女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その3

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413名無しさん@ピンキー:2010/02/25(木) 18:35:22 ID:zNAJpMdR
確かに他人の長所を奪い取るっていうシチュは良いですね!
さらに記憶まで加工されて周りからも立場が正反対にっていうのが
たまりませんでした。
体型以外では「チェンジ」のような学力系もツボで
有名私立進学校に通う優等生と底辺公立校に通う幼馴染が
遊びのつもりで魔法を使い制服と学校を取り替えて
通う事になるが実は劣等性の策略で1週間後学力も記憶も
奪われてしまう…なんてシチュを考えたが
なかなか話がまとまらない…
414おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA :2010/02/27(土) 15:53:05 ID:g8V6qPha
題名は特にありません。トリップでNGしてください。
非エロの短編で、性格入れ替えです。


自分が鈍くさいということは、自覚している。
喋る時はよくつっかえるし、頭をぶつけたり、たまに転ぶ。咄嗟の出来事に弱いのだ。
人見知りする性格だからそうなのか、そういうことが多いから人見知りなのかは、
よく分からない。
友達はいる。わたしは友達だと思っているし、向こうも友達として扱ってくれる。
だから、友達のはずた。
彼女たちは、よくわたしのことを天然だというが、これもよく分からない。そこまで
変ではないつもりだし、向こうがなんでもそういう風に受け取るから、そう見える
のじゃないかと思う。でも、口にはしない。
そんな自分を変えたくないかと問われれば、当然『yes』だ。


「“わたしと性格を入れ替えませんか?”」
それは、とあるネット掲示板に書かれていた一文だった。
そこには、中学生くらいからよく出入りをしていた。わたしと同じように、自分を
変えたいと思う人間が集う場所。
色々な趣味や嗜好の人間がいて、どういう風に変わりたいのかを書けば、アドバイスをもらえる。
オフ会なんかもあるらしいけど、わたしはいかない。考える時間や、文を推敲できる
掲示板とは違って、リアルで知らない人間といきなり話せる自信がないからだ。
とはいえ、その書き込みがもし本当なら、初めて勇気を出してでも、食いつくべきかもしれない。
先ほど口にした文を一行目に、自分がどういった人間で、こういう性格に飽き飽き
している。まったく別の人間になりたい。しかし、今の家族や友人を捨てるのはしたくない。
だから、性格だけ取り替えてくれる人はいないかと募っている。
それを読んだ他の住民(このスレッドにいつもいる人たち)は、単発のハンドルネームで
わけのわからないことを言っている書き込み相手に、とても冷ややかな態度を見せていた。
その書き込みの底抜けの明るさと、その後の周りの態度の違いが、妙なおかしさを
もたらしている。
確かに、信じられるような話ではないし、いつもの自分なら無視していただろう。
しかし、今日のわたしは、その書き込みにあった即席と思われるメールアドレスに、
気がついたらメッセージを送っていた。


好きな人ができた。同じ学校の、同じクラス。
そのことを相談したら、友人の一人がはあれこれ世話を焼いてくれたけど、わたしが
いつも台無しにしてしまう。
彼女は笑って許してくれるが、内心苛立っているはずだ。もはや、彼といい仲に
なれるかどうかよりも、そのことが心配だった。彼女に見切られるのは怖い。
来週、友人が彼を含めて数人のクラスメイトを誘って、遊びに行くことを企画
してくれた。わたしのためだ。
今度こそ、失敗はできない。
415 ◆2nkMiLkTeA :2010/02/27(土) 15:56:55 ID:g8V6qPha
「ええ、まったく心配ないですよ。私の性格と合わないなら、別の人間を紹介
してもかまいませんし」
人の良さそうな笑顔で、彼女は入れ替わりの説明をしてくれた。
彼女は何度も入れ替わりを経験しているらしく、その驚くべき感想を聞かせてくれる。
「じゃあ、性格以外も入れ替えることが……?」
「ええ、私はだいたい経験しました。胸の大きさ、身長、視力、記憶、髪の色……
面白いものでは、恋心なんか」
あれは本当に面白い経験だったと笑うその女性は、とても綺麗な人だった。身長は高く、
スレンダーな体つきをしている。髪はロングの黒。歳は二十代半ばくらいだろう。
彼女の名前は知らない。本名を名乗らなかったからだ。待ち合わせに来た彼女は、
ハンドルネームだった『月夜』だと自分のことを示した。
待ち合わせ場所から十数分歩いて、その間彼女が喋り通しだった。自分は相槌を
打つくらいしかできない。
でも、おかげで入れ替わりの概要は分かった。どういう原理なのかは彼女も知らない
らしいが、月夜の知り合いである発明家が作った、妙な機械で行うらしい。
自分の命がかかっているかもしれないのに、妙なはないだろう。そう思ったが、
わたしは言わなかった。


「ねえ、高橋君のどこがいいの?」
そんなの自分でも分からない。でも、答えなければならない。友達なのだから。
「どこって……」
言葉に詰まるわたしを、にやにやとした笑顔で見てくる絵理。その顔が、ちょっと怖い。
「赤くなって、可愛いなあ、優衣は」
なっているのだろうか。でも、真に受けて聞いてもからかわれるだけだろう。
「もう、やめてよ」
すねたように言うと、彼女は笑って返してきた。笑ってくれたのなら、この答えは
正解だったのだろう。わたしは安堵した。


「どうも、神原です」
旧家然としたお屋敷に案内され、その家の奥にあった蔵の中に入ると、そこは
見た目とまるで違った。
色々な機械がおかれ、出てくるのは白衣に身を包んだ男。一見して怪しかった。
「性格の入れ替えですよね、どうぞ」
無駄なことは一切喋らないが、人の良さそうな笑顔を浮かべているため、愛想は
悪くない。でも、どこか軽薄だ。年の頃は、月夜と同じくらいだろう。
彼が示した先には、ある映画で見た転送装置のようなものがあった。不安がよぎる。
「大丈夫ですって。私が何度も経験しているんですから」
そんなわたしの肩に手を置いて、耳元で囁く月夜の声には、置かれた手と同様に、
有無を言わせない力があった。
「は、はぁ」
成り行きに任されるまま、わたしは機械の中に入った。
416 ◆2nkMiLkTeA :2010/02/27(土) 16:02:50 ID:g8V6qPha
私の告白は、失敗した。
というより、失敗する以前にしなかった。でも、失敗するとわかってしなかった
のだから、同じことだ。
遊びに出かけた帰り、私から結果を聞いた絵理とそのグループは、残念会を開いて
くれた。私は、いつものわたしを装ってすべてを受け流した。
会がお開きになり、帰り道が同じ絵理と歩く。彼女はなにも疑っていない。
のん気にあくびをしている。なら、思い知らせてやらなくては。
「高橋君って、絵理のことが好きなんだって?」
帰り道の途中、人気のない道で、何気なく言ったその言葉に、彼女の体は凍った。
「それでみんなで賭けしたんだってね。どう、勝てた?」
信じられない。彼女の顔はそう言っていた。そんな絵理に向ける私の笑顔は、
先週見た月夜と同じはずだ。
人が良さそうなところも。裏に何かが潜んでいることも。
「……だから何よ。別に付き合ってるわけじゃないし、実際応援はしたでしょ」
「私の性格じゃあ、失敗するようなやり方ばかりでね」
ぐっと押し黙ってにらんでくる絵理。こんな女を、信じて感謝してきたなんて。
「それに、色々と私のこと笑ったりしてたみたいだけど」
「それはっ!」
あんたが鈍くさいから悪いのよ。表情がそう言っている――勝手なことを。
「なら、同じ思いをさせてあげる」
疑問符を浮かべる彼女の顔が、少しずつ、とろんとしたものに変わっていった。
彼女の意識が完全になくなる前に、私は懐から取り出した瓶を見せた。
「時間かかったけど、効果はすごいでしょ。私にいつももの取らせて、まったく
警戒しないんだものね」
その言葉が、最後まで彼女の耳に入ったかは疑問だった。
腕を組んでじっと待っていると、明かりが私と絵理を照らし出した。車だ。
「お、お待たせしました」
運転してきた女は、車から降りて、おどおどと言ってきた。確かに、これは他人をいらつかせる。
私はそんな内心を毛ほども見せずに、月夜に笑いかけた。
「じゃあ、お願いします。月夜さん」


「それで、高橋君には告白できたの?」
「ご、ごめん……ダメだった」
心底申し訳なさそうに謝る絵理に、私は笑いかける。
「大丈夫、大丈夫。高橋君は絵理のこと好きなんだし、きっと上手くいくよ」
――ただし、彼が好きだったのは昔のお前だけどな。
そうとは知らずに、絵理ははにかんだ笑みを返してきた。
「うん、ありがとう、優衣ちゃん。わたし、あんなひどいことしたのに……」
「気にしないで。私がどんな気分だったか、絵理は十分、分かってくれたし。
私はもうそれでいいから」
そんな私の言葉に、絵理は泣きそうだった。笑い転げたくなるのを必死でこらえる。
「じゃあ、次はね――」
この作戦も、絶対に成功はしない。彼は、私と付き合っているのだから。


おまけ
「はぁ……先週は楽しかったのに」
ベッドの上でため息をつく彼に私はかちんときたが、言い返さずに後ろを向いた。
「すっごく初々しくて、可愛かったのになー……今は、なんか黒いし」
あとSっぽいし。ぶちぶち言う彼に、私はついに我慢の限界を迎えた。
今の私は、余裕がなくなると怒りっぽくて困る。
「はいはい、とっととあなた好みの性格探せばいいんでしょ」
これだから、生意気な小娘と入れ替わるのは、嫌だったのよ。


以上。
417名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 17:46:33 ID:eVMmcVjc
GJ。よかですねー
418名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 19:32:35 ID:fT33XX9w
こ、これはなかなか味の有る
419名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 20:48:44 ID:rgbL+Nfd
不思議なくらい読後感のいい話だったぜ、乙!
420名無しさん@ピンキー:2010/02/27(土) 22:59:17 ID:Ap7ydCkx
これは新ジャンルかもしれないね。
素晴らしい。立場を取り替えるのでなく
性格だけって所が、逆転の発想で面白かった。

普通は記憶や立場が変わって、性格はそのままなのに
性格だけ変わってるのがいいね。

月夜の話とかもっと読んでみたいな。
421名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 19:52:34 ID:zJqbt/H5
何か、ジャンルが多様化してきていい感じ。
422名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 19:55:34 ID:zJqbt/H5
ひさびさに書き込みができそうなので、またSSをひとつ。
よろしかったらお付き合いください。

『よりしろめつとめ』

 夜更けに、山間に設えられた簡素な小屋の裏に、水ごりをする若い女がいた。
 水ごりとは水垢離と書き、寒中に冷水をその身に浴びることでその身や心に付着した汚れや
弱さを引きはがす行である。もちろん、それ単体が主眼ではなく、その後に待っている大事を
成さんがための準備にすぎないのではあるが。
 白い襦袢はしたたかに濡れて、女の均整のとれた裸身を露わにしていた。ほう、と息を一つ
吐けば、たちまちにしてそこには白い靄の固まりが生じてしまうほどの極寒の中であったが、
女は身震えすることもなく、強い意志をこめた視線をじっと夜空にこごらせていた。
 女は、齢のころは二十歳ばかり、清楚とも妖艶ともつかない神秘の美貌を湛えた女であり、
その肢体は重ねられてきた荒行を受けて引き締まり、かつ野趣を帯びた要所を張り出して、一
種神々しいとも言える豊穣さを醸していた。
 女は、着衣をはだけてあられもない裸身を暗中に晒して、そののちに、墨染の上下に身を包
み変えたのであった。ゆるやかに腹帯を巻き付けたその姿は夜闇に紛れるばかりであったが、
そのかたちは朱袴の巫女装束と何ら変わりもないものだということが見て取れる。しかし、神
仏を祭事する紅白ではなく、灰色に染まったそれを身につけているということは、彼女が今か
ら成そうとするものが神事などではなく、むしろその目をかいくぐって鬼霊との交信を行おう
とするあらわれであった。

「……お待たせしました」
 引き戸を開けて小屋の中に静かに歩み入る彼女を待っていたのは老年の男だった。ワイシャ
ツの上にいささかくたびれたジャンパーを羽織った男は眉間に深い皺を刻んでおり、目のふち
にも黒々としたくまが幾重にも張り出していた。それらはすべて、彼自身の苦悩がにじみ出し
た証しでもあった。
 視線はやや定まらない状態で、これから何が始まるのかという不安に落ち着かない様子の男
の手を、女は静かにつかんでいた。右手を、そして左手をゆっくりと掴んで口を開く。
「さあ、どうぞ念じてください」
 女は不動神妙の境地に立った者のみが放つ強い視線を男に向けて照射していた。
 男はその荘厳さに打たれて動揺から解き放たれて、そして彼のこころの深奥に棲んでいる、
ひとつの面影を強く念じ始めていた。




423名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 19:56:59 ID:zJqbt/H5
 変化は、ほんの数分とたたないうちに現れはじめていた。
 女の長くつややかな黒髪が、半ばから切れ落ち、そしてその密度を喪いはじめていたのであ
る。色素も半ばが白んで落ちて、まさに麻糸の乱れるがごとし、であった。
 男は驚いて握っていた手を放そうとする。
「いいえ、心を乱さないでください」
 女の声が凛と響き、そして再び動揺は収まり、男の思念は再び女へと注がれ始めていた。
 男の思念が届くたびに女の姿はゆっくりと歪んでいった。
 まず、引き締まっていた両頬に生じた弛みは、ゆっくりと広がっていき同時に発生したあご
や首の皺やゆるみとともに顔全体を押し包む。
「むっ、むむむ」
 続いて眼窩は落ちくぼみ、周りにはてらてらとしたてかりが生じて、そこからちりめんのよ
うに細かく無数の皺がはしり、すっかりと彼女を老年女性の顔へと変貌させてしまっていた。
 変化は首から下にも同時進行で起こっていた。修練により美しく引き締まっていたはずの腰
部や背中には蠕動とともにむっちりとした贅肉が生成されていく。逆に、胸元に形成されてい
た大きな隆起はその角度を鈍角に変えながら、萎えて下方に修正されていく。
「う……っく」
 女の顔は苦悶に引きつっていたが、それでも端坐した姿勢は崩すこともない。
 皮膚の張力はその発現を薄めていく。先ほどまで微光をも照り返していた素肌はあれよあれ
よと凋んでくすみ、老斑をところどころに生じさせていく。
 もしも、このような変化が一瞬に起こるとするならば、それは時間が数万倍の早送りをされ
ているとしか思えないのだが、そうではない。
 彼女は自ら志願して自らのかおかたちを、男の思念を受け取りながらこのように変貌させて
いるのである。それも、強い苦痛に耐えながら。

 
   
 変化はなおも続く。徐々に背丈が詰まっていくのである。伸びやかな手足は節くれだち、短
くなっていく。先ほどまで彼女が湛えていた神秘の美貌はもはや見る影もない。
 ゆるんで突き出した下腹は、緩められていたはずの帯に食いついてその上下にまで膨張を進
めていく。
「……もう、少しですね」
 たわんだ口元から凛と響く張りのある声だけが、先ほどまでの彼女の名残であった。
 一概に、日本古来の女性の衣服は、その年齢を隠すために有利とされている。それは、衣服
の流れる方向が、華美なドレスが上に上にと身体を引き上げるのに対して、着物は下へ下へと
流す一方で、その起伏さえも隠匿する意図が構造にあるからである。
 が、そんな補正などで隠せる次元はとうに超えていた。今の女の姿を見た者は、誰がどう言
い繕っても還暦過ぎの、凡庸な老人の姿だったのである。
「……さあ、いかがですか」  
 頬の皺を引き上げたり下ろしたりしながら表情を作り、女は眼前の男ににっこりとほほえみ
かけていた。
「……ええ、ままです。あいつの、女房の、そのまま……です」
 男の顔には先ほどまで消滅していた精気が復活していた。みひらいた目の光は驚愕と、そし
て押し込めないほどの期待を放射して輝いていた。
「それならば、結構ですね。『器』はかたどられました。それではいよいよ、魂の漂着を試み
たいと思います」
 男は無言で首を縦にゆっくりと揺すった。女の説明ではおよそ十分間だけ、十分間だけ彼は
死んだはずの妻と逢えるというのだった。
「私は今から死出の門の番人を欺いて、そして彼女の心をここに宿します。ですが、私の力量
ではそれはほんのひとときでしかありません。その時間を使って、あなたはどうぞ、もう一度
彼女とお別れをしてあげてください」
 女は、すう、と指を折って簡単な印を結ぶと、ふうっと前のめりに上半身を折り曲げて、男
にしなだれかかる格好になって、そして意識を失っていた。
424名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 19:58:13 ID:zJqbt/H5

 男の鼓動が、五つほど動いた。
 抱き抱える手の中に、ぴくん、と女の体が動いていた。
「かあちゃん……かい?」
 男の声に、伏し目がちに頷き返した女の表情の使い方は、まさしく彼の知る呼吸であった。
「あいよ……父ちゃん」
 声が変化していた。かすれてはいたけれども、間違えるはずもない、長年をずっと連れ添っ
た愛しい声だった。
 弾かれたように、男は妻の体を遠慮もはばかることもなく抱きしめて、そして激情に涙の堰
を切っていた。
「会いたかったよう、さびしかったよう、辛かったんだよう」
 分別を知らない嬰児のように涙を流す夫の頭をかいぐりながら、女はただひたすらに、ごめ
んよう、ごめんよう、と詫び続けていた。
「もう、嫌なんだよう。誰も待ってないがらんどうで暗くて、寒くて、そんな家になんか帰り
たくないんだよ、ああ……ああん」
 仮死していた男の心は復活とともに激しく動いていた。ぶるぶると身震えをしながら手にし
たぬくもりにすがりついて、そしてただ、泣いていた。
「ごめんよ、父ちゃん。本当ならずっとあたしが父ちゃんのこと見守ってやってなきゃなんな
かったのにさ、本当にごめん」
 半年にわたる病魔との闘いに彼女は果敢に挑んで、そしてその死力を尽くして彼女はこの世
を去っていったのである。ただ、その悔恨はただ一つだけ、今触れている男にだけ、あった。
「俺も行くよ、どうせお前のいない世界なんてひとつの未練も残っちゃいないんだ。だから、
な、今すぐにでもそっちに行くから……」
 男の口をふさいだのは熱い情熱の固まりだった。舌をねじこんで、冷え切った男の孤独をこ
じあける、魔法の口づけだった。
「駄目だよ、父ちゃん。そんなんじゃあたしのところにはこれないんだから」
 妻は笑って男の肩を叩いた。涙は流れるままだったけれども。

「あんたはね、辛くても生きなきゃならないんだ。そうしなきゃあたしもどこにもいけやしな
い。あたしをもう一度、抱き締めるためにも、あんたはまだまだ命を生きなきゃならないんだ
よ」
 そうして、妻が与えた指示は簡潔なものだった。家を引き払って娘の所帯においてもらえと
いうこと、身体が動くうちは精一杯働いて娘夫婦とも折り合いよく暮らしていくこと。孫の面
倒もしっかり見て、雨の日は幼稚園のお迎えなども買って出ろということなど。
「あと、どんなにあの子の料理が未熟だからって、台所に……みだりに入っちゃいけないよ、
それ、はあの子のために、なら……ないん……だからね」
 妻の言葉が急に緩慢になってきていた。
 お別れのときが迫っていたのだった。
「ねえ、お父ちゃん……」
「なんだい、母ちゃん」
 涙をこらえて、男は妻の最期を目を凝らして見ていた。今度こそ悲しみから目をそらさずに、
彼女の姿を見ていた。
「あのね……あのね」
 出会ったころの恥じらいを、ときめきを、その唇に湛えて。
「大好き……なんだよ、ずっと、ずっと、ね」
 男は、返答を二つの腕におきかえて、彼女が消え入るその際までを、強く抱きしめながら別
離のはなむけにしたのであった。
 啜り泣き、むせぶ声はとうに消え、静寂だけが闇に取り残されていた。
425名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:01:33 ID:zJqbt/H5
「ごめんなさい。これで、終わりなんですよ」
 女の声は再び張りのある若いものに戻っていた。
 あわてて男は無遠慮に伸ばされた腕をどけようとしたが、その手を再び押さえつけたのは女
の手のほうであった。
「いいんですよ、朝まではこのままにしておいてもらっても」
「しかし、あんたにはそんな姿になってまで……」
 その言葉を封じたのは二本の指先だった。
「そんな姿はご挨拶でしょう。あなたに寄り添って年月を重ねた奥さんなんでしょう」
 こくこく、と男は首をただ、縦にするばかりだった。
 よろしい、と女は告げて男にさらにすり寄っていった。
「大丈夫ですよ、心配しなくてもジムでたっぷり汗をかいて行きつけのサロンに通えば一週間
もしないうちに元通りに戻れますから、ね」
「はは、それは安心したよ」
「でも、あなたはその謝礼としてこのまま私を朝まで抱いて暖めてくださいね。ああ、でも、
そんな行為にまでは及んではいけませんからね、私、こう見えてもまだ男性経験はないんです
からね」
 ふいに発露した彼女の本当の年相応の感情は、男の心にまだ残っていた残雪を溶かして、そ
して笑顔を齎していた。
 秘密を隠した夜の帳が開けるのには、もう少しだけの時間が残されていた。


 おしまいです。いつも続きに思案中の四十年でした。
426名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:42:51 ID:22Wlwu1H
おお・・これはまた一風変わった
427名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 22:42:33 ID:4TzXOHbV
どんどん多様化してるな
乙です
428名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 02:23:05 ID:svMaTQQp
うむむ、
実に興味深い
429名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 12:55:34 ID:R9O+JawW
もしかして、最初の四十年の作品は
あれで終わりだったんですか?
つうか、四十年が名前なの?
430名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:10:09 ID:O3/EyMdL
 いいえ、名前ではありませんよ。続きはあるのですね。

『 四十年証文その2』

『四十年証文』を発効させるのには、相手となるのは別に男でも女でも良くて、
そして美しかろうとそうでなかろうとどうでもよかったのだ。
 それでも、シズカが相手を美しい娘とかぎったのには訳がある。ひとつはそ
のほうがより効果的に自分が若く、美しく戻ることができるのではないかとい
うことである。そして、その点においては十分すぎるほどの効果が得られたわ
けなのだが、もうひとつ、彼女が期待していたのはゆがんだ性根による願望の
成就であった。
 どれだけ、相手を貶めてやることができるだろうか、と。
 長年をひとりきりで過ごすうちにシズカの心はどんどんと偏屈にこり固まり、
人を寄せ付けることさえも少なくなっていった。ほんのひとにぎりの友人はと
言えばあの証文を提供したような風変わりな人間くらいなものだったのである。
彼女は若さは取り戻しても、依然、根性は偏屈な老婆のままだったのである。
 六月の長雨が続くとシズカはだんだんと機嫌が悪くなり、露骨にマリアに対
して当たり散らすことが増えてきていた。
「マリアっ! どこにいるの。呼ばれたら早く出てらっしゃい」
 昼下がりの洋館に罵声が響き渡り、ほどなくして姿を現すのが年老いたメイ
ドだった。
「はい、奥様。ただいま参ります」
 洗濯物の部屋干しの手を止めて、マリアはバタバタと主人のもとへと駆け参
じる。
 一日に何度も意味のないお着替えを楽しむわがままな主人のために、マリア
は日に最低二度は洗濯機をまわす羽目になってしまうのだが、そんなことはお
くびにも出せない。それが主従関係というものである。
「グズっ、いくら年寄りだからって、もう少しさっさと仕事しないとクビを飛
ばすわよ」
 実年齢は三倍以上も上のくせに、言いたい放題のシズカである。
 しばらくは神妙な顔で暴君による暴言に聞き入るマリアであったが、次の瞬
間には
「本当に申し訳ございませんでした、奥様」
 と、にっこりと受け流してしまうのであった。これがまた、シズカには気に
入らないところである。本当ならばせっかく理のないことを言っているのだか
ら、せめて屈辱に顔を歪めてみるくらいのことはできないのか、などと考えて
しまうのである。ところが、マリアの辛抱強さと屈託のなさは、彼女の心から
毒気を抜いてしまうので、それで余計にイライラとするわけなのだった。
 実際、シズカはせっかく若さと美貌とを取り戻したのに、やることはと言え
ば実にせせこましいものであった。
 マリアに自分の着替えや入浴の手伝いを強要したり、家事全般に対して溌剌
と元気のある行動を迫ったりとそんな感じであった。
 が、どれもこれもがあまり効果的に彼女に心理的ダメージを与えられないの
である。仕事にはソツがなく、陰口を叩いているような節もなく、受け答えも
「近頃の若いのにしては珍しいくらい」しっかりしているのだ。それでは責め
ている自分の方こそが本物の道化になってしまう。


431名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:11:00 ID:O3/EyMdL
「それで、ご用というのはどんなことでいらっしゃいますか?」
 マリアの頬は多少弛んでおり、皺も多く顔を張り巡らしていたのだが、それ
は決して人を不快にさせるものではなかった。むしろ、張りつめた麗人の顔よ
りも相手の心をなぐさめてくれる、そんな温かみを帯びたものだった。
 ちなみに、マリアはこの姿になってすぐに、髪を短く切り揃えている。以前
は肩まで届くようなワン・レングスだったのだが、今は耳が多少かぶるくらい
のショートボブに揃えている。それもまた、彼女なりの考えあってのことなの
だろう。
「そう、そうね、……ええと、何だったっけ?」
 さっきまで考えていたことがすぐに思い出せないのは、思考能力が若返って
いない証拠である。
「ええ、と、そうよ。今日は私は居酒屋に寄って飲んでみたい気分なのよ。マ
リア、せっかくだからあなたにも相伴させてあげるわ」
 シズカの思いつきは単純なものであった。つまり、今まではマリアは一人で
お留守番だったものだから、お買いものくらいしか他者にその姿をさらさずに
済んでいる。しかし、盛り場などに出かけていけばそうはいかないのではない
かと。
「でも、私はまだ未成年なわけですし、お酒なんてマズいんじゃぁ……」
「……あんた、そのナリで何言ってるのよ」
 思い切り表情をしかめて、シズカは突っ込みを入れていた。
 マリアは、しばし呆然とした後に、ぽん、と手を叩いて納得した。

 土曜の夕暮れ時、繁華街に居並ぶ居酒屋は、どこも盛況だった。そこにタク
シーで乗り付けた二人の姿は、ぎょっと人を振り向かせる異様であった。
 胸を張って前を歩く妖艶な美女は、ぴったりと張り付くような黒のレザーの
上下を身につけて、ことさら大きく開いた胸元の膨らみを誇示するように歩い
ている。ちなみにパンプスは深紅に近い赤のピンヒール。装飾するブレスレッ
トやネックレスなどは金色のもの、と言うよりは完全に純金製品である。今は
昔、バブル経済の崩壊からしばらくのうちに滅び去ったとされる由緒ただしい
スタイルであった。
 そして、その後ろを三歩下がって付き従うのが大年増のメイドであった。そ
んじょそこらのコスプレメイドとは訳が違う浅黄の実用のメイド服の上から濃
紺のベストを羽織ったシックな装いは、年季は入っていても整った容貌の女に
は良く映えて、悪くない景色であった。
「……ううっ、なんだかちんどん屋さんみたいです」
「何言ってるの、これがナウなヤングのスタイルよ。あんたみたいなネンネに
はわからないのよ」
 人を遠ざけた生活をしていれば、いつしかこうなってしまうのか、というシ
ズカは良い見本だった。
432名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:12:06 ID:O3/EyMdL
 別に予約などしていなくても、女二人からの客くらいはすぐに入店できるも
ので、シズカがここにする、と突発的に決めた店に、待たされることなく座敷
席に座ることができた二人はさっそく乾杯をはじめていたのであった。
 リンゴサワーをちびりちびりとなめているマリアを尻目にシズカのピッチは
速い。あっという間に焼酎のお湯割りを三杯干した彼女は上機嫌で酒肴の注文
を大声で呼ばわっている。
「あーっ、何よ。あの若造ったらぁ私の注文のほうが先だったでしょうに、お
いっ、こらっ、聞いてるのかっ、クビにしてやるわよォっ」
「まあまあ奥様。それなら私が注文をして参りますから……」
「それじゃ行ってこい。タコブツ、ゲソアゲ、アゲダシにトロロよっ」
「はあ、申し訳ございません。もう一度……」
「グズっ、タコブツ、アカダシ、ダシマキにトトロよっ」
 だいぶ内容は変わっていたようだったが、このぶんならば何を注文しようと
も大丈夫だろうと踏んで、マリアはさっさと注文に立っていた。
 背中からひゃははは、と聞こえるシズカの嬌声を聞きながら、マリアは小さ
く笑みをこぼしていた。  
 シズカは確かに自分からかけがいのない若さを奪い取った。そして、年老い
た自分の事をからかっては羨ましがらせて悦に入るところがあるのだけれども、
それでもマリアはなんだかこの偏屈な主人のことが嫌いになれないのだった。
 それは、シズカの根底を流れる子供のような純朴さのようなものに、どこか
惹かれていたからかもしれないのだった。 
 偽悪とでも言うのだろうか、必要以上に自分を悪人に演出してはいるけれど
も、皮一枚、どこかに甘さのようなものが残っていて、そこにシズカ本来の人
間性が垣間見えるのである。

「おらおらっ、あんたもしけた飲み方してんじゃないわよっ、女ならグッとい
けー」
 好きではあっても強いとは限らないのがお酒である。シズカはさっさと酔い
つぶれていた。
「ああっ、駄目でしょっ、あんたみたいな未成年にぃ、飲ませるようなお酒は、
ないんだからね」
 そして、ぱたんと倒れてしまう。マリアは仕方なしに座布団を並べた上にシ
ズカを運ぶと、その上に借りてきた毛布をかけてやる。
「はははっ、仕方ないですねえ」
 上気してリンゴのようになったシズカの頬をつん、とつついてみる。
「こんなにもわがままで、私の若さまで吸い取ったようなお人だっていうのに、
まるで嫌いになれないんですものね」
 ばさり、とせっかくかけてやった毛布をはだけて、さらにシズカはぶちりと
胸元のボタンまで外してしまう。
「熱くて暑いのよー、あんた私を蒸し殺す気なのっ」
 ぼろんっ、と豊満な胸がはずみでこぼれ出してしまう。たうん、たうん、と
弾む様子にギャラリーがここぞとばかりに殺到する。
 しゃーっ、とマリアが怖い顔でその野次馬連中を追いやると、すでにしてす
やすやとシズカは寝入ってしまっていた。
「あはははあ、疲れるわあ」
 肩をぽんぽんと叩きながら、マリアは苦笑いして静かに毛布をシズカにもう
一度かけてやっていた。
「それにしても、すごいおムネですこと」
 成熟前に枯渇した自らの果実を少しだけ惜しみながら、毛布越しにもわかる
その膨らみにすこし嫉妬するマリアであった。
「えいっ、こいつめえっ」
 ぴん、と指で先っぽを弾いてみる。
「きゃはん、くすぐったいのぉ」
 予期せぬ小さな犯行であった。
433名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:13:36 ID:O3/EyMdL
 暗がりの道の途上に、シズカが目を覚ましたのはマリアの背中の上であった。
「あふ、あんた、ここはどこよお」
「ええ、もうすぐ、お屋敷、ですからね。もうちょい、ですっ!」
 息を切らしたマリアが途切れ途切れの声で答える。
「……って、マリア。お前、ここまで歩いてきたの?」
「ええ、そうですよ、そんなに、遠くは、ないですから」
 はあはあ、と答えるマリアだが、もう三十分は歩きとおしである。
「ったく、貧乏ったらしいわね、お金は出してあげるからタクシー拾ったらい
いだけのことじゃない」
 シズカが口を尖らせる。
「いいえ、奥様、贅沢は、敵ですよ」
 はあはあ、とマリア。実はかなり汗もかいている。背中にいるシズカの胸も
したたかに濡れているのは内緒であった。
「あんた、無理すると腰をやるわよ?」
「いいえ、私も、若い時から、ずいぶんと鍛えているものですからっ」
 会話として整合するのが不思議ではある。
「ってことはもしかして、さっきの料理も……?」
 ちらりとマリアの手首に結わえられている包みに目をやる。
「ええ、もちろんです。食べられないぶんは、包んでもらいましたから、よろ
しかったら、お夜食に、でも、どうぞ」
 うげっ、と舌を出してシズカは嫌な顔をしたが、その一瞬後にはふいに真面
目な顔になって、
「うん、そうね、おにぎりとか残ってたら貰おうか」
 がさがさと、ひったくった包みからしけった海苔に包まれたおにぎりを取り
出していた。
「シャケよねえ」
「シャケですよぉ」
 背中の上で、器用にむしむしとおにぎりを頬張るシズカ。
「でも、奥様はお金持ちのわりに、そんなに食べ物の好みはうるさくはないの
ですねえ」
 感慨深げにマリアはうんうんと頷いていた。実は、晩のおかずなんかも鯖の
煮付けとかチャーハンとか、わりと俗っぽいものが好物だったりするシズカな
のである。
「別に、私だって生まれついての金持ちじゃないんだもん。お金、なんて、そ
う、お金なんてそんなもの……」
 ふいに、シズカの脳裏に古い光景が蘇ってくる。二度と戻らない大切だった
時間を、行き違いから無くしてしまったその場所を。
「ええ、でも、お金がないと借金のカタに、私みたいに若さを巻き上げられて
しまいますから」
 ぽつり、と言葉を漏らすマリア。やはり彼女も少しだけ酔って口が軽くなっ
ていたのだ。
「ばっかねえ、そんなのはちっぽけな問題よ。時間は金で買うものよ」
 
 そう言って空を見上げる二人の頭上には薄雲に隠れてぼんやりと明るい月の
姿があった。
「そうね、そんな楯付くようなことばかり言っている不謹慎なメイドには私と
お揃いの水着で海辺の注目の的になってもらわなきゃね……」
 ゆりかごのように揺れる背中の上で、いつしか暴君は潮騒の夢の世界を見て
いたのだった。夏はもう、すぐそこにまで近づいていた。
434名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:17:24 ID:O3/EyMdL
 と、今回はここまでです。続きものを手掛ける中、間にSSをはさむのは大概
にしておこうかな、と自省しているところです。お付き合いありがとうございま
した。また、「読んでいる」とおっしゃってくださった方には本当に感謝してい
ます。この場を借りてお礼申し上げます。
435名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 19:34:51 ID:R9O+JawW
おお、言ってみたかいがあった!

GJであります!
436名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 23:10:54 ID:ux4MbICa
おお!続き来てる
437名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 01:41:53 ID:VLBCFXbp
>>410
最後の所のセリフ間違えてるな
>>「ホント、いつ見ても凄いねーミサキのオッパイ。さすがGカップは違うわぁ。」
→「ホント、いつ見ても凄いねーヨーコのオッパイ。さすがGカップは違うわぁ。」
こう変化しないと
名前はミスしやすいから何度もチェックしたのになぁw
('A`)
438名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:14:39 ID:Gm9yNCGp
>>437
ドンマイ!!
すばらしい内容でした!!
439おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:00:38 ID:GFMNMxSM
※暗いです


同じ親から、同じ日に生まれ、同じ顔を与えられ、同じ土地で育った。
同じものを見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わい、同じことを学んだ。
そして、同じような恋をして、同じ顔と結ばれた。
なのに――なのに、どうして?
どうして私は全てを失って、どうしてあの子は何一つ失わないの?
どうして私は独りなのに、どうしてあの子は幸せに囲まれているの?
どうして――私が神様にそう叫んだ夜に、私に悪魔が囁いた。

◆◇◆◇◆

双子はそれほど似ていない。もちろん、一卵性双生児の話だ。
それは私自身、双子だから断言できる。
どんなに顔の造作が同じでも、表情が同じ時は一瞬もない。
どんなに同じ親から生まれ、同じ環境で育っても、全く同じことを感じたわけではないはずだ。
でも、同じ顔に恋をしたことは、確かに私たちは双子なのだと確信させた。
ただ、勘違いしないで欲しい。確かに顔は同じだが、相手も双子だったというだけで、
私たちはそれぞれ別の人と恋に落ちた。
その相手の双子も、私たちと同じくらい似ていない。
そう、双子はそれほど似ていない。そして、そう思っていたのが私だけだったことこそ、
その証拠になるはずだ。


今日もまた、私は姉――由美の家に来ていた。チャイムを鳴らす必要はない。
合い鍵を持っているからだ。
ドアを開けると、そこはいつものように静かだった。
(無人ってわけじゃないのに……)
由美がいるはずだ。しかし、この家は一人には広すぎる。
義兄が亡くなったのは、もう一ヶ月も前になる。
夫とは一卵性双生児で、同じく双子である、私の姉と結婚した。周りはさすが双子だと
はやし立てたが、大きなお世話だ。
義兄は子供を助けるために、交通事故に巻き込まれたらしい。子供は無事だったが、
義兄は打ち所が悪かったと聞いている。
立派な最期だったとは、口が裂けても姉の前では言えない。義兄を失った姉は、
まるで死人のようだった。
その様子が、あまりにも異常だったから、毎日のように様子を見に来ている。
しかし、姉は未だにふさぎ込んだままだ。
さりとて、私が同じ目にあったらと考えたら、強くも言えない。
こんな時、双子同士で結婚したのが仇となった。できればしばらく一緒に暮らしたい
くらいなのだが、夫を見る姉の目が辛すぎる。
440罪双つ ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:03:53 ID:GFMNMxSM
とにかく、早く元気を出してもらいたい。義兄には悪いが、誰か別の相手でも紹介
すべきだろうか。ただし、弱みに付け込むような男は論外だ。姉には、嫌でも男は
寄ってくるだろうから、しっかり私が見繕わなければ。
姉は美人だ――私とは違って。
学生時代、明るい姉は学園のアイドルだった。同じ顔でどうしてこうまで違うのかと、
当時は悩んだものだが、同時に姉は私の誇りでもあった。早く、その昔の姉に
戻ってほしい。心から、そう思う。
一応呼びかけながら、玄関を上がり、階段を登る。そして寝室に到着した私は、
ちゃんとノックをし、呼びかけた。
「由美ちゃん、おはよう。ねえ、ご飯持ってきたから出てきて。一緒に食べよう?」
「……うん」
良かった。返事はある。なら、今日は比較的調子がいい日だ。
中から物音が聞こえるが、時間はどんどん過ぎていく。私はそれを、ひたすら扉を
見つめて耐えた。
そして――
「おはよう……」
出てきた由美は、いつものように――いや、返事に反して、いつも以上に生気が
なかった。だから私は、できるだけ明るくつとめた。
「おはよう。下に行こ」
そして歩き出す私の後ろ姿を、少しの間、由美がじっと見てきているのには気づいていた。
しかし私は、気にせず歩き続けた。


朝食を食べ終えて、しばらく雑談する。この一ヶ月、外に出ようともしなければ、
テレビや新聞も読まない姉相手に、私は色々なことを話す。少しでも、外に興味を
持ってもらわなければ。
「……今日、病院?」
いつもは一方的に私が話しかけるだけなのだが、今日は珍しく由美から話題が振られた。
歓喜に心が踊る。しかし、ここで焦ってはならない。
「うん、午後にね」
「もう、四ヶ月だよね。体は?」
「うん。大分楽になったんだよ」
「そう……」
私は今、妊娠している。姉にとって、私の幸せな話題は、不快に感じるかもしれないと、
できるだけ話題には出さなかったが――
(気にしてくれてたんだ……)
こんな優しい姉に、なぜあんな不幸が起きたのか。私は神様を憎んだ。
441罪双つ ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:12:58 ID:GFMNMxSM
◆◇◆◇◆

部屋に飾ってあった人形を、抱っこしてみる。軽すぎる感触に、私は肩を落とした。
先ほどの恵美の浮かべていた微笑みが、脳裏に浮かぶ。あれはもしかしたら、
私も手にしていたかもしれない幸せだ。
「う、ああああああ――」
突如湧いた衝動を抑えきれず、私は、腕の中にあった熊のぬいぐるみを地面に叩きつけた。
しかし、柔らかな布の塊には、大したダメージは見受けられなかった。
それがさらに、自分の心を苛立たせた。無言で何度も、何度も人形に足を振り下ろす。
何度も何度も。何度となく足蹴にし、床を突き破れば、私は熊と一緒に一階まで
落ちるだろう。この程度の高さでは不安はあるが、打ち所が悪ければ死ねるかもしれない。
妹は、即死をもたらすものはこの家から取り去ってしまった。今あるもので死のう
としても、妹や、妹が頼んだ家政婦に見つかる。
まだか。まだ熊を、床を突き破らないのか。苛々が増す。ともに疲労も。
私は、何一つ壊すこともできないまま、その場に座り込んだ。すると、
『ひっどい妹だねぇ、ありゃ』
「うるさい」
『あんたの前で、あんな幸せそうに話すなんてよ。ここに来てるのだって、世間体とかを
気にしてだろ。その上、死ぬ自由すら奪うなんて、酷すぎる』
気付けば視界の端にいた薄汚い男が、頭に手を当てて、芝居がかった挙動で首を振っていた。
『そんな妹を、なんで庇うかねぇ』
「恵美は、ほんとに優しい子よ……自分だって今辛いのに、私のためにこんなに……」
『だが、その辛さの先には幸せが待っている』
悪魔だと名乗ったその男は、人を馬鹿にした笑顔を決して絶やさなかった。
こちらが何を言っても、それを否定する言葉を返してくる狡猾さは、昨夜で嫌と
いうほど味わった。無視が一番だ。
『おや、寝るのかい?』
何も言わず、ベッドに横たわる。
『食っちゃ寝ってのは、健康に悪くないかい?』
悪魔が何を言う。
『ま、俺がいい夢見せてやるよ』
(え?)
どこまでも楽しげに、笑みと同じ声音を絶やさない。この男の存在全てが、全ての
ものを嘲っている。
その嘲笑に包まれて、私は眠りの世界に落ちた。
そしてそこで見せられた、私の望む夢に包まれて、私の心は闇に堕ちた。
442罪双つ ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:15:44 ID:GFMNMxSM
◆◇◆◇◆

今日もまた、私は姉の家に来ていた。いつものように、鍵を開ける。
家中は、今日も静寂に包まれていた。その張り詰めた静けさを切り裂くように、
姉に呼びかける。
返事がないまま、階段を上り、寝室に到着した。今日もノックをするが、今日は
返事がなかった。
「入るよー」
少し待ってから、ドアノブに手をかける。この部屋には、鍵がかけられないように
なっているため、容易く開いた。
ゆっくりと扉を開ける。部屋の中は、いつものように真っ暗だったが、私の背中から
差し込む光と対峙するように、由美が立っていた。
「なんだ――ひっ」
俯いていた姉が顔をあげた。伸びっぱなしになっている前髪から覗く視線から、
尋常ではない気配を感じて、息を呑む。その姿は、怨霊めいていた。
『どうも』
「ゆ――え?」
声をかけようとして、いつの間にか視界の端にいた男に、逆に声をかけられた。
「あなた、なんですか……?」
見覚えはないし、姉の知り合いとも思えない。薄汚い姿は、ホームレスを思わせる。
なにより、人を馬鹿にしたような笑みをはりつけたこの男を、本能が危険だと告げている。
「警察を――」
『じゃあ、夢の始まりだ』
こちらを無視して、由美に話しかけるその男。関係ない、本気で警察を――携帯を
取り出そうとして、入れていたはずのポケットから取り出せない。
早くしないとあの男が何をするか――
「え?」
睨みつけようとして、男の姿は、泡と消えていた。いったい何処へ――部屋を見回す。
(え?)
すると、おかしなことに気づいた。私は扉から動いていないはずなのに、部屋の
中にいた。そして逆に、扉のところには由美が立っている。私と同じ服装で。
(なに?)
そういえば、先ほど携帯を取り出そうとした時の違和感を思い出し、下を見る。
私が着ている服も変わっていた。由美が着ていたような、ゆったりしたものに。
「ねえ、由美……さっきの――」
気がつけば、目の前に来ていた由美に蹴り倒され、彼女がのしかかってきた。同時に、
由美の手が、首にかかる。それは、万力のように締め付けてきた。
「がっ、かぁ……」
「死んで。お願い。ねえ。死んで?恵美」
443罪双つ ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:17:58 ID:GFMNMxSM
恐ろしい力だった。この一ヶ月で、まるで病人のようにやせ細った体とは思えない。
逆に私は、まるで力が出せなかった。
「あなたが死ねば、全部戻ってくるの。全部。全部――あの人も、帰ってくるの!」
「や…………やめ…………」
「大丈夫、あなたは死なない。私があなたになるんだから。死ぬのは私。死ぬのは由美」
「…………」
ごぼごぼと、何かが溢れてくる。もはや、意識は途切れ途切れだった。
「赤ちゃんも、大事にするから」
――――
「だから。だから、ごめんね。あなたなら、きっと天国に行けるから。ごめんね」
――――同じ顔を、二つ見ていた。倒れて弛緩している女と、それにのしかかる女。
それを、横に立って、私は無感動に見ていた。
馬鹿だな、お姉ちゃん。私は死んだのに、まだ首を絞めて。
首を締めるのと同じように、いつまでも謝り続ける姉を、ずっと見ていると、声が
聞こえた。その声の主は、自分を悪魔だと名乗った。

◆◇◆◇◆

「由美!」
「……孝治さん」
警察署の中だが、駆け込んできたその男は、構わずに大きな声で呼びかけてきた。
「由美、義姉さんが……本当なのか?」
「ええ、見つからないの……」
違った。先ほどつぶやいた名前ではなかった。この人は隆治。妹の――いや、今の自分の夫だ。
「警察には?」
「全て話したわ……今、探してくれてるって……」
でも、この人の中に、あの人の魂は入っているはずだ。それを呼び起こせるかどうかは、
私次第だと悪魔は言っていたが。
「由美……兄さんのことといい、どうして……」
今はまだ、愛する人ではないけれど。愛する人と同じ顔に抱きしめられて、私は、
昨日見た由美が見せた笑顔と、同じものを浮かべた。自分のお腹を撫でながら。

◆◇◆◇◆

まったく、ちょろいねぇ。一気に双つも魂を頂けるとは、本当にちょろい。
ちょっと嘘を見て聞かせただけで、妹を犠牲にする姉も姉だがよ。
同じものを見せられて、自分の子供を犠牲にする母も母だわな。
ま、ごちそうさま。
444おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA :2010/03/05(金) 17:20:00 ID:GFMNMxSM
以上。
将来的にこの家族は、そっくりの顔をした母と娘でお父さんを取り合って、血で血を
洗う修羅場を〜(以下略
445名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 01:35:52 ID:i6bUpF4n
次スレはまかせろー
446名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 01:37:36 ID:i6bUpF4n
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267807016/
447名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 08:52:26 ID:i6bUpF4n


┐ ∧,∧ 次スレは任せろー
..| ( ....:::::::)
 ̄⊂/ ̄ ̄7lヽ,,lヽ
 と/ / / /(    ) やめて!
   ̄TT ̄ と、  ゙i 
448名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 13:58:22 ID:1QaGvZw8
>>447
同じこと思ったwww
449名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 22:47:37 ID:CS/U7BXf
バリバリ
450名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:50:20 ID:Pk/oo0pi
うめ
451名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:51:21 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧
     ( ・ω・)
     (っ  つ囗
     ./   )      チャリーン
     ( / ̄∪    _ _ lヽ,,lヽ
       _| ::|_       | |Θ|(    )
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と    i
  |___|__|_|  |_|  しーJ





     ∧_∧
     ( ・ω・)
     (っ囗と) バリバリ
     ./   )
     ( / ̄∪    _ _ lヽ,,lヽ
       _| ::|_       | |Θ|(    ) やめて!
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と    i
  |___|__|_|  |_|  しーJ
452名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:52:58 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧       ∧_∧
     ( ・ω・)      (; ' A` )
  三 (っ囗と)バリバリ (つ   ,ノつ
  三 人 ヽノ      / ゝ 〉
   (__(__)     (_(__)


                ∧_∧     ∧_∧
               (;Д⊂彡  三(・ω・ )
              ⊂    ノ  三三(っ囗と)バリバリ
                人  Y    三(_,\ \
               し (_)        三___)


       ∧_∧     .   .    ∧_∧
       ( ・ω・)    ::∧_∧:   (・ω・ )
      (っ囗と)バリバリ:( ∩∩ ).    (っ囗と)バリバリ
      ./   )    ::(´ ノ ノ::     (   \
       ( / ̄∪     ::( ̄__)__)::    ∪ ̄\)
453名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:53:28 ID:Pk/oo0pi
   ∧_∧   \      J( 'ー`)し          /
   ( ・ω・)    \ バリバリC□l丶l丶       /    ∧_∧
   (っ囗と) バリバリ \    /  (   )やめて!/    (゚ω゚ ) 支払いは任せろー
   ./   )       \  (ノ ̄と、 i    / バリバリC□l丶l丶
   ( / ̄∪    __ lヽ,,lヽ   ∧∧∧∧  /      /  (    ) やめて!
    _|. ::|_      | |Θ|(    ) <   マ >       (ノ ̄と、   i
| ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と    i. <   ジ >           しーJ
|___|__|_|  |_|  しーJ < 財 ッ >         
―――――――――――――< 布 ク >―――――――――――――――――――
                    <の テ >\      /^`''-..,
  「バリバリ〜〜♪」     /< 予  l  >.  \   //  /`〉゙'.,
    /■\   /■\  / < 感 プ >   .\ //  / /;;::|
   .( ´∀`)  ( ´∀`)/   <  !!! 式 >    //  / / ;;:::/
  ⊂    つ⊂   /     <     >     ヤ,\/ / ;;::/
   .人  Y   人/        ∨∨∨∨      ヤ, V/ ;;::/ ミ バリバリ
   し'(_)   /  乗せてやんよ!  .,... -―――――ヤ,//7::/  ___
                     ,,..-''"(´・ω・`)    ヤ,/_;;:::/ヽ、\皿#,,\
              ,,.. -''"゙゙;>ー―---――;=''''"゛゛⌒ヽ, ̄ィ7  /〉  ''´ ̄`i マジック
            ,,. '"  ,,.'"        /    /   ヽェソ 乃▲ /,r'⌒!'  テープ式!?
          ∠二フ/___,___/∠二フ/  r'⌒ヽヽ_/´   //∩ i    lヽ,,lヽ
         〔`゙`ー―――――――――'''''"゙´   / ∩ |  ̄___!/ノ ∪ノ   (    )
          〉同〉―― [二二] ―――j同>=:;つ_ノ ∪ノ/ ̄  `ー―''´    と   i  
454名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:54:55 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 支払いは任せろー
 バリバリC□l丶l丶
     /  (   ) やめて!
     (ノ ̄と、 i
        しーJ

     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) ・・・・
     C□l丶l丶
     /  (   ) ・・・・
     (ノ ̄と、 i
        しーJ

     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 
   バリC□l丶l丶
     /  (   ) 
     (ノ ̄と、 i やめて!
        しーJ
455名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:56:04 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 支払いは任せろー
 バリバリC□ l丶l丶
     /  (    ) やめて!
     (ノ ̄と、   i
            しーJ


     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) ・・・
 バリバリC□ l丶l丶
     /  (#   ) ・・・
     (ノ ̄と、   i
            しーJ


     ∧_∧
     ( ゚ω゚ )ヘ
 バリバリC□⊂)#)  やめてって
     (つ .とノ)
     (ノ ̄(ノ/
        し'⌒U


            ミヘ 
.          〃 _⊂_〃 ヽ 
      〃 /   つ)  ) バリバリ
       /   / V __  )
       し'⌒∪  ∨ ∨

  言ってるでしょうが!
456名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:56:24 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) でもこれがポーターの財布だとしたら?
    C□l丶l丶
     /  (   ) ・・・
     (ノ ̄と、 i
        しーJ

     ∧_∧
     ( ゚ω^ ) 
 バリバリC□l丶l丶
     /  (   ) ふしぎ!抱いて!
     (ノ ̄と、 i
        しーJ
457名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 13:56:59 ID:Pk/oo0pi
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) では血圧を測ります
 バリバリC□l丶l丶
     /  (   )
     (ノ ̄と、 i
        しーJ
458名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 22:15:24 ID:dK8g6mRa
伸びてると思ったら・・・
     ∧_∧
     ( ゚ω゚ ) 入れ替わりは任せてー
バリバリ⊃CCl丶l丶
     /  (   ) やめて!
     (ノ ̄と、 i
        しーJ
460名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 21:11:21 ID:TlPbfpBb
私、男だけどアマゾンから送られてきた荷物をカーチャンに開けられた 死にたい。。

     
     J( 'ー`)し んま!最終痴漢電車2!
 バリバリC□l丶l丶
     /  (   ) まじでやめて!
     (ノ ̄と、 i
        しーJ
461名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 21:18:36 ID:eWPHu4rO
ふと思いついたネタなんだが、高値の花のお嬢様を犯したいから
自分の良いなりになる女と共謀して入れ替わり、知らない内に体を
散々開発しきってやるっていうシチュは既出?
462名無しさん@ピンキー
保管庫に似たようなのがあったな、お姫様と娼婦を入れ替えるやつ
知らないうちにじゃなくて目の前で色々やってたけど

まあそういうのは新スレで言ってみるといい