:28 ID:MwxSW54Q
いや、ラザル王獣舎で関係を持っていたからこその「こんなことはだめだ」かもしれん。
367名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 20:51:20 ID:nKhOxlhY
規制オワタ!

ところで>>364 氏は首尾よく >>1 に張り付いてる保管庫から
前スレ110 と前スレ110-124 あたりのSSは読めたかな?

原作で、期間のわかってるとこを計算していくとラザルで2ヶ月くらい余る・・・
に対する有効な反論は見たことないが、アニメでの傷の治り方からすると
2〜3週間程度の時間の経過っぽかったorz

アニメではダミヤ様も、イアルが逃げないように王獣舎に監視つけとくの
忘れて行っちゃうしさ・・・。
超重要なお役目ですよ!? プンプン

今でも原作では2ヶ月同棲してたと信じてる
だって他に行くとこないよな? 行った先に必ず迷惑掛けるし
368名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 15:35:52 ID:z/RYUpGA
縫ってから抜糸までに最短で1週間
大きな静脈の側ならもっと安静が必要







読んだよ>>367さんきゅ
369名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 21:53:18 ID:i2v0Sl13
>>368
そっか、そういえば鎖骨の辺りだから大きい血管あるよな
バルサの回復速度が超人過ぎるのかもな
(バルサが基準だった、大体1〜2週間で次のバトルしてる)
370名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 19:04:44 ID:9qXPaSvR
バルサ姐さんパネェっす
371名無しさん@ピンキー:2010/01/03(日) 20:10:47 ID:63s6Nq+C
久々に保管庫見たら大量更新されてました。
遅ればせながら管理人様乙です。

今スレ11-81-134-251ですが、一個足りない?と思ったら
表の81 のオリ×ロラン のタイトルがが イアル×エリン
になってました。宜しければ修正おねがいします。
中身はオリ×ロランで合ってました。
372371:2010/01/08(金) 20:48:01 ID:uKhqplN7
管理人様、御礼が遅れましたが、すばやい修正ありがとうございました。
373名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 18:53:52 ID:WLE2cmCN
保守
374名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 11:46:50 ID:ICNO6a6+
最近自サイトで頑張ってる人が多いのかこっちに投下するのが
なくなっちゃったな
375名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 20:21:25 ID:LckK3khs
とりあえず、リクエスト&ネタ投下しとくか
イアエリで夫婦喧嘩→仲直りHの方向でw

エリンがジェシを連れて野性の王獣観察にひと月も山篭りしてる間
イアルが浮気するとは全く心配してなかったんだろうけど、周りが
ほっとかないということをエリンは失念していたんではないかと。

王宮育ちで真王に長年仕えていただけに礼儀正しさは筋金入り、
下級職人にはまずいないであろうフェミニスト(特に年配女性)で
他人と関わりをさけてたセ・ザン時代と違ってご近所つきあいの手前
無下にもできず、女房子供が留守の家に、近所の女衆が入れ替わり立ち代り
世話をやきに来てたに違いない。

エリンが帰ってくると厨や箪笥の物の配置が変わってて激怒、実家(カザルム保護場)に
家出して結局エサルに窘められて・・・というような
376名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 21:04:46 ID:Tw6yE4t1
>>375
おいおいこれは凄く読んでみたいぞ!
イアルはエリンしか見てないのに、モテる夫に一方的なエリンのジェラシーだな
誰か書いてくれ!俺は読み物書いたことないから無理だ!
377名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 22:46:57 ID:1qTrscbp
自分も読みたい

家具の配置には敏感そうだエリン
近所の世話焼き女性の出入りで
食卓の椅子があり得ない場所にあったりして
「この椅子をここに置いて、あなたが食べてるのを眺めてたのは誰なの!?」
とかさ
(イアルが全然気にしてなくて椅子を戻さなかった)
378名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 19:48:20 ID:pgLWdc3d
イアルさんは自身に全くヤマシイ所はないから、エリンに包み隠さず
食事はお隣さんが(探求編でもファコもらってたしw)掃除はお向かいさんが、
洗濯は裏のかみさんがと、正直に話して火に油状態にしたりね

ベタだけど、故意か偶然かシーツかシャツに口紅でもついてたら
文字通り狂ったように泣いて責めるだろうなエリンさん
379名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 03:27:56 ID:8h+sRex0
>>375さんのシチュに萌え、投下してみます。自分はエロ不慣れなので他の方より少な目かも。
なのにそれまでが無駄に長い気がします。
ネタは一部拝借程度。椅子ネタ、エサル先生も出てきてない。勢いでさっさと書いたので読み返してみれば結構勝手な展開になってました。保守程度でお考えください。
他の方、同ネタで取り組んでらしたらそれも読んでみたいです。よろしく。


380:2010/01/23(土) 03:30:31 ID:8h+sRex0
ようやく帰ってきた…!
エリンは、疲れが残るジェシの手をひいて、歩を進めていた。今日のカザルムは少し風が強い。ジェシを風下に導き、手を握り直した。
学童の休暇を利用し、数人の教導師とともに王獣観察のために出向いたカショ山でのひと月あまり、実りの多い毎日だった。
年端もいかぬ子供づれで行くことを最初エサル師は懸念していたが、ジェシが母についていくと頑として主張し、エリンも何かあった場合自分が責任を負い今回の任を全うするとした覚悟を受け、彼女を出向かせたのだった。

あの角を曲がれば…。
エリンが顔をむけた角のもうすこし先に、家が見えるはずだ。
そのときジェシと同じくらいの年の子が角の家から飛び出してきた。
「お、ジェシ!」「あ、オグランだ」
時々遊んでいるジェシの年上の幼馴染だ。かなりやんちゃ坊主だが、ジェシはひるむことなく、この辺の近所の子供たちとまじっていつもはしゃぎまわっている。
「まあ、エリンさん、随分見なかったけどどちらかへ出かけてなすったの?」
母親がでてきて、エリンに話しかけた。
あたりさわりのない会話を一言二言かわし、もう退散しようとした矢先、その先の家からイアルの姿が出てきたのが見えた。
エリンは思わずかけよろううとしたが、そのとき、ふと彼に続き家の中からでてきた見知らぬ女人の姿を認め、とたんに歩調はゆるくなった。

年の頃は30を少しすぎたくらいといったところか、素朴な感じであるがそこはかとなく艶もあり、独身には見えなかった。
彼女は手提げ袋を片手に慣れた手つきで戸を閉めた。
そのとき、突風がふき、目を押さえた彼女は、戸口の前でつまづいてよろめき、思わずイアルは彼女を抱きとめた。
「大丈夫でしたか?」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、お世話になりました。食事のことも色々と手伝ってもらって…」
「あ、厨においてあるお魚、今日のお夕飯にでも食べてくださいね」
「何から何まで…かえって申し訳なかったな」
照れくさそうに笑うイアルの腕に、その女人は何気に手を触れ、高い声をあげた。
「まあ、イアルさんったら意外だわ。たくましい腕をしてらっしゃるのね。見た目から想像できなかった」
少し茶目っ気のある彼女の瞳がイアルを見上げている。

エリンは不思議な気がした。これまでの自分の知った顔ではない。
でもイアルにとっては、初対面というわけでもなさそうに親しげだ。
これまでにも何度か会っているのだろうか。
会話もここからじゃ断片的にしか聞こえず、よくわからない。

いずれにしろもう帰るつもりだったのだろう。お互い頭を下げた後、その女人はこちらとは別の方向へ去っていった。


ふとジェシが手を離れ、かけだした。
「おとうさあーん」
イアルはふと振り向き、満面の笑みでかけてくるジェシを迎えた。イアルに抱きつくジェシのあとから、エリンはゆっくりとやってきた。
「おかえり」
「…ただいま」
「疲れただろう?今日は風が強い。難儀だったな」
「お客様…だったの?」
「ああ、見てたのか。あれは路地の向こうの小料理屋の娘さんだ。もうずいぶん前だが、一度一緒に行ったことがあったろう?」
「娘さん?そんな人いたかしら」
「実は、一度お嫁に出ていってたらしいんだが、不幸な訳があってまた戻ってきて、今は店を手伝っているそうだ」
「…」

何か釈然としない思いをかかえ、履物を脱ぎ、荷物を降ろした。
ジェシは、これまでの土産話をさっそく話して聞かせようとイアルにつきまとっている。
381:2010/01/23(土) 03:34:15 ID:8h+sRex0
荷物をおくと、さすがに安堵の気持ちがわいて、少しの間座り込んだ。
留守の間懸念していた部屋の荒れようが、それほどでもないのがまた不思議だった。
ひとりで暮らしていたときは、閉め切った部屋で平気で過ごしてきた男だ。さすがに食事はなんとかしていただろうが、
部屋はさぞ荒れているのでは…と心配していたエリンは拍子抜けし、一息つくと、茶でも飲もうと立ち上がった。

厨のすみに器が残されていた。見覚えのない染めつけがなされたその器の蓋をあけてみると、小魚が詰めてあった。
多めに作っておいて、食べ残っても保存がきくようにと香辛料や少しの油を混ぜ酢漬けにしてある。
エリンは、その漬け汁に自分の指をつけ、なめた。
よい味だった。
素材の味を殺さないほどよい塩加減、しかしわずかに入れられた香辛料が食欲をそそる。
「…おいしい」
毎日ではないにしろ、時々こんな食事を食べていたのだろうか?きっと仕事もはかどったのだろう。エリンたちが出発する前、期限を気にしていた納品も、
聞けば、滞りなく完遂したというし、落ち着いて見渡してみれば、床も大して汚れておらず、箪笥の上板もひとつき分のほこりはつもっていない。

いつもの彼女ならば、留守中の家の管理を怠った負い目も手伝って、彼の仕事のはかどりぶりや体をこわさなかった彼をねぎらいこそすれ、責めることはない。
しかし、今日は勝手が違った。
なぜだろう。食事のことだけではない。何か自分の知らないにおいが入り込んでいるような違和感があった。
ふと箪笥の脇に目がいった。
そして箪笥の脇に乾いた洗濯物がきちんとたたんでおいてあるのを見つけたとき、思わず口についてでた。

「私のたたみ方とは違うわ」
「?ああ…それか。それは彼女がやってくれたんだ。一度は断ったんだが、たくさんたまっていたのをまとめて洗ったから、取りこんだ時に山になっててな…」
イアルは、照れたように頭を掻き、つづけた。
「かごにほおりこんでおこうと思ったんだが、皺になると心配されて…実はその日はヤントクと次の仕事について打ち合わせの約束があって夕方からでることになってたんだ。出発の準備の最中にはもう終わっていて…見るに見かねたんだろうけど…」
「そう。助かってよかったわねっ」
言葉の端々に棘を感じ、イアルは少々たじろいだ。

先ほど帰ってきたときに表でみかけたあの態度を目にしたときに心の中に芽生えたなにかざわつくものが、今になって再度現れ、おさえきれず溢れ出し、思わず口をついてでてきた。
「どうして女の人がそんなに簡単に家に出入りしているの?」
「ああ、それがその…あの人のお父上…つまりは店の主人だが…、ご友人の祝いの品を所望されていて…何かの参考になればと木を取り寄せるついでに時々見に来てもらっていたんだ」
「それで?」
「そのときにお前が留守していることを気の毒がってな…店はご夫婦でなんとかなっているからと、ついでがある時に娘さんに色々と持たせてくれて…」
律儀なご主人なんだ、とイアルは悪びれもせずにいう。

「料理酒が随分減ってるわ…ここで支度を?」
「ああ、時々な。なんせ家事は慣れてるらしいし。…どうした?」
エリンの無表情に不穏なものを感じたイアルが言葉をきる。
「洗濯物をたたむなんて、やりすぎよ。世話好きな気のつく方なんでしょうけどね」
本当は彼女のことよりも、むしろ無頓着なイアルに対して腹がたってきていたのだが、口がとまらなかった。
「…それになんなの?お昼の態度…あんな風に気安くさわるなんて、変よ」
「さわる?」
「そうよ。あなたは支えただけかもしれないけど、あの人はその後もあなたの腕に手を添えていたでしょ…なんだか」
「…ばかばかしい。おまえこそ今日はおかしいぞ。」

イアルは、まるで子供にするようにエリンの頭をくしゃっとつかみ、持ち帰った石やら植物やらを自慢げに並べるジェシの側へ寄っていった。
午後の日差しが差し込んできていた。もう季節がかわろうとしている。
楽しそうに土産話に興じる二人をしばらく見ているうちに、最初は後味の悪さをひきずっていたエリンも
イアルの態度のあまりの潔白さに思いが至り、気はそがれ、いつしか失念していった。

382:2010/01/23(土) 03:37:25 ID:8h+sRex0
ジェシの寝息がかすかに聞こえる。今日は移動のつかれもあったのだろう、久しぶりの我が家のにおいに安心したのか、いつもより早くに寝付いてしまった。
その安らかな顔に目を細め、エリンは静かに戸を閉め、居間へ戻った。

旅の荷物は一通り整理して片付いていたが、ジェシの持ち物はところどころにまだ散らばったままになっていた。
エリンは、ひとまずそれらを部屋の隅に押しやった。ジェシが見つけた旅のおみやげの居場所は、明日考えよう…。
ふたつの湯のみにお茶をいれて座る。帰途の最中に転んで破れてしまったジェシのシャツをつくろわないと…。

向かい側に座って茶を飲んでいたイアルがふと目にした視線の先に、見慣れぬずた袋があって、中から観察用の虫眼鏡や細かい草などをより分けるための用具が顔をだしていた。
イアルの視線に気づいたエリンが、口をひらいた。
「ああ、それ?トムラ先輩が持たせてくれたの。自分が学童だったころに使っていたものなんですって。ジェシにはまだ使いこなせないものもなかにはあるけれど、こういうの助かるわ…」
「そうか、よかったな」
エリンは学童時代から一緒にすごしてきただけに、教導師となった今も時々学童時代の呼び方で呼んでしまうことがある。くつろいでいるときはなおさらだ。家に戻ってきた気安さでさらに饒舌にもなる。
「トムラ先輩にはね、このひとつきあまり、本当にお世話になったの。谷で生えている薬草のとり方をジェシに教えてくれたり、木の虚の樹液を取るときはジェシを抱き上げて中を見せてくれたりして…」
「…」
自分が家で待つ間、エリンとジェシは有意義な時間をすごせたようだ。そういえば、夕食の時間も、ジェシの話の中によくその名前がでてきた。トムラ師のことを物知りで頼りになる人物だと本当に尊敬しているらしい。別にそれについてはなんとも思わなかった。
しかし、エリンがここでも彼の名前ばかり連呼するのには少々辟易した。
「トムラ先輩ったらね。意外と歌がお上手なの。夜、ジェシが…」
「エリン」
さえぎったその言葉にわずかな苛立ちを感じ、エリンは黙った。
「それ、まだかかるか?」
エリンは手元のシャツに目を落とし、そしてイアルの顔を交互に見た。
イアルは立ち上がってエリンの背後に立った。
「ん、明日でも大丈夫だけど…」
といい終わらないうちにうしろから抱きすくめられた。
そのままぐっと腕に力がこめられ上半身をかがめたイアルの頬が首筋にあたる。
「もう機嫌は直ったか?」
エリンは手元の布を置き息を吸い、しばし懐かしいにおいに目をとじた。
しかし、どうにも素直になれない。
「機嫌悪くなんてなってないわ。普通にしてたじゃない」
口をつぼめ鼻をならすエリンに、イアルは苦笑しささやいた。
「どうだかな…」
そのまま首筋に唇をあて滑らすと、エリンがわずかにのけぞった。
「あ…」
首筋に熱い息を感じ、背中からうなじにかけてぞわっと快感がかけあがってくる。
何度体を重ねても飽くことのないこの感触。まだ触れられてもいないのにそれだけでもう下腹部にも熱を感じた。
彼の手が服の上から胸をつかみゆっくりともみしだいていく。やがて手の中で一部が尖ってくるのを感じ取り、
イアルはその部分にはあえて触れずに今度はそのまわりだけを丹念に指先で撫でまわした。
触れてほしい敏感なところに触れない彼が少し憎らしい。

「このひとつきあまり…」
「ん?」
「何度かあなたのことを思い出してたわ。こんなに長く離れていたの初めてだったし…」
「そうだな」
「はやく、会いたかった…離れてるのはやっぱり寂しいわ…。夜、特にそう思ったの」
「おれもだ」

エリンはのけぞったまま切なげに顔を上にむけ、二人の目があった。その目が熱をおび潤んでいるのを見て、イアルの鼓動が早まる。
針箱を脇にどけると、エリンを立たせ向き合わせると再び抱きすくめ、口を吸った。
「ん…」
エリンも口を開き舌をからませ答えてくる。先ほどから尖っている胸元はもう痛いほどに感じているのが自分でもわかった。
彼の胸に添えていた手を後ろに回し背中をまさぐった。
イアルはそのまま右手を腰に滑らせ体の線をなぞっていく。やわらかで艶かしい感触を思い出すかのようにその手はゆっくりと動いていった。
383:2010/01/23(土) 03:44:26 ID:8h+sRex0
「お布団ね…あっちにひいてあるの」
「布団にいくか?」
「でも…起こしちゃうかも…」
「…」
思案する間も惜しいかのように、イアルはその場で帯をほどき合わせ襟に手をいれ、両脇から尻を抱えると、食卓の上にのせた。
「あんっ…だめ、こんなとこで」
「加減する」
慣れた手つきで衣服をずり下げると、白い肌があらわれた。その肩に口をつけ、骨にそって唇を滑らすとエリンは熱い息を漏らした。
「はぁ…ん」
体をまさぐり口をつけながら、ゆっくりと押し倒す。
片手は胸にふれやわらかなその感触を味わいながら、イアルはもう片方の胸の突起をようやく口に含んだ。
「あっ…ああ」
エリンは目を閉じ、ゆるやかに迫ってくる波に身を投じた。
彼の口づけは胸元から徐々に下へとおりていく。
エリンは内腿をこすり合わせはじめていた。体の内側から泉がわき出てくるのがわかる。
こすり合わせているだけでもじわじわと快感が高まってくる。
イアルは、そのまま脇腹に口をつけやわらかく食む。歯の感触に思わずぴくんと腹がはねた。
そんな反応ももう想定済みとばかりに、冷静なイアルの口は腹からさらに下を目指していた。
茂みに到達した彼は、そのまま口はつけずにまずは確かめるように指をつかう。
力が入っている内腿の間にイアルの右手がやさしく、しかし有無をいわさぬ力で入り込み、その骨ばった指先が泉の入り口を撫でる。
中は既に入り口までもがぬめっているのがすぐにわかった。指を滑らせ、既に隆起した突起もなで上げる。
「あああ…」
久しぶりに思い出した彼の指の動きに切なげな声が漏れた。

さらに奥に差し入れようとすると少し抵抗する感触が懐かしい。
ふとエリンの顔を見ると、まるでそれが合図のように彼女はイアルに微笑みかけた後、息を深く吐き、
同時に彼の指は難なく吸い込まれていった。
彼を早く受け入れたい、と体は求めていたが、しかし、この焦らされる時間も同じくらいエリンは欲していた。
中で少し指を曲げるとやわらかだった彼女の表情が苦しげに変わった。
「ああっ…いや…」
…嘘つきめ。イアルは苦笑した。彼女のこんな台詞はあてにならない。
その声の甘い響きに言外の彼女の喜びを感じ、イアルの息はさらに上がる。
384:2010/01/23(土) 03:46:43 ID:8h+sRex0
そのまま首筋に口をつけ、中で指をかき回すと、同時に手のひらが秘芯にあたり、手の動きに合わせてエリンは思わず嬌声をあげた。
「きこえるぞ」
左手をエリンの口にあてがうと、熱い息が手のひらを覆った。
まだのはずだ。エリンの体はもっともっとと望んでいるのがわかる。しかしこれ以上攻めると彼女が自分で耐えられるかどうか…。
「もぅ…いいわ…これ以上されたら…声が…」
エリンはささやいた。
それには答えず、不意にイアルはエリンの膝に手をかけ、股を割った。
エリンは思わず顔をそむけた。羞恥心が襲ってきた。
彼女の両腿が腹につくまで押し付け、腿の裏側をなめ上げるとまた声があがる。
「ああ、そんな…もう…ああ」

押さえつけた根元まで舌をすべらすと、彼女のぬめった入り口がぱっくりと姿をあらわしていた。
顔を近づけると赤い芯芽が誘うように待っている。
呼び寄せられるように彼はそこに吸い付いた。
「…!!」
エリンは思わず両手を口にあて、必死に耐えた。
イアルは舌を尖らせ、押し付け、ついばみ、攻め立てた。
それまでのようなやわらかな刺激ではなかった。
押さえておく必要はもうなかった。エリンは自らの意志でそこを開いていた。
さらにもう一度指で押し広げながらも彼の口は休みなく動く。
エリンは必死で口を押さえ続けた。が、どうしても声が漏れてしまうのをとめられない。
「ああ…もう…あああっ!」
そのとき、エリンの下肢が緊張し、股にぐっと力がはいった。
彼を押し返すほどの強烈な力にイアルは思わず口を離した。
「んんん…ああ」
彼の顔を挟みこんだまま、エリンが泣きそうにため息を漏らし、脱力したのをうけ、イアルは彼女の体を抱え、立たせると
後ろを向かせ、今度は卓に手をつかせるとようやく自分の下着を脱いだ。

自分だってエリンがいない間、夜ふいに思い出しせつなくなっていたのだ。
なのに先に寂しさを素直に自分から表してくれた彼女に愛しさがつのる。
もう、離れたくない。この愛しい人といつまでもこうしていたい。
それはかなわないかもしれない願いだ。
それでも、今のこの瞬間のひとつひとつを体に心に刻み付けたかった。

そそり立った自身をエリンのからだに埋め込んだ。
待ち望んでいたかのように、彼女の体はそれを受け入れた。
何度か動かすうちに彼の興奮も高まりをみせ、うめき声がもれはじめた。
エリンもまた、硬い感触が自分を貫くたび、またもあの波のおとづれを感じて、突っ伏したまま手をぎゅっと握り締めて耐えていた。
その彼女の後ろからしっかりと腰をささえ、最後の一突きを押し込むとイアルの体はその場で震え
覆いかぶさり、果てた。
385:2010/01/23(土) 03:49:37 ID:8h+sRex0
一息ついて、一度唾をのみこむと、イアルはそばにあった手ぬぐいを繋がっているそこにあてがい引き抜いた。
エリンの内腿からドロリとした液がこぼれ、とりこぼしてしまったそれがわずかに床をよごした。
家の居間で、あられもない格好のままの自分たちにどちらともなく苦笑し、衣服を拾い上げる。

ゆるゆると服を身につけ、明かりを消し、二人は寝室に入った。

ジェシは変わらずすやすやと寝入っている。昼間はしゃぎまわっているばかりいるせいか、眠りはいつも深い。
エリンは布団に入り、イアルの胸に寄り添った。

「昼間は怒ってごめんなさい」
「お前のふくれっ面は慣れたよ…」
「でも、若い女の人を家にいれるなんて思ってなかったから…」
「心配させたかな。すまなかった」

イアルはエリンを抱き寄せた。窓から差し込む月の光でうっすらとエリンが微笑むのが見えた。
導かれるようにイアルは、ゆっくりと口付けた。

386:2010/01/23(土) 03:52:08 ID:8h+sRex0
翌日、遅い朝食を片付けていた最中、戸をたたく音がする。
イアルが戸をあける音がした。
「カリサさん!」
イアルが発したその名前に、なつかしい響きを感じ、エリンは奥から、そうっとうかがってみた。
会話が聞こえてくる。
「あらあ、じゃあもしかしてもう帰ってなさったの。今日は近所から野菜のおすそ分けがあったから、少しだけど持ってきてみたのに…
じゃあ足りなかったかねえ」
学童時代の寮母と同じ名前をもつ彼女は、近くでよくよく見ると飾り気のない気のいい人柄にも思えてきた。
挨拶をすると気持ちの良い笑顔が答えてくれた。

何も知らないくせに、何をいらだっていたのだろう。
穿ちすぎていた自分に、エリンは自らの傲慢さ感じ、恥じた。
昨日の魚の漬け汁の配合を教えてもらおう、と、笑顔でエリンは近寄っていった。


387379:2010/01/23(土) 03:58:42 ID:8h+sRex0
終了です。失礼しました。

…ああ、改行を考慮しておらず、読みづらくさせてしまいました。
不慣れで申し訳ない。
勉強になりましたです。
388379:2010/01/23(土) 04:23:40 ID:8h+sRex0
しかもよくよく読み返すと「シャツ」ってのがすみません。
せめて上着とかにすればよかった
出直してきます…
389名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 11:09:51 ID:z15MyhRr
GJ!
390名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 11:10:46 ID:z15MyhRr
GJ!
391名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 11:37:43 ID:z15MyhRr
二重書き込みごめん
392375:2010/01/23(土) 13:44:18 ID:RVboCmnC
うおおおおww期待以上の良作ですGJ!
ありがとうございましたww
393名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 14:37:00 ID:lqRdrMWV
GJです!!
ジェラシーエリン可愛いいなぁ
なにげにイアルもトムラさんにジェラシってるのがまたw
相思相愛だね
394名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 22:51:52 ID:NrADE8D2
379です
体調不良で遅れましたがGJありがとうございます
推敲不足申し訳ない
色々とアラがすごくて、反省しきり
他作品も是非希望っす

神様…降りてこないかな
実はネタ的にはかなり萌えてるらしいがww



395名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 07:15:46 ID:6kCpcxTC
規制のためものすごく亀ですが
>>379
GJです!
エリンが早速反省してるとこが人柄出てて可愛い。
改行は意外と読みにくくないです。

ついでにトムラ先輩も土産話の中に出番があって嬉しかった。

あと良ネタを投下した>>375もGJ!

396名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 07:04:29 ID:3+SPcUG8
エリンって男子校の若い女教師なんだよな…。
397名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 10:44:15 ID:8SrjCS3W
なにを妄想してるか知らんがカザルムが男子校なわけねーだろ
ろくに原作読んでないな
398名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 21:42:02 ID:Z+wYTm2Y
しかしこの夫婦、ジェシさえいなかったら一生二人きりで
誰もこない山奥で暮らしてもいいと思ってたんだな・・・
もしくはアフォン・ノアへの逃避行、それはそれでパラレル的に
読んでみたい気もする
399名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 21:27:22 ID:gj0rej5o
リランを見てるとムラムラしてくるんだけど、どうすればいい?
400名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:35:07 ID:jw1zrhUi
エリンがイアルを訪問した時のお話です。
エロくなくギャグです。

エリンが唐突に家を訪れるようになって今日で3回目だ。
毎回全く弾まぬとりとめのない会話をし帰るだけで、何を思っておれを訪ねるのか皆目検討がつかぬまま逢瀬を重ねた。

だが、今日のエリンは何かが違った。妙に落ち着かぬようで頬が少し赤い。具合でも悪いのだろうか?
エリンは何かを言おうとして口を開いては閉じていたが、茶が冷めた頃ついに意を決して口を開いた。
「あ、あの私最近何かおかしいんです…。イアルさんに会う度胸がドキドキして朝まで眠れない…もしかしてという予感はあったんですが、多分、そうなんです!」
話し始めたら勢いが付いたらしい。一気にまくしたて、身を乗りだし潤んだ瞳でおれを見上げた。
「リランは成熟した雄の匂いで発情しました。私もイアルさんの側にいて匂いを嗅いで…発情したみたいなんです!」

せいじゅくしたおす…?はつじょう??

「私と交合して下さい!!」
そして首元にがっと飛びついてきた。
「私と交合飛翔しましょう!」
−いや人間は飛べないから。あっけにとられたイアルは首にぶらさがったエリンに何からどう突っ込んでいいものか思案した。

終わり
401名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 09:22:08 ID:lfZOWNp5
>>400
>>何からどう突っ込んでいいものか
むしろそこは迷うとこじゃないぞ、と突っ込みたい

>>私と交合飛翔
その展開を、シリアス風味で考えていたので、ちょっとコーヒー吹いたぞ

GJ
402名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 13:37:31 ID:Fdr+JHuI
あなたと交合したいってわけですねわかります
403名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 16:30:26 ID:dwDN7WrG
>>401
突っ込みどころはそっちがあったかw
シリアス交合飛翔是非読んでみたいです!

エリンが持ち前の好奇心から人間の交合状態を調べるためにリードしてみたりするお話が読んでみたいです。


404名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 20:02:54 ID:EsYnfoJg
素人童貞のイアル相手にリードなんかできねーだろw
でもまあイアルの素人童貞返上ネタ投下

もしもエリンがジョウンに助けられることなく、<青い手>に
売られた遊郭でイアルと出会っていたら・・・・
「わたしは料理ができます〜」うんぬんをイアルに言って
身請けしてもらって幸せになれるだろうか
405名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 21:10:00 ID:3kdNRBlm
エリン「今日は私が始めてみてもいいですか?」
うわあこんな風になってたんだ、へえーこうするとこんな風になるのね!
実験体になった気分のイアル、みたいな感じなのが…。
406名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 21:19:11 ID:bB/rPyXA
好奇心いっぱいの若い恋人に振り回される大人の男…。
407名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 16:15:29 ID:cpF8Nel+
>>406
×大人の男
○素人童貞
408名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 19:06:41 ID:lcaoetac
素人童貞か…
なまじっか経験があるだけに、いろいろやってみたい、いやダメだ、と逡巡するイアルさんと、
そんなことお構いなしに、エロいことしてる自覚もなく興味の赴くまま突っ走るエリン…


誰か書いてくれ。
409名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 00:54:23 ID:3VYPSQKZ
交合飛翔…リランが体験した事を私も試したい
私…試してみないと分からないですよねっ?もっと教えてください!
獣…リランとの大きな溝は埋まらないけど
あなたなら私の溝を埋めることができますよね?ね?イアルさん?
410名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 01:38:38 ID:ktgo3q1h
首にぶら下がったエリンは更にイアルを押し倒した。

「…私知ってます…交合は。獣医師だから…
王獣以外にも家畜の種付けしますから…
…でも家畜は短時間で済まし何も感じてないみたいです…

王獣は長時間交合し…気持ち良さそうでした…
人間は…人間はどうなんですか…
わかりません…教えて…ください……早く…」

服を身につけなければリランの気持ちが
もっと良く分かる気がして服を脱ぎながら思った

『獣の交合は雌が上じゃないのに…私…上にいる…
でも…なんか…私、変な気分…滑りやすくて…私から入れようとしてる…』
411名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 12:21:03 ID:EeJhE5UM
↑なんとなく・・・イアルさん頑張れ
412名無しさん@ピンキー:2010/02/13(土) 22:30:21 ID:36icgAV6
>>410

この続きが、「こんなことをしては、だめだ…」だったらどうしよう…。
413名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 01:44:29 ID:0C6lingK
>>410
続きが読みたいww
GJ!
414名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 12:43:25 ID:uNtt1860
『彼女の切なる探求心に応えたかった…

…いや、こうなる事を望んでたのは俺だったのか?…
しかし考えるよりも先に体が動く…どうすればいいのかは分かってた…

変な気分になってるのはあなただけじゃない…俺もなんだ…

……ぎこちなく、しかし強く身体を擦り寄せる彼女が…愛おしい…
…愛しくて…激しく抱き寄せ、彼女の身体を口で愛撫している俺がいた…

彼女の滑りやすくなったところに
指先で探るように弄ってみる。全てが分かってる訳じゃない…
…ただ、彼女に応えたくて…確かめながら…』


「…獣みたいに入ればいい訳じゃないんですね…そこを指で動かすと
もっと滑りやすくなって…もっと変な…気持ちに…なるんです…
…も、もっと…続けてくださ…」

415名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 17:03:07 ID:g9Y8JPQ+
>>414

Gj!
416名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 20:04:10 ID:mBpFUNGF
>>410>>414

久々にニヨニヨするな、ニヨニヨ。
ひとまずGJ!
417名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 22:28:42 ID:H9Y8DB70
なぜだろうエリンが上な図のほうがしっくりくるな。
418名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 00:06:21 ID:70aRoXf+
イアルしょっちゅうケガしてたから
419名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 00:31:12 ID:0f2LMrh9
母娘そろって看病して男ゲットするのな
420名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 01:16:34 ID:VPiyX1lb
>>417
逆レイプ
421名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 03:22:34 ID:VPiyX1lb
エリン「見て、リランと同じだよ」
リラン「戸村の野郎め、こんなくっだらないものをエリンによこしやがって!こうしてやる!!」
ガブリ!バキ!!、ベキ!!ボリボリッ!
エリン「あっ、リラン!!]
リラン「ざまあみろ、糞戸村w二度とこんなくだらん置物よこすんじゃねーぞ」
エリン「ごめんなさい、リランが齧っちゃて」
トムラ「いいさ、また買えば・・・(うう、高かったのにな、なんてことしてくれたんだ)」
422名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 07:34:59 ID:ntpHXjk4
朝から腹筋痛くなるじゃないかwww
423名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 23:27:15 ID:mWf+Xxon
>>417
エリンとイアルの性別逆だったらってよく妄想する
424名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 00:22:46 ID:kv2kF6VE
>>417
エリンが本気でイアルに迫った時、裸で押し倒したと信じてます
425名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 00:29:04 ID:QLZquyzP
全裸で迫るっていうとオラアアアアのアレが思い浮かんで噴いてしまう
426名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 12:28:25 ID:57eXrBCo
性別逆のイアエリ「ふたりの絆」

♂エリン「僕、イアルさんの奏でる竪琴を聞いたときとても温かいものを感じました。
      追われているならもうセ・ザンではないのでしょう?これからはあなたの望むように
      生きられるのではないのですか?お母さんのように平凡な結婚をして…」

♀イアル「家族がいて…そんな生き方はもう私にはできない。セ・ザンは生きた盾だ。弱みを
       持たぬよう親兄弟とも縁をたち、夫を持つことも許されない。それに私は多くの命を
       奪ってきた」

♂エリン「あなたをしばる音なし笛はもうないのですよ…どうして…どうしてこの右手で自分の
      幸せを掴もうとは考えないんですか…!」

♀イアル「・・・・・・・・・・・」そっとエリンの背に腕をまわす

だめだ一人称以外口調が変わらんwでも7歳年上女性イアルに惹かれる少年エリン
これはこれで萌えwそして手作り弁当でエリンの気を引こうとする横恋慕のトム子・・・
427名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 14:38:42 ID:AJ+6iL51
キリ子とダミ子のお色気大作戦組が加わったらもうエリンくんハーレムじゃない
428名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 15:14:14 ID:57eXrBCo
でもエリンくんが押し倒すのはイアルさんなんだよw
429名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 17:19:25 ID:cbrEK0ll
しかし押し倒すのは(ry
430名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 17:52:43 ID:XfHhfRiW
なんかこういう真面目系のアニメって汚したくなるなw
蜂飼いのジョウンが変態ロリコンで
チンポに蜂蜜を垂らして舐めさせるシーンとか思いついた。
431名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 18:23:05 ID:PtH2rguQ
そうだな、そうゆうの読みたい
432名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 18:26:57 ID:PtH2rguQ
430のネタで誰か書いて欲しいな〜    
433名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 22:28:00 ID:AKTK/H1L
変態嗜好は王獣スレにでも行け
434名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:11:07 ID:PtH2rguQ
なんでだめなの〜
435名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:14:09 ID:PtH2rguQ
そう言う433は一度でもなんか書いたの?書いてない人なら偉そうに言っちゃ駄目だよね??
436名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:24:34 ID:AKTK/H1L
書いてるしネタも提供して2回ほど神が受け取ってくれてる
このスレの傾向と住人層ROMって理解しな
以前お前のような変態嗜好の獣姦マニアがいたがことごとく
叩かれて追い出されたよ
437名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:37:56 ID:PtH2rguQ
本当!すごいね!じゃあさイアエリで書いてよ!!
438名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 23:49:29 ID:PtH2rguQ
436さん私が悪かったです。すいません!この考えも捨てます。でも最近イアエリで書いてくれる人が少ないので・・・だからイアエリで書いてください!! 
439名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 00:43:57 ID:seVHePIQ
また変なのがきてるな
わざとらしいクレクレは気持ち悪い
440名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 01:19:22 ID:MQieYNiT
少なくとも獣姦は有り得ない。
気持ち悪いし、第一太すぎて入らないに決まってる。
441名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 01:21:16 ID:K2RjUmBt
同意
442名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 01:54:00 ID:7dAHs5v6
王獣の生殖器のサイズはかなりのものだろうし、体の大きさが違いすぎる。
しかも王獣は飛びながら交合する設定だから獣姦は無理があり過ぎると思う。
でも、擬人化や王獣同士ならギリギリOKなんじゃないですか?
443名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 00:43:11 ID:kcKqPb9H
ヒト&王獣のケースは

エリンの結婚を知らなかった出張帰りのトムラが
妊婦になった彼女を見て妄想したこと

ということに自分の中ではなっている(再掲)
444名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 01:44:55 ID:CW2jnVeg
脳内妄想の垂れ流しは自分のブログでやってくれ
445ziten:2010/02/27(土) 20:48:40 ID:fBWd3uTl
なななんなんだ!!この神すれはッッ
2枚目があるってことは1枚目もあるのだろうが
見方がわからんorz

個人的にはもっとイアエリ読みたい
ヨハルから戦前の10日間の休暇をもらって
カザルムに帰ってきたイアルとのあの夜!!
*で省かれた二人とも熟睡してしまうほど
激しかったあの夜をッッ…
446名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 21:01:30 ID:fBWd3uTl

カイルが何か企んでくれないだろか…
初心な二人を危険な世界に誘うカイルを神さまよろしく。
447名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 21:04:22 ID:vVjoUHaY
それも前スレにあるよ
つかまだ板に残ってるだろ?
448名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 21:16:17 ID:vVjoUHaY
・・・と、すまん自分は専ブラでキープしてた
4491枚目見たい:2010/02/27(土) 23:29:58 ID:fBWd3uTl
そういわれると余計見たくなる
金をかけずに見れる方法ないのか…
●とかいうのを購入しないといけないのか…?
447&448さん助けてー
もし買わなきゃ見れないようならそのネタでもう一度神様かいて下されぇぇ
自分での妄想よりここの神々のほうがよっぽどいい妄想力をおもちだぁぁ
450名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 23:33:19 ID:v8E/b2/5
専ブラ使え
あと他人に頼るまえにクグレ
451名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 23:53:21 ID:mpt1STf5
>>449
メール欄にsageと書け。
名前欄は記入するな。

>>1のSS保管庫に行け。
452名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 00:35:22 ID:WXiqYf69
見れたぁぁ★感謝します
450様&451様ご迷惑おかけしました
これからもさらなる神光臨を願って!!
今日の総集編・投打の襲撃で愛の人生相談会&イアルのツンデレな
「ありがとう」がカットされたことにかなりずーんだったんでこれで充電します

453名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 03:21:19 ID:qsvfyqQg
>>443
太すぎて入らないからそれはない。
仮に入ったとしてもその時点でエリンは死んでる。
454名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 09:52:31 ID:e3YOlbHF
>>453
人間がチワワに突っ込むみたいな感じか
455名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 12:03:34 ID:bfDvAwx2
変態妄想は変態スレでやれ
456名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 22:31:19 ID:ra76VCpg
なんか新しい人が沢山来てるな・・・
総集編効果?
このスレにもこの板にも新しそうな人がたくさんだ
ついでに誰か書いてくれればいいんだが

保管庫は管理人さんが管理しているHPなので
●なくてもみれるよ!
●の代わりに管理人さんに感謝したり乙したりするといいと思う

管理人様、いつも本当に有難うございます!

>>452
あとメール欄にsage入れような、日本語の分からん消防かと疑ってしまう
457名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:18:45 ID:Or/PBcjg
456様今後sage気をつけます
あと管理人様すばらしいss保管庫ありがとうございます!!乙です

最近大獣プレイ好み多すぎです…
神様イアエリネタで話作って欲しいです
ネタかぶってってもいいんで!!
できればカイルも登場させて欲しいww
自分でも少し妄想してみよっと←え
えろは書けそうもないけど…
458名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:15:40 ID:/ksOgIS+
>>457
王獣プレイは気持ち悪いので、流行りません。
459名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:52:44 ID:nCnelEv9
ご無沙汰です。>223です。
実はまだ書いてまして、もう200K(97000文字)くらいの文字量なのに、やっと8合目くらいです。
>457さんに喜んでいただけるエピソードも入ってると思いますが、もはやここに連投で投下する
気力も起きず...。どうやって公表しようか悩んでます。
前にどなたかに誘い受けと言われてしまいましたが(誘い受けという言葉すらその後知ったw)
そんなつもりでは決してなく orz...

本当はもっと時間をかけてイラストも挟みたいので、PDF作って希望者にだけダウンロード
していただくのが理想なんだけど...
460名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 21:17:45 ID:y4lQRcYz
>>459
アップローダーもいいけど、携帯サイト作ればいいのでは?
461名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 22:51:05 ID:Or/PBcjg
459様
わーいwwうれしいです
ケータイサイトでもここでもいいんでお願いします★

458様
同感です。王獣プレイは別スレでお願いします。


↓私も書いてみましたww
カイル視点だしエロなしですが・・・。
アニメのサイコロカイルも好きなんですけど今回は原作よりです。
ジェシを観にカザルムの家を訪れるカイルです。
ssは初心者なんでお手柔らかに・・・汗
462名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 22:53:50 ID:Or/PBcjg
“子供ができた。”
そんな言葉をセザンのなかでも神速という異名を持ち冷酷なまでに刺客を手にかけてきた彼から聞く日が来るとは思ってもみなかった…。
あれから1年以上たったがそのときのイアルの顔は今でもはっきりと思い出せる。祝いの席だろうと仏頂面をしていた奴があんな顔で微笑むなんて…。
それもみなあの緑色の瞳をしたどこかイアルと同じ静けさを持った少女の影響なのだろうか。そんなことを思いつつカイルはカザルムへと向かっていた。
 *
「カイルさん…わざわざ遠くからありがとうございます」
「いや、友人の子の顔を拝めるなんて最初で最後かもしれない…。俺がくることで迷惑がかからなければいいが…」
カイルは緑の瞳をした女にむかってそう囁いた。
「覚悟の上だ。」
奥から懐かしい友人の声がする。
「久しぶりだな…イアル。」
まだ王都に二人がいたころはこの夫婦を見かけることも良くあったがカザルムで居を構えるようになってからは会うこともなくなっていた。
「市井に沈んでもっとたるんでいるかと思ったのに…まったく変わらんな、お前は…」
 *
カイルが家にあがると炉辺で木製の玩具で小さな子供が遊んでいた。
「こいつがジェシか…エリンさんの子だから緑の瞳をしているとおもったが瞳と髪の色はお前譲りだな、イアル」
霧の民の血を引く彼女の瞳は緑色をしている。その神秘的な色をカイルは気に入っていた。
しかしきっと瞳の色はイアル譲りで良かったのだろう。人と違うことはそれなりに面倒なことなのだ…。殊にこの国とこの夫婦にとっては。
「あぁ、そうだな…。しかし顔立ちはエリン譲りだろう…」
「そうだな、目元なんかエリンさんにそっくりだな。よかったよ、こいつのいかにも腕っ節の強そうなぎらぎらした目つきにならなくて」
「でもこのあごのラインなんかイアルさんにそっくりですよ?それにこの手の感じとか。」 
「でも肌の白さはエリンにそっくりだ、あとこの胸元のほくろもエリンと同じだしな。」
「あぁ、そうなのか………?」そんな夫婦しか知りえないようなことをいわれてカイルはすこし困った。
「…それなら腿と首筋のほくろはあなたと同じよ。」エリンは更に言い返す。
「それは知らなかったな…でもこいつの耳は完全にお前譲りだ…」
「あら…私は耳はずっとあなた譲りだとおもっていたわ…」
「いや、耳はお前譲りだ。耳朶が……。それに唇の形だって……。」
二人はまったくカイルの存在を無視して息子のどこがお前に似ているだのあなた譲りだのと話こんでいる。
 *
二人は一晩くらい泊まっていけといってくれたがカイルは断った。
また明日からセザンとしての仕事があるし、なによりこんな幸せの絶頂期にある夫婦の夜を邪魔したくはない。
しかも二人の会話といったらこちらが気恥ずかしくなり聞くのにも限界があった。あんな無愛想で女にはまったく興味のないような男がここまで人を愛せるようになるとは・・・。 
友人の変化を喜ばしく思いつつもああも夫婦円満な姿を見せ付けられてしまったカイルは家に帰り一人さびしく寝る気にもなれず通いなれた廓へと足を運んでいた。
…そういえばあいつは遊女の中でも人気があった。もちろん、遊ぶなんてことはしなかった奴だが、神速という異名とその冷徹だが整った顔立ちに何にも媚びないような黒い瞳…
そんなクールさと容姿は遊女の中でも有名であった。カイルが廓にいけば必ずといっていいほどイアルの武勇伝を聞かせろとせがまれたものだ…。
あれで市井にしずんで昔の面影が無くなるくらいたるんでしまえばよかったのに…。
…いや、しかし自身さえ刺客に狙われているというのにあいつはさらに複雑な過去を持つと聞くエリンさんとむすばれ子供まで授かってまた守るべき対象が増えたのだ…。
愛する妻と子供と供に生きながらもセザンだったころよりずっと気の張った生活を送っているのかもしれない。この先いつ壊れるかわからないあの家族の行く先を思いカイルはため息をついた。
そして自分はそんな家族をできる限り支えていこうと誓うのであった。

おわり
463名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 22:56:26 ID:Or/PBcjg
改行できてなかった
駄文なのに読みずらくてすんまそ・・・汗
464459:2010/03/04(木) 23:14:50 ID:nCnelEv9
>461-463さん
おおおGJ!
すごいいい味出してますね。そう、カイルさんってそういう感じなんですよ。
自分も最初の予定ではカイルさんまで出す気はなかったのに、アニメの48話の
影響もあるんですが、ついついエピソードを加えてしまいました。

>460さん
携帯サイトには、全く興味なしです。自分、iPhoneだし。
古い人間だからw 一行の文字数が少ない画面って、小説読む気にならんです...
原稿も、書くのはともかく読み直しする時は縦書きのソフト使うくらいなんで。

また今夜1000文字も増えました
465名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 12:27:45 ID:Hw4rnpGJ
親バカップルぶりが微笑ましいw
けどまあ欲をいうならなるべく人名以外で横文字カタカナは使わない方が
いいかな
466名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 16:21:34 ID:649p0mO7
なんか鬱陶しいやつが寄生してるな・・・
467名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 10:09:38 ID:+uyAtcn1
「なんでもしますから」
エリンがそう言うと、ジョウンの濁った目はギラリと光った。
長い間男ヤモメでケモノを相手に性欲を処理していたジョウンにとって
少女の体はとても魅力的に見えたのだ。

「蜂蜜舐めてみるか?」
そういうとジョウンはズボンを下ろし
勃起したチンポに蜂蜜を垂らした・・・
468名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 10:30:03 ID:O1X8VygO
>>462
このネタ一部は他でも見た気が…?
偶然ならスマソ

469名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 16:16:20 ID:tgBrE3WB
>>466
禿同
sageろって言ってもageる馬鹿もいるしな。
470名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 16:26:32 ID:ewfB114J
>>469
一番うっとうしいのは>466本人だろ
こいつsageてないじゃんw
471名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 20:52:01 ID:t6AdWOh/
スダゲwww
472名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 00:06:46 ID:0A7tmQ9c
ま、仲良くいきましょうや。
473名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:40:49 ID:cPGizFPn
リクエストってOKですか?
もしOKならリラン×エクが読みたいです。
474名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 10:06:49 ID:jCh0Zl+v
リクエストはOK
ただし、神への捧げ物の方が望ましい

リラン×エクは既に2個くらい? あったと思うので、
自分が読みたいと思うシチュや、
どのくらい擬人化するのか、あるいはヒトガタでやるのかも
具体的に妄想して、
創作意欲を掻き立てるように書いてくれると
誰かが受け取って書いてくれるかも試練
475名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 11:11:21 ID:Hp1ESraB
イアエリで蜂蜜プレイがいい

いや…、蜂大好きなエリンが許さないか…orz

でももっと大好きなイアルが遣りたいなら仕方ないか☆…みたいな??
476名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:26:41 ID:Wl0jb1mC
流れぶったぎってごめん。
ジョウンでちょっと思いついたので投下してみる。
変態プレイではないが恥ずかしいジョウンを見たくない人はスルー推奨。

13話「王獣の谷」その後。
原作に近く、ジョウンは全身を強打したが足の怪我はなく自力で崖を登ったという設定で凹凸コンビは無視。


(一)
崖を登りやっとのことで小屋にたどり着いたエリン達。
わずか一日のことなのにもう何日も家に戻っていないような気がした。
ジョウンは疲れていてすぐにでも横になりたかったのだがエリンが許してくれない。
「おじさん、すごい臭いがします。服、洗いますから早く脱いで着替えてください」
そう言えば、獣避けのためにヘクソカズラの実を潰して服にすりつけいていたのだった。
崖で一夜を過ごしたときには緊張感と寒さであまり感じなかったが、今はさすがに気になる。
「すまん、今脱ぐからちょっと待ってろ」ジョウンは上着を脱ごうとしたが激痛のため動作がぎこちない。
まごまごしているとエリンがみかねて手伝ってくれた。「おじさん汗でベタベタ、着替える前に体を拭いてあげますね」
エリンは手際よく、ぬるま湯にひたした布を持ってきてジョウンの体を拭きはじめた。
ありがたかったのだが強く打った部分に触れられると激痛が走り思わずうめき声をあげてしまう。
「おじさん、痛かった? ごめんなさい」
「だ、大丈夫だよ、あははは、格好悪いところをみせてしまったな。だめだなあ俺は」
「ううん、おじさん疲れているだけ。後はゆっくり休んで」「ああ、ありがとうな」
それからジョウンは寝床で横になり目を閉じた。体の節々が痛く、柔らかい夜具でさえも触れると辛い。
だが今は生きて戻れたことだけでも幸せに思わねば。
あの時エリンがついてこなかったら自分は既に死んでいたかも知れない。
あんな所で死んでしまったら母親をむごいかたちで失っていると思われるエリンが立ち直ることはできないだろう。
エリンのためにもまだ死ねない。そう考えると苦しいながらも少し力がわいてくるようだった。

やがてジョウンは寝息をたてはじめたが顔色が良くない。
おじさん苦しそう、なんとかしてあげないと。でも、どうすれば...考えているうちにエリンは薬を調合する書物があることを思い出した。
おじさんが少しは楽になるような薬のことが書いてあるかもしれない。
これまでジョウンに教えて貰ったおかげでエリンは難しい字もかなり読める様になっていた。
薬の書を開いて読んでいくエリン、すると力をつける薬の項があった。干した薬草と動物の内臓から作った粉を煎じて作る薬だ。
「このあたりじゃ病気になったとき医者を呼ぶのも一苦労だから薬ぐらいは常備しておかなきゃな」
たしかおじさんはいろんな種類の薬草や動物の粉を置いていたはず。
戸棚を開いて探してみると思ったとおり沢山の材料が器に小分けされていて、書いてあった薬に使う材料が全て揃っていた。
エリンは書を読みながら慎重に材料を取り分けると鍋で湯を沸かし煎じ始めた。
477名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:28:30 ID:Wl0jb1mC
(二)
うとうとしていたジョウンは煎じ薬の臭いで目を覚ました。
「エリン、何をしている...」「おじさん、傷に効く薬を煎じました。飲んでください」
「なんだと...うぐぅっ」驚き体を起こすジョウンだったが激痛のためうめき声をあげてしまう。
「おまえ、薬の作り方がわかったのか」「はい、この本に書いてありました。さあ、飲んでください」
「そうか...」ジョウンはエリンに支えて貰いながら薬湯を飲み干した。エリンの心遣いがうれしくて思わず涙ぐんでしまう。
「苦かった? おじさん」「いや...ちょっとな」涙を見られたのかと思ってジョウンは言葉に詰まってしまった。
「おじさん、今晩も一緒に寝ていい? 痛いところさすってあげるから」
「何を言っている。俺はもう大丈夫だからお前は一人で寝ろ」
そう言ってもエリンは聞く耳を持たず笑いながら毛布に潜り込んできた。
大丈夫だと言ってはみたものの、背中をさすられていると心地よい。
ジョウンはありがたく思ったが小一時間もすると下半身が熱くなってきたように感じた。股間のものも硬くなってきている。
「なんということだ、俺はこんな子供に反応しているのか? 誉れ高きタムユアン学舎の元教導師長が少女に欲情するなどとあってはならないことだ」
ジョウンは必死にこらえようとしたが一物がそそり立ってくるのを止めることができず股間を押さえて体を丸めてしまう。
「おじさん、お腹でも痛いの?」エリンが心配そうな顔でジョウンの下腹部に触れようとした。
「ち、ちがうんだエリン、は、あっ」ジョウンはもはや耐えきれずその場で白濁液をぶちまけてしまった。
「おじさん...おしっこ漏らしたの? ごめんなさい。私おじさんがおしっこ我慢していたの気付かなかった。でも、おしっことは臭いが違う...」
「はぁ、はぁ、はぁ...エリン、頼むからもう一人で寝させてくれ」ジョウンは喘ぎながら大声をあげてしまった。
エリンはだまって寝床から出て行ったがやがて新しい褌を持って戻ってきた。
「おじさん、褌洗うから脱いでください。新しいのはここにありますから」
「わ、わかったからあっちに行ってくれないか」ジョウンは恥ずかしくてエリンに背を向け、体を丸めてひたすら股間を押さえていた。
翌日ジョウンの体の痛みはかなり楽になったが体力を使い果たしたような感覚で怠い。おまけに昨夜のことを思い出すとひどい気分だった。「俺は最低の人間だ。エリンをさらに傷つけてしまうような、取り返しのつかない間違いを犯してしまうかもしれない」
半狂乱になって罵りの言葉を浴びせる妻と冷ややかな視線で父を見つめる息子の顔が頭に浮かんできた。
「全く、俺はトーサナ家の恥だな」暗澹たる思いにひたりながらふと机の上を見ると薬の書が開いたまま置いてある。
エリンが作ってくれた処方の様だ。それは精力増強の薬であった...。
そこへエリンが戻ってきた。「おじさん、昨日の褌洗って外に干してあります。でも、やっぱり臭いが違う...」
ぶつぶつ言っているエリンにジョウンは薬の書を見せながら問いかけた。
「エリン、昨日作ってくれたのはこの薬か?」
「はい、そうです。力がつく薬って書いてあったから。おじさんを元気にしたかったから」
ジョウンは苦笑しエリンの頭をなでながら話した。
「あのなあエリン、これは力がつく薬だけどお前が思っているのとはちがうんだ。」
「え、何が違うんですか?」「まあ、そのうち教えてやるさ。あははは」
昨晩のことは薬のせいだとわかってほっとしながら、ジョウンは考えていた。
褌を握りしめてぶつぶつ言っている女の子をそのままにしておくわけにはいかない。
「決定的な間違いが起きる前に性教育をしておかないとなあ。さて、どう切り出したものか...」
夏の小屋での日々は穏やかに続いていった。(了)
478名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 22:13:42 ID:m8kLR2Cj
GJ!ほのぼのしたw
479476:2010/03/11(木) 23:00:24 ID:1HkY0TRi
スレ汚しですみません。
最初に書き忘れたけどキャラの性格・発言はアニメ版で想定。
原作の10歳エリンでは鬼畜な無邪気さを発揮できないと感じた。
480名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 01:33:29 ID:JVkJhVgr
>>479
スレ汚しだなんてとんでもない。
神々しい作品が読めて最高。
481名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 23:29:20 ID:hnzBY2CV
ねた投下〜♪

イアエリ再開~結婚(懐妊?)あたりでイアルへの刺客にエリンが襲われるなんてどうでしょ?

イアルが刺客から助けたものの、エリンは全身怪我してて脱がせてイアルが手当てをするんだけど、どうしても半裸のエリンににムラムラ…駄目だと堪えながらも耐えきれずに…みたいなの期待ッッ!

ネ申に届きますように
482名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 12:28:30 ID:gq4H3Jgl
そういえば、探求編のラスト近くで、半裸のエリンとイアルのキス(人工呼吸)&ハグシーンはあったなあ。
エリン死にかけてたけど。
483名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 02:38:34 ID:MN2gph07
エサル×エリン
ユーヤン×エリン
ソヨン×エリン
エリン×シロン
484名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 16:49:59 ID:zc/INyD0
トムラ×エリン
ダミヤ×エリン
リラン×エリン
エク×アル
リラン×アル
485名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 17:14:33 ID:NIzXsOhh
>>482
ジェシもいたしな!
イアルも体力的に無理だったろうし…

エリンの半裸みたらいくらセザン一の朴念仁でもむら2だよ♪

あと、アッソン×ソヨンとかも補完して欲しいな…

アニメ終わったけど俺の妄想は終わらないぜww

といってもネタ投下しかできないんで神頼みだorz
486名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 22:36:05 ID:jjLHCalK
なんだかイラッとするよ
487名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 23:38:08 ID:K5WsJA8t
凄いテンションだな
488名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 00:53:21 ID:QTgYHVKq
アルもいたしな!
エクも体力的に無理だったろうし…

リランの半裸みたらいくら元野生エクでもむら2だよ♪

あと、エリン×エクとかも補完して欲しいな…

アニメ終わったけど俺の妄想は終わらないぜww

といってもネタ投下しかできないんで神頼みだorz
489名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 08:47:11 ID:7nYEpzZH
>>481
ネタだけどGJ!!
それは読みたいな・・・

>>485
確かにアッソヨン(?)はありそうでなっかったな
妄想頑張れw
もはやそのテンションなら何か書けそうだな

>>488
当たり前だがリランはいついかなるときも全裸だ
490名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 23:32:14 ID:NA1Se6l6
「なんでもしますから、ここにおいてください」
エリンがそう言うと、ジョウンの濁った目はギラリと光った。
長い間男ヤモメでケモノを相手に性欲を処理していたジョウンにとって
少女の体はとても魅力的に見えたのだ。

「蜂蜜舐めるんだ」
そういうとジョウンはズボンを下ろし
勃起した一物に蜂蜜を垂らした・・・

491名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 00:57:42 ID:rgDgd3CV
上に同じスレあるだろ?しつこいよ

ジョウン人気だな
イアエリ頑張れだ…
492名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 22:10:11 ID:MjSF0toV
「なんでもしますから、ここにおいてください」
リランがそう言うと、エクの濁った目はギラリと光った。
長い間男ヤモメで柱と床を相手に性欲を処理していたエクにとって
幼獣の体はとても魅力的に見えたのだ。

「舐めるんだ」
そういうとエクは勃起した一物を
リランに押し付けた・・・
493名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 00:55:54 ID:RtXcP0gc
「なんでもしますから、ここにおいてください」
エクがそう言うと、リランの青い目がギラリと光った。
長い間女ヤモメで柱を相手に性欲を処理していたリランにとって
若い雄の体はとても魅力的に見えたのだ。

「なんでもするのならここを舐めて、おねがい」
そういうとリランは透明な液が滲む生殖器を
エクの顔面に押し付けた・・・
494名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 12:26:09 ID:S0i2smpe
ロン、ロン
リラン「まあ、エリンったらそんな事いっちゃて」
エリン「えっ」
エク「まあ、エリンも年頃だからなしょうがないだろう、はははは!」
エリン「えええ!」
アル「ねーエリンなんていったの」
リラン&エク「秘密!」
エリン&アル「気になる!!」
495名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 20:45:12 ID:ZVgmaVhe
>>494
和んだwww
496名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 21:43:35 ID:S0i2smpe
ジェシ「あれ〜アル姉ちゃんが木の棒なんかで気持ち良さそうにしてる」
カイル「ジェシあれはな自分の生殖器官に木の棒を入れてオナーぐふっ!!!」…ばだん…
ジェシ「あああー!カイルおじさんが…パパなんでそんな事するの!?」
イアル「…仕方ないんだ」ジェシ「えー何が仕方ないの?カイルおじさん何て言おうとしたの?」
イアル「うぅ…それは…」ジェシ「ねー教えてよー」イアル「うぅ…トムラ先生助けてくれ…」
トムラ「あ、あれは何をしようとしてるんだ!?」
イアル「…」
ジェシ「ねーねーねー」

エリン「あの人達何を騒いでいるのかしら?」
そこには、アルの陰になって向こうからは見えない所でアルにブラッシングをしてあげているエリンの姿がありました。

おわり
497名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 22:50:22 ID:37nKK+bP
>>494さんの続き

ロン、ロン
エリン(一体どういう意味があるのかしら…)
イアル「いいのかエリン!?」
エリン「え?何が…」
イアル「エリン!」がばっ
エリン「キャー」

ハッピーエンド
498名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 23:32:05 ID:S0i2smpe
…アハハ…ハハハ!
イアルは久しぶりにカイルとあって王都にある自分の家でエリンをも混ぜて三人で酒を飲み交わしていた
カイル「それでよ〜イアルの奴がよー」
エリン「アハハ!イアルったらそんなこしてたのー」
イアル「ぐーぐーぐー」
エリン「あれ、イアルったら寝ちゃてる」
カイル「こいつ意外に酒に弱いからな!」
イアル「ぐーぐーぐー」

イアル「…う〜ん…あれ」
カイル「ぐーぐーぐー」
エリン「スースースー」
イアル「…二人とも寝ちゃてる……寝よ…」
…イアル…
再び寝ようとするイアルを誰かが呼んでいる
…イアル…
イアル(…この声は…エリン?)
すると声の主とおもわしき人物がイアルの布団に潜り混んできた
「…イアル…」
イアル「エリン!!!」
イアルは振り向いた…そこに居たのは…
カイル「イ・ア・ルうぅ〜」
イアル「ぎゃー!!!!」
エリン「ーて訳なのよ〜!」
カイル「ははは!エリンさんはしっかりしてそうで意外にドジだからな!」
イアル「……………ル…」カイル「うん…何だ…イアル?」
イアル「………」
カイル「!」
その瞬間イアルが目を覚ました
カイル「イアル〜大丈夫か〜?」
イアル「来るなー!!!」
…ぶん…ドカ…
カイル「ぐわー!」
エリン「えええ!」
イアル「…あ…」

…チュンチュン…
カイル「んーいい天気だ」
エリン「あのー本当に大丈夫ですか?」
カイル「大丈夫これてでも一応セ・ザンですから」
イアル「…本当に申し訳ない…」
カイル「気にすんなよ、じゃあな…あっと…イアルちょっと…」
イアル「どうした?」
カイル「ちょっと…耳を貸してくれ」
イアル「?」
カイル「セ・ザンを辞めて元相棒の俺の事が恋しいからって俺の夢まで見る事ないだろ」
イアル「えっ」
カイル「昨日寝てる時に俺の名前を呟いていたぞ」
イアル「あ…え…」
カイル「今夜はちゃんと俺じゃなくて、エリンさんと楽しめよ!じゃあな」
イアル「!」
エリン「ねーイアル何の話しだったの?」
イアル「…」
エリン「ねーてばー」
イアル「…エリン」
エリン「何?」
するといきなりエリンを抱き抱えて家の中に入って行くイアルだったのでした

おわり
長々と申し訳ありませんでした。反省してます。
499名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 23:35:21 ID:wj+JrASW

エリン「ハァー(ため息)」

イアル「……?どうかしたのか?」

エリン「最近下着がすぐに駄目になっちゃうんです…何というか…胸の部分がきつくなっちゃって…」

イアル「そ…そんなことは俺にいわなくてよい…////」

エリン「だってあなたのせいじゃないですか…!?」
イアル「……何故だ??」

エリン「だってあなたが毎晩あんなに激しくもみあ…(以下自主規制)」


500名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 10:32:36 ID:dz7iOdSj
>>496
アルにブラッシングが『アレ』にブラッシングに見えたので死んできます。
501名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 20:23:24 ID:nVnOuX7B
ジェシ「気持ちいいでしょ?」
アル「ーーーーッ!」
ジェシ「もうすぐ、もっと気持ちよくなるよ」
グチュグチュ・・・ゴリゴリ、コリコリ
アル「い、いやぁ、ブラシの柄が、お、奥まで入ってるぅ」
ジェシ「どう?もうちょっと奥かな?」
コリコリコリ
アル「あ、あ!ああ!も、もうらめぇ・・・」
ジェシ「アル姉ちゃん、もうイったの?」
エリン「ジェシーどこにいるの?」
ジェシ「お母さんだ、どうしよう?」
エリン「ちょっと、何やってるの!」
ジェシ「だって、アルがおねだりするんだもん」
エリン「アルがそんなことおねだりするわけないでしょ」
イアル「どうかしたのか?」
エリン「ジェシがアルにブラシの柄を突っ込んでて・・・」
イアル「ちょwww」
502名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 17:54:01 ID:h3vEKGfi
春休みか…
503名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 00:29:03 ID:f6A5aceW
>>501
虐待じゃないか・・・
504名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 22:03:04 ID:504l/868

獣色濃いな…
イアエリはネタ切れか?
505名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 05:15:29 ID:YhfCRb0p
イアエリはもうネタ切れみたいですね。
王獣プレイとかどうですか?
気持ち悪がられてますけど、結構いけるんじゃないかと思います。
506名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 15:14:18 ID:IJUOwjhc
ソヨンの闘蛇プレイ、エリンの王獣プレイ・・・
どっちも気持ち悪がられるから、需要がない。
ま、読んでで見たいとは思うけどな。
507名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 17:45:34 ID:Dx6L2e3f
>>223
もうこのスレにいないのかな? ずっと待ってるんだが・・・
508名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 23:42:01 ID:76Fi3sH6
>>507
うんうん。
464の人でしょ?
めきめき書いてるみたいだし恐れずに投稿しましょうよ…みてるか分かんないけどorz

王獣や闘蛇プレイばっかはいやだ!!てか正直別スレたてれば?

イアエリはまだいけるだろ…
今まで読み返したら
@カザルム学舎でトムラの隣室でちちくりあう
Aイアエリで蜂蜜プレイBイアルの刺客に襲われて手当て中の半裸エリンにむらむらプレイ

がまだ補完されてないぞ!

神光臨ラッシュこないかなぁ
509名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 01:08:19 ID:xTdOaB92
>>506
イアエリの王獣プレイ
510名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 16:11:21 ID:ceHT1YHC
守り人のを読みたい。文庫で出てる分までしかカバーしてないけど。
次はまた夏ごろだろうか。
511名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 01:13:35 ID:p2P7QwSF
とりあえず、読むだけ読んどいて批判ばっかしてる屑は消えればいいと思うよ。
作品投下しにくい空気作るの止めろよ。迷惑だから。
512名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 12:04:13 ID:be38iowY
>>511
作品自体の批判はないからいいんじゃないの?
ただ全面的な王獣闘蛇プレイがきもいってだけで作品に和み程度ででてくる王獣は批判ないし…
獣系書くなら断り入れるか別スレ立てて欲しいけど…

けど確かに作品投下し難い空気は醸してるかもな
サゲない奴もきてるし…
作品投下すればこうゆう奴らも大人しくなるかもだから神でも職人でも誰でもいいからきて欲しいな

513名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 15:17:14 ID:khRMDUh/
ヨハル×クリウなんかが読みたい俺は少数派だろうな・・・

サイ・ガムルなんかやってて大公側の急進派なヨハルが
隊商都市の美しき示導者クリウと出会って、
真王暗殺という手段では国を立て直せないことに気づく・・・とかな
ヨハルは早めに妻をなくしてると思うんだ
ただどう考えてもヨハル40代×クリウ30代くらいになるんで
年齢高いけどw
514名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 16:31:16 ID:qag5qJht
はじめまして
イアル×エリン×擬人化エク×擬人化リランも見てみたいです
515名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 16:42:38 ID:p2P7QwSF
>>514
擬人化リラン×イアルの逆レイプネタならあったはず。
あと、メール欄にsageって入れろ。
516名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 16:51:04 ID:qag5qJht
>>515
すいません、つぎから気をつけます
4Pが見てみたいなと思ったんです
517名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 17:08:58 ID:be38iowY
>>513
年齢は大丈夫だよ
エリンとイアルも最後の夜はそんなもんだ
ま・カザルムでが最後の夜だったのか
あのエリン他界前の4日間に何かあったのかはわからないけどな…なんてw
いずれにしても可能だよ
518名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 20:04:14 ID:5EOL2ZVG
>>513
自分もヨハルのもの読みたい。

あと、ヨハルとエリンが二人きりになる時間が結構あったから
この間になにかあってもいいと思うんだ。
ヨハルの年齢がさらに高くなるけどなw
519名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 20:53:54 ID:Isj2O/kz
>>518
ヨハルとエリンの間になにか起きちゃうの??クリウじゃなく?
ヨハエリか…あ…新しいな汗
いいと思うけど
自分はイアエリ派なんで
書く人は一言断りいれてね…うん。

個人的には>>508のネタ(前スレ抜粋)は3つとも読んでみたいな
とくに刺客にエリンがやられてイアルが手当てとか、かなりおいしいと思う…!!
例によって内臓守るため背中やられてるだろうからその辺エリンを気遣いながらも
立ちバックで決めてるイアルさんとか…ww

あとエリン最期の4日間でイアルとちょめちょめしてて欲しいなw
続編では二人ともプラトニック卒業してたし。

アッソヨンとかもナイスネタ!!

ネタは結構出てきたからあとは神光臨を気長に待つとするか…
520名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 22:26:56 ID:yjhgwbXG
>>519
四日間、ジェシの手も握りっぱなしだったと思うので無理では?
521名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 22:56:17 ID:Isj2O/kz
>>520
うん。それ突っ込まれると思ってたんだw
いやでもそこはイアルさん神速だしフォローしちゃってよ★…みたいな感じで。汗
いくらジェシでもトイレとかいくだろうしさぁ?
アル姉ちゃんの様子見に行くとかさぁ…
エサルが夫婦の何かを察するとかも可能じゃん??

神の力量でなんとかしてっっ…涙
522名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 14:52:57 ID:dZZG74sC
>>521
自分で書けばいいんじゃないの?
ネタだけばら撒いてして荒らすのは止めろ。
523名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 23:08:45 ID:NmUpkFqw
>>521の身に
エロ神の降臨がありますように


↓最後の4日間(エロなし)↓






この日がいつか訪れることを、
おまえが王獣部隊の訓練を命じられた時から――
最初におまえの手を取った時から、予測はしていた。

そして、
死の床で王獣と闘蛇について語るおまえに
おれができることは
ただ、その手を握ることだけだった。

「――イアル、ジェシ――」
長い話を終えて、しばらく口を閉ざしていたおまえが
おれの名を呼んだ。
「ありがとう――」

「あなたと、出会えて、よかった」
最悪の結果ではなかった。
こうして末期の言葉を交わせたのだから。

おまえの目の横を、一筋の涙が流れ落ち
ジェシの嗚咽で部屋が満たされていくのを
おれはおまえの手を握ったまま感じていた。
524名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 01:55:12 ID:qCTJduG6
>>522
ネタだけ書き散らして「神の降臨を待ってますw」なんてほざいてる荒らしに何言っても無駄。
挙句の果てには>>523みたいに自演してる奴も出てくる始末w
スルーがおすすめ。
525名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 14:35:33 ID:Xcd2/9cH
神じゃないけど作品投稿します
ちなみにエリンとイアルが婚姻の式を挙げたと仮定
526名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 14:37:39 ID:Xcd2/9cH
<イアル視点>
婚姻ノ式が終わり、二次会なんかもあって家に帰ってきたのは、翌日の夕方だった。

だがこれでようやく夫婦だけで夜をゆっくり越せると俺は思った。

カイルの情報によると夫婦最初の夜は必ずしないと、破局する場合があるらしい

真偽はともかく仲良く生活するにはやる必要がある

だが、どうやって誘う………
今きりだせば、まず変態のように見られるだろう………

かと言って、エリンが寝た時に襲うわけにはいかない………
どうすればいいか………


エリ「ねぇ、イアル〜」

イア「なんだ?」

エリンが名前を延ばして呼ぶときは、何かねだるときの声だ。

エリ「あのね………その………あれ………あれ……なのよ………」

イア「あれって?」

いや、まさかね。エリンから求めてくるわけ………

エリ「子供欲しいの!!!」


子供欲しい=交尾=夜の営み


エリンにとっちゃ夜の営みなんか獣でいう交尾という考え方しかないだろうが、俺はやばい方向にしかいかない………

イア「あの〜〜エリン。子供欲しいということはさ〜〜あれだろ?」

エリ「子供も欲しいしいけど、本当のこというなら、イアルと……………したい」

イア「……………………え?」


つまり、エリンも欲しがってると考えてよいのだろうか?

エリ「夫婦なら絶対することって、カイルさんが………」

あいつ!!!エリンにもいったのか!!!!

エリ「あ、その、イアルがいやないいのよ。しなくても。」

イア「いや、してやるよ」

俺はエリンを押し倒した
5272:2010/03/28(日) 14:38:28 ID:Xcd2/9cH
俺もエリンも裸になった。

エリ「別に嫌なら、いいんですよ。無理にしなくても……。」

イア「嫌なら、裸になったりしない。やりたいから、今こんな格好なんだ。」

俺はエリンにキスし、そのまま舌を侵入させた。

エリ「ん……ふあ……ん」

口を離せば、やはりいつものように、透明な橋ができた。
それには目もくれず、胸を揉みつつ、乳首を舐めた。

エリ「あん、き、気持ち〜〜〜
もっと………もっと……もっともっとして………。」

イア「今日はよく、欲しがるな。なんかあった?」

エリ「なにも………ない………ただ………夫婦として……初めての………夜……だから……。」


なるほどね。今日からは夫婦としてやるわけだし、その最初だから、おもいっきりやりたいわけね。

しかも以前と違って、手加減なし。

なら、俺もやるか


俺は、胸を揉んでいた手の一つを下半身へと動かし、エリンのあそこまで来ると、指を一本、入れた。


エリ「あああああああああ、だ……だめ………。」

エリンの膝がガクガク震えてる。
イア「あんまり気を抜いてると、簡単にいっちまうぞ。」

エリ「ああ、ダメ、あああ、イクぅぅぅ……」

イア「え!本当、イクの。」

エリ「ああああ、も………う………だ……め……」

エリンはイッてしまった。
5283:2010/03/28(日) 14:39:40 ID:Xcd2/9cH
だが、エリンはすぐに目覚め、俺のあれに、しゃぶりついたり、筋に沿って、舐めたり、してきた。

イア「お、おい、エリン。な、なにしてんだよ。」

エリ「どう?たまには、私からするのは?」

いや、気持ちよくないといえば、嘘になるけどさ……
まるで、エリンに何か吸い取られるような気がする。

イア「エリン………もう……いい、だいぶ……気持ちが…………よくなった。
そろそろ………俺が………する………」

エリ「だ〜〜〜め。イアルがも〜〜っと気持ち良くなって、私の口の中に出すまでします。」

そして舐め続けた。







しばらくして、俺のがびくびく脈を打ち出した。

イア「エリン、そろそろ、出そうだ。」

エリ「いいよ、私の口内に出して。」

イア「で、出る!!!」

俺はエリンの口内に出した。
エリンは俺のを抜き、残った白い液体をゴクリと飲み込んだ。

イア「大丈夫なのか、飲み込んだりして………?」

エリ「平気よ。だって、私しか知らないイアルの味なんだもん。
だから、汚くもないんだよ。」

エリンはテヘッと笑う。
それはとても可愛かった。

エリ「ねぇ、そろそろ、入れて。」

エリンは足を広げ、エリンのあそこを見えるようにし、また、あそこの入口を広げた。
5294:2010/03/28(日) 14:40:43 ID:Xcd2/9cH
ただ今の主導権はエリンにある。そして、エリンはあれをあそこに入れるように頼んでる。
エリンの言う通りにするか、もしくは、主導権を握るために、逆に俺がエリンを気持ち良くするかのどちらかだ。
そして俺は

イア「そのまえに、エリンのを舐めてから」

エリ「え!!ひゃう!」

エリンは足を閉じようとしたが、その前に、俺がエリンの太ももを押さえた。
ここさえ押さえとけば、エリンは足を閉じることがでない。

エリ「やん………やめてぇぇぇぇ……」

イア「エリンの露が舐めても舐めても溢れてきたら、止めてあげる」

エリ「本当?」

イア「ああ、本当だ。」

エリ「じゃあ、早くしてください。」



しばらくし、エリンのあそこから、噴水のように溢れ出てくる

イア「すごいな、俺が口で塞がないと布団が濡れてしまう。
しかも、エリンの汁の味は、どんなものより、おいしい。」

エリ「早く……早く……入れて………」

イア「そんなに欲しいなら、入れてやるよ。」

俺は、あれを、エリンのあそこに向けた
5305:2010/03/28(日) 14:41:52 ID:Xcd2/9cH
イア「そろそろ、いれるからな」

エリ「は、はい。」

俺は、エリンの中に勢いよく入れた……つもりだった。
だが、エリンの中にはうまく奥には進めなかった。
エリンの中はぐしょぐしょに濡れてるのに………

イア「く、きっつ〜。」

エリ「今日のイアルの、いつものより、大きいよ……。」

そっかぁ、俺のが、大きいから、いつもより、進み具合が悪いのか……

イア「エリン!!少し、力抜いてくれ!!もしかしたら少し痛むかもしれねぇ。」

エリンが力を抜き、少しは進みやすくなった。




やっと入りきったときにはすでにかなり疲れていた。

エリ「やっと、繋がった。大きくなりすぎよ。私のテクニック、そんなによかった?」

イア「ああ、よかったよ。良すぎてどうしようもない。少し休んでいいか。」

エリ「だ〜め。最後までするの。休んだりしたら、私の気が狂いそう。」

エリン自身が動く。
多分動きにくいのだろう。かなりゆっくり動いてる。
そして俺も動き出す
エリ「ああああああ。いいよ。気持ちいい!!!
もっと激しくして!!!」

体が慣れてきたのか、だいぶ動きやすくなり、少しずつ、速くなっていく。

エリ「あんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあんあん。いいよ。」
5316:2010/03/28(日) 14:42:54 ID:Xcd2/9cH
半トくらいすると、ずいぶん速く動けるようになった。
そしてイキそうになる。

イア「くっ、そろそろ、イキそうだ。」

エリ「いいよ、中に出して!!」

イア・エリ「「ああああ!!」」

俺は、エリンから抜き、寝転んだ。するとエリンが俺の横で寝転んだ。

エリ「もう、終わり?」

イア「はぁ〜はぁ〜当たり前だろ。俺は疲れたから、もう、寝る」

すぐに眠りについた。



次に起きたのは下半身に違和感を感じたときだった
外はまだ暗闇だった。多分さほど経ってないだろう。

下半身を見れば、エリンが俺のあれを舐めてる

エリ「あれ、起きた?」

イア「何してんだ!!」

エリ「みりゃわかるでしょ、イアルのを舐めてあげてるの。」

エリンは身を乗り上げ、俺のと、エリンのとが、一直線上になった。

エリ「次は、私から入れてあげる。」

イア「ちょっと待て!!さっき、イッたばかりだろ!!」

エリ「言ったでしょ、今日は最初で最後の『夫婦での初めての夜』だって。今日は寝かさないんだから。」

イア「頼む!!寝かせてくれ!!!」


俺の叫びは虚しくも受け付けられず、朝までやらされ、仕事中眠くて仕方がなかった。

end
532名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 14:45:54 ID:Xcd2/9cH
できました
てか、自分のサイトにおいてたのをそのままコピーしたのだが…
533名無しさん@ピンキー:2010/03/28(日) 22:51:26 ID:pk/HNm/c
なんて明るいイアエリ(エリイア?)なんだろう
もし、エリンが幼少の頃のままの性格で大人になっていたら
こうだったかもしれないな

おもしろかったよ




いらぬ世話かもしれんが
台詞前の名前は不要では?
534名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 11:23:46 ID:KNMSoQ4O
>>524
ま、神様が少ないからどうしてもネタが飽和状態になってしまうんだよ。
別に荒らしてるわけじゃないと思うけど。
535名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:34:08 ID:5vovAvjE
神々は、お忙しそうなので…、久方ぶりに投下してみます。

保守程度でよろしく。
かなり前に書いてたモノだけどエロがなく放置状態だったものに、少しだけ入れてみた。
場面設定は「引越しする前の妊娠期間中のイアエリ」。

イアルが闘蛇乗り云々を考えだしたのは、エリン妊娠時のこの頃であると類推。
妊娠中ということもあり、エロは正直ちょっとゆるめで。
好みの問題だが、物足りない方ごめんなさい。
尚、部分的に原作参照箇所あり。
536名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:35:49 ID:5vovAvjE
ゆっくりと木をけずりながら、イアルは考え続けていた。
穏やかな午後だ。
ここでは、時間はゆっくりと流れている。
家の前に生えている木には、彼の作った巣箱がかけてある。
その隣の木にはせんたくひもがかけられていて、干された布はゆったりと風に身を任せている。
時折、空を仰ぎ、風のにおいを嗅ぎ、草花が芽吹く様子に季節の移り変わりを感じたりする今の自分に、
最近ようやく慣れてきた。

自分がこれからできることとは、なんだろうか、とふと考えるだけの余裕がうまれてきているのを感じ、
イアルは、1年前よりも自分が確実に変化したのを悟った。
指物師としての今の暮らしは、平凡だがおだやかで、安らかだ。
こんな日々が自分に訪れる日がくるなど、それまで考えたこともなかった。
それまでは、堅き盾としての実績をいくら積み上げても、何の満足感も得られなかった。
ただひたすらに、任務の遂行だけを考え続け、度重なる鍛錬と悲痛なまでの経験をつむごとに、次第に心は荒んでいった。
そんな中で、ただひとつ、こうして木と向き合うことだけを心のよりどころとしてきたのだ。

だが、己の感情を一切封じ込めることを自分に課してきた果てに、ざらついた心を潤す術ももたないまま、
只、時を費やし、死に時を待っているだけだった自分に、辟易してもいた。
多くの亡霊たちにまとわりつかれ、自分はこのまま呪い殺されるのでは…とうなされ続けた日々。
今でも、夢に時折でてくるそれらの亡霊は、イアルをいまだ苦しめ続けている。
しかし、あらためて考えると、以前よりもそれは、間遠になってきた気もする。

多くの人を殺しながら、それでもまだ自分がこの世にあることが、卑怯で、汚らわしいことのように思えた。
その一方で、そう思うことに、なぜか激しい反発も覚えていた。 
心の底に黒々と潜んでいたその感情の正体を顕にしてくれたのは、エリンだった…。

今彼女がそばにいるだけで、自分のこの変化はなんだ。
これまで自分の罪の意識が消えたわけでは決してないのに、自分の内側からふつふつとわきでてくる生命力に、
イアルは時々戸惑うことがある。

今のまま、死ぬまで指物師としての人生を全うすること――それができれば、本望だ。
かたわらにエリンがいて、ゆっくりと老いていく、そんな穏やかな未来を、つかのま夢想した。
しかし、同時に心のなかで、それは得がたい夢なのだと、揶揄する自分がいる。
この生活は、いつまで続くかわからない。
この国の現状と将来を考えるにつけ、為政者とのかかわりは避けられないであろうエリンの柵が、イアルには見えていた。
かりそめの平安が断ち切られたその時、自分はどう動くべきか。
そろそろ、見据えておかなければならない。
今の自分ができる、自分がなしてきたことを生かせることとは何か。
堅き盾として生きてきた半生、その経験を無駄にしないためにできることとは何か。
エリンが示してくれたかつての行動や言葉の数々に、自分が勇気づけられたように、自分が役立てることとは何か。
537名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:36:49 ID:5vovAvjE
「お茶、いれたわよ」
最近,腹部がせり出してきたエリンが家の中から出てきて、ゆっくりとした動作で、湯飲みと茶菓子をのせた盆を、
色のさめた作業台の脇に置くと、となりに座ろうとする。
イアルは、木屑を払いながら、あわてたように言った。
「こんなところに直接腰を下ろすな。体を冷やすだろう」
「大丈夫よ。ひざ掛けも持ってきた」
エリンは、イアルの口調に、心配性ねえ…とコロコロと笑いながら、布を腰周りに巻き、改めて彼を見た。

「何か…考えごとだった?」
邪気のない緑の瞳が、自分を見上げているのを、無言で見つめ返すと、わずかに笑みを浮かべて首を振っただけで、
イアルはまた手元に目を戻した。
相変わらず無口な夫の態度を、エリンはさして気にもとめず、自分の湯飲みを一口すすり、皿にのった蜜煮を口に入れる。
鍋でとろとろに煮た甘い果実を、少しずつつまむのが、最近のエリンのお気に入りだ。
こんな暖かな日に、茶を飲みながら、洗濯物がはためくのを見ている自分は、なんて幸せ者だろう。

「あ…これ、天井板?」
先ほどイアルが、家の天井からはずした板に細工が施されているのに気づき、エリンは目をまるくした。
イアルは、少し思案していたが、茶を一口飲み、湯飲みを置くと、おもむろに口を開いた。
「…ちょっと細かいところを調整するために持ってきたんだ。
この前お前が留守の時に、試しにやってみた感じも悪くなかったんだが…」
エリンはよくわからず、首を傾けた。
「何か…大事な部分なの?」
それにはこたえず、イアルはエリンを見つめ言った。
「ずっと考えてはいたんだが…。今後を考えて、色々と準備しておかなければならないことがあると思う。これはそのひとつだ」
エリンの顔に、わずかに緊張の色がうかんだ。
「夕餉のあとにでもと思ってたんだが…まあ、早くに出来上がったし、今見せよう」
イアルは、その板を抱えると、ゆっくりと歩き出した。
エリンもそのあとについて、家に入った。

538名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:37:41 ID:5vovAvjE
土間からあがると、板の間の奥に彼の作った戸棚が見える。

二人はその戸棚の前に立った。
「見ててごらん」
戸棚の台座付近に三箇所の細い隙間があいていて、そのひとつにイアルは、その板をぐっと押し込んだ。
すっ…と、かすかな音とともに、棚の天板が前に突き出してきた。
その天板をはずすと、戸棚上部に表からは全く見えなかった引き出しが、顔をだした。
「わあ…」
エリンは思わず感嘆の声をあげた。
「おもしろいだろ?」
イアルは振り向き、いたずらっぽい笑みを浮かべている。
だが、引き出しの縁の具合を見つめ、すぐに真顔に戻ると、袂から鑢を出した。

そして、親指で確認しつつ、もう片方の手で擦りながら、ひとりごとのように言った。
「万が一というときのことを考えてな。ここに、急場しのぎのものを一通り、準備しておこうと思う」
イアルは、正面の襖を開け、中から、使いこんではいるもののまだ十分使用に耐えうる丈夫な袋をひきずり出し、
地図も取り出した。
「備えは大事だ。いくつもの場面を想定して準備しておかないと、回避できるものもできなくなる。
この先自分たちの身に何かが起こって、カザルムの家に戻るわけにはいかなくなった時に、まだここがあると思えば、心強いだろう。
ようやく身体が安定してきた頃だし、来月のカザルムへの引越し前にそろそろ荷物の整理もかねて、
金銭的な仕分けも考えておくようにしよう。…どうした?」

エリンは、休まず手を動かしながら話し続ける夫を、無言のままじっと見つめていた。
その瞳は、不安げに曇っている。

「…あなたは、ずっと先を見据えて暮らしているのね…。頼もしいけど…気が塞ぐわ」
言ってから、失言だったと、すぐに反省した。
責める口調ではなかったのだが、イアルとて思いは同じはずだろうに、無神経なことを言ってしまった。
「…ごめんなさい」
「気にするな。身ごもっているときは、そうじゃない時と比べて、気持ちが過敏になることも多いのだろう?
余り考えすぎるな。万が一という場合の備えだ」
「そうね。考えないようにする」
そうは言ったが、忘れてしまうわけにはいかないのだから、やはり何かのおりに、自分はまた、同じ思いをいだくのだろう。
全て覚悟の上で、背負ってきたつもりだ。
頭ではわかっているはずなのに、生きていくこととは、なんと重いことなのか。

翳ってきた陽に気づくと、二人は不安な思いを取り払うように、無言で淡々と、周囲を片付けた。
夕餉を済ませ、湯屋から戻り、床の準備をしながらもなお、エリンの目には、まだ暗い色が消えなかった。

私たちに残された時間は、あとどれくらいあるのだろうか。
この人との安らかで幸せな毎日に、忘れそうになっていた。
自分は現在、政治とは切り離された場にいるものの、真王さまと大公さまが治めるこの国が、
誰もが満たされる安寧のなかにあるとは、今も思えない。
来るべき時までの時間は――もしかしたら、考えるよりも短いのかもしれない。
だからこそ、一日一日を、この瞬間を、無駄に捨て去りたくなかった。
539名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:38:55 ID:5vovAvjE
二人は床に入り、横になっていた。
エリンは、床団に被せた布の感触に目を細める。
「今日は、お天気がよかったから、お布団も気持ちいい…」
「そうだな」
エリンは、おもむろにイアルに体を向けた。
そして、互いの息づかいも感じるほどそばで、ぽつんとつぶやく。
「…今日したこの準備を、無駄なことだったと笑いあえる日が、くればいいのに…」
「…」
イアルは黙っていたが、やがて片手をエリンのほうへ延ばし、身体を寄せると、
「…そうだな」
と、低い声で答えた。そのまま指を動かし、エリンの髪を何度もすくようにしながら、頭をなでる。
イアルの表情を、じっと見ていたエリンは、上目遣いで、ふいにささやいた。
「…したい?」
ふいに尋ねられ身を固くしたイアルは、平静を装って言う。
そんなつもりだったわけではないのに、問われるのはきまりが悪い。
「身体にさわるだろう?」
「圧迫しなければ大丈夫なの。私はあまり動かないほうがいいから、激しいのは、だめだけど…。」
こうして横になったまま、触れ合っていたい、というエリンの提案を、イアルは黙って聞いていた。

エリンは経産婦ではない。どの程度までなら大丈夫などと自分たちは判断できるのだろうか。
「無理にしなくてもいいんだぞ」
イアルはそういいつつも、やはりエリンが身ごもってから、わずかながら寂しさを感じていたのも事実だ。
だが、それも彼女の体を第一に考えていたからこそで、それを思うと自分の欲など比べるべくもない。
ただ、言い出してくれたことは嬉しかった。
その思いを感じたのかどうか、わからないが、今日のエリンは、なぜかしつこいくらいに、すりよって来た。
どうしたのだろう。
結局横になったままのエリンを、イアルはうしろから抱きすくめながら、首筋に口をつけた。
口を這わせながら、上衣の裾から手をいれると、そのまま掌で胸を下から包み込むように揉む。
無言で彼女の髪の匂いを吸い込むと、安心感が満ちてきた。

「わたしはね…」
イアルの息づかいを身体に感じながら、エリンはつぶやく。
「こうしてるだけでも、幸せなの。…今でもあなたが大好き。でも、誰しも少しずつ変わっていくのね。
自分の中に命が芽生えたと知ったときから、私は以前の私とは少しずつ違ってきてると感じるの。
背負うものは多くなった。でも、今他の何か、大きなものに守られているような。あなたと二人で過ごす時間とはまた違う、
力強さを確かに感じるわ。そう思うと…正直、繋がっていなくても…こうしてるだけでも、すごく幸せなの…」
「…そうか」
「だから、こういうことも、これまでとは、度合いが違うかもしれない。でも、それでも、私はあなたのことも、
同じように満足させてあげたいの。だから、欲しいときは、あなたも私に遠慮しないでね」
イアルは、彼女の言葉に不思議さを覚えていた。
自分では、父親になるという実感が、なかなか湧かないでいた。
それはそうだろう。男には、体の変化というものがない。
勿論、覚悟はしているつもりなのだが、具体的に、自分がどうなるのか、
実際に生まれてこないことには、全くもってわからないというのが正直なところだ。
しかし、女は違うのだろう。彼女はもう既に、母親なのであった。

(体は、新しい命を守るための準備が、既に出来ているのだな…)

女体の不思議さを感じながら、イアルは片手をエリンの体の下から差し入れると、体を包みこんだ。
540名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:39:54 ID:5vovAvjE
彼女の胸は、以前よりもやや豊かになっていた。乳首に触れると、エリンは首をすくめ、身体をのけぞらせた。
「あっ…」
しばし胸元の愛撫を続けているうち、痺れたように震えだした彼女の太腿が、その興奮の度合いを伝えてくる。
胸での動きはそのままに、空いている片方の手で体を探り、下腹部に手をのばすと、足の付け根にすうっと指を這わせる。
身ごもった身体でも、そこに指をあてると、やはり潤っている。
「う…ん」
下着の隙間から侵入し、二本の指で肉を押し開きながら、中指を秘所にそっと差し入れると、エリンは目を閉じたままかすかな呻き声をあげた。
出し入れするうちに、じわじわと湧いてくる愛液がイアルの指を濡らしていく。
下着を指で剥ぎ取ろうとすると、エリンは腰をうかす。薄い布を引き抜くと、彼女が顔を振り向かせ、目を合わせて、いたずらっぽくささやく。
「激しくしないでネ…」
小首を傾げたそのしぐさに、余計に気持ちが煽られた。
体重をかけないように、覆い被さり、肘と膝で自分の体をささえると、彼女の唇を塞ぐ。
手をイアルの頬にあてると、彼女もまた、愛しむように彼の唇を食み、舌をいれてきた。
歯肉に舌がからみ、互いの口の中で生暖かい唾液のやりとりがくりかえされるたび、くぐもった音が、薄暗い寝間に漂う。
彼女の唇を味わいつくしながら、片手を再度秘所へのばし、熱を帯びたそこを確かめるようになであげた。

指を出し入れするうちに、そこからくちゅくちゅとかすかな音が聞こえだす。
イアルが、すっかり滑らかになった手の感触を堪能していると、徐々に自分のものが存在を主張しだした。
横になったままのエリンの後ろに体を置き、片足をつかみ前にずらすと、イアルは左脚で彼女の股を割った。
太腿を、彼女のそこに押し当てるようにしっかりとつけ、硬くなった自身をあてがう。
入口にあてただけでも、触れている一点から彼女の熱が伝わってくる。
手馴れた動作で、自身の先端をなじませるように湿らす。
少し身体を傾けさせ、差し込むと、そぼ濡れた秘所は、イアルをゆるりと受け入れた。
「あ…ん」
繋がったまま、もう一度腿に力をこめ、さらに密着させるように圧すと、それだけでエリンが喘ぎ声をあげる。
胸をまさぐりながら、時々足を動かしてみる。すると、その度に秘芯が擦れ、エリンは思わずのけぞり、腰を動かした。
「あ…やっ…ん」
尻を少し突き出すように動かしたせいで、彼女の内部で別の壁を刺激されたようだ。さらに彼女の快感は増し、蜜があふれてくる。
「あぁん…あんまり感じさせないでっ…」
自分で腰を動かしたくせに…と、よがる彼女の乳房をつかんだまま、肩に思わず歯をたてた。
足を閉じているため、締め付けが思いのほか強く、イアルは目を閉じた。
激しく動いているわけではないのに、彼女の中でまとわりつくような甘美な収縮が繰返され、満たされていく。

初めて彼女を抱いたときから、随分と経つ。
数え切れないほど、この行為を続けてきたのに、いまだに彼女に対する恋情がやまない。
自分しか知りえない彼女の艶めく姿を見たい、エリンが自分に溺れ、他のことなど何も考えられなくなるほどの
快感を与えつくしたいという思いで、これまでの夜を重ねてきた。
しかし、彼女にも言ってないことがある。
実は、溺れているのは、自分のほうだということ。

(俺は、もう、この女がいないとだめだ…)

今も自身を包み込む彼女の熱さが、心までも蕩かしていく。
昼間の明るく穏やかに微笑むしぐさ、夜の艶やかな肉体とその反応、
その全てに自分は、いまもまだ、翻弄され続け、ただ答えようと、もがいている。
俺はふさわしい男だろうか。
お腹の子が生まれれば、自分にもまた変化がおとづれるのだろうか。

イアルは、繋がったまま、エリンのうなじから肩にもう一度口を這わせる。
「あ…ん」
蕩けそうな声で、エリンが喘ぐ。
彼女の声を聞くだけで、さらに硬く膨らむ自分にひそかに苦笑する。

妊婦に強い絶頂を迎えさせるのは、身体にとってはあまりよくないのだそうだ。
彼女のそのときの顔がたまらなく愛らしいのに…。
思う存分そうさせられないのを、少し残念に思う。
腰を動かす速度を徐々にあげていくと、やがてイアルに限界がおとづれた。

感謝の意をこめて、彼女の髪を何度もなでているうちに、エリンは微笑んだまま眠りに落ちていった。
541名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:40:58 ID:5vovAvjE
イアルは、心地よいけだるさの中で、エリンの寝息を聞いていた。
彼女のはだけた寝巻きの裾を整え、布団を引っ張り掛けてやる。
静寂のなかで、彼女の腹に手をあてると、ゆっくりとさすった。
細い身体の中で、そこだけがふっくらと、緩やかな曲線を描いて丘のように、隆起している。
ふと、初めて会った頃のエリンの姿が浮かんできた。
竪琴を抱えて、静かにたたずむ彼女の麦藁色の髪が、やわらかく輝いていたのを思い出す。
初夏の草原で、彼女を見たあのとき、まさか自分とのこんな関係を、想像さえもしていなかった。
あの日から、不思議な縁に、絡めとられるように、ここまできた。
この子が宿った奇跡を、手放すわけにはいかない。

(…そのときがきたら、逃げる覚悟でいよう。)

イアルは、気をひきしめるように、ひとりごちた。
暗闇の中に、長年戦闘の場に身を置いてきた男の目が、ギラリと光る。
あらゆる可能性を想定し、これからのことを考えておかねばなるまい。
互いが離れてしまった場合に伝え合えるような、なんらかの合図、逃げ方の経路も…。
自作の箪笥に、装備しておくべきものを、ひととき反芻した。

(―だが…)

傍らに眠る妻に、再度目を向けたときには、その目から鋭さは消えていた。
だが、いまはまだ、もう少し、今の幸せの中にこの身を任せていたい。
夜は深く、静かに二人を包んでいた。
イアルは、エリンの腹に手を置いたまま、ゆっくりと目をとじた。

542名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:48:21 ID:5vovAvjE
終了です。
お目汚し失礼しました。



言い忘れました。
「…そのときがきたら、逃げる覚悟でいよう」は、ジェシがうまれたときに言う台詞ではありますが、
イアル的には、もっと前から考えていたことではないかと。
異論ある方お許しください。

おおっと、相変わらず空白行と改行の不手際…投下したあとでこれまた申し訳ない!

543名無しさん@ピンキー:2010/03/29(月) 23:55:29 ID:oMxGYGN6
gj!
544名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 02:40:02 ID:1FHzZKGn
GJ!
545名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 22:01:59 ID:vNBBfJXn
GJ!
エリン奥さんの「激しくしないでネ」には参ったw(*´Д`)ハァハァ
546名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 06:34:20 ID:J4tVxv4y
遅くなったけどGJ!!
イアルさんのメロメロっぷりがツボでした。
547名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 21:48:34 ID:y6zSeamU
だいぶ遅いですがgj!!
ご馳走様でした
548名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 23:05:50 ID:yAHOuPSa
規制で遅くなったが、…GJ!
ただよう雰囲気がいいですw楽しめました!

549535-542:2010/04/02(金) 00:53:20 ID:TzRvPh49
おおww
TVも終わってしばらく経つから過疎ってると思ってたし
勢いで書いたけど、これは板的にも重すぎかもな…と思っていたので
反応いただいて正直嬉しかったっす
遅ればせながらthx

さらに今更お詫び
投下がうっかり、525さんのすぐ後だったこと、大変失礼致しました!
それに加え、レス番もつけ忘れ…今気づいたorz
ああ、なにやっとるのだ>自分 と反省しきり


550名無しさん@ピンキー:2010/04/09(金) 10:55:24 ID:MHEUiSlW
亀だがGJ!!
551名無しさん@ピンキー:2010/04/12(月) 19:56:18 ID:bTIbhMQQ
>>549
グッジョブ

確かに、原作スレもアニメ・アニメキャラスレも廃れてて寂しいですよね。
たまに書き込みがあると思うと(ここじゃないけど)キ印みたいな奴が多くて orz...
今までここに投下したことのあるネ申さまがたは、いかがお過ごしなのでしょうか?
自前のサイトとかに書き続けておられるなら知らせていただきたいです。
URL直リンが嫌であれば、なんかご自身のサイトの特徴的なキーワードでも列挙して
いただけないでしょうか。
保管庫のほうに新作情報が上げられるBBSでもあればと思ったりもするのですが、
こればっかりは管理人さま次第でしょうし...
ご一考ください>管理人さま
552名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 00:11:08 ID:U2mq8qgj
>>551
乙!
553名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 12:15:57 ID:/RhiUHM0

管理人様
保管庫更新ありがとうございます

神のbigな作品こーい
554名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 10:11:31 ID:ZdRR6jP/

神はもう書くおつもりがないのだろうか?
何人かいらっしゃったと思うのだが…?
もはやスレ自体みてないのか?
神不在の中これ以上お題増やすのもどうかと思うのだが
大分前にあったイアエリで束縛プレイとか読みたいな…
555223,459:2010/04/23(金) 19:56:03 ID:uTthbery
ネ申ではないものですが、まだ書いてます。
もう原作フォーマットで300ページ超えてしまい、全体を見渡すのが難しくなってて、頭かかえてます。
やっぱりどなたか試し読みして下さらないかなあと思って、最後のお願いです。
スレ上でこういうやりとりを好まない向きもおられるようなので、もうあとは個別にお問い合わせください。

kemononosoujya あっと me.com (一時取得アドレスです)

メールを下さった方に、お願いする諸事情と、さわりの文章を載せたページのURLをお伝えします。
乗り気になって下さった方だけに、全文をお目にかけたいと。
くれぐれも、赤の他人のメアドとかでたらめなメアドで偽装なさらぬよう、よろしくお願いします。
イアエリものを投下なさった経験者の方をお待ちしています。特に535さま、平によろしゅう...
556名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 20:56:37 ID:6EilQbD9
>>555
そういうのが迷惑。
557194です:2010/04/24(土) 10:19:36 ID:5w56Ajvl
せっかく教えていただいたメモ…失敗!挫けました。
また、チマチマ書くかどうか迷ったままですけど
今日は天気が良いので…





初夏の長雨は結婚する前なら、余り苦になら無かったが
結婚し、赤ん坊を抱えた身での初の長雨は色々考えさせられる…
何が困るか、雨のせいで洗濯が出来ない事が一番困った。
おむつは友人知人が、どっさりくれて沢山あるのだが
自分の着るものが、余り無い…夫であるイアルもそんなに無いのだが
女である自分はそれより少ない。
やっと晴れた、この隙に自分の着物を洗ってしまわなければ
今、身につけている夏の薄物一枚で何とか乗りきってしまえば良い
肌着は全て薄汚れているから、仕方ない…とにかく洗ってしまおう
そう心に誓い、本当に薄物一枚で洗濯をし干し終わる頃にはジェシのおっぱいの時間になっていた
赤ん坊をあやしていた、夫に声を掛けるとギョッとした顔で
「エリン…その格好で洗濯していたのか…?」
気恥ずかしいのも手伝って、まともに夫の顔が見れない
「だって…もう、着るものが無いんだもの…」
エリンの言葉に軽くめまいを覚えながらも、仕方ないと心の中でため息をついた
「私、あっちの部屋でジェシのおっぱいあげるから」
そう言って、寝室へと姿を消した。
558194です:2010/04/24(土) 10:44:36 ID:5w56Ajvl
イアルはサクサクと自分の物を洗い干した後、家の中に戻ると
エリンは土間でジェシを抱き上げて、うろうろと歩き回っていた
ポンポンと背中を叩くのは赤ん坊にゲップをさせるためだったが
目があった瞬間、力が入ったのかジェシはゲップと共に乳も少し吐き出し
エリンの薄物の肩口から背中の中程まで汚れてしまった
「あっ…どうしよう…」
「俺が洗っておくから、奥の部屋にいたら良い。」
「ありがとう」
奥の部屋、2つある寝台の1つにジェシを寝かしつけると
上掛けで体を隠したエリンは申し訳なさそうに薄物をイアルに手渡した
やれやれと思い、手早く洗濯してしまう
その頃エリンはと言うと、やはり何も身につけないのは余りにも恥ずかしく
ユーヤンがくれた、首と腰の二ヶ所が紐になってて調節が楽だと言う前掛けを着けていた
前が隠れていると言うだけで、心に余裕ができてくる
上掛けは必要無いかと思い、家の中なら夫も怒らないだろうと奥の寝室から出ようとしたところでイアルが戻ってきた
「エリン…その格好は…ゴクリ…」
「え…前にユーヤンがくれた前掛けよ、これなら家から出なければ良いかな…って…」
「ちょっと待っててくれ」
そう言うと、扉という扉 窓という窓をしめて
あろう事か玄関は鍵までかけてしまった
「何なのかしら…?そんなにいけないの…?」

この後に行われる事など、全く予想もしてないエリンでした。



おしまい(笑)
とかダメ?かな(笑)
559名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 10:49:14 ID:5w56Ajvl
神じゃないけど、裸エプロンのエリンが書きたかった
笑われても良い、イアルにゴクリ…って言わせたかった
ただ、それだけ

言葉使いが変だったり、表現がおかしいのは許して下さい。
推敲も何もやらずに落としましたから
では〜失礼しました〜
560名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 10:57:32 ID:pLdyBb0l
>>559
GJ!
続きが気になるぞ わっふるわっふる!
561名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 13:29:04 ID:1zoK8zNf
>>559
GJ!!
これから何が起こるか
分からないエリンちゃんww


>>555
そんな神経にならなくてもいいんじゃないか?
批判怖いのはわかるけど
このスレはそんな酷い批判はこないと思うのだが…。

前々から書いてる宣言してるみたいだから
そこまで精密さを要求すると
読者の期待も高まって
知らぬ間にハードル上げてる事になるのでは?
神に推敲頼むより自分で矛盾とか脱字とか
軽く読み返して投稿すればいいんじゃないだろうか?
562名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 16:07:51 ID:ilFRCWch

>>555
思い切って投稿して欲しいな
ここまで待たせたんだから
「自信ないのでここには投稿しません」とか言わないでくれww

>>559
GJ!!
これから本番じゃないか!!
次回に期待ww

563194です:2010/04/24(土) 18:35:53 ID:5w56Ajvl
gjありがとうございます
何か、日も暮れて来ましたね
晩御飯の時間が差し迫ってきました。








つづき…?

恐ろしい程の速さと集中力で完璧な戸締まりをし、奥の部屋に戻ってくると
エリンは寝ているジェシの傍ら、寝台に腰掛け顔を覗き込むように肘をついていた
小さな声で歌を唄っている姿はいつもなら、優しさに満ちた姿としか思って無かったのに
いつもと違う格好で、本人は隠しているつもりだろう姿が堪らなく誘っているかのようだった
気配を消しそっと扉を閉め、外から開けられないよう鍵をかけ足音もたてずに近づく
「エリン」と小さく声を掛けると同時にその白い柔らかい身体を片手で拘束し、もう片方の手で口を塞ぐ
エリンの『キャッ』と言う小さな悲鳴が微かに漏れて、普段なら沸き上がらない何かに突き動かされた
そのまま身体を抱き上げ、エリンの寝台に転がし驚いた顔のエリンを横目に寝室の窓も閉めた
「な…に?いきなり…」
くるりと身体をひっくり返され、覆い被さってくるイアルにまさかと思いながらも
首筋から肩甲骨や背中へとイアルの舌が這いまわる感触に、今から自分が抱かれる事に再び驚く
小声で「ジェシが隣で寝ているのよ」と訴えても行為は止まらず
あろう事か腰を持ち上げられ、膝を立てさせられ恥ずかしい格好にさせられた
今までの夫婦生活でこんな格好は初めてだった
564名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 22:47:41 ID:9+hqI8ig
GJ!
565194です:2010/04/24(土) 22:48:12 ID:5w56Ajvl
一回飛んだ…もう思い出せない…やばい…






「エリン、ジェシが起きないようにしたら良い」
そう耳元で囁かれゾクゾクと悪寒にも似た快感を感じて身体が熱を帯びてくる
イアルは身体の位置をずらし内股に手を掛けるとグイと足を開いた
窓を閉めたと言っても、玻璃でできた窓からは陽光が差し込みエリンのその白い身体を眩しく感じた
開いた両足の間に陣取り、今まで薄灯りの中でしか見た事のない緑の淡い繁みを見つめた
どんな風になっているのか、堪らなく興味を覚えてその繁みを両手で割開いた
甘い不思議な香り…エリンの匂いと紅く色づきテラテラと濡れた突起
迷う事無く、その突起に舌を伸ばし舐めしゃぶった
「キャッ」と小さな悲鳴が聞こえたが、その悲鳴は拒絶では無い事位はわかる
感じている…いつもと余りにも違う環境での行為に自分だけでなく
エリンもいつもと違う素振りを見せはじめていた
繁みを開いた指とは違う指で己自身を納める穴を開き、そこにも舌を這わせた
『んぁっ…あっ…あっ…ぅん…んぁっ…』小さい悲鳴は更に小さくなっていた
指2本をその温かい穴に埋め込み弄りながら、顔だけをひょいと前に向けると
枕に顔を押し付け、必死に声を抑えようとしているエリンの姿が目に入った
だがチラリと横目で見た尻はゆらゆらと揺れ、前掛けの隙間からは
豊かな乳房がふるふると震え、乳首の先には玉のように乳が大きな粒になって今にも零れそうだった
566194です:2010/04/24(土) 23:30:57 ID:5w56Ajvl






ジュプジュプと水音もたってき、自ら尻を突きだし誘うように揺らしだしてきた
「良いのか?」と短い問いかけに、枕から顔を起こし潤んだ瞳で
「…お願い…私の口を塞いで…ジェシを起こしたくないの…」
片手でエリンの口をしっかりと塞ぎ、もう片方の手で己のモノを引きずり出し
グリグリとエリンの穴に擦り付けると、待っていたと言わんばかりに
エリン自身から身体を擦り合わせてきた
十分に濡れている穴に、遠慮する事無く力任せに捩じ込む
『ンムーッッー…!』くぐもった歓喜の悲鳴が、反れきった身体と共に溢れる
止まらない欲求のままに強く深く打ち付ける、その度に悲鳴が漏れ
枕にしがみついた両手は、真っ白に成る程きつく握りしめた
いつもより感じている…穴の中がいつもよりきつく絡みついてくる
互いの絶頂が近いのがわかる、滅茶苦茶に突いて突いて突きまくった
エリンは訳がわからない悲鳴をあげながら頭を滅茶苦茶に振った
大きく一突きし精を吐き出すと、エリンの身体が震えそのままクタリと力が抜けてしまったが
片手で腰を掴み、そのままの姿勢で己自身を抜かずにいた
ゆるゆるとエリンの指が開き、意識が戻ったのを確認すると
イアルは無言で繋がったそのままで身体を起こした
567名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 23:39:36 ID:jZiOEz1c
GJ!!
久しぶりにネ申登場!
568194です:2010/04/25(日) 00:16:07 ID:qgdR8n/a






うまく力の入らない身体をイアルに預けたエリンは、自分の身体の中のイアルが再び硬くなっていくのがわかった
さっきより深く嵌まったソレにお腹がいっぱいになってるかのようでつらかった
相変わらず口は塞がれていたが、片手は腰から外され前掛けの脇から直に乳房を弄られた
優しく揉まれ乳が張ってくる…片方だけでなく両方の乳でやられ痛くなってきた
ネロリと耳朶を舐められ乳首が痛い程に尖ってきた…
イアルは張ってきた乳房を弄るのを止めて、繁みにある肉芽をいじりだした
「エリン、乳が張って辛いなら絞って出せば楽になる」
イアルの言葉は本当だ…だけど…だけど…
そろそろと片手ずつ乳房に伸ばすと下から突き上げられた
イアルのモノが自分の最奥を突き上げ、イアルね指が自分の肉芽を弄っている
もぅ何も考えられなかった、自分で自分の乳房を弄り絞った
突き上げられるたびに両の乳首から乳を吹き出し、余りの気持ち良さに涙が溢れた
何もかもどうでも良くなる程の快感に狂い、より高みを目指すかのようによがった
そして、エリンは二度目に精を吐き出された瞬間に意識を手放した
イアルは静かにため息を吐き出し、汗と乳とで汚れた前掛けを剥ぎ取り
いまだ目を覚まさないエリンの身体を清める支度をしにそっと部屋から消えた



夏用の寝間着を着せられたエリンの目が覚めたのは、じきに日も暮れようかという頃合いだった
サラサラとした肌触りの寝具に寝かされ、食事の匂いも漂ってる
カチャリと開いた扉から、ジェシを抱いたイアルが覗き込み
「疲れただろう、食事にしよう」エリンは「そうね…」とだけ返した
身体のあちこちが痛いし、力もうまく入らないけど(悪く無いわ)と心の中て呟いた。



おしまい
これが限界
569194です:2010/04/25(日) 00:22:07 ID:qgdR8n/a
細かい事は気にしない方向でよろしくお願いします。
書き忘れましたが、洗濯物は全てイアルさんが片付けました。
晩御飯には間に合ったんでしょうか?
日を跨ぎましたが、真の神が降臨する繋ぎ位になればいいかなーと
では
GJあざーす
570名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 08:49:02 ID:dw9gJX4k
打ちながらの投下お疲れ様です。

細かい事は気にしない!!! 超GJ!!
エリンに裸エプロンさせるためだけの展開を大真面目にやってるとこに萌えた
こういうの大好きだ!!
571名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 13:30:59 ID:uiirA/eL
GJ!
572名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 17:04:51 ID:ZcyuPM/W
神降臨を願う流れに乗ってイアエリで初投下してみる。
そもそも文字書きじゃないヤツが投下してスマソ。
拙いにも程がある文章力だがサクッと読んでほしいw
設定的には新婚時代。

>>557
遅くなったけどGJ!!
十分神だと思うますww
573イアエリ・1:2010/04/28(水) 17:08:15 ID:ZcyuPM/W
「ねえ、イアル。あなたって、甘いものは好き?」
笑顔で訊いてきたエリンに、イアルは突然だなと思いながら、少し考えて「それなりに」と答えた。
嫌いではないが、堅き楯であった自分にとって、甘いものとは美味しいから食べるものではなく、栄養価が高い故に疲労時や緊急時に食べる、非常食のようなものだった。
エリンと共に暮らすようになってからは、食事が楽しいと感じるようになっていたから、今食べればあの頃よりは美味しく感じるのかもしれない。
「そう、嫌いじゃないのね?良かった、男の人って甘いものは苦手な人が多いから」
ほっとしたように言って、エリンは厨で夕餉の支度を始めた。心なしか、その後姿は楽しそうに見える。
「何か菓子でも作るのか?」
そう聞くと、刻み終えた菜を水の入った鍋に入れながら答えた。
「ううん、そうじゃないの」 ふふっと笑って先を言わないエリンに怪訝な視線を向けるも、とりあえず何か困ってる訳ではないようなので、それ以上は訊かなかった。

◇◇◇

数日後、休みの日に買い物に出たエリンは小さな包みを持って帰ってきた。
「ヤントクさんの奥さんに教えて貰ったんだけど、大通りの露店に色んな飴を売ってるところがあってね、そこの飴がとっても美味しくて。イアルにも食べてほしいから、買ってきたの」
その嬉しそうな態度に目を細めながら、数日前の質問や笑顔の理由はこれかと納得した。
「飴屋か…。珍しいな」
「ええ、わたしも初めて見たわ。おじいさんがやってるお店なんだけど、本当に美味しいのよ」
「そうか、それなら夕餉の後にでも食うか」
頷いて、エリンは昼餉の支度に取り掛かろうとする。
しかし、その手をイアルが掴んだ。
不思議そうに見上げてくるエリンの頬にもう片方の手を添えて、緑の目を見ながら言った。
「…昼餉より、先に食べたいものがあるんだがな」
ここ最近、双方とも仕事が忙しく、ほとんど触れ合ってもいない。
せっかくの休みなのだから、久々に心行くまでエリンの身体を味わいたかった。
その熱っぽい眼差しに気付いたのか、エリンはかぁっと頬を紅潮させて視線をそらした。
「ま、まだ明るいじゃない…。夜でいいでしょ…んっ」
唇を塞いで言葉を遮り、腰に手を回して引き寄せる。
「…明日から仕事だし、夜は早く寝た方がいいだろう?」
そう言いながら手はエリンの帯をほどいていく。
もう、と諦めたように呟くエリンだったが、イアルが止める気配がないことがわかると、二度目の口付けを黙って受け入れた。
574イアエリ・2:2010/04/28(水) 17:11:06 ID:ZcyuPM/W
◇◇◇

濃く色づいた胸の先端を指で弾くように弄りながら、角度を何度も変えて重ねた唇を堪能する。
エリンの口から上がる声を聞くたび、昂っていく自分自身を感じる。
(いつから、我慢がきかなくなったんだろうな)
枷というのは、一度外れてしまうとあとは呆気ないものだと、イアルはしみじみ感じていた。
乳房を揉みしだきながら、その周りに赤い華を散らしていく。人目につく場所だとエリンが嫌がるが、そうでないならこの契りの証を刻まれる行為をエリンは割と好いているということは知っている。
下半身へと移動した右手が太ももの際どい部分を撫で上げ、つうっと割れ目をなぞると小さく跳ねるようにエリンが反応した。
腿に軽く口付けを落としてから足の間に顔を埋めようとして、ふと甘い匂いが鼻先を掠めた。
(…あれか)
エリンが露店で買ったという、小粒の飴玉。少し考えて、それが入っている袋を手繰り寄せて包みを開き、淡い桃色の可愛らしい飴玉を一つ手に取って、濡れて滑りの良くなった蜜壺の中につぷりと埋めてやった。
「やっ…な、なに…?」
突如感じた異物感に驚いたエリンが小さく身動ぎをしたが、イアルは無視して身を屈め、指で割れ目を押し広げると飴玉を追うように中に舌を挿し入れた。
(…美味いな)
エリンの体温で少しずつ溶けて、愛液と混ざって液状になった飴をたっぷりと味わう。
「あっ…、…ぅ…はぁ…ん」
とろとろと垂れてくる蜜を一滴も逃さず、穴を穿つかのようにエリンの中を舌で這いずり回る。
同時に指を使って膨らんだ肉芽を弄り、内側と外側の両方から刺激を与える。
「や、だ…そんな…あうっ!」
その強い快楽から逃れるように動こうとするエリンの足をしっかりと押さえて、宥めるようにさする。
少々粘着質な水音をたてながらいつもより執拗に舐めていると、次第にエリンの太ももが細かく震えてきた。
溶けきった飴の残骸をぺろりと一舐めしてから顔を上げ、赤く熟した肉芽をぎゅっと強く握ると、短い悲鳴を上げてエリンは軽く達した。
浅く息をしながら、余韻でとろんと潤んだ目をイアルに向けると、優しく唇を重ねてきた。
ふわっと香る甘い匂いに誘われるように、エリンの方からそろそろと舌を入れてみると、最近気に入っている菓子の味がした。
控えめな甘さとしつこくない後味が好きで、いくつかある種類の中から選んだ味。
イアルにも食べてほしいと何個かまとめて買ってきたのだが、こんな使い方をされるとは思わなかった。
互いの唇をたっぷりと味わってから、まだ敏感な身体にイアルが手と口を使って再び刺激を与えていく。
ヒクヒクと疼いている秘所に手を伸ばし、撫でるように触れているとまた蜜が溢れてきた。
ぬるぬるとした膣内に指を入れて掻き回し、エリンの口から洩れる声を聞きながら、熱く腫れ上がった自分自身を取り出した。
「…挿れるぞ」
自分の声も大分余裕がなくなっていると思いながら、小さく頷いたエリンの身体から指を引き抜いて、己のモノを熱く湿った入り口に宛がい、体重をかけて一気に貫いた。
「は……ああんっ!」
自身の先端が最奥の壁に当たった感触を感じて、締め付けてくる感覚に溜めた息を吐きながらしばらく馴染ませる。
やがてゆっくりと動き出すと、悩ましげな声を上げながらエリンもまた腰を振りだした。それを見てさらに劣情が掻き立てられ、肉壁が自身を擦る快感に小さく呻き声を漏らす。
段々と激しくなる律動に白い肌が上下し、形の良い胸が揺れる。肌を打ち合う音とエリンの吐息交じりの喘ぎ声を聞きながら、最後に強く奥深くに打ち付けて、己の欲望を吐き出した。
575イアエリ・3:2010/04/28(水) 17:12:55 ID:ZcyuPM/W
二人して呼吸を整えた後、イアルは布を宛がって自身をゆっくりと引き抜いた。
その拍子にエリンの中から自分が放った白濁液が垂れてきたので、それを丁寧に拭ってやると、エリンが呟いた。
「ねえ…わたしも、綺麗にしてあげる」
「?」
言われた意味がわからなくて瞬きをすると、エリンは大儀そうに身体を起こし、両手でイアルの萎えたモノを包むようにそっと持った。
「エリン、何を…」
「色々ついちゃってるから…わたしが舐めて、綺麗にするわ」
しれっと答えて口に咥えようとするエリンに、イアルが困ったような顔をする。
「…不味いと思うが」
「別に、平気だけど……あ、じゃあわたしも」
手を伸ばして飴玉を取り、自らの口の中に放り込んでから改めてイアルを咥えた。
苦味も消えはしなかったが、舐め取って綺麗にしていくと口内には飴玉の甘さだけが残り、気分が良くなってそのままぺろぺろと舐め続けた。
「……」
楽しそうに自身をねぶるエリンを見て、イアルは再び欲情するのを感じて苦笑した。
(こうなるだろうと思ったから止めたんだが…)
口に含んだ物体が質量を取り戻していくのに気付いてエリンが顔を上げると、口の中の飴玉を共有するようにイアルが深く口付けてきた。
飴玉を転がして互いの口を往き来させつつ、次第に口付けが激しくなり、貪るようにもう一度身体を求め合った。

◇◇◇

「また買ってきたのか」
買い物から戻ったエリンの手元にある小さな包みを見て、イアルが問う。
その中からは甘い匂いが漂う。
「ええ、安かったからいつもより少し多めにね。でも、これが最後だと思うわ」
「?」
不思議そうな顔をするイアルに、エリンは荷物を片付けながら苦笑を浮かべて言った。
「この飴を売ってた露店商の人がね、引っ越すんですって。その人が自分で考案して作っていたものだから、今ある分が無くなったらもう食べられなくなるわ」
「そうか…残念だな」
「ええ、本当に。美味しかったでしょう?」
「ああ、美味かったな。…一番美味かったのはお前の中で食べたものだったが」
それを聞いて真っ赤になったエリンに「またやるか?」と追い討ちをかけると、そういえば買い忘れたものがあるとか何とか言いつつ慌てて出ていった。
そんなエリンを見て、イアルは悪戯っぽく笑いながら、包みを開いて小さな飴玉を取り出すと口に放り込んだ。


おわり。
576名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 17:15:16 ID:ZcyuPM/W
以上です。
お目汚し失礼しました。
577名無しさん@ピンキー:2010/04/28(水) 20:46:28 ID:Chj7Omd+
GJ!
578名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 09:16:50 ID:WhlXtTKt
飴プレイGJ
物書きではないとのことだが
妄想力はぴかいちだなww
イアエリは
エロでも精神面重視の傾向があるから
じっくり長く書くと更に素晴らしくなると思うぞ
その点以前のネ申作品はかなり参考になると思う
次作にも期待している
579名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 22:08:28 ID:WIHr3E9x
GJ!!
蜂蜜は貴重品だから難しいな〜、と思ってたら飴で来たか
その発想は無かったww
文章も綺麗だし読みやすい、また来てくれ!!
580名無しさん@ピンキー:2010/04/29(木) 22:58:29 ID:qYI9OhwB
GJ!
後日、ジェシが生まれて、おやつを与える時に
飴だけは与えない二人だった、とか勝手に妄想
581名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 20:39:46 ID:9ypAO+Xt
GJ!
この二人は倦怠期なんて来そうにないね
今後もイアエリ夫妻の更なるプレイを期待するwww
582名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 23:20:22 ID:VRHh2vhj
ほしゅ
583名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 19:17:38 ID:tcNZmfUu
保守ー
584名無しさん@ピンキー:2010/05/21(金) 21:19:32 ID:89Mm9bsH
9月に短編出るらしいなw
585名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 05:57:54 ID:pQ1G9010
9月はこのスレが神在月になりますように☆
586名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 06:07:42 ID:pQ1G9010
そういやイアエリの二人って媚薬プレイ的SSってあったっけ?
エリンがリラン達に与える薬草を謝って煎じて飲んでしまって、いつもと違う
エロモードのエリンに最初戸惑いながらも、後半ノリノリで盛り上がって
しまうイアルさんがちょっと見たい…

誰か神様プリーズ…
587名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 21:48:25 ID:vB6PkcbB
エリンがちょっと風邪気味でいつもより鼻がきかなくなって
風邪薬と間違えて媚薬を煎じて飲んじゃうとか・・・なんてないよなw
588名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 22:20:48 ID:zLjqXtLC
アルコールではどうだろうか。
原作では、イアルさんには飲酒の機会はあったけどエリンはなかったから…。
酔っ払って普段よりエロモードなエリン。イアルさんはザルっぽい。
589名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 22:54:34 ID:ss56emyf
「なんでもしますから、ここにおいてください」
エリンがそう言うと、ジョウンの濁った目はギラリと光った。
長い間男ヤモメでケモノを相手に性欲を処理していたジョウンにとって
穢れを知らない少女の体はとても魅力的に見えたのだ。

「置いてやってもいいが、俺の言うことは何でも聞くんだぞ」
ジョウンの脳裏には、この少女の体を性的に搾取してやろうという
どす黒い感情が渦巻いていた。

「ありがとうございます!」
しかし幼いエリンには、自分の体がそんなジョウンの欲望の捌け口として
使われようとしているなどとは知る由もなかったのだ。


「ハチミツを舐め取るんだ」
そういうとジョウンはズボンを下ろし
透明な液が滲む一物に蜂蜜を垂らした・・・

ジョウンの生殖器は舐め終わる頃にはガチガチに硬くなっていた
「服を脱いで、そこに横になるんだ」
これから自分が何をされるか分かっていないエリン。
当時、今とは比べ物にならないほど性の知識は隠されていた。

未発育なエリンの秘部に潤滑剤代わりにハチミツを塗りたくると
ジョウンはエリンに覆いかぶさり自慢の息子を中にブスリと突きたてたのだ。

…こうしてエリンはジョウンの毒牙にかかり王獣使いとしての才能の目を刈り取られることとなる。
590名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 23:28:04 ID:sokhOPGe
>>589
運命に翻弄されずにすむのか・・・
いいんだか悪いんだかw
591名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 10:37:50 ID:6ld/ADN3
>>588
エリンはお酒飲んでるよ。
トカラ村のチムルの家での夕食の時。
あと、アマスルでヨハルが寝酒を持ってこさせているし、
592名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 23:00:15 ID:OtnKFqw9

やっとスレ動いたな

短編はイアエリ恋愛期とエサル師の若い頃らしいよ…

イアエリ恋愛期とかどんな事実が出てくるやらwktk!!

意外とイアルが口説いてたりしてたら萌える
593名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 20:05:48 ID:mFSW8sSA
>>588 >>591
うむ、探求編では確かに飲んでいる
しかし、王獣編までは飲んだ記述がないということは、
あんなことやこんなことが色々とあった末に探求編の頃には
飲めるようになりました…なことを妄想するのもいいもんだ

外伝wktk
594名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 00:01:28 ID:dRLS1yUN
>>592
外伝mjdk
ある意味で本編が最大手だから楽しみw
595名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 03:15:06 ID:ormmrEQg
外伝、タイトルは「刹那」だってね。
…既に泣きそうなんだが

イアエリ話、「ジェシが生まれるまで」ってのが美味しいよね。「生まれた後」じゃないのがなんかこう、ピンポイントでww
原作が一番エロいだけにwktk
596名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 03:28:16 ID:dRLS1yUN
エロシーン皆無なのに何故か一番エロい原作www
597名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 05:39:55 ID:eRUyOpLm
>>595,596
あのたった数行を脳内補完してエロを堪能できる、漏れらの想像力をこそ誇るべきwww
598名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 15:31:52 ID:U9amvk46

誰か
祝★外伝発売決定記念
ってことでイアエリ書いてー

媚薬でも蜂蜜でも飲酒でもお縛りでもいからさw
599名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 16:29:05 ID:BJku0I5c
>>598
同感。
公式発表前の最後の妄想のチャンスですよ。
漏れがどれだけハァハァして待ち望んでいたか作者さんに知らせたいけど、
上橋さんはネット上の二次作品は読まないらしい。
まあ普通そうだろうけどw

とにかく残すとこ100日あまり。
よゐこに正座してマターリ...じゃなくて、最後の花を咲かせてみよう
かなと思ったり思わなかったり。
このスレに同志が再び集うといいのにな。
600名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 22:59:04 ID:G9UsHkCy
>>551 見てから書いてたんだけど、規制でえらく長く引っかかってるうちに新作情報
など出たりして・・・。
スレが活性化して嬉しい限りです。
外伝も超楽しみ。

神ってわけではないんだけど、今スレ>>263とかかな…イアエリ2本、ロラン×オリ2本、
タウロカ×オリ2本書いた後は、2次書きから1次書きへ転向。オリジナルでのんびり
書いてます。

原作に豊富にあった、補完可能な「間」に惹かれて書き始めたのですが、このスレの
神っぷりで何が困ったかといえば、他の神が補完したエピに重ねて作品を書く気が
起きないこと。もうそれで完璧!な気がしてしまって、それ以上同じシチュで書け
なくなったり。

このスレはたまに覗いて読み手として書き込んだりしてます。

エロSSの書き手なんてあまり人に言えた趣味じゃない(笑)ですが、書き始めてから
良くなったことも色々ありました。
イアエリでSSを書き始めるきっかけとなった前スレ<<239、それからロラン×オリを
書くきっかけになった前スレ<<533には、いまもたまに思い出して感謝してます。
多分同一人物だと思ってるけど。
毎度いいネタ、濃い談義、濃いGJを有難う。
半端ない原作愛でSS投下して下さった神様達、談義で色々教えてくださった方々、
GJ下さった方々も有難う…と、この辺まで書きかけて、
「書き手としては、感謝の気持ちを表すなら言葉よりSS では?」と思い、ふとネタが降りて
きたので遅筆なのにゆっくり書いてました。
その後規制に引っかかってずっと解除待ちしてた。

と、いうわけで。ひとまず、たまにここを覗いてるであろう前スレ>>533に捧ぐ──
大人なイアエリ、探求編前夜。
601其の一:2010/05/25(火) 23:01:35 ID:G9UsHkCy
夜半に、枕元に気配がしてエリンは目覚めた。
目覚めたけれど、目は開けずに、枕元の気配を探る。
時折、こんなことがあるのだ。特に、今日のように、エリンがジェシと一緒に早めに
寝付いてしまった夜などには。
暫く経つと、その気配は音を立てないようにそっと動いて、ジェシの向こう側に敷いて
ある布団に入った。
──何を、想っているのだろう? 寄り添っていても、どこか孤独の陰の消えない、
あの人は。
夫婦でいても、心の奥底まで入り込めるとは、思っていないけれど。
エリンは身を起こし、ジェシを起こさないようそっと移動して、息子の向こう側の布団の
中の夫の傍らに滑り込んだ。
「…起きてたのか。」
イアルは背中に抱きついてきた妻に小声で話しかけた。
「あなたこそ。わたしは、ついさっきからよ。枕元で物音がして、起きたの。
あなたが、さ──」
寂しそうで、という言葉を、すんでのところで飲み込む。
「寒そうだから。ジェシもまだ、こうやって身体をくっつけて温めてあげると、意外と
あっさり眠るのよ。」
エリンは、ジェシにいつもするように、ぴったりと身体を添わせて肌の暖かさを移した。
八歳になる息子も、下の兄弟が居ない所為か、まだ時折母に甘えたがることもあった。
「おれは、ジェシと同じ扱いか。」
「あら、似てると思うわ。あなたの子ですもの。」
「どちらかというと、おまえに似ていると思うがな。何にでも首を突っ込んで、根掘り
葉掘り知りたがるところとかな。」
「すばしっこくて、色んな処に入り込んでは、やんちゃであちこち傷ばかりこさえて来る
ところなんかは、あなた似だと思うけど。」
「…おれは、あんなじゃなかった。」
「どうかしら。うんと子供の頃のことは、忘れてるのかもしれないわよ。」
エリンはふふ…と笑って夫の背中に頬を寄せた。衣と布団に染み付いた、木材の芳香の
混じる夫の匂いを、ゆっくりと吸い込む。

「…愛してるわ。」
エリンはその言葉を、噛み締めるように呟いた。胸の中に、言いようのない幸福感と
少しの不安感が広がる。
この言葉を言うときにはいつも、あと何回、この人に伝えられるだろう…と、考えてしまう。
どれほど言葉を尽くしても、到底足りない。むしろ、言えば言うほど、言葉に出来ない
気持ちが募って。
エリンは後ろから夫の背中をぎゅっと抱きしめた。
「あの子を、わたしに授けてくれて…ありがとう。わたしの、家族になってくれて、
ありがとう。」
「それはむしろ、おれの言うことだろう。」
「そんなこと、ないわ。あなたとでなければ、子供が欲しいなんて、きっと思わなかった。」
エリンは目を閉じて、遠い昔のことを少しだけ思い浮かべていた。
──美しく気高い獣、王獣。彼らに魅せられて、自分は禁忌の領域に足を踏み入れた。
どんなことになっても、自分ひとりの命で贖うことが出来るところで、踏みとどまる
ことを誓って。
けれど、人の世のうねりが、それを許さなかった。
自分はタハイ・アゼの野で、大勢の人が見る前で王獣の背にのって飛び、闘蛇を
引き裂かせた。
あのときは、それが必要だと、思ったのだ。『戒律』を守ることよりも、はるかに。
何度あの場面に戻っても、自分は同じ選択をするだろう。
それがどんなに、罪深いことだとしても。
そして罪を、子供に伝えてしまうとしても、それでも、この人と共に生きたいと願った。
同じタハイ・アゼの野を、それぞれに駆け抜けた、この人と、共に。
602其の二:2010/05/25(火) 23:04:22 ID:G9UsHkCy
「…そこまで言っておいて、おれの後ろに貼りついたままか。おれには、なにも
させないつもりか。」
「だって、前から抱きついたら、話なんて、出来ないんだもの。」
「おれがすぐに、襲うからか。」
「ううん、わたしがだめなの。
あなたに触られるとすぐに乱れてしまって、何も分からなくなる。」
イアルはふっと笑った。
「凄い殺し文句だな。」
「そうかしら。普通のことを、普通に言っているだけだと思うけど。」
「その自覚のなさが、おまえの怖いところだ。」
イアルはエリンの腕をほどいて、妻の方へと向き直った。そのまま胸に手を伸ばして、
やわやわと揉みしだく。
「…はぁ…っ…」
エリンは夫の手に触れられて、甘い吐息を漏らした。
「たしかに、いつもすぐ反応するな。時間がないせいかと思っていたが。」
柔らかなふくらみを2度、3度と弄んだだけで、その頂が硬く主張しだす。服の上からも
分かるようになったそこを、指の腹で擦る様に刺激してやると、次第により硬く立ち
上がってくる。
完全に立ち上がらせてから、指の先で軽くつまんで、捻りあげた。
「──んんッッ!!」
頬を紅潮させた妻は、全身を震わせ、手の甲を唇におし当てて叫び声を押し殺した。
「あんまり大きな声を出すと、ジェシが起きるぞ。」
イアルは、満足そうな笑みを浮かべながら、妻の夜着の帯を解くと、合わせ襟を
開いて妻の上衣を剥ぎ取った。片手でふくらみを弄びながら、ゆっくりと首筋に
舌を這わす。
「あなた…!」
妻が、小声で絞り出すように声を上げた。
「…あなたが…好きよ。
年月を重ねれば重ねるほど、好きになっていく、気がする…。
若い頃は、何もかもに無我夢中で、自分の心さえ感じる余裕は無かった。
でもいまは、あなたに見つめられるだけで、胸がときめくわ。
傍に居るだけで、言葉を交わすだけで、幸せな気持ちになる。
こうして触れ合っているときは…そうね、言葉に出来ないくらい、幸せよ。」
「…エリン。」
イアルは、妻に応えるように、深い口づけをした。
──おれも、そうだ。おまえはたったひとりの、かけがえのない女だ。
言葉に乗せる代わりに、触れ合う唇に、舌に、気持ちを込める。彼女の口腔内を
愛撫し、唇を吸い立て、舌を絡め取る。
「…ん…っ…」
イアルが舌を動かすたび、妻の喉の奥から甘い声が漏れた。
603其の三:2010/05/25(火) 23:08:59 ID:G9UsHkCy

長い口づけが終わると、イアルはエリンの袴の腰紐をほどいて緩め、妻の体を
抱きしめながら、その中に手を差し入れた。下着の間から指を滑らせ、熱い花弁を
掻き分けると、中に溜まっていた豊かな蜜が零れ落ちて彼の指を濡らした。
溢れてくる蜜を指に絡ませ、その源泉へと分け入ると、イアルは指の腹で内側の
感触を注意深く確かめるように、浅い部分をゆっくりとと一巡させた。
「…はぁ…っ…」
妻の身体が、びくりと跳ねる。イアルは一巡し終わると、妻の身体を跳ねさせた
部分に指を戻して、そこを丹念にこすりあげる。
「やっ…あ、あぁ…っ…。」
妻が身体を弓なりにぴんと反らした。
浅い息を吐きながら、ぎゅっとしがみついてくる。
「気持ちいいのか。」
「はぁ…っ、ああ、あなたの指で触られるのが、すき…っ…」
妻は夫にしがみつきながら、耳許にそう囁いた。彼の背中に廻された手が、僅かに爪先を
食い込ませる。
妻がこうなるときには、絶頂が近い。イアルは、指をより深くへと差し入れて、
蜜壷の奥深くをさすり上げてやる。
妻の腰が、がくがくと揺れた。
「イっていいぞ」
彼は指を2本に増やし、妻の身体の奥の少し窪んだ部分を突き上げるように動かしてやった。
熱く柔らかい肉の襞が、指に纏い付くようにうねる。
「……いく…っ…」
妻が短く声を放った。どくどくと、彼女の内部が脈動するのを、指で感じる。ゆっくりと、
妻の身体が力を失ってゆくまで、彼は指を動かし続けた。


エリンは、心地良い弛緩の中、のろのろと起き上がった。
「…ね、わたしも、してあげるわ…。」
エリンは夫の袴と下穿きを脱がすと、既に乱れてしまった自身の服と下着も脱いだ。
夫のそこは既に屹立しており、指を添わせて先端に溜まった雫を舐め取り、たっぷりと
唾液を含んだ舌で下から上まで舐めあげる。口をいっぱいに開いて、太くいきり立ったそれを、歯を当てないよう慎重に口に含むと、そこだけ別の生き物であるかのように、びくりと動いた。
「ふ…。」
夫の反応を感じてエリンは、鼻に抜ける僅かな声を漏らした。身体の奥がじん…と
熱くなって、舌の上に唾液がとめどなく溢れてくる。エリンはその唾液を夫の剛直に
絡めながら指と舌で満遍なく愛撫した。
それから再びその逞しいモノを口の中に咥え込むと、吸い立てながら抽送するように口を
上下に動かし始めた。エリンの口の中でそれは、時折脈動するように跳ねる。
「…んっ・・・んん・・・」
エリンは、鼻を鳴らしながら夢中でしゃぶりついた。夫に触られるのももちろん蕩けそうに
幸せだが、こんな風に夫を悦ばせるのもたまらなく好きだ。いつもは無口な夫の反応を
確かめると、どうしようもなく身体が熱くなる。
エリンは夫に制止されるまで、恍惚として奉仕を続けた。

「エリン。あまり…熱心に、するな。後の楽しみが、なくなる…」
イアルは妻を制止した。奉仕されるのも悪くはないが、これ以上身を任せておくと、
そのまま爆発してしまいそうだ。
妻の身体を離して両手両脚をつかせ、後ろからゆっくりと貫いてゆく。彼の刀身を、
熱く濡れた肉の鞘が押し包んで迎えた。
「…っ……」
彼は小さく呻いた。安堵にも似た快感が繋がった部分から広がる。精神(こころ)まで
溶かされてしまいそうな、ひとつに繋がった形が完璧なのだと錯覚してしまいそうな、
どこか危うい快感。
この感覚を知った後では、いつかそれを失うかも知れない、と考えるのは、ひどく怖ろしい。
本当に、人の欲というものは、際限がない。
出会った頃はそっと心の奥に想い浮かべるだけで満たされていたのに、妻として得て、
子をなし、共に月日を重ねて、沢山のものを得るほどに、失うことを怖れて。
イアルは重苦しい考えを振り切るように腰を動かし始めた。
604其の四:2010/05/25(火) 23:13:00 ID:G9UsHkCy

「…んんッ!! …っ! ……は…っ…」
妻は腰を上げたまま顔を枕にうずめ、となりに寝る息子を起こさぬように必死に声を
こらえている。
もっと、乱れさせたい。
思う存分、啼かせたい。
いや、声すら上げられないほど、妻の内側を快感で塗りつぶしてしまいたい。
他の何も考えられない位に、自分の存在で、いっぱいにして。
イアルは、自身の内に湧き上がる欲望を叩きつけるように律動を刻んだ。。
「…あぁっ…!」
妻が小さく悲鳴を上げて背中を大きく反らせた。
そのまましばらく身体を震わせて、それからゆっくりとくずおれた。

──このまま溶け合ってしまえれば、いいのに。
エリンはぼんやりとした頭で、そう思った。
どれだけ想い合っても、共に居ても、埋められない距離、癒せない傷跡が、ひどく
切なくて。
それが叶わないなら、ずっと一緒に居て、二人の生を重ね合わせるように、老いて
ゆけたらいいのに。過去も罪も傷跡も、全てを時が覆い隠すまで。
そのどちらも、得難い望みだということは、分かっているけれど。
うつ伏せのまま弛緩した自分の身体が、夫の大きな身体に包み込まれるように
抱かれている。夫の指が、なめらかにエリンの背中を這って、肩の傷跡をなぞる。
「はぁ…っ…」
それは既に古傷で、長雨の時や肩を使いすぎた日などに僅かに疼くことはあった
けれど、もう痛むことはない。
けれど、夫の指でこうして触れられるときだけは、おかしいほどに全身に痺れが駆け巡った。
そしてその傷跡が、エリンの記憶の扉を開ける。

──罪を、大罪を犯した。
王獣と心を通じた。その背に乗って飛んで、闘蛇に対する圧倒的な力を、たくさんの
人の目の前で見せてしまった。
戒律の民が言うように、それは怖ろしい災厄を呼び込んでしまうのだろうか。
「あなた…!」
いまはまだ、分からない。ただ、
「前から、来て…。抱きしめ合いたいの。」
今はただ、こうしていたい。触れ合って、抱き締め合って。
繋がっていた部分が引き抜かれて、夫の重みが離れると、エリンは自分から仰向けに
なって夫を待った。
脚を大きく開かれるのは、あまり美しい格好とは思えなくて、今でもどこか恥ずかしい。
それでもエリンは、大きく腕を伸ばして、夫を求めた。
すぐに夫が再びエリンの内に入ってきて、肌と肌とがぶつかり合う。腕に力を込めて
抱き締め合うと、ふたつの身体は、まるで元から片割れであったかのように、ぴったりと
重なり合った。
「あなた…! 愛してる、愛してる、…あいして、いるわ…!」
揺らされながら、夫の耳許で、熱に浮かされたようにその言葉だけを囁く。快感に
頭の中を掻き回されて、もう他のことは考えられなかった。
「…エリン。」
ふいに、夫の動きが、一層激しく、重くなった。
「あっ…、駄目、わたし、またすぐにいっちゃう…!」
イアルは、ふっと眉を緩め、妻の言葉に応えた。
「…おれもだ。」
その言葉を聞いて、エリンは一層腕に力を込めて、汗の浮く夫の背を掻き抱いた。
「あ、あぁあ……っ!」
エリンの瞼の裏に白い光がいくつもひらめく頃、彼女を責め立てていた陽根は
引き抜かれて、白い腹部にその精を放っていた。
605其の五:2010/05/25(火) 23:16:17 ID:G9UsHkCy

荒い息をつきながら身体を拭うと、エリンは傍らで眠る息子の寝息を確かめた。
すぅ、すぅと聞こえる規則正しい呼吸に、ほっと胸を撫で下ろす。
「よく、寝ているわ。」
「昼間、えらく走り回っていたからな。
この頃は随分生意気になって、今におれたちの手に負えなくなりそうだ。」
イアルは、最近の我が子の様子を思い浮かべて苦笑した。
「ねえ、あなた。
この子はわたし達とは違う人間だけれど、たしかに、この子の中にはわたし
の一部と、あなたの一部が息づいている。
これからどんなことがあっても、この子だけは、幸せになって欲しい。」
まっさらな命に、まっさらな未来を。
それは、親の愛なのか、親の傲慢さなのか。
どちらだとしても、この子を愛していることだけは、疑いようもなく事実だ。
「ああ、そうだな。…この子だけは。」
イアルもまた、頷いた。

「何かあったら、三人で逃げよう。」
それは、互いに、時折口にする言葉だった。何度も繰りかえし、そのときに
備えて何を用意しておくべきか、使う道や連絡の取り方も幾通りも話し合ってきた。
「そうね、何かあったら、三人で。」
このたった三人の家族さえ離れ離れにならなければ、どこででも生きてゆける。
最後まで、決して諦めずに、運命に抗って。
そのまましばらく二人は寄り添って、息子の立てる柔らかな寝息を聞いていた。


──それからほどなくして、三人の暮らす家に大公殿下からの使者がやってきて、
エリンは大公城へと向かうことになる──



             ――end――
606名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 23:27:40 ID:G9UsHkCy
今度こそうまく行ったと思ったら、其の三で改行が一個消えてる。
コピー元では改行入ってるのに〜。
投下作業自体はいつまで経っても苦手。毎回何か失敗する。

保管庫の管理人様。
出来ましたら改行なくて一行だけ長くなっている部分、保管庫に入れるときには
適当なところで折り返していただければ幸いです。
いつもありがとうございます。
607名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 01:19:17 ID:5hD+qMff
GJ!
608名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 05:28:13 ID:BeNjGxSP
おお、まさしく果報は寝て待て。
>>600
久々のネ申降臨グッジョブ!!
ところでイアルさんはエリンの枕元でに何をしようとしていたんですか?
寝込みを襲おうとして諦めた?
609名無しさん@ピンキー:2010/05/26(水) 05:37:06 ID:BR73aX9k
うきゃーネ申さま来てくださった!全力でGJ!!
エリン可愛ぇ…あんな殺し文句付きで背中に頬擦りなんてされたら理性も吹っ飛ぶよなイアルさんw羨ましいぞ俺と代われw
610名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 00:03:08 ID:wbBV2rtd
漫画版のエリンが可愛すぎて生きるのが辛い


ユーヤンと百合おいしいです
611名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 20:50:35 ID:7VOkwnrV
遅くなったけどGJ!!
ここはホントレベルの高い方多いな〜!
外伝出たらまた神ラッシュ来ないかな。
612前スレ533=239w:2010/05/30(日) 04:22:21 ID:s/gp0ha1
>>600
お久しぶりです。相変わらず神懸かったSS有り難うございます!

今回もまさに外伝タイトルのように家族一緒でいられる「刹那」を
大切にしようとしている二人の気持ちが痛い程伝わってきて切なく、且つ
エロい という読み手にはとことんオイシイ話でした。ご馳走様です!w

600さんの感謝のお言葉、もったいない限りで恐縮です。お礼を言いたい
のはこちらの方なのに…
右脳でイメージは描けても、左脳がてんで未発達で妄想が言語化
できない自分にとって、いつも素晴らしいSSを投下して下さる
600さんには感謝してもしきれません。

外伝発売後、また何か良さげなネタが降ってきたらこちらに投下
お願いします。自分も妄想ネタ見つけたらコッソリ書き込みますんでw

ダラダラ長文すみません。他の書き手の方々のSSもいつも楽しみに
してます。管理人様 もマメな更新いつも有り難うございます。
この原作愛に満ち溢れたスレに幸あれw
613名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 11:27:09 ID:GRKgX63u
>>600
おそくなったが…
規制でへこんでいたところに思いがけず神降臨!!
超GJ!
もう、お互いなしではいられない感じが流麗な文章で伝わってきてせつない
もう一回いわせて!GJ〜〜!
614名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 11:27:48 ID:GRKgX63u
連投で申し訳ない
>>555
今頃だけど自分535です
以前名指しされてたようだけど、超長い規制で入れず…
だから無視してたわけではないんだよ
大変遅くなったけど その後方向は定まったかな??

単に誰かに「推敲を希望」ってだけなら、ただもう投下みてと言いたいな
皆様々なテイストの作品を待ってるのだから
それこそ自サイトにあげる練習のつもりでやるvとか
で、時々ROMってる神々もいるようなんでw
そういう人たちからの反応を楽しんでしまえばいいじゃん
皆言ってるけどここの人たち結構やさしいし
…ってそもそもまだ見てるかな?

もっと言いたいことあったけど、規制の間にスレの流れも変わり
新情報も出たので自分としてはもうこれしか言えない
他の用件ならまた改めて… ということで
…スレ消費スマソ

ああ、なんかこう神作品ぞろいだと元気がわいてくるな
外伝発売後も期待できそうだし、まだまだこのスレは健在だねw
615223,459,555:2010/06/01(火) 00:33:29 ID:elQK8EHN
>>614 さま
気にかけていただき、ありがとうございます。
その後、こんな無謀な呼びかけに答えてくださったかたがおられまして、
そのかたのご厚意に甘えてアドバイスを受けつつ書き続けております。
いつかはちゃんと、どんな形でか、お目にかけられるようご案内します。

折しも、約100日後に祭りが控えているので、できればそれまでには...
原作者自ら、みんなの関心の的であったあの期間の「正解」を授けて
くださるということで、それってこのスレにとって燃料になるのか、
超強力消化剤になるのか、嬉しさと不安と相半ばするところではあり。
自分も、外伝のことを知ったときには、挫折しかけました。二晩くらいw
でも、これほどの想像をかき立てられるくらい待ってたんだという、
痕跡くらい残してもいいか、と開き直り。

その日に向けて、リスペクト二次作品が同時多発的にネット上に溢れる
と楽しいな、と思います。
ネ申さまがたの再臨をお待ちしています。
それでは。
616名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 13:14:47 ID:xQkN8KAD
615
やっと作品拝めるのかw
期待してるw
617名無しさん@ピンキー:2010/06/05(土) 21:45:35 ID:sRNYkXvg
ほしゅ
618名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 20:32:23 ID:3r7dQsIm
ほっす
619名無しさん@ピンキー:2010/06/14(月) 21:45:59 ID:UzkNFHQi
保守
620名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 21:44:34 ID:sjR1SHr1
ほっしゅ
621名無しさん@ピンキー:2010/06/21(月) 00:25:46 ID:jLHlRGC1
ほしゅー
622名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 05:25:30 ID:ktCvATwX
☆ゅ
623名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 21:49:54 ID:TO0iSXx+
ほ酒ー
624名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 12:26:37 ID:ymJlehpS
干湯
625名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 20:36:14 ID:pWMj6uNI
補子
626sage:2010/07/03(土) 22:17:12 ID:iRMbs5wh
文庫版の第三巻まだかな
627名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 20:47:21 ID:Kvai149U
ほしゆ
628名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 18:32:02 ID:rT2NfCJb
保守
629名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 01:04:17 ID:wgrf120C
ほす

外伝まであと2ヶ月かー
発売されたらまたここ賑わうかな
630名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 12:55:03 ID:NmmQ3PgR
守り人はこちらにありますか?
631名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 16:25:12 ID:16gE0VQu
保管庫に行けばあるよ〜
632名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 21:50:54 ID:NmmQ3PgR
>>631
有難う〜!
633名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 01:19:49 ID:arWTg5HE
保守の人マメだな、愛を感じるわ
外伝で盛り上がるといいな
634名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 20:11:05 ID:N6h6tGMz
外伝でなくとも、SS投下ならいつでも待ってる
635223,459,555,615:2010/07/18(日) 16:51:35 ID:MRkdQhEB
お久しぶりです。
もう全文投下するのは無理なくらい長く(13万字)なってしまったので、
さわりの二章分くらい(12レス)を投下して、続きは外部へ誘導という
形でもいいでしょうか? 板的には、そういうの好まれないらしいの
ですが、ここの住人さんは許容してくださるかと思って。
ちなみにその12レス分はエロ成分ゼロです。全体でも微エロ程度。

そうさせてもらうつもりで今専用サイトの準備をしているので、実際の
投下はこちらの反応を見つつ、今月末くらいまでにと思っています。
そんな半端なことすんなー! という方があれば、投下しません。

誘い受けでもなんでもなく、1スレまるまる使っちゃうくらいの量に
なってしまったので、待っていてくださった方に申し訳ないと思いながら
投下を迷っているのです。コマッタ
636名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 17:18:50 ID:lsa5mnxr
>>635
お疲れ。
自分はそういうやり方でもいいと思う。
スレの残りの容量との兼ね合いがどんなものかがちょっとわからないけど、
お試し読みってのはいい考えじゃないかな。
637名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 08:16:08 ID:JDDiXLfy
今更なんだけど、バルサ×タンダ書きたくて……でも、今ここエリン中心だよね?
638名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 13:03:38 ID:ETHz2r/2
いやいや、全然書いてもらって構わないよ。
単に守り人ネタが投下されてないだけだから。
639名無しさん@ピンキー:2010/07/20(火) 22:26:00 ID:1d2TwsPK
久しぶりにバルサ×タンダもいいねえ〜。
是非投下ヨロ
640名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 09:02:45 ID:9XMHFZ9L
守り人ネタ読みたい
実は、他の上橋作品のエロパロだってあっていいと思うんだけど、児童文学だけに
エロい妄想に持ち込みにくいだけなんだぜ
641名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 11:21:06 ID:Yj4Nh7i/
637だけど、守り人もOKで良かった!……けど、バルサもタンダも変に馴れ合ってるし、いい歳だし、性的関係以外の関係が成り立ってるから難しいって言えば難しいよね……
642名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 15:15:34 ID:NbBNlL5Q
うん、まあ、君が人間関係でそう思うならそれでもいいと思うよ。
君の人間関係乏しい?とか思われたけどね
643名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 19:40:46 ID:9XMHFZ9L
ん? >>641は バルサとタンダはエロ以外の関係でもう満ち足りてるから
エロ妄想しにくいって、普通のこと言ってるだけだよね?
そう怒るほどのことでもないじゃん
書き手が言うことではないけどさ

しかもあの二人は「やることは、やってます。」が公式見解のおいしい関係だし
644名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 06:20:12 ID:xOmwtIt7
静かだね
せっかくだから、刹那でイアルさんがエリンに言うであろう
口説き文句 or 口説かれての降参宣言の台詞でも予想しませんか?
645名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 06:50:27 ID:yutToFsK
エリン「私は、貴方にとっとの光(リラン)でありたい」
646名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 23:34:02 ID:JrCoq7ok
バルサ×タンダ読みたい
647名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 17:50:25 ID:qlsjCgli
イアル「やらないか」
648名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 20:32:30 ID:K2a8Bg5j
エリン「保守します」
649名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 21:47:35 ID:RKb0nyaS
今 テレビ東京でやってる「和風総本家」が焼き鳥の職人密着モノ
なんだけど、その中の一人の職人さんの格好が自分的にイアルさん
のイメージにぴったりだったw 袖口とか仕事の邪魔にならないように
少しすぼまってるのがポイント☆
650名無しさん@ピンキー:2010/07/29(木) 23:12:29 ID:gra1DQnv
テレビアニメのタンダ兄さんが谷原章介に見えて仕方ない……バルサ姐ぇさんはおっぱいばかり目について仕方ない……トロガイシはスタジオジブリにいつ登場するのか気になって仕方ない……
651名無しさん@ピンキー:2010/07/30(金) 16:39:39 ID:6ApBmmcI
しかし、ここはエロパロ板なのだから、誰に見えようと、おっぱいが目だとうと、
エロい妄想さえ出来ればよし
という訳で、頑張れ
652名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 09:19:31 ID:NdrDKVNW
保守
653名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 20:15:02 ID:Fm47XciR
蒼路の旅人読んだ。今回も面白かったなあ
板的にはセナ×チャグムとか、風呂場で誘われた
チャグムがそのままやってしまうとかを妄想した
てかチャグムは新ヨゴで夜伽が17歳からとかなんで知ってるんだとか
その日を何気に指折り待ってたのかとか思ってしまったw
チャグムは童貞にコンプレックスを持ったりはしてないだろうけど、
男同士でよくある童貞を見下す視線の存在は知っており、
それに気付いて憤る、なんて筋を女性作家に書かれるとそれだけで
興奮するよね
654名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 21:33:18 ID:Wq3r6IgM
もう少しで雫の元ちとせバージョンのフルが聴けるよ、たのしみ
655名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 22:36:37 ID:g6TrEZMP
>>653
あのシーン、チャグムはアウル王子に

おまえどうせ「まだ」なんだろ?俺が女を用意してやるから、こっちにいる間に楽しんでおけよw

とでも直接言われたわけでもないのにまずそう解釈してしまうのが面白い。
知っていたのだとすればきたないさすがラウルきたないとか思っちゃってるけど
知らんてwよその国の皇太子に何歳から夜伽がつくかなんて性的な話題だけに調べるのも難しいと思われ。
嫌がらせのための接待だとしても、チャグムの潔癖な性格をさえ
知っていれば思い付く話であるし、常識的に童貞と判断して問題ない。
そもそもチャグムが怒ろうと楽しもうとラウルにとっては別にどっちでもいい。
あの描写のおかげで、チャグムこそが17歳を意識してるような印象ができてしまった。
この国では普通なんかもとか後で思ったりするところがまたかわいいw
656223,459,555,615:2010/08/07(土) 01:55:02 ID:HN5C5YR3
ご無沙汰しております。
長いこと誘い受け状態ですみませんでした。
おかげさまでなんとか形になりそうですが、超長編になってしまったため
全部を投下するのは難しく...でもお目にかけると約束しましたので、一章分
だけですが投下します。続きは投下終わってからご案内。
最初で最後のSS(外伝読んで気が変わらぬ限りは)、しかも初めての投下で
なんか不手際あったらごめんなさいです。

・11レス分
・原作イアエリ、ラザル出向時代
・全体でも微エロですが、この章は完全に無エロです。
・投下し終わると、スレ上限に近くなってdat落ちしやすくなると思うので、
 落ちないようフォローお願いします。
・文体くど目。先にお詫びしておきます。
・ええと、投下中もsageのままでいいんですよね?????

最後に...
SOSに応えてくださったK教官、ほんとうにありがとうございます。
6571/11:2010/08/07(土) 02:04:55 ID:HN5C5YR3
 昼を告げる鐘が、王都の下街に響きわたる。
 大通りの喧噪と人いきれが、路地の突きあたりにあるこの小さな家の軒先までも、湿っ
たやや強い風に乗って、はっきりと聞こえてきた。
 どうやらここ数日で、王都をとり囲む山脈から吹きおろす、真王領地特有の季節風の風
向きが、がらりと変わったようだ。
 それに、板の間の窓際の床に描かれる、四角い形の日向が、日を追うごとにまぶしく、
そして、平たくなりつづけている。
(そろそろ、夏物の衣を買い足さねばな……)
 今日の陽気にはやや不釣り合いな厚手の衣の袖をまくりあげると、露になった両腕に残
るいくつもの傷痕を、イアルはつかのま、ぼんやりとながめた。

 ほんの一年ほど前まで、真王が行うさまざまな宮中行事の警備に携わっていたイアルに
とって、暦に記されている四季折々の節気は、完璧に頭に叩きこんでおくべきもの、また、
季節の移ろいは、さしたる感慨もなしに訪れては、皮膚の上っ面をかすめて去っていく、
単なる気温と気象の変化の産物に過ぎぬものだった。
 一方、暦をめくることなど、まれに細工物の納期をあらためるときくらいがせいぜいの
こととなってしまったいまでは、自分が節気のことを憶えていようがいまいが、暦も季節
も、そしてこの世界すらも──ひとりでに巡っていってしまうもの。イアルは、そう思う
ようになっていた。
 きちんと整頓されている木工道具たちの隙間に無造作に挟んである暦は、近ごろでは、
ろくにイアルの視線を受けることもなく、放置されている。
 降臨ノ野で時がとまったままのイアルを心をよそに、リョザ神王国は間もなく、夏至を
迎えんとしていた。
 額にじんわりと浮いてきている汗を、鑿を握りしめた左手の甲でついとぬぐうと、イア
ルは手もとに集中すべく、首を二、三度ふった。



 降臨の野の出来事のあと、ほどなくして、イアルは、堅き楯を退いた。
 真王セィミヤ陛下から楯の誓いを解く許しを得ると、非番の手慰みとしての指物作りに
充てていたこの家にもどり、乳兄弟のヤントクから細工物を請け負いながら、ひっそりと
暮らしはじめた。
 それから九月ちかくの時が過ぎたいま、イアルは、薄暗い板の間の一角で、小箪笥の細
工に没頭していた。
 近ごろでは、イアルの腕を見こんだ上得意の客から、納期の縛りもなく任される特注品
を手がけることが多くなってきているのだが、そのような鷹揚な注文を請け負ったときで
も、イアルはいたずらに凝りすぎぬよう己を戒めつつ、それでいて、納得のゆくまで真摯
にとり組む性質だった。
 その性質はおそらく、亡くなった父譲りのものなのだろう。
(もうそろそろ──あと、半日くらいで仕上がりそうだな……)
 ついいましがた、もっとも気を遣う組みあげの工程を過ぎたので、あとは仕上げのやす
り磨きを残すだけだ。イアルは、昼餉の算段をしながら、細工のきりのつく頃合いを見は
からっていた。

 突然、玄関の戸が、かぼそく鳴った。だが、聞こえたのは物音だけで、声で呼びかけて
くる様子はない。
 近所の子どものいたずらかといぶかるイアルの耳に、ややあって、同じ拍子がすこしだ
け大きな音で届くと、イアルは来客の存在を確信して、急いで立ちあがった。
(ヤントクでも、カイルでもないようだが、いったい……?)
 この昼日中に闇討ちでもなかろうが──そう思いながらもイアルは、用心深く外の気配
をうかがってから、戸を細くあけた。
 戸外のまばゆい光に眩み一瞬だけ細めた目を、イアルは次の瞬間、大きくみはった。
「──あなたは──」
 そこに立っていたのは、見憶えのある、緑の瞳の娘だった。
 そのとき、娘のその瞳の奥にひらめいた、驚きと戸惑いの色は、むしろ、イアル自身の
心の反映だったのだろうか…………。
6582/11:2010/08/07(土) 02:08:10 ID:HN5C5YR3
「お久しぶりです。イアルさん」
 娘は、軽く会釈をすると、おずおずと口を開いた。
「あの……突然訪ねたりして、ごめんなさい。わたしはいま、ラザルの王獣保護場に出向
を命じられて、宿舎に滞在しているんです。
 それで──、先日王宮で、イアルさんが堅き楯を……あの、辞されたと伺って……」
 次第に先細りになっていくエリンの言葉をさえぎって、イアルは問うた。
「この家を、誰に?」
 そう口にしてはみたものの、エリンにそれを教えられる人間といえば、どう考えても、
一人しかいないだろう。
「──立ち話はまずい………早く、お入りなさい」
 エリンの唇が予想通りの形に動くより早く、イアルは、エリンの腕をつかむと家の中に
引き入れ、板の間にあがるようにと促した。
 周囲の気配をもう一度確かめてから静かに戸を閉めたとき、かすかな逡巡がイアルの脳
裏をよぎった。親しいというには憚られる、妙齢の女を招き入れた家の戸を閉めきるのを
ためらう気持ちも、なくはないが──このさい、しかたがない。
 物音をたてぬよう、イアルはそっと閂をかけてから、エリンをふり返った。

「あの……」
 板の間にぼうっと立ちつくしたまま、エリンは口ごもった。
(わたしは、ここで、いったいなにをしようとしているんだろう──)
 突然訪ねたところで、イアルは不在かもしれない。いたとしても、別の〈誰か〉が戸を
あけるかもしれないとすら、考えたりもした。
 カイルにはそのことを確かめもせずに、勢いでここまで来てしまったけれど、あれから
もう、九月もの時が過ぎているのだから、イアルの暮らしにそういった変化があったとし
ても、何の不思議もないはずだった。
 では、イアルのそばに、ほんとうに〈誰か〉がいたら……? 「たまたま近くまで来た
ので寄ってみただけの、知人です」──とでも言って、逃げ帰るべきなのだろうか。
 ふと、胸の底に、どこか引っかかるものを感じ、エリンは首を傾げた。
(逃げ帰る? なぜ……?)
 遠慮せずに、会えばいいではないか──そう、自分は知人として、会いに来たのだから。
 王宮の森の縁でカイルと別れた夜明けまえからいままで、何度もためらって、寄り道と
回り道を重ねて時間をつぶして……。頭の中にあふれるほどたくさんの想定問答やら、言
い訳やらをつめこんできたはず、だったのに──。
 あまりにもあっさりと戸が開いて、懐かしいイアルの顔を見た瞬間、用意してきたすべ
ての言葉は、どこかに吹きとんでしまっていた。



 半月ほどさかのぼったその日、エリンは、王宮の一室にいた。
 真王セィミヤ陛下からの文書を携えてカザルムにやってきた使者に、エリンは突然、王
都のラザル王獣保護場への出向を命じられた。
 あわただしく早朝の馬車にのせられ、夕刻ちかくに王宮に送り届けられると、王宮付き
の監察官から、このたびの事情を聞かされた。
 それがすむと、折よく午餐の席がもうけられた宮中で、エリンは、ささやかな歓待を受
けることになった。
 形式的な乾杯のあと、エリンのもとに、十数人の堅き楯が、次々と歩み寄ってきた。
 その多くは、闘蛇襲撃事件の折に負傷し、エリンの手当てを受けた者たちだった。代わ
るがわる礼を述べては立ち去っていく彼らと言葉を交わしながら、エリンは、その日ずっ
と抱いていた疑問を口にしたものかどうか、迷いつづけていた。
 宴も半ばを過ぎたころ、あらたにやってきた数人の楯を前に、エリンは思い切って、そ
の問いを切りだした。
「あの……イアルさんは、いま、ご不在なのでしょうか?」
 その刹那、和やかな宴の場に、奇妙な空気が流れた。
6593/11:2010/08/07(土) 02:11:15 ID:HN5C5YR3
 真王セィミヤと大公の長子シュナンの婚姻を機に、うわべの平穏をとりもどした王宮で、
イアルは堅き楯に復帰しているはず。エリンはそれを、つゆほども疑っていなかった。
 だが、挨拶にやってきた中にも、宮中の要所の守護を担っている中にも、どこにもイア
ルの姿が見あたらないのだ。
 とはいえ、王宮は広いし、単に非番という可能性だって、なくはないのだ。初対面の楯
も混じる中で変に気どられぬよう、エリンは、注意深く答えを待った。
 ところがその楯たちは、一瞬の沈黙ののち、互いに顔を見合わせると、いかにも申しわ
けなさそうに、こう答えたのだった。
「エリンさん、じつは、イアル殿はもう………ここには、おられぬのです」
「え…………?」
 エリンは、予想だにせぬ答えに、しばし呆然と立ちつくした。

 聞けば、イアルが楯を辞したのは、降臨の野の出来事のあと、いくらもたたぬころだっ
たそうだ。さらに驚いたことに、いまの宮中に、その男の消息を知る者は、誰一人として
いないのだという。楯たちの口はことのほか重く、なおも問いを重ねることを、エリンは
早々にあきらめざるを得なかった。
(もう、イアルさんには、二度と会うことができないの………?)
 宮廷楽師の楽の音がにわかに間遠になってゆき、足もとがぐらぐらとゆらぎはじめた。
 喉の渇きも、指先の冷えも、人の目に見えはしまいに、かたわらの侍女が投げかける気
遣わしげな視線は、自身すら気づかぬエリンのうろたえぶりを如実にもの語っている。
(自分はいま、いったいどんな表情をしているというのだろう……)
 久方ぶりの馬車旅の疲れを口実に、沈みこむように椅子に体を預けると、つかのまエリ
ンは、ぎゅっと目をつぶった。
 やがて、会話も料理もなにもかもをうわの空で過ごした宴が終わり、その間を退出しよ
うとエリンが立ちあがったとき、突然、一人の年若い楯が駆け寄ってきて、忍び声でささ
やいた。
「エリンさん、イアル殿の所在はおそらく、カイル隊長ならば存じておるはずです。隊長
はあいにく、本日は宮中におりませんでしたが、今夜中には帰宮いたします。なので、そ
の……」
 若い楯は、いったん言葉を切ってから、一段と声をひそめてエリンに訊いた。
「その…よろしければ、……訊いてみましょうか?」
 不粋な詮索を意図するそぶりも見えぬ、その若い楯の神妙な面持ちと声色からは、自分
を心から気遣ってくれている様子が、ありありと伝わってくる。
 けれども、素直にうなずいて彼の厚意に甘えようとしかけたエリンの心に、ふいにため
らいが生まれ、口をついて出たのは、自分でも思いがけぬ言葉だった。
「いえ、それほどのことでは……。あの──ご親切に、ありがとうございます」
 楯に深くお辞儀をして、逃げるように王宮をあとにしながら、エリンは自分自身に問い
かけていた。
 心とは裏腹な言葉を口にした悔いとともにこの胸にわだかまっている、まだ形の定まら
ぬ、激しい感情の正体を……。



(わたしはなぜ、イアルさんに会いたかったのだろう……)
 夜の帳が下りかかる王宮から、ラザルの医術師宿舎へと送られる馬車の中で、エリンは、
胸にしまっていたその男の記憶をとりだしていた。

 降臨の野で、リランに銜えられたエリンが真王の陣営にもどったとき、イアルはすでに、
その場から忽然と消えてしまっていた。降臨の野のただ中に一人とり残され、輪をせばめ
てくる闘蛇の匂いにエリンが死を覚悟した、まさに同じころ、イアルは独断でダミヤを手
にかけたうえ、みずからの意思で身柄を拘束されたのだと、天幕の中で矢傷の手当てを受
けながら聞いていた。
 それゆえ、エリンにとっては、ダミヤをとり押さえていたイアルこそ、瞼に残るその男
の最後の姿だったのだ。
 カザルムにもどってから今日にいたるまで、エリンは折に触れて、イアルのことを思い
返してきた。おのおのの決意と行動が絡み合い、いまのこの国の在り方に与してしまった
──そんな奇妙なよすがを感じた、武人の息災を願いながら。
6604/11:2010/08/07(土) 02:14:20 ID:HN5C5YR3
 ただひたすらに運命の柵の中でもがいてきたエリンの道程の上に、ぽつりぽつりと刻ま
れている、その男との邂逅──それらはなぜか、その時々におかれた状況とは裏腹に、い
まも不思議と心の安らぐ記憶として、胸に残っている。
 気の進まぬラザルへの出向だけれど、イアルの姿を一目見て、言葉を交わせるのなら…
…と、鈍る歩みを急きたてて、ここまでやってきたのだというのに。
(いったい、なぜ……?)
 イアルが──あの忠義に篤い男が、国の大事のあとのあれほど重要な時期に、楯を退い
ていたなんて、今でもどこか、信じられぬ気がした。
 冬の木立のように静謐な武人──初めて出会ったときに抱いたその印象は、エリンの心
の中ですこしもゆらいだことなどなかった。すくなくとも、今日までは。
 けれども、王宮を去り、消息すら知れぬいまのイアルは、まるで霞のように不確かな存
在に変わってしまったのだ。
(わたしが会いたかったあなたは、ほんとうは、どんな人だったの──?)
 エリンは、記憶の中のその男に問いかけた。
(……でも)
 それにもまして腑に落ちないのは、自分自身の心だった。
 ただ一人の王都の知人であるその男の姿を一目見て、声を聞きたい──ならば。
(なぜわたしは、あの若い楯の親切な申し出に、遠慮してしまったのだろう?)
 胸の中にぽつんと浮かんだふたつの問いに戸惑いつつ、エリンのラザル滞在の日々は、
始まったのだった。



 それから調査を始めて半月あまり、エリンは、ラザルの王獣使いたちの好奇の視線と、
非協力的な態度とにさらされて、無為な時を過ごしていた。
 リラン一頭にとどまらぬ、エリンの王獣飼育の成果に対する彼らの羨望と嫉妬は、すで
に極みに達しているのだろう。彼らの悪意はなにかにつけ、エリンへの陰湿な調査妨害と
して表出したのだ。
 オウリら古参の王獣使いたちとの軋轢たるや、着任後わずか数日にして、夜の宿舎で胃
液があがるほどの重圧となって、エリンを苛んでいた。
 来る日も来る日も、幾度となく王獣舎に足を運び、王獣たちに急変の兆しがないことを
確認しては、胸をなでおろす──ほかに為すべきこともない、虚しい毎日が続いている。
(なぜ、あれほどのおおごとが起こった原因の片鱗すら、見つからないのだろう)
 もしやこの出来事は、自分をリランたちから引き離して、ラザルに留めおくことだけを
目的とした、オウリらの画策なのでは……? 思いつめるあまりに頭に浮かんだ、突拍子
もない考えを追い払うべく、エリンはかぶりをふった。
 徒労感に苛まれながら個室にもどり、手持ちの書類を無造作に机においたとき、ふいに
目に入った暦に、すこしだけ心が軽くなるのを、エリンは感じた。
 明日はちょうど休日。気晴らしに、すこし王都の街中でも歩いてみようか。
(けれど……)
 そろそろエサル師に、手紙の返事を書かねば、いらぬ心配をさせてしまう……。だとし
ても、いつ帰れるか、どころか、原因究明の端緒にもつけぬこの状況で、いったいなにを
書けばいいのだろう……?
 夜着に着替えることすら億劫なほど疲れ果て、寝台に身体を横たえたとたん、エリンは、
まるで泥のような眠りに落ちていった。
6615/11:2010/08/07(土) 02:16:51 ID:HN5C5YR3
 肌寒さを感じて目をさますと、まだ深夜をまわったばかりだった。
 半端な眠りを得たせいだろうか、頭が妙に冴えてしまっていて、横たわったまま無理矢
理目をつぶっても、もう一度寝つくことは、しばらくできそうもなかった。
 身を起こしてぼんやりしていると突然、真っ暗な室内に、窓の外から光が射しこんでき
た。
 その光に導かれるように、エリンは、寝台をおりて、窓際に歩み寄った。南向きの窓か
ら見上げた空に浮かぶ満月が、ちょうど、分厚い雲の塊をやり過ごしたところだったらし
い。
 昨晩はよほど疲れていたのだろう。着替えはおろか、この窓の窓布を閉めることすら、
忘れてしまっていたのだ。そうでなければ、王都と王宮の深夜のこんな景色を目にするこ
となど、なかったかもしれない。
 小高い丘に建つ宿舎の三階の個室から見下ろす昼間の王宮は、色とりどりの植栽をあし
らわれた、精巧で美しい箱庭のようだ。けれども、夜の王宮が見せる表情は、それとはま
ったく違う。満月の今夜は、空気がひときわ冴え冴えとして、星がかすむほど明るい天と、
その真下の王宮をとり囲む、黒々とした額縁のような深い森の対比が、際だっていた。
 要所要所に焚かれてちろちろと輝いている、地上の星のごとき篝火をぼんやりとながめ
ていると、ふいに、それよりはるかに小さな光の点が現れた。
 蛍の瞬きのようなかぼそい光が、闇に沈んだ王宮の中庭のあたりを、縦に横にとうごめ
いている。おそらく、夜まわりの任を負っている堅き楯たちの、提げ灯の灯りなのだろう。
 いまこのときも、あそこには、真王の安らかな眠りを守るため、夜の闇に目を凝らして
いる楯が、おおぜいいるにちがいない。
 あの宴で出会った親切な若い楯も、その中にいるのだろうか──。

 冷んやりとした窓枠に額をつけて、エリンは目をつぶった。
(あの人は、どんな思いで……)
 イアルはどんな思いで、あそこで幾千もの夜を過ごしていたのだろう。
 そして、楯を辞したいま、いったいどこで、この夜を過ごしているのだろう。
 もう二度と会えないというのなら、せめて今夜のイアルに、安らかな眠りが訪れていて
ほしい。いまでも、殺めた者たちの亡霊に苛まれると言っていた──。
(そんな惨い夢を、どうぞ見ないでいて……)
 つかのまその男のために祈り、エリンは目をあけた。すると、眼下に聳える王獣舎の中
でも、ひときわ大きい王獣舎の偉容が、記憶のひだをさすった。もっとも奥まった場所に
ある、もっとも大きなその王獣舎は、ただひとつだけ、篝火も焚かれぬまま、ひっそりと
夜の闇に同化している。
 そこで過ごした日々の断片が次々と浮かび、エリンは吸い寄せられるように、宿舎をと
びだして、その場所に向かった。

 軋む扉をあけて、エリンは、その王獣舎の中をのぞきこんだ。さして古びてはいない舎
なのに、施錠もされずに打ち捨てられて、さながら廃墟のようだ。
 小さな提げ灯では、広い舎の隅々までは照らせなかったが、天窓から射しこむ満月の光
のおかげで、やけに明るく感じられる。
 一歩足を踏み入れただけで、長く放置されたままの、古い寝藁の埃っぽい臭いが鼻につ
く。完全にひからびてしまった寝藁は、エリンが軽く踏んだとたん粉々になって、ふうわ
りと宙に舞いあがった。月明かりを浴びたその微塵が、青白い煙のように、ゆらゆらとあ
たりに漂うのが見える。
 ここにはもう、王獣はいない。ここは、降臨の野の出来事のまえに、リランとエクとア
ル、三頭の王獣をまとめて収容するために急造された、特別に大きな王獣舎なのだ。
 しかし、リランたちがカザルムにもどって以来、この舎に新しい主が住まうことはなか
った。
 ラザルの王獣使いたちが、王獣規範に則って王獣を飼育しているかぎり、けっして王獣
は繁殖しないのだから、この王獣舎が必要とされる日は、もう、二度と来ないだろう。
 今後捕獲される野生の王獣は、若く健康な個体ほど、カザルムへ優先して送るようにと
の決定が、先ごろ王宮においてなされたと聞く。その明白すぎる王宮の意図も、オウリら
のエリンへの敵意を、いっそう増幅させているのだった。

 かつて、リランたちをながめていた同じ位置に立って、エリンは、そっと目をつぶった。
 すると、傷ついた男がその身を横たえた姿も、瞼の裏によみがえってきた。
 あの風の夜に交わした会話を思いだすにつけ、エリンの胸に再び、問いが湧きあがって
くる。
6626/11:2010/08/07(土) 02:20:30 ID:HN5C5YR3
(もう一度会いたい。会って、どうしても訊いてみたい……)
 ダミヤの陰謀は潰え、真王と大公の融和によって拓かれる新しい時代──おそらくは、
イアルにとっても望ましい国の姿──に、変わらんとしていたその矢先に、イアルはなぜ、
王宮を去ったのか。その胸にいま、どんな思いを抱いて暮らしているのか。
 いまならまだ、間に合うだろうか。あの暗い森を駆けぬければ……。
 エリンは王獣舎を出ると、森伝いに通じている王宮に向かった。
 イアルがあの夜通ったはずの道を逆に辿りながら、その男のいまを思った。
 満月が西の地平に沈まんとする夜明けまえ、エリンは、ようやく夜勤明けのカイルをつ
かまえて、イアルの家を聞きだした。
 やがて、長かった夜がしらじらと明けて──。
 夏至にあと数日と迫った、輝くような青天の下、エリンは、その家の玄関に立ったのだ。



「──狭くて、驚いただろうな。……どうぞ、適当に座ってくれ」
 イアルは、部屋の奥から運んできた座布団をエリンに手渡すと、土間に下り、隅の竃で
湯を沸かしはじめた。
「あ……はい、あの、どうぞおかまいなく──」
 エリンは思わずかしこまって答えたが、その目はまだ、まん丸く見開かれたままだった。
 初めて見る楯の装束ではないイアルの姿に、エリンは驚きを禁じ得なかった。相変わら
ず寡黙な男の身にまとっている殺気が、その出で立ちのせいか、幾分薄くなったように感
じられはしたけれど。
「悪いが、やりかけの仕事があるので、それだけ先にすませてもいいか?」
「は……はい」
 反射的にそう答えてから、エリンはあわてて、板の間にあがってきたイアルが歩いてい
く先に、顔を向けた。
 そこにある、大小さまざまな木材と、木工の道具とおぼしきものたちが目に入ると、エ
リンはようやく得心し、表情をゆるめた。
 イアルは、それらの前で静かに立ちどまると、こちらをふり返り、口を開いた。
「おれはいま、こういうものを作って食い扶持にしている。──死んだ父と同じ……」
「指物師……」
 エリンのつぶやく声に、イアルは、かすかな笑みを浮かべた。
「──ご名答……憶えていてくれたのだな」
 エリンは目顔でうなずきながら、イアルのそばに歩み寄った。
 やはり、という思いが、エリンの胸に落ちた。匿ったときに聞いた、亡くなった指物師
の父のこと、それに、その父の跡を継いでいたはずの自身への、未練とも諦観ともつかぬ
苦笑の色をにじませていた、あのときのイアルの表情が、ずっと心に残っていたからだ。
 床の上には、エリンが訪れるまで座っていたとおぼしきあたりに、削りたての木屑が輪
を描いている。
 その輪の中心に、イアルは無造作に座るや、床におかれていた抽出をひとつとりあげて、
エリンに差しだした。
 エリンが手を伸ばして受けとると、イアルも抽出のひとつをとりあげて、おもむろに紙
やすりをかけはじめた。
「指物とは、釘を使わずに拵える細工物のことをいう。臍と呼ばれる凹凸の溝だけで板ど
うしを組みあげる、やり直しのきかぬ、精巧な技だ──」
 なるほど、受けとった抽出には、どの面を見ても、釘はおろか、継ぎ目ひとつすらも見
当たらなかった。組みあげられている側面と底には、確かに五枚の板が使われているはず
なのに、いったいどうやって作られているのか、まるで想像ができない。その細工の見事
さに、エリンは思わず感嘆の声を漏らしていた。
 イアルがたてる規則的で小気味よい摩擦音を聞きながら、部屋の薄暗さにようやく慣れ
た目で、エリンは室内をそっと見まわした。
 狭いとイアルは言ったが、大公領と王都で民家の造りが異なるにしろ、かつて母と暮ら
したアケ村の家と、この家の広さはさほど変わらぬように見える。
 けれども、室内の印象たるや、まるで異質だった。
 指物の材料と道具がひしめき合う一角からひとたび目を移せば、箪笥がひとつだけのが
らんとした空間は、男所帯ならではというよりも、むしろ生活感がまったく感じられぬも
のだった。
 やがて、しゅんしゅんという音が竃のほうから聞こえてくると、エリンは立ちあがろう
とするイアルを制して土間に下り、茶の支度を始めた。
6637/11:2010/08/07(土) 02:25:02 ID:HN5C5YR3
 鉄瓶をとりあげて湯を急須に注ぐや、エリンは湯飲みと盆を探しながら、あたりに視線
をめぐらした。湯飲みだけはちぐはぐなものがふたつ、かろうじて見つかったのだが、竃
のそばには水屋もなく、洗ったまま無造作に積みかさねられた木碗も皿も、一人で使う必
要最低限のものしかなかった。
 訪ねるまでのあいだ、頭の隅になんとなく懸かっていた〈誰か〉の気配がないのは間違
いなさそうだけれど、いくらそれにしても……。ほんとうにこの男は、王宮を去ってから
いままで、この薄暗く、なにもない家で、たった一人で暮らしてきたのだろうか。
 背後のことりという物音で、エリンははっと我に返った。あやうく茶が出すぎる寸前で
盆を見つけると、エリンはそのまま詮索を打ち切り、イアルのところに茶を運び、そのか
たわらに腰をおろした。

「イアルさんが、堅き楯を辞められたのは、なぜ………?」
 茶を冷まし冷まし半分ほどすすり、ようやく人心地がついたところで、エリンは、イア
ルへの問いを切りだした。
 すると、イアルのやすりをかける手が、静かにとまった。
「新しい時代には、どんな組織にも、世代交代が必要というものだ──」
 言葉を選ぶようにいっとき宙を見つめ、イアルは続けた。
「真王陛下が大公閣下と結ばれたことで、〈血と穢れ〉の存在意義は、建前上は希薄にな
った。ならば、真王陛下を〈血と穢れ〉から守る堅き楯のほうもまた、縮小していくのが
道理だ。
 ──あなたもそれは、彼らを見て、感じただろう?」
 うなずくエリンに目顔でうなずきを返すと、イアルは紙やすりを手放して、抽出を目の
高さに近づけた。表面に浮いている削りかすを息で吹きはらい、木肌の滑らかさを指の腹
で丁寧に確かめている。
「過去の遺恨に関わった当事者は、退いたほうがよい、とお考えになったのですか」
 ためらいがちなエリンの問いに、イアルは手もとを見つめたまま、静かに答えた。
「たとえ組織がおとろえても、殺し合った者同士がわだかまりを乗り越えるのは、そう容
易いことではあるまい。使命とはいえ、おれはあまりにも多くの人の命を奪いすぎた……」
 ふいに、イアルは言葉を飲みこみ、視線を宙に泳がせた。この家で一度だけ、自分への
遺恨を晴らさんと画策したダミヤ一派の残党の闇討ちに遭ったことを、エリンに伏せて、
イアルは言葉をついだ。
「──ちょうどよい、潮時だったのだ……」

 イアルの話を聞いているうちにふと、かたわらの銘木の材が、エリンの目にとまった。
 薄暗い部屋の中でもそれとわかるほどの、美しい飴色の木目に引き寄せられ、丁寧に磨
かれて浮きでた縞模様を、そっと指の腹でなぞってみる。
 と、突然、左の掌に、ちくりと痛みが走った。表面は滑らかなように見えても、なにか
に使った端材だったのだろう、小口に残っていたささくれに、エリンは気づかぬまま、つ
かんでしまったのだ。
(痛っ──)
 イアルに悟られぬよう声を飲みこんで、エリンはその材を、努めて静かに、元の場所に
もどした。
「あなたこそ、どうしてラザルにいるのだ? あそこで、なにか起こっているのか?」
 エリンは、はっと顔をあげた。
「それが……」
 エリンは、ラザルの王獣たちが、突然いっせいに痙攣を起こしたこと、そして、その原
因の究明と治療をするために自分が招かれたことを、イアルに語った。けれども、捗々し
くないその調査のことを話すのは気づまりで、カザルムの学舎や、そこに残してきたリラ
ンたちの話題に、いつしかすり替えてしまった。
 学舎を巣立っていった旧友のその後や、新入りの学童たちと過ごす教導師としての日常
……そんなことをとりとめもなく語るエリンに、イアルは、表情ひとつ変えずに、黙って
耳を傾けてくれる。
 不思議な気持ちだった。ユーヤンのように、間の手を入れてこちらの話を引き出そうと
してくれるわけでもないのに、なぜか、自分はこの人には、こんなふうに饒舌になる。
(そう、あのときだって……)
 この人に話したのは、一生誰にも言うつもりのないことだった。リランに乗って起こし
たことのあまりの重大さにおののきながら、心ノ臓から血がにじむようなつらい過去を打
ち明けた、あの日の記憶がなぜ、思い起こすたび、自分の胸をやさしくさすっていたのだ
ろう。
6648/11:2010/08/07(土) 02:28:49 ID:HN5C5YR3
「エリン。──左手を、どうかしたのか?」
 物思いに気を緩め、ふと、左手に注意を向けた瞬間、イアルが話をさえぎった。
「えっ……?」
 エリンは、はじかれるように、左手をイアルの死角に隠した。
 棘は、親指と人差し指の谷間のあたりにあるようで、ごく些細なものにもかかわらず、
気にするまいという意志に反して、疼きはいよいよ強くなってくる。
 けれど──なぜだかわからない。イアルにいま、この左手を見られたくない気がした。
 リランに喰いちぎられ、三本もの指を失ったこの手のことを、イアルは知っているはず
なのに。
 負傷してまだ日が浅かったあのときは、分厚い包帯を巻いていたから、イアルに傷痕を
見られてはいなかった。けれど、カザルムで教導師に復帰してからは、王獣の恐ろしさを
学童に知らしめるため、エリンはあえてこの左手をさらしてきたし、いまのいままで、相
手が誰であれ、隠したいと思ったことなどなかったのだ。
(なのに、なぜ──?)
 逡巡するエリンの仕草が逆に、イアルに〈なにか〉の存在を確信させてしまったのだろ
う。ついと立ちあがったイアルが、エリンに近寄り、手を伸ばしてきた。
「見せてみろ、エリン。ほら、そこに──窓のそばに寄って」
 突然右腕をつかまれて、エリンはたじろいだ。
「いえ、あの……ほんの小さな棘ですから……」
 イアルは小さく首をふり、きっぱりと言った。
「だめだ。小さな棘ほど、早いうちに抜いておかねば、皮膚にもぐって抜けなくなる」
 イアルに窓際へと導かれ、日のあたる場所で向かい合って座ると、目顔で促され、エリ
ンはしぶしぶ、左手を差しだした。
「じっとして、動かないでくれ──」
 イアルは注意深く、棘のある位置を探りはじめる。
 自分の手を包む掌の大きさと力強さに、エリンはしばし息を飲んだ。その手は、見た目
とは裏腹にひどく器用に動いて、エリンの掌から、目をすがめてようやく見てとれるほど
の小さな棘を、わけなく抜いてしまった。
「どうだ?」
 疼きが消えたとたん、身体からもふっと力が抜けた。ほんの一瞬のことだったのに、イ
アルに手をつかまれ、注視されている時間が、エリンには、ことのほか長く感じられた。
「あ、もう大丈夫で……えっ?」
 礼を口にするよりも早く、傷痕からにじむ針の先ほどの血に、イアルが顔を寄せてくる。
さっきよりもずっと近い二人の距離に、エリンは思わず、あわてふためいた。
「あっあの──イアルさん? は、離してくだ……」
「……? どうして」
 イアルはまったく意に介さぬ様子で、その唇はもう、傷痕に触れる一歩手前だった。
「じっ……自分でしますから……っ!」
 エリンはすこし大きな声で拒み、思い切って手を引っこめた。
 呆気にとられているイアルにくるりと背を向けると、はしたないと思いつつも、傷痕に
口を寄せて、急いで血を舐めとる。
 まるで、顔から火が出るようだった。頬のあたりから耳たぶまでも、まっ赤になってし
まってはいないだろうか。
「これは、失礼──」
 居心地の悪そうな表情を一瞬見せたイアルが立ちあがり、土間に下りていく。
 竃で湯を沸かしはじめたイアルの背中を、エリンは、じっと見つめていた。
 鉄瓶が再びしゅんしゅんと歌いだすころまで、エリンの顔の赤みはひかなかった。

「……不躾なことをした」
 湯が湧くまでのあいだに、エリンがうろたえた意味を理解したイアルは、二度目の茶を
エリンに手渡しながら、もう一度詫びた。
「あの……いえ、いいんです。かえって気を遣わせてしまって、ごめんなさい」
 エリンは、入れたての熱い茶に息を吹きかけながら、ひたすら恐縮している。
「いや、おれが無神経だったのだ。すまない……」
 イアルは茶をひと口すすると、小さく息を吐いた。
 居心地の悪さが薄れるにつれて、今度は、別の一瞬がイアルの心の杭に引っかかり、浮
かびあがってきた。
 初めにエリンが手を隠そうとした理由──それは、リランに喰いちぎられた醜い傷痕が、
そこにあったからだ。それは、かつては傷なぞ日常茶飯であった自分ですら、あまりの禍
々しさに背筋が冷えるほどの、惨劇の名残だった。
6659/11:2010/08/07(土) 02:32:11 ID:HN5C5YR3
 一生つき合っていくしかないものとはいえ、他人にあれほど顔を近づけて見られるのは、
気のすすまぬことだったのだろう。
 心を通い合ったはずのリランからあの傷を負わされたとき、エリンは、どれほどの痛み
を受けたことか──身体だけでなく、その心にも。
 そして、その傷跡を抱えたまま、指をいくつか無くした手で、エリンはこれからも生き
ていかねばならないのだ。にもかかわらず、驚くほど不自然さを感じさせぬ左手の所作に、
そうなるまでのエリンの人知れぬ努力が偲ばれるようで、見つめているイアルの胸に、小
さな痛みが走った。
 そんなイアルの視線に気づかず、エリンは、湯飲みをのぞきこむようにして、茶に息を
吹きかけつづけている。ふと、エリンの左の掌に感じた違和感を思いだして、イアルは口
を開いた。
「変わったところに、胼胝《たこ》があるのだな……」
「えっ……?」
「あなたの左手のこの部分、胼胝だろう?」
 目を瞬かせるエリンに、イアルは自分の掌を差しだすと、人差し指でその場所を指し示
して見せた。
「あ、そこは……」
 エリンは、湯飲みを盆において話しはじめた。
 たなごころの親指のつけねに近いあたり──それは、指が二本しかない左手で竪琴を抱
えるように持つとき、弦面の角度を正しく保つため、必要以上に力がこもってしまう場所
だった。そうしていつしか胼胝になっていたのだが、その事情を話しながら、ごく自然に
左手をイアルの眼前に示してしまった自分自身に、エリンは驚いた。
 なぜか今度は、何の抵抗も感じなかったのだ。
 イアルはまだ、顎のあたりに手をあて、なにやら思案している。その男の真摯な面持ち
に、エリンは、なんだか拍子抜けしてしまった。
 誰もが一目見て顔をしかめる醜い傷痕ではなくて、触れねばわからぬほどの些細な胼胝
のこと、正直なところ、エリン自身も忘れていたくらいなのだ。それなのに。
(ほんの一瞬触れただけで、気づいてしまうなんて──)
 傷痕を必死で隠そうとしていた自分のほうが、いまはむしろ奇妙に思えて、エリンは、
自分の心境の変化に、心の内で首を傾げていた。

 ふいに、イアルが、顎から手を離してつぶやいた。
「竪琴のその部分をすこし削れば、胼胝になりにくくなるかもしれない……」
 はっと我に返ったエリンを見て、イアルは言葉をついだ。
「──今度、持って来るといい」
「今度? ……また、来てもいいんですね?」
 ぱっと目を輝かせたエリンが、弾んだ声で、イアルに問うた。
「──え?」
 自分が口にした言葉の意味にエリンの表情で気づかされ、イアルはかすかにうろたえた。
うれしいような、戸惑うような──自分の真意を探ろうとする緑の瞳に、イアルは、苦笑
しながら答えた。
「ああ、こんなところでよければな……。
 手の形が人と違うのならば、道具もそれに合わせて変えてやれば、不便が減るときもあ
ろう。ほかにも不具合を感じている物があれば、持ってくるといい。おれが手を加えられ
るものなら、なにか、役に立てるかも知れぬ──」
 イアルはいったん言葉を切り、つかのま遠い目をした。と、なにかを思いだしたように、
エリンに視線をもどした。
「あのとき──」
「えっ……?」
「──まだ癒えていなかったその手で、あなたはおれを手当てしてくれたのだったな。今
日顔を合わせてからいままで、ちゃんとしたお礼も言わずに、失礼した」
 あらたまった口調でそう言うと、イアルは頭をさげた。
「いえ、そんな、どう、いたしまして……」
 湯飲みの底に添えていた左手を、エリンは無意識に右手で包む。その仕草を見たイアル
が、気遣わしげに訊いた。
66610/11:2010/08/07(土) 02:35:44 ID:HN5C5YR3
「──その傷痕……まだ、傷むのか?」
「あ……」
 手もとに一瞬目をやると、エリンは微笑みながら、かぶりをふった。
「いいえ、もう大丈夫です。イアルさんこそ、あの肩の傷は……?」
「ああ……あなたの手当てのおかげで、傷痕もきれいなものだ」
 イアルは顎を引いて、左肩のそのあたりに、視線を一瞬落とすと、それからエリンを上
目遣いに見て、こともなげに言う。
「──見るか?」
「いっいえ、いいです」
 あまりに泰然としているイアルの、本気とも戯れ言ともつかぬ言葉に、エリンはどぎま
ぎしながら答えた。湯飲みの底が上になるほど傾けると、もうほとんど残っていない茶を、
ひと思いに飲み干した。

 すこしのあいだ黙っていたエリンが、やがて遠慮がちに口を開いた。
「あの、イアルさん──」
「なんだ?」
 どこか気後れしているようなエリンの声色に気づき、イアルは眉をあげた。
「さっきの抽出の組みあげ方がどうなっているのか、すごく気になって……。もっとよく、
見せてくださいますか?」
(なにごとかと思えば……)
 イアルは目を瞬かせ、好奇心がひらめくエリンの瞳に、思わず表情をゆるめた。
「それくらい、お易いご用だ」
 とたんに、エリンの表情が、花が開くようにふわりとほころんだ。
 イアルはすっと立ちあがり、抽出とともに、端材やめぼしい細工道具を、手際よくエリ
ンのそばに運んだ。エリンは空の湯飲みを盆にもどすと、見やすい位置に急いで座り直す。
 臍のつけ方や組みあげ方を、イアルは端材を使って説明してみせた。素人がどこまで理
解できるのかわからなかったし、そもそもこんなことに興味を示すものなど、寡聞にして
知らなかったが、エリンの知識欲は並々ならぬもので、数々の的を射た質問と理解の早さ
には、イアルは正直、舌を巻いた。
(そういえば……)
 王獣たちを前に奏でていたあの竪琴も、養父の手ほどきで拵えたものだと言っていたが、
なんとまあ、世の中には奇特な女人がいるものだ……。
 何種類もある指物独特の継ぎ手の説明を、目を輝かせて聞いているエリンをながめなが
ら、イアルは、このなりゆきの奇妙さを思っていた。

 カーン、カーンと夕暮れの鐘が響くと、夕餉の刻をひかえた下街の路地に、気ぜわしさ
と活気が満ちてきた。時を忘れて細工に見入っていたエリンだったが、暮れかかる空の色
に気づくと、あわてて帰り支度をすませ、玄関に立った。
「じゃあ……今度は、竪琴を持ってきますね」
「ああ、気をつけて帰りなさい」
 突然の訪問と長居を詫びたエリンは、宿舎まで送るというイアルの申し出を固辞して、
どうしてもゆずらなかった。大通りの辻に立ちどまると、エリンはきっぱりとイアルを制
して、一人で往来をすりぬけた。
 大通りを渡りきったところで、エリンは立ちどまり、こちらをふり返った。イアルが軽
く手を挙げると、ぺこりと会釈をする。しばらく歩いては何度か同じことをくり返したが、
やがて、黄昏の蜜色に染まった人波に埋もれて、エリンの姿は掻き消えた。
(妙な一日だったな──)
 イアルは、エリンとの予期せぬ再会に、つかのまの安らぎを感じた自身を認めながらも、
その来訪の理由をはかりかねていた。しばらくそのまま通りに立ちつくしていたが、背後
から近づく魚売りの笛の音にふと我に返ると、イアルは、足早に家路を辿った。

 ラザルへの帰途を急ぎながら、エリンは奇妙な胸の高鳴りを感じていた。夕闇に急きた
てられ、早めている足のせいだろう、と自分に言い聞かせようとしても、どこか腑に落ち
ぬものが残る。
(また来ていいって、言ってくれた……)
 あの大きな手につかまれた腕が、包まれた掌が、脈動するように熱い。日のあたる窓辺
で向かい合った一瞬が、一枚の絵のように、エリンの胸に去来した。
 竪琴を持って、またあの家に行っていいのだ──そう思うだけで、今日初めてあの家の
戸の前に立ったときとはうって変わって、浮き立つような気持ちになる。
 その気持ちの意味も、身体に残る熱の意味も、エリンには、まだわからなかった。
667656-666:2010/08/07(土) 03:06:35 ID:HN5C5YR3
スマソ... 計算が狂って1レス減ったわ orz...
こんな感じで始まり、結婚、それともうちょっと先まで書いて、
エピローグはずーっとずーっと先にワープして終わります。

こんなのでよろしければ、続きを読みにおいでください。
今現在、まだ投下したものと同じだけしか上げていませんが、
数日中に全部上げる予定です。

http://kemononosoujya.sakura.ne.jp/gate.html

それでは、お目汚し失礼いたしました。
668名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 13:12:47 ID:b0V+4V/w
ひとまず投下乙
イアエリに対する愛を感じる
669名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 22:00:12 ID:C0Y/N+YM
とっても楽しませていただきました。ありがとう♪
続きを期待しています。
670名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 23:05:30 ID:3RDTJEz6
丁寧な文章ですね
続きが楽しみです
671名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 12:53:20 ID:+dkYTfb6
上橋女史の作品かぁ……読んだこと全然ないや
中年女の妄想小説って印象なんだけど
672名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 13:32:40 ID:oxrhBKVN
>>667
続き待つ

>>671
誤爆? 嵐?
アニメ終わって平和になったと思ったらw
673名無しさん@ピンキー:2010/08/08(日) 22:43:37 ID:bYLxPIA+
>>667
感想書き込めないので、ここに書くしかないのかな?
イアルが照れ隠しに髪をくしゃくしゃするところがいいです。
自分も二次書いてて、別の場面だけど、おんなじことをするんだよね。
二人ができたてホヤホヤの頃にいかにもイアルがやりそうって思ったんだよな。

674667:2010/08/09(月) 00:37:16 ID:Sx4LNNXT
反応ありがとうございます。
やっと半分UPしました。
ちゃっちゃと上げて終わるつもりだったのに、何故だ...orz
675名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 18:31:48 ID:S6tl86J4
投下乙であります
イアエリ最大手の新作発表まで耐えてきた私たちです
できあがるまでのんびり待っていますので
そんなに焦らず急がずじっくりいい作品を書いてくださいw
676名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 19:40:39 ID:R4VpadBo
>>667
もう、ストライクゾーンど真ん中です。
こんなのが読みたかった。
書いてくれて、有り難う!!
677667:2010/08/13(金) 12:53:37 ID:SaVr2AO9
オワタヨ

取り急ぎ
678名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 23:14:58 ID:UhCAMu/s
>>667
最後読んでて涙止まりませんでした。
丁寧な描写で、いい意味でイアルの人間的な弱さが感じられました。
大作GJです!
679名無しさん@ピンキー:2010/08/15(日) 01:42:53 ID:fOWVaV78
>>667
ありがとう!
胸がいっぱいでそれしか言えない
680名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 06:35:54 ID:rvqUr0dw
初めて肌を合わせ.....


だめだ、萌え死にそう orz...
681名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 17:21:49 ID:VkzK1QHq
>>667
全俺が泣いた!!!!!
682名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 07:26:09 ID:NHJM/qfA
保守
683名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 11:39:24 ID:RQIVm4Gp
尼の獣奏特集まじでGJ
最初の17ページで萌えた

原作すげー

イアルさんの妹登場するみたいだねwktk
684名無しさん@ピンキー:2010/08/20(金) 22:23:39 ID:YXk/1j+p
>>667
後れ馳せながら超GJ!!
ここはホントネ申降臨率高いなw
終章で俺の涙腺が崩壊した…
また書きに来て欲しいなー(´∀`))`ω゜)ウヘヘ
685名無しさん@ピンキー:2010/08/22(日) 17:14:30 ID:buCyS8Ba
hoshu
686バルサ×タンダ:2010/08/23(月) 10:34:04 ID:1l9nRJfA
淡い春の日差しの中私は再び懐かしいこの地に足を踏み入れた。青霧山脈はすっかり春の装いを見せ青々と茂る草花は皆瑞々しく光り新しい命の息吹きを感じさせた。
私は長い旅ですっかりくたびれた短槍を担ぎ直すと懐かしいあの家に向う。途中、薬草を摘んでるあいつとばったり会ったりして……とも思ったが結局それはなかった。

しばらく行くと土壁で作られたヤクー独特の形の一軒家が見えてきた。私は黒ずみ、建て付けの悪くなった扉に手をかける。何度となく開け閉めをした懐かしい木の温もりと感触が私の胸を高ぶらせた。

「おぉい!…タンダ、いるかい?」

薄暗い小屋の中に自分の声だけが響き渡り青臭い薬草の香りと埃っぽい煤の匂いが私を包んだ。

(……なぁんだ……留守か………)

そう思った途端残念に思うと同時にホッとした自分がいてふと口元が緩む。私は辺りを見回した後、土間の端に短槍を立てかけた。久し振りに表を一回りしてこようと踵を返した時だった。

「……あっ!」

「……あ…!」

入り口の扉が開き様々な草花の入った籠を背負ったあいつが立っていた。
こんな事は慣れているとばかりに、大して驚いた様子も見せず淡々とした様子で背負っている籠を下ろすタンダ。度胸があるのかマイペースなのか……それとも私の影響か……
もし、ここにいるのが私じゃなくて山賊か何かだったら………そこまで思って私は首を振った。あまりにもバカらしい想像だったからだ。例え、ここにいるのが山賊だろうと熊だろうとあいつは今と同じような態度をとるだろう。
淡々と籠を下ろし、瓶から水を掬って喉を潤し、やっと一息ついた所でようやくその口を開き静かに相手を見据える事だろう。

「……いつ帰って来たんだ?」

「…ん?あぁ……ほんの今さっきにね……相変わらずそうだね……」

「……まぁな。とりあえず座れよ。今、お茶入れるから」

私は土間を上がり、囲炉裏の縁に腰かけた。奥の壁側がいつも私が座る席だ。しばらくすると香ばしい香りと共に懐かしいタンダ特製のお茶が運ばれてきた。
不思議なもので、このお茶を飲むと長旅の疲れが一気に吹き飛び、あぁ…帰って来た……帰って来れた……という実感が沸々と湧いてきた。
687バルサ×タンダ:2010/08/23(月) 10:35:26 ID:1l9nRJfA
半分程、お茶を飲んだ所でタンダが口を開く。

「……で、こっちには何の用だ?見たところ、傷を縫ってくれって感じじゃぁないよな」

少し微笑み、昔から変わらない暖かい瞳で私を見つめるタンダ。
カンバルからの帰り、ずっと考えていた。いや、それ以前から心の隅に引っかかっていた。タンダに対する自分の気持ちに素直になろうと…向かい合おうと決めて来たのだが結局答えは出ず此処まで来てしまったのだ。

「………用がなきゃ、来ちゃ駄目かい?」

少し俯き上目使いでタンダを見る。散々考えた末、始めに出てきた言葉がこれだ。

「…え……そ、そんな事は無いけど……いつもふらふらしてるお前が珍しいなぁ……って思ってな」

そう言ったタンダの口元が緩んでいた。

「……しばらく………」

「……ん?」

そう言ってまた俯き考えた。しばらくと言うべきか、ずっとと言うべきか……しばらくなんて曖昧に言葉を濁して又私は逃げ道を残そうとしているだけなのではないのか……
こいつの気持ちは昔から分かっていた。分かっていたのに、何かと理由をつけては逃げていた。
幸せになる資格が無いとか、こんな年増タンダだって迷惑だとか、自分は愛だの恋だのとは無縁だとか………そう思うと全てが自分のご都合主義で今まで生きてきたんだと思い、一体どれだけこいつを振り回してきたんだと思った。
私は顔を上げ真っ直ぐにタンダを見つめた。

「………っしょに……一緒に……いてもいいか?」

一瞬、タンダの瞳が大きく見開いた。

「…ん…あっ、あぁ……そ、そりゃ俺は全然構わないけど……」

そう言ったタンダは珍しく動揺しているのか、顔を赤くして私から視線を逸らした。


その日の夕飯は山菜汁と麦飯で、懐かしい味についついおかわりまでしてしまった。

「おいおい、もう若くは無いんだから気をつけないと、腹やらケツやらに脂肪が付いてあっという間にぶくぶくと太っちまうぞ」

「いーんだよ!……それとも何だい?私が太るのがそんなに嫌かい?」

「…違っ!!俺はだなぁ………」

「………俺は…何だい?」

「…も、もういい!!」

688バルサ×タンダ:2010/08/23(月) 10:43:16 ID:1l9nRJfA
口を噤んだその先が知りたかったが、これ以上食い下がってもこいつは絶対に話してはくれないだろう。
そんな、何でもない会話をして久し振りに楽しい食事をした。こんな毎日がずっと続くとは思ってはいないけど、少しだけそんな小さな夢に身を委ねていたいと思った。
春とはいえ、まだまだ夜は冷える。囲炉裏の中でパチパチと揺れる炎の光りと温かさが何とも言えず心地良い。そして、手を伸ばせば触れられる所にいるタンダ………
私は俯いたまま胡座をかいて座っているタンダの太股に触れた。ピクリと筋肉が震え温かい感触が衣越しにも伝わってくる。

「……バルサ?」

俯く私を覗き込むタンダ。顔が熱かった。近くで揺れる炎のせいではない。頭がぼぅとし、目頭が震える。じゅわっと胸から何かが込み上げてきた瞬間私はタンダに飛びつき組み敷いていた。

「…ちょっ!…ッおぃ…っん……」

驚きの表情を浮かべ何かを言いかけていたタンダの言葉を遮るように唇を重ねた。両肩を押さえつけ口内を弄っていく。
温かくぬめる舌と舌を絡め、夢中で唇を吸う。そのうちタンダは私に身を任せるかのように大人しくなくなった。両肩を押さえつけていた私の手からもフッと力が抜ける。
その瞬間温かい腕に抱きしめられ身体が宙に浮いた。それと同時に背中に伝わる床の感触、近い距離に見上げたタンダの顔……

「……ふ……やるね……私を押さえつけるなんて……」

今度は逆にタンダに馬乗りに押さえつけられた。こんな事は初めてだ。

「……散々…待たしといて……人の事を何だと思ってんだよ……もう……待たないからな……」

私の瞳に映るタンダの黒い瞳が揺れている。私は静かに目を閉じた。

※初めて書いたものなのでお見苦しかったかも知れません。このままエロ展開に持って行って良いものか分からなかったので、とりあえず此処までで……
689名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 19:31:47 ID:YSpo1woA
ここで寸止めして誘い受けとかw全力で釣られてやんよ!!!


続きの投下を心待ちにしておりますよ。それまでこのスレの守り人してます。
690名無しさん@ピンキー:2010/08/23(月) 22:41:00 ID:fg/MlEJQ
どうか続きの投下をお願いします神様…。
691名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 21:33:28 ID:PIPWSPOI
続きが楽しみだわ
692バルサ×タンダ:2010/08/27(金) 10:26:19 ID:SHS/m6R0
>>688 続きになります。バルサ視点からタンダ視点に変わります。

―……幾度となくバルサの身体は見てきた……歳のわりには弾力のあるその肌に触れ、燃えるような熱い血肉に指を絡め、針を刺し、薬を擦り込み散々痛みや悲しみ、怒りを分かち合ってきた……
なのにお前ときたら何でもかんでも一人で考え込んで背負っちまって挙げ句の果てには黙って俺の前から姿を消して…それで次に会えたと思ったら何時も血だらけのボロボロで……
もう、こんなどうしようもないおばさんは何処探してもいなくて、でも放って置けなくて……ってずっと待ってるだけなんだけどコレが結構キツくって……
だから、ただ無傷で俺の目の前に居る事が夢みたいな事で……用が無いのに俺の所に帰って来たって聞いた時、凄い嬉しくて………

「……バルサ……」
互いの息遣いまで分かる距離。彼女は静かに目を閉じながら薄く唇を開き少しだけ口角を上げた。それをこれからする事の同意と捉えた俺は再び彼女の唇に触れる。今度は…俺から………
絡めた舌は山菜汁の塩気が僅かに残っていた。それを味わうかのようにバルサの口内を犯していく。ハァ…ハァ…と肩で息をし次第に荒くなる息遣い。まるで蜘蛛の子のように細く透明の糸を引き離れた唇。数秒にも、数時間にも感じる口づけ………
先程より弱まった囲炉裏の炎は時折ゆらりと揺れながらぼんやりと二人の影を照らし出す。互いに想う事、言いたい事は山ほどあるのに言葉となって出てこない……変わりに瞳は熱く潤み、芯から高揚し汗ばんでいく身体………
俺はバルサに覆い被さったままゆっくりと唇から首筋に舌を這わせていく。一瞬だけ甘い柑橘系の香りが鼻を掠める。それと同時にピクリと揺れるバルサの睫毛……。
しっとりと汗ばむ首筋に顔をうずめながら腰に巻かれた帯を解く。合わせた襟元を払うように手をかけると微かな衣擦れの音と共に意図も簡単にバルサの身体が露わになった。
693バルサ×タンダ:2010/08/27(金) 10:27:54 ID:SHS/m6R0
綺麗な……と言ってもバルサにとって綺麗な身体とは打撲や骨折、流血をしていない身体であって、普通の女のように傷一つ無い陶器のような身体の事では無い。
だけど、その身体に刻まれた傷痕はどれも見覚えがあり、全て自分が縫ってやったり、治療を施したもので、こんな事本人には言えないが、何だか自分とバルサの歴史が刻まれているようで愛着さえ湧いていた。
それらの傷痕一つ一つに指と舌を這わせゆっくりと愛触していく。左肩、脇腹、右上腕、そして左胸……
「……っ…ぁあ……」
小さく声を洩らしビクッと身体を震わせるバルサ。子供を産んでいないせいか瑞々しく張りがありまるで少女のような二つの胸の頂は綺麗なピンク色だ。そんなバルサの胸を優しく包み込むように揉みしだいていく。
「…っぁ……っん…」
徐々に硬さを増していくそのピンク色の頂。つつーとその周りを舌でなぞった後テロッっと舌先で舐め掬った。
「…ぁひっ!!……っ…くっ……」
その武人としてのバルサを冒涜するかのような豊満な胸がぷるんと揺れる。
眉間に皺を寄せているのに、艶っぽく潤んだ瞳が俺を捉えて離さない。両手いっぱいに胸を掴み揺すりながらその先端を交互に口に含む。ころころと口内で転がすと苦痛に堪えるかのような甘く切ない声をあげるバルサ。
「……っぁぁ……っふっ……」
胸に顔をうずめる俺の肩を掴み押しているのだが全然力が入っていない。色っぽく乱れた細い茶褐色の髪が汗ばんだ肌や濡れた唇にへばりつき、イヤイヤをするように髪を振り乱す。
それを拭うようにバルサの顔に触れると彼女はピクリと震えた後薄目をあけて口を開いた。
「……あんただけ……ズルいよ……」
そう言った彼女の右手は何時の間にか俺の腰に回され股関部分をさすっていた。
「……あっ、あぁ……」
まさかバルサの方から求めてくるとは思ってなかった俺は少しだけ面食らった。
「……ふっ…何なら私が脱がせてやろうか?」
そう言った彼女は悪戯な笑みを浮かべる。
「…そっ、その位自分でやるよ!」
俺は着ていた着物を脱ごうと手をかけた時だ。
694バルサ×タンダ:2010/08/27(金) 10:35:36 ID:SHS/m6R0
何やら強烈な視線を感じその視線の先に目をやる。するとそこには俺の身体をじっと見つめるバルサがいた。遠慮も無くまるで観察でもするかのように視線を這わせている。
「…なっ、何だよ!?」
「…ん……いやね、薬売りにしちゃ、いい身体してるな……って思ってね……私がいない間何かやってたのかい?」
「いっ…いいだろ!!……別に」
―……はい。やってました……なんて言える訳がなかった。
流石に25を越えた辺りから体力の衰えは感じていたが、何より自分より年上のバルサが均整のとれた美しい筋肉を保持しているのに、年下でしかも男の自分がぷよぷよなのはどうかと思い、バルサのいない間は毎日筋トレを欠かさなかったのだ。
バルサに気づいてもらえただけで、相当嬉しい今の自分は一体どんな顔をしているのだろう……そう思うと面と向かってバルサに向き合えなかった。
上の着物を脱ぎ終え下のズボンに手をかけようとした時だ。下からバルサの手が伸びて来て俺の手を制した。
「……私が……」
彼女はそう言うと上体を起こし俺の前で跪くとズボンのウエストに手をかけた。そして焦らすようにゆっくりと下ろしていく。勿論、俺の股関は既に硬く隆起している。
スルスルと脱がせていた手がピンと張った股関部分で止まった。バルサはちらりと上目使いで俺を見た後一気に膝までズボンを脱がす。そして躊躇う様子も無く俺の男根を握り扱き始めた。
「…ちょっ!…おい、バルサ……!?」
「……ん?」
そう言うと同時に彼女は俺の男根をかぽっとくわえ込んだ。熱くぬめる唾液を絡めジュポジュポと派手な音をたてながら懸命にしゃぶりつくバルサ。身体中の血液がそこに集中しているかのように、熱い血の巡りを股関部分に感じる。
「……っつ……ぁ…」
カンバル人の女はいきなり男のモノをくわえるのに抵抗は無いのだろうか?それとも俺意外の男に……などと下らない妄想が一瞬頭をよぎる。しかしそんな考えや思考はすぐにバルサの口の中で泡のようにとけていった。
リズミカルに頭を揺らし、右手で袋をマッサージするように優しくさするバルサ。何時の間にか俺は彼女の頭に手を当て抑えつけるように腰を振っていた。
ぞくぞくと、背筋を這い上がってくる快楽の波に堪えるように歯を食いしばるが、そんなに堪えられそうもなかった。
695バルサ×タンダ:2010/08/27(金) 10:44:18 ID:SHS/m6R0
「…バッ…バルサ……っ、もう……駄目だ……」
「…っん………い…いよ……出しちまいな……」
そう言うなりキュッと口を強くすぼめさっきよりスピードを上げてしゃぶりつくバルサ。
「……っぁ、……い…ッもう……」
囲炉裏の火の粉がパチンッと弾けた音がした。それを合図にするかのようにドクンと脈打つ男根。白濁した液体がバルサの口の中に無遠慮に放出された。
口いっぱいに俺のモノを受け止めた後ゆっくりと男根を離していくバルサ。そしてクチュと唾液を少しだけ溜めると囲炉裏へ向かってそれをペッと吐き出した。直ぐにジュワっと炎と灰が包み込む。口の周りをテカテカと光らせ微笑を浮かべたバルサがそれら拭いながら言う。
「…随分と濃いねぇ……だいぶ溜まってたのかい?」
「…うっ、うるさい!」
赤面した俺はバルサを見る事が出来なかった。彼女に背を向けたまま土間へ向かう。湯のみを二つ用意し瓶から水を掬いながら少しだけ振り返ると、ぼんやりとした優しい灯りに照らされた彼女が膝を抱え、弱々しく揺れる炎をじっと見つめていた。


……と、とりあえず此処までで……。689 690 691様細切れですみません。さて、この後二人の合体でも………
696名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 18:06:06 ID:QCepRFCK
>>692
乙。
おおむねGJなんだが、現代語と横文字はちと萎える。
ピンク、筋トレ、ズボン、ウエスト、リズミカル、マッサージ は、別の言葉に置き換えてはどうだろうか。
697名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 00:14:50 ID:/+IiLK5Q
乙、続き待ってるよ!
698名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 08:13:27 ID:aVLe3LX2
>>696
なるほど〜!現代語無意識に使ってた……ありがとう!次からは意識して書いてみる
699名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 13:05:08 ID:TGxzkiXP
>>696
たしかに、アニメ守り人で、バルサが「フォーメーション」って言ったときみたいな違和感があるなw
あれ未だに制作サイド(神山氏?)の判断ミスだと思う
なんで「陣形」とかじゃいかんかったのかね
700名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 13:39:54 ID:BTPl52b4
>>699
あれと“メンテナンス”はバルサが異国語を話せるということを表現してるらしい。
701名無しさん@ピンキー:2010/08/29(日) 22:01:18 ID:eECJC5Av
>>700
そうそう、1話冒頭の「メンテナンス」はバルサが外国語の単語を使って喋ったシーンだから、
会話してるおじさんも「?」ってなって通じて無いんだよね
いわゆる(?)神山演出

>>692
タンダ視点のほうが好きだな、二人の関係がしっとりしてていい

時期的には、闇の後すぐに花に突入しないでタンダのとこに帰り着いたら…って感じかな
タンダに両腕ついてるよね

上橋作品は人名以外は極力カタカナ語は避けるのが吉だよ!
ピンク→桃色、桜色、ズボンのウエスト→筒袴の腰紐 で変換できるが、
リズミカル、マッサージは変換しても前後に被る単語があるから削除の方向で脳内変換するといいとオモタ

筋トレは…毎日薬草取りに山道を歩きまくってるタンダに必要かな?
飽食社会じゃあるまいし、無駄に腹を減らす運動をするって概念がちょっと…
激務のバルサに脂肪がついて太るってのもなあ
毎日三食必ず食べられるとも限らんし

しかし雰囲気はいいんで、次も期待してる
702名無しさん@ピンキー:2010/09/01(水) 21:33:56 ID:cIv5tde4
>>692 GJ!

ところで現在486KB、次スレの季節ですよ
一週間放置で落ちますよ
703名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 00:05:40 ID:OYGD/B0e
保守
704名無しさん@ピンキー:2010/09/03(金) 20:52:33 ID:GryutR2v
明日は「刹那」の発売日か! wktk

ところで、以前拾ってきてあった

・書き込みが950以上になるか、容量が450kを超えたら次スレッドを宣言してから立ててください。
立てられなかった場合は他の方にお願いするためその旨申告お願いします。

ってやつは、流れの速いスレの数字だよな、前スレが落ちた頃ならこれでよかった気もするが
今くらいの進行状況なら

・書き込みが980以上になるか、容量が480kBを超えたら次スレッドを宣言してから立ててください。
立てられなかった場合は他の方にお願いするためその旨申告お願いします。

くらいでちょうどいい気がする。
他に入れたほうがいいことあれば増やしてもいいが、大幅に荒れたわけでも無いし、いいかな?
1日待って、特に異論なければ立てる
705名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 01:41:00 ID:vvXaiRoy
次スレ立てたよ

【精霊の守り人】上橋菜穂子総合3冊目【獣の奏者】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1283531899/
706名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 13:24:52 ID:gCwY8aDv
>>705
乙デス
でも規制に引っかかっているのか、みなさん静かですね。
707名無しさん@ピンキー:2010/09/04(土) 19:48:04 ID:W6k3QUzI
即死回避に新スレの方にカキコミお願いします
こちらは触らなければ一週間で落ちます
708名無しさん@ピンキー:2010/09/10(金) 20:49:43 ID:bwBNIJ91
>>677
ほんとにこの作品に出会えてよかった!!
感動で前がみえん。。乙でした!!
また読み返してくる!
709名無しさん@ピンキー
あー、規制解けてやっと書き込める。
新刊発売で盛り上がっている最中のはずなのに、文芸板の上橋スレはじめ関連
スレが落ちてて心配でした。

>>708 さん
677です。ありがとうございます。
正解が発表された今となってはアナザーストーリーになってしまいましたが、
楽しんでいただけて嬉しいです。

刹那を読んでいて、このスレで読んできた皆さんの作品の片鱗が何度も浮かん
できて、不思議な気持ちになりました。
探求編・完結編の数少ない描写の行間から精一杯想像を膨らませてイアエリの
人生を補完しようとしてきた、スレ住人の皆さんのこの作品への愛をあらためて
実感してます。

上橋先生の獣5冊分の世界がきれいな球体として中心にあって、そのまわりを
皆さんの作品がいくつも層をなしてとりまいているような、あるいはパラレル
ワールド的小宇宙として漂っているような...。
私にはもはや、原作とこちらの名作の数々は不可分のものになってしまってい
ます。
まだまだ妄想の余地はあると思うので、是非ネ申さまがたにはまた筆を執って
いただきたく...。